デジャブる (coltysolty)
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第1部 不可思議編
不思議な出来事


はじめて投稿します。
どんな展開になるか、まだ未定ですが、幅広く楽しんでいただけるような内容にしたいと思っています。

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ときどき襲ってくる頭痛に悩まされるユノ。激しい頭痛の後には、必ず以前見たような景色が広がり不思議な錯覚に陥るのだった。実際に起こる出来事が過去に起こったことなのかこれから起こる未来を予告するものなのか...ユノとリラ姉妹の特殊能力がもたらす現実と非現実の世界を行き来する不思議な感覚はいったい何なのか。ドクター・ヘンリーがその謎を解き明かしていく。



2017年12月ある日の夕方、ユノは高熱のため病床に伏していた。いつもなら数日で引く熱もなかなか下がらず、枕元に置いた携帯に時折目をやるのが精いっぱいだった。

 

12時間も眠っているのにまだ起きることができない。食欲もなく朦朧とした中、携帯のニュース速報アラームが鳴る。それは、あるアジア系海外スターの訃報だった。

 

高熱のためか全身の節々が痛い。普段ならすぐに携帯を確認するのに、今はそれもままならない。そろそろ薬の時間だ。処方箋の袋に手をのばしたその時、誤って携帯を床におとしてしまった。床に落ちた携帯画面が点滅し、ポップアップが表示された。おそらく落とした衝撃による誤作動だろう。

 

ユノは携帯を手に取ると、ポップアップをスライドして内容を確認した。

 

K国のスター、ジョヨンが亡くなった。

享年28歳。死因は心不全。

詳細は不明だが、どうやら自ら命を絶ったらしい。

 

ユノの妹のリラはジョヨンの大ファンだ。ユノはすぐにリラにテキストを送ろうとしたが、うまく指が動かない。高熱のため朦朧としていたのと、全身筋肉痛で体が思う通りに動かなかったせいだ。

 

するとリラの方からテキストが送られてきた。

「おねーちゃん!ジョヨン、死んじゃった!」

重苦しい頭を無理矢理起こし、リラに返信テキストを送ろうとすると、ユノは突如激しい頭痛に襲われた。それと同時に

 

-この場面どこかで見たことがある・・・!

 

 

熱による幻覚なのか、夢なのか、混とんとした意識の中、ユノは再び眠りについた。

 

 

翌朝、熱を計ると微熱にまで下がっていた。頭痛も治まっているようだ。食欲も出てきたので、伯母が届けてくれた鶏粥を蓮華ですくって口に含んだ。口内炎が出来ていたため、あまり多くを口にすることはできなかった。

ぬるめのほうじ茶を飲みながら、少しずつゆっくりと粥を胃に流し込むことにした。

 

―そういえば、夕べリラからテキストが送られてきたんじゃなかったっけ?熱でうなされていたから、記憶もあいまいだけど、リラの好きなジョヨンがどうとか言ってたような・・・はっきりと思い出せないけど、リラからの着信は確認した記憶がある。

 

ユノは携帯を手に取り、画面をスライドして、内容を確認してみることにした。

すると、リラからの着信はなく、ニュース配信の未読メッセージだけが一覧にあった。

 

―おかしいな・・・たしか、リラが何か送ってきたような・・・

 

するとその時、テキストメッセージの着信音がけたたましく鳴った。

 

「あ、リラからだ。.....!え?ジョヨンが亡くなったの?いつ?なんで?

はっ!ちょっと待って!これって、昨日もこの場面見たような気がする!」

 

今は、はっきりとした意識で、昨日の記憶をたどろうとするユノだった。

 

 

 

 

 

 




初めて投稿しましたので、不具合や違反などがありましたらご指南くださいましたら、助かります...書きなぐったものをとりあえずアップしました。


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対話

前回までのあらすじ

高熱にうなされている最中に起こった現象が、夢なのか現実なのか。不思議な体験に
頭を悩ますユノ。


「それじゃあ、携帯からの送信日時は、最初に見たものとは違っていると言うんだね?」

 

ドクター・ヘンリーは、メディカル記録を入力する画面をみながらユノに尋ねた。

ユノはたびたび悩まされている頭痛のため、ドクター・ヘンリーを尋ね、定期的な診療を受けていたのだ。

 

「ええ、そうなんです。以前も似たような現象があって、今回リラも模試前に同じ夢をみたそうなんです。」

 

リラは中学3年生で受験まっただ中。小さい頃に両親を亡くしたため、親の記憶はほとんどない。姉のユノとはひとまわり以上も年が離れているため、ユノが親代わりを務めてきた。現在は、ユノが職場の寮に住み、リラは伯母と暮らしている。

 

ドクターヘンリーは、牛乳ビンの底のような分厚いレンズの入った眼鏡をずらしながら、ユノに尋ねた。

 

「以前ふたりが見た夢というのを、もう少し詳しく話してくれないか?」

 

ユノは大きく深呼吸をして、ゆっくりと夢の話を始めた。

 

「今、リラと一緒に住んでいる伯母の旦那さんである伯父が亡くなった数日後、伯父が夢に出てきたんです。そこは、小学校の給食室で、伯父が給食台の後ろでリラに手を振っているんです。私は給食室の外からそれを見ていて、好き嫌いの多かったリラを心配した伯父が様子を見に来たのかなと、思ったところで、目が覚めたんです。」

 

「なるほど」

ドクターヘンリーは、キーボードをたたきながら、ユノに話の続きを促した。

 

「その夢の話をリラにすると、おねえちゃん!私も同じ夢みたよ!と、リラが言うんです。その日の給食メニューはあんかけ焼きそばで、リラが苦手なあんかけを指さして、きらいなら無理して食べなくていいぞ、ってジェスチャーでメッセージしたそうんなんです。私は伯父の背後にいたので、その様子は見えなかったんですが、給食室というシチュエーションも、伯父が出てきたのも同じで、リラと私が見ているアングルが違うだけなんです。」

 

亡き伯父を思い出し、目を潤ませながらユノが夢の内容を詳しく話した。

 

「う~む。つまり、姉妹で夢がシンクロしたというわけだな?」

 

腕組をしながら、ドクター・ヘンリーはユノに問いかけた。

 

「はい、同じシチュエーションで違うアングルの夢をたびたび見るんです。私達。」

 

「これは、研究対象になるかもしれん。お互いがお互いの思考を読んでいるのか、予知夢を同時に見ているのか。リラちゃんの受験が終わったら一度二人の脳波を詳しく調べてみよう。」

 

診療記録をウィンドウズに入力し、以前撮った、脳のCT断面図をマックの画面に表示させながら、ドクター・ヘンリーは、ユノの電子カルテを忙しく作成していた。

 

 

 

 

 

 

 

 




年の離れたユノとリラ姉妹。一回り以上も年齢が違うというのに、たびたび同じ夢をみるという不思議な現象を体験している。この謎をドクター・ヘンリーは解き明かすことができるのか?
さて、次回は二人の前に、不思議な少年が現れます。


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出会い

前回までのあらすじ:
ユノとリラ姉妹が同じ夢をみるという現象をドクターヘンリーに相談する姉のユノ。
ドクターヘンリーはその現象を事細かに分析しようとする。解決の糸口はみつかるのだろうか...


長時間のドクターヘンリーからのインタビューに少々疲労を感じてしまったユノ。しかしながら、不思議な現象を一通りドクターヘンリーに話したことで、若干の開放感は味わっていた。

 

ドクター・ヘンリーのオフィスからの帰り道、大好きなラムチョコを買おうと、コーヒーショップに立ち寄ろとしたその時、何か大きな衝撃がユノを襲った。

 

衝撃の弾みでユノは転んでしまい、持っていたショルダーバッグも舗道に落ちてしまった。バッグを拾いながら顔をあげると、そこには小学校高学年ぐらいの少年が立っていた。

 

「ご、ごめんなさい...僕...」

少年はユノの手をつかみ、起こすのを手伝い、今にも泣きそうな顔でユノに許しを請うた。

 

「私は大丈夫だけど、君は?けがはない?」

ユノは、不安そうな少年に話しかけた。

 

「あ、大丈夫です...」

そう答えると、少年は左手に握りしめていた何かを右手に持ち替えた。

 

「あれ?ミニ四駆?懐かしいなあ。君、ミニ四駆好きなの?」

少年が持っていたものに気が付き、ユノが少年に話しかけた。

 

「あ、はい。おじさんからもらったんです。」

少年は少しほっとした様子でユノの質問に答えた。

 

「そうなんだ?」

驚きながら、嬉しそうにユノは少年と会話を続けた。

 

「私もミニ四駆持ってるんだよ!小学校で一緒だった子が転校するときにくれたの。今も持ってるよ。たのしいよね。」

 

すると少年はちょっと恥ずかしそうに

「あ、はい...おじさんがサーキットとかたくさん持ってて、休みの時はいっしょに遊んでくれるんです。」

 

「そうなんだ!」

ユノは、小学校の時に転校していったヨンが、記念にくれたポンダのMSXを今も大事に持っている。女子なのに好んで車遊びをするので、ミニ四駆遊びに誘われたり、男子に混ざってベースボール遊びをして真っ黒になるのは常のことで、体を動かすのが好きな少女だった。

 

「君のミニ四駆、壊れてない?大丈夫?」

ユノは少年に問いかけた。

 

「あ、大丈夫です!ほんとうにすいませんでした...」

少年は自分がぶつかっていったのにも関わらずこちらをを心配してくれる目の前の女性に申し訳ない気持ちで一杯だった。

 

「ううん。久しぶりにミニ四駆をみてすごく懐かしい気分になったよ!ありがとう。気を付けて帰ってね」

ユノは笑顔で少年を見送った。

 

 

家に戻ると、妹のリラからメッセージが入っていたことに気付いた。

「おねーちゃん、今、ミーナん家。一緒に勉強してる。ミーナが今度、おねーちゃんにパソコン教えて欲しいんだって」

 

ミーナとリラは仲良しで、いつも一緒に勉強したり、遊んだりしている。ユナはリラへの返信画面を表示し

「パソコン教えるのいいけど、なにするの?アプリ?SNS?モノによってはご両親に報告しないといかんよ」

 

数秒後にリラから返信があった。

「うん、大丈夫。高校に行ったら検定受けたいから、その対策をしてほしいんだって。親に言ってあるって」

 

リラのメッセージを読んで安堵したユノは

「了解!受験終わったら、ミーナとみんなで会おう」

と、返信した。

 

するとまもなくリラからまたメッセージが届いた。

「さっき、ミーナん家に、男子が遊びにきたんだけど、ミーナの弟のユウトの友達。

その子さ、犬連れてきたんだよ。その犬がサスケにそっくりだったの!」

 

リラはまったくもってそっけないテキストメッセージを送るかと思うと、何か出来事があるとやたら饒舌になるクセがある。

 

「へえ、そうなんだ」

とりあえず、返事を返すユノ。

 

「そっくりってか、あれ、ぜったいサスケだよ!」

文字上でもリラの興奮が伝わってきた。

 

「んなわけないじゃん。天国で今頃、おじちゃんと晩酌でも交わしてるわ」

 

サスケは、リラの伯父と伯母が飼っていた犬で、伯父が亡くなるとすぐに後を追うように亡くなった豆柴だった。

 

日本で最も有名な宅配便の「白犬サスケ」のイメージキャラクターにそっくりだったため、伯父が「サスケ」と名付けた。

 

ユノのメッセージにたたみ掛けるように、リラは文字攻撃を続けた。

「でもさ、サスケってしっぽまがってたじゃん?ユウトの友達が連れてきた柴も、しっぽ曲がってたんだってば!」

 

疑う余地はないとばかりに確信に満ち溢れたメッセージを読んで、ユノは笑いながらリラに応えた。

 

「リラぁ。しっぽの曲がってる犬なんて世の中にたくさんいるんだよ。たまたま豆柴で、たまたま曲がってただけでしょ。まあ、獣医を目指してる君としては、とても興味深かったんだろうけどさ」

 

リラは小さい頃から犬や動物が大好きで、ぜったい獣医になる!と、公言していた。

 

リラはユノの意見に納得いかない様子で

「そういうんじゃなくて....あれ、ぜったいサスケだって....」

 

知識量は一般の中3よりは多いとは言え、やっぱりまだこどもだな、と、顔をほころばせながら、ユノはリラに言葉を続けた。

 

「じゃ、サスケの生まれ変わりかもね?今度、ユウトの友達が来たときに、教えて!私も見に行くから」

 

そのメッセージを読んで、少し落ちついたのか、リラはテンションが少しさがった様子だった。

「うん。ぜったい呼ぶから。速攻で来てね」

 

「おk。私の休みは日曜日と月曜日だから、その日なら大丈夫だよ。」

 

ユノは宅配便の白犬サスケで配送管理の仕事に携わっていた。

本来は大学進学を希望していたユノだったが、両親が亡くなったこともあり、高校を出てすぐに就職し、働きながら通信大学を受講し、大学卒業資格である学士を取った。それと同時に幼稚園教諭の免許も取得し、独学で語学を習得していた。

 

語学は、世界標準語である英語の他に、サッカーが好きだったこともあって、サッカー強豪国の南米で通じるスペイン語、そしてアジアではトップレベルの実力を誇る韓国の言語ハングルを勉強した。日本でワールドカップが開催された時には、語学ボランティアをして、南米や韓国の友達をつくり、SNSなどでやりとりをしながら、言語も身につけたユノだった。

 

これまでいろいろな仕事をしてきたユノだったが、婚約者がバイク事故で亡くなってからは、しばらくなにも手に着かなかった。しかし、いつまでもそのままではいけないと、懇意にしてくれている知り合いが紹介してくれたのが、奇遇にも白犬サスケ宅配便での業務だった。できればまだ人とかかわりたくないと、ユノは思っていたが、幸いここではあまり人と深く関わることもなく、業務上いっしょになる人々は詮索もせず、親切に対応してくれていた。

 

―受験が終わってから、って言ったけど、久しぶりにミーナの顔でも見にいくか...

 

両親の没後、お世話になったミーナの両親にもご無沙汰している非礼を詫びなければと、手みやげを買いに、お気に入りのロイヤルブッセに向かった。

 

 

 

 

 

 

 




偶然ぶつかった少年との出会いは、ユノに懐かしい記憶を思い起こさせた。その少年が、ユノとリラとの不思議な現象に関連があるとは、その時は夢にも思わないユノだった。
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※実はベースボールの下り「ろくもんす」にしたかったんですが、極めてローカルすぎて、説明をいれないとほとんどの方がわからないと思われましたので、ベースボールにしちゃいました。「野球」だと、バットやグローブを使うイメージがあるかと思いまして、手だけで打ったり取ったりする、なんちゃって野球みたいなものをイメージしてもらえば、助かります。
 ちなみに、ろくもんすって、三角ベースに似てまして、昭和の小学生男子が、放課後校庭で、ぷにょぷにょボールでよく遊んでいました。基本男子なんですが、足の速い女子は半ば強制的に参加させられていました。


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回想

不思議な出来事が続く中、ユノは忙しいスケジュールの合間を縫って、妹ユノの親友であるミーナの家に向かおうとしていた。


ユノは、とぼとぼ歩きながら昔あった出来事を思い起こしていた。中学生の時行った修学旅行先の北海道に着いた途端、目の前に広がった光景が、以前見たことがあるという強い印象だったことを、今も鮮明に覚えている。北海道は初めて訪れたはずなのに、なぜ目の前に広がる羊ヶ丘牧場の景色に見覚えがあったのだろう。おみやげに買ったホワイトチョコの甘さが懐かったのもなぜなのだろう。はじめてみるそのブランドのチョコが珍しくて買ったのに。ミーナの家に持っていく手みやげのホワイトチョコ入りクッキーサンドの包装紙をみながらそんな事を考えていた。ミーナの家に着き、インターホンを鳴らすと、ミーナの母が快く出迎えてくれた。

 

「あら、ユノちゃん。久しぶりだわね。仕事は順調?」

153cmのユノよりも更に小柄なミーナの母は、ユノの両肩を抱きかかえながら久々の再会を喜んだ。

 

「はい、大変ご無沙汰してしまいました。おかげさまで仕事は順調です。忙しい部署なので、なかなか時間がとれなかったんですけど、急にミーナやおかあさんに会いたくなって。」

 

「そうよ。仕事も大事だけど、自分を大切にしなくちゃ。これからは時々遊びにきなさいね。」

小柄ではあったが、アルトなトーンでゆっくりと話すミーナの母には、北海道の大地を思い起こさせるような不思議な包容力があった。

 

ミーナの家では先に到着していたリラが、ミーナ家族と一緒に茶菓子をほおばっていた。手に持った生どら焼きを飲み込むより先に、待てないとばかりに、話し始めるリラ。先日、ユウトが連れてきた友達の犬が、昔飼っていた自分達の犬と酷似していることを訴えた。ミーナの両親は暖かい笑顔で、リラの話を受け止めてくれていた。すると、玄関のチャイムが鳴った。

 

「ユウトが帰ってきたわ」

ミーナの母はソファから立ち上がると、玄関の方に向かった。

 

「あら、いらっしゃい」

ユウトの隣にたたずんでいた細身の少年に、ミーナの母は挨拶をした。2個目の生どら焼きを口いっぱいにほおばりながら、リラが玄関に向かった。

 

「あ!ユウトの友達!おねーちゃーん、ほら、この間の!」

リラはソファでミーナの父と談笑していたユノを呼んだ。ユノはちょっと呆れながら

 

「食べるかしゃべるかどっちかにしなさいヨ。しかも、客人前に失礼でしょ。こんにち...あ!」

ユウトの隣にいた少年をみて驚くユノ。

 

「あっ、こんにちは。この間はすいませんでした」

その少年はユノをみると少し驚きながら頭を下げた。

 

「え?なに、おぬしら、知り合い???なぜに???」

口をもごもごさせながら、ユノと少年を交互にみて不思議そうな顔で尋ねた。

 

すると少年は

「この間、ユウト君ん家に遊びに来た帰り、僕の犬が駅の方に逃げちゃって、それを追いかけて行ったときに、おねえさんにぶつかってしまったんです。」

 

なにか面白そうだなと、いたずらっぽい笑みを浮かべながら、ユウトが尋ねた。

「この間、ミニ四駆見せにきてくれたときだ!あんとき連れてきたワンコが逃走しちゃったってわけだね。そんでもって、猛ダッシュして追っかけてたら、ユノっちとぶつかったってわけだ!」

 

「あんた、なに楽しそうにしてんのよ」

ちょっとむっとしながら、リラがユウトに突っ込みを入れた。

 

「さあさあ、立ち話もなんだから、みんな中に入って、おやつでもつまみながらお話ししましょう。」

ミーナの母が全員を室内に促して、ジュースとおやつでもてなしてくれた。

 

「ユウト、久しぶりに見たけど、ずいぶん背が伸びたね。私より大きいじゃん。」

ユノは目を細めてユウトに微笑みかけた。

 

「ふん。ガワばっかり大きくても、あかんねん!てか、あんたも背だけは大きいね。」

リラは横目で少年を睨みつけながらも、興味を示していた。小さい頃から、まずは男子にくってかかるリラは、ほとんど初対面であるユウトの友達にも闘志満々だ。自分のライバルは、いつも男だ!と、小学校時分は、年に数回男子と取っ組み合いのけんかをしていたリラだった。

 

「あんた、名前は?」

遠慮がちにジュースのストローを右手でもっていたユウトの友達に、リラがぶっきらぼうに尋ねた。

 

「ケントです。よろしくお願いします。」

座ったままペコリとお辞儀をするケント。リラが質問を続ける。

 

「あんた身長何センチ?」

「あ、161cmです。」

リラの激しい質問攻めにあっても、礼儀正しく答えるケント。

 

「うわぁ、大きいね。ユウトも同じぐらいじゃない?」

ユウトとケントを見比べながら、感心するユノ。

 

「ちっ、負けた。おれ160だから、今度の並び順、後ろから二番目になっちまうな。今までずっと一番後ろだったんだけどなー。でもさ、なんかさ、おれら、名前もにてるし、身長もだいたい同じだし、双子みてーじゃね?」

人差し指を互いの方に向けながら、皆に同意を求めた。

 

その瞬間、ユノは何かひっかかりを覚えた。双子?・・・なんだろう、なぜ双子に反応してしまうのだろう。そう思いながら、ユノはケントに話しかけた。

 

「ケント君。今日は、ワンちゃん連れてこなかったの?」

 

「あ、家に居ます。」

初対面のときよりリラックスしたのか、人なつっこい笑顔で答えるケント。

 

「写真とかないの?ケータイとかに」

つっかかるように、リラはケントに要求を突きつける。

 

「あ、携帯にあります。」

昨今の小学生は塾などに行っていることもあって、携帯を持っていても珍しいことではなくなった。ケントも例外ではなかった。

 

「あ、ほんとだね。サスケにそっくり。」

ケントから携帯を渡されたユノは、目を見開いて携帯画面に見入った。

 

「サスケ・・・って、なんですか?」

少し驚いた様子で、ケントはユノに訊ねた。

 

答えようとしたユノを制するようにリラが答えた。

「サスケは、うちで飼ってた犬。あたしが小学校の時に、おじちゃんが死んじゃって、そのあとすぐにサスケも死んじゃったの。」

 

「そうなんですか・・・。僕の犬は、沖縄にいた頃、車に跳ねられていたんです。瀕死の重傷を負っていたのを僕がみつけて、すぐにおじさんに連絡したら、来てくれたんです。おじさんは獣医なのですぐに手術してくれて、それで助かりました。」

当時の場面を思い出しながら、ケントは自分の犬を飼うまでの経緯を説明した。

 

「そのおじさんが、ミニ四駆の人ね?」

ユノが訊ねると、ケントは目を見開いておおきくうなずいた。

 

「はい。この間はユウト君がミニ四駆をみたいっていうんで、持っていったんです。その帰り、おねえさんにぶつかってしまったんです。」

 

「そうだったのね。」

ユノはぶつかったときの光景を思い起こし、なぜ急に体当たりしてきたのか納得していた。

 

すると、リラが『獣医』という言葉に反応した。

「おじさん獣医さんなの?」

 

「はい。沖縄では水族館で獣医をしていたんですが、転勤でこの町に来ました。僕は進学のこともあったので、おかあさんがおじさんといっしょに行けばいいよって。僕はアニメの勉強をしたかったから、おじさんと一緒に来ることに決めたんです。」

 

「沖縄!」今度はユノがその言葉に大きく反応した。ユノの婚約者は沖縄が好きだったため、亡くなった後、遺骨は沖縄の海に散骨したのだった。

 

「沖縄には友達もいるし、別荘もあるので、よかったら今度遊びに来てください。」

まだ慣れ親しんでいない街で、大人も交えて会話が弾んだことが、ケントは嬉しかった。

 

ミーナの家からの帰り道、リラは難しい顔をして、ユノに疑問を呈した。

「やっぱり、あれ、サスケじゃないかと思う。だって沖縄だしさ、おじちゃんが連れてきたんじゃないかと思うんだよね。」

 

そんなことはあり得ないと思う一方で、もしかしたらそんなこともあるのかもしれないと、非現実的なことが自分達の心を癒すのなら、それを信じてみるのかもいいかもしれないと思うユノだった。

 

ほっこりした気分で、リラを家に送り届けると、ユノは自分の部屋に戻ってきた。リラを送ってから、いつもとは違う静かな通りを歩きながら帰路についたユノは、ミーナの弟が連れてきた少年のことが気になっていた。沖縄の海のような、果てしなく澄んだ目をした少年ケント。あの目を以前どこかで見たような気がする・・・どこだったんだろう。なんとなく懐かしいような愛おしいような、そんな気持ちがわき上がって仕方ないのを、ユノは無意識に感じ取っていた。




穏やかで品があり、どこか神秘的な少年ケントに心動かされるユノ。話しをしているうちに、ユノ・リラ姉妹と意外な共通点をみつけ、会話も盛り上がっていった。人とのつながりは不思議なもので、まさしく「縁」とは、このことかと、昔おじいちゃんが教えてくれた、縁を大切にという言葉をかみしめていたユノだった。


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研究室

所変わってドクター・ヘンリーの研究室から。


ぐしゃぐしゃの頭をぼりぼり掻きながら「ああ、どこもかしこもかいかいかいぃ」と、ドクターヘンリーはぶつぶついいながら、パソコンの画面に向かっていた。フケとひどい水虫と戦いながらメールチェックに夢中になっている。受診したメールのひとつは、核廃絶運動の祖について書かれていた。

 

ドクター・ヘンリーの研究仲間でもある、クーニ―教授は原子力の研究家であり、核廃絶運動の第一人者であった。ドクターヘンリーが今、開こうとしているメールは、クーニー教授からのものであった。メールに添付されていた資料を開くと、そこには放射能研究をしていた科学者のプロフィールが記されてあった。

 

ある東ヨーロッパにある、チョルノブイラという村に生まれたミルタンには双子の兄と姉がいた。男女の双子は妹のミルタンと一緒に羊の世話をしていた。ある時核戦争が起こり、村は全滅の危機に晒された。双子の兄は、小さかった妹のミルタンと、双子の姉を助けようと、投下された原子爆弾に自ら飛び込み、二人の姉妹を身を呈して守りぬいた。目の前の無残な光景をみて、妹のミルタンは失語症になってしまう。双子の姉も心神喪失状態になり、一時的に記憶喪失になってしまうが、徐々に記憶を取り戻し、弟の無念を晴らすべく、看護師となり、戦地に向かう看護部隊に志願した。ところが、戦地で兵士の手当て中に、焼夷弾に打たれ、双子の姉は命を落としてしまった。息をひきとる直前、生まれ変わったらぜったい兄を助ける、そう言い残して、短い一生を終えた。

 

兄と姉を失ったミルタンは、後に原子力(放射能)研究の科学者になった。この世の中から核を廃絶するという強い信念の元、日夜研究を続けたミルタン。しかし、年間に浴びてもよい1mmシーベルト量をはるかに超える1シーベルト以上をあびてしまい、白血病になってしまう。

 

ドクターヘンリーは、水虫専用スリッパをずらし、右の足で左の足をごりごりこすりながら、パソコンの画面に見入っていた。ドクターヘンリーはクーニー教授からのメールを興味深く読み入っていたが、このときはまだ、ユノとリラの夢の話と関連があることには気づいていなかった。

 

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ドクターヘンリーが受け取ったメールの話と、ユノとリラの夢の話はなにか関係があるのだろうか。時代も場所も違うところで起きた出来事が、時空を超えてつながる不思議。世の中には科学で解明できないことがまだまだたくさんあるのだ。

 




※リラのお友達であるミーナが台詞を発しませんが、アイドル系のかわいい女の子です。頭がよくて、おとなしく、男子からの人気も高く、いつもリラの聞き役となっています。そのうち登場させますネ。
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※急に寒くなったせいか、夜モノを持ち上げた時に魔女の一撃をくらってしまいました・・・(GIKKURYってやつです(T_T)) 速効でコルセットしたのでとりあえず落ちついてマス...マンマミーア...(‥、)


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つながり

Truth is stranger than fiction
事実は小説より奇なり

世の中小説よりも奇妙な出来事が多々あるものです。ここに書かれているお話も、もしかしたら、本当に起こったことなのかもしれません。




ユノの職場は相変わらず忙しく、パンをちぎりながら作業場を移動する人、おにぎりをほおばりながら事務所を後にする人、皆、ひとのことにかまってる暇などない程、一分一秒無駄なく、せわしなく動いていた。ユノが自販機でジャスミン茶を買おうとコインを入れると、ドリンクが二つでてきた。

 

「お、儲かったね!」

背後から誰かがユノに話しかけた。

 

「あ、すいません・・・もしかして、お金、入れました?」

誰かがすでにいたことに気づかずに、コインを入れてしまったのかもしれない。考え事をしていると、時々奇妙なことをしてしまうユノ。

 

「ははは。大丈夫だよ。2個でてきちゃったんだから、ラッキーって思って持ち帰らないと」

細身で長身のその男性は、2個目のドリンクをユノに渡した。

 

「すいません・・・ありがとうございます。じゃ、遠慮なくいただきます!」

ユノはその男性を見上げながら、ドリンクを受け取った。

 

事務所に戻ると、サポートをしてくれる女性が話しかけてきた。

「さっき自販機で、誰かと話してた?」

 

「ええ・・・・ドリンクが二つでてきちゃって。私が間違ったみたいなんですけど・・・」

話しかけてきた女性の語気が少々強かったので、躊躇しながらユノが答えた。

 

「そこにいた人って、こんどの新しいプロジェクトの担当者らしいよ」

鼻息荒く女性がユノに説明しようとしていた。

 

「プロジェクト?」ユノが問いかけると女性は続けた。

 

「今度、うちの支店でも福祉活動の一環として盲導犬を育成することになったらしいよ。ほら、うちのキャラはシロイヌでしょ?で、そこの管理者である獣医がさっきの人なんだって。山中さんって言うらしい。先月から来てたらしいんだけど、姿をみるのは、今日はじめて。あんたがさっきしゃべってた人だよ。」

 

「へえ。獣医ですか」

そう答えながら、そういえばケント君のおじさんも、獣医さんって言ってたっけ。しかもなんとなくケント君に似てるかも。細身で背が高くて、どこか繊細な感じがケント君を大きくしたみたいだなと、そんなことをぼーっと考えながら、ユノはジャスミン茶を飲みほした。忙しい時間を過ぎると、帰宅時間になった。そそくさと身支度をして帰途につこうと、セキュリティゲートをくぐって外に出ようとした時、ユノは守衛のおじさんに話しかけられた。

 

「あ~、さっき身分証落とした人がいて、あんだんどこの部署と同じ階だと思うがら、明日にでもこいづ渡してけね?川下さんさ。」

 

「あ、はい。わかりました。」

身分証を受け取って、よくよく見ると『山中』とある。ユノは吹き出した。

-『山中』と『川下』って、微妙に違うじゃない!というか、どうしてそう変換されちゃうかな~。頭の中で。あのおじさん、いつもそうやって、ボケかましてくるよね。まあ、おもしろいからいいけど。

ユノは笑いながら、本日の献立はなににしようかなと、いつも立ち寄るスーパーの方に向かった。

 

*********************

ユノの職場に新しくやってきた男性は、ケントのおじなのか?だとすると、世の中の縁というのは不思議なもので、どこかで丸く輪のようにつながっていたりする、まさに六次の隔たりが無数に存在するのかもしれない。

 




急な寒波で筋肉が縮まっちゃったようで、頸椎捻挫参りました...運動部出身がなりやすいってホント?ちょっと準備運動とか怠ると、こういう時期になりやすいらしく..応急処置でなんとか踏ん張ってます...いろんな待ち時間にちまちま入力しています。週末は暖まろうぞ...(; ;)


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シックスセンス

新たな出会いと不思議な体験。ユノとリラを取り巻く世界はどこからどこまでが現実なのか。果たして人間の知る得る知識で理解できる事象なのだろうか。ユノ・リラ姉妹が納得できる答をドクター・ヘンリーは用意してくれるのだろうか。理解しがたい事象を体験しながら日常を送るユノだった。


翌朝すぐに山中に身分証を届けようと、ユノは盲導犬プロジェクト室に向かおうとしていた。すると色の浅黒い五分刈りの男がエレベーターを待っていた。

「あ!みのさん!」

声を弾ませ笑顔で近づいたユノの方に顔を向けたその男は

「あっら~!ユノノ!お久しぶりぶり~」

と、肩をすくめながら喜んだ。

 

「みのさん、こんなところで何してるんですか?」

ユノが訊ねると、男は目を細めて横目でユノを見ながら答えた。

「何って、見たらわかるでしょ!エレベーター待ってるんじゃないのっ。ランチしてるように見える?」

 

笑いを堪えながらユノが答える。

「だって行き先ボタンを押してないじゃないですか。どこに行きたいんですか?」

 

はっとして、バツ悪そうに男が言い訳をする。

「あらいやだっ。あんたが話しかけたから押すの忘れたのよっ」

 

ユノはよじれそうな腹を押さえながら答えた。

「そうでしたかー。それはすいませんでしたー。▲ですか?▼ですか?」

 

「う、上よ...広報課に書類置きに行くのよ」

広報課に置きに行くときいて、不思議に思ったユノは男に尋ねた。

 

「あれ?置きに行くって、みのさん広報課でしたよね?」

ユノの疑問に答えるように説明を始める男。

「移動したのよ。今は盲導犬プロジェクトで所長のアシスタントしてるのよ。」

 

「え!そうなんですか!でもなんで??アシスタントだったら降格じゃないですか。みのうえさん、広報課では課長だったでしょ?」

口をすぼめて、目元はうっすらと笑いながらユノに説明を続ける男。

「僕、犬がすきでしょぉ~。だから、新プロジェクトに是非参加させてくれって申し出たのよ。降格なんかどうでもいいの。地位や金より犬がすきなの!」

 

「みのさんらしいな~。あ、じゃ山中さんって知ってます?」

ユノは預かった身分証を届けに行こうとしていたことを思い出した。

 

「あたりまえよ。僕の上司だもの。」

「じゃ、これ、山中さんに渡しておいてくれません?」

そう言いながら、ユノは山中の身分証を男に渡した。

 

「なんであんたが持ってんの?」

ユノは男の顔をみて、笑いを堪えながら答えた。

「入り口で落としたらしいですよ。守衛さんが拾ってくれて。それより、風邪なんか引かないみのさんが、マスクなんかしちゃって、もしかしてまたひげそり失敗したとか?」

 

男はぷいっと横をむき、すねた顔で答えた。

「うるさいわね~。朝、鼻の下剃ってたら血が噴き出しちゃって止まらなくなったのよっ。絆創膏しても血がにじんじゃって。かっこわるくてしかたないからマスクしてるのよ。あいかわらず揚げ足取りばっかするわね」

 

図星をさされたとばかりに、声のトーンをあげ、軽く興奮しながら話すその男は蓑上といい、元アマチュアジュニアフライ級のボクサーだ。かなり良い成績を残していたが、打たれすぎてパンチドランカーになる寸前にドクターストップがかかり、ボクサー生命を絶たれてしまった。仕方なくプロへの道をあきらめて、ボクシングのスポンサーだった白犬宅配便に入社した。ユノが入社当時、蓑上が指導係を務めていたため、ユノとは顔見知りだった。

 

「ところでさ、ユノノ。第3ビルに行っちゃダメよ。」

急に話しが変わるのは常のことだったが、いつになく真剣な蓑上の表情に軽く動揺するユノ。

 

「帰り道とは反対方向だから第3ビルには行きませんよ。」

ユノの返事にかぶせて早く伝えたいとばかりに、蓑上は口調を早めた。

 

「あんたのことだから、ぼーっとして、たまにへんな方向行っちゃうじゃん!」

「ま、そうですけど・・・第3ビルがなんでやばいんですか?」

蓑上はユノに近づくと、ひそひそ声で話し始めた。

「あそこね、出るってウワサなのよ」

 

「出るって、何がですか?777のぞろ目ですか?」

蓑上をみるとどうしても一度はつっこみたくなるユノだったが、蓑上はそれには乗らず、さらに声をひそめて話し始めた。

「業務課のさ、課長が落ちたんだって。あそこから」

 

突然の話題に驚きを隠せないユノ。

「え!なんでまた?」

「なんでもね、通院してたらしいわ...心の病気で。こどももまだ学校行ってるのにね・・・気の毒だわ」

蓑上は普段のへっぽこぶりとは裏腹に、人物観察は鋭く人の評価も厳しい。一方で人一倍情が厚く心優しい男で、そんなところにユノも一目置いていた。

 

 

夕方になり、ユノは帰宅しようとゲートを出たところで、誰かに声をかけられた。一度どこかで聞いたことのある声だった。振り向くと、真っ赤なナツダのオアシスRW7に乗った男が運転席のウィンドウを降ろして、身を乗り出していた。

 

「名札届けてくれてくれたのって君だよね?ありがとう。助かったよ。再発行って面倒だし、時間かかるし。今日はとりあえず仮の許可証で入ったんだけど。」

運転席から声をかけたのは、盲導犬プロジェクトの所長である山中だった。

 

「私が拾ったんじゃなくて、守衛さんに頼まれたんです。」

テレながら答えるユノに山中はハンドルを戻しながら笑顔で礼を言った。

「でも、わざわざ持ってきてくれたんでしょ?とにかく助かったよ。お礼にといっちゃなんだけど、よかったら送っていくよ?」

 

思わぬ提案に一瞬喜ぶユノだったが、寮はすぐ近くだったため、乗せてもらうには近距離すぎた。

「とてもありがたいんですけど、寮、すぐ目の前だから」

正直に答えるユノだったが、できれば横に乗ってみたいと思った。

 

(ちっ、遠かったら送ってもらうのに。いいなあ。あんな車に乗ってて...)

隅々まで清掃の行き届いた美しい車に、ユノは見とれていた。

 

 

「じゃ、こんどスィーツでも食べに行きましょう。」

笑顔を向ける山中に苦笑いをしながら答えるユノ。

「ありがとうございます。是非!」

 

「じゃまた!」

山中はさわやかにそう言い残すと、アクセルをふかし走り去った。深紅の車を目で追いながら、ユノは思いにふけっていた。

(ス、スィーツかいっ!ま、好きだからいいけど。というよりそれって社交辞令だよね。でも、あの車かっこいいなあ。いつかあんな車のりたいな~。というか運転したい!それにしても、ずいぶん手を加えてるっぽいな。マフラーとか特注じゃないかな。お金かかってソ。あ~あ、疲れたからうなぎ食べたいな~。でも、今の季節ウナギなんか売ってないよね。じゃ、さんまで我慢するか・・・)

 

ユノは、近くのスーパーに立ち寄り、当日の晩御飯用と翌日用に魚や野菜を多めに買った。いつも少し多めに購入し、調理して翌日分以降は冷凍保存している。その方が経済的だし、面倒ではないからだ。次の日の夕方、リラがチャットメッセージをを送ってきた。模擬試験だったため、近くまで来ていると。一緒に晩御飯を食べようと誘ってきた。

 

「リラ、今どこ?」

方向音痴のリラがうろうろして迷う前に居場所を突き止めて、そちらに向かおうと、直接リラにコールしたユノだった。

 

「んと、コンビニの向かい」リラはすぐに応答した。

「え?コンビニの向かいって、第3ビルじゃないの!第3って書いてない?」

朝、蓑上が話したことを思い出し、いやな予感にさいなまれながら、詰め寄るようにユノはリラに居場所を確認した。

 

「第三って書いてある」

姉の切迫した声をきいて、突然訪れたことをとがめられるのかと戦々恐々としながらリラが答えた。

「わかった。すぐいくから動かないで」

リラの方向音痴の心配よりも、蓑上の話がひっかかって仕方ないユノだった。

 

 

無事落ち会うと、二人は近くの和食バイキングに向かった。座席について注文を終えると、水を飲みながらリラが話をはじめた。

「さっきさ、第三ビルの前にいたら、ビルのとこにいたおじさんがずっとこっち見てるんだよね。ガリガリで背が小さくて眼鏡かけてた人。姉もみたでしょ?」

 

ユノは背筋に冷たい感覚が走るのを覚えた。

「私が見た時は、だれもいなかったけど。・・・もしかして、この人?」

 

ユノは携帯を開くと、勤続30周年表彰式の写真をリラに見せた。

「そう!!!!!この人!このおじさん!さっきリラのことずーっと見てた人!」

 

ユノの鼓動が早くなり、いまにも脂汗が吹き出しそうな感覚に襲われた。

「リラちゃん・・・この人、今はこの世にいないのよ・・・」

 

「まじかい・・・」

どうりで顔面蒼白で微動だにしない人間が、ずっと自分を凝視しているのが、なんとも不自然であったことの理由が今やっと理解できたリラだった。

 

またしても、不思議な体験をするユノ・リラ姉妹。定期検診の前に、ドクター・ヘンリーを訪れることになりそうだ。

 

※ユノ・リラの不思議な体験はシックスセンス(第六感)に基づくものなのか。夢の共有や、今回のような現象がなぜ二人に起こるのか。この世とあの世をつなぐ道筋に迷い込むような不思議はこれからも続いていくのだろうか。

 

 




新しい登場人物の蓑上さんは強烈で濃いキャラクターですね。もし身近にいたら楽しいでしょうね。もしかしたらみのさんネタだけのお話も投稿しちゃうかも。

皆さんも不思議な体験ってしたことないですか?まさ夢とか忠告される夢とか...。一説では脳がもたらす錯覚かもしれないと言われていますが、脳についてはまだまだ未解明なことがたくさんあるそうです。未解明な部分が多い脳や宇宙ってとっても神秘的ですよね。


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輪廻転生

ユノの仕事仲間で先輩でもある蓑上から聞かされた話の直後、妹のリラが目撃した人物はすでにこの世の人ではなかった。リラが小さかった頃の不思議な行動をユノは思い出していた。


ドクター・ヘンリーの定期検診日より先立って、話しがしたいとイレギュラーな予約を申し込んだユノ。約束の時間にはまだ早かったので、伯父の墓参りをしてから診療所に行こうとしていた。

 

(みどりのなかをはしりぬけてく、まっかなくるま~♪って、おじちゃんがよく歌ってたな。リラがそれを完コピして、チーたらにぎりしめながら、踊ってたっけ。子供の頃から酒のつまみ系の食べ物が好きで、今でも和食しか食べない子だもんな。ふきの煮たのとか切り干し大根好きとか、変わった子やな~。

 

というかまるで昭和だな。平成生まれなのに昭和娘だ~っていいながら、おじちゃんも喜んでたっけ。いつものように~幕があき~って、いきなり歌い出したときは、度肝抜かれちゃったもんね。なんで知ってるんだ???っておじちゃんがびっくりしてたら、なんと、お笑い芸人のナゲットのマネやったっちゅう...。

 

だから黒粘土ででっかいほくろつくってたわけやね。なんつっても3才から落語番組の笑線みて、蘭蔵ちゃんおもろい!って拍手してた子やもんな。かわいかったな~。おじちゃんリラのこといつも見守っててくれてありがとう。こんなに大きくなりましたよ。)

 

蝋燭をともし、木蓮の香りのする線香束に火をつけると、ゆっくりとそれらを線香台の上に置いて手を合わせた。

 

(そういえば、リラが小さい頃、祖父母の墓参りに行ったら、知らないお墓の方にトコトコ歩いていくから、リラちゃ~ん。そのこはいないこだよ~って。

 

3才ぐらいの男の子がお墓に座っているのみえたから、思わずそう言っちゃって。近づいて墓石の掘り名みたら、『昭和45年○○三才』って書いてあって、やっぱりね・・・って思いながら、リラの手をひっぱってそそくさとお墓をあとにしたっけ。よく小さい子はあの世の人が見えるっていうけど、リラも見えてたのかな。)

 

リラの小さい頃のことを思い出しながら、ユノは墓園をあとにしドクター・ヘンリーの元に向かった。

 

こどもは、生まれてすぐには母親の胎内の記憶があるらしく、話し始める頃に聞いてみると、生まれる前の事を話し出すことがある。天国(?)らしきところでは、モニターのようなものがあって、どのおかあさんがいい?と訊ねられ、この人、と自ら選んで新しい生命宿を選ぶらしい。

 

なんでもあの世では、次の世での生命活動の準備期間を過ごし、そのあと自ら親を選んで修行の道のりを歩み、さらに魂を磨くらしいのだ。つまり魂のバージョンアップ?が行われていくのだそうだ。

 

現世で悪行の限りを尽くした人は人間に生まれ変わることができないとも言われているが、沖縄ではごきぶりが出現すると、あい、おじいがいたよ、と、たくましいおばあが素手で黒い物体をつぶしちゃうらしいから、その話しを聞いた時、そのおじいは悪行三昧だったのかな?と、クスクス笑いながらユノは不謹慎なことを想像していた。

 

生まれ変わった直後は、それ以前の記憶があるらしく、新たな人間としての成長の過程でその記憶はなくなっていくらしいが、まれに大人になってもその記憶が残っていたり、なにか特殊な事象によってフラッシュバックがあったりするのだそうだ。

 

ゆうべたくさんつくったおでんをリラに届けようと東の方向に歩いていった。すると車のエンジンが止まる音がした。ふりむくと盲導犬プロジェクト所長の山中がユノに向かって手を振っていた。山中の方に近づき、ユノは挨拶をした。

 

「こんにちは」

 

ユノが手に何か持っていたので、山中は興味ありげにしげしげとユノのトートバッグをみながら話しかけた。

「お、いい匂いがするな~」

 

ユノは、この人鼻が利くなあと思いながら笑顔で答えた。

「おでんですよ」

 

「え?おでん。いいなあ」

山中はまだ昼食前だったため、思わずうらやましいといった顔をしてしまった。

 

「食べます?たまごばっかりですけど」

昨日スーパーで安売りをしていたため、たくさん購入したのと、おでんの具はたまごが好きなユノはいたずらっぽく笑うと、山中に尋ねてみた。

 

「え?いいの?僕、おでんのたまごが大好きなんだよね」

予想外の答えに一瞬躊躇するユノ。

 

「え・・・あ、そうなんですか?じゃ、よかったらどうぞ。お口に合うかわかりませんけど」

リラには好物のきんぴらレンコンも作っていたので、おでんはついでだったし、あげてもかまわないと思い、なんとなく提案したところ、欲しいと言われ少し戸惑ったユノだった。

 

「わ~。ありがたい。お昼まだだったんだよね。今回二つも借りができちゃたね。今度は必ずスィーツごちそうさせてもらいます」

山中の提案に、やっぱりスィーツなんだ、と、揺るがない提案を快く思ったユノは

「じゃ、ぜったい今度是非お願いします!」

実現したらいいなという思いを込めて力強く答えた。

 

「はい、必ずね!」

笑顔で答える山中に、ユノはトートバッグからおでんの入ったタッパーを取りだし、運転席の窓から手を伸ばして渡した。

 

「ありがとう!」

さわやかな笑顔で、山中はユノに礼を言うと、サイドミラー越しに手をふりながら走り去った。

 

 いつ会っても爽やかだなあ、と思いながら軽くなった手荷物をひじにかけながら、ドクターヘンリーの診療所に向かった。路地を入って行くと、ドクター・ヘンリーの診療所が見えた。今日は診療所はお休みだったため、隣にある自宅の書斎に足を運んだ。

 

築50年の木造建ての家は修繕を重ね、こじんまりとした旅館風の建物で、ユノはこの玄関をくぐるときに漂ってくる木の香りが好きだった。

 

踊りのお師匠さんでもあるここの女主人は、いつも和装姿だ。上品で質素な藍色の着物で現れたドクター・ヘンリーの奥さんは、ユノに丁寧に挨拶をすると、和菓子と煎茶を書斎に運んでくれた。 

 

ユノは職場の近くで起こった出来事と、リラの小さい頃の事を詳しく語った。話を聞きながら、ドクター・ヘンリーの研究テーマである輪廻転生とユノ・リラの体験が密接に関わりがあるのではないか、またあの世の人々からのメッセージを何らかの加減で、キャッチできる受信装置を持っている人間がいるのかもしれないと、PC画面の資料と照らし合わせながら、ドクター・ヘンリーは更に考察を深めていこうとしていた。

 

この世で会っている人は、前世でも関わっているらしいが、それらは科学では証明されてはいない。ただ、魂は何度も生まれ変わりを繰り返し、修行しつづけているのではないかと言われている。

 

とりあえず、ドクター・ヘンリーへの報告が終わると、ユノはリラの家に向かった。




世の中には不思議なことがたくさんありますね。電話しようと思ったら、コール音がなって、しようと思ってた相手だったり。

うわさをしていたら、その人が現れたり。まだ会話をしていなかった先史時代は、人々はテレパシーで会話をしていたと言う話しもあるようですが、兄弟姉妹や友達で同時に同じ事を言ったりって、ありますよね?また、双子って離れていても相手になにかあるとわかったりするという、不思議な現象についての研究は実際に進んでいるようです。摩訶不思議。


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ほっこり日和

普通の日常を送りながら、異常な現象をひもとく怪。今回はどんなエピソードが展開されるのでしょうか。


今日は朝から暖かい日差しがふりそそいでいる。同級生から送られた北海道のおみやげを、職場におすそわけしようと、ユノは高級そうな一口ドーナッツを袋に小分けにしていた。昼休み前に少し時間が空いたので、盲導犬プロジェクトチームにも届けようとしていた。ドアをノックすると、例のおもしろ男、蓑上が出てきた。

「あら、ユノノこんな時間にいったいなんの用?」

 

笑いながらユノが答える。

「ごあいさつだなー。昨日友達が旅行のおみやげを送ってくれたので、おすそわけに持ってきたんですよー」

 

「あら~そうなの~」

と、自分のためにもってきてくれたのかと、蓑上はほくそ笑んだ。

 

「みのさん、ひとりで食べないでくださいよ。ちゃんと所長にも渡してね」

蓑上の魂胆は見え見えだとばかりに念を押すユノに

 

「あ、あたりまえでしょ!上司を差し置いて自分だけいただくわけないでしょっ!」

「そうですかね~。ま、とにかく、よろしくぅ」

人一倍食べるのが早い蓑上は、一瞬で全部たいらげそうだと、ユノは訝しげに蓑上を横目で見ながら軽く会釈して部屋を出ようとした。

 

「ねえ、ユノノ。あんたさ、どんなタイプが好きなの?」

礼によって唐突に変な質問を投げかける蓑上。

 

「はあ?ドーナツの好みですか?」

めんどくさそうにユノが答えると

 

「そのボケいらない。男のタイプに決まってんでしょ!」

何をいきなり質問してくるんだ、とばかりにユノが呆れながら答える。

 

「人間だったらいいですよ。とりあえず」

ユノのテキトーな答えに、イラッとしながら蓑上が続ける。

 

「そーじゃないわよっ。ガッチリタイプとか、秀才タイプとか」

訓練中も『ここ以外に住むんだったらどこに住みたい?』とか、まったくもって脈略のない質問を突然してくる蓑上だったが、元広報課なだけに、ヘタなことは言えない。数秒後には全社中に広まる危惧がある。しかしながら、おちゃめなこの目の前のおもろ男が発したアンケートクエスチョンに、ユノはとりあえず付き合ってあげることにした。

 

「そうですねぇ。繊細なタイプがいいですね。あ、まちがってもみのさんじゃないですね」

ちゃかしながら答えるユノに、テンションをあげる蓑上。

 

「ぬわんだって!生意気な子ねぇ!こっちだってお断りよっ!こうしてやる!」

と、息巻きながら、持ってた画鋲をユノの頭に刺そうとする元アマチュアボクサー。運動部出身でとりあえず反射神経は鍛えられていたユノは、咄嗟によけた。すると、くぬぅうう、と言いながらへっぽこボクサーは、ユノの頭をおさえ、人差し指と親指をくっつけてユノの顔面に向けた。

 

「いってぇー!」

目から火花が飛び散ったのかと思うほど、ものすごい衝撃がユノの額に走った。おでこは痛みを訴えているが、腹も同時に腸捻転を起こしそうな勢いで苦痛を訴えてきた。ユノは可笑しさで腹がよじれそうなのをがまんしながら、ポケットに潜ませておいたコンパクトミラーで自分の顔を確認した。

 

「あーもー、赤くなってる・・・元ボクサーのくせに、か弱い女子にデコぴんとかするかなー。まったく乱暴なんだから。あんなの一家に一台あったらおもしろいかもしれないけど、毎日ああだったら、うるさくてしかたないだろーなー。今度電池抜いとかないと笑い死にするわ」

 

「なにぶつぶつ言ってんのよ!」

まだふざけたりないとばかりに、乱暴男がユノに絡もうとしたその時、所長の山中が室内に入ってきた。

 

「お!ドーナツ!!」

一瞬目を輝かせて、山中がドーナツの置かれたテーブルに近づいてきた。

 

「所長~。ユノノからの差し入れ。どうぞお食べ」

(お食べって、ペットじゃないんだから・・・仮にも所長でしょ)と、突っ込みたい言葉は飲み込んで

「どうぞ召し上がって下さい」

と、笑顔で、ユノは山中にドーナツを勧めた。

 

「僕、ドーナツ大好きなんだよね」

といいながら、一気にドーナッツをほおばると、両方の頬が丸くふくらんで、まるでコットコハム次郎の様な顔になった。(ぷぷぷっ、かわいい~。そんなに好きなんだったら、もっと持ってきてあげればよかった)大食い早食いの蓑上が負けそうな勢いで、ドーナツを口に放り込む山中を微笑ましく眺めながら、ユノは事務所をあとにしようとした。すると、突然蓑上が

 

「僕も山中ちゃんみたいに、ロンゲにしちゃおうかな~」

と、のたもうた。ユノは一旦床に倒れ込み、蓑上が山中のヘアースタイルのカツラをかぶった姿を想像し、笑い転げた。蓑上よりは髪の毛が長いとはいえ、言うに事欠いて『ロンゲ』という表現を使ったことも、ユノを爆死寸前に追いやった。

 

そんな出来事を、家に帰ってからPC版テレビ電話で、リラに一部始終報告した。リラも大受けして、今度そのがちゃがちゃおじさんに会いたい!と、手をたたいて笑っていた。

「いつか見学に行っちゃだめ?職業体験とかっつって。獣医先生にも会ってみたいし」

 

リラが興味を示したので、ユノもその提案は悪くないと思った。

「いいんじゃなかな。今度、会社にきいてみるね」

 

白犬サスケでは小・中学生の職業体験を受け入れていた。どの部署での体験になるかは、業務との兼ね合いもあるので、学生側からの要望は必ずしも通らないのであるが、社内に家族親戚などが有る場合は、例外として受け入れてもらえる可能性もある。業務課の担当者に電話を入れると、思ったより短時間で承認が降りた。職業体験とは別に、見学ということで、受け入れ許可証を発行してもらった。

 

許可証を手に、ゲートをくぐったリラは、まず姉の部署に立ち寄り、保護者同伴ということで、盲導犬プロジェクト部屋に入室した。リラは入り口で挨拶すると、満面の笑顔で女子中学生を見ていた、浅黒のごつい男をすぐに認識し、笑いを堪えながら挨拶した。普段から姉に聞いていたため、紹介されるまえに、あのがちゃがちゃおじさんだ、と気付いたのだ。

 

ユノは、最初に所長を紹介した。すると、声には出さず、目で『ね、この人、ケントに似てね?』と、姉のユノに話しかけた。だまってうなずくユノ。すると、リラは唐突に山中に話しかけた。

 

「あの、豆柴連れて、ミニ四駆持ってる甥っ子とかいません?」

いきなりのリラの質問に、心臓をつかまれたように驚いたユノは、

 

「ちょっ、リラ・・・いきなり失礼・・・」

ユノがフォローをしようとしたその時

 

「え?ケントのこと?なんで知ってるの?」

即答する山中に

 

「えーー!!!」

ユノ・リラ姉妹は同時に驚いた。

 

「なんなのなんなの?」

好奇心たっぷりに、蓑上が訊ねると、ユノが事の次第をざっくり説明した。なんという奇遇だろう。でも、せっかくの縁だから、今度みんなでバーベキューでもしようか?との山中の提案に、ユノ・リラ姉妹とへっぽこボクサーはハイタッチしながら喜んでいた。




またまた登場しました。蓑上元課長、現ただの平社員。実は、実在のモデルがいて、まだまだエピソードがあるんですが、そうなると話しの方向性が変わってきちゃうので、一旦納めておこうかなと思います。

今回はティータイム編ということにしようかなと思ったんですが、飲んでたお茶がへんなところに入ったら大変なので、とりあえず日常のエピソード編ということで、まったり読んでいただけましたら幸いです。


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平穏な日々

伝えたい言葉がある。思いは届くのだろうか。人の思いは時空を超えて彷徨い続ける。


休日は時間があれば、リラと食事をするユノ。リラが受験中ということもあり、小一時間ほどランチをとることにした。

 

「職業見学楽しかったよ。早く車の免許もとりたいな。あれって、どのぐらいかかるの?」

リラがルイボスティーを飲みながら、ユノに訊ねる。

 

「実をいいますと、私自動車学校行ったことないので、詳しいことは解りません。費用はネットで調べてみるけど、期間は人によって違うらしいから、ママさんにきいてみるね」

そう言ってドリンクバーのおかわりを取りに行こうとすると

 

「え?姉、自動車学校行かないでどうやって免許とったの?」

リラが訊ねた。一旦腰を下ろして、ユノが説明を始めた。

 

「自動車学校通わないで、一発免許と言われるもので取ったのです。免許センターあるでしょ?ま、ぶっちゃけ警察なんだけど。直接そこで実技試験と筆記試験を受けるの。絶対1回ではとれないようになってるんだけど、受験料だけしかかからないから、自動車学校行くよりは安く済むんだよね」

 

そんなやり方もあるのかと、興味を示したリラが尋ねる。

「え!そんなのあるの?運転はどうやって練習したの?」

 

「今はあるかどうかわからないけど、昔は実技だけ教えてくれるところがあって、あとは内緒で、私有地の中で練習したり。仮免許中には、ボール紙でつくった『仮免許』ってプレートをつけて、県北のはじっこまでいったりしました。」

ユノの説明にさらに興味を示すリラ。

 

「え!ひとりで?」

笑いながらユノが答える。

 

「仮免中は隣に免許歴3年以上の人が乗らないとだめだから、お父さんが乗ったんだけど、居眠りするんだよね....。めっちゃ怖かったけど、おかげで、かなりたくましくなりました」

 

私はムリだ...とため息をつきながらリラはユノに他の方法がないか探ろうとした。

「ママさんに、どれぐらいかかったかきいてみて?あの年齢でとったってすごいよね。パパさん亡くなって仕方なく取ったんだっけ?」

 

「そう。パパさんの車を売りたくなかったから、仕方なく取ったらしいよ。来週行ってみるね」

そう答えながら、そういえばママさんのところにもご無沙汰していたなと思ったユノだった。ママさんとは、ドルチェというカフェのオーナーで、前オーナーのご主人亡き後、ひとりでドルチェを切り盛りしている。ユノの同級生の紹介で、ユノが昔ここの夫婦にパソコンを教えていた縁でもう15年以上の付き合いになっていた。

 

このママさんが、ユノに今の仕事を紹介してくれた。ママさんの知り合いが他の部署で既に仕事をしていたため、コネがあったのだ。ユノの婚約者の没後は、心配してなにかと世話をやいてくれた人の一人だった。日曜日は営業していないので、月曜日のランチに久々に行こうとユノは東に向かっていった。

 

「あら~!!!!!ひさしぶりーーーー!!!」

甲高い声で、出迎えるドルチェのママ。

 

「ママさん、相変わらずセンスいいね。そのブーツイタリア行ったとき買ったの?」

何か一つ話題を提供すると、しばらく止まない程話し好きな人である。

 

「そうなの~!ミラノのね~etcetcetc」(30分ノンストップ耐久へ突入)

あいにくの天候で客足がなかったことも幸いしてか、しゃべり続けるカフェの女主人。存分にしゃべらせてあげないと、質問するタイミングをつかめない。だまってきいていると、女主人の方からたずねてきた。

 

「そういえば、リラちゃん元気?」

「元気元気。今受験勉強中で今日は連れてこなかったの。ママさんに免許のこと聞きたいって。どれぐらいかかったんだっけ?」

女主人はユノよりもひとまわり以上も年上であるが、しゃちこばった関わりを苦手とするため、ユノも極めてフランクに接するように努めていた。女主人はひととおり免許をとったときのことを説明すると、唐突にユノに質問を投げかけてきた。

 

「ところでさ、ユノ。だれかいい人いないの?彼亡くなって、もう5年でしょ?」

「へ?ママさん相変わらず、急に方向変換するよね。ウィンカーあげてからじゃないと危ないよ?」

動揺を隠すかのように、ユノが女主人の質問をはぐらかした。直後、真っ赤な車の持ち主の笑顔が脳裏をよぎった。ユノは冷静さを取り戻そうとして、水を飲み干した。それからカフェ自慢のクワトロフォルマッジをゆったり味わいながら、ユノは久しぶりに女主人と談笑した。

 

夜になってリラからチャットが入っていたので、ドルチェでの会話を報告することにした。

「じゃあ、あたし12月誕生日だから高校中に免許通えるよね?」

 

ちょっと考えながら文字で返答するユノ。

「通えるけど、受験勉強中じゃないのかな。その頃。一浪はさせられませんよー」

 

「そっかー。じゃあ、大学入ってから通った方、いいかな?」

ひねくれているかと思うと、妙に素直なところもある中3女子だ。

 

「バイトして自分で払ってね~。」

なにからなにまで保護者が負担をすると、依存心が強くなってしまうことを懸念していたため、ユノはあえてリラに苦労を買ってでもさせようと考えていた。

 

「ところでさー、学校でもジョヨンのこと話題になってて、他のメンバーどーすんだろね?とかって話してる。ミーナがさ、レミンのファンだからさ。あたしとミーナって趣味かぶんないんだ。てか、姉とも趣味かぶんないよね?」

リラは困ったときやテンションがあがったときは、おねえちゃんと呼ぶこともあるが、普段はユノのことを『あね』と、呼んでいる。

 

「あんたと趣味かぶらないって、年の差あるもの、対象になんないでしょ?」

時々同年代の友達と会話しているような錯覚を起こさせる程、リラは中学女子にしては、ませた会話でユノを刺激してくる。

 

「今時年の差なんて関係ありませんよ。姉様。好きになったら、年なんてもーまんたい(無問題)!」

大笑いしながら、キーボードから絵文字を送るユノ。

 

「姉さ、キャパ広いじゃん?」

リラのチャット攻撃に応戦するユノ。

 

「広いってさ、少年男子とかは男子趣向で話が盛り上がるだけで、恋愛感情ってのとはまた別なのではないでしょうか」

中学生相手にとりあえず正統理論で返すユノ。

 

「わかりませんよーーーーーー人を好きになるには理由なんかありませんよっ。気が付いたら、フォーリンラブ!ってことも世の中多々ありますからねぇ」

どこのおっさんだ?と、思いながらユノが応じる。

 

「なんですか、そのおっさん発言は。おいちゃんが憑依してるんでちゅか?」

軽くふざけながら、リノの返事を待っていると

 

「あー、そうかもね~。でもさ、姉、背中押さないと進まないでしょ。おいちゃんが、天国から、あ~もどかしいな!って、あたしに乗り移ったのかもしれませんぜ?恋愛の女神は後ろ髪がないそうで。前髪つかみそこねると、うしろはつるんつるんで、あり?ってことになるんだってよ!」

恋愛の女神とやらの姿を想像し、爆笑しながら震える手でキーボードを打つユノ。

 

「ひゃ~14才の恋愛博士に説教されちゃいました~。はいはい、やるときゃやります。がんばります。伝えたい思いがあれば、伝えるよう努めますダ」

受験勉強の妨げになるようなことをしてはいけないと肝に銘じていたが、時折の息抜きは必要かなと、短い時間のチャットには応じるようにしていた。

 

「姉、そういえば最近、不思議な夢みないな。ってか、夢見ずに爆睡してるよ。不思議なことって続くときは続くよね。なんかあるのかな」

リラの質問にはっとしながら、深呼吸してから締めの文を送った。

 

「受験生はそんなこと心配しなくていいから、勉強がんばんなさい~。たまに息抜きはいいけども」

「はいはい~。じゃね。おやす~」

受験生を配慮する姉の真意を読みとったリラは、素直にチャットを終えることに了承した。

 

不思議な夢をみないね、と、リラに言われたときに実はある夢について思い出していた。数日前に、赤い車の助手席で景色を眺めながら、森の中を走っている夢だった。あれ?もうつきあってるんだっけ?と、思いながらユノが持参した手作り弁当を赤い車の主と仲良く食べている夢だった。目覚めると、あまりにリアルな感じが残っていたため、しばらく動悸がおさまらなかったのを覚えている。

 

数ヶ月後、リラの進路も決まり、落ちついた日々を送っていたユノだったが、ある時、廊下で騒がしい浅黒男の姿をみつけると、さっと柱のカゲにかくれたユノ。今、笑い死したら仕事に影響してしまう。顔を合わせるわけにはいかない....すると

 

「そこにいるのはわかってんのよ!でてきなさい!」

へっぽこのくせに、動物的勘だけは異常に冴えている、盲導犬プロジェクトのアシスタントだった。

 

「バレたか....。今日はちと忙しいので、みのさんの相手できませんよー。」

と言うと、表情を変えずに、浅黒アシスタントの蓑上は話しを始めた。

 

「お宅のお嬢ちゃんの進路も決まったことだし、みんなでBBQしない?ってうちの山中ちゃんが言ってるんだけど、どう?山中ちゃん家で花見BBQだって。持参するものとか日程はあとで知らせるから」

いつものふざけた会話ではなくて、イベントの提案だったため、ふいをつかれたユノは、すぐに返答できなかったが、短気なこの男はそんなユノの躊躇を受け止めてはくれないだろうと、とりあえずまじめに返した。

 

「あ、わかりました。じゃ、連絡待ってます」

 

数日後、待ちに待ったBBQの日。ユノとリラは一緒につくったお酒のおつまみと、飲み物を持参して山中の家を訪れた。

「いらっしゃい。気楽にしてね」

笑顔で出迎えた山中の横には、少年ケントも嬉しそうに立っていた。

 

「ケント君、久しぶりだね。元気だった?」

笑顔で話しかけるユノに、照れながらケントがうなずいた。

 

(あ、がちゃがちゃおじさん!)と、お気に入りの浅黒おやじををみつけると、リラは蓑上の隣に陣取った。人数分よりはるかに多い肉や野菜を焼きながら、たわいもない話しで盛り上がっていると、山中は沖縄の水族館時代の話をはじめた。

 

「イルカって、笑うんだよ。でもね、イルカは心のきれいな人にしか笑いかけないんだ。キジムナーも心のきれいな人にしか見えないんだよ」

すると、ユノは速攻で

 

「じゃあ、みのさんは一生イルカの笑顔もキジムナーもみれませんねー」

とつっこみを入れた。すると

 

「なんだってーーーー!!!」

と、叫びながら、トングを持ってユノを追いかけた。引退したとはいえ、元アマチュアボクサーの俊足に勝てる人はいないと思いきや、それをしのぐ勢いで超ダッシュで逃げたユノは忍者のごとく森の中に雲隠れしたのだった。

 

「あの人達、漫才コンビみたいだね」山中が笑いながらそう言うと、リラが答える。

「そうですね。でも漫才コンビってオフでは仲悪いらしいですよ」

 

「じゃあ、実は犬猿の仲なのかもね?」

その言葉にケントが反応した。

 

「どっちが犬でどっちが猿?」

山中はう~んと、腕を組みながら

 

「蓑さんは犬好きだけど、猿っぽいよね?申年(さるどし)だしね?」

山中の言葉を聞いて、リラとケントが爆笑した。

 

「あるある~!!!」

リラもケントも手をたたきながら、激しく同意していた。

 

「姉はオオカミ犬かな~」

リラの意見に一同うなづく。

 

まだ肌寒い春BBQの夜、一帯は暖かい笑顔に包まれていた。

 

※キジムナー:沖縄で樹木の精霊として伝えられているこどものような妖怪で悪さをしたりせず、どちらかというと天使のような存在。




どうしてもへっぽこボクサーが無駄に登場してしまいます・・・刺身のつまにしては目立ちすぎ。なんとかしなくちゃ(^^;)

毎日の様に時間があくと、思いついたことを書いては推敲し..ってやってますが、実は小説を書こうと思ったわけじゃなかったんですけど....書き始めたらいろんなことが頭に浮かんできて勝手に書きたくなってしまいました。

はまりやすい体質故、銀玉打ちとかゲームはしないようにしてるんです...うちの弟が小学生のときに駅前のデパートでやってたゲーム大会で優勝しちゃって、某メーカーのゲーム機をもらったんです。当時マリオBが流行ってて、弟が学校から帰ってこないうちに遊びまくってました。ういんどーずにあるトランプゲームとか朝までやってたこともあり、止まらなくなるので、今は自粛・・・。

リアルのパッチワークに脚色加えた希望的観測要素大な妄想的空想、これからも続きそうです・・・


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引き寄せの力

―世の中の出会いは運命が引き寄せたものである―

そう思わせるような出会いがあるのも事実。



山中の家の裏にはうっそうとした森があった。蓑上からの猛攻から逃げ切ったユノはいったん休憩しようと、古木に寄り掛かった。ところが、あれ?ここどこだ?どっちから来たんだ?わからない・・・その時、道に迷ったことに気が付いた。手ぶらで飛び出してしまったから、携帯も財布も置いてきてしまった・・・はて、どうしたものか。へたに動くと、遭難してしまうかも・・・薄着できてしまったから、この季節に夜を超すのはよくないな・・・なんとかしなくちゃ。

 

「すいませーん、だれかいませんかー」

 

その時、がさっ、と草に何かが触れた音がしたので振り向くと、「こっち!」という声が聞こえた。ユノは声のする方向に歩いていくと、遠くの方で子供のような人影が見えた気がした。「あのお!」と、いいながら、追いかけていくと、赤い髪の毛のこどもの姿がちらっと見えた。

 

(え??キジムナー?まさか・・・さっき話してたばかりだから、思い違いかな)

 

そんなことを考えながら、人影のする方に歩いていくと通りに出た。

(よかった~)

ほっと溜息をついて前を見ると、山中とケントが心配そうな顔できょろきょろ通りを見渡していた。

 

「あ!いた!」

ケントがユノを見つけると、ユノの方に駆け寄ってきた。

 

「迷ったんじゃないかと、心配してたんです」

ユノの無事を確認し、安心するケント。

 

「ごめんねーーーー。調子こいちゃって走りすぎちゃった」

と、謝りながら、内心ホッとしていたユノだった。

 

 

山中の家に戻ると、蓑上とリラも心配そうな顔でキャンプチェアーに座っていた。悪態はついても心優しい蓑上は

「走りすぎてお腹すいたんじゃないの?まだ肉あるから食べたら?」

 

と、ふざけた手前、少々責任を感じてのねぎらいだった。紙皿の肉をつつきながら、ユノが森の中で迷ったら、子供に案内されたと言うと、ケントが

 

「もしかしたら、キジムナーかも!」

と、一瞬、立ち上がって森の方を見た。以前、犬を連れて散歩をしているときに、森に入ってしまい、道に迷ったときに、ユノが体験したのと同じように、案内してくれたこどもがいたらしい。こどもなのに髪の毛が赤かったので、すぐにキジムナーだ!と思ったそうだ。なぜなら、ケントが沖縄にいた時も、キジムナーに助けられたからだ。沖縄にはガジュマルという南国独特の大きな木があるが、そのそばに立っていたのが、髪の赤い子どもだった。その子どもはケントをみると微笑んで「いつかもうひとりの君に出会うよ」と、ささやいたそうだ。

 

ユノとリラはケントの話を真剣に聞いていた。

 

「ケンちゃんはかわいいからいいけど、いい大人が白昼夢みちゃって。」

反省したのはほんの5分程で、すぐに調子を取り戻した蓑上にユノが応戦する。

 

「うるさいなー。ピュアな少年の前で夢を壊すようなこと言わないでくださいよっ。だから腹黒いって言われるんですよ」

と、言った瞬間、殺気を感じたユノは

 

「あ、今回はもうなしね。ロープロープ。ノーカウント!」

蓑上も、また遭難されたらかなわないと思い、ふざけたい衝動を抑えていた。

 

「今日はたのしかった~。今回、法事って言ってたから、ミーナとユウトは誘わなかったのですけど、今度連れてきていいですか?」

と、リラが山中の方を向いて話しかけると

 

「どうぞどうぞ!多い方が楽しいもんね。」

笑顔で答える山中。

 

「ミーナかわいいから、危険だなー」

性懲りもなく、蓑上をみながら、ユノはまた絡もうとする

 

「どういう意味よ?」

いちおう冷静に応じる蓑上

 

するとリラがユノに

(だいじょうぶ。へんなことしたら、かみつくから!)

と、シークレットサインを送る。

 

ユノがそれに応じる

(かみついたら、歯が砕けるよ。ブリキでできてるからね、この人)

 

ユノ・リラ姉妹のシークレット会話に気づいた蓑上は

「なに、この女たちはコソコソしてんのっ。」

と、2人を睨みつけた。

 

「さて、宴もたけなわ、デザートタイムにしますか。」

そう言いながら、山中は買っておいたクレームブリュレを持ってきた。

 

(スィーツおごりますってこれでチャラにされそーだなー。まあいいけど)

ユノのテンションが少々下がる。

 

「あら、ユックマックのじゃないの」

と、喜ぶ蓑上。ごつい外見からは想像できないが、彼も大のスィーツ好きだ。

 

たのしいひとときを過ごし、リラを送ってユノが寮に戻ろうとすると、リラが別れ際こんなことを言った。

「ねえ、姉?もし獣医になれたら沖縄行っていいかな?北海道のミツゴローさんとこもいいなって思ってたけど、沖縄もいいなーって。キジムナーにも会ってみたいし」

 

「いいかもね?知り合いがいないとつらいけど、ケント君達とも知り合えたし、つてを頼ることもできるから、その選択肢はありかもね」

 

もしかしたら、サスケの生まれ変わりも、ケント君たちも、あのキジムナーが連れてきてくれたのかもしれないな、と、ユノは夜空に瞬く星を見上げながら、ファンタジックな気分に浸っていた。

 

 




沖縄といえばサーダーアンダギーというドーナツがありますが、あれは揚げたてがうまいんですよ~。粉も売ってるので、自分でも作れるんですよ。

で、
お笑いタレントのガレッジセールの二人は沖縄出身ですが、かわちゃんがキジムナーをみたそうな。ほんとにみたんだ!って言ってました。まわりはまさか~って反応でしたが、沖縄に行くと、ほんとうにキジムナーが出てきそうな神秘的な場所がたくさんあります。

NHKの朝のテレビ小説ちゅらさんでもキジムナーが登場しました。伝説の生き物ですが、もしかしたらすぐ近くにいて笑っているかもしれません。



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青天の霹靂

しばらく平穏な日々が続いていたが、突然のハプニングに見舞われてしまうユノ-


その日はなんだか胸騒ぎがしていたユノだった。前日の休みに部屋を大掃除して、不要なものは徹底的に捨てた。なぜなら、部屋のスペースを確保したかったからだ。昔UFOキャッチャーでとりまくったぬいぐるみも最低限お気に入りのものだけ残して、あとはそのままエリア指定のゴミ袋に入れた。

 

かなり大がかりに掃除をしたため、久しぶりに体力を消耗した。翌朝、寝坊してしまい、あわてて家を出た。いつもなら左右を確認してから通りに出るのに、焦ったためか、思わず飛び出してしまった拍子に、左から来ていた軽自動車に気付くのが一瞬遅れた。

 

目の前にある車の運転手の表情が、あ!と驚くのが静止画像で見えた。その瞬間、ゴン!と鈍い音を立てて、ユノの体は1回転し、地面にたたきつけられた。

 

(や、やばい・・・これで研修は打ち切りだ・・・)

業務研修を控えていたユノは、車に跳ねられた瞬間、すべての予定は水の泡になったことを悟った。しばらくして救急車が到着すると、救急隊員はユノにいくつか質問をして意識の有無を確認した。ひとつひとつの質問にゆっくり答えるユノをみて、応急処置をしながら、隊員はユノの意識がはっきりしていると判断し、血圧を測った。

 

病院に到着すると、待機していた医師と看護士が運ばれてきた怪我人に声をかける。

「大丈夫ですか?動けますか?担架からこちらのベッドに動けますか?」

 

ユノは、これからくるであろう痛みを想像しながらも、まだなにも感じない状態を幸いと思い

「大丈夫です。自分で行けます」

 

しっかりと答えると、匍匐(ほふく)前進で簡易ベッドに移動した。その後、レントゲンやCTを撮られ、医師より症状についての説明があった。

 

『全治6週間、尾てい骨骨折』

ユノにとっては初めての骨折だった。高校生の時に小型バイクを運転し、後方から車に跳ねられたときは、ただの打撲だった。

 

木登りをして手が滑って落ちたときも、打撲だけで、『骨折』という診断は初めて耳にした。ただし、骨折と言っても、ぽっきり折れたわけではなく、ヒビが入っただけだった。ユノの家系は骨が丈夫で、母も祖母も頑丈な骨を持っていたため、ユノも最悪の事態は避けられたようだった。

 

入院はせずに済んだが、当日の夜から数日間は、体を動かすたびに絶叫する日々をすごさねばならなかった。痛み止めが切れると激痛が走る。飲み続けると、胃に負担がかかる。このジレンマに苦しみながらも、2週間目には、自分で簡単な料理ができるまでになった。15分ぐらいなら、立っていても問題ない。それ以外は、寝室にノートパソコンを持ち込み、ニュースや動画などを見ていた。

 

友達や家族も看病すると申し出てくれたが、自炊もできるから大丈夫と、断っていた。リラは時折チャットで、様子をうかがってきた。そういえば、前日にぬいぐるみを捨てた、という話しをしたら、それはだめだよ!ちゃんと供養しなきゃ、と言われ、ぬいぐるみを袋に入れた瞬間、閃光が走ったことを思い出した。たしかに、人の形をしたものを捨てるときは注意が必要だということをどこかで聞いたことがあった。不注意を反省しながら、体を休めるために横になった。

 

普段より眠りにつく時間が長かったためか、不思議な夢をみていた。

 

一面に広がるひまわり畑。ふたりの子供が遊んでいる。男の子は女の子より少し背が高いが、同じぐらいの年に見える。

 

「サムエル、四つ葉のクローバーみつけたよ!」

「お、よくやったな。アニタン。壊さないように持ち帰るんだぞ」

 

2人は仲良く家に戻ると四つ葉のクローバーを分厚い植物図鑑に挟んだ。

「四つ葉のクローバーはTrue Love(真実の愛)っていう意味があるんだ。いつか必ず真実の愛をみつけられるんだ」

双子の弟サムエルは、数秒前に生まれたというだけで姉とされたアニタンの先回りをしてリーダーシップをとっていた。行動力のあるサムエルのことを、姉という自覚はないアニタンは兄のように頼りにしていた。

 

姉弟仲良く植物図鑑をながめていると、小さい妹のミルタンがとことこやってきた。サムエルはミルタンを膝に乗せると、図鑑のページをめくってみせた。窓の外では、たくさんの向日葵が風に逆らうかのように揺れていた。

 

ちょうどその時、ドカーンという大きな音の後に、キィーーーンと耳をつんざくような音が一帯を覆った。「空襲だ!」

サムエルがそう叫ぶと、ミルタンをかかえ、アニタンの手を引きながら、近くの防空壕に逃げようとしていた。ドーン!という爆音と震動がが3人の背後まで迫っていた。サムエルはミルタンとアニタンを大きな岩のそばに座らせ

 

「ここを絶対動くなよ!」

姉と妹をとりあえず避難させると、爆音のする方に勢いよく走っていった。アニタンとミルタンが爆撃機から追撃されるのを避け、自分の方に誘導しようとしたサムエルは

 

「こっちだ!こっちに来い!」

と叫び、手を振りながら、爆撃機を挑発した-

 

-その時-

 

爆弾がサムエルの体を直撃した。サムエルの体は一瞬で粉々になってしまった。

 

一部始終をみていたアニタンはミルタンを抱きかかえながら、その場で気を失った。泣き叫ぶミルタンの声を聞きつけた村の民兵が、2人を保護して病院で手当を受けさせていた。

 

 

「いてっ!」

寝返りを打った瞬間に夢から目覚めたユノは、無意識に涙を流していた。あまりにリアルな夢だったために、動悸がしばらく治まらなかった。

 

(不思議な夢だった・・・。今度のリハビリの帰り、ドクター・ヘンリーのところに行ってみようかな。タクシーなら大丈夫だよね)

 

そんなことを考えながら、またうとうとと眠りについたユノだった。

 

徹底的に安静を保ったのと、鶏肉中心の料理で筋力を増強させたのが功を奏したのか、全治6週間の診断は3週間で完治という診断結果にカルテが置き換えられた。休養中は、蓑上ランボーからもメッセージが来ていたが、笑うと腰に響くため、しばらく放置していた。

 

(そういえば、山中さんはなにも言ってこないな・・・私のことなんかドーデモな感じなのかな・・・)

 

来て欲しい人からの連絡が来ず、ため息をつくユノだった。

 

病院でのリハビリを終えた後、ユノはドクター・ヘンリーの診療室に向かった。短時間なら座っていられるまでに回復したユノは、早速夢の話を始めた。ドクター・ヘンリーは眉間にしわを寄せながら、以前クーニー教授から送られたメールをプリントアウトしはじめた。

 

「四つ葉のクローバーには『復讐』という意味もあるんだ」

 

「え???」

ユノはこれまで信じていた事が、180度覆されたようで、驚きを隠せなかった。何を隠そう、ユノも子供のころ拾った四つ葉のクローバーをパウチして大切に持っていたからだ。

 

 




あらら、ユノさん、事故っちゃったんですね。大変でしたね。Kドラマではよく人が跳ねられる画面がありますが、リアルで人が跳ねられるって、最近聞いたことありません・・・気を付けないといけないですね・・・。危ない危ない。

東京も大変な寒波で転んじゃう人が多いようです。歩幅小さく、かかとをあげないようぺたぺたって感じで歩くと転びませんから、くれぐれも気を付けましょう。

それこそ転んじゃって、尾てい骨にヒビがはいった、なんてことになりませんように・・・・


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休憩室[番外エピソード]

元ボクサーの蓑上さん、あまりにインパクトが強くて目立ち過ぎているため、一旦外に出すことにしました。


<蓑上さんのお気楽で豪放磊落な日々>

 

●ある日、蓑上さんが「ヒートテック着てるのに寒い~っ」て言うので、爆笑したら、TT(トータル・トスという業務用端末)で頭を殴られた上に、更にそのTTの角で頭のてっぺんをぐりぐりされた。なぜ笑ったかというと、

 

以前「寒いー寒いー、あんた、そんな格好で寒くないの!?もっと厚着しなさい!」

 

と言った、舌の根もかわかないうちに、1つ仕事を終えて帰ってきたら、

「暑い~暑い~、あんた、暑くないの?脱ぎなさい!」と、まったくもって得手勝手なことを抜かしていたことを思い出したから。

 

 

●階段から勢いよく駆け下りてきたと思ったら、あと2段というところで、ズルっとすべって、どん、どん、どんと3段階に渡って体を強打した後、背中から着地。一瞬死んじゃったか!?と思って、大丈夫ですか!!!と、声をかけたら、

 

「ロウサイだーろうさいダー労災だー」

と、天井を見たまま、両手両足をぴくぴくさせていた。とりあえず生きていたからホッとしたが、その姿が、殺虫剤かけたゴキブリみたいで、笑いを堪えるのが大変だった。

 

 

●ある真夏の夜、蓑上さんが、早川部長さんに話しかけていた。

「も~暑くて、ぽけっとの中びしょびしょですよ~。財布とか大丈夫ですか? 」

 

早川部長:(???)

「おれ、財布がびしょびしょになって、中のお札までよれよれになって、入金機に入れられなくなっちゃうんですよね~。みんな大丈夫ですか?」

 

って言うんで、(財布の中までびしょびしょになるやつなんて、おらん!、それって汗じゃなくて油漏れしてんじゃね?)と、言いそうになって大爆笑したら、

 

くるっと振り返って、「なんで笑うんだ!!!殺す!」と言いながら早川さんの方を向いて

「早川部長、こいつ殺していいですよね?」との、蓑上ランボーの意味不明な発言に

「???」え?って顔の早川部長。

すると

「ほらっ、早川部長のお許しが出た!」早川部長は何も言ってないのに、勝手に承認受諾されてしまい、またまた充電器を握りしめながら、鬼の形相で追いかけてきた。

 

●いつも左右が逆で、もともとは左利きなことを言い訳にしているが、

「あ、雲が西の方から動いてきた。そろそろ雨がふるぞ」と、動物的な勘で方角だけはわかるみたいで、その直後、雨が降った。

 

●上下左右が逆なだけじゃなく、時刻設定も狂っているらしく、曜日の順序もわからないらしい。

「ねえ、テツヤ、今日何曜日?」

「火曜日っす」

「じゃあ、水曜日って明日?」

「そーっす」

「じゃあ、月曜日っていつ?」

 

って、縁側のじーちゃん&ばーちゃんみたいな会話を繰り広げている。

 

●じゃあ、次の待ち合わせ場所はここね!といって、人差し指で下を指していたので、今いるA地点で待ち合わせという意味だと思って、一仕事終えて、A地点で待っていると電話がきて、「なんで来ないの!!!」と、ぷんぷん怒っている。とりあえず本人が言っている場所に行くと、どうやら、手に持っていた箱に書いてあった住所を指して「ここ」って言ったつもりだったらしい。

 

あんたが持っている箱の住所を指して「ここ」って言われたってわかるかい!と、憤懣やるかたない気持ちでいっぱいだったが、まあ、おんぼろなんで仕方ないや、とあきらめた。

 

●「じゃ、次 の 通りにいるね!」

というので、おそらく、次の次だと思って、二つ目の通りにいたら

「よくわかったね~!!」と、大喜びしていた。

 

なんでわかったかというと、「次」と言ったあとに、少し間隔置いて、あごで「の」と差したから、たぶん、やつの中では「次」(ひとつめ)「の」(ふたつめ)だろうと思って、脳内傾向と対策マップを広げたら、二つ目に違いないと確信したからだ。

 

●ときどきしゃべるのがめんどうくさくなるのか、待ち合わせ場所を的確に告げずに、

「次はね~臭いでさがしてね?」

 

というので、オイルの臭いをたどって、行った場所を予想し、見事にビンゴで無事会えたら

「さすがだね~♪」と言って喜び、爆弾みたいなおにぎりをくれた。

 

 




すごいですねー。タレントレベルに個性的ですね。笑いのツボにはまってしまうと、抜けられないループに陥りそうで、私だったら、こんな人が近くにいたら仕事がまともに進みません。

さてさて本編、次はこれまでのお話の断片がつながりそうな気配です。


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花言葉

交通事故に遭ってしまったユノ。痛みに耐えながら眠りについた時に、また不思議な夢を見た。以前、高熱にうなされていた時も奇妙な体験をしたユノ。現世とちがう世を行き来できる人がいるという話はあるようだが、ユノはそんな能力があるのだろうか?




新緑の季節になった。ユノも全快し、快気祝いも兼ねてピクニックをすることになった。前回、合流できなかった、リノの友達のミーナとユウト姉弟は今回参加することができた。

 

「あれ?がちゃがちゃおじさん、来ないの?」

リラがユノに尋ねる。

 

「え?ランボーなあのおっさんのことですかい?あの方なら、畑の草取りでお休みですよ~」

ケタケタ笑いながらユノが答える。

 

「リラーノ、がちゃがちゃおじさんって誰?」

リラの仲良しであるミーナが尋ねた。

 

「ミーナンは知らなくていんだよ~。一度みたら夢に出てきそうな程、強烈だからね。まちがいなくうなされるから」

リラのコメントに、ユノ、ケント、山中も爆笑していた。

 

「ミーナ、差し入れありがとね。おかあさんにお礼言っておいてね。そういえば、ミーナはおかあさん似だね。ユウトは大きいけどミーナ小柄だもんね。リラは身長だけは私より少々低めだから、3人でミニモニじゃね?」

ユノがそう言うと

 

「姉は年寄りなんだから、混ざらないでよ!」

と、リラがつっかかる。

 

「なんだってーーーーー!」

ユノが血相を変えて立ち上がる。

 

「ちょ、姉。がちゃがちゃおじさんみたいだよ。その速攻な反応!」

リラが後ずさりしながら、抵抗しようとすると

 

「せっかくいなくて静かなんだから、やつの話題を出さなくてもよいっ!もー、いなくてもうるさいってか、存在感あるんだから」

ユノもリラも騒がしい蓑上がいないため、つっこみどころを変えてふざけていた。

 

「あれ?リラちゃん、どうして爪がオレンジなの?」

ケントがリラの爪をみて尋ねた。

 

「ああ、これ?これね、ホウセンカを絞った汁で染めたの。初雪までに消えなかったら、初恋が叶うんだって」

リラが答えると

 

「リラちゃん好きな人いるの?」

と、山中が尋ねた。

一瞬ドキッとするユノ。

 

「ん~予定は未定です!好きな人ができたら、叶ったらいいなって。まだ、好きな男子とかいなくて、物色中でぇ~す」

明るく答えるリラに

 

「こら、物色とか、品のないことをお言いでない!」

少々焦りながらユノが突っ込むと

 

「そういうお年頃だもんね?」

山中が笑顔でそんなことを言うので、リラが調子づいて恋話を始めた。

 

「四つ葉のクローバーもね、持ってると幸せになれるんですよ。姉も大事に持ってて。真実の愛って意味があるらしくて。ね?姉?」

リラが話し始めると、なぜか焦って変な汗をかいてしまうユノだった。その時、ケントが反応した。

 

「ぼくも四つ葉のクローバー持ってるよ!沖縄にいたときにみつけて、押し花にして大事に持ってるんです。」

と、言いながら携帯の画像を見せた。

 

「え?どれどれ?」

興味を示したユノは、ケントから携帯を受け取って画像をみた。いつものクセで、思わず画面をスライドしてしまったユノは、次に表示された画像をみて、驚きを隠せなかった。

 

「これ・・・この赤ちゃんの写真ってだれ?」

ユノの質問にケントが答える。

 

「あ、僕です。僕の赤ちゃんの時の写真です」

 

ユノがリハビリ中、パソコンでネットや動画を見たついでに、アルバムをめくって懐かしむように、フォルダの画像一覧も閲覧していた。その時、takami.jpgというファイルが気になり開いてみた。すると、赤ちゃんの写真が表示された。

 

(タカミ・・・あ、お兄ちゃん?私が生まれる前に生まれてすぐに亡くなった赤ちゃんがいたって聞いた。生きてたら3個上って言ってたな・・・これ、たぶんその画像だ。)

 

その画像を思い出し、ケントの乳児期の写真がユノのパソコン内の画像と酷似していたため、思わずケントの携帯を凝視してしまった。つまり、生後すぐに亡くなったユノの兄の乳児画像とケントの乳児画像がそっくりだったのだ。

 

「ま、皆さん、いつかはラブラブになって幸せになりたいってことで、いろんな迷信を信じておられるわけですね~。あたくしは、学校でネイル禁止なので、花染めなら、まあいいかって、やってみたわけです。ネイルはだめだけど、花染めとかそこまでは厳しくないので、このぐらいなら、突っ込まれないかと」

リラがそう言うと

 

「私にも今度やって!リラーノ」

ミーナはホウセンカ染めに興味を持ったようだった。

 

「ミーナンはなんにもしなくたって、モテモテでしょ~」

ミーナをからかっているリラをみながら

(この子達の願いも、私の願いもいつか叶うといいな。自分の本当の気持ちを真剣に伝えるのってむずかしいよね。照れてしまってちゃんと言えなかったりとか、からかってると思われてしまったりとか。)

軽くため息をつくユノ。

 

(へっぽこランボーは恋愛感情まるでナッシングだけど、彼も幸せになったらいいねって、願って止まないな。人としては好きですからね。おもしろいし。てか、本当に心から思っている人には、どうやって伝えたらいいんだろう・・・おにいちゃんがいたら、どんな感じだったんだろ?こういうことも相談できたかな?)

 

遠い目をしながら、妹達の会話を聞いていたユノだった。




強烈な蓑上さん、今回は登場させませんでした。いかんせん目立ちすぎて、主役の場を奪われそうな気配がありましたので、ひっこめちゃいました(すると、モデルとなっている主から600円貸せと言われ、バックレられそうになりました。消されそうになって、なにか感じたのでしょうか!?)。

今日はそれほど寒くありませんでした。寒いと体力が奪われますね。栄養取って、たくさん眠って体力温存しないといけませんね。

でもあんまり寝過ぎちゃうと、へんな夢をみてしまうかな?


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トマテスタン

体調も回復し普段の生活にもどりつつあるユノ。リハビリ中に思い出した出来事をドクター・ヘンリーに報告するのであるが、いつもとは様子が変わってしまう。さて、今回はどんな展開になるのだろうか。


体調も大分回復してきたが、週に1度、ユノは通院リハビリをしていた。今日は早退して、リハビリ後ドクターヘンリーの研究室を訪問する予定だ。帰宅の準備をして書類を整理していると、がに股で小太りの男性がユノに話しかけてきた。

 

「やあ、ユノノン、最近どやの?」

ユノはクスっと笑って、お決まりの答を返す。

「へい、ぼちぼちでんなぁ」

 

すると、間髪おかずに小太りの男性がユノに問いかける。

「なあ、ユノノン、さっきサッカー見てて、思たんやけど、カザフスターンとか、アフガニスターンとか、なんでスタンスタン言うんやろなあ?」

 

ユノが答える。

「なんでも、スタンっていうのは、『~山の人々』って意味があるらしいですよ。だから、カザフ山の人々、アフガン山の人々、トルクメン山の人々、なんだそうです」

 

すると、小太りの男は目を見開いて

「ふぉ~!!!そうなんや?ほんだら、それネタとしていただくわぁ~。事務所戻ったら、さっそく自慢したろ」

 

男はこってこての大阪人と見えて、ちょっと変わった話題を入手すると、すぐに仲間に披露するという段取りが喜びなようだ。小ネタを多く持っているユノは、いつもこの取引先の男の標的になり、ネタ提供を余儀なくされるのであった。

 

ユノは事務所を後にし、リハビリを終え、ドクター・ヘンリーの元を訪ねた。前回の訪問時は、まだ本調子ではなかったため、短時間のインタビューだった。今回は、ピクニックの報告も兼ねて、ティータイムモードでゆったりくつろぎながら、会話をすすめた。

 

事故後、安静にしている日が長かったため、ユノはいろんなことを回想していた。これまでの不思議な体験を、箇条書きで項目だけパソコンに入力しておいた。そのうちのいくつかを話し始めた。

 

大分前に1年間だけ、臨時職員で勤めていた役所でのことだった。健康保険課での業務中、問い合わせがあった。健康保険を取得する手続きに関して必要書類をたずねられたため、説明すると、どうしても離職証明が取れないという。

 

そこで端末で情報を調べると、画面に表示された個人情報をみてユノは愕然とした。問い合わせて来たのは、ユノの友人の父で、長い間行方不明になっていた人物だった。画面に表示されている名前は、住所番地から間違いなく友人であることがわかった。

 

とりあえず取得方法についての説明を終えると、問い合わせてきた人物は、家族には秘密にしてほしい、問い合わせてきたことは告げないで欲しいと懇願してきた。もちろん個人情報は開示しないことになっているので、極秘事項として扱いますと告げると、問い合わせた人物は安心したようだった。

 

しかし、ユノは仕事人として守秘義務は徹底しなければならないということと、一個人として友人を安心させてあげたいというジレンマが襲ってきて仕方なかったが、とりあえず友人には黙っておくことにした。それにしても、前日その友人と会って、ユノはその会話をしたばかりであったので、翌日問い合わせがあったことに驚きを隠せなかった。

 

その数年後、交通事故相談センターで受付業務をしている時のことだった。そこの上司がある日、自分の家への道のりを詳しく告げるので、ユノは不思議に思った。3年間勤務していたのに、そんな話をしたことはなかったからだ。突然そんな話しをするなんて、不自然だと感じていたら、数日後に、上司は心筋梗塞で亡くなってしまった。突然だったが、ユノは、上司の家へ香典と供え物を届けに行こうとバスに乗り、上司宅付近で降車したが、上司が言っていた通りの景色がみえたため、一瞬も迷わず、上司宅に着くことができた。

 

これら一連の不思議な出来事を簡潔に説明し終わり、お茶を飲みながらユノがドクター・ヘンリーに質問をした。

「ところで、先生、ちょっとおたずねしたいのですが、先生の馴れ初めって、どんなかんじだったんですか?」

 

なぜそんなことを聞くのか、だいたいの予想はついていたが、ユノとは長いつきあいでもあるため、個人的なことを話しても差し支えないと思い、ドクター・ヘンリーは椅子を回転させてユノの方に向きを変えながら話はじめた。

 

「僕らは遠距離恋愛でな。なかなか会えなかったんだよ。今のように携帯もメールもないからね。もっぱら手紙交換だったよ」

 

ユノは大いに興味を示した。

「手紙・・・ですか!!いいですね!直筆の文章って、いいですよね。本人の心が伝わってくるような、暖かい感じがしますね。」

答えながら(手紙ねぇ・・・それっていいかも。でも、手紙を書いたとして、事務所では渡せないしな・・・壊れたラジオみたいにうるさいおやじがいるから、見られた日にはどんな恐ろしいことになるか、わかったもんじゃないし・・・自宅に送っても本人以外に見られるかもしれないし・・・う~ん)

 

ユノの懸念がわかったのかドクターヘンリーはあるヒントをくれた。

「メールもいい点はあるよね。まず間違いなく本人がみるから。でも、手紙だと家族に見られるんじゃないかと思って、僕は簡易書留で送ったんだよ。『親展』って書いたところで、開けられてしまったら同じだからね。」

 

(なるほど!簡易書留なら本人の手に直接渡るから、ポストに入っていて誰かに取られたり、みられたりっていう心配がないのか!)

 

ポストに入っているものを、わざわざ抜き取る人もいないだろう、と、思ったが、近所の子供がいたずらしたりすることもないとも言えない。しかし簡易書留ならそんな心配がないから、それは良い考えだと、ドクター・ヘンリーに感謝した。

 

「ユノ君、そういえば、この間の夢の話だけど、チョルノブイラがあるトマテスタンという国出身の放射能研究者がミルタンというんだが、君の見た夢の小さい子供もミルタンという名前だったんだね?」

 

ドクターヘンリーの質問に、仰天するユノ。

「先生、さっき事務所を出るとき、取引先の人が、スタンと付く国について質問してきたんです。アフガニスタンとかカザフスタンとか。それで『スタン』というのは~山の人々という意味ですって、説明したところだったんです!」

 

「う~む。君の体験はパズルのようだな・・・かなり難解だが、遠くない将来、全容が見えてくるのではないかという気がしてきたよ」

ドクター・ヘンリーは、妻が用意した手みやげをユノに渡すと、玄関まで見送ってくれた。

 

その日は、家に戻ってゆったり体を休めたが、翌日は祝日だったため、リハビリも兼ねて多めに料理を作った。いつもはリラにユノが届けていたが、その日はリラが来てくれるというので、昼食を用意して待っていた。和食しか食べない子だが、ユノの自慢料理のひとつであるチャーハンとオムライスだけは食べてくれるので、それほど手間のかからないオムライスを作った。

 

「あ~、姉のオムライスうまいわ~。」

「でしょー。心がこもっているからね、おいしいんだよ」

ユノがそう答えると、リラはニヤっとしながら、ユノに問いかけた。

 

「ところで、ねーさん、告る準備はできたのかい?」

唐突な質問に動揺するユノ

 

「は?いきなり何をおっしゃっているのですか?妹君。姉はリハビリを終えたばかりで、体調回復が今一番の目標ですぞ。」

核心を突かれ、かなり動揺しながらユノは答えた。

 

「あのさあ、今って、メールとかでしょ?手紙とかっていいなーって思って。この間部活の後輩から、直筆の手紙もらったんだよね。部活終えて、高校進学するってんで、先輩、お世話になりましたっていう。それってさあ、すごーく、じんときたからさああ。手紙っていいなって思ったんだ」

意味深に話すリラの話しを聞きながら、ドクター・ヘンリーの診療室で話したことを思い出し、ユノは耳が真っ赤になっていた。

 

 

 

 




ユノさん、告っちゃうんでしょうか?うまくいくといいですね。でも、本当は、相手から告白されたいですよね?絶対YESなんだから、告白してよ!

って思いますけど、玉砕覚悟で告白せねば、ってのも大事なんですよね。

言うは一時の恥
言わぬは一生の恥

って言いますよね。あの時言っておけば・・・と、あとあと後悔しても先に立たず・・・ですから・・・


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秘めた思い

不思議な出来事はさておき、今は別の案件で胸いっぱいのユノ。


事故後は自然治癒力が高まっているためか、いつもより睡眠時間が長くなっていたユノだった。そのため夢をみることも多く、起きてすぐに鮮明に覚えている夢も普段より多くなっていた。

 

普段はひとりでお酒を飲むことはあまりないユノだったが、たまにおいしいおつまみをいただいたりすると、どぶろくのようなマッコリというお酒を一杯程飲むことがある。その日は、チャンジャという魚の塩辛コチュジャンあえを知り合いの大学の先生からいただいたので、ヤムニョムチキンを作って、マッコリを飲むことにした。事故後、はじめての晩酌だった。

 

久しぶりにアルコールが入ったためか、かなり深く寝入った感じがしたが、朝方不思議な夢をみた。目をあけると、亡くなった婚約者がいて、笑顔で話しかけてきた。

 

「レースのエントリーみてみな。赤い車の人が出てるよ」

「え!?なんで?なんで知ってるの?」

ユノが話しかけると、はっと、目が覚めた。さっきのは夢だったのか・・・と思われるほど、リアルだった。

 

まさか・・・と、思いながらも、昔仕事で携わったレースのエントリーを見てみると、なんと・・・山中の名前があった。ただ、同姓同名ということもあるだろうし、確認しないと本人かどうかわからない。車は同じ系統だけど・・・これ、本人かな?用事はないけど、プロジェクト室に行ってきいてみようかな。うるさいおやじがいないといいけど・・・と、思案するユノだった。

 

その日の昼休み、盲導犬プロジェクト室を覗いてみた。ラッキーなことに、蓑上ランボーは外出中だった。

 

「あの・・・お忙しいところすいません。ちょっとお伺いしたいことがあって・・・」

と言うと

 

「あ、お昼にしようかと思ってたので、よかったら下の食堂で一緒に食べます?」

思わぬ山中の提案に安堵するユノだった。

 

社内食堂でランチをしながら、ユノがエントリーについて尋ねると、山中は飲もうとした水にむせって、せき込んだ。

 

「ど、どうしてわかったの?」

と目を見開きながら山中は尋ねた。

 

「昔、仕事で関わったことがあって、何気なくエントリーみたら山中さんの名前があったし、車もそっち系だったので、そうかな?って思って」

と、答えると

 

「いやあ、びっくりした!まさかユノさんからその話されるとは思ってなかったよ。車とか好きなの?」

山中の質問に答えるユノ

 

「はい、モータースポーツは好きです。運転するのが好きなんですけど、お金なくて車買えなかったので、車を運転する仕事したいと思って、モータースポーツ関係の会社にいたことがあったんです。」

山中は興味を示し、車の話をはじめた。

 

「車関係のブログとかもやってたんだけど、今は忙しくて更新してないんだ。こんな身近に車好きな人がいたなんて、驚いた!」

やっぱり夢の内容は本当だったんだ・・・と、驚きながらも話が弾んだことを喜んだユノだった。

 

「運転が好きなだけで、車のことは詳しくないから勉強中なんです。山中さんは車アレンジしてるし、お好きなんだな、ってのは思ってたんですけど」

いつもより突っ込んだ内容を提供してきたユノに、山中も心を開いて話はじめた。

 

「アクティブな趣味だから、性格もオープンなように見えるかもしれないけど、子供の頃はすごく人見知りで、知らない大人の人とかいると隠れちゃったりしたんだよ。」

確かに今は誰とでもくったくなく話す様子から、人見知りには見えないかもしれないが、ユノ自身も子供の頃、かなりの人見知りだったため、なんとなく山中の繊細さを感じ取り、子供の頃は内向的だったのではないかと、漠然と予想はしていた。

 

ランチを終え、午後の業務にとりかかったが、楽しかった昼の時間を思い起こし、いつもより仕事がはかどったユノは、帰宅時間になるとすぐに、家に戻り、リラにチャット報告をしたのであった。

 

「夢にさんちゃんが出てきて、山中さんレースに出てたよっていうから、きいてみたら、ほんとうに出てたらしくて、びっくりした」

ユノのチャットに、テンション高く答えるリラ

 

「ほう!よかったじゃん。てか、さんちゃんが応援してくれてるってか、さんちゃんが連れてきたのかな!?そういえば、さんちゃんの好きそうなタイプだよね?ケントおじって。姉、がんばれ!」

完璧にユノが山中を気にしているというのがバレているとわかり、核心に触れる内容を話し始めるユノ。どうしても今ひとつ積極的になれない理由を妹に打ち明ける。

 

「でもさ・・・こっちが一方的に気にしているっつったって、あっちの気持ちがわからないのに、勝手に押すってのも迷惑でしょ・・・しかも、社内で妙な噂がたったら、あっちに迷惑だし・・・あたしはいいんだけどね。気にしないから。玉砕覚悟で告るのとか、ぜんぜん平気だけど、相手に迷惑はかけたくないんだよ。ましてや『お断わり』って返事だったら、あっちが気にして気まずくなるかなって思って・・・」

ユノが自分の気持ちを正直に打ち明けてくれたので、溜飲がおりスッキリした気持ちになるリラ

 

「そんなん、ばれないよーに、いくらでもつきあえるって。」

全くマセたことを言う、今どきの女子だなあ、と思いながらユノが続ける

 

「いやいやいや、だから、つきあうとか、あっちの気持ちがわからないので、にんともかんともできない状況でござる。はい」

すると、リラがこんな提案をしてきた

 

「がちゃがちゃおじさんに取り持ってもらったら?」

びっくり仰天な提案にせき込みながら、キーボードをたたくユノ

 

「そんな賭けってか、親身になってくれるか、おもしろがって広報されちゃうかのどちらかです・・・」

というと、リラが答える

 

「あのおじさんさ、ふざけてるけど、優しいじゃん?姉の真剣な気持ちがわかったら、最強の応援隊長になってくれソな気がする」

確かに・・・子供のくせに鋭いな、言いえて妙だ、と思うユノだった。

 

 

 

 

 




あらあら、これもドクター・ヘンリーへの報告事項では???かなり不思議な出来事だと思いますけどね・・・

そんなこと忘れちゃうくらい、恋心は高まる一方なのかもしれません。それも運命が引き寄せたものなのでしょうか?

ユノさん、忘れずにヘンリー先生に報告しないとネ(^_-)-☆
(恋もうまくいくといいですネ)

※待っている時間に書いている小説ですが、なんだかはまってきてしまいました・・・はまりやすい体質故・・・


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カウンセリング

あらすじ:度々みる不思議な夢、また、科学では到底説明不可能な体験を重ねるユノとリラ姉妹。彼女たちを取り巻く人間関係は生まれる前から決められていたかのように、輪のようにつながっている。人の縁と異次元とのつながり。そして輪廻転生。超科学分野を研究テーマとしているドクター・ヘンリーはこれらの怪を解こうと、日々考察を重ね、あの手この手で調査を進めていく。

今回は、思いの丈をドクターヘンリーに打ち明けるユノだった。


「どこから話してよいのかわからないんですけど・・・いろいろ混乱してしまって・・・。」

ユノは額の汗をフェイスタオルで押さえながら、出された緑茶を飲み干した。

 

「まあ、慌てなくていいよ。ゆっくり、ひとつづつ、思い出したところから話して構わないから。時系列じゃなくてもいいんだよ」

ドクター・ヘンリーはユノの動揺を察して、焦らないよう促した。

 

「さんちゃんが・・・亡くなった婚約者が夢に出てきて、山中さんがレースにエントリーされてたことを告げたんです。半信半疑だったんですが、確認してみると山中さんの名前が出場者一覧にあって・・・

 

そのことを本人に話したら、出場したのは事実らしく、つまり、夢でさんちゃんが言ってた事が本当だったんです・・・私は勿論驚きましたが、山中さんもびっくりして、どうしてわかったのか?って。だから、関連の仕事をしていたので、たまたま見つけたって言ったんですけど・・・」

山中への高ぶる気持ちを抑えながら、ユノは説明した。

 

「なるほどねー。まるで亡くなった彼が連れてきたみたいな話だなー」

ドクター・ヘンリーは一旦天井をみながら、カウンセリングノートをめくった。

 

「リラも同じ事を言ってました。さんちゃんが連れてきたって。山中さんの甥っ子が飼っている犬も昔うちで飼っていた犬とよく似ているし、ケント君が赤ちゃんだった時の写真が、生後すぐに亡くなった私の兄ともそっくりだったし、偶然にしては重なりすぎる・・・それとも私の思いこみなんでしょうか?山中さんが気になるあまり、なんでもそうやってつなげたいんでしょうか?」

ユノは少々早口になりながら、ドクター・ヘンリーの意見を求めた。

 

「確かに人を好きになると盲目になるってことは良くあるけど、今回の一連の事象は、君だけの見解じゃないからね・・・犬に関しては、リラちゃんが主張してきたことだし、四つ葉のクローバーだって、ケント君と君が大事にもっていた。しかも、四つ葉を拾った夢をみたり・・・

 

関連がないとは言い切れない。というより、大いにアリだと思うよ。山中君とは出会う運命だったんじゃないかな。君が好意を寄せるということも、もしかしたらそうなるように決まっていたのかも」

いつになく、ドクター・ヘンリーは穏やかに解説をするのであった。

 

「先生?これらの不思議な出来事も気になるんですけど、私の思いを山中さんに告げるってことに抵抗があるんです。リラは告れ告れってあおるんですけど、同じ職場だし、相手に迷惑じゃないかと思って・・・。

 

本当は玉砕覚悟で、いっそのこと告ってしまいたいんですけど。あ、先生、ごめんなさい。恋愛相談になっちゃってますね・・・もう苦しくて、どうにかなっちゃいそうです」

ユノの必死さが伝わってきて、ドクター・ヘンリーは優しく微笑むと

 

「自分のことより相手のことを思うってことが、『真実の愛』なんだよ。四つ葉のクローバーの意味はまさにそれだから、君の彼への気持ちは、真実なんだよ。」

ドクター・ヘンリーの言葉に、目を潤ませるユノだった。




なんだかもどかしいですね~。私が山中さんのところに行って、ユノちゃんの気持ちを伝えてあげたい!どうなの?どう思ってるの???ユノノの気持ち、気付いてないの?なんとかしなさい!!!こらっ!!
誰かにとられちゃったらどうするの?ユノさん一途なんだから!

って、怒っちゃいそうです(;^_^A

蛇の生殺し状態がいちばんいけませんよねっ

さて。おやつにパンケーキでもつくりましょうかね。


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揺れる想い

不思議な出来事に戸惑ったり、恋の悩みで心揺れっぱなしのユノ。そんなユノにまた一つ懸案事項が飛び込んできた。


タブレット端末で読む小説に最近はまっているユノ。子供の頃は冊子ものを読んでいたが、タブレットなら書店に行かずとも、ダウンロードするだけで最新版が手に入る。お気に入りのコミック小説の最新版アップロードまで、まだ日がある。待ちどおしなあと、ユノはタブレット画面を見ながら、アップ日をカウントダウンしていた。

 

実は心に思う人の事の他に、悩みを抱えているユノだった。婚約者の没後は、あまり人と関わらない仕事を望み、今の職場を紹介され、人間関係や業務にはなに申し分ない環境で、心から感謝する日々を送っていたが、こどもが大好きだったため、通信大学では教育学を専攻し、幼稚園教諭免許を取っていた。

 

友達の家などに遊びにいくと、友達よりも子供と遊んでしまって、1日が終わってしまうこともあった。子守を買って出るというよりも、率先してこどもと遊びたいというのが本音だった。

 

そんなユノに、児童館業務の話がきていた。郊外にある小学校併設の児童館に欠員が出るため、そこでの勤務を打診されていた。今の職場にはなんの不満もないし、仕事の責任もある。しかし、以前はABC教室での講師の経験もあり、こどもに関連した仕事を望んでいたこともあって、心が揺れていた。

 

ただ、転職すれば、山中と会えなくなってしまう。騒がしい盲導犬アシスタントに伝言を頼むこともできないではないが、さすがに迷惑をかけてしまうようで気が引ける。万が一転職することになったら、結果はどうあれ、告白をしてしまおうかとも考えるユノ。

 

そんなとき、事務所のドアをコンコンとノックする音が聞こえた。

「こにゃにゃちわ~。ユノノっ。」

 

まだ夏には月日があるのというのに、真っ黒に日焼けした顔がドアの後ろからぬぅっと現れた。

「あら、みのさん。なんか久しぶりな感じがするー。どうしたんですか?」

 

とりあえず急ぎの仕事は終えていたので、いつ笑ってもいいぞーという覚悟の元、顔を見ただけで笑いがこみ上げてしまう蓑上を受け入れた。

 

「今日さ~ よけいにおにぎりつくってきちゃったから、こっちでごはん食べない~?」

いつも弁当を持参していたユノだったが、寝過ごしてしまったため、今日は食堂でランチをしようと思っていたところだった。

 

「みのさん、すごいですねー。今日私、お弁当もってきてないんですよ。」

ユノが笑顔で応じると

 

「でしょ~。そうだと思ったんだよね!」

蓑上は自然無農薬派で、自分で米や野菜ををつくっているため、彼の持参する食材はなかなかのもので、味も質も上等だ。

 

「こっちの部屋で待ってるからね~。飲み物もっていらっしゃ~い」

今年は雨も多く、豊作だったのか、やけに上機嫌の蓑上だった。

 

「失礼します~」

と、ゆっくりドアをあけると、山中と蓑上が椅子に腰かけ、テーブルの真ん中には相撲部屋の食事かと思われる量の爆弾おにぎりと漬物が並んでいた。

 

「ねえ?これじゃいくらなんでも、食べきれないでしょ?」

山中が笑顔で話しかける。

 

「いや~私が加わっても余るんじゃないですかね」

すると蓑上は

 

「だめ!!二人とも、これ全部食べなくちゃ!大きくならないわよ!」

ユノを見ながら蓑上がごり押しする

 

「えー、私は身長たしかに足りないけど、山中さんそれ以上大きくなったら、ドアくぐれなくなっちゃうじゃないですか」

すると蓑上は

 

「山中ちゃんは痩せすぎてるから食べなくちゃだめっ。あんたは、身長足りないからがんがんたべなさいっ!」

自己主張が強い割には、言ってることがいつもめちゃくちゃで論理が破綻している元アマチュアチャンピオンである。

 

ユノが事務所から持ってきたインスタント味噌汁と、煎茶を給湯室で入れて、全員の分を用意し、プロジェクト部屋に持ってきた。みんなで爆弾おにぎりをほおばっていると、蓑上がニヤけながら、山中に話しかけた。

 

「ねー、山中ちゃ~ん、好きな子とかいるのぉ~?」

 

すると、山中とユノが同時にむせてせき込んだ。

「あら、なんでユノノまで動揺しちゃってるの?」

 

想定外なつっこみに、耳まで赤くなるユノ。

「あんたたちさあ、お似合いだなあ~って思って!」

 

さすが現役時代は、右フックからの左ストレートで相手を瞬時にノックアウトするという得意技を持っていただけに、不意打ちの瞬発力だけは上等だ。

「みのさん!山中さんに失礼じゃないですか!迷惑ですよ・・・ね?」

 

すると山中は口の中に米粒のかたまりが詰まっているため、発話できないというジェスチャーで、お茶を手にして返答をはぐらかしている。

 

(まあ、このタイミングで振られたら、答えに困るだろうけど、やはりね・・・脈はないってことかな)

何事ものおじせず、積極的に取り組むユノであったが、こと恋愛に関しては奥手であった。

 

「あはははっ!本人目の前にしちゃあ、答えにくいわよね~ヤマナカチャン!ユノノ。あとで聞いててあげるから、今日はおにぎり持って帰って、あっちで食べなさいっ」

とまたしても、得手勝手な提案をむちゃ振りしてくる蓑上であった。

 

「それはおいといて、みのさんと食事してたら、消化不良おこすから、遠慮なくどすこいおにぎりだけいただいて、退散します。リラの分もいただいていいですか?あの子、米だいすきなんで」

すると蓑上は喜んで

 

「いいよ~全部もってってー。漬物も持ってっていいよ」

 

恥ずかしさと気まずさで、一刻も早くこの場を立ち去りたくて、そそくさと事務所から持ってきたコンビニ袋に、巨大なにぎりめしと漬物のタッパーを入れて自分の部屋に戻った。

 

それにしても、蓑上はさすが元アマチュアチャンピオンということもあってか、人間観察は鋭い。とっくの昔にユノの気持ちを見抜いていたのだった。




リラちゃんの予想は見事大当たり。へっぽことは言え、もとアマチュアチャンピオンは鋭いですね~。とっくにユノの気持ちを見抜いていたようです。しかも、ちゃんと取り持ってくれようとしていますね。

それにしても、山中さんの曖昧な態度は、ますますユノを苦悩の淵に追いやってしまっているようです。まあ、彼もとてもまっすぐな人なんでしょうね・・・

ユノは、ハナからあきらめムードですが、ふたりがくっついたら、みんな祝福してくれるに違いない!と、思って止まない作者でございます。


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果てしない夢

今見ているユノの夢は、摩訶不思議な予知夢や異次元のものではなく、心に描く希望の絵画。ゆっくりと自分を見つめ直す時間が必要だ。


お気に入りのタブレット小説最新版があがってくるまで待ち遠しいので、ユノは久しぶりに図書館に足を運んでゆっくり冊子の本を読みながら静かな空間に身を沈めていた。恋愛ものは滅多に読まないユノであったが、今日は無意識に恋がテーマの本に手が伸びた。読み終えて一息つこうと、ドリンクコーナーに移動した。

 

様々な書籍のタイトルを眺めながら、いっそ、思いを告げてしまいたい。万が一仕事を辞めるようなことになったら、会えなくなる前に自分の気持ちを伝えたい。しかし、いつどこでどうやって告げたらよいのだろう。仕事場ではそんなこと言えるわけもない。あっちから連絡がきたら嬉しいけど、それはありえないだろうし・・・ホットココアを飲みながらユノはため息をついた。

 

相手の良いところも、残念なところも含めて、見てくれとか職業とか付帯しているものではなくて、本人の存在自体を想っている、つまり魂が引き寄せけられてしまう不思議。これって、本当の縁なんじゃないだろうか。会うべくして会った人なんじゃないのかな。

 

ココアが注がれた紙コップから立ち上がる湯気を眺めながら、ユノはぼんやりそんな事を考えていた。

 

ただ、相手が私を求めていないのなら、あきらめるしかない。自分の気持ちだけを押しつけることはできない。私にはアナタが必要デスカラ!って、言いたくてたまらないんだけどね。本音は。でも、『僕は要りません』なんて、言われちゃったら、あぼーん、撃沈。一旦富士山頂まで行って頭を冷やして、生まれ直したいってぐらいショック受けちゃうんだろうなあ。

 

まあ、言わずにあきらめるってのは、あかんたれだから、ぜったい言おうとは思っている。私は勝ち負け関係ないので、敗北宣言ぜんぜんアリですから・・・でも、勝ち負けといえば、外国人はすごいわ。たとえ負けても、次はぜったい勝つ!っていう強い信念のもとに突き進むからね・・・

 

あのエナジーパワーは、たのもしいけど、自分のパートナーってのは、遠慮致す!だな・・そもそも外国人(とくに西洋人)は年かんけーないからな・・・日本人は10才以上若くみえたりするし(というより、あっちが老けちょる)、がんがん来るよね・・・

 

みんなはユノって外国人が合うと思った、なんていうけど、アタシはノーセンキューでござる。アジアは大丈夫だけど。というか、友達だと楽しくていいけど、自分のパートナーとなると別だね。年などは特に気にしないけど・・そういえば、イスラム教の創始者ムハマンドって15才年上の未亡人と結婚したんだよね?国際大会でアラビア人と一緒だったけど、おもしろかったナ・・・

 

仮に、仕事の活躍活動の場を外国に移せば、職種選択の幅もひろがるけど(外国は職業で年齢問うたらぶっとばされるしね?)でもさ、外国行ったら、リラと離れちゃうじゃん!それはいやだ・・・

 

夢は、外国の子供達と日本の子供達を交流させるような組織をつくって、そこで仕事がしたいな・・・。日本の子供達が異文化に触れる機会を増やしたいし、またその逆も。リラが獣医師になって、そのバックアップで、子供達に無料で動物にも触れさせてあげるチャンスを増やしたり。そんなところで仕事ができたら、最高だな・・・

 

まあ、今一番に叶って欲しい夢は、私の周りの人達が幸せになること。ケント君、山中さん、やかましい元ボクサー、ミーナ、ユウト、そしてリラ・・・周り以外が幸せにならなくていいってことじゃないけど。

 

そして、思っている人に思いが伝わること。めでたく伝わったとして、その後の判断決断は、おまかせいたします。アタシは判決を待つのみです・・・『敗訴』か『勝訴』か。相手との勝ち負けじゃなくて、人生の賭けにおける勝負ってとこかな・・・

 

-図書館の窓の外に広がる森林の緑をながめながら、ユノは自分のこれからについて考えていた。

 




時にはゆったりとした空間で、まったり過ごすこともいいですよね。忙しさの中で、自分の人生設計も考える時間がないと、迷走暴走しちゃったりしますから。ゆったりと自分を見つめ直して、思いを整理整頓。

さて、ユノさんは、心に住み着いちゃった人に、私もそちらの心のスペースにおじゃまする余地はないですか?と申し出ることが、果たしてできるのでしょうか・・・せっかく見つけた『真実の愛』を成就することができるのか?

あの世からの不思議な伝言は、しあわせを運ぶお告げではないのか?

現実と非現実の狭間で揺れ動く心を、今一度落ち着けようと、自分の時間を持とうとするユノ。

とにかくがんばれ~!!ファイティン!


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キジムナーの伝言

自分の気持ちを伝えられず、はがゆい気持ちでいっぱいのユノ。なんともならない状況に郷を煮やす日々。果たしてこの先待ち受けているのは朗報の喜びなのか。それとも撃沈を余儀なくされるのか。またしても、不思議な声に導かれながら、ユノは前向きに過ごそうとする。


最近、疲れているのか眠りが浅く、今朝方ユノは、洪水が襲ってくる夢をみた。船に乗っているのだが、もうだめか・・・と思っていると、陸の上に乗り上げて、助かった!と、思ったところで目が覚めた。

 

夢占いによれば、洪水の夢は『おさえきれない恋心』という意味があるらしい。あるいは、『新しいスタート』を意味する場合もあるのだそうだ。前者は理解できるとして、後者はどういう意味なんだろう・・・

 

モーニングティーを飲みながら、休日の朝をまったり過ごしていた。すると、メールの受信音が聞こえた。パソコンデスクに移動して、メールをチェックすると、スウェーデンの友達が難病らしい。またもう一人の友人も、近日手術をするということだ。自分は事故の後遺症もなく、全快したというのに、今度は友達が大変な日々を過ごさねばならないのかと思うと、単純に自分の回復を喜べないユノだった。

 

事故後の症状固定が認定され、傷害保険金がおりたため、ユノは快気祝いを配りに廻った。盲導犬プロジェクトチームからもお見舞いをいただいていたので、昼休みに届けようと部屋を移動した。すると、廊下で山中とすれ違った。挨拶をすると、そっけなく通り過ぎてしまった。快気祝の礼を渡すつもりだという事も告げられず、意気消沈するユノ。

 

(やっぱり脈なしってことかな・・・)

 

沈んだ気持ちで、プロジェクト部屋をノックすると、無駄に元気満々な浅黒い顔の男が、満面の笑みで迎えた。

「あら、ユノノ、どうしたの?」

 

「え、あー。快気祝いです。事故の傷害保険金がおりたので、みなさんにお見舞のお礼を・・・」

沈んだ声でユノが応じると

 

「今さ、うちのプリンスとすれ違ったでしょ?」

なんでわかるんだ?相変わらず、鋭いな・・・と、想いながらユノが答える。

 

「へぇい・・・すれ違いましたけれども」

蓑上はすべてお見通しに見えて、ユノをからかった

 

「はあ~。そっけなくされて、落ち込んでるってわけえ~?」

図星と見抜かれたくないユノは

 

「え?せっかく入ったお金を、みのさんに使わなくちゃいけなくて、落ち込んでるんだす」

精一杯抵抗してみるユノ。

 

「うぷぷ。じゃあ、そういうことにしといてあげる~」

なんだか意味深に不敵な笑みを浮かべながら、蓑上はユノが差し出した品を受け取る。

 

そんなやりとりをしていたら、山中が室内に入ってきた。中にユノがいたのがわかっているのに、なぜか無視して、自分の席に座る山中。それをみてニヤニヤする蓑上。なんとなく、気まずいと思ったユノは立ち去ろうとする。

 

「それじゃ、どうもお世話サマでした」

すると山中は、ユノを見ずに書類を見ながら

 

「あ、悪い。今忙しいんで」

そっけないを通り越して、アラスカの空気みたいに冷たいもの言いで、ユノを追い返す山中。

 

(なっ、感じわるっ!!!きらいならキライって言ってくれればいいのに・・・興味なっしんぐ!って。そんでふつーにしてくれたらいいじゃん。つきまとったりしないから!)

 

泣きたい気持ちで一杯だったが、仕事中だから気持ち切り替えなくちゃ、と、自販機で冷たいジャスミン茶を買って、頭を冷やそうとしたユノだった。

 

とりあえず冷静さを取り戻し、仕事に集中した。気持ちがそれないように、休憩時間は、本日の晩ご飯レシピを考え、買い物の材料リストをあげていた。夕方、帰宅時間になり、スーパーで買い物をするユノ。

 

(勘弁してほしいわ・・・朝、起きてから寝るまで頭の中はあなたでいっぱいなのに!勝手に人の心に住み着いちゃって!どうしてくれるんだ!!!)

ぶつぶつつぶやきながら、買い物カートに商品を入れていると

 

(大丈夫だよ!彼は気付いているよ!)

誰かがささやく声が聞こえた。振り向くと、周りには誰もいない。

 

(なんだ?疲れちゃって幻聴が聞こえるのかな・・・)

すると

 

(それが彼だよ!)

再び同じ声がささやいた。

 

(え?だれ???だれなの???それが彼ってどういう意味!???)

ユノはあたりをキョロキョロ見回しながら、心の中で叫んでいた。

 

ユノの頭に響いてきた声は、なんとなく聞き覚えがあった。そうだ。森の中で道案内をしてくれた、キジムナーと思われるこどもの声だった。

 

家に戻って夕食をつくり始めた。今日は大好物のヤムニョムチキンと豆もやしのナムル。国際大会で一緒だった留学生に教わったレシピだ。そうだ、SNSで近況をみてみよう。パソコンから交流SNSサイトにアクセスすると、サッカーの国際大会ボランティアで一緒だった友達の近況一覧が表示された。

 

(あ、スンチャンもミンヒョクもみんな幸せそうだな~。早いな~。みんなパパママになってる!あの頃はまだ学生だったのに。ジミンとマイケルの子もこんなに大きくなったんだ!あの大邱での結婚式ってそんなに前だっけ?)

 

<回想>

 

ー大邱のある会場-

オヌル キョロンシック チュッカドリムニダ

イゴスン サンシンヌン

イルボン アッキロ

チェガ マンドルオッスムニダ

 

自分で作った沖縄の楽器、三線を見せながら、弾き語りのお祝いを贈ろうとするユノ。演奏の前に、毎日何十回と練習した挨拶文をマイク越しに放った途端、会場の人達が立ち上がって喜んでくれた。自分たちの言葉で挨拶してくれたことが嬉しかったようだった。

 

参加者の余興が終わると、新郎が新婦のお母さんをおぶって会場を一周する。会場はまたまた盛り上がり、拍手の嵐。ユノも新郎に近づき、ファイティン!と、声をかける。新郎新婦は国際結婚であったため、新郎はこの慣習には馴染みがなかったようだが、満面の笑みで新婦の母をおぶりながら汗だくになり、スタート地点に戻った。ユノは感激して、手が真っ赤になるまで拍手をしていた。

 

結婚式後は、新郎新婦の友人と親戚で、街を案内してもらい観光をした。町並みが沖縄ととてもよく似ていたことが印象的だった。また、家族をなにより大切にし、初対面でも会話を交わせばフレンドリーに接してくれた人々の心の温かさも、沖縄とよく似ていると感じた。

 

イチャリバチョーデー

 

沖縄には、『一度あったら兄弟』という意味の言葉がある。人々の出会いをとても大事にしている言葉だなと想いながら、海外での素敵な結婚式もとても感動的だったと、ユノは思い出に浸っていた。

 

(よい結婚式だったなあ。いいなあ。ああゆう結婚式ってあこがれるなあ。私って、いかり肩だから着物が似合わないんだよね・・・琉球紅型(びんがた)がいいなあ。着てみたいな。

 

あ~今日も筋肉痛だぁ。イテテ・・・・さて岩盤浴にでもいくか・・・)

 

おみやげでいただいた、ういろうをほおばりながら、ユノはリフレッシュタイムの用意をした。




日本と外国の結婚式って、まったく違うんですよね。日本って結婚式貧乏って言葉があるくらい、結婚式が続くと、ご祝儀支出で、お財布が寒~い状態になりますが、海外はそうではありません。同じアジアでも、こんなにご祝儀相場が高いのは日本だけみたいですよ。

アジアを含む海外でも、新郎新婦に各自プレゼントをあげたり、あらかじめ要望を聞いて、新居に必要なモノをみんなで用意したり。合理的だし、お互いうれしいんですよね。

日本は、ひきでものとか、最近カタログから選ぶようになって、好きなモノを選べるようにはなりましたが、なんとも味気ない・・・。式も、会社のおえらいさん等がつまらない祝辞を述べ・・・(だいたい新郎新婦をよく知らない人が挨拶してる)形式ばかりを重んじる傾向があって、なんだか心から祝福って感じがしないのは私だけでしょうか?


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診察室

今日はドクター・ヘンリーの定期検診の日。数日前に体調不良になったため、ユノは詳細な診療をお願いした。


今日はドクター・ヘンリーの定期検診日だ。いつもの不思議な夢とは別に、頭痛とめまいがしたため、保険を使っての診療をお願いした。すると、横断面図のCT撮影の後、ドクターヘンリーから診療室に呼ばれた。

 

「んー。なんかあるんだよね」

CT画像をみながら、ドクター・ヘンリーがつぶやいた。

 

「え?なんかって、なんでしょう???」

まさか重大な問題じゃないよね・・・と、思いながらもはっきりと知りたいユノだった。

 

「んー。もう一回、縦の断面図とろうか?気になるからね」

ドクターヘンリーの提案にユノは即、了承した。

 

CTの撮影は15分程かかる。大きな筒状のカプセルに入れられ、狭い空間の中で、道路工事のような雑音を聞かされる拷問に耐えなければいけない。ユノは、雑音は平気だったが、何もできないたいくつさが少々苦痛だった。

 

退屈さの苦痛と不安を払拭するため、楽しくなることを考えようとした。そう、あのおもしろ男、元ボクサー蓑上傑作集のページを頭の中で開いていた。

 

<プチ番外編2>

 

・ある時、書類がないといって大騒ぎをしていた蓑上。ユノに罪をきせようとして、「あんた、なくしたでしょ!どこやったの!」と、ユノを責めながら、なくなった書類を探させていた。ユノも一生懸命自分の所を探していると

「あ、ごめん、あった」と、自分の書棚に自分ではさんでいたことを思い出したようだった。どうやら記憶装置にもかなりの不具合があるらしい。

 

・またある時、仕事先に書類を提出しようとしていたので、念のためユノが事前にチェックした。すると、全く違う会社向けの書類が混ざっていた。ユノが報告すると

 

「ひぇ~!!!!僕だったら、そのまま渡してた~」

 

と、感謝されたが、感謝する前に、今一度チェックしたらどう?と、思って止まない。

 

・書類が雑然と置かれていたので、整えてあげたら

「その優しさが・・その優しさが・・・その優しさがっ!!!!」

と、3回同じ言葉を繰り返していた。いったい何を言いたかったのだろう?

 

 

カプセルの中では、ヘッドホンを装着していたので、自分の笑い声もあまり聞こえず、また、自分の声も外に聞こえないので、「あの人、やっぱり変だわ」と、一人で大笑いしてしまったユノだった。

 

長い退屈な時間をやりすごして、CTの撮影が終わると、診療室に呼ばれた。ドクターヘンリーは、縦と横の断面図を表示してユノにみせた。

 

「これ、見える?小さい白ーい丸っこいの。」

ゆのは画面に近づいて画像に見入った。

 

「あ!見えます。はい、わかります」

すると、ドクター・ヘンリーは説明をはじめた。

 

「これね、ラトケ嚢胞といって、水疱瘡のみずぶくれみたいなもんなのね。そのまま放っておいても大丈夫だけど、突然ぷちゅって、破裂することもあるの。腫瘍とかじゃないから、心配ないんだけど、つぶれたりすると、ものすごい頭痛がね、起こるんだ。激痛が走るんだよね。

 

で、そのままの場合もあれば、大きくなる場合もある。そうなったときには鼻の穴から、チューブをいれて、吸い取るっていう方法がある。それでも何度も大きくなるような場合は開頭手術をすることになるけどね。深刻な病気ではないんだよ」

 

ドクター・ヘンリーの説明に一旦は安心するものの、開頭手術ときいては穏やかじゃない。

「あの・・・とどのつまり、最悪は開頭手術ってことですよね?」

 

不安を隠せないユノ。

「いや、それは稀でね。大きくならない場合もあるし。これってね通常、胎児のときに消えちゃうんだよね。生まれたときに残っても、成長とともに消えちゃうんだ。通常は。それなのになぜか君には残っている。もしかして、不思議な体験や電波受信も、これと関係ないこともないかもしれない。まあ、前例がないから、調べてみないとわからないけどね。

 

大きくなってないか、3ヶ月に1度、CTで写真取って確認しておけば大丈夫だから」

 

とりあえず深刻な状態ではないということで、安心したユノだった。頭痛やめまいは疲れからくるもので、休養すれば治るだろうとのことだった。ただし、車の運転は要注意。もし激しい頭痛に襲われたら、すぐに車を止めて、タクシーかなにかで病院に行かなければいけない。

 

それにしても、体調不良になる程、思い詰めていたわけでもないだろうに。体力的に今の仕事がきついし、もうもたないという体の悲鳴なのかもしれない。配送管理は重量や大きさのある物を移動したり、体力を使う仕事だ。もともと1日中座っているような事務職はあまり好きではなく、アクティブな仕事が好きなため、今の仕事にも満足し、やりがいのある仕事であると思っていた。しかし、あちこちの筋肉が悲鳴をあげているようで、アスリート系で一般女性の平均よりは筋肉が強いとはいえ、153cm46Kgの体格には少々負担が大きいのかもしれない。

 

おそらくユノにとって長くできる仕事ではないようだ。そろそろ潮時かもしれない。職場が変わってしまったら、山中とは会えなくなってしまう。そうなる前に、自分の気持ちを言っておかなければ・・・そう思った瞬間に、また頭痛がした。ああ、やっぱり考えすぎたのかもしれない、と、今日はゆっくりバスタブにつかろうと思った。いろいろな種類の入浴剤のなかから、今回は「森林の香り」を選んだ。




事故に検診にいろいろ忙しいユノさんですね。転職を考えたり、好きな人のことを思ったり、それで頭痛がしたのでしょうか?あまり思い詰めないで、ゆったりしてほしいものです。

さて、次回は思いの丈を手紙にしたためる準備をするユノ。気持ちがしっかり伝わるといいですね!

GO FOR IT!!


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告白は手紙にて

思いの丈を綴り、伝える決意をしたユノ。どうか『真実の愛』が伝わりますように・・・


どこからなにを話してよいのか迷ってしまいますが、私の今の気持ちを書きたいと思います。

 

ご存じの通り、伴侶なる人に先立たれて、その後、失意のまま日々を過ごしてきましたが、知人に今の職場を紹介していただき、そしてここで仕事が出来たことを心から誇りに思っています。いままでいろんなことがありましたが、皆様の暖かい思いやりと、ご指導、ご鞭撻を賜り、心から感謝しています。また不注意から事故ってしまい、皆様にご迷惑をかけてしまいました。本当にごめんなさい。

 

至らないことも多々ありましたが、受け入れてくださった皆様にはなんとお礼を申してよいかわかりません。ここでお仕事させていただいたことで、自分自身も成長することができたように思います。そして、心のリハビリになりました。

 

それからというもの、家族の成長を助け見守り、また支えられて平穏な日常が戻ってきたように思います。そんなとき、ふと心に浮かぶのがあなたの笑顔でした。気が付くと朝から晩まであなたのことを考えている毎日でした。

 

いろいろ楽しく会話したこと、犬のお話をきいたこと、そして笑顔。あなたの笑顔をみると、なぜか癒されて心が落ちつく自分がいることに、ある日気が付きました。

 

自分の思いを告げたいと思いましたが、職場で言うことではないし、個人的にお目にかかる機会もないことから、どこでどうお話したらよいか迷っていました。

 

仕事にも慣れて、なんとか順調に業務をしてきましたが、体調及び体力の限界という理由で今の仕事は長くできないようです。残念ですが。不本意ながら、転職するかもしれない状況におかれています。このままこの仕事を続けていくには困難を極めると、家族や親戚、友人達からも強く反対されてしまいました。そのため転職は早いほうが良いと。

 

職場が変わってしまったら、もう会えなくなってしまうので、その前に私の気持ちを伝えたいと思い、ペンを取りました。ずっと前から好きでした。どんなことがあってもなにがあっても、何を言われたとしても、好きです。大好きなんです。他の誰かではない、あなた、なんです。たとえ全世界が敵に回っても、私はあなたの味方です。嫌なことや辛いことがあったら、吐きだしてぶつけてもらいたい。全力で受け止めるから。何があってもついていきたい。自分というものをしっかり持っている頼りがいのある人だから。一緒にいるだけで、ほんとうに心から楽しいと思える人なんです。どんなことがあっても、ずっとあなたのそばにいたい。迷ったときは相談に乗ってほしい。あなたが助けてほしいときは、できる限り支えていたい。それが私の願いです。

 

あなたが発した言葉達は心にきざまれていて、1冊の本ができあがるぐらい。表現が独特でセンスがいい。一方繊細で。考え方も感性も、私の心に響きまくりです。そして心から尊敬しています。物知りなところ、業務に対するまじめな姿勢もそして人としても。教えていただいたことが、とても役に立っています。

 

いまからあなたへの褒め言葉をならべなさいと言われたら、学校の校庭の広さではたりないぐらいの文章を連ねる自信があります。じゃあ、欠点は?と、言われたら、おそらく欠点かもしれないところも好きだから、欠点じゃなくなっちゃうんです、と答えるでしょう。いつも近くでその笑顔をみていられたらな~と、願って止みませんが、これは私の勝手な考えで、そちらに迷惑かもしれません・・・。でも、伝えないと一生後悔しそうでしたから、書くことに決めました。

 

 

答がノーなら、何もリアクションを起こさなくていいです。同じ会社にいれば、そちらも気まずいでしょうから。お気を遣わせるのは忍びないです。でも、私をウエルカム!ってことなら、なんらかのお言葉をいただけることを大いに期待いたします。

 

あなたが何も言わなければ、何もなかったことになりましょう。この手紙も読んでないことになりますし、告白されたことも、きかなかったことにできますから。どんな結果でも私は大丈夫ですから、気にしないでね。あなたが幸せになりますことを、心から祈っています。今までどうもありがとう。あなたとあなたの家族がこれからもずっと幸せでありますように。

 

 




これがラストメッセージになるのか?何度も書いて、捨てて、消して、書き直して。頭を抱えながら一生懸命綴った言葉がちゃんと伝わることを願って。

どんな結果でも、ユノはしっかりと受け止めるでしょう。でもね、きっと清水の舞台から飛び降りる気持ちで、えいっ!と、決意したんでしょうね。からかったりしてるんじゃない。真剣なんだ、って想いを込めて。

どうにかして渡せるといいですね。

おいっ、犬プロのプリンスよ、男ならしっかりリアクションしなさいっ!!!・・・してあげてネ 一抹の望みがあるなら・・・(^_-)-☆


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ミッション・インポッシブル

さて、思いの丈を手紙にしたためたユノであったが、目的を達成することができたのだろうか?


最近は日本の南の地方が大雪に見舞われている。北国なら大雪でも毎年のことだから、除雪車の稼働も十分だし、一般の人々も融雪剤で対処したり、雪かき棒なども各家庭に1つはあるだろう。

 

この大雪で交通機関も麻痺し、緊急時以外は外出もしないよう勧告が出されている。ユノも窓の雪をみながら、手紙を出そうかどうか迷っていた。直接、山中の家まで行ってポストに入れることも考えたが、この雪では外出はしないほうがよさそうだ。

 

(それにしても、今朝、変な夢をみた。さんちゃんが出てきて、「これから映画を見にいくから。職場の人と一緒に。」というので、「なんの映画」と、たずねたら、「Mission impossible」って、答えたんだよね。どういう意味だろ?って、思ったけど

 

そういうことか・・・今日はムリだよ、っていう意味だったんだ)

 

ほんとうに、ミッション・インポシブルになってしまった。今日、渡そうと思っていたのに、物理的に行けなくなってしまった。

 

一昨日は、頼まれた仕事で、県北の海沿いまで出向いたが、まだ雪は降っていなかった。夜半過ぎに急に冷え込んできたから、雪模様は予想したが、想定外に大雪になってしまった。

 

依頼先に到着すると、久しぶりにお目にかかる取引先のご婦人と雑談を交わした。

 

「以前、あなたと一緒に行ったお寿司屋さん覚えてますか?あそこのご主人が」

 

(ああ、亡くなったんだよね)と、ユノが思うやいなや

 

「亡くなられたの。突然。先月だったかしら」

 

(え?先月?・・・この話、既に知っていた気がする・・・でも、前回ここに来たのは半年以上も前だから、知っている筈はないのに・・・)

 

「驚いてしまってね。まだ、お若いのに・・・急に倒れられたそうよ」

と、ご婦人がつぶやいた。ユノが知っているのは不自然なので、知らないフリをして

 

「そうだったんですか・・・」

と、返した。お子さんはいらっしゃらなくて、ご夫婦だけだったようで、奥さんもさぞ悲しい思いをされたんだろうなと、ユノは思っていた。

 

どんなにつらいことがあっても、苦しくても愛する人が隣にいれば、どんなことも耐えられる。

 

ミッションスクールの宗教の時間に教わったことを思い出していた。辛いこと、大変なことは半分、楽しいこと、嬉しいことは倍になる、励まし合ったり、痛みを分け合うのが家族、それが本来のあり方なのだと。

 

<コリント人への手紙 第13章>

 

たとえ天使の言葉を話したとしても

愛がなければ、鳴る銅鑼(ドラ)のよう

 

多くの知識を持っていたとしても

愛がなければ無に等しい

 

持っている物を全て施して

すべてを犠牲にしても

愛がなければむなしい

 

愛は心広く、情けあつく

愛はねたまず、高ぶらない

 

礼にそむかず、利を求めず

憤らず、うらみを抱かず

 

不正を喜ばず、真実を喜び

すべてを包み、すべてを信じ

 

すべてを希望し、すべて耐え忍ぶ

愛はいつまでも絶えることがない

 

*******

中学、高校時の朝礼時に歌う典礼聖歌の中で、ユノが一番気に入っていた歌だ。歌詞も曲も美しく、とても印象的だった。

 

お金は棺桶の中に持っていけないけど、愛は永遠。その愛を捧げられるのは自分にとって特別な人。その思いをしっかりと届けたい。

 

今日は、ミッション・インポッシブルだったけど。

 




またまた警告夢のような予知夢をみたユノ。ミッションは成功しませんでしたが、伝えられる日が必ず来るといいですね。


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緊急逮捕

季節は移り変わり、雪景色が街を包む。ユノの不思議な体験と恋の行方は?


雪はだいぶ落ち着いて、路面も見えてきた。ユノは近所の子供がつくった鎌倉や雪だるまをみながら、昔の思い出をなぞっていた。

 

(今年は冬期オリンピックの年だな。日本はわりと冬期五輪でメダルが取れる傾向にあるよね。だって、冬期五輪に出場できる国は限られているからね。

 

そういえば、数年前にロシア語通訳の友達から、フィギュアスケート国際大会の招待チケットもらって、見に行ったな。日本のメダリストたちも悠々と演技をして、すばらしかった。なによりびっくりしたのが、カメラ。テレビでみてても、どうやって撮影してるのかな?って思ってたけど、なんと現場でみて驚いたのは、天井からカメラが吊るされていて、ロープで左右に高速移動する。だから、選手の動きに合わせて、カメラも一緒に、同速度で動く。なるほど、臨場感あふれる映像が提供されるわけだ。

 

日本のメダリストも世界の代表選手も、近くでみると細い筋肉がものすごく発達してて、すごいなーって思った。また、記念撮影も気軽に応じてくれて、東ヨーロッパ出身のアメリカ代表のペア、アイスダンスかな?彼らはとても感じよく、可愛かったな。)

 

ユノが観戦した会場は、満員の観客席の様子がテレビにも映っていた。持っていた携帯が振動したので、確認してみると、友達が興奮しながらテキストを送ってきた。

 

『ユノっ、NNNテレビに映ってるよ!』

「え~?こんなに満席なのに、わかるの?」

『白のダウンでしょ?』

「ありゃ、そのとおり」

『なんでかわかんないけど、あんた目立ってる』

「まじで~?なんで?」

『わかんないけど、目立つんだって。あとでみせるよ。録画してるから』

「ほほーい。あ、わかった。隣空いてるからでしょ?満席なのに、私の隣だけ空いてる」

『え?全席埋まってるように見えるけど・・・』

 

演技が始まったので、とりあえずチャットは終了し、演技観戦に集中した。

 

後日、テキストを送ってきた友人の家に遊びにいって、一緒に映像を確認してみると、確かにユノの左隣は空いていた。

 

「ほらね、私の隣空いてるでしょ?」

友人は驚いた。

 

「ほんとだ・・・空いてる。でも、テレビでみたときは埋まってたんだよね。びっしり」

ユノはなんとなく思い当たった。

 

「もしかして、さんちゃんかも。スケート好きだったし。だから、隣が最後まで空いてたのかも」

友人もユノの意見にだまって頷いていた。

 

確かに不思議だった。会場は見事に満席で、なぜかユノの隣だけが空いていた。もしかして、チケットを持っていた人が、なんらかの急用で来られなくなったのかもしれない。それにしても、ここだけ空席って・・・・

 

不思議なことばかり起こると、普通でないこともあたりまえのように感じてきてしまうのが怖い。だから、知らない人と話すときは注意が必要だ。つい、変なことを口走ってしまう。ただ、『天然』ってことで片づけられることが多いため、救われてはいるが。

 

ユノは五輪のニュース画像をみながら、溜息をついた。

 

(それにしても、恋って辛いね。顔を見られて楽しい!ってこともあるけど、相手の思いを知りかねて、つらい・・・いっそあきらめた方が?って思ったり。

 

心泥棒だ。恋愛警察に通報して逮捕してもらわなくちゃ。罪状は「心及び全魂を奪った罪で逮捕!裁判は45日後です。実刑か執行猶予付いても情状酌量なしと思われます。)

 

心泥棒に魂まで奪われそうな日々を過ごしながら、心は揺れっぱなしのユノ。そんなユノの今朝の夢は、飛行機に乗る夢だった。

 

ジャンボジェットに搭乗している。着陸直前にパイロットが進路を変更して、急に高度をあげた。え!!!びっくりしていると、また高度を一旦下げ、そのまま、きれいなジャングルの横を通過してから、高度を再度上げた。そのまま上空までひとっとび。主翼が見える。きれいな景色を見下ろしながら飛行は続く。隣にはリラがいた。

 

(夢解釈では大きな飛躍っていみらしく、同乗者がいたらその人も幸運だって。そうだといいな!!)

 

さて、そろそろヘンリー室訪問の日が近い。不思議体験の解明はまだ先なのだろうか。




相手からお断りをもらったら、失意のどん底におっこっちゃうんでしょうね。でも、傷つかない恋はないから、それも覚悟で。

転ぶことで痛みを知って、強くなれる。スキーでも最初に転び方から教わりますよね。じゃないと、大ケガをしちゃう。

得恋は銀、失恋は金、なんだそうです。

ユノは金メダリストになっちゃうのかな?


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赤裸々に

思春期の妹を持つユノは、日々の出来事の傍ら、年若いリラに思いを馳せることがある。
~姉妹のなにげない日常会話編~


「ねえ、姉、久しぶりにランチしよ?」

リラの誘いはいつでも歓迎なユノ。

 

「いいよー。じゃ、いつもの和食バイキングでねっ」

「らじゃー」

 

ファミレスは苦手だが、和食バイキングだけは喜んで食事を楽しむリラ。

「ねえ、この後、しゃべくりセブンする?」

 

リラとユノは人に聞かれたくない話をするときは、コンビニでドリンクとスナックなどを買って、駐車場に車を止めて話をするのが恒例だった。

 

「姉、ところで告ったの?」

しゃべくりセブンしたがるってことは、そんなことだろうと思ったユノだった。

 

「いいえ、まだです。」

「じれったいなーーーー。私が代わりに言ってあげるよ!」

たじろぐユノ。

 

「あ、それはちょっとお待ちを・・・私にもいろいろタイミングちゅーもんがございまして」

 

ため息をついてから、リラが話を変える。

「あのさ、気になる人がいてさ・・・同じ中学だった先輩」

 

ユノは記憶をたどり、思い当たったのでリラに問いかける

「あ!もしかして、同じ部活だった谷川君?」

 

リラは一瞬驚いて

「そう!なんでわかったの?」

「だって、中学のときも、あの先輩いいなあって言ってたじゃん」

 

やっぱり姉は鋭いなと脱帽するリラ。

「いきなり告ったら、男子ってひくかな?」

 

「んーーーー。中・高女子だったし、卒業してすぐ、さんちゃんと知り合って結婚GO~ってなったから、よくわかりません・・・」

 

そういえば男性とまともにつきあったことがない姉にきいた自分が間違ったかと思ったリラ。

「だったよねーーー。相談する相手が間違ってたか・・・」

 

「いやいや、話しぐらいは聞いてあげられるよ」

人からよく相談されることが多いユノは、話しを最初から最後までしっかりきく姿勢はできている。

 

「あのさー、男子ってみんなエロいの?」

突然の変化球に一瞬戸惑うユノだったが、リラの真剣な表情に、ちゃかすことはできないとまじめに答えるユノ。

 

「そりゃあ男子がエロくなかったら、人類滅びてしまいますダ。人間の本能として男性は発情することになっております。ただ、本能のままに行動したら、犯罪になるので、理性で押さえているだけです。

 

オレエロい人~とか、表面に出すかか出さないかの違いで、それをキャラにしてる人もいますが、男性として生まれたら、エロくなかったら、子孫が繁栄しないのです。

 

どこの王様でも子供がいるように、どんなに上品な人々であっても、エロいことは考えます。はい」

 

真剣に聞き入るリラ。

「じゃあさ、好きな人が、自分をエロくみててとかだったらどう思う?」

 

きましたねー直球、とばかりに、グローブを引きながら力を込めてしっかりと受け止めるユノ。

「好きな人が、自分をエロな目でみても、いやじゃないよね。てか、むしろうれしいよね。女性として見てくれてるんだし。」

 

リラは目を大きく見開いて、こう叫んだ

「だよねだよね!あたしさー、そう思ってたんだ!」

 

笑いながらユノが答える

「ねえねえ、リラさん、本当は君の恋を応援してあげたい所だけど、大学行ってから恋愛しようよ。今は受験勉強しなくちゃだから、恋愛にのめっちゃうと、獣医さんになれないぞ」

 

「それがさ・・・谷川先輩と私、志望校一緒なんだ」

 

ユノは、一旦驚いたが、笑顔で応じた。

「じゃ、それを励みに頑張ればいいじゃん!谷川君ならI大は間違いないから、リラもそれ目指すってことで、がんばれ」

 

「姉、ありがとう!それ聞いて、すっごく勉強したい気分になってきた!てか、姉も告るの、もじもじしすぎちゃったら、あたし行っちゃうから!!今度の模試終わったら、山中さんに言いに行く!姉のことどう思ってんですか?気がないなら、きっぱりお断りって言ってよ。はっきり言わないとわからないから。じゃないと姉かわいそすぎる!って言っちゃうぞ」

リラの前向き発言に、快い心地になるユノ。

 

「だねー、ほんと、踏み出せなかったら、リラちゃんにお願いするかも。つきあってる人いますか?だれか好きな人でもいるんですか?って、きいてもらうかも・・・」

自信なさげに答えるユノにリラはこう返した

 

「そんなん、いたとしたら、奪っちゃえ!!!姉ほど一途に愛するひとはおらん!!!これを逃したら、幸せにならんぞ!!!って、脅かす。私」

ユノは笑いながら

 

「いやいやいやいや、私そういう強引なのあれですから。奪うとかムリっす~。勝ち目ないと思ったら、ひいちゃうタイプですから。たぶん・・・経験ないからあくまで想像の域ですが」

 

雪解け水が美しい午後のひととき、超能力姉妹は赤裸々にほのぼのとした会話を楽しんでいた。

 

 

 

 




これはこれは・・・リラちゃんの突然の衝撃発言に、お姉さんもびっくりですが、ここはしっかりと答えなければいけません。保健体育でも教わらない大事な事ですからね。日本は先進国なのに遅れているらしいですよ。と、ニュースでも取り上げられてました。

さて、次回は定期検診で夢日記を提出するお話。毎日の夢にも不思議な能力の手がかりがあるかもしれない。


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開けちゃダメ!

夢日記をドクターヘンリーに提出しようと、朝起きるとPCを立ち上げ、忘れないうちに、入力するユノ。ところが今日はなんだか変な夢を・・・


(さあ~って、どこぞに宝はないかいな~?お、これだな~。パチンコ大勝ちするよりずっと割がいいやつね~。持ち帰って、ユノノとかプリンスちゃんに、スィーツ買ったげよっと)

 

「みのさん!!!だめです!!それ、開けちゃだめ!!!」

 

「え?ユノノ。なんで?」

 

「みのさん、それは、心のきれいなひとしか開けちゃ、だめなんですよ!!」

 

「へ?僕、心汚くなんかないわよ?」

 

「だめです。顔が黒いじゃないですか!」

 

「ユーノー!心っつただろ!!!顔、かんけーないだろ!!!You, know?」

 

「みのさん、だじゃれてる場合じゃないですよ!!その箱って、純粋無垢な心みっちりじゃないとだめなんですよ!!邪(よこしま)はだめ!!」

 

「あら、なんで?あんたたちに、おみやげ買ってあげようってのが、不埒なわけ?」

 

「あたし達にくれるのは、ありがたいですけど、そこで、感謝されたいって思ってるでしょ?」

 

「・・・・・」

 

「みのさん、それが、邪っつーんですよ。だから、箱あけちゃったら、とんでもないことに!!」

 

「じゃあ、感謝されなくたっていい~。みんなでスィーツたのしもうよ~」

 

「だから、だめなんだって!!!生きていけるぐらいの金があればいいって、言ってたじゃないか!あんた、心のどっかにちゃっかり心が潜んでるからだめなんだってばーーーーー!

OH NO!!!!]

 

 

 

 

「姉?どした?」

久々に泊まりに来ていたリラが、姉の様子に驚いて声をかけた。

 

「え???あ・・・夢だったか・・・・」

目覚めてホッとするユノ。

 

「なんか悪い夢でもみた?」

リラが心配そうに、ユノの顔を覗きこむ。

 

「いや・・・悪いっていうか、うるさいボクサー親父が、伝説の箱を開けようとしてたからさ、それはいかん!って止めてたとこ」

 

ユノが答えると、リラは

「伝説って、おとぎばなしとかである、あれ?浦島太郎のやつ?」

 

ユノはかぶりを振った

「ん~ちょっと違う・・・」

 

半分寝ぼけているので、ろれつがうまくまわらないユノ

「金銀財宝とか・・・」

 

リラが再度問いかける

「トレジャー・ハンター?それとも舌切り雀とか?」

 

ユノは動かない頭で、無理矢理思考しようとした

「ん・・・その要素もあるけど、ちがう・・・質問されて・・・」

リラが膝をたたく

 

「あ!じゃ、金の斧、銀の斧じゃね?」

ユノはベッドから起きあがった

 

「あ~、たしかにその部分もあったわ。きれいな心じゃないと、箱をあけちゃだめらしくて、箱の中身は金銀財宝、魔法の薬なんかが入ってるらしい。」

ユノが答えると、リラはにやっと含み笑いしながら

 

「もしかして、がちゃおやじが宝を持ってこうとしたんだね?でも、がちゃおやじ、別に心汚くないじゃん?」

眠い目をこすりながらユノが答える

 

「心は汚くないんだけど、ちゃっかりしてるでしょ。あの人。」

リラは笑いながら

 

「たしかに~。ちゃっかりしてるね。それがだめなんだ?」

会話が進み、頭もスッキリしてきたユノ

 

「だめってか、悪くないけど、その魔法の箱をあけていいのは、一点の曇りも汚れもない、純粋無垢な心の持ち主だけなのよ・・・ケント君みたいな。」

リラはちょっと驚く

 

「ケントねえ!ここでヤツの名前が出てくるとはおもわなんだ。ま、たしかに、ケントはいいやつだ。ちょっと気が弱そうだけど、心はきれいかもねー」

リラが妙に納得した

 

「そなの、そなの・・・てか、夢だけどね。あせっちゃったわ。だって、それあけちゃったらとんでもないことになるんだもん。どんなことになるかは、謎なんだけども」

リラは姉の夢に興味を持ったようだ

 

「でもさ、そんな箱があったらおもしろいよね。世の中の、悪いヤツがこぞってそれを狙うじゃん?そんでもって、罰を受けたらいいんだよ~!!!成敗致す!っていう、そういうかんじでさ!」

ユノもうなずく

 

「そうなのよ・・・世の中いい人ばかりじゃないからね・・・でも、人を呪わば穴二つっていうから、やなことされても、その人を恨んじゃいけないんだって」

ユノの言葉に目を大きく見開いたリラ

 

「なるほど・・・」

 

 

いつもみる不思議な夢とは毛色が違っていたが、とりあえずみた夢は全部記録するように言われていたため、ユノはPCを立ち上げ、夢の内容を入力した。




リラもユノもよく夢をみるようですね。なんでも若いうちは夢をよくみて、年齢を重ねるとみなくなるという話をきいたことがあります。

おそらく個人差はあるのでしょうが、それは脳と関係があるらしく、夢を見ると言うことは、脳が活発に活動している証拠だそうで。

夢をみなくなったら、老化現象・・・って、思った方がいいのかな?寝ている間にみる夢も、起きているときに望む夢も・・・


別小説、「呪いのたまて箱」と、絡めちゃいました。嫌な人がいたら、たまて箱おいちゃえ!・・・おっと、呪ってはいけない・・・


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W-de検査

今回はユノとリラが揃って、ドクターヘンリーの元を訪ねてきた。


久しぶりにユノとリラの2人で、ドクター・ヘンリーの診療室を訪れた。今日は、2人が脳の写真を撮る日だ。

 

最初に姉がCTスキャン室に入室した。待っている間、ドクター・ヘンリーはUSBに保存されたユノの夢日記ファイルを確認しながら、リラに話しかけた。

 

「リラちゃん、久しぶりだったね。学校の方はどう?」

 

「とっても順調です!部活も楽しいし、新しい友達もできました」

ドクター・ヘンリーとの再会を心待ちにしていたリラは笑顔で快活に答えた。

 

「そうか!それはよかったね。いっぱい勉強して、ぜひぜひ獣医さんになってね。時々僕の仕事も手伝ってほしいな。」

ドクター・ヘンリーは、励ましながら、しかし実は本気でリラに研究を手伝って欲しいと懇願していた。

 

「もちろんです!博士!獣医しながら博士の研究をお手伝いできたら、こんなに嬉しいことってないです!!!」

応援団員が増えると、がぜんやる気をだすリラ。夢に向かってまっしぐら。この子はそういうタイプだ。

 

「リラちゃん、ところでさ。ユノちゃんは告白したのかな?」

CT室のユノには聞こえるはずがないのであるが、急にひそひそ声で話しはじめる。

 

「それがねー。わからないんですよ・・・肝心なことになるとはぐらかすから・・・姉。だからうなされて変な夢みたのかもしれないです。ほら、日記の最後にもあるけど、伝説の箱をあけるとかあけないとか、そんな夢みちゃって」

リラも実は心配していた。

 

「なるほどねー。仕事のストレスもあったのかもしれないね。あとは、人間関係でも心配毎があったのかもしれないね。」

ドクターヘンリーはいつになく柔らかいトーンで答えた。

 

「なんでも、新しい仕事の話がきているみたいで。多分、本人からも博士に相談すると思うんですけど、頭の中のみずぶくれの件、今の仕事やってて大丈夫かって。でも、新しい仕事なら回避できそうだから・・・転職した方がいいのだろうか。診断結果に従いたいって言ってました」

いつもふざけ口調のリラだが、なぜかドクター・ヘンリーと話すときは、持ち前のおちゃめさをひっこめ優等生ぶったまじめな話し方をする。

 

「そうだね・・・今回の写真でわかると思うけど、僕も出来れば今の仕事はちょっときついだろうなって思ってたんだよね。彼女、いろいろ考えちゃうタイプでしょ。すぐに心配するし。度胸はあるんだけど、細かいところに気が付いちゃう。だからね、そういう脳の動きは、みずぶくれがでっかくなっちゃう可能性があるんだよ」

ドクター・ヘンリーはできればユノの転職を進めたいようだった。

 

ガチャ。助手がCT室のドアを開ける音がした。どうやらユノのCT撮影が終わったようだ。

 

ユノが診療室に戻ってきた。

 




さて、今回は2人でのCT撮影のようですね。なにか変化や手がかりがあるのでしょうか?また、職場を変える転機になるのか・・・

告白したのかしないのか、気になる所ですが、頭のおできも気になりますよね・・・部位が部位ですから、なんでもないとはいえ、今後の経過が心配です。

みんな、がんばれ~!!!


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検査結果

さて、ユノとリラの検査結果はどうだったのだろう。そして彼女たちのこれからは・・・


MRI室から出てきたユノはリラと交代で、診療室に戻ってきた。リラはなんだか、あのドームみたいなカプセルに入るのが、楽しみなのか、満面の笑みでユノと交代タッチをした。

 

ユノが診療室の椅子に腰かけ、診断結果とドクター・ヘンリーのアドバイスを待つ。

 

「ユノちゃん、どう?最近ちょっと疲れてたかな?」

ドクター・ヘンリーの意味深な物言いが、ユノはちょっと気になった。

 

「なにか・・・問題でもあるのでしょうか?」

ユノは眉間にしわを寄せて、椅子から身を乗り出した。

 

「んー、問題、という程ではないんだけれど、ちょっとね。自分で気づかないうちにストレスがたまってるのか、おできのね、形がかわっちゃってるんだよね。今すぐどうこうってわけじゃないけど、今の業務は考えた方がよいかもしれない。神経使う仕事でしょ」

 

「先生、変わってるって・・・破裂とかしてしまうのですか?」

ユノは冷たい汗が流れてくるのを感じた。

 

「破裂っていうとびっくりしちゃうけどね、まあ、ぷにょぷにょしたおできがつぶれるって、イメージすればいいかな。ほら、子供の頃、転んだりすると、膿になったりしたでしょ?あれが潰れるかんじ。あるいは、やけどした水ぶくれが、ぷしゅって、潰れるとかね。

 

潰れる瞬間と、その後はちょっと痛いよね?膿が全部出て、乾燥しちゃえば、あとは平気だったよね?あのイメージかな。

 

ただ、頭の中だからね。その膿が残ると、またおできになっちゃったりするから、吸い出さないとだめだからね。できれば、そのままおとなしくしててほしいのね。おでき君に」

ドクターヘンリーのかみ砕いた説明は、ユノを安心させた。

 

「おでき君・・・ですか・・・。それって、ストレスとかで大きくなったりもするんですか?」

すべての不安は払拭しておきたいユノは、ドクター・ヘンリーに更に説明を求めた。

 

「ほら、にきびとかもさ、体調が悪いとぶつぶつ出てきちゃうでしょ?それと同じでね。ストレスが溜まりすぎて、脳出血や脳梗塞になったりすることもあるから、脳の異物はストレスフリーな状態が望ましいんだよね・・・もちろん、異物に限らず、ストレスと上手に付き合わないと、人間の体と心はバランスを崩すからね。」

確かに。ドルチェのご主人も脳幹出血で亡くなったことを思い出した。温厚で無口なタイプだったので、ストレスがあることさえ、周りからは気づかれにくかった。

 

休日に趣味で少林寺拳法を教えていたが、生徒達にも慕われていた。父親がいない女子高校生は、まるで本当の父親のように、学校の悩みを何でも打ち明ける程、マスターのことが大好きだった。そんなドルチェのマスターは、仕事のストレスをひとりで抱えて、ひとりで逝ってしまった。マスター亡きあと、ひとりで切り盛りしているママさんの明るさだけが救いだ。

 

ユノ自身もストレスはあるようでないと思い込んでしまうタイプなので、周りから言われないと、どんどん突っ走る傾向にある。そういう性格を友達や親せきが心配して、やいのやいの言ってくることが多い。

 

「先生、不本意ですけど、今の仕事はきっぱり辞めた方がいいんですね」

できれば、辞めたくはないが、主治医の指示にはしたがわねば、後々他に迷惑がかかってしまうと、ユノは思った。

 

「僕は、君の頭を開く手術なんかしたくないからね。」

ドクター・ヘンリーの手腕は確かだが、さすがに大事な患者の頭を喜んで切り開いてみたいと思うタイプの医師ではない。研究熱心ではあるが、情に厚い人柄でもあるため、リラもユノも、この研究者を心から慕っている。

 

ドクター・ヘンリーは伯父の幼馴染でもあったため、ユノもリラも小さいときからの顔見知りだ。

 

ユノは、父親代わりでもあるドクター・ヘンリーの助言には従うつもりだ。今月中には、上司に話して辞表届を出すことになりそうだ。迷惑をかけないように、最後までベストを尽くすつもりでいるが、実のところは申し訳ない気持ちでいっぱいのユノだった。

 

ガチャ。今度はリラの検査が終わったようだ。

 




人生には転機というものがありますからね・・・なかなか勇気がでないこともありますが、これもきっと定めなのかもしれません。

ということは、思いの丈も好きな人に告げなければいけないということですね。仕事を辞めることも不本意でしょうけど、返事を期待せず、お別れになるかもしれない告白をするユノも、つらいかもしれませんね。

辞めたら、次の仕事はどうするのでしょうか。リラの意外な提案に、ドクター・ヘンリーは大賛成します。


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ケガの功名

ユノのMRI映像とリラのものに意外な共通点が見つかる。果たして、この結果は2人の不思議な体験と関連があることを証明できるものなのか。また、ユノの今後は?


リラの脳撮影が終わった。

 

「どう、リラちゃん。長い時間、狭い中にいて窮屈じゃなかった?」

ヘンリーがリラを気遣った。

 

「いいえ!楽しかったですよ!まず、自分は閉所恐怖症じゃないことは明かになりました。ちなみに姉は高所恐怖症ですが。」

リラはニヤリと笑いながらユノを見る。

 

「おかげさまで回避方法を会得しました!心配ご無用!」

ユノは早く診断結果をしりたく、リラをたしなめた。

 

「こっちがリラちゃんの映像ね。で、こっちがユノちゃん。ここが前頭葉といって、理性を司るところ。イラッとしたりすると、ココが反応して怒りを押さえようとするんだ」

 

(がちゃおじは、ここがないんじゃないの?ぷぷぷ)

(こら!まじめに話を聞きなさい)

 

ユノとリラが目でシークレット会話をする。

 

「それでね、側頭葉という部位がここで、第六感を感じ取っているのではないか、という研究結果があってね。2人の側頭葉が、これがまた不思議な形をしているんだよ。しかも、2人の形がおんなじ。」

ドクター・ヘンリーの説明を興味深く聞き入るユノ・リラ姉妹。

 

「脳というのは本当に不思議な部品でね。未知数が最大限にある。今も少しずつ解明されているとはいえ、まだまだ神秘の世界がひろがっているんだ。

 

人が危険を察知したり、なんとなくいやな予感がする、というのも脳の動きによるものと言われている。ポジティブなもののとらえ方をするタイプの人は、脳が活発に動いて記憶力、理解力にも影響する。脳がぴかぴか光を発するような感じかな。

 

ところがネガティブに捉えがちな人は、脳の動きがあまりよくない。そして、堪え性がなくなっていくという傾向にもあるんだ」

 

ヘンリーの説明を聞いて、リラが問いかける。

「確かに脳が性格を作り出すというのは聞いたことがあります。なんとなく、心っていうと心臓のあたりにあるのかな?ってイメージですけど、実際は、心も思考も脳なんですよね?だから、脳の病気で倒れた後、性格が変わったっていう話もあるって聞いたことがあります」

理路整然と話すリラ。

 

「ほお、リラちゃんは物知りだね。いろんな事を吸収しているね。そう、君たちのようにポジティブシンキングだと、いろんな事を見たい、知りたいという欲求が高まるから、記憶力も発達するんだよ。記憶ってね、連鎖の賜だから、物事Aと物事Bを関連づけたり、そこから生じる物事Cを生み出すというような、そんな経緯で記憶が形成されていくんだよ。

 

もともとの2人の性格もそうだけど、お互いに良い影響を与え合っているから、探求心も旺盛なんだね。脳が発達過程で、元来本能に近いインスピレーションや第六感も、なにかの加減で発達していくのかもしれない。

 

2人の研究データをぜひ論文として発表したいんだけど、許可を貰えるかな?」

ドクターヘンリーの依頼を断る理由はない。

 

「もちろんです!」2人は双子のように声をそろえて快諾した。

 

「ところで、姉の不調などは問題なかったんですか?

リラが急に思い出したように、熱心な研究者に問いかけた。

 

「うん?心配はないんだけど、今の仕事は辞めた方が良いって言ってたんだよ」

ドクター・ヘンリーはやさしい笑顔で答えた。

 

「え・・・じゃ、がちゃおじやケントおじと離れなくちゃいけないんだね・・・」

姉を心配して、リラがユノの顔をのぞき込んだ。

 

「うん、そういうことになるね。でも、仕方ないよ。無理して仕事してて急に倒れたりしたら、迷惑かかってしまうし」

不本意ではあるが、もう決心は固まっていたユノだった。

 

「そういえば・・・この間、私先輩にぶつかっちゃって、捻挫させちゃったんだよね・・・それで悪いと思って、送っていったら、子供達が遊んでるから、なにかと思って聞いてみたら、先輩の親がアフタースクールをやってるってわかって。で、この間までいた先生がやめちゃって、人を募集しているって言ってたよ。

 

イギリス人のサッカーコーチがメインでやってて、子供達と放課後サッカーしたり、いろんな遊びをするんだって。」

リラが思いもかけない話題を提供してきた。

 

「それは、学童保育の様なものだね?大きい子供達の保育園というか、両親が働いているから、学校終わったあとに、こどもたちを預かって、一緒に遊んだり、監督したりする仕事だ。ユノちゃんにもってこいだね。子供ずきだし、幼稚園の先生の免許もあるしね。学童は幼稚園免許でできるはずだから」

 

思いがけない提案に、ユノは心が動いた。

「私でいいかどうかわからないけど、もしチャンスがあるなら面接受けてみたいな」

ユノが前向きに捉えたことを喜び

 

「じゃ、すぐに先輩に聞いてみるね!あとで先輩の親から連絡がいくと思うけど、姉の携帯教えていいよね?」

 

「もちろんです。業務時間帯以外とお休みの日でしたら、いつでも対応可能ですって言っておいてね。ありがとね、リラ」

 

 

 

 

人生、なにがあるかほんとうにわからない。ユノが願っていたことが実現するように、ドクター・ヘンリーとリラは、心から祈り案じているのであった。




何気なく書き始めたこの小説。気が付けばいつのまにか30話に到達しようとしています。人生、何がきっかけで何がはじまるかわからないものですね。

でも、まったく不自然じゃない感覚なのは、やはり第六感(シックスセンス)の成せる技なのでしょうか?

さて、ユノ・リラ姉妹の不思議な出来事も少しずつ解明されそうな気配ですね。

ユノの新しい人生でも良いことがありますように。

(それにしても、犬プロのプリンスとの恋の行方も気になるところですが、ユノはほとんどあきらめちゃっているのかな?大好きであるが故に強引に行けないところが、彼女らしいですね)


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新しい一歩

さて、ユノは新生活を送ることになるのでしょうか。


久々にスーツをきたので、ユノは、息苦しさを覚えた。大分前に購入したものだったため、下半身はワンサイズダウンしており、ベルトが必要だった。

一方、上半身は肩のあたりがいかつくなってしまっていたので、多少窮屈だった。

 

「いやぁ・・・冗談で、私アスリートだから~なんて言ってたけど、ほんとアスリートみたく、二の腕の筋肉だけじゃなくて肩まわりもたくましくなってたのね・・・」

 

リラの先輩の親が運営している学童教室から、ぜひ面接にきて欲しいと言われたので、休日に時間を設定し、履歴書を持参して教室を訪れた。

 

久しぶりの面接だった為、かなり緊張している。

 

「あれ?おかしいな。サスケのときは緊張した記憶がない。きっと、あのときはまだ朦朧としてたんだね・・・自分でまともだと思っていても、まともじゃなかったんだ・・・

 

みんな、ごめんよ!こんなふつーモードじゃないアタシを暖かく受け入れてくれて!

 

でも、ドクターストップがかかった以上、この仕事はできないから、仮に今回がNGでも、他の仕事をさがさなくちゃいけない。来月の前半ぐらいには、上司に報告しなければ・・・」

 

同僚や先輩との別れを惜しむユノだった。

 

学童教室は子供向けとあって、色とりどりの装飾物が、室内の壁をあざやかにしていた。こどもが大好きなユノは、これらのアイテムや自ら考案の遊びで、こどもたちと楽しめたらいいなと空想していた。

 

面接では、これまでの職務経歴などを聞かれた。また、志望の動機や諸々。なるべく不利なことは言わない方がよいのであるが、正直なユノは、包み隠さず話した。

 

すると、先方も理解を示したようだった。かなり詳しい話をし、条件も提示されたが、ユノ側は内容に不満はなかった。また、英語指導担当の外国人講師と、日本人スタッフあるいは、保護者との橋渡しをしてもらえると、なお良いとのことだった。留学生の友人が多くいるユノにとって、その点は有利だった。

 

数日内に、正式な決定が下されるようだ。

 

帰り道、ためいきをつきながら、とぼとぼ歩くユノ。新しいチャンスは嬉しいし、ぜひ挑戦したい。しかし、仲良くしてくれる仲間や、なにより大好きな人と離れなければいけないということは、大いに不本意だ。

 

おそらく愛しの君には、ユノの思いが届いているはずだが、いまだ何も反応がないということは、「脈なし」なんだろうな・・・

 

と、落胆しながら、たとえ脈がなくても、職場で姿を見られるだけで楽しかった日々にはピリオドが打たれてしまうのだな、胸にぽっかり大きな穴が空いてしまうことは覚悟せざるを得ないと、心を決めたユノだった。

 




30回記念に何か朗報を・・・と思ったんですが、特にないです。ごめんなさい。

あ、バレンタイン用のチョコが安売りになってて、20個ぐらい買いだめ成功~!ってのが、個人的に嬉しかったかな・・・・(;^_^A


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夢で会えたら

最近は眠りが深く、ほとんど夢はみていなかったユノ。


自宅から車で30分程のスタジアムでレースがあるという。

ユノは家を出ようとしていた。

 

「あれ?みのさん、どうしたの?」

 

「うぉええええ・・・・げぽっ」

 

「あらっ、みのさん、二日酔い?大丈夫?(みのさんお酒飲まないんなじゃかったっけ?)」

 

「大丈夫、僕、あとはタクシー拾うから」

 

「顔色良くないですよ(もともとか・・)」

 

「平気平気。今日ね、送別会あるから。来てね」

 

「あ、圭子さんから聞いてました。夜は、真雪ちゃんとご飯食べに行こうっていってたので、じゃあ、みんなで、って感じだね」

 

「うん、僕もあとからいくから。じゃあね」

 

 

とぼとぼ、ユノがスタジアムに向かって歩いている。

 

(あれ?犬プロプリンスだ。)

ユノが近づいていくと、犬プロプリンスは笑顔を向けた。

何も言わずに2人はスタジアムに向かって歩いている。

 

(あれ?いつもかわいい系だけど、今日は白のタートルネックにダークブラウンのジャケットきて、めっちゃかっこいいんだけど???首が細くて長いから、タートル似合うね・・・やばっ)

 

いつもはカジュアルな格好の犬プロプリンス、今日はやけにモデルチックで決まってる。

 

(しれっと、腕つかんじゃおうかな。えいっ)

ユノは、プリンスの左肘に自分の右腕をそっと回した。

 

(あれ?拒否らないや。じゃあ、しれっとこのまま歩いちゃおっと)

 

他愛もない会話をしながら2人はスタジアムに向かっている。周りには観戦を待っている外国人がたくさんいる。スカンジナビア系、コーカソイド系、南方系、老若男女が入り乱れて集っていた。

 

途中、売店に立ち寄る2人。

「ぐぇーーー」

 

犬プロプリンスが急に戻してしまった。

「大丈夫?」

 

ユノは犬プロプリンスの背中を必死にさする。売店で水をもらうと、犬プロプリンスにそれを渡す。

 

「二日酔い?(みのさんもだったな)」

心配そうにユノは、犬プロプリンスの顔をのぞき込む

 

「うん。ちょっとね。でももう大丈夫」

 

(あー、びっくりした。)

ユノはホッと胸をなでおろした。

 

「じゃ、行こうか」

犬プロプリンスは、ユノを促す。

 

(周りだれも知ってる人いないから、またしれっと腕くんじゃおっと)

 

前回よりもしっかりと腕をつかんで、ぐいっと自分のほうに引き寄せるユノ。

 

(なんか、うれしいんだけど~。とりあえず拒否られてないから、このまま腕つかんで離さないからねっ)

 

 

 

「おおおおい!おわったど!」

(ん?おいちゃん?)

 

いつもドアの修理などを善意でしてくれる、近所のおいちゃんの声がした。

 

(あ~。夢だったか~。不思議なことに、夢って、夢の中では事実だと思ってるんだよね。たまに、これって夢?ってわかるときもあるけど。なんか嬉しかったな~。もう、このまま夢で会えたらいいかな。それだけでもいいや。もう会えなくなっても)

 

おいちゃんに、お礼のチョコクッキーを渡すと、部屋に戻ってグリーンティーを飲むユノ。事故に遭うまでは、珈琲が大好きで、豆を挽いて飲む程だったが、尾てい骨骨折後は、刺激物を取らないようにしていたため、いつのまにか珈琲断ちしてしまい、それからほとんど珈琲は飲んでいない。

 

ブレイクタイムはジャスミン茶か緑茶。

 

「緑茶はカテキンあるから体にいいんだよね。ビタミンCもあるから、風邪予防にいいし。利尿作用高いからトイレ回数増えちゃうけど」

 

事故後は特に健康管理に注意していたユノだった。

 

 

############

 

 

それにしても、楽しい夢は数時間良い気分を持続させてくれる。新しい生活への見通しはまだたっていないのにもかかわらず、なんとなく道に光が差しているのを感じたユノだった。

 




さてさて、検査後始めの夢はどうやら楽しい夢だったようですね。夢は心理状態を表したり、ときにはなにかの警告であったり。

眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠がありますが、どうやら、レム睡眠のときに夢を見るらしいのですが、最近はノンレムのときも見ているのだとか。眠っている人の顔をみると、まぶた内の眼球がぴくぴく左右に動いていて、その時、脳が動いて、夢をみているようです。

また、人によって夢は見ていても、起きてから覚えていない場合や、しっかりとストーリーや台詞、色、臭いまで覚えている人もいるそうです。

夢の解明はこれからまだまだ続きそうです。


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告夢

なんともリアルな夢をみた後で、職場に向かうユノ。


朝日がまぶしい早朝、ユノは朝食を早めにとって出勤した。

昨日より多い仕事量を手早く片づけ、次の準備にとりかかった。

無心で仕事に取り組んでいたためか、今日は時間が経つのが早く感じた。

 

昼休憩の時間になった。

 

ピン!

テキスト着信音がなる。

 

(あ、リラからだ)

 

『あね!!!決定だって!!姉にもメール行くと思うけど、たまたま先輩の親とさっき会って、聞いちゃった』

 

ユノは信じられない思いで、何度もメールを読み返した。

 

『リラ、ありがとう。』

 

ほとんど同時間帯に別のテキストメールが送られてきた。

 

『正式採用が決定いたしました。後ほど雇用契約書をお送りいたします』

 

 

ユノはこれが夢ではないかと、自分のふとももをつねってみた。

 

(あまり痛くない・・・そうか、太股じゃだめか。掌をつねってみたら・・いてっ、

けっこう痛い。夢じゃないんだね・・・

というか、夢の一歩が叶ったんだね・・・

 

今日は上司が不在だから言えないけど、近日中に報告しなければ・・・ドクター・ヘンリーにも

とりあえず電話だけしておこう。心配させてしまったしね)

 

午後の仕事を片づけて、部屋を出た。

あれ・・・みのさんいる・・・

 

理由はわからないが、じーーーっと、ユノの顔をみる蓑上。

理由はわかっているが、その顔をみて笑いがこみ上げるユノ。

 

肩を震わせながら、笑いを堪えると、蓑上が近づいてきた。

 

「なに、人の顔見て笑ってんだ!」

といって、がしっ!と、突き飛ばされた。

 

壁にどーんと手をつきながら、更に爆笑するユノ。

 

「なにがおかしいって、そういうところがおかしいんじゃん」

 

と、言いながら、ユノは笑い泣きしていた。

 

(あれ・・・そういえば、夢みたんだっけ。

内容は違うけど、正夢というか告知夢だったのか?

これは、ドクターヘンリーへの報告事項欄に赤丸だな・・・

 

それにしても、この人、ほんと、おかしいんですけど・・・

いつも変なことしておいて、なんで笑うんだって、その質問が

だいたいにしておかしいわい。

 

まあ、こうやってふざけてもらえるのも

あとちょっとか・・・。ま、この辺うろうろすれば、この人

出没してるから、別にいつでも会えるしね)

 

 

職場を離れる寂しさより、目の前にいるたぐいまれなお笑い勘をもつ人材の放つ

オーラが刺激的過ぎて、こみ上げる笑いを堪えながらユノは帰り支度をした。

 

帰り道、いろいろな事を思い出していた。はじめてこの職場を訪れた日のこと。泣いたこと。笑ったこと。怒ったこと。感激したこと。

 

どれもこれも懐かしい。鮮やかな色で思い出達が回想日記を彩っている。ほんとうにここでいろんなことを教えてもらったし、たくさん学んだ。3年、あしかけ5年、今年で卒業・・・なんだな・・・

 

とにかく最後まで全力でやんないと。中途半端はいけない。仕事を終了するその日まで責任はあるのだから。

 

ユノはお世話になった人達への報告をしなければと、メールリストをチェックした。

 




告知夢?正夢???同じじゃないけど・・・夢にでてきたその直後に本人が出てくるんですもんね~ しかも「送別会」というキーワードが、ユノの新しい人生についてお知らせしていたんじゃないか、って思わされますね。

ところで、犬プロさんはいたのかな?もし、いたとてもラブラブな夢をみちゃった後で恥ずかしくて直視できないかもね?

ユノ~お疲れ。あ、まだ仕事は残っているのね。最後までがんばれ~



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卒業文集

さあて、新しい生活への一歩ですね。最後までしっかりがんばろうと決意するユノ。


上司への報告が終わり、ほっとしたユノ。

 

皆にお礼状を書こうとしたら、頭に浮かぶのはへっぽこボクサーに笑い死にさせられたことばかり(本命君についてはこっそりひっそり自分の世界で瞑想[迷走?]中)。

 

(まだまだあるぞ、へっぽこネタ)

 

◆ラジオがかかってないと、死にそうになるらしく

車のラジオが壊れて、私が降りたらどうしようどうしよう(話し相手がいなくなる)

ってうるさいから、家にあるラジオもってきてやったら

おとなしくなった。

 

◆「シロイヌサスケです」と、電話にでたら

今、「運送屋っていった?」と、つっこまれた。

どうやら集音装置も狂っているらしい。

 

◆AMラジオが大好きなへっぽこ。

AMってさ、アホのさかた♪かかんないね?

とか

そんなヒロシにだ~まされ~♪って流れてきたら

だまされちゃったんだって?

 

と、同意を求めてきたが、無視した。

 

◆ぴ、ぴ、ぴ。データを入力しながら

こんな楽チンなのばっかりで、件数だけあってさ~

他の人には口がさけてもいえない~

って言うけど

私の口は裂けてて、とっくに情報漏れてるけど?

 

◆建物の説明するのに「そこずーっといって右ね」

って言うけど

右には土手しかない

当然、左にいったらあった

 

◆あのさ、あのひとびみょーなのびみょー。

びみょーだから、見てきてね!

っていうから、何を言っているのかと思ったら

奇抜なメイクのデザイナーさんのことを言っていたようだ。

どうも、言語が正しく変換されないようだ。

 

◆また別の建物の説明をするとき

「あそこにあるマッチ棒ね」

 

っていうから、なんのことかと思っ行ってみたら、ログハウスのような茶色い壁の一軒家だった。

おそらく、「マッチ箱」っていいたかったんだろう。

物体認識装置も交換が必要だと思う。

 

◆かもん学習教室の入り口で

「僕も通おうかな・・・・」って、ぼそっとつぶやいた。

かもん塾より、工場で再生してもらったほうがいいと思う。

 

◆壱と弐の区別ができないらしく

何十回と

どっちが「いち」?って聞いてくる。

壱万円札みたことないのかな?

 

◆入金処理機械の前にくると、必ず

ぶつぶつ言ってる。いちまん、さんびゃく、さんじゅー、えっとー

ごえん・・・あれ?いちまん、さんびゃく、さんじゅー

と、呪文のように繰り返している。

 

うなされそうだから、やめてほしい。

 

◆バレンタインにチョコよこせと言うから

しかもオジバがいいって指定してきたので、

でっかく「義理チョコ」ってシールを貼って

渡してやった。

 

◆初売り行くの?って聞いてきたから

いつも文房具やだけは必ず行くと言ったら

「クリアケース買ってきて」と、頼まれた。

言われた通り、買ってきて渡したら、「ありがと!」と言ったきり

いまだに代金はもらってない。

 

◆桃田さんっていう人がいて

ねえ、桃ちゃんととなにしゃべんの?

って聞いてくるから

 

え?桃田さん、会話しない。

 

いたすか?

ここっす

おわりっす

 

しか言わない。

と言ったら

 

急に走り出し

「桃ちゃーん、だめじゃーん、ゆのちゃんと

コミュにケーションとらなきゃ!

す しかいってないじゃん」

 

と、言いに行ったが、桃田さんは???だった。

 

◆職場で面識だけあって

まったく会話したことない人に

「いつもどうもね~」とあいそをふりまいている蓑上。

 

言われた人が「なにがどうもなんだろうね?」って、つぶやいてたのを

私は聞き逃さなかった。

 

◆困るとすぐ山中さんを呼ぶ。

「山中ちゃんこないかなーこないかなー、早くこないかな~」ってうるさい。

 

(どんだけ犬プロ好きなんだよ!あたしの方が好きだ!ばあか)

って、心の中で罵倒しておいた。

 

◆ねえ、高澤となにしゃべんの?って聞くから

「んー、犬のこととかかな」

って言ったら

「じゃあさ、今度『あたし犬きらいなんです』って、高澤に言ってみて。

そんで反応を僕に報告して」って言うから

 

私も悪のりして言ってみた。

 

高澤さんは目に涙をためて

「そうだよね~そういう人いるよね~」

 

って言うので、「ち、ちがいます!!蓑上ミッションです!!!」

 

と、すかさずフォローしたら

「ここって変な人しかいないよね・・・」

って目をうるうるさせながら毒吐いてた。

 

ちなみに、目に涙を溜めてたと、みのに報告したら

にんま~って喜んでた。

 

◆高澤とは気が合わないのか、電波が通じないらしく

高澤が電話すると、みのに通じない

 

なんで通じないんだろう?って、高澤が言うので

「充電中じゃないですか?」って言ったら

「あ、携帯じゃなくて本人?」

「そうそう、走る格好のまま、止まって充電中」

 

と噂してたら、蓑上から電話がきたが

「も」と言って、すぐ切れちゃった。

 

いくらなんでも充電きれるの早くね?

 

◆「なんか変な音するね?

つーつーつつつーって、モールス信号みたいだ

みのうえさん、うんうん、うんうんって答えてたりして」と、高澤が言うから

 

「あ、つーつーに反応して会話してますよ

間違いなく」

 

って噂してたら

蓑上からでんわきた。

モールス信号ならまちがいなく通じるらしい。

 

◆「ねえ、ユノ、AB型?」って突然聞いてきた。

「ううん」

「じゃあ、Bなの?」

「ううん」

「O型ぁ~?」

「ううん」

「え゛?A型なの!?」

って、驚かれたけど、全くもって意味不明。

ちなみに自分はO型と言い張っているが、ウソだと思う。

 

◆会社の名前を勝手に変えて呼ぶクセがある蓑上。

ずっとその名前だと信じて、そのまま会社名を告げたら

ちがいますよ~って笑われた

人に恥をかかせやがって・・・・・

 

◆誰もいないはずのところで、ずでっ!って転んでしまった。

そしたら、どこで見ていたのか知らないが

 

「派手に転んだわね~」って

すっかりバレてた。

そういうところはやけに鋭い。

 

◆指導されたときに、他の指導者の人達と真逆のことを言うので

マニュアル確認したら、へっぽこがあきらかに間違っていたことが判明。

それ以降、なにを指導されても無視することにした。

 

 

 

*******

 

 

 

今日は、お客さんの所に黒と白のパンダ猫がいたのでちょっと戯れてたユノ。

次に行ったところでは、ティーカップヌードル、じゃなくて

ティーカッププードルがいた。あまりにかわいすぎてずっとぐりぐりしてしまい、

しばらくそこを離れられなくなってしまった。

 

仕事でそういうことに遭遇するのが、とても楽しかったけど

今度は大好きな子供達と毎日会えるでしょ、と、自分に言い聞かせ

事務所に戻った。

 

もともとは猫好きだったユノだったが、この会社にきてからは

犬もかなり愛おしくなっていた。

 

それにしても、この会社、本当に個性的な人の集まりだったな・・・と

ユノは笑いながら思い返していた。




卒業式前にいろんなこと思い出すのと似た心境かもしれませんね。人生には出会いもあれば別れもつきもの。

ユノはこの会社でとてもよい人達に囲まれて幸せだったみたいですね。

今度もまた良い出会いがあるといいですね。いっぱい経験して大きくなれ~ユノ。

※飛行機の夢=新しい飛躍、はあたっていたのね!


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宿題

今日は休日。ドクターヘンリーからの宿題を片付けようとしていたユノ。


新しい仕事に就くためにできるだけ不安材料は取り除きておいたいユノ。これまでの夢日記も含めて、ドクターヘンリーからの心理アドバイスをもらった。

 

まず、心を前向きに持っていくために、これからしたいことを箇条書きにすること。

 

それらを目標に掲げておけば、正しい指標に向かって進むことができる。ポジティブシンキングの状態を保つと、脳はいつもリラックスした状態、あるいは適度な心地よい緊張とともに、仕事に集中することができる。

 

<これからしたいこと30箇条>

 

1.もし好きな人とツーショットになれたら、横でずーっと顔を見てたい。話聞いてたい。

2.もし好きな人のそばにいることができたら、ずーっと好き好きって言い続ける。

3.もし好きな人と手を繋げたら、ぜったい離さない。

4.好きな人にハグしたい。バックハグして離さない。

5.日帰りでいいから温泉行きたい。

6.遠くまでドライブしたい。

7.たまに外食したい。

8.思いっきり部屋の模様替えしたい。

9.久しぶりに飛行機乗りたい。

10.久しぶりに新幹線乗りたい。

11.これらは好きな人と一緒に叶えてみたい。

12.残った仕事も最後まで気を抜かないで全うする。

13.家族のケアも忘れない。

14.お世話になった人への感謝も忘れない。

15.お金少し貯めたい。

 

ん~30もないな・・・

だって一番したいことって、好きな人の顔をみて直接、だいすきなんですけど、だいすきすきすきって言いたいんだもん。今はそれが一番かなえたいことかな・・・

 

もし、今大変だったら、つらかったら、ぶつけてよ!痛いとか大変とか吸い取ってあげるから!我慢しないで吐きだしてよっ

 

これまで一緒にいて楽しかったこと、会話したこと、笑顔みてたこと、一緒に笑ったこと思い出してる。あれがこれからも続けばいいのに・・・

間接的には伝わっていると思うけど、直接言いたい!直接近くにいたい。

 

それで

きらい

 

って言われたら

仕方ないよ。

 

あきらめるしかありません。

 

あれだね、一番きついのが

きらいじゃないけど、無理、とかいう中途半端な返事ね。

 

きらいじゃないけど、はいらない!

君は無理!でいいよ。

 

だめならだめではっきり聞きたいけど、職場の目があるから、脈なしなら

沈黙でいいですって言ってあるから、このまま沈黙なら

 

だめってことだから

そういう判断ってことで!!!

 

新しい仕事に集中しましょう。

さて、夕飯つくろっと。

 

今日はチャプチェかな~。ちょっと多めにつくって明日リラに持っていこう。

あとは、リラの好物のにんじんしゅりしゅりを作る。

 

とりあえず新しい仕事が決まったんだから、あまり欲はかかないことだよね。

この喜びだけで十分・・・。4月からはまた心機一転新たな気持ちでがんばろっと。

 

私の今好きな人、あんな人にはもう会えないだろうな~。

めっちゃすきやねん!

宇宙の真ん中で今、叫んでるってば!!!

 

 




さてさて、新生活へは準備万端かな?心を前向きに持っていくことって大事ですね。新しいことへの不安はだれしも必ずありますが、それも新たな経験と思って前向きに捉えていかないといけないですね。

大好きな人との出会いも、とても良い思い出ですよね。それを思い出すだけでも心がほっこりします。好きな人の笑顔が見られなくなると思うと、とっても寂しいユノですが、それもまた運命ですから。どこかでバッタリ会えたら、満面の笑みで挨拶しちゃいましょう。

休日はゆっくり休んでね~。ユノ。

※リラックスした脳でみる夢からまた真相への手がかりがつかめそうな気配です。


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Wの喜劇

1日1日を大切に。最後までしっかり全うしなくちゃと、意気揚々と仕事にでかけるユノ。


お仕事終了まであと3週間ちょっと。いよいよラストスパート。しかし無理せず。最後まで責任を持って仕事をしなければいけない。今日は所属長から少し早く来て欲しいと言われたので、早めに出勤して仕事の準備をした。

 

今日は桃田さんのお仕事を手伝うことになったが、

書類を届けなければいけないので、場所を確認すると

「$%&’($%&’(・・・・っす!」

 

一生懸命教えてくれているのだが、ちょっとよく分からなかったので

地図を見せると

 

「地図にないんっす・・・・新しいんで・・・・

あっ!うぇっ!!!!!あるっ!!!なんであんだ!!!???

・・・・・こごっす」

 

ユノは笑いを堪えながら、書類などを受け取ると

仕事にとりかかった。

 

預かった仕事が終わったので、桃田さんに内線で連絡を入れると

 

「うえぇっうえっつ!$%&’(%&’%&’()!!!・・・・ぃっすね!!!!」

 

と、なにか驚いていたので

「なにか問題ありましたか!??」

 

と尋ねると

「いゃ・・・・大丈夫っす・・・・」

 

といって、電話を切ったあと、ユノはしばらく笑いが止まらなかった。

さらに事務所に戻ると

 

例のお笑い帝王、元ボクサーの暴れん坊ランボー蓑上がいた。

 

(まだ桃田さんの笑いもおさまってないのに、困ったわ~)

ユノは蓑上の顔をみないようにしながら事務所に戻ると

蓑上は鬼太郎と会話をしていた。鬼太郎とはユノが密かにつけたニックネームで

痩せているわけではないのに、メンパンがずりさがってるので(たぶんわざとだろうが)

鬼の腰巻みたい・・・と、思ったからだ。

 

蓑上が鬼太郎に向かって

「ねえ、ほら、あの寝台車。なんだっけ?」

「え?北斗星でなくて・・・」

「ほら、ほら、うーんと、かがやき、じゃなくて~

かがやき、かがやき、かがやき、じゃなくってさ~」

 

と、何度も繰り返していたので

 

(カシオペアのことかいな?・・・って『か』しか合うてないやん!)

と、思いながらユノが爆笑すると

 

蓑上がすっとんできて、またしてもユノは頭を殴られた。

 

(なんて乱暴なのかしら~あなたのようにブリキじゃないんだから、やめてよね)

 

と、小さくつぶやきながらしばらく爆笑が止まらないユノだった。ぜんまい仕掛けのランボーブリキ男は、更にまた機械に向かってぶつぶつなにか話しかけていた。

 

(もう・・・今日は桃&蓑にダブルでやられたわ・・・・

 

それにしても、いいねえ寝台車。最近の寝台車ってすごく豪華なんだよね。

子供の頃に乗ったことあるけど、楽しかったな~

また乗れたらいいな。犬プリンスも一緒だったら楽しいのにな・・・

まっ、お金貯めて、豪華寝台車の旅を目標にしようっと。

 

あ、そういえば新しい職場に健康診断書類をださなくちゃいけないんだった。会社休みの日に行けばいいけど、ドクターヘンリーに頼んでもいいかな?保険外なんだし大丈夫だよね?あとで電話してきいてみようっと)

 

会社への提出書類のための検診と定期検診も兼ねて近々ヘンリーの元を尋ねようと思ったユノだった。




楽しい職場ですね~。そんな楽しい職場ともいよいよ今月でお別れですね。面白くないと苦痛でしかたないユノですが、今度の職場も笑い要素があるといいですね。

まあ『こども』自身がおもしろい存在ですからね。奇想天外な発言あり、クリエイティブな思考発想が大人にはないものばかりで、いつもユノを楽しませてくれるでしょうから、きっとまた楽しい日記が書けることでしょう。夢日記の解明も近い未来達成しそうですね。

人生楽ありゃ苦もあるさ♪

ある4才の女の子が歌っていました。4才にして酸いも甘いも嗅ぎ分けちゃってたのかな?


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秘密の裏日記

ユノはドクター・ヘンリーに提出する夢日記とは別に、内緒の日記を記録していた。もちろんPCに保存してリラにも見られないようにパスワードをかけていた。PCを新調したので、データを移そうと、裏日記を確認していた。


(これはドクター・ヘンリーには見せられないよね・・・もちろんリラにも。私がこっそり、楽しむための日記だから、内緒なのだ。提出用とは別に日記つけてるってのは誰も知らない・・・)

 

<裏日記>

某○月○日

 

1.犬プリ(盲導犬プロジェクトのプリンス→犬プロプリンス→犬プリ。長いからかなり省略した模様)って、実はしっかりしているようで、けっこう天然なんだよね。そんなところがかわいくてたまらないんだけど。

 

ランボー蓑上のボケとはまた違うんだよね・・・ランボーの場合は、ボケっていうより調節狂ってて、ポンコツなだけで、べつに基準は間違ってないんだよね。

あと、わざと笑いとりに来る場合もあるからね。おもしろい人ってくくりだけど

 

犬プリが本当の天然だ、と私は思う。だいたい頭がいい人ってまっすぐだから、天然だったりすることあるある。みのは天然ではないもん。養殖?

 

そういえば、こんなことがあった。

「明日は盲導犬の実地訓練の日だから、雪が降らないといいなあ。あ、ボクてるてる坊主つくっちゃおうかな!雪が降らないように!」

 

・・・・・てるてる坊主って、雨が降らないように願掛けするときに作るんだよね?雪ってきいたことないんだけど・・・でも、なんかかわいい~。そうよね。雪ふらないようにテルテル坊主でもいいかあ~。マイナーだけど雲掃人形とかあるらしいけど、かわいいから許す~。

 

2.ある時、荷物もってたらずり落ちてしまって、生爪が剥がれたことがあった。それで、うっ・・・爪はがれて流血した・・って言ったら、「こういう仕事だから、ネイルとかは・・・・」

 

って言うんだもん!!あたしゃこの会社に入ってからネイルなんかやってないってばぁ~!!!

 

「ちがくて、本当の爪!!!」と、言ったら気付いてくれたけど。女子はおしゃれ気にしてるって思ってるのかなあ~。かわいいねっ

 

3.○○ちゃんは女好きなんだ・・・・■子ちゃんは僕が行くとすごく喜んでくれるんだ。って言うから、友達の話?ってよくよく聞いてたら

 

犬の話だった・・・・

 

どんだけ犬が好きなんですか!!!!!私はあなたが大好きですけど!!!!

 

と、心の中でつぶやいておいた・・・・

 

 

4.ある時社内見学に来ていた小学生を引率していた先生がいた。こどもたちをきちんと制して、歩く道を譲ってくれた。それをみて、

 

「お、空気読む人だ。好きになってしまいそうだ!」と、思わず叫んだ犬プリ。

 

(え~!!!!私を好きになってよ!!!!)と、やっぱり心で叫ばずにはいられなかった。

 

 

5.同じく道をゆずってくれた人がいた。それをみて、「僕ああゆう人が好きなんですよ」と、つぶやいた犬プリ。

 

(道なんかいつだって譲ってあげるからああああああ。なんだってゆーこときいちゃうってば!!!!私を好きになりなさい!)と、心で吠えざるを得ない程、熱く燃えたぎる想いでいっぱいだった。

 

 

*****

 

犬プリのとやりとりも密かにいろいろあるのであるが、それはどうしても恥ずかしくて、ヘンリー日記には書くわけにはいかない・・・なぜなら、リラとの共有ノートでもあるから。会話のはしはしに犬プリが登場するので、どんな人柄かということは、リラもよくわかっているが、かといって、ユノ自身の微妙な心の動きはなんとなく言えなかった。

 

職場を離れるということもあって、私日記:犬プリ編を読みながら、なつかしいな~と頬を赤らめるユノだった。

 




大丈夫ですか?ヘンリー博士に提出する日記は事細かに、心理分析もしてもらわなくちゃいけないんじゃ?

まあ、いちおう夢日記ということで、リラと同じ夢をみたり、不思議な夢の解析ということなので、よいのかもしれまんが、もし、この裏日記をみせたら、またなにか新たな情報が得られるかもしれませんよ?

とりあえず新生活までは保留ということで、今は現職での思い出を整理する日々になりましょう。


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カッチャギウェ?

平穏な日々が続いていたが、ちょっとした出来事がユノの心を揺さぶった。


「ヘンリー先生!」

「どうしたの?」

「車のナンバーだったんです!」

「???」

 

ドクター・ヘンリーに健康診断の予約をしていたユノは、息せき切って診療室に飛び込んできた。

 

「ユノちゃん、落ちついて落ちついて。今日はもう午後から診療ないから、

お茶でも飲んでゆっくりしていって」

 

ヘンリーはユノを落ちつかせようと、ソファへ座ることを勧めた。

「あ・・・すいません。ちょっとびっくりしたので・・・」

 

「今、お茶入れるから待って。今日はオレンジペコとフィナンシェがあるから」

 

ユノは普段紅茶はあまり飲まないが、以前、横浜の有名な紅茶店で味わった

オレンジペコがお気に入りだった。フィナンシェもココナツやアーモンド好きなユノにはうれしいおやつだった。

紅茶の香りで落ちついたユノはゆっくり話はじめた。

 

「先生取り乱してしまってすいませんでした。昨日久しぶりにリフレッシュ温泉に行ったんです。

しばらくいけなかったので、仕事が終わってから直接行ったんですが、そこで

ロッカーの鍵をいつも渡されるんですね。貴重品や着替えを入れる・・・・

そのロッカーキーの4桁の番号をみたら、盲導犬プロジェクトの所長が乗っている

車の番号だったんです。」

 

ヘンリーは穏やかな笑みをたたえながら言葉を投げかけた。

「所長さんって夢にでてきたり、いつも話に出てくる男性だね。ケント君のおじさんだったかな?」

 

君が大好きな、という表現を敢えてしなかったが、ユノの想いの人であることを

確認しているよという意味を込めて、ドクター・ヘンリーが質問をした。

 

「はい、そうなんです。昨日はケント君の卒業式で特別な日だったし、ちょっと驚いたんです。

夢ではありませんが、たまにこんな不思議な現象に遭うので、検診ついでに先生に

ご報告を・・・と思いまして」

 

「そうか~。それにしてもユノちゃんはランダムな数字を覚えるのが得意だね。

携帯を持つ前は電話番ををソラで覚えていたんだよね?」

 

「あ、はい。全部ではありませんが、親しい友達の番号は記憶していましたので

電話帳は使ったことがありません」

 

「数的処理が得意な人は、脳の動きも独特で、そういう人はインスピレーション力が

高い傾向にあるんだよ。SEとかプログラマーがそうなんだけどね。

ちょっと違ったものを受信しちゃったりする人もいるようだ。リラちゃんも

そうじゃない?」

 

「そうですね・・・リラは数学よりも理科が得意なんです。理科だけはいつも90点以上

なんですよ・・・私は数学の方が好きだったんですが。」

 

「そうだったね。リラちゃんは将来、僕の弟子入りしてくれるんだもんね?」

 

ユノは笑いながら答えた。

「そうなってくれたら、ほんとうに嬉しいです。先生のお手伝いができて

すきなことを学んでいけたら、彼女も幸せだと思います。」

 

「それにしても、車のナンバーが出てきたのは、ビックリしたね。

いろいろな偶然が重なると、縁を感じざるを得ないね」

 

よくよく考えたら単なる偶然なのであろうが、なぜかその数字を見たときに

不思議な衝撃を覚えたことが気になり、ドクター・ヘンリーに報告したユノだった。

 

新しい生活を前にいろいろとナーバスになっているのかもしれない。

また、遠巻きに見かけた犬プリが疲れた表情をしていたのが気になったのだろう。

 

未だ直接の関わりはないとはいえ、いつもユノの心の中には犬プリの存在が大きな位置を

占めていることには変わりなかった。

 

「先生、そうえいば、リラが不思議な夢をみたことを思い出したそうです。

Kスターのジョヨンが亡くなる前に、大勢の人が行き交う中に彼がいて、海の向こうに

歩いていった夢をみたのだそうです」

 

「なるほど・・・伯父さんは亡くなった後に2人の夢に出てきたんだったね」

 

「そうですね・・・私達の体験は波があるようで、不思議なコトが続くときは立て続けに起きて

何もないときはほんとうに何もない日々が続きます。」

 

ドクターヘンリーは今一度真剣な面持ちで、会話のデータ化を進めていた。

 

 




他人にとってはなんでもないことでも、自分にとってびっくり!っていうことってありますよね。前に住んでいた部屋番号と車の番号が同じだったり、兄弟と誕生日が一緒だったり。そういうときってなにか不思議なものを感じてしまうってのはあるんじゃないかな~と思います。

いよいよ花粉も本格的。デトックスに勤しむ作者です。ごきげんよう・・・


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あの時の記憶

光陰矢のごとし。ある時はあっという間に時が流れ去り、またある時は緩慢なひとときを過ごす。ユノもそんな時の流れに身を委ねていた。


リラの卒業旅行。彼女が行きたがっていた日本列島最北端の土地。

太宰記念館や三内丸山遺跡をみたいというので、中学最後の記念に

新幹線を利用して北へ向かう計画を立てていた。

 

(思えば、あの時は結果を待っている間が、死刑執行の宣告を待つ死刑囚のようだった・・・

終わってしまえば、ほっとして肩の力が抜けたっけ。)

 

ユノとしてはどんな結果でもいいから、強く心を持って受け止めたい一心だった。

 

あの年は本当に過酷で、前期試験で県内トップレベルの高校に落ちた子たちが

後期試験でリラの志望校に流れてきた。結果、倍率が3倍に。通常理数科はこんな倍率に

ならないのに、No.1高校受験の子全員がその志望校に願書を出した結果だ。

 

もうこれは絶望的。そう思っている保護者の気持ちとはよそに

最後の模擬試験がかなりの高得点だったことに気持ちを良くして

ほぼ無理だと言われている高校をリラは躊躇なく受験した。本人も納得済みだったから

よかったようなものの、待っている大人は気がきじゃない。

 

結果をきいてホッとした。既に受かっていた滑り止めの私立に進学が決まった。

この私立も併設の大学もあるし、国際交流や校内塾なども充実しているし

なかなかよい学校なのだ。奨学金制度もある。

 

公立志望校がだめだったおかげで、ギリギリ最後に追い上げたところで、世間は甘くない

ということを悟ったのか、高校1年から猛勉強を開始する心構えが

できたようで、大学受験はスタートが肝心とばかりに

勉強中心の生活に切り替えたリラだった。

 

勉強なんて強いて勉めるんだから、楽しいわけないのに

すればするほどいろんな発見があって楽しいとのたまうリラ。

 

とにかく、なにがなんでも動物の仕事がしたい。

夏休みや冬休みはペットショップでバイトする!と、意気揚々と

通学するリラだった。

 

(やっぱり女子は強いね・・・こうなんていうのかな。ストレスに強いのは

女子の傾向にあるんじゃないかな・・・出産の痛みを男子が経験したら

死んじゃうらしいからね・・・女子は痛みには強いらしい。

 

そこいくと、私も女子なのに、ストレスにはめっぽう弱い。大きな災害とか

そういう場合は落ちついていられるのに、仕事中の緊張や、受験結果を待っている間は、頭が爆発しそうだった。

 

卒業旅行の引率のための休暇申請をしていなければ、きっとそのまま倒れてしまったに違いない。姉、弱い!って、前にリラに言われたっけ・・・

 

そうなんだよね。けっこう気は強いつもりなんだけど、プレッシャーには

弱いかも。人前でしゃべったりプレゼンなどは全然平気なんだけど・・・・

 

リラと私の緊張するポイントが違うんだよね。まあ、でも、今はキャパスライフを

楽しんでいるようだから、よかった)

 

同じ香りや同じシチュエーションで、以前の記憶が鮮明によみがえることがある。

桜のつぼみが待ち遠しい、あたたかな空気に触れた瞬間、1年前の記憶が

よみがえったユノだった。

 

そういえば、不思議な体験は、受験会場に送って行ったときに

 

「ここじゃない」

 

と、ひらめいたことを、ユノは思いだしていた。本来なら受かって欲しい場所なのに

ここではないと、ひらめいてしまって、瞬時に否定しようとしたことを

落ちついた今は、ゆっくり思い出し、そのひらめきが「当たり」であったことを

かみしめていた。

 

 

 




春うららかな季節。空気も一気に暖かくなりましたね。
とりあえず、ユノも落ちついている様子。リラも元気に学校に通っているんですね。

2人とも夢に向かってまっしぐら。努力しつづけて悪いことはありません。不思議な体験も気になるところですが、良い方に解釈して前に進んでいきましょう。


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巡り巡って

古い職場と新しい職場。悲喜こもごも。期待あり、不安あり。
新生活へのカウントダウンは始まっている。

ユノは、片づけなければいけないヤボ用の整理をしながら
いろいろな思いを巡らせていた。


1ヶ月以上も前に申請していたとはいえ、休みをとると

なんとなく罪悪感がわいてしまうというのは、日本人の特性だ。

 

めぐりめぐって1年はずいぶん立つのが早い。

自分の人間更新日ももうすぐ。何十回とそれを繰り返しヒトは人生を重ねていく。

 

こうやって長いこといろんな人をみていると

年を重ねて重みを増した人、ものごとを悟って、出来事には意味合いがあると

実感する人、

年月を経ても人間性が変わらず、変わるどころか悪い方へと進む人。

 

変わろうと努力している人は、間違いなく自分の理想像に近づくことが

できているもんだなあと、様々な職場やいろいろな所で人をみていると

つくづく感じることがある。

 

おもしろランボー蓑上は、いつも退屈しない。彼なりにいろいろ苦労も

しているのだろうけれど、あまり深いことは考えないようだ。

 

たまに「老後どうしよう?あんたどうするの?」なんて、考えても

しょうがないことを、問いかけてきたりするけれど・・・

 

「その時はその時ですよ(だって時代や情勢も変わるしね)。」

と言うと

 

「そんなことでいいの~???

あんた、寂しくてあそこに並んでたりするんじゃないのっ!」

なんて言ったりする。

 

『あそこ』とは、老人などを言葉巧みに景品で釣って、高額をだまし取る

詐欺商法売り場のことだ。一定期間、ある場所でわりと高級そうな商品を無料で配り

最終的に高額なモノをうりつけ、その後、跡形もなくなる。連絡も取れない。

 

どこそこかしこでそんな光景を目にするのに、なぜお年寄りはそこに足を

運ぶのか?だまされているわけではなくて、わかって行っているらしい。

つまり『さびしい』からだ。

 

自分の家族は離れたところにいて、なかなか会いにくることがない。来たとしても

盆正月ぐらいで、話す時間も短い。

 

日常で会話の相手になってくれる縁側友達もいない。そんなお年寄りが

よりどころにしてしまうのが、そういった詐欺商法売り場なのだ。

売り場の店員はやさしい。必要以上にお年寄りに愛想を振りまく。

 

そんな光景を見て、蓑上は思うところがあったようだ。

 

子供好きのユノは、道を歩いている子供が手を振ってくると、笑顔で手を

振り返したり、話しかけたりする。すると蓑上は

 

「やめなさい!!!誘拐犯だと思われるでしょ!!怪しいからやめなさい!!」

 

と、激しく叫ぶ。

 

ユノはその度に腹をかかえる。

(怪しいのはあなたのほうでしょう~。私が手を振ってもおかあさん達だって

笑顔で見守ってくれているやんか~)

 

「あら、ユノ、制服は?」

「え?ああ、中身ね・・・暑いから脱ぎましたよ」

「へぇ・・・・・脱いだのね。脱いだんだ」

 

(なに言ってんだろ、この人?いいや、無視しよ)

 

こんな他愛もない日常もあと少しで終わりがくる。

たまにしか会えないとはいえ、犬プリとも偶然すれ違うことも

なくなってしまう。

 

言いしれぬ寂しさを抱えながら、ユノはとぼとぼ歩いていた。

 

(犬プリともいっぱい会話したんだよね・・・走馬燈のように

頭に浮かんでくる・・・

 

今はオアシスに乗ってるけど、沖縄に居たときはなんちゃらシルバーの

車に乗っていたって言ってたっけ。めずらしい色だって。ちょこちょこ

いじっているらしく、その車は大事だから置いてきたらしい。懇意にしてくれる

車屋さんに預けたみたい。

 

車と犬が好きなんだね~。いい趣味だ。どっちもお金がかかっちゃうけどね

自分で一生懸命働いたお金を自分の趣味に使うのは良いことだ。

 

次の仕事でお金が貯められると良いけど、まずは仕事を覚えて、来る子供達の

名前も覚えなくちゃ。)

 

社員の送別会の時に撮った大大大好きな犬プリの写真をながめながら、会えなくなっても、ずっとずっと心から離れないだろう愛しの主を思っているユノだった。

 

彼が何を考えているのか、どう思っているのか、最後まで尋ねることができないのだろうか。彼の気持ちをききたい。そう思いながらも実行できないユノだ。

 

今朝の夢は、新しい仕事場で荷物の移動をしているシーンだった。

お客さん(お父さん保護者?)に名刺を下さい、と言われている。

あ、すいません、これしかありません。と、自営の名刺を渡そうか躊躇している

 

そんな夢だった。

 

そういえば節目節目で、なにかしら夢をみていたかもしれない。

サスケに入社した直後も、犬プリの夢をみた。その時は、まだ自分の気持ちに

気付いていなかったが、なぜ彼の夢をみるのだろう?と、思ったことがあった。

 

とりあえず、意味はわからないが、定期検診時に提出するための『夢日記』に

記録しておいた。

 




寂しいですね~。大好きな人には、ちらっと会えるだけでも嬉しいのにね。
姿をみることもできず、なんらかのやりとりもできないなんて、ユノにとっては
寂しさで心がきゅぅ~っとなる日々が続いてしまうかもしれませんね・・・

まあ、新しい仕事に集中することにして、がんばるしかないね。

それにしても、新しい仕事を前に、またなにか夢をみたようですね。いつも出来事の
境目には夢を見るユノ。

悪い方に考えるなよ~!!!!ユノノ!


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大変ダ

新生活に向けて日々あわただしいユノであるが、そんな中でも
妹の心配は尽きない・・


ユノは受験をしたことがなかったため、受験システムには疎い。

ましてや昨今の受験のシステムってなんだかさっぱりわからない?

前期試験?後期試験?AO入試??推薦・・・

 

(ん~。高校入試もそんな感じだったけど

ほったらかしちゃったからね・・・まあ、とりあえず良い学校で

なんとかがんばってくれてははいるけれど

 

大学入試はケアしないとだめかも・・・偏差値なんてなに?って感じだったけど

こうやってみると伯父ちゃん、なにげにすごかったのね・・・)

 

一旦興味をもつと徹底的に調べないと気が済まないユノは

リラのために大学入試のデータのプリントアウトを始めていた。

 

(え?なに?今って第二外国語も受験科目としてみてもらえるんだ?

推薦とか、センター入試とか・・・・

 

じゃ、リラは韓国語ならわかるからちょっと勉強すれば

いいんじゃないの?中国語やりたいって言ってたけど・・・・

 

でも、会話とは違うからなーーーー

難しいやん!

 

これはムン先生に特訓してもらわないとだめだな・・

 

てか、この子が受験する年にはまた制度が変わるって???

もう、わけわからん・・・・・

 

子供の数が少ないのに、なぜにそうやって受験制度を

複雑にするんだろ???

 

高校時、共通模試みたいのを受けながら、偏差値だしていって

レベル見合う学校にWEB出願する。それで、締め切りまで

定員に満たなかったら、全員合格

 

ぎりぎりまで出願して、その状況をみてキャンセルして

他に切り替えたりすればいいのに。オークションの時間制限みたいに。

 

それで、最後の締め切りで、定員50だったら55ぐらいまで

幅を持たせて(ドタキャン対策)、定員オーバーだったら

抽選すればいいじゃない。

 

それで×だった人は、2時出願ってやればいいのに。

 

もちろん学校毎に定員決めていいけど。それで、どれもダメなら

私立の滑り止めに行くとか。

 

私立しか受けない人、つまり専願受験の人は科目少なくするとか。

あと、私立の推薦は私立だけを希望する人しか受け入れないとか。

 

そうやれば、定員確保できるんじゃないの?

 

というかさ、日本大学多すぎ!

なんか学業を商売にするって、どうなんでしょう?日本人が金有るってことだよね・・・・・・

子供の数が少ないのに学校が多い・・・昭和の経済成長時代は逆だったのに・・・

 

本来の大学と言われるのは数校だよ・・・・英語のUniversityって

医学部とかある総合大学がそうらしいよね・・・日本はほとんどcollege

になっちゃうらしいよ。特に私立は・・・

 

大学行って勉強しないんだったら、高校でて働いた方が

よっぽど社会性が身に付くってもんだ・・・

 

いたなぁ。そういえば某会社でも。大学でてます、でも使えません男子・・・

あれはびっくりした。女性達はすごくデキル女子なのに、男子が

は???って

 

その時ほど、日本は大学でたから知識ありますとか頭いーですって

くくりにはならないってのを実感しましたね・・・

 

だって、元首相、新潟出身の故田中角栄さんなんか小卒だもんね?

まあ、時代の関係もあるだろうけど、学校は行ってないんだよね・・・

それで総理大臣になった人もいるわけで・・・

 

大学って~なんだろ?

 

と、思いますが、まあ、リラちゃんはどうしても勉強したいというので

私もがんばって、そういう環境は作ってあげたいと思うわ・・・

 

理科も好きだけど、経理も好きだって言うからね・・・

簿記検定受けてもらいましょ。

 

いやぁ・・・・あたし、しかたなく経理とかやったけど

だイッきらいだわ・・・・

 

借方貸方とか、意味わかんないもん。勘定科目も

なんでこれが作業経費でこっちが経費なの???

<いいのよー、好きに分けて>って言われても、覚えられないわ・・・

 

とにかく興味ナッシングだったから、私は簿記やら経理やらNGですけど

簿記はやってても損はないからね・・・

 

問題集ネットから注文しときましょうか。

 

もう、受験に関しては、月謝払ってでも、ドクターヘンリーの

ご協力もいただかねば・・・

 

生きていくためにはお金が必要、お金を得るためには、仕事を得なければね・・・

自分がやりたい仕事につける人はほんの少数。

 

でも、努力はし続けて悪いということはないから、私も久々に

韓国語勉強しよっかな・・・)

 

英語はほんとーに嫌いで、仕方なくしゃべったりはするが、

長文などを見ていると、寝てしまうユノだった。

 

なるべく楽しく勉強しようと工夫したのが、セサミストリートだった。

これだけは、楽しいストーリーと、愉快なキャラで何度も見たり繰り返したり

マネしたりすることができた。

 

(B人に言ったら笑われたけど、勝手に笑ってればヨカ。しゃべってなんぼじゃ!)

 

英語を母語とする人達の論理思考が、性に合わない故、いやいや勉強したユノは

リラには勉強にやりがいを持って、進めて欲しいと思っていた。

 

(犬プリに相談したかったけどね~。でも、なんか邪感漂うから、できなかったわ・・・元気かな?今、なにしてるんだろ?仕事かな・・・)

 

これまでの仕事とはまた違った課題が増えるであろうユノの新社会生活。

同時に妹の進路にもスタートが肝心とばかりに、調査を進めるユノだった。




日本と西洋では新学期が違いますね。日本も10月スタートの話が持ち上がったことも
あったようですが、社会人のスタートが4月だから、なかなか
合わせるのは難しいかもしれませんね。

韓国は1ヶ月ずれていて、2月が卒業式で、3月がスタートだと
聞いたことがあります。

今の韓国は、まだ寒いんですよね~。ソウルと秋田が同じぐらいの緯度ですから
軽装でいくととんでもないことになります。

その代わり、韓国のアウターってすごいんですよ。さすが寒いところの!って程
がっちり防寒対策が成されていて、すぐれものなんです。
韓国行ったら、アウター買いがお勧めです。


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ユノの独り言

年度末を控え業務の忙しさに加え
自身の新しい仕事への準備にも追われているユノ

やらなきゃいけないリストをつくりながら
ひとりぶつぶつ確認するかのように自問自答・・・


とりあえずリラはさあ落ちついているけど・・・

落ちついているのか?

落ちついていると信じようとしているのか?自分

 

私はリラの心配&今の仕事全うしなくちゃの心配&新しい仕事の心配&

自分の体の心配etcetc (一番はあの人がどう想ってるかだけど保留ダ)

 

頭爆発しそうなんだけど?

 

1日が34時間ぐらいあって1時間が360分ぐらいあったら

なんとかよゆーでるかも、だけど・・・

 

車の手続きは、近所のまつにぃがやってくれるっていうから

とりあえず安心したけど・・・(てか、おんぶにだっこでいいのか?)

あの人世話好きだから、なんでもやってくれちゃうんだよね・・・

今日だって合間に私物の部品の交換してくれちゃうし・・・

 

行為に甘えっぱなしってのも、心苦しいわけでして・・・

 

なーちゃんに頼まれたまっぷは、もう渡したからいいでしょ・・・

リラのケータイ解約もおっけーでしょ

 

あとなにやるんだっけ?

 

あ、ヘンリー先生から貰った健康診断の問診票etcを

新しい職場に出さなくちゃ・・・・

 

あと、職場のシフトがわかったらヘンリー先生にも

メールしとかなくちゃ・・・定期検診の予約の関係もあるしね・・・・

不思議な事ってあったっけ?

 

あ!あったあった

 

いつもお墓参り行くとなにか聞こえるのに

今回は

 

あれ?なんにも聞こえないや・・・って思ったら

 

墓地Aで「%&’()%&’(&’()」<内緒

って聞こえてきて、まじすか!って、叫んじゃった件

 

墓地Bでは「&’()&’(&’()」<極秘

って、聞こえたというより会話しちゃってるかんじの様子

 

(ヘンリー先生じゃなかったら別の病院連れてかれるトコだよ・・・)

 

てことを、暗号にしてヘンリー先生に提出

でしょ

 

あとは、健康保険料金の支払いだ・・・

平日じゃないと銀行やってないから、午前中にいかないと・・・

 

そんでもって

近況のおしらせを送らなくちゃ・・・

コ藤さんと中田先生かな・・・

 

友達関係はメールでいいな

放置組は年賀メールでいいや

 

明日は忙しいのかな・・・

今日は少なかったからよかったけど・・・

 

とりあえずこれらが終わったら

またリラとご飯食べにいかなくちゃ

学校関係&資格取得&もろもろの打ち合わせ

 

そういえばこの間ごはん食べたとき

東方とか艦コレとかISとか、詳しかったわ~あの娘

思わずインタビューしちゃった

エヴァの解説もしてもらって

 

ガンダムなら多少わかるんだけどね・・・

私は北斗の拳とかは好きだったし

スピリッツは弟のおさがりもらって読んで

廃品回収だしてたから

 

そーゆー系はわかるけど

リラは小説書きたい!とか言ってたから

ああ、ネットで書いたりできるよーって

 

教えてあげたけど・・・

 

ひとつあいてるノートPCあげることにしてるから

そこからアカウントとればいいしね・・・

 

その前に検定用のMS office入れてあげなくちゃだから、

そーだー、その作業もあったんだ・・・・

 

フォルダ整理しとこ。べつにやばいものとかは

入っていないので、無問題ですが、仕事のとか入ってたら

移動しとかないとね・・・

 

あとブックマークは削除しとかないと・・・いちおうね。

 

 

・・・・と、こんなとこでいいのか?

料理する時間あまりないーーーーー!

料理しないとストレス溜まるわ・・・

 

事故後、珈琲飲んでなかったのに

この間、思わずセブンコーヒー飲んじゃった・・・

 

たまにならいいよね?健康のため

アルコール、珈琲、刺激物はとらないようにしてましたけど・・・

辛いのも好きですが、トッポギに入れるコチュジャンも控えめに

しております・・・

 

そうだ。食生活日記もヘンリー先生にださなくちゃいけないんだった・・・

心身共々先生にはお世話になっております・・・

 

あ、お風呂お湯が溜まってきた!

いかなくちゃ

 

 




なんだかとっても慌ただしいですね。
不思議なこともなんかスルーって流れちゃってますけど
というか
普段の生活になにげに入っちゃってるようですが

それももまたユノの日常といえば日常なのかも
しれませんね。

ところで、想い人のことはあきらめたの?


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インタビュー

今日はユノにインタビューしてみました。


Q:あれ、ユノノ今日って特別な日じゃなかったの?

A:そうなの!あと7分で特別な日が終わっちゃう!

 

Q:プレゼントもらった?

A:内緒!

 

Q:メッセージは?

A:もらったよ。

 

Q:誰から?

A:あたってから!

 

Q:なにかいいことあった?

A:あったあった。

 

Q:なにがあったの?

A:おもしろいこと。

 

Q:教えて。

A:何くれるの?

 

Q:ん~。チョコでいい?

A:ちっ・・・ディール!

 

Q:取引成功ね?

A:うん

 

Q:じゃ、まずなに?

A:Kさんと途中すれ違い、譲って貰って助かって、

お辞儀とどうじに、手を振っちゃった。そしたら笑ってた。

なんか救われた。焦ってたから。

 

Q:そうか!仕事スムーズにいったんだね。

A:うん。あそこ切れないからさ・・・・

 

Q:次は?

A:次はね。ちゃうちゃう犬みたいはH君がね。がんたれてきたの

 

Q:それっていいこと?

A:うん。だって、おもしろいんだもん。

すごんでるけど、ぜんぜんおかしいの。

 

Q:おもろ顔なの?

A:だから、ちゃうちゃう犬みたいなんだってば!

 

Q:癒されたんだね?

A:そうだね。帰るときもすれちがって、がんたれてきたから

ぶぁっ!って大笑い。ばうばう!楽しいぞ!

 

Q:あとは?

A:あとはもうほら、がちゃがちゃおじさんだよ。例の。

 

Q:あの人いるだけでおかしいよね?

A:そうなの!でさ、階段あがってったら

いきなり後ろから、ぐぃいいいいい!!って押してくるから

 

んがぁあああああ!って押し返してやったのさ。

そんでもって、T・Tで、背中なぐってやったんだ。

 

いつものリベンジだ!

 

Q:ははは!楽しそうだね?

A:うん。おかしかったよ。

 

そのあとね、ずっとまたひとりでぶつぶつぶつぶつ言ってるからね。

無視したけどね。

 

Q:じゃあ、充実した「くんぷれ」だったんだね?

A:なんでスペイン語で言ってくんの?

 

Q:ユノノスペイン語わかるでしょ?

A:わかるけどさ。

 

Q:フェリス・クンプレ・アニョス!

A:ぐらしあすっ

 

Q:何語で祝われたら嬉しいの?

A:何語でも嬉しいよ。ようは心だよ・・・

 

Q:想いの人からはなにか来たの?

A:ふんっ・・・こないよ。あいつはもうだめだ。

 

Q:あきらめたの?

A:あきらめたくないけどさ。なしのつぶてだもん。

なしごれん!!!

 

Q:ユノノ、だじゃれががちゃおじさんみたいだね?

A:うるさい・・・・

てか、避けるように帰っていったわ。想い人は

 

Q:知らないんじゃないの?ユノノの大事な日。

A:その「知らない」ってのが、無関心ってことでしょ。

 

Q:そうかなあ・・・?

A:そうだよ。たぶん

 

でもさ、ずっとまえに Hugするって言ってくれたのにさ

あれ、冗談だったんだね?

 

Q:いやぁ・・・それは覚えていると思うけどな。

A:じゃ、なんでしかと?昨年だってスルーだよ

 

Q:タイミング逃したとか、それと恥ずかしいとか?

A:ふん・・・そりゃあ、人前ではちょっとね・・・

 

Q:どこでハグするの?ってことなんじゃないの?

A:そんなのどこでもいいわい!!!!

 

Q:まあ、いろいろあるんだよ・・・

A:いろいろってなに?

 

Q:いろいろさ。

A:ふん・・・何も言ってこないってことは、脈がないってことでしょ?

 

Q:直接きいちゃえばいいじゃん?

A:それができたら、今頃、私はこんなに

ぐちぐちしていません!てか、追えば逃げるしさ・・・

 

Q:いきなり突進してきたら、だれだって逃げるよ。

A:いいよいいよ。もういいんだ。

 

あああ!すぎちゃったよ!25日になっちゃった!

 

Q:ははは!でも、良い1日だったんだね?

A:うん。今まででけっこう良い日!かな。ここ最近では

泣かなかったかなーーー

 

Q:いままで泣いてたの?

A:ん・・・・仕事、きついとか、それどころじゃないとか

なんか寂しかったり、いろいろ。

 

Q:そっか。今日は良い夢を見られるといいね!

A:ありがとう!良い夢を見て、それを夢日記にするわ!

念じて良い夢みて、それを現実にしちゃうから!

 

Q:そうそう。その勢!仕事がんばってね。

A:ありがとーーーー。あと少しだから、がんばる。

 

Q:ファイティン!

A:こまうぉ!

 




今日、おっと昨日はユノノの特別な日だったんですね!
おめでとう!!!

では気持ちもあらたにがんばっていきましょーーー!


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インタビューVol2

今日は、ユノについていろいろ聞いてみました。


Q:ユノお疲れ。

A:お疲れ様~

 

Q:今日は仕事どうだった?

A:んー。ぼちぼちね。いよいよ終わるかなって感じ。

 

Q:みんなに挨拶できた?

A:そうだね・・・ほとんどの人に挨拶できた。お世話になった人には

漏れなく・・・

あ!漏れてる・・・・一部言えてない。

 

Q:だれでしょう?

A:うっせーおやじと、ガリガリ君。

 

Q:ああああ、主役2人じゃん!

A:一人は主役でいいけど、もう一人は脇役です!言っておきますが!

 

Q:主役をしのぐ破壊的な存在感だよね?

A:それは・・・否めません

 

Q:でもさ、思い入れがある人にはなんとなく、言いづらいよね・・・

A:ん・・・さよなら、って、なんか言えないな。でも、ランボーおやじは

べつにそのまましれーーーーって、別れても平気なんですけど!てか、どうせ

この辺りうろうろしてるから、会いたくなくても遭遇しそうだし・・・

 

Q:愛しの本命君だって近くにいるんでしょ?

A:んー・・・それはそうだけど、彼の場合は気合いいれて探さないと

会えないから、なかなか難しい。

 

Q:そっか・・・ところで、ユノのプライベートな質問しちゃっていい?

A:え・・なにかしら?

 

Q:スリーサイズとか

A:はあ?だれも、そんなの知りたくないんじゃないですか?

 

Q:だって、ユノが小さいってことしかわかんないじゃん。

A:それで十分じゃないですか?てか、それ違うコーナーでお願いします。

 

Q:じゃ、なにかの機会に触れることにします。

A:作者、男子ですか?

 

Q:どう思いますか?

A:わからないからきいてるんです!

 

Q:天使です。

A:はあ?天使って中性じゃないですか。

 

Q:じゃ、そういうことで!

A:どういうことですか?

 

Q:あまり突っ込まなくてよいではないか。

とりあえず読者の皆さんのニーズにお応えしよーかな?なんて

サービス精神満載な回です。今回。

A:ガールズトークなら気軽に言えますからね。

 

Q:あー、女子の会話ってえぐいよね?男は単純、女は複雑っての

よくわかるわ。

A:えぐいよね?あたし、だめなんだ。あーゆーの。

 

Q:だからこどものときは男子とばっか遊んでたの?

A:んー、いまはおしゃべりだけど、小さいときは、あまり

しゃべらなかったの。口より先に手がでるというか、体はがんがん動かすけど

口がまわらなかったのです。

 

だから、男子といる方が気楽だった。あとは、女子でも体育会系の女子。関西からきた子。

 

Q:それでたまに関西弁でるの?

A:どうかな?ただ、うちのまわりって関西人が多かったのは記憶にある。

 

Q:全く遠いのにね?

A:街の真ん中だったから、転勤してくる人が多かったの。だから、地元民は

ほとんどいなかった。外国人もいた。

 

Q:インターナショナルだね?

A:当時はそう思わなかった。あー、だれだれちゃん、中国の人ね。だれだれはアメリカと日本が混ざってるのね、とか、そんな感覚。

 

Q:だから、ユノって外国人みても平気なのね?

A:そうなのかな?べつに顔と目と髪の色が違うだけだなって思うだけで、なんにも考えてなかったよ。

 

Q:そういえばお父さんも海外出張とかよく行ってたんでしょ?

A:あ、そうそう。旅行代理店してたから、韓国とか台湾、香港(中国)はよく行ってた。

 

あるとき、韓国の会社の社長さん連れてきて、一緒にご飯食べたんだけど、

日本語話すから、びっくりした。

 

Q:日本語ぺらぺらだったんだ。

A:そう!で、じーって顔みてたら、お父さんが

「クォンさん、頭の中で考えてるときは、日本語?韓国語?」って

聞いてくれたの。

 

Q:ユノの疑問を代弁してくれたんだね?

A:そう!そしたら、「うーん。両方かな?」

って、社長さんが言うから、すごく興味持った。

どういう思考回路なんだ?って

 

Q:それでユノは外国語に興味を持ったんだね?

A:そだね。違う言語で考えるってどゆこと?って

 

Q:じゃあ、韓国が最初の海外との出会いなんだね。

A:そうだね。テレビでは、ブラジルのバレーボール選手がすごく

印象的で、なんかいろんな人種混ざってる!って思ったのが最初。

 

初めはポルトガル語(ブラジル)をやりたかった。

 

Q:サッカーもブラジル強いもんね?

A:そうなの。でも、お父さんが、世界共通の英語はやってたほうが

いいよって。そうすると、けっこうどこの国でも通じたりするっていうから

しかたなく英語はやった。

 

Q:英語っていっても国によってなまりとかあるでしょ?

A:そう!イタリア人とアラブ人は、LもR全部Rで発音するの。

つまり巻き舌でるるるrってかんじ。

 

Q:ききとるの大変じゃない?

A:慣れるまで大変だったよ。イギリスとアメリカも違うし。

 

Q:でも、わかるようになると楽しいでしょ?

A:そうだね。発音というよりは、考え方がわかってくるから

多少ききとれない言葉でも、いいたいことはわかってくる。

 

Q:日本語だって、方言違うとわからないもんね?

A:そう!桃田さんなんか、7割なにいってるか、わかんないの!

今日も一緒だったけど!!!

 

でも、最後はわかるから、言いたいことはわかるの。てか、

おかしかった・・・暑かったから、半袖きてたら

 

&’($%&’%&っすね!!!半袖っすか!!!?

 

って、驚いてるから、受けた~

 

Q:ユノ、3月なのに半袖だったの?

A:制服全部返しちゃったから、中にきるやつ、半袖しかないの。

 

Q:風邪ひかないでね?

A:ありがとう。でも、今日、暑かったのよ。

 

Q:まあ、体調に気を付けて、新しい仕事場でがんばってね。

A:はい!がんばります。

 

 

 

 




ユノ、元気そうですね!とりあえず体調は落ちついているようです。


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有終の美?

長かった1ヶ月が過ぎた。ユノの想いはひとしきり。


ユノは窓の外を見ながら想っていた。

 

(長かった・・・

この1ヶ月、ほんとうに長かった。

 

途中、原因不明の激痛が襲ってきて

一時はどうなることかと思った。

 

今日は大分痛みもひいてきたので

急ぎのものでちょいハードを極めるものもあったが

担当の人も忙しいから

 

処理することにした。

 

ちょっと大変だったけど、これを私が処理すれば

担当者はわざわざ戻ってくる必要がないから

持っていくことにしよう・・・・

 

すると担当の福山さんから電話がきて

「ユノさん、もしかして、あの急ぎのもってってくれた?」

 

と言うので

「はい、持ってきました。処理完了しました」

 

と応対すると

「あっ、ありがとーーーーー!!!!」

 

と、絶叫された。

今回担当の福山さんは、もと野球部ということもあってか

なかなか熱いお人柄。

 

ちょっとしたことも、大げさに喜んでくれたり

お礼を言われたりするので、その度にぷぷっ、と笑ったりはするが

悪い気はしない。

 

そして、合流して書類などを渡された時に

「俺、あしたから連休なので、今日で最後かな?」

 

と言われた。

 

「はい。大変いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。」

と挨拶をすると

 

「ほんっと、助かった!いや、ほんと助かった!ありがとう!

また体調治ったら、戻ってきてね!」

 

と、笑顔で挨拶してくれた。

 

もう、この仕事に戻ることはないだろうけど、ここの人達は本当に良い人ばかりだった。

たぶん、そうじゃない人もいたのかもしれないけど

今となっては、そんなことも気にならない。むしろ、なにか困ったことがあると

みんなよってたかって、助けてくれたから。

 

感謝してもしきれない。

 

ありがとう。ほんとうにありがとう。

私の方こそ、ありがとう。具合が悪くなって、迷惑かけてしまったりしたのに

感謝してもらえて嬉しかった。

 

職場は近所だから、みんなとはすれ違ったり、偶然あったりする可能性はあるから

そんなに悲しくない。

 

ただ、あちらの方からそうやって、はなむけの言葉、みたいな挨拶をされると

ちょっと照れくさかった&うるうるしちゃうよね。まあ、硬派の運動系で

熱いひとだから、律儀なんだろうね。

 

できれば、あっさり、じゃね~お世話様でしたっ!って、あしたは

しれーーーーーっと、何事もなかったように、ふつーに、お疲れ様でしたっ

と言って、帰ってきたいものだ。いや、そのつもりだ。

 

改まったのは苦手だ。しゃちこばってしまう。

犬プリさんにも、ちゃんと挨拶できるといいんだけど。

最近はすれ違いでなかなか顔を合わせられなかったから・・・)

 

ユノの業務も残すところあと1日となった。

最後まで気を抜かず、しっかりがんばるんだぞ!ユノ!

 

 




原因不明の痛みが襲ってきてまして、2,3日前は
たびたび絶叫を繰り返しておりました(車内です)。

いろいろ原因を考えましたところ、筋肉が硬直しているのでは
ないかという考察に至り、そんでもって、左肩をかばっていたら
へんなところに力が入って、右のクビから肩、腕にかけて痛みが
走っているのでは?と、思い至り、痛み止めは飲むのを止めて

ストレッチを丁寧にしましたところ・・・・

痛み治まってきた!!!キーボードも難なく打てるし・・・
(痛いのに打ってたの(^^;))<だってストレス解消だもん

いやぁ・・・よかった。くわばらくわばら・・・


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ドクターヘンリーとの問診電話

新生活が始まったユノ。時間がとれないため
電話でヘンリー博士の問診を受けた。


(Hはヘンリー博士、Yはユノ)

 

H:ユノちゃん!久しぶりだね!仕事どう?

Y:はい、初日は緊張しましたが、子供たちの顔を見たら

とても気持ちが上がりました。

 

H:肉体的には楽でしょう?

Y:そうですね!朝起きて、筋肉痛がないのでびっくりしました。

 

H:やはり以前の業務は、肉体そのものも酷使し、さらに緊張を

強いられていたため、筋肉痛がひどかったようだね。

Y:そうですね・・・今も、こどもから目を離せないので、緊張感がない

わけではありませんが、会話ができる年齢ですから、乳幼児の監督よりは

ずっと緊張しないようです。

 

H:他の先生たちとも連携取れてる?

Y:はい。指導してくれる女性の先生と、あとは男性の先生です。

どちらもてきぱきしていて、すばらしいなと思いました。

いろいろ勉強になります。

 

H:なにか気になったことは?

Y:それが・・・先生・・・

 

H:どうかした?

Y:ええ・・・ちょっとまた偶然が重なってびっくりしたんです。

 

H:ほう・・・じゃ、会話を録音してあとはデータをまとめるからね。

Y:はい。お願いします。

 

H:用意はできているよ。どうぞ。

Y:はい・・・まず、一番最初に会話をした子が、前職で担当だった人と

同姓同名だったんです。ニックネームまで一緒でびっくりしました。

よくある名前ではないんですよ・・・苗字は割と多い方ですが、フルネームだと

ありきたりではありません。

 

H:ふむ。それから?

Y:それから・・・・なんと、例の彼のプロジェクト・・・それと

まったく同じお仕事のをしている親御さんがいたようで・・・子供との会話でわかりました。

 

あとは、男性の先生が、犬プリと同じ種目の運動部だったんです・・・ちょっとギクッ!としました・・・まあ、体型から納得はしましたが・・・

 

H:んーーー。なるほど・・・

Y:他にも、こどもたちとの会話が、以前、私が夢にみたことと

同じだったり・・・スタッフとの共通の知り合いがいたり・・・

 

世間は狭い、ということで片づけられることなのかも・・・とも思いますが。

 

H:子供たちとの会話を夢にみたってことは、やはり、君には

未来を予知する能力があるのかもしれないね。それが夢に出る。リラちゃんも

ほぼ同じだね。二人の能力の出方が違うだけで・・・

Y:そうなんでしょうか・・・

 

H:うん。君がそこの職場に入るのは決まっていたんだね・・・

また、気になる彼との出会いも、意味のあることだったんだね・・・

Y:そうですか・・・

 

H:気になる彼とはその後会ったの?

Y:いいえ。会ってもいないし、連絡もくるはずないですし。

 

ただ、他の人たちとは、通勤途中で会って、めいっぱい

手を振って笑顔で挨拶交わしました。だから、ちっとも寂しいという

感じはありません。

 

さっきもいつもお世話してくれる人が、用事があって寮近くまで

来てくれたので、数分立ち話しました。

 

H:そうか・・・前の職場も本当に人間関係に恵まれていたね。

Y:そうなんです。本当によい人ばかりで、感謝してもしきれません。

 

H:うむ。ユノちゃんも新しい仕事で疲れているだろうから、

今日はこのぐらいにしておくね。また、時間があったら、ゆっくり

こっちで話をしよう。リラちゃんも一緒に来れるようだったら連れておいで。

Y:はい!ぜひ!

先生、今日はありがとうございました!

 

 




ユノの新生活は順調なようですね。
まだ始まったばかりでしょうから、今は環境に慣れるのが先決。
これから、どんどん仕事を覚えて、活躍していって欲しいですね。

ユノ~カジャカジャ!


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どやった?

久しぶりにリラが尋ねてきた。


「姉~おなかすいた~」

 

「お、リラっち、なんか久しぶりやね」

 

「うまいもん、食わせて~」

 

「いいよ。今日は材料ないから、外食しようか?」

 

「いいね。和食バイキングがいい~」

 

「リラっちは、本当に和食好きだねえ~」

 

「だって、洋食嫌いだもん」

 

「めずらしいお子様だ」

 

「もう、お子様じゃないぞ!」

 

「あはは、失敬。めずらしい若者だ」

 

「ほないこか」

 

「いこういこう」

 

2人は近くの和食バイキングに足を向けた。

バラエティに富んだ和食惣菜が店内中央に

所狭しと並べられている。

 

ユノとリラは、おかずを好きなだけ皿に盛って

自分たちのテーブルに戻った。

 

「姉、仕事どう?」

 

「え?楽しいよ。まあ、責任があるから、ただ楽しいだけじゃ

だめなんだけど。やっぱり子どもが好きだから、正直楽しい。

そうそう、TTSとか詳しい子がいてさ。男子だけど。話し盛り上がったよ」

 

「え!じゃ、ジョヨンのことも知ってるの?」

 

「そう~。その話しも出たよ・・・文化事情にも詳しくてさ

大統領の話まででた」

 

「すごいね!」

 

「そう。話してて、飽きないね。子どもは・・・他の子は進撃の巨人の

話しとかもでてさ」

 

「姉、しってんの?」

 

「いえ・・・存在しか知りません」

 

「はははは!だろうね。姉は、犬夜叉止まりじゃね?」

 

「止まりもなにも、ワンピースだってざっくりしかしりませんし

ディープな話題可能なのはK-popとサッカーの話題ぐらいですよ。

あ、今日は車の話でも盛り上がったな・・・コナンはふつーに

わかりますしね」

 

「ま、ちょいちょいあたしが教えてがえるよ。リラ先生とお呼び」

 

「ちょっと会わないうちに、エラソーになったね」

 

「ふん!偉いモン。あたしゃ可能性大だから、がんばるんだ。

簿記だってやるし。理系だけじゃつぶしがきかないからね。

簿記だったら、長く使えるしさ。手に職をつけて女子力アップ」

 

「ほぉ~、リラ先生一丁前なことをお言いだね。

でも言い得て妙だ。さすがあたしの妹」

 

「ほっほっほ。若いうちにやることやっとかないとね!

スキル有れば年とっても骨董品になりうるやん」

 

「リラ先生、ちょっと見ない間に、ボキャ増えたね~

日本語も正しく使えるようになってるやないかい」

 

「そうでしょ。だって、勉強したもん。中森先生に注目してほしいから

ガチでやった!」

 

「まあ、そういう邪な目的でも、実になればよろし」

 

「そういえば、ヘンリー先生のところには行ったの?」

 

「忙しくて、行けなかったから、電話で問診してもらった。

今度はリラもおいでって」

 

「そっか・・・・アタシはとりあえず、これといって

不思議なこともなかったけど・・・先生に会いたいから行く!」

 

「うん。私はまた不思議なことがたくさんあった。

最初に会った子がなんと、前の職場の担当の人と同姓同名で

ニックネームも一緒だった。そうそう、その子なの。K-pop

詳しいってこ。だから、たくさん話すんだよね・・・」

 

「うぉっ、それはビックリだね」

 

「うん・・・あとね・・・・今度のこちらの担当の方が

犬プリと同じ部活だったとかね・・・もちろん彼ら同級生とかじゃないけど」

 

「ふぇっ!結構すごい偶然じゃね?マイナーとまではいかないが

メジャーでもないよね?」

 

「んー、どこの学校にも一応あるとは思うけど・・・

あとは、ある花のアイテムがさ・・・ひらめいて、それを

遊びに取り入れてたんだけど、そしたらそれが犬プリの報告書にも

あったっていう・・・あとからわかったのね。あることで」

 

「え゛!!!なにそれー。」

 

「あとは、人数カウントしてると、たまに一人多かったり・・・」

 

「え!!!それって、ホラーじゃないっすか、姉!!!」

 

「まあ、こども居るところって、必ずそういうのあるからさ・・・

前も幼稚園の教育実習してたら、足をつんつんってやられて

振り向いたらだれもいなかったとかあったから・・・」

 

「ぎょぎょぎょ!姉!怖くないの?」

 

「んー、怖い怨念っぽいのとかは感じないから、怖くないよ」

 

「うわっ、姉ってメンタル鋼?」

 

「いやあ、強力ゴムってとこでしょうか。弾性に富んでおりますんで

鋼のように硬くはないが、分厚いゴムの様に、攻撃は吸収し、自分にも

衝撃の痛手ははあまりないという・・・まぁ、サンドバックの様かな」

 

「姉・・・・もうしわけございませんでした。あたくし

まだまだ修行が足りないようでございます。」

 

「ははは!リラっちはこれからでしょ~。ゆる~く、一歩ずついきなはれ~」

 

「御意!」

 

 

 

 




久々な姉妹の会話ですね。
ミステリーはちょいホラー要素が入り・・・

桜も見頃。春の宴を楽しみましょう~


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やっぱり一人多かった

誰か見ている・・・そんな気がしていたユノ


仕事をしていると視線を感じるので

振り向くとだれもいない。

 

そんな事が続いた。

たまたま桜子先生と夜一緒で

ご飯を一緒に食べた。

 

その時に桜子先生の方から話を切り出してきた。

 

「ねえ、ユノ先生、なにか感じます?」

 

ユノはなんの躊躇もなく答えた。

 

「あ、いますよね。いつも視線感じてましたよ」

 

「!!!!男ですか女ですか!!!!」

 

「・・・・・女・・・・かな?」

(実は一人じゃない。2,3人いる)

 

「前から、なんかやだったんですよ・・・がた!って音もしたり

他の先生も聞こえたらしいんです。」

桜子先生は腕をさすりながらこれまでに起こったことを話してくれた。

 

「・・・いるはいると思うけど、悪さをするとかそういうのは

感じないから、大丈夫だと思いますよ」

 

そう答えながらも、ユノはちょっと鳥肌が立った。

やはり自分が感じていたのは、単なる錯覚ではなかったようだ。

 

前の仕事をしていたときも、行った先で、感じることはあった。

あるFというマンションだったが、エレベーターに載っていると

正面のガラス戸から人の顔が見えた。

 

待っている人ではない。顔だけが見えたから。

 

その話を前にリラにしたことがあった。リラはそこに行きたい!というので

連れて行くと、「いるよね・・・ここも」

と、言っていた。

 

「ひとりじゃないよね?」

と、リラの質問にユノは

 

「うん。ひとりは男で一人は女。こんな感じの人」

見た人物の特徴を説明すると、リラも

 

「そう!メガネかけてた男のひとと、女の人は髪の毛が肩ぐらい」

 

リラが見えた映像とユノがみた映像は全く同一だったようだ。

たまたま次の日、あのランボー蓑上が話していたことをきいて

ユノは少しぞっとした。

 

「あのさーー、今きた人いるでしょお?あの人の奥さんがさ・・・

あそこから・・・・・なのよ。ほら、前に○○部長が落ちた・・・」

 

(それだ。その人達だ。私とリラがみたのは)

 

それにしても、この世の人でない物体は

あちこちにあるようだ。

 

おそらく、みんな見えていないだけで、至る所に

ふつーに蝶々が舞うようにあたりに飛び交っているのかもしれない。

 

それが見える人と見えない人がいるだけで

この世の中は肉体のない抜け殻が浮遊しているのかもと

考えるのは異常なことではない。

 

これまでは未来や過去についての不思議な体験を

ドクター・ヘンリーに報告していたが、

こうした霊的な体験についても、ヘンリーへの報告事項だと判断したユノは

とにかく事細かに漏れなく、見たり聞いたり感じた事象を

まとめて次回のMRI撮影時に提出しようと準備を始めたユノだった。

 

あの世、この世、前世、現世。今自分がいる世の中以外にも

違う世界があろうことは想像に難くない。




SFではなくオカルトになってきているような・・・・
ま、シックスセンスということになりますかな・・・

とにもかくにも、ユノとリラには一般とは少し違う能力が
あるようですね。


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溺れる夢

今月行けなかったため、来月の診断時、ドクターヘンリーに提出する
夢日記をまとめるユノ


(あっという間に3週間過ぎた。ひととおり慣れた感はあるけど

今週末と来月頭は一人で担当しなくちゃ、だから緊張する・・・

 

なにせ責任重大だからね・・・人を預かるということは。

前職も大変な重責で押しつぶされそうになったこともあったけど

みんなからは、あまり深く考えるな!って言われてた・・・

 

もちろん、緊張しすぎはいけないけど、だらけ過ぎもいけない。

なかなか難しい。どんな仕事も責任はある。

 

たとえ、パートやバイトでもお金をいただく以上はプロなんだから

責任があると思っていままでやってきた・・・

 

ヘンリー先生にも、ストレスが夢にでることもあるって言われたけど

今回の夢もそうなのかな?)

 

ー先日見た夢(4月18日)ー

 

土手を歩いている。早く進まなければいけない。

仕事に行こうとしている。すると目の前にレスキューがいる。

え?川に誰か浮いてるの???生きている????

 

土手にも数人・・・3人かな?横たわっている・・・

死んじゃってる???うそ!!!そんな・・・

 

え?動いた!!頭をあげている・・・よかった!

土手に上がっている3人は助かっているのね。

 

すいません・・・そこを通ります

(道幅が狭いため倒れている人を跨ぐ形で前に進む)

 

大丈夫・・・蹴ったりしなかった・・・レスキューの邪魔にも

ならなかった・・・よし、急ごう!

 

-----(目が覚める)--------

 

(なんか、衝撃的な夢だったな・・・

レスキュー隊員も助けられている人達も誰も知らない人だった・・・

 

土手の向こうにはなにやら丸いタイムマシンみたいな

機械があって、そこに入っていこうとしていたんだ。

 

どういう意味だろう?ヘンリー先生はきっと解説してくれるだろうけど

気になるな~・・悪い意味じゃないといいけど)

 

先日、ユノはリラの懇談会に出席し、そこでもまたサプライズがあった。

役員が壇上で紹介されているときに、見覚えのある顔がそこにあった。

 

(え・・・あれって・・・志摩ちゃんじゃない?昔近所に住んでた・・・)

 

「よろしくお願いします。山田志摩です」

 

(やっぱり!!!)

 

壇上から降りた見覚えのある女性を見ていると、女性もユノに気が付いた。

 

「あ!!ユノちゃん!!(あとでねっ)」

 

会が終わるとすぐに、先程の女性がユノに近づいてきた。

 

「ユノちゃん???どうしてここに??」

 

「はい。リラの保護者で出席しました」

 

「え?リラちゃんって、まだ赤ちゃんだったよね?もう高校生?」

 

「はい!花のJKです」

 

「うわぁ・・・時間経つの早いね。私の娘も同じ年よ。

B組なの。リラちゃんは?」

 

「A組です」

 

「あら!進学コースじゃない!優秀なのね!」

 

「いえ・・・ただ、理系なんです。」

 

「そういえば、小さいとき、機械いじってたよね?

あ・・・でも、あれユノちゃんじゃない?」

 

「はい、私が機械系が好きで、リラは生物系が好きなんです。

獣医になりたいらしく。」

 

「そうだそうだ。まだちっちゃいのに、いつも犬と戯れてたわね!」

 

「はい。そうなんです。」

 

「今度、お茶しましょ!リラちゃんもいっしょに!

これ、連絡先。いつでも電話して!」

 

「ありがとうございます!私の連絡先も渡しておきますね!」

 

「まぁ~。ほんとに奇遇だわ!リラちゃんにも会えるのを楽しみに

してるわね!!」

 

2人は笑顔で別れた。

 

(それにしても、びっくりだ。15年以上も前の知り合いに

こんなところで偶然に会うなんて。)

 

つくづくユノとリラには『偶然』が多いことにいつも驚かされる。

 

突然、リラからのメッセージ。

「姉!!!!ねええ!!!!私のロッカーの番号

犬プリの下の名前なんだよ!○○6。ビックリだよ!!!!」

 

「え!!!!てか、私もびっくり。志摩さんが懇談会にいたんだよ!」

 

「志摩・・・さん?」

 

「そっか。リラは覚えてないよね。昔隣にいて、リラのおむつとか

替えてくれたんだよ。そのお嬢さんがリラとおなじ学校なんだよ!

B組だって。」

 

「なんじゃ~この偶然シリーズ。博士に早速報告だねぇ」

 

夢報告とこの偶然の出来事を記し、ドクターヘンリーへの

提出物を準備するユノだった。

 

 




運命、ってあるんでしょうね?
それにしても、すごい偶然が重なると、ぞぞっとしちゃいますね。


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GW

GW突入!みんな休んでるかーい?
いぇい!


あっという間に1か月が過ぎた。

ユノは久しぶりのGWをゆったりすごそうとしていた。

 

カレンダー通りの休みとは言え、こんなにゆっくりできるのは

数年ぶりだ。これまではGWも仕事をしていたため

ゆったりのんびりした記憶がない。

 

今月はドクターヘンリーの検診を受けられなかったため

5月の休みの土曜日か、あるいは平日の午前中に訪問し

夢日記提出とMRI撮影&受診を行う予定だ。

 

(あ~なんだかんだで、1か月が終わった。引き継ぎの先生も

もうお辞めになったし、これからが本番だ。本腰いれていこう。

GWは充電だな~

 

まずは車磨いて、部屋の片づけして、たまってた本読んで・・・

まったりゆるゆるプランでエナジー補給だな。リラも部活や勉強で

忙しいようだから、いっしょに遊べないし。)

 

来月のシフトはまだきていないため、来月の予定はまだ未定。

ただ、暦通りの休み故、GWは休めるようだ。

 

(そういえば、ここ数日夢、みてないな・・・いや、

なんとなく見たような気がするんだけど、朝おきるとすっかり

忘れている・・・だから、日記には記すことができない。

 

こどもと全力で遊ぶと結構疲れるからね・・・とはいっても

シロイヌサスケのときの疲労度と比べたら雲泥の差だわ。

よくやってた・・・自分でもびつくりする)

 

ユノは子供たちに筋肉自慢をしたところ

ほぼ全員の男子と腕相撲をするはめになった。

 

結果は全勝。小学生男子にはまだまだ勝てるようだ。

女性の先生たちにも圧勝。余裕の全勝で得意満面になっていたら

男性の先生に挑まれた。

 

え゛・・・いくら痩せているとはいえ、男子・・・・

サスケでは女性含む全敗だったからな・・・

 

Ready GO!

子供の掛け声でスタートしたが

ほんの数秒で、初黒星・・・・

 

「よかった~!ユノ先生に負けたら

毎日筋トレしなくちゃって思ってたんですよ~」

 

(く、くやしい・・・・。サスケ辞めたら

筋力落ちちゃったみたい。・・・にしても、やっぱ

成人男子には勝てないのか!!!)

 

[おいおい、ユノちゃん、へんなところで負けず嫌いなのね?]

 

(くぬぅ・・・今日から懸垂10回、腕立て20回のセット

毎日こなしてやる・・・)

 

ピン!

 

(あ、リラからだ)

 

「あねぇ~CDの音声mp3にしてよぉ~」

 

「いいよ。」

 

「何してたの?」

 

「え?筋トレ」

 

「はぁ?もうサスケ辞めたのに何で筋肉要るの?」

 

「私のライフプランなの!!鍛えればバネになるし

強靭な体力は病気も寄せ付けない!」

 

「そういえば、インフル流行ってんだよ。今、うちのがっこ」

 

「しってる~。PTAでもそう言われた」

 

「姉は超丈夫だから、インフルかかんないよね?」

 

「これでも子供の頃は病弱だったんだぞ。

大叔父がお医者さんだったんだけど、いつも薬もらってたんだ」

 

「T大医学部だったって人?」

 

「そう。すごくやさしくて、いいおじさんだった」

 

「あたしもT大目指してんだ。理学部」

 

「ふえっ!目指すのはいいけど、あんな難関なところ・・・」

 

「難関だからやりがいがあるんだよ。今、姉にお願いしたmp3も

英語のリスニング。あたし英語苦手だから」

 

「ありがちだー。理系にありがちな、『英語苦手症候群』。

ま、ぼちぼちがんばんなさい」

 

「うん。でも、ヘンリー先生のところにはいきたいから

行く日きまったら教えて!ちょっとききたいことがあるんだ・・・」

 

「ん?なにか、気になることでも?」

 

「ん・・・ちょっとね。たいしたことじゃないけど」

 

「わかった。決めたらすぐに教えるよ。」

 

「じゃ、mp3送信待ってま~す」

 

「了解」

 

ユノはPCをサスペンドにすると、おやつを買いに

近所のコンビニまで出かけた。

 

 




GWは暦通り休みのユノ。人によっては9連休という人もいるでしょう。
また、GWは仕事だよ!って人も。

いずれにしても新緑の季節。
おやすみのときは、森林浴でもして、のんびりしたいですね~。


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受診前準備

検診予定日を過ぎてしまったため
GW後にスライドして受診予定を入れるユノ

とりあえず仕事や夢日記提出の準備を
ぼちぼちし始める


(えっと、保育日誌まとめなくちゃ。

今週もいろんなことがあったな~。とりあえず連休前

無事に終わってよかった・・・・

 

ほんと、今年はのんびりできてるな~

昨日みた、ネット動画は感動ものだった

 

記憶障害のある旦那さんのお話。

朝おきると全てが消去されてしまっている

つまりHD全削状態

 

だから、日記を付けているのだそうだ

奥さんはかいがいしく世話をして、なるべく

たくさん話しかけて記憶を掘り起こす作業を

手伝っている・・・

記憶はないけど、奥さんと一緒にいるんだよ・・・

 

 

なんかさーなんかさーなんかさー

 

記憶がなくなっても好きって

 

 

なんかさーなんかさーなんかさー

 

愛だよね・・・魂からの

 

 

 

そういえば私もさんちゃん没後

そこからサスケまでの記憶がなくなったんだった

 

なにしてたんだろ?って

さんちゃんが亡くなってからサスケに入るまでの

記憶がない・・・・

それって、解離性健忘で一過性だってことらしい

 

それまでは一部記憶がなくなるって

どういうこと?って思ってた。

 

前の職場で、階段から転落した人が

頭を打って1ヶ月ぐらい?かな。入院してたけど

その時の記憶がないんだって

 

それが信じられなかったけど

 

自分もまさかそうなるなんて

驚きだったけど

 

ヘンリー博士との会話で

事故後の記憶が無いってことを相談したら

 

日記を勧められた

 

だから、今はデータを毎日入力している

表計算シートを日記形式に作って

 

見たいときにいつでも時系列ですぐにたどれる

 

さんちゃんの死は相当ショックだったんだね

あの後どうやって暮らしてたか

何をしていたか覚えていない・・・

 

でも、サスケでのつらかったことは不思議と覚えてる・・・

きっといいこともあったから

 

心はそれほどダメージを受けてなかったのね

なにより好きな人と会えることが

嬉しかったんだろうね

 

私も記憶がなくなっても

好きな人のことは

覚えているのかな・・・・

 

 

さて。保育日誌とGWあけの活動の準備しなくちゃ。

 

 

お茶してからゆっくりまとめよう。

チャルチョコパイがあるから

それと一緒に

 

美味しいんだよね!

お餅の中にピーナッツクリームが入ってて

チョコでコーティングしてある

 

通販で買えるから

買いだめしちゃった

 

今回、掃除してたら

さんちゃんからもらった小説いっぱいでてきたわ・・・

捨てるのはもったいないから

リラにあげよう

 

読んだらブックオンに持っていけば

いいからって教えてあげなくちゃね

ちょっとしたおこづかいになるよ

 

それにしてもリラはJKだけど

中学生は修学旅行前に

リア充率上がってるって・・・

 

そんなもんだったか?

ってか、あたし中学から女子校だったから

わからんな・・・

その辺りのリア充事情・・・

 

それで受験受かるって

みんなすごいよね・・・

 

私はムリだー

好きな人いたら

そればっかり考えちゃうから

受験なんて手に着かないよ

 

なにはともあれ

リラも楽しそうに学校通ってるし

私も肉体的負担はほぼ100%に近く

減ったから、快調。

 

たぶん、MRIもなんでもないと思うんだけど・・・

いちおう定期検診だから、いかなくちゃね

5月中にはいかなくちゃ

 

最近は眠りが深くて

夢はみているけど、朝起きると覚えていない

そのうち脳にHD直結させて

夢を記録させる装置とか

できちゃうんだろうな

 

それって、おもしろいけど怖いような・・・

 

あ・・・見た気がする・・・

犬プリが出てきたような・・・・

 

内容はわからないや

ドーナツ?

 

んーーーーーなんだろ

一応、細かいことでも記録するように言われてるから

追加しておこうっと

 

あ、あと、ゆうべ夜の10時頃急に

悲しくなったんだっけ・・・意味わからん

 

テレビみてたわけでもないし、なにか読んでたわけでもない

サイトのニュース記事みてたんだっけ?

別に悲しい記事とかじゃないのに

 

それも入れとかないとね

なにかの事象に関連することかもしれないし

 

あ、お湯が沸いた。

お茶いれよーっと。)




部屋を片づけ、いろいろポイポイ!成功たら、
また本が欲しくなってしまったという
なんという皮肉なジレンマ・・・

そこで

ソク読みにしました!
これならいつでもどこでもアクセスできるし
場所も取らない!

PWさえなくさなければ
ずっともーまんたい!

たくさんあるログインサイトのID&PW
私はアナログに「ノート」に書いてます。←これ確実


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マカロン

こちら、久々の更新です。


最近は不規則シフトでちょっと寝不足だったユノ。

近くのスィーツ屋さんで買ったマカロンをやけくそに頬張る。

すると、ヤツが現れた。

 

「オレのこと嫌いなら嫌いって言ってくれ!」

 

(はあ?それ、こっちのセリフだがや)

 

「俺の下の名前に『さん』付けで呼べ」

 

「○○さん」

 

「そうだ、もう一回!」

 

「○○さん!」

 

(笑顔)

 

 

「ねえ、戻ってきた!私のこと嫌いなら嫌いってはっきり言ってよ!」

 

・・・・・・・・・・

 

あれ?またしても夢だ・・

てか、ほとんどハグ状態で腕つかんだら

笑顔で拒否ってたな・・・・

 

なんじゃそりゃ?

 

ところで来月からシフトが変わるし

仕事も増えちゃうんだよな・・・

 

従ってヘンリー先生のとこ行く時間は

やっぱりむずかしいなー

 

電話報告もアリだけど、今回

脳MRIとらなくちゃだから、行かないとだめなんだよね・・

 

困った困った!!!

どうしよう。

 

まだシフトも出ていないしなあ~

出てから考えるとするか。

 

夏に向けていろいろ対策考えないとな。

 

そういえば、夏と言えば

サスケ中は、夏が過酷だったな~

 

瞬間冷却スプレーかけて

半分遊びみたいなかんじで

かけて、きゃっきゃしていましたな

 

「オレの遺産を受け取ってくれ」

 

とか言ってた~

イミフ

 

最近、仕事の買い物があるから

あの辺り、しょっちゅう行くんだけど

そこ通るたび思い出すよね

 

でも、あの仕事には二度と戻らない

ユノ×1000乗の

バージョンアップじゃないとムリです

 

もう筋力落ちちゃったから

今は自首筋トレしてます

 

そうそう、不思議な出来事の解明については

ヘンリー先生のお手伝いがなにも出来ていなくて

申し訳ない限りだな・・・

 

リラも勉強は楽しいとかいって

いろんな勉学サークルやったりしてるけど

不思議な夢はみてないみたいだし・・・

 

あれねロッカーキーが名前だった件ぐらいかな。

それについてもききたいわ

 

とりあえず別枠話の番号も

本人所有のなんだけどね・・・

 

仕事については

これから先、どうなることやら・・・

 

死ぬまで修行だ!!!

若手に囲まれ、活気はあるものの

あたしもまだまだ修行中の身だすからに

 

精進致します。

 

とりあえず仕事オンリーで

そこに専念し、あとは何も考えないことにする!

こども達が大事だから、そのことだけ考える!

今日も癒されたな~。

ほっぺがぷにぷにしてかわいいから

思わず、ぷにぷにしちゃったよ~

 

ほんと、こどもの近くで空気吸ってると

癒されるんだよね~

 

同僚の先生ともそんな話してて。

子供好きだからこの仕事楽しいよね~って。

 

言ってる先生もほっぺぷにぷにしてて

かわいいんだけどね。

 

 

 

事故後、コーヒー断ちしてたんだけど

最近、3日に1度ぐらいセ○ンコーヒー飲んでます。

飲んだカップがいるからです。

 

工作に使うのです!!!

 

さて、これからの指導計画

考えていかねば・・・・

 

年間の指導計画つーくろっと。

ヘンリー先生、時間必ず作ります。

もう少々お待ちを・・・




ヘンリー先生の研究論文は
進まないようですが、ほかのところで
違う研究がすすんで、いろいろ明らかになったり
するかもしれませんよ?

世の中はいろいろ不思議ですよね。


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第2部 状況転嫁編
悲しい連鎖


第2部です。
よろしくお願いします。

[なにげない日常編]


6月に入っていろんなことがあった。

 

ネットラジオから「等身大のあなたが好き~」って曲が

流れてくる。

 

平日なので、リラに会えないため、しばしのチャットタイム。

 

「リラ~!!魚(ぎょ)、死んじゃった・・・」

 

「あらら」

 

「朝、ひっくりかえってぱくぱくしてたから、とりあえず水半分替えて

塩水浴にしたら、一旦持ち直したんだけど、仕事から帰って水槽みたら

逆立ちのまんま、息絶えてた・・・・」

 

「おーまい・・・」

 

「金のときは、動揺しまくりで、どうしようどうしよう

職場のご近所さん呼ぼうか?なんで?そんなことで呼べないし

ああああああって、どう処理しようかオロオロしちゃったけど

 

今回はなんかかわいそうだった・・・外のプランターに埋めて

花おいといた」

 

「結構長生きしたよね?」

 

「うん。リラ乃信が小学校低学年のときに、縁日ですくったやつだから

もうかれこれ10年近くになるよね?」

 

「地震で水槽割れて、それでも生きてたのにね~」

あんとき、さんちゃんもオロオロしてたよね?」

 

「そうそう、金も魚もまだぴくぴくしてるのに

葬ろうとしてたよね?それで、リラがさんちゃんなにしてんの!って

突っ込んだよね?」

 

「そう!!!で、姉が冷静に淡々と金と魚をセーブしたんだよね。」

 

「さんちゃん、水槽の破片をなんとかしなくちゃって

焦ったんだよ。君が踏んづけちゃうんじゃないかって。

 

金魚より、リラの信のこと心配してくれてたよね。来るな~

来るんじゃない!!足をけがするから!!って」

 

「そういえば、さんちゃんの命日まで2ヶ月ぐらいじゃない?」

 

「そうだね。金はおじいちゃんが亡くなる2日前だったよね。

お彼岸のときだったから、そういう時に亡くなるのは崇高なことなんだって

友達が言ってたっけ。

 

思うに、リラ先生、あなたが水槽を掃除していたときのほうが

よかったみたいだよ。私なんかダメだったんだね。きっと。

さすが動物先生だ」

 

「んー。姉さ、雑ってか、仕事早すぎるんだよ。金魚の掃除は

ゆっくり丁寧にしなくちゃね」

 

「ごめーーーーん。私が悪かったです。てか、児童にも

きいてみたら、金魚ってけっこうストレスたまるらしいから

あまり掃除してもだめなんだって」

 

「あー、それはわかる。加減がむずかしいよね」

 

「そうなんだよ!金のとき、ほったらかしすぎて

てか、前の仕事忙しすぎて、掃除できなくなって、それで

死んじゃったから、今回まめに清掃してたら

 

水槽内の岩に頭突っ込んで、でてこなくなってさ。

なんか拗ねてるかんじで」

 

「おもしろいよねーーーー。金魚なんて感情あるんかい?

って思うけど、ストレスとかあるんだよねー。

 

生き物だよね。だから私は獣医になりたいのだ!」

 

「はやくなって、金魚に困ったときは助けてください。

ってか、もう生き物飼わない~

 

子供の時にウサギとかハムスター買ってて

死んじゃったときに超ショックで、それから絶対

生き物は飼わない!って誓ったのに

 

君が縁日ですくってきちゃうから~

 

てか、小・中学校までは君が掃除してたから

仕方ないな~って感じだったけど・・・」

 

「まあ、命あるものは、いつか果てるので

仕方ないですな・・・・」

 

「そうですね・・・・私も、心のやりどころなくて

去年の金死別のときは、車もってきてくれた、まっさんに

金魚しんだ~!!!って、思わず言っちゃったもんね」

 

「はっはっは!まっさん、困ってたんじゃない?」

 

「んー、覚えてない・・・もしかすると、困ってたかな?

なぐさめようがないってか・・・」

 

「まあ、姉もここんとこ、いろいろ大変だったからねー

また、忙しくなるから、もう魚の世話をしなくていいよー

 

って、ことじゃないかな」

 

「そう・・・かな・・・・。そうだね。そう思うことにするよ。

児童も金魚飼いたい~って言ってたけど、申請してみるか。

 

みんなで飼育したら楽しいもんね?」

 

「そう。今頃、金も魚もさんちゃんとこいって、

ひらひら泳いでるって~」

 

「酒持って?」

 

「そうそう。じーちゃんも一緒に」

 

「なんでも前向きに考えなきゃね!」

 

「うん わたしもがんばるでよ~」

 

「お、もう。こんな時間だ。リラの信、お休み~」

 

「おやす~!」

 

 




たかが金魚、されど金魚。

飼っている生き物が死んじゃうのは
悲しいですよね。

金魚でも悲しいんだから、それよりもっと大きい生き物は
もはや人間と同じですよね~

友達は、飼い犬が亡くなったとき、そりゃあもう大変でした。
今は、復活してあたらしいやんちゃ君と格闘しています。


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できるかな?

近頃のこと。


6月に入ってから、フルタイム出勤になったため

ドクターヘンリーに近況をメールで報告するユノ。

 

【件名:ユノです】

To :henry@xxx.com

from :yuno@xxx.com

 

-本文-

 

ヘンリー先生

 

ご無沙汰しております。6月からフルタイム出勤となり

10時から午後7時半までの業務となりました。

自宅から約1時間かかりますので、平日は検診に伺うのは

非常に難しい状況です。

 

土曜日は仕事があるときとそうでないときがあり、

職場も家から20分のところでの業務と

たまに、いつも行っているところでの業務があります。

ですから、土曜なら伺えるときもあるのですが、

先生の診療所は土曜日の午後はお休みですので、今回

MRIが本来の目的でありますから、なかなか日にちが合いません。

 

とり急ぎ日記のデータだけをお送りいたします。

ご確認いただけましたら助かります。

 

7月の後半から8月の後半までは夏休みですので

早朝から夜まで開所しています。シフトはまだわかりません。

早いシフトの場合、7:30から午後4:30までとなりますので

その場合は5:30頃伺えるかと思います。

 

伺えるときは、前もって電話連絡いたします。

いろいろご不便をおかけいたしまして

大変申し訳ございませんが、何卒宜しくお願い致します。

 

ユノ

 

 

---------

 

【添付文書:夢日記5~6月.doc】

 

5月某日

 

●あれ?笑ってる。そうか、仕事中か。

 

「なんか、じーっととか、陰から見つめられてて

ずっとあなたを見てました、とか言われたらぞっとする」

 

「それじゃあ、今日は猛暑日で溶けてしまいそうだから

じーーーーーーと、みつめてあげる。

背筋がぞぞぞっとして涼しくなるぞ」

 

 

●仕事では几帳面だと思われてるけど

自分の部屋はきったねーんだよね。

君に見せたいよ

(見たいよ)

 

●洗車にはこだわりがある。ぴっかぴかにするぞ。

一緒に洗車する?

(するする!)

 

 

6月某日

 

●あれ?心の住人だ。なんで勝手に住み着いちゃってるわけ?

だれも許可していないのに・・・

 

いつのまにかちゃっかり人の心に住み着いてる。

おいだそーとしても、どかんと居座って、出て行ってくれないんですけどー

 

てかさ、なんで普段はいじわるとか

してたわけ?

 

ずっといじわるしたよね?

けっこうひどかったよね?

ね?

 

 

なんでだろー?

なんでだろー?

ななななんでだろー???

 

って、懐かしい・・・

 

 

●金魚・・・・

ひらひら泳いでる金魚。

あれ?金がいる・・・・最初に死んじゃったのに。

あっちは魚かな?

 

ちろっと長いのが金で、お腹がちょっとぽってりしてるのが

魚だから、あっちが魚だな。

 

毎日なにげに癒されてたな~

まだ水槽に水入ったままだけど、お休みの日

処分しなくちゃ・・・・

 

ちと、ブルーな気分。

 

●できるかなのゴン太くん、大好きなんだけど

できるかなっていつまでやってたんだっけ?

最後にのっぽさんがしゃべったんだよね?

 

その最終回見てないんだけど・・・

 

うごうごゴン太くんっていう、デスクトップアイコンが

あったんだけど

 

あれ、好きだったーーーーー

 

できるかな の工作が大好きで

今、それ私やってるわーーーー

 

楽しい。工作はほんと、楽しい。

 

1990年までやってたのか・・・

じゃ、今の子は知らないよね?

 

できるかな、はてはてほほ~

 

さて・・・7月から私がやんなくちゃなんだけど

 

 

できるかな・・・・・

 

(今回、そのまま圧縮しないで送ります)

 

 

【Re:ユノです】

To: yuno@xxx.com

from :henry@xxx.com

 

ユノちゃん。メッセージありがとう。

正社員になって忙しいようですね。無理しなくて

大丈夫ですよ。右手のしびれが気になるって言ってたけど

おそらくそれは、筋肉痛からくるものだと思うから、あまり

心配しないように。ちょっとした痙攣のようなものだと

思います。

 

脳とは関係ないと思います。

 

それから、診療は社保がきてからの方がいいから

焦らなくていいからね。おそらくまだもらってないでしょ?

 

今回、急に正社員になったから、おそらく社会保険の発行は

すこし遅くなるんじゃないかと思います。

 

とにかく、焦らなくていいから。

 

それでは、またお目にかかる日を楽しみにしています。

季節柄ご自愛ください。

 

ヘンリー

 

 




MRIって、すんごい工事の音みたいなのが
聞こえてて、ヘッドホンされて、カプセルに入れられるんですよね。

閉所恐怖症の人は、ぜったいムリでしょうね~
なんにもできないのが、とっても苦痛です。


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プチ修学旅行

姉のユノのところに泊まりに来たリラ


学校帰り、電車に乗り継いで

ユノの職場に向かうリラ。

 

〈文字メッセージ〉

「あね?今学校オワタ」

 

「えええええ?13:30に着くって

言ってたから、もう駅に迎えにきてるけど?」

 

「悪い、ごめん、ゆるして、(号泣のスタンプ)」

 

「この駅前は、車長く止めておけないから

ひとつ前の駅で降りて」

 

「わかりました・・・ごめんなさい(うるうるスタンプ)」

 

(まあ、どうせ買い物しようと思ってたから

丁度いいや。リラが着くまで仕事用の買い物してよーっと)

 

<駐車場>

 

電車を眺めるユノ。

 

(なんか・・・・この光景見たことがある。いつ、どこでだったか・・・)

 

〈文字メッセージ〉

 

♪ぴろん

「あね、今、西宮寺駅」

 

「次の次だから、間違えないで。飛合駅ね。

駅降りたら、正面に止まってるから」

 

「りょーかーい」

 

(西宮寺駅ってことは、あと10分ぐらいかな。その間

小説でも読んでいようっと)

 

フォーン・・・・電車が駅構内に進入してきた。

 

(あ、あれだ。そろそろ降りてくるな)

 

駐車場から、駅の階段が見える。紺色の高校の制服をきた少女の姿が見えた。

ユノの車をみつけると、小走りに車の方に近づき、助手席のドアを開けた。

 

「あねーーーー、ついたーーーー」

 

「ほれ、にぎりめしと惣菜だよ。おたべ」

 

「うわぁーよかったーーーー。お腹ぺこぺこだったんだ」

 

「上井亭のおにぎりだから、おいしいよ。日帰り温泉いくから

車の中で食べて。10分ぐらいで着くから」

 

「お、高級そうだね」

 

「うん。手作りだからね。」

 

「では、いっただきまーす」

 

ユノとリラは、駅から数十分のところにある温泉郷へと向かった。

 

「うわぁ~!!!せんちかワールドみたい!」

 

「そう言えば、そうだね。なかなかいいよね」

 

「どこいくの?」

 

「リラの信が遅れてくれたおかげで、大きいところはもう

閉まってしまったので、ちょっと奥地の方にいきます。

そこは、ほかの半額料金で入れるし、夕方まで受付てるから

そこ行くよ」

 

「うぉっほーい」

 

しばらく車を走らせ、木々に囲まれた細い道に入っていった。

温泉建物の手前に小さな池がある。

 

「うわ!鯉がいる!!亀も!!!あ!寄ってきた!!」

 

「餌ほしいんだねー。パンくずもってくればよかった」

 

「今度来るときは、パンくずもってこよう!」

 

円を描くように静かな水面に水の輪ができていた。

 

「いいねーここ!また連れてきてね!」

 

「うん。いつでも来れるからね」

 

2人は奥地にある温泉郷で日帰り入浴を楽しんだ。

ペンション風の内装で、ゆったり静かな雰囲気は

仕事の疲れをじっくり癒してくれた。

 

温泉地を後にし、家路に着いた。

 

「あねー、テレビみていい?」

 

「いいよ。地上波入らないけど」

 

「いいよ。ケーブルチャンネルみる。

あ!!!!!!ジョヨンだ!!!うわぁ・・・・

涙ちょちょぎれる・・・・・」

 

「うっ・・・ほんとだ。まだ生きてるときのだね」

 

「うーーーーーー。リモコン入れてすぐこれでてくるって

なんでしょう?」

 

「ほんと、なんでしょうね?」

 

 

久々に小さく不思議な体験に、少々動揺する、ユノ、リラ姉妹だった。

 

 

「あね~。今日は肌寒いから、一緒に寝よう?」

 

「いいよ!なんか修学旅行みたいだね!」

 

「●●がさー、アホでさー、もうさーーー(きゃっきゃ)」

 

「爆笑!!!うけるーーーーなにそれーーーー」

 

「もう、たまんないんだよねー。」

 

「まじ、受けるわ。てか、もう夜中だから、静かに話そうネ」

 

「うんうん。それでさ・・・(ヒソヒソ声)」

 

「ぶはっ!やめてーーー。声でちゃうじゃん」

 

 

 

 

2人は、修学旅行部屋の生徒よろしく、朝方まで会話を楽しんだ。

 

ぴぴぴ・・・・カァーカァー

明烏の鳴き声が聞こえてきた。

 

 

「こんなに楽しんだのひさしぶり・・・・ふぁあ」

 

2人はいつの間にか眠りについていた。




ひとつの布団で一緒に寝るって
楽しいですね。

修学旅行って、枕投げしたり、いろんな話しヒソヒソしたり
寝床が一番楽しいかもしれませんね?


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真夏のつぶやき

久々です・・・・(‥、)


~ユノつぶやき編~

 

あれからまる3ヶ月が経過した。

 

仕事自体は慣れたから、大分いいかんじになってきたのに

 

なんと

 

いきなり責任者になっちゃって

 

というのも

 

今までいた人が

 

急に、というかいちおう1ヶ月前だけど

 

辞めるってことになっちゃって

 

どういうわけか

 

私がそこを動かさなければいけない立場になってしまって

 

しかもだよ?なんの知らせもなく、新しい人が入ってきて

 

その指導させられてるって

 

どゆこと?ね、どゆことなの???

 

もう、頭痛が止まない状況・・・

 

というより後頭部の下の首が痛い・・・・

 

それって、脳やばくない?

 

って

 

気になりながらも

 

先生のところにはいけず・・・・

 

おそらく

 

神経からくるもんだろうから

 

これも

 

慣れてきたらなんとかなるんじゃないかと

 

希望的観測を持つことでとりあえずひとまず

 

自分を励まそうとしていたんだけど

 

日本もあんな形で負けちゃって

 

ガッカリ君だよ・・・・

 

その分

 

子供達と毎日

 

本気とかいてマジで

 

真剣とかいてガチで

 

サッカーやってます・・・

 

恐怖なのは

 

夏休み、朝早くからこどもたちがきて

 

夜7:30頃まで預かるということです

 

前の仕事の大変さを考えたら

 

もちろん

 

そりゃあもお

 

肉体的には

 

おっけーの助でござるが

 

とにかく安全確保

 

それが

 

第一なんです・・・・

 

気を遣うポイントなんですね・・・

 

問い合わせとかも来たりして

 

対応できるの

 

あたししかいないから

 

もう、あたまぶっちぶっちぶちきれそう・・・

 

そんな混沌とした脳内革命

 

いや、脳内の革命が起こってくれたら

 

御の字な

 

カオス状態ですけど

 

とにかくとにかく

 

もう祈るしかない

 

どうかどうか夏休み無事に過ごせますように・・・・

 

備えあれば憂いなしだから

 

今から、カードゲームなどの

 

やり方チェックとか

 

活動のネタをいろいろと

 

集めていこうかと

 

思っています・・・・

 

人生は

 

死ぬまで修行だあああああ

 

もひとつ

 

大きな悩みは

 

ここ毎日、料理してないことです

 

夜にはスーパーのお総菜が半額になるので

 

それ買ってしのいでいるっていう・・・

 

自分で作った方が

 

ぜったいいいのはわかっておるが

 

それができないのが

 

ちぃとストレス・・・・

 

でも

 

でもだよ

 

夏のあの大変な日々を思い出せ!

 

思い出すんだ・・・・

 

そして今でも

 

前職の人達は

 

このてーへんな時期を

 

迎えちゃっていて

 

大変なんだろうなって

 

思いを馳せています・・・

 

元気かなーーーー

 

今年はどうなんだろうな・・・

 

状況・・・・

 

たまに遠巻きにみかけるけど

 

淡々としているよーな

 

気がしないでもないけど

 

今週初めは

 

暑かったから

 

しんどかっただろーなー

 

なんて

 

思ってました・・・

 

それでは

ごきげんよう




ユノさん、なにやらつぶやいてますね


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セミの声

夢は叶っているではないか
ユノ


最近って蝉の声を聞かなくなった。

 

じりじり・・・次に

ミーンミーン そして

カナカナカナナ・・・

 

蝉の声を聞くと夏だなぁって

実感したんだけど。

 

 

さて、夏休み前。コワイ話しは一旦集結。

彼らにはブームがあって、がーっと集中して

そればっかりやるかと思うと

 

次のテーマにうつると、前のことはなかったことのよーに

忘れ去る・・・

 

まあ、私と似ていなくもないが

 

コワイ話しが集結しても

コワイ現象は未だ続いておる・・・

 

それはまあ置いておいて

最近は、ユノもリラも忙しいから

オンライン会話か文字メッセージの

やりとりが主で

 

週1ぐらいで会ったりすることもある

 

不思議な体験の共有は

あるようでないような

 

もしかして

リラが大人に近づくにつれて

ユノとの一心同体な脳共有も

離れていくのかもしれない

 

保険証もやっとこさ届いたので

あとは休みの確保をまって

ドクターのところに行く計画を立てているユノ。

 

ただし、あせらなくてもよいかもしれない。

夏休みは早朝から夕方まで勤務になるから

その後で訪問するパターンも可。

 

まぁ、夏休みどんだけの

疲労度となるかは、来てのお楽しみ・・・

 

今日だって、野球野球野球

せんせー、サッカーしよ

うぃー、サッカーサッカーサッカー

格闘技しよーぜー

空手

次に剣道

 

おいーーーーーー

いくらサスケで鍛えたからって

給水タイムぐらい

くれない?

 

ね?

 

いくら、ユノが格闘技好きだからといって

容赦ないちびっこギャングスター達

 

6年生の子と

ガチで野球って・・・

 

ソフト部だったから

ウィンドミルで投げたら

早いからだめだ!

上から投げて!

 

あのぉ・・・・上から投げた方が

もっと早いと思うよ・・。

 

いいから!!!

 

はいはいはいはい

 

びゅっ=3333

 

うぁああああああ

 

ほらね

だから言ったでしょ

 

うひょーーーーーーー

 

あれ?喜んでる?

 

 

そんでもって、なんでいつのまにか

12対3とかになってんの?

 

もー、コールドじゃん!!!!

なんでさー、自分ルールなのさ!!!

 

アハハハ!!!ケタケタ!!!

 

楽しそうだからいっか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

家についたユノさんは、せっかく前職の悪夢から逃れて

晴れて筋肉痛からのがれられたってのに

 

またしても、筋肉ががっちがちになっている

次第でして

 

事務処理なーんもできずに

家に戻ってきました。

 

明日やります。

ちびっこギャングが来る前に

やっちゃうことにしませう

 

ま、でも

今日も、大きなケガもなく

安全に楽しく遊べたから

いいでしょう・・・・

 

(サッカー中の足骨と足骨がぶつかって

悶絶したのは負傷にカウントせず)

 

もう、ユノ先生は

男先生確定ってことで

 

残り2人が女先生なので

仕方ないですね・・・・・

 

まあ、暑いとはいえ

冷房効いてますから・・・・・

 

それだけも御の字でございます。

暑い中、みなさんお疲れ様でございます。

 

 

 

 

 

そういえば、野球やってた子が

とつぜん●●●って

 

そういう呼び方で私を呼んだ

 

え?なんで?なんで知ってるの?

 

ちょっとびっくりしたかも。

暑さで忘れてたけど。

 

その子、勘がすごく鋭くて

たまーに、人がみえないきこえないしりえないものを

感じたりすることがあるんだ

 

なにか見えたのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 




たいへんそうだけど、充実してるようですね。
ユノさん。

酸っぱいもの食べて、疲れとりましょ


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ねえねえねえ!

久々にリラからの電信です。


「ねえ!あね!今日さんちゃんの命日だよ!」

 

「あ・・・・ほんまや!わすれとった・・・」

 

「まじーーーシンジられない!」

 

「いや、正確にいうとですね

朝は覚えていたんです。それでですね

今日は暑かったので、こどもたちと水浴びしとったとです。

 

そんでもってですね、ずぶぬれになりまして

なにもかもが、すっとーーーーーんと

抜け落ちてですね

 

家に帰ったら、激爆睡しちゃったとです・・・」

 

「うわぁ・・・・・過酷」

 

「いえいえ、前職から比べたら

 

 

でもありません・・・・スポーツするっていったって

部屋、エアコンきいてますしね

 

外で水浴びなんて、最高じゃないすか

 

前職は、幻覚みましたからね・・・・

 

5F4F5F

 

↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓

 

連続で、朦朧として

 

いろんなものが見えました・・・・

 

蜃気楼ってか」

 

「まあね・・・」

 

「あ、今TVでアクシデントちゅーしてる!」

 

「はあ?なにいきなり?」

 

「ああゆーのいーなーっておもて」

 

「しらない・・・・きもい」

 

「きもいっていうな!いま、うちの館内では

『きもい、うざい』禁止ですから!!!

人に向かって、そゆこというな!・・・です」

 

「とにかく、さんちゃんの命日だからね」

 

「へい・・・・今、思い立って

コンビニにお酒買いに行きました。

そんでもって、焼き鳥も買いました。

 

おいしいです」

 

「んじゃなに?今、酒盛りちぅ?」

 

「はいそーです。だんだn

クラクラしてきました・・・・」

 

「あした、仕事じゃないの?」

 

「ええ、思いっきり仕事です」

 

「朝から?」

 

「ええ、朝から晩までです」

 

「夏休み期間は?」

 

「早朝から夕方までです」

 

「シフト?」

 

「ええ、そうです」

 

「とにかくがんば!」

 

「おまえもな」

 

「・・・・・・・・・言いたいことはわかっておる」

 

「いちおう企業秘密ということで

内密にしておくよ」

 

「皆まで言うな」

 

「御意」

 

「せっかく健康保険きたのに

姉、ドクターヘンリーんとこいけないじゃん?」

 

「そうなんだよ・・・このめまぐるしく

忙しい状況をなんとかして」

 

「ま、でも、サスケで鍛えたから

今は楽勝でしょ?」

 

「そう、そうなんだよ!!!

それがあったから、今が全く負担じゃない!

むしろ嬉しい疲労だよ・・・・」

 

「発展性があるよね」

 

「おー、いいこというね。そうなのよ。

発展性があるんだよ、この仕事」

 

「だってさ、前はなんか

刑務所の穴掘りみたいだって言ってたじゃん」

 

「そう・・・私にはハンデが多すぎて

むなしすぎ、休日は充電でオワテしまっていたから

もう、ヘロヘロのドロドロ」

 

「それを考えたら、今の大変は

実りある苦労だよね?」

 

「おぅ、リラっち、良いこと言うね!」

 

「あねに鍛えられたからさ。

てぃーちゃ紹介してね!」

 

「邪満載ですな・・・・」

 

「楽しみあったほうが、勉学進む」

 

「ノーコメントにしときましょ。

そいじゃ、またね~。さすがに水浴びて疲れたから

もう寝るわ」

 

「ばいばいきーん!」

 

 

 




久々の姉妹会話ですね。


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夏休み

あしたから夏休みですね


【回顧録】

 

夏休み・・・・

 

私の夏休みは昨年まで

あってないようなものだった。

 

一般のお盆休みのように

長い連休でもなく

 

というより

休みがあっても

充電で終わっちゃう日々だった

 

ように思う

あまり記憶がない

 

もちろん

大事な記憶はしっかりと

刻まれているけれど

 

昨日、かな。

ふと、昨年の夏のことを思いだした

 

運ぼうとしていたものを

落としちゃって

 

そのときに

あの人が助けてくれたんだっけ

 

こっち押さえるから

そっち押して

 

つめたいようでやさしい人だなあ

 

ところが

やさしいかと思うと

一瞬で氷河期を迎えたような

つめたーい仕打ちをしてくることもあって

 

そんなところが

おもしろくて仕方なかったんだけど

 

今も

毎日、想像を遙かに超える

発想を展開する

ちっちゃい人達が

おもしろくて楽しい

 

今日も全身ずぶぬれになりました。

水遊びをして

水鉄砲とかホース水をぶちかまされました

 

昨年は

自分の汗でびっしょびしょになっていたから

 

それを考えたら

酷暑の水浴びは

気持ちがよいのです

 

他の女性は浴びるのが不可だから

室内でお仕事してたけど

 

私は喜んで

外いきまーす

 

って

 

水浴び隊員に志願いたしました

 

明日明後日は連休だから

ゆっくりしたいけど

 

夏休み活動の準備があるから

いろいろ買い物とかしなくちゃ

 

来週末と

月初の週末は

お仕事だからね・・・・

 

にょほほ

夏のイベント続きだし・・・・

 

ま、でも

それが終われば6連休だし

 

福利厚生利用して

いろんな施設お手頃価格で

利用できるし

 

ビアガーデン行きてーーーーー!!!!

 

お手頃パッケージが

利用できるんだけどな

 

夏休み戦争がはじまるわけで

前の1ヶ月半の地獄の黙示録を考えると

 

全然の全然全然

楽勝なのです。

 

ただ最近

毎日家に戻った瞬間に

爆睡してますね・・・

 

おそらく

暑いからでしょう

 

1日中部屋の中で

過ごしてますけど

基本

 

たまに外に出て水浴びたり

スポーツ三昧で

部屋でもあっちこっち動いてるから

 

体力は使っているのかな

神経もはりめぐらしてるし

ケガのないように・・・

監視監視監視センサーON

 

いろいろ大変だけど

充実はしているのかもね・・・

事務処理もしなくちゃで

パソコンもちあるきながら

 

ある時は隠れて

あるときは

テーブルに書類広げて

 

ちっちゃい隊員たちが

他のところで集中しているすきに

だかだかだだーーーーって

パソコンたたきまくって

印刷して

 

今日も忙しかったね・・・

 

それにしても

基本全員男子って・・・

 

すごいですよ。

男児って1人でもエネルギー満々なのに

それが複数いると

 

そりゃあもう大変です

息子3人いる親とか

偉いわーーーーー

 

ぜったいうるさいから

 

ということで

一旦休憩の後

 

戦闘モードでロックオン

雷砲を受けなさい!!!!!

ちびっこたち!!

(私より大きいのもいるけど)

 

まだDrんとこいけないし・・・

いつ行くんだろ?

お盆やってるのかな?

メールするヒマもないわ・・・

 

 

夏は夜

月の頃はさらなり

やみもなお

蛍の多く

とびちがいたる

 

のだよ




夏と言えば花火ですね。
行きたいな~


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がちゃおじ登場

お!なつかしい響きですね


~ユノ日記日常編~

 

昨日は、福利厚生を受けようと

家を出ていつもの懐かしい近所の裏を通ったら

見慣れた車とすれ違った。

 

丁度コーナーのところ。

あ!!!!ブリキ男!!!!

 

あっちも

 

ん???

 

って顔でこっち見たから

思いっきり、ばいばいばいばいばいばいーーー=!!!

 

って

 

その後、笑ったわーーーーーーー

車の中で10分は爆笑してたわ

 

すごいよね?

 

すれ違っただけで

笑われる人って・・・・・

 

うけるーーーーー

ほんと

うける

 

まじでうける

 

そのあとも

モンキーパーンチ

みたいな、他社のおっさんとも

すれちがって

あっちも

 

あれ?

って顔したから

 

手をふったらあっちもふりかえしてきたけど

 

べつに笑いは起きなかったな・・・

風体はこっちのほうが

おもしろいはずなんだけど

 

ブリキのロボット

鋼のがちゃおじは

 

最強無敵です・・・・

 

もう、あしたから6:30出発だからね

気合い入れていかないと・・・

がちゃおじパワーもらったわ~

 

人体用ファブリーズ

クールミスト

 

みつかってしまった・・・・

お子様に。

 

振って~!!!!

 

 

安易に応じたら

そんなことしたら

すぐになくなってしまうので

 

1人2回まで!

 

って決めて

しゅっ!ってやったら

 

大喜びでした。

 

だれかも喜んでたよね・・・・

今、何してるのかな・・・・

 

もう私は待つ時間がないので

そろそろきっぱりいこうかなと

考えてます。

 

人生は一度きりだし

 

思い出は一生消えないけど

不思議な出来事の数々の

説明もついていないけど

(きっとドクターが解明してくれるでしょう)

 

願っているだけじゃ

だめなのよね

 

実際に行動しないと

進まないから

 

時は流れているから

私達の力で止めることはできない

 

動くことで

道は変えられるけど

 

止まっていたら

道のほうから歩んできてはくれない

 

失敗を恐れるんじゃなくて

失敗して学ぶと強くなるから

 

転んだことがない人は

初めて転んだら大けがする

 

でも、何度も転んでいたら

受け身もとれるし、大けがしない方法を自然に覚える

 

人生の強さを

学ぶわけで

 

 

私はもう

生活の心配はないのだし

 

自分の道を

歩んで行こうかと思う

 

夏休み

仕事はあるけど

 

こころの夏休み

しっかりとって

秋はイベントに勤しむぞ

 

これからは

たのしいこといっぱいして

心の呪縛から

抜け出す

 

いつまでも想っている

美しい静の時間も

 

今は流れを変えて

動の時間にして

 

生きるエネルギーにするから

 

リハビリ天使君

ありがとう

 

今元気でいられるのも

あなたのおかげです

 

不思議な出来事の数々の

運命論の解明

 

それはきっと

現世と前世来世をつなぐ

道しるべなのかもしれないね

 

人は前世の記憶が

現世に生まれるときに消去されるみたいだけど

 

なんらかのエラーで

たまに前世の記憶が残ってしまうことがある

データでもそういうことがあるように

 

きっとこれまでの

不思議体験も

 

そんなエラーが起こした

脳の不思議なのかも

 

 

 

がちゃおじ

いまだに二リットルのペットボトル

数本抱えて

仕事してんのかな?

 

がんばってね!!!!

みんな

 

私もがんばる!

 

 




このお話もそろそろ終盤かな?


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久々のデジャブ

夏は忙しい・・・


夏祭りが盛ん。

そう、ユノの仕事でもお子様向けのイベントが目白押し。

毎週末、イベントにかり出されている。

 

お盆の時期までは忙しそうだ。

 

「いらっしゃーい!こっちで投擲ができますよ~

1回100円ね。じゃ、はい、これで投げてね~」

 

こども達を案内し、父兄の対応をしながら

あくせく動くユノ。

 

人の多さで蒸し返る暑さが襲ってくるが

決して不快ではない。こどもの体温は

ユノにとっての癒しパワーだからだ。

 

「これね、おもいっきり投げないと倒れないからねー

えーいっ!って投げてね~」

 

まだ、ちっちゃいよちよち歩きの子まで

参加してくれるから、ずっとそばにいてあげて

ゲームが終わるまで付き添ってあげる。

 

たくさんの景品からいくつか選んでもらうのだが

それもちっちゃいこだと、選びあぐねているので

こんなのあるよ~と、手にとって見せながら

選ばせる作業もまた熱い。

 

お昼はエスニックが提供された。

ユノの大好物であるから、それもまたうれしい。

自分よりは下の世代の人達との交流も

ユノにとっては嬉しいひとときだ。

 

-今度の飲み会行きます?

あ!行くんですね。じゃ、私も行きます行きます!-

 

また、新たな人脈がひろがりそうだ。

 

小さい頃は、かなりの人見知りで

知らない人と話をするなんて、ましてや

自分から話しかけるなんて、ありえなかった

幼少期。

 

今、はじめて会う人達は、そんなユノの

小さい頃の様子を聞くと、ほぼ100%に近い確率で

驚くようだ。

 

「ユノ先生がひとみしり?信じられな~い」

 

口々に、ユノが現在は社交性が高いと

絶賛される。

 

 

そんな楽しいひとときを過ごしていたら

ある関係者の荷物が紛失したという情報が入る。

みんなで探しているときに

ユノの脳裏に衝撃が走った。

 

(は!これ、夢でみた!!!いつだったろう・・・

けっこう前のような気がする・・・・たぶん・・・

前の仕事をしていた時であるのは間違いない・・・

 

それで、なんでこんな施設で私は捜し物を

しているんだろう・・・って思ったんだ!

 

すっかり同じ場面だ!!!!

 

ってことは、やっぱりここで仕事をすることが

決まっていたんだね・・・・きっと・・・・

 

ドクターヘンリーへの報告事項が

出てしまった。お盆なら行けるけど

先生、お盆いるのかな・・・・)

 

ここ最近、不思議な出来事は息を潜めていたが

久々の衝撃に戸惑うユノ。

 

(ここ毎日、こどもたちとコワイ話をしていたから

怪奇現象はまったく動じなかったけど

 

デジャブる感覚って久々。あまりに鮮明な

正夢だったから、びっくりした・・・・

 

そういえば、家の裏の畑にあるビニールハウス。

あれも、前職場に入る前に見た景色だった・・・・

家の近くなのに、通ったことはなくて、仕事で

通ったときに、はっ!!!っとしたんだっけ・・・

研修中にはよく通ったけど・・・

 

そう、そうだった。)

 

そんなことを思いながら、夏休み時期

夕方には仕事が終わるため、日帰り温泉にでも

浸かってから、明日は帰ろうかな

 

と、思っていたユノだった。

 

 




久々の不思議体験ですね。


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第3部 発展展望編
少年の心を掴んだヒーロー


多忙中のユノだったが・・・


さてさて。

宴もたけなわ。

 

7才の少年が時間をもてあましている。

DSを握りしめたまま

周りになじめず会場をうろうろしている

 

(諏訪部さんが合流してくれると

あの子、きっと楽しくなると思うんだけどな・・・

諏訪部さんは・・・あ、あっちかー。私も動けないから

困ったな・・・・)

 

 

すると諏訪部さんの方から席を移動して、少年の隣に陣取った。

数分も経っていないのに、少年の表情が

みるみる明るくなった。時折笑い声も聞こえる。

 

よかったーーーー。

第一ステージが終わる頃、ユノは少年に近づいていってはなしかけた。

 

「宮人(みやと)くん、よかったね!

諏訪部さんは、プロのゲーマーなんだよ~

いっぱい教えてもらえてよかったね!」

 

少年は満面の笑みで答えた。

 

「うん!」

 

「いいな~。こんど私にもデュエマとか

ベイブレード教えてね!ランチャーの使い方ヘタなんだ~」

 

「うん!いいよ!」

宮人君は、ジャンプしながら答えた。

 

すると背後から諏訪部さんがヒソヒソ声でつっこみを入れる。

「ランチャーとかって薄いよね」

 

「そうですよっ!だから、宮人君におせてっていってるんですよっ

ね~!宮人君!」

 

7才の少年はゲームの秘伝を教えてくれる達人と

仲良くなれたことが嬉しかった様子で、終始笑顔だった。

 

 

(あ~あ~。諏訪部さんのように男子心をつかむ人が

いてくれると、夏休み助かるんだけどなあ~

 

あっち部署だから、それはムリだしな・・・・

 

てか、山中さんもかなりのゲーマーだったっけ・・・・

ゲーマーでアニオタだから、間違いなく子供の心を掴むに決まってる。

しかも仕事内容が、男子の尊敬の的だ。私もカミングアウトしたら

え~!!!って、尊敬されたし・・・・

 

ベイブレとかデュエマって奥が深いんだもん。

太刀打ちできないよ・・・・

ほんと、手取足取り教えてほしいわ マジで

 

私ができるのは一緒にサッカー、バレー、野球。

水遊びってか水浴び。体調の関係でたまにできないこともあるし

あとは、将棋と五目並べだしな・・・

 

将棋は久斗(ひさと)しかやらないからな・・・

いつも久斗が寄ってきて、せんせーやろー!っていうから

お相手するけど、そうすると他の子にかまってやれないし・・・

 

ベイブレ、デュエマならみんなで楽しめるから・・・・

とりあえず、諏訪部さんにカードの提供をお願いしておいたから

児童同士でなんとかしてもらうしかないでしょう。

 

スポーツもいいけど、今は熱中症が気になる時期だし

長時間はできない。しかも興奮しすぎてしまうことも。

 

でも、デュエマやベイブレなら、みんな静かにやってくれるんだよね。

その間に事務処理とかもできるし・・・

今は早朝から夜まで子供がずっといるから

なかなか事務仕事ができない。

 

せいぜいリクエストに応える形で、こどもセレクトのDVDを見せるのが

精一杯。今はヒロアカ喜んで見てる。

 

来年の夏はこどもがだれないように

ゲームの腕を磨くか・・・・ベイブレならなんとかがんばれると思う。

自分でもちょっとずつ買って。

デュエマはむりだわ~。だいたいにして強いカードがない・・・

 

ま、自分ができることからやっていこうか。

将棋、五目並べ、スポーツ、それだけでも十分だよね。

工作は、あたらしく来てくれた裕美先生がいるから。おまかせ。

 

さて。

アルコールも抜けたから、携帯なおしに出かけるか・・・

もう10日も使えてない状態だからね・・・・

 

あ!やば!松にぃに連絡しなくちゃだ・・・てか、連絡きてたのかも?

 

あと1週間がんばれば、お盆休みだ!!!

ぃえあ!!)




新しい仕事について4ヶ月。
あっというまに正社員になって責任あるポジションに着いてしまった
ユノであったが、大変なりに充実している様子だ。


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ユノの日記

お盆休み突入。ユノは休日を満喫できるかな?


【今日の日記】

 

会いたいな。

何してるんだろう?今頃。

もう3か月も姿みてないや。最後に見たのは

5月半ばだったっけ・・・

 

私もいろいろ忙しくて、バタバタしてたから

そこからあっという間に時間が経ってしまった・・・

 

用があって近くを通ったけど

会えない。もう会えない運命なのかな?なんて

思ったりもする。でも、思いは変わらない。

 

彼にいろいろ伝授して欲しいことがあるけど

それも伝えられない。連絡先を知らないから。

 

しかも今、携帯壊れててだれにも連絡できない。

着信はできるけど、電話帳データもないから、どうしようもない。

お盆休みは、こども達の活動の準備でもしていよう。

今日はアニマックスをずっとみていたから

妖怪ウォッチ→稲妻イレブン→銀魂→ピカチュウ

連続で見ちゃった。

 

妖怪ウォッチが面白くて笑っちゃった。

いろいろプラモデルも注文したり

カードも注文したわ。1デッキ分は

諏訪部さんからわけてもらえるから、残りの分を

自腹で発注。2デッキは必要でしょ?

 

覚えるのに時間がかかるわー。さっきクイズやったら

初心者編を脱出程度だったけど

実際、ほとんどわからないに等しいから

カードのキャラもわからないし。

初歩の初歩しかわかんない。5枚裏でだしとくとか

アタックするとか召喚するとかね。

 

実際にバトルして覚えたいんだけど・・・

家庭教師が欲しいわ。

 

子供の頃は男子とも遊んでたから

仮面ライダー変身ベルトも持ってたんだけどね

大人になってからは、子供男子の遊びって

やってないし

 

遊戯王の頃は多少知識があったけど・・・

星の子カービィとか、ミニ四駆とか。

そうそう、今もミニ四駆とか

あるらしいよ。まあ、車や乗り物は

男子人気が衰えないものね。

 

私の宝物、サスケのトラックとウォークゥルーミニカーふたつは

持っていかないよ~

 

ぶち壊されるのが目に見えてるからね。

ぜった持って行かない!

 

お盆後、夏休みはあと4回こなせばいいから

理科の実験道具で時間を費やそう。

 

カードは飽きないから、入手したら

定位置に置いとくことになるだろうな。

 

お盆休みは遊びの研究と

カードやゲームなどの知識量を増やすことに

時間を割くことになりそうだ。

 

ゲーマーでアニオタな

あの方と仕事で一緒だったらいろいろ

聞けたのにね。

 

でも、その仕事してたら

その必要はなかったから、その話にも

ならなかったのかな?

 

世の中はわからないものだ・・・・

 

そういえば、一人の子がT・グールの

質問してきたっけ・・・好きなキャラは?って

こどもはアニメでみてるらしく

私はコミックだよって話をしたっけ

 

そうだ。続き読んでないから

借りに行こうかな。僕のヒ・・・の映画も

見にいくしね。

 

仕事とすきなことがかぶるって

幸せなことなんだって。

 

そうかも。仕事に好きな人がいたことも

幸せだったのかもね。

 

今いずこ。




充実日和ですか?


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ユノの休日

久しぶりにリラと過ごすユノの休日


「ねえ、リラ。映画みる?」

 

「え?いいよ。」

 

「あれ、みたいんだよね」

 

「ああ、あれね。でも、私ジュラシックパークがいい」

 

「ああああ、私も恐竜好きだからね~。でも

今日はあっちがみたい」

 

「んー。ちょっと時間みてみる・・・

 

あ!こっちはレディースデーじゃないよ。

あっちだと今日がレディースデーだよ」

 

「じゃ、あっちでいいよ」

 

「りょ。時間は・・・・あ、後1時間後だから丁度いいね」

 

「じゃ、移動しよう」

 

「んと・・・・ああああ、ジュラシックはだめだ

3時間後だから、あっちの映画しかないよ」

 

「最初の私の希望が通ったね。じゃ、あれで」

 

「ま、いっか・・・・」

 

映画館に移動する二人。

 

「あれ?なんかあったのかな・・・

消防車が止まってるよ」

 

「うわっ、ホントだ・・・・

(もし、映画上映中になんかあったら・・・

それにしても不思議なのは、皆静まりかえっていて

ちっともパニックになってない。なぜみんな

落ちついているんだろ?)」

 

「どうする?姉」

 

「どうするって言っても・・・とりあえず

人が中にいるし、大丈夫じゃないかな」

 

「なんか買っていい?」

 

「いいよ。チュロス食べない?」

 

「じゃ、チョコで」

 

「あのねー、チュロスはシナモンが美味しいんだよ、リラ助」

 

「・・・・わかったよ。出して貰う立場だからね

何も言えんわ」

 

「買ってくるよ~」

 

「ココで待ってる」

 

 

 

 

「はい、半分ずっこ」

 

「ありがとー。・・・(もぐもぐ)

ん?うめっ!美味い!!!」

 

「でしょ~。君、シナモン好きなんだから

うまいにきまってるでしょ」

 

「ほんまや・・・」

 

「食べ終わったらいくど!」

 

「り!」

 

 

上映館に移動し指定した座席に座る二人。

 

「いいねえ~。ひろびろとして。おっと携帯切らなくちゃ」

 

「もう、すぐ始まるね」

 

「うん。楽しみ!」

 

 

 

ー映画がはじまるー

 

 

(お・・・このキャラは映画オリジナルかな?

 

おー、やっぱり映画館は違うね~音響がすごいのと

映像の迫力も半端ないわ。でもって、ストーリー面白いわ。

よくできてるわ。でもさ、これとあれのキャラって

何語でしゃべってんだろ???あっち外国人だよね?

 

ま、いいか・・・・でも、テーマが私の好きな分野だからね~

面白いわ。オール○○○って、さんちゃんに似てね?

素の方ね・・・)

 

「あっという間に終わった~

面白かったね。リラはどうだった?」

 

「んー、まあまあだね。あたしは姉の付き合いだから」

 

「え~?楽しくなかったの?」

 

「あたしはいつもこんなもんだよ」

 

「かわいくないねっ!!」

 

「あたし、あんまり映画とか見ないから」

 

「なんだよそれーーーー」

 

「いいじゃん、姉が楽しかったんだから」

 

「まあね・・・君は、買い物が好きだもんね。

あたしはあんまり好きじゃないけど」

 

「そうだよ。姉、買い物早すぎるもん。

買うモノ決まってて、それかったらハイ、終わりって

男か!!!

 

私は、いろいろ見て回るのが好きなの~さんちゃんと一緒で」

 

「そういえばアウトレット行ったときも、君たちが

あれこれ見て回って、私は『ベンチ座ってるから行っておいで~』

って、待ってたよね・・・・考えたら、ふつう女子が買い物

ブラブラしてて、おとうさんとかおにいさんが、待ってるぞーって

のが多いかも?」

 

「そう、100均とかでも、姉早すぎだって」

 

「だって、買うモノ決まってて、それ以外用事ないもん。

文房具やさん行くと、うろうろしていろいろ見るの好きだけどね」

 

「だから、いつもあの文房具やさんの初売り福袋だけは

買いに行くわけね?」

 

「さいです!」

 

「ま、だから、今日は、あたしが買い物楽しんで

姉が映画楽しんでってことでいいじゃん?」

 

「そうだね~。イーブンだね。じゃ、また今度

買い物つきあってあげるよ~あのオシャンティな家具屋は

すきだよ。うろうろするの」

 

「だって、あそこって、目的!ってだけ行けないじゃん。

構造上。ぐるーってひとまわりするかんじになってるもんね?」

 

「そうそう。フードコートも美味しかったしね~」

 

「じゃ、あたしは姉に買ってもらった、本棚を設置して

明日は部屋の掃除するよ~」

 

「そうそう、がんばって!」

 

「あとで、シャメ送るから~」

 

「はい、待ってます!」

 

リラを送っていくと、ユノは自分の住まいに戻って行った。

 

(今日の映画、なかなか面白かったけど・・・

 

そういえば、中学の時だったかな・・・3年?

授業中に急に眠くなって、一瞬ねちゃったことがあった。

それで、すぐに、はっ!と、目が覚めたんだけど

そのときに

 

【ミツキイツグ】

 

って聞こえたんだっけ・・・なんだろう。この名前?

私の将来のパートナー?か、なんか思った記憶がある・・・

 

イツグ・・・・?イヅク?

 

あの頃はもちろんこのアニメなんかなかったし・・・

どうしていきなり聞こえてきたんだろう?

なにか、意味があるのかな・・・

 

先生の言うように、なにか前世と関係あるのかな?)

 

不思議な気持ちを抱えながら

とりあえず休日前半を楽しんでいたユノだった。

 

 




楽しい休日を過ごしているようですね


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知らなかった!

なんとある事実が発覚。


やっとユノの携帯が戻ってきたようだ。

正確に言うと、壊れていた訳ではなく

メモリオーバーで、正常に動かず

ユノ自身も、アプリを消したり、容量をあけてはいたが

それでもメモリ容量は変わらず

 

工場で全て点検後、修理の必要はなく

ただし、メモリリセットが必要だっため

全削して、初期化してくれたらしい。

 

ユノはPCにバックアップ同期をとっていたから

復元作業をしていた。

 

すると・・

 

6月頃、前職場の人からのメッセージが入っていたことに

気が付いた。

 

「え?やだ!6月って・・・随分前じゃない!

ご無沙汰してしまってる!!!返信もしていない

ってか、できなかった!!」

 

すぐに電話した。

前職場の人は、一瞬、むっとした声で応じたが

ユノが事情を話すと、笑って

 

「あんたさ、携帯壊れたって、ふつう

すぐに買い換えない?」

 

「いや・・・その・・・・携帯って無くても

あまり不自由に感じないし、この機種まだ1年しか使って

ないから、必要最低限動けばいいって思ってたんですけど

 

メールとか受信してないのに気づかなくて・・・

ご無沙汰してしまって、ほんとごめんなさい!」

 

「いやいや、いいんだけどさ。

山中さん、転勤になったのよ?」

 

「え゛??????」

 

ユノは動揺する心を抑えるのに必死だった。

 

「て、転勤・・・・ですか?ど、どこに行ったんですか?」

 

「沖縄に戻ったようよ。ケント君も一緒だって」

 

「そ、そうだったんですか・・・どうりで

近くを通ってもいないはずだと思っていたんです」

 

「もうさ、ぜんぜん連絡とれないから

あんたなんか知らない!って思ってたんだけどさ

 

天然なんだよね。ユノちゃんって。

ふつう連絡こなかったら、あれ?って思わない?」

 

「あ・・・てか、お忙しいのかなって思って」

 

「まあ、君自身も忙しかったんでしょ?」

 

「確かに、そうなんですけども・・・」

 

「とにかく、こうやって声が聞けてよかったよ!

仕事がんばってね」

 

「ありがとうございます。また連絡します。」

 

「あいよ!待ってるよ!」

 

(知らなかった・・・あたしったら、気づくのめっちゃおそいでしょ!

だから、天然って言われちゃうのよ・・・でも、受信してなかったんだから

仕方ないよ・・・・(泣)

 

でも、もし6月の時点で

あのメッセージを受け取っていたら・・・・

 

気になって気になって、仕事にならなかっただろうな・・・

すぐにでも沖縄に飛んで行ってしまったかもしれない。

頭パニ食っちゃって、引き継ぎどころじゃなかっただろう・・・

 

私の方は6月から今まで忙殺されてたから・・・

引き継ぎ→新しい人の指導→夏休み早朝から児童管理→昼食用意etcetc

 

それでなくてもわたわたバタバタだったから・・・

 

今回の携帯の不具合、ショップ店員も不思議だおかしい

と言っていたし、私もなにか変だと思っていたんだよね・・・

 

そういうお知らせだったのかもしれない。

この怪現象は、私やリラの脳波とは関係ないよね?

 

それとも脳波と電波ってシンクロするのかな?

ドクターは今、海外に研究出張中だけど

秋には帰ってくるようだから、そのときゆっくり

話しができるといいな・・・・)

 

ユノは、これまでの出来事を忘れないように

バックアップを二重にとりながら、PCに記録データを保存した。

 

 

 




びっくりですね。どうりで姿が見えないわけですね。
不思議現象もお盆時期に起こるっていうのは、ご先祖様等からの
天国からのメッセージでもあるのでしょうかね?


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青い海を映す空

一面に広がる青い海
ユノは有給休暇を使ってはるばるここにやってきた


-ねえ、パパ

 

空が青いから海が青いの?

海が青いから空が青いの?

 

ユノはどっちだと思う?

パパはね

 

空が青かったら海も青くなって

海が青かったら空が青くなるんだと思うんだ

 

へえ!

空さんと海さんは仲良しなんだね。

 

そうだよ。

仲良しさんはいつも

お互いを映し出しているんだよ

 

空さんが元気なら海さんも元気だし

海さんがやさしかったら空さんもやさしくなれるよね-

 

 

 

ユノは目の前に広がる美しい景色をみながら

そんな昔の会話を思いだしていた

 

いろんな事があった

今まで

 

でももう迷わない

自分の心はここにあるから

 

それと

ドクターOKもでた

5,6時間ぐらいのフライトなら

ラトケ嚢胞には影響がないと

 

むしろ穏やかな空気に触れ

美しい景色を満喫すれば

様々なストレスから解放され

 

体全てに良い影響を与えるだろうと

また、不思議な出来事の数々も

この場所と深く関連していることから

 

ぜひ訪れてなにか感じることがあったら

電信連絡するようにと

 

ミッションも授かったから

ユノは大手を振って誰にも気兼ねなく

休暇を取ることができた

 

「さて。この住所は・・・

大分北の方だな。普段はカーナビ使わない私だけど

沖縄だけはナビ付きレンタ借りるんだよね。

 

最初はドライブ楽しんじゃおうかな~

高速乗らないで。1週間はいるんだから

いつか会えるよね?」

 

盲導犬プロジェクトが一段落したため

山中は後任に仕事を引き継いで

本拠地の地元沖縄に戻ってきていた。

 

ユノの新しい仕事でも

沖縄で手に入れられる自然の景色や

おとぎ話など

役に立つことが多いため

 

研修旅行も兼ねてという名目で

長期休暇を許可された

 

旅立つ前に

ユノは部屋の大掃除をしていた。

すると

色褪せた古い封筒がでてきたので

そのまま捨てようとしたのであったが

 

一瞬躊躇した。

 

なにげに、そのヨレヨレの封筒の中身をのぞいてみると

なんと

樋口一葉さんが現れた。

そう、五千円札が2枚も入っていたのだ。

 

「あきちゃびよ!捨てちゃうところだったわ!

あっぶね~!!!でも、なんで出てきたんだろ?

 

・・・・・もしかして、さんちゃんからの餞別?

 

そういえば・・・数年前の私の誕生日の時も

家の玄関あけたら空から五千円札が振ってきたんだっけ・・・・

 

あの時もびっくりしたなー。警察に届けようかと思ったけど

財布があるわけじゃないし所有者を特定できない。

しかもじぶん家の敷地内だし・・・

 

誕生日プレゼントだよ。きっと。ってことでありがたく

いただいたんだった・・・

 

今回も絶妙なタイミングでお札出てくるんだもんなあ。

びっくり」

 

しばらく不思議事象はなりを潜めていたが

ここ数日は、またしてもユノの周りで不可思議な出来事が続いていた。

 




お金っていきなり出てくると
ものすごく得した気分になりますよね?

自分で忘れてるだけだったりするんですけど
儲かった気分しちゃいます。

ユノノ、よかったね!
沖縄でゆっくりして~


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南国紀行

笑ってやってください。「黒山羊の卵」を「くろやまひつじのたまご」と
読んでいた私。黒やぎさんからの手紙を食べちゃって、なんだったの?
ってお手紙かいちゃう白やぎさんぐらい、天然全開で失礼しています・・・

今回は主人公の旅行回です。


果てしなくコバルトブルーが広がる遠浅の海。

数年前に訪れて以来、ユノがこの南の島に足を踏み入れるのは

久方ぶりのことだった。

 

ここ数年、ただひたすら突っ走ってきた。

しばらくここでゆっくりとした時を過ごしながら自分を見直したい。

じっくり充電して、これからの生活を充実させたい。

 

そんな思いを抱きながら、ユノはプライベートビーチのイルカをながめていた。

目の前で5歳ぐらいの少女がイルカに手を振っている。

 

イルカは特殊な能力があって、その超音波で人間のある一定の

脳波等を読み取るらしい。人間の心のリハビリにも良い影響を与えると言われている。

たしかにイルカの近くにいると、癒される雰囲気に満たされるのは

そういうことなのかと、悠々とおだやかな水面を移動する生き物から出る波動を感じとっていた。

 

ユノの目の前の少女はイルカに手を振りながら叫んだ。

「イルカさ~ん!またくるね~!」

 

するとイルカは、目を細めて少女のほうに高速で泳いできた。

キュキュキュという音を鳴らすと、少女の前で何度か身をひるがえし

口を動かしていた。その様子はまるで笑っているかのようにみえた。

 

ユノは目の前の少女とイルカを同時に視界に入れながら

穏やかな気持ちで、ビーチを後にした。

 

「そうだ。諏訪部さんの結婚祝いのおみやげ、皆から頼まれてたんだ!

これから、買い出しに行こうかな。レンタカーのガソリンはまだ残っているよね?

ちょっとあちこちぶらぶらしてみよう。水族館はまたあとで行こう。

ちょっと遠いから、明日かあさって、ゆっくり見に行くことにして、

お土産わすれたら、大変だから、こっちが最初だね。

 

私も個人的におみやげ買おうかな。諏訪部さんと奥さんに。

だって、あんなにカード譲ってもらっちゃって、ありがたい!

ほんと、感謝感謝だわ。あ、リラや博士にもお土産かわなくちゃ・・・

というか、お土産リスト、速攻でつくろうっと。子供達には

星の砂でいいかな?」

 

カーナビを北谷(ちゃたん)に設定すると、ユノはエンジンをかけた。

米兵の家族と思われる数人が乗った4WDがユノ車の右側についた。

 

「おっとーーーー。米車とぶつかったりするとやっかいなんだよね。

あっちは治外法権だから、保険がきかないらしい。気を付けないと」

 

ユノの懸念はどうやら取り越し苦労に終わりそうだった。

米軍達の車は本土の一般車よりよっぽど安全運転だった。

あっちだって、トラブルは避けたいだろう。ちゃんと速度を守り

荒っぽい運転などしない様子は、ユノを安心させた。

 

「そういえば、さんちゃんと来た時、インディーズやってたっけ~。

あれが今思えば、ドレンジレンジだったんだよね。沖縄すごいね。

今回もストリートライブ覗いていこうかな」

 

沖縄にくると、やりたいことがたくさんあって、1週間じゃ足りないと

思うのはいつものことだった。

 

サーダアンダギーを買おうとして、車から一旦降りると

ユノにぶつかってきた少年がいた。

 

「ごめんなさい!」

少年は唇を小刻みに震わせながら、後ずさりした。

 

「こちらこそ、ごめんね!大丈夫?けがはない?」

 

ユノはしゃがんで少年の顔を覗き込みながら、頭をなでた。

(あれ・・・この光景どこかで・・・)

 

「うん」

少年は少し安心したような顔で答えた。

 

「あ、サーダアンダギー落としちゃったね・・・

ごめんね。新しいの買ってあげる」

 

「え・・あ、大丈夫」

 

「こっちおいで」

ユノは屋台のほうに少年を連れて行った。

 

「こんにちは。サーダアンダギー10個ください」

 

紙袋に入れられた、サーダアンダギーをユノは少年に手渡した。

 

「ほんと、ごめんね!これ、持っていってね」

 

「ありがとう!」

少年は笑顔で袋を受け取ると、喜んで走り去った。

 

しゃがんだ時に見えた名札には

「島袋海人」と、書かれていた。

 

(カイト君・・・っていうのかな?

そういえば、ケント君との最初に会った時も出会い頭にぶつかったんだっけ・・・

どうしているのかな?元気かな。

 

今の子、海人君?ケント君の瞳に似ていたね。キラキラした目が

印象的だった)

 

現世で出会う人々は、前世でも必ず会っているという。

ユノを取り巻く人々も、前世でなんらかの形で会っていたのかもしれない。

 

そのつながりはいまだわからないが、ユノにとって、これまで出会った人々は

彼女の人生に大きな影響を与えていることだけは間違いない。

 

沖縄での魂洗浄&癒しプランは順調なようだ。

 

 




お盆休みが終わったら急に涼しくなりましたね。
体調など崩しませんように・・・・
皆さまどうぞくれぐれもご自愛ください。


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お休み回です。

執筆をはじめて7か月。
本当にひょんなことからはじめたのですが
いつの間にかはまってしまいました。

最近はいろいろな小説をみつけては
感嘆している毎日です。

今はまっているのはトーキョーグール。
アニメ、コミック、劇場版すべてなめてます。舐めてません。
すごいですね。ほんと、すごい。


作者さん、私今沖縄にきていますよー

すいませんね。忙しいのにお休みもらっちゃって。

 

☆彡 いいよ~。ユノノンもがんばってきたもんねー

 

いいえがんばってなんかないです。ひたすらなんか

必死だっただけです。

 

☆彡 そういうの、がんばったっていうんだよ。

 

そうかな・・・いろいろ考えることがあって。

 

☆彡 だよねー。自分のことだとわからなくなるよね。

 

そうなんですよ。基本ポジティブシンキングなタイプなんですが

あるときふと、ネガティブが襲ってくることがあって。

そういうときは、暗示にかけるんですけどね。

大丈夫大丈夫!って。

 

☆彡 あ、そうだね。私も今日、それで乗り切ったよ。

 

ポジティブに考えてると、ポジティブに事が運びますよね。

 

☆彡そうそう。そうなんだよ~ やっぱり前向きね

 

でも恋愛に関しては、なかなかポジティブじゃいられないですよね。

相手の心を図りかねるというか・・・

 

☆彡 そうなんだよねー。そうそう。それは男女一緒だと思うけどね。

 

性格の問題もあるかな?とか思ったり

 

☆彡 いえいえだれでもそういう面はあるよ。だから、友達に相談したり

するんだよね

 

そう!友達。かけがえのない友達。助けられます。

 

☆彡 ユノノン友達多いもんね?

 

んー・・・無駄に知り合いだけはいますけど、本当に心開いている人は

そう多くないです。

 

☆彡 ユノノン、噂ではティーンの時は攻撃的だったときいているぞ?

 

あー、攻撃は最大の防御?ですかね・・・自分を曲げるのがいやだったんです。

 

☆彡 あー、わかるわかる。相手にあわせちゃうのみて、イラっときたり

するよね?

 

そうなんです!なんで、無理して合わせなくちゃいけないの!って

思うんですよ・・・・

 

☆彡 で、不本意ながら合わせることができちゃう自分に驚いて

あら・・・大人になっちゃってる、ってね。

 

そー、どーでもいーや、とか思っちゃって、はいはい~的な返答を

しちゃうこともあるし、お客さんとか仕事では、わりと合わせちゃったりします。

今も、ちがうだろーーー とか思っても

 

ですよね~ (笑顔) ってことやっちゃってて。でも

それでいーんだ。バカボン!ってなてます

 

☆彡 バカになるってある意味大切よね

 

そうですね・・・無理やり自分を押し殺すんじゃなくて、相手に譲って

あげてんだぞ~ オラオラ しんのすけ~

って、ゆる~く対応すれば、自分もキュウキュウにならない

 

☆彡 それが生きるすべだよ。

 

ただ、ここ一発譲れない!って時は、ちゃんと出ますよ。

 

☆彡 そうだそうだ!主張すべきときはしてもいいと思うよ。

ちゃんと段階踏めば

 

そうですね。冷静に対処できるってことが大事だと

思います。ところで、ヘルニアっていろいろありますけど

痛いんですよね?

 

☆彡 あー、うちの弟鼠経ヘルニアになったよ。とどのつまり

脱腸ね。手術したけどね・・・あとは椎間板ヘルニアとかあるよね

 

あるべきものが突出しているのがヘルニアだそうです。

痛いんですよね・・・・

 

☆彡 痛いってきくね。ユノノヘルニアなの?男性に多いってきくけど。

 

いえ、私ではないんですが、友達のおとうさんがヘルニアみたいで。

お見舞い渡そうかと思ったんですが、何がいいのかな~って

 

☆彡 お見舞いってなにをあげたらよいか迷うよね。

 

そうなんですよ~。本が好きなようですが、どういうのがいいかも

わからないし・・・文字とか読んで大丈夫なのかな?とか

 

☆彡 友達とうさんに世話になったの?

 

はい、学生時分送ってもらったりしたので。

 

☆彡 そっかー。でも、お見舞いって渡すだけで

うれしいと思うよ。お花とかでもね。

 

そうですよね。友達花屋なので、きいてみます。

 

☆彡 あっちプロだから、こういうお見舞いっていうと

上手にアレンジしてくれるよ。

 

はい!わかりました。それ、考えてみます。

沖縄のお土産も一緒に持っていきます。

 

☆彡それはいいね!じゃ、お休みゆっくり楽しんでね!

 

ありがとうございます!




がんばるか・・・


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休憩中

作者もユノも休憩中です。


作者さん。

ずっとお休みしててごめんなさいねー。

 

沖縄長期休暇もらってます。

夏休みなんとか乗り切ったんですよ。

いろいろあったんですけどね。

 

先週末なんか雷落としちゃいましたよ。

おかげで雨降って地固まるって感じになりまして。

 

地域中、ほんとの雷もなってですね

すんごい雷、5、6っ回、ぴかっつごろごろ・・・・

電柱におっこちたらしいですよ。

 

なんか首のうしろがうすーく痛いんですが

ドクターのところには行けません。

土曜日が仕事のときもあるし

仕事ないときは、お部屋の片づけと

アニメみたりとか、のんびりすごしちゃってるんですよ・・・

 

今は、ずっとKIDSステーションか

アニマックス、あとはネット配信でT.グールみてたりとか

充実しています。

 

通勤には1時間かかるんですけどね

車でね

 

でも首都圏だったらこれ普通。

地方都市での1時間は長いのですが

私は運転は苦にはならない・・・

どころか

運転好きですので

 

かつて青森までノンストップでいったこともあったり

むしろドライブ楽しむ感覚で

通勤楽しんでます。

 

で、会えたか?

ですよね。

気になっている・・・

 

それはまだ内緒です。

ちょっとした情報は入手したんですが

それが元になって

ある行動を起こしたという次第です。

 

ネタは提供いたしますので

あとは作者さんにお任せいたします。

 

秋に向かってイベントもあるし

なんといってもクリスマス・・・・

企画運営を任されてしまって

 

というか

丸投げぶんなげむちゃむりですよ・・・・

 

いつもですよね。

むちゃぶりされるのって・・・・

 

だから、今更動じませんけどね

ええ・・・

 

まあ休暇をうまくつかって

なんとかやっていきたいです。

 

がんばってると

いいことがありますからね。

 

これからも慢心しないで

がんばりたいと思います。

 

ところで

ヘルニアにはタバコいけないんですよね?

それだけは言いたいなー

 

私も腰骨折したとき

辛い物とかコーヒーぶった切ましたもん。

辞めましたよ

 

そしたら

半分の日数でなおっちゃいましたから

 

てか

しばらく会ってない友達から

事故大丈夫?とか言われるんですけど

 

当の本人忘れてますわ・・・

そんなことがあったね!

て、感じですよ・・・・

 

元気すぎますもん。

よく寝ますもん。

 

今も、昼休憩は、爆睡。

まあ、ふつうのおうちの2Fが

休憩室なので、ゆったりできるってのが

いいですね。

 

大変な部分もありますが

恵まれていると思います。

ほんとうに神様に感謝しています。

 

給料はお世辞にも高くはないですが

生活していけるレベルですから

この点も御の字です。

 

日記のような報告になりましたが

作者さんもがんばってください!

 

敬具

 




ユノさんからのメッセージでした。


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昨今

不思議は不思議でもカラーの違う不思議が続く・・・


ユノは寝付けなかった。

ここ最近、不思議な現象が続いていたから。

 

<ユノ日記>

洗髪中、目をあけたら浴室の電気がぱちっと消えたので、電球切れかと思って

あとで、交換しようと思って、すすいでまた目をあけたら

あかりが煌々とついてた・・・・

 

へんだなあと思っていたら、翌日もまた

浴室のあかりが消えたりついたり・・・

 

スイッチをオフにしたら、ついたので

あれ?おかしいな、と思っていたら、また消えた・・・

 

それで、スイッチをオンにしたら

今度はついた・・・・

 

んーーーーー

おかしいな。

 

そして、髪のドライ中に

なんと、寝室の方から、がたがたっ!!!!

っていう音が・・・

 

あまり怖がらない私でも

さすがに、ちょっとぞっとして

 

おそるおそる寝室を覗くと・・・

 

落ちるはずのない箱が二つ落ちていた。

しかも、ただ落下するならすぐ下に落ちているはずが

ぽーん!とはじけたかのように、そう、まるで

誰かに押されたかのように、1m以上離れたところに

落っこちている・・・

 

なんじゃなんじゃ???

天国のとーさん、夢に出てくるし?

 

おかしいよ?いよいよ、お迎えきちゃう系ですか?

そういえば、首の後ろが痛いし

突然

 

こっちおいで~って

あの世からの招待状でも

きちゃったりしているんですか?

 

いやだ・・・・まだそれは困る・・・

リラがちゃんと進学して仕事決まるまで

それまでは見届けたいんですけど・・・

 

3歳の時に危うく命おとしそーになったからって

今がおまけの人生でも

まだ、呼ばないでください・・・

 

まあ・・・でも

そればかりは

私が決められませんからね・・・・

 

寿命って

なんでも生まれたときに決まっているらしいですよ・・・

きいた話ですけど・・・・

 

でもね、まだ修行中だと思うんです。

まだまだ課題もいっぱいあるし

クリアしなくちゃいけないんです・・・

 

時代とともに人々の生活や思考、あり方は

変化しているので、そこも勉強しなくちゃいけないし

 

自分で答えを出していかなくちゃいけないことも

ある・・・

 

大事なのは自分がぶれないことだね

そこ大切です

 

なにがあってもへこたれないぞ!

って

 

決意表明しても

折れそうになるんだ・・・これが

人間だからね

 

そういうときはむりにテンパらないで

ゆだ~って、ゆったりまったりすることに

決めています。

 

負の連鎖でマイナス思考になりそうなことも

あるよ

 

でもね、それってほんとNGだから

一旦休んで、あたまのんびりさせて

プラス思考になるように

そうもっていこうって

 

そんなとき、あのがちゃがちゃロボを思い出すと

これがまた爆裂珍事、迷言な名言を吐きまくるからね

笑っちゃうんだよね

悩みなんかなさそうなんだもん

 

あったりするのかも?だけど、たぶん

3歩歩くと忘れるじゃないかと思うんだよね・・・

 

あそこにいたときは、楽しかった。

今も、楽しいんだけどね。

 

いろいろ責任あるし・・・(前がなかったわけじゃないけど)

 

だいじょーぶさ

you can do it

 

あの方だって、きっと大変だけど

がんばっているのさ

 

それを思ったら

自分の悩みなんてちっぽけだよね

 

さてさて・・・・

書いてたら、眠くなってきた・・・

 

ふぁ~・・・

おやふみ・・・・

 




なんなんでしょう、そのポルターガイスト現象?
怖いですね・・・


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恥ずか死ぬ

世の中いろんなことがあります・・・・


今日は研修。休憩時間にサンドイッチをほおばりながら

沖縄でのことを思い出していた。

 

--------

 

もう・・・・・

せっかく会えたっていうのに

 

恥ずかしすぎて

びっくりして

逃げちゃった・・・・

 

北谷の大型ショッピングモールで

珍しい車が止まってた。

 

あれー?

これって、言ってた車だよね?

たしかこの車種だよね?

 

沖縄でこの車見るのはじめてだから

もしかして・・・・

 

あれ?バンパーになにかついてる・・・・

まさか傷???

 

まさかね・・・・

 

と、かがんでバンパーを覗いていたら

 

あれ?

 

って、車の後ろから

あの人がぬぅーって顔をだした

 

あいっ!!!

あきちゃびよ!!!!

 

んぎゃ~ーーーーーーー

 

マッハ5か???

びゅーーーーーーー===333

って

ボルトもびっくり

 

速度で

逃げてしまった私

 

だって

びっくりしたんだもん・・・

 

帰る日まではまだ日数があったんだけど

どうやら台風がきそうだから

早めに帰った方がいいって

 

急遽日程変更で

戻ってきちゃったけど

 

びっくりした・・・・・

 

「それでは午後からの研修はこの資料を使います」

 

はっ・・・・もう、お昼終わりか・・・・

 

それにしても、ほんっとびっくり

ひさびさに心臓がどっくんどっくん言ってたな・・・

 

まあ、場所も車もわかったから

今度行ったときに訪ねられるからいっか

 

って

もどってきちゃったけど

 

沖縄くんだりまでいって

なにやってんだーーーー姉!

 

って

妹のリラにはどやされちゃったけど

 

でもね

仕方ないじゃん

 

事情が事情だったんだから・・・

しかも、急な予定変更で

 

また沖縄に来るチャンスもできたんだし

生きていたら

また会えるって

 

私もとりあえず目の前の仕事がんばって

成果だそうかなって思ってる・・・

 

今日の研修でも

「努力し続けることが大事です」

 

って

言ってたしね・・・・

 

焦っちゃいけないよ。

時は刻むものじゃなくて

流れているものだから

 

沖縄時間も

いつもそう

 

ゆったり流れに任せて

目を閉じて

木々の香りを、風の音を、波のうねりを感じる

 

それが人の自然の姿なのさ・・・

 

って、沖縄の人もいうしね

 

今回は沖縄でゆっくりできたってことで

十分、充電できたから。

 

しかも、沖縄プランの方が

安いんだよね。ホテル付で二泊三日で3万円とかだもん。

 

近場の温泉とかに泊まるより

ずっと安いからね。

 

日程さえあえば、

いつでも行けるよ

 

今度は石垣に行きたいね。

行けたらいいね

 

きっと行けるよ

願っていたら

 

叶うから・・・・

 

あの人の笑顔も

見ることができますように!

 

さて

ソフトクッキーでも作ろう

 

明日のお弁当の用意もしなくちゃ

ひさしぶりに子供たちに

会うしね!

 

パワー満載で

かかってこ~い!!!

 




怪しい人と思われちゃいますよね?
通報されなくてよかったね?


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ご無沙汰メール

何か月ご無沙汰しているだろう。
ユノは状況説明メールをドクターに送った。


宛先:ドクターヘンリー

件名:近況報告

 

先生!!ユノです。

ほんと、ご無沙汰してしまってすいません。

新しい職場での仕事で、いろんなプロジェクトを

任されてしまって、結局MRIを撮っていただく時間が取れません。

せっかく機械を開けていただいているのに、申し訳なくて

謝罪の言葉もありません・・・。

 

リラは勉強をがんばっています。

理科、数学、社会が学年で1番ですが

国語と英語が悲惨だそうです。

なんでも、なにかにひっかかると理解するまで

気が済まないとか・・・・先生に質問をして3時間も説明して

いただいたらしいです。

そういう疑問は大学に入ってから解決してほしいものですが

性格なので仕方ないですね・・・対応してくださっている

先生に心から感謝です。

 

ということで、毎日遅くまで勉強してそこから爆睡しているらしく

不思議現象とは無縁・・・

 

あ!「姉、なにかあった?」と、聞いてくるときは

私になにかあるときです。これは不思議です。

 

実は先日沖縄で大変、こっ恥ずかしいことがあったのですが

そのときもSMを速攻で送ってきて「なんかあった?」と。

 

事情を説明すると「なにやってんだか・・・・」って

呆れられてしまいました。

 

私の天然っぷりは健在です。先日も取材されているのに

なにかの勧誘かと思って、速攻でお断りしてしまったという

(結果よかったんですが)

ずれずれの毎日です。

 

私の不思議な現象は、脳の・・・というより、ちょっと

オカルトチックかもしれません。

バスルームの電気が消えたりついたりして、その後ある

事件が起こったという・・・決まって洗髪しているときに

起こります。事件が収束してからは、電気の現象もなくなりました。

 

夢は・・・仕事のことが主です。おそらく、願望とか

気になっていることが出てくるのではないかと。

正夢になってくれたらいいな、という夢もありました。

 

これまでの正夢は、だいぶ時間が経ってから現実になることが

多いので、添付ファイルの夢日記をご覧ください。そちらを

参考にしていただけましたら幸いです。

 

体調に関しては、頭痛などはまったくありません。

ただ、韓国の教授から、ラトケ嚢胞のせいで幻覚を見るのでは?

と、言われました。怪現象は脳の錯覚だから、とのことです。

 

新しい仕事に変わってから、体調はすこぶるよく、昼休憩は

お昼寝できるのが最高です。たまにスポーツすると、ぐったりしますが

1日眠るとすっかり元気です。インスタントなどは取らず

できるだけ作ったものを食するようにしています。最近は

おやつも自分でつくるようにしています。体が資本ですから・・・

 

という状況です。

本当は先生に直接お会いしていろいろお話したり

お伺いしたいことがあるのですが、土曜日が全休ではないので

お休みのときは、部屋の片づけ諸々で時間がなくなってしまいます。

わがままですいません。

 

イベントが終わったら、ぜひまたお邪魔したいと思います。

季節柄ご自愛ください。

 

それでは近況まで

ユノ

------

 

返信:ユノちゃん

件名:Re近況報告

 

メール拝見しました。

忙しそうですね!でも、仕事も充実しているようだし

精神的にはとても良い環境のように見受けられました。

リラちゃんもがんばっているんだねえ!

夢にむかってまっしぐら。きっとその夢は叶うよ。

と、伝えてください。

 

夢日記も拝見しました。とても興味深いですね。

ユノちゃんの言う通り、願望や仕事上での心配事と思われる内容も

あるけど、気になるものもいくつかありました。

 

これから、検証していきたいと思います。

MRIはすぐじゃなくて大丈夫。潰れたり大きくなったりってのは

まれだからね。念のため、とっておいたほうがいいよってことで

あまり気にしないで。よけいな心配は無用です。

 

忙しい中、わざわざメールしてくれてありがとう。

また、二人で遊びにきてね。

会える日を楽しみにしています。

 

それでは

 

ヘンリー




うちにニャンコ先生のでっかいぬいぐるみがあるんですが
ハグすると、ふにゃってきもちいいんです。
癒されますね。

今週もがんばっていこ~


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台風一過

お友達に赤ちゃんが生まれたので
お祝を差し上げました。

おめでと~!!!!ちっちゃくてかわいいね。

※たいふういっか、台風一家?どんな一家だろうって子供の頃思ってました。


穴があったら通り抜けたかった日から

2週間経った。また研修。今日は午後からだった。

 

(そいや、あにき、何してるかな?)

 

そう思った瞬間、目の前に兄貴の車が停車した。

 

「お~い!!!」

 

と、手を振ると、兄貴は助手席のウィンドウを下げた。

 

「久しぶりだな。元気か?」

 

「元気だよ。」

 

「何してんだ?」

 

「午後から街中で研修だから、バス待ってた」

 

「おー、んじゃ、またな」

 

「うん、また~!」

 

たわいもない会話をして、ユノは研修会場へ向かうバスを待った。

数分してバスに乗り込むと、空いていたので、目の前の席に座った。

台風一過で晴れ上がった空からは、まぶしい太陽が車窓に照り付けて

バスの中もエアコンはついているものの、暑さで少し気分が悪くなった。

 

(免許取ってから、車酔いって滅多にしないけど

今日は、ちょっと酔ったか・・・自分で運転しないと

たまに酔うからな・・・・)

 

30分ほどバスに揺られ、研修会場に着くと、受付を済ませ

席に着いた。研修の内容は興味深く、なぜユノは自分がそうなのか

ということのヒントになった。

 

つまり、脳の状態が落ち着いていいなければ

精神的に不安定になりやすいということ。睡眠は体の充電と

脳を休めるために必要である。

 

(そうだ・・・寝不足のときは、判断力が鈍るというのは

そういうことなんだね・・・。また、脳になんらかの異物があるから

時々、へんなものをみちゃったり感じちゃったりするのかも

しれない・・・。

 

脳はまだまだ未解明な部分があるけれど、とりあえず現状維持で

心が落ち着いて過ごせる方法の模索を手伝ってもらった気がした。

 

さて!今日の研修内容を頭に刻んで、明日からの

仕事に生かそうっと。それにしても、あの時のあの

アニメ的展開ったらなかったな・・・研修っていうと、思い出しちゃうよ。

 

それもこれも、予定にないことや予想外なことがが起こったりすると

へんな行動取っちゃうっていう、私の特徴も、そういうことから

きていたりするのかも・・・・いやはや・・・・びっくりした)

 

「他意はないんだ!!!!んがーーー」

 

また、恥ずかしさを思い出し、声に出し羞恥心を払しょくしようとした

ユノだった。

 

また、リラがたまに理解できないことを言うと、それが

金属音のような不快感に襲われることも、そういうことなのか・・・

興味のない話などは、聞き流せるのに、イミフな話をされると

だんだんイライラしてきて、途中で内容を確認してしまう。

 

話の腰を折るな!と、リラは怒るが、リラ自身もそういう特徴があるから

話の腰を折られると怒るわけだ。

 

一方、ユノは話の内容が多少わからなくても、何が言いたいかわかれば

聞ける。怒ってる!とか、うれしかった!とか、不思議だった!とか。

一体何がいいたいんだ?不満なのか、喜びなのか、疑問なのか。

 

リラは自分の頭の中に思いついたことをそのまま言葉にするから

わけがわからないことがある。イメージで話すというか・・・

ヘンリー先生と話すときは、理路整然と話せるのに、ユノといると

主語も述語もなく、解説もないから、何言ってるか、さっぱりわからない。

 

でも、女性同士ってそういうの流して会話するらしいが

ユノには、無理・・・・だから、そういう友達いない。

 

(ちゃんと、主語、動詞、述語があって、独自のタームなどがある場合は

〇〇っていう、××があってね、それって、■■なんだけど、

それがこうなのよ。

 

って、話してくれる。だから、スーッと理解できる。

 

ってことが、今日はよくわかりました。

って、ドクターにも報告しよっと。

 

それにしても、ドクターは話聞くのがうまいね。

たまに、私も慌てて話したりするけど、ちゃんと

受け止めてくれるもんね?

 

あ、そうそう。今日の研修でも言ってた。

そういう特徴のある人たちの話を聞くには

温かい心で受け止めてあげることが大切ですって。

 

自己肯定感を高めてあげることが大切なんだそうです。

 

そうだわ・・・・

私も、まわりの人たちに肯定してもらったから

自己否定に落ち込む人間にならずに済んだのね・・・

父に感謝かな。あの人はぜったい否定しなかったから。

何しても、褒めてくれたもんね。

 

それは自信につながったかも。たとえできないと思っても

挑戦するっていう気概をくれたのって、パパだわ・・・

なんか、一瞬、ニタニタしながら酒盛りしてるパパの顔が

思い浮かんだんですけど?

 

墓参りでは何も言ってなかったけどね?

 

ま。

いつでも勉強だね・・・・

いつの日か天国に行く日まで

勉強しつづけるってこと

 

って、天国いけるかどーかわからないけど

いけるよーにがんばらなくちゃ。ははは)

 

あと、研修は2回。研修の時には、いつもちょっと不思議なことが

起こるようだが、「今度も有意義な時間が過ごせますように!」

と、願わずにはいられないユノだった。

 

 

 

 




今回の台風は日本列島を縦断しましたが、皆様の地域はご無事でしたでしょうか・・・
今年は特に災害が多いようですので、どうぞくれぐれもお気をつけください。



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あの時のタイムマシン

過去の記憶がよみがえる


「うわー!!!やめてっ!だから、ちがうってばーーーー

 

え?・・・・・寝言だ・・・やだ・・・自分の寝言で、目が覚めた・・・

なんか、顎が二つに割れてる人がすっごく顔近くて、

びっくりした・・・・誰だあれ?走る鋼鉄男、蓑上がちゃ男にも

似ていたけど・・・・・」

 

ユノはパーティ後、疲れたせいか、ぐっすりと眠って一旦起きた後

二度寝したら変な夢にうなされたらしい。

 

「うわ・・・・首が痛い・・・・変な夢だったーーー。

お笑いのクド鈴木みたいな頭で、顎が二つにわれてる人が

だーーーーって、すんごい勢いで追いかけてきて、画びょう手に持ってんだよね。

 

って、どっかであったような・・・その場面・・・・

しかも、キムチ買ってこいとか、なんで私がパシリしなくちゃ

いけないの?ってか、あんた誰???

 

いやぁ・・・ひっさびさにお酒を飲んだので、うなされちゃったなー。

お酒っていっても、昨日ってビール2杯とカクテル1杯しか

飲んでないんだけどね・・・・

 

テキーラとかだったら、酔わないのになあ。」

 

それって、強すぎでしょ?

 

「まあとにかく・・・なんか、すんごく怖かったから

お祓いでもしてこようかな」

 

お祓いってどこに行くの?

 

「んーーー。わかんない。近くの神社でいいんじゃないかな・・・

すぐ裏にあるし。」

 

効果あるの?

 

「わからないけど・・・だって、四次元ポケットから

アイテムだしやがれ、このやろーとか言って脅かしてくるしさ。

そんなもの持ってません!!!いや、持ってますけど

出しません!!」

 

持ってるの?

 

「いや・・・・内緒です。とにかく!

こども達にもバレてるんですよ。先生宇宙人でしょ!って」

 

ユノちゃん宇宙人だったの?

 

「この世の人はみんな宇宙人じゃないですか」

 

なに、こどもみたいなこと言ってんの?

 

「ん・・・・お酒がまだ残っていて・・・・

そうだ。ウクライナの人に言われたんだった。

僕、前してた仕事さあ、毎回アルコールチェックとか

するんだよねーって。だから、私、あ!知ってる知ってる!

なんか、ふーって、息ふきかけるあれでしょ?

 

まえにさー、システムの仕事したときに、アルコールチェック

されて、なんか数字でちゃったんだよ。え!!!

飲んでないのに・・・

 

なんでかなーーーっていろいろ考えたら、キャブリーズのクールスプレーを

かけてたわけよ。それにアルコール入ってるから、それが首のあたりから

もわ~って出てたので、アルコール検出されちゃったんだよね。

 

5分ぐらいしてから、も一度チェックしたら、検出0だった」

 

なるほどねー。で?今やったら、検出されそ?

 

「そうかも・・・・今も、心臓がバクバクしてて

さっきの顎割れてる人の顔が、ちらついて離れないんだよね・・・・

誰だろ?」

 

もしかしてさ、ガチャさんの守護霊とか?

 

「え゛・・・・やばっ!なんか、そう言われればそんな感じが

しないでもない・・・・・」

 

それってさ、脳の錯覚ってやつらしいから

今見た夢をまたまた詳しく書いて、ドクターに報告したら

よかと?

 

「そ、そうだね・・・・怖すぎるもんね?

なんか、正夢になりそう・・・・」

 

ぷぷっ、おもしろそうだから、その人みてみたいけどね?

 

「いいですいいです、結構です!!!断る!!!!

あんなの現実にいたら、鬱陶しくてしょうがないわ!!!

せっかくがちゃと離れたってのに・・・・」

 

なんだかんだ言って、また会いたいんでしょ?

 

「・・・・・遠くからみてたら、おもしろいけど

直接絡むと、痛いからいいですいいです。どついてくるし」

 

走るの早いんだってね?

 

「そうそう、知らない人まで知ってるんですよ・・・・

ああ、あの足の速い人ねって。でもって、彼こそ

サイキックスじゃね?って時があって

 

だれもいないところで、転んだのに

見えてたんですよ。何転んでんの!って言われて

 

その癖、メールとかの誤字半端なくて

真剣な話してんのに、笑っちゃうんだよね・・・・

 

多分、指が金属だから、画面のセンサーが感知しないのかも。

会社のスマフォやってるときも

あー、あーって、画面さわって、叩き割りそうになってたとき

あるから」

 

ど?酒抜けた?

 

「ん・・・ヨーグルトドリンクでも飲もうっと。

あと、クーブイリチーつくってあるから、それ食べて、あとは

映画でも見ます」

 

ごゆっくり~

 

 

 




過去の記憶って、いろいろ混ざって
夢に出てきたりすることがあります

脳内タイムマシンは現存してますね


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回顧のしゅーりんガン

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんが
ぽんぽこりんのぽんぽこりん・・・

夢か現実か?
回顧か妄想か・・・

さてさて、本日のお題は・・・・


「天田さんって、御さち田なんですよ」

(ふーん。うちが前いたとこか。)←気づいていない

 

 

「料理うまい人って、部屋もきれいだと思うんだよね」

(そおかあ?友達、料理うまいけど、部屋きったないぞ?)

 

 

「なんつーか、熟年離婚ってか・・・長い間連れ添った

夫婦みたいなかんじで、なんかやなんだよね。あの人」

(長い間連れ添ったことないよね?てか、長い間連れそって

嫌って・・・・おい!!!!たとえがずれてるぞ~)

 

 

「このマスカット、洗ってあるのかな?」

(知らないよぉ~(;'∀')あなたがもらってきたんじゃないの~?)

 

 

「そこ、だめだぞーーーーーー!おいっ!」

(!!!????なんで???いくら背が高いとはいえ

どうして、どうやって、そこから顔出てるの???謎すぎる!!!)

 

 

箱の角が私に刺さる・・・いてっ!

「あ、気を付けてください」

(はあああああ?あなたがでしょおおおおおおお???)

 

 

「鋼鉄夫さん、今日お休み?」

「修理工場入ってます!(キッパリ!)」

(激爆)

 

 

「ね、どんな味した?」

「んーーー、粉ジュース」

「ぶはっ」

 

 

「国語と数学が得意。歴史は嫌い!

会ったことない人には興味がないから」

(・・・・一理ある)

 

 

「仕事は会議室だけでやってたって意味ねえんだ!

現場知らないで、テキトーなこと言ってんじゃねえ!」

(1000%激しく同意)

 

 

「むり、とか言うな!お前仕事なめてんのか!」

「・・・すびっ・・・ぎょめんな・・・・するっ」

 

 

「この辺りって、10年後はどうなってるんだろ?」

(10年後の私たちはどうなってるんだろ?)

 

 

「あそこってさ、停電になっても自家発電で動くんだよ」

(へえ~。物知りなんだね・・・でも、私は充電しないと動かないよ)

 

 

「鋼鉄男、油漏れしてたから直してあげて。あなたにしかできないよ」

「ん~。部品古すぎるから、オーダーしてもないかもな?」

「廃棄処分しちゃえば?」

「どこも受け取らないよ」

ぶはっ

 

 

「入って早々、ロックするたぁ、いい度胸しえるじゃねえか」

「入って早々、何も言ってくれないなんて、ひどいじゃないの!」

「そんな奴、みたことない・・・おまえ、変人だな」

「そんな変人の心つかむあなたこそ、ど変人じゃないの!」

 

 

「俺のこと嫌いなら嫌いって言え!」

(・・・・嫌いじゃないから、嫌いって言えないよね?

好きです!って、今ここで言えってか?)

 

 

ボケ+ボケは、いずれか時間差で覚醒し

補いあったりするものでして・・・

 

 

えー、本日は晴天なり・・・・

「回顧のシュール・ガン」の巻・・・・

 

 

おそ松、あいやお粗末でした。

ー閉幕(緞帳が下がる)ー




じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ
かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ
うんらいまつ ふうらいまつ
くうねるところに すむところ
やぶらこうじの ぶらこうじ
パイポパイポ
パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
ちょうきゅうめいのちょうすけ

って、見ないで言える人~!


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ジャコランタン

Trick or Treat!
お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ!

<翻訳こんにゃくを食べた結果>
見返りくれないと、いやがらせしちゃうぞ!


ユノは久しぶりにドクターヘンリーの元を

訪れることができた。

 

「先生!大変ご無沙汰してしまいました。本当にごめんなさい!」

 

ヘンリーも久しぶりにユノの顔を見ることができて

安堵と喜びの笑みを浮かべた。

 

「血色がいいねえ!元気そうでよかった。」

 

「ええ、今日、ちょっとしたトラブルのおかげで

鉱石サウナに行くことができたんです」

 

「それはいいね。でも、トラブルって?」

 

「はい。今日はアウェイだったんですが、急に不調を訴える子がいて

急遽、仕事打ち切り。外国人との打ち合わせを済ませ、戻ってきました」

 

「そうか・・・いろんなことがあるね。それも経験だからそれを糧に

次に生かせるよ。君は、トラブルがあっても、冷静に対処できるところが

すばらしい。これからも、ぶれないようにね」

 

「はい、ありがとうございます。実は、一昨日、夢をみたんです。」

 

「ほう?どんな?」

 

「パンクの夢です。なぜか原チャリを運転していて

周りは森林なんですが、道路は舗装されていて、まっすぐいくと

国道ってとこの交差点で、バイクが前後ろ、パンクしていたことに

気が付いたんです。

 

それで、あ、チューブも取り換えないとやばい!と思って、すぐに

バイク屋を探したんですが、近くにはないことがわかり、ちょっと進んだら

すぐ左側にスタンドがあったんで、入れたんです。

 

カードがあるから、全部速攻で修理してもらえばOK.たぶん、大丈夫。

ってとこで目が覚めたんです」

 

「ほう!それって、なにかトラブルに巻き込まれそうになるけど

速攻対処が適切で、難を逃れるっていう、メッセージみたいだね」

 

「そうなんですか?でも、言われてみると、そんな感じ・・・

結局、即対処して、なんとか乗り切ったんですよ・・・・」

 

「人生、経験を積むと、不意のハプニングにも冷静に適切に

対処できるようになるからね」

 

「そういえば、前職でも、なんとか乗り切ったような・・・

周りの助けもあったんですけど」

 

「君のSOSの出し方も適切だね。どこで、だれに、いつヘルプするかってのも

瞬時に判断できると、応急処置が効くからね」

 

「そうですね・・・でも、油断禁物だなって思いました。」

 

「うむ。その心がけを忘れずにね」

 

「夢といえば、最近よく、昔の夢をみるんです。」

 

「どんな?」

 

「仕事してたときの夢ですが、ある仕事場で

とっても面白い人がいて、その人と3人ぐらいで話していたんですが

急に甲子園の話を始めて、応援歌を歌いだしたんです。

国民的あの漫画の主題歌を替え歌で。アレンジは7時に全員集合する

コメディ調で。

 

すると、そこにいた人は、なんかそれ萌えるって、笑顔で言って

いるんです。」

 

「なかなか面白いね」

 

「はい。ふざけている方も突っ込んでいる方も面白くて。

それでもって、つっこんだ方が実は、天然で、あるとき

不届き物がいたので、それをみつけて片方の手袋に小銭入れて

投げつけたそうです。」

 

「ずいぶんコントロールいいんだね」

 

「なんでも、高校の時は野球部だったらしくて」

 

「へえ~。男子ならでは、だね」

 

「私、男子って言ってないですけど、さすがですね。先生」

 

「え?この流れだったら、男子でしょう?

女子だったらすごいよね?」

 

「毎日、子供となんちゃってチャンバラや格闘技している女子も

いるんですよ?」

 

「それはユノちゃんでしょ?」

 

「バレました?」

 

「うん。とっくにバレてるよ」

 

「それで、この間はある男子児童が、横からむぎゅって

押してきたんです。肘で、私の脇腹をむぎゅむぎゅって。

そのときに、『は!!!!今のデジャヴ!!!』って」

 

「なんか、それってなにかわかるような気がする」

 

「はい・・・私も数秒後に、あ・・・あれだ・・・って

気が付いて」

 

「前によく、そういうことがあったんだよね?」

 

「はい、その通りです」

 

「その人って、もしかして、調教中に犬に

がぶっ!って、手を噛まれちゃった人かな?」

 

「(笑)先生~・・・思い出して笑っちゃいましたよ!

笑っちゃいけないけど、でも、おかしくて・・・・

大好きな犬に噛まれて本望、って顔してたから

おかしいですよね。

 

私も今日、まさにそんな感じでしたから。」

 

「ユノちゃん。きっと、最近は忙しいけど

心は落ち着いているんじゃないかな。だから、昔の

いろんな夢を見るんだと思うよ。心に余裕ができたんだね。

 

脳は正直だからね。特に、眠っているとき。不安や不満が出ることもあるから。

あとは、予知夢とか、そういうことも言われているけれど

それは超常現象というよりは、脳がなんらかの未来の事項を察知して

それが夢に出てくるのでは、とも考えられる。

 

また、自分自身への警告だったり。物事が順調に進みすぎると

不安になったりするでしょ?だから、そろそろ気をつけなさいって

注意っていうのかな。

 

免許取り立ては事故らないけど、慣れた頃に事故るってのと一緒で

仕事が慣れた頃に、油断しちゃうことがあるから

それを注意しなくちゃ、って、自分自身で戒めていたんじゃないかな。」

 

「そっかー。そうかもしれないですね。

いろいろ懐かしいなーって思うこともあって。

でも、新しい仕事しはじめのころは、確かにそんなこと思い出す余裕も

なかった気がします」

 

「カウンセリングの感じでは、だいぶ良い調子みたいだよ。

あとは日記ゆっくり見させてもらうね。MRI撮っている間、

見せてもらっていいかな?」

 

「あ、はい!このUSBに入れておきましたので、ご覧になってください」

 

「縦と横とるから、30分30分で1時間以上かかっちゃうけど

あとは紅茶でも飲んでゆっくりしていって」

 

「ありがとうございます!検査のあとにお茶が出るなんて

先生のところだけですよ!!!」

 

「ははは。それなりに献上物もいただいているからね」

 

「あ、これですね。秋物のスィーツです。

奥様にも差し上げてください。」

 

「妻も喜ぶよ。彼女、栗関連大好きだからね。」

 

「よかった!今月末ハロウィンなので、今、お菓子屋さんめぐり

しているんです。準備のために。ですからそのついでなんです」

 

「ついででも、気にかけてもらってうれしいよ。

じゃ、あっちで機械準備してあるから、行ってきてね」

 

「はい!」

 

久々の検査に、なんの躊躇もなく機械室に移動する

ユノだった。




編集機能で履歴が出るようになったんですね~
すごい~
またまた執筆が楽しくなりますね




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光陰矢の如し

こどもの時間と大人の時間感覚が違うのは

10歳の子供なら、1日が3650日分の1
20歳の大人は、1日が7300日分の1

したがって
大人になると、年々1日が短く感じるのだそうです。


「ねえ、姉。なんで勝手に行ったのよ・・・」

 

「しょうがないでしょー。急に勤務短縮になったんだから・・・

リラだって部活あったでしょ」

 

「・・・ずるい!」

 

「小学生みたいなこと言わない!」

 

リラはユノがドクターのところに単独で行ったことが

おもしろくないようだ。

 

「姉だけずるい!私もドクターに話あったのに!」

 

「え?理科と数学は一番で、国語がブービー賞だったって

その話?」

 

「姉ぇーーー!!!!ひどい!」

 

「ひどいのは、あんたのその格差成績でしょ~

なかなかそういう成績取る人いないと思うよ?」

 

「ふん・・・社会はクラスで一番だったもん!

理科と数学は学年で一番!!」

 

「いくら自慢されてもね~。大学に入ってから

ドヤ顔してくだせー」

 

「まだ時間はあるから、これからなの!」

 

「国語って、成績あげるの難しいよね?勉強のしようがないもん」

 

「とにかく、英語もいまいちだから、そこ上げてく!

国語も読書しまくるから!!」

 

「はい、がんばりなはれ~」

 

「ねえ、大学入ったら、姉のニャンコ先生のぬいぐるみ

と夏目のフィギアちょうだい?」

 

「え?やだよ。てか、もともとさんちゃんのだし」

 

「そいや、さんちゃん、小説家になるとか言ってなかった?」

 

「あーーーー、仕事引退したらね。編集の仕事してて

そこで文章かいてたけど、時間できたらゆっくり小説書きたい

って言ってたねぇ。そういえば。持ってた本の数、はんぱなかったもんね?

没したあとも、トラック1台分処分したみたいだよ」

 

「あああああ~、それ、もらっておけばよかった~」

 

「何冊かは、私持ってるから、それあげるよ」

 

「え?いいの?」

 

「いいよ。数冊は児童館に寄付したから」

 

「うぉっしゃーー。じゃあ、さんちゃんの遺品で

勉強するとするか!ここにある本がそう?」

 

「あ、そうそう。本棚の一番上の段がそうだよ」

 

「お~いろいろあるね。ん?これなに?記念樹って」

 

「あ~。それは私のだけど、おじいちゃんがね

私が生まれたときに植えてくれた記念樹が、もみの木でね

その話をしたら、古本屋でめっけてきてくれた」

 

「へえ~。私の記念樹はないの?」

 

「あ、リラのもあったよ。トド松だったかな」

 

「え?おそ松?」

 

「ちがーーーーう!!!トド松(椴松)っていう松の木だよ」

 

「私それ、みたことないよ!」

 

「んーだって、リラが小さい時に、引っ越して前の家はもう

庭ごと売ってしまったからね。

 

「えーーーー、木だけ持ってくればよかったのに~」

 

「あんなおおきい木、2本もどこに植えるのよ?輸送料だって

はんぱないよ?」

 

「まあ、そうだけど・・・・・見たかったな」

 

「写真はあるよ」

 

「え?どれ?みせてみせて!」

 

「えっと・・・昔の写真は・・・このアルバムかな?」

 

「ん?なにこの車?こんなの乗ってたの?」

 

「あーーーー、白のステーションワゴンね。なつかし~。

これ、乗ってた。仕事に行くのに使ってたけど、そういえば

このキズ、どっかの高校生とぶつかったんだっけ」

 

「え?事故?」

 

「ん・・・T字路で左折しようとして、止まってたら坂の上から

ぴゅーって、男子高校生が下りてきたんだよ。それで、私の車を

よけそこねて、ぶつかったのね。それで転んじゃった」

 

「え?大丈夫だったの?」

 

「うん・・・『大丈夫?病院行こう?』って言ったら

『大丈夫です!』って、逃げるように去っていった」

 

「どこの高校?」

 

「んー、よくみなかったけど、ブレザーにネクタイだった・・

たぶん公立高じゃないかな」

 

「ケガとかしなかったの?」

 

「わからない・・・膝あたりすりむいてたと思うよ・・・

たしか、めがねも曲がってたような気がする・・・」

 

「うわ・・・でも、逃げちゃったらどうしようもないよね?」

 

「そうなの。今、どうしてるかね?けっこう前の話だから

もう大人になってるわ。間違いなく」

 

「イケメンだった?」

 

「はあ?そこまでは覚えてないけど・・・・細くてすっとした顔だったような

気がする」

 

「覚えてんじゃん」

 

「君は一体何を期待しているのれすか?顔はみましたよ。

ケガしてないか、顔色大丈夫かとか、そういう心配でみたんだよ。

とりあえず意識もあるし、立ち上がったし、大丈夫そうだなとは

思ったけど、念のため病院連れていこうかとおもって、自転車ごと

車に乗せようとは思ったんだよ」

 

「怖くてにげちゃったんじゃないの?姉が」

 

「・・・・・・とにかく、元気で無事ならいいです!」

 

「イケメンだったら紹介してもらおうかと思ったのになあ~」

 

「そういう邪なこと言ってるから、成績にムラができるんじゃ!

英語と国語、がんばんなさい!

公立試験は3教科だけで成り立ってるんじゃないんだ!」

 

「まあ、みててよ。小さいころはよくさんちゃんに

読み聞かせしてたんだから。うまいって褒められたしね。

今こそ名誉挽回だ。」

 

「せめて国語と英語、もうちょっとましになってから

ドクターんとこ行きなさいよ。きみの脳の構造の方がよっぽど

ミラクルだわ・・・・5教科がトップとビリなんてきいたことないわ」

 

「でしょ?あたし天才なんだよ」

 

「あるいみ、そんなスコア取れる天才かもね?」

 

「ま。正直なんですね。好きじゃないものは、やりたくない。

すきなことはとことんやる。てか、姉?ケントおじのことは

どうなったの?」

 

「さて・・・と、仕事するか」

 

「はぐらかすなーーーー!!!!仕事なんてないやろーーーーー!!!」

 

「あるよ。ハロウィンとかクリスマスの準備しなくちゃだから

いろいろ買い物とかスタッフの配置とか考えなくちゃいけないの」

 

「え?買い物ならあたしもいく!!!私選ぶの上手だよ?

こどもがなに好きかわかるから」

 

「じゃあ、お伴願います。どうせ、ごはんおごってーって

そういうご褒美狙いでしょ?」

 

「バレたか・・・でも、100均行きたい!」

 

「じゃあ、買い物してからごはんね。1200円までだからね。」

 

「うへーーー。まあいいや。はい!ありがたくいただきます!」

 

「ほないこか」

 

久しぶりに再会した姉妹。女子同士は

話が弾むようだ。

 

 




大人になっても、こどもと一緒にいると
子供時間になったりします。

時間がゆっくり経つんですね。


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デジャヴる【最終章】

これまでの不思議な出来事は・・・

いよいよ解明されるのか!?


「おねえちゃん?」

 

「あ、リラ・・・ごめんね。ヘンリー先生に

勝手に会いに行っちゃって」

 

「え・・・・?だれ?ヘンリー先生って?」

 

「リラ・・・怒ってるの?」

 

「おねえちゃん?まだ、意識が戻ったばかりだから

疲れているんだよ。無理しなくていいからね」

 

(ここはどこだろう・・・・病院?)

朦朧とした意識の中、ユノは目の前にいる妹に

疑問を投げかけた。

 

「リラ・・・・ここはどこ?なぜ私はここにいるの?」

 

「おねえちゃん・・・おねえちゃん、車にはねられて

1か月意識不明だったんだよ」

 

「え・・・・?」

 

「さんちゃんが連れていっちゃうのかと思った」

 

「さんちゃんは・・・・・?」

 

「さんちゃんさ・・・・・天国に行っちゃったんだよ。

おねえちゃんは、それを聞いてショックでそのままフラフラと

国道の方に歩いていって、赤信号なのに道路に出てしまって

車にはねられちゃったんだよ」

 

「国道・・・・・ジョヨンは?」

 

「ジョヨン・・・ああ、私の好きだったKアイドルね。

彼も死んじゃったよ。ジョヨンがどうかしたの?」

 

「ジョヨンが亡くなったことは、私知ってる・・・・」

 

「おねえちゃんが病室にいる間、私ずっと

携帯で動画やニュースみてたから、それが聞こえてたんじゃないかな・・・

おねえちゃん、意識はなかったけど、ときどき指がぴくぴくって

動いてた」

 

「ケント・・・・君は?」

 

「・・・・・?」

 

「山中さんは?がちゃおじは?」

 

「おねえちゃん。意識戻ったばかりだから

あまり無理しないほうがいいよ。これからゆっくり

話しようよ。時間はゆっくりあるから。

 

システムの仕事の方は、会社の人に話してあるから

ゆっくり治して、それから復帰すればいいって」

 

(システム?復帰?・・・・じゃあ、シロイヌサスケでは

働いていないの?)

 

「ねえ、リラ・・・・」

 

「おねえちゃん。頼むから、焦らないで。

まだ食事もしてないんだよ?ずっと点滴だったんだから・・・

食事できるようになったら、少しずつお話しよ?」

 

「わかったわ・・・・・」

 

ユノはまだ夢と現実の狭間で揺れ動いていた。

自分が意識がなかったこと、ドクターヘンリーや

山中のことをリラが知らないということ、

リラがファンだったKスターのことは事実だということ。

 

頭の整理をするには、少し時間が必要だ。

ユノはゆっくり目を閉じて眠ることにした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

やっと点滴もとれ、流動食から

通常食をとれるまでに快復したユノ。

自力で歩くこともできるようになってきた。

 

8KG減った体重は少しづつ元にもどりつつある。

血色もよくなってきた。

 

学校を終えてリラがユノの病室に立ち寄った。

 

「おねえちゃん。調子はどう?」

 

「うん。大分いいよ。PCで動画もみているの。」

 

「なにみているの?」

 

「秋目友人帳」

 

「え・・・・?さんちゃんが見てた時

おねえちゃん見向きもしなかったじゃない?」

 

「そうだっけ・・・・?でも、面白いよ。

あとはね、関東グールとか、斉木空介の災難とか・・・・」

 

(おねえちゃん、やっぱり頭打っちゃったのかな・・・

MRIとかでは異常がないって、お医者さん言ってたけど・・・)

 

「そっか・・・おもしろいよね。今、映画やってるから

退院したら見にいこうか?妹からのプレゼント。

快気祝いっていうんだっけ?」

 

「ふふっ。リラちゃんもずいぶんと成長したのね。

快気祝いなんて知ってるんだねー。お姉さんになったね」

 

「そ、そりゃあまあね。いろいろと覚悟もしたし」

 

「え?・・・・あたしが死んじゃうとでも思った?

私は不死身だからね~。なかなか死なないよ」

 

「まあ、そうでしょ。妖怪だもんねー?

では、妖さん、来週退院だから、荷物整理しておいてね。

ちょこちょこ持って帰るから。あとは、着替持ってくるね。

退院してすぐにどこ行きたいか、考えておいて」

 

「うん。もう、決まってるよ」

 

「・・・・・・わかった。」

 

 

 

姉のユノがどこに行きたいかは、妹のリラはすぐに

察知した。亡き婚約者の遺骨を散骨した沖縄に行きたいのだと

すぐに悟ったのであった。

 

リラは医者に飛行機での旅が可能かどうかを確認し

了承を得ると、早速沖縄行きのチケットを手配した。

 

イルカが見える海沿いのホテル。

ユノの婚約者とユノが大好きな場所だ。

 

 

ユノが無事退院手続きを終えて、空港に向かった。

搭乗手続きを済ませ、ユノとリラ姉妹は

沖縄行きの飛行機に乗り込んだ。

 

「ねえ、リラ。ごめんね。あたし窓際がいいの」

 

「いいけどさー。おねえちゃんって、何時間も

雲みてても飽きないって、変わってるよね?」

 

「だって、曇って不思議でしょ?じっとみてると

いろんな形に変化するんだよ?

空の上からみてると、なにか物語のようで、天竺のような

幻影だったり、あそこにはもしかして都市があるんじゃないかとか

妄想がが掻き立てられるの。だから、楽しくて

ずっと窓の外をみていられるのよ」

 

「まあ、私は映画をみてるから、おねえちゃん

窓際でどうぞどうぞ」

 

「ありがとう」

 

数時間後に那覇空港に到着して、ホテルバスに乗った。

季節はもう夏。沖縄は、本土とは季節感が違う。

 

キャリーバッグをひっぱりながら、ホテルに入ろうとすると

ユノはなにかとぶつかりそうになった。

 

「あ!ごめんなさい」

 

犬を連れた少年がユノの目の前にいた。

 

「だいじょうぶです。こちらこそ、ごめんなさい」

 

少年は小学校高学年ぐらいだろうか。

盲導犬を連れ、歩道を渡ろうとしたところ

ユノのキャリーバッグに軽く接触したようだった。

 

ユノのキャリーケースに瑕がないか

少年は心配そうに、ケースに触れようとかがんだとき

カタン、と何かが少年のバックパックから落ちた。

 

「あら、これ、落ちたわ」

 

ユノが拾って、少年に手渡そうとすると、それは

赤いミニ四駆だった。

 

「ミニ四駆・・・・懐かしいわ。私も昔

これ、持っていたのよ」

 

「そうなんですか!これ、僕の大切なものなんです。

父の形見なんです。父が一番大切にしていたミニ四駆なんです」

 

「そうだったの・・・・傷はついていないみたいよ。

バックに入れてあげる?」

 

「あ、お願いします」

 

「じゃ、ここに入れておくね。気を付けてね」

 

「はい、おねえさんも、どうぞよい旅を」

 

イントネーションで、ユノが内地の人ではないことを

少年は悟ったようだった。少年が無事歩道を渡り切るのを

見守って、ユノはホテルにチェックインした。

 

(今の場面・・・・どこかで見たような・・・・・

長い間意識を失っていた時にみた夢だったかな・・・)

 

「おえねちゃん。少しビーチを散歩したら、ソーキそば食べに

いかない?ここの近くにおいしいおみせがあるんだって。

そんで、夜は、ノレンジレンジのライブがあるから

それ見に行こう?」

 

「うん。いいよ。そうしようね」

 

ホテルのプライベートビーチをゆっくりと歩きながら

在りし日のことを思い出していた。

 

懐かしい思い出が詰まった星の砂の瓶には

キラキラと輝く思い出のひとつぶひとつぶが散りばめられていた。

 

ユノの新しい人生を応援してくれるかのように

ホテルのプライベートビーチを悠々と泳ぐイルカが

ユノリラ姉妹をみて、微笑んでいるかのようだった。

 

 

 

 

--------------(一旦閉幕)----------------




どうもありがとうございました。

「デジャブる」は
一旦、幕を下ろします。

続編があるかどうかは・・・・・

(謎)


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おまけ編
+α 追記「幻日記」


ユノが夢の中でみていた日記の一コマ


あちゃー。年末イベント運営って・・・

どゆこと?

 

なぜに今春入社したばかりで、すべてを任されるのだ?

外国人も統率しろと?

 

むちゃぶりすぎるーーーーー

夢であったら覚めてくれ!!

 

来場者予定200人って・・・・

なんすかそれ?

 

ねえ・・・

前の仕事もひどかったけど

むちゃぶりっぷりはんぱない・・・

 

まあ、ひとりじゃないからね。

同胞もいるわけで。

 

なんとかなるさ!

うん。なんとかなる。

 

と、おもっていたら

前職の人々から電話。

 

手伝わない?って

 

あははははは!大爆笑。

手伝いたいのはやまやまですがあ~・・・

 

ごめんね

むり。今、こんな私でも

必要とされているのであります。ありがたいことに・・・

 

なによりちっこいお得意様がね

とっても大事だから

 

離れるわけにはいかないのです。

手伝えば、会いたい人に会えるのですが

それをもってしても

 

できないのであります・・・・

幸せですね。

 

最近はいろいろと

プチ幸せに囲まれているので

 

なんとか人生悪くなーい

日々を送っています。

 

ただ気になるのは

気になっている人が

具合悪そーな顔をして

げっそりやせ細っていたりする

夢をみたりすると

 

ダイジョブか???

って気持ち満載になります。

 

この間みかけたけど、やっぱり

顔色はよくない・・・・

 

心配なのであります。

 

さてと、今は異世界居酒屋をみながら

のんびり夕食をいただいております。

 

なんとなーく、頭が重いときも

ないわけではありませんが

 

たぶん大丈夫でしょう。

また脳写真を撮りにいけばよいので

 

そんなに心配しなくても

大丈夫。

 

こういうのは、きっとストレスで

ぶち壊れたりするんだから

 

今は、楽しいストレスだから

大丈夫。やればやっただけ

成果が目に見えるから

 

前は、やってもやっても

やってくる。刑務所の穴掘りのような

地獄の訓練所みたいな

そんな毎日だったから・・・・

 

たんに私がへたれなのだけどね。

だってみんなそれをがんばって

やってるんだから・・・

 

脳がブチ切れそうになっちゃった私が

あかんたれなんです。

 

もうちょっと身長があればなあ~。

筋トレしても細い筋肉しかつかないしなあ~

器械体操の人みたくなるだけで

 

まあ、とーさんが器械体操の人だからね

同じ筋肉の質なんだろうね。

 

今は、ちっこいのとスポーツするから

楽しいよ。たまに加減まちがえて

激打されちゃうこともあるけど

 

名誉の負傷です。

 

ひとりおもろいのがいて(みんなおもしろいけど)

悪ふざけをしたら、パソコンが止まりました。

今みていた動画が映らなくなりました。

 

すると、その方は

 

私がふざけたからです!反省します

ごめんなさい!どうか動いてください!

 

土下座してパソコンさんに頭を下げました。

 

すると・・・・・

 

なんと、ぐぃーんって、再起動したんです!

私は何も触っていません!!

 

いやぁ~びっくりした

爆笑した!

 

私の意のままですな。PCさまさま。

 

年末イベント終わったら

おいしいものでも食べにいこうっと・・・

 

お金セーブしてたけど

それぐらい、奮発してもいいよ。

自分にご褒美!

 

再见!!

 

 




夢って見ようとしたら思ったとおりのものを
見ることができたりするんだそうです。


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再会の果て

祗園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり


ごめんね

 

君が今、超絶過酷な状況にあるのは

冷静に考えたら

わかったはずなんだけど

 

あの時はあまりに突然すぎて

かける言葉が思いつかなかった・・・

君に挨拶するのが精いっぱいだった

 

世の理不尽さのなかで

さぞ息苦しい生活を

強いられているんだろうとは

想像に難くなかったよ・・・

 

でも

とっさにうまい言葉が思いつかなくて

どう対処したらよいのか瞬時に判断できず

その場に茫然と立ち尽くし

考えあぐねていた

 

短時間に試行錯誤の結果

実行したその方法論は却下されてしまい

本当に面目ない・・・

 

ずっと気にかけていたこと

そしてその不満を体ごと

受け止めてあげたかった・・・

 

それなのに

それをどうやって伝えたらよいのか

 

もちろん無理やり配信する方法も

ないではないが

 

それはそれを介する人達の

手を煩わすことでもあり

君が一番嫌がることでもあるだろう?

 

だから

自分はそれを実行できず

悶々としていたよ・・・

 

ただね

お願いがあるんだ

 

そんな中途半端な文言で

伝えておかないでくれ

奈落の底に突き落とさないでくれ

 

それであるならば明確に

もうおまえには微塵も興味がないんだと

目の前に金輪際現れないでくれと

 

そうはっきりと

引導をわたしておくれ

 

人間てのは勝手な生き物で

一縷の望みもあれば

そこにすがりたくなるものなんだ・・・

 

もしかしたら

まだ希望を捨てないでいられるかもしれないと

都合よく解釈してしまうものなんだ・・・

 

君のことを

本当に心から愛したから

はじめて本物の愛を知ったのだから

 

そんなに簡単に

諦められるわけがないだろう

 

ただ

それが君の望むところでないのであれば

もちろん

即刻撤退するよ

 

君を苦しめたくは

ないのでね・・・

 

心から君の幸せを願うよ

君を幸せにする使命をゆだねられていないのならば

 

それが自分の使命ではないのであれば

誰か他の適任者に託すしかないだろう

 

君が未来永劫

幸せでいてくれることが

 

自分の最大の望みなのだから・・・

 

あまりに残酷な仕打ちは

この身にはつらい

 

どうか

温かいやり方で

突き放してはくれないか?

 

せめてもの

選別として

受け取ってあげようではないか

 

初めて出会った日のことは

今でも目の奥にしっかりと焼き付いている

 

それを永遠の肖像画として

心の片隅にに置いておくことを

許してはもらえないだろうか

 

自分の人生は

決して悪いものではなかったと

信じて止まない

 

紆余曲折こそあったが

君との出会いは

私の人生に

大きな影響を与えたのだから

 

ありがとうと

言わせてもらうことだけは

許してもらえないだろうか

 

ストイックな君だけど

それは許容してもらえたら

嬉しいんだけど




娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす・・・

おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ


耳なし芳一が語る
琵琶法師で有名な一説です


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