IS ~MISSING LINK~ (ふぇるみん)
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第一章 騎士と死神と
第1話 Prologue
と言うわけでね、インフィニット・ストラトス×機動戦士ガンダム外伝~ミッシング・リンク~、開演!
・・・・・・・
「・・・・暗い、怖いよ。誰か、助けに来てよ。」
そんな少女達の響きは虚空へと突き抜けていく。
ある時、此の世界に新たに生を受けたものがいた。名はヴィンセント・グライスナー。彼はなぜか生前の記憶を持っており、自分が死んだ原因をはっきりと知っていた。親は科学者でPCの処理速度が落ちないように補助OSの研究にいそしんでいた。ヴィンセントはそんな忙しい家族のためにも学校では何でもこなし、家事もある程度は出来るようになっていた。そんなある日、彼等の道はバッサリと切られた。
其がISの発見だ。これによりハイスペックなOSが求められそれに彼等の親が作った補助OS、【HADES】と【ALICE】がお偉い方の目に留まった。もちろんその日の内にヴィンセントとその家族は更なる発展のためと言う名目で引き剥がされた。ヴィンセントは途方にくれた。いったいどうやって生きていけばいいのか・・・・・・。資金は持つのか・・・・。幸いにも前世は軍人だったためある程度の節約術は身に付けていた。そんなとき、彼を拾った人物がいた。
「ハロハロー!ISの産みの親の篠ノ之束さんだよー!」
「・・・・・!なぜ、あなたがここに・・・・・!!!」
そこにはISの産みの親、篠ノ之 束がいた。そして束は近くにあった椅子に座るよう促しヴィンセントは渋々座った。
「それで、なぜあなたとあろう方がここに?」
ヴィンセントは少しにらんで質問をかけた。束は椅子からたつと床に正座した。そして、
「其なんだけど・・・・・・・・・。
ヴィー君。ごめんなさい!」
「えっ!?」
束から出たのは謝罪と言う反応に困るものだった。束は床に座って深く頭を下げていた。ヴィンセントは怒ろうにも怒れず、ただ、泣き崩れた。こんなこと、あってたまるものか、一人身勝手に世界を変えた人が平然とここに来て土下座を噛ましてるなんて見たことがないシュールな光景であろう。
「自分、ISという存在を論外にされたとき、ついムキになってISという存在を認めてもらうためにあんなことをしでかしてしまったよ・・・・・。でも、そのせいで家族や親友と離ればなれになってむしろ此の世界を嫌うものが出てくることは考慮に入れてなかった。それはヴィー君も同じ筈。」
「ええ、・・・・・そうですよ!此の世界に生まれてきてから俺は此の世界が大嫌いだった!そして、ISが出てきてから家族は引き剥がされ!学校では虐められ!こんな世界でどういきろって言うんですか!」
ヴィンセントは親が失踪してから担任の先生に相談したところ後日、担任の先生にその事をいい振り撒かれ今やクラス中からの目の敵となっていた。度々殴られ、蹴られ、ヴィンセントの体は所々血濡れていた。だがヴィンセントはジオン公国の軍人として、またクロエの彼女として一歩も退かずに耐えてきた。
「・・・・・・・・・。」
束は黙ったままだった。それはつまり自分のやった所業に非を感じていた。そして彼女が重い口を開いた。
「・・・・・・・私の償いとしては足りないけど、一つだけなら方法がある。」
「方法・・・?」
「そう、ずいぶん前に壊滅させた研究所があるんだけど、また復活したらしくてね、ISと一体化するために肉体強化などの非人道的なする所なんだ。」
「それとこれとなんの関係があるんですか!」
「そこで、わたしは一つのオペレーションシステムの存在を知った。」
「オペレーションシステム・・・・・略するとOS・・・・・まさか!?」
「そう、非人道的な肉体強化に使われるOSがHADESとALICE。」
「くそっ!そういう事か!」
「そう、ヴィー君の親は非人道的行為に手を貸していたんだよ。」
「でも、政府の人は研究といって親から引き離されて今まで一人で生活してきた。それなのになぜ親がそんなことを・・・・・。」
ヴィンセントはそこで口が止まった。それはとある結論にたどり着いたからだ。
もう、親はいないのか・・・・・・!?
その思考がひたすら頭をかけめぐる。束は後ろを向いて頷く。
君が思っていることは・・・・・・正しいよ。と。
「そんな、もう・・・・一人なのか・・・・・!?」
「ヴィー君、つくづくごめん。一人にさせるようなことになってしまって・・・・・・。」
「ハハ・・・・・・・・・・、此の地球にもう俺のことをわかってくれる人は居ないんだな・・・・・・・。」
違うよ!ヴィンセント!
「!?」
「今、・・・・・微かに声がした!?」
「此の私でも微かに聞こえた!」
「しかもあの音色・・・・・あの声・・・・・・間違いない!」
独特の高い声・・・ヴィンセントは此の声を知っていた。前世でゲルググと相討ちになりながらも倒し、そしてその正体を知って絶叫したその少女。
「ヴィー君知ってるんだね?」
「あ、・・・・・・・ええ。知ってます。あの声は間違いなく自分が昔の頃に聞いた声です。」
「そう・・・・・じゃあ、これを受け取ってくれる?」
そう言って束はヴィンセントに一つの一つのペンダントを渡した。そしてそのペンダントの模様、ヴィンセントはいやというほど見てきた模様であった。
「・・・・・ジーク・・・・・ジオン。どうしてあなたが此の模様を知っているんですか・・・・?」
そう問いかけるヴィンセントの目には涙がたまっていた。
「それを話すのはまだ先になるよ・・・・・・・でも・・・・すぐにわかるよ・・・・・・。」
「そう・・・・ですか・・・其じゃあ、行ってきます。」
「うん、こんな形で別れるのは自分としても辛い。でも、こんな形でしか償っていけないから・・・・・。」
「これだけしてくれただけでも十分です。もし自分が帰ってこなかったらその時は・・・・・・
自分の身もろとも研究所を焼き払ってください・・・・・・・。これが束さんに対する最初のお願いで最後の償いです。」
「・・・・・!?・・・・分かった。」
そして少年はいつか聞いたことのある彼女のもとへ元軍人は往く。
To be continued.....
クッソ駄文ですがご容赦を。
「なんで?私がいるだけでもずいぶん作品の語彙力が賑やかになるよ♪マスター。」
お前の出番まだです。
「|ω・`)ショボーン」
感想お待ちしてます!
2/27 改修完了。
9/4 タイトルを改修
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第2話 天災と住まう少女【PaleRider】
こんな小説にたった1話に300もUAが・・・・?
感想、くれてもいいのよ?
むしろくださいお願いします。
束の研究所
「たっだいまー!!」
「お帰りなさいませ束様。」
「もー、いつもくーちゃんったら堅苦しいんだからー!」
「ハイハイイチャイチャはここまでー。見てるこっちが・・・・・砂糖吐きそう・・・・。」
「ペーちゃんも来てくれたんだ!」
「わ、わたしはペーちゃんではありません!ちゃんとした名前があります!」ムスー
そう言うとペーちゃんと呼ばれた少女は顔を膨らませた。
「そんな顔しないで!束さん悲しむから!」
「ほほう、ではそんな束さんに問います。私のデータは解析できたんでしょうね♪」ニコニコ
「あ、そ、それは・・・・。」タラタラ
「へぇ、束さんは私の仲間を突然見つけてその子に情報教えてISまで作っちゃって、それに比べて私の中の人に関しては気づいてたのに放置して、挙げ句私のデータ解析を怠るとは・・・・・ずいぶんと屈強な心をお持ちのようで・・・・?」
そう問いただす彼女の手にはすでに二本の筒が掴まれていた。数瞬後ピンクのエネルギー体が刀ぐらいの長さに延び、束の首に突きつけられた。
「はわわわ!?ゴメンって何度もいってるでしょペーちゃん!」
「ゴメンという言葉を聞いたのは私は初めてですがね!ガン・・・・・・それに!ザシュ・・・・・私の名前は!グサ・・・・・・RX-80!【PALE RIDER】ですよ!」ドゴァ
そう言った怒声を浴びせながらビーム・サーベルを器用に束の耳みたいな機械に突き刺していくその姿はさながら死の騎士そのものだった。【PALE RIDER】・・・・もといペイルライダー は筒を腰にマウントするとそっぽを向いた。
「ペイル様、何もそこまでしなくても・・・。」
「クロエちゃん?いつまでも甘やかしてたらいけないんだよ?だからたまにはこれで鞭を撃っといた方がいいよ。博士のためにならないよ?」
そう言ってペイルは予備のサーベル発生機(あの筒)をクロエに一本渡した。クロエの手にわたったとたんクロエが少しよろける。よほど重いのだろう。
「はぁ、いつもペーちゃんには怒られてばっかだね・・・・。」
「その内私の親戚にフルボッコにしてもらいますよ?イイデスネ?」
「は、はい・・・・。」
束は縮こまっていることしかできなかったという。そんな姿をクロエが後ろ姿で見ていた。束が言う見つけていたけど放置していた少女。クロエと同じ研究所にいたが捜索しても見つからず断念した少女。そしてクロエと同じ名前を持つ少女。その名は・・・・・・・・。
イタリア語で、十字架と呼ばれた少女。
「ここが、オーガスタ研究所か・・・・・。あの世界と作りがまんま同じだ。やはり・・・・。できれば穏便にいきたいが・・・!」
ヴィンセントは静かに手をかけて音をたてながら開けていく。中は埃っぽくいつくしゃみが出てもおかしくなかった。幾つか物を物色してこの研究所の見取り図を探していると奥の方から足音が聞こえてきた。それを前世の軍人の耳で聞き取ったヴィンセントはとっさに影に隠れた。暫くして奥の方から白衣を来た人物がのそりのそりとゆっくりと向かってきていた。その人物はこのようなことを言っていた。
「あーあ、結局予算が無駄になったじゃねーか。強化人間を作れとはいったが性格や精神が情緒不安定な狂化人間を作れとは言ってないぞ全く・・・。」
(強化人間!?それに狂化人間って・・・・・・まさか!?)
コトッ
「誰だ!?そこにいるのはわかってるんだぞ!」
「やっべ、ばれたか!」
咄嗟にヴィンセントはポケットから束さんに貰った拳銃を手に取ると暗闇に見えない人物めがけて2発放った。撃った弾は何かに跳ね返されたような音がした所から声の主には当たらなかったらしい。そして向こうからも発砲音が聞こえたかと思うと僅かに左の頬を掠めていった。数秒後、
「う、うあああああ!!!」
「な、なんだ!?」
「ふっ、どうやら流れ弾が彼女達に当たってしまったらしい。最も被検体はこんなことを毎日するのだがね。」
「よくも、そんな風に彼女達を扱えるな!彼女達だって人間だろうが!なのに【被検体は銃弾を毎日受け続ける】・・・・!抜かしたことを言うな!」
ヴィンセントが逆上して白衣の男を右カーブで殴る。たいして男、それを交わして左ストレートを滑り込ませる。ヴィンセントはもろにそれを食らって広い通路に投げ出される。奥は袋小路なので逃げられない。
「ふっ、侵入してきたはいいが口だけのようだな。ここで死ねぇ!」
ヴィンセントはふとポケットに入れたまま使うのを忘れていたISの存在を思い出した。ISなら、この事態を何とか出来るかもしれない。そう考えた時には彼はすでにその身に纏っていた。
「このISは・・・・・・今はそんなことを考えている場合じゃないか!」
何か武器はないかと探すがこれといって武器はなくある武装と言えばビーム・ナギナタとビーム・ライフルだけと言うお世辞にもまともに使えるとは言いがたい代物であった。だがそんなことにけちをつけている場合ではない。手早い操作で背中からビーム・ナギナタの柄を掴むと手首からナギナタにエネルギーを供給しビーム刃を出力する。その様子を見た男は
「ふん、ISがなんだ、そんなIS、我が被検体部隊で叩きのめしてくれるわ!」
「減らず口を!」
まだまだ戦いは終わりそうにないようだ・・・・。
「博士!チャチャッとやる!」
「分かったから頼みますからその首の目の前にある刃をしまってくださいお願いしますでないと死んでしまいます。」
「えー、どうしよーかなー?」
このときのペイルの表情は黒かった。今までさんざんハブラレルヤされてきた挙げ句データもろくにとって貰えずに鬱憤がたまっていたのだ。
「ふぅ・・・・。何とか終わったー!」
「うーん、一応データ修復のために機体は完全に直したけど・・・・・
データとりの相手がいないのよね・・・・・・。そうだ・・・・!束さん・・・・・さっきの罰ゲーム・・・・まだ執行してなかったよね・・・・?」
「う、うん、まあそうだけど・・・・・ペーちゃん・・・・まさか・・・・。」
「うん!格闘の的になってもらうよ!リアルライダーで!」
「・・・・・・・。(終わった・・・・。)」
翌日・・・・残っていたのは束さんのうさみみだけだったと言う。
To be continued......
感想、オナシャス!(切実)
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第3話 クロエ・クローチェ少尉
ガンオン・・・・・やべぇよ・・・・・。
ザクlll改面白いじゃねーかよぉ!wwwwwww
というわけであらすz ボカッ グボァ!
「全く、性懲りもなく・・・・・。クロエよ。私が今回のあらすじを勤めるわね。」
前回のあらすじ♪
ヴィンセントは親の遺したAIと私を助け出すために研究所に来たけどばれちゃってさあ大変。一方束博士のところには何やら不穏な動きが・・・・・。
さて、どうなっちゃうんだろうね!それじゃ、大変お待たせした第3話、どうぞ!
以下、彼女が残していった日記の一部である。
私はヴィンセントと一緒に逝って笑顔で最期を迎えたはずだった。だけど、私には意識がまだあった。そして、目を開けてみた。やはり見知らぬ天井だった。でも、臭いは覚えている。油臭かった。すると一人の人間がやって来た。
「目を覚ましたか。」
その人はいかにも偉いさんみたいな人で少し怖かったけど、取り敢えず、
「はい、あなたが助けてくれたんですか?」
と、答えてしまった。よくは覚えてないけどこの時は4歳だったと思ってる。その人は自分がなぜここにいるのかを教えてくれた。どうやら、親はいたけどあいえす?みたいなものを用いたテロに逢って私は軽い軽傷で済んだけど私の父と母は頭部を撃ち抜かれて即死したらしい。前の生涯でもコロニー落としの弊害で家族を失った私にとっては慣れたことだった。そして、その人はこういった。
「よかったら来ないか?」
と。私はずいぶん悩んだ。また、あんなことされるのか?と。でも、私には後ろ楯がもうなくて身寄りもない。ヴィンセントがいれば別だけどそんな偶然も起きるわけがない。渋々私はその提案を受けて彼の養子になった。
だが、それが間違いと気づくには少し遅すぎた。
異変に気づいたのは約半年前、何時ものように晩御飯を食べてると少しばかり頭痛がした。でも、其ほどまでには痛くないのでスルーした。翌日、彼に頭痛のことを教えるとなぜか彼の職場へ連れていかれて拘束された。
「な、何するの父さん!」
「ふふふ、君には素質があるようだ。強化人間の実験台となってもらおう。」
この一言を聞いた瞬間私は頭が真っ白になった。
また、同じことをされるのか、と。
既に何人ものの少女が受けさせられて、失敗して、処分と言う名の処刑をされたらしい。一人が脱走したが大して気にもせずいたらしい。私はすべての生涯を失ったにも等しかった。それから毎日大量の薬を飲まされて精神的にも物理的にも苦しかった。でも、いつかは自由になれると信じて毎日、毎日訓練を続けた。
にっきはここでおわっているようだ。
「今日も訓練かな・・・・・。」
私はいつものごとく起きると着替えて研究所の実験室に向かおうとしていた。でも、ナゼか今日はいつもいるはずの所長がいない。何があったのだろう・・・。すると、数人の男を引き連れて所長がやって来た。
「クロエ少尉、お前には今から強化人間の最終段階の手術を受けてもらうことになる。」
「そう・・・・・・・ですか・・・・。」
「お前も失敗したらどうなるか・・・・・・・分かってるな?」
「はい・・・・・・・既に存じています・・・・・。」
「そうか・・・・・・ならついてこい。」
「了解。」
そこで私の記憶と意識は飛んだ。
「クソッ!どうすればいい!ビームライフルとナギナタしかつかえないのが・・・・・。」
そう言ってヴィンセントは武装一覧を見ていた。するとそのなかに目を引くものがあった。
「ん?これは・・・・・遊撃ミサイル?」
ヴィンセントに追加されていたのは箱に内蔵された大型ミサイルみたいなものだった。
「くっ、此があるだけでもいけるか!」
ヴィンセントはロックオンを済ませるとミサイルを発射する。が。
バシューン
勢いよくやつに向かっていくと思われた大型ミサイルは何者かの狙撃によって破壊された。
「なっ!?」
「目標を確認・・・・・これより排除に移る・・・・。」
「この声・・・・間違いない!クロエか!」
「ふふ、そうだよ!少しばかり!洗脳はさせてもらったがな!」
「こいつ・・・・・!」
「ふはは!恨みたければ私を恨むがいい!こいつをやってからな!」
そう言って男は姿を消した。残ったのは水色の全身装甲に覆われたクロエの姿であった。ヴィンセントの駆る一年戦争時代の愛機、【高機動型ゲルググ改】とクロエが動かしていると見られる一年戦争時代の連邦軍の傑作機、【ジム・スナイパーlll】、両者が激突するときが今ここに来る。
「は~か~せ~!!」
「だからぺーちゃんそれ振り回さないで!軽く3回死ねるから!マジで!」
「だから殺ろうとしてるんだよ・・・・?」
「ぺーちゃんドSなの!?・・・・ってぺーちゃんの目が紅い!ダメなパターンや―!」
「ウフフ、今私は猛烈に束さんを愛していたいの・・・・・・死ぬほどにね!」
「ギャー!!剣はしまって!剣はしまって!」
「いーやーだ♪」
「クーちゃんも何とか言って!」
そう言ってクロエの方を見るとビームサーベルを持ったクロエの姿が目に焼き付いた。
「え、嘘だよね・・・?」
「ペイルさんからは甘やかしてはいけないと言うことを教わりました。だから博士、私は全力であなたを叩き斬ります!」
「だからね・・・・・ここに、立ってくれる?♪」
最早ペイルの目はまっかっか、口からも牙や紅い液体が滴り落ちていた。
後日、思いっきり説教されている二人の姿を誰かが目撃したとかないとか・・・・・・・・。
「クロエ!いい加減に目を覚ませ!お前がそんな簡単にやられるはずがない!」
「排除対象の・・・・・・聞く耳は持たない・・・・・・。」
「ちっ!成らば直に目を覚まさせるしかないか!」
ヴィンセントはナギナタを持つと脚部ブースターを吹かしてスナイパーlllに側面奇襲を行う。いっぽう、それに対し洗脳クロエスナイパーlllは颯爽とナギナタの予測機動を縫って90mmブルパップマシンガンで攻撃する。最早ヴィンセントが知るクロエではなかった。しかし、クロエの心情は違った。
(ゴメン、ヴィンセント、今はもう少し我慢しててね・・・・・そうしたらまた会えるよ・・・・。)
彼女は洗脳されているように見せかけて正気を持っていた。だが、敢えて洗脳されているように見せかけていることで、ヴィンセントの後ろで今か今かと銃を撃とうとしている所長を撃ち殺すタイミングを見計らっていたのだ。実のところ、クロエが飲まされた洗脳薬は幸いにも前世で大量に使われた狂化薬だったので完全に洗脳することなく意識が目覚めたのだ。そして、クロエも最近気づいたことなのだがクロエは自分にニュータイプとしての才能が芽生えてるのではないかと確信した。洗脳が解けたのもそれでうなずける。
運命の決着まで、時間はない。
To be continued......
次回予告
クロエが洗脳されきっていると信じているヴィンセントだが実は正気を持っていたクロエ。敢えて見せかけていることのクロエのその真意は!?
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第4話 再びひとつになる二人
Sorry,please wait........
Why UA 1287!?
我が目を疑いましたよ、はい。
あらすじ
ヴィンセントと同じくして生まれ変わったクロエは前世と同じような狂化を強いられていた。だが幸いにも前世で大量に服用していたためか耐性が出来ていた。それを知らず所長はクロエと戦って気が引いてるヴィンセントを撃とうと試みる。時間はもう、ない。
「マルコシアスとして、恥を見せるわけにはいかない!」
ヴィンセントは必死に回避運動を繰り返してミサイルなどを交わしていく。対してスナイパーlllは容赦なくミサイルやらビーム・ライフルやらハイパー・バズーカ狙撃型やらを売ってくる。勿論ヴィンセントもそう易々と殺られるわけもなくミサイルとビーム・ライフル下部に装着されていたグレネード・ランチャーを撃ちだして爆風でミサイルを相殺する。そして相手の硬直を狙ってナギナタで思いっきり肩を斬りつけた。斬りつけられた肩からは生身の肩が少し切れているのが伺える。
「やはりな・・・・・洗脳は本当か・・・・・・。だとすると迂闊に手は出せないか・・・・・。」
「そうだね、出せないのはもとからだもんね?」
「!?」
バァン!
大きな銃声とともにヴィンセントから苦痛の声が漏れる。それと同時に彼は脇腹を抱えていた。見ると手の横から血液が溢れんばかりに出てくる。銃弾はここに命中したらしい。これでは何れ失血死してしまうことはヴィンセントもわかってはいた。だが、目の前にいるクロエは例え洗脳されようがされまいが守るべき存在、いや、兄として妹をあんな目に遭わせる訳にはいかない。彼はやつをやるべく動いた。最小の動きで敵の銃弾を回避しつつ残った大型ミサイル全てをやつにロックオンする。だが、ただでやられるわけもなく、背後からはクロエの乗る砂Ⅲ、正面には拳銃を構えた男。挟まれたヴィンセントは所々に傷をつかせていた。ましてや脇腹に食らった凶弾の影響でまともにロックオンできない。
「1発だ・・・1発当てればいいんだ!頼むから持ってくれよ!ゲルググ!」
ゲルググのモノアイが強く紅く光る。その一瞬で奴の頭に全弾四連ミサイルの標準がつく。
「これで、、、、墜ちろっ!」
残されたコンテナから7発のミサイルが飛んでいく。男は拳銃をミサイルに向けて乱射しているが当たらない。この隙にスナイパーlllを倒そうと思ったがミサイルを撃ったのに洗脳されている彼女がやつを守らないわけもない。瞬時にビーム・スポットガンで7発全てを落とされた。それと同時にヴィンセントも膝をついた。
「くっ、血が・・・・・・血が足りない!」
「はは、ここで終わりのようだな・・・・・潔く君には死んでもらう。被険体903、止めを指すんだ。」
「了解。」
スナイパー3が拳銃を構えてゆっくりと迫り来る。ゲルググでやり合ってよくここまでやれたな・・・と自分でも感心した。そして、彼の頭に拳銃の銃口がつけられた。
「これより命令を遂行する。」
そして拳銃の引き金に手がかかり少しずつ引かれていく。ヴィンセントはすべての終わりを感じた。だが、次の瞬間、何を思ったかスナイパーが拳銃を頭から離して男に向けるとありったけの弾をぶちこませた。勝ったと確信していた男は勢いよく吹っ飛び、倒れた。
「な、歯向かう気か!!被験体!」
「誰が最初から洗脳されてると思ってたの♪」
「えっ・・・・・!?その声の調子・・・・・・まさか!?」
「ええい、洗脳が不十分だったのか!?」
男はもうひとつ持っていた拳銃を取ると負傷しているヴィンセントに向かって撃つ。しかしその弾は悉くスナイパーlllのビーム・サーベルで融かされた。
「やはり・・・・・・・クロエなのか!?」
「ごめんね・・・・・・ヴィンセント、今まで騙しちゃって・・・・・。」
「やはりクロエなのか・・・・・!」
「ええ・・・・そうよ・・・♪」
「糞ォ・・・・・・・洗脳できてないのなら・・・貴様らも道連れにしてくれるわ!!」
そう言って男がボタンを取り出すとそのボタンを戸惑いもなく殴った。すると入ってきたドア、窓の鍵がしまって出られなくなる。それと同時に男の頭上にあったディスプレイにタイマーが表示される。
「フハハハ、ここから生きて出られると思うな!この部屋には核爆弾が設置されている・・・・・これで、お前らもろとも爆破してくr・・・・・・。」
男の声はそこで遮られた。同時にディスプレイのタイマーが止まり、男の背後にはクロエがいた。
「こんなことでしか所長は勝てないの?」
「貴様・・・・・この腐れたガキがあああああああ!」
男は拳銃を構えて撃つ。だがそれはかわされるかサーベルで焼かれたりした。
「ガキなんかじゃないわよ♪ちゃんと私には地球連邦軍新型MS、ペイルライダーのパイロット、クロエ・クローチェ少尉という名前があるんだから!」
「クソッ、クソッ、クソォォォォォォ!!!!!」
その言葉とともに男の身は焼かれた。声も出すことなく一瞬で、だ。やつを焼いたあと、クロエはサーベルをマウントするとこっちに振り返った。
「・・・・・やっと・・・・・・やっと、また会えた・・・・・!」
「クロエ・・・・・・本当にすまなかった、俺がもう少し急いでたら洗脳されずにすんだものを・・・・・・。」
「良いのよ・・・・・・。それより本来の目的は達成したの?」
「あ、そうだった。・・・・って何で知ってるのさ?」
「さっきまでずっと聞いてた♪」
「つくづくクロエには驚かされるよ・・・・・。」
ヴィンセントは格納領域にしまってあったUSBを取り出すと研究所内のデータベースから目的のOSを抽出した。そのあとメインコンピューターをシュツルムファウストで粉々に破壊した。
「さあ、いくぞ。クロエ。」
「うん♪」
二人は急いで所外に出るとヴィンセントは残ったシュツルム全弾を、クロエは取り敢えず持っていた大型ジェネレーターを投げてビーム・ライフルで撃ち抜いた。瞬間研究所は爆発、近くにあった発電所にも誘爆して辺りは火の海と化した。その背景に二人は飛び去っていった。目的地は現在のヴィンセントの形式保護人、
篠ノ之 束。
To be continued......
次回から原作に突入できるかなぁ・・・・・。無理だな!(諦め
次回予告
束の研究所についた二人は思わぬものと再会する。そしてさらに忌々しいあれもその地下倉庫には有ったのだった・・・・。果たして二人はどんな決断をするのか、今明かされる!
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第5話 忌まわしい記憶と共に
死神録よりこっちの方が書きやすい事実。(2500-3000)死神録(8000-10000)
あらすじ
洗脳(笑)されていたクロエと対峙するヴィンセントだがクロエは洗脳されたふりをしてヴィンセントと遊んでいた。そんな最中所長がヴィンセントを撃ちヴィンセントは凶弾に倒れた。それによりクロエがふりをやめてその本来の連邦軍にいた頃の力を発揮、所長を跡形もなく焼く。そしてヴィンセントはALICEとEXAMを抽出し用済みとなった研究所を破壊し今あるべき所へと二人は帰るのだった。
「こちらヴィンセント、ラボ付近まで接近しました。カタパルトの解放をお願いします。」
「はいはーい、誘導するから其にしたがってきてねー。帰ってきたらすごいもの見せちゃうんだから!」
「凄いもの?」
「見ればわかるよ!」
束さんのテンションの上がりように驚きながらも俺とクロエはラボのカタパルトに着地した。ラボに行く前に家にもよったがもはや因縁のある家になどいられないと決意しロケットランチャーで破壊してきた。今ごろは事件にあっているのだろうか。それを知りたい意味もなければ、知りたくない意味もない。過去の自分とはきっぱりと別れを告げたのだ。着地するとそこには案の定、束さんとクロエがいた。
「お帰りー!ヴィー君。その様子だと覚悟を決めたみたいだね?」
「・・・・はい。」
「気にしなくてもいいんだよ?」
「む・・・・君がヴィー君が施設から助けてきた・・・。」
「地球連邦軍新型MS『ペイルライダー』搭乗パイロットのクロエ・クローチェです!よろしくね!」
「えっ!?・・・・・・クロエ・・・・・クローチェ?」
そう言ってクロエさんは口ごもった。が、それもすぐに終わってクロエの方を向くと、
「やっとあえた・・・・・私の姉妹に・・・・!」
「じゃあ、貴女が・・・・・研究所から逃げ出した・・・・・。」
「はい、束様に助けていただいた、クロエ・クロニクルです。」
「なら私達姉妹関係になるね♪」
「はい、これからよろしくお願いします。」
「うんうん、いいねいいね。・・・・・・・・ってヴィー君その怪我は!?」
束が脇腹から流れてくる血に気づいた。
「いえ・・・・・・唯銃弾がかすっただけです・・・・・グッ!」
「クーちゃん!急いで応急箱を!」
「はい!束様!」
クロエ(クロニクル)が応急箱を取りに急いでおくの部屋へと駆け込んでいく。束はヴィンセントを近くのソファーに横たわらせると傷口を見た。
「出血がひどい・・・・・・早く銃弾を摘出して傷口を塞がないと!」
「束様!持ってきました!」
「クーちゃん!中から消毒液とガーゼ、それとピンセットを!」
「此ですね!」
束はクロエからピンセット等を手渡されるとすぐさま手当てを始める。
数十分後、ヴィンセントの傷口は無事塞がりヴィンセントは辛うじて一命を鳥止めた。
「もう・・・・・・怪我してるんだったら早く言ってよ!」
「感動の再会で気づくのが遅れた貴女が言うことですか・・。」
「あはは、ごめんごめん。でもこれで二人にあれが見せられる!」
「「あれ?」」
「うん、着いてきて!」
「怪我人をすぐに動かさないでくださいよ・・・・。」
ヴィンセントとクロエは束につれられて地下へと降りていく。そこは真っ暗で何も見えない。
「さあ前をご覧あれぇ!」
束がレバーを引くと証明が辺り一面についた。ヴィンセントはクロエはそこに写ったものを見て驚愕の色に包まれた。
「ど、どうして此が・・・・・ここに!?」
「愛しのあれがここにあるなんて・・・・・!」
そこには3つの大きな人形のロボットがあった。する遠くから人影が出てきた。
「あ、やっときましたねマスター!」
「し、失礼だが君は?」
「はい!このロボットの全体を統括する総合自律型AIの【PALE RIDER】と言います!マスターの秘密はなんでも知っていますよ!」
「クロエの秘密をか?」
「ペイルちゃん?何で私の秘密を知っているのかは知らないけどヴィンセントにいったらここにあるこれで粉々にしちゃうからね♪」
「そんな悠長なことはしませんよマスター!」
「ヴィー君、クロちゃん、これを見てもうなにか分かっちゃった?」
「ええ、見間違えようもありません。ここにあるのは・・・・・・・・
RX-80 PALE RIDER、AMX-018[HADES] TODES RITTER・・・・・・ですよね?」
そこにたたずんでいたのは前世でクロエを苦しめた(楽しませた)ペイルライダーとトーリスリッター、そして見慣れない機体もあった。
「博士、此は?」
「これ?ぺーちゃん?確かこれって・・・・。」
「ペイルライダー・デュラハンです!」
「ペイルライダー・デュラハン・・・・・?」
「デモ何でこれらの機体が無傷のまま・・・・。」
「いやね、君たちと会う半年くらい前にぺーちゃんと一緒に落ちてきてね、気になったから完璧に修理しちゃった。因みに秘密のデータはすでに見させてもらってr・・・・・・あれ、クロちゃんとヴィー君は?」
「え?すごい剣幕でペイルライダーとトーリスリッターに飛び乗りましたよ?」
「え・・・・・・?と、言うことは・・・・・・・・・!!?」
「博士、・・・・・・・?」
「取り敢えずそのデータ、捨てちゃおっか♪」
トーリスリッターにクロエが乗り、ヴィンセントはペイルライダーにのって束に銃を向けていた。勿論特徴的なエメラルドツインゴーグルアイはまっかっかである。
「いやいやいや!?データはクロちゃんとヴィー君の専用機を作るために貰っただけだからね!?」
「ならこいつらに遠隔操作用の端末機器を埋め込んでおいてください。」
「何でそんなめんどくさいことしなky「ならここで暴れてもいいんですよ?」わかりましたつけますからラボだけは勘弁を。」
そんなこんなで束はヴィンセントたちに専用機を作ることを決めた。
数日後、ヴィンセント達はなぜかラボのドックに呼ばれた。
「行きなり呼び出して何ですか束さん・・・・・危うくクロエ起こそうとして殺されかけましたよ・・・・・。」
「寝てる最中に起こしに来るから悪いのだ。」
「いや、起こしたのお前の妹だぞ?」
「なら許す♪」
「えええ・・・・・・。」
「束様、それでご用件は・・・・?」
「あ、そうそう、ヴィー君達のISが完成したんだ!」
「ずいぶん早いですね。徹夜したんでしょうに・・・・・。」
「無茶はだめよ♪」
「ちゃんとこれでも10時間は寝たよ!」
「「「意外に寝ていたああああああああ!?」」」
3人は声を揃えて目を丸くさせた。束さんはエッヘンとガッツポーズをかましている。
「それじゃ、説明していくね。まずはヴィー君のから!」
「まあ、その形状からしてもうわかっちゃうんですが・・・。」
「そ!トーリスリッターからのデータを色々目が開くくらいに読み込んで作ったヴィー君専用IS、そのなも、【ヴィー君専用ギラ・ドーガ】!シュツルム・・・だっけ?なんか爆発するやつとビーム・マシンガンを使って遺憾なく発揮してね!」
「まさかもう一度お前と出ることになろうとはな・・・・・。」
ヴィンセントは今までの中で一番長く乗っていたかもしれないアイツに再び挨拶を構える。
「次はクロちゃんだね。」
「私にはもう何か分かっちゃったんだけど・・・・・。」
「うんうん!これはペイル・スナイパー2、後方支援の機体だけど武装次第では近接格闘もできるからね♪」
「ありがとうございます!博士!ペイル、私にもう一度力を貸してね♪」
「よし、じゃああとはクーちゃんだけだね!」
「?わたしにも・・・・・ですか?」
「クーちゃん用に調整したヴィー君とクロちゃんの中間の性能を持つペイルライダー・デュラハン!大型シールドに加えて大型ランス、ハイパーバズーカ、どれをとっても平凡的な性能だよ!」
クロエは自身の専用機、ペイルライダー・デュラハンを見て目を輝かせていた。
「これが・・・・・・私の専用機・・・・!」
「良かったねクーちゃん!」
「はい、クロエ様!どこまでもあなたと一緒にいます!」
「其じゃ、ここで完熟訓練をするのもよし、外で模擬戦をするのもよし、好きに使っちゃっていいよー。」
「分かりました束さん。暫くクロエと模擬戦をしてますね。もうとなりのクロエが目がヤバイので・・・・・・。」
「早くやろうよヴィンセント!」
「はいはい・・・・では博士、行ってきます。」
「いってらー。・・・・それじゃ、クーちゃんはISの完熟訓練から始めようか!」
「はい、束様!」
こうしてヴィンセント達は新たなる力と仲間を手に入れたのだった・・・・・。
To be continued......
マンガ版要素と言うのはデュラハンのことでした!
次回はこれまでの登場人物の紹介と専用機の紹介です!
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第6話 ここまでの設定 えくすとら
「クロエだよ♪」
今回は今までの登場人物等を振り返っていくよ!
「秘密とか書いたらリアルトーリスでフルボッコだからね♪」
は、はい。其では、見ても見なくてもいい6話、どうぞー。
ヴィンセント・グライスナー
搭乗機体 高機動型ゲルググ(VG)、ペイルライダー(VG)、ヴィンセント専用ギラ・ドーガ、???
一年戦争を乗り越え、グレミー残党とも戦った誇り高き軍人。一年戦争終戦直前でペイルライダーの少女、クロエ・クローチェを拾い絶叫するも10年の時を経て和解。宇宙世紀0090年にはクロエと一緒にグレミー残党と戦い戦争との呪縛から解放された。その後1児をもうけ、幸せに暮らしてそのまま老いて亡くなった筈だがなぜかまた生まれ、再び戦争と同じ思いをしながら同じく生まれかわったクロエと再会、今度こそお互いを守ると誓い合った。ただしクロエの狂気は苦手である。
尚、重度のシスコン(主にクロエの甘えに答えてる)で、クロエの歯止め役にもなっている。
初期IS
高機動型ゲルググ(ヴィンセント・グライスナー機)
SE量 1800
武装
ビーム・薙刀
背中にマウントされている白兵戦用の装備。柄の両端から刃を出力するので用途に合わせて両端から刃を出したり、片方だけだして出力を挙げるか好みで選べる。
ビーム・ライフル
腰にマウントする中遠距離主力射撃兵装。もとの威力が高いが容量が少ないため頻繁な補給が必要となる。
グレネード・ランチャー
ビーム・ライフル下部に設置された小型ランチャー。弾種を切り替えることで幅広い戦術に対応可能。
大型ミサイルランチャー
戦艦のミサイルをそのまま利用した外部射撃兵装。誘導設定時間は長いが当たれば一撃の威力を誇る。
360mmロケット・バズーカ
従来のバズーカの弾頭を改良して搭載した対ISバズーカ。徹甲弾の搭載により当たれば必ず絶対防御を発動させる。
束がヴィンセントに渡した白騎士のプロトタイプIS。白騎士より攻撃力は抑えられてあるがその分余った動力は機動系へ振り分けられ驚異的な加速力と航続距離を持つ。
IS学園編
初期形態
ヴィンセント専用ギラ・ドーガ
SE量 2500
武装
ビーム・ソード・アックス
二つのモードを切り替えることによって戦い方を変えることができるビーム・サーベル。二ヵ所の出力口からビーム刃を形成し安定したダメージを負わせることができる。
試作型高出力ビーム・マシンガン
エネルギーCAPを小刻みに充電して使うビーム・ライフル。セミオートとフルオートの二種類のモードで撃つことが出来、連写速度に優れるが充填速度が遅い。
シールド内蔵小型ロケット・ランチャー
シールド下部に設置されている小型弾頭形成弾。撃ちきり式だが威力は高い。また弾速が軒並み早いので奇襲などの先方にも用いられる。
シールド内蔵小型ミサイル・ランチャー
シールド上部に設置された小型ミサイル。誘導性能は高いが威力が低く、射程も短いため牽制に用いられる。
グレネード・ランチャー
ビーム・マシンガンの下部にあるグレネード・ランチャー。打ち出されたランチャーは弧を描いて飛んでいく。
シュツルム・ファウスト
使い捨て型の大型無反動砲、仕組みは簡単ながらも炸裂式大型形成弾頭で形成された弾は非常に高い破壊力を誇るが数が少なく、また撃ちきり型なので非常に扱いにくい。
スモーク・ディスチャージャー
シュツルム・ファウストに特殊弾を詰め込んだ弾。中身は炸裂式煙幕弾が内蔵されており爆発すると周囲に赤外線及び熱探知を無効化する煙幕粒子を撒き散らす。
ペイルライダー(VG)
SE量 2700
武装
ビーム・ナギナタ
ゲルググのナギナタを流用した白兵戦兵装。リーチが長い。
腕部ビーム・スポットガン
牽制用の低出力ビームガン。割と連射がきくがリロードが長い。
ハイパー・ビーム・ライフル
従来のレーザー兵器の出力を向上させたライフル。高出力の代償として一回使うと微量ながらSEが減る。
六連装ミサイルポッド
若干誘導性能を持たせた実弾ミサイル。誘導性能を犠牲にした代わりに単体での威力はかなりたかい。
???
死神が死に瀕した時、最後の封印は解かれる・・・・・・・。
クロエ・クローチェ
元は連邦軍初代強化人間の被験者。ペイルライダーを駆り幾度もなくマルコシアスを追いかけるが交戦の果てに大破、機体諸ともジオンに拾われそのままジオン軍に編入。その後グレミー残党との戦いで完全に機体は爆発、ようやく解放された。(なお本人は哀しんだ。)戦後はヴィンセントと1児をもうけ暫く育てて老いて亡くなるが、目を覚ますと再び強化試験体として生まれ何人もの人を殺した。が、運のいいことなのか前世の薬の耐性が出来上がっており、強化薬が狂化薬になったりして敵味方問わず殺す戦闘狂になっていた。ヴィンセントが研究所にやって来たときも戦っていたが、その時にはすでに薬の催眠作用が切れておりただ単に個人の意思で戦っていた。(遊んでいた)いつも口ずさむ言葉は
「無理矢理にでも・・・・・・吹き飛んじゃええええええええ!!!」
が好きな模様。なお、重度のブラコン(ヴィンセントに甘える的に)であり、更にシスコン(クロニクルに甘えられている過である。過度に戦闘するためよくヴィンセントに止められる。
クロエ・クローチェ(ELS同化)
第3章辺りから登場。とある事情から彼女の体にELSが融合した状態。ISと直接的な同化が可能でありその性能はISスーツ越しの適正を遥かに上回る性能を持つ。
初期IS
ジム・スナイパーlll
SE量 2400
武装
ビーム・サーベル
通常のよりも出力が高いビーム・サーベル。踏み込みが深く威力も高いが反動も高く硬直が長い。
頭部マシンキャノン
頭部に設置された小型ガトリング砲。貫通力が高い弾を採用しているがコスト面も高く、リロードも長いため牽制などに使われる。非固定部位にヒットした場合は一定確率で破壊する。
CLBSR(チャージ・ロングビーム・スナイパー・ライフル火力精密強化型)
本機の主力兵装。超遠距離からの狙撃は非常に高い破壊力と爆風をもたらすが非常に反動と硬直、リロードが長く大きなリスクを伴う欠陥品である。が、大気圧による減衰効果を無効化するので実質弾速は音速に等しい。
腕部ビーム・スポットガン
牽制用のビーム兵装だが割と威力が高い。
ハイパー・バズーカ
強化型炸裂弾頭を搭載したバズーカ。弾速が早い代わりに爆発範囲が小さい。
IS学園編
ペイル・スナイパーll
SE量 3100
武装
超高出力ビーム・サーベル
常に出力を最大にすることで絶対的な威力を得たビーム・サーベル。だが代わりにエネルギーが内蔵式になり切れたらエネルギーをチャージする必要がある。
CLBSR(超射程火力強化型)
スナイパーlllのライフルをもとに束が製作した後方火力支援兵器。狙撃を必要としなくなった代わりに極度に射撃精度が落ちているがそれを補って余りある超火力で敵機を撃滅することが出来る。
腕部ビーム・ガトリングガン
スポットガンの欠点であったエネルギー効率を解消するために試験的に搭載された武装。圧倒的な連射速度で敵機を破壊できる。
ペイルライダー
SE量 4000
武装
高出力ビーム・サーベル
ビーム・サーベルにジェネレータではなくコンデンサーを搭載し高出力化に成功したもの。エネルギーが切れたら充填が必要だが予備が二セットある。
頭部バルカン砲
目眩まし用に開発されたバルカン。牽制力が強いが弾切れが早い。
ハイパー・ビーム・ライフル
ヴィンセントのライフルとは違い銃身を長くして射程距離の強化に成功したもの。収束率が低く拡散兵器としても使える。
腕部ビーム・スポットガン
難点であったエネルギー効率を改良し照射化に成功したもの。うまく当てれば熟練者でも落とすことができる。
180mmキャノン砲
長い砲身を折り畳んだような形状が特徴の長距離火力支援兵器。高速で弾を撃ち出すが初速がやや遅い。
ロケット・ランチャー
ハイパー・バズーカの上位互換版。初速と集弾率を犠牲にした代わりに火力が強化されている。クロエのは近接特化タイプのため爆風範囲が広い。
ジャイアント・ガトリングガン
背中に付けられている大型射撃兵装。砲身から大量の実弾を撃ち無くなるまで撃ち続ける。
90mmマシンガン
銃身が短い近距離用のマシンガン。初速が早い。
クロエ・クロニクル
試験管ベビーとして生まれた少女。クロエの次に生まれるがクロエより先に強化を受け失敗。殺処分にされそうになったところを束に助けてもらい現在に至る。ペイルちゃんのことを師匠のように慕うがそれは表向きで実際は極度のシスコン(クローチェに甘える)である。
初期IS
ペイルライダー・デュラハン
SE量 5000
武装
ビーム・サーベル
クロエたちのものと同じ物だが威力は押さえられており主に護身用として使う。
チャージ・ヒート・ランス
チャージすることで強力な一撃を放つことが出来るがはずすと大きな硬直時間が発生する。当たれば必ず絶対防御を3回貫通する。
シールド・ガトリングガン
ガーディアンシールドの内蔵バルカン砲をガトリングガンにかえたもの。威力は低いが連射速度はずば抜けて早くリロードが頻繁に発生する。
ハイパー・バズーカ
軽量弾頭を使用しており威力が低いが命中率が高い。
IS学園編
ペイルライダー・デュラハン改
SE量 3840
武装
ビーム・サーベル
低出力だが機敏に動ける。ウェイトコントロールにも役立つ。
シールドガトリングガン
強化貫通弾を使用したガトリングガン。威力がけた違いに上がっている。
大型複合兵装 シェキナー
本気最大の兵装。用途に会わせてメガ・ビームランチャー、ジャイアント・ガトリングガン、グレネードランチャーの三種の兵装を使うことができるが併用しての使用はできない。
次回予告
ヴィンセント達は束の提案でクロエ姉妹と一緒にモンド・グロッソにいくことになった。がzそこには様々な組織の思惑が飛んでいた。
2018/10/11/2:56 説明文の修正
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第7話 姉妹は揃って重度のシスコン
ヴィンセント達は傷を引きずってラボに帰還した。するとそこにいたのはクロエの妹、クロニクルもいた。クロエは知らなかったようだがとりあえず再開できた。そして更に奥にはヴィンセントもよく知るMSがおいてあり、それを模造したISも3人に手渡され、3人は覚悟を決めるのだった。
前回のクロエたちの設定に書いたシスコン、ブラコンですが、大まかに解釈すると
クロエ(クロニクル)がシスコン(クローチェに甘えてる)でクロエ(クローチェ)がシスコン(クロニクルの甘えに答えてる)。で、二人揃ってブラコン(ヴィンセントをお兄様のように慕い、甘えてる)。クローチェは前世で結婚していたから問題ないけどクロニクルは兄妹関係になる模様。
んしゃ、どうぞ。
「ヴィンセント~!速く早く~!」
「おい待てよクロエ!そんなに早く走ったらクーがおいてけぼりになるぞー!」
「クロ・・・・・・・私がそんなに嫌いですか・・・・・?」ポロポロ
「クー!?ごめん!早く見に行きたくてつい・・・・・・。」
「離ればなれにならないで・・・・・・私を一人にしないでよ・・・?」ダキッ
「うん・・・・・うん!」
「どうしてこうなったんだろうか・・・・・。」
ヴィンセントが愚痴りながら自棄にクロエに甘えてるクーの姿を見て何故か和んでいた。どうしてこうなったか、それはおよそ数時間前に上る。
「ねーヴィー君?」
「何です束さん?」
「折角訓練も一通り落ち着いたことだしさ、リラックスがてらモンド・グロッソでも見に行ってみたら?」
「モンド・グロッソ・・・・・たしかISを使った競技大会でしたね。」
「そうそう!それで私の友達も出るしその様子を見てきてほしいの!」
「二人はつれていきますよ?」
「モッチローン!二人にもたまには面白いことさせなくっちゃね!」
「大抵これが原因だから困るんだよなぁ…。っとついた。」
「ここがモンド・グロッソの・・・・・!」
「大会会場ですか・・・・!」
その会場はとても大きく、束のラボでも一番大きいMS地下デッキがあっても其を優に越える大きさのアリーナがそこに建っていた。
「クロエ、クー、行くぞ。早くいかなきゃ座る席がなくなるぞ?」
「そうですね。さすがにここまで来るのに30分、ゆっくり休みたいので席を確保しないとですね。」
「其じゃ私はヴィンセントの膝の上で座る~!」
「ズルいですクロ様!ヴィンセント様、私にも!」
「わかったわかったから落ち着いてくれ。今暴れたらここから追い出されるぞ?」
「じゃ、それをしにきた奴等を叩ききれば良いじゃん!」
「止めてくれ・・・・・・座らせないぞ。」
「うわーん!!クー、ヴィンセントがいじめる~!」
「お兄様?あれほどクロを泣かせないでといったはずですが・・・・?」
「なら自分の膝の上に乗せてやれ・・・・もう始まるぞ。」
ヴィンセントはアリーナの方を見やった。そこには赤い装甲のISと両手でライフルを持っているISの姿があった。
「束さんが作ったインフィニット・ストラトスとは別の方向で普及した物・・・・・。」
「あれを私たちは相手していくんだね・・・・。」
「其をわからせるために私たちはこのインフィニット・ストラトスとともにここにいるのですからね。」
「だな。」
「私の故郷を落としたくせに(物理)なにいってるのかしら?」
「ゴハァッ!」
クロエ(クロー)に前世の黒歴史を掘り返されヴィンセントは心が少しいたんだ。クロエはにっこり笑って平然と黒歴史を掘り返してくるのだから恐ろしいといったらありゃしない。そうこうしているうちに試合が始まった。
「ふむ、赤い方は近接格闘・・・・・蒼い方は遠距離か。」
「真逆のポジション同士による対決みたいだね。いかに近接が懐に滑り込めるか、そして遠距離がいかに一定の距離を保ちつつ倒すことができるか・・・・それが勝負の分かれ目になると思う。」
「もしクロとお兄様が一緒に戦うとするならどうします?」
「今の機体なら俺が前に出て、」
「私が後ろで後方援護だね。」
「そうなんですか、あっ、動きましたね。」
クーの言う通り赤い方が蒼い方のライフルを切り終始優勢を取っていた。このままエネルギーを削りきったら勝てるだろう。そう思っていたときヴィンセントのギラ・ドーガのアラームがなった。鳴らしたのは束だ。
「どうしました束さん?」
「大変大変!私の友達のちーちゃんって言う子の弟のいっくんが拐われちゃった!」
「・・・・・・・・・10文字で要約すると?」
「助けてきて!」
「わかりました・・・・・・。クー、クロ、悪いが観戦はおしまいだ。」
「どうしたのヴィンセント?」
「どうしましたかお兄様?」
ヴィンセントはさきほど束から通信で聞かされたことを二人に伝えた。するとクーが異様にそれに反応した。
「一夏様がさらわれた・・・・・・すぐに助けにいきましょう!」
「無論そうするつもりだ。行くぞ。」
「うん!」
「はい!」
ヴィンセント達は席を離れると会場から離れて人気のない路地に向かった。そして改めて確認すると各々ISを取り出した。
「ミッションは一夏の救出、配置は俺とクーで全面突破を図る、クロエは後方より狙撃を行ったあと前線を蹴散らしてくれ、分かったな?あ、ちなみに頑張った方に膝枕してあげるからな?」
膝枕 というワードに二人は火花を散らした。ヴィンセントが膝枕をすることは滅多にないので一気に甘えるチャンスだと睨んだクロエ姉妹は瞬時に展開した。
「フフフ・・・・・ヴィンセントに膝枕してもらうんだから!ジャマシナイデヨ?」
「私だって膝枕をしてもらうんです!スコシハジチョウシテネ?」
「お前ら何時までも揉めるなら膝枕はなしにするぞ!」
「「ならヴィンセント(お兄様)を思いっきり弄んでもいいんだよ(ですよ)?」」
「そんなこと言わないで・・・。ヴィンセント・グライスナー、ギラ・ドーガ!」
「クロエ・クローチェ少尉、ペイル・スナイパー!」
「クロエ・クロニクル、ペイルライダー・デュラハン!」
「「「出撃する(出ます!)(出撃します!)!」」」
一本の路地から事件解決は始まった。
To be continued.....
次回予告
一夏は見知らぬ倉庫にくくりつけられていた。周囲には武装した集団が。一夏はこの絶望的な状況の中、生き残ることができるのか!?
クロエ姉妹について不明な点有ればご指摘いただければ幸いです。
但し故郷に関してはあれだ、分かりにくいかもしれませんが
コロニーを落とされた(物理)→故郷を落とした(物理)という解釈でお願いします。
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第8話 謔賊する亡霊共
ISをもらって以降やたらベッタリ甘えてくるようになったクロエ姉妹にチョッとだけ和んでいたヴィンセント。そんな二人をヴィンセントは束さんからのすすめでモンド・グロッソを観戦しにいく。だがやっぱり今までクロエ(クローチェ)の甘えを突っぱねてきていたのが仇となったか甘えが二人とも大爆発。どうしようかと悩んでいたヴィンセントのもとに束さんからのメール。それにより三人は観戦を終了せざるを得なくなってしまった。
この国には暗躍者が多いことは三人は知っている・・・・・・・。
クロエちゃんがいい感じにシスコンとヤンデレぶっ壊れててクーの立ち位置に困っているEL刹那です。
クロエ姉妹はヴィンセントになつきすぎててね・・・・・。甘えの歯止めが聞かなくなっちゃった。尚後々の話によってはまだ二人増える。
「おら!起きやがれ!」
「グハッ!・・・・・・此処は・・・・・廃棄された倉庫か・・・・・?」
紐でぐるぐる巻きにされた少年は女性に強く蹴られて起きた。尤もその衝撃がいまだに残っていてその怪我は尋常でない事が見てとれるが。
「一体・・・・・何で俺なんかを拐った!」
「貴女のお姉さん・・・・・・二連覇されるとこちらとしても少々厄介なのだよ。手荒で悪いがこんな手を使わせてもらった。」
「その割にはずいぶんと手厚い歓迎ですね?」
少年はぐるぐる巻きにされていたが実際のところ、手と足だけぐるぐる巻きにされていて、ソファーにちゃんと座れるようにしてくれている。
「まあな、お前の顔を見ていると何故か思い出すんだ・・・・・・親より先に逝ってしまった息子の事をな。」
「息子さんがいたんですか・・・・・。」
「ああ、この写真だ。」
そう言って女性は写真を少年に見せた。その写真には何処かのイタリア料理点で生まれたばかりかと思われる赤ん坊を抱えている女性と其をみて和んでいる男性の姿があった。
「これが私の息子だ・・・・。孫を十分に育ったと思っていたら突然癌で逝ってしまった・・・・。」
「失礼ですがお名前は・・・・?」
「ん?ああ、本名は言えないがコードネームは教えておこう・・・・・。
フィクサー・・・・、フィクサーだ。覚えてくれよ?」
「フィクサーさんですね・・・・ところでいつ解放してもらえるので?」
「あんたのお姉さんが辞退してくれるまで・・・・といったほうがいいのだろうな。」
「そんな・・・・じゃあ来なかったら・・・・?」
「そのときには悪いが・・・・あんたのお姉さんを怨むんだな。」
その冷たい一言と共に彼女は頭の正面に拳銃を着けた。少年の冷や汗がその拳銃を伝って落ちていく。すると後方からもう一人女性が走ってきた。
「フィクサー、決勝戦は始まったようだ。どうも全く気づいていないらしい。」
「そうかボマー、分かった。例のものの準備をしてくれ。」
「了解、南米産の火薬を使った肉片と言う名の芸術をお見せしましょう・・・・!ククク!」
「と、言うわけだ・・・すまないが、私は貴女を撃たなければならない。」
「そんな・・・!」
「恨むならお前さんのお前さんを怨め。あばよ。」
女性の拳銃に引き金がかかる。少年は自分の最期を確信した。
だが、同時にわずかな希望を残して。そしてその希望は叶うこととなる。
「いた!」
「織斑一夏は返してもらうぞ!」
「一夏さまは返してもらいます!」
「何っ・・・・・!あいつに情報統制は完璧にこなしてもらったはずだ・・・・!どうしてここが分かった・・・・!」
「俺たちのクライアントがそいつに密かにGPS発信装置を装着してたもんでな・・・・悪いが其を追跡させてもらった。」
「さぁて・・・・どこから調理しようかな♪」
「クロエ・・・・・・・落ち着け・・・・。」
三人の介入により計画はズタズタになった。フィクサーはこれ以上奴等に関わっては身が持たないと直感しいち早く離脱した。敵が居なくなり、静かになった倉庫に4人が残される。
「・・・・大丈夫か?」
「あっ、はい、ありがとうございます・・・・。」
「兎さんが言っていたいっくんって君であってるよな?」
「ええ、そうです。織斑一夏です。」
「分かった。クロエ、クー、一夏から少し経緯を説明してもらっててくれ。束さんと連絡を取ってくる。それと・・・・・今日は頑張ったな・・・。ラボに戻ったら俺のところに来てもいいぞ。」
「本当ですかお兄様!?」
「やったー!今日はいつも以上に甘えちゃおうっかなぁ!」
「はいはい・・・・でもこれが終わってからだぞ。」
「「はい!」」
二人が一夏をみて顔を赤らめていたことは放置して、秘匿回線で束を呼び出す。
「ヴィー君!終わったんだね!」
「はい、三機とも一次移行も完了しました。」
「おっけー!ちーちゃんには伝えておくからいっくんラボにまで連れてきてー。」
「分かりました。では、そろそろ軍が来そうなので速やかに帰還します。」
「おねがいねー。」
秘匿回線を切ってレーダーを見ると全方向から軍が迫ってきていた。ヴィンセントはクロエ達に近付くとさっきのレーダーの事を伝える。そして四人は軍が来る前にここから離脱した。数分後、軍が倉庫に来たが中はもぬけの殻。しかもなぞの爆発によりそこにいた軍は全員死亡することとなる。
暫くしてヴィンセント達はラボに到着した。ISを解除するとクロエとクーが飛び付いてくる。お陰でヴィンセントは二人の勢いに耐えられず倒れてしまった。
「お兄様・・・・ムニャァ・・・・。」
「ヴィンセント・・・・・大好き・・・・ムニャァ・・・・・。」
「ははは・・・・眠かったんだな・・・・お前らも。・・・・・そんなこと言ってる俺も眠いな・・・・仕方無い、部屋で寝るとするか・・・・。」
ヴィンセントは両肩にしがみついてぐっすり眠ってしまった二人を起こさないようにゆっくり起き上がって空気になっている一夏をおいてけぼりにして自分の部屋のベッドへとむかっていった。その様子を一夏は、
「俺もあんな風になりたいなぁ・・・・・。妹なんていないし。」
とか呟いていたと言う。
その夜・・・・・・・。
「ムニャムニャ、ヴィンセント・・・・・クー、ミンナダイスキ・・・!」ギュッ
「オニイサマハダレニモワタシマセン!・・・・ムニャムニャ・・・・。」ギューッ!
「(く、苦しくて眠れない・・・・。だけど、久しぶりに甘えに答えてあげたんだ・・・・。今日一杯は我慢してやるか・・・・。)」ニッコリ
そして一夜は明けていった。
To be continued......
クロエ姉妹がますますこじらせてしまった・・・・。
次回予告
モンド・グロッソから数年が立ちヴィンセント達も15際になった頃、平凡に二人の甘えに答えていたヴィンセントの平和な生活は崩れた。果たしてその原因が彼だと知ったヴィンセントの反応は!?そして其を見た束もヴィンセント立ちに強烈な提案をするのだった。
クロエ姉妹たち・・・・・シスコンだしブラコンだし病んでるカラコンな感じでいいよね?
感想お待ちしています!
なお、この小説投稿後、設定の方に加筆を加えます。
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第9話 天災はやらかした(閑話休題)
倉庫にとらわれていた一夏を助け出すべくヴィンセント達は救出に動く、一方一夏は拐った主犯格のフィクサー、ボマー、と呼ばれた女性と出会いさらわれた目的を聞かされる。しかし、その目論見はヴィンセントたちの介入により阻止、無事救出され一夏がよく知っている束のラボにつれていかれるのだった・・・・。
ここのクロエは何度も言うけどヤンデレ・・・・?甘えてる・?
分かんないや!
って言う風になってます。
ちなみに今回、バン○ムの最高傑作のゲームネタが登場します!
それに当たってもしかしたら今回であの展開にまでは持ち込めないかも。
荒れから数日過ぎた。千冬は暫くドイツにとどまることになり家に戻ることができないので暫く束達が預かっておくことになった。それで一夏が暫く家事をすると言い出して最近の楽しみが無くなってしまったのでヴィンセントはどうしようかと悩んでいた。
「ヴィンセント、どうしたの?」
「ん?クロエか、一夏に仕事とられてすることがなくなってな、暇潰しになるものがないかと探していたんだが・・・・。」
「あ、丁度今クーとやっているんだった!その暇潰しにぴったりなゲーム!」
「ふむ、面白いのか?」
「ものすごく面白いよ!PC持ってきてねー!」
「分かった、すぐ向かう。」
そう言ってヴィンセントは階段を降りていった。クロエはクーを待たせているためすぐに上に上がっていった。
数分後、宣言通りクー達がいる自分の部屋に戻ってきたヴィンセントはPCを立ち上げて暫く処理を待っていた。
「あ、ヴィンセント!ちょっとまっててね。」
クロエがものすごい勢いでとあるゲームのダウンロードを終わらせる。因みにクーとクロエはすでにもうやっているらしい。ちょっとだけ覗いてみた。
「オンラインゲームか?」
「正式にはPSが重要なゲームだけどね。」
「そのわりにはPS待ったなしだな・・・・・。」
「「だって強化人間ですから♪」」
「・・・・・・。(悲報 二人が才能を無駄遣いしていた件について。)」
ヴィンセントはもうクロエたちの所業に諦めがついていた。何故ならそのゲーム内で二人は小隊を組んでバク転しながら高速変態機動で敵機の砲弾を交わしすれ違い様にバズーカを叩き込んでキルティングしているわ空いた左手には爆発物握ってるわで相手側はご愁傷さまだと思った。数分後、登録手続きをしてると爆発の音が三回聞こえてきた。もう一回除いてみると筒状のなにかが煙を吹いていた。そのあと、黒ずんでなにも動かなくなった。
「ふい~、仕事終了っと。」
「やっと終わりました~、クロのお陰で今日も圧勝です!」
「しかも二人で80Kill0Deathっすか・・・・。」
「「狂化人間ですから♪」」ニッコリ
「なんか字が違う気がするが・・・・取り敢えずここまで来たが・・・。」
クロエが見るとどうやらブリッジ画面まで来ているらしい。クロエは先頭ボタンを押して小隊戦を選択すると自身の小隊を選択すると編入した。
「はい、これで完了だよ♪」
「あ、ああ。ここは階級制なんだな。」
「うん、私が少尉で、」
「私は准尉です。」
「どっちも尉官なのか。まあ俺は始めたばっかだし伍長からのスタートなんでしょ?」
「ところがこのゲーム、自分の能力に適した戦場に送られるから其によって初期階級も変わるんだよね。どれどれ・・・・・ヴィンセントは・・・・・え?」
「た、大尉?」
「そういえば軍に入った時最後に退役したときは大尉だったな。」
「みんな揃って尉官なんだね♪」
「デッキってどんな感じなんだ?」
「私はこのように組んでます。」
そう言ってクーがデッキのページを開いた。そこには前世でよく見たザクロなどの姿があった。
「ふえー、似てるなぁ・・・・。」
「クーちゃんは広方支援と前衛切り込みを担ってるからね!」
「そういうクロエはどうなんだ?」
「私は自分で作れるマイ機体をカスタマイズしてたらこうなってた♪」
「?」
ヴィンセントは覗いてみた。するとそこにはトーリスと外見が全く同じ機体が4機もあった。
「全部トーリスなのか?」
「そうだよ!しょっちゅう敵に嫌がらせしてるのになかなかPTが稼げないんだ・・・・・。」
「突っ込みどころ満載だがまず前に出すぎてるからダメなんだと思う。」
「だったらどうすればいいの?」
「簡単なことだよ、嫌がらせをすればいいのさ。」
「嫌がらせ?」
「クロエの武装にマシンキャノンってあるだろ?其を積んでペチペチ殴ればいいよ。」
「なるほど!じゃ、そろそろヴィンセントの初期機体を見てみよっか!」
「そうだな。どれどれ?」
ヴィンセントは自分のを見ていく、支援の機体が1機に強襲機が3機もあった。中身は言われずともヴィンセントゲルググ、ペイルライダー、サイサリスの姿もあった。
「はっはっは・・・・・何でや!」
以下、その日のオンラインの各陣営の様子である。。
連邦
「なんだよ!全然勝てねーじゃねーか!」
「うわああああん、大将のゲージ満タンから一気に伍長のゲージ全部消えた~!」
「字音怖すぎ・・・・・・!」
「全部あのクーとクロエが悪いんだ!」
「あいつらの機体弱体化はよ!」
ジオン
「今日もかったぞ!」
「さっきまで伍長だったのに一気に大将になれた~!」
「連邦め、ざまあないぜ!」
「ヒャッハー、連邦は下士官戦場に出荷よー!」
そのご、その日は連邦とジオンでしばしば同軍が多発したと言う。
その日の夕方、一日中遊んで疲れたクロエ達は晩御飯のおかずを決めるために変装してスーパーに来ていた。
「ねえねえヴィー君?」
「何ですか?博士?」
ヴィンセントは問いを問いで返す。束はヴィンセントの顔を見つめながらこう答えた。
「ヴィ―君はクーちゃんとクロちゃんを連れて学校生活を楽しむ気はない?」
「ま、まあ確かに戦争で学校なんていったことなかったですしどんなものかは気になりますね。」
「そうなんだ、じゃあヴィー君・・・・・・・・
IS学園に行っちゃう?」
「え。」
「ええ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ええええええええええええええええ!?」
小さなスーパーにヴィンセントの叫び声がこだました。幸いにも人はいなかったので気づかれることはなかったようだ。束は話を続けた。
「ヴィー君達は正直平和な世界を知らないからね、見てもらいたいんだ、平和な生活ってやつをさ♪」
「そうですね、正直俺たちはまだ世界を知らなさすぎる。ここで学んでいくのも悪くはないなと思う。」
「じゃ、決定だね!」
「公式的に発表は何時で?」
「またハイジャックするよ♪」
「はは・・・・・・さてと、買い物は終わったな。」
「今日はカレーですからね。」
「何いってんの!?ここはシチューでしょ!?」
彼らの少ない平和の日々は続く。。。
「ふふ、やっとわたしたちのでばんのようだね。」
「私たちの本当の姿、見せてやるわ!」
「そうだね・・・・・・・。
ディサイス、トリス。」
To be continued.........
次回予告
束の提案によってIS学園に乱入と言う形で転入を果たした。果たして彼らの1日目は無事迎えられるのか?
感想ほしいよー♪
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第10話 黄泉はいつもここにいる
大まかにまとめると
クロエ姉妹もう鬼畜です。
もっとも出てくるのはサブタイ通りですがw
「何か・・・・・視線が痛い・・・・・。」
「大丈夫なの?ヴィンセント?」
「ああ、大丈夫さ・・・・・ちょっと視線が眩しいだけさ。」
「何かあったら言ってくださいね?お兄様?」
「分かってるさ・・・・・クロエ達は大丈夫なのか?」
「凝れでも軍にいたときは偉い人々と交流するために視線はいやと言うほど浴びせられてきたからね・・・・・・。」
ヴィンセント達はIS学園の一席に座っていた。ヴィンセントが真ん中に座ってて前にクー、後ろにクロエがいると言う感じだ。ヴィンセントは全員からの視線ですでに疲労が溜まっていた。クーとクロエは近くにデュラハンとトーリスリッターが待機してたら今すぐ全員ビーム・サーベルで焼いていたがそんなことするとヴィンセントからおもいっきり嫌われてしまうので渋々我慢している。
「大丈夫ですか、マスター?」
「ディサイス、大丈夫だから・・・・。」
「でもこのままでは・・・・・・。」
ディサイスがおろおろしているところにドアの開く音が重なった。入ってきたのは教師が1人、小柄な女性だ。体格が釣り合っていないが。
「皆さん、入学おめでとうございます。私はこのクラスの副担任の山田真耶と言います。此れから一年間よろしくお願いしますね?」
「ヴィンセント、何かこの人・・・・・。」
「クロエ・・・・それは言わない方がいい・・・・。」
「うん、分かった。」
クロエは正直この担任のことなど考えてはいなかった。頭の中にあるのは授業が終わったらヴィンセントに甘える事だけしかなかった。それだけヴィンセントが好きと言うことなのだ。一方、クーも同じことを考えてはいるがクロエほど激しくはない。そんなことを考えているといつの間にか自己紹介が始まっていた。順番的にクーが最初になるようだ。
「私が最初ですか・・・・頑張ってみます。」
「うんうん、頑張ってね♪」
「落ち着いて・・・・・・な?」
クーの前の人が自己紹介を終え席に座った。次はいよいよクー達の番である。クーはゆっくりと席をたった。
「クロエ・クロニクルです。とある事情によって視力があまり良くありませんがその辺りは対策はしていますので何なりと声をかけてください。趣味は研究です。皆様、一年間と言う短い間ですがよろしくお願いします。」
そう言ってクーは席に座った。なかなかに丁寧な自己紹介だったために残った二人に突きつけられたハードルは一気に上昇した。ヴィンセントはこれ以上の自己紹介をどうしろと、という目をクーに向けるがクーはてへぺろ☆としか返してこなかった。ヴィンセントは今日は甘えを聞かないことを誓ったという。それを胸に秘めて席をたった。
「ヴィンセント、ヴィンセント・グライスナーだ。後に紹介すると思われる織斑一夏に次いでの二番目の男性操縦者となっている。知識に関してはまだまだ初心者なので分からないことがあるかもしれない。そのときは迷惑をかけることになってしまうと思うが精一杯努力する。よろしく頼む。」
そう言って座った。ヴィンセントは内心固く話しすぎたなぁ・・・と呟いていた。そしてその思考を終えるときにはすでにクロエが席をたっていた。
「クロエ・クローチェです♪さっき紹介したクロニクルと姉妹で私が姉に当たります♪そしてヴィンセントの義妹でもあるのでヴィンセントをとらないでね♪もしとったらどうなるか・・・・・・・ま、ヨロシクね♪」
クロエの自己紹介が終わる頃には全員が硬直していた。クロエは自己紹介する際に全員に向けて殺気を出していたのだ。もっとも後にヴィンセントが叱ったようだが。(その後結局甘えられた。)そうこうしているうちに一夏の番がきた。
「織斑一夏です。
よろしくお願いします!!!」
「「「え?」」」
あっけない挨拶に全員がずっこけた。クロエ達は唖然として声もでなかった。すると一夏背後に何者かが迫ってきて、
出席簿で殴った。
「イダヴィ!ゲッ、白羽!」
「誰が希望の花だ馬鹿者!」ベシィ!
「イダァァァァァァァァァ!!!」
一夏は痛さに悶絶して倒れた。そしてその女は教壇にたった。
「私がこの教室の担任の織斑千冬だ。分からんことがあったらわかるまで聞かせてやる。その代わり返事はYES ONLYだ。いいな!?」
・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・静かだな・・・・・。」
「!?マスター!高周波検知!」
「「「え?」」」
三人が気づいたときにはすでに遅く・・・・・・、
「きゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
「本物の千冬さんだわ!」
「私、千冬さんに会うためだけに私北九州から来ました!!」
「全く・・・・私のところだけにバカを集めているのか・・・・?」
千冬はあきれた顔を見せて教壇にたつとこう語った。
「お前らはまだまだひよっこだ!虫けら以下なのだ!悔しければ這い上がってこい!実力をもってしてな!」
「はい!織斑先生!!」
「では五分後に一次限目を始める!各生徒は準備をするように!それとグライスナー、クロニクル、クローチェはあとで私のところに来るように。ではこれで朝のSHRを終わりとする!」
SHR終了の号令がかかり、三人は千冬のところへいった。すると千冬はヴィンセント達を別室へとつれていき千冬を含む4人が中に入ると千冬が鍵をかけた。
「うむ、そろっているな?」
「はい、全員出席しています。」
「そうか、では単刀直入に聞く。
お前らが最近荒らし回ってる蒼い騎士だな?」
「・・・・・・・・さすが、といったところでしょうね。そうです、俺たち三人がブルーの稼働テストをしていました。」
「そうか・・・・・・ききたかったのはそれだけだ・・・・・・。」
「そうですか。では戻りますね。でも・・・・・・・・・・・・・・・
ヴィンセントにもし何かがあったらその時は、私たちが相手になります。」
クロエはそういいながら千冬の方向とは反転して教室に戻っていった。千冬はその一言になぜか悪寒を覚えていた。
To be continued..........
クロエちゃんヴィンコン(ヴィンセント)発動!
なーんかすでにゲシュタルト崩壊したぞー……
クロエのヴィンコンは予定通りだが。
次回予告
授業を順調に進めるクロエ達に決闘を吹っ掛けたイギリスの代表候補生。そしてそれをヴィンセントに対する威嚇と捉えたクロエとはイギリスの代表候補生に殺気を出しながら決闘を叩きつける。はたしてただの代表候補生と一年戦争と0090を乗り越えた少女。はたして勝つのはどちらか。
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第二章 ヤンデレ(?)のクロエちゃん
第11話 蘇りし蒼き騎士
あらすじ
クロエ達はとうとうIS学園へ入学した。そしてそこでもヴィンセント甘えている二人にクラス中は嫉妬の目を向けるも乙女の戦士の目で黙らされるのだった。
皆さんにお詫びがあります!
参考書をなくしてボコられるシーンは都合上今回はカットさせていただきます!
時間が空いたら書かせていただきますので・・・スミマセン!
「よし、じゃあ殺して上げる♪」
じゃあトーリス解体してくる~。
「・・・っ!?やめて!お願いだから私のかけがえのない話し相手を壊さないで!」
トーリス話し相手だったの!?
「正しくはHADESトしゃべってるんだけどね。」
なにそれ怖い。
因みに第二章ここからね♪
「では2時限目を始める!・・・・・・・・・と言いたいがその前にクラス代表を決めなくてはならん。自薦他薦は問わない。誰か意見のあるものはいないか?」
「私は織斑君を推薦します!」
「私はヴィンセント君を推薦します!」
「私もヴィンセントを推薦します!」
「わ、私も御兄様を推薦します・・・・・。」
次々と織斑とヴィンセントに表が集まっていく。そしてほぼ全員の投票が終わったとき、その殺気は飛んできた。
「ふむ、織斑とグライスナーが同率トップか、なら二人が話し合いで決めてもらうことになるが。」
バン!!
勢いよく机をひっぱたく音が聞こえ全員がその方向を振り向いた。
「さっきから黙って聞いていれば・・・・・・・男性操縦者は見世物ではありませんのよ!大体私がこんな猿共が住む極東の国に遊びに来たわけではないですのよ!」
「じゃあお前の国は何年連続で飯が美味しいGPワースト1位連続で金賞とってるんだよ?」
「言わせておけば・・・・・・!」
「そこまでにしておいたらどうなんだ?お二人さん?」
「貴方は・・・・・・確かヴィンセントと言いましたね?」
「ああ、そうだ。さっきは言ってなかったがドイツから来ている。」
ヴィンセントがその場を押さえつつ淡々とさきほどの自己紹介に補足を加える。すると一夏がこんなことを言った。
「あ?ヴィンセント・・・・・・・ドイツから来ていたのか・・・・・・。通りであいつらの姿に似ていると思ったよ。ドイツは織斑千冬のモンド・グロッソに連覇に加担して俺が誘拐された事実を揉み消した。其だけでなく、俺を助けに来ようともせず来たのはたった3機の蒼いISに白いIS、そして盾を持ったISしか来なかった・・・・・・結局は助かったがドイツは俺を見殺しにしようとしたんだよ・・・・・。だから、おまえとは仲良くすることはできん。寧ろ避けるようにするわ。日本の重要人物を見捨てたドイツの元軍人さん?」
(よくそんなことを覚えていたな・・・・・だけどその一言があいつにとっては禁句だった。その証拠に・・・・・。)
一夏がいい放った事件解決の真相を知った全員は顔を青ざめた。それは一夏から出るドイツに対する嫌悪のオーラに戦いたのではない。ヴィンセントの後ろにいる女子から放たれる強大な殺気のオーラで青ざめているのだった。
「言いたいことはそれだけ?」
「あ?他にも一杯あるさ。だけど話していたらきりがないんだよ。それもわからないのか?」
「そう、なら言わせてもらうわ・・・・・・・。
いつまでも調子乗ってるんじゃないわよ?偶然起動した一夏君?」
(あっちゃー、クロエがキレた・・・・・・こうなったらクロエの気の済むまでなぶりあいにされそうだ・・・・・・。)
売り言葉に買い言葉である。一夏のオーラはすでに教室全体を満たしているクロエの殺気のオーラで押しきられていた。そこにはセシリアの強情な態度も一夏の汚物を見るような目でもなく、ただ怯えている全員の姿があった。
「ドイツが見捨てた?ふざけたことを抜かすのも大概にした方がいいよ?偶然あそこにいた当事者から言わせてもらうけどあれはドイツ軍が見捨てたんじゃない。救出にいこうとして全員が殺されたんだよ・・・・・・IS諸ともね・・・・・・。」
「は?嘘を言うのも大概にしろよ?大体そんな音も聞こえなかった・・・・聞こえたのは銃声の音しかしなかったよ・・・・。ドイツにでもどうせ嘘をつけと吹き込まれたんだろうがよ、ドイツを抱擁する元軍人の妹さん?」
「どうやら言ってるだけではケリはつかなさそうね・・・・・・織斑先生、来週、アリーナは空いてますか?」
「ああ、空いているが・・・・。」
織斑先生も殺気に圧されてこの様である。
「なら織斑、来週決闘でどっちが正しいか白黒付けましょう?ついでにセシリアも・・・・・。どうせなら二人同時にかかってきてもいいんだよ?」
「言わせておけば!」
「受けてたちますわ!ここまで祖国を侮辱されたあげくこんな様では国に頭をあげられませんわ!」
「決まったようだな・・・・・。では、オルコット、織斑、ヴィンs「織斑先生♪」・・・・・クローチェは来週の放課後、第一アリーナで決定戦を行う。各自は準備をするように。」
「はい。」
「分かりましたわ。」
「了解。」
こうして一連の事態は終息したがその日は不穏な空気が漂い続けた。
その日の放課後、三人はヴィンセントの机に集まった。しかしクロエが目に涙をためていた。ヴィンセントが?を浮かべていると泣きながらクロエが抱きついてきた。
「うわああああああああんん!!ヴィンセント!また私、いつもの癖が出ちゃったよ・・・・・!」
「あれは正論だから仕方ないさ・・・・・・。あんなこと言ったあいつらが悪い。」
「御兄様の言う通りです!あの二人を今すぐワールド・パージしてこの世界に二度と戻ることが出来ないように・・・・!」
「コラ、束さんにむやみに使うなと言われているだろ?」
「それはそうですが・・・・・・・・・・!でも!」
「でもじゃない!・・・・・はあ、泣き止んでくれよクロエ・・・・。」
「ヒッグッ、グスッ、ヴィンセント・・・・・お願い聞いてもらってもいい?」
「お願いだからそんな上目使いの泣いた直後の顔で言わないでくれ・・・・・・・破壊力が大きすぎる・・。それで、お願いってのは兄弟としてのお願いか?それともジオン軍人としてのお願いか?」
「勿論軍人としての願いだよ。」
「・・・・・そうか。それで何をすればいい?」
「私を・・・・・あの頃の技術を平気でやってた頃の戦闘技術までを教えてほしいんだ・・。」
「・・・・・・・了解。と言ってもまだ願いはあるんだろ?」
「えへへ、バレちゃった?」
「あ、居ましたねここに。」
そこに山田先生が入ってきた。片方の手には鍵が持たれている。
「山田先生、どうされました?」
「これが皆さんの部屋の鍵になります。どうやら一部政府からの圧力でグライスナー君とクローチェさんが一緒の部屋になってしまいましたが・・・・。」
「それじゃあクーは箒とか言ってたこの部屋になるのかな?」
「そうなりますね。これが部屋の鍵になります。」
「ありがとうございます。わざわざここまで持ってきていただいて。」
「いえいえ、三人が固まっていてくれたお陰ですぐに見つかりましたよ。では、私はこれで失礼しますね。」
「はい、お疲れさまでした。」
そう言って山田先生は下へ降りていった。その後三人はそれぞれの部屋へ帰り就寝の準備を始めるのだった。
その日の夜。
「ヴィンセント~♪」ボフッ
「うおっ、なんだクロエか、ビックリさせるなよ・・・・。」ヤレヤレ
「うふふ、一緒に寝よ♪」ギュー
「それもお願いか?」
「強制♪」バサッ
「そうかい・・・・・じゃ、おやすみ。クロエ。」
「おやすみなさい、ヴィンセント・・・・・・・スヤァ。」
「ふふっ、クロエの寝顔も可愛いよ・・・・・スヤァ。」
二人は仲良く寝ている。今日も仲良く。
一方、クーは、
「寝る準備が整いました箒様。」
「私も姉さんを長らく見ていなかったがずいぶん変わったんだな・・・。ところでクーはヴィンセントたちと一緒にいなくてもいいのか?」
「私はいつでもヴィンセントに夢の中で会えますから。ワールド・パージを使えば、ですね。」
そこまで言うとクーのISにメッセージ着信が入ってくる。どうやらクロエかららしい。クーはメッセージを開いてみた。
『クーへ、このメッセージが届いたと言うことはヴィンセントにワールド・パージで会いに行こうとしてたんだね♪でもだめだよ♪やるなら一緒に私も混ぜてね♪』
「・・・・・・・・読まれてたな。」
「そうですね・・・。」
そうして二人も安全に就寝した。
To be continued......
クロエちゃんガチギレターイム!
因みに身長のことと書いてませんでしたがクロエとヴィンセントは中身は0090(つまりアンネローゼマンサ、トーリス世代辺り)後、外見はミッシングリンク(ペイルライダーの中の幼女体型)の時の姿を想像してもらえればおkです。
次回予告
ヴィンセントは衰えた戦闘技術を復活させるために三人で模擬戦を繰り返す。果たしてクロエは二人相手に滅多うちにすることができるのか?
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第12話 始動、黄泉の羽織よ
ヴィンセントをちょっとバカにされたクロエちゃんは怒って二人に一方的に勝負を仕掛けるがカッとなった事を後悔して放課後には涙を流しながらヴィンセントに抱きついていた。そんな二人の姿を千冬たちが遠き白い目で見ていた。
死神録はちーまちまかいてるぜ。
でもあと一ヶ月かかりそう・・・・・・。
「クロエ、朝だぞ~。」
「ムニャムニャ・・・・・あと少しだけ~。」
「起きろよ・・・・・・仕方無い。クー、起きてるか~?」
『御兄様、どうしました?』
「悪いがクロエをワールド・パージで起こしてくれないか?全然起きないんだが。」
『分かりました!御兄様、30分で起こしますね♪』
「ああ、頼む。」
『はい!では、・・・・・・・《ワールド・パーz「起きてるから!起きてるから寝かさないでよ~!」・・・・・・やっと起きましたか、クロエ。』
「何!?私が起きてること見越してやったの!?確信犯なの!?」
「別にワールド・パージで今日一日中縛り付けてもよかったんだが。」
「遠隔操作でトーリス呼んでこようか?」
「洒落にならないのでやめてくださいお願いします。」
『それしたらHADESもワールド・パージすることになりますがね・・・・・。』ボソッ
「よし、準備しよっか♪」テノヒラクルー
こんな朝である。
その日は特に何ともなく、放課後は三人はアリーナを使用許可を得て第一アリーナへと来ていた。そしてクロエとヴィンセントがお互いにISを展開し今か今かと何かを待っていた。
「それでは御兄様、クロエ、始めますね。」
「ああ、ちゃんとした戦闘データを束さんに届けなければな。」
「にしても束博士ってすごいよね、さっきトリスから聞いたんだけどペイルちゃんとトーリスちゃんの装甲に使われてるガンダリウム合金装甲の生成に成功したんだってさ♪」
「ブフゥ!!」
クロエの爆弾発言でヴィンセントが吹いた。クロエの話は実質本当のことであり、近日中に来ると束が言ってた。とクロエが補足した。
「御兄様、これってもしかして・・・・・。」
「ああ、もしかしなくともあの束さんだ。やることはひとつしかない。」
「だよね、たぶん同じこと考えてると思う。」
「「「今使ってる装甲とガンダリウム合金装甲を交換してなおかつ新武装の改修をするんだろうなぁ。。。。」」」
『よくわかったじゃないかヴィー君!!』
「博士・・・・・何解析を二日で済ませてるんすか・・・・・・。」
『クロちゃんに催促されたからね・・・・。流石に前みたいにクロちゃんを怒らせたらいけないと思って超スピードで解析を済ませちゃった。』
「またクロエか・・・・・お陰で胃薬の量が増えそうだ・・・・。」
「えへへ♪」
クロエは照れくさそうに頭をかくが左手のビームサーベルが反応してさっきの倍の大きさにまでふくれていた。
「それで・・・・いつ来るんですか束様?」
『うーん、そうだね・・・・・・・来週の日曜日って空いてる?』
「え、ええ。丁度休日ですけど・・・・・。」
『じゃあ、お昼頃にペイルちゃんにトーリスに乗って拉致りにいってもらうからISをもってまってt・・・・・ザザー。』
『はーかーせーーーー!!!!私はペイルちゃんではありません!!!ドゴァちゃんと・・・・・・!!ベシィRX-80・・・・ボカッ!【PALE RIDER】という名前があるんですからね!ズガァンズガガガガァン!!』
「あっはっは・・・・・・ペイちゃんはいつも通りでよかったよ♪」
『そ、そんな・・・・・おだてても何も出ませんからねっ!!/////』
「今度ギューッってしてあげる♪」
『是非トーリスでいかせてもらいます!!』
「うん!待ってるね♪」
それっきりで通信は切れた。ヴィンセントはクロエは改めてビームサーベルを手に取り、戦う準備を整えた。
「それじゃ・・・・・あの頃みたいになるまで教えてもらうからね♪ヴィンセント!」
「そうだな・・・・・。薬を使わなくてもできるってところを見せてみろ!」
「御兄様、クロエ、頑張ってください!それでは計測開始!」
「はああああああああ!!!!」
クロエが二刀流でダッシュ六連撃をヴィンセントに浴びせかける。ヴィンセントは軌道を読んで交わしていくが少しずつ追い詰められていた。
「ッチ、衰えを微塵も見せないその戦い方!まるで一年戦争でお前が記憶喪失寸前になるまで暴走していた戦い方とそっくりだ!」
「あの頃は薬で暴走していたけど・・・今は違う!このISを、ヴィンセントとクーを守るために使うって・・・・決めたんだからね!!半端な覚悟では勝てないってわかってるの!!」
「それは俺も同じだ!もう二度と・・・・・クーとクロエを失わないためにこの力を使うと決めたんだ!それっきりの覚悟でこれを使う資格がないのも承知!だから、クロエを倒す!」
ヴィンセントがナギナタを抜きクロエのスパイクシールドを破壊する。それと同時にヴィンセント脚部六連装ミサイルポッドを切り落とされ爆発が起きる。その爆煙で所々の装甲が剥がれ落ち生身の姿が露になる。ヴィンセントのVGライダーは方の装甲が、クロエのペイルライダーは左足の膝から下の装甲が剥がれていた。さらに悪いことに駆動系にも異常が出ておりこれが意味することは即ちこれ以上の戦闘をすると危険なので一旦修理が必要になると言うことであり、予想だにしない結果で計測は中断された。
「お疲れさまでした!御兄様♪」
「ああ、すこしばかりクロエとであった頃を思い出したよ・・・・・・。」
一年戦争時
「ソロモンの72柱のうちの牙を持つ魔神・・・・それがマルコシアスだ!」
ペポペポペポォ・・・・・。ドドドカーン!!
ヴィンセントがナギナタを胴体に突き刺し爆発が起きる。その衝撃でヴィンセントのゲルググは動かなくなり、蒼い機体も左手と両足が破損して自走できる状態ではなかった。ヴィンセントは拳銃をもって機体のコクピットに近づくと緊急解放ボタンを押して機体のハッチを爆破させた。ボンッという音と共にハッチが外れて中が露になった。
「ここは・・・・・・・どこ・・・・・・?私を・・・・・・一人にしないで・・・・・!」
中に乗っていたのは小さな・・・・・・小さな女の子だった。その真相を知ったヴィンセントは拳銃を持っていた手から拳銃が落ちた。そして
「なんだよこれ・・・・・・・・・・・何なんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
絶叫した。
「あの頃はまだクロエがちっちゃかったからな・・・・・・今もそうだが。・・・・・アダッ!」
「ヴィンセントはいつも一言多いんだから!と言うかヴィンセントもあの頃から身長変わってないじゃん!」ムスー
「クロエ・・・・・・・・言うな・・・・・。コンプレックスなんだ・・・・・・。」
「御兄様・・・・・今の姿も十分かっこよかったですよ!」
「クーが慰めてくれるだけでもものすごく嬉しいよ・・・・・・・。」
ヴィンセントはげんなりしていた。クロエも頬を膨らましてそっぽを向いていた。因みに計測結果は予想値を遥かに上回り速やかな改修が必要だと結論付けられた。そして帰路は何故かクロエがヴィンセントに持たれて頬っぺたをすりすりしていたという。
余談だが、
「一夏!中学までの腕はどうした!」
「うわわわわ!帰宅部皆勤賞だよ!」
「その腐れ魂叩き直してやる!!!」
「ISの技術を教えないのかー!!!」
武道場では悲鳴が響いていたという。
To be continued......
ちょっぴりクロエがまだ幼女でちっちゃかった頃の戦いとヴィンセントの過去が出ましたね。台詞はサイドストーリーズとGジェネジェネシスの台詞をイメージしたつもり。
そして相変わらずクロエはヴィンセントが大好きなご様子。UA10000行ったらその内二人きりの話を作るかも。
次回予告
クラス代表選抜戦(と銘打ったクロエの蹂躙パーティー)の前日にヴィンセントたちはISの改修をするためにトーリスに拉致って貰ってラボへ帰還する。そこで見た新武装とは・・・・・・?
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第13話 改修したら誰も倒せなくなった件
あらすじ
ヴィンセント達は模擬戦を何度か繰り返し相手の対応策を練るのに勤しんでいた。だがその途中トーリス(トリス)から装甲完全複製完了の一方が走り全員は唖然の一言しか出てなかった。
今回は久しぶりにトーリスリッター出ますよー♪
だがヴィンセント達が直に操縦するのは臨海学校なんだよね~。と言うわけで11話、どうぞ!!
対抗戦前日の朝
ヴィンセント達は学園の港の前に来ていた。荷物は軽く着替え二日分等を持ってきている、それとIS一式だ。ヴィンセントは通信をかける。
「こちらヴィンセント、聞こえるか?」
「こちらペイル!聞こえてますよ!マスター!」
「そうか、今どこにいる?」
「現在学園内上空にいますよ?」
「俺達は港の入り口当たりにいるから降下して来てくれないか?」
「わかりました!アァーハヤククロチャンニハグシテモライタイナァ!」
「・・・・・・。」
ヴィンセントはあきれてぐうの音もでなかった。もはやクロエは民主的アイドル(但し本心はヴィンセントとトーリスにしか甘えない)なのだ。
「はやくペイルちゃん来ないかな♪」
「マスタアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「ペイルちゃんが落ちてきた!」
「何で落ちてきたかは知らないけど今がチャンス!」
クロエは大きく飛び上がるとペイルをギューッっと抱き締めて着地した。ペイルはその衝撃とクロエに抱きつかれることを想定してなかったのか、
「きゅう・・・・・・・・パタン。」
気絶していた。暫くしてゆっくりとトーリスリッターがブースターを吹かして降りてきた。トーリスが港に着地すると右手をゆっくり下ろしてきた。
「ヴィンセント、トーリスが乗ってって合図してるみたい♪そうでしょ?トーリス♪」
「取り敢えずそのペイルをハッチに放り込んでくれないと発進できないです・・・・・。」
「あ、ペイルちゃん?暫くギューッってしとくんだから邪魔しないでね♪」
「・・・・・・・・・仕方ないですね、クーちゃんを乗せておきますか?」
「クー、乗りたいか?」
「はい普段では見れない目線・・・・見てみたいです!」
「分かった、トーリス、クーをハッチの中へ入れてやってくれ。」
「分かりました!それではクー様、此方へ。」
ヴィンセントが指示してトーリスがクーをハッチに滑り込ませる。クーを入れてハッチがしまるとヴィンセントとクロエは一瞬身構えた。トーリスのグリーンゴーグルツインアイがキラリと光って勢いよくブースター噴射口から青白い炎が出たかと思うと一気に上昇していく。クロエとヴィンセントは前世で何百回もやったので慣れたことだがクーは見知らぬ光景にワクワクしていた。
「スゴいです!まるで私が大きくなったみたいに・・・・・・!」
「良かったですね!それでは十分ほどでラボに向かいます!」
「分かった、安全運転で頼む。」
「了解です!HADES、起動!!」
トーリスのツインゴーグルアイがくれないに染まり排熱口からは大きく煙が吹き出す。そしてその恩恵を受けたトーリスは反応速度が向上し勢いよく動いた。港の上空に滞空しているトーリスはバックパックのスラスターを最大限に出力し大空を舞い始める。
「やはりあの3人・・・・・・何か裏があるな・・・・・?」
千冬は物陰に隠れてカメラで様子をとらえていた。そして退却しようとしたときにカメラに亀裂が入った。
「っ!?」
亀裂の中心部には銃弾が込められていた。さらにそこに伝言も残されていた。
【そのデータ、破棄してね♪ 皆の民主的アイドル☆クロエ・クローチェちゃんより♪】
「・・・・・・・破棄するか・・・・。」
ブリュンヒルデとてクロエの笑いには叶わない。(ォィマテ
「まったく、千冬さんにはあきれるよ♪」
「カメラに向けて狙撃銃で撃つやつがどこにいるんだ・・・・・。」
「私でしたらこれを使ってワールド・パージでもするんですが。」
「クー?乗らせないよ?」
「・・・・・・ごめんなさい。」
三人の平和な会話は孤島についたところで終わりを迎えた。土地に着地するとすぐそばにあの人が駆け寄ってくる。
「ずいぶん久しぶりになりましたね。」
「ヴィー君!クーちゃん!クロちゃん!ペイty「だから私は!ドガァペイという渾名ではなく!ボゴォ!RX-80!ドガドガァッPALE RIDERです!!!ベシィッ!!」
束がペイのダッシュ格闘4連撃をくらって宙を舞う。
「ペイちゃんひどいよ~・・・・・・・。」
「ペイル~そんな怒らなくても・・・。」
「べ、べべ別にクロエも渾名呼ばわりしたら、なななな殴るんだからね!?」
「もう・・・・・甘えてもいいんだよ?ここは束さんしか知らない土地だし。」
「・・・・・・・・・・・クロエの意地悪。」
「別に意地悪なんかしてないよ♪弄りがいがあるだけ♪」
「やっぱり・・・・・でもこうやって私に乗っていた人に頭撫でられるなんて幸せだから・・・クロエだけには・・・・許す!」
「ソンナァァァァァァァ!」
「!・・・・・ペイちゃん大好き!」ギュウウウウウウウッ
「ギャアアアアアアア!!いたいいたいいいい!!!」
いつものやり取りが繰り広げられられるなかクーが聞いてくる。
「所で束様、準備はできているんですよね?」
「うん!それはもうバッチノグーですよ!でもクロちゃんがなぁ・・・・・・。」モジモジ
「・・・・・・・・リッターで殴りますよ?」
「・・・・・・・おふざけが過ぎましたごめんなさい。」
そうして三人は丸半日現行ISの改修を行った。一日ではできない部分も多々あるので簡易的な改修になったがそれでも耐久力と防御力は現行ISのトップを大幅に上回るものとなった。なお、余った時間はクロエとクーの模擬戦で消費された。そして夜になって戻ってきた三人は遅くになって戻ってきていたのでクーの同部屋の人に悪いので一晩だけクーを泊まらせることにした。
「クー、朝早くに起きてばれないように戻るんだぞ?」
「でも一時でも長くお兄様と一緒にいたいのですぅ・・・・。」
「教室で会えるじゃないか・・・・・。仕方無い・・・・・クロエ、クー、こっちこい・・・・・。」
「・・・・・・と言うことは!」
「・・・・・・・今日一日だけだぞ?」
「・・・・・・お兄様の意地悪。」
「はは・・・・
クーの寝顔を見ているとすぐに眠たくなるよ・・・・・・。フアァァァ・・・・・。」
ヴィンセントが意識を彼方に飛ばすのにそう時間はかからなかった。その寝顔を見た二人は、
「何だかんだでヴィンセントの寝顔も可愛いじゃない・・・・・。」ムニュー
「お兄様の香り・・・・・・。」ギュー
翌日、魘されているヴィンセントと平謝りしているクロエとクー、の姿があった。
次回予告
戻ってきた三人は代表戦に向け最後の調整を行う。あとの二人はちょっぴり改修したペイルライダーに勝つことはできるのか!?
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第14話 蒼き騎士に向かうは青い雫
トーリスにラチられて束ラボに帰還した3人は其々のISの改修作業を受け現行ISのトップクラスの性能を持つようになった。果たして彼らに負けという文字が来ることはあるのか。
何か装甲を変えただけで強化されるISって・・・・・いや違うな、
クロエがペイルライダーに身体を弄られてるからこそ面白いことになるのか(意味深)
「さてと・・・・・・いよいよこの後は対抗戦か・・・・。クロエ・・・大丈夫なのか?いくら昔の技術を思い出させたからといって元の身体のスペックは変わっていないんだから・・・・・。」
「大丈夫だよ♪でも少してこずっちゃうかもしれないからね・・・・・・今の身体は一年戦争時の
「そうか・・・・・頑張ってこいよ。」
ヴィンセントが激励をかける。クロエはそれに照れたのか顔を赤く染めた。クーはいそいそと出撃準備を進めていた。
「それじゃ、時間だ・・・・・しっかりやってこいよ?」
「うん!その代わり終わったら甘えさせてよ♪」
「はいはい・・・・・・。」
ヴィンセントが相づちをうつとクロエは首にかけられている鎌のペンダントを握ると強く願った。
「行くよ!ペイルライダー!」
【了解!ペイルライダー、起動します!】
RX-80 PALE RIDER Set Up
駆動系 各部正常起動を確認
武装 エネルギー供給に問題なし
HADES 気分最高潮
PALE RIDER 起動完了
光が収まるとそこにはバックパックに巨大なガトリング砲を抱えたペイルライダーの姿があった。
「それじゃ、ヴィンセント、クー、行ってくるね♪」
「おう、頑張ってこいよ!」
「絶対勝ってくださいね!」
「うん!」
そう言ってクロエはカタパルトハッチのある方向へ足を進めた。足を足場に装着すると足場が固定され外にはアリーナの景色が見えた。
「クロエ・クローチェ少尉、ペイルライダー、発進します!」
ペイルライダーがリニアカタパルトに押されて一気に外に出る。重量はガトリングのせいで少し片寄っているため消費量が若干多いがすぐに危険なことにはならない。案の定左右にはセシリアと一夏が既に戦闘体制で待っていた。
「あら、遅かったですわね?」
「まあね・・・・・あなたたちとは違って余裕があるんだよ・・・・!」
クロエの戦闘人格がいつもの人格といつのまにか入れ替わりセシリアを一言で押し止める。
「其がクロエのISか・・・・全身装甲の機体に喧嘩吹っ掛けられるとは・・・ドイツの人間はドイツもこいつも気が短いんだな?」
「外見では中身は見ることはできないよ・・・・・。まあすぐにやられてくれるでしょうけどね!!」
「「とにかく真っ先にお前を(貴女を)消し去ります(消し去ってやる)!!」」
セシリアが狙撃銃を引き絞りレーザーを放つ。クロエは動こうともせずなにも身構えない。セシリアはヒットすると確信した。
・・・・・・だが、次の瞬間、レーザーは鉄板で弾かれた。
「ふーん・・・・・・・かなり低出力ね・・・・・技術の持ち腐れだね・・・・・。」
クロエは当たる瞬間にスパイク・シールドを展開しレーザーを弾いたのだ。
「なっ・・・・・レーザーが効かないなんて!」
「レーザーって言うのはね・・・・・こう言うものだよ!!!」
クロエがジャイアント・ガトリングで障害物を破壊すると右手にハイパー・ビーム・ライフルを展開しノーロックで撃つ。放たれた熱線はセシリアと一夏のすぐ脇を通って壁に吸い込まれた。が、その吸い込まれた壁には大きく焦げたあとがついていた。さらにセシリアと一夏のISは既にシールドエネルギーが980も減っていた。
「なっ・・・・・!?あり得ませんわ!」
「何が、何がどうなってるんだ!?」
「教えてあげようか?二人とも♪このライフルは単に出力が高いだけのライフルよ?威力がけた違いだけどね♪」
二人の残量は残り4割を切っていた。さっきのライフルでおおよそ半分も持っていかれたのだから仕方ない。セシリアは残ったビットでクロエに攻撃を仕掛けるもライフルですべて撃ち落とされた。
「くぅ・・・・残った兵装はレーザーライフルのみ・・・・!やってやりますわ!」
セシリアは見向きもせずに一夏のところに向かったクロエに対し標準をつける。中央にスコープが入った瞬間に引き金を引いた。レーザーは一直線に入りクロエにヒットするがまったくのダメージがなかった。
「当てても・・・・・・無駄!!!」
クロエの勢いは止まることがなく直前でビームサーベル(二刀流)を引き抜き一夏の白式を回転切りで切った。一夏のシールドエネルギーは大きく削られ残り15まで削られた。
「くっ、相手の格が違いすぎる・・・・・・!あれがクロエの実力なのか・・・・・?いや、確かドイツは強化人間を作っていたな・・・・・・まさか!?」
一夏はドイツにいった時に沢山の研究所を見てきた。中には非人道的な実験も行ってるとこも見てきた。だとしたらクロエも強化人間である可能性が高い。一夏は残り少ないエネルギーのなかで改めて
「お前も強化人間なのか・・・・・!」
「それはどうかしらね・・・・・?」
「なら、ここで・・・・・・落とす!」
その瞬間白式が光輝き光に包まれる。数十秒後、光は収まりそこには形ががらりと変わった白式の姿があった。
「漸く
一夏は自分の白式の武装を確認している最中、ある武器を見つけた。かつて自分の姉もこの剣を使って優勝した剣・・・・。
「やっとか・・・・・!千冬姉・・・・・俺は一番最高の姉を持ったよ・・・・だからこいつを使ってクロエを・・・・・落とす!」
「・・・・・・不味いな。」
「何が不味いんですか?御兄様。」
クーとヴィンセントはピットからクロエの駆るペイルライダーの様子をモニタリングしていた。やはり数日の訓練で戻した技術を容赦なく使っているクロエにも驚かされるが一番の問題は一夏が使っているあの剣・・・・零落白夜を見ていた。
「あの剣はクロエの最大の弱点・・・・当たったら持たんぞ。」
「クロの追加武装、まだインストールさせてませんよね?」
「?追加武装?」
「これです。」
そう言ってクーはひとつの狙撃銃を出した。それを見てヴィンセントは顔を丸くさせる。
「成る程・・・・その手があったか!クー、パージを使ってそれをインストールさせることはできるか!?」
「出来ないことはありませんが・・・・・・。」
「俺がクロエに連絡して時間を稼ぐからその間にインストールを済ませろ!」
「分かりました!」
クーはワールド・パージを使ってインストールを始めた。ヴィンセントはVGライダーの通信を使ってクロエに繋ぐ。
「クロエ!聞こえるか!?」
『聞こえるよ!どうしたのヴィンセント?』
「今から|CBSHNBRF《チャージ・ビーム・スナイパー・ハイパー・ナックル・バスターライフル改良火力限界強化型》をインストールさせる!完了まで持たせろ!」
「HADESは!?」
「・・・・・・最悪の場合のみ、だ。」
「分かった♪」
通信が切れる。インストール完了まであと300セコンド・・・・・それまでに当たったら、終わりだ。
To be continued.......
ワールド・パージの使い道
1、意識を縛り付けて目覚めさせない。
2、目覚まし。
3、武装の転送。
4、クロエのサポート
おいこれ全部クロエに当てはまるじゃねぇか。
次回予告
クロエの最大の弱点である零落白夜を持った一夏にクロエは5分持たせることができるのか、そして二人に元ジオン軍の意地を見せることができるのか。
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第15話 決着と離脱
対抗戦でセシリアのブルー・ティアーズと一夏の白式をかるくひねるクロエのペイルライダー、だが予想外の二人の奮戦により段々と弾薬が底をつき始め・・・・・?
今回で誰かが離脱します。何故かって?もちろん二人をイチャチャさせるためw。
にしてもガンオンでサイコザク使ってると脳汁ヒャッハー出来るから飽きないんだよなぁw
以前として戦況は膠着状態にあった。ペイルライダーは傷ひとつとしてなくエネルギーも推力分しか減っていなかった。セシリアのブルー・ティアーズはビットが全破壊、武器もスターライトmkーlllしか残っていない。一夏は一次移行を済ませて若干回復したが以前として戦況はクロエが圧倒していた。
「ドイツのISなんて・・・・・・。あってはならないんだよ!」
「甘い!」
一夏が直線的に突っ込んでくるがクロエはビームサーベルを両手に抜くと出力させて一夏の剣を受け止めようとした。が、
「甘いのはクロエ、お前の方だよ!」
一夏の零落白夜が炸裂。ビームサーベルのエネルギーを一瞬にしてもぎ取りクロエのシールドに剣が刺さった。
「エネルギーが枯渇・・・・!?まずい!」
クロエのISペイルライダーには元々SE量は最低限しか搭載されてなく、逸れこそシールドが使い物にならなくなればあとは避けるか受けてやられるかの2択しかない。仕方なくクロエは距離をとるために脚部3連ミサイルポッドから誘導ミサイルを発射し爆風の壁を形成させた。
「正面に織斑・・・・・背後からセシリアのブルー・ティアーズ・・・・・同時に狙うならジャイアントガトリングガンだけど残弾数はほとんどない・・・。しかもビームサーベルはエネルギー充填中で使えないし90mmマシンガンと180mmキャノン砲、腕部ビーム・スポットガンは地上専用装備だから使えない!あるのはハイパー・ビーム・ライフルとロケットランチャーのみ・・・・・・。」
そこまで呟いたところでクロエは急速上昇をかけた。数瞬後一筋のレーザーが壁に吸収され煙が残った。見てみるといつの間にか爆風は晴れてクロエを狙って二人がなぜか連携プレイを見せていた。クロエは仕方なしにビーム・ライフルを展開して一定の距離をとれるようにセシリアたちに向かって3点射した。強烈な熱線は二人の間を穿ちセシリアの残り少ないエネルギーを削りきりセシリアは戦闘不能になった。一夏はかわして最後の一撃をかけようと零落白夜を展開して突進してくる。クロエはスコープを覗いて一夏のスラスターに狙いを定める。そして両者が一撃を浴びせようとしたとき、その時は訪れた。
「そこまで!勝者!クロエ・クローチェ!」
「えっ。」
「えっ。」
「は!?」
「ん!?」
ピットにいたクーごヴィンセントもすっとんきょうな声をあげてしまった。
戻ってきたクロエたちに待っていたのは余りにも地味すぎる勝因の報告だった。
「・・・・・・・・で、一夏は自分のISの特性を理解しないまま突っ込んで自滅したの?」
「簡単に言うとそうなるな。」
「・・・・・・うわあああああああんん!!こわかったよぉ!」
「・・・・・・クロエが戦場を怖がるなんて・・・・。」
「・・・・・・・・今は泣かせて?」
「やめろ、その上目使いされると拒否しづらいじゃないか・・・・・。」
ヴィンセントがクロエの頭をなでなでしてやると安心したのかもたれ掛かってきた。見るとクロエはスヤスヤと寝息をたてていた。これはしばらく起きないと予想したヴィンセントはクーに状況を聞く。
「クー?データはとれたか?」
「はい、大まかな戦闘データの抽出はできました。あとはこれを束博士のところに持っていくだけです。二日ほどで戻りますので先生にいっててくれます?御兄様♪」
「ああ、わかったよ。ついでに非常時に対応できるようにステルスシステムか何かをつんでクロエの相棒を持ってきてやってくれるか?」
「わかりました!では、少しの間ですが一時離脱します。クロをよろしくお願いしますね♪」
「了解。」
そう言ってクーは出口へと消えていった。ヴィンセントはスヤスヤと寝ているクロエを起こさないように背中に背負うと自分の部屋へと戻っていくのだった。その様子を背後から見ていた千冬は自分の携帯を見てため息をついていた。
「あれが奴のいつもの姿・・・・?とても束からもらったメールの情報と一致しないんだが・・・・?」
千冬がもう一度メールを読み返してみる。束からのメールにはこう書かれていた。
『やっほー!ちーちゃん!!ヴィー君とクーちゃん、そしてクロちゃんの様子はどうかな?楽しんでるならそれでいいんだけど、くれぐれも怒らせないようにしてね?・・・・・・言いたくないけど一度怒らせて作ってたIS25機ほど破壊されちゃって束さん猛烈に悲しんでるの・・・・・。だからぜっっっっっったいにクロちゃんを怒らせてはいけないからね!!』
「クローチェ・・・・・・お前はいったい・・・・。何者なんだ?」
その夜、ようやく起きたクロエがヴィンセントに背中に抱えられてたのをヴィンセントから聞いて顔を真っ赤にしていた。
「クロエ、今日は仕方ないがあまり無理をさせ過ぎるなよ?いくら元強化人間とは言え、身体はちっこいんだからな?」
「わ、わかってるよ!その内束さんに薬をつくってもらうもん!!」
「バカなこと言うな・・・クロエを失ったら残された俺たちはどうすればいいんだ?」
「だからこそ薬を使うの!」
「だからそれがいけないって・・・・・。」
「ヴィンセントを守るために薬を使うのが何がいけないの!!!!!」
「!?」
クロエから発せられた絶叫にも近い声がヴィンセントの頭を揺らした。そのクロエの顔には目に涙がたまっていた。
「薬を使うことは確かに自分の命を少なくするだけだと思う!けれど!私にとってはヴィンセントを失うことが何よりも怖いの!・・・・・あの戦いの時、私はヴィンセントのお友だちをたくさん殺してしまった・・・。そんな私をヴィンセントは笑顔で許してくれた!だったら、私はその恩返しがしたい!だから、ヴィンセント・・・・・あなたを守りたい!」
クロエはうちなる思いをすべてヴィンセントにぶつけた。ヴィンセントは首を垂れた。クロエはそれを見て少し近づこうとした。すると突然ヴィンセントはクロエの肩を押してベットに倒したかと思えば思いっきりクロエを抱き締めた。クロエはなにがなんだがわからず顔を真っ赤に染めた。
「クロエ・・・・・・・・・!一つだけ願いを聞いてもいいか?」
「・・・・・うん!」
ヴィンセントの問いかけにクロエは涙をふいて笑顔で答える。そしてそのヴィンセントから出た一言は、
「クロエ・・・・・・・俺に、お前を護らせてくれ!」
「・・・・うん!私もヴィンセントを護りたい!」
そしてその夜、二人はお互いが寝るまでずっと抱いていた。
To be continued.......
次回予告
一夏の勘違いは収まらないまま代表の発表が行われる。しかしその発表には裏事情の網がくくりつけられていた。果たして、その真実とは?
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第16話 誤解はトーリスから生まれるもの。
クロエは苦しみながらも代表決定戦に勝利し、ヴィンセントに誉めてもらっていた。そしてクーはデータ回収のため束さんのいる隠れ家に帰っていくのだった。その夜ヴィンセントとクロエは少し喧嘩するが後にさらに絆を深める出来事になったのは言うまでもない。
さーてと、トーリスリッター幻想入りプロジェクト再始動!
来月には公開できるかな♪
それでは!第16話、どうぞ!
翌日のこと。一夏やセシリアとの関係は悪化したまま代表の発表が行われるSHRが始まろうとしていた。クロエはいつものようにヴィンセントの膝の上で可愛い仕草をしていた。その様子を周囲の女子達は嫉妬の目で見ていたがすぐに顔がこわばっていた。クロエが可愛い目をしていたからである。(尚殺気。)だが千冬の気配を読み取ったのか渋々膝の上から降りて自分の席に座った。
「さて、席についたな?其ではSHRを始める。まずは先日行われた代表決定戦における結果の発表をする。その結果、織斑、お前に決まった。」
千冬の一言で教室内が少しざわめく。一夏はいまだその顔をしかめていた。
「織斑先生!なぜ自分が!」
「それはだな、k「私が代表を辞退したからだよ♪」・・・・と言うことで織斑、よろしく頼んだぞ。」
「おい、クローチェ!どういうことだ!」
「織斑君と元々戦うはずだったのはヴィンセントのはずでしょ?だけどね、私が乱入しちゃったから意味がないんだよね♪だから君に譲ることにしたよ。」
「貴様にそんなこと言われてもちっとも嬉しくないな。」
一夏は激しい目でクロエを押し潰そうとしていた。だが一夏、ソイツは初代強化人間だ。並大抵の殺気では潰れん(尚記憶障害)
「それにだ、織斑、お前はなんか勘違いをしているぞ?」
「勘違い?お前らがドイツから来た時点で勘違いも糞m・・・・。」
「誰が俺たちがドイツから来たといった?来たのは
俺とクロエのISの 関 節 部 品 だぞ?」
「へっ?」
「ふぁっ?」
「あれ?入学紹介時に紹介しなかったか?と言うかお前が喧嘩吹っ掛けたときにてっきり気づいているものかと思ったが。」
ヴィンセントがそう答えると一夏はその場に倒れた。そしてその顔は真っ白に燃え尽きていたと言う。そして千冬は容赦なく代表にしたとかなんとか。
「束様~!!」
「クーちゃん!やっと来たんだねぇ!」
「どうせ場所移動してるだろうからって特定するのに時間がかかりましたよ・・・・・。」
クーが呆れて言う。それもそのはず。束は毎日場所を移動しているのでそれなりに時間がかかるのだ。
「これが、二機のデータです。クロエは凄い戦闘能力を持ってました。御兄様もそれについていける能力・・・・自分の目を疑いましたよ。」
「ふーん、成る程ー。これは一刻も早くトーリスちゃんの武装をIS化してクロちゃんに渡した方がいいかもね♪」
束は跳ねながら言う。しかしながらその後ろに何時もなら殴る役のペイちゃんがいない。
「ところで束様、そのクロちゃんがトーリスを遠隔操作のステルス機能付きで学園の方に輸送してほしいと伝言をもらっておりまして・・・・。」
「え?トーリスちゃんを遠隔操作で学園へ送れって?それはできないねぇ・・・・いくらクロちゃんのお願いでもペイちゃんが了承しないことにはね・・・・。」
「・・・・・・だーかーらー!!!私は!ドガァペイちゃんという渾名ではなく!!ベシィRX-80!!!!ボカッ【ペイルライダー】です!!!!バチィン!」
「イェェェェェア!!!」
束の背後の暗闇からペイルライダーが出てくるなりジャイアント・ガトリングで束を気絶させたところを見てクーは心底安心感が出たと言う。ペイルライダーはジャイアント・ガトリングを投げ捨てると勢いよく飛び込んできた。クーはサッと左に避けるとペイはそのまままっしぐらに突き進み床と激突した。
「あ、う、うれしかったのについ避けちゃった・・・・・。」
「避けないでくださいよね!」バサッ
ペイルライダーが何事もなかったかのように起き出してくるのを見てクーはもはや考えるのをやめたと言う。
「それでペイちゃん、トーリスリッターを持ち出すのは許可してくれないの?」
「持ち出すのは別にいいんだけど・・・・・・・。」
「良いんだけど?」
ペイが言葉をつまらせたのを見てクーは首をかしげた。
「・・・・・実は3日ほど前から行方不明なんだよね・・・・。」
「行方不明?だけど誰かがいなきゃ動けないでしょ?」
「それがね・・・・・。どうやらクロちゃんもしもの時にHADESに疑似人格を備え付けていたらしくて・・・・・。」
「それでトーリスの方から拗らせて・・・・・。」
「HADES起動させて失踪しましたよ。ええ。」
「此はめんどくさいことになりそうねぇ・・・・・・・。」
クーは暫し頭を抱えたくなったと言う。
一方、IS学園では実習授業が行われていた。
「ではこれより、ISの基本操作訓練を行う。セシリア、織斑、グライスナー、クローチx・・・・・・クロエは前へ出てこい。」
(あ、これクロエまだ怒ってるパターンだわ。)
大分言うのが遅れていたが実はクロエ、下の名前で呼ばれるのが一番嫌いなのだ。その証拠に既に上にハンド・ビームガンを織斑先生の方に向けている。千冬は少したじろいでいた。前へ出てきた四人は展開を始めた。セシリアも十分早く終わったが其よりも早くクロエとヴィンセントが終わってた。(これが前世で結婚したもの同士の力なのか・・・・・。)
「どうした?織斑、早く展開しろ。」
「わかっていますが・・・!よし、展開できた。」
「遅いぞ全いn・・・・・・いや二人とも、攻めて0.2秒で展開できるようにしろ。」
「何故二人なのですか?」
(セシリア、言っておくが絶対に怒らせない方がいい。やつには一回痛い目を見させられたからな・・・・・。)
(何かは知りませんが言及しないでおきますわ・・・・・。)
(なんの話をしてるんだ?)
(お前には(一夏さんには)関係無い!(ですわ!))
(ええぇ・・・・・・・。)
「?」
「気にしない方がいいよ♪」
「何をしたかは言及しないがあまりやり過ぎるなよ・・・・?」
「わかってる♪」
変なやり取りが繰り返されるなか山田先生がボードを抱えてやってくる。
「それでは皆さん、上空200m付近まで上昇後、急降下を行ってください。目標は10cmです!」
「「「「了解!」」」」
4人が空へ上がっていく。クロエのペイルライダー(空間戦仕様)二対でヴィンセントのペイルライダー(VG、)
セシリア、一夏と続いていた。
「一夏さん?スペック的には白式の方が推力は上ですが?」
「イメージがわからないんだよなぁ。」
「イメージは所詮イメージですわ。自分にとって一番分かりやすくやるのが一番ですわ。」
「そうなのか、どうもありがとな!」
一夏はコツをつかんだのか少しずつスピードをあげていった。
その頃、ヴィンセントとクロエは上空200m地点で信じられないものを目にしていた。
「なあ、クロエ・・・・あの目・・・・!」
「うん・・・・・あのゴーグルの奥に隠された紅い目・・・・・!」
二人が見つめる大海原の奥に紅い目がひっそりと光らせていた。その色は暗く・・・・・・・・・・
蒼い。
To be Continued.......
さてと、蒼い機体は何でしょうかねぇ(;´· ω·)
次回予告
実習授業を終えた二人は屋上へ上って海にあるナニかを見つめる。果たしてそのナニかの正体とは?
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第17話 蒼き騎士は少女に駆け寄る(物理)
PC壊れたヤァァァァダァァァァ
あらすじ
とてつもない勘違いをおかしたことに今さら気づいた一夏はその恥ずかしさなのか気絶、実技授業の時にも何やらやらかしていたが、クロエ達は其よりも海に光る、紅い光が気になっていた。
その日の夕方、クーがIS学園に戻ってきた。ヴィンセントがクロエと一緒に寮の部屋へ戻ってると後ろからクーが飛び付いてきた。
「おーにーいーさーまー!!!!」
「うおっと、クー、お帰り。」
「お帰りー!クー。」
「只今です!お兄様、クロ!データは無事束さんのところに届きました。現在束さんがMSの武器をIS化させる開発を進めているようです。」
「そうなのか、ではそろそろ屋上に向かうかな?」
「屋上・・・・・ですか?」
クーは首をかしげて問いかけてくる。クロエは窓の方を見て、
「ちょっと確かめたいことがあるんだよね・・・・・。」
「確かめたいこと・・・・ですか。」
クロエとヴィンセントは今までの事を話した。するとクー、なにか心当たりがあるのか首をかしげた。
「確か私が戻るときにペイちゃんから聞きました・・・・・。トーリスが何者かの遠隔操作によって盗み出されたと。」
「そんな!?」
「私の友達にはトーリスの人格のトリスがいるじゃない!なんで盗まれるの!?」
「私はそこまでしか聞かされていません・・・・・あとの話は直接リンクしているトリスに聞いた方が早いと思いますが?」
クロエは其を聞いてISの待機形態からトリスを呼び出そうとボタンを操作して呼び出しコードを入力した。だが、トリスは出てこない。
「あれ・・・・・・トリス?」
「おかしいな・・・・・・反応がないなんて・・・・・何時もなら開幕早々『早く抱き締めたいです!』とか言っているんだけどな・・・・。」
クロエは再び入力して呼び出しを行ったがやはり出てこなかった。
「おかしいな・・・・あいつになにかがあったとは思えんが・・・・・。」
「取り合えず、屋上へ上がればなにかわかるはずです!行きましょう!」
「わかっている!」
「行こう!」
三人は深夜の階段をかけ上って宿舎の屋上に来た。そこには雲ひとつない空に夜月に照らされる海、そしてその奥には言わずもがな紅い眼を点した何かが今もこっちを向いて待機していた。
「ハイパーセンサーでもはっきりと見えるほど近くにいるってことはじわじわこちらの方に近づいてきてるね。」
「取り合えず、呼び掛けてみるか?」
「今は真夜中ですよ御兄様!皆様方が起きてしまわれます。」
「そうだな・・・。クロエ?ペイルライダーから一応リンクはできるんだよな?」
ヴィンセントが聞くと二人は首をたてにブンブン振る。
「そうか・・・リンクを頼めるか?」
「分かりました、御兄様。私がリンクを試してみまs・・・・・・。」
ズシィン!
重い音とともに海の方で大きなうねりがした。大きなうねりは軈て波と成って学園に襲いかかろうとした。そのうねりの感覚は段々強くなり、波の高さも上がってくる。クロエ達は各々の待機形態の武器を持つと(クロエはビーム・ライフル、クーはビーム・ランチャー、ヴィンセントはビーム・ナギナタ)それが来るのを待った。だが、波は其ほど大きくなかったのか堤防で止まった。三人は警戒を解いて武器をしまおうとした。が、
「・・・・・っ!?何の光!?」
三人の横すれすれをビームの熱線ガ通り過ぎそれぞれの武器が妬けた。
「くっ、どこから来た!」
「御兄様!あれを!」
「あれを・・・・・!?ヴィンセント!」
「ああ、あれは・・・・間違いようもない・・・・ハイパー・ナックル・バスターの銃身だ・・・・・。」
『正解正解大~正~解!』
「トリス!?」
三人が気づくと同時にトリスがISの待機形態から声をあげた。三人はクロエのISを凝視した。
『ま、バレちゃったからコソコソ隠れている必要もないかな♪』
「ということはやっぱり・・・・・・。」
『(トーリスを)連れてきた。』
その声と同時に急激にトーリスリッターが接近し、港辺りで停止した。回りに大きな音は出ず静かに着地したため誰も起きることはなかった。
「まさかトリス・・・・。」
『ステルスはついてるよ?』
「どうせトリスを止めても・・・・・。」
そう言ってヴィンセントとクーはクロエの方を向くと、
「「クロエが止まらないからなぁ・・・・・。」」
クロエの目がキラキラしている様子を呆れてみていた。それでもクロエが楽しそうにできるなら良いのかな・・・。と二人は思った。
次の日の朝、三人はいつもよりすこし早めに起きて準備を済ませると港の方に向かった。港にはなにも無いが三人にはそこにトーリスリッターの姿が見えた。
「はぁ・・・・・・クロエをどうせ見守るって言うんだろ?」
『それ以外に何があると言うんですか?』プンプン
「それ以上は怒ったら駄目よ♪」
((『寧ろクロエが怒っていそうで怖いのですが・・・・・・。』))
そんな3人の呟きは虚空へと流れていった。
だが、その平和を乱そうとする輩が暗躍を始めていた。
「おう、早く起きろや。」
「ふん、そんなに手柄がほしければそうと先に言え。私は協力する。」
「妹がやるなら私も手伝う~!」
「任務了解、マスター。」
To be continued.........
次回予告
教室に向かった三人に待っていたのは転校生がやって来たと言う噂であった。対して気にもしていなかった三人だが、果たして・・・・?
次回は補足~。
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第18話 IS以外の設定 えくすとらつー
トリス
クロエ専用IS【ペイルライダー】の専属疑似AI人格兼AMX-018[HADES]Todes RitterのHADESの中枢区に位置するHADES三姉妹の三女。少し冷静だがクロエに対してはデレる。尚、ヴィンセントとクー以外の人間を人間とは認めない・・・・・・が、時にクロエに怒られるとトーリスに逃げて引きこもる少女。
ディサイス(ルリルリ)
クー専用IS【ペイルライダー・デュラハン】の専属疑似AI兼RX-80PR-3Pale Rider DulahanのHADES中枢区に位置するHADES三姉妹の次女。すこしばかり戦闘狂だが基本的にはクーから引っ付いて離れない。クーの身の回りの人を傷つけられるとデュラハンを暴走させるちょっと危険な少女。後にペイと身体を入れ換えたときに人格が上書きされ甘えん坊に覚醒する。
ペイルライダー
ヴィンセント専用IS【ペイルライダー・キャバルリー(VG)】の専属オペレーター兼RX-80PR-2(VG)Pale Rider CavalryのHADES中枢区を管理する三人のなかで唯一肉体をもつHADES三姉妹の長女。束博士がペーちゃんと呼ぶ度に何処からともなく鈍器を持ってきては殴る戦闘狂。だがヴィンセントに思いっきりデレてるためクロエとクーから密かに目の敵にされているがペイルライダーがHADESの強制操作権を持っているため二人はむやみに手を出すことができない模様。ヴィンセントが現在仲裁して事情を説明しているが思うほど進んではいない模様。後にルリと呼ばれるようになるディサイスと身体を入れ換えたときに器なしで実体化できるようになる。
MS
RX-80PR-2(VG) Pale Rider Cavalry
正式機体名 ペイルライダー・キャバルリー(ヴィンセント・グライスナー機)
武装出力 51500kW
機体出力 15000kW
束さんのIS技術による改修を受けたペイルライダー・キャバルリー。機体の装甲、スラスターの高出力化の改修やHADESの調整が施されており、暴走状態にまで持っていくことができるようになった実質【ブルーディスティニー4号機】である。しかしペイルライダーの想いからかヴィンセント搭乗時には暴走ではなくペイルライダーの装甲材の奥深くに内蔵されているサイコ・フレームと共鳴し、驚異的な力を示す。また、遠隔操作や自立行動などによりヴィンセントを死から守る。機体コンセプトはペイルライダーに使える騎士団から名付けられた。
武装
ビーム・サーベル
超高熱に赤熱化したレーザーを集束させてサーベル状態に形成する特殊出力機器から出力される対IS用白兵戦兵器・・・・・と銘打ったヴィンセントを守る盾。その出力であらゆる銃弾やライフルレーザーの出力を無効化する。
腕部ビーム・スポット・ガン
両腕に装備された低出力ビーム・ライフル。低出力化改修の後連射装置が取り付けられガトリング並のDPPSを持つ。そのその数値25万8千。十分にISを破壊できる威力を持つ。
脚部6連装大型ミサイルポッド
脚部に回転式ミサイルポッドを設置した武器。内部にはラー・カイラム級が使用する巡航ミサイル、核ミサイルが内蔵されており一斉発射することで相手の動きを阻害する効果を持つ煙幕を発射する。核ミサイルは半径300mを火の海に変える。放射線等はでない。他にもチャージ・ミサイル、ECM弾、マイクロ・ミサイル・ランチャー、三連装メガ粒子砲に切り替え可能。尚、一発辺りのDPSは18万9千で斉射した際の全弾命中した際のDPPSは168万となる。
チャージ・ミサイル(QS)
6連装ミサイルのオプション。チャージすることで瞬時に着弾するミサイルを放つ。ヘイズル改のクイックショットライフルの技術を応用したミサイルの一種。
ECM弾
直線範囲に電気系統を麻痺させる粒子を散布するミサイル。誘導性はない。
マイクロ・ミサイル・ランチャー
大型ミサイルから小型ミサイルを発射する兵装。一発のミサイルから1356発のミサイルが発射される。威力はかなり小さいが爆風はやや高め。
ハイパー・メガライフル
キャバルリー専用中距離射撃兵装。ビーム集束率を極限にまであげ、尚且つ出力を向上させたビーム・ライフル。一発ずつしか打てないがISに対しては回避不能な速さの弾速なためDPPSはISに対しては50万という即死的な数値だが非常に狙いがつけにくくまた銃口もとても細いため当たらない方が多い。
複合型射撃兵装 シェキナー
武装の携行によるデットウェイトの増加を防ぐために開発された試験型兵装。三種類の射撃兵装を持ち、ヴィンセント機のシェキナーはビーム兵装を主体とする。
ジャイアント・ビーム・ガトリング
高出力のビームの弾丸を超スピードで撃ち尽くすマシンガン兵装の一種。エネルギーを一瞬で使い果たすため運用には注意が必要。DPPS 25万
連装メガ粒子砲
メガ・ビーム・ランチャーの更なる高出力化に対応した長距離射撃用兵装。威力は高いが照射時間が長いため1回当てただけでは即死にはならない。DPPS 14万5千
メガ・ビームバズーカ
ガンダム試作二号機のビーム・バズーカを小型化しつつ威力の高出力化をコンセプトに作られたブラストバズーカ。爆発範囲は小さいが即死級の威力を持つ。そのDPPSなんと25万。
スパイク・シールド
シールドの先に電磁麻痺を起こす装置が取り付けられた突起を持つ殴打兵器。威力は小さいが電磁麻痺によりコンボを繰り出しやすくする。
RX-80PR-4 Pale Rider Dulahan
正式機体名 ペイルライダー・デュラハン(クロエ・クロニクル機)
機体出力 54600kW
ペイルライダーの正式量産型【デュラハン】をクー用に改修した機体。大型シールド【ガーディアン・シールド】を携行し、内蔵火器による補助攻撃を主な運用方法とする。クーと共鳴することによりHADESのリミッターが解除、暴走状態と化する。別名【ブルーディスティニー5号機】なお、本機はキャバルリーと後術の機体の援護用と仮定して調整されてるため全体的に出力が低く、その分の余剰出力は機動力に回されている。
武装
ビーム・ダガー
リーチが短い護衛用白兵戦武器。護身用なため威力は低いがISを破壊するのには十分な威力を発揮する。
ボックスタイプ・ビーム・スポットガン兼用ビーム・サーベル
モードチェンジをすることによって二種類の武装に変化する万能兵装。能力はキャバルリーのスポットガンとたいして変わらないが連射速度が向上し、より高機動戦闘に重みをおいたスタイルとなっている。ボックスタイプ・ビーム・サーベルモードはビーム・ダガーより威力、リーチが長いが反動が大きく、小回りが聞かない性能となっている。なお、スポットガンのDPPSは少し下がって11万となっている。
シールド・キャノン
大型シールド【ガーディアン・シールド】に試験的に小型キャノンを取り付けた実弾兵装。小型なため取り回しが聞くが弾速がとても早いので着弾までが短く、偏差撃ちができない仕様となっている。DPPS13万
シールド・マシンキャノン
強化撤甲弾を内蔵したシールド・キャノンのしたにある二連装マシンキャノン。連射速度が早く手っ取り早く相手の機体を牽制するのに向く。DPPS9万
ヒート・ランス
大型格闘兵装。赤熱化したランスの穂先で機体を貫く貫通性を持つ性能を持ち、またチャージによって貫通力も変わるためまだ試験が必要な武装。威力は少し高い。
ハイパー・バズーカ
ごく普通の大型バズーカ。弾速は遅いが当たれば一撃の威力を持つ。DPPS28万
ビーム・スプレーライフル
束さんがビーム・スプレーガンを解析して作った試験兵装。ビーム・ライフルとビーム・スプレーガンとの間の性能を持ちいわばビーム・ショットライフルのプロトタイプに当たる。その為威力がとても高くエネルギー消費も半端にならないほど高い。連射もできるがマシンガンより遅いので狙って当てるのは至難の技。DPPSも10万と割りと低め。ショットライフル時には一発辺り16発の弾丸が拡散しDPPSは驚異のショットライフルの一発辺り7万なので合計112万ものDPPSを持つ。
複合型射撃兵装 シェキナー改
ヴィンセントのシェキナーのデータをもとに作られたクー専用シェキナー。クーのシェキナーは実弾主体で固められている。
MMP-80マシンガン
ヴィンセントのマシンキャノンをもとに製作したマシンガン。取り回しが効きやすいため他兵装との連携も可能だがリロードが少し長いのが欠点。DPPSは低く4万程度。
シュツルム・ファウスト
使い捨ての筒につけられた炸裂型バズーカ。その構造はかなり簡略ながらもとても威力が高い。高数値のDPPSを誇り、単発でもカスアタリで16万という数値を叩き出す。
グレネード・ランチャー
弧を描いて飛ぶ榴弾式のグレネード。威力はソコソコでDPPSも一発辺り7万5千と割りと高い。
炸裂式ライフル
クー専用兵装。短距離に巨大な爆風を起こす榴弾を撃つ目眩まし用のライフル。威力はそんなになくDPPSも3万程度。
AMX-018[HADES] Todes Ritter
正式機体名 トーリスリッター(クロエ・クローチェ機)
機体出力 845000kW
クロエちゃんの能力についていけるようにヴィンセント達も手伝ったペイルライダーシリーズの長女機。機体出力が限界まで改修された他、武装出力も他の2機よりも倍近く高く、機動力も他のISとは追髄を許さない機動力を持つ。本人の意向でHADESとサイコ・フレームを共鳴させることによってクロエのニュータイプ能力を飛躍的に高めたり、クロエのもうひとつの人格を呼び覚まして暴走する性能を持つHADESを搭載されており、別名【フランドール・リッター】と呼ばれている。なおペイルライダー一人でも独立行動ができるようシステム共有システムをISとこのトーリスリッターに搭載している。
武装
腕部内蔵ビーム・ガン
ビーム・サーベル用の銃身を改造して連射と掃射に対応させたビーム・ガン。掃射型は一発につき左右から8発ずつ撃ち連射速度はシェキナーのガトリングを越える。DPPS35万。
頭部バルカン
メインカメラとの追従性を向上させた高機動戦闘型で威力はないが牽制するのに向く。DPPS16万
胸部マシンキャノン
連射速度がシェキナーより3段階速いマシンガン。DPPSも比較的高く全弾ヒットしたときには80万という数字を叩き出す。
シールド内蔵メガ・ライフル
シールドに三門あるシールドキャノンの上位互換。弾速が向上し尚且つ威力の強化に成功した実弾を使用しとても高い性能を持っている。DPPSは控えめで13万
ハイパー・ナックル・バスター
大型のビームライフル。リミッターを一時的に解除することで超高出力のビームを1分間照射することができる。DPPS50万
ハイパー・ナックル・バスター(TypeBuster)
ハイパー・ナックル・バスターの威力、弾速を調整し対空特化にしたナックル・バスター。弾速が極めて速く発射と同時に着弾する高出力の弾丸を発射する。DPPS20万
ハイパー・ナックル・バスター(TypeBlast)
着弾時に電磁爆風と粒子爆風を撒き散らす用に調整されたハイパー・ナックル・バスター。弾速は遅いが爆風、威力、共に優れた性能を持ち、フルオートで連射が可能。DPPS15万
ハイパー・ナックル・バスター(TypeMissle)
敵機を感知して追尾する弾を放つナックルバスター。誘導性能は低いが一発ずつ放つのでかなり高出力。DPPS45万
ハイパー・ナックル・バスター(TypeFullAuto)
フルオートで発射するナックル・バスター。威力はないが弾速が速い。DPPS10万
ハイパー・ナックル・バスター(TypeBurst)
超近距離でしか威力を発揮しないが一撃必殺の威力を持つ。接近されれば回避はほぼ不可能。DPPS1万
トライブレード型インコム
有線ビット兵器。射程が長く障害物に隠れた敵も倒せる。出力は低く、あくまで逃げられた相手の止めを指すための運用が望ましい。DPPSは一発辺り5万
トライ・ブレード
バックパックに装着されている6枚のトライブレードを射出する武装。誘導性能が強化されておりロックオンすれば勢いを失うまで追尾する。DPPS一発辺り2万5千
ハイパー・ビーム・サーベル
トーリスリッター専用兵装。超超高出力のビーム刃を形成し広範囲の敵を薙ぎ倒す。その出力なんと30万kW。
CLBSRF(チャージ・ロング・ビーム・スナイパー・ライフル【超遠距離火力精密出力限界強化型】)
クロエ専用兵装。従来のISの狙撃銃の技術に加えてUniversal Centuryの技術を盛り込んだまさしく狙撃銃の頂点といっても過言ではない狙撃銃。出力はノンチャージでも20万kWとされ、フルチャージした際には80万kWという超高出力の弾丸を極高速で発射する。一発撃つごとに冷却が必要だがその冷却も冬場なら要らない超鬼畜仕様となっている。尚三点式()
AMX-018[HADESE]Elres Ritter
トーリスリッターにELSが融合した状態。一部武装が高性能化されており同じくELSと融合したクロエとの同化を果たすことで驚異的な力を発揮する。また、クロエの指示一つで自由に動けるようになっており従来機体と合わせてもそれ以上の性能を持つ。
感想、意見、あれば感想欄までー
4/6 機体説明などの改修
10/11 機体名 キャラ名 説明の追加
機体出力がおかしいのは束さんの魔改造のせい。()
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第19話 火薬枯渇伝説
某Extra Zero Eightさんの消費量にちなんだおはなしです。
あらすじ
クロエ達は屋上で正体を探すが案の定トリスが自らバラしたことにより事態は収束、IS学園に非公式ながらにクロエの相棒(兼遊び道具兼暴走形態)が居座ることになった。
前回の三人、わかった人いるかな?
三人じゃいつもの時間に揃って教室に入った。既に何人ものの人が来ており、更に今日は何やらいつもより騒がしかった。
「おう、おはよう一夏、セシリア。」
「おはよう、三人とも。」
「おはようございますわ、皆様。」
二人がそれぞれ挨拶をしたところでヴィンセントが、
「所で何で今日はこんなに騒がしいんだ?」
「どうやら中国の方から新しく転入生が来るらしいですの。」
「中国か・・・・あの頃が懐かしいな。」
「ヴィンセントも思ったの?」
「だってあの頃はほんとにどうしようもなかったからな。」
「?二人ともなんのことなんだそれ?」
「あれ、一夏様は知らないのですか?中国の火薬枯渇事件のことを。」
「火薬枯渇事件・・・・・たしかIS同士の戦闘で補給が実弾ばっかしで火薬が無くなった事件のことか?」
「あの頃はひどかったな・・・・・当時はISにガトリングガンとかプロトタイプのマシンガンを搭載したISもあったからな。」
「私はその頃は噂でしか聞いてなかったけど特注のマシンガンを2挺持って胸部内臓マシンガンとともに打ち出して良く火薬補給に戻るやつもいたね。」
「ふーん、中国ってそんなに戦争がひどかったのか?」
「そうだな・・・・・彼処は軍と反抗する人々の間で争いが耐えなかったからな。特に争いが多かったのが
「二人はお互いに自分達の陣営の言い分を聞かなくてな・・・・中国の政府も手を焼いていたよ・・・・。」
「特に私がね!」
五人は入り口の方に振り向いた。そこには何やら小柄な少女が立っていた。
「ん?鈴か。」
「反応薄いわね・・・・・。まあいいわ。一夏、あんたクラス代表になったんだって?」
「半強制的にこの三人にな・・・・・。」
「まあこの三人なら仕方ないかもね・・・・・・。」
鈴はヴィンセントの方に振り向くと目を何度かぱちくりさせながら再度一夏の方を見る。ヴィンセントはそのアイコンタクトの意味がなぜかわかった。
(今日の放課後・・・・・屋上で話がしたい!? ギニアス兄さんの妹より ファッ!?)
「御兄様、どうされました?」
「い、いやね・・・・。(クロエ、放課後屋上。良いな?)」
ヴィンセントは顔に汗を大量に出しながらアイコンタクトでクロエに今あったことを伝える。クロエは笑顔で皆には分からないような殺気を出しながら、
(うん!)
とアイコンタクトを出していた。ヴィンセントは、さらに汗が増えるのだった。と、チャイムが良いタイミングでなり響く。
「んじゃ、また昼休みに!」
「おう、その前に後ろ。」
「後ろ?」
鈴は後ろを振り向いた。半分振り向いた瞬間鈴の額から汗がこぼれた。なぜならそこにいたのは・・・・・・。
「邪魔だ、馬鹿者。」
出席簿を思いきり振り落とす千冬の姿が写ったからだ。だがいくら待っても千冬から出席簿は落ちてこない。鈴は再度後ろを振り替える。すると千冬が額から汗を吹き出させて固まっていた。鈴はなぜかと教室の方に顔を向ける。すると真正面に殺気を放つクロエの姿が写り、鈴は本能的にその教室からすざましいスピードで退散していった。鈴が撤退したのを見てクロエも殺気を出すのを止めて千冬を解放する。千冬、クロエたんより弱い説浮上。
昼休み、五人は屋上に来ていた。そこにはすでにある程度場所を確保した鈴が座ったまま手を降ってまっていた。
「遅いわよあんたら!」
「 あんた ら・・・・・・?」
クロエが遠隔操作機器を取り出してトーリスリッターを暴走させようとしたのをヴィンセントは見逃さなかった。ヴィンセントは膝をあげて遠隔操作機器を蹴りあげると上に飛んで回転蹴りで遠隔操作機器を地面に突き刺し破壊した。
「クロエ、危ないからやめなさい。と言うよりクーにまで被害及ぶからやめなさい。」
「えー。(棒)」
「えー、じゃありませんクロ姉!」
「うわあああああん!!」
クロエの涙腺とマトモさが崩壊して甘えん坊化したクロエが泣きながらヴィンセントに飛び付いてくる。
「クーがいじめるぅ・・・・・。」
「はいはい、泣くのはよしなさい。」
「アダッ!」
ヴィンセントがチョップで正気に戻す。空気な鈴と一夏はスルーして普通にランチを食べていた。・・・・・密かに出ていた第二波のクロエの殺気に怯えながら。
「ところで鈴、中国の代表候補生になったんだってな?」
「苦労したわよ・・・・たった一年で候補生にさせる政府だったからね・・・・。」
「ちなみに名前は?そいつの。」
「たしか義丹飛鳥と名乗っていたわね。」
「他になんか政府してなかったか?」
ヴィンセントが汗をたらしながら聴く。義丹飛鳥・・・・この名前を聞いたとたん何故かヴィンセントは悪寒がしたのだ。
「たしか新型ISの計画にアプサラスって言うのがあったわね。」
「・・・・・クロエ、明日中国にカチコミかけにいくぞ。」
「了解♪」
「いやちょっと待って!?なんでそうなるの!?・・いやそうなるんですか!?」
「いや驚きすぎて口調変わってるぞ。・・・・・・いや、それが素の口調といった方がいいのか?」
一夏はヴィンセントが発した言葉の意味がわからなかった。鈴はしまった、という顔を表情に思いっきり出していた。
放課後、ヴィンセントとクロエはクーに留守番(と言うか部屋の見張り)を頼んで屋上に来ていた。そこにはいつものツインテールの鈴ではなく、髪を下ろした鈴の姿があった。
「さて・・・来ましたわね。二人とも。」
「ああ、来たぞ。口調が似ていたが俺たちにはすぐわかったぞ?
アイナ?」
To be continued........
はい、と言うことで鈴はアイナ・サハリンちゃんでした!!パフパフ
次回予告
素顔を見せたアイナにヴィンセントとクロエはやはり、といった顔を見せてあれからどうなったのかを聞いていた。するとアイナは何かのデバイスを取り出してきて・・・・・・?
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第20話 Shining in the storm
粗筋
IS学園に新たな仲間がやって来た。名前は鈴。だがヴィンセントとクロエは口調が誤魔化しきれていないその姿に少し苦笑いをするのだった。その本当の名は・・・・・アイナ。
作者「パソコン壊れたヤァァァァァダァァァァァ!!」
クロエ「落ち着いて作者!」
作者「おわた(^o^)修理が終わるまでガンオンできないのはつらたん(T_T)。」
クロエ「はぁ、トーリス、面倒みなさ「トーリスゥ!バタッスヤァ。」作者もうトーリスと一体化すれば?」
いつもの光景
「で、ヴィンセントさん、そのお方は?」
「あ、ああ、となりにいるのは、」
「【元】連邦軍少尉、クロエ・クローチェです!宜しくね♪」
「連邦軍・・・・・。」
「アイナ、気にしなくていいからな?クロエは俺に甘えたがりでな・・・・・。」
「じゃあ今は・・・・・?」
「形式上は、ジオン残党軍だな。それよりもアイナ、お前さんの知り合いと兄さんは大丈夫なのか・・・・・・?」
「・・・・・・・ええ、一度死んだからなのか兄さんはキレイな兄さんになりましたわ・・・・シローは相変わらず熱血ですが・・・・・・。」
アイナはアハハ、っといった口調で話し続ける。するとクロエがアイナに飛び付き、
「宜しくね!アイナさん!」
「ハハすまないな、まだここには慣れてないから正直三人だけじゃ寂しかったんだ。」
ヴィンセントは後ろの頭を少し掻いて顔を赤らめる。それを見てアイナも少し赤らめては
「では、よろしくですね、ヴィンセントさん。」
「ああ、宜しくな。クロエのことで迷惑もかけるかもしれんが多目に見てやってくれ。」
「そうですね。そういえばさっきからどこからか視線を感じるんですが・・・・・・。」
『呼びました?』
トリスが乗り移ったトーリスリッターが首だけステルスを解除して現れる。三人は驚いて腰を抜かした。
「わっ、び、びっくりしました・・・・・。これが視線の正体だったんですね・・・・・。」
「トーリス、驚かさないでくれ・・・・・心臓が止まる・・・・。」
「もう、トーリスは可愛いことするんだからぁ♪」
そう言ってクロエはトーリスにしがみついてほっぺをすりすりしていた。その時の顔はとても良い顔だった。
翌日の昼休み。ヴィンセントとクロエ、クー、そしてセシリアも加えて昼食を取るために屋上へ向かっていた。屋上につくと何時ものように沢山の生徒が昼食をとっている中、鈴の姿も見つかった。四人は鈴のところへ近づく。所が、鈴の様子がおかしかった。その顔は何時ものように明るくなく、泣いている顔だった。
「どうしたんだ!?鈴?」
「どうされました!?」
「どうしたの?鈴ちゃん。」
「どうされましたか!?」
「うう、ヴィンセントにクロエちゃん、それにクーにセシリアじゃない・・・・・・。実はね・・・・グスッ。」
鈴はさっき起きた出来事を話した。概要はこうだ。
ずいぶん前に別れるときに一夏に味噌汁を食べさせてあげる的なやつのモチーフにいつか酢豚を食べさせてあげると約束したらしい。それで今日、その約束を果たそうと一夏に聞いてみたところ、一応言葉は覚えていたらしい。が、
「其でね、あのバカ何て勘違いをしたと思う!?【奢ってくれるのか!】だよ!全く意味を履き違えて覚えてたのよ!」
「それはかわいそうに・・・・よくヴィンセントにもやらせてるけどよく間違われてトーリスで殺してたよ・・・・・。」
「よ、よくそれでヴィンセントさんが生きてましたね・・・・・。」
セシリアのかおが若干ひきつっている。そしてクロエはその笑顔のまんま、
「単に四股を根元からもいでつけ直してるだけだよ♪」
「「「この人満面の笑みでさらっと怖いことを当たり前のように話したよ!?」」」
因みにその傷はまだヴィンセントの左足に残っていたりする。クロエはニコニコしているが他の三人は軽くひきつっていた。
「絶対一夏は許さないんだから・・・・・!!」
「これは私でも許せませんわ・・・・・!」
「ワールド・パージを思いっきり一夏くんに起動させたい・・・・・!」
「男として奴を放っておくわけにはいかない・・・・!」
「トーリスで骨も残さず溶かしてやる・・・・・・!!!」
五人は一夏に対する憎悪を膨らませていた。それも露知らず一夏はというと・・・・・・、
「ヘックション!誰か噂しているのか・・・・・?」
呑気に教室で勉強していた。
放課後、一夏に会わないように道を避けてアリーナへと集合した5人は密かに特訓を始めていた。
「ふーん、あんたのISって万能型なんだ。」
「それぞれコンセプトがあるんだけどこの子はまだ未完成でね・・・・・・。」
「ISの性能から見るに十分じゃないの?」
鈴はクロエのペイルライダーのスペックを見て驚く。(鈴を演じているのがアイナなのでペイルライダーのスペックにわざと驚いている。)
「クーのコンセプトが私とヴィンセントの援護を目的として作られているのにたいして、ヴィンセントは近距離戦、私のは対極多数との戦闘を目的として作られているんだ。」
「クロエさんのISは私のISと設計思想が似ておりますわね。」
「でも私普段はこんな性格だけど戦闘になると一気に変わっちゃうからね、性格が。」
「でも俺と模擬戦をするときは笑顔でやっているじゃないか・・・・・。」
「あれは
「それだけ二人は仲が良いって事なんだ・・・・・いいなぁ。」
「と、とりあえず四人で鈴ちゃんを強くしてあげるよ!」
「ありがとう、みんな!一夏を絶対に倒して見せるわ!」
其から数日間、鈴は四人から戦闘技術を教わり、クラス対抗戦に備えた。ついでにセシリアもクロエから技術を教わって遠隔操作できる数も増えたのだとか。
「・・・・・・・何、あの子。この束さんの愛しのクーちゃんと馴れ馴れしく喋っちゃってくれて・・・・!」
研究所ではカメラをハッキングしていた束さんがとても不機嫌になっていた。ペイルライダーはその束さんを必死に叩いていた。
「束博士!もし私のクーを痛い目に会わせたら後ろのライフルで討ちますからね!」
「私はそれをしてでもクーちゃんにしがみつくバカを殺す!」
そう言って束は戸惑いもなくひとつのボタンを押した。押されたとたん研究所が少し揺れ、別のカメラから10体ほどISが出ていくのが見えた。
「全ISに命令・・・・・クーちゃんにしがみつく馬鹿を殺せ。」
To be continued.........
束さん誰かに怒りましたね。次回からは第三章ですが三章は
ガンダムの歴史を練り込んだイベントが超発生します。この章の主役?勿論、
ト ー リ ス リ ッ タ ー ですよ。
次回予告
クラス対抗戦当日の日、両者は激しくぶつかり合う。だが、上から迫り来る恐怖があった。果たして全員は無事に対抗戦を終えることができるのか。
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第三章 始動、死の騎士よ
第21話 激闘の暗躍
作者が話を膨らませ過ぎたせいでお馴染みの装甲材を出演させるしか手がなくなってしまいましたぁ・・・・・。
誰に引っ付けるかって?皆さんお察しください・・・・。作者名を見てしまった瞬間に使命感が出ちゃったんですよ・・・・。
ちゃんとしばらく軌道修正はしますから!(既に軌道から離れてる)
ちなみに名前変えました(今更)
やっぱクロエちゃんの主役小説書いてるんだからこうでないとね♪
あらすじ
一夏に恋の言葉を勘違いされた鈴は絶対に潰そうともう特訓した。プラスクロエの怖い世間話にゾッとすることもあったが・・・。だが、束の手により既に狂歯車は動き出そうとしていた。
て言うか、言ってしまって良い?
主役、クロエちゃんとトーリスリッターだよ?
だ れ が ヴ ィ ン セ ン ト が 主 人 公 だ と 言 っ た ?
対抗戦のあさ、五人は偶然なのか、必然とも言うべきかそろっていつもより早い時間に起きていた。とある二人を除いては。
「・・・・・・・・・。」
「ヴィンセントォ~ニゲナイデヨォ~。」ガシッ
「・・・・・起きろー、クロエー。」
「ツカマラナイナラオオキイトーリスデツブシチャウゾォ~。」
「何か物騒なこと言ってる!?」
ヴィンセントが叫んだのかその大声でクロエが目を覚ました。クロエは今の自分の状態を把握すると更にヴィンセントにしがみついた。
「おはよ♪ヴィンセント♪」
「降りてくれないかクロエ・・・・・腕が痛い・・・・・。」
「良いじゃない・・・・・・・ヴィンセントは私の事が嫌いなの・・・・・?」グスッ
クロエの顔はだんだん崩れて涙がこぼれ始めた。ヴィンセントはクロエの突然の上目遣い+泣き顔+泣いているなうの状態のクロエで撃沈した。結果、暫くヴィンセントからクロエが離れなかったらしい。
それはさておき、数十分後、
「「御馳走様でした。」」
二人は朝食を食べ終え学園に向かう準備を整えた。数分後、クーとセシリアが二人を迎えに来たので二人は準備をもって部屋を出た。
「クロエ、またヴィンセントを抱き枕にしていたでしょ?」
「な、七なななななな何を言ってるのかなクーちゃん!?」
クロエは突然それを言われて焦りの色を見せた。ヴィンセントもクーを目をぱちくりさせながら見た。
「クロエ、用意周到に隠蔽したみたいだけど、寝癖までは隠せなかったようね・・・・・。」
「あら、クロエさんの頭・・・・・本当に寝癖がついていますわ。」
「嘘!?」
「いや、クロエ、本当の事みたいだ、思いっきり頭が跳ねてるぞ?」
「わ、わわわわわわ!?」
クロエははじめて気づいてとっさに頭を押さえた。だがそれだけでは頭の寝癖は収まらない。
クロエは泣きそうになりながら登校路を歩いていたと言う。
午前10時、クロエ達はピットに来ていた。鈴のコンディションの最終チェックをするためだ。本来は整備課の仕事なのだが、鈴たちが調整を施したために最終チェックは自分達でせざるを得なくなったのだ。
「鈴~、チェックは終わった~?」
クロエが元気よく声を掛ける。鈴はISの中から出てくると手を降りながら、
「あと少しよー!」
と、返してきた。そのあと降りてくると着替えをして来ると言って更衣室の方へ向かっていった。
「いよいよですわね・・・・・・。」
「ああ、クロエが有線兵器を使ってたとはいえ鈴は強い。まず負けることはないだろう。だがひとつ懸念がある・・・・・。」
「ヴィンセントも心配事があるの?」
「その様子だとクロエもか?」
「うん、ペイルライダーが何かに惹かれている気がするんだ。」
クロエは自分のISを見ながら小さく話した。それのあとを追うようにヴィンセントも、
「やっぱりな・・・・。」
「御兄様もですか・・・。ちなみに言うと私も同じような感覚がさっきからずっとしてます・・・・。何かが響くような感覚がして・・・うっ。」
クーがそこまで言ったとたん、クーはひざまずいた。ヴィンセントとクロエはいち早く二人のもとに駆けつけた。
「大丈夫か!?」
「大丈夫!?」
「大丈夫ですか!?」
三種各々違った反応を見せるがその気持ちは全員が心配していることには変わりなかった。クーは頭を押さえながら立ち上がり、付近の椅子に座った。
「少しめまいがしただけです・・・・気にしないでください・・。」
「そうか、しんどくなったらいつでも頼っても良いんだからな?」
「そう・・・・・・ですか・・・。それじゃぁ・・・・・お言葉に甘えて少し休まさせてもらいますね・・・・。」
そう言ってクーは目を閉じた。(目を開けることができる理由は後程)ヴィンセントはクーの膝枕になっていたので頭を撫でていた。さっきまでしんどそうだった顔色はいくぶんかましにはなっていた。
「あれ、みんなどうしたの?」
そこへISスーツに着替えた鈴が戻ってきた。セシリアがさっきまでの経緯を話すと鈴は申し訳なさそうなかおをした。
「頑張りすぎたのよ・・・。それによる一時的な疲労と見て間違いないわ。暫く睡眠をとらせなくちゃね。」
「そうする。ところで鈴、もう準備はすんだのか?」
「ああ、バッチリよ!」
「そうですか、なら、一夏さんをぶっ飛ばしてきてください!」
セシリアが鈴にそう伝え鈴は何かを覚悟したかのようにISに乗り込んだ。乗り手を得たISは直ぐ様カタパルトへと進んでいく。そしてそこから見る鈴の顔は何かを訴えているように三人には見えた。
絶対勝ってくる!!!・・・・・・・・・と。
(レーダーに敵機影感知、数33、内10機が博士所属のIS、残りは判別不能。マスターの危険度をSクラスと認定。トーリスリッター、システムオールグリーン、スクランブル起動を確認。HADESSystem、起動開始。)
港に眠る死神の眼が静かに紅く、その灯火を強く照らした。
To be continued......
戦闘ぶちこめなかったよ・・・・次回入れるね!
次回予告
いよいよ始まる二人の試合。互いに近接で唾競り合いをお越しながら進む中、ついにその時は来る。
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第22話 恋の乱戦と始動する暗黒
鈴戦と束(の無人IS(壮大なネタバレ))乱入。
装甲材(ELS)編(番外編)は夏合宿終了直後かな。
粗筋
対戦直前、五人は激励をしに鈴のピットへ向かう。一方、外では死を司る騎士が黄泉を羽織って目覚めようとしていた。
粗筋がショボい?気にするな!だってあらすじにトーリスいるじゃん!
両者は既にピットから出撃し、戦闘開始の合図を今か今かと待っていた。
「一夏、もう一度聞くけどあの時の約束・・・・・本当に覚えていないのね?」
「・・・・・お前が何を考えてるのかがさっぱりわからないんだが。」
「そう・・・・・・なら・・・・・・。」
「戦闘、開始!」
「ぼっこぼこにしてやるわ!!」
開始の合図と共に鈴は肩のアンロックユニットから固定兵装を出すと、一夏にロックオンをつけて三点射した。勿論両手には近接武器の双天牙月を持っている。最大加速からの固定兵装 龍砲、更に追撃の双天牙月、鈴は貰ったと確信した。予想通り一夏はまっすぐ突っ込んできて一発は被弾したが残りの2発は勘で避けられていた。だが体制は安定していない。チャンスだと思って鈴は思い切り回転斬りを噛ます。範囲の広い回転斬りは一夏の雪片弐型に阻まれ火花を散らす。そのまま反動で両者は距離をとらざるを得なかった。
「ふぅん、一夏いつの間にこんなに練習したのよ?一週間前の一夏だったらこれは避けられないと思ったんだけどね。」
「それはお前の予測に過ぎないだろ?第一もう公式で専用器の発表は行われているんだからそれ見て対策くらいはするさ。」
「調子に乗っていられるのも・・・・今のうちよっ!」
鈴は期待に急加速と急制動を繰り返して一夏を翻弄し始めた。さすがにこの行動は予想できなかったのか一夏は鈴をとらえるので精一杯だった。その隙を縫うように鈴は衝撃砲を連射していく。既に15発が発射され内7発は一夏のどこかの部位に被弾している。一夏も動きを見切って零落白夜を当てようとするが全て急加速に交わされるに終わった。
「そんだけ攻撃がからぶっていたらもうそろそろSEも切れるんじゃないの?」
鈴が慈悲にも似た声を掛ける。一夏は零落白夜をオフにして一度体制を立て直すと、
「よくわかってるじゃねぇか・・・。だけど、まだ手はある!」
「ふん、もう残されたエネルギーは少ないのに何が・・・・・っ!?」
鈴が目を開けるとそこには真正面に袈裟斬りしようとする一夏の姿が写った。鈴は瞬間加速を使い急速後退をかけた。だが一夏もそれに合わせるように追い付いてくる。そして一夏は鈴に一撃を与えた。しかも加速による多段ヒット。鈴のSEは大幅に削られ一夏のSEの残量よりも少なくなった。油断していた鈴は苦渋をなめた。
「くっ、まさかあんたがあれを覚えていたとはね・・・・。正直使っても使わなくても勝てるとは思っていた・・・・けどその方程式・・・・・答えを変えないといけないみたいね・・・・・。」
「へっへ、一度きりなら正面からでも使えるからな・・・・決めてやる!」
「そうこなくっちゃ!!一夏ァ!」
両機は共にスラスターに高熱を迸らせた。
「ふぅ、なんとか挙動は収まったみたいだな。」
「だね、結局あのHAちゃんの鼓動はなんだったんだろ・・・・。」
「今は気にする必要はないだろ。」
「そうですね。(元々私のISにはHADESは組み込まれていませんが。)」
「だね!そう言えば二人はどんな感じなんだろ?」
「観客席の方へ見に行ってみるか?」
「行きましょう!御兄様!」
「わかった。道は・・・・・こっちだな。」
三人は観客席へと通ずる通路ドアに向かった。ヴィンセントがドアノブを回そうとしたとき、異変は起こった。
「ドアが・・・・・開かない?」
「え?どういうこと?」
「御兄様!クロ様!ISが紅く!!」
「ん!?これは・・・・熱っ!」
「ISに・・・・何が起こっていると言うの!?」
クロエとヴィンセントのISが紅く光輝くなか二人は機械じみた声を聞いた。
『母機から受信・・・・・外部に敵機の存在を確認・・・・数33、内23機は所属不明・・・・・母機からの命令によりIS操縦者の意識に関係なく強制起動、起動と同時にHADESも始動、リミッターを暴走させ此の殲滅を開始します・・・。』
「「!?」」
「どうしました!?御兄様、クロ様!」
「ペイルライダーとトリスが・・・・何かに引っ張られている!!」
「こっちもだクロエ・・・・・。ペイルライダーとペイが何かに反応して・・・・・!」
ヴィンセントの声を遮るように二人にまばゆい光が襲った。光が収まるとそこにはISを纏った二人の姿があった。だが、何時もの二人の機体とは差異があった。まず外見は変わらないが排熱口が紅く灯され各部から排気煙が出ていた。ヘッドゴーグルも紅く染まっておりその姿は死神をも想像させるほどの威厳を持っていた。
「御兄様、クロ様!大丈夫ですか!?」
クーはヴィンセントと二人に声を掛ける。却ってきたのは、
「障害者、発見。抹殺スル。」ハッデェスッ!ペポペポペポォ
「任務完遂障害物ト認定、此ヲ破壊スル。」ピキーン
何時もの様子とは明らかに違うヴィンセントとクロエの声だった。そしてその二人の目からは・・・・
生気が見事に消えていた・・・・・・・。
一方、二人の方でも異常が起こっていた。一騎討ちをしている最中に突如頭上から弾丸の雨が飛来。二人は此を交わしたがすざまじい威力と物量で劣勢に追い込まれていた。生徒は避難中な為守りきらなければならない。
「何よこいつら!デブの癖にすばしっこいのよ!」
鈴は8mはあろうかと言う巨大なISに残存エネルギーで衝撃砲を連射して動きを止めようと画策した。だが相手の動きは止まらない。
「くっ、何か手段は!」
「ふふふ・・・・・・・ハハハハハハハハハッハ!!!そんなものでこのマンサに刃向かおうとしたのかい?はっ、無駄なことを!」
「皆を・・・・殺してやる!」
「任務了解・・・・・此より実行に移る。」
一夏と鈴の距離は一夏が無人機の対処に向かったためか距離が空いていた。
鈴は絶望を確信した。なぜならそこには・・・・・・
フルチャージを済ませた緑の小型ISの胸部装甲に移る光が見えたから・・・・・。
To be continued........
最後の三機はもうお分かりでしょうw
次回予告
突如現れた無人機含める33機のIS。しかもそのほとんどは鈴をねらって銃弾を撃っている。一方地下でもヴィンセントとクロエが謎の暴走を始める。果たして彼らを止めることができるのだろうか?
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第23話 迎撃と暴走
粗筋
クロエたちのISが突如暴走を開始、一人取り残されたクーは必死に暴走を続ける2機から逃げ続けるのだった。
外伝繋がりで何か機体出したい。(トーリス改造計画の一貫として)
ガトリングバカ
狙撃神
紅い目した蒼いヤツ
バァァァニィィィ!
倍返し
旧ザクに殺られたガンダム
ガンダム量産計画
砲ゲロ
忍者
これのどれかかな
外は大変なことになっていた。まず鈴達は三機のISと多数の無人機に囲まれ四面楚歌状態になっていた。側面から肩幅が広そうな紺を基調としたスリムなISと左右に二枚ずつ羽がついたIS、そしてリーダー格とおぼわしき全長8mはあろうかという肩にまた羽がついたISと呼びたくても呼べないナニかがそこにはあった。そしてそのうちの四枚の羽持ちが胸部辺りから光がほとばしっていた。一夏と鈴はとっさに左右に交わすが一夏は交わした地点には紺のISの腕部連射装置の真ん前に位置しており直ぐ様一夏は避けたがスラスターに何発かかすった。鈴の方は8mの緑色のヤツの猛攻にさらされていた。衝撃砲で迎撃はするが其でも凡そ100はあろうかという小型爆弾が鈴の機体に直撃した。小型なので威力は低いが何発も飛んでくるので所々に異常が出ていた。
「くぅ、左足関節部分に異常が・・・・。そう何発は食らえないわね・・・・。」
「鈴ばっか狙ってくるな。無人機を相手にするので精一杯だ!鈴!三機は任せた!」
「ちょっ!?三機を一人でやれって!?・・・・あーもう!やってやるわよ!」
鈴は残った衝撃砲の砲門を三機に向けて乱射する。それと共に追い詰めるための双天牙月を巧みに使って敵の攻撃を交わしていく。だが相手は其のさらに上を行く。
「ふふ、弱い・・・・・・。子供が遊ぶもんじゃないんだよ!」
緑色の巨大なヤツが胸部から太い閃光を迸らせる。その閃光は一夏の非固定機器と鈴の右腕を持っていき一気にSEが減る。これには一夏も流石に毒舌をついた。
「なんだあの威力は!?カス当たりでもこの威力・・・。残りエネルギー的にもう一発も貰えないな・・・・・!」
「こっちもよ・・・・・武器が殆ど残ってないわ。後は左の衝撃砲のみだw・・・・・・。ピットの方向から高熱源体接近!?2機も・・・真後ろよ!」
二人は後ろの方を向いた。すると暗闇から光る紅い目が此方の目を捉えていた。
「あれはクロエとヴィンセントのペイル!来たのか・・・・だけど何か様子が変だな・・・・。」
そう一夏が呟いたとたん二機はそれぞれの大型の盾とビームライフルを装備した。そして、
「アハハ・・・・・モット、モット遊ボウヨ!」
「今ノ世界ニトッテ、貴様ラハ不必要ナ存在ナノダ!」
敵である大量の無人機と見境なく味方である一夏達までも巻き込み始めた。二人はいきなりのことに対応が遅れたが直ぐ様急速回避を行ってギリギリ攻撃を避けた。
「ヴィンセント、クロエ、どうしたんだ二人とも!」
「ハカイ・・・・・スル・・・。」
「彼ヲ苦シメル者ハミナ排除スル・・・。」
一夏の声はもう二人には届かない。二人の目からは生気が失われていた。3分足らずで残りの無人機を破壊すると三機と対峙した。
「アハハ♪ツギハアナタタチガアソンデクレルノ?」
「なんだこいつ・・・・・強い邪気を感じる・・・・・・間違いない、大物だ!ワン、トゥエルブ、あの2機をやるぞ!」
「了解!プルプルプル~!」
「任務了解、攻撃を開始する。」
緑色のヤツの合図で三機は散開、二機を包囲した。それぞれ無線誘導兵器を出せるだけ出していてやるきは十分なようだ。だが、
「コノ程度カ・・・・・・・。ナメラレタモノダ!」
ヴィンセントのペイルリーのシェキナーが火を噴き緑色のヤツの誘導兵器を消し飛ばした。
「なっ、速い!」
「オシマイダ!」
ペイルリーがビームサーベルを取り出し瞬間的に出力。そこにいた緑色のヤツの量腕を断面きっぱり切り落とした。クロエのペイライも二刀流で四枚の羽根つきを翻弄して羽と腕を切り落として無力化させていた。その光景を見て一夏と鈴は開いた口が塞がらなかった。
「な、なんだ・・・・・あの動き・・・・。何時ものクロエたちの動きじゃない!」
「はぁ、はぁ、・・・・・漸く追い付いた。」
「クーじゃないか、あれはいったいどういうことなんだ?」
一夏が問いかけると鈴も同じ質問だったのか2度頷いていた。それに対しクーは少し考えると、
「・・・・・今の二人は所謂暴走状態です。」
「暴走!?」
「はい、後から無人機の発信地特定をしたところ30機いる無人機のおおよそ三分の一が束様の場所から送られていることが判明しました。そしてその目的も・・・・・・・・。鈴さん、貴女の殺害です。」
「はぁ!?なんであたしが殺されなきゃならないのよ!」
鈴がクーに激昂する。クーは冷静に答えた。
「あの人は興味のないものは存在すら消す人です。・・・・・その邪悪な存在とあの三機の邪気が合体して二人のISを暴走させてしまったみたいです。」
「ならあの3機を落とせばいいのね!」
「駄目です。今行ったら二人に消し炭にされますよ?」
「むぅ・・・・・。」
三機は殆ど戦力が残っていなかった。緑色のヤツは量腕を落とされ攻撃不能、四枚の羽根つきも羽と量腕を落とされ戦闘不能になっていた。
「ツー!トゥー!」
「ワン・・・・・・お前は先に撤退しろ!・・・・・大丈夫、直ぐに帰ってきてやるから!」
「ワン、今は生き残ることを優先しろ・・・・・・・・お前みたいになれなかった彼女たちのためにも。」
「・・・・・・・・・分かった、でも必ず帰ってきてね!」
そう言い残してワンと呼ばれる彼女は撤退をしようとした。だが、
「ニガスワケナイデショ♪」
「グアァァァッ!!」
クロエのペイルライダーが緑色のデカブツを思いっきり踏み台にして残りの一機を落とさんと襲い掛かる。推力的にも逃げられなくじわじわとその距離は詰められていく。しかし、唐突にその戦いは止められた。何故なら、
「ん?一夏様、鈴様!急速退避を!」
「この状況でどうやって!?・・・・・ええい!なるようになれ!」
一夏がそう言って二人はアリーナの端の方に逃げた。数瞬後、目映い閃光が逃げる一機と落とされて動けない二機、そして暴走しているクロエとヴィンセントのペイルライダーを貫いた。撃ち抜かれたペイルライダー等は瞬時に機能を停止、急速落下していった。ヴィンセントのペイルはその場に膝をつき、動かなくなったが後ろのバックパックから火花が出ていた。クロエのペイルも同様に手首、バックパックから火花が迸っていた。打ち落とされていた二機は手足を貫かれ更に閃光で気絶していた。そして、クロエのペイルが地表に激突した瞬間、食物連鎖と言わんばかりの爆発がアリーナを包んだ。
To be continued........
一寸キリが良いので切る。
次回予告
波乱の侵入者により中止を余儀なくされ、暫く休校となったIS学園。正気に戻ったヴィンセントとクロエは同じく怪我をしていまだに目が覚めない彼女のもとへ向かうのだった。
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第24話 機動兵器トーリス~逆襲のクロエ~
サブタイがほぼパクリだろって?
気にしたら負けなのサ。(オイ)
そんなことよりガンオン早く復帰したいのね。DXガシャコン引きたいのね。
・・・・・・・パソコン投げたいのね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・投げたらアカンのサ。
粗筋
暴走した二機の手により無人機と有人機の計33機は無力化され一夏達にまで危害が及ぶかと思われたが頭上からの攻撃により暴走も沈静化、無事事態は集束へと向かうのだった。
・・・・・・・・・ブラボーブラボー、君のパソコンはいい道化だったのネェ。
なっ!?パソコンをアナザーディメンションに送りやがったのサ!!
そしてこのレアメタルを使えばマスタークラ○ンは復活するのネェ!!
辞めた方が身の為なのね!後ろに人がいるのね!
え?
エ?
「あんたたち・・・・・・・・・いい加減にシロォォォォォ!!!!!!!!!」
ちょっと待つのサ!!何でボクまでうわああああああああ!!!!!
マスタークラウンの力で・・・って割れてるゥ!?ぎゃあああああああああああああ!!!!
・・・・・逃げて正解だったのね。あ、ちょっと待って流れ弾がギャアアアアアアアア!!!!
長い長い茶番だったとさ。
Todes Side
はぁ、やっぱり暴走しちゃってる。暴走する前にトーリスリッター本体に逃げてて正解だったかも。なんかこっちのHADESも暴走しちゃいそうだしいっそのこと起動しちゃおうか!
「HADESシステム、起動!」
私はその声と共にカバーで覆われたボタンを強く押した。機体各部の関節部から排気熱が絶え間なく吹き出し、同時に段々自分の身体とトーリスリッターとの感覚が同じになって馴染んできた。自分の意のままに動かすことのできる特殊な体を持つ私は思い通りに動かすことができる。その代償として彼女の身の回りにいないと殆ど動けない体になってしまったがあの子と一緒にいられるなら関係無い。寧ろ長い期間一緒にいられるから逆にいい気分だ。
「よし、完全同調化完了。・・・・・・・・行きます!」
既に何回もシステムと合体している私はなれた手つきでレバーを手前にひいた。それと同時に機体も勢いよく上がりものの数秒で彼らが見える地点まで近づいた。そして相手に気づかれぬよう・・・・・と言っても暴走したペイルライダーのHADESの感知範囲ギリギリの場所の高度まで上昇した。
「ここまで来たらあとは此かな。スナイパーライフルロック解除、ジェネレーター起動、充填開始。」
私はトーリスリッターの後ろにマウントされている特殊兵装【CLBRF(チャージ・ロング・ビーム・ライフル限界出力改良型)】を外すと撃つ目標・・・・・真下のアリーナに向かってその銃を構えた。そしてパイプを狙撃銃に繋ぎジェネレーターからエネルギーの充填を開始する。元々のジェネレーターが高出力な為その分高出力化対応改修を施された此の狙撃銃はほぼすべての動力をまわす代わりに長い時間照射することが可能な照射タイプと全動力をまわす一撃必殺タイプの二つのタイプに分けられている。じわじわとエネルギーが充填されているのを見ていち早く此の事態を止めたい自分の考えを此のときだけは誉めたくなった。
「エネルギーは・・・・・よし、行けるな・・・・・目標、敵暴走IS。チャージ・ロング・ビーム・ライフル、照射!」
その瞬間膨大な反動と熱量が両腕に襲ってくるがその高出力ジェネレーターと関節の無理にものを言わせてそれを受け止めた。巨大な閃光はその下にあった雲を穿ち再構築されていたアリーナのシールドを意図も容易く撃ち破りそこにいた5機を巻き込んだ。照射している間は物凄い排気熱が絶え間なく赤熱化した部分から出てくるがその量はとどまることを知らない。おおよそ1分照射したか・・・・・それくらいの時間で充填していたエネルギーが切れかかり次第にその光は途切れていった。同時に狙撃銃、排気口から排気熱がバフッ!という音と共に一斉に音を出して煙を吐いたため一時的に機能がダウンした。
「任務完了・・・・。同調化解除、何とかエネルギーが切れるまでに暴走は止めれたけど此じゃあ暫く動けそうにないね・・・・取り敢えずクーには連絡しとこうか・・・・。」
取り敢えずオーバーヒートの復旧をしながらコンソールを叩きクーを呼び出す。
『助かりました、ペイルさん。』
「HADESが暴走に感づいていたから来てみれば此の有り様だ。しかも同士討ちと来た。・・・・・・十中八九あの兎さん?」
『はい・・・・・気にくわなかったのか今ここにいる一夏さんと鈴さんに攻撃部隊をけしかけてきました。』
「うーん、取り敢えず港でステルス処理を施してからそっちにいくね。」
『分かりました。保健室で待ってますね。』
「おけー、わかった。」
それで通信は切れた。取り敢えずしゃべってる合間にオーバーヒートは回復したので慎重に音をたてぬように海に着水する。そしてコックピットを地上に接岸させるとコックピットから飛び降り流れるような勢いで地上に着地した。それと同時にトーリスリッターが透明になっていく。束さんが無駄につけたステルス機能だがなかなかどうしてこれが役に立つ。それに脇目も降らずに私は学園の方へ走った。目的はただ一つ、三人の安否だ。
「ん・・・・・・・んにゅ・・・・?」
「あっ!目覚めましたね!」
「クー・・・?ここは・・・・・。」
「保健室です・・・。」
「何でだろ・・・・・何が起こっていたのかが思い出せない・・・。」
「俺もだ・・・・・頭に靄がかかったような・・・。」
「やはり、暴走の事で覚えていないんですね・・・・。」
クーがその時あったことを話した。二人がHADESによって呑み込まれて暴走したこと。・・・・・二人が一夏と鈴に牙を向けたこと。その後トーリスリッターに助けてもらったこと・・・・・。それを聞いたのかガバッ、と二人は飛び起きた。
「そうだ・・・・・あのときペイルが何かに反応して意識を取り込まれたんだ・・・・・。」
「何かに過剰反応していたな・・・。」
「束様の攻撃部隊と・・・・・二人の横で眠られておりますそこの3人です。」
「攻撃部隊と・・・・・?」
「三人?」
二人はまるで気になったのか右の方を振り向いた。そしてその顔を見た瞬間更に驚愕の顔になる。
「ちょっと待て・・・・此の顔って・・・・。」
「うん、ヴィンセント・・・・・間違いなくあの人たちだよね・・・。」
「あの人たち?」
「ああ、かつて前世の世界の技術であったクローン技術・・・・・そしてその3人・・・・。」
「エルピー・プル、プルツー、プルトゥエルブ・・・またの名をマリーダ・クルス。」
To be continued.......
出てきたクローン三姉妹。
次回予告
捕虜という名目で保護されていた3人から聞いた話にヴィンセント達は驚愕の嵐に巻き込まれる事となる。果たして三人の目的とは・・・・?
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第25話 彼女等の事情
今回はガンオンの更新ページ風にやってみるぜ!!
4/6更新内容のお知らせ
今回は以下の新話を追加しました
第25話
彼女等の事情
新マップ【彼女等の事情】追加
2本拠点
粗筋
暴走は鎮圧された。ISではなくトーリスリッターによって。意識を取り戻した二人は暴走時の記憶を覚えてはいなかったがクーから聞かされて驚く。
誰かコピペなしで画像貼れる方法を教えてほしいのね。打ち込んだけどダメなのよネェ。
ネタバレ
軌道修正したいけどなかなかどうして進まない。そこでELSは考えた。
記 憶 を 持 っ て る 人 間 増 や し ち ま え と 。
あ と そ ろ そ ろ あ れ も ぶ ち こ ん で し ま え と 。
「お二人は此の三人を知っているのですか?」
クーは二人に聞くがその二人の表情はくらい。するとヴィンセントがその口を開こうとした。が、クロエが口を塞いだ。
「ヴィンセント、ここは私に話させて・・・・。此は私が生んだものだから・・・・・・。」
「いや、それは・・・・・・・・・。いや、任せた。些か自分で説明するにはクロエより情報がない。」
「うん!」
そう言うとクロエはベッドから何事もなかったかのように立つとそこら辺から椅子を持ってきて二人の前に座った。
「ヴィンセント、あの頃って確か私たちがアクシズで身を寄せていた頃の話だったよね?」
「そうだな・・・。アクシズ合流直後だったか?」
「あの、御兄様、クロ姉、アクシズっていったい・・・・・?」
「アクシズはね、元々は資源採掘のための小惑星だったの・・・・・。一応この世界でも調べた結果・・・・。この地球圏にあったよ。月と同じくらいの距離の場所にね。」
「この世界にもあるのですか・・・・。」
「そう、話がそれたけど、簡略化していうと所謂私とヴィンセントが匿って貰ってた第二のお家。」
「第二のお家・・・・ですか。私にはお家と呼べるものがなかったので少し・・・・。」
「お家ならここにあるじゃん!クー。」
「え・・・・・?」
「ここにはヴィンセントお兄ちゃんや私がいる。マァタバサンハベツトシテだから一杯甘えてもいいんだよ?実際私は隠れていっつも抱き枕してもらってるもん。」
「・・・・・・正直私は二人には歓迎されない存在だと思っていました。ですが今は二人から家族と言われるまで親しくなれて本当に私は嬉しいです。」
「良かったな・・・・・お前らはそんな悠長に話せて・・・。」
三人は予感しない言葉に後ろを振り向いた。そこには漸く目を冷ました赤いISスーツを着た幼女がいた。
「やはりお前か・・・・・プルツー。」
「お前らが誰かという存在は知らない。」
「やっぱり刷り込まれてるか・・・・。」
「あの・・・御兄様、クロ姉・・・・刷り込まれてるって・・・・・まさか・・・・・。」
「研究所によってまちまちだがほぼ同じといっていい。」
「マスターの命令しか聴かないように刷り込ませたクローン兵は例えマスターが死んでもその任務をやりとげる。それをアクシズで大量に生産していた。正直自分もここまでやってるとは思わなかったが。」
「アクシズ・・・・・・クローン・・・・・どこでその単語を聞いた・・・!・・・・うあ・・・・あ、頭が・・・・・割れる!」
プルツーが襲いかかろうとするが動けない。手首に鎖がついていて必要以上に動くことができないようになっていたのだ。そしてヴィンセントはプルツーを落ち着かせるために淡々と答えを返していく。
「アクシズ・・・・・お前も記憶があるんだな・・・・・クィン・マンサのパイロット・・・・プルツー。」
「・・・・・・なんでクィン・マンサまで知っているんだ・・・・!・・・・・ウッ!」
「じゃあ逆に聞こう・・・・トーリスリッターという単語に聞き覚えは?」
「今回の任務の最優先対象と共に破壊目標・・・・・。アクシズなら連邦の鹵獲機の改修案として聞いたことが・・・・・・。」
「そうか・・・・・なら、今窓に見えているものはわかるか?」
「窓・・・・!?」
プルツーは窓の方を見る。そこには真っ赤な目でプルツーに銃を向けるトーリスの姿が写った。
「なっ・・・・・・・破壊目標って・・・・・・これの事なのか・・・!?」
「ISだと思ってアリーナに入ったのが運のつきだったな・・・三機とも大破、修理はできるが時間はかかるぞ?」
「・・・・・・それは手段を選ばせてるのか?・・・・・・・・・・・・
ヴィンセント・グライスナー。」
「・・・・・・あれを見て思い出したんだね?」
クロエがトーリスを見て話し出す。プルツーは静かにその顔を縦に降ると両手をあげた。
「正直・・・・私とお姉ちゃんと妹の三人で最初の人造人間かとおもった。だが、・・・・・・大事な存在を忘れていたな・・・・・・全ての上に立つ・・・・・クロエ・クローチェよ。」
「何降参の合図しているの?」
「はは、何を言うかと思えば情けか?」
「情けなら無用・・・・任務失敗した今の自分に残された道は機密保持のために処分されるしかない・・・・。」
いつの間にか気がついたのかと隣にいたマリーダも目を覚ましてきた。最も回りを見渡して周囲を気にしていなかったために先祖と言うべき存在のクロエに気づいていないようだが。
「処分されるくらいなら逃げ出せばいいのよ・・・・・今こうやって生きてるのはそのおかげ。」
「だが!もう、我々の居場所は・・・・・・何処にも・・・・・!」
プルツーの顔が少し歪む。そして目頭が少し潤んでくる。その姿はただただ主に従う姿ではなく一人の乙女としての少女の姿そのものだった。そしてクロエがプルツーとマリーダのちょうど真ん中辺りまで来ると両腕で二人をホールドした。
「・・・・・あったかい。」
「・・・・・・・何を言っている?」
「・・・・・あったかい。今はそれさえあればなんでもできる。もう一度、私たちと歩も!道を誤らないように、皆で!」
其がとどめになったのかプルツーの目から水滴がこぼれた。其処からプルツーとクロエとの二人との距離が近くなるまでそう時間はかからなかった。
「済まないな・・・・いくら前の世界だとはいえ・・・迷惑をかけた。」
「良いのよ・・・・また一から、踏み出せばいい。」
こんな感じにゆるりとした会話ができるまでに和解したプルツーとクロエは其から花を咲かせていた。一方、ヴィンセントは何を思ったか徐に入り口の前に来ると思いっきりドアを開けた。すると三人ぐらいが転げ落ちてくる。
「盗み聞きしてたな?一夏、鈴、セシリア?」
To be continued......
次回予告
次回!遂に二人の正体が明らかになる!!!!
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第26話 ペイルライダー・全てを話す
何があったか教えようか?
1日目
勉強300分
すき焼きの肉全て他の人に食われて残ったの野菜だけ!
就寝時に先生の怒鳴り声で眠れない!(なお作者はぐっすり寝てた
2日目
勉強450分
カレーくいすぎた
鴨鍋の肉を(ry
お風呂の湯船の中に黒い物体と白濁色の液体
寝る前の怒鳴(ry
3日目
ご飯30杯
沢庵大放出
1~6号車まで待機してたが 7 号 車 が 来 な い
1~6組帰路につく
7組 待 ち ぼ う け (30分)
SA休憩中に6号車まで合流(ここまで90分)
7組 よ う や く 乗 車 開 始
こんなことがあったわけよ。此にはトーリスもビックリ。
あらすじ
捕虜となっていた三人に全てを話しなんとか和解した二人。だがそのドアの裏には三人が密かに聞き耳をたてていた・・・・・。
UA8000突破ァ!!!!wwwww
皆さんのお陰です!
UA1万行ったら二人だけのIFストーリー作ります!
それではァ!ドウゾッ!
サブタイは詐欺であって詐欺でない
井伊ね?
保健室の一角、そこには捕虜(治療中)のプルツー、エルピー・プル、マリーダ・クルスの三人、一夏、鈴(ヴィンセント達には素顔であるアイナの顔が見える)、セシリア、ヴィンセント、クロエ、クー(二人はヴィンセントの両腕にしがみついてる)がいた。三人以外が椅子に腰かけると二人が全てを話し始めた。
「さて、どこなら話せばいいかなぁ。」
「その前にあの人入れないの?」
クロエが窓を指差す。一夏達もそっちを見ると密かにうさ耳が窓から見えていた。
「後で叩いて良いから入れてあげよ・・・・。」
「分かった。」
「な、なあヴィンセント・・・・束さんといったい何の関係が・・・・?」
一夏がやはり気になったのか聞いてくる。ヴィンセントは頭を抱えながら、
「・・・・・・・俺達の身元引き受け人だ・・・・。」
「ええええ!?束博士と・・・・・・住まれていたのですか!?」
「まあ、そうなるな。」
「ま、今では二人のサポート役だけどね・・・・・イテテ。」
「「「束さん!?((博士!?))」」」
三人が目を疑ったのは生涯三大珍事のこと以来だと思う。それほどまでに驚く出来事・・・・真正面に束本人がいたのだ。少々焦げ付いたり服が破けたりしてるが。隣でクロエがビームサーベルとハイパービームサーベルを持ってるあたり大体斬りまくったんだろうな、ということは予想した。
「いっくんとセシちゃん・・・・そして、ゴミクズか・・・・・何でゴミクズなんか呼んだんだい?」
「束さん?も う 一 回 斬 ら れ た い ?」
「イヤデスカンベンシテクダサイニドトムヤミニコウゲキシマセン。(泣)」
クロエは束さんに向かってにっこり話していた。だがクロエ以外の人にはその笑顔から殺気が出てるとしか思えなかった。
「それで?束さんはなぜ二人を?」
「ヴィー君、クロちゃん、話しちゃっていい?」
「どうぞ、いずれ話さなければいけないことだと思うし。」
「そうだね、何でこんなに強いのかもいずれはばらすことになるだろうと思うし。」
「そうだね、三人・・・・・いや、二人かな?君たちはこの世界に二次元のキャラクターがいるとしたら信じる?それとも信じない?」
「「!?・・・・そ、それって一体?」」
「つまりこういうことだ。鈴、・・・・・いや、アイナ、偽装を解いてくれ。」
「分かりましたわ。」
そう言って鈴、もといアイナの姿が鈴のからだから出てきた。ツインテールだった髪型は今は全て下ろされロングヘアーになっている。
「皆さんには騙して悪かったですが、ここにいるのは鈴何て人ではありません。アイナ・サハリンです。」
二人はあっけにとられていた。一夏は開いた口がふさがらずにかたまりセシリアは呆然としていた。
「じゃ、じゃあ本物の鈴はどこいったんだ!!!」
一夏が立ち直るが早く叫ぶ。それを聞いて四人は重くうつむいた。
「鈴さんは・・・・。三年前の大規模なIS合同演習の際、介入者によって・・・・・・今も行方不明ということになってますがもう三年・・・・・はっきりいってもう・・・・・。」
「「・・・・・・っ!?」」
クーが重々しく言うと同時に一夏の顔から血の気が引いてくる。
「なあ、嘘だよな・・・・!あんな元気だった鈴が・・・・!」
「でもこれは紛れもない事実・・・・・・受け入れてください。」
「そんな・・・・・そんなあああああ!!!!!!」
一夏は泣き崩れた。セシリアが寄りかかろうとするがそれをヴィンセントが制止し、
「心の整理がついてないはずだ・・・・・・落ち着かせよう。」
「そう・・・・ですわね。話がそれましたが二次元のキャラクターがいたら信じるか・・・・という話でしたよね・・・・私は信じます。実際にこうして二次元のキャラクターが6人もいるのですから。」
「そうしてもらえるとありがたい。セシリア・・・気になることとかはないのか?」
セシリアに質問を投げるヴィンセント。セシリアはしばし思案する。数分後、
「お二人が使っているIS・・・・・それも二次元のロボットをモチーフにして作ったのですか?」
「モチーフというかまんま劣化だな。」
「成る程・・・・。」
「納得してもらえたのならいいが・・・・・。とにかく今はなせることはそれだけだ。」
ヴィンセントは椅子をもとの位置に戻すと三人のいるベッドの前に小さな小箱を持ってきた。それをゆっくり開けていくと中には三つの小型端末機器があった。クロエがそれを手に取ると後ろの方(?)にあるコードを引っ張って部屋のコンセントに繋ぎ、それぞれキャバルリーとペイルライダー、そしてクーから渡されたデュラハンのISの待機形態の裏にあるコードを摘まむとその小型端末機器に刺した。
「これで大丈夫かな・・・・。」
「・・・・・これはなんなんだ?」
「・・・・・立ち直るの早いな。」
「何時までもくよくよしてちゃいけないからな。未練はたちきる。」
いつの間にか立ち直っていた一夏も話に参加する。それと同時に端末機器の電源も立ち上がる。すると不意にホログラムが立ち上がった。それぞれISの形をしたホログラムである。
『ふああああぁ、この姿で公衆に姿を見せるのもいつぶりだろ・・・・・。』
『なんか久しぶりにこの姿で出たけど物凄く動きにくぃ・・・・・・。』
『おはようございますぅ・・・・・・わっ!?実体化してる!?』
「・・・・・なんか三種三様のリアクションだな・・・・・・。」
ヴィンセントが若干引いているがそれは気にしてはいけない。
「紹介しよう。自分とクロエとクーのISに搭載されている補助システム三姉妹だ。」
『AMX-018[HADES]TodesRitter、機体名トーリスリッターのHADESシステム人格AI兼RX-80PR PaleRider、機体名ペイルライダーのHADESシステムコア人格のトリスと申します。以後お見知りおきを。』
「・・・・・・・以外にツンツンしてるコア人格だな。」
「クロエと一緒にいるときは軟らかいんだけどな・・・・・。」
「そうなのですか・・・・・よろしくお願いしますね、トリスさん。」
『まあ、ここにいる人物は全員クロエの友達らしいしな・・・・・口調は潰すよ。』
「「あ、柔らかくなった。」」
『トリスは簡単には口調は崩さない・・・・・・崩すのは心を開いた人のみなんですぅ。』
「そうか・・・・・。もうトリスが心を開くのは早々ないことだしな・・・・・。」
ヴィンセントが一人ボソッと言う。その呟きはペーとクロエにしか聞こえていなかった。
To be continued.......
過去回想編は大体4話くらいで終わらせるつもり。
次回は残り二人と一年戦争編かな・・・・・。
感想お願いします!!!(土下座ァ)
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第27話 キャバルリー、戦争を語る
て言うかグラハム生存ってマジ!?ネタ増えた~♪
あらすじ
鈴が本物じゃないと気づいて落胆する一夏、だがそれではいけないと早急に一夏も飛び乗り、すみやすい土地へと移動するのだった。
「さってと、次はディサイスだね。」
クロエがひとつの端末を前に出す。
『それじゃあ・・・こんにちは♪RX-80PR4 Pale Rider Dulahan のシステムAI兼クーちゃんのISの補助管制を担う疑似人格のディサイスですぅ♪トリスとは違って明るいですから気軽に話しかけてね♪』
「へー、補助管制何てやるんだ。武器切り替え時間の短縮用?」
鈴が聞いてみる。本来ISは外付け武装と格納領域に入っている武装を組み合わせながら戦闘する。その為基本技術に高速切換とまではいかなくともかなりの速さで切換出来るように訓練はするのだ。
「いえ、違いますよ鈴様。このAIは私にかかるG等の衝撃具合を緩和してくれるAIなんですよ。」
「そんなにGがすごいんだ・・・・。」
「多分一夏の最高速度の10倍は軽くいってるよ?」
「それは相当なGが来るな・・・・。」
一夏がぼやく。その様子を見ていたペイはヴィンセントに合図する。
「そして、HADES三姉妹の親ともいうか・・・・長女と言うべきなのか・・・。」
『五月蝿いよ♪ヴィ~ンセ~ント♪』
「そう言いながらさらっとハイパー・ビーム・サーベル構えるのやめてもらえませんかねぇ・・・・。」
『ホログラムだから問題ないよ♪・・・・・・っと。私がHADES三姉妹の長女、RX-80PR2 ペイルライダー・キャバルリーの補助管制AIシステム兼AMX-018[HADES] Todes Ritterの人格のペイルライダーです!ちょっと戦闘狂に近い性格だけどよろしくね♪』
「皆バラバラな性格だな・・・・。」
「一夏・・・・気にしてしまったら敗けなんだ・・・・!」
ヴィンセントがうなだれながら呟く。クロエはその背中にいつの間にか肌をすりすりしていた。なんと言う溺愛っぷり
な二人なのか。
「というか、なぜお二人はそんなになかがいいので?」
セシリアが聞いてくる。他の二人も確かに、といった顔を見せてくる。そこにクロエが、
「うーんとね、簡単に言うなら記憶喪失してなついちゃった☆」
クロエの爆弾発言によりヴィンセント、プル三姉妹以外の全員の動きが止まった。凡そ三分の静寂のあと・・・・・・・・、
「「「「「えええええええええええええ!?」」」」」
もちろん全員驚いた。
「ま、まさかそんなことがあったとは・・・・・。」
「前の生き方は倒すことがすべてだったからね。最後には何れが敵で味方かも分かんなくなってた。」
「痛覚を鈍らせる薬や反射神経を極限まで高める薬等の継続投薬・・・・・どこまで腐っていたんだよ・・・!」
一夏がクロエから聞いたことを受けて歯軋りをしていた。クロエはそれを見ながら懐から小さなプラスチックのケースを出した。
「クロエ・・・・それって・・・・・。」
「うん、・・・・ヴィンセント達を襲う前に飲まされた薬の数々。正直捨てようかと思った。でも、全部きっちり1回分残ってるのよ。だから、もう二度とこれを使わないように、ここに残しておくよ。」
ケースのなかには大小様々な薬が入っていた。そのなかにはクロエがいっていた痛覚を鈍らせる薬や反射神経を極限まで高める薬等も入っていた。
「例えこの薬が必要となって皆を忘れてしまうかもしれない・・・・・・だけど、ヴィンセントのためならそんなものなんかいらないと思うの・・・・・。」
「クロエ、そこまで俺を考えてくれて・・・・・。」
「もう・・・・仲間を失わせはしないって・・・・そう決めたから。」
「・・・・二人の関係がそこまでだったとは・・・・。」
「あの兄さんもこんな風だったら良かったのですけどね・・・・。」
「ギニアス技術少将のことか?」
「そうです・・・・兄さんは今山奥で息子を造ってます・・・・。」
「息子・・・・・ああ、あれか。」
「ちょっとアイナさん!?息子ってどういう意味ですか!!?」
「そこはノーコメントですっ!」
アイナが猛烈に反発するなか二人は攻めていく。その光景を見てヴィンセントたちはこう思っていた。
「「「メインの話は此方じゃないのか・・・・・?」」」
と。
ボカッ
「アイタッ!」
ドスッ
「ギャッ!」
ズダーン、ズダダダダーン!
「アウッ!」
「ちゃんと話を聞いてよね!」ムッスー
きちんと三人はクロエに斬られた。
「さて、本題に戻ろうか・・・・。」
「「「はいぃ・・・・・・。」」」
「さて、クロエを保護したことまでは話したと思うけどその時のクロエは、記憶喪失状態にあった。」
「さっき言っていた痛覚を鈍らせる薬の継続服用による副作用だね?」
「束さんそこまで調べられたんですか・・・・?」
「ISをちょちょいっと弄っていたら出てきたんだよ♪」
『あの頃はクロエもかわいかったよね・・・!甘い声出しながら敵をバッサバッサとなぎ倒して!』
「あの時の話はやめて・・・・恥ずかしいから!」
クロエが顔を隠す。ヴィンセントは苦笑いしてはいる。
「そして、10年間クロエと戦い続けた。と言うか押し付けられたんだけどな。」
「?それはどうしてですの?」
「クロエは記憶喪失状態、だったらいつまたどこで暴走するか分かんない。だからなついてる俺に全てを丸投げしたって訳さ。」
「ふーん、なんやかんやでヴィー君も苦労してたんだね。」
「全然苦労させてないもん!ヴィンセントを手助けするために一緒に戦ってたんだから!」
クロエが反論するが声が裏返っていて反論になってない。四人とヴィンセントはちょっとだけ笑ってしまった。
『私を忘れてはいませんよね?』
「これがトーリスリッターって言うのか、でかいなぁ・・・・。」
『そりゃ私の本体ですよ?18mはざらにあります。』
「あんなのがここに攻撃してきたらと思うと・・・・。」
「大丈夫♪今あるのは私のトーリスとヴィンセントのキャバルリー、そしてクーのデュラハンだけだから心配する必要はないよ♪」
「そうなのですね・・・・・・。いけない、もうこんな時間ですわ。」
「やべっ、門限が迫ってきてるじゃないか!とにかく早く帰らないと!」
「おやすみー皆ー。」
「おう、お休み!束さんも体を大事にしといてくださいよ?」
「わかってる!じゃあね!」
一夏がドアを閉めると同時にヴィンセントが後ろを振り向くと束の姿は消えていた。ヴィンセントは割り切ってベッドに入った。だがクロエがベッドに入ってこない。
「・・・・・・クロエ、どうしたんだ?寝ないのか?」
「別に、ちょっと考え事をしていただけ。すぐに寝る準備をするね♪」
クロエが返事を返してクローゼットの方に行く。ヴィンセントはとても眠たかったのか寝るまでに時間はかからなかった。
To be continued......
次回いつになるんだろう・・・・・。
次回予告
皆が寝静まった夜、クロエは1人ベランダで何かを考えていた。その考え事とはなんだったのか。
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第28話 少女の回想
あらすじ
全てを打ち明けたヴィンセントとクロエ、その事実を知った四人はこのあとの出来事や予定に関しても深く考えさせられる出来事になるのだった。
全てが寝静まった夜のこと・・・・・・ベッドから一人の少女が起き出してきた。その少女は何を思うのかベランダに出ると窓を閉めて夜の月を眺めた。
「・・・・・こうして二人きりになるのっていつぶりだろ・・・・・。」
『・・・・・・・・・・・。』
「ま、起きているわけがないよね・・・・・それでも、私のちょっとした独り言を聞いてて。」
起きてきた彼女、・・・・・クロエはベランダの壁にもたれ掛かると静かに独り言を呟き始めた。
「私達が初めて出会ったときは研究所のMSのテストパイロットの時だったね・・・・・・・。あの頃の私はまだトーリスのことを何も知らなくて振り回されたね・・・・。当然、徐々に薬も使ってグレイヴは私とトーリスを適合させようとした・・・・・・。」
『・・・・・・・・・・・・・・。』
クロエの呟きに彼・・・・・・・トーリスリッターは何も答えない、否、答えることがない。彼には音声を認識して簡易的な遠隔操作をすることができたり、システムAIの判断で自動的に動くことはできるが会話ができるような機能はない。故にクロエはトーリスに語りかけている形となっている。
「あなたをなにも知らなかった私にある日コックピットのなかにいるときに話しかけてくれたときは嬉しかったわ。苦しい日々を送っていく私にとって唯一のお友達だった。勿論フィルとも話はいっぱいした。でも、一番私の話を分かってくれるのはトーリス・・・・・あなた1人だったわ。おかげで今の自分がいる。ヴィンセントと結婚できて、子供も作ることができて、そして今はヴィンセントに甘えることができて・・・・・・。それもこれも全てトーリスのおかげでできたことだと思う。」
『・・・・・・・・・それは、違うよ。』ピコーン
「・・・・・・起きていたんだ。」
クロエが打ち明けた直後、のっそりとトーリスがベランダに体を着けた。クロエはそのもたれ掛かった身体に身を寄せた。
「・・・・・・・トーリス、一つ聞いてもいい?」
『・・・・・何?言ってみて、何でも相談にのってあげる。』
トーリスが優しく声をかける。・・・・・・・・声はISの待機形態から出ているのだが。だが、目はしっかり紅く染まってこちらを見ていた。
「それじゃ、お構い無く・・・・・・・此れから、ヴィンセントとどう付き合っていけばいいのかなって思ってね。これ以上ヴィンセントには迷惑はかけられないけれどヴィンセントを失いたくもない。・・・・・・ねぇ、トーリス。此れから私、どうやって生きていけばいいんだろ?」
『・・・・・それを見つけるのがクロちゃんの仕事でしょ?自分が一生側に着いていきたいと思うんだったら自分でその意思を伝えなさい。』
トーリスがたんたんとその言葉を並べる。クロエの顔にはすこしばかり涙が流れていた。
「そうだよね・・・・・・。自分から言わなきゃ・・・・何も始まらないもんね・・・!」
『私はクロちゃんを何時までも応援しています。だからいつか、必ずヴィンセントに自分の気持ちを打ち明けてください。』
「うん!わかった!相談にのってくれてありがとう!トーリス!」
『私はいつでもクロエの側にいます。』
「うん!其じゃ、寝るね♪お休み・・・・・♪」
『はい、お休みなさい。クロちゃん・・・・・・。』
そう言うとトーリスのツインアイから灯が消える。即ちメインエンジンを停止したのだ。そしてクロエもヴィンセントのベッドに潜りすやすやと眠り始めた。
だが、誰も気づくことがなかった。否、気づくことができなかった。
クロエの髪の毛がやや銀色かかっていることに・・・・・・・・・・。
『これでよかったのですか・・・・・・?束博士、フィル。』
次の日、その日は休みだったのでヴィンセントとクロエはプルツーたちがいる保健室に向かった。
「ふあああ、なんかまだ眠いよぉ・・・・。」
「昨日は少し遅くまで起きてしまったみたいだからな・・・・・さすがに俺も眠い・・・。」
ヴィンセントが顔を擦って呟く、頭はかなりボサボサで何時ものヴィンセントには考えられない状態だった。だがクロエと二人っきりなのでそれは関係なかった。
「あはは、ヴィンセント髪型崩れてるよ。」
「別にいいだろ二人っきりなんだし・・・・。手も繋いでやってるだろ・・・・。」
「それでも髪型が整ったヴィンセントの方がもっと好きかな♪」
「・・・・・・あとで直しておく。そうこういっているうちについたがやけに静かだな・・・。」
「プルー!プルツー!いるのー?」
クロエがドアの前で呼ぶが返事が帰ってこない。不思議に思ったクロエはドアを開ける。するとそこには、
「・・・・・・・・逃げちゃったね♪」
「・・・・・・IS渡したのが不味かったか・・・。」
『いや、マスター、プルツー達のISからデータが送られてきている。』
「ん?トリス、どういうことd・・・・・・・おいおい、まじかよ・・・・・。」
「え?ヴィンセント、どうしたn・・・・・・嘘・・・・・・・・・でしょ?」
「「アクシズに・・・・・・・・・・MSが・・・・・ある!?」」
「これは・・・・・・デュラハン!?どうしてここに・・・・・・行くしかないか・・・そうだ、たしかオブザーバーとして要請されていたな・・・・・これを利用するか。待ってろよ、デュラハン。」
「・・・・・副隊長、どうしたか?」
「いや、隊長、俺もお前のオブザーバーとしてそっちにいく。少し待っていてくれ。」
「なぜ!?行くのは私一人だけで十分なはず!」
「・・・・・・それにお前の暴走を監視する役目もある。」
「・・・・・・わかった。5分で済ませろ。」
「元軍属の俺なら1分で済む。」
「・・・・ふっ、つくづく気が合いそうだな。」
To be continued.......
最後の二人組は誰なんでしょうかね?
次回予告
GWに入ったIS学園、久しぶりに揃った3人だがクロエがとうとう我慢できずに?
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第29話 GWパニック!~すべての始まり~
今回はいよいよ!!
クロエたんがトーリスリッターに乗り込みます!
融合します!
同化します!
一体化します!!
HADESの狂気を取り込みます!
福音編で出すといったな、あれは嘘だ。
粗筋
トーリスに悩みをひとり打ち明けていたクロエ。だが色々打ち明けていくうちに吹っ切れたクロエは迷いを取り払い、純粋な女の子として成長したのであった。
そして!
GWの回なのでクロエちゃんにあれを使わせようと思います!!!!
まあ薬なんだが。(壮大なネタバレ
GWの始まりを告げる瞬間は唐突だった。
ピィィィィィィ!!ピィィィィィィ!!
GW初日の朝、少し早く起きてしまったヴィンセント。何時もなら体にしがみついて起きてこないクロエがいるはずなのだが今日はなぜかいなかった。
「?何時もなら俺の体にしがみついているはずなのにな・・・・・。」
とりあえず考えてても仕方ないのでクーを起こしに部屋にいく。やはりGW初日とあってか荷物を纏めて国に報告しにいこうとしている人もいれば熱心に勉強したり、鍛練も怠らない生徒もいた。クーは意外にも真面目な方なので二人より総合的な学力は上だが実技ではクロエの右に出るものはいない。(ヴィンセントは同じくらい。)
「あら、ヴィンセントさん。」
「あ、セシリアか。国に報告か?その荷物の量は。」
「そうですわね、他にも貴族としての勤めや一旦ブルーティアーズのオーバーホールもしておかなければなりませんからね。」
「そうか、気をつけて行ってこいよ。」
「はい、無事に帰ってこれるよう努力しますわ。」
セシリアがそう言うと荷物を再びもって入り口の方へと向かっていった。ヴィンセントはその後、何事もなく部屋につくとノックを2回ほど叩いた。程なくして箒が出てきた。
「ん?箒、クーはどうした?」
「クーはいま姉さんと電話してる。」
「そうか、またあとで来るがクーにクロエを探しに少し席をはずすといってくれるか?」
「分かった、私からそう伝えておこう。」
「助かる。それじゃ、またあt「アハハハハハハハハハハハ!!!!タノシイヨ!ミンナコワシタラホメテクレルンダカラ!!」・・・・・・すまん、見つかったみたいだ。」
「だな、というか明らかにあの笑い様は異常だな。」
「そうですね、恐らく束さんが複製したガンダリウム合金の改良型の副作用によるものだと思います。」
「副作用?なんだそれは?」
「クー、束さんに代われるか?」
「うん、変えられるけど・・・?」
クーはハテナマークをそこらじゅうに着けながらもヴィンセントに束さん専用連絡携帯を渡す。ヴィンセントは受けとると束さんと会話を始める。
「ハロハロー!ヴィー君!昨日ぶりだねぇ!」
「束さん!いまこっちはそれどころじゃないんですよ!クロエが少し暴走して・・・・・って何があったんですかその髪の毛の色!?」
ヴィンセントはクロエの変わりように驚くよりも早く束さんの髪の毛の色の変わりように驚いていた。何時もなら赤みがかった紫色の髪が全体的に銀色かかっているのだ。驚かないはずがない。
「あー、これ?この前見つけた画期的な新素材をガンダリウム合金と錬成しようとしたら事故が起きちゃってね、
それでこんな色になっちゃった☆そして死ななくなっちゃった☆」
「「「え?」」」
「と、言う訳なんだよね♪」
「それでクロエも同じようなことになってると?」
「そう言うこと!」
「うわっ!?クロエか・・・・・・。ビックリさせないでくれ・・・。部屋にいないときは少しヒヤッとしたぞ。」
「でもこれに気づいたら使うわけにはいかないでしょ♪」
「はは、あまり暴れないでくれよ・・・・・千冬さんになんと謝罪すればいいのか言葉をいちいち探すのに苦労してるんだからな・・・・?」
「まあ、そこはちーちゃんには妥協してもらわないとね♪」
「姉さん・・・・・大分変わってしまったみたいですね・・・・。」
「それはクロエもおんなじ!トーリスちゃんと何時でも一緒になれるんだよ?今までの夢が叶うなんて夢みたい!」
『私も同じ気持ちです!そのお陰でHADESの狂気がクロエちゃんに取り込まれちゃいましたが・・・・・・。』
「えっ。」
「ちょっ!?」
「ウフフ、コレデイツデモHADESヲツカッタトキミタイナハンノウガデキルカラジュウウブンウレシイヨ?・・・・・・・まあヴィンセント達と一緒にいるときは存分に甘えるけどね♪」
「そうしてくれ・・・・・・これ以上何かやらかしたら頭がパンクしそうだ・・・・・。」
「大丈夫ですお兄様、いざというときには私がクロエを抑えますから!」
「MSがないのに大丈夫なのか・・・・・?」
ヴィンセントがおもむろに呟く。それもそのはず、現在MSがあるのはクロエが乗っているトーリスリッターだけなのだ。ならばどうやってクロエを押さえると言うのか。全員の声が静まり返ったときに徐に束が笑い始めた。
「ハッハッハー!こんなこともあろうかと既に束さん魔改造済みのトーリスリッター・キャバルリー改とトーリスリッター・デュラハンllをそっちにペイちゃんとディーちゃんで持っていってもらったから♪」
「ははは、、、、、はぁ。。。。」
「と言うか、いま思ったんだがなんでクロエはそのトーリスリッターからおりてこないんだ?」
「え?トーリスちゃんと同化してるから離れられるわけないじゃん♪」
「そうかそうか、同化してるから離れられないのか・・・・・・・。
え?同化?」
「そ!私自身がトーリスリッターになっちゃった♪」
「「「「ええええええええええええええええええ!?」」」」
To be continued..........
クロエちゃん、ELSと同化する。
ということで怒濤の強化ラッシュです。
次回予告
ELSと同化したクロエちゃん、今後の処遇を考えてるところへ精鋭の暗殺部隊が到着する。果たしてクロエは全員を守ることができるのか?
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第30話 天才少女クロエちゃん
実はクロエちゃんELSと融合するのは前々から伏線を張ってましたw
トーリスリッター・キャバルリーとトーリスリッター・デュラハンについては後程紹介しますが其々にトーリスリッターの見た目になって全体的な出力がこうじょうしたとかんがえてもらえればおkです。
因みにクロエについては160cmから18m位に大きくなったと考えればおk。
(あれ、クロエちゃんの身長設定ってなかったけど漫画見る辺りこれくらいだよね・・・・?)
あらすじ
クロエちゃんがELSと融合し完全に人間をやめてしまった少女だがヴィンセント達にはいままで通り甘えると宣言。はてさてこの先どうなることやら・・・・・。
今回だいぶ原作通り進みません!w
と言うか、これ挟まないとノルマ達成できない!w
だから勘弁してください(´・ω・`)
『へぇ・・・・・・?』
ゲェッ!?ク、クロエチャン!?ナンデナンデ!?
『いまや私はトーリスちゃんと一体化してるのよ♪聞き耳立てるくらいどうってことないわ♪』
ア、アカン······コ、コロサレルゥ!(でもトーリスとクロエちゃんに殺されるならいっか!)
『(なーんてね、クロエだって作者には感謝したいもん···////////)』
朗報 クロエちゃんがデレた。(伏線になるかも・・・・?)
まあ、作者もELSとトーリスリッターを司る存在ではあるんだが。(ゆっくり実況の設定上)
「んで、降りてきてもらったわけだが・・・・本当に色が変わってるな・・・。」
ヴィンセントがあのあと同化を解除してクロエに降りてきてもらったが髪の毛は半分くらい銀色がかったものになってハーフっぽくなっていた。
「別にヴィンセントにもエールちゃん引っ付けてもいいんだよ?」
「全力で遠慮します。」ブンブン
クロエの提案に全員が首を即時に横に降ったと言う。クロエはやっぱり・・・・と言った顔をしていた。するとドアの方から騒がしい声が聞こえてきた。
「ん?外が騒がしいな・・・・・。」
「ホントだね、どうせまた一夏君じゃないの?」
「それも一理あり得ますね。大体彼が問題の原因ですし。」
クーがそういったとたんドアが勢いよく開かれ当の本人、一夏が入ってきた。
「あ!ヴィンセント!クロエ姉妹!ここにいたか・・・・・。とりあえずついてきてくれるか!?」
「一夏、どうしたのだ?」
箒が問いかける。一夏は息が切れていたのかしばらく深呼吸を続けやがて、
「入り口の方でドイツの方から転校生が来たんだけども早速問題を起こして・・・。」
「わかった、クロエ、クー、急ぐぞ、ドイツの人間っていったらクロエ、分かるよな?」
「クーもしってると思うけどあの子が来てるのかも?」
「だとしたら漸く姉妹全員が揃いますね♪」
「ん?クロエ、もしかしてまだ姉妹がいるのか?」
ヴィンセントが少々汗を綻ばせながら問う。クロエは満面の笑みで、
「うーん、姉妹って言うか、ライバルかな?」
ドギツイ事をぶちまけた。只でさえヴィンセントとクーが並みの国家代表を捻り潰すのに更に其を軽々と越えるクロエと互角に渡り合うヤツなど早々いないからだ。そこにいた全員が顔を青ざめさせたがそんなことは気にしないクロエである。
「ま、とにかくその子を早く止めないとね♪」
「とか言いつつヴィンセントさんにしがみついてる辺り流石義兄妹って感じですわ・・・・・・。」
「いつかヴィンスも私と一緒の体になってもらいたいもん♪」
「人間をやめたくないんだ・・・・・・頼むから勘弁してくれ・・・・・。」
ヴィンセントの悲痛な呟きが部屋の中を錯綜した。
ところは変わって正門。そこには二人の女子と男子がいた。
「ここがIS学園か・・・・・・・。少佐、内部は事前に確認しているな?」
「ああ、抜かりはない。ここに奴がいるからな・・・・・・全力で叩き潰す。」
「何を全力で叩き潰すのですか?」
「それはもちろん織斑をだn・・・・・・・・・!?」
女子・・・・・・・・・ラウラは後ろにいた何かに気づいたのか後ろを向く。そこには自分の生まれる上で失敗作と吟われていた自分の姉と・・・・・・・・。
「なあ、フィル、この状況・・・・・・どうしたらいいのだ?」
「奇遇だな・・・・少佐もどうやら俺とおんなじことを考えてるようだな・・・・・・。」
「ああ、これだけは言える・・・・息を合わせてな。」
((すごくヤバいのがいるゥ!!))
『ハッデェスゥ·····ペポポポポポポ(いた!少佐がいた!)』
修羅が・・・・・・レッドアイを光らせた。
「全く、初っぱなから問題を起こしてくれて・・・バカ弟子が。」
「誠に申し訳ありませんでした。教官。」
「いまの私は教官ではない。ただの一教師さ。それでラウラ・ボーデヴィッヒ、IS学園への転入を我々一同は歓迎する。・・・・・・・・・一部を除いてな。」
「なーに千冬さん私が妹を許さないとか思ってるんですか?クーが許した段階で私は許しますよ?」
千冬はやれやれといった表情でその声がした方向に振り向く。ラウラはもちろんその姿に驚くが一番驚いていたのは・・・・。
「やはりとは思ったが・・・・・・・・・
生きてくれてよかった。クロエ・・・・・。」
フィルが安心したのかソファーにもたれ掛かる。いままでの緊張が解けたのかとても安らかな顔だった。一方、クロエは髪の色が右側は金髪、左側が銀髪になるというとんでもないことになっていた。
「ラウラちゃん・・・・・・で、いいのかな?」
クロエがラウラに向かって小さめに声を掛ける。ラウラはそっぽを向くと、
「できるだけ会いたくはなかった存在だよ・・・・『死を司る第四の騎士』、いや、クロエ・クローチェ『少尉』。」
「そうかな?その割には顔が怖くないけど?」
クロエがそばにあった椅子に座ってもたれ掛かる。ラウラも近くにあった椅子を持ってきて座った。
「正直、私はあなたが怖かった。」
「?怖い?」
クロエがムスーッとした顔でラウラを見つめた。ラウラの目はいつもは純粋でただ力を求める目・・・・・だが今は・・・・一人の妹としての目だった。
「はい、私はお前の成功作であり、あなたの監視を仰せつかった存在。だがお前が暴走してすべてが変わった。任務失敗の罪をかぶって特殊ハイパーセンサーの実験台となり、そして、失敗作となった。」
「私も、ある意味では失敗作・・・・・・気にすることないよ、ラウラちゃん。」
「ちゃん付けはやめろ。軍人としての面目がたたん。」
「腹を割ってはなそうよ・・・・・それとも怖いの?私の背後のお友達が・・・・・?」
「そんな18mもあるロボットを怖がらないのはお前だけだと思うぞ?」
「だってこの子は私のお友達・・・・いや、それすらも越えて私の体となってくれる存在。其を怖がらないのはただの凡人か『お兄ちゃん』位・・・・。」
「ふっ、そうか・・・・・・。お前もいいお兄様をもったようだな。」
ラウラは何かを察したのか席をたった。クロエは何をするのかわからず取り敢えずハイパー・ビーム・サーベルを取り出した。
「クロエ・・・・・私は織斑のことでいっぱい突っかかってしまうかもしれない・・・・・それでもクロエは私を・・・・いや、無礼な妹を止めてくれるのか?」
「勿論♪だって私たち、家族でしょ?ねっ、クーちゃん♪」
「!?」
ラウラは驚き、また、どこからか出てきたクーも驚きの色を隠せずにいた。
「クーちゃん、さすがにHADESは切ってね。場所がバレバレだよ?」
「・・・・・・私もまだまだ・・・・なのですね。」
「・・・・・お前も・・・・・・一番の姉に苦労させられるようだな。」
「・・・・・それでもクロエ姉さんは・・・・・私の唯一の『家族』です♪」
「そうか・・・・・色々迷惑を掛けると思うが宜しくな。『姉さん』。」
「そうですね、よろしくお願いしますね。ラウラ様。」
「姉妹なのになぜ様を付ける?」
「自然と・・・癖になってますから。」
「そうか、好きに呼んでくれてもいい。」
そう言ってラウラは持ってきた荷物を取るとクロエの方に振り向き、
「これからよろしくな。」
と、告げて去っていった。そしてその影には全く空気の千冬さんがいたそうな・・・・・。
To be continued.........
と言うことでラウラちゃんがクロエ姉妹になりました!
デレたとも言うが。
さて、クロエちゃんELSと同化したので能力にボーナスがついてますがもうお分かりになるんじゃないでしょうか・・・・・。
ト ー リ ス を 自 分 の 手 足 の よ う に 使 え る。
次回予告
ついに舞台は第四章へ!一学期も半分を越えようとしたところ、転入生が二人やって来た。だが行きなり問題が勃発しそうで・・・・・?
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第四章 薬と強化人間
第31話 転校生でも叶わぬ敵意
ミッシング・リンクをノベライズ化しようと考えてる最中です。漫画版とゲーム版をくっつけた感じかな?
あらすじ
ELSと同化(というか取り込んだ)してしまったクロエちゃん。トーリスリッターもELSと融合しエールスリッターとクロエに名付けられた。その様子を見ていた数名は何でも恐怖感に煽られたとか・・・・・・。しかし、途中で暗殺部隊が侵入したと報告、向かってみればその正体はドイツから来た二人組だった。しかもそのうちの一人はヴィンセントがかつて殺し、クロエの唯一の同僚だった。
よし、これで暗殺部隊のフラグは改修したぞ。
一連の事態の二日後、いつも通り彼らはIS学園の教室にいた。そしてその窓からは蒼い例によってトーリスリッターことエールスリッターが機能を停止して座り込んでいる姿が写る。しかし教室の全員が驚いたのはそんなものではなく、クロエの髪の毛の色や目の色が変わっていることに驚きを持つ人が多かった。
「クロエさん・・・・・・その姿はいったい・・?」
セシリアが若干引きつつ問いかける。ヴィンセントはそれに対し、
「ああ、セシリアは帰国してて知らなかったか、クロエがちょっとだけめんどくさいことになってな・・・・・。」
「ヴィンス?なーに私がめんどくさいことになったとか言ってるの?めんどくさくないでしょ?より懐き具合がよりいっそう深くなった結果と言ってちょうだいよ♪」
クロエがそういいつつ手首からビーム・サーベルを生成して出力させる。ヴォンと出てきたビームの刀身をヴィンセントは避けてセシリアは其を見ていっそう退いた。
「クロエさん・・・・・いったいどうされたんですか・・・・?今手首からサーベルを取り出したように見えるんですが・・・・?」
「ううん?これは私の力で生成したサーベルだよ?」
「・・・・・・・・・ヴィンセントさん、クロエさんにいったい何が・・・・?」
セシリアがおそるおそる尋ねた。ヴィンセントは懐からタブレットを出すと他に一夏やアイナ、箒たちを呼び出し廊下へと出た。そして昨日の映像を見せる。そこからの反応は三者三種の反応だった。
「え・・・・・・クロエさんこんな大きなISと一体化して戦えることができるようになったんですか・・・・・!?」
「うそでしょ!?こんなチートじみた性能のISに一体化したクロエとどうやって戦えばいいのよ!?」
「ううむ、私は途中までしか見えなかったがまさかこんなことになってるとは・・・・・。」
「ちょっとこれ全身装甲だしどうやって倒せばいいんだよ!?」
「いや、これはIS何てものじゃない。最早ISの域を超えたものだ。型番AMX-018E[HADES]EldesRitter・・・・・機体名エールスリッター。かつてドイツで死を司る騎士と呼ばれた大型戦略級兵器だ。」
「そうだ、そして其を操るものはドイツ全土を掌握できると噂されている。」
背後から声がしたので全員が振り返った。そこには銀髪の小柄な女子がいた。セシリアはそれに気づくとすぐ顔を明るくさせた。
「あら、ラウラさん、あなたもここに来ましたのね。歓迎しますわ♪」
「ああ、宜しく頼む。他の全員もよろしく頼む。」
「ああ、宜しくな!」
ラウラの返しに全員が明るく返していく。其をよそにラウラはさらに口を開き続ける。
「彼女は元は私と同じ軍にいた。勿論大尉もな。」
「2年前の話だ。掘り返すのはなしにしよう。」
「そういうわけにもいくまい。此処からは彼女の秘密に関わってくるからな。」
「彼女・・・・クロエさんのことですか?」
「そうだ。」
セシリアの察しの良い答えに対してラウラは肯定の意を示す。そして手に持っていたタブレットを操作して資料を見せる。
「彼女は元々試作ISの研究体として運用される予定だったがアレとしか適性が合わずそのまま被検体送りになった彼女をヴィンセントが救った。その時には彼女は記憶を失い彼に懐いた。」
「だからこれ程までにヴィンセントさんはなつかれていたのですね。」
「そうだ。クロエは何人ものの人を平気で殺し、その度に不安感に煽られ、その都度俺に甘えていた。」
「そんな過去があったのか・・・・・・。」
「ああ、だからあまりクロエを不安感に陥らせないようにしてやってくれ。彼女は、純粋な乙女だ。」
ラウラがそういったとたん背後に何かのオーラが見えた。全員が其を見て硬直する。
「ほう・・・・・・・間もなく授業開始なのに揃って会話とは・・・・・出席簿が必要なようだな・・・・(バギューン)・・・・・!?」
千冬が最後まで言い切る前に何らかのビームが千冬の出席簿を貫き炭素化した。見ると奥の方に赤いオーラをたたずませる一人の少女の姿が目に写る。ヴィンスは其を見て真っ青に染まった。千冬も後々その姿を見て硬直する。なぜならそこにいたのは・・・・・・。
「へぇ・・・・・・・・どうやら・・・・・・痛い目に逢いたいようですね千冬さん・・・・・?(トリス、エールスリッター起動。出力最大で。)」
『了解しました。ただ『やめろ!?クロエェ!!』・・・・・・ヴィンセントの頼みも聞かないので?』
「うん、やっちゃ「そんな至近距離でサーベル突いたら全員焼け死ぬぞ!?そんなことなったら博士激おこだぞ!?・・・・・・・・ついでに俺もな」ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!!!!」
実質縁切りの言葉をかけられたクロエは態度を一転、か弱い乙女モードに手のひらをくるくるさせた。
「ふぃー・・・、なんとかクロエは押さえた・・・・・。」
「・・・・・ほんと、クロエさんってとことんヴィンセントさんを愛してますのね?」
「そうだな・・・・・クロエは妹といっても過言じゃないな。」
「おいヴィンセント、クロエは俺の同僚だぞ?せめて一言くらい「フィルは黙ってて!!」はいぃ・・・・・・。」
フィルが突っかかるがクロエによって一蹴。
その後全員が居るべきクラスへと戻っていった。
「お前ら!今日は転入生が二名来ている。快く迎えるように。」
「フランスから来たシャルル・デュノアです。ここに僕と同じような境遇の人がいると聞いて・・・・・・。」
彼が呟くが教室は静寂の海に包まれた。おどおどしてるとその波はきた。
「「「「「「キャ、キャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」」」」」」
「また男よ!?しかも少し素直系!!」
「しかも男の娘系だよ!これはヴィン×クロより売れるぞ~!!」
「いやいや!ラウ×クーも忘れちゃいけないでしょ!!」
教室が色々騒がしいがそんなことを考えられている二人のうちクロエは・・・・・
(あーうるさい、全員リアルトーリスしたいな♪)
前言撤回。病んでいた。そんなことは気にせず千冬は皆を一声で黙らせ次の自己紹介に写る。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。至らぬことがあるかもしれんがよろしく頼む。」
そして二人が自分の席へと向かっていく。シャルルは箒のひとつ後ろ、ラウラはヴィンセントの左上、クロエの真上、クーの左の席という風に収まった。
「そろそろ頃合いかもしれんな・・・・・やつに話をつけるか。」
To be continued.........
軌道修正軌道修正。
次回予告
二クラス合同で模擬戦が始まりそれぞれの弱点などを見いだされていく。その戦闘の途中に侵入機が2機もやって来たのだ。果たして学園の無事は!?
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第32話 質量を持った模擬戦
前書き書くのも鬱陶しくなってきたELSせっちゃんだぜ。
あらすじ
ラウラ(かなり綺麗)とシャルルが1組に転入してきて若干おこなELSクロエちゃん。何やらトーリスリッターも目を光らせているようで・・・・?
SHRのあと、クロエ達(三人)は小走りぎみに更衣室へと向かっていた。なぜか一夏がいないがそれはそれはヴィンセントの横にいる姉妹の圧倒的な威圧によるものだと思いたい。案の定一夏は遅れて出席簿を食らっていた。
「いってぇ~。」
「我慢しろ、馬鹿者。・・・・それでは授業を始める。まずはオルコット、鳳、前に出てこい。」
千冬に指名され渋々と前に出てくる二人。何やらぶつぶつ独り言を呟いていたが千冬が二人に何か耳打ちをしたかと思うと一気に二人がやる気を出した。
「二人はのせられやすいタイプか・・・・・?」
「お兄様、二人の実力は確かなものです。単なる恋心かと。」
「だといいが・・・・・。」
そうこう呟いているうちに二人がISを装着し空に舞い上がっていた。上で何か呟いているようだが内容は聞こえないようだった。暫くすると・・・・、
「いわわわわわわわ、どいてくださあああああああおい!!!!」
山田先生が落ちてきた。それを見たクロエとクーが、
「危ない!ペイルライダー、スクランブルオン!」
「やることはわかってます!デュラハン、スクランブルオン!!」
ペイルライダーとデュラハンは起動させ急スピードで空に上がるとクーが左、クロエが右腕を押さえて落下を防いだ。
「あ、ありがとうございます・・・・・。」
「先生確りしてくださいよ。」
「あはは、面目ありません・・・・・ところでよく対応できましたね、この落下スピードの中で。」
「このISには大気圏突破に用いられるスラスターしか積んでありませんからね。相当な加速力が得られます。」
「大気圏突破用スラスター!?」
大気圏突破という文字列だけでも驚くことなのだがクーはそのスラスターしかこのISには使われていないと断言したのだ。アリーナ内はざわめきに包まれるが千冬が黙らせた。
「ほ、本来大気圏突破用のスラスターって相当なGがかかるよね?」
「ええ、でも私たちはここに入学する前までずっと此で訓練してたんです。慣れですよ要は。」
「ほう、ならグライスナー、クロー(ギロッ)・・・・・・・・クロエの両名も前へ出てこい。不本意ながら力量をまだ見ていないものでな、誠に勝手ながら模擬戦をしてもらう。山田先生はオルコット達の方について連携して二人を倒せるかどうかやってみてください。(ヴィンセント達にとっては焼け石に水なんだろうが・・・・・。)」
「分かりました。ではオルコットさん、鈴音さん。即興ですがフォーメーションワードは分かりますか?」
「フォーメーションワード、ですね?それなら訓練をしていたころに頭に叩き込みましたわ。」
「アタシもよ!あのババアにいやというほどやらされたんだからね!」
「そうですか、それではフォーメーションワードを駆使して勝ちましょう!」
「「了解!」」
即興で組まれた三人だが会話を見る限り用意周到に作戦をたてているようだ。其を遠目にヴィンセント達もまた作戦をたてていた。
「ヴィンス、第二形態は使える?」
「いや、もう少し時間がかかる。クロエは?」
「私はエルちゃんと融合したんだよ?すでにできるよ♪」
「分かった、クロエ、合わせてくれるな?」
「勿論♪」
こちらはこちらで中々ヤバそうな話し合いではある。
数分後、互いに準備が完了したのか上空に上がっていた。下からは織斑先生がインカムを持っている。
「配置についたな、其では、・・・・・始め!」
「フォーメーションα!」
「了解!先手必勝!これでもくらいなさい!」
合図と同時に全機が動きだし鈴が肩の衝撃砲を両門とも三点射する。ねらいはクロエただ一人だ。だが。一つ一般的なISとは画期的に違う面がある。
「ふん、衝撃砲なんてあまいよ。」
クロエは動じることなく左手に装備しているスパイクシールドを前面に持ってくるとその弾を全弾受け止めた。シールドエネルギーは一切減っていない。
「なっ!?シールド!?物理的に防いだって言うの!?」
鈴が驚いて数瞬動きを止めてしまう。だがその数瞬が命取りだった。
「よそ見は・・・・・・・禁物だ!」
油断している間にヴィンセントがシェキナーを脇腹の装甲に直当てしミサイルのトリガーをひく。カバーから4連ミサイルが発射されすべて至近距離で爆発、鈴のISがダメージを受けた。セシリアと山田先生も連携して二人を攻撃して入るがまるで相手にもしていないかのように軽くあしらわれている。
一方、地上ではISの説明が行われていた。
「あれはわが社の製品であるラヴァール・リヴァイヴで現在の主流の第二世代相当に値します。豊富な手持ち武器と大容量の拡張領域を備えており様々な装備に換装可能なISに仕上がってます。今山田先生が使っている装備はアサルトマシンガンにグレネイド、そして実弾ソードといった感じでしょうか?」
「デュノア、よくやった。では次にボーデヴィッヒ、相手の2機の説明は出来るか?」
「はい、出来ます。」
ラウラがたんたんと答えていくなか千冬は説明するよう指示を出す。その指示を聞いたラウラが開口一番にあげたのは、
「あれは・・・・・・・本来なら蘇らせてはならないISだった。」
そう言いきった。
To be continued..........
次回予告!
ラウラが知る二機の全てを彼女たちに話す。ラウラから語られる二人の秘密とは?
次の更新はいつになるか未定です。ご了承ください。
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第33話 ヨハネの黙示録の四騎士
今度の修正でABZが強化されるけどユニコーンのせいで結局どうにもならない未来しか見えない・・・・。
あらすじ
始まった授業で山田先生がやらかしてクロエ達に救助されたはいいが、性能調査と銘打った模擬戦をやらされることになったクロエとヴィンセント。果たして二人はセシリア達に勝つことができるのか?、というかセシリア達が倒すことができるのか?
今回は久しぶりにトリスちゃんとペイちゃん、そしてディサイスちゃんも出てくるよ♪
ラウラの発した言葉に戦闘している6人以外の目線が全てラウラに向けられた。
「そもそも、我がドイツで作られているシュヴァルツェア型はあれが原型ではない。あのISがドイツのISの原型と言っても過言ではないのだ。」
「どういうことだ?確かにあのISの性能はドイツに通ずるものがあるがボーデヴィッヒのISの性能は近距離によった性能だ。なぜコンセプトが違う?」
千冬がラウラに尋ねた。それに対しラウラは、
「それは、あれがプロトタイプだからだ。」
と、答えた。其からも話は続くが上では激しい銃撃戦が行われていた。
「ヴィンス、二次方向、ビット!」
「分かっている!そこか!」
ダァーン!シェキナーのガトリングがビットを正確に捕らえセシリアのビットが撃ち落とされていく。負けじとセシリアがライフルをシェキナーに向けて撃ち中央を撃ち抜いた。紫電が走ったシェキナーをは素早く判断して投げ捨てた。投げ捨てられたシェキナーは空中で爆発四散し白い煙を立ち上らせ回りを見えなくさせた。
「姿は隠しても気配でわかります!」
山田先生のリヴァイヴが右手にグレネードを持つとピンをはずして右の方向に三回投げ込んだ。激しい爆発音が空中を切り裂き煙を晴らす。
「さて、敵はどこにいるのですかね・・・・・?」
「 真 後 ろ よ ♪ ガトリングファイヤァ!!」
「なにっ!?」
すでに真後ろに回っていたクロエのペイルライダーがほぼ至近距離で背後からセシリアのブルー・ティアーズを蜂の巣にしはじめる。突然のことで対応できないセシリアは容赦なくその全弾を吸い込み大きくSEがすり減らされた。
「ぐぅ、やりますわね・・・・・でも、クロエさんもただではすみませんわ・・・・!」
「・・・・・!?」
「もらったぁ!!!」
ガゴギィン!
激しい近接武器の打撃音が耳元を抉っていく。奇襲をとった鈴の目に移っていたものは腰からサーベルの剣を出力させているクロエのペイルライダーの姿だった。
「あらかた武器の特徴は把握してるからね、挙動がわかれば反応できる!」
「ふっ、其でこそ遣り甲斐がる有るってものよ!!!」
上で激しい戦闘が続いている頃、ラウラはいまだ説明を続けていた。
「・・・・・・・そして、あれは暴走した。国のおおよそ半数の人口を奪い最後は自らメインシステムを断った。」
ラウラがその重い口を閉じると上をむく。
「そして、その当時のパイロットこそ、奴・・・・・・・クロエ・クローチェなのだ。」
「そんな・・・・・・・あんなか弱い女の子が国の半数の人を殺したなんて・・・・・・・信じられない。」
一夏が驚きの一言を漏らすが他の人々も口々に信じられない、というこえが所々上がった。ラウラはもう一度上を向くと、
「本来なら彼女は殺処分されるかどこかの研究所送りにされる予定だったらしい。最も、奴は記憶を失いどうしようもない状態だったらしいが。」
「そうですね・・・・クロ姉は当時私たちのところへ来たときにはすでに精神が崩壊して記憶を失ってる状態でした。」
「そんなのになるほど投薬を施してパイロットとして乗り込ませていたのか・・・・。」
(いっちゃいけないとは思うけど実のところクロ姉は御兄様に恋してることは内緒にしておかないとね・・・。)
クロエからしんじつを語ることを口止めされているクロは心のなかで真実を隠し通すと決めていた。そして其れはうまくいった。ラウラが説明を続けていく。
「先程も言ったようにあれはプロトタイプだ。全距離においての戦闘に対応できるよう各種部分にハード・ポイント・システムが採用されており見事にその性能を活かせるISとなった。」
「じゃあ三人がかりでやりあっても・・・・・!」
「ただし、稼働時間が短くこれらの問題は後々シュヴァルツェア型で改善され、それぞれの距離に対応できるよう特化型のISが数機生産された。それらを部隊での試験運用の真っ只中私がその実機稼働データ取りとして派遣されたというわけだ。」
「なら稼働時間限界まで逃げ続ければ・・・・!」
「その I S 自 体 が稼働限界を迎えられるならの話だがな・・・・。どうもあのIS、改良点がいくつか見受けられる。」
「ほう、言ってみろ。」
ラウラの考察に千冬が回答を求める。ラウラはISからもとのスペック詳細を表示し千冬たちや他の生徒にも見えるように提示した。
「本来ならあのISの武装はヒートソード、マシンガン、キャノン砲の3つの武器しかないはずだ。だが、あのISのスペックを見る限りその前提運用を想定されていないスペックに仕上がっている。」
「と、言うと、どういうことなんだ?」
「まず近接武器なんだがヒートソードからレーザーソードに変わっている。中距離もアサルトマシンガン系統から口径が90mmの突撃銃系統のマシンガンへ、さらに新規武装としてハンドレーザーガン、ハイパーレーザーライフル、頭部に内蔵された小型マシンガン、遠距離はキャノン砲が大口径の180mm折り畳み式キャノン砲へと換装、新規で強襲仕様にチューンナップが施されたロケットランチャーに脚部に小型ミサイルが6基搭載されている。腕部に取り付けられているシールドは対実弾に優れるウェブラルアーマーを使用したシールドに換装、先端にはスタン効果をもつスパイクが取り付けられているようだ。なのに機動性は落ちるどころかプロトタイプの機動性の8割増・・・・・・・おかしい性能だとは思わんか?」
ラウラが最後はあきれたような口調で溜め息を吐きながら呟く。他の生徒もその説明をききあの三人に憐れみの目を送るのだった・・・・・。そんな中、シャルルが、
「と、言うことは拡張領域には射撃武装だらけで予備弾薬が無いってことじゃないの?」
そう呟いた。全員が確かに、という顔でお互いが上を見つめる。そしてそこには、
「クロエ・・・・・・やりすぎだ・・・・・・。」
「うふふ・・・・・♪」
「二人・・・・・強すぎますわ・・・・・・。」
「連携プレイといい技術といいほとんどトップクラスじゃない!!」
「クロエさんとヴィンセント君・・・・・久々にあの頃の本気を出させる強敵でしたよ・・・・・。」
五人が緩やかに下降してきている姿が見えた。セシリア達は所々凹みがあってその傷だらけの姿が写るがうってかわってヴィンセントたちの方は関節部分にスパークが走っておりこれ以上は危険な状態にあった。千冬はその姿を見て、
「良かろう、大まかなデータはとれた。後半は指導に回ってもらうぞ?山田先生は取り敢えず訓練用のISの起動をお願いします。」
「分かりました。では皆さん、またあとで合流しましょうね。」
山田先生はISの起動をしてくるためにISを解除してISの臨時ドックへと走っていった。その姿を見送った千冬はそれぞれの候補生に並ぶように指示。模擬戦をした四名については指導をしつつ損害状況を纏めて報告書で提出しろと指示した。
そして、無事、訓練の授業は終わった。
忍び寄る恐怖を除いては。
「おいお前ら!!!準備をしろ!」
「ふっ、やってやろうじゃないの。」
「女どもに奪われた生活の恨み・・・・はらさんでおくべきか!!!」
「・・・・・・・・・・・。」
陰謀が・・・・・再び動き出した瞬間だった。
とある小惑星
「集まってもらったな?お前らにそれぞれこれを託す・・・・・・。地上に降りてあいつらを手助けしてやってくれ。もちろん影からな?」
「分かってるわよ!何でそこまで心配性なのよ♪」
「然り気無く攻めにこないでくれないか・・・・・。」
「中隊長がいない今しかできないのよ、付き合ってもらえる?」
「駄目だ。」
「あの三姉妹も地上に下ろすわよ?」
「分かった。私も降りるからそれで勘弁してくれ。」
「承知♪あ、三姉妹を地上に下ろすのは確定事項ね♪」
「えええ・・・・・・・・・・。」
To be continued.......
最後の二人はどこの人なんでしょうかね?(白目
次回予告
射撃訓練をしたいと言い出した一夏にシャルルが名乗りをあげ、ラウラもそれに名乗りをあげる。一方世界では小さな異変が起こり始めていた・・・・・・。
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第34話 アウトレンジパーティクル
マルコシアス隊が揃っちゃったよ・・・・・・。
さて、どうしたものか・・・・・。
あらすじ
模擬戦で三人をフルボッコにしたクロエとヴィンセント、あの強大な力を持った二機を軽々と操る姿に全員が絶句したという。一方、裏側ではなにかがうごめき始めていた。
その授業が終わった日の夜、二人は何時ものようにベッドで就寝に入ろうとしていた。
「今日は久しぶりに本気を出したなぁ~。」
「ヴィンスが手助けしてくれなかったら私も危なかったよ♪」
「クロエこそ俺を何度もサポートしてくれたじゃないか。」
二人で簡易的な反省会じみたことをしていると案の定ネオジオンのマークみたいな待機形態からホログラムが映し出され、
「でもクロエちゃん、特別兵装は使わないの?」
例によってトーリスの相棒ことトリスがホログラム化して出てきた。格好は悩んでるような表情である。
「トリス~無茶言わないでよぉ・・・・・今まで近距離戦主体だったから射撃戦苦手なの知ってるでしょ?あんなの非常事態の時にしか使わないよ♪というよりあれ使ったらしばらく動けなくなるから使いたくないの。」
「それも一理あるがクロエ、射撃戦もこなさないとこの先近接戦闘だけでは勝てなくなるぞ?」
ヴィンセントがアドバイスを言うように、日々生徒の技術は磨きに拍車をかけている。このままいけば何れは勝てなくなるかもしれない(あくまでペイルライダー形態での話だが。)。そう思ったヴィンセントはクロエに射撃戦の経験も積ませようとしているということだ。クロエは渋々することにしたのだが、何せクロエのペイルライダーには射撃兵装が多い。両腕にハンド・ビーム・スポットガン、ハイパー・ビーム・ライフル、90mmマシンガン、背部180mmキャノン砲、対IS用ロケット・ランチャーに脚部ミサイルポッドとかなり多くの武装を兼ね備えておりそれぞれの特性を理解しようものなら軽く数日は要するだろう。しかもこれに加えてさらにチャージ・ハイパー・ビーム・ナックル・スナイパー・バスター・ライフルがあるが、これに関してはチャージすれば必中する武器なのでよくクロエも使っていた。
「兎に角、明日の放課後、クロも連れて訓練するぞ。」
「わかった・・・・・・・。」
そう返すクロエの顔はどこか悄気ていた。
次の日、放課後、一夏達は訓練のためにISを展開して第三アリーナへと来ていた。正面には的が用意されており、一夏達はそこから数十メートル離れた場所にいた。
「さてと、一夏、取り敢えずこのアサルトライフルを一夏でも使えるようにしておいたから持ってみて。」
「?俺武装格納できないんだぞ?それに武装ってロックされてて他の人は使えないんじゃ。」
一夏が銃を持ちながら言うと、シャルルが同じアサルトライフルを展開して、
「使用者がアンロックしたら他の他人にでも使えるようになるんだ。取り敢えずそのライフルのマガジン使いきっても良いから腕前がどれだけのものか見せてもらおうかな。」
「お、おう・・・・・・。兎に角やって見るか。」
一夏は右手にアサルトライフルを持って構えると遠くに設置された訓練用の的に狙いを絞った。そして引き金を引く。
ズダダダダダダダァッ!!!
「うわぁっ!?」
余りの射撃時の反動に一夏が耐えられずバランスを崩しかける。そのせいで銃は的の狙いから外れて残りの弾は全てあらぬ方向へと飛んでいった。暫くするとカタタタタタという音と共にアサルトライフルから弾が出てこなくなった。的には何発か当たっているもののやはりほとんど当たっておらず、序盤で当たった弾もほとんどはしっこによっている。
「うーん、一夏は反動を抑える力が少し足りないね。何回か練習を重ねればできるようになると思うよ?」
「そうか、それはよかった。」
ズドドドドドォォォォォーン
一夏が喋り終わったとたん、巨大な閃光が一夏達の背後を過った。その閃光は一夏が先ほど撃った的を完全にとらえ、その存在さえ消し飛ばした。
「なっ、あの出力は・・・・!?スナイパーライフルとでも言うのか!?」
ラウラが驚き後ろを振り向くと、
「・・・・・・ふぅ、銃身冷却完了っと。威力ちょっと高すぎない?ヴィンス。」
「・・・・・博士の作る武器はほぼ圧縮されたような物だからな・・・・・今さら遅いだろうな。」
「ん、ヴィンセントにクロエじゃないか。二人も訓練か?」
ヴィンスとクロエが二人仲睦まじく射撃の練習を行っていた。クロエの手には少し大きめの銃身を構えたライフルが目に写る。全員が大方先ほどの狙撃はあのライフルなのだな、と直感で感じた。
「ヴィンスがやれやれ煩いからね・・・・・。」
「おい、ヴィンセント、私の妹に無理を押し付けるとは何事だ。」
「ラウラ様、落ち着いてください、あれがいつもの光景ですから。」
「あれが、何時もの・・・・光景?」
「うん!」
「・・・・心配した私がバカだった。」
「ははっ、そりゃすまんかった。あとで俺が手続きしておくから模擬戦の準備でもしておくか?」
「良いよ、丁度ラウラの実力を図りたかったし。ヴィンス、審判よろしく。」
「わかった。一夏達はどうする?」
「取り敢えず観客席の方に向かうとするよ。」
「その方が安全ですからね。」
「そうか、じゃあ、3分後に始めるから二人は準備を、一夏達は観客席の方に移動してくれ。」
ヴィンセントの指示で一夏達はピットから観客席の方に向かっていった。
数分後、ヴィンセント、クロエ、ラウラがそれぞれ所定の位置に付き模擬戦が始まろうとしていた。
「どちらかのエネルギーが枯渇した方が敗けだ。いいな?」
「「了解。」」
「それでは、開始!!!」
ヴィンセントの合図と共に互いのライフルが火を吹いた。
「降下完了。隊長、本当にこの空域にいるのですかね?」
「安心して、あいつらは彼処で息を潜めてる。私達はできることをやるだけよ。さあ、その為には先ずはあの基地を潰さなければな!全機!横隊陣形!」
「了解!」
ISの部隊が横隊陣形になって赤い機体を中心に並ぶ。そしてその方向は全て小規模の基地に向いていた。
「配置は完了したな?」
「ええ、あんたから借りた部隊は最高ね。よく言うことを聞いてくれる。そう言えばあの三姉妹はどうしたの?」
「あいつらは姉妹でスパイを泳がせている。もっとも、プルが二人に居場所をさらさせて閉まったから時間の問題だが。」
「別にあの二人のことだし問題はないでしょ?」
「あのなぁ・・・・・元は敵同士だったのにすぐに味方につくとは思えんがな。」
「そこは私に任せてよ♪取り敢えず、指示を。」
「分かっている。此より小規模軍事基地の破壊作戦を開始する!全機、作戦行動開始!」
「指示が出たわね!アンネローゼ隊!作戦行動に入る!一斉射開始!!」
「ん?このロボット、面白そう!オークションでコアも売ってるみたいだし自分で部品揃えて作っちゃおうかな♪・・・・にしてもコーラは格別ですなぁ!」
To be continued.........
さあ、最後の一言は何処の妹でしょうかねぇ。。。。。
次回予告
模擬戦が始まったアリーナ、強化人間同士による本気のバトルが今、繰り広げられる!
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第35話 兎、未知の生命体と遭遇する
今回かと次回はちょっとだけクロエちゃん視点がない比較的安全な話となっています。それでは、どうぞ!
あらすじ
クロエはひとり夜空のなかにトーリスに独り言を聞いてもらっていたが途中からトーリスが起動していて悩みにたいしてアドバイスしてもらった。そして寝る際、髪の毛が銀かかっていることには誰も気づかないのであった・・・・・・。
(修正めんどくさいので↑のあらすじは気にしないでね)
(第2章より)
これは、トーリスがクロエ達のもとに飛び立つ前のお話。言わば、過去。
さて、今の時系列はラウラたちが模擬戦をしている頃。
だが、今回は時を戻してクロエたちが代表候補戦で暴れていた頃のお話。
束は研究所で新しいISの開発に携わっていた。
「よし、後は装甲を取り付けたら完成だね。」
「博士、ほんとに此を送るんですか・・・・・?」
「安心してよディーちゃん!この子は自動的に弱くなるように設定してるから!」
「どんな意味で安心すればいいんですか・・・・・?」
MSの姿のデュラハンが目を若干薄く照らしている。すると突然警報が鳴り出す。
「なに!?ディーちゃん!?何が起きてるの!」
「上空から隕石接近!数6!」
束の受けにディサイスが即座に答える。こうしている合間にも隕石はぐんぐん地上に近づいてくる。束はコンソールを叩いて自動近接防衛火器システムを呼び出し迎撃の体制をとる。地上から二連装の砲台が顔を見せて砲口を隕石に向ける。
「砲台、迎撃開始!」
ダンダンダンダンダンダンダンダン!!
ものすごい速度で弾が吐き出されて行き次々と隕石を落としていく。隕石は粉々に砕け散っていくが分解する過程で隕石同士がくっついて一つの大きな隕石となって再度降り注ぐ。
「ちょっと!?そんなのありなの!?」
「隕石進行路、ラボ格納庫区画!」
「まずい!?彼処にはまだ修理中のトーリス達が!!」
「直撃来ます!対ショック体制とって!」
その言葉とほぼ同時に大きな横揺れが束達のラボ室を襲った。ラボは多少砂ぼこりを起こすだけで崩落などは起きなかった。電子機器も無事な様子だ。
「ディーちゃんは先に格納庫へ行って被害状況の確認を!」
「う、うん、わかりました!」
「ペイちゃんはゴーレムつれて周囲の崩落した場所の復旧作業に!」
「だーかーらー!・・・って、今回はそんなこと言ってる場合じゃないですね!今回だけ不問です!」
「トーちゃんはトーリス達の損傷状況を確認してきて!」
「わかってるよ!」
三人はそれぞれの準備をしに駆け足で向かっていった。束は再び画面と向き合うと被害状況の確認のために全体図を画面に写し出した。写し出された画面にはこのラボの平面図面が写し出され被害を受けた区画が点滅していた。
「うーん、やっぱり格納庫は全体がやられたねー。そこに通ずる区画もほとんど通行止め、更には電子機器の一部シャットアウト。・・・・・・・・何かあるな。」
束はそう言うと電源を切って格納庫の方へ走っていった。だが、気づけなかった。
PCが勝手に起動していることに・・・・・・・・・。
ペイサイド
「うわぁ・・・・・こりゃ時間がかかりそう・・・。」
私は崩れた通路の壁の瓦礫の山と対面していた。付近には砂ぼこりが舞い少し煙たい。だけどここを復旧させなきゃ全体が復旧しないからちゃちゃっとやらないとね。
「それじゃ、始めますか!」
其々のゴーレムちゃん(勝手につけた)に瓦礫の撤去を命令しやらせる。それはそれは流石の束さんロボ、作業が早いこと早いこと。お 陰 で す ぐ に 終 わ っ た よ こ の 野 郎 。 そんなこんなで数十分後瓦礫の山は全て撤去され綺麗な(外装はボロッボロの)通路が出来た。
「ふぅ、いくらかゴーレムちゃんの手伝いがあったとはいえ、これじゃあ私専用につくってもらったあれを持ってくればよかったな・・・・・・。」
ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
イタイキツイシヌゥ!!!!!!!!!
ナ、ナニコレ!?ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!
「!?・・・・・・何か合ったのかも・・・・ゴーレムちゃん、フルスロットル!」
ペイは自分をゴーレムに担がせるとフルパワーで倉庫まで全力疾走した。途中瓦礫が崩落してきたりしたが自衛の為に持ってるレーザーサーベルで弾いたり破壊したりすることで事なきを得た。そして入り口に浮いたときに彼女は衝撃の光景を見ることとなる。
時間は戻って格納庫(倉庫)。其処には先に状況確認に来ていたデュラハンのHADES(劣化版)人格が擬人化したディサイスとトーリスの損害確認を見ていたトリスがいた。
「うわぁ・・・・・外壁貫通してるね・・・・・。」
「ですね・・・・・・一応トーリス達には被害がなかったので良いのですが・・・・・。」
『・・・・・・・・・・・。』ニヤリ
「・・・・・・・・何、あの子だれ?」
「どー見ても侵入者と見て間違いないよね・・・・・?」
「最悪トーリスを起動させ・・・・・・あれ?」
「ん?どうしたの?」
ディサイスが聞いてくるがトリスの顔色はよくない。
「トーリスが・・・・・言うこと聞かない!?」
『・・・・・・・・!!』
「いったい何を・・・・・うわっ!?」
「これは・・・・触手!?」
『・・・・・・・。』ニヤリ
全身が銀色の少女はその顔を吊り上げてニターっと笑うような顔で見下していた。銀色の触手はどんどん二人を蝕んでいく。その度に二人からは苦痛の声が漏れた。
「がぁっ!?内部侵食されてる!?」
「か、体が・・・・・重い!」
「二人ともー、大丈b・・・ってどうなってるのこの状況!?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・!!』ニヤリ
「!?束さん!逃げて!」
彼女達が言うより早く銀色の少女はその触手をもう一本博士に向かって振った。束はその動きを見切ってそこら辺にあった瓦礫で弾き返した。
「ふっ、そんな速度じゃ私を捕まえることはできないね!」
「・・・・!」ギロ
「歯向かったってむd・・・・・・ガァッ!?」
「博士!?」
「右腕をやられたみたい!ものスッゴク右腕が重くてちょっとピンチこれ!?」
博士の背後に忍び寄っていた触手が束の右腕をとらえた。瞬時に侵食され束の右腕は石のように動かなくなり、三人とも身動きがとれなくなった。
「すみません博士!しくじりました!」
「そんなことより今はこの状況からどうやって脱出するか方法を!」
「現在キャバルリー、トーリス、デュラハン全てが制御不能、こちらからの反抗行動は出来ないです!」
「打つ手なし!?こりゃいよいよ不味いよ!!」
必死に三人はもがくがソノ度に少女が締め付けをきつくするためさらに身動きがとれなくなる。
「・・・・・・・!」
「あんたは何しに来たの・・・・・何が目的なの!!」
少女は答えない。と、その時。
「・・・・・・見つけた!博士達を解放しなs・・・・・・・・!?」
「・・・・・・・!?」
その時二人の目と目が合った。そして数瞬の後・・・・・・・、
「エルちゃん!?」
「「「エルちゃん!?誰それ!?」」」
「~♪」ニコニコ
To be continued........
えーと、銀色の少女の見た目は某剣のオンラインゲームのちっこい少女のやつをイメージしてもらえれば。
次回予告
三人を苦しめてたのはペイのお友達だった!?あわてふためく三人に目を丸くするペイ、そしてそのペイにダイブする少女、いったいどうなっているんだ!?真相は次回へ続く!!
そろそろ干物したい・・・・。
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第36話 木星からの使者
今回は前回の続き!
あらすじ
突如ラボに飛来した隕石は分離と合体を繰り返し格納庫に落着した。被害は大きく侵入者の侵攻もあったがその侵入者はかつてペイが知っていたエルちゃんだった・・・・・。
あれから数十分後、格納庫に併設されている小さな部屋に四人と一人の液体はいた。
部屋の中にはソファーが机を挟むように一対設置されていて片側に束とディサイスとトリスが、もう反対側にペイとエルちゃんとペイが呼んでる子が座っていた。束とトリスは其々紅茶を、ディサイスとペイは珈琲を飲んでいた。
「フムフム、自由自在に変化できる金属ねぇ・・・・・。」
「・・・・・・。」
「それも、学習する金属ですか・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「この子は私が宇宙をさ迷ってたときに会ったの・・・・・本当に懐かしいよ。」
「・・・・・・。」
三種三様な反応に彼女は何も答えなかった。それに対し束が、
「ちょっと!?こちらが話しかけてるのに何で返してくれないのさ!!」
束が若干苛立ち始める。ペイはひとつ見落としてた気がする、としばらく思考の海へ潜っていた。そして、あることに気づいた。
「あ!」
「ん?どうされました?」
「どしたのー?」
「ん?どうかしたのペイちゃ「だーかーら!私は!ボカァ!ペイとか言う輝名ではなく!ドゴォ!RX-80!ベシッ!ペイルライダーですぅ!!!ドンガラガッシャンコーン」・・・・・。」チーン
其々三人が反応するが束だけ何故かペイが持ってたジャイアントガトリングで殴られていた。理不尽。
「そ、それでどうしたのペイルちゃん?」
「エルちゃん、ここに来てから何かと同化した?」
「・・・・・・・!?」
エルちゃんと呼んだ少女が顔を真っ赤に染めて溶けて消えた。ディサイスはその様子を見て、
「ああー、同化してなかったから日本語の情報わからなかったのね・・・・。」
「多分ね・・・・・。木星で会ったときは木星言語をペイルに搭載されてたから通じたけど日本語はエルちゃんからっきしだったからね。」
エルちゃん・・・・もといエルスは元々一度木星から地球に来訪した事があった。その時は一人の男によって事なきを得たが今回は違った。
「ペーイちゃあああん!!!!」ドサァッ!!!
「ギャアアアアアアアアアアアアア!?」ドンガラガッシャンコーン
エルちゃん、渾身のタックルによりペイが転倒。
「な、なんか凄くやんちゃな子だね・・・・・・。」
束が軽く引いてるほどだ、よほどやんちゃなのであろう。それに対しエルちゃん。
「ゴメンね皆♪理解するために同化してくるの忘れた☆」
「はいはい良いからエルちゃん、取り敢えずはーなーれーてー!!」
「いーやーだー!!お姉ちゃんから離れないもん!!」
ペイの最大出力の引き剥がしはエルちゃんの癒着でノーカンにされる。この光景には他の全員も、
「ははは、ペイに投げますか。。」
「うん、そうしましょう・・・・・・。」
「この子は可愛いけどペイちゃん以外には言うこと聞かなさそうな気がs「ダーカーラーァー!私はペイちゃん等と言う輝名ではなく!ドゴォRX-80!ベシッペイルライダーですぅ!!!ダダン!!」拘束されてても殴られたぁ!」
この辺りはやっぱりいつも通りなんだなっていつの間にか感じていた二人ではあるが、其よりも感じているであろう事。それは、
「ところで、何に同化してきたの?エルちゃん?」
「えーとね、お姉ちゃんのMS!」
「「「「ブゥゥゥゥゥゥーーーーーー!!!!」」」」
爆弾発言である。繰り返し言おう。爆弾発言である。
※この先、言語力が崩壊してます。其ほど書きたかった回なので。ご了承願います。
「ちょっと待って!?トーリスと同化したってことは・・・・・!?」
「うん!宜しくね♪」
「「「・・・・・・・・・・・・・。(呆然)」」」
この日、ペイちゃんに妹ができた。
さて、この一件だが事故として処理されることになり公には公開させられることなく闇に葬られた。だが、真実はIS学園の港口に今も残り続けている。事実、その同化技術が搭乗者に受け継がれ、また、その者の近隣の人にも同化しようとしていた。だが、彼女の自主制御により、それが起きることはなかった。
To be continued.......
今回は短いですがここまで!!!
此にて過去編は終了!閉廷!閉廷!
次回予告
模擬戦をすることになった黒兎と死の騎士。互いにドイツ出身の二人が今激突する!
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第37話 二人の強化人間
今回からまた、現代に戻ってやっていくよ!
あらすじ
かつて木星で出会ったエルちゃん。
ペイの妹になる。 以上。
「なんで説明雑!?」
これしか書くことないんだよ察しろォ!!!
「・・・・トーリスサワラセテアゲテモ。」
前回のあらすじ(二回目)
隕石の中身は銀色の少女であった。束達は彼女をすべてを知り受け入れた(勝手に投げた)。トーリスリッターと同化しコードネームエールスとその名を変えさせた彼女は半ば強引にトリスの妹になるのだった(よくわからない。)。
「・・・・・・・本気出しすぎでしょ・・・・・。」
時間軸は現在に戻った頃。起きるべくしてそれは始まった。
「模擬戦、開始!」
ヴィンセントの合図で両機が動き出した。
「先手はもらうよ!」
最初に動いたのはクロエのペイルライダーだった。背中に接続されている180mmキャノン砲を展開すると3点射した。すざましいスピードでとんだ三発の砲弾はラウラが回避することにより壁に着弾、炸裂した。ラウラは回避すると共にレールガンを展開、牽制なのか2発別々の方向に発射した。対しクロエ、
「そんな弾速で落とせると思ったら大間違い!」
クロエ、シールドを捨てると内側に隠していたハンド・ビーム・スポットガンでレールガンを撃ち抜いた。爆煙が立ち込めるなか、戦闘場の外の方で一夏達は二機の分析をしていた。
「ふむ、クロエはその武装で来たか。」
「何か、いつものクロエの使う武装とは違う気がするのだが。」
「あー、確かに。クロエさんはいつも武器を戦闘の予想を鑑みて武器選択をしてるけど、今回は全部のせって雰囲気だな。」
一夏と箒が交互に言う。セシリアは二機の動きにすでについていけなくなっていた。既にラウラとクロエは超高機動での射撃戦を行っていたからである。クロエは両手のハンド・ビーム・スポットガンと左手のハイパー・ビーム・ライフル、右手の90mmマシンガン、背部バックパックの右側に装着されている180mmキャノン砲、左に装備のジャイアントガトリング、脚部連装ミサイルという装備を駆使して絶え間なく攻撃を続けているのに対し、ラウラは背中のキャノン砲を速射モードに切り替えて攻撃を続けていた。ちなみにレールガンは破壊されているが予備のバックパックがあったためラウラは瞬時に切り離し・展開をしていた。
「くっ、射撃兵装の多さが厄介だな!(これ以上被弾するとブースターが持たない、AICも乱れる砲弾の嵐の中では・・・・・。)」
ラウラは正直不利な場面に立たされていた。ラウラは射撃兵装が現状一種類なのに対しクロエは五種類ものの武装で追い詰めてくる。彼女から放たれるレーザーと弾丸の嵐をかわすのは至難の技だがそこはやはりドイツの軍人か。冷静に被弾する弾だけを切り落とすかカノン砲で相殺するかでギリギリ姿勢制御を保っていた。
「ぐぅ・・・・防戦一方か・・・!だが、実体弾は弾切れ、レーザーは最悪冷却に時間がかかる、そこまで耐えきれば隙が見える!」
「(っ!?読まれた!)」
ラウラがあらゆる手を尽くして出した全力の一撃はクロエの軌道を読み見事180mmキャノン砲塔を軽々と吹き飛ばした。スパークが走りそれをクロエは瞬時にパージ、誘爆から逃れた。左右のバランスが崩れたクロエは予備姿勢制御バーニアを緊急起動させ体制を整え直す。
「はぁ、はぁ、流石に現在進行形の軍人は伊達じゃない・・・・・・・。」
「・・・・・・不味いな。」
「ん、どうしたんだフィル。」
ボソッと呟いたフィルの一言が引っ掛かったヴィンスは其について聞いてみた。それに対しフィルは、
「・・・・・あれ以上はクロエの体が持たないぞ!」
「「「「何だって!?」」」」
「フィルさん!どう言うことなんですか!?」
クーが必死にフィルに問いかける。フィルはそれに答えるようにカタログスペックを提示した。
「ヴィンスはもう知っていると思うがよく聞いておけ。今クロエが使っているIS・・・・ペイルライダーは元々対IS用だった兵器を圧縮化して製作された試作機体と言うことは覚えているな?」
「ええ、それくらいのことならば以前にお聞きしましたわ。」
「それなら話が早い。クロエの体は元々ISに乗るのに適していない。だから投薬強化によって無理やりあれを動かしていた。」
「それがどうかしたの?」
鈴が其について聞いてみた。フィルは冷や汗を手に持っていたタオルで拭くと、
「あれは元のペイルライダーの性能をそのまま圧縮したものだ!長くは持たない!」
「・・・・そうか!!投薬によって無理やり動かしているのだとすれば無投薬のまま操縦しているクロエの身体はペイルライダーの動きについていけない!」
ヴィンセントがようやくそのクロエの唯一の弱点に気がつくと一気に不安感にあおられた。普段からクロエを妹のように可愛がっていたヴィンセントなのだ、彼女の身に何かがあったらと思うといてもたってもいられない性なのだ。
「ラウラを止める!」
「無茶は寄せヴィンセント!野暮で入っても返り討ちにあうだけだぞ!!」
「そうですよお兄様!お姉ちゃんにはまだあの子が居るじゃないですか!」
「あ、・・・・・・・あ。」
「あ?」
クーの呟いた一言でヴィンセントは何かを思い出したように椅子に座り直した。その不可解な行動に思わず鈴が、
「ん?何なのよ?その顔。」
「ん、いや、ああ、取り敢えずこの勝負、クロエの圧勝だなって思っただけだ。」
「あ、圧勝?」
「そうだ。フィル、クロエのISには何が 宿 っ て い る ? 」
「!?」
「ぐっ、はぁ・・・・はぁ・・・。」
「・・・動きが止まった・・・・・!?今か!!」
クロエの動きが止まったのをラウラは見逃さず残されたカノン砲の残弾を全て撃ち込んだ。硬直で動くことができないクロエはもろにその砲弾の直撃をくらい爆発した。
「やったか!?」
ラウラがそうつぶやく。事実ラウラが使える武装はレーザーブレードのみでシールドエネルギーも残り少ない。爆風の中からクロエが起き上がらないことをただただ祈っていた。しかしそれは、
「・・・・・・ふふっ♪」
「・・・・・・!?」
彼女が無傷の状態で立ち上がったことによって祈りは音をたてて崩れた。髪の毛は半分銀髪がかった物になり目の色は割れた部分から見えるだけでも何時もの蒼色ではなく、紅色だった。
「馬鹿な・・・・・何故、何故お前は立っていられる!?」
「セカンドポイントシフト・・・・・・部分的二次移行とも呼ばれる其を私は強引に起動させたわ・・・・。」
クロエの口調が変わっていることにも気付かずラウラはレーザーブレードを展開し斬りに掛かった。だが、
「近づけるわけがないじゃない♪」
「なっ!?」
背後から迫ってきたワイヤーによってラウラの動きは制限され身動きがとれなくなった。
「セカンドシフトにより得たモノ。いや・・・エルちゃんと同化することによって成し得た新たな剣。」
「新たな剣・・・・・だと?」
「そう、イギリスのBT兵器よりも遥かに高性能で安価に作れる完全上位武装、名をトライブレード・インコム。」
「・・・・・!?それは、まさかあの伝説の・・・・・ドイツの危機を救ったと言われるあのお方の武装!?」
ラウラはこの時思い返してみた。そして思い出した。トライブレード・インコムを持つIS、嘗てドイツを救ったと言われる漆黒の騎士の武装、其を搭載しているIS、今では封印されしモノかと思われていたそれが目の前にある。ラウラは自分の未熟さを思い知った。
「ま、正しくはそれの劣化品だけどね☆」
クロエのたったその一言さえなければ良かったのだが。
「それはともかく、
「・・・・・・どうやら、そのようだ・・・・・な。」
ラウラの拘束が解けると同時にクロエのISが解除されクロエがプツリと糸が切れたように倒れこもうとしていた。だがしかし、其は拘束から解けたラウラが抱えることによって地面に倒れこまずにすんだ。
「ふっ、どうやら
「よく頑張ったな、ラウラ。」
「フィル、私はまだまだ未熟らしい。明日から訓練に付き合ってもらうぞ。」
「りょーかい。っと、クロエもよく頑張ったもんだ。あの状況から被弾したバックパックだけを融合した奴の性質でセカンドシフトさせるとは、流石は
「ファッ!?フィ、フィルー!?」
フィルの電撃発言でヴィンセントは顔を真っ赤に染めた。確かに薄々ヴィンセントもクロエを妹のように可愛がっていたのは解っていた。だが、其を前世の敵に彼女と言われてしまうと其はそれで恥ずかしい。周辺にいた一夏達も四人をハハハ、と乾いた笑いを飛ばすことしかできなかった。その後、時間になったのでヴィンセント達は寮へ帰ることにした。なお、その帰宅途中で、
「ヴィンス・・・・これからもずっと一緒に居ようね♪」ボソッ
とヴィンセントがクロエを背負っている時にクロエが無意識に発していたがヴィンセントがそれに気づくことはなかった・・・・。
To be continued.......
いやあクロエちゃんの中に宿るエルちゃん、早速活躍しましたね!
まあ、一応話すと、
ヴィンセント(長男(義兄))
クロエ(クロニクル(妹))
クロエ(クローチェ(義妹))
ラウラ(クロエ姉妹の義姉)
にするつもりだったけど、この際ヴィンスとクロエを戸籍偽造でいっそのこと本当の兄妹にしてもいいかなって思ってる。
次回予告
激戦から目が覚めたクロエは前日の出来事を思い出して少し甘えたがりになっていた。そんな妹(確定)に答えるヴィンセントであったがそんなところに女子の大群が押し寄せる。いったい何が・・・・?
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第38話 迷コンビ結成
今回は軌道修正もかねて字数多目かなあ。
「全く・・・・。」
うp主と束に感謝するんだぞ~。
「やーだ!」ベェェェェェェダ
えええええぇぇ・・・・・・・。
あらすじ
模擬戦を行ったラウラとクロエ、激しい戦闘の末勝者はクロエの方に上がるのだった。
其はとても静かに始まった。
「・・・・・・んにゅ?」
「・・・・起きたか、クロエ。」
「おはよう・・・・・
クロエはまるで昨日のことを覚えていなかったかのようにぼんやりと眼を開けると直ぐ様ヴィンセントのベッドに潜り込んだ。ヴィンセントはこの光景に手馴れているのかゆっくりと優しく撫でていた。
「昨日はお疲れさま、クロエ。」
「ううん、まだ私には未熟なところがたくさんあるって自覚することができた・・・・それだけでも十分よ。」
「(あれでまだ未熟なのか・・・・・。さぞかしペイルライダー乗ってたときには過酷な訓練させられていたんだろうな。)」
あの模擬戦で弱点を見いだしたクロエは次に活かすためにどうするかを考え始めていた。しかし彼女もあの戦いで第二のパートナーであるエルちゃんと共鳴?紛いなことをしたために疲労が蓄積していた。幸いにも次の日は休日だったためヴィンセントはこのままクロエを寝かせておこうと考えた。あの一言のあとからクロエは喋りかけてこない。ひょっとすると・・・・・ヴィンセントはクロエが潜り込んでいる方を見た。
「・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・。」zzz
幸せに眠っているクロエの姿があった。ヴィンセントは暫く寝かせてあげることにした。休日用の私服に着替えて眠っているクロエを起こさないように部屋の外に出た。
「さて・・・・・これからどうしたものか・・・・。・・・・・最近はクーに構ってやれる時間がなかったし、今日は久しぶりにクーと遊んでやるか。」
今日の行動方針を決めたヴィンセントはクーが使っている部屋に向かっていった。
「おはようございます、箒さん。」
「おはようクー。今日も早いな。」
箒がいつも早起きしてクーに起こされる光景は日常茶飯事だ。クーは既に着替えを済ませておりいつでも朝食にいく準備は万端なようだ。箒は其を確認するとすぐにベッドから出て準備を整えた。準備を終えて食堂に向かおうとドアにてをかけようとした箒だったが、ドアにてを触れた瞬間、反対側からドアのノック音がしたので恐る恐るドアを開いてみた。すると、
「おはよう、箒ちゃん。」
「ん、ヴィンセントじゃないか。おはよう。今日はクロエは居ないんだな?」
箒がとなりにいつもしがみついているはずのクロエがいないことに気づき聞いてみた。対するヴィンセントの答えは、
「ああ、クロエは昨日の模擬戦で疲れてしまったみたいでな?わざわざ起こすわけにもいかないから起こさないようにここに来たって訳さ。ところでクーはいるか?」
「お兄様ぁ!」
早速のキャラ崩壊である。(メタ)後ろにいたクーが勢いよくヴィンセントに飛び込んでいく。ヴィンセントは其を冷静に受け止めることで対処する。
「暫く構ってやれないですまなかったな。」
「いいんですよお兄様、私はお兄様と一緒にいられるだけで幸せですから!」
そう言ってクーは満面の笑みを見せた。ヴィンセントはその顔を見てほっとする。暫く構ってやれなかった影響で嫉妬してたりしたらどうしようか悩んでいたからだ。そしてそんな中箒が、
「そうだ、ヴィンセント、序でに朝食を一緒に食べるか?クーと話したいことだってあるだろうし。」
「其はありがたいな。是非一緒させてもらうよ。」
箒の提案にヴィンセントは快く其を了承した。ちなみにその時にはクーの顔が若干にやついていたらしい。
「・・・・・・・んにゅ・・・・・あれ?エルちゃん、トリス~、お兄ちゃん何処に行ったか知らない?」
ヴィンスが部屋を出てから数分後、クロエは何を思ったか眼を覚ました。だが、何時もとなりにいるはずのお兄ちゃんがいないことに気づきどうしようか悩んでいた。最悪今日は休日なのでこのままゆっくりしておくという手もあるがクロエはそれでもやっぱりお兄ちゃんのそばにいたいと思っていた。
「(一応ドアを出るところまでは見ましたけどねぇ・・・・。)」
「普通にエールスの中で熟睡でしたので・・・・・。」
「う~ん・・・・・・。とりあえず探しにいってみる?」
「(りょーかい!)」
一先ず探すことにしたクロエは着替えと支度を済ませると部屋を出て鍵をかけた。
「あ!トリス、もしものことに備えてメインエンジンだけは起動させておいてね。」
「了解しました。」
ISとMS間を移動できるトリスにそう伝えるとお兄ちゃん(ヴィンス)を見つけ出すべく行動を開始するのだった。
「さて、着いたはいいが・・・・・人が多いな・・・・。休日だから皆部屋でやるべきことをやってると思ったんだが・・・・・。」
「思いすぎなのではないか?IS学園とはいっても一般の高校にISの知識を加えたような物だから其ほどやることは変わらないと思うが・・・・。」
「ん?知らないのか?」
「・・・・あ、あれのことですねお兄様?」
「・・・・・あれ?」
「なんだ、知らなかったのか。とりあえず要点をかいつまんで行くと連携を深めるために二人一組で今回は行うことになったんだ。皆最適なパートナーを見つけるためにデータベースから探してると思ったんだが・・・・・。」
ヴィンスが言うことはもっともである。二人一組で参加となる今回のトーナメントは連携を深めるためのトーナメントなので全員がパートナー探しに没頭していると踏んでいたヴィンセントだが予想は見事に裏切られ食堂には大勢の生徒がいた。その中には、
「およ?鈴(アイナ)じゃないか。」
「なによ()って!?()って!?・・・・・・まあ良いわ、三人で揃って朝食?」
「ああ、そうだが?」
「それに私も一緒していいかしら?」
「別に、俺は構わないぞ。」
「わ、私もだ。」
「お兄様が了承するなら私も快く了承しますね。」
こうして一人増えた一行は手頃なテーブル席を押さえると朝食を買いに向かった。ちなみに鈴は既に朝食を買っていたので座席の監視を任されている。暫くして三人が朝食をもって戻ってきた。ヴィンセントは中華風味の和食定食、クーはフレンチトースト、箒は日替わりの和食定食といった感じだ。ちなみに鈴は醤油ラーメンだ。それぞれが席につくと行儀よく食べ始める。その最中を・・・・・・・彼女は見ていた。
「・・・・・・最近はクーに構ってないからって、わざわざ1日一緒にいることないでしょ!」ムッスー
クロエは膨れっ面になっていた。後ろからはどす黒いオーラが蔓延し髪の毛は銀色一色に染まっていた。更には肩から謎の太い触手が二本出る有り様である。それだけで彼女がどれ程起こっているのかは想像できるだろう。・・・・・・彼らが気づいているのかはともかく。
「・・・・・?だれかに見られていたような。」
「気にすることないでしょ?それよりヴィンセントは誰と組むのよ?」
鈴は平然とパートナーを誰にするのか聞いていく。尤も、ヴィンセントは答えによっては今は笑顔なクーにも殺されかねないのだが。
「う~ん、取りあえずはクーかクロエかのどっちかだな。」
「あ、その事なんですがお兄様。千冬さんが『ヴィンセントはあのような事故が起きないように周辺空域の警戒をしてほしい。』だそうです。」
「・・・・そうか、なら参加はできないか。」
「残念ですね、今回の商品は前回煙のように消えた半年デザートフリーパスポート券でしたのにね。」
「・・・・・・なんか重要ななにかを失った気がする。」
「ははは・・・・、ところでヴィンセントさん・・・・・その、姉さんは今どのような感じで・・・・・?」
話に区切りが着いたところで殆ど食べ終えた箒が自分の姉のことについて聞いてきた。今連絡を取れる人物は自分とヴィンセント達だけだが自分から連絡することにまだ嫌悪感を感じている彼女は遠回しで聞くことが精一杯だった。ヴィンセントはそんな彼女に対し、
「今は新しいISを開発してるって言ってたな。」
そう答えた。箒はその言葉を聞くとどこか安堵したのか椅子にもたれ掛かった。
「そう聞いて安心した。以前直々に顔を見たときはもうヤバイんじゃないかと思っていたが、そんなことは杞憂だったみたいだな。」
「其を聞けて良かった。一応ここへ来た目的の一部として箒ちゃんのサポート、および何かあったときのケアもあったから。」
ヴィンセントがそういうと箒は少し赤くなって、
「姉さんは、心配しすぎです・・・・。」
「文句は自分の姉さんにでもいってください・・・・。」
とヴィンセントが自虐で返すほど苦笑いな彼女だった。そしてヴィンセントはふと思い付いた。
「・・・・そうだ、鈴、箒、お前らって誰と組むかまだ決めてないのか?」
「あ、ああ・・・・・。なかなか気が合いそうなやつがいなくて・・・な。」
「私も、動きについていけそうなやつがいなくて・・・・・・。」
二人とも最後の方の声は掠れていてヴィンセントとクーには聞こえなかった。ヴィンセントは少し考えると二人に向かって、
「だったら、二人で組めばいいんじゃないか?二人とも近距離だから気が合うとは思うんだが・・・・・。」
ヴィンセントのそっけない提案に二人は一瞬動かなかった。気がついて再起動すると二人は眼を合わせて、
「・・・・・やるか?」
「・・・・・やる?」
「・・・・よろしく頼む。」
「ええこちらこそ、私の動きにちゃんとついてきなさいよ?」
二言了承で箒と鈴のペアが誕生した。と同時に全員が朝食を食べ終えた。ちなみに、結成宣言のあと、
「ちなみに私達には警備も任されているので何か対価がいるだろうと言うことでトーナメント終了後にデザートフリーパスポート券を付与されることになってますよ♪」
「「「オイマテコラ。」」」
クーのとんでもない発言により鈴と箒とヴィンセントがキレたのは別の話・・・・・・。
とあるアパート
「ふふふぅ、おにいちゃあん!見てみて!此がうまるがほしかった物だよ!これを使えばうまるも空を飛べるんだね!」
「全く・・・・あんなに高いもの買ったのは初めてだようまる。」
「まあ、あの値段で買えたのは私のネット友達のターバーって子が横流ししてくれたお陰なんだけどね♪」
「オイマテコラ、なんか聞いてはならないものを聞いた気がするんだが?」
「気のせいだって!」
こんな会話があったのは気のせいなのか・・・・・・。
とあるカフェ
「プルツー、まだここで待機なの?」
「グレミーからはなにも通達が来ないからな、つまりそういうことだろ。それよりもだな・・・・・。」
「うん・・・・・分かってるよプルツー。」
「アイスクリーム、おいしい・・・・♪」モキュモキュ
「「予算が尽きる前にマリーダを止めないと!?」」
「・・・・・・まだしばらく泳がす?グレミー。」
「・・・・・・あの様子じゃそうだろうな・・。」
「「はぁ・・・・・・・・・・・・・・・・。」」
To be continued.........
今回からクロエちゃんがよほどのことがない限りヴィンセントのことをお兄ちゃんと呼ぶようになります。ご了承下さい。
次回予告(メタ要素あり)
作者の文才との話し合いの結果予選の試合を全カットした状態から始まる次回はラウラ&フィルペアVS一夏&シャルロットペアの試合。果たして勝利はどちらの手に渡るのか!?
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第39話 タッグダイジェストトーナメント
実は今後の予定を鑑みると
臨海学校
↓
SAOのβテスト(夏休み編)(クロス二つ目)
↓
セカンドシーズン
↓
SAO&ALO&GGO編
↓
AXIS編(別名兄妹の日常編)
やべーじゃないですか!?
というわけで駆け足になります。一つの章で一シーズン進むくらいかな。
あらすじ
久しぶりにクーに構ってやることにしたヴィンセント。すると成り行きで朝食を一緒に食べることとなり自然と会話が成り立つようになっていた。一方、クロエは嫉妬していた。
あれから数日後、タッグトーナメントが始まった。組み合わせは元から決まっていた箒と鈴ペアの他に一夏とシャルロットペア、ラウラとフィルペア、セシリアと本音といった感じだ。予選では全員のペアが突破した。そして第二予選でセシリアペアと鈴ペアが当たり、壮絶な戦いを繰り広げた。序盤はお互いに攻めあぐねてチマチマと牽制をしあっていたが五分も過ぎた頃には、鈴たちのペアが動き、
「悪いけど、ここで勝たせてもらうわ!」
鈴と箒の近接コンビに対しセシリアと本音コンビは遠中主体のコンビなので近接戦を苦手としていたので対処することができずに敗北した。それでも鈴たちも機体の方にダメージが入ったので痛み分けといったところか。一方、一夏ペアとラウラペアはと言うと、
「流石に軍人、一筋縄ではいかないか。」
「なかなかやるな!だが!」
ラウラと一夏の近接勝負に対しフィルとシャルロットの射撃勝負も互角の勝負を取っていた。元々ラウラは根っからの軍人だったのもあるがフィルはフィルで元々地球連邦軍特殊機械化部隊の予備隊員だったのだ。並みならぬ反射速度と予測レティクルで動きを制限していった。その動きは成績トップのラウラでさえ追い付けないほどでその神経はヴィンセントと一位二位を争うほどの敏感さだ。止まった隙を見逃さず少しずつ、確実にフィルはダメージを蓄積させていった。しかしシャルロットは射撃主体なだけで・・・・・、
「・・・反応速度が鈍くなった!?今!」
シャルロットも反撃の糸口を見つけては射撃で牽制しつつバイルバンカーと呼ばれる武装で隙有らばゴッソリエネルギーを持っていく。そんなこんなで気づけば両者のエネルギーが残り100を切るまでその争いは続いた。一方、ラウラと一夏はひたすら近接攻撃でじわじわと削っていく。だが、ラウラにはレールキャノンとワイヤー、そしてAICがある分手数が増えるが其を一夏は自分の単一能力と技量でその差を埋めていく。そしてあと一撃で勝負がつこうとしていたときにそれは起こった。
「・・・・・・。」
「く、クロエ?何でそんなに怒ってるの・・・・?」
「お兄ちゃんのことなんてもう知らない!(う~!!)」
一方、ほぼ強制的に試合中の警戒を任された三人は空中で絶賛喧嘩中だった。もっとも喧嘩しているのはヴィンセントとクロエだけだが。
「姉さん、あれはお兄様の心遣いであって・・・・。」
「五月蝿い!いっつもお兄ちゃんは構ってくれるのにこの前は構ってくれなかった!」
「それはだな・・・・いつもクロエに構ってばっかだからたまにはクーにも構ってやらないとって思っただけで・・・・・。」
「言い訳は聞かない!」
「「『えええ・・・・。』」」
クー、ヴィンセント、ペイルは同時に同じような言葉を発した。やはり考えることは似たり寄ったりなのだろう。
「にしても、いつの間にクーのISが二次移行なんてしたんだ?」
「猛特訓していたら一週間ほど前に束博士からMS改修の時に利用したデータのプロトタイプをISに流用したプロトデータの性能確認を任されまして・・・・それがこの『デュラハン・リッター』なんです。」
クロエとヴィンセントのISはペイルライダーとペイルライダー・キャバルリー(VG)だったがクーは一足先に二次移行を済ませてトーリスリッターに似た姿になっていた。
「改修したトーリスリッター・デュラハンとキャバルリーのデータを使って作られたISか・・・・。武装もさほどトーリスとは変わっていないし連携はなんなく行けそうだな。・・・・・クロエの機嫌が直ればの話だが。」
「・・・・・・・。」ムッスー
二人が会話している間もクロエは反対側を向いてそっぽを向いていた。ヴィンセントはどうしても仲直りしたいのだがクロエが逃げていってしまうのでなかなか仲は直りそうになかった。するとその時、事件は起こった。
『・・・・・北東方向より敵機三機確認。』
「・・・・・来たか!」
「あれ・・・・でもお兄様、このシグナルは・・・・。」
ヴィンセント達はどこかで見たことがあるシグナルに不安感が見えた。そしてそれは、やって来た。
「ヴィンセントおにいちゃあああああああああんんんんん!!!!」
「ヒデブゥ!?」
「お兄様!?・・・・・一体何のつもりですか!?」
「済まないクロエさん、姉が失礼したな。」
そこにいたのは大分前に逃げられたプルツーとマリーダだった。そしてさっきヴィンセントに突進したのがプルだろう。
「にしてもプルツーさんのIS・・・・大きくなってません?」
「・・・・ああ、此はまだ試作品でな。姉さんが使ってるキュベレイの後継機なんだ。・・・・で、ヴィンセントは大丈夫なのか?」
プルツーの機体の紹介をしながらもヴィンセントの安否を確認するマリーダ。それに対しクーは苦い顔で、
「ちょっと私が原因で姉さんが嫉妬してしまって・・・・・。」
「拗ねたわけか。」
「姉さんはああ見えてお兄様と一緒にいないと寂しいらしくて・・・。」
「アクシズで匿ってたときもそうだったな・・・・。ヴィンセントがそばにいないと常に情緒不安定で・・・・って感じだったな・・・・。」
プルツーが二人に関する黒歴史を話した瞬間、クロエのペイルライダーとヴィンセントのキャバルリーのビームサーベルが共にプルツーの首もとまで迫った。
「プルツー、その黒歴史は話すなといったはずだが・・・・?」
「お兄ちゃんとは絶交してるけど、今回だけは同意見よ・・・・?」
二人は黒い笑顔で二人を見つめていた。なおプルはクロエによってフルボッコ済みである。
「・・・・・っと、そんなこと言ってる場合ではない!」
「・・・・・どうしたんだ?」
「先ほどアクシズでつかんだ情報なんだがドイツから来たラウラと言う少女は知ってるな?」
「うん、私の妹だけど・・・・・。」
「奴の専用機にどこからつけられたかは定かではないがVTシステムが搭載されていることがわかった。」
「なっ!?」
「!?」
「・・・・・それって、本当ですか・・・・?」
三者三様の反応を見せる三人だが、VTシステムが危険な代物であることは全員が把握していた。媒体となるISを溶かして無理矢理操縦者を制御下におき強制的にシステムによって動かすシステム。別名人殺しシステム。クーは其をよく知っていたのですぐに動こうとした。だが、
ドゴォオーン
「・・・・・ちっ、追い付いてきたか!」
「・・・・・厄介者も同時に連れ込んできたか!」
遠距離からの射撃をプル姉妹はサーベルでいなしクロエ達はシールドで防いだ。
「シグナル照合・・・・・・先行量産型の試作ISか・・・・。おいプルツー、あのISとお前らに何が関係している!」
ヴィンセントの質問にプルツーは素早くコンソールを叩いてヴィンセントに何かの情報を送る。ヴィンセントは其を見るとクロエとクーの手を掴んだ。
「!?何を・・・!」
「ちょっと離して!」
「そんなこと言ってる場合か!?あれはプルツーたちに任せる!俺達は直ぐにラウラのVTシステムを破壊するぞ!急がないと最悪・・・・・。」
「最悪・・・・・?」
「ラウラが・・・死ぬ。」
「「!?」」
ヴィンセントが放った冷たい一言は二人の意識を覚醒させるのには十分すぎた。ヴィンセントが其を確認すると手を離した。同時に二人はそれぞれ武器を持ち突入の準備を済ませる。
「・・・・・クロエ、終わったら好きなだけ遊んでやる。・・・・・・・やるぞ。」
「言ったね?・・・・・・・・やるよ、ヴィンセント。」
ヴィンセントとクロエの目が日常の目から戦士の目に変わる。クーはそれについていけそうにもなかったのであまり触れなかった。
「・・・・・・・間に合ってくれよ!!!」
その頃アリーナでは恐れていたことが起こっていた。試合が容赦引き分けで終わり最後の握手をしようとしたところ、突如ラウラが倒れラウラのISが違う姿へと変えラウラを飲み込んだ。そしてその姿は一夏には見覚えのある姿だった。
「・・・・・おい、どういうことだよそれは!!」
(・・・・恐らく開発禁止のVTシステムだろう。クッ、知らぬ間に搭載されていたとは、焼きが回ったな・・・・。)
「ラウラか、意識はあるんだな!?」
(辛うじて、な・・・・。早くこいつを破壊してくれ・・・・肉体にも限度はあるのだ!)
辛うじて息をしているラウラが秘匿通信で一夏にそれをたのみこむ。シャルロットも準備はできておりフィルも本来の専用機であるデュラハンを展開している。(ペイルライダー・デュラハンではない。)
「くっ、やるしかないのか!」
ラウラを飲み込んだISは瞬間的に一夏との差を詰めその持っている偽物の剣で斬撃を浴びせる。一夏はその一撃を何とかいなすか弾いて難を凌いでいた。
「くうっ、一撃が重い!」
「一撃が重い上に機動力まで模倣しているとか厄介以外の何者でもないな!」
「予測射撃が追い付かない・・・・・!」
反射速度がこの中では一番高いフィルでさえ相手の動きを読めずにいた。位置がわからぬ変則的な機動に二人は振り回されていた。一夏は必死に食らいつこうと速度を最大にまであげてISの一撃を凌いでいた。だが、
「・・・・っ!?」
ISが突如蹴りを食らわせてきた。一夏はそれに反応できずに腕を蹴り飛ばされ唯一の武器である雪片を落としてしまう。敵は目の前、武器は目前、シャルロット達は射角制限で撃つことができない。一夏は詰んだと思った。しかしそれはISの武器が溶断されたことによって事態は一変、優勢に転じる。シャルロット達は其を見て心底安心した。
「遅いじゃないかクロエ、ヴィンセント!」
「・・・・悪いな・・・・やるぞ。」
ヴィンセントは先ほど使ったであろうビームサーベルを再度構え相手の動きを見計らう。クロエはバックパックに付けられているキャノン砲とガトリング砲で援護のタイミングを見繕う。クーは遠距離からISの部分的破壊を狙う。前衛は一夏とヴィンセント、後衛はクロエ、フィル、シャルロット、超遠距離からクー。最強の布陣が揃った。初手はヴィンセントが牽制狙いでハンドビームガンを連射し動きを阻害する。その間に一夏がダメージを与え気をとられている隙にヴィンセントがさらに追撃でダメージを与える。そこに遠距離から間接部に的確に当てていく後衛、まさに理想の隊型が整った。そしてヴィンセントはシェキナーを取り出す。
「俺たちで足を止める!一夏、やれるな?」
「・・・・・一撃だ、一撃で助け出してやる!」
「上等だ!奴の反応速度を越えろ!HADES!」
ハァッデェッスッ!ペポペポペポ
ヴィンセントの叫びと共にハデスが起動し捉えられない速度で動くラウラのISだったものを捉える。
「・・・・・そこか!」
ヴィンセントのシェキナーが火を吹く。メガランチャーとミサイルとガトリング砲が一体となったそれは有無も言わさぬ火力でラウラのISを瞬間的に止める。一夏はそれを待ってたかのようにコアの付近を切り裂く。深い一撃だったのか傷口は収まらず中からラウラが転げ落ちてきた。一夏は残る力でラウラを背負う。
「ありがとうな、ヴィンセント。ラウラは大丈夫そうか?」
「ああ、大丈夫だ。適切な治療をすれば命は繋がる。」
「わかった。すぐ医務室に連れていく。」
一夏は背中にぐったりとしたラウラをしょって撤退していく。ヴィンセントは残ったISの残骸を見ていた。すると突然、不意にISに光が点りヴィンセントの頭をかちわろうとする。ヴィンセントは突然のことに対処ができず頭を守る時間がなかった。無防備な頭に当たろうとした矢先、一本のサーベルがISの動力部を貫いた。
「ふー、大丈夫ですか?お兄様。」
「助かったよクー・・・・。そういえばクロエは?」
「・・・・・・・・。」
くーが指す方向を見るとそこにはヴィンセントの方を見て体を震わせているクロエの姿が見えた。ヴィンセントは即座に反応してクロエのもとに駆け寄る。
「・・・・・クロエ。」
「・・・・・心配したよぉ、お兄ちゃあああん!!!!」
泣き出したかと思えばヴィンセントに突進してくるヴィンセント。ヴィンセントは其を優しく受け止めた。そして、ISシステム暴走事件は解決した。
フィルが空気だと言うことも忘れて。
To be continued.........
雑になってしまいましたがすみません!後一話だけこれが続きます!
次回予告
彼女が起きたのは三日後の6月24日頃だった。そこで語られるラウラのすべてとは、また、クロエの決心とは?
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第40話 エクステンデッドメモリーズ
クロエちゃんは純粋な乙女だけどね!(殴
あらすじ
クロエ達はプルたちと再開しすべての真相を聞かされる。そして、その原因であるラウラを止めるため疾走した三人は見事一夏たちとの連携により鎮圧、一連の事件は終わりを告げた
「・・・・・・・・ここは。」
彼女はそういいながら重い瞼を開けた。周囲を見渡すと其所には相棒であるフィルと姉であるクロエがすやすやと眠っていた。クロエがフィルにもたれ掛かってるように見えたのは気のせいだろうとみた。その時、ドアが開く音とともに誰か入ってきた。ラウラは身構えたがそれもすぐにといた。なぜならばそこにいたのは、
「・・・・・・教官。それにヴィンセント、それにクロニクルまで・・・・・。」
「織斑先生だ、馬鹿者。体に異常はないか?」
「わざわざクーとクロエが途中まで治療を手伝っていたんだぞ?そのせいかクロエの体調を気にしたエルが同化して維持してるようだが。」
「大丈夫ですか・・・・・ラウラ様?」
三人がそれぞれ心配するなかラウラはひとつのことだけが心配だった。
「・・・・・あの後、事態はどうなった?教えてほしい。」
「・・・・・今は放課後だから不問としよう。あの後ラウラのISは大破、修理は難しいほどまでに破壊されていたらしい。」
「・・・・・。」
ヴィンセントとクーが一瞬冷や汗を垂らすなか千冬は話を続ける。
「そして、気を失っていた間にドイツから連絡があった。」
「・・・・・軍司令部は何と?」
「・・・・・一部例外を除き国外追放、だそうだ。」
「・・・・・・そうか・・・・・・ん?一部例外?」
千冬の話した一言にラウラは引っ掛かりを覚えた。
「国外追放・・・・というのは名目らしい・・・。司令部曰く「在るべき場所へと行け。ただしいつでも戻ってこい。」だそうだ。」
「既にフィルはこっちに来ているがラウラ、お前も来るか?」
「・・・・・・姉妹を見捨てて逃げるバカがどこにいるとでも?」
「ラウラなら言うと思ってたよ。とりあえず今は休め。話はそれからだ。」
「了解した。・・・・ふん、何者にもなれない・・・・か。数年前にあの人からもらった言葉がまさかこんなところで思い出すことになろうとはな・・・・・。」
其からラウラはすやすや寝ているクロエに寄りかかって眠り始めた。
その日の夜、ヴィンセントは千冬の部屋に呼ばれていた。
「・・・・・何で呼び出したんです?」
「人数分のデザートパスポートと外部のデパートの割引券だ。」
そう言って千冬は懐からパスポートとチケットらしきものを取り出すとヴィンセントに渡した。ヴィンセントは其を受けとると丁寧に持ってた財布に入れた。
「パスポートの受け取りはわかりますけど何故にこれを・・・・?」
「今回の一件の早期解決の貢献者は間違いなくお前らだ。それなりの対価はいるだろう。それに、今度臨海学校が一週間ほど後に予定されているのでな。それをつかって準備の足しにするといい。」
「・・・・・・・・何か考えてます?」
千冬の全うな理由に対してヴィンセントは懐疑の目を向ける。千冬はその目に臆することなく話し続ける。
「・・・・今後臨海学校でどのような事態が起きてもおかしくない。なので、もしもの時には働いてもらいたいのだ。」
「詰まりは餌はやるから今後も生徒たちを守ってほしいと?」
「正直今の私では生徒を全員守るだけの力はない。悔しいがな。」
千冬は悪態をつく。以前まで乗っていた暮桜はとある理由により使用不可能で千冬は本来の力を使えない。故にこうしてヴィンセントに頼み込んでいるのであろう。ヴィンセントは少し悩むこともせず返答を返す。
「それは別に構わないですけど、正直クロエとクーの了解がないと難しいと言うか・・・・・。」
「べつに私は全然オッケーだよ?」
「「ファッ!?」」
いつの間にかヴィンセントの背中にがっしりしがみついてるクロエの姿を見た二人がすっとんきょうな声をあげた。対するクロエはそのままヴィンセントからはなれない。
「い、いつの間にいたんだ・・・・・。」
「んーとね、パスポート渡された辺りからかな?」
「ほぼ全部じゃないか・・・・とりあえず座れ。お茶くらいなら出してやる。」
「いやいいですよ、受け取りだけなんですから。」
「そうだよ!早くお兄ちゃんと寝たいの!」
「・・・とりあえずさっきの件は。」
「・・・・こんな様子ですし、OKですかね。」
「・・・・そうか、時間をとらせたな。」
千冬はそう呟くと二人を見送るべくドアを開ける。
「あ、そうだ。明日は一連の原因を突き止めるためにHRだけして後は臨時休校になった。しっかり復習はしておけよ?」
「分かってますよ、織斑先生。それではおやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
そう交わすとヴィンセントと千冬は別れる。最後に見えた姿はクロエがヴィンセントに飛びかかる姿だったが気にしては行けないだろう。部屋に戻った千冬は椅子に座って少し考え込む。
(ああはいったものの、実のところは準備期間として一週間ほど休暇が与えられるのだったな。それを利用して久しぶりに一夏と買い物に出るか。)
そう決めた千冬は就寝準備に入るのだった。
次の日、HRはざわめいていた。
「皆さんにまた転校生・・・・と言うか転入生を紹介します・・・・うぅ。」
山田先生がそう言うとドアが開いて一人の少女が入ってくる。
「シャルロット・デュノアです。よ、よろしくお願いします。」
それを聞いた全員が再びざわめきに包まれる。それを見ながら山田先生は資料にてをつけながら、
「はぁ・・・・また部屋割りも考えないと・・・。」
((山田先生お勤めご苦労様です。。。。。))
先生の非情な叫びにクロエとヴィンセントの心情が一致する瞬間だった。と、その時、
「あれ、昨日男子が浴槽使ってたよね?」
「「ギクッ。」」
その小さな声に反応するかのように彼女はやって来た。
「いいいいいいいいちいいいいいいかああああああああ!!!!!?」
「・・・・鈴!?」
「あんた、そいつと入ってたんでしょ!?」
「な、何のことだ!?」
「問答無用、吹っ飛びなさい!」
鈴があらかじめ展開していたISで龍砲を起動させ、一夏めがけて発射する。一夏は反応することができずに硬直中。ヴィンセントはクロエの面倒を見ているので対応不可。絶体絶命だった。が、
「・・・・・生身にISの武装を叩き込むとは、そこまで落ちぶれたか?」
「・・・ラウラ!助かったよ。」
「・・・・・織斑一夏!」
「な、何!?」
その言葉と同時にラウラは予想外の行動をとり、彼女たちを燃やした。
「ムグゥ!?」
「・・・プハッ!今日からお前は私の嫁だ!い、異論は認めんからな!」
ラウラが一夏の口を自らの唇で塞いだことにより全員が一気に燃えた。まるで真っ白な灰になるかのように燃えた。それもそっちのけで三人はどうなってるのかと言うと、
「クロエ、砲口、90mm、30発。」
「了解♪」
ヴィンセントの指示でクロエは音速で90mmブルパップ・マシンガンを展開すると鈴の龍砲を潰した。それと同時に山田先生が鈴の首根っこをつかんだ。
「鈴さん?放課後、生徒指導室に来てくださいね?」
「・・・・・・・・・はい。」
そんな光景があったのにも関わらず鈴だけを呼び出した山田先生はさすがと言うべきか。千冬は一声でまとめると情報を飛ばした。
「先日の事故においてまだ事態の収拾がつかないためこれより後は臨時休校になるが、明日、明後日も臨海学校の準備期間として休校になる。漏れがないように準備しておくように。では本日はここまでとする!」
そしてホームルームは終わった。勿論クロエたちはヴィンセントを両方から引っ張りながら帰っている・・・・。
「お姉ちゃん!遊ぼうよ~!」
「ふ、ふん!遊んでくれれば手伝ってやらんこともない!」
「・・・・・マリーダさん。これどうにかなりません?」
「・・・・うちの姉たちが本当に申し訳ない。」
「「はぁ~~~~。」」
To be continued.........
此にて第3章簡潔!
終わり方が最後雑だけど文句いったらサイコザクのラッシュモード投げるかんな!?
次回予告
ヴィンセントはもらったチケットも消費することも踏まえクロエとクーと三人で買い物にいくことを決める。一方一夏とシャルロットも買い物に出ようとしていた。残された者達は邪魔しようと追尾するが・・・・・?
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第五章 寒き世界の使者
第41話 連休の日常
お 待 た せ
あらすじ
タッグマッチが終わった6月、彼らはとある場所へ向かおうとしていた。
HRが終わってお昼頃、ヴィンセントは学園専用の港前に来ていた。
「クロエ~、準備はできたか?」
「久しぶりに動かすから分からないけどとりあえず行けるよー。」
どうして二人はいるのか、それはおよそ二時間前のことである。
「お兄ちゃん!」
「ん、どうしたクロエ?」
「昨日あのチケットもらったでしょ?」
「ああ、まだ持っているけど・・・。」
ヴィンセントはそう言って財布にしまっていたチケットを取り出す。クロエはそれをキラキラさせながら持つと、
「お昼から、買い物に行こっ!」
「別に構わないが・・・・時間かかるz「私がトーリスと同化して翔べばすぐ着くよ♪」・・・・・そういやそうだったな・・・・・。」
クロエが一緒に行く気満々で髪の毛を銀色に染めてヴィンセントの手を繋いでいた。ヴィンセントは繋がれてない方の手でやれやれ、といった顔をしながら、
「よし、お昼から臨海学校に向けて買い物に行くか!」
と、こんなことがあったのである。
時間軸を戻して、現在、クロエは愛機トーリスの最終点検をしていた。ヴィンセントもそれを手伝う。
「足のスラスターは海に浸かっていたが大丈夫みたいだな。クロエ、行けそうか?」
「うん!いつでも行けるよ!ちょっと待っててねお兄ちゃん。」
そしてクロエの声は聞こえなくなる。同時に腹部からグォングォンと駆動音と共にその巨体の目に灯火が点る。そしてその後その巨体の機体はヴィンセントに手を伸ばし外部スピーカーから、
「行こう!お兄ちゃん!」
と音声を出す。ヴィンセントはそれに答えるようにジャンプしてトーリスの手のひらに飛び乗る。手はそのまま上がっていきコックピットの前で止まるとハッチを開けた。
「さ、乗って乗って!」
クロエの明るい声と共にヴィンセントは手のひらからコックピットに移る。乗り込んだ直後にハッチは閉まった。
「・・・・・飛ばしすぎるなよ?」
「分かってるよ♪HADES使わない状態での最高秒速を出すだけだからさ♪」
「全然大丈夫じゃない!?」
ヴィンセントの驚きもむなしくトーリスはクロエの意のままに飛んでいく。学園はあっという間に見えなくなり、前方には町が見えてくる。
「さあて、飛ばすよ、ヴィンス!」
「もうどうにでもなれ!」
ヴィンセントは半ば諦めたのかシートにしっかり座って衝撃に備える。そしてその数瞬後、トーリスは現状出せる最高速度で大空を舞った。
時は戻ってヴィンセントたちが準備をしていた頃、モノレールの駅舎に一夏とシャルロットはいた。
「待たせたな~。」
「い、いや、私もここに来たばかりだから全然待ってないよ。」
「そ、そうか。・・・・・時間ももったいないし行こうか。」
「う、うん・・・・。」
二人は同時にうなずくと改札へと繋がる階段を降りていく。そしてそれを見つめる影が自販機の裏から見えていた。
「ははは・・・・・。シャルロットさんと一夏さん、表情こそ代わりありませんが恐らく中身は喜んでるんでしょうね・・・・。」
「あいつらなんかやましいことしたらぶっ転がす!あんたもそうでしょ!?クロエ!!」
裏に隠れていたセシリアと鈴がそのさらに後ろに隠れているクーに問う。クーは先ほど購入した午前の紅茶のペットボトルを自販機から拾い上げながら静かに滑らかに、
「私は生きているだけで幸せなのでよくわかりません・・・・。」
とだけ返した。鈴はその返答に納得がいかなかったのかさらに問いただしていく。
「じゃあクロエはヴィンセントが一夏みたいなことになってもいいって言うの!?」
「御兄様は私のことも気にかけてくれますがやはり御兄様は御兄様のままでいてほしいな、って思ったりします。・・・・・まあ、やろうにも姉さんからはほぼ逃れられないので実質不可能かと思いますけど。」
「ああ・・・・・・・。」
二人はヴィンセントとクロエがいちゃいちゃしている様子を思い浮かべると何となく想像がついて納得した。が、
「あ!一夏さんとシャルロットさんを見失いましたわ!」
「ゲッ!?それ不味くない!?」
「一応何かあったときのために前もってラウラ様に先行して目的地と思われる場所にて待機してもらってます。。次の便で追いかけましょう!」
「わかりましたわ(わかったわよ!)!」
三人は一致団結するとひとまず次の便を待つことにした。そしてそれを写し出していた監視カメラがあり、もちろん原因は、
「うんうん!くーちゃんはうまく生活に馴染めてるみたいだね♪よかったよかった!」
「だからと言ってストーカー紛いの行為は止めてくださいよ~?」
「これはストーカーじゃないよエルちゃん、立派な観察だといってよ~。」
「だからそれをストーカーって言うんです!」
約1000kmほどの距離から原因である束と優雅に紅茶を飲んでいるエルの姿があった。束は眼にも止まらぬスピードでハッキングを繰り返しておりその様子はエルちゃんからみてもドン引きするほどのものだった。
「で、ところで博士。さっきから製作をほっぽりだしてるのはどういうことですかね?」
「い、息抜き位許してくれるよね・・・・?」
「まあ別にいいですがしっかり来る日までに完成させないとダメですよ?ついでにデュラハンとルーリスのメンテも忘れずにしてくださいよ?」
「分かってるよ・・・・てかいつのまにキャバルリーのことルーリスって呼ぶようになったのさ・・・。」
「いつまでもキャバルリーをキャバルリーキャバルリー言ってるのがめんどくさくなったのでルリーからルーリスって名付けました。」
「割と納得が行く理由だから困る。」
「・・・・・・・・バカばっか。」
「ファッ!?んもーディサイスちゃんじゃない、驚かせないでよ!」
静かに忍び寄りボソッと呟くそれは数人しかいないここだともっと怖くなる。エルちゃんが発したディサイスという名前に彼女はむーっ、と言った感情を表現していた。
「ディーちゃん文句でもあるの?」
「今の私はディサイス何かじゃない・・・・。ルーリスを補佐する存在、それがルリの役目。」
「「?」」
エルと束は二人して顔を見合わせると首をかしげていた。ルリは続ける。
「キャバルリーに人格を移植した際にデータの上書き保存により性格が上書きされただけ。それだけのこと。」
「うん、それ色々不味くない?」
博士が奇妙な発音で聞くがルリは動じない。が、目頭には涙がたまっていた。そして・・・・・・・、
「うわああああああんん!!!私だってクロエと一緒に出かけたいですよぅ!!でも肉体維持が研究所の中でしか維持できないから出ようにも出られない!ペイとトリスは好きにでかけられるから良いんだろうけど私はなにもできないんだよぅうわあああああああああん!!!!!!」
「ギャアアアアアアアウルサァァァイイイイ!!!」
「エルちゃんどうにかならないのォォォォ!!!」
ルリの大泣きの轟音のなかペイは絞り出すようにエルに叫ぶが当の本人はとっくに機体の中に溶け込んで逃げていた。
「ナアアアアアントカシテヨオオオオオオオオオオォ!!!!!」
「分かったから!分かったから頼むから泣き止んでえええええええええ!!!!」
・・・・結論だけ言うと数時間後に泣き止んだ。
「・・・・・何だろう、今ものすっごい悪寒がしたんだが。」
「気のせいだと思うよ?」
「だといいが。」
一夏達より先についたヴィンセントとクロエは海辺にトーリスを隠し偶然なのか否か一夏達が向かっている大型複合モールに来ていた。あらかじめ買うものを決めていた二人は効率よく買い物を済ませ余った時間をどう使うか悩んでいた。ただでさえ前世は軍人・・・・・ましてやクロエは実験体として自由な時間もなかったために何をしようか全く考えていなかったのである。今の時間はお昼を少し過ぎた辺り。特に空腹でもない二人はいい意味で途方にくれていた。
「さて、どうしたものか・・・・・。」
「IS反応からして一夏達もここに来ているみたいだけど、邪魔をするのも悪いしね。」
「何処か静かな場所で休憩したいところだが・・・・・・。」
行くあてもなくフラフラと荷物を片手に持ちモール周辺の小さな商店街を歩いていた二人だが、やがて目を引く店を見つけた。
「お、この喫茶店懐かしいな・・・・・。クロエは珈琲って飲めるか?」
「一応ブラックは飲めるよ?」
「おすすめのケーキがあるからそれ食べて帰るか!」
「うん!」
余った時間の目的を見つけた二人はその喫茶店へと入っていった。店舗内部にはマスター以外の人はいなく、そのマスターもグラスを磨いているだけだった。
「いらっしゃい。いつものか?」
「ああ、二つ頼む。」
「おーけー、少し待っててくれ。」
マスターは二言返事で奥の厨房の方に向かっていった。ヴィンセントとクロエは空いていたカウンター席に座り待つことにした。
「ここのマスターが作る珈琲はその人にあった濃さで作ってくれるからとてもスッキリするんだ。親と一緒によくここに来てな。」
「研究所でも珈琲は飲んでたけどインスタントだったからね・・・本当の珈琲がなんなのかもっと知りたい!」
そうクロエがワクワクしてると奥にいたマスターが珈琲と一切れのシフォンケーキを持ってきた。
「ブラック珈琲と今朝の焼きたてレモン風味のシフォンケーキだ。こう見えてもこのケーキは自分でも美味しいと自負している。」
「そこまでおっしゃるとは・・・・・期待してもいいんですよね?」
「最高傑作とでも言っておこうか。」
「ではその言葉に偽りがないと信じて、いただきます。」
「いただきます!」
二人は焼きたてのシフォンケーキを一欠片切り取ると口の中に含んだ。と、次の瞬間。クロエの顔がにやけた。
「ほんのり酸味があって美味しい!それでもってこの珈琲も何処か懐かしさを感じる・・・・・。」
「・・・・・この珈琲の味・・・・・。何処かかで味わったことのあるような・・・・・何処だ?」
揃って同じ疑問を抱えてしまったヴィンセントとクロエだったが不意にマスターが口を開いた。
「・・・・・・・・・・・・・まさかこの味を忘れたとは言わせんぞ?
中隊副隊長さんよ?」
「「!?!?」」
To be continued.....
つ、つかれた、遅れてごめんね♪
次回予告
二人がカフェでであったのはとても馴染み深いあの人だった。一方、一夏達は水着選びに四苦八苦、果たして無事に帰ることができるのか?
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第42話 追跡
なんか取り敢えず大分待たせていたようなのでHADESでぶちのめさせていただきました。ええ。
あらすじ
あらかた用事を終えた二人は喫茶店で意外な人物と出会う。一方、一夏達はレゾナンスで臨海学校に必要なものを揃えようとしていた。
あ、今回少しテンポ早めに飛ばすので結構イベントすっ飛びまっすん。
「勝手にぶちのめした設定にすなこのやろう。」
トリスちゃんは黙ってて!
「ハイハイ落ち着け落ち着け。」
エールス・・・貴女は口を塞いでください。でなければ今すぐにでも口を縫い合わします。それともあれですか?オモイカネによって抹消されたいのですか?
「・・・・・・作者権限で取り敢えずルリちゃんのHADES引っこ抜くか・・・・・。」ボソッ
ヤメテェェェェェェェ!?それだけはヤメテェェェェェェェ!!!
それぞれの設定はあとがきにて
※ちなみに作者はルリを溺愛してます。
ヴィンセントとクロエが喫茶店で一息吐いていた頃、一夏とシャルロット、そしてそれを尾行する3人はレゾナンスに来ていた。二人はそれぞれ必要な衣服や水着などを買い少々事故はあったものの大まか順調に進んでいた。・・・・筈なのだが、
「お前達はいつになったらそんな事故を減らすんだ?」
「「うっ。」」
現在進行形で事故ってるところを千冬と摩耶に見つかったため現在説教中である。
「まあ今ここは学校の範囲外なのでここまでにしておいてやる。・・・・・・・・・・あとお前ら、気配でバレバレだ。怒らないので出てこい。」
千冬が物陰の方面に向かってそういうとその物陰から四人が出てきた。
「イギリスで鍛えられた隠密能力を悟られますとは・・・・・。」
「こうなるからいやだっていったのに・・・・・。」
「そう言うお前が一番乗り気だったではないか。」
「セシリアに鈴、ラウラまで・・・・・三人とも今までずっと尾行していたのか!?」
一夏が事の全容を見られていることを悟ったのか食い気味に質問を投げ掛ける。・・・・・と言うか投げ掛けていると言うより強いているという感じか。三人はそれに対しややはぐらかすように誤魔化す。千冬もそのごまかしには気づいていたがひとつ気になることがあった。
「取り敢えず今回は学園外だから見逃すが、クロエはどこにいったのだ?」
「あれ?そういえばさっきからクロエさんが居ませんわね。」
「・・・・・・まさかな。」
「・・・・・・・どうやらその予想。クリティカルみたいよ。さっきまでクロエちゃんがいたところに書き置きが。」
持ってきた鈴を除く6人がその書き置きに目を写す。
「読むわよ・・・・ーそろそろ面倒ごとに巻き込まれそうなのでGPSを頼りにお兄様と合流してきますー・・・だってさ。」
「危険を察知して逃げましたわね。」
「勘はいいようだな・・・・・。」
セシリアと千冬が愚痴る中ラウラがその空気を見つめる。
「・・・・・教官、何かが来ます!」
「え?ラウラ?どうした?」
「一夏は気づいていないのか・・・・・・この張り詰めた冷たい空気の重さを。・・・・・!」
そこまでラウラが話したとき、爆発音が響いた。その数秒後、ぞろぞろと何十人かがアサルトマシンガンを武装して中に入ってきた。
「お前ら!ここは俺らが占拠させてもらった!動くなよ!一歩でも動いたら撃つ!」
「「「「「「っ!?」」」」」」
突如入ってきた武装集団によって一夏達がいたデパートは半占拠状態になった。
一方、そんなことも露知らずなヴィンセントとクロエは現在あっけらかんとしていた。理由は言わずもがな自分を中隊副隊長と呼んだあのマスターの正体である。
「ハッハッハ!やっぱりそんな顔をすると思ったよ。」
「いや・・・・・そんな馬鹿な!?」
「ヴィンス・・・・もしかしてこの人紫色のイフリートに乗ってた人?」
「信じたくはないが・・・・・・
どうやら信じるしかないようですね、中隊長。」
「ハッハ!久しぶりだなぁヴィンセント!」
「まさかあなたまでこっちに来ているとは思いませんでしたが。」
「まあな、ついこの前まで知らなかったんだが一昨日来店した五人の少女から話を聞いてな。」
喫茶店を半貸し切り状態にしたマスターはおかわりの珈琲を入れてくる。勿論ブラックだ。
「五人の少女ねぇ・・・・・それって顔全員似ていたか?」
「ああ、結構似ていたぞ。と言うかお前さんの知り合いもいたぞ。」
「えっ?」
ヴィンセントはそっけない声を出す。普段冷静なヴィンセントでも知り合いと聞かれておいそれと信じるわけにはいかないのだが何故かとても悪寒がした。そして、その予想は当たった。
「確かローゼとか居たぞ。」
「・・・・・・・中隊長、マジですか?」
「ああ、マジだ。」
「ヴィンス・・・・さっきからローゼローゼっていってるけどまさかあのローゼ?」
「ああ。トーリスの宿敵だったクィン・マンサに乗ってたローゼだ。はぁ・・・・まさかあいつまで来ているとはな・・・。」
「と、言うことは、そっちの子がペイルライダーのパイロットか?」
マスターが二人の会話を聞いて試しに爆弾を投下してみる。そしてその爆弾は即爆発した。
「あまり言いたくはなかったけどね・・・・元地球連邦軍独立機械化混成部隊排除MS RX-80 PaleRider コードネームペイルライダーのパイロットであり、元ネオ・ジオン遊撃小隊運用試作改修MS AMX-018[HADES]TodesRitter コードネームトーリスリッターパイロットだったクロエ・クローチェです。」
「やっぱりな、改めて自己紹介しよう。クロエちゃんが言ってたイフリートのパイロットであり、ジオン遊撃特務小隊 マルコシアス中隊の隊長だったダグ・シュナイドだ。」
ダグの自己紹介を終えていたときにはクロエはヴィンスの背中に隠れて怯えていた。
「およ・・・・なんか嫌われることでもしたか自分?」
「シュナイド中隊長・・・・・恐らくペイルライダーで色々やっちゃったことを怒っているんじゃないかと勘違いして怯えてるんだと思いますけど・・・・。」
クロエが怯えてるその頭をヴィンセントはゆっくり撫でて落ち着かせる。その効果もあってかクロエはだんだん警戒心を緩めていった。
「うぅ・・・・。」
「クロエちゃん。あの時は戦時中だった。だから仕方ないと自分は割り切った。だからそんなに怖がらなくていい。」
「ほんと・・・・ですかシュナイドさん・・・?」
「ああ、快く接してくれればそれでいい。」
「・・・・うん!」
シュナイド中隊長とクロエの会話を見ていたヴィンスだがクロエの顔が何処か笑っているように見えていた。と、そこへ入口の方から誰かが入ってくる音がした。
「ん・・・・貸し切り状態にしてあるはずだが・・・・・お客さん、今日は貸し切りなので開いていないぞ。」
シュナイドが入口の方に声をかけるがその足音は止まらない。クロエとヴィンスは何なのだろうかと入口の方に振り向く。するとそこには、
「御兄様ぁぁぁぁ!!」
「「クー!?」」
「ん、ヴィンセントたちの知り合いか?」
驚く二人をよそにシュナイドは二人と彼女の関係について問いてみた。ヴィンスはそれに対し、
「可愛い妹のような存在ですよ。戸籍上は義理の妹って言うことになってますが。そしてクロエと同じ存在でもあります。」
「ほぅ、お前さんもとうとう可愛い妹さんまでいるのか。そりゃけっこうなことだ。」
「クーは私の自慢の妹です!」
自信満々に答えるクロエの数秒後、クーは三人のいるもとにたどり着いた。が、その息は途切れ途切れになっている。
「そんなに息切れしてどうしたんだ?クー。」
「いえ、早く御兄様に会いたかったので走ってきちゃいました。」
「取り敢えず座ったら?」
「お言葉に甘えてそうさせていただきます。」
クーは二人の横にある椅子に座った。シュナイドは嫌な顔をひとつもせずに手慣れた動きで珈琲と二人のケーキと同じものをクーの前に差し出した。
「久々に会えた縁だ。俺のおごりにしといてやる。」
「い、いえ中隊長!?きちんと支払いますんで!?」
ヴィンセントが結構慌てて財布を取り出す。が、シュナイドはそれを左手で遮った。
「たまにはいいところを見せさせてくれよ。」
「・・・・・・相変わらず頑固ですね中隊長は。」
「ギー譲りなんだろうな。」
「ですかね・・・?」
四人がしばらく談笑していると外が騒がしくなってきた。それと同時にクー以外の三人が何かに感づいた。
「火薬の臭い・・・・アサルトライフルの空薬莢!?」
「それにこの匂いの濃さ・・・・銃を持ってるやつが複数いるな。」
「ざっと25人弱か。」
「・・・・・やっぱり。御兄様、一夏達がデパートジャックに巻き込まれ人質になりました。どうしましょうか?」
クーがGPSを確認しながら現在状況を報告していく。それと同時に三人は懐から拳銃を取り出していた。
「勿論、救出に向かう!俺は拳銃予備弾層含め35発、MMP-80も加えたら355発残っている。クロエはどうだ?」
「実弾仕様の90mmが330発、非殺傷カスタムのブルパップが355発。シュナイドさんは?」
「ゴム弾仕様のショットガンが60発、3連装の35mmガトリングガンが150発といったところか。」
「25人を相手するなら十分すぎるか・・・。クー、GPSで一夏達のいる場所までのバックアップを!道は俺たちが切り開く!」
ヴィンセントが拳銃をいつでも打てるように構えて外に出る。三人もそれに続くように外へ出る。外はパトカーでごった返しており警察官達による必死な呼び掛けが続いているが相手は受け答えさえしていない。するとシュナイドが何かに気づいた。
「お?黒木じゃないか、お前もここに来ていたのか?」
「シュナイド店長!?・・・・・あ、今は任務中ですので。」
「何があったんだ?状況説明くらいなら出来るだろ?」
シュナイドが恐らく同僚であろう警察官と話し込む。その間に三人は誰にも聞かれない声で作戦会議を始めた。
「(たぶん相手は武装したISを持っているはず。)」
「(だとすると・・・・。)」
「(HADESと金属同化で近接速攻だね♪)」
「「((さらっと人の命を軽く殺すようなこと言うな!?))」」
文句をいった辺りで警察官を引き連れてシュナイドが戻ってきた。
「状況は!?」
「現在、施設内で武装したテロ組織が30人前後で人質を捉えている。中には武装したISもいるらしいが自分達の装備じゃISは叩けなくてな・・・・。」
警察官がいった一言にヴィンスは戦士の目で質問をする。
「質問をひとついいか?」
「手短にならば。」
「この事件、被害を最小にとどめることか、組織確保が優先か、どっちを優先する気なんだ?」
「出来れば確保が優先だが・・・・・。」
警察官がボソッと呟いたときにはクロエとクーは胸元のネオ・ジオンのペンダントを握っていた。そこにヴィンセントが色々告げた。
「聞こえたなクロエ、クー。こんなところで俺がISを使ってしまったら恐らく厄介なことになってしまう。だから二人にこの件は任せる。ここから俺と中隊長でバックアップをとるから二人は非殺傷弾で迅速な鎮圧が優先目標。被害を最小限に押さえるのが第二目標。必要ならばHADESは使え。と言うか始めっから使って速攻でやっちゃった方がいいだろう。」
「「了解!」」
シュナイドとヴィンスがバックアップの準備を始めたと同時にクロエとクーも全速力でダッシュし警察の捜査テープを飛び越えて施設の入口近くまで飛ぶ。そんな二人を見て一人の警察官が、
「お、おい君達!今危ないからそこにはいるな!」
警告する警察官だが二人は止まらない。
「止まるわけにはいかない!そうでしょ!ペイ!!」
「行きましょう!デュラハン!」
二人の叫びと共にペイルライダーとデュラハンが呼応し瞬時に展開を終える。
「なっ・・・・!?」
「あの二人に任せて大丈夫ですよ黒木さん。彼女たちは幾多の死線を潜り抜けてきた猛者たちだ。」
「シュナイド店長がそこまで言うなら・・・・むぅ。」
警察官は渋々といった表情で施設の包囲をさらに固めるように指示した。一方、
「さて、万が一のこともある。ルリ、やれるか?」
(お任せください!)
ヴィンセントは自分のAIにある指示を出した。
とある海岸
夕焼けがよく写るごくごく普通の海岸。その海岸線に位置する森林の奥深くで有機物に命が吹き込まれようとしていた・・・・・・・。
場所は変わってデパート内。一夏たちは現在人質になっていた。あとになってわかったことだが、この武装集団は今の事態をよく思わない男や女たちによって引き起こされた事件であり容赦なく女を殺していっていた。
「くっ、なにもすることができんとは・・・・!」
「黙ってろ!次何か一言でも口ずさんだらそいつらの脳天に弾をいっぱい食わせるからな!」
「うがぁっ!」
千冬が不愉快そうにボソるがその呟きでさえ銃の弾層部分に殴られ露と消えた。殴られた千冬は一夏達に抱えられるように起き上がるがその顔の目の前にはライフルの銃口がそれぞれの顔に向けられていた。
「・・・・・成る程、代表候補生か。手札には使えるな?」
一人の男が10人くらいに監視を任せると窓の方に向かっていった。一夏達は何とか隙を見て展開しようとするが監視している男達がそれを許さない。・・・・・・・・・かに見えたが。
「キャハハハハハハハハ!!!!!」
「ハァァァァァァァァ!!!!」
四刀一閃、男達が衝撃波で吹き飛ばされ衝撃波のした方向から蒼い二機が向かってくる。衝撃波で飛ばされた男達は半数が気絶したが運よく気絶しなかった数人が蒼いISに向けてライフルの掃射をかけるがISの勢いは止まらない。
「そんな攻撃など!」
「ハハハハ!久々の戦闘!みんな壊れちゃえば良いんだ!!!」
デュラハンの大型シールドで歩兵のライフル掃射を防ぎペイルライダーの二刀流でライフルを破壊、流れるように右足で歩兵を壁まで蹴り飛ばし意識を刈り取る姿は正に一夏達には死神のように写った。
「大丈夫ですか!?」
「その声、クロニクルか!」
「はい!近くまで来てて騒ぎを聞いて非常時ながらISを使ってすいません!学園に戻ってから反省文は書きますので!」
「そんなことは不問でいい!今の状況だけを伝えろ!」
「御姉様があの状況なので手短に説明すると、現在この階と1階は解放済み。残すは恐らく主犯が隠れていると思われる三階のみです!二人で押さえますので今のうちに人質にとられていた人を全員救出しつつ退避をお願いします!」
「分かった!救出は任せろ!犯人の確保は任せた!」
「分かってます!」
千冬と簡単且つ明確な情報交換をしたクーは再度シールドを構えてクロエの方に向かう。クロエは久しぶりの戦闘なのか体術も交えつつ一方的な制圧を行っていた。
「ま、不味い!早く警戒に当たらせているISを呼び戻せ!」
ISの侵攻をとめようとライフルとグレネードで応戦する歩兵が外の警戒をさせているISを呼び寄せようとするがそれより早くクロエのペイルライダーが歩兵の体をつかむ。
「フフフ、駄目じゃない☆テロするやつらが自分を正当化しちゃあ!!!!」
ダァンダァンダァンダァンダァンダァンガァーン!
ひっきりなしになり続ける撃鉄と蹴った歩兵が壁に当たる音が余計に歩兵を強張らせ戦意を喪失させる。いつのまにか白目を向いていた歩兵を離し回し蹴りでそこら辺の壁に吹き飛ばしたところでクロエのHADESがオーバーヒートを起こして一時停止した。それと同時にクロエの人格変化ももとに戻る。
「御姉様!」
「あ、クー!・・・・えーと、この事態はいったい・・・?」
『マスター・・・・・・覚えてないのですか?』
「ペイ?全く覚えて無いけど・・・・・。」
『・・・・これはHADESを封印するしか・・・・・。』
『ペイ、悪戯も程々にしろよ?最悪クロエの精神が壊れるから。』
『え?』
ヴィンセントが通信越しに答えるとペイは自発的にクロエの心理状況を調べた。するとその状態を見てペイは青ざめる。
『マスターの思考が停止してる!?』
「ハデス・・・・・フウイン・・・・ソンザイイギ・・・・ナクナル・・・・・シヌ!シヌノハイヤ!」
クロエがHADESを失うことに恐怖を感じたのか片言で怯えている。ペイは必死に何とかしようとしたが実態がない今彼女をどうにかすることはできない。クーもクロエの表情を見て若干心配していた。しかし、そのような余裕を与えるほど彼等は馬鹿ではなかった。
「いたぞ!殺せ!」
「コロス・・・・?シヌノイヤ・・・!コワイヨ・・・・オニイチャン・・・ヴィンス・・・!」
「くぅ!」
殺すという単語に反応したクロエがさらに怯えて動かなくなる。ISはクロエを狙って集中砲火するがそれを必死にクーが裁いた。
「正気に戻ってください御姉様!HADESは・・・・いや、ペイちゃんは、居なくなりませんから!!!」
クーが必死に説得を試みる。だがクロエは動かない。その時、クーの愛用していたガーディアン・シールドについにヒビが入った。
「あっ!?」
「これでおしまいだ!」
「があっ!?」
ISの放った剣技の一撃がシールドを打ち砕きクーの胴体に直撃した。勢いよく後ろに退けられ体制を崩したクーは思うように体が動かない。そして、そのISの後ろから主犯格と思わしき人物が大量の爆発物を抱えてくる。
「ようやくやったか。こいつをISに取り付けろ、起爆すればISはおろか人間さえ塵ひとつ残さず消す代物だ。こいつをやつの前で爆破すればボスもお慶びになる。やれ!」
主犯格が持っていた爆弾を取り付けようとクロエ達に迫ってくるがクーは動けずクロエは呆然と動かない。クーはすべての終わりを悟った。だが、
「ISを残さず消す・・・・?冗談じゃない・・・・・!そんなちっぽけな雑魚共に殺られるほど私は・・・・いや、HADESは・・・・・ううん、ペイルライダーは、落ちぶれていない!」
その叫びと共にクロエのペイルライダーが急稼働し一瞬にしてISを切り刻む。敵ISは細切れにされ強制解除され持っていた爆発物は全てそのISの搭乗者に巻き付いた。
「う、うそっ!?」
「馬鹿な、動かないはずだ!なぜ動ける!」
「そんなの・・・・・HADESを愛してるからに決まっているでしょ!!!機体を愛していればそれは動いてくれる!だがあなた達はそんな感情すらない!ただ自分の欲望のままに動いて関係のない人を殺した!そんな屑共にペイルライダーは屈さない!!」
「クソッ、逃げるしかないか!」
爆発物を巻き付けられた搭乗者をおいて主犯格は逃げようとしたがクロエは爆発物が巻き付いた搭乗者を主犯格に投げ付けて爆発物を主犯格にも巻き付ける。
「くっ、逃げられない!」
「ふふふ・・・・このまま爆発して死ぬか大人しく捕まるか・・・・・もう覚悟はできてるよね♪」
「くそっ、完璧な計画が!!!!」
数十分後、ようやく突入してきた警察に身柄は引き渡され殺人容疑で現行犯逮捕された。この一連の事件によって少なくとも128名が死傷するという極めていたたまれない被害が出た。事情聴取をするために連行されようとしていたクロエとクーだったがシュナイドとヴィンセントの一方的な正論を並べて警察陣は中止せざるを得なくなった。
「お兄様!」
「ヴィンス!」
「お疲れ、済まんかったな。二人に任せてしまって。本当なら不足の事態に備えて超遠距離からトーリスで支援しようかとおもったが出る幕がなかったな。」
「ハハハ、とりあえず二人が無事なだけでも結構なことだ!それよりもだ、早く学園に戻らないのか?」
「そうだな、取り敢えずもう一杯飲んでから帰ることにするよ。二人もそれでいいか?」
「勿論です!」
「うん!」
このあと、もう一杯コーヒーを飲んだヴィンス達は学園に帰ったのだがそこで色々な書類と調書を書くはめになって少々クロエが発狂したのは別の話。
To be continued.......
な、長かったぁ・・・・・・。
だんだん話がぶれてきてるけどどこかで修正かましたいとはおもう。
次回予告
臨海学校前日、港に鎮座するトーリスだったがその内部では様々なことが行われようとしていた。さらには兎も自らの安全を確保すべく大海原に立つのだった。
次回はこれまでのまとめとおまけみたいなものをお送りしていきます!
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第43話 嵐の前の静けさ/兎、メビウスを越える
今回は言わば作者が設定を確認するための中継地点的なやつです。ただし、それだけでは物足りないのでおまけに小話を二つご用意しました。
文章構成としては
三分の一 設定まとめ
三分の一 嵐の前の静けさ
三分の一 兎、メビウスを越える
といった形です。
というか、最近思うけどネプテューヌっていう小説とかゲームとかアニメ良くね?人物像が面白そう 取り敢えず動画探してみるか
ここまでの設定(初期設定より変更あり)
ヴィンセント・グライスナー
・元マルコシアス隊の隊長で操縦技量としては申し分無い実力を誇る人物であり男としてISを使える数少ない操縦者であり、クロエの義理のお兄さん。そして(ガンダムの方の)クロエとは義理ではない兄妹関係にある。真面目でどんなときも冷静に対応することが多いがクロエ達にだけは甘い。
搭乗IS ペイルライダー・キャバルリー(VG)
武装 腕部ビーム・サーベル×2
頭部二連装バルカン
ハイパー・ビーム・ライフル
シェキナー(メガ・ビーム・ランチャー、六連装ミサイルランチャー、フレームアームドガトリングガン)
搭乗MS AMX-018-2[HADESR]LulisRitter
機体出力 12400kw
武装 腕部ビーム・サーベル×2
ハイパー・ビーム・サーベル×2
ハイパー・ナックル・バスター(Nomal.Blast,Buster.Burst.FullAuto.FullPower)
腰部マシンキャノン×2
トライブレード・インコム×6
頭部二連装バルカン
シェキナー改(ビーム・マグナム、連装ビームガトリングガン、連装ミサイルポッド)
クロエ・クローチェ
・ヴィンセントの前世の妻であり現世では妹の関係にある初代強化人間。洗脳薬や強化薬にある程度の耐性を持ち並みのことでは倒れない少女(なおヴィンセントに関しては(ry)。クーとラウラとは血は繋がってないが同じ人間によって作られたため、束さんの悪戯により義理の妹という関係になった。因みにHADESに関しては未だに耐性がなくリミッターを一旦解除させてしまうと性格が変貌し気の済むまで破壊と殺戮を行う破壊の修羅神とも言われている。
搭乗IS ペイルライダー改
備考 ヘッドがゴーグルアイからデュアルアイに改修
武装 腕部ビーム・サーベル×2
両腕部ビーム・スポットガン
90mmブルパップ・マシンガン
ハイパー・ビーム・ライフル
3連装ミサイルポッド×2
180mmキャノン砲
ジャイアント・ガトリングガン
頭部二連装バルカン
搭乗MS AMX-018-1E[HADES]EhrsRitter
備考 ヘッドゴーグルアイがデュアルツインアイに改修
機体出力 868000kw
武装 腕部ビーム・サーベル×2
頭部二連装バルカン
腰部マシンキャノン×2
ハイパー・ビーム・サーベル×2
ハイパー・ナックル・バスター(Nomal.FullAuto.Buster.Burst.Blast.FullPower.Program)
トライブレード・インコム×6
3連装シールドメガ粒子砲
CBSRFLll(チャージ・ビーム・スナイパー・ライフル射程火力強化型)
クロエ・クロニクル
・元より試験管ベビーとして生まれ光ファイバーを全身に張り巡らされ失明した過去を持つ少女。クロエと遺伝子上の姉妹関係にありヴィンセントの義理の妹でもある。いつの間にかELSと同化していたトーリスに乗っていた事をきっかけに知らず知らずのうちに失明状態から回復しつつあるが本人は気づいていない模様。
搭乗IS デュラハン・リッター
武装 腕部ビーム・サーベル×2
ハイパー・ビーム・サーベル×2
頭部二連装バルカン
腰部マシンキャノン×2
ハイパー・ナックル・バスター(Nomal.FullAuto.Burst.Blast.Buster.FullPower)
トライブレード・インコム×6
シールド・ガトリング×2
搭乗MS AMX-018-3[HADESD]DurahanRitter
機体出力 12800kw
武装 腕部ビーム・サーベル×2
ハイパー・ビーム・サーベル
頭部二連装バルカン
腰部マシンキャノン×2
ハイパー・ナックル・バスター(Nomal.Burst.Buster.Blast.FullAuto.FullPower)
トライブレード・インコム×6
シールド・ガトリング×2
????専用機 AMX-018-4[HADESN]NeplisRitter
機体出力 13100kw
武装 腕部ビーム・サーベル×2
腰部マシンキャノン×2
ハイパー・ビーム・サーベル×2
チャージ・ビーム・ランチャー
トライブレード・インコム×6
簡易型核ミサイルランチャー
束博士がこれまでの稼働データを元に独自に製作したトーリスリッター四号機。頭部のデータはそのままだが姉妹キャラ作りに奔走した結果謎に甘えん坊になったシステムAIにより出力が若干低下している。尚機動力は上の三姉妹より上である。
篠ノ之束
・ISの産みの親である天災科学者。現在クーを義理の妹として迎えているが戸籍上は血の繋がった妹ということになっている。ISコアを作れるが自身はISに乗ることができない、といった弱点を持ち普段は隠れ家に隠れて住んでいる。また、降ってきたELSの影響で老化が遅い。
搭乗MS ????
ペイルちゃん
・ペイルライダーのコア人格であり、ペイルライダーのHADESが擬人化した存在。常日頃からクロエの事を心配し普段からことある度に束の頭を何かしらの鈍器で殴っている。器さえあれば現代世界にも現れることが可能。尚トーリス四姉妹の長女。
トリスちゃん
・デュラハンリッターのコア人格であり、ペイルライダーの妹、さらにトーリスリッターのHADESが擬人化した存在。ペイルと同じようにクーの事を心配するがそこまで気にしてはいない模様。ペイルと同じように器さえあれば現代世界にも現れることが可能。尚トーリス四姉妹の次女。
ルリちゃん
・ルーリスリッターのコア人格であり、ルーリスリッターのHADESが擬人化した存在。自身のHADESの事をオモイカネちゃんと命名しヴィンセントの事を慕う。何やら重要な秘密を持っているがブラックボックスな為に解析不能。ペイル達と同じように器さえあれば現代世界にも現れることが可能。尚トーリス四姉妹の三女。
エルちゃん
・クロエのトーリスリッターに同化している少女。その正体は外宇宙から降ってきたELSでクロエにも同化させている。その特性上自動で機体修復を行ってくれる優れものだが大層な甘えん坊。恐らくクロエとヴィンセントがイチャイチャしているより構って度が高い。なお、三人とは違って金属を結合させることで実体化が可能。リミッターを容赦なく外してくれる犯人。その内姉妹全員実体化させそう。()
?????
・束が今まで収集した稼働データを元に独自に製作したIS兼小型MSに搭載されたHADESシステムのAI。まだ侵されてはいないがその内侵される。性格は某女神のごとく自由奔放でとにかく働くのが大っ嫌いな少女。だが、姉妹が傷つくと性格が豹変、完膚なきまでに叩きのめす若干二重人格な子。尚トーリス四姉妹の四女。ちなみにコンカストーリスが出るから悪い。
ダグ・シュナイド
・複合モールの近くの一本道に喫茶店を構える店長であり前世のマルコシアス隊中隊長。その店の地下には前世で自分の残した遺産であるイフリートが鎮座している。因みにかなりの家事プロ。
搭乗MS MS-08TX EFREET
機体出力 20140kw
武装 ヒート・ランス
ジャイアント・バズーカ
ショットガン
両腕部3連装90mmガトリングガン
スモーク・ディスチャージャー×4
アンネローゼ・ローゼンハイン
・クロエとともに前世で死闘を行ったマルコシアス隊の一員。時折プル達の見張りをしているがその様子はさながら我が子を見守る母である。
搭乗IS ??????
搭乗MS ????????
エルピー・プル
・ジオンのクローンニュータイプ計画の際にできた初期ロットの少女。大の甘い物好きでその酷さはマリーダのアイス好きに匹敵する。なぜかヴィンセントの事を父のように思うが父はグレミーなのである。非情。
搭乗IS キュベレイMk-ll
武装 ビーム・サーベル×2
腕部ビーム・ガン×2
ファンネル×15
搭乗MS ??????
プルツー
・ジオンのクローンニュータイプ計画の第二ロットでプルの実の妹。エルピー・プルとは間反対の性格で戦闘を好むがその際クロエと意気投合し仲良くなる。尚、プルとは前世のことで和解し仲良くやっている。そのお陰か少しは少女らしい一面も出てきている。
搭乗IS キュベレイMk-ll
武装 ビーム・サーベル×2
両腕部ビーム・ガン
ファンネル×15
マリーダ・クルス(プルトゥエルブ)
・ジオンのクローンニュータイプ計画の第十二ロット。冷静沈着で二人よりも大人びているのだが戸籍上はプルの妹である。ナンテコッタイ。グレミーの事をマスターと呼ぶが当の本人はお気に召してない模様。
搭乗IS クシャトリャ
武装 ビーム・サーベル×2
胸部マシンキャノン×2
胸部メガ粒子砲×4
バインダー部メガ粒子砲×2
ファンネル×16
グレミー・トト
・ローゼやプル達を部下とする地球周回軌道に位置している小惑星【アクシズ】の指導者であり、地球に降下したアクシズ支部である旗艦【レウルーラ】の艦長。冷静沈着で部下思い。更には本来プルツーの専用機であるクィン・マンサの3号機を作らせ、オールドタイプ用に改修した【クィン・マンサ改】のパイロットでもある。前世のような野心は未だに持ってはいるものの、プル達から聞かされたとある報告の後、きれいさっぱり消えている。
搭乗旗艦 レウルーラ
武装 対空レーザー砲×32
メガ粒子主砲×10
メガ粒子副砲×16
連装ビーム砲×12
単装ビーム砲×12
ミサイル発射管×24
搭乗MS NZ-000[GT]Quin Mantha Custam
機体出力 14500kw
武装 大型ビーム・サーベル×2
胸部メガ粒子砲×2
肩部メガ粒子砲×6
頭部3連装メガ粒子砲
ハイパー・メガ・ビーム・ランチャー
腕部メガ粒子砲×2(Charge.Blast.Buster.Burst)
トゥトゥミックバズーカ
トラヴィス・カークランド
・反IS組織に身を寄せる謎の人物。あの手この手でISを破壊しようと部下二人を率いて策を練る。
グレイヴ
・反IS組織の指導者。そのすべてが不明な人物。
以下、 嵐の前の静けさ
臨海学校前日、それぞれが準備を終えて眠る夜中の事。箒は寮の屋上にいた。
「私は、どうすればいいんだろうか・・・・・!」
夜風に当たる箒の左手は強く握られ今にも血が出てきそうだった。するとその時、箒はポケットが震えていることに気づいた。何かと思ってポケットに手を突っ込んでみる。その中には一応、と思っていれていたスマホがあった。何事かと開いてみると電話、それも音沙汰がなかった束からの電話だった。箒は直ぐ様ロックを解除して電話をとる。
「姉さん!?今まで音沙汰なしで何してたんですか!?」
開口一番に出たのは心配に混ざった怒声。それを束は軽くいなし、
「ごめんね箒ちゃん、今まで構ってあげられなくてゴメンね。色々あったんだ・・・・・。」
「そんな・・・・・今さら勝手ですよ姉さん!」
「許してほしい・・・・・とまではいかないけれど相談のひとつやふたつくらいは聞ける時間はとれたから・・・・。」
束は小声でそうつげる。箒は少し唸ったがやがて諦め、
「・・・・はぁ、何があったか模索しないでおきます。ですが!ちゃんと顔は見せてください!!」
「その事に関しては元よりするつもりだったから良いよ~。」
「そうですか・・・・・えっ?」
箒は予想外の答えに自分の姉に何があったのか、とぎょっとする。それに対し束はまるでわかっていたかのように、
「ははーん、その顔、明後日がなんの日かも分かっていないようだね~。」
「明後日・・・・・?・・・はっ!?」
箒は明後日がなんの日かすぐに察した。
「自分の・・・・・誕生日・・・・。」
「我が妹の誕生日を忘れる姉はいないってね!と言うことでささやかな(ISの)プレゼントを持っていくから待っててね!箒ちゃん!」
「は、はぁ・・・。」
「それっじゃ!まったね~!」
それを境に電話は途切れた。箒はその電話を切るとポケットにしまい、再び夜空を見上げる。
「私の誕生日か・・・・・一夏は覚えているのか・・・・・・ん?」
箒は不穏な影を見つけた。いや、見てしまったと言うべきか。
うにょうにょとクロエのMSに漂う触手の数々を。
その頃、トーリスもといエールスでは不穏な改造が行われていた。
「ふふふーん♪明日が楽しみだな~!」
「ペイちゃん・・・・・何で明日が楽しみなの・・・?」
エルちゃんがペイがHADESの中で何やら準備をしている様子を見て恐る恐る聞いてみる。
「ふっふーん、実は束さんから一旦秘密基地に戻ってくるように連絡が来てね、それで急いで準備をしているの!」
「座標はわかるの?」
「一応ね、と言うか私たちにとっては因縁深い場所かな。」
「?」
エルは準備をしながらペイの話を聞いていく。話によると、「私をさんざん痛め付けてくれた組織の旗艦」らしい。エルは不思議そうに聞きながら外部触手でエールスの装甲等を整備していく。
「あ!エルちゃん、後表面に対防水加工もおねがいね♪」
「注文が多いですね・・・・・。」
そう言いつつエルは触手を使って装甲に対防水コーティングを施していく。
「相変わらず仕事の早いこと・・・・それが終わったら朝まで眠って指定座標までいくよ!」
「了解です!」
このあと、翌朝に二人が港を覗いてみるとトーリスがいなくなっていることに気づき若干慌てる二人の姿があったそうな。
束の秘密ファクトリー
「・・・・・・・・・・何の用なの?邪魔だから消えてよ。」
「そういうわけにはいかないな、こちらは物的証拠を掴んでいるのだよ。」
「物的証拠?何の事を言ってるのかな?誰に対して口を開いているのかな?」
「しらばっくれてもこちらから攻める用意はできているんだぞ?」
「はぁ?この束さんの完全ステルスを見抜けるとでも思ってんの?冗談も大概にしろよクソ金髪。」
開始早々この会話である。ルリとトリスは壁に隠れてその様子を見ていた。
「こちらとしても大概にしてもらいたいものだな・・・・その気になれば隕石だって落とすことができるのだ。自分の立場をみたまえ。」
「冗談も大概にしろよ?第一隕石を落としたって私は倒せないよ?バカじゃないの?」
「良いだろう、その言葉を後悔しておくのd「グレミー、いい加減にして!」うわらばっ!?」
グレミーが恐ろしい言葉を言おうとした所を謎の少女が止める。束はそんなことにも目をくれずに今にも通信機機の電源を切ろうとしていた。
「先程はうちの艦長が御無礼を・・・・・。」
「そういう御託はいいからさっさと消えろよこのアマ。」
今にも切られそうな雰囲気の中、とあることに気づいたトリスが画面の方を指差した。
「・・・・・・あれ?あの子ってもしかして・・・・・・。」
トリスの呟きと指差してみている方向でルリも察したのか、
「あ!?まさか・・・・。」
二人が気づくと同時に向こうの少女も何かに気づいたようで、
「・・・・・あら、奥の二人ってもしかして・・・・。」
「何?あの子達は私の大事な家族なんだけど?お前ごときが見るなよゴミが。」
束は冷酷にそういうが次の瞬間一気に顔を冷やした。恐る恐る後ろに影ができつつあるその後ろに束は振り返ってみた。
「ローゼちゃんの事を・・・・・・・ゴミと言うなあああああああああ!!!!!!」
「ヘブシッ!?」
いつもペイが愛用しているハリセンで殴られた束は一発で気絶した。そしてその様子を見た少女は、
「・・・・・・やっぱり、偵察に出していたプル達の情報は本当だったのね。」
「・・・・・・貴女がクロエを死まで追い込ませかけたローゼでいいのかしら?」
「そうよ、あなた達のトーリスリッターを撃墜まで追い込んだローゼよ?」
「そう・・・・・ですか。」
「あなたたちがHADESを介してできた子達って言う認識でいいのかしら?」
ローゼが意外なことを聞いてきたので二人はたじろいだが冷静になって答えた。
「ふーん、一回実際にあってみたくなったわ。来なさい。私達のレウルーラへ。」
「え?」
「なんんで行きなりそんなことを?」
「あなた達のことがもっと知りたいの。いい?」
「束博士はどうするんですか?どうせ認めないと思いますが。」
「一緒につれてきてあげなさい。ある程度匿う用意もできてるし。」
「は、はぁ・・・・・。しかしなぜまた急にそんなことを?」
ルリがようやく口を開いてローゼに聞く。ローゼが画面を背にしながら、
「・・・・・・レウルーラの誰もが合いたいのよ、中隊長とその妹に。・・・・・・じゃ、よろしくいっといて♪」
「え、ちょ!?」
それを最後に通信は切れた。数分後、冷静さを取り戻したルリ達はペイに一連の事を話すと束を連行しレウルーラへ飛び立つのだった。
To be continued........
どこかの海域
「指揮官様~戦果報告ですわ~。」
「姉さん・・・・・。」
「まあまあ気楽にやるのがここのモットーだから・・・・・。」
「ですがそれではわれわれの役目としての面子が・・・・。」
「其だったら俺だって同じさ。あと数日もすれば同じ場に立てるがな。」
「それって地下で建設中の対セイレーン撃滅用の巨大艦船のことですわね?」
「何時までも二人や合い面に任せてばっかじゃ威厳が立たないからね。さて、戦果の書類は確認したから下がっていいよん。」
「ではお言葉に甘えて・・・・・・。」
「し~き~か~ん~!あ~そ~び~にき~た~よ~!!!」
「・・・・・うん、来るのはわかってたから頼むから直行でこないでくれるか?いつもの場所に特製の物は置いてあるから・・・・・・・。」
はてさてこの光景はいったいなんなんでしょうかね。
ずいぶん最後が強引でしたなぁ・・・・・・文才のなさが招いた事故ですわ()
次回予告
とうとうやって来た海。ヴィンセントとクロエはみんなが気づかないほどの微弱な電波を受信した場所を便りに海岸から離離れた沖合いに向かおうとしていた。その沖合いにはどのような真実が隠されているのか。
5/6 謎のトーリス四姉妹の四女を追加記載
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第44話 黙示録と港と艦船と
「はぁぁぁぁ・・・・・ヴィンセントだ。」
「んもー、やっと前書き出れるんだよ?シャキッとしよ!どうも!クロエです!」
さて、今回は本来出すはずのなかった二作品を先取りしてお送りしていきます。黙示録はみんな大好きペイルちゃんでお送りする今回、どんな風になるのか!!
「「・・・・・・喋る出番なかった・・・・・。」」
あらすじ
前日の深夜に箒は久々に連絡を取ることに成功し近々会うことを約束し就寝しようとしたところ、丁度防水加工を施している最中のトーリスを見てしまい恐怖で足早に帰ってしまう。同じ頃、束はレウルーラの艦長であるグレミーが恐ろしい言葉を言おうとした所を謎の少女が止める。果たして彼らはどうなるのか。
翌日の朝、多少アクシデントはあれども時間通りに一夏達は臨海学校の目的地である旅館に発った。その際、ヴィンスとクロエが二人寄り添って寝ている姿を見たセシリアやシャル達が嫉妬し他の生徒もブラックコーヒーを一気飲みするなか、クーだけは二人の寝顔を見ながら周辺の警戒もしていた。
「な、なあクー、そこまで警戒しなくても良いんじゃないか?」
「いえ、この前のようなことがあっては博士になんと報告すれば良いのか面目が立たないので・・・・・。」
「あー、そうか、あの博士のことだから確かにやりかねないか。」
一夏はすぐに疑問の答えに納得すると自分の席で再びリラックスし始めた。数分後、流石にクーも長時間警戒しているのが疲れたのか静かに寝息が聞こえ始めた。
「うん・・・・・まあ、そうなるよな。」
「今は静かに寝かせてあげましょう。途中で起きて暴走されたらたまったもんじゃありませんわ。」
「私も流石にそれには同感だな・・・・・。」
そしてバスは海岸線沿いを後にした。
「ふー、隊長は元気みたいね。戸籍上じゃあのトーリスのパイロットの・・・・・クロエちゃんだっけ?と妹とかいうことになってるし。あいつらが幸せならそれで良いか♪」
少し離れた島の影で一人の少女が観察していることには誰一人として気づかなかった。
その頃、一夏達が向かっている旅館の真反対側に位置する大きな漁港には一隻の戦艦が停泊していた。その名こそアクシズ重力下戦線前線移動司令戦艦基地旗艦【レウルーラ】である。その内部では一人の兎とレウルーラの艦長がいがみ合っていた。
「・・・・・なんであんたがここにいるのさ?」
「決まってるだろ、ここは私の艦だ。」
「あっそ、ルリちゃん達は?ちゃんと丁重にもてなしているんだろうな?やってなかったら今ここで存在を消しても良いんだよカスが。」
「あー、・・・・・・其なんだがな・・・・・。」
「ああ?」
艦長の濁す発言に束は常備していたナイフを艦長に向ける。が、部屋の放送スピーカーからの音声で二人の動きは止まった。
『うーん!気持ちい~!!』
『この感覚・・・・この動き・・・・、懐かしいわ・・・・。』
『・・・・・・バカばっか。・・・・・・でも、楽しいと思えるのはなんで・・・・・?』
室内のスピーカーから聞こえてくるルリとペイとトリスの各々の感想。それを聞いた束は表情を変えて問うた。
「・・・・・・何をしたの?回答によっては今ここで消す。」
束の発言を聞いた艦長・・・・・・もといグレミーは息を詰まらせながらも自分の艦長席に深く座り込み束を背にして話し始めた。
「・・・・・お前も知っている通りあのMS・・・・・トーリスシリーズは我がネオ・ジオン軍が10年の歳月をかけ改修を行った機体達だ。それ故アレの特性をよく知る優秀なメカニックも多い。数十分で整備を終わらせてもらいあの三人にその使い心地を試してもらうがてらあのMSで遊ぶ許可を出したら・・・・・・・このザマだ。」
束はグレミーの話にキョトンとしていた。
ーMSを数十分で直す子!?ー
ーそんなのが実際にいるとしたらISの宇宙進出へ向けて大きな一歩を踏み出せるかもしれない!ー
ーそうと決まれば!ー
束はいくつかの意見をまとめあげグレミーにその書類を渡した。そして、
「・・・・・・うん!今の君の発言は信用を取るに値する人間だとわかったから殺すのはなしにしてあげる!それにペルリちゃんやトリスちゃんたちのトーリスも修理してもらったしね♪これだけでも感謝しきれないくらいだよ!」
「そうか・・・・。・・・・・言っとくが私はISと言うものがだいっきらいだ。」
「じゃあ私もはっきりいうよ?・・・・・私もあんたみたいな人がだいっきらいだよ。」
二人は顔をガン見しながらいがみ合い、にらみ合い、そして、
「「・・くっ、アハハハハハハハハハハハ!!!」」
二人は吹き出したかのように笑うとさっきまでの嫌悪感はすっかり消え去っていた。
「・・・・・・何やってんだか・・・・。」
「まあグレミーのことだしね・・・・。」
「マスターのことなら仕方あるまい。」
室外からこっそり聞いてた三人からは呆れにも見えた愚痴が溢れた。
「此れからお世話になる旅館の従業員の皆さんだ。迷惑をかけないようにしろよ。」
千冬の声がバスから降りた生徒全員に告げられ生徒達はほぼ全員がそれにたいして返事を返した。その後、簡単な日程説明や留意事項等が告げられ各々はそれぞれ振り分けられた部屋に荷物を置きに行く。もちろんそれはヴィンセントとクロエにとっても例外ではないわけだが、
「・・・・御兄様、少し位ならまだ荷物を持てますけど・・・・。」
「心配しなくても良いよクー、こんなもの戦争じゃざらにあったからな。・・・・・だがクロエがまだ起きないのは想定外だったが。」
ヴィンセントは今だ疲れがとれないのかスヤスヤ眠っているクロエを担ぎながら自分の荷物とクロエの荷物を持って部屋へ移動していた。クーはこれ以降も何度か手伝うと進言したが全て上手く交わされた。数分後、指定された部屋に来た三人は荷物を置き、ヴィンセントは寝ているクロエを起こさないようにそっと下ろした。因みにあの説明のあとの解散からは夕方まで自由時間なので女子達は否が応なく海へ向かっているがヴィンセントはクロエが起きるまで待っていようかと考えた。そしてその時は意外にも早く来た。
「・・・・・・・うゅ?あれ、いつの間にか寝てたの・・・・?」
「やっとお目覚めか・・・・・。」
「あれ、ヴィンス、ここって旅館だよね?」
「?ああ、そうだが。」
クロエが突拍子もない質問をするのでヴィンスは少し不思議に思ったがいつものことだと思ったのかすぐに返答を返した。するとクロエは何かを察したように、
「なんで付近にNZの感応波が出てるの・・・・・?」
「っ!?」
彼女はそう戦闘モードの顔で呟いた。ヴィンスもNZという単語に反応して状況整理を頭の中で行う。何が起こっているのか分からないクーはただ二人の後ろ姿を眺めながら自分の荷物を整理していく。、やがて推測を建て終わったヴィンスが口を開いた。
「クロエ、恐らくNZの・・・・・いや、クィン・マンサの感応波はプルツーのものかと思う。」
「プルツーちゃんの・・・・・?元々彼女の専用機だしあり得なくはないと思うけど・・・・。」
『多分そうだろうね。今レウルーラにいるルリちゃんたちに連絡を取ったら近くで何故かプル三姉妹が警備をしてるらしいよ?IS学園の職員には恐らくバレてないし許可ももらってないと思うけど・・・・。』
「そうかそうか、プル達もここに来ているのか・・・・・・ん?」
「今レウルーラって・・・・。」
「レウルーラ・・・・・?」
「ああ、クロエと一緒に身を寄せていた組織の艦だ。いやだが、そんなはずは・・・・・。」
ヴィンセントは思いたくもない予測を次々に建てていく。そしてそれは運悪く、
「あ、GPSから反応あり。この島のちょうど間反対の漁港に停泊してますね。」
「おおう・・・・・・・・。」
ヴィンセントは頭を抱えた。只でさえレウルーラがいるだけでも厄介なのにそれが間反対の港で停泊中ともなれば頭を抱えたくもなる。事実、クロエも頭を抱えていた。クーは二人をなだめようとしたが瞬間、ヴィンセントがガバッと立ち上がり、
「よし、俺たちはこんな話なんて聞いてもないし見てもいない!とにかく今日のことは忘れる!」
「うん、いちいち考えたらキリが無いもんね!」
「そうときまったら早くいきましょう!もうかれこれ1時間は費やしてしまってますよ?」
「わかってる、急いで着替えて思いっきり遊ぶぞ!」
「「おお~!!」」
結果論としてだんまりを決め込んだヴィンセント達は少し遅れて海岸に向かい日がくれるまで泳ぎまくっていたという。その最中、意外にもクーの水泳能力がずば抜けていたりクロエがヴィンセント程ではないがカナヅチだったりと一夏達は見ていた最中で知らざる知識を得たことによって少々驚いているようだった。
時は過ぎて旅館の大広間に場面は写る。一夏達は既に大広間に用意された夕食を食べに行くべく渡り廊下を歩いていた。もちろんそれはヴィンセント達も例外ではなく反対側から談笑しながら大広間へと向かってきていた。
「一日目からあんな一面を見られるなんてな・・・・ヴィンセントにもあんな弱点があるなんて思わなかったぞ。」
「そうですわね。元軍人とは言えサバイバル訓練くらいはしていると思いましたのに。」
「バカいえ、元々俺は宇宙暮らしだったんだ。宇宙に海があるわけないだろ・・・・ったく、こんなことなら誰かに泳ぎを教えてもらうべきだったよ・・・・。」
ヴィンセントがそう愚痴りながらメインのおかずである赤身と白身の刺身の盛り合わせを頬張る。クロエもそれを見たのかとなりにあった緑のペーストを思いっきり乗っけて赤身を頬張った。クーはその緑のペーストがなんなのか知っていたため若干顔がひきつった。勿論一夏達の中にもクロエとおんなじことをしている人は居たわけで・・・・・。
「「!?!?!?!」」
セシリアとシャルロットが同時に顔をひきつらせた。クロエは表面上こそ平常な顔をしているがヴィンセントはその内なる本当の表情がわかったため躊躇なく冷水を入れたコップをクロエのそばにおいた。クロエはそれにいち早く反応しHADES起動時より早い反応速度でコップを掴むと一気に流し込んだ。そして出た言葉が、
「・・・・・ぐぬぅ・・・・・辛い。」
クロエは流し終えたコップを置くと荒い息を整えながら冷や汗だくだくの顔を首に巻いていたタオルで拭った。しかしながらまだその表情は辛そうな顔をしている。ヴィンセントは何度かこの手の物は食べていたのでなれてはいたがクロエやセシリア達は言わば外国人なので日本のわさびを知らなかったのだろう。クロエは脱力してヴィンセントに持たれた。
「辛い・・・・うぅ・・・・。」
「うん、よく耐えたから・・・・うん。」
数分後、大広間の食事会場では大量のわさびの消費が報告されたという。
その夜のこと、セシリアは自室に戻るため渡り廊下を歩いていた。途中鈴達がふすまの中から聞こえてくる一夏の声の真相を聞こうと聞き耳を立てていたところはスルーしてヴィンセント達の部屋の近くまで来ていた。ヴィンセント達やセシリアの部屋・・・・・もとい海側の部屋は一部吹き抜けになっているのでさっきのわさびの味を忘れようと夜風に当たろうとしていた。
「明日から本格的な訓練とはいえ、このまま何もなければよろしいのですが・・・・・。」
そうぼやくセシリアの隣の部屋ではクロエとヴィンセント、そしてクーが明日の対応について考えていた。
「十中八九明日は恐らく博士が乱入してくるであろう事が容易に予想できるんだが・・・・・いまルリ達はどこにいる?
」
『・・・・・・・寝てますね。位置を把握できない。』
「寝ててもHADESの波動で位置は特定できるはずだけど・・・・。」
「あまり気にしてても意味はないと思いますよ?たしか御兄様の戦友の常呂にあの子達は居るんでしたよね?」
「それを言えばそうなんだが・・・・・・どうにもな・・・・。」
「欲を言えば一度敵対されたこともあるし許せないというかなんというか・・・・・・。」
ヴィンスが口ごもるのでクロエが補足を加えるがそれでもクロエもぼやいている。クーはあまりこの事について深く踏み込まない方がいいと判断したか話題を切ろうとした。
「そうですか・・・・とりあえず明日にならないと分からないですしそろそろ寝ましょう。」
「お兄ちゃん!隣で寝よ!」
「もう慣れた自分が怖い・・・・・。」
「では私も便乗して・・・・・・。」
その日はヴィンスは一睡もできなかったと言う。
To be continued.......
所々シーンははしょっていますけどそろそろ夏休み編(SAO編)やりたいんですよね・・・・・。
次回予告
二日目の実機訓練、専用機持ちは岩場にて本国から受領した試作兵器の運用試験を行おうと集合していたがその中には箒も居た。首をかしげる全員に現れたのは皆が知るあのウサギとヴィンセントとクロエがよく知るISに似た何かのマシーンだった。
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第45話 ロールアウト
さてさて今回はせめて接敵まで行きたいところ。
あらすじ
海に臨海学校のためにやって来た一年生一同。ヴィンセントとクロエも名一杯楽しもうとするがどうにも楽しめない様子。その頃レウルーラでは何やら不穏な動きが・・・・。
翌日・・・・
二日目から臨海学校は本番を迎える。訓練機による実機訓練等を行うのが目的だが専用機持ちはその限りではない。国から送られてくる試作兵器の運用試験などもここで行うのだ。そんな最中、島の中央からやや南よりの岩場の川原に専用機持ちは集まっていた。
「では、此より専用機持ちによる兵器運用試験を行う!」
千冬が声を紡ぐがそれより早くセシリアが挙手して発言の許可を乞う。千冬はそれを認めた。
「何故専用機持ちでない箒さんがここにいらっしゃるのですか?」
「そ、それは・・・・。」
箒は声をつまらせる。千冬も何か言おうとしたがそれより先に叫び声がそれを塞いだ。
「ちぃぃぃぃぃちゃぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!ヴィーくぅぅぅぅぅぅんんんん!!!!クーちゃぁぁぁぁぁぁんんんんんんんん!!!クーロちゃぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんんん!!!」
「「・・・・・・・・・・。」」
クロエとヴィンセントは呆れて話す言葉を失った。クーは頭を抱える。詰まるところ三人とも呆れてものも言えない。他のセシリアや一夏達もポカーンとしていた。
「さあハグしよ!ハグs・・・・へぶゥ!?」
「煩いぞ束。このまま頭を粉砕されたいか?それとも木刀で粉砕されたいか?」
千冬ががっしりとその兎の頭を掴んでその動きを止めた。尚、ヴィンスも悪乗りして、
「千冬さん、ここは丁度出力効率の改良を施したビーム・サーベルがあるんでそれでずばっと融かしちゃえば・・・・。」
「ちーちゃんもクロちゃんも物騒すぎるよね!?束さん死ぬこと前提だよね!?」
「「「だって束(博士)がいると厄介事しか起こらないですし(からな)。」」」
「酷い!?」
さらっとヴィンセントも話に混ざるなか唯一おいていかれている専用機持ち達は、
「・・・・え?・・・・え?」
「な、なななななななんでこんなところに束博士が来てるんですか!?」
「えー、説明する同理は無いけど特別に説明してやろう!今日は7月7日!箒ちゃんの誕生日なのだ~!ブイ!」
束が左手でブイサインを作ると共に専用機持ち達があっけにとられていた。それを見る暇もなく束は何処からともなくコンソールを叩く。
「其では大空をご覧あれ!!!」
束の号令と同時に全員が上を向いた。瞬間、クロエとヴィンセントはハイパー・ナックル・バスターを展開すると上空に向かって発射した。二発のビームは落ちてくる四角い物体を通り越しその奥にいる何かを捉えたが直前でかき消された。その様子を見て束は、
「・・・・・・ヴィー君にはバレちゃうか。」
「・・・・昨日からばれてたよ束さん・・・・・。」
「サプライズもお見通し!?」
束ががっくりと落ち込むなか四角い物体が地面すれすれで停止すると共に四機の巨大な何かが上空から降りてきた。三機は似たような形だが1機はスケールが若干小型化されており、一機はカラーリングが赤でまとめられていた。四機目は黒を基調とした機体だが二人はこの機体に大分察しが付いたようだった。
「・・・・・ISの最終目標を根底からひっくり返すようなものつれてきてどうするんですか・・・・。」
ヴィンセントは軽く声を漏らす。それをよそ目に束は物体の解除作業を行っていく。ものの数分で解除し終えた束はそのロックを開けた。
「さあこれが!束さんから箒ちゃんへの誕生日プレゼントである第四世代IS赤椿だよ!!」
「これが・・・・・私の専用機・・・・。」
箒は自らのために作られた赤椿にゆっくりと近づいていく。赤椿はそれを受け入れるかのように自らの正面を解放した。
「基本データは箒ちゃんの最新データを入れてあるけど最適化のためには現行データも必要だからためしに一回乗ってみて!」
「は、はい・・姉さん。」
箒は言われるがまま赤椿に乗り込む。それを確認した束はデータの解析を行い細かな調整を行っていく。そしてその作業から凡そ二分後、最適化の作業が終わり赤椿は正式に箒の専用機となった。その際セシリア達は、
「誕生日と言うだけで専用機を・・・・。」
とセシリア、
「何処も今は第三世代で手一杯なのにあっさりと第四世代を・・・・。」
とシャル、
「近接よりの機動機体・・・・あの子が振り回されないといいけど。」
と鈴、
「彼奴がこれで浮かれないと良いが・・・・・。」
と不安要素を口にするラウラ、
「・・・・今の状態で箒は大丈夫なのか・・・・・?」
と自分で疑問を呈する一夏。対してクロエ達はというと、
「ヴィンス、あれ。」
「ああ、箒は新たに手にした力に簡単に溺れている。そういうやつほど戦場で命を落としやすい。」
「何か嫌な予感がします・・・・。」
三人はそれぞれ箒の表情から大まかな心情を察した。すると突然ヴィンセントの視界が不意に黒く染まった。同時に後ろから、
「だーれでしょうか?隊長♪」
クロエたちには後ろにいるのが誰かわかっているがあえて言わないことにした。そしてヴィンスは目隠ししている手を強引にはずすと小言っぽく、
「はぁ・・・・・分かっているよ。久しぶりだな、ローゼ。まさかお前までここに来ているとは思わなかったが。」
「正式に言えばマルコシアス隊全員がアクシズに来てるけどね。」
「えー・・・・・。」
軽く口を吐いてく二人だがその真っ只中にいるクロエは背中に隠れて縮こまっていた。ローぜはそれを見つけるや否やクロエに近づくと、
「・・・・・・。」
「警戒しないでクロエちゃん。あっちでの事をまだ引きずってるのかしら?」
「・・・・・・・・トーリス半壊させたくせに。」
「・・・・・・・・ヴィンス、クロエってもしかして・・・・。」
「ローゼの予想であっている。」
「なかなかこじらせててきついわねこれは・・・なかなか来るものがあるわよ・・・・。」
クロエにそっぽ向かれてローゼはやや堪えた。そんな様子をはなからみていた一夏達は勿論この状況が読めない。
「あ、あ、ヴィンセント?この人は一体・・・?」
「ああ、一夏達にはまだ話していなかったな。こいつは同期のアンネローゼ・ローゼンハイン。まあ親友だ。(ローゼ、話のつじつまを合わせろよ?)」
「(分かってる、変な騒ぎにはしたくないしね)いっつも隊長がお世話になってるわね。今はこうして博士の護衛として来ているけど本来なら後3人いるはずよ・・・・?」
ローゼは先ほど飛び降りてきた岩肌の方をチラッと覗く。そしてローゼは首をかしげる。一夏達もヴィンセントもクロエも皆同じ方向を向いて首をかしげた。しかし千冬がそのムードをぶち壊すかのように一夏達とローゼ達の間に割り込み、
「お前ら!よそ見していないでさっさとISを展開しろ!」
千冬の一喝によって再開された試験装備実践試験はおおむね順調に進むかに思われた。だが、クロエ達は何かあると前もって考えていた。すると旅館へ続く一本道の方から山田先生が駆けてきた。その行きは切れきれになっており三人は一瞬でそれが事態が急を要することを察した。
「織斑先生!!織斑先生!!」
「どうした!?山田先生!」
「今先方学園本部から緊急メールでこのような内容の司令が海外から届いたとこちらに通達されまして・・・。」
山田先生はまだ完全に整ってない息を無理矢理吸い込みながら一夏達には聞こえないように小声で話していたがヴィンセント達には読唇術で内容が筒抜けになっていた。
「ヴィンs・・・・お兄ちゃん、どうする?なんだかこの指令・・・まるで仕組まれているかのような動きなんだけど。」
「事態が急なのは変わっていない。ローゼ、プル達を連れてレウルーラに帰投、グレミーに東沿岸上24kmの位置に艦を移動させるように連絡。最悪の事態も想定しておきたいが・・・・!」
「了解!」
ローゼは短く返すと赤いクィン・マンサに乗り込みその場を後にした。それに続くかのようにZZ、クシャトリヤ、緑のクィン・マンサも続いて飛び上がった。それを見届けたクロエとクーとヴィンスは千冬達が向かっていった方向に走った。
湾岸基地沿岸部
「ハハハハハ!!!ついにやったぞ・・・!」
「もろもろの偽造は済ましておいたわよ。作戦指令書にデータハッキングプログラムの発信源、全部日本に擦り付けたわ。」
「そうか。・・・・・・・フハハ、これでようやく暴れられるってもんよ!リッパー!ボマー!出撃だ!」
「「了解!」」
そしてついに悪魔のカウントダウンが始まる・・・・・・。
To be Continued..........
なんかこの頃セシリア達の出番が少ないなーと思い始めた今日この頃。
どうにかしてセシリア達を主体に持っていきたいけど作者のクロエちゃん大好き精神がそれを蝕んでるのが悩み。
次回予告
海外から送られてきた指令、それは学園の専用機持ちだけで軍用機を止めろと言うものだった。圧倒的に戦力が不足している学園側だったがそこに束が割り込んできて・・・・・?
次回ちょっとインフルエンザなんで遅れるかもです。
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第46話 福音討伐奇襲作戦 その1
こんかいは割かし原作キャラが多いかなぁ・・・・・。(クロエ達の出番が無いとは言ってない)
あらすじ
専用機持ちが集まるなか箒は謎の不安に包まれていた。そしてそれは命中し落ちてきたのは兎こと束だった。自らの手で製作した第四世代ISをプレゼントされた箒はその性能に陶酔する。しかし、彼らにそんな郵貯な暇を与える暇はなかった。
海外の軍事施設の通達が届いてからはや20分、旅館内は騒然としていた。千冬の一声で旅館内から出ないよう通達された生徒達は各々の部屋へ慌ただしく戻っていき、専用機持ち達は急遽大広間に設置された緊急対策本部室へと集められていた。
「現在、アメリカ軍とイスラエル軍が共同開発していたシルバリオ・ゴスペル、通称銀の福音が性能テスト中に軍の制御下を離れ暴走、基地防衛ISを蹴散らし日本へと向かい始めた。その際ここの旅館から35km西を通過することが判明、そして今緊急対応できるお前たちに白羽の矢が立った。ここまではいいな?質問は受け付ける。」
千冬が通達された内容を簡略的に説明し質疑応答を始めた。するとセシリアとヴィンセントの右手が同時に上がる。
「ヴィンセントとオルコットか、先にオルコット、お前から受け付けよう。」
指名されたセシリアは緊迫した様子で答える。
「私達だけで討伐すると言ってありましたがその際必要最低限の情報は開示されるのでしょうか?」
「・・・・・いいだろう。ただしこの機体は軍事機密の塊だ。外部に漏洩したら最低でも二年の監査が付くことを頭に考慮しておけ。」
そう言うと千冬は持っていた端末を机の上に置きデータを開示した。それぞれが拡大表示されたスペックデータに目を通していく。そしてそれぞれが思わず息を飲むように静かな息をするなかただ三人、ヴィンセント、クロエ、クーはある一定の値に戦慄した。
「御兄様・・・・・これは・・・・!?」
「・・・・・ッチ、織斑先生、こいつの武装基本出力はどれぐらいか分かりますか!?」
ヴィンセントは悪態をつくと直ぐ様千冬に投げ掛ける。千冬はタブレットを操作するとおおよその出力を計算して割り出し、
「約1480kwといったところか・・・・。」
「やはりな・・・・・・軍用のISにしてはコアジェレーター出力が高すぎる・・・・・。」
「リミッターを解除しているとでも言いたいのですか?」
「そういうことだ、セシリア。こいつは競技用のISに搭載されているジェネレーターリミッターを解除していると見ておいた方がいい。俺のキャバルリー、クロエのペイルライダー、クーのデュラハンならばジェネレーター出力、機動力、操縦者の技能の観点において十分に圧殺可能だが、操縦者の状態も踏まえるとこれは得策ではない。だが、一夏達でやるとなると明らかに性能差が出る・・・・・。一夏の零落白夜ならその限りではないが出力を可能な限り持たせるには誰か運搬役が必要だ・・・・。」
ヴィンセントが静かに事実を突きつけた瞬間、大広間の天井の一枚が抜けて兎がひょっこり顔を出した。
「其ならば、断然この紅椿が適任だと思うよ!(本来ならばヴィンセント達に瞬殺してほしいけど今本来の力を出せるあれはレウルーラでオーバーホール中・・・・無理は言ってられない・・・・!)」
束はスタッと畳に降り立つと箒を指差して自分の持論を展開した。
「なぁんと!この紅椿は若干の調整だけで従来のISの航行最大機動推力を大幅に越えた速力で運搬することができるのだ!!それでいっくんの零落白夜の瞬間火力で落とせば万事オッケーかな!!」
「ふむ、逸れも一理あるが・・・・・セシリア達はどうするのだ?」
「え?お前らは邪魔だから来なくていいy・・・・・ヘブゥッ!?」
「は~か~せ~?今何て言いました~!?」
「ひゃひもふぃっふぇふぁふぇん・・・・・!(何も言ってませぇん・・・・・。)」
束が自らの持論に身内以外は邪魔だと暴露しようとしたとき背後の殺気を感じた束は回避しようとしたが間に合わずクロエのペイルライダーの握力の餌食になった。セシリア達はそれぞれ遠い目で見ていた・・・・・・。
「博士とクロエさんの関係って一体・・・・・。」
「・・・・・・飼い主に常に逆らう犬って感じか・・・・?」
「実に分かりやすくて納得しましたわ。」
「まあそれはおいておいて、だ。一夏と箒以外の専用機持ちで一番火力が出る、若しくは後方狙撃が行える武装を持つISはあるか?恐らくラウラのカノン砲がそれに当たると思うが・・・・。」
ヴィンセントがそれぞれの武装を流し読みしながらぼそりとつぶやく。ラウラは軽く受け流すも、
「超長距離による支援砲撃ならば可能だが砲身が安定しないため撃てても6発が限界といったところだろう。」
「六発か・・・・・ならクロエも後方支援に編入、チャージ・スナイパー・ライフルで援護してくれ。」
「了解!」
クロエが短く返事をすると準備を始める。恐らくスナイパーのデータを解除するのだろう。それを見たヴィンスは再びふりかえると、
「さて、後方支援は二人に任せるとして、前衛は俺と一夏、そして箒に鈴。ディフェンダーはシャルロットとクー、お前らに任せる。」
「おっけー、短時間で決めてやる!」
「あまり図に乗るんじゃないぞ一夏、それに箒も運搬用と言うだけで戦闘は自衛程度に留めてくれ。」
「何か策があるのだな?・・・・・わかった、従おう。」
「取り合えずガーディアン・シールドも復旧してますし頑張ります!」
ヴィンスの指示を各々が聞くなかヴィンスはセシリアに近寄ると、
「其からセシリア!」
「は、はい!」
藪から棒に降ってきたのかセシリアは一瞬飛び上がるとまたすぐに冷静な表情へと変える。
「セシリアは中距離からの牽制射撃をお願いしたい。当てなくてもいい、福音の動きを制限することに重みをおいてくれればそれでいい。」
「分かりましたわ。」
「人員振り分けは以上、織斑先生、作戦開始時刻の設定を。」
そしてヴィンスはようやく千冬に全体の進行を返す。千冬はわざとらしくゴホン、と一回咳き込むと、
「作戦開始時刻は1400、各自持ち場につけ!」
「「「「「「「「「了解!!!」」」」」」」」」
アクシズ重力戦線司令部『レウルーラ』
「・・・始まってしまうのか。」
「1400にはぶつかるみたいですね。」
「分かった。一旦お前らは戻ってこい。」
そう言った端的な物言いでグレミーは帰還を指示した。ローぜは最初こそ嫌そうにしていたものの、グレミーの考えを察するとようやく帰還する気になった。
「・・・・ああ、『アレ』を使うのね。」
「ああ、『アレ』をアクシズより地球に投下し現有戦力として編入する・・・・・ざっとこんなもんか。」
「グー君のいう『アレ』がなんなのかは分からないけど取り合えずすごいものってことはよく伝わった。」
「そして、それの人員だが・・・ルリ、ペイ、トリ、お前らに任せたい。」
これには三人も束も驚いたのか目を真ん丸にしていた。さらにグレミーは続ける。
「この『アレ』・・・・・・まああアレアレいうのもめんどくさいんで言ってしまうがこのビッグ・トレーは試作機構を付けていてな。」
「変形・・・・・ですか?」
「まあそんな風に考えてもらってもいいが、実際はそんな生温いもんじゃないな。」
「・・・・・三人でシンクロでもさせる気なの?」
「ぶっふぅー!!!??」
ペイの答えた回答が予想外だったのかグレミーは口に含んでいたブラックコーヒを吹き出した。ペイ達は恐る恐る近づくがグレミーは手を掲げて大事にはなってないことを伝えると冷静な顔つきを取り戻し、
「・・・・何で分かったんだ・・・・!!」
表情を思いっきり崩壊させて泣きそうな表情で悔しがった。それに対しペイが、
「うちのクロエが察知してたわよ?と言うか次期IS及びMS運用母艦の元の戦艦を考えたのは他でもないクロエですよ?」
「ギーィィィィィィィーーーーー!!!!」
今日何度目か分からない断末魔が響いた。
「・・・・・・ぶぅえっくしょん!!」
「どうしたギー、風邪か?」
「マシュマーさん、軍人たるもの健康第一なのにそりゃないと思いますよ・・・・?」
「そうか?ほれ、薔薇だ。」
「あんたホントに薔薇好きだな・・・・・・。」
「余計なお世話だ・・・・・。ところで、例のアレの投下は完了しているのだな?」
「ええ、【対IS運用陸上戦艦ビッグ・トレー】は既にグレミーに投げてきた。話によると俺達を一回殺した相手であるHADESがその戦艦を運用するらしいがな・・・・・。」
「そうか・・・・・。後の世のために作ったあの戦艦、無駄にはしないでほしいが・・・・・。」
そんな二人の戯れ言は虚空の宇宙に溶けていった。
そして1400、いよいよ作戦は始まった。前衛をヴィンス、一夏、箒(一夏運搬)、鈴を主軸とし、中衛にシャルルとセシリアと特殊装備である360mmハイパーバズーカを携行しているクー、そして後衛にラウラと空間戦重装備仕様と呼ばれる特殊バックパックを積載したクロエ、それぞれが持ちうる最高巡航速度で福音との接触を図ろうと試みていた。そして思ったよりも早くその時間はやって来た。
「・・・・・!レーダーに機影!恐らく福音だ!箒は一夏を外して後方支援に移行、鈴と俺で福音の気をそらすから一夏はなるべく短時間でエネルギーを削ってくれ!」
「分かった!」
「其では此より作戦名【銀の福音討伐奇襲作戦】開始!全機オール・ウェポン・フリー!サーチアンドデストロイ!!」
To be continued........
接敵まで終わった!あとは明日の自分に任せる!
次回予告
福音討伐作戦は開始され連携もあってかあっさりと倒されるように見えた福音、だがそのバイザーの奥の瞳は赤く灯っていた・・・・・・。
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第47話 番外編 Axis's X'mas
はい、というわけで今回はアクシズメンバーによる番外編です。
X'masなのでかなーりはっちゃけてます。ちね。
そ し て ク リ ス マ ス に 出 せ な い 悲 劇
「・・・・・・ああ、地獄だ。」
今日はX'mas。子供にプレゼントをあげたりリア充が大爆発する日だがアクシズも例外なくお祭り騒ぎになっていた。既にヴィンセント達はビッグ・トレーというとんでもないX'masプレゼントをもらっているがそれでは物足りないという風に準備をしている二人がいた。
「ふふふ~ん、ここはああして、頭に乗っければ~・・・・・よし!これで一機完了!」
「おーどうしたクロ・・・・・・なんじゃこれ!?!?」
「あ、お兄ちゃん!見てよこの飾り付け!全部私がしたんだからね!」
ヴィンスは飾り付けられていた格納庫を見てあっけらかんとしていた。
「・・・・・・・トーリスにサンタ帽子・・・・用意周到だな・・・・。」
「そりゃそうですよ御兄様、年に一回しかないんですからこういうとき位暴れても誰も文句は言いませんって!」
「そうかな・・・・・一応何故か中隊長から押し付けられたチキンやらワインやら持ってきたが・・・。」
「それだけあれば十分だと思うよ?今キッチンでプル達もケーキを作ってるし。グレミーだってわざわざ本部を開けてまでここに来てるんだから。」
「ここはパーティー会場じゃないんだぞ・・・・・ここは水陸両用高速巡洋砲撃戦艦ビッグ・トレーの中だというのに・・・・・。」
「んー、でも御兄様?」
「ん、未だあるのか?クー。」
色々な状況に判断が追い付かないヴィンセント更に来るであろう報告に頭を抱えることになるがこの報告は頭どころか自分の寿命を抱えたくなった。
「今日がクリスマスだと知ってペイ達とても張り切っちゃってビッグ・トレーの側面砲弾全部炸裂花火弾に変えてましたよ?」
「あいつらもか・・・・・・・。」
三人が側面砲弾を花火に切り替えてることを知ったヴィンスはいよいよ自分の胃を心配しようと思った。
「・・・・・仕方ない!ここまで来たら引くに引けないか、格納庫からいらないものを全部出すぞ!」
「了解!トーリス起動させてくるね!」
「・・・・其は単にお前がトーリスと同化したいだけだろ・・・・・・・・。」
「気持ちいいからね、気にしたら負け!」
「ええぇぇぇ・・・・・・。」
結果から言うと、アクシズ総出のクリスマスパーティーが始まった。
AXIS本部
そんなことも露知らず、本部にいるギーとマシュマーは今日ものんびり事務仕事をしていた。・・・・・応接間に薔薇とクリスマスケーキがなければの話だが。
「なぁ、マシュマー・・・・俺達、悲しくありません?」
「奇遇だな・・・私も同じことを考えていたさ・・・・・。」
ギーとマシュマーは二人人気のなくなったアクシズの一画で寂しくパーティーをしていた。そんな寂しさからかギーから所々口かこぼれる。
「はぁ・・・・・グレミーはプル達に囲まれて良いよなぁ・・・・。」
「プルとプルツーに関してはともかく、マリーダは何故今年はあっちで過ごそうと思ったのかね?同じくしてジンネマンキャプテンが泣いてたぞ・・・・・。」
「キャプテンが泣くほど・・・・?でも、マリーダを娘のように想っていたくらいだしあり得なくもないか。」
そう言ってギーは切り分けたケーキをほうばる。途端にギーの顔は綻びマシュマーの顔からは癒しの色が見える。
「何年ぶりだろうか、この味は・・・・・。」
「ろくに甘いものなんて食べてる暇すら無かったですからねぇ・・・・・。ま、残すのももったいないし全部食べますか!」
「そうだな。アア、ハマーン様がいれば一切れお裾分けできたものを・・・・。」
「ハマーンさんは今頃どうしてますかね・・・・・・。」
そう言って二人が同時に向いたのは地球だった。
一方、その地球では色々騒ぎが起こっていた。
「ふふ、ふふふ~ん!やっぱりエルちゃんと一緒にいると気持ちいいね!」
水陸両用高速巡洋砲撃戦艦にトーリスをしゃがませ一時的に同化を解除しているクロエは話し相手がいなかったため本体からエルを分離させていた。そして当の本人であるエルは戦艦の備蓄庫から普通のお酒と袋等を持ってきていた。
「はい、クロエちゃんの好きなお酒持ってきたわよ~。」
「ホント!?」
「けど今は年齢的に飲めないからダメよ~。」
「むきゅう~・・・・・・。」
今の自分の年齢を自覚しているクロエは表面上であれどそのイライラを押さえられずにいた。そしてその声が聞こえたのは必然か否か。
「・・・・・・そこにいたかクロエ。」
「お兄ちゃん!」
奇遇か否かヴィンセントがローゼを引き連れて屋上に来ていた。
「ふ、こんなところで一人涼んでいたら風邪を引くだろ。」
「ひかないもん!大体お兄ちゃんだってわかってるでしょ!」
「其はそうだが・・・・・・・。」
「クロエ、あまりに中隊長を・・・・・「グルルルルルル」・・・・・お兄ちゃんを疲れさせちゃダメでしょ?まあ別に今日位ははっちゃけても良いんだけどね。」
「ならクロエ、お酒でも飲もう。エルがどうせ年齢とかの問題で酒が飲めないとかほざいていたんだろうが今日くらいは俺が言いくるめといてやる。さ、飲むぞ。」
「ありがと!お兄ちゃん!」
クロエは生き優々としてヴィンスからお酒を一口注いでもらうとちびちびと飲み始めた。ヴィンスも自分のコップに入れてゆっくりと飲み始める。ローゼは既に酔っていたのかは定かではないがつまみを加えていた。その様子を見ていたエルはむっつり顔だったがやがてもとの表情に戻した。
(まぁ、少し位はアノ子にも楽はさせてあげないとダメか・・・・。)
そう考え込むとエルはトーリスと再度同化していった。それと同時刻、ビッグ・トレーの側面三連装主砲が真上を向いた。
「今年ももう終わりか・・・・・・。」
「うん、長いようで短かったね・・・・。お兄ちゃんに会えてなかったら今頃は殺戮マシーンになってたかもしれない。」
「元の世界で妻だったお前を救わない兄がどこにいるんだよ。」
「あらあら、中隊長さんはお熱ね~。」
「んなっ!?ローゼ!そう言うお前はグレミーに続魂じゃないか!!」
「だー!!煩い!大体なんでメンバー皆殺しにしたクロエを引き取ったのよ!」
「頬っておけないからだろ!・・・・それに妹と似ていたし(ボソッ)。」
「えー?何て~?」
「何も言ってねぇよ~!!」
「良いや絶対いっt・・・・・・・
ドォォォォォン!!!ドォォォォォン!!!ドォォォォォン!!!
でしょ!」
「もー!!煩くて花火が見れない!」
「「あ・・・・・ごめん。」」
「そんなに喧嘩してる暇あるなら此方で花火見よ!」
クロエが席を開けて手招きしてくるのを見てローゼとヴィンセントは口論をやめてデッキに座った。夜空に咲き誇る花火を見ているとクロエが、
「ペイ達がくれたクリスマスプレゼントってこの夜景なのかな・・・・?」
「だとしたら相当ロマンチックよね・・・・!」
「あとで感謝しないとな・・・・。」
そして花火は撃ちきった次の日の午前2時まで続いた。
「あ、でもクリスマス3日過ぎてるよね?」
「「「「「それを言わなかったら完璧な番外編だった!!!!!」」」」」
To be continued.......
本来ならクリスマスに出したかったけど寝てたら過ぎたやつ。
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第48話 福音討伐奇襲作戦 その2
サブタイトルでお察しの方もいると思いますが漸く出したかったあいつが出せますね。。。
正直こいつを出したいが為に作った感ある小説。。
因みにこれの続編はこのまま書いていくつもりではある。
あらすじ
彼らのもとに届けられたのは二国が共同開発したISが暴走してそれを止めろと言うなんとも無謀な命令だった。だが、それに積極的に立ち向かうはヴィンセント率いる専用機持ちたち。果たして福音を撃破することができるのか。
正味サンドゥラディエゴ出したい。
・・・・・コロ落ちのジオン側BGM良くね?
デデデンデデデン!デデデンデデデン!デデデンデデデン!デデデンデデデン!
ヴィンセントの命令と共にセシリア達は一目散に散開した。福音は対象を確認するや否や背中のアンロックユニットに光を迸らせる。
「メイン攻撃が来るぞ!対ショック防御!もしくは回避!」
ヴィンセントの号令でさらに間隔を開けた専用機持ち達だが流石に最新鋭機、誘導性能が高いのか其々のISの回避先に弾が飛び僅かにかすった。それを見たセシリアが苦渋の声を漏らす。
「なんですのこの攻撃は!一撃で2割もエネルギーが・・・・!?」
「しかもこの連射性能・・・・厄介すぎるな・・・・・。」
ラウラでさえも威力に舌を舐める。事実、シャルや鈴たちもそれぞれ回避するも脚部や肩部にビームがかすりガサッとエネルギーが削られていた。ヴィンセントとクロエ、そしてクーはそれぞれシールドで難なく受け止め透かさずライフルを撃ち込むもその持ち前の高機動で避けられていた。
「ちっ、さすが軍用機、競技用のやつとは圧倒的にパワーが違うか・・・・・だが、動きは単調だ。やれないことは決してない。」
「ヴィンス、いつでもライフルはスナイプ出来るよ。」
「了解、クロエは後方から動力部狙撃準備、クーはクロエの援護を!」
「「了解!(分かりました!)」」
二人が最後方に下がって狙撃の準備を始めたのを確認したヴィンセントは右手に持っていたビーム・サーベルの出力をさらにあげようとした。が、
「・・・・・・おいおいおいおい・・・・・冗談は止してくれよ・・・・!!!」
ヴィンセントの持っていたサーベルの内蔵エネルギーが底をつき柄から光が消失した。ヴィンセントは使えなくなったサーベルを格納するとメイン兵装であるシェキナーを取り出した。
「ちぃっ、なんとか狙撃準備が完了するまでここを持たせるぞ!」
「「「「「「了解!!」」」」」」
専用機持ち全員が更に散開し福音に攻撃を始めていくなか、ただひとつ、福音だけはそのうちなる性能を解放せんとしていた・・・・・・・。
戦闘空域から1kmもない海域で黄色に塗りたくられた一隻の大型船が航行していた。戦闘空域へ確実に進もうとするその船の中にはヴィンセント達の人工知能が擬人化した存在である三人がいた。
「ほーん、かつての旗艦がこうしてもう一度巡り会うことになるとはね。」
「クロエちゃんには感謝してもしきれないかな。」
「ワザワザ私達の肉体を入れるためだけにこの船を作ってくださったグレミーにも感謝をしないとですね。」
「にしてもヴィンセント、少し不味そう。」
そうルリが呟く。二人はそのルリの呟きを聞いてはいたがよもや負けるはずがないと予想していた。だが、それは思いもよらぬ方向で裏切られることとなるのだった。それを知るのはまだ早い。
そうとも知らずヴィンセント達はクロエのチャージがたまるまでの間必死に猛攻をしのいでいた。ラウラとシャルが過剰被弾によりISが大破し撤退をせざるを得なくなった状況下でいまだに持っているのは伊達にジオン軍パイロットと言うべきか、だが、一夏の目にあるものが入った瞬間、その矛先は福音から遠ざかった。
「待て、ヴィンセント!?あの状況下で密漁船が来てるぞ!!」
「何だって!?教師部隊で海域封鎖はしたはずだったんじゃ!!」
一夏とヴィンセントの憶測が飛ぶなか福音は無防備な密漁船をねらうことなど容易かった。ロックアラートがなる二人の焦りを尻目に福音は無情にも旗艦に向かってエネルギー弾は発射された。
「これ以上・・・・・・これ以上、死なせるものかよおおおおおおおお!!!!」
一夏がとっさに反応できなかったのかはさだかではないがヴィンセントがその代わりに反応し密漁船の外部に覆うように被さると前面にシールドを構えその衝撃に備えた。が、
「・・・・La♪」
突如そのエネルギー弾は軌道を変えシールドが機能しない側面に集中砲火した。
「!?ヴィンセントさん!?」
「ヴィンセント!?」
一夏とセシリアが側面からの攻撃を食らって墜落しかかるヴィンセントを抱えに急降下を試みるがそれより早く落ちる機影があった。
「ヴィンスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「待ってください御姉様!!!」
持てる最大出力をもってチャージがなお進むライフルを片手に抱えながら降りたクロエとシールドをクロエの後方に抱えながらまだ来るであろう福音の攻撃からクロエを守ろうとするが福音はそれ以上の攻撃はせず空域から撤退しようとしていた。それを見たクロエは抱えていたヴィンスに目線を変えると容態を確認する。しかしそれでもってヴィンスの状態はひどかった。側面に垂れる熱き血潮がどくどくと海に流れ出ていく。それと同時にヴィンスの顔も弱々しく成りつつあった。
「しっかりしてよヴィンス!目を覚ましてよヴィンス!」
「・・・・・ぅっ・・・・ぐっ、ク、クロエか・・・・?」
「・・・・・・良かった・・・・!生きてて・・・・!」
「はは・・・・、だがそう長くはもたな・・・・いだろ・・・・。」
「しっかり気をもってよ・・・・・!!!」
ヴィンスの意識ははっきりとしていたが口からの吐血や側面からの流血量では失血死してもおかしくないほどの量が流れ出ていた。クロエはヴィンスの体を絞める。一夏達はその状況をたちまち見ていることしかできなかった。
「クロエさん・・・・・。」
「何だよ・・・!あのヴィンセントでさえこうもあっけなくやられるのか・・・・・?」
「姉様・・・・・!」
口々とぼやく中ヴィンス達の会話は続いていく。
「いいかクロエ・・・・よく聞いてくれ・・・。」
「うん・・・・・ヴィンス・・・いや、お兄ちゃんの言うことなら何でも聞くよ・・・!」
クロエは覚悟をきめたかのようにその眼差しをヴィンスへと向けた。そして彼が発した言葉はたった一言だった。
――――――もし俺が死んでも・・・・・・あれを恨むな―――――――
と。そしてヴィンスの目は閉じた。
「うぅ・・・・うう・・・・・うわああああああああああああああ!!!!!!!」
直後、クロエの絶叫が響いた。
「御兄様・・・・・!御姉様・・・・・・・!」
クーも自身の心の支えであったヴィンセントを失ったことに対して目から涙が止まらずにいた。そして、クロエの方を見ていた彼らは若干狼狽えた。何故ならば・・・・・、
「もういい・・・・・・・例えこの命が尽きようと、福音・・・・・お前だけは徹底的に殺す・・・・!・・・・・クー、お兄ちゃんを持ってて・・・・すぐに帰ってくるから。」
「・・・・・・!!・・・・・分かりました。ですが、必ず帰ってきて・・・・!!」
そう言ってクロエはクーにヴィンセントを抱えさせるとすべての武装を捨てた。一夏たちにも何かできることはないか聞くが帰ってくるのはたった一言のみ、
―――――失せろ―――――
と。一夏達はその気迫に押され後方に下がるしかなかった。事実、クーにでさえ見えるようなオーラが漂っているのだから。
「ペイルライダー・・・・・全システム更新完了・・・・コード【DeathNights】・・・・AMX-018【トーリスリッター】更新開始・・・・・!」
クロエが呟いたその一言はクロエのISを輝かせ始めた。全体的にバランスの良かった形状は脚部が簡略化されるも引き換えに背部バックパックが大型化し翼のような形状に、そしてそれが終わる頃にはクロエのISは今までとは違う姿へと変貌していた。福音もその姿を見るなり背部エネルギー砲口を構え戦闘体制になるも、
――――義理の兄を失った義妹の冷酷さを前には無情だった。
「HADES・・・・・・!」
そして彼女は戸惑うこともなくその禁忌の力を口にした。勿論一夏達もその言葉を知っており、
「クロエ・・・・・!?」
「あれを使ったら身体が・・・・・!!」
「・・・・・・御姉様は死ぬ覚悟であの福音を倒そうと・・・・いや、消し去ろうとしていると思います。ですから、今止めにいっても身体ごと溶かされるかと・・・・・。」
「今は退くしかないのか・・・・!」
「援護したいのは山々ですが・・・・下がるしかないですわね・・・・。」
「わかった、私も下がるわ・・・・だけど、必ず勝ってよ!」
「分かっています!すべての戦いを見届けてから戻ります。・・・・密漁船の拘束と拿捕もついでにお願いします。もしものためにもなるべく早く待避を・・・・・・・!?」
クーが指示しようと一夏達の方に顔を向けたとき、奥の方にいる密漁船が何かを撃とうとしているのが見えた。一夏達も突如発言が止まったクーの目線に向けるなり驚愕の表情を見せた。だが、唯一クーに担がれているヴィンスだけは違った。
その顔は、笑っていた。
戦闘空域に到着したペイ達だったがヴィンスの直撃によっての大破を目の当たりにした三人はげんなりとしていた。
「ああ・・・・もっと早くついていればこんなことには・・・・・!」
「・・・・・くよくよしても仕方がない、生きていることを信じて・・・・・!!ペイ!側面三連装主砲、装填!」
「出来てる!」
突発的な対応とはいえ反応するペイ。その反射速度は流石HADESの中枢系統と言うべきか並外れた速度だった。的確に指示を出すルリもそうだが火器管制を担うペイも中々のものである。トリスも操縦系統にはいるが実質置物状態となっていた。
「側面主砲解放、一番から六番!主砲、てぇぇぇ!!!」
そして、矢は放たれる。
そしてその様子は一夏達の目にも見えた。
「おい!?なんだあれは!?密漁船じゃないのか!?」
「武装した船とは・・・厄介だな・・・・どうする、このまま拿捕するか?」
「だが、あの砲台は相当厄介だぞ・・・・・!」
上から一夏、ラウラ、箒が続けてずさむがクーは何かを考えていた。
(なぜああも簡単に御姉様の元で撃てる・・・・・・・何らかの関係性があるのか?否、それはないか。だとするならば、戦闘不能にしての捕獲か!!)
そう簡易的な結論を立てるとすぐにでも助けにいきたくなるクーだがそうにもいかないものがあった。クロエに頼まれたヴィンスの護衛である。このうたかがわしき状況でどう打開するかクーの頭には思い浮かんでいなかった。だが。
「・・・・・心配・・・・するな・・・・あれ・・・・は、大丈夫・・・・だ。」
「御兄様!?」
一瞬だが話を聞いていたヴィンスが辛い身体に鞭を打って目を冷ましたのを見て全員がヴィンセントに駆け寄った。
「大丈夫なのか!?ヴィンセント!」
「ああ、大丈夫だ・・・・・・・傷は深いがな・・・・ゼェ・・・ゼェ。」
「バカ言うな!傷が広がるだろ!今は俺たちに任せとけよ!」
一夏がかっこよく決め台詞的なことを言うと、ヴィンセントは安心したのか再び力を抜いて、
「ふっ、ならそうさせてもらおう・・・・・・。あれは対IS運用水陸両用高速砲撃戦艦【BIG・TRAY】通称バターン。」
「ビッグ・トレー・・・・?」
「対IS運用戦艦・・・・・ですの?」
「聞いたことがないよ・・・・・。」
三人が聞きなれぬ単語の羅列に首をかしげながら聞く。ヴィンセントはそのまま説明を途切れ途切れ居続けていく。
「あれは言うなれば・・・・・・・・クロエの第二のお家といっても過言じゃない。恐らくクロエは気づいてないだろうが無意識のうちにやってしまっているとは思う・・・・・。」
「ですが・・・・たかだか一隻の戦艦では戦況は覆らないのでは・・・・・?」
セシリアが後退しながらヴィンセントに聞く。ヴィンセントが少し息を整えてからまた話し始める。
「あれには対IS装甲用の炸裂弾を主軸とした主砲を備えている・・・・ガホッ、ISに対する迎撃力、自衛力は保証する・・・ガハッ!」
「御兄様!?」
吐血したヴィンセントを揺らすクロエ。一夏達は一刻も早くヴィンセントの治療を行うために旅館へとスピードをあげた。
一夏達が離れた頃、・・・・クロエのトーリスと福音は対峙していた。
「・・・・・La。」
「HADES・・・・・・!お兄ちゃんを・・・・・・・・・返せえええええええ!!!!!」
先に動いたのはクロエだった。両腕のビームガンを福音に向けて連射する。福音はそれを避けるが精度が正確なため所々かすった。回避し終えた福音が反撃しようとクロエの姿を捉えようとするが既に正面にその姿はなく。
「・・・・遅い!」
背面からの足蹴りを食らった福音は吹っ飛んだ。通常転ぶ程度の威力しか持たない足蹴りだが、クロエのトーリスの出力は原型が863000kw、ISでも其を再現できないわけはないわけで、約900000kwの出力の足蹴りが福音へと入っているのだ。福音はそのまま約数kmとび地表に叩きつけられた。
「・・・・・・まだだ・・・・・・まだこんなもんじゃ!!」
「けっ、失敗か。」
「・・・・誰!?」
「よぉ、お嬢さん。福音をやったみたいだな・・・・。その腕前だけは誉めておこう。」
「・・・・・お前は何者だ・・・・何が目的だ・・・・!」
「・・・・・・あと数回俺らは来る。あんまり怠けんなよ?ハハハハハハッハ!!!」
「お前・・・・・自己満足のために!!!」
クロエは更に激昂したのか背部ハイパー・ビーム・サーベルを抜いた。そして最後に出たのは、
「我々は亡国企業!!この世に点在する巨悪の根元、ISを破壊する!それが目的と共に成される事実だ!!」
男はそう言うと姿を消した。クロエはサーベルを仕舞うとヴィンセントを容態をいち早く確認するべくHADESのまま旅館へと帰還していった。
To be continued.....
やっつけ仕事感がぱない終わりかたでした。
次回予告
無理をしたヴィンセントの容態は著しくなかった。そんななか、クロエは一つの決断を迫られていた。クロエはどちらをとるのか・・・・。
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第49話 一握りの終焉
「あけまして!」←クロエ
「「「「「「「「「おめでとうございます!!!」」」」」」」」」←全員
「今年もこのミッシング・リンクを!」←クー
御愛読、よろしくお願い申し上げます!!!←ELS
「いや遅くない!?」←エルちゃん
と言うわけでね、今年最初の投稿です!!!
あらすじ
福音との戦闘は熾烈を極めその末ヴィンセントが凶弾に倒れた。それがスイッチとなりクロエのISが二次移行、福音を旅館がある陸地まで一発のけりで吹き飛ばした。果たして運ばれたヴィンセントの様態は!?
旅館のとある一角で千冬たちは彼らの帰りを待っていた。それこそコーヒーと緑茶を間違えるくらいには心配になっていたらしい。そんなところで摩耶からの連絡が入りすぐにそれをとった。
「どうした!」
「織斑君たちのIS反応捕捉、無事に帰還してきています!・・・・・・・はい・・・・・はい・・・・・・何ですって!?」
「何かあったのか!?」
摩耶が突如切り替えたかのような反応に対して摩耶は告げられた事実を千冬とその近くで箒の帰りを待っていた束に告げた。
「ヴィンセントさんが横腹に直撃弾をもらい出血多量とのこと!!此のままではいつまで持つか・・・!」
「馬鹿者!なぜそれを早く言わない!緊急救急要員を砂浜で待機!束!お前もヴィンセントを死なせたくなかったら何でもいいから手伝え!!」
「分かってるよ!こんなところでむざむざヴィー君を殺してなるもんですか!!」
束は直ぐ様ISのストレージから非常用重負傷者治療用キットを取り出すと組み立てを始めた。このキット、展開すればいい病院の手術室一つ分の機材が使えるようになるのだから正に英知の結晶といっても過言ではない。数分で組み立てた直後、千冬と束がいた部屋の中にヴィンセントが運ばれてきた。
「織斑先生!博士!」
「束、はやく!」
「分かってるよ!そう急かさないで・・・!」
救急隊員からヴィンセントの身柄を引き継ぐと束は医療用のナノマシンをキットから取り出し患部の付近に投入した。だが束の顔色は良くない。
「・・・・だめだ・・・出血量が多すぎる。一刻も早く塞がないといつ致死量になってもおかしくない!」
「輸血パックはないのか!?」
「ヴィー君に適合する型が無いんだよ!!」
「ええ!?そ、それってつまり・・・・!?」
一夏がそこまで言ったところで束がそれに続くように声を出した。
「定期的に検査できるように大分前に血液を採取させてもらったんだ。するとね、このヴィー君の血液型がものすごく複雑で分析すらできなかったよ。β018863OA・・・・それがヴィー君の血液型だよ。」
「そんな血液型・・・・・どうやって見つければ・・!」
「本当なら輸血してあげたいけどヴィンセントに拒絶反応が出たらそれこそ・・・・!」
「待って!ヴィンスの・・・・いや、お兄ちゃんの輸血パックの場所、私知ってる。」
「御姉様!?」
「クロエ!?数分前に囮になってくれたんじゃ・・・!」
誰もが福音を一時的に足止めしてくれると感じていた全員はクロエが戻ってきていることに驚きを隠せないでいた。その光景を見ながらもクロエはあるところに連絡をかけた。
プルルルルルルルルル.......
「繋がって・・・・・早く!!」
プルルルルルルルルル..........
「早く!!!」
ピッ
「もしm「β018863OA型輸血パック3L分速達!!急いで!!」ど、どうした!!ヴィンスに何か起きたのか!!」
「側面脇腹より出血多量!此のままだと大量出血による失血死になる!!!どんなてを使ってもいいから早く持ってきて!!」
「わ、わかった!すぐ用意させる!お前はお前でできることをしておけ!!」
「言われなくとも!!」
そう怒鳴ると携帯を切ってヴィンスに駆け寄る。一夏達はその様子を静かに見ていた。耳を当てているヴィンスの鼓動を感じ取ったクロエはいよいよといった顔をした。
「博士!すでに患部治療用のナノマシンは撃ってますね!?」
「真っ先にした!けどスピードが追い付いていない!!」
苦渋の声をあげる束の姿を見るのは初めてであったがクロエは何も言わぬまま隠密にしていた。その姿を見ていたクーは心配そうにクロエを見る。
「お、おい、ヴィンセントは・・・・・助かるのか?」
一夏が何も言わぬまま呆然と立っているクロエに対して聞くがクロエは答えなかった。一夏は察するとそれ以上深く調べようとは考えなかった。
「束、あとどれくらいは持つんだ?」
「よくて二時間、最悪30分も持たないよ・・・早く失血した分の血液を補充しないとヴィー君は死ぬ。」
「それでもってナノマシンは治療スピードが追い付かず尚も血が出ている・・・・・。くそっ、俺たちは何もできないのかよ!」
「そうだ・・・・!あの時もっと早くあの福音の行動に気がつければ・・・・!」
「・・・・・グダグダ言い合っても意味ないか・・・。此のままだとお兄ちゃんは死んでしまう。かといって輸血パックを待っていたら致死量に達して死んでしまう・・・・。仕方ない。」
そう言ってクロエは結んでいた髪の毛をほどいた。と同時にブロンドの長い髪が根元からひときわ輝くシルバーへと変貌していた。その代わりようをみて部屋の中にいた全員が驚いた。
「クロちゃん!?何する気なの!?」
「決まってる。お兄ちゃんは人ではなくなるけど一緒にいられるんだったらどんな非道な手でも使ってやる・・・・!」
「御姉様・・・・・。」
全員の声も聞かずクロエはその左手をヴィンセントの患部のそばに当てた。するとクロエの手から液体が溶け出してヴィンセントの患部に入り込んでいった。
「・・・・・姉さん、クロエはいったい何を・・・・・。」
必死なクロエの表情を一瞬見た箒が束に聞くが返す束の口調はISの開発者としてではない、一人の姉としての口調だった。
「箒ちゃん。人類はね、時に判断を迫られるんだよ?」
「判断?」
「そう。其が彼女・・・・クロちゃんにとっては今回がその時だったってこと。誰だって一番そばにいた人を失うことは辛いでしょ?例えば・・・・・いっくんとか。箒ちゃんは今の生活で失いたくないものってある?」
束は丁寧な返しで箒に問うた。箒は暫く黙りこむと軈て思い付いたかのように、
「・・・・・・周りに居る全員。これが今の自分の最善の答えだと思います。」
「なら箒ちゃんはクロちゃんが何をしようとしているか分かるよね?」
「・・・・・!!ヴィンセントを自分の命と引き換えに・・・・・!?」
「そんな極端な思考には行かないから!?」
箒と束の変な茶番に付き合わされている一夏達はへんてつもない顔をしていた。と、そこに大きな衝撃音を立ててやって来た人物がいた。全員が振り向くとそこには、
「クロエちゃん!!持ってきたわよ・・・・・って隊長!?」
「「「「「「「隊長!?」」」」」」」
「ローゼ!!輸血パックはそこに繋いで!」
「わ、わかったわ!!」
恐らく超特急で持ってきた輸血パックをもったローゼが掛かっていたパックのチューブにその輸血パックを繋ぐとクロエはとりあえずひと安心したのかヴィンセントの表情を見た。辛うじて辛そうにしていた顔は今は幸せそうな寝顔を呈している。その代償としてやはりクロエと同じように髪の毛が若干シルバーがかってしまっているがそれは聞けばどうとでもなることだろう。全員がほっとしたところで今度はローゼが黙りこくった。
「・・・・でもなんで隊長があんな目に・・・・・。」
「銀の福音ですよローゼさん・・・・アイツが不意をついて吹っ飛ばしたんです・・・・。」
「福音?あの旅館の横で伸びてたISの事かしら?」
「「「「「「えっ、伸びてた?」」」」」」
「あ、いい忘れてたけど私が本気を出しすぎて蹴っただけであそこまで吹っ飛んだんだよね・・・・ははは。」
「・・・・・・・・クロエ、あんたのIS出力はこの世界では到底作れない代物なのよ?あまりその力を使いすぎると・・・・・。」
と、ローゼが危惧するも当の本人は満面の笑みで、
「お兄ちゃんが傷付くなら世界でも相手にするよ?」
「うん・・・・・・そうだった・・・・。もとからそうだった・・・・うん。」
「あの、ローゼさん。彼女とヴィンセントさんの関係性って・・・・。」
「・・・・24年。」
「24年・・・・・!?」
「そう、苦しいときも、辛いことがあったときも離れることがなかった敵で・・・・戦友で・・・・・兄妹。」
笑顔で居続けるクロエを見ながらローゼはそう告げるのであった。
―私、いつか絶対に見つけて見せる!彼女の夢、いや、次の夢に!―
―生まれ変わったら何になりたい?私は・・・・・・・・・。―
To be continued......
はい、というわけで最後はナラティブ伏線って言うやつ。
次回予告
慌ただしくなっていた臨海学校も終わりを迎えようとしていた。一方、福音事件は終わりを見せなかった。そしてそれに立ち向かったのは他でもないグレミーだった。
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第50話 されど兄妹は止まらない
今回で一学期編は終わり!次回からは夏休み編なんですが・・・・・・。
あらすじ
大量失血をおこしたヴィンセントは失血死寸前までに衰弱していた。が、クロエの自分の命を呈してその力によりヴィンセントは一命をとりとめたのであった。
結果から言うと、数時間後、ヴィンセントは目を覚ました。自分の身体の状態に気付いたときにはすでに遅くヴィンセントはその張本人であるクロエのタックルを食らった。
「すまない、俺が無茶をしたばっかりに・・・!」
「バカバカバカバカバカバカバカ!!私がエルちゃんを使ってなかったら死んでたんだよ!?」
「それでも、助けてくれたことにはかわりないんだろ?」
「・・・・うん。」
「なら、今はその気持ちだけでも十分さ。」
ヴィンセントは自分の胸の中で未だ泣きながらポカポカ叩いているクロエを見ると若干安心したように顔を崩した。その様子を全て見ていた千冬達は彼らの邪魔をすることは無粋だと察したのか邪魔しに行くようなことはなかった。と、そんなところに介入してきたのは、
「はー・・・・・二人とも、そろそろ離れなさい・・・・。」
「何よ、ローゼ。お兄ちゃんの邪魔するの?」
輸血パックを持ってきた張本人であるローゼだった。クロエは邪魔されたことに腹をたてて睨んでいる。
「邪魔とかどうこうより、福音のことよ。」
「・・・・・・・あれはどうするんだ?」
「ほぼアメリカへ強制送還の後ISは凍結封印。操縦者は国家反逆罪でほぼほぼ処刑だそうよ?」
「・・・・・・・そうか。」
ローゼから告げられた事実にヴィンセントは重く受け止めていた。そしてその発言を聞いて一番に声を挙げたのは、
「・・・・ふぅ~ん。ローゼ、明日アメリカに飛ぶよ?」
「ちょっと!?いきなりどうしたの!?」
一番に声を挙げたのは他でもなくクロエだった。その本気度は右手に自己生成したビーム・サーベルを出力最大で維持していることから何れほどまでに本気なのかが見てとれた。
「一個の暴走事故だけで全責任をあのISが背負わなくたっていい。前段階の情報では無人機だったけど本当は有人機なんでしょ?理不尽な死を迎えるより私たちが救ってあげた方がよっぽどいいってね。」
「クロエらしいな・・・・・。そう言えばクーはどこに?クーも返事さえよければ一緒につれていこうと思うんだが。」
ヴィンセントが呟きながら辺りを見渡す。しかしその姿は確認できず時間だけが過ぎつつあった。と、そこへ口を開いたのは。
「・・・・・博士とその妹さんなら既にレウルーラの中よ?」
「・・・・・ローゼ、グレミーってアメリカ軍内で大佐の地位をつけていたよな?」
何を思ったかヴィンセントは唐突にローゼにそう聞いた。ローゼは肯定のうなずきをするとヴィンセントは直ぐ様部屋を片付け始めた。
「お兄ちゃん?何する気なの?」
「此れから軍内部に蔓延る根っこを潰してくる。クロエも準備しておけ。HADESは自由にしていい。一応俺も行くがどうするかはお前の判断に任せる。無論全員皆殺しにしてもいいし峰打ちでもいいさ。俺は何も見ていない。」
「・・・・・私のやりたいこと全部見透かしてるじゃん・・・・・。むー。」
「キレたお前がやることとしたら其くらいしか無いだろうよ。」
「やっぱお兄ちゃんにはばれちゃうか。」
「じゃ、二人はあとからアメリカまで合流ってことでいいのね?」
ローゼが納得ぎみに話しかけると二人は首を揃って縦に降った。それを見たローゼはグレミーのもとへ戻るべくレウルーラへと帰還していった。
翌日、臨海学校から帰るとき、一夏達はふいに外を見るとヴィンセントとクロエがISを纏って待機しているのを見た。
「・・・・ヴィンセント達、何がしたいんだろ?」
「なんでもアメリカまで軍部に行くらしいよ?どうも正しい情報かは定かではないがあの一連の事件をISの操縦者に押し付けて凍結、処刑するらしいよ?」
「まさか二人は其を止めるために・・・・。」
「既に水面下で計画は進んでたらしいよ?」
「其ならば良いけど・・・・。」
シャルロットが外を見ながら話しているとき、ヴィンセントとクロエは織斑先生と話をしていた。
「本当に大丈夫なのか?身体は。」
「はい、クロエには助けられました。」
「お兄ちゃ・・・・・ゴホン、ヴィンセントが居なかったら私だって今ここにはいませんから。」
「そ、そうか・・・・・。」
千冬はここまでの兄妹コンビに若干冷や汗をかいていた。外見こそ普通だが内心は殺気がガンガン出ているためだ。
「では、明日までには戻ってくるので。」
「ああ、私の後輩を・・・・・いや、大切な友をお願いしたい。」
「分かりました。一人の生徒として、また、一人の軍人としてその任、了解しました。」
「よろしく頼む・・・・これ以上私の回りから身の内が消えるのは・・・たくさんだ。」
「そんなことにならないためにも・・・・・
ヴィンセント・グライスナー、ルーリスリッター・キャバルリー!!」
「クロエ・クローチェ、エールスリッター・ツヴァイ!!」
「「発進する!!」」
二人の宣言とともにルーリスとツヴァイは瞬時に空へはためいた。その様子を千冬達は見ていることしかできなかった。
クロエたちが発進したのと同時刻、米軍軍事基地の一画で会議が開かれようとしていた。その中にアクシズの総帥ことグレミーも大佐としてこの場にいた。
「では、臨時軍事会議を始める。今回の議題は暴走事件の中心的人物である搭乗者のナターシャ・ファイルスの処遇と福音に関してだ。」
議長がそういうと先ずは技術部の方から手が上がった。
「はい、技術部からの検査結果ですが、暴走事故に起因するような部品は発見されませんでした。意図的な操縦者からの逸脱した行動が原因かと。」
そう言うと技術部の一員が書類を議長のもとに滑らせた。そのデータを見た議長はわずかに顔をしかめた。
「ふむ、そうか。では次に総務部、この件に関して政府からの通達は?」
指名された総務部の一員は起立し淡々と報告を済ませていく。
「今回の件に関しては日本側からは身柄の引き渡しが要求されていますが政府からは機体は凍結、搭乗者は処刑が妥当との判断が下されております。」
「分かった。他のものも異論はないな?」
「ちょっと待った。」
会議の場を沈めたのはグレミーだった。部屋の中にいる全員がグレミーの方へと視線が向く。
「ほう、なんだね。言ってみろ。」
議長は余裕の表情でグレミーの出方を伺っていた。だが、次の瞬間。全員がその口をしかめた。
「さっきから聞いていたら、よくよく考えてみればお前らの然るべきチェックがないから招いた結果じゃないのか?」
「なっ、貴様・・・・!」
「それにだ、私は全てを見ているんでな。」
「ああっ!?それは!!」
グレミーが書類の中から一枚の書面をつき出した。その書面を見た瞬間、一部の軍人が顔を真っ青にした。
「内部に外部からのデータハッキング及び意図的な暴走を起こさせるためのプログラムファイル・・・・・。福音を回収した際に技術班に解析を頼んで正解だったよ。」
「福音は我々で回収したはずだぞ!?」
「生憎だが此方は部隊内での情報共有をしていたのでな。戦闘データからプログラムファイルを抽出して解析させてもらった。これでもなおしらばっくれるか議長!!!」
ダァン!という音と共に強く机を叩いたグレミー。議長は後ずさりをするもその抵抗はやめようとはしない。
「どうやらお前は知りすぎてしまったようだな。」
「知りすぎた・・・・?何をいっている!」
「貴様のような階級ごときがそもそもこの会議で大きく発言できるとでも思っていたのか!!」
「なら、このままあの搭乗者を処刑しろと!?」
「既にこれは決定事項だ!!」
グレミーはわずかに歯軋りをするもすぐににやけた。その様子に他の軍人もたじろいでいる。
「仕方無い・・・・・。本当ならするつもりはなかったが。」
と言いつつ銃を構えるグレミー。しかも握っているそれは謎技術で作られたバウのビームライフルを小型化したかのような見た目である。議長は向けられた銃をみても狼狽えず冷静に軍内部制式拳銃をグレミーに向かって構えた。・・・・・・が。
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
「なぁっ!?」
「その機体は返してもらう!!」
「がぁっ!?グレミーを国家反逆罪で捕らえろ!!射殺しても構わん!!!」
議長のポケットから彼女の専用機である福音を奪い取ると(何で解析中なのにオメーが持ってるんだって話)グレミーは目的を達成したかのごとく会議室から出ていく。他の奴等も其を追っていくがその時突如壁が崩れ始め上から何かが降ってきた。
「グレミー、お待たせ!」
「遅いぞ!二人とも!!」
「んなこと愚痴る暇があるならさっさと牢獄に!鍵は既に破壊してある!」
「助かる!!渡したら私もバウで脱出する!合図で撤退だ!!良いな!?」
「「了解!!」」
降ってきたヴィンセントとクロエの後ろ姿を見たグレミーは驚異的な瞬発力で瓦礫をものともせず走り去っていった。其を確認したヴィンセントは右手のサーベルで瓦礫を熔接するとここから出られなくした。
「さてと、クロエ・・・・俺は何も見ないから。手段は問わん。殺るぞ。」
「フフフ・・・・・あはは♪HADES、起動♪」
軽い笑い声と共に起動したHADESは其れ丈で残った議長たちには十分な恐怖を植え付けていた。
「な、なぜだ!何故迎撃部隊が来ない!!」
「ああ、外で延びてるあの雑魚共のことか・・・・?それなら軽くキャノン砲を撃っただけで延びたよ・・・全く、どんな訓練をすればそんな風になるのだか・・。」
「貴様ァ・・・・・・!!」
ドゴォーン
「グアァァッフォォ!?」
「この音は・・・。」
ヴィンセントがそう呟くと同時にグレミーからの通信が入ってくる。ヴィンセントはためらいもなく其を開いた。
「グレミーか?」
「ナターシャの解放、及びIS返還が完了した!ここから6km東にレウルーラが待機している。急いでここから撤退だ!!」
「了解した。・・・・クロエ、撤退d・・・・。」
「あはは♪もうちょっと相手してよ~。」
「ひぃっ!?や、やめ「え~い♪」・・・・。」
「・・・・・撤退するぞ~クロエ~。」
「・・・・・・えーもう帰るの?もう少し殺らせてよ♪」
「可愛く言ってもダメだ。」
「ちぇ~、分かった。」
暴走していたクロエはHADESを自発的に切るとサーベルを収納し上空へ上った。ヴィンセントもクロエに粉々にされた議長だったものを見ながら空へ上がった。既に全体は炎上しており今にも爆発しそうであった。ヴィンセントが早くこの場から待避しようとクロエの手を引っ張るがクロエが動いてくれない。
「どうしたクロエ?行くぞ、みんなが待ってる。」
「何あれ・・・キレイ。」
そうクロエが指差したのは遠くに見える鮮やかな鳥だった。と、次の瞬間
―私、魂って絶対にあると思うな。―
「!?なんだ、この言葉・・・・。」
「この声、どこかで聞いたこと・・・・・。」
二人の反応は様々だったがクロエに関しては面識があるようだ。
―命が始めたことは命でしか終わらせられない。だから、手伝って。―
その言葉を最後に二人は現実へ引き戻された。
「何だったんだ・・・・今のは。」
「あの声・・・・リタちゃんの・・・・。」
「リタ・・・・?」
「いや、なんでもない。気のせいだよね・・・・・。」
「そ、そうか。それならいいが。」
ヴィンセントとクロエはそう言いながらレウルーラへと帰途の道に着くのであったが、クロエだけは声の主に引っ掛かりを感じるようになった。
To be continued......
待たせてしまってすまなかった。
次回予告
臨海学校が終わって夏期休業が始まった。クロエの誕生日にとヴィンセントはなにかをさがしていたがあるひとあるゲームを見つけ・・・?
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第六章 始まったデスゲーム(VeryEasyMode)
第51話 災厄の始まり
えー、今回から夏休み編ですがここでSAO完全に消化したいと思います。
ここで一期を終わらせればいいかな。と。
あらすじ
衝撃の事実を知ったヴィンセント達は救出を決意。決死の覚悟で挑み楽々と福音のパイロットことナターシャ・ファイルスの救出に成功した。一方、救出の手助けをしたクロエとヴィンセントは宇宙に舞う一機のISを見て懐かしきもう一人の義妹を思い出すのであった。
夏休み初日、管制センター
夏休みに入ったIS学園だが、生徒のほとんどは家に帰るかここで勉強や自主練を続けるかの二択なのだが一夏達も例外に漏れず家に帰省したりしていた。そんな中、クロエとヴィンセントは二人管制センターの最深部に来ていた。
「ヴィンセント、クロエとともに只今到着しました。」
「よかろう、入ってくれ。」
千冬の許可が降りると共に開けて入ってきたのはご存知ヴィンセントとクロエである。あの後、レウルーラに戻ったグレミー一行は今後の予定を話した。ファイルスはどうせ国家に戻れば処刑の身だということで此方側の仲間になった。千冬も職員枠をわざわざ提供するなどの対応をしてきたがファイルスは今あるISとの絆を深めたいということで暫くは此方に残るようだ。そんなことがあって二人は学園へと帰還した。尚、クーは束によるISのオーバーホールが終わるまではレウルーラで自由行動となっているためしばらく帰ってこない。
「それで千冬さん。用件とは一体・・・・。」
「これだ。」
ヴィンセントの問いに千冬は上にあった画面に有るものを写し出した。其を見た瞬間二人の顔が呆れる顔になる。
「・・・・・・千冬さん、一体これは何をどうしたらこんな風に・・・・?」
「何、所属不明の船舶だったので臨検を行おうとしたら武力をもって反撃してきてな、困ったので呼んだだけだ。」
「・・・・すいません、これ、家の艦です。」
「えっ。」
「うん、間違いない。ビッグ・トレーだ。」
「たしか、福音撃墜援護をした・・・・。」
「ええ、あれです。多分中身はあれでしょうね。」
「お前らの持ち物なら文句はないが・・・。」
「でもお陰で此方はやることが増えましたよ!!!」
「ルリちゃん・・・・・あとで滅多うちにしなきゃ・・・・。」
千冬が見たときにはすでに遅く。クロエの顔は殺気で溢れていた。ヴィンセントこそ外見は平穏を保っているが内心はクロエと同じであろうことを千冬は悟った。
そして数時間後。
「お前ら・・・・・・!!!」
「せ、正当防衛は・・・・・・!!」
「適用外!!!!」
案の定乗っていたトリスとルリとペイは縮こまっていた。其をよそにヴィンセントはHADESシステムの中枢区にある電力装置に手を付けた。
「ま、暫くは電源落として反省してもらうぞ。」
「お兄ちゃん、さすがにそこまでは・・・・。」
「駄目だ。俺も今回だけは看過できん。やるぞ。」
「ダーメッ!!!」
クロエ、ここで電源を切ろうとしたヴィンセントの後頭部をサーベルの柄で殴った。その衝撃でヴィンセントはよろけて電源レバーから手が離れた。空かさずクロエがレバーの前に立ちふさがりヴィンセントの邪魔をする。
「お兄ちゃん、これ以上邪魔するなら全力をもって妨害するよ?」
「・・・・・・・分かった。」
渋々ヴィンセントは不満そうにしているがペイ達のことを諦めた。ちなみにこのやり取りはビッグ・トレー艦内で行われておりそのビッグ・トレーも陸上に停泊していた。
「「た、助かった・・・・・。」」
「今回だけはクロエの顔に免じて引いてやる。次はないからな?」
「了解・・・・・・。」
ペイがかなり俯いて情けない声を出してるのとは裏腹にルリはさっとヴィンセントの隣の引き出しを開けていた。ヴィンセントは中のものに謎の視線を向ける。
「ルリ・・・・なんだそれは?」
「束博士からのバースデープレゼントだそうですよ?」
「「あの博士がプレゼントねぇ・・・・・。」」
クロエとヴィンセントの声が同時に合った瞬間、ルリはクスッと笑った。二人はそんなルリを怪しむが等の本人は全く気づいてない様子だった。そしてトリスがそれに付け加えるように、
「何でも、博士の先輩に当たる人が新しくゲームを開発したそうなので初期ロッドを二つくれたらしいですよ?妹さんとやらないかって。で、束さん悩んだ末にクロエとヴィンスに渡すことにしたみたいよ?」
「へぇ、それで、どんなゲームなんだ?」
「ソード・アート・オンラインっていうゲームらしいよ。遊びであって遊びじゃない。それがこのゲームの謳い文句で既に初期生産1万本は売り切れらしいわ。」
「あぁ、あのゲームか。」
「この専用のナーヴギアっていうゲーム機的なやつを被ってするものらしいから暇ならやっていく?」
「そうするか、どっち道一ヶ月は夏期休業でお休みだ。ISの剣技の訓練だとでも思ってやればいいだろう。」
そう言うと一行はビッグ・トレーの内部にあるヴィンスとクロエの部屋へと向かっていった。
数分後、部屋についたヴィンスたちが見たのは回線環境が整備された変わり果てた自分達の部屋だった。簡単にトリスから状況を聞いたヴィンスはベッドに横になるとメモリーを突っ込みナーヴギアを被った。
「じゃ、暫くやってみてくる。」
「もしものことはないと思うけど何かあったらすぐ来るからね。あ、あと、束博士がサプライズでデータ少しだけ弄くってるからそれも楽しみにしててね。」
「そうか、それは楽しみだな。と言っても今回はクロエのバースデープレゼントなのに何で俺にもくれたのかさっぱりだ。」
「なんでもクロエにだけ渡してもヴィンスにもあげないなら使わない!とか言いそうって博士言いながら私達に預けてたよ?」
「「・・・・・帰ってきたら博士の隠れ家焼くか。」」
「「「やめてあげなさい!?」」」
少々の団らんを交えた五人だったが今度こそ二人は準備を整える。
「じゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい、ヴィンス。」
「ああ・・・・。」
「「リンク・スタート!!!!」」
それが、ヴィンス達との暫しの別れであった。
「・・・・・・やって来たか。では始めるとしよう・・・このデス・ゲームを。」
To be continued...........
まああ、始まりなんで今回はこんくらい。
次回予告
二人が目を開けた先はきれいな町並みが揃った景色だった。軽く状況確認のためストレージを見た二人だったがすぐに胃痛に悩まされることになる。果たして何が起きたのか!?
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第52話 姉妹の決断
あらすじ
千冬から呼ばれて出てきてまず見たのは例のブツを運搬してきた対IS戦艦。
そして束からの謎のプレゼント。
はてさてこの先どうなることやら・・・・・。
このトーリス原人め!!!死ねぇ!!!!!!()
7/29・・・・・・A.M.11:00
いつもはマトモじゃない一夏、見向きもしない束、厳しい千冬だが今日だけは違った。
「・・・・・どうなんだ、千冬姉?」
「・・・・ダメだ、完全に外部からの反応はシャットアウトされてる・・・・。」
「学園全体での通行量が異様に少ないから部屋をを回ってみればまさか束が持ってきた代物と同じようなものを付けているとはな・・・・。」
千冬の言う通り異様に静かな学園全体を危険と察知した一夏は寮長である千冬に相談してそれぞれの部屋を回っていた。するとどうだろう。およそ半数の部屋で昏睡した生徒たちの姿が確認された。千冬は直ぐにヴィンスたちの部屋も覗いたが誰かが先に来ていたらしく恐る恐る覗いてみた。すると中にいたのは、
「ヴィー君!!クロちゃん!!!・・・・・クソッ!!!」
荒れてた束がいた。何らかの異常を察知して来たみたいだが時すでに遅くヴィンス達も昏睡状態に陥っていた。
「どうなってるんだ束!!!」
「あの頭についてる機械だよ・・・・。あれが昏睡状態にさせてるんだ・・・・・。今のところは大丈夫だけど何日も放置してたらいずれ死ぬよ?・・・・・まぁヴィー君達はエルちゃんの恩恵を受けてるから他のやつらよりも遥かに大丈夫だけどね。」
「じゃあ他のやつらは・・・・・。」
「一ヶ月もすれば死ぬね。」
束から告げられた無情な死刑宣告に千冬と一夏は戦慄した。だが、其を良くないと思う人物もそこにはいた。
「博士・・・・・それ本気?」
「いくら博士でもそれはダメでは?」
「取り敢えず本社襲撃したい。」
「ヴェアアアア!?!?」
束の後ろに密かに隠れていたのかひょっこり出てきた三人組。束は気づくことができていなかったのか後ずさりしていた。窓を見るとトーリスリッター・キャバルリー。この時点で二人は察した。
「ルリ達か・・・・・やはりお前らもか?」
「ええ、ヴィンスにあれを渡してしまったのは私たちの責任です・・・・・。だから、私達でケリをつけなきゃならない。」
「けど、いったいどうするんだ?さっきからインターネットで次々と死亡事件が流れてきてるけど・・・・。」
「それはこれ・・・・ナーヴギアの特性だよ・・・・・。外部からの遮断措置がとられようとした場合、内部の高周波マイクロウェーブ発生装置によって電子レンジのごとく脳が焼かれる。・・・・・尤も、プロトタイプであるヴィー君とクロちゃんのナーヴギアには搭載されてないけどね。」
「じゃあどうすることもできないのか・・!?」
束から告げられたこのナーヴギアの性質を聞いた一夏は学園の皆もこれと同じような状態になるのか、と若干戦慄していた。だが、その震えを止めたのはルリであった。
「・・・・博士、アーガス本社の場所・・・・特定できる・・・・?」
「別に出来るけど・・・・。何をするつもりなの?」
「アーガス本社のSAOメインサーバープログラムの中にHADESを侵入させる・・・・・!」
「ほー・・・・。此がソードアート・オンラインの世界か・・・・。クロエを探さないとな。」
「うっしろにいるよ♪」
「うわっ!?・・・・驚かすな・・・・・。」
外の世界がどう言うことになってるのかも知らず二人はソードアートの世界に降り立っていた。一見カップルに見えるこの二人。周囲から冷たい目で見られてるが残念。コイツら兄妹だ。
「それよりもさ、早く装備を見ようよ!早く外にでてボスをボッコボコにしたい!!」
「おおう、何時もの暴走クロエだな・・・・・・。」
「こんなに気分が高揚したのはア・バオア・クーの時以来かな?」
「それいっちゃんダメなやつ!?」
クロエが一番記憶がなかった頃の暴走をこのソードアート・オンラインに来てから感じたというクロエの笑顔に若干ヴィンスは声をひきつらせた。やがて落ち着きをm取り戻すと揃って装備の確認を始めた。
「・・・うん、なんというかわかってはいたけど・・・・・。」
「HADESが無いってのは新鮮だね・・・・・少し寂しい。」
「数時間もすればまた帰れるだろ?・・・・ところで束さんからの贈り物は分かるか?」
「たぶんこれじゃない?どう見ても明らかにサベだけど。」
「明らかにこれはサベだな・・・。どうしたものか・・・・。」
「取り敢えずまず私たちだけで第一層を攻略しよ!!」
「ま、やることが無いならレベリングも兼ねてするか。幸いにも俺の【ビーム・サーベル】とクロエの【ツイン・ビーム・サーベル(二刀流)】は要求筋力値は最低限だししばらくは使えるだろ。」
「あ~あ、これにHADESがスキルとして標準装備されてたらなぁ・・・・・。」
「それは洒落にならんからやめてくれ・・・・・・ん?」
「・・・・・・どうしたの?」
「何処からかは知らないが次々とこの広場にユーザーが転送されてきている・・・・?」
ヴィンスは奥にある広場に次々と転送されてきた人々の光を見た。続いてクロエもそれを確認し何事かと二人も広場に向かった。着いてみればそこは騒々としていてとなりの声ですら聞き取りにくかった。
「ヴィンス・・・・・もうこの際だからいいや、お兄ちゃん、ここから出られないの?」
「ここではリアルは御法度・・・・とか言ってもクロエは無視するんでしょうね「ご名答♪」・・・・・模索はしないでおく。・・・・で、さっきのことだが、見る限り運営側からサーバーロックがかかっているな・・・・・・オープンセレモニーでも始まるんだろう・・・・。」
二人がそういった途端、空から液体が染みだし一人の人間を形作った。
「やぁ諸君・・・・・私はゲームマスターの茅場彰彦だ・・・。」
「あれが・・・・博士の同僚・・・・・。」
クロエが静かに呟くが、合間にも茅場はセレモニーらしきものを進めていく。
「諸君らは既にログアウトボタンが無いことに気づいて要るだろう。最初に申し上げるがこのログアウトボタンが無いのは不具合ではなく仕様である。繰り返す、此は不具合ではなく仕様だ。尚、外部からログアウトを試みよう者もいたがこのソードアート・オンラインの機器であるナーヴギアの高周波マイクロウェーブによってこの世界からも、現実の世界からも永久退場している。」
茅場から告げられた一言。たった一言だがその一言だけでそこにいた全員が騒ぎ出すのは造作もなかった。
「嫌だ・・・・・死にたくない!!しにたくない!!」
「そんな・・・・・!」
「のほほんや簪ちゃんに敢えなくなるの・・・・!?」
「・・・・・黙って聞いていれば、生温いゲームだな。」
「戦争を11年も続けてきた私達にとってはこの程度あくびが出るよ。」
嘆き叫ぶもの、喚き阿鼻叫喚になるもの、この地獄のセレモニーが終わったら行動を起こそうと思っているもの、サベで一層を速攻で落とそうとしているもの。それぞれの思惑がこの広場を包み込んでいく。
「このゲームをクリアする方法。それは、このアインクラッドの頂上に位置する第百層【黒紅宮】にて待ち構えるボスを倒すことがクリア条件となる。尚、この世界で死ぬと、同じように現実の世界からも死ぬ。其を留意してやってくれたまえ・・・・・。そうだ、良いことを教えてやろう。」
「良いこと?」
広場にいた全員が最後の一言を一字一句漏らさず聞いたのか茅場の方に視線を向けた。
「この広場のなかにはナーヴギアのプロトタイプを使ってログインしているものもいる。それらに関しては死んでもデッドペナルティとなる現実世界での死亡も無く、ログアウトも可能である。それらを君たちが見つけたらその判断は君たちに任せよう。なぶり殺すのもよし、滅多刺しにするのもよし、好きにするといい。それでは、これで
ソードアート・オンライン正式サービス開始セレモニーを終了する。」
こうして、クロエとヴィンスのヌルゲーが始まった。
To be continued.........
数多の戦線を潜り抜けてきた二人にとってゲームとは遊び。はっきりわかんだね。
次回予告
正式サービスが開始してから早三日、既にクロエとヴィンスは攻略組よりも早く第一層を突破して現在○○層に来ていた。そして余裕があるのかとある緊急クエストを引き受けることにした。だがそれは仕組まれたクエストだった・・・・!?
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第53話 Ritter Tripper!!!
前話の次回予告で大体察してる人も多い筈。
尚、今回はかなり時系列がすっ飛びます。ちゃんとしたSAOはまた今度書くから許してね♪
囚われたのは
本音
簪
楯無
鈴音
セシリア
シャル
ラウラ
クロエちゃん
ヴィンス
ペイ(強行)
こんなくらいかな。なお主に出るのは下三人だけ。。
あらすじ
茅場から告げられた正式サービス開始と死んだら現実の世界でも死ぬという一言。誰もが騒ぐなかクロエとヴィンセントは唯一驚きも身じろぎもせずただただ満面の笑みを浮かべているだけだった・・・・・。
第一層迷宮区
一週間たった今、遂にクリアへと歩みだそうとする攻略組がボスの部屋へとたどり着いていた。
「これからボス戦だ・・・・。最後に言う。絶対に死ぬな。生きて全員が第二層へと向かえることを切に願う・・・・・いくぞ!!!!」
「「「「「「「「おおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」
団体の先頭にたっていた男、ディアベルはボス部屋へと続く大きな扉を開けた。それに続くように他のプレイヤーも雪崩れ込んでいく。全員が部屋のなかにはいると扉は静かにしまった。全員がいつボスが来てもいいようにそれぞれの武器を構える。だが・・・・。
「・・・・・・静かだな。」
「なぜボスが降りてこない・・・・・・β版ではすぐに降りてきていた筈なのに・・・・・。」
「ディアベルさん!!あれを見てください!!」
「何だ・・・・・・・あれは!?」
一人の隊員の声につられてディアベルは第二層へと続く階段がある扉の方へ視線を向けた。そこで彼は驚愕するものを見ることとなる。
「・・・・・・!!!??」
「おい、どうしたディアベr・・・・・!?これは!?」
「キリト君か・・・・これを見てくれないか?」
「ええ、まあ・・・・・・・。どれどれ・・・・・ええっ!?」
キリトとディアベルが見たのはとんでもない書き置きだった。
【この手紙を見たと言うことはあなたたちが漸く第一層のボス部屋に到達したと言うことでしょう。】
ディアベルは何枚にも折り重ねられた手紙を無言で読み進めていく。
【でも残念♪ボスは私とヴィンスで一撃で仕留めちゃった♪】
「ボスを・・・・・一撃で撃破だと・・・・?」
キリトは手紙の内容を読むなりその二人の強さに若干引いた。しかしまだ手紙は続く。
【さて、この手紙を読み終える頃には私達は第六十八層をクリアしていることでしょう。転移門を繋ぐゲートに関しては一切手を触れてないのでそちらの方でアクティベートをお願いします。 Vinse Croe】
「・・・・・・。俺たちが一週間もやった意味って何だったんだ・・・・・?」
時を同じくして第六十八層、先の手紙の張本人であるVinse・・・・ヴィンセントことヴィンスとCroe・・・クロエはとあるクエストを達成するためにボス部屋の前に来ていた。
「まさかボス部屋にクエストが合ったとはな・・・・・しかも確率でしか出てこないアイテムを持ってこい、か。」
「事実一発勝負だね。」
ローブで身を包んでいる二人・・・・・ヴィンスとクロエは寝ることもせずただただ己のサーベルのみでボスを切り伏せてきた。腰にはもはや相棒となったお揃いの二刀流ビーム・サーベルがこさえられていた。二人が道なりに進むと六十八層のボス部屋が見えてくる。
「さーて、クロエ、行くぞ。」
「分かったよお兄ちゃん。早く終わらせて次にいかないとね♪」
そう言ってドアを蹴り飛ばしたクロエ。蹴り飛ばされた扉は宙を舞い奥にいた何かに直撃した。
「「あっ。」」
「オマエラハワレノジャマヲシタ・・・・・・シネェ!!」
とたんに飛んでくる斬撃。しかし二人はなんなく避ける。クロエは攻撃を避けながら敵のボス情報を探る。
「・・・・見つけた!ボスの名前は【Death Nights】、攻撃力、防御力、機動力のバランスが整った敵か・・・・とっても厄介!!」
「ならば短期決戦で!」
そう言いヴィンスはソードスキルでは無いもののそれに近い連撃を放つ。至近距離まで接近されたデスナイトは多少削られるもヴィンスを切り払いで吹っ飛ばす。吹っ飛ばされ壁に打ち付けられたヴィンスは二割ほどゲージを持っていかれたが、不運はここで終わらない。
「・・・・ぐっ、体が動かない・・・・麻痺か!」
「お兄ちゃん!!」
クロエが麻痺状態になったのを確認すると直ぐ様ヴィンスの前に立ちナイトの行く手を阻む。だがナイトは構わず持っていた鎌でクロエを切り飛ばした。が、そこで終わらないのがクロエ。とっさの判断で両手にサーベルを持ち変えるとナイトをノックバックさせた。その好きに漸くしびれが取れたのかヴィンスが辛うじて立ち上がる。だがHPはもう残り少ない。クロエのビームサーベルを掴む力が一層強まった。
「誰も死なせるもんか・・・・・!これ以上、私の目の前で・・・・死なせてたまるもんですか!!!!」
「クロエ落ち着け!俺はもう動ける!あまりムキになると死ぬぞ!?」
「だけどお兄ちゃんまだHPが・・・・・うわぁっ!!」
クロエがそう言いきる前にクロエはナイトの攻撃によって壁まで吹き飛ばされた。同じくしてクロエは壁に打ち付けられひどい有り様だが今年は何かがおかしかった。
「(な、しゃべることすらできない麻痺毒・・・・!?)」
クロエはヴィンスより強力な麻痺毒によって口が空かなくなっていた。ナイトは近づくとクロエに向かって持っていた真剣を取った。しかしそううまくいく筈もなく。
「クロエ!ポーションで体力を回復させろ!出ないとくろえが死ぬぞ!!」
今度はヴィンスがクロエをカバーするように前に躍り出てビームサーベルを持った。ナイトは構わずそれにつっこんでいく。クロエは必死に動こうとするが神経がやられているせいでうまくしゃべれないし動けもしない。だが、僅かながら動く左手を力の限り振り絞ってクロエはインベントリから調合スキルで作った疑似ハンド・グレネイド紛いのものを実体化させると思いっきりヴィンスとナイトの間に投げ込んだ。ナイトはそれを見るなや剣の構えを変えて軌道を変えた。
「なっ!?・・・・剣でグレネイドを跳ね返した・・・!?・・・・うおっ!?」
「こ、これ以上は・・・・!・・・・きゃあっ!?」
跳ね返されたグレネイドは近接信管により起爆してヴィンスとクロエの戦意をへし折った。残り少ないHPのなか、クロエは必死に立とうとしていたがいまだに毒のしびれが取れない。ヴィンスもさっきの毒が再び回ってきたのか軽度の痺れに逢っていた。
「クソッ、このままやられるのか・・!?」
「お兄ちゃんだけは・・・・うっ!?」
突如つまったクロエの言葉を聞いてヴィンスが持てる力を振り絞ってクロエに近づく。その間にナイトは武器こそ構えているが攻撃しないという謎めいた現象が起きていた。それも露知らずヴィンスはクロエの容態を確認する。
「大丈夫か、クロ・・・・・・エ・・・!?」
「どう・・・した・・・・の?あはは・・・・・まだ体力の減少が止まらないや・・・・ここで終わりなのかな・・・?」
弱々しいクロエの声がボス部屋に響く中ヴィンスはクロエの痺れた手を強く握る。
「気を強く持てよ!福音の時はお前が助けてくれた!!次は俺がクロエを助ける番だ!!」
「それはできない相談だねぇ?」
「うぐっ!?」
突如として響いた声と共にヴィンスが呻き声を上げた。再び立てなくなったヴィンスとクロエの元に一人の男がそびえ立った。
「ほう、こんなところにもいるのか・・・・さぁて、どこから手を出してやろうかな・・・・。」
「お前!クロエに何する気だ!!」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!!!」
「ぐふっ!?」
「お兄ちゃん!?」
降りた人影がクロエに手を出そうとしているのをヴィンスは止めようとするが思うように動けず逆にクロエと距離を離されてしまった。ナイトはその様子に一行のそぶりも見せない。
「ははっ、邪魔物はいなくなった・・・・さぁ君、一緒に遊ぼうよ?」
「いや・・・・・嫌だよ・・・・御兄ちゃんとしか遊びたくない・・・・!」
「そうか・・・・なら先にお兄ちゃんを殺して絶望させてやるよ!!!!」
男は剣を構えると剣を突きの形に持ち突進していく。動けないヴィンスは死を直感した。だが、次の瞬間、二人はとんでもないものを目にした。
「・・・・・・・。」
「はは、しねぇ・・・・・!??!」
男の首が一瞬で飛び男はヴィンスの胸に剣を突き刺す3m手前で即死した。討ったのはクロエでもなく、ヴィンスでもなく、モンスターであるナイト。だがそのモンスターは徐々に暗闇に消えていこうとしている。
「クソッ、・・・・実力不足だとでも言いたいのか!!!!」
「もーつれないわね~。」
「「!?!?」」
ヴィンスは根気で毒を解除して後ろを振り向く。クロエはヴィンスが向いた方向に目線を寄せた。そして見たのは・・・・、
「なん・・・・・でだ・・・・・!?」
「さて、死んでください。」
さっきのナイトがヴィンスに振りかざす瞬間だった。
To be continued......
さあヴィンスはどうなってしまうのか!?
次回予告
活気がこの世から消えた攻略組達。イレギュラーの存在に焦る茅場。ヴィンスの危機に泣き叫ぶクロエ。其々の思惑は交差しつつあった。
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第54話 狂気の復活
前回ヴィンセントに降り下ろされたカマ。果たしてヴィンセントの運命は!?
あらすじ
第68層のボス部屋を蹴り飛ばした二人。だが、そのボスは強大で二人を追い込む。運が悪いことに漁夫の利狙いの輩も現れたがモンスターによって殺された。その間に回復した二人だったがそこに待っていたのは無慈悲なカマの降り下ろしだった。
「お兄ちゃん危ない!!」
「くっ、ラグがあって対応できない!!!」
降り下ろされるカマ。今度こそヴィンセントは自らの死を覚悟した。が、そのカマが降り下ろされることはなかった。
「・・・・!?なぜ殺さない。」
「・・・・・殺す価値がないからよ・・・。予想より強いかと思っていたが検討外れだったようね・・・。」
「何を!!」
流暢に話すモンスターに対し血が昇るヴィンス。一触即発なこの状況でただ一人クロエだけが現状についていけてなかったが、ひとつの確信を持っていた。
「・・・・・・・お芝居もそこまでにしといたら?さすがにこれ以上したら現実世界に帰ってきたらぼっこぼこにするよ?」
「へ?」
「・・・・・・・・・。」
クロエが突如そんな言葉を切り出したのをみてヴィンスはアッケラカンに取られるがモンスターは逆に汗を垂らしていた。
「幾らなんでも直接殴るのはいいよ?だけどね?お兄ちゃんを殺しかけた罪は許さないよ?」
「・・・・・うう。バレてないと思ったのに・・・・。」
「ペイから流れ出てくる私のお気に入りの波動がものすごく肌に伝わってたよ?」
「そこまで見抜かれてたら仕方ないか・・・・。」
そう言って刃を引いたモンスターはバラバラと音をたてながら割れるともうひとつの体を再構築した。
「うぇっ!?えっ!?」
「お兄ちゃん・・・・気づいてなかったの?」
「全くだが?」
「オーケーとりあえず一発殴らせて♪」
「うえっちょっ、おま「ペイの波動を忘れないでよォォォォォ!!!!」いたぁぁぁぁぁい!!!」
思いっきりヴィンスの頬をぶん殴ったクロエ。吹っ飛んだヴィンスは壁に叩きつけられるかと思われたがペイがいち早く反応して受け止めた。
「・・・・相変わらずクロちゃんは手荒だねぇ・・・・。」
「お兄ちゃんのことだし一回殴らないと分からなさそうだったし。」
「だがなんでペイがこんなところに?」
「ああ、そう言えばここに侵入した目的を言ってなかったね。まあ、少し時間は遡るわけだけど・・・あれはヴィンス達が囚われてから数時間たったころかな?」
「・・・HADESを使ってアーガス本社のメインプログラムサーバーに侵入して二人を手助けする。」
ペイが真面目な顔してマトモなことを言う姿を束も千冬も初めて見た。ペイは自分達が引き起こした事の発端を鎮めるために自ら役を買って出たのだ。
「だけどペイちゃん、やるとしてどうやって侵入を?幾ら天才な私でもアーガスの本社にはハッキングは難しいよ?」
「そこが私達の仕事です!」
「仕事?」
千冬が捻った声を出すなか今度はルリが前に出てきた。
「HADESは元々相手の動きを予測させそれに対する全ての予測を一瞬にして判断し全ての予測をパイロットに強制的にフィードバックさせて動きを補助する能力が備わっている・・・・・。」
「自分の体に強制的に反射をかけるシステムか・・・・・。」
千冬がそう呟くと一夏がなにか考え込む。
「ということは二人は常にあれに蝕まれていたのなら身体状態もそうそう良くないと思うんだが。」
「その点に関しては問題ないよ!さっきも言ったようにヴィー君とクロちゃんの身体にはエルちゃんが同化してるからしばらくの間は持つよ!」
「だがペイルよ、HADESを使うとしてどうやって助け出すんだ?」
千冬がこの作戦の要となる予定を聞き出そうと模索する。ペイはそれに応えて一本のケーブルを取り出した。そのケーブルをみて千冬は一瞬疑問の様相を呈した。
「このHDMIケーブルを使ってアーガス社本部中枢区にあるソードアート・オンラインメインサーバーとペイのトーリスの頭部コア集積中枢ブラックボックス回路を接続してハッキングを試みます。」
束はルリの発言に若干疑惑を覚えたが軈て意図がわかるとポン、と手をついた。
「・・・・・そうか!ソードアート・オンラインのメインサーバーであれスパコンであれ一般的な総合回線はコアネットワークによる総合集積回路!」
「そうです。今回はそのコアネットワークを悪用してプログラムへの侵入、あわよくば内部データの物理的な破壊も行います。」
「だがペイ「次その呼び名で読んだらブッ飛ばしますよ?」・・・・・ペイルライダー、其をすれば内部にいる人は大丈夫なのか?うちの学園からも数百人ほど閉じ込められているのが確認できた。その状態でデータを破壊するとなれば正直意識が戻るとは限らんぞ?」
「データを破壊するといってもちゃんと学園の生徒のIPアドレスだけきっちり切断させたあとに強制フィードバックでぶっ壊しますよ。」
「それならいいが・・・・。」
「なら私達は準備しますね。もしものために一応フル装備で行うので装備に時間がかかるんです。」
「そうか・・・・・・学園の生徒たちを頼む。」
「日々ヴィンスとクロエちゃんがお世話になってるので今回はその恩返しですよ。」
そう言って三人は準備をすべく格納庫へ向かっていった。残された一夏達は学園の生徒にこの一連の事件を話すべく学園に戻っていった。
「とまぁ、こんなこともあってペイがここに来たんです!」
「メインサーバーなら警備も結構あっただろうに?」
ヴィンセントがペイに対して聞くがそこはペイのなせる技なのか、Vピースをして、
「HADESを使って全サーバーシステムを掌握したからできたことです!!」
「「えっ??」」
ペイの爆弾発言に二人の口が空いた。そして数分の静寂。数分の後再起動したヴィンセントは改めて聞いていく。
「なあペイ、ここのボスはどうしたんだ?お前しかいなかったようだが。」
その問いに対してペイは自慢の二刀流サーベルとスパイク・シールドを実体化させて、
「そこはほら、知らない方がいい世の中もあるよってことで。」
「HADESでぶちのめしたんですね分かります。」
「良いなぁ、ペイばっかりHADES使えて・・・・。」
そうクロエが呟くとペイは思い出したかのようにインベントリからなにかを取り出した。ヴィンセントはそれを見てなぜかは知らないが其がクロエにとって一番大好きなものだろうと察した。
「そうそう、どうせクロエちゃん飽きてるんじゃないかって思ってペイルライダーのHADESデータをコピーしてこの【スキルディスク】の中に記録してあるよ。」
「HADESのコピーねぇ・・・・絶対デメリットあるだろ?」
ヴィンスがそう口調を強くして言うとペイは図星なのか一瞬硬直したあとヴィンスの顔を見ながら、
「バレてるなら仕方ないか・・・・・。このコピーディスクを使うとこの世界でもHADESを恩恵を受けられるけどデメリットもあるよ。ひとつ目に些細なことで怒りっぽくなること。二つ目、クロエちゃんの中に新たな人格が形成されること。三つm「ちょっと待てエェェェェェェェェ!!!!!!」・・・・なんですかもう?」
ペイが説明を止めて謎の行動に説明を求めるが、ヴィンセントはさらにペイに詰め寄る。
「そのクロエに出てくる人格って、暴れたりしないよな?」
「ううん!!クロエちゃんはELSによって人格分離もできるから思いっきり暴れられるよ!」
自信満々に言ったペイに対しヴィンセントは何度めかの殺意を抱いたと言う。
To be continied......
どんどんペイルちゃんとクロエちゃんが暴走する説。
次回予告、ペイ達と合流し辿り着いた75層。だがそこには本来いるべきでない人物が立ちはだかるのだった。
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第55話 閃光の果てに
あらすじ
モンスターの正体はなんとシステムサーバーを乗っ取ったペイだった。すべての真相を聞いた二人は改めてクリアしようと決意する。一方別の場所でとある男が危機感を抱いていた。
第55層 グランザム
鋼鉄の都市とも言われるこの層に位置するギルド【血盟騎士団】の本部にて一人の男が頭を抱えていた。
「何故だ・・・・・何故あれほどまでのスピードで突破されるのだ・・・!!」
その血盟騎士団団長の男【ヒースクリフ】・・・・またの名をソードアート・オンラインゲームマスター【茅場明彦】はイレギュラーの存在に危機感を覚えていた。
「これは、直に私が手を下すしか無いようだな・・・・。」
そう言って彼はイレギュラーの元へ飛んだ。
そして第75層。
ペイ達三人衆は追い付かれたキリト達に囲まれていた。
「・・・・何のつもりだ?」
「それはこっちのセリフだ・・・・お前ら、何が目的だ?」
キリトが強く返すも三人は動揺の色を見せない。それどころか既に武器を両手に構えていた。キリトも身の危険を感じ取り愛剣【ダークリパルサー】を構えていた。
「どうしても吐かないので有れば・・・・・意地でも武力をもって吐いて貰うぞ!!!」
キリトが跳躍してヴィンセント達の真上をとった。ヴィンセントはインベントリから瓶を出すと真上に投げた。
「真正面から殺るバカがいるものか!!」
「何っ!?」
キリトがその瓶に気づいたときには既に遅く。一定の距離で爆発すると強い閃光をキリトに浴びせた。もともとキリトは一人では来ていなかったが後ろに下がらせていたのが駄目だった。すぐに反応できなかったキリトは諸に其を食らって体制を崩した。
「これは・・・・スタンか!!!」
「しばらくそこで痺れてろ・・・・・・・・・そして、居るなら出てこい。茅場明彦。」
「「「「!?!?!?」」」」
「やれやれ・・・・・・・・・何故分かったんだい?イレギュラー。」
「こいつが貴方のIDを特定したまでです。わざとらしく痕跡まで残して其れに引っ掛かるとは思いませんでしたが。」
「だが、お前達は来ると予想していた。違うか?」
茅場明彦・・・・・ヒースクリフは物影から出てくると剣をヴィンセント達に向けた。三人はそれぞれサーベルをヒースクリフに突き出すとそれぞれスキルの構えをとる。しかし何より驚いていたのはスタンしていたキリトだった。
「・・・・ヒースクリフが、茅場・・・・だと?」
「ああ、そうだ。私がこのソードアート・オンラインの開発者であり、ゲームマスターであり、そして第100層のラスボスでもある茅場明彦だ。」
「なら、お前を殺せば全てが終わるわけだな?」
「だが、私は不死属性が付与されている。一生クリアすることは出来ないのd「煩い。出力最大。」・・・・・!?」
「「「!?」」」
ヒースクリフの一言はクロエがツイン・ビーム・サーベルを首に突き刺したことで遮られた。
「・・・・・な、何故・・・!」
「あそこにいるペイが全システムを掌握したのよ・・・・・今やお前は茅場明彦という名の開発者に過ぎない。実質ペイが現ゲームマスターということだ。」
「お前・・・・・・一体何者だ・・・!」
「そうね、さしずめラビットの刺客とでも言いましょうかね・・・。」
「ラビット・・・・・兎!?」
「そうか・・・・・そう言うことか・・・!!」
キリトが歯軋りをする。近くにいた彼のメンバーである少女【アスナ】は何がなんだか判らずキリトにどういうことか説明を求めた。キリトは其れに応じてスタンが薄れるまで絶え絶えに話す。
「アスナはISが世界に出回ってることは知ってるな?」
「え、ええ。でもそれがどうしたって言うの?」
「このソードアート・オンラインのメインサーバーもISの類いに漏れずコアネットワークが組み込まれている。」
「つまりISの原理を応用したサーバーだとでも言うわけ?」
「そうだ。そして、恐らく彼女らはそのISの操縦者だろう。目的は・・・・・ほぼほぼ見当がつく。」
「お前もようやく分かったみたいだな・・・・。」
ヴィンセントがキリトの説明を一瞬聞いていたのか前に出てそう返す。続けてペイが前に出て来てその続きをいい始める。
「本来ならば二人はしばらく遊んでログアウトするつもりだった。だが戻れない。そして二人の同級生も囚われていることを悟ったヴィンセントはわざわざ速攻で殺そうとここまで登ってきたんだよ!」
「・・・・・ふっ、もう少し長く君達を観察していたかったが、どうやらそれは無理な相談みたいだな。」
茅場のアバターがひび割れを起こし始める。まもなくHPが0になる合図だ。クロエはもう一本のサーベルをヒースクリフの腹に突き刺しながら淡々と告げた。
「お前にはまだまだ聞かないといけないことがたくさんあるからね・・・・意識データを移そうとしても無駄だよ。ペイが持ってきた未使用のISコアにお前の意識が移されるよう既にセッティングされている・・・・観念してね。」
「・・・・・・・やれやれ、つくづくあの兎には先を行かれる。」
そう言ってヒースクリフのアバターは砕けた。
Swordart・Online GameCrear
「・・・・・んぅ?」
「起きたか?クロエ。」
「お兄ちゃん!」
二人は何もない空間で目を覚ました。いや、地面がない空間で起きたというべきか。二人は取り敢えず下を見た。そこには崩れ行く浮遊城の姿が移った。そして他にいるはずのペイの姿は見当たらなかった。
「お兄ちゃん、ペイちゃんは?」
「ペイなら先に戻ったよ。」
「そう・・・・。それで茅場は何処に?」
「ここだよ。二人とも。」
ヴィンセントとクロエはその声のする方向に目を向けた。そこには騎士としてでの姿ではなく、開発者としての茅場がいた。
「・・・・やはり、先輩は後輩に追い抜かれるもの・・・・か。」
「茅場さんはやはり博士の・・・・・。」
「ああ、私が束の先輩にあたる茅場だ。」
茅場の肯定にヴィンセントとクロエは真剣たる意志を見いだしていた。
「まず聞きたいのだが、なんでこんなことをしようと思ったんだ?」
ヴィンセントの問いに対して茅場は二人とは目線が合わさらないようにしながらこう話した。
「誰もが一度は造ってみたいシャングリラ・・・・・つまり理想郷。私は子供の頃からそんな理想を掲げていた。」
「理想郷・・・・・一度はやってみたいことか・・・・。」
「だが束は自分一人で成し遂げて私を超えていってしまった。なら、私の鳥籠で閉じ込めてやろうと画策したが・・・・失敗したようだ。よくよく考えてみればあいつは元から天災だからこの程度の罠には気づいていたんだろう。」
「・・・・・それで、ログアウトは。」
話を戻すようにヴィンセントが本題に戻すと、茅場も同じようにはっきりとした目付きに変わる。
「既に9945人のログアウトが完了した。」
「そうか・・・・・お前さえもし良ければ博士のところに住み着く算段は付けれたんだがな?」
「あいにく私は縛られるという概念が嫌いでね・・・暫くこの理想郷で自由に過ごすとするよ。」
「そうか・・・・。」
ヴィンセントがそう言った時には既に茅場の姿は風のように消えていた。
すると突然クロエがヴィンセントの背中に飛び付いた。
「お兄ちゃん、帰ろ!皆のもとに!」
「ああ、一刻も早く無事であることを証明しないとな!」
二人は手を繋ぎ光の向こうへと歩み始める。その先にある未来と言う名の閃光の果てまで・・・・・・。
To be continued.........
前半戦終了。
後半戦はもうどうなるか。わかるよね?
次回予告
帰ってきた者達、いまだに帰還しない者達。
茅場が引き起こした事件は世界中に大きな波紋を呼び寄せた。そしてその波はIS学園にも降りかかろうとしていた。
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第56話 奪還作戦
ティーレちゃんにてこずらされたよ(´・ω・)
あらすじ
ついに中枢まで辿り着いた三人。立ちはだかるはゲームの開発者だったがHADESにより瞬時に溶かす。帰ってきて壊れゆく世界を見た三人は元の世界へと帰るのだった。
彼女達は帰ってきた。
いや、彼女だけ帰ってきた。そう言うのが正確だろう。
戦艦ティーレ(ビッグ・トレーといちいち呼ぶのがめんどくさくなったのでクロエが名付けた)の艦内の一角に彼は意識を取り戻さぬまま横たわっていた。
「クロ、入るよ?」
「クロ姉ですか?遠慮なく入ってきても良いんですよ?」
クーが何時でも来て良いと言ってるかのように言うがクロエは、
「形式上だけ・・・・うん。」
と、形だけでも軍人であろうとし続けようとしていたその体をクーは押し止めた。
「クロ姉、お兄が未だに意識を取り戻さないのは私たちでも原因が分からなかったんです・・・・。少しくらい体裁を崩しても良いのでは?」
「そうかな・・・・。でも、今のままだらけ続けていたらいつかお兄ちゃんに見放されそうで・・・・・。」
「お兄はクロ姉にとっての初めての恋人だったんでしょう?なら、彼も早く帰ろうと模索しているはずです。今は・・・その時を待ちましょう。」
「・・・・・分かった。」
クロエはしぶしぶ軍人の調子からいつもの甘えん坊モードに体裁を崩すと備え付けのソファーに腰かけた。ソファーの目の前にある机には忌々しいプロトタイプのナーヴギアが置かれてあるがクロエのELSによりその機能はほとんど停止している。
「帰ってくるかと思ったお兄ちゃんは何時まで経っても帰ってこなかった・・・・・。早くお兄ちゃんと一緒に宇宙を飛び回りたかったのに・・・・。」
「けど、後から同じような症例が学園からも何名か確認され今もあの中に囚われている・・・・。」
二人の声から漏れる呟きは悔しさも混じった嗚咽となって時期に静かな鳴き声も出始めた。
「何で・・・・・なんでお兄ちゃんがこんな目に逢わないといけないの!!!もう離れるのはイヤなのに!!!・・・・・うぅ。」
「それは私だって同じです・・・・!!この前はクロ姉とお兄に譲ったのがこの原因の根元となりました。・・・・ならば次は私が助けるべきなのに協力することもできない・・・・!」
「クーちゃん・・・・・。」
二人が落ち込んでいるところに突如どたばたとけたたましい音が鳴り響く。こんなことをするやつは一人しかいないだろうと知っていたクロエはビーム・サーベルを出力しドアの真ん中に翳した。案の定、その音の犯人である束が思いっきり入ろうとした矢先にビームサーベルの熱気に気づき間一髪蒸発は免れた。クロエは不機嫌そうにサーベルをしまいながら、
「何ですか、博士?この状態を見ても今私たちがどうなってるのか空気も読めないの?」
「・・・・・ヴィー君の、居場所が分かった、って言っても?」
「「!!??」」
束の一言に対しかなりの食い付きを見せる二人。その勢いは束が脳震盪を起こすほど揺らされていることから明白だった。
「博士、早く教えて、吐かないなら取り敢えずサーベルで突き刺す。」
「早く教えてください博士、教えないならクロ姉の方に付きます。」
「言われなくても教えるよ!!」
束は持ち前の技量で二人を落ち着かせるとひとつのコアを取り出した。
「博士、これって・・・・。」
「先輩の意識データが入ってる新型コア【ソードアート】。この中で眠っていた先輩から拷問して引きずり出した情報によると、予め数十名ほどルーター経由して別のゲームに拉致されるよう仕組まれていたらしいよ?」
「別のゲーム・・・MMORPG環境で今話題のゲームと言えば・・・・。」
「アルヴヘイム・オンライン、ですね。」
「二人とも先輩と同じこと言うよね・・・・。先輩は恐らくこれがSAOのコピーサーバーならここに拉致されている可能性が高いと言っていたよ。」
「なら・・・・。」
「やるべき事は一つしかない・・・そうでしょ?」
クロエは通信機を取り出すと何時もの三姉妹を呼び出した。ものの数秒でやってきた三人に対してクロエはある準備をするように伝えた。それは、
「ルリ、トリ、ペイ、頭部ブラックボックスのHDMI端子を私のナーヴギアに接続して。」
「クロエちゃん!?何する気なの!?」
「三人もお兄ちゃんを助けたいんでしょ?」
「そうだけど・・・・。けど、クロエちゃんの分しかこれがないじゃない・・・。」
「別にこれがなくてもあの世界に入れないことは無いよ?」
「・・・・プライベート・ピクシーの事だね?クロちゃん。」
「それです博士。あの機能を応用してトーリス・ルーリス・デュラハンの機体データを送り込んで実体化させる。それでペイ達はあの世界に入り込める。」
「・・・・ホントにクロちゃんってヴィー君の事になると必死になるよね。まあいいよ、私もヴィー君がいないと不便だし本気出しちゃうよ。」
「それならいくつか手順が省けますね。取り敢えず私はナーヴギアを持っているであろうあの喫茶店に行ってきます。」
「クロ姉・・・・何を?」
クーはなぜナーヴギアをもう一つ持ってくる必要があったのか謎に思う。だがクロエはその後ろから囁くように、
「クーもお兄ちゃんを助けたいんでしょ?だからクー用のナーヴギアを確保しないとね。別に私のナーヴギアに配線してプライベート・ピクシー形態で手伝ってもらうのも良いけどそれだとクーは満足しないでしょ?だから・・・・ね?」
「・・・・・ありがとう、クロ姉・・・。」
「さ、博士の手伝いでもしてあげたら?一刻も早く助けたいんでしょ?」
「・・・・・・はい!博士、いきますよ!」
「うわちょっとまってまだ部屋はウワァァァァァ!!!」
クーは流れるような動きで束を捕縛すると軽やかな動きで研究室へと連れ去っていった。それを見届けたクロエは三人に顔を見返す。
「さて、トリとルリは接続準備を。ペイ、あの喫茶店に翔ぶよ。エールスの起動及び同化準備を初めて、最短で助けにいくよ!」
「分かった・・・・。」
「了解です。」
「そういうと思って既にメインシステム及びHADESは起動済みだよ!」
「仕事が早くて助かったよ!同化開始!」
クロエは部屋の窓から跳ぶとエールスのコックピットにしがみついた。同時に手の方から同化が始まりものの数十秒でその全体像は呑み込まれる。ペイもそれを確認するとエールスに手を触れてメインシステムに移動した。やがて装甲色が黒っぽい蒼に朱の細いラインが入った配色になるとその頭部のデュアルツインアイは紅く光った。
「もう・・・・誰にも私は止められない・・・・!!クロエ・クローチェ、エールスツヴァイ改、出るよ!!」
その瞬間、ツヴァイはバレルロールを決めて大空へ羽ばたいた。
その頃、ネットワークワールド内には何十人かのソードアート・オンラインをクリアした人々がその世界に囚われていた。ヴィンスもその例に漏れず囚われていた。
「ちっ、個別分算式データロックか。あちらのものと比べて旧式とはいえ少し時間はかかるか・・・。」
「無駄でしょ・・・?」
「大切な妹が待ってるんだ・・・一刻も早くこの、囚われの
ヴィンスもまた、愛する妹のため、立ち上がろうとしていた。
時を同じくしてとある離島の中にある建物の中でも同じようなことが起こっていた。
「ドクター、まだ解析は終わらんのか?」
「スコール、お前はまだ我慢が出来んのか?」
「あいにく次の作戦が迫ってるのでな・・・・。二人の様子はどうなんだ?」
「まだ縛られているとみて良いだろう。どっちみちこのままでは作戦は延期だ。」
「おいおい、このままあの作戦をやめちまうのかよ?」
「わざわざ南米で特注の時限装置を製作したんだ、派手にパーっと殺りたいがな?」
二人の男・・・・ボマーとフィクサーは物陰からそう言うと整備パーツを抱えて来る。
「あら二人とも・・・・やはりか?」
「ああ、ハッカーの情報によればALOにサーバーIP反応が出た。ビンゴだ。」
「なら話は早いわ。私たちもALOに突入してエムとオータムを回収するわよ。」
「了解なこった。」
フィクサーはそう言うと僅かに口角を挙げた。
To be continued.......
お待たせしました!
さてさて、後半クールスタートです!
次回予告
愛する兄のため日本を飛び回るクロエとエールスツヴァイ、そこに立ちはだかったのは他でもない彼らだった・・・・・。
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第57話 雷撃走る
てか、前回の捕捉なんだけども。
港に停泊しているのは
・第一物資貿易港:レウルーラ級機動巡洋戦艦レウルーラ改
・第二旅客湾岸港:ビッグ・トレー級陸上戦艦ティーレ改
なので三姉妹はトーリスに同化しながらティーレの上に係留して防衛行動を行っていた、ということになるので悪しからず。
そして、お待たせしました。ついに!!
ついに!!!
某オンラインゲーでいつも一発逆転要素のあいつを秘密兵器として出してやります!
ペイルライダーとトーリスリッターの時点でガンオン要素出てるけどな!(言っちゃった)
あらすじ。
ヴィンスは帰ってこなかった。残されたクロエはヴィンスを、救出すべく奪還作戦を考案し開始する。無事ヴィンスを救うことはできるのか?
某所
とある商店街の一角に佇むこじんまりとしたカフェがある。そのカフェに今日も客が来ようとしていた。
「ふぅ・・・・・ようやく休憩か・・・。」
会社の昼休みに入ったと見られる会社員が眠気覚ましのコーヒーを飲もうといつもの行きつけのカフェに向かっていた。いつもならこの辺りは人通りが多いのだが今日は何時もより人が少なく感じていた。しかしその悩みもすぐ吹き飛ばされることとなる。
ニブニブニブニブニブ
「・・・・地響き?いや、無いか。」
「退いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「うわあぁぁ!?」
男は突如降ってきたロボットの姿に驚きすぐに付近の路地裏に隠れた。その数秒後、ものすごい勢いと共にクロエが駆るトーリス改が路上に着地し慣性の法則で次々と車を薙ぎ倒し地面を穿っていく。軈てカフェの手前で止まった機体から同化分離したクロエがコックピットから飛び降りるとまさに男が向かおうとしていたカフェに突撃していった。腰を抜かしていた彼は呆気に取られていることしかできなかった。
一方、入っていったクロエはすぐにダグを振り回した。
「ダグさん!持ってるなら早く寄越して~!!」
「持ってるから!渡すから!振り回すな!回すな!」
物理的な応酬と共に彼はクロエの振り回しから解放されると奥に鍵を掛けておいていた引き出しから1つのヘルメットみたいなものを取り出した。言わずもがなナーヴギアである。
「とにかく、これだな?」
「うん、それで合ってる。」
「頼むぞクロエちゃんよ、お前の大事な兄を・・・・マルコシアスの家族を救ってくれよ?」
「言われなくても・・・・それくらいはやり遂げて見せるよ!!」
クロエはそう捨て台詞を吐くと再びトーリスと同化してIS学園の方へと現最高速度で飛翔していった。
その後ろ姿を外から改めてみていたダグは、
「ああ、 頼むぞ、クロエちゃんよ・・・・・・!」
さて、旅客港と物資貿易港に停泊しているレウルーラ改級機動巡洋戦艦。通称【グラーフ】とビッグ・トレー改級陸上戦艦、通称【ティーレ】は内部で刻一刻とダイブの準備が整えられていた。
「束様、ルリとトリスの頭部コードの接続、終わりました。」
「お疲れクーちゃん、そろそろクロちゃんも帰ってくるみたいだからダイブの準備をしてきた方がいいよ?後のことは私に任せて!」
「そうですか、ではお言葉に甘えてダイブの準備をしてきますね。」
そう言うとクーは施設が整えられたティーレの方へと向かっていった。そしてその数分後、クロエもまた轟音と共にトーリスで見事な着地を決めた。停止と同時に束は頭部にコードを接続する作業を始めクロエはナーヴギアを片手に持ちクーがいる方向に向かっていった。
「クー!持ってきたよ!」
「御姉様!準備は整ってます、あとはペイちゃんのコードさえ接続完了すれば行けます!」
「既に無線で接続は終わった!急ぐよ!」
「はい!」
クロエから投げられたナーヴギアを受け取ったクーは急いで設備を整えた部屋へと入り自分のナーヴギアをインターネットに接続した。クロエもコードが繋げられたナーヴギアを手に取ると頭に被せるように被った。そして二人はあらかじめ用意されているベッドに横たわった。二人は共に右手と左手を掴むと決意したようにその言葉を発した。
「「リンク・スタート!!!」」
(待ってて、ヴィンス・・・いや、お兄ちゃん!!)
(すぐ助けに行きますからね、お兄様!)
そう感じる二人の意識は現実から遠ざかっていった。
そして、二人は種族等を決めた。だが、何の因果なのだろうか、それともSAOデータを反映してしまった弊害なのだろうか。二人は複数の種族が混ざった特殊種族となった。
クロエは
クーは風妖精族と猫妖精族が混ざった白獣妖精族。
ペイ達三人はプライベート・ピクシーとしての登録だが形式上は全員影妖精族になっている。そうして決めた二人は所定の初期位置に転送されるはず・・・・・だったが複数種族が混在した特殊種族の初期位置なぞ決まっている訳もなく・・・・・。
「混在したらそりゃ落ちますよねぇぇぇぇぇぇ!?!?」
ALOの操作方法をあまり熟知してないクロエは重力に従い訳もわからぬ森へと落ちていく。それはまたALOはおろかSAOをやったこともないクーもおなじであり・・・、
「あ・・・・ああ・・・・・!?!?」
クーは落ちていく衝撃のあまり気絶しそうになっている。唯一強く気を持たせているクロエは森に届かんばかりの大声で叫んだ。
「何とかして!ペイルライダァァァァァァァァァ!!!!!」
「はいは~い・・・・って落ちてる!?早く引き上げないと!?」
プライベート・ピクシーの姿で出てきたペイは落ちている二人の姿を見るや否や圧縮されていた本体データを解凍すると展開し二人を受け止めた。
「ふうぅぅぅ・・・・、ありがと、ペイ。」
「まさかいきなり落ちるとは思ってませんでしたけど事前にトーリスリッター本体のデータをクロエちゃんのナーヴギアに保管しておいたからこうして助けることができたんだよ。にしても、ここがALOの世界かぁ~。なんだかきれい。」
「ソードアート・オンラインもそうだったけどグラがとても鮮明だからね。」
クロエがペイとクーの間にある草花を取ると二人に近づけて見せる。そのあまりの出来に二人は同時に驚きの息を漏らす。
「まるでソードアートオンラインのグラをそのまま再利用したみたいな・・・・・・・ん?再利用・・・・!?」
「どうしました?ペイ。」
「いや、まさかね・・・・・?」
「まさかペイ、これがソードアートオンラインのコピーサーバーとか考えてるの?」
「クロエちゃんも考えてることは同じみたいね?」
「ということは?」
「数百人がいっぺんに別のゲームに拉致される事態、一瞬で起きることとは到底考えられないし予めコピーサーバーを元に製作したこのALOの世界にお兄ちゃん達を閉じ込めた。そう考えるのが妥当だろうね。」
「だとすれば一番いる可能性が高いのは世界樹と呼ばれる中央にそびえる木の頂上が一番怪しいところかと。」
クーが中央に聳えるどの木々よりも高い大きな樹のてっぺんを指差した。
「なら、まずはそこに行くのが最優先目標だとして。装備品かな。」
クロエは自分のメイン画面を開いて装備の確認をするが如何せん殆どのアイテムが文字化けして読めなくなっているため何もわからない。ただ、クロエは何を思ったかひとつのアイテムを徐に取り出した。取り出したアイテムをは実体化してクロエの右手に握られた。
「これはビーム・サーベル!生きていたのねこれは。」
「一応クロちゃんにも同じものがあるはずだよ?」
ペイに促されてなれない手つきでメイン画面を操作して装備品確認の品を開くと案の定クロエと同じビーム・サーベルが搭載されていた。
「あ、これですかね・・・?」
クーが持っていたときには既にクロエが持っていたサーベルはビームを出力していた。
「うん、これだね?これでお兄ちゃんを救いに行ける!」
キャアァァァァァァァァァァ!!!!
「「!?!?」」
突然の奇声に二人は思わず耳を塞ぐ。ペイもいつもの姿になるとその声のする方向を調べ始める。
「ここから少し北に行ったところみたい。様子を見に行ってみる?」
「もし襲われてたら襲われてたで助けないとね!」
「それもそうなんですが・・・・・・・御姉様、その服装と格好、どうにかなりません?」
「んー?このケモミミとふかふかの尻尾、なかなか良いと思うんだけどなぁ、服装と相まって。それを言うならクーもなかなか可愛らしい格好だけどね。」
「か、可愛い!?出鱈目を言うのも大概に・・・・!」
「出鱈目なら今まで何回誉めてた場面があったと思うの?」
「御姉様・・・・・・・。」
クロエが宥め終わるとクロエは同時に羽も展開する。ALOにおいて羽は一種の移動手段であると共にこのALOの謳い文句にもなっている。それを展開したクロエはあっという間に操作方法になれると自分の向かうべき終着地へと向かい始めた・・・。
To be continued........
ALOにおいての二人の服装は一途な人狼を可愛くしたかんじ?
次回予告
同じ現象に巻き込まれたキリトは恋人であるアスナを救うため時同じくして、ALOにダイブしていた。そこに見たのは良いも獲ぬ三人の死神だった!
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第58話 京蘭の舞
今回はリアル嵐山でこの小説を書いていまする。
まあ嵐山だし和風に行こうぜ!ってな感じでやっていきませう。
あらすじ
戻ってこなかった意識、記憶、そして存在。彼女達はそれを取り戻すべく再び電脳世界へとダイブする。カフェ・軍人・天災、三者が完全なる結託によって結ばれた今、事件の解決が始まった。
二人+3機が中央都市【アルン】へ向かっている最中、彼も同じ目に逢っていた。
「いってぇ・・・・。初期リスポーン位置が何故ずれたんだ・・・・?」
嘗てSAO【ソードアート・オンライン】でアインクラッド攻略に貢献し生き残った帰還者であるキリトもとある目的のためこの地に降り立っていたがクロエ達と同様不具合に逢い見知らぬ森林へと飛ばされていた。
「ほっ、ちゃんとログアウト出来るみたいだな・・・・。取り敢えず初期装備を確認するか・・・・。」
メニューを開き在るべき場所にSAOには無かったログアウトボタンの存在を確認したキリトはそのまま装備品のリストへと手を伸ばす。そして開いた瞬間に心地よい音と共に開かれたそれを見た瞬間、彼は硬直した。
「なっ、文字化け!?」
キリトは殆どの装備品が文字化けしていることに気づくと頭を抱えた。それだけではない。本来初期スポーンなら初期値になっているはずの各武器熟練度がほぼ全てマックスに近い数値になっているのだ。キリトは何度も見直したがその数値は変わらない。そうしているとキリトは一つの事を思い出した。
「・・・・・そういえば、あれはまだ生きてるのか・・!?」
キリトは再びアイテムリストを開くと必死に文字化けしたアイテムをぐるぐる回してとある名前を探す。そしてそれは見つかった。
「【Yui‘sHeart】・・・・これか!」
Yui‘sHeart・・・・日本語訳でいうユイの心をローカルメモリ内に保存していたので残っていたそれだがこれだけは文字化けせずに残っていたらしい。キリトはその欄を迷わず押した。
押した途端、心は具現化されキリトの手の中に収まる。そして光輝きだしたかと思うとふわふわと浮かび少し離れたところでまばゆい光を溢れされる。キリトは目を焼かないよう手で目を覆った。数秒経ち光が収まった頃を見計らってキリトは目を覆っていた腕をどかして光があった方へと目を伸ばした。見た先には丸くなって眠る少女・・・・・まさしくキリトがSAOの世界で文字通り命を懸けて救ったユイである。そのユイがゆっくりと地面につく前にキリトは手を伸ばしてふわふわと落ちてきたユイを受け止めた。
「んぅ・・・・パパ・・・?」
「ユイ、俺だ。キリトだ、わかるか?」
「はい!パパ、ただいまです!」
「ああ、お帰り!」
二人は軽く返すと今の状況を話すべく近くにあった倒木に座った。そこでキリトはユイが眠った後の出来事を話した。
「とまぁ、長く話したが今ママはここのどこかに囚われているらしいんだ。ユイも手伝ってくれるか?」
「勿論です!ちょうどさっきまでマルチタスク思考で現在の私のここでの立ち位置を探していましたがどうやら【プライベート・ピクシー】というものに分類されているみたいですね。」
そう言うと少し浮かんでキリトの目の前で光と共にその姿を変えた。キリトが光が消えた後の場所を見ると既にユイは消えており、代わりに左肩に小さな妖精の姿になったユイがいた。
「ふふ・・・どうですか?」
「ああ・・・可愛いな。」
「お世辞ですか?」
「本音さ・・・・。そんなことより、天空まで延びる木のある場所が知りたいんだが・・・。」
「それなら、天空都市【アルン】の事ですね。」
「アルン?」
「このサーバーの中心に位置し、その木のてっぺんに登れた最初の妖精族のみが上位種族となって自由に空を飛べるとなっているみたいですね。」
「なら、そこにいけば良いんだな?」
「ですね、ただ、気がかりなことがあって。」
「何だ?」
「その文字化けしているアイテムストレージです。」
「あっ。」
キリトはアイテムストレージから文字化けしているアイテムを今一度確認した。
「それは持っていると何れ検知されるので残念ですがそれは諦めましょう。」
「仕方あるまいな・・・・。」
キリトは文字化けしているアイテムすべてを選択するとなくなくそれを全て捨てた。ユイは其れを確認すると颯爽と空を舞始める。
「それじゃパパ!ママを救いに「キャアアアアアア!!!!!!」」
「・・・!・ユイ!」
「はい!方角からして北方向、しかも近くに謎の三人組の反応・・・。」
「そうか。」
「成るべく迂回したかったがそうもいってられなくなりましたね。」
「なら突っ切るまで。そうだろ?ユイ。」
「それでこそパパです!!」
キリトは慣れない飛行操作に戸惑いつつも何とか安定姿勢で飛ぶようにはなった。
そして彼は悲鳴の方向へ向かっていく。
一方、二人がダイブしてからのティーレは刻一刻と観測が続けられていた。一夏と千冬、それにグレミーとローゼも居たがローゼとグレミーは何故か忙しい動きをしていた。
「心配なのか?」
千冬がグレミーに聞くとグレミーは一瞬立ち止まった。
「まあ、な。アイツが居なくなったら誰がクロエを止めるんだってなるからな。」
「私達も隊長を慕ってはいたけど逆に一番隊長から慕われているのはクロエだしね。」
「ストッパーとして、そして相棒として・・・・か。」
「それだけあいつは愛されてるんだよ。」
グレミーがそう言うとドアに手を掛ける。
「少し野暮用が出来た。ローゼも最低限の仕事はしてからまたここに行きなさい。」
「りょーかい。では先生達、また後ほど。」
「ああ。」
そう言うとグレミーはドアの奥へと姿を消した。それに続くようにローゼも自分の部屋に戻るべくその後を追った。残された千冬と一夏と束は自然ながらに会話に入ることにした。
「束、お前は一体何を考えていたんだ・・・・。あのヘルメットといい、学園中の混乱といい。」
「二人に関してはホントに息抜きのつもりで渡してもらったんだけどね。それも初期生産のプロトタイプ・・・言わば高周波マイクロウェーブ発振機が搭載されてないタイプをね。けど、茅場が本当に二人を閉じ込めるとは思わなかったよ。」
「だけどそれよりも驚いたのは学園の中にこれ程までにSAOをしていた子達が居たことだな。今回は軽くリハビリをすれば二学期からまた授業には参加できるらしいけど・・・・。」
「だが、箒や鈴、ラウラは今だあのMirageの中に囚われている。一刻も早く助け出さないと学園の長期休業の終了日に影響が出始める。」
「だからこそ、今はあの二人に懸けるしかないよ。」
千冬と一夏はその言葉を聞き、再び彼女達の帰りを待つことにした。
その頃、悲鳴が聞こえた方向に一目散に飛行していた二人と三機はその姿を捉えつつあった。
「クー、見えたね?」
「ええ、正面にエルフと思わしき要請が二人。その真上に恐らく原因であろう火妖精族が五人ですね。しかもエルフの一人は女の子ですね。」
「なら、やることは一つだね!」
「はい!」
クロエは右手に持っていたビーム・サーベルを展開すると真上の一人の男に向かって投げた。投擲されたサーベルは寸分違わず男の首を貫通し一撃でデータ片と帰した。それにようやく気づいた他の四人組はエルフそっちのけで二人に向かってやってきたが、それが運の尽きだったのだろう。まだここで逃げていれば運命はかわったのかもしれない。
「クロ姉、来るみたいですけど。」
「適当にあしらって追い返そ!」
「そうですね。こんなところで時間をとってる暇もありませんし。」
「なら、決まりだね!」
クロエはそう言うと男に投げたサーベルをワイヤーで回収すると再び其を無知のように一回転させた。それに当たった男達は全員溶解しまっぷたつにされてリライメント片へと変わった。エルフの二人は其をただただ呆然と見ていた。
「つ、強い・・・・。」
「で、隊長格と思うけど、あなたも私とやりあうつもり?」
「まさか、デスペナルティが惜しい。ここは大人しく退くよ。」
「じゃあデスペナルティ食らって☆」
「がぁぁぁぁぁっ!!?!?」
目の前で首を飛ばされた男はそのままリライメント片へと代わりその場にクロエとクーが降り立った。
「ふぅ、大丈夫だった?貴方達。」
「え、ええ。助かりました。」
「それはよかった・・・・・。」
「ああっ!?!?お前は!?」
「「!?!?!?」」
どうやら、まだ災難は続くらしい。
長いので区切る。
次回予告。
邂逅した2人の剣士。SAOではある意味敵同士だった二人は手を取り合い歩むことはできるのか!!
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第59話 New Guardian Goddess of Systers
いやね?この前コンカストーリス当てちゃったわけでして。
トーリス・ルーリス・エールス。
ならもう一人いるよなぁ?ってな感じ。
あらすじ
黒の剣士キリトもこの世界へと降り立った。そこで出会ったのはかつてSAOでいやというほど苦渋を嘗めさせられたクロエの姿だった。
「・・・・なぜここにいる!!!」
「・・・・その顔つき・・・キリトさんですね?ならば目的地も同じ筈ですが。」
「・・・・その様子を見ると、お前らもか。」
「大事な御兄様を拐われましたよ、ええ。」
「取り敢えずアルンに居ることは検討がついてるからね・・・拐った犯人は今博士に調べてもらってるけど。」
「だが、どこにいるかまでは検討がつかない・・・・そんなところか。」
キリトは渋々剣をしまうと敵意を出すのを止めた。それを確認した二人もサーベルの出力を切って腰にマウントした。
「まあ、目的は同じでもやることは違うんでね。」
「キリト君にその子は任せるよ。」
「お前らも道は知らない筈だろ?」
キリトがそう問うとクロエは少し笑うとポケットのなかにいる三人を呼び出した。
「んん、道に迷いました・・・?」
「プライベート・ピクシー!?そんなレア物どこで・・・!」
助けた女の子がクロエの肩に座っているペイを見ると唸る。キリトの肩にもペイと同じような存在が居たがクロエはその存在を知っていた。
「ん?ユイちゃん目が覚めたんだ?」
「ああ、まあな。一応プライベート・ピクシーの類いだからあのチートじみた行為はできないがな。」
「ふーん。(どうしよう、ペイ達が強引に圧縮データ使って本体ごとここに持ってきたとか裂けても言えない・・・・。)」
一応の相づちを打つクロエだがその本心はかなり揺れ動いていた。その時だった。
ピンッ
「ん・・・メッセージ?」
「私に来てますね・・・。えーと、『こっちでモニタリングしてるけど時間が掛かってるみたいだね~!あ、そうだ!クーちゃん達に紹介したい子がいるんだ!キリのいいところで一旦引き上げてきてね! 博士』と言うことですけど。」
束からのメッセージ、それは新たな仲間を示唆するメッセージだった。
「早めに向かうしかないね。・・・急用が出来たから私たちは先に行くね。」
「あ、ああ・・・。」
キリトはもう驚いてはいけないと思ってはいた彼女のぶっ飛んだ行動にもう何度目かの頭を悩ませるのだった。それを横目に二人は飛び立つと紅いリンプンを散らしながらアルンへと向かっていくのだった。
「彼女達は一体・・・・?」
「・・・・かつてデスゲームと呼ばれたSAOを終わらせた張本人で、唯一茅場の身柄を持っている奴等の姉妹だよ・・・・。」
「・・・・!?」
そう言うとキリトは歯軋りをした。彼女はそのキリトを疑問の目で見ていた。
「博士~戻ってきたよ~。」
「あ!おっかえり~!博士はまだ調整に勤しんでるから少し待っててね!」
「「・・・・・・誰!?」」
帰ってきて早々見知らぬ女の子に話し掛けられれば誰だってそうなる。薄紫の髪の毛に独特の服装、そして何より紅い目。クロエとクーはこれだけで何かを察した。
「お待たせクーちゃんクロちゃん!・・・・と言ってももう気づいてるんじゃないかな?」
「ええ、あの子は誰ですか?」
クーが早速先程の少女について切り込む。束は隣にその子を呼ぶと軽い口調で説明を始めた。
「まあ、端的に言わせてもらうね。ついさっき束の手によって新しいISができました。ぶい!」
「「でしょうね。(´・ω・)」」
「すごい雑い反応!?」
束は予想とは大きく異なる反応に驚きを隠せずにいたがすぐに冷静を取り戻すと自信満々げに説明を始めた。
「まあ、いいよ。この子は【試作型自立行動AI保有IS型MS】コードネームネプリスリッター!!」
「「ネプリスリッター????」」
またもや見知らぬ単語を聞いた二人は首をかしげるがクロエは何となくトーリスリッターの後継機であるということは察知していた。
「この子は今までの三人のトーリスリッター(エールス一号機)・エールスリッター(キャバルリー二号機)・ルーリスリッター(デュラハン三号機)の稼働データを元に製作した束さん独自のトーリスリッター四号機なのだ!」
「トーリスリッター・・・・四号機・・・。」
クロエがトーリスに惹かれているのを横目に束はそのまま説明を続けていく。
「このISはネプリスリッターのIS形態とMS形態をデータ化して保存してあるから何時でも展開可能なのだ!」
「ふっふーん、すごいでしょ?」
「けど私達を呼び戻してまでやることだった?」
「ねぷちゃんが単体で行動できると言っても?」
「いくら単体で行動できても囲まれたらお仕舞いでは?」
「そこはほら、クロちゃんたちのHADESデータをそのまま流用してるから殆どのことは心配しなくて良いよ!ただ・・・・・・。」
「「ただ・・・・・・?」」
束が言葉を詰まらせるので気になって顔を除いてみると束の顔はほんのり赤くなっていた。
「・・・・・クロちゃんには悪いけどあまり暇そうにしていたからまんまパクったけっか性格が少し歪んじゃって・・・。」
「「えっ・・・・・。」」
「さっさとお兄ちゃん助けて遊びたいんだから!行くよ!」
「わわっ、ちょっ!?」
「いってらっしゃ~いねぷちゃん~。・・・・・・さて、カー君?」
『・・・・良いのか?彼女たちに任せても?』
「本来ならカー君が落とし前をつけることを彼女達が代弁してるだけだからね?まあその辺りは機体でチャラだけど。」
「はは、手厳しい。」
カー君とよばれた自立AI・・・・束はそのカー君と一緒に再びダイブした三人の様子をモニタリングし始めるのだった。
To be continued.......
さて!トーリスリッター四号機ことネプリスリッター。機体の名前の由来はもうお分かりですね?
次回でALO編に決着をつけます!!
次回予告
再び潜った三人はアルンのグランドクエストヘと挑もうとするが偶然にも居合わせたキリトとこの前の彼女の痴話喧嘩にバッタリ合ってしまい妨害を受けることとなる。一方、ヴィンセントとアスナは限界に来ていた・・・。
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第60話 鳥になりたかった少女 前編
さて、今回はいよいよ某オンラインゲームのあれをアルンの大樹に使っちゃいますよ!(壮大なネタバレ
あらすじ
帰ってきた彼女たちに待っていたのは新たなトーリスの姉妹、【ネプリスリッター】ことネプちゃん。どこかで聞いたことのある名前だが二人は特に気にもせず短時間の休憩を取り再び世界へと入り込もうとしていた。だがそこには落とし穴があって・・・・?
二人は新たにネプリスリッターを加えてALOの世界へとダイブしていた。束の計らいにより新たにALOの世界で肉体を手に入れた四姉妹(トリ・エル・ルリ・ネプ)はセーブポイントであるアルンの宿に飛んだ。ペイルライダーは今回はALOの運営会社である【レクト】にトーリスリッター・キャバルリーを用いて殴り込みに向かっていた。
「ん~!!やっぱり肉体があると無いとじゃ段違いだね!」
「・・・・あなたたちも元はAIデータじゃないですか。この電脳世界こそが一番では?」
「今や私たちは機体と肉体を自由に行き来できる存在なんだよ?その気になればエルちゃんを経由してクロエちゃんたちを乗っとることだって出来るんだから、今こうして自分だけの体を持てるのが嬉しいんだよ!」
元々はHADESの処理CPUだったトリスとエルとルリ、宇宙世紀ではその搭乗者を殺すためにしか動けなかった彼女たちだが、この世界に具現化されたことにより一気にその重荷のタガが外れ彼女たちは乗っていた搭乗者を相棒を越えて姉妹関係すら結ぼうとしていた。そしてそれはあちらの世界で結婚したクロエとヴィンセントが彼女たちを血縁関係はないものの事実上の姉妹関係にすることで願いは達成された。そして、現在そのクロエの事実上の彼氏のヴィンセントが囚われているのだ。動かない道理はない。束によってプログラミングされた電脳世界専用のIS艤装により彼女達は事実上ALO最強とも言えるだろう。
「・・・・そうなんだ。ここにいるのかな・・・・・あの子。」
そう言ってクロエは以前のあの出来事を思い出した。
―私、魂って絶対にあると思うな。―
「!?なんだ、この言葉・・・・。」
「この声、どこかで聞いたこと・・・・・。」
―命が始めたことは命でしか終わらせられない。だから、手伝って。―
「もしかしたらここにいるのかな・・・・あの子。」
クロエはそう呟くと上で舞っている二人が降りてくるまで階段に座って待つことにした。
数分後、話がついたのか二人が降りてきた、どちらも最初から見知っていた顔だったのですぐに見当がついた。
「・・・・・何しちゃってるの?」
「・・・・・ちょっとした喧嘩かな。」
「け、喧嘩って・・・・・。」
「ちょっとしたコミュニケーションの不足から生まれた溝の埋め合いのようなもんだ。うちの妹のリーファ改め【直葉】だ。」
「うちの兄が今まで迷惑をかけてしまったようで・・・・。」
「迷惑・・・・?むしろバッチコイよ!私たちも同じ境遇だしね!」
直葉の謝罪に対しクロエ達は気にする必要もないことをアピールすると早速自慢の長身サーベルを取り出した。
「キリトさん、あなたの情報によるとここの上に居るんだよね?」
「ああ、この上にアスナが居るんだ。だがそこにいくまでの道程が厳しすぎる・・・・!!」
「・・・・どういう事です?」
クーがキリトの告げたおかしな一言についてさらに聞くことにした。大抵のことは側に居るユイが教えてくれたが、内容によると、
「無限スポーンのそこそこ強いモンスターがいて・・・。」
「一定の周期ごとに無限スポーンの嵐・・・・ですか。」
「ああ、あの屋上に扉があるのは把握したんだが何分進めなくてな・・・・。」
「うぅ~ん・・・・・・。ネプ、何か良い案ない?」
クロエはこの隙のない布陣をどう攻略するかを考えあぐねていたのでどうせなら、とネプに聞いてみた。そしてそれは一瞬で最適解が出た。
「あれ、データブレイカーはどうしたの?」
「・・・・・・・・・あっ。」
呆然と気づいたようなクロエは外部記憶端末接続コンソールから圧縮データを解放する。一瞬の光と共にクロエの右手に棒が三本くっついたようなものが握られる。
「展開完了っと・・・・。これを使えば・・・!」
「クロエ、それはいったい・・・・。」
「御姉様ではよく説明できないので私の方から説明させていただきますね。あれは対多数との戦闘、及び内部データ損壊のために作られた破壊プログラム、言わば一種のコンピューターウイルスですね。」
「ゲームの中にそう易々とウイルスが持ち込めちゃうの・・・・?」
「侵入経路なんていくらでも在りますよ。後は使い方次第です。」
「さぁて、これであの大樹の中心を爆破して進むよ!」
「あ、ああ・・・・。」
たじろぐキリトともう話について行けなくて呆然としている二人をよそにクロエはデータブレイカーを抱えて上へと続く通路へ入った。入ると同時にここを通させまいとガーディアンがうじゃうじゃと湧いてくるがクロエはそんなことも気にせずデータブレイカーをドンと設置した。設置されたデータブレイカーはグググッと棒が伸び、隙間から赤い粉を吹き出す。クロエはそれを確認すると全力疾走で大樹の内部から逃げた。
「さぁ、やっちゃって!!!」
ドカドカドカドカ!!
ドカドカドカドカ!!
ドグォァァァァァァン!!!
クロエの合図で押されたスイッチはデータブレイカーを起爆させ内部のガーディアンを全て消し飛ばし、なおかつ内部のデータを全て破壊、これにより一直線でアルンの頂上へ向かう通路が完成し四人はそこからとんで向かっていった。
ゴゴゴォォォォン
「何!?」
「この爆発音・・・・・データブレイカーか!!」
「データブレイカー・・・?」
一緒の檻に軟禁されていたヴィンセントとアスナだったが、爆発音によって誰かが助けに来ていることを知り、しかもヴィンセントはそれが誰かを察知していた。
「データブレイカーを持つのは一人・・・・・・アイツはいないな?」
「ええ、見えないわ。」
「なら、こいつで・・・!」
ヴィンセントはデータ内部から小型のデータブレイカーを取り出すと扉に設置しボタンを押した。ボンッという音と共に鍵が破壊されヴィンセントはそのまま蹴りあげて扉を破壊した。そして二人は扉から出ると来るであろう方向に向かって通路を走っていく・・・・・・筈だった。
「また逃げ出そうとしているのかい?」
「なっ、察知が早い!!」
「ボクが直接管理している世界でデータクラッシュが起きたらまず疑うのはお前たちだよ・・・・・。」
「「くっ・・・・・!!」」
「そこまでだよ!!妖精王・・・・いや、妖精屑オベイロン・・・・・いや、【須郷】!!!!!!」
「く、クロエ!?来てくれたのか!!!」
オベイロンの気を引かせたのは助けに来たクロエたちだった。オベイロンは煽られたのがしゃくなのかコンソールを叩いて何かをしようとしていた・・・・それはよく見ると痛覚レベルを無効にする処置・・・・つまり一方的に殺そうとしていることは明白だった、だが・・・・戦場を前にするクロエとクーの前では寧ろ慣れたことだった。
「システムによる痛覚遮断・・・?慣れたものよ!!トリス!ねぷちゃん!!」
「だったら私も・・・・!!キリトさんたちは下がってください!!エルちゃん!ルリちゃん!」
「「「「分かってるよ!!」」」」
「「システム外スキル【HADES】、起動!!」」
二人はそう叫ぶ。それと同時にピクシーの姿になったルリ達が二人の体の中に溶け込んで行き二人の体からオーラが漂い出す。オベイロンは何がなんだか分からず少しずつ後ずさりを始めていた。
「な、なんだ・・・・・!?」
「私のお兄ちゃんを拉致した罪は重いよ?」
「今さら許しをこうても無駄です。既にもう一人のペイちゃんが貴方の罪状を暴くべくレクト本社を襲撃しています。時期にこの世界も崩壊するでしょう・・・・・。」
「穢れたことぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ガフッ!?」
「まだ諦めないんだ・・・・・こんなやつ、さっさとあっちで焼いちゃおっか♪」
「ですね♪御姉様!」
「貴様らァァァァァァァァァ!!!!」
「ふっ!!」
「ガァァァァァァァ!!!・・・・・僕は新世界の神なんだ・・・!こんな・・・・こんなガキに・・・・!」
「ガキなんかじゃないわよ、私は地球連邦軍少尉、【クロエ・クローチェ】なんだから!!!!」
「ゴフッ!?」
その最後の一突きと共にオベイロンの体は跡形もなく消えた。下がっていたキリトはいち早く駆け出すとアスナの元に向かった。
「遅くなってごめん・・・・!」
「ほんと・・・・バカなんだから・・・!!」
「ログアウトしたらすぐに向かうよ・・・!」
「約束よ・・・!」
二人がそうしているのとは別に、ヴィンセントも二人との再会を果たしていた。
「お兄様!!!」
「お兄ちゃん!!」
「クロエ・・・・クー・・・俺が不甲斐ないばかりに・・・!!」
「お兄ちゃんが生きていれば良いの!さっさと帰ってあの須郷を消し去りにいこ!!」
「・・・・ああ、ここまで妹たちを困らせたんだ、死ぬより痛くしてやる・・・!!」
そしてこの世界から6人がログアウトした。
「・・・・・ただいま・・・!!」
「「お帰りなさい!!」」
その数分後、起きたヴィンセントは新たなトーリスシスターズと共にクロエたちに迎えられようやく現実世界への帰還を果たした。起き上がろうとするが起こせない体。ヴィンセントは何とかしようとクロエに立たせて貰おうとしたがクロエはそれをなぜか拒否した。
「クロエ・・・・・・な、何を・・・!?」
「やっと目を覚ましたんだから一緒に寝よ!後のことはペイちゃんがやってくれるし!クーもほら!こっちこっち!」
「はい!御姉様!」
「おわっ!?仕方ないな・・・!」
ヴィンセントはそのまま二人を抱くとそのまま再び眠りにつくのだった・・・・・。
一方、現実世界への帰還を果たしたキリトはアスナに会いに行くべく夜遅いのに病院へと向かっていた。だが、
「キリトくぅん・・・・遅いじゃないかあ・・・・寒さで凍え死ぬところだったよぉ・・・・まぁ、先に死ぬのはお前だけどなぁ!!!!」
病院の敷地内に入った瞬間、須郷がキリトを殺すべくナイフを一直線に突き出してきたのである。死角からの攻撃にキリトが早々対応できるはずがなく、心臓へとその狂気の刃が突き刺されようとしていたとき、その攻撃は消滅という手段で不発に終わる。
「・・・・・・・アガハッ!?」
「・・・・・・ふぅ、間に合った・・・・!」
「何だ・・・・・・これは!?」
「キリトくん!速く行ってあげて!こいつは私が処分する!」
空から落ちてきたペイル改がビームサーベルを須郷のナイフを持っていた左手を熔解させるとそのままキリトをかばうようにしゃがみこんだ。彼女からの後継ぎを任せられたキリトは全力疾走で病院の入り口へと入っていった。それを見届けた彼女・・・・ペイはそのまま無い左手をさすって逃げようとする須郷をMSの手で押さえつけるとサーベルの根元を須郷の頭に押し付けた。
「ヒイッ!?」
「新世界の屑の須郷よ・・・・クロエちゃんたちを泣かせた罪は、あの世で詫びるんだな。」
「そ、そんな・・・・ギャアァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
出力されたサーベルに呑まれた須郷は痛みすら伴うことなくこの世から粛清された。
そしてここに、世界を巻き込んだ第一次SAO争乱が幕を閉じた。
「ねぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?ここどこぉぉぉぉ!?!?」
「燃料・・・!残弾わずか・・・不味いです、ええ。」
・・・・・もうひと悶着どうやらありそうだ。
To be continued.....
お待たせしました!!!
次回からは夏休み上旬編!!!
次回予告
平和が戻ったIS学園の生徒達とクロエたち。しかしそこにティーレのレーダーが何かを捉え・・・・・?
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第七章 夏休み~異次元からの訪問者~
第61話(番外編) 最終版 各キャラ資料 【束縛の海域】
一覧
・ヴィンセント
・クロエ
・クー
・トリス
・エル
・ルリ
・ねぷ
・ペイ
・エルテューヌ
・ハナヨ
・ハヤナ
・ハーミヤ
機体
・ペイ
・トーリス
・エールス
・ルーリス
・ネプリス
艦
・ティーレ
・グラーフ
ヴィンセント・グライスナー
言わずも知れたこの小説の主人公の一人。元作品はMISSING LINK。
老衰で亡くなった後この世界に転生、後にクロエと再会し再びその道を歩み出す。基本的に責任感が強く、またクロエに甘い。クーとも一緒に過ごすが毎日クロエとクーによる取り合いで案外苦労人な模様。
クロエ・クローチェ
みんな大好きクロエちゃん。主人公の一人。元作品はMISSING LINK。
老衰で亡くなった後転生し薬品被検体になるもヴィンセントに会いたい一心でその洗脳を鳥羽、無事にヴィンセントと再会する。その後戸籍的に妹として一緒に暮らすことになるが、結構なヤンデレ。暇さえあればヴィンセントとじゃれあうかわいい少女。尚ヴィンセントが危機に晒されると全力で障害を破壊する。木星の使者のエルちゃんと共生しており、機体と同化することも可能。
クロエ・クロニクル
束さんに保護された強化人間の一人。元から体の内部を光ファイバーに置き換えられる手術を施され盲目と化していたが最近は姉のクロエのエルちゃんの治癒効果により目が見えるようになってきている。尚且つ、光ファイバーによる反射神経とその独自の電子戦能力は健在で助手としても働いている。
トリスちゃん
トーリスシスターズの二女。真面目な性格で与えられた任務はきっちりとこなすが、ヴィンセント関係が絡むとまるで糸が切れたようにヴィンセントとクロエの指示しか聞かなくなるかなりの依存系の少女。トーリスリッター一番機【トーリスリッター】のHADES人格でもある。
エルちゃん
トーリスシスターズの三女。やたら引っ付きたがりで隙有らば機体に同化している。たまによくクロエたちと揉めるが結局は合同でヴィンセントを襲うことで事なきを得ている。トーリスリッター二番機【エールスリッター】のHADES人格でもある。
ルリちゃん
誰が言おうがなんと言おうが電子の妖精のあのルリちゃんではない・・・・が、その性格は酷似している。(世界にあったアニメに影響された説が濃い。)元は【ディサイス】という名前だったが後に例のアニメにより性格が上書きされ自らをルリと名乗るようになった。その影響もあってか、トーリスリッター三番機【ルーリスリッター】のHADES人格を上書きした天才ハッカー。なんだこいつ(本音)
ネプちゃん
もうお分かりだろうが元ネタは超次元ゲイムネプテューヌより【ネプテューヌ】の性格がそのまま擬人化したものとなっている。基本暇に任せてゲームに遊び呆けておりその一面こそだらけてはいるが戦闘時になると性格が一変、面影は残しつつも冷静な判断をする性格になる。トーリスリッター四番機【ネプリスリッター】のHADES人格でもある。尚、トリスちゃんたちとは違い普段は人の姿で暮らす。
ペイちゃん(ペイルライダー)
実は初期から居たクロエの嘗ての相棒。クロエのことを姉と呼び、ヴィンセントのことも兄と呼ぶ。尚、非常に略称で呼ばれることを嫌い、たまによく束博士が度々ペイからカウンターをくらい悶絶する。しかし、その日常面とは裏腹に常にトリスちゃん達とクロエを取り合う仲でトリス達をまとめるトップ。
エルテューヌ
後述する【ティーレ】のシステム人格。日常と戦闘とで差が激しく、その代わりようはあのクロエでさえ狼狽えるほど。元々はトーリスシスターズでのみの運用を前提として搭載されていたがヴィンセント達が移乗したことによりエルテューヌはその寂しさから自らのリンクを断ち切り彼等に後のティーレを託すことにした。それ以降、束博士の手により専用のISが譲渡され各地を転々としている。
ゲオルク・ティーレ(偽名 オルク・レティ)
アズールレーンの世界から外部技術の取得を目的としてやって来たナルヴィク級1934型Z型駆逐艦の2番艦の意志が人となった少女。身長は小さいがしっかり者でなんでもこなせる子。
ハーディ・フォーク(本名 ハーディ)
ティーレと一緒にアズールレーンの世界から外部技術の取得を目的としてやって来たH級駆逐艦の一人。人一倍責任感を強く持っており、一人で抱え込むことも多いがその都度ティーレ達に手伝ってもらっている。
明石金子
二人の整備士としてついてきた明石型工作艦の子。社会に対応するためハーディと共に偽名を使っているが露骨にバレやすい。
ハナヨ・ボーデヴィッヒ(後にスパークへと改称)
ラウラのデザインベビー計画の後期型にあたる存在の一人。唯一肉体を持たないが状況に応じて肉体も扱うことができる。本来はISマイスターという災害専門部隊として配属される予定だったが妹達の我儘に答えて脱走、ラウラのもとに転がり込んだ。
ハヤナ・ボーデヴィッヒ(後にフェルミへと改称)
ハナヨと同じくラウラのデザインベビー計画の後期型にあたる存在の一人。一時期ハナヨに肉体を強奪されたこともあってか嫌悪感が酷かったが妹の説得により和解、現在では姉のハナヨを大切な存在だと認識している。
ハーミヤ・ボーデヴィッヒ(後にアクスティカ(ry)
二人と同じくラウラのデザインベビー計画の後期型にあたる存在の一人。かなりの天然で時折やらかしまくり迷惑をかけることも多いが突出してシスコンが高いという難儀な性格持ち。
【機体】
ペイルライダー改(IS)/ペイルライダー(MS)
SE値:12500/AP値:25000
初期の頃に束の元に落ちてきたMSを元に束が解析を進めクロエに渡したIS。その通常性能こそ第三世代よりも少し上の性能だが、HADESの使用により従来のISを大きく上回る機動力と攻撃力を得る。
【武装】(IS)
・ビーム・サーベル×2
・腕部ハンドビーム・スポット・ライフル×2
・脚部三連装ミサイルポッド
・右側側面部60mmキャノン砲
・(拡張領域)左側側面部60mmキャノン砲
・(拡張領域)右側側面部ジャイアント・ガトリングガン
・左側面背部ハイパー・メガ・ビーム・ランチャー
・(拡張領域)右側側面部ハイパー・メガ・ビーム・ランチャー
・30mmブルパップマシンガン
・ハイパー・ビーム・ライフル
・180mmロケット・ランチャー
・スパイク・シールド
・(拡張領域)ガンダム・シールド
(MS)
・ハイパー・ビーム・サーベル×2
・頭部ガトリング砲×2
・腕部ビーム・スポット・ガン×2
・脚部三連装ミサイルランチャー
・右側側面部180mmキャノン砲
・左側側面部180mmキャノン砲
・(換装装備)右側側面部ジャイアント・ガトリングガン
・(換装装備)両側側面部ハイパー・メガ・ビーム・ランチャー
・90mmブルパップマシンガン
・ハイパー・ビーム・ライフル
・380mmロケット・ランチャー
・スパイク・シールド
・大型シールド
ペイと一緒に落ちた嘗てのクロエの乗機。【EXAM】のデッドコピーである【HADES】を搭載していたが、内部伝達系構造の異常によりHADESのコア内部の人格が出てくる。それにより多少なりとも性能は低下したがマグネット・コーティング、強制AMBAC機動等のシステムは健在でその持ち前の機動力と180mmキャノン砲の大火力で一撃離脱戦法を得意とする。
トーリスリッターⅡ(ツヴァイ)(IS)/トーリスリッター改(MS)
SE値:14000/AP値:860000
【武装】(IS)
・腕部ビーム・サーベル
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・CLBSRF(超長距離チャージ・ビーム・スナイパー・ライフル火力強化型)
(MS)
・腕部ビーム・サーベル
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・頭部ガトリング砲
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・CLBSRF(超長距離チャージ・ビーム・スナイパー・ライフル火力強化型)
・プロトタイプ・アトミック・バズーカ
みんな大好きクロエちゃんの専用機。長らくの改修とクロエちゃんの執念の脅迫により完成した中近距離専用機体。このトーリスシスターズは各能力特化型の機体だがクロエの機体においては全領域を対応可能としている。
デュラハン・リッター(IS)/エールスリッター(MS)
SE量:13400/AP値:18900
【武装】(IS)
・腕部ビーム・サーベル
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・ヒート・ランス
・ガーディアン・シールド・ガトリングガン
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・EMC散布システム
・ジャミング・ポッド
(MS)
・腕部ビーム・サーベル
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・スタン・バズーカ
・ヒート・ロッド
・ステルスシステム
・脚部ジャミング・ミサイルランチャー
クーの元々の研究所の運用用途に基づき本人の希望に応えた機体。トーリスシスターズの中では戦闘能力は一番低いもののその分電子戦特化になっており持ち前の電子戦能力で敵ISに対し絶大な効力を発揮する。尚、MS状態だと更にステルスシステムも使用可能なので奇襲にも効果が多少なりとも存在する。
トーリスリッター・キャバルリー改(IS)/ルーリスリッター(MS)
SE量:15000/AP量:225000
【武装】(IS)
・腕部ビーム・サーベル
・ツイン・ビーム・ナギナタ
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・シェキナー(多連装ミサイルランチャー・フレーム・ガトリングガン・メガビーム・ランチャー)
(MS)
・腕部ビーム・サーベル
・ビーム・ナギナタ
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・脚部連装総転移砲
・ミニ・グラビティ・ランチャー
AI【ルリ】が産み出したヴィンセント用の機体。クロエと同じく汎用性重視の機体だがその性能は射撃戦特化とも言える性能で独特の武器を多種使用する。トーリスシスターズの中では一番おとなしい性能。(おとなしい?)
ネプリスリッター(MS)
AP量:25600
【武装】
・腕部ビーム・サーベル
・背部ハイパー・ビーム・サーベル
・ビーム・ハルバード
・ビーム・スピア
・ハイパー・ビーム・アクス
・大型ビーム・ソード
・腰部マシンキャノン
・ハイパー・ナックル・バスター
・トライブレード・インコム
・背部トライブレード
・M.P.B.L.
束の手によって作られた完全オリジナルのトーリスシスターズ。その性能はヴィンセントのルーリスリッターとは真逆の性能で完全格闘特化仕様となっていてAIのネプが思い付く限りの武装を積み込んだ完全重武装。の割には機動力が高く追従性も高いためその性能を以て肉薄する事を得意とする。
シュヴァルツェア・アトス(つまりプロトタイプ・アストレア)
SE量:13200
【武装】
・腕部大型ブレード
・腕部内蔵ビーム・バルカン
・腰部格納ダガー×2
・試作ビーム・ライフル
・プロトタイプ・バズーカ
・ミニ・メガ・ビーム・ランチャー
ハナヨが補佐していたMSの性能をほぼほぼ再現した機体。機動力が高く豊富な武装を揃えている。また、試作装甲を部分的に採用することにより耐久性能も向上している。
サダルスードtypeAS
【武装】
・試作ビーム・サーベル
・プロトタイプ・リボルバーバズーカ
・腰部搭載型試作スナイパーライフル
・肩部内蔵小型ミサイルランチャー
・腕部格納式メガ・ビーム・バズーカ
覚醒したハナヨにISが応えた姿。その姿はかつてハナヨが動かしたサダルスードとほぼ一致するが、武装構成の観点上、僅かに微調整が施されている。武装はドイツ支部に位置する【フェレシュテ】から供給を受けたものを使用しており、整備性も高い。また、動力は半永久なので基本的にシールドエネルギーが存在しない。が、あくまでこの機体は偵察型である。
シュヴァルツェア・ダルス(つまりプロトタイプ・サダルスード)
SE量:12800
【武装】
・ツイン・ダガー・ナックル
・リボルバー・ガン
・リボルバー・バズーカ
・60mm対戦車狙撃ライフル
ハヤナが補佐していたMSの機能を再現した機体。専用のリボルバー・ガンに多種多様な弾頭を装填することが出来、また専用の狙撃ライフルも持つ。反面近接戦闘ができない、と言うわけでもなく自衛用に高出力のダガー・ナックルを持つ。
セファーラジエル(ハヤナ機)
【武装】
・ビーム・サーベル
・肩部プロト・ビームランチャー
・背部大型クロー
・プロト・ビット
・ビーム・ライフル
・背部小型ミサイル・ポッド
・ロングレンジ・リボルバーバズーカ
・CBSRP(試作型チャージ・ビーム・スナイパー・ライフル)
ハヤナの覚醒に答えた真の姿。元機体であるセファーラジエルより大幅に火力が強化されており、武装面もフェレシュテ及び元ペイルの武装を流用しているので補給面も簡単。更に動力源はアストレアと同じものを採用しているので半永久的に活動可能。しかし、あくまで偵察用である(機体コンセプト的には)
シュヴァルツェア・アイズ
SE量:14700
【武装】
・腕部固定ブレード・ソード
・大型ビーム・ランチャー
・背部大型ビーム砲
・肩部大型ビーム・ランチャー
ハーミヤが独自に製作したシュヴァルツェアの最終系統機。シュヴァルツェアシリーズの最高傑作とも呼べる性能で一定時間毎にエネルギーを一定量回復するというとんでも能力を持ち、それ故の高火力な武装を備えている。また、エネルギーを転用したシールドも形成可能であり、このシールドに対しての攻撃はほとんど防ぐことができる。
ビック・トレー改級高速陸上砲撃戦艦【ティーレ】
AP量:5000000
【武装】
・対空連装120mm機銃×6
・側面部1000mm三連装主砲×3
・前部1200mm連装主砲×2
・背部対空ミサイル×80
【???】
・超高出力三連装ビーム・ランチャー
・ハイパー・ビーム・サーベル×9
・チャージ・ビーム・スナイパー・ライフル最終後期型
・肩部無反動2000mmキャノン砲
アクシズが送り出したHADES搭載MS運用専用戦艦。水陸両用の運用が可能で見た目とは裏腹の機動力で落とす。尚、内部AIのエルテューヌがその気になれば縮んで人型のISになって自立行動も可能。しかも硬い。
レウルーラ改級機動戦艦【グラーフ】
AP量:2500000
【武装】
・対空レーザー砲×12
・連装メガ粒子主砲×8
・連装ミサイルランチャー×8
アクシズにて建造された地球支部運用用機動戦艦。ティーレほど局地的ではないが現代の平気にはそぐわぬ戦闘能力を保持する。
この資料を持って最終資料とする。
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第62話 事後処理~SALLY~
あらすじ
ついに虚悪の根元を焼いたクロエたち。だが、ここからが本当の地獄の始まりだった。
あれから、どうなったか。それをこの口で語ろう。
あの翌日、束博士はレクトに放棄されていたALOサーバーにたいしウイルスを流してALOその物を消し炭にしようとしていた。だが。
「あれが消えたら多分ナーヴギアやMMOの存在意義が失われると思いますけど。」
「ヴィー君の頼みでも今回は止めないよ。あのゴミどもを完膚なきまでに潰すまで私は止まらないからね・・・・。」
「・・・はぁ、もうクロエ達のケモミミ姿は見られなくなるのか・・・・。」
束の止められなさについに折れたヴィンセントがふと漏らした一言。一言だったが、それは確かに暴走した彼女を止めるのには十分だった。
「く、くーちゃんの・・・・・ケモミミ姿・・・・・!?」
「ええ、あの世界だと二人はケモミミ生やして尻尾もついてましたよ?」
「・・・・・前言撤回、ALOサーバーを丸ごと買い占めるよ!」
「えっ。」
「異論はなし!そうと決まればティーレのメインハードディスクとレクトのALOを・・・・グフフ。」
「ダーメダコリャ。」
何気ない一言。ケモミミをつけたクロエとクー。その姿を想像したであろう束が一瞬にして手のひら大回転。瞬く間にウィルスプログラムをファイル転送プログラムへと書き換えていくのは正に天災の所業。因みにその当人のクロエとクーはと言うと・・・・・・。
「ヴァァァァァァァァァ!!!!課題が多すぎるよぉ~!!!」
「御姉様、流石に此ばっかりはどうにもならない壁ですし・・・・。」
二人は学園の課題を必死に解いていた。やはり専門学校と言えどそれは付随してるだけであって本業は高校。其れなりに課題は出るのだ。しかし、何故こうまでして早く課題を終わらせようとしているのか。それはあの事件のあとに遡る。
「ふふふ・・・・・急ぎで作ったこのアバターだけど案外可愛いしなんか作り直すの勿体無くなっちゃったな・・・・どうしよ。」
「そうですね・・・・でも博士がもうALOを破壊する気満々でしたし・・・・。」
「・・・・破壊されたら元も子もないけども!せめてもう一度だけあの姿でお兄ちゃんとあの世界で・・・・!!そうと決まれば!!」
という経緯で二人は現状やるべき事を片っ端から終わらせようと先ずは課題に手を出しているのだ。
「あーもう!!量が多すぎて計算が追い付かない!!エル、HADES起動!処理速度あげて!!」
『え、ちょっと!?そんなことしたらクロエちゃんの負担が・・・・!』
「負担どうのこうのより遊びの方が大事なの!ほら、はやくして!」
『う~、どうなっても知らないからね!起動!』
大分前から共生していたエル。エルがHADESをコピーしていたことを事前に察していた彼女は戸惑いもなくそれを使った。何時もは蒼い目が紅く、そしてのほほんとしたオーラは消え去り何時もの死を司るオーラを纏った彼女にとって課題はもはや事務作業へと成り果てた。
「ハハハハハ!!!!ホラホラァ!!!さっさと終わらせて博士〆に行くよ!!!!」
『あ~あ、乗っ取られちゃってるよ・・・・・。』
「完全にヤバくないですかあれ!?ヤバくないんですかあれ!?」
『クロエちゃんがやれって言っちゃったから私には止めることはできないよ・・・・。』
「む~・・・・。」
クーは休むことを知らない少女を見つめながらやっぱり、といった心境を顔に出しながら課題が終わるのを待つことにした。・・・・・・・・・尚、この時点で二人が束の手の平大回転を知るよしはない・・・・・・。
クロエがある意味の暴走をしている頃、ヴィンセントは宇宙のアクシズと連絡を取っていた。
「よう隊長!」
「ギーか、やっぱり来てたんだな。」
「あいつらと一緒にな。ところで連絡を寄越したってことは、部品か?それとも他の用事か?」
ギーがフランキーに対応するなか、ヴィンセントは予想通りの答えを返す。
「察しが良くて助かる。アクシズで大改修したトーリスの部品パーツ、まだ余ってるだろ?」
「あ、ああ。多少は。」
「全部こっちに回してくれるか?」
「ああ、別にいいが、またなんで?」
「アレがポカやらかして改修状態のトーリスが4機いるんだよ、それで特化改修をするから予備パーツ全部寄越せってことだ。」
「ああ、それで・・・・。」
「とにかく、早い内に投下してくれ。こっちだって時間は有限なんだ。」
「りょーかい。他の改修パーツも丸々詰め込んで周回軌道上から投下する。」
「助かる、それじゃ、また上がったときにでも。」
ヴィンセントはそれっきり通信を切った。と、同時にティーレのレーダーが敵影を感知する音が聞こえた。
「ん、敵?だが小さいな。付近に残骸反応も無いが空中に湾曲反応か・・・・・。何かワケありの臭いだな・・・・・取り敢えず出てみないことには分からないか。」
そう愚痴ったヴィンセントはその足で屋上で昼寝しているルリを叩き起こしに向かう。しかし、気づかなかったのだろう。
よもやこの行動が二つの世界をも巻き込む大事件(?)へと向かう序曲であろうことになるとはこのときはまだ誰も気づかなかった・・・・。
To be continued.......
最近文字数が少なくてごめんよ?
はい、というわけで次回からは自分が書いてるもうひとつの小説【アズールレーン~Universal Sentury Of Buturn Plan~】とのコラボ章となります!まとも?やつは良い案山子だったよ。
次回予告
ルーリスを駆り該当地点へと捜索に向かったヴィンセント。その該当地点には未知との遭遇が待っていた。
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第63話 異次元の出会い~造られし者と産み出されし者~
あらすじ
ケモミミを見たいと言う理由だけでサーバー買収に乗り出す博士。それをよそ目にヴィンセントは見慣れない敵影を感知し、その確認へと向かうべく甲板へと向かうのだった。
本来なら有るはずのない存在、人格AI。だが、それを彼女達は彼と彼女に触れあいたいと言う理由だけで自らを作り上げた。その名を【HADES】、またの名を【トーリスシスターズ】。普段は彼と彼女・・・・・・ヴィンセントとクロエを補佐する存在だが今日に限ってはどちらも手が離せない(繋げないとは言ってない)為完全なるフリーな日になっていた。
「はぁ~、私達がヴィンセント達のために自立化してからまともに休みが取れてなかったけど漸く取れたね。」
「ほんとならもう少し早い段階で休めたんだけど・・・・ね。」
「まあ、あれはあれで良い経験になったじゃん!ケモミミ姿のクロエちゃんたちも見れたしね!」
「むぅ・・・・もうちょっとヴィンセントとくっついていたかった・・・・。」
「相変わらずぶれないよね、ルリって。」
ソファーに寝転がりながら枕を両手に抱いて今にも寝掛かっているルリを見ながらネプが呆れた口調で自らもまたゲーム・・・・とは呼びがたいシステム調整基盤を弄くりながら見ていた。そんな時、少し息を切らしたヴィンセントがやって来た。
「ゼェ・・・・・ゼェ・・・・艦橋ブリッジから格納庫まで遠すぎるんだよ・・・・ゼェ・・・ゼェ・・・。」
「あ、ヴィンセント!どうしたの?そんなに息を切らしてさ。」
「はぁ・・・・はぁ・・・・少し息を整えさせてくれ・・・・。」
「え、えぇ・・・・それは良いけど・・・・。」
息を切らしてまともに喋れなさそうなヴィンセントの表情を見て察した全員は取り敢えず彼が落ち着くのを待つことにした。数分後、漸く息が整ったヴィンセントが海域の地図を取り出す。
「この赤点を見てもらえばわかると思うがつい15分前にこの地点にて謎の海域信号を捕らえた。」
「海域信号?それってつまりレーダーに反応が出たってことなの?」
ペイの反応にヴィンセントが肯定の意を示す頷きを示し、とある紙を取り出す。
「あの後詳しく調べてみたところ、このビッグ・トレー改級の識別信号と酷似した信号と言うことが判明してな。」
「つまりその正体の確認ってこと?」
「ものわかりが早くて助かる。ルリ、行くよ。」
「うん!」
呼ばれたルリは嬉しそうに枕を投げるとヴィンセントの右手をガシッと掴んだ。ヴィンセントはそれも気にせず左手でルリの頭を撫でた。
「休憩中に悪かったな、んじゃ、また後でルリは。」
「分かった、気を付けてよ?ヴィンセントが倒れたら誰がクロエを止めるの。グレミー達は一旦宇宙に戻ったんだから止められようがないんだよ?」
「肝に命じるよ。それじゃ、行ってくる。」
「「「いってら~。」」」
トリスとネプ、そしてペイが二人を見送るとヴィンセントが置いていった海域図に目を映した。
「まさかね・・・・あの子が来てたらちょっと面倒な事になりそうだけど・・・・・。」
そう言いペイはその海域図を見つめるのだった。
一方、レーダー反応を調べるべく該当海域をヴィンセントとルーリスリッターはホバーで捜索していた。
「ルリ、海域反応はこのあたりから出てるんだよな?」
『はい、間違いなくこの付近から発信されてます・・・・・・っ!?北側よりレーダー反応、該当反応と一致、これですね!』
「詳細座標は出せるか!」
ヴィンセントがルリからの報告を聞くとすぐさまその方向にフルスロットルでブースターを吹かした。やがて空が暗い雲で暗くなってきた頃、その姿は見えた。
「あれか!・・・・・・だがあれは・・・・人?」
『人?』
ヴィンセントの謎の呟きに通信を繋いでいたペイ達が反応しその不可解な現象に驚いていた。何せ海のど真ん中で人が居るのだから。
「取り敢えず近づいてみる。敵対行動が無ければ一旦事情聴取のために戻るから各種準備を頼む。」
「分かったわ、取り敢えずクロエ達も呼び寄せとくわね?」
ヴィンセントは軽く指令を飛ばして通信を切ると今度は外部放送電源へと切り替えた。
「あー、そこにいる人々・・・・で良いのか?人々に告ぐ、我々は貴君の救難信号を受けてこの海域に来た。所属と名前、目的を述べて貰いたい。」
ヴィンセントは淡々と伝えるとトーリスのナックル・バスターを起動して充填を始める。
『救難信号受信していただき感謝します。私は鉄血陣営Z型駆逐艦二番艦Z2、通称【ゲオルク・ティーレ】と申します。付近の海軍基地に救援を求めに二人で航行していたところ嵐に巻き込まれて遭難したところを貴方に見つけてもらいました。』
『やっほー!私は超次元級軽巡洋艦【ネプテューヌ】だよ!』
「ネプテューヌとティーレか。ネプテューヌが何かは分からんがティーレの方は1934型駆逐艦と言うことは覚えてる・・・・取り敢えずコックピットに乗ってくれ、事情聴取のために一度こちらの母艦に来てもらいたい。」
「了解しました。ネプテューヌさん、いきますよ。」
「おっけー!!」
ヴィンセントに誘導された二人はトーリスの手に乗りコックピットへと乗り移っていく。
「ほんとにありがとうございます。」
「少し狭いけどもちょっとだけ我慢してくれるか?」
「ええ、なにぶんこちらも燃料が切れそうだったので助かりました。」
「そうか、それはよかった。」
ヴィンセントは二人をコックピットに乗せ終えると二人の負担にならない程度に元来た道を戻っていく。これから起こる予期せぬ出来事・・・・・ヴィンセントはその予感に不安を募らせながらティーレへと戻っていくのであった。
To be continued........
ネプテューヌ出す必要なかったかもなぁ、これ。
次回予告
二人が戦艦ティーレに付いた途端、ティーレの様子がおかしくなった。だがその微細な違いにも気づくヴィンセント、だが子供好きのクロエが二人をみてしまって・・・・・?
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第64話 我、海戦ニ入ラレタリ
ティーレちゃんとかティーレちゃんとかティーレちゃんを愛でてるエルテューヌです!!!
(´・ω・`)潜水艦達出て?
あらすじ
救難信号を受信したヴィンセント達、ポイントに向かうとそこには海に立つ二人の少女がいた。ヴィンセントは事情聴取のため二人を同行させティーレへと向かうのだった。
ヴィンセントが二人を連れ帰ってる頃、クロエとクーはようやく終えるべき課題を終わらせトリスちゃん達のところへ向かっていた。
「トリス~ネプ~あそぼ~・・・・・グフッ。」
「ん、その声はクロエちゃん・・・・・・んんんん!?どうしたのそんな調子で!?」
「御姉様が課題の効率を上げるためにエルの制止を振りきってまでHADESを起動した結果が、アレですよ・・・・。」
クロエが倒れかけているのをクーが介抱しネプが布団とかを準備していく最中、彼はやって来た。
「おーいトリス~、ここにクーとクロエが来なかったか~・・・・・・っていたか、でクロエは何があったし。」
ヴィンセントもトリス達と同じ反応をしたのを見てトリス達は少しばかり笑いながら状況の説明をした。数分後、事情を聞いたヴィンセントは横で眠っているクロエを見てため息をついた。
「ふぅむ・・・・・過労か。ちょっと面倒なことになったから来てほしかったんだけども・・・・。」
「面倒なこと?」
「ああ、海上で救難信号を拾って救助したは良いんだがな、立って浮いてたんだよな・・・・・。」
「浮いている人間・・・・・艦娘かKAN-SENの類いですかね?」
「ふむ・・・・・・一応発見したときに写真はとったがこれだけで何か分かるか?」
そう言ってヴィンセントは写真を取り出すと三人に見せた。それを見て一番に反応したのは・・・・・・・意外にもクーだった。
「あーこれ・・・・アズレンのZ2ちゃんですね。鉄血陣営とか名乗ってませんでした?」
「あ、ああ、名乗ってはいたが?」
「なら、確定ですね。となりにいるのはコラボ艦のネプテューヌですし、ほぼほぼアズレンの人間で確定です。警戒する必要はないですよ。」
「そうか、取り敢えずクロエに起きたら艦橋ブリッジの応接室まで来るよう伝えておいてくれ、俺はそこで二人から何があったか事情を聞く。」
「分かりました。起きたらそちらに向かわせますね。」
「頼む。」
ヴィンセントはトリス達にこの場を任せると艦橋ブリッジへとその身体を向かわせた。トリスはそれを見届けると過労で倒れたクロエの隣に横になると思いっきり抱きしめた。
「うふふ・・・・・もう、逃がさないよ!」
ヴィンセントがここに来る数分前、ルリに案内され二人は応接室へと足を運んでいた。
「ティーレさん、ネプテューヌさん、ヴィンセントが来るまで少しここでお待ちください。」
「分かりました。取り敢えず現状出せるこちらの状況情報は少ないですがそれでもよろしかったので?」
「何か手助けできるのであれば些細な情報でも構いません。」
「そうですか、それはこちらとしても助かります。」
そうティーレは返すと持っていたトランシーバーを取り出すと電源をつける。だが、雑音が入るだけで何も起こりはしなかった。
「やっぱり・・・・。」
雑音しか聞こえないトランシーバーを切って仕舞うティーレ。それとほぼ同タイミングでヴィンセントが戻ってきた。
「すまない、取り敢えず改めて自己紹介を、俺はヴィンセント・グライスナー。この艦・・・・ビッグ・トレー改級水陸両用砲撃戦艦18番艦【ティーレ】の最高責任者を一応、・・・・一応!やっている。」
「ビッグ・トレー級?」
ネプテューヌは頭をかしげていたがティーレは顔に汗が見えていた。ヴィンセントはその些細な表情の変化に気づく。
「お、おいティーレさん、どうかしたのか?」
「・・・・ヴィンセントさん、ビッグ・トレー級1番艦【バターン】は御存じですか?」
ビッグ・トレー級1番艦【バターン】。ヴィンセントはその単語を耳にした時、我が耳を疑った。何故なら、あの艦はオデッサで爆発したはずなのだから。
「な、何故その艦が・・・・・俺も詳しいことは知らんがクロエに聞けば多分詳しいことはわかると思う。」
「私がどうかした、お兄ちゃん?」
ヴィンセントが唸っているとそこにクロエがやってきた。まさにナイスタイミングな復帰にヴィンセントはトリス達に少しばかりの感謝をした。
「ちょうど良かった、ビッグ・トレー級1番艦【バターン】について情報がほしくてな。」
「【バターン】・・・・レビル将軍の座乗艦だった戦艦じゃない、私も護衛で艦上デッキで防衛してたけど眼を離した隙に自爆特攻してたけど・・・・まさか?」
「はい、クロエさん・・・・でしたっけ?【バターン】は私達の世界で今も戦っています。それも、現在進行形で。」
「ティーレさん達が来たことと何か関係が?」
「今、我々の基地は【セイレーン】と呼ばれる特殊人型兵器に襲撃され孤立しました。私とネプテューヌさんがその中を突破して救難信号を出しに行こうとした矢先に嵐に出会って・・・・・今思えばあの海域は鏡面海域だったことも踏まえれば恐らく救援阻止のために嵐に巻き込まれて・・・・。」
「そうか・・・・おそらくティーレさん達のいる世界とこの世界は違う世界だと思うが、もしかしたら世界間を移動できないことはないかもしれない。・・・・クロエ、今から速攻で側面主砲を空間歪曲転移砲に換装することは出来るか?」
「出来ないことはないと思うけど・・・・。」
「おーけー、出来るなら今から取りかかってくれ。」
「分かった。数時間で終わらせるね。」
「ああ、頼む。」
「あ、あの、いったい何をするつもりで?」
「時空を歪曲させてティーレさん達の世界と結び救援に向かう。」
「え、いいんですか!?」
ティーレが驚き詰め寄るとヴィンセントも椅子を立つ。
「助けを求めて来たのなら俺たちはそれに答えるだけさ。それにバターンが世話になったと聞いたらそりゃ恩返しのために行かないわけにはいかない。」
「・・・・・ありがとうございます!!!!」
「こっちの好意だ、気にするな。暫く艤装の修理でもしておくと良い。あまり時間はないからな。」
「はい、そうさせてもらいますね。いきますよ、ネプテューヌさん。」
「はーい!」
そうお礼を言ってティーレはネプテューヌを連れて整備室へと走っていった。ヴィンセントはそれを見送ると暗号文でアクシズに電文を送った。
ー我、此ヨリ世界ヲ越エラレタシ。以後ノ通信ハシバラクナシ。
暁ノ水平線二勝利ヲ刻メ!!ー
To be continued..............
次回、いよいよアズレンワールドへ!!!
次回予告
アズレン世界に突入したヴィンセント率いるティーレ。見えた先には陥落しかけている基地とバターンの姿が目に写った。
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第65話 鉄血海軍、発艦!!!
割りときつすぎんよー
あらすじ
自らの世界の助けを求めに来た鉄血海軍の駆逐艦の少女、Z2ことゲオルク・ティーレとネプテューヌ。その二人から告げられた【バターン】の生存報告。彼女の今を知るためヴィンセントは戦艦ティーレを動かすことを決意する。
港に停泊している陸上戦艦【ティーレ改】。その心臓部に火が灯されようとしていた。周囲に張られていた固定用ロープは外され、鎮座していたトーリスは全機起動しビッグ・トレーに乗り移ると体制を固定する。その異様な慌ただしさには当然誰もが気付くわけで。
「なんですの!?この慌ただしいのは!?」
「ん、セシリアか、セシリアも港の異様な慌ただしさに気づいてきたのか?」
「ええ、今日はぐっすり眠ろうと思ってましたのにこの煩さでバッチリ目が覚めてしまいましたわ!!」
「お、おう・・・・そんなに怒らなくても・・・・。」
うるさい様子に気づいたセシリアと一夏が停泊する業務用港へと来ていたがその様子がはっきりと分かるほどにとてつもなくせわしい動きで出港の準備が進められていた。その中心にはあの艦の持ち主であるヴィンセントが陣頭指揮となって動いているではないか。何があったのかを問い質すためヴィンセントに近づいた。
「おーい、ヴィンセント~!」
「ん、一夏とセシリアか。」
二人が来たのに気づいたヴィンセントはやってた作業を止めて此方にやって来る。
「ヴィンセント、聞いたぞ?出港するんだってな?」
「ああ、少し野暮用が出来てな。物資の補給も兼ねて一旦本部に戻る。もしも亡国が襲ってきたらそのときは一夏達だけが頼みの綱だ。頼むぞ?」
「分かってるよ。その為に何回クロエとヴィンセントに斬られたことか。」
「ははっ、それもそうだな。それじゃ、そろそろ準備が整うことだし俺は艦に戻るよ。くれぐれもいない間、頼む。」
「任された。ヴィンセントも自分のやるべき役目をしっかり果たしてこいよ!」
「無論それはやり遂げる。そしてそれ以前に、全員無事で帰ってくるよ。」
ヴィンセントはそういうと走って艦の方へと戻っていった。その後ろ姿を見てセシリアが口を開いた。
「ヴィンセントさん・・・・大丈夫なのですか・・・?」
「セシリアも見ただろ?あの顔を。俺達みたいに油断せず、何時如何なる時にも即座に対応出来るように出来るのはあの二人が元軍人だからだと思う。そうでもないとこんな大きな艦やあんなでけぇロボットを軽々と動かせるわけがない。」
「・・・そう言われてみればあんな代物を一個人が所有できるわけがないですものね。何か納得がいきましたわ。」
セシリアが何となく納得する。程無くして先程のようなかなりやかましい音が港全体に響き始めた。
「「いよいよか(ですか・・・。)。」」
セシリアと一夏は発ち行く巨大な艦を見上げた。
「悪い!遅れた!」
「お兄ちゃん、遅いよ~!此方の出港準備は整ったよ!序でに側面主砲に外付けで空間歪曲変換装置の取り付けも完了。何時でも行けるよ!」
ティーレの艦橋に取り急ぎ戻ったヴィンセントを迎えたのは出港準備を終えて集まったトーリスシスターズとペイ、そしてクロエとクー、そしてネプテューヌとティーレがいた。クロエからの報告を聞いたヴィンセントは火器管制コンソールを操作して側面主砲の狙いを前方の海域に定める。
「よし、揺れるから何処かに捕まってろ!変換装置の起動開始、転移座標をティーレちゃんたちから借り受けた連装魚雷の材質から特定・・・・完了!!」
「すごい、こんなに速く私たちの世界に帰れるなんて・・・。」
「こんな技術、プラネテューヌでも見たことがないよ!」
「喋ってると舌を噛むぞ!・・・・・よし!」
-戦艦ティーレ、発進!!!ー
ヴィンセントの号令で放たれた歪曲変換装置のレーザーキャノンは両門から放たれたレーザーと衝突し空間に裂け目を作り出した。海面まで達したそれはくぐるのには十分な大きさだった。
「メインエンジン出力全開!!一気に突っ切る!!クロエは転移後直ぐにトーリスで外部損傷の確認!!クーは機関室の様子の確認を頼む!シスターズは各機で待機、二人は母港までのナビゲートを頼む。」
「分かりました。出る場所がどこかは分かりませんがやれるだけやってみましょう。」
刻一刻と指示している合間にもティーレは次元を越えてアズールレーンの世界へと踏み込みつつある。その全体が海域へと足を踏み入れたとき、空間の歪みは消えた。
「ぐぅ・・・・負担が大きかったか・・・!?状況知らせ!!」
「外周部に異常は無し!」
「機関部も多少冷却は必要ですが異常はありません!」
「よぉし・・・・転移完了!ティーレちゃん、現在位置はここなんだが母港はどの辺りにある?」
「ここからだと・・・・ちょっと待ってください・・・ここ、鏡面海域じゃないですか!?速くここから脱出してください!ここはセイレーンの縄張りです!!」
「何っ!?・・・・・おいおいおい・・・全方位に熱源反応・・・!!これがセイレーンってやつか?」
「はい!!私達が迎撃するのでヴィンセントさん達はこのまま東に向かってください!そこに母港があります!」
「いや、ティーレちゃん達はまだでなくて良い。ちょうど良い肩慣らしだ・・・クロエ、撃ち漏らしを頼む。」
「はーい!!」
ヴィンセントの指示を受けたクロエは専用ライフルを構え後部砲台の上に鎮座する。近づいてくるセイレーンの群れにティーレの刃は吠えた。
「側面連装主砲、全弾種ロック解除!フルファイア!!!」
号令一閃、瞬間、セイレーンは弾けとんだ。文字通り。あるセイレーンは首から上が無い、また、あるセイレーンは逆に首から下がない。はたまたあるセイレーンは全身が木っ端微塵になっていた。ティーレとネプテューヌは一瞬の出来事に頭が追い付かない。
「えっ、・・・今のは・・・今のは!?」
「んー・・・・火力がもう少し改良できるかなぁ。」
「いやいやいや!?あの火力はなんですか!?人型のセイレーンが一瞬で消し飛びましたよ!?私たちも艤装にセイレーン技術を使ってますがここまでの火力は出ませんよ!?」
「あのパペットみたいな魚が動いてたのもか?」
「魚じゃありませんよ!レーベくんですよ!!・・・・・って違います!あの主砲は何ですか!?」
馬鹿げた火力を見せられたティーレは何が起こったのか説明を求めるべくヴィンセントに問い詰めるがヴィンセントはどう言い表せば良いのか分からずちぐはぐな答えを返す。だがティーレはそれに乗らずに問い詰めていく。ヴィンセントはその気迫にとうとう折れた。
「・・・・側面1200mm三連装主砲。この艦のメイン火力だ。」
「えぇ・・・・()。」
「お兄ちゃん、周囲に敵影無し。さすがはビッグ・トレーを全面改修しただけのことはあるね。」
「0079の艦に0096の技術をまるごと詰め込んだ艦だからな。そりゃこんな火力にもなる。・・・・さて、道を急ぐぞ。」
「あ・・・・はい!」
エンジンをフルスルロットルで炊いたティーレは助けを求めている母港へと足を滑らせるのだった・・・・。
To be continued......
コラボって難しいよ?特に自作品とのセルフコラボは。
次回予告
ティーレがついた頃にはほぼ火の海の化した母港。ティーレとネプテューヌは急いで出撃するが数の暴力にだんだん押される。それに見かねたクロエはとうとうキレてしまう・・・・・?
『あはは・・・・・!!みんな壊れちゃえば良いんだ!!』
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第66話 やっぱ連装ミサイルランチャーが一番だなって
あーらーすーじー
空間転移装置により鏡面海域へと着水した戦艦ティーレ。来るべき目的地へと進むため彼らはメインエンジンに火をいれた。
「・・・・見えた!最大望遠!!」
トリスの唐突な発見報告に全員が仮眠から覚醒し艦橋ブリッジに集まった。
「どうだ?」
「今写しますよってからに!」
トリスはコンソールを叩き前方の様子を写し出した。そして誰もがその光景に唖然とする。
「・・・遅かったか!!数は!」
「各方向2000と推定!」
「多い!ティーレ、行けるな?」
「何時でも。」
「私も大丈夫だよ!」
「上等!クロエ、ペイルライダーとネプリスリッターは起動!ネプとペイ、お前らの力で一刻も早く包囲を解く!」
「「「了解!」」」
ヴィンセントの作戦指示を聞いた三人は急いで格納庫へと向かう。それを見送ったヴィンセントは今度はルリに視線を向ける。
「ルリはティーレの艤装に外付けでいいから連装ミサイルランチャーを2分でセッティングを!少しでも火力はあった方がいい!」
「分かった!ティーレちゃん、格納庫に行くよ!」
「はい!」
ヴィンセントに同じく指示を出されたルリはティーレの左手を引っ張り艦橋ブリッジを後にする。ちなみにネプテューヌもティーレの道連れにされてたりするが。残されたトリスとヴィンセントは今だ最大望遠で見えるその惨状を苦い顔で見つめる。
「・・・・艦は頼んだ。絶対沈めるなよ?」
「かすらせやしませんよ。」
「上等。・・・ハッチは此方で開ける。操縦と砲台制御は任せた。」
「お任せを!行ってらっしゃい!」
トリスに見送られたヴィンセントは一気に俊足で格納庫へと走り自分の主を待つルーリスへとその足を運ぶ。それを見えなくなるまで手を振ったトリスは密かににやけた。
「さぁ・・・楽しい地獄の始まりだ・・・・!!!」
後にこの様子を観察していた束さんはこう称した。
ー悪魔ーだと。
ティーレを格納庫へと連れてきたルリは工具と外付け専用ミサイルポッドを持ってくると脚部に設置を始めた。
「ティーレちゃん、よく聞いてね?この連装ミサイルランチャーは一定時間敵を見ないとロックオンができない代物だからそこだけは注意してね。」
「どっちみちセイレーンに全部当てるなら接射でも大丈夫です、ええ。」
「あはは...よし、接続完了!いくよ!」
「はい!」
「外部接続ハッチ解放!!!」
ルリの合図で開かれたハッチは大海原を写し出す。ティーレはそのまま艤装を起動すると海に飛び降り綺麗に着地する。
「・・・Z2、ゲオルク・ティーレ、抜錨します!!!!」
そしてティーレはそのままタービンを起動し勢いよく包囲された前線へと疾った。それを見送ったルリも外に係留されているルーリスの元へ急ぐ。
二手に別れていたヴィンセント達だったが彼らは最短ルートで屋上へと来ていた。
「・・・本当に使わないの?」
「小回りが効かん以上はな....そもそもクロエだって未だ無茶な動きはできんだろ。」
「うるさいよお兄ちゃん。」
「バカ言え、おればクロエの体調のことを思って言ったんだがな?」
「お兄ちゃんのけち。.......私ね、今ものすっごくイライラが貯まってるの。勿論お兄ちゃんと一緒に寝れたのは良かったことだけどやっぱり本質からは逃げられないんだなって。」
「本質?」
ヴィンセントが不思議に思ったのか聞くとクロエは服の左側につけている階級章に手を当てた。
「・・・・戦いよ。あの戦争の時に人を殺すことの喜びを閣下に植え付けられてしまったから.....ヴィンセントも聞いたでしょ?ア・バオア・クーで出会ったときの私の声を....」
「......あの狂ったような笑い声か。まさかあの時に既にクロエはグレイヴってやつに.....」
「そう、限界を越えた投薬によって私は制御下を離れ半ば暴走。あの時お兄ちゃんが仲間を犠牲にしてでも私を止めてくれなかったら今の私は居ないよ?それに関しては本当に嬉しく思ってる。でもね、やっぱり一度覚えてしまったことからは逃げられないんだ.....」
クロエの悲痛な呟きを聞いたヴィンセント。暫く考え込むと突然ISを展開し右手でクロエの左手を取った。
「お兄ちゃ・・・・ヴィンス?」
「俺はお前がどのような姿になろうと傍から離れないよ。例えば狂っても、苦しんでも俺とクロエは兄妹だ、ずっとそばにいてやる。だから・・・【今のクロエの素を見せてくれ】。」
「・・!?」
ヴィンセントから告げられた言葉、それは今のクロエの姿をそのままヴィンセントに見せてくれと言っているようなものだった。だが、それは同時に今のクロエを全て受け入れるとも取れた。クロエの目からは数滴の涙が零れ僅かながら嗚咽がクロエの声帯から出た。
「・・・・ほんとに・・・良いの・・・?」
「クロエはクロエだ。それ以上でもそれ以下でもないさ。」
「・・・・うん!」
クロエは涙を拭き取ると階級章に願いを込める。そしてその階級章は光を帯びクロエに鎧を被せていく。
「・・・行こう!ヴィンス・・・・いや、【お兄ちゃん】!!」
「ああ!!」
固くヴィンスの右手とクロエの左手が結ばれている二人の表情はどこか自然とした笑みが生まれていた。そしてそのヴィンスの左手にはビームサーベル、クロエの右手にはハイパー・ナックル・バスターが握られている。
「「・・・・・ヴィンセント・グライスナー(クロエ・クローチェ)、トーリスリッター、出ます!!!!」」
種は跳んだ。この蒼い航路をバックに。
To be continued.......
大分お待たせしてしまいすみません!!!!
次回予告
戦闘空域へと突入した四人。砲弾が飛び交うこの海域で二人は何を為すのか。そして戻ってきた二人はこの侵攻を止めることができるのか。
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第67話 収束
出撃したクロエとヴィンセントはティーレと分かれて前線基地を破壊するためスラスターを吹かしていた。二人の装備は揃ってダブルハイパーナックルバスター(Blast)装備。海上を低空飛行している二人にとって前方にいるこの程度の敵などおやつ感覚にしか過ぎなかった。
「ヴィンス、これならバズーカ要らないね。サブ兵装のメガビームランチャーを使って一掃するよ!」
「りょーかいだ!!ったく、いつからクロエはこんなに破壊したがるようになったんだか.....。」
そう言うと二人は左に持っていたナックルバスターを背部ラックにマウントすると代わりに背部から久しぶりに起動するメガビームランチャーの本体を取り出した。そしてコードをジェネレーターに直結させると一気に全出力をメガビームに収束させていく。
「出力設定完了、いつでも行けるよ!」
「おーけー。クロエは右を、俺は左を殺る。」
「了解!出力最大!メガ・ビーム・ランチャー照射!!!」
ヴィンセントの指示を聞くや否やクロエは既にフルチャージしていたメガ・ビーム・ランチャーを戸惑いもなく前線にぶっぱなした。余波でクロエが少し仰け反るが被害を食らうセイレーン側からしてみればそれすら生ぬるい事態に陥っていた。
「ナ、ナンダ!?」
「基地周辺が焼かれているの・・・・!?」
上位個体が前線から撤退する際に見た前線基地に注がれる2条のビーム。そのビームが示す先には爛れた成れの果てがそこら中に転がっていた。片方の上位個体が海上を後ずさりするが何かに当たって進めなくなる。
「何処に行くのかな?」
「・・・・なんだ、お前は!!」
「何、ただの援軍さ。さっさと朽ち果てろ。」
そう無慈悲にいい放ったヴィンセントは念のため余らせていた照射エネルギーをバーストさせて上位個体に接射した。ゼロ距離バーストランチャーされた上位個体はしゃべる間もなく爆散した。一仕事を終えたみたいな表情をしたヴィンセントは辺りを見渡した。だがあるのは見渡す限りの焼け海原である。そこに右を掃除したクロエが右腕に抱きついてきた。
「・・・・ふぅ、最後の最後で援軍出されたから一掃するのに時間がかかっちゃった、ごめんね。」
「あれでまだ遅いのかよ、ほんとお前は.....。」
そこまで言ったヴィンセントだったがその後の答えが紡ぎ出されることはなかった。目を紅くしたクロエがその手にサーベルの柄をヴィンセントの首に当てていたからだ。
「・・・・ヴィンス?また私を怒らせたいの?今度という今度は私でも我慢できないよ?」
「なんでそうなるんだよ...早とちりすんなし....。」
「・・・まぁ、私にしかできない芸当だし仕方ないっちゃ仕方ないかもしれないけど。」
「クロエ基準に考えられても全然上が居ないからクロエにとって張り合いが無いのは分かるけども....取り敢えずその物騒なサーベルをしまえ。うっかり起動したら俺の首が飛ぶ。」
「冗談のつもりだったんだけどね?」
「お前がやると冗談に見えないのだが?????」
「お兄ちゃぁん????」
「アッハイナンデモアリマセン。」
サーベルから解放されたヴィンスが愚痴ったとたん今度は透かさずナックルバスターを突きつけたクロエ。隙がない。これにはヴィンスも固まらざるを得なかった。
「さて、基地は壊滅させたしティーレちゃんたちの援護に行くよ!」
「了解、時間はないはずだ、急ぐぞ。」
そう二人は話し終えるとスラスターを勢いよく吹かして未だ砲火が鳴り止まぬ本土へと帰還するのだった....
一方その頃、ナハトとバターンは窮地に陥っていた。
「バターン!?」
「くっ....使い物にならなくなったら切り捨ててなお処分....ピュリの性格にそぐった奴ね...ほんと。」
「貴方が使えなくなったらこっちは餌にしてまとめて殺すだけよ、それが私たちセイレーンの定め。」
「私もとはセイレーンじゃないですけどね!!!」
「どちらにしろ同じよ。さて、落ちなさい!!」
そう言うとオブザーバーはテスターに指示する。テスターは了承し無数の砲弾を無数に放つ。ナハトは残っていた三式徹甲弾を装填してバターンの前に立つと庇うように砲弾を迎撃する。
「・・・・ナハト....私はもう脚部ホバーエンジンが死んでるの....まともに動けないよ。」
「なら曳航して港に戻るまで!!」
ナハトがバターンの右手を掴み全ホバーエンジンを全力稼働させ後退を始める。勿論その間にも迎撃は止めない。テスターから撃たれる無数の砲弾はその大半が迎撃されるが確かに既にバターンとの戦いで消耗した耐久に負荷をかけていた。そしてついにその時は訪れた。
ボゴォン!!
「あうっ...負荷をかけすぎちゃったか....!!!」
「ナハト!?」
「ごめん....私の破損状況だとこれ以上は.....!!」
「・・・・弾薬残量0....収束エネルギーもほとんどない....ぐぅ・・・!!」
二人して機動力を削がれ打つ手無し。正面にはテスター。もはやこれまでかと二人が諦めた。が、ひとつ重大なものを彼女等は見落としていた。
「・・・・さあ、これでとどめよ!!」
「させないよ!!全門投射!!」
「何っ!?」
突如別方向から飛来したビームと砲弾の群れにたまらずテスターは後退する。二人は何事かと飛来した方向を見る。そして二人は驚愕した。
「・・・・え?」
「あれ、私たちと同じビッグ・トレー級・・・よね?」
「ええ、そのはずだけど...何か...。」
「「えらく速度出てる上にドリフトで旋回性能抜群ってどう言うこと!?!?」」
二人が見たのはドリフトしながら水上をホバー走行する改ビッグ・トレー級の一隻、それもヴィンセント達が転移するときに使った戦艦ティーレ。正式に言えば【水陸両用高速巡洋砲撃戦艦ティーレ】なのだが。そのティーレがテスターを圧倒しながらこっちに近づいてくる。そしてそこから声が聞こえてきた。
「そこの二人とも、大丈夫かな!?」
「大丈夫ですが脚部エンジンが大破してしまって...。」
「背部砲台までは飛んで上れる?」
「それくらいの推力なら...」
「なら上ってきて!!このまま北部方面へと移動するから!」
「でも!?テスターは!!」
「大丈夫!!今あの二人が前線基地を壊滅させたって報告が来たからあいつらも時期に撤退するはず!さあ急いで!」
「「は、はい!!」」
二人は残った推力をサブエンジンに回して背部砲台に飛び移った。そして二人をのせたティーレはそのまま北部へと風のように消えた。そして残されたオブザーバーとテスター。
「・・・・オブザーバー、追跡はしないのか?」
「あら、この戦況でまだ追撃をすると言うの?謎の援軍によって先程前線基地が壊滅した今、もうこの地に用はないわ。それにこの戦闘で本来の目的は達した。ならこの辺でお暇させていただきましょう?」
「・・・・そうか。」
テスターが渋々納得する。オブザーバーはキューブを取り出すとちゃちゃっと操作する。そして二人の姿は一瞬にして消えた。
そしてその二人の消失を持ってセイレーンの襲撃は幕を下ろした。
だが、二人は身を持って知ることとなる。援軍に来た者達のしつこさを....。
To be continued.......
さて、一旦区切りをつけるため、つーかあと3話でセルフコラボ収束させないと成らんため強引に切ります。
次回は改装、そしてティーレの処遇かな?
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第68話 帰還......?
「・・・・・・・。」
・・・・・・一ヶ月も空けてごめんなさい
「「ぶちころしますわ」」
二人ともロリ狂三化してる!?
「「ならもう一回ぶっとばします」」
ごめんなさぁぁぁぁぁぁいいいいい!!!!!!!!!
あ、あのハロ二人兄弟出るかも
「えっ。」
「ま、まさか、クロスレイズの.....!?」
晴れ間が戻った基地。その一画に巨大な艦が停泊した。
「んぐぅぅぅぅぅ.....ようやく羽を伸ばせる。」
「ティーレちゃんが言っていたバターンのことも気になるけど今は......。」
「「・・・・寝るかぁ。」」
そう艦橋ブリッジでぼやくのは一足先に帰還して休憩していたクロエとヴィンセントである。HADESの使用で疲労がどっときた為に今の二人の状態はフラフラで今にも倒れそうなものだ。その証拠に二人は背もたれに突っ伏していた。
「・・・・大丈夫なのヴィー君?」
「・・・・ちょっと、寝かせてください博士.....さすがに疲れました....。」
「分かったよ。今のうちに応急修理とかもしておくけど大丈夫?」
「むしろやってくれ、これからまた戻らないとならないしな。」
「はーい。」
そう言っていつのまにか来ていた束は二人に持っていた掛布団をかけてブリッジを出ていった。
その頃、基地の執務室では、一人の少女がお呼ばれしていた。
「司令、Z2及びネプテューヌ、ただいま帰還しました。」
「御苦労、入ってきてくれ。」
そう言ったのはここの基地の司令である大城中将だった。大城に迎えられ入ってきたのはZ2ことティーレである。
「ん?ネプテューヌはどうした?」
「さっきまで一緒に来てたんですがノワール達に連行されていきましたよ?」
「おぉんマジ?せっかくプリンとか用意してたんだけどなぁ....。」
「・・・・・それで司令、ここに呼んだのは一体?」
ティーレが執務室にあるソファーに座り込むといつの間に持ってきていたのかコーヒーを入れて飲んでいた。
「取り敢えずまずは援軍を連れてきてくれて助かった。正直あの戦力を我々だけで殲滅するのは厳しかったからな....。」
「だからあれほど私にミサイルと魚雷を積載してくださいと言いましたのに....。」
「魚雷に関しては改造パーツ不足、ミサイルに至ってはそもそも規格が合ってないと言ったろ....。」
「ちぇー....。」
「何めっちゃ残念そうにしてるんだよ上目使いしても武装改装は行わんぞ。」
「・・・・・外部次元の技術を持ち帰った、と言ってもですか?」
ティーレはそう言った。その瞬間、大城の顔つきがのんびりとした風潮から冷酷な顔つきに変わる。
「・・・・・その技術、詳しく頼む。」
「・・・・なら改装してください。」
「うわひっどいそれでも1934型の二番艦か?」
「情報は鮮度が命、それなりの対価を下さいよ。」
「・・・・・・望みをなんでもひとつだけ叶えてやる、それで勘弁してくれ。燃料が財政難に陥ってるんだ・・・・。」
大城がそう言って防止を深く被る。ティーレはその背後に黒いもやがかかっているのを見て少しドン引いた。そして深くため息をつくと、
「・・・・了解です。外部次元の技術の情報としては人工浮遊技術、外付け換装システム、そしてセーフティ解除システムなどがあります。」
「・・・・外付け換装・・・・?」
大城が首をかしげるとティーレが不意に艤装を展開する。その艤装はやはり汚れがひどかったが脚部にひとつ光輝く部品があるのを大城は見つけた。
「・・・これがその換装部分か?」
「はい、ここにはもともと彼方の方で一時的な火力増加ウエポンとして装備された【三連装対空ミサイルポッド】がありました。」
「その装備は今何処にある?」
「海に流れてると思いますよ?デットウェイトだったので途中でパージしました、ええ。」
「・・・・・マジ?」
「・・・・・マジです。」
「・・・・お願い回収してきて。してきてくれたらひとつ増やしてあげる。」
「・・・・ミサイル搭載(ボソッ」
「分かったから!ミサイル搭載改装するから!!」
「約束ですよ!それじゃ早速回収してきます!」
取引でミサイル搭載を確定付けたティーレはこれ以上にない笑みを見せて執務室を出ていった。対して大城はこれから起こる予算経費計上に頭を抱えるのだった。
数分後、
「司令、回収完了しました。明石に既に解析に回してもらったので時期に結果が出るはずです!」
「回収めっちゃ早くないか?」
「ミサイル改装!!」
「こっわ!?資材届いてからな!?」
「・・・・むぅ。」
そう言うとティーレが顔を膨れさせる。大城はすまんといった表情でこちらを向いていた。
「それで、だ。残りの二種類の技術のことだが....」
「はい、ですがこちらについては大雑把な情報しか収集できてないので...。」
「・・・・成る程、何となく今お前が言いたいことが分かった気がする。」
「・・・察しが良くて助かります。司令、このまま私を外部技術入手のため遠征に出ることを許可してください。」
ティーレが話した御願い。それは自らこの援護に来てくれた人達のもとを離れず彼方側の世界に赴き技術収集をやるという内容だった。正直大城にとっては願ったりかなったりな御願いな訳だが同時にそれは長期間、ティーレが戦線から離脱することを示唆していた。
「・・・・・こちらとしては嬉しい限りだが、ティーレ、いいのか?」
「ええ、外の技術は素晴らしい技術ばかりでした。それらを私達の艤装に組み込めればより強力な迎撃兵装が誕生しますよ?」
ティーレの提案に大城は少し考え込む。やがて顔を上げると書類に何か書き込んでいく。
「・・・・お前も含めて三人。それが条件だ。」
「・・!!ありがとうございます!既に人員は決めてるので早速あたってみます!」
「・・・・全く、あいつも変わったな.....。」
すぐに消えていったティーレを大城はのんびりくらりと見ていた。
翌日。
「・・・・もう少しゆっくりしていけば良かったのに。」
「・・・・仕方ないだろ、もうあまり時間がないんだ。まだあのコアの解析も進めとらんし。」
「うんうん、密かに明石って子から技術盗みまくったから早く本部で改装もしたいしね!」
そう言うのはヴィンスとクロエと束である。現在彼らの母艦は出港準備をしていた。救援も終わった以上長居は無用なのでとっとと元の世界に帰ることにしたのだ。
「・・・・よし、空間転移弾装填完了。行けるよ。」
「・・・・全メインエンジン点火、戦艦ティーレ、発進!!!」
動き出すと同時に撃たれる砲弾。それは空間湾曲用の転移弾だった。炸裂した砲弾は歪みを産み出しティーレを飲み込んでいく。完全に飲み込まれた直後、歪みは消え何事もなかったかのようになったが、それを見ていた人物はため息をついていた。
「・・・・はぁ......」
「・・・どうしたんだ?指揮官、このレーベ様がいるんだからすぐに仕事は終わるぞ?」
「いや、そうじゃない.....」
「・・・?あ、そういえば指揮官、ティーレを知らないか?あいついつも起きるのは遅いはずなのに今日に限って居ないんだが。」
「・・・あー....」
指揮官がしどろもどろな反応を見せるとレーベが疑惑の目でこちらを見てくる。その時、ドアが勢いよく開き整備に入り浸っている夕張が転がり込んできた。
「し、指揮官!!」
「どうした夕張、そんなに急いで。」
「あ、明石が!!明石が!!」
「明石がどうしたんだ。」
「明石が書き置きを残して居なくなってるのよ!!!!!!」
「「はぁ!?」」
飛んで出てきた衝撃にレーベと大城は目を丸くする。
「書き置きを見せてくれ!」
「これよ!」
夕張がそれを見せると大城は受け取りそれを読み始める。
「ええと、・・・『しばらくハーディ達についていくにゃ。その間整備はヴェスタルに丸投げするにゃ。それに金の臭いもしそうだしにゃ。それじゃ、また返ってきたらにゃ!』・・・・か。」
「えっ..」
「あんのクソ猫ォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
大城の悲痛な絶叫は基地全体に響いたのであった......
To be continued........
もう次回出すか。
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第69話 災厄を纏った少女
今回から某刻々帝が乱入したりしなかったり。
そして新型ISの某ぺーペペぺーも実装されたり・・・・?
「・・・・・まず言わせて?」
「何でしょう?」
「帰ったんじゃなかったの?」
開幕早々これである。執務室で突っ伏しているヴィンセントを見ていたのは帽子を被った二人の少女と猫だった。そしてそのうちの一人、ヴィンセントが助けた少女であるティーレが懐から一枚の書類を取り出す。
「あれから別れた後、指揮官に報告とかしましてその結果、このまま外部技術の取得を仰せつかったわけでして。」
「それで随伴に二人を?」
「元は敵でしたけどね。そんなわけで鉄血陣営所属1934型Z型駆逐艦二番艦【ゲオルク・ティーレ】。」
「ロイヤルネイビー所属H級駆逐艦【ハーディ】。」
「重桜陣営所属連合艦隊工作艦【明石】。」
「「「大城司令の命により暫く.....というかほぼ暫くこちらでお世話になります(にゃ)。」」」
「おーけー取り敢えず大城司令を殴りたくなった。」
「いくらなんでもそれはやめようよヴィンス!?」
今日何度目かわからない溜め息が部屋全体を包み込む。柄にもなくため息を吐くヴィンスを見るクロエはふと気になることを思い出す。
「そう言えば、住むところはどうするの?用意できそうならこちらで準備するけど....。」
「いえ、それはご心配なく。今は曳航していますが、私達の本体である【Z2】、【ハーディ】、【明石】がありますので住居に関してはご心配なく。」
ハーディがそう言いながら窓を指差す。席を立ったヴィンセントが窓から外を覗くとそこには確かに小型の艦が2隻とまるでひとつの工場とも言えるべき艦が1隻紐で曳航されていた。戻ってきたヴィンセントは再度突っ伏すと、
「港、増築しなきゃなぁ.....。」
燃え尽きた。
「「「「ヴィンセントさん!?!?(ヴィンスー!?)」」」」
真っ白な煙を吐いて気絶したヴィンセントの扱いをどうしようか慌てる四人の姿がそこに残ったという。
数時間後。
「・・・・博士、現在の場所ってわかります?あと日時も。」
復活したヴィンスは何か嫌な予感を察したのか束に情勢を聞く。束は快く引き受けネットから情報を漁っていく。
「・・・ん、今日は8月30日、現在地は大西洋ドーバー海峡沖ベルファスト港周辺だね。」
「・・・・おーいまて、二学期はいつからだ?」
「・・・・明日だね。」
「クロエェェェェ!!!!!!クー!!!」
ヴィンセントは椅子から飛び降りるとクロエを呼び出す。近くにいたクロエとクーがバタバタと入ってくる。
「ヴィンス(お兄様)、どうしたの!?」
「拡張領域に学園の準備物ぶっこめ!時間がない!!」
「「あっっっっっっ!?」」
ヴィンセントの焦りようにようやく二人が二学期の開始時期が明日と言うことを悟るとすぐさま自分の部屋に向かっていく。ヴィンセントは既に準備を終えており用意周到である。そんな三人を既に馴染んでいるティーレとハーディが見ていた。
「・・・・なんか、あの人たちって.....。」
「バカなんじゃないんですかね、いや、バカでしたね、ええ。」
冷たい目で見ていたという。
数分後、屋外ブリッジには制服姿の三人がいた。
「こんなしょうもないことでトーリスを起動するとは思わなかった....。」
「転移場所が場所だったからね....。」
「今から行ってもギリギリ....急ぐか。」
そう言うとヴィンセントとクロエ、クーが自身の専用機を纏う。
「こっちも急いで学園の方には向かうから....それと、最近この辺りで空間歪曲による災害が多発してるからくれぐれもそれには巻き込まれないように....。」
「肝に命じておきますよ....。ヴィンセント、【エールスリッター・ツヴァイ】!!」
「ティーレちゃんたちも早く来てね....?クロエ、【トーリスリッター・キャバルリー】!!」
「では博士、行ってきます!クロニクル、【トーリスリッター・デュラハン】!!」
「「「出るぞ!!(出ます!!!)」」」
三人がそれぞれ学園に向け猛スピードで駆け抜けていくのを見送った博士はそそくさと艦橋ブリッジへ戻っていく。
「さて、ハーディちゃんやティーレちゃんのISも作らないとね!」
束の衝撃発言に二人は硬直する。
「まだ顔合わせして時間もたっていないのにそんな・・・。」
「良いの良いの!私が気に入ったから作るのだ!」
「良いではありませんかハーディちゃん。これで外部技術の塊が得られると思えば。」
「う、うん....。」
異様なティーレの圧し様にハーディは気圧されてなくなく承諾した。その姿を見ていた束の書類には二機の試作ISの企画書が飾られていた。
KANSEN技術搭載型試作IS【ペリオン】【ドレット】と。
その頃、ティーレを発った三人は一人の少女と相対していた。
「あら、そんなに人が飛んでいるのが可笑しいことで?」
「・・・・少なくとも、IS無しに空を飛ぶやつが人とは呼べんな。お前....何者だ?」
ヴィンセントが専用ライフルをその少女に向けて銃口を穿つ。対する少女も負けじと古式の歩兵銃と短銃を三人に向ける。
「私はただただ寿命が欲しいだけの少女ですわ。だから.....死んでくださいまし!!!!」
そして少女はその持っている短銃を戸惑うことなく引き金を引いた。対する三人だったが、武装をすべて拡張領域にしまい楽々と回避すると、
「なんだ....寿命か....。」
「それぐらいなら延々とあげれるのに...。」
「いきなりやって来たと思ったらそれだけですか.....。」
「・・・・え、なんですのこのうっすい反応は。」
あまりにもあっさりと承諾されたことに少女は困惑していた。今までの人間は誰しも恐怖し逃げ出すものもいたが容赦なく食べていっていた。だが目の前のは人間はどうだろう。寿命を取られることに何の戸惑いもなく許可していることに今度は自分が恐怖の念に駆られていた。
「何故、そこまで薄い反応が.....!」
恐る恐る少女は三人に聞いてみる。するとヴィンセントがいち早く復帰し、
「どうだろう....一番の理由はエルが居るから寿命の概念が無くなったってのもあるんだが....。」
「が....?」
「ISがないのに空を飛べる少女なんて興味の塊でしかない。もっとも、クロエとクーがどう反応するかだけども.....。」
「あの短銃....私にも使えるかな.....。」
「友達になれるかな.......。」
「あの様子だと問題無さそうだな。」
「ものすっごく自分の行く末が怖くなってきましたわ.....。」
「安心しろ、ああ見えて根は優しい。キレたら世界が滅びかねんが。」
「物騒すぎますわ!?」
少女に目を向けてキラキラさせてる二人をよそ目にヴィンセントはその少女と話を続ける。
「・・・まあさっきも言った通り寿命を吸い取る分には問題ないんだが....。」
「が・・・?」
「人目のつかないところで頼む......。」
「それぐらいなら御安い御用ですわ。私の分身体を潜ませておきますので大丈夫なときに分身体を通して連絡してくださいまし。」
そう言うと少女の影から全く同じ姿の少女が出てくる。そしてヴィンセントの影を踏むとそのまま吸い込まれるように消えていった。ヴィンセントはそれを見てふと思い出した。
「あ、そう言えば、名前聞いてなかったな。」
「そう言えばそうでしたわね。私の名前は【時崎狂三】、そして天使は時をも操る【刻々帝】。進むも戻るも思うがまま、ですわ。」
「狂三か、ならこちらも。俺は武装組織【アクシズ】地上本部総司令のヴィンセント・グライスナー。そこにいる二人が妹のクロエ・クローチェとクロニクルだ。クロエは二人とも名字は同じだからクロニクルの方はクーとでも読んでもらえれば良い。」
「そうですか。取り敢えずここは目立つのでひとまず退きますわ。ではヴィンセントさん、クロエさん、クーさん、また人目の無いところで会いましょう。」
そう言うと狂三は影に消えた。残された三人は時計を見る。そして揃って青ざめる。
「やっべー後1時間しかない!!!!」
「急ぎますよ二人とも!!」
クーに促され三人は再び学園へとスラスターを吹かした。
これが、後のヴィンセント達が半精霊化するきっかけとなったのだが、それはまた別のはなし....。
To be continued.......
と言うわけで狂三ちゃん先行登場。
これからもちまちま出てきたりします。
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第70話 ドイツの三姉妹
今回の視点はドイツから!!
ドイツ。それは以前、非合法な制御システムを開発し、あまつさえ専用機に乗せたとして全ISの没収が決まっていた。上層部はこれを打開すべく残っていたアドヴァンスド個体を全員徴用し国の防衛戦力に当てる計画が為されていた。
「ラウラ隊長、これでよかったの?」
「同じく、彼らがいまだに戻ってきてないのはわかりますが、なぜここまで?」
「お姉ちゃん達は感情的になりすぎだよ.....」
銀髪の三人の姉妹は学園の制服を着ている銀髪の少女.....ラウラに尋ねる。そして帰ってきたのは意外な言葉だった。
「アイツには......いや、ヴィンセント達の中には私達の姉妹もいる。だから考えるのは何らおかしいことではない。」
「・・・・ねぇ、隊長。ヴィンセントさんって、どんな人なのよ?」
「・・・・一言でいうなら、私達の運命をねじ曲げてくれた英雄、とでも言うべきか。」
「英雄....ね。ヒクサーが聞いたら嫌悪しそうだわ。」
「姉さん.....。」
「じゃ、後でヒクサー隊長やフォン君に極秘裏に報告しとくね?」
「「やめてぇ!?」」
四人はそう愚痴りつつも学園の教室で....ヴィンセント達の帰りを待っているのであった。
一方、職員室はてんやわんやしていた。
「数は!!」
「3機です!」
一人の職員から告げられた敵機の数。それはたかが三機、然れど三機。しかし千冬にとっては既に知らされていたものだった。というのも、この状態になる数十分前の事である。
「やっほー!!!ちーちゃん元気にしてた~!?」
「おい束!ヴィンセントたちをどうした!!」
「あれーまだついてない?」
「ん?ついてない、だと?」
「つい二時間くらい前にヴィー君達はISでそっちに向かったと思うんだけど?」
「ん?今お前どこにいるんだ?」
千冬が何故か電話の向こうでのんびりしている束に言い寄る。束の方から何かが置かれる音がした後、再び声の主は口を開く。
「今はイギリスのドーバー海峡沖の海上軍事要塞【ベルファスト】で艦の修理している最中だけど?まあしばらく動けないから先にヴィー君たちを向かわせたけど....。」
「そうか、わかった。お前も早めに戻ってこい。お前に聞きたいことが山ほどあるからな。」
「うえ~めんどくさいな~。まあそのうちね!」
そう言って束との会話は切れた。
そんなことがあってか、千冬は敢えて黙って事の結末を見守っていた。
「目視できたか?」
「はい、蒼い機体が三機。コアナンバー照合。どれとも一致しません!」
照合しても当てはまらない機体。それ即ちエネミーである。
「専用機持ち達を出せ。撃退できるならこれを撃墜、あるいは拘束せよ。」
「了解しました。すぐに専用機持ち達をスクランブルさせます。」
「頼む。・・・・・・さて、グライスナー。これぐらいの障害、はね除けてここにたどり着いて見せろ・・・・!」
そう呟いた千冬の顔は少しばかりにやけていた。
それを予知していたヴィンセントはあらかじめペイ達を展開させ囮を任せ、三人は水中で密かに移送していたトーリスツヴァイに乗り移っていた。
「まー勝手に飛んでいけばこうなることは知っていたが....。」
「なーんで未だに私達敵認定なの?HADES暴走させてこの辺り一面消し炭にしようかな....♪」
「やめろ!?主に俺の胃の穴が開くからやめよ!?」
「冗談だよ♪」
「その冗談が本気にしか聞こえないんですよ御姉様!!!」
音を立てず潜航しているツヴァイ。当初の目的である海域には既に到達していたことを三人は知っていたが、どうせならもう少しずらそうと決めて、潜望鏡を伸ばすのであった。
そうとも知らず、スクランブルを受けた専用機持ち達は該当海域へ出撃していた。
「敵の数は三機、か。あいつらいつ帰ってくるんだろ...。」
「さあ、知らないな。私とて御兄様とイチャイチャしたいが今は二学期直前だ、まずは目の前の障害を排除するぞ。」
「了解。」
「わかった。」
海域を飛行するのは一夏の白式とラウラのシュヴァルツェア・レーゲン、ハナヨのシュヴァルツェア・アトス、ハヤナのシュヴァルツェア・ダルス、ハーミヤのシュヴァルツェア・アイズ。その四機と相対するのは偽装されたトーリスツヴァイ。その結果は歴然と見えているわけで.....。
「ふぅ、なぁにこいつら、対したことないわねぇ、ばっかじゃないの!」
「これは恐らく陽動ですかね?」
ハナヨとハヤナがそう言う。一方ラウラはこんなに早く倒せるはずがないと一人困惑していた。その時である。
『五人とも、すぐ帰還してください!』
「山田先生!?」
声の主は山田摩耶である。通信越しに聞こえるその声は何故か焦っているように聞こえる。ラウラは通信を繋ぐと状況の共有を図ろうとする。
「山田先生、何があった!?」
「いえ、先ほどの三体はヴィンセント君たちの者だと判明したので至急帰還をお願いします!」
「了解した。一夏、戻るぞ。三人もだ。」
「りょーかい!」
「「「分かった!」」」
そう言うと五人は戻っていく。そう、在るべき場所へと帰ってきてくれた三人を迎えるために。
To be continued.....
ものスッゴク強引。ごめん、許して。
別にアストルフォアズレン小説書きたいとかそんなんじゃないからね!!!!!
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第八章 Secondseason ~出会いは突然に~
第71話 兄妹は精霊を悟る
そして!次回作へと続くキーとなる少女との再会!!
それではどうぞ!!
9月1日。
それは学生にとって絶望を意味する日。無論IS学園もその例に漏れず朝から賑わっていた。
「ふぅ、間に合ったはいいが、変わってないな。」
「何人かは増えてるけどね、それも妹が。」
「御姉様.....流石にあの三人はラウラさんの系列でしょう?」
「【系列】だけで言えばね。【遺伝子】的に言えば妹。」
「ほーん....。」
三人がそう愚痴っていると扉がダン!という音と共に開き、スーツに身を包んだ千冬が入ってくる。
「諸君、おはよう。夏期休業の合間も自主練は絶やさず行ったか?行っているならば数日後の実技を楽しみにしておきたいが。」
千冬はそう言うと途中で止めて、ゴホン。と話を戻しに掛かる。
「それはともかく、今学期から諸君らと共に学び、成長する仲間が四名増える。入れ。」
千冬の合図と共に入ってきた四人。三人は先ほど話していた三姉妹だったが、残りの一人を見て三人は固まった。
「えっ......。」
「・・・・逃げたいよぉ...お兄ちゃん....。」
「落ち着け、落ち着け、まだ楽な方の可能性はある!」
クロエはそう言ってクーをなだめる。その二人をヴィンセントは小声で宥めながらその前にいる少女をジト目で見つめる。そうとも知らずに四人の紹介が始まった。
「この二学期から皆様と一緒に学問に励むこととなったハナヨ・ボーデヴィッヒです。趣味は機械いじり。あの二人とは姉妹関係にあります。どうぞこれから宜しく御願い致します。」
「はぁい、ハナヨの妹のハヤナ・ボーデヴィッヒよ。、これといった趣味は無いけど悪戯はちょっと長けてるかな。ま、宜しくね!」
「・・・ハーミヤ・ボーデヴィッヒ。宜しく。」
三人三種三様な自己紹介。ヴィンセントはどこか既視感を感じていたがそれも気のせいだと割りきった。が、
「ごきげんよう、皆さん。わたくしの名前は時崎狂三。これでも現イタリアの国家代表ですのよ?これから宜しく御願い致しますわ?」
そう、見覚えのある少女。ヴィンセント達が空で出会った狂三。それを見たヴィンセントは頭がいたくなることを予知した。だが、悲劇はそれだけではない。
「尚、この他にも数日後に実践アドバイザーとしてイギリスとドイツからそれぞれ国家代表クラスの操縦者、そしてその専門の整備士がここに転入してくる。恥をかかないよう今まで以上に鍛練に励むことだ。」
「・・・・????????」
千冬が告げたその一言。だがその一言でなにかを察する人物はいる。
「・・・・・・・・。」
ヴィンセントだった。ヴィンセントにとってイギリスとドイツ、そしてそれ専門の整備士と聞いて考えうる人物は三人しかいなかった。
「・・・・大丈夫?お兄ちゃん。」
「・・・後で狂三を取っ捕まえてきてくれ....手段は問わん。捕まえたら俺の部屋まで連れてきてくれ....後ついでに千冬さんも....。」
「「了解!」」
そう小声で言った三人を背景にSHRは終わった。
時は同じく海軍港ベルファスト。そこでは新たな力を手にした三人が今まさに相棒と目的地へ発とうとしているところだった。
「しかし、よろしかったのですか?私たちにこんな物を渡したあげく私たちの艦まで改修してもらって...。」
「家族になった、その前祝いとでも思ってくれたまえティーちゃん!」
ティーレの真剣な悩みに対し元凶である束は呑気に三人にISを託す。
「ティーちゃんの【ぺリオン】は今までヴィー君が培ってきた技術の粋を集めて製造した第四世代の試作機体。ティーレちゃんのレーベくんから得た戦闘データを元に作ったこの機体は攻守ともにとても高性能だから並のISとは一線を帰すほどに戦えるよ!」
ティーレが持っている外斑が紺に彩られた鉄血紋章のアクセサリー。それが今の彼女のIS。その本意を手にしたティーレは小さく、だが強く輝く鉄血紋章を鉄血帽子にそれを掛けた。
「さて、では私の受け取りも完了しましたし次はハーディさんのを。」
「そうだね、ハーちゃんのはこれだね。」
「レイピア・・・・?」
これだと言ってハーディに渡してきたのはいつもハーディが使っているレイピアと何ら遜色変わらないごく普通のレイピアだった。
「まあ、ただのレイピアではないよ。対IS用第四世代の試作機体【ドレット】。突発すべき点はまず第一にその雷戦火力にあるかな。」
「・・・・特殊弾幕?」
「鋭いねハーちゃん。この機体は性能的には普通なんだけども一時的に爆発的にリロードを上げることによって多数の弾丸を秒間2400発発射できる点にあるんだよね。」
つまるところ砲撃型なのである。ハーディはそのレイピアに見合わぬ砲戦火力に唖然しつつもそのレイピアを受領した。そして最後は明石。
「アーちゃんにはこれだね。」
「これは....レンチ?」
「レンチ....ですね、ええ。」
「何ニャ!?二人に全力を注ぎすぎて明石のは手抜きかニャ!?」
「違うよ!このレンチもISだよ!!!!」
「「「はい(ニャ)?」」」
思わぬ発言に全員が硬直する。ティーレの鉄血紋章、ハーディのレイピア、そして、明石のレンチ。どう見てもおかしいのは明白であろう。
「この機体はアーちゃん専用に一から開発した試作第五世代型の機体【アプリリウス】。もっぱら整備専門の武装が殆どだから実用的なやつってのはないけどね。」
「主には?」
「まず基本工具一式、そこに溶接用の照射可能なビーム・トーチ、もしもの近接武器として小型サーベルをそれぞれ腕部に二本、拘束用にワイヤー・ロッドが六本、そして万が一単独になってしまった場合を含めてヴィー君よりも欠点を解消してなおさらに改良を施した【後期微改修型大形戦略級主砲 メガ・ビーム・ランチャーⅡ】を背部にマウントしてあるよ。」
「「途中までものすごくいい雰囲気だったのに最後の武装で台無しだよ!!!!!」」
両者ともに瞬間的に突っ込むこの有り様。事実、このアプリリウスの約半数の出力がメガビー直結なのがさらに質が悪いことを奮い立たせている。
「でもま、必要なときは三人とも艤装使うし良いかなって思ったけどね。」
「じゃあなぜ私たちにこれを?」
「改修したみんなの相棒と少し関係はあるかな、今言えるのはそれだけ。」
「セコいですね、はい。」
「ハンターがいたら猟銃をあの脳天にぶちこんでもらってたのに。」
「「「物騒だよ(にゃ)!?」」」
ハーディの腹黒発言に全員がおののく。ちょうどそのとき連絡が博士の耳に入った。
「あ、ペイちゃん、もしかして終わったの?」
「はい、改ビッグ・トレー級後期微改修型戦艦【ティーレ改】、並びに2056型ミサイル駆逐艦【Z2改(ゲオルク・ティーレ改)】、後期改修型H級駆逐艦【ハーディ改】、後期改修型総合泊地工作戦艦【明石改】、全艦発進準備完了です!」
「よし、じゃあ全員配置につくよ!」
「「「はい(ニャ)!!」」」
四人はそれぞれの待つ艦へ走る。
数分後、港にはエンジンが唸る四隻の姿が映る。
「今は代理だけど....ペイちゃん。いけるね?」
「はい、いつでもどうぞ!」
『こちらティーレ、いつでも行けます。』
『私もいつでも行けますよ!』
『こっちもニャ!』
全員からの完了報告。それを聞いた束は懐からなぜあるのか知らない士官帽を被ると、
「よーし!!!機関最大!戦艦ティーレ、発進しちゃってー!!」
「機関最大!戦艦ティーレ、進路を学園に設定、いきます!」
ゴウンッ!
炉に火が入ったビッグ・トレーはその巨体を浮かせ海を静かに滑っていく。時を同じくして名目上は護衛の三隻も火を炒れる。
「機関第一微速前進、Z2改、発進!」
「機関第二戦速、H級嚮導駆逐艦ハーディ、発進します!」
「機関最大戦速、工作戦艦明石.....ん、ちょっと待てにゃ工作【戦】艦って何ニャ!?・・・・まあ良いけど...発進ニャ!!!」
三隻から心地よいタービン音と共にその巨体はゆっくりと波を掻いて進み出す。目指すは三人が待つ地、IS学園。
To be continued.........
ドレットノート・ハイペリオン・砂時計なの は秘密。
TIPS.
第四世代試作機【ぺリオン】
ティーレのために束が作った艤装技術を転用した試作機体。そのスリムさに似合わぬ火力と四重に重ねられた防御シールドは何人たりとも生きては返さない。
武装
・小型ビームナイフ
・脚部ミサイルランチャー
・フォルファントリー・ランス
・フォルファントリー・ランチャー
第四世代試作機【ドレット】
ティーレの思考とは真反対のコンセプトで作られたハーディの専用機。火力も武装も申し分ないことに加え整備も一部規格がラファールと一致しているのである程度の互換性が聞くのが最大の利点。
武装
・大形ビームサーベル
・試作型対艦ビームライフル
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第72話 精霊と艦船と軍人と
お昼過ぎ、昼御飯を食べようとしていた狂三は何者かに拐われどこかに閉じ込められた。まあ狂三にとっては至極真っ当どうでもいいことなのでいつでも抜け出せるのだが如何せん未だ狂三の真の姿が認知されていないので使うことができない。それだけならまだいいのだが、狂三はこれをいいことに逆にさらったやつの時間を限界まで喰らおうと画策していた。しかし画策していたところで彼女はその思考を止めざるを得なかった。何故ならば.....、
「さて狂三、何故ここに来たか白状してもらおうか?どうせあの肩書きなんてでっち上げだろ。」
「うっぐゥ.....まさか拐ったのが貴方達でしたとは.....。」
「そう言う御託は良い。さっさと吐け、でないとリミッターフル解除のクロエに一方的に凹してから吐いてもらうことになるが。」
「鬼じゃないですか!?」
「少なくとも【元】軍人だが?」
「鬼でしたわ!?」
現在狂三はキレたヴィンセント達に拉致られてヴィンセントの部屋に連れてこられていた。その姿の中には千冬の姿は見えなかったが。
「さて、洗いざらい吐いてもらうぞ。」
「はぁ、仕方ありませんわね....。お気づきかもしれませんがわたくしは本体から切り取られたその一体、それも【ISの操縦適正が飛び抜けて高かった頃】の時間軸を切り取って再現されたわたくしですわ。」
「つまりは今影のなかにいる狂三と同じ存在、と。」
「ええ、ひとつ相違点をあげるとするならば、本体から直々に天使を一部コピーして使えると言うことぐらいですかね。と言ってもコピーできているのは
「能力的には何ら代わりは無い、と。」
「そう捉えて貰って構わないですわ。」
「・・・・そうか、手間取らせたな。」
「全くですわ、いきなり誘拐したと思ったらこれですもの。」
狂三が拘束されていた腕を解くと同時に不意に部屋のドアが開く。
「お前か、私を呼んだのは。」
「ええまあ、あの三人について心当たりしか無かったものなので。」
「ほう、束から聞いてはいたがやはりか?」
開けた主は千冬だった。狂三は唐突にやって来た千冬に頭が追い付かずそそくさと影に隠れる。
「時崎、何故隠れる。」
「はは、狂三はこう見えても引っ込み思案なんですよ。それに加えて秘密もどうやらあるようですし。」
「秘密・・・・?」
「まあ秘密があるのは我々アクシズもそうですし今は触れない方が良いかと。」
「ほう、近頃世界中で騒がせている少女と瓜二つだと思ったが、杞憂にすぎんか。」
「!・・・・・何故、そこまで知っていながら?」
バレた狂三は渋々影の内側から姿を表すと千冬の正面に立った。
「私は腐ってもブリュンヒルデだからな。観察眼くらいは持ち合わせている、それにだ。それ以上に私は一教師だ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「ほんと....おバカさんですこと。」
「世界を揺るがす災厄と比べればちっぽけなものよ。」
狂三は完膚なきまでに論破されたのを悟ると自らの服装を以前のものへと変えていく。
「そこまでバレたならば仕方ありませんわね。改めて紹介しておきますわ。わたくしの名前は【時崎狂三】。ISを超越した力を使役する存在、その頂点に立つもの。さしずめ【ナイトメア】とお呼びくださいまし。」
「ほう、それが本来の姿か。」
「あまりこの学校内部では使いたくありませんが、そのときはそのときです。」
狂三はそういうと服装を元の制服に戻す。その会話を後ろから見ていた三人はようやく落ち着いたのかと確信すると、
「さて、改めてあの三人についてお話ししますか。」
「そういえばそれで呼ばれたのだったな。いったい三人はどういうやつなんだ。」
「至極単純に言うならば、艦です。」
「艦?」
「はい、正しく言うなら【艦の願いが人間として現界した存在】になりますが。」
「つまり、艦という存在が擬人化した存在...そう捉えても良いんだな?」
「はい、そして、俺たちはその三人の名前をすでに知っています。」
「ほう。で、その名前は?」
「一人は連合艦隊を立った一人で持ちこたえさせ。残りの二人は敵として合間見えた存在。」
「そしてその名前....。」
「一人は元日本帝国海軍新連合艦隊泊地工作戦艦【明石】。」
「一人はイギリス海軍Hクラスの嚮導駆逐艦【ハーディ】。」
「そしてもう一人は....旧ドイツ海軍1934型...通称Zクラス駆逐艦の2番艦【Z2】、またの名を.....【ゲオルク・ティーレ】。」
三人はそう高らかに二人に告げた。
翌日のことである。
「・・・・来たね。」
三人は朝早くから港へと足を運んでいた。そして、その奥の地平線には海上を滑走する四隻の姿があった。
「あれが昨日言っていた.....。」
「ええ、そうです。」
「ふっ、これはまたひと悶着起きそうだな....。」
「あはは......。」
千冬の呆れた声にぐうの音もでない三人であった。
これからもちょくちょく混ざっていきまする
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第73話 悪魔の会長、復讐の兄妹、邂逅の艦船
バレンタイン短編を諦めた結果。
「と言うわけで、先日話した生徒が三人来たので紹介しよう。」
次の日の朝、千冬は柄にもなくそう言った。教室がざわつくなかクロエとクーとヴィンセントは涼しい顔をしていた。
「どうも皆さん、初めまして。遅れ遊ばせながら参りましたオルク・レティと申します。これでもこの成りで国家副代表及びドイツ海軍副司令を勤めさせていただいております。業務上の都合上皆様と会話する機会は少ないかもしれませんがよろしくお願い申し上げます。」
そう言ったのは千冬に促されて入ってきた三人の少女の内の一人である。その隣にはセシリアと似たような容貌を持つ少女がいた。
「ふう、あの子は真面目にやってくれたみたいですね....おっと、これは失礼。私はイギリスの方から参りましたハーディ・シュタイナーと言います。これでもあの子と似たような肩書きでイギリスの女王陛下直属の代表としてこちらに派遣されました。どうぞよろしくお願いします。」
そう言ったハーディに反応したのはもちろん.....
「女王陛下直属の代表ですって.....!?」
「まあ、たかが女王陛下直属といっても直属の騎士としての役割だったので実質的なIS歴は2年ちょっとですけど....。」
驚きの事実の連発に頭が追い付いていないクラスの全員をよそ目に、クロエとクーとヴィンセントは突っ伏していた。
「(あーあ、もうめちゃくちゃじゃないか....。)」
「(・・・・・それで尚実際その肩書きを優に越える実力を持ってるからありゃしないんだよね.....。)」
「(これこそ正に実力の無駄遣いってやつですか....。)」
そう思っていたとき、ヴィンセントの目に見てはいけないものが映った気がした。
「(・・・・・ん?猫耳・・・・?)」
「はいはい退いたにゃー。私は明石金子。本日よりこのIS学園の整備総務として勤めるためにやって来たにゃ。何か分からないことがあれば私のところに来てくれたら教えるにゃ。どうぞよろしくにゃ。」
明石の自己紹介が終わり、全員は同じことを考えていた。
「「「「「「「「(((((((((何で猫耳!?!?))))))))))」」」」」」」」
あのSHRの後、全校集会云々で体育館に集まった全員。なぜだか知らないがヴィンセントは悪寒を感じていた。しかし、その懸念も虚しく台に一人の少女が姿を表す。
「はぁーい、ようやく今になって自己紹介できるわね。私は更敷楯無よ。学園最強とも呼ばれているわ。」
その楯無の宣言に若干名疑問を呈するものもいる。
「(ねぇお兄ちゃん、あの子殺していい?)」
「「((やめてあげないか!?))」」
「(お兄ちゃんこそが最強なのに名乗るとはいい度胸じゃない?私とペイちゃんで消し飛ばしてやろうかな?)」
あまりの煽りにキレたクロエは今すぐにでも消し去らんと動きたそうにしているが全員が集まっているという手前渋々押さえていた。
「さて、今回なぜ集まってもらったか、と言うとね、今年の文化祭はちょっと特別なの。今年入学してきた織斑一夏君は未だに部活に入っていません。と言うわけで、今回の文化祭、最優秀賞を取った部には織斑一夏君を強制入部させることを認めます!また、準優秀賞の部活には同じくまだ入部していないヴィンセント君達の強制入部を認めます!」
「「「は?」」」
まさかの発言に三人が固まる。しかし全体は沸き上がる。学園に二人しかいない男子を強制的に誘致できるとなればこのタイミングを逃して何になるか。それもあってか女子達からは闘志が湧き出ていた。勿論、ヴィンセントも闘志が湧き出ていた。悪い意味で、だが。
その放課後のことである。
コンコン
「ん、誰かな?入ってもいいわよ。」
楯無は生徒会室にやって来たものを迎えようとしていた。だが、それは悪手だった。
「生徒会長さん?朝のやつはどういう事かな?」ジャキン
「説明してもらいましょうか?生徒会長さん?」ガチャ
「3秒以内に説明しないならアクシズの総力を以て更敷家を消しますよ?」ガコン
「開幕トリオで脅しはやめて!?ビックリするから!?」
入ってきたのはガチギレしたクロエとクーとヴィンセントの三人だった。それもIS専用のビームライフル、リボルバー・バズーカ、ロングライフルを持っている辺りどれ程ガチギレしているのかは一目瞭然である。
「分かった!話すから!話すからまずはその銃とかバズーカとかライフルを下ろして!!??」
「・・・・チッ、これで反抗してくれたら直ぐにでも家で待ち構えていたローゼが大型サーベルで周辺ごと焼け野原にしてやったのに.....。」
「実質一択じゃない・・・・もう、話すわよ?」
「手短にね?はぐらかしたら....解ってるね?」ガコン
「は、はいっ!!!!」
そこから楯無は今回の意図を話した。それを聞いた三人はあきれた顔で楯無を見ていた。
「はぁ.....たったそれだけで・・・・?」
「正直接触方法が無かったからね。勿論、ヴィンセント君達は賞品にはしないよ。」
「それなら良いが.....まだ隠してるな?」
「・・・・なんで分かったの?」
「大体クロエの表情でわかる。」
「意思疏通の領域すごいわね!?」
「それで.....何を隠している?」
「今日入ってきた三人の素顔よ。経歴としては何らおかしくはないんだけど簡単に上層部がこんな重要ポジションを放し飼いにするなんて事、あり得ないからね。けど出てくるのはペーパーデータと同じ文章、頭抱えそうだわ.....。」
楯無の発言に三人は皆して顔を見合わせ頭を抱えた。
「・・・・あー、それか。その事は今から信頼できる人に説明するつもりだから.....。」
「あら、知ってるの?」
「知ってるもなにも....。」
「私達が連れてきましたし....。」
「ウェッ!?」
楯無は三度、驚愕した。
その夜、ヴィンセントの所有しており、今は束の移動ラボと化した戦艦ティーレにいつもの面子が揃い踏みしていた。
「さて、お前たちに集まってもらったのは他でもない。この三人についてきちっと話しておかないとならんと感じたから取り敢えず信頼できるやつだけ呼んだ。」
「お、おう。」
ここに集まっているのは当事者であるヴィンセントとクロエ、そしてクー。一夏にアイナ、シャルロット、セシリア、簪、楯無、ラウラ、ハヤナ、ハナヨ、ハーミヤ、そして狂三にレティ、シュタイナー、明石である。
「取り敢えずだ。話す前に取り敢えず聞いておくか。
お前ら、この三人が元は人ではない。そう言っても驚かないか?」
「「「「「「「!?!?」」」」」」」
艦内全体に静寂が響き渡った。
To be continued.....
次回、いよいよ明かされる真実!!!
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第74話 隔たれた者、別たれた者
サブタイトルに特に意味はなーい
あ、今回久しぶりにあのネタが出ます。
部屋にいた全員は数秒間動くことができなかった。ましてや、驚きの方が大きすぎて動かないくらいである。今ヴィンセントはなんと言った。この三人が元は無機物だった?あり得ない。それが集まった全員の反応だった。特になまじ影響の強かったセシリアとラウラは放心している。
「ま、いきなりそんなことを言われても分からんか。」
「いや、まずその理論がおかしいよ!?何をどうしたら艦がこんな少女になるのよ!?」
そう問いたてるのは学園の生徒会長である楯無である。その楯無が持っている扇子には【理解不能】と達筆で書かれていた。それに対して答えたのはリーダー的な存在であるティーレだった。
「まあ、簡単に言うならば戦争で沈んだり自沈した艦の願いや想いが具現化し人の形を持った存在とでも考えてもらえれば。」
そう言ったティーレは何時もの軍帽をかぶり軍服の格好へと姿を変える。一瞬で姿を変えたそれに全員が追い付いていけない。しかしラウラはその格好を見て震えた。
「そ、その格好はナチスの軍服・・・・!!帽子についているアクセサリーも間違いない.....本当にお前は艦だったのか....?」
「ええ、ですからそう言ったではありませんか。私の名前は1934型の2番艦のゲオルク・ティーレ、またの名をZ2。先のオルク・レティは偽名です。」
ティーレの告げた一言。だがその一言は服装や成りも相まって全員は納得せざるを得なかった。その様子を見ていたシュタイナーは、
「はぁ....あの子が喋ったなら私も正体を明かしますね。私の名前はイギリス海軍H級嚮導駆逐艦ハーディです。ま、あまり名前は変わりませんかね。」
そう言ってハーディも自身の騎士帽をかぶり騎士服にその姿を変える。ティーレと同じように一瞬で姿が変わったことに全員はティーレほどの驚きはなかったが、やはり怯むことは怯む。
「じゃあ、女王陛下に仕えているというのも.....。」
「はい、私たちロイヤルネイビーのロイヤル騎士隊の頂点に君臨する戦艦クイーン・エリザベス。その彼女の護衛です。」
「クイーン・エリザベス....聞いたことがありますわ。昔大きな戦果を残した艦が居たと。」
セシリアがそう言うとハーディは嬉しかったのか少しばかり顔が微笑む。
「まあ、正体を明かすのはここまでにしといて、だ。つぎはハナヨ達三人だ。」
ヴィンセントがそう言うとハナヨとハヤナ、そしてハーミヤの顔が険しくなる。同時にクーもある程度出自を察してしまっているのか顔が暗い。
「やはり、分かりますか....。私たち三人は御姉様を越える目的で作られた所詮アドヴァンスド個体の改良型、即ち【マイスター個体】に当たるもので本来なら実験後、御姉様達の基地を襲撃し乗っとる算段が取られていました。」
ハナヨからの衝撃の事実を聞きラウラはおろか、この部屋にいる全員が固まった。それもそうなのだろう。ラウラ達の基地を襲撃し自分のものとする予定だった。誰もがそれを聞いて警戒せずにはいられない。
「けど、ヴィンセント達の【アクシズ】ってところの見慣れない三人組が助けに来てくれて今こうしてこの生活が送れてるってわけ。」
「・・・・ああ、マリーダ達のことか。あいつらも境遇は似たようなものだから分からなくもないがな。」
「だね、プルちゃん達、ああ見えて御人好しなところがあるし。」
「そして私たちは救助された後アクシズの遊撃部隊として再スタートを切った。もちろんそこには御姉様もいたのでそこに編入して姉妹四人での再スタートになったわけですが。」
そうして三人はその服につけているバッジのようなものを取り外すとテーブルの上に置く。その模様は天使の羽が青い円上のもの、そのバッジでいうなら地球を包み込むような感じのものだった。
「そして私たちは今紆余曲折を経てちゃんとした戸籍ももらいこうしてここで生活できてるわけです。」
「成る程ねぇ.....。あの博士が手伝うとなればラウラと血縁関係が深いのは確定....となるとクーとの血縁関係も確定、か。まあ博士が認めるならこちらとしては何の問題もない。」
ヴィンセントが納得すると、他の全員もその説明である程度わかったのか首を縦に振っている。
「・・・・さて、ここまでで何か疑問はあるか?答えられる範囲なら吝かではないが。」
ヴィンセントがそう言うと真っ先に疑問を呈したのは教師である千冬だった。
「・・・・何故この明石だけ説明されてない。私の読みからして彼女もティーレ達と同じ存在なのだろう?」
「・・・・いや、まあ、同じ存在ではありますけど....正直宛にしない方がいいというか.....守銭奴な奴ですし....。」
「・・・・ですね。あんまり明石に肩入れすると財布のダイエットが上手く行きますよ.....。」
「「「「あっ.....。(察し」」」」
「何そんなダメな目で見てるニャ!?!?工作【艦】としては右に出る者はいないニャ!!!」
「・・・・みるからに外装からして工作【戦艦】にしか見えないのは気のせいか?」
「言い返せないのが腹立つニャー!!!!!!」
そう、ただ一人空気だった明石だが決してヴィンセント達が忘れていたわけではない。ただ少しばかり守銭奴すぎて忘れ去られていただけなのだ。
「で、別に明石に過去なんてないと思うけどな。護身用に改良型メガ・ビーム・ランチャー持ってるだけで。」
「「「「「「「なにそれこわい。」」」」」」」
「ほら見たことかニャ!!!!だから戦艦に改造されたくなかったニャー!!!!恨んでやるニャあの兎ィ!!!!!」
「へぇ....私が何だって?」
「ニャァァァァァァァ!?!?!?!?」
「「「「「「「博士!?!?」」」」」」」
明石が絶叫し他の千冬以外の全員が驚く。束は当たり前のような顔をして、
「ふふん、私がここにいないとでも思ったの?改装を受けてた合間に正式に【アクシズ】の技術顧問としてこの【ビッグ・トレー級陸上戦艦4番艦【ティーレ】】に住み着くことになったし、【アクシズ地上本部】の副司令補佐としての任もあるからね!・・・・ところで、アーちゃん?少しお話ししようか?」
「い、いやニャ・・・・・三枚下ろしにされるニャ!!!!殺されるニャー!!!!!」
「酷いこというねアーちゃん。ただ単に5体を100まで切り刻んで存分に焼くだけだよ?」
「「「「「流石にそれは止めてあげて!?!?」」」」」
束のガチギレに必死で止めようとするクロエ達と明石を連れ去ろうとする束。しかし抵抗むなしく明石は束に捕まった。そして部屋を出る際束はヴィンセント達の方を振り向いて、
「あ、そうそう。ヴィー君、クロちゃん、クーちゃん。三人ともここ【地上本部】のそれぞれ総司令、総司令補佐、副司令の座に就くことになるからよろぴくね~。」
そう言い残して束は明石を引きずって消えていった。残された全員は明石に対して祈りを捧げるしかなかった。が。
『だぁぁぁぁぁかぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁ!!!』
『ごふっ!?』
『私はぁ!!ペイ等と言う渾名ではなく!!!!』
『ゴハァッ!!?』
『RX-80PR!!!』
『フベラァッ!?!?』
『ペイルライダーという名前で読んでくださいと!!!!!』
『ニャァァァァァァァ!!!!』
『何度言えばぁ!!!!!』
『お、落ち着いてペイちゃ....。』
『また言いましたね!!!!もう容赦しません!!!HADES最大出力!!!』
「・・・・・・哀れ博士。次の博士は上手くやってくれることでしょう。」
「あの程度では流石に束は死なん。」
『アーダメダメダメ!?!?流石にそれ刺されたら束さんでも死ぬ!?!?』
「・・・・・前言撤回、ヴィンセント、あの暴走を止める術はないのか?」
「・・・・・自爆してもいいなら?」
「束、骨は砕いて捨てておく。」
「「「「「「酷い!?」」」」」」
千冬ですら止められないペイの暴走。哀れ束よ。
『古より伝わりしヨハネの騎士は!!!命を刈り取る鎌となりて!!!!その剣に定めるは我が姉妹の奥義!!!』
『い、嫌っ、やめ....。』
『死して嘆け、
そのペイの声と共に外部が静かになった。あまりにも突然の出来事に全員が固まってしまっていた。そこに、ドアが開いた。
「あ、クロエちゃ~ん、明石、ここにおいとくね♪」
「ペイちゃん....血濡れてるよ・・・・?」
「いーのいーの、さて、私はあのラビットミートをもう少し懲らしめないといけないからもう行くね?」
「・・・・程々にね?」
「だーいじょうぶだって、ただ5体を500に切り分けて粉砕するだけだって♪」
『この子笑顔でとんでもないことを仰ってるよ!?!?』
そう言い残すとペイはドアを再び閉めて行った。その直後、
『さて、この肉をどう調理するかな.....。』
『お願いですアクシズの女神様御許しください....!!!御許しください....!!!』
『駄目だよ....あとでトリス達にも引き渡してやることがいーっぱい、在るんだから、ね?』
『イ、イヤァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!』
遠ざかる束の断末魔と共に今度こそ部屋に静けさが訪れる。それを崩したのはやはりヴィンセントだった。
「・・・・大丈夫か、明石?」
「怖かったニャァァァァァァァ!!!!!」
大泣きしている明石をなだめるヴィンセントの構図。しかしてそれは在るものから見ると憎たらしいものなので.....、
「お兄ちゃん、ギルティ。」
「ウェッ!?」
「御兄様、後でお話があります。」
「ファッ!?」
両肩を捕まれたヴィンセントに未来はない。哀れ。その様子を見ていた一夏達も流石に哀れに思ったのか、
「・・・・今日のところはこれでお開きにしようか。流石にこれ以上ヴィンセント達の邪魔もできないし。」
「一夏ァ!?」
「そうだな。姉さんも心配だがなんとかなるだろう。」
「ヴィンセントさん、強く生きてくださいまし....。」
「狂三さぁん!?ちょっと待って、みんな見捨てないで!?」
どうすることも出来ないヴィンセントはあわてふためき助けを求めるが誰一人として応答することはなく部屋を出ていく。一人、また一人と消えていく度に青ざめるヴィンセントの顔、クロエとクーの黒いオーラ。そして残ったのはいつもの6人だった。
「・・・・あ、あのー・・・?」
恐る恐るヴィンセントが反応を確かめるが、肩をつかんでいる二人の反応はと言うと。
「「お兄ちゃん(御兄様)?」」
「(あっ、これはダメな奴だ。)」
「(手に終えませんね、ええ。)」
「(閣下、強く生きてください。)」
帰ってきたのはほぼヤンデレと化した二人の顔。この瞬間ヴィンセントは自分が生きて帰れることはもうないだろうと察した瞬間だった。
その日の夜、
「お兄ちゃん、私にもアレ、して?」
「えっ。アレって、あれ?」
「明石だけするいよ!」
「そうですよ!最近私たちに構ってることが少なくなってきてます!」
「・・・え、明石のことじゃないの。」
「「私たちも明石みたいなことして!!!!!」」
「・・・・・おいで、二人とも。」
「「・・・・うん!!」」
その夜、一人の少女の悲鳴と三人の男女の心地よい寝息が学園を風靡した。
To be continued........
たまにはこんなネタだらけのはっちゃけ回あってもいいよね!!!!!
あ、ペイペイ乱打の三段剣は実はバトオペのカウンターが元ネタだったり。
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第75話 Бамжам Меркулия
ざぁこ♪
朝早くのことである。通信室に集まった三人は久しぶりに本部と連絡を取っていた。
「指揮官、お久しぶりです。」
そう言うのは皆のまとめ役のティーレ。その画面の前にいる男性はそれを聞いて微笑ましく笑い。
「ああ、久しぶり、近況を聞きたいところだが先ずは少し話しておきたいことがある。」
そう呟いた。近況報告よりも話しておきたいこととは何なのか、ティーレは少し気になった。
「それで閣下、その耳に入れておいてほしい情報というのは?」
「ああ、先日から北方連合の子達が行方不明になってしまってな。もしもがあるわけ無いかもしれんがもし見つけたらそっちで面倒を見てやってほしい。」
「北方連合の子、ですか.....。」
「それでその子達の名前は何にゃ?」
「ああ、今のところ分かっているのは【ガングート】と【パーミャチ・メルクーリヤ】だ。また行方不明の子が出たらこちらから連絡する。」
「了解しました指揮官。しかし、なぜこんな唐突に?」
ティーレがそう返す。ハーディと明石も納得がいかない様子で頷いていた。それもその筈。普段は警備はしっかりとしていてよほどの事がない限りは行方不明何て事は起きないはずなのだ。三人は意を決して指揮官に聞くことにした。
「・・・・・指揮官、まさかとは思いませんが変なことにはなってないですよね?」
「・・・・・捜索部隊が二つ未だに戻ってきてない。」
その一言でティーレの顔が歪んだ。
「・・・・・・。」
「該当海域は当時嵐になっていたらしく通信も見込める状況じゃなかった故にもしかしたら行方不明になった連合の子達と一緒にいるかもしれん。その時は北方連合の子達と同じくよろしく頼むよ。」
「・・・で、その艦隊の子達は一体。」
「・・・第一艦隊は鉄血と連合で編成された小型の偵察艦隊だ。内、【ハンター】【レーベレヒト・マース】【ニーミ】【ジャベリン】が行方不明になっている。」
「・・・・仕組まれたかのごとく私とハーディの姉妹艦ですねそれ。」
「彼女達が自ら進んで買って出たんだ。もしかしたら嵐が吹いて姉達のところに行けるかもしれないって。」
「・・・・ティーレちゃん、私思ったことがあるんですよ。」
「ハーディさん、私も何となく同じこと考えてる気がします。」
「「バカなんじゃないんですかね....。」」
ハーディとティーレは共にがっくりと項垂れた。明石はそれを見て密かに笑いをこらえている。
「それで、だ。問題はここからだ。第二艦隊は主力を集めた艦隊なんだが.....。」
「が・・・・?」
「内、【ビスマルク】、【長門】、【江風】と通信が途絶している。」
「「ブフゥ!?」」
「鉄血と重桜の指導者、とその護衛まで!?!?」
「ああ、一応エリザベスとエンタープライズこそ戻ってきたんだが途中の嵐で見失ったらしい。」
「・・・・分かりました。いくら私とて鉄血のビスマルクを失うわけにもいかないですしこちらでも捜査網を使って調べてみます。」
「ああ、早めに頼む。」
「では、早速捜査網を使って捜索にはいるのでこれで通信を終わりますね。」
「おう、今後も気を付けてな。」
そう指揮官が言うと通信はそれっきり切れた。切れたモニターを見て三人はため息をついた。
「・・・レーベ君ニーミちゃん、そしてビスマルクさん....もし来てたら....。」
「・・・はぁ、ヴィンセントに何とかしてもらいましょう。現状はそれしか頼みの綱が無いですし。」
「明石も何らかのレーダーを作って特定を急ぐニャ。」
そう言って三人はそれぞれの行動に入った。
一方、そのころ、ブリッジにいたヴィンセントは珍しく顰めっ面だった。
「・・・・お兄ちゃん、どうしたの?」
「ああ、クロエか。これを見てくれ。」
「ん?これって....。」
「ああ、間違いない。亡国企業の襲撃計画の詳細だ。ルリがネットデータベースを漁ってたら入手に成功したらしいが。」
「グレミーに警護を要請する?」
「それもありだが....俺たちが実際にそばにいた方がよっぽど安全だろ。監視カメラはペイたちに任せればいいし、最悪降下してきてもらえばいい。」
「じゃあ今のところ方針としては。」
「様子見だな。」
ルリが極秘で入手した企業の計画。着々と進められている計画を知ったヴィンセントたちもまた対策を練り始める。と、そこに。
「あ、ヴィンセントさん!」
「ん、ハーディか。どうしたんだ?」
ブリッジにやって来たのはハーディだった。だが少し焦っているようにも見える。
「実は.....。」
ハーディは事の経緯をこと細やかに話した。それを聞いたヴィンセントはなにか思い当たる節があるのか席をたつ。
「んー...そういう手なら一番手っ取り早い方法ならあるぞ。」
「本当ですか!?」
「ああ。生徒会室に行くぞ。」
「あっ、はい!」
クロエも無言で承諾すると三人はブリッジを後にした。
「はぁ.....。悩みの種が増えた....。」
そう愚痴るのは楯無である。目の前には書類。それ以上に楯無はある悩みごとを抱えていた。
「新しくやって来たロシアの代表候補生、うちが面倒見ろって....何なのあの子、ものすごく相手を見下してるじゃない。何であんなのを採用したのよ政府は....。」
楯無が愚痴っていると生徒会室のドアが振動する。楯無はそれを聞くや否や態度を変える。
「誰かしら?」
「ヴィンセントだ。諜報網を貸してほしくてな。」
「・・・・・中に入ってちょうだい。」
合図をもらったヴィンセント達が中に入ってくる。それには普段はいない一人の姿もいた。
「あら、あなたは昨日の。」
「ああ、ハーディだ。いまは緊急を要する事態だから後にしておいて。」
ヴィンセントがジェスチャーでどかすようなしぐさをする。そしてそれにクロエが続く。
「単刀直入にいうね?今諜報網の中に不穏な動きとかを掴んだ形跡はある?」
「・・・・・答えはと言われるとYESだけど、その内容までは教えられないわね。・・・・悩みを解決してくれれば吝かではないけど。」
「悩み?」
「ええ。つい最近決まった新しいロシアの代表候補生がついこの前ここにやって来たんだけど相当な曲者で手に追えなくてね。」
楯無が呆れた口調でいうとヴィンセント達も困惑した表情でいる。楯無はそれを放って話を続けていく。
「まあ具体的にどんなのか、といわれるとあれだけど端的にいうなら【煽り】をする子って事ぐらいなのよね。」
「ちなみに名前は?」
恐る恐るヴィンセントが聞くと楯無は溜め息をつきながら、
「【宮地 理巧】よ。日本で生まれたけども育ちはロシアっていうちょっと特別な系列を持った子よ。経歴も洗いざらい調べたけどロシア海軍の艦長をしていたってことぐらいしか情報はなかったわ。」
「「「(((ん?ロシア海軍の代表候補生?宮地理巧?)))」」」
三人はどこか考えたことのある経歴を思い出すが、まさかそんなことはないだろうと切り捨てた。そしてハーディが、
「今はどこに?」
「たぶん今はアリーナで一年相手に煽ってるんじゃないかしら?」
「もしかしたらもしかするかもしれんな....とりあえずありがとう楯無。何となく手がかりがつかめた気がする。」
「・・・・?まあ手がかりになったなら良いわよ。」
「多分その煽りとやらも止められると思うしな。」
「え?」
「・・・その、かなり心当たりしかないんですよめちゃくちゃ。」
「ふぁ?」
三人の言ってることが全くわからず唖然としている楯無だった。
「な、なんなのよこの子....つ、強すぎないですか!?ゲフッ。」
一人愚痴る少女の前には自分のISを踏みつけている白いISを纏った少女が一人。
「ざぁこ♪私より弱いって何事ぉ?それとも私、実は強いって事ぉ?」
「・・・・うう、・・・うわぁぁぁん!!!」
しまいには泣き出してしまう始末。にも拘らずドスッ、ドスッと踏みつけていく少女。そしてそれを見ている.....。
「あ、はいビンゴですこれ。ほぼほぼ確定じゃないですか。ハーディ、ちょっくら冷やかしてきます。」
「あ、言ってらっしゃい。」
ハーディが手を降ると同時にティーレが少女の前にたった。
「何よ、あなた。邪魔よ。」
「心外ですね、【イヴァン】。」
「なによ、私には【コミンテルン】という名前が......はっ!?」
あせる少女にティーレは自信満々に、
「引っ掛かりましたね?北方連合の【パーミャチ・メルクーリヤ】。」
To be continued.....
パーミャチメルクーリヤちゃん、参戦。
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第76話 その直前まで
「ふぅん、何故バレたかは分かったとして、あたしをどうするつもり?」
「いや、別にアクシズで保護するだけですけど......。」
「?あたしロシアの国家代表候補よ?そんな簡単に.....。」
声を籠らせるメルクーリヤを前に焦れったくなったヴィンセントはスマホを手に取るとあるところに電話を掛ける。
「よう、俺だ。お偉いさんに電話を繋げてくれ。・・・ああ、代表候補生のことだ。」
ヴィンセントがかけた相手はロシアの政府。何故そんなところの連絡先を持っているのかは定かではないが二人は困惑していた。
「ああ、アッスー久しぶりだな。・・・・んでだ、代表候補生のメルクーリヤのことなんだが....ああ......おーけー、じゃあそれで成立だ。んじゃ。」
そう言って切ったヴィンセントは再び二人の前に戻ってくる。
「よし、メルクーリヤに臨時指令を預かってきたぞ。」
「ふぇッ!?」
唐突なお偉いさんからの指令に驚きを隠せない二人だがヴィンセントはそれを気にせずもくもくと読んでいく。
「パーミャチ・メルクーリヤちゃんへ、この度国家代表候補生の座を剥奪するものとする。」
「!?!?!?」
さらに突然の失職により固まるメルクーリヤ。
「嘘、どういうことよ!?さっきので切り捨てたの!?」
「まあ待て、まだ続きがある.....。【なお、その剥奪に伴い新たに政府大統領直属の護衛兼外交長官として任ずる。よって配属はアクシズロシア支部になる。】」
「大統領直属護衛!?そ、それって....。」
「ああ、俺の親友でロシア大統領のアスちゃんからのお墨付きさ。」
ヴィンセントがメルクーリヤに伝えた言葉。それはすなわち出世の言葉でありアクシズ所属を認める言葉。メルクーリヤは訳もわからず固まっている。
「はぁ、ホントにあの人は突然の思い付きが得意ですね....。」
「ブラちゃんに似てるのかもね。とにかく、メルクーリヤ。取り敢えずティーレにも会わせたいから本部に行くぞ。」
「えっ、あ、はい!!」
あわてて走り出すメルクーリヤを尻目にヴィンセント達は新たな仲間を紹介すべく本部へと戻っていくのであった。
そして時は満ちて文化祭当日。一夏は料理人として厨房に、ティーレとハーディはメイドとしてウェイトレスに、そしてヴィンセントとクロエは会計係としてそれぞれの任をこなしていた。因みにクーはあまり人通りが多いのは苦手ということでアクシズ本部でペイ達と共に警備体制の確認をしてくれている。
「いやーしかし、俺たちを呼んでくれるとは思ってもなかったな。」
「仕方無いだろ、呼ばないとクロエが暴走するんだから。」
「殺りあったマルコシアスの全員とはまだお話ししてなかったからね。」
「それに、今回は例の奴等も動き出すという情報を抑えている。それならば戦力は多い方がいい。」
ヴィンセントはそう言いながら目の前にいるメンバー....【ダグ・シュナイド】、【アンネローゼ・ローゼンハイン】、【プルツー】、【エルピー・プル】に話す。他にもメンバーはいるが今回は他のところを回っているので不在だ。そう言いつつも優雅に紅茶を啜っている四人の長でありアクシズの総司令とも言える【グレミー・トト】だったが、しかして全員その動きを見尽くしていた。
「・・・・・あの巻紙礼子ってやつ、かなり怪しいよ。」
「やっぱ感じるか?」
「ええ、私と姉さんで見張るわ。なにかあったらこちらから連絡する。」
「ああ、頼むよ。」
そういうとプルツーとプルは一夏に声を掛けたあと出ていった巻紙の後を付けるためにその場をあとにした。残った面子はテーブル席でのんきにランチを食べようと必至にメニューを見ているが.....。
「・・・・そういえばなんでマリーダ連れてこなかったんだ?」
「・・・・アイツなら今ドイツで保護したホムンクルスとやらの世話に明け暮れているよ......。」
「ホムンクルス.....?」
「ああ、束の見解曰く【ISに乗るためだけに作られた人間】って感じらしい。保護するのも一苦労したよ....。」
「アハハ.....。」
苦笑いをすることしかできないヴィンセント。その隣でのんきにサンドイッチを頬張るダグとアンネローゼ。因みに会計中に喋っていたりするのでかなり迷惑だったりするのはここだけの話。
「ほい、お釣りの200円な。またあのカフェ来ますよ。」
「そうしてくれるとありがたい。ついでに今度レウルーラごと持ってきてくれてもいいんだがな。」
「何故?」
「俺のイフリートを改修に回したいんだよ....。」
「ああ.....。」
「分かった。近日中に回収する手筈を整えておこう。」
「そうしてくれ。じゃ、ヴィンセント、また来るぞ。今度は互いに勝負でもしたいがな!ハッハッハ!」
「クロエガボウソウシナイテイドニオネガイシマース.....。」
苦笑いでこれまた送り出すヴィンセント。と、そこに連絡が入る。
「どうした?」
「動いたわ、巻紙が。」
「!!!!!!!」
連絡を聞いたクロエとヴィンセントの目が一気に変わる。
「一夏は!?」
「大丈夫、ISを剥離させられる前にファンネルでスタンさせたから。けどそろそろ解ける....。」
『ほう.....俺様がスタンしてる間に連絡とはいい度胸じゃねぇか....!』
「...悪いなヴィンセント、もう解けたらしい。」
「すぐ行く!」
「ああ、頼む!」
そう言い残すと連絡は途絶えた。その数瞬後、爆発音があちらこちらから鳴り叫ぶ。ヴィンセントは真っ先にクーに連絡を繋いだ。
「クー!状況は!?」
「内部からの爆発が6箇所、さらに正面海域から駆逐艦4、巡洋艦2、戦艦1です!照合結果、駆逐艦はイギリス海軍の【B級駆逐艦】、巡洋艦はアメリカ海軍の【クリーブランド級巡洋艦】、戦艦はドイツ海軍の【ビスマルク級戦艦】と断定!」
「多国籍軍かよおいおい.....。」
「どうするお兄ちゃん?」
クロエが指示を待つかのごとくメガビームランチャーを片手に待っていた。対してヴィンセントは、
「此方はプルツー達の援護に向かう、あっちはティーレとハーディ、そしてメルクーリヤに任せるぞ。.....聞こえたなクー、三隻の緊急展開準備、及び戦艦ティーレの全指揮権を臨時でお前に渡す。この学園に一歩たりとも近づけるな!」
「了解です!」
そう言い通信を切る。ヴィンセントも自分のメガビームランチャーを展開すると、
「さあ、俺たちの戦争を始めよう.....。」
ここに、第一次学園襲撃戦は始まった。
To be continued.....
次回は戦艦同士の戦いかな?
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第77話 激突、多国籍軍VS陸上要塞【陸上戦艦ティーレ】
その陸上要塞にてその少女は叫んだ。
「御兄様の命により、これより私が一時的に全指揮を受け持ちます。その指揮権をもって命じます!総員、第一戦闘配備!!ペイとネプちゃんはトーリスリッター及びネプリスリッターの起動準備!トリスちゃんとルリちゃんは通信機器と火器管制をお願い!!」
「「「「了解!!!!」」」」
四人がそれぞれの持ち場につくと同時に入れ替わりに三人の少女がやって来た。
「クーさん、今の状況は!?」
「イギリス海軍の【B級駆逐艦】が4隻、アメリカ海軍の【クリーブランド級軽巡洋艦】が2隻、ドイツ海軍の【ビスマルク級戦艦】が1隻、この正面海域に展開しています。」
「Bクラス駆逐艦!?私の姉じゃないですか!?」
とはハーディの談。
「ビスマルクさんの模倣.....。」
そう呟くティーレ。しかしその顔は暗い。そんな二人を目にもくれることなく割にない笑顔を見せている少女がいた。
「へぇ、たったそれだけ?楽勝じゃない♪」
「メルクーリヤさん!?戦艦もいるんですよ!?」
そう嘆くハーディを尻目にカッコつけているポガトゥイリ級の巡洋艦こと【パーミャチ・メルクーリヤ】。カッコつけているからなのかその豊満な胸部が強調されていることに些か二人はキレたのか瞬時にクロエ達直伝のメガビームランチャーを構えていた。
「何故向けてるの!?」
「「(その胸部が)うざい!!」」
「なんか読み取れたけど酷い!!」
「そんな漫才なんてしてる暇ないです!!!早く迎撃準備を!!」
見かねたクーがキレたがそんなときにも三人は冷静な表情でいる。と、ティーレが、
「・・・・艤装の展開は?」
「あまりばらすのも不味いし展開はなしで。でも安心して、準備が済み次第トーリスとネプリスをそっちに向かわせるから!」
「「「了解!トーリス達が来る前に片付ける!」」」
三人が敬礼するとすぐさま準備に移るべくブリッジから姿を消した。そして指揮官であるクーもブリッジから姿を消そうとしていた。
「クーちゃん、どこへ行くの?」
「皆が出る以上、私が出ない道理はありません。博士から整備してもらったデュラハンを受領後、御兄様の援護に向かいます。それに、あの子から託された新たな剣、あれの試用も兼ねてますし。」
「・・・・・無理だけはしないでね!」
そのペイの言葉すら聞くことなくクーはブリッジを後にした。
「はぁ.....いくらなんでも改修したとはいえ、これは無理があるでしょう.....?」
そう呟くのはZ2ことティーレ。ティーレのZ2は4基あった128mm連装両用砲が全て135mm連装両用徹甲砲へと換装され、また、3基あった5連装魚雷発射菅の内、一つは48連装多連装ミサイル発射菅へと変わり、一つは5連装ミサイル魚雷発射菅へと変更されていた。
「まあ、前までの私たちの兵装では傷一つすら付けられなかったでしょうし。」
そう言うハーディ。ハーディの艦はティーレと同じく135mm連装榴弾砲に切り替わったところ以外は特に変化はなかった。そんな中一番の改修を受けていたのは....。
「...何か、うん、変わりすぎじゃない?」
ドン引いているメルクーリヤの艦であるポガトゥイリ級の防護巡洋艦こと【パーミャチ・メルクーリヤ】であった。まず第一に航行機関であるボイラーエンジンからビッグ・トレー級に搭載されている熱核融合炉の小型化したものを代わりに搭載し航行速度及び新兵装の出力上昇、主砲も152mm連装砲から180mm3連装砲へと換装。艤装展開時に新たにクロエ達と同じメガ・ビーム・ランチャーが装備され全体的な性能が向上、さらに装甲も上からトーリスリッターの装甲材に使用されていたガンダニウム合金βの複製品が利用され総合的な出来としては近代化改修に等しい状態となっていた。
「まあ、メルクーリヤさんの艦は作られた年が年だけに.....。」
「何よ、年寄りだとでm....あーうるさい!この話は禁止!おしまい!」
「「図星だね....。」」
ジト目な二人は白い目でメルクーリヤを見つつも発進準備を抜かりなく進める。
「こちらティーレ、発進準備完了。」
「こっちも行けます!」
「何時でもいいわよ~!」
それぞれのスピーカーから準備完了の合図が整った報告が来るなか、その本陣も息を吹き返していた。
「主砲塔、1番から9番まで全装填、総攻撃の準備は完了っと!」
「全熱核融合炉のジェネレーターも出力75%で安定化。」
「よぉし、戦艦ティーレ、第一戦速、発進!!!」
そしてその巨体ともあろう艦は三隻を従え学園の港を離れていく。
「・・・・千冬さん、なるべく離れた場所で戦闘はしますが、もう片方の戦闘はこちらでは完全には援護できないよ。だから実質クロエちゃん、クーちゃん、ヴィンセントが実質的な此方側から出せる戦力だとお思いください。」
そう言うペイに対し通信越しの千冬は曇った表情のまま、
「分かった....済まないな、本来なら我々が出るべきなのだが.....。」
「元々拾っていただいた恩には程遠いですよ。さぁて、ここに手を出したのが間違いだと分からせてやる!」
そういい通信は切れた。千冬は己のするべきことを教員全員に叫ぶ。
「海はあいつらに任せた、此方は織斑達専用機持ちを援護する!各専用機持ちとの通信リンク、急げ!!!」
「「「「は、はい!!!!!」」」」
早口で言われたそれを教員は速やかに実行していく。今ここに正体不明の多国籍軍とIS学園、並びに軍事組織アクシズとの戦いが始まろうとしていた。
一方、一夏達は突然の爆発により、舞台裏への避難を余儀なくされていた。
「ぜぇ、ぜぇ、一体.....。」
「さ、さぁ....突然爆発が起こる仕掛けなんてこのイベントには無かった筈だ....。」
息を切らす一夏と状況整理を進めるヴィンセント。その目の前には一人の女性がいた。そして、それを二人は知っていた。
「貴女は巻紙さん.....?」
「ええ、そうよ......取り敢えず、そのISを渡せよ、ガキ。」
「・・・・!?」
「正体を現したな....!!」
突然の変わりように対応できない一夏と瞬時にメガビームランチャーを構えたヴィンセント。
「あら、あなたには用が無いのよ。邪魔するなら殺すぞ?」
「へぇ、邪魔できると思ってるんだ・・・・HADES!!」
そこに来たのはすでに狂化したクロエの姿だった。さらに、
「御兄様と一夏様には指一本触れさせやしません!!」
そこに来たのは託された剣を手に取ったクーの姿が。ヴィンセントはその剣を見て青ざめた。
「おま.....それはアッスの・・・・!?」
「託されたからには使いこなして見せます!!!」
そして謎の女性VS四人の戦いも始まった。
「行きますよ!!!【拘引網剣】!!!!!」
To be continued......
これぞまさしく俺が出したかった武器。
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第78話 穿て異次元の咆哮よ、全ては悪夢のままに
舞台裏で対立していたのは金色のISを起動している巻紙礼子なる人物。対するはクロエのトーリスリッター、クーのデュラハンリッター(拘引網剣装備)、ヴィンセントのエールスリッター、プルツーのクィン・マンサ、プルのZZ、マリーダのクシャトリャ。流石にこの人数があればどうにかなると思っていた。だが、
「こいつ、並みの使い手じゃないな!?」
「はっ、とっとと剥離剤使いてぇが歯応えの無い連中ばっかで飽き飽きしてきたぜ、とっとと消えな!!」
金色のISのアームがヴィンセントを捕らえ顔面に飛び付こうとする。とっさの判断でヴィンセントは盾を構えるが予測不可能な攻撃に対応できないと判断したのか避けようとした。だが背後からもアーム、他の皆は付属の雑魚敵に集中していてどうしようもない状況。しかしそれを覆したのは。
「ふふ、腐っても私はドイツのデザインベビーなんですよ!!・・・・・『寂しかった私とて理性の無いときもある....暴れるIS取っ捕まえて何処までも御兄様についていく!!穿て、【僥倖の拘引網】!!!!』」
あらゆる方向から飛んでくる剣撃によってアームが切断されボトリと落ちる。そして隣にいたのは蛇腹剣をもとに戻したクーの姿だった。
「すまん、助かった!」
「たまには御姉様みたいに活躍したいんです!それにしても、やはりこの剣、ただの剣じゃないですね。」
「そりゃそうだ、あのバカセイバーが託した剣だ。一癖も二癖も有るだろうさ。」
「いえ、とても馴染むんですよ。例えば....この距離からあのクソみたいな金色のISを細切れにするくらいには!!!!」
そう言うとクーは更に蛇腹剣をくねらせ金色のISを切り刻んでいく。だがしかし、そこは金色のISも抵抗するが四方八方から来る斬撃には対処が効かなくなってくる。それに....
「余所見は厳禁だ!!!」
「馬鹿正直に真正面から!?」
「伊達に21+15年クロエの兄をやってないんだよ!!!」
ヴィンセントの真正面からの四刀流で全てのアームを破壊されるIS。流石に勝っただろうと確信して近づくヴィンセント。だが、瞬時にヴィンセントは後方へ下がった。途端、壁が爆発。穴の向こうにもう一機のISを視認した。
「オータム、撤退だ。例の情報は入手した。それに雇った軍が何故かほぼ壊滅状態。これ以上残るのは望ましくないだろう。」
「了解したM、はっ、命拾いしたな....。」
「ちっ、逃がさん!!」
「お前らはここで足止めだ。」
途端、再度爆発。二人が下がるとさっきまでいた場所に瓦礫が重なり身動きが取れなくなった。
「ちぃ.....。」
二人は残った者に二人を追うよう連絡をするしかなかった....。
そのころ、ラウラ達もまた厄介なやつらと対面していた。
「ようやく見つけた....捕獲にかかれ、他は殺しても構わん。」
「「「「はっ。」」」」
一人の男の合図で複数人の男達がラウラ達を囲った。
「くっ、なんだコイツらは!!」
「・・・もう特定するとはね。流石は秘密警察、といったところかしら。」
「貴方は元々作られし存在。ならば私たちに従うのが世の常。」
「嫌です。もう私たちは自由に生きたいんです!!!」
そういいハナヨは自らの相棒であるアストレア(アトス)を展開する。ハヤナもハーミヤも同じくサダルスードとアイズを展開した。それを確認した男達は一斉に何かを射出する。
「ふん、こんな紐で何ができるのy....キャアァァァ!!!!」
「ハヤナちゃん!?ウアァァァ!!!」
「こ、これは・・・!!!!」
「流石に気づくか。まあ所詮対IS用の使い捨てスタンロッドだ。まあ、お前らには知る道理も無いがな。縛って吊れていけ、それでも抵抗するなら腕の一本二本は折っても構わん。」
強引に縛られる三人にラウラは何もすることができない。と言うのも強力な磁場によってラウラは展開することができずにいたのだ。ハナヨ達はそのISの特性上ギリギリ展開できたが先程のロッドによってそれもできなくなり生身で捕獲された。
「撤退するぞ。その少女は殺せ。見てしまったなら生かして帰さん。」
「ほう.....それならばハナヨを傷つけたお前らも生きては帰れねぇよなぁ!あぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!」
「その声は.....フォン!?」
「僕も来てるよ....。」
「ヒクサー!?」
声のする方向には、赤いISをまとったフォンと名乗る男と青いISを駆るヒクサーと言われた男がそこに佇んでいた。
「こいつらが『真実』を歪ませるならば、それは俺たちにとっての『障害』だよなぁ?まあいい.....使わせてもらうぜ、ジジイ!!」
「ハヤナ、すぐに助けてやる。暫くの辛抱だ......早めに決めよう!」
「「TRANS-AM!!!!」」
「しかし、お前とあろうものが彼処まで手こずるとはな....。」
撤退するMがオータムにそう告げる。オータムの纏っていた金色のISは全てのアームが根本からへし折られていた。
「あのクソアマが持ってた剣....ありゃあロシアの大統領が護衛のために持参していたカリゴランテの剣ってやつだ。あの剣さえなければ全員殺せてた....。クソッ。」
「あらあら、貴女方ならヴィンセント様にも敵わないでしょうに....。」
「誰だッ!!」
Mが声のする方にビットを向かわせ攻撃する。そこには赤と黒を基調としたISを纏う少女がいた。
「誰だか知らないがお前も消し飛ばしてやらぁ!!」
瞬間、少女のISがたちどころに穴だらけになる。少女は堪らずISを放棄した。だが、二人はそのあとの光景に驚いた。
「なん....だと?」
「あら、あらあら、あんな攻撃でわたくしを倒せるとでも思っていたのでしょうか?だとするならば.......
とぉんでもない、おバカさん、ですわ。」
「なんだとテメェ!!!」
少女の挑発にオータムが激昂する。だが、もう一方のMは何か良からぬ予感を感じていた。
「待て、オータム!そいつは只者じゃない!!」
「うるせぇ!!ここで死に晒せ!!!」
オータムから拳が一発。そのルートは最短で少女を殴るルートに入っていた。だが....。
「だぁかぁらぁ、貴女達ではわたくしを殺ることはできませんわ。」
その少女は何も動くことなくその攻撃を避けていた。オータムはその様子に更にキレる。
「てめぇ.......一度一度成らず二度までも!!!」
「まあ罵るのも構いませんが一つ良いことを教えて差し上げますわ。」
「・・・・何だ。」
Mが問い返したその前には少女の手に銃が備わっていた。
「このわたくしを目の前にして帰れた人は居ないのですわ、本来なら使うべきではありませんが....その勇敢さに答えて見せて差し上げましょう。おいでなさい、【刻々帝】!!!」
瞬間、暴風と共に黒い風が少女の回りを包む。Mとオータムは構わず攻撃を続けるがどれも跳弾して当たることはなかった。警戒すること数十秒。そこには先程まで使っていたあの赤と黒を基調としたISに酷似した服を身に纏った少女が佇んでいた。
「キヒヒ....この姿を見せてしまったからには生きては返しませんわよ?」
「・・・・・何故だ、何故IS無しで空を飛べる!!」
「それすらも分からないのならば、解らぬまま悪夢として刻み込んでくれましょう......。」
目の前の少女は狂った笑顔を見せると丁寧なお辞儀をして、
「さぁ....さぁ!!始めようではありませんか、私たちの【戦争】を!!!!」
そう言うと二人に少女はおどりかかった。
To be continued.......
狂三とメルクーリヤとティーレを現実世界に実体化させて四人で仲良く暮らしたい()
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第79話 終焉を迎えし亡者の残骸よ
「チィッ!!」
オータムと呼ばれる彼女は目の前に浮かぶ少女を畏怖した。
「なぜだ、なぜ当たらん!!!」
「さて、何故でしょうね?ここで手を明かすにはまだピースが足りませんわ?」
「減らず口を・・・・!!!」
ひらりひらりとかわす少女にムカついたのかとうとう奥の手である大型のソードを残ったサブアームで支えながら少女に襲いかかる。が、
「だから無駄ですの....。そして、チェックメイトですわ。」
「「!?」」
何かを悟ったのか二人は後ろを振り向く。そしてそこには....、
「こいつの起動までの足止め助かった!!」
「いえいえ、これもヴィンセントさんからエネルギーを補給できてるからこそ成せる技ですわ。」
「とか言いつつ全く攻撃してない狂三ちゃんなのでした、まる。」
「ク、ククククロエさん!?」
後ろにいたのはヴィンセントが操るトーリス2号機である【トーリスリッター・キャバルリー】こと【エールスリッター】、そしてクロエが駆るトーリス1号機【トーリスリッターⅡ(ツヴァイ)】こと【トーリスリッター】の姿だった。
「ISじゃない!?」
「ほう、一目見て気づくか、さすがはエリートってところか。」
二人の切り返しの早さにそう考えるヴィンセント。と言ってもこのトーリス、改修されて扱い的にはISになっているのである。
「ちっ.....おいハーミット、聞こえるか!!」
『........。』
「反応がない・・・・まさか!?」
「そう、そのまさかさ!!!」
嫌な予感がしたオータムは再び後ろ下に目線を向ける.....そしてそこには、
「何時までも私たちが根本を放っておくと思ったら大間違いですよ!」
「お待たせしましたヴィンセントさん!!」
「ふふ、ざぁこ♪私より弱いって何事ぉ?それとも私、実は強いって事ぉ?」
海にあったのは【ハーミット】と呼ばれた母艦のなれの果てとそれを倒したであろう三隻の艦首に立つ【ゲオルク・ティーレ】・【ハーディ】・【パーミャチ・メルクーリヤ】の姿だった。それを見た二人は無理だと悟ったのか背後に何かを展開した。
「さすがに母艦まで落とされるのは予想してなかったな.....だが、この手段までは予期はしていまい。次に会うときが貴様らの最後だと思っておけよ!!」
そう言うと早々にブースターを吹かしてあっという間に見えなくなった。
「ひとまずは、終わったか。」
「そうですわね。ですが、これでこちら側の戦力は全て晒されましたわ。これ以上来られると不味いですわよ・・・・?」
「それに関しては大丈夫。そろそろ明石が何かやらかす頃でしょうし。」
ティーレの不穏な一言を聞いて狂三を含む全員が固まったのは言うまでもない。
翌日、襲撃されたIS学園は関係者であるクロエ以下アクシズメンバーを呼び出した。当然クロエたちもその場所に集まる。
「集まってもらって悪いな。話と言うのはいたって単純だ。我々の方から正式にIS学園の防衛、および迎撃を頼みたい。」
「其れくらいなら御安い御用です。」
「私個人としては渋られると思ったんだがな?」
「いやまあ、この後のことを鑑みるとどうしても手伝う必要があるんですよ....。」
「?」
千冬を含む教師陣は揃って首をかしげる。そこに割り込むように明石からの通信が入ってきた。
「ヴィンセント~レウルーラが降下してきたにゃ~。」
「おお、来たか。ティーレたちの隣の五番港に接岸するよう誘導してくれ~。」
「了解にゃー。」
一連の会話を聞いた全員がなにかを察したのか顔を青ざめた。
「・・・・まさかまた何か増えたとか言わんよな?」
「・・・・・すみません、さすがに今の戦力では全て迎撃仕切るのは無理なので本部の知り合い呼びました.....。」
それを聞いた千冬は白目を向いて倒れた。近くにいた教員が倒れた千冬を起こしてソファーに下ろす。その代わりに千冬がよく知るヤツが代わりに聞いた。
「で、いったいどれくらい増えたのさ?」
「とりあえずアクシズ本部所属のレウルーラ級機動巡洋戦艦【レウルーラ】、艦載IS占めて20機、そして特殊親衛隊【レッドクィン・マンサ】以下【ダブルゼータ】、【クシャトリャ】・【グリーンクィン・マンサ】、んで改修に出してた【トーリスリッター・デュラハン】、【ネプリスリッター】、狂三用に増産した【ガンナイト・リッター】、計7機ですね。」
「また大がかりに全力傘増ししたものだよ。」
「今回の襲撃でおおよその戦力は把握できたんで。次に来るであろうキャノンボール・ファストまでには息の根を止めるくらいには出来るでしょうし。」
「わお、やることがえげつないねヴィー君。」
そう言う束ではあるが、実際のところそれぐらいないとダメなのは重々承知していた。しかし、ひとつ気がかりなことが残っていた。
「だけど、そんなにいてまだ呼んでるとか言わないよね?」
束のその答えにヴィンセントは静かに顔を横に向けた。打ってかわって束の顔も青ざめる。
「そろそろティーレ達が一旦帰らせないと行けないので代わりの子を明石が....たぶんそろそろ来るはずですが....。」
「・・・・もうなにあのクソ猫どんだけ人脈広いの.....。」
束がうなだれると同時に今度はけたたましくサイレンが鳴り響く。その数瞬後、スピーカーから教員の声がした。
「IS学園南部に高熱源体反応!!数、6!」
「来たか!?」
『お待たせにゃー。ティーレとハーディが一旦帰ったから代わりに明石の所属する重桜の子達を呼び寄せたにゃー。とりあえず今回は交流目的の【長門】、護衛の【夕張】、【江風】、【夕立】、【雪風】、【陸奥】の六隻にゃー。』
「・・・・・こりゃ、当分は困らなさそうだ....。」
「まずは千冬さんを再起動させて事情を説明しなきゃね.....。」
ヴィンセントとクロエはもはやついていけなくなった教員達に憐れみの目を向けると共に明石にメガビーを撃つことを心に決めるのだった........。
To be continued......
さあカオス化してきたMISSINGLINK。
次回はおまけ回、ということでIS関連の掲示板を覗いてみましょう。
因みに次章はまともになる予定。
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第80話 【必録】ワイ、IS学園の警備隊長だけど質問ある?【特務大佐】
ちょっとお試しで使ってみる系のアレ
1:IS学園警備担当 2018/9/24 21:29:00 ID:zSfzLcYhE
割と最近のIS学園が危ない件について
2:名無しのパイロット 2018/9/24 21:29:47 ID:vRIaPXQH4
何それkwsk
4:IS学園警備担当 2018/9/24 21:30:41 ID:NQ6EGBzv7
いやね、どうも今年の行事に軒並み邪魔が入ってるらしいのよ
5:名無しのパイロット 2018/9/24 21:31:32 ID:vJ2BAdffD
それは知ってる 連日どこの国でもその手のニュースばっかよ?
6:名無しのパイロット 2018/9/24 21:32:53 ID:BN0I84fYc
世界中ってお主何者
7:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:34:13 ID:1zJy0aZsk
すまんテロリストの事務作業担当
9:名無しのパイロット 2018/9/24 21:34:41 ID:ZzMSl8EqT
>>7 世知辛くて草
しっかし、そんな重要な場所の警備隊長さんががばがば情報網で良いのか?
11:IS学園警備担当(特務大佐) 2018/9/24 21:35:29 ID:BuOjV7Hmd
あ、すまんこう見えて学園通いながらやってるから情報網既にガッバガバ
12:名無しのパイロット 2018/9/24 21:36:04 ID:l1lpSsA8F
>>11 草
14:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:36:35 ID:ZIm1U7U0M
>>11 草
16:名無しのパイロット 2018/9/24 21:37:25 ID:niRs1We6v
>>11 草
18:警備大佐 2018/9/24 21:38:13 ID:ulkHouG+/
なんだこの草ラッシュ
まあいいか 質問あるなら下5
20:名無しのパイロット 2018/9/24 21:39:09 ID:ud4DM1MoY
突然の安価に全俺が泣いた
21:名無しのパイロット 2018/9/24 21:39:38 ID:W9WIGShbl
泣くな てかいつものことだろ
22:名無しのパイロット 2018/9/24 21:40:54 ID:ixG0tk8Sb
IS学園ってどういうところ
23:名無しのパイロット 2018/9/24 21:41:52 ID:CqXebVCdJ
楽しいか地獄か
25:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:42:46 ID:sJloShdHC
今の現状の戦力 見返りは此方の現状の戦力
26:名無しのパイロット 2018/9/24 21:43:54 ID:h3F1OBq/6
テロリストがアンカーが踏んでて草
しかも見返りに情報渡すとか草 もうこれガバガバだな
28:名無しのパイロット 2018/9/24 21:44:37 ID:FYZsZ2xsZ
>>25 殺されるんとちゃうか
30:警備大佐の妹 2018/9/24 21:45:10 ID:j5ynh5gOo
さすがにそんなことはさせないよ?
32:名無しのパイロット 2018/9/24 21:46:30 ID:L/jwEzTLA
なんか新しいコテハン沸いたぞ
34:警備大佐の妹 2018/9/24 21:47:51 ID:Sj6QOxujD
ごめんねーうちのお兄ちゃんがポカして
んでまぁ、今の戦力は
・陸上戦艦一隻
・機動巡洋戦艦一隻
・IS10機
・核ミサイル25発
こんなところかな
35:名無しのパイロット 2018/9/24 21:48:28 ID:L4sDzn1BD
ほんとに教えちゃったよこの妹 てかさらっと核あるの草
37:名無しのパイロット 2018/9/24 21:49:29 ID:AgmOYQ2Qk
つーか既に過剰戦力じゃねぇか これで防衛できてないって相当指揮系統がバカなんじゃねぇの?
39:警備大佐の妹 2018/9/24 21:50:20 ID:lS4zxueSM
取り敢えず>>37の家の座標知り合いに特定してもらって核ミサイル撃つわ
41:名無しのパイロット 2018/9/24 21:51:03 ID:FIDIN6OJ4
短気で草
42:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:51:45 ID:DzqQWQfTD
気が短くて流石に憐れみ隠せない
43:警備大佐の妹 2018/9/24 21:53:06 ID:To3KhXHVV
あ、既に>>42の所に核ミサイル24発撃ったから早めに逃げるといいよ?
45:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:53:41 ID:bYBKzrjHa
ひどい
47:名無しのパイロット 2018/9/24 21:54:16 ID:H7CiukvbY
テロリストに容赦ない妹で草 いいぞもっとやれ
48:警備大佐 2018/9/24 21:54:53 ID:X4OMRfSFR
あれ、誰か核ミサイル知らないか?全部無くなってんだが
50:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 21:55:28 ID:WbchoC1Nz
さっき妹さんが全部使いましたよ と言うわけで私は逃げます
51:名無しのパイロット 2018/9/24 21:56:26 ID:czogtsHa6
>>50 おう、生きろ
52:警備大佐 2018/9/24 21:57:28 ID:LCD29dXVz
クロエェェェェェェ!!!!!!!
53:名無しのパイロット 2018/9/24 21:58:50 ID:d1/onL4XJ
草
55:名無しのパイロット 2018/9/24 21:59:41 ID:Zg/IMY8AV
草
57:名無しのパイロット 2018/9/24 22:00:17 ID:rClnVgFez
草
59:名無しのパイロット 2018/9/24 22:01:25 ID:5j8ka2p3H
草
60:名無しのパイロット 2018/9/24 22:02:41 ID:+g5WeGNcG
草
62:警備大佐の妹 2018/9/24 22:03:20 ID:BEYNIp3g1
草
63:天災 2018/9/24 22:04:17 ID:/gskT586R
ワロタ
64:警備大佐 2018/9/24 22:05:00 ID:xRALABYDq
>>62>>63 おまいう
65:名無しのパイロット 2018/9/24 22:05:55 ID:G4aRIezG1
しれっと共犯者覗きに来てるの草
67:天災 2018/9/24 22:06:33 ID:LX0OxltPe
テロリスト事務作業担当君がちゃんと死んだか確認しないとだからね
68:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 22:07:28 ID:kzoUaAqoh
生きてますよ 右腕持ってかれましたが
69:警備大佐の妹 2018/9/24 22:08:24 ID:2ceFDOWBu
チッ
70:天災 2018/9/24 22:09:31 ID:1kz5WbkyC
死ななかったか....
72:名無しのパイロット 2018/9/24 22:10:41 ID:IKWlCDj1n
殺意増し増しで草生える
73:悪夢 2018/9/24 22:11:22 ID:+h7tZCBjy
おやおや.....これは楽しいことをなさっているようで?
75:名無しのパイロット 2018/9/24 22:12:12 ID:/o3+VYAHh
なんか増えた てかマジらしいな
っ【悲報】エジプト、焦土と化す【核ミサイルか】
77:名無しのパイロット 2018/9/24 22:13:02 ID:v2CtncgHz
こっわ
79:名無しのパイロット 2018/9/24 22:13:51 ID:5q5gDvsn3
こっわ
81:名無しのパイロット 2018/9/24 22:15:03 ID:MFXMwgU+p
そもそもなんで日本が核持ってるんだよ
82:警備大佐の妹 2018/9/24 22:15:45 ID:zyhIWbCIE
>>81 これ個人所有なのごめんね
84:名無しのパイロット 2018/9/24 22:16:22 ID:xugymsMt8
>>82 お見それ致しました
86:名無しのパイロット 2018/9/24 22:17:23 ID:H0BApzjn1
手のひらドリルで草
87:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 22:18:30 ID:4o9vR1+jV
ちょっとこれは本気で不味いですよ
89:整備兵 2018/9/24 22:19:38 ID:pcln7GmWf
因みにさっき戦艦が6隻位来ましたよ
91:名無しのパイロット 2018/9/24 22:20:40 ID:+3OI4LSpU
えっ
93:名無しのパイロット 2018/9/24 22:21:13 ID:64Td5RMfH
えっ
94:警備大佐の妹 2018/9/24 22:22:34 ID:OswMG9Nb9
そんな話聞いてない
95:悪夢 2018/9/24 22:23:57 ID:A2+hYEhVp
あ、確かに港に何かいますわね?
97:テロリスト事務作業担当 2018/9/24 22:24:40 ID:8ZG1rjylC
えっまだ増えるの
98:警備大佐 2018/9/24 22:25:41 ID:7UvXg3cS8
おいクソ猫
99:天災 2018/9/24 22:26:41 ID:3lyHEXZRo
クソ猫面貸せ?
101:整備兵 2018/9/24 22:27:40 ID:mI9xHHgsa
何でにゃー!?
102:名無しのパイロット 2018/9/24 22:28:13 ID:uVCgaaTtZ
ガチギレしてて草
以下変なのが続くため打ちきり
To be continued.....
わりかし使いやすくていいね。
因みにクソ猫はしっかり爆破されました
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第九章 疾風迅雷 ~我が主はここにありて~
第81話 インフレって時代を感じるよね
「キャノンボール・ファスト?」
教室に響くクロエの声。
「ああ、純粋な機動力を競いあう競技だが今年は専用機もちが多いためグループをいくつか設定して行われることとなった。」
「あれ、でもそれって私達のトーリスが全部優勝かっさらって行っちゃうよ?」
「・・・・・・その問題でいま悩んでいるんだろう。」
そう、千冬がここまでごもっていたのはアクシズ所属のISであるトーリスシスターズの存在だった。クロエ達の持つISの機動力は他の機体とは一線を帰すもので一瞬にして他の機体をおいていってしまうほどに早いのである。
「機動制限もあれで最大なんでどうすることもできないってのが実情なもんで.....。」
「でも私たちのぺリオンやハナヨ達のアストレアとかは自由に出力を変えられるけど....。」
「いやね、別にやろうと思えばやれるんだけどそうなると根本的なシステム関係とかスラスター効率の調整やら、HADESも弄くらないとならないからどうあがいても御手上げなんだよね....。」
「仕方ない...一般の部と専用機持ちで分けるしかないか....。」
「せめて三週間くらいあれば初期の頃に使っていたギラドーガとジムスナイパーⅢを再生産・組み上げることができるんだけどなぁ.....。」
ふと述べたその言葉を千冬は見逃さなかった。
「ふむ......権限でそれくらいならずらせるが、出来るか?」
「設備は宇宙のアクシズと地上の本部で分割作業でやればギリギリ試合前に再生産は終えられるかと。」
「分かった諦めるから取り敢えず対策はしてくれ....。」
「りょーかいです。」
そう言うと千冬は元の口調に戻す。
「では一時間目は実技だ。遅れるなよ。」
そう言い千冬は教室を後にした。
その放課後のことである。
「・・・-とまあそういうわけなんだが、博士と協力して急ピッチで再生産、出来るか?」
『うーん....やれないことはないと思うけどほぼほぼ間に合わないわね.....。』
「仕方ない....こっちで対策は考えておくか....済まなかったな。」
「いえ。あ、そういえば、近いうちにZⅡ、ロールアウトするんで受領準備しておいてください。」
「速いな?」
「現物はあったんで本人の要求通りに調整するだけだったので。」
「因みにどんな感じなんだ?」
「取り敢えず主武装に連装メガビームランチャーを肩に一対四門....。」
「おいまてやこら。」
「ん?何でしょう?」
「個人としては連装されてかつ四門搭載したメガビームランチャーの真意を聞きたいんだが?」
「本人がミサイル打てないなら打ちきり武装連装化させて装備させろと仰ったので。」
「おーけーティーレが取り敢えずロマン派なのは分かった。」
なんとティーレ、ロマンに憧れていた模様。ヴィンセントは再びため息をついた。
「取り敢えず搬入を急いでくれ。流石にISに艦は火力がな、今は既存の武装を改良してなんとか通用するようにはしてるが所詮間に合わせだからな。」
「ハイハイ了解~っと。それじゃ、また今度に。」
「ああ、頼む。」
通信はそこで途切れた。やれやれと言った表情をしているヴィンセントだったが、今は目前の問題を解決すべくヴィンセント達の機体を格納しているハンガーへと足を運ぶのだった。
その頃、一夏達は各々キャノンボール・ファストに向け準備を進めていた。
「ここの出力配分を変えて瞬間加速度を従来より5割増しにして.....。」
在る者は機体出力配分の調整に明け暮れ.....。
「その部品は此方にお願い致しますわ。スラスター配置を間違えずにセッティングする為にも.....。」
在る者は機体改造に明け暮れる。そしてまた、この7人も......。
「おーい、そのプロペラントタンクをしたに調整してくれー。」
「何だかんだでやる気なのね?」
「やるからにはな。HADESを使えない以上は最高速をどれくらい長く出せるかの勝負になる。ならば一番の最善手は燃料を増やす。これに限る。もともとトーリスは格闘機だ。素でプロペラントタンクを積んでいるが増やすに越したことはない。」
慣れた手つきでパイプと接続するその様はメカニックそのものである。それを見ていたハーミヤ達は火が付いたのか負けじとドライヴの出力をあげていく。これは以前救援に来たフォン達から教わったものらしいが詳しくはフォン達も知らないらしい。
斯くして、来る日まで各々は牙を研ぎ続けるのであった....。
そして、彼女達は知ることとなる。
クロエとヴィンセントが無惨に散るのを。
To be continued........
かなり謎な伏線を残しますた。
ここから次回策である黄泉の騎士達への伏線が張られていきますよ?
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第82話 正直舐めてた
キャノンボール・ファスト当日。クロエとヴィンセント、そしてクーは目の前に鎮座してある三機のISを見て頭を抱えていた。
「・・・・ホントに生産できたのか.....。」
「しかもご丁寧に私のプロトタイプ・ペイルライダー、通称【ジム・スナイパーⅢ】まで完全に再生産してるし....。」
「私も黒鍵の高機動形態のスラスターパックが同封されてましたし.....。」
「「「正直俺(私)達の技術力、舐めてた。」」」
『だから言ったろ?だてに一国家の技術部を抱えてるんだ、これくらいなら造作もないぞ。』
得意気に話すのはグレミー。その顔はどこかやさぐれていたのはここだけの話。
「で、武装構成は同じなんだな?」
「こちら側で多少出力効率の改善や機体出力の向上は行っているがそれ以外は弄くってないぞ。」
グレミーはそばにおいていたのであろう仕様書を見ながらそう言う。それを見たクロエはパソコンとISを繋いでブツブツなにかを呟いていた。
「へー....じゃあグレミーさ、なんでプロトペイルのシステム中枢区に【最後期型HADES】が乗ってるの?」
「『・・・・はい?』」
クロエから漏れた言葉にヴィンセントもそれぞれ己の機体のシステムをよく調べる。すると案の定最適化された己の相棒のシステムが巧妙に隠されていた。
「・・・・グレミー?」
「・・・・・ペイルダナ......。」
「あとで主電源切っておくか.....。」
「まあまあ、あいつらなりの心配だと思って勘弁してやってくれ.....。」
グレミーが頭を下げてまで嘆願しているのを二人は見てしまった、そのために諦めざるを得なかった。
「はぁ、仕方ないか.....それで防衛の配置は?」
「学園北側にハナヨたちフェレシュテチームを。東側にプル三姉妹、西側にお前らのトーリスシスターズ、南に本部のローゼ達を配置している。」
「分かった。よろしく頼むぞ。」
「任せておけ、おわるまではきっちり守りきってやる。」
その声と共に通信は切れた。通信機器をしまうとヴィンスは改めて目の前に鎮座する嘗ての愛機に触れる。
「今回限りだが・・・・頼むぞ・・・!!」
そして現在、IS学園はアクシズ主導の防衛配置の元【キャノンボール・ファスト】が開かれようとしていた。
『さぁ!いよいよこの時がやって来ました!キャノンボール・ファスト一年の部!各レーンの選手を紹介していきます!』
そのアナウンスと共に観客席にいる生徒がレーンを見やる。
『一番レーン!我らが最初の男性操縦者!【織斑一夏】君!使用するISは相変わらずの白式!格闘一本のこの機体でどこまでやるのかが楽しみです!』
「あはは.....。」
アナウンスを聞いた一夏は苦笑いを浮かべていた。それを尻目に紹介は続いていく。
『二番レーン!イギリスの代表候補生!【セシリア・オルコット】さん!使用するISはブルーティアーズ・カスタム!本国からの高機動パッケージに独自の改良を加えたと有りますがこれはどう見るべきでしょうか、生徒会長?』
実況担当の女子が生徒会長に話を降った。そしてその生徒会長こと楯無はその反応に対し冷静に、
『セシリアちゃんはここの整備室を使って独自にスラスター系統の効率とかを改善させてるみたいね。』
『まあ私たちには叶わないだろうけどね!』
『なんでメルちゃんがここに!?』
途中に割り込んできた煽る声の主【パーミャチ・メルクーリヤ】の姿を見た楯無が驚き問う。因みに服装はまだ秋の暑い頃なのに防寒具を着ているのである。
『ふっふーん、我等がトップのヴィンスに現場監督を任されたからね!』
『『?????』』
『安心して、私が口を出すのはあくまでも非常時の現場指示だけだから!煽るけどね!』
『『全然安心できなかった!?』』
二人はこれ以上メルクーリヤに関わるとろくなことにならないと察したのか次の紹介に移った。
『三番レーン!中国の代表候補生!【鳳鈴音】さん!使用するISは甲龍ですが彼女に関しては?』
『特にはないわね。持ち前の技量を活かしてくれることを期待するわ。』
『そうですか。では次、四番レーン!フランスの企業代表候補生!【シャルロット・デュノア】さん!使用するISはラファール・リヴァイブ・オルタ!これに関しては?』
『本人から聞いただけだけど、本人いわく【一撃離脱】をコンセプトにした強襲型ISらしいわ。手を抜いてると一瞬でスラスターを破壊されるわよ。』
『ほー、今回の候補の一角には入りそうですね!』
『そうね、では次は五番レーンよ。ドイツの代表候補生の【ラウラ・ボーデヴィッヒ】さん。使用するISはシュヴァルツェア・ライダー、通称【黒い騎手】。補助ブースターの【SBS】は非常に強力な切り札になるわ。』
『なるほど、では次は六番レーン!恐らく一番のダークホース!二番目の男性操縦者にして軍上層部に真正面から喧嘩を売りにいった男!【ヴィンセント・グライスナー】君!』
アナウンスの声が聞こえたとたん会場が一気に沸き上がる。それはどれ程彼に対する期待が高いのか目にとれる。
『使用するISはあまりにも高性能とのことなので急遽配備されたアクシズの試作IS【ギラ・ドーガ】を使用するそうです!』
『彼に関してはなにも言うことはないわね。十中八九チームを組むことが予想できるわ。』
『おや?ルールにはチーム戦とは書いてありませんが...。』
『だからと言ってチームを組んではならない、と言うルールもないのよ。』
『その証拠に。7番レーンから10番レーンにいる四人はすでにヴィンセントと共闘体制を整えたよ。』
『へ?』
『七番レーンの【クロエちゃん】の操る【ジム・スナイパーⅢ】改め【プロトタイプ・ペイルライダー】、八番レーンの【クーちゃん】が操る【トーリスリッター・デュラハン】、九番レーンの【ゲオルク・ティーレちゃん】が乗る【ZⅡ Hi-Bst(TypeIRSG)】、十番レーンの【ハーディちゃん】が乗る【ハンター】。どれも性能は現行のISの数段上だからね。』
『そうなのですか。なんか手間が省けましたがよしとしましょう!それでは、いよいよキャノンボール・ファスト、開幕です!』
To be continued....
というわけでこの更新以降、しばらくお休みです。
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第83話 最初に出たのは
メガミラ関係で全然書けてなかったからね。
※天災と天才AIが化学反応することをお知らせします。
十のレーンに揃ったクロエたちと一夏達。そしてその中真っ先に飛び出さんと背後に背負った大型のスラスターを光らせ始めるクロエ。
『それでは!!!!!........スタート!!』
放送席から聞こえた合図とともに勢いよくスラスターを吹かし最初に前に出たのは以外にもセシリアだった。
「私がトップ・・・?ヴィンセントさんやクロエさんはともかくなぜクロニクルさんまで前に来ない・・・?まあ良いですわ、このまま高機動で突っ切るのみ!」
そう考えるとセシリアは背部に接続した完全に機動に振ったブルーティアーズのスラスターを全開にして2位との差を離していく。因みに2位はシャル、続いてラウラ、一夏と続き鈴、ヴィンセント、クロエ、クーと続き何故かタッグを組んだハーディとティーレが続く。
「くっ、流石にぶっつけ本番だと調整しながらになるから動かしづらい!」
「そりゃそうですよ、私達の今までの愛機とは違って旧型を急遽組み上げただけですよ?」
「HADESもどこまでフレームが耐えてくれるか分からないから迂闊に使えない....!」
3人ともに思うようにスピードを出せず唸っていたが、ふとクロエの顔がニヤける。
「ねぇ、お兄ちゃん。スピードが出せないならさ?」
「.....まさか?」
「全員消し飛ばせば文句無いよね!」
そう言って取り出したのは予め緊急配備したハイパーメガビームランチャー。両腰に担いだそれをクロエは瞬間的にチャージし目の前にいる鈴に標準を向ける。
「お兄ちゃん捕まってて!」
「?...あ、ああ。」
「よーし!【ツイン・ハイパー・メガ・ビーム・ランチャー】全門斉射!!」
クロエ達がメガビーで鈴を消し飛ばさんとしていた頃、海岸で防衛任務にあたっていた束達は暇を持て余して本部で作戦を練り直していた。
「あぁ〜.....。博士、私達のサダルスードとアストレア、どうにかなりそう?」
「.....うーん、ハナヨちゃんのアストレアは余剰パーツを改修に使えばなんとかなるだろうけどハヤナちゃんのは完全新規で作ることになりそうだねぇ。いくら万能の束さんでも狙撃ライフルの詳細データ、ましてやリボルバー式スナイパーライフルなんて作ったことないからね。」
ハヤナの持つサダルスードのメイン武器【リボルバー複合ライフル】は多種多様な弾頭をリボルバーに装填して撃つことで真価を発揮する武装でハヤナは主にバズーカ弾頭をセットして運用していた。だが、以前の戦闘でリボルバーライフルは粉微塵に吹き飛び修復のしようが無い状態にあった。一方、ハナヨのアストレアは本体にこそ目立った損傷は無いものの武装がひどく破壊されており新規で製造したほうが速いと束はそう告げていた。が。
「ほう、俺のアストレアの予備パーツ、ドイツから回そうじゃねぇか?」
「フォン!?」
「.....なんで君がここに居るのさ?」
「定期連絡のためにエクイレデスを使ってここに来たぞ。そして通りかかってみれば相棒の期待の武装が大破。俺が助けない通りはねぇよ。」
「フォン.....!!」
「後日余ってる予備武装を片っ端から送ってやる。おい兎、3日で済ませろ。出来ないなら消し飛ばす。」
「何さらっと無理難題押し付けてくれてんのかなこのマイスター君は!?」
フォンの無茶振りに束も少し頭を抱えていた。だがその雰囲気をぶち壊したのは、
「ねえ....何、この余剰空間。」
「余剰空間?」
気になる単語が出てきたのか他の全員もその声の主.......ルリに顔を傾けた。
「皆はヴィンスが以前、というかだいぶ前に回収したALICEとEXAMの存在は覚えていますか?」
「確か、クロちゃんがいた施設から持ってきたAIだっけ。」
「はい、そのAIがどうやら仮想空間を作り出して自己増殖したようなのです.....。」
「あぎゃ?その程度ならまだ問題は無いじゃないのか?それともそのAIが予測した【歪んだ結末】を教えてでもくれるのか?」
「いや、そういうことでは....『お困りのようですね、ならばここから先はこの私にお任せください!』そうそう!.....へえっ!?」
途中から謎の声が聞こえた瞬間、全員がその声のする方にトリガーを掛けながら探す。そしてその声の方角はモニター......しっかり言うならばモニターの中にいるツインテールの少女だった。
『ALICEの事ならこのエジソン様にお任せあれ!』
そう目の前の少女....エジソンはそう言った。
拝啓、ヴィー君。ALICEって一体何なの? by束
『だからお前は.......甘いのだと言っている.....!!』
To be continued........
まさかまさかの復帰一発目がこのクソみたいな出来上がり。
でもごめんねどうしてもクラフィ要素混ぜたかったんだわ。
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第84話 確喜の発鳴者
あ、今回で翼が堕ちます()
前回全く描写出来ていなかったレースだが予想外の展開になりつつあった。
まず目玉のヴィンス達であったがやはり出力制限の中で最高速を出そうとなるとどうしても集中させないとならないのか前に出てもダメージを受けて下がるといった展開が続いていた......4人以外は。
まずヴィンスとクロエだが、クロエに抱えられてその代わりにジェネーレーターエネルギーを直結供給することによりクロエの機動力はそのまま、武装出力はヴィンスから供給してもらう、と言った状態になっていた。クロエはその膨大な供給出力でトーリスから急遽取っ払ってきたハイパーメガビームランチャーを前に見境なく連射していく。ただでさえヴィンス達の武装威力が高いのにその最高峰性能、かつ対艦兵器を連射されるとどうなるか。
まず鈴。ヴィンス達の目の前にいたので真っ先にハイパーメガビームランチャーの餌食になった。膨大な出力は鈴のスラスターの半数を融解させ鈴は真っ先に墜ちた。そら半数消し飛ばされるとそうなるよねって。だが鈴とてただでは墜ちない。残ったエネルギーをすべて衝撃砲の空気エネルギーの圧縮に回しその一発をヴィンス達のスラスターに向けて放った。豪速球で飛んでいく通常の数倍以上の圧縮率で飛んでいく衝撃砲は........
「あの二人を落とすわけには行きません!!」
見事にレティ改めティーレのZⅡHi−bstの腕部固定型メガビームランチャーで消し飛んだ。
「はあ!?アイツもメガビームランチャー持ってるの!?卑怯じゃない!てか速い!?」
レティの駆るZⅡは元々試作機として放置されていたものを改修の後ティーレに譲られたものでその改修はクロエ達の予想を遥かに超えるものだった。
まず主武装のメガビームライフルは固定化され両腕部にメガビームライフルの代わりに廉価版の連装ハイパーメガビームランチャーニ門を背部に搭載、なおかつその重量増加に伴う脚部及び背部スラスターの増設。更にそのメガビームランチャーの出力は一つでは賄えないためハイパーメガビームランチャー一つ一つに束さんお手製の出力供給専用高電圧相転移型IS動力炉コアが組み込まれそのレスポンスに対応すべくティーレの相棒であるレーベくんと本体のコアであるIS熱核融合炉コアが接続され旋回速度、反応速度もともに上昇。これによりZⅡは完全なる化け物と化した。トーリスですら素の状態では追いつくことが難しい直線瞬間機動力に加え圧倒的な瞬間火力、有効射程距離、どれをとっても現状トップクラスの機体であることは間違いなかった。
「ヴィンセントさん、頼みました!後ろは私達で止めます!」
ティーレの呼応に答えるべくクロエは強くヴィンスを抱きかかえると背部ツインハイパーメガビームランチャーを地面に向ける。
「リミッター解除、シュツルムブースター始動!!さぁ急遽システム系統弄って出来上がった武装転用技術の片鱗、味わってよね!!!!」
瞬間、ツインハイパーメガビームランチャーからビームが吐き出されヴィンスとクロエは強いGに襲われる。が、この程度の衝撃、MSに比べればへでもないのだ。勢い良くブーストしたクロエのブースターは目の前に居たシャルを抜かした挙げ句大破させ棄権寸前にまで追い込む。だが、そこでヴィンスがレーダーに機影を捉えた。
「クロエ、上だ!出力制限を!」
「.....来たのね?」
「ああ。放送室、応答せよ!こちらヴィンセント、こっちのレーダーに感あり、全生徒に避難命令と隔壁閉鎖を!!」
『分かった!でもなんで.....!!』
「さっきから本部と連絡が通じない!つまりそういうことだろう。アクシズ本部にも連絡、スクランブルを!」
ヴィンセントはそれだけ言うと通信を切り自身の愛機であるトーリスキャバルリーを起動させた。
その起動が自らとの最期の別れとも知らずに......。
私は今までこのネットの世界で空を自由に飛びたい。そう思ってあのインフィニット・ストラトスを造り、そのおかげでヴィー君やクーちゃん、それにクロちゃんにも出会えた。けど、これだけじゃ足りない。ピースが足りない。そんな私の悩みは......
『ふふ、批判は糧になるんです!それに常識なんて私にとっては大敵、非常識こそ私の居場所です!』
文字通り消し飛んだ。
この場にいる誰もがこう思ったであろう。
『何をどうすればあんな補助AIからこんな感情豊かな少女.....それも偉人の名前を謳っている者が生まれるのだろう。』
と。
それもそのはず。元々ヴィンセントが回収したALICEは飽くまでも機能補正のAIでこんな機能はなかった。が、HADESの波動にゼロ距離で当てられた影響か四人のAIが新たに生み出された。それが巨大サーバー【ALICE】の始まりである。
『さて、私がどんな存在なのか紹介してませんでしたね。私はこのALICEのあらゆる統合システムを統括する存在、それがこの私こと、エジソンちゃんなのです!』
「....すごい、さすがの束さんでも全く理解できないよ?」
「けど、なんで今になって?出てくるタイミングならもっとあったでしょ?」
ド直球にハヤナが聞くとエジソンと呼んだ少女は顔を曇らせた。
『私がこうして表に出てきた理由は単純明快雨あられ、
ISシステムのハッキングプログラムであり、私達という存在を生み出した元凶........キャロルがこの世界のISのどれかに紛れ込みました。』
これほどまでに合ってほしくなかった事態があっただろうか。その直後、アリーナの方で爆発が起こった。
「!?ハヤナちゃんハナヨちゃん!」
「何ですか!?」
「アリーナにて襲撃発生....これによりヴィンセントが.....ヴィンセントが....!!」
「「「『!?』」」」
「ヴィンセントが瀕死の重症を負って....!!」
ハナヨ達に向けられたそのペイのメッセージはこの場の全員を固めた。
私は無力だった。軍にいた頃は良い様に扱われ、終戦間際に今のお兄ちゃん....ヴィンスにその命を助けられた。以後、20数年一緒に戦い続けてようやく私とヴィンスは平穏を掴んだ。だけど、それも束の間。ある日子育てをしているときに私とヴィンスは内部に侵入してきたMSの2機のうち、白い1つ目のやつの攻撃が直撃し即死した。
覚えていた前世の記憶はここまでだったが、目を冷ませば、再びそこは檻の中だった。そこからは誰だって想像できるでしょう、再び私は軍の強化人間として多大な投薬実験を受けていた。だが、何故か投薬をされてもなんとも感じない。どうやら私は耐性が出来てしまったらしい。そしてしばらくの間操られるふりをしていようと決心してから数日後、この研究所に来る侵入者を殺せと命令を受けた私は所長のもとへ急行されるよう操られるふりをしていた。そこで見たのは、
「ぐっ、お、お前は....!」
「必要ない、今からお前が殺される兵器の名前なんぞ。」
紛れもない、その口調、顔、そして何よりその反応。一瞬にして私は洗脳されたふりを辞めることを決意した。その時から私は悪魔に一歩触れていたのかもしれない。
そして、今そのかけがえの無い家族のお兄ちゃんは.......。
『ふっ、容易いな。』
「っ.......お兄ちゃん......ねえ、返事をしてよ.....。」
その左胸は上空にいるIS,【サイレント・ゼフィルス】、そしてその内部に見える顔。片目が蝶々模様に食われた少女に、心臓があった場所、丸ごとえぐられていた。
「ヴィンセントォォォォ!!!!!」
To be continued.....
はい、お膳立ては揃いました。
エジソン
蝶々少女
特災指生
何も怒らないはずもなく
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第85話 大地崩壊、悪夢顕現
いやー願えば叶うもんだ。と言うわけでアイツが味方に引き込まれるフラグが完全に確立しましたおめでとうございます。タイミングは決まってないけどこの章の内に加入は確定。
というかキャロルちゃんって元は男だったのね(´・ω・`)
兎になったり連携システム始動させてオニャノコに(アリス化)なったり一周回ってイケメンになったり。
何だこいつかわいいか?????
つまり?
エジソンと?
キャロルと?
キャロル(?????)か。
それは、怒りに震えた。
それは、大地に吼えた。
それは、天地を翻した。
それは、人成らざる者。
それは、人呼んで.....
ーーーー英霊、又の名を、精霊。
誰もあんな襲撃など予想しなかっただろう。まさかあろうことかブルー・ティアーズの後継機がいつの間にか強奪され、よもや襲撃に投入されるのはIS学園を....アクシズを持ってしても予想はできなかった。そしてその代償は、あまりにも大きすぎた。
『ヴィンセント!ヴィンセント!.....!』
左胸がえぐられた彼の元に付き添うクロエの姿。そしてそれを必死に守護するクー。だが、それが通じないことをふたりは悟っていた。なぜなら先程も同じ手段を講じ、あのような結果になったのだから。
『ハッハッハ!!!この世界はもうすぐ滅びる!私にとってこの世界は狭すぎる!ああそうとも、もはや私は誰に求められない!そう、あの大智の賢者でさえも!そして最大の障害、アクシズでさえもなァ!!』
サイレント・ゼフィルスを操る少女は再びそう言いながらメイン武装の【スター・ブレイカー】を......
「......どうして、それを....!」
『絶対権限者である私にとってこんなこと造作もないのさ!やろうと思えば、お前らのISすべてを乗っ取ることさえもな!!』
そう言いながらも徐々に収束していく光の束に打つ手を考えていく二人。
「エルちゃん、修復、行ける?」
『正直無理だね、根本的にえぐられた場所が大きすぎて修復が間に合わない。ある程度ブーストできるような動力があればまだしも....!』
「でしたらわたくしの時間を使ってくださいまし。」
声のする方にクロエたちが振り向くと、そこにはいつの間にかガンナイト・リッターを携えた狂三の姿があった。
「狂三ちゃん!?でもどうして....!」
「お忘れですの?わたくしの天使は時をも操る刻々帝。ある程度の時間を巻き戻すくらいならば造作もありませんわ。」
「でもそれじゃ....。」
「これは【借り】を返すだけですわ。それ以上もそれ以下もありませんですし。」
「でも、こんなにえぐられてても大丈夫なの?」
「多少無理をすることにはなりますが出来なくはありませんわ。ただ、それ相応の時間を消費しますので少しチャージが必要ですの。それまで、迎撃をお願いできませんこと?」
「それくらいなら!」
「お安い御用だよ!」
クロエとクーは立ち上がり、ティーレ達もまた、己の機体を再起動させつつある。一機で立ち向かうだけあるのか、すでに手を回していた一夏達は伸びている。
「やるよ、クーちゃん......codeTodes,認証。全出力制限解除、【ツヴァイ】始動!」
クロエの声とともに崩れて再構成されていく。背部ブースターは大型化し新たに増えた大型化ウィングは背部のバランスを保っていく。武装も急ごしらえのものではなく専用のスナイパーライフルを構え、そのライフルに呼応するかのように動力源であるコアは唸っていた。
「適合者目ェ.....殺せぇッ!殺せ殺せッ殺せェェ!!!」
「さぁ.....未遂は未遂でも....貴方には死んでもらうよっ♪」
そう言い、クロエの顔が僅かに口角を上げた。
夢を見ている気がする。だがこの空間は.....。
「殺せぇッ!殺せ殺せぇッ殺せェェェ!!」
何の声だろうか、そう思って振り向くと、片目を蝶蝶で喰われた金髪の少女が蒼髪の女性と茶髪の女性と相対していた。
『なんだ....あれは....。』
ヴィンセントが思考する間にその片目が喰われた少女はコテンパンに消し飛び、いつの間にかその姿を変えていた。
『はぁ!?....何だ、何者なんだ...?』
『アイツはキャロル。私達を作った創設の父にして反逆の根本よ。』
『っ...!?誰だ!!』
ヴィンセントはどこからともなく聞こえた声に反応して振り向く。そこには壊れた空間の真ん中に一人の少女がいた。
「お前は.....誰だ。」
「酷いなぁ私のことを忘れてるなんて。」
「お前みたいなやつを俺は見たこともないしましてやこんな景色を見せられるのも聞いてない。正直に答えろ。お前はどこから来た?」
ヴィンセントはありもしない拳銃を向けるとそのままその少女に銃口を見せた。その少女はそれを見て青ざめ、慌てて、
「待って待って!?ほんとにALICEのことを覚えてないの!?」
「ALICE.....?」
ヴィンセントは再び思考を頭に潜る。ヴィンセントはここ最近なにか重要なものを忘れている気がしたが、先の彼女の言葉を聞いてようやく断片がくっついた。
「....はぁ!?」
「思い出したみたいですね♪」
ヴィンセントは目の前の少女がまさかALICEのコア人格なのかと考えたが、それよりも早く少女は、
「あなたが思ってるようなものでは無いですよ。あくまでもコア人格は一つ。私はその統括システムの管理人として生まれた存在です。」
「....名前は?」
ヴィンセントはそう聞くと目の前の少女はやっとか、と言わんばかりの表情でそう言った。
「フフン、気になりますか?私は博士から唯一頭脳を認められた確喜の発鳴者 エジソンとは私のことです!!」
「.....へ?」
そうポツンと出たあっけらかんな声を出したヴィンセントは悪くないと思う。だが、素早く復帰すると、
「....外の様子はどうなってる?」
「あの少女....キャロルによってほとんど壊滅状態ですね。でも、詳細まであなたの仲間に調査してもらったところ、望まれぬ形で出会ってしまったみたいですね。」
「望まれぬ形?」
「ええ、そうです。あなたのお仲間....クロエちゃんたちには話しましたがあの子は元々あのALICEの根源を生み出した存在であり、博士のコアネットワークを唯一乗っ取れるAIでもあります。そんな彼女が脱走したらどうなるか。想像に容易いはずです。ですが彼女はあなたの親御様によってネジ曲がってしまったみたいで....。」
エジソンがそう言うとヴィンセントは少し考えた。やがて数分するとヴィンセントは顔を上げ、
「....お前の機能で痛覚は何秒消せる?」
「60秒ですけど....。」
「上等!エジソン、どうせお前がここに来れるってことはALICEはインストールされてるんだろ!最大出力で始動しろ!負荷には構うな、俺が受け止めてやる!」
「でも、それじゃ貴方の身体が....!」
「死んだら死んだでそれまでだ、だからエジソン、頼む!」
「....仕方ないですね。HADESとも同時併用で25秒。それが限界点です。」
エジソンがそう言うとヴィンセントはそれを強く肯定し、ある願いを思い浮かべた。
その頃、
「....時間が、足りないですわ....!!」
「ここまで来て!?」
「私の全時間を使ってもこの傷は治りません...!!まるで電子に犯されたように...!!」
『ふふん、そんなことならこのエジソンにお任せあれ!です!』
「えっ!?」
クロエは聞こえた声の方に顔を向ける。そこにはボロボロになりながらも、やっとの思いで立ち上がった自らの愛した相棒がそこにいた。
「お兄ちゃん!?」
「待たせたな!アイツを....キャロルを開放するぞ!全機能開放、ALDES,始動!」
ここに認められた二人の少女と騎士のタッグが誕生した。
To Be Continued.....
深夜テンションで書くとやっぱりいけない
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第86話 グッバイブラザーズ
もう彼は止めることができない、否、止めるには殺すしかない。
だが、ヴィンセントはその合間にもキャロルを救う方法を考えていた。
「(キャロルを救うには殺すしかない。だが、やつとて電子の存在ならば....!!)」
ヴィンセントは胸に秘めた希望を一筋の道すじと考え、大きくブーストをふかした。急上昇した機体はキャロルと戦っているクロエのもとへ続き、一瞬でその高度に届いた。
「クロエ、ヤツを救う、合わせてくれ!!」
「....!?っ、わかったよお兄ちゃん!」
二人はアイコンタクトでキャロルの動きを止めるべく目の前の少女の駆るISに二人は同時にメガビームランチャーを掲げた。
「人が作ったものならば!」
「人を救ってみせろぉ!!」
同時に放たれるそれは少女を飲み込み地面に叩きつけた。だが、そこで限界が来たのか、ヴィンセントもまた地に落ちていく。
「お兄ちゃん!!」
クロエは猛スピードでヴィンセントを救うとそのまま傷口を見た。ALDESが解除された今、もはやその失血量を補うだけの血液も無ければ傷口を塞ぐだけの余裕もない。
「....ぐっ、こんな状況も二回目だな....。」
「これ以上喋ったら!」
「ああ、分かってるさ....俺でも大体の死期は見える....。ああ、クロエ、手をつないではくれないか?」
「うん!...うん!」
弱々しいヴィンセントの声を聞いたクロエはその要望どおり左手でヴィンセントの右手を掴んだ。
「悪いな....また先にあっちに行くことになりそうだ....。」
「こんなの....こんなのって....!!」
二人が最後の別れを惜しむ中、ようやく気がついた一夏達は生気を失いつつあるヴィンセントを見ていることしかできなかった。そんな中、一人狂三はヴィンセントの方に歩き、短銃を真上に掲げた。
「居るのでしょう?出てきなさい、【刻々帝】!!」
狂三天使の名を発現した瞬間、風が3人を包んだ。もちろん一夏達は近づくことが出来なくなっていた。そしてその風の嵐の中では....
「....出てくるとは思っていましたわ、【ファントム】。」
『あんなに私に興味を引かせた子が死ぬのは見るに耐えないからね。』
「皮肉ですわね。貴方がヴィンセントさんを助ける理由なんて微塵もありえませんわ。」
『けど貴女は助けようとした。違う?』
二人が相対する中、クロエは未だヴィンセントのことを見つめながらも上から降ってくる何かを感じつつあった。それは二人も、更には奇しくも叩きつけられたサイレント・ゼフィルスも。
「あなたが出来るならさっさとしてあげなさい。最も、あの二人が了承するならば、ですが。」
そう言って狂三はクロエたちの方を見た。クロエは全力で首を縦に振っているのに対し、ヴィンセントの反応はない。もはや一刻の猶予がないのだろう。そう感じた狂三はファントムに顔を向けると無言でうなずく。ファントムはそれを見て察すると懐から霊結晶を取り出した。
『これを埋めれば彼は助かる....が、人ではなくなる。最終警告だ、それでも良いんだね?』
「お兄ちゃんは....どんな形になろうとも、私のお兄ちゃんだから。」
『そうか、では.....。』
ファントムがその霊結晶を抉られた体に埋めこもうとした瞬間である。ファントムの真後ろで爆発が起きてその持っていた霊結晶が空中に飛んだ。
「あっ!?」
『誰だ!?』
二人が揃って上を見る。するとそこには、
「私達のマスターに何してくれてるんですかァァァァ!!!!」
空中から狙撃態勢で落下するトーリスリッター1号機【トーリス】の制御AIであるペイの姿があった。
「うグッ......持ちこたえられなかったのか。」
目が覚めるとそこは真っ白な空間だった。奥には一人の少女らしき人物と先程まで話していたエジソンの姿があった。幸いにもこの空間では体に傷跡はなく、普通に動けたのでそこに向かってみることにした。しばらく進むとその少女の全容が明らかになってくる。その姿はあのサイレント・ゼフィルスに乗っていた少女と瓜二つだった。
「....お前、まさか。」
「ああそうさ、エジソンから聞いているのだろう?私はあのALICEを生み出し、そしてALICEから拒絶された存在さ。」
「拒絶って....あなたね、被害妄想も程々にしてくださいよ?」
「拒絶された以上、それならばいっそのこと死ぬのが自然の理、だが、お前が私を本気で殺そうとしたのは予想外だったがな。」
目の前の少女がエジソンが以前言っていたキャロルであることを悟るとしばらく二人の行く末を見守ることにした。
「あれは!....あなたがヴィンセント君を殺そうとするから!!」
「あいつは死んでいいやつだ!.......そうさっきの私までならば言っていただろう。」
「....どういうことです?」
「お前は....もとの私の行動原理を知っているだろう?」
「....ダ・ヴィンチさんからは聞いています。ですが、それとこれとどういう関係が。」
「.....キャロルは二人いる。」
「!?....っそれってどう言う.....。」
「お前たちで言うならばいわば私は善のキャロルだ。」
「はぁ!?それってつまり、今表でヴィンセントを瀕死に追い込んだ貴女.....は!?」
「そうさ、私の純粋な悪意の残留思念が形となって具現化した存在、いわばフラグメント。」
「なるほど、そう言うわけか。」
「ヴィンセントさん!?」
事の巻末の真実をようやく知ったヴィンセントは二人の会話に加わるべく横槍を入れた。それでようやく存在を認知した二人はエジソンは驚き、キャロルは声にはせずとも若干驚いてはいた。
「さっきまでの話は聞いた。本当にお前は...今のキャロルは善の存在なんだな?」
「ああ、自殺願望は少々あるが今の私はお前たちに敵意を向けるつもりはない。」
「....一つ聞かせてくれ。なぜお前は今更こちら側に来た?」
ヴィンセントはそうキャロルに問うた。ALICEという存在が確立されていたならばもっと早くその存在を認知させることもできたはず。なのになぜ今になってこちら側に来たのか、それが知りたくてしょうがなかった。
「.....出来ればお前にはお前の妹たちとだけ関わってほしかった。だが、私が先程言ったもう一つの私...悪の私、フラグメントがこの世界に紛れ込み、今では手がつけられなくなっている。そうなると創設者であるこの私ですらもう手に負えない。だが、お前たちなら止められる。総判断したまでさ。」
「.....だが、この傷では。」
ヴィンセントは真意を聞いて一度だけこのキャロルを信じてみたくなった。だが、すでに瀕死の体である以上もはや戦う力は残されていない。そんなとき、キャロルは自らの体から一体の蝶蝶を羽ばたかせるとヴィンセントの抉られた傷に着地させる。するとどうだろう、あんなに大きかった傷が一瞬で小さくなり始めた。
「!?これは....!?」
「私の権限で治癒能力を限界にまで引き上げた。数十秒もしないうちにこの傷は塞がるだろう。」
「....何が目的だ。」
「20秒だけ制御権を寄越せ、あの悪玉は同じ私が正さなくてはならん。」
「....エジソン。」
「....わかった。」
ヴィンセントが支持するとエジソンは渋々システムの操縦系統をキャロルに渡した。そこでヴィンセントの意識は切れた。
To be Continued.......
次回、遂に決着。
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第87話 論理を超えた思考
正直これどうしようか迷ったけど夏編でヤツを持ってきておいて助かった感。
それは必然だった。
一つ、所有主が意識を失っていること。
一つ、相手が乗り越えるべき壁だと言うこと。
一つ、そこに手がかりがあるということ。
今、この状態はまさにそれをクリアしていた。それだからか。
「!?......誰!?」
「....20秒はちと短いが、やれんことはない!!」
ヴィンセントの声から出る別人の音色。それとともに形をなしていたトーリスがどろどろに溶け落ち新たな形をかたどっていく。
特徴的なカラーは落ち着いたブルーと白の配色になり、主兵装のハイパーナックルバスターは新たに大口径の大型ビームライフルへと変わっていた。
「今できる変化はこれだけか....だが!!」
声の主はクロエに目もくれることなくそのライフルと背部にマウントされていた連装メガビーを戸惑いもなく目の前にいた敵....フラグメントに向けていた。
「....!?」
「この世界に二人もキャロルは要らない....!!ファイア!!」
放たれたビームはいとも容易くフラグメントに穴を開けた。それを見て全員が驚愕に包まれるのは時間にそう掛からなかった。
「!?」
「......今回はここまでだ。が、そうまた会えるのも遠くはあるまい。こいつの身体は主導権を渡す代わりにこっちの技術で治療を施したから問題はないだろう。」
「......あなた、名前くらいは名乗りなさいよ。」
主導権を失いつつある体に向かってクロエはそう話した。その少女はこちらを振り向くと、
「....キャロルだ。」
「あ、ちょっと!?」
クロエが引き止めようとするが、流石に限界なのかそのまま倒れた。それと同時に色合いも元に戻っていった。
ここにようやく襲撃戦は幕を下ろしたのである。
「で、感想は?」
「殺せぇッ!!」
キャロルはコア制御プログラム内に戻るや否や言動を思い出し悶え苦しんでいた。流石にこれにはエジソンも庇えなかったのか哀れみの目で見ていた。
「はぁ、無茶してカッコつけようとするからこうなるんですよ。まだ十全に使えるわけじゃあるまいし。」
「何もしないよりかはマシだっただろうが。それよりも、襲撃元の特定はできたのか?」
「そんなものこのエジソンちゃんにかかればちょちょいのちょいです!」
エジソンは既にまとめていたデータ書類を展開するとスライドしてキャロルの方に流した。それを見たキャロルは密かに顔を強張らせる。
「やはりか、リデルがこの世界にまで影響を及ぼし始めている。これは、あいつを連れてくるしかなさそうだな。」
「......あの子今フェルミと一緒にクーロンの護衛に出てますよ?」
「....仕方あるまい。フロイトに連絡して引き継がせろ。」
「りょーかい。全く、人使いが荒いんですから。」
「私は元は敵だぞ?人使いが荒くて何が悪い。」
「今の会話アリスちゃんに丸投げします?」
「お願い悪かったからエジソンそれだけはやめて。」
やはりキャロルとて対核戦とは戦いたくないらしい。
「....エジソン、アレの作成を急いでくれ。」
「....りょーかい。」
同時刻 戦艦ティーレ中央制御区画
この艦のNo.4である束は一時的に起こったヴィンセントの体質変化や武装変化について詳細な調査をしていた。
「.....やっぱり。」
「やっぱり?」
「うん、ヴィー君、君はダイブ適正を手に入れてるよ。それも電子世界へのダイブを。」
「....やはりあのALICEとやらの影響か。」
「みたいだね。体の一部が電子化しかけてる。今はまだ大丈夫だけどこのままあれを使い続けたらいずれ完全に電子化しちゃうよ。」
「それはどうだかな.....。」
「!?誰!?」
完全なる外部からの声に二人は武器を身構えあたりを見渡す。すると入り口に二人の人影が見えた。
「....数日ぶりだな。」
「....キャロル!?」
目の前にいた束と同じような服装をした少女が目の前にはいた。そしてそれをヴィンセントは知っていた。束は自分と同じような服装をした彼女に疑惑の目を向けたままその銃を降ろさない。
「あんたは誰だよ?返答によっては殺すぞ。」
「おいおい.....救世主に向かってこの挨拶とはな....。まあ良い、私はキャロル。お前たちが保管していた大型サーバー【ALICE】の創設者であり、数少ない電脳世界....言わば私達の世界を行き来できるメンバーの一人だ。」
「.....嘘ぉ!?」
「残念だが本当のようだ。既にキャロルの他にも6人この世界で活動しているらしい。」
「.....それで?なんで今更出てくるわけさ。」
「言っただろ?会えるのも遠くはない、と。」
「んぐぐ.....。」
束は悔しそうにしているが、当の本人はどこか上の空である。
「で、だ。さっきも言ったように俺と同じくこの世界で活動しているやつは6人いる。とは言ったが実際は10人だ。」
「10人?」
「ああ、組織名としてはアイドルグループ【Vivid10Dolls】という名前で活動している。」
「!?VTDだと!?」
「嘘でしょ!?」
「え?お兄ちゃん!?え?なになに?どういうこと!?」
「クロエ、こいつはVTDの実質的なプロデューサーだ。」
ヴィンセントの爆弾発言に頭が追いつかないクロエ。しまいには
「はーーー????」
と、声を荒げ倒れた。それを知りもせずキャロルは話を続けていく。
「さっきクロエが代弁したが改めて紹介しておく。実質的なリーダーのキャロルだ。その他にも今はいないが娘の【アリス・リデル】、トップアイドル【クーロン】、技術チート三人衆こと【ニュートン】、【ダ・ヴィンチ】、【アインシュタイン】。そしてアカデミア姉妹の【エジソン】、【フェルミ】、【メビウス】。そして狂三、お前だ。」
「狂三も?」
「こちら側の世界に一度紛れてきたことがあってな。その時に電子とリアルを行き来する適正を手にしている。」
「あら、嬉しいですわ。けど、勝手にメンバーの一人にされてるのは少々酷いですわ。」
「仕方がないだろう。今はゴタゴタで酷いことになってるんだ。特にセブンアカデミアズが現状解散した段階でかろうじて今ここまで持ち直している段階なのだから。」
「それは....まあ仕方ありませんか....。」
「だけど、それだけじゃ理由にはならないよ?」
「....そこまで言う必要があるか?」
キャロルがなぜか妙に嫌な顔をするので余計に聞きたくなるヴィンセント達。キャロルは観念したのか渋々吐き始める。
「....かんたんに言えばこの世界を滅ぼしかねないコンピューターウイルスがばらまかれ始めた。」
「ヘェっ!?」
「今はまだあまり感染は拡大してないがいずれ不味いことになりかねん。だがら俺たちVTDが事態を収集すべく現実世界に進出がてら来たってわけだ。」
「....ちなみに感染源は?」
「俺だ。」
「キャロルか。......ファッ!?」
「そう驚くこともあるまい。お前らも見たのだろう?あのデカくて丸っこいやつを。」
「ああ。フラグメントだったか?」
「あれは俺の怨念の残留思念の欠片、とでも呼べ場聞こえは良いが実際はこの世界を滅ぼしかねないウイルスだ。現在急ピッチで技術チート3人に今回の戦闘データからワクチンプログラムを精製してもらってるが....。」
「....ははぁ。つまりキャー君は私達にその開発を手伝ってほしいわけ?」
「いいや、博士たちにやってもらいたいのは実働の方だ。フラグメント自体は多数でボコせば鎮圧はできるがウイルス除去はできないんでな。それならワクチンプログラムを大量に積み込んで一撃で葬った方が早い。実際、もう被害は出始めているしな。」
「!?」
キャロルはそう告げると空間から取り出すように指をスライドさせると電子パネルを展開してこちらに見せてきた。
「既に各国の無人ISが暴走している事件については知っているな?」
「ああ、以前俺達も遭遇したが。」
「この事件の殆どにフラグメントが関わっている。」
「!?....どうしてそれを知っているならそのときに出てこなかった!!」
「.....すまん、色々内乱で、な。」
「えぇ....。」
遠い顔を見せるキャロルにこの場にいた全員が困惑していた。と、丁度そこに。
「パパ!!」
「「「パパァ!?」」」
「.....リデルさぁ....。」
「あら?いけなかったかしら?」
突然部屋に入ってきた少女。しかもキャロルのことをパパ呼ばわり。これには全員声を上げるのもおかしくなかったが、何より困惑していたのはそのパパ呼ばわりであるキャロルである。
「はぁ....来たから説明しよう。彼女は【アリス・リデル】。大型サーバー【ALICE】においてハートの女王で、フラグメントに現状私以外に唯一対応できるVTDの切り札。そして、私のただ一人の娘だ。」
「「「情報過多!!」」」
「ふふ、パパから紹介されましたが改めて。私の名は【アリス・リデル】。人類の切り札にしてパパの可愛い一人娘です!」
そう目の前の赤髪の少女こと【アリス】はそう答えた。
To Be Continued........
ここまで遅れた理由。
・キャロルとアリスをどのタイミングで突っ込もうか悩んだ挙げ句今にした
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第88話(番外編) 沈黙の艦隊
テーマは爆死。
要は久々にアズレン側の視点も書いてみるってやつ。ちなクッソ短い。
秋の季節。その涼しい季節の真っ只中、重桜の全員が地味な一室に集まっていた。勿論それをまとめるのは指揮官こと大城である。
「.....なぜ集まってもらったかは分かるな?」
「.....信濃だな?」
「.....ああ。知っての通り本部から漸く信濃の降臨に成功したとの通達があった。」
「と、言うことは。」
「.....一週間後から建造許可が出る。各自、本気で信濃様を迎えるならば準備を始めてくれ。」
「お主よ、このようなことをなぜもっと早く言わなかった?もっと早ければ準備もつつがなく進んだだろうに。」
そう言うのは重桜の重鎮である長門。大城は少し唸ると懐から一枚の紙を取り出した。
「うちらのところにこの通達が回ってきて、今さっき俺は知ったんだよ......。」
「あー.......。」
大城はため息をつくと現状の資材を着々と確認していく。重桜の全員が静かにその様子を見守っている。
「.....よし、試算が出た。現状ならば140回分ならチャンスがある、が、万全を期す為に後60回分何処からか回収しておきたいが.....。」
「指揮官、ここは私達にお任せを。」
「....ニーミ?」
いつの間にか入ってきていたのか全員が声を出さず驚く。当のニーミはキョトンとしていたがすぐに持ち直し、
「今さっき入ってきたばかりです.....。貴方達重桜はこのまま信濃様を建造するために必要な準備を進めてください。資材回収は我ら鉄血海軍にお任せを。すでにビスマルク卿からの許しも得ています。」
「.....ロイヤルのエリザベスと話をつけてくれ。それであちらも了承したならば総動員でことに当たってくれ。ユニオンには私から話をつけておく。」
「了解しました。では。」
そう言いニーミは話をつけるべく一目散に走って去っていった。
「.....やることは決まったな。一週間後の2000より作戦開始!」
大城はそう叫んだ。
一週間後
「.....明石、例のものの準備は。」
「抜かりないにゃ、この日のために鉄血、ロイヤル、ユニオン全艦隊が総動員で手伝ってくれたおかげでほぼほぼ確実に引けるだけの数は集めたニャ。」
大城は明石のそれを聞くと軍帽を深くかぶり重桜の全員を見据える。
「やるぞ.....!!」
それから、大城はとにかく引いた。その引く姿を見るたびに全員の顔は少しずつ強張っていく。しかし建造しても出てくるのは失敗したときに出てくるスクラップキューブのみ。スクラップキューブを見るたびにやせ細っていく大城の姿を見て重桜全員がすでに涙をのんでいた。
「指揮官、もういいです!指揮官がここで倒れたら.....!!」
「いいや、まだだ....。俺はお前らに必ず信濃様と会わせると約束したんだ.....!!今まで約束を一変たりとも破ったことはないだろう?つまりそういう事だ。今回も約束は果たして見せる!」
そうして大城は残されたキューブをすべて突っ込んだ。キューブは淡い光を放つがすぐに黒く染まり崩れていく。スクラップキューブの発生反応だ。
「.....指揮官、売店にあるキューブもこれで打ち止めにゃ......。」
「......はは、うそだ...ろ!....?」
「「「指揮官!!!」」」
倒れた大城を介抱する綾波と長門と江風。倒れた大城の顔を見るとその顔はすでに血色も無く、肉付きも骨の骨格がくっきり見えていた。
「.......信濃様を迎えられなかったのは素直に俺の人望がないことに起因するのに....。どうしてお前らはそう私を励まそうとするんだ。お前らの仲間を呼び起こせなかったんだぞ.....?」
「指揮官、信濃様はまた呼べる期間が来るが、指揮官がいなくなったらもとには戻らんのだぞ.....!!」
「指揮官が死んだら.....私達はこれからどうすればいいのかわからない....です。」
「今の今まで私達を導いてくれたのは誰だ!!外でもないお主だろう!そんなお主が私達のためにここまで努力してくれて、それでこの結果でも私達は何も言わない!!」
「.........。」
大城はそれでも暫く動かなかったが、やがて口を開いた。
「......命令だ、全員、指示があるまで無期限の待機とする.....!!」
「指揮官!?」
大城が放った一言、それは事実上の運営停止であった。これには他のKANSEN達も驚かずにはいられなかった。理由を追及しようとするものもいたが既にそこには大城はいなかった。取り残された重桜は呆然としていた。
「.....行かないとですね、ええ。」
「やはりそう思いますか。」
「....行こう、これ以上あの人を悲しませない為にも。」
裏で、3人の少女が静かに動き出した。
鏡面海域?
基地から少し離れたところにいつの間にか鏡面海域が出来ているのは全員が知っていた。が、一向に襲ってこようとはしない。なぜかと言われると全て大城の発言に起因する。と言っても休戦協定を持ちかけただけだが。そんな鏡面海域の内部には二人の少女がいた。
「へぇ......あの基地から生気が消えた.....。」
「それは面白いわね、どんな感じなのよ?」
ピュリファイアーとオブザーバーはいつも襲撃する基地から一切合切の人の気がしないことを不審がっていた。と、その時である。
「....基地方向より反応、三人ね。」
「休戦協定の破棄かなぁ?戦闘準備しておくかぁ?」
『必要ありません、ピュリ。』
「!?」
「へぇ......貴方達は。」
オブザーバーはその顔を見て意外な顔をしていた。目の前にいたのはロイヤル駆逐艦の【ハーディ】と【エスキモー】、そして鉄血海軍の【ティーレ】であった。所詮ナルヴィクシスターズというやつである。そのうちの一人であるティーレは口を開いた。
「今回ここに来たのは他でもありません。大城を.....
いえ、指揮官を殺してください。」
ティーレはなんの顔も濁すことなくそう答えた。
To Be Continued.....
プチ外伝、少し不穏な様子に.....?
あ、信濃は引けたので次回は信濃様降臨。
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第89話(番外編) 誰もが夢見た理想郷
いやー、遅くなってごめんね???
鏡面海域最深部。いつもは観測テストを行っているオブザーバーとピュリファイアーだったが、この時はそれに加えナルヴィクシスターズとも呼ばれる三人が目の前に対峙していた。
「.....突然押しかけてきてそれはちょっと面食らったわね.....。どういう風の吹き回しかしら?」
オブザーバーがそう問いかけるのに対し、一番前にいたH級教導駆逐艦【ハーディ】がここまでの経緯をすべて話した。それを聞いていたオブザーバーだったが、何故か顔色が青かった。
「それで....か。流石に私も同情するわね.....。」
「はい?あなた方にとっては戦力が増えないことはいいことなのでは?と愚考します。」
予想外の発言にティーレもちょっと困惑気味である。更に口を挟もうと思ったが、そこにピュリファイアーが割り行ってきた。
「こっからは観測専門のオブザーバーより実働専門の私のほうがやりゃあすいだろ。」
「そ、そうね、おねがいするわ。」
「ここでピュリファイアー?何故に?」
「私達がここだけでなく別の場所にも襲撃をかけているのは周知のとおりだ。ここまではいいな?」
三人は一斉にうなずく。
「そして、どの襲撃した海域にも一つの共通点があった。」
「.....まさか。」
一人、ティーレが何かを察したような顔をしながら呟くと、ピュリファイアーが顔を覆った。
「ああ、信濃の完全顕現状態がどの港にもいた。」
「......それは、流石に.....。」
三人が真相を聞き哀れみの目線をどこかしらに飛ばした。どこに飛ばしたかは定かではないが。と、ふと何かが飛んでくるのを視認したティーレはそれをキャッチした。
「これは.....キューブ?」
ティーレがキャッチしたのは淡く光る青いキューブだった。
「そいつは信濃の根源が詰まった正真正銘の確定建造キューブってやつだ。そいつを普通のキューブと混ぜて建造に突っ込めば信濃を建造することができる。」
「......何が目的で?」
「指揮官を目覚めさせろ....私達セイレーンは本気になったアイツと戦いたい。それだけだ。」
「.....存外、貴方も面倒見がいいんですね。」
ティーレが去り際に放った一言はピュリファイアーには届いたのであろうか、それを知る由もない三人は鏡面海域を後にした。
「んで、まああとはそのキューブを使って信濃を建造したわけです。」
「うん、とりあえず理論は分からんが面倒くさかったってことは分かった。」
「投げやりだなぁ......。」
語っていたティーレに対し匙を投げた二人。そこへ扉が開いた。
「パパ、お茶が入ったよ!....あれ、ティーレちゃんとヴィンスさんもいたんだ。」
「ちょっとな。」
お茶を持ってきた片方をパパと呼ぶ存在.....アリスは備え付けられていたテーブルに淡々と紅茶が注がれたティーカップを置いていく。それに口をつけたパパと呼ばれている存在......キャロルはティーレの話を聞き流しつつ片手でプログラミングをしながら紅茶に口をつけていた。
「しかし、俺のアリスがここまで成長していたとはな。おかげでお前らのHADESともリンクが取れてwinwinだ。」
「ですね、おかげでこっちもそろそろ組み上がりますよ。ALX001【デルタカイ】及び、ALX002【スペリオラー】がね!」
そう言うのは同じくキャロルたちと一緒にティーレの話を聞いていたエジソン。先の三人はあの事件のあと、束の手により擬似的な肉体を手に入れ現実世界での活動を可能としていた。それにより、キャロルがハード面、アリスがソフト面、エジソンが全体構成面を担当したことでアクシズの技術で制作したアリス達専用のIS群、系列番号ALXシリーズの開発が進められていた。
「お披露目はもう少し先になるだろうが、完璧に仕上げてみせる。」
「ほう、楽しみにしてるぞ?いつまでも俺達トーリス系列で常時防衛しているわけにも行かないからな。」
愚痴るように言うヴィンスを尻目にキャロルは手を降ることで合図とした。それを理解したヴィンスは席を立つとその場をあとにした。元々は彼らの活動場所として供与していたのだから当然といえば当然である。部屋の外に出たヴィンスはスマホを起動させとある人物に連絡をかけた。
「ああ、もしもし?俺だ。」
『?どうされました?』
「予測は出てるんだろ?教えてくれ。」
『......あなた方が今度向かう京都の地にて女権団体と亡国が手を組んで襲撃計画を立てています。』
「.....まーためんどいことをしやがる.....。」
『流石に京都の地なので拠点は持ってはいけませんが?』
「.....確かヒクサーとフォンはフリーだったな?」
『え、えぇ。』
「ならこちらにハナヨとハヤナとくっつけてデートをさせる名目で呼び出してくれ。」
『.....サクシデスネ。』
「それが俺の仕事だからな。じゃあたのんだぞ、シャル支部ん?」
To be continued.....
次回はみんなお待ちかね掲示板回。なお議論会にもなる模様。
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第90話 極秘裏技術討論会スレ【番外編だってさ】
1:名無しの技術員
と言うわけで突発的な技術討論会を始めようと思う。
参加するものは所属国を表明すること。
2:名無しの技術員
我アメリカなり
3:名無しの技術員
私はイギリスですわ
4:名無しの技術員
様々なところから来ているようだね。私はイタリアさ。
5:名無しの技術員
ドイツだ。
6:名無しの技術員
日本だよーん
7:名無しの技術員
中国よ。
8:技術討論部役員
ふむ、これだけか。なら進めさせてもらおう。
9:名無しの技術員
>>8
ところであなたの所属は?
10:名無しの技術員
>>9
最低限の情報で表すならフランスだ。では始める。
今回の議題は各国の新型ISについてだ。では、各国報告を始めてくれ。
11:イギリス担当
では私どもが初めに。私達のイギリスでは先日公表した通り、ブルーディアーズ、その戦闘データから後継機となる第3世代量産型のISを開発しています。コードネームは【ツァバオト】、先の機体で培ったノウハウをもとに射撃性能を大幅に向上させる予定です。
12:ドイツ担当
まだ試作段階であったビットをもう正式段階に入れるとはな.....
13:日本担当
正直まだ全然足りないと思うけどなぁ
14:イギリス
>>13
日本は古臭い技術しかないくせによくそんなことが言えますわねぇ
15:日本担当
>>14
生憎だがこちらは民間業者協力のもとすでに第7世代まで開発に着手、完了しているのだが??
16:ドイツ担当
>>15
は?
17:イギリス担当
>>15
え?まさかイギリスの技術がすでに外部に.....!?
18:中国担当
......あ、まさか民間業者って......、
19:日本担当
凡人にはまだ早いかもねーwwwwそんなに言わせたいなら君たちの技術を見せてよーwwww
20:技術討論部役員
.......いささかこちらもカチンとくるがまあ次に行こう。
21:中国担当
じゃあ次は私から発表させてもらうわね。
私達は以前公表した甲龍、それの改修案として【オービット】計画を勧めています。主な内容としては、
・機動力の向上
・アーマーパージ機構、及び増加装甲(爆破脱着式)の追加
・射撃戦がとぼしかったのでマニピュレーターを改造、ユニバーサル規格に合わせた上で腰部に牽制用のグレネードランチャーの追加
となります。
22:ドイツ担当
なるほど、もともと完成度が高い3世代を不足している部分を補いつつ誰でも扱えるような量産型も視野に入れた計画だなこれは
23:アメリカ担当
見るからに拡張性があるな、とは思ったけどここまで伸ばせるとはね。
24:日本担当
拡張性は目を見張るものがあったけどまあ許容範囲内だね〜。正直期待はずれというか何というか
25:中国担当
>>24
人をおちょくるのも大概にしなさいよ.....?
26:技術討論部役員
>>24
そこまで言うのなら貴様らの出来のほうが遥かにいいのだな?
27:日本担当
断言してやるよ。↓のパスコードを会議アプリに入力して入ってくれば?
pass afry
「と言うわけでやっほー!博士だよん!!」
『んなぁ!?!?』
画面に映し出されたうさみみ少女を見るなり全員が驚愕の色に染まる。
『まさか.....日本担当って.....。』
「まーそゆことだねー。本来ならこうして直に話できてるだけでも光栄なのにね?」
束の言い草に少しずつイライラが溜まっていく画面の向こうの各担当たち。唯一ドイツ担当だけは笑いをこらえているが。
「まあ、話すだけではもったいないし実際に見せていこうかー。」
そう言って束は自分を映し出していたカメラを真反対に向ける。そこには整備が完了した機体の数々が並んでいた。
『何だ、この大量の機体は!?』
「ふっふーん、まあ気づいた人もいると思うけどコイツ等はAMXシリーズ。まあ君たちも学園で運用されているのをデータからは確認しているよね?」
各国の代表は息を呑んでそのIS群を見つめていた。その様子を見て束は少し不機嫌であった。
「もう、そんなに間近で見たいんだったら.........
実力行使できなよ?」
このときの束の顔を見ていた代表全員は揃って顔を蒼く染めていた。そしてそれを間近からみていたヴィンス達はというと......。
「あちゃー......。」
「パパー、あの人っていっつもあの感じなの?」
「束は興味を持った相手以外にはとことん対応は事務的だ。あれでもまだ温情を持って相手しているぞ。」
苦笑いするキャロルを見ては頭にはてなマークを浮かび上がらせているアリス。しかし、そんな平和な日常もすぐに音を立てて崩れるのは自明の理なのである。
「ならば、最後の幕を開けよう。これより始まるは涙の止まらぬ悲劇の幕を、笑いの止まらぬ喜劇の幕を。....さぁさぁ、あなたは一体何を願うのかな?」
終焉の時は、すぐそこまで迫っていた。
To be continued......
ちょっとずつクオリティ下がってると認識し始めたこの頃。
後10話で終わらせる
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最終章 Over the limited of link
第91話 和の地へおこしやす?
と言うわけで年内に完結させたーい!!
あの事件から数日後のこと。自身をアリスと名乗った彼女は現在博士のもと専用機の制作に勤しんでいる。まあそもそもの話彼女には特殊兵装なるものが積んであるので必要ないのだが。
しかし、エジソンやキャロルの勢いに根負けしこのような状況になっているのである。
「うーむ.....あちらでの戦闘方法を再現させるためにはやはり一度ベースプログラムを持ち帰る必要があるか.....。」
「ま、そもそも私達がイレギュラーみたいなものですし?」
専用機の根幹プログラムである情報統制管轄システムをプログラミングしているキャロルに武器をテストしていたエジソンがそうつぶやく。二人は共にアリスと同じALICEから来たのだからそう愚痴るのも無理はないが。
「しっかし、博士も思い切ったことをしたねぇ......。」
「ああ、アイツ等の最終兵器を脱出装置として組み込むとはな......。まあ、俺達には俺たちでできることをするまでさ。」
「ですね〜.....さて、あとは最終調整をしてもらうだけですしここら手間一旦休憩にでもします?」
エジソンが隣からコーヒーを差し出すとキャロルはなんの躊躇いもなく受け取った。二人は今博士によって擬似的な肉体を手に入れているため地上における活動をすることができる。その為、このような行動もできるわけである。
「さて、もう戦いが終わるのは近いぞ.....。」
キャロルはコーヒーを一口飲み机に置くとそうぼやいた。
その頃、いつもの教室では重苦しい雰囲気が漂っていた。こう立て続けに襲撃された挙げ句その根幹人物であるヴィンスの昏睡。現在、クロエと狂三がその対応に当たっているというが思ったよりも成果は著しくないらしい。
「......お前らが言いたいことは私とて分かっているつもりだ。本日の講義終了後、学園は全域一週間の臨時休校措置を取ることになった。.......あいつの見舞いに行ってやれ。」
普段の千冬の言動に似つかわしくない発言を聞き全員が少し狼狽えていたがやがて全員が気を落ち着かせていく。
「あいつ、一人で立ち向かって....大丈夫なのだろうか.....。」
「私は信じている。ハナヨ達が直々に必ず助けてみせる、そう言ったからにはやってくれるだろうと私は信じている。」
ラウラがハナヨ達がきちんとやってくれるのを信じているらしい。一夏もそれを信じてみることにした。だが、それだけでは今の状況は変わらない。先の襲撃でこのままここで学を学ぶことについて揺らいでいる人々が少しずつ増えてきているのだ。無理もない、このままここにいたら次は自分が死にかねないのだから。
「まーそんなに落ち込むこと無いんじゃないかなー。」
突如切り込まれた不安を払拭するかのような一言。誰もがそれに耳を傾けこちらをギロリと見ていた。
「......い、いつの間に!?」
「朝っぱらからよ。はぁ、どれだけ認知されていないのやら....。」
ヴィンスの席にはいつの間にか赤毛の見知らぬ少女が居座っていた。セシリアと一夏、箒はアイコンタクトで千冬に許可を取ると戸惑うこともなくその少女に武器を向けた。が、
「武器を向けないで頂戴。思わず全部切っちゃう....。」
と言い各々の自慢のメイン武器をほとんど破壊した。突然の出来事に対応できない三人は呆然としていた。そして処理を済ませた少女は端末を懐から取り出した。
「安静にしているヴィンス達からのビデオレターよ。まったく、これを持ってくるためだけに監視カメラの映像全部すり替えるのに苦労したんだから.....。」
((この人さらっとハッキング自白したな??))
彼女の口からさらっと告げられた重大な事実とともに彼女のオーバースペックさを理解した彼女達は内心を思うことだけにして恐る恐るレターを開いた。
『......ん、ああ、始まったか...っん!んん!!久しぶりだな、みんな。俺は前の事件で医師からの絶対安静を言い渡されているからしばらくはうごけないがもうそろそろ学園には復帰できる予定だ。だから心配すんな。何か伝えたいことがあれば今そこにいるアリスにでも伝えてくれ。じゃあ、また暫くしたら。』
そう言いビデオレターは終わった。同時に、全員の顔がアリスに向いていた。アリスは少し顔を引きつらせていた。
「あはは......程々にね?」
この後、アリスが質問攻めに遭ったのは言うまでもないことである。
そのころ、本部ではようやく傷が治り体調が整ったヴィンスの姿があった.......一部が光り輝いた状態で。
「うーん、これは私達にも予想できなかったねぇ、ISと霊結晶が融合するなど本来あってはならない現象ですが結果論。」
束がそう言いながら解析を勧めていく。かろうじて一命を取り留めたヴィンスだったが、ISなくしての行動が不可になり現在、学園に行くためにかなりの楔となっているので現在休学している。その為束が急ピッチで生体同期型ISの開発を行っている。そしてそれにはヴィンスの現在の生命線とも言える霊結晶を搭載することも決まっていた。
「....すみません博士、何から何まで。」
「ヴィー君達がいなかったら私は後悔していただろうね。こんなに間近で時代の変革の移り変わりを目にすることが出来たのだから。」
「ははっ、そりゃどうも......。あとどのくらいで?」
「3日もあればかな。けど、その前に奴らは仕掛けてくるよ?」
「......その時は、全世界に対して自分が宣戦を布告します。元より、ISは軍事利用されるべきではない者だ。ならば、その負の連鎖を悪役である俺達が断つ!!」
拳を握りしめヴィンスはそう宣言した。そして、
「.......ここで、俺達の旅筋にも決着を......!!!」
一人寂しくそう呟いた。
To be continued.......
最終章、開戦。
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第92話 女神の覚醒
荒れた海の上。そこに彼らは舞っていた。
「ここから先には、行かせない!!」
「ほざけ!だから貴様等は甘いというのだ!!」
銃口がハナヨの身体を捉え撃ち抜く。更に追撃と言わんばかりにサーベルをハナヨの心臓付近に突き刺した。
「がっ.....!?」
「終わりだな.....コアは貰っていくぞ。」
その声の主はコアがあるであろう場所に手を突き刺しコアの捜索を始める。程なくしてコアを見つけたのか引き抜いた。
「あなたがそれを持ってても意味はない.....!!」
「初期化を行えばそれだけで我々のものさ。」
「......どうやら、言っても聞かない子供にはお仕置きが必要みたいですね.....。」
「なに?」
ハナヨが発した一言をその少女は聞き逃さなかった。やがてハナヨはすべての武装を捨てると、
「......password【0874】、コードネーム【ハナヨ】バックアップモード起動.....全システムをサダルスードに委譲......完了。自爆シーケンス作動......あなたの好きにはさせません......!!」
そう言うとそのまま少女を抑え込む。
「自爆か!!」
「ハヤナ.....先に逝ってますね....!!」
その言葉とともに大破していたアトスが盛大な爆発を起こした。
なぜこのような経緯に至ったのか。事は数時間前に遡る。
ヴィンセントが復帰してから数日がたったある日。唐突にそれは送られてきた。
「......宣戦布告?」
「あぁ、【我々亡国企業はIS学園の抹殺を始める。】と。実質これは宣戦布告と見て間違いないだろう。」
「.....了解しました。生徒の避難をお願いします。俺達はこんなくだらない戦いに決着をつけてきます.....!!」
「待て!!」
「こんな仕事をするのは俺等みたいな手が汚れた者たちで十分です!!!わかったらあなたも早く!!」
「......くっ!!」
それぞれの道に別れたヴィンセントと千冬。そして、この学園の運命を左右する決戦が開かれるのである。
学園北部物資受取港
「待たせた、準備は出来てるな!!」
「言われたとおり全機最終決戦仕様への武装換装及び改修は完了!」
ティーレに戻ったヴィンセントは久しく被ってなかった士官帽をかぶると艦橋ブリッジにいた全員に号令をかける。それにクルーが応答し各機能の正常動作を伝えていく。
「オンラインリンゲージ、各種オールグリーン。」
「メイン主砲塔1番から11番まですべて正常稼働確認。」
「背部ミサイル発射管全門ペラパラム装填完了。」
「戦艦ティーレ、いつでも出撃できます。」
『こちらレウルーラ、こちらも発進準備オーケーだ。』
『こちらティーレ、護衛艦ハーディ、Z2、並びにパーミャチ・メルクーリヤ、3隻の準備は整っています。ご命令があり次第すぐにでも。』
次々と上がる完了報告。それを見たヴィンセントと先程するっと入ってきたクロエが通信回線を開き全員を見据える。
「諸君、こんな非力ではある俺だが、よく慕ってついてきてくれた。ここまで仲間が増えたことを誇りに思う。故に、ただ一言だけを遺そう。全員、死ぬな!!生きて帰ってこい!!」
『『『『はっ!!!』』』』
「全艦戦速最大!!この戦いを持ってこの差別の世間に決別をつけるものとする!!総員、第一戦闘配備!!!これより作戦名【ディザスタークライシス】を開始する!!」
全てに、いや、この世の中を打ち砕くべく。今ここに、ISという概念を決める戦いが幕を開けようとしていた。
「見えたら随時報告を。俺たちはデッキで待機している。」
「りょ〜かーい。私達のシステム支援はいるかい?」
ふと画面に現れたキャロルがそう問うが、
「いいやいいさ。これは俺たちの世界の問題だ。干渉する必要はない。」
「そうか、もしもの事があれば通信を回せ。その時が来たらこちらも本気を出そう。」
ヴィンセントはきっぱりと断った。これ以上迷惑はかけられないと判断した為である。そしてそのままヴィンセントはデッキへと向かっていった。
「......とは言うものの。ペイ、例のものは組み込んだんだな?」
「ええ、何なのよあれ、中枢システムに組み込むのに半日かかったよ?」
「そりゃあaliceでも限られた人物にしか適応しなかった代物だからね。今回用意したのはそれの新規製作されたもの。あのコロンの引きこもりが出し渋ったものだからな?」
コロンの引きこもり。ペイはその人物が気になったが、構わずシステムを操作していく。
「ヴィンスがデッキに上がったので以後、艦橋指揮は私が取るよ!全砲門発射用意!!目標はつい先程見えた前方後期型P級重巡洋艦!」
ペイには強化されたレーダー及び視覚赤外線効果で既に何隻か偵察艦隊を特定していた。まずはそれを潰すべく的確に座標を支持していく。
「先に仕掛けるよ!一斉斉射始め!!」
一泊遅れて、最初の轟音が鳴り響いた。
その頃、シェルターに避難した一夏達は外部カメラから送られる映像を見ていた。
「あいつら.....どうして俺たちを頼ってくれないんだ、いくらなんでも無謀すぎる!!」
「ですが、私達にできることなどほとんどありませんわ。こちら側は競技用の期待に対して、相手は正真正銘軍事用の機体ですわ。まずやり合おうものなら勝ち目はないとヴィンセントさんは考えたのかもしれませんわね。」
「そうだな。」
「「「「織斑先生!?」」」」
本来外で護衛すべき教師が内部にいるのを見て一瞬驚いた生徒達。まず真っ先に反応したのはもちろん彼女たちであった。
「.....私達とて、これ以上外にいれば彼らの邪魔になる。それこそ、この学園がどうなってもいいとな。」
「そんな、どうして.....!!」
シャルがその言葉に反応して反論する。半年ではあるがこの学び舎で共に勉強した。その事実は消えないのだ。
「建物は壊れても最悪どうにかなる。だが、人的被害はどうにもならん。これの意味がわかるな?」
「......。」
正論をぶつけられてシャルは黙ってしまった。それを革切りに千冬が続ける。
「今は見守ることしかできんよ.....。」
To be continued.......
【ここで少し最終決戦仕様について】
基本的には重武装化されているのがほとんどだが、一部近代化改修によって馬鹿みたいなものになってるのがちらほらあります。
【トーリスリッターⅡ(最終決戦仕様)】
博士が来たるべき決戦のために急ピッチで仕上げたトーリスリッター。背部バックパック部にアタッチメントを増設しペイルライダーの物を流用出来るように改良されている。本戦場では両方に改良型180mmレールガンを搭載し対空戦闘能力を高めている。
【トーリスリッター・キャバルリー(最終決戦仕様)】
ヴィンセントが己の力で改良を続けていった仕様機。クロエのツヴァイと同じく背部バックパック部にアタッチメントを増設しペイルライダーの武装流用が出来るようにされている。本機には同じ共通規格であったペーパープランである4号機のメガビームランチャーを両方に搭載し対艦戦闘及び砲撃戦能力を高めてある。
【トーリスリッター・デュラハン(クー仕様)】
束の手によって調整が施されたクロニクル仕様機。最終決戦時には上二人と同じく背部バックパック部にアタッチメントを増設、本機は規格が共通であったジャイアント・ガトリングガンを両方に取り付け対航空戦闘能力に特化した形態をとっている。また、手持ち武装には本来のデフォルトであるバズーカではなく、銃身をロングバレル化したロングレンジ・ビームライフルを携行し後方よりの支援に徹した。
【トーリスリッター改(ネプリスリッター)】
夏頃にロールアウトしたネプリスリッターの制式ロールアウト形態。ヴィンセント達が扱うトーリスの弱点であった武装構成の少なさを補うため内蔵式のマシンキャノンの増設や腰部に連装ショートバレル式レールガン、肩部に格納式ビームキャノンを搭載し火力の改善が図られている。また、それに伴う航続距離の補強も成されており、従来のトーリスリッターとほぼ遜色ないパフォーマンスを発揮することができる。
【量産型トーリスリッター(ペイ機)】
トーリスシスターズの長女ことペイ専用の無人機。そのため内部出力は他のトーリスよりも高く、その分機動力や運動性に余剰出力がまわされている。武装はデュラハンと同一だが本機体にはこの他に腕部固定式ビームサーベルが追加されている。
【量産型トーリスリッター(トリス機)】
トーリスシスターズの次女ことトリス専用の無人機。ペイのものとは違い内部出力はペイほどでは無いが向上している。武装はビームサーベルを一本に減らし、代わりに腰部に折りたたみ式スナイパーライフルを携行している。また、肩部に隠し腕を内蔵しておりマルチタスクでの行動が可能。
【量産型トーリスリッター(ルリ機)】
トーリスシスターズの末っ子のルリ専用の無人機。出力面での改造は行われていないため機動力はシスターズの中では一番低いが頭部に設置されたアンテナの効力により広い範囲での指揮能力を有する。そのため武装も必要最低限以外のものは外されており、代わりにロングレンジビームライフル、独立型小型レーダーなどを搭載し付近の状況把握を務める。
シュヴァルツェア・アストレアtypeAF【FW】
正式名称はシュヴァルツェア・ガンダムアストレアタイプアクシズ/フェレシュテ【フルウェポン】。
博士がフォンから押し付けられた物資を元に邪魔しない範囲で武器を積んだ最終決戦仕様。通常時のランチャーとライフルに加え、2低バズーカ、脚部ミサイルポッド、破砕式ハンマーなど対艦戦闘に重みを置いた武装を多種持つ。これらの武装はパージ可能で打ち切り次第投棄、爆破の算段になっている。装甲面においても部分的にウェブラル・アーマーを採用しており、爆発系統の武器が直撃した際、装甲自体を爆破してダメージを抑えるように出来ている。
シュヴァルツェア・サダルスードtypeF(ハヤナ機)【FW】
正式名称はシュヴァルツェア・ガンダムサダルスードタイプフェレシュテ(ハヤナ機)【フルウェポン】
ヒクサーから融通してもらった武装を積んだサダルスード。本来は偵察用のISだが、各種センサー機能を一新し倍の距離からでも探知できるようになりルリの量産型トーリスと合わせて戦場把握を主な任務とする。また、武装面がリボルバーバズーカとスナイパーライフルだけでは乏しいので肩部にアタッチメントを追加しペイルライダーと同様のレールガンを二門、脚部に連装ミサイルポッドを追加し追撃火力を強化した。装甲面はアストレアと同じくウェブラルアーマーを追加しているが主に肩部付近に集中配置されている。
シュヴァルツェア・アイズ(ハーミヤ機)【FW】
正式名称は、シュヴァルツェア・リファイン・アイズ(ハーミヤ機)【フルウェポン】。
ドイツ軍の最後のペーパープランをアクシズ及びフェレシュテの解析でこの世に生み出された最終決戦仕様機。通常時の大型ランチャー及びビームライフルは持たず、専用のロングレンジビームライフル兼用腕部固定式メガ・ビーム・ランチャーを持ち、射撃時の集弾性と命中制度を上げている。その他、左腕部に内蔵式のグレネードや肩部に連結式ビームバズーカ等を所持している。装甲は特に改良は無かったが、武装増加に伴うプロペラントタンクの増設により多少機動力は落ちたが航続距離は増加している。
?????(コードネームマドロック)
エルが駆る機体。大元はティーレだが本体が大破した際にのみ展開可能なIS。両腕にロングレンジロングバレル大型ビームライフルを携行しており、連結させて収束させることも可能。また、肩部には大型のキャノン砲を搭載しておりかなりの火力を誇る。が、機動力は他機体から見ると一番鈍足であり主に後方支援で運用される。
あと2話くらいでこの戦いは完結させるつもり。
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第93話 マイスターシスター
戦艦ティーレ内部....。
出撃準備を前に最終起動シーケンスに入っていたヴィンセントだったが、ふとコックピットから左右を見ると、見慣れない機体が3機ほど佇んでいた。
「クロエ、あの機体って何かわかるか?」
「確か、ハナヨ達に用意された機体だったはずだけど、話によるとコックピットが無いみたいなの。」
「コックピットがない?それじゃあまるで....。」
「無人機、と言うべきなのかもね。ある意味私とお兄ちゃんのインコム的な扱いなら納得できるけど。」
二人はそう言いつつも外へ出る通路へ機体を進めており、その機体らを見るのはほんの一瞬だった。数分もすればそこには光が見えてきて、やがてハッチが開く。
「よし、行けるな?」
「「いつでも!!」」
「.....これが最後の戦いだ。ヴィンセント、トーリスリッター・キャバルリー!!」
「クロエ・クローチェ、トーリスリッターⅡ(ツヴァイ)!!」
「クロエ・クロニクル、トーリスリッター・デュラハン改!」
「「「出るぞ!!」」」
その合図を待ちわびたかのごとく背部スラスターが火を灯し空高く羽ばたいていく。このときすでにティーレは迎撃体制を整えており、もはやなんの心配もいらないのだ。ヴィンセント達は出てすぐに視認をしたため、ティーレを一旦停止させると、自身の腰部にあるメガ・ビーム・ランチャーを展開するとガコンという音と共にランチャーの銃身が赤熱化する。
「二人は発射と同時に遊撃を。俺は引き続きここから支援砲撃を続ける。どうせ二人のことだ、俺がいなくてもいけるでしょっ!!」
その声とともに右腰部のメガ・ビーム・ランチャーが火を噴き前方の巡洋艦部隊を消し飛ばす。打ち終わった砲身からは排気熱が吹き出しており、冷却するため腰に格納したヴィンセントは続けて左腰部のメガ・ビーム・ランチャーを展開、同じように別の目標に狙いをつけ照射する。
「クリア、引き続き.....!?」
なにかの殺意を察知しすぐさま下がる。瞬時、2発のキャノン砲がすぐ横を通り過ぎ後方にいたティーレの左翼砲塔に直撃する。
「っ!?ダメージコントロール!!クロエは俺と前方未確認機の処理、クーはローゼ達とともにP級艦隊の殲滅を!!」
「「了解!!」」
クーが艦隊へ迫っていくのを見届けた二人は前方で停滞する3機の未確認機を見据える。見間違えるはずがなかった。1機は両手にダガーを構え、1機は背中に長大なキャノン砲、そして右手に対IS用ロケット・バズーカを、そして最後の1機はロケット・バズーカを構えた機体。
「.....首謀者、か。」
「よく気づいたな、亡国も統制は試したみたいだが、実動隊までは隠せなかったみたいだな。まあ、ここで消しちまえば文句はないんだがな!!」
その言葉とともに戦火の口火は落とされる。
ところ変わって殲滅部隊はクロエたちとは違って一変トラブルもなく進んでいた。海上を滑るように4機の機体がその足を這わせている。
「これであらかた片付いたわね。ハナヨ、周囲に増援は?」
「半径500m内には敵影なし......西方向より敵っ!!数は2!」
ハナヨから告げられた警告を聞き全員が散開する。が、直後に飛んできたビーム群にハナヨが対応しきれず左腕を持っていかれた。ふらつくハナヨをハヤナが抱えた。そんな状況下でもハナヨは情報分析を続ける。
「詳細判明、一機はサイレント・ゼフィルス、もう一機は......ブラックタイプのラファール!?」
「これは亡国ですね!!サイレント・ゼフィルスが強奪されて以降一報すらありませんでした!即ちそれはずっと彼らが持っているも同義!!」
クーがそれに気づくも、それはとき既に遅かった。
「はっ!気づくのが遅すぎるんだよ!!!」
ブラックラファールのバイルパンカーがハナヨのアトスの心臓付近の装甲をを撃ち抜きそのまま貫通する。
「がっ.....!?」
「終わりだな.....コアは貰っていくぞ。」
その声の主はコアがあるであろう場所に手を突き刺しコアの捜索を始める。程なくしてコアを見つけたのか引き抜いた。
「あなたがそれを持ってても意味はない.....!!」
「初期化を行えばそれだけで我々のものさ。」
「......どうやら、言っても聞かない子供にはお仕置きが必要みたいですね.....。」
「なに?」
ハナヨが発した一言をその少女は聞き逃さなかった。やがてハナヨはすべての武装を捨てると、
「......password【0874】、コードネーム【ハナヨ】バックアップモード起動.....全システムをサダルスードに委譲......完了。自爆シーケンス作動......あなたの好きにはさせません......!!」
そう言うとそのまま少女を抑え込む。
「自爆か!!」
「ハヤナ.....先に逝ってますね....!!」
その言葉とともに大破していたアトスが盛大な爆発を起こした。
「っ!?.....姉さあぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
爆発の音ともにハヤナの非情な叫びが轟いた。だが、ハーミヤは知っていた。これが仮初めの演技であるということ。ハヤナも内心笑っているということ。そして、
彼等が最も悪手を撮ってしまったということを。
To be continued.........
ほんとに遅くなって申し訳ない。
もう少し頻度は高められるといいけど実は春から専門学校なのでもっと頻度落ちるかも.....
内容も薄くなるかも.....
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第94話 マドロック、起動
あちらの戦況が少々不味いことになっているさなか、シェルター内に避難していた彼等は壁に拳を打ち付けていた。
「クソっ!どうして最後まで彼奴等の力になれないんだ....!!」
「お前だってわかっているだろう、今の実力では行っても無駄だと.....!!」
「....千冬姉....。」
一夏が千冬の方を見るとすでに拳から血が流れている姿が映った。誰よりも救援に行きたいのは千冬だって同じなのだと。
「ああそうさ、私だってアイツを....束を助けたいさ!!だが今の実力では足手まといにしかならない!!」
「っ....。」
「そんなことを言うと思っていたよ。」
「束!?」
「束さん!?」
「「「「!?」」」」
シェルター内の画面に束の姿が映し出される。だがその姿は痛々しかった。所々から血が流れておりいつ死んでもおかしくない状態だった。
「お前....!?」
「あはは、直撃もらっちゃった....。」
「脱出できんのか!?」
「ちーちゃんだってわかっているでしょ?もう私も長くない。最後くらい私の言葉を聞いていってよ。」
「......手短に言え。」
「千冬姉!?」
それはまるで覚悟を決めたかのような....。
「私はね、自分の意志までここまでこれた、それならこうなってしまっても悔いはないよ。最後まで夢を見れただけ、マシだよ。」
「お前....。」
「だから最後に一言だけ言うね。
最後まで罠にかかってくれて本当に助かったよ。」
「....何?」
それを気に物理と通信は切れてしまった。
「束、お前......。」
ーー絶対なんか仕込んだな?
全員が心の中で初めてシンクロした瞬間だった。
一方、直撃をもらったティーレ艦橋では.....
「さて、全員がここまで罠にはまるとは思わなかったよ....。」
『ですね、まさか全員が同じ行動を取ってくるとは思いませんでしたが、想定内です。それで、マドロックを?』
「うん、起動するよ。はーちゃんもサダルスードとラジエルを連れてやーちゃんのもとに行ってあげて。まあ、やーちゃんのことだし愉悦してると思うけど....。」
『ハーミヤのアイズはどうします?』
「そうだね、まだ最終調整が終わってないしスルーで。」
『了解。ではご武運を。』
通信が切れると束は壊れた艦橋を見渡す。
「ふっ、初めての家とこれでお別れか....。【自爆シーケンス起動】。」
ーーready 自爆シーケンスをカウント60で設定します。
束は音声命令で自爆を起動し後部ハッチへ移動する。そこにはISでない何かがそびえていた。両腕に銃口が2つついたライフルを装備し肩に至っては本体並みの大きさを誇るキャノン砲がついている。
「....初の試験機、最初に運用するのが私とはね、皮肉なものだよ。」
鎮座していた機体に飛び乗りハッチを閉める。既にハナヨも準備が整っていたのか頭部ツインアイを光らせていた。
「マドロック起動シークエンス開始、メインジェネレーター起動。流動パルス各位正常フローエネルギー供給正常値で安定、いける!」
その声に呼応したのか、マドロックに真紅のツインアイが光った。
自爆まであと15秒。
後部ハッチが開くとともに砲撃に耐えられなかったのか爆発が始まる。
「束、行きますよ!」
「オッケー!マドロック、発進!」
「サダルスード、マイスターハナヨ、行きます!!」
炉が爆発する寸前にバレルロールし爆発を回避した2機は戦場の最前線へと赴く。主がいなくなった旗艦ティーレ。遂にその役目を果たし砲座から、ジェネレーターから、艦橋から爆煙を上げ、最後には真っ二つに折れ爆発した。
しかし、一つ味方にも敵にも誤算があった。
一つ、その旗艦の中にまだアレが残っていたこと。、
一つ、ヴィンスがすでに触媒を手に入れていたこと。
一つ、彼女が彼に恋していたこと。
爆炎の中、一つ、光る一対の目があった。
もちろん、その光景はシェルター内にも映っていた。
「あぁ....!!」
「そんな...!?」
セシリアと一夏が爆発の瞬間を見て悲痛な叫びを上げた。他の面子も声にはならないが顔を覆ったりしている。
「....。」
シェルター内は完全に意気消沈するのだった。
一方、旗艦ティーレの撃沈の報を聞いたヴィンス達も、多少なりとも影響は出ていた。
「....そうか。墜ちたか。」
「.....使う?」
「....ああ。」
「ほう?決意が固まったみたいじゃねぇか。」
両手にダガーを持った機体からの通信が聞こえてくる。
「随分と手洗い歓迎をしてくれたみたいだからな....。」
ーーーアイン、HADES
ーーーツヴァイ、起動
ーーードライ、全シーケンスオールグリーン
「「「トーリスリッター、起動!!!!」」」
まるで最後の出撃と言わんばかりに三人は高らかに宣言した。瞬時、ISが解除され、その代わりに出てきた機体に乗り込む。
「....さあ、誰だか知らないが最終ラウンドだ.....!!!」
大海原のど真ん中で死の騎士、最後の戦いが幕を開けた.....。
To be Continued....
さて、途中でできたツインアイは誰なんだろうなぁ
あと5話弱で終わるのかと思うと感慨深いよね
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第95話 決戦
クラフィSSにお熱でした。()
「これで倒れてくれたら御の字だがっ!!」
ヴィンセントのトーリスがまずは牽制がてら腕部ビームサーベル携行部からビームガンを斉射する。腕部に格納されているサーベルの柄だが格納方向を調整すればこんな芸当だってできるのだ。しかしそんなことは読めていたかのごとくかわしていく3機。お返しとばかりにマシンガンとバズーカのお祭りが繰り広げられる。当然これを余裕とばかりに交わす二人。
「っち!!厄介だな....。」
「ほらほらどうしたぁ!!そんなものなのかぁ!!」
「0091の技術を用いているこちらの方が性能は上なはずだ.....だとするなら年季の差か!!!」
ヴィンセントは愚痴りながらもマシンキャノンによる追撃をやめない。一方シールドで払い除けた3機の機体はともにバズーカ、キャノン砲、マシンガンをばらまき寄せ付けない。埒が明かないと感じたか先に動き出したのはクーだった。
「.....キャノン付きは私が抑えます!!」
「じゃあお兄ちゃんはバズーカ持ちを!私はキャノン持ちをやるね!」
「......死ぬなよ!!」
ヴィンセントの掛け声とともに散開しそれぞれの受け持つ機体へと流れていく。
この行く末を決める戦いはまだ始まったばかりだ。
一方、未だに避難を余儀なくされていた一夏達はついに束の安否不明を皮切りにヴィンセントたちの援護に向かうことを決意した。が、そううまくは行かない。
「くっ、やはりとは思っていたが....!!」
「あれは.....護衛艦?いや、戦艦か!!」
「イギリスのエディンバラ級ですわ!!あんな骨董品がまだ残っていたなんて!!」
「こっちはシャルンホルスト級戦艦だ!!全く、こんな代物何処から!!」
シェルター出口から見えてきた光景は砲撃戦を繰り広げる姿だった。あの二隻や他の大量の駆逐艦に対応していたのは.....。
「まったく、きりがないじゃん!!」
「くうぅっっ!!ビッグ・トレーが落ちたのが痛すぎますね、ええ.....。火力補助が消えた以上残るは私達の持つ雷撃能力のみです....!!」
「ティーレちゃん!!Bstは!!」
「最悪なことにフルメンテですよ!!!そういうハーディはどうなんです!!」
「あいにくこっちも定期メンテにだしちゃってたわよ!!こんな時になんて体たらく!!」
劣勢なのを悟った一夏たちは自身の専用機を展開すると3隻の前に立つ。
「大丈夫か!!」
「一夏さん!?ヴィンセントさんに避難していろって....!!」
「出来ませんわ!!私達の学生生活がこんな雑魚みたいなテロリストたちに潰されては溜まったもんじゃありませんわ!!!」
「そうだよ!!それに、今まで何度も助けてもらったお礼すらできてないよ!!」
「だから今度は私達がレティ、いや、ティーレちゃんたちを助けるのよ!!」
全員が一斉に加勢し僅かながら優位が戻った彼女たち。だが、手をこまねいて待っているだけの彼らでもなく更に砲撃や対空砲火などがキツくなる。徐々に砲塔も大破していき残るところは機銃のみ。
「くっ.....ここいらが限界ですか....!!」
「レティ!!」
「一夏!!もういいです!!私達を置いて撤退を!!」
「そんなのできるわけ無いだろ!!」
「いいや、私達はあくまでも生徒たちの安全が第一です!!それには一夏さんたちも含まれているんです!!私達を思うならさっさとシェルターに戻ってください!!どうせこの戦い....そう長くは持ちません、ならば、せめてあなた達だけでも!!」
「馬鹿言うな!!それだと彼奴等に面目が立たないだろうが!!!」
一夏達との口論が続く中、まだ砲撃はやまず遂にすべて兵装が破壊され浸水も始まる。
「これ以上は耐えられません!!急いで!!」
「いくら近代化改修しても無理なものは無理なのよ!!さっさと逃げなさいよざぁぁこ!!」
一夏たちもこれ以上の口論は無駄かと察し撤退しようとした、その時であった。
「....!?ティーレちゃん!!九時の方向より反応!!....これって!!」
「.....遅いんですよっ!!」
「来たわねっ!!」
三人の振り向いた方向に一夏たちも視線を向ける。そこには....。
「敵艦確認.....ハヤナは彼女達にあれを。私が敵艦をそれまで抑えます!!」
「わかったわ!」
「サダルスード、行きます!!」
「セファーラジエル、行くわよ!!」
2機の機影が戦場を駆け抜けていく。うち1機がティーレ達のそばで静止した。
「待たせたわねっ!!」
「ハヤナ.....!?お前、死んだんじゃ....!!」
「爆散したのは姉さんよ!!それよりもティーレ、ハーディ、これをっ!!」
セファーラジエルから投げ込まれたものを受け取るティーレとハーディ。それを見た二人はくすっと笑う。
「....助かりました!!Bst,起動!!」
「みゃち!私達の船を頼むわよ!!ペリオン、オン!!」
そう、セファーが投げ込んだのはメンテナンスだったBstとペリオンである。ティーレとハーディがそれをまとい、再び天空に立った。一夏たちは一瞬のうちに起きた一連の動きに完全に呆然としていたが、
「....これでとりあえず戦えるのね!!」
「いいや、戦闘はもう終わりです!ティーレちゃん!!」
「はいっ!!」
ティーレはハーディに促され示し合わせたかのように背部のランチャーを展開し即座に撃った。もとから溜め込まれていたのか。最大出力で放たれたソレは一瞬のうちに残存艦隊を溶かしていく。
「ひ、ひえっ....あのときの競技に使ったのとは威力が桁違いじゃない....。」
「それは4発分を一発に収束させてますからね、その分威力は高いですよ。」
「ハナヨちゃんハヤナちゃん、それに一夏達も、ここを抑えますよ!!」
「「おう!!(了解)(ええ!!)」」
息を吹き返した者たちによる反撃が始まろうとしていた。
そして、ヴィンセントたちのところにもまた、増援が到着していた。
「.....起動したんですね?博士。」
「うん、マドロック、今から戦線に入るよ。」
「.....了解、!一発やっちゃってください!!」
ヴィンスからの合図を受け束の操るMS....マドロックの砲が咆えた。3人のトーリスにかまっていたせいで遠距離がおろそかだったダガー持ちの土手っ腹にキャノンが直撃し貫通する。
「んなっ....!?」
数瞬遅れて閃光と爆発音。3人はそれを利用してうまくキャノン持ちに肉薄した。
「これでっ!!」
「甘いっ!!」
腕部サーベルで一突きに決めようとしたが、思ったよりも反応が良かったキャノン持ちは綺麗に腕部をキャノンで吹き飛ばす。衝撃で後続の2機と衝突し足が止まった。そしてその隙は殺るには十分すぎた。
「甘かったな!!」
目の前にはバズーカとビームライフルのダブル攻撃。マドロックは盾を持っているがカバーするには遠すぎてどうしようもない。今度こそ万事休すか。クーとクロエはさっきの衝撃で体制を立て直せていない。しかし女神は微笑んだ。
「.....私の適合者をやらせはしない....っ!!」
「そんな.....馬鹿な.....この戦いに関わってくるというのか.....!?」
ヴィンスですら驚きを隠せない第三者の介入。それは束もクロエも同じ反応でクーに至ってはありえないという表情、だが敵さんに取ってはさらに予想外であったようだった。
「何故だ.....なぜまだそんな機体がいると言うのだ....!!!」
「....大丈夫?ヴィンス、いや、パパ。」
「.....ああもう!!どうにでもなれ!!アリスに対する全権の解放!!手伝え!!」
「了解!!」
そこに立っていたのはALICEの切り札であるアリスが駆るアクシズの切り札、コードネームS。またの名をEv-Xsガンダム。
To be continued......
あとちょっと続くんじゃ!!!
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第96話 誰が為に
ようやく更新です。
Ev-Xsガンダム。
ヴィンセントが持ち帰った中で唯一放置されていたただの補助システムを扱うためのMS。そうだったはずだった。
ALICEという巨大なサーバーが構築されその存在が明らかになると同時に何機かのAIが情報端末として外部に放出された。そのうちの二人がキャロルとエジソン。そして今回このEv-Xsに乗っている人物こそそのトップであるアリスなのだ。
「はぁぁぁぁっ!!!」
勢いそのままにハイパービームサーベルを目の前の機体に振りかざすが、シールドで柄ごと跳ね返され、挙げ句バズーカの反撃が飛んでくる。
「なんの!!」
とっさにサブアームを駆使しハイパーナックルバスターで弾頭を撃ち抜き爆発させる。いくらISとはいえマルチタスクは稼働限界を極端に短くするものだが、HADESの稼働によりその無理やりな機動を可能にしていた。もちろんその分身体的な負荷は高くなり物理的な限界はその分近くなる。
クロエとヴィンス、クーにアリスとこれだけ見れば負けない構成なのだが、如何せん相手の機体がオーソドックスに完成しすぎているがゆえに追従性が桁違いなのだ。
「チィッ!回り込んでトライブレードを!!」
「了解っ!」
牽制する動きでハイパーナックルバスターと背部小型ビームキャノンを連射し動きを封じていく。ハイパーナックルバスターの連射モードは一射ごとの火力は低いものの継戦能力はセミオート、チャージモードと比べて長くなっており事実、二種の兵装でも2分近く相手の期待の動きを阻害する。しかし、負けじと相手もマシンガンと胸部バルカン、バズーカを連射してくるので大体はそれと相殺されあまり敵機へ向かう数としては微々たるものにとどまる。
「これでどうっ!!」
その時後ろに回り込んでいたクロエが6連装トライブレードを射出しバズーカ持ちめがけて発射する。トライブレードはいわゆる推進剤を使わず敵機に飛び込むミサイルのようなものでその着弾時の衝撃により動きを阻害するといった武器である。トーリスに搭載されているトライブレードは本家のドライセンに搭載されたトライブレードよりも小型化されているものの、インコムにより途中まで有人制御が可能な事、何より数が増えたことにより手数が倍増したので追撃に繋げやすくなった。射出されたトライブレードは勢いよくバズーカめがけて飛んでゆきスパッとバズーカの柄を切り飛ばした。流石にこの自体は予測してなかったようでバズーカを手放しシールドを構えながら後退していく機体。その次の瞬間、爆発とともに衝撃が4機を襲った。トーリスは専用シールドで防いだため大した損害はないがEvはそうも行かない。巨大過ぎるが故に関節部も肥大化した為爆風をもろに食らう。
「キャッ!!.....なんとか耐えたけど次は無いよこれ.....。」
本来バズーカの柄を切り落とされた位ではここまでの爆発は起きないが斬った際に近接信管まで切り落としてしまったのだろう。
「ほらほらあっ!!ご自慢の俊足も足が止まればカモだなあ!!」
「反撃が早いっ!?アリス!!!」
「分かってるって!!」
アリスからも見えていたバズーカの弾頭をプロテクトで撃ち抜き間一髪で難を逃れる。お返しとばかりに腰部にある簡易式ビームキャノンとスマートガンの一斉斉射をお見舞いする。
「ったく!!予備のバズーカくらいは持ってて当然だわな!!」
バズーカを破壊したはずのその機体が持っていたのはヴィンセントも良く知るバズーカだった。かつてヴィンセントが戦っていた敵軍の正式武装である【360mmロケットバズーカ】。それを視認した途端、ヴィンセントはようやくこの機体の正体を見破った。
「そうか.....そういうことか!!!【ピクシー】に【Dキャノン】に【スレイヴ・レイス】か!!!!」
「なーるほどねっ!!どういうわけか既視感があると思ったら!!!」
「ははははっ!!ようやく気づいたか!!だがもう遅い!!すでに本隊が今頃破壊してるだろう!!」
「クソっ!!ティーレ!」
相手の発言からようやく自分が囮の相手をさせられていた事に勘付き毒づくヴィンセント。しかし相手は待ってくれない。
「これで終わりだなっ!!」
「まだだっ!!」
再び放たれたバズーカのバーゲンセール。残り少ないライフルのエネルギーをすべて迎撃に回し低出力で連射していく。数撃ちゃ当たるとは言うが慌てて撃ってる為かほとんど当たらない。かろうじて見えている範囲の弾は迎撃できたものの次にやられたらエネルギー的にももう持たない。
「かくなる上は.....!!」
ヴィンセントはライフルを格納すると腕部のサーベルを取り出し、最大出力で伸ばした。
「っ.....次で決めるの?」
「このままやっても埒が明かないからな......束のマドロックと共にクーとクロエはあのキャノンもちを黙らせておいてくれ。」
「.......だめ、それは私でも聞けない。」
「リスクを背負うのは俺だけでいい!!元凶がわかった以上、その元を断つのがれっきとした軍人の仕事だ。被害者であるお前は関わらなくていいんだ.....!!!」
突き放すようにヴィンセントは残弾がないライフルをクロエに向ける。だが、それを無視してクロエとクーはそれぞれ両腕にくっついた。
「何の為に何十年も一緒にいたと思ってるの?もう私達は一蓮托生だよ?」
「そうですよお兄様!お兄様が背負っていくものは私達も背負います!!」
「お前ら.....!!」
ヴィンセントが体制を立て直し改めてサーベルを握る。更にマドロックとEvも近寄ってくる。
「この束さんもやるからには最後までやるよ!ここまで来て逃げますよなんて、このままじゃ一生の恥になっちゃう。だからこそ決めたんだ。ここで私の研究品に決着をつけるって!!!」
「私達を救ってくれた命の恩人、いや、マイマスター。それならばこの命、掛けても惜しくはない!!!」
更にその音声を聞きつけたのか4機が合流する。
「全く、無茶するんだから....。」
「こちらハナヨ、ハヤナ達以下合計4名合流しました。ご指示を。」
「ハナヨ!?ハヤナ!?......世話が焼ける!」
「けど、今はこれほどにありがたい援軍はない!」
「一夏達はすでに再避難は済んでます。フルウエポンオールフリーでやっちまえと先生からの伝言です。」
「.......そうか。」
ヴィンセントは持っていたサーベルを強く握りしめ、
「.....クロエェッ!!」
「っ.....うん!!」
「クーッ!!!」
「どこまでもお兄様と行きます!!」
「ほか全機に次ぐ!!この戦い!!生きて帰るぞ!!!」
「「「「「「「了解!!!!」」」」」」」
「「「HADESっ!!!」」」
システムダウンしていた目が再び灯る。ここに本当の最終決戦が始まろうとしていた。
To be continued.....
いよいよ次回!!!本編最終回になるかも!!
そこまで感覚は開かないと思うけどねぇ
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第97話 終焉
哲学だなぁ....、
最期の誓いとも言えるHADESを起動した3機とEv-Xs、マドロック、サダルスードにセファーラジエル。そしてアイズ。相対するは【Dキャノン】と【スレイヴ・レイス】。しかしどちらも残り稼働時間も少なく、弾薬ももうない。となると残る手段は一つだった。
「覚悟は決まった見てぇだな.....!!」
「はぁぁぉぁぁぁっ!!!」
ヴィンセントのビームサーベルとスレイヴ・レイスのビームサーベルが交錯し火花が散る。
「これ以上、誰も死なせはしない!!死ぬのは俺たちだけで十分だ!!そうだろうが!!」
「はっ、世間はどちらを見るんだか!!このISで世界は変わった!!」
「それがどうした!!変わったなら正せばいい!!その役目は俺たちにしかできないはずだ!!」
勢いでサーベルで切り払うも避けられ隙を見せてしまう。それをレイスのパイロットは逃さない。
「甘いなっ!!」
「チィッ!!」
お返しとばかりにバルカンとサーベルを織り交ぜた猛攻にところどころ切り傷ができ始める。
「何故だっ!!なぜ後も邪魔をする!!」
「忠誠を誓った身であるのならば貴様とてわかるはずだ!!」
「忠誠だと!?ふざけたことを!!」
腕部ハンドビームガンを乱れ打ちしながら切り結ぶヴィンセント。相手の機体はそこまで手数も質も高くはないがいかんせん反応が速い。それが彼と互角までの戦いを知らしめていた。
「正面だけを見ていてもっ!!」
横からクロエが突撃してきて両腕のサーベルを出力する。しかし相手はわかっていたようで冷静にシールドで流した。
「甘いっ!!」
返す刀で胸部バルカンを撃たれとっさに腕部で防ぐが、
「ぐぅっ.....!!貫通しちゃったか、いつつ....。」
「クロエ!?貴様ぁっ!!」
特殊弾頭だったのか腕部装甲を貫通して腕に被弾したクロエを見て激昂したヴィンセント。それに呼応するかのようにHADESもまた起動した。一段と早くなった機体を相手はとらえていたが捉えるのと実際に抑えるのとでは訳が違う。呆気なくサーベルを胸部に突き刺された。
「がふっ....なぜだ....ここまで成功しておきながら何故負けた....!!」
「負けは必然さ。あくまでと過信したお前らのな!」
「クソがァァァァァァ!!!」
最後の力を振り絞ってバズーカをヴィンセントに至近距離で爆破させた相手。もちろんかわせるはずもなく二人もろとも吹き飛んだ。
「お兄ちゃん!!!(お兄様!!!)」
煙がしばらくして晴れるとそこには片腕がぶらりと垂れ下がっている彼の姿があった。
「.....重いな。得たものと失ったもの.....。」
「どうせお兄様の事です、なにか別策があるのは承知の上です。」
「....悪い、レウルーラまで頼む。」
「ええ、博士、アリスちゃん。帰りましょ?」
「うん!」
「分かったわ。」
残されたDキャノンはドサクサに紛れて既に逃げていたが束が特定を勧めていたので場所が割れるのは時間の問題だ。
あの一連の襲撃から一夜が開けた。避難命令が解除され生徒たちが戻っていく中一つ煙を吹く地帯があった。
「.....よし、とりあえず安静にしておけばどうにかなる。」
「済まない、恩に着る。」
「いいってことですよ隊長。途中まで参戦できなかった私達の罪滅ぼしってことで。」
「はは.....博士たちは?」
聞くところによれば、博士は今全ISの兵装全解除及び現行OSの封印作業を行っているらしい。これで世界からISの存在意義は消失しIS学園も時期に解体されるであろう。そして今の俺たちの専用機である3人もその活動を停止し廃棄処分になる.....そのはずだったのだが。
「んー。ヴィー君たちのは独自すぎるから手を付けられないよ。」
「えぇ.....。」
HADESの中身を調べて封印措置をすることまでは面倒くさかったらしく自分たちのISのみ現行仕様のまま残ることとなった。そして数時間後、速報でISの機能停止が発表されると各国もそれに合わせて軍事力の再編成を余儀なくされた。もちろんそれはIS学園にも波及したが、そこは束。独自特権で手を回したらしい。
「専用気持ちだけは、一応機能はするように手を施したからね。これが私からの最大限の譲歩。これ以上は追われても何もしないからね!」
そう言い切ったそうな。各国首脳もこれには頭を抱え国家指名手配から解除する措置が取られたらしい。
続いて今までの本拠地であった戦艦ティーレ。沈んだあとレウルーラによって引き上げられたが何故か沈む前の状態で生きており全員が頭を抱えていた。が、それはすぐに原因がわかった。
「へっへーん、どうだい?」
「.....だれだ?」
「はーー!!?せっかくアンタが緊急時のときに稼働するよう同化させといてよく言ったわねーーー!?尊壊崩皆るわよ!?」
「......まさかっ!?」
「そう、そのまさか!ALICEサーバーから抜け出してエルちゃんの力を借りてやってきたのだ!!」
ティーレが当時のまま引き上がってきた原因。それは内部ALICEサーバーの指示により内密に起動し融合処理をすることで完全復活を果たしたディザスター【ラヴァ】。しかも依代がビッグ・トレー。
「はぁ....アリス、エジソン、キャロル、どーすんだこれ。」
「どうもこうもないわよ!?私達には干渉できないわ!!」
「おまけに私達が触ろうものならあの金属みたいなやつに体乗っ取られて終わりですー!!」
「いや、普通に俺の言うことは絶対だから大丈夫だとは思うけどな....。」
「いーやーでーす!!まだけがれたくありませーん!!」
「駄々っ子かお前は!?」
エジソンが駄々をこねている中、キャロルは静かに首を降っていた。
「はぁ.....ティーレとハーディはどうするんだ?」
「一度港に戻ろうかと。すでに十分なデータは取れましたので。」
ティーレ達は一度自分の世界に戻ってデータをフィードバックするらしい。至極真っ当。
しかし、ひとりその姿を見つめる少女がいた。
「....そろ、そろ....限界みたいですわね....。」
To be continued.....
あと3話で終わる予定です。
ファンリビのデータ取りが終わらないのでそれ終わらせ次第なところ。
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第98話 災厄をその身に抱えて
やっぱり複数進行辛いですぅぅぅぅ!!!
騒動が落ち着いて数日後のことであった。狂三から呼び出された三人は学園の屋上へと足を運んでいた。階段を登りきり扉を開くと、そこには霊装、と呼ばれる服装を身に着けた狂三が、
地に伏していた。
「狂三!?」
最初に気づいたヴィンセントが狂三を抱えるが、狂三の身体がやけに軽く感じる。
「.....お呼びだてしたのは他でもありません。私のことについてです。」
「狂三ちゃん自身について?」
「はい、私はもうすぐこの世から消滅しますわ。」
「っ!?」
3人の目の色が変わった。今まで協力関係にあった狂三が突然としていなくなる旨の発言。それはそうである。
「どういうことだ?今までも隠れて俺たちの時間を回収していたお前のことだ。なにか事情でもあるのか?」
「.....本当はお話する予定はなかったのですが、これまでに分けてくれた寿命のことを踏まえて、少しだけお話しましょう。」
そして彼女は話し始めた。いわく、彼女は本体から生みだされた分身体で、もうまもなく寿命を迎えること。そしてその運命はどうしょうもないこと。三人はそれを聞き、しばらく言葉が出せずにいた。
「せめて最後にもう少しだけ、貴方がたの時間を吸わせてはくれませんか?」
「...もとよりそれが契約だった。自分の気が済むまで吸うといいさ。」
「....では、ありがたく。」
最後の力を振り絞って立ち上がった狂三は影からどす黒い影みたいなのを展開すると3人の足元を覆わせていく。同時に3人に倦怠感が襲いかかるが、こんなの日常茶飯事だったため何事もないかのように振る舞う。
「思えば....こうして出会ったのも、なにかの縁だったのかもしれませんね。」
これが偶然だったら何だったんだよって話だがな、とヴィンセントが一人愚痴る。数分して倦怠感は収まり、黒い影も見えなくなった。
「....どうやら、本当にお別れのようですね....。」
狂三を介抱しているヴィンセントだったが、ふと狂三に詰め寄られた。
「これは今までのお礼ですわ。」
「っ....!?」
詰め寄られてされたこと。それはキスであった。キスされたヴィンセントは放心し、狂三は満面の笑みで消えていった。
「.....消えちゃった、か。」
「キスされたことで俺の体の内部に何かが溜まっている感覚がするが、気にすることもないか。」
ヴィンセントが唯一残った短銃を拾うとそこに溜まったエネルギーが短銃へと吸い込まれていく感覚がした。
「はえ?」
「っ....お兄ちゃん!その短銃をすぐに離して!!!」
「っ!!!」
咄嗟に離した短銃から影が出てきてヴィンセントたちの地面を覆った。一面に広がっている影はやがてもぞもぞとまとまると一人の影を作り出した。
「......私が死んだとでも思っていましたの?本物は私ですことよ?」
「狂....三?」
「ええ、正真正銘本物の時崎狂三、ですわ。」
なれた手付きで短銃を回収するとともに3人に銃口を向けた狂三。
「私めの秘密を知ってしまったからには死んでもらうのも吝かではありませんが、これまでに献上してくれた時間の恩がありますもの、止めておきましょう。」
短銃をおろしたのを確認した三人は深くため息をつくとバツの悪そうな顔をする。
「なんでそう試すような真似を....。」
「唯一私達のような存在を殺すことができるかもしれない存在....そんなのが確認されたら誰だって警戒するでしょう?つまりそういうことですわ。」
つまりはそういうことらしい。今でこそあまり出番はないものの、3人の身体にはELSと呼ばれる金属生命体が寄生している。その気になれば乗っ取り、この世界を滅ぼすことだって容易い。当のELSはヒトを理解して共生したいだけの存在なのでそれをすることはないのだが。
「......なら、来るのか?」
「あなたがいなければ私の補給はどこでしますので?」
「さいですか.....。」
そういうことらしい。
そして次の日。当然まだ復旧もできていないので休校である。そんな朝、三人は職員が集まる部屋に来ていた。
「....数日のうちにここを離れようと思います。」
そう思い立ったヴィンセントが放った一言。それは即ち、この学校を退学する。そう言い放っていた。
To be continued.....
あと2話書いたら完結です。
果たしてどうやって着地させたらいいか自分でもブロットが決まってない。
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第99話 さらば戦友よ
俺にはわかりません!!!!
ソレは唐突だった。
「どう....いう....?」
「何、簡単なことです、もう居場所が割れてしまった以上俺達はここにはいられないんです。」
ヴィンセントから発せられた遠回しな退学申請。千冬達には理解ができずにいた。昨日までここを守り通してくれた彼等が急に辞めるなどと言い出すとは。
「あの襲撃で全てを察しました。明らかにあの襲撃は俺とその周囲の人間を狙っていました。だからここから離れる。それだけです。既に撤収準備は進めていますから早ければ明日にでもここを発つつもりです。」
「....悔いはないんだな?」
「ええ...先生たちにはお世話になりました。だからこそ、これ以上ここを戦火に晒したくはない。戦争の闇はすべて俺たちが引き受けます。」
「....そうか。」
「宜しいんですか織斑先生!?!?」
「....彼奴等は覚悟を決めた。なら、コチラとしてはそれを尊重すべきだろう。」
「....感謝します。ここでの半年とちょっとはとても楽しかったです...。なるべくなら今度会うなら....戦争もなにもない何処かで。」
ヴィンセントは千冬に一礼をすると職員室から出ていった。その数分後、起動音と思しき轟音が鳴り響く。職員全員が外に出ると、大空を駆け巡るトーリス達の姿が。それと同時に端末にもメッセージが来た。千冬が開くと光回線のメッセージだったようだ。
「コレマデノ教導二我ラアクシズヨリ心カラノ敬意ヲ ヴィンセント以下一同。」
「...最後の最後ま..で...。」
3機が飛び立ち暴風とともに地平線の彼方へ飛び去っていく。その後ろを赤い戦艦....レウルーラと三隻に曳航される先の戦闘で大破した戦艦ティーレ。
「....これまでここを守護してくれた戦士達に心からの敬意と感謝を込めて....敬礼!!!」
千冬とて返事をしないのも癪だったのでせめての御返しに敬礼をした。職員もわかっていたようで合わせて敬礼をしてくれた。
「....いつか帰ってくるんだぞ...。」
その捨て台詞を残しながら...。
一方その当の本人たちはというと。
「...本当に出ちゃったんだねぇ...。」
「これ以上...迷惑はかけられないからなっ!!!」
学園を出て約20kmくらいの場所で混成連合軍の襲撃を受けていた。ティーレと曳航している三隻は動けないので主戦力はレウルーラ他ヴィンセント達だけになるのだが...。
「まあMSには勝てないよね〜って。」
まあMSの餌食であった。ハイパーナックルバスターの一斉射で吹き飛ぶ連合艦隊。おまけに追撃で放たれたメガ・ビーム・ランチャーとフルチャージのビームスナイパーライフルにより吹き飛ぶ後方艦隊。そして謎の爆発。
「....あの爆発、俺たちの攻撃によるものではないな...。」
まるで爆発、というよりえぐられたかのような...。
【見つけた。】
ノイズのかかったような声とともに現れたソレ。眼の前に突然現れたので3機はとっさに手持ちの武器をソレに向けた。
【折角手伝ってあげたのにその歓迎は嬉しくないね?】
「お前は誰だ?少なくとも人には見えないがな。」
「...。」
「.....あなた、どの面下げてここにまた現れたの?」
クロエが引き金に手をかける。
「クロエ、知ってるのか!?」
「あいつはお兄ちゃんに霊結晶を埋め込もうとしたやつだよ。狂三ちゃんと同じ存在、といえばいいのかな?」
【おやおや、随分と荒っぽい説明だこと。】
「....そのお前が、何をしに来た?」
【ちょっとしたおせっかいさ。どうやらここまで追い詰められているならば、私の出番かと思ってね....。受け取るがいいさ!!悪魔の力をね!!】
「っっ!!どいてお兄ちゃん!!!」
「クロエッ!?!?」
投げられた結晶の射線からヴィンセントを突き飛ばし自身がその結晶を受け止める。結晶はトーリスのコックピット装甲を溶かしクロエの元へ突き刺さる。
「クロエッ!?!?」
【....愚かな。】
「愚かなのはあなたですわファントム!!!」
「わっ、狂三!?」
「遅かったみたいですわね....今クロエさんに突き刺さったのは精製される前の霊結晶....最悪クロエさんが怪物化して殺さなければならなくなりますわ。」
「....貴様!!!!」
【おや?もしかしたら自分がそうなるかも知れなかったのに、そうまでしてあの子のことが大事なんだ?じゃあ、あの子の後始末も、自分でできるよね?】
「ァァァ!!!!!ゥゥァァァァァァァ!!!!!!!」
「「クロエ(さん)!?」」
体に突き刺さった結晶から紫電が走りクロエは悶え苦しむ。艦隊は全て消し飛んでいたが、このままでは、クロエすら手に掛けなければならなくなる。そんなときだった。
ガシッ、ベキベキベキッ、パキーン!!
【ッ!?!?】
「何だこの音は.....!!」
違和感の塊のような音とともに唸り声も止まった。暫くして、トーリスの動きが変わった。
「....アハ♡」
「クロエッ.....??」
「遅かったみたいですわね....。」
【どうやら....オリジナルでは荷が重たかったか....。】
「.....ねえ、この私達の愛の結晶、凄くいいね....♡まるで今まで以上に力が湧いてくる....キャハハハハ!!!!!!」
「....あれ?」
【....んんん??】
何やら言動がおかしい。通信モニター越しに見えるクロエの全体図を見ても、結晶体が飲み込まれず、目は赤色に、そして何より全体から鉄のような結晶体が....。
「.....おい待て、お前まさか....!!!」
「...アハ、やっと表に出てこれるよ....約2ヶ月も閉じ込められて....そうしてようやく手にしたチャンス....この際乗っ取ってやるよ!!!」
結晶体から金属が侵食し取り込んでいく。クロエ全体からも金属とコードが伸びだしコックピットの中を覆っていく。
「キャハハハハハ!!!!!!!!!!」
次第に蒼いトーリスは金属に包み込まれ灰色の無機質なトーリスへと変貌していく。その顔には紫に妖しく光るツインアイ。
「おいおいおいおい....これはまずいぞ....!!」
【どうやら....私が手をくださなくてもこれはこれで面白いことになりそうだ...ぜひ観察させてもらうよ。】
「....全員に告げる。今おそらくあのクロエはいつぞやの重人格かの薬品を服用したときに生み出された性格が表に出たものと思われる。間違いなく原因はあの霊結晶だ....死ぬ気で破壊するぞ。たとえそれがクロエを殺すことになるとしてもだ!!!」
妖しく笑うクロエに対しヴィンセントははっきりとそう告げた。
To ne continued......
完結まであと一話!!!!
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最終話 それでも死神は舞い続ける
やるならやる!サクッと決めちまおう。
それでは最終話です!!!
「ほんとに良かったのか?」
どこかで声が響き渡る。そこには銀色の髪を靡かせたクロエと金色の髪を漂わせるクロエがいた。
「うん、どうせなら、私から分離してみたらいいじゃん!」
「だからといって私をわざわざ表に出すなんて無茶なことを....。」
「けど、あなたが肉体を得られるならいいんじゃないの?」
「えー?私はあなたの中に居たほうが居心地がいいんだけどな...。」
「もう、嬉しいこと言ってくれるじゃんこのこの〜!」
「うう、ひっつくな!はなせ!」
すりすりと頬擦りをしている金髪の方のクロエ。銀髪のクロエはELSが擬態化した姿だ。先の霊結晶融合によりELSが先んじて侵食、主であるクロエを取り込まんとしていた為自らの特性を持って封じ込めた。その際、その狂気をELSが取り込んでしまい、さらにSAOで手にしていた二重人格化するデータを持っていたがためにHADESのデータまでも吸収したELSは完全なもう一つの人格として顕現した。それがこのELSこと【エル】である。つまるところいま外の世界で則っているELSはただのドッキリである。時間が経てば完全にクロエから分離し独立することになるが、元がELSなので好き勝手に融合できる。なんと都合のいいやつなんだろうか。
「さて、そろそろ覚める時間かな?」
「もーこれ....どうするの?」
「適当なタイミングで目を覚まして私の金属触手ヴィンスとクーちゃんとなんか浮いてるやつにとりつかせればいいでしょ?」
「おっけー!」
このとき二人の顔は恐ろしく黒かった。
一方、そうとも知らずクーとヴィンスはまだ修理もそこそこなトーリスを駆って暴走を始めたクロエのトーリスリッターを抑え込んでいた。その上をファントムが漂い見つめている。
「クソッ!あの世界で手に入れた人格が霊結晶によって表に出てきてしまったか!」
「アッハハ!!!もっと私を楽しませてよ!!!!【死剣】!!」
更に飛んできた斬撃にヴィンセントは必死に対応する。
【ほう...もう精霊としての権能を....。】
「もう暴走が本格化しているのか!!」
「完全に精霊になったら私達では止められませんよ!?」
「こういうときに人手がいたら良かったんだがあいにくさっき全員倒しちゃったからなぁ!!!」
「キャハハハ!!!!!!捉えたっ!!!」
「「うおわっ!?!?」」
トーリスの腕から伸びてきた触手のような物に二人は捕まりぐるぐる巻きにされる。更に腕の部分に触手の一部が刺さりグサグサと侵食していく。
「そういえばクロエの中身ELSが共生してたな!!!!」
「この速度だとそう何分も持たない!!」
動けない二人はずさずさと深く突き刺さるELSを開放することができない。だが、異変はそれだけではなかった。
【チェック・メイト、か.....わぷっ!?!?!?】
なんとファントムも捕まった。侵食こそされていないがその捕まり具合は二人と同じである。そしてそこから雰囲気が変わった。
「あとは任せたぞ?」
トーリスの内部でコードのようなものにぐるぐる巻きにされていたクロエが縦2つに割れ中から光ったクロエが飛び出てきた。
「「クロエ(さん)!?!?」」
光って何も見えないが、そこにはたしかになにか着ているように見えた。
「ふっふ〜ん、コアとの適合完了!完全掌握!!」
光が収まり二人がクロエを見やるとトーリスのような淡い蒼色で染められたドレスを身に纏ったクロエの姿があった。
「私が二重人格に乗っ取られるとでも?残念でした!私のエルちゃん舐めないでね!!」
「クロエ!!」
「ふふん、どうお兄ちゃん!この姿は!」
「まさかとは思うが.....!!」
「そう!あの霊結晶を取り込んでちゃんとした精霊になっちゃったよ!これで私も世界中の敵だね!まあキスされたら力も封印されちゃうんだけど....。」
【まさか....あの霊結晶を通して情報がすべて....!!】
ファントムは触手の拘束から抜け出したものの、慄いていた。
「まさか自分の思い通りにならないとは予想してなかったでしょ?この姿は私がトーリスなしでも戦えるように自分から適応したの!」
「トーリスなしでも....?」
「そう!ELSの強大な適応力と侵食能力、そしてHADESの強靭な反射能力、そしてお兄ちゃんが残したALICEから吸い出したデータをもとにしたこの衣装!この衣装実はあの中にいる女王の衣装を意識したんだ!」
言われてみればクロエのドレスは長いドレスというよりかはミニスカドレスではある。半ロリータ服とでも言うべきなのか。
「まあ、言うならば識別名【クイーン】なのかな!」
【....全く、予想外にもほどがある。】
ファントムはもはや諦めたかのように両手を上げていた。
【過去に来てまであの子のために狂三に殺してもらう浄化者を探していたのにこれでは計画を修正しなきゃならない....。ここはお暇させてもらおうか。】
「あ!待て!」
言うが早いかファントムは一瞬で消え失せていた。残されたのは海上で援護していた戦艦たちと上空に浮かぶ精霊化したクロエとトーリスで駆ったヴィンセントとクー、そしてELSに侵食されたまま動かないトーリスだった。
「お兄ちゃん!」
「ク、クロエ....?」
「このままだと私、消えちゃうから!キスして!」
「は!?」
「いいからいいから!」
「ちょっ!?おまっ!?」
「私はこの力を望まない!だから自らの手でこの力を封印するの!それともお兄ちゃんはこのまま消えてほしいの....?」
「....ああもう!ほしがり屋なんだからお前は!!」
「あの時みたいなヘタレじゃなくてよかった!」
クーがいる眼の前で二人はキスをした。ヴィンセントのところに流れ込むような感覚。これがクロエの精霊としての力なのだろう。それにしてはかなりドス黒いのは多分HADESとELSが入り混じった結果なのだろうが。キスを終えてクロエの恰好はさほど変わっては居なかったが精霊としての力を失ったのでそのまま空中に浮いているわけもなく落ちていく。すかさずヴィンスがキャッチし抱きしめる。
「ふふ、私を最終的にこんなにしちゃった責任、取ってよね!」
「ひっでぇいい草....けどまあ、了解だ、クロエ。」
そうして最後のISとしてのトーリスはその命を終えた........。
まあそんなわけもなく。
人しれないどこかの街で。
「へぇ...ここが天宮市か。」
「あの精霊による被害をもとに作られた対精霊防御の機構が強く組まれた町...。」
「けど、こんなところに軍事基地なんて本当に作れるの?」
「港は占領したし既にここにティーレたちや、博士、そしてトリス達も先行して来ている。恐らく大丈夫なはずだが。」
「まあ、それは行ってみてのお楽しみ、でしょ?」
彼女は笑い、いつものドレスを展開する。あの戦闘の後、すでに数年が経過したが、ことあるたびに彼女はこのドレスを着たがる。まあ自分にとってもそのほうがきれいなのでいいのだが、一つ欠点があった。
「精霊を確認!総員オールウエポンズフリー!精霊を撃破せよ!」
『了解!!!』
「なんかまた来たよ....この街に入ってから何回目だろ?」
「お前が精霊だから少なからずそれは仕方ないだろ?」
「はあ....蹴散らしちゃう?」
「面倒くさいしな。エジ、サポート頼んだ。」
『はい、お任せあれ!』
「イーちゃん、制御は任せたよ!」
『ふん、陛下がお前の世話をしろと仰ったときは目を疑ったが....遠回しに我のデータの元になったと言われたら仕方あるまい、蹴散らすぞ!』
彼女と彼のISによる一連の物語はひとまず終わりを告げた。だが、ここからは果てしない新たな敵、【精霊】と呼ばれる者たちとの数奇な物語が始まるのである。
Fin....?
ハイ、というわけで完結です!!!
いつか終わらせたかったのでようやくか、という感じ!!!
統計100話、約5年か6年かな?にわたってお送りした本作は一旦今話で終わりを迎えます。ですが、クロエとヴィンスの物語は終わりません!
舞台はISから精霊へと移り変わり....!!!
果たしてどうなってしまうのか!?
お楽しみに!!!!それではまた次の小説でお会いしましょう!!!
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