東方魂愛想 (ミズヤ)
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プロローグ 第1話 不良だと思われて

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 新作アンケの結果が圧倒的に妖夢が一番だったので妖夢ヒロインの作品を書いていきます。投票率100%でした。

 と言う事で今回から新作、東方魂愛想をやっていきたいと思います。

 では、第1話と言う事で今回はプロローグで次回から本格的に物語が進行します。

 それではどうぞ!


 スタスタスタ…俺は極々普通に学校の廊下を歩く。

 

 壁には色々なポスターが張ってある。

 

 それらも流し見しながら俺は廊下を歩いている。

 

 しかし、俺はそんなことよりも気になることがあった。それはすれ違う人の鋭い視線だ。

 

 俺が一度(ひとたび)、人だかりに行けば賑わっていたものもシーンと静まり返り、俺の周りから誰一人として居なくなるのだ。

 

 そして俺はふと窓を見る。そこには俺の姿が鮮明に写し出されていた。

 

 制服は皆と同じ黒色のブレザーに白のシャツ、黒いズボンだ。

 

 しかし俺には他の人と、一つ異なる…があった。

 

 それは…

 

「やっぱ、この髪の色が原因かな…」

 

 そう。俺の髪の色は他とは違う色なのだ。もっと詳しく言うのなら他の人は黒髪なのに俺だけ銀髪なのだ。

 

 そのため入学するのに苦労した。

 

 なんせこの色は染めているわけではなく『地毛』なのだからしょうがない…説明すればそう言うことも出来るかも知れないが、初対面だとやはり勘違いされる。

 

 不良(・・)だと

 

 俺が道を聞くために道のど真ん中で声をかけると、その声をかけられた人はおそれ、一目散に逃げていく。それに加えて通報する人も少々いる。そのため、一般市民のなかでは一番警察署に連れていかれた回数が多いのでは無いだろうか?

 

 う、そんな一番はちっとも嬉しくない…

 

 そのため俺はなるべく他人と関わらないようにした。つまりボッチだ。

 

 つまり言うとだな。俺はこの髪の色が嫌いだ。と言う事だ。

 

 俺は教室ではいつも隅で本を読んで片身の狭い思いをしている。

 

 そんな俺でも唯一の友達は居るんだ。

 

「よう!裕太(ゆうた)。まーた勘違いされてんのか」

 

 こいつの名前は時雨(しぐれ) 京哉(きょうや)。俺の幼馴染みで俺の事をよく知っているからこいつは髪の事も知っている。

 

 こいつが唯一の心を許せる親友ってことだ。

 

 俺はこいつには感謝している。とても…だってこいつのお陰で真の意味のボッチにならずに済んだのだから。

 

「ああ、そうなんだよ…やっぱ黒に染めるべきかな…」

 

「別にお前のその銀髪、綺麗で俺は良いと思うんだがな」

 

 と、京哉は俺の髪色の事を誉めてくれる。嬉しい限りだ。他の人には不良だと思われて相手にされなかった髪だからな。

 

「そんなことねーって…」

 

 心のなかでは喜んでも口では否定してしまう…我ながらひねくれているな…

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 この世は不平等だ。

 

 こんな髪色なだけで差別が起こるほど深刻だ。

 

 俺の家系の話をしよう。

 

 俺、空頼(くうらい) 裕太(ゆうた)は父が日本人、母は…ここの学校に入学するために一人暮らしをしてから暫く会ってないから忘れたな。

 

 と言うわけで俺はハーフなんだ。

 

 そして俺には妹もいる。黒髪ロングの美少女だ。…不公平だ。

 

 俺も黒髪に生まれたかった!と、言っても無駄か…

 

 なぜ俺が顔は父似の銀髪で妹が母似の黒髪なんだよ!まぁ、ズバリ言うと、嫉妬ですな…

 

 まぁ、一応こんな兄でも妹は慕ってくれているから悪い気はしないが、こんな不良と歩いているところを妹が見つかったらどうなると思う?即噂になるな。

 

 と言うわけで外では心が痛いけど妹のために他人のフリをしなければならない。何て妹思いの優しい兄ちゃんなのだろうか?

 

 でも疲れたよ…だから神様、出来ることなら

 

「俺をこの髪色で差別しない世界に連れていって下さい」

 

 と、俺は制服のまま学校帰りに寄った神社でお願いした。

 

 すると声が聞こえてきた。

 

『なら…来る?そんな世界に』

 

 と、

 

 まぁ、幻聴だろう。こんなところで声が聞こえるわけがない。

 

 と言うわけで俺は帰ろうと後ろを振り向いた瞬間、俺は人生で一番驚いたかもしれない。

 

「ここの神社ってこんなに階段長かったか?」

 

 そう。なんと後ろを振り返った瞬間、背後の景色が変わったのだ。

 

 何が起こっているんだ?

 

 そして俺は神社があったであろう方向へと振り返る。

 

 すると見た目こそ違えども確かにそこには神社があった。

 

 どうなっているんだ?

 

 と、俺がキョロキョロしていると横から声がした。

 

「誰よあんた…挙動不審な動きをして…」

 

 そしてこの日を境に俺の日常が非現実的な日常へと変化を遂げたのだった。




 はい!第1話終了

 どうでしたか?皆さん第1話は

 最後のキャラは口調的にも皆さん、わかっている方が多いと思います。

 それでは!

 さようなら


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第2話 幻想入りの最高と最悪

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 同日投稿ですよー!

 外の世界では嫌われものだった裕太。果たして幻想郷に来てどう思うんでしょうかね?

 それではどうぞ!


side裕太

 

 ここは…どこなんだ?

 

 そしてこの女性は…って言うか格好がおかしくね?

 

 脇が出てるんだが?ここが神社だから巫女ってのはわかるがここの神社ってそういう趣味なの?うわー…今までここの神社の巫女さんにあったことが無かったから知らなかったわー。

 

「あんた…よく見たら外来人?」

 

 外来人?ついに頭までおかしいことが判明してしまった…

 

 この格好を見て分かるだろ?ワタシニホンジン

 

 っても日本人じゃない要素もあるがな…例えば…地毛が銀髪とか?

 

 と言うかこの人、よく俺の髪色を見て冷静に絡んで来れるよな…俺は自分自身で言うのも癪だがはっきり言って嫌だぞ?俺だったら。

 

 それも日本人と来たもんだ…これはもうなにも言うまい…悲しくなる…

 

「そんな格好見たことが無いけど?」

 

「はぁ?」

 

 俺はその巫女さんの言ったことに対して耳を疑った。

 

 だってここら辺は通学路で、そんでもって帰りにここに寄る生徒も居るわけで、一回も見たことが無いってことは無いはずだが…

 

 もしかして直前に言ってた外来人ってのと何か関係が?

 

「なぁ、一つ質問良いか?」

 

 と俺が聞くと巫女さんは冷静な口調で「いいわよ」と言った。

 

 まぁ、今までの会話で色々突っ込みたいことはあるが一番はこれだろう。

 

「ここって…どこだ?」

 

 これまでの話を分析してみたらここは先ほど居た神社では無いと言う結論に至った。

 

 ちょっと信じがたい、正直言ったら当たってほしくないが、親友のあいつも居るし

 

「そうね。簡単に言ったら…忘れ去られた者の楽園…幻想郷よ」

 

 忘れ去られた?楽園?幻想郷?

 

 一瞬、「なに言ってるんだ?こいつ」と思ったが、これ以上にここの不思議さを説明できているものは無いだろう。

 

 ここがもし幻想郷だと言うならばこれまでの話と辻褄が会う。

 

 外来人、これは幻想郷以外の場所の事を指しているのだろう。そしてこの服装を知らないのはここにはこんな服装が無いからだ。

 

 まぁ、なぜ突然こんなところに飛ばされたかは知らんが、まぁ、大抵の一般人なら取り乱すだろうな。だけど俺は状況適応力と、分析力はかなり高い。だから俺は取り乱さない。

 

「そうか…ここは日本じゃないのか…って言うか言語同じなんだな」

 

 と、冷静に俺が言うと巫女さんは不思議そうに首を傾げて言った。

 

「あら、取り乱さないのね」

 

 まぁ、もっともな疑問だよな。

 

「俺は適応力だけは高いからな」

 

 ハブられ続けて早十数年。そんな俺の適応力に敵はない!

 

 なんか悲しい適応力の高め方だな…

 

「じゃあもう一つ良いですか?」

 

 と言うと「はいはい」と、めんどくさそうに返事をする巫女さん。くっそー!さっきまで愛想が良いってほどでも無かったけどそこそこしてくれてたじゃん!なに?俺と会話するのがめんどくさくなったの?

 

 そして俺は今、ここが日本じゃないとわかって一番聞きたいことがあった。それは。

 

「この髪色を見てどう思います?」

 

 と、いくと巫女さんは頭の上に?マークを浮かべながらこういった。

 

「ん?どうもなにも普通じゃない?ここでそんな髪色は珍しくないし」

 

 と、巫女さんは言った。

 

 その瞬間、俺の思考回路が停止してしまった。

 

 そして数十秒後

 

 巫女さんの「急に固まってどうしたのよ」と言う言葉ではっとなった。そして思考回路が復活した。

 

 そしてさらにその瞬間、俺の止まっていた時間が動き出した。

 

「あ…あ…」

 

 俺は声になら無い声をあげた。

 

 そして次の瞬間俺は

 

「ヴォォォァァァァ」

 

 と、感情が高まり叫んだ。

 

 歓喜である…圧倒的歓喜、歓喜、歓喜ぃぃぃっ!収まることの無い歓喜

 

 俺はガッツポーズを繰り出した。そして

 

「ふ、ふはは…ふはははは!ついについに俺の時代来たぁぁぁっ!」

 

 と、全身を使って表現した。

 

 そんな俺を見て巫女さんはと言うと俺から10m位離れて行った。どう考えても引いてますね分かります。

 

 だが今の俺にはそんなこと関係ない!来たっ!来たっ!俺の時代来た!

 

 ふっふっふ…俺はこんな世界を望んでいたのだよ!神様!信仰してませんでしたがこんな俺の望みを叶えて頂き、まことにありがとうございましたぁっ!

 

 そして俺は敬意を表しものすごい勢いでお辞儀をした。

 

 すると巫女さんの距離がどんどん遠くなっていくのが分かってた。

 

 だが今の俺は誰にも止められないぜ!

 

 そして俺がこれからすることがあるか怪しいジャパニーズDOGEZAをしようとしたとき。

 

「どけどけ!どいてくれぇぇっ!そこの人間!」

 

 俺は後ろを振り返った。

 

 すると空がキランと光ると同時にものすごいものがこちらに向かって全速力で飛んできているのが分かった。

 

 なんだ?あれは…

 

 俺は目がとてつもなく良い。100m位先なら余裕ではっきりと見える。

 

 そのため目を凝らしてよく見てみた。

 

 金…?それと…箒?あと…黒の何か

 

 それ以外は分からん。

 

 なんぼね視力が良くてもあんなお空高くに居たらね?見えませんよ。色だけでも分かった俺を誉めていただきたい。

 

 しかし観察していると段々と大きくなってきていることが分かった。

 

 しかも高度が下がってきてませんかね?そこのことどう思いでしょうか?おれ

 そうですね。このままいくと俺にぶつかりそうですね。

 

 そんなことを考えている間にもう目の前にそれは居た。

 

 そして、

 

「ぐぼぁぁっ!」

 

 俺の腹に箒の柄が炸裂

 

 俺の腹にめり込んでいく。

 

 そして俺は痛みを感じる暇もなくそれと共に後ろへ飛ばされる。

 

 そして賽銭箱を壊しながら神社の壁を破壊して中の柱にぶつかることにより止まる。

 

 内蔵が飛び出そうだ…

 

 そして神社の中のタンスが俺の頭に直撃した…

 

 俺の時代ってなんだっけ?

 

 そして俺は気絶し、簡単に興奮を止められてしまった。




 はい!第2話終了

 今回でプロローグを終わりにして次回からは第1章が始まります。

 それでは!

 さようなら


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第3話 裕太には選択権などは無い

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 前回、次回から第1章が始まると言ったな?あれは嘘だ。

 と言うことで今回もプロローグです。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺はあのとき、箒に潰されて死んだのか?

 

 死因…箒に潰された…チーん

 

 ダサくね?

 

 うん。非常にダサいよね。責めてトラックに跳ねられたとかにしてよー!箒に潰されたとか恥ずかしくて逝くに逝けないから!

 

「魔理沙!あんたなにやってんのよ!」

 

「いやいや、すまんって!って言うかこいつもう死んでんじゃね?」

 

 ああ、なんか女の子の声がするなぁ…

 

 と言うか俺を見て死んでるとか言ってるから俺は本当に死んだのかな?

 

 はは、俺の理想の世界を満喫できずに死ぬなんて運がねーな…来世は普通の髪色に生まれ変わりますように

 

 って言うか俺、今寝転がってんのか?

 

 背中に固い感覚があるな…

 

 そして俺はその固いものを触ってみた。

 

 ああ…これたぶん布団だな…布団!?

 

 そして俺は目を開けてバッと一気に起き上がる。

 

 その瞬間、俺の顔を除き混んでた金髪の女の子の額と俺の額がぶつかった。

 

「いててて…なんちゅー石頭だ…あれ?痛い…もしかして生きてるのか?」

 

 と、俺は喜ぶが金髪の女の子は

 

「いてーな…起き上がるときは静かに起き上がれよ!危ないだろ!」

 

 と、お怒りのご様子

 

 と言うか

 

「誰だ?」

 

 と、聞くと金髪の女の子はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに立ち上がって魔女帽子の鍔をつかんで言った。

 

「私は霧雨(きりさめ) 魔理沙(まりさ)!普通の魔法使いだ!」

 

 …あのさ、普通の魔法使いってなに?魔法使いに普通も普通じゃないもあるのか?

 

 と言うかこの配色、間違いない、あのとき俺の腹に思いっきり突撃してきた奴だ!

 

 まぁ、今さら起こっちゃいねーが、少し苦手意識が芽生えてしまったかもしれない。

 

「ああ、自己紹介で思い出したけど私たちも自己紹介してなかったわよね?」

 

 ああ、確かにそうだな。自己紹介をしてない。

 

 そして巫女さんはテーブルの上の色的に緑茶を一口飲んでから自己紹介を始めた。

 

「私は博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)よ」

 

 と、簡単に自己紹介をした。

 

 ああ、二つ名は無いのかな?魔理沙見たいな。普通の巫女だ。…なんか違うな。

 

「俺は空頼 裕太だ。君たちから見ると外来人になるのかな?」

 

 と言うと魔理沙は興味津々見たいで体をこちらにグイッと寄せてきた。ちょっ!近い

 

「なぁ、外の世界ってどんな感じなんだ?」

 

「…」

 

 俺は魔理沙の問いに答えられなかった。いや、違うな。答えたく無かっただけだ。

 

 例えここで話したとしても空気が重くなるし魔理沙の期待を裏切ることになってしまうからな。

 

 だから適当に誤魔化すことにした。

 

「ふっ、この髪色すごいだろ?これはな魔王を倒したあ」

「普通ね」

「普通の髪色だぜ」

 

 く、俺の話術(笑)じゃ誤魔化しきれなかったか…

 

 しかーし。コミュニケーションの鬼(笑)と京夜に言われ続けた俺ならなんとか打開できるはず!

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数分後

 

「はぁ…はぁ…」

 

 俺はあれから色々と誤魔化そうと頑張った…だが

 

「はぁ…あんたが誤魔化そうとしているのは分かったわ」

 

「そこは聞かないことにする。だが外がお前にとって楽しかったのかだけは教えてくれ」

 

 楽しかったのか…か

 

 『おい不良』『こっち来んな俺まで不良だと思われる』『もう学校に来んな』

 

 …俺は…

 

「人それぞれじゃないかな?俺にとっては普通だったと思うぞ?」

 

 何もかもがつまらなく見えたあの灰色の世界

 

 時間が動いているのかすらも分からなくなった。

 

 自分が何者で生きているのかすらも怪しくなっていた。

 

 京夜(あいつ)だけだずっと味方だったのは…

 

 気がつけば京夜以外からは距離を置くようになった。

 

 いや、違うな。俺を省こうとする奴等を一定の空間内に入れようとしなくなった。つまり、向こうから入って来ないってのもあるし、近づいてきたら離れた。

 

 常に俺とあいつらの間には一定の空間があったんだ。

 

「そうか。わかった」

 

 理解していただき何よりです。

 

 そんな会話をしているとき

 

 急に空間に亀裂が走りその中から女性が出てきた。

 

「裕太君。ここ、気に入ってくれた?」

 

 と、急な問いかけ。

 

 まぁ、俺の事を差別しない理想的な世界ではあるけど逆に命の危険が危ないです。

 

 と言うかどんな登場の仕方だよ。

 

 俺じゃなかったら腰を抜かすくらいに怖いぞ?上半身だけって…

 

「まぁ、結構良いんじゃないかな?」

 

「そう…それはよかったわ」

 

 と、安堵の声を出す上半身女

 

「って言うか俺に何の用だ?」

 

 と、俺が聞くとハッと思い出したような仕草をしてからこう言った。

 

「あなた、勇者になってみない?」

 

「…はっ?」

 

 ちょっとなにいってるかわからない。

 

 ついに俺の耳が壊れてしまったか…今、勇者って言ったように聞こえたが?

 

 と言うかこの世界に耳鼻科ってあんのかな?

 

「勇者になってみない?」

 

「ア゙~!もう二度まで言わなくとも聞こえてるよ!なに?あれか?新種のいじめか?」

 

 そうだ。俺が勇者だと喜んでいる姿を見て嘲笑うつもりだろ!その手には乗らんぞ!これまで色んな種類のいじめを受け続けた空頼さんだぞ。その程度のいじめで俺の(はーと)破壊(ブレイク)出来ると思うなよ!

 

 ふはははは!貧弱貧弱ぅぅっ!ちょいとでも俺にかな

 

「で、なってみない?」

 

「うん。聞こえてるから。うん」

 

 なにこの人…もしかして本気で言ってるの?そうだとしたらお笑いものだぜ。

 

 俺が勇者?バカバカしい…俺が勇者になったもスライムにやられるぞ?

 

 とりあえず返事しておかないとめんどくさそうだから返事をしておこう。

 

「答えはN…

「そんな事言っても良いの?断ったら食べるわよ?適任者はあなたしか居ないの」

 

 脅しですか?脅しなんですね?

 

 やめてください!死にたくないです!

 

 く、くそう…この女…策士か?相手の断れない状況を作り出していくゲスさ!すばらすぃー!

 

「く、くぅ…」

 

 俺は渋々頭を縦に振る。

 

 すると上半身女は嬉しそうな声で「ありがとー!」と言う。

 

 脅してきた癖に…清々しいほどの変貌ぶりだ。

 

「じゃあ、あなたには選択権があるわ」

 

 直前に俺の選択肢を潰した人が言う台詞ですか?

 

「武器よ」

 

 武器…ねぇ…まぁ、素手と言う選択肢は無いな。うん。無い。

 

 じゃあ…

 

「バリエーションは何があるんだ?」

 

 と、俺が聞くと

 

「刀と…刀と…あと刀ね」

 

「全部刀じゃねーか!」

 

 やはり俺に選択権など存在しないようだ。その場の流れに流れて進むしかない俺…何てかわいそうなんだ…

 

「じゃあ刀で」

 

 うん。それしか言えないよね?

 

「分かったわ。じゃあ今からその刀がある場所に移動させるからじっとしててね」

 

 ん?どういう意味だ?

 

 そう考えている頃には落ち始めていた。

 

「気の毒に感じるぜ」

 

「そうね」




 はい!第3話終了

 本当に本当にこれでプロローグはおしまいです。

 次回からは第1章が始まります。

 それでは!

 さようなら


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第1章 白玉楼 第4話 白髪の女の子

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回から第1章スタートです。

 そしてヒロインも登場しますよ!

 それでは!

 どうぞ!


side裕太

 

「あれ?ここは…どこだ?」

 

 落ちはじめてから俺は目を瞑った。

 

 どこに落ちるか分からなかったから不安だったけどあのときは重力に身を委ねるしか無かったのだ。

 

 しかし、その次の瞬間、全身にかなりの衝撃が走った。どこかに高いとこから落ちたみたいに。

 

 そして少し気絶したのだろうか?その後の事は分からないが、俺は自分の寝ているところの手触りを確認した。

 

 これは布団だろうか?ってことは誰かが俺に気がついて助けてくれたのか?そんないいやつも居るもんなんだな。

 

 そして頭に違和感を感じ、俺は頭を触ってみる。

 

 そこには馴れない手触りの物があった。

 

 でも恐らくこの感触は包帯だろう。頭にぐるっと一周、バンダナの用に巻かれている。

 

 そして俺はやっと目を開けて体を起こす。

 

 そして自分の姿を見る。

 

 砂ぼこりを被った制服を着ていた。ここに来たときのまんまの姿だった。

 

 幸い、骨折とかは無く、傷と言えばこの頭位なもんだ。

 

 でもそこまで痛むほどのものじゃないな。

 

 スマホは…やはりと言うかなんと言うか圏外だ。

 

 となるとだ。ここで俺が取れる行動は限られてくるわけだ。

 

 とりあえずここが何かの建物内だと言うことが分かった。

 

 とにかく部屋の雰囲気は和だ。

 

 日本人の血が入ってるからだからだろうか?

 

 妙にこの空間は落ち着く。でもまあとにかく外に出てみるか…丁度障子があってその向こうに縁側があってそこから中庭に行けるみたいだ。

 

 さすが俺の状況分析力。ん?どうしてそこまで事細かに分かるんだって?それは光の差し具合だ。障子だとするとこれは外に繋がってる並の光の差し方だ。

 

 さぁて、行動開始しますかね。まずはここがどのような場所なのか把握をしなくては

 

 そして俺は立ち上がって障子に手を掛けようとしたとき

 

 ふよふよとした丸くて白いなにかが障子をすり抜けていった。

 

 俺は少し非、現実的な事がこの数時間に起きすぎて軽いパニック状態だが、すぐにここでは当たり前、と自分に言い聞かせて平静を保っている。

 

 そして今度こそ障子を開けて外に出る。

 

 そこには一面の大きな庭が広がっていた。

 

 丁寧に整備されている。ここには庭師が居るのかな?相当な丁寧な仕事っぷりだ。

 

 そして何よりも気になるのが庭の中心に位置する大きな木

 

 葉っぱは冬場の木々みたいに枯れている。冬じゃないのにな

 

 しかし、何かその木は人を魅了する力があるようだ。

 

 俺は引き付けられるように近づいていく。

 

 その時、先程見た白いふよふよが木に吸収されるのを見て我に帰る。

 

 俺の状況分析力があの木に寄ってはいけない、危険だと言う事を告げる。恐らく俺の人生の経験から言うにこの危険レベルは5だろうちなみに3段階中ね。越えてるじゃねーか!

 

 そしてすぐさま俺は後ずさる。

 

 すると妙な魅了されていた気分は消え、思考も正常に戻る。

 

 なんだったんだ?あの木

 

 そして俺は回れ右をして先程居た建物を遠巻きに全体を見る。

 

 するととんでもなく大きい建物だと言うことが分かった。外装は和を基調に作られており、和のお屋敷って感じだ。

 

 するとあることに気が付いた。

 

 それはあらゆる所に先程の白い何かがふよふよしている。

 

 とりあえず俺は気にしないことにし、自分が元居た部屋に戻ろうと障子に手をかけようとする。

 

 すると、手をかける前に障子が開いた。

 

 俺は一瞬驚いたが、すぐに俺より先に反対側から誰かが開けたのだと把握した。

 

 そして俺はその人物を見る。

 

 女の子だ。白髪に緑色の服、顔つきはとても整っていて可愛い。だが、一つ気になることが…

 

「何で刀が?」

 

 そう、腰に二本の長さの違う刀をつけていたのだ。

 

 いや、さすがに俺でも意味わからん。

 

「その刀、どうしてつけているの?」

 

 と、俺は情報が欲しかったため質問をしてみた。

 

「あなたを斬るためって言ったら?」

 

 うん。ヤバイ!危機感知センサーが反応している。

 

 この人あれだ。平気で人を斬るタイプの人だ。これが冗談だったのなら大した演技力だと誉めてやる所だ。でもあれだ。辻斬りとかやりかねない雰囲気の言葉だ。

 

 俺は思わず後ずさる。

 

「あ、大丈夫ですよ。怪我人を斬る趣味は無いので。と言うかそもそもそんななりふり構わず斬るような事はしませんよ!」

 

 その言葉を聞いて安心した…

 

 本当に斬られることを覚悟しちまったよ…この人の前では下手なことはしない方が良いな。

 

 そう心に決めた俺であった。

 

「所でなぜこんなところで怪我をして倒れてたんですか?」

 

 そうだ!あんの上半身女めっ!

 

 俺をこんな場所に放り出しやがって!

 

「上半身女?ああ、紫さんですか?」

 

 どうやら心の声が漏れていたらしく白髪少女はそう言った。

 

 紫と言うのは恐らくさっきの上半身女の事だろう。

 

 そして俺はこれまでの事を出きるだけ細かく説明した。

 

「なるほど…幻想入りをさせられたと…じゃああなたが…」

 

 と、白髪少女はぶつぶつと一人で呟いている。

 

「あ、すみません。自己紹介まだでしたよね。私は魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)です」

 

「あ、俺は空頼 裕太だ」

 

 と、突然自己紹介を申し出てきた妖夢に答えるように自己紹介をする。

 

 今の流れでする意味はあったのだろうか?

 

「では、裕太さん。一つ言いたいことがあります」

 

「はい?」

 

 と、俺は急に妖夢が低いトーンでそう言ったことに驚き思わず身を引いてしまった。

 

「怪我人はおとなしくしててください。ビックリしたんですから」

 

 と、俺は何を言われるのだろうと思ったら他人を思った説教だった。

 

 あれ?この子、最初は怖い印象を持ったけど、以外と話してみるといい子じゃね?

 

 俺はそう思った。




 はい!第4話終了

 今回はどうでしたか?

 やっとヒロインの登場…

 それでは!

 さようなら


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第5話 違和感

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は妖夢達との会話がメインです。

 これから妖夢と裕太がどうなるのか想像が膨らむ。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺はあのあと、少しの間、妖夢から説教を食らっていた。

 

 その無いようと言うのが、「怪我人はおとなしくしててください!」とか「怪我が悪化したらどうするんですか!?」とかなのだ。初対面の俺に妙に優しいため余計な先入観を持ってしまう。

 

 でもさ、良いよね。心配してくれる女の子が居ると。俺もそんな子が欲しいよ。

 

「そう言えば、裕太さんって外から来たんでしたね?その服装を見たことが無いので間違いないと思いますが」

 

 と、妖夢の言う白玉楼?ってお屋敷の廊下を歩きながら妖夢は俺にそんな話題をふってきた。

 

 そして俺が頷くと妖夢は「ふむ…」と考える動作をする。ねぇ、妖夢って可愛くね?

 

 と、そうだ!外から来たで思い出したけど、俺じゃなきゃ出来ないことってなんだよ!勇者になれとか言ったわりには雑な扱いを受ける始末。制服もこんな砂ぼこりだらけになって…

 

 俺がそんなことを考えながら歩いていると後ろから突然「あら、妖夢」と言う声が聞こえてきた。

 

 そして妖夢は「幽々子さま!?」と言って振り返った。

 

 俺も妖夢に釣られて振り替えるとそこには扇子を持った綺麗系のお姉さん?が立っていた。桃色の髪で青い着物。

 

 ここで俺は違和感を覚えた。

 

 なんだ?どこで違和感を?

 

「あら妖夢。その人目が覚めたのね」

 

「はい。幽々子。恐らくこの方が例の」

 

 俺の考えなど一切知らない妖夢とお姉さんは話していた。

 

 なぜここで違和感を覚える?

 

 把握…分析…これが俺の得意分野だろう!完全に力の入れどころ間違っているような…

 

 何か…服装?

 

「はい。幽々子さま。この方は裕太さんって言うらしいです」

 

 そして俺は一歩前に出てからお辞儀をしてから自己紹介をする。

 

「俺は今、ご紹介していただきました空頼 裕太と申します」

 

 すると、お姉さんは扇子を口元に当てて「ふふっ」と笑ってから優しく微笑み言った。

 

「もう少し緩い感じで良いわよ。私は西行寺(さいぎょうじ) 幽々子(ゆゆこ)よ。よろしく。裕太」

 

 と優しい口調で言ってきた。

 

 その時、違和感の招待がなんなのかやっと分かった。

 

 それは着物だ。

 

 普通着物は右前で着るが、幽々子は左前なのだ。

 

 通常、左前は死んだ人に着物を着せるときにするものだ。ただ間違えただけなのか?いや、だとしたら妖夢が気がつくよな。なのに妖夢は教えなかった。

 

 そんなことを考えていると先程のふよふよが更に多く集まってきているのに気がついた。

 

「なあ。あの白い丸いのはなんだ?妖夢の隣にも居るし」

 

 と、俺は率直に聞いてみた。

 

「亡霊よ。と言っても妖夢のは亡霊じゃなくて」

 

「半霊です。私は半人半霊ですから」

 

 と、予想外の回答が返ってきた。

 

 さすがにこの答えは予想していなかったため俺は唖然とし、一瞬思考がフリーズした。

 

「ここは冥界よ。亡霊位、居てもおかしくないわ」

 

 その言葉でやっと理解でき、俺の思考のフリーズも解かれた。

 

 そして一つの可能性に思い当たった。

 

 ここは冥界。亡霊が住まう場所?そんでもって、普段死んだ人が着る左前の着方。

 

 恐らくだがこれであっているだろう。

 

「あの…幽々子」

 

 俺がそう話しかけると「なに?」と返ってきた。

 

「幽々子って…亡霊…なのか?」

 

 俺は恐る恐ると言った感じで話しかける。

 

 すると、目を細めて口に扇子を当ててこう返してきた。

 

「どうしてそう思ったの?」

 

 俺自身、色々情報を集めて推理する方だが、今回のはある程度であてずっぽうで行ったから、ほとんど勘としか言えないんだが…

 

 と言うか亡霊を完璧に証明するってどんな証拠だよ。そんなものあったら見てみたいわ。その亡霊を完璧に証明するものを

 

 だからとりあえず「まぁ、色々だ」とだけ言った。

 

 すると、幽々子は「そう」と短く返す。そして幽々子は驚いた表情でこちらによりながら言ってきた。

 

「すごいわね。大正解よ。でもね少しだけ違うわ。亡霊だけど、ここの冥界の管理を閻魔に任されているのよ」

 

 と、俺の言葉を肯定する。

 

 やはり思った通りと言うかこんな奇妙な場所があるくらいなら閻魔も居るんじゃないかと思ったら本当に居るんだな。

 

 と言うことは幽々子は冥界の管理者と言うか訳で、他の亡霊とは少し違うのか

 

「すごい洞察力と分析力ですね!お見事です」

 

 と、妖夢も俺を褒めてくる。

 

 や、やめてくれ~!俺は褒められるのになれてないんだ!

 

 褒めるくらいならいっそのこと罵ってもらった方が落ち着く。いや、別にそう言う趣味があるわけじゃないぞ?俺だって普通に褒めてもらったら嬉しいし。と言うか俺は今、誰に言い訳してんだよ。

 

 だから俺は取り合えず「ありがとう」と言った。

 

 と言うかここって本当に髪色自由なんだな。と再認識する。

 

 魔理沙はかなりの奇抜な方だったけど、妖夢は白髪。幽々子はピンクと個性豊かだ。完全に外の世界だと浮くな。

 

「幽々子さま。そろそろあの話を」

 

 と、妖夢は幽々子に急かす。そんなに大切な話でもあるのだろうか?

 

 紫の言ってた勇者に関係あるかもしれない。

 

「そうね」

 

 と、幽々子は一拍おく。

 

 そして

 

「妖夢?お腹空いたからご飯のあとにしない?」

 

 このとき、この場にいたすべての人間、亡霊がズコーと転けたと言う。




 はい!第5話終了

 次回は恐らく裕太が幻想入りさせられた秘密が分かると思います。

 それでは!

 さようなら


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第6話 理由

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回、裕太が連れてこられた理由が分かりますよ!

 最近執筆する気が全然沸かない…

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は妖夢と幽々子に案内され廊下を歩いていく。

 

 やはり冥界なだけあり、至るところで亡霊を見かける。

 

 よくよく見ると可愛いし、プニッとしてそうだよな。

 

 でもやはり人間の魂なんだな。試しに睨んでみんと怯えて逃げていくようすが見られた。恐らく人間の意識もそこにあるんだろう。

 

 妖夢の横にも同じようなのがあるんだよな。丸くてプニッとしてそうかのが。

 

 半霊と言っていたな。妖夢の体の一部なんだっけ。半人半霊か…

 

 そんなことを考えながら着いていくと急に妖夢と幽々子が立ち止まる。

 

「裕太さん。着きました。その部屋のテーブルを囲って座って待ってて下さい」

 

 と言われた。

 

 もう着いたのか…以外と考え事していると時間が短く感じられるものだ。

 

「ごっはん、ごっはん」

 

 と、幽々子はノリノリらしい。

 

 と言うか俺は亡霊が飯を食ったり、腹を空かせる方が驚きなんだが?

 

 でもこんなに幽々子が嬉しそうにする飯か…ちょっと楽しみである。

 

 

 数分後

 

 妖夢が大量に料理をお盆に乗せて更に台車までも使って持ってきて扉を開いた。

 

 俺はそのあまりの量に面を食らった。

 

 なぜなら俺ら3人だけだと言うのに20人前はありそうな量だったからだ。

 

 誰かの誕生日だとかお祝いだとしてもこの人数でこの量は無いだろ…

 

 ローストチキンにローストビーフ、パスタ系に色々。言うのも疲れるくらいの品数だ。

 

 妖夢の手が滑って作りすぎたとか?手が滑ってもこんなに作りすぎねーわ!!

 

 とすると、他の亡霊にも食べさせるとか?いやいや、それだと足りねーよ。亡霊、何匹居ると思ってんだ。            ↑

          裕太にとってはペット感覚

 

 だとすると何か意味が?

 

 分からん。この俺に分析出来ないことがあるなんて…

 

 だから俺は素直に聞いてみることにした。

 

「妖夢…この料理の量はいったい?」

 

 すると、「ああ~…」と言った感じで苦笑いを浮かべた。

 

「始めてみた人は大抵同じ反応ですよ。料理の量の配分としては私達1割、幽々子さま9割です」

 

「なっ!」

 

 俺は唖然とした。

 

 そして俺は錆び付いたロボット見たいにギギギギとゆっくり幽々子を見る。

 

 あの体型のどこにこんなに入るんだ?一見スラッとしている。

 

 あれか?もしかして、亡霊だから太らない~的なノリか?

 

 まぁ、だからと言って亡霊にはなりたくないがな。

 

「妖夢の料理は美味しいのよ!」

 

 と、嬉しそうな声のトーンで言った。

 

 相当美味しいんだろうな。

 

 そして、妖夢は一つ一つテーブルの上に料理を並べる。

 

 改めてみてもすごい量だ。

 

 かなり大きめのテーブルにも乗りきらず台車に何品か残っている。

 

 す、すげぇ…この料理の殆どを幽々子が食べんのか…恐ろしいな…

 

 そして妖夢もテーブルの前に座った。

 

 そして妖夢は「ふぅ…」と、一息付く。

 

 そりゃこの量を一人で作ってんだから疲れるのも無理はない。

 

「それでは食べましょう」

 

 と、妖夢が言うと幽々子と妖夢は手を合わせた。

 

 つられて俺も手を合わせる。

 

 そして

 

「「頂きます」」「え、え、い、頂きます」

 

 俺はワンテンポ遅れてから頂きますと言った。

 

 その瞬間、俺は目を疑った。

 

 何せ、幽々子が食べるスピードは丸でピンクの丸いあいつみたいだったから。

 

 もうね…ヤバイね。

 

 俺が固まっていると横で妖夢が肩を指でつついてきた。

 

 それにより俺は意識をこちら側に戻すことに成功する。

 

「この世界に住むとこれは慣れますから…気にしないで食べましょう」

 

 と、本人は笑顔のつもりかもしれないが明らかに顔がひきつっている妖夢

 

 俺は「そうだな」とだけ返し、料理に目を向ける。

 

 幽々子の話ではすべて妖夢が作ってるらしいが、味はどうだろう?正直、美味しいと言われて少し楽しみだ。

 

 と、俺は料理に手を伸ばし、自分の小皿に盛る。

 

 いい臭いがしてきて食欲が増す。

 

 そして俺は小皿に盛った料理を一口食べる。

 

 その瞬間、俺の脳内に電流が走ったような衝撃が走った。

 

 うまい…うますぎる。と言うか現世では高校行くために一人暮らしをしていて、ろくなもん食べてなかったからだろうか?ここに来て食欲がその反動で更に増す。

 

 涙が出てきた。

 

 毎日コンビニ弁当だった俺からしたら願ってもない幸運だ。神様、仏様、紫様!

 

 ここに来て初めてのこちらでの幸運なんじゃないか?

 

「ど、どうですか?」

 

 と、俺を心配そうに見つめてくる妖夢

 

「ああ、うまい…すごく」

 

 と、俺が言うと「よ、良かった~」と嬉しそうに言う妖夢

 

「心配しましたよ。料理を食べたと思ったら固まって、驚いたと思ったら頬を緩ませるんですから」

 

 ああ、それは怖い…そんなのただの変質者じゃねーか。

 

 と言うか俺、こっちに来てから大部緩んでんな…髪色で差別されないからだろうな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達は飯を食べ終わって食後のお茶を飲んでいた。

 

「さて、そろそろ言うわね」

 

 と、例の本題を遂に話し出す幽々子

 

「実はね。今、この幻想郷はある危機に面しているのよ」

 

 危機?

 

 客観的に見れば平和そのものなんだが?

 

「辻斬りよ」

 

 辻斬り?昔の日本見たいな感じで刀で無差別に斬ってるのか。

 

「でも、犯人を捕まえるのに、俺は必要無いじゃないですか?」

 

 俺がそう言うと幽々子は目を細めて低い声で言った。

 

「そうね。それだけ(・・)ならね」

 

 だけなら?

 

 もしかして他にもまだ何か?

 

「そいつに斬られたら体を何かに乗っ取られた様に凶暴化したり、少し力のある人が斬られたら数日後にその人くらいの力を持った理性のない妖怪が現れるのよ」

 

 なにそれ、怖い。

 

 乗っ取られるとか…普通に恐怖じゃね?

 

「だからあなたにはそれを解決するお手伝いをしてほしいんです」

 

 と、妖夢がテーブルを拭きながら言ってきた。

 

 正直、俺にそんな力があるとは思えない…だけど、俺をここに呼んだと言うことは少なくとも無駄な行為ではないはず。

 

 適当に呼んだと言うのなら別だが…

 

「俺に…やれる力がありますかね」

 

「紫が選んだ人物だもの。賭ける価値は十分にあるわ」

 

 紫って言うやつも相当な信頼感があるんだな。

 

 こっちの人間とその他の種族なら信じてみる価値はありそうだな。

 

「よし。俺も協力する」

 

 そう言うと幽々子は「ありがとう~!」と言って笑顔になった。

 

 そして手を差し出され俺も手を差し出し、握手する。

 

 さあ、どこまで出来るかわからないがやれるだけやってみよう。




 はい!第6話終了

 まさか、幻想郷にこんな危機が迫っていたなんて

 と言うかここに来た目的は刀なのに全然出てこないと言う…

 なんか幻想郷で戦うといったら刀のイメージが

 それでは!

 さようなら


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第7話 料理

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 同日投稿…

 今回はそこまで大きな進展と言う進展はありません。

 それではどうぞ!


side裕太

 

「乗っ取り…妖怪…」

 

 俺は妖夢と幽々子と別れたあと、俺用に用意された部屋でこう呟きながら考えていた。

 

 俺じゃ力不足ではないか?俺にそんなこと出来るのか?俺にそれだけ託すほどの何かがあるのか?これらを考えると夜も眠れなくなりそうだ。

 

「あーもう!考えても仕方ねぇ!目先のここでの暮らしを心配しよう」

 

 ここでの住み家はここ、白玉楼で大丈夫だろう。幽々子と妖夢にもここで住めって言われたし

 

 あとは、衣類だな。俺の普段着等はあっちの自室のタンスに入ってるから、衣類をなんとかしないといけないな。いつまで経っても制服って訳にはいかないし、今度、服屋まで案内してもらおうか。

 

 あと、圧倒的に金が無い…たぶんこっちではあっちの通貨など通用しないだろうし…困ったものだな…

 

 そんなことを考えていると急に目の前が裂けて、紫が現れた。

 

「上半身女…」

 

 俺がそう呟くと、どこからか紫はハリセンを取り出して俺の頭を叩いた。

 

「私は紫って名前があるのよ。八雲 紫よ!」

 

 と、突っ込まれてしまった。

 

 って言うか紫はこの俺に何のようだよ…

 

「最低限の必要な物は持ってきたわよ」

 

 紫がそう言ってから俺は周りを見渡す。

 

「んなっ!」

 

 すると、なんと言うことでしょう…ついさっきまで何もなかったスペースにタンスが置いてあるでは無いですか…これぞ()の心使い…

 

 って、えぇっ!

 

 この人こんなにでかいものを持ってきちゃったよ!人間とかなら分かるけど、分かりたくないけど分かるけど、これ、かなりでかくて重いんだぜ?これを持ってくるってすごくね?

 

 俺は思わず二度見してしまった。

 

「これで衣服の心配は要らないわね。あとはお金ね」

 

 と、次はお金の話題に移った。

 

「所持金を渡してくれれば換金するわ」

 

 外の世界だと詐欺の臭いがする台詞だ。

 

 だが、妖夢と幽々子に信頼されているからそこは安心して良さそうだ。

 

 と、俺はなんの躊躇もなく所持金すべてを紫に渡した。

 

 すると、この世界の通貨と思わしき物を渡してきた。

 

 一応バイトもしていたからそこそこお金はあるから買い物には当分困らないだろう。

 

 あれ?俺の悩みがすべて紫が居ることによって解決されてしまった。

 

「こんなところかしらね。じゃあ私は戻るわね」

 

 そう言って紫は裂け目からまた帰っていった。

 

 結局のところ、紫は俺にこんなことをして何がしたいんだ?

 

 正直分からん。

 

 とりあえず着替えよう。いつまでも制服だと窮屈で仕方ない。

 

 

 そしてとりあえず普段着を着てみた。

 

 よし、完璧だ。

 

 黒色のチャック無しのパーカー、下は灰色のジーンズだ。

 

 やっぱりこれが一番しっくり来る。

 

 あとは、問題なのが紫が言っていた刀だな。刀以外、選ばせる気無かったし、そこのところどうなんだろう?

 

 そして俺は布団の上に寝る。

 

 とりあえず、辻斬りって奴を捕まえるのの協力をすればいいんだよな。

 

 とにかく今日は色々有りすぎて疲れた。

 

 今日は早く寝よう…

 

 そしてまぶたを閉じて数分後、俺は深い眠りに落ちた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「朝…か」

 

 俺はまぶたを介して届いた光によって意識が覚醒した。

 

 そして俺は思いっきり伸びをする。

 

 そして俺は部屋から出て、廊下を歩く。

 

 俺はこの光景を見て現実なんだ…としみじみと感じた。

 

 そして廊下を歩いていると突然横の扉が開いた。

 

「あ…裕太…さん…おはよう…ございます」

 

 昨日はあんなにしっかりしていたのに…朝に弱いのかまだ半分寝てるんじゃないかと思えるような妖夢が出てきた。

 

 朝と昨日のギャップがすごい。

 

 でもさ、ポワポワしていて目を擦ってる妖夢って可愛くね?

 

 と、漸くして妖夢は意識が覚醒した様で改めて「おはようございます。裕太さん」と言ってきた。

 

 やっぱり覚醒したらしっかりしてるんだな。俺としてはさっきの妖夢をずっと見ていたくてちょっと残念だが、仕方ない。

 

 と、妖夢は厨房に向かって歩いていった。

 

「手伝うよ!」

 

 そう言って俺は妖夢に着いていく。

 

 

「手伝わなくても良いですから」

 

 と、俺は断られる。しかし、これくらいのことで諦める空頼さんじゃないぜ。

 

 だってあれだけの量は一人ではきつそうに感じたから。

 

「でも俺、結構料理出来るんだぜ。面倒で普段やらないだけで」

 

 と、俺は料理出来ますよアピールをする。

 

「はぁ…分かりました。好きにしてください」

 

 と、漸くこのようなやり取りをしてから妖夢が折れた。

 

 俺は心の中でガッツポーズを繰り出す。

 

 俺の華麗な話術(笑)でなんとか乗りきってやったぜ!

 

 そして俺は妖夢に許可をもらったため、冷蔵庫の中身を見てから作れそうなものを判断して作り始めた。

 

 横では妖夢も調理にかかっていた。

 

 こんこんこん。とリズミカルにまな板を叩く音が響く。

 

「ふんふんふーん♪」

 

 と、妖夢は鼻唄を歌いながら料理をしている。

 

 華麗な手さばきだ。

 

 そう言えば刀も持ってたけどそれと似たような感覚なのかな?

 

 すると、もう一品目が出来上がった。

 

 早い…手際が良すぎる。

 

 と、ここらで自分の料理に取りかかるべく、俺は視線を手元に戻す。

 

「そんじゃ、妖夢に負けないような豪華な料理を作ってやるぜ!」




 はい!第7話終了

 今回、私服を手に入れて、普段着が確定した裕太。

 裕太をこれからどんな試練が待ち受けているのか、誰もまだ、知るよしもない(それっぽく言いたかっただけ)

 それでは!

 さようなら


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第8話 鍛練

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 最近、あまり一話当たり、あまり進展が無いように感じる今日この頃。

 こん彼はペースはかなり落ちてますが更新はしますよ。はい。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 あのあと俺と妖夢は朝飯を作っていたが、俺はあることに気がついた。

 

 俺は朝飯でよく出るような軽めのを作ったりしていたんだが、妖夢は幽々子の好みに合わせてかかなり重いものを作っている。正直、朝からあれは胃もたれする気しかしない。

 

 それは妖夢も同じだろう。まぁ、あのピンクの悪魔並みの食欲を誇る幽々子なら余裕で平らげるのだろう。

 

 朝からあれは気の毒だ。

 

 そんなことを考えながら作っていると料理が完成した。

 

 俺と妖夢はその完成した料理をお盆に乗せ、更に台車も使って運び出す。

 

 今朝は起きて早々、結構な重労働をやったような…まぁ、望んでやったことなんだけど。

 

 そして俺は台車を押しながら幽々子が待っているであろう部屋の扉を開く。

 

 すると、やはり中で待っていた幽々子がこちらを見る。

 

 そしたらなぜか口元を扇子で隠してふふっと笑ってから昨日と同じ幽々子に戻った。

 

 あの笑いには何が隠されているんだ?

 

 でも、まぁ良いか。と思い、俺は料理をテーブルに並べる。相変わらずの量でテーブルには当然乗りきらない。

 

 そして俺と妖夢は昨日と同じ場所に座る。かと思いきや妖夢は座らずにどこかに行ってしまった。

 

 しかし幽々子はそんなこと気にせずに「さぁ、食べましょ」と言ってきた。

 

 だから俺は今は取り合えず料理を食べることにした。

 

「幽々子。妖夢っていつも朝飯の時はどこかに行くのか?」

 

「そうね。朝食は妖夢は居なくて私、一人の事が多いわね」

 

 俺の率直な問いに対して幽々子が肯定した。つまりは毎朝の日課って事だ。

 

 俺はその日課がどんなのかとても気になった。

 

 だけどそれが着いていっても良いものなのかも分かんないしな…こう言うのはそっとしといた方が良いのかな…?

 

 そう考えながらゆっくりと料理を一口、一口、口に運ぶ。

 

 幽々子は俺より早いものの、昨日の晩よりは遅いスピードで食べていた。しかし、確実にかなりの量を食べている。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達は食べ終わり、食器を洗ったあと、俺は自分の部屋に戻り、仰向けで寝転がっていた。

 

「刀…かぁ。扱ったこと無いけど行けるかなぁ…そもそもとして竹刀ですら握ったこと無いし」

 

 俺の心配はそこだった。やはり安くはない受け合いをしたが、刀を持ったことの無い俺が持ったところで足手まといになるんじゃないか?

 

 その時

 

「はぁっ!たぁっ!やぁっ!」

 

 と、外から声が聞こえてきた。

 

 なんの声だ?

 

 と思い俺は障子を開けて外の様子を確認することにした。

 

 その時、俺の視界に飛び込んできたのは妖夢が刀を握り、素振りをしている後ろ姿だった。

 

 俺は息を飲んだ。

 

 なぜなら妖夢のその綺麗な太刀筋に見とれてしまったからだ。

 

 よほど集中しているのだろう。こちらの気配に気がつく様子も無い。これで敵が来てたらどうすんだよ。

 

 たぶん妖夢は朝飯も食わずに素振りをしていたんだよな…

 

 俺はそう思って厨房に向かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 数分後

 

 俺は厨房から出て、妖夢の元へ向かう。

 

 そして

 

「妖夢!」

 

 と、呼び掛けると直ぐにこちらに気がついたようだ。

 

「裕太さん?なんでしょうか?」

 

 と、首を傾げる妖夢。正直、可愛い。じゃなくて

 

「ほらよ」

 

 そして俺はアルミニウム箔に包まれた『それ』を投げ渡す。

 

 すると、きっちり妖夢の胸の前で妖夢はキャッチした。

 

 そして妖夢は不思議そうにそのアルミニウム箔を取っていく。

 

「あっ…」

 

「そろそろ休憩したらどうだ?」

 

 アルミニウム箔の中から出てきたのは先程俺が厨房で作ってきた梅おにぎりだった。

 

 鍛練のあとは塩分が欲しいかなと、思って梅にしてみたんだがどうだろうな。

 

 すると、そのおにぎりを見て妖夢は「ありがとうございます」

 

 と言って縁側に座る。

 

 それにつられて俺も横に座る。

 

「それでは頂きますね」

 

「ああ、まだ食いたかったらあるから遠慮せずにってここの食材だから遠慮もなにもねーか。ははは」

 

 と、俺は笑う。

 

 妖夢も俺につられたように少しふふっと笑ったあと、おにぎりに目を向けておにぎりを一口食べた。

 

「美味しいですね。やっぱり運動したあとのご飯は美味しいです」

 

 と、優しく微笑みながら言った。

 

 良かった。おきに召してもらえたようだ。もし、「あなたの作ったおにぎりなんて食べたくありません」なんて言われたらショックで立ち直れないところだった。

 

 

 そしてゆっくりだけどもおにぎりを食べ終えた妖夢は刀を持って立ち上がった。

 

 そして妖夢は「ありがとうございました」とだけ言って縁側から離れていった。

 

 さて、残ったおにぎりは勿体ないから幽々子にあげるとして、俺はこれから何しよっかな…

 

 そう考えていると

 

「裕太。あなたもこれからあんな風に刀を振るのよ」

 

 と、隣から声がした。

 

 幽々子と微妙に違うので直ぐにわかった。

 

「紫か」

 

「そうよ。そう言えば、裕太。あなた自身が使う刀を見たことがある?」

 

 と、聞かれた。

 

 俺は当然見ていないわけだが、どんな刀か結構興味がある。自分が使う刀だからな。

 

「いや、見ていない」

 

「そうなの?てっきり幽々子の事だから見せていると思ったのだけど…」

 

 そう言ってから幽々子は少し考える素振りを見せてからこういった。

 

「なら、今から見てみない?あなたの…刀」




 はい!第8話終了

 実はですね。活動報告の方にコラボを募集しています!

 コラボの説明等は活動報告にて乗せています。完結済み、あまり絡んだことの無い方もおけ。

 一応東方二次だけにしていただくと助かります。

 それでは!

 さようなら


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第9話 能力、覚醒の兆し

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回で刀が出てくるはずです。

 それではどうぞ!


side優也

 

「刀を見るって、俺自身がこれから使う刀を見るって事か?」

 

 俺は驚いた。なぜならいきなり唐突に刀を見るか?と言われたからだ。

 

 突然の事で驚いてしまった。

 

 いや、まぁ普通なんだけどさ、ここに来て一切その話題がふられなかったから驚いてしまった。

 

「そうよ。少し準備するから待ってて」

 

 と言って、白玉楼の中に入っていく紫

 

「刀ねぇ…」

 

 俺はドキドキしていた。

 

 緊張の方ではなく不安の方で

 

 俺は今まで鍛えたことが一度もないこの体でどれだけ戦えるかなんてわかりきっている。

 

 つまりは戦うとしても短期決戦が望ましい。

 

 そんなことを考えていると、妖夢が刀を鞘に納めてこっちに来た。

 

 すると妖夢はこちらに微笑みかけてきた。

 

 俺は思わず会釈する。

 

「お待たせ。裕太」

 

 と後ろから声がした。

 

 そして後ろを向くとそこには紫と幽々子がいた。

 

 一個の細長い箱を持って

 

「その箱は?」

 

「これは刀の入った箱よ」

 

 と良いながら紫は箱を開ける。

 

 その中には俺の身長の半分より少し上位の長さの刀が鞘に入った状態で入っていた。

 

「長い」

 

 そう。とにかく長い。妖夢の楼観剣(妖夢がそう言っていた)と、同じくらいの長さ。

 

 これからこれを振り回せるのか不安になってくる。

 

「長いですね…楼観剣と同じ位ですか?」

 

 と、俺の横から除き込んでくる妖夢

 

 ち、近いです。妖夢さん。

 

「これがあなたの刀、「幽斬剣(ゆうざんけん)」よ。名前の通り妖夢のその楼観剣と同じように霊的存在も斬ることか出来る刀よ」

 

 と、紫はこの刀の説明をする。

 

 妖夢の刀の一つ、楼観剣は霊的存在を斬ることに特化しているらしい。何でも妖怪が鍛えた刀らしい。

 

 俺がこれから貰う刀、幽斬剣も霊的存在を斬ることが出来るらしい。

 

「霊的存在か…」

 

 と、言いながら亡霊の一匹を見る。

 

 すると俺の視線に気がついたのか亡霊はビクッと震えてから物凄いスピードで逃げていった。

 

 まぁ、亡霊のこの反応も分かるような気がする。

 

 前、京哉に言われたことがある。「裕太って何かを考えているときの目付きが怖くなるよな」って。自覚は無いのだが目付きが悪くなるらしい。

 

 そして俺は刀を手に取る。

 

 ずっしりと重い。これが刀の重さ…

 

 そして少しだけ刀身を鞘から出して刀身を見る。

 

 キラキラと光輝く刀身。綺麗だ。

 

 そしてその刀を見ると俺自身か刀に写っている。

 

 俺はこの髪が嫌いだ。人からハブられたときはどれだけこの髪を恨んだか…

 

 そんなことを思いながら再び刀を鞘に戻す。

 

「ちょっとふってみても良いか?」

 

「勿論。あなたの刀になるのだから」

 

 と、言って頷く幽々子

 

 俺はお言葉に甘えて刀身を抜いて先ほど妖夢が立っていた位置まで向かう。

 

 そして何もない方向に刀を向けてふぅ…と息を吐く。

 

 そして刀を縦にふる。

 

 すると、シュンと言う空を斬る音が聞こえた。

 

 ずっしりとした刀。少しでも気をぬいたら体を持っていかれそうになる。

 

 初めて触った刀。だが、とても手にフィットする。

 

 とても扱いやすい。

 

「おおー!様になってますよ!裕太さん」

 

 と、誉めてくる妖夢

 

 妖夢…誉めたって何も出ないぜ?

 

 そして刀を鞘にしまう。

 

「気に入った」

 

 そう言って妖夢達の元へ向かう。

 

「じゃあこれからはこれがあなたの武器よ」

 

 それだけ言って紫はまたどこかに消えてしまった。

 

 まぁ、良いか…

 

「ねえ、裕太。少し妖夢と手合わせしてみない?」

 

「は?」

 

 と、幽々子が言ってきた言葉に驚いた。

 

 妖夢と俺の力の差は歴然それなのにやる必要があるのか?

 

 幾らなんでも刀をさわりたてで攻撃を加えられるような相手では無いような気が…

 

「無茶です」

 

 と、妖夢も否定している。そりゃそうだ。

 

 だがしかし幽々子は

 

「ちょっと見てみたいのよ~

 

 と、言っている。

 

 これは困った…これはやらないと放してくれないやつだ。

 

 と、俺はしぶしぶといった感じで妖夢とアイコンタクトを取ってやる意思を表明する。

 

 妖夢も「仕方ないですね」と言って刀に手をかける。

 

「弱者を痛め付ける趣味は無いですが、幽々子さまのご命令とあらば」

 

 そして妖夢の目がキラリと光る。

 

 怖い!その表情怖い!

 

 そして俺も刀に手をかけて、広い場所に移動する。

 

「じゃあ、初め!」

 

 と言う幽々子の合図で俺と妖夢は刀を抜いて向き合う。

 

 そして俺は刀を持って妖夢に突っ込む。

 

 刃の反対で斬りつける。

 

 しかし少し動いただけで妖夢にかわされてしまう。

 

 そして妖夢は俺を刃の反対で斬りつける。

 

 それはちょうど脇腹に当たり、結構痛かったため膝をつく。

 

「初心者にしてはよくやった方だと思います」

 

 そして妖夢は俺を上から刀の反対で振り下ろすようにして斬ろうとしてくる。

 

 そして俺は敗けを覚悟して目を瞑る。

 

 次の瞬間、刀が頭に当たると思いきや、当たらなかった。

 

 そして恐る恐る目を開けると妖夢の刀が見えない壁によって阻まれているようだった。

 

 そして俺は刀を逆手に持って妖夢の腹を柄でつく。

 

 これには少し妖夢も怯んだようで膝をつく。

 

 これを好機とし、俺は刀を持ち直して刃の反対で斬りかかる。

 

 しかし、素早く妖夢は反応し、回避され背後を取られた。

 

「チェックメイトです」

 

 首に刀を突きつけられ、俺は敗北した。

 

「初心者でここまでできたことは正直にすごいですよ」

 

「ああ、ありがとう」

 

 そう言ってズボンの埃を払う。

 

 すると幽々子がこちらによってきた。

 

 目を鋭くして

 

「妖夢、さっき何があったの?」

 

 さっきと言うのは妖夢の刀が突然止まったときの事だろう。

 

「それがよく分からないんです。何か壁に当たったかのような」

 

 壁に?やっぱり、壁みたいになってたのか。

 

「裕太、もしかしたら能力の覚醒の兆しかもしれないわよ」

 

 マジで!?

 

「ってか能力ってなんだ?」




 はい!第9話終了

 次回は能力の説明と考察です。

 それでは!

 さようなら


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第10話 能力と稽古

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 久しぶりですね。ここ最近投稿してなくてすみませんでした。

 リアルが忙しかったのもありますがモチベが下がりつつある。しかもクオリティーは同じで文字数は少ない…

 でもまあ気を取り直して行きましょう。

 それではどうぞ!


side裕太

 

「ってか能力ってなんだ?」

 

 能力って…身体能力系?いや、察するにこの世界は現世とかけ離れているから恐らくファンタジーとかである能力って感じだろう。

 

 でも俺は現世で生まれ育った訳だしそんなのがあるとは考えられないんだが?

 

「簡単に言うとこの世界の住人の一部が使える力の事よ」

 

 どうやら俺の解釈は合っていたようだ。

 

 だけど俺の能力ねぇ…

 

 多分、さっきのが関係しているんだろうけど全く検討も付かない。

 

 さっきの経験したのは俺じゃなく妖夢だからな。まぁ、多分壁みたいなものにぶつかったのだろう。

 

「何かにぶつかったんです」

 

 やはりそうか…じゃあありそうなのがバリアかな?それ以外思い付かないんだが…

 

 バリアねぇ…戦いでは役に立つかも

 

 でももっとかっこいいのを期待していた自分が居るんですが…

 

「裕太、今の話を聞いてあなたはなんだと思う?」

 

 と、幽々子が聞いてきた。

 

 まぁ、とりあえず思ったことをありのまま話すか。

 

「とりあえず妖夢の話から推測するにバリアみたいな物だと思います。まぁ、これは推測に過ぎないですが」

 

「まぁ、合ってるかどうかは置いといて、あなたはそう思ったのよね?」

 

「まぁ、そうですね」

 

 そう言うと幽々子は優しく「そう…」と、呟いた。

 

「それなら当面は確定するまでその抵で行きましょう」

 

 と言うことで俺の能力に関する話は終わった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

自室(夜)

 

 そう言えば俺は学校帰りにフラ~と神社に立ち寄ってそれで幻想郷に来たから親に何も言わずに来ちまったことになるんだよな…

 

 京哉とかも少なくとも他の人よりはってか親友だったんだから心配してるんだろうな…

 

 あの状況では無理だったけどせめて家族とか京哉位には言ってから来たかったな。

 

 まぁ、今はそんなこと気にしても仕方ないか…自力では戻れないんだからな。

 

 そんなことをかんがえながら仰向けで寝転がっているとコンコンとノックがなった。

 

 誰だ?こんな時間に…

 

「入っていいよ」

 

「お邪魔します」

 

 と言って妖夢が扉を開けて入ってきた。

 

 そして俺は妖夢が入ってきたことを確認したらすぐに状態を起こした。

 

 扉を、閉めた妖夢は俺の隣まで歩いてきてそのまま座った。

 

 ち、近い…何でここ?他にも座るところがあるのにどうして俺の横を選んだ!?

 

 く、不覚にも可愛い女の子だからドキドキしてしまう。

 

「先程はありがとうございました」

 

「先程って?」

 

 俺が聞き返すと優しい声色で「おにぎりを作ってきてくれたことですよ」と言った。

 

 あれは、別に自己満だから別にお礼なんて要らないんだけどな…

 

 俺は飯を食べる暇も惜しんで刀の素振りをして少しでも強くなろうとしている姿が格好いいと思って、でも何も腹に入れないのは体に悪いんじゃないか?と思ったら勝手に体が動いていただけだからな。

 

 だから俺は

 

「あれはただの自己満だ」

 

 と言った。

 

 すると

 

「裕太さんって優しいですね。話してみると面白いですし。何より楽しいです」

 

 と、突拍子もなくそんなことを言ってきた。

 

 って言うか俺って優しいとか面白い素振りをしたことあったか?まぁ、楽しかったなら良いんだが。

 

「妖夢って庭師なんだよな?」

 

「はい」

 

「そして飯も作って特訓?もしてると」

 

「はい」

 

「大変じゃない?」

 

「はい。少し…」

 

 と、苦笑いしながら言っていた。だが妖夢は「でも」と付け加えてからこう言った。

 

「好きでやっているんです。本業は庭師ですが、料理をすることによって誰かが笑顔になるのが好きなんです。だから少し位辛くても頑張れるんです」

 

 と言った。

 

 俺にもその気持ちは分からなくもない。

 

 前にも言った通り妹が俺には居るが俺の料理を食べたときのあの表情をみたら兄として嬉しくないわけが無いのだ。

 

「妖夢はこれから寝るのか?」

 

 俺はふと思ったから聞いてみた。

 

「いえ、もう少し鍛練をと思ってましたが」

 

「じゃあ都合が良いな。俺に稽古をつけてくれ」

 

「…え?」

 

 と、妖夢は少し驚いた様子だった。

 

 俺はどちらにしろ強くならなくちゃ行けない。だからそのためには妖夢に稽古をつけてもらうのが一番だと思ったんだが…

 

「もしかして嫌か?」

 

 俺が聞くと慌てて妖夢は「いえいえ!そんなことはありません!寧ろ大歓迎です!」と俺の問いを否定した。

 

 嫌がられてなくて良かった。

 

「そんじゃ行くか」

 

「はい!」

 

 そう言って俺は刀を持って俺の部屋の障子から庭に出た。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 稽古は実践を交えながらのものだった。

 

 刀同士がぶつかり合うカキィィンと言う甲高い音が響く。

 

 あれから俺は能力を使うと言う感覚がつかめず能力は使えていない。

 

 あれはなんだったんだろうな。

 

 ピンチに陥ったことによって能力が覚醒したとかそう言う格好いいことは主人公だけだからな…一瞬そう言う設定を期待したけどあいにく俺は主人公柄じゃないからな。

 

 そうして暫く稽古は続いた。

 

 そして

 

「今日はこれくらいにしておきましょう。過度の運動は体に良くないと言いますし」

 

「そうだな。今日はありがとう」

 

「これくらい別に良いですよ」

 

 そう言って妖夢と別れ布団に入った。

 

 稽古の疲れもあってかすぐに俺は眠りについた。




 はい!第10話終了

 今回の話はどうでしたか?

 次回はここまで遅くならないようにします。

 それでは!

 さようなら


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第11話 練習

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は言うことが特にない。思い付かない…

 と言うことで

 それではどうぞ!


side裕太

 

 障子から朝の心地よい光が入ってくる。

 

 何度寝ても覚めてもやはりこれは夢ではない。

 

 刀を握ったのも事実だ。

 

 チラッと部屋のすみになぜかある鏡を見る。

 

 するといつも以上に寝癖が酷い事に気がついた。

 

「これは酷いな…まず洗面所に行くとするか…」

 

 そして自室から出て洗面所に向かう。

 

 洗面所で寝癖を直し歯を磨く。

 

 紫の奴、俺の部屋に有ったものと私物をそのままこっちに持ってきたからこう言うのだけは充実してんだ。

 

 そして磨き終わった俺は洗面所から出る。

 

 そこに妖夢が通りかかった。

 

 朝は弱いのかやはりポワポワしている。

 

 妖夢の半霊は妖夢の頭の上でお休みしている。

 

「んあ?裕太さん?…って裕太さん!?」

 

 と、驚いて妖夢は俺から急いで飛び退き距離を開けてぶつぶつと何かを呟き始めた。

 

「裕太さんに恥ずかしいところをまた見られてしまった…見られてしまった…」

 

 まぁ、良いや。

 

 それより妖夢を正気に戻して早く朝飯を作らなくちゃな。

 

 それにしても正気に戻すって何したら良いんだ?

 

 悩んだ挙げ句、俺は普通に声をかけてみることにした。

 

「妖夢?どうしたんだ?」

 

 すると、大袈裟に妖夢は肩をビクッと跳ねらせた。

 

 どうしてそんなに驚く必要があるんだ?俺はここにいるのに

 

 数秒してから妖夢は「ふぅ…」と息をはいた後、こちらに向いてから「何でもありません。今日も一緒に作りますか?それなら行きましょう」と言って足早に厨房に向かった。

 

 一体何なんだ?

 

 と、俺は思いながら妖夢の後をついて行った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

朝食後

 

 俺は部屋に戻って刀を手に取り庭に出た。

 

 どうしてこんな行動をしたかだって?そんなの決まってる。

 

「オーイ!妖夢!」

 

 と、声をかけながら駆け寄る。

 

 すると妖夢は驚いたようで「えっ?裕太さん?」と、驚いた声を出した。

 

 そして俺は妖夢の前で立ち止まってこう言った。

 

「俺に剣術を教えてくれ!」

 

 そして俺は頭を下げる。

 

 すると妖夢は慌てて「あ、頭を上げてください!」

 

 と、言ってきた。

 

 だから俺は素直にしたがって頭を上げた。

 

「ど、どうして急に?」

 

 まぁ、確かに急だったかな?

 

「いや、これからこっちの世界で暮らすなら戦いとかもあるかもしれないから戦えるようになりたいと思って」

 

 俺がそう言うと妖夢は「なるほど…」と言ってから「分かりました」と言った。

 

「では基本から始めましょう。初めは刀が重くて振りにくいかも知れませんが慣れると思います」

 

 そして俺と妖夢の鍛練が始まった。

 

 確かに最初は刀が重くて振り回しにくかったが、持っている内にこの重みに慣れてきたのかだんだんと振り回せるようになってきた。

 

 まぁ、さすがに模擬戦をしてもまだ一撃も当たらないだろうけど…

 

 そしてだいぶ刀の扱いを覚えたところで、

 

「そろそろ技を使ってみましょう」

 

 技?

 

 あらかた妖夢からざっと剣術は教わったんだが?

 

 そう言うと妖夢は刀を構えて森を向いた。

 

 そして妖夢の刀がキラリと光る。

 

 そして妖夢は息を大きくはき、刀を振り下ろす。

 

 すると、俺の目には驚きの光景が映った。

 

「妖夢さん。今、斬撃が飛んでったように見えたんですが?」

 

 そう言うとさも当然のように「そうですよ?」と言った。

 

「この技は霊力斬と言う技です。人間なら皆が持っている霊力を刀に込めて放ち、遠くの敵を斬るために使う技です」

 

 霊力って…俺は外から来たんだが、本当にあるのか?

 

「まず刀に力を込めるイメージで霊力を込めます」

 

 と、言われ疑心暗鬼ながらもイメージをしてみた。

 

 すると、妖夢が霊力斬を放ったときのように刀がキラリと光った。

 

 そしてそのまま振り下ろす。

 

 すると、

 

 ドダダダダ

 

「え?」

 

 森の木々を斬り倒してしまった。

 

 さすがの妖夢も驚きが隠せないようで

 

「初めてでこれですか?」

 

「そうだけど?」

 

「まさか、予想を超越えしてくるとは思いませんでした。まぁ、この威力だとそこらの自我の無い妖怪程度なら余裕なんじゃないですか?」

 

 おー。少しは力が付いてきたってことだよな?

 

「まぁ、まだまだ私には勝てませんけどね。私に斬れぬ物などあんまり無い!えっへん」

 

 と、胸を張る妖夢。

 

 まぁ、そりゃ勝てないだろうな。

 

 今、不意打ちしてもあの時のように軽々とかわされるだろうな。

 

 だけど確かに強くなるのならやって良かったと思える。

 

 というかあんまり無いって…そこは無いって言い切ろうよ!

 

 でも、飛べないとこっちでは話にならないんだろうな…

 

「妖夢、次は飛び方を教えてくれ」

 

「分かりました」

 

 そう言って妖夢は刀をしまう。

 

 そして数秒したらふわあっと俺の目の前で数センチ浮き上がった。

 

「おおー」

 

 と、俺は歓声を上げる。

 

 やはり、今まで人が自由に空を飛ぶことが出来ないのが常識だったら感動するね。

 

「飛ぶのには二つの方法があります。一つは霊力で体を支える方法。もう一つはあまりお勧めしないけど霊力を飛ぶ方向と逆に霊力を噴射して飛ぶ方法。これは小回り効かないからお勧めしません」

 

 もしかして魔理沙のあれがそれなのか?

 

 確かにあれはいつか死人が出るぞ…

 

「魔理沙のは何も考えずに噴射しているだけです。なのでたまに博霊神社が半壊しています」

 

 半壊!?恐ろしい威力だ…って!読まれた!?

 

 そんなこんなで途中休憩がてら昼食を取り、午後は慣れていない霊力の操作を練習した。

 

 まずは弾幕を作るところから始めるらしい。

 

 そしてその後も練習が続いた。




 はい!第11話終了

 今回はどうでしたか?

 それでは!

 さようなら


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第12話 買い物

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 前回霊力を操る練習を始めました。

 今回はその続きからです。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 カキィィィン

 

「だいぶ刀裁きが鋭くなりましたね」

 

 初めて剣術を教わり初めてから2日が経った。

 

 現在、妖夢と手合わせをしている。

 

 まだまだ全然敵わないがそれでも出来るだけの力を出して戦う。

 

「ここまで」

 

 妖夢の掛け声により、俺は刀を鞘におさめる。

 

 そして縁側に座り込む。

 

 俺はだいぶ刀の扱いにも慣れ、自然に振り回せるくらいにはなっていた。

 

「それにしても上達が早いですね。まだ2日しか経っていないのに」

 

 と、俺を誉める妖夢

 

 早い方なのか?

 

 そんな感じで妖夢と話していると幽々子がこちらにやって来た。

 

「ふふっ。二人とも頑張るわねー。二人を見ていると妖忌と昔の妖夢を思い出すわ」

 

「や、やめてくださいよー!」

 

 昔の妖夢も俺と同じように師匠に刀を教えてもらってたのかな?

 

 それを思い出すように幽々子が話し出すと、それを遮るように妖夢が顔を赤くして「やめて」という。

 

「そうだ!裕太さん。霊力の扱いの復習も兼ねて人里に買い物に行きませんか?」

 

 と、妖夢は照れくさくなったのかその場から逃げるように提案してきた。

 

 もちろん俺はokしたが、

 

「人里?」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 妖夢に聞いてみたところ、人里は人が安全に住める村みたいな物らしい。

 

 そこで妖夢はよく買い物をしているらしい。

 

 妖怪もそこに入っていけるが、そこで騒ぎなんか起こしたら賢者達に退治されるらしい。

 

 だからここでは誰一人騒ぎを起こす妖怪なんていないんだとか。

 

 そんな感じの話を妖夢から聞きながら飛んでいると人里に着いた。

 

 町並みは日本の江戸時代の、風景に似ている気がする。

 

「取り合えず合格点ではありますが、霊力が無駄に出過ぎですね」

 

 と、俺の飛行の評価をする妖夢

 

 確かに霊力を使いすぎたのか疲労感がすごい

 

 取り合えず買うもの…だよな

 

「まずは八百屋に行きましょう」

 

 まず八百屋で買うものはニンジン、玉ねぎ、じゃがいも。

 

 カレーでも作るのか?

 

「早く来ないと置いていきますよ」

 

 と、いつの間にか進んでいた妖夢に急かされる。

 

 俺は「あ、ごめん!」と言って妖夢に着いていった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 そんなこんなしながら歩いていると八百屋にたどり着いた。

 

 そして中から体格の良い男性が出てきた。

 

「おう!妖夢ちゃん!いらっしゃい!」

 

 と、元気良く妖夢に話しかける男性

 

「こんにちは」

 

 と、挨拶をする妖夢

 

「今日は何にするんだ?」

 

「そうですね。ニンジンと玉ねぎとジャガイモをお願いします」

 

 と、言うと男性は店内からニンジン玉ねぎジャガイモを探して持ってきた。

 

「ほら、これで良いかい?」

 

「はい」

 

 そう言うと妖夢は袋に入ったニンジン玉ねぎジャガイモを受けとる。

 

「妖夢、俺が持つよ」

 

 と、俺は妖夢に言うが

 

「いえ、大丈夫です。慣れてますので」

 

 という感じで断られてしまった。

 

 だが、男としてそれはどうなんだ?

 

「いや、これでも俺は男だ。任せてくれ」

 

 そう言うと妖夢は「分かりました。ではお願いしても良いですか?」と聞いてきたから俺は二つ返事で引き受けた。

 

「おや?そこの男は誰だい?もしかして妖夢ちゃんの彼氏かい?」

 

 と、笑いながら聞いてきた。

 

「いや、彼氏って…俺たち付き合ってないですよ?」

 

 と、言って妖夢を見ると妖夢は顔を真っ赤にさせていた。

 

 っておい!その反応は肯定しているように見えるじゃないか!

 

 そしてやっと妖夢が言葉を発する。

 

「そそそ、そうですよ!わわわ、私と裕太さんがなんて…」

 

 アウトー!

 

 妖夢、やめようかそういう反応。

 

 男は純粋だからすぐ勘違いするっての

 

「ははっ。冗談だって。それとも付き合ってないだけで妖夢ちゃんのその反応は実は気が有ったりして?」

 

 と、いじってくる男性

 

 俺は思わず「えっ?」と無いと分かってるがそんな声を出してしまった。

 

 すると妖夢が

 

「違いますよー!裕太さんも勝手に期待しないで下さい!」

 

 ふぅ…良かった…そうだよな?俺を好きになるやつなんて居ないよな?

 

 あれ?目から汗が…

 

「ははっ、じゃあ妖夢ちゃんの面白い表情も見れたことだし、はい。おまけ」

 

 そして俺の持っている袋にニンジン玉ねぎジャガイモを一個づつ多目に入れる男性

 

「ありがとうございます」

 

「いつでも来いよ!またおまけしてあげるから」

 

 そして二人でお礼を言って八百屋を後にする俺達

 

 次は肉か

 

 やっぱこれってカレーだよな?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達は肉屋に来ていた。

 

「あ、妖夢ちゃん!いらっしゃい」

 

 今度は女性の店員だった。

 

「こんにちは」

 

「で、今日は何が良い?」

 

「お勧めは何かありますか?」

 

 と、妖夢が聞くと女性はパックに入った肉の一パックを取って見せてきた。

 

「今日はこれがお勧めだよ」

 

「ではそれにします」

 

 と言って女性が袋に入れたのを受けとる妖夢

 

「妖夢ちゃん。所でそっちの喋らない男は誰だい?」

 

 と、俺の話題になったようだ。

 

 だから俺は近づいて名乗った。

 

「俺は空頼 裕太です。えーと、妖夢の友達ですね」

 

 取り合えず友達ってことにしておく。

 

 俺達の関係が友達って言う物なのかは定かでは無いが

 

「そうなんだ?私は妖夢ちゃんの彼氏かと思ったよ」

 

 またこのパターンか

 

「かかか、かれしぃっ!」

 

 やっぱり、妖夢はこの手の話に弱いみたいだ。

 

 その後も店の近くを通る度にこうしていじられ続けた。

 

 妖夢って以外と人望あるんだな。




 はい!第12話終了

 次回は人里からのスタートになると思います。

 それでは!

 さようなら


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第13話 無意識に能力使用

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は前回の続きですのでそちらから見ていただいたら内容がわかると思います。

 それではどうぞ!


side裕太

 

「えーっと。ニンジン玉ねぎじゃがいもお肉…これで良いですかね?」

 

 と、妖夢は俺の持っている袋を見ながら呟いていた。

 

 ってあれ?

 

「ルーは?」

 

「はい?」

 

 え?この反応、もしかしてカレーじゃなかったりして

 

「妖夢。今日の献立は?」

 

「肉じゃがです」

 

 あー。これは俺が一人で勘違いしていたんだな。

 

 何か恥ずかしいな。何も言わなかったら気がつかれなかったものを!

 

 何やってんだ!

 

「あー。もしかしてカレーとかシチューと勘違いしていました?」

 

 と、意地悪な笑みを浮かべて聞いてくる妖夢

 

 俺は渋々肯定すると「フフっ」と笑った。

 

 くっそー。自爆しただけと分かっているけど、無性に仕返しがしたい。

 

 だから俺はわざとこう言った。

 

「妖夢の周りにハエが(たか)ってるぞ?」

 

「ひっ!」

 

 妖夢はそう言うや否や、刀を抜いて振り回し始めた。

 

「裕太さーん!ハエなんてどこにいるんですかぁっ!」

 

 と、必死の様子で俺に聞いてきた。

 

 この子危なすぎるでしょ!たかがハエに刀まで抜くなんて。

 

 どんだけ虫嫌いなんだよ!

 

 と、ここで実は嘘でした~!と言うと、俺に攻撃の矛先が向くのは火を見るよりも明らかだ。

 

 だからこう言った。

 

「ハエは妖夢の刀にビビって逃げちゃったよ。ははは」

 

 と、乾いた笑いを浮かべた。

 

 すると、妖夢は「ふぅ…」と言って刀を鞘に納めた。

 

 どうやら俺は助かったようだ。

 

「助かりました…ありがとうございます」

 

「あ、ああ。どういたしまして?」

 

 と、返すが、俺はお礼を言われる立場じゃないよな。

 

 この子超純粋なんだが。

 

「ちょっと待っててくれ」

 

 焦りでトイレが近くなってしまったのでもう限界だった。

 

「あ、はい」

 

 そしてその場を後にした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数分後

 

「あれ?大男に妖夢が囲まれてる」

 

 …まさか!

 

 何で考えなかったんだ。

 

 剣士とはいえ、元はただの女の子だ。

 

 何で考えなかったんだ?この可能性を

 

「おい。俺達と遊ぼうぜ?」

 

 と、妖夢の手首を掴む大男A

 

 俺からは見える。

 

 嫌そうにして困り果ててる妖夢が

 

 そして手が震えながら徐々に腰の刀に近づいていって…

 

「すみません!こいつ、俺の連れなんです」

 

 と、俺は間に割って入った。

 

「なんだ?てめぇ」

 

「お前みたいなひょろひょろが調子のってんじゃねーぞ!」

 

 と、殴りかかってくる大男達

 

 俺は少し恐怖を覚えたが、その場を一切動かなかった。

 

 そして当たる寸前に、妖夢との稽古の時として同じように止まった。

 

「なんだこれ!まるで見えない壁があるみてーだ」

 

 そして俺は壁でこれない大男達を睨んだ。

 

 すると、突然大男達は意識を失い、その場に倒れた。

 

「行くぞ。妖夢」

 

 なんか知らんが、意識しないで知らないうちに能力を発動しているみたいだ。

 

 意識して発動できるまでどれだけかかるやら。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side妖夢

 

 裕太さんがどこかに行ってしまいました。

 

 どこに行ったんでしょう?まぁ、待っててと言われたからには待ってますが…

 

 数分後、私は大男達に囲まれてしまいました。

 

 しかし、これは困ったことになりました。私を帰してくれそうにありません。

 

 と言うかしつこいです。

 

「おい。俺達と遊ぼうぜ?」

 

 何度も断ってるじゃないですか…

 

 もう、相手をするのが面倒になってきました。

 

 かくなる上は斬るしか…

 

 そして私が白楼剣を抜く直前

 

 私と大男の間に裕太さんが入ってきました。

 

「すみません!こいつ、俺の連れなんです」

 

 裕太さんがそう言うと大男は悔しそうな顔をしましたが、直後裕太さんに殴りかかってきました。

 

 裕太さんが危ない!そう思いましたが、裕太さんに当たる直前に私と戦ったときのように壁が出来たらしいです。なので裕太さんに攻撃が当たることはありませんでした。

 

 そして裕太さんは大男達を睨み付けました。

 

 その次の瞬間。大気が揺れ、意識を持っていかれそうになりましたが、なんとか耐えました。

 

 しかし、大男達は耐えきれなかったようでその場に倒れました。

 

 そして裕太さんは急に手を繋いできました。

 

 少しドキッとって何考えてるんですか!私は!

 

「行くぞ。妖夢」

 

 そして裕太さんは怖い顔で私の手を引いていきました。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

 ちっ、何やってんだか…俺は

 

 とにかく

 

「妖夢。そんな短絡的にすぐ何事も斬っちゃダメだ。そんなことしたら辻斬りと同じになってしまう」

 

 俺は同じになってほしくなかった。今回の主犯の辻斬りと

 

 なぜかは知らないが、俺はそう思ったから今回の様に行動を起こしたんだと思う。

 

 まぁ、ただ単に、絡まれている妖夢を見てられなかったってのもあるけどな。

 

「はい。わかりました」

 

 それならいいんだ。

 

「さあ、気持ちを切り替えて帰るか!」

 

 そうして俺と妖夢は白玉楼に帰った。

 

 帰り道

 

 俺と妖夢は繋いだ手をずっと話さなかったと言う。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「あら、二人ともお帰りって。もしかして買い物を装ってデートに行って来たのかしら?」

 

 そう言われて俺と妖夢は「えっ?」と言う。

 

「手なんか繋いで仲良さそうね」

 

 それを聞いた瞬間、俺と妖夢はハッとなった。

 

 その次の瞬間、俺の腹部に妖夢の蹴りが飛んできた。

 

「ぐふぁっ!」

 

 俺は飛ばされて壁を貫通して外に飛んでいった。

 

「よう…む。斬るのがダメだからってそうそう蹴るもんじゃない…ぞ」

 

「幽々子様違うんです!これは!」

 

 俺は遠目で妖夢が弁解しているのを見ながら意識を手放した。




 はい!第13話終了

 次回は少しストーリーを進展させないとだらだらとしてきているので進展させたいと思います。

 それでは!

 さようなら


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第2章 目覚める力 第14話 囮大作戦

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回から少しストーリーが進む予定です。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺はいつも通りに朝飯を食べた後、なぜかしら朝飯を食べない妖夢を心配しておにぎりを作って持っていってやった。

 

 そして、妖夢は一人で鍛練をしていたのを中断し、俺からおにぎりを受け取って食べる。

 

 そしてそのおにぎりを妖夢が食べ終わるのを合図として稽古を開始する。

 

 そう…今日も

 

 カキィィィン!

 

 と、金属同士がぶつかり合う甲高いおとが鳴り響く。

 

「良いですよ。最初と比べて攻撃の鋭さが格段に上がっています!」

 

 と、誉めてくれる妖夢

 

 やっぱ誉めてもらえると強くなっていってるって実感が持てて嬉しい。

 

 そして剣を合わせている時に横から紫が出てきた

 

「あ?紫か…どうした?」「紫さま?どうなされたのですか?」

 

 と、俺と妖夢は同じタイミングでそう言った。

 

 すると、紫は深刻そうな表情でこう言った。

 

「例のやつが現れたわ」

 

 例のやつって…辻斬り!?

 

 つてことは被害者が出たのか!

 

「そうですか…いつものように見廻りをしますか?」

 

 と、妖夢が言うと紫は首を振った。

 

「すでに私たちの顔は世間的に割れている。そんな中私たちが見廻ると警戒される可能性が大きい。だから裕太。お願いできる?」

 

 と、紫が聞いてきた。

 

 確かに顔が割れてる人よりも最近来た俺が行った方が警戒されにくいだろうけど…もしそうだとしたら…あれ?これって…

 

「俺は完全なる(エサ)じゃねーか!」

 

 俺がそう言うと、紫は「そうとも言うわね」と言った。

 

 そうとしか言わねーよ!なんだよ!聞こえの良い言葉を並べやがって!要は囮だろ?

 

 まぁ、俺はこれのために召喚()ばれたと行っても過言では無いもんな。

 

 何だってやるよ。仕方ないから。

 

「奴は一度現れてから二・三人に被害をもたらしてから再び姿を消す。だから、実行は今夜」

 

 と、紫が俺に言ってくる。

 

 作戦としてはこうだ。

 

 俺が少し大きめのマントを羽織り、その中に刀を忍ばせる。

 

 奴が俺に釣られて攻撃を仕掛けてきたら俺と妖夢で応戦

 

 後から来れたら霊夢達も来ていっせいに攻撃

 

 だそうだ。

 

 と言うか来れたらってなんだよ!来れたらって!はっきりしろよ!

 

「じゃあ、そんな感じでよろしく」

 

「いや、よろしく出来ねーよ」

 

 不安要素しかない

 

 霊夢さん。お願いします!来てください!今度賽銭を入れにいきますので!

 

「でもまぁ…囮と言ったら…ねぇ?幽々子」

 

 すると、幽々子が扉を勢いよく開けてこっちに来た。

 

 ものすごい嫌な予感がするのは俺だけじゃないはず…

 

「幽々子…言いたいこと…分かるわよね?」

 

「例の物は?」

 

「もちろん。この私に抜かりはないわ」

 

 と、怪しげな会話を繰り広げる二人

 

 妖夢はと言うと、苦笑いをしながらかわいそうな人を見る目でこっちを見てきた。

 

 やめて!妖夢さん!そんな目で俺を見ないで?

 

「さぁ、裕太?」

 

「覚悟は良い?」

 

「い、い、いやぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 この時、冥界全体に裕太の叫び声が響き渡ったと言う。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺は夜の人里を歩いていた。

 

 例の事件も相まってか、昼間あんなに賑やかだった人里も、しんと静まり返っていて寂しい町へと変貌を遂げていた。

 

 だが今、重要なのはそこじゃない。

 

 一番重要なのは俺の服装だと思う。

 

 俺は今、女装をさせられている。

 

「はぁ…どうしてこうなった…」

 

 

─※─※─※─回想─※─※─※─

 

「い、い、いやぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 その叫びもむなしく、紫と幽々子に連れられていってしまった。

 

 いや、連れられて行ったと言うよりはスキマの中に落とされたが正しい。

 

 周りは目玉ばかりの薄気味悪い場所

 

「ようこそ!私のスキマの中へ~!」

 

 と、紫もスキマの中に入ってきた。

 

「お、俺をどうするつもりだよ!」

 

「それはもちろん!」

 

 と、紫はどこから取り出したのか分からないレディースの服を一式差し出してきた。

 

「は?」

 

 と、俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

 

「やっぱり、襲われる人と言ったら女の子(・・・)かな?って思って」

 

「いや、意味わからん…どうしてそうなった!」

 

「いや、これは常識中の常識よ!」

 

「そんな常識捨てちまえ!」

 

 ったく、俺を女装させるくらいなら最初から女子を連れてくれば良かったじゃねーかよ…

 

 と、急に足がスースーしだした。

 

 俺は驚き下を見ると、紫の手元には俺の元着ていた服、俺の服は紫が持っていた服にチェンジしてしまっていた。

 

「え!?あ、え!?」

 

 いまいち状況が掴めない…どゆこと?

 

「私にかかればちょちょいのちょいよ。境界をこう…弄って」

 

「変なことに能力を使わないで下さい!」

 

 そしてスキマから追い出され、妖夢達に見られたのだが…

 

「に、似合ってますよ!」

 

 と、妖夢

 

 悲しい…女性用の服が似合ってるって言われても悲しいだけだよ。

 

「案外良いわね。ちょっと目付きは悪いけど、その銀色の髪の毛が良い味を出してるわ」

 

 そんな冷静に感想を言わないで?

 

─※─※─※─回想 終─※─※─※─

 

 そんなことがあって、今は女装をしているのだ。

 

 ったく。女だからってそうそう釣られるバカ居ねーだろ。

 

 ガタン

 

 ………と、思っていた時期が俺にもありました。

 

 うわぁ…絶対背後に誰かが居る。

 

 そう思って後ろを振り返る。

 

 すると、そこには小さい女の子が居た。

 

 なんだ?あの子。こんな時間帯に…

 

 その時

 

 シャキン

 

 と、真横で剣を抜かれるおとがした。

 

 しかし横を見ても誰もいない。

 

「きゃっ!」

 

 と、背後から聞こえてきたので後ろをジト目で振り返る。

 

 そこには転けた女の子が倒れていた。

 

 なにやってんだ?あの子

 

「フッフッフ…やるわね辻斬り魔。さすが数々の辻斬りをこなしてきた人物なだけあるわ。だけど今度こそあなたの息の根が止まる…はずよ!」

 

 は?

 

 なんか盛大にこの子勘違いをしていらっしゃる気がします。

 

 第一、何で俺を辻斬り魔だと思ったんだよ!あと、最後の言葉は自信持てよ!いや、俺のところにも似たような奴が居るけど…(キレヌモノナドアンマリナイ)

 

 とにかくこの誤解は解かなくちゃな。

 

「いや、俺は辻斬り魔じゃないぞ?ってか何で攻撃したんだ?危ないぞ?」

 

「フッフッフ。私は他の人より少し強いはずなのだ!だから怪しいマントを羽織ってフードを被って女装をしている奴には先制攻撃を仕掛けるのは当然なのよ!」

 

 ふーん…と言うか少し強いはずってだからもう少し自信を持てよ!何でそこで保険かけちゃうの?

 

 って言うか、怪しいマントを羽織ってフードを被って女装をしている奴なんてどこに…

 

 そこまで考えてから自身の服装を思い出す。

 

 無理やり着させられた服。恥ずかしいから羽織ったマント。そして同じく被ったフード。

 

 あれ?これ俺じゃね?ってか今思い返して見れば俺…怪しくね?

 

 怪しすぎんだろ!

 

 すみません!この俺が怪しい服装なんてしたせいで盛大な勘違いを!本当にすみません!

 

 その時

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!」

 

 と、女性の叫び声が

 

「こっちか!」

 

 と、俺は声のした方向へ走る。

 

「まてーっ!辻斬り魔!」




 はい!第14話終了

 次回はついに辻斬り魔登場!?

 それでは!

 さようなら


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第15話 負けられない

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回も前回の続きです。

 ではこちらでも

 だいぶ期間を開けてしまってすみませんでした!

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は悲鳴のした方向へと全力疾走していた。

 

 やっぱり、俺の服装が怪しすぎて囮になりきれなかったんじゃ?と言う疑問を抱きながら。

 

 そして、相変わらず剣を持った女の子は俺を追いかけてきていた。

 

 俺はそれどころではないので無視して走る。

 

 恐らく紫達もこの事には気がついているだろう。

 

 そして、声のしたところにたどり着くと、そこには気を失っている女性とマントを被り、仮面を着けている怪しい人物が居た。

 

 怪しい人物の手に握られている刀からは(あや)しいオーラ出ていた。

 

 その場に居るだけですごいプレッシャーを放つ人物。正直足が震えて動かない。

 

 今までにこれ程のプレッシャーを感じたことは一度もない。

 

 そして立ち止まっていると、後ろから女の子が斬りかかってくる。

 

 しかし、俺は動かなかったが女の子の剣は空ぶってしまって必然的に俺の前に躍り出る。

 

 そんなやり取りをしているとこちらに奴も気がついたらしい。

 

 俺たちは暫く睨みあったあと奴は物凄いスピードで走ってきて刀を振りかざす。

 

 俺はそれを見てはっと我に帰り刀を抜いて応戦する。

 

 カキィィィィン!と甲高い音か辺りに響き渡る。

 

 重い。そう。奴の攻撃はとても重たかった。

 

 妖夢と普段鍛練してるが、妖夢の方がまだ軽い。

 

 だが、こちらは油断してしまうと一瞬にして押し潰されそうになるほど重たいのだ。

 

「くっ」

 

 と、あまりの重たさに声が出てしまう。

 

 紫達はまだ来ないのか!

 

 このままでは俺の体が持たない。

 

 しかも奴はこの威力の攻撃を片腕だけで繰り出している。

 

 受け止めるので精一杯だ。

 

 女の子はと言うと足がすくんで動けなくなり、尻餅をついてしまっている。

 

 つまり、ここで俺がやられたら女の子に被害が行くのは避けられないと言うこと。

 

 負けられない力比べか…

 

 と、俺が暫く持ちこたえていると、痺れを切らしたのか奴の苛立ちが隠せていなかった。

 

 すると奴は突然空いている方の手で指パッチンをした。

 

 すると、気を失っていた筈の女性が起き上がり、何かでかいものを持ち上げた。

 

 俺は嫌な予感がしたが、堪えるので精一杯だった。

 

 そして

 

 ガツン!

 

 俺は横から鈍器で頭を殴られたことにより、気を失った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 怪しげな人物は好機とばかりに刀を振り下ろす。

 

 しかし、その刀が裕太に当たることは無かった。

 

 カキィィィィン!

 

 とその代わりに甲高い音が響き渡った。

 

「させませんよ」

 

 と、妖夢が刀で応戦していた。

 

 流石に妖夢でも相当重たい一撃のようだ。

 

 そして、妖夢と同タイミングで来た霊夢達は裕太が気を失った原因でもある人物を取り押さえた。

 

 その人物は、先程怪しい人物が斬った女性だった。

 

「やはりあの噂は本当だったようですね」

 

 と、早苗

 

 操られた女性は裕太を横から鈍器で頭部を思いっきり殴ったのだ。

 

「紫、裕太を永遠亭に連れていってあげて」

 

「わかったわ」

 

 そして裕太は隙間に入っていく。

 

「ちっ」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

「知らない天井だ」

 

 俺は目が覚めると知らない部屋に居た。

 

 ここは…病室か?

 

「確か俺は…」

 

 その時、俺の脳裏に気を失う前の光景が浮かぶ。

 

 そうだ。あの時俺は不意打ちを食らって…

 

 それを意識した瞬間頭が痛み出した。

 

「そう言えば妖夢達は!」

 

 そうして俺は周りを見渡す。

 

 しかし周りには誰一人として居なかった。

 

 その時

 

 徐に部屋の扉が開いた。

 

 そこから一人の女性が入ってきた。

 

「あら、目が覚めたのね」

 

 女性はそう言って俺の近くに寄ってきた。

 

 俺は一瞬身構える。

 

「警戒しないで良いわよ。私は八意(やごころ) 永琳(えいりん)。医者よ」

 

 い、医者?

 

 医者ってあの医者ですか?そのわりに格好が派手なような…あ、こっちでは常識的な事なのか…理解した。

 

「えーっと、なんで俺は病院に居るんですかねぇ?」

 

「それは霊夢達が運んでくれたからよ。今は戦いに戻ってここには居ないけど」

 

 そうだ、俺も戻らなきゃ

 

 そう思い、立ち上がろうとする。しかし

 

「いつっっ」

 

 全身に激痛が走った。

 

 何で?俺が殴られたのは頭だよな?何で全身が痛いのでしょう?

 

「とりあえず、暫くは安静にしておくことね」

 

 と、言い渡される。

 

 しかし、俺にゆっくりしてる時間なんて無いんだ。早く戻らないと皆が…

 

 そして俺は残ってるすべての力を振り絞り、歩く。ひたすら歩く。

 

「しょうがない子ね」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 暫く歩くと、漸くたどり着いた。皆のところへ

 

「裕太!?」

 

 と、皆が驚く。

 

 そして病室のベッドの横に置いてあった刀を抜く。

 

「負けられねぇ」

 

 しかし、怪しい人物は無言。ひたすら無言で落ち着いている。

 

「うおらぁぁっ!」

 

 そして刀を握ったまま、力を振り絞って走る。

 

 その次の瞬間

 

「うっ!」

 

 と、声をもらすほどの衝撃が俺を襲った。

 

 その衝撃は何かと、衝撃のあった腹へ目を写す。

 

 そこには異様なものが、腹から生えていた。

 

 血も垂れていた。

 

 それを見た瞬間、俺は気を失ってしまった。

 

「あなたはまだこんなところで死ぬべきじゃない」




 はい!第15話終了

 こっちだけで言おうと思いますが、暫くは週一でやっていこうかと思います。まぁ、気まぐれで終わるかも知れませんが

 それでは!

 さようなら


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第16話 能力と心

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 前回、裕太が倒れたところで終わったので今回はその続きです。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 こ、ここは?

 

「ここはあなたの精神世界」

 

 突如どこからともなく声が聞こえてきた。

 

 高い声。恐らく女の子の声だ。

 

 真っ黒な視界の中、俺は手足の感覚もあやふやに、なりながらそんなことを考えた。

 

 こんな声、聞いたこともない。

 

 もしかして、あのとき死んだのか?

 

 俺は直前の記憶を思い出していた。

 

 俺は…そうだ、直前の事を考えたら、死んだと考えるのが一番自然じゃないか。

 

「ちょっとあなたは勘違いしているよ。あなたは死んでないし、生きている。ギリギリね」

 

「ってか誰だよ。さっきから話しかけてきているやつは!」

 

 そう言いながら目を開ける。

 

 するとそこには空のように広大に広がっている空間が見えた。

 

「これは」

 

 俺は思わず言葉を失った。

 

 俺が珍しく、脳の処理が追い付いてないのだ。

 

「さっきも言ったでしょ?ここはあなたの精神世界」

 

「いや、そう言うことじゃなく、なぜ俺はここに?」

 

 と、聞くと少女は一拍開けてから話し始めた。

 

「あなたの命が危なかったから、無理やりこの世界に引きずり込んだって感じ?まぁ、この中に居る間は外の時間は止まってるから、ギリギリ死んでない状態で留まってるよ」

 

 そうか…やっぱり生きることなんて絶望的

 

 話しを整理するとこの中から出た瞬間、俺は死んじゃうじゃないか…

 

 どのみち助からない。

 

「話しは最後まで聞く。これ常識」

 

 と、言ってからまた少女は話し始めた。

 

「あなた、仲間を助けたい?自分の命にかけても」

 

 と、問いかけてきた。

 

 そんなの答えはとっくに決まってるじゃないか?

 

 髪色の事で避けられて、相手のことが信じられなくなっていた俺を歓迎してくれた世界だ。

 

 この世界の住人は、俺の大切な仲間だと思う。

 

 だから

 

「答えはyesだ」

 

「そう。なら、今から無理やりあなたの体に負荷をかけて、能力を発現させるよ。発動中は良いけど、技を切った直後、一気に反動が来るから運が悪かったら…」

 

 と、そこで女の子は話しをやめた。

 

 その直後、俺の体がポカポカと暖かくなり始めた。

 

「じゃあ、戻すよ」

 

「待ってくれ。最後に君の名前を教えてくれ」

 

「私に名前なんて無い」

 

 その直後、俺の視界は元に戻っていた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「うぐっ!」

 

 腹部を強烈な痛みが襲う。

 

 何事にも例えがたい苦痛

 

 しかし、俺は皆を助ける。その一心で行動する。

 

「ゆ、裕太!?」

 

 皆の心配の声が聞こえる。

 

 そして、俺は怪しい人物に向かって刀を杖がわりにして近づいていく。

 

 痛みのせいで俺の中で生と死があやふやになってくる。

 

 だが、俺は歩みをやめない。

 

 俺は、ただ倒すために

 

 すると、そんな俺の姿を見て、怪しい人物は怯んだようだ。

 

 そして、数秒開けて怪しい人物は俺に向かってきた。

 

「裕太さん!」

 

 と、妖夢が俺の前に出てくる。

 

 俺を庇うつもりだ。

 

「はっ、俺は女の子に守られるしか無い。不甲斐ない男だ。だがな、ちょっとくらいは格好つけさせてくれ!」

 

 そういって、腹に生えているソレを握る。

 

「あ!裕太さん!今それを抜いちゃダメです!」

 

 しかし、そんな妖夢の声を無視し、腹に生えているソレを思いっきり抜いた。

 

 しかし、血の一滴も出ることが無かった。

 

 それどころか、逆に力がみなぎって来た

 

 もしかして、これが俺の力?

 

 動ける。

 

 そして、怪しい人物がもう一本の刀を取り出し、斬りかかってきた。

 

 そこで俺は妖夢と怪しい人物の間に入って、刀で防いだ。

 

「はぁぁぁっ!」

 

 と、気合いを入れながら押し返す。

 

「ただ、守られるだけじゃなく、守りたい!本気でそう思える世界だから!守るんだ!」

 

「お前のどこにそんな力が」

 

 初めて喋った仮面の人物はは驚いたような声で喋った。

 

 恐らく、この声は男か?

 

 そしてついに押し返すことに成功し、仮面の男は後方に数m吹っ飛ぶ。

 

「ちっ、今回はこのくらいにしておいてやる。小僧、貴様の顔を覚えたからな」

 

 そういって、煙玉を投げて姿を眩ます仮面の男

 

 よっしゃ、勝てなかったけど追い返すことには成功した。

 

「あれ?視界が」

 

 視界が歪んで…意識が…

 

 その次の瞬間、俺は地面に倒れ込んでいた。

 

「裕太(さん)」

 

 そして俺は完全に意識を失った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ここは?

 

 またあの場所だ。

 

「お帰り。裕太くん」

 

「ところで何でまたここに?」

 

「安心して。死んでないよ」

 

 と、告げる女の子

 

「あなたは気を失ったの」

 

 確かに、直前にそんなことがあったような…

 

「あなたの能力すごいね」

 

「何が?」

 

「想像以上。あなたの能力は『思いが力になる程度の能力』と、『乗り越える程度の能力』」

 

 乗り越える?

 

「詳細は、死を乗り越える度に強くなるって感じ、つまり瀕死の状態から回復すると、すごく強くなるって感じ」

 

 サ○ヤ人みたいな能力だな。

 

「そしてもうひとつ。これは常時発動してるから自分で考えてみて。敵はその類いを発動制限できるみたいだけど」

 

 そう言ってきた。

 

 常時?

 

「もしかして、常時って君が力をくれる前から?」

 

「そうだね。だいぶ前から?」

 

 ってことは妖夢との模擬戦。あの時のも能力って事なのか?

 

 バリア?透明な壁?

 

 色々可能性がありすぎて頭が追い付かない。

 

「それと、君を気に入ったよ!」

 

「え?」

 

 と、急なことに素っ頓狂な声を出してしまった。

 

「君の諦めない心。仲間を守りたいと言う気持ち。それらに感服したよ」

 

 心…仲間…ねぇ…

 

「そんなものが俺にあるとは思えないんだけどな」

 

「そんなこと無いよ。だってさっき守りたいって思ったでしょ?」

 

 そう言われ、俺はハッとなった。

 

 確かにあの時…守りたいって…

 

「心を無くしたら人間じゃないよ。ただの動く人形」

 

 と、言ってきた。

 

 そうか…俺も所詮は人間。今までは心を胸の奥深くに仕舞い込んでただけで、こっちの世界に来て心が露になってきてるって事か?

 

「じゃあ、そろそろ戻すよ」

 

「ああ、」

 

 その次の瞬間、俺の視界は黒で覆い尽くされた。 




 はい!第16話終了

 次回からは暫く平和な日常に戻ると思います。

 それでは!

 さようなら


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第17話 復活

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 前回、一回目の戦いが終了し、暫く今回から平和が続くと思います。

 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は瞼を開ける。

 

 その瞬間、俺の視界には目映い光が差し込んできた。

 

 そのせいで目が眩んだ。

 

「ゆ、裕太さん」

 

 バタンと、何かが落ちる音が病室と思わしき場所に響く。

 

 俺が音のした方向を見る。

 

 すると、驚いて半泣きの妖夢が立っていた。

 

 その次の瞬間、妖夢が走って飛び付いてきた。

 

 いてぇぇえっ!

 

 端から見たら妖夢が俺に飛び付いてる微笑ましい?光景に見えるかも知れないが、これによってこの戦いで出来た傷に衝撃が来て、めっちゃ痛い!

 

 耐えろ!耐えるんだ俺!

 

 そして俺は妖夢の頭を撫でてこう言う。

 

「心配かけてすまなかった」

 

 妖夢の服を掴む力が強くなる。

 

「良かった。このまま目覚めなかったらどうしようってずっと思ってて…目が覚めて本当に良かったです」

 

「えと、どれくらい気を失ってたんだ?」

 

「今日でちょうど一週間です」

 

 そんなに寝てたのか!?

 

 それは心配になるわな。

 

「あら、目が覚めたばかりなのにもう元気ね」

 

 と、入り口から聞こえた。

 

 嫌な予感がするが、俺はゆっくりと入り口を向く。

 

 すると、そこにはにこにこしてる幽々子が居た。

 

「ゆ、幽々子!?」

 

「幽々子様!?」

 

 同時に体をはねらせて驚く。

 

 ま、まさか見られるなんて思わなかった…

 

「あら、気にしないで続きしてても良いのよ?」

 

「何もしてないから!」

 

「そうですよ!」

 

 俺が否定すると俺の言った言葉を肯定して頷く。

 

 ってか、改めて思ったんだけどさ、妖夢って可愛くね?

 

 銀髪で整った顔立ち、そしてスラッとした体。そんな娘に抱き着かれてると思うとドキドキしてきた。

 

「ってかあなた達はいつまで抱き合ってるつもりかしら?」

 

 と幽々子に指摘され、やっと俺たちは離れる。

 

 ってかすごい恥ずかしい…

 

 それは妖夢も思っているようで、俺からははっきりと見えないが妖夢の顔は耳まで真っ赤に染まっていた。

 

「そ、それでは私はご飯を作らなくてはいけないので!」

 

 と、逃げるように妖夢はそう言って帰ろうとする。

 

「あれ?でもついさっきお昼ご飯食べたばかりよ?」

 

 といってフフッと笑う。

 

 すると、痛いところを突かれたと言わんばかりの反応をする妖夢

 

「幽々子さん。これからはご飯の量を半分にしますよ」

 

 と言いながら病室から出ていく妖夢

 

「まってー!妖夢!ごめんなさい!だからそれだけは勘弁してー!」

 

 と言いながら走って妖夢の後を追って出ていく幽々子

 

 早く完治させて皆を安心させてやらなきゃな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数日後

 

 俺は今まで入院していた病院、永遠亭の前に居た。

 

 今日は退院日、以外と早く完治したものだ。やっぱり永琳先生の薬はすごい

 

 みるみるうちに直っていったんだから。

 

 そして、俺は前屈や伸脚をする。

 

 好調だ。寧ろ怪我を負う前より調子良いような気がする。

 

 これが俺の乗り越える程度の能力の力ってことか。

 

 サ○ヤ人の死に際から復活するとパワーアップするって力は強いなと前々から思っていたけど、自分がその立場に立ってみてわかったけどかなりの能力だよな。

 

「今までお世話になりました」

 

 そう言って刀に触れる。

 

 すると、バチバチと静電気のようなものが走った。

 

 今のはなんだ?

 

 まぁ、良いや。

 

 そして俺は空を飛んで白玉楼に向かう。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

白玉楼

 

『ただ、守られるだけじゃなく、守りたい!本気でそう思える世界だから!守るんだ!』

 

「うぅ…」

 

「どうしたの?妖夢、顔を赤くさせて。何か思い出してたの?もしかして、裕太に裸でも見られた?」

 

「見られてません!」

 

 裕太が退院する日、妖夢と幽々子はそんな話をしていた。

 

 あの辻斬りが現れた時の事を幽々子に聞かれ、妖夢は思い出しながら答えている間に裕太の一つの台詞が脳裏を(よぎ)り、顔を赤くしている。

 

(ちょっとあの時の裕太さん…かっこ良かったな)

 

「それよりも、今日は裕太の退院の日よ?退院祝い何かしないの?」

 

「その辺は大丈夫です。準備万端です」

 

 そして妖夢はいつものように鍛練しようと正面玄関から外に出ようと扉を開けた瞬間

 

「「あ」」

 

 俺と妖夢は入り口越しにバッタリと会った。

 

 すごい偶然だな。

 

 確か妖夢は白玉楼では鍛練時と撃退時以外は刀を自室に立て掛けてあるから、今は腰に着けてるってことは鍛練しようと思って出たのかな?

 

 すごいタイミングだな!

 

 これしかいってない気がするけど!ボキャブラリーが貧困過ぎる。

 

「え、え、お帰りなさい。裕太さん」

 

 取り繕った!平成を取り繕って、驚いたことを無かったことにしようとしているよ。

 

 しかも直前に驚いていたせいか、変に取り繕って笑顔が変になってる。

 

 そして、やっと普通の笑顔に戻り

 

「もう大丈夫なんですか?」

 

 と聞いてきたので俺は満面の笑みで

 

「おう!寧ろ倒れる前より調子が良いくらいだ」

 

 すると、ほっとしたようだ。

 

 妖夢は結構感情が顔に出るから感情を読みやすい。

 

 心理戦とかによわs…すいません

 

 表情豊かなのだよ。

 

「それでは私は庭で鍛練をしているので何かあったら何でも言ってください」

 

 そう言って庭に行ってしまった。

 

 やっぱり妖夢は頑張り屋だな。俺も負けられねぇ

 

『そうだね。あの子頑張り屋さんだねぇ』

 

 ・・・

 

「誰だてめぇ!」

 

 突如として聞こえてきたと言うより、頭に直接送り込まれた声にたいして反射的に突っ込んでしまった。

 

 え?だっておかしくね?この状況でって絶対おかしい…

 

 俺、こんなテレパシー的なの使えるやつと知り合いになった覚えは…

 

 いや、出来そうなイメージの人?1人居たわ。

 

「精神の女の子か?」

 

『うーん…多分その女の子じゃないかな?』

 

 こいつ…何しに俺にテレパシーを…

 

『君の事を気に入ったからね。見ていたくなって』

 

 相変わらず心を読むやつだな。

 

「まぁ、良いがプライベートを侵害すんなよ」

 

『えー』

 

 そんなこんなで俺は女の子に監視されるようになりました。




 はい!第17話終了

 妖夢かわいい。

 まぁ、僕はひねくれてるので霊夢、魔理沙、早苗、咲夜、妖夢等の定番キャラは好きなキャラ上位に入ってないんですがね。

 まぁ、僕が公言してる好きなキャラベスト3は本当に好きなキャラなのでひねくれているとか関係なしです。

 それでは!

 さようなら


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第18話 優しさ

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 さぁて、前回の続きですね。

 最近前書きと後書きの内容がマンネリ化してきてるので、後書きは執筆するときは行き当たりばったりなので無理ですが、前書きは前回のあらすじを入れていきたいと思います。



 それでは前回のあらすじ

 永遠亭で目を覚ました裕太

 なんと裕太は能力のお陰で怪我する前よりも好調に

 そして退院後の初めての妖夢と裕太の再開

 さらになんと、裕太の精神世界に女の子が住み着く。

 果たしてこれからどうなるのか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺が大声で精神の女の子と話している間に妖夢がこちらを不思議なものを見る目で見てきた。

 

「さっきから何を独り言を呟いてるんですか?」

 

 もしかして、この子の声って周りに聞こえないのか?

 

 だとしたら俺は変人じゃねーか。

 

 周りからはただ独り言を呟いてる奴に見えるんだから

 

「え、えと…」

 

 どう言い逃れようか…

 

 正直に言うべきなのだろうか?

 

 もし正直に言ったらどうなんだ?

 

─※─※─※─妄想─※─※─※─

 

『俺の精神の中に女の子が入り込んでさ、それでその子と話してたんだ』

 

『……裕太さん…永遠亭行きましょう』

 

『ちょっと待って!俺は別に病気じゃ!』

 

『さぁ、早く永琳さんに見てもらって心身共に健康な状態になって帰ってきてください』

 

『いや、だから違うんだって~!』

 

─※─※─※─妄想 終─※─※─※─

 

 想像の中の妖夢に病人扱いされた。

 

 なんか想像なのに悲しい。

 

 こうなったらプランBだ。

 

─※─※─※─妄想─※─※─※─

 

『俺、実は妖夢の事が好きなんだ』

 

『話を変に変えようとしないでください。というか私はあなたのことは嫌いです』

 

『ガーン』

 

『擬音を口で言う人初めて見ましたよ。それはそうと、あなたは疲れてるんですよ。ゆっくり休んでくださいね』

 

─※─※─※─妄想 終─※─※─※─

 

 いや、これはないな。マジでない。

 

 と言うかすでに想像で妖夢にフラれてショックで立ち直れなさそう…何でショックを受けてんの?

 

 ってか、俺の中ではフラれる前提なのな

 

 と言うかがちで心配された。

 

 とにかくこの選択肢はおかしいことにシミュレーションしてから気がついた。

 

「聞いてますか?」

 

 と、俯いた俺の視線に入るように下から俺の顔を覗いてきた。

 

 そして思わずその仕草にドキッとしてしまった。

 

 ってなに考えてんだ。

 

 妖夢はただの師匠兼戦友だ。

 

「ちょっとな」

 

 そう言って逃げるように屋敷内に入る。

 

 その時、妖夢の横を通るときに寂しそうな顔をしたような気がした。

 

 俺はそれを無視して自室に向かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side妖夢

 

 裕太さん…ちょっと様子がおかしかった…

 

 悩み事なのかな…私に何か力になれる事って…

 

 そんなことを考えながら廊下を歩いていると幽々子様とばったり会った。

 

 すると、意味ありげに私の顔を除き込んでくる幽々子様

 

「妖夢、何かあったの?」

 

「な、なんですか?急に」

 

 急にそんなことを聞いてきた。

 

「妖夢が少し悲しそうな表情をしてたから気になっただけよ~言いたくないなら言わなくても良いのだけど」

 

 と、やんわりと幽々子様が聞いてきた。

 

 確かに今悩んでたけどそんなに私は悲しそうな表情をしてたのかな?

 

「今は悩んでました」

 

 と言って話し始める。

 

「先ほど裕太さんがなにやら一人で話していました。それで、何で独り言を話しているのかと聞くと適当にはぐらかされました。何か一人で抱えてるのでは無いかと思うのですが、私ってそんなに信用が無いでしょうか?」

 

 すると、幽々子様は考えるような表情を浮かべた。

 

 それからゆっくりと話し始めた。

 

「多分、妖夢に問題があるわけじゃ無いと思うわよ~。きっと気を使ったんだと思う」

 

「気を?」

 

「そう。妖夢に余計な心配をかけまいと、裕太なりの優しさなのね」

 

 そうだったんですか…前から裕太さんは優しい人だと分かってました。

 

 まぁ、考え事をしてるときの裕太さんの目付きが悪くて怖いのは確かなのですが、先ほど私が聞いた時に目付きが悪くなったので、おそらく何かを考えたのだと思います。

 

「そうですか…でも、ちょっとは私も頼ってほしいものです」

 

 もう悲しいって言う感情はもうないけど、ちょっと頼ってくれなかったことに怒ってます。

 

「何か私に出来ることって無いですかね…」

 

 と、私が幽々子様に聞くとニヤニヤとしながらこう言った。

 

「そうね~。じゃあ、安心させるのはどうかしら?」

 

 安心させる?

 

「その方法は?」

 

「ふふふ、それはね~」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

 ちょっと変にはぐらかせたこと後悔しています。

 

 ちょっとしか一緒に暮らしていないが、これだけはわかる。

 

 あの生真面目な妖夢さんの事だ。変にはぐらかせたことについて心配してるんじゃないかな?って思う。

 

 ってか、元々はぐらかせた理由は心配させないためなのに、その方法で心配させるってどう言うことだよ。完全に行動が裏目に出てるよ。

 

「はぁ…」

 

 俺は小さくため息を着いた。

 

 どうしたもんかな。

 

「つーか。お前」

 

『なんですかな?』

 

 と、俺の呼び声に応じて返事をする精神世界の女の子

 

 呼びづらいな。

 

「お前の存在をより明確に伝える方法って無いのか?」

 

『無いよ』

 

 と即答した。

 

 やっぱりね~

 

『私はそもそもとして肉体がないの。だから外に出ることも出来ないし、言葉を裕太くん以外に伝えることは出来ないんだよね』

 

 なんて厄介な。

 

 その時

 

 コンコンと扉をノックされた。

 

 誰だ?こんな時間に…

 

 実は今現在、夕食後で外は真っ暗になっている。

 

 こんな時間に来る人なんて居ないんだけどな。

 

「妖夢です。入って良いですか?」

 

 ああ、妖夢か

 

 妖夢なら良いけど何の用だ?

 

「入って良いぞ」

 

 そう言うと、妖夢はゆっくり室内に入ってきた。

 

 そして俺の前に正座する妖夢

 

 そして無言だ。

 

 何?気まずい。何か用があったんじゃないか?

 

「裕太さんっ!」

 

 すると、急に俺を抱き締める妖夢

 

 え?何々?思考が追い付かん。どうやら脳がキャパオーバーを起こしてしまったようだ。

 

 恐らく今は絵で書いたら俺の目は渦巻きになっているであろう。

 

「裕太さんはみんなの心配をしてくれたり、守ってくれたりしましたよね。体を張って」

 

「そうだな」

 

 俺は外の世界に居たときはそんなこと考えたことが無かったが、この世界には居場所があるってみんなが教えてくれたから。居場所を失いたくないから。助ける。みんな、俺の大切な仲間だから。

 

「でも、裕太さんは自分の体の事を考えたことはありますか?」

 

 と、言ってきた。

 

 俺自身の体か…考えたことが無かったな

 

「裕太さんは私達が死んだらどう思います?」

 

「純粋に悲しいよ。そりゃ」

 

「はい。そうですね。それは私達も一緒なんです」

 

 と、俺の体を抱き締める強さが強くなったような気がした。

 

「裕太さんが死んだら悲しいです。なので、これからは命を捨てに行かないで下さい」

 

 すると、背中が濡れ始めた。

 

 泣いているのか?

 

「なので、何かあったら私達も全力で協力します。なので一人で抱え込まないで下さい」

 

 妖夢にここまで泣きながら頼まれて断れる男が居るのだろうか?

 

 否

 

 俺も単純な男だったようだ。

 

「分かった…ありがとな。そこまで俺の事を考えてくれて…」

 

 俺はすごく良い仲間を持って良かったと思った。

 

 でも、妖夢達を守ることはやめないよ。絶対にね。




 はい!第18話終了

 妖夢って可愛いと思うのだよ。

 それで元々好きだったのがこの作品を書いてみて更に好きになりました。

 それでは!

 さようなら


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第19話 妖夢と裕太

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 最近裕太の第1話からのキャラ崩壊がすごいことになってきてると思う今日この頃。



 それでは前回のあらすじ

 永遠亭から帰ってきて白玉楼にて久々に再開した裕太と妖夢

 そして妖夢との妄想でフラれ悲しむ裕太

 更には裕太は妖夢に包容される。なんて羨ましい!



 それではどうぞ!


side裕太

 

 現在俺と妖夢は抱き合っている。

 

 いやまぁ、これには列記とした理由があるんだが(前回参照)

 

 いやでもこれは…事情を知らない人が来たら勘違いされてもおかしくない状況だ。

 

 今は誰も来ないことを祈るしかないな。

 

 でもこんな時間に俺の部屋に入ってくる人なんて居るわけが無いよな(フラグ)

 

 はっはっはっ…は!?

 

 俺は念のために周りを確認するとにやにやとした幽々子が静かにドアを開けて隙間から俺達の事を(面白がって)うかがっている。

 

「幽々子!」

 

 俺がそう叫ぶと妖夢はハッと我に帰って顔を赤くしながら俺の視線の先を恐る恐る見た。

 

 すると、ぼんっと妖夢の頭から煙が出る。

 

「ゆーゆーこーさーまー」

 

 まるでミーターナー的なテンションで腰の楼観剣に手を添える妖夢

 

 すると、幽々子の様子がさっきとうってかわって焦りの表情が見える。

 

 うん。この先の展開読めたぞ。

 

 確かに幽々子は霊体だもんな。

 

「ま、待って妖夢ちゃん。早まらないで!私霊体だから!死んじゃう!」

 

 すると、うつむいた状態で抜いた刀を持ってはぁはぁ…と息を荒くする妖夢

 

「斬れぬものなどあんまりない!」

 

 言い切れよ!そこは!

 

 と、面白そうなので俺も幽斬剣を取り出す。

 

「止めて!裕太くん!そのなんか面白そうだからって言うの止めて!」

 

 観念してくれ幽々子。これは俺と妖夢の為の名誉ある死だ。

 

 大人しく俺等に斬られてくれ

 

「取り合えず幽々子様。変なことを言ったら次こそは容赦しませんよ」

 

 と渋々刀を仕舞う妖夢

 

 良かったな幽々子。命拾いしたみたいだぞ。

 

 そして俺も刀を仕舞う。

 

「それよりも幽々子。俺に何のようだ?」

 

 と、聞くが返答は

 

「妖夢が裕太君の部屋に入っていくのが見えたから面白そ」

 

 シャキン

 

 そして俺の部屋のドアが斜めに真っ二つになった。

 

 ああっ!俺の部屋が~!

 

 ドアが斬れたことにより俺の部屋の中が筒抜けになってしまった。

 

 いや、やましいことは無いんだよ?だけどドアが無いのはちょっと…

 

 ってか面白そうだから俺の部屋を覗いてたのか。

 

 やっぱ幽々子斬っていいっすかね?ね?

 

「でも、妖夢ちゃん。結構恥ずかしいこと言ってたわね~。『裕太さんが死んだら悲しいです』とか『一人で抱え込まないで下さい』とか」

 

 と妖夢の声真似をしながら幽々子は妖夢を茶化し始めた。

 

 すると、妖夢は顔を真っ赤に染めてうつむいてしまった。

 

 そして楼観剣に手をかける。

 

「こうなったら…斬るしか」

 

「おい落ち着け!俺だって斬りたいのを我慢してるんだ!」

 

 と、肩を掴みながら妖夢に言う。

 

 すると、幽々子は青ざめ始めた。

 

「二人とも、怖いわよ」

 

 俺等が怖いのは幽々子が悪い。

 

 でも妖夢に言われて悪い気はしない言葉だったな。逆に嬉しかった。そこまで考えてくれてるなんて

 

「まぁ、裕太さんがそこまで言うなら」

 

 と、刀から手を離す。

 

「では、そろそろ私達は」

 

 そしておやすみと挨拶して帰っていった。

 

「疲れた…」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

 いつものように妖夢と鍛練していた。

 

 だいぶ刀を持ちながら素早く動けるようになった。

 

「扱いが上手くなりましたね」

 

 と、微笑む妖夢

 

 妖夢って美少女だと思うんですよ。なのでそんな子に微笑まれたらドキッとするに決まってるじゃないですか~。

 

「隙あり!」

 

「うわぁっ!」

 

 そして俺がドキッとして気を取られている間に刀を弾かれて刀を向けられる。

 

 やっぱ俺が男である限り、妖夢には勝てないと思う。

 

 刀を持って降っている姿は凛々しい。

 

 でもそんな中微笑まれたらドキッとして思考が停止してしまうに決まってるじゃないですか~。

 

「これくらいにしましょうか」

 

 と、いつもより早く切り上げる妖夢

 

「付き合ってくれますか?」

 

 え?つ、付き合うだと~!

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

人里

 

「なーんだ…買い物に付き合うって事か…俺はてっきり」

 

「てっきり?」

 

「何でもない」

 

 あぶねー!危うく俺の失態を晒すところだった。しかも己の力で

 

 まだ、切られたくないからな。言動には気を付けないと幽々子みたいになってしまうからな。

 

「今日は何買うんだ?」

 

「取り合えず色々品を作らなくちゃいけないので色々ですね」

 

 と、言いながら『これで…ああ、あれ作るのも良いですね』とか呟きがら食材を選んでいる。

 

 俺にとっては目についた食材を片っ端から買っているようにしか見えないけど多分色々見定めて買ってるのだろう。

 

 ってか毎度のことながら多いな。食費足りるのか?

 

 そして俺は率先して荷物持ちになっている。

 

 だって量を見ただけで妖夢と言えど女の子に持たせるのは酷だと感じたからな。

 

「こんなものですかね」

 

 と呟く妖夢

 

「少し寄りたいところがあるんですが良いですか?」

 

 と、聞いてきたので俺は少し気になったがok出した。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 妖夢が来たがってたのは甘味処だ。

 

 最近新しくオープンしたらしく来たがってたんだとか

 

 というか女の子って皆甘いものが好きなのかな?

 

「あ!この餡蜜もみたらし団子も美味しい」

 

 と、美味しそうに食べる妖夢

 

 非常にかわいい。

 

「裕太さんは何か頼まないんですか?」

 

「ああ、じゃあ俺もみたらし団子頼もうかな?」

 

 ってかさ買い物までは良いとして、これってデートじゃね?




 はい!第19話終了

 多分この作品は無意識の恋程の話数にならないんじゃないかな?

 もう一度100話以上のものを書くのは骨が折れますから。

 それでは!

 さようなら


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第20話 言えない気持ち

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 妖夢と抱き合っている所を幽々子に見られたことで妖夢の殺意が膨らみ幽々子大ピーンチ

 そして妖夢との買い物。相変わらずすごい量で食費が足りるのか不安な今日この頃

 そして妖夢と甘味処に…あれ?これってデーt



 それではどうぞ!


side裕太

 

「美味しかったですね」

 

 と、妖夢は満足げに微笑む。

 

 まぁ、俺もみたらし団子を食ってみたが絶品だった。

 

 また来ても良いかもな

 

 でも俺一人で来ることなんて無いだろうよ。

 

「あ!少し長居し過ぎましたね」

 

 と、外を見るともうすでに辺りは茜色に包まれていた。

 

 確かに長居し過ぎたかも知れないな。

 

 そろそろ帰らないと幽々子にどやされる可能性があるな。

 

「じゃ、帰ろうか」

 

 そう言って立ち上がる。

 

「そうですね」

 

 この時、若干妖夢の顔が残念そうに見えたのは俺の勘違いなのだろうか?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達は白玉楼に帰ってきた。

 

「ただいま帰りました~!」

 

 と、大声で幽々子に報告する。

 

 すると、奥から幽々子が歩いてきた。

 

「あら妖夢。お帰り」

 

 すると、口元がニヤッとしたような気がした。

 

「ところで妖夢ちゃん。今日のデート(・・・)どうだった?」

 

 幽々子…妖夢をからかうことに命をかけてるな。でも本当に死にかねないからやめた方が…って幽々子は亡霊だったな。

 

 そして妖夢を見る。

 

 すると、硬直したかと思ったらボッと一気に顔を赤くさせて俯いた。

 

 あれ?斬らないんですか?

 

 俯いて一切動こうとしない妖夢

 

「あ、あのー。裕太さん」

 

 と急に呼ばれた。

 

「なんでございましょうか?」

 

「あれってデート(・・・)なんですかね?」

 

 うーん。ちょっと難しいですね。

 

 一般的には付き合ってる男女で出掛けたり一緒に遊ぶことを指すのだろうが、

 

 でもまぁ

 

「男女で出掛けることをデートと言うならデート(・・・)なんじゃないか?」

 

 と、俺は考えを口にした。

 

 ってか妖夢本当にどうしたんだよ。いつもと違うような。

 

「そう…ですか」

 

 いや、何か狂暴さが抜けてしおらしくなってんだけど?

 

 幽々子も同じような事を考えてるみたいで調子狂ってるみたいだ。

 

 ってかいきなりどうしてしおらしくなってんだ?

 

「あ!そうだ。夕食を作ってきますね。裕太さん手伝ってくれますか?」

 

「勿論だ!」

 

 そう言って夕食の準備を始めた。

 

 相変わらずの手際でやっぱり妖夢ってすごいなと思った。

 

 しかもこの品数。

 

 だけど妖夢は手間がかかるものを作ろうとしたことが無い。

 

 理由はすぐ出来て量がある料理じゃないと幽々子を満足させられない。だとか

 

 苦労してるな。

 

 そう言えばなんであんなしおらしくなってたんだ?

 

 いつもなら『斬れぬものなどあんまり無い』とか言いながら幽々子に斬りかかってると思うんだけど

 

 とりあえず聞いてみっか。

 

「なあ、妖夢」

 

「うひぁっ!」

 

「どうした!」

 

 俺が話しかけると大声を出して驚いた。

 

「い、いや。裕太さんが急に話しかけてくるからです」

 

「え、あ。それはごめん」

 

 いや、だからってその反応は過剰すぎるんじゃ?

 

 俺は少し不審に思いながらも話を続けた。

 

「ところでさ。今日の妖夢、いつもと違うけどどうかしたのか?」

 

「えーと」

 

「何かあったのか?」

 

「な、なにもない」

 

 なんで顔をそんな赤くしてんだ?

 

「い、良いから早く作りましょう!」

 

 そう言って話をそらされた。

 

 一体どうしたってんだ?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side妖夢

 

 食後

 

 私は今現在縁側に座って星を見てます。

 

 ふぅ…焦りました…急に変なことを聞いてくるんですから。

 

「何かあったのか?」

 

 そんなこと…言えるわけが…

 

 大体最近自分でもおかしいとは分かってるんです。

 

 裕太さんと居るとドキドキして鼓動が早くなって…

 

 幽々子様にデートと言われてからは余計にドキドキしちゃって

 

 この感情ってどういう事なのでしょうか…

 

「教えてください」

 

 そして意味もなく握手を求めるように手を出す。

 

 すると、その手が暖かいものに包み込まれた。

 

 前を見るとそこには

 

「何を教えて欲しいんだ?言ってみろよ。俺も全力で頼らせてもらうんだから妖夢も俺を全力で頼ったって良いんだぜ」

 

 と、笑う裕太さん

 

 その瞬間、私の鼓動が早くなってドキドキし始めました。

 

 言えるわけが無いですよ…だって私の悩みの種はあなたなのですから。裕太さん

 

 本人に相談できる訳が無いじゃないですか。

 

「顔赤いが大丈夫か?」

 

 と、自分の額と私の額に片手づつ手を当てました。

 

 すると、裕太さんは悩んだような表情になって

 

「ちょっと熱いような気がするな」

 

 ドキドキして体温が上がってるだけですから。

 

「熱あんじゃないのか?」

 

「大丈夫です。ちょっとなら誤差の範囲内です」

 

 と、私は即答した。

 

 すると、裕太さんは私の見幕に押されたのか「お、おう。それなら良いけど」と言ってそれ以上は聞いてきませんでした。

 

 そして私の隣に座る裕太さん

 

 それからはどちらからもと声を発っさない無言の時間が続きましたが、私はそれを心地よく感じていました。

 

 そしてだんだん私は眠くなってきて

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

 妖夢本当に大丈夫かな。

 

 俺は今、妖夢の隣に座ってんだが顔が赤いんだよな。

 

 俺は熱の可能性も考えたが妖夢に否定されたためそれ以上は口を出さないことにした。いつか話してくれることを祈って

 

 そして暫く無言が続いた。

 

 だが、そんな静寂も今は心地よく感じられた。

 

 妖夢はどう思ってんだろ

 

 そう思って妖夢を見るとこっくりこっくりしていることに気がついた。

 

 そしてこっちに倒れてきた。

 

 そしてそれを俺は優しく受け止めた。

 

 きっと疲れてたんだな。

 

「お疲れ」

 

 そして俺は妖夢を妖夢の部屋に運んでから俺も自室で眠りについた




 はい!第20話終了

 今回は妖夢ちゃん可愛い回でした。

 次回は何にしようか…まだ話数を引き延ばしたいお年頃

 それでは!

 さようなら


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第21話 幻想入りpart2

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 妖夢と共に甘味処でみたらし団子を食べた裕太

 そして幽々子はその事をデートだとからかう。

 しかし妖夢はいつものように斬りかからずしおらしくなって様子が変なことに裕太は気がつく。

 裕太は妖夢達を全力で頼る変わりに自分を全力で頼って欲しいと言うのだが妖夢の気持ちは…



 それではどうぞ!


side裕太

 

 平和だな。

 

 あの事件が本当にあったと思えないぐらいに平和だ。

 

 あの時斬られたがこれと言った症状はない。これも神様補正って奴か?

 

 って言うか考えてみれば平和なのが一番なんだよな。

 

 こうやって縁側で日向ぼっこしたり、妖夢と買い物したり。

 

 でも俺は平和にいるだけじゃダメなんだ。異変を解決しないと。

 

 その時

 

「裕太さん何してるんですか?」

 

 と、妖夢が来た。

 

 そして俺の横に座る。

 

「ただ日向ぼっこしてるだけだ」

 

 暫くは鍛練も禁じられているので鍛練も出来ない。

 

 つまりHIMAである。

 

 しかしその時は突然訪れた。

 

「わーっ!落ちる~!」

 

 ドカーン

 

「…平和だな…」

 

「あれをみてよくそんなことが言えますね」

 

 と、妖夢にあきれられてしまった。

 

 だってさ、空から人が降ってくるなんて思わないじゃねーかよ。

 

 と、それよりも

 

「そんなところで地面に埋まってなにやってる?まさかそういう趣味に目覚めてしまったのか!?」

 

 と、俺が言うと男はスポンと抜けて俺の方へ駆け寄り、頭をバシーンと叩いた。

 

「俺はそういう趣味は持ち合わせてない!」

 

「いやー今日もツッコミのキレが良いですな~時雨さん」

 

「やあやあ今日も盛大なボケを噛ましてくれたな。空頼さん」

 

 と、他人行儀で喋る俺達。え?なんか一瞬顔が怖くなって口調が強くなったような…

 

 まぁ、いいか。

 

「それよりなんで京哉がここに?」

 

「裕太こそ」

 

 なんと落ちてきた人物は時雨 京哉だったのだ。

 

「そこから先は私が説明するわ」

 

 と、紫がどこからともなく現れた。

 

 この時点で察せてしまっている自分が居る。

 

「辻斬りの事よ」

 

 やっぱりな。

 

 そして紫は辻斬りの事について簡潔に説明する。

 

 やはりいつ聞いてもヤバい能力だよな。

 

「へぇ…つまり裕太は幻想郷を救うために」

 

 そう言うことだ。

 

「で、あなたには裕太のストッパーになってほしいの」

 

「ストッパー?」

 

 どういう意味だそれは

 

「つまりは裕太が無茶をしないようにストッパー。つまり無茶することを防いで欲しいの」

 

 おい!俺がいつ無茶したってんだよ。

 

『思いあたることしかないよ』

 

 精神世界の女の子にすら言われた。

 

 俺はもうだめだ…

 

「そうですね。私もその方が安心です」

 

 妖夢まで!?

 

「俺はもう無茶はしないって言っただろ?」

 

「裕太…信用されてないんだな」

 

 そしてその言葉は俺にクリティカルヒットした。

 

 そして膝をつく。

 

 俺は京哉にとどめを刺されてしまったのだ。もうおしまいだぁ。

 

「それにしてもこの世界はカラフルな髪色だな。良かったじゃねーか裕太。この世界だとお前でも(・・)一般人だ」

 

「でもは余計だ。でもは」

 

 でもって失礼だぞ。それじゃまるで俺は一般人じゃないみたいじゃないか。

 

「まぁ、とりあえずこっちに来たなら先輩として色々と叩きこん「俺に霊力やらなんやら色々教えてください!妖夢さん」ってオーイ!」

 

 こいつ。意図的に無視しやがった。

 

 こうなったら銀髪さんの本当の実力をみせるしかない。

 

「妖夢さんに聞いたよ。実体にはなまくらなんだってねその刀」

 

 忘れてた~!

 

 これじゃ斬ることはおろか、脅すことすら出来ない。

 

「ま、無茶しない程度に頑張れよ銀髪さん」

 

 こいつ…いつか痛い目に会わせてやる。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「よ、俺が稽古をつけてやるよ」

 

 と、ポキポキと指を鳴らす。手加減しない気満々だ。

 

 ふふふ。俺を無視したり俺に対してあんなことをした罪を償ってもらおう。

 

「裕太さん。顔が怖いです」

 

 あれ?俺そんなに怖いか押してるか~?

 

 これにはさすがの妖夢も苦笑い。

 

 すると、妖夢が近づいてきた。

 

「なんだ?」

 

「あの、あまり厳しくしないであげてくださいね」

 

 勿論だ。

 

 みっちりと鍛えてやる。

 

「当たり前ですよ。まぁ、こいつには借りがあるから少しは優しくしてやっか」

 

 だけどこいつに調子に乗られるのも癪だな。

 

「まずはこれもて」

 

 そして鞘に入れた幽斬剣を渡す。

 

 その前に取り合えず放り投げて軽々とキャッチするのを見せてどや顔をする。

 

「そんなこと、俺だって!っておもぉっ!」

 

 と、落としてしまう京哉

 

 まぁ、そうなるよな。わかってて持たせたからな。

 

「んじゃ、それを自由に振り回せるようになるまで素振り。はじめ」

 

 そうして俺は京哉を放置して縁側に座ってお茶を飲む。

 

 はぁ…。京哉が苦しんでる姿を見ながら飲むお茶は格別だな。

 

「あなた、以外と鬼畜ね」

 

 と、真横に幽々子が来た。

 

 まぁ、ここまでのは冗談ですよ冗談

 

「おい、京哉~!」

 

 そして妖夢に教わった刀の持ち方や、構え、そして振り方などを手取り足取り教える。

 

 ちょくちょく妖夢に間に入ってもらって詳しく教えてもらいながらも少しずつ刀を持てるようになってきている京哉

 

「そう言えば京哉は武器どうすんだ?ここにはもう刀は余ってないぞ」

 

 と、疑問をぶつけた。

 

 実は少し前に自分が使いたい武器を選んでおけと言っておいた。

 

 え?この刀の練習?ただの筋トレですね。はい

 

「実は、この間空飛ぶ感覚を覚えるためにお前に人里に連れていってもらったろ?」

 

 あー。そんなこともありましたね。

 

 若干高所恐怖症のこいつの反応を見るためにな。

 

 最後の方はなれたみたいでつまんなかったけどな。

 

「そのときに見た銀髪のメイドさんの投げナイフがカッコいいと思っちゃったんで、ナイフおねが」

「はいよ」

 

 と、俺は食いぎみにナイフを渡した。

 

 ナイフって戦いにくいと思うんだが大丈夫かな?




 はい!第21話終了

 ちょっと京哉の扱いが雑に

 次辺りに次章行けたら良いと思ってます。

 それでは!

 さようなら


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第3章 狂気 第22話 教え上手

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なんと幻想入りした時雨 京哉。

 そして裕太は京哉に稽古をつけるが、なんとその内容はとてもハードなものだった。

 そして京哉の武器は本人の希望により、投げナイフとなった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 京哉が幻想入りして数日後

 

 俺は鍛練の許可がやっと降りたので京哉とずっと稽古していた。

 

 俺は刀を使わないハンデだ。

 

 まぁ、妖夢から少しの体術は教わってたから初心者のナイフくらい簡単に捌ける。

 

「ちょっとは手加減してくれても良いじゃないですか!」

 

 これでも最大限手加減してるんだ。

 

 まず左手しか使わない。

 

 足元に書いた円からは出ない。

 

 京哉は飛べないので空を飛ばない等だ。

 

 これ以上どう手加減しろと?

 

 と言うかまず当てろよ。

 

 止まってる俺にすら当てれないとか。投げナイフの才能ないんじゃないのか?

 

「まずダーツしようか」

 

 と言って何故か白玉楼の倉庫にあったダーツを持ってくる。

 

 ちゃんと許可は貰ってるよ。

 

 ダーツでコントロールを学びましょう。

 

「わかった」

 

 そう言ってダーツをし始める京哉

 

 まず的にすら当てれなくて苦戦しているようだ。

 

 因みに妖夢は今日、有給を貰って里に出掛けていた。

 

 1ヶ月に一回だけ妖夢はこうやって有給を貰って人里に出掛けるらしい。

 

 まぁ、俺にとっちゃどうでも良いが…

 

 仮に妖夢に危険が迫っても妖夢なら護身位自分で出来るだろう。

 

「おーっ!」

 

 と、突然大声を上げる京哉

 

 見てみるとダーツの矢が的に突き刺さっていた。

 

「見ろよ!見ろよ!裕太!命中したぞ!」

 

 この短時間でそこまで上達するものなのか?

 

 あの俺に向けて投げても明後日の方向に飛ばしていた京哉が?

 

 あ!そうか。まぐれだなまぐれ。まぁ、これだけ数投げてたらそりゃまぐれの一つや二つ

 

 ポスッ

 

 また遠くで突き刺さるような音が聞こえた。

 

「見ろよ!センターだぜ!センター」

 

 …まぐれ…なんだよな?

 

「また当たった!」

 

 そんなバカな…

 

 まぐれが三度続くか?

 

 となるとこれは必然?

 

 頭が痛くなってくる。人ってこんな何時間かで上達するものだったっけ?

 

 となるとこれはもしかして

 

「能力か?」

 

 そう呟くと突然脳内に声が響いてきた。

 

『うーん。半分正解で半分不正解かな?』

 

 と、精神世界の少女の声が聞こえてきた。

 

 そしてそれになれてきたのか俺は驚くこともなかった。

 

「どういう意味だ?」

 

『この前、君を助けたときにステータスを上乗せしたんだよね。その時に教え上手って言うステータスも上がったんだよ』

 

 なんだよそのステータス。

 

 まぁ、つまるとこ。その高いステータスを利用して俺が教えたから京哉の成長スピードも早かったのか。

 

 と言うか教えたと言うか…ただ見てただけなんだけどな。

 

「まぁ、とりま礼を言っとくよ」

 

 と、多分彼女には見えてないんだろうな~と思いながら手を振る。

 

 この子のお陰で戦力を簡単に作れそうだ。

 

 さて、じゃあ後は勝手に強くなると思うし何しようか。

 

 すると、玄関から声が聞こえてきた。

 

「ただいま戻りました」

 

 そしてこちらに気がついたのかこっちに寄ってきた。

 

「ずっと稽古してたんですか?」

 

 妖夢は出ていく前に俺たちに挨拶に来たため、俺達が朝から稽古していたことは知っている。

 

 さすがにこれだけ稽古してたら疲れてきたな。

 

 ってか京哉。体力だけはばかでかいな。

 

 そうだ!こいつに【体力だけは無尽蔵】って称号を与えよう。

 

「そろそろ夕御飯にしませんか?いつものように手伝ってください」

 

 そして勿論と言って妖夢についていく。

 

 その時、京哉ににやにやしながら見送られたのがちょっとムカついたので少し特訓をハードにしようと決意したのだった。

 

 いつものように四人で食べる夕食。

 

 以前は三人だったが、京哉も増えて四人。

 

 幽々子も相変わらず大食漢なため。京哉が増えてどうなるかと思ったが、幽々子のせいで大量に作るのに慣れていたので、対して苦にはならなかった。

 

 この四人の食事風景もこの数日で大部なれたな。

 

「みんな!聞いて!」

 

 と、いきなり紫が現れた。

 

 そして冷静にナイフを紫に向かって投げる京哉。

 

「あぶな!」

 

 そして俺の方に流れ弾となって飛んできて跳ね返るナイフ

 

 危ないな。と思いながらもミートボールを口に運ぶ。

 

 うん。旨い。我ながら渾身の出来だ。

 

 実は妖夢に教えてもらいながらレパートリーを増やしていっているのだ。

 

 と言うかナイフが飛んできたのに冷静に居る俺って変ですか?

 

「飯の上に出てくるな!飯が食えないだろ!」

 

 と、怒る京哉。

 

 それを横目に俺は焼売(しゅうまい)を口に運ぶ。

 

 これも旨い。

 

 手間がかかるのは嫌だと言っていたものの皮から作っている。

 

 と言っても妖夢の早業で作るから時間なんてかかってもないと同然なんだけどな。

 

「ほれで。むぐむぐ。んぐ。それで、話ってなんだ?」

 

 と、紫に聞くと紫は話し始めた。

 

「実はこの間の怪しい仮面の人物。覚えてる?」

 

 忘れる訳もない。

 

 あいつを倒すために動いてるんだから。

 

「その人物がまた現れたんですか?」

 

「現れたには現れたんだけど…」

 

 それを聞いて居ても立っても居られなくなり、その場で立ち上がる。

 

「ちょっと最後まで聞いて?」

 

 そう言われて頭が冷えた俺はまたその場に座る。

 

「実は…その人物の事なんだけど」

 

 そしてそれから少し間をあける紫

 

 何をそんなに勿体ぶっているのだろうか?

 

 そしてまた口を開いた。

 

「その人物が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝。血だらけで倒れている(・・・・・・・・・・)事を発見されたのよ」




 はい!第22話終了

 いきなりの急展開。

 さて、これからの物語はどうなるんでしょうか?

 それでは!

 さようなら


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第23話 狂った殺人鬼

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 許可が降りたので京哉と稽古をしていた裕太。

 裕太は京哉のその驚異の成長スピードに驚く。

 そして夕食時に衝撃の言葉を告げられる。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「怪しい仮面の人物が血だらけで倒れているのが発見されたのよ」

 

『え?』

 

 俺達は一斉に驚いた声を出した。

 

 あの辻斬りが殺された?

 

 霊夢達?いや、違う気がする。

 

「目撃者によるとパーカーを着て黒髪ロングの少女がやったらしい。そして何か会話してるように見えたらしいけど良く聞こえなかったらしいわ」

 

 一人の少女があいつを殺ったってのか?

 

 そして会話か…何を話してたんだ?

 

 謎は積もるばかりである。

 

 どうやって殺したんだ?

 

 でもこうやってあっさりと誰かに倒されると、何か悔しい。

 

 俺がこっちに来た意味は?

 

「それで、聞いて。まだ話は終わってないわ」

 

 そう言うとまた真剣な顔になった。

 

 まだ何があると言うのだろうか?

 

「またつい先程辻斬りが発生したのよ」

 

『なに!?』

 

 俺達はまた口を揃えて驚いた。

 

 仮面の人物を倒したと言うのに、まだ終わらないのか。

 

 まさか、まだ居ると言うのか?

 

「今度の死体は何か切り裂かれたように胸に傷があったのよ」

 

 切り裂かれた?

 

 斬られたんじゃなくて?

 

 攻撃手段も謎だ。

 

 すべてが謎に包まれている。

 

「次はそいつを倒せば良いと言うことですね」

 

 と、ゆっくりと言葉を並べる妖夢

 

「取り合えず今から捜索したいのだけど」

 

 勿論断る道理は無い。寧ろ俺からお願いしたいくらいだ。

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 そう言って俺達は人里に飛ばされた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「やけに静かだな」

 

 人里はシンと静まり返っていた。

 

 ここがあの人里だとは思えないレベルだ。

 

 今宵は満月。

 

 月明かりに照らされて、街灯などというハイテクな物など無いが、辺りがはっきりと見える。

 

 そして暫く歩くと突然異臭がしてきた。

 

 鉄?…いや、血の臭い。

 

 俺達はバラバラに捜索していたため、俺しかいないという状況に恐怖したが、行ってみることにした。

 

 近づく度に強くなる血の臭い。

 

 そして路地を通り、暫く走ると少し開けた場所に出た。

 

 俺は硬直してしまった。

 

 なぜなら

 

 開けた場所に死体の山が出来ていてその上に武器もなにも持たない少女がポツンと立っていたからだ。

 

 満月による月明かりで(なび)いている黒髪が妖美に輝いている。

 

 俺は嫌な予感がして後退する。

 

 カラン

 

 まずい!空き缶を蹴っ飛ばしてしまった。

 

「そこに要るのは誰?」

 

 そう言ってゆっくりと振り替える少女。

 

 振り返った少女の目は真っ赤に輝いていた。

 

 体が本能的に危険だと言っている。

 

「遅いよ…」

 

 と、呟く少女。

 

 どういう意味だ?遅い?

 

「あは。私を待たせるなんていい度胸ね。勇者さん」

 

 と、ゆっくりと言葉を並べる少女

 

 勇者?こいつは俺達の事を知ってるのか?

 

「あは。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 

 と、狂ったように笑い出す少女

 

 俺は恐怖で一歩下がる。

 

 そして瞬きするとそこには少女は居なかった。

 

 そして首に誰かの親指が突き当たられた。

 

 そして耳元で

 

「簡単に死なないでね。あはっ」

 

 と、囁かれた。

 

 俺は刀を後ろに振りながら距離を置く。

 

 そして少女は俺の刀を後ろに飛ぶことにより回避する。

 

 首からは少し血が出ていた。

 

 指を少し当てられただけなのに、まるで鋭利なものでも当てられたかのように傷がついていた。

 

「お前」

 

 俺は恐怖に染まった声を出す。

 

「君はまだ、自分が何をされたか分かってないんじゃないかな?」

 

 と、先程の大人しいモードに切り替わる。

 

 少女の言うことは図星だった。

 

 俺は全然分かっていなかった。何をされたか。なぜ首に切り傷が着いたのか。

 

「まぁ、簡単にいうと手刀のようなものだよ」

 

 手刀?

 

「まぁ、私のは。あはは。本物の手『刀』なんだけどね」

 

 そう言うと一瞬で目と花の先に来ていた。

 

 そして手を振り下ろした。

 

 カキィィィン

 

 と、俺のバリアみたいなものが防いでくれた。

 

 しかし、攻撃が重すぎて押される。

 

 バリィィィン

 

 今一番聞きたくない音が聞こえた。

 

 仕方ないので刀で防ぐ。

 

「ん?」

 

 と、?が浮かんでるような顔をする少女

 

「その刀。嫌な予感がする」

 

 と、攻撃をやめる少女。

 

 俺はこれを好機と畳み掛けるも、すごいスピードで回避される。

 

 今度の敵は格が違う。

 

「お前。何者だ」

 

 俺は聞いたすると

 

「チームトワイライトのメンバー。コードネーム、(きょう)

 

 トワイライト?

 

「といっても今は私とリーダーしか居ませんが。最初は三人いたんですよ?勇者さんもあったことがあるはずです」

 

 まさか、そいつって

 

「お気づきになりましたか?そうです。仮面の人物です。コードネーム、(ざん)。私が殺しました」

 

 衝撃の事実だった。

 

 仲間を殺した?

 

 何で

 

「リーダーからの命令です。あいつを殺せと」

 

 そしてまた狂ったように笑う狂

 

「まぁ、そんなことはどうでもいいんですよ」

 

 そして指をこちらに突き立ててくる狂

 

「今の私の使命はあなた方、邪魔な人物の殲滅です」

 

 俺達が彼女等の計画に邪魔になるって事は、やはりあまりいい計画では無さそうだな。

 

 何を企んでやがんだ。

 

「そしてもう一つ」

 

 そう言った後、妖美に微笑んでからこう言った。

 

「あなたの捕獲です」

 

 そう言ってからまた口癖のように「あはっ」と言う。

 

 それを聞いて俺は数歩後退する。

 

 するとまたもや一瞬で詰め寄ってきて、俺が数センチ前に出たら接触する近さに来てぐっと俺の顔に顔を近づけてくる。

 

 それに合わせて俺は仰け反る。

 

 そして狂は首を傾げて(いぶか)しげにこちらを見ながら言った。

 

「あなた。能力を持ってますよね?それも特異な」




 はい!第23話終了

 新しく出た敵。コードネーム『狂』。このコードネームの由来はその名の通り狂ってるからです。

 少しは今回、狂が狂ってる所をお見せできたなら良いですね。今後もっと狂わせて行きますので楽しみにしてください。

 それと僕の小説に砂糖が大量何て言う期待はあまり持たない方がいいかもしれません。

 少しは砂糖増々になるように努めますが、大方僕のは恋愛<ストーリーって感じですよね。

 恋愛要素…頑張って書いていきますよ。

 それでは!

 さようなら


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第24話 能力の発覚

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 紫に衝撃の事実を伝えられた裕太御一行

 それは仮面の辻斬り魔が血だらけで倒れているのが発見されたと言う物だった。

 しかし、辻斬りの悪夢は終わらなかった。

 その真実を確かめるために裕太達は人里へと向かう。

 そこで裕太が目にしたものは

「あはっ。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 狂人。コードネーム『狂』だった。

 そして仮面の辻斬り魔。コードネーム『斬』を殺害したのは自分だと告白する狂

 狂等の目的は二つ。邪魔物の殲滅と
























































 裕太の捕獲



 それではどうぞ!


side裕太

 

「あなた。能力を持ってますよね?それも特異な」

 

「え?」

 

 そしてギョロっと目を見開いて呟く。

 

「これは発動系と条件を満たせば発動する系…」

 

 そして普通の表情に戻って俺から少し離れる。

 

 何がしたいんだこいつは

 

 こいつには色々と謎がある。

 

 まず、どうやって言い当てたのか。

 

 そして指の事。

 

「あなた。色々と能力を持ってるね。ふふ。ふふふ。アハハハハハ!」

 

 と、また狂ったように笑い出す狂

 

 気味が悪い。

 

「何が言いたい?」

 

 俺は問いただす。

 

 するとにやっと笑ってから唇を舐める狂

 

「君を持ち帰って分解して研究するのも楽しそうだなって」

 

 そう言われると俺は蛇に睨まれた蛙のように硬直してしまった。

 

 分解って言ったか?

 

「まぁ、嘘だけど。ただ、珍しかっただけ神の気配を纏わせた人間が」

 

『え!?私バレてる!』

 

 と、驚きの声をあげる精神の女の子。呼びにくいな。

 

 例え今のが嘘だったとしても捕まったらただじゃ済まないのは確かなような気がする。

 

 そして俺は刀を構える。

 

 すると刀に触れた方の手を握ったり広げたりしている。

 

「その刀。嫌な予感がする」

 

 さっきも言ってたけどどういう意味なんだ?

 

 そうして刀に目を見やる。

 

 この刀は霊体を良く斬れるってだけの刀だ。

 

 しかし参ったな。妖夢達が来るまで俺一人で堪えなきゃいけないのか。そんなにもつか?

 

 すべては俺の腕にかかってるのか。

 

「あはっ。じゃあ始めましょう。殺し合いを」

 

 すると一瞬で詰め寄ってくる狂

 

 そして手を振りかざしてきてたので俺は刀で防ぐ。

 

 すると金属同士がぶつかり合うような音がなった。

 

 通常、手と金属がぶつかったってそんなことにはならない。

 

 だとすると狂の能力か。

 

 するとふらっとなり、体制を崩す狂

 

 これを好機だと思い、刀を振る。

 

 すると今度は蹴りで受け止めてきた。

 

 果たして狂の体はどうなってんだ?

 

 夜の町に甲高い音が鳴り響く。勿論不自然な訳で

 

 トントントン

 

 と、走る音が聞こえる。

 

 多分だけど分かる。これは

 

 そしてその人物が見えた。

 

 その人物は

 

「裕太さん!」

 

 妖夢だった。

 

 しかしそれと同時に俺は気をとられてしまって、狂に刀を弾き飛ばされてしまった。

 

「チェックメイトだね」

 

 そう言って蹴りを放とうとしてくる狂

 

 嫌だ。まだ死にたくない。

 

 死にたくない死にたくない死にたくない。シニタクナイ

 

「やめろーっ!こっちに来るなぁっ!」

 

 そして張り手の要領で手を出す。

 

 すると

 

「うわぁぁっ!」

 

 っと俺の手は触れていないのに何かに突き飛ばされたかのようにぶっ飛ぶ狂

 

 さすがの俺でも思考が追い付かず、硬直してしまう。

 

 妖夢も目を見開いて驚いている。

 

 今、何が起こって

 

「まぐれだ。こんなの。こんな土壇場で覚醒ってヒーローみたいな展開あるわけない」

 

 そしてよろよろと立ち上がる狂

 

 そしてこっちに走ってくる。

 

 すると途中で何かに当たる。

 

「こ、これは…」

 

 と、突然頭を抱えてしまう狂

 

 そしてこっちを上目使いで見ながら

 

「マジ?」

 

 と言った。

 

 なんの事だかさっばりだが、おそらくこの力?のことだろう。

 

 すると妖夢もこちらに近づいてきた。

 

「私は通れますね」

 

 と言って俺の真横に立つ。

 

「あなたの事は分かりませんが、もはやあなたに勝ち目はありません。諦めてください」

 

 と、指を指しながら言った。

 

 横座りをして手を地面に着く狂

 

「私が…負ける?」

 

 そう言ってうつむいた。

 

 完全に勝負あったと思ったその時、狂の体が突然震え出した。

 

「ふふっ」

 

「「え?」」

 

 と、同時に驚く俺と妖夢

 

「あはっ。アハハハハハハハハハハハハハ」

 

 またもや狂ったように笑い出す。

 

 それにあわせて俺は後退してしまう。

 

「狂府《キルグレア》」

 

 そして睨み付けてくる狂

 

 すると

 

「ぐわぁぁぁっ!」

 

 体のあちこちに切り傷が出来た。

 

「どんなに壁が有ろうと、透過していたら意味ないんだよね。この技」

 

 なんだ。その技は!

 

「言い忘れていました。この世界にはスペルカードって言う必殺技のような物があるんです」

 

 そんな大事なこと言い忘れんな。

 

 そしてどんどん斬撃が飛んでくる。

 

 くそっ!せめて飛んでいった刀を取れれば

 

 すると掌が輝き出した。

 

 掌を上向きに翳すと、手の上に鞘に入った幽斬剣が現れた。

 

 そのまま手に落ちてきてキャッチする。

 

 これは

 

 そして俺は刀身を鞘から出して斬撃を刀で受ける。

 

「それは!?」

 

 と、驚く狂

 

 そして攻撃の手を止める。

 

「俺にも分からねぇ。だが、色々とこの能力の事について理解してきたぞ。理華(りか)

 

『ん?りか?』

 

「お前のことだ」

 

 と、小声で話しかける。

 

『ん??』

 

「呼び方が無いのは不便だろ?理はことわりだな。俺の中から出てこられない。つまり世界の理として外界には存在できない。華ははなだ。まぁ、つまり言うと第一印象が可愛かったから」

 

 ってか敵を目の前にして何説明してんだよ。

 

 すると理華は無言になってしまった。

 

 まぁ、良いか。

 

 この能力。理解した。

 

「うーん。スペルカード風に言ってみたいな」

 

 そして手をピストルの形にする。

 

「空砲《空気銃(エアガン)》」

 

 そして岩に向けて放つ。

 

 するとバラバラになった。

 

「それがその能力の力ですか…」

 

 そういい終えると突然トランシーバーを取り出し、会話を始める。

 

「では、急用が出来たのでこれで」

 

「おいまて!」

 

 しかし俺の言葉を聞かずどこかに行ってしまった。

 

「取り合えず追い払えたな」

 

 すると妖夢は突然「ごめんなさい」と謝ってきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「私は呆然としてるだけで何も出来なかったので」

 

 そう言うことか…

 

 俺は理由がわかり納得した。

 

「別にいいよ。その、近くにいてくれるだけで途中で折れそうだった心がだいぶ励まされた」

 

 ありがとなと言う。

 

「それなら良いですが…」

 

「んじゃ帰ろうか」

 

 そう言って俺と妖夢は白玉楼に帰った。




 はい!第24話終了

 今回色々進みました。

 今後のストーリーがどうなるのかお楽しみに

 それでは!

 さようなら


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第25話 妹

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 始まった狂との戦い。

 その戦いの中で裕太は新しい能力を身につける。

 結局狂との決着は着かずに戦いは終わりを告げた。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「いってぇぇぇっ!」

 

 俺の叫び声が冥界に響き渡る。

 

 今の俺の状態は頭に包帯を巻いて、腕をガーゼで固定して、布団の上に寝転んでいる状態だ。

 

 そして妖夢に傷の手当てをしてもらっている。

 

 今は腕をして、絆創膏を貼っている。

 

 あのときに睨まれた傷だ。

 

 あまり傷口は深くなかったと言うのが幸いだろう。

 

 だが今の俺の状況を見たら、そんな悠長な事は言ってられないだろう。

 

 腕は複雑骨折、全身に浅い切り傷、慣れてない能力を無理に使ったことによる霊力の枯渇&体が言うことを聞かない。更には無理に能力を使った代償はまだあって、その中の一つに全身筋肉痛も含まれている。

 

 これは酷い状況だ。

 

 これらを手当てしてくれている。

 

 何でこんなに白玉楼って応急処置のセットが揃ってるんだ?

 

 色々入った救急箱まで有って、病院顔負けの品揃えだ。

 

「動かないで下さい。少し()みますけど、すぐ終わりますから」

 

 と、消毒を続ける妖夢

 

 これはきついな…

 

 骨折してない方の腕も動かせない。

 

 霊力を無理に使うと霊力の筋肉痛?みたいなものになって、暫くは体が言うことを聞いてくれなくなるらしい。

 

「そう言えば裕太さん」

 

「なんだ?」

 

 突然話を振ってきた。

 

「あの時、能力を使ってましたが、裕太さんはどんな能力を持ってるんですか?」

 

 俺の能力ねぇ…

 

「俺の能力は3つあるんだ」

 

 そう言うと妖夢は驚きの表情に変わった。

 

「『思いが力になる程度の能力』と、『乗り越える程度の能力』。それに、メインの能力。この前に使ってた能力は『空間を把握し、空間を操る程度の能力』だ」

 

 一つ目と二つ目はそのままの能力だが、最後のは色々な用途で使える。

 

 狂との戦いで使ったのはすべてこれだ。

 

 まぁ、名前を考えたのは俺なんだけど、これが一番最適だと思ったからな。

 

「ん?最後のやつはどんな能力何ですか?」

 

 と、聞いてきた。

 

 俺としては実際に見せたいところなんだけどな…生憎、霊力が枯渇しててな

 

 まぁ、色々と汎用性のある能力なんだが

 

「俺が治ったら実際に見せるよ」

 

 そして俺の手当ては終わった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「手持ち無沙汰だ」

 

 今現在、妖夢が晩飯を作っている。

 

 いつも一緒に作っていたため、なんと言うか落ち着かない。

 

 そう言えば日本にいる皆はどうしてっかな。

 

 心配かけてんのかな…

 

 妹の歩美は長期休暇になると、いつも遊びに来るから心配してるんだろうな…

 

 かなり俺は向こうの世界に未練タラタラだ。

 

 あれだけ別の世界に行きたいって言ってたのにな。

 

「歩美…」

 

「そんなに妹さんに会いたい?」

 

「ああ、会えるなら会いたいな。…って紫!」

 

 急に俺の横に現れた紫に驚く。

 

 すると、紫が顔だけをスキマに突っ込んだ。

 

「どうぞ!」

 

 そう言うとスキマの中から声が聞こえてきた。

 

「おーにーいーちゃーんー!」

 

 おいおいおい

 

「お兄ちゃん!」

 

「グハァッ!」

 

 急に抱きついてきた人によって俺の傷口が痛む。

 

「お、お兄ちゃん!この傷どうしたの?」

 

 その前に離れてくれ、傷口が痛い。

 

 すると俺の悲鳴を聞いてか、急いでドアを開けて入ってくる妖夢

 

「どうしたんです…か?」

 

 そう言った後に数秒間硬直してしまった。

 

「あの…これは一体?」

 

「それでは私はこれで~」

 

 と、紫が逃げるようにスキマに入る。

 

「取り合えず…俺の可愛い妹の歩美よ。そこを退いてくれるとありがたい」

 

「分かったよ。お兄ちゃん」

 

 そしてやっと退いてくれた我が妹

 

「お兄ちゃん?妹?」

 

 と、(いぶか)しげに見てくる妖夢

 

 すると先ほど紫が居たことですべてが繋がったようだ。

 

「また紫さまの仕業ですか」

 

 と、呆れたように言う妖夢

 

「そうだ。こいつは俺の妹、空頼 歩美(あゆみ)だ。ほら歩美」

 

 と、促す。

 

 すると、歩美は前に出て自己紹介を始める。

 

「はい!私は空頼 歩美!お兄ちゃんとは別々に住んでるんだけど、それが悲しいな~っと思ったり…でねでね歩美は」

 

 ゴツン

 

「いったーい!」

 

「余計なことまでしゃべらなくて良いわ!」

 

 余計なことまで口走りそうだったので俺は歩美の頭に拳骨(げんこつ)を振り下ろして強制的に話を止めさせた。

 

「よろしくね。歩美ちゃん。私は魂魄 妖夢。ここで庭師をしているんですよ」

 

 そう歩美の目線に合わせながら言うと、次は立ち上がって俺の方を向く。

 

「しかし兄妹のわりに似てませんね」

 

「世の中の兄妹全員が似ていると思ったら大間違いだ…どれだけ歩美に似たかった事か…何で俺はこんな不良みたいになって、歩美は美少女なんだぁぁっ!」

 

 と、叫ぶ。

 

 これで少しストレス発散出来た。

 

 すると

 

「~っ!」

 

 また傷口が痛みだした。

 

「あまり無理するからですよ。見せてください」

 

「申し訳ないな…」

 

 と、妖夢に傷口を見せる。

 

 すると歩美は俺に近づいてきて背中から優しく包容する。

 

「みんながどう思おうと、私はお兄ちゃんが大好きだからね」

 

 妖夢に見られてるから恥ずかしいんだが?

 

 しかし妖夢は真顔で手当てをしはじめる。

 

 何故かそれが不機嫌に感じる。

 

「終わりましたよ」

 

 と、立ち上がってそそくさと部屋から出ていく妖夢。

 

 何が妖夢をあんな風にさせたんだ?

 

 それよりも

 

「こんなに簡単にこっちに連れてきて大丈夫か?」

 

 問題はそこである。

 

 まぁ、今は戦いの事を考えよう。




 はい!第25話終了

 今回も新キャラ登場。

 歩美は見ての通りブラコンです。

 そしてこれからどうなっていくのか!

 それでは!

 さようなら


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第26話 看病

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 かなりダメージを負いながらも白玉楼に帰ってきた裕太と妖夢

 そして裕太は妖夢に手当てをしてもらう。

 そして妖夢がいなくなった隙をついて紫が裕太の妹、歩美を幻想入りさせる。



 それではどうぞ!


side裕太

 

夕食

 

 そろそろ夕食の時間なので立ち上がろうとする。

 

 しかし、立ち膝になって立ち上がろうとした瞬間

 

「あ…あれ?」

 

 力が入らず倒れてしまった。

 

 それもそのはずだ。

 

 霊力は行動の元になっていると言う。

 

 だから枯渇したら体が言うことを聞かなくなるだろう。

 

 どうしたもんかな…

 

 妖夢にはまた無理すると傷口が開くって言われてるしな。

 

 座った状態で低空飛行すれば残ったミリの霊力でも今日はいけるか?

 

 飛行に使う霊力は地面(真下の床)からどれだけ離れてるかによって変わる。

 

 つまりミリ単位の低空飛行で移動すればなんの問題も無いと言うわけだ。

 

 ふっ。完璧すぎる作戦だな。

 

 んじゃ行くか。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「んー。んー!」

 

 どうしてこうなった。

 

 あの後、俺は低空飛行で食卓に向かったんだが、途中で妖夢に取り押さえられて自室に強制連行

 

 布団に縛り付けられて口をガムテープで止められている。

 

 この光景は端から見たらヤバい光景だな。

 

 うーん…腹へったな…

 

 さっきから脱出しようと暴れてたら腹減ってきた。

 

 そんなことを考えていると

 

「お兄ちゃん!ご飯持ってきたよ!」

 

 そして何事も無かったかのようにロープを手解き始める。

 

「お兄ちゃん。バカだねー。妖夢さんに言われたでしょ?無理しちゃダメだって…」

 

「確かに言われたけども」

 

 そしてロープの結び目を弄る歩美

 

 なにやってるだ?

 

「んー!んー!はぁはぁ…か、固い」

 

 そんなに固いのか…

 

 まぁ俺を動かさせないようにギチギチに縛ったのだろう。

 

「あ、お兄ちゃん。あの刀借りるね」

 

 大丈夫か?あれ

 

 めっちゃ重いぞ。

 

「なあ、何とか出来ないのか?」

 

 と、理華に問いかける。

 

『能力使えば?』

 

「使えません」

 

 だからこうやって聞いてるんだよ。

 

『分かったよ…』

 

 そして歩美は刀を持ち上げる。

 

 すると刀はいとも簡単に持ち上がった。

 

『あの刀の重量を減らしたよ』

 

 そんなことも出来るのか。

 

 それよりも、怖いことがあるんだが…

 

「もしかしてそれで斬るのか?」

 

「ん?そうだよ」

 

 怖いんだが?俺を斬っちゃわないか。

 

 そんな俺の心配も杞憂に終わり

 

「終わったよ」

 

 そして俺に料理を差し出してくる歩美

 

 しかし腕が動かないので食べられないのだ。

 

 そう思いながら料理とにらめっこしてると、少しだけ箸で取って渡してきた。

 

「あーん」

 

「あ、あーん」

 

 俺はせっかく妹の好意をありがたく受け取り食べる。

 

 うん。うまいな。

 

「うまい」

 

「よ、よかった~。私も手伝ったんだ~」

 

「そうか。ありがとな」

 

 実は歩美も料理が出来るのだ。

 

 珠に長期休暇に遊びに来ては俺に料理を作らせてくれなくて、強引に歩美が作るのだ。

 

 歩美の料理は俺の料理よりも美味い。

 

 料理うまい女の子って良いよね。妹だけど

 

「まだあるから。いっぱい食べてね」

 

 と、満面の笑み。

 

 守りたい。この笑顔

 

『なに妹に興奮してるのさ』

 

「してない!」

 

「え!?お兄ちゃんどうしたの?」

 

 俺が突然叫んだことにより、驚かせてしまったようだ。

 

「いや、何でもない」

 

 って言うか、俺のなかにいて何で心が読めないんだよ。

 

 考えが分かる奴なら脳内会話が出来るのに

 

 不便だ…

 

「変なお兄ちゃん」

 

 と言って首を傾げる。

 

『全く…この兄妹は…妹はブラコンで兄はシスコンって…将来が心配になっちゃうよ』

 

「お前に心配される義理はねぇ」

 

 と、絶対に周りには聞こえない声で言った。

 

 最悪俺が聞こえる声量ならば、理華も聞こえるらしい。

 

『あ、シスコンとブラコンは否定しないんだね』

 

 と、揚げ足を取ってくる。

 

「うるせぇ。歩美は少々べたつきが過ぎると思うがブラコンじゃ無いと思うんだが…あとシスコンじゃねー」

 

『それを世間一般ではブラコンと言うと思うんだけどな~』

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ご馳走さま」

 

 俺は何とか歩美の力を借りながらも食べ終わることが出来た。

 

「お粗末様でした」

 

 と、ニコッと笑う歩美

 

 さて、明日になったら霊力も回復してるだろう。

 

 後は肉体の自然回復を待つだけなんだが、そうそう上手くそんなには待ってくれないだろう。

 

「理華は俺の治癒速度速められないのか?」

 

 と、理華に聞くと

 

『そんなことしなくても『乗り越える程度の能力』で完治するんだけど』

 

 確かにそうなんだが

 

「俺は今すぐ治していつでも戦える状態になりたいんだ」

 

『分かった。でも体にすごい負担がかかるよ。運悪かったら死んじゃうけど…それでも良いの?』

 

 俺は一切迷わず言った。

 

「よろしく頼む。歩美が居なくなったら頼むな」

 

 そうして暫くしてから歩美は俺の部屋から出て行った。

 

「じゃあ始めてくれ」

 

『最後にもう一回確認するね。運悪かったら死んじゃうけど良い?』

 

「ああ、それはもう承知のうえだ」

 

 そう言うと一瞬の間があってからまた声が聞こえ始めた。

 

『分かった始めるよ』

 

 そう言うと俺の体が熱くなり始めた。

 

「熱い…くっ」

 

 片手で服の胸の部分を握りながらもう片方は床に手を着ける。

 

 最初はかんかん照りの中、外に居るような熱さから始まって、徐々に熱くなっていく。

 

 今は凍えた状態で風呂に入れられてるような熱さ。

 

 火傷しそうな位の熱さ

 

 骨から皮膚にかけて全身を駆け巡る熱さ。

 

 こんなに辛いとは…

 

 でもこれくらいで治るならお安いご用だ。

 

『ギブアップなら言ってね』

 

「誰がギブアップなんてするか!」

 

 と、意地を張る。

 

 正直、限界に近かった。

 

 俺の体持ってくれ!

 

 遂には俺そのものが燃えてるような感覚に

 

 このまま死ぬのか?

 

「誰が死んでやるものか!」

 

 妖夢のため歩美のため、

 

「絶対に死なない!」

 

 そう叫んだ直後、俺の焼けるような痛みは消え去った。

 

『やるねぇ。まさか私の霊力をはねのけるとは。まぁ、治ったし良いよ』

 

 勝ったのか?

 

 俺はその安堵で意識を手放した。

 

『やっぱりすごいね潜在能力で言うとピカ(いち)。あなたの強さを見るのが楽しみになってきたよ。だけどね』

 

 と、理華は自分の空間にある鍵のかかった扉を見る。

 

『どんなにやっても開けれない潜在能力。これはどうやったら開くんだろうね』




 はい!第26話終了

 理華は自分の空間からその宿っている人の潜在能力を扉として見ることができます。

 普通、潜在能力の扉は鍵がかかってません。

 扉を開ければ少し宿り主に負担をかけるかわりに無理やり潜在能力を引き出せます。

 それでは!

 さようなら


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第27話 完全復活

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 低空飛行で行動しようとする裕太

 しかし裕太は捕まり拘束されてしまう。

 妹である歩美に看病してもらう。

 そして理華に強制的に治療してもらった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は気を失った。

 

 するといつものあの場所に

 

「本当に耐えるなんてねぇ…殺す気で霊力を放ったのに」

 

 と無邪気に笑う理華

 

「てめぇ…」

 

 殺す気だったと知り、俺はがっくりと肩を落とす。

 

 気を失うといつもここに来る。

 

「で、今回は何日寝そうだ?」

 

「多分今回のは…一生?」

 

「え!?」

 

「嘘だよ。今回のは軽い気絶だから明日の朝には目が覚めるよ」

 

 その言葉が聞けて俺はホッとする。

 

 明日の朝には目覚めるなら皆に心配をかけることも無いだろう。

 

「んじゃ意識が戻るまでここに居ますかね」

 

 と、後ろに倒れ混むような感じで寝転がる。

 

「図々しいね。人の空間で」

 

「まぁ、良いじゃねーか。減るもんじゃないし」

 

「態度はどうかと思うけど、君ならいつでも大歓迎だよ。このままここに住む?」

 

「争いもない平和な空間だからとても魅力的ではあるが、みんなが心配するし丁重にお断りするわ」

 

 そう言うと隣に座る理華

 

 髪のフワッとした甘い匂いが鼻孔をくすぐり、ドキッとする。

 

 落ち着け…こいつは実態がないんだ。そうだ。実態がないなんて二次元と同じじゃないか。

 

 二次元は恋愛対象には出来ない。

 

 煩悩退散(ぼんのうたいさん)煩悩退散

 

「何失礼なこと考えてるのさ。私をあんな薄っぺらい二次元と一緒にしないで」

 

「その台詞、すべての二次元好きの人達を敵にまわしてるぞ!」

 

「私はそんな人達見たこと無いから、見えない人達を心配してもしょうがないでしょ?」

 

 特大ブーメラン刺さってんぞ。

 

 俺はこうしてこの空間に来ることで姿を視認でき、会話をし、触れることも可能だ。

 

 だが彼女はこの空間から出られないと言う。

 

 外の世界に出るようの実態が無いんだとか。

 

 そして彼女の空間で風景が映りそうなポイントはあるものの、彼女は映らない。

 

 自分の姿が分からないのだ。

 

「ふわぁ…なんか眠くなって来ちゃった」

 

 と、欠伸をする理華

 

「理華も眠くなるんだな」

 

「普段は寝ないんだけどね…こういう風に霊力を使ったときは使用量に応じた時間寝るかな」

 

 霊力って俺を回復させるときに使ったあれか

 

「あなたの最大霊力量を使っても1秒で回復するんだけどね」

 

 え!?コスパヤバくね?

 

「だけどあなたが霊力をはね飛ばしたせいで普段より霊力が多く吹っ飛んじゃったんだよね…これは二日くらい寝ないとダメかな」

 

「ほんっとすいません!」

 

 と、光速を越えたスピードでDOGEZAを実行する。

 

 するとすぅ…すぅ…とゆっくりと落ち着いた吐息が聞こえてきた。

 

 俺が頭をあげると小さく丸まって横向きに寝てる理華が居た。

 

 俺がいるのに無防備な。

 

 そして俺は今日羽織っていた黒色のパーカーを彼女の体にかけてあげる。

 

「お休み」

 

 そう言う俺も眠くなってきたので眠ることにした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

「ふわぁぁっ」

 

 と、起きて欠伸をする。

 

 理華の言う通り、次の日の朝には意識が戻っていた。

 

 そして腕を動かす。

 

 動く。動くぞ!

 

 そして体が軽い。流石サ○ヤ人のような能力だ。

 

 ピンチを乗り越える度に強くなる。

 

「完治した。これでいつでも戦闘に備えられる」

 

 今は理華は寝てるんだ。

 

 俺自身の力だけで勝たなくちゃいけない。

 

「でも理華が居なくても勝てると証明するチャンスだ」

 

 そうして気合いを入れる。

 

 その時、俺の扉が開いて一人の人物が入ってきた。

 

「え!?お兄ちゃん!?」

 

 歩美が入ってきたとたん、俺が立っていることに驚いたらしい。

 

「まだ立っちゃダメだよ!」

 

 と、押さえられる。

 

「いや、もう治ったから!」

 

 と言うと驚いた顔をした。

 

 そりゃそうだ。

 

 一日であのての怪我を完治させたと知ったら誰だって驚くだろう。

 

「見せて!──────ほんとだ。傷があったのが嘘のように何もない」

 

 すると急に抱きついてきた。

 

「わーい!これでやっと思いっきりお兄ちゃんに甘えられる!」

 

 俺の胸に頬擦りしてきている。

 

 非常にむず痒いんだが…

 

 さーて。いきなり鍛練を始められるレベルになったら何があったかと疑られてしまうからなにしようかな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

霧の湖奥地の屋敷

 

「お嬢様。おやつのプリンをお持ちしました」

 

 と、メイドは主の目の前にプリンを置く。

 

「ありがとう」

 

 そう言って口にプリンを運ぶ主

 

「うん。美味しいわ。ところで咲夜」

 

 と、向き直ってメイドを見る主

 

「例の人物は見つかったかしら」

 

 と、ひじ掛けにひじをついて頬杖を着く。

 

「はい。以前、魂魄 妖夢と人里で買い物をしているところを目撃しました」

 

 そう言うと主はにやっと口元を緩める。

 

「そう…冥界の…分かったわ」

 

 そこまで言い終わったらふふふと笑う主

 

「ところでなぜあのような人間を?」

 

「面白い運命が見えたのよ」

 

「面白い運命?」

 

 メイドが問う。

 

 少し間を置いてから主は口を開く。

 

「そう。面白い…ね。必ずあの人間は面白いことを起こしてくれると思う」

 

 そして続ける。

 

「だから一回あの人間に会ってみたいのだけど…」

 

「わかりました」

 

「その結果。フランに何か影響があれば良いのだけど…」

 

 そう言い、主は遠い目をする。

 

「それでは近日連れてきます」

 

「分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フラン…」




 はい!第27話終了

 最後のシーンのキャラは原作の知識が少しあれば分かると思います。

 さぁ、次回から新たな展開が始まります。

 と言うわけで短いですが、この章は終了します。

 ここまでは幻想入りの物語と言うことで、次章から第二部が始まります。

 それでは!

 さようなら


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第一部 設定集

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 皆さん!今日の投稿はもう無いと思いましたよね?

 ふっふっふー。今回はオリジナル設定集です。

 第一部が終わったのでね。

 と言うことでまずは恒例のちょっとしたあらすじから行きましょう!



 それでは第一部のあらすじ(かなり長いです)

 ある町のある学校に通っていた普通?の青年、空頼 裕太は髪の色が銀髪と言うことで不良と言うレッテルを貼られ、忌み嫌われていた。

 裕太はこんな世界は嫌だとつくづくそう思っていた。

 そんなある日、ひょんなことから神社で神隠しにあってしまう。

 そして裕太のたどり着いた場所は、なんと『忘れ去られたもの達の最後の楽園』幻想郷であった。

 そこで異変と呼ばれる事件を解決している二人、楽園の素敵な巫女こと博麗 霊夢と普通の魔法使いこと霧雨 魔理沙と出会う。

 そして裕太は幻想郷の創始者である八雲 紫に強s…ゲフンゲフン。率先して勇者になるため、幻想郷で暮らすこととなった。

 裕太はそんなこんなで武器を刀に決めたが、普通の人間なので使えるわけがない。

 そこで!

 白玉楼に住み、そこの庭師兼剣術指南役の魂魄 妖夢に刀を教わることとなった。

 裕太が勇者にならなければならない理由は現在起こっている異変が原因であった。

 人里での辻斬り事件。切られた場合、その人が凶暴化するか、もしくはその人と同じくらいの力の理性を持たない妖怪が現れると言う。

 その異変を解決すべく裕太は連れてこられたのである。

 そんなある日、人里で辻斬り事件が発生したとのことで裕太等は囮捜査をして犯人を炙り出す。

 見事炙り出せたが、なんと犯人と裕太達の力の差は歴然だった。

 何とか追い返すことに成功した裕太達であったが、裕太は無茶のしすぎで体はボロボロになってしまった。

 そんな裕太のストッパーになるため、現代から裕太の親友である時雨 京哉が幻想郷に連れてこられた。

 そして京哉の希望により、京哉の投げナイフの特訓をすることになった。

 そんなある日、またまた辻斬り事件が発生した。

 現場に向かうとそこにはパーカーを着た少女が死体の山の上に立っていた。

 その少女の力は裕太を遥かに凌駕していた。

 そしてなんと、一度目の辻斬り魔をも殺したと言いはなった。

 その少女は狂っているからこんなコードネームをつけられていた。

 『狂』

 そしてなんと裕太の能力が覚醒し、何とか難を凌げたが、前回よりも傷は酷くなかったものの、全身が動かせなくなるまでボロボロになっていた。

 そして裕太が妹に会いたいと呟くと紫が妹を幻想入りさせました。



 はい!あらすじ終了!あらすじだけで約1000文字。これでもだいぶ削りましたよ。

 長いから本文入ってるように見えるだろ?これ、まだ前書きなんだぜ?と言ったところでそろそろ本文入りましょう!

 それと途中会話が挟まりますが表現が分かりにくいので設定集の時だけ名前を書きます。

 それではどうぞ! 


裕太「今回は設定集らしいから俺等の出番は無いらしいぞ」

 

京哉「なんやて空挺」

 

裕太「いや、某探偵漫画の西の高校生探偵みたいな口調で言わんで良い」

 

京哉「だけんども俺も出番はほしーぞー」

 

裕太「だから何でそんな漫画の真似を…って何でそこ真似すんのに一人称俺のままなんだよ…」

 

京哉「そうだ!俺達で詳細解説を入れていこうぜ!」

 

裕太「やけに急だな…まぁ、良いか…じゃあ設定集やってくぞ!」

 

京哉「まずはオリキャラ編。裕太からだな。よ!主人公!」

 

裕太「うっせ!」

 

 

 

 

 

名前

空頼(くうらい) 裕太(ゆうた)

 

性別 男

 

外見

 

 髪色が銀色で顔立ちは少し不機嫌さを思わせる。主にパーカーを着ており、ズボンはジーンズ。

 腰に裕太の刀、幽斬剣を着けている。

 

能力

 

『思いが力になる程度の能力』

 

概要

 

 人を助けたい等と言う思いが強ければ強いほど己の限界を突破できる。

 

 

『乗り越える程度の能力』

 

概要

 

 ありとあらゆる色々な傷等を乗り越える事が出来る。

 ただし、乗り越えるだけなので許容を越えれば死に至る

 

 

『空間を把握し、空間を操る程度の能力』

 

概要

 

 自分で作り出した空間のありとあらゆる事を把握し、その空間内を自由自在に操る事が出来る。

 ただし、その範囲外から攻撃されたら何もできない。

 

詳細

 

 主人公

 髪色と顔立ちのせいで外の世界では不良とレッテルを貼られた普通の青年。

 髪色は裕太がハーフなので地毛

 一人だけ友人が居る。

 そして一人妹が居る。妹は黒髪ロングの美少女のため、いつも嫉妬している。

 

 

京哉「一番大事なことを忘れてるよ」

 

裕太「え?何かあったか?」

 

京哉「裕太がシスコンだと言うことだよっ!」

 

裕太「俺はシスコンじゃねー!」

 

京哉「んじゃ次は俺だな!よし行くぜ!」

 

 

 

 

 

名前

時雨(しぐれ) 京哉(きょうや)

 

性別 男

 

外見

 

 黒髪で耳が半分隠れるくらいの長さの髪。眉毛は完全に隠れており、笑顔が素敵な優男。

 服装は黒を貴重としたものが多く、何を多く着るとか言うこだわりはあまり無い。

 足にはナイフ入れを着けている。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 

 黒髪でイケメンなので学校ではかなりモテていた。

 幻想郷では人里でナイフ投げをしていたメイドに憧れてナイフを武器とすることにした。

 

 

裕太「これ完全にさk」

京哉「わーわー!」

 

裕太「なんだよいきなり」

 

京哉「今後のネタバレになってしまう」

 

裕太「いやもう読者の大半は気がついてると思うんだけど」

 

京哉「だけどダメなもんはダメだ!」

 

裕太「はぁ…まぁ良いか。んじゃ次は歩美だな」

 

 

 

 

 

名前

空挺(くうてい) 歩美(あゆみ)

 

性別 女

 

外見

 

 黒髪ロングで何を着ても似合う超絶美少女。

 服は色々なものを持っていて、結構おしゃれにはうるさい。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 

 黒髪ロングの美少女で兄である裕太とは似ても似つかない少女

 兄である裕太の事が大好きなブラコン

 自分が美少女であることを妬まれていることも知らない。

 

 

裕太「まぁ、こんな感じだわな」

 

京哉「え?お前ら二人ってよく見てみたら似てると思うんだが」

 

裕太「例えば?」

 

京哉「眉毛とか?」

 

裕太「ふむふむ」

 

京哉「笑ったときの口角の上がり具合とか?」

 

裕太「ふむふむ…ん?」

 

京哉「歩いたときの膝の曲がる角度とか」

 

裕太「ちょーっとまてぇぇっ!」

 

京哉「なんだよ」

 

裕太「なんでそんなとこ知ってんだよ。怖いわ!」

 

京哉「まぁ、気を取り直して次はあれ?理華?誰だそれ」

 

裕太「流す感じですか。まぁ、次は理華です」

 

 

 

 

 

名前

理華(りか)

 

性別 女

 

外見

 

 黒髪セミロングで笑顔が可愛い女の子。

 主に洋服を来ていて、スカートは膝の少し上までの長さ。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 

 裕太の精神世界に住んでいる存在が不確かな女の子。

 裕太にしかその声は聞けなく、時折裕太に力を貸す。

 ちなみに名前は裕太が名付けたもので、(ことわり)と可愛いと言う意味を込めた(はな)と言う字で理華と呼ぶ。

 

 

京哉「りかといえば学校の理科を思い出すよな」

 

裕太「あれとは関係ないからな」

 

京哉「しかし、裕太と理華ちゃんが精神世界であんなことやこんなことをするなんてな~」

 

裕太「してない!断じてしてない!」

 

京哉「冗談はさておき、次は斬?そんなやつ居たっけ?」

 

裕太「ほら、あの辻斬りの」

 

京哉「その時は俺居ないから分からねーな」

 

裕太「じゃあ次は斬です!どうぞ!」

 

 

 

 

 

名前

 

本名不明

 

コードネーム (ざん)

 

性別 男?

 

外見

 

 黒髪でマントを羽織って、仮面を被っている。

 

能力

 

『斬った生命体を操ったりコピー妖怪を作り出すことが出来る程度の能力』

 

概要

 

 生命体を武器で斬るとその生命体を操ったり似たような力の理性を持たない妖怪を作り出せる。

 

詳細

 

 幻想郷辻斬り異変を起こしたグループの一員。

 メンバーからは斬と呼ばれている。

 一度裕太と交戦するも、その後狂に殺されてしまった。

 

 

京哉「こいつの能力は本編では明かされていないようだけど大丈夫なのか?」

 

裕太「大丈夫だと思う。大事なのはこいつがこの力を使えることであって能力名では無いからな。本編ではガッツリ使ってたし問題ない」

 

京哉「ならいいか」

 

裕太「次で最後かな?んじゃどうぞ」

 

 

 

 

 

名前

 

本名不明

 

コードネーム (きょう)

 

性別 女

 

外見

 

 黒髪ロングでパーカーを着ている。目の色が紅い。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも)

 

詳細

 

 口調が狂っており、雰囲気だけで裕太が恐怖する程

 リーダーに命令され、仲間である斬を殺した。

 

 

裕太「こいつが今の敵って感じだよな」

 

京哉「こいつの能力は大体の人が想像ついてると思うのですが」

 

裕太「今後に発表するチャンスのある人はここでは公表しないでおこうとのことです」

 

京哉「なるほど」

 

裕太「んじゃ引き続きスペルカード編に移るぞ」

 

京哉「まずはスペルかは怪しいが、主が多用してる技を紹介してくか」

 

裕太「だな。じゃあスペルカード編。一つ目はこちら」

 

 

 

 

 

霊力斬(れいりょくざん)

 

概要

 

 刀を武器として扱う人ならほとんどの人が出来る基本技。

 霊力を刀に込めて放つ(くう)を舞う斬撃。

 放った霊力斬は弾幕のように弾いたり、打ち消したり出来るが、直撃したときの威力は普通の弾幕の比にならない。

 

使用者

空頼 裕太、魂魄 妖夢

 

 

裕太「まぁ、こんな感じだよな。これは基本技なだけにやろうと思ったら簡単に出来る割にかなり強いんだ」

 

京哉「なるほどな…と言うか裕太。第一部ってかなりスペルカードは少ないな」

 

裕太「そうだな。スペルはあまり登場しなかった。これを入れて3つだな」

 

京哉「んじゃ、次は一気に時は飛んで終了間近に登場したスペル行くか」

 

裕太「だな。あれにはどう対応したら良いかわかんねーな。それではどうぞ」

 

 

 

 

 

(きょう)府《キルグレア》

 

概要

 

 睨み付けることによって放射する斬撃のような攻撃を放つことが出来る。

 自信が見えていればどんなものにだって攻撃できる。

 ただし、透明であったら攻撃は当たらない。

 透過しているものはすり抜ける。

 

使用者

 

 

裕太「これはどう対策を取れば良いのか分からんよな」

 

京哉「確かにな。今後も狂が出てくるみたいだからいずれはこのスペルも攻略しなくちゃな」

 

裕太「ちなみにキルグレアのグレアって睨むって意味らしい」

 

京哉「ってことは直訳で殺す睨みってことか?」

 

裕太「なんかダサくなるから直訳はやめようぜ」

 

京哉「だな」

 

裕太「じゃあ次で最後だ。どうぞ!」

 

 

 

 

 

空砲(くうほう)空気銃(エアガン)

 

概要

 

 空間を操ると言う能力の応用で、空間を圧縮して弾幕のように相手に放つ。

 弾幕の数10倍の威力を誇る。

 

使用者

空頼 裕太

 

 

裕太「まぁ、これは能力を試したときに出来たスペルだな」

 

京哉「よくお前、狂を前にして試そうと思ったな」

 

裕太「あはは」

 

京哉「それでは設定集はここまでです!」




 はい!これが第一部(終了時点)の設定集です。

 どうでしたか?

 まぁ、読者のほとんどの人は知っているような内容ですが



 それでは第二部の予告

 第二部ではなんと拠点が白玉楼から移る。

「ふふふ。私の館へようこそ。裕太」

「俺は…どうすれば…」

 地下に閉じ込められた少女を助けることが出来るのは裕太だけ?

「久しぶりね。海藤と言ったかしら?アハハ」

 裕太対狂

「私が壊してあげるアハハ」

 狂気対狂気

 果たして裕太達は幻想郷を救うことが出来るのか?

注意 このあらすじは予定ってだけで確定はしていません。



 それでは!

 さようなら


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第二部 第4章 嘆く少女 第28話 紅い館。紅魔館

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回から第二部の開始です。

 そして第二部から試験的に次回予告を入れてみたいなと思ってます。

 活動報告にアンケートを用意しました。

 それは次回予告があった方がいいか無い方が良いか。

 あった方が良いが多かったらこのまま次回予告を書き続けます。

 他の作品にも

 これは忙しくなりそうだ。



 それでは前回のあらすじ

 狂から受けた傷が全回復した裕太

 妹である歩美に驚かれながらも、回復したことを報告する。

 そしてついにあの永遠に赤い幼い月始動する。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「何やったんですか?」

 

 俺は今、問い詰められていた。

 

「なぜ一日で全回復してるんだ?」

 

 まずいこのままと無茶したことがバレてしまう。

 

 また怒られる。

 

 逃げねば。妖夢と京哉から

 

「えーと…《マイスペース》」

 

 と、言うと一定範囲が球体状に囲まれた。

 

 二人は不思議そうにしている。

 

「じゃーな。《瞬間移動》」

 

「「あ!逃げられた!」」

 

 これが俺の能力。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ふう…何とか逃げられた。

 

 これが俺の『空間を把握し、操る程度の能力』の力の一つ。自分が作り出したフィールド内ならどこにでも瞬間移動を出来る。

 

 他にも色々なことが出来る能力である。

 

 そしてフィールドを展開する。

 

 これで気配を探れる。

 

 良いなこれ

 

 そして俺は人里に向かう。

 

 暫くあるいて人里に到着した。

 

 でも人里に来たのは良いが、どうしようか。

 

 ん?あの人は…以前俺と京哉で人里に来たときに居た投げナイフの人

 

 泥棒をナイフを投げて捕まえたんだよな。

 

 すると視線に気がついたようでこっちに来る。

 

「あなたは空頼 裕太さんですよね?」

 

「はい」

 

 そんなに有名になったっけ?

 

 そう言うと驚くべきことを言うナイフ投げの人

 

「あなた、紅魔館に来てみませんか?」

 

「はい?」

 

 先程と同じ言葉だが、その言葉にははてながついていた。

 

 取り合えず着いていってみるか。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

紅魔館

 

 俺は目の前のものを見て唖然としている。

 

 外装が真っ赤。でっかいお屋敷だ。

 

 見てるだけで目が痛くなってくる。

 

「ここで私はメイドとして働いている十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)と申します。今回あなたを連れてきた理由はお嬢様があなたに会いたいと(おっしゃ)っていましたので連れてきました」

 

 つまり咲夜さんの主が会いたいって言ってたってことか。

 

 誰がこんな目が痛くなりそうな所に住んでるんだ?

 

 と、そう思いながら門の前に来る。

 

 なんか門に寄りかかって寝てる人が居るんですが…

 

 すると咲夜さんはため息を一回ついてからその寝ている人の方へと向かう。

 

「メイド秘技《殺人ドール》」

 

 そして咲夜さんが突然スペルカードを放った次の瞬間、寝ている人を中心に、寝ている人と壁に無数のナイフが突き刺さっていた。

 

 あれ、大丈夫なのか?

 

 普通に白目向いて壁に貼り付けられてんだが?

 

 すると急に動き出して、体に刺さったナイフを抜き始める。

 

「いやー。お見苦しいところをお見せしました」

 

 いや、その前に大丈夫かよ。

 

「彼女は(ほん) 美鈴(めいりん)。ここの門番よ」

 

 門番!?門番が寝てて良いの!?

 

 それは色々と問題があるんじゃ…

 

「あなたが寝てるせいでいつも泥棒に侵入されてるのよ」

 

 手遅れでしたか…

 

 美鈴さんはよく門番なのに居眠りするらしい…ダメだこりゃ

 

 そして俺は案内されて紅魔館の中に入っていく。

 

 庭もよく手入れされてて、なんと言うか赤いことを覗けば落ち着ける空間だった。

 

 そして建物の中に入ると外装よりも広かった。

 

 なんかここで空間がネジ曲がっている。

 

「咲夜さん」

 

「なんですか?」

 

 俺は思ったことを口にした。

 

「この館には空間をいじれる人が居るんですか?」

 

 そう言うと驚いた顔をした。

 

 おそらく図星だろう。

 

 空間を把握。それは空間の異変にも気がつくことができる。

 

 俺が作り出したフィールド内に居る人数もわかる。

 

 俺は霊力を使えるが、皆みたいに霊力を何故か探れないんだ。

 

 だけど代わりにこの能力があるからそんなのは関係ない。

 

「やっぱりすごいですね。少しお嬢様から話をうかがっておりました」

 

 と、静かに言葉を並べる咲夜さん

 

「さぁ、つきました。ここがお嬢様の部屋です。どうぞ」

 

 そして咲夜さんが扉をあける。

 

 そしたら一番奥の椅子に座ってる女の子が見えた。

 

「ようこそ…紅魔館へ」

 

「どうも」

 

 と、取り合えず挨拶する。

 

「えーと。ここの主は君ってことで良いのか?」

 

「ええ、私がこの館の主、レミリア・スカーレットよ」

 

「俺は空頼 裕太だ」

 

 と、自己紹介をする。

 

「それにしても、あなた…」

 

 そしてぺろりと舌で唇を舐める。

 

 そして急に立ち上がる。

 

 そして俺の目の前で立ち止まって顔だけ寄せてきた。

 

「美味しそう」

 

 とささやいた後、急に押し倒してきた。

 

「じゃあいただきまーす」

 

 そして顔を近づけてきた。

 

 なにこの展開!?

 

 俺の思考は停止してしまった。

 

 そして

 

 がぶっ

 

 突然首筋に鋭い痛みが走った。

 

 チューチュー

 

 レミリアが吸っている?

 

「プハァー。これは癖になりそう」

 

『何々!?どうしたの!?』

 

 と、寝ているはずの理華の声がした。

 

『裕太の体に異変があったからたたき起こされたんだけど』

 

「お、お嬢様!?」

 

 と、驚いた声を出す咲夜さん

 

「何よ咲夜…私は喉が乾いてたのよ。トマトジュースだと満足出来ないのよ」

 

「でもお嬢様が普通の人間を吸血なんてしたら相手の方まで」

 

「それはどうかしらね」

 

 そう言えばレミリアの背中には羽が生えているような…

 

 もしかして

 

「レミリアって吸血鬼?」

 

「如何にも!私は夜の王者、吸血鬼のレミリア・スカーレット。我の恐ろしさにひれ伏すがいい」

 

 すると咲夜さんは苦笑いした。

 

 イタい。イタすぎるぞ。その台詞

 

 っていうか俺は噛まれたよな?

 

 もしかして俺も吸血鬼に?

 

 そう意識した瞬間、心臓の鼓動が早くなった。

 

 そして噛まれた部分が熱い。

 

「ぐ、ぐぁぁっ!」

 

 その瞬間、緑色の液体が噛まれた箇所から出てきた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「吸血鬼のウィルスが出てきた!?」

 

「やっぱりね」

 

 これは…




 はい!第28話終了

 今回は紅魔館の話でした。

 第二部では紅魔館が主な活動拠点となります。

 ですが安心してください。妖夢達は今後も出てきますし、若干ハーレム要素も含まれてますが、メインヒロインは妖夢です。



 次回の東方魂愛想は

「やっぱりあなた。こう言う自分に害をなす力は排除出来るのね」

「私の妹のことについて話があるの」

 妹?

 レミリアには妹が居たのか。

「能力は~~~」

「断ったら死ぬまで私たち姉妹の餌かしらね」

 脅すレミリア

「ひっ!だ、誰ぇ?」

 金髪の女の子が登場。レミリアの妹?

「私はフランドール・スカーレット。ねぇ、裕太。遊び相手になってくれる?一人で暇だったんだよね」

 次回、第29話『裕太と吸血鬼達』

 お楽しみに!



 それでは!

 さようなら


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第29話 裕太と吸血鬼達

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 妖夢達から逃げるため人里に向かうとそこには咲夜が居た。

 そして咲夜に紅魔館に招待してもらうことになった裕太は咲夜に着いていく。

 そして紅魔館に着いたらそこには居眠り門番が!さらに紅魔館の中は空間がネジ曲がっていることが判明

 これからどうなるのか!?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 急に首筋の熱がなくなった。

 

 と言うか何か急に疲労が…

 

『すぅ…すぅ…』

 

 何で寝息が聞こえてんの?

 

 マイクの切り忘れみたいなことってあるの?

 

 と言うかいつの間にか寝てたんだな。

 

「やっぱりあなた。こう言う自分に害をなす力は排除出来るのね」

 

 なんか分かんないけど俺の能力スゲー

 

「吸血鬼のウイルスも弾いてしまうんですね」

 

 多分乗り越える程度の能力だな。

 

 これで免疫力が上がりすぎて吸血鬼のも普通のウイルスや菌と同様に倒せるようになったんだな。

 

 何て便利な能力だ。これで風邪とかひかないね。

 

「それよりも俺を呼び出した理由って何だよ…こんなことのために呼び出した訳じゃないだろ?」

 

「さすが裕太ね。何でもお見通しって訳ね」

 

 何でそんな初対面なのに俺のことについて詳しいんですかね?

 

「今回呼び出したのはね…私の妹のことについてなのよ」

 

 妹?

 

 レミリアには妹が居たのか。

 

「名前はフランドール・スカーレット。金髪で綺麗な羽が生えてる可愛い女の子なんだけど、能力に問題があってね」

 

「問題?」

 

「そう。能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』」

 

 なにその超危険な能力。

 

 え?なに?幻想郷にはこんな危ない能力の人もゴロゴロ居るの?

 

「しかも自信で操りきれてないのよね」

 

 暴走したらヤバいじゃねーか…

 

「で、危ないから地下の力が分離する部屋にいれてるんだけど、そのせいでフランは友達が居ないのよ」

 

 なるほど、何となく話が読めてきたぞ。

 

 とどのつまりあれだ。

 

「それであなたの能力をもってすればきっとフランに対抗できる。だからフランの友達になって欲しいな~って。それでまたフランの笑顔がまた見たいのよ。あの子。ここ490年位笑ってないから」

 

「ちょーっとまてぇっ!」

 

 と、話を聞いてツッコミを入れる。

 

「あなた方何歳ですか?」

 

「年は500歳行ってから数えてないわね。でも吸血鬼の中では若い方なのよ」

 

 ああ、そうだった…一瞬レミリアが吸血鬼だってことを忘れかけてた。

 

 そうだよな。吸血鬼にとっては当たり前なんだよな。

 

「まぁ、友達か…俺でいいのか?」

 

「あなたが適任だと思ったのよ」

 

 何でそんな信頼感を置かれてるんだ?

 

「それともう一つ。何で俺の事、そんなに詳しいんだ?」

 

「それはお嬢様が『運命を操る程度の能力』を持っておられるからです」

 

「そう!私はあなたの運命を見てあなたのすべてを知っているのよ…これからの事もね」

 

 なるほど、これですぺてが合点いった。

 

「それと一応。俺が断ったらどうする?」

 

「死ぬまで私たち姉妹の餌かしらね」

 

 怖いわ。

 

 伝わらないと思うけどレミリアの目からハイライトが消えてんだよ。

 

「まぁ、断る気は無いから安心しろ」

 

 すると一瞬でハイライトが元に戻った。

 

「ならよかったわ。じゃあ咲夜」

 

「はい。わかりました。では裕太さん。こちらへ」

 

 と、俺は咲夜さんの案内で館のなかを歩いていく。

 

 暫く歩くと、真っ暗で更には一番したが見えないくらいの長さの階段が現れた。

 

 その時、頭が割れるように痛くなった。

 

「が、ぐ」

 

「またフランお嬢様、ぬいぐるみを破壊なされたのですか…大丈夫ですか?裕太さん。普通の人間が破壊のエネルギーに触れたらそりゃそうなるわ。寧ろ頭痛で済んだのが凄いくらい」

 

 そんなにか。

 

 これも俺の乗り越える程度の能力が作用してんのかな?

 

「さあ、行きましょう」

 

 そして俺は咲夜さんの後を追って階段を下りていく。

 

 するといつの間にか咲夜さんは片手にランタンを持っていた。

 

 いつ持ってきたんだ?

 

 そして暫く歩くとある扉の前に着いた。

 

「ここが?」

 

 扉には『Flandre Scarlet』と書かれた看板がかけてあった。

 

 扉の材質は鉄でさわってみた感じ、かなり分厚い扉だ。

 

「それではご武運を…」

 

 そういった瞬間、咲夜さんが一瞬にして消えてしまった。

 

 どうすんだよ…俺一人で…

 

 正直、一人で女の子の部屋に入ったこと無いからどうすればいいのか分からないし、相手からしたら俺は知らない男だ。正直怪しい…

 

 でもやるしかないんだ!

 

 男裕太。いざ参る!

 

 そして俺は扉を開けようとすると、扉が開いた。

 

「がふっ!」

 

 そして俺は横の方に吹っ飛ばされる。

 

「咲夜!?」

 

 その中からは嬉しそうな声色の少女が出てきた。

 

 レミリアと同じような色違いの服装に羽が生えてて、枝にクリスタルが沢山着いてるみたいで綺麗だ。

 

 人目見て分かった。

 

 この子がフランドールだ。

 

「ひっ!だ、誰ぇ?」

 

 と、俺が倒れてるのを見てそう言った。

 

 俺はもうダメみたいだ。

 

「ご、ごふう…」

 

「え!?だ、大丈夫?」

 

 と、駆け寄ってくるフランドール。

 

「何てな」

 

 と、立ち上がるとフランがもう目の前に来ててマジマジと見ている。

 

「よ、良かった?あ、血が」

 

 少しだけ腕の擦り傷から血が出ていた。

 

 でもこれくらいなら、と考えているとフランドールが傷口を舐めてきた。

 

「ちょっ!」

 

「ん?美味しい」

 

 そう言うと次に俺の首筋を噛んできた。

 

「美味しい!こんなに美味しい血、初めて」

 

 それは何よりだ。

 

 そして腕に力を入れると緑色の液体が勢いよく飛び出してきた。

 

 首をコキコキとならすと首からも緑色の液体が勢いよく飛び出してきた。

 

 意図的に出すことも出来るんだな。

 

 でも、二回も吸血されて貧血にならない俺って…

 

「ねぇ?あなたの名前は?」

 

「俺か?俺は空頼 裕太だ」

 

「私はフランドール・スカーレット。ねぇ、裕太。遊び相手になってくれる?一人で暇だったんだよね」

 

 と、お願いしてきた。

 

 俺としては願ってもない機会だ。

 

「ああ、良いぞ。なにして遊ぶ?」

 

「じゃあねーじゃあねー。おままごと!」

 

 と、嬉しそうなフランドールは言った。




 はい!第29話終了

 今回は裕太の免疫メイン回でした。←なんだそれ

 次回はフランメインです。あともう数話したら妖夢ちゃんを出したいと思います。



 次回の東方魂愛想は

「おままごとやろぉっ!」

 フランとおままごとをやることになった裕太

「フランとあなたは兄妹ね。あ、あなたがお兄ちゃん!」

 何でも兄妹二人で住んでて、俺が仕事から帰ってきたって設定らしい。

「ただいま」

「お帰りなさいお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それともわ♡た♡s」
「おいちょっとまてぇぇっ!」

 食いぎみに突っ込む裕太

「そう言えばフランドールって」
「フラン」

 食いぎみに言うフラン

「フランって呼んで欲しいなお兄様」

「いや、お兄様って…」

「分かってる。私も。自分から好んでこんな危険な私に近づこうと思う人なんて居ないって…」

 自信を卑下するフラン

「分かってるけどせめて、この瞬間だけでも夢を見させて」

「俺は君を嫌わないし、否定もしない」

「こんなにフランお嬢様と打ち解けるなんて」

「これが彼の長所、本当の空頼 裕太よ」

 と、咲夜とレミリア

「私、笑っても良いの?」

「フラン。何かやりたいことないか?出来る範囲でだが付き合うぞ」

「私のしたいこと…それは」

 次回、第30話『本当の裕太とフランの心』

 お楽しみに



 それでは!

 さようなら


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第30話 本当の裕太とフランの心

 はい!どうもみなさん!ミズヤです


 それでは前回のあらすじ

 吸血された裕太。

 しかし、裕太は能力のお陰で免疫力がめちゃくちゃ高くなっていたため、吸血鬼のウイルスに勝つことが出来た。

 そしてレミリアの妹と遊ぶことになったが、果たして?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺はフランドールの部屋で向かい合っていた。

 

 一番奥に高そうなベッドがある。

 

 するとフランドールがベッドの下から道具を取り出した。

 

「フランとあなたは兄妹ね。あ、あなたがお兄ちゃん!」

 

 そして俺は部屋から追い出される。

 

 何でも兄妹二人で住んでて、俺が仕事から帰ってきたって設定らしい。

 

 そしてフランドールからokが出たので俺は扉を開ける。

 

「ただいま」

 

「お帰りなさいお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それともわ♡た♡s」

「おいちょっとまてぇぇっ!」

 

 思わず食いぎみにつっこんでしまった。

 

「夫婦か?夫婦なのか?兄妹と言う一線を越えて禁断の恋をしてんじゃねーか」

 

「おー!じゃあそれでいこう!」

 

 これで続けんの?

 

 と、また追い出された。

 

 take2

 

「ただいま」

 

「お帰りお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?」

 

 俺はせめて最後の台詞だけは辞めさせた。

 

 さすがに危ないからな。

 

「じゃあご飯にしようかな」

 

 そう言うとフランドールは笑顔で奥の方に行った。

 

 そして俺はテーブルの前に座る。

 

「今日のご飯はハンバーグだよ」

 

 と、皿に乗せたハンバーグ(のおもちゃ)をテーブルに置いた。

 

「美味そうだな」

 

 と、ハンバーグ(のおもちゃ)を食べる(ふりをする)。

 

 ふと、フランドールを見るととても楽しそうに微笑んでいた。

 

 それを見るとこっちまで嬉しくなる。

 

「そう言えばフランドールって」

「フラン」

 

 と、食いぎみに言ってきた。

 

「え?」

 

「フランって呼んで欲しいなお兄様」

 

「いや、お兄様って…」

 

「私、嬉しいんだ。久しぶりに人の温もりに触れたような気がして…でもそれもお姉さまの差し金」

 

 バレてるーっ!

 

「分かってる。私も。自分から好んでこんな危険な私に近づこうと思う人なんて居ないって…」

 

 するとどんどん悲しい表情に変わっていくフランドール

 

 俺はフランドールを笑顔にしたい。

 

 レミリアに頼まれたからとかではなく、俺自身の意思で

 

「分かってる。分かってるけど…ね。せめて、せめて…」

 

 と言って涙を流しながら微笑んだ。

 

 俺はもうその姿が見ていられなくなった。

 

「せめて、この瞬間だけでも夢を見させて」

「フラン!」

 

 と、俺は食いぎみに叫んだ。

 

 そしてフランの両手を優しく包み込む。

 

 なんだよ。危険だから地下に閉じ込めた?

 

 危険どころかその逆。健気で良い子じゃねーか。

 

 自分の思いを隠して、言うことを聞いて…そんな人生、楽しいわけない。

 

 初対面の俺じゃ出来ることは限られている。

 

 だけど

 

「最初はフランの言う通り、レミリアの差し金だったんだよ」

 

 この子には悲しい表情はしてほしくない。

 

「だけど、君と遊ぶと決めたのは俺自身だ」

 

 レミリアとか関係なく。

 

「俺は君を嫌わないし、否定もしない」

 

 だって

 

「だって」

 

 君には笑っていてほしいってそう思えたから。

「フランには笑っていてほしいってそう思えたから」

 

 そう本心を伝えた。

 

 するとフランの顔がみるみると赤くなっていった。

 

 良い放ってから気がついた。

 

 これ、ものすごく恥ずかしいやつだ。

 

 でも後悔はない。

 

「お兄様…」

 

 そう言って抱きついてきた。

 

「私、笑っても良いの?」

 

「ああ、」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「さすが裕太ね。ここまで打ち解けるなんて」

 

「ですがあの状態のフランお嬢様は誰にたいしても人懐っこいのでああなるのは必然だったんでは?」

 

 と、咲夜が言うがレミリアは首を降った。

 

「あれこそ彼の潜在能力とでも言うべきなのか…長所なのか…まぁ、どちらでも良いけど、彼はそとの世界では髪色から有らぬレッテルを貼られて忌み嫌われた」

 

 しかし、と続けるレミリア

 

「それは間違いだった。本当の彼は人の話を親身に聞いて悩みを全力で解決しようと動いてくれる。いわば親しまれるべき存在。それが空頼 裕太と言う人物なのよ」

 

 咲夜はなるほど、とうなずく。

 

「私の見込んだ通り。ちゃんとフランの心に寄り添うことが出来たようね」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「お兄様」

 

「フラン。何かやりたいことないか?今ここで数百年分のしたかったこと、溜め込んでたことしても良いんだぞ」

 

 するとフランの目が輝き出した。

 

「ほんと?」

 

「ああ」

 

「えへへ。じぁねぇ…」

 

 と、スカートの裾を掴んで少し前のめりになってニコニコ笑うフラン

 

 正直可愛い。

 

 その時、

 

ーーーさせるかーーー

 

 突然そんな声がしたような気がした。

 

 すると急にフランが胸を押さえる。

 

 苦しそうに

 

「フラン!」

 

 そして倒れてきたフランを支えた。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。大丈夫」

 

 そしてまた口を開く。

 

「したいこと決まったよ」

 

「なんだ?」

 

「…」

 

 すると急に無言になった。

 

 暫しの無言が続いたがその無言を破ったのはフランのある言葉だ。

 

「私のしたいこと…それは」

 

「それは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「裕太を殺すこと」

 

「え?」

 

 そしてフランの掌が俺の腹に押し付けられる。

 

 するとフランの掌に霊力の玉が生成され、放たれたためゼロ距離でもろに食らってしまった。

 

「ぐぁぁっ!」

 

 そして俺はテーブルを吹っ飛ばしながらぶっ飛び、入り口の扉に背中を強打する。

 

「が、は…一体…どうなって…」

 

 さっきまでと全然雰囲気が違う。

 

 そして口を袖で拭くと血が出ていた。

 

「アハハっ!血が出た!出た!」

 

 もしかしてこれが暴走?

 

 そしてフランをよく見ると、フランの体から黒い靄のようなものが出ていて、表情は悲しげだった。

 

「いいぜ、相手になってやるよ。約束したからな。俺は逃げも隠れもしないし、どこにも行かない」




 はい!第30話終了

 今回、フランと良い雰囲気かな?と思ったら突如暴走!?



 次回の東方魂愛想は?

「あは、あはは。壊れちゃえコワレチャエ」

 狂気に染まったフラン

 そして対するは

「《マイスペース》!」

 能力があるだけのただの人間

「アハハ!お兄様やるね。じゃあ少し本気出すよ!」

「俺はお前を嫌わないし、否定もしないって約束したからな…」

 そして高々と宣言する。

「俺がフランの心の支えになってやる!」

 次回、第31話『フランと裕太 狂気を乗り越えろ』

 お楽しみに



 それでは!

 さようなら


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第31話 フランと裕太 狂気を乗り越えろ

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なんとフランとおままごとをすることになった裕太は、フランとおままごとをしているうちに、自分の意思で彼女を笑顔にしたいと思い始めていた。

 そして裕太の人の心に寄り添う程度の能力(作者談)によってフランと打ち解けたように見えた。

 だが、

「裕太を殺す!」

 ついに狂気化してしまったフラン。果たして裕太の運命は!?



 それではどうぞ!


side裕太

 

「アハハっ!逃げてるだけじゃ私から逃げられないよ!」

 

 まずいな。この狭い部屋の中だけで弾幕を避けるなんて無理ゲーにも程がある。

 

 しょうがない。能力を使うか

 

「空府《君と俺との間の空間》」

 

 説明しよう。

 

 このスペルは相手との距離感を表している。

 

 会ったばかりの人にはこれくらいの場所までしか近づけない。的な意味合いを持っていて、このスペルはその空間を作り出すんだ。

 

 パシュン

 

 そして俺の目の前で弾幕が消える。

 

 ちなみにこの能力は生命体以外にも俺が危険と判断したものは俺に近づけないようになっている。

 

 まぁ、狂が使ってきたような技だと無意味なんだけど

 

 そして俺にどんどん猛攻を仕掛けてくるフランだが、俺に攻撃を与えれてない。

 

「あは、あはは。壊れちゃえコワレチャエ」

 

 と言いながら弾幕を放ってくるフラン

 

 そろそろきついな。

 

「《マイスペース》」

 

 説明しよう。

 

 このスペルは自分自身が能力、『空間を把握し、空間を操る程度の能力』の効果範囲(約1km程度)を設定するものである。

 

 そして効果範囲が球体で囲まれた。

 

 フランを刺激しないように刀は持ってきてなかったんだが、しょうがない。

 

「取寄《サルベージ》」

 

 すると、俺の手のひらの上に刀が現れた。

 

 説明しよう。

 

 このスペルは《マイスペース》で作った範囲内にある私物を手のひらの上に取り寄せ(・・・・)ることが出来る。

 

 私物以外(・・・・)は取り寄せることは出来ない。

 

 そして取り寄せた刀でフランの放った弾幕を次々に斬っていく。

 

 しかし、斬ってはどんどん飛んでくるので追い付かず、次第に被弾していく。

 

「アハハ!お兄様やるね。じゃあ少し本気出すよ!禁忌《フォーオブアカインド》」

 

 するとフランの数が四人に増えた。

 

 そして四方向から同時に弾幕が飛んできた。

 

 勿論それを凌ぎきれる分けなく、諸に全弾食らってしまった。

 

「アハ、アハハ。アハハハハ。ねぇねぇお兄様、早く壊れちゃってよ!」

 

 まだだ、まだこんなところで壊れるわけにはいかない。

 

 約束したんだ。フランを笑顔にするって。

 

 だから

 

「まだ、死なない!フランの全力、俺にぶつけてこい!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

sideレミリア

 

「裕太さん!」

 

 と、咲夜が叫んだ。

 

 これはまずいかもしれないわね。

 

 このままでは裕太が壊されてしまうかも知れない。

 

 何で逃げないの?何でそこまでして立ち向かっていくの?

 

 私には全く理解が出来ない。

 

 私は数百年前、我が妹フランの能力を見て、私は恐怖した。

 

 そしてたった一人の妹から逃げて、フランを地下室に閉じ込めた。

 

 だけど裕太は違う。

 

 裕太だって怖いはずなのに、何でそんなに立ち向かうの?

 

 そう私はフランの部屋のモニターを見ながら考えていた。

 

 服はもうボロボロ、体の至るところに傷が出来ていて、今にも死んでしまいそう。

 

 だけど裕太の目は怯えてない。目的をはっきりと見据えてる目だ。

 

『俺はお前を嫌わないし、否定もしないって約束したからな…』

 

 と、モニターから声がしてきた。

 

 もしかしてあいつ、自分がこんな状態だと言うのにフランの事を考えて…

 

 やっぱりすごい。思った通り…いや、想像以上。

 

 運命を見て、彼がもしかしたらフランに接近したら良い効果を生むのではないか?と思ってたけど、まさかここまで尽くしてくれるなんて…

 

『フランドール・スカーレット!』

 

 裕太がそう呼ぶと、フランが怯んでスペルカードが解けて一人に戻った。

 

『ずっと一人は辛いもんな。それは俺もよく知ってる。俺が平常でいられるのは友人と言う心の支えがあったからだ。だから今度は俺がフランの心の支えになってやる!』

 

 大の字に手足を広げて高々と宣言する裕太。

 

 その剣幕に押されて脱力したのかフランが空中から落ちて床に座る。

 

 空頼 裕太ね。こんな人間も居るのね。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

「だから今度は俺がフランの心の支えになってやる!」

 

 そう高々と宣言する。

 

 俺が京介にしてもらったように俺が

 

 すると、フランが空中から落ちて床にペタんと座った。

 

 それを見て俺は刀を投げ捨てた。

 

 そして正面からフランを抱き締める。

 

「俺は何度痛め付けられても、何度命の危機になっても俺は決してフランを見捨てない。だから安心して暴走しろ」

 

 と、微笑みながら言った。

 

「おにぃ…さま…」

 

 すると暴走化時の時の表情から普通の表情に戻っていた。

 

「フラン…良かった…無事で」

 

 そうして俺は更に強く抱き締める。

 

「お、お兄様!く、苦しい…」

 

 そう言われ、俺は我に帰って慌てて離す。

 

「わ、わるい」

 

 いくら感極まってたからといってなに普通に女の子抱き締めてんだよ。バカか俺は

 

「あ!お兄様。服がすごいボロボロ…」

 

 と、俺の服装を見ながら言ってきた。ズボンはまだ良いけど、パーカーがだいぶボロボロだ。

 

 袖以外のダメージは最小限だが、袖がかなりボロボロだ。

 

「そうだ!お兄様。上着を脱いで!」

 

「え?」

 

「良いから!」

 

 と、急かされて、俺は渋々着ていたパーカーを脱いで渡す。

 

 今日は生憎シャツを着てなかったんだよな。

 

「お兄様。筋肉すごいね」

 

 と、俺の体をまじまじと見ながらそう言ってくる。

 

 なんか犯罪臭がする。

 

 昔は筋肉なんて全然なかったんだが、こっちに着て、筋トレとかをしはじめてからは腹筋が割れてきた。

 

「じゃあ少しの間、待っててね」

 

 そう言って奥の方に小走りで向かうフラン。

 

 俺の服を持ってったが、どうしたんだ?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数十分後

 

 俺はボーッとしながらフランを待っていた。

 

 することが無さすぎてヤバイ。

 

 その時

 

「出来た!」

 

 その声が聞こえた瞬間、俺はそちらに顔を向ける。

 

 すると小走りでこちらに駆け寄ってくるフランが見えた。

 

 手には先程のパーカーを持っている。

 

「じゃーん」

 

 と、パーカーをひろげて見せてくるフラン

 

 すると俺は言葉を失った。

 

 理由はそのパーカーにあった。

 

 なんとそのパーカーは確かにさっきまで着ていたものなのだが、まるで新品のように傷ひとつ見当たらないのだ。

 

(ほつ)れかけてたとこも補強しておいたんだけど…どうかな?」

 

 完璧だ。

 

 本当にさっきまでボロボロだったのだろうか?

 

「完璧すぎる」

 

 そう言うと、「良かったぁ」と安堵するフラン

 

「私よく力加減間違えてお人形壊しちゃうから、だからその度に直してたんだよね。今では咲夜より裁縫だったら出来るかも」

 

 やっぱり良い子だ。

 

 フランが良い子な限り、俺はフランの味方であり続ける。

 

 でもそろそろ白玉楼に帰んないとな…みんなが心配しちゃうな。

 

 そう思いながら少しの間、フランと雑談をした。




 はい!第31話終了

 中の人がですね、フラン好きなだけあって今回の話には力が入ってましたよ。

 裕太の決意は固いと言う話でした。



 次回の東方魂愛想は?

「じゃあなフラン。また来るからな」

 帰ろうとする裕太。しかし

「紅魔館の信条は来るもの拒まず。去るもの去るものは逃がさずなのよ?」

 裕太を帰さないつもりのレミリア

「咲夜。撃退の準備は?」

「はい。既に侵入者を塵一つ残さない設備が出来上がっています」

 なにこの会話。普通じゃないと思うのは俺だけ?by裕太

「お姉様!そういうのは良くないと思う!」

「じゃあフランは裕太と一緒に居たくないの?」

「そ、それは…」

「わ、分かった。お姉様に協力するよ!」

 どうしてこうなったby裕太

「総員戦闘準備」

 一方妖夢

「拐われた…可能性はありますよね」

「あんたまた厄介事持ってきてくれたわね」

「でも頼れるのは霊夢しか居なくて」

 霊夢と妖夢が協力

「あの姉妹。厄介なことに地味に強いから面倒なのよ」

 面倒がる霊夢

「分かった霊夢。今度またご飯をごちs」
「今行こう。すぐ行こう!よしっ!張り切っていこう妖夢!私を豪華なご馳走が待ってるわ!」

 と、食いぎみに言う霊夢

 この巫女、ゲンキンである。

 次回、第32話『妖夢達の裕太奪還大作戦』

 お楽しみに

「私達忘れられてないですかパチュリー様」

「所詮私達は影が薄いのよ」



 それでは!

 さようなら


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第32話 妖夢達の裕太奪還大作戦

 はい!どうもみなさん!最近、感想をくれる常連さんが居て嬉しすぎるミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 暴走化したフランを止めるため、フランと戦う裕太

 劣性だったが、何とかフランを気づつけずにフランの暴走化を止めることに成功。

 フランの特技である裁縫で服を直してもらった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 そろそろ帰るか…

 

 そう思って振り替える。

 

「じゃあなフラン。また来るからな」

 

「うん!」

 

 そう言ってレミリアの部屋に向かう。

 

 俺がレミリアの部屋につくとレミリアがにやっと笑った。

 

「レミリア!そろそろ帰るから!また来る!」

 

「あらそう…だけどね?紅魔館の信条は来るもの拒まず。去るもの去るものは逃がさずなのよ?」

 

 と、言ってきた。

 

「つまり?」

 

「あなたみたいな使えそうな人…逃がすわけ無いじゃない」

 

 語尾のトーンが低かったんだけど?

 

 怖いんだけど?

 

「でも多分迎えに来ると思います」

 

「咲夜。撃退の準備は?」

 

「はい。既に侵入者を塵一つ残さない設備が出来上がっています」

 

 なにこの会話。普通じゃないと思うのは俺だけ?

 

 撃退?塵一つ残さない?

 

 フランよりこっちの方が怖いわ!

 

 その時

 

「お姉様!」

 

 と、声が聞こえてきた。

 

「あら、フラン」

 

「ひ、久しぶり…」

 

 と、徐々に声が小さくなっていくフラン

 

「そ、そういうの良くないと思う。さっき咲夜から聞かされたけど…」

 

 良いぞ!もっと言ってくれ!

 

「じゃあフランは裕太と一緒に居たくないの?」

 

「そ、それは…居たい…」

 

 あれ?最後何て言ったんだ?うまく聞こえなかった。

 

「わ、分かった。お姉様に協力するよ!」

 

 フラーン!

 

 そっちいっちゃダメだ!

 

 負けた…

 

「なにそこで落ち込みMAXアピールしてるのよ」

 

「ご、ごめんね。お兄様。私のわがままを許して」

 

 そんな子犬みたいな目で見られたら…

 

「はぁ、分かった。その代わり絶対負けんなよ」

 

 どうせこっち側に着くんだ。これくらいの方が清々しくて良いだろう。

 

 どうしてこうなった。

 

「分かってるわ。総員戦闘準備」

 

『はい!』

 

 何でこうも団結力があるんだろうな。

 

 すると

 

「センサーにかかったぞ。これは霊夢と妖夢、それから京哉か」

 

 恐らく霊夢は助っ人だろう。

 

 レミリアやフラン、咲夜など俺から見た感じ強者(強者)が揃ってる館だからな。フランは強者確定

 

 そうこうしている間に外から爆発音が聞こえた。

 

 あれは門らへんか?

 

「お嬢様。美鈴が早速やられたようです」

 

「想定内ね」

 

 なんか美鈴が捨て駒って言われてる気がするのは俺だけなのか?

 

 美鈴可哀想

 

「じゃあみんな配置に」

 

 そして一斉に配置につく。

 

 俺はここでレミリアと待ってれば良いらしい。

 

 その時、

 

 バコーン!

 

 と、爆発音がさっきより近くで聞こえた。

 

「まったく…静かに入ってこれないのかしらね?また扉を修理しなくちゃ」

 

 確かに扉が破壊されたようだ。空間の閉鎖が一部壊れた。

 

 さっきからマイスペースを使って俺は霊夢達の行動を監視している。

 

 霊夢が弾幕を放って扉を破壊したのを俺は見逃していない。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side妖夢

 

 裕太がフランと対面している同時刻、白玉楼では

 

「ねぇ、妖夢?」

 

「何ですか幽々子様」

 

「何か裕太遅くないかしら?」

 

「そうですね。いくらなんでもそろそろ帰ってきても良い頃合いだと」

 

 幽々子様は異変に気がついていた。

 

 今朝、裕太さんは人里に飛び出して行った。だけどまだ夕方になっても帰ってこない。これは本格的にヤバイことに巻き込まれてるんじゃ?

 

「拐われた…可能性はありますよね」

 

「十分にあるわね」

 

 幽々子様のその一言で私は動き出していた。

 

 まずは霊夢のとこに行って、その後人里で調査

 

「行ってきます。幽々子様」

 

 そして私は博麗神社に向かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

博麗神社

 

「あんたまた厄介事持ってきてくれたわね」

 

「でも頼れるのは霊夢しか居なくて」

 

 霊夢に全てを話した。

 

 するとダルそうに畳に寝転がりながらそう言ってきた。

 

 それで良いのか?博麗の巫女

 

「でもねぇ…助っ人っていってもどうせあの最恐吸血鬼姉妹だろうし」

 

 何で今の情報だけで分かったの!?

 

 と言うか紅魔館の人たちだったんだ。

 

「巫女の勘舐めんじゃないわよ」

 

 そう。霊夢の勘は異常なまでによく当たる。

 

 今まで勘だけで異変を解決してきたって言っても過言ではない。

 

「あの姉妹。厄介なことに地味に強いから面倒なのよ」

 

 そうだったんだ。

 

 霊夢は行くのが面倒なんじゃなくて相手が強いから面倒だって言ってたのね。

 

「分かった霊夢。今度またご飯をごちs」

「今行こう。すぐ行こう!よしっ!張り切っていこう妖夢!私を豪華なご馳走が待ってるわ!」

 

 と、食いぎみに言う霊夢

 

 全くゲンキンだね。

 

 霊夢とはあの異変のあと仲良くなって、今では軽口を叩けるくらいにはなった。

 

 私がタメ口になるのは霊夢と魔理沙だけ

 

「何してるの?妖夢」

 

「ふふ、いや、何でもない。直ぐに助けに行こう!」

 

 その後魔理沙の家に向かったけど魔理沙は居なかった。

 

 だから二人で向かうことにした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

紅魔館

 

「いらっしゃいませ。霊夢さん。妖夢さん」

 

 と、出迎えたのは紅魔館の眠る門番。紅 美鈴

 

「突然だけど通してもらうわ。私たちはあんたの主人に用があるのよ」

 

 そう言ったが美鈴は一歩も動かない。

 

「あなた方を通すわけにはいきません」

 

「そう…なら仕方がないわ。霊府《夢想封印》」

 

「ちょちょ!私弾幕うてなっ!」

 

 どかーん

 

 と、弾幕が当たった瞬間、門を破壊しながらぶっ飛ぶ美鈴

 

 すごく派手な入り方だね。

 

「じゃあ行くわよ」

 

 と、扉まで走っていって

 

「ご馳走が私を待っている!」

 

 扉に飛び蹴りして破壊した。

 

 うわー。あちこち破壊しちゃったな。同情するよ。

 

「随分派手な登場ね。博麗の巫女」

 

「あんたらを早く退治して裕太を取り返す」

 

「お嬢様は裕太様を気に入られたそうです。なのでそう易々と渡すわけには行きません」

 

 そして妖夢達の裕太奪還大作戦が始まることとなった。

 

 一方その頃京哉は

 

「あの館はなんだろう」

 

 裕太が拐われたことを聞き、捜索したものの道に迷ったのであった。




 はい!第32話終了

 感想をくれる人って本当有難いなと

 感想や評価が増えるだけでもうニヤニヤが止まりません。それで家族に気持ち悪いと言われたんですがね。

 感想や評価だけじゃ無く支援絵、挿絵なんかもお待ちしております!

 初めてこういうことした…



 次回の東方魂愛想は?

「それで、俺をどこに隠す気だ?」

「とっておきの場所よ」

 そして裕太を案内するレミリア

「ここは?」

「ここ以上に良い隠し場所が見当たらないって位の場所よ」

 そこは大図書館だった。

「私は小悪魔。みんなからはこあって呼ばれてます!」

「あらレミィ。そちらの方はお客さんかしら」

「そうよ。パチェ、例の部屋を貸してくれないかしら?」

 この人物は?

 一方霊夢サイド

「咲夜さん。裕太さんを返してもらいます」

「妖夢。私と戦う気?」

「そうです。そして裕太さんを返してもらいます」

 臆せず言い放つ妖夢。

「ふふっ。じゃあ始めましょうか。裕太さんは勝った方に着く」

「咲夜さん。では参ります」

 次回、第33話『戦闘開始』



 それでは!

 さようなら


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第33話 戦闘開始

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 白玉楼に帰ろうと思った裕太

 しかし、レミリア達は裕太を返さない気だ。

 裕太を奪還しに来た妖夢達

 裕太を死守するレミリア達

 果たしてどちらが勝つのだろうか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

「それで、俺をどこに隠す気だ?」

 

「とっておきの場所よ」

 

 そう言ってレミリアが着いてくるようにジェスチャーする。

 

 そのジェスチャーにしたがって着いていく。

 

 改めて歩くと廊下が長くて広い。

 

 そしてしばらく歩くと大きい扉が目の前に出現した。

 

「ここは?」

 

「ここ以上に良い隠し場所が見当たらないって位の場所よ」

 

 そう言って大きいドアを開くレミリア

 

 ギギギ~と言う軋む音。

 

 それと共に内側が徐々に見えてくる。

 

 中は大図書館だった。

 

 どこを見ても本、本、本。本棚がぎっしり壁全体に敷き詰められている。

 

 そして本が(いた)まないようにか窓が一切無い。

 

 照明は天井のシャンデリアと正面のテーブルにあるロウソクしかない。

 

 なのにそこまで暗いと感じさせない。

 

 そして目を凝らしてみると、紫のパジャマを着てテーブルで本を読んでいる少女が居た。

 

 すると

 

「あ!お嬢様~」

 

 と、黒い翼が生えて黒い矢形の尻尾が生えた少女が来た。

 

「と、そちらの方は?」

 

「お客様よ」

 

 と、アイコンタクトで自己紹介してと言われたので自己紹介する。

 

「俺は空頼 裕太です」

 

「私は小悪魔。みんなからはこあって呼ばれてます!」

 

 と、元気に自己紹介をしてくる。

 

 その後すぐに本を読んでいる少女の元にすぐ戻っていった。

 

 するとすぐにこっち来てください見たいな合図を送られた。

 

 それにしたがって俺とレミリアは本を読んでいる少女の近くに向かう。

 

「パチェ。来たわよ」

 

 そう言うと一瞬こっちを見たあとまた本に目を戻す少女

 

「あらレミィ。そちらの方はお客さんかしら」

 

「そうよ。パチェ、例の部屋を貸してくれないかしら?」

 

 唐突に切り出すレミリア

 

「はぁ…そんなことだろうとは思ったわ。さっきフランが走ってきて状況を教えてきたし」

 

 ってことは大体把握してるのか

 

「私はパチュリー・ノーレッジ。レミィの友達よ。ここの管理を任されているわ」

 

「俺は空頼 裕太。最近幻想入りして異変の解決とやらの手伝いをしている」

 

 と、軽い自己紹介をする。

 

「じゃあ早速お願いするわねパチェ」

 

 そう言うとパチュリーは立ち上がって背後の本棚に向かって歩いていく。

 

 すると本棚の一冊を奥に押し込んだ。

 

 するとがががと言う機械音と共に本棚が移動して奥から一つの小部屋が現れた。

 

 これは隠し部屋?

 

「これで良い?レミィ」

 

「ええ、ありがとう」

 

 そう言うと俺を中へと案内する。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 中はちゃんと生活できるような道具が揃っていて、居心地は悪くない。

 

「どうかしら?」

 

「良い感じだな」

 

「そう…暫くはここに隠れててもらうわ」

 

 霊夢達はレミリア達に勝つのかな?

 

 それともレミリア達が勝つのか。

 

 まぁ、霊夢達ならこの状況で勝ちそうな予感はするけど。

 

 今は咲夜さんと霊夢さんが交戦中か…

 

「じゃあ私は行くわね」

 

 と言って出ていって扉を閉めるレミリア

 

 俺はその光景をじっと眺める。

 

 閉じ込められてたときのフランってこんな気持ちだったのかな?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side霊夢

 

 いきなりめんどくさい奴とエンカウントしたわね。

 

 咲夜の能力はめんどくさいのよ。

 

「霊夢。この先には行かせないわ」

 

 そう言うと妖夢が前に出た。

 

「咲夜さん。裕太さんを返してもらいます」

 

 そう言って刀に手をかける妖夢

 

 だけど妖夢が咲夜に勝てるとは思えない。

 

 咲夜の能力は『時間を操る程度の能力』。妖夢には分が悪すぎる。

 

「妖夢。私と戦う気?」

 

「そうです。そして裕太さんを返してもらいます」

 

 妖夢の目は本気だった。

 

 妖夢も咲夜の能力を知っているはずなのに

 

 だけど決して揺るがない意思を感じた。

 

 だから少し傍観(ぼうかん)してみることにした。

 

「霊夢。私はいつまでも弱いままじゃないって証明するよ」

 

 と、咲夜をじっと見据(みす)えながら斜め後ろの私に向かって言い放ってきた。

 

 言ってくれるじゃないの。

 

 でもあんたは決して弱くなんか無い。それだけは自信を持って言える。

 

 だって、咲夜の能力を知ってながらも怯えることもせず、意思を強く持ってそこに立ってるんだから。

 

「ふふっ。じゃあ始めましょうか。裕太さんは勝った方に着く」

 

 そしてナイフを指の間に挟みながら言う咲夜

 

 それを見て妖夢も刀を抜いた。

 

 遠距離の咲夜と近距離の妖夢。まぁ、妖夢も遠距離技は使えるけど、ここでも不利なことには変わりない。

 

 不利に不利が重なって凄い不利になってるわね。

 

「咲夜さん。では参ります」

 

 そう言うと妖夢は走って接近していく。

 

 すると突然妖夢の目の前に10本程度のナイフが現れた。

 

 しかしそこはさすが妖夢。軽くナイフを弾き落とした。

 

「はーっ!」

 

 と、妖夢が刀を振り下ろすとそこには既に咲夜は居なかった。

 

 だけどその咲夜は

 

「妖夢!後ろ!」

 

 そう言ったが遅く、驚きながら妖夢は後ろを振り返ると咲夜は回し蹴りを脇腹に放って少し妖夢がぶっ飛ぶ。

 

 今のはかなり痛いわね。

 

 咲夜、やっぱり厄介ね。

 

 私でも無傷はちょっと難しい一撃ね。

 

「咲夜さん。強いですね…ですが」

 

 そして刀を四方八方に振り回しなから咲夜に突撃していく妖夢。

 

 あの動きは…何を?

 

「何度同じことをしても無駄なこと」

 

 すると咲夜は消えたが、妖夢の背後で一部に切り傷を負った咲夜が現れた。

 

「隙ありぃっ!」

 

 そして妖夢は回し蹴りをして咲夜の脇腹に蹴りを放った。

 

「お返しです」

 

 すると咲夜は少しぶっ飛んだ。

 

 なるほど…妖夢やるじゃない。

 

「かかりましたね罠に。私は(ただ)闇雲に刀を振っていた訳じゃ無いんですよ」

 

 すると咲夜も気がついたようだった。

 

「そう。私は斬撃の檻を作っていたんですよ。霊力斬の応用です」

 

 斬撃の檻さえ作ってしまえば咲夜が時を止めて接近しても接近した瞬間体が斬れるってことね。

 

「まんまとやられたわ」

 

 すると両手にナイフを指の間に挟める数、8本を構えた。

 

「ここからが本当の勝負よ。幻府《殺人ドール》!」

 

 その瞬間、妖夢の回りを無数のナイフが囲った。

 

「さぁ、どうする?妖夢」

 

 これはまずい。

 

「!?」

 

 妖夢は唖然としちゃってる。

 

「妖夢っ!」




 はい!第33話終了



 次回の東方魂愛想は?

「妖夢!」

 間に合わない。

 このままじゃ妖夢が!

「あなたはこのまま半分の生命も霊に変わる」

「私は…負けられ無い…」

 妖夢大ピンチ

「大丈夫ですか!?妖夢さん」

 京哉が動き出す!

「へぇ…敵はあなたですか」

 京哉VS咲夜

「じゃあ次はこっちだな。引寄《フックショット》!」

 果たしてどちらが勝つのか。

「ようこそ紅魔館へ。霊夢、妖夢、京哉」

 次回、第34話『霊力の真価』



 それでは!

 さようなら


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第34話 霊力の真価

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 裕太はレミリアとパチュリーによってある部屋に隠された。

 自分の取り合いだと考えると内心複雑な裕太。

 その頃、妖夢と咲夜の戦いが

 そして妖夢は咲夜のスペルカードによりピンチに陥る。

 果たして妖夢は咲夜に勝つことは出来るのだろうか?



 それではどうぞ!


side霊夢

 

「妖夢!」

 

 間に合わない。

 

 このままじゃ妖夢が!

 

「あなたはこのまま半分の生命も霊に変わる」

 

 そう言って指パッチンをすると急にナイフが飛ぶスピードが速まった。

 

 その時妖夢がニヤリとした。

 

 すると軽やかなステップを刻みながらナイフをかいひしはじめた。

 

 当たったとしても急所をはずしている。

 

「く、」

 

 だけどナイフの雨が止んだらさすがにダメージを受けすぎたのか妖夢は膝から崩れ落ちた。

 

 そして刀を杖のように着いてフラフラと立ち上がる。

 

「妖夢。あなたもだいぶ強くなったわ。だけど…終わりよ」

 

 そうしてナイフを構える咲夜。

 

 妖夢。終わりなの?もう

 

「私は…負けられ無い…」

 

 しかしフラっと倒れそうになった。

 

 その時

 

 私の真横をものすごい速さで何かが通り過ぎた。

 

 そして妖夢が床に倒れることは無かった。

 

「大丈夫ですか!?妖夢さん」

 

 妖夢を見てみると妖夢を支えて居る男性が居た。

 

「京哉さん…なんで」

 

あいつ(裕太)が『俺が居ない時は妖夢を助けてやってくれ。俺ほどではないけど妖夢も無茶するからな』って頼んできたからだ。まぁ、そんなのは頼まれなくともって感じだけどな」

 

「裕太さんが…」

 

 と、二人で会話をする。

 

 待って!本当にあなた誰?

 

「ん?あ!あなたはナイフ投げの人!」

 

 すると嬉しそうな表情に変わる男性

 

 そう言えばこの人もナイフホルダーを足に付けているような。

 

「へぇ…敵はあなたですか」

 

「というか先から気になってたんだけどあなたは誰よ?」

 

 と、もう我慢が出来なくなったようで咲夜が聞いた。

 

 私も気になってたのよ…

 

「俺の名前は時雨 京哉!」

 

 そう言った後、ナイフホルダーから華麗にナイフを取り出してポーズを取った。

 

「我が親友。空頼 裕太を返してもらう!」

 

 そう言うと咲夜はニヤリと笑った。

 

「なら私を倒す事ね」

 

 すると数十本のナイフを投げた。

 

 それをナイフを投げることによって撃ち落とす京哉

 

「じゃあ次はこっちだな。引寄《フックショット》!」

 

 そしてナイフを投げる京哉

 

 すると白色の糸みたいなのが手のひらから出てナイフと繋がっているのが分かった。

 

 これは…霊力?

 

 しかし、やはり咲夜は時を止めて回避する。

 

 その次の瞬間、京哉の背後から大量のナイフが飛んできた。

 

 そして京哉の投げたナイフは壁に突き刺さる。

 

 すると糸を出していなかったもう片方の手で握り拳を作った。

 

 そして今度はその手で指パッチンをした。

 

 それは咲夜の指パッチンと同時だった。

 

 するとナイフが早くなると同時にものすごい速さで京哉はナイフが刺さった壁へ飛んで行った。

 

 これは!

 

「今のは!?」

 

 と、咲夜も驚いている。

 

「これは霊力の応用だ。霊力で物を掴んだり引っ張ったりしてるだけだ。そしてこんなことも出来る。引寄《フックショット》」

 

 そしてナイフを咲夜の横に投げて咲夜の後ろの壁に刺さった。

 

 刺さったのを確認したら先ほどと同じ動作をした。

 

 すると京哉はものすごい速さで飛び始めた。咲夜を巻き込んで

 

 ドカーンと音がすると、壁にめり込んで気絶している咲夜が居た。

 

 そして京哉も倒れていたが直ぐに起き上がった。

 

「終了だ」

 

 霊力の扱いが上手い。

 

 霊力は物を掴んだりすることも出来るけど、精々拘束程度。こんなに自由に使用することは出来ないはず。私でも出来るかどうか

 

「さぁ、裕太を助けに行きましょう」

 

 そう言って呆然としている私達を尻目に歩いていこうとする。

 

「あ!そう言えばそこのあなたは誰ですか?」

 

 それって私の事かしら?

 

「私は博麗 霊夢」

 

「俺は時雨 京哉です!よろしくお願いします」

 

 そして私はこっそり妖夢に裕太との関係性について聞いてみたら親友らしい。

 

 それならまぁ、信用しても良いわね。

 

「とりあえず、裕太を助けなきゃ行けないので歩き回りますよ」

 

 そして歩き出す。

 

 とりあえずレミリアの所に行って…

 

 そして廊下を歩く。

 

 しばらく歩くと別の雰囲気の扉が見えてきた。

 

 ここがレミリアの部屋ね。

 

「ここが怪しいな」

 

 そして扉を開けると

 

「ようこそ紅魔館へ。霊夢、妖夢、京哉」

 

 と、中央の玉座にレミリアが座っていた。

 

 横にフランが居る。

 

 そしてどうやら歓迎ムードでは無いみたいだ。

 

「お前は?」

 

 と、京哉が聞いた。

 

「私はレミリア・スカーレット。そして妹の」

 

「フランドール・スカーレットよ」

 

 と、スカートを持ってお辞儀するフラン

 

「単刀直入に問う。裕太はどこだ?」

 

「簡単に教えるとでも?」

 

 と、バチバチと京哉とレミリア間で火花が散っている。

 

 すると京哉はナイフを取り出した。

 

「勝負だ」

 

 と、レミリアにナイフを向ける。

 

「フラン。あなたが行きなさい。私は霊夢と妖夢を相手するわ」

 

 するとフランが京哉に近寄ってきた。

 

「あなたの相手は私」

 

 そしてフランの手に炎を纏った剣が出現した。

 

「じゃあ行くぞ!」

 

 そう言って京哉は数本いっぺんに投げる。

 

「動符《高速移動の空間》」

 

 するとあちこちの壁に刺さり、白く光り始めた。

 

「こんなもの!」

 

 そして京哉に斬りかかるフラン

 

 しかしフランの剣が当たることは無かった。

 

 直前に手から糸のような霊力が伸びてナイフまで伸び、そこに移動したのだ。

 

「次はこっちだな」

 

 そう言ってまたナイフを散らばるように投げる。

 

 これでフランは四方八方をナイフに囲まれてしまった。

 

「これがフックショットの真価だ」

 

 そしてフランを巻き込んで移動して行ってフランを壁に叩きつける。

 

「か、は」

 

 なんて強さなの京哉

 

 霊力のみであれだけ戦うなんて

 

「禁忌《フォーオブアカインド》」

 

 するとフランの分身が京哉の後ろから殴りかかった。

 

「京哉!」

 

 しかし時既に遅し、京哉は強烈な拳を諸に受けてしまった。

 

「ごはっ!」

 

 京哉!




 はい!第34話終了



 次回の東方魂愛想は?

 京哉が大ピンチ。

 そしてついに始まる霊夢達の戦い。

 かと思いきや霊夢と妖夢、大ピンチ!

 そんな時、心強い助っ人が!?

「あ、んた…遅いわよ…」

「悪いなちょっと紫もやしの相手をしてたんだ」

「反撃開始だぜ!」

 次回、第35話『助っ人』



 それでは!

 さようなら


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第35話 助っ人

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回はある方のアドバイスにより文章の感じを変えてみました。

 アドバイスくれた方ありがとうございます。

 そんな感じであらすじどうぞ!



 それでは前回のあらすじ

 咲夜対妖夢、結果は咲夜の勝利に終わってしまった。

 その後京哉と咲夜が戦い、見事京哉の勝利に終わった。



 それではどうぞ!


side霊夢

 

 京哉がフランに殴られたあと、私と妖夢の方にレミリアがやってきた。

 

 勝利を確信した人の顔ってこんなんなんだろうなと言うような顔をしている。

 

「あっちは問題なさそうね。あとは私があなた達を倒せば良い」

 舐められたもんじゃないの。

 

 妖夢はさっきの戦いでボロボロだけど、私と妖夢ならこれくらいのハンデでレミリアに負けるほど弱くはない。

 

「1対2で勝てると思ってるの?」

 するとニヤッと笑ったレミリア

 

 何考えてるの?どう考えても不利なくせに

 

「ねぇ、霊夢。フランのフォーオブアカインドの効果。言ってみて」

 

「自分を合わせて4人の分身を作り出す」

 レミリアに聞かれたので素直に言う。

 それがなんだって言うの?

 

「次に妖夢。今京哉の相手をしているフランは何人?」

 

「ん?京哉さんに叩きつけられたフランと、京哉さんに不意打ちをしたフラン…あれ?二人しか居ないよ?」

 

 まさか!

 

 嫌な予感がした。

 

 そして背後を振り向こうとすると、ドガッ!と武器で殴られた。

 それは妖夢が殴られたのも同時だった。

 

 あの姉妹…私を欺いたな…

 

「やったね!お姉様!」

「計画通り…以前の私たちじゃ無いのよ」

 そして私は倒れる。

 

 悔しい…博麗の巫女である私が負けるなんて

 

「あんた達…」

 

「あら、その状態でどうしようと?」

 

 普段の私ならあれくらいじゃ倒れることもないけど打ちどころが悪かったみたいで体が全く動かない。

 お母さん…ごめん。負けちゃった見たい…

 

 その時

 

 ドカーン!

「レミリアぁッ!」

 聞きなれた声の人物が入ってきた。

 

「あ、んた…遅いわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙…

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side魔理沙

 

 時は遡り霊夢と妖夢が魔理沙の家を訪れる数分前

 

 今日はキノコ狩りに行く。理由は私の主食のキノコが尽きてきたからだ。

 

 まぁ、種類とかはよく分からんが食べれそうなものを取ってくれば良いか。

 良い子のみんなは真似しないようにな。魔理沙との約束だぜっ

 

 そして私はリュックを背負って立ち上がる。

「よし!とりあえずいっぱい取って今日はキノコパーティ略してキノパをするぞ!」

 

 そして家から出てトビラにかかってる看板がCLOSEになっているかを確認する。

 

 私は魔法店を経営している。

 

 まぁ、ほとんど何でも屋みたいな感じだけど。

 

 だけどいつも客が来ないのは何故だろう。

 

 立地の問題か…こんな辺鄙な土地にわざわざ来る人間なんているわけないよな。

 

 そして山の中に入っていく。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「いやー。大量大量」

 この山はキノコの宝庫なおかげでものの数十分でリュックいっぱいにキノコが集まった。

 

 これだけあれば大量のキノコ料理を作っても余るぜ。

 

 そして帰って私はリュックを下ろす。

 

 そうだな…時間も余ったしパチュリーの所にでも遊びに行くか。

 

 そして私は家を出る前にある異変に気がついた。

 

 それは私のでは無い誰かの足跡が地面に着いていたのだ。

 

 ここは水はけが悪く、雨が降ると直ぐに足跡が残るくらい土が柔らかくなる。

 

 ここは店だからこれは普通なら当たり前、何にも気にすることは無いが、自分で言うのも悲しいが万年閑古鳥が鳴いているような店だ。これは怪しい。

 

 嫌な予感がする。

 

 私は急いで霊夢の所に向かう。

 

 だがそこには霊夢は居なく、もぬけの殻だった。

「まぁ、例え異変だったとしても霊夢が負けるわけないか…」

 そして私は紅魔館に向かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「これは?」

 紅魔館に着くとなんと美鈴が倒れてて、扉まで破壊されていた。

 

 襲われたのか?

 

 幻想郷には吸血鬼ハンターが居るという噂を聞く。襲われてもおかしくないのだが、美鈴は簡単にやられる奴じゃない。

 

 そして中に入ると咲夜まで壁にめり込んで気絶していた。

 これはもういよいよおかしい。

 

 そう思いながら図書館へ向かう。

 

 中に入ると襲われた形跡は一切なかった。

 

 すると開口一番に小悪魔がこっちに飛んできた。

「あー!魔理沙さん!また盗りに来たんですか!忙しいって言うのに!」

 

「私は盗ってるんじゃ無い。死ぬまで借りてるだけだ!」

「同じじゃないですか!」

 

 その時

 

 急に火の玉が飛んできた。

「うわっと!」

 それを間一髪で避ける。

 

「何すんだパチュリー!」

 すると立ち上がってこちらに歩いてきた。

 

「魔理沙。今日は忙しいの。今日ばかりは帰ってもらうわ」

 と、手のひらをこちらに向けて来た。

 

 怪しいな。レミリアのやつ何か企んでやがんな。

「嫌だ。何を企んでるか知らんが、無理矢理にでも吐いてもらうぞ!私、そっちの方が得意だから」

 そして私はミニ八卦炉を構える。

 

「魔法の技術では負けないわよ」

 そして本を開くパチュリー

 

「先手必勝。魔符《スターダストレヴァリエ》」

 そして私は大量の星型の弾幕を放つ。

 

「効かないわ。火符《アグニシャイン》」

 そしてパチュリーは火の渦を作り出して私の弾幕をかき消した。

 

 だが

「パチュリー。そのスペルで私を完全に遮ったな?」

 

 そしてパチュリーからは私の姿は見えない。つまり

「しまっ!」

「もう遅い!恋符《マスタースパーク》」

 そして私はミニ八卦炉から極太のレーザーを出す。

 

 ドカーン!

 そして煙が晴れると気を失ってるパチュリーが居た。

 

「むきゅー」

「パチュリー様!」

 

 と、パチュリーに近づく小悪魔を睨んで低いトーンでこう言った。

「次はお前がこうなる番だ」

「ひいいっ!全て話します!話すので許してください!」

 売ったな。

 

 小悪魔は自分が危なくなると他人を売るタイプのようだ。

 そして小悪魔から全てを聞いた。

 

「レミリアが裕太をなぁ…」

 

 それにしても奪うって…やり方がなぁ…

 

「よし!ちょっとレミリアぶっ飛ばしてくるか!」

 

 そうして目にも止まらぬ速さでレミリアの部屋に向かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ついにレミリアの部屋の前に着いた。

 そして扉を蹴り破る。

 

 扉から見て真っ直ぐの地点では誰かが2人のフランに抑え込まれてて、横を見ると霊夢と妖夢が倒れてた。

 

「レミリアぁッ!」

 私は怒ってそう叫んだ。

 

「あ、んた…遅いわよ…」

 と、霊夢が言った。

 

「悪いなちょっと紫もやしの相手をしてたんだ」

 

 しかし、霊夢と妖夢がやられるなんて…油断したな。

 

「魔理沙、あなた1人で戦う気?」

 

「そうだな」

 

「勇気と無謀を履き違えちゃダメだよ魔理沙」

 

 まぁ、とにかく見てろって!

「反撃開始だぜ!」




 はい!第35話終了



 次回の東方魂愛想は?

「「禁忌《レーヴァテイン》」」

「恋符《マスタースパーク》」

 魔理沙対フラン

 そして

「ははは!魔理沙ァっ!強いつよーい!もっと楽しませてよねぇ!」

 狂気!?

「レミリア。私を忘れないで貰える?」

「あら霊夢。今のあなたで勝てるの?」

 霊夢対レミリア

「レミリア。私のご馳走のために負けてもらうわよ」

 と、御札を構える霊夢と

「果たして勝てるかしらね?私に」

 そしてグングニルを構えるレミリア

「霊符《夢想封印》」

「レミリア。さっきは油断したけど今度は無いわよ」

「霊夢。その言葉すっかりそのままお返しするわ」

 更にみんなにフランの狂気が襲いかかる。

「あは、アハハハハハハ。壊れちゃえ壊れちゃえ!」

 その時

「すまない。我慢できなくなって出てきちまった」

 この男は!?

 そしてレミリアの真意とはいったい!?

 次回、第36話『フランの狂気』



 それでは!

 さようなら


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第36話 フランの狂気

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 霊夢と妖夢はフランに不意を付かれピンチに陥ってしまう。

 そんな時、現れたのは魔理沙だった。

 魔理沙はパチュリーを倒し、小悪魔から状況を説明された。

 そして今、スカーレット姉妹と魔理沙の戦いが始まろうとしている。



 それではどうぞ!


side魔理沙

 

「反撃開始だぜ!」

 

 そう言って私はミニ八卦炉を構える。

 

「フラン」

 

 レミリアがフランに指示をすると二人のフランがこっちに走ってきた。

 

「「禁忌《レーヴァテイン》」」

 

 そして二人のフランは炎の剣を作り出して斬りかかってきた。

 

 それを私は箒に跨って飛ぶことによって回避するが私を追って二人のフランも飛んでくる。

 

 逃げててもキリがないな。

 

 そして私は振り返ってミニ八卦炉を向ける。

 

「恋符《マスタースパーク》」

 

 そして二人のフランに向かってマスタースパークを放つ。

 

 しかしそれは軽々とかわされる。

 

 しかしそれは想定内。

 

 本命は

 

「魔符《スターダストレヴァリエ》」

 

 こっちだ。

 

 すると一人のフランは何とかかわしたが、もう一人はもろに食らって落ちていく。

 

「くっ!」

 

 そして剣を振ってくる。

 

 だけどそんなスピードじゃ私のスピードに着いてこれないぜ。

 

「禁弾《スターボウブレイク》」

 

 そして無数の色とりどりの弾幕が飛んできた。

 

 これはまずい。

 

「恋符《マスタースパーク》」

 

 そして弾幕をマスタースパークでかき消す。

 

 そして煙が上がる。

 

 その煙の中からフランが出てきて拳を振り下ろしてくる。

 

 その拳を腕で受け止める。

 

「ははは!魔理沙ァっ!強いつよーい!もっと楽しませてよねぇ!」

 

 あの目は!まずい。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side霊夢

 

 だいぶ痛みが引いてきた。

 

 魔理沙がフラン達の相手をしてくれてるし、あとはレミリアだけ。

 

「レミリア。私を忘れないで貰える?」

 

「あら霊夢。今のあなたで勝てるの?」

 

 と、余裕そうな声色で言ってくる。

 

 私はこんな所で伸びてるだけには行かない。

 

 魔理沙が戦ってるんだから。

 

 そして私は立ち上がる。

 

「レミリア。私のご馳走のために負けてもらうわよ」

 

 と、御札を構える。

 

「果たして勝てるかしらね?私に」

 

 そしてグングニルを構えるレミリア

 

「それはこっちのセリフよ」

 

 そして飛び上がる。

 

「霊符《夢想封印》」

 

 そして大きな弾幕を出す。

 

 そしてグングニルで弾幕を押し返すレミリア

 

 その弾幕を私は素手で弾いた。

 

「レミリア。さっきは油断したけど今度は無いわよ」

 

「霊夢。その言葉すっかりそのままお返しするわ」

 

 そして私はお札を構える。

 

 そしてそのお札を投げた。

 

 しかしレミリアは簡単に回避する。

 

「霊夢。前のあなたはもっと強かったわ。」

 

 と、煽ってくる。

 

 確かに最近は修行をロクにしてなかったからなまってしまっているがレミリア達を倒せないほどでは無い。

 

 その時

 

 ドカーン!

 

 と、音がして上から魔理沙が降ってきた。

 

 それを私はお姫様抱っこでキャッチする。

 

「しっかりして魔理沙!」

 

「れい…む…にげろ…」

 

 その瞬間、不気味な笑い声が聞こえてきた。

 

「あは、アハハハハハハ。壊れちゃえ壊れちゃえ!」

 

 と、弾幕を見境なく放っている。

 

「二人ともー!」

 

 と、京哉が駆け寄ってきた。

 

「京哉。あんたどうして」

 

「急にフランさんが消えたんです。それより妖夢さんは?」

 

「大丈夫よ。気絶してるだけ」

 

 そう言うと京哉は安堵したようだった。

 

「あれは…」

 

「フランの狂気ね」

 

「それよりお前誰なんだぜ」

 

「そんなことは今はどうでもいい!何とかするのが先だ」

 

 確かにそうね。

 

 あれを放っといたら幻想郷が壊滅するわ。

 

 その時、

 

 一つの弾幕がこっちに飛んできた。

 

 避けれないと悟った私は受ける準備に入る。

 

 その時

 

「《マイスペース》からの空符《君と俺との間の空間》付与!」

 

 すると目の前で弾幕は消滅した。

 

 この能力は?

 

「ったく…おせーよ…」

 

 その時入口から一人の男が入ってきた。

 

「!?お、お兄様!?」

 

 と、驚くフラン

 

 それもそのはず。その人物は

 

「すまない。我慢できなくなって出てきちまった。だってよ。俺はフランを守るって約束したからな」

 

 裕太だった。

 

「ちょっとそこで見ていてくれ」

 

 手には何も持っていない。もしかして素手で!?

 

 すると大の字に手足を広げる。

 

「もう、何も壊すな。壊すなら俺を壊せ」

 

 と言った。

 

 なんてことを言ってるのよ!そんなこと言ったら

 

 そしてフランを見ると目の色が元に戻っていた。

 

「出来ない…出来ないよ…お兄様を壊すなんて。壊したくない!」

 

 初めて見たこんな方法で解決する人なんて。

 

「そこで寝てる妖夢に伝えてくれ。俺はもう暫く帰らない。ここでの問題を解決してからだ。な、レミリア」

 

「あら、もう全部バレていたのね」

 

 なんの話し?

 

「実は…最初はフランと会わせたらフランに何が良い影響があるんじゃないかと思ってたけど…」

 

 そこで言い淀むレミリア。

 

「フランを守って欲しいの…」

 

 と、続けた。

 

 どうして?フランなら自分で自分を守れるだろうに

 

「裕太とフランが遊んでいる間にあるひとつの運命が見えたの」

 

 運命…レミリアがそこまでなるくらいの運命ってどんな運命だろう…

 

「実は…」

 

 その内容に立ち尽くしてしまった。

 

 あまりにも残酷な内容だったためだ。

 

 私は幻想郷の平和を誰よりも願っているって言う自信がある。

 

 だけど本当にこんな未来があったとしたら…

 

 私は本当にみんなを守り抜くことが出来るんだろうか?

 

「吸血鬼ハンターからフランを庇った私は殺されて正気を失ったフランが幻想郷を崩壊させる。

 だから裕太にはそうならないようにフランを守って欲しい」




 はい!第36話終了



 次回の東方魂愛想は?

 やっぱり幻想郷にもそういうのが居るのか…

 今ここで強さを見てしまったからレミリア達がやられるとは思えないほど。

 吸血鬼ハンター…吸血鬼を殺せるほどの実力の持ち主。そんな奴らに俺は勝てるのか?

「もう1人、護衛に付けたいんだが良いか?」

「俺はこいつを指名する」

「あんたの考えはよく分かったわ」

「絶対に負けるんじゃ無いわよ」
 俺たちに背を向けながらそう言ってきた。

「京哉。特訓付き合ってくれ」

 次回、第37話『吸血鬼ハンター』



 それでは!

 さようなら


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第5章 新たな戦い 第37話 吸血鬼ハンター

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 魔理沙と戦っているうちにフランの狂気が暴れだしてしまった。

 それにより霊夢とレミリアもフランの狂気に巻き込まれ大ピンチ

 その時、裕太が駆けつけて何とかフランの狂気を抑え込む

 そしてレミリアの真意。

 果たして今後どうなるのか!?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 "吸血鬼ハンター"か…聞いたことがある。

 

 なんでも吸血鬼に恨みを持った人達が集まって吸血鬼を討伐して各地を巡っている集団らしい。

 

 やっぱり幻想郷にもそういうのが居るのか…

 

「つい先日、この付近に吸血鬼ハンターが来てるという噂を咲夜が聞いたらしいわ。そして私が運命を見てみるとさっき言った通りの結果が見えたのよ」

 

 今ここで強さを見てしまったからレミリア達がやられるとは思えないほど。

 

 だけど…もしそうだとしたらレミリア達が危ない。

 

 吸血鬼ハンター…吸血鬼を殺せるほどの実力の持ち主。そんな奴らに俺は勝てるのか?

 

 斬には手も足も出ず、狂にも勝てなかった。

 

 力が欲しい…守れるほどの力が

 

 だが、俺一人でここを防衛できるとは思えない。

 

「もう1人、護衛に付けたいんだが良いか?」

 

「ええ、良いわよ。誰を付けるの?」

 

 そして俺はある人に近づいていく。

 

 ある人は寝そべっていたので肩を掴んで持ち上げて…そして

「がはっ!」

 腹を蹴る!

 

 そしてぐったりとして気を失ったっぽいのでもう1回足を腹に叩きつけようとしたその時

「待った!」

 と本人から待ったが入ったので寸止めでやめた。

 

「よく生きてたな」

 

「死ぬかと思ったわ!走馬灯のようなものがみえたんですけど!?三途の川でじいちゃんとばあちゃんが手招きしてたんですけど!?」

 

「わりぃわりぃ。"京哉"」

 

「それ謝る気0ですよね!?」

 

 そう、あの人とは京哉の事なのだ。

 

「俺はこいつを指名する」

 

「何にですか…」

 とついさっきまで気絶してて話を聞いていなかった京哉は睨みながら言ってくる。

 

 そして京哉にもこれまでの話の内容を伝えると驚いたような表情になった。

 

「ああ、分かった。協力する」

 京哉は二つ返事で了承してくれた。

 

 京哉ならそう言ってくれると思ったぜ。

 

 そしてレミリア達の元へ京哉を連れていく。

 

「こいつは時雨 京哉。俺の親友だ」

 

 そして言い放つ。

「こいつを指名する」と

 

 確かにこいつには対した力は無い。出来て不意打ち程度。致命傷を与えられない。

 だがこいつが良い。

 

 長い間こいつを見ていて分かった能力。この能力は俺と相性が良い。

 

 現時点で一番タッグを組みやすいのはこいつだ。

 

「よろしく」

 と京哉が挨拶するとレミリアもよろしくと言った。

 

 さて、吸血鬼ハンター撃退作戦を練るのは良いがもっと大きなことが1つ残っている。

 狂だ。

 

 あいつがまたいつ襲撃してくるかも分からない。対策をしておかないと行けないな。

 

「とりあえず霊夢、魔理沙。という訳だから今回は妖夢を連れて帰ってくれないか?」

 妖夢を見ながらそう言った。

 

 すると渋々霊夢は妖夢を抱えた。

 

「あんたの考えはよく分かったわ」

 

 そして魔理沙と霊夢は出ていこうとする。

 しかし霊夢だけは部屋の境目で立ち止まった。

 

 そして

「絶対に負けるんじゃ無いわよ」

 俺たちに背を向けながらそう言ってきた。

 

 勿論そんなのは決まってる。

「ああ、約束だ」

 そう言うと霊夢は頭上で手をヒラヒラと振りながら今度こそ出ていった。

 

 それを見送ってから俺はレミリアの方を向き直す。

 

「レミリア、そいつらが来るのはいつだ?」

 そいつらとは勿論吸血鬼ハンター等のことである。

 

「確か三日後ね」

 随分早いな。

 

 しかし、三日か…そんなに時間が無い上に対して準備は整ってない。これは厳しい戦いになるかもな。

 

 そして俺はスペル《マイスペース》を使ったあと取寄《サルベージ》で刀を取り寄せた。

 

「京哉。特訓付き合ってくれ」

 

 すると京哉は全指先から霊力の糸を出してナイフに絡めてドンドン回収していく。

 

「勿論だ」

 と親指を立てる京哉

 

「それじゃ早速!」

「待って!」

 と食い気味に待ったが入った。

 

「なんだよ!」

 

「もう夜遅いわ。明日からにしなさい」

 

 見てみると夜の6時だった。

 

 外もだいぶ暗くなりかけててよく見えない。

 

 日数もあまりないのに…仕方が無いか。

 

「んじゃ明日からにしよう」

 

「それが良いわ。まずはご飯を食べましょう?あなた達もまだなんでしょ?」

 

「んじゃお言葉に甘えて」

 

 そしてその日は飯(めちゃくちゃ美味しい)を食べて眠った。

 風呂も貸してもらったがラッキースケベな展開は無かった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

 京哉のフックショットは知っている。

 

 あの技はスピードこそ速いものの直線にしか動けないのが弱点だ。

 

 そして京哉はある物を持ってきた。

 

 そのある物とは

「おーい!落ち葉持ってきたぞ!」

 そう。落ち葉だ。

 

 しかし今からここで焼き芋をするという訳でも無い。

 

 すると京哉は空中にばらまいた。

 

 …今だ!

 

 スパンスパンと次々に落ちてくる落ち葉を落ちる前に斬る。

 

 しかし斬るのが追いつかなくて落ちていく落ち葉もある。

 

 まだダメだ。

 

 そして終了した。

 

「18枚程度拾ってきたんだが、10枚程度だな斬れたのは」

 

「充分凄いと思うんだが」

 そりゃどうも。

 

「んじゃ次はお前の番だな」

 

 そう言って俺は落ち葉を空中にばらまいた。

 

 するとナイフを構える京哉。最初の頃よりだいぶ様になっている。

 

 そして次々にナイフを投げて落ち葉を貫通する。

 

 正確度はかなり上がっている。これも教え上手のステータスのおかげかぁ…

 

 そして等の本人は

『すぅ…すぅ…』

 

 まだ寝てるな。まぁ、原因は俺にあるんだけどね。

 

「んじゃこれをもう何セットかやるぞ!」

 

「「おー!」」

 

 するとどこからか『朝から元気ね…』とつっこまれたような気がした。




 はい!第37話終了



 次回の東方魂愛想は?

 
 吸血鬼ハンターを倒すと決めてから2日が経った。つまり今日は最終日だ。

「裕太さん。何か言いたいことありますか?」

「えーと…その…」

 左にフラン、右にレミリア。まさかの添い寝!?

「お兄様、おはよう♪」

「あら裕太。目が覚めたのね?」

 どうしてこうなった?

「はぁ…それはもう、いろんな意味で元気になりそうね…」

 更には

「レミリア、明日じゃ無かったのか?」

「こ、これは想定外よ。どうして」

 果たしてどうなる紅魔館!

 次回、第38話『寝起きドッキリ大作戦』



 それでは!

 さようなら


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第38話 寝起きドッキリ大作戦

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 吸血鬼ハンターの事を聞いた裕太達はあることを決める。

 フランやレミリアの護衛

 そして修行を開始する裕太達だが果たして



 それではどうぞ!


side裕太

 

 そう言えばここ最近は奴らの事を見てないな。

 

 吸血鬼ハンターを倒すと決めてから2日が経った。つまり今日は最終日だ。

 

 そして奴らと言うのは狂らの事なのだが、ここ最近は奴らの話を聞かない。

 

 まぁそれはそれで都合が良いのだが、それはそれで不気味なのも事実である。

 

 でも今はとりあえず目先の吸血鬼ハンターのことについて考えよう。

 

 取りあえずこっちは向こうの情報を一切知らない。唯一知っていることは吸血鬼を殺せるほどの実力の持ち主と言うことだけだ。

 真っ向勝負で吸血鬼に勝てない俺達が戦ったところでって感じはするけど。

 

 そう言えばあれから二日以上経っているが理華は未だに目を覚まさない。

 予想外の事態でも起きているのか?

 

 まぁ、そんなことはどうでも良い。とりあえず今の状況を脱するのが先決だろう。

 

「裕太さん。何か言いたいことありますか?」

 

「えーと…その…」

 なぜ俺がこんな風に咲夜さんに追い詰められているかは、今から数分前に遡る。

 

─※─※─※─回想─※─※─※─

 

「ちょっと疲れたな…休憩入れるか?」

 

「でも明日にはもう強襲しに来るかもしれないからそんなことしてる暇は…」

 

「適度な休憩も修行のうちだぜー」

 

 た、確かに…言われてみれば…

 

「それとここ最近寝てないだろ?夜もずっと修行してるじゃないか?そんなんじゃいつか倒れるぞ」

 

「うぐっ!だ、だってよォ…」

 

「だってじゃない。少し寝てきたらどうだ?ほら、よく言うだろ?スポーツも試合前日は体調を整えるために練習は休みにするって」

 

「んー。そうなのかな?」

 俺は聞いたことが無いが…

 

 まぁ、こいつの言うことも一理ある。最近寝てないしな…このままだと体調を崩しそうというこいつの主張も分かる。

 

 仕方ない。少し休むか…結局あまり強くはなれなかったな。

 

 そして寝室に向かって、たどり着くと直ぐにベッドに入った。

 すると思いの外、体は疲れていたようで直ぐに眠りに着くことが出来た。ここまでは良かったんだが、

 

 俺が起きたのは2時間後。だいぶ休むことが出来た。もうあまり疲れとかは無い大丈夫のようだ。

 

 そして伸びをして意識を覚醒させる。

 

 すると横に俺以外の人が居ることに気がつく左にフラン、右にレミリアが居た。

 何これ?

 

 普段状況把握に自信がある俺でも思考が完全に停止した。

 

 ああ、多分俺は夢を見ているんだ。こんな夢を見るって…

 

 そうだよ。目を閉じればあら不思議、もう一度目を開ければほら誰もいな…

「お兄様、おはよう♪」

 

「あら裕太。目が覚めたのね?」

 

 やはり両サイドには無邪気な笑みを浮かべたフランと少し頬を染めながらも平然を装っているレミリアが居た。

 

「え、ええええええええええええっ!!!???」

 思わず叫んでしまった。

 

 すると急に扉が開いて1人の人物が入ってきた。

「裕太さん!?どうしま…し…」

 ニコッと微笑む咲夜さん。しかし今はその笑顔が逆に怖いです。

 

 すると慌ててレミリアが起き上がって弁明しようとする。

「咲夜!これは違うの!これは私達が!」

「お嬢様、少しお待ちください」

 

 すると次の瞬間、俺は地下牢に居た。

 

─※─※─※─回想 終─※─※─※─

 

「で、何か言いたいことは?」

 

「色々ありすぎてひとつにまとまらな」

 

 そこまで言うと俺の頬をナイフが掠めた。

 

 怖い。怖すぎる。

 

 寝起きの意味わからん状況から一気に地獄に落とされたらそりゃそうなるだろう。

 

「えーと…」

 

 その時

「咲夜!待って!」

 フランの声だった。

 

「待ちなさい咲夜…早とちりは良くないわよ」

 レミリアの声だった。

 

 そして二人とも肩で息をしている。恐らく必死になって探してくれたのだろう。

 

「ふぅ…館が広すぎるのも考えものね…」

 

 そう言うと息を整えてから話し出した。

 

「さっきのは裕太は悪くないわ」

 

「え?それってどういう」

 俺の言葉を代弁するかのように咲夜さんは言った。

 

「私達がお兄様の布団に忍び込んだの!」

 

「はぁ…だから私は止めようって言ったじゃない…」

 

「え?忍び込んだ?」

 

─※─※─※─回想byフラン─※─※─※─

 

 

「裕太はちゃんと部屋に向かいましたかね?」

 

「はい。実は私も裕太さんの体調は心配だったので素直に休んでくれて安心しています」

 

 あれ?お兄様のお友達と咲夜が何か話してる?ちょっと聞いてみようかな?

 

 そして私は近くの柱に隠れて聞き耳を立てた。

 

「今、裕太さんはお部屋でお休みになられていますよ」

 

「そうか…なら良かった。んじゃ俺はナイフの手入れでもしてきますかね」

 

「ふふ、もし宜しければ修行付き合いましょうか?」

 

「それもいいですね」

 

 あの二人、いつの間にあんなに仲良くなったんだろう。二人で笑いながら話してるのは今日初めてみるよ。

 

 それにしてもお兄様が部屋で寝てるって言ってたよね?

 

 これはチャンスかも。題して、『お兄様、寝起きドッキリ大作戦!!』これは良いかも!

 どうせならお姉様も呼んでこよーっと

 

 そしてお姉様の部屋に行くとお姉様はティータイムを楽しんでいた。

 

「あらフラン。どうしたの?」

 

「お姉様!これからお兄様に寝起きドッキリをしに行こう!」

 

「止めてあげなさい。疲れてるのよ裕太は」

 

 呆れられてしまった。だけどこれで諦める私じゃないよ!

 

「普通にやるだけじゃ面白くないから布団に潜り込もうよ!ハーレムだよー両手に花だよー」

 

「な、なんでそんな考えになるのよ」

 

 冷静を装ってるものの、目が泳いでいて更には顔が真っ赤になってる。お姉様ったら可愛い♪

 

「ねぇ、面白いと思わない?」

 

「だ、ダメよ…ゆ、裕太だって疲れてるんだし」

 

「で、本音は?」

 

「は、恥ずかしいじゃない」

 

 おーこんなにしおらしいお姉様初めて見た。これはもう一押し

 

「一緒に入ってみようよー。もしかしたらお兄様も私達と添い寝して逆に元気になるかもしれないよー」

 

「はぁ…それはもう、いろんな意味で元気になりそうね…」

 

「お姉様もお兄様に元気になってもらいたいでしょ?」

 

「うぅ…それはそうだけど……わ、分かったわよ…」

 

「ん?聞こえないよー」

 

「わ、分かったわよ!!」

 

 勝った!私の勝ちね。

 

 そんなこんなで終始恥ずかしがってたお姉様を言いくるめて何とか布団の中に押し込んで私も布団に入った。

 

─※─※─※─回想byフラン 終─※─※─※─

 

「はぁ…お嬢様…そのドッキリは心臓に悪いですよ」

 

「いや、本当に心臓に大ダメージだったのは俺だからね」

 と言いたかったもののそれを言ったらまた俺の身が危険なため、その言葉を飲み込んだ。

 

「まぁ、分かったよ。ありがとな二人とも。二人のおかげで体力が全回復したよ」

 

「そ、そう…それなら良かったわ」

 

「お姉様ったら(うぶ)なんだから♪」

 

「うるさいわよ!フラン」

 

 その時

 

 ドカーン!と、爆発音が聞こえた。

 

 そして俺は瞬時に《マイスペース》を起動して索敵する。

 すると門の所に数百名の武装集団が居ることが分かった。

 

 ちょっと待て!多すぎだろ。と言うか

 

「レミリア、明日じゃ無かったのか?」

 

「こ、これは想定外よ。どうして」

 

「咲夜さん。今は美鈴さんが応戦しています。早く増援を」

 

「分かりました。今すぐ武装メイド共々応援に向かいます」

 

 そう言って時を止めてどこかに行く咲夜さん

 

「レミリア。ここ開けてくれるかな?」

 

「分かったわ」

 そして鍵を開けてくれるレミリア。

 

 さて、全然準備が出来てないが勝負だ吸血鬼ハンター




 はい!第38話終了



 次回の東方魂愛想は?

 俺の使命は絶対にレミリアとフランに奴らを近づけないこと。
 つまりは護衛だ。何も殲滅しろなんて言われてない。となれば簡単なお仕事だ。

「よし、じゃあ裕太。行くぞ」

「いや、その心配はない。向こうからおいでなさったみたいだ」

 そして始まる戦い

「長男のゴンゾー」「次男のゴンソー」「三男のサンユウ」
「「「三人合わせてゴンブラザーズ」」」
 三人目!三人目ゴンじゃ無いよー!

 なんなんだこのふざけた兄弟は

「いってぇっ!兄者!折れた!絶対折れた!」
 まじでお前何しに来たんだよ。

「うおーっ!弟よ。お前の事は1分は忘れない!」
 まぁ、そりゃそうだよな。だって足でまといだもん。

「も、門に穴が」

 遂に本格戦闘開始。

「フランちゃん。大丈夫だよ。裕太は親指を立てながら(してません)微笑んで(してません)絶対に死なないって言ってくれたからな。あと、二人を守るためならたとえ世界でも敵に回してみせるって言ってたぞ(言ってません)」

 一人で戦ってみせると言ったのに情けない…

「助けて…理華…」

「その理華って子じゃなくて悪かったね」

 果たしてこの声の主は一体!?

 次回、第39話『戦闘開始』



 それでは!

 さようなら


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第39話 戦闘開始

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 いきなり咲夜に裕太が捕えられたところから始まった前回。

 なんと原因はフラン考案の寝起きドッキリだった。

 フランとレミリアが裕太の布団に潜り込んだのだった。

 なんとか誤解を解いた裕太の前に新たな危機が訪れる。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺の使命は絶対にレミリアとフランに奴らを近づけないこと。

 つまりは護衛だ。何も殲滅しろなんて言われてない。となれば簡単なお仕事だ。

 

「裕太。残りの敵は何体だ?」

 

「今咲夜さんが倒したので150人。門の前にいるのは約500人。別のところから侵入した奴らはざっと100人程度」

 これも俺の能力で簡単に人数を数えられる。

 

 と言うか門の前の人数が多すぎて100人が可愛く見えてきてしまう。

 

「よし、じゃあ裕太。行くぞ」

 

「いや、その心配はない。向こうからおいでなさったみたいだ」

 

 すると陰からゴリゴリに武装したムキムキな男が現れた。

 

「俺は人里一強い鍛冶屋のゴンゾーだ」

 と、ポージングをしながら言ってくる男。

 

 更に男の背後からもう一人出てくる。

「そしてこの俺が人里で二番目に強い鍛冶屋のゴンソーだ」

 めっちゃ同じような名前だな。

 

 更にもう一人現れて

「そしてこの俺が人里で三番目に美味い料理人のサンユウだ」

 一人だけ違う。

 と言うか戦いはどうした。一人だけ強い訳じゃないんだけど。

 

「長男のゴンゾー」「次男のゴンソー」「三男のサンユウ」

「「「三人合わせてゴンブラザーズ」」」

 三人目!三人目ゴンじゃ無いよー!

 と言うか三人目だけ足でまといな予感がしてならない。

 

 まぁ、色々ツッコミどころはあるがいちいちつっこんでたらキリがない。

 

「行くぞマイブラザー」

 

「まずは三男のこの俺が相手だ」

 とお玉を持って突っ走ってきた。

 なめてるのか?

 

 そして俺が手首に手刀を繰り出すと

「いってぇっ!兄者!折れた!絶対折れた!」

 まじでお前何しに来たんだよ。

 

「うおーっ!弟よ。お前の事は1分は忘れない!」

 まぁ、そりゃそうだよな。だって足でまといだもん。

 

「うおーっ!弟の仇ー!」

 と木刀を持って走ってきた。

 鍛冶屋なら鉄製の持ってこいよ。

 

 そして俺は真剣白刃取りの要領で刀を受け止めて腹に膝蹴りを食らわした。

「ぐ、ぐおぉ…む…ねん」

 いや、お前も何しに来たんだよ。

 そして崩れ落ちる次男。

 

「弟達の仇は俺がとる!」

 

 すると横から肩をとんとんと叩かれる。

 

 そっち見ると京哉がナイフを構えていた。

 

「どうした?」

 

「最後の一人、俺にくれよ」

 

「ああ、良いぞ」

 

「サンキュっ」

 

 するとナイフを投げて向こう側の門に突き刺さった。

 

 なんか嫌な予感が…

「ひーきーよーせー《フックショット》ラリアット!」

 

 するとちょうど長男の首に腕が決まって長男を巻き込んで飛んでいく。

 

 これまたド派手だな。

 

 ん?ちょっと待て!あの位置にぶち当たるのはやばいんじゃねーの?

 

 しかし時、既に遅し

 

 ドカーン!と爆発とともに砂煙が上がり、煙が晴れると俺は目を見開いて焦った。

 

 何故なら

「も、門に穴が」

 

 まずいこのままでは

 

「ここから侵入するぞ!」

 

 そして京哉が蹴っ飛ばされて飛んできた。

 

「この、バカやろー!」

 

「す、すまん」

 すまんで済んだら警察は要らねーんだよ。

 

「とりあえず京哉、レミリアとフランを連れてとにかく遠くへ行け」

 

「いや、でも」

 

「早く行けーっ!!??このノロマがーっ!」

 

(ここまで切羽詰まったこいつを俺は見たことが無い)

 

「分かった。だけど死ぬなよ」

 

「ああ、」

 

 そして刀を抜く。

 

《瞬間移動》

 

 そして俺は奴らの集団の中に瞬間移動して回転斬りをして一掃する。

 

「守ってみせるよ俺は」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

sideフラン

 

 大丈夫かな。お兄様

 

 外に行っちゃったけど。

 

「大丈夫よきっと。裕太なら勝ってくれるわ」

 

 お姉様はそう言ってくれる。だけど心配なものは心配だ。

 

「お兄様…」

 

 その時

「フランちゃーん。レミリアお嬢様ー!」

 

 お兄様のお友達の声だ。

 

「緊急事態が発生しました。もっと安全な場所に行きましょう」

 

 こんなことを言うなんてやっぱりお兄様は危険なんじゃ

 

「フランちゃん。大丈夫だよ。裕太は親指を立てながら(してません)微笑んで(してません)絶対に死なないって言ってくれたからな。あと、二人を守るためならたとえ世界でも敵に回してみせるって言ってたぞ(言ってません)」

 

「ほ、本当に?」

 自然と顔が赤くなるのを感じる。それはお姉様も同じみたいだった。

 

「ああ、本当だ(だから言ってません)」

 

 良かった。で、でもそれって告白…かな。お姉様と私の両方を手に入れようとするなんて欲張りなお兄様だね。

 

 でも信じてるからね。生きて帰ってきてくれるって

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

 京哉にはああ行ったけど本当は大丈夫じゃない。この人数の相手なんていくつ命があっても足りないぜ。

 

 そして俺はどんどん敵をなぎ倒していく。

 

 時には霊力斬、時には空気砲だ。

 

 しかしそれでも敵の数が減っているように見えない。

 

 くそっ!どうすれば

 

 そして俺は遂に攻撃を食らってしまった。

「ごはっ!」

 

 そして倒れ込み、お返しと言わんばかりの猛攻を受ける。

 

 痛い…死ぬ…

 

「助けて…理華…」

 自分一人で戦ってみせると言ったのに情けない限りである。

 

 すると次々といきなりバタバタ倒れ始めた。

 

 これは?一体

 

「その理華って子じゃなくて悪かったね」

 

 その言葉が門の上から聞こえた。

 

「アハハ。まぁ、獲物を他人に取られるのも癪だからね。一時休戦ってことで」

 

「く、き、狂…」




 はい!第39話終了



 次回の東方魂愛想は?

「狂、どうしてここに」

「何が目的だ」

「だーかーらー。何度も同じ説明をさせないでねー。それともここで殺して欲しい?ふふふ、あはは」

「なんで俺は走ってんだよ!」

「ん?ありが」
「礼は要らない。さっきの借りもこれでチャラ。それで良いな?」

「分かったよ。じゃあ、礼の代わりに全力で協力してあげる」

「本気で殺るって言ったもんね。じゃあ本気で行くよ」
 本気の狂の実力とは?

「どこへ行くんだ?」

「く、見つかった!こうなったら作戦Bだ」
 そう言って煙幕を放つ奴ら

「きまったな」

「いや、決まったも何もリーダー。今の時間で普通に入っていけたと思うんですが」

「……しまったぁっ!ポーズをキメるのに気を取られてたっ!」
 バカだ。今はっきりしたよ。こいつバカだよ。

 俺達の防衛録はまだ始まったばかりばかりだ!

 次回、第40話『裕太&狂の防衛録』



 それでは!

 さようなら


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第40話 裕太&狂の防衛録

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに始まった戦い。

 ゴン兄弟や京哉の失態などのピンチに見回れる裕太。

 遂にダメかと思われたその時

「その理華って子じゃなくて悪かったね」

 狂が裕太の前に姿を現す。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「狂、どうしてここに」

 そう聞くと

 

「だーかーらー。君が私以外に殺されるのも癪だから助けに来たんだよ」

 と頬をつついてくる狂。

 

 偶に何がしたいのかが分からない。

 敵なのだから俺がやられたら狂にとってもラッキーな筈なのに

 

「何が目的だ」

 

「だーかーらー。何度も同じ説明をさせないでねー。それともここで殺して欲しい?ふふふ、あはは」

 確かにここで争うのは得策とは言えないな…

 ここは大人しく協力した方が良いかもしれない。

 

「分かったよ狂。一時休戦だな」

 

「そうね」

 

 そして今日は戦闘態勢に入った。相変わらず武器も持ってない。

 

「戦符《刀化》」

 そして腕を真っ直ぐ下に下ろす狂。

 

「さぁ、あなた達はどこまで耐えられるかな?」

 そして×のように腕をクロスさせた。

 

 そして俺は俺で刀を構える。

 

「《マイスペース》」

 これで俺も準備が整った。

 

 すると様々な武器を持った吸血鬼ハンター等が走ってきた。

 

「んー。お!」

 と何かを思いついたのか手をぽんっと叩く狂。

 

「演舞《狂いし夜の舞踏会》」

 狂はスペルを使うとまるで踊っているかのような動きをしながら手刀によってどんどん倒していく。

 

 俺は必要ないんじゃないかと思えてしまう。

 

 その時

「くっ!」

 狂が気がついた時にはもう既に背後を取られていた。

 

 狂ではあの敵は倒せない。

 

 でもそれで良いんじゃないか?俺にとっては倒さなければならない相手。

 

 狂とは違ってあいつを倒すことに執着している訳でもない。

 

 このまま何もしなければ狂は倒される。

 

 なのに…だってのに…

「なんで俺は走ってんだよ!」

 

 ドガッと蹴りを入れて横に吹っ飛ばす。

 

「ん?ありが」

「礼は要らない。さっきの借りもこれでチャラ。それで良いな?」

 何やってるんだろう。俺は

 

「分かったよ。じゃあ、礼の代わりに全力で協力してあげる」

 

 そう言った瞬間腕を前方に構え始めた。

 

「MAXモード」

 そう呟いた瞬間、どこからともなく大剣が飛んできた。

 

 そして狂の目の前に突き刺さった。

 

「久しぶりにこの大剣を使うからね。血に飢えてるよ」

 と唇を舐める狂。

 

「本気で殺るって言ったもんね。じゃあ本気で行くよ」

 すると自分の親指を少し加えた。

 すると犬歯で少し親指の平を噛んで血が出てくる。

 

「さぁ、覚醒の時来たれり。悪魔の大剣。デーモンソード」

 そう言って血の出てる親指を剣に押し付けた。

 

 そして指を話すとその部分が真っ赤な血液によって赤く染められていた。

 

 その次の瞬間、血が剣に吸収されてしまった。

 そして剣は一瞬赤く光ったと思ったら形が変わって鎌になった。

 

 命を刈り取るような形をしている。

 

「これが私の本気」

 

 そして持ち手を下にして地面に杖のようにつく。

 

 ギラギラと輝いていて、刃が紫色。そして持ち手の下部には(いばら)のような模様が浮かんでいる。

 

 あれが狂の武器。

 

「行くよ。勇者さん」

 そう言って走っていった狂。

 そして大勢の敵を前に鎌で薙ぎ払う。

 

 すると当然凪払われた者達からは血が大量に出る。

 

「死神の剣《ブラッドバキューム》」

 するとなんと、鎌がそこら辺の血を吸収し始めた。

 そしたらみるみるうちに持ち手の下部にしか無かった茨の模様が成長していって伸びている。

 

「もっと…もっと血をよこせ」

 

 あー。ギラギラと輝いてますな。一人で暴れて俺の存在意義は?

 

 まぁ良い。俺は俺で残党処理でもするか。

 

「あ、あぁ…助けてくれ~」

 と()(つくば)りながら逃げる奴の前に瞬間移動して進行方向に刀を刺した。

 

「ひいぃッ」

 

「なるべくなら戦意喪失したやつとは戦いたくないんだがな…」

 そしてしゃがんで顎を持ち上げる。

 

「でもまぁ…仕方が無いよな…だって…」

 その時、俺の右目が金色に光る。

 

「そっちから仕掛けてきたんだもんな~。ふふふ。ハハハ」

 そう言うとバタンと気絶した。

 

 なんだよ。面白くねーな。

 

「ん?今のは」

 

 狂がこっちを見た時には既に元の目へと戻っていた。

 

(気の所為?でも今の力は)

 

「まぁとりあえず動けないやつをいたぶるのは俺の趣味じゃねーんだわ。こいつどうする?」

 

「適当に捨てといてっと。後で私がっしょ。始末しておくから」

 この人喋りながら30人位なぎ倒したぞ。

 

「へいへい」

 

 さてと…俺もやりますかね。

 

 そして俺は瞬間移動を使って別の所から入ってきたやつを扉の前で待ち伏せた。

 

「どこへ行くんだ?」

 

「く、見つかった!こうなったら作戦Bだ」

 そう言って煙幕を放つ奴ら

 

 そして煙幕が晴れるとそこにはポーズをキメた奴らがいた。

 

 何やってんだ?

 

「きまったな」

 

「いや、決まったも何もリーダー。今の時間で普通に入っていけたと思うんですが」

 俺もそう思うぞ。

 

「……しまったぁっ!ポーズをキメるのに気を取られてたっ!」

 バカだ。今はっきりしたよ。こいつバカだよ。

 

 それにしてもなんで俺の所には普通の敵が居ないんだ?

 

「しかしりーどぅぁらぁー。相手は一人ですぜみんなで襲いかかれば」

 下手くそな巻舌だなぁ…しかし俺を甘く見るなよ。

 

「そうだ!かかれ!」

 

 数分後

 

「り、リーダー」

 

「く、恐るべし吸血鬼」

 いや俺吸血鬼じゃないんだけど?

 

 俺はこいつらをボコボコにしたあとロープで縛り上げた。

 

「後でお前らもあそこで鎌持って暴れてる彼女にプレゼントしてあげるから」

 

「ひいぃッ!」

 

 お前も充分怖いって?狂ってるって?まっさかー♪この俺のどこが狂ってると言うんだね?ね?

 

 俺達の防衛録はまだ始まったばかりだ。




 はい!第40話終了



 次回の東方魂愛想は?

「もっと…もっと血が欲しい…頂戴。もっと…もっと…あは、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「君たち…ダメじゃぁ無いか。ちゃんとさ、こんな風に頭を使って動けないようにしなくちゃね?」

「邪魔しないで貰えるかな?僕は忙しいんだ」

 新キャラ!?

 果たして裕太と狂の運命は!?

 次回、第41話『仲間』



 それでは!

 さようなら


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第41話 仲間

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 前回のあらすじ

 狂と共に敵を倒しまくった。

 以上!



 それではどうぞ!


side裕太

 

 相変わらず無双してるな…狂の奴

 俺はこんな奴に勝つ気で居たのか…

 

 改めてこいつとの力の差を思い知ったような気がする。

 

「もっと…もっと血が欲しい…頂戴。もっと…もっと…あは、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 さっきからこんな感じなのだ。

 

 何人も敵をなぎ倒してて血溜まりが出来ててもおかしくないのに、あいつの大剣が血を吸収しているからか一切血溜まりなど出来ていない。

 

 俺は相変わらず残党処理だ。

 

 これ俺要らないよな?

 

 じゃあ、ここは狂だけで充分そうだから館内(かんない)に忍び込んだ敵でも倒してきますかね。

 

 しっかし…狂の狂気的な笑みを浮かべた状態で人を殺す姿はまるで悪魔そのものだな。

 

 そんなことを考えながら館内に入った。

 

 この時はあんなことになるとは思いもしなかった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side狂

 

 勇者さんの気配が後ろから消えた。

 

 館内に入ったのかな?

 

 まぁ、どうでもいいけど。ここは私だけで処理すれば良い。

 

 そう。これは戦いではなくただの処理。私が負けるわけが無い。

 

 この大剣はブラッドソード。

 普段はあまり使わないけど偶に使う。

 

 血を吸収する度に茨の模様が成長して行ってどんどん強くなる。

 この大剣は初めこそ勇者さんの刀より重く、大きいため不利になりやすいが、強くなればなるほど軽く、切れ味が上がる為かなり強くなる。

 

「あはははは!」

 

 でも血を見るのはあまり好きじゃない。

 だって、自分じゃない自分が出てきそうで怖いから。

 

「でも、さっきは勇者さんに助けられたからね。本気で殺らないとね。あはは」

 

 その時、頭を横から蹴られたような感覚が走って数メートル吹っ飛んだ後、手から剣を手放していた。

 

 なんで?どうして?

 

 さっきまで隣に誰も…

 

「君たち…ダメじゃぁ無いか。ちゃんとさ、こんな風に頭を使って動けないようにしなくちゃね?」

 そう言って倒れてる私の頭を踏みつけてきた。

 

 この声は…まさか

 

「それにしてもどういうことかな?狂ちゃん。敵と手を組むなんて」

 

「き、吸血鬼ハンターのリーダーって」

 

「そ、ぼ・く。それにしてもどういうつもり?」

 

 嗚呼(ああ)…私はここで死ぬんだ…

 本気で今、そう覚悟した。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

「館内にはあまり居ないな」

 館内には数人、剣を持ったやつがいただけだった。

 

「んじゃあ戻ろうかな?」

 

 そう呟いて《マイスペース》を発動するとあることに気がついた。

 

 あれ?狂の霊力が減ってきてる?

 

 減ってきてるってことは狂がピンチって事か。

 

 そして俺は《瞬間移動》した。

 

 その次の瞬間、俺の目の前に一人の男が見えた。

 その男の足の下には狂。

 

 俺は瞬間的にこいつが敵だと把握し、頭に回し蹴りを食らわそうとする。

 

 しかしバシッと俺の足は片手で簡単に受け止められてしまった。

 

 そして足を掴まれた状態で振り回され、ハンマー投げの要領で投げられる。

 

「がはっ」

 

 つ、つえー。

 

 なんだこの力の差は

 

「邪魔しないで貰えるかな?僕は忙しいんだ」

 

 俺は痛い体に鞭を打ち、何とか立ち上がる。

 

「取寄《サルベージ》付与」

 すると男の後ろに刀が出現した。

 

「幻覚《蜃気楼》」

 すると男を刀はすり抜けた。

 

「まぁ、僕が出てくるまでも無かったね。うっ!」

 急に苦しみ出す男。

 

 見れば狂の大剣が男の腹から生えていた。

 

「私を忘れないで貰いたいかな」

 

 その間にも男の血を吸って茨の模様も成長していく。

 

 しかし

「君は浅はかだ…本当に浅はかだ」

 そう言うと男は砂となって消えてしまった。

 

 するとその砂は狂の真後ろで集合し男の形となる。

 

「その位で僕に勝てると思ったか?」

 

 そして襟を掴んで狂を持ち上げる。

 

 俺は驚いていた。

 何せ、あの狂が遊ばれているのだから。

 

「君は僕の指示に逆らって彼に協力した。だから君は今日をもってクビだ」

 そう言って狂を投げ捨てた。

 

 そして男は上着の内ポケットの中から拳銃を取り出した。

 

「なんで拳銃が」

 俺が質問をすると淡々とこう言った。

 

「僕の能力だよ」

 そう言って館の方に拳銃を向けて

 

 パンっと放った。その次にパリィィンッと言う割れる音が響いた。

 

 あの中には実弾が入っている事は確かだろう。

 

 すると狂に銃口を向けた。

 

「我等グループの掟はしっているよな?」

 と狂に問いかける。

 

「…クビ=(イコール)死」

 

「そうだ」

 

 という事は…狂がさっきクビって言われてたから…

 

「狂君も斬君も優秀な人材達だっただけに残念だ」

 その間、狂の表情は崩れなかった。

 

 逆に安堵を感じ取れたような気がした。

 

 なんでこんな時に安堵してんだよ。

 

「さよならだ」

 そして引き金に指をかける。

 

 俺はどうしようもないバカだ…こんなのただ放っとけば良いのに

 

 なのに…だってのに

 

「今は俺の仲間だ」

 そして俺は《マイスペース》を発動させる。

 

「《瞬間移動》to《瞬間移動》」

 瞬間移動の重ねがけをした。

 

 そして1度目の瞬間移動で狂を抱えて、2度目で元の位置に戻った。

 

 パンっと発砲されたが俺が救い出したことにより空振る。

 

「どうして!?」

 驚いているようだった。

 

「お前は敵だ」

 

「なら!!」

「だけど」

 俺は声を荒らげた狂を制するように言った。

 

「今は仲間だ。なら助けるだろ」

 俺がそういった物の、狂は納得してないようで「あともう少して全てを終わりに出来たのに」と呟いていた。

 

 するとダルそうに男はこっちを睨んできた。

 

「任務も満足にこなせないそいつを生かしておいても邪魔なだけだぞ?」

 

 そう行ってきたが俺は首を振った。

 

「俺はただ自己満だ。何も期待してもいないよ」

 

「そうか…なら勝手にするが良い。だが僕らの邪魔をしたら今度は本気で…」

 

 そう言うと砂になって消えてしまった。

 

「取りあえずお礼を言っておく。ありがと」

 

「どうした?急に塩らしくなったじゃないか」

 

「私だって常時バーサーカーやってる訳じゃないよ」

 冷静に突っ込まれてしまった。

 

「しかし疲れたな…」

 と俺は地面に仰向けに倒れ込んだ。

 

 そして肩で息をする。

 

「大丈夫?」

 と隣に寝転ぶ狂。

 

「お前に心配される日が来るとは思わなかった」

 

「私はもうクビだからね。あなたの命を狙うこともしないし、誰かね構わず殺すこともしない」

 

「そうか…なら良かった」

 そして意識を手放した。




 はい!第41話終了



 次回の東方魂愛想は?

 なんだこれ。現実の家をゆうに超えるレベルの引扉があった。

 なんだよ。本当にここは精神世界なのか?

 未だに理華も目を覚まさないようだし

『もう誰も信用しない』

「ふぅ…危ないところだったよ…」

 そして
「知らない天井だ」

 ここは一体どこなのだろうか?

 次回、第42話『狂』



 それでは!

 さようなら


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第42話 狂

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 戦う狂の前に現れたのは謎の男だった。

 その男は狂と裕太を圧倒する強さを持っていた。

 そして殺されそうになる狂だったが、裕太が間一髪で回避する。

 組織を首になった狂はもう誰も殺さないと誓った。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 久しぶりに見たこの景色。

 真っ白で、何も無いこの空間。

 

 しかし何故だろう。何かが足りない。

 

 そして少し辺りを見回ってみる。

 

 すると急に扉が見え始めた。

 

 なんだこれ。現実の家をゆうに超えるレベルの引扉があった。

 

「なんだ?」

 そう思って空を飛んでドアノブを回す。

 

 そしてドアノブは回り切ったものの、扉が開くことはなかった。

 この扉、接着剤で固められているかのように硬いのだ。

 

 そして無理やり開けようとすると、ドアノブから電流が流れてきた。

「アガガガガ」

 今一瞬、死を連想したぜ…

 

 因みに人の生死に関わるのは電圧ではなく電流、(アンペア)の方だ。人は約1Aで死ぬらしい。

 

「イテテテ…なんだよこの扉は」

 

 そして俺は扉を開けることを断念し、その場を後にする。

 

 なんだよ。本当にここは精神世界なのか?

 

 未だに理華も目を覚まさないようだし

 

 その時、視界の端にチェーンでぐるぐる巻きにしてでかい南京錠が着いている扉があった。

 

 その周りには青い扉、赤い扉があった。

 

 そして俺は目を丸くして驚いた。

「り、理華!」

 そう、扉の前に理華が倒れていたのだ。

 

「おい!しっかりしろ理華!」

 と体を揺らす。

 

 しかし一切の反応を示さない。

 

「まさか理華…」

 理華に限ってそんなことは無いとは思うが、そんな最悪のことを思い浮かべてしまう。

 

 そして南京錠を付けた扉を見る。

 

 そして俺は南京錠まで飛んでいって触れてみた。

 

 すると色々なものが頭の中に流れてきた。

 

『人は信用するな』『他人は忌むべき存在』『信じれるのは己のみ』『誰も…俺の気持ちは理解してくれない』

 

 それは今まで俺が思っていた考えそのものだった。

 

 やめろ…今はその考えを流し込まないでくれ。

 

『もう誰も信用しない』

 

「お、俺は…」

 その時、首に強い衝撃を感じた。

 

 そしてどんどん意識が遠退いて行く。

「ふぅ…危ないところだったよ…」

 

 そして完全に意識を失った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ん…?」

 俺は目を覚ました。

 

 目を覚まして一発目に俺の目に飛び込んできたのは理華の顔だった。

 

 そして後頭部に何やら柔らかい感触がある。

 

「あ、やっと起きた。大丈夫?気分とかは」

 

「ああ、それは全然大丈夫なんだが、なんで俺が気を失ってたかが思い出せない」

 

「そう…よかった

 何やら安心した様子だが最後の言葉が聞き取れなかった。

 

「それより理華、大丈夫だったんだな。よかった…心配したんだぞ」

 

「それより私は君がこの空間にいることが心配だよ…」

 

 それはごもっともである。何せ、俺がこっちに来るってことは俺は気を失っているってことだからな。

 

「理華が寝ている間に色々あったんだ。まぁ、何とか終わったよ」

 

 そう言うと俺の頭を撫でてくる理華。自分より見た目年齢低い人に撫でられるってのは何だかな…まぁでも疲れちゃったからもう少しこのままで良いよね?

 

「おつかれ。裕太。このままもう少し寝るなら寝てていいよ」

 そう言われ、色々あって疲れていた俺は

「ああ、そうさせてもらうよ」

 そして俺は眠りについた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

「知らない天井だ」

 

 なんかまた違う天井が視界に映り込んできていたんですが…

 そしてこの下にあるふかふかの感触。これはベッドだな。

 

 そして辺りを見回すと普通に生活感のある部屋だった。

 

 起き上がると身体中に痛みが走った。近くにあった大きい鏡を覗き込むと、そこには身体中に包帯をグルグルと巻いている俺が映っていた。

 

「ここはどこだ?」

 そう思って近くの窓から外を見てみる。

 

 しかしやはり知らない景色だった。

 

 木々が生い茂っていて、人の気配を微塵も感じない。

 

 そして扉から出るとそこはリビングだった。

 

 リビングにはテレビやらテーブル、ソファがあった。

 

 そしてコンコンコンと言う音が聞こえてきた。

 

 誰か居るのか?と思って俺はその音のする方へ向かう。

 

 音が大きくなっていくほど俺は警戒心を高める。

 

 そして俺がやってきたのは台所だった。そこに居た。その人物とは

「ん?あ、勇者君。おはよう」

 エプロン姿でまな板の上のキャベツをみじん切りにしている狂だった。

 

 あまりにも今までのイメージと違って危うく惚れるところだった。

 恐らくこれがキャップ萌えと言う奴なのだろう。

 

「ああ、おはよう。何してるんだ?」

 

「何って、料理に決まってるでしょ?もうすぐ出来るからリビングのソファに座って待ってて」

 そう言って再び料理に戻って行った。

 

 しかし、あれが狂なのか?しかもエプロン似合ってて可愛かったし…

 妖夢とはまた違った魅力があるな。

 

 そして言われた通り俺はソファに座って待つ。

 

 そして数分後、料理を持った狂が現れた。

 

「お待たせ」

 とどんどん俺の前に飯が置かれていく。

 

「さあ、どうぞ」

 

「こ、これは全部狂が?」

 

「そうだけど?」

 

 じ、女子力高けーっ!

 

 味噌汁に目玉焼き、さんまの味噌煮にキャベツとカニカマのサラダ。そして白米だ。

 どれも可愛い美味そうで俺の食欲をくすぐってくる。

 

「これは俺に?」

 

「そうよ。まぁ、お詫びとお礼を兼ねて腕によりをかけて作った」

 

「そ、そうか」

 全然礼なんて要らないんだけどな。全部ただの自己満なんだし

 

「まぁ、んじゃ冷める前に頂くよ」

 

「どうぞ召し上がれ」

 

 そして俺は味噌汁を啜る。

 

 俺は非常に驚いている。

 朝にも食べやすいようなあっさりとした味付け、味噌汁の中に入っている昆布がいい出汁になっていて、ここまでの完璧な味噌汁はそうそう飲めるもんじゃないぞ。

 

「どう、かな?」

 と首を傾げながら聞いてくる。

 

「すげー美味い。お前すげーよ」

 

 そう言うと狂は照れながらも満足そうな表情になった。

 

 そんじゃ次はさんまの味噌煮。

 幻想郷じゃ魚介類、海藻類はあまり取れないから扱いに慣れていない人が多い。

 だが昆布の味噌汁があのクオリティだったから期待してしまう。

 

 そして一口食べる。

 

 美味い。予想以上だった。何だか懐かしいな。良く学校の給食で出たもんだよな。

 

 そして白米を口に放り込む。

 

 美味い。この一言に尽きるな。もう少し俺の食レポ力があれば良かったんだが。

 

 そして他のも食べたがどれも美味かった。

 

「ご馳走様」

 

「お粗末さまでした」

 

 そして手を合わせる。

 

「そんじゃ早速質問いいか?」

 

「いいよ」

 

「そんじゃ聞くけど、ここはどこだ?」

 そう聞くと狂は幻想郷の地図を持ってきた。

 

「ここ、この地底ってとこ。ここは私の家」




 はい!第42話終了

 今回で第二部は終了です。

 次回から第三部が始まります!

 それでは!

 さようなら


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第二部 設定集

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 遂に第二部が終わったということで今回もオリキャラ設定集です。

 では恒例のあらすじから行きましょう。



 それでは前回のあらすじ(少々長いです)

 妖夢等から逃げ出した裕太は紅魔館のメイド長、十六夜 咲夜に誘われて紅魔館にやってくる。

 その紅魔館にはとある問題があった。それは当主のレミリア・スカーレットの妹、フランドール・スカーレットが能力を操れないというものだった。

 『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持ったフランが能力を操れないのは非常に危険なのだ。

 その問題を解決するため裕太は立ち上がり、何とかその場は凌ぐことに成功した。

 するとなんとレミリアは裕太を気に入ってしまい、裕太にあるお願いをする。
「帰らないで」それがレミリアの願いだった。

 その後、妖夢等は裕太を助けに来るものの、裕太はそれを拒否

 レミリアの本当の願い、「吸血鬼ハンターからフランを守って欲しい」と言う願いを聞き入れることにし、京哉を仲間につけた。

 数日後、吸血鬼ハンター達がやってくるが、難なく退けられる。そう思いきや裕太は最大のピンチに直面してしまう。

 その時、なんと敵であったはずの狂が助けに来たのである。

 その狂と共に戦うが、突如現れた謎の男によって狂は殺されそうになる。

 しかし裕太が狂を助け、何とか謎の男を退けた。

 次の日に裕太が目が覚めると、そこは1度も見たことがない天井だった。



 それではどうぞ!


裕太「遂に第二部終わりましたね」

 

狂「そうね。途中ハラハラしたけど何とか無事に終わったね」

 

裕太「因みに今回は最後の方で活躍してくれた狂に来ていただきました」

 

狂「どうも」

 

裕太「いやー。ボケが居ないと俺もやりやすいな」

 

狂「ん?はっ!」

 

裕太「何も思いつかなくて良いのでそのままじっとしていてくれると有難いです」

 

狂「そ、そう?」

 

裕太「そんじゃ早速やって行きますか。今回出てきたオリキャラなら全員出るから俺や狂の紹介もあるぞ。更に新しく出てきたスペルの説明もあるぞ。あと途中出てきたモブ達の説明は無いからな」

 

狂「それじゃどうぞ」

 

 

 

 

 

名前

空頼(くうらい) 裕太(ゆうた)

 

性別 男

 

外見

 

 髪色が銀色で顔立ちは少し不機嫌さを思わせる。主にパーカーを着ており、ズボンはジーンズ。

 腰に裕太の刀、幽斬剣を着けている。

 

能力

 

『思いが力になる程度の能力』

 

概要

 人を助けたい等と言う思いが強ければ強いほど己の限界を突破できる。

 

『乗り越える程度の能力』

 

概要

 ありとあらゆる色々な傷等を乗り越える事が出来る。

 ただし、乗り越えるだけなので許容を越えれば死に至る

 

『空間を把握し、空間を操る程度の能力』

 

概要

 自分で作り出した空間のありとあらゆる事を把握し、その空間内を自由自在に操る事が出来る。

 ただし、その範囲外から攻撃されたら何もできない。

 

詳細

 主人公

 元の世界で嫌われていたものの、本当は優しい正確なため、すぐ仲良くなれる。

 フランとレミリアに懐かれ、白玉楼に帰るのを止められてしまった。

 敵でも一度仲間になったら命を掛けてでも守ろうとする。

 

狂「あの時は本当にありがと」

裕太「はいはーい。礼はそこまでな。俺は別に礼は求めてない」

 

狂「分かった」

 

裕太「えー。次は京哉だな」

 

狂「どうぞ」

 

 

 

 

 

名前

時雨(しぐれ) 京哉(きょうや)

 

性別 男

 

外見

 黒髪で耳が半分隠れるくらいの長さの髪。眉毛は完全に隠れており、笑顔が素敵な優男。

 服装は黒を貴重としたものが多く、何を多く着るとか言うこだわりはあまり無い。

 足にはナイフ入れを着けている。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 黒髪でイケメン(重要)

 少々後先考えずに行動する節があり、珠に大失敗する。

 裕太の教え上手もあるが、実は京哉自身も飲み込みが早く、霊力の扱いも上手い。

 

裕太「まぁ、京哉はそこそこ強くなったと思う」

 

狂「私は京哉って人を見たことは無いんだけど」

 

裕太「そうだったな。お前は会った事が無かったな」

 

狂「それじゃ次に行こう」

 

裕太「んじゃ次は理華だな」

 

 

 

 

 

名前

理華(りか)

 

性別 女

 

外見

 黒髪セミロングで笑顔が可愛い女の子。

 主に洋服を来ていて、スカートは膝の少し上までの長さ。

 

能力

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 裕太の精神世界に居る。

 第一部ラストで眠ったまま暫く目を覚まさなかった。

 裕太が気を失い精神世界に行くと倒れていた。

 

裕太「今回はあまり出てこなかったな」

 

狂「そうだね。ずっと眠ってたって設定だしね」

 

裕太「そうだな。だけどなんで倒れてたんだ?」

 

狂「それは第三部を読んで見よう」

 

裕太「そうだな」

 

狂「次は私かな?」

 

裕太「そんじゃ、どうぞ」

 

 

 

 

 

名前

本名不明

コードネーム (きょう)

 

性別 女

 

外見

 黒髪ロングでパーカーを着ている。目の色が紅い。

 

能力

不明(今後の展開で明かされるかも)

 

詳細

 敵と戦う時は狂ったように笑う。が、しかし当人は戦うことはあまり好きではない

 謎の男と対峙して狂の属するグループをクビになった。

 

裕太「最後の方で狂が仲間になったのはすごく心強かったぞ」

 

狂「それはどういたしまして」

 

裕太「そんじゃ次はアイツだな」

 

狂「そうね。それじゃどうぞ」

 

 

 

 

 

名前

本名不明

コードネーム不明

謎の男

 

性別 男

 

外見

 外側が黒、内側が赤のマントを羽織っている。

 黒いマスクをしている。

 

能力

不明(今後の展開で明かされるかも)

 

詳細

 全てが謎に包まれた謎の男

 狂とは何らかの関係にあるようだが真相は不明

 

裕太「一体こいつは誰なんだ?」

 

狂「そこは第三部を見ようか」

 

裕太「そうか。次はスペルだ」

 

狂「それじゃどうぞ!」

 

 

 

 

 

空府《君と俺との間の空間》

 

概要

 相手との距離感を表している。

 会ったばかりの人にはこれくらいの場所までしか近づけない。的な意味合いを持っていて、このスペルはその空間を作り出す。

 

使用者

空頼 裕太

 

裕太「これは、まぁ見えないバリアだ」

 

狂「私の攻撃を防いだ時はびっくりしたよ。あれだよね?」

 

裕太「ああ、あの時はスペルじゃ無かったんだが、あの後俺がスペルにしたんだ」

 

狂「そうなんだ」

 

裕太「じゃあ次」

 

 

 

 

 

《マイスペース》

 

概要

 自分自身が能力、『空間を把握し、空間を操る程度の能力』の効果範囲を設定する。

 

使用者

空頼 裕太

 

裕太「これは範囲指定技だな」

 

狂「良い例えないの?」

 

裕太「そうだな…ワン○ースで言うところのルームだな。あれも範囲指定技だろ?」

 

狂「私にはよく分からない」

 

裕太「まぁ、そうだよな。んじゃ次」

 

 

 

 

 

《瞬間移動》

 

概要

 《マイスペース》内ならどこにでも移動出来る。

 

使用者

空頼 裕太

 

裕太「これはドラ○ンボールの瞬間移動の範囲指定でどこにでも行けるバージョンだな」

 

狂「だから私にはその例えは分からないよ」

 

裕太「まぁ俺が能力を最大限活用してたらこうなってたってことだ」

 

狂「ふーん。じゃあ次」

 

 

 

 

 

取寄《サルベージ》

 

概要

 《マイスペース》で作った範囲内にある私物を手のひらの上に取り寄せることが出来る。

 私物以外は取り寄せることは出来ない。

 

使用者

空頼 裕太

 

裕太「これも棒マンガの〜」

狂「だから分からないよ」

 

裕太「わ、わかったから睨まないで!」

 

狂「ふぅ…ならいい」

 

裕太「じゃあ次」

 

 

 

 

 

引寄《フックショット》

 

概要

 霊力の応用。霊力で物を掴んだり引っ張ったりして相手の意表を着くことが出来る。

 

使用者

時雨 京哉

 

裕太「これは京哉の唯一のスペルだ」

 

狂「へー。これしかないの?」

 

裕太「まぁ、今のところはな。こいつ、意外と霊力の扱いが上手くてびっくりしたわ」

 

狂「これじゃ勇者君よりも強くなる日は近いかもね」

 

裕太「それは考えたくない。師匠なのに…師匠なのに!?」

 

狂「なんか裕太が打ちひしがれてるけど次に行こう」

 

 

 

 

 

戦符《刀化》

 

概要

 自分の体を刃物のように鋭くさせることが出来る。

 

使用者

 

狂「これは私のスペル。初めて勇者君と対峙した時にも使用してたんだ」

 

裕太「それでだったんだな」

 

狂「そう。だから私は基本的には武器を必要としない」

 

裕太「そうなのか」

 

狂「じゃあ次」

 

 

 

 

 

演舞《狂いし夜の舞踏会》

 

概要

 まるで踊っているかのような動きで敵を倒しまくる。

 刀化との兼用が主

 

使用者

 

狂「これも私のスペル」

 

裕太「舞ってるように敵を倒す様は美しかったぞ」

 

狂「血が舞ってる事を除けば、だけどね」

 

裕太「そうだな。じゃあ次」

 

 

 

 

 

死神の剣《ブラッドバキューム》

 

概要

 狂のMAXモード時に使う剣で血液を吸収し強くなる。

 

使用者

 

裕太「このスペルはどう強くなるんだ?」

 

狂「どんどん茨が伸びて行って鋭さが上がって、軽くなる」

 

裕太「そうなんだ」

 

狂「そう。まぁ、まずは私の血を吸収させなきゃ起動しないんだけどね」

 

裕太「次でラストだ。それじゃどうぞ!」

 

 

 

 

 

幻覚《蜃気楼》

 

概要

 謎の男の謎のスペル。一瞬にして消えることが可能。

 

使用者

謎の男

 

裕太「これは謎の男のスペル」

 

狂「一瞬で消えるってのは強いよね」

 

裕太「しかも俺の瞬間移動とは違って範囲指定が要らないからな」

 

狂「そう言えば一章の最後で言っていたことじぇんじぇんやってないじゃない?予告詐欺?」

 

裕太「いやまぁ、作者にも色々考えがあるんだよ。あと確定はしてないって言ってるしな」

 

狂「まぁ、いいわ」

 

裕太「これにて設定集は終了です」




 はい!第二部(終了時点)の設定集終了!

 まぁ読者の皆さんはほとんど知ってると思いますが



 それでは第三部の予告

 地底で狂と共に探索!?

 無意識の少女現る。そして読心術も

 更には新たな敵

「オマエラはスデにマケてイル」こいつは一体!?

 果たして裕太は地底を救えるのか?

注意 このあらすじは予定ってだけで確定はしていません。



 最近妖夢が出ていないな…メインヒロインが出ないって…

 それでは!

 さようなら


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第三部 第6章 忍冬彩 第43話 忍冬

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 突如として裕太と狂の前に現れた謎の男

 その男は狂すらも圧倒する力の持ち主だった。

 何とか退けることに成功した裕太

 そして目が覚めると狂の家に

 また新たな戦いが始まるとは知らずに平和な一時を堪能するのだった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「ここ、この地底ってとこ。ここは私の家」

 

 地底か…そんな所まであるんだな。

 

 まぁ冥界があるくらいだから地底や天界なんかはあってもおかしくはないだろうな。

 

 というか地底に住んでいたのか。

 

「そうか。んじゃ俺はそろそろ帰るわ」

 そう言って立ち上がったところ、隣に座っていた狂に手を掴まれて引っ張られ、ソファに再び座らされた。

 

「あんまり動いちゃだめ。暫くはここに居ること。分かった?」

 いや、帰らないとレミリアやフラン、更に妖夢まで心配かけることになるんだけど…って言っても聞く耳は持たないんだろうな…

 

「わかった」

 

「ならよし」

 と微笑む狂。

 

「もしかしてお前が運んでくれたのか?」

 

「そう。紅魔館には入りずらいからここに運んだ」

 そうか…凄い性格が違うな。見違えるほどだ。

 

「それともう一つ。何で俺はこんな和服になってんの?」

 

 そう聞くと狂は頬を染め出した。オイナゼソコデホオヲソメル

 

「いや、あのね?これはしょうがないと思うんだよ」

 

 そして俺は自分の体を抱いて狂から遠ざかる。

 

「も、もうお婿に行けない!」

 そう言うと狂は慌てた様子で

「冗談冗談!これ全部冗談だから!本当は仲のいい近所のおじいさんに頼んだんだよ!」

 そうか…焦ったよ…危うくお婿に行けなくなる所だった。

 

「私だって女の子だよ?」

 とどこからか持ってきたコーヒーを啜る狂

 

 いや、それは見れば分かるんですが

 

「に、苦い。もう少し入れて来ようかな?」

 と言ってコーヒーの入ったカップを持ってまた台所に戻って行った。

 

 暫くして戻ってきた狂のカップを見て俺は目を見開いた。

 

「し、白いのが山のように」

 そう。砂糖が溶けずにこんもりとコーヒーの上に乗っかっている。

 

 それを何食わぬ顔で混ぜ始めた。

 

「ん?どうした?飲む?」

 とカップを向けてくる狂

 

 いや、間接キス…と言うのもあるのかもしれないが、これを飲んだら確実に病気になることは確かである。

 

「せっかくだがお断りしようかな?」

 

「そう…」

 そしてシュガーヘルコーヒーを啜る。

 

「お前は甘党なのか?」

 

「うん。甘いものって美味しいよね?」

 ダメだこいつ。早くなんとかしないと

 

「そんでもってそこまでしてコーヒーを飲む意味はなんだ?」

 

「よくぞ聞いてくれたね」

 よくぞ聞いてくれたね。って言うトーンじゃないけどな。めちゃくちゃ棒読みだからな?

 

「大人の(たしな)みだよ」

 そんなに砂糖入れたら大人もクソも無いと思うのは俺だけだろうか?

 

「そ、そうか」

 とりあえず話を合わせておく。

 

「なんか最近怪我してばっかだな」

 

「そうだね」

 1回はあなたのせいですけどね。

 

「とりあえず帰りたいんだけど…ダメだよな?」

 

「ん?んー。ダメ」

 やっぱりね〜

 

「そう言えば。お互いにあまり知らなかったよね?」

 そう言えばそうだな。まともに自己紹介をしたことすらないな。

 

 狂は勇者君呼びだし、俺はコードネーム読みで定着しちゃってたからな。

 

「これから暫く一緒に暮らすんだからお互いに自己紹介でもどう?」

 

「一緒に?それってどうせイテッ!」

 俺が言い切る前に足を踏みつけられた。

 

「と言うかお前と俺が仲良くするってのは(いささ)か問題があるんじゃないか?」

 

「問題ない。つまりおふこーすって事だね」

 いや全然off courseじゃ無いんですが?

 

「んじゃまぁ、もうそれでいいわ」

 結局いつも俺が折れることになるんだよな…

 

「それじゃ自己紹介ね。私は忍冬(すいかずら) (あや)

 苗字が覚えずらいな。

 確かすいかずらって花の名前であったよな?

 だとするともしかしてすいかずらって忍冬って書くのか?

 

 まぁ、これはどうでもいいんだが。

 

「俺の名前は空頼 裕太だ。よろしくな忍冬」

 俺がそう言うと忍冬は驚いた表情になった。

 

「苗字を覚えられたのは初めて」

 なるほどな。確かに覚えにくいところはある。

 でも覚えられないってことはない。

 

「さて、忍冬。俺を逃がさないようにしてる本当の理由を教えてもらおうか」

 

「だ、だから空頼君の事がしんぱ」

「で、本当は?」

 

 でもまぁ、大体の予測は着いてるんだけどな。

 

「はぁ…君には全てお見通しって事かな?」

 参ったな…的な顔でそう言った。

 

「そうだよ。それだけが理由じゃない。それだけなら拉致らなくても別に良いからね」

 いや、人前に出にくいから拉致ったんじゃ無いのか?

 

「空頼君。お願いがあるの」

 と真剣な表情で言ってきたので俺も気持ちを切り替える。

 

 そしてこう続けた。

「付き合ってくれる?」と

 

 ひとまず整理しよう。

 

 あのー。これはどういう状況ですかね?ね?

 

 分からない。非常に分からない。なんでそんなことを言い出したのか。

 

 とりあえず

「少し考えさせてもらっても良いかな?」

 

「そ、そうだよね?こんな重要なこと直ぐに決められるわけ無いよね」

 そりゃそうだ。そんなこと直ぐに決められるわけないだろ。

 

「とりあえず、忍冬は告白するために拉致ったのか?」

 

「こ、告白?」

 頭にハテナを浮かべた。

 

 なんでそこで疑問に思う。そっちが言ったんだろ。

 

 すると顔を赤くし始めた。

 

「ち、ちがーう!わ、私が付き合って欲しいのは計画があるからその計画に付き合って欲しいのであって男女関係の方では…」

 途中で恥ずかしくなってきたのか声が小さくなっていく忍冬。

 

「そ、そうだったのか…」

 なんだ。安心した。今告白されても反応に困るしな。

 

「まぁ、付き合うか付き合わないかは内容次第だな」

 そう言うとまだほんのり赤い顔をまた真剣な顔に戻した。

 

「それは、あの殺人チーム。トワイライトを潰す事です。あの男。(ばく)を倒して」




 はい!第43話終了



 次回の東方魂愛想は?

 ついに忍冬の策が告げられる。

 その策とは?そして漠とは一体誰なのだろうか?

 そして裕太は忍冬の策に付き合うのか!?

 次回、第44話『秘策』



 それでは!

 さようなら


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第44話 秘策

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 無意識の恋の方でも言いましたが、あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!



 それでは前回のあらすじ

 狂の家で食事を取った後、裕太が帰ろうとすると引き留められた。

 何でも裕太の事が心配らしい。

 その後、お互いに自己紹介をする。狂の本名も知った裕太は本当の理由を聞き出そうとする。

 そして狂は共にトワイライトと戦おうと裕太にお願いした。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「ばく?」

 

「そう。それがあの砂男のコードネーム。砂漠の漠と書いて(ばく)

 そう言ってまた甘ったるそうなシュガーヘルコーヒーを啜った。

 

 もうね。それもうコーヒーの味しないと思うんだよ。もう砂糖の味だけだよね?絶対糖尿病にかかるよ。

 でも能力のお陰で病気にならないかも!?でもそれだとしても飲みたくはならないけどな。

 

「で、その漠を倒したいと…」

 正直言おう。無理ゲーである。

 

 俺が加わったところで何になる?って話だ。俺よりもこいつの方が強いだろうに

 

「漠って強いよね。だけど全く勝算(しょうさん)が無い訳では無いんだよね」

 そう言ってコーヒーを飲み終え、新たなコーヒーを淹れて来る。

 

「そうだ空頼君もコーヒー要る?砂糖は10個位で良い?」

「ブラックでお願いします!」

 俺は即座に言った。少しでも反応に遅れたら何出されるか分かったもんじゃ無いからな。

 

「大人だねー。はい。ブラックだよ」

 と俺の目の前に出されたカップの中には真っ黒な液体が入っていた。

 ちゃんとブラックの様で安心した。いや、忍冬を信用していないわけじゃないよ?って俺は心の中で誰に言い訳してるんだ?

 

 そしてコーヒーを口に含む。

 実は俺も砂糖を1個や2個入れたコーヒーの方が好きなんだが、さっきまで砂糖地獄を見ていたせいで見ていただけで口の中が甘ったるくなって居たから口の中に苦いコーヒーを流し込みたくなった。

 

「ん。甘いコーヒーも美味しいよ?」

 いや、だからその真っ白なコーヒーをこちらに向けないで頂けますか?

 

 そして俺はコーヒーを一気飲みして

「もう一杯貰えるか!?」

 勢いよく空のカップを差し出した。

 

 すると忍冬は驚いた顔になりながらもカップを受け取った。

「う、うん。良いけど。またブラックで良いの?」

 

「あ、ああ」

 俺はぎこちなく返事をするとカップを持ってまたコーヒーを淹れに行った。

 

 数分するとまた戻ってきた。

 

 かちゃんと俺の前にコーヒーの入ったカップを置かれる。

 そのコーヒーを一口飲む。

「で、話の続きをしよう」

 

「そ、そうだね。で、どこまで喋ったっけ?」

 

「勝算が無い訳じゃない所まで」

 

「そうそう!」

 と手をパチンと合わせてまた話し出す。

 

「その勝算ってのがね。この地底のどこかにあると言う伝説の刀」

 俺はゴクリと喉を鳴らす。

 

「その刀の名前は…神刀【空斬剣(くうざんけん)】。その刀は空気をも斬ると言われてる伝説の刀よ」

 そしてコーヒーを一口啜ってかちゃんと置いてからまた話し始める。

 

「私は探しているの。何者にも負けない。そんな刀を…だけど見つからない。だから戦力にもなって私に協力してくれそうな空頼君。あなたを選んだのよ」

 そして長い黒髪のもみあげ部分をいじる。

 

 つまりだ。…こいつは俺に刀探しを手伝って欲しいという事か…

 まいったな…霊力的なものがあれば空間探知出来るんだが…それに自分の持ち物じゃなきゃ《サルベージ》で取り寄せる事も出来ないし…

 

 俺の能力ってもの探しには何の役にも立たないんだよな。

 

「まぁとりあえず理由はわかった。協力するのは別にいい」

 

「ほんと!?あぅっ…」

 近ずいてきたので眉間を人差し指で押さえて止めると何やら可愛らしい声が漏れた。

 

「協力するのは良いが、俺はあんまり役に立たんぞ?」

 

 そう言うとふふんと鼻を鳴らしてから忍冬はこう言った。

 

「大丈夫だよ。そこまで期待はしてないから」

 それはそれでムカつく!と思いながら俺は後ろを向いて拳を握りしめる。

 

 そして手を元に戻して忍冬に向き直る。

「まぁ、わかった」

 ああ…帰ったら絶対妖夢やレミリア、フラン達に怒られるな…

 取りあえずこいつに協力していることはバレないようにしないと。

 

「それじゃ、これからよろしくね」

 と手を差し出して来る忍冬。言うまでもない握手だ。

 

 俺はその手を握って握手する。

 全く…俺は勇者失格だな。

 

「と言うかお前、俺が断ってたらどうしたんだよ?」

 

「もしそうなってたら…あは」

 その瞬間、俺はこの質問をしたのを俺は後悔した。

 この目は戦ってる時のこいつの目だ。

 

「アハハハハ。もしそうなってたら…君を殺していたかもね」

 そして俺にぐっと身を寄せて顎に手を添える。

 

「ここまで計画を知られてしまったら…ただでは帰せないよね?」

 そして元の体制に戻る忍冬。

 

 ですよねー。

 俺が忍冬の居場所をバラさないとも言えないしな。

 

「と言うかもう誰も殺さないっていう約束はどうしたんだよ」

 そうツッコミながらコーヒーを啜る。

 

「見境なくは殺さない。つまり敵は死ぬか生きるかは運次第」

 こいつ…約束の穴をつきやがったな。

 

「でもまぁ殺さないよ。だって私、裕太の事が」

 何故か先から空頼君呼びだったのに、今はファーストネームで呼んできた。

 

「裕太の事が…好きだし」

 そう言って両手でコーヒーカップを包み込むようにして持つ。

 

「それってlikeの方ですよね?」

 

「んー。どうだろうね?好きな方で捉えてもらっていいよ」

 そして悪戯な笑みを浮かべる忍冬。

 

 あんまり男心を(もてあそ)ぶもんじゃありません!

 

 そして苦笑いをしながらコーヒーを啜る。

「でもまぁ、裕太だったら良い…かな」

「ぶふぅっ!」

 盛大に吹いた。

 

「ケホッケホッ」

 そして俺は咳き込む。わざとやってるだろ。

 

「あはは。空頼君をからかうのって楽しいね。あはは」

 

「くっそー!てめぇ○すぞ!」

 俺はテーブルを拭きながら言った。

 

「きゃー!空頼君がケダモノになったーきゃー!」

 そして楽しそうに俺から逃げるようにして外に出ていった。

 

「ったく…それにしてもあいつ、コーヒー淹れるの上手いな。これならブラックでも何杯も飲める。かなり整った顔立ち、その上料理も出来て、あいつはあんな組織に入ってなかったらモテてただろうな」

 そう本人に聞こえてないのを知りながら言った。

 

 そしてもう一口コーヒーを含むと

『全く脈なしって訳じゃないんだね』

「ぶふぅっ!」

 また吹いた。

 

「聞いていたのか」

 

『それはもうバッチリと』

 

「…今度俺が気を失ったら覚悟しろよ」

 そしてまたテーブルを拭くのだった。




 はい!第44話終了



 次回の東方魂愛想は?

「刀の情報を手に入れてきたよ!いざ地霊殿へ!」

 新たな人物登場!

「お姉ちゃん!」「ひゃっ!何こいし」

 そして新たな敵の動きが

「純粋な力だけなら僕を超えている」

 果たして空斬剣を手に入れれるのか!?

 次回、第45話『忍冬 彩は怒ると怖い』



 それでは!

 さようなら


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第45話 忍冬 彩は怒ると怖い

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 忍冬の家でのまったりとした時間。

 そして忍冬によって漠を倒す秘策を教えられる。

 その秘策というのが地底に古くから伝わる刀、神刀【空斬剣】だった。

 果たして裕太達は空斬剣を入手することが出来るのだろうか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 忍冬が出て行ってから暫く経った。

 

 何やってんだか…

 

 しっかし、参ったな…さっきは帰るとかあ言ってたけどこれじゃ帰れねーな。

 

 俺は地底の地理を知らない。

 

 とりあえずもう暫くは白玉楼に帰れなさそうだ。

 

 まーた怒られるな…

 

 その時

「ガチャン」

 扉が開いた。

 

「いやー。いい情報を手に入れたよ」

 と忍冬が俺の方に駆け寄ってきた。

 

 今の今まで情報を集めてたのかよ。

 

 ちゃんと仕事をしてきた忍冬に俺は驚きだった。

 

「この刀は古明地なら分かるかもって」

 誰それ…俺は分かんないんだが?

 

「それじゃとりあえず地霊殿に行ってみよう!」

 


 

とある場所

 

「漠様。奴らが動き出しました」

 コンピュータを見つめながら男は不気味に笑う。

 

「そうか…あいつの準備は」

 

「はい。もうそろそろ完了致します」

 

「ふふふ…あーっハッハッハ」

 急に笑い出すマントの男。

 

「あいつは最強だ。単純な力だけなら僕にも(まさ)ってる」

 

「はい。あいつのパワーは奴らの力を超越していることでしょう」

 ニヤリとコンピュータを見ながら笑った。

 

「さぁそろそろ始動だな。我らが作りし最強の戦士」

 

 路異怒(ロイド)

 


 

場面は戻り裕太

 

「で、古明地の屋敷?ってどこにあんだよ」

 俺が問いかけると地図を見ながら答え始めた。

 

「もう少し。私も実際に来るのは初めて」

 まぁ、普通に暮らしてるだけならあんなデカい屋敷には来ないだろうな。話してる間に見えてきたけど。

 

 外装だけなら紅魔館よりデカい。

 まぁ、紅魔館は空間を操れる奴が中を広くしてるんだけどな。

 

「ここここ。ここの主人が知ってるかもって」

 

 庭が広くて赤くない屋敷だった。目に悪くない…

 

「何変なところで感動してるの」

 

「だって目に悪くないんだぜ?赤くないんだぜ?」

 

「やめて!迫ってこないで!息荒くしてよってこないでぇっ!」

 

 その時

「あなた達誰?」

 目の前に急に女の子が出現した。

 

「うわぁっ!」

 驚きすぎて俺は尻もちを着いてしまう。

 

「これくらいで驚いていたらおしまいよ」

 たくましい…これほどまでに忍冬がたくましく見えたのは初めてかもしれない。

 

「こいしちゃん。お姉ちゃんに用があるんだけど良い?」

 

 するとこいしと呼ばれた女の子は一瞬考える素振りを見せてから

「良いよ!多分お姉ちゃんは部屋にいると思う。案内するよ!」

 そしてどこからともなく取り出した白旗を(かか)げて歩み出した。

 何に降参してるんだよ。

 

「それじゃ案内よろしく」

 ニコッと笑った忍冬。

 自分に向けれたのでは無いと分かっていてもドキッとした。

 

 うーん…これで狂戦士じゃなきゃドストライクなんだがな…

 


 

「お姉ちゃーん!」

 部屋に着いてそうそうにこいしはお姉ちゃんに飛びかかった。

 

「ひゃっ!なにこいし?」

 

「お姉ちゃんお客さんだよ!」

 こいしがそう言うとお姉ちゃんはこっちを向いた。

 

「初めまして。私の名前は古明地(こめいじ) さとり。この子は妹の古明地 こいしです」

 丁寧に自己紹介してくれた。

 

「あ!ご丁寧にどうも。俺は空頼 裕太です。この人は」

「裕太のかのじギャフッ」

 ちょっと強めに叩いたため倒れてしまった。

 

「これ大丈夫なの?」

 

「ノープロノープロ」

 

「いや、意味わからないのだけれども」

 

 そんなことをさとりが言っているが俺は無視する。

 

「この倒れてるやつはすいクズら 彩だ。可哀想な子だが気にしないであげて欲しい」

 しみじみと言うと俺の意図が伝わったのか何も言わなくなった。

 

「誰がすいクズらよ!私は忍冬!かとくの違いも分からなくなったの!?」

 元気な可哀想な子だこと…

 

「ところであなた方は何用でここに?」

 

 そうだった。危うく目的を忘れるところだった。

 

「あの…空斬剣って刀知ってますか?」

 俺が切り出すとさとりは驚いた顔になった。

 

「なるほど…そういうことですか…」

 そう言うとまた元の顔に戻った。

 

「もちろん知っています。()()も全て」

 

 と静かに言った。

 

「ならそれをくださ」

「待って」

 静止をかけられた。

 

「実はその空斬剣ってある洞窟の中にあるのよ」

 

 洞窟に?

 

「その洞窟には様々な危険な妖怪が居て近づけない。もしも入ったら骨になるのがオチ」

 怖っ!?何その洞窟。やる前から積んでんじゃねーか。

 

 骨になったら意味が無いじゃないか。

 

『怖いね…でもやる時はやるって私は信じてるよ』

 急に出てきた理華に応援されてしまった。

 

「私はやるよ。あいつを倒すためなら命だって惜しくない」

 それにと言って俺に抱きついてきた。

「私達のコンビは最強だもんね」

 

 抱きつかないでいただきたい。暑苦しい!

 

 え?胸が当たってるんじゃないかって?それがいつもダボッとした服だからどっちか分からなかったけど今わかった。

 固い。ちょっとは柔らかいけど固い。

 

「なんか失礼なこと考えた?」

 

「なんでわかった!?お前はさとり妖怪か!?」

 

「あーっ!やっぱり!それとさとり妖怪ならそこにも居るよ!」

 とさとり達を指す忍冬。

 

「え!?さとり妖怪だったのか!?」

 

 ってことは今まで考えていたことも

 

「筒抜けですよ。忍冬さんの胸が固いと考えていたこともね」

 

『そんなことを考えていたの〜』

 理華は茶化すように言ってくるが隣から物凄い殺気を感じるためそれどころではなかった。

 

「殺す…MAXモード」

 するとどこからともなく大剣が飛んできた。

 

「殺す!やっぱり殺す!あは、あははは!」

 

「たぁすぅけぇてぇー!」

 

『自業自得』

 

 そして暫く追われ続けた結果土下座して許してもらいました。




 はい!第45話終了


 次回の東方魂愛想は?

「嫌な予感がする」

「そうね。もしかしてあいつが……」

 次回、第46話『予感』



 それでは!

 さようなら


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第46話 予感

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 地霊殿にやってきた裕太と彩。

 そこでさとりに空斬剣の話を聞いた。

 そして二人はその空斬剣を手に入れると意気込んだ。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「そ、それで……その刀のある洞窟はどこですか?」

 俺は赤く腫れ上がった頬を擦りながらさとりに聞いた。

 

 何故腫れ上がってるかって?聞かないでくれ……俺が悪いんだ。

 

「そうですね。地上と地底を繋ぐ洞窟がある事は知っていますか?」

 そんなのがあるのか?

 

「はい。知っています。確か強い人喰い妖怪やらが多すぎて現在では使われなくなった洞窟ですよね?普通に間欠泉によって開いた穴がありますし」

 そんな所にあるのか!?急に不安になってきたんですが……

 

 人喰い妖怪って……死に目には幾度(いくど)も会ってきたけどさすがに食べられエンドは嫌だぞ。

 

『変なところで臆病だよね。君って』

 それは自分で重々承知している。

 

 そして心を読めない癖に一丁前に心を読むんじゃねーよ。

 

「そう。そこよ。そこの中の割れてるもう一方の道、そっちにはもっと強い妖怪が居るけどその奥にその刀がある」

 いや、そんな洞窟の奥って見た事あるんですか?その情報って確かなんですか!?

 

 そんな危ない所見たことある人なんて居ないと思うんだが……

 

「なるほど……」

 ご納得しておりますよこの隣のバーカーサーは!

 

「でもこのまま行くのは危険だと思いますよ?」

 

 確かにそうだ。

 

 奴の幹部にただの一撃も与えられない俺が行ったところで足でまといだ。正直、俺が戦える奴らの中で最弱だろう。

 

「そうだね……まずは特訓しておかないとね。とりあえず私の家に戻ろうか」

 

「なぁ、忍冬」

 

「ん?」

 

「嫌な予感がするんだが……」

 そう言うと忍冬は考え始める。

 

「もしかしてあいつが……」

 俺が言うとブツブツと考え出した。

 

 何を言ってるんだろうか?

 

「よし!地上に行ってみようか」

 急にそう言ってきた。

 

 1分前に忍冬の家に戻るって話をしたばかりだろうが……

 

 でもまぁ、地上に行くのは賛成だ。アイツらに会うとめんどくさくなる気がするから気をつけないと行けないが……

 

「んじゃ隠密行動で行ってみることにしよう」

 

 この嫌な予感は忍冬が漠に襲われた時以来だ。

 

 するともしかして奴が?

 


 

 取りあえず忍冬に案内されて間欠泉で開いたという縦穴に来た。

 

「空頼君は飛べたよね?」

 

「ああ、だが長いな」

 

 降りる時は飛び降りて直前に飛べば良いけど、これは飛んでたら時間かかるな。

 

 そうだ!いいことを考えた。

 

「《マイスペース》」

 俺はマイスペースを発動して範囲指定する。

 

 確か冥界から地上に届いた位だから届くと思うんだが……

 

「忍冬。俺に捕まれ」

 そう言うと忍冬は戸惑いながらも俺に掴まった。

 

「行くぞ。《瞬間移動》」

 

 その次の瞬間、俺達は穴の上に居た。

 

「あなたの能力って便利ね」

 

「んなことない。範囲指定が必要だからそれを封じられたらもうおしまいだよ」

 そう言いながらマイスペースを解除する。

 

 それにしてもマイスペースの効果範囲ギリギリだったな。どんだけ深い穴なんだよ。冥界からでももう少し余裕があったぞ。

 

「それにしても……嫌な霊力を感じる」

 

「そうか?俺は何も感じないが……」

 

「私の居たグループのメンバーは悟られないように霊力を抑えられるようにしてるの」

 そうだったのか!?

 

 そう言えば斬と忍冬の時も何も感じなかったな。

 

「それにしてもこの霊力……私より弱い感じがする」

 忍冬よりも弱いのか?なら簡単に勝てる気がするんだが……かく言う俺も勝てたことないけど。

 


 

side妖夢

 

「なかなか裕太さん。帰って来ないな……」

 恐らくもう吸血鬼ハンター問題はもうそろそろ終わった頃なのにまだ帰ってこない。

 

 まぁとりあえず今は料理に集中しよう。

 

「いっ!」

 言ったそばから指を切ってしまった。集中できてない証拠だな。

 

「はぁ……」

 自然とため息が零れてしまう。

 

 他のみんなはと言うと、幽々子様は何も変わらない。京哉さんは何も変わらない修行詰めの生活。歩美ちゃんはちょっと寂しそう。

 

「早く帰ってこないかなー」

 私が無意識にそう呟いた時。

 

「妖夢も恋する乙女ねー」

 横を通り過ぎていく幽々子様の声が聞こえた。

 

「は!?」

 やばい。独り言を聞かれてしまった。

 

「ゆーゆーこーさーまー!違うんです!違うんですよ!」

 と言いながら全速力で追いかけていく。

 

「何が違うのかしら?」

 

「えと……あの……そうです!早く帰ってきて異変解決を手伝ってもらえなきゃ困るんです」

 我ながら見苦しい。

 口実だってのは分かるんだけど、どうして口実なんか言ったのかが分からない。

 

「ふーん。まぁ、良いわ」

 その言葉を聞いてホッとする。

 

「だけど……大丈夫なのかしら?」

 と言ってきた。

 どういう事なんだろう?

 

 その瞬間、焦げたような臭いがどこからともなく漂ってきた。

 

 ってもしかして

「あーっ!焦げるー!」

 と叫びながら台所へ駆け出す。

 

「あらあら」

 


 

数分後

 

「すみません。皆さん」

 

 今、私達の前には料理と他のとは明らかに違う黒くなった魚だったものがあった。

 

「まぁ、たまにはそういう事もあるさ」

 そう言いながら京哉さんは焦げ魚を口に放り込んだ。

 

「んー。確かに焦げて苦くなってはいるが、この焦げた苦味がなかなかアクセントになって……うん。美味しいよ」

 京哉さんはフォローのつもりなのかそんな事を言ってきた。

 でもお陰でだいぶ気持ちは楽になった。京哉さんはカウンセラーとかが向いているかも知れませんね。

 

「うん。京哉さんは焦げたものとか好きですからね。庭でバーベキューしたりするとわざわざ焦がして食べたりしてましたよね。あまり焦げたもの食べすぎるのは体に悪いですよ」

 

「うるせー!俺の好みなんだよ!悪いか!ご飯を釜で炊いた時のお焦げとか滅茶苦茶(めちゃくちゃ)うめーじゃねーか!」

 

「私は京哉さんのことをお兄ちゃんの友人という事で心配してるんですよ!」

 

「何を!歩美ちゃんにもあいつにも心配される義理はない!」

 と思いましたが、フォローではなく本心だった模様です。

 

 さっきサラッとお二人は言っていましたが、わざと焦がして食べるのは止めましょう。

 焦げの部分には発がん物質が含まれているのであまり食べすぎると体に悪いです。

 

「御三方。聞いて頂戴」

 さっきまで黙々と食べていた幽々子様が口を開いた。

 

「つい先程、新しい奴が現れたらしいわ」

 奴ってのは多分異変の奴らなのだろう。

 

 でも夕飯の時間に来るなんて随分早い。

 

「でも行かなきゃいけませんね」

 そう言って私は立ち上がる。

 

「気をつけてね。京哉。妖夢。嫌な予感がするから」

 

「はい。分かりました」

 


 

「さぁ、見せてもらおうか。僕達の作った心の持たない兵器にどれだけ通用するか。路異怒に情なんてもんは期待するなよ」




 はい!第46話終了



 次回の東方魂愛想は?

 ついに対決、新しい敵と裕太。

 その敵の能力とは一体?

 そして

「京哉……お前の願い。聞き届けた。だけどその前にあいつを」

 果たしてどうなるのか!?

 次回、第47話『石の力』



 それでは!

 さようなら


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第47話 石の力

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 地霊殿で洞窟の噂を聞いた二人は作戦を立てるために彩の家に帰ろうとした。

 その時、裕太が嫌な予感を感じる。

 そして様子見も兼ねて地上に行くことにした。

 その同時刻、地上で新たな敵が現れた。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺達は人里に向かって走っていった。

 

 なぜなら先程空から降ってきた新聞にこんな記事が載っていたからである。

 

『人里のベンチに座るリアルな人の石像!?』

 

 俺はこの記事に対して嫌な予感を感じ取った。それは忍冬も同じらしく、アイコンタクトをした後直ぐに走り出した。

 

 忍冬は走りながら「石化の能力なんて聞いたことがないけどもしかしたらあるかもしれない」と言っていた。

 

 つまり今回のは忍冬も知らない人物かもしれない。相手の情報は何も無いわけだ。

 

「忍冬の戦い方は主に斬撃でただ殺すだけなんだよな?」

 

「そうだね。斬みたく特殊な力ってのは無いから」

 

 そう考えるとあのグループでは一番まともなのか?

 

 そして暫く走ると人里に着いた。

 

 そして着いてすぐに俺と忍冬は驚いた。

 

 街中に大量の石像があったからだ。

 

 ただそれだけなら驚く材料としては不十分だ。確かにシュールな絵面なのだが、驚いたのはそこではなく。様々な見た目、様々な体制。怯えてるようなやつもある。

 

 そして驚いたのは

「き、君!?」

 俺と忍冬は驚いて走り出す。

 

 そこに居たのは、右半身だけ石化した女の子だった。

 

「なんて(むご)い……」

 そう呟く忍冬であった……が、それあなたが言います?と心の中で思ったが、今はつっこむ場面ではないと考えてグッと堪えた。

 

「何があったんだ?」

 俺がそう聞くと怯えた様子で話し始めた。

 

「ひっぐ……急に変な人が現れて……なんか変なオーラを出したと思ったらそのオーラに当たった人が石になっていって……ひっぐ……私もやられそうになったら白い髪の剣士のお姉ちゃんと黒髪のナイフ投げのお兄ちゃんが助けてくれて……ひっぐ」

 今の特徴だけで分かった。

 

 京哉と妖夢か……

 

 元々ステルスするつもりだったんだけどな……

 

「忍冬。お前は来るな」

 

「なん」

「これは絶対厳守だ。こっち来たら命は無いと思え」

 俺が食い気味に言うと納得してない様子だったものの「分かった」と言う言葉を引き出すことが出来たため俺は安心した。

 

 んじゃ、待ってろ。二人とも!今助けに行くぞ!

 


 

side妖夢

 

「がはっ……」

 今は京哉さんが敵に一方的に殴られている。

 

 何故反撃できないのかは石のリングで手足を固定されているから。

 

 まさか石化させるだけじゃなくて石も操れるなんて想定外です。

 

 手も足も出ないとはまさにこの事とかふざけていられない。

 

「オマエ、ヨワイ」

 ぶつ切りの言葉で話すこいつが敵。

 

 強すぎるでしょ。

 

「くっそー。せめて手足さえ動いてくれれば」

 

 ちなみに私はさっきこいつが生成した岩の下敷きになって顔だけが出てる状態。

 

 絶体絶命。

 

 普段は神を信じないけど……今は藁にもすがる思いでこう望んだ。

『助けて』と

 

 その時だった。

 急に敵が吹っ飛んだ。

 

 いや、急にじゃない。蹴り飛ばされたんだ。

 

 私はその人物を確認すると目を見開いて驚いた。

 

 その人物とは

「遅くなってすまなかった」

 裕太さんだった。

 

 そして裕太さんは私の姿をちらっと見ると一瞬だけ刀を抜いてしまった。

 すると私の上の岩は粉々になって私は起き上がれるようになった。

 

「ありがとうございます」

 

「礼は良いから休んどいて」

 そう言って敵が吹っ飛んで行った方に歩いていく。

 

 あれ?京哉さんは?

 


 

side裕太

 

 決まった!今の綺麗に岩を斬れたの気持ちよかった。

 

 紅魔館であの修行やっといてよかった。あの葉っぱの奴。

 あれのお陰でコントロールと素早さが上がったと言っても過言ではない。

 

「って俺は!?」

 

「俺はお前に構ってやる暇はない」

 がしかし二対一の方が有利だろう。

 

 だから妖夢の時と同じやり方で京哉の石も斬ってやった。

「サンキュ」

 そう言って京哉は足のナイフ入れから数本ナイフを取り出した。

 

「オマエ、ナニモノ」

 随分片言なやつだな。

 

「俺の名前は……そうだな、コードネーム『(くう)』で」

 忍冬達のコードネームをインスパイアした。

 

「俺も!俺も付けてくれ」

 

「珍名でも良いならな」

「遠慮しておきます」

 即答された。

 

「オレのナマエ、Code Name(コードネーム)ハイ()』。マタのナを、ロイド」

 なんか1部だけネイティブだったんだが?

 

「ノウリョク、『イシヲアヤツルテイドノノウリョク』」

 分かりにくい……片言だと何言ってるか分かりにくいことがあるな。

 

「マズはアイサツガワリ、《ストーンプレス》」

 そしてロイドがスペルを発動すると俺の上に岩が生成された。

 

 その岩を両手で支えようとするも、想像以上に重かったので支えきれずに倒れてしまった。

 

「おもい……《瞬間移動》」

 俺は事前にここら一帯をマイスペースで囲っておいた。そのため、瞬間移動が使える。

 

 そして京哉の真横に瞬間移動した。

 

「重いな。岩って」

 改めてこの能力に感謝した瞬間だった。

 

「オマエ。メンドクサイ」

 ロイドがそう言った瞬間、俺の体に沢山の石が飛んできた。

 そしてどんどん飛んでくるから徐々に埋まっていく。

 

「「裕太(さん)!」」

 二人が駆け寄ってくるが俺の周りの石は山のように積み重なっていて一つ一つが磁石の何十倍もの力で引き寄せあってるから取る事なんて不可能。

 

 となれば。この刀。実体に対しては傷つけないようあまり綺麗に斬れないように出来ているが、霊力をちょっと込めると────

「これでどうだぁっ!」

 狭いスペースで刀を振るう。

 

 どうせ瞬間移動しても俺の周りをぐるっと囲まれてるから意味無い。

 ならば斬ってしまえ!

 

 そして俺の周りの石を縦に斬った。すると磁力が無くなったのか石の壁がボロボロと崩れ始めた。

 

「ホントウにウザイ

 奴がそう言った瞬間、ロイドの体からオーラが出始めた。

 

「あれはまずい!裕太避けろ!」

 しかし時既に遅し、俺の足は奴のオーラに捕まってしまっていた。

 

『これはまずいね。石にされて砕かれたら手の施しようがない無いよ』

 

「分かっている。が、くそっ!動かねーんだよ足が」

 関節は石になっていない。だと言うのに微動だに出来ないんだ。

 

「オワリダ」

 

 徐々に足先から石になっていくのが分かる。

 

 死を覚悟したその直後。誰かに横から突き飛ばされた。

 

 そして俺は射程から外れた。が、しかしそのターゲットを失ったオーラは俺を突き飛ばした人を飲み込んでいく。

 

 その人物とは

「京哉!?」

 

 そして近づいて助けようとすると僅かに手が動いて持っていたナイフをこっちに投げてきた。

 

「裕太。妖夢ちゃんをしっかりと守ってやれよ」

 と微笑んだ。

 

 こんな場面で笑うんじゃねーよ。死ぬんだぞ。お前。

 

「頼りない親友だったかな。ゴメンな」

 

「謝んじゃねー」

 

「でも最後はお前の役に立ててよか」

 そこまで言ったら京哉は口まで石化して喋れなくなった。

 

「良かったなんて言ってんじゃねーぞ。何一人で勝手に安心してんだ」

 そして完全に京哉は石化した。

 

「京哉。お前の願い……聞き届けた。でも、その前に」

 そしてロイドに向き直る。

 

「あいつをぶっ飛ばさせろ。それじゃねーと……俺の気が収まらねぇんだよ」

 

『良いねぇ。かっこいいよ。それじゃあ』

 

「あいつを」

 

『「ぶっ飛ばす!」』




 はい!第47話終了



 次回の東方魂愛想は?

 ついに始まるロイドとの戦い。

 そして助っ人が!?

 果たして裕太達はロイドに勝てるのか?

 次回、第48話『路異怒』



 それでは!

 さようなら


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第48話 路異怒

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 人里での石像の噂を聞きつけた裕太と彩は人里に向かう。

 そこには様々な人体の石像があった。

 そこで一人の女の子から敵の話を聞いて裕太が駆けつける。

 そしてそこで新たな敵、ロイドと対峙する。

 果たして裕太は京哉の仇を討つことが出来るのか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

『「ぶっ飛ばす」』

 

 そして刀を構えて霊力を流し込む。

 

「お前は倒す。ロイド!」

 

「オマエモイシ二ナルトイイ」

 そうしてオーラをこっちに伸ばしてくる。

 

 しかしそれを瞬間移動で躱す。

 

「おーにさんこっちら」

 あんな声に感情を感じられない奴に聞くかどうかは分からないが煽ってみることにした。

 

「あれれー?どこ狙ってるんですかね?」

 俺はオーラが来たら瞬間移動、そして煽るというのを繰り返していた。

 

 はたから見たら俺はただの性格の悪いやつだ。

 

『でもそんなことしてても近づけなきゃ意味ないよね』

 そう。理華の言う通りだ。

 

 まぁ、無理にでも近づけるが近ければ近いほど石にされやすくなる。それだけは避けなくてはならない。

 

『気をつけて、極力安全行動で動いて!足、石になってるの忘れてない?』

 ああ、忘れてないさ。両足が足先からすね辺りまで石化している。

 

 そしてこの石は意外と脆いみたいだ。さっき飛び降りたら靴の部分が少し欠けてしまった。

 もうちょっと当たりが悪かったら足がすねまで丸ごと無くなるところだった。

 

 だからこの走ってる状況もハッキリ言ってリスクでしかない。

 ちょっと躓いたら粉々だ。

 

「ちっ、足首動かせないのは辛い」

 助かったのはいいものの足首が動かなくてまともに動けない。

 

 まぁ、近づく策が無いわけじゃない。

 

 多分あのオーラも霊力だ。だからその霊力が無くなるまで逃げ回る。

 

「だけど厳しいな……」

 

『ねぇ、あの彩ちゃん?を呼んできた方が良いんじゃない?』

 

「馬鹿か。あいつとこいつらは敵対してんだ。手組めるわけねぇだろ」

 

 あいつを連れてきたらロイドにも狙われるし、更には妖夢にも狙われる。

 

「あいつが居ないでどうやって漠を倒すんだよ」

 あいつは漠退治の(かなめ)だ。殺させる訳にはいかねぇんだよ。

 

「ニゲテバカリ、ブザマ」

 

「悪かったな!無様で」

 くっそー。煽りにこっちが負けてんじゃねーか。

 

「と言うかこいつの霊力バケモンじゃねーか」

 あれほどの技となると霊力の消費も激しいはず。なのに一切の衰えを見せないこいつは化け物なんじゃ?

 

『裕太君……勝てる気がしなくなってきたよ』

 残念だが俺もだ。

 

 瞬間移動は結構消費霊力は少ないはずなんだが……こっちの方が少なくなるなんて

 

「くっそ……負けてたまるかよ……」

 無理でも最後の最後まで足掻(あが)いてみせる。

 

 そして空符《君と俺との間の空間》を使って自分を守りながら特攻する。

 

 そして俺の壁にオーラがまとわりついて石化させて行く。

 

「こいつ、霊力すらも石化させるのかよ」

 

 そして石化した部分から壁が崩れ始めて、そこからオーラが入ってきた。

 

 そしてまた掴まれてしまう。

 

 能力が全て切れてしまう。

 

「君が私には死なれたら困るってのは分かるけど」

 急にそんな声が聞こえてきた。

 

「私も死なれたら困るんだよね」

 その声が聞こえた瞬間、横から蹴り飛ばされた。

 

「狂符《キルグレア》」

 するとオーラが消えてしまった。

 

 俺を蹴り飛ばした人物は確実にアイツだ。

「なぜ来た忍冬!来るなって言っただろ」

 

「私は空頼君に死なれたら困るんだよ」

 そこまで言うと忍冬はロイドを見る。

 

「あいつ、誰?」

 

「ロイドだ。石を操れる奴」

 

「なるほど……もしかして」

 するとブツブツと呟き始めた。

 

「オマエ、ダレダ」

 

「私?私は……コードネーム『狂』」

 その名前を聞いた瞬間、妖夢はベンチから立ち上がった。

 

「本名、忍冬 彩。元チームトワイライト」

 

「まぁ、とりあえず説明は後にするとしてまずはやるか」

 そう言って俺は刀を構え直す。

 

「戦符《刀化》」

 そう言って指を擦り合わせるとシャキンと言う金属の音が聞こえた。

 

 全然鋭いようには見えないけど……あれか?鮫肌見たいな奴か?

 

 サメは一見ツルツルしてるように見えて実はザラザラしているらしい。……触ったことは無いけど

 

「石化はされないようにね。いつだって助けに入れるわけじゃないんだから」

 

「分かってるよ。でもさっきので膝まで石化しちゃったからやばいかも」

 俺自身はあまり役に立てないかもな。

 

「はぁ……とりあえずこれ使って」

 と何かを投げ渡された。

 

「これは……ローラースケート?」

 こっちにもこんなのあるんだ。

 

「それで頑張って」

 

 まぁ無いよりはマシだけど……

 

 そして今履いている靴を脱ぐ……

「って靴どうやって脱げばいいんだ?」

 そう、靴と足が石化して一体化してしまっているのだ。

 

 無理やり脱ごうとしたら足首から下が無くなってしまう。

 

 その時、視界の端にある物が見えた。

 

 そしてオーラが迫ってきたのでローラースケートをオーラに向かって投げる。

 

 するとローラースケートは石化してしまった。

 

 しかし俺はそれを気にせずあるものの所に瞬間移動してそのある物に乗る。

 

 そして地面を蹴る。

 

 そう。そのあるものとは

「チョコマカと」

 ローラースケートとは違って靴のまま乗れる。そう、スケートボードだ。

 

 子供用だから少し小さいけど乗れる分には乗れるから文句はあまり言えない。

 

 本当は膝も使いたいが足が動かせれば何とか動かせる。

 

「少し借りるぞ」

 そう言って石になってしまった子供を見る。

 

 これは絶対に勝たなくちゃいけない。

 

「なんかスケボーに乗る姿が様になってるように見える」

 そう言いながら観戦してる忍冬。いや、戦ってくれよ。

 

 実は昔、結構スケボーはやってたんだ。……だからブランクはあるけど体が覚えてたんだと思う。

 

 そして足を通してスケボーに霊力を送って壁に張り付く。

 そしてオーラを避けながら壁を走り抜ける。

 

「忍冬!」

 俺はぼーっとこっちを見てる忍冬の名前を呼ぶ。

 

「ん?何?」

 

「戦え!」

 俺はスケボーごと忍冬の元へ瞬間移動して頭にチョップする。

 

「ごめんごめん」

 

 そう言ってロイドに向かって走っていった。

 

「しっかりしてくれよ」

 

 そう言った次の瞬間、ロイドは蹴り飛ばされていた。そして全身に無数の切り傷が見られる。

 

「遅いよ?プロジェクト路異怒(ロイド)の作品さん?」

 

 初めて俺があいつの事を見て本気で感心した瞬間だった。




 はい!第48話終了



 次回の東方魂愛想は?

 忍冬対路異怒。

 そして裕太は京哉が倒され、どのような行動に出るのか?

 次回、第49話『怒り』



 それでは!

 さようなら


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第49話 怒り

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 裕太とロイドの戦い。

 しかし石化している裕太一人では勝てない。

 そこで彩が駆けつけてきた。

 さあ!ここからが本当の戦いだ!



 それではどうぞ!


side裕太

 

 何が起きたのか分からなかった。

 

 一瞬のうちにしてロイドが吹っ飛んで切り傷だらけになって……

 

 でもそれは多分忍冬の奴がやったんだろう。

 

 こいつはかなりの実力者だからな。確かに一番最初に会った時も凄いスピードで迫ってきていたな。

 

「それよりも……プロジェクト路異怒?」

 聞きなれない単語が出てきた。

 

 プロジェクトってゲームの世界でしか聞いたことないぞ。

 

「うん。こいつは人造人間路異怒のはず。以前研究室に忍び込んだ際にこいつのことが書いてある紙を見た」

 

 ロイドは人造人間だったのか……と言うかこんな古風な世界でそんな技術力のある人が居るんだな。

 まぁ、漠が作ったんだろうけど……

 

「オマエ……ツヨイ。セキカ、キカナイ」

 

「へぇ……あんた結構口が軽いんだね。そんな事簡単に話すなんて」

 

「ダケド」

 そう言うと忍冬に向かって走り始めた。

 

 それを見て忍冬は拳を構える。

 

「どっちの力が強いか勝負だ!」

 そしてロイドと忍冬の拳がぶつかり合う。

 

 すると一瞬にして忍冬が反対側の壁を突き破ってかなり遠くまで飛んでいってしまった。

 それを俺は呆然と眺める。

 

「トリアエズコレデテッシュウ」

 そう言った瞬間、ロイドは消えてしまった。

 

 テレポート装置でもあったのかな?

 

 ってそんな呑気なこと考えてる場合じゃねぇ。

 

 そして慌てて忍冬の元に瞬間移動する。

 


 

「痛い……」

 忍冬の元に着くと忍冬がそう呟いた。

 

 血は出てないけど服がボロボロになっていて目のやり場に困るような感じになっていた。

 

「それにしてもすごい飛んだな」

 と元いた方を見る。10軒位突き破って飛んできていた。

 

「あいつ……なんて馬鹿力。下手したらパワーだけなら漠以上。でも頭は弱いかな?」

 と冷静に状況分析する忍冬。

 

 そんな事してる場合じゃないと思うのは俺だけですかね?

 

「スピードは無いけど攻撃食らったらおしまいだね」

 そう言って起き上がる忍冬。

 

 そして起き上がって頭にハテナを浮かべる忍冬。

 

「なんでこっち見ないの?」

 純粋な目でこっちを見てきた。

 

 そんな目で見られても困るんですが……

 

 そして忍冬は自分の姿を見てから顔を赤く染めた。

「空頼君のエッチ……」

 そう言って体を抱き抱えるようにして俺から距離を置く忍冬。

 

「ち、違うわ!見てねぇから!」

 

「私の状況知ってるってことは見てるでしょ」

 直ぐにバレてしまいました。

 

 でもあまり見てないからな!忘れられないと思うけど……

 

 するとそこに走って妖夢が来た。

 

「ゆ〜う〜た〜さ〜ん〜」

 激おこの様子である。

 

 そして俺に近づいて来る。

 その威圧感に押されて後ろに下がる。

 

 やがて俺の後ろに壁があって下がれなくなってしまう。

 

「裕太さん。ちゃんと説明してくれますよね?」

 妖夢さんの仕舞っていない刀の刃がキラリと妖しく光る。

 

「はい」

 気がついたら口が勝手にそうハッキリと返事をしていた。

 

『あはははは。はぁーおかし、くくく』

 目に見えなくとも腹を抱えて笑っているのは分かる。

 こいつ……次俺がそっち行った時覚えてろよ!

 

 そう俺が精神少女に対して殺意を芽生えさせていると

「あはははは。くくく。空頼君ったら足ガタガタ震わせてんの。あははは」

 俺の視界の端で倒れ込んで腹抱えて笑っているバカが居た。完全に女の子がしてはいけない笑い方だ。

 

 それよりも

「やっぱ忍冬。お前を倒さなくちゃいけないと判断した」

 そしてサルベージで刀を取り出して忍冬に向ける。

 

「あ、殺る?殺り合いますか?私は大歓迎ですよ?」

 と言って立ち上がる忍冬。

 

「まぁ、冗談だよ。同盟を結んでいる間は戦う気は無いよ」

 俺っていつ忍冬と同盟を結んだっけ?記憶にございませんので誰か説明していただけませんか?

 

「取りあえず殴らせろ」

 そう言って足を踏み出すと誰かに掴まれた。

 

 その掴まれた手の主を睨みつけようとすると恐怖によって俺は目を丸くした。

「せーつーめーいー」

 またもや素敵な笑顔の妖夢であった。

 

 俺はすごい速さでその場で正座しようとした。

 しかし膝が石化しているため正座できない。

「妖夢。こいつは忍冬 彩っつーんだ。もうあいつらの仲間じゃないから安心していい」

 そして足を伸ばしたまま椅子に座る。

 

 そして足に触ると驚いた。

 

「若干石化が治ってきている」

 そう。先程までは足の付け根位まで石化していたのだが太ももの真ん中くらいまで石化が解けていた。

 そうか!この石化は時間で戻るのか。

 だが京哉の石化は解けてないみたいだ。霊力を感じられない。

 つまり完全に石化してしまうと解けないのか。

「くそっ!」

 と足を叩く。

 

「俺がしっかりしてれば京哉は……」

 そう言って何度も足を叩く。

 

 すると急に手を止められた。

「もうこれ以上自分を責めないでください」

 妖夢だった。

 優しく包み込む様に拳を抑えられた。

 

「裕太さんのせいじゃありません」

 妖夢はそう言ってくれるが、全く俺の気が晴れない。それどころか俺の心の天気は大荒れだぜ。

 

「空頼君。それ以上足を叩いたら壊れるよ。壊れたらもうどうしようもないよ」

 そう言ってスケボーを持ってくる。

 

「はい。だいたい膝まで解けてきたね。この分なら明日の朝には内部まで解けてるんじゃないかな?」

 それよりも

 

「目のやり場に困るしこれ着てろ」

 と俺の着てたパーカーを投げ渡す。

 

 そして冥界の自室までマイスペースを伸ばす。

 しかしさすがに自室の距離がギリギリか……

 そして自室から帽子をサルベージで持ってきて被る。

 

 普段、フードなんか被らねぇがフードが無いと落ち着かないから代わりに帽子を被るようにしている。

 

「妖夢。俺達は今、敵を倒すために動いている。しかし奴は強大だ。危険に巻き込みたくない」

 そう言って帽子のつばを掴んで深く被る。

 

「忍冬。洞窟に行くのは少し待っててくれ。京哉の奴を送り届けて少し挨拶してくる」

 さよならと言う挨拶を言いに行く。

 

 そして俺は京哉を抱えて飛び上がる。

「まって」

 忍冬に止められた。

 

「まさか……あんた。死ぬつもりじゃないよね。次にあいつに会ったら自分の命と引き換えに倒すつもりじゃないよね」

 そう言って睨みつけてくる。

 

「もしその気ならやめな。周りの人が悲しむよ」

 その忠告を俺は「ふん、」と鼻で笑ってやった。

 

「俺は元々余所者。妹は俺が居なくなったら適当な事言って誤魔化しといてくれ」

 そう言うと「ふざけないで」と言う声がボソッと聞こえた。

「ふざけないで!!」

 ボソッとした声が今度は怒声となった。

 

 その声の持ち主は普段あまりそんな声を出さない妖夢だった。




 はい!第49話終了



 それでは前回のあらすじ

「ふざけないで!!」
 怒号が響き渡る。

 そして
「あなたにどれだけ口で言っても信じないと思うので行動で示すことにしました」
 果たしてその行動とは?

「ケリを付けてきますよ。この異変に」

 次回、第50話『思い』



 それでは!

 さようなら


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第50話 思い

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今日は何の日か知っていますか?そうバレンタインです。

 作者は今日は何も無い日ですがチョコを貰えた人はおめでとうございます?

 え?本音ですか?それは言えないですね〜。



 それでは前回のあらすじ

 路異怒と彩の戦いは決着がつかずに終わる。

 そして彩は漠よりも路異怒の方が力が上だと言う。

 そして京哉が石化され怒った裕太は果たしてどうするのか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

「ふざけないで!!」

 怒声が辺りに響き渡る。

 

 俺はその声のした方を向くとそこには妖夢が居た。

 

 妖夢の怒声を聞くことはあまり無いため、俺は怯んでしまう。

「裕太さんは自分のことをどう思っているかは知りません」

 そしてスーッと飛んできて俺の前まで来る。

「ですが、あなた自身の評価が全てだとは思わないでください」

 そして俺の胸に抱きついてくる妖夢。

 突然の事で頭が真っ白になった。

「もうあなたを不必要と思う人は居ないはずです。少なくとも私は……」

 そして俺の胸に抱きつきながら俺の顔を見てくる。そのため顔が物凄く近くなる。

「裕太さんは優しいです。口調はあまり宜しくないし、言うことは聞かないし……でもあなたは仲間がピンチに陥ったら命を投げ出してでも助ける人です」

 そして思い出しているのか上を向いた。

 

「裕太さんは私があまり食事を取らず修行に明け暮れていた時、おにぎりを作ってくれました。私、とっても嬉しかったんですよ」

 そんなこともあったな。俺も思い出す。

 

 根詰めてそうだから俺は少しでも支えになればいいと思っておにぎりを作った。

 

「そうか……そりゃ良かった」

「裕太さんがあの時来てくれなかったら倒れていた自信すらあります」

 そんな自信を持たないでくれお願いだから。

「でも自分勝手なところは目に余る物がありますね」

 とウィンクしながら揶揄(からか)うように言ってきた。

 

「ですが、それも全て幻想郷を救うため……ですよね?」

 そしてまた俯いて俺の胸に頭を埋めてきた。

 

「でも急に呼び出されたのにも関わらず命をかけるのは凄いと思います。普通は出来ませんよ」

 褒めちぎってくる妖夢。

 

 命をかける……か。昔の俺に伝えたら信じないだろうな。

 

 こっちに来てから俺はおかしくなった。思考もこっちに来てから変わってしまった。

 

 だから俺は来るべきじゃなかったと思っている。

 日陰の者の俺には眩しすぎたんだ。この全てを包み込む楽園(幻想郷)は……。

 

 そんな俺は妖夢の言葉にただ俯くしか出来なかった。

 

「裕太さん。裕太さん自身は自分の事。どう思ってるんですか?」

 俺自身だと?

 

「何故そんなことを」

「裕太さんは誰にも認めてもらえてない的な事を言っていたので言葉では信用しないと思います」

 そう言って俺から数メートル離れる妖夢。

 

「なので行動で示すことにしました」

 そう言って妖夢は微笑んだ。

「行動ってなっ」

 俺が喋ってる間に俺に近づいてきた。

 そして頬に柔らかい感触が

 

 数秒後、俺の頬から柔らかな感触が無くなった。

 

「これで信じてくれますか?」

 

 俺の思考は完全に停止していた。

 

『oh……』

 理華も何故かバグっていた。

 

 俺の頭の中は色々な考えが滅茶苦茶に飛び交っていた。

 そして一つの考えにたどり着いた。

 

 今のってキスって奴だよな?そう考えた瞬間、顔が赤くなっていくのを感じた。

 

「私は自分の事を犠牲にしようとするくらい仲間の事を思って行動するあなたが好きです。でも身を投げようとするところは嫌いですけどね」

 またもや俺の思考は停止した。

 

『裕太君……おーい』

 理華のその声にも反応出来ずに多々呆然と立ち尽くしていた。

 

「空頼君が固まった。こりゃ珍しい」

 それもそのはず。適応力には定評のある俺なのだからそう簡単に固まるなんてことは無いのだ。

 その俺が固まった。それくらい衝撃的な言葉だった。

 

「裕太さん」

 と両手で両肩に触れてきた。

「ひゃい!」

 呼ばれた事でやっと戻ってこれて変な返事をする。

「私、本当に好きなんです。裕太さんの事。本当に」

 とまた同じ事を言ってきた。しかし今度はもう固まらない。

 そして俺はこう返した。

「ダメだ」

 と冷たく。そう言った。

 その瞬間妖夢が崩れ落ちた。

「そう……ですよね。私みたいな人に好かれても困りますよね」

「ごめん」

 そう言って俺は妖夢の横を通って冥界に向かう。

 

『本当に……これで良かったの?』

 

「ああ、これで良いんだ。それに」

 

『それに?』

 

「いや、なんでもない。んじゃとっとと届けますかね!」

 そしてさらに速度を上げて冥界に向かった。

 


 

「久しぶりだなここに来るのも」

 そして面倒臭い階段を飛んで回避して白玉楼に向かう。

 

『裕太君。それが君の選んだ道なら私はもう何も言わない。だけど本当に後悔しないんだよね?』

 

「うるせーよ!さっきから!俺がいいと言ってるんだ!」

 執拗(しつこ)いぞこいつ。

 

 俺が飛んでいる間もこうやって言ってきていたんだ。

 

『それにの先を話してくれないとまだまだ言うよ』

 なんて面倒臭いやつなんだ!俺がなんでもないって言ってんだからスルーしろよ。

 

「はぁ……。それに……妖夢と俺とじゃ釣り合わないしな」

 言った。

 

 誤魔化した部分を言った。

 

「俺は自慢じゃないが、俺が元きた世界では不良のレッテルを貼られていた。対して妖夢は容姿端麗、家事万能の完璧美少女。な?釣り合わないだろ?」

 そう言って白玉楼へどんどん向かっていく。

 

 これでいいんだ。妖夢の為にもこれが一番なんだ。

 

「ただ今戻りました」

 白玉楼の扉を開けて中に入る。

 

 入ると直ぐに歩美と幽々子が出てきた。

「おかえり!おに……いちゃん」

 歩美は絶句した。

 

 だって俺の足が一部石化してしまっていて、更には京哉は完全に石になってしまっているからだ。

 

「京哉を頼みます。壊さないであげてください。俺の大切な親友ですので」

 と幽々子に手渡す。

 

 そして直ぐに踵を返して元来た道を戻ろうとする。

 

「どこに行くの」

 幽々子が聞いてきたため俺は笑顔で言った。

 

「ケリを付けてきますよ。この異変に」

 そして瞬間移動で忍冬の所に戻る。

 

 そう。これが一番いいのだ。

 

 俺は不良。妖夢は完璧。釣り合うわけなんかない。

 

「妖夢。お前の勇気、思いに免じてさよならは言わないでおくぜ」




 はい!第50話終了

 遂に妖夢が裕太に告白しましたね。

 しかしばっさりと断りました。でもそれは妖夢のことを考えてのことだったんですね。

 果たしてこれからどうなるのか?



 次回の東方魂愛想は?

 忍冬の家に帰る2人。

 そして理華からあと一つ潜在能力が開けられることを知る。

 そして忍冬の才能。

 次回、第51話『Death or DieならLIVEを選ぼうかな?』



 それでは!

 さよなら


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第7章 意思の力対石の力 第51話 Death or Dieならexistを選ぼうかな?

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 怒る妖夢。それは裕太の自己評価の低さによるものだった。

 そして裕太を必要とする人がいることを証明するため裕太に告白。
 しかし裕太はその告白をばっさり断った。

 果たして裕太は異変を解決できるのか?

「ケリを付けてきますよ。この異変に」



 それではどうぞ!


side裕太

 

「さぁ帰ってきたぞ忍冬。帰ろうか拠点に」

 そう言って忍冬の手を引いて飛ぶ。

 

「私の家なのだけど?拠点って……」

 そうだったな。じゃあ忍冬の家に帰ろう。

 

 おどけていながらも俺は悔しかった。

 

 あのロイドに対して何も出来なかったことが……

 

 そして京哉まで……

 

『裕太君。実はあと一つ開けられる潜在能力があるんだよね』

 そう語りかけてきた。

 

 そのセリフは俺にとって甘い誘い。悪魔の誘いに聞こえた。

 魅力的すぎるのだ。

 

 でも、それをして勝ったとしても誇れるのだろうか?

 

『まぁ、私も気になるんだよね。この能力はなんなのか』

 そう優しい口調で言った。

 

『ロイドを倒すために開けてみる気は無い?』

 ロイドと言う言葉が聞こえた途端、俺の中で葛藤していた思考も定まった。

「石化が治ったらな」

 誘惑に負けてしまった……

 

 ロイドを倒したいという心が俺をそうさせた。

 

「さっきから空頼君。何独り言を言ってるの?」

 昔、誰かに同じ事を聞かれて誤魔化した覚えがあるぞ?デジャブって奴だな。

 

 取りあえずどうやって誤魔化すか……

 

 1、本当の事を告白する

 2、告白して誤魔化す

 

─※─※─※─想像─※─※─※─

 

『俺の精神の中に女の子が入り込んでさ、それでその子と話してたんだ』

 

『近くのいい精神科を紹介するよ?』

 

『いや、要らないよ』

 

『遠慮しなくて良いから!』

 

『本当に要らないんだって!』

 

─※─※─※─想像 終─※─※─※─

 

 忍冬にまで病人扱いされた。

 

 しかも精神異常者として……狂戦士(バーカーサー)のお前にだけは言われたくないわ!

 

 取りあえずもう一個も想像しよう。

 

─※─※─※─想像─※─※─※─

 

『俺、忍冬の事が好きな』

『取りあえず斬っていい?斬っていいよね?』

 食い気味に殺害宣言された!

 

『いやいや、どうしてそうなる!』

 

『盛大に振った直後、私に告白してくるとはね〜。ちなみに私は君が好きなわけじゃないからね?』

 

─※─※─※─想像 終─※─※─※─

 

 想像の中でさえ振られる俺。悲しすぎる。

 

「まぁ、大方君の中に流れてる神の気配と関係があるんじゃないかな?まぁ、どうでもいいけどね」

 ああ、良いのか。こいつの考えは良くわからん。

 

 取りあえず俺の知り合いの中で一番の不思議ちゃんと言っても過言ではないだろ。

 

「取りあえずまずはあの刀を取りに行かないとね。路異怒もいいけど第一は漠を倒すことだからね?」

 そう。俺はロイドの件で頭に血が上って忘れかけていたが、俺達の目的は洞窟の奥にある伝説の刀を手に入れて漠を討つ事だからな。

 

 漸く当初の目的を思い出した俺。

 

「取りあえず石化を直して……直ぐに出発しようかな?」

 休む暇すら与えてくれない忍冬さん。MJ(マジ)K(鬼畜)

 

「あー。今失礼な事を考えた〜。そんな人にはプレゼントしようかな?」

 

「プレゼントってなんだ?」

 

「選んで。Death or Die」

 やっぱり死or死だった!予想的中。やったね!

 

 こういう時はこう答える。

「間をとってexistを取ろうかなっ!」

 言い終わると共に石ころが目の前を通過した。殆ど見えないくらいのスピードだった。

 

 危ない。もう少し前に居たら当たってたな。

 

「まぁ、空頼君ならそう言うと思ったよ」

 そう言って急降下したと思ったらもう地底に続く穴に着いてたらしくてその穴に入っていった。

 だから俺もそれに続いてその穴に入っていった。

 


 

「取りあえず晩御飯作るよ。何食べたい?」

 

「なんでもいいよ」

 俺は本を読みながらそう言った。

 

 さっき、俺の本棚の中にあった本を何冊か頂戴してから来たのだ。

 

「なんでもいいって答えが一番困るんだけどな〜」

 そう言って冷蔵庫を開けて考え込む忍冬。

 

 そう言えば妖夢は今頃どうしてっかな……

 

『裕太君。思ったより石の回復が早いんじゃない?』

 急に言葉を発したと思ったら突然そう行ってきた。

 

 確かに見てみると表面は殆ど回復していた。これも乗り越える力のお陰なのだろう。

「ずっとこのままだったらどうしようかと思ってたからな。良かった良かった」

 そして膝を曲げて伸ばす。

「ほら、膝も曲がるようになった。膝の中も解けたって事だな」

 

『それは良かった』

 そんな話をしていると俺の目の前に料理を置かれた。

 

「お。美味そう」

 

「活力を付けないといけないからね。レバニラ炒めだよ」

 レバーって癖があるからどうだろうか?

 

「いただきます」

 そう言って一口食べると目を見開いて驚いた。

 

「天才だ」

 

「そりゃどうも」

 実は外の世界でレバニラ炒めを食べた事があるから分かるがレバーの癖が少し苦手だったのだが、その臭みを全く感じない。

 

 とても美味いです。

 

「さぁ、それ食べて明日に備えよう」

 そして料理も食べ終わって……ある問題が発生した。

 

 それは

「さてどこで寝るかだが……」

 そう。ここは元々忍冬1人で暮らすための一軒家。ベッドや布団がもう一セットあるわけでも無ければそれを置くための部屋もない。

 

「私がソファで寝るよ」

 

「いやダメだ」

 即忍冬の言葉を一刀両断した。

 

「どうして?空頼君がベッドで」

「それはダメだ!それだけは!」

 女の子のベッドで寝るとか俺が恥ずかしいんだ。

 

「そう。じゃあ私がベッドで寝るって事で良いの?」

 

「ああ」

 

「そう。それじゃおやすみ」

 そう言って部屋に戻って行った。

 

 それじゃ俺も寝るかな?




 はい!第51話終了



 次回の東方魂愛想は?

 目を覚ました裕太は幽斬剣との思い出を振り返る。

 それによって裕太は空斬剣を手に入れて使うことになっても幽斬剣は捨てないと誓う。

 そして遂に洞窟に!?

 次回、第52話『思い出の刀』



 ちなみにexistの意味は生きるです。

 それでは!

 さようなら


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第52話 思い出の刀

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 遂に今日、この小説の一周年です!ぱちぱち!

 何するかと言うと今日、この小説を2話投稿します!

 今年からなので去年までは無かったですね。

 午前と午後で同じ時間に投稿します。



 それでは前回のあらすじ

 忍冬と共に帰る裕太。

 その途中でもう一段階潜在能力があることを知る。

 そして忍冬の飯が美味すぎる件について



 それではどうぞ!


side裕太

 

 ん?朝か……

 

 瞼を通して感じる光によって目が覚める。

 

 目が覚めるとやはり忍冬の家なんだなぁと感じた。

 

 足を見てみると完全に石化は解けており、指先まで自在に動かせるようになっていた。

 

 そして靴も脱げるようになっていた。

 

 ちなみに土足厳禁だから上がる時は靴に新聞紙をぐるぐるに巻いて上がったからそこは安心していい。

 

『おはよう。裕太君』

 俺の朝一の挨拶は毎回こいつに奪われる運命にあるのか。

 そう思いながら俺は「おはよう」と言った。挨拶を返さないのは人としてどうかと思うからな。

 

『石化。治ったみたいだね』

 どうやって俺の姿を把握してんだよ。誰も口に出して言ってないだろ。

 

『潜在能力……要る?』

 それはまぁ、要るって言ったから貰っとくが……

 

「ああ、頼む」

 そう言った瞬間、いつぞやの様に体が熱くなってきた。

 

 潜在能力を解放する時、多少なりとも体に負荷がかかるらしい。

 その負荷が熱として現れているんだ。

 

「今回の能力ってなんだ?」

 

『今言ってもいいけど、それじゃつまらないからね。ヒントを上げよう!』

 ヒントか……クイズは苦手だからな……。まぁ、良いや。ドンと来い!

 

『ヒント!結構戦闘に使えるんじゃないかな?』

 戦闘か……。

 

 現在の俺は力になる系の能力が2つ、万能のが1つで火力が足りなかったから攻撃系の能力なら有難い。

 まぁ、回復系でも有難いけどな。

 

「そうか……」

 しかし一気に二個解放した時の熱さが熱すぎてこれはあまり熱くなく感じる。

 

『ねぇ、君は刀の事。どう思う?』

 

「通過地点だ」

 俺は熱から解放されたあとの脱力感に浸りソファに身を委ねていた。

 

 そして刀を見る。

 

「幽斬剣だ。こっちに来て奴らに対抗するために貰った刀だ。この刀には色々と思い出があるんだよな」

 と手に取って刀を鞘から抜いて見る。

 

 そして若干刃こぼれしてきているのを感じたから刀を研ぐ。

 

「妖夢と手合わせをしたり、敵と戦ったり。忍冬と戦ったりしたこともあったな。まだ狂として接してた頃が懐かしいような気がする。まだ一日しか経ってないけどな」

 そして持ち手の部分を撫でる。

 

「こっちに来てからの全てが俺の大切な思い出であり宝物なんだ。フランの事をレミリアに頼まれた時は無理げーだとか思ったこともあったさ。でも今となってはいい思い出だ」

 全てこの刀が持ってきてくれた物だと言っても過言ではない。

 そう思うくらいこの刀には感謝している。

 

 だから恐らく俺がその刀を使うことになろうともこの刀を捨てることは絶対にないだろう。

 

 確かに京哉の事は残念だけど妖夢が言うように俺を必要としてくれてる人がいる可能性があるから俺は白玉楼にさよならを言わないで来た。

 

 やっぱりこう思うって事は未練タラタラなんだろうな。妖夢にああ言ったこと。

 

「空頼君。結構根は良い人なんだね。知ってたけど」

 そう言って忍冬が寝室から出てきた。

 

 え。今の会話、もしかして聞かれてた?

 

「私との事も思い出にしてくれてたとは嬉しいな」

「うわぁぁぁっ!」

 恥ずかしすぎる。何これ。新手の拷問?

 

「まぁ良いや。取りあえず朝ごはんを食べた後、出発するよ。腹が減っては戦ができぬって言うくらいだしね」

 そう言って忍冬は朝飯を作りに行った。

 

 さて、死のうか。恥ずかしすぎるから。

 

『やめて。妖夢ちゃんが悲しむからだから首に突き付けた刀をそっとテーブルの上に置いて!?』

 妖夢が悲しむって言う言葉に負け、俺は素直に刀を手放した。

 

 さぁ、食べ終わったら戦闘開始だな。

 


 

side無し

 

 とある場所。その中に二人の男が居た。

 

「路異怒の実力は想像以上だな」

 

「僕の考えは当たっていたようだ。あの少年はまるで相手にならない。狂の奴も攻撃を与えれれば勝てそうだな」

 ニヤリと笑う男。それに釣られてもう一人の男もニヤリと笑う。

 

「タダイマ、モドリマシタ」

 そんな時、路異怒がやってきた。

 

「路異怒。お疲れ。データは取れたか?」

 男がそう聞くと路異怒は一枚の紙に掌を翳すと急に紙に色々と浮かび上がってきた。

 

 グラフや文章がぎっしりと詰まっていた。

 

「これがあの男のデータ。やはり相手にはならんな。あの時の感じはやっぱり気の所為だったのか?」

 そして男は紙を見て考える素振りをする。

 

「まぁ、どちらでもいい。路異怒にはどうせ勝てないからな」

 

「そう言えば漠様。奴ら、例の刀を手に入れるためにあの洞窟行くみたいですよ」

 と眼鏡をキラリと光らせながら言った。

 

「そうか。なら路異怒。お前がアイツらに地獄を与えてこい」

 そう言うと路異怒は

「リョウカイシマシタ」

 そう言ってテレポートする路異怒。

 

「お前らは妖怪に食われて死なないから安心しろ。何故なら、食われる頃には……死んでいるからな……くく。はーっはっはっはっ!」

 


 

side裕太

 

 はいどうも裕太です。恐らく主人公から一番程遠いいと思われる人物、空頼 裕太さんですよー。

 

 今現在、人生最大の恐怖を味わっております。

 

 今は忍冬に連れられて洞窟の入口にいるんだけど、なんかうめき声みたいなのが聞こえてきてんだよね。

 

 あーもう嫌だ。入りたくない。

 

『ここで頑張れば妖夢ちゃんを助けられるかもしれないから頑張ろう!』

 

「よーし!空頼さん。ちょっと頑張っちゃおうかな!」

 

「君って……ちょろいよね」

 

「放っとけ」




 はい!第52話終了



 次回の東方魂愛想は?

 洞窟に潜入。

 そこで最強レベルの妖怪らと戦うことになる。

 果たして裕太は無事、刀を手に入れられるのか?

 次回、第53話『最強レベルの妖怪』



 それでは!

 さようなら


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第53話 最強レベルの妖怪

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 一周年記念の2本目です!

 それでは行きます!



 それでは前回のあらすじ

 刀を見て思い出を語る裕太。

 そして幽斬剣はどんな事があっても捨てないと誓う。

 そして一方、路異怒等も動き出した。

 果たして裕太は無事、刀を手にいられるのか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 どうも裕太です。俺は今現在恐怖で怯えています。

 

「奥に行く程、うめき声みたいなのが大きくなってってんだよな……」

 

 俺は刀を杖替わりにして前に進む。

「あれれー?怖いの?」

 

「こここ、怖かないわ!」

 声が震えているので自分でも説得力ないと思う。

 

「それよりさっきから気になってたんだけど、どうして上を歩いているんだ?」

 実は忍冬は暇だからといって天井を歩いているのだ。

 

 しかもスカートなのに何故かめくれないという不思議な状況だ。

 

 あれ、どうなってんだ?

「楽しいよ?」

「遠慮しておく」

 取りあえず即答しておく。

 

 あれは霊力で天井にくっついているらしい。

 ずっとやってると残量が大変なことになりそう。

 

 その時

「何かがすごいスピードで走ってきてるぞ」

 そういった次の瞬間、忍冬に何かが飛びかかった。

 

「ぐっ!この!」

 あれは犬っぽいような……でも頭が二又になってる。

 

 まさかあれは

「ケルベロス!」

 みんなご存知、有名なケルベロスさんですね。

 

 そのケルベロスはヨダレを垂らしていかにも俺らを食う気満々だ。

 

「このクソ犬!」

 忍冬はケルベロスの下敷きになって動けない。

 

 あれじゃ食われちまう!そう思って俺は刀を抜いてケルベロスに切りかかる。

 

 そして思いっきり刀を振り下ろすと鋼鉄のものを思いっきり叩いたかのような衝撃が走った。

「かった!皮膚硬すぎるだろ!」

 そして見てみるとケルベロスは無傷だった。

 

 何これ。なんのドッキリですかね?生物が超合金並の硬さとか言わないですよね?

 あ、妖怪だったわ。あはは。

 

 霊とか妖怪に対して相性のいい刀なんじゃなかったのかよ!

「ぐぉぉっ!」

 そして俺を引っ掻こうとしてくる。

 

 それを刀で受け止める。

 

 重い。重すぎる。取りあえずアフリカゾウに全力で踏まれたくらいって言った方がわかりやすいだろうか?踏まれたことないけど……

 

「くっ!」

 やっぱり無理があったんじゃないのか?刀を手に入れるなんて……

 

「このやろー!」

 俺がそう叫んだ瞬間、俺を踏みつけた足から順に凍り始めた。

 

 そして完全にケルベロスは氷の塊と化した。

 

「これは!」

 急に凍りついた。

 

 まさかこれが理華の言っていた能力。

 

 確かにこれならいける!

 

「おー。凄い」

 とケルベロスの下から出てくる忍冬。

 

「空頼君が居なかったら死んでたよ」

 そしてハグしてこようとするがそれを俺は華麗に回避した。

 

「先行くぞ」

 

「はぁい」

 俺が面倒くさそうに言うと忍冬は後ろから着いてきた。

 


 

「さっきからあちらこちらからでかい妖力を感じるんだよな……。所々に吸血鬼であるレミリアやフランと同等かそれ以上の奴もいる」

 俺は敵感知をしながら慎重に進んでいく。

 

 反対に、俺の隣にいるやつはやる気あんのか?

 

 俺の隣をおにぎり食いながら歩いているやつの神経がしれねぇ。よくこんな状況で飯が食えるな。

 

 そう考えているとおにぎりを食べ終わり、次はパンを取り出した。

 

 さっきから気になってたけどそのカバンの中には大量の食い物が入ってるんじゃないだろうな?

 

 そして一瞬前方を見る。

 

 もう一回忍冬を見ると牛丼を食っていた。

 

 なんだ……牛丼か……。そう思って前を見るも直ぐに忍冬の方を見て目を見開く。

 そう。The・二度見である。

 

「何食ってんだ」

 

「お腹すいたから」

 よくこんな状況で腹減ったとか言えるよな?俺は強い妖怪を感知してずっと気が張ってるのに。

 こいつが暇で居られるのは俺が妖怪の居ないルートを模索して進んでいるからだということを忘れんなよ。

 マイスペースもかなり疲れるんだからな。

 

「お前ってよくそんな入るよな。その体型で」

 

「すぐお腹すいちゃうんだよね」

 

「お腹空くって……朝もご飯5杯、味噌汁8杯食べておかずも俺の三倍位の量を平らげてきたじゃねぇか」

 この1日2日でわかったこと。忍冬の胃袋もブラックホール。

 

「それはそれ。これはこれ」

 

 どう違うのかは分からないが、もう考えても仕方が無いので裕太は考えるのをやめた。

 

「ちっ。どのルートも妖怪がいやがる」

 しかもどの妖怪も今まで出会った妖怪よりも強い最強レベルの奴らばかりだ。

 

「忍冬。お前はどうする?」

 俺がそう聞くと口の中に含んだ飯を飲み込んで壁をノックし始めた。

 

 すると甲高い音がする場所を見つけた。

 

「ここを掘ろう」

 忍冬がそう言ってきた。

 

 でもここの洞窟は全て鉄で出来てるから

「無理だ。掘れない」

 そう言うと忍冬はバッグからガスバーナーを取り出した。

 いや、だからなんで持ってんだよ。

 

 そして一点をガスバーナーで炙り始めた。

 すると徐々に赤くなる壁。

「これくらいかな?よし、空頼君。さっきの氷のやつやって」

 そう言われたので意味もわからず能力で赤くなった場所を冷やす。

 

 少し試して分かったのだが、俺に(間接的にでも)触れていれば凍らすことが出来る。

 それと俺のマイスペース以内ならどこでも凍らせることが出来るらしい。やっとチートらしくなってきた!

 

 すると壁にヒビが入った。

 その壁を思いっきり忍冬が蹴ると壁は木っ端微塵になった。

 

 そして奥を見てみると広い空間になっていた。

 

「あれじゃない?」

 見ると台座に刀が刺さっていた。

 

「カッコイイ」

 そう言って忍冬が近づくと目の前に液体が飛んできた。

 

 そして飛んできた方を見るとそこには蜘蛛が居た。

 

「久しぶりの肉」

 そう言って蜘蛛は唇を舐めた。

 

「あ、あれは」

 忍冬も怯えているようだ。

 

 そりゃそうだ。こんだけの妖力。怯えない方が無理がある。

 

 とてつもない威圧感だ。

 

「人間。私の食料となりなさい!」

 

 忍冬は絶句し、言葉をやっとの思いで吐き出す。

「あれは!女郎蜘蛛だ!」

 

「キシャー!」




 はい!第53話終了



 次回の東方魂愛想は?

 遂に女郎蜘蛛との戦い。

 果たして裕太と彩は女郎蜘蛛に勝てるのか?

 自分よりも強い相手なら策略で戦え!

 そして
(これはあの時の!?)

「じいちゃん、ばあちゃん。まだ俺はそっちには行くわけにはいかない!」

 裕太対女郎蜘蛛。果たして勝つのはどっちか?

「ありがとうな。幽斬剣」

 次回、第54話『守りたい』



 それでは!

 さようなら


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第54話 守りたい

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 洞窟を歩く裕太達の前にケルベロスが現れる。

 そのケルベロスをやっとの思いで倒すものの、さらに強い妖怪達が沢山いる。

 その妖怪を避けるために横道を開けるとそこは広い空間になっていた。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「キシャー!」

 そう声を上げてゆっくりと歩いてくる。

 

 こいつは今まであった妖怪とは桁違いだ。それは忍冬も感じていることだろう。

 

 女郎蜘蛛は恐らくこの洞窟で最も強い妖怪だ。

 

 以前、人里の図書館で読んだ文献によれば確か、肉食の猛毒を持った妖怪だ。

 その毒は一瞬にしてそこら一帯を死の土地に出来るくらいらしい。

 

 触れただけで死ぬ場合もある。

 

 そしてその毒が歯にもあるから噛まれたらジ・エンドだ。

 

「参ったな。今までこんな最悪の状況、経験した事が無いぞ」

 それに忍冬も頷く。

 

 なんて無理ゲーなんだよ。

 

 そして脳裏に浮かぶのは死のみ。だがそんなネガティブになっても居られない。

 

 取りあえず刀を抜く。

 

 俺の能力が奴の毒にどれだけ効くかは分からないが、やって見ねぇことには始まらねぇよな。

 そう考え、思いっきり地面を蹴って走り出す。

 

「空頼君!」

 その叫び声が後ろから聞こえるが、知ったこっちゃない。

 今は必死に戦うだけだ。

 

 そして刀を構えて女郎蜘蛛を斬る。が、しかし刃が全然奴の体を削らない。

 硬すぎるのだ。

 

「またかよ……はは」

 そして女郎蜘蛛は俺を睨みつけてきた。

 

「はは。ダメだこりゃ」

 そして必死に走るも、女郎蜘蛛に服を噛み切られる。

 

 大事な服だったのにとか言ってる場合じゃない。

 

 即座に噛まれた周辺の布地を刀で切り落とす。

 

 皮膚に着いてしまったらどうなるか分かったもんじゃねぇからな。

 

「硬ぇな……」

 そして俺は先程手に入れた能力を発動させる。

 

「氷符《アイスロック》」

 すると女郎蜘蛛は足先から凍りついていく。

 

 凍れ。凍ってしまえ!と思いながら能力をかけ続ける。

「こ、この!う、動けない……」

 そして完全に凍りついてしまった。

 

 それを見て安堵する。そして

「空符《アイスブレイカー》」

 そして氷の中に含まれている空気を膨張させる。

 

 そして遂にバリィィン!と氷が完全に粉々になった。女郎蜘蛛ごと。

 

 勝った。そう思った瞬間、「キシャー!」と天井から女郎蜘蛛が降ってきた。

 倒せていなかったのだ。

 

 それを見た俺は一目散に逃げ出したのだが左腕が食われてしまった。

「ぐあぁぁっ!」

 と腕が無くなった肩を抑えながら地面を転がる。

 

「ひっひっひ……お前はもう終わりだ」

 肩がビリビリと痛み出した。

 

 焼けるような痛みを実感した。

 

 猛毒。俺の能力でも抗えねぇってのか……

 

 走馬灯が見えてきた。

 

 俺のじいちゃんとばあちゃんが川の向こうで手を降っている。

 じいちゃんとばあちゃんが居るってことは安全なのか?

 そう思って川を渡ろうとする。

 

 その時、何故かある人物の顔が思い浮かんだ。

 何故その人の顔が浮かんだのかは知らないが、それが思い浮かんだら何故か足が動かなくなった。

 そう。俺の意志に反して足が歩むのを止めたのだ。

 

 行ってたまるか。足がそう叫んでいるようだった。

 

 じいちゃん。ばあちゃん。俺はそっちには行けない。そう心の中で言って反対方向に走り出す。

 

 するとどこからともなく声が聞こえてきた。

「起きなさい!アンタの力はその程度だったの!?」

「目を覚ませ裕太!お前の乗り越える力を見せてみろよ!私達に」

 忍冬の声が聞こえた後に理華の力強い鼓舞の声が聞こえてきた。そして

「裕太。あんたは良い仲間を持ったね」「達者で生きろよ裕太」

 と言う優しい声が聞こえてきた。

 その声が聞こえた瞬間、涙が出てきた。

 

 じいちゃん。ばあちゃん。俺はまだやり残した事がある見てぇだ。だから

 そして視界が急に変わり、閉じていた目を開けて体を起こして右手で刀を持つ。

「ひと仕事、しますかね!」

 そして刀を右手だけで構える。

 

「空頼君!」『裕太君!』

 驚く声が聞こえてきた。

 

 そして何故かさっきまで焼けるように痛かったのが全く痛くねぇんだわ。あれか?アドレナリンって言うやつか?

 

 兎にも角にも俺はここに立って生きている。それが何よりも重要な事実。

 

「さて、女郎蜘蛛。そこを退いてくれるかな?」

 そして力強く睨む。

 

 裕太は知らなかったが、また目が金色になっていた。

 

 すると女郎蜘蛛は一瞬ふらついた。

(今のは……あの時の)

 

『南京錠の扉が暴れてるよ!』

 

 そして俺は刀を持って走る。

 

「何度やっても同じことよ!」

 そう言って糸を俺に飛ばしてきた。

 

 そして俺は糸の中を突っ切る。

 

 すると何故か糸が俺を避けるように飛んで行ったため俺に一切糸が付かなかった。

「ば、馬鹿な!」

 そして俺は女郎蜘蛛とすれ違うように女郎蜘蛛を斬る。

 

 すると数秒遅れて足から血が噴射した。

「こ、こいつ!」

 と噛み付こうとして来たので俺は頭を踏みつけるようにして回避する。

 

「忍冬!殺るぞ!」

 そういうと忍冬は頷いて手を前に突き出した。

「MAXモード」

 そう言うとどこからともなく例の大剣が飛んでくる。

 いつも思うけどどこから飛んできてるんだろう。ここは洞窟だし。

 

 そして忍冬は例の如く親指を噛んで血を出してその状態で大剣を握る。

 すると大剣は鎌になる。

「さあさあ!ブラッドパーティーの始まりだよ!アハハ」

 例の如く狂戦士化する忍冬。本当にこいつのコードネーム狂ってこいつに相応しいなと思う。

 

「しかしどう頑張ってもお前らは私には勝てないよ!」

 その言葉を無視して忍冬と共に走り出す。

 

「行くぞ忍冬!」

 

「わかった!」

 そう言って忍冬とクロスするように女郎蜘蛛を斬った。が、

「浅い!」

 そう。浅いのだ。

 

 どんだけこいつの体、固いんだよ。

 

 すると俺は女郎蜘蛛に掴まれてしまった。

「空頼君!」

 

 そして助けようと来る忍冬。

「来るな!」

 その助けを断る。

 

 ここで忍冬まで来てしまったら忍冬も恐らく殺される。それじゃ、誰が漠を倒すんだよ。

 

 そして俺は女郎蜘蛛に丸飲みされた。

 

 そして目を閉じる。

 瞬間移動しようにも手に触れているものはなんでも一緒に瞬間移動するから女郎蜘蛛も一緒に瞬間移動するから抜け出せない。

 

 すると喉に触れてみて思った。

 あれ?なんか柔らかい……

 

 そうだよ。忘れてた。

 

 肉体を鍛えて体を固くできる。なら鍛えられない場所はどこだ!?

 そうだよ。体内だ。体内だけはどうやっても鍛えられない。

 

 幸にも刀ごと飲み込まれた。なら!

 


 

side彩

 

 目の前で空頼君が殺された。

 

 丸呑みされて……

 

「何も出来なかった。また、守れなかった」

 そう。私は以前、大切な人を失った事がある。

 

 だから守りたかった。あの時、仲間だと言ってくれた空頼君の為にも……

 

 そして膝をつく。

 

 もう。何もかもがどうでも良くなってしまったのだ。

 

 漠を倒したかった。だけど私達はこの蜘蛛に勝てなかった。

 

 残念だけどしょうがない。これが運命だったんだ。

 

 すると急に女郎蜘蛛が苦しみ出した。

「ぐおぉ!ごがが!ぐはぁ!」

 と女郎蜘蛛は吐血した。

 

 どうして

『忍冬!』

 どこからともなく空頼君の声が聞こえてきた。

 

 どうして空頼君の声が

『今は直接脳内に声を送り届けている』

 そうか。空頼君の能力ならできる可能性がある。

 

『とにかくだ。こいつをどんな方法でもいいから高温に熱しろ』

 でもそんなことをしたら空頼君まで

 

『いいから早く!』

 急かされたので私はガスバーナーを取り出す。

 

 そして実は相手を焼き殺すために持ってきたガソリンを取り出す。

 

 それを思いっきり女郎蜘蛛にぶっかける。

 

「な、何をする!」

 

 そして着火したガスバーナーを女郎蜘蛛に向かって投げると燃え始めた。

「ぐぉぉっ!」

 

 これでいいかい?と心の中で呟く。

 するとその心の声が聞こえたのか『上出来だ』と言う声が聞こえてきた。

 

 あとは任せたよ。

 


 

side裕太

 

 徐々に熱くなっていく体内。

 

 まさか中から斬ったら皮膚が固すぎて貫通できないとは思わなかった。

 

 そして触ってみると鉄と同じような手触りだった。

 

 ならあの手が使えるんじゃないかと思ったんだ。

 

 そして滅茶苦茶熱くなってきたので俺は女郎蜘蛛を内側から凍らせた。

 

 するとさっきまで暴れていた女郎蜘蛛が大人しくなった。

「さすがに内側からの冷凍は避けられなかったみたいだな」

 すると皮膚にヒビが入ったのが見えた。

 

 そこを思いっきり斬った。

 

 するとバリィィン!と二種類の音が聞こえてきた。

 

 ひとつは氷が割れた音、もうひとつは……

「お前の負けだ!女郎蜘蛛!」

 

 そう言って大地に立つ。

 

 そして刀を見てみると半分に折れていた。

 

 今までの戦いで限界が来てたみたいだ。

 

 折れた先の部分を手に取って見る。

「ありがとうな。幽斬剣」

 そして目が元の色になった。

 

「ば、馬鹿な。この私が、この私が!」

 そして俺は女郎蜘蛛に向き直る。

「女郎蜘蛛。俺達にあってお前に無かったものが3つある」

 そして横を向いて往復するように歩く。

 

「1つは絶対に目的を果たすと言う気合いだ。

2つ目は強大な敵と戦うという覚悟だ。

そして最後は、守るものだ。一番重要なものであり、一番俺たちを強くしてくれたものだ」

 そして折れた刀を鞘にしまった。

 

「じゃあな。女郎蜘蛛」

 そう言うと女郎蜘蛛はぐったりとして動かなくなった。倒したのだ俺達が

 

 そして刀の所に向う。

 

 すると刀の横の壁から2人の男が出てきた。

 そのうち一人は

「ロイド……っ!」

 ロイドだった。

 

「流石だね。いやはや、この女郎蜘蛛を倒すなんて……この化け蜘蛛が!」

 ともう片方の男は蜘蛛を踏みつける。

 

 それを見て許せなくなった。

 俺達を殺そうとしてきたとはいえ、死んだ奴にそんなことをする奴が俺は嫌いだ。

 

「おい」

 と白衣を来た男を呼ぶ。

 

「なんだい?」

 

「テメェの名前はなんだ」

 そう聞くと男は名刺を渡してきた。

 

「私はチームトワイライトのマッドサイエンティスト。コードネーム『(やく)』どうぞお見知りおきを。その名刺は好きにして頂いて構いません」

 と女郎蜘蛛に足をかけながらお辞儀してくる薬。

「そうか……」

 そう言って薬の名刺をビリビリに破ってその場に捨てて踏みつけた。

 

「テメェ!?」

 

「好きにして構わないって良いって言ったよな?それにしても、初めて名刺を破ったけど、嫌な奴の名刺ってこんなにスッキリするもんなんだな」

 そう言うと薬は苦虫を噛み潰したような表情になっていた。

 

「灰。殺れ」

 その言葉が聞こえた瞬間、ロイドが殴りかかってきた。

 

 間髪入れずにこいつとの戦いか……しゃあねぇ……

「勝負だロイド!今度こそ京哉の敵を討ってやるよ!」




 はい!第54話終了

 今回は途中でキリがいいところがあったんですが、文字数を増やすにはもっと書く必要があって、キリがいいところに来るとなんといつもの2倍になってました。



 次回の東方魂愛想は?

 路異怒との戦い。そして薬との戦い。果たして裕太は勝つ事が出来るのか?

「私はチームトワイライトの策士と呼ばれています」
 チームトワイライトの策士対
 VS
「実は俺も策士なんだ」
 対トワイライト組の策士

 そして
「外の世界にはこんな言葉がある。勝負は戦う前から始まっている」

 次回、第55話『勝敗は戦う前から始まっている』



 それでは!

 さようなら


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第55話 勝敗は戦う前から決まってる

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 女郎蜘蛛との戦い。

 死闘の末、何とか女郎蜘蛛に勝利。しかし、間髪入れずにチームトワイライトの薬と路異怒が現れる。

 そして路異怒との戦いが今、再び始まる。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 ロイドが殴りかかってきた。

 

 それを瞬間移動で避ける。

 

 だが、俺の後ろにいた忍冬に当たってしまう。

 

「なんで……私が……」

 しかし壁が崩れるほどの一撃を食らって平然としている忍冬さん。流石っす!マジリスペクトっす!

 

 取りあえず、さっきの戦いでかなり霊力を消耗したから温存しなくちゃいけない。

 

 しかしこいつは温存して勝てるような奴ではないというのが事実。

「ふっ。やっておしまい!灰」

 薬がそう言うとまたこっちに走ってきた。

 

 ロイドのスピードは確かに忍冬の言う通り遅く、避けやすい。

 

 そして回し蹴りを繰り出してきたからジャンプして避けるが、それが失敗だった。

 俺の真下からオーラが迫ってきていた。

 今から浮遊するための体制を整える暇もない。

「なら押し返す!冷凍《アイシクルロード》」

 そう言ってオーラに向かって手を翳す。

 

 そしてオーラに向かって掌から一直線に氷が伸びていく。

 その氷とオーラがぶつかり合う。

 氷をオーラが石化させ、その石化した部分を凍らせる。その繰り返しでどんどんぶつかり合っている部分が大きくなっていく。

 

 俺が中々押し切れないで居るとロイドを横から忍冬が蹴り飛ばした。

 それによってオーラが消える。それに合わせて俺も能力を解除し氷を消す。

 

「サンキュ。忍冬」

 

「別に……裕太。疲れたでしょ?強い路異怒は私に任せて、そっちのひょろひょろの方を頼むよ」

 と俺の体を気遣ってくれた。

 

 確かに俺の体は誰から見てもボロボロだ。片腕は無いし、服の一部が溶けてるし、至る所から血が出てる。

 確かにその気遣いは嬉しい。

 

 奴を倒せないのは悔しいが、ここは忍冬の気遣いに甘えよう。

 

「ひょろひょろとは心外だなぁ。これでも一応君の元上司なんだよ?」

 ケラケラと笑う薬。

 

 ムカつく奴だ。

 恐らく今の俺は神経質になっているのだろう。いちいちこいつの言動全てがムカついて仕方が無い。

 

「倒す!」

 そう言って片腕でファイティングポーズを取る。

 

 左腕はなくても充分だ。

「ふん。そう言っていられるのも今のうちだぜ?」

 その言葉を無視して走り出すと急に足元が爆発した。

 

 それによって右足の骨が折れてしまった。

「ぐ、は……」

 まさか……いつ爆弾なんて……

 

 そして髪を掴まれて持ち上げられて投げられる。

「がはっ!」

 こいつ何もんだ。

 

「私はトワイライト1の策士とも呼ばれています。そして君は今、策士なんて戦いの上で自分で戦うことなんて出来ないと思っているだろう」

 当たっている。滅茶苦茶俺の考えていることが読まれている。

 

「私はエリートですから。力もあるんですよ?」

 そして白衣を脱ぐとシャツがパンパンになるくらい筋肉でムキムキだった。

 こいつ、着痩せするタイプなのか。

 

「ちっ。面倒だな……」

 そう言って立ち上がる。

 

 既に俺の体は限界だった。

 だが、俺は戦う。戦って限界を超えたその先でこいつらに勝ってみせる。

 京哉や妖夢達の為にも俺は戦うんだ。

 それが俺の行動源だ。

 

 だからどれだけ打たれたって立ち上がってみせる。

「オラァっ!」

 そして殴り掛かる……が、しかし簡単に躱されて回し蹴りをお見舞される。

 

「が、は」

 血を地面に吐くものの、俺はふらつく身体にムチを打って立ち上がる。

 

「ふん。もうすぐでお前は倒せそうだな」

 そして俺はアッパーを食らって浮いた体に拳の連打を食らう。

「ぐわぁっ!」

 そして壁に思いっきり叩きつけられる。

 

「空頼君!」

 そして心配してこっちに来る忍冬。

「お前は自分のことに集中しろ」

 そう言って忍冬を追い返す。

 

 そしてまた俺は立ち上がる。

「薬。お前は俺を倒すことは出来ねぇよ」

 そう言うと「はっ」と鼻で笑ってくる薬。

 

「さっき言ってた守るもの……か。そんなもの戦う上で気持ちの問題だ。そんなものでは実力差は縮まらない」

 そして今度は薬は弓を取り出した。

 

 矢ならたいして怖くない。そして俺は走り出す。

 

 すると俺の上目掛けて矢を射った。

 どこを射ってるんだ?と思ったが直ぐに理由が分かった。

 

 その直後真上から岩が落ちてきた。その岩に反応出来ずに押し潰される。

 その岩を凍らせて鞘を上手く使って粉々に割って脱出する。

 さすが策士、ここまで考えていたんだろうな。

 

「何が君をそこまでさせる」

 

「さっきも言っただろ。守るもののためだ!」

 そう言ってフラフラしながら歩く。

 

「ふ、足元を見ろ」

 そう言われて足元を見る。

 

 すると焼け残ったガソリンがそこに溢れていた。

 そして薬はマッチを取り出して火をつけてからこっちに投げてきた。

 そしてそのマッチの火はガソリンに燃え移って俺が燃える。

「あ、あぁっ!」

 熱い……実際に燃えているのだからそりゃそうだ。

 

「焼け死ね!」

 

「空頼君!」

 ったく……こいつ、自分のことに集中しろって言ったのに……。

 

「まぁ、こんな事も出来るんだけどな。氷符《アイスロック》」

 すると炎が凍りついた。

「見ろよ。世にも珍しい凍った炎だ」

 そう言って炎を砕いて奴に投げ渡す。

 

 すると薬はキャッチした。元がなんなのかと言うことも考えずに

「解除」

 すると炎が溶けて再び燃え始めた。

 

「ぐあっ!」

 それにより薬が火達磨(ひだるま)になった。

 

「焼け死ぬのはお前だ。薬」

 

「くっ。しかし残念だな。私はこの程度じゃ死なない」

 そう言って水を頭から被る薬。

 

「なぁ、知っているか?」

 

「なんだ」

 

「俺もお前と同じく策士なんだ」

 そう言って手を下におろす。

 

 もう戦う意思がないとでも言うように。

「なんだ?逃げ出すのか?」

 しかし俺は無視してその場に座り込んで再び炎を凍らせて砕いて手に持つ。

 

「ふん。そんなもの。ずぶ濡れの今の私は燃えにくいんだ」

 

「そうか……」

 そう言ってまた薬に向かって凍った炎を投げつける。

 

 それをご丁寧にまたキャッチする薬。

 

「外の世界にはこんな言葉がある勝負は戦う前から(・・・・・・・・)始まっている(・・・・・・)。そして戦う前から(・・・・・)勝敗は決まってん(・・・・・・・・)()

 

 そして炎をお手玉のように交互に投げる。

「お前は直ぐにこんな言葉を吐くさ。『すみませんでした。私が悪かったので命だけは助けてください』とね」

 そう言って炎を握りつぶして粉々に割る。

 

「ふん!それを言うのはお前だ!」

 

「そうか……」

 その瞬間俺は氷を解除する。

 するとさっきより勢いよく薬は燃え上がった。

「な、なぜだぁぁっ!」

 

 燃え盛る中薬は叫んだ

「お前は自分から可燃性物質を被ったんだよ」

 

「ど、どういう」

 

「お前がさっき被ったのはガソリンだ」

 と言い放った。

 最初からその中に入っていたのは水ではなくガソリンだ。俺の能力なら容易いことだ。

 

「どういう事だ。さっきは消えたじゃないか」

 ごもっともですな。

 だが、これにもちゃんと理由がある。

 

「俺はガソリンが当たる直前に炎を凍らせたんだ。さっき見たんだが、俺の氷ってな。なんでも水分にて当たれば溶けてしまうんだ」

 さっき俺が炎を凍らせた時に溶けていってる部分が見えた。それによって面倒な工程がひとつ減った。

 

「何故そんなことを……そのままにしておけば直ぐに俺を殺せただろ」

 

「そのまま殺しても面白くないからな。一番屈辱的なやり方で殺す」

 そして俺は立ち上がる。

 

「しっかし……この炎を作ったのはお前だ。策士、策に溺れるって奴だな」

 そういって薬が燃える姿を眺める。

 

「く……す、すみませんでした。私が悪かったので命だけは助けてください……」

 言った。予言通りこいつは一語一句間違えることなく言った。

 

 だが

「俺は最初からお前の事を許す気は無い」

 俺がそう言うと薬は絶望的な表情になった。

 

「まぁ、燃えて死ぬのは辛いだろう」

 そう言ってアイスロックを発動させる。

 

「か、体が動かなく!」

 こいつを炎ごと凍らせた。

 

 そして完全に凍らせて放置する。

 恐らく急速冷凍されたことにより仮死状態になっているだろう。

 

「じゃあな……トワイライトの策士」

 そう言って脱力して倒れる。

 

 後は任せた。忍冬




 はい!第55話終了



 次回の東方魂愛想は?

 彩対路異怒。

 果たして彩は路異怒に勝てるのか?そして

─────何故我が力を欲す

 次回、第56話『空斬剣』



 それでは!

 さようなら


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第56話 空斬剣

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 春分の日ですね。そうです。今日も投稿していきます!



 それでは前回のあらすじ

 裕太対薬。

 トワイライト1の策士の罠に嵌る裕太。

 しかし最後はその罠を逆手にとって撃退に成功した。



 それではどうぞ!


side彩

 

 空頼君が薬を倒してくれた。

 

 後は私が路異怒を倒すだけ……なんだけど、足枷を付けられてしまって上手く動けなくなってしまっている。

 

 そのため、動きが遅い路異怒の攻撃を避けるのが精一杯だ。

 

 しかも路異怒は流石に固い。この鎌が効かない敵が居るとは思わなかった。

 

 そしてオーラが飛んでくる。それを私はキルグレアで弾き返す。

「路異怒。君、強いね。普段どんな訓練しているの?」

 

「シテイナイ」

 してないでこの強さか……

 

 流石人造人間。能力もチートならば力もチートって……何そのキャラ。

「でも空頼君が頑張ったから私も頑張っちゃうよ!」

 そう言って鎌を構え直す。

 

 奴の体からは血が出ない。だからパワーアップできない。つまり私にとっては相性が悪いってことだ。

 

「オマエはツヨイがオレにはカテナイ」

 そして歩こうとすると足が動かなかった。

 

 見てみると足はオーラに掴まれていた。

 

 石化はしていないけど動けなくなっている。

 

「セキカはデキナイけどアシドメはデキル」

 

 非常にまずい事態だ。動けなければまともにやつの攻撃を受けてしまう。

 いつもならダメージを最小限に抑えられるように行動できるけどこの状態じゃ諸にダメージを食らう。

 それじゃなんぼ体力があっても足りない。

 

「サァ、サイゴだ」

 そう言って殴りかかってくる路異怒。

 

 その時、誰かの手が路異怒の拳を止めた。

 

 その手は下から伸びていた。

 

 見てみるとその手は空頼君の手だった。

「空頼君!?」

 呼びかけても返事しない。気を失っている。

 

 そして今の一撃で空頼君の手は骨折してしまっていた。

 

 気絶しても尚、私の事を守ったとでも言うのか?

「空頼君……」

 

 そして空頼君の言葉を思い出す。

『今は仲間だ。なら助けるだろ?』

 気を失ってまでまでそれを有言実行するなんて……

 

 何だかあの子が惚れた理由がわかった気がする。

「分かったよ。君の思いに答える為にも私は戦うよ」

 そう言って路異怒をもう一度見る。

 

 路異怒は一切動じていなかった。人造人間だからだろうか?余計な感情を取り払ってしまったのだろうか?

 一切表情が変化しない。

 

「オマエはオレよりヨワイ」

 

「それはどうかな?」

 そう言ってキルグレアで路異怒を切り刻むものの動じずオーラを出し続ける。

 

 だけど私が狙ったのは路異怒では無い。天井だ!

「ナ、ナンダト」

 すると岩が降ってくる。

 

 その岩を殴って壊すものの、そっちに集中しすぎてオーラが消えてしまった。

 その一瞬を私は見逃さなかった。

 

「狂符《重い愛の一撃》」

 そう言って私は鎌に霊力を流し込む。

 

「ねぇ。シンデ?」

 そう言って連続で斬付ける。

「アハハ。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 斬れはしないけど物理ダメージとしてちゃんと入っている見たいだ。

 

 そしてよろめいた所を私は蹴る。

 すると呆気なくその場に仰向けで倒れる路異怒。

 

 そこで私は馬乗りになって鎌を投げ捨てる。

 

 そして刀化をして路異怒の首にパンチを御見舞する。

 

 しかしやはり固い。中々私の刀化でも倒せない。

 でも私は力を込めるのを辞めない。何故なら徐々に金属にヒビが入る時のミシミシって言う音が聞こえてきているからである。

「きぃぃれぇぇろぉぉっ!」

 そして1回腕を持ち上げてから思いっきり拳を振り下ろした。

 

 すると路異怒の首と体が斬り離れた。 

 首と体を切り離されて生きていられる生物がいる訳が無い。

 やっと倒した!

 

 そう思って立ち上がって後ろを振り返って歩こうとすると誰かに掴まれた。

 見てみると

「え?きゃぁぁぁっ!」

 首無しで路異怒が動いていた。

 

 その直後、急に路異怒の背後から刀を振り下ろされて真っ二つになって倒れた。

 そして動けなくなってしまった。

 


 

 路異怒が倒れる10分前

 

side裕太

 

 またここか……

 

「やっほー。裕太君」

 と手を振ってくる理華。その理華の頭に拳骨を落とす。

 

「いったぁーい!なにすんのさ!」

 

「いつぞやの恨みだ」

 やっとここに来れた。だから殴っただけだ。

「君って、意外と根に持つタイプなんだね」

 

 そしてその場に座り込んで考える。

 理華には急にどうした?と思われているみたいだが俺としては一刻を争うんだ。

「さっき俺は最後の力を振り絞ってロイドの攻撃を防ごうとしたんだが直前で気を失ったからさ……どうなった?」

 と聞いたら満面の笑みでこう答えてくれた。

「うん。君は気を失いながらもあのロイドの攻撃を手で受け止めてたよ。その代わり手が骨折したけどね」

 手の一本や2本くらい安いものだ。

 

「しかし、ここまで出血して死なないって……化け物?」

 実は血液を死なない程度にコントロールしていたんだ。

 空間を操って血管から血管へ血を瞬間移動させて血液循環に支障が出ないようにしている。

 

 でも今は意識がないから知らないけど……

「でも、嫌な予感がすんだよな……そうだ!」

 あることを思いついた。

 

「理華。俺を強制的に目覚めさせられないか?」

 そう聞くと理華は「できる」といった。

「でもそれをやると五分後に全ての骨が粉々に砕けるくらいの衝撃が走るよ。ちなみに五分間の間は骨折は治るから」

 説明してくれた。

 

 だが、仲間を守れるなら……大切な人のためになるのなら、骨をバラバラにされるくらい。苦でもねぇ。

「頼む」

 そう言った瞬間、俺の意識は先程の洞窟へ引き戻された。

 


 

 足を動かす。確かに骨折は治ってるみたいだ。手も

 

 だがやはり左腕はそこに無かった。

 まぁ、腕の一本位お安い御用だ。

 

 そして俺は刀の元へ向う。

『忍冬ちゃんを助けるんじゃなかったの?』

 

「助けに行ったところで丸腰の俺は何の役にも立たない。だからこれを抜く!」

 そして柄を握って引き抜こうとするが固すぎる。もち上がんない。

 

 どうしてだよ。なんで抜けねぇんだ。

 片腕だと力が足りねぇのか?

『後4分!』

 抜けてくれ!頼むから!

『後3分!』

 俺の思いが届くなら頼む。

『後2分!』

 お願いだ。

 

 その時、声が聞こえてきた。

 

─────何故我が力を欲す。

 

 仲間を救うため。

 

─────なら何故貴様は仲間を救う。

 

 それは……

 

─────それは所詮、自己満足でしかない

 

 違う!今の問いにはハッキリとそう答えられる。

 

 確かに俺は自己満足なのもあるのかもしれない。だけど救いたい人、ずっと守って行きたい人ってのが居るんだ。

 

 だから俺は君の力が欲しい。

 

 その為には命すら捨てる覚悟だ。

 

─────…………貴様の覚悟は本物のようだな。

 

─────分かった。貴様に力を授けよう

 

 その声が聞こえた瞬間、刀の刀身が光りだした。

 

「こい!空斬剣!」

 そう言いながら引っ張ると右手の甲に魔法陣が出現して光り始めた。

 そして簡単に抜けた。

 

『後10秒!』

 そして理華はカウントダウンをし始めた。

 

 忍冬を見ると頭の無いロイドに襲われていた。

 

 間に合えと願いながら刀を構えて振り下ろす。

 同時に理華の『0』と言う声が聞こえてきた。

 

 そしてロイドを真っ二つに斬った直後俺はその場に倒れ込んだ。

 再び気を失う前に見た最後の景色は忍冬が驚いて駆け寄ってくる姿だった。




 はい!第56話終了

 今回で第三部終了!

 と言うわけで次回から第四部が始まります。

 最後の部の予定ではあります。

 そして午後7時には恒例の第三部設定集を投稿します!

 気になる方はどうぞ!

 それでは!

 さようなら


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第三部 設定集

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回もやってきました!設定集!

 それでは恒例の第三部あらすじから行きましょう!



 それでは第三部のあらすじ

 裕太は狂に現在地を教えてもらうと地底という所らしい。

 そして帰ろうとすると引き戻される。

 理由を狂に尋ねると心配だかららしい。

 本音を尋ねると漠と言う黒幕を倒すために手伝って欲しいんだとか。

 そして自己紹介をして見ると狂の本名は忍冬 彩と言うらしい。
 覚えにくい苗字だと思ってきた彩は苗字で覚えてもらえたことに驚いた。

 そして漠を倒す事が出来るかもしれない刀、空斬剣の情報を聞くために地霊殿を訪れる。

 そこでは凶暴な妖怪らが居る洞窟の奥深くにあると聞く。

 その後、裕太の嫌な予感で地上の人里に行くと新しい敵、路異怒が現れる。

 その路異怒は石化の能力を持っており、京哉はその能力の犠牲になってしまった。

 それに激怒した裕太は倒そうとするも少し石化してしまった足では上手く動けなくピンチに、

 そこに彩が助けに来て何とか難を逃れるものの逃げられてしまう。

 そして妖夢に忍冬の事を問い詰められるも誤魔化し、京哉の敵うちの為に命を投げ出そうとする裕太に妖夢が激怒。

 大切に思ってくれている人なんて居ないと考える裕太に信じさせるために妖夢は行動で証明する。

 その方法は告白である。
 しかしその告白も裕太は断ってしまう。

 後日洞窟に向かった裕太と彩は様々な困難を乗り越えて遂に空斬剣を発見。

 しかしその行く手を女郎蜘蛛が遮ってきた。

 女郎蜘蛛は強敵だったものの、裕太が機転を利かせて何とか勝利。
 その戦いの最中に左腕を失う。

 しかしその後間髪入れずにチームトワイライトの薬と路異怒が現れる。

 裕太と薬の戦術のぶつかり合い。

 最後に薬は策に溺れ、この戦いを制したのは裕太だった。

 そして彩対路異怒。

 苦戦を強いられたものの、裕太の姿を見て殺る気倍増。

 あとすこしの所まで追い込むものの、彩は油断して背後を取られる。

 そしてそこを彩が戦っている間に空斬剣を抜いた裕太が路異怒を真っ二つに斬ることで忍冬を救い、その後気を失ってしまった。



 それではどうぞ!


裕太「ハイハイ。どうもどうも。空頼 裕太です」

 

歩美「妹の空頼 歩美です!」

 

裕太「今回は残念な事に歩美が全然でて来なかったのでここに来てもらいました」

 

歩美「それじゃお兄ちゃん。早速やって行こう!」

 

裕太「そうだな。それではオリキャラ編どうぞ」

 

 

 

 

 

名前

空頼(くうらい) 裕太(ゆうた)

 

性別 男

 

外見

 

 髪色が銀色で顔立ちは少し不機嫌さを思わせる。主にパーカーを着ており、ズボンはジーンズ。

 腰に折れてしまった裕太の刀、幽斬剣を着けている。

 左腕が無くなってしまっている。

 

能力

 

『思いが力になる程度の能力』

 

概要

 

 人を助けたい等と言う思いが強ければ強いほど己の限界を突破できる。

 

 

『乗り越える程度の能力』

 

概要

 

 ありとあらゆる色々な傷等を乗り越える事が出来る。

 ただし、乗り越えるだけなので許容を越えれば死に至る

 

 

『空間を把握し、空間を操る程度の能力』

 

概要

 

 自分で作り出した空間のありとあらゆる事を把握し、その空間内を自由自在に操る事が出来る。

 ただし、その範囲外から攻撃されたら何もできない。

 

『凍らせる程度の能力』

 

概要

 

 自分が触れているか、マイスペースの範囲内ならどこでも凍らせられる。

 液体に触れると凍らせた獲物ごと溶けてしまうというエグい効果付き。

 

詳細

 

 この物語の主人公。

 仲間を自分より大切に思い、助けるためなら命を投げ出すことも(いと)わない。

 片腕を戦っている間に失ってしまったが、彼は名誉の負傷だと考えている。

 最後に空斬剣が彼に力を託した。

 

 

歩美「全く……お兄ちゃんは頑張りすぎだよ」

 

裕太「すみません」

 

歩美「全く……もうだよ?」

 

裕太「気をつけます」

 

歩美「まぁ気を取り直して次行こう!」

 

 

 

 

 

名前

時雨(しぐれ) 京哉(きょうや)

 

性別 男

 

外見

 

 黒髪で耳が半分隠れるくらいの長さの髪。眉毛は完全に隠れており、笑顔が素敵な優男。

 服装は黒を貴重としたものが多く、何を多く着るとか言うこだわりはあまり無い。

 足にはナイフ入れを着けている。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 

 空頼 裕太の親友。

 現在は路異怒の能力により石化されたため壊さぬように大切に保管されている。

 

 

裕太「ロイド絶対に許さん!」

 

歩美「でもそんなロイドを倒すお兄ちゃん達は凄いよ!」

 

裕太「そ、そうか?」

 

歩美(あ、機嫌が治った)

 

裕太「じゃあ次行こう!」

 

 

 

 

 

名前

理華(りか)

 

性別 女

 

外見

 

 黒髪セミロングで笑顔が可愛い女の子。

 主に洋服を来ていて、スカートは膝の少し上までの長さ。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

詳細

 

 裕太の精神世界に居る女の子。

 裕太の潜在能力を解放して裕太の手助けをしていた。

 

 

裕太「いやー。理華が居なかったら今頃どうなってたことやら」

 

歩美「理華って……だれ?」

 

裕太「いや、なんでもない。気にするな」

 

歩美「変なお兄ちゃん?」

 

裕太「じゃあ次、どうぞ」

 

 

 

 

 

名前

忍冬(すいかずら) (あや)

 

性別 女

 

外見

 

 黒髪ロングでパーカーを着ている。目の色が紅い。

 

能力

 

不明(今後の展開で明かされるかも!?)

 

概要

 

 能力名通りに肉体を鋭くさせる。

 鮫肌とは違って触れたら斬れてしまうぞ!

 

詳細

 

 元チームトワイライトのコードネーム『狂』

 今は脱退してチームトワイライトを潰すために裕太と協力関係にある。

 

 

裕太「まじでこいつには感謝してもしきれないな」

 

歩美「何度も助けて貰ってたもんね」

 

裕太「そうだな」

 

歩美「この恩を忘れないようにね?あ!因みに彩さんの能力はもう出しても良いかなと思って出しました。なら二部の時で良かったような……」

 

裕太「それじゃ次どうぞ」

 

 

 

 

 

名前

路異怒(ろいど)

 

性別 機械

 

外見

 

 一見普通の青年なのだが、人造人間。

 黒髪黒目で日本人の一般的な外見に似ている。

 服装も日本人寄り。

 

能力

 

『ありとあらゆる物を石化させる程度の能力』

 

概要

 

 天地万物なんでも石化させる能力。

 この能力に捕まったら動けなくなり、石化を待つしか無くなる。

 オプションとして岩石を操れる。

 

詳細

 

 チームトワイライトが作り出した最強の人造人間。

 コードネーム『灰』

 力だけなら漠以上。

 石化の能力で京哉を石化させた張本人。

 そんな力も裕太と彩の前に敗れさり、裕太によって真っ二つに切り裂かれた。

 

 

裕太「こいつは強敵だった」

 

歩美「これから京哉さん。どうしよう」

 

裕太「とりあえず保管しといてくれ」

 

歩美「分かった。ちなみにロイドはもう発表できないので発表しました」

 

裕太「能力名ってそんな重要でもないと思うんだが?」

 

歩美「それでは次どうぞ!」

 

 

 

 

 

名前

本名不明

コードネーム (やく)

 

性別 男

 

外見

 

 白衣を纏っているいかにも研究員みたいな見た目。

 それ以外の特徴は無い。

 

能力

 

『策を練る程度の能力』

 

概要

 

 策を練って相手を倒すことができる能力。ただ、それだけの能力。

 

詳細

 

 チームトワイライトの研究員兼策士のコードネーム『薬』

 策を練ることが大の得意。

 力が少し強い事以外はほとんど一般人と変わらない可哀想なやつ。

 恐らく色々な能力を見比べたらチームトワイライトの中で最弱。

 裕太と色々な手で戦ったものの、最終的に裕太の能力に氷漬けにされて仮死状態になってしまった。

 

 

裕太「ちょっとなんでこいつが表に出てきたのかがわからん」

 

歩美「ねー。最弱なのに……」

 

裕太「まぁ、そういうこともあるか」

 

歩美「それじゃオリキャラ編終わりだね」

 

裕太「出てきててもたいして出てきてないキャラは紹介しないぞ」

 

歩美「次はこの部で出てきたモンスター達の設定です!どうぞ!」

 

 

 

 

 

名前

ケルベロス

 

性別 不明

 

外見

 

 犬の胴体に3つの犬の首が着いている。

 暗いところでは目が光って獲物を見つけやすくなる。

 

能力

 

無し

 

詳細

 

 地底の洞窟に住まう肉食妖怪。

 かつては地底が地獄と呼ばれていたため、地獄の番人ってのもあながち間違ってない。

 彩を追い詰めたものの、裕太の新能力によって凍りついてしまい、身動き取れない状態に

 裕太が解除すれば溶けるものの、裕太自身がケルベロスを凍らせたことを忘れているので溶けることは永遠に無いだろう。

 

 

裕太「忍冬がこいつにやられそうになっていたな」

 

歩美「お兄ちゃんの能力が使えて良かったね」

 

裕太「この能力で凍らせられないものはあんまりない」

 

歩美「台詞パクったらダメだよ〜」

 

裕太「パクッたんじゃない。リスペクトしたんだ」

 

歩美「まぁいいや。次どうぞ!」

 

 

 

 

 

名前

女郎蜘蛛(じょろうぐも)

 

性別 不明

 

外見

 

 とにかくバカでかい蜘蛛の肉食妖怪。

 お尻が黒と紫のシマシマになっていて、全身に細かい毛が生えている。

 

能力

 

『猛毒を扱う程度の能力』

 

概要

 

 一滴で大人を何千人も殺せるくらいの毒を操ることができる。

 裕太の能力でも死にかけた程。

 

詳細

 

 地底の洞窟に住まう妖怪達の長。

 洞窟内最強の妖怪で、猛毒によって相手を殺してから食らう。

 一度裕太を能力で死の淵に追いやったものの、覚醒した裕太によって破壊された。

 

 

裕太「こいつは強かったが今までの奴らみたいに悪い力を感じなかったんだ。こいつは弱肉強食の自然の中で全力で生きてそして全力で戦っただけだった」

 

歩美「なんかお兄ちゃん、女郎蜘蛛に変に肩入れしてない?」

 

裕太「そうか?まぁ、今までの私欲の為に戦ってきた奴らから見るとまともな奴だ」

 

歩美「そうなんだ。それじゃ次はスペルカードです!どうぞ」

 

 

 

 

 

《ストーンプレス》

 

概要

 

 特定の場所(地上、空中)ならどこでも岩を出現させられる。

 

使用者

路異怒

 

 

裕太「路異怒が初めて使ったスペルだな」

 

歩美「そうだね。でもたいして強くないよね」

 

裕太「だな岩を作るだけだしな。じゃあ次」

 

 

 

 

 

石化《ストーンロック》

 

概要

 

 オーラを出し、そのオーラに触れた人物を石化させる。

 

使用者

路異怒

 

 

裕太「これは名前は出てなかったがこういうスペルだったんだ」

 

歩美「1番の脅威だね」

 

裕太「だな。じゃあ次」

 

 

 

 

 

氷符《アイスロック》

 

概要

 

 マイスペース内にあるか、裕太が触れていればなんでも凍らすことが出来る。

 

使用者

空頼 裕太

 

 

裕太「俺の新能力によるスペルだな」

 

歩美「これ、お兄ちゃん重宝してたよね」

 

裕太「ああ、これのおかげで空斬剣の元にたどり着いたし、女郎蜘蛛や薬にも勝てた」

 

歩美「だんだんとチートになっていくお兄ちゃん。この小説のモットーはチートバトルにならないようにする。なのに大丈夫かな?」

 

裕太「た、多分大丈夫だ。じ、じゃあ次」

 

 

 

 

 

空符《アイスブレイカー》

 

概要

 

 マイスペース内の氷の中に含まれた空気を膨張させて破裂させる。

 

使用者

空頼 裕太

 

 

裕太「俺のスペルで最も殺傷能力の高いスペルだ」

 

歩美「怖いよお兄ちゃん」

 

裕太「すまんすまん。じゃあ次」

 

 

 

 

 

冷凍《アイシクルロード》

 

概要

 

 手をかざした方向に一直線に氷を作れる技。途中に何かあったらそれも一緒に凍らす。

 

使用者

空頼 裕太

 

 

裕太「これは使ってみたら分かる。強い奴だった」

 

歩美「路異怒のオーラと互角に押しあってたもんね」

 

裕太「ああ。それじゃ次」

 

 

 

 

 

狂符《重い愛の連撃》

 

概要

 

 重い愛(ヤンデレ)を現しており、敵をヤンデレの如く攻撃する。

 

使用者

忍冬 彩

 

 

歩美「これは彩さんが最後に使ったスペルですね」

 

裕太「ああ、これが一番の決め手になったと言っても過言ではない」

 

歩美「そうですね」

 

裕太「これで終わりです」




 はい!これが第三部(終了時点)の設定集です!

 どうでしたか?

 もう既に出ているスペルの名前は公表しちゃいます。

 それでは次の部のあらすじ行きましょう!



 それでは第四部の予告

 遂に始まる最後の戦い。

 その中で裕太は何を感じるのだろうか?

「これで全てが決する」

「最後の一撃に込める!行くぞ○○!」
 決死の一撃は如何に?

「裕太君は色んなものを救ってきた。でもただ一人だけ救われてないよね?」
 この言葉の意味とは?

「俺は全てを守るんだァっ!」
『行くよ!』

 そして最後の扉が……遂に開く!?
「許さん。俺はもう全てを……許さん!」

「もっと僕を罵って!」
「変態だ!この変態!ロリコンギャンブル中毒者!」
 この二人は一体?

 東方魂愛想完結編!

 注意 このあらすじは予定ってだけで確定はしていません。



 それでは!

 さようなら


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第四部 第8章 思い 第57話 お別れ?

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 路異怒対彩。

 その石化の力によって苦戦を強いられるものの、何とか追い込むことに成功。

 しかし少しの油断でピンチに陥ってしまう。

 そんな時、彩が戦っている間に空斬剣を手に入れた裕太が路異怒を真っ二つに斬ることで彩を救い出した。

 そしてその後、裕太は気を失ってしまった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「戻って来ましたよっと」

 

「本当にやってくるとはね……。ちょっと見直したよ」

 

「もっと褒めてくれてもいいんだぜ?」

 

「もう手を貸さないよ」

 

「マジすんません」

 ちょっと調子に乗っちゃっただけじゃないですか〜。理華さん。マジリスペクトするっす!

 

 あの後俺は気を失ってしまった。

 

 最後に仲間の姿が見れて安心して気を失うことが出来た。

 

 俺の体の骨はボロボロになっちまってるんだろうな……。左腕もなくて……。

 そして左腕を見るが左腕がある。なんで?

 

「きっと精神世界だからじゃない?」

 俺の心の中の問いに答えるように言った。

 

 なるほど。ここは現実じゃないから俺の本来の状態(イメージ)として出現してるのか……。

 

「んじゃ。今度は何日寝そうなんだ?」

 と怠そうに座りながら言うと俺が膝を着いた地点で答えてきた。

 

「今度は本当にこっちの住人になるかもね」

 その瞬間、俺の体がピタリと固まった。

 

 こっちの住人。住人とは漢字の通り住んでいる人。住んでいる人と言うのはまぁ、引っ越す可能性はあるけどほぼ永久的にそこに留まることになる。

 つまり……。

 

「永眠!?」

 俺の頭の中の方程式がその答えを導き出してしまった。

 

 とても考えたくないが、元々その覚悟だったんだ。

 

 やっぱりあの時、お別れを言ってくるべきだったんじゃないかという思考が()ぎる。

 でも俺はこれで良かったんだと思う。

 

「んじゃ、俺はお前と暮らすわけか」

 でもそれもいいんじゃないかと思う。

 

 こいつはずっとこの何も無い場所で一人で居た。なら俺がここに居ることによってこいつは寂しくなくなるんじゃないか?と。

 

「あ、こっちに来て触れられるからって変なことしないでよね」

 と体を抱いて俺から遠ざかる。

 

「変なことってなんだ?変なことって。俺はそんな変な行動しねぇよ。なんだ?お前は俺が急に腹踊りやらする奴だと思ってたのか?」

 

「んな!?そんなことは思ってないよ!って言うか分かっていて言ってるよね!ね!?」

 無論。分かって言っている。わざととぼけている。

 

 当たり前じゃないか。あの空頼さんだぜ?

「まぁ、それはどうでもいいとして……どうしようかな」

 何もすることは無いから暇である。

 

 そして例の南京錠付き扉を見てみる。

 

 確かに暴れたあとらしく、かなり位置がズレている。

 

「そう言えば……あの扉を見つけた時、どうして倒れていたんだ?」

 そう聞くと理華はあちゃーと言う表情で騙り始めた。

「覚えてたか……あの南京錠を触った時、物凄いどす黒いイメージが流れ込んできたんだよ。それに耐えきれなくなって気を失ったってだけ」

 

どす黒いイメージか……どうしてそんなのが流れてきたんだろうか……?

 

 俺にはわからないがとにかくヤバそうというのはわかった。

 

 だけどなんでこんなものが俺の精神世界にあるんだ?

 

 だけど今のところは害がないし別にいいか。

 この男、かなりの楽観的思考の持ち主である。

 

「しかし。君の覚悟には驚いたよ。まさか死んでもいいなんて言うなんて」

 俺も驚いている。

 

 あれはほとんど無意識に出た言葉だ。

 昔の俺だったら絶対に他人のためなんかに命を賭けなかった。

 無意識だったとしても、それは心のどこかでアイツらを助けるためなら死んでもいいって思ってたから出たのだろう。

 やれやれ。まさかこっちの影響力はこんなにあるなんてな。

 

「まぁ、とりあえず俺は仲間を悲しませる天才って事だな」

「そんな才能、さっさと捨てちゃって」

「ところがどっこい。無意識だから無理なんだよな」

 

『そうだよね。無意識だからしょうがない』

 ん?

「なぁ、理華。なんか声が聞こえないか?」

 

「ちょっと待ってね」

 と言って理華は目を瞑る。

 すると理華の周りに青いオーラが出現した。

 

 しばらくすると元の状態に戻り口を開いた。

「外に誰かが居るみたいだね。君の目に光が差し込めば見えるんだけど……」

 え!?そういうシステムだったんすか!?

 

 初めて知ったんですが?

「多分、この感じ。君に危害を加えようとしてる訳じゃなさそうだから大丈夫そうだよ」

 それならいいんだが……って多分?確定じゃないの?え?俺、こんな生死がハッキリしてない状態でトドメを刺される可能性もあんの?

 

 それからしばらく理華と駄弁ってると

「あれ?裕太君。体が薄くなってきてるよ?」

 と急に理華が言った。

 

 え?何?とうとう死ぬの?俺

「考えてるようなものじゃないから安心して」

 なら良かった……ってだから心読めねぇくせして一丁前に心読んでくるなよ……。

 

 それから数秒後、俺の意識は現実に引き戻された。

「ん?ん〜」

 唸りながら目を開けるとすぐ隣で俺の胸に手を当てる忍冬が居た。

「なにしてんだ?」

 

「霊力を分け与えてる。血で言う輸血みたいなもん」

 そして手を離す忍冬。

「はいこれでok。後は絶対安静にね」

 まぁ、それは有難い。あの戦いで極限まで使っちまったからな。

 

「というか忍冬。ここはどこだ?そしてその格好はどうした?」

 

「質問は一つずつにして欲しいのだけど……まぁ、良いわ。とりあえずここは永遠亭。そこで遊んでる古明地 こいしがあなたを運ぶのを手伝ってくれたのよ」

 そういう事か……。視界の端にさっきから映っていて気になってたんだ。

「それで、この姿なのだけど。着替えついでに変装よ。地上では普段の姿だと色々問題が……ね?」

 なるほどな……。

 

 今ではこんなんだが、昔は地上で暴れてた張本人だもんな。

「そうか……。運んでくれてありがとな」

 

 妖夢、朗報だ。

 ひとまずはお前の願い。生きて帰ってくるって言うのは達成したぞ。

 そして、黒幕を倒したら……俺は




 はい!第57話終了



 次回の東方魂愛想は?

 忍冬と裕太は礼を言い合ったりして会話する。

 裕太の思い。そして負けられないラストバトルへの思い。

「俺は……」

 次回、第58話『思い出』



 それでは!

 さようなら


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第58話 思い出

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 精神世界で会話する理華と裕太。

 そして忍冬のお陰で裕太は早く目覚めることに成功。

 そして裕太はある決意をするのであった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

「いやいや。運んできたのは死なれちゃ困るってのもあったけど、君には感謝してるんだよ」

 感謝か……こいつにもそんな心があったんだな。そんなことを考えると俺の頭の横に拳が落ちてきた。

 

「まぁ良いや。とりあえず絶対安静。それと左腕は何とか生やすことが出来たらしい。さすが永琳先生だね」

 そして首だけ動かしてみるとそこには左腕があった。

 布団を触った感覚があるから神経も通ってるのだろう。

 

 と言うか生やしたの!?

 

 しかし、また無茶をしちゃったな……もうしないって約束したのにな……。

 妖夢に合わせる顔が無い。

「まぁ、忍冬には何回も迷惑をかけてしまったな」

 

「別にあれくらい迷惑に思わないよ。逆に助けて貰ったんだからチャラって事で、ね?」

 悪戯っぽくウィンクをしながら言う忍冬。

 

 なんだろう。こいつは普通に可愛いんだが、こいつがやるとドキッとしないんだよな。

 感覚としては友達にしか思えない女の子って感じだ。まぁ、忍冬とは友達じゃないけどな。

「そう言えば刀は?」

 そう聞くと忍冬は静かに指を指した。

 

 そこには二本の刀が立てかけてあった。

「幽斬剣……だっけ?残念だね。多分相当頑張ってくれてたんだろうね。いいモノみたいだ。普通だったらこんなに酷使してたらいつ折れてもおかしくないレベルだった」

 幽斬剣……。俺があの場所、白玉楼で貰ってからずっと使ってきた刀。

 斬と戦った時も、忍冬……狂と戦った時も、紅魔館での戦いの時も漠との初めての戦いも、そして路異怒との戦いも……全てこの刀で戦ってきたんだ。

 俺の全てが詰まった刀だ。

 

「空頼君。あの刀を抜いたのは紛れもなく君なんだよね?」

 あの刀と言うのは空斬剣の事だろう。

「ああ。そうだ」

 

「ならあの刀は君の物だね」

 

「ん?なぜ?」

 

「あれは本当に刀が信用した人でないと抜けないんだって」

 ああ、だからあんなに固かったのか。

「そうか。じゃあ、自室にでも幽斬剣は飾っとくか」

 

「おー」

 

「なんだよ」

 

「今君、すっごい優しい顔をしてた。もしかして刀の思い出を思い出してたの?」

 そんな顔をしていたのか……。

 

 普段しない顔も人って頑張れば出来るもんだな。

「色々あったからな。1年も使ってないんだけどな……。それでも思い出が沢山詰まってる刀だ」

 

『確かにこの一年、色んなことがあったよね』

 全てを見てきた理華がそう言ってきた。

『でもまぁ、君が一番思い出に残っているのは妖夢ちゃんとの日々なんでしょ?』

「ブフゥッ!」

 俺は飲み物も含んでないのに吹き出した。

 

「わ!なになに!どうしたの?」

 心配した忍冬は俺の顔を覗き込んでくる。

「大丈夫だ。あれだ。たまにあるだろ?吹き出したくなること。それだ」

 そう言うと忍冬は俺の両肩に手を置いてこう言った。

「いい精神科を紹介するよ?」

 

「いや大丈夫だから。精神的に病んでる訳じゃないから」

 

「本当?ならいいけど」

 

 ったく……いきなりそんなことを言い出すなんて何を考えてるんだ。

『すごい反応!もしかして好きだったりする?』

 

「……」

 

『無言の肯定?』

 ちーがーいーまーすぅー。忍冬が隣に居るから話せないだけです!

『返事ならあの……。蜘蛛に飲み込まれた時使ったあの声玉を使えば良いじゃん』

 あの時使ったスペルは声玉《テレパシー》って奴だ。

 声を弾の様に飛ばして任意の人に声を送り届けることが出来るスペルだ。

 ただし自分には使えないのと、違う空間には使えないんだ。

 だから理華には使えない技だから無理だな。

 

 するとガラガラと扉が開いた。

「はぁ……あなたの無茶する癖は治らないわね。毎回、この幻想郷の為に無茶してると考えると何だか申し訳ないわね」

 永琳先生だった。

 怒られるのかと思ったら予想外の言葉が出てきたから驚く。

 

「気にしないでください。俺が行動してるのは自分自身のためでもあるんです」

 そう。俺は自分が守りたいと思ったものを守ってるんだ。感謝される覚えはない。

 無条件で全てを救うなんてやつはただの偽善だ。だから俺は無条件で救ってるわけじゃない。

 忍冬に関しては何度も助けられたからその恩返しに助けただけだ。

 

「そう……。ならこれからも頼むわね」

 

「忍冬。最後まで戦うぞ」

 そして布団から腕を何とか出して握り拳を作るとそこに忍冬が自分の拳を合わせてきた。

「おーっ!」

 次が恐らくラストバトルだろう。

 今まで散っていった人達や京哉の為にも俺は戦う。

 


 

side京哉

 

 ここはどこだ?暗い。真っ暗な世界

 

 確か俺はロイドの野郎に石化されて……。

 

 そう言えば裕太は無事なのかな?無事なら俺が犠牲になった意味ってあったのかな?

 そして周りを見渡す。

 

 すると人影が奥に見えた。

 真っ暗闇の中ポツンとその人が立っていた。

 

 駆け寄ってみるとそこには俺が居た。

「やっと来た。待ってたよ」

 そして俺はこっちを見る。

「お前は何者だ」

 俺は強い口調で聞く。

「まぁまぁ、そんなに警戒するなよ」

 

「自分の姿してる奴を見て警戒すんなと言われる方が難しい」

 

「まぁ、それもそうだな」

 ははっと笑う俺。

 

「そうだな。自己紹介だ」

 奴は自己紹介と言って名乗る。

「俺は……お前だ」




 はい!第58話終了



 次回の東方魂愛想は?

 退院した裕太。

 これからどうするのか?

 白玉楼に戻るのか。忍冬の家に戻るのか。

 そして京哉は?

 次回、第59話『再開』



 それでは!

 さようなら


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第59話 再会

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 病室にて彩と話しながら刀との思い出を思い出す裕太。

 そして京哉の前に謎の京哉が!?どうなる?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 1ヶ月後、俺は退院した。

 

 これだけの怪我を1ヶ月で治すのは異常だと永琳先生は言っていたけど多分それは俺の能力の作用もあるだろうし、何より理華が頑張ってくれてたみたいだ。

 普段は寝ないと言っている理華の寝息が聞こえる。俺の体に負担がかからないように少しずつ。

 

 相当頑張ってくれたんだな。

「ありがとうございました」

 珍しく忍冬が他人に頭を下げていた。

 

 こいつも俺の為に頑張ってくれてたからな。後で何かお礼してやるか。

「とりあえず退院おめでとう!」

 と拍手してくる忍冬。

 まぁとりあえず無事に退院出来たことで安心出来た。

「ありがと」

 と軽く礼を言う。

 

「とりあえず地底でのやることは終わったわけだし、帰っても良いんだよ?」

 俺は考え込む。

 

 今からまた冥界に戻ってもいいんだが、忍冬といざという時に連絡を取りずらくなる。

 

 だが、かと言って地底に居座るってのも妖夢達が心配しそうだ。

 

 そこで俺はひとつの案を思いついた。

 妖夢には忍冬が敵じゃないことを教えてあるし大丈夫だろう。

「よし。忍冬」

 そう言って向き直る。

 

「なーに?もしかしてこくは」

「一緒に暮らそう」

「……え?」

 忍冬は驚いた表情で固まってしまった。

 

 そして徐々に顔が赤くなって行く。

 

「えぇぇぇぇっ!」

 大声を出しながら驚いて仰け反る。

 

「いやいや!いやいや!ちょっと待って!ちょっと……私はあなたみたいに適応力は高くないんだからちょっと整理させて」

 予想通りの反応だ。意外と忍冬をからかってみると面白いかもしれないな。いつもからかわれてるけど。

 

「も、もう1回言って?」

 

「一緒に暮らそう」

 俺はもう1回同じ事を口にした。

 すると赤かった顔がさらに赤く染まっていく。

 

「え、えと……その……」

 あんなにからかってくるからこういう事に慣れてるのかと思ったら意外と(うぶ)だった。

「よ、よろこ」

「白玉楼で漠を倒すまでの間」

 俺はなんかそろそろからかうのが辛くなってきたから続きを言おう。

 

「……あ、ああ!そういう事……。そ、そうだね。連絡取れないのはまずいから一緒に居た方が良いよね。対漠同盟なんだし」

 それにしても何を言おうとしたんだろう?

 

「それにしてもなんだと思ったんだ?」

 

「うぅ……け、けっこ……ん」

 そうだとしても付き合っても無いのに早すぎるとは思わないのか?

「しっかし、初な忍冬を見れてだいまんぞグっ!」

 急に顎に蹴りを入れられて倒れる。

 

 まさか顎に蹴りが飛んでくるとは思わなかった……。

「死ね!そして妖怪の餌になれ!」

 そしてグリグリと俺の頭を踏みつけてくる忍冬。

 

「す、すみません……」

 すごくおこられました。

 


 

白玉楼

 

 玄関をノックをする。

 ちなみに一般的にノックの回数は二回の方が多いけど、二回はトイレノックと言って入室とかする時は三回だ。

 

「はー……い」

 妖夢と目があった。

 

 先程忍冬にやられて絆創膏だらけの顔で再開するのはちょっと思うところはあるが早い方が良いと思って来た。

 

「裕太さん?」

 

「よ!妖夢1ヶ月ぶりだな」

 その瞬間、妖夢が俺に抱きついてきた。

 それを俺は優しく受け止める。

 

「良かった……本当に……良かったよぉ」

 俺の胸で泣いているのだろうか?パーカーが濡れてきている。

 

「あのー」

 俺の後ろで待っていた忍冬が声を発した。

 

「私が居るのに堂々といちゃつかないで貰えますか?」

 それもそうだ。と言うかイチャつくってなんだ!俺らは別にいちゃついてないぞ!

 

「あ、あなたは」

 

「こんちゃーっす。忍冬 彩でーす」

 と少しチャラい感じで名乗る忍冬。

 

 さすがにそれには妖夢もビックリしているようだ。

「さてとちょっと支度して庭に出てるから用があったら声をかけてくれ」

 そう言いながら妖夢の横を通り過ぎようとすると

「待ってください」

 妖夢にフードを掴まれて止められてしまった。

 

「説明お願いします」

 やっぱり?説明しないとダメですか?本当は説明はしたくないんだけど……

 だけど俺は渋々説明をした。

 

 地底の洞窟で女郎蜘蛛と戦ったこと、幽斬剣が折れた事、チームトワイライトを二人倒したこと、空斬剣の事。

 

「そうだったんですか……」

 

「そしてその空斬剣がこれだ」

 そう言って空斬剣を見せる。

 

 そして俺から受け取って抜いて刀身を見てみる。

「綺麗ですね。いい剣って感じがします。ずっしりと重くて……」

 そう言えばこいつを実戦で使ったことはあるけどまだ使い慣れてないからしっかりと練習しないとな。

 

「ちょっと降ってみても良いか?」

 

「良いですよ?」

 今の断りは周りの木々が切れてしまう可能性があるが良いか?という事だ。

 

 そして俺は刀を返してもらって刀に霊力を込める。

「すげぇめっちゃスムーズに霊力を流し込める」

 そして刀を降るといつもの霊力斬が飛んで行った。

 

 使い易いな。うん上出来だ。

 

 その時、頭に声が流れてきた。

 

─────この刀には能力がある

 

 へぇ。どんな?

 

─────お前にはとっても馴染む力だ

 

 そして頭の中の声は聞こえなくなった。

 

 俺に馴染む……能力に関係してんのか?

 

「とりあえず妖夢。暫く刀降ってるわ」

 そう言って庭に走っていく。

 

「退院したばかりだから無茶しないでよー」

 忍冬が心配してくれている。さすが現相棒。パートナーの気遣いも忘れないなんて流石だな。

 

 そして俺は手を軽く頭の上で降ってから走っていった。

 


 

side京哉

 

「俺……だと?」

 俺は今、自分のことをこの俺自身だと名乗る変な奴と対峙していた。

 

「そう。お前は俺、俺はお前」

 普通なら変な奴で済ませられるが、今のこの状況が変だから闇雲に否定しても居られない。

 

 とりあえずこいつがどういう存在なのか……そこが問題だ。

 

 そして奴は不気味に笑いながらこう言った。

「まぁまぁ、そう警戒するな。さっきも言ったろ?俺はお前。同じ人同士、仲良くしようや」

 若干おどけているように見えるが、逆にそれが不気味だったりする。

 こいつの思考がよくわかんない。

 

「で、お前はどんな存在なんだ?」

 遠回しに聞いても適当に返されそうだったため単刀直入に聞くことにした。

「くくく。単刀直入か……まぁ、それは良いだろう」

 そしてにやにやしながら騙り始めた。

 

「お前は空頼 裕太と言う存在を守るため己を犠牲にして石化した」

 

「ああ」

 それは間違っていない。裕太はあんな所で死ぬべきじゃない。

 

「それをお前は心のどこかで後悔している」

 

「そんなこと!」

「あるんだよ。実際に……それが俺。空頼 裕太を恨む弱い心だ」




 はい!第59話終了



 次回の東方魂愛想は?

「トワイライトにはあと二人、敵が居る」

 まだまだ続く戦い。果たして結末はどうなる?そして

「ふざけるな!俺はそんなこと思ってない!」

「思ってるんだよ。心の奥底では」
 京哉と心の京哉。果たしてどうなる?

 次回、第60話『二人の敵』



 それでは!

 さようなら


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第60話 二人の敵

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに退院した裕太。

 彩にからかい半分で白玉楼に来ないかと提案する、

 そして白玉楼についた裕太は妖夢に事情を説明して空斬剣をみせる。

 そして空斬剣には能力があると話しを聞いて裕太は空斬剣を試すために庭で修行するのだった。



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は以前居た時のように刀を振っていた。

 

 ただ一つ違うとすればそれは刀の違いであろう。

 

 幽斬剣は部屋に飾ってきた。

 幽斬剣が折れても俺は戦わなくてはいけない。妖夢達を守るために……

 

 その一心で俺は修行を続ける。

 

「空頼君。頑張ってるね」

 後ろから忍冬が声を掛けてきた。

 

 しかし来たのは分かっていたため驚きはしない。

「どうした。忍冬」

 

「ん?あー。とりあえず皆に認めてもらえたと報告だけ」

 あの幽々子が忍冬を認めたか……。自分で言っておいて正直驚いた。

 あの殺人鬼を幽々子みたいな人が認めるとはね。

 

「んま。とりあえず、後はチームトワイライトに他に敵は居ないのか?」

 まぁ他に敵が居たとしても斬るだけだけどな。

 

「確か後二人くらい居たと思うよ」

 二人か……。

 

 強い奴らだとしたらいっぺんに来られると厄介だな。

「一人はコードネーム『(わざわい)』。考えてることが全く読めない女の子。能力は『ありとあらゆる厄を操る程度の能力』。実際に見たわけじゃないけど噂によるとこいつが戦い始めたら急に敵の体調が悪くなったり急に突風が吹いたりしたらしいよ」

 なるほど……厄と言うわけか。これは何が起こるか分からないだけに怖い敵だな。用心しなくては

 

「そしてもう一人がコードネーム『(べっと)』。常に仮面を付けていてギャンブル事にめっぽう強い男性。能力は『ありとあらゆる物を(べっと)する程度の能力』。色々なものをベットつまり賭けることが出来る。この能力に捕まったら最後、勝たないと死ぬ可能性がある」

 これもまた厄介な能力だな。

 こっちも何が起こるか分からないという意味では怖いところはある。

 

 厄と賭か……。しかも片方の能力はほとんど分からないからどう対策を立てたものか……。

 

「そしてその上にいるのが件の私達にとってのラスボス。コードネーム『漠』。こいつは力は路異怒程は無いけどその分、能力でカバーするタイプ。能力は『砂を操る程度の能力』。砂を操るだけじゃなく彼自身が砂になることが出来る最強の能力」

 砂となって散り散りになるのか。なら話は早い。

「俺が砂になる前に凍らせて砂になれないようにしてやるよ」

 俺が自信満々に言うと忍冬は不安そうな表情になった。

 

「大丈夫かな?」

 確かに女郎蜘蛛の時は逃げられたけど大丈夫だろう。

 

「ちなみに私の能力名は『肉体を鋭くさせる程度の能力』だよ」

 聞いてないのに言ってくるやつ。偶に居るよね。俺は現在進行形で会っているぞ。

 

「そうか」

 とりあえず適当な返事をしていく。

 

『ちなみに私の能力名は『潜在能力を解放する程度の能力』だよ』

 聞いてないのに言ってくる(ry

 

 まずは厄の対策。

 厄は恐らく不運の事だろう。体調を崩したのは不運。突風が吹いたのも不運だと考えれば全てが繋がる。

 その不運をどうやって乗り越えるかだが……。あれ?どうやって対策すればいいんだ?そもそもとして食らったことの無い能力をどうやって対策しろと言うんだよ。

 

「ちなみに強さ的には総合すると厄と賭は同じくらいの強さらしいよ」

 そう言われても二人とも知らないんだからどれぐらい強いのかがいまいちよく分からん。

 

「まぁ、二人ともすっごく強いって話だから修行あるのみだよね」

 まぁ、今それをしていたんだけどな。

 

 でも結構トワイライトのメンバーを減らすことに成功したな。

 斬は忍冬が狂の頃に殺して、忍冬はトワイライトを抜けて、路異怒と薬は俺と忍冬で倒した。

 

 全七人の内四人も減らしたぞ。

 

 待ってろよ漠。必ずお前の首を狩ってやるからな!

 


 

side三人称

 

 とある建物の廊下にてある少女がぐるぐる飴を舐めながら歩いていた。

 

「やぁあいちゃん。奇遇だね〜こんな所で」

 

「なに?ロリコンギャンブル中毒者」

 

「酷い中傷だね〜。僕はちょっと賭け始めると止まらなくなったり、小さい女の子が好きなだけさー。そう!君みたいにね」

 それを世間はロリコンギャンブル中毒者と言う。

 

「変態。近寄らないで。それとトワイライトの掟、コードネームで呼び合う」

 興味なさげにだるそうな口調で言う少女。

 

「分かったよ。悪かったね"厄"ちゃん」

 

「それとその口調気持ち悪い。だから変態なんだよ。弟も変態だけどあんたも大概だよね」

 

「うーん。その罵られる感じ最高だね。罵ってくる人はこのチームで君だけだから興奮しちゃうねハァハァ」

 頬を染めて息を荒くする男。正直、小さい子には見せられない絵面である。

 

「だから変態なんだよ。変態変態」

 

「あー!最高!もっと僕を罵って!」

 

「そうだったね。あんたは罵ったら更に興奮するタイプだったね」

 そしてぐるぐる飴に霊力を送る少女。

 するとぐるぐる飴が光り、オーラを出し始めた。

 

「ん?やる気かい?興奮しちゃうねぇ〜」

 そこに呆れながら一人の男がやってきた。

「厄、賭……。二人とも仲間なんだから少し仲良く出来ないか?」

 そして男は1枚ずつ2人に手渡す。

 

「依頼?」

 

「ん?この場所ってついこの間、義秀(よしひで)とその作品が行った場所じゃないっすか。あの二人はどうしたんすか?」

 

「はぁ……コードネームって言っても君は聞かないもんな……」

 この男は既に変態男に着いては諦めているようだ。

 

「よく分かってるじゃないですか颯人(はやと)さん」

 開き直っているこの男はダメ男だと周りにいた二人は思った。

 

「まぁ、君の弟は倒されたよ。その作品も同様にね。だから次は君らに行ってもらおうと」

 

「ん?僕の弟が?彼は強いと思うんだけどな……まぁいいけど」

 

「ん。分かった。行くよ変態」

 

「あー!もっと罵ってぇっ!」

 少女は男の耳を引っ張って連れて行く。

 

「はぁ……心配だなぁ」

 


 

side京哉

 

「俺が……裕太の事を恨んでいるだと?」

 俺は驚きの言葉を聞いて聞き返す。

 

 俺は裕太の事なんか恨んじゃいない。むしろ親友を守れて誇らしいくらいだ。

 

 その俺が……親友を恨んでいるだと?

 

 ふざけるな

 

「そうさ。お前は、アイツなんか居なければ俺がこんな風になることも無かったそう思っているだろう」

 

「黙れ!俺はそんなこと思ってなんか!」

 俺は声を張り上げるも奴は不敵な笑いを浮かべて余裕の表情だ。

 

「思ってるんだよ。心の奥底では……な」

 俺はそんなこと絶対に思っていない。

 

「おい」

 

「なんだい?」

 

「勝負だ俺!勝った方が本当の感情だ!」

 

「まぁ、俺と俺は元々戦わなくちゃいけないんだ。お前が勝てば石化は戻る。だが、負ければ……永遠に解けない」

 俺が俺に勝負を申し込んだ事で戦いが始まった。




 はい!第60話終了



 次回の東方魂愛想は?

 人里に買い物に来た裕太の前に現れたのは?
「勝負しましょう。このトランプで!」

 トランプ勝負?

 そして京哉の戦いが始まる。

 次回、第61話『ゲーム』



 それでは!

 さようなら


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第最終章 未来へ 第61話 ゲーム

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 裕太の元にやってきた彩に裕太はトワイライトの事を聞く。

 するとなんとあと二人も漠以外に敵が居ることが判明。

 コードネームは厄と賭と言う。

 そして動き出す厄と賭。

 京哉は自分との会話。そして戦うことに!?果たしてどちらが勝つのか?



 それではどうぞ!


side裕太

 

 俺は今、夕食の買い物に人里に来ていた。

 

 今日も沢山買い物をしないとすぐ食料が無くなってしまう。

 

「えーと……人参玉ねぎ大根チーズひき肉……そういや今日はハンバーグとか言ってたな。とりあえず10トン位で良いかな。それと……あー。米もあんまり無いって言ってたな。ついでに買ってくか」

 妖夢の買い物リストを見ながら俺は商店街を歩く。

 

 その時

「号外ですよ!」

 と言う声の後に新聞が降ってきた。

 

 文々。新聞?どれどれ……

「つい先程心臓発作で急に何人も倒れた?」

 心臓発作が流行ってるのか?なんか嫌な予感がしないでもないけど……。

 

「とりあえず必要なもの買ってさっさと帰るか」

 


 

 一通り買い物が済んで帰ろうとすると

「お兄さん。ちょっと寄っていかないかい?」

 横道から呼ばれた。

 

 なんか怪しいような感じがする。

 何故か左右に青い炎が浮かんでるし、水晶玉見たいなのが置いてあって占いでもやってそうな雰囲気だ。

 

 男は仮面を被っていてパーカーを着ている。

 

 すると男はトランプを出してきた。

「勝負しましょう」

 何故かは分からんが俺に勝負を仕掛けてきた。

 

 だけど俺が受ける意味は無いと思うが断る意味も無いと思うので俺は受ける事にした。

 

 勝負の内容は

「このトランプの数字を当てるゲームだ。当たらなくても近い数字を言った方の勝ち」

 付けくわえるならまず俺がこの男のシャッフルした奴を当てる。その後に俺がシャッフルしたのをこの男が当ててその誤差を競うって感じの奴だ。

 

 男は1~Kのトランプをシャッフルし始める。

 

 数あてか……確かにこの場で簡単に勝敗が決めれて、かつ直ぐに勝敗が決められる。まさにこの場では適任な勝負だと思う。

 

「よし。受けて立とう」

 そして水晶玉の置いてあるテーブルの前に立つ。

 

 すると男はトランプを手のひらの上に置いて差し出してくる。

「さぁ、どうぞ答えを」

 

 1~Kの計13枚のうちから的中させるなんて普通にやったらほぼ不可能だ。

 ならなるべく近ずけるべきだ。

 

 近づけるにはだいたい半分位を言うのが安全策だ。

 だが、それでは勝つ確率は低い。

 

 とすれば少し不安だが、当てに行くしかない。

 

 サイコロだと5が出やすいとか色々あるが、トランプではそういうことは無い。

 

 このトランプに傷は無さそうだ。あったとしてもどれがどのトランプか分からない。

 

 とりあえずこの場合、相手が勝負に出てくれるならやりやすいんだが……。

「7だ」

 どう転ぶか分からないのでとりあえず真ん中を選んでみた。

「正解は……」

 そして男は1番上のトランプを裏返しにする。

 

 そこには6と書いてあった。誤差1だ。

 

 勝てる!これで奴が誤差2以上なら。

 

 これを見て男は唸り始めた。

 さすがにこれはきついのだろう。的中させなければ勝てないのだから。

 

 そして俺はトランプを受け取ってシャッフルを始める。

 しかしなかなかに薄くてシャッフルしにくい。

 

 そしてシャッフルを終わらせて手のひらの上にトランプを乗せて差し出す。

 するとその瞬間、

「2だな」

 即答してきた。

 

 俺が3分位かけて考えた事をコンマ数秒で答えるなんて……。しかも勝負に出てくるなんてかなりの鋼の心臓の持ち主だ。

 そう思って俺も分かってない答えを見るために1番上のカードを裏返す。

 

 その数字を見て俺は目を見開いて驚いた。

 なぜなら

「2……だと!?」

 

「勝ちだ」

 的中してきた。

 

 この後、負けたんだが何をされたりする訳でもなくすんなりと返してくれた。

 彼曰く適当に付き合ってくれそうな人を探してたんだとか

 


 

 晩飯後、俺は部屋でトランプを見ながら頭を回転させていた。

 地味にあれで負けたのが悔しくて特訓していたのだ。

 

 運って特訓して良くなるのか分からないけどやってみる。

 

「お兄ちゃん。何やってるの?」

 お、歩美か。

 

「歩美。ちょっとこっち来てくれ」

 そう言うと頭の上にハテナを浮かべながらこっちに来て俺の前に座った。

 

 そしてトランプをシャッフルしていく手のひらの上に乗っけて歩美に差し出す。

「この中には1~Kまでのカードが入っている。当ててみてくれ」

「えぇっ!」

 確かに急にそんなことを言われたら驚くのも無理はない。

「いや、他意は無いんだ。気楽に答えてくれ」

 そう言うと戸惑いながらも歩美は口を開いた。

「7」

 俺と同じ回答か……。

 

 そして一番上を裏返してみると3だった。

「あ。」

 とあからさまにショックを受ける歩美。

「別にそこまで重要じゃないから良いんだ」

 

 そしてトランプを見ながら俺は語り始める。

「急に俺にこの勝負を仕掛けてきた人が居てさ、俺が7を選んでめくってみると6で1つ違いだったんだ。で、相手の人がやってみると2でドンピシャで当ててきたんだ。それで負けたのが意外に悔しくてさ」

 と頭をかく。

 

「そうだったんだ。お兄ちゃんなら次は勝てるよ」

 そう言ってくれる妹を俺は撫でる。

 

「ありがとな」

 

「うん!」

 嬉しそうに目を細める歩美。

 可愛い。心の天使だ。

 

 そういや昔よく京哉にシスコンとか言われてたな。今なら俺はシスコンでも別にいい。

 


 

 そして夜。

 

 俺は修行疲れからか直ぐに眠りについた。

 

 そして今は夢を見ている。

 

「勝負をしようじゃないか」

 あの勝負を仕掛けてきた男だった。

 

「なんの」

 

「三試合しよう」

 なんのと言う問いに答えずに続ける男。

 

「一試合、三番勝負。三回勝負して勝った回数が多い方が一試合取れるって事で。

君が一試合でも取る事に成功したら君の勝ち」

 会話のドッチボールじゃなくてキャッチボールをしてくれると助かります。

 しかもなめやがって……。

 

「で、まずはなんの戦いをするんだ?」

 もう1回問うた。

 

「まずはこのコイントスだ。表か裏を毎回選んで落ちる方を予測する」

 1試合目はコイントスのようです。

 


 

side京哉

 

「「いざ、勝負!」」

 そう言って太もものナイフ入れからナイフを取り出す。

 

 それを指の間に挟めるだけ取り出して投げる。

「な!」

 するとそれを的確にナイフで撃ち落とされた。

 

「その程度かい?」

 

「くっ」

 ここには壁が無い。スペルは使えない……。

 

「俺はお前の全てを知っている。お前の知らない事なんて何も無い。負けないぞ。俺は」

 そう言ってナイフを構える奴

 

「さぁ、心の闇の力を見せてやるよ」

 そう言って大量のナイフを投げる奴。

 

 そのナイフが全て空中で止まった。

「この空間は俺の空間だ。だからこんなことも出来る」

 そう言って奴が指パッチンをすると急に止まったナイフがこっちに向かって飛んできた。

 

「うわぁっ!」

 そして逃げ回るも少しだけかすってしまった。

 

「いてて」

 

「お前は俺に勝つ事は出来ない」

 言ってくれるじゃないか……。

 

「ふん。俺がお前に勝って証明してやるよ。裕太を恨んじゃいないって」




 はい!第61話終了



 次回の東方魂愛想は?

「え?お兄ちゃんが大ピンチ!?」

「あいつ。私の仲間に手を出しておいて、命令だからって許さない!」

 そして裕太を助けるために動き出す御一行。

「最初のバトルはコイントス」

 そして仮面の男と裕太のゲームの勝敗は?

 そして進展する京哉の戦い!

 次回、第62話『夢殺(ゆめごろし)



 それでは!

 さようなら


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第62話 夢殺(ゆめごろし)

 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 令和初の投稿です!



 それでは前回のあらすじ

 人里に買い物に行った裕太。

 そんな裕太の目の前に仮面の男が現れる。

 裕太にトランプ勝負を仕掛け、そして負かした。

 その後、裕太はそんな彼と勝負する夢を見る。

 そして京哉は心の闇を打ち倒せるのか?



 令和初の話。楽しんでいってください!

 それではどうぞ!


side歩美

 

 次の日。

 

 お兄ちゃんならいつも起きていて庭で刀を振っている時間。

 

 だけど外を見てみても誰も居なかった。

 

 寝坊してるのかな?まぁ、お兄ちゃんでもそれくらいあるよね。

 

 そう思って廊下に出ると妖夢さんが料理を運んでいた。

 

「あ、歩美ちゃん。裕太さんを呼んできてくれる?もうすぐでご飯だから」

 そう言われたからお兄ちゃんの部屋に行ってみる。

 

 多分まだ寝ているんだろう。

 

 そう思って扉を開けると彩さんが居た。

 

 その彩さんはお兄ちゃんの胸に手を当てて霊力を送り込んでいた。

「何やってるんですか?」

 私が問いかけると切羽詰まった声色で彩さんは言った。

 

「やられた。くっ」

 

「な、何を?」

 

「無防御な時間、つまり寝込みを襲われた。今、空頼君はとても危険な状況……」

 そう言いながらも霊力を送り込むのをやめない彩さん。

 

「早くこれをした犯人を倒さないと……危ない」

 そう言って漸く立ち上がった彩さん。

「でも、宛はあるんですか?」

 

「これは夢殺《(べっと)ルーム》」

 

 このスペルはまず、かけたい対象者に対して勝負を挑み、勝てたらスペルを発動できる。

 そしてかかってしまったら最後、夢の中で三試合の内、一試合でも勝つか、本体を倒さない限り殺されてしまう。

 しかも心臓発作と言う形で

 

「賭……。お前を倒す」

 そう言って歩み出す彩さん。

 

「話は聞かせてもらいました」

 後ろから声がした。

 

 その声の主は妖夢さんだった。

「私も連れて行ってください」

 いつになく真剣な表情。いつも戦場に行かない私は見た事の無い表情。

 

 それだけお兄ちゃんのことが大切なんだ……。

 

「分かった」

 そう言って2人で出ていこうとする。

 

 このままお兄ちゃんが死ぬか助かるか見守るだけなんて……嫌だ……絶対に……

 

 私は普段戦いもしないし、何もしてない。そんな私が役に立てる事なんて無いのは分かってる。寧ろ足を引っ張る未来しか見えない。

 だけど……

「私も連れて行ってください!」

 言い放った。

 

 出ていこうとした二人にそう言った。

 

「歩美ちゃんだっけ?戦場はね危ないんだよ」

 

「分かってる」

 

「なら」

 

「だけど!」

 私は声を張り上げた。

 

「だけど私にとって……たった一人のお兄ちゃんだから……世界で一番好きな人だから。だからただ待っているのは嫌!確かに私じゃ足でまといになるかもしれないけど……だけど私も戦いたい!」

 そう言うと彩さんは短くため息をついた。

 

「兄も兄なら妹も妹って事ね」

 そう言うと少しだけ考え込む彩さん。

 

「分かった。だけど危なくなったら逃げてね」

 敵だったって聞いて少し恐怖心を抱いていたけど……。ずっと優しい人だった。

 お兄ちゃんが気に入るのも頷ける。

 

「アハハ。賭……久しぶりにリアルファイトしようか……。私の仲間に手を出したんだから……絶対に許さないよ賭博(とばく)。たとえ漠の命令だとしても」

 


 

side裕太

 

 一方、忍冬達が賭を倒しに行こうとしている時、裕太の夢は?

 

「まずはどうする?そちらが決めてくれても良いよ」

 と俺に決定権を譲ってくる仮面の男。

 

「そっちがそれでいいなら」

 そう言ってコインを手に取って考え込む。

 

 表裏があるコインってのは重心が偏ってるんだ。

 こんな風に掘り方が違うとどちらかに偏ってしまう。

 

 となると掘ってある面積が多い方が軽くなって上に来やくなる。

 この場合、表の方が掘ってある面積が多いから軽くなる確率が高い。

 

 となるとだ。俺が選ぶのは

「「表だ」」

 

「え?」

 俺の声に被せて仮面の男もそう言った。

 

「お前ならそう言うと思ってた」

 そう言ってコインを回収する仮面の男。

「んじゃ、俺は裏だな」

 そう言ってコインを投げる男

 

 そして投げたコインは何回転かしてからいつの間にか出現していたテーブルに落ちた。

 そのコインは横向きでクルクルと駒のように回る。

 

 そしてやがてパタンとコインが倒れた。

 そのコインを見ると上をむいていた面は

「裏、だな。まずは俺の勝ちだ」

 そう言ってコインを回収する仮面の男。

 

 次も負けたら2点先取でこの試合は負けてしまう。

 負けてはいけない。そんな気がする。

「次だ。次はどっちだ?」

 

 コインは重心が偏っている。

 さっきのはたまたま裏になっただけだ。裏になる確率はそんな無いはず。

 なら次も

「「表だ」」

 またもや声が揃ってしまった。

 

 もしやこの状況、こいつの手のひらの上で転がされているのか?

「んじゃ俺もまた裏だ」

 そしてまたコインを回収して投げる仮面の男。

 

 裏になる確率は表より低いはずだ。

 

 低い……はずだよな?

 

 コインがテーブルに落ちたのを見て俺は息が止まった。

「こ、これは……」

 

 俺は何度も目を擦る。しかし現実は変わらない。

「裏だな。この勝負も俺の勝ち。先に2勝したからこの試合は俺の勝ち」

 まずは一試合取られてしまった。

 

 これで俺の負けへのカウントダウンも一つ減った。

 

「これで負けたらどうなるんだ?」

 俺は聞いた。

 

「君が負けた場合、君は死ぬよ」

 そう、あっさりとそう言った。

 

「次はこれで勝負をしようじゃないか」

 トランプを取り出してトランプを何枚か抜いていく仮面の男。

「ジョーカーと数字を1枚抜いた。ジジ抜きで勝負だ」

 ババ抜きだとどっちがババを持っているか分かってしまうからか……。

 だが、命を賭けるには軽すぎる勝負内容だ。

 

「だが、やってやるよ。ジジ抜きを」

 


 

side京哉

 

「負けない!」

 負けじと俺もナイフを投げまくる。

 

 しかし(ことごと)くナイフを避けられる。やはり奴の言っていた俺を全て知っているってのは本当なのかもしれない。

 

 だけどこれで負ける訳には行かない。こんな所で油を売っているわけには行かない!

 

「何度も言っているだろ?無駄だって」

 そして投げたナイフを一本取られる。

 

 そして

「お返しだ」

 俺にそのナイフを投げてきて腕に刺さる。

 

「グッ!」

 ここでもきっちり真っ赤な血が出る。

 

 腕からそれが流れて下げた腕を伝って拳から地面に落ちる血。

「その血が俺に勝てない事を証明しているようじゃないか」

 確かにこいつはここ数分戦っただけでも幾度となく俺の先を読んで行動し、俺を追い詰めてくる。

 

 だけど、諦めなければ勝機は見えてくるはずだ。

 

「これを食らって諦めろ」

 その時、奴が投げてきたナイフが止まって見えた。

 

 それだけじゃなく、どういう風に飛ぶかも全て分かった。

 

 その軌道を避けるように動くと完璧に避けることが出来た。

 何故だか俺は今、こいつの攻撃を把握することが(・・・・・・・)出来た(・・・)

 

「なんだと!?」

 

「これが……俺の力?」

 

「1回避けただけでいい気になるなよ」

 そして今度はいっぺんに20本位投げてきた

 

 それを全て俺はあまり動かずに回避する。

「もう、お前には負けんぞ」

 これが、俺の能力……。

 

 そうか!

 相手の攻撃を把握出来た。それが俺の能力なんだ。

 

 霊夢って人の能力は『主に空を飛ぶ程度の能力』らしい。

 

 なら俺は色々なことを把握出来る可能性があるって事で

「『主に把握する程度の能力』だ」




 はい!第62話終了



 次回の東方魂愛想は?

 歩美達が人里に行くとなんとそこには賭と厄が居た。

 戦うが厄の能力によって不利な状況に

「でもお兄ちゃんを助けるために私は足掻いてみせる」

 そして

「お前の負けだ!」
 京哉対京哉。決着

 次回、第63話『勝てなくても』



 それでは!

 さようなら


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第63話 勝てなくても

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 忍冬達が裕太の危険を悟る。

 それによって裕太を助けるために行動を開始する。

 そして裕太は刻一刻と死へのカウントダウンが進んでいく。

 そして京哉の能力、『主に把握する程度の能力』が開花。

 果たして漠を倒すことは出来るのか?



 それではどうぞ!


side歩美

 

 私達は幽々子さんに挨拶をして人里に来ていた。

 

 彩さんがここに居ると言っていたから来たけど、特に怪しいことは何も無い。

 

 それだと言うのに今も尚、彩さんは周りを見ながら歩いている。

 

 すると路地に占いをやってそうなところがあった。

 

 そこを彩さんはマジマジと凝視する。

 

「狂符《キルグレア》」

 と彩さんがスペルを発動させると男の人が現れて避けた。

 

 仮面を被っていて表情が読めない。

 

「いやー。彩ちゃんは流石だねぇ」

 おどけた口調で言う仮面の男。

 

 このノリは若干、お兄ちゃんと京哉さんのノリに似ているような気がする。

 

「彩ちゃんはやめてって言ってるでしょ?賭」

 という事はこいつがお兄ちゃんをあんな風にした元凶?

 

「賭と言う名はあまり好きじゃないんだ。策沼(さくぬま) 賭博って名前があるんだからそのどれかで読んで欲しい」

 多分、と言うか間違いなく私はこいつの仲間をあまり見た事が無いけど相当な変人だと思う。

 

「そう?ところであんたといつも居るあのちっこいのはどこ?」

 という事はもしかしてもう1人敵が居るの!?

 

「ああ、あの子なら」

 そう言って私たちの後ろを指す賭。

 

 そしてその指につられてそっちを見ると小学生位の背丈の女の子が両手にナイフを持って下を向いて立っていた。

 

「久しぶり。狂お姉ちゃん」

 ニヒヒッと笑う女の子。

 

 パーカーを来ていてフードを目深に被っている為、顔があまり見えない。

「ねぇ。君達。このナイフ、さっき研いだばっかりなんだ〜試したいよね」

 嫌な予感がする。

 

 隣を見ると無言で妖夢さんは刀に手を掛けていた。

 

「君達で試してあげる!」

 と前を向いた瞬間の風圧でフードが(なび)いたその一瞬、彩さん見たいな真っ赤な目が見えた。

 

 するとその瞬間、突風が吹き荒れてきた。

 

 そう。なんの音沙汰もなく急に吹いてきたのだ。

 

「いきなり飛ばすねぇ。あやちゃん。ゾクゾクしちゃう!」

 と賭は体を抱きしめて体をうねうね動かず。正直いって気持ち悪い。

 

 これだけで分かった。この人変な人だ!

「変態。こいつらを倒せたら後で蹴ってあげる」

「ありがとうございます!」

 と賭があいちゃんと呼んだ子がそう言うと賭はお礼を言って敬礼をした。

 何このやり取り。気持ち悪い

「へ、変態だ……」

 私がそう呟くと彩さんが「いつもの事よ」と言った。

 

 これがいつもの事なのか……。と私はドン引きする。

 

 慣れたくない。絶対に彩さんみたいに

「んじゃ、あいちゃんからのご褒美を貰うために僕も頑張っちゃおうかな?」

 そう言って手袋をする賭。

 

「改めて。僕はコードネーム『賭』。本名は笹沼 賭博。で、こっちの可愛い子はコードネーム『厄』。本名は伊月(いづき) 亜異(あい)

 そう言うと厄は賭に近づいてお腹を思いっきり蹴って飛ばした。

「あ、りがとう……ございます」

 どうしよう。本気で気持ち悪い。

 

 戦う前に戦意喪失させるってどんな奴だよ。

 

「全く……本名まで言わなくていい!」

 

「ごめんごめん。僕はあまりコードネームは好きじゃないんだ」

 コードネーム嫌いの人って居るんだ!?

 

 私はコードネームってなんかかっこよくて憧れるけど。

 

「それよりも、裕太さんの為にあなた方を斬らせていただきます」

 そう言って刀を構えて突っ込む妖夢さん。

 

 そして斬撃を厄に何度も繰り出す……だがしかし、全て両手のナイフによって防がれてしまった。

「あはっ」

 

 その瞬間フードがふわりと舞い上がった。

「魂魄!そいつの目を見ちゃダメ!」

 

 その瞬間、急に妖夢さんが苦しみ出した。

 

「ありゃりゃ。病気にかかっちゃったみたいだよこの子」

 そう言ってこっちまで妖夢さんを蹴っ飛ばす厄。

 

 あれが厄の能力。

「実は私にも何が起こるか分からないんだ」

 自分自身でも操れない能力。

 

 目を見てしまったら最後、能力にかかってしまう。

 

「魂魄は戦えないね。ここはいいから歩美ちゃん、魂魄を連れて逃げて」

 逃げる?逃げたらどうなる?

 

 彩さんだけで戦って……二対一で勝てるような相手じゃない事は彩さんの表情が語っている。

「嫌だ」

 無意識のうちに私はそう零していた。

 

 倒せなくてもいい。足でまといでもいいから彩さんの負担を減らしたい。

 だから私は戦う。

「私は逃げない」

 

「何馬鹿なことを言ってるの!?危なくなったら逃げるって約束したでしょ!?」

 ごめんなさい。彩さん。

 

 でももう。我慢出来ない。

 

 お兄ちゃんの為に戦えるなら本望。

「歩美ちゃん!」

 私は気がついたら厄に向かって駆け出していた。

 

「君、弱そうだね」

 そう。私は弱い。戦ったことも無い。人を傷つけたことも無い。

 

 だけど……。

「精一杯足掻いてみせる!」

 いつもお兄ちゃんの感じていた気持ちはこんな感じだったんだろうな。

『歩美。精一杯足掻いて見せろ!』

 そんな声が聞こえた気がした。

 

 だから私は

 

「戦うんだァ!」

 すると急に私に突風が当たらなくなった。

「か、風を弾き返している!?」

 

「はぁぁっ!」

 そして厄に殴り掛かる。

 


 

side京哉

 

「まさかそんな能力が」

 俺の目の前にいる奴は驚いているようだ。

 

 でも、これが現実だ。

「お前のナイフはもう効かない。もう把握したからな」

 裕太が教えてくれたやつの飲み込みが早かったのは多分、把握のおかげだろう。

 

 この把握強い!

 

 そして俺がナイフを手に持つと奴は回避する体勢に入る。

 

 しかし俺は奴に向かって投げない。

 なぜなら、当たるように投げると奴に回避されてしまうからだ。

 

 だから俺は当てない。

 

「どうして当てに来ない」

 どうして?

 

 もう奴も分かっているだろうに。

 逃げ道がもうないって事を

 

「なぁ。俺の技は俺が移動する以外にも引っ張る力があるんだよ」

 そう言って逃げ道が無くなった奴にナイフを投げる。

 

 すると奴は諸に俺のナイフを腹に食らってしまった。

「ぐはっ」

 初めて吐血をする奴。

 

 そして俺は糸を引くように引っ張る。

「これが引寄《フックショット》のもう一つの使い方だ!」

 そして引き寄せて奴が近寄ってきたところを思いっきり殴った。

 

 そして俺は奴を霊力の糸でぐるぐる巻きにして動かないようにした。

「もうお前は勝てないぜ」

 そう言ってポケットに手を入れる。

 

 そして引きちぎろうともがく奴だが、俺の糸は絶対に切れない糸のため無駄だ。

 

 そして動かない奴の目の前に立つ。

「俺は裕太を恨んじゃいない。これが真実だぜ。俺」

 そしてアッパーを繰り出すと奴の体が浮いた。

 

「お前は……」

 そして俺は腹に膝蹴りを加えた。

 

 それによってやつの体が吹っ飛んでいく。

「負けたのだ」

 その瞬間、目の前が真っ暗になった。

 

 そしてそれが瞼を閉じている暗さだというのはすぐ分かった。

 そして目を開けると俺の体が灰色になって石化していた。

 

 しかし、その石化は目に見える速度で解けて行った。

 

 直ぐに完全に解けて歩けるようになった。

 

 廊下に出て歩いてみると静かだった。

 

 変に感じて裕太の部屋の前を歩くと外から裕太が倒れているのが分かった。

 寝ているように見えて、実際に(うな)されている。

 

 だけど分かる。あいつの体から誰のかは分からない霊力を感じる。

 多分、その人が裕太の危険を察して霊力を送り込んだんだろう。

 

 待ってろよ裕太。

 

 そしてこの霊力を探ってみると人里で高ぶっているのが分かった。

「戦闘中か……待ってろよ裕太。今助けるからな」




 はい!第63話終了



 次回の東方魂愛想は?

 歩美対厄の戦い。

 果たしてどちらが勝つのか?

 そして彩対賭。しかし
「待った!」
 待ったコールが!?

 そして
「このカードは……」

「もしかしてこれがラストチャンス?」

 次回、第64話『空気の変動』



 それでは!

 さようなら


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第64話 空気の変動

 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 歩美達は遂に賭&厄と戦うことになった。

 しかし、厄の能力によって妖夢が病気になってしまう。

 彩が逃げろと促すも歩美は絶対に逃げないと言う。

 そして京哉と京哉の戦いは本物の京哉が勝利した。



 それではどうぞ!


side歩美

 

 私が殴り掛かると風に(なび)いて厄の目が見えそうになる。

 

 その瞬間、彩さんの言葉を思い出す。

 

 目を見ちゃダメ。目を見ちゃ……。目!?

 

「目を見ちゃダメ!」

 そして厄の目を見る前に目を閉じて拳を振り下ろす。

 

 目を閉じたことにより、相手との距離が掴めなくなって空ぶってしまう。

 

「おー。私の能力の秘密が分かったの?」

 

「うん。あなたの能力は目が合った人物にランダムで病気を付与する」

 と指を指して言い放った。

 

 すると厄はパチパチパチと軽く手を叩いて「お見事〜」と言っている。

「狂お姉ちゃんの助言があったとはいえ、こんなに直ぐに能力の条件を特定した人は初めてだよ」

 そしてパーカーのファスナーを下ろしてナイフを逆手に持ち帰る。

 

「面白い!」

 そう言って厄は私の方へ走ってきた。

 

 まずい。私、運動神経があまり良くないんだ……。

 

 そして目を閉じると急に厄の苦しそうな声が聞こえてきた。

 

 チャンス。そう思って私は彼女の手首を蹴り飛ばしてナイフを落とさせて、そのナイフを手に取る。

「急に……息が……。あれ?治った」

 私自身、彼女の身に何が起こったのかが全く分からなかった。

 でもこの後、『裕太君。これで貸し1だからね』と言う声が聞こえてきた。

 

 私はまだ戦えるみたい。

 

 そして彼女の真似をしてナイフを逆手にとって走る。

 

「くっ。目を見てしまえ!」

 そしてフードを取って素顔が晒される厄。

 

 結構可愛いと思いながら目が会わないうちに目を閉じてナイフを適当に振る。

 

 だけど目を閉じた状態で当たる筈もなく、全ての攻撃が外れてしまう。

 

 でもお兄ちゃんの為なら戦ってみせる!

「はぁぁっ!」

 するとグサって言う感触が腕に走った。

 

 当たったんだ。

「くっ。意外にやる」

 そして振り回すとカキンカキンと当たる感触が走る。

 

 目が見えてないから分からないけど防がれてるんだろう。

 

 その瞬間、頭に声が流れてきた。

『能力を使いなさい』

 さっきも聞いた声だった。

 能力?私にもあるのかな?

 

 どうやって使えば

『イメージをして。自分が能力を使うところを』

 

 私が能力を使う……。

 

 そしてイメージしてみる。

 すると厄が急にまた苦しみ出した。

「苦しい……。空気が……」

 空気?

 なんで何度も空気が薄くなるんだろう。

 

 そして考えるとひとつの結論にたどり着いた。

 もしかして

「これが私の能力?」

 空気……。空気を薄くする?

 

「ねぇ〜彩ちゃん。なんかあそこだけが酸素濃度が低くなってない?」

 

「そう言えばあんたは感じるだけで濃度が分かる変態だったね」

 

 濃度が入れ替わった?

 

 もしかして

「私の能力は『空気を操る程度の能力』です!」

 色々考えた結果、そうだと分かった。

 

「空気……を?」

 

「とりあえず気絶していてもらいます」

 そしてさらに空気が薄くなるイメージをすると

 

「なんかあそこだけ真空になってきてない?」

 と後ろから聞こえてきたので恐らく空気が無くなって言ってるんだろう。

 

「く、くる……し……」

 そしてバタンと倒れた音がしたから目を開けると厄は白目を向いて倒れていたから能力を解除する。

 

 何とか勝てた……。

 

 そして安心感でその場に倒れ込む。

 

 そしてそのまま眠りについた。

 


 

side彩

 

 歩美ちゃんは何とか勝ったみたい。良かった。

 

 そして歩美ちゃんが勝つと魂魄の表情が元に戻った。多分、彼女が気絶したから能力が解除されたんだろう。

 

 でも歩美ちゃんにあんな能力があったなんて驚いたな。

 

 まぁ、元々戦闘派じゃない厄を倒すだけならあの能力だけでも何とかなったみたいだね。

 

 でも賭は結構強い方だから歩美ちゃんじゃ無理だった。

 

 でも歩美ちゃんが厄を倒してくれたお陰で何とかこっちもなりそう。

 

「うーん……。あいちゃんがやられちゃったかぁ……」

 

 残念そうな賭。

 

「まぁいいか。今は面白そうな(おもちゃ)が居るし」

 こいつは敵の事をおもちゃって言う癖がある。

 

 それくらい甘く見られてるって事だ。

 

「んじゃ、行くよ〜」

 とファイティングポーズをする賭。

 

 賭の武器は拳。

 握力化け物だから掴まれたら最後。骨が粉々に砕かれてしまう。

 

 その時

「待った!」

 空から一人の男が降ってきた。

 

 そして空中で体勢を崩して頭から地面に落下する。

 非常にかっこ悪い。

 

「待った!」

 仕切り直して立ち上がる男。

 

 この人って石化してた人じゃ

「君は誰?」

 賭はそう聞くと男は指を指して

「名を聞く時は自分から名乗るもんだぜ」

 カッコつけてるけど、さっきカッコ悪い所を見てしまってるからな。

 

「僕はコードネーム『賭』。本名、策沼 賭博です。どうぞお見知り置きを」

 

「俺は時雨 京哉だ。把握力では裕太にも負けない」

 そしてと言って時雨は腕を組んだ。

「お前を倒すものだ」

 


 

side裕太

 

 今度のバトルはジジ抜き。

 

 トランプはジョーカーを抜いて、数字だけで52枚有り、この中からランダムで1枚を抜くと51枚ある。

 

 この51枚を振り分けると片方が25枚。もう片方が26枚。

 

 数えてしまえばどちらがジジを持っているかが分かるが、どのカードがジジなのかは分からない。

 

 そして公正を期す為に交互にシャッフルしていく。

「じゃあ配っていくぞ」

 そして交互にトランプを配っていく仮面の男。

 

 そして配り終わったら目の前にあるトランプを回収して手札を見て行く。

 

 そして揃っているやつをどんどんと捨てていく。

 

 二人だから結構多くて探すのが大変だ。

 

 そして完全にペアが揃わなくなったカードを扇状に広げて相手に裏を見せる。

「先行どうぞ?」

 と仮面の男に言われたので一枚引く。

 

 そう言えばさっきこの仮面の男が言っていたが、揃ったらまた引いていいという神経衰弱と同じルールだ。

 ちなみに二連目以降の相手の手順中に手札が無くなっても負け。

 つまり相手より少なくて、相手の二連目以降の引く時に残り一枚のカードを引かれて無くなってしまったら負けという特別ルールだ。

 

 そして引いたカードを見てみると9だった

 

 手持ちを見てみると9があった為、ペアになって捨てることが出来た。

 

 次も俺のターンだ。

 

 二人でやるジジ抜きの場合、ジジを引さえしなければ必ずペアが揃う仕組みだ。

 つまり、これは先行がめちゃくちゃ有利だ。

 

 だから滅多なことがない限り

 そしてもう1枚引くと7だった。

 

 そして手持ちを見てみると7が無かった。

 7がジジだったのか……。

 

 だが、そういう事もある。奴がジジである7を引さえすれば

 そして俺が揃わなかったのを見て奴も7がジジだと気がついただろう。

 さぁどう出る。

「うーん」

 そして一枚のカードを掴む。

 

「このカードはスペードの6だ」

 と言った。

 

 そしてトランプを見てみるとそのカードは確かに6だった。しかもスペードの

 こいつ、何者なんだ?

「そしてこっちがクローバーのK(キング)

 またもや的中された。

 

 勝てる気がしなくなってきた。

「んじゃまずクローバーのA(エース)から」

 そう言ってクローバーのA(エース)を引いて手持ちのA(エース)と合わせて捨てる仮面の男。

 

 そしてどんどん減っていき、仮面の男は全て捨て終わってしまった。

 また負けた。

 

「また僕の勝ちだな。次も僕が勝ったらこの試合も僕の勝ちだよ」

 また負けたらまた2連敗で直ぐ負けてしまう。

 

 負けられない。

 

 そして先ほどと同じようにシャッフルして配る。

「今度はコイントスで」

 そして俺はさっきとは違って裏を選んだものの、表になってしまった。

 なんでこんな時に……。泣きたくなりました。

 

 そしてどんどんと言い当てられて捨てていく仮面の男。

「そして最後。これがスペードのA(エース)

 そして目を閉じる。

 仮面の男が引くとカードが捨てられた音が……しなかった。

 

 目を開けるとスペードのA(エース)なら手元にあった。

 という事は……。初めてこいつが間違えたということか……。

 でもこれで俺が1枚、奴が2枚。2分の1の確率で当たる。

 

 すると後ろで男はシャッフルして左のカードを上に上げた。

「こっちが当たりだ」

 と左のカードを指さした。

 どっちが当たりなんだ?

 

 でも正解を上げるとは思えない。

 そう思ってあげてない右を引くと

「え?」

 見てみるともう1枚のカード、ハートのQ(クイーン)だった。

 まさか本当の事を言ってたなんて……。

 

 そして仮面の男を習って後ろでシャッフルして差し出す。

「僕にチャンスを与えちゃダメだよ。当てたくなくても当てちゃうじゃないか」

 そう言ってスペードのA(エース)を引く仮面の男。

 

「これで僕の2勝。この試合も僕の勝ちだね」

 

 もしかして、あれが最後のチャンスだったのか?

 

「この分なら次も直ぐに終わりそうだな」

 そう言って次に出してきたのは

 

「最後はこのゲーム。トランプの数当てゲームだ」

 この前やったゲームだった。




 はい!第64話終了



 次回の東方魂愛想は?

 京哉対賭。

 しかし、京哉は賭の能力を食らってしまい……。

 そして裕太は最後の試合、トランプの数当てゲームが始まる。

 果たして裕太は勝てるのか?

「負け惜しみか?めくるのが怖いのか?」

 次回、第65話『勝利の女神』



 それでは!

 さようなら


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