魔弾の王と戦姫と天災 (ムリエル・オルタ)
しおりを挟む

プロローグ

見切り発車で書いてしまいました。
後から修正やら色々やっていきたいです。


基本は原作に沿わせます。ティグルのヒロインはエレンが確定です。それ以外は考えていきます。そして、ハーレムのタグを書きながらオリ主のヒロインも未定なのでこれから考えていきたいです。




では、どうぞ!


あるところに世界に、神に愛された男が居た。男はやること全てが成功し、何をしても優秀な成績を残した。最初は親も優秀な息子を褒め、しきりに喜んだ。

 

しかし、次第に親は息子の異常さに気が付き腫れ物を扱うような接し方をし出した。それから男は高校生になると親

戚の家を転々とし出した。何処の家でも腫れ物を扱うように接され、男は何時しか他人を見ないようになった。

男はやれることは粗方やり、暇になった。何をしても一回練習するだけでプロ顔負けの技術を披露してしまう。その所為で色々な業界から目の敵にされた。男は家から出なくなった。

 

家の中で通販のみで生活していた男はあるモノに目を付けた。それは、アニメだった。男は何気なしにそれを見始めた。やることの無い、興味を失っていた男はアニメにドップリとハマった。通販でグッツを買い、部屋がグッツで埋ってしまうほどにハマった。しかし、男がアニメを見るスピードに対してアニメの出るスピードが追いつかなくなった。すると男は色々な観点からアニメを見るようになった。そうやってアニメを見ていると男は思った。「現代でそれらは再現できないのだろうか?」と。常人だったら「何を馬鹿な」と笑い飛ばすだろう。しかし、男は世界から神から愛された男だ。才能もさることながら頭脳すら世界最高峰と言っても良かった。

 

男は決断すると同時に大学受験をした。学院に行くためである。男の頭脳を持ってすれば大学も、学院も造作も無かった。大学から学院へ主席で入り、そこでも男はその才能を頭脳を遺憾なく発揮し注目を集めた。

そして、無事に学院を出ると男は研究職になった。正確には、開発者とも言える。

 

研究職になって壱年目、ガンダムを理論上製造できる論文を出した。同時に宇宙に移住する際に起こるであろう諸問題の解決策を出した。この論文に対して世間は失笑を浮かべる者、尊敬する者、畏怖する者に別れた。

 

研究職になって四年目、男は論文を出さなくなった。世間は死んだのでは無いか?殺されたのでは無いか?何処かの国に所属したのでは無いか?と様々な憶測が流れたが男はそれ以降表舞台に現れることは無かった。

男はあるアニメの贋作を作ろうとしていた。現代科学で出来ないのならば自ら機械を開発すれば良い、世界が自分を狙っているなら全ての目を欺けば良い。幸いにも自分にはそれを実行出来るだけの技術がある。

 

こうして男は世界から消え、研究に没頭した。

 

しかし、アニメはアニメ。ファンタジーを実際に再現することなど出来るわけが無かった。男は分っていながら諦めず試行錯誤し、どうにかあるモノを理論上のみでは実現可能にした。

だが、遅すぎた。余りにも時間を掛けすぎた。男が世界から消え引きこもり研究し始めてから既に八十年の時が経っていた。大学院を出たときが二十代後半。近代では平均寿命は上昇傾向だが、男は執念で生き続けていた。

そしてある夜、男は研究半場で死んだ。老衰だった。それから三日間、世界を豪雨が襲った。まるで男の死を悲しんでいるかのように。この時、ある教会関係者が「世界が、神が泣いている」と言ったらしいが真偽は闇の中だった。

 

世界は神は悲しんだ自らが愛した男が死んだからだ。自ら愛情を注ぎ、加護という加護を授けた男が死んだ。しかも、志半ばで死んだのだ。世界も神も悲しみに暮れた。

そして、世界と神は自らの力を使い異世界を作った。男が死ぬ最後まで再現しようとした技術、現象、武器。それらがあった世界。「Fate」の世界を。そして、輪廻の輪に帰ろうとしていた男の魂を確保しその世界に送った。今度こそ再現させるために。

 

男は死んだはずが目を覚ました。そこは見知った研究室。しかし、何やら細部が違った。見覚えの無い文献、持ってきた覚えの無い発掘品。男は警戒しながらそれらを調べていった。文献を読み進めていく内に男はある一つの仮説を生み出した。男が再現しようとしたアニメの世界であると。そこから男の行動は速かった。自らの才能、頭脳をフル回転させ世界各国から合法非合法関わらず様々な英雄の遺物を集めた。それを解析しては新しくものにした技術を使い再現しようとした。

 

しかし、甘かった。世界と神が無理矢理輪廻の輪から外した後遺症か男の体は病弱になっていた。咳き込めば血を吐き出し、頭痛が襲う。内臓も弱くなっており食事も病院食の様な物になっていた。新しい生を成就した矢先に男は自分に時間が無いことを悟った。

 

すると男はただせさえ病弱な体に鞭を打ち、寝る間を惜しんで研究に没頭した。そんな生活をして二十年経った。男は自分が意外にも長生きしたことを笑いながら死んでいった。研究は今度こそ成功した。

前世では贋作で良いと妥協していたが折角その世界に来たんだ。贋作では無く本物を作ろうと男は奮発し研究した結果、男はあらゆる英雄の力を手に入れた。代償は自らの体と命。余りにも大きな代償だったが男はそれでも満足そうに死んでいったのだった。

 

世界も神もそれに満足し男を輪廻の輪に戻し、来世の幸福を祈った。しかし、ここでイレギュラーが発生した。男の魂は輪廻の輪を通った後、消えたのだ。本来、輪廻の輪を通ると魂にある記憶が全て消去され新たな生命としてもう一度世界に戻っていくはずである。にもかかわらず、男の魂は何処にも見当たらない。世界も神も血眼で探したが結果は見つけられず。嫌々ながら世界と神は男の魂を諦めることにした。

 

この時、男の魂は記憶の全消去されないままある異世界にたどり着きこれまたその世界で最後となった魔術師の女性の中に入っていった。新しい生命が宿った瞬間だった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魔弾の王と自由落下の天災

とりあえず原作小説が手元にあるのでそれを見ながら書きました。

ついでにジンクスを組み立てながら書きました。やっぱり量産機が一番だなぁ。

正直オリ主の設定的に永遠に独身な気がしてならない作者です。



では、どうぞぉ!


男は天災だった。一度習えばそれを直ぐにものにする。その所為で人に拒絶されてきた男には交際歴所かまともに女性と話した記憶など遙か彼方、まだ男の異質さに気付かなかった母親との取り留めない会話くらいである。

 

人生二度目は既に体が成熟した大人だった為親など知らなかった。そして研究に没頭していた為女性と会話などしていない。

 

何が言いたいか分らないだろう。お察しの言い方は分ったかもしれない。そう、男は天災だが女性に対しての免疫が限りなくゼロに近いのだ。その上性欲などは探求欲に上書きされ無くなっていた。

まぁ、つまり、あれだ。

 

「も~、アー君逃げないで~!」

「えぇい!鬱陶しい!なんで追いかける!?」

 

女体に耐性が無く、何が何でも逃げようとするのである。

あの転生した男の今の名は『アストルフォ・ラングレー』そして男…アストルフォを追いかけているのが母である『マリア・ラングレー』息子大好きな母親だ。

コレはいつもの光景だった。そして……………

 

「「あ」」

 

アストルフォは空中庭園(・・・・)から足を滑らせて落下したのもいつもの光景だった。アストルフォ、計弐万九千八百九拾八回目の自由落下である。

 

それ程までに自油落下しているアストルフォは至って冷静だった。どれ位冷静かというとそのまま寝落ちするくらい冷静だと言える。前世、前前世では殆ど睡眠を取らなかった。それに対して今世はコレまでの睡眠時間を取り戻すかのようによく眠る。そして起きれば母と愛の追いかけっこに興じる。なんとまぁ、単純な毎日を送っている。

コレまでも空中庭園から自由落下している。その際、何度か人の前や上着地、家にダイナミック入室している。何度か命を救った事もある。時に武力で時に霊薬で。

 

「(-_-)゚zzz…」

 

現に自由落下しながらアストルフォは寝てしまった。今世は「ホントに人間?」と聞きたいくらい体が丈夫なので怪我も打ち身程度で済むだろう。絵面は別として。

大体が誰も居ない場所に落下だが今回は下に人が居た。赤髪で弓を持った青年。その近くに居た老人が落下するアストルフォに気が付き指さしている。赤髪の青年も老人が指さす方向を見て落ちてくるアストルフォに気が付き慌てている。

 

アストルフォはそれを意に介さず思いっ切り寝ている。本当に自由な奴である。

赤髪の男は慌てて馬を下り、アストルフォをキャッチしようとアワアワと動いている。そして落下してきたアストルフォをちゃんとキャッチすることが出来るとホッと息をついた。

 

「大丈夫か?」

「ん?…………………(-_-)゚zzz…」

 

一瞬目を開けたがすぐに目を閉じまた眠ってしまった。やっぱり、自由な奴である。

 

~~~

 

「ふぁ~、よく寝た。ん、また落ちてる途中で寝ちしたようだな…………反省反省。っと、此所は何処だ?私もちょっと血が付いてる、汚い。私のマントは白だから汚れが目立つというのに……………」

 

アストルフォは起きた。そして辺りを見回すと死体死体死体死体死体死体。統一した鎧を着た者、バラバラではあるが壱カ所に集まって死んでいる者。何処を見ても死体しか無かった。

アストルフォはそのまま暫く辺りを見回した後、生存者を探すために動き始めた。

 

~~~

 

僕の名前はアストルフォ!参回目の転生を果たした人間だよ!僕はまた空中庭園から落下中に寝ちゃったぽくてその時赤髪のお兄さんが僕を抱き留めてくれたんだ。

これは新しい恋の始まり…………………………にはならないよ。僕は男の子とヤル気は無いんだ。

それよりこのテンションは妙に疲れるな。やはり理性が蒸発していた故になせる技か。

 

「とりあえず赤髪のお兄さんを探さなくちゃね」

 

独り言を呟きながら辺りを見回す。しかし、何処を見ても死体ばっかり………………………、居た!赤髪のお兄さん!

 

僕は赤髪のお兄さんの後ろ姿を見つけると駆けだした。しかし、体勢が変だ、アレではまるで矢を引き絞って射るよう…………って、人殺そうとしてる!?

 

「ストップだよ、赤髪のお兄さん」

「え?」

 

僕の言葉に驚いたのか赤髪のお兄さんは一瞬間抜けな顔をして矢を放った。矢は馬の眉間を打ち抜き乗っていた騎士を落馬させた。

 

すると気が付いたのかもう一人の騎士が此方に馬で向かってきた。護衛かな?一際逞しい馬に乗った少女が此方に目を爛々と輝かせながら向かってきた。何処かの武闘派貴族令嬢なのかな?服装も結構立派だし。見た目は別として。

 

「赤髪のお兄さん、銀髪のお姉さんの方を射って。騎士は僕がやる」

「え!?いや、君には弓が無い……………じゃ……………それは?」

「此所を無事に切り抜けられたら教えてあげる。僕の恩人だからね!」

 

僕はエンキを弓形にして光の矢を番える。本気でやると色々大変だから今回は赤髪のお兄さんと同じ様に馬だけ仕留めさせて貰おう。

 

僕が放った光の矢は馬の頭を消し飛ばした。……………オーバーキルだったね。ちょっと強く引き絞り過ぎた。

そうやって反省していると赤髪のお兄さんが負けていた。

 

神秘が殆ど無くなった世界で珍しく過去の神秘と同じ力を未だに包容している剣を持っている。選定の剣みたいに使用者を選ぶタイプだね。その代わり力は絶大。欲しいけど…僕は選ばれそうに無いし………………いいや。

 

「そっちの者も、名は何という?」

「僕?僕の名前はアストルフォだよ」

「家名は?」

「家名?ラングレーだよ。もう、僕と母さんしか居ないけど」

 

そう言いながら僕は笑った。それに対して少女はなんと言えば良いか分らない表情をしていた。

暫くの間沈黙が続いたが少女がその沈黙を破った。

 

「お前の服装はここらでは見かけない。一体何処の者だ?」

「僕は旅の者さ、そこの赤髪のお兄さんが命の恩人だから一緒に居るだけだよ」

 

そう言うと少女は一瞬キョトンとした顔をしたが次の瞬間笑い出した。

 

「アハハハハハハハハハハ!!!!!!!そうか、そうか。ならば、お前も付いてきて貰うぞ!待遇は捕虜としてだがな!」

「そこはどうでも良いかな。寝かせて」

 

僕はそう言うと同時に赤髪のお兄さんに向かって倒れ込んだ。

ふむ、やはりテンションが高いのは私には合わないな………。折を見て素で接するか。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

英雄の片鱗とキレ気味の天災

オリ主が永遠の独身を貫きそうで書きながら不安になる今日この頃。



疲れが抜けきらなくてグダグダしてます。もしかして歳かなぁ………。



それではどうぞぉ!



誰かに揺さぶられている。そして呼ばれている気がする。もう少し寝かせて、頼むから。物凄く眠いんだ。

 

「―――――――――――。――――――――――――――!」

 

お願い、申し越しだけ寝させて。僕は寝ないと死んじゃうんだ……………きっと。それでも揺らし続ける誰かに僕は痺れを切らして腕を掴み抱き寄せた。丁度良い暖かさだし、抱き枕にして寝よう。そんな事を考えていると息苦しくなった。何だろう……前に母さんとのやりとりでデジャブを感じる。

 

「ま、まさか……………!む、胸―――――――――――――――!?」

「落ち着いて下さい!そして私を離して下さい!」

 

声がする方向を向くとそこには顔を真っ赤にしたリムアリーシャさんが居た。それと同時に僕は悟った、「やらかした」と。僕は寝ぼけると自分でも何をしでかすか分らない。

顔が熱い。正直な所、意識が朦朧としてきた。前世も前前世も女性経験が殆ど無かった所為で自分でも分るくらい初心だ。いつかどうにかしないといけない。

 

「ご、ごめんなさい!僕も寝ぼけていて悪気は無かったんだ!」

「…………………………分りました。今回のことは水に流しましょう。それではアングレー卿、エレオノーラ様がお待ちになっている野外修練場に来て貰います。良いですね?」

「それは、拒否権が無いでしょ?」

「はい。形式上、貴方は我々の捕虜なので」

 

リムアリーシャさんにそう言われ僕は小さく溜息を吐いた後、リムアリーシャさんの後をトコトコと付いていった。途中でリムアリーシャさんが振り返り言ってきた。

 

「貴方はあまり辺りを見回さないんですね。ヴォルン伯爵と違って」

「ヴォルン伯爵って赤髪のお兄さんの事?まぁ、僕の場合家の方が凄いからね。いかなる国が攻めてこようと絶対に攻めることは出来ない庭だから」

 

そう言うとリムアリーシャさんは訝かしむ様な顔をしたが、すぐにいつもの無表情に戻り無言で進んでいった。

進んだ先では赤髪のお兄さんが的に向かって弓を射っていた。しかし、此所からでも分かる程弓の品質が悪い。張りの甘い弦撓まない。正直言ってただの弓の形をした塵にしか見えなかった。

 

もしかして、コレでこの国は戦っているのかな?

一瞬そう思ったがそれは間違いである事が分った。僕の視界の端に移った男だった。男はその顔に笑みを浮かべていた。しかし、此所で擬音を付けると『ニコニコ』では無く、『ニヤニヤ』だ。それと同時に僕の中である仮説が出来上がる。それは『意図的に低品質な弓を使わせた』だ。

僕は形式上捕虜の立場にある。対してお兄さん、ヴォルン伯爵はこの国の人達とは敵対していた国の貴族。あそこの神秘を包容した剣を持っている少女が何がしたいかは僕には今は分らない。だけどこの勝負で下手をするとヴォルン伯爵の命が掛かっている。

 

僕はわざとそうやって相手を貶める男に殺意を抱いた。前前世でのくだらない僕への誹謗中傷、そして意図的に僕を貶めようとする凡人共の悪意。

当時こそ余り気にはしなかった。所詮凡人共の嫉妬から来る愚かな行為だと思っていたから。今回も相手がヴォルン伯爵で無かったら僕はそのままスルーしただろう。

しかし、ヴォルン伯爵はいずれ英雄(・・)()になれる可能性を秘めた存在だ。争いが無くなり始めた時代に珍しく、これから戦乱が起こるであろう時代に生まれた英雄候補。そして、その良心。僕はそこに惚れたんだ。

 

あ、人間としてだよ?

 

そんな彼をこんな所で潰すのは惜しい。僕はマーリンに憧れたけど僕にあそこまでのウザさは再現できないから僕は彼の先にある障害を一緒に破壊する立場になろう。その為にも、ここで彼を殺させはしない。

 

「くだらないことをしているんじゃ無いよ。雑種共」

「ちょ、何言っているんですかラングレー卿!」

 

リムアリーシャさんが何か言ったが僕には関係ない。僕は手にエンキを出し、ズンズンと進む。

 

「えぇと、アストルフォであってるよな?」

「うん、僕の名前はアストルフォ。今から君を導く者さ」

 

そう言いながら僕はエンキを繋げ弓状態にする。光を収束させて矢の形状にする。それを上空に向かって撃つ。

すると空の一部から三人の人影が出て来た。

 

「法皇猊下の仇!」

「我らに神のご加護を!」

「死ね!反逆者!」

「全く、君らでは僕の相手にならないんだよ。だけど、少しいたぶってあげよう」

 

僕はエンキを仕舞い、代わりに邪ンヌの旗を出す。敵三人は一人が長剣、二人目はダガー、三人目は槍、どれも少量ながら神秘を宿している。

長剣を持つ男が斬りかかる。僕はそれを旗でいなすその間に背後に回ったダガーの男が首筋に向かってダガーを突き立てようとする。それを屈むことで避け、がら空きになった腹に向かってケリを入れる。

 

「何度も言うだろう。()はお前等凡人の為に帝位に就く気は無い」

「何故ですか!我らが誉れ高きヘルシング魔導帝国は貴方が最後!貴方が帝位に就き、舵をお取りになるのならば我々は永遠の忠誠を捧げるというのに!」

「もう何を言っても無駄だ!ヘルシングの名を捨てた奴に我らの崇高さが分るはずなど無い!」

「そうだ!ここで此奴を殺し、神秘を奪えば良いだけだ!」

 

好き勝手に言ってくる雑種共に私の感覚は研ぎ澄まされていく。

私はこの場での戦闘は必要以上に混乱を招くと思い、ここで終わらせようとある事をした。

 

「お前等に生きる価値は無い。凡人がいくらほざこうが私には関係ない。だが、我ら魔導帝国の時代は終わった。愚かな貴様等凡人が神では無く幻想種に救いを求めた時点で既に終わっていた!」

 

その言葉と同時に三人の男を中心に真っ黒な剣を形取った炎が出現し、そのまま男達に突き刺さった。男達は断末魔を上げること無く人型の灰になり死んでいった。

 

「魔導帝国は終わったんだ。僕の代で………………僕らが人間を導くことは出来なくなったんだ」

 

そう言って僕は徹底的に燃やし続けた。そして周りを確認する。僕を囲むように槍を構える兵士、遠目で壁の上で捕らえられている怪しい人物。そして冷や汗を凪がしながら此方に剣を構える銀髪少女。

 

「先ほどから貴様に対してコレが怯えている。どういう事だ?」

 

そう聞いてくる銀髪少女に対して僕は微笑を浮かべながら答える。この時、僕は服装を黄金の鎧、ギルガメッシュの鎧に替え片手にエアを持って答える。

 

「かつてあった超大国、ヘルシング魔導帝国が()皇帝。アストルフォ・ダルク・ヘルシングさ。そして遙か昔居た神より授かった原初の剣。乖離剣エアだ」

 

その笑みは若干の自虐が入っていた。




あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

書くこと無い(;´Д`)


まぁ、良いか。では(^^)ノシ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

戦の前触れと天災の過去

少しばかりネタが出しにくい…………ネタあるのに…………。そこまでどう進めるかが問題。


誰かコラボしませんか?(唐突)


それでは本編です。


「ヘルシング魔導帝国?かつて滅んだと言われる国か…」

「そう、そこの私は第三代皇帝だった。まぁ、もう国は無いし元皇帝になるが。でも、当時からの私の………私達皇家の財は尽きていない。その証明が乖離剣エアとこの神の加護を受けし黄金の鎧だ」

 

そう言ってエアを一撫でする。この世界ではエアにも感情があるらしく優しく撫でると風を出して喜んでくれる。

私のエアを見ている銀髪少女エレオノーラはエアを見ながら呟いた。

 

「私の剣が怯えている…………。それに、それは剣なのか?刃がないぞ?」

「コレは原初の剣。神に寄って作られた最初で最後の剣。エアを全力で振れば海も時空をも切り裂き、世界に終焉をもたらす事が出来るよ。そして君の剣は龍種。つまり幻想種最強なだけであってこの剣を作った神には勝てないから。それが答えだろう。」

 

そう言って肩をすくめるが周りは槍を引かない。そのにエレオノーラは真剣な顔で僕に聞いて来た。

 

「貴様に聞こう。貴様は敵か?味方か?」

「私は味方さ。全ての英雄になろうとする人間のね」

 

そう言うとエレオノーラは一瞬キョトンとした後大声で笑い始めた。

 

「あははははははははは!面白い奴だ。良いだろう、信じてやる。だが、私の言うことには従って貰うぞ?」

「それに関しては確約できない。財を寄越せとかは駄目な上に、僕に戦闘を全て任せるのも駄目だ。それでは、英雄は誕生しない」

 

そう言ってエアと鎧を消す。そしていつもの女装モドキをする。見た目はアストルフォなんだ。この服が一番だろう。

 

私はそれだけ言うと来た道を戻ろうとした。何故か?それは眠るためさ。私は物凄く眠い。正直、立っているのもやっとなくらい。思考が鈍化してまともに考えれない。

廊下をフラフラと歩いているがもう限界……………。

 

その時、私を抱く誰かの感触があった。鼻につく匂いはコレまで嗅いでいたことのある匂い。それと同時に鈍化して眠りにつこうとしていた脳が強制的に起こされる。

 

「か、母さん!?」

「もう、何時までもアー君帰ってこないから私が迎えに来ましたよ」

 

いかにも私怒っています。と表現するかのように頬を膨らませる母さん。いや、何処から来た?空中庭園は?まさか墜落したとかないよな?

そんな事を考えているとまた私と母さんを中心に兵士が槍を構えた。そして頬を引きつらせながらエレオノーラが来た。

 

「お前は何故連続で問題を起こす?」

「いや、問題を起こしているつもりは無いよ。それに、これは私の母さんだし。ところで、母さん。空中庭園は?」

「大丈夫よ。ちゃんと上にあるから」

「「「上?」」」

 

母さんの言葉にその場に居る全員が中庭から空を見上げた。そこにはこの城以上…………………だと思われるほどの大きさの建造物が……………。

 

「母さん、目立ちすぎだ。アレは片付けれないんだからもう少し慎重になってくれ!」

「ごめんなさいね。ちょっと礼装を作っていたら忘れていたわ」

 

私はそう言われた瞬間「あぁ、そう言えば母さんはそうだった」なんて思いながらorzしていた。途方も無い脱力感と同時に先ほど吹き飛んだ眠気が津波のように押し寄せてきた。私は今度こそそれになすすべ無くのみ込まれそのまま倒れるように眠りについた。

 

そこに兵士が来てエレオノーラに言った。「アルサスに向かってテナルディエ公爵軍が進行しているようです」と。

 

物語は進む。英雄の物語として、哀れな天災の物語として。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

聞こえるか、この鐘の音が

じぃじ(見た目と能力)回です。


次に私が起きた時には私はヒポグリフに乗っていた。なんでか知らないけど乗っていた。

 

「いや、何故だ」

「アー君が寝ている間に運ばせて貰ったよ。それで、今は敵が陣を引いている場所に向かっているの」

 

母さんにそう説明される。一応、千里眼で過去を確認し、コレまでに何が起こったのかを軽く確認する。

その中に見過ごせないモノがあった。略奪だった。

かつて世界を治めた我ら帝国は国内での争いには基本無干渉だった。いくら大陸全土を手中に納めたところで完全な統治は出来ない。ならば、いっそ最低限の規則を設けて不干渉を貫くことにしたのだ。勿論、納められる範囲は自らの手で収めていた。

 

私の代で神秘は先細り、既に無いも同然になっていた。そこで私は帝国をいくつかの王国等に分け、かつて私達皇帝が定めた規則を下地にそれぞれ納めさせた。

その中にこうある。

 

『汝等、略奪するべからず』

 

しかし、千里眼で見た過去には何が移っていた?教会に逃げ込む領民、森に逃げ込む領民。そして無人となった家に侵入し、金品を物色する下郎。

かつて私達が作った規則を、法律を破り、ただただ人理を先細りさせるだけの行動をした下郎共。

 

「母さん………………いや、情報室アムドゥシアス(・・・・・・・・・・)。信仰無き者に生きる世界無し……………これより、私は狩りを始める。邪魔なトカゲはそちらに任せる」

「情報室アムドゥシアス、承認。分ったわ、アー君も頑張って」

 

その言葉と同時に私はハサン殺しのハサン。山の翁へと姿を変える。周囲にはエレオノーラの軍が居たが既に一度見ている所為かそこまで大きな動揺は無かった。

私は一度剣を地面に刺し、相手方を睨み付ける。

 

「神託は下った。貴様等は魔術帝国法第三法に違反した。その人理の衰退に繫がる行動は看過できない。よって、貴様等には死が待っている。昏々と屍晒せ……」

 

その言葉と同時に周りの制止を振り切って敵軍に突っ込んだ。体を炎にして姿を消し、敵の背後から斬り殺す。

 

「何処だ…………」

 

騎兵が槍で貫こうとする。それを盾で防ぎ鎧の付いていない首元に剣を突き立てる。血飛沫を上げながら崩れ落ちる。

 

「何処だ」

 

円上に私を囲んだ敵兵を剣をなぎ払うことで首を切り落とす。

 

コレは戦いでは無い。虐殺だ。

コレは戦いでは無い。欲望のままに略奪をした者共の末路だ。

コレより先は、道を踏み外した人間の未来だ。

 

弓が放たれる、盾で防ぐ。槍を突かれる、敵ごと斬り殺す。炎になり背後から刺し殺す。最初こそ数の優位により何処か余裕のあったテナルディエ公爵軍だったが今ではたった一人の敵に大パニックを起こしている。

恐怖は更なる恐怖を呼び軍としての起立を乱す。悪循環により戦場は泥沼になる………………筈だった。

 

「GAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!」

下級龍(ワイバーン)か……………。ならば命じよう、今すぐこの場から立ち去れ(・・・・・・・・・・・・)!」

 

持っていた剣を一度消し、手に龍の魔女の旗を顕現させる。龍の魔女のスキルによって大半の龍は私の命令を聞く。

現に下級龍(ワイバーン)は何処かへ飛び去った。

その先にはわめき散らす男と騎士が数十名。最早敗北は濃厚、背後ではエレオノーラの軍が進軍し残った敵を掃討している。

 

「聴くが良い。晩鐘は汝等の名を指し示した。告羽の羽――――――――首を断つか、『死告天使(アズライール)』……………!」

 

一瞬で距離を詰め、一気に全員の首を切り落とす。

見渡す限りの血の海。残るは幻想種の下級龍(ワイバーン)のみだが、数少ない表に残っている幻想種なので枷を壊し、逃がす。

 

「さて、これで終わりか……………。グゥッ!?」

 

エレオノーラと英雄候補、そしてアムドゥシアスが此方に何かを良いながら近づいてくる。しかし、何を言っているのか聞こえない。口の中が血の味に支配され、途方も無い倦怠感と喉元にせり上がる不快感。

私は余りの不快感に吐き出した。吐く際に涙が出て滲んだ視界には大量の血が見えた。それが私の血なのか、首を切り落とした際に出た血なのか分らないまま私は意識を失った。




投稿が遅れて済みません。
パソコンのキーボードが大破し、使えませんでした。
しかし、治ったからには私も復活です!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

謁見と天災と再会と

なろうの方でも活動を再開したのでこっちの投稿ペースが落ちます。




誰かに叩き起こされた。かつてヘルシング魔導帝国の帝位に就いていた時、何度かこの方法で起こされた。具体的には腹パンを全力でやられる方法。様々な英雄の肉体と混ざっているため並の攻撃じゃ肉体は傷つかない。

 

それをいとも簡単に貫いてくる衝撃はアムドゥシアスだろう。

非常事態や、大切な行事の時以外はやらないように言っているのでなにか大切な行事化非常事態でも起きたのだろう。

 

私はノソノソと起き上がり、かれこれ200年程で鈍ってしまった魂を呼び覚ます。

 

そもそも、私という器に数百という英雄の魂が入っている。そして本来ならば1つの器には1つの英雄の魂しか入れることが出来ない。それを私は現在無理矢理2つやら3つやら入れるため、英雄の魂が反発しあい器を傷つける。その為、同時に二つ以上の能力を使うと吐血し意識を失う。

 

これは本来私には無かった。私が帝国を治めている時は民族闘争が激しく、帝国軍も常に出ずっぱりだった。その時は私は数多もの英雄の力を同時に使い、時に滅ぼし時に間引き帝国の地を平定させた。

 

あの頃の器をジョッキとするなら今はシャンパングラスだろう。余りにも脆い。

 

だからこそ、もう一度かつての器にしなくてはならない。アムドゥシアスを召喚できた事から鑑みて私は何者でも無くなってる。幻想種でもなく、英霊でも無い、ましてや悪魔でも無い。人間なんて以ての外だ。

 

判断基準は検証を経て考えるべきだろう。最悪、私はビーストの可能性も微レ存だろう。

結局の所、今は分らない。目先の目標は器を元に戻すことだ。だが、幸いにもコレはすぐにでもどうにかなる。

が、それより先にアムドゥシアスの話を聞くとしよう。

 

「なんだ、アムドゥシアス。私はまだ寝ていたいんだが」

「それは申し訳御座いません、我らが父よ。ですが、先に言っておきたいことが」

「なんだ」

 

アムドゥシアスの報告に耳を傾ける。

 

「戦姫エレオノーラが王都シレジアに向かうようなので、ご報告を」

「シレジア………………あぁ、ファブニールの作った国か。良いだろう、私も付いて行こう。他の龍具とやらも見てみたいしな」

 

そう呟きながら服を着ていく、と言っても霊基変換している服を変えるだけだが。

しかし、今回はその服装替えも遅い。原因としては私の中のリソースを器の再構築にまわしているのが原因だ。

普段よりだいぶ時間を取ったがそれでも他の人間より早いだろう。

 

「さて、着替えも終わった。エレオノーラと合流しよう」

「はい」

 

そう言って私達はエレオノーラの元に向かった。

 

私達が向かうとエレオノーラは遠出の準備をしていた。

 

「エレオノーラ、私も行くぞ」

「ん?何故お前も来るんだ?特に用事は無いと思うが」

 

そう言って首を傾げるエレオノーラに私は戯けながら答える。

 

「王国の小僧に少しばかり世間話をな。以前会ってから既に30は過ぎるだろう」

「そうか、世間話…………………今なんて言った?」

 

一瞬納得しそうになったエレオノーラだが、私の言葉のおかしな部分に気が付いたようだった。

 

「今、30と言ったか?」

「そうだ、正確には31年と4ヶ月だが」

 

誰もそんな詳しい期間を聞いていない…。と、呆れているエレオノーラ。

 

「そんな事よりもだ。王都への行き方はどうする?」

「どうと言われてもな…………。馬しか無いだろう」

 

そう言われ、まぁそうか。と納得する。昔ほど技術革新も無く、魔術は消えたのだから当然と言えば当然か。

 

「ならば、私の船で行こう。馬より早い」

「船?おかしな事を言うな。此所は陸地だぞ?」

「まぁ、見ていろ」

 

訝かしむエレオノーラに薄ら笑みを浮かべながら指を鳴らす。それと同時に開いた、宝物庫の中から空を飛ぶ船。ヴィマーナを出す。空を飛ぶ黄金の船。それがヴィマーナだ。

 

「おぉ!これは何だ?かなり悪趣味だが」

「悪趣味とは失礼だな、豪華絢爛と良いたまえ。世界最古の空飛ぶ船だ」

 

そう言いながら私は玉座に座る。まだリソースが割かれている所為か体が重い。動けないわけでは無いのでそのまま行こうと思う。

 

「行くのはどうせ馬なのだろう?ならば此方に乗ると良い。馬より早い」

「そうなのか!?よし!ならば早速乗らせて貰おう!」

 

ワクワクと擬音が出そうなほどに楽しそうなエレオノーラを見ながら私は溜息を付いた。未知の宝具の使い手がコレで良いのだろうかと。

その後、ヴィマーナに驚くリムアリーシャと英雄候補を見て面白がりながら私とエレオノーラは王都シレジアに向かった。

 

「ははは!凄いぞ!今私は空を飛んでいる!」

「面白いだろう?さぁ、少し飛ばすぞ」

 

~王都シレジア近郊~

 

「此処らで降りよう。見られたら不味いだろうしな」

「そうだろうな、こんなのが空を飛んでいたら騎士団が出て来そうだ」

 

そう言って笑うエレオノーラを見ながら私はヴィマーナを仕舞い、無貌の王を起動させる。それによって私の存在が希薄になり、その場から消える。

 

「エレオノーラ。私は姿を消してシレジアに入る。そちらとは後で合流する」

「いきなりだな?まぁ、良いが。王都を楽しんでくれ」

 

そう言ってエレオノーラはシレジアに向かって歩いて行った。

 

「さて、私も少し探索して国王(小僧)に会いに行くか」

 

無貌の王を起動させた状態でポツリと呟いた。

 

 

~王宮~

 

「恐れながら、陛下に申し上げます」「相も変わらず頭の固いことだな、小僧」

「何者!?」

 

緩やかに波打つ金髪を持つ美女が進言しようとした瞬間、私が言葉を重ねる。すると、国王の近くに居た兵士が槍を構え周囲を警戒しだした。

 

「そう、警戒することは無い。国王(小僧)、即位式以来か?見ない内に随分と老けたものだな」

 

そう言いながら扉を思いっ切り開ける。

 

そこから出てくるのは豪華絢爛な兵士。全身鎧には刺繍が施され、全部でどれ程の値が付くか想像できない。武器も匠が打った武器、歪み一つ無く、刃こぼれも無い。総数はたった6人だが、動きからかなりの練度を誇るのが分る。

そしてその戦闘に立つ白銀の鎧を身につけ聖槍を片手に持つ私。

 

会場が一瞬にして静寂に包まれた。

痛いほどの静寂、そんな中一番早く動き出したのは国王だった。

国王は王座から立ち上がると私の元まで歩いて行き、そのまま跪いた。それに続いて既に歳のいった貴族が膝を突いた。

 

「陛下!?」

「何をしているのですか、陛下!それに伯爵まで!」

「どういう事だ!?」

「静まれ」

 

国王がそう言うと先程まで口々にものを言っていた者達が表面上は黙った。が、内心かなり荒れていることだろう。

そんな事を考えていると国王が喋り始めた。

 

「陛下、ご機嫌麗しゅう存じます。此度は如何様で?」

「まずは表を挙げよ。それにたいしたことは無い。ただ、英雄の時代がまた始まった事を知らせに来たまでだ。これから戦乱が起こる。故に私から注意事項を言いに来たまでだ」

「戦乱、英雄の時代ですか。まさか、私の代で」

 

立ち上がった国王にそう説明する。他の国は人間だがこの国の王族は既に薄くなっているが一応龍の血、ファブニールの血がマクロン単位で入っている。故に普通の人間より長寿であり、国王になるものは代々私が即位式で会っている。

 

「一応親類にもなる。かつて帝国を率いていたときとは訳が違うからな、少しは肩入れしてやろうか?」

「しかし……………陛下」

 

そう言って渋る国王。そんな時、外野に動きがあった。

 

「あの痴れ者を捕まえよ!」

 

外野の一人が私に向かって衛兵を差し向けてきた。それに対して私が行った事は。

 

「全ハサン行動開始、騎士隊防御……………ファブニール!」

「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!」

 

私のかけ声と同時に何処からとも無く黒龍(邪龍ファブニール)が出て来た。

ファブニールのあげた咆哮は地面すら揺るがすほど、その迫力に押され一部の貴族は床にへたり込み失禁していた。

 

「済まないが私は年老いていてね、聞き間違えかも知れないが私に敵対したいのかな?…………………………丁度良い、ファブニールもお腹が減っていてね。折角だからこの国全てを焦土にしたって良いんだ。私と72の貴族、そしてファブニールさえ居れば大陸だって消せる」

「GU!?……………GUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU」

 

白銀の鎧を反転した漆黒の鎧に替え、周りを威圧する。ついでに上空にはゴーストを待機させる。

 

「抵抗するなんて莫迦な真似は止してくれよ?私は手加減が苦手だ。うっかり消し飛ばすかもしれんからな」

「陛下、お戯れがすぎます。して、これまで静観を決め込んでいた陛下が我々に肩入れを?」

「なぁに、ただの暇つぶしよ。要らないのか?」

「いえ、そう言うわけでは」

「なら良かろう。それに、かつての残党も居るのだ。静観できるわけも無い」

「かしこまりました。では、その様に」

 

優雅に一礼した国王に私は頷き、その場からファブニールとハサン、ゴーストを引き上げた。

 

「この場では人も多いだろう。後で20年ぶりに飲み交わそうでは無いか」

「陛下の仰せのままに」

 

私は騎士隊を連れ立ってその場から出て行った。さて、これで本来エレオノーラに行くはずだったヘイトは私の方に向かった。これで良いだろう。

いくら平行世界だからと言ってもそれが此方で起こらない確証は無い。故に先に芽を潰す。英雄の道は辛く険しいがバッとエンドは頂けないのだよ。

騎士隊を連れながらそのまま廊下を歩いていたが途中で鎧を粒子変換させ、普段着に替える。戦闘時は良いが常時着るには適さないのが鎧というものだ。

 

騎士隊も元の場所に戻し、一人になった時視界の端に水色が見えた。

 

「あなた、あの時の……………………!」

 

水色を目で追うとそこには英雄候補に会う前に出会った二人目の少女が居た。

 




オリジナル設定:ジスタート王国は黒龍が作った国らしいのでそこにファブニールを当ててみました。また、オリ主の兵士はFGOお馴染みの敵mobの騎士だったり人形だったり、海魔だったりします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 15~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。