魔法科高校の劣等生 ジェダイの帰還 凍結 (アトコー)
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第1話

大晦日に投降


太陽系第3惑星地球生まれ

太源木乃香は今、軍団の指揮官となっていた。

間違っても、軍に入ったわけでもない。

 

家族旅行の真っ最中に不審な男を見かけて、敷地内に入って来たから注意しようとした私に男は手を私の眼前に突き出した。

その後、意識を失った私が次に見たものは、地球と似た世界でありながらさっきまで居た場所とは異なる世界。(後にリシ星系の惑星リシであることが分かった)

そこにただ一人ポツンと居たのだ。

 

まだ幼かった私にとって寂しい以前に家族と離れ離れになったことが何より悲しかった。

そんな私が唯一頼りにしたのが、フォースと呼ばれる異能とも言える力だった。

最初から使えたわけではなかった。

ライトサイド側のシスだと言うアンザーティと呼ばれるヒューマノイド種族のコーディリアという女性

 

彼女は、放浪の旅をしていたそうなのだが、突然現れた私に興味を示したらしい。

ただ、言語が通じなかったため、身振り手振りで話そうとすると、彼女は私をそっと抱き締め、頬から触手らしきものを出して両耳へと侵入していった。

突然のことに身体が強張ってしまい、目を瞑ると、耳に侵入していた触手が離れていき、彼女と私両方の言葉が理解出来るようになっていた。何をしていたかは分からないけど。恐らく、言語の理解のために直接脳から吸い取ったのかもしれないけど、現実に出来るとはその時は思ってもいなかった。

 

彼女は、最初にリビングフォースを私に教えてくれた。

どうしてなのかはその時は知らなかったが、後になって訳が分かった。

彼女は数週間した後、私の目の前から姿を消していた。

 

 

その後、私の目の前に姿を現したのはフォースの霊体だった。

 

ビゾン・ジェラフィルというかつてのシスマスターと

サティール・シャンというかつてのジェダイグランドマスターの2人だった。

 

尤も、どうして2人が私に見えたのかも不思議だった。

しかし、2人は待っていたと言った。

まるで私が此処に来ることを待ちわびていたかのように。

 

 

2人からフォースのダークサイド・ライトサイドのあらゆる分野を享受され、放棄された旧共和国軍基地にあったスターファイターの操縦や自給自足まであれこれ教えられ生きるために必要なことを教えて貰った。

また、旧共和国軍基地にあったライトセーバーをフォースで分解し、フォースで作り直すということを行い、2本のライトセーバーを持つようになった。

 

戦い方をサティールさんから、ライトセーバーの作り方や鉱物についてをビゾンさんから教わった。

 

 

この星に来て数カ月経った頃、同じ地球から来たという男性達、元は軍の特殊任務部隊所属だったという彼らは、とりあえず基地へと案内した。

 

 

それから、なんやかんや色々あって、基地には200名ほどの兵士が集まり、基地にあったスターファイターのパイロットも揃い、基地の裏側にあったスターデストロイヤーを動かすことが出来るようになったというころ、

 

この基地を攻めて来る集団があった。

 

YT-2400軽貨物船が5隻、基地の前に降りると、数百ものヒューマノイド兵士が基地を襲撃してきた。

 

 

これに対し、こちらは全面抗戦にあたった。

襲撃者達には見たことの無い兵器があった。

 

しかし、こちらにもT2-Bリパルサータンクが3台あり、固定砲台などを使って応戦した。

基地の中にまで侵入を許したもののライトセーバーを使って仲間を守りつつ敵へと切り込んだ私は後で説教を受けることになった。解せぬ

 

 

 

それから、グラディエーター級スター・デストロイヤーでリシから離脱すると、当ても無く彷徨い、カミーノへとたどり着く。

 

それから、私の師となるマスターヨーダと出会うのだった。

 

 

 

カミーノに着いた後、クローン軍団の受け取りに来ていたヨーダと接触し、同行することになった。

使っていたスターデストロイヤーがかつてシスが使っていたものであることに驚きこそしていたが、ライトサイドとダークサイドが共に過ごしていた時代のものであると分かると和解の象徴であるとした上で一緒に行動した。

 

 

それから、私はクローン戦争に巻き込まれたのだった。

 

第1次ジオノーシス戦と呼ばれる戦闘が行われる前段階で、捕まったジェダイの仲間を助けるために送り込まれたジェダイたちを助けなくてはならなかった。

 

搭乗するように求められたガンシップからジオノーシスの闘技場が見えてきた。

何百何千というドロイドに囲まれた30人以下のジェダイたちを眼下に見下ろしながら、護衛の戦闘機隊のヤマモトに競技場内のドロイドに対し機銃掃射ののち上空支援を通達した。

 

ガンシップ隊降下と同時に攻撃を開始したことにより、ガンシップを狙うドロイドをいち早く先に撃破したヤマモトたちは飛来してきたドロイドスターファイターを次々に撃墜していった。

 

 

ヨーダが乗るガンシップには十数人のトルーパー部隊も同乗していたものの、私は一番後方部に隠れ、フォース共に気配を消した。

 

 

競技場から主戦場へと移動すると、ガンシップは一度集結地に降下し、ジェダイたちを下ろした。

私は、ヨーダが前線司令部へと向かうことを確認すると、ひょっこりと姿を現し、状況確認に努めた。

というより、全部見ているからあまり必要ないのだけれど。

 

 

 

眼下に広がる光景を見ながら護衛のXウィングスターファイター4機は戦闘空域へと機体を翻し、対地攻撃特にヘルファイア・ドロイドを集中攻撃するように心がけていた。

彼等は主戦場上空を飛行し、クローン軍の脅威となるドロイドを優先的に選定し、それを攻撃、前線司令部にも情報を送っていた。

 

 

前線司令部に着くと、私も降りるように促され、ヨーダの直ぐ後ろを歩かされた。

ヨーダは、何故私がライトセーバーを持ち、フォースを扱えるのかを問いただしてきた。

私はリビングフォースを教えたライトサイド側のシスの話をし、

その後リビングフォースによって話すことが出来るようになった2人のマスターについて話した。

 

ヨーダは、真剣にその話を聞いてくれて話に出てきたサティール・シャンとビゾン・ジェラフィルについて話してくれた。

 

サティール・シャンは、旧共和国時代のグランドマスター

 

ビゾン・ジェラフィルは、旧共和国時代ジェダイと共存を持ちかけたシスマスターだという。

 

尤も、ビゾン・ジェラフィルについて共和国の文献は少なく、ライトサイド側のシスであることぐらいしかあまり知られていない。

私があったライトサイド側のシス、コーディリアも同じであると推測される。

 

しかし、リビングフォースについては当時ジェダイたちもフォースの霊体があるとは思ってもいなかったらしく、驚きを隠せなかったという。

 

また、フォースと共に気配を消すという芸当は並のジェダイにもあまり出来ることでは無いようで、私をジェダイ・イニシエイトとして修業させようと考えていたらしいのだが、

その必要がないと、ヨーダは判断していた。

そして、ヨーダはジェダイ・オーダーに入ることを進めた。

私からすると、当ても無く衣食住が揃った丁度いい環境だと思ってもいたため、マスターヨーダのパダワンとしてオーダーに入った。

 

 

その後、ジオノーシス戦後、しばらくの間コルサントで過ごすようになった。

 

ジェダイ聖堂にある癒しの間と呼ばれる場所のセラピールームから出ることが暫く許されなかった。

何故出されなかったかというと、先に接触したライトサイド側のシスから何か無意識のうちに受け取ってないかの精密検査のためだった。

 

子供のわたしにとってあまりにも長い間時間の掛かる検査を受け続けたため、あまりの退屈さから

リビングフォースの仮死の状態を作り出して、霊体だけで聖堂内を探索してみると、

 

案の定、癒しの間は大騒ぎになっていた。

 

しかし、私はそれを放置。ジェダイ聖堂内の4つの塔に入ったりして内部探索。

評議会をしている所を壁越しにみたりしていたのだが、癒しの間にいた治癒者が評議会に駆け込んだので、仕方なく仮死から蘇生することにした。

 

様々な医療器具が取り付けられ、誰もいない状態になった私の個室で、静かにリビングフォースの蘇生を使って霊体は空の身体に入ることで蘇生することが出来る。

 

 

 

騒ぎを聞きつけて入って来たジェダイマスター達と治癒者たちは、私がケロッとしているのを見て唖然としていたらしい。

 

 

 

その後、リビングフォースについて調査していくことが決定したのだが、検査の結果は公表されなかった。(脳検査の結果異常が見られたらしい)

 

それから数年後、クローン戦争も終わりに近づいた頃、私は多くの部隊を率いてあちこちの戦乱に身を投じていた。

マスターヨーダに言われ、コルサントのジェダイ評議会に顔を出すと、ジェダイナイトアナキン・スカイウォーカーさんが評議会議員になっていたり、議長の動向を監視する任についていた。

私は、少しスカイウォーカーさんのフォースをリビングフォース通じて見てみた。

 

 

其処には、ジェダイでは有り得ない色をしていた。

大抵、青や黄、紫、緑といった明るい色をしているのだが、彼は赤みがかった青のような色をしていた。それは、かつてジェダイオーダーを追放されたバリス・オフィーと似た色をしていた。

スカイウォーカーさんは、ジェダイ評議会に不満を抱いていたことには気づいていたが、あまりにも行き過ぎた不満にも見えた。

私は、そのことをヨーダに告げると、アナキンの監視をするように伝えてきた。

私はそれに反対することはなかった。今のアナキンは欲を求めすぎていると、そう見えたからだ。

因みに私の元に評議会議員にならないかとヨーダが勧めてきたが、私はジェダイマスターでなければ他を望まないとした上で、暫く部隊を休める意味合いでコルサントに滞在することを求めた。ヨーダはそれを認めてくれたから私は先のそれに反対しなかった

 

 

ウータパウに向かったオビワンから分離主義者との戦闘状態に入ったことを知ったメイス・ウインドウはアナキンに議長の動向を調べるように伝える。

そのオビワンから幹部陣が皆ムスタファ―へと向かったことを知らされた私は、アナキンが戻ってくるのを待った。

 

 

 

そして、戻ってきたアナキンが私たちに知らせたことは衝撃の事実だった。

パルパティーン最高議長こそジェダイが追い求めていたダース・シディアスだったのだ。

 

アナキンは、マスターウインドウに同行を求めたが拒否され、やり場の無い怒りがアナキンに残っていたのを私は感じ取った。そして、

 

「マスターウインドウ、マスタースカイウォーカーにはムスタファーに向かわせてはいかがでしょうか?」

 

「ムスタファー?何故そのようなところに」

 

「マスターケノービからの通信でムスタファーに分離主義者の幹部たちが向かったとの知らせがあります。」

 

「・・・・・、そうだな。アナキン、ムスタファーに向かい分離主義者の幹部たちを捕まえてくるのだ。この戦争に終止符を打つ為に。」

 

「しかし、・・・」

 

「恐らく激しい激戦が予想されることだろうが私が許可する、必要戦力はいくらでも使え。」

 

「因みに追加しておくと、オビワンも希望していたことだから」

 

「オビワンが!?」

 

「ええ、出世欲があるアナキンにだけど。」

 

そういうと、他のジェダイマスターも笑い出した。

 

「ジェダイマスターになるなら、この仕事を熟せ。そうすればそう遠くはないぞ。」

 

「アナキン、私の部隊を貸そう。パルパティーンを捕まえるにはこの身一つだが、部隊を遊ばせておくと何をするか分からないからな。」

 

キット・フィストーはそう言った。他のジェダイマスターもそう言い、アナキンに部隊を預けた。

この時、アナキンにはジェダイマスターから絶大な期待を抱かせていると思っていた。

パルパティーン議長の方に行きたい、しかし、この任を終わらせればジェダイマスターにもなれる。

彼の頭の中で考えが深まり・・・

 

「分かりました。ムスタファーに向かいます。」

 

「頼んだぞ。タイゲン、お前も行け」

 

「いえ、マスターヨーダからコルサント駐留を厳命されていますので」

 

「・・・そうか、仕方ない。」

 

 

アナキンが乗るLAAT/iをジェダイ聖堂タワーハンガーから共和国軍総基地へと向かうのを見送ると、マスターたちがパルパティーン議長のオフィスへと向かっていった。

 

 

数時間後には、アナキンから分離主義勢力の幹部たちを逮捕拘束したという報と、マスターウインドウが私が派兵したストーム部隊と共にダース・シディアスを逮捕したという報を同時に受けた。

その報告を、各地に居るジェダイたちに伝えると、分離主義勢力軍は次第に抵抗力を失い、降伏していったのだった。

 

 

 

 

 




ムスタファ―へ分離主義評議会が移動したものについては、クローンシャドウトルーパーがオビワンとは別命で1個小隊投入され、後を付けたことで判明したわけで、オビワン自身もこのトルーパー小隊の存在はマーシャルコマンダー・コーディから知らされるまで知らなかったというわけです。
また、クローンシャドウトルーパーの小隊は、ウータパウでコーディ達第212アタックバタリオンを含む第7スカイコープスを誘導する役目を果たしています。


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第2話

太源木乃香に関する情報は後々載せますね。


クローン戦争も終わり、銀河に平和が戻りつつある世界で

 

ジェダイ聖堂の公文書館のホログラムを使って必死にありとあらゆる銀河系を探すタイゲンの姿があった。

 

「何を探している?」

 

一心不乱に探している私に声を掛けてきたのは、ダース・シディアス戦で深手を負いながらの生き永らえたキット・フィスト―だった。

ダース・シディアスはジェダイマスターメイス・ウインドウと、タイゲンが遣わしたショックトルーパー(非クローン)とストーム部隊によって拘束された。

シディアスは、オーダー66がどうたらこうたらと叫んでいたが、第501大隊所属のファイブスが生前残した情報からクローン達の脳内にある腫瘍に刻まれた命令を私自身の戦力のみ改竄したため、オーダー66(ジェダイ抹殺)を(ジェダイ防衛とシスの抹殺)と理解しメイスの目の前でシディアスは数人のトルーパー達のブラスターライフルの砲火にさらされ死亡した。

それはさておき、キットは私が見ているホログラムを見ながら聞いてきた

 

 

「自分の故郷である星を・・・」

 

「そうか、こうやって見る限り大分遠いな。」

 

確かに、銀河共和国の中心たるコルサントから遥か彼方に位置するとされる銀河系を探している。それと、同時にキットに地球にシスがいるのではと確信しながら

 

 

「実は、私の星にシスの残党がいる可能性が出てきたのです。」

 

「ライトサイド側のシスと真なるダークサイド側のシスだったか。」

 

「はい、」

 

ダース・シディアス死後間もなくして、各星系からライトサイド側のシスジェダイ及びジェダイに協力するシスがジェダイ聖堂の門を叩いた。敵対ではなく、共存を選びに

(中にはアサージ・ヴェントレスも含まれていた)

 

始めは誰もが敵対したが、ライトサイド側のシスに着いた者の一部がタイゲンと激戦を繰り広げたシス卿たちだった。(アナキンと幾度とぶつかり合ったヴェントレス、オビワンとぶつかり合ったダースモール、はそれぞれで和解した。

ダースモールに至っては、最終的にオビワンと決闘をし、お互いを許し合うことで和解した。)

そのため、監視の意味合いも含めて何人かのシス卿がタイゲンの従者として側にいったのだが、監視している者からとてもダークサイドに居た者とは思えないという異例の反応を見せたため、暫くタイゲンと共にしている。

ライトサイド側のシスの何人かは、地球出身だという。(地球出身のライトサイド側のシス=何等かが原因でタイゲンと同じく銀河の彼方に飛ばされた者達)

 

 

2週間も籠り続けた為、心配になって様子を見に来たオビワンは寝落ちしたタイゲンと見たことも無いしかし、カミーノやキャッシークに似た惑星が写し出されたホログラムがあった。

それこそが、探し求めていた地球である。

タイゲンの側には同じく寝落ちした従者や妹の姿があった。

取りあえず、オビワンは、医療チームに連絡を入れ、起きてから評議会に連絡を入れる事を決めたのだった。

 

 

 

 

 

その後、何がどうなってそうなったかは私自身知らないのでマスター達に聞くが、話題を強引に変えられていつの間にか

 

私と従者たちを中心に独立遊撃特殊作戦師団が編成され、

 

見つかったとされる太陽系とシスの調査のために派兵が決定した。

3個小艦隊で編成されたスターデストロイヤーを含む艦隊はタイゲンの指揮の元、地球へと向かっていった。

 

タイゲンの元にはライトサイド側のシスの者が4名居たが、ジェダイではなくコノカに仕えるとしている。

 

 

 

 

ヴェネタ級スターデストロイヤー12隻

アクラメーター級アサルトシップ24隻

アークワイテンズ級ライトクルーザー16隻

 

計52隻からなる艦隊は地球へ向けて針路を取った。

 

 

 

それが、銀河共和国軍の先遣隊であると旅団の者は誰も知らない

 

しかし、これだけの規模であれば星1つ簡単に制圧は可能である。

 

 

 

 

 

ただの星であれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コルサント星系から太陽系外惑星系までスペースドライブを何回も繰り返して漸く辿り着くまで6日間要した。

それから太陽系まで4日を費やした。

 

 

 

太陽系第3惑星 地球

 

「青いですね。」

 

「コルサントともカミーノとも似てはいないが、かなり面倒だな。」

 

「ああ、連合国ではないんだろう?」

 

「さあね、あれから何十年経っているのかも知らないし」

 

 

旗艦に集結した各コマンダーやテンプルガードの正装に身を包んだライトサイド側のシスたちは一様に地球について話しをしていた。

タイゲンコノカの到着を待って

 

「皆、集合してる?」

 

「ええ、あなたが最後です。」

 

「それは僥倖。ではこれから、私は日本に降ります。」

 

「ちょっと待て、単身でか!?」

 

「それは、いくらなんでも・・・・」

 

「危険すぎます。いくらマスターに成ったとしても。」

 

「危険は承知の上。しかし、艦隊で降りれば相手(国や地球にいるとされるシスに対して)を刺激しかねません。」

 

「ふむ、ではストーム部隊から選抜チームを編成しそれを護衛にしては?」

 

「ラムダ級T-4aシャトルtypeSの用意が必要だな。」

 

ラムダ級T-4aシャトルtypeSとは、通常のラムダ級T-4aシャトルにクローキング装置を搭載した機体。別命ラムダステルスとトルーパー達からよばれるようになっている。

 

「ええ、ストーム1同行してくださいますね?」

 

「ああ、3も4も目立つしな。」

 

ストーム3は男性、ストーム4は女性だが、戦闘服がとても目立つとして同伴を却下。

 

「「コノヤロウ( ゚Д゚)」」

 

仕方ないのだが、2人は納得いかない様子

 

「(^―^* )フフ♪後続部隊ということは、ジェダイとしての直感か?」

 

「ええ、闇の帳が日本に墜ちようとしている。」

 

私は、ガラス越しに見える地球を見ながら格納庫へと向かった。

ストーム1の選抜部隊を先に降ろし、太源家が何処にあるのかを突き詰めると

私は、イータ2・アクティス級ライト・インターセプターにアストロメクドロイドのR2D8を搭載して日本へと向かった。

大気圏突入前にストーム部隊には常時緊急展開出来るように準備するよう指示を出し、スターファイターを指揮するグループリーダーの山本玲やシンテン、アステルにコンディションイエローで待機するように通達。

艦隊も先遣部隊としてアクラメーター級2隻とヴェネター級クルーザー1隻の各艦長に指示を出した。

 

 

 

 

 

 

 

その頃の日本

皇居内江戸城本丸

 

「ここにいらしたのですか、太源様」

 

「黒姫さん。そうね、あの子が居なくなってもう300年

死ぬことも老いることも出来なくなり、ただ時代の移り変わりを見ているとね。」

 

「あの、黒いローブに包まれた男については行方を追ってはいますが」

 

太源雪斎は300年前、まだ木乃香も円華も日本に居る時、名も知らない黒いローブ姿を男に魔法のような呪いを掛けられ、以来不老不死となり、現世を生き彷徨っている。

黒ローブの男については公安も力を入れているが見つかっていない。(150年目)

 

「あら?黒姫さんあれは何かしら?」

 

太源雪斎が指さす方向に、それはあった。

満月の夜に映し出されたその物体は、皇居を1周し、松の大廊下跡前に降り立った。

皇居内に突然現れたその物体に皇居警察は現場に急いだ。

 

「太源さま!?」

 

「三笠様がいらっしゃるまで私が相手します。」

 

「危険です!御下がり下さい」

 

「そうでしょうか?向こうは待ってくれないようですよ。」

 

降り立った機体は戦闘機のようにも思えた。ハッチが開くとそこからローブに身を纏った少女が降りてきた。しかし、顔は見えない。

 

スポンッ ウワッフ!!

 

「え?」

 

皇宮警察も周りにいた誰もがあっけに取られた。戦闘機に付いていた円筒のロボットのような物体が奇声と気を抜いたような音を出して降りてきたからだ。

少女は、その物体の頭身部分を撫でると、周囲を見回してピタリと止まった。

 

「太源様御下がりをっ!」

 

護衛の黒姫綾香がそう叫ぶと、周りにいた者達は太源雪斎を守ろうとし、少女を確保しようとした。しかし、

 

「よしなさいっ!」

 

凛とした声が周囲に居る者の動きを止めた。

 

「太源様?」

 

少女は、太源様と呼ばれた女性を見ると、一歩、また一歩近づき後30cmというところで止まった。そして、

 

「お久しぶりです。・・・・・・母上」

 

ローブのフードを取りながら、彼女はそう発した。

雪斎は、彼女の声、そして顔を見て、涙ながらに彼女を抱き締めた。

 

「お帰りなさい、木乃香。」

 

30年ぶりの家族の再開だった。

 

其処に、R2D8の奇声が木乃香の後ろで響く

 

ホワァァァァァァァァァァアアアオ

R2D8が何かを頭に乗せたまま暴走していく

 

「お、おい!何なんだこれは!?」

 

どうやら、R2D8を調べようと勝手に解体しようとしたらしい。

D8は乗せたまま、蓮池濠に落ちていき、無重力推進ジェットで振り落として帰って来た。帰って来たD8は、内部からXM‐84火炎放射器を取り出しながら戦闘機の方へ行き、戦闘機を分解しようとする輩の背中を焼く。

 

分解熱心な人なのか、背中が燃えているのに気づかず作業に没頭。

暑いから冷えたタオルをと言ったところで気付き倒れた。

重度の全身火傷だったそうな

 

その間、2人は失った時間を取り戻そうとするかのように抱き締め合ったままだったという。

 

 

 

 

 




R2D2可愛いです(声が)

300年から30年に変更


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第3話

地球に帰還、


その後は普通は有り得ないけど御容赦を

歳について可笑しいって?

そこらへんは地球と宇宙空間の時間が過ぎるのが違うということで




 

事情を母に話した木乃香は長距離通信用ホログラムを使って円華を呼び出した。

飛んでやって来た円華は戦闘機から降りると、母に飛び付いた。

母上も、円華に気付いてギュッと抱き締めた。

 

 

ある意味感動的な場面なのだが、皇宮警察の一部の者はそうはいかなかった。

CADの銃口を円華に向けて、

 

誰かが止めろっ!と叫ぶ。

 

しかし、一人の若者が放った空気圧縮弾が円華に向けて放たれた。

それを見ていた母は、円華を守らんとして身を挺して。

 

だが、その魔法弾は母にも円華にも当たることは無かった。

 

 

ほんの一振り、私はライトセーバーを使って高速で接近する魔法弾を斬った。

それに反応して何発も魔法弾を撃つ若者を周りのものが取り押さえた。

 

更に、他の魔法弾は私が対処する前に別の者が前に立ち、障壁魔法を展開していた。

 

 

「何の騒ぎじゃ!」

 

「三笠様っ!」

 

4人の従者を連れ、やってきた彼女こそこの日本国の天皇陛下であった。

彼女もまた太源と同じ存在であった。

 

私の目の前に立つ者も彼女の従者の一人だった。

 

「この者が・・・」

 

「言わんでも分かる。連れて行け!」

 

「はっ!」

 

男は連れて行かれ、私は皇居内施設に案内された。2機のイータ2・アクティス級ライト・インターセプターは、その庭に置かれ、大広間に連れて行かれた。

その間、円華は母から離れなかった。余程恋しかったのだろう。尤も、いつも夜は私の寝床に潜り込んでいるわけだが。

 

「太源木乃香であったかの?」

 

「はい、そうであります。

銀河共和国、コルサント星系、ジェダイオーダーが一人ジェダイマスター、太源木乃香です。」

 

「・・・随分と長いのう。此処(地球)に至るまで2週間も費やしましたけど」

 

「・・・そんなにも時間が掛かったのか。さぞかし遠いところに飛ばされたものだのう。」

 

「ええ。ですが、先に本題に入らさせていただいても?」

 

「善かろう。」

 

「母上、陛下、御二方は黒ローブの男に出会われ呪いとも云うべき不老不死を掛けられましたね?」

 

「貴様、何故それを知っている。」

 

「よい、だが確かに何故であるか、聞いてもいいかの?」

 

「既に300年もあの頃から経っています。普通の人間ならもう死んでいる。」

 

「地球時間にして300年私たちからすれば数年程度」

 

「・・・・・・」

 

「母上と最後に会った日に黒ローブの男がいたはず」

 

「・・・そうね、確かにいたわ。」

 

「その男は、・・・・・我々と敵対している勢力にあるものであると考えております。」

 

「そう言いきれる根拠は何か?」

 

私は、ホロプロジェクターを出し、艦と通信した。

 

「通信員、アメティス・ミコトを呼んでもらえる?」

 

「ミコトさんですね、少しお待ちください。」

 

ホロプロジェクターの先は、艦隊の旗艦に繋がっており、ライトサイド側のシス、いやジェダイガードと呼称しよう。彼等も旗艦にいる。

 

「呼んだかな?マイマスター」

 

「ミコト、確かあなたはシスの文献で不老不死に関することを調べていましたね。」

 

「うむ、少なくともそれはある男によって完成間近であったが、ヤツは失踪した。黒ローブの男だがな。」

 

「その彼が、この地球に30年前に既に来ていると推測されます。」

 

その言に彼女は驚いた。

 

「なんじゃと!?」

 

「ここにいるお二人は、その被害者と見て間違いありません。」

 

「・・・かなり重大な問題じゃ。」

 

「それで、あなたにも来てもらいたいのだけれど。」

 

「だが、問題ないか?ワシはこんなだぞ。」

 

テンプルガードの正装の一つである仮面を外すと、そこから羽のような耳が現れた。

 

「セレスティア種族であることは分かっています。けど、自衛ぐらい出来るでしょう。

散々、私を弄ったりしたのですからそれくらいしてもらわないと」

 

「鬼かぁ!?」

 

「まあ、あなたのマッサージはとても気持ちがいいからというのもありますし。(n*´ω`*n)」

 

顔を真っ紅にしながら私はそう言うと、

 

「分かった。直ぐに行くぞぉ!」

 

アメティス・ミコトは、通信台からいなくなると、格納庫へ向けて走っていった。

 

既に夜も遅いため、ミコトの到着は見送られた。

 

 

2092年8月11日

皇居内は非常に慌ただしくなっていた。

 

「沖縄に侵攻軍だとっ!?」

 

地下緊急作戦司令部には、近衛軍の各士官と天皇陛下と側近、私の他にモニター越しに国防省総軍基地より国防大臣、内閣府より内閣総理大臣が見えていた。

内閣総理大臣には既に私の事を知ってもらっているため話は既に通っている

 

「何故、昨日のうちにその兆しも含めて伝えなかった!」

 

「その必要は無いとしていたからです。」

 

「だが、結果は違うだろうが!軍内から反逆者が出ているという話も来ているぞ!」

 

モニター越しとはいえ、総理の怒りは尤もだった。

国防大臣は大量の汗を拭きながら事態の打開に乗り出しているものの、後手後手に回っていた。

 

「大高総理、北村国防大臣、今は争っている暇はないぞ。」

 

「心得ております。大臣、西部方面隊と南西諸島方面隊に既に指示は出しておるな?」

 

「それは勿論でございます。それはともかく、何故陛下の隣にそのような者が?」

 

「さる事情により、此処にいらした者だ。が陛下、既に国防軍のみでは沖縄を防衛することは難しいと考えられます。」

 

「何だと!?小娘ごときにこの戦局が分かると言う気か!?」

 

激昂する国防軍士官を陛下は手で制止し、その上で

 

「では、やはりか。」

 

「300年前から地球に居座る害虫は、大亜連合と手を結びました。日ノ本が平和と安全であるためには・・・」

 

「うむ。国防大臣、この者はな、太源木乃香という。」

 

「太源?と申しますと、あの・・・?」

 

「そうじゃ、300年前木乃香は地球から遠く離れた地に飛ばされた。

あまりにも突拍子も無いことに思えるじゃろう?」

 

「そりゃあ、しかし、この場にいるということは?」

 

「そういうことじゃ。木乃香よ、後を頼むぞ。」

 

そう言われてから私は席を立つと、

 

「D8、全体モニターと艦隊に」

 

R2D8が機器を接続部に差し込むと、今まで何も映って居なかったモニターに広範囲レーダーが写し出された。

 

「これは!?沖縄が!?」

 

沖縄の名護を含めた海岸線には既に敵が上陸していた。更に、C-9979上陸艇が5隻反応が見られた。

 

「上陸艇がピストン輸送しているか。ストーム部隊全体名護湾周辺に緊急展開!!

グラーツ提督、沖縄へ侵攻する分離主義勢力軍の撃滅を始めてください。」

 

「了解した、将軍。」

 

提督と呼ばれた人間が少女を将軍と返したことに一同は騒然となった。

 

「ヤマモト、アステル!」

 

「聞こえているわ。」

 

「聞こえている。」

 

「2隊は、上陸部隊及び上陸艇の排除、制空権の確保を急がせて!」

 

「「了解。/した。」」

 

先遣部隊は既に大気圏内に降下しており、後続部隊も降下を始めていた。

 

「陛下、総理、後は任せます。」

 

そう言って、従者が持っていた私の白いローブを着ると、出口へと向かった。

 

「何処へ行く気だ?」

 

北村国防大臣がそう聞くと私は、

 

「何処って、沖縄です。部下や仲間たちが死力を尽くして守らんとするものを助けに。」

 

そう言って、扉は閉じた。

それを聞いた北村国防大臣は、椅子に深く腰掛け、数分考えたのち

 

「西部方面隊司令に連絡しろ。空からやって来る友軍と沖縄を全力で支援しろとな。」

 

「了解しました。・・・って大臣!?」

 

国防大臣も席を立ち、軍服コートを着ると、何処かへ向かおうとしていた。

 

「お主もか?」

 

「東シナ戦役を思い出しましてな。大将たるもの、後ろではなく誰よりも先頭に経って鼓舞するものだと。そう教わったものでね。」

 

「・・・任せる。だが先に言おう、死ぬな。」

 

「当然です。私は総理と同じく陛下の臣下ですから」

 

 

 

 

北村国防大臣は、数人の側近と共に護衛機を伴って輸送機で沖縄に向かい、途中太源が乗る

イータ2・アクティス級ライト・インターセプターと合流を果たし、8機のARC-170スターファイターと、F-15戦闘機、C-3輸送機という航空部隊が沖縄へと向かっていった。

 

 

だが、同じ頃官庁内で北村国防大臣が居ないのを良いことに、動き出した者たちがいた。

それは、国防軍の急進派とも言える過激派思想を持った下士官集団だった。

 

 

 




あ~あ、いるんだよね。勝手な行動を取ろうとするアホ共って



まあ、彼等はどうなるか期待を(笑)


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第4話

 

 

 

沖縄では、既に名護湾が占領下に置かれ、避難が遅れた大勢の市民が犠牲になっていた。

本部の参謀の誤った判断が惨劇を招いた。

 

B1バトルドロイドが沖縄の各戦域に大多数展開され、籠城戦を始める基地も少なくなかった。

籠城を始めた基地の一つ恩納基地では、尉官クラスの反逆者を出したことにより、指揮系統に混乱が見られていた。

 

 

大亜細亜連合のバトルドロイドの概要は空から見た限り、

推定

・B1バトルドロイド 250000体

・B2スーパーバトルドロイド 160000体

・LM-432クラブドロイド 60000体

・BXシリーズドロイドコマンドー 80000体

・DSD1ドワーフスパイダードロイド 60000体

・ヴァルチャードロイドスターファイター 150000体

 

 

沖縄を攻め落とすにはあまりに過剰であり、国防軍はこのままでは絶望的であった、

 

そう、このままでは。

 

 

 

 

 

輸送機は、そのまま本国へ帰り、乗っていた国防大臣以下空挺部隊は降下。

恩納基地を取り囲むドロイド軍に向けて攻撃を開始した。

 

ドロイドスターファイターはF-15戦闘機と交戦しているが、数が少なくあまりよろしい状況下ではない。

国防省の通達で、築城・新田原両基地より増援部隊が沖縄に向かっていた。

 

そんな中、名護湾とは反対の海上から無数の航空機が水しぶきを上げながら接近しているのを空挺部隊以下国防軍は目の当たりにしていた。

私は笑みを浮かべながら、恩納基地へと急いだ。

 

「おい、大丈夫なのか!?」

 

国防軍空挺部隊の兵士は心配そうに私に聞いて来る。

味方にせよ、国防軍が苦戦している為、あの戦闘機隊でも敵わないのではと思っていたらしい。

 

「問題無い、山本玲が率いる航空隊は銀河共和国の中でも指折りの実力を持っている。

あの程度の敵に苦戦することはないだろうな。」

 

「あの程度って・・・」

 

周りの兵士も半ば呆れていた。どうみても勝ち目がないだろうという数の敵を目の当たりにしているのだ。戦力比は1:30のようなもの。

しかし、それは全く見当違いであると知る。

 

「・・・何なんだ!?あの戦闘機は!?」

 

蒼く塗装されたT-70Xウィングスターファイターが目の前に移るドロイドスターファイターを次々に撃墜していく。

山本は視界に移ったドロイドスターファイターを容赦なく撃墜していく。先ほどまで国防軍機のドッグファイトを繰り広げていたはずのドロイドスターファイターを撃破していくXウィング部隊、そして後続からZ-95スターファイターに加え、BTL-A4 Yウイングスターファイターが海岸線の敵に向けて対地攻撃を敢行していく。

そんなこんなしている間に、ストーム分隊と合流した私は、北村国防大臣が指揮する国防軍空挺部隊と共に恩納基地を目指した。

総勢40名程度の兵員で3000以上もいるドロイド軍を攻めるのはあまりに無謀すぎるのだが、緊急展開したストームブリゲート(9000名以上)が左軍となり、恩納基地を圧迫した。更に国防軍西部方面隊の即応支援部隊が右軍として合流し、国防軍も息を吹き返しつつあった。

 

 

場所は変わって、恩納基地まで20km地点

「後は、此処を解放し、中央軍を確立する必要がありそうだな。」

 

「なら、此処から15km地点の開けた場所が丁度良さそうね。」

 

「おい、ちょっと待て。そこは確実に全滅しかねないぞ!」

 

「ストーム1、往ける?」

 

「何を躊躇う。問題ない。」

 

ストーム1の選りすぐりの兵士たちは武器の確認を終えていた。

空挺部隊員は、そんな危険な任務には行けないという感じでいたが、

北村壮一国防大臣がノーマルスーツに着替え終えると

 

「では、他に案があるのかね?君たちは」

 

「ですが、あまりにも・・・」

 

「代償は大きいだろうな。だが、やる価値はある。」

 

「私の本隊も恩納基地へ向かうように指示を出した上で、重爆隊に支援要請を出しました。」

 

「42人対3000か。多勢に無勢だが、・・・」

 

「私が先頭に立ちます。皆さんは後ろからついて来てください。」

 

「ストーム分隊は左右の敵に対応する。殿は任せてもいいか?」

 

「無論だ。私が殿をしよう。」

 

「大臣!?」

 

隊員たちは激しく驚いた。いくら戦役を生き抜いた猛者とはいえ、今度の敵は一撃で死ぬライフルを持ったドロイド軍が相手なのだ。そうは行かないと誰もが思った。

 

「隊長、左右は我らに任せてあなたは殿の直援に・・・」

 

ストーム分隊の隊員がストーム1に言った。

分隊員の発言にストーム1は理解し

静かに頷き北村国防大臣の側に立った。

 

「何、暫くすればグリムリーパーも到着するさ。」

 

「連中の支援攻撃は頼もしいですからね。」

 

ストーム分隊の誰もが死の恐怖を持っていなかった。それは木乃香も同じだった。

死ぬかもしれない死地に長くその身を置いてきたからかもしれない。

だが、ストーム分隊にとってこの程度の敵はよくあることで特に気にしていなかった。

 

「では行こうか。」

 

アサルトライフル、ロケットランチャー、スナイパーライフル、ショットガン、グレネードランチャー等を持ったストーム分隊と空挺部隊

 

木乃香は腰に掛けていたライトセーバーをフォースで手に取り、

北村壮一国防大臣は個人所有のSMGタイプCADを2丁持ちして、

 

 

 

 

 

総勢40名程度は駆け出した。恩納基地を目指し・・・

 

 

 




地球防衛軍5
グリムリーパーさんマジパネェ。つか強すぎでしょ!!
それを束ねるストーム1もだけどね。


現在存在している各基地を国防軍基地としていますが、存在していない基地も入れます。


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第5話

今さらだけど、国防大臣が最前線に出ていますが、北村壮一国防大臣は九島閣下と同じ戦線で戦い生き残った国防軍きっての猛者なんですよ。
実力は、十師族並だとか。

東シナ戦役後、十師族に誘われるも拒否。多くの部下が戦死したことを嘆き、退役。その後国防大臣に就任されるというエリートコースを歩む羽目に。



 

国防軍 恩納基地

 

 

それは突然起きた。

基地後方での爆発音に誰もが気付き、屋上の偵察班はその状況に言葉を失っていた。

光る棒状の何かを振り回し、ドロイドを斬り伏せ、時折ドロイドが放つ光る弾丸を跳ね返したりしている少女を先頭に歩兵部隊が恩納基地へ向けて真っ直ぐ来ているのだ。

 

更に、上空から友軍機判定があるものの国防軍所有の戦闘機では無い機体の編隊が鶴翼の陣で対地爆撃を敢行。

 

地上に展開していた大半のドロイドを葬り去り、歩兵部隊の道を開けた。

 

彼等が此処に到着したのは、爆発音がして30分も満たない内に殆どのドロイドを片づけた後だった。

 

 

そして、ヘリコプターではない大型の機体の編隊が恩納基地後方のドロイド軍が展開していた場所に次々に降下していく。

その状況を、恩納基地までやって来た国防軍部隊と所属不明部隊が見ていた。

 

 

「あの機体は何かね?」

 

「リパブリックアタックガンシップ別称、低飛行強襲型兵員輸送艇(LAAT/i)です。一度に30人の兵員を輸送することが出来るガンシップです。」

 

その説明に大臣は驚いたような顔をしていた。

 

「今、ウォーカーを下ろして帰還していったのが、ガンシップと同じ形態をしている低飛行強襲型貨物輸送艇(LAAT/c)。基本的にガンシップキャリアーと呼んでいます。

降ろされて展開されたのが、全地形用戦術歩行兵器(AT-TE)。AT-TEウォーカーと基本的に呼ばれています。」

 

「凄まじいな。これだけあると、・・・」

 

大臣の目の前には既に8台のAT-TEが降ろされ、恩納基地正面に向かって動き出していた。

そこに更に3台の車両が降ろされた。

 

「重強襲型自走式戦車(HAVw)A6ジャガーノート、通称ジャガノート。恩納基地防衛戦力は此処に揃いました。」

 

「これが防衛戦力だと!!」

 

「主力部隊はまた別です。」

 

ストーム分隊の兵士が他の空挺部隊員と共にやって来た

 

「将軍!恩納基地司令がこれをあなたにと。」

 

渡された紙切れに書かれていた内容は、案の定とも云うべきものだった。

 

「大臣、またの戦闘の前によろしいですか?」

 

「ああ、構わんよ。私も一つ文句の一つ二つぶつけにきたのだから。」

 

大臣もまた、送られてきた紙切れを見て半分キレていた。この非常時にいったい何を考えていると言わんばかりに。

この場で役割を終えたストーム分隊と変わって、コマンダーキクネ率いるジェットトルーパー部隊が合流を果たしていた。

 

一行は基地内部へと入っていった。

 

「司令室はこちらになります。」

 

誘導してくれた兵士がおどおどしく言い、自分の仕事に戻って行った。

其処にズカズカと入って行く北村壮一国防大臣

 

「おい、この紙切れの指示を出した奴は誰だ!?」

 

そう基地総司令部内に向けて怒鳴りつけた。

 

「北村じゃないか!どうしたんだ?こんなところまで」

 

「昔の血が騒いでな。ところで、この紙切れに見覚えは?」

 

「無いな。あの軍にコンタクトを取れとは言ったが、こんなものを送れなど指示出すと思うか?」

 

「狭山はまずしないだろうな。だったら、下級士官か?」

 

北村壮一国防大臣の眼光を受けて一人の下級士官が目を逸らしたのを狭山基地司令は見逃さなかった。

 

「憲兵!そいつを捕まえろ!」

 

恩納基地では既に反逆兵を出したため、基地の至る所に憲兵が配置されていた。

指差された下級士官は、机にあった分厚い本を憲兵に投げつけ逃走を図ろうとした。

誰も配置されていない唯一外への直通口へ彼は走った。

憲兵や他の司令部要員も間に合わないはずだった。

しかし、フォースジャンプでその出口前に飛んだ木乃香がライトセーバーを起動せず、ファイングポーズで待ち構えることなく、立っていた。

 

「死ねぇ、小娘ぇ!!」

 

手に持った軍用ナイフを木乃香に向けて振りかざそうとした。が、木乃香はフォースプッシュで彼を憲兵達がいる方向に吹き飛ばした。

魔法というものを知らない彼女だが、他の者からすれば特殊な魔法に見えたに違いない。

逃げようとする下級士官だったが、憲兵の一人が加重系魔法で地面に押さえつけて彼を確保した。

 

「ご苦労様です。将軍」

 

「この程度、造作もないわ。第1と第3が展開し、合同で動けるとはね。」

 

「こうゆう時の為に各隊で連携は深めてあります。」

 

「十分よ。さて、国防軍恩納基地司令官殿、私は銀河共和国、コルサント星系、ジェダイオーダー所属日本支部の長 太源木乃香であります。現時点を以って、我が軍は国防軍と合同戦線を組むことを立案します。」

 

「ご紹介ありがとう。国防軍恩納基地司令官狭山清隆中将だ。共に戦えることを光栄に思う。しかし、太源家の御令嬢でしたか。なんと謝罪すべきか。」

 

「構いません。このような事は所詮、小事ですから」

 

「成程、小事と来たか。分かった。」

 

狭山基地司令に、共和国軍の展開している戦力について伝えると、戦域の全体図がモニターに表示された。

 

「此処の西側にストーム部隊と国防軍防衛戦力、東側に第2スカイコープスと国防軍防衛戦力、中央に第1、第3スカイコープスと恩納基地から出せる空挺中隊のみといったところだな。」

 

「本国の連中も加えてやればいい。俺は西側に行こう。」

 

北村壮一国防大臣はそう言って基地を出て行くと、

 

「問題はこのドロイド軍と敵地上戦力をどうするかだな。」

 

「暫くは単純な消耗戦になりそうね。」

 

コマンダーキクネと狭山基地司令は戦略的な会話をしていた。

そして、私はというと

 

「風間大尉、こちらの子は?」

 

軍人に混ざって一人子供が紛れていたのでそちらに興味を向けていた。

というより、ダークサイドの気配に似た感情を持っていることに気付いた。

 

「志願兵です。私が許可しました。」

 

「そう、名前は?」

 

「司波達也です。」

 

彼は、その少年はそう答えた

しかし、私は不思議に思った。ポーカーフェイスなのか、ただ感情が全くと言っていいほど分からなかった。人間、どのような状況下であろうと感情の起伏というものはあるものだから。

そして、フォースを使って数十秒か数分か彼の瞳を見続けて漸く、深層心理にある縛り付けられた様々な感情があることを知ることが出来た。

 

「ねえ、何故あなたはそんなにも怖がっているの?」

 

「別に怖がりもしていませんし、そのような感情はありません。」

 

「無いことが問題なの。例えあなたに唯一残された感情が兄妹愛だとしても」

 

「・・・・・・、なんのことですか?」

 

「私が使うこのフォースで少し治療しますか。」

 

「用が以上であれば失礼して、!?」

 

彼は驚いた。身体を動かそうとして一歩も動けないなんていうのは今まで無かったからだ。

そして、それを彼女がしていると分かると魔法を行使しようとするが、その魔法も発動しなかった。

 

「な、ぜっ!?」

 

「少し、眠ってもらうね。」

 

フォースを使って達也を眠らせると、私はフォースの能力の一つ、癒しを使ってカウンセリングを始めた。問題なのは、彼の深層心理をどうやって開けるかにあった。

彼の意思無くば開けれたところで意味は無いからだ。

 

「(この子の心は魔法で無理矢理押さえつけたようなもの。如何なる理由があれど、その束縛は外さねばならない。・・・若しや、関わった人間全員既に何かしらの感情を失っているのか?)」

 

木乃香の感は、外れたものではなかった。

司波達也は、幼少期に精神改造手術を施されただけでなく、脳の『強い情動を司る部分』『感情を司る部分』である大脳辺縁系が白紙にされているというものだった。しかも、その手術を施したのが達也の母であった。

 

「その手の人間は、軽い洗脳状態にあるようね。木乃香、あなたは前線に。此処は私が対応するよ。」

 

後ろからやって来た人にビクッと驚きはしたが、来たのがフォースの癒し系回復専門のジェダイであるサラミスが声を掛けていた。

 

「サラミス、来るの早くない?」

 

彼女はフォースの念話を使って、呼んだ癒し回復系専門とした治癒に長けたジェダイガードだった。

 

「もう少しで終わるかな。空白になっているからこれから埋めていけば問題はなくなる。それまでポーカーフェイスだろうけど。」

 

「早くない!?」

 

此処に到着して10分も経っていない。

 

「こんなの、朝飯前だよ。けど、いいの?指揮官が此処にいて。」

 

「ドロイド軍とは、第1スカイコープスが先に戦闘を開始しているのだけれど。何しろ戦力が多いし。」

 

「まあね。もうすぐ陽も落ちる頃合いだし。」

 

昼方から始まった激戦は太陽が沈むと同時に終わりを告げた。

共和国軍のトルーパー部隊の戦死者は少なく、また負傷者もそこまで多くは無かった。

ピストン輸送されてくるドロイド軍の上陸艇は、撃墜に至っていないため、敵戦力に変わりはなかった。

達也の処置を終えると、木乃香は作戦司令部に戻った。

サラミスは、達也の母親と真っ向から対峙して説教中。

あまりの気迫に護衛役の者も一緒になっている。

サラミスは、年齢で言うと21歳。名前が無かったからこの名前だが、日本人である。

木乃香と似た存在なのだが、姿を消す前は実の弟を大事にしていたこともあり、出会ってから達也を弟のように気に掛けている。(←ブラコン?)

 

そして、私は中に配置されたホロプロジェクターである艦に連絡を取っていた。

 

「ドレーン提督」

 

「タイゲン将軍か。何用だ?」

 

「明日、クルーザーを沖縄本島低空に配置してください。」

 

「上陸艇の撃破に困難しているということは聞いている。重爆隊では無理か?」

 

「従来であれば重爆隊が撃破していましたが、彼らが反復攻撃を仕掛けても撃破出来ていないのが実情です。」

 

実は、既に制空権を確保しているのだが、上陸艇は制空権なんのそのと、突撃して帰っていくのだ。地上部隊がTX-130Tファイタータンクの、ミディアムツインレーザータレット

による一斉砲火を行っていたが、射程が足らない上、エネルギシールドを張っているため、現在上空で撃ち落とす以外の方法が無い状態なのだ。

 

「SPHAの使用許可受諾した。」

 

「頼みます。」

 

「クルーザーは3隻で十分か?」

 

「ええ、それだけあればクルーザーの砲火に地上戦力も耐えられまいでしょう。」

 

「では、明日に。」

 

そう言って、通信を切るとキクネが驚いたように聞いてきた。

 

「クルーザーを晒していいのですか!?」

 

「これだけの大規模侵攻。敵がまだミューニフィセント級スターフリゲートやプロヴィデンス級デストロイヤーを出してこないのは、それが無いか若しくは修理中だと推測できる。」

 

3隻のSPHA搭載クルーザーが単身で来るわけでは無い。直援としてそれぞれ2隻のクルーザーが同伴するため、計9隻のクルーザーが来ることとなっている。

 

「しかし、この状況の打開にSPHAが必要なら輸送すれば。」

 

「アレの輸送は、ウォーカーとは違うの。」

 

「太源君、SPHAとはいったいなにかね?」

 

「SPHA、自走式重砲塔は非常に大きな重砲です。ターボレーザーという極めて巨大なレーザーキャノンを搭載したSPHAは、巨大かつ鈍重に移動する物に対し有効です。」

 

「なん、だと!?」

 

 

狭山基地司令本日最大の驚愕かつ戦慄の出来事だった。

 

 

恩納基地の目の前にアクラメーター級アサルトシップが到着し、部隊展開をしているのを他所に

 

 




狭山清隆も北村壮一とは同期で九島閣下と親交があるのだとか。

本人は否定


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第6話

さあ、始まりだ。


日本国防軍&銀河共和国軍VS大亜細亜連合軍&分離主義勢力軍

銀河の最果てからやって来た2大勢力と現地戦力による戦闘は、これまでに類を見ない大激戦となった。
後に沖縄防衛戦(沖縄戦役)と呼ばれるのだった。


自分自身を信じなければ、他人も信じてくれない


 

早朝、海岸線には大亜細亜連合軍の本隊と見られる機甲部隊が上陸を果たし、内地へと本格侵攻が始まろうとしていた。

円形のエネルギーシールドフィールド(偏向シールド発生装置)に守られた上陸艇の降下ポイントには3機の上陸艇が到着しており、AATやMTTなど多数ドロイド軍を展開させつつあった。

しかし、共和国軍は既に戦闘態勢を取っており、合図を待っていた。

第3混成スカイコープスの中には恩納空挺中隊も含まれていたのだが、まだ攻撃命令が下りないことにまだかまだかと焦がれていた。

 

そこに、3状のレーザーが蒼空より地面に着弾した。

普通なら有り得ないことだった。空から極太のレーザーに空挺中隊は浮足立ったが、その攻撃を合図に共和国軍は一斉に攻撃を開始した。

50台以上のウォーカーからヘヴィキャノンが放たれ、無防備になった敵地に降り注ぐ。

3状のレーザーは偏向シールド発生装置内にあった上陸艇を見事に破壊していた。

偏向シールド発生装置は、防御出来る処理能力を超えた攻撃に自壊し、無力化されていた。

そして、上陸艇撃破の余波で起動前のB1バトルドロイドの8割を部品に変えてしまっていた。

 

 

クローントルーパー達が手に持つDC-15Aブラスターライフルは、非常に火力が強く射程距離も15kmと長いため、遠距離のドロイド軍を次々に撃破して行った。

 

左右に展開した共和国軍が一気に攻め込んだこともあって、敵は中央軍に雪崩れ込み混戦と化していた。

 

 

 

「これは、最早一方的な戦いだ。」

 

「ああ、共和国軍。ここまで強いとは・・・」

 

「おい!あれを見ろ!」

 

隊員の誰かが空に指差して叫んだ。その方向を見た国防軍所属隊員の誰もが唖然とした。

今まで見てきた中でも更に巨大な船であった。アクラメーター級アサルトシップよりも大きい艦だった。

 

「全長1137m、全幅548m、全高268m。共和国軍の主力クルーザー、ヴェネター級スターデストロイヤー。風間大尉、これを共和国軍は数多く所有しています。」

 

「・・・それは。」

 

風間大尉は何も言えなかった。その巨大艦は、右軍、左軍中央軍と3隻ずつ展開されており、この戦域に9隻も配置されていたのだから。

 

「ところで、司波君。此処に集結した敵を一網打尽に出来る魔法があるようね。」

 

「・・・・・何故それが分かるか聞いても?」

 

「フォースはあらゆることを語りかけてくれる。そして、相手の考えも手に取るように分かるのよ。」

 

「・・・・・そのフォースについて後で教えて貰っても?」

 

「後でね。」

 

「確かにありますが、衝撃波がシャレになりません。」

 

「・・・ブレイブ、キクネ、プロフェ、クラート。各コマンダーに通達、敵を海の果てに追い遣れ、無理にでも退場願おう。」

 

私は、ライトセーバーを両手に持ち、その通達に各コマンダーは対応した。

海側の航空戦力を後退させ、敵に退路を作ると大亜細亜連合軍は残存するドロイド軍を楯に撤退していった。海側に展開していたドロイド軍の大半はクルーザーの艦砲射撃によって部品以下の状態にさせられ、壊走状態となった大亜細亜連合軍上陸部隊と変わって入ってきた海上兵器、高速巡洋艦や駆逐艦。どれも撤退する部隊の掩護のためだ。

 

 

「命の保障は出来ませんよ。」

 

「何言ってんだか。」

 

「全くだ、この年頃でこの覚悟。」

 

「子供を置いて逃げたとなれば恩納空挺中隊の名折れだ。」

 

 

狙撃ポイントに到着したが、

空挺中隊は撤退する気は無いようだった。達也がアンチマテリアルライフル型のCADを手に試射を行い終えていた。

 

「それで、軍は撤退したのか?」

 

「ええ、トルーパー達には皆さんのような特異な能力はありませんから。」

 

「そうなのか。しかし、・・・」

 

達也の前に立っているのは空挺中隊の皆さんではなく、私やサラミス、艦で待機していたジェダイガード達7名

 

「大船乗った気持ちで行けばいいって」

 

「君の場合じゃ泥船じゃないの?」

 

「何言っているんだ!?」

 

「はいはい、そこらへんにしなよ。来たよ」

 

5人の少女たちがそれぞれのフォースを操り、飛来してくる砲弾やミサイルを防いでいた。

尤も凄いのが木乃香なのだが、彼女は手を胸の辺りから押し出すように突き出すと、まるで衝撃波が生まれたかのようにミサイルが陸地から10km地点で暴発。砲弾に至っては、軌道が無理矢理替えられたことによって陸地に着弾する前に海上に落ちている。

援護しますっと、ムバーブルスーツを着てやって来た桜井穂波の出番が無い。

 

 

「サラミス、ヒジリ以外は空挺中隊の半分と共に後退しろ!」

 

後方には既にLAAT/iが2機待機していた。危険と隣り合わせの中、待機することを選んだのは彼ら自身であり、それだけ忠誠を誓っているとも思えた。

2人のジェダイガードと空挺中隊の半分がLAAT/iに乗って恩納基地へと戻ると、木乃香はこの世界に来て初めて魔法を行使した。

 

「ホーリーガーディガン」

 

現代魔法に属さない特殊な魔法。半径50m圏内に如何なる攻撃を寄せ付けないという十文字家顔負けの防御魔法。

しかし、それは初めて行使した魔法であるだけに不安定だった。

 

「桜井穂波さんでしたか?防御の援護お願いできますか?」

 

「ええ、そのつもりで来ましたから」

 

「サラミスさん、私はいいので彼女の補佐を」

 

「私は大丈夫ですよ。」

 

「・・・ここで全てを出し尽くそうとする人を止めてください。」

 

「!?」

 

「ええ、そんな気がしていましたから。」

 

「桜井さん、残された者の気持ちを考えた上で行動してくださいな。」

 

此処に来た彼女は、明らかに命を落とそうと、彼のために全ての魔法を使い果たそうとしていた。

それを、サラミスと私は諭した。

桜井穂波は驚愕した。そのつもりは無いと思っていたが心のどこかで全力を出すとも思っていた。故に、彼女の指摘は的を得ていた。

 

「接近する砲弾34発、ミサイル63発。」

 

「恩納基地周辺待機中のウォーカー及びファイタータンクより迎撃有り。その数20。航空隊ブルトンミサイルよる迎撃開始、その数35。」

 

地上部隊も航空部隊も迎撃できる分だけして防御を軽減しようと努力をしていた。それは、決して命令したからではない。どのトルーパー達も、木乃香の気質を分かっていた。どのジェダイよりも自分たちを人間として扱い、死んだ仲間への手向けや埋葬に感情的になる節も多く、誰からも好かれていた。それ故、待機命令を違反してでも守ろうとする意志はあった。残ったLAAT/iのパイロットトルーパーも同じだった。彼らは決して諦めては居なかった。

全て攻撃が試射であっても、命中弾であっても

 

「準備完了です。行きます。」

 

達也が射撃体勢に入ると同時に海上から接近中の艦隊と入れ替わりのように後退する揚陸艦隊が入り乱れた。

放たれた攻撃は先よりも遥かに多く、現地戦力のみでは捌き切れない数だった。

砲弾の殆どが発射されず、ミサイルのみの発射であったが、その数、186発

とても捌き切れない数だった。

そのはずであった。

 

「!? 何だ?島の反対側から?」

 

真田中尉が飛来するミサイルが途中で撃墜されているのを見て言った。

 

「国防軍は陸だけでは無いぞ。諸君」

 

「北村壮一国防大臣!?」

 

此処にわざわざ来たのは、右軍で戦闘していたはずの現場指揮官であった国防大臣。部下を数人引き連れやって来ていた。

 

「殆どの国防軍人は忘れている。日本は海に囲まれていることを、そして世界でUSNAすら敵に回すことをどのような手を使ってでも拒む至強の戦力。」

恩納基地より後方の

小高い山を越えた先には、

日本各地から大号令によって集結した日本艦隊があった。

 

「イージス艦は、300年前より進化した。退化した大亜細亜連合軍とは違ってな。」

 

日本のイージス艦はどれも最新鋭。USNAが喉から手が出るほどの日本独自の技術による最強とも言える船に仕上げられたかの艦は、日本国防において至強の艦隊にもなる。

達也の射撃ポイントに向けて放たれたミサイルの殆どが、データリンクと沖縄本島上空にいるヴェネター級スターデストロイヤーからの情報を得たイージス艦隊の対空ミサイルによって殆ど撃墜されていた。陸と空が主力的になりつつある国防軍とって忘れ去られようとしていた存在。しかし、日々、磨かれたその練度と技術は決して見劣りしないものだった。

国防軍は此処に総力を結集した。飛来する攻撃は空と海の対空ミサイルが迎撃し、陸から攻撃阻害のためのランダム射撃(乱射)

 

その後、達也が放ったマテリアルバーストによって一網打尽にされた大亜細亜連合軍艦隊は壊滅。残存艦艇は、呉・佐世保から出向いた護衛艦隊の対艦ミサイルと国防空軍のJ35Rの対艦ミサイルによって撃破されていった。

マテリアルバーストによる衝撃波は想像以上に大きく、脱出用のLAAT/iは一時クルーザーへと退避した。

9隻のクルーザーが集結した中、

大亜細亜連合軍は旧シスが使っていたハロワー級ドレッドノート3隻とミューニフィセント級スター・フリゲート8隻を投入。沖縄本島沖北の上空で艦隊戦が繰り広げられた。

格納庫に居て貰っても仕方ないので、ブリッジまで皆さんに移動してもらうと、そこで観戦してもらうことにした。

 

 

「将軍、あいつら馬鹿なんですかね?」

 

クルーザー要員のクローントルーパーが私に言って来た。

 

「確かに、大戦が始まって終わるまで俺達は配置交換もなく、多くの艦隊戦を制してきたしな。」

 

他のトルーパーも言った。確かに、そうなのかもしれない。大亜細亜連合軍はその兵器を過信しすぎていると。大亜細亜連合軍からすれば最新鋭の兵器に見えてくるだろう。バトルドロイド然りクルーザー然り。

 

「だからといって、敵を侮るな。細心の注意を払いつつ薙ぎ払えよ。」

 

「「「「了解です。将軍!!!」」」」」

 

その場にいた全てのトルーパー達やブリッジ要員が一斉に敬礼をした。

その姿に、軍人である風間大尉や北村国防大臣はあっけに取られていた。

まだ、かの少年と同い年ぐらいなのにどうやってこれだけの信頼を得たのかと。

同時にどれだけの戦地を共にしたのかと。

北村国防大臣は、ブリッジの全ての要員に目を通していた。誰もが、彼女と共に戦えることを誇りに思っている。と感じていた。今まで、軍人時代には無かった光景が目の前には広がっている。

 

「風間君」

 

「はっ!」

 

「この光景をよく覚えておいた方がいい。私が成そうとして出来なかった事だ。」

 

「・・・はっ!」

 

風間大尉と北村国防大臣、2人の会話に一人、話に割り込んだ

 

「御二方は、彼女が何故ここまで彼らに信頼されているか分かりますか?」

 

「いや、だが、この光景を私は目指していた。」

 

「木乃香は、過去に部隊に置き去りにされたことがあると聞いています。」

 

「置き去りだと!?」

 

「ええ、激戦地だったこともあり、多くの負傷したトルーパー達を残したまま、両軍は陣地に戻っていったそうです。

彼女もまた負傷していたジェダイの一人でした。」

 

「それが、要因か?」

 

「ええ、夕方と共に終わった戦地には無数の骸と負傷兵は入り浸っていました。

木乃香は、明け方までに敵味方構わず216名を監視所まで送り届け、多くのトルーパー達を死地から救ったとされています。当時の行動は、ジェダイとしては問題有りきとされたそうですが、多くの仲間を救った勇敢なジェダイとして称えられ、多くのトルーパー達から信頼を得た。」

 

「それは・・・」

 

「ええ。普通なら有り得ない。おとぎ話や伝説ならいい。けど、それは決して嘘では無かった。どのジェダイに聞いても当時の事を聞くと一様に彼女を褒め称えている。それに、彼女はそれ以来なのか、戦った戦地で斃れた仲間はできる限り連れ帰る。ということをしています。」

 

「・・・・・・、一体いつの話なのだか・・・」

 

「大戦初期の話だと聞かされています。ですので、」

 

3人は話しながら木乃香をみると、檄を各艦に飛ばしながら艦隊を指揮し、既に大亜細亜連合軍の11隻の艦隊は、残すところミューニフィセント級スター・フリゲート2隻までになっていた。撃破され、海中へと没しようとしている艦に一切容赦なく追撃を仕掛けているクルーザーを見ながら、木乃香の戦場での気迫をただただ感じていた。

 

「残りのフリゲートに攻撃を集中して!敵は分散して攻撃してくるから被弾率はそんなに高くないよ!」

 

「距離に注意します!」

 

「フルウェポンオープンファイア!!」

 

ヴェネター級スターデストロイヤーの8基のヘヴィターボレーザーによる一斉砲火は2隻とはいえ、一溜りもないものだった。連装砲であるがため、1隻から16発のレーザービーム、9隻から一度に144発のレーザービームが2隻に晒される。がその他、1隻につき

2基のミディアム・デュアルターボレーザーキャノン

26基の重点防衛用レーザーキャノン        が、火を噴く。

敵からすれば地獄絵図。

こちらからすれば・・・

 

「凄い弾幕だなぁ、相変わらず。」

 

「2隻に当てる攻撃じゃないですよ。」

 

「まあ、これを見ているのが、他の大国なわけだし。良い脅しにもなりんじゃない?」

 

「ああ、日本に攻め入ればどうなるか・・・・・・ってところか。」

 

 

2日間掛かった沖縄防衛戦は、2隻のフリゲート艦を落としたことで完全に終わりを告げた。日本国内では、共和国と協定を組むために動く者と阻止する者に分かれて内紛が起ころうとしていたのだが、帝が動いたことにより鎮静。

 

 

 

日本は銀河共和国と軍事協定を結ぶことになったのだった。

 

 

 

 

 




戦闘描写が厳しい。少しずつ手を加えていくしかない。


戦力は随時共和国宇宙軍によって補給線が繋がれているから供給ラインが出来ている。


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登場人物 オリキャラ設定 1

取りあえず、人物設定を


随時更新していく予定で


 

太源木乃香・・・本作主人公

2049年4月20日駿河国生まれ

容姿は、クレセント(剣聖機アルファライドより)

ジェダイオーダーに所属

現在、特例措置としてジェダイマスターに昇格。パワダンとしてユウキがいる。

リビングフォースを習得しており、ユニファイングフォースを半分習得。時折、長距離通信でヨーダに教えを請いている。

1刀流・2刀流の両方が使え、どちらも実戦向き。

敵の量やシスに対応して使い分ける。

部下・従者に非常に優しく、心を許した者の前では頭が上がらない。

ジェダイガードのセリナ・アサミに体調管理されている。(身体が何故か敏感になっている?)

温厚な性格だが、怒ると雷ではなく、ブリザードが発生する。

故に、深雪からお姉さまと呼ばれている。

最近の趣味は、母の寝床に潜り込んで一緒に寝ること(←恐らく寝ぼけている)

料理が上手く、家事も出来ないモノは無いためか将来有望物件とされているが、本人に自覚は無い。マザコンにしてシスコン

魔法科高校では2科生

 

 

太源円華

2050年4月17日駿河国生まれ

太源木乃香の1歳下の妹。

姉が大好きでたまらないが故、姉を傷つけんとする者を全力で排除しようとする。

スナイパーとしての実力は高く、アンチマテリアルライフルXM500カスタムを標準装備しており、2km先の的の真ん中に命中させるほどの直線射撃・偏差射撃が可能。

持っているCADもライフルタイプで、折り畳み式リモコンタイプのシールドビットを腰に装備している。(制服を着る時はスカートで隠しているか見えないようにステルス機能を持たせている。円華自家製)

深雪とは意気投合している。(入学直後は、邪魔する輩や2科生である姉や達也を目の敵にする同じ1科生に対し、非常に冷たい。(森崎に対しては神経反射で拳銃型CADを突き付ける))

 

 

太源雪斎

木乃香・円華の母。

謎のフード男によって不老不死の呪いを陛下共々受けた直後、

突然居なくなった娘達のことで哀しみに暮れるが、従者だった黒姫綾香によって立て直す。

日本皇国天皇陛下の補佐役として300年間仕え続ける。

キレると積乱雲を発生させ、度合いによってはスーパーセルへと変わる。

半径10km圏内に猛烈な雨と暴風、雷を降らせる。そのため、気象庁も予測不能。

過去に幾度と発生させているが、まさか人為的に発生しているとは考えておらず、春夏秋冬関係なく発生する大型積乱雲に気象庁も頭を悩ましている。

防御系の魔法に長け、機密ではあるが日本内随一の楯でもある。

憲法や各種法律を知り尽くし、司法国家試験で合格していることもあり

問題や間違いを起こせば誰が相手であろうとその仲介を行い裁く為、十師族であろうと、首相であろうと執り行う。

司法機関が有りながら、司法・行政・立法を監査する任に着いている。

最近では警視庁管内で起きた連続強姦致死誘拐監禁事件の犯人が百家の者であるらしく、内偵調査中であるところに、日本版FBIである皇国捜査庁を警視庁の応援部隊として派遣している。

 

 

天璋院三笠

現日本皇国天皇陛下(女帝)

雪斎と共に京都の御所を訪問中、警備隊の警戒網を超えた謎のフード男によって呪いを受ける。

雪斎とは長い付き合いで周囲の忠臣たちが寿命で死に逝く中一人一人を看取っていったため、他の大臣たちからの信頼が厚い。

一時期、首相が天皇陛下を御飾りであると発言したことにより、首相が酒に酔っぱらって夜道に後ろから何発も刺され出血多量によるショック死するという事件が発生。首謀者は、陛下の為だと言って自決。後に、御飾り事件と呼ばれる。

剣術に長け、クーデター発生時己を殺さんとやって来た刺客を三枚卸しにするという荒業を成している。

戦闘時の実力はトップクラスであったが、魔法が台頭したことで影に隠れてしまっている。

 

太源ユウキ(紺野木綿季)

2079年5月23日生まれ

ユウキは出生時に輸血用血液製剤からHIVに感染。

10年間闘病の際、医療用VRマシンであるメディキュボイドの被験者となる。

ある日、偶々地方病院を訪問した太源雪斎が一切を遮断された空間に一人居るユウキを見つけ、気に掛け始める。

その後、雪斎が皇国中の医療機関にHIVに関わる資料及び治療について取り組んでいくようになり、全日本AIDS協会を設立。

治療・闘病中の患者のために何が出来るか話し合われた。

当時のユウキは病院内から動かせない状況だったにも関わらず、地方病院からより専門的な治療が出来る皇都総合病院へと移動が為される。(ユウキの意思で移動が叶ったものの、護送車が何台も出動し、夜間の移動となった。)

木乃香と出会ってから、雪斎が養子縁組として家族に迎え入れる。

木乃香の妹となってからブラコン発動?

剣術の実力は日本皇国国内での全国剣術無差別級大会で上位10位圏にランクインしている。

最近の目標は木乃香姉を超えること。

 

 

切姫夜架

2079年8月16日生まれ

現皇宮警察警護部隊部隊長

天皇陛下とその重臣をお守りする選りすぐりの精鋭部隊を率いている。

ただ、人を殺すことに一切の戸惑いが無いため、害するものに容赦が無い。

木乃香を、太源雪斎の娘と認めず何回も戦いを挑み、その度に撃退させられる。

何時しか、木乃香をマスターと呼ぶようになる。(戦いながら諭され、遂には主として認めている)校内に入らないが近辺警護を主とし、常に刀を2本帯刀している。

魔法師では無いが、国防軍特殊部隊に匹敵する実力がある。

 

第101旅団

国防陸軍第101旅団所属となる予定だったが、ストーム師団に編入されたため、

ストーム師団の第101旅団となった。

旅団長は、佐伯広海少将

独立魔装大隊もストーム師団所属となっており、実質の現場指揮権は太源木乃香将軍(ジェダイマスタータイゲン)に当たる。少将は旅団全体指揮

独立魔装大隊は、

風間玄信少佐

高城壮一郎少佐

山中幸典軍医少佐

高城百合子大尉

真田繁留大尉

柳連大尉

藤林響子中尉

大黒竜也特尉

 

が主要幹部メンバーとなっている。

ストーム師団に編入したため、魔法師・非魔法師の両方がストームチームの過酷な訓練に参加(強制)

訓練が終わって家に帰った達也がヘトヘトになって玄関でうたた寝していることもあったとか。(普段では有り得ない光景に達也と深雪のお世話係である穂波さんも唖然としていたとか。)

実力は、国防陸軍特殊作戦群並だとか。

 

偶に、富士演習場の一角でビーリーズ・ブートー・キャンプをしているストーム1と無理矢理やらされている国防軍兵士達がいるらしく、近寄れば巻き添えを食らう。

 

 

 

ストーム1

本名 ロイ・クロガネ 日系アメリカ人

ストーム師団第1旅団旅団長を務める特戦歩兵(レンジャー)でもある。

武器はTZストークとライサンダーZ

木乃香とはクローン戦争中に出会う。

人間なのに、並外れた身体能力と動体視力を持ち、隊内から一人旅団、弾が必ず当たる死神、つーかあの人ホントに人間か!?などと言われているとか。

同じストーム師団に優しく、作戦を共に交わした戦友と飲み会をすることもしばしば。

 

 

 

 



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第7話

修正と更新していくよ~


 

 

太源木乃香は、東京の皇居まで戻ることなく、ある家を訪ねていた。

山梨県のある地域。

その豪邸の前に立つ少女の周りには、男たちが地に伏していた。

明らかに体格差のある男を血に伏せさした上で前に進むことを辞めない少女。

魔法が打ち消されていくがために彼らは恐怖した。

 

 

いったい何と戦っている?

 

 

人ならざる何かを相手しているようにも思えた。

その豪邸の門に立つと、豪邸の門が開けられた。

そして、

 

「手荒な歓迎をお詫びすると共にお待ちしておりました。太源木乃香様」

 

沖縄で司波一家と別れる前、司波深夜と達也について話しをしていた。そして、詳しい話をするために、此処四葉の豪邸を訪れていた。

 

「いえいえ、向こうでは日常茶飯事。何も気にしませんよ。強いて言うなら、レベルが低い」

 

その言葉に倒れ伏す男達の胸にグサッと何かが刺さった気がしたそうな

 

「では、こちらに。奥様もお待ちしております。」

 

「お名前を御聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「ええ。四葉家執事長の葉山忠教でございます。」

 

「では、葉山さん。後ほど、我が家族も到着しますのでそちらもお願いできますか?」

 

「分かりました。」

 

邸宅へと入っていくと、リビングに案内された。

其処には、司波一家と桜井穂波さん、四葉家当主の姿があった。

 

「へえ、貴女がそうなのね。太源さん」

 

「成程、あなたが四葉真夜さんですか。」

 

 

2人の視線が合った瞬間、魔法とフォースが一気にぶつかった。

別々の何かがぶつかり合ったことによって部屋の中のモノが吹き荒れる。

 

「ちょっ!?」

 

「お守りします!!」

桜井穂波は咄嗟に防御魔法で一家を護るために楯となった。

 

そして、木乃香を見て驚いていた。

今までに見せたことがないほど、皺を寄せて、怒っていることを

 

 

魔力の暴走にも似たそれは、ほんの数十秒程度だったがそれが終わると、荒れ果てた部屋となっていた。

 

荒れた部屋を、フォースを使って元通りにすると、私に対して声が掛かった。

 

 

「そこまでですよ、木乃香。」

 

振り返ると其処には、母太源雪斎、妹太源円華、義妹の太源木綿季(ユウキ)がいた。

木綿季はまだ病が治っていないこともあって、車椅子で酸素マスクを付けて来ているって

 

「母様!?木綿季はまだ出しては駄目ですってあれほど・・・」

 

「ええ、分かっているわ。だから、これから私は真夜と深夜にお話があるのでその間お願い出来ませんか?」

 

「・・・はあ。全く、もう。」

 

半ば呆れながらも母を見た後、四葉家当主四葉真夜を見ると、とても顔を青くしていた。

どうやら知り合い?らしい。

 

「さて、真夜。其処に座りなさい。」

 

どうやらかなり怒っているように見える。というより、椅子に座っているから問題ないでしょと屁理屈述べると、もう一度座りなさいと警告していた。

 

「どうしたの?真夜、深夜は言う前に座っているみたいだけど。まさか当主だからなんてくだらないプライドが許さないとでも?」

 

「・・・・・ひっ!」

 

「円華、司波兄妹と遊んできなさい。私はこの大馬鹿糞娘共に話しがありますからね。」

 

円華は、ともかく怒っている母から離れたかったのか司波兄妹と穂波さんと共に部屋を出た。

私も木綿季と共に部屋を出て、邸宅の外に止まる5台あるレクサスLS600hLのうちの1台に乗り込み、皇居へと向かっていった。

その頃の空模様は、どういうわけか晴天のはずが、四葉家一帯のみ暗雲が立ち込めていた。

そして、私たちが其処を離れると雷が四葉邸宅に落ちたのだった。

そして、私は初めて知った。母が本気で怒るたびに雷が現実でも落ちるようで、今日17本の雷が四葉邸宅に落ちたという。

 

「ねえ、今皇居に戻っているの?」

 

「そう。この世界の医療能力では貴女は助けられない。だから、星外に出る。」

 

「・・・はい?」

 

私は驚く木綿季を他所に連絡を入れた。

 

「アサミ、いる?」

 

「居るよ。どうした?」

 

「パラメディックラーティを1機皇居に待機させといて。」

 

「丁度良かったよ、今2人を待っているから。医療カプセルも入院服もセットにね。」

 

「1式揃っているようね。」

 

「1式じゃないよ、2式だよ。」

 

「え?どうして?」

 

「コノカ、定期検診忘れてたでしょ、全身検査の」

 

アサミに指摘されて、「はっ」と気付く。そう言えば、母星に戻ることばかり考えて年に1度の検診をすっぽかしていた。

 

「・・・そうだった。すっかり忘れてた。」

 

「ユウキさんのも一緒に見るそうだから私も同行する。他のジェダイガードたちにも伝えてあるし、クルーザーも何時でも準備完了しているよ。」

 

「分かった。木綿季は、自分で動ける?」

 

「ちょっと無理かな?長い入院生活だったし、それこそ、部屋の中から動くことも殆ど無かったんだよねえ。」

 

「そう、・・・。」

 

「な、何?」

 

「貴女の体重を計っただけ。」

 

「へぇ!?どうやってさ。」

 

「それも、これから教えてあげるよ。木綿季」

 

私は、座っている義妹を抱き寄せながら言うと、木綿季は慌てていた。というより、恥ずかしくて顔を赤らめていた。

 

「ちょっ、お姉ちゃん!?」

 

「やっと、言ってくれた。」

 

私は、嬉しそうに妹を抱きかかえると外に出た。

 

「お待ちしておりました。マスタージェダイ」

 

「テントはあちらになります。御二方はそちらでお着替えになってください。」

 

「アサミ、カプセルの用意は?」

 

「既に完了しています。初めましてユウキ様、セリナ・アサミと申します。太源家の健康管理・身の回りの世話等の管轄でありますので何かあれば申しつけ下さい。」

 

アサミはペコリとお辞儀すると、搬入準備へと向かっていった。

 

「ねえ、お姉ちゃん。あの人って・・・」

 

「バハムーン、龍族の血を受け継ぐ種族の者だよ。」

 

「そうじゃなくて、今から行くところってあのような人もいるところなの?」

 

「少なくとも500はある種族が集う場所でもあるかな。大丈夫よ、怖くはないし、皆優しいよ。」

 

木綿季は、私に姫様抱っこされたままテントへ行き、入院服(浴衣)を着た私と木綿季

テントを出ると、2つの医療カプセルの間にアサミが立って待っていた。

私の部隊では医療関係者の殆どが他種族の女性が取り仕切っており、その長的立場にアサミはいる。

言うなれば、病院で言う院長というところだろう。

 

「ささ、ユウキ様をこちらに。」

 

医療カプセルは、底がベッドのようになっており、長時間寝ていても疲れない低反発のベッドを採用。

設備はICU(集中治療室)並に搭載しており、不測の事態に対応出来るようにしている。

木綿季は、対抗体性AIDSに感染しているのだが、コルサントにはそれを治療するための設備が整っていた。ワクチンも勿論のこと治療法もある。しかし木綿季の場合、AIDSの発見が遅れた事もあり、明確な治療もあまりされないまま死ぬのをただ待ち続けていたわけで、身寄りもない彼女を太源雪斎が引き取り、治療を続けたため現在まで生き永らえている状態だった。そのため、進行状況からコルサントでの治療が決定し彼女は、木乃香と一緒に送られることになった。

 

「それじゃ、後を頼むよ。アサミ」

 

「ええ、来る時は2週間掛かりましたが、今では5日間で行けますから。」

 

航路の確立をしたため、安全かつ最速の航路を本国コルサントからジェダイマスターオビワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカー、プロ・クーンがその任を完了させていた。

効率良く援軍を送るためや中継基地建設のためでもあった。

また、太陽系圏へのヘヴン級医療ステーションの展開も含まれていた。

 

「コルサントまで5日・・・ね。」

 

「ええ。ではお休みなさい。」

 

呼吸マスクが取り付けられ、其処から睡眠ガスが噴出される。

入った後も心配そうにしていた木綿季も、アサミのフォースでリラックスしてゆっくりと瞳を閉じて行き眠りに着いた。

 

私も、多くの多忙さからあまり寝ていなかったためか、ガスの効能よりも先に睡魔によって眠りに着いたのだった。

 

 

 

 

 




マスターケノービとマスタークーンは仕事はしっかりやっているけど
アナキンは、なんか太陽系圏の惑星調査に駆り出されているのだとか。
マスターケノービ曰く、チマチマした仕事はアナキンは直ぐに投げ出すから無理だ。とのこと。



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第8話


最近新規作成中の話が駄文になりつつある気がする←(元からでしょby木乃香)


 

 

ハイパースペースを何度も繰り返して5日目、漸くコルサントへと着いたのだが、医療カプセルから起こそうとする気配はなく、そのままコルサントの高度専門医療病院へとパラメディックラーティで輸送された。

 

私は、半分起きているような状態でフォースを使って確認しようとすると、透明なガラス越しにこちらを見つめるアサミ。

それを見た私は、ニッコリと微笑みながらこちらを見るアサミを見続けていたはずなのだが、アサミがガラス越しに手をかざすと、私はブレーカーが落ちるように意識を失った。

まるで、アサミの手が私の目の前にあったかのような感覚を残しながら。

 

 

ただ分かったことは、ユウキは既に治療の為に専門部屋に送られたらしい。

そして、私は次に目を覚ますと点滴を打たれながらカプセルの窓ガラスが開いているのに気づいた。起き上がろうと、身体を起こすとそこには真正面にユウキが眠るカプセルがあった。治療の担当者曰く、ここまで進行した患者は初めてだったとのこと。

長い手術の末、成功し今は眠っているという。

 

 

どんな手術かって?

 

献血で血漿を取り出すのと同じように、一度ユウキの血液を外に出して、血液の中のAIDSのウイルスのみを取り除く作業をしていたそうな。

一旦、全ての血液を取り出し、人工血液を代わりに体内に置き、ウイルスを取り除くという気の遠くなるような作業と彼女の内部細胞を精査して取り除き、特殊な人間用の再生細胞(IPS細胞のようなもの)を取り除いたところに張り付けたそうだ。

 

その上、完全完治させるために体内常駐型のワクチンを投与したという。

私にはそのワクチンはコルサントに来た時から打ち込まれ、今でもあるという。

このワクチンはAIDS以外の様々なウイルスに対応して撲滅するという、ワクチン型のマクロファージのようなもので、体内の白血球の活性化を促しコントロールしている。

 

元々、AIDSのようなウイルスはある惑星で見つかり、そのウイルスが兵器として使われていた事により、対抗策として研究・開発された。

結果、様々なウイルスに対抗出来るワクチンが完成したのだった。

 

 

私は検査の結果、過労と診断された。中枢性疲労だという。

アサミからもゆっくり休めと言われ、医療カプセルの機能の一つであるマッサージ機を使ってリラックスしている。

これを見たアサミは、直ぐ様何かを準備していたようだった。

 

 

 

後日、知ることになったのだが、アサミが準備していたのは、オルデラニアン・リラックス=ベッドというものだった。

マッサージ機能と安眠用ハーモニーを奏でる機能が内蔵されており、6時間の睡眠で一晩しっかりとした休息に匹敵する効果を得ることが出来るという。

それが、4台。皇居にある邸宅の各寝室に運ばれたのだった。

 

 

その後目を覚ました木綿季は、全身に血液が回っていることを確認するために数時間ほど掛けて微弱な電流を使いながら検査した。

 

指の1本1本を何度も動くか確認し、寝ている間も低周波の筋肉運動を施していたため、彼女はいつもでは有り得ないほど動けていた。

全身に異常が無いことと、エイズウイルスの死滅を最後に血液検査で確認し、退院することが認められたが、私はそうは行かなかった。

 

予想以上に肉体的疲労もあったらしく、検査の結果いくつか問題が見つかったため入院続行。

妹となった木綿季は、それまでの木綿季を捨てる意味を持って名前を捨ててユウキと漢字ではなく、カタカナの名前だけ残した。

ユウキらしい判断にも見えたが、こうも自由に動けないのが私は悲しい。

 

ただ、分かったこともある。ユウキはジェダイとしての素質もあった。

どういうわけか、入院中に医療用VRマシンであるメディキュボイドの被験者として仮想世界に居たとしても仮想上の身体能力が生身の身体に着く筈もないのだが、彼女には着いていた。

私が入院中に、ユウキはリハビリを終え動き回っているのを見ていると余程動き回りたいのか有り余った体力を消費するために鬼ごっこをうちの兵士たちとしていた。

 

その光景は、見舞いに来たマスターウインドウやマスターヨーダに見られており、無意識のうちにフォースジャンプをしているのを見て、ウインドウがフォースを少し享受していた。

ユウキは最初ヨーダを見てびっくりしていたけど、今ではフォースについての話を聞き、剣の扱いにもこなれていたため、私が退院する頃にはユウキをパダワンとして教えることが私の知らないところで決まっていた。

 

コノカ・・・ジェダイマスター

マドカ・・・ジェダイスナイパー(特別)

ユウキ・・・ジェダイパダワン

 

 

これが、現在太源家が銀河共和国における戦力。

 

 

 

 

問題では?とヨーダに聞いたけど、マドカは複数のジェダイマスターからフォースを教えられたから問題無しとし、ユウキは血縁関係が無いから問題無しとなった。

 

 

あれ?ジェダイの規範とやらは何処行った?

 

 

 

私の疑問を他所に帰る準備が進められ、太陽系圏に前線拠点を作るための施設部隊を乗せたアサルトシップ3隻と共にスタークルーザーで地球に帰宅した。

 

 

日本へと帰ると、日本政府が私が居ない間に銀河共和国と盟を結ぶための使者を送るなど準備をしているということ、軍事クーデターの発生から鎮圧、太源家と四葉家の会談など色々あったのだが。

 

 

軍事クーデター?

 

何があったかを詳細に聞いてみたところ。北村国防大臣等穏健派を虐殺し新ソ連や大亜細亜連合軍に打って出ようなどと考えている過激派(頭の中に蛆が生えたよく分からない奴等)による軍事クーデター。

 

しかし、彼らの目論見は失敗し、穏健派はおろか、国防大臣すら暗殺に仕向けた部隊が全滅するという事態になり、あろうことか皇居に向けて大砲をぶっ放す始末。

穏健派・過激派以外にある尊王派の逆鱗に触れた彼らは穏健派と手を取った尊王派の混成部隊によって鎮圧されたという事件。首謀者は全員自決するというあっけない終わり方をした。

 

その後、過激派の考えに同調する兵士たちによる小規模の紛争が日本各基地で乱発。

 

鎮圧のため、戒厳令が出されるほどだったという。

 

原因は軍内部における魔法師と非魔法師の待遇差だという。

沖縄防衛戦における反乱も同じ事案だった。

 

これを受け、国防省は待遇改善に乗り出している。

 

そして、四葉家にて

ユウキを連れて、妹円華を回収しに行くと・・・

 

「にいにい抱っこして~」

 

「ブハッ!?」

 

精神退行した我が妹が司波達也に思いっきり甘えていました。

というより、何故精神退行した!?

 

「何があった!?」

 

リビングに入って第一声は、驚愕した私の声

リビングに入ってきた私を見るや否いや何やら顔を背け逃げようとする当主

 

「四葉・・・真夜?」

 

「!?・・・なにかしら?」

 

「うちの妹に・・何を・・した?」

 

「奥様は、精神干渉魔法を円華様に手違いで掛けてしまいまして・・・」

 

「葉山!?」

 

まさか、真夜も自分の執事の裏切りに会うとは思って居なかったらしく、明かした本人より明かされた真夜はかなり驚いていた。

 

「ユウキ、すまないのだけれど・・・」

 

「うん、一応私の姉だし。それに・・・、今は可愛らしいから」

 

そう言いながら、ユウキは円華の元に向かい、達也にじゃれる姉と久しぶりに再会の話をして花を咲かせていた。その中には、深雪も入っていたのだが。

 

「さて、コルサントから遥々帰ってきて、四葉はそんなに太源家に潰されたいのかな?」

 

怒る私は、道中母から渡された魔法に関する冊子を読み、実践していたためそれを丁度良く披露しようとしていた。

 

「ま、待ちなさい。達也、あなたからもなにか・・・」

 

「今回に関しては、母が全面的に悪いです。」

 

「そんな!?」

 

実の息子の援護もなく、真夜に向けて魔法をかざした。

すると、リビングが急激に寒くなる。(ユウキや円華たちがいるところを除いて)

限定的に寒くなった空間の中心に四葉真夜がいるわけだが、本人は防御魔法を全力で駆使していた。

 

「(やばいやばいやばい。この子、本気で・・・殺しに来てる!?)」

 

「(-ω-;)ウーン もう少し強化出来ないかな~。」

 

「(これでも足りないっていうの!?というより、葉山助けなさい!何呑気に達也とお茶しているの!!)」

 

お茶を用意していた葉山は達也と談笑しており、こちらの問題に一切関心を向けていなかった。

 

「(ええい、もう!!)」

 

真夜は、取りあえず一時的に木乃香の魔法力を上回る魔法でニブルヘイムを打ち破った。

 

バッキーン

 

魔法を上回ったから鳴った音では無かった。それとは別の・・・

「奥様!?」

 

葉山は驚いていた。奥様と木乃香様が睨み合いを続けていると思ったら、周囲がガラスが割れるような蜘蛛の巣状になっていき、割れると、所々服を凍らして、肌は凍傷が見え隠れしていて。木乃香様は、出し足りないと言わんばかりに次の魔法を繰り出そうとして止められた。止めたのは、木乃香様の妹達。奥様の魔法が解けた円華様が慌てて木乃香様の背中に飛び乗り、ユウキ様が前に出て進むのを阻んだ。

 

しかし、木乃香の怒りは収まらない。

円華は知っていた。かつて木乃香が本気でブチキレた時に何が起きたか。

 

「(絶対に『あの』二の舞だけは避けたい。)」

 

あの二の舞・・・かつて木乃香はジェダイナイト成り立ての時に着いたジェダイマスターがクレルのようにクローントルーパー達を軽蔑し、多くの死者を築くことすら厭わない最悪なことがあった。

そのジェダイマスターは、平然と、クローントルーパーでない人達を見下し、死んでも可笑しくない戦地になんの戦略もなく送り込むことを繰り返していた。

無論、中には木乃香と親しくしていた者も含まれていた。

普段から温厚で優しく、人懐っこい性格だった木乃香からすれば、戦闘が終わり帰らぬ姿へとなった者達を見てジェダイマスターに幾度と抗議したが無視された。

そして、前線の視察にセイシ―・ティンが訪れると態度が一変。

あれこれ都合の良い嘘を吐き、これまでの戦死者を全てジェダイナイトの木乃香に押し付けた。

無論、一連の流れはトルーパー達も聞いており、ヘルメットの中では顔を顰める者、影口を言うもの、やってられないと任務を放棄するものも出てきた。

セイシ―以外にもキット、ムンディも来ていたからそれなりに戦略的に重要だったのだろう。

あれよこれよと、マスター達の前で嘘を吐き続けるそいつに我慢というより堪忍袋の緒が切れた木乃香はライトセーバーを手に、そいつに斬りかかった。

間一髪、今までの経験から避けれた彼だが、彼の敵は彼女だけでは無かった。

マスター達が別のトルーパー達によって安全圏まで退避させられると、木乃香と同じく彼に恨みを持つクローントルーパーがブラスターライフルを彼に撃った。

それを皮切りに次々に攻撃がなされ、彼と木乃香による激しい死闘が数時間に渡って行われた。

彼もジェダイマスターである手前、無様には居られないとフォースを駆使するが、フォースについては木乃香の方が一枚上手だった。

更にフォースとは別の能力までもを駆使し辺り一帯を吹雪と焼け野原に変えていった。

最後には円華が放った弾丸によって胸を貫かれ、木乃香によって首を飛ばされたが詳細を知った3人のマスター達によって事実は闇に送られた。(ヨーダに後でバレるのだが、その時の記憶が全く飛んでいるという木乃香に一切非は無いという立ち会った3人のジェダイマスターの口添えもあってお咎め無しということになっている。)

しかし、あの光景を目の前で見ている円華にとってそれまでの羞恥より姉の精神を抑える方が早かった。

 

 

「ユウキ、アサミさんとかお母さんとか急いで呼び出して!!」

 

「わ、分かった。」

 

大慌てでユウキはまず母に電話をし、電話の慌てっぷりで木乃香の身に何かあったのではと、太源雪斎、セリナ・アサミ、アメティス・ミコト、山本玲がLAAT/iで駆け付けた。

駆け付けた現場には、未だ臨戦態勢を辞めない木乃香と木乃香の矛先にいる青い顔をした四葉真夜。木乃香を慌てて抑える妹達が居た。

 

「どういう状況じゃ?」

 

「取りあえず、木乃香さんを先に・・・」

 

アサミさんは木乃香を何時ものフォースで眠らせようとしたのだが、激昂状態にある木乃香には効かず、円華から事情だけは聞かされている木乃香を本気で怒らせる事態だけはどうにかして避けようとミコトさんが無理矢理木乃香を後ろに引っ張って背中から倒れた状態にさせて、母雪斎に説得を頼んだ。

普段優しい人間を怒らしたらどうなるか、真夜は身をもって知ったのだ。

どう説得したかは省くが、木乃香本人はまだ真夜を許せておらず、自分の身内に手を出せば如何なる組織も十師族も諸共滅ぼすと公言した。

 

「死なば諸共、貴女も一緒よ。」

 

絶対零度に近い冷たい声で真夜にそう宣告した。

真夜は首が千切れんばかりに縦に頷いていた。

 

 

 

 

ユウキside

 

「木乃香姉って、かなり怖い?」

 

「怖い・・・じゃないよ。確かに怒ったら怖いけど、本当に妹思いで優しいから普段はそんなことは無いよ。逆にちょっと世話が掛かるという問題があるかな。」

 

「え?」

 

「あー見えて、完璧な人じゃないから。人のためには結構尽くすタイプだけど、集中力が凄い分寝ることを度々忘れているから、私たちが一緒に寝ないと駄目なことがあるの」

 

ユウキは、コルサントでの生活やそれ以降の生活を見返してみると、思い当たる節がいくつもあった。アサミさんに言われて渋々寝床に入って寝れずに抜け出して捕まっているということも何度かあった。

 

「最近はあれでも少し改善された方だから」

 

「・・・あれで?」

 

「前は、2週間ぐらい不眠不休で動いて倒れたから大変だったよ。」

 

「2週間!?」

 

流石に僕でもゲームの中で不眠不休は無かったなあ。と思いながらびっくりしていた。

取りあえず、これからの生活で姉に世話を焼くことは分かった。

さっきとは異なり、母に諭され背中で寝る姉を見ながら四葉家を後にすると、区内に造られたという実家に帰った。円華姉が言うには、本家は暫く戻らないという。

これから通う学校にはかなり遠いからだという。

というより、学校に行けるんですね。楽しみです。

夜、やはり姉はベッドから抜け出し何処かに行っているのが朝になって分かった。

だが、当の姉は母の寝室のベッドに潜り込んでいたそうだ。なんて羨ましいんだか。

しかし、最終的にはアサミさんが手配し、持ってきたオルデラニアン・リラックス=ベッドを使うこととなった。このベッドに行こうとせず母のベッドに潜り込もうとする木乃香の姿があったが、アサミさんによって無理矢理オルデラニアン・リラックス=ベッドで寝かされていた。

 

「あんな感じでも私の姉さんだし。強いんだよね。」

 

確かに、木乃香姉は強い。フォースについても、ライトセーバーでの実戦的な訓練でも全く私の力は及ばない。まさか、ここまで離れているなんて思いもしなかった。そんな姉は義妹である僕にも優しさをくれる。そんな姉と一緒に通う学校について楽しみにしているよ。

Sideout

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

時は過ぎて、魔法大学附属第一高校に入学することが決まった頃、

日本皇国政府側では

 

「太源姉妹は、第一高校に入学したか」

 

「はい、太源木乃香殿、太源円華殿、太源ユウキ殿の3人ですね。」

 

「鳥山文部大臣、魔法科高校の就職率はどのような値になっている?」

 

「第一高校以外は概ね予想通りなのですが、どうも1科、2科制にしてから2科生の卒業生の就職率が極端に上がっています。」

 

「1科生は?」

 

「想定の半分以下です。魔法大学に進むものもいますが、受験して落ちる割合が5年前と比べて3割から7割に増えまして」

 

「増えすぎじゃないか?質でも落ちたか?」

 

経済産業大臣の片倉康史が少し笑いながら言う

 

「それだけ、溝が出来ているという証拠だろう。私が居た頃はこんなではなかったのだがな。」

 

「学校側にも不手際があったとはいえそれを放ったままにしているというのも解せんね。」

 

「漸く、全国の虐め問題をおおよそ解消出来たというに、やはりそううまくいかんか。」

 

政府マニフェストには虐め問題などを含めた社会に取り組むという事項もあり、文部省主導の元進められてきたことだった。

奇しくも、現政権は歳こと違えど全大臣が魔法科第一高校出身だった。

そのため、閣僚会議と平行して昔の思い出話を膨らましていたりしているとか。

 

「鳥山君、第一高校の案件は最優先で着手してくれ。どうも嫌な予感がする。」

 

「ええ、確認した所、もう波乱が起きても可笑しくない状態でしたので。」

 

「アレだけは起こすわけにも行かんからな」

 

「ええ、アレだけは」

 

アレとは、2091年9月に第一高校生徒会長選にて、問題が発生し魔法の撃ち合いにまで発展。

多数の負傷者を出した事件だった。

 

「私の想定なら、かなり大きな騒動に発展するだろう。」

 

「公安に第一高校周辺の調査を出しておきます。」

 

「頼むぞ、では他に・・・・」

 

 

日本皇国政府の

閣議は続く。

 

 

 

銀河の果てにあるコルサント ジェダイ聖堂

 

「和解したとはいえ、お主が生きていたことは驚きだ。」

 

「私も、まさかこのような形で再会することになるとは思ってもいませんでしたよ。マスターヨーダ」

 

「して、頼み事がある。ジェダイへと帰還して疲れているだろうが」

 

「構いませんよ。贖罪だと思えば、私がして来たことは重罪に当たる。」

 

「だからこの銀河ではなく、ある奴がいる星をな。」

 

ジェダイ聖堂の評議会を開くスペースで話しをするヨーダと老人と言える人

 

「任せたぞ、マスタードゥークー。」

 

 

死んだはずのドゥークーがジェダイとなり、舞い戻った。というニュースは全てのジェダイの耳に届いたのだが、当のドゥーク―は勤めを果たすため、コルサント星系を離れた後だった。

 

 

 

 

 

 

 




この作品では、殺されたドゥーク―はシディアス卿によって用意されたクローンで、本物は冷凍保存で軟禁なれていたという提です。

オルデラニアン・リラックス=ベッドは、パルパティーン議長が使っていたベッドです。
シディアス卿確保後、ベッドを押収。
研究班がこいつは使えるぞ!ということで量産化が進められている。

AIDSの件は、単なる閃き。現実でやれるわけない。
銀河の果てでは、既にワクチンが有る状態。


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第9話

あれれ?

(´・ω・)

(。´・ω・)?


お気に入りが50件超えとる!?

ありがとうございます(*´ω`*)






 

 

2095年 4月 第一高校 

 

「納得いきません!!」

 

国立魔法大学付属第一高等学校入学式の日に少女の声が響く。

新しい学校生活が始まるという意気揚々とした空気は此処にはなかった。

少なくとも、私のグループでは。

登校中に深雪と達也に出会い、話をしていき門を潜ったところで、深雪はこの世の不条理に怒りをぶつけんとしていた。

 

「まあまあ、深雪。そんなに怒らなくても」

 

「何をいいますか!円華姉さんは良しとしても、何故木乃香お姉様は補欠なのですか!!お兄様同じです!!」

 

「いや、深雪。そこまで熱くならなくても・・・な。」

 

「熱くもなります!お兄様やお姉様の方が優れているというのに!」

 

「まあ、あながち違うと言うわけじゃないけど・・・学校の検査項目が項目だからねえ。」

 

「何弱気なことをおっしゃいますか!やはり新入生総代はお姉様がやるべきです。」

 

「私としては、妹弟子である深雪の総代が見てみたいのだけれど・・・達也はどう思う?」

 

「どうって、・・・まあ確かに兄として見てみたくなるものだな。可愛い妹の晴れ舞台を」

 

姉と慕っている私と兄である達也から、こうも言い包められて深雪の姿がみたいだなんて願望垂れ流しにすると、深雪は方向を180度転換して、

 

「行ってきます!お兄様、お姉様、円華姉様!」

 

顔を真っ赤にしながらそそくさと講堂に向かっていった。

 

「早いなあ、判断が。」

 

「まだ、褒め慣れていないからな。俺からも、木乃香からも。」

 

「そうね、少し時間潰しますか?円・・華?」

 

「おお、これはスゴイ!?」

 

何かを見つけて、目を輝かしながら走って行く円華

 

「ああ、こういうの見慣れてないからね。円華は」

 

私は、よくコルサントで見てたけれどホログラム投影された文字が一般的に使われているということはそれなりに科学も進歩しているみたい。

 

「円華姉~、おいで~よ。」

 

ユウキの方が円華より身長が高いため、円華は他からすれば妹に見える。

 

「ユウキ、円華の方が姉だって分かってる?」

 

「うん、円華姉も良いって。」

 

円華とユウキの間に生まれている関係に思わずため息をつく私。それを達也が苦笑しながら見ている。

すると、達也は時間を確認して、

 

 

「そろそろ、行こうか。講堂も開いているだろうし。」

 

「そうね、こちらに近づく人影が先でしょうけど。」

 

私のフォースの警戒網に入った一人の人影、それは

 

「新入生ですね。開場の時間ですよ」

 

CADを腕にした女性。

 

「(確か校内ではCADの所持は制限される。CADの常時携行が認められてるのは生徒会役員と、風紀委員会役員、限られた生徒のみ、ということは)」

 

「(この学校でそれなりに高い地位にいる生徒ということ)」

 

「ありがとうございます。今、向かおうとしていたところでしたので」

 

ところで、この人は誰なんだ?という顔を円華はしていた。ユウキはあまり良い顔をしていない。

 

「申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めている、七草真由美と言います。

「ななくさ」と書いて「さえぐさ」って読みます、よろしくね。」

 

(七草でさえぐさか。というより、七・・・ね。十師族関係は間違いなさそうね。)

と思いながら警戒レベルを一段階上げた。

向こうが名前を名乗ったのでこちらも例にならって

 

「俺は、いえ自分は司波達也です。」

 

「私は太源木乃香です。2人の姉ですよ」

 

「太源円華だ」

 

「太源ユウキですよ。」

 

「司波?・・・太源?・・・」

 

この七草と言う人、私たちの名前を聞いていきなり考え込んだ。

 

「もしかして、あの司波君と太源姉妹!?」

 

「あの、がどれを指しているのか分かりませんが取りあえずそうだと思います。」

 

「先生方の間では有名でしたよ。」

 

確かに、達也は入試試験平均点が大体90点以上の高得点と叩きだしているし、学校側から他校への転校を進めるほどだったというが、それでもねえ。

 

「どれだけ凄いと言われようと、所詮はペーパーテストの中の成績の話。

此処は魔法科高校、どんなに点数が良くても、実技がからきしでこの通り」

 

達也は自分の胸に描かれていない紋章のことを差しながら、自分を下に置くかのように言った。

 

「ううん、少なくとも私にはこんな高得点は取れないモノ」

 

「(この人は・・・苦手だ)」

 

達也が足早に立ち去ろうとした時、

 

「それは、嫌味のつもりですか?七草会長」

 

ユウキがそう言った。

 

「私は魔法の方が出来るから、それは出来ないと。」

 

「いいえ、私はそんなつもりは・・・」

 

「姉さんのことも言おうとしているようでしたが、時間が有りませんので失礼します。

行こう、木乃香姉、円華姉」

 

ユウキは少し怒っていた。達也のために怒っていたのもあるが、自分に向けてのモノでもあると錯覚していたからだ。

 

ユウキに連れられ、達也と円華と私は講堂へと歩いて行った。

ぽつんと一人にされた会長を置いて

 

 

第一高校 講堂

 

中に入れば、キレイに一科二科が前後に分かれて座っていた。どうすればこのようになるのかと頭を悩ますが、仕方ないため、円華とユウキは1科生へ、私と達也は2科生の席へと座りに行った。

席に着いて早々に

 

「あのう、隣・・・空いていますか?」

 

メガネっ子が達也に話しかけてきた。席がどうやら後ろの席しかもう空いていないようでもあった

 

「ああ、どうぞ。」

 

「良かったぁ、一緒に座れるね~。」

 

「わ!」

 

一人では無くもう一人と一緒だったらしい。

 

「ありがとう、私柴田美月っていいます。よろしくお願いします。」

 

「司波達也です、こちらこそ」

 

「あたし、「千葉エリカ、千葉家次女にして警察省警察官である兄を持っている。」

そうそう、どうして知っているの!?」

 

「私を忘れた?」

 

「・・・木乃香さん。」

 

「そう、改めて紹介するわ、太源木乃香よ。エリカとは師弟のような関係ね。」

 

物凄く、エリカは顔を顰め、嫌そうな顔をしていた。

 

「あら、エリカ。貴女が望んだことじゃない。」

 

「いや、・・・そうだけど。・・・うん。」

 

「何かあったの?エリカちゃん」

 

「聞かないでくれるとうれしい。」

 

顔を俯けながらエリカは言った。

 

「そうね、エリカにとって黒歴史だもんね。」

 

「お願い、言わないで!」

 

「・・・どうしようかな?」

 

私は今物凄くいい顔をしているに違いない。達也も苦笑いだ。

 

「そういえば、私の実家にまだ来てなかったよね。」

 

「・・・・・・・・・。お願いします。それ以外なら何でもしますから。」

 

エリカは慌ててしっかりと頭を下げた。その頭を私は撫でるのだが。

恥ずかしがって、エリカは逃げる。

 

「何でもって、言ったね。達也。」

 

「ああ、言ったな。」

 

「在学期間中は、私に撫でられても逃げないこと。それで許してあげる。」

 

「ひィ!?」

 

エリカは凄く怖がって、柴田さんに身を隠す。今まで押し押しだったのは何処行ったと言わんばかりに驚いていたが、抱き着いてくるエリカを宥めていた。

そんな一幕があったが、入学式が始まり、深雪の答辞の番となった。

 

達也が危惧した通り、想定以上に際どいフレーズだった。魔法科高校で魔法以外もというのは確かに大切だが・・・達也に飛び火しないだろうか。

心配そうに達也を見ると

 

「大丈夫だ。あまり関わらないようにするさ。」

 

「災いは、引き寄せられてくるようなもんだよ。」

 

さっきから、苦笑しかしていなかった達也もどうしたものかと真剣に考えるようになっていた。しかし、その心配も直ぐに現実のものとなるとは思いもしていなかった。

 

入学式が終わってから帰ろうとした時、深雪は大勢の一科生と共にこちらに合流した。

 

「お待たせしました」

 

「!?(七草真由美!何故深雪と一緒に)」

 

「深雪、生徒会の方々との用があるんじゃないか?」

 

「深雪は、お兄さんと一緒に帰りたかったのよ。達也ももう少し妹の気持ちを考えては?」

 

「そうだな、すまない。」

 

「いえ、お兄様とお姉様と一緒にいられたら私は嬉しいですから。」

 

深雪のブラコン・シスコン発動

妹の為ならと言う兄と兄が好きでたまらない妹の間に入り込もうとする猛者は居ないだろう。しかし、警戒は解かなかった。解かなかったが、

 

「円華、仕舞いなさい。」

 

円華は拳銃型CADを懐から取り出そうとしていたのを私は注意した。

 

エリカには分かっていた。この3人が既に臨戦態勢に入って居ることを

 

「大丈夫ですよ、今日はご挨拶だけですから。

先にご予定があるようですし、また日を改めます」

 

「会長!それではこちらの予定が・・・」

 

「それは此方が一方的に立てたものでしょ。それに、あの二人の前に立つ3人と戦う気?」

 

「一人一科生でしょうが・・・」

 

「言っておきますけど、いくら範蔵君とはいえ、勝てませんよ。」

 

「何故ですか!?」

 

「言ってしまっても?」

 

七草会長は私に許可を求めてきた。恐らく試験の際のCADについてだろう。私はOKサインを出した。

 

「木乃香さんは、現状二科生。しかし、それは学校の規則に則ったもの。試験の際に木乃香さんの魔法力に耐えられなくて、逆にCADが自壊したのですもの。」

 

「なっ!」

 

「尤も、それがどのような経緯になったかは知りませんが、二科生で留まったようですし。魔法無しでの技量は、十文字君を凌ぎますよ。」

 

「そんな馬鹿な。有り得ない。」

 

「それに・・・、あら。」

 

七草会長が説明している間に達也や深雪、木乃香達は既に帰った後だった。

 

生徒会長は、会室に戻ってくると

 

「・・・話はここら辺にしましょうか。」

 

「待ってください。それでは、可笑しいでは有りませんか。」

 

範蔵と呼ばれた男はあることに気付いた。いや、気付いてしまった。

 

「もしや、・・・」

 

「ええ、この学校の基準に満たしていないからと言って、他校に行けば最高得点をたたき出すという事例が多々あるわ。つまり、第一高校は優秀な人材を外に出しているということになるわ。」

 

「そんなはずは。」

 

「少し考えなおすことをお勧めするわ。範蔵君」

 

 

 

 

 

達也と深雪、エリカと美月とは、立川駅で別れると私は、2人を連れて待っている車の元へと向かった。

 

「お待ちしておりましたわ。」

 

「ありがとう、夜架。」

 

「これは、私の仕事ですから。」

 

黒塗りのランドクルーザー2台に挟まれた黒塗りのレクサスに乗り込んだ私たちは彼らに護衛されて皇居へと向かう。これが私たちの通学用車両だという。

そんなことしなくてもいいのにと、思うのだが。心配性の母と安全面を充実させるということを理由に皇宮警察より回された警護部隊と重装甲乗用車が三笠様より渡された。

太源の名はそれだけ出回っている分、恨みも買っているようで。母が外出時は常に黒姫綾香さんが一緒に着いている。前は一緒に居なかったのだが、買い物帰りに襲撃を受け、偶々近くに警察署があったため、警戒していた警察官によって防がれたが、軽くない怪我を負ったためだった。

私の場合、護衛の為に密かにクローンコマンドーが周囲に溶け込んで警護に着いているため大丈夫なのだが。それでも足りないらしい。

今日は、陛下に入学したことの御祝辞を貰うために皇居へと向かっているのだが、スモークガラス越しに見る外の景色はまた違ったものだった。

 

 

「(あら、二人して)」

 

後部座席に座る私は窓から妹に目を向けると、2人とも私に身を預けて眠っていた。

前部座席に座って羨ましそうに見る夜架を置いといても、ユウキは私の肩に身を預けて、円華は私の膝に頭を乗せてそれぞれ眠っていた。

 

「夜架、また今度ね。」

 

「そうしますわ。」

 

3台の黒塗りの車列は高速道路を使って都心近くまで来ると、高速を降りた。

電気自動車若しくはハイブリッド車で動く車がこの世界の自動車の主流であり、ガソリン車には、高額とも言える税が掛かってしまう。降りた先で、機動捜査隊の車両に職質を受けるガソリン車。明らかに環境に悪いというより、マフラーが4本も付いている。

 

 

「あんな車両がまだあるんだ。」

 

「かなり減って来た方ですよ。・・・あ、逃げた。」

 

職質を受けていた車が逃走を開始

 

 

 

 

 

 

しようとして、別の方向から来た同じ機捜隊の警察車両が体当たりし、沈黙していた。

 

「相変わらずだな。大体こんなもんですよ。」

 

「外の音があまり聞こえないのね。」

 

「防音性でもありますからね。基本、警護部隊は無線通信を基本としていますから。それを知らない警察官はいませんし、居たら減給ものですよ。」

 

どうやら、こちらでも町のパトロールの規則と罰金は厳しいようだ。

 

皇居に着き、2人を起こすと邸宅内へと入っていった。

 

 

3人が車を降りて、邸宅に入っていった頃、

USNAでは

 

「国務長官、つまりだ。この艦隊はあの少女が率いていると」

 

「ええ、確認が取れています。」

 

「なら、何故引き入れるなり拉致してくるなりが成功していないのだね?」

 

「皇国の重要人物として扱われているからとしか。常時、皇宮警察が近辺警護に付き、付け入る隙がありません。」

 

「魔法師は使えないのかね?」

 

「近くまで近寄れば、別の護衛にマークされて一向に動けなくなります。」

 

「それに、新ソ連が先に拉致未遂を過去に行ったことが原因と見られていますが、警護態勢が厳重であるのが現状です。」

 

「何か、策は無いのかね?」

 

「日本皇国に置かれた銀河共和国とかいうの前線基地にCIC諜報員を何人も送り込んでいますが、一人として戻って居ません。」

 

諜報員は、現地でUSNAの協力者から武器や諜報に必要なモノが渡されるが、潜入したら最期。脱出しようにも、侵入が彼等(諜報員)には分からない方法で発覚するため、全ての脱出路は潰され、回収のために来ていた車両は地元警察によって御用となる始末。更に諜報員であるため、生死について表沙汰にしないように日本皇国政府がコントロールしている。

USNA側も捜索を日本に願いたいがそもそも密入国させている諜報員の存在がばれる為、その方法が使えず、世界の力の均衡は日本皇国が一番にあるとUSNAは思っている。

 

「何とかして、日本の力を削ぐ必要があるな。」

 

「拉致が難しいなら、ヤってしまってもいいのでは?」

 

「そうだな、国務長官。どのような手を使っても構わない。この女を惨たらしくヤってくれ。」

 

「分かりました。ミスタープレジデント」

 

国務長官が指示し、丁度日本国内で活動する反魔法国際政治団体に目を付けた。

第三者を通して、強力な武器を送り、彼らに彼女を暗殺させようという魂胆だった。

しかし、USNAで行われていたこの会議と、国務長官が指示したこの命令は、銀河共和国日本支部軍に筒抜けだった。

この情報を掴んだ、共和国支部軍は情報を国土交通省にリーク。

信憑性の高い情報として、未然に防ぐ為に、日本各地の国際空港の税関や入国管理局へ連絡。

海からの可能性を考えて海上保安庁にも一報を入れていた。

この事前情報により、反魔法国際政治団体は本来得るはずだった武器の半分以下しか手に入れることしか敵わなかった。

 

 

 

 




USNAは、日本と同盟関係にありますが、実質USNAは守っておらず好き勝手にしている節があるため、日本がUSNAに制裁を行うなどして警告しているというあまりいい関係ではない。

軍部の一部は親日派であるため、ラングレー(本部)の方針を良く思っていません。


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