戦場の虎 (コンテナ輸送)
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戦いの始まり

初めて投稿します


宇宙世紀0078年1月3日ジオン公国は地球連邦政府に宣戦布告した。

その直後、ジオン軍ドズル・ザビ指揮する宇宙攻撃軍モビルスーツ部隊が各コロニーに駐留する連邦艦隊に攻撃を開始する。

同じくしてキシリア・ザビ指揮する突撃機動軍モビルスーツ部隊が月面都市グラナダを制圧。

各軍の攻撃、制圧を終了後、地球連邦側に立ったサイド1、2、4各スペースコロニーを急襲した。

 

 

 

 

そう、ここ、サイド1宙域ザーンにもモビルスーツ部隊が急行していた。

突撃機動軍所属モビルスーツ部隊《ゴルゴーン》所属の小隊〈メデューサ〉はサイド1に特殊作戦のため急行していた。

「各機、周囲を警戒しろ」

鉄のように重い言葉が各機に伝わる

「メデューサ2了解!」

「メデューサ3了解です!」

それに応えたのは鉄のような声の持ち主である、

この小隊を指揮するミハエル・テラーであった。

 

「此より無線の使用を禁ず、俺がコロニー突入後各機は待機、俺の脱出を確認後撤退する」

 

『了解!』

 

各機はそれに答えた、しかしメデューサ2はミハエルに常々疑問に思っていたことを尋ねた。

 

「ミハエル少尉、この任務はどの様な任務なのですか」

 

メデューサ2は尋ねたがそれに、ミハエルは

 

「此は極秘作戦のためお前たちは知る必要がない」

 

それにメデューサ3も疑問に思っていたのかさらに尋ねた。

 

「しかし、隊長だけでコロニーを制圧とは無理が有りすぎます‼」

 

ミハエルは変わらず鉄のような声でそれ以上詮索するなと言うように言った。

 

「貴様達は知る必要はない、此より無線封鎖を開始する」

 

「しかし隊ちょ!?」

 

ミハエルは彼等とはもうこれ以上話すことがないと言うように無線を切った。

彼は自分の乗るモビルスーツMS-05B型ザクⅠのコックピットで作戦を告げられた時のことを回想する。

 

(俺とて詳しくは知らされていない、だがこの作戦の狙いは、、、、)

 

 

 

 

・・・宣戦布告一時間前・・・

 

、、、ゴルゴーン部隊の旗艦のムサイ、、、

 

 

ミハエルはゴルゴーン部隊隊長に呼ばれていた。

 

「隊長、失礼します」

 

ミハエルは隊長に確認をとるとは部屋に入った、隊長が座るように促した。

 

「テラー少尉、君に任せたい任務がある、、、」

 

隊長は重たい空気の中切り出した

 

「これが、君に任せたい任務だ」

 

そう言うと隊長は名令書を渡してきた、そこに書かれていたのは。

 

「コロニー内に睡眠ガスを散布し、制圧ですか」

 

重く何かを探るように聞き返す、すると隊長は、

 

「そうだ、君に任せたい、ジオンの為承受けてくれ!」

 

その任務の裏に有るであろう嘘を見抜きながらミハエルは答えた。

 

「了解しました、ミハエル・テラーその任務受けさせて貰います」

 

彼はその裏を知りながらも、その手を赤く染めジオンの為、誰かの為に進み続ける。

 

 

此はジオンのため走り続けた男の物語。

 



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始まりの惨劇

ミハエルはスペースコロニーに、デブリに紛れ接近していた。

デブリをザクⅠで器用に移動しながら、ミハエルの乗るザクⅠは、コロニー外部に発見されることなく到達した。

コロニー外部に到達したミハエルはメデューサ2、3に、モールス信号で周辺のデブリに紛れ待機するように命じた。

ミハエルはコロニー外部に設置してある搬入口のロックを解除するとコロニー内に進入した。

 

 

 

 

コロニー内部に進入したミハエルは、コロニー内の風景がついに見えてきた。

 

「此がこのコロニーの内部か、、、」

 

そう言うミハエルに、周辺の景色が飛び込んできた。

会社に行くため歩く男や、公園で楽しく遊ぶ子供達、

ショッピングする恋人達等の日常的な風景が見えた。

それらを見ながら降下していたミハエルの乗るザクⅠは、

ハイウェイにスラスターを噴射しながら、ガシャンと音を立ててハイウェイに降り立った。

それには、コロニー内部の住民達は驚き、ジオンが攻めて来た事実に戦慄し恐怖した。

「ジオンが攻めて来たーー!!」と言う声が木霊した。

ミハエルは、ザクⅠがこの作戦の為に装備してきた、

特殊兵器である睡眠ガス散布兵器に手を伸ばした。

腰に装備していた、散布機に右手で手を掛けた。

散布機は、トリガーを引けば先端に取り付けられた睡眠ガスが打ち出され、散布される用になっていた。

ミハエルは散布機のトリガーを引いた

すると先端に取り付けられた睡眠ガスが、不規則に煙を出しながら打ち出された。

すると睡眠ガスがすぐさまコロニーを覆い尽くす勢いで、広がりものの数分でコロニー全体を覆い尽くした。

先ほどまで日常に覆われていたコロニー内部が、異常な光景に包まれた。

会社に行くため歩いていた、会社員は地面に突然手を着くこともなく倒れ、びく、びくと痙攣を始めた。

公園で遊んでいた子供達や恋人達も同じく倒れ、痙攣しだした。

それは、睡眠ガスの効果とはかけ離れていた。

そうこれは、睡眠ガスを散布する作戦などではなく、

この作戦の真の狙いはNBC兵器、即ち毒ガスを使用した民間人の、虐殺であった。

その光景を見たミハエルは独白する

 

「やはり毒ガスか、、、だが此は誰がやらねばならぬこと、ならばこの俺が汚名を被れば良いことなのだからな」

 

ミハエルは此から来るであろう未来を見つめながら、

自分が殺した人達に目を背けず、背負っていくと告げるのだ。

 

「すまない、俺はお前達を背負っていく、お前達は俺を怨む権利がある、だが俺はまだ死ねない、やらねばならぬことがあるだ」

 

お前達は俺を殺す権利があると言いながら、まだ死ねぬと宣言するのだ。

ミハエルは脱出の為、ザクⅠのスラスター使って運搬口を目指す、一度も振り返らず。

 

 



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ルウム戦役開戦

勢いで書いてす


ミハエルはコロニーから脱出し、小隊と合流する。

するとミハエルはすぐさま、

 

「各機、無線封鎖解除、旗艦に帰投する」

 

ミハエルは簡潔に命令し、離脱を開始した。

作戦はどうなったのかと、メデューサ2は聞いてきた。

 

「ミハエル隊長!、作戦は、成功ですか?」

 

メデューサ2は、どの様な任務かもしらず、それでもこの任務に意味はあったと、ジオンにとって必要な作戦だったと信じたかった。

それにミハエルは、部下達の気持ちを組んで答えた。

 

「任務は成功した、この任務はジオンにとって必要作戦だった、それだけは言える」

 

重く、部下を労うかのように言った。

 

「我々の働きでジオンは勝利を掴めるだろ、共にジオンの勝利の為、戦おう!」

 

いつも、冷たく、重く、言葉には熱量を感じぬミハエルから、ジオンの為に戦おうと、熱く、雄々しい言葉に

胸に熱を灯しながらメデューサ2、3は答えた。

 

『は!!、共にジオンの為に!!』

 

然して、メデューサ隊は帰路を急ぐ。

 

 

 

 

 

 

突撃機動軍所属モビルスーツ部隊《ゴルゴーン》所属 旗艦ムサイ

 

 

ミハエルは帰投してすぐさま隊長に呼ばれていた。

 

「隊長失礼します、任務報告に来ました」

 

ミハエルは、到着を告げると入室を許可され中に入ると、ミハエルは作戦の報告をした。

 

「睡眠ガスを散布し、コロニー内部の鎮圧を成功しました」

 

ミハエルは簡潔に述べ、必要がないことは報告しなかった。

それを聞いた、隊長は労いと感謝を述べた。

 

「テラー少尉、、、ご苦労だった、感謝する」

 

ミハエルの意思に敬意を示し、敬礼で答えた。

ミハエルも敬礼で答え、退室した。

 

 

宇宙世紀0079年1月4日、サイド2の第8番コロニー「アイランド・イフィッシュ」に核パルスエンジンを装着し、地球に落下させる軌道に移動させた。

 

落下目標は地球連邦軍総司令部ジャブロー。

 

南アメリカ大陸のジャブローに地球連邦軍は、

天然の地下空洞を利用した大要塞を作り上げて、そこに総司令部を置いていた。

此を陥落させるには、長期戦を覚悟しないといけないと

判断したジオン公国は、コロニーを一個の弾頭としてジャブローに落下させると言う、一大作戦ブリティッシュ作戦開始した。

コロニーのジャブロー落下を阻止せんと、地球連邦軍の激しい抵抗でコロニーはアラビア半島上空で崩壊し、

ジャブロー落下だけは阻止した。

しかし、コロニーの残骸が地球に相次いで落下。

コロニーは大きく3つに崩壊したコロニーの内、ベイ部分はオーストラリアのシドニーに落下、他の部分はバイカル湖、北米大陸に落下した。

此によって、オーストラリア大陸は16%が消滅、特に落下地点のシドニーはほぼ跡形なく消滅、シドニー湾と呼ばれる直径500kmのクレーターができ、崩壊時に発生した無数の破片は、地球全土に降り注いだ。

二次被害として津波や異常気象を引き起こし、地球に長い間多大な、悪影響を及ぼした。

ブリティッシュ作戦失敗を受けたジオンは、ジャブローに再びコロニーを落下をさせること目論んだ。

今まで進攻していなかった、サイド5ルウムに侵攻を決定した。

その情報を掴んだ地球連邦軍は、1月15日に出撃可能な艦艇をかき集め、ジオン軍に総力戦を挑んだ。

 

 

今まさに戦闘が始まろうとしているこのルウム戦域に、

ミハエル・テラーの姿もあった。

 

 

 



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ルウム戦役決着

突撃機動軍所属モビルスーツ部隊《ゴルゴーン》

 

旗艦ムサイ内

 

ミハエルは隊長に呼ばれていた。

 

「テラー少尉、君に辞令だ」

 

隊長はミハエルに辞令が届いたことを告げる。

これは、ミハエルが毒ガスによる民間人の虐殺作戦に参加した為の、左遷だった。

死に易いような最前線に送られこととなった。

ミハエルは今まで世話になった、隊長に告げた。

 

「隊長、今まで御世話に成りました」

 

そう言うと、ミハエルは敬礼した。

隊長はミハエルの肩に手を置きながら言った。

 

「テラー少尉、、、君には辛い目に会わせてしまった、だが君なら乗り越えられると信じているぞ」

 

隊長はミハエルのその才と、鉄の意思を見込んで、ジオンの為にいつか必要な人物になると思っていたのだ。

ミハエルは隊長に尊敬の念を覚た、その期待に答えると誓うのだった。

 

「は!、隊長のその期待にいつか答えて見せます」

 

そう言うとミハエル退室した。

然してミハエルは、ルウム戦域に送られる事となった。

 

 

 

 

 

ルウム戦役開戦

 

 

地球連邦軍とジオン軍の艦隊がその主砲を撃ち合っていた、暗い宇宙に数多くの光の閃光が飛び合い、それは

美しいとさえ思える光景だった。

 

 

地球連邦軍の戦艦マゼランがジオン軍巡洋艦ムサイに、その主砲を向けるとムサイを撃破せんと、その拳を振り下ろした。

すると、メガ粒子砲ががムサイに直撃したとたんにムサイは内部から膨れ上がり爆発した。

そしてこのような光景が連邦、ジオン両方に起こっていた。ジオン軍は奮戦するが流石に戦力比率3:1は覆すことが、出来ていなかった。このまま連邦軍の勝利で終わるのかと思われたが、ジオン軍の新兵器モビルスーツが投入されると戦況が覆った。

ミハエルは自分の愛機の、ザクⅠのコックピットで

出撃命令を待ったいた。

ミハエルの乗るMS -05ザクⅠはもう旧式化しており、

主力機の座は新鋭機MS-06ザクⅡに更新されていたが、このルウム戦役には間に合わずザクⅠが未だに使われていた。ミハエルのザクⅠは全身ををダークパープル色で塗装していた。ミハエルは待機していると出撃命令が出て、オペレーターから出撃許可が出た。

 

「ミハエル少尉出撃どうぞ、御武運を!」

 

そしてミハエルは出撃した

 

「感謝する、ミハエル・テラー出撃する」

 

カタパルトから勢いよく発射された、凄まじいGに襲われるが姿勢制御を行いを機体を安定させると、凄まじい勢いで敵艦隊に接近した。

敵艦隊の射程に入ると壮絶な弾幕が飛んでくるがミハエルは、機体のスラスターを使い敵艦の射線から逃れて

連邦軍の巡洋艦サラミス級に接近した。

サラミス級から凄まじい砲火が飛ぶが、素早い機動で避けながら、ほぼ直線に近い機動でサラミス級に接近した

ミハエルは、ザクⅠの武装である280mmバズーカを構えた、サラミス級の艦橋部分に280mmバズーカで狙い、

そのトリガーを引いた。

 

「墜ちろ!」

 

すると、ドカーン!!と音を立てて打ち出された、

先込め式の280mmの砲弾がサラミス級目掛けて真っ直ぐ

進んで行く、吸い込まれるようにサラミス級の甲板に直撃した、するとサラミス級ののエネルギー庫が誘発し、サラミス級は弾けるかの用に爆発した。

ミハエルは次なる目標に向けて移動を開始した。

 

「先ずは一隻、次の目標に向かう」

 

ミハエルが狙ったのは、連邦軍の戦艦マゼランだった。

接近しようとすると、連邦軍の戦闘機セイバーフィッシュ隊が25mm機銃を撃ちながら突っ込んできた。

ミハエルは攻撃してきたセイバーフィッシュを105mm マシンガンで冷静に撃墜しながらマゼラン級に向けて

前進するが、マゼランの弾幕とセイバーフィッシュの連携にマゼラン級に接近出来ずにいた。

すると、赤い光が戦場を駆け抜けているのが見えた、

その光は敵戦艦を撃墜しながらこちらに近づいてきた。

その正体は赤く塗装したザクⅡだった、そのパイロットから通信が入った

 

「ザクⅠのパイロット聞こえるか、私が援護する」 

 

赤いザクがセイバーフィッシュを撃墜した隙にマゼラン級に接近して、280mm バズーカで艦橋を吹き飛ばした

するとマゼラン級が内部から膨れ上がり爆沈した。

赤いザクに礼を告げると一度補給の為に搭乗艦に帰投した

この時、ミハエルの撃墜スコアは、敵艦2隻だった。

 

ルウム戦役はモビルスーツを投入したジオン軍が、戦力比3倍の戦力差を跳ね返し、地球連邦軍宇宙艦隊はほぼ壊滅した。連邦軍は大敗を喫し、宇宙においてジオン軍の大規模行動を阻止することが不可能になった。

一方ジオン軍は、地球連邦軍の司令官ヨハン・イブラヒム・レビル大将を捕虜にしたこで、ジオン公国は予想以上の勝利で終わった。

しかしジオン軍も、消耗が激しかった。

この勝利によりジオンはこの戦争の勝利を確信し、地球連邦政府に和平交渉に臨み、早期終結を図った。

事実上の無条件降伏に等しい要求だったが、相次ぐ敗北で

条約締結もやむ無しとなると思われたが、その時、レビル奪還の報が入る。



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地球降下作戦

ジオン軍に捕虜になっていたレビル大将が地球全土に向けて、声明を発表していた。

 

「ルウム戦役ですでにジオンの兵力は尽きている。

一人の兵を育てるのに、何日かかる?ギレンは知らぬわけではあるまい。

そして、地球連邦の国民、一人びとりへ私は訴える。

もはや、ジオンに兵はいない!

そのジオンに跪くいわれはないのだ!起てよ国民!今こそ、ジオンをこそ、我等の前に倒すべきである。」

 

その声明は、地球連邦の国民の戦争の継続意識を高めた。その演説をミハエルは乗艦のムサイで聴いていた。

 

「これでは、、、ジオンは、、」

 

ジオンの未来を見据え、ミハエルは思考する。

すると、ミハエルに声を掛ける者がいた

 

「ミハエル少尉、大変なことになったな」

 

そう言うのは先のルウム戦役にてミハエルを援護した、

赤いザクのパイロットである、シャア・アズナブルであった。

 

「はっ、これで連邦は講和に応じず、戦いは長期戦になるかもしれません」

 

ミハエルは自分が思っていたことを話した。

この戦いが長期戦になった場合ジオン果たして勝てるのか、国力の差は10倍を遥かに越える、そのような敵がもし、ジオンのアドバンテージであるモビルスーツを開発した場合、そのアドバンテージは消失する。

 

「しかし、、ジオンは必ず勝ちます、俺がジオンに贈るのは勝利以外有り得ない」

 

ミハエルは堅い決意を吐き出した、どんなに敵が強大でも必ず勝つと誓うのだった。

そう言うとミハエルはシャアに格納庫に用があると言うとミハエルは格納庫に行くのだった。

 

 

 

ギレン・ザビはこの戦争が1ヶ月で終わると見込んでいたが、その計画は破綻した。

長期戦になると判断したジオン軍は速やかに地球降下作戦の決行を決定した。

キシリア・ザビが指揮を執る地上戦線は重力戦線と命名された。

3月1日、第一次降下作戦が開始される、コーカサス地方のオデッサ・バイコヌールに降下した。

3月4日、マ・クベ大佐率いる資源発掘隊が天然資源の多いカスピ海及び黒海沿岸部に降下して制圧している。

3月11日、第二次降下作戦が開始される、北米大陸に降下し、キャリフォルニアベース及び、その周辺の占領を目的としていた、この第二次降下部隊にミハエル・テラーの姿もあった。

ミハエルは降下中のHLVの中で、この作戦を受けた時のことを回想していた。

 

 

 

 

 

ジオン軍突撃機動軍本拠地 月面都市グラナダ

 

 

 

突撃機動軍総司令室

 

ミハエルは突撃機動軍総司令であるキシリア・ザビに呼ばれていた。

 

「キシリア閣下、自分に如何なる用でありますか」

 

ミハエルは自分が呼ばれた理由を尋ねた、キシリアはその問いに答えた。

 

「貴様はあの、コロニー制圧作戦にNBC兵器を使用することを知りながら参加したと聴き及んでる、何故あの作戦に参加した?」

 

「その真意が知りたくて貴様を呼んだのだ」

 

キシリアは何故ミハエルがあの、コロニー住民の虐殺を知りながら参加したのかが分からなかった。

ミハエルが人殺しに喜びを得る狂人なら分かる、しかし

ミハエルはそのような狂人には見えなかった。

ならば何故あの作戦に参加したのか、これからのため知る必要があったのだ、危険なら排除し、使えるならば使う為に。

ミハエルはそんなキシリアの目を真っ直ぐ見ながら言った。

 

「それは、ジオンの為です」

 

「それを信じろと?」

 

キシリアはそれが信じられんと言った、しかしミハエルは決意を表しながら言った。

 

「あの作戦は、自分がやらなかったら他の者がやっていたことでしょう、ならば!」

 

「自分が汚名を被ることでジオンが勝利を掴めるならば!、俺は構わない!」

 

全てはジオンの為だとミハエルは言った。

その姿を見たキシリアは、ミハエルが嘘をついている用には見えなかった。

 

「なるほど、、ジオンの為か、、しかしまだ貴様を信用はできない、その忠義を戦場で示せ」

 

そう言うとキシリアは命令した

 

「ミハエル・テラー貴様は一階級昇進、そして第二次降下作戦に参加せよ!」  

 

ミハエルはその命令を受けた

 

「はっ!、その命、受諾しました」

 

そうしてミハエルはミハエルは第二次降下作戦に参加することとなった。

 

 

 

 

あの日のことを思い出していたら、オペレーターの声が聞こえてきた。

 

「ミハエル中尉、もうすぐ目標地点に到達します、降下準備をしてください」 

 

「了解した」 

 

ミハエルはもうすぐ目標地点に到着することを知ると意識を覚醒させた。

 

「全てはジオンの為に、、、」 

 

ミハエルの決意は揺るぎはしないのだった。



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キャリフォルニアベース攻略戦

オリキャラ

クルト・ライン

ハウサー・ビット


ミハエルは新しく小隊に着いた二人に降下準備するように言った。

 

「クルト、ハウサー、いつでも降下できる様にしておけ」

 

どちらも、ルウム戦役後に編入された新兵だった

 

「ヘルハウンド2、了解」

 

「ヘルハウンド3、了解しました!!」

 

クルトがハウサーに言った

 

「ビット少尉、もう少し声を落とせうるさいぞ」

 

ハウサーは言い返した

 

「うるさいとはどう言うことだ!」

 

「貴様のその、バカ見たいな声を落とせと言うことだ」   

 

「バカだとー!!」

 

この小隊が結成されてから、日常とかした風景だった。

ミハエルはそのいい争いを納めるのだった

 

「貴様らそこまでにしておけ、これより作戦を確認する」

 

ミハエルの諌めるその声で二人は言い争いを止め、作戦の確認を始めた。

 

「我々の作戦は、キャリフォルニアベース攻略部隊を支援するため、敵補給基地の制圧だ。」

 

ミハエル率いるヘルハウンド小隊の任務は連邦の補給線に打撃を与え、連邦の戦線に致命傷を与えることだった

 

「目標地点に降下したら、基地防衛隊が体制を整える前に敵司令部の鎮圧並びに、敵輸送機を鹵獲する」

 

特に輸送機の鹵獲は重要だった、ジオンは地上での輸送手段が少なかったからだ、ジオンにもガウと言う大気圏内用輸送機兼爆撃機の開発がされていたが、まだ数も少なかったこともあり、輸送機の鹵獲は重要だった。

 

「そんなに上手く行くのですか?」

 

クルトが聞くとミハエルは言った

 

「それを行かせることが、我々の仕事だ」

 

ハウサーはクルトを煽った

 

「何だクルト少尉自信がないのか、なら俺の後ろに隠れていろ」

 

怖いなら後ろに隠れていろとハウサーは煽った、クルトは言った

 

「ふざけるな!、貴様の方こそ俺の後からやって来るがいい!」  

 

その光景を見たミハエルは言った

 

「クルト、貴様のその慎重さは戦場で冷静な判断を下せる力になる、ハウサー、貴様の大胆さは、どんなに不利な局面で有ろうとも活路を見いだせるだろう」

 

「お前達が、自らの役目を全う出来たのなら、この作戦は失敗することなど有り得ない」

 

「各々、自らの役目を全うしろ」

 

二人はミハエルの信頼に応えて見せると誓うのだった

 

『はっ!』

 

そうして作戦は開始された、ミハエル達ヘルハウンド小隊は、連邦軍の補給基地近くに降下した。

 

 

 

キャリフォルニア州 地球連邦軍補給基地

 

 

 

連邦軍兵士

 

この日も俺はいつも通りに基地を周辺を哨戒していた。

 

「あ~暑ぃな、何処か涼しい所に配属されたかったぜ」

 

いつも通りの、この照りつける太陽光にふて腐れながら

俺は哨戒していた。

 

「こんなところに、ジオンなんて来るはずねーだろうに」

 

ジオン軍の地球降下作戦が行われヨーロッパにジオンが攻めて来たことは知っている、しかし何処か他人事のように感じていた、そう、今日までは。

俺は空に光るものを見つけた。

 

「何だあれは、この時間に流れ星か?」

 

そんな分けないか、ならあれは一体なんだ?、そう思っていると光が墜ちてきていることに気がついた。

 

「こっちに、落ちてきてねーか?」

 

そうして段々とその光の形が見えて来た、それは流れ星などではなく、宇宙から降下するために使われているHLV だった、それに気が付いたとき俺は基地に向けて走り出していた。こんな場所に降下してくる友軍等いない、ならば誰が降りてきたかそれは、ジオンしか有り得なかった。

 

 

 

 

ミハエルは自分の機体であるMS -05ザクⅠQ型にてHLVから出撃した、それに続く様にクルト、ハウサーの乗るMS-06ザクⅡF型がそれに続いた。

ザクがドスン、ドスンと音を出しながら砂漠の大地を駆け抜け連邦の補給基地に迫った。

補給基地守備隊は、連邦軍の主力である61式戦車を繰り出してきた、ミハエル達の乗るザクが射程に入り次第、発砲を開始した。

61式戦車の主砲は155mmとザクを破壊する可能性を持っていた、しかし

 

「各機、散開せよ、当たらなければどうと言うことはない」

 

散開しながら、補給基地に進んで行く、守備隊は体制を整える事が出来ておらずそれに加え、火力を分散しなくてはならなくなった。

ドン、ドン、ドン、とミハエルの乗るザクの近距離に着弾していく、ミハエルは120mmマシンガンを構えた、オプティカルサイトに入った61式戦車に向けてその120mmマシンガンの引き金を引いた、すると吸い込まれるように当たり、61式戦車を蜂の巣にして行った。

ミハエルは次々に61式戦車を撃破していった、61式戦車に接近すればヒートホークで61式戦車を真っ二つにしていった。

ミハエルは戦車隊を壊滅した後、そのまま基地に突入した、基地内の守備隊は建物の物陰に61式戦車を隠してミハエルの乗るザクⅠが通った瞬間発砲した、しかしミハエルは当たると思われたその攻撃を、後ろにスラスター移動してまるで分かっていたかの様に、これを回避し61式戦車を120mmマシンガンで撃破した。すると敵輸送機が起動していた為、司令部施設はクルト達に任せ敵輸送機の確保に行った。

 

「クルト、ハウサー、お前達に司令部の制圧を任せる、俺は敵輸送機を確保する」

 

その頃クルト達二人も守備隊を撃破していた、多少被弾したものの戦闘継続は問題なかった。

 

『了解!』

 

ミハエルは滑走路を走行していたミデアの前に移動して、拳を組んで頭上に掲げた、向かってきたミディアのコックピット目掛けてその拳を振り下ろした、するとミデアのコックピットは潰れて、ミデアは沈黙した。

クルト達も司令部を制圧していた

 

「隊長、敵司令より降伏するとの事です」

 

「了解した、降伏を許可する」

 

ミハエルは降伏を受諾した、そうして、ヘルハウンド小隊の初めての実戦は終わった。

 

 

 

第二次降下作戦は目標のキャリフォルニアベースを占領、制圧に成功した、この占領は無血占領だった。

作戦開始前に、ジオン軍の降下部隊が基地防衛隊を壊滅した為だった。

この戦いでジオン軍特殊部隊闇夜のフェンリル隊が地下ドックで潜水艦を拿捕している、これは潜水艦のノウハウの乏しいジオンにとって思いがけない幸運だった。

キャリフォルニアベースはジオン軍の一大拠点になった

第二次降下作戦はジオンの成功に終わった。



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第67物資集積所-防衛戦

ミハエル達、ヘルハウンド小隊はキャリフォルニアベース周辺の前哨基地にいた。

機体更新や改修が行われ、慌ただしく働いていた。

ミハエル達は、キャリフォルニアベース攻略戦以降、何度か連邦軍と戦っていたが連邦軍は組織的攻勢に出てくることはなく、ゲリラ戦を行うので精一杯だった。

しかしジオンも、戦線拡大に伴い補給線が延びきり、末端まで補給が届かない所もあった。

宇宙世紀0079年4月29日、北米のアリゾナ砂漠にある、第128物資集積所が連邦軍に襲撃される事件が発生した。しかしジオン軍は、襲撃した連邦軍の戦力を掴めていなかった、周辺に存在した第67物資集積所が襲撃される可能性が有ったため、その増援としてミハエル率いる

ヘルハウンド小隊が送られることとなった。

 

 

ミハエル達ヘルハウンド小隊は、アリゾナ砂漠を進んでいた。

 

「隊長、連邦はどうやって襲撃したのでしょうか?」

 

クルトは、連邦軍がどの様に気付かれずに接近したのか、接近出来たとしてもモビルスーツを持つ守備隊をどうやって撃破したのかが気になっていた。

 

「どうせ、周辺の警戒を怠って殺られちまったんだろ」

 

ハウサーはバカな奴等だと言った、するとクルトは溜め息を吐きながら言った。

 

「お前は呑気で良いいものだな」

 

ハウサーは笑いながら言った

 

「分からない物は、分からないからな、考えても無駄だろ、それよりも不足の事態に備えるべきだろ」

 

クルトは呆れながらも、なるほどと思った。

そんな二人を見ながら、ミハエルは体がざわつく感覚を味わっていた、ミハエルは急ぎ目的地である第67物資集積所へ急ぐ必要があると感じた。

 

「クルト、ハウサー、少し急ぐぞ嫌な予感がする」

 

クルトとハウサーは、ミハエルの勘はよく当たる事を知っていた、そのため良くないことが起こっていると感じていた。

 

『了解』

 

ミハエル達は第67物資集積所へ急ぐのだった。

 

 

 

ミハエル達は第67物資集積所に着くと、すぐさま集積所周辺の哨戒を開始した。

哨戒していると、ハウサーから通信が入った。

 

「隊長、友軍のザクを発見しました!、接触します」

 

ハウサーから友軍のザクを発見したと通信が入った、

ミハエルは周辺を友軍が哨戒しているとは連絡が入ってはいなかった、だとしたらハウサーが発見したザクはどこから来たのか、そこまで考えハッと気づいた。

連邦が索敵されずに集積所に接近できた理由、モビルスーツを持つ守備隊を撃破できた理由を、もし隠れる必要が無かったとしてら、もし連邦がモビルスーツを鹵獲して使ったいるとしたら、そう考えれば辻褄が会うのだ、ハウサーが接触しようとしているザクは、連邦の使用している鹵獲機の可能性が高いのだ。

 

「待て!ハウサー、そのザクは連邦軍の可能性がある」

 

 

ミハエルがハウサーに警告しようとしたしかし、ハウサーから接触したザクから攻撃を受けたと通信が入る。

 

「こちら、ヘルハウンド3!、敵と交戦中!、至急救援を!!」

 

「糞が!、連邦奴らザクを鹵獲して使ってやがる!」

 

ハウサーから救援を望む通信が入った、ミハエルはすぐさまクルトにも救援に向かう様に命令を出す。

 

「クルト!、ハウサーの救援に向かう、貴様も救援に向かえ!」

 

「了解!」

 

クルトもすぐさまハウサーの救援に向かった、ミハエルは連邦がジオンのザクを使っていたとは思いもしなかった。

 

「まさか、ザクの威力を我々が思い知るとはな、、」

 

ミハエルはジオンが証明したモビルスーツの威力をその身で味わった。

クルトはハウサーを発見した、ハウサーは120mmマシンガンを撃ちながら後退していた。

 

「ハウサー、無事か!」

 

「おう、なんとかな、、ザクの右腕を持ってかれたがな」

 

クルトはハウサーのカバーに入って後退することにしたしかし連邦のザクが120mmマシンガンを撃ちながら接近して来た。

 

「死にやがれ!、ジオン」

 

クルトはハウサーを援護しながらだと、流石に攻撃に移れなかった、突如連邦のザクが銃弾の雨に晒され、爆発した。

連邦のザクを攻撃した者の正体は、黒紫色のモビルスーツだった。

 

「隊長、助かりました」

 

ミハエルの乗るMS-06-G型-陸戦高機動型ザク-だった。

ミハエル達はこの任務に就く前に、機体の更新と改修を行っていた。

クルトとハウサーは、搭乗機であるMS-06ザクⅡ-F型を改修して、MS -06-J型-陸戦型ザク-に強化していた、J型はF型をベースにして、推進剤搭載量の削減や宇宙用装備を省略することで、軽量化が図られている。

またジェネレータの冷却機構の空冷化や防塵対策が行われ、稼働時間や機動性が改善された。

一方ミハエルは最新のMS-06-G型に搭乗機を更新していた。

G型はJ型の性能向上型で、開発中であるMS-07-グフ-のポテンシャルを移入した結果、碗部形状や肩部装甲のスパイク形状がグフに酷似している。

特徴は脚部にバーニアが増設されており、機動性において、ベース機を上回っていた。

ハウサーは、改修されていなければ危なかったと言った。

 

「クルト、もう少し援護が遅かったら殺られていたぞ」

 

クルトは礼は不要と言った

 

「礼など不要だ、いつもの貴様らしさは何処に行った」

 

「それよりも、隊長これからどうしますか?」

 

敵はザクⅡ六機で武装した部隊このままでは、時期追い付かれるそのため、クルトはミハエルに指示を仰いだ

 

「ハウサーは集積所まで後退、クルトはハウサーの後退までの支援、その後、集積所の防衛に当たれ、俺が殿を勤める」

 

クルトはその命令に反対した

 

「隊長!、集積所の防衛に当たれとは、どう言う事ですか!自分は隊長の援護に」

 

ミハエルは命令変更はないと言った

 

「命令の変更はない、これは命令だクルト、お前は集積所防衛に当たれ」

 

クルトは不足ながらも了解した

 

「了解、、しました、、」

 

「お前達は後退しろ、ふっ、心配など不要だ、たかが五機のザクに遅れをとる俺ではない」

 

クルト達は後退を開始した時、連邦軍もこちらを捕捉した。

「フェデリコ隊長!、ジオンどもを見つけました」

 

連邦軍セモベンテ部隊が姿を現した

 

 

 

 



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気高き犬

地球連邦軍セモベンテ部隊は、ジオン軍の集積所を襲撃しようとしていた。

 

「俺がまず、いつものようにジオン兵に近づく、そしてバカなジオン野郎を始末したら攻撃開始だ」

 

セモベンテ部隊、隊長フェデリコ・ツァリアーノは部下達に今回の作戦を伝えた。

ジオン軍の集積所に進軍していると、斥候に出していた部下から通信が入った。

 

「隊長!、ジオン軍のザクを発見しました!、どうしますか?」

 

フェデリコは運がいいと思った、なぜなら集積所の戦力は、ザク2機だったからだ。

 

「ククク、俺達はついてるぞ、よし!、速度を上げるぞ」

 

フェデリコは進軍速度を上げ、集積所に急いだ。

しばらくすると、斥候に出していたザクから敵の増援が来たと連絡が入った、フェデリコはこの戦い勝ったとそう思ったしかし、斥候に出していたザクとの通信が途絶えた、しかしザク2機なら勝てると思ったのだ。

進んでいると黒紫色ののザクがいた、そのザクはこちらを見つけるとザクを超える速度で接近してきた。

 

「なんだ!、あのザクは!」

 

フェデリコはすぐさま部下に攻撃を命令した

 

「撃て!近寄らせるな!!」

 

しかし黒紫色のザクは脚部のバーニアを噴かしながら、攻撃を回避した。

黒紫色のザクは、回避しながらもこちらを攻撃してきた

フェデリコは近寄らせたら危険と判断して、距離を取りながら攻撃した。

 

「全機距離を取れ!、弾幕を貼り続けろ!」

 

距離を取ろうとしていた味方機のザクが、至近距離から120mmマシンガンで蜂の巣にされて部下が即死した、しかし距離を取り出したら、被害を被る事はなくなったが

敵を仕留めることもできなかった。

 

「ちっ!、なぜ当たらない!、糞が!」

 

フェデリコは敵機の性能よりそのパイロットの技量が恐ろしかった、双方が膠着状態になっていた。

そんなとき、フェデリコは遥か遠くで光物を見つけた、

次の瞬間、味方のザクの上半身が吹き飛んだ、フェデリコは叫んだ

 

「10㎞以上先から撃ってきてるぞ!、動き続けろ、狙われるぞ!」

 

10Km以上先からの狙撃だ動いている物に当てるのは至難の技だ、なら動き続けるしかないだが、敵のザクが居るのを忘れていた。

 

 

 

ミハエルは膠着状態が崩れたのを肌で感じていた、攻めるなら今しかないと感じ、敵部隊に突撃していった。

突撃していると、先程、遠距離狙撃した味方が通信を入れてきた。

 

「おい!、ザク聴こえるか、俺が援護するぜ!」

 

勇ましいその声を聞いたミハエルは返答した

 

「了解した、援護、感謝する」

 

連邦軍のザクが攻撃しようと、機体を出した瞬間、またもやザクに味方の攻撃が当たり、爆発した。

もはや連邦軍に戦力は残されていなかった、ザク2機と61式戦車がいるだけだった、フェデリコの作戦は失敗した。

フェデリコは一人でも多く生き残らすため、撤退命令を出した

 

「総員撤退!、俺が敵を引き付ける、その隙に撤退しろ!」

 

そう言うとフェデリコは、ミハエルのザクに突撃した、

フェデリコは120mmマシンガンを撃ちながら接近してきた、しかしミハエルはバーニアで高速移動して回避した。

しかしフェデリコは、回避されるのは想定内だった、格闘戦に持ち込めば、回避などできないと考えた

 

「いくら貴様が、回避が上手かろうが、格闘戦なら避けられんだろ!」

 

フェデリコはミハエルが避けることを読んで、接近してきた、フェデリコはヒートホークでミハエルに斬りかかった、ミハエルもヒートホークで受け止め、激しい音を発てながら打ち合った。

何度か打ち合ったとき、フェデリコの機体が後ろに退いた、その隙をミハエルは見逃さなかった。

ミハエルはバーニアを全開まで開け、出力を上げて一気にフェデリコの懐に入り、フェデリコを切り捨てた。

フェデリコは奮闘した、しかしミハエルには及ばなかったのだ。

撤退しようとした連邦軍も、謎の味方に全滅されていた。

ミハエルは、この第67物資集積所防衛に成功したのだった。

ミハエルは、所属不明な味方機に通信した

 

「救援、感謝する」

 

「はっ、感謝なんて必要ねーよ、これが俺の任務だっただけだ」

 

戦いも終わり、その所属不明機にミハエルは接触した。

その機体はモビルスーツではなかった、モビルタンクと言われた、試作機だった。

その機体から一人の男がおりてきた、その男の名は、

デメジエール・ソンネン

モビルスーツの登場と共に負け犬に成り下がった男は、

その搭乗機、ヒルドルブと共に誇りを取り戻したのだ。

 

「どうだ、このヒルドルブは」

 

「まだまだ、俺は戦える」

 

この戦いの後、ミハエルは大尉に昇格した、それにともないモビルスーツ部隊の隊長に命じられる。

しかしミハエル達の奮戦虚しく、戦局は膠着状態に移行していた。

その間に地球連邦軍は、一週間戦争及びルウム戦役で失った艦隊を再編するための建造計画、ビンソン計画を始動していた。

もう1つの計画も、ビンソン計画と同時進行しながら進んでいた。

その計画とは、連邦軍が遅れをとっている宇宙戦略を形勢逆転させるため、モビルスーツの開発とモビルスーツの運用を前提にした新型宇宙空母の開発、配備する計画

V作戦計画が始動していた。

そして9月18日、地球連邦軍の唯一の宇宙基地であるルナツーに近いサイド7にて、極秘にテストを行っていた試作モビルスーツ群を、シャア・アズナブル少佐、指揮下のモビルスーツ偵察部隊が発見し、戦闘を開始した。

だが、連邦の新型モビルスーツによってザクⅡ2機を失ったのだ、戦争の流れが変わりつつあった。

 

 

 

 



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オデッサ崩壊

ガルマ死す




『我々は一人の英雄を失った。しかし、これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!

地球連邦に比べ、我がジオンの国力は30分の1以下である。

にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か?

諸君!我がジオン公国の戦争目的が正義だからだ。これは諸君らが一番知っている。

我々は地球を追われ、宇宙移民者にさせられた。

そして、一握りのエリートらが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年、

宇宙に住む我々が自由を要求して何度踏みにじられたか。

ジオン公国の掲げる人類一人一人の自由のための戦いを神が見捨てるはずはない。

私の弟!諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。

何故だ!?

新しい時代の覇権を選ばれた国民が得るは、歴史の必然である。

ならば、我らは襟を正し、この戦局を打開しなければならぬ。

我々は過酷な宇宙空間を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。

かつて、ジオン・ダイクンは人類の革新は宇宙の民たる我々から始まると言った。

しかしながら地球連邦のモグラ共は、自分たちが人類の支配権を有すると増長し我々に抗戦する。

諸君の父も、子もその連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ!

この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを、ガルマは!死をもって我々に示してくれた!

我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて、初めて真の勝利を得ることができる。

この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。

国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!国民よ!

我らジオン国国民こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。

優良種である我らこそ人類を救い得るのである。ジーク・ジオン!』

 

モニターでは、ガルマ・ザビ大佐の葬儀が行われていた

ギレン・ザビによってプロパガンダに仕立て上げられていた、その国葬は醜悪なものだった。

 

「酷いものだ、ガルマ大佐の死をこのようなことに使うとはな」

 

「だが、これが戦争と言うもんだろ」

 

ミハエルは、同基地に配属になったソンネン少佐と一緒に見ていた。

 

「そうですね、、、」

 

ソンネンとこれからの作戦について話をした。

 

「この作戦だがオデッサ防衛のため、戦力を集結しているって話だが、連邦軍もオデッサ攻略のため戦力を集結していると聞いているぞ」

 

ミハエルは頷いた、確かに連邦側がこちらを上回る戦力を集結していると情報が入っていた。

 

「はい、連邦軍は我々の数倍の戦力を集結しているらしいです」

 

「こりゃ、厳しい戦いなるな」

 

ミハエル達も、オデッサ防衛のため移動していた。

連邦軍は反攻の第一歩として、マ・クベ大佐指揮下のジオン軍が占領する、鉱山地帯の中核オデッサを奪還するために準備をしていた。

連邦軍は、ヨーロッパ・中東・アフリカ方面の地上・航空戦力を結集してジオン軍の数倍の戦力を用意して、その戦力を8つのルートから進行させる作戦計画を立てていた。

11月6日の夜から11月7日の未明にかけて、ジオン軍が誇るエースパイロット隊、黒い三連星が地球連邦軍のホワイトベース隊と交戦し、黒い三連星の内一人、マッシュ中尉が戦死した、この報告を受けたレビル将軍は、11月7日午前6時をもってオデッサ作戦の発動を命じた。

ここに地球連邦軍の反攻作戦が開始した。

 

 

 

 

オデッサ防衛戦は熾烈を極めた、ジオン軍は連邦軍のエルラン将軍と内通しており、その内通も戦略に入れて、

エルラン将軍と対峙する戦力を削っていた。

しかしエルラン将軍は、ジオンとの内通が発覚して逮捕されてしまった為、エルラン将軍と対峙していた戦線に連邦軍が一気に戦力を投入して突破を計った、ジオン軍も激しく抵抗したが、連邦の圧倒的な物量差を前に後退を続けた。

11月8日

ジオン軍は、ダブデ級陸戦挺を使い、防衛線構築をはかっていた。

ミハエル率いるヘルハウンド部隊はダブデ級陸戦挺到着まで防衛線を維持する作戦に就いていた。

ヘルハウンド部隊はMS1個中隊で構成されていた。

ジオン軍の部隊編成は、1個小隊をMS3機で編成され、

1個中隊を12小隊で1個中隊MS-36機で編成されている、部隊員は精鋭揃いで編成されており、MSも最新鋭機が配備されていた。

主な機体はMS-06-J 型であったが、MS-09ドムの先行量産型も配備されていた。

ミハエルの機体は一風変わっており、YMS-09Jドム高機動試作機に搭乗していた。

ドム高機動試作機はドムのホバーリング走行性能の向上

させたMSである、可動式スタビライザーが付属したジェット推進パックを装備、さらに腰部左右に推進器を追加している。ドムの140%増の最高速度を誇る。しかし、最高速度到達時間などを含めて、開発要求の数値を満たさなかった為正式採用には至っていない。

しかし、新装備である、ヒート・ランサー等運用している。

話を戻す、ミハエルは迫り来る波のような連邦軍を愛機に乗りながら見つめていた、そしてミハエルは全機に語りかけた。

 

「全機聴け、此より戦う敵は、我々の戦力の数倍以上の兵力だ、しかし恐れを乗り越えて戦って欲しい、全てはジオンのために」

 

以上と言うと、ミハエルは全機に命令を伝える

 

「全機、ダブデ級の到着までこの防衛線を守りきれ」

 

 

ヘルハウンド部隊の任務は、ダブデ級陸戦挺の到着まで防衛線を維持すること、ダブデ級陸戦挺到着後はダブデ級の護衛任務だった。

連邦軍はジオン軍に対抗するため開発したMS、RGM-79

G-陸戦型ジムを使用してきた。

しかしミハエル達はその任務を最小限の被害で達成した

ヘルハウンド部隊の被害は5機のザクⅡ-Jの損失だけだった、連邦軍の被害は20機の陸戦型ジムを損失しているのだ。

それに加え、ダブデ級陸戦挺の活躍で一時的とは言え連邦軍の進撃を防いだのだ。

しかし11月9日、連邦軍が再び陸戦型ジム部隊と、ビッグ・トレーやヘビィ・フォーク級陸上戦艦で編成された陸上戦艦部隊を投入してきた。

ダブデ級陸戦挺が敵の特攻攻撃で破壊されている、黒い三連星もホワイトベース隊との戦闘で全滅してしまった

ついには最終防衛線を突破されてしまい、ジオン軍は敗走してしまった。

残存部隊は宇宙・東南アジア・アフリカ・キャリフォルニアなどへの退却か降伏を余儀なくされた。

11月10日、ミハエルもキャリフォルニアへ撤退していたが連邦軍の追撃部隊が接近していると情報が入ると、ミハエルは味方の撤退を支援するため、殿をすべく反転した

 

「ミハエル隊長!、何を・・・!、まさか!?」

 

「お前達は先に行け、俺が時間を稼ぐ」

 

まるで当たり前の様にミハエルは言った

 

「危険です!、殿なら自分が!!」

 

クルトは、貴方はこんなとこで死んでいい人ではないと

言って、殿を願い出るが

 

「クルト貴様では生き残れんだろ、だが俺のドムなら生き残る確率が高い」

 

「しかし!」

 

そんなクルトをミハエルは落ち着かせるように言った

 

「クルトお前の気持ち、嬉しく思うぞ、だが部下を守るのは上官の役目だ、それに俺は死ぬわけではない」

 

「俺は必ず戻ってくる」

 

クルトはミハエルの覚悟を感じて撤退を開始した

 

「隊長!、必ず戻ってきてください!!」

 

クルト達が撤退したのを確認してミハエルは、連邦軍の反撃に向かった。

この戦いがミハエル・テラーがジオンのの虎と謳われる伝説の戦い、オデッサ撤退戦であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




哀れガルマ


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オデッサ撤退戦

連邦軍MS部隊の隊長ケーニッヒは撤退しているジオン軍を追撃していた。

 

「ケーニッヒ隊長、ジオンの野郎共を宇宙に追い返してやりましょ!」

 

「そうだな、だがジオン軍を舐めるなよ、奴等は手強い」

 

そう、ジオン軍は強いのだ、だが部下は

 

「負けるわけないですよ!、このMSさえあれば!、俺達はジオン軍に絶対に勝てますよ!!」

 

地球連邦軍で開発されたMS、RGM-79-G陸戦型ジムは、

ジオンのザクⅡに優るMSだった。

それに加え数でも優っていたのだ、連邦軍は36機のMSを用意していた、ジオン軍はあって10機、ならば負けるはずがないと過信してしまうのは仕方ないことだった。

すると先行していた小隊から連絡が入った、ジオン軍でもいて勝手に攻撃でもしたのかとケーニッヒは思っていたが、緊急を告げていた

 

「こちらアルファ1!、至急救援を!!、なんだ奴は速すぎるぞ!!」

 

「アルファ1!、何が起きている!?」

 

「ジオン軍のスカート付きですしかし!、信じられない速度です!!、うあぁー!?」

 

その報告後アルファ1から通信がと切れた、ケーニッヒは緊急事態と判断して行軍速度を上げた。

 

 

ケーニッヒは先行する形で4個小隊を連れてきていた。

しばらくすると、ケーニッヒ達はアルファ小隊のMSと思われる残骸を見つけた。

それは、綺麗に上半身と下半身が分かれていたのだ、ケーニッヒは周辺の警戒を怠らぬように言おうとしたとき部下の一人がジオン軍のMSを発見したのだ。

 

「隊長!ジオンのスカート付きを発見しました!、奴は1機です!」

 

ケーニッヒはおかしいと思った

 

(たかが1機のスカート付きに1個小隊が殲滅されたと言うのか、、、なら!)

 

「気をつけろよ!、奴はエース級の可能性がある!」

 

ケーニッヒは警戒するように言ったが部下達は

 

「こいつを撃破すれば昇格ものですね!、なら俺が撃破して見せますよ!!」

 

そう言うと部下達はは制止するケーニッヒの声を無視して攻撃を開始したのだ。

ケーニッヒは呆れながらも攻撃を開始した、12個に及ぶ火線がただ1機のドムに向かっていったがドムは、恐るべき速度で回避した。

そのせいで、弾幕はドムの残像を捉えることしか出来なかった

 

「なんだ奴のスピードは!?スカート付きじゃなかったのか!!」

 

ドムと呼ぶにはおかしな速度をしている為、ドムと判断できなかった。

そうこうしている間に、ドムは段々と近づいてきたのだ

ドムはその手に持っていたジャイアント・バズを構えると最も接近していた陸戦型ジムに撃ち放った、陸戦型ジムはシールドで防ぐがジャイアント・バズの360mm弾を防げずバラバラに吹き飛んだ。

ドムは高速移動しながらジャイアント・バズを撃ちながら接近してきて、また1機、また1機と撃破されていった。

 

「くそ!、なんだ奴は!化け物か!!」

 

ケーニッヒはこのままでは全滅するかもしれないと考えて、ドムの特性を殺すには接近するしかないと判断して、部下に命中を伝える

 

「全機、接近しろ!、このままではじり貧だ!、接近して格闘戦に持ち込め!!」

 

「「り、了解!」」

 

部下達は最早は慢心する余裕すらなく、生き残れる可能性に賭けることしか出来なかった。

ケーニッヒ達は一斉に接近していった、ドムは冷静に撃破しながら接近した。

ドムは弾切れになったジャイアント・バズを捨てて、ヒート・ランサーを構えた、ケーニッヒはその見たことのない武器に警戒しながらも、弾幕を貼り続ける。

しかし少しの被弾を気にせず接近してきたドムは、陸戦型ジムをすれ違いざまに両断していった。

 

「隊長!助けてくだっ!?」

 

部下達が撃破されていった、生き残って居る者も戦闘続行は出来なかった、だがドムには被害を与えることは出来ていた。

 

「糞が!、よくも俺の部下達を!この化け物が!!」

 

「貴様だけは!この俺が!ぶち殺してやるぞー!!」

 

最早、ケーニッヒとミハエルの一騎討ちの様相を呈していた。

 

 

 

 

ミハエルは追撃部隊を撃破しながらも、受けた被害で高速性能は出せなくなっていて、通常のドムと変わらない速度しか出せなかくなっていた。

接近してきたケーニッヒにヒート・ランサーを振るった

ケーニッヒもビーム・サーベルで打ち合った、

 

「中々やるな!」

 

「はっ!、お前に言われたくないな!ジオンのクソ野郎!」

 

「お前に部下達が殺られたんだよ!、なら仇ぐらい取らなきゃ浮かばれんだろうが!」

 

「なるほどな、、お前には俺を殺す権利が有るだろう、だが!俺には護らねばならない者達が居る、故に、負けはしない!」

 

ミハエルとケーニッヒには互いに譲れぬ物がある、だからこそ互いが止まるまでこの戦いは終わらぬだろう。

戦いは、互いに一歩も退かぬ一進一退の攻防を繰り広げていた。

だが、格闘戦での性能はケーニッヒに分があった、ケーニッヒはミハエルの使うヒート・ランサーの弱点である挙動の大きさの隙を突いてケーニッヒは懐に飛び込んだ、ミハエルは回避行動を取るが回避しきれず片腕を切り落とされた。

 

「ちっ!まだだ!」

 

ミハエルは切り札の胸部に内蔵された拡散ビーム砲を使用した。

するとケーニッヒのモニターが突如、光で見えなくなった

 

「なんだ!」

 

ミハエルはその隙を突いて、ヒート・ランサーを片手で構えそのままケーニッヒの乗る陸戦型ジムをヒート・ランサーで貫いた。

 

「クソー!勝てねえのかよ!俺はまだっ!!」

 

ケーニッヒの乗る陸戦型ジムは機能を停止した

だがミハエルの乗るドムも無理な運用で戦闘が困難なレベルの故障を起こしていた、その為撤退は不可能かと思われた時、こちらに航空機が飛んできていることに気がついた、敵かと思ったが視認距離まで近づいて来たとき機種が判明した、ドダイYS、味方の航空機だった。

ドダイはMSの移動を補助するためのサブフライトシステム機だった、ドダイから通信が入った

 

「ミハエル大尉、クルト少尉の要請でお迎えに上がりました!早くお乗りください!」

 

クルトはもしものためにドダイを1機送っていたのだ、その機転がミハエルを助けることとなった。

 

「救援、感謝する」

 

ミハエルは短く感謝を伝えるとドムでドダイに飛び乗った、ドダイは速度を上げて撤退していく、ふとミハエルは後ろを振り向くと遠くに連邦軍の後続部隊が見えた、

一歩遅かったら死んでいたことは明白だった。

 

「クルトには感謝せねばな、しかし連邦軍のMSは手強い」

 

果たして勝てるかどうかミハエルは考えだした、オデッサを失なってジオン軍は大きい痛手を受けている、戦線の小縮は仕方ないかもしれないとミハエルは思い、未来を憂うのだった。

 

 

 

ミハエルはクルト達と合流を果たし、潜水艦にて一路キャリフォルニアベースに向かった。

 

この戦いの功績でミハエルは昇進、少佐に任じられる。

そしてミハエルはその戦い振りからジオン軍において、ジオンの虎と讃えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 



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宇宙への帰還

ミハエルはキシリア少将により出頭命令が出ており、部下達より先に宇宙に帰還していた。

宇宙に帰還したミハエルは不思議な感覚に捕らわれるようになっていた、星を眺めながらミハエルはこの感覚について考えていた

 

(なんなんだこの感覚は、、まるで感覚が広がって行くようだ、、、)

 

あたかも、水に波紋が広がるように感じていた。

もう1つミハエルには気になっていることがあった、それは地上に残してきた部下達だった。

 

 

ジオン軍は11月上旬に行われた連邦軍のオデッサ作戦で地上における最重要拠点、オデッサを失っている。

さらにジオン軍は11月末日、オデッサ作戦以降劣勢に

なっていた地上での軍事バランスを一変すべく、MSの空挺投入によるジャブロー攻略を実行した。

しかし作戦は失敗し、投入されたMSの大半が撃破されている。

この敗北で地上の戦力の大半を喪失した、ジオン軍の劣勢は決定的となった。

連邦軍の次なる目標は、キャリフォルニアベース奪還だろう

ならばクルトやハウアーは最前線に居ることになる、宇宙に居る俺は何も出来ない、それがもどかしかった、だが俺は彼等ならば生き残れると信頼している。

 

ミハエルの、乗るザンジバルは突撃機動軍の本部のある、月面都市グラナダに向け、一路急ぐのだった。

 

 

・・・月面都市グラナダ・・・

 

グラナダの突撃機動軍本部に着いたミハエルはすぐさまキシリア・ザビと面会していた。

 

「久しいなミハエル、貴様の活躍は聞いているぞ」

 

「ありがとうございます、それで自分を態々御呼びした理由はいかなる用件で」

 

キシリアは話が早くて助かると言うと、ミハエルを呼んだ理由を語った。

 

「貴様はニュータイプを知っているか」

 

「はっ、かつてジオン・ズム・ダイクンが提唱した、ニュータイプですか、、宇宙に住む者達は過酷な宇宙環境に適用した進化した人類になると言う」

 

ミハエルは今そのニュータイプが自分を呼んだ理由と何の関係があるのかがわからなかった、キシリアはある資料を渡してきた

 

「これは、フラナガン研究機関ですか、、戦場で確認された亜光速で飛んできたメガ粒子砲を高確率で回避するパイロットの能力の実証と研究をする機関ですか」

 

「そうだ、貴様にはそのフラナガン機関に行ってもらう」

 

「なぜ自分が、閣下は自分がそのニュータイプだと?」

 

「貴様はニュータイプの可能性がある、そのためニュータイプ研究に協力して貰いたい」

 

ミハエルの戦闘データからミハエルはその素養があると判断されたのだ。

キシリアは自分の直鋭の部下を送ることにしたのだが、その時白羽の矢が立ったのが、地上において、そのパイロットセンスもさることながら、状況に応じて部下を指揮できる指揮能力を有しており、ある程度信頼できるミハエルを送ることにしたのだ。

ミハエルは戦場を離れることに対する、憤りは有るもののキシリアの信頼に応えるために承諾したのだ。

 

「わかりました、その任受けさせてもらいます」

 

「頼りにしているぞ、私の信頼に応えてくれ」

 

「はっ!、閣下の信頼に応えて見せます」

 

ミハエルはフラナガン機関に配属されることになった

 

 

 

 

 

・・・ニュータイプ研究所フラナガン機関・・・

 

ミハエルはフラナガン機関の研究員により説明を受けていた

 

「ニュータイプとは、並外れた認識力や直感力や、感応波《サイコ・ウェーブ》と呼ばれる脳波を有した人物を、我々はニュータイプと呼んでおります」

 

「そうか、この研究所ではどの様な研究がされているのか知りたい」

 

研究員は実際に見た方が早いと言って、研究所内部を視察することになった。

そこでミハエルは運命的な出会いを果たす、ある少女との出会いがミハエルの運命を決定付けるのだった。

 

 

 



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見果てぬ旅路

私はもう限界だった、他人に身体中を調べられることが

 

だから、、私は研究を拒絶するようになった

 

そんな時、、あの人と出会った

 

まるで、太陽のような人

 

あの人は私に幸せなって欲しいと言ってくれた

 

その言葉は私に力をくれた

 

あぁ私はそれだけで救われたのだ

 

 

 

 

 

 

ミハエルはある少女と出会った

その少女はまるで今にも壊れそうだったが、研究員達はそれに気づいていなかった。

 

「今日こそ研究に付き合ってもらうぞ!」

 

「嫌よ!、もう私はあなた達には協力しないわ!」

 

桃色の髪をツインテールでまとめた少女は、研究員と争っていた、ミハエルはその少女を助けるべく間に割って入った。

 

「そこまでにしておけ、これ以上は見過ごせん」

 

「誰だ君は!、邪魔をするな!」

 

その研究員はミハエルを知らずに邪魔だと言いはなった

案内をしていた職員がミハエルに謝り、その研究員を怒鳴った

 

「何をしている!、こちらの方はミハエル・テラー少佐だぞ、君こそ少佐の邪魔をするな!」

 

「す、すみません、少佐殿と知らずに怒鳴り付けて申し訳ありません」

 

言い争っていた研究員が頭を下げてきた

 

 

「わかったのならさっさと行け!」

 

そう言うと、争っていた研究員は離れていった、残された少女はただミハエルを見つめていた。

ミハエルは少女に話しかけた

 

「大丈夫か、怪我などはないか」

 

「はい」

 

少女は怯えを見せながら、ミハエルに聞いてきた

 

「貴方も、私に研究に協力しろと言うの?」

 

「いや、君が苦痛しかないのなら協力する必要はない、私がそのように取り計らおう」

 

少女は驚きながらも聞き返してきた、今まで無理やりにも研究に協力させてこられた事から、先程初めて逢った

ばかりのミハエルを信用することが出来なかった

 

「本当に研究に協力しなくてもいいのですか?」

 

ミハエルは当たり前だとその少女に言った

 

「当たり前だ、俺は君のように、皆が苦しまなくていい世の中にしたい」

 

「それが俺の願いだ」

 

「嘘じゃ無いですね、だから私は貴方を信じます」

 

「貴方の言う未来がきたらいいですね」

 

だからミハエルは少女を助けたのだ、いつか素晴らしい未来を掴んで欲しいと、しかし少女はミハエルの真相心理にある現実と言う真実に気がついてしまった

 

「だけど、貴方はその様な未来はこないと思っている、何故なら貴方はこの戦争にジオンが負けると思っているから」

 

ミハエル自身すらも、知らなかった想いを少女は言い当てた、ミハエルにとってジオンがこの戦いに負けるなどあり得ないことだった、しかし肯定する自分が居ることも事実、だからこそミハエルは驚いたのだ。

 

「驚いたな、これがニュータイプと言うものなのか」

 

相手すら気付かない想いに気付くその力こそ、ニュータイプの可能性、ニュータイプは争わず誰かを理解できるようになる可能性を持っているのだ。

ミハエルは自己の想いと向き合って、己の真実を知った、だからこそ己の思いが間違いではないと思うのだ。

 

「君の言うとおりだ、この戦争にジオンは勝てないと思っている自分がいた、だがジオンは勝つ、俺は必ずやジオン勝利を贈ろう」

 

勝てないから諦めるなどと、誰が納得できると言うのか

誰も納得など出来ないだろう、ならばこの心臓が鼓動を止めるその時まで俺は諦めはしない。

ミハエルは揺るがぬ意志で進んで逝くのだ、例えこの戦争に負けたとしてもジオンに勝利を贈るために。

道は定まった、その道を真っ直ぐに突き進むのみ、ミハエルは己の意志に気づかせてくれた少女に最大限の感謝を伝えるのだ。

 

「ありがとう、君のお陰で俺は本当の自分と向き合うことができた、だからこそ君の望みは絶対に叶えよう」

 

ミハエルはせめてもの気持ちとして、少女が苦しまなくていいようにすることしか出来なかった。

名前する知らなかった事に気がついたミハエルは少女に名前を尋ねるのだ。

 

「俺はミハエル・テラー、君の名を聞いていなかったな、君の名前を教えてくれないか」

 

少女も互いに名前すらも名乗らずにいたことに気が付いた、少女は上品に名前名乗るのだ。

 

「名前すら名乗らずに申し訳ありません、私はハマーン、ハマーン・カーンです、以後お見知りおきをミハエル様」

 

これがミハエルとハマーンのはじめての出会いだった。

 

 

 




ハマーン様万歳!!


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戦いの変革

説明が長くなった、まぁ情報は引用してます


ジオン・ズム・ダイクンが提唱したニュータイプ

 

それは人々がいずれ争わずに理解し合える様になると願った人の革新

 

しかし様々な思惑が絡み合った結果

 

ジオン・ズム・ダイクンが願った人の革新は

 

平和の希望ではなく戦争の変革たる存在になってしまったのだ

 

 

 

 

 

ミハエルはニュータイプ適性検査の結果、やはりニュータイプだった。

そのため試作機である、MAN-03-ブラウ・ブロのテストパイロットに選ばれた。

ブラウ・ブロはニュータイプによる使用を前提としたMA《モビルアーマー》である。

2連装メガ粒子砲2基、単装2基を装備するが、どちらも従来型が使用されたため、大型の熱核反応炉を必要とした。

これによりブラウ・ブロの機体はきわめて大きくなり、AMBACによる機動はほぼ不可能で、実際には機体各所に設けられたスラスターによって姿勢制御が行われた。

AMBACとはMSの開発に当たり開発されシステムである。

正しくは「能動的質量移動による自動姿勢制御システム」(Active Mass Balance Auto Control System )という。

これはZEONIC社の開発スタッフにより考案されたものであり、かつてジオン公国軍の次期主力汎用主力戦術兵器の最終選考に提出されたZI-XA3に搭載されていた。

このZI-XA3がのちのMSの原点である。

通常、宇宙戦闘機は姿勢制御にバーニア・ロケットを用いる。

宇宙空間に空気などの抵抗がなく、航空機のように運動量を翼を介して空気分子に与えることで反作用を生み出すことができない。

そこで、バーニア噴射によって反作用を得、機体を任意の方向へ回転させるのである。

しかしこの方式で旋回を行った場合、推進剤の消費量は多大なものとなってしまう。

たとえば、公国軍が次期主力汎用戦術兵器の開発に着手した70年代当時の一般的な宇宙戦闘機の推進剤搭載量では、180度の姿勢制御を2.5秒で行った場合、およそ30回で推進剤切れとなる。

姿勢制御の回数を増やすべく、推進剤の搭載量を増加させると今度は機体の重量が増し、1回あたりの推進剤の使用量を増やさねばならなないといった問題が発生してしまう。

したがって、バーニア・ロケットに頼った姿勢制御は決して効率のよいものではなかった。

宇宙戦闘機の戦法は一撃離脱が主流で、宇宙戦闘は実際には不可能であるとされていた。

AMBACシステムは、この問題点を解決すべく考案された。

すなわち、バーニア噴射による反作用にかえて、機体に追随させた、相応の重量を有する物体を高速で運動させることで生み出される反作用を利用して、機体姿勢を変更させるのである。

無論、このような発想はZI-XA3開発以前よりあり、宇宙作業挺などのバランス調整などで実用に供されていた。しかし、これを姿勢制御の基本とし、しかも、10mを超える巨大兵器に採用するには、関節の駆動力があまりに不足していた。

ZEONIC社の開発スタッフはこの点を新たに開発した関節駆動方式、流体内パルス・システムによって乗り越えたのである。

ZI-XA3は腕の先端を100G以上の加速度で運動させ、180度の姿勢変化を平均的宇宙戦闘機の値に近い3秒という短時間で可能とした。

AMBACシステムは推進剤を必要としない姿勢制御であったが、これに100%依存することはできない。

何故ならば、MSの腕は各種兵装を持ちかえ、運用する役目を担っていたため、姿勢制御のたびに振り回すわけにはいかなかったからである。

そこで、MSの機体の各所には姿勢制御の補助として用いられるバーニアが配されることとなった。

話を戻すと、ブラウ・ブロは機体が大型しすぎたため、AMBACシステムでの機動がほぼ不可能で、そのためスラスターによって姿勢制御行われていたのだ。

これに加え、作戦行動時間の延長と本体の航続性能を高めようとしたことで、機体には大量の推進剤の搭載を余儀なくされた。

ニュータイプと認定され得るパイロットが極端に少なかったため、ニュータイプ用の機体には脱出コックピットが採用されているが、ブラウ・ブロはさらに機体自体を複数のブロックに分割、被弾時の誘爆を避けるべく図られていた。

大きく分割して3つのブロックに分かれ、それぞれ単独航行さえ可能であった。

また、この分離機能はパイロットの保護のためのみならず、機体自体に立体攻撃力を持たせるという目的も有していたという。

4基のメガ粒子砲はそれぞれ、切り離してコントロールすることが可能であり、これによってオールレンジ攻撃が実現されることとなった。同時的に多方向から敵を包囲攻撃するオールレンジ攻撃を1機で実現したことは非常に大きい。

このメガ粒子砲のコントロールは有線誘導で行われていたため、ニュータイプ以外での運用も可能であった。

もっとも、サイコミュを使用せずにこれを用いる場合、操縦への負荷から1人のパイロットで十全な性能を発揮することは難しい。

そのため、ブラウ・ブロには専属の砲撃手のためのコックピットが用意されており、ニュータイプ以外のパイロットでも一応の操縦が可能なように配慮されていた、ただし複数のパイロットにより運用した場合、運動と攻撃の連携が問題となり、ニュータイプ単独で操縦されるときほどの性能を発揮することはできない。

ニュータイプ用に特化してはいないが、この機体がニュータイプ専用であることにはかわりないのである。

 

 

試験運用に当たってミハエルは、連邦軍のパトロール部隊に攻撃し可能なら殲滅する任務を受けた。

技術員としてニュータイプ用兵器開発部隊に所属するジオン公国軍技術士官シムス・アル・バハロフ中尉以下数名が乗り込むこととなっていた。

ミハエルはブラウ・ブロに乗り込もうとしていた、その時、後から声をかけられた、声をかけてきたのはハマーンだった。

 

「ミハエル様待ってください!、御願いがあって参りました」

 

「何かな、ハマーン穣、俺に何の頼みがあるのだ」

 

ミハエルはハマーンにどんな頼みか聞いた、ハマーンは緊張しながらもミハエルに頼み込んできた。

 

「ミハエル様!、わ、私も連れていってくれませんか!」

 

「この目で見てみたいんです、本物の戦争を、、」

 

「だが君は、、人の感情を感知し過ぎる、、そんな君が

戦場に立てば只ではすまないぞ」

 

ハマーンはその高いニュータイプ能力のせいで、人の感情を拾ってしまうのだ、そこにいるだけで感知した人の気持ちなどが読めてしまうのだ。

それは便利な能力に聞こえるが実際は、聴きたくない人の気持ちと言うものも存在しているだろう、人は誰しも心に闇を持っているものだから、知らないほうが幸せなことは存在しているのだ。

そんなハマーンが戦場に立てばどうなるか、戦争は人の生の感情をぶつけ合っているのだ、感知し過ぎる彼女はそんなものにさらされたら只ではすまないとミハエルは考えたのだ。

しかしそれでもハマーンは譲らなかった、ミハエルとの出会いが彼女にも変化をもたらしていた。

 

「私は、逃げるだけでは駄目だと気付いたのです、だから戦争と言うものに向き合っていくために、私は知りたいんです」

 

それは彼女の覚悟の現れ、ハマーンは知ったのだ、逃げても意味がないことを、向き合わなければならないことを。

そう、ある男は一切自分に言い分けをしないのだ、自分が殺めた者達にも言い分けなどしないのだ、どんな理由であれ、殺したのは俺だと受け入れ、自分を塵屑だと断じて、それでもジオンの勝利のために背負って行ける男がいることを知ったのだ。

なら自分も少しずつでも今の立場を受け入れて行こうと思えるようになったのだ。

ミハエルはハマーンの覚悟を無下にはできないと同行を受け入れたのだ。

 

「わかった、いいだろう、君の同行を許可しよう」

 

「ありがとうございます!」

 

ハマーンは急ぎ、宇宙服を取りに行った、ミハエルはシムス中尉にハマーンが同行すると連絡をした。

 

「シムス中尉、教育生のハマーン・カーンが同行を願い出た為、それを許可した、同行を許可してもいいだろうか」

 

シムスはブラウ・ブロの試験の邪魔にならないなら構わないと言った。

 

「構いません少佐、ただしブラウ・ブロの試験の邪魔にならなければです」

 

「あぁ、そのように言っておこう」

 

ミハエルは、ハマーンの到着を待って出撃した。

初めて乗るブラウ・ブロをあっさりと乗りこなしながら目的宙域に向かっていった。

 

 

 

 

 

ミハエル達は目標宙域で連邦軍のパトロール部隊が来るのを待っていた、この宙域はデブリなどが多く、隠れるには最適だった。

パトロール艦隊がこのルートを通るのは調査済みだった、デブリの影にブラウ・ブロのその大きな機体を隠していた。

 

「ミハエル様、本当にこのルートを通るのですか?」

 

ハマーンは本当にこのルートを連邦軍が通るのかミハエルに尋ねた、その疑問にシムス中尉が答えた。

 

「我々の事前偵察で判明したことだ、連邦軍は必ず通る」

 

シムス中尉は自信を持って断言した、しばらくするとハマーンはなにかが近付いてきていると感じた、しばらくすると敵艦隊が姿を現した。

ミハエルはこの戦いで、ニュータイプの可能性を示すのだった。

戦いの変革、人は新たな火をその手に掴んだ、いつ終わるともしれない戦いの螺旋の中にミハエルはいた。

 

「目標確認、任務、開始する」

 

ミハエルは連邦軍のパトロール部隊がブラウ・ブロの隠れているデブリを通過したのを確認すると、連邦軍の艦隊に襲いかかった。

連邦軍のパトロール部隊の編成は、旗艦1隻、巡洋艦4隻で構成されていた。

旗艦は連邦軍の戦艦マゼラン級が勤め、巡洋艦の構成はサラミス級が4隻で構成されていた。

マゼラン級もサラミス級も当初、電子機器の使用不能にするミノフスキー粒子散布時の有視界戦を考慮されていなかった、しかしその高い正面火力と防御力は艦隊戦にて脅威だった、それに加えMSやモビルポッド等が運用可能になっていた。

パトロール部隊は警戒しながら進んでいた、今日の彼らはパトロール任務ではなく、連邦軍のソロモン攻略作戦、チェンバロ作戦参加のため艦隊に合流しようとしていた。

急ぎ艦隊に合流しようといつもの暗礁宙域を進んでいた、敵との交戦の可能性もあったが、この宙域での交戦はほとんどなかった為、時間削減でいつものルートを通って向かうこととなった。

しかしパトロール部隊の不運は、この日ジオン軍がこの宙域で試作機のテストを行うこととなったことだった。

 

 

パトロール部隊は急ぎ進んでいると、突如最後尾にいたサラミス級が轟沈した、突然のことに動揺していると、さらに1隻のサラミス級も轟沈してしまった。

 

「何が起こっている!、状況を伝えろ!、敵はどこだ!!」

 

「わかりません!、っ!?、後方に敵艦1隻!、先程見逃した小型挺です!!」

 

「なに!、たかが小型挺がなめるな!、全艦反転!、敵艦を踏み潰せ!」

 

「MS発艦!、僚艦モビルポッドを発艦させろ!」

 

パトロール部隊の指揮官はサラミス2隻を殺られたが、姿を現した小型挺を踏み潰すべくMSとモビルポッドまで投入して撃破せんとしていた。

ミハエルは連邦軍が反転して反撃する前に戦力を減らすべく攻撃した、ミハエルの意思に従うように有線誘導式のメガ粒子砲が切り離され敵サラミス級に襲いかかった、4基のメガ粒子砲はサラミスを囲むとオールレンジからの砲撃を行った。

サラミスは発艦させようとしていたRB-79-ボールごと轟沈した、ようやく連邦軍はMS部隊とボールを発艦させてきた、ボール6機とジム4機はブラウ・ブロに接近しながら攻撃を開始した。

ミハエルは有線式のメガ粒子砲を移動させてボールを射線に入れるとメガ粒子砲がボール3機を団子のように貫いた。

連邦軍の指揮官は状況の確認をした、するとありえない情報が入ってきた。

 

「なんだやつは!?メガ粒子砲が動いてきます!?」

 

「なんだそれは!、ふざけてる場合じゃないんだよ!!」

 

メガ粒子砲が動く?、ありえない、そんなもの化け物じゃないか!と連邦軍の指揮官は思った。

ジムが接近する、ビームスプレーガンを撃った、連邦軍のパイロットは当たったと思った、しかしミハエルには、その攻撃が見えていたのだ、攻撃される前にブラウ・ブロは回避行動をとっていた。

 

「なぜ当たらない!!、化け物め!!」

 

攻撃してきたジムはメガ粒子砲に背後から砲撃され、爆散した、他のジムやボールも月並みにミハエルに撃破されていった。

 

ミハエルは敵艦に接近した、すると敵艦の集中砲火が飛んでくるが、ミハエルはその砲火を掻い潜りメガ粒子砲を飛ばした。

 

「オールレンジ攻撃、沈め!」

 

サラミスとマゼランは蜂の巣にされ轟沈した、残っていたジムとボールも撃破した。

 

「任務完了、帰投する」

 

ミハエルはいつもどうりだ、厳格な声でブラウ・ブロに乗る搭乗員に語りかけた、するとシムス中尉は興奮したように言った。

 

「素晴らしい戦果です少佐!、我々の研究もこれで進みます!」

 

ミハエルはデータの整理を開始したシムスをよそにミハエルはハマーンに尋ねた。

 

「大丈夫かハマーン穣、これが戦争だ、君には聴こえたか、彼らの声が」

 

ハマーンは震える体を抱き締めながら言った。

 

「はい、、これが戦争なんですね、、私にも聴こえてきました」

 

ハマーンは死んだもの達死の間際の言葉が残っていた、

死にたくない、死にたくない、死にたくないと人の生の感情がハマーンの中に流れ込んできた、だけどこれが殺し会うと言うこと、ハマーンは震える体を抱き締めることしかできなかった。

そんなハマーンにミハエルはどのような言葉を掛ければいいのかわからなかった、ミハエルはハマーンを慰めることができなかったなぜなら、それはハマーンが出すべき問題だからだ、それとも自分じゃなかったら彼女を慰めることが出来るのかもしれないと、このような少女にじぶんは何てものを背負わせているのかと、やはり自分は塵屑だと感じながら帰路を急ぐのだ。

帰還したミハエルはキシリアにより、新部隊の隊長を任された。

これによりミハエルはフラナガン機関から前線に呼び戻されることとなった。

 

 

ミハエルの奮戦虚しく、ジオン公国と地球連邦の戦争は地球連邦に傾きだした、ミハエルはジオンの為に何ができるのか、なにをなすのかまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 



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ソロモン防衛戦

相変わらず情報は引用してます。

文才の無さがつらい


地球連邦軍は宇宙における反撃の第一歩として、ジオン公国軍の一大艦隊基地であり、ドズル・ザビ中将麾下の宇宙攻撃軍司令部が置かれた軍事的要衝であった宇宙要塞ソロモンを陥とし、制圧することはジオン軍の制宙権を失わせ、ジオン公国本土へ進攻するための橋頭堡とするうえで重要であった、このソロモン攻略作戦はチェンバロ作戦と名付けられた。

連邦軍は壊滅した宇宙戦力を回復すべく4月の段階でビンソン計画を発動、破壊された艦艇を補うべく、急ピッチで建造を行った。

計画は8ヶ月を経てようやく実を結び、ジャブローの宇宙船ドックで建造された艦隊は12月2日に大気圏外へと打ち上げられた。

この日打ち上げられたものがソロモン攻略の艦隊となった第2連合艦隊である。

12月2日21時00分にジャブローを発した艦隊はマゼラン級戦艦20隻以上、サラミス級巡洋艦60隻以上という大規模なものであったのされている。

地球軌道上にはルナツーから発進した誘導艦が配せれていた。

大気圏を離脱した艦隊は12月5日、これに導かれる形でルナツーへ入港した。

この段階で、ジオン軍は連邦軍の反攻作戦の存在こそ察知していたものの、その攻撃目標について探りあぐねていた。

これは連邦側が攻撃目標を機密として扱い、情報の漏洩を警戒したことが大きい、これは以前に行われた地球上での反攻作戦、オデッサ作戦において、連邦軍は情報漏れに悩まされ、ジオン軍に守備を固めさせる結果となった。

そこで、本作戦において攻撃目標は秘され、一般の将兵は直前になるまで自分達がどの戦域へ投入されるのか知らされなかった。

さらに、連邦軍は陽動のために4隻の囮艦を配してさえいる。

5日からソロモン攻略作戦が実施されるまでの間に、本国のギレン・ザビ総帥、ソロモンのドズル・ザビ中将、グラナダのキシリア・ザビ少将の3人は秘匿のレーザー通信回線を用い、今後の戦略について会談している。

残念ながら、正確な日付は不明であるが、会談の段階では連邦軍の進攻先を確定させることはできておらず、ソロモンへの速攻の確率が高いという程度のものであった。

しかし、ギレン・ザビ総帥はこの可能性に基づいて作戦を立案、命令書をドズル中将へ送っている。

とはいえ、この命令書は連邦軍のソロモン攻撃のみを対象としたものではなく、今後予想される戦局全体に対するものであった(ニュータイプの実戦投入、ソーラ・レイ・システムの使用といった作戦が記されていた)。

ドズル中将はギレン総帥の作戦がソロモンを軽視していると感じたらしい。

キシリア少将のグラナダより増援を出すという言葉にたいして、ギレン総帥へ今すぐア・バオア・クーの戦力を振り向けるよう求めたという(キシリア少将の援軍の約束はこのようなやり取りがあったためか、戦端が開かれてから、ソロモンの要請に基づいて行われた)。

ギレン総帥はドズル中将へ、準備中である旨を告げたが、この約束は履行されず、かわりにMA-08-ビグ・ザム1機を送ったのみで善しとした。

 

このMA-08-ビグ・ザムは大型偏向メガ粒子砲1門、小型メガ粒子砲26門、対空ミサイル6門を装備し、さらにビーム兵器を無効化するIフィールド・ジェネレータをも備えていた。

圧倒的な火力に、鉄壁の防御はまさに「化け物」としか形容のしようがない。

 

ソロモンは宇宙攻撃軍司令部を擁する宇宙要塞である。

宇宙攻撃軍はドズル中将の戦略思想に基づき、宇宙艦隊を中心として編成される軍である。

ソロモンはその中枢であったが、戦争中期に展開されたゲリラ掃討作戦への戦力投入によって疲弊していた。

これは、戦争後期、ジオン軍の新造艦のほとんどがグラナダやジオン公国本土の防衛のために充てられ、ソロモンへ充分な補充が行われなかったためである。

これは、宇宙攻撃軍のドズル中将の政治力のなさゆえに生じたものといわれる。

ギレン・ザビ総帥、キシリア・ザビ少将は戦後の発言力確保のためにも指揮下の戦力増強を図り、故意にドズル・ザビ中将のもとへ新造艦を回さなかったというものである。

無論、この可能性は歪めないものの、ドズル中将が彼らの政敵となることはあり得なかったし、実際に、本人にも軍人としての分を越える気はなかった。

したがって、ドズル中将麾下の戦力が充分な補強をなされなかったのは、彼の追い落としを謀ったものではなく、ジオン軍そのものの戦力が不足していたため、優先度を下げられたと考えるのが妥当であろう。

また、ギレン総帥も、キシリア少将もソロモンの守備がこの戦力で充分であると見做していた節がある。

おそらく、3倍といわれる艦挺数をものともせずに得た緒戦での大勝利が、観客的判断に狂いを生じさせていたものだろう。

最良の戦略が「常に強大な兵力を保有すること」と「将帥が彼の兵力を集結しておくこと」であるというK・クラウゼヴィッツの戦略理論についてジオン軍首脳部の中でドズル中将が最も、このことを認識していたともいえる。

ルウム戦役において、数においては圧倒的不利な状況で大勝利を得た彼であるが、このときもジオン軍の戦力のすべてに近い数を投入し、できるかぎり自軍の戦力を充実させるべく心掛けていた。

しかし、この緒戦での勝利は「彼我の戦力差は勝利の決定的な要因たり得ない」とする誤った結論をジオン軍首脳部の多くへ植え付けてしまったのである。

 

 

 

進攻の第一歩はルナツーからの第3艦隊の発進であった。

20日02時00分に発した艦隊は、マゼラン級戦艦を旗艦とし、ワッケイン少佐に率いられた。

ワッケイン少佐はルナツー方面軍司令として戦争中期の

ゲリラ戦を支えた人物であり、麾下の艦隊もルナツー所属の艦挺でまとめられていた。

続いて、第5、第9艦隊が出港。

更に、22日02時00分、ティアンム提督率いる第2連合艦隊が主力部隊として第2、第11、第13艦隊とともにルナツーを出た。

以上の艦隊に囮艦を加えたものが、ソロモン攻略の連邦側総戦力である。

 

 

連邦軍のソロモン攻略戦力は戦艦24隻、巡洋艦120隻、輸送艦520隻、突撃挺他280隻、MS 5200機、戦闘機880機、加えてミサイル駆逐艦、ビーム砲艦が多数参加していた。輸送艦はコロンブス級であり、MS母艦としてもっぱら使用されていたことから、改コロンブス級も多数投入されていた。

ジオン軍のソロモン戦力は戦艦3隻、巡洋艦48隻、空母1隻、突撃挺88隻、MS 3400機、戦闘機580機だった。

第3艦隊、第13独立部隊とは別に、連邦軍主力であるティアンム艦隊はソロモンに対して大きく迂回して進んでいた。

そのため、第3艦隊と第13独立部隊はソロモン攻略の先鋒としての役割を担うこととなった

この段階でソロモン側はルナツーに集結したティアンム艦隊に注目していたが、ソロモンに接近しているという事実こそ明らかであったものの、高濃度のミノフスキー粒子と連邦側の散布したダミーに惑わされ、正確な位置を掴むことができなかった。

ソロモンから第3戦闘距離に到達した第3艦隊と第13独立部隊は横一文字に隊列を移動。

サイド4の残骸に紛れて進み、これを抜けたところで突撃挺を前面に出し、ビーム撹乱膜を形成。

その後、全艦で正面から進攻するという正攻法の戦法を採用した。

とはいえ、第3艦隊と第13独立部隊に課せられたのは、ソロモンからの攻撃を15分間だけ引き付けることであった。

その間に本隊であるティアンム艦隊が対要塞兵器ソーラ・システムの準備を完了。

これを使用する手筈となっていた。

12月24日18時10分、第3艦隊と第13独立部隊は予定通りにサイド4の抜けると攻撃を開始した。

ソロモン攻略戦の戦端が開かれた。

ソロモン側も艦隊からのビーム攻撃を確認後、砲撃を以て反撃を行った。

また、チベ級高速重巡洋艦、ムサイ級軽巡洋艦を敵艦隊からの攻撃にさらされてない方向の港より発進させた。

この段階で、連邦軍の突撃挺はビーム撹乱膜の形成に成功。

ソロモン側でもこれは確認され、敵艦の数の少なさに攻撃をミサイルへと切り換えた。

MS-06FザクⅡ F型、MS-09Rリック・ドムなどのMS部隊には進攻に備えるよう注意が促され、ミルバ艦隊には左翼に展開するよう指示が下る。

攻撃をかけてきた敵艦の少なすぎる数に、ドズル中将はなおも連邦軍主力艦隊の出現を警戒。

ハーバート隊に後方位置を維持させ、別方向からの攻撃に備えさせた。

18時35分、第3艦隊司令、ワッケイン少佐はビーム撹乱膜の形成を以て、各艦に任意の出撃を命じた。

旗艦のマゼラン級宇宙戦艦からはRGM-79ジム、RB-79ボールの各隊が、他の艦挺からも搭載のMSが発進することになった(このとき、連邦側の艦挺の多くはMSの格納機能を持たず、MSは甲板上に固定されて運ばれることが多かった)。

第13独立部隊からはアムロ・レイのRX-78-2ガンダム、カイ・シデンのC-108ガンキャノン、ハヤト・コバヤシのC-109ガンキャノン、ならびにスレッガー・ロウの005とセイラ・マスの006のコア・ブースター2機が発進した。

ソロモン側はグワジン級大型戦艦【グワラン】を発進させる一方、MA-08の組み立てを急いだ。

MA-08の性能は一個師団の戦力に相当するといわれていた。

このとき、ドズル中将は参謀のラコック大佐へ一時指揮を任せ、自らは妻ゼナ・ザビのもとへ向かった。

彼は妻と、娘のミネバ・ザビへ侍女たちとともに退避カプセルへ移動するよう命じた。

ただし、これは戦局不利と見ての判断ではなく、あくまでも家族の身を案じての善後策であったと思われる。

司令室に戻ったドズル中将は連邦軍主力艦隊捕捉の報を受けた。

ティアンム艦隊がサイド1の残骸に展開し、ソーラ・システム照射の準備を行っているとの報告が、ラコック大佐のもとへもたらされていたのである(ソロモン側が発見した段階で、すでに照射準備完了まで4分であった)。

ドズル中将はこの艦隊へ向け、衛星ミサイルでの攻撃を指示。

さらに、【グワラン】とムサイ級軽巡洋艦を向かわせるように命じた。

18時50分、ティアンム艦隊はティアンム中将のマゼラン級宇宙戦艦【タイタン】を旗艦とし、その指揮のもとソーラ・システムのミラー配置を完了した。

姿勢制御バーニア連動システムも万全となり、照射軸をソロモン右翼のスペース・ゲート(ソロモン側では「第6ゲート」と呼称する)とした。

焦点合わせ10秒前に、衛星ミサイルの接近が確認されたが、主力艦隊の索敵要員はこれを迎撃機と誤認。

ティアンム中将は構わず、焦点合わせを行わせ、照射を開始した(このとき、衛星ミサイルの着弾により、ミラーの一部が破損させられることとなった)。

ソーラ・システムの照射によって、ソロモン右翼のスペース・ゲートは消滅。

レーダー反応もエネルギー粒子反応もない攻撃に、ソロモン側はこの攻撃を高出力レーザーによるものと推定した(連邦側の新兵器に対してソロモン側は状況の把握に手間取ったようで、これが大型の太陽炉であるという結論に達するまで時間がかかったようだ)。

照射元の方位か連邦軍主力艦隊であると判明したため、ソロモン側は先に発進した【グワラン】隊にこれを攻撃させることとした。

19時10分、ティアンム艦隊はソロモンに向け、進攻を開始した。

ソロモン側は【グワラン】隊を掩護すべく、軌道上に存在するすべての衛星ミサイルを発射。

しかし、このとき発進していたガトル第2・第6戦闘隊はすでに全滅し、【グワラン】も撃墜された。

19時30分、ドズル中将は残存MSに後退を命令。

ソロモンの水際で進攻する敵を殲滅する策を取った。

20時20分、RX-78-2のアムロ・レイはソーラ・システムで破壊されたスペース・ゲートより、ソロモンへ侵入(これが連邦側での一番乗りである)。

RGM-79ジムの部隊がこれに続いた。

この報を受けてティアンム中将は旗艦【タイタン】、他各艦よりRGM-79とRB-79ボールによる突入隊を発進させた。

ドズル中将はここに至ってソロモン陥落を覚悟していたと思しい。

妻ゼナ・ザビへ脱出するよう命じた。

このとき、ドズル・ザビ中将は次のように語ったとされる。

 

「ミネバを頼む。強い子に育ててくれ。私は軍人だ・・・・・・ザビ家の伝統を創る軍人だ。死にはせん。ゆけ、ゼナ。ミネバとともに」

 

家族の脱出を見届けたドズル中将はそのまま、司令室には戻らず、MSデッキから檄を飛ばした。

彼は決戦用に温存していたMS-09R、MS-06Fを出撃させ、帰投していたガトル戦闘隊もミサイルの補給が済んだものから出撃するよう命じた。

20時25分ーーこの時点で、グラナダはソロモン救援のために艦隊を編成。

マ・クベ大佐を艦隊司令、ソロモン到着時の参謀としてバロム大佐という顔ぶれを旗艦【グワジン】に乗せ、チベ級高速重巡洋艦、ムサイ級軽巡洋艦、さらに各艦にMSを搭載、小型突撃挺ジッコを随伴させた。

この艦隊に加え、キシリア・ザビ少将はシャア・アズナブル大佐にもソロモン急行を命じている。

ミハエル・テラーもソロモン救援艦隊に参加することになった。

そのような意味で、この援軍は錚々たる布陣であるーー寄せ集めであるという見方もできるが、それはあながち間違いではないだろう。

援軍が遅すぎた理由には、ドズル中将が面子しは拘って

正しい戦況報告を行わなかったためとする説と、キシリア少将がグラナダの戦力を温存しようとしていたためとする説、2つが主張されることが多い。

実際には、両者であり、ソーラー・システムの使用でソロモンが大打撃を受けたとき、ソロモンはようやく援軍の要請に踏み切ったのであろうし、キシリア少将はソロモンからの要請により連邦軍の主力艦隊がソロモンにあるという確定情報をようやく手にし、グラナダの戦力をソロモンでの戦闘へ割くことができたのだろう。

 

 

 

 

 

 

ミハエルはソロモンからの要請にしたがって出撃した救援艦隊に参加していた。

ザンジバル級機動巡洋艦に搭乗してソロモンに向かっていた。

通信士にソロモンの状況を確認できないのか聞いた。

 

「ソロモンからは報告はないのか、状況をしりたい」

「はい、おそらく、ミノフスキー粒子が散布されているため、通信が繋がらなくなっていると思われます」

 

ミノフスキー粒子を戦闘濃度まで上げているせいで通信が繋がらなくなっていた。

 

「なんだい、当たり前じゃないのさ、そんなことは」

 

声を掛けてきたのは、ミハエルの搭乗するザンジバルを指揮をする、長身で緑髪の妙齢な女性だった。

 

「シーマ中佐、しかし我々の任務遂行のためには慎重になることも必要だと、自分は愚考します」

「お堅いねぇ、坊やは、そんなんじゃ疲れだけじゃないのさ」

 

ミハエルに声を掛けてきたのは、シーマ・ガラハウ、突撃機動軍の海兵隊に所属する歴戦の女性だった。

シーマはミハエルが所属することになった新部隊【ヘルメス】の司令官に任命されていた。

ミハエル達の新部隊は大隊規模から旅団規模の特殊部隊だった。

ミハエルが率いていたMS部隊〈ヘルハウンド〉、シーマ・ガラハウ率いるジオン軍突撃機動軍所属の海兵艦隊であり、正式にはシーマ海兵上陸戦闘部隊〈 MAU"CIMA "〉等が再編、統一されてミハエルをMS隊の隊長とし、特殊部隊の艦隊司令官にシーマが任命されることになった。

そのとき、索敵要員より連絡が入った。

 

「シーマ中佐、友軍の脱出ポットを発見しました。救出しますか」

「何だって、本当かい、まずはマ・クベの奴に判断を仰ごうじゃないか」

 

この発見でソロモンの情報を知ることになる。

 

 

ジオンの敗北は確定しつつある

 

ジオンの虎はまだ目覚めていない、目覚める日はそう遠くないだろう。

そのときこそ、真の意味でジオンのために戦い続けることになるだろう。




ほぼ情報しか載せてない


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ザビ家の寵児

 12月24日も終わろうとしている頃、キシリア少将から受けたソロモン要塞救援のためにソロモン急行にしていたマ・クベは先行していたヘルメス部隊から連絡を受けた。

 

「マ・クベ大佐、ガラハウ中佐から通信が入っております」

 

「シーマから? まったく・・・・・・あのならず者達まだ私に文句でもつけるつもりなのかね」

 

「い、いえ、なんでも脱出ポットを発見したとのことです」

 

「脱出ポット? ならば早く回収してやれ」

 

 そう言ってシーマに回収指示を出そうとする作戦参謀であるバロム大佐にマ・クベはソロモンに向かうことが急務であるとして脱出ポットを無視するように言った。

 

「待ちたまえバロム大佐、私はそのような命令は出していない。脱出ポットなど今は捨て置け、我々はソロモンに一刻も早く救援に向かうことが急務なのだ」

 

 そのマ・クベの命令にバロムは唖然として言った。

 

「失礼だが、マ・クベ殿は宇宙の兵士の気持ちをわかっておられぬ。このようなとき、仲間が救出してくれると信じるから、兵士達は死と隣り合わせの宇宙で戦えるのです」

 

 この言葉には流石のマ・クベも返す言葉もなく、回収を許可した。

 

「わかった・・・・・・許可しよう。シーマに伝えたまえ、脱出ポットを回収するようにと」

 

 そう言うとマ・クベはそれ以降は何も言うことなくただ何か考えている顔で佇んでいた。そんなマ・クベを見てからバロムはシーマに回収するように伝えた。

 マ・クベとしては面白くなかっただろう、なぜなら彼は誰よりもこの救援任務を完遂したかったからだ。どれだけキシリア・ザビに忠誠を誓っていようとその忠誠とは裏腹に、オデッサより撤退した段階でキシリア・ザビ少将はマ・クベを見限っていたのだから。

 それを彼は感じていたから、シャア・アズナブル大佐やミハエル・テラーなどが重用されることが疎ましかったのだろう。

 だからこそ彼はキシリアが自分を見限っている証明とも取れるこの任務を成し遂げてキシリア・ザビの信任を取り戻そうとしていたのだろ。

 マ・クベがどのような人物であろうとも、彼のキシリアにたいする忠誠心は本物だった。それゆえに彼がどのような思いでその命令を下したかは言わずともわかるだろう。

 しかし、この命令こそが後のジオンの未来に大きく関わっているのだが、今の彼らは知る筈もないだろう。

 だが歴史にもしもなどないが思わずにはいられないだろう、もしも彼がその脱出ポットを回収しなかったらどのような未来に変わっていたのだろうか。

 

 

 

 

 ヘルメス部隊の旗艦ザンジバル級機動巡洋艦(リリー・マルレーン)では救援艦隊の本隊からの許可が下りたことにより脱出ポットの回収作業に入っていた。

 そんなときにシーマはブリッジにミハエルがいないことに気がついた。

 

「ミハエルの坊やはどこに行ったんだい?」

 

「ミハエル少佐ならドックの方に行ったみたいですぜ」

 

「ドック? ふふっ、あの坊やも物好きなものだね」

 

 あの甘い坊やならやりそうなことだが本当に変わってるといったやり取りを部下としていると、オペレータからドックのミハエルから通信が入ったと連絡を受けて通信に出るととんでもない人物を脱出ポットから保護したとミハエルの口から伝えられて、シーマは急ぎドックに向かった。

 

 

 急いでドックに来たシーマはミハエルを見つけるやいなや捲し立てるようにミハエルに聞いた。

 

「本当なのかい! 脱出ポットにいたって人物があの・・・・・・」

 

「はっ、本人と言う確証も取れました。事実であります」

 

「しかし信じられないね、あのドズル・ザビ中将の奥方とその娘がこんなところに脱出ポットに乗って宇宙旅行してるわけもないしねぇ。だとするとソロモンは・・・・・・」

 

 そんなやり取りをシーマ達がしていると誰かが脱出ポットから出てきた。金髪の髪をして赤子を抱えながら降りてくる女性こそがドズル・ザビ中将の奥方であるゼナ・ザビであり、その彼女が抱える赤子こそジオンの未来に大きくか関わるザビ家の寵児であるミネバ・ザビである。

 この時、まだミネバは自分の苛酷な未来など知らずに父母の愛情を一身に受けて幸せの中にいた。

 

 ゼナはミネバを侍女に預けてシーマの前まで来ると憂いをおびた様子で助けてくれたことを感謝した。

 

「貴官がこの船の指令ですね。皆を代表として感謝申し上げます」

 

「はっ、ありがとございます、しかし我々に礼など不要です。我々は自分の責務を全うしたまでです」

 

「そうですか、では御名前を御伺いしてもよろしいですか」

 

「はっ、私はジオン突撃機動軍所属独立第901連隊 連隊長シーマ・ガラハウ中佐であります」

 

「ではシーマ中佐、大義でしたこれからもジオンのために責務を全うしてください」

 

 了解を伝えたシーマは、本題である事について聞いた。

 

「了解しました・・・・・・一つ聞いて起きたいことがあるのですがよろしいですか?」

 

「はい、貴女が聞いたい事はわかっております。私も御伝えしたいと思っておりました」

 

 そう言うとゼナは自分達がここにいる理由を伝えた。

 その内容はソロモンが陥落したこと、夫であるドズル・ザビ中将はソロモンに残った事などを伝えた。その内容は船員に衝撃を与えた。そんな中、ミハエルは己の感情をぶつけるように壁を殴り付けた。

 

「くそ! 間に合わなかったのか我々は!!」

 

 殴り付けた拳の痛みや流れる血、しかしそんなことよりも彼を怒りが包む。許せないのだ連邦がそして、何よりもこんなにも無力な自分自身の事が。

 情勢が完全に連邦に傾きだした、ジオンは生き残る事ができるのだろうか。



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星一号作戦発令

「ゼナ様、御無事でなによりで御座います。しかしこのマ・クベ、大任を果たせなかったこと遺憾で御座います」

 

 そう言うマ・クベ大佐は悔しさを顔に出しながら謝罪を口にする。

 マ・クベは救出した脱出ポットにゼナとミネバが乗っていたと知ると思わず座っていた椅子から立ち上がり自分の望みが叶わぬと知って崩れ落ちるように椅子に座った。

 しかし自分の仕事を投げ出す事などマ・クベはそのプライドゆえに出来なかった。任務は失敗、しかし撤退してくる自軍兵士をできるだけ多く収容して帰還することが今自分がしなくてはいけない責務だと認識する、それすら出来ないのならばキシリアは自分を切り捨てるだろう。しかしキシリア様の信頼を取り戻す方法は無いものか・・・・・・そう考えているとある方法に気がついたのだ。

 あのシャアですら取りのがし続ける連邦の木馬を仕留める事ができればキシリア様の信任を取り戻す事が出来るのではないのかと。

 ならばこの手柄を自分の物にするためミハエル達は邪魔だな、そう思ったマ・クベはゼナ達を送り届けさせればいいと考え付いたのだ。

 

「しかし自分にはまだやるべき責務がありますゆえ、一度ゼナ様方にはグラナダまで帰還してもらいます」

 

「そうですか、ではマ・クベ指令が送ってくださるのですか?」

 

「そうしたいのですが自分にはまだやるべき事がありますゆえ、シーマ中佐の部隊を護衛として就けさせてもらいます」

 

「わかりました、マ・クベ指令お助けいただいて本当にありがとうございました。そしてシーマ中佐、護衛のほどよろしくお願いします」

 

「はっ、お任せください」

 

 シーマの後ろに控えるミハエルも同意を示すように敬礼を行った。

 そうしてミハエル達はマ・クベ艦隊を離れ、一路月面都市グラナダに帰還して行った。そしてこれが宇宙世紀12月25日の事であった。

 

 宇宙世紀0079 12月29日、連邦によってコンペイトウと呼ばれるソロモンにおいて星一号作戦が発令された。一部の資料で発令日を12月14日とし、ソロモン攻略戦からの一連の作戦行動を星一号作戦と呼んでいるものもあるが、これは誤りである。誤った日付がどこから出てきたものかは不明であるものの、ソロモン攻略戦後の作戦行動について立案、或いは承認がなされたのが12月14日だったのかもしれない。

 星一号作戦の名称は、各艦隊がそれぞれに定められたコースを取って、攻撃目標の星へ進行することより付けられた。しかし、作戦発令の段階では星がどこなのかは明示されず、発令から8時間後に作戦総司令官であるレビル大将によって示されることとなっていた。これは、オデッサ作戦の際、あまりにも機密が漏洩したため、事前に公国側が防衛の態勢を取ったことで作戦完了までの時間が予定外に長引いてしまったことによる。星がグラナダなのか、ア・バオア・クーなのか、それとも公国本国であるのか、知っていたのは総司令もレビル大将だけであった。

 これに対してギレン・ザビ総帥は、ア・バオア・クーを陥とす戦力が連邦側にないと推測していたようだ。連邦側は公国本国を直接強襲するコースを取ると考え、その予想コース上にソーラ・レイ・システムの軸線を合わせることとした。これを以て連邦艦隊一挙に殲滅するという目論見であった。

 グラナダ攻略の可能性について、ギレン総帥は不思議なほど言及していない。

 ただ、彼が仮に連邦側がア・バオア・クーへ進行したとしても、手持ちの艦隊戦力で殲滅できると考えていたのは確実だ。もし、連邦側がグラナダを攻略して、後にア・バオア・クーへ至ろうとするなら、いっそう戦力を消耗させることができる。しかも、このグラナダを預かるのは彼が戦争終結後、最大の政敵となると目している、妹であるキシリア・ザビ少将である。連邦側のみならず、彼女の突撃機動軍の戦力を減じておくことは、自質的に軍政下にある公国にあっては、相対的にその政治力を低下させることにほかならない。

 戦争とは政治の一形態にすぎない、それは外交面に限ったものではない。内部に向けての政治的行動としても機能する。

 レビル大将の連邦軍主力艦隊はア・バオア・クーに対するライン上に終結しつつあった。レビル大将はソロモン占領後の12月26日、第一連合艦隊を率いて到着。29日に出向している。ただし、艦艇の整備、編成のため、ソロモンを全艦艇が同時に出ることはできず、順次出港する形をとっていた。

 連邦軍の艦隊はソロモンを出港後、大きく分けて3つの方向より公国のあるL2方面へ進軍した。それらが、このライン上で合流するのである。レビル大将はここにおいて星を示した。ア・バオア・クーを抜き、公国へ進行すると。

 しかしこの時の連邦側の動きは不可解だった。すなわち、出撃してきた連邦軍艦隊が第3戦闘ライン上で集結するためには、それぞれの艦が減速せねばならず。これは推進剤の浪費ではないかという、至極もっともな見方である。

 この不可解な艦隊行動は幾つかの理由が重なった結果である。

 一つが戦略的理由である。公国軍に星を悟られないという目的のためには、戦力を分散して進み、中間地点で集結する必要があった。分散したまま作戦域に到達した場合、大戦力の一点への同時投入という戦略上の鉄則を破ることになるのだ。

 二つ目は艦隊を再編するためであった。ソロモン攻略戦のわずか数日後にこのような作戦を行ったため、遅れて作戦域に到達する艦艇が存在したためである。ソロモンで編成を行うことはできなかったのかという疑問も生じよう。しかし、連邦軍にはこの方策を採用できない理由があったのだ。ソロモンで再編を行えば、作戦の実施は確実に遅れる。そのわずかな遅れが、艦隊の移動距離を増やすという事態を招くのだ。

 このことを理解するにはソロモン制圧時、この要塞の位置した場所を知らねばならない。12月25日、ソロモンは月との最短地点にあった。ソロモンは月の裏側より左方向のL5に、公国は月の裏側のL2を周回するハロ軌道上に存在する。この機会を逃せば次第にソロモンと公国の距離は開き、移動に要する推進剤の問題を解決しなくてはならない。

 反対に再びソロモンが月と接近するまで待つならば公国側に防御の防御を進める時間を与えることになる。

 三つ目は、公国とア・バオア・クーの軌道の問題である。公国を構成するコロニー群とア・バオア・クーは、ソロモンより見て、月面付近まで近づく直立した軌道を描いている。周期はおよそ11日弱。12月30日の時点では、公国のコロニー群は連邦軍艦隊より見て、月とア・バオア・クーを挟んで奥の地点にあった。予定では連邦軍は、あと3日、第3戦闘ライン上で待機し、その間に艦隊の再編を行い、進行を開始することになっていたという。この時、公国本土は月から最も遠い場所に位置し、ア・バオア・クーは月の最接近地点へ来ることになる。すなわち、月面のグラナダ、宇宙要塞ア・バオア・クーは、ともに公国本土への障壁足ることができない。ア・バオア・クーを抜く、とは、これを突破するという意味ではなく、スキップするという意味であった。

 これらが連邦軍の不可解な行動の理由であっる。

 集結を急ぐこの艦隊に、12月30日20時20分、グワジン級大型戦艦〈グレート・デギン〉がレーザー通信による接触を行った。グレート・デギンには公国公王デギン・ザビが乗っており、彼は自らレビル大将と和平交渉を行おうとした。

 この少し前、連邦軍の目標がア・バオア・クーであるとギレン・ザビ総帥は判断。ソーラ・レイ・システムをゲル・ドルバ照準に合わせ、使用することで、連邦軍艦隊のおよそ3分の1は壊滅できる。彼は予定を繰り上げ、21時05分にソーラ・レイ・システムを使用することとし、軸線上の艦艇に退避を命じた。

 21時5分、発射されたソーラ・レイの輝きは宇宙を駆け抜けた。史上最大のレーザー砲へ改造されたマハル・コロニーは連邦軍主力艦隊に対して月の影の部分より現れるやいなや、直径6㎞に及ぼうとしている輝きを放ったのである。レーザー光はグラナダ上空を掠めるようにして一直線に走り、ギレン・ザビ総帥の思惑通り、連邦軍総戦力の3分の1を焼き払った。この時直撃を受けたのはレビル大将麾下の第1大隊であり、レビル大将は戦死、この時連邦軍に接近していたグレート・デギン及び数隻の公国軍艦艇は巻き込まれてしまい、デギン・ザビ公王もまた戦死してしまった。

 この時残された連邦軍戦力は――戦艦×18隻、巡洋艦×98隻、突撃挺×110隻、輸送艦×84隻、MS×4800機、宇宙戦闘機×900機。輸送艦は改コロンブス級を中心としてMS母艦としても運用していた。このような情報も存在する。

 戦力のおよそ3分の1を失ったものの、翌31日00時00分、連邦軍首脳部は星一号作戦の強行を決定した。先にも記したように、連邦軍はこの地点で数日を待ち、ア・バオア・クーとグラナダをやりすごすことで、月からの最遠地点に位置した公国へ進行する作戦であったともいわれる。しかし、ここで公国に防御を固める猶予を与えることは得策でないと判断され、即時侵攻が決定されたのである。これは前線において非常に無謀な命令であった。

 連邦軍を迎え撃つべく、ア・バオア・クーに配備された公国軍の戦力は――戦艦×4隻、空母×2隻、巡洋艦×41隻、突撃挺×46隻、MS×3600機、宇宙戦闘機×830隻、という情報が存在する。

 この防衛には試作機や実験機などや旧型機も動員されていた。まさに公国の威信を賭け、総力を集結してこの要塞の防衛に臨んだのである。この戦域に投入された艦挺数は稼働可能な全艦艇の70%近いとさえいわれる。

 もっとも、戦力を構成する質の部分では首を傾けざるを得ない。数こそ多数であったが、公国は開戦からのおよそ1年の間に熟練兵の多くを失っていたのである。

 こうして後に一年戦争といわれる長いようで短かった戦争の最後の戦い、ア・バオア・クー攻防戦が始まった。

 

 

 



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