アルベドさん、総てを知る。 (イスタ)
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01 幕引き

「あと少しで……このナザリックも消えてしまうんだな」

 

 

ぽつりと呟かれた言葉。

 

それに応える者はもう、この場に誰もいない。

 

 

戦闘メイド”プレアデス"、そして執事のセバスらNPCを従えて訪れた玉座の間。

 

掲げられた41の旗を見上げながら、俺は力なく玉座についた。

 

世界級アイテム《真なる無》を携えたアルベドが寄り添うように微笑みを向けてくれるが、NPCである守護者統括の瞳に理解の彩は無い。

 

 

俺はここに、一人だ。

 

 

 

 

(ナザリック地下大墳墓……かつてここには俺の全てがあった。

 仲間達が集まり、共に冒険をして……。ああ、楽しかったなぁ。たっちさんに助けられたあの時から、俺のユグドラシルは始まったんだっけ)

 

DMMO-RPG『YGGDRASIL(ユグドラシル)』。

 

西暦2126年に発売されたそのタイトルも、12年の時を経て、遂に最期の瞬間を迎えようとしていた。

 

 

サービス終了日である今日。

 

かつての仲間達と共に作り上げたこの《ナザリック地下大墳墓》で、俺は彼らと再会できることを心のどこかで期待していた。

 

ーーーだが、結果はこれだ。

 

 

(いや、少しでも顔を出してくれたヘロヘロさんには感謝しなくちゃいけないな。あのまま本当に独りだったら、無意味だと分かっていてもヤケクソで《星に願いを》の三連コンボとかブチかましていたかもしれないし……。ハハ)

 

 

俺の”輝かしい全て”は、今日で終わる。

 

もう止めることはできない。それどころか……ただ俺が認めたくなかっただけで、必死にしがみついていただけで、もうとっくに終わりは迎えていたのかもしれない。

 

霊廟の《化身》たちが良い例だろう。いつかギルドメンバー達が帰還してくれた時に還すつもりで残しておいた装備品だったが、結局は俺が淋しくなった際に時折眺め、心を癒すためだけの”形見"に成り果てている。

 

41人それぞれが強い思いを詰めて創り上げた筈のNPC達も、今となってはーーー

 

 

「主人の帰らぬ人形、か」

 

 

そしてこの大墳墓も。

この場所に、かつての栄光は既に無い。

 

(……だがそれでも、無かったことにだけはしたくない。してはいけない)

 

何故なら俺はこの《ナザリック地下大墳墓》のギルド長、"死の支配者"モモンガだからだ。

 

それが例え、自分のみっともない未練を覆い隠す為の只の言い訳と分かっていても。

俺だけは最期まで、この大切なナザリックを感じていたい。

 

 

ナザリック。そしてギルドを守る替え難き者たち。

 

せめて俺だけは、最期の最期までお前達と共にいよう。

 

 

 

 

(ーーーん?ああ…いや、パンドラズ・アクターだけは違うのか。あいつは俺が創ったNPC。《黒歴史》とはいえ、俺の創造物だ。いわば息子みたいなモノだし、今日くらいは宝物殿から連れ出してやればよかったな)

 

と。そこまで思い至ったところで、視界の端に表示された時計が、もうすぐこの世界が終わってしまうことを示していることに気が付いた。

 

 

あと、たった30秒。

 

それで、"大好きだった世界"は消える。

 

 

(明日は4時起きだ。サーバーがダウンしたらすぐに寝ないと仕事に差し支えるか)

 

 

あと20秒。

 

それで、俺は元の”何もない世界”に還らなければならない。

 

 

(……ああ、そういえば。最後に書き換えたアルベドの設定、いつかタブラさんに会ったら、ちゃんと謝らなきゃな。当然その時は俺も《真なる無》のことを問い詰めるけど!)

 

 

あと10秒。

 

これで、全ては終わり。

 

 

 

(さようなら、アインズ・ウール・ゴウン。できればずっと、お前達と共にいたかったよ)

 

 

瞼の無い目を閉じる。

 

誰もいない玉座の間に音は無い。

 

沈黙と共に世界は幕を下ろし、

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーモモンガ、さま」

 

 

 

彼女は、涙を零した。

 

 

 






『モモンガと通じ合っている。』


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02 変化

「ーーーモ、モモンガ、さま。どうか…そのように、哀しまれないで…ください。」

 

 

その啜り泣くような声は、玉座の右側から聴こえてきた。

 

「え?」

 

そう、玉座だ。

ユグドラシルのサービス終了時刻0時は過ぎたというのに、俺は未だ『モモンガ』のアバターのままナザリックの玉座に座っていた。

 

そして右手に感じる、温かな体温。

 

俺の手に弱々しくも確かに縋り付いていたのは、感情を持たないAIーーー只のNPCであるはずのアルベドだった。

 

 

「……アルベド、なのか?」

 

「…はい。モモンガ、さま。わ、私、アルベド、そして守護者を、はじめ、

 このナザリック総ての者は、い、いつでも…いつまでも!御身の、お側におります……!」

 

 

……な、何が起きているのかわからない。

 

よくわからないが、さっきまで終わると思っていたはずの世界が未だ目の前に広がり、

タブラさん渾身のNPCがまるで生きているように口を動かして、確かに大粒の涙を流していた。

 

何だこれ。運営のサプライズか…?

 

(いや、それにしてもNPCがここまで自然な動きをするのはおかしいし、何よりこの手の温かさ。頬を伝う涙。悲しみに溢れた泣き声。……どれを取っても、とてもバーチャルとは思えない)

 

 

「何故……(NPCが)泣いている」

 

「っ!し、失礼いたしましたモモンガ様…!御身の前でこのような、無様なーーー」

 

「え、あ?… いっ、いや、そうじゃなくて、その。こ、これは一体どういうことなのかなぁー……と…」

 

うう。本当にどうしたら良いんだコレ。

あ…、何だか体も発光し始めたし。

 

 

「と、とにかくアルベド、少し待ってくれ……じゃない。ゴホン、少し待て。状況を整理したい」

 

何が何だかわからないが、一先ずは状況を把握だ。

少し罪悪感を覚えながらも、添えられたアルベドの両手を優しく外し、俺は右手でコンソールを立ち上げた。

 

 

「……、ん?」

 

いや、立ち上げようとして、失敗した。

 

「そんな馬鹿な……。まさか」

 

同様にチャットもGMコールも利かない。

 

 

「本当にこれは一体、どういうことだ……?」

 

 

 

「ーーーどうかなさいましたか、モモンガ様。それにアルベド様も、何やらお加減が優れないご様子」

 

「セバス」

 

アルベドに続いて声を発したのは、プレアデスと共に平伏していたセバス。

こ、こいつも喋るのか。というか生気が増したせいなのか、凄みのある眼差しが怖い。何だよあの眼光。

いや、俺も人のこと言えるアバターじゃないんだけどさ。

 

 

「モモンガ様……?」

 

まずい。何か言わないと。

後続のプレアデス達も、沈黙する俺を不審に感じたのか、膝を付きながら全員が俺を見上げてくる。

 

(ええと、ええと。こういう時はどうすれば良いんだっ!?)

 

軽いパニック状態に陥る。こういう時、自分の対応力の低さに絶望する。

きっと悪役ロール大好きなウルベルトさんあたりなら、突然のこういう振りにも余裕で返せるんだろうけど!

 

などと余計な思考を巡らせていると、またも突然体が発光し出した。

 

(うおっ。な、なんだこれ……?気分が落ち着いてきた。

 ひょっとして精神の沈静化か?だがそんな機能はユグドラシルには…)

 

 

(ん、いや待て。ロール…。ロールか)

 

そういえば俺も、一つ得意なロールを持っていたな。

 

 

「…セバス。どうやらこのナザリックに原因不明の異常事態が発生しているようだ。お前はナーベラルを連れ、大墳墓の周辺地理を至急確認せよ」

 

「はっ。畏まりましたモモンガ様」

 

「よし。では他のプレアデス達は9階層に上がり、上の階層からの侵入者に警戒するのだ」

 

「畏まりました。モモンガ様」

 

よし。

 

一応考えはあるが適当な指示を飛ばし、セバスとナーベラルは地上、ユリ達は9階層に行ってもらった。

あとはアルベドだが……

 

「アルベド、待たせてすまなかったな。少しは落ち着いたか」

 

「…はい。モモンガ様、守護者としてあるまじき失態をどうかお許し下さい 」

 

「構わん。それよりも、先ほどお前が泣き出した理由を聞かせて欲しい。もしや、私が何かをしてしまったのだろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

【Albedo】

 

 

 

 

今日。

 

私はモモンガ様の御心に触れることをお許しいただいた。

 

 

突然のことに全身が震えた。

卑小な我が身に余る光栄に、そして至高の御方に仕える守護者として至上の悦びに、心がどうにかなってしまいそうだった。

 

けれど守護者統括として、至高の御方の御前での無様な振舞いは不敬にして大罪に値する。

何より創造主タブラ・スマラグディナ様によって授けられた《設定》を崩すようなことは許されない。

モモンガ様もそれは望まれないだろう。

 

そう自分に喝を入れ、玉座の御側に立つ者として毅然とした態度を新たにする。

 

モモンガ様は恐れ多くも、私に”最高の信頼"を下さった。

ならばそれに応えてこそ守護者統括。至高の御身とは比べるべくもない浅学非才の身ではあるけれど、私にできることでモモンガ様のお力になれるのであればこれ以上の悦びはない。

 

 

そう、私は意気込んでいた。

 

 

 

『あと少しで……このナザリックも消えてしまうんだな』

 

 

あまりにも儚く消え入りそうな、モモンガ様の御声を聞くまでは。

 

 

 





『彼女はナザリック地下大墳墓守護者統括という最高位たる地位につく悪魔であり、
 艶やかで長い漆黒の髪と黄金の瞳を持つ賢妻である。』


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03 伝わるもの

モモンガ様が私に授けてくださったのは、ひとつのスキル。

《伝言》の魔法すら超え、直接モモンガ様と私の心を通わせる絶対無二の力。

 

偉大なる御方の御心を誰よりも深く理解し、支えて差し上げるのが妻の務め。

それに相応しい力を、このお方は手ずから私にお与え下さったのだ。

 

ただ、何もかもが無条件に伝わるわけではない。

 

『聞いて欲しい』。そうモモンガ様が思った思念、想いが、スキルを通じて私に流れ込むのだ。

 

(だけど……まさか!こんな”想い"は予想していなかった……!)

 

 

至高の41人の旗を見上げながら、その一つ一つを指差していくモモンガ様から流れ込む思念。

 

モモンガ様は決して”私に"『聞いて欲しい』と思ったわけではないだろう。

 

その御心に秘めた悲痛な思いは、かつて御方と共に在り、そして今は"御隠れに”なられた筈の至高の40人に向けられたもの。

あまりにもーーー空虚。大切なものが抜け落ちてしまった心を、その残滓で無理矢理に埋め、自嘲し、『誰でもいいから応えてくれ』と願っている。

 

そんな濁流の様な、それでいて今にも消えてしまいそうなモモンガ様の想いが私に流れ込んでいた。

 

 

ーーー張り裂けそうだ。

 

こんな想いをモモンガ様に抱かせ、今尚姿を見せない自らの創造者を、私は初めて『殺してやりたい』と思った。

捕らえたところへ全てのしもべに刃を持たせ、順番に一刺しずつ制裁を加えたところでまだ足りない。

ああ、憎い。憎い。憎い。

私達の在るべき場所を、意味を、たった一つの喜びを護ってくださったモモンガ様を、なぜあの者達は残していったのか……!

 

 

ーーーと。

 

できることならそう思いたかった。

 

 

 

そうする事ができなかったのは、モモンガ様から流れ込む大きな悲しみの他にもうひとつ、それと比肩する程に強い想いが私に伝わってきたからだ。

 

それは『愛』。

 

モモンガ様はこのナザリック全ての者を、本当に深く愛して下さっていた。

 

無論慈悲深い方だとは誰もが理解していた。

だから最後までこのナザリックに残って下さったのだろうと。

 

けれど不安があった。

あまりにも慈悲深いからこそ、彼のお方は望まぬお役目に留まっているだけなのではないかと。

 

モモンガ様がいなくなればナザリックは絶望に沈む。

敬い仕えるべき創造主全てを失えば、私達は存在意義を失う。

それどころか、自らの力の無さ故に見捨てられたことを悲観し、自死を選ぶ者もいるだろう。私もその中に含まれるのは間違いない。

 

そんな私達のことを思うあまりに、モモンガ様は我々を見捨てることができないだけなのではないかと。

 

だが違った。決してそうではなかった。

偉大なる御方の中にあったのは憐れみなどではなく、全てを包む深い愛。

 

モモンガ様は心の底から私たちNPCを愛して下さっていた……

そう、それは主従の枠すら超えーーーまるで『家族』の様に。

 

悲しみの淵にあって尚揺るがぬその愛に、私は溢れる涙を抑えきれなかった。

 

そして、そんなアインズ様が未だ深く愛されている他の至高の御方々に害意を抱くなど、その御心を踏み躙る最大の不敬でしかないと思い知った。

 

偉大にして絶対なる至高の御方の創造物として、守護者として。

そして何より妻と定めて頂いた者として、私はその御心に寄り添い、癒して差し上げなければ。

 

 

だから、どうか。

 

 

 

 

「ーーーモ、モモンガ、さま。どうか…そのように、哀しまれないで…ください。」

 

 





次回は話を動かしたいです。


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04 心の共有

 

「いえ、至高の御身には問題など一切ございません。全ては私の失態です」

 

「そ、そうか?なら良いのだが……うーん、この異常事態と何か関係があるのかな」

 

「……異常、ですか?」

 

 

「ああ。どうやら私にしか感知できなかったようだが、現在この《ナザリック地下大墳墓》は未曾有の異常事態に巻き込まれている。セバスとナーベラルはその調査のため地上に向かわせた」

 

セバスとナーベラルを見送った後、玉座の間に残った俺は、なぜか泣いているアルベドをひとまず落ち着かせ、今起こっている異常事態の情報を整理していた。

 

 

「申し訳ありませんモモンガ様。そのような重大事項を見落とすとは、守護者統括として失格。如何様にも罰をお与え下さい」

 

「いや、良いのだ。恐らくだがこれは私にしか観測できない類の異変だろう。お前たち《NPC》が自覚していないのなら、それはそれで問題はない」

 

「…モモンガ様、もしやその『異常』とは、先程モモンガ様が呟かれていた『ユグドラシルの終わり』と何か関係があるのでしょうか」

 

「うむ、聞かれていたのか……そうだな。正直に言ってしまうと、我々が知るこの世界ーーー《ユグドラシル》はつい先刻、その内包する全てを巻き込み崩壊する筈だったのだ」

 

「な……!そのようなことが!?」

 

「ああ。だがそれが起こらない。我々が愛した世界の崩壊、このナザリック全ての喪失、それはどう足掻こうと、何があろうと覆らぬ決定事項であった筈なのにだ」

 

 

 

「……現状、概ね理解致しました」

 

「む、自分で言っておいて何だが……突拍子も無いこのような話を、信じてくれるのか」

 

「はい。尊き至高の御方のお言葉を疑うようなシモベはこのナザリックには居りません」

 

 

こういう所は設定通りなんだな。さっきのセバスやプレアデス達もだが、NPCは俺に従ってくれている様だ。

 

 

「それに、先程モモンガ様より"頂いた"御心。永遠の別れのようなあのお言葉はそういう意味だったのですね」

 

「俺の……いや、私の"心"だと?」

 

「先程モモンガ様より賜りました新しい力です。妻は夫の心に寄り添い支えて差し上げるもの。不肖このアルベド、妻としてとこしえにモモンガ様にお仕え致します」

 

「……妻?」

 

「はい」

 

 

妻?

 

え、もしかしてさっき変更した設定の影響か!?アルベドが俺の妻!?

 

(コ、コンソールはもう出ないし、戻す方法は無いよなぁ……。最後だと思ってやらかしてしまった。はぁ、タブラさんに申し訳が立たな過ぎる)

 

 

「すまないアルベド。確かに私は先程おまえの設定を書き換え、私のつーーー妻としたが、具体的にどのような変化が齎されたのかは把握していないのだ。恐らく現在ナザリックが巻き込まれている異常事態にも関係があるだろう。詳しく聞かせてくれないか」

 

「なるほど。畏まりました」

 

 

 

 

 

 

 

「…つまり、お前に新しい”スキル"が発現したと?」

 

「はい。正確には"モモンガ様と私の間"に生まれた感情の共有能力ですが」

 

「効果はお互いの心を、そのまま……筒抜けで……。は、ハハ。あぁ…そう…」

 

 

セバスとプレアデスを見送った後、玉座の間に残った俺は、落ち着きを取り戻したアルベドからとんでもない告知を受けていた。

 

 

『モモンガと通じ合っている。』

 

先程俺が出来心で変更したその《設定》が、どうやらそのままアルベドの能力として反映されてしまったようだ。

 

アルベドが泣いていたのは、俺がユグドラシルのサービス終了を悲観する強い想いが彼女の心にも流れ込んだから。

俺の仲間たちに呼びかけるような未練ったらしい想いが、全てアルベドに伝わってしまっていたようである。

 

(あんなカッコ悪すぎる心の中身全部筒抜けとか、どんな羞恥プレイだよ!)

 

 

「ですが思考全てという訳ではなく、お互いが《共有》をある程度望んだ状態でなければスキルは機能しないようですね。現在はモモンガ様の御心を感じることができません」

 

「な、なるほど。これは私の方こそ無様な所を見せてしまったな。すまなかった、こんなことでは支配者失格だ」

 

「とんでもございません!モモンガ様の悲しみは私の悲しみです!どうかシモベとして、そして何より妻として!その御心に少しでも寄り添うことを御許し下さい!」

 

「アルベド……」

 

「ところでモモンガ様。先程も申し上げましたがこのスキルは”夫婦二人の間に発動する”スキルでございます。異常が発生している現状を正しく把握する意味でも、ぜひモモンガ様側からも私の心を……」

 

そう言い、大きく腕を広げて俺を迎え入れるような動きをするアルベド。

豊満な胸がぶるんと揺れ、思わず目が行ってしまう。

 

いかんいかん、彼女はそういう意味で言っているんじゃない。

アルベドは俺の心を覗いてしまった。それが意図せず行ったことであり、俺が羞恥を感じていることに気づいたのだろう。

自分の心も覗かせることで、俺の立場を守ろうとしてくれている。

 

「そうだな……だが心の共有とは、一体どうすればいいのだ?」

 

「モモンガ様が望まれれば、問題なくスキルは発動するでしょう。私の方は常にモモンガ様を望んでおりますので、実質的なオンオフはモモンガ様の意思一つで行われるかと」

 

「そ、そうか。ではアルベド、悪いが少しだけ心を覗かせてもらうぞ」

 

「はい。もとより私の全ては貴方様のもの。どうかご覧下さい、モモンガ様」

 

 



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