【Re.make】Infinite romance (デブデブデブりん)
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過去編
#1サマータイムレコード
ミ゛ー゛ン゛ミ゛ン゛ミ゛ン゛ミ゛ン゛ミ゛ン゛ミ゛ー゛
うなだれる様な暑さの中、これでもかとミンミンゼミが正にひと夏の思い出として夏を謳歌している夏真っ盛りのある日の昼下がり。
"チリンチリン♪"
家の軒下などに吊り下げて用いられ風によって音が鳴るような仕組みになっている小型の鐘鈴、風鈴が夏の痛い日差しや暑さを少しでも和らげようと健気にも少しの風で身を捩らせ大きく振り音を奏でている。しかし、その恩恵受けているであろう二人の男女には関係無く青菜に塩を良く表した光景であった。
「暑゛い゛よ゛ー゛!たっくぅーん。」
たっくん。本名、大和田達也。現在4歳、親は物理学者と数学者。特に取り柄というものが無いのが取り柄のごくごく普通の一般人。強いて述べるなら...
「
束姉ぇ。本名、篠ノ之束。現在13歳、「天才」の名を欲しいままにし、「天災」とまで称される女性。
..,逸般人の彼女に気に入られたその生まれ持ってしての強運の持ち主であったという事位だろう。しかし、その強運は逸般人に気に入られた所で使い果たしてしまったのか、はたまた凶運だったのか、彼のこの後の人生が一時の幸福はあれど、一般人のテンプレートな幸福なものでは無かったと書いておく。
「ねぇねぇ、たっくん。」
「なぁに、束姉ぇ?」
「たっくんの夢って何かなぁって。」
「僕の夢?」
「そうそう、たっくんの夢。」
「宇宙に行きたい!」
「宇宙?」
「うん!でね、宇宙行ってぇ〜それでね...」
「うんうん、それで?」
「泳ぎたい!」
「泳ぐ?」
「うん!」
こう、スゥイーッとと達也は一生懸命腕を動かしている。それを束は頭を撫でながら微笑んで聞いている。まるで仲睦まじい姉弟に見えるが、先述の通り単なる知り合いである。知り合いと言っても頭を撫でる少女、束が自身の妹と同じく甲斐甲斐しく世話を焼いた子なので弟と言っても過言では無いのかも知れない。
「じゃあ、私と一緒だね!」
「?」
達也は理解できていないのか、首を傾げている。
よっと
束が縁側から勢い良く飛ぶ。
タンッ
数秒滞空した後、重力に引かれ地へと戻ってくる。
クルッ
スカートが傘が開いた様にフワッとはためかせながら、身躯を達也の方へ約180度まわす。
「私もあの空高くにある大海原へ漕ぎ出すのが夢なんだよー!」
「これでね!!」
束の付けている至って平凡な腕時計lから光線が少し出るとザザザッと昔懐かしのブラウン管の画面の様に不鮮明ながらも映った画面が目の前に現れる。そこには、機械の設計図が描いてあるのが目に入る。
「これな〜に〜?」
先述の様に一般人それも4歳児にそれが分かるはずもない。ただ漠然と"凄いモノ"としか思い用が無い。
「これはねぇ〜...」
天災は口を三日月にした。
「
不鮮明な画面には小さく、『白騎士』と書いてあった。
諸行無常がこの世の掟、盛者必衰の鐘が鳴る
親は最っ高の存在だが、いつの日からか墓の中
流れ流れて大病院の集中治療室、出会いましたは一般人
調子っ外れのメロディーで奏でるセッション
『天国の扉』
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#2天国の扉
ブゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
3人乗っている車の中で警報音がなる。
「パパァ、ママァこのうるさいのなぁに?」
「警報音っていうのよ。大丈夫、安心していい子にしてるのよ。」
「うん、いい子にしてる。僕いい子だもん!」
「大丈夫なの、あなた?」
「ラジオを付けてくれ。後携帯で近くの避難場所を探して!」
子供が居るからか、心配させない様に小声で話す。
プルプルプルプルプル、プルプルプルプルプル、プルプルプルプルプル
「どうした!」
「束ちゃんからよ!何かしら?」
「今出なくていい、先に探してくれ!」
「わ.,.分かったわ!」
電話を無視して避難場所を探す。しかし、何度も何度もかかってくる。
「あなた、ごめんなさい。一度出るわ!」
そう母親は決心すると、電話に出た。
プルプルプルプルプル、プルプルプル...ガチャ
「どうしたの束ちゃん?そっちは大丈夫 ?」
「早くそこから離れ...」
ヒュゥゥゥゥ...ドーーーーーーン!!!!
車のボンネットに何かが落ち、突き刺さる。車はシーソーの様に跳ね上がり、再び地に戻る。
プシュゥゥと普通の車だと鳴らないような音、腐った玉ねぎの様な臭い、コンクリートにポト...ポトと落ちるオレンジ色の液体。
プシュゥゥという音がやむ、異様な臭いが辺りを包だし、辺りがオレンジ色の水たまりになり始めた時3人の乗った車は爆散した。
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「
「分かった。これよりこの事故を事件として取り扱う。捜査本部をここに立ち上げる。」
「はい!!!」
「ちょっと、待ってください!」
「本庁より通達、この事故に事件性が無いため、事故として扱えとの事です。」
「何だと、それは本当に言っているのか?1人残された子供はどうなるんだ!明らかに事故じゃないだろ!いつから本庁は政府の犬になった!!」
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病院の
ピ.ピ.ピ...
規則正しいリズムで心電計が音を出す。
「大丈夫何ですか?彼。」
「一応、峠を越えたが…」
「彼の両親の事ですか...」
「まだ、子供だ。本当の事を言ってどうなるか?私は精神科医じゃないから理解しかねる。それに、彼に対してだけど内閣府のお役人から何も話すな、他人に漏らすな、だと。後日彼が起きたら連絡をと言ってきたよ。あー怖い。」
全身を包帯で巻かれた少年を前に白衣を着た男女が話をする。
あたふたと新たに看護師が入って来る。
「す...すいませーん!院長。」
「何事かね?ここにはその様な入り方は駄目だと言ったはずだが。」
「はぁはぁー。そんな事よりも篠ノ之束が来てます!何でも『たっくんを出せー!』『たっくんに会わせろー!』といt...」
「それは本当か?ここに運び入れられたのは、秘密の筈だぞ!」
普通はうるさくしてはいけない筈の場所だが、声を荒げる。
「まぁいい。適当な理由付けて帰らせろ。」
「いえ、院長。もう来てます...」
「!?」
「ぜーはーぜーはー...おい、院長!たっくんは大丈夫何だろーなぁ?あ?」
「落ち着いて、落ち着いて、リラックス、リラックス。彼についてだけどぉ...一応峠は越えたよ。本当に良かった...本当に...」
「良かったぁ〜」
「だけどねぇ...」
「だけど?」
「両足は爆発により欠損、左目にはガラスが勢いよく突き刺さっていて失明。後、顔以外の全て火傷これで良かったと言って良いのか、悪いのやら...」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁぁぁぁぁっ!」
医師の口から発せられる一言一言が篠ノ之束にとっては信じられない、信じたくないものであった。
少女が1人泣き崩れる。
「束さん...だったかな、例のミサイルハッキング事件の時君の作ったインフィニット・ストラトスが大活躍らしいじゃないか?じゃあ、君のその技術力で彼を救っては貰えないだろうか。彼には義眼と義足が必要になる、後...親になれとは言わないが出来れば彼に対して親切にして欲しい。この年で家族全員居ないのはきついだろう。」
泣き崩れる少女に目線を合わせるようにしゃがみながら言う。
「ぐすっ...分かったぁ...束さん頑張る...」
目を擦り、涙を堪えているのか上を向きながら静かに病棟を出ていく。
「良かったんですか?彼女」
「ん?なんの事だい?」
「今回の事ですよ〜さっき言ってたじゃないですか、秘密と。」
「あ、そうだった...どうしよ?」
今、気づいたのか院長と呼ばれていた白衣の男は肩を落とす。
「まぁ、いいじゃない。私達しか居ないんだし...」
「それにあれだよ、あれ。年収3580万円の方々なんていっつもこんな事やってるだろ。席に着いたら寝るか記憶が吹っ飛ぶ奴らしかいないんだし、そういう奴らがやってOKで私達がやってダメな訳無いだろ。」
「反面教師としてだけでなく、あの方々が使い物になるなんて初めて知りました。」
「ではこの件は内密に。」
「ああ。一応チームの人達には機密事項と伝えておいてくれ。」
「はい。」
そして翌日、病院には匿名で義眼と義足が達也宛に届いていた。
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カ゛タ゛ン゛コ゛ト゛ン゛
電車とレールのデュオが色々な音が行き交う中で響かせている。
この電車は日本では少ない数席ごとに仕切板などで区切った形式の座席である、コンパートメント席が採用され、4席で1つの個室になっている。その個室1つ1つには首に引っかき傷と縄の後のある青年、雨に濡れたのか身体中びしょ濡れの女性、何か嫌な事でもあったのだろう全員が顔を顰めている白人の家族、外国人だと思われる褐色の老人、色々な人種に老若男女が座っている。
ある1つのコンパートメント席に黄色人種の子共1名大人2名が座っている。ごくごく普通の平凡な家族だろう。父、母と思われる大人2名はお互いの手を握りあっている。しかし、その顔はプールに入った後の様に青ざめ精巧な人形みたくまるで、
「切符を拝見いたします。」
しかし、この電車旅はある人物の登場で幕引きとなった。
オーケストラなどの「指揮者」を表す“conductor”という英単語。実は、まだ意味がある。まさに「列車を導く存在」の『車掌』である。
近年、都心部を走る列車は安全確認設備が整っており、運転士のみの「ワンマン運転」となっている車両も増え、車内を巡回する車掌を見かける機会は減少している。
だが、この列車はE6系等の最新の列車ではなく、D51の様な古き良き汽車と言った方が良い代物である。
従って、車掌という者がおり、今この車両の行い始めるのも可笑しいものでは無い。
こつっこつっ
少年はそんな物持っていない。気づいたら、
少年はもしかしたら、無くしたら行けないからと両親が自分のも持っているのであろうと思うようにした。
車掌は遂に自分の所までやって来た。
何故だか分からなかったが、顔は見る事が出来なかった。影の関係であろう帽子のしたは真っ黒だった。
親は切符を差し出す、
少年は何故自分のを出さないのか、不思議に思った。
「あれ、たっくんは持っていないの?」
少年の母親は不思議に思ったのか、切符の所在を聞いてくる。
「そんなもん知らない!お母さんが持ってくれてるんじゃないの?」
何故か、少年の父・母はそうか良かった、と涙を流している。その後抱き締められる。
離したくないのか、強く強く抱き締める。
少年の肩辺りは濡れていた。
それを見ていたのか、聞いていたのか分からないが、同じ車両内の人種問わず全ての人が泣いていた。
少年の耳には、親の泣いている声しか入ってこないでいた。
突然だが、少年は自分の身体に違和感を感じた。水の中にいるみたいに体が軽くなった気がした。
親も気付いたのか、より一層強く抱き締めた。本能的な部分で今離すともう一生会えない、と。
自分の愛しの愛息子が痛いよ、と言ってはいるが離したくない。
しかし、別れとは必ず来るものである。少年は消えかかっていた。
「お父さんとお母さんと一緒にいる!」
「離れたくない!」
「いや、お別れだ。」
「強く生き、俺達の分まで生きろ達也!」
「達也、ちゃんとご飯食べるのよ。後、友達は大切に。後...」
「葵。」
「そうね。私達の分まで強く生きてね。約束よ!」
「いやだ!離れたくない!」
「1人は嫌だ!!」
「置いてかないで!」
「独りにしないで!」
「「さよなら、愛しの
少年は列車から完全な消えた。
事の顛末を見終わった車掌は再び切符を拝見します、と機械の様に繰り返し始めた。
彼は後にこの摩訶不思議なやり取りについて
「あれの終着駅こそがあの世かもしれない。まぁ、あん時のキセル乗車の罰則が今のクソッタレな人生かと思うと案外良い物だ。」
と冗談めかして言っている。
インフィニット・ストラトスは現代兵器に勝つ
だがそれは全ての始まりに過ぎなかった
全てから逃げる達也
院長の傲慢は、自分が彼を救おうと決心させる
次回、『見知らぬ、天井』
この次も、サービス、サービスゥ!
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設定
設定
設定なので飛ばして貰っても大丈夫です。
(単にオリ主の声が赤タイツのサイコガン野郎でISが完全ガンダムでミノフスキー粒子の代わりにコジマなだけ...)
声-
本作の主人公。IS学園の1年3組に所属。クラス代表。
5月3日生まれ。身長は176cm。血液型はO型。織斑一夏と同じ世界で唯一の男性操縦者。世界的には一夏の方が先に見つかったとされるが実際は達也の方が先である。IS学園へ入るきっかけは一夏の間違ってISに触り起動させた為、日本だけでなく世界中で行われた男性のIS適性検査でバレたからである。
小学校1年生の時のある出来事により両足と左眼を負傷し、現在義足と義眼にしている。また、その時喉を火傷した為声が低くもなってしまった。。しかしあまり気にしておらず「ジョン・マクレーンの声真似が出来る!」と喜んでいる。
篠ノ之束と仲が良いが、天才でも何でもなくただの一般人である。なので、何かを作る際は義眼から送られる製造方法を元にマニュアル通りに行い初めて完成する。
メンタル面もごくごく一般人並。
専用ISは「デウス・エクス・マキナ」⇒「第二形態・マルドゥク」⇒「第三形態・ウラノス」。IS適性は「S+」。
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IS情報
「デウス・エクス・マキナ」
大和田達也の専用機。機体の全てを構成するのはナノマシンである。その為、登場者をISのコアへと収納する。
また、普通のISに比べ容量が大きい為数多くの武器とIS用アーマーが入っている。
「第二形態・マルドゥク」
「デウス・エクス・マキナ」と違い、ナノマシンがPS装甲を持つ。それにより実弾の無効化に成功した。しかしPS装甲の関係上多くのエネルギーを消費する為長時間の戦闘は不得手。
「第三形態・ウラノス」
「第二形態・マルドゥク」の欠点であった長時間戦闘を核融合炉を詰め込む事で可能とした。また、核融合炉から新たなる物質が排出されているのが分かった。
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世界観
既存のISの世界観の中にこの現実にある物がある程度はある状態。なので原作の開始時期前までは現実の日本と同じになっている。その為、2ch(現在5ch)・ニコニコ動画・Twitter・Instagram・etc...色々な物が存在している。主人公の大和田達也もYouTubeとニコニコ動画をよく使っている。織斑一夏・セシリア・オルコットとの模擬戦では実況プレイと称しニコニコ動画とYouTubeを使った。
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原作突入
【新章突入】IS学園入学
突然だが、
諸君 私はロボが好きだ
諸君 私はロボが好きだ
諸君 私はロボが大好きだ
アーマードコアが好きだ
ガンダムが好きだ
ボトムズが好きだ
革命機ヴァルヴレイヴが好きだ
Robotics;Notesが好きだ
スカイガールズが好きだ
マクロスが好きだ
アルドノア・ゼロが好きだ
アニメで ゲームで
ラノベで 小説で
SSで MMDで
現実で
この地上で行われるありとあらゆる
戦列をならべた砲兵の一斉発射が轟音と共に敵陣を吹き飛ばすのが好きだ
空中高く放り上げられた敵兵が効力射でばらばらになった時など心がおどる
傭兵の操るACの
悲鳴を上げて燃えさかる戦車から飛び出してきた敵兵をアーマード・トルーパーでなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった
銃剣先をそろえたMS兵の横隊が敵の戦列を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の新兵が既に息絶えた敵兵を何度も何度も刺突している様など感動すら覚える。
哀れな
BETAの
必死に守るはずだった村々が蹂躙され女子供が殺されていく様はとてもとても悲しいものだ
英米の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
ヴァース帝国
諸君 私は闘争を地獄の様な闘争を望んでいる
諸君 私と同じ
君達は一体何を望んでいる?
更なる闘争を望むか?
情け容赦のない糞の様な闘争を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の
よろしい ならば闘争だ
.......一年間よろしくお願いします、
(いや、自己紹介かよぉぉぉ!!!!!)
IS学園1年3組の担任含め生徒全員がツッコミを入れた。
心の中でだが。
(織斑君と同じクラスが良かったなぁ…)
眼帯を付け、拘束衣を着て車椅子に乗っている少年のとてつもなく長く「クリーク。クリーク。クリーク。」と言いたくなる自己紹介のせいで1番大切なことが後回しになったのは仕方が無いだろう。
その時、1年1組においても
その後、学園での最初の1日が過ぎ去っていくであった。
#2『IS学園』
更識家の手を逃れた大和田を待っていたのはまた、地獄だった。破壊の跡に棲みついた欲望と暴力。インフィニット・ストラトスが生み出した、ソドムの学園。悪徳と野心、退廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたここは、日本のIS学園。
次回、『IS学園』。次回も、大和田と地獄に付き合ってもらう。
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#2IS学園
『IS学園』
それはアラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。また、学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、それゆえに他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されている。ただしこの規約は半ば有名無実化しており、全く干渉されないわけではないというのが実情である。
敷地内にはIS訓練用のアリーナのほか、2人1部屋の学生寮や食堂、大浴場も設けられている。
しかし、
そして、唯一の男子である達也は違う意味で名前も顔も知られている。
大和田達也が起こした、正確にはそう陥れられた空前絶後の大事件、『篠ノ之束誘拐事件』。普通であれば、少年法 第六十一条により守られ、報道規制がされる筈のものではあったが、何故かその様なモノは無かったとでも言うのか、テレビ・ネット・週刊誌・etc...メディアというメディアが大和田達也13歳中学一年生を非難した。
その甲斐あってか達也の周りには誰も近づかないでいた。休み時間はもう1人のイレギュラーであり、幼馴染でもある織斑一夏の所へと仲良く全員で行ったり、皆で昼食を食べに行ったりしていた。つまり、共通の敵を作り団結するという1番手っ取り早い方法で仲良くなったのである。
達也は心理学というモノはあながち間違っていない、と思っていた。
春の暖かい日差しの中、IS学園2日目の放課後が訪れた。学園のハイレベルな授業が終わりを迎え、ある者はそのまま寮へ、ままたあ者は部活へと足を運んでいく。
しかし、達也にとって2日目にして来て欲しくないものであり、耐え難い苦痛なものであった。
そんな苦痛から逃れたいのか、頭を机の上に置き目をつぶり眠り始めた。
だが、そうは問屋が卸さないのか、目をつぶり始めて約30分。人間が本格的な眠りへと移行する位の時間ぎりぎりでいい事等1つもない悲しき現実に引き戻される。頭が痛いことから眼前の水色髪の女子とその両隣りのさながらマトリックスから出てきた様な黒スーツの男に起こされたのだと推測する。
「あら、やっと起きたの。犯罪者の癖してお姉さんを待たせるなんて、感心しないわね。」
「い...いや、そういう訳では...」
「え〜なんだって〜?お姉さん聞こえ無いなぁ!え?」
「...いえ...待たせてしまい申し訳ございませんでした。」
「よろしい。」
「当主様、この男小学一年生で親二人亡くしていますから、礼儀作法を知らないのは当たり前ですよ。」
「それもそうね。はははははは。」
もう誰も居らず、4人だけとなった教室に笑い声だけが、響く。
自身への罵声に内心はらわた煮えくり返りながら、顔だけは笑顔を作る。
2年半もこの様に罵られてきた結果達也が身につけた人との接し方である。心の中では相手への復讐方法を考えながら。
「今から君を寮へと移送するから。不自然な行動を起こさないように、まぁそんな身なりじゃ出来ないか。はははははは。」
「委細了解しました。」
「いい返事ね」
お前の方がマナーを知らないじゃないか、と思いながらついて行く。
先述の通り、達也にも3年間の寮生活が待っている。一夏には1025号室、達也には
職員室横のエレベーターに乗り込む。地下三階を表すボタンが黄色く光る。そしてエレベーターが動き出し下へ下へと進み、停止した。ティンとエレベーターに乗った事がある人なら分かる、特徴的な音が鳴り扉が開く。どうやら、目的の地下三階に着いたらしい。
辺りは薄暗いが等間隔に設置された電灯が壁と足元を照らしていた。
達也は拘束衣で拘束されている為動かす事のできない車椅子を黒スーツの1人に押してもらいながら、B3001へと向かう。
「さぁ着いたわよ。あなたの部屋に、はははははは。」
着いた部屋の扉には、紙で『B3001』と付けらていた。
部屋へと入るとそこは壁も床も天井も灰色1色で統一されていた。
土木用建築素材として用いられるセメントに砂と砂利などの骨材と水を適当な割合で混ぜ,こねて固めたコンクリートで全て構成され、家具は4,990円のスーパーエコノミーテーブル1つと4,578円のシングルサイズのパイプベッドのみの極めてシンプルな作りになっていた。
白い拘束衣からも解放され、義足の着用も許可され車椅子からも解放された。
しかし、義足に履き替え地に足つけるかと思いきやベッドにうつ伏せに倒れていった。
「もう疲れた…、…嫌だよ…こんなの…」
部屋にたった一人でいる少年は伏せているベッドを涙で濡らしていた。
母さん。僕は今、IS学園に来ています。
まるで生まれ変わったかのように清々しい気分です。と思いたいです。
学園では昔馴染みも見つかって気力十分。と思いたいです。
何より僕にはなんと篠ノ之束が付いているんです。
だから何も心配しないでください。
大丈夫……大丈夫……多分……
#3一般人は貴族と踊る
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#3一般人は貴族と踊る
今回と次回は主人公はっちゃけます!
一夏とセシリアボッコボコです。
IS学園は基本的に女子校である。しかし、今日4月18日だけは違っていた。今日だけは報道陣の入場が許され撮影の一切を許可したからである。理由は2人の
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これから模擬戦を行うアリーナの中央に全身緑色で関節部分が黒のボディアーマーとシールド部分が金色であとはボディアーマーと大差ない緑色のフルフェイスヘルメットを纏った人物がいた。
今回の模擬戦の主役の一人、大和田達也であった。まだ開始まで45分と時間はかなりあった。
バスケットボール大の球体の前で少し走ったり、ジャンプをしたりと準備運動をしていると2人の生徒と黒いスーツを着た教師らしき人物が声をかけてきた。
「あ...え...と千冬さん!?お...お久しぶりです。」
「更識さんは昨日以来で、布仏さんもえぇ...と中学以来か!いやぁ久しぶり!!元気だった?」
織斑千冬、布仏本音、更識簪の3人で織斑千冬とは篠ノ之束が縁で知り合った仲であり、布仏・更識とは同じ中学に通い、遊んでいた友達である、途中迄であるが...
「久しぶりだな、達也。」
「久しぶりぃー、たーやん。」
「昨日ぶり、大和田君。」
挨拶が済むと、簪から質問が飛んできた。
「昨日作ってたのって、これ?」
「そうそう自分用ISスーツ。これで今回出るんだぁ。」
「あとこれは...」
「第1試合は、1年1組イギリス代表候補生セシリア・オルコットさんと1年3組
「両者共にアリーナ中央に集まり下さい。繰り返します……」
アリーナに設置された数台のスピーカーから集合の指示が流れる。
「あ...ごめん。呼ばれたから行ってきます。」
「あぁ、私も行こう。」
「頑張ってね〜たーやん!」
「頑張って!応援してる。」
アリーナの比較的上層部に設置されたIS搬入口へと赴き、ISを受け取り、装着し、アリーナへ飛び立った。
「ラファールリヴァイブ、行くぜ マッハで蜂の巣にしてやんよ。」
「ブルーティアーズ、出ますわ。」
IS用の搬入口から1機の青いISが優雅に出てくる。
『ブルーティアーズ』。イギリスの第三世代ISで射撃を主体とした機体となっている。優雅さを形にした様な美しくまとまった機体であるのだが、
「あら、貴方が私のダンスの最初のお相手ですの?まぁまぁまぁ!貴方イギリス人の私に対してフランス産で挑みますの。いいでしょう、ここを第二のトラファルガーにしてあげましょう。」
彼女のその
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ 発情期ですかコノヤロー」
達也は腕を後ろへと持っていく。
「なっ!この
「おいおいおい、それが
背中で隠しながら、拡張領域より
「私はイギリス代表候補生。貴方に負けるなんてことは貴方が神にでも己の人生全て賭けない限り勝つ事は無理ですわ!そう、絶対に!」
「神か……最初に罪を考え出したつまらん男さ。...よぅし神の事を教えてやる。奴は史上最低の出来損ないだよ!ただ、宣伝が上手いだけだ。
いい事があれば神の意志、悪い事があればそれにも何かの意味付けをする。
中でもあの、聖書とかいうバカ売れのベストセラー、中身は自分の宣伝ばかりだ。」
「貴方私の主をばかにしますの。」
「いいや。だが、もしもこの世に神様がいるのなら、一つ願いたい。すべての自由を阻害する者たちに、天罰の下らんことを。」
そう言い終わると、先程から用意をしていた重機関銃のけたたましい発射音が模擬戦最初の演奏になった。
「戦いのしかたを知ってる?・・・」
Budda budda budda
Yippie ki-yay ... mother fucker!
「キャーッ!!」
「・・・先制攻撃なんなんだよ!」
達也からの奇襲にセシリアは対応出来ず被弾する。しかし、と言うべきかやはりと言うべきか即座に体勢を立て直しレーザーライフル『スターライトmkIII』で射撃してくる。しかし、それはアリーナの壁に当たった。
「セシリアさんよ、レーザーライフルは心で撃つもんなんだぜ。」
「いちいち癪に障る方ですね!」
ドゥシューン ドゥシューン
「目に頼り過ぎなんだよ。カメレオンじゃねんだ!そうあちこち見えねえのさ!」
「大人しく当たりなさい!」
右へ左へそして上へ下へ
光線を避けるためにスラスターを吹かせて移動していく。
銃火のセッションが始まった。
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パラパラパラパラ...
ヘリコプター特有の音が段々近づいて来ている。しかし、IS学園の周りは学園関係者以外は飛行禁止空域となっている。今日も特例で撮影許可が学園ではおりて入るが、学園上空からの撮影はドローン以外は禁止という事になっており、ヘリコプターなど飛んでない筈なのである。だが、段々音は大きくなって行く。近づいている証拠である。しかし、それに気づく者はいない。誰もが模擬戦に熱中していた。
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最初の奇襲後は全然と言っていいほど攻撃が当たる気配のない達也はセシリアに押され始めていた。これが地力の差なのだろうか。
Budda budda budda
ドゥシューン
「早く負けを認めなさったら?」
「こう見えて...男なんでね...クソッ負けられないんだよ!」
Budda budda budda...カチッカチッ
「なっ弾切れ!クソッリロード!」
ドゥシューン
Bang!
「うわぁぁぁ」
残弾数を確認せず、撃ち続けたことで弾切れになる。リロードをしようと拡張領域からマガジンを出す為に1度止まってしまう、それが運の尽きであった。重機関銃を撃ち抜かれ爆散する。幸いにも手から離したため腕部の損傷は軽微で済んだ。
しかし、
ドゥシューン
Bang!
「メインブースターがイカれただと!」
2発目でメインブースターを撃たれ爆発を起こし、重力にたぐい寄せられるが如く地上へ落下していった。
銃を使ったセッションは1人の唐突な演奏中止によって幕を閉じた。
だが、演奏会にも2部というものがあるように、この模擬戦もこれだけでは終わらない。
パラパラパラパラ...
「ちょうどよかった。やっと俺の専用機が来たぜ。」
「何かと思えば...単なるヘリコプターですわよ。はぁ、フランス人でももっとマシなジョークを言えましてよ。」
達也が専用機と言い張る物は、全長21.50m、全高6.5m 、翼長6.66m巡航速度270km/hのMi-24 。NATOコードネーム
「フランス産の次は型遅れも甚だしいソ連産軍用ヘリ。まだ戦車の方を出した方がジョークの出来としては面白かったですよ。」
「セシリア...さんだっけ?為になる事を教えてあげよう。かのイギリスの有名な劇作家ウィリアム・シェイクスピアはこう言った
『慢心は人間の最大の敵だ。』と。」
何の疑いもなく信じていた日常は一瞬の内に崩れ去った
炎に包まれる見慣れたアリーナ
立ち上がる黒い巨体
銃火で相見えたた達也と一夏は何を思うのか
次回、【Re.make】Infinite romance『その名は
戦火の大地に、降臨せよ!デウス・エクス・マキナ!
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