ガンゲイルオンライン 大学生は銃の世界で最強の人でした (ならや)
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デカネードを使うと絶叫系が再現出来るが、名狩人は絶叫系が苦手

ドーモならやです
改変した1話目になります
それではどうぞ!


「..........はぁ、疲れた」

砂漠のド真ん中で座り込む男

ここはMMOFPS『ガンゲイル・オンライン』なので疲れるはずも無いのだが

目の前には巨大なワニが物言わぬ死体となっている

男は肩にH&KG36を担いでいる

G36はホロサイトが取り付けられマガジンが2つ連結された状態で装着されている

腰のホルスターにはH&KUSPの姿がある

彼の名はシュウ

シュウはG36を持ってワニの死体が()()()所に落ちている物体を拾い上げた

「これは、M72か?ロケットランチャーなんてこのゲームにあったのか」

手に持った物体ことM72LAWはアメリカで設計されノルウェーで製造された66mm口径の使い捨て対戦車ロケット弾で現代の主力戦車相手には力不足だが、大型の榴弾として軽車両等のソフトターゲットに対して使われ続けている

実際、イラク戦争で制式化数十年経つこの兵器を海兵隊は大いに活用したらしい

「使い捨てのロケットランチャーなんて、使わねぇんだよな..........どうしよ」

恐らく日本サーバーに1つあるかどうかの超激レア武器だが、シュウにとっては無用の長物

そんな物出てくるならG36用のドラムマガジンでも出てきて欲しい、それがシュウの率直な感想だった

と言う訳でとっととストレージに放り込むと次の標的を求めて歩き出した

「んー、どうすっかなー。今回M72だけってのもなー。PKでもするかぁ」

そう呟いてからダッシュで近くの岩場に向かいピョンピョンと飛んで高い岩場の上に立って周りを眺めて標的を探す

すると動く点を見つけ、すぐに双眼鏡を取り出し覗くシュウ

水色の髪に大きなスナイパーライフルを持って走る女性プレイヤー

「ありぁ......シノンか?」

そんなプレイヤー、シュウはシノンくらいしか知らなかった

顔もシノンである証拠になった

ただ、シュウが知っているシノンの顔は今よりもっと冷静だった

「名狩人も見つかれば狩られるか、良いだろう。名狩人を助けるのは名狩人でないとな!」

そう愉快そうに笑いながら1つの武器を実体化する

プルパップ方式の大型スナイパーライフルが手元に現れ片膝を地面に着きスコープを覗く

彼が使うスナイパーライフル、GM6リンクスはハンガリーで開発されたゲパードシリーズの1つだ

リンクスの特徴はその連射力の高さ

2秒で6連射が出来る程高く、ブルパップ方式を用いる事により対物狙撃銃に付き纏う携行性の問題を解決した

また、銃身を後退させ全長を短くした状態で携行出来るので更に携行性を向上させられる

シュウはマガジンを純正の10発装填出来る物から倍の20発装填出来る物に交換している

彼としてはシノンはこちらに来ているから敵を足止めし自分のフィールドに引きずり込みたい

その為にはまずシノンを敵の射線に捉えさせない様にしなければならない

取り敢えず警告扱いに敵プレイヤーの1人の頭を吹き飛ばす事にした

双方全速力で走っている為、バレットラインがあってもなかなかに当たらないだろう

そのお陰でシュウは冷静に狙えた

狙いを定め、引き金から数ミリ浮かせた指に力を入れて一気に引く

撃ち出された12.7mm弾は完璧な弾道計算、狙いによって今正にAK47の7.62mm弾を放とうとしていた男の頭を吹き飛ばした

残りの4人は何処から撃たれたか分からない様子で慌てて近くの岩に隠れた

シノンはこちらに気付いた様で咄嗟に愛銃のへカートを構えようとする

が、シュウは撃たれる前に手を振ってある事を伝えた

(我援護する、こちらに向けて全力で走られたし、か。やってやろうじゃないの)

シノンは意思を汲み取って両手でへカートを高々と掲げるとシュウの方に向けて全力で走り始めた

その様子を見て満足気に微笑むシュウ

流石に残りの4人は無用心に顔を出したりはしない

その様子を見てシュウは

(もしかしてあの4人を相手にしなくても逃げれるか?)

と考え始めた

自分が持つデカネードをフル活用すれば行けるかもしれないと思い、ちょうど岩場の下に来ていたシノンに声を掛けた

「上がってこれるか!?」

「え、ええ!多分行けるわ!」

「よし!上がってこい!奴ら岩に隠れてるから顔を出したら撃ってやれ!当たらんくていい!」

その声を聞いてシノンは岩場を登り始める

先程のシュウに比べると遅いが、これが普通でシュウがおかしいのだ

シノンが上に辿り着き狙撃体制を完了するとシュウは岩場の各所にデカネードを転がす

手元に一つ残して敵の方を見る

すると白い煙が上って行く所だった

「スモークグレネードよ!これじゃあ狙えないわ!」

「バレットラインを出すなよ、そこの手元を狙われるぞ。奴ら煙で完全に視界が封じられるまで動かんさ........それにもう狙う必要も無い。とっととへカートストレージに戻せ。ズラかるぞ」

「え?」

頭の上に(ハテナ)を浮かべながらも言われた通りへカートをストレージに戻すシノン

その間にも敵は複数のスモークグレネードを投げて視界が奪われつつあった

「そろそろか。ちょっと失礼!」

「え?キャッ!?」

スモークの量を見て行動を開始するシュウ

思いっ切りシノンを抱え上げた

突然の事でシノンは思考が追い付かない様子だ

「ちょっと!何してるのよ!?」

「あー?お前を抱えてんだよ」

「そんな事知ってるわよ!今やる事じゃないでしょ!?」

「なぁシノン、お前絶叫マシンって好きか?」

「...そんなに得意な方じゃないけどそれがどうかしたの?」

「これを見たら分かるんじゃないか?」

そう言って取り出したのはデカネード

一つだけ残していたが、それを見てシノンはやる事の予想が着いた様だ

「まさかとは思うけど貴方、飛ぶつもりじゃないでしょうね?」

「ご名答!流石シノンだな!良くある『デカネード爆発で大ジャンプ』作戦だ」

「そんな作戦聞いた事も無いわよ!!頭おかしいんじゃないの!?」

「ほら、作戦は奇を持って良とすべしってあるだろ。アレだアレ」

「奇にも程があるでしょう!?」

「舌噛むから口閉じろ」

「え!?ちょまだ心構えが」

慌てるシノンを横目にデカネードの起爆スイッチを押して軽く上に投げる

それと同時にシノンを前で抱える、お姫様抱っこの形に変えて岩場から全力でジャンプする

重力に引かれて落ち始めそうになった時、デカネードが炸裂した

シュウの放った1つの爆発に誘爆する形で岩場に転がしたデカネード全てが起爆し大きなエネルギーとなってシュウの背中を押した

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

シノンの悲鳴を残して2人は吹き飛んでいった




いかがでしたか?
感想待ってます
それではこの辺で


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シノンさん連れてPKに行ったらとんでもないプレイヤーと会いました

どーもならやです
こちらも改変した2話目になります
それではどうぞ!


「お〜い、シノンさんや〜い、大丈夫ですかー」

「大丈夫じゃ無いわよ全く........」

「とりあえず俺の知り合いの店に行くぞ」

ぐったりするシノンと共にとある店に入る

「いらっしゃいませー、ってシュウか。お隣はシノンちゃんだね」

「おうカイ。G36のマガジン3つとGM6リンクスのマガジン2つ頼むわ。あとシノンちょっと休ませたって」

「リョーカイ。シノンちゃんこっちのソファーに座って休みな」

「あ、ありがとうございます」

シュウの知り合いの店の店主、カイはシノンを店にあるソファーに連れて行って座らせてから言われたマガジンを出す

そのマガジンを仕舞っているシュウにカイが話し掛けた

「で、何でシノンちゃんあんなんになってんの?」

「あー、話せば長いが........」

今まであった事を全て話す

カイは聞き終わると大爆笑した

「もう、笑い事じゃないのに」

「まぁまぁ、最強プレイヤーが立てる作戦で行き当たりばったりなんてある訳無いでしょ。あの状況を打開する作戦は何個もあったし、成功出来ると思ったからやっただけだ」

「最強プレイヤー?」

カイはそんな2人の様子を見て大爆笑していたが、笑いをこらえながらシュウに助け舟を出した

「ふぅ...で、シノンちゃん、彼の言ってる事は本当だと思うよ。彼は古参プレイヤーの中では一番有名だから」

「え、そう...なんですか?」

「あー、FBCって知らないでしょ?」

「FBC....?聞いた事も無いですね」

「FBCってよ、ファースト・バレット・チャンピオンズって意味なんだけどこのゲームが始まったばかりの時にやった大会なんだよな。FBCだと一位の人に特別な銃数丁とアサルトライフル20丁詰め合わせが貰えたんだけど、俺はそこで優勝したんだよ」

「そうそう。圧倒的な強さでダメージすら受けずに優勝したんだよねー」

それを聞いたシノンは絶句した

自分もBoBに出た事はあるが、ダメージは流石に受ける

スナイパーはダメージを受けずらいが、正面切って撃ち合ったりすると当然ダメージを受けやすくなる

シノンはどうやって戦っていたのか興味を持った

「どうやって戦ったんですか?スナイパーライフルで1人ずつ撃ち抜いたとか?」

「それは俺に合わないな。簡単だよ、使った武器はナイフとM1911A1だけ。M1911A1の方はフルカスタムされてたけどねー」

「それだけで!?」

「そう。その場に居る事、居た事の証拠を残さない」

自分のホルスターからUSPを取り出して手のひらでくるくる回して遊びながら言い放った

「敵を無力化する。まぁ、やり方は色々あるが一番簡単なのは殺す事だな。他には..........こんなやり方もある」

「!?」

シノンが驚いたのも無理は無い

先程まで手のひらで遊んでいたUSPの弾倉が一瞬で抜かれて装填された1発も銃から吐き出されていた

「俺の場合は基本、どんな武器でも掴めれば弾を抜ける。まぁ、こうやって一瞬で装填する事も出来るんだけとねー」

「凄い..........」

今度は弾倉を一瞬でUSPに入れた

シノンには到底出来ない荒技だ

「シュウ〜、今日またPKに行く?」

「あ?どうしてだ?」

「いや〜実はさぁ、シュウのG36にアンダーバレルのショットガンとか付けられる様に改造したいんだわ」

「あぁ、なるほどな。なら別の武器を使うから改造しといてくれるか?あ、あとアレ出来てるか?」

「出来てるよ。持ってくる?」

「頼むわ。シノン、これからPKに行くが来るか?来るんだったらちょっと外で待っててくれ」

「じゃあ一緒に行かせてもらうわ」

そう言って店の外に出るシノン

その数分後にシュウは米軍戦闘服に近い格好で出て来た

街の外に出た2人は武器を実体化する

シノンはいつも通りへカートだが、シュウはSCAR-Hを手に持っている

「あら、SCARなのね」

「ああ、どんな武器でも使えるがな。他にも持って来ているが基本はこれで戦う。俺が前、シノンが後ろから撃ち抜くスタイルだ」

「分かったわ」

2人は話しつつも獲物を探す

すると丁度いい5人組が居た

「シノン、あいつら殺るぞ。M4持ち3人うち1人はアンダーバレルグレネード装備、SVD持ち1人、ん?ありゃ62式か、62式7.62mm機関銃持ち1人だ」

「62式?中国の武器かしら?」

「いや、自衛隊の武器だ。重いし部品は欠落するし命中精度は悪いし不発、暴発するし挙句には引き金を引くのを止めても発砲が止まらない自然撃発等の動作不良が連発する銃だ。今はミニミに交換されてるが当時の隊員には無い方がマシンガンとか言われてたらしいな」

「そ、それは酷いわね」

双眼鏡を覗くシュウから62式7.62mm機関銃の悪評に苦笑いを浮かべるシノン

獲物が決まったので作戦を立てる

「とりあえずシノンの第1射はSVD持ちを撃ってくれ」

「SVD持ちでいいの?62式は?」

「第2射はそいつだ。別に7.62mm口径の分隊支援火器なんて脅威にもならんからな」

「そうなの?」

「ああ。それに現実じゃ酷いアレがこのゲームじゃどうなってるか見てみたいんだ」

「そっちが本音ね!?」

思わず本音を出してしまったシュウにシノンが声を上げる

2人は別れるとシュウが位置に着くまでシノンが援護する

位置につくと通信が入った

『位置についた。好きなタイミングで始めてくれ』

「了解」

それだけ伝えて切るとシュウはSCAR-Hの初弾を装填しサプレッサーを取り付け突撃の体制を取る

シノンは目を瞑り、集中力を高める

引き金に指を掛ける事で現れるバレットサークルの輪を小さくする為には落ち着き、呼吸を安定させる事が大切だ

シノンは集中力を高めバレットサークルを安定させ、引き金を引いた

撃ち出される12.7mm弾は狙っていたSVD持ちプレイヤーの体の芯に当たり、吹き飛ばしつつ絶命させた

それをシュウが確認する頃には既に飛び出し狙いを定めていた

(面倒なのはアンダーグレのM4!)

初めに地獄に送る標的に狙いが定まった所でSCAR-Hが火を吹いた

SCARにはLとHの2種類があり、LとはLightの頭文字で5.56mm弾を使用する

今回シュウが使うSCAR-HのHとはHeavyの頭文字でその名の通りベビーな打撃を与える7.62mm弾を使用する

そのパワーはこの世界の最強プレイヤーに気に入られるレベルである事は言うまでもない

サプレッサーで若干抑えられた銃声が数発分響くとアンダーバレルグレネードを付けたM4を握ったままプレイヤーが倒れる

シュウに気付いたプレイヤー達は銃を向けるも1人は撃つ前にへカートの餌食になった

(予想通り)

『シュウ逃げてっ!!』

突然響くシノンの叫び声に咄嗟に後ろに飛び退くと残りのプレイヤー2人を無数のバレットラインが赤く染め次の瞬間には蜂の巣にした

そのバレットラインはシュウにも迫る

「ヤベぇっ!」

すぐ近くの岩陰に隠れるが凄まじい弾幕が岩を襲う為顔を出すどころか鏡で向こうを見る事さえ出来なかった

銃撃が突如止んだので顔を少しだけ出して向こうを見る

「おいおい、M134(ミニガン)かよ」

6本の砲身から立ち上る煙

それはM134、通称ミニガンしかない

持つ男は全身をプロテクターで固め、表情どころか顔も見えない

だが、声だけは聞こえた

「このプロテクターならばミニガンも楽々扱える。オマケに12.7mm弾も至近距離で無ければ問題無い」

「マジかよ。ずりーな」

「我ながらそう思うよ。だが、これも勝負だ」

「そうだな。それを撃ち破るのが楽しいんだよ!」

そう言いながらSCAR-Hをストレージに戻し大きな銃を取り出す

「やってみろ!撃ち破れる物なら─」

そう叫ぶ中、響いた大きな銃声

男は理解する前に倒れ込んだ

「な、何だと!?」

ようやく状況を理解してミニガンを杖替わりに上体を起こす

膝部分が撃ち抜かれたのだ

岩陰からはさっきの銃が銃口から煙を上げている

「どうだ?撃ち破れただろ?」

その銃を手に男の前まで歩いて来るシュウ

それを見て男は驚愕した

「そ、それは!?XM500か!?」

彼が使ったのはバレットM82の後継となるべく開発されたXM500

シュウはカイに頼んで銃身を大幅にカットしホロサイトを装備している

「お前はさっき12.7mm弾も至近距離で無ければ問題無いと言ったろ。だから試したんだ。至近距離から12.7mm弾で膝のプロテクターを撃ったらどうなるか。結果は見事貫通だ」

「まさかXM500を持っている者が居るとはな。しかもそんなレア銃を改造して近距離戦に対応させているとは思いもしなかったよ。私の完敗だ」

プロテクターの男はもはや勝つ事を諦めた様でミニガンをストレージに戻して仰向けになっている

「そりゃどうも。それより、プロテクター外せよ。プロテクターストレージに戻せば死んでも失わないぞ」

「あぁ、そうだな。頭に1発で仕留めてくれよ」

そう言って男はプロテクターを外した

ストレージに戻した事を確認してから腰のコルト・シングル・アクション・アーミーを抜き撃鉄を起こして頭に照準を合わせる

合わさった所で引き金に指を掛けた

「あばよ」

そう呟いてから引き金を引いた

男が転がる中、シュウはシノンと合流する

「今日は戻ろう。戻ったら弾の補給だ」

「そうね。カイのお店で12.7mm弾貰えるかしら?」

「貰えるさ」

そう会話しつつ街へと戻って行くのだった




いかがでしたか?
特に更新に規則性は無いので書けたら投稿って形で不定期更新です
感想待ってます!
それではこの辺で


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シュウはSAO生還者、攻略組2人が来た。あと訳分からんサポートAIも

どーもならやです
スマホ変えたので予測変換とか全部無くなっちゃって1からやったので変換がおかしい所があるかも知れません
あったら誤字報告よろしくお願いします
それではどうぞ!


「いらっしゃいませー。ってシノンちゃんか、こんにちは」

「あ、カイさんどうも。シュウは居ますか?」

「シュウ?奥に居るよ。シュウ!シノンだ!お前を呼んでる!」

「はいはいなんじゃらほい」

カイのガンショップを訪ねてきたシノン

目的は銃........では無く、シュウだった

店の奥に居たシュウは表に出てシノンの話を聞いた

「どしたシノン」

「ちょっと始めたばかりの人と会ってね。良いセンスしてたから連れて来たわ」

「店の外に居る2人か?」

「そう」

店の外を見ると男女1人ずつ立っていた

その顔を見てシュウは少し目を鋭くさせた

シュウはとりあえず2人を店の中に入れ、自室として使っている部屋に招いた

「君達の事、完全に分かんない訳じゃないんだよね。キリトとアスナでしょ?」

「は、はい。そうですけど」

「なんで知ってるんですか?」

「はは、簡単さ。俺もSAO生還者(サバイバー)だから。まぁ、そんな事はどうでもよろしい。あ、あと敬語はやめて。で、俺に何の用かな?」

2人はSAO事件で有名になったキリトとアスナだった

そんな2人はこのゲームを始めたばかりだが、装備を整える為にモンスター狩りに出ていた時シノンと会って仲良くなったらしい。

「なるほど、装備は任せろ。ある程度の物は揃ってる。キリトが前線でアスナはその支援って形で良いな?まずキリト、お前には剣が良いだろう」

「剣なんてあるのか?」

「ああ、こいつがある」

アイテムボックスからシュウが引っ張り出したのは棒のようなもの

キリトは受け取ると手元のボタンを押した

すると、ブゥンと言う音と共にレーザーサーベルが出てきた

「光剣、だ。俺はナイフで十分だしいくつか持ってるからやる。あ、あとこれ牽制用にハンドガンのFiveseveNだ」

「本当に貰っていいのか?」

「構わねぇよ。次はアスナ、お前はこれかな」

続けて取り出したのはアサルトライフル

形はM16に似ているが、銃上部が違った

「これは?」

「AR57、M16系アサルトライフルの部品と短機関銃であるP90の部品を組み合わせた銃だ。使いやすいぞ?それにキリトのハンドガンと弾薬が共通だ。ゲーム内での名前はレイピア、お前にピッタリだろ?」

「ふふっ、そうね。ありがたく頂くわ」

「後は2人ともフィールドに出て訓練するだけだ。シノン!お前一緒にフィールドに行ってこい!」

「分かったわ。行くわよ」

キリトとアスナの2人をシノンに任せ3人を見送るとカイに声をかけられた

「なんだ、シュウも行けば良いのに」

「いや、俺はあのエリアがあるからな。お前も行くか?」

「そうだね、一緒に行かせてもらうよ」

シュウが3人について行かなかったのには理由がある

この度のアップデートで追加された新ダンジョンの攻略に行くからだ

この新ダンジョン、難易度がとても高くその上カイが掴んだ情報である為まだ誰もクリアした事が無いとの事だった

「てか、誰も入った事が無いなんて何で分かるんだ?」

「なんかね、入り口が隠されているらしいよ?で、その入り口ってプレイヤーが1度開けたら閉まらないんだってさ」

「マジか。その入り口の目星はついてんのか?」

「かなり巧妙に隠されてるけど、大体は。後は........」

「行ってみてのお楽しみ、だな」

装備を整える2人

シュウはG36にUSPと言ういつもの装備であるが、背中にもマガジンポーチがある

また今回G36に特別な改造が加えられ、銃身の下にM26MASSショットガンが取り付けられている

カイはSCAR-LにMk.23SOCOMで、どちらにもサイレンサーが付けられている

「カイ、背中に」

「ああ、分かってる」

シュウの背中のマガジンポーチにSCAR-LとMk.23のマガジンを入れていくカイ

基本、2人で戦闘する時はシュウが前に出る

銃撃戦の最中、マガジン交換の際に自分のマガジンポーチからマガジンを取るより前の人の背中のマガジンポーチから取った方が早いのだ

準備を完了した2人は米軍に準じた戦闘服で街を出てダンジョンへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイ、多分ここがラストだ。準備は?」

「OK、ドアから援護する」

「頼む。3秒後突入する」

シュウとカイは情報通り入り口を見つけてダンジョンに入ると凄まじいスピードで突破していった

途中2つのルートに分かれたが、そのうちの1つのルートはこの部屋が最後の様だった

その部屋のドアで構えた2人

後ろにいたカイがシュウの肩を叩くとシュウがドアから部屋に突入した

部屋の中には数体、ロボ兵士が居てシュウに銃を向けたがドアから狙ったカイに倒された

シュウは走りながら奥から出てきたロボ兵士に牽制目的でG36の引き金を引きながら近くの遮蔽物へと飛び込む

マガジンにはまだ10発程度残っていたが、未練無く捨て新しいマガジンに替えた

「避けろ!!」

不意にカイの叫び声が聞こえたので遮蔽物の影から飛び出す

すると今まで隠れていた遮蔽物は斜めに切られている

シュウが気付かない内に近づかれていたらしい

「光剣持ったロボ兵士か、レアだなっ!」

そう言いつつシュウは片膝を地面についた体勢でM26MASSの引き金を引く

続けて横のボルトを引き次弾を装填、迷わず引き金を引く

無数の弾がロボ兵士を襲い動きを止める

装填されている5発を撃ち切る頃にはもうロボ兵士はボロボロだった

そこに5.56mmNATO弾が高速で襲い掛かり、機能を強制的に停止させた

奥から出てきたロボ兵士もカイのSCAR-Lから放たれる弾丸に倒れていた

「オールクリーン。制圧完了だ」

「先に進もう」

「ああ」

M26MASSのマガジンとG36のマガジンを新しい物に替える

カイもSCAR-Lのマガジンを交換していた

警戒しつつ進む2人の前に現れたのは転送装置だった

「転送装置か。僕が操作するからシュウは転送されて?」

「わかった、良いぞー」

「OK、行くよ」

シュウが転送装置の中に立った事を確認するとカイが手元のパネルを操作する

すると転送装置が起動してシュウは転送された

転送されたシュウはすぐ転送装置から出てしゃがみ周りを見渡す

ここの部屋に敵は居ないらしい

「何だこの部屋........あれは?」

転送装置の前には階段があり、登ってみると大きな機械が見えた

その機械はシュウも初めて見た物であり、触ってみると光った

少し離れてG36を構えるシュウ

機械の真ん中にあったポットの様なものが持ち上がり、開く

中には1人の少女が居て、ポットから倒れる様にでてきた

「お、おい」

シュウが声を掛ける

すると目を覚ましてシュウの方を見て一言

「マスター........です?」

「はっ?」

シュウは訳分からんと思うと同時に自分はとんでもない事になってるんじゃないだろうか、そうも思っていた

そして、いつの間にか来ていたカイがそんな考えを肯定した、してしまった

「あ、それ今話題のサポートAI、ArFA-sys(アファシス)Type-Xじゃん!」

「あなたがマスターなのです!よろしくお願いします!」

「おうおうちょい待て話が分からん」

この時、シュウはとぉーーーってもめんどくさい事に巻き込まれているのだが、それを本人が自覚するのはまた後である




いかがでしたか?
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訳分からんサポートAI?とんでもない、シュウと同じステだお!あとSJ優勝者が来た

どーもならやです
PS4ゲームである
ソードアート・オンライン フェイタル・バレット
のキャラがこれから続々出てきますが、皆でワイワイGGOをプレイするだけなのでご安心を
それではどうぞ!


「はぁ.....」

「どうしたのため息なんかついちゃって」

「それはな、アイツだよ!」

大声を上げて指指す先には

「ふぇ〜、いっぱい武器があるのです!」

店を見て回っているアファシスが居た

その姿は銃なんぞ初めて見た!みたいな少女だが、シュウには結構悩みの種だったりする

「あれからアファシスについて結構調べてみたんだけどもさ、色々分かったよ」

「ふむふむ、どんな事だ?」

「えーっと、アファシスは最初に会ったプレイヤーをマスターとして、ArFA-sysType-Xは一体一体性格や言動が違い、ステータスは持ち主の物が反映されるって」

「ふむふむ...ゑ?ステータスは持ち主のが反映されるだと?」

「うん。つまり、今の彼女はシュウと同等レベルに強いって事だお」

「マジカヨ。まぁ、とりあえずかなり戦力になるって事だな」

シュウはもはやアファシスを仲間と考えるようにしていた

そこでアファシスの所へ行ったシュウは後ろから声をかける

「どうだ?良いのはあったか?」

「あっ、マスター。私はアサルトライフル系かサブマシンガン系がイイと思うのですが意見が欲しいのです!」

「アサルトライフルか....だったらG36が良いだろうな。サブマシンガンにすんならクリスヴェクターだろう」

「でも、どちらもこのお店には無いのですよ?」

「どっちも俺が幾つかあるからやるよ」

「本当なのですか!ありがとございます、マスター!」

目を輝かせてそう言うアファシスを見てシュウは妹の様な感覚を覚える

その時、1人店に入ってきた

ローブを被っているので男か女か分からないが、かなり小さい事は分かった

「いらっしゃいませ〜。何をお探しでしょうか?」

「P90ありますか!!??」

「おわっ!?」

何を探しているか尋ねた瞬間に大声で言われたのでカイも思わず仰け反った

その声でシュウもアファシスもビックリした程、大きかった

「いてて....P90は丁度在庫切れだけども、彼が何丁か持ってるよ」

「本当ですか!それ譲ってもらえますか?」

「ああ、構わねぇよ。それより1つ聞くぞ?」

「何ですか?」

「P90はピンクに塗るか?」

そう聞くとローブの人物は固まってから苦笑いした

「あはは....バレちゃったかな?」

「そりゃあバレるだろ。あんだけ食い気味にP90を探してたのはそれを愛用していて最近無くしたか壊された。確かSJ(スクワットジャム)ん時に壊したんだっけか?」

「全くその通りですはい」

バレバレだった事にガックリと肩を落としながらローブを脱ぐ

そこには全身ピンクでミミ付き帽子を被っている女の子が居た

彼女の名前はレン

全身ピンクでこれまたピンクのP90を使っている事からピンクの悪魔と呼ばれていたり

「レン、P90はピンクに塗っていいのか?」

「あ、お願いします」

「金とかは要らねぇからな。P90はやる。少し時間がかかるから店の中でも見てると良い。ここはサイドアームやらナイフも売ってるからな」

それだけ言ってシュウはアファシスと共に店の奥へと消えていった

「さてさてレンちゃん、他に何か必要かな〜?彼の言う通りナイフとサイドアームは持っといた方が良いよ〜」

「何かオススメってあります?」

「ん〜、ナイフはコレが良いんじゃないかな。シュウに卸して貰ってるからウチしか扱ってないよ」

そう言って取り出したのは普通のナイフ

だが、シュウが卸すだけあって普通では無かった

「何これ、普通のナイフじゃ?」

「ふっふっふ〜、そう思うでしょ?けどここを押すとね〜」

得意顔でナイフの持ち手の少しへこんだ所を親指で押し込む

するとバチッ!と音がした

「え」

「分かった?静電気じゃないよ。これはスタンナイフって言ってね、ナイフにスタンガンの機能を搭載してるんだ。流石に連発は出来ず1回やると数秒チャージが必要だけども1回が強力だから喰らうとほぼ確実に気絶しちゃうよ」

「スタン機能付きって事か......でも、お高いんじゃ?」

「あ、大丈夫大丈夫気にしないでシュウのお支払いにしとくから」

「シュウ?....あ、さっきの人ですか?」

「あー、そう言えば名前言ってなかったね。彼の名前はシュウ。間違い無く彼はこのGGOで最強のプレイヤーだよ」

「GGO最強のプレイヤー?」

「そう。良く一緒に外に行くけど味方でも恐ろしいよ。それで、これ決定でいい?普通のナイフとしても抜群だよ」

「あ、じゃあそれで」

「ほい来た!」

勝手にシュウの奢りと決めたカイ

自分で払わなくていいレンの買い物は続く

「サイドアームはやっぱFive-seveNかな」

そうカイは言いながら1つの拳銃を取り出す

「これですか?」

「そだねー。レンちゃんはP90使ってるから同じ弾を使うFive-seveNがイイっしょ」

「あ、ありがたいですけど、お支払い大丈夫ですか?」

「結構行ってるね、うん」

と、レンの買い物が一通り終わった所でシュウがピンクのP90を手に出てきた

「おうレン。これP90な」

「やった!ありがとうございます!それとゴチになります!」

「はっ?」

「あーっとね、レンちゃんのナイフとサイドアームをシュウの奢りにしちゃった」

それを聞いてカイの方を向くシュウ

カイはテヘッと逃げようとした

「あー、まぁ構わん。その程度ならすぐ取り返せるしな」

いひゃいいひゃいはにゃして!(痛い痛い離して!)

当然逃げれる筈も無くカイの両頬を思いっ切りつねるシュウ

「お、そうだレン。ちょっとこの後試射に付き合って貰えるか?それと敬語はやめて」

「えっ、えっと良いよ」

「ありがとうな。じゃあ行こうか」

「痛かった........」

めちゃくちゃ痛がっているカイを置いて2人は街から出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街から少し離れた砂漠に出た2人は適当な所を見つけて止まった

「ここら辺で良いか」

「それで、今回試射する武器ってどんなの?」

「ちょっと待って。今出すから」

そう言ってシュウは手を振ってメニューを出し、ストレージからそれを出す

シュウの手元に実体化されたそれは大きなパイプの様な物だった

同時に足元に砲弾の様なものも実体化されている

「何コレ!?!?鉄パイプ?水道管?」

「酷い言い様だな。こりゃあ無反動砲、カール・グスタフM3だ。簡単に言うとロケットランチャーだな」

「ロケットランチャー....ああ、これがそうなのか」

「口径は84mmだから対戦車榴弾を使えば最新の戦車すら一撃だぞ」

彼が取り出したのはカール・グスタフM3

スウェーデンのFFV社が設計した84mm無反動砲であり、多種多様な砲弾を撃ち出す事が出来るのが特徴だ

シュウはこれを地下ダンジョン攻略時に入手したが世界中探しても他には無いだろう

「撃つから俺の横に伏せてくれ」

「え、どうして?」

「このカール・グスタフはクルップ式無反動砲でな、後ろに発射ガスを高速で噴射して反動を相殺する事で無反動にしてるんだ。後ろにガスを噴射するから発射時後ろに居ると吹き飛ばされるぞ」

そう言いながら砲の後方をズラして砲弾を差し込み元に戻す

「撃つぞ!」

「わ、分かった!」

「発射!」

大声でレンに発射を伝えてから引き金を引く

発射時のガスで周りに土煙が立つ

1キロ程先に着弾した砲弾が派手に炸裂した

「ひゃ〜........」

「うん、威力はあるが結構重いな。砲弾は5発くらいしか持てんか。ありがとうレン、試射は終わりだ」

「こちらこそ面白い物見せてくれてありがとう!」

2人は笑い合うと街へと戻って行った




いかがでしたか?
感想待ってます
それではこの辺で


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過去とSJ2

ドーモならやです
ちょっとシリアスっぽい?
それではどうぞ!


「はっはっはー!!お前らもうそこまで成長したのか!これで狙われる側だな!」

「わ、笑い事じゃないでしょ!?」

「まぁまぁキリト君」

「ごめん二人とも........笑えるわw」

シュウとカイ、2人が笑っているのはキリトの事だった

キリトとアスナは連日街から出てシノンの力も借りつつ大型のモンスターを狩っていた

大型モンスターを狩っているとは言えどやはり途中敵対するプレイヤーに遭遇すれば倒すしかない

謀らずともPKを繰り返す事になったキリトとアスナは大分話題になっていた

そのせいで注目のニュービー、始めたばかりの新人プレイヤーのランキングに乗ってしまったのだ

このランキングの影響力は結構大きいと言われている

なので結構狙われる様になった

このゲームだと序盤は狙われないようにするのが基本なのだが

「は〜、腹痛てぇw」

「光剣なんてレアな物使ってるからだよw」

「そんなに光剣ってレアなのかよ........」

「銃の世界だからね」

「ぬ、こんな時間か。そろそろ俺はログアウトさせてもらうよ」

シュウがそう言ってログアウトする

キリトとアスナはまた街の外へ

カイは店番へと戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ........」

ベットで頭のアミュスフィアを外す男

彼こそがガンゲイルオンラインのシュウのリアル、春風修斗だ

ゲーム名は修斗から取ってシュウにした

アバターの顔も本人そっくり、と言うかほぼほぼ本人だ

彼はガンゲイルオンラインをサービス開始時からやっている、かなりのプレイヤーである

「あれ、ここの問題集全部やってあんな........なんか1冊買ってくるか」

それと共に、大学での成績は良い

すぐに着替えて出掛ける修斗

目指すは家から10分程の所にある本屋だ

本屋に入るとやたらと女子、それも大学生くらいが目立った

(そう言えばここの近くってお嬢様大学があるんだっけか。だから育ちの良さそうなのが多かったんだな)

そう考えつつも一直線に参考書や問題集のあるコーナーに向かう

数分で決めた彼の手には1冊、分厚い問題集が握られていた

会計を済ませてマンションへの帰路に着く

そんな時、2人の人物が目に止まった

(ん、あの男.......ストーカーか?)

それは自分と同じ方向に向かう身長の高いモデルの様な女性の後ろを着いて歩く男

理由は知らないが、明らかに後をつけていた

それに気付いた修斗はその男の後ろに回る

つけられていた女性が入ったのは意外な所だった

(あの人、俺と同じマンションに住んでんのか)

すると男が素早くマンションの入り口に入ったのが見えた

後を追って見ると2人が話をしていた

「小比類巻香蓮さん、ですよね?」

「はい?........ひゃ─」

「叫ばないでレン!僕です!エムです!」

「はぁ?........まさかっ!」

「動くな」

修斗は既に行動を起こしていた

男の首に右手を回し左手を掴む

男もびっくりしたような様子だ

「っ!」

「分かってんだ、今日1日ずっとつけてただろ。まさかその相手がレンだとは思わなかったがな。そしてつけてるのがエムだって事も知らなかったぜ」

「え?え?ちょっと待って!?何で2人とも私の事知ってるの!?」

混乱する小比類巻香蓮、GGOのレンのリアルを尻目にエムと名乗る男と修斗の攻防は続く

「離してください修斗さん!私がエムと言っても信じてもらえないでしょう!ですから香蓮さんと修斗さんが私の言葉を信じるしかないんです!」

「だろうな。レンとの会話とかも本当のエムのプレイヤーに詳しく聞いたと言われりゃそれまでだ。もし離さず、話を聞かなかったら?」

「来月4日の、第2回スクワッド・ジャムの夜に、人が死にます」

「それは、2人か。お前と、ピトのリアルか」

「はい」

深い深い溜息を吐いて男を離す

「ありがとう、ございます」

「ここはまずい。レン、上の展望室に行くぞ」

有無を言わさず入って行く修斗

修斗はちゃんとカードキーをかざして男を入れ、香蓮も戸惑いながら入る

このマンションに展望室と言うのが一応あるが、遠くで花火大会をやっている時に満員になる程度

普段から利用する人はあまり居ない

「奢ります」

「あ、ありがとう」

「で、俺は聞かなくても分かるからレン......じゃない、香蓮に話してやれ」

修斗は目を瞑るとただひたすらに男、阿僧祗豪志の話を聞いた

やはりほとんどが予想通りであり、特に反応する事も無く聞き続ける

だが、修斗として逃せないのが1つあった

「─SAO内には、キャラクターを意図的に殺すプレイヤー・キラーが居たと。そして、そんなギルドがあったと」

「─え?」

全く反応しなかった修斗からは、怒りと悲しみが混じった感情が出ていた

「本物の殺人じゃないっ!!」

「そうです。事実、どうなのですか、修斗さん」

「.....ああ、そうだ。プレイヤーを殺す事を目的にしていたプレイヤー、俺は勝手に殺人プレイヤーと呼んでたがそんな奴も居て、殺人ギルドがあった。それだけじゃないさ、犠牲者の中には絶望して自ら命を絶つ者さえ居た」

「信じられない........」

香蓮が絶句する中、豪志は続けて修斗に質問をぶつけた

「修斗さん、私個人の質問です。貴方もプレイヤーを殺した事が、あるんですか」

「あるさ。忘れもしねぇ、36人だ。全員が全員プレイヤーキルを狙った奴らだがな。ある時は殺人プレイヤー16人が血盟騎士団、所謂攻略組に対して襲撃を掛けようとした所に先手を打って全員を殺した事もある」

「修斗さん........」

「討伐隊が組まれた事だってある。出来る限りは捕まえる様にしてた。でもな、後半になればなる程敵プレイヤーは強くなるんだ。そうなったら殺るか殺られるかの勝負になる。あん時の俺は実力が無かった。捕縛出来るかなんて考えも出来なかったよ」

自虐気味に語る修斗

それに対して何も言わない、言えない2人

そんな2人を無視して続ける修斗

「ただ1人、殺してないのに忘れられねぇ奴が居る。奴の名前はガッシャ。捕縛した殺人プレイヤー、それを行ったプレイヤーの両者を殺しやがった」

「その人はどうなったんですか」

「行方不明のままゲームクリアを迎えたから脱出してるだろう。奴に殺されたプレイヤーは本人談で69人だ」

修斗が絶対に忘れられない、69人殺しのプレイヤーガッシャ

その存在に絶句している2人

「すまねぇ、もう部屋に戻っていいか。香蓮、なんかあったらこの部屋に来てくれ」

それだけを言い残して足早に立ち去る修斗

彼の目に光は無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修斗は部屋に戻ってすぐカーテンを閉め、暗い部屋で1人ベットに横になった

彼の頭の中にはガッシャの言葉が思い出されていた

貴様は、勘違いをしている。人殺しと言う物に正義だの仕方ないだの人数だのは関係無い!貴様はもう殺人プレイヤーの1人「黙れェェッ!!」

思わず大声で叫んでしまう

「はぁ、はぁ、はぁ........」

何かを振り払う様に飛び起きて自分の顔を手で軽く叩いた

その時丁度部屋のインターホンが鳴らされる

出てみると香蓮が居た

「話は終わったのか?」

「うん。春風修斗さん、だよね?私は小比類巻香蓮。頼み事があるの」

「立ちっぱなしじゃ辛いから入れ」

そう言って香蓮を部屋の中に招き入れる

部屋の電気をつけて話を聞く

「で、第2回スクワット・ジャムは出るのか?」

「出るよ。私が出ないとピトさんのリアルも豪志さんも死んじゃう。私が出て、ピトさんを殺す!」

決意を聞いた修斗はズッコケた

「え、殺すの?ピト殺しちゃうの!?」

「ピトさんを殺すのは私じゃなきゃダメなの!」

「えぇ!?」

理由を聞い修斗は理解していた

「あ〜、なるほど〜。それで、スクワット・ジャムでチームを組んで欲しいって話か」

「そうなの。どう?」

「構わねぇ。ただ、エムとピトのチームに勝つには3人は欲しいぞ」

「3人目か.....修斗さん誰か居る?」

「ん〜、GGO1のスナイパーに同じくGGO1の剣士、その支援役ぐらいなら協力してくれるかもしれんが、アイツら一気に呼ぶと面倒だしヘタに人数増やすよりは3人で行った方がいいな。香蓮、誰か呼んでくれるか?」

「うー、分かった」

その日はそれで終わった

香蓮が帰った後にもう一度GGOにログインする

店に行ってみるとカイ、シノン、キリト、アスナ、アファシスが居た

「マスター!お帰りなさいです!」

「おうアファシス。それで、どうしたんだ?」

「私達、第2回スクワット・ジャムに出るのよ」

シュウは驚きつつも理由を聞いてみた

「ほぉ、そりゃまたどうして?」

「ちょっと力試ししたいんだ」

「シノのんとキリト君となら優勝も狙えると思って」

「それでシュウとアファシス、エーちゃんをチームに加えたいのよ」

「エ、エーちゃん?」

「名前を付けてもらったのです!」

エッヘン!と胸を張るアファシスを見てシュウはまぁいっかと思った

「アファシスを入れるのは構わん。だが俺は参加出来ねぇな」

「どうして?」

「別チームから誘われてる。そっちに行くつもりだ」

「ではマスターとは敵同士なのです.....」

「そうヘコむなよ....そうだアファシス、お前に合う武器をやるからちょっと部屋に行くぞ」

そう言って部屋に戻る2人

アイテムボックスから銃を出してアファシスに渡す

「これはスナイパーライフルなのです?」

「L96A1AWM、338ラプアマグナム弾を使うスナイパーライフルだ。お前なら使いこなせるだろう。こっちはAKMだ。スナイパーライフルだけじゃ戦いづらいだろうから使うといい。さぁ、シノンやキリト、アスナとフィールドに出てチーム戦の基本や連携の取り方を学んで来い!」

「分かりました!」

貰った銃を持って店の表に向かう

奥から出てくるとカイが話し掛けた

「エーちゃん、皆とフィールドに出て行ったよ。とっても嬉しそうだった」

「そうか。アイツらのチームは間違い無く優勝候補だな」

「シュウも嬉しそうじゃん」

「そりぁそうだ。楽しみな後輩が来て俺を抜くかも知れないんだぞ?SJ2が楽しみだぜ!」

第2回スクワット・ジャムまで、あと2週間半




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感想待ってます
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SJ2メンバー3人目は金髪グレラン娘!あとMMTMリーダーはシュウと知り合いだったりする

どーもならやです
アニメ終わっちゃいましたね〜
自分としてはワンサマーデイまでやって欲しかったんですけど
とりあえず最新刊を買う!これ目標です
それではどうぞ!


「いらっしゃいませ〜。レンちゃんか、隣の子は知らないね〜」

「あ、カイさんこんにちは。シュウさん居ますか?」

「居るよ〜。シュウ〜レンちゃんだお〜」

カイの店にやって来たレンと謎の金髪美女はシュウに用があった

「ほいほーい何ですかー」

「シュウさん、3人目連れて来たよ。こっちがそう」

「こっちとは酷いなレン。ういっす!フカ次郎だぜ!呼びづらいからフカで良いよー」

「ういっす!宜しくなフカ!俺はシュウだ。敬語はいらんぜ!」

がっしりと握手する2人

金髪美女はフカ次郎

レンの呼んだ3人目だ

そのステータスを見てシュウは疑問が出てきた

「んん?レンがフカに勝ってる所無くね?これ。もしかしてフカってコンバートした?」

「せいか〜い!ALOからコンバートして来たのさ!」

「そう言えばシュウさんのステータス見た事無いや。見せてもらってもいい?」

「良いぞ........ほら」

そう言って手を振りながらステータスを出すと2人を軽く上回る数値だった

2人が勝っている所などどこにも無い

それどころがレン得意の素早さえ足元にも及ばなかった

「うっひゃ〜凄いねぇ〜」

「何コレ!?」

「そんなにでも無いだろ?」

「ヤバイ!スゴく!頼りに!なるっ!!」

レンが興奮する中、シュウはフカに対して質問を続けた

「フカの武器は?」

「MGL-140を2丁持ちするぜ!」

「MGL-140......ああ、ダネルMGLグレネードランチャーの事かい。それは流石に持ってねぇな。他のグレネードランチャーなら持っているが」

「へー、他のも見たい!」

「ちょっと待って」

レンからの要望に答えて店の奥から1丁持って出てきた

「これがエアバースト式グレネードランチャー、XM25IAWSだ。フカのと違う点は榴弾を目標の上で爆発出来たりと設定が弄れる事だな」

「なるほど〜。性能から見ると?どっちが上?」

「XM25だろうな。ボックスマガジンだからリロードも早いし。ただ、どっちも長所短所があるから人の好みや使い方なんかで決まるな。そうだ、フィールドに行かないか?俺の装備が決まったんでな」

「あ、うん。分かった」

シュウはいそいそと準備を済ませて3人で街を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の外、その中でも比較的安全なエリアについた3人は装備の確認をする

と言ってもこの中で分かっていないのはシュウだけだ

「よし、俺が使うのはH&KのHK417だ。7.62mm弾を使うアサルトライフルだな。レンと弾薬、弾倉を共通化出来るAR57も考えたが中遠距離からの援護を考えると威力不足だ。ただ、当日はP90のマガジンを10個程持って行く予定だからレンに渡せる」

「助かるね。私のP90は弾が無くなりやすいから」

「サイドアームはこいつだ」

そう言ってシュウが実体化させたのは2人が見た事も無い銃だった

2つの銃が連結しているような形をしている

「アーセナルファイヤーアームズ製AF2011-A1だ。言い方は悪いがM1911コルト・ガバメントを2つ並列にくっ付けた物だと思ってくれればいい」

「これってさ、引き金引くと2発同時に発射されるの?」

「そうだ」

「ピトさんにも見せてもらった事ないかな、この銃は」

ゲーム内でも珍しい方の武器を持っているシュウの装備紹介は続く

「あとはゲパードGM6リンクスとその弾マガジン5つの100発、それとイサカM37を腰の鞘に挿して装備する」

「他には?」

「破片手榴弾とかだな。まぁ、秘密兵器とかあれば追加で持っていくが」

「うっしゃ!せっかくだしひと狩りいこうぜ!」

フカがそう叫んで走り出した

「ちょ、ちょっとフカ!」

「良いだろう。レン、フカの爆撃で仕留め損ねた敵を仕留めろ。周りの援護はしてやる!」

「えっ!りょ、了解!」

シュウはさっさと指示を出してレンにフカの後を追わせると自分は高台に登ってHK417のバイボットを立ててスコープを取り付ける

シュウのHK417に着けたオプティカルスコープは最大8倍まで倍率を上げられるが、行軍時等に銃に着けていると何かしらの原因で壊れる事がある

また、近距離戦闘に対応する為にもシュウは普段、ホロサイトを着け状況に応じて取り替えられる様に改造してある

その為サイトの付け替えが簡単に行えるのだ

スナイパー以外はバレットラインがあれば命中させられるのでサイト等を着けない人が殆どだが、シュウはバレットラインをギリギリまで出さず撃つ事で敵に避けられるのを避けている

ちなみにバイボットの邪魔にならないようにストック、ライトも取り付けられている

豊富なオプションパーツがあるのもこの銃の特徴だ

「あー、俺特に仕事ねぇな」

スコープを覗きながらそう呟く

何せフカのグレネードランチャーで殆どの敵が殲滅され、生き残った運の良い奴もレンの連射で消えていった

2人が殲滅する中、スコープを覗いていたシュウの表情が少し変わった

「む........MMTM(メメント・モリ)か。リーダーは確かデヴィッドだったな。レン、見ている方向を12時として2時の方向にプレイヤー発見、MMTM(メメント・モリ)だ。すぐに会敵はしないだろうが物陰に隠れて警戒待機せよ」

『了解。撃たれたら撃ち返してイイ?』

「いや、リーダーと知り合いだ。俺が話して戦わんようにするさ」

そう言いながらバイボットを畳んで走り出す

走って数分と言った所でレンと合流するがそこまでの間にスコープをホロサイトに交換していた

「撃たれたか?」

「ぜんっぜん!撃ってくれたら正当防衛なんだけどなー」

「多分気付かれてないんだと思う。サッと隠れたし」

「もう目の前まで来てるがな」

「え?」

そう言いながら岩陰から鏡を出して見ているシュウ

距離的には10メートル程だろう

仕方無くシュウは息を大きく吸ったら

「おい!デヴィッド!」

「その声は!シュウさんですか!?」

「そうだ!出て行くから撃つなよ!チームメイトにもそう言え!こっちは3人だからな!?一発でも撃ったらお前ら纏めてぶっ殺す!」

「了解です!」

デヴィッドから確証が得られたシュウ達は岩陰からゾロゾロと出て行く

レンの姿に驚いている様だった

「シュウさん、まさかLMに?」

「正確に言えばエムは居ねぇ、LFSだ」

「シュウさんと前回優勝者の組み合わせですか、こりゃ勝ち目無しですね」

「バカ野郎、俺なんか乗り越えられんでどうする」

楽しそうに談笑する2人

数分後にはそれぞれのチームが別の方向に向かって歩いていた

「シュウさん、メメント・モリのリーダーと知り合いなんだ?」

「ん、ああ。基本的な戦闘知識を仕込んでやったんだよ」

レンの質問にそう答えながら街へと戻っていった




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謎のNPCだってよ!シノン達が襲われて最強対戦車ミサイルで戦車をぶっ壊すわ!

どーもならやです
どうぞ!前書きなんて無しです!


「「謎のNPC??」」

何時も通りカイの店で武器のメンテ等をしていたシュウの元にとある1件のメールが届いた

送り主はザスカー、つまりこのゲームの運営だ

内容は

『このゲームのフィールドにおいて多数、謎のNPCが報告されている。我々が追加した物では無く、軍隊の様に統率された動きである為多数のプレイヤーが被害に遭っている。この退治を依頼したい。車両も目撃されているので戦車の存在すら予測される。その為実装前の強力な装備を用意しておいた。有効活用して欲しい』

こんな感じ

運営が知らないNPCが居るのは大問題となる

が、かなり強いからシュウに解決を求めた、といった所であろう

メールを読んだ2人は思わず揃えて声を上げてしまったのだ

取り敢えず2人で推測してみる事にする

「どう思う?カイ」

「運営が知らないNPCってのが引っ掛かる。運営以外でNPCを追加出来るのか?」

「それならまだ良いが、車両もとなると考えづらいな。それに運営以外のNPCだとしたらこっちの攻撃が通らない可能性もゼロじゃない」

「ならチーター?いや、チーターなら単純にプレイしてれば目立たないしNPCなんて作る必要が無いか」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。全く、SJ前にして何でこんな問題が起こるかね........SJ?」

シュウは深い溜息と共に放った一言が引っ掛かった

そう、SJ

もうすぐでSJ2なのだ

それがシュウには引っ掛かった

「おい、まさかSJ2にNPC軍団を送り込むつもりじゃないよな?コイツ」

「可能性は十分だね。いくら強くても連携の取れる大量のNPCに攻撃を受けたらひとたまりもない。残りがNPCの製作者だけになったらNPCを一斉に降伏させれば優勝だ」

「でもそんなの運営にバレて優勝なんて無かった事になるだろ?そもそもSJ2の為だけにやるか?もっと大きな目標だろ」

「もっと大きな目標って言うとゲームの乗っ取り?」

「かもな。取り敢えずこのNPC軍団を潰す。それからの調査は任せた」

「了解。あ、武器は?」

カイが思い出した様に言うとシュウの元に武器が届いていた

「来てる。ってマジか」

「なになに?」

「ジャベリンだ。それとM2重機関銃」

「マ?」

「マ」

届いた武器は2つ

1つ目はジャベリン対戦車ミサイル

アメリカ軍制式採用の対戦車ミサイルで、撃ちっぱなし能力を持つ世界でも高性能な対戦車ミサイルだ

2つ目はブローニングM2重機関銃

1933年に制式採用され世界各国で使われる重機関銃である

恐らく今後20年は使われるであろう信頼性と12.7ミリ弾の威力は対人目的には過大すぎる威力である為装甲車相手も出来る万能品だ

今回戦車の存在が疑われる事、敵に装甲車の存在が確認された事を踏まえてこの2つが送られたのだろう

「でも12.7ミリ弾のベルトやジャベリンの予備弾薬はウチじゃ扱ってないよ?」

「そこは大丈夫。予備の銃身や弾薬は運営から買える。それに本件が終わればそのままこっちの物になるし報酬も入るらしい」

「で、どうする?」

「どうするかぁー」

頭を悩ませるシュウ

敵が普通のスコードロンとかなら問題無いが、NPC軍団となれば話は違ってくる

それに車両のNPCは確実に強力な武器を使ってくるだろう

戦車と一戦交える覚悟も必要だ

それだけの装備はあるが、未知の存在相手には情報が足りなさ過ぎる

「取り敢えず装備を選ぶか。その2つは確定だしサブはM1911で良い。メインは....どうするか」

「やっぱり7.62ミリ使用のHK417じゃない?あ、でも防弾チョッキ着てるかもだから5.56ミリ弾が良いか」

「そうだな、G36にしよう。ってかやべぇ重すぎるだろジャベリンとM2。ストレージ3分の1埋まったぞ」

カイはシュウの能力値の高さを改めて理解した

普通M2やジャベリンなんて持てないし、入れたら確実に他の物は入らない

この時シュウはジャベリン発射機と予備弾6発、ブローニングM2本体に予備銃身、マットと弾薬900発を持っていたのだが、これだけストレージに入れてもまだ3分の2あるというのは驚異的な事だ

そんなこんなで装備を整えていた時シノンからメールが届いた

「シノンから?なになに?........!カイ、やべぇぞ!」

「どした?」

「シノン達が集団から攻撃を受けているらしい!」

「それって例のNPC軍団!?」

「分からん。敵の総数不明、強力な火器多数で統率された動きらしい。ほぼ確実にNPC軍団だ。カイ行くぞ」

「オッケー!バギーの用意して待ってて!」

まさか知り合いのシノンが攻撃を受けるとは思っていなかったが、大慌てで準備を整える2人

シュウの方が早く終わったのでバギーの準備をしてカイを待つ

カイが準備完了し来ると2人で街から飛び出して行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シノのんどう?」

「敵、かなりの数居るわ。じわじわと詰めて来てるし、シュウに助けを求められたのは良いけど早くしてくれないとヤバいわね」

「トラップの設置は完了しましたがピンチなのです...」

「ありがとう、エーちゃん。とりあえずシュウさんを待とう」

大量の敵、NPC軍団に襲われたシノン達は何とか近くの廃墟となった街のビルに逃げ込んだ

アファシスがシュウ仕込みのトラップテクニックで入り口に大量のトラップを仕掛けたので入り口から入って来た敵を足止めする事は出来る

が、人数差はどうしようも無いので真正面から撃ち合って勝てる保証は無い

そんな彼らの頼りはシュウだけだった

その頼りのシュウは既に近くに来てカイと共に双眼鏡で偵察していた

「ハンヴィーが3、M113が4だな。そっちは」

「こっちは歩兵ばかり。進撃の用意をしてる」

「分かった。ん?新たな敵影、戦車だ!クソッ!」

偵察中に戦車を見つけ、足元の石を蹴り飛ばす

その原因は戦車の種類に原因があった

「おい、メルカバMk.4だ。どうする、ジャベリンは使えんぞ」

「トロフィー、だね」

今回の戦車、メルカバMk.4はトロフィーアクティブ防御システムを標準装備する

これは対戦車ミサイルを自動で迎撃する、艦艇におけるCIWSの様なシステムだ

その為ジャベリンが迎撃される可能性が極めて高い

更にメルカバ自体、かなりの防御力がある

トロフィーや防御力が再現されてるのかは分からないが、再現されているのであればかなりの強敵だろう

「仕方ねぇ、ジャベリンをトップアタックで撃つ。周囲警戒」

「了解」

「ロック完了、発射」

ストレージからジャベリンを出してモードを切り替え、ロック後発射する

飛び出したミサイルは上昇してからメルカバに向かう

トップアタックモードでは装甲の薄い上部を狙う為、上から急降下して命中するのだ

実際、メルカバの上で降下した

ミサイルはトロフィーを潜り抜け天板に命中、詰まった爆薬がメルカバを完全に破壊した

「なんだ、トロフィーは再現されてなかったのか?」

「いや、単純に効果範囲外だったんじゃない?」

「まぁいいや。運転頼むぞ」

バギーに乗る2人

シュウは後ろでG36の準備をしているとカイが思い出した様に話し掛けた

「そうだシュウ、対戦車兵器としてこんなのがあるよ。使って」

「ん?おいこれスティッキーボムじゃねぇかよ。まだ火炎瓶やら梱包爆薬の方がマシだぞ」

シュウのストレージに大量に追加されたのはイギリス製のNo.74粘着手榴弾、通称スティッキーボムであった

「よくもまぁこんなにドロップしたな」

「こんな武器ドロップしないよ?ゲームにも無いでしょ」

「は?じゃあ何であんだ?」

「俺が作った!」

「死ね!!こんなの作るんだったらもっとマシなの作れ!!」

全力でツッコミながらストレージから取り出す

対戦車兵器として使い勝手は最悪クラスだがまぁ無いよりマシだ

「よっしゃ!行くぞ!騎兵隊の出撃だ!」

「隊って言うより騎兵だけどね!」

バギーが唸りを上げる

行く先の物を破壊する為に




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世紀末のモヒカン風スティッキーボムは強い。でもM2はもっと強い、ただそれだけ

どうもならやです
色々忙しくて投稿出来ず申し訳ございません
ちょっと短めですが、どうぞ!


「ヒャッハァー!!」

「ヒャッハァー!!」

「汚物は消毒じゃオラァ!!」

バギーで世紀末のモヒカンの様な叫び声を上げながらスティッキーボムを敵のハンヴィーやM113の表面に叩き付けていく

カイお手製スティッキーボムは敵の装甲板にぶつかると外側の薄いガラスが割れ中の粘着剤が剥き出しになり装甲板にくっつき爆発する

この粘着剤はかなり強力で1度引っ付いたら剥がすのはほぼ不可能に近い

この爆弾には致命的な欠陥がある

それはケースを外した後は粘着剤が剥き出しなり、投げる兵士にも貼り着く可能性がある事だ

実際、コレを配備されたイギリスのホームガード(イギリスの市民で構成された民兵組織)の元兵士の日記にスティッキーボムの訓練中だった擲弾兵が誤ってズボンに固着させてしまい、ズボンを脱ぎ捨てた後爆発しズボンがボロボロになったという事件が書き残されている

そんな事を知ってか知らずか、カイは手作りする時改良を施していた

それが薄いガラス、という訳だ

粘着剤の外側を薄いガラスで覆う事で兵士が粘着剤に触れるという事は無くなる

思いっ切り叩き付ける事でガラスは割れ、貼り着くという訳だ

シュウ達が叩き付けたスティッキーボムは設定された起爆時間の5秒後、爆発していった

「威力は十分あんだな、このバカ爆弾」

「薄いガラス製カバーで安全性もある。対人には使えないと思うけど爆破工作とかなら使えるかもね。何なら今度のSJ幾つか持ってく?」

「要らねぇよ。爆破ならC4で間に合ってる。グレネードもあるしな」

「ですよね〜」

2人で笑い合う頃には敵車両が壊滅していた

激しい銃撃もシュウ達はバギーで高速移動しているから当たらない

とりあえず敵陣を突破してシノン達の所へ突っ込んだ

「うぉっ!?」

「おうキリト、アファシス。大丈夫か?」

「大丈夫だったのです!マスターは大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。トラップの方はよく出来てるが改善出来るな、後で復習しよう。とりあえずここを乗り切る」

全員を集めたシュウは作戦会議を開いた。

「キリト、アスナ、カイは1階で敵に備えろ。俺とアファシス、シノンは上から敵を狙撃する。質問は?」

「シュウの武器はリンクスなの?」

「いや、特別な武器があるからソレを使う。リンクスは使わないかもな。他には?」

誰一人声を出さない

質問は無い、という事だ

早速作戦に沿ってシュウ達は屋上に行った

「シノンはそこ。アファシスはあっちだ。俺は中央」

「分かったわ。それで特別な武器って何なの?」

「ちょい待てよ。今ストレージから出して組み立てるから」

「組み立て?組み立てが必要な武器なのですか?」

「ああ」

組み立てるとその場にはブローニングM2重機関銃が姿を現し、シノンは軽いパニックになった

「何よそれ!?」

「こりゃあブローニングM2重機関銃だ。アメリカで作られ何十年も世界中の軍隊で使われてる12.7mm弾を使う重機関銃の中じゃ1番のベストセラーだな」

「そんな武器見た事も無かったわよ!?一体どこでドロップするの?」

「これは運営殿からのプレゼントだぜ?実装されて無いし予定も無いだろ」

シノンに説明しながら銃弾をセットしコッキングレバーを引く

普通の銃とは明らかに違う重々しい装填音が響き、シュウはマットを隣に敷いてその上に予備銃身を置く

「マスター、何故予備銃身を置くのにわざわざマットを敷くのですか?」

「熱々の銃身を地面に直接置くとな?銃身が歪んじまうんだよ。銃身の地面と接してる部分だけが急激に冷却されるせいでな。シノン、アファシス頼んだぞ?俺はこの武器使うの初めてなんだ」

「シュウにしては珍しいわね」

「ぶっつけ本番はあまり好きじゃないが、そんな事言ってられる状況でも無いからな。一発目が実戦テストだっただけだ。この戦いが終わったらどこをどんな風に改造するかカイと検討するさ。さぁ、敵さんはやる気満々だぜ?ちゃんと歓迎してやらんとな!」

言い切ると同時にM2の押金式トリガーを押し込み射撃を開始する

音速の3倍の速度で発射される12.7mm弾は標的を易々貫き消し飛ばしていった

「凄い威力ね......」

「シノン!アファシス!リロードを挟むから援護しろ!!」

「分かったわ!」

M2が奏でる重音が途切れると同時に別の2つの発射音が始まった

L96A1を扱うアファシスはサポートAIであるが、持ち主のステータスが反映されるという特徴によって既にベテランスナイパーと言える腕を持っていた

もちろん、へカートを使うシノンの腕が言うまでもない事はほとんどのプレイヤーが知っているだろう

そんな2人の完璧な援護の中シュウは銃身交換、装填を済ませていく

「装填完了!!射撃開始!」

3人の戦いは始まったばかりだが、敵の数はかなり減っていた



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カイは強いんです!あとはレンとシュウの密会(貸し切りフィールドにて)

どうも皆さんこんにちは!
最近かなり忙しくてなかなか投稿出来ない人です
ハイすいません、反省してます
それでは!どうぞ!!


『カイ、こっちは順調に数を減らせてる。だが市街地を通って近付いてる敵が居る様だ。下は任せるぞ。こっちが片付いたらそっちに行く』

「オッケイ、任せといて」

黒の戦闘服に身を包むカイは無線を切ると遮蔽物に寄り掛かる

足元にはXM8のベースライン・カービンモデルが立て掛けられているが、カイは使う様子も無い

腰に2丁のコルト・シングル・アクション・アーミーを差し、ナイフを各所に保持するこの姿は元は彼のスタンダートでは無い

むしろこの姿はシュウの複数ある戦闘スタイルの1つと言える

ただただカイが気に入って使っているだけだ

「そろそろ来るよ。アスナは援護して、キリトと俺で突っ込むからそのつもりでね。最大限引き付けてから攻撃するから俺が突っ込んだら攻撃開始して」

「分かった」

「分かったわ」

ビル1階は大きく開けた空間に柱が何本か立っているだけで、地雷だとかワイヤートラップが多く仕掛けられていた

このトラップ群にはあえて目立つ様に仕掛けられた物もあるが、これはシュウの特徴でもある

わざわざ目立つトラップを仕込む事で隠されたトラップへの警戒を薄くさせて効果を増大させる

もし隠されたトラップに引っかかってそれらの存在がバレても敵はトラップへ気を向けるのでこちらが有利になれる

そんなトラップ術はアファシスにも受け継がれていたが、今回はそうするべきではなかった

シュウが改善の余地アリと評したのはこの点であった

NPC軍団は出入り口から複数のグレネードを中に投擲、トラップを爆発の衝撃で暴発させたのだ

(ふ〜ん、最低限の知識は仕込まれてるのね...)

カイはその様子を感心しながら鏡で見ていた

突入したNPCはざっと10人ほど

敵が居ない事を確認して上へと進もうとしたタイミングを見計らった

「はぁ〜い!敵はここだよッ!!」

柱から飛び出したカイは手直な敵3人の頭に素早くSAAで.45ロングコルト弾をお見舞いすると1人を掴んで自分の元に引き寄せる

突然味方がやられてもすぐ反撃したNPC兵士達の5.56mm弾はカイが引き寄せた1人の背中に命中して無効化していく

カイは脇の下から銃口を出して更に2人を地獄へ送る

その場の兵士達は敵が1人と考えていたが、それが間違いである事に気付くのは数人が犠牲になってからであった

最後尾の兵士が光剣で真っ二つにされて崩れ落ちる

2人目も切り捨てられ、ようやく兵士の1人が気付いた

背後には黒いコートの剣士、確実な脅威だった

咄嗟に銃口を向けるが発砲出来ず崩れ落ちる

残りも見事、ロングコルト弾の前に沈黙していた

「オールクリーン!2人とも助かったよ」

「いやいや、俺なんもやってないですよ?アスナのカバーが無かったら危なかったし」

3人で笑い合う

そんなカイの元にシュウから通信が入った

『下は大丈夫か?』

「あ、シュウ。大丈夫だよ。そっちは?」

『敵は壊滅した。これから下に行くから帰りのバギーの用意しといてくれ』

「了解」

数分後には1階に全員が集結していた

「そろそろ俺らはお暇させていただくぞ?」

「ありがとうシュウ、助かったわ」

「またなんかあったらすぐ呼んでくれ。じゃあな」

カイ運転のバギーで去っていく2人

カイの店ではちょっとしたお祝いパーティになったそうな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SJ2の数日前になって、レンとシュウはフィールドに集まった

ただ、ここは普通のフィールドではなくシュウの貸し切りのフィールドだ

なので他のプレイヤーは居ない

「シュウさん.....わざわざ借りたの......?高くなかったっけ......?」

「ん?それなりにするが大したことは無い。数日で稼げる額だ」

レンが記憶の中で呼び起こしたフィールド貸し切り代金は1ヶ月程休み無くプレイしないと借りれない額だったハズだが

そんな事は気にせずに今回の目的を話し始めた

「俺はレンがどんな事が出来るか、ある程度把握している。だが、レンは俺がどんな事が出来るかよく分かってないと思うんだ」

「そうだね。チート並の能力があるくらいしか知らないし」

「だからどんな事が出来るか、実際に見せながら紹介したい。ついでにエムとピトの事も話すからな」

「りょーかい」

2人は歩きながら話を始める

黒の戦闘服に防弾プレートを着けたシュウはまず装備の紹介から始めた

「持って行く装備はHK417、ゲパードGM6リンクス、イサカM37のショートバレル、トーラス・レイジングブルだ。あとはナイフ、破片手榴弾だな」

「あれ?この前はトーラスなんたらは持って行く装備に無かったよね?」

「ああ。ハンドガンは種類を変えた。信頼性のある方に変えたんだ。だが使い慣れているから問題無い」

装備の紹介が終わる頃にはビルのすぐ近くに来ていた

「前回の大会でプロチームが使っていたラペリングを覚えてるか?」

「壁の外壁をロープで降りるやつだよね?」

「そうだ。俺も一応出来る事を知っておいてくれ」

「スキルとして出来るの?」

「いや、これは本人の能力で出来るからスキルで出来る物より早い。少し待っていてくれ」

シュウはレンを下に置いてビルの屋上に登るとロープを垂らして滑り降りた

レンから見てもとても早く、プロチームよりも早いかもしれない

「凄いね、便利そう」

「やるのは結構大変だがな。あとはライン無し狙撃も出来る」

「エムさんと同じって事?」

「そうだな、ピトフーイも出来る。これに関しては出来る奴が限られるから大きなアドバンテージだ。日本で銃、それもライフルクラスの物を扱う職業は限られているから出来る奴が少ないのも仕方無い」

「シュウさんはどうやって身に付けたの?」

「俺はゲームでの練習と海外での実弾射撃で身に付けた。アメリカやヨーロッパ、ロシアなんかだな。大抵これが出来る奴ってのは海外で実弾射撃をしているか猟師とか一部の自衛隊員とかに限られてくる」

「一部の自衛隊員?自衛隊員って銃使うからみんな出来るんじゃないの?」

「P90を使ってスナイパーライフルの狙い方を習得出来るか?」

「出来ない......あ、そっか!」

「自衛隊もだが軍隊は全員が全員、スナイパーとしての訓練を受けてる訳じゃない。スナイパーならそりゃ出来なきゃ困る訳だが普通の兵士がスナイパーライフルで遠距離の敵を外しても大きな問題にはならんからな」

基本的に話したい事を話し終わったシュウは近くの岩に腰掛けた

「何か質問はあるか?」

「シュウさんはピトさんと知り合いなの?」

「ああ.....あいつは俺の元一番弟子だ。だから俺が出来る事の7割くらいはあいつも出来る。あいつは武器無しで戦える数少ないプレイヤーの1人だから、素手でも絶対に油断するなよ」

「素手で?」

「そう。このゲームは高い所からの落下ダメージとかリアルに作られてるが、それは打撃ダメージも例外じゃない。頭を掴んで顔面を岩に何度も叩き付ければそのうちHPはゼロになるだろうな」

「ひえぇ....恐ろしいね」

「てな訳でだ、これから仮想敵を呼び出して近接戦闘をやってみるからな」

そう言いながら手を振ってウインドウを開き仮想敵を3人呼び出す

これは貸し切りフィールドならではであり、戦闘訓練が出来るようになっている

呼び出された3人は早速シュウに襲いかかったが、特に慌てる様子もなく対応した

「突っ込んで来てる奴は膝蹴りで体を起き上がらせて首を掴んで撫でるようにナイフを一回ししろ。もし警戒して突っ込まないようならナイフを投げ付けるのも良いだろう」

そう言いながら実践しているため残りは1人

「もしなら首を思いっ切り捻れ。骨が折れて良くて大ダメージだ」

ゴキッ!!と鈍い音を立てて崩れ落ちる1人

「な?素手で殺れるだろ?」

「そ、そうだね.....」

「当日は頼むぞ、レン」

SJ2当日まで、もう間も無い




いかがでしたか?
感想待ってます
それではこの辺で


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大会開始!(戦闘があるとは言ってない)

お待たせしました!
全然更新せずに申し訳ないです
それではどうぞ!


「シュウ〜何か他に必要な物あったっけ〜?」

「ねぇぞ。サンキュ〜カイ」

「いえいえ〜どういたしまして!僕も酒場で見てるから頑張ってね!」

「そうなんか?じゃあ一緒に行くか?」

「そうするよ」

SJ2当日のカイの武器屋では、大会のかなり前から2人が持ち込む物の最終確認をしていた

全てをストレージへと詰め込むと大会の待合室になっている酒場へと2人で向かう

大会まで時間がある為、参加者も観覧者もほとんど居なかった

貸し切り部屋へと入る2人

「シュウ、何飲む?」

「ん〜、カイの奢りで」

「リョーかい!」

2人はしばらくそれぞれのお気に入りを片手に今日の事を談笑していた

大会に参加するチームが少しずつ集まり始めた頃、シュウは酒場に見知った顔を見つけた

「お、デヴィッドじゃねーか。カイ、ちょっと挨拶に行ってくる」

貸し切り部屋から出るとMMTMの元へ向かう

近付くと気付いたリーダーが軽く会釈してきた

「よう、元気か?デヴィッド」

「シュウさんこそ、準備万全の様で」

「当たり前だ。今日はよろしくな。早々に当たっても容赦しねぇぞ」

「そんな事は承知ですよ」

笑って部屋に戻ろうとする

が、キリト達が入って来たのでそっちに挨拶に行った

「調子は?アファシス」

「絶好調なのです!マスター!」

「そりゃ良かった」

近寄って来たアファシスの頭をわしゃわしゃ撫でながらキリト達にも声を掛ける

「お前らも準備出来てるか?」

「勿論。今日の為に色々準備したからな」

「シュウはちゃんとリンクス準備してるかしら?」

「教えられない〜、なんてな。ちゃんと準備してあるよ。スナイパー対決なら受けて立つぜ、シノン」

「あら、宣戦布告されたら逃がせないわよ?」

「元々逃げる気なんてねぇよ」

気付けば人が多くなった酒場

次に入って来たのはレンの今日のターゲットだった

「........来たか」

挨拶に行くのはまずい気もしたが、一応知り合いなので行く事にした

「この大会出るって聞いてたけど、私の所に挨拶に来るとは思ってなかったわ!」

「うるせぇ、こっちだって悩んで来てんだ。久しぶりに見たが何も変わってねぇ様だな、ピトフーイ」

ピトフーイとはかなりの期間会っていなかった

「そうかね?でも、今日はシュウが居るなら退屈せず済みそう!」

「安心しろ、今日の相手は俺じゃねぇ」

「シュウ以外に誰が居るっての?」

シュウが答えたのと2人のプレイヤーが酒場に飛び込んだのは同時だった

「凶暴なピンクのウサギ、だな」

ピトフーイは歪んだ笑みを浮かべ、シュウは背を向けカウンターで1杯頼み、グイッとグラスを傾けた

「よっしゃ、やるぞ」

そう1人で呟いた瞬間、姿は消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

準備用の空間に飛ばされた3人は早速準備を始めた

特にシュウは色々な武器の準備が必要で大変なのだ

「レン、来るの遅かったが大丈夫か?」

「あはは....フカが入る前にアイス食べてお腹壊しちゃったらしくて.....」

「いやー、申し訳ない」

「まぁ間に合ったからいいさ」

M417の初弾を装填し、トーラス・レイジングブルに.454カスール弾を入れて腰のホルスターに収める

更にいつも使っているM1911は身体の前にあるホルスターに

マルチカム迷彩のタクティカルベストにマガジンを収め、腰には複数の手榴弾がある

ヘルメットではなく黒一色のキャップを被り通信装置を耳に着けて準備完了である

「よし、準備完了だ」

「ねーねーシュウーこの大会終わったら海外に連れてってよー。実際に射撃してみたいー」

「ちょ、ちょっとフカ!?迷惑だよ!」

「別にいいぞ?ハワイあたりの射撃場でいいか?」

「ホントに!?よっしゃー!俄然やる気出てきた!」

「シュウさん、ホントに良いの?」

「ああ、3人で行こうぜ。P90もあるからな」

開始の時間を待つ3人

準備が多いシュウと言っても時間は十分、余る程であった

「レン」

「ん?どうしたの?シュウさん」

「お前の目的はピトだが........俺にも逃げられない奴らが居る」

「!」

シュウの言う逃げられない奴ら、もちろんシノン達のチームの話だ

だが、シノン達の話はレンとフカにはしていなかった

「シュウにもそんな相手が居るんだね〜。でも余裕でぶっ飛ばせるっしょ?」

「いや、正直言うと運だな。勝率は良くて6割って所だ」

「シュウさんでも勝率6割なんて相手が居るんだ......ちょっとどんな人達か気になるかも」

「大会終わったら紹介するよ。きっと仲良くなれるはずだ」

そんな話をしながらも417にスコープを取り付け覗き問題が無いことを確認する

流石のシュウでもジャベリンやRPG-7等のランチャー類は持ち込んでいない

シュウが持ち込んだのはM417、リンクスGM6、トーラス・レイジングブル、M1911A1、秘密兵器が一丁である

M37も持ち込む予定だったが、グレネードを撃ち落とす用に持つのは面倒と言う理由で外された

「そういえばシュウ、なんか秘密兵器あれば持って行くって言ってたじゃん?見つかった?」

「あったぞ。だから今回持って来てる」

「どんなの?」

「秘密兵器だからな。秘密にしとかないと楽しみがないだろ?」

「え〜、教えてよ〜」

「ヒントをやる。拳銃だ」

そんな話をしながら装備類の確認を終えれば開始まであと数分

シュウも初めての大会なのでどんな感じとか、どんな戦い方がいいとかは殆ど手探りの状況だ

前回大会の映像は見たが初回という事もあって戦術や作戦といった物は特には見られなかった

ただ、心配はない

「よし、正直前回大会は戦術をしっかり立てているチームなんてレン達やらアマゾネス、MMTMくらいでほぼ無かった。ただ、今回は第2回だしちゃんと作戦を立てているチームがあってもおかしくない」

「そうだね。シュウさんは作戦あるの?」

「そりゃあ何千プランとあるし、その中から最適な物を見つけるのも慣れてるが....それを覆す相手が1番面倒だ」

一息区切ってから続けた

「いつの時代、どんなゲーム、どんな大会にも1人はそういう奴が居る。だから、重要なのは作戦じゃない。」

「じゃあ、何が重要なの?」

「最適解に限りなく近い答えを見つける能力、実績に基づく判断、自己犠牲の信念だ」

転送までもう間もなく

「行くぞ!!」

声を残して3人は消えた




いかがでしたか?
これからも不定期更新ですので空き時間にサラッと目を通して頂けると幸いです
感想お待ちしてます
それではこの辺で


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