Fate/Grand Order巻き込まれる魔法少女達 (Dr.クロ)
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二代目はオルタちゃん~2016クリスマス~With魔法少女 第一夜~いきなりのサンタっ!?~

クリスマスを楽しもうとしたイリヤ達、だけど今回も騒がしいのに巻き込まれて…


イリヤと美遊はワクワクしていた。

 

なんたってクリスマスだからである。

 

イリヤ「ジングルベール、ジングルベール♪」

 

美遊「鈴がなる~」

 

テンションが上がる中で2人は通路を歩いているとマシュとトナカイの恰好をした刹那がいた。

 

マシュ「先輩、もうそろそろ出発ですよね?トナカイ衣装、たいへんお似合いなのではないかとっ!」

 

刹那「ありがとねマシュ。褒めてくれて。二人もわざわざ元の世界から来てくれてありがとね」

 

イリヤ「あ、気づいてました」

 

うんと頷いた後にマシュが忘れてました!とごそごそと探り…

 

マシュ「はい、真っ赤なお鼻です」

 

美遊「真っ赤なお鼻!」

 

イリヤ「トナカイさんの必須アイテム!」

 

はいはいと自分のお鼻に取りつける刹那を見ながらマシュは思い出す。

 

マシュ「一年前を思い出しますね先輩」

 

イリヤ「一年前って…確かサンタオルタさんのお手伝いしたんだっけ刹那お姉さん」

 

美遊「サンタさんのお手伝いって凄いですね!」

 

目を輝かせる2人に刹那はあはは…と苦笑する。

 

刹那「去年は色々と大変だったな~」

 

マシュ「そうですね。マスターがいきなり行方不明になってたと思ったらサンタオルタさんによって連れて行かれてたんですから知った時はもう驚きましたよ」

 

イリヤ「そ、そうだったんだ…」

 

美遊「大変でしたね;」

 

あははと笑う刹那とマシュのにイリヤと美遊は冷や汗を流す。

 

マシュ「あ、そうでした。実はサーヴァントの皆さんから、色んな物を預かっているんです」

 

刹那「皆から?」

 

イリヤ「一体どんなものを?」

 

ええっとですね…とマシュは預かったのを入れた袋をガサゴソと漁る。

 

マシュ「まずは…こちら、携帯用のカイロです。上空7500メートルをカッ飛ぶそうですから、冷えないように、と」

 

イリヤ「上空7500メートル!?」

 

そこまで行くの!?と驚くイリヤと美遊を後目にメディアからなんだね~と刹那が聞いてマシュははいと肯定する。

 

マシュ「魔術で編み上げたものなので暖かさは折り紙付きです」

 

美遊「魔術で編み上げたカイロ…」

 

凄いなと思う中で次のですとマシュは次のを見せる。

 

マシュ「こちら、エミヤさんからのお弁当です。この糸を引っ張ると自動的に温まるようになっているそうです。エジソンさんと共同で開発したとかなんとか…」

 

刹那「あれ?うちにエジソン居たっけ?」

 

イリヤ「いたっけ?」

 

ルビー「スピンオフクオリティと言う事ですね」

 

サファイア「まあそこは気にしない方で;」

 

首を傾げる2人にルビーはメタイ事を言ってサファイアがそう言う。

 

その間にマシュも3つ目のを取り出す。

 

マシュ「こちらはマリーさんからクリスマスにはちょっと早いけどスパイス入りの温めた葡萄酒だそうです」

 

刹那「私、まだ未成年だけど……ま、いっか」

 

美遊「(い、良いのかな;)」

 

続けてのに美遊はそう思ったが次のマシュの言葉にイリヤともども目が点になる。

 

マシュ「最後に先輩、こちらはサンタオルタさんと、わたしから共同で作ったお守りです。交通安全他、色々あらたかな効果が……」

 

イリヤ「えっとちょっと待って。なんでサンタオルタさんの名前が出るの?」

 

一緒に行くのではないかと目で見る2人に刹那はあはは…と苦笑し…

 

???「さあ、トナカイさん!出発ですよ、行きましょう!」

 

イリヤ「ふぇ?」

 

ルビー「へ?」

 

ひょっこりと刹那の背中から現れたのにイリヤと美遊は目を点にする。

 

出て来たのは女の子なのだが、その身を包んでいるのが上が黒ビキニで白いケープを羽織り、その下はケープと同じ白い腰を包み込む感じに赤いスカートの上から纏っていた。

 

誰と思ったがその顔付きからイリヤは恐る恐る聞く。

 

イリヤ「あの…もしかしてジャンヌさん…?」

 

少女「いえ、ちょっと違いますね。私はジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィです!」

 

美遊「オルタって…え?え?」

 

戸惑っていた2人はじいーと見る。

 

確かに言われるとジャンヌオルタの面影がある。

 

だけど性格はと聞かれると…

 

イリヤ「(なんか全然違うよね?)」

 

美遊「(うん…凄く真面目な感じ…で良いのかな?)」

 

こそこそと話し合う2人に少女、サンタリリィは首を傾げる。

 

サンタリリィ「あの、何こそこそ話しているんですか?」

 

話しかけられた2人はな、なんでもないです…と答えた後にマシュに近寄る。

 

イリヤ「あ、あのマシュさん!」

 

美遊「いったいこれはどういう事なんですか!?」

 

マシュ「あー…ジャンヌさん…本来のジャンヌさんがキャスターのジルさんを説教して聞き出した事の又聞きなんですが…」

 

そう言ってマシュは事情を説明する。

 

なんでも、クリスマスでテンション上がっているサンタオルタにざまぁと言う為にジャンヌオルタがサンタオルタの袋を盗んで自分が変わりにプレゼントを渡してやろうと計画をしたらしい。

 

ただ、その際に袋を盗むために子ギルから透明になる薬を貰ったそうだが、実は渡された薬は透明になる薬ではなく、若返りの薬だったそうだ。

 

ただ、子ギルこそギルガメッシュの使う薬はそのまま若返るのではなく、別人とも言える人格に変わるので今のサンタリリィが誕生した。

 

ちなみに渡した子ギル曰く、夜遅くに起こされたから寝転がったまま宝物庫を漁ったせいで渡す薬を間違えたとの事

 

その後、サンタオルタがジャンヌと刹那と何かの話をした後に今年のクリスマスはサンタリリィに任せると言ったのだ。

 

マシュ「と言う事なんです…」

 

イリヤ「えええ…」

 

美遊「英雄王、何渡しているの;」

 

ルビー「まぁ、寝ぼけてたんなら仕方ないですよ」

 

サファイア「仕方ないで済ませられるのでしょうか;」

 

話を聞いてイリヤは唖然とし、美遊は冷や汗を流す。

 

サンタリリィ「ではトナカイさん!行きましょう!」

 

刹那「はいは~い。んじゃあ行こうか」

 

イリヤ「が、頑張ってきてください!」

 

美遊「わ、私達は応援を…」

 

ガシッ

 

スタスタと歩いて行くサンタリリィに同意した刹那に激励をするイリヤと美遊だったが、刹那に手を掴まれて引きずられる。

 

え?となる2人に刹那は口を動かして言う。

 

それをルビーは翻訳する。

 

ルビー「えっと、た・び・は・み・ち・づ・れ・よ・は・な・さ・け…ですか」

 

イリヤ&美遊「え、ええええええええええええええ!?」

 

驚いている間にマシュは行ってらっしゃいと手を振り、何時の間にかいたGOクロの南無と手を合わせるのに見送られて2人は引きずられる。

 

サンタリリィ「プレゼントを欲しがるサーヴァント達が、私達を待ってます!」

 

刹那「んじゃレッツゴー!」

 

イリヤ「どうしてこうなったの!?」

 

美遊「イリヤ、諦めてせめて寒さ対策しよう…」

 

サファイア「そうですね。頑張りましょう美遊様;」

 

絶叫するイリヤに美遊はそう言うしかなかった。

 

そんな訳で巻き込まれてしまったイリヤと美遊。

 

彼女達の行く先で起こる事はなんなのやら~



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第二夜~愚者と少女の贈り物~

いきなりサンタリリィと一緒にサンタすることになったイリヤと美遊
彼女たちが最初に向かう場所は……


前回、サンタリリィのプレゼント配りに強制的に連れて行かれる事になったイリヤと美遊

 

その姿はルビーはこんな事もあろうかと!と言う防寒対策抜群のサンタ服を身に纏ってソリに乗っていた。

 

イリヤ「た、高ーい…」

 

美遊「刹那さん…こんな高い所を去年は飛んでいたんですね;」

 

刹那「去年はいきなりだったからなー…」

 

いやーホントいきなりだったよな…と刹那は遠い目をする。

 

大変だったんだな…とその様子からイリヤと美遊は感じ取っているとサンタリリィが言う。

 

サンタリリィ「トナカイさん、『賢者の贈り物』と言う物語、知ってますよね?」

 

イリヤ「賢者の贈り物?」

 

首を傾げるイリヤに何それ?と思ってる間にサンタリリィは続ける。

 

サンタリリィ「私が思うにあれの感激は一瞬でしかありません。髪は伸びますが、親の形見である時計が取り戻されることはもうない。あの様子では、旦那さんが新しい時計を買うことも当分ないでしょう。奥さんの方は櫛を使う度に罪悪感が募り、旦那さんは櫛を見る度に被害者的な感情に(さいな)まれる」

 

美遊「そ、それは…」

 

その言葉に美遊はなんとも言えない顔をする。

 

確かに見方を変える事で意味が変わってしまう物語は沢山ある。

 

良い話も悪い話も見方を変えれば別の光景が見えて来るが彼女の語りは…

 

イリヤ「(なんかね…ほとんど悪い方向で考えすぎな気がするよね;)」

 

美遊「(うん…しかも真面目に考えすぎてる…よね?)」

 

サンタリリィ「ん?どうかしましたか?」

 

こそこそ話す2人を声をかけるサンタリリィに2人はなんでもないよと返す。

 

サンタリリィ「だからこそ彼女にふさわしいプレゼントはこれなのです!」

 

刹那「彼女?」

 

ルビー「と言う事は最初の人物は女性ってことですね!」

 

イリヤ「一体誰なんだろう…」

 

出て来た言葉に誰もが首を傾げる中でサンタリリィは鼻歌を歌いながら進む。

 

サンタリリィ「ふんふんふーん、ふんふんふーん、ふんふんふん、ふふーん♪夜空を切り裂き、空を飛ぶ―――これこそサンタのあるべき姿です!」

 

刹那「綺麗な声だね」

 

嬉しそうに歌うサンタリリィに刹那は褒める。

 

サンタリリィ「という訳で最初のリクエストは……えーと…」

 

イリヤ「?どうしたの?」

 

ルビー「まさか読めないとかじゃないでしょうか」

 

唸るサンタリリィにイリヤは首を傾げる中でルビーが言う。

 

サンタリリィ「そ!そんなわけありません!えっとこれは…」

 

刹那「(誰なのやら…)」

 

えっと、えっと…と必死に読もうとするサンタリリィに刹那は待つ。

 

サンタリリィ「け、き……けーさんです」

 

刹那「けーさん……あ、荊軻ね!」

 

出て来た名前に刹那は語感が近い人物を思い出して言う。

 

サンタリリィ「あ、はい!そのけーかさんです!」

 

イリヤ「へぇ~荊軻さんか~何を頼んだのかな?」

 

頷くサンタリリィのにイリヤは聞く。

 

サンタリリィ「去年のリクエストは『切れ味の良い短刀』で、貰ったものは『優雅なおじ様』だったそうですが…」

 

刹那「(ああ、そう言えばあのおじ様っての…凛ちゃんのお父さんだったんだね)」

 

何それ?と首を傾げるイリヤと美遊を横目に刹那は見せた際に驚いた様子を見せた凛を思い出す。

 

サンタリリィ「『優雅なおじ様』って何ですか?」

 

刹那「背中からぐさって刺されるおじ様」

 

こわっ!?とサンタリリィのに答えた刹那のにイリヤと美遊は顔を青くする。

 

サンタリリィ「……?分かりませんが、ともかくけーかさんのプレゼントとしては相応しくありません!この方に相応しいプレゼントを持ってきたので、早速洞窟に向かいましょう!」

 

イリヤ「あ、あのその前にプレゼントの確認をした方が良いんじゃないかな?」

 

サファイア「確かにその方が我々の視点から喜ぶか分かると思いますよ」

 

そう言って張り切るサンタリリィにイリヤは提案にサファイアも乗ってそう言う。

 

サンタリリィ「そ、そうでしょうか?私的には論理的に相応しいのを選んだと思うのですが…」

 

刹那「まあまあここは子供視点の意見を貰うって事で、それにサンタさんはそう言う意見を聞くのも大事だよ」

 

ふうむと首を傾げるサンタリリィに刹那はそう助言する。

 

サンタリリィ「むぅ……では一応確認しましょうか」

 

イリヤ「そうそう。それでどう言うのを渡すの?」

 

不満そうだがサンタさんはと言うので了承するサンタリリィにイリヤは聞く。

 

サンタリリィ「あるキャスターさんに作ってもらった断酒薬です!」

 

イリヤ&美遊「なんでさ?!」

 

ババン!と出されたのにイリヤと美遊は思わずエミヤの迷台詞を叫んでしまう。

 

刹那も叫んでなかったが顔をヒクヒクさせていた。

 

そんな3人の反応にサンタリリィは首を傾げる。

 

サンタリリィ「なんで叫ぶのですか?お二人とも」

 

イリヤ「なんでクリスマスプレゼントに断酒薬?!」

 

美遊「と言うか荊軻さんの要望に全然答えてない!?」

 

心底疑問なサンタリリィにイリヤは叫び、美遊も指摘する。

 

なんでそれ?と言う刹那のにもサンタリリィは胸を張って言う。

 

サンタリリィ「そもそもサーヴァントなのにアルコールを飲んで酔っ払うなど、何事ですか」

 

ルビー「あー確かに;」

 

イリヤ「(けど、それはそれでプレゼントのとは別のを渡すのは違うと思うな;)」

 

ルビーは納得する中でイリヤはそう心の中で呟く。

 

刹那「…それが君が選んだプレゼントなんだね。んじゃ早速渡しに行こうか」

 

サンタリリィ「はい!行きましょうトナカイさん!」

 

え?良いの?と見る2人を気にせず、サンタリリィはそう言って目的地へとソリを動かしてから所で…と刹那を見る。

 

サンタリリィ「これ、どうやって降りるんですか?」

 

イリヤ&美遊「知らないの!?」

 

出て来た言葉に思わず2人は叫んでしまう。

 

なお、そこらへんは刹那が教えて貰っていたので無事に着陸出来たとさ

 

 

 

イリヤ「それにしてもまだ洞窟に居たんだね…」

 

美遊「うん。前もそうだったみたいだしね」

 

洞窟の中を歩きながら呟くイリヤに美遊も刹那から聞いた去年のクリスマス話のを思い出して頷く。

 

刹那「あ、居たよ」

 

すると刹那が気づいて言い、3人も見ると…

 

そこには呆れたマルタと酔っ払った荊軻、牛若丸、マタ・ハリの3人がいた。

 

近くでタラスクが怯えていた。

 

イリヤ「また酔っ払ってる…」

 

サンタリリィ「ほら、見て下さいトナカイさんに2人とも、この酸鼻極まった状況を!」

 

美遊「牛若丸さんも酔っ払ってるね…」

 

うわぁ…となる2人や刹那にサンタリリィは憮然とした顔で言う。

 

刹那「まあ今日はクリスマスだし……」

 

サンタリリィ「それでもです!惨いではないですか!」

 

イリヤ「あー確かにこの惨状はね…」

 

ルビー「と言うかタラスクが怯えてるのは料理をされかけそうだったからでしょうかね?」

 

ぷんすか怒るサンタリリィにイリヤは冷や汗を掻き、ルビーがそう指摘する。

 

サンタリリィ「はい、タラスクも惨いですがそれ以上に惨いのが、普段シャンとしている大人たちです」

 

マシュ『昨年の出来事はサンタオルタさんから伺ってましたが……聞きしに勝る酷さですね…』

 

ホントに酷いと思っているとマルタが気づく。

 

マルタ「あ、サンタとトナカイ。また来たの?ってなんでイリヤ達も居るのよ…」

 

刹那「いや~まあちょっと色々あってね」

 

イリヤ「ドナドナされました」

 

ドナドナ?と首を傾げるマルタを前にサンタリリィはぷんすか怒る。

 

サンタリリィ「来ました!まったく、去年と変わらずろくでなしなのですね!何かと言えばお酒に逃げて、お酒に依存して、お酒に溺れるなど、それでも大人なのですか!まったくもう、バカじゃないですか!」

 

??「お酒は悪くないですよ~」

 

イリヤ&美遊&刹那「誰!?」

 

ぼろくそに言ったサンタリリィのに何時の間にかいたチャイナドレスの女性にイリヤと美遊と刹那は驚く。

 

??「どうも~お酒の匂いに釣られて来た通りすがりの紅美鈴(ほんめいりん)でーす」

 

イリヤ「酒の匂いに釣られてってどんなけ酒好きなんですか!?」

 

刹那「それでなんでここに!?」

 

叫んだイリヤの後の刹那の問いに美鈴はそれはですね…と前置きして…

 

美鈴「お酒が飲めると聞いたので!」

 

それには誰もが仰け反るがのんべぇ達は違った。

 

荊軻「それなら仕方ないな」

 

牛若丸「ですね。一緒に飲み明かしましょう!」

 

美鈴「わぁい^^」

 

そう言って参加する美鈴にマルタは呆れてはいたが内心警戒していた。

 

先ほどまで自分達に感知させなかった気配隠しにその身から出てる気配

 

下手したら自分達より強いと言うのをマルタは感じ取っていた。

 

それを表面上出さずにサンタリリィを見る。

 

マルタ「……随分ちっこくなったわね。去年と比較して…と言うかこの子、ジャンヌ?」

 

サンタリリィ「背丈のことは言わないで下さい!伸びます!これからもーっと伸ーびーまーすー!」

 

イリヤ「(サーヴァントって成長しないんじゃ…)」

 

そう言ったマルタに手を振り回して返したサンタリリィのにイリヤはそう思った。

 

ルビー「まぁ、薬の影響を受けるから薬で頑張ればワンチャン?じゃないですかね」

 

イリヤ「んー、なんだろう……ものすごく嫌な予感が…」

 

そう言ったルビーの後にイリヤは不安そうに言う。

 

そしてそれは来た。

 

荊軻「なあにぃ、サーンーター?」

 

サンタリリィ「ぴぃっ!?」

 

気づいた荊軻がぬるりと気づかせずにサンタリリィの後ろに立ち、サンタリリィは怯えて刹那の背中に隠れる。

 

イリヤ「(あ、今のは可愛い…)」

 

荊軻「あー、サンタがまた来てるー!ま、ま、ま。一杯一杯」

 

そんな反応にイリヤはそう思ってると荊軻がお酒を勧めようとする。

 

牛若丸「荊軻殿、サンタが怯えて隠れてしまいました。駄目でしょう。モグラを殺すには煙で|燻⦅いぶ》す。砦に籠った兵士たちを首をはねるには、何もかも燃やすのが一番です」

 

イリヤ「おかしいよねそれ!?」

 

美鈴「と言うかジャンヌに火はアウトじゃ…」

 

物騒な事を言う牛若丸にイリヤは叫び、美遊がちらっと見ると案の定サンタリリィは怯えていた。

 

サンタリリィ「火は怖い……火炙りいや」

 

美鈴「こら、子供泣かせちゃ駄目でしょ」

 

震えるサンタリリィを見て美鈴がそう言って2人の頭に軽くチョップを入れた後にサンタリリィの頭を優しく撫でる。

 

美鈴「大丈夫ですよ。貴女を虐める奴は私がぶっ飛ばしますので」

 

サンタリリィ「ホントですか?」

 

上目遣いで見るサンタリリィにですよと美鈴は優しく微笑む。

 

刹那「なんか母親みたいだね」

 

マルタ「そうね。もしかすると子供がいるんじゃないかしら」

 

それを見て言う刹那にマルタも同意するとサンタリリィははっとなった後にコホンと咳払いする。

 

サンタリリィ「これだから酔っぱらいは嫌なんです!クリスマスに相応しくありません!」

 

イリヤ「まー確かにこういうのは…」

 

刹那「とりあえずそこの人とマルタを除いてお仕置きで」

 

ぷんすか怒るサンタリリィにイリヤも流石にこれは…となんとも言えない顔をして刹那が美鈴とマルタを除いてそう言う。

 

牛若丸「おしおき……酔い響き、違う、良い響きです」

 

イリヤ「良いの!?」

 

サンタリリィ「フッ、戦いですか。良いでしょう!では、トナカイさん。指揮をお願いします!戦いに勝った暁にはちゃんと私を褒め称えてくださいね!」

 

マルタ「あー…うん。数的に私はそっちに味方した方が良いかしら?」

 

刹那「あー……」

 

やる気満々な面々を見てそう聞くマルタに刹那は頬をポリポリ掻く。

 

ルビー「と言うかおひとり、レベル違うの混じってません?」

 

刹那「せやな」

 

マシュ『軽く計測した結果…サーヴァントではないですが力がグランド行ってますよこの人;』

 

イリヤ「ぐ、グランド!?」

 

そう言ったルビーのに解析したのか報告したマシュのにイリヤ達は驚く。

 

サーヴァントのグランドで言えば何なのか分かる者にとってそれは驚きのであった。

 

美鈴「あー私は戦い不参加でお願いしまーす」

 

刹那「あ、そうなの?」

 

するとお酒を飲むのを再開しながら美鈴がそう言う。

 

美鈴「私は今回お酒を飲みに来ただけですので」

 

イリヤ「凄いのんべえさんですね;」

 

荊軻「んで、戦うんでしょう!やっちゃうわよ~!」

 

マタ・ハリ「そうね~頑張りましょう!」

 

マシュ『へべれけ残念女子会メンバー、来ます…!』

 

美遊「イリヤ、来るよ!」

 

その言葉と共に荊軻、牛若丸は駆け出し、マタ・ハリは魔力弾を放つ。

 

その魔力弾をマルタが打ち消し、牛若丸の刀をサンタリリィが止めて、荊軻のをイリヤがルビーで受け止めたから美遊が攻撃を仕掛ける。

 

荊軻「ふっ!」

 

イリヤ「はあっ!」

 

斬りかかる荊軻のをイリヤは逸らしつつ内心うひぃとなる。

 

酔っ払っていても英霊の1人、その太刀筋に乱れがない。

 

イリヤ「(相性では勝ってるのに…やっぱり強い!)」

 

その攻撃をいなしながらイリヤは魔力弾で攻撃できるかを探すが…

 

荊軻「いっくよ~」

 

イリヤ「ふぇ!?」

 

連続で放たれる斬撃にイリヤは慌ててかわす。

 

美遊「イリヤ!」

 

荊軻「おっと」

 

そこに美遊が魔力弾を放って、荊軻をイリヤから引き剥がす。

 

イリヤ「ありがとう美遊!」

 

美遊「うん。やっぱり強いね荊軻さん」

 

お礼を言ったイリヤは美遊のに確かにと同意する。

 

刹那「そりゃうちの古参メンバーの一人だからね」

 

苦戦はするよと言う刹那にイリヤはどうしようかと考える。

 

そしてふと、お酒が目に入る。

 

イリヤ「そうだ!あのお酒を使おう!」

 

美遊「お酒を…そうか」

 

閃いたイリヤの言葉に美遊も彼女がする事を理解してお互いに頷いた後に美遊が荊軻へと向かい、イリヤが酒へと向かう。

 

荊軻「ん~?」

 

美遊「余所見はさせない」

 

イリヤの方を見ようとした荊軻に美遊は攻撃をして自分に向けさせる。

 

美鈴「ん?」

 

イリヤの行動に少し疑問を思ったがすぐさま理解して美鈴は成程と笑う。

 

イリヤ「荊軻さん!」

 

荊軻「ん?」

 

美遊の攻撃を軽く避けていた荊軻は突然呼ばれて振り向く。

 

イリヤ「えい!」

 

荊軻「!お酒!」

 

飛んで来たお酒に荊軻はバトルを忘れてキャッチする。

 

イリヤ「今だ!最大斬撃(マクスィマール・シュナイデン)!!」

 

その隙を逃さずにイリヤは自身の必殺技を勢いよく飛ばす。

 

荊軻「ぬあぁああああああああああ!?」

 

それを酒に目を向けていた荊軻はマトモに受けて壁にぶつかる。

 

ただ、器用にお酒だけ割れない様に守っていた。

 

サンタリリィ「これでトドメです!」

 

牛若丸「ほわぁ!?」

 

続けざまにサンタリリィが突きで牛若丸を壁へと吹き飛ばす。

 

マタ・ハリ「あら、これは負けたわね」

 

マルタ「はぁ…やっぱアサシン相手は疲れるわね」

 

刹那「皆、お疲れ様」

 

2人が終わったのを見てマタ・ハリは戦闘態勢を解き、マルタはふうと息を吐く中で刹那が労いの声をかけてサンタリリィにも偉いぞサンタさんと声をかける。

 

サンタリリィ「はい、きちんとサンタできました!」

 

イリヤ「お疲れ様」

 

むふんと胸を張るサンタリリィにイリヤは声をかけるとてててと荊軻が起き上がる。

 

荊軻「いやー!負けた負けた!やっぱり酔っていると負けても楽しいなー!」

 

美鈴「にゃはは、分かりますね~」

 

かんらかんら笑う2人の様子に酔い覚ましになってないわね…とマルタは呆れる。

 

サンタリリィ「さあ、と言う訳で貴女たちへのプレゼントはこちらです!」

 

そう言ってマルタを除いて3人に…例の薬を差し出す。

 

イリヤ&美遊「ああ……」

 

荊軻「あはははは、何これー?」

 

牛若丸「新しいお酒ですか?」

 

マタ・ハリ「変わったお味ねえ」

 

サンタリリィ「ついでに貴女にもプレゼントです!」

 

美鈴「おや、これはどうも」

 

何とも言えない顔をする中であっさりと飲む3人の後に美鈴にも渡して美鈴はあっさりと飲む。

 

マルタ「ちなみにあれの中身は?」

 

サンタリリィ「断酒薬です」

 

荊軻&牛若丸&マタ・ハリ「え」

 

出て来た言葉に3人は凍る。

 

サンタリリィ「そもそも、サーヴァントなのにアルコールを飲んで酔っ払うなど、何事ですか。何時いかなる時でも、サーヴァントとしての自覚を持つ……そのための断酒薬です。あ、気をつけてください。その状態でアルコール飲むと、ダメージ受けます」

 

荊軻「そ、そんなー」

 

告げられた事に荊軻は絶望する中…

 

ゴクッゴクッ

 

美鈴「あー美味い!」

 

この人物は平然とお酒を飲んでいた。

 

サンタリリィ「ちょっ!?話聞かなかったんですか!?アルコール飲むとダメージ受けるんですよ!」

 

美鈴「ん~?この程度なら全然大丈夫でしょ」

 

それにはサンタリリィは驚いて詰め寄るが詰め寄られた本人はあっけらかんに返す。

 

サンタリリィ「へ、平気って……」

 

イリヤ「ホントに大丈夫なの?」

 

美鈴「逆にこのダメージが心地よく体に響きますね」

 

くすくす笑って言う美鈴のにイリヤと美遊は少し引く。

 

美鈴「ってことで良いプレゼントありがとうございましたー!」

 

イリヤ「えー…良いのかな;」

 

ルビー「良いんじゃないですかね?」

 

刹那「まぁ、あっちはあっちで落ち込んでるけど…」

 

冷や汗を掻くイリヤにルビーはそう返すが刹那は落ち込んでいる荊軻を見る。

 

マルタもマルタで額を抑えていた。

 

荊軻「お酒が飲めないなんて、我が人生、死んだも当然じゃないか!」

 

マルタ「あちゃー……。そうかー、そういう方向性かー……」

 

これは困ったわね…と呟くマルタを知らずにサンタリリィは気を取り直して胸を張る。

 

サンタリリィ「ちょっと違いましたがクリスマスらしい良いプレゼントをあげれました……」

 

牛若丸「ううむ、これから祝い事でてんやわんやだと言うのに、常に素面なのは辛いですね」

 

マタ・ハリ「困ったわねぇ…酔った勢いを利用して、既成事実が作れなくなっちゃうわ…(チラッ)」

 

刹那「うわお」

 

イリヤ「き、既成事実!?」

 

呻く牛若丸の隣で刹那をチラ見しながら言うマタ・ハリのに刹那とイリヤは顔を赤くする。

 

サンタリリィ「どうしました二人とも?顔が赤いんですが…」

 

マシュ『そうですよ何かあったんですか?特にマスターはマタ・ハリさんとみつえ合う必要があるのですか!』

 

刹那「いや、その」

 

マタ・ハリ「うふふふふふ」

 

ちょっと痴話喧嘩になっている隣を横目にマルタは恐る恐るサンタリリィに聞く。

 

マルタ「えーっと、サンタちゃん。この断酒薬って、あなたが作った訳じゃない……わよね?」

 

サンタリリィ「はい、私の手に余るのでキャスターに作って貰いましたが…えっと、名前は分からないですけど、白い服を着た……」

 

イリヤ「覚えてあげようよ!?」

 

美遊「白い服を着たキャスター…イリヤのお母さんやパラケルススさんかな?」

 

そう言ったサンタリリィのにイリヤがツッコミ、美遊が思い当たる人物を言った後に荊軻と牛若丸がガバッと起き上がる。

 

荊軻「髪が長い奴?髪が長い奴だよね?ふふふふふ、よし、刺そう、刺しに行こう」

 

牛若丸「地獄の果てまでお供します。ふふ、ふふふ、ふふふふふ………!」

 

マタ・ハリ「それじゃあ私もついでに行ってこようかしら~マルタ、後はお願いね~」

 

そう言ってばびゅんと鬼気迫る顔で飛び出した2人を追ってマタ・ハリも出て行く。

 

イリヤ「白い服着て髪長いってママにも当てはまるな…」

 

美遊「おそらくパラケルススさんの方だと思うけど…」

 

お母さんなら渡さないもんねとイリヤはうんうんと頷いている間にサンタリリィは満足した様に刹那に向く。

 

サンタリリィ「では次に向かいましょうトナカイさん!ここはお酒臭くて、頭がクラクラしますし……」

 

イリヤ「(次は大丈夫なのかな?;)」

 

マルタ「はいはい、ちょーっと待った」

 

そう言って洞窟を出ようとするサンタリリィにイリヤは心配する中でマルタがむんずと襟首を掴んで引き止める。

 

サンタリリィ「むがぎゅ」

 

美遊「凄い声…」

 

少女が出してはならない声をあげて尻もち付いた後にすぐさま立ち上がって文句を言う。

 

サンタリリィ「な、何ですか何ですか!私はサンタです、忙しいんです!プレゼントを配り終えた人に用はありません!」

 

マルタ「アンタにちょっと話があるのよ」

 

サンタリリィ「アンタじゃなくて、サンタです!」

 

はいはいサンタサンタと怒鳴るサンタリリィを気にせず、マルタは真剣な顔で問う。

 

マルタ「……さて、あのプレゼント、どういう意図で選んだの?」

 

サンタリリィ「どういう意図と言われても……あの人たちの為になるプレゼントを選んだつもりですけど」

 

イリヤさん達にも聞かれましたがおかしかったですか?と聞くサンタリリィにマルタは唸る。

 

マルタ「うーん……クリスマスプレゼントは実用性よりも喜びの方が大事じゃないかしら。一年に一度、あの方が生まれた日を契機として、クリスマスは"誕生"したわ。贈り物が良いかどうかではなく、喜びを与えられるかどうかが重要……そう思わない?」

 

サンタリリィ「思いません」

 

イリヤ&美遊「え!?」

 

刹那「(んーやっぱりまだ無理かな)」

 

きっぱりと言ったサンタリリィにイリヤと美遊は驚き、刹那はうーんと唸る中でサンタリリィは理由を言う。

 

サンタリリィ「クリスマスは祝福の日。ならば、有能な贈り物が正しい筈です。……確かに、皆さんには喜ばれていないかもしれませんが……。役に立つのなら、喜びはむしろ不要ではないかと。私はそう思うのです」

 

イリヤ「(んー確かに役に立つと言うのは納得出来るけど…)」

 

理由を聞いてイリヤはんーと唸る。

 

確かに役に立つと言うのは大事でもある。

 

だが、クリスマスのでそれはどうなんだろうかとイリヤは思った。

 

マルタ「……うーん、そっか。そうよね、そう言う考えた方は―――きっと、ありなのよね。でも……」

 

それにはマルタもなんとも言えない感じだったがそれ以上は言わずに刹那へと顔を向ける。

 

マルタ「……トナカイさん、後は任せてもいいのかしら?」

 

刹那「うん、任せて欲しい」

 

力強く頷いた刹那に安堵したマルタは微笑んだ後にサンタリリィに顔を向ける。

 

マルタ「……分かりました、私からは以上です。プレゼントは有難く頂戴します。がんばりなさい、サンタさん」

 

サンタリリィ「ふふん、当たり前です。さあ、次のプレゼントを配りに行きますよ。トナカイさん!」

 

そう言って歩いて行くサンタリリィの背中を見ながら美鈴も大変ですねと言いながらお酒を飲む。

 

次に向かう先の人物たちは…



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第三夜~思いと贈り物~

次に魔法少女達が向かうは和の国の者…


前回、無事?に飲んだくれ女性陣+αにプレゼントを渡した刹那達は次なる場所へと向かっていた。

 

サンタリリィ「それでは次は日本のサーヴァント(子供)達に有用な贈り物を届けましょう!」

 

イリヤ「日本のか…誰なんだろう」

 

美遊「当てはまるのは信長さんやあとは…」

 

むふんと気合を入れるサンタリリィのにイリヤと美遊は顔を見合わせて考える。

 

そんな2人にサンタリリィは教える。

 

サンタリリィ「次の人はアサシンの風魔小太郎さんです!」

 

イリヤ「小太郎さん!」

 

美遊「あの人…いや、見た目的にも子供になりますね」

 

刹那「それなら小太郎くん、今日は初めてのクリスマスって事だからワクワクしてそうだよね」

 

出て来た名前に驚くイリヤの隣で美遊は納得して刹那がそう言う。

 

ルビー「ちなみに小太郎さんに渡すプレゼントは?」

 

サンタリリィ「辞書です!」

 

イリヤ&美遊「なんでさ!?」

 

まさかのチョイスにイリヤと美遊はお互いに敬愛する兄の驚いた際の癖が出てしまった。

 

イリヤ「なんで初めてのクリスマスプレゼントが辞書なのー!?」

 

サンタリリィ「だって小太郎さんの宝具名が『不滅の混沌旅団(イモータル・カオス・ブリゲイド)』ですよ?何かこう文法的なものとか色んなものが間違っていますので正しい英語で正しい宝具にしませんと!」

 

美遊「あれは間違っているとかそういうのじゃないと思う…」

 

ツッコミ叫ぶイリヤにサンタリリィが答えた事に美遊は呻く。

 

彼の宝具名は彼が父親から継承したのであって決して彼が変えた訳では断じてない。

 

刹那「ちなみに2人だったら彼には何を渡す?」

 

イリヤ「私だったら……新しいクナイとか手裏剣かな?」

 

美遊「私なら…金時さんのサインとか」

 

そう聞かれてイリヤは小太郎の職業から、美遊は憧れているのを知ってるのでそう言う。

 

だがそれはサンタリリィ的には不満の様だ。

 

サンタリリィ「それじゃ駄目です!彼は日本のサーヴァントなんですからちゃんと宝具名を日本語に直しませんと!」

 

イリヤ「えぇ…」

 

ルビー「ではどんなのだったらいいんですか?」

 

横暴なと思った所でルビーが聞く。

 

サンタリリィ「ではこのダヴィンチちゃんに作って貰った電子辞書ならどうでしょうか!超高性能でどんな言葉でも調べられる優れものです!」

 

刹那「おー、これはなかなかカッコいいね。しかもカラーもいくつかあるし」

 

そう言って見せられた電子辞書のに刹那はそう評する。

 

後で金時の様な技を考えたいと思った時に英語ので調べてみたらとフォローしとけばまだマシになるかな…とイリヤと美遊は思っていると評価した後に下を見ていた刹那がお…と声を漏らす。

 

刹那「見えてきたよ」

 

言われてイリヤと美遊も見ると件の小太郎以外に藤太や天草がいた。

 

イリヤ「日本のサーヴァントが三人も揃ってる…」

 

美遊「何しているのかな…?」

 

首を傾げてる間にソリは着地する。

 

サンタリリィ「お待たせしました。風磨小太郎さんですね!ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。ただいま到着です」

 

マシュ『極東のサーヴァントが集まっていますね……。宴会か何かでしょうか?』

 

名乗り上げるサンタリリィの後にマシュはメンツを見て首を傾げる。

 

確かにこの3人はあんまり接点がないのでどう言った理由でいるのか想像できない。

 

その間に小太郎はサンタリリィに近づく。

 

小太郎「……。………………こども?」

 

サンタリリィ「子供じゃありません、サンタなんですけど!もう、どうして皆子供子供と!」

 

藤太「いやあ、お主はどう見ても子供でござろう。ほれほれ、飴でもやろうか?」

 

ぷんすか怒るサンタリリィに藤太がそう言って飴を差し出す。

 

サンタリリィ「いーりーまーせーん!第一、知らない人から物を貰ってはいけないなんて常識です」

 

イリヤ「いや確かにそうですけど!?」

 

美遊「(ジャンヌオルタさんの時の知り合いなんだけどノーカウントなのかな;)」

 

そう言って断るサンタリリィのに美遊は冷や汗を掻く。

 

刹那「飴、あげようか?」

 

サンタさん「トナカイさん、その飴玉はどこから!?ラムネ味!ラムネ味ですか!良いですよね、シュワシュワ感が実に大人っぽいです」

 

イリヤ「子供だ…」

 

ルビー「子供ですねー」

 

ピョンピョンと跳ねるサンタリリィのを見て呟くイリヤとルビーは大人とは一体…と呟く藤太に本当に同意であった。

 

そんな飴玉を貰ってご機嫌なサンタリリィに小太郎がそわそわしながら近づく。

 

小太郎「サンタ殿、それでプレゼントは…」

 

サンタリリィ「分かっています。貴女にとって、真に必要なもの、それは――――」

 

そう言ってごそごそと袋を漁り…

 

サンタリリィ「和英辞典にしようと思いましたがもっと優れもののこのダヴィンチちゃん特製の電子辞書です!」

 

そう言って先ほど見せたのを小太郎に渡す。

 

小太郎「……電子辞書……?」

 

イリヤ「やっぱり、そんな反応になるよね…」

 

美遊「うん……」

 

首を傾げる小太郎にやっぱりとイリヤと美遊は思った後に後でフォローをしとこうと決める。

 

出せたので満足気味なサンタリリィへと…小太郎にプレゼントが渡された際に目を鋭くさせていた天草の隣にいた藤太が少し顔を顰めて物申す

 

藤太「むう、これは拙者にも分かるぞ。実に遊びがない。クリスマスプレゼントに電子辞書とは…シュヴァイツァーの伝記と並ぶガッカリプレゼントだ。いや、シュヴァイツァー殿は紛れもない偉人なのだが。それはそれとしてガッカリプレゼントだ」

 

天草の視線に不満げだったサンタリリィは藤太の評価にさらに眉を吊り上げる。

 

サンタリリィ「な、俵さんまでそんなことを……!これは風魔さんのためになるプレゼントです!元々英和辞典だったのをイリヤさんの意見を多少聞いてそちらにしたんですよ!」

 

藤太「ふむ、意見を取り入れてと言うのは良いが…しかしクリスマスと言えば祝い事と聞いた。拙者たち風に言えば、謹賀新年に等しい。誰もが祝い、誰もが喜ぶ。それこそ祭り場の景品のようにな…であれば、贈り物は喜ばれるものが王道ではないかね?」

 

まぁ、今はマスター殿のお蔭で喜んでいる様だが…と金時の様な技名を作り上げて金時に評価して貰ったらと教えてもらい想像してか目を輝かせてる小太郎をチラリと見てから心の中で呟く。

 

サンタリリィ「……役に立たなければ、プレゼントなんて意味がありません」

 

イリヤ「(それは違うと思うな)」

 

そう言うサンタリリィにイリヤは心の中で思う。

 

確かに道具と言う意味では役に立たなければいけない物がある。

 

だが、プレゼントでそう言うのを第一に求めるのは違うとイリヤ的に思った。

 

言い方に小太郎も眉を顰める(前髪で隠れて見えないが)

 

サンタリリィ「だってそれならプレゼントは只の自己満足。贈った者が贈った事自体を喜んでいるだけです。それでは役に立ってません。世の中のためになりません。ならば贈られた側がどれだけ嫌な顔しようとも、実用一点張りで勝負する。それがサンタの心意気です」

 

小太郎「……そんな事ないよ…」

 

自分の言い分を言ったサンタリリィは否定する小太郎を睨む。

 

サンタリリィ「あります」

 

小太郎「なーいー!」

 

サンタリリィ「あーりーまーすー!」

 

イリヤ「あわわわわわ!?」

 

美遊「これは…まずいかも;」

 

むむむむむ!といがみ合う2人にイリヤは慌てて美遊もどうすれば良いかと思っていると藤太が前に出る。

 

藤太「ふぅむ、こうなったら致し方ない。我々はサーヴァント、であればどちらの意見を通すかは戦いで決める他あるまい!」

 

イリヤ「た、戦うの!?」

 

美遊「わ、私達はどっちの味方をすれば…」

 

刹那「んーサンタリリィの味方かな?」

 

どうしてなのかはほら…と藤太を指す。

 

藤太「ちなみに拙者は風魔の方に付こう。意に沿わぬ贈り物を押し付けるのは大人げない!」

 

サンタリリィ「……分かりました、それが貴方がたの望みであれば。このサンタが相手します!」

 

イリヤ「あーそっか…でもんー…」

 

そう言う藤太のにサンタリリィもやる気満々なのを見ながらイリヤは納得するがまだ迷う。

 

そんなイリヤに天草が話しかける。

 

天草「あの、少しよろしいでしょうか」

 

イリヤ「ふぇ?」

 

突然話しかけられたので戸惑うイリヤに天草は何もしませんよと安心させる様に微笑んでから言う。

 

天草「ここは彼女の味方をしてもらえませんかね?」

 

イリヤ「え?良いんですか?」

 

小太郎や藤太の2人に聞こえない様に耳打ちした天草のにイリヤも小声で聞く。

 

彼らといたからてっきりしないで欲しいとお願いすると思ったからだ。

 

天草「いや実は味方をしてもらわないと色々と困りましてね」

 

ルビー「困ること?」

 

イリヤ「それは一体…」

 

出て来た言葉に体を曲げるルビーの後にイリヤは聞こうとするが…

 

天草「それは後程わかります。取り敢えず今は彼女の味方をお願いします」

 

はぐらかす様にそう言って距離を取る天草に首を傾げながらイリヤはサンタリリィの隣に立つ。

 

イリヤ「あの、私はこっちに入ります」

 

サンタリリィ「イリヤさん。ありがとうございます!」

 

そう言うイリヤにサンタリリィは嬉しそうに微笑む。

 

小太郎「そうか、ならば……全力で抵抗させて貰います。風魔忍 が五代目頭領、風魔小太郎。そのプレゼント、無益と散れ―――!」

 

サンタリリィ「我が名はジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ!そのプレゼント!問答無用なりて―――!」

 

藤太「いざ、参る!」

 

その言葉と共に4人はぶつかり合う。

 

美遊「頑張ってイリヤ!」

 

刹那「イリヤちゃんは小太郎くんの!サンタリリィは藤太の相手をして!」

 

刹那の指示に2人ははい!と答えた後に言われた相手へと突撃する。

 

藤太「わしの相手はサンタか!魔法少女の相手は任せたぞ!」

 

小太郎「はい!手加減はしない!」

 

イリヤ「こっちだってやるからには全力で!」

 

その言葉と共に飛んで来たクナイを魔力弾で弾く。

 

弾かれたクナイを回収してから小太郎はイリヤへと斬りかかる。

 

ルビー「イリヤさん、障壁を!」

 

イリヤ「うん!」

 

それにイリヤは障壁を張って防ぐが小太郎は連続で斬りかかり、その猛攻にイリヤは後ずさる。

 

イリヤ「っ!」

 

ルビー「むむむ、これでは攻撃に移れませんね」

 

顔を歪めながらイリヤはどう切り抜けるか考える。

 

相手はクラスでは自分が有利なアサシンだが、それは相手も十分承知の上で攻撃させない様にこうやって防戦一方の状況に持ち込んでいるのだ。

 

イリヤ「(どうしたらいいんだろう…)」

 

何か切っ掛けがあれば…とイリヤは呻くと…

 

小太郎「!」

 

ひゅん!

 

刹那、小太郎が後ろに下がると小太郎がいた所を槍が通り過ぎる。

 

それに驚きかけたイリヤだが隙が出来たのに変わりない。

 

イリヤ「そこ!斬撃(シュナイデン)!!」

 

その隙をついてイリヤは斬撃を飛ばし、小太郎は慌ててクナイを交差させて防ぐ。

 

すかさずイリヤは一回転すると共に…

 

イリヤ「最大斬撃(マクスティールシュナイデン)!!」

 

魔力を最大に込めた魔力斬撃を解き放つ。

 

小太郎「!?ぐは!?」

 

藤太「小太郎殿!」

 

サンタリリィ「隙アリです!」

 

それに藤太がよそ見をした所にサンタリリィが両手から赤と緑の魔力弾を放つ。

 

藤太「ぬおっ!?」

 

美遊「え、今のって…」

 

まさかの攻撃にマトモに受けて吹き飛ぶ藤太を見ながら美遊はサンタリリィの放った攻撃に驚く。

 

サンタリリィ「どうですか!私のツインアーム・リトルクランチは!」

 

刹那「……ねぇ、あの技ってさ……」

 

胸を張って言うサンタリリィを見ながら聞く刹那に美遊もはいと頷く。

 

美遊「今の技、何処かで見覚えが…」

 

刹那「……君の仕業?天草」

 

思い出そうとする美遊の隣でそう言って刹那は天草を見る。

 

そう言われて美遊も思い出した。

 

あの構えと魔力弾の撃ち方は確かに天草がやっていたのだと…

 

天草「ええ、まあちょっと教えました」

 

刹那「何時の間に…まぁ、良いけど」

 

んで…とゴニョゴニョと耳打ちするのに美遊は首を傾げる。

 

天草「ふむ、わかりました」

 

それに天草は了承してどこかに行くのになんだろうと美遊はさらに首を傾げる。

 

その間にいたたと藤太は呻きながら起き上がる。

 

藤太「こんな幼子に深くを取るとは!槍を投げた所で武器を捨てたと思ってしまうとは鈍ってしまったな…」

 

イリヤ「でもいつの間にあんな技を…」

 

サンタリリィ「親切な人が教えてくれたんですよ」

 

驚いた顔で聞くイリヤにサンタリリィは自慢げに返す。

 

藤太「これではどの顔で〝遊びは正義”などと言えたものか……やはり食べてばかりはいかんな、食べてばかりは……」

 

小太郎「不覚……!こちらも槍に気を取られただけで注意が逸れてしまい、修行不足です」

 

呻く藤太に小太郎も反省する。

 

サンタリリィ「では約束通りそのプレゼントは受け取って貰いますよ!」

 

小太郎「いや、普通に受け取りますよ。金時殿と技を考えてその名前を付ける際に調べるのに便利そうですし」

 

そう言ったサンタリリィに小太郎はそう返す。

 

あら?とサンタリリィはよろけたが気を取り直す。

 

サンタリリィ「ま、まあ良いでしょう。これで宝具名も変えられますね」

 

小太郎「む?宝具名は変える気はありませんが?」

 

え…と目を丸くするサンタリリィに小太郎は言う。

 

小太郎「……風魔の祖は異人。即ち外から来た者の血を引いております。父も南蛮から流れ着いた紅毛碧眼の大男だったとか…。祖である彼らからすれば、日々消え去る故郷の記憶は耐え難いものであったでしょう。それは、ここで生まれた子も同じ。祖先の故郷にある言葉を、我らはもう話せませぬ。であれば、せめて幾つかの(格好良い)単語をだけでも、彼らの安らぎとして残しておこう……その想いがこの宝具にはあるのです……。ですから変える訳にはいきません」

 

イリヤ「そうだったんだ…」

 

サンタリリィ「そ、そんな事も知らないで私…」

 

語られた理由とその言葉に秘められた思いを聞いてイリヤはしんみりし、サンタリリィは後悔するがそんなサンタリリィを安心させる様に小太郎は口元を微笑んで言う。

 

小太郎「これも何かの縁。将来的には、宝具名になにか追加するかもしれません。有り難く受けとります……」

 

美遊「小太郎さん…」

 

そんな小太郎の笑みにサンタリリィはありがとうございますと頭を下げた後に行きましょうと刹那の手を引っ張る。

 

追いかけようとしたイリヤと美遊を小太郎が呼び止める。

 

小太郎「すいませんお2人とも、付いて行くなら少しあの子について話したい事があります」

 

イリヤ「へ?」

 

美遊「あの子って……サンタリリィのこと?」

 

はいと小太郎は頷いてから聞こえない様にか2人に聞こえる程度の音量で言う。

 

小太郎「あの子は、プレゼントを贈る事に()()()()()()()()()のです」

 

イリヤ&美遊「え……?」

 

藤太「そうであろうなぁ…正しい事だが、悲しい事でもある」

 

告げられた事に驚く2人に同じ様に気づいていた藤太が真剣な顔で頷いて続く。

 

藤太「益の有る無しに拘るのは何を送れば喜ぶのかが分からぬゆえ」

 

イリヤ「何を送れば喜ぶのか…」

 

美遊「分からない…?」

 

顔を見合わせる2人に藤太は頷く。

 

藤太「さよう…しかし、それなら、何故サンタなどになったのだろうな?」

 

イリヤ「(何だろう…この感じ、どこかで感じたことがあるような…)」

 

美遊「(引っかかる…誰かの様な…誰か…そうだ。クロの…)」

 

うーんうーん…と唸っていると刹那とサンタリリィの呼ぶ声が聞こえて来る。

 

小太郎「引き留めてすいません。ですが頭のお隅に置いといてください」

 

イリヤ「あ、はい!」

 

美遊「分かりました」

 

では!と小太郎と藤太へと頭を下げた後に2人は刹那達と合流する為に向かう。

 

刹那「二人とも、小太郎君たちとなに話してたの?」

 

イリヤ「あ、はい。少し…」

 

サンタリリィ「それじゃあ次の場所に行きましょう!皆さん!」

 

そう言うサンタリリィの言葉の後にそりは動き出す。

 

サンタリリィ「……イリヤさん」

 

イリヤ「ん?どうしたのサンタリリィ」

 

しばらく無言だったサンタリリィが口を開き、イリヤは顔を向ける。

 

サンタリリィ「……風魔小太郎さんへのプレゼントは、あの人にとって、有用なものではなかったのかも……」

 

イリヤ「それは…」

 

そう言われるとイリヤは言葉が詰まる。

 

確かに小太郎にとって良いプレゼントととは言えなかっただろう。

 

だからこそそんな事はないとはイリヤは言えなかった。

 

サンタリリィ「サンタ、難しいですね。……最初はもうちょっと、簡単だと思ったのですが……」

 

そう言って顔を伏せてしまった時だった…

 

???「おや、まさかサンタを投げ出すのですか?」

 

突如誰でもない声が響き渡る。

 

イリヤ・美遊「!?」

 

サンタリリィ「…何者!?」

 

マシュ『あれ?サーヴァントの反応が急に……!?』

 

それにイリヤと美遊は驚き、サンタリリィが警戒する中で何者かがソリに降り立ち…

 

???「ふふふ、誰かと問われて答える者はおりますまい。しかし敢えて答えましょう」

 

そう言ってからマントを翻してその人物は名乗り上げる。

 

サンタアイランド仮面「我が名はサンタアイランドに住む謎のサーヴァント、サンタアイランド仮面!」

 

サンタリリィ「サンタアイランド仮面……!このラムレイ二号に勝手に乗り込むなんて……!」

 

バーンと名乗り上げた人物にサンタリリィは驚くがイリヤと美遊は別の意味で驚いていた。

 

イリヤ&美遊「(あれって明らかに天草さんだよね…)」

 

マシュ「あの、すみません。あなたってもしかしてあまく――」

 

サンタアイランド仮面「サンタアイランド仮面です!ちなみに赤いからといって、エミヤとかシロウとかとは特に縁がない男ですゆえ」

 

なんで仮面付けてるのとマシュのを遮りながら反論するサンタアイランド仮面を見てイリヤと美遊は何とも言えない顔をする。

 

刹那「えぇ~、ほんとにござるかぁ?」

 

サンタアイランド仮面「ほんとにごさるよぅ。奇跡的な偶然の一致というやつです」

 

ティーチの様な感じで話しかける刹那にサンタアイランド仮面も返す。

 

サンタリリィ「何者かは分かりました。ですが、貴方は一体どうして私に語りかけて来るのでしょう?」

 

サンタアイランド仮面「コホン、ジャンヌ……ジャンヌよ……プレゼントを拒まれた程度で臆してはなりません。いつだって立ち上がり、いつだって笑顔を届けるのがサンタです」

 

サンタリリィ「いつだって……笑顔を……」

 

問われた事に咳払いしてからそう助言するサンタアイランド仮面にサンタリリィは言われた事を呟く。

 

サンタアイランド仮面「スタンド・アンド・プレゼント。立って……そして贈るのです。スクルージですら、間に合ったのです。貴女が間に合わない筈がないでしょう?」

 

美遊「(……イリヤ、意味わかる?)」

 

イリヤ「(全然分からないよ…)」

 

サンタアイランド仮面「貴女が困ったとき、途方に暮れたとき、私が現れましょう」

 

サンタリリィ「サンタアイランド仮面さん……!つまり、貴方は私にとってのお師匠でしょうか!」

 

小声で話す美遊とイリヤを後目に言われた事にサンタリリィは目を輝かせて言う。

 

その言葉は予想してなかったのかサンタアイランド仮面はすこしたじろきながらも返す。

 

サンタアイランド仮面「ええと……ではそういうことで……」

 

サンタリリィ「はい!」

 

サンタアイランド仮面「ふふ、それでは真のサンタクロースとなるため、貴女を導きましょう」

 

元気よく言うサンタリリィにサンタアイランド仮面は口元を緩ませた後にでは…とその場から消える。

 

ルビー「一体何者だったんでしょうかねーサンタアイランド仮面!」

 

イリヤ「う、うん…」

 

美遊「……一体何企んでいるんだろう…」

 

サファイア「怪しいですね美遊様」

 

そんなサンタアイランド仮面にイリヤ達は戸惑いながら次なるプレゼントを待つ人の元へと向かうのであった。



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第四夜~迷宮のメリー・クリスマス~

次に向かうは迷宮、そこで待つのは本と子供達


前回、サンタアイランド仮面と遭遇してからイリヤ達は次なる目的地である迷宮に来ていたのだが…

 

美遊「…此処、さっきも来たよね」

 

イリヤ「うん……」

 

現在、サンタリリィが進めば行けると考えもなくズンズン進んだ結果、迷っていた。

 

サンタリリィ「……道に迷いましたね…」

 

刹那「迷ったね、見事に……」

 

ルビー「サンタリリィさんが深く考えずに歩いた結果ですね~」

 

そう言ったルビーに違います~とサンタリリィは腕をブンブン振って否定する。

 

サンタリリィ「こ、こっちが目的地かなって啓示があったんです!冷静に振り返ると単なる気のせいでしたけど!」

 

イリヤ「それ普通にやっちゃいけない事だよね!?」

 

言い訳にイリヤがツッコミを入れると一同の耳に声が聞こえた。

 

美遊「あれ?この声って…」

 

サンタリリィ「む、何かいますね。良かった。きっとクリスマスのリクエストをした方ですね!」

 

そう言って駆け出すサンタリリィにイリヤは慌てて止めようとする。

 

イリヤ「ちょ、ちょっと待って!?」

 

サンタリリィ「なんですかイリヤさん!いきなり止めて!」

 

止められて不満なサンタリリィにイリヤは良く見て!と叫ぶ。

 

モンスター「オマエラヲハライッパイクッテヤルゼェ!!」

 

サンタリリィ「ギャーーーー!?」

 

イリヤ「モンスターだよあれ!」

 

ルビー「ああ、これはプレゼントはワ・タ・シになりますね」

 

出て来たのがモンスターだったのにサンタリリィとイリヤは絶叫し、ルビーが呑気に言う。

 

サンタリリィ「そんなこと言っている場合ですか!?」

 

イリヤ「とにかく戦おう」

 

ツッコミを入れるサンタリリィにイリヤはそう言いながら転身し、美遊も構えるのを見てサンタリリィも慌てて構える。

 

刹那「あっ、術殺騎の混合だ相手」

 

襲い掛かるトナカイマンやスノーマンのクラスを確認して参ったな…と刹那はぼやく。

 

サンタリリィはランサーでイリヤと美遊はキャスターだから相性ではアサシンに有利だがライダーとは分が悪い。

 

刹那「しょうがない。イリヤちゃん、アサシンのクラスのサーヴァントカード使ってくれない?ライダー相手じゃあ不利だから有利に変えるためにね」

 

イリヤ「は、はい!」

 

ルビー「イリヤさん、どのカードにしますか?」

 

指示に頷いた後にルビーの言葉にこのカードとジャックの描かれたサーヴァントカードを取り出す。

 

素早く動けてなおかつこれから会いに行くと言うのもあって即決であった。

 

イリヤ「夢幻召喚(インストール)!!」

 

その言葉と共にイリヤの姿は光に包まれた後に服装はジャックの服装に変わり、その後にナイフを持って駆け出す。

 

イリヤ「はぁっ!!」

 

ズババババッ!!

 

連続で放たれえる斬撃はスノーマンやトナカイマンを切り裂いて行く。

 

サンタリリィ「えぇーい!」

 

美遊「速射(シュート)!」

 

それにサンタリリィや美遊も続いてモンスターを撃破して行く。

 

刹那「!イリヤちゃん後ろ!」

 

イリヤ「っ!」

 

その後に刹那の言葉と共にイリヤは前に出てジャイアントスノーマンの攻撃を避けた後に体制を立て直す。

 

サンタリリィ「とやー!」

 

イリヤ「この!」

 

追撃しようとしたジャイアントスノーマンにサンタリリィが攻撃してよろけた所をイリヤが斬撃を炸裂させて倒した。

 

イリヤ「よし!これで残りは…」

 

サンタリリィ「あと一体!」

 

一気に行くよ!と言う刹那のに頷いてからイリヤは宝具を発動する。

 

イリヤ「此よりは地獄。“わたしたち”は炎、雨、力――殺戮を此処に……解体聖母(マリア・ザ・リッパー)!!」

 

連続ですれ違いざまに切り裂いて行き、最後に大きく切り裂いて離れると共に最後のモンスターは倒れる。

 

イリヤ「た、倒せた…!」

 

美遊「ホント無事に終われたね」

 

お互いにふうと息を吐き出し、サンタリリィもやりましたと言った後…

 

???「サンタさーん!サンタさーん!どーこーにーいーまーすーかー!」

 

サンタリリィ「……今の声は!サンタを求める子供たちの声です!さ、呼び掛けましょうトナカイさん!ここでーす!どこですかー!?」

 

刹那「あ、きっとあっちから…ほら」

 

聞こえてきた声にサンタリリィも大きい声で呼びかける中でナーサリーとジャックが来る。

 

ナーサリー「ああ良かった、やっと見つけたわ!」

 

ジャック「だいじょうぶ?絹を裂くような悲鳴が聞こえたけど」

 

嬉しそうに言うナーサリーの後にジャックがサンタリリィを心配そうに見る。

 

サンタリリィ「だ、大丈夫です。全然大丈夫です。それより、リクエストをした方々ですか?」

 

ジャック「そうだよー!……ってあれ?あなたがサンタさん?」

 

ナーサリー「去年のサンタさんはいないの?」

 

首を傾げる2人にサンタリリィは顔を伏せたがすぐさま気合の籠った目で顔を上げる。

 

サンタリリィ「今年はこの私、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィがサンタです!」

 

イリヤ「(よく噛まないで言えるなー;)」

 

自信満々に流暢に名乗るサンタリリィにイリヤは感嘆する。

 

ジャック「なっがーい!」

 

ナーサリー「まるでスパムみたいに楽しいお名前ね!」

 

美遊「(スパムって;)」

 

サンタリリィ「スパム!?」

 

そんなサンタリリィの名前にジャックはそう言い、ナーサリーの感想にサンタリリィは驚く。

 

ナーサリー「でも残念!去年のサンタさんにお礼を言いたかったのに!」

 

ジャック「そうだね。あんなにたくさん、プレゼントをもらえたんだし」

 

サンタリリィ「アルトリアサンタさんはそんなに沢山プレゼントをくれたんですか?」

 

残念そうに呟く2人にサンタリリィは聞く。

 

ナーサリー「うん、わたしとジャックにとっては初めてのクリスマスだからいっぱいくれたの!」

 

ジャック「トナカイさんともお友だちになれたからね!」

 

イリヤ「そう言えばあれは凄かったね…」

 

美遊「サンタオルタさん。あの子達の為にもね」

 

刹那「いやーあの時は大盤振る舞いしたよ」

 

マテリアルを見て思い出して言うイリヤに美遊も同意する中で頑張ったよなーと刹那はうんうん頷く。

 

サンタリリィ「先代サンタさんが……」

 

ナーサリー「さ、準備はいいかしら?」

 

え?とナーサリーの言葉にサンタリリィはえ?となる。

 

サンタリリィ「準備?準備って何のですか?」

 

ジャック「またまたとぼけちゃってー。わたしたち知ってるよ。サンタさんはね、プレゼントあげるときにね、たたかわなきゃいけないの!」

 

ルビー「あーこれはもしかして…」

 

戸惑うサンタリリィにジャックは笑って言うのにイリヤ達は思い出してあーとなる。

 

サンタリリィ「た、戦う……ですか?いや、これまでやや不本意ながら戦いを繰り広げてきたのは確かです」

 

イリヤ「不本意……?」

 

刹那「不本意部分が少なかったもんね」

 

戸惑いながら言ったサンタリリィのにイリヤはえーとなる隣で刹那は苦笑する。

 

サンタリリィ「しかし、サンタとは戦いを振りまく者ではなく、愛を振りまくもの……成長した私が振りまかなくなったものです。…………………おのれ、成長した私!!」

 

サファイア「自分で自身に怒っていますね」

 

刹那「落ち着こうねサンタリリィちゃん」

 

憤慨するサンタリリィにサファイアは思わず呆れる中で刹那が宥める。

 

サンタリリィ「す、すいません。自分の未来の事を考えるとつい」

 

イリヤ「(怒る程なんだね;)」

 

ナーサリー「マスターといちゃいちゃしてる、はしたないのだわ!」

 

謝るサンタリリィのを聞いて冷や汗を掻くイリヤをスルーしてナーサリーがそう言う。

 

サンタリリィ「イチャイチャしてる訳ではありません!」

 

ルビー「え~?ホントで御座るか~?」

 

イリヤ「ルビー!?」

 

そう言って茶化すルビーにイリヤは話を拗らせないと叩く。

 

ナーサリー「クリスマスはわたしたち子供の時間よ!カップルなんかに奪わせないわ!」

 

美遊「いや、カップルでもない;」

 

否定する美遊だがナーサリーとジャックはやる気満々であった。

 

ナーサリー「いっぱいプレゼント貰おうねナーサリー!」

 

ジャック「貰いましょうねジャック!」

 

イリヤ「ああもう、やる気満々だよ!」

 

美遊「戦うしかないみたいだね…」

 

サンタリリィ「仕方ありません。今回も不本意ですがやってあげます!」

 

そう言ってそれぞれ武器を構えて戦闘態勢に取る。

 

刹那「イリヤちゃんはジャックを!サンタリリィはナーサリーをそれぞれ相手にして!」

 

その言葉にはい!と答えて言われた通りにイリヤはジャックと、サンタリリィはナーサリーと対峙する。

 

美遊が入ってないのは流石に3対2はズルいと言われるだろうからの配慮である。

 

それを察した美遊は刹那の隣に移動する。

 

美遊「あの…刹那さん」

 

刹那「ん?なあに?」

 

2人の戦いを見ながら美遊はおずおずと刹那に話しかける。

 

美遊「サンタリリィなんですけどなんか……クロと似た感じがするんですよ…もしそうだとしたら…」

 

刹那「……」

 

そう聞く美遊に刹那は無言のまま困った様に頭を掻く。

 

刹那「大丈夫だよ美遊。そうはならないようにするから」

 

美遊「そう…ですか…」

 

その後に笑って安心させる様に言う刹那に美遊は固くなっていた表情を和らげる。

 

刹那「それに元々これはそのためだしね……(小声)」

 

美遊「刹那さん?」

 

ボソリと呟いた刹那は首を傾げる美遊にううんなんでもないと返す。

 

サンタリリィ「たあっ!」

 

イリヤ「はあぁ!」

 

同時に攻撃を繰り出すと共にナーサリーとジャックは吹き飛んで転がる。

 

ナーサリー「あいたたた…やるわね」

 

ジャック「でもまだまだ!」

 

そう言ってジャックは飛び出し、ナーサリーは魔力弾を放つ。

 

ルビー「むむむ、やはりお強いですね二人とも」

 

サンタリリィ「ですがこっちもまけませんよ!」

 

そう言って2人は奮起してジャックとナーサリーとぶつかり合う。

 

美遊「二人とも頑張って!」

 

サファイア「ファイトです!イリヤ様、サンタリリィ様!」

 

応援にイリヤとサンタリリィは頷いた後にそれぞれ同じ方向に2人を飛ばす。

 

その後にサンタリリィが魔力を開放する。

 

サンタリリィ「聖なる夜、ステキでムテキなキセキの一瞬。優雅に歌え、かの聖誕を(ラ・グラスフィーユ・ノエル)! ……しゃんしゃんしゃん♪ しゃんしゃんしゃん♪ しゃんしゃんしゃん♪ しゃんしゃんしゃん♪」

 

持っていた槍を掲げると放出された魔力がクリスマス関連のに変化してジャックやナーサリーへと降り注ぐ。

 

イリヤ「色々降ってきた!?」

 

ルビー「お~まさに聖夜に相応しい風景ですね」

 

それにイリヤは驚き、ルビーはそう感想を述べてる間に呆気に取られていたジャックとナーサリーは降り注ぐ奴に避けられずに埋もれる。

 

サンタリリィ「えっへん!どうですか私の宝具は」

 

イリヤ「す、凄いよサンタリリィ!」

 

美遊「サンタらしい宝具だね」

 

2人の誉め言葉にえっへんと胸を張るサンタリリィの後に埋もれていた2人が出て来る。

 

ナーサリー「負けちゃったわ…」

 

ジャック「うわーん!」

 

イリヤ「(…あ、しまった!?)」

 

サンタリリィ「え?ま、負けたらどうなるんですか!?」

 

突如泣き出す2人に戸惑うサンタリリィだがイリヤは今更ながら思い出してやば…と呟く。

 

ナーサリー「負けちゃったらプレゼントは貰えないの!そういう約束なのよ!」

 

ジャック「しかたないよね……」

 

サンタリリィ「でもちゃんとプレゼントは用意しているのに……」

 

悲しそうな2人にサンタリリィはどうすれば良いかと思われた時…

 

バシュッ!

 

サンタリリィ「はっ!?」

 

彼女の足元に…薔薇が付いた黒鍵が刺さる。

 

刹那「薔薇の黒鍵……天草、某有名な月の美少女戦士のアニメでも見たのかな…?」

 

それを見て刹那は誰にも聞こえない様にぼそりと呟いた後にその人物は現れた。

 

サンタアイランド仮面「少女の嘆き、少女の喜びを聞いたとき、駆けつけ三杯、寿司食いねぇ。サンタアイランド仮面、参上……!」

 

イリヤ&美遊「(惨状の間違いじゃないの!?)」

 

名乗り文句に状況から見てイリヤと美遊は思わずそう心の中でツッコミを入れたくなった。

 

ルビー「惨状じゃないですかねこの状況だと」

 

サンタアイランド仮面「参上!」

 

イリヤ「言い切った!?」

 

サンタリリィ「お師匠さん…!」

 

そんな2人のを代弁するルビーのを無視して言い切った後にサンタアイランド仮面はコホンと咳払いしてサンタリリィに近づいて耳打ちする。

 

サンタアイランド仮面「案せずとも、これこの通りの行動を取れば大丈夫です(ひそひそ)」

 

サンタリリィ「えっと……でも、嘘は良くないような……」

 

不安そうなサンタリリィにサンタアイランド仮面は続ける。

 

サンタアイランド仮面「クリスマスは嘘が許される日なのです。エイプリルフール?何ですかそれ」

 

白蛇の少女が聞いたら炎上案件な事をさらりと言うサンタアイランド仮面だが、その説得が効き、サンタリリィは決めたのか頷く。

 

サンタリリィ「わ、分かりました!」

 

イリヤ「(わ、私はどうしよ!?)」

 

ルビー「(イリヤさん、此処は私にお任せを!)」

 

美遊「(え、ルビー何を…)」

 

それにイリヤもどうしようかと思った時にルビーが何かしようとするので美遊はどうするのかと思った後…

 

ルビー「ちょいさ!」

 

ぷす!

 

イリヤ「あう!?」

 

美遊「イリヤ!?」

 

ルビーが掛け声と共にイリヤに注射の様なのを刺し、イリヤはバタリと倒れて美遊が慌てて駆け寄る。

 

イリヤ「や、やられたー……ごふっ」

 

美遊「イリヤ、大丈夫?」

 

サンタリリィ「え、あ「はいオマケ(ぷす)」あふん、やら…れた…(バタッ)」

 

チーンとなるイリヤの後に続けざまにサンタリリィもされて倒れる。

 

ナーサリー「ほえ?」

 

ジャック「へ?」

 

刹那「あー、どうやら2人と違ってダメージが溜まっていたから倒れたみたい~こりゃあサンタ側の負けだね~」

 

それにぽかーんとする2人へと刹那は棒読み口調で言う。

 

ナーサリー「勝ったのね、勝ったのね!嬉しいわ、嬉しいったら嬉しいわ!」

 

ジャック「やったね、それじゃあかいたいするね!」

 

サンタリリィ「それは止めてください」

 

勝てたのが嬉しいのではしゃぐ2人のでジャックの言葉にサンタリリィはガバッと体を起こしてからそう言ってまた体を倒す。

 

どうやらプレゼントを渡すのでルビーが打った薬のは弱めだった様だ。

 

イリヤ「……」

 

美遊「あれ?イリヤ……?」

 

シュィィィ…

 

刹那「ちょ、イリヤちゃん座に帰りかけてる!?」

 

光が漏れ出してるイリヤに刹那は絶叫する。

 

ルビー「あ、やっべ、ちょっと強くし過ぎました。てへっ♪」

 

サファイア「てへっじゃないでしょう姉さん!?」

 

美遊「イリヤぁああああ!?目を覚ましてぇ!?」

 

刹那「れ、令呪を持って命じる!回復せよイリヤちゃん!」

 

失敗失敗と言うルビーにサファイアは叫び、美遊が必死に揺らす中で刹那が慌てて令呪で回復させる。

 

イリヤ「はっ!?今、行っちゃいけないところに行きかけてた!?」

 

美遊「良かった…戻って来た」

 

サンタアイランド仮面「ほら上手くいったでしょう?」

 

サンタリリィ「は、はい!」

 

ガバッと起き上がるイリヤやホッと安堵する美遊を見ながらそう言うサンタアイランド仮面のにサンタリリィは頷き…

 

サンタリリィ「何となく納得いくような、いかないような気がしますが……」

 

美遊「そうだね;」

 

なんとも言えない顔をするサンタリリィに美遊は頷く。

 

ジャック「その仮面の人はおかあさん?」

 

サンタアイランド仮面「いえいえ、残念ながらおかあさんではありませんよ。ですが、クリスマスは貴女のおかあさんが沢山できる日です。良かったですね」

 

イリヤ「え!?」

 

刹那「ほう…ジャックに変なこと吹き込む奴は霊基変換…いや令呪自害の刑に処す」

 

そう言ったサンタアイランド仮面に刹那がすっと笑ってる様で目が笑ってない笑顔で令呪の付いた手を掲げて見せる。

 

サンタリリィ「興奮しないでくださいトナカイさん!」

 

サンタアイランド仮面「ふふふ、マスターの不興も買ったところで、それではご機嫌よう、アデュー!」

 

そう言い捨ててサンタアイランド仮面はシュバっとその場から消える。

 

サンタリリィ「お師匠さん……!」

 

イリヤ「あの人、ノリもあの月に変わってお仕置きよのアニメで出る人のノリで行くのかな;」

 

ルビー「だと思いますよ」

 

そんな飛び去るサンタアイランド仮面のにイリヤは呆れる中でナーサリーとジャックが笑顔で言う。

 

ナーサリー「さ、新しいサンタさん!わたし《ナーサリー》と、」

 

ジャック「わたしたち《ジャック》のおちゃかいにしょうたいするね!」

 

イリヤ「わぁ~お茶会!」

 

目を輝かせるイリヤ達へとこっちだよ~と2人は歩き、刹那達も続く。

 

しばらく進むとパーティ会場な場所に着き、準備してたであろうアステリオスとエミヤがいた。

 

エミヤ「随分と時間をとったようだ。いつも通り乱闘があったのだろう」

 

イリヤ「エミヤさん!」

 

美遊「なんでここに?」

 

そう言って近寄って来たエミヤに2人は驚く中で本人は苦笑する。

 

エミヤ「去年の二の舞を避けるために一人でアステリオスの迷宮に籠ろうと思ったのだが、ジャックとナーサリーが出迎えたいと言うので急遽手伝っていた訳だよ」

 

イリヤ「去年の二の舞って……ああ」

 

ルビー「見事に巻き込まれてましたもんね」

 

答えたエミヤのにイリヤとルビーは思い出して確かにあれは二度と巻き込まれたくないなと同意した。

 

エミヤ「それでマスター、彼女が新サンタと言う訳か」

 

刹那「うん、そうだよ」

 

サンタリリィ「こ、こんばんわ」

 

その後にサンタリリィにを見るエミヤに刹那は頷き、サンタリリィは挨拶する。

 

ナーサリー「そうなのよ、この子が新しいサンタさん!プレゼントをくれるのよ!名前はええっと……ええっと……」

 

ジャック「ジャンヌ・スパム・ダルク・スパム・オルタ・スパム・サンタ・スパム・リリィ・スパムだっけ?」

 

エミヤ「もはや人名ですらないな……」

 

もやは早口言葉並の長さにエミヤは呆れる。

 

サンタリリィ「スパムは除外してください!」

 

エミヤ「ああ、た抜き言葉の類いだな。それでも長いが……」

 

訂正するサンタリリィのにエミヤは呆れながらそう返す。

 

その後にサンタリリィがおずおずとエミヤに話しかける。

 

サンタリリィ「エミヤさんは……クリスマスプレゼントをリクエストされていませんよね?」

 

エミヤ「生憎と、そのような年齢は過ぎたものでね。それに私の故郷においてクリスマスは保護者がプレゼントを与えるものと決まっているのさ」

 

問いに対しエミヤは苦笑してそう返す。

 

サンタリリィ「アステリオスさんはリクエストしていませんね。願い事はないのですか?」

 

アステリオス「ある……けど。いいんだ」

 

続けてアステリオスに聞くサンタリリィだが本人もまた首を横に振る。

 

サンタリリィ「む、私が幼いから頼りにならないとお思いかもしれません。しかし、こう見えても私は立派なサンタクロース!さあ、願い事を言って下さい!!」

 

アステリオス「……こんなひが、できるだけ、できるだけ、ながくつづきますように」

 

そう言って自信満々に言ったサンタリリィはアステリオスから出て来た言葉に目を丸くする。

 

サンタリリィ「え……?」

 

アステリオス「こうやって、しょうかんされて、いろいろなばしょにいって、たたかって―――いつかはおわることだけど。つらいこともあるけれど。……いまがたのしいから。このらびりんすにいてさえも、たのしいなんてゆめのようだから」

 

そう言って笑顔で言ったアステリオスのにサンタリリィは先ほどの自身の言葉に恥を知る。

 

サンタリリィ「……その、願いは……ごめんなさい、私には……叶えられません」

 

アステリオス「うん、だからいいんだ。りょうり、たべる?」

 

謝罪するサンタリリィにアステリオスは笑って料理を勧める。

 

サンタリリィ「……いえ、サンタですから。料理は結構です」

 

アステリオス「ざんねん。おいしいよ?」

 

イリヤ「アステリオス…」

 

美遊「なんかその気持ち…私分かるかも」

 

遠慮するサンタリリィに少し寂しそうに言うのを見てイリヤは胸を握り締め、美遊はその思いに共感する。

 

美遊「私だって自分の事で色々とあった。けどイリヤや皆といる今はホントに楽しいってアステリオスの気持ちが本当に分かる」

 

イリヤ「美遊…」

 

噛み締める様にそう言う美遊にイリヤもまたアステリオスを見る。

 

エミヤ「君は……サンタになってどのくらいだ?」

 

サンタリリィ「こ、今年が初めてです」

 

するとエミヤが質問し、サンタリリィは慌てながら答える。

 

エミヤ「ふむ。基礎になった英霊はジャンヌ・ダルクか」

 

イリヤ「(あれ?)」

 

サンタリリィを見て顎を摩って呟くエミヤにイリヤは少し違和感を覚える。

 

どことなく彼のサンタリリィを見てる感じが試してる感じに見えるのだ。

 

イリヤ「(エミヤさん、一体何を…)」

 

サンタリリィ「も、もう私の事はいいでしょう。さあ、お二人にプレゼントです!」

 

そんなエミヤのから逃れる様にそう言ったサンタリリィのにナーサリーとジャックは目を輝かせる。

 

ナーサリー「どんなプレゼントかしら、楽しみだわ、とってもとっても楽しみだわ!」

 

ジャック「お人形さん、お人形さん!」

 

イリヤ「(大丈夫かな…)」

 

美遊「(少し心配…)」

 

ワクワクする2人に事前に聞いていた2人は不安になる。

 

サンタリリィ「……だ、大丈夫です。きっと、お二人の役に立つ、はず、です……」

 

ごそごそ

 

エミヤ「それは……」

 

アステリオス「う?」

 

ジャック「……これなに?」

 

そう言って指し出されたのは…袈裟を羽織った青年の概念礼装だった。

 

エミヤ「それは……」

 

アステリオス「う?」

 

ジャック「……これなに?」

 

ナーサリー「何?」

 

呆気に取られるエミヤと首を傾げる3人にサンタリリィは顔を伏せる。

 

サンタリリィ「阿蘭若(あらんにゃ)とはお坊さんが修行する物静かな場所のことで……お、お二人が静かな場所で、遊ぶことだけではなく勉学に励めるように、と…」

 

イリヤ「(あれー?ものすっごく見覚えのある人物の気がするんだけど…ってそうじゃなくて!)」

 

渡すのは確かに聞いていたが流石にそれはプレゼントに全然向いてないとイリヤは思う中でサンタリリィは震えながら理由を続ける。

 

サンタリリィ「ジャックさんも……ナーサリーさんも……お勉強は大切だと……その……ええと……お二人のためになる……ならないですよね……ご、ごめんなさい!!」

 

後悔か、自分が情けないのか…あるいはどちらともあってかサンタリリィは涙を流しながらその場から走り去る。

 

刹那「サンタリリィちゃん!?」

 

イリヤ「い、行っちゃった…」

 

美遊「お、追わないと!」

 

それにイリヤと美遊は慌てて追いかける。

 

ジャック「い、いっちゃった……」

 

ナーサリー「どうしよう、サンタさんが悲しんでいたわ!クリスマスなのに!」

 

それに2人は慌てて、ジャックはわたしたちのせい?と呟いたのでエミヤが否定する。

 

エミヤ「いいや、二人のせいではないよ。冷めない内に少し料理を食べなさい」

 

ジャック・ナーサリー「はあい」

 

アステリオス「どうしよう。こ、こまった…」

 

そう言って2人を落ち着かせ、アステリオスが戸惑う中でエミヤはチラリと別の方を見る。

 

エミヤ「さて……何時の間にかそこに佇んでいた、そこの胡散臭い仮面男。解決手段はないのかね?」

 

どうなんだね?とサンタリリィが出て行くと共に現れた…先ほど去った筈のサンタアイランド仮面を睨む。

 

サンタアイランド仮面「解決手段を模索する前にまずはそもそもの原因を知ることから始めるべきでは?」

 

エミヤ「正論だな。だが、ジャンヌ・ダルクならともかくとして、ジャンヌ・オルタ……ましてリリィともなると」

 

そう問うサンタアイランド仮面のにエミヤはそう返すが問いをした人物は続ける。

 

サンタアイランド仮面「いえ、何となくですが理由は掴んでます。彼女には()()()()()()()()()()

 

エミヤ「欠けているもの……か。む、どうした?」

 

刹那「ちょっとエミヤに頼みたいことが…()()()と一緒に……」

 

出て来た言葉に呟いたエミヤは刹那の頼みたい事に訝しげになる。

 

 

 

 

イリヤ「サンタリリィちゃーん!」

 

美遊「ま、待って!」

 

あれから迷宮からも飛び出して走るサンタリリィに普通に走るのでは追いつけないと感じて途中から飛んで追いかけてなんとか追いついたイリヤと美遊は声をかける。

 

サンタリリィ「!」

 

ルビー「もう、いきなり走るからびっくりしちゃいましたよ」

 

サファイア「そうですね。走られるものですから飛んで来ました」

 

ビクッとなるサンタリリィにルビーはそう言い、サファイアも続く。

 

イリヤ「ねえ、なんでいきなり逃げ…」

 

サンタリリィ「………………」

 

そう言って声をかけたイリヤはサンタリリィの泣き出しそうな顔に言葉が途切れる。

 

そんな彼女にイリヤは本当にクロの時と同じ感じだと思った。

 

美遊「(やっぱりだ。サンタリリィはクロと似た感じがする。……少しバランスが崩れたら消えてしまいそうなそんな感じが…)」

 

イリヤ「(でもなんで…)」

 

サンタリリィ「……私にはないんです……」

 

そう小声で会話してるとサンタリリィが口を開く。

 

イリヤ「え……?」

 

サンタリリィ「有用性だけが、私を立たせる全てで。有益性だけが私を織り成す全てです。願いはなく、いつ死んでも当たり前。希望はなく、いつ消滅しても当然な存在。元から、根幹から、私と言う存在はあり得ない。あり得ない存在に、あり得ない概念に、願うものなど存在しない」

 

出て来た言葉に2人は言葉が出なかった。

 

それだけ、彼女の言葉が重かったのだ。

 

なんとか言葉を出そうとしたイリヤは小太郎や藤太から聞いたのと今までの彼女の行動を当て嵌めて行きついた考えを言う。

 

イリヤ「じゃあもしかしてサンタをやろうとしてたのって……」

 

サンタリリィ「はい……こんな私でも一つだけできそうな役割……己が希望ではなく、他者の願いを叶えることでよしとする―――サンタクロース。サンタならできるかと思ったんですが私は……」

 

そう言って顔を伏せるサンタリリィにイリヤと美遊はどうすれば…と顔を見合わせた時…

 

「サンタさ――――ん!」

 

サンタリリィ「びぇ!?」

 

呼びかける声にサンタリリィは驚き、イリヤ達ともどもした方を見る。

 

そこには、刹那と共に来るジャックとナーサリーの姿があった。

 

ジャック「あ、いたいた!」

 

ナーサリー「もう、足が早いのね!トナカイさんを置いていく気!?」

 

刹那「イリヤちゃん達が止めてくれたんだね。ありがと」

 

そう言って声をかける2人を横目に刹那はイリヤ達にお礼を言う。

 

サンタリリィ「お、置いてはいきません!その、プレゼントを配った方に用はありません。私は次の場所へ向かわなくては……」

 

ジャック「あんなプレゼントいらなーい!」

 

そう言われてサンタリリィはうぐぅ…と呻いて落ち込む。

 

サンタリリィ「そ、そうですよねー……。要らないですよねー……」

 

ナーサリー「そうね。静かな場所でお勉強なんてわたしたちには物足りないわ」

 

ジャック「だから、このプレゼントはへんきゃーく!」

 

そう言ってジャックはさっき渡されたのをサンタリリィに返す。

 

サンタリリィ「うぅ……」

 

イリヤ「サンタリリィちゃん…」

 

ナーサリー「その代わりね、その代わりね!わたしたちのお願いを叶えてほしいの!」

 

美遊「お願い?」

 

なんだろうと3人は首を傾げる。

 

サンタリリィ「願いのリクエスト……ですか?えっと確かお人形と―――」

 

ナーサリー「ううん、そんなの要らないわ!」

 

イリヤ「え?いらないの?」

 

代わりをの渡そうと探るサンタリリィへとナーサリーが言った言葉にイリヤは驚く。

 

そんなにイリヤにええ!とナーサリーは頷き…

 

ナーサリー「お人形も、ぬいぐるみも、ケーキも、ツリーも、スターも、パーティーもなーんにも要らないの!」

 

サンタリリィ「え、じゃ、じゃあ何ですか!?それ以外に叶えられるものなんて――――」

 

出て来た言葉にサンタリリィは驚きながら問う。

 

ジャック「あるの、あるのよサンタさん!わたしたちからのお願いは―――」

 

ナーサリー「海を見に行きたい!」

 

イリヤ「海を」

 

美遊「見に行きたい…?」

 

出て来た言葉に2人は顔を見合わせる中で2人は笑顔でうんと頷く。

 

ジャック「海を見に行くの!」

 

サンタリリィ「う、海……ですか?海って、あの海……ですよね?その、知識だけですが……ザアザアゴウゴウと言う感じの、地上とは異なる概念の場所と申しますか……」

 

イリヤ「(そんな感じだったっけ…?)」

 

戸惑うサンタリリィのにイリヤはうーんとなったがふと、引っかかった。

 

何に引っかかったのか…それはサンタリリィの言葉の中であった知識だけと言う所だ。

 

イリヤ「(もしかして…海を見たことない?)」

 

そうなると元になったジャンヌも生前、本物の海を見ていないと言う事なのかとイリヤが考え込んでる間にジャックとナーサリーが言う。

 

ジャック「難しいことはわかんない!わかんないけど、アステリオスがじまんするの!」

 

ナーサリー「海は広くて、広くて、とっても広いんですって!わたしたちなんか、豆粒みたいなんですって!」

 

私が豆粒なら、アステリオスは大岩かしら?とナーサリーは首を傾げる隣でジャックが続ける。

 

ジャック「わたしたち(ジャック・ザ・リッパー)はロンドンからでたことないし、海を見たこともないの!そんなもの、見るよりさきに死んじゃったし」

 

ナーサリー「わたしだってそうよ!海を見たことなんて一度もないわ!アステリオスもそうだったけど少し前に海を見て、船に乗って、大冒険を繰り広げたんですって!羨ましいわ、妬ましいわ、妬ましいわ!」

 

サンタリリィ「海、船……大冒険……そんな事が…」

 

イリヤ「(あ、凄いドキドキしてる)」

 

美遊「え、ちょっと待って。つまり海を見に行きたいと言うのが―――」

 

目を輝かせているサンタリリィは美遊の言葉にあっとなって2人を見る。

 

ジャック「そう、わたしたちのリクエスト!」

 

ナーサリー「さっきの返品を受け取ってくれたのだからもちろんサンタさんは叶えてくれるわよね?」

 

ルビー「おやおや、どうしますサンタさん?このリクエスト」

 

笑顔で言う2人のにルビーは聞く。

 

そう言われてサンタリリィは戸惑ってもごもごしてしまう…

 

ビシュン!

 

すると彼女の足元に薔薇の黒鍵が刺さる。

 

ナーサリー「あら、薔薇の黒鍵だわ」

 

イリヤ&美遊「(ってことはもしかして…)」

 

すぐさまそれにイリヤと美遊は脱力する。

 

サンタアイランド仮面「サンタアイランド仮面……参上」

 

イリヤ&美遊「やっぱり……」

 

サンタリリィ「お師匠さん!教えて下さい!!私はどうすれば良いのでしょう!?」

 

現れた人物にホントこの人は何がしたいのとイリヤと美遊が思う中でサンタリリィが聞く。

 

サンタアイランド仮面「無論、彼女達の願いを叶えるべきです。貴女はもう返品を受け取ってしまった。受け取ってしまった以上、サンタは別の願いを叶えなくてはならない。しかし子供というのは我が侭なもの。このままでは彼女たちのリクエストを叶えぬ限り、返品返品また返品、おお汝こそモンスタークレーマー……!」

 

刹那「それ、ゲオルギウスに怒られない?」

 

呆れた顔でツッコミを入れる刹那にコホンと咳払いしてサンタアイランド仮面は続ける。

 

サンタアイランド仮面「……と言うことになりかねません。ですから彼女達の願いを叶えることから始めましょう。約束します。そうすれば貴女は必ず立派なサンタクロースになると」

 

サンタリリィ「……わ、分かりました!ジャック、ナーサリー。貴女たち二人をこのラムレイ二号で海に連れて行きます!」

 

そう言われて決心出来たので了承するサンタリリィにナーサリーとジャックはやったーと喜ぶ。

 

ルビー「おやおや、意外な展開になりましたねイリヤさん」

 

イリヤ「う、うん…」

 

大丈夫なのかな…とイリヤは不安がるのを知らずにサンタリリィは元気よく号令をかける。

 

サンタリリィ「それじゃあ早速出発しましょう!」

 

刹那「ちなみに私を置いて行ってたの気づいた?」

 

そう言われてサンタリリィは冷や汗を流しながら慌てて弁解を始める。

 

サンタリリィ「あ、いえ。忘れていたわけではないです」

 

ナーサリー「思いっきり忘れていたと思うのだわ」

 

ジャック「すぽーんと頭から抜けてたよね」

 

サンタリリィ「う、うるさいですよ!それじゃ、皆さんソリに乗ってください!ラムレイ二号出発です!」

 

忘れてたんだなとナーサリーやジャックに言われて怒る様に誤魔化すサンタリリィにイリヤと美遊は苦笑した後に刹那と共に乗り込む。

 

飛び上がった後に、あ、お師匠さん!とサンタリリィは思い出した様にサンタアイランド仮面へと顔を向ける。

 

サンタアイランド仮面「はいはい?」

 

サンタリリィ「ありがとうございます!私、頑張ります!」

 

お礼を言ってサンタリリィはソリを動かす。

 

サンタアイランド仮面「ありがとうございます……か。フフフ、果たしてそれはどうですかね……」

 

エミヤ「何を悪役ロールしているのかね、君は。先回りせねばならないだろう、行くぞ」

 

そんなサンタリリィの背を見ながらそう言ったサンタアイランド仮面にエミヤは呆れた顔でツッコミを入れて移動を始めようとする。

 

サンタアイランド仮面「……溢れる悪役オーラで締めたかったんですがねえ」

 

エミヤ「なに考えてるのだ君は…」

 

ホントに大丈夫なのかねぇ…とエミヤはふうとため息を吐くのであった。



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第五夜~もう一度、星に願いを~

ジャックとナーサリーの願いを叶えに海へと向かうイリヤ達。だけどその前に刺客が現れる。


前回、ジャックとナーサリーのお願いにより海を見に行く事になったイリヤ達

 

今は飛んで海を目指していた。

 

ジャック「わ~い!海だー!」

 

ナーサリー「いつ見ても海は綺麗ねマスター」

 

刹那「そうだね」

 

ルビー「丁度朝日になればさらに綺麗に見えますね」

 

ワイワイはしゃぐ2人と話すのを横目にイリヤは隣でソワソワしているサンタリリィを見る。

 

イリヤ「ワクワクしてるの?サンタリリィちゃん」

 

サンタリリィ「い、いえ別にワクワクなんてしてません。そう、ただ気になるだけです」

 

美遊「(どうみても海を楽しみにしているよね)」

 

誤魔化すサンタリリィに美遊はそう思った後にん?と何か引っかかった。

 

美遊「(なんで私、違和感を持ったんだろう?彼女の反応は十分…)」

 

考えようとしていた時、突如ソリが揺れ始める。

 

イリヤ「な、なに!?」

 

サンタリリィ「ラ、ラムレイ二号が下に引っ張られて…」

 

いきなりのに驚くイリヤ達に慌てた様子のマシュが報告する。

 

マシュ『下にサーヴァント反応!?どうやらなにかの力で引っ張られているようです!』

 

ジャック「えっとこういうのはたしか……そう、『ついらく』だね!」

 

ルビー「そうそう。偉いですね~」

 

ナーサリー「ウキウキ嬉しそうに言うものじゃないと思うのだわ!!」

 

イリヤ「ホントにね!!」

 

嬉しそうに言うジャックと褒めるルビーにナーサリーがツッコミを入れてイリヤも同意する。

 

サンタリリィ「皆さん、何かに掴まってください!お……落ちます!」

 

刹那「しっかり掴まってるんだよ!!」

 

サンタリリィと刹那の言葉の後に誰もが手短なのに捕まると共に落下する。

 

ズズーーーーン!!

 

イリヤ「あいたたたた…」

 

サンタリリィ「トナカイさん、大丈夫ですか……?」

 

刹那「うん、大丈夫」

 

落ちた際ので来た痛みで来たお尻を摩るイリヤの隣で安否を聞くサンタリリィに刹那はそう返す。

 

サンタリリィ「皆さんも大丈夫ですか?」

 

ジャック「ふわー、おどろいたねー」

 

ナーサリー「驚いたように見えないわよジャック」

 

美遊「けど一体誰が…」

 

???「ふはははははははは!」

 

他のメンバーにも聞くサンタリリィにジャックは平然とした顔で呟き、ナーサリーは呆れた顔で指摘する中で美遊が言葉を漏らした所笑い声が響き渡る。

 

イリヤ「え、この声って……!?」

 

???「ここから先は一歩も通しません!通しませんぞぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

響き渡る声と共にイリヤ達の進もうとした道の先から足音が聞こえて来る。

 

サンタリリィ「な、何者……!」

 

マシュ『そ、そんな……まさか!まさか、あなたが……!』

 

その声を聴いて身構えるサンタリリィだがマシュは気づいて声を震わせる。

 

レオニダス「我が名はレオニダァス!サンタよ、海を見る願いを叶えさせる訳にはいかん!」

 

サンタリリィ「え、えー!?何故、どうしてですか!?」

 

イリヤ「いやホント何で!?こんな事をするのレオニダスさん!」

 

ドドン!と擬音が聞こえそうな位にそう言うレオニダスにサンタリリィとイリヤは驚いて聞く。

 

レオニダス「それは……えー……それはですね……」

 

美遊「(あれ?どうして…)」

 

刹那「(あ、マズい…)黒幕がいるんだね…!」

 

すると先ほどまでと打って変わって口ごもるレオニダスに美遊は疑問を感じるが刹那がズビシッと指して指摘する。

 

レオニダス「そう、そうなのです!我々は君たちに海を見せないよう命令されたのです!黒幕とかそんな感じの方によって!」

 

ルビー「(ん~?なーんか怪しいですねー)」

 

イリヤ「なんで海を見に行く位良いじゃないですか!」

 

ビシッと言うレオニダスの反応にルビーは訝しむ中でイリヤが文句を言う。

 

レオニダス「何と言われようとも通しませんぞー、です!一歩たりとも通しませんぞー、なのですとも!」

 

サファイア「なんだか棒読みに近いですね」

 

ジャック「ひどーい!おじさん、きらーい!」

 

ナーサリー「そうよ!子供を虐めるなんて、鬼だわ、悪魔だわ、ハートの女王だわ!」

 

通さないとばかりに構えるレオニダスにジャックとナーサリーはブーイングする。

 

レオニダス「私も辛いのです!!」

 

イリヤ「本音と思われる叫びが出た!?」

 

そんな2人のに思わず返したレオニダスのにイリヤは驚く。

 

サンタリリィ「ぎゃ、逆ギレにも程がありませんか!?」

 

レオニダス「ええ、筋肉はいつにも増してキレキレですが何か?」

 

美遊「違う。そうじゃない;」

 

思わず叫んだサンタリリィのにずれた返しをするレオニダスへと美遊はツッコミを入れる。

 

ジャック「ごつい!おかあさんじゃない!」

 

ナーサリー「サンタさーん!やっつけちゃう?」

 

ルビー「サーチアンドデストロイですね!」

 

そんなレオニダスを見て言うジャックとナーサリーの後のルビーのに物騒すぎ!とイリヤがツッコミを入れてる間にサンタリリィは頷く。

 

サンタリリィ「……そうですね。そこを退きなさいレオニダァス!私はサンタとして二人を海に連れて行くのです!願いを叶えることがサンタのお仕事。邪魔する者は排除します!」

 

レオニダス「良いでしょう、サンタよ!ならば、レオニダァスの屍を越えて行くがいい!!」

 

その言葉と共にイリヤ達は構える。

 

イリヤ「行くよ美遊!斬撃《シュナイデン》!」

 

美遊「速射《シュート》!」

 

同時に放たれたのにレオニダスは左腕の盾で防いだ後に向かって来たジャックの攻撃を槍で防ぎつつ弾き飛ばす。

 

ジャック「解体するよ!」

 

レオニダス「フゥン!」

 

イリヤ「っ!」

 

再び仕掛けるジャックのを盾で防いだ後に攻撃を仕掛けようとしたイリヤへと押し返す。

 

慌ててイリヤはジャックを受け止める。

 

イリヤ「大丈夫!?」

 

ジャック「イリヤ、ありがと!」

 

レオニダス「まだまだですぞ!」

 

そう言って攻撃を仕掛けるレオニダスに2人は左右に避ける。

 

サンタリリィ「たああ!」

 

ナーサリー「えい!」

 

レオニダス「なんとぉぉぉぉぉ!!」

 

そこに攻撃を仕掛けるサンタリリィのをレオニダスは盾で防いだ後に槍を回転させてナーサリーの魔力弾を弾く。

 

イリヤ「ええ!?」

 

マシュ『流石レオニダスさん。強敵です』

 

まさかの回転で弾かれた事と手際の良さにイリヤは驚き、マシュは呻く。

 

サンタリリィ「やりますね…でも負けません!」

 

美遊「勿論!」

 

気合を入れるサンタリリィと美遊のにイリヤもうんと頷いてサーヴァントカードを取り出す。

 

ルビー「イリヤさん!ここはセイバークラスのでいきましょう!」

 

イリヤ「うん!夢幻召喚(インストール)!!」

 

宣言と共にイリヤの姿はセイバーリリィのに変わる。

 

レオニダス「むむっ!変えて来ましたか」

 

イリヤ「はああっ!」

 

切りかかるイリヤにレオニダスは防ぐが相性のもあり少しずつ押されて行く。

 

レオニダス「くっ!」

 

サンタリリィ「たあっ!」

 

美遊「速射《シュート》!!」

 

そこにサンタリリィと美遊が加わり、隙が出来たのを確認してイリヤは今しかないと宝具を開放する。

 

イリヤ「束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるが良い!約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

 

咆哮と共に放たれた斬撃が飛んで行く。

 

レオニダス「その宝具、我が筋肉で耐えきって見せましょう!!」

 

それに対してレオニダスは仁王立ちする。

 

美遊「宝具を受けきるつもり!?」

 

サンタリリィ「それだけ自信があると言う事ですか!?」

 

誰もが驚く中で放たれたのは止まらずにレオニダスに向かって行く。

 

ドーーーーーン!!!

 

そして炸裂した…男の急所も含めて…

 

レオニダス「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

イリヤ&美遊&サンタリリィ「あー……」

 

リリィの姿だと青アルトリアのでも起こるんだな…とその光景を見て何とも言えない顔をするイリヤ達の後ろで刹那は思った。

 

レオニダス「は、はっ、はっ…残念…ながら…負け…ました、マスター殿」

 

刹那「あー……大丈夫?」

 

イリヤ「な、なんだかすいません;」

 

ガクガクブルブルと震えながらなんとか言葉を絞り出すレオニダスに刹那は安否を聞いてイリヤは故意じゃないとはいえ謝罪する。

 

な、なんの……と返しながらレオニダスはふうふうと息を整える。

 

レオニダス「おっと伝え忘れるところでした。サンタよ、この先にはまだまだ四天王とか五人衆とか八部衆みたいなサーヴァントたちが控えています!」

 

マシュ『そ、そんなに多く!?』

 

刹那「流石に多くない;」

 

キリっとしてから出て来た言葉に驚くマシュの後に呟いた刹那のを聞いてこれはうっかりとレオニダスは呟く。

 

イリヤ「(あれ?今の刹那お姉さんの言葉……)」

 

レオニダス「実際はもうちょっと少ないかもしれません……ともかく、楽にたどり着けるとは思わないことですね!」

 

そんな刹那の言葉に違和感を覚えるイリヤだがレオニダスは気にせずそう言う。

 

サンタリリィ「ど、どうしてサンタが願いを叶えるのを邪魔するんですか!?」

 

ジャック「『海』が見たいだけなのに―!」

 

ナーサリー「横暴よー!」

 

叫ぶサンタリリィのを皮切りにぶーぶーと文句を言う2人のにレオニダスは困った顔をする。

 

レオニダス「そこらへんは黒幕にお聞き下さい!私もちょっとその、よく分かっていないので!」

 

イリヤ「分かってないの!?」

 

出て来た言葉にイリヤは思わず叫ぶ。

 

まさか知らされてないと言うのだから当然である。

 

レオニダス「理系の私にとって心理学とかそんな感じのものはあまり得意分野ではないので!なので、この次のサーヴァントにでお尋ねください!」

 

サファイア「理系……?」

 

美遊「…レオニダスさんは理系よりも体育会系だと思う;」

 

出て来たのに思わずサファイアと美遊のコンビは違う様なと思ってる間にレオニダスの体が輝き出す。

 

レオニダス「では、さようなら皆さん!またカルデアでお会いしましょう!」

 

シュイイイン…

 

そう言い残してレオニダスは送還された。

 

マシュ『サーヴァント反応消失しました。レオニダスさんには後でお話を聞いておきます!』

 

イリヤ「お願いしますマシュお姉さん!」

 

ルビー「まぁ、正直に喋るか分かりませんけど」

 

報告するマシュにイリヤがお願いする隣でルビーが翼部分を竦めて呟く。

 

サンタリリィ「皆さん、大丈夫ですか?」

 

ジャック「げんき!」

 

ナーサリー「サンタさんは大丈夫かしら?」

 

安否を聞くサンタリリィに2人は答え、イリヤと美遊も大丈夫と返し、聞いた本人も私もですと頷いた時だった。

 

ビシュン!

 

刹那「はいはい、薔薇の黒鍵」

 

イリヤ「ここで来るんだ…」

 

それに刹那は投げやりに、イリヤは脱力する中で…

 

サンタアイランド仮面「どうです、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。どうやらここから先の旅路には敵サーヴァントたちが幾人も待ち受けているようです。正体も目的も不明ですが彼らはあなたたちが海へ行くことを妨害するでしょう。願いを叶えるのは果てしなく困難で、願いを叶えたとしてもそれは当たり前の出来事。何故なら貴女はサンタクロースなのです。行先に報酬等何一つ存在しません。それでも行きますか?」

 

思ってた通りのサンタアイランド仮面が現れてそのまま長く語った後に問う。

 

サンタリリィ「わ、私は…」

 

イリヤ「サンタリリィちゃん、あのね…」

 

刹那「イリヤちゃん、ちょっとストップ」

 

声を詰まらせるサンタリリィへと声をかけようとしたイリヤだったが刹那に止められる。

 

イリヤ「(え?刹那お姉さんなんで……)」

 

刹那「(ごめんね。けどこれはサンタリリィが出さなきゃいけないんだ)」

 

止められたので戸惑うイリヤに刹那はそう言う。

 

サンタリリィ「私は……私は願いを叶えたいんです。押し付けた贈り物じゃなくてこの二人が願ったその通りのものを贈って上げたいと思います。お二人が良ければ私はまだ願いを叶えます。海を……見に行きましょう!」

 

顔を上げてサンタアイランド仮面にそう言ってから後半はジャックとナーサリーへと言い、声をかけられた2人も元気よくはーいと返す。

 

それにサンタアイランド仮面は微笑む。

 

サンタアイランド仮面「そうですか。しかし心しなさいサンタ。願いを叶えると言う事は本来不平等なことなのです。不平等とは即ち欲望。他愛のない願いでも人生の浮沈が掛かる如き深刻な願いでもそれを叶える――――取捨選択を行うのはサンタクロース。祈った誰かの願いが叶い、祈らなかった誰かの願いが果たされない……サンタというのは考えてみれば聖人とは程遠い存在なのかもしれませんね」

 

イリヤ「(?なんでそこで聖人が出るの?)」

 

悟らせる様に言っていた中で最後に出て来た単語にイリヤは思わず首を傾げたがサンタリリィを見て気づく。

 

彼女は何かに怯える様に震えており、刹那に何かを求めている様な目を向けていた。

 

イリヤ「(サンタリリィちゃん、何に怯えてるの……?)」

 

どうしてだろうか分からないがイリヤは恐る恐るサンタリリィに話しかけてみる。

 

イリヤ「ねえ、何を怖がっているの…?」

 

サンタリリィ「(はっ!)べ、別に怖がってませんよ!さ、さあ行きましょう!」

 

すると我に返った様にそう言ってサンタリリィはラムレイ二号へと向かう。

 

イリヤ「…………」

 

ルビー「これはまた…普通のクリスマスプレゼント配りからシリアルになって来ましたね~イリヤさん的にどう思います。」

 

心配な顔でサンタリリィの背を見るイリヤにルビーはそう声をかける。

 

イリヤ「そうだね……なんか刹那お姉さんが怪しい気がする」

 

ルビー「まぁ、あのレオニダスさんが刺客となっていますから刹那さんが黒幕の線は濃厚でしょうね。なんでこんな事をするかの動機は小さなサンタさんに意味があるからじゃないですかね?」

 

シリアルと言う部分をスルーしてそう言ったイリヤのにルビーも思っていたのかそう返す。

 

イリヤ「一体、サンタリリィちゃんに何をしたいんだろう…」

 

美遊「イリヤ、そろそろ行くみたいだよ」

 

サファイア「ソリは動きそうにないから徒歩で行くことになりました」

 

あー、やっぱりそうなりますとルビーが言うのを横目にイリヤは分かったと返して向かう。

 

イリヤ「(どうなるんだろう…このクリスマスは…)」

 

歩きながらイリヤはそう心配せずにいられなかった。



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第六夜~素晴らしき哉、サンタム!~

イリヤ「あれ?微妙にタイトルが原作と違う様な……」

GOクロ「ああ、お茶目兼ツッコミコメントを稼ごうと言う」

美遊「メタイし来ないんじゃあ;」


前回、妨害にあって歩く事になったイリヤ達。

 

彼女達は今、森の中にいた。

 

サンタリリィ「ここをキャンプ地とします!」

 

ジャック「わー!」

 

ナーサリー「楽しいわ、楽しいわ、楽しいわ!」

 

イリヤ「まるでお泊り会みたい…!」

 

ドドン!と言う音声が付く程の勢いで言うサンタリリィにジャックとナーサリーも続き、イリヤも少しワクワクしながら言う。

 

ロマン『クリスマスにお泊り会、実に無邪気な光景だねえ』

 

美遊「お泊り会は楽しいので」

 

その光景を見てしみじみするロマンに美遊はそう返す。

 

ロマン『それはそうと刹那ちゃん。頼まれていた物資を転送したよ。』

 

刹那「ありがとうドクター」

 

思い出して報告するロマンに刹那は届いた物を見て礼を述べる。

 

ロマン『何、これも仕事だからね。此処で一夜を明かして、順当に行けば明日には海に到着出来る筈さ』

 

イリヤ「そ、そうなんですか…!それはよか…」

 

笑って言うロマンにイリヤはホッと安堵しかけて……

 

ロマン『順当に行けば、の話だけどね!』

 

デスヨネーと笑顔で言われた事に目を遠くする。

 

ジャック「あれ?そのご馳走……」

 

ナーサリー「エミヤおじ様が作ってくれたご馳走ね!すっかり忘れて飛び出してきちゃったわ!」

 

サンタリリィ「……なんか、ごめんなさい……」

 

ロマン『安心して食べなさい。冷めても美味しいのがパーティー料理のコツだってさ』

 

送られて来た物資が自分達が先ほどまでいた所でエミヤが作っていた料理だったのに気づいて、サンタリリィが謝る中でロマンが笑ってエミヤからの伝言を伝える。

 

イリヤ「お、美味しそう…」

 

ルビー「流石エミヤさんですね!カルデアのオカン!」

 

サンタリリィ「わ、私は遠慮しておきます。お腹は空いてないので」

 

ジャック「ないの?」

 

ナーサリー「空いてるのよ。やせ我慢なのよ、きっと」

 

ほわーとなるイリヤと褒めるルビー。

 

料理を見てサンタリリィは後ろめたさからか辞退しようとしてるのにナーサリーがそう言う。

 

サンタリリィ「やせ我慢なんか、してません」

 

ジャック&ナーサリー「してるしてるー!」

 

美遊「凄く煽られてる;」

 

サファイア「子供らしくて良いかと」

 

ワイワイとおちょくっているジャックとナーサリーにぷんぷんするサンタリリィを見ながら2人は苦笑する。

 

刹那「ジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィちゃん!」

 

サンタリリィ「ふぁい?」

 

呼びかけられてサンタリリィは振り返ると口の中に子供に食べやすい大きさにされたミートボールを放り込まれる。

 

刹那「はい、あーん!」

 

サンタリリィ「もぐ!?……もぐ、もぐ、もぐ……ごくん」

 

いきなりだったがすぐさま食べて、顔を綻ばせる。

 

サンタリリィ「おいしい……じゃなくて!急に口の中に食べ物を入れないでください。まあおいしかったですけど。……もう一口いいですか?」

 

ジャック「ちょろい」

 

イリヤ「(ちょろい…)」

 

美遊「(ちょろすぎるよサンタリリィ…)」

 

文句は言うが頼み込むサンタリリィにジャックはくすりと笑い、イリヤと美遊は冷や汗を流す。

 

サンタリリィ「今、聞き捨てならない誹謗中傷があったような気がします!」

 

イリヤ「(ホント悪く言われると反応速いな;)」

 

むむむと唸るサンタリリィの反応の速さにイリヤは心の中で呟く。

 

そこらへんは元のジャンヌオルタと変わらない様だ。

 

サンタリリィ「私は『しそうけんご』、『しょうようじじゃく』をモットーとしているのです。キリッ」

 

ナーサリー「呪文か何か?さっぱり分からないわー」

 

サファイア「『志操堅固』は志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないという意味で。『従容自若』は物事にどうじないという意味です」

 

胸を張って行ったサンタリリィのに首を傾げるナーサリーへサファイアが解説する。

 

ナーサリー「それはそれとして、ローストビーフが美味しいわ、美味しいわ、美味しいわ!」

 

刹那「エミヤおじ様に丁重に礼を…」

 

イリヤ「おじ様扱いだとエミヤさんが複雑な顔しそうな気がするんですけど;」

 

んーと食べていたローストビーフの美味さに嬉しそうに頬を抑えて喜ぶナーサリーに言った刹那にイリヤはツッコミを入れる。

 

ナーサリー「そうね。ちゃんとお手紙を出してあげようと思うの。あしなが……ではなくて、何と呼べばいいのかしら」

 

サンタリリィ「……拝啓、私の借りパクおじ様……」

 

イリヤ「借りパク!?」

 

なんで!?と名前の部分にイリヤや美遊は叫んだ。

 

 

 

 

???「いつ盗むと言った。永久に模倣するだけだぞ?」

 

???2「……急にどうしたのですかな?」

 

虚空にいきなり言い出した人物にもう1人は訝しげに問う。

 

???「いや、何故か急に言っておかなくてはならない、と思っただけだ。……よし、これで準備完了だ」

 

???2「しかし……些か解せませんな。何故、我々は妨害する必要が?」

 

そう返してから準備していた事を終える最初の人物にもう1人は問う。

 

???「……つまるところ、彼女の心が変わらなければ、どうしようもないということだ。願いを叶える者が、願いから逃避するのは矛盾だ。それはつまり…」

 

???3「願いを叶えるということの本質から目を逸らしているって事ね」

 

疑問に対して答えていた最初の人物は3番目に言ってる途中を代わりに出した声を出した人物に頷く。

 

???「ああそうだ。サンタクロースは願いを叶えるという()()()()()()()()()()。純粋悪でもない限り、無償の善行による感謝は心を満たす。サンタクロースとは、ある意味でその究極とも呼べる概念だ。良い子であれば贈り物を。悪い子であれば❘道徳《せっきょう》を」

 

???2「なるほど。しかし❘彼女《ジャンヌ》には――」

 

察した2番目が言おうとしたのを最初の人物は肯定する。

 

???「そう、彼女にはそれがない。()()()()()()。放置しておけば彼女は存在理由を身失い、自我すら喪失する。……それでも、歴史に刻まれた英霊であれば問題ない。誰かに信仰され、その名を畏怖と共に呼ばれるのであれば、願いの有無は関係ない」

 

???4「でもジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィは違う。あの子は誰にも信仰されていないし、それどころか、世界はあの子を知りもしないんだからね」

 

???3「ジャンヌ・ダルクは知っているとしても、その裏にあの子のような存在が居るなんて考えもしないでしょうしね」

 

困った様に言う3番目と新たな4番目のに最初の人物は腕を組んで目を瞑る。

 

???「彼女はあのオルレアンで生まれたサーヴァントだからな。聖杯より仮初めの命を与えられた“贋作”。幾つかの試練を潜り抜け、悪夢のような騒動を引き起こして、彼女はかろうじてサーヴァントとしての現界を果たしている。だが、リリィはその現界も危うい状態だ」

 

???2「なるほど、それでアルトリアオルタ殿はサンタの役割を譲ったのですか」

 

話に聞いてた事を思い出しながら2番目の人物は納得する。

 

???「だが、サンタの役割を背負ってもなお、彼女は病を抱えている。短いながらも、海へと向かう旅路の間にそれを見つけられればいいのだが――」

 

???2「……ところで、それには一体何の意味が?」

 

話してる最中で最初の人物がしていた事が気になっていたので2番目の人物は質問する。

 

???「フッ、一応正体を隠さなくてはな」

 

???3「(正直隠せれてるかどうか微妙なとこなのよね…)」

 

???2「(変装のへの字も知らない弓兵であられたか……)」

 

ニヒルに決めてる感じの最初の人物に他の3人はなんとも言えない視線を向けるのであった。

 

 

 

 

そんなやり取りがあったのを知らず、イリヤ達は眠りについていた。

 

ただ、イリヤだけは色々とあって睡魔がなかなか来なかった。

 

刹那「眠れないのイリヤちゃん?」

 

イリヤ「え、あ、ちょっと色々とあって」

 

声をかけて来た刹那にイリヤはそう返す。

 

刹那「まあ色々あったから仕方ないよね」

 

イリヤ「はい、ホントに」

 

苦笑する中でサンタリリィが来る。

 

イリヤ「あ、サンタリリィ…」

 

サンタリリィ「イリヤさんも寝られないんですか?」

 

まぁ、そんな感じとイリヤは頷くとサンタリリィは美遊と寝てるジャックとナーサリーを見る。

 

サンタリリィ「……あの二人、サーヴァントですよね?現界したまま眠る必要はない筈なのに。余計な魔力を浪費しています。❘トナカイさん《マスター》の迷惑になっていないのですか?」

 

そう聞かれて刹那は首を横に振る。

 

刹那「ならないよ」

 

イリヤ「それに一緒に寝た方が楽しいよ」

 

サンタリリィ「迷惑……じゃないのですか?どうして?私は迷惑にならないよう、霊体化します。良い子ですよね、えへん」

 

そう言って胸を張るサンタリリィに霊体化しなくても良いってと刹那は笑う。

 

サンタリリィ「……でも、その前に一つ質問が。❘トナカイさん《マスター》は海を見たことがあるのですか?」

 

刹那「うん、あるよ」

 

頷いた刹那にサンタリリィはそうですか……と不思議そうに呟く。

 

サンタリリィ「あるのですか。あの二人が興奮して、ワクワクするほど海は面白いものなのでしょうか?」

 

そんな彼女の呟きにイリヤは首を傾げる。

 

イリヤ「どうしてそんなことを?もしかして……海を見たことないの?」

 

ルビー「いやまぁ、生まれたばかりですからね~一応知識はあるんですか?」

 

問うイリヤにルビーも聞く。

 

サンタリリィ「成長した私、ではないもう一人の……本来のジャンヌ・ダルクさんは海を見たことがある筈ですけど……」

 

イリヤ「筈…って」

 

ぎこちない感じの言い方にイリヤも察するとサンタリリィは困った顔をする。

 

サンタリリィ「私には海の記憶も記録もないのです」

 

ルビー「(ふむ、オルタさんは聞いた話でジャンヌさんを元に作られた存在だから復讐関連以外のはないと言う事ですかね…)」

 

出て来た事にルビーはそう推察する。

 

サンタリリィ「それに……私の知識が正しければ本来、海に行くべき季節は夏ですよね?冬の海なんて見るだけで泳げないでしょうから、ますます行く必要性が見当たりません」

 

刹那「きっと、気に入ると思うよ」

 

不思議そうに聞くサンタリリィに刹那はそう言い、イリヤも頷く。

 

サンタリリィ「私が海を気に入る……ですか?ちょっと想像もできません。私はあの二人と違って大人ですから!ふふん!」

 

胸を張るサンタリリィに刹那はほほうと目を輝かせ…

 

むにゅむにゅ~

 

サンタリリィの頬を摘まんだ。

 

刹那「そう言う頬は引っ張っちゃおうね~」

 

サンタリリィ「わ、ほっぺたつままないでください!こらー、やめてー!」

 

うふふと笑いながら引っ張る刹那にサンタリリィは抵抗する。

 

イリヤ「(やっぱり中身は子供だ…)」

 

そんなやり取りを見ながらイリヤは眠くなったので就寝するのであった。

 

 

 

 

ルビー「いやー!凄い雪ですねこれは」

 

イリヤ「ホントだね。ううさむ」

 

翌朝、昨日よりも強くふぶく雪にイリヤは手をこすり合わせる。

 

マシュ『おはようございます、先輩!本日も雪模様ですが寒さは大丈夫ですか?体調、メンタル、こちらのパラメータでは全く問題ありません』

 

刹那「うん、大丈夫だよマシュ」

 

起床したのを確認して通信をかけてくるマシュに刹那はそう返す。

 

美遊「マシュさん、海まであとどれくらいですか?」

 

マシュ『あともう少しですね。これなら今日中に到着できると思います』

 

ジャック「海、だー!」

 

ナーサリー「今日こそ海に到着ね!素敵だわ!」

 

元気にはしゃぐ2人に刹那はくすりと笑う。

 

マシュ『このまま西方向に真っ直ぐ――お待ちを、マスター!サーヴァント反応です!数は四人!』

 

イリヤ「四人も!?」

 

刹那「うん、ドクターより優秀かも」

 

ちょっと刹那ちゃん!?と刹那のに文句を言うロマンを押しのけてほんのり頬を染めたマシュはまた出る。

 

マシュ『マスターは褒め上手ですね。でも、後方支援でもお役に立てて嬉しいです!』

 

イリヤ「(マシュさん凄く嬉しいんだね)」

 

???2「そろそろ登場してもよろしいですかな?」

 

サンタリリィ「な、何者!」

 

構えるサンタリリィだがイリヤと美遊はんん?となる。

 

なぜなら聞き覚えのある声なのだ。

 

刹那「何者だ!」

 

???2「おほん、えほん。ククク……我が名は身をよじる呪腕のハサン。オヌシたちを海になど行かせぬ……」

 

刹那の問いに咳払いして現れた呪腕のハサンに何してるの!?とイリヤと美遊は驚く。

 

サンタリリィ「何故ですか!?」

 

呪腕のハサン「何故とな!?…………」

 

問われた事に呪腕のハサンは無言になる。

 

イリヤ「(あれ?無言になった…?)」

 

美遊「(もしかして…理由考えてない…?)」

 

まさか…と2人は顔を見合わせる。

 

刹那「もしかして、他にもサンタが!?」

 

呪腕のハサン「そう、それ!……ククク、何故なら本当のサンタは此処に居るからだ」

 

サンタリリィ「あの、まるで『今思いついたラッキー』という感じだったのですが……」

 

その反応にサンタリリィはなんとも言えない顔をする中でイリヤはん?となる。

 

イリヤ「(なんか今、刹那お姉さんが助けた感じになってない?)」

 

確かに問う感じだったのだが、その内容とタイミングが呪腕のハサンが言葉を詰まらせていた時だったので頭に引っかかった。

 

呪腕のハサン「ククク……よじりよじり。さあ、出番ですぞ!真のサンタ……サンタム殿!」

 

イリヤ「サンタム!?」

 

初めて聞く名にイリヤ達は誰なんだろうかと警戒する。

 

そして…その人物は現れた。

 

???「フッ―――問おう、サンタとは何ぞや?」

 

サンタリリィ「何者ッ!そしてサンタとは願いを叶える者!贈り物を運び、幸福を運ぶ者です!じ、自分が出来ているかどうかは自信がありませんが!」

 

人影の問いに対してサンタリリィは答えてから後半自信なさげになる。

 

それに口元を吊り上げる。

 

???「然らば、答えよう。サンタとは世を忍び影から影に渡り歩く、姿無きウォッチメン!見るがいい、これが正しいサンタの姿だ!」

 

その言葉と共に見えた姿は…どこぞの怪傑な正義の味方の様に目を隠したエミヤであった(爆)

 

サンタム「我が名はサンタム!私が!私たちが!サンタムだ!!」

 

ジャック「……ほえ?」

 

ナーサリー「……あら?」

 

イリヤ&美遊「(開いた口が塞がらない)」

 

ドーン!と名乗り上げるサンタムにジャックとナーサリーはきょとんとし、イリヤと美遊は茫然としてしまう。

 

しかもさり気無く刹那が偽名で使っていた奴に乗っていた人物の名台詞を変えて使っている。

 

サンタリリィ「……エミヤさん、何やっているんですかエミヤさん」

 

サンタム「何ィ!?」

 

呆れた目で見るサンタリリィにサンタムは心底驚く。

 

ジャック「何やってるのー?ごっこあそび?わたしたちも参加する?」

 

ナーサリー「もう、エミヤおじ様。覆面ヒーローごっこなんて恥ずかしいわよ?」

 

サンタム「何故バレる……!?サンタアイランド仮面はバレないのに!?」

 

同じ様に指摘するジャックとナーサリーにサンタムは心底それに自信があったのか驚愕している。

 

やっぱり…と呆れた様子でGOクロとクロが顔を出す。

 

イリヤ「クロ!?二人も何やってるの!?」

 

GOクロ「ふふふ、今の私はサンタムガール一号よ」

 

クロ「同じく2号。まぁ、事情があるのよ。ほらサンタムお兄ちゃんも」

 

驚くイリヤに2人はそう返してからクロが促す。

 

サンタム「わ、分かっているさ。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィよ!お前の間違ったサンタ観を正すためにこのサンタムは召喚されたのだ」

 

サンタリリィ「間違った……サンタ観……」

 

ジャック「おじさんもまちがっているよね?(ひそひそ)」

 

ナーサリー「よね?(ひそひそ)」

 

告げられた事に悲しむサンタリリィの後ろでジャックとナーサリーがひそひそ話をする。

 

それにイリヤ達も同意であった。

 

呪腕のハサン「はいそこ、静かにしてくださいね。飴玉あげますから」

 

ジャック「むぐむぐ」

 

ナーサリー「もむもむ」

 

イリヤ&美遊「(子ども扱い上手い)」

 

そんな2人に呪腕のハサンが何時の間にか近づいていて飴をそれぞれ口の中にあげる。

 

その様子にイリヤと美遊はつくづくアサシンと程遠いよな…と彼のONOFFの差を感じるのであった。

 

サンタム「ここで怯み、逃げ帰るようであればサンタの資格などない。あくまで己がサンタだ、という自負があるならばかかってくるがいい」

 

サンタリリィ「わ、私は……」

 

そう言って構えるサンタムにサンタリリィは戸惑いを見せてなかなか槍を構えていられない。

 

そんな彼女を…刹那は肩に手を置く。

 

刹那「大丈夫。君はサンタだよ」

 

サンタリリィ「……はい!私は間違いなく、サンタクロースです!トナカイさん(マスター)が私を見捨てない限り、私は自信を持ってサンタクロースだと言えますから!」

 

言葉を受けてサンタリリィはさっきと打って変わって迷い無き目でサンタムをみつえて槍を構える。

 

それにサンタムはフッと笑った後に呪腕のハサンとWクロ達も彼の両隣に立って構える。

 

サンタム「いいだろう、かかってきたまえお嬢さん!ちなみに私はアーチャーでランサーとは滅法、相性が悪いのだが気にするな……!!」

 

最後ので台無しな気がするな…とイリヤは少し脱力しつつも向かって来るサンタム達を迎え撃つ。

 

刹那「ナーサリーは呪腕のハサンを、イリヤちゃんはサンタムガール一号の方を、美優ちゃんとジャックは二号を、サンタリリィはサンタムをそれぞれ相手して!」

 

ナーサリー「分かったわ!」

 

イリヤ「はい!」

 

指示にそれぞれの相手を取る。

 

クロ「フフフ、言っておくけどイリヤ。負けたらたっぷり魔力吸うからね」

 

イリヤ「それを聞いてなおさら負けられないよ!」

 

そう返しながら2人はぶつかり合う。

 

GOクロ「こっちは二人が相手ね。骨が折れそうだわ」

 

ジャック「負けないよ」

 

美遊「こんな事をするか聞かせて貰うよ」

 

やれやれと頭を振りながらGOクロはジャックのを避けつつ美遊の魔力弾を対処する。

 

呪腕のハサン「さて、お嬢さん、お相手して貰いますよ」

 

ナーサリー「ふふふ、負けないわよ。長い腕のドクロさん」

 

腕を振るう呪腕のハサンのを避けながらナーサリーは魔力弾を放って牽制する。

 

マシュ『先輩!一号のクロさんが宝具を発動しようとしてます!』

 

刹那「!イリヤちゃん!」

 

その中でマシュの警告に刹那は叫ぶ。

 

クロ「行くわよイリヤ!山を貫き、水を割り、なお墜ちる事無きその両翼……!」

 

イリヤ「ルビー、お願い!」

 

ルビー「了解です!」

 

放たれた干将・莫耶がギリギリの所まで引き付けてから防御する事で弾き飛ばし、続け様のクロの一閃も踏ん張って耐える。

 

クロ「っ、防がれちゃったか…」

 

イリヤ「そう簡単に当たらないんだからね!!」

 

その言葉の後に魔力弾で吹き飛ばす。

 

GOクロ「このっ!」

 

一方のGOクロは対峙してる美遊とジャックへと向けて剣を出射する。

 

美遊「ジャック、私の後ろに」

 

ジャック「分かった」

 

それに美遊はバリアを張り、ジャックは上からGOクロへと襲い掛かる。

 

ジャック「解体するよ…ッ!」

 

GOクロ「ちょ、それは勘弁!?」

 

迫るジャックにGOクロは慌てて避ける。

 

ジャック「いまだよ。美遊!」

 

GOクロ「!」

 

その言葉にしくった!と美遊の方を見る。

 

サファイア「ロックオン完了です美遊様」

 

美遊「うん、決めるよ!」

 

そこにはチャージした魔力弾を放そうとする美遊の姿があり…

 

美遊「一斉放射(マルチシュート)

 

宣言と共に複数の魔力弾が色んな方向からGOクロへと降り注ぐ。

 

GOクロ「くっ…!やるじゃない…!」

 

防ごうとするが何発かが炸裂する。

 

ジャック「これで…」

 

美遊「トドメ!」

 

続け様にジャックの蹴りと美遊の先ほどよりも大きさは小さいが収束した事で強固な魔力弾が決まる。

 

それによりGOクロはキュ~と目を回す。

 

美遊「勝てた…!」

 

ジャック「こっちは倒したよお母さん!」

 

ナイスと刹那は褒めた後にサンタリリィとサンタムの戦いを見る。

 

サンタムはああいっときながらサンタリリィの攻撃を巧みに防いでいく。

 

サンタリリィ「(っ!相性では勝てているのになんで押しきれない…!)」

 

サンタム「押しきれないと思ってるだろう?相性は確かにこちらが不利だが…経験の差で負ける気がない!」

 

そう言ってサンタリリィを吹き飛ばす。

 

サンタリリィ「くぅっ!!」

 

刹那「サンタリリィ!」

 

倒れるサンタリリィにサンタムは追撃しようとしてナーサリーや美遊の魔力弾に後ろに下がる。

 

ナーサリー「大丈夫?サンタさん」

 

美遊「ここからは私達も援護します」

 

手を差し出すナーサリーの後に美遊がサンタムをみつえながら言う。

 

サンタリリィ「ナーサリー…美遊さん…!」

 

イリヤ「これでトドメ…!」

 

続け様にイリヤがクロを吹き飛ばし、サンタリリィの隣に立つ。

 

イリヤ「サンタリリィ、大丈夫!?」

 

ジャック「加勢するよ」

 

サンタリリィ「イリヤさん、ジャック…はい!勝ちましょう!」

 

グッと握り締めて気力を取り戻すサンタリリィにサンタムはフッと笑った後に飛んで来た魔力弾を避け、ジャックとサンタリリィの突きを防ぐ。

 

ルビー「イリヤさん!此処はサマーの玉藻さんで一気に決めちゃいましょうか!」

 

イリヤ「無理でしょ!?雪原の中水着って!」

 

進言にイリヤは激しく手を振って拒否する。

 

実際問題、真冬で吹雪いてる中で水着になったら寒中水泳レベルを超えて普通に凍死しかねない。

 

ルビー「それじゃあ相性は微妙ですがエウリュアレさんはどうでしょうか」

 

イリヤ「そうだね。エウリュアレさんの方が寒くないし…夢幻召喚(インストール)

 

そう言いながらカードを取り出して叫んで光りに包まれた後にエウリュアレの服を身に纏った姿を現す。

 

イリヤ「エミヤさんのハート…撃ち抜きます!」

 

サンタリリィ「ハートを撃ち抜くんですか!?」

 

美遊「綺麗…」

 

ウィンクしながら言ったイリヤのにサンタリリィが言う中でイリヤは弓美を構える。

 

サンタム「っ!あれは流石にマズイ…!」

 

ナーサリー「逃がさないのだわ!」

 

逃げようとするサンタムだが、ナーサリーやジャックが逃げ場を失くさせる。

 

ジャック「イリヤ!今の内に!」

 

イリヤ「うん!❘女神の視線《アイ・オブ・ザ・エウリュアレ》!」

 

見逃さずイリヤは矢を取り出してサンタムへと向けて放つ。

 

逃げ場がないサンタムに直撃を受ける。

 

サンタム「ぐっ……!」

 

イリヤ「サンタリリィ!」

 

サンタリリィ「これで…トドメです!」

 

トドメを促され、サンタリリィは槍の一閃をサンタムに炸裂させて、サンタムは雪の上に倒れる。

 

刹那「やったね!イリヤちゃん!サンタリリィ!」

 

それを見て刹那は喜んでサンタリリィを抱き締める。

 

サンタリリィ「やりましたトナカイさん!何か極めて手抜きをされた気がしますが……ともかく、勝ったのでよし!とします」

 

美遊「そう言えば…」

 

サンタリリィの言葉に美遊は先ほどの戦闘でGOクロとクロは使っていたが、呪腕のハサンとサンタムが宝具を全然使ってこなかったのを思い出す。

 

美遊「(でもなんで手加減を…?)」

 

ジャック「でも勝利は変わらないもんね。通っても良いんだよね?」

 

ああとサンタムは起き上がりながらジャックのを肯定する。

 

サンタム「勝ったのならば先に進むがいい。如何なる時もサンタであることを忘れるな。そして、誰が敵であろうとも……サンタの本分を忘れるな」

 

ナーサリー「大丈夫よ、だってジャンヌは立派なサンタだもの!」

 

イリヤ「うん、今も頑張ってるもんね」

 

アドバイスに近い忠告を聞いて返した後にね?と話を振るナーサリーにイリヤはそう返す。

 

それにサンタムはフッと笑う。

 

サンタム「では我々は負け犬らしく消え去るとしよう」

 

クロ「じゃーねーイリヤ。まああとで会いましょ」

 

その言葉を残して4人はその場を去る。

 

ホントなんだったんだろう…と美遊は首を傾げる。

 

サンタリリィ「…………」

 

イリヤ「サンタリリィ…?」

 

刹那「どうしたの?顔色が悪いよ…?」

 

4人が去った後、サンタムの言葉を聞いてから考える様に伏せているサンタリリィにイリヤと刹那は声をかける。

 

サンタリリィ「あ、いえ!いよいよ海まで、あと少しですね!」

 

声をかけられた事でハッと我に返って取り繕ってそう言うサンタリリィにジャックとナーサリーはおお!と返して続き、刹那も続く。

 

その後ろでイリヤは美遊に小声で話しかける。

 

イリヤ「(ねえ美遊、なんか色々とおかしくない?)」

 

美遊「(うん。エミヤさんがあんなマスク付けて邪魔するのも、その理由もおかしいしそれに…刹那お姉さんがそれを助けているのがおかしすぎる)」

 

やっぱりそうだよね…と前を歩く刹那の背中を見る。

 

サンタムもといエミヤ以前に性格的に考えて自分達の邪魔をするなどありえないレオニダス。

 

言葉が詰まった呪腕のハサンを誘導する様に質問した刹那

 

美遊「(…もしかしてだけど今回の騒動の黒幕って…)」

 

イリヤ「(……刹那お姉さん…?)」

 

いつも通りな感じの彼女に2人は疑問の目を向ける。

 

イリヤ「(いやいやいや、流石に刹那お姉さんがそんなことするわけ…)」

 

美遊「(だ、だよね…何のメリットがあるのか分からないもんね)」

 

うーーーんと唸りながら2人は追いかける。

 

 

 

 

一方、到着地点ではサンタアイランド仮面が不敵に笑っていた。

 

サンタアイランド仮面「それでは最後の壁となりに行きましょう!」

 

ロマン『実に楽しそうだね。天……もとい、サンタアイランド仮面くん』

 

そこにロマンが通信を繋げて来て呆れた感じにそう言う。

 

サンタアイランド仮面「それはもう、久方ぶりの悪役。おまけに裏切りも増し増しとなるとやる気を出さずにはいられません」

 

ロマン『ははははは。キミ、本当にルーラー?』

 

ふふふと悪役笑いをするサンタアイランド仮面に思わずロマンは聞いてしまう。

 

サンタアイランド仮面「何を仰る。今の私は謎のサンタアイランド仮面。仮面の男など、裏切るか悪役か、さもなくば名乗れぬ正義の味方の三択でしょう?」

 

ロマン『あ、正義の味方じゃないんだ』

 

応えたサンタアイランド仮面はロマンのにそういう事ですと肯定した後にサンタリリィの到着を待つ。

 

サンタアイランド仮面「少女の夢に立ちはだかる男を、正義の味方とは呼びたくありませんね……と言う訳でサンタアイランド仮面。推して参ります」

 

謎が深まる襲撃

 

一体彼らは何のために…

 

そしてサンタアイランド仮面の目的は一体…



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ラストプレゼント・フォー・ユー~小さなサンタの夢~

目的地にたどり着いた時、サンタリリィが得る物は……

※あとがきにてお知らせがあります。


前回のサンタム達を引けてから刹那達は……

 

刹那「走れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

オートマターの集団に追われていた(爆)

 

ナーサリー「人形が追いかけて来るのだわ!怖いのだわ―――!」

 

ジャック「かいたいさせてくれればいいのにー!」

 

イリヤ「なんで追ってくるのーー!?」

 

流石にいきなりだったのと面子が子供組だけだったので咄嗟の対応など出来ていなかった。

 

しかも刹那が両脇にイリヤと美遊、ジャックとナーサリーを抱き抱え、さらにはサンタリリィをおぶっている。

 

普通に考えるなら無理だろうが魔術師だから体を強化させて+スポーツ系なサーヴァント達に鍛えられたお蔭か少ししか汗を流していない。

 

サンタリリィ「わわわ私、ああいう無機質なのダメです!生き物なら何でも平気ですけど、あれはダメ!」

 

美遊「せ、刹那さん凄い…」

 

マシュ『だ、大丈夫ですかマスター!いつのまにか、三人を抱えてますけど!』

 

ジャック「らくちーん」

 

ナーサリー「ごうごうと走っているの!まるでヒポグリフのように速いわ!」

 

怯えながら刹那に強くしがみ付くサンタリリィとは別に美遊は刹那の身体能力に驚き、ジャックとナーサリーがキャッキャッとはしゃぐ中でマシュが聞く。

 

刹那「軽いから大丈夫!」

 

サンタリリィ「そ、そうでしょう。私もスタイルの維持には気をつけてますから!」

 

むふんと怖いのを隠すためにサンタリリィはそう返す。

 

マシュ『あ!』

 

ナーサリー「足下!」

 

ジャック「小石だよー?」

 

その時、必死に走っていた刹那は3人の言葉にえ?となる中で右足が小石に当たり、つまづくと共にケガさせない様にイリヤ達を放り投げ、そのまま顔面から地面にぶつかる。

 

刹那「ぶぎゃ!?」

 

マシュ『先輩!先輩!顔面から転げましたね!?大丈夫ですかー!』

 

悲鳴をあげる刹那にマシュは慌てて声をかけるとだ、大丈夫……と返される。

 

サンタリリィ「❘トナカイさん《マスター》……転ぶときも、私たちだけは守り通すなんて……ちょっと好感度上がっちゃうじゃないですか!もう!もう!」

 

イリヤ「顔から行ったけど大丈夫ですか…?」

 

ジャック「だいじょうぶ?いたい?かいたい?」

 

刹那「隙あらば解体しようとするのやめて!」

 

嬉しそうにきゃあきゃあ騒ぐサンタリリィの隣でイリヤが慌てて声をかけて続けてジャックも声をかけるが最後が物騒だったのでガバッと顔をあげて叫ぶ。

 

ジャック「ざんねーん」

 

イリヤ「ってそんなことしている場合じゃないよ!?」

 

ナーサリー「そんなことやっている間に追いつかれちゃったじゃないのー!」

 

それに残念がるジャックにツッコミを入れながらイリヤとナーサリーがもう迫っているオートマターの集団に叫ぶ。

 

マシュ『向こうは戦闘する気満々です。ひとまず、武器を構えて下さい!』

 

サンタリリィ「わ、分かりました……うう、怖くない、怖くない、こーわーくーなーいー!」

 

怯えながら槍を構えるサンタリリィのを合図に他のメンバーも戦闘を開始する。

 

刹那「美遊ちゃんはイリヤちゃんの!ジャックとナーサリーはサンタリリィのサポートを!」

 

イリヤ「行くよ美遊!」

 

指示にイリヤと美遊はすぐさま転身するとイリヤが前衛を務め、美遊は言われた通りにイリヤのサポートに回る。

 

イリヤ「斬撃(シュナイデン)!」

 

美遊「はあ!」

 

斬撃を繰り出すイリヤのから逃れたオートマターを美遊が撃ち抜いて倒して行く。

 

隣でもナーサリーを中心にサンタリリィとジャックが連携して1体ずつ粉砕していく。

 

ルビー「確実に数は減ってきてますね」

 

イリヤ「あともう少しっ!」

 

ルビーの報告を聞いてやる気を出す中でサンタリリィがオートマターの1体を横真ん中で両断すると上半身だけとなったオートマターはてけてけの様に這いつくばりながらサンタリリィに迫る。

 

サンタリリィ「体が真っ二つになっても向かってきてるやだー!!」

 

ナーサリー「ギコギコ追いかけてくるマネキン人形とかはメルヘンじゃないわ!」

 

ジャック「いっぱい、かいたいしよー!」

 

マシュ『ジャックさん一人だけ大はしゃぎですね……』

 

悲鳴をあげる2人とは別にイキイキしてるジャックに刹那ははははと苦笑する。

 

どうすれば良いかと思っている時……

 

バシュン!!

 

薔薇の黒鍵が飛んで来てまだ動いていたオートマター達へと突き刺さって機能停止させて行く。

 

サンタリリィ「薔薇の黒鍵!ということは―――」

 

サンタアイランド仮面「そう、いい加減口上も飽きてきたところでしょう。私は飽きました」

 

イリヤ「また出た!?」

 

刹那「はいはいナントカ仮面様」

 

んで飽きたの!?と驚くイリヤの隣で刹那が投げやりに返す。

 

サンタリリィ「ありがとうございます。お師匠さん……!」

 

サンタアイランド仮面「いいえ、礼を言う必要はありませんよ。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ」

 

出て来た言葉にどういう事?とイリヤと美遊は顔を見合わせる。

 

サンタリリィ「え?」

 

サンタアイランド仮面「何故なら……そう、何故なら。ここまで来てもらったのは露払いのため。サンタの持つ希望、万物の贈り物を掴むその袋、私が戴きます!」

 

イリヤ・美遊「ええ!?」

 

まさかの宣言に誰もが驚く。

 

ジャック・ナーサリー「?」

 

サンタアイランド仮面「分かりやすく言うと、敵対するということです!!」

 

ただ分かってないジャックとナーサリーにサンタアイランド仮面は本当に分かり易くそう言う。

 

刹那「な、なんだって!!」

 

ピッシャアアアン!

 

マシュ『……あの、今の雷はどこから?』

 

サンタアイランド仮面「深い追及は止めなさい」

 

驚きの声を上げた後に降り注いだ雷について問うマシュへとサンタアイランド仮面はそう返す。

 

サンタリリィ「そ、そんな……」

 

戸惑うサンタリリィに咳払いしてからサンタアイランド仮面は言う。

 

サンタアイランド仮面「そも、サンタとは孤高にして平等が原則。全ての願いを叶え、偏りなくプレゼントを贈る……我欲など必要なく、サンタクロースという機構を成立させる概念でなければいけない。なのに、貴女は迷い、惑い、憂い―――そして前に進み続けている」

 

前に進んでいるのは良い事では……とイリヤと美遊は思うがサンタアイランド仮面の気迫に口から出せなかった。

 

サンタリリィ「迷うことは、惑うことは、いけないことですか?」

 

サンタアイランド仮面「いけません。サンタになったのであれば、割り切るべきです」

 

問うサンタリリィにサンタアイランド仮面は断言する。

 

サンタリリィ「我欲は、必要ないのですか?願いを叶えたいと、思うことも?」

 

サンタアイランド仮面「はい。サンタには一切必要ありません」

 

続けての問いに対しても断言された事にサンタリリィはよろめく。

 

サンタリリィ「……そう……なのかな……」

 

顔を伏せるサンタリリィをサンタアイランド仮面は見続ける。

 

ジャック「ねーねー、おかあさん(マスター)。『がよく』ってなに?」

 

刹那「何かをしたい、と思う気持ちのことだよ」

 

意味を聞くジャックに刹那は簡単に教える。

 

ジャック「えーっと、わたしたちは海に行きたいな!……っていうのが、我欲?」

 

サンタアイランド仮面「そうですね」

 

確認するジャックのをサンタアイランド仮面は肯定する。

 

ジャック「ジャンヌは……わたしたちと、ナーサリーと、海には行きたくないの?わたしたちは、いっしょに行きたいよ?」

 

ナーサリー「そうね、わたしもジャックとジャンヌと一緒に海へ行きたいわ!もちろん、マスターやイリヤたちも一緒!皆で一緒に、海に行くのが楽しいの!」

 

イリヤ「それにサンタは全ての願いを叶えるなら2人の願いは叶えるものだよね?」

 

美遊「イリヤの言う通り、サンタリリィ。叶えてあげよう」

 

その後にサンタリリィへと言うジャックとナーサリーにイリヤと美遊も続く。

 

サンタリリィ「あ……」

 

サンタアイランド仮面「……子供の戯れ言にいちいち耳を傾けてはいられないですね。さて、袋を渡して貰いましょう」

 

そう言いながら手を差し出すサンタアイランド仮面……

 

サンタリリィ「……渡しません」

 

サンタアイランド仮面「おや」

 

顔を伏せて出て来た言葉にサンタアイランド仮面は呟いた後にサンタリリィは顔をあげる。

 

サンタリリィ「()()()()、絶対に渡しません!子供の言う事をバカにするあなたに、この袋は渡せません!」

 

サンタアイランド仮面「ではどうします?」

 

力強く言うサンタリリィにサンタアイランド仮面は楽しげに問う。

 

サンタリリィ「戦います!お願いします、❘トナカイさん《マスター》!!私に、勝利を下さい!この人に勝ちたい!ううん、違う。この人にだけは、負けられないんです!負けちゃいけないんです!」

 

刹那「了解、サンタクロース!マスターとして君の願いを叶えよう!」

 

お願いするサンタリリィに刹那はニッと笑って返し、私達も!とイリヤ達もサンタリリィに並ぶ。

 

サンタリリィ「……!はい!ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ!サンタクロースとして、サンタアイランド仮面を叩きのめします!」

 

その言葉と共にサンタリリィは駆け出す。

 

イリヤ「私たちも行こうルビー!」

 

ルビー「ええ、頑張って行きましょう!」

 

それに続いてイリヤも飛び出して構える。

 

サンタリリィ「たあっ!」

 

イリヤ「ええいッ!」

 

ズダダダダン!

 

同時に魔力弾を放って先手必勝と向かうがサンタアイランド仮面は軽く剣を振って両断していく。

 

イリヤ「なら斬撃(シュナイデン)!」

 

サンタアイランド仮面「量から質ですか……それでもまだ!」

 

そう言ってサンタアイランド仮面は斬撃を両断する。

 

ルビー「イリヤさん!相手のクラスはルーラーですのでこのままだとこちらが不利です!」

 

イリヤ「それなら…夢幻召喚(インストール)!」

 

ルビーの進言にならばとイリヤは彼に有利なカードを取り出して一体化する。

 

サンタアイランド仮面「(ほう、私に有利となるとアヴェンジャーかバーサーカーですが……誰になるのやら……)」

 

それを見てサンタアイランド仮面は様子を伺っていると光が晴れると大きな斧を構え、上部分が最低限ので隠し、下は豪華な装飾が付いた黒のスカートを見に纏ったイリヤが現れる。

 

サンタリリィ「イリヤさんの恰好がさっきのとは別のに変わった!?」

 

イリヤ「力を借りるよ!バーサーカーさん!」

 

■■■■■■■■■!!

 

驚くサンタリリィを後目にそう言ったイリヤの脳裏に使ったカードの主、ヘラクレスの声が聞こえた気がした後に力が漲って来るのを感じながら突撃する。

 

サンタアイランド仮面「っ!」

 

イリヤ「はあっ!!」

 

危険を感じてすぐさま横に反射的に飛んだ後にイリヤにより振るわれた斧の斬撃が爆風の様に雪と地面の土を舞い上げる。

 

サンタアイランド仮面「(っ!これでは周りの様子が分からないですね…)」

 

舞い上げられた土と雪で周りが見えなくなった事にサンタアイランド仮面は少し眉を潜めた後……

 

ブン!!

 

魔力弾が複数飛んで来て、何発か防ぐが、右肩に1発が当たる。

 

サンタアイランド仮面「なるほど。煙幕で身を隠して攻撃ですか……」

 

呟いた後にですが……と呟いてから真っ直ぐ飛び上がる。

 

サンタアイランド仮面「こうすれば分かりますし、攻撃して来る事もお見通しですよ!」

 

その直後に周りから飛んで来た魔力弾を回転して全て両断し、決まりましたねと呟いた直後、頭上から衝撃を受ける。

 

何……と思って残った力で見上げると構えたサンタリリィが見え、先ほどのイリヤのを思い出して察する。

 

サンタアイランド仮面「(ああ、なるほど。あの煙幕は私を誘導するのと同時に、イリヤによって飛び上がった私より上へとサンタリリィを投げ飛ばす為のを悟られぬ様にする為のでもあったと言う事ですか……)」

 

ドーーーン!!

 

これは一本取られましたと思いながら地面に激突し、同じ様に落ちて来たサンタリリィをイリヤがキャッチする。

 

サンタリリィ「ありがとうございますイリヤさん!おかげで勝てました!」

 

イリヤ「えへへ…あ、それより早く海に行かないと…!」

 

お礼を述べるサンタリリィにイリヤも降ろしながらそう言う。

 

サンタリリィ「あ、そうでした!さあ、そこを退いて下さい!」

 

サンタアイランド仮面「どうぞ」

 

そう言ってあっさり横に行くサンタアイランド仮面にあらっとサンタリリィはよろける。

 

サンタアイランド仮面「貴女のサンタクロースとしての覚悟を見せて貰った以上、私には何を言う権利もありません。行きなさい。行って、理解するのです……」

 

決まりましたねとサンタアイランド仮面は内心そう思っていると……

 

ルビー「えーっと、なにやらイイ感じの台詞仰ってるところ悪いのですが」

 

ジャック「ジャンヌならもう行っちゃったよ?」

 

その言葉に周りを見ると指摘したルビーとジャック以外はもう先に進んでいるのが目に入る。

 

サンタアイランド仮面「えー……それならジャックさん。彼女のことをよろしくお願いします」

 

それに少し落ち込んだ後にジャックへとそうお願いする。

 

ジャック「うん、まかせて!……かいたいする?」

 

サンタアイランド仮面「結構です♪」

 

力強く頷いた後に聞かれた事にサンタアイランド仮面は笑顔で返したのを聞いてからジャックとルビーは後を追う。

 

サンタアイランド仮面「さて、これで良いでしょうかね……」

 

そんなメンバーを見送りながらサンタアイランド仮面は歩き出す。

 

 

 

 

しばらく進んで行くと雪が無くなり、草原になる。

 

イリヤ「あ、雪が無くなってきた」

 

マシュ『ここ一帯は雪がないんですね。もうすぐ海です。でも、海を見るなら急いで下さい。間もなく夕暮れ、すぐに夜になってしまいます』

 

サンタリリィ「…………」

 

そう報告してから催促するマシュにはーいとジャックとナーサリーが返事する中でサンタリリィは考え込んでいた。

 

ナーサリー「楽しみね、ジャック!」

 

ジャック「どんなんだろうねー」

 

一方でナーサリーとジャックは楽しげに話していた。

 

ナーサリー「泳ぎはできないのかしら。冬だから、やっぱり無理かしら。ねえ、ジャンヌ。……ジャンヌ?」

 

サンタリリィ「ご、ごめんなさい。何でしょうか?」

 

話を投げたナーサリーにサンタリリィは慌てて返事する。

 

震えているのに気づいたジャックは考える。

 

ジャック「んー、手をつなぐ?」

 

サンタリリィ「あ、いえ。大丈夫です……」

 

ナーサリー「……震えているわね。なら、わたしも手を繋いであげるわ!」

 

そんなサンタリリィにジャックは手を取り、ナーサリーも同じ様に手を取る。

 

サンタリリィ「も、もう。あの、❘トナカイさん《マスター》……」

 

刹那「皆で行ったら?私は後から追い着くから」

 

困った様にだが嬉しそうなサンタリリィに刹那はそう言って背中を押す。

 

サンタリリィ「……分かりました。それじゃ、行ってきます!」

 

笑った後にサンタリリィはジャックとナーサリーと共に走る。

 

刹那「イリヤちゃんたちも先行っていて良いよ。後から追い着くから」

 

イリヤ「分かりました!」

 

美遊「それじゃあ刹那お姉さん、後で合流しましょう」

 

うんと言う刹那のを聞きながら2人は追いかける。

 

それを離れた場所で誰かが見ていた。

 

???「……そう。あれは幼い頃の夢でした。どこどこまでも広がる大海原は私にとって、見聞きするしかない夢物語。広がる麦畑を潮騒の音が聞こえることはなく。私の夢が叶ったのは、何もかもが終わった後のこと。そう、1430年の冬。ル・クロトワを通り過ぎた私は確かに海を見たのです。何もかもが終わった後でも。この先の運命を理解していたとしても。あの、美しさは。あの、震えるほどの感動は。決して忘れられない、唯一無二の光景でした―――」

 

誰かに語る様に誰かはサンタリリィを見ながら呟いた。

 

サンタリリィ「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ!」

 

ジャック「はあ、はあ、はあ……!」

 

ナーサリー「本には厳しいわ、もう……!」

 

サーヴァントながらも年齢的に子供なので息を荒げながら3人とイリヤと美遊は走って行き……

 

サンタリリィ「あ――――」

 

目に入った夕日に照らされて輝く海にサンタリリィは言葉を漏らした。

 

ジャック「ふわー、これが海?すごいねー、ほんとうに、すごいねー!」

 

同じ様にジャックとナーサリーも海にはしゃいで走って砂浜に足を踏み入れる。

 

ナーサリー「凄いわね、怖いわね、でも面白いわ!それにすごく夕焼けが綺麗!」

 

ジャック「お日さまがしずんでいるんだね!海に溶けているみたい!」

 

イリヤ「うわ~、すっごく綺麗な夕日!」

 

美遊「うん、凄く綺麗…!」

 

サンタリリィ「…………」

 

きゃっきゃっとはしゃぐ2人の声が耳に入るがサンタリリィは海を見続け……

 

ジャック「泳げないかなー?だいじょうぶだよね、サーヴァントだもん!」

 

ナーサリー「みっともないかしら。というか、紙に水は厳禁だと思うわ!」

 

ワクワクするジャックにナーサリーは注意する。

 

ジャック「えー、じゃあジャンヌは?ジャンヌなら、問題ないよね」

 

ねー?と後ろにいるジャンヌに聞くが返事が返ってこない。

 

ジャック「……ジャンヌ?」

 

ナーサリー「ジャンヌ?」

 

どうしたんだろうと2人は振り返り……驚いた。

 

泣いているのだサンタリリィが……

 

ただただ、サンタリリィは涙を流して海を見ていた。

 

サンタリリィ「あ、ああ……あああ……」

 

慌てて2人が駆け寄る中でサンタリリィは膝から崩れ落ちる。

 

その涙は2人の願いが叶ったから?朝日に照らされる海を見れなかったから?

 

否、どちらとも違う。

 

彼女は気づいた……いや、()()()()()()()……

 

サンタリリィ「……これ、そうだ、これ、最初から、まちがってた。まちがってたんだ。()()()()()()()()()()()()()……!!わたしが、海を、見たかったんだ……!!」

 

涙を流し、海を見ながらサンタリリィは言葉を絞り出して行く。

 

サンタリリィ「見たかった、見たかったの……!ずっと、ずっと、海を見たかった……!!うぁぁぁああああああああ……!!ああああああああああああああああああああ!!」

 

ジャック「ジャンヌ……」

 

イリヤ「サンタリリィ…」

 

心の底から泣いて涙を流すサンタリリィにジャックやナーサリーに追いついたイリヤと美遊は見続ける。

 

サンタリリィ「ごめんなさい……ごめんさない!あなたたちの夢を叶えに来たんじゃなくて、これは―――」

 

私の……と言う前にナーサリーとジャックは優しく抱きしめる。

 

ナーサリー「……いいのよ。いいの」

 

ジャック「うん、いいんだよ。それで、いいの。がんばったね、本当にがんばったね。サンタさん、がんばったね」

 

サンタリリィ「……うん」

 

よしよしと撫でる2人にサンタリリィは涙を拭う。

 

ナーサリー「うねる波の音を聞きましょう。砕ける波を見つめましょう。原初の風景、世界の果てのように厳しい。それなのに、こんな美しい風景を―――」

 

笑顔で言ったナーサリーのにサンタリリィははい!と元気よく答えて夕日に照らされ美しく輝く海を改めて2人と共に見続ける。

 

イリヤ「(良かったね、サンタリリィ……ん?あれって刹那お姉さんと……)」

 

 

 

ジャンヌ「良かった、気づいてくれました……」

 

マシュ『え?ジャンヌさん!?一体、これどういう事ですか……!?』

 

ジャックとナーサリーと共に見ているサンタリリィを見て安堵しているジャンヌにマシュはなぜここにいるかやどういう事なのか戸惑って聞く。

 

ジャンヌ「海を見たい、というのは―――私の望み、私の願いです。とは言っても、子供の頃に抱いた些細な夢です。十七歳で出立する頃には、故郷に置き去りにした程度の」

 

そんなマシュに対してジャンヌはそう言ってからしかし……と悲しみに顔を顰める。

 

ジャンヌ「……あの娘は聖人ではありません。かといって、復讐者でもない。子供の頃の私は、ただ日常を謳歌する子供です。だから、サーヴァントとして現界し続けるなら『何か』になる必要があった。……でも、彼女はサンタを望んでしまった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マシュ『子供がサンタクロースになっては、いけない?』

 

出て来た言葉にさらに戸惑うマシュへとジャンヌは頷く。

 

ジャンヌ「本来のサンタは天草―――じゃなくて、サンタアイランド仮面さんの言う通り。公平無私にプレゼントを配るのがサンタの理想です」

 

サンタオルタ「? 私は気にせず配ったが」

 

そう言ったジャンヌに横にいたサンタオルタは何言ってんだ?と首を傾げる。

 

ジャンヌ「もう。でも、子供にはそれが不可能です。だって、子供はプレゼントを貰う側であって、贈る側ではない。もちろん、特定の誰かに贈るなら話は別ですよ?それは個々人の願望による贈り物ですから。でも、サンタクロースはそうではない。愛を、贈り物を、公平に配るからこその存在。でも子供は誰より贈り物を欲するもの。ましてそれが、一度も願ったことのない者ならなおさら。だからサンタクロースの活動を通して何とか理解して欲しいと思ったのです。彼女《ジャンヌ》に、願いを抱いて欲しいと」

 

そんなサンタオルタに呆れながらジャンヌはなぜサンタリリィにサンタの活動をさせていたかの理由を説明し……

 

ジャンヌ「……ですが、予想外に話が狂ってしまって」

 

サンタオルタ「まさか、あそこまで頑なだとはな。贈り物の二つ三つを配れば、自然と自分の欲しいものが浮かぶと思ったが。どれだけ無欲なのだ、貴様は」

 

その後に困った様に呟くジャンヌにサンタオルタは呆れてぼやく。

 

ジャンヌ「日々が満ち足りていただけです……まあ、可愛げのない子供だったでしょうけど」

 

サンタオルタ「ジャンヌの願いをどうにか見出して、ジャックとナーサリーに頼んだのだ。彼女の願いを叶えて欲しいと」

 

それに対して顔を横にプイっと逸らして言い訳するジャンヌのをスルーしてサンタオルタはマシュに言う。

 

マシュ『え、それじゃこの旅は……!?』

 

ジャンヌ「はい、この旅こそは彼女がサンタクロースになる旅ではなく―――サンタクロースが、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィになるための旅だったのです」

 

それにより今までのを思い返して驚くマシュへとジャンヌはくすっと笑って種明かしする。

 

マシュ『途中で出てきた皆さんは……』

 

サンタオルタ「障害の一つや二つで諦めるようであれば、別のアプローチをするしかなかったが。そこまで突き進むのであれば、やはりあの小娘にとって、海を見るのは夢だったのだろう」

 

レオニダスやハサン達に対して聞くマシュへサンタオルタは前半をマシュに、後半はジャンヌを見ながらそう答える。

 

ジャンヌ「それに大事なことがもう一つ。ただ、海を見に行ったのではないのです」

 

どう言う事です?と首を傾げるマシュにジャンヌは再び3人へと顔を向けて言う。

 

ジャンヌ「……そう。辛いことがたくさんあって、それでも、()()()()()()()()()()()()()。この記憶がある限り、彼女はサーヴァントとして在り続けるでしょう」

 

温かく見守る様にジャンヌは微笑んで締め括る。

 

サンタアイランド仮面「あ、ネタバレしましたか。なら、そろそろ復活していいです?」

 

刹那「ダメ―」

 

そこにひょっこりとサンタアイランド仮面が現れて聞き、刹那は笑顔で返す。

 

サンタアイランド仮面「えー……もういいでしょう。三人も海に到着しましたし」

 

マシュ『え、えええ!?サンタアイランド仮面、復活しました……?』

 

驚くマシュにサンタアイランド仮面はふふっと笑った後に仮面に手を付け……外して天草に戻る。

 

サンタアイランド仮面→天草「いやはや、些か強引なシナリオでしたが、どうにか全うできました」

 

ジャンヌ「ありがとうございます。まさか、貴方に助けられるとは―――」

 

ふうと息を吐く天草にジャンヌはお礼を言う。

 

まぁ、彼女的に小さいが因縁のある自分(ジャンヌ・ダルク)を助ける手助けを彼がしてくれるとは思いもしなかったのだ。

 

天草「ははは、それは当然ですよ。貴女と相性の悪いジャンヌ・オルタさんが増えるなんて、素晴らしいじゃないですか!」

 

ジャンヌ「そういう魂胆でしたか、もう!……でも、私も良かったと思います。彼女は私ではないけれど、私が至れなかった、未知の可能性……正直、家族が増えたみたいで嬉しいんです」

 

サンタオルタ「お前、それ本元のジャンヌ・オルタに言ってやれ。死ぬほどイヤそうな顔するぞ」

 

清々しい笑顔でさらりと酷い事を言う天草にジャンヌは呆れた後に笑って言ったのでサンタオルタがくすくす笑いながらそう言う。

 

実際に嫌そうな顔をしそうだし、後天草さんそれブーメランだと思うよと刹那は内心ツッコミを入れた。

 

だってさっきの天草の言葉はまんま同じクラスである本人にも刺さっているからだ。

 

ジャンヌ「分かってます、だから言いません」

 

マシュ『なるほど……。つまり全部、天草さんとジャンヌさんの企みだったんですね。すっかり騙されました』

 

ホントに気づきませんでした……と呟いたマシュのに対し……

 

天草「いいえ、私ではありません」

 

ジャンヌ「いえ、違いますよ?私では、とてもここまで……」

 

サンタオルタ「ジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィがこのままでは消えてしまうと、伝えたのは私だが。私がこの計画を立てた訳でもない」

 

3人は自分達が今回の事を立てた訳じゃないと否定する。

 

マシュ『え、じゃあ誰ですか?サンタムさん?』

 

エミヤ「おっと、外れだ。フッ……マシュ、気づかないのか?」

 

戸惑うマシュにすっと現れたエミヤが不敵に笑って聞く。

 

マシュ『え……?』

 

クロ「この計画を立てたのは()()()()()()()()()()()()()()()()。誰がどの役割に適していて、誰が彼女を導くべきか、理解している人物で」

 

エミヤ「そして、あのジャンヌ・オルタがリリィの姿になろうとも、心から信頼を置く者でなければならない」

 

GOクロ「それなら黒幕なんて世界にたった一人しかいないじゃない」

 

続けて現れたWクロと共にエミヤからそう言われてマシュもようやく気付いて目を見開く。

 

マシュ『あ……。ああ――――!!……()()()()!?』

 

刹那「はい……」

 

そう言う事ですと刹那が肯定した後にさり気無く天草が彼女が黒幕ですと言うフリップを掲げて笑う。

 

マシュ『マ、マスターが全部仕組んでいたんですか!?』

 

ここに至るまでの出来事を回想してマシュは絶叫する。

 

ジャンヌ「はい、その場その場をアドリブで乗り切り、的確にサーヴァントを配置する様は、お見事でした」

 

サンタオルタ「落下した後、ラムレイ二号のエンジンを故障したように見せかけたのも、刹那の仕業だ」

 

マシュ『……ちょ、ちょっと待ってください!何故、わたしにはそのことが一切伝えられていなかったのでしょう!?』

 

笑っていたジャンヌはそんなマシュの疑問に顔を逸らし、サンタオルタはくすくす笑う。

 

ジャンヌ「そ、それはですね……」

 

サンタオルタ「マスターが黙っていろと言ったのだ。マシュはこういう嘘が苦手で、絶対バレるからと」

 

マシュ『せぇぇぇんんぱああああいいいいい!?』

 

刹那「ご、ゴメンなさ――い!!」

 

理由にマシュは刹那に絶叫し、刹那も謝罪の絶叫を上げる。

 

マシュ『あ!つまり、緊急メンテナンスを言い出したドクターも……!』

 

サンタオルタ「もちろん共犯だ、共犯」

 

今回のが始まる前に消え去ったロマンを思い出すマシュにサンタオルタは笑って暴露する。

 

マシュ『ちょっと今から、ドクターに抗議しに向かいます!』

 

刹那「ホッ…(助かった…)」

 

それにより矛先がロマンに向いたので刹那は安堵する。

 

ただし、そう問屋は降ろさなかった。

 

イリヤ「ふ~ん。やっぱり刹那お姉さんが黒幕だったんだ…」

 

刹那「い、イリヤちゃん!美遊ちゃん!何時の間に後ろに!?」

 

美遊「ついさっきです。ところで何故私たちにも事情を話してくれなかったんですか?」

 

何時の間にか後ろにいたイリヤに刹那はビクッと慌てて飛び退った後に美遊の問いに目を泳がせる。

 

刹那「えーっとそれは…その…言うタイミングが無かったというか…」

 

イリヤ「……マシュお姉さん、安心して。刹那お姉さんは私たちがお仕置きしとくから!」

 

指をツンツンさせてる刹那に忘れてたなと察したイリヤはロマンを説教しに行こうとしてるマシュへとそう言い、お願いします!と返されて刹那を見る。

 

刹那「うぇ!?」

 

ルビー「ふっふっふー!事件の黒幕だったマスターさんにはルビーちゃんとっておきのお仕置きをしてあげますよ~~イリヤさんに出来てないあんな事やそんな事をね~~」

 

イリヤ「色々とツッコミたいけど今回ばかりは許すわルビー!思う存分やっちゃって!」

 

ヒャッハー!許し出ました~~!と喜ぶルビーの言葉に刹那は周りに助けを求めようとするが自業自得さとエミヤに見捨てられ、天草とサンタオルタは楽しそうに見ていて、ジャンヌはすいませんと両手を合わせて謝る。

 

刹那「そ、そんなー!?」

 

ルビー「さあマスターさん。こっちに行きましょうねぇ」

 

何時の間にか転身して魔力を筋力に振った2人の魔法少女に連行されて行く哀れな少女にやれやれとエミヤは苦笑する。

 

エミヤ「安らかに眠れ、マスター」

 

呪腕のハサン「南無阿弥陀仏……」

 

十字を切るエミヤと合掌する呪腕のハサン達と違い、3人の少女は暗くなるまで海を見続けた。

 

後日、刹那にLOVEするサーヴァント達の合間である写真が流行り、刹那は顔を真っ赤にし続ける日々が続いたのは些細である。




お知らせ
今後の展開が原作の展開によって変わるかもしれ居ないので原作の展開が分かるまで投稿を停止します


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