「ねずみさん」でヤンデレをどうにかしたかった (スーパー1)
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1話
そして他の小説停止しているのに俺はいったい何を…
いきなりだが、自分は転生者という存在だ。
待ってくれ。傍から見れば中二病か頭のおかしい人かと思うだろうが待ってくれ。ブラウザバックも「閉じる」も待って。
よし、そうだ。そのまま自分の話を聞いてくれ。その「何こいつ、必死すぎワロスwww」みたいな目は無視して始めるよ。ブラウザバック云々は触れないように。いいね?
改めて説明するが、自分は「前世を覚えている」人間だ。よくある転生物の主人公とかのようにな。
ああ、この世界が漫画やアニメの世界なのかは自分は知らん。どちらも前世では好きな方だったが、基本的にはメジャーなものばかりだったからな。マイナーな作品だと自分はわからないんだ。
ん?「そういうのは神に会って転生特典なりを貰ったり転生先を選べるものじゃないのか」だって?
いや、神には会って無いんだ。紙はあったけど。いや洒落ではなく本当に。
その紙には「ここに欲しい能力を一つ書け。」というメモとペンが付けられていたんだ。本当にそれだけだった。手紙通りに書かせてもらったが。
「どういう能力にしたのか」だって?たいした能力じゃないよ。やってること自体は壮大だけど。
簡単にいうと、「百通りの未来をシミュレートして、そのうち一つを現実にする」能力だ。確かその漫画では「
え、チートじゃないかって?日常生活ではそうでもない。実際使いどころがあるかと言われるとそれこそ普通はあまりない。
この能力の元々の使い手も言ってたけど、普通に生活する分にはせいぜいじゃんけんとかにしか使えないし。俺は登下校の時とかにも使ってるけど。
それに結構頭を使うからな。今も割と眠い。純粋に睡眠不足なのもあるけど。
うん?ああ、その睡眠不足関係で相談をしようとしていたんだったっけ。悪かったって。ほらまだコーヒーもケーキも頼んでいいから。
で、その相談なんだけど…
彼女がヤンデレだったんだけど、どうすればいい?
待って、「お幸せに、アデュー」じゃないよ。せめて帰るんだったらコーヒーとケーキの代金払っていけよ。お前の中学時代のポエム学校で音読するぞ。
よし、それでいい。で、話の続きだ。
彼女はまあ普段はまともなんだよ。俺がらみじゃなきゃクラスでも結構仲のいい人が多いクラスの中心的な存在というか…
けど、俺が女子と話してるところを見るとな、後で詰め寄ってくるんだ。「あの人とはどういう関係?」「まさか浮気じゃないよね?」って。
ハイライトが消えた目で。
当然だけど俺は浮気なんぞする気はないさ。ヤンデレとか言ってるけど好きなことに変わりはないし。でもなぁ…
ん?ああ、そうだ。俺が危惧してるのは「俺ではなく他の誰かに危害を向けてしまう」可能性だよ。
わずかにだけどその兆候も出かかってる感じがするし。
まあ本当に少しなんだけどな。俺と話してる女子を見る目にほんの少し殺意が出かかってるレベル。
極論どこかの田舎で自給自足という手もあるんだけどな。…なんだその「お前もか」って目は。
というわけでな、あいつと仲がいい
にもそれを防ぐための協力を…
ん?どうしたんだ、そんな青い顔をして。
後ろ?後ろに何が___
ザクッ
「浮気しないって いったのに」
あ、
視界が
暗く
…っは!
ここは…家か。時間も戻ってるってことは…
あいつに後ろから刺殺されたってことか。はぁ…
嫌な予感がしたから能力を使ったが、正解だったな。
あいつの友人にも一応伝えておこうと相談の体で会いに行ったのはダメだったな、うん。
大人しく帰りを待った方がいいかな、これは。
しかしもう手遅れなレベルだったとは…いや、女子とカフェで二人きりというのが決定的なきっかけだったのか?
まあいいや、家事を片付けておこう。
しかし、この生活も悪くないんだよな。外にはそうそう出れなくなったけど、さして困ることもないし。
前まではあいつのヤンデレに悩んでたけど吹っ切れたからどうということはない。
友人たちに話してみたら「それ同棲どころか半監禁状態だろ」と言われたが…
自分達が満足してるなら、例えそれでもいいだろう?
蛇足(という名の本編に入れられなかった設定)
主人公は前世・今世ともに家族を早くに失っており、「大切な人を失いたくない」という渇望を抱えている。一言でいうと主人公も若干ヤンデレ入ってる。
登下校で「ねずみさん」を使っているのは彼女が何らかの要因で死んでしまうのを防ぐため。
彼女は主人公が気付かなかっただけでとっくに手遅れなレベル。
話を盗み聞きした結果「浮気」「ヤンデレ」というアウトなフレーズのみを聞いてしまい勘違いという感じ。
友人がすんなり能力云々を信じたのは「ねずみさん」で彼女が死んでしまう未来を回避するために「~は今日は通るな」という発言をたびたび聞いていたから。
また、ラノベ大好きだからというのもわずかにある。
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