人類を救う、悪の敵 (ワタヤハマメナミ)
しおりを挟む

1話

冥王「ち●ち●うずうずしなかったもん……」(´・∀・`)

12/16:書き直し


俺が目を覚ますと、最初に目に移ったのは真っ青な空

周りを見渡せば俺は水面に立っておりそれは地平線まで広がっており周りにはそれ以外一切何もなかった

 

「どこだここは?」

「ここは生と死の狭間ですよ英雄殿」

 

俺は突然の声に驚き振り返った

そこにいたのは優しくも明るい印象を与える金色の髪をしたい女性だった

だがそれよりも聞きたいことがあった

 

「生と死の狭間?」

「ええ、ここは生と死の狭間。貴方達風にいうならばここは現世とあの世の境目ということになりますね」

「なら俺はまだ死んでないのか?」

「いえ、貴方は死にました。生と死の狭間と言いましたが貴方達人間はあの世に行くと強制的に輪廻の輪に帰らされます。」

「なら何故俺はここにいる?」

「それは私が連れて来たからです」

 

こいつがか?何の為に?何の意図があり俺を呼んだのか俺はそれが疑問だった。

 

「何のために呼んだ」

「貴方に救ってほしい世界があるのです」

「救ってほしい世界?」

「はい、まず説明する前に私はヘスティア。数ある神の一柱です。私達神は貴方達人間を見守ってきました。善なる者が天に召した際は天国あるいは輪廻の輪へと帰し新たなる生を与え、悪しき者が天へと召した際は地獄でその罪を一つ一つ清算し、清算し終えた際は輪廻の輪へと帰します。ですが神々の中で邪なる神は『暇だから』と理由で貴方達人間に異能(ギフト)を与え、数ある世界の一つに落としその結末を肴にし始めました。そして異能を与えられた者の9割が自己の欲のために走りました。」

 

まさかこの女が神だったとはーーいやそれよりも、つまり俺にその異能を与えられた人間を殺し天に召し上げろという事か

 

「どうかお願いです!貴方の力を貸してください!」

「お前の思い理解した、故に手を貸そう」

「そうですよね無理ーーえっ!?いいんですか!」

 

すると彼女は俺に詰め寄ってきた

 

「あぁ、お前の思い、その気概理解した」

「で、でも嘘っていう可能性は」

「これでも俺は嘘を見破る事に関してはある程度察する事ができる。お前が嘘など言わず心の底から言っていることなど既に承知済みだ」

「そうでしたか。それでは貴方にも異能を「笑止」えっ?」

「俺は他者から与えられた力を好かん。故に俺は、俺の力のみで完遂する」

「で、ですがそれでは貴方はどうやって彼等を止めるのですか!?」

「心配無用。無辜な民を守る為に俺は存在する。彼らが俺を求める限り俺は負けんよ」

「…わかりました、ではそのまま送りますね」

「あぁ、あとは任せろ。全て俺が片付けよう」

「お願いします、英雄殿」

 

俺はその言葉を最後に異世界へ飛び立った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

女神side

 

「行ってしまいましたね」

 

私は今までいろんな魂を見てきたが彼ほど輝いている魂を見たのは初めてだった

 

魂はその者によって色が変わる

赤なら熱血、青ならクール、黄色なら元気、紫なら憂鬱と沢山の色に分かれているが彼の魂は黄金だった

その色は決して金箔のような薄くなく、魂に金色を上塗りしたような歪さもない。純度100%の純金だった。

その輝きを見れば他の人間は輝きに焼かれ、地に堕ちるか、その輝きに手を伸ばすか分かれるが結局の所、他の人間の人生をご破算にするのに変わりはない

だがそれでも私は思うのだ

彼に救われてほしいとーー否彼こそ救われてほしいと

だがそれでも彼は善良な者達のために自己を無視して他を取るだろう

だからわたしには願うことしか出来ない

少しでも貴方に救いがあるようにと

 

「貴方の人生に幸あらんことを」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

人類が起こした最悪にして最後の戦争『第三次世界大戦』

あらゆる国が他国を滅ぼす為に核を使い、戦争なんて生ぬるい物ではなく

、殲滅戦に近い

あらゆる国が核による影響により、住めなくなりその為に他国を滅ぼすという悪循環に陥っていた

その戦争に終止符を打ったのが彼であり、故に彼は英雄へと呼ばれらようになった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

これから始まるは彼が織り成す英雄譚(ティタノマキア)

 

誰もが焦がれてやまない圧倒的な英雄譚

 

悪を討ち、闇を払い、邪を滅ぼす。

 

さぁ、今宵の英雄譚をはじめよう。

 

 

 




はじめての作品なので暖かい目で見てもらえるとありがたいです。
評価とコメントお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

早めのバトルシーンです。
初めて書いたのでこれでいいのか不安ですが、それでもOKな方のみご覧ください。

少し違和感を感じたので書き直しました。
ここをこうしたらいいのでは?などのアドバイスも受け付けておりますのでそちらもよろしくお願いします

12/16:書き直しました



目を覚ますとそこはには地獄が広がっていた

周りには火の海が広がり、建築物は人を巻き込み倒壊し、人々は死に体となっており人々は嘆き、苦しみ、怒り、憎しみを慟哭している。

上にはそれを見て笑う金色の波紋を背に笑う金髪の男がいた。

金髪の男がこちらに気づき声をかけてきた。

 

「貴様なにものだ、この我を前にして跪かぬとはなんたる不敬な」

「これをやったのは貴様らか?」

 

俺はこいつがどこの誰で、どんな奴かも知らん。

「チッ!まぁいい、我は寛大だからな。そうだ我がこれをやった。何だ文句があるのか?」

「何故彼らを殺した」

「何、我に跪かなかったからだ」

「…その程度で彼らを殺したのか?」

「そうだ。我はこの世の王の中の王、英雄の中の英雄だぞ?奴らは我に跪いて我を讃えるべきなのに奴らはしなかった。ならば奴らは大罪人だ。そんな奴らを殺して何か悪い?」

「…もう喋るな。お前のような塵屑を野放しにはさせるべきではないーー故に俺は貴様を殺す」

 

だが、無辜たる人々を危険に晒す貴様をここで野放しにするわけにはいかん。

 

「フハハハハッ!何だ?貴様はあれか?人を殺したことに怒りを抱いているのか?なんと滑稽な!たかが人間が百や二百死んだところでなんの損がある。人など我と比べればなんの役にも立たないゴミーーいや、それだとゴミに失礼だったな!ハハハハハハハハッ!」

 

俺はそこいらに落ちていた二本の刀を拾い上げ彼に向けた。

 

「苦悶の喘ぎを漏らしながら地獄の窯へと沈むがいいっ!」

「吠えたな雑種ッ!ならば貴様こそ死ね!」

 

黄金の波紋から百を超える宝具が現れ打ち出された。

一人に対して過大な数だ。

これを一人で止めれるものなどいないだろう。

それこそ英雄などと呼ばれるものであってもだ。

 

俺の身体に打ち損じた武器が掠っていく。

奴はそれを見て高笑いしていた。

 

「フハハハハハハハッ!なんだ?威勢がいいのは口だけか?」

 

奴は先より黄金の波紋を増やし、様々な形の武器を取り出した。

 

「そうだな。貴様の後にでもここらにいる人間全員殺すか!貴様もここで終わりだがな!」

 

たかが一刀、されど一刀

 

俺は一刀を撃ち落とし損じた

それは俺の心臓を貫通し、それよってできた一瞬に数多の武器が俺の身体に刺さり、切り裂いた。

出血多量により意識は朦朧とし、力の入らない身体は武器の勢いに吹き飛ばされた。

それにより刺さっていた武器が外れた事によって、蓋となっていた傷が開き血を流した。

身体は重症、意識は朦朧、出血は止まらず

まさに今の俺は絶体絶命な状態だった。

 

奴が何を言っているのか聞こえない。

怒っているのか、悲しんでいるのか、嘲笑っているのか。

何も聞こえない。

 

だが聞き逃してはいけない声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここにいる人間を全員殺す』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーいいや、まだだ」

 

 

 

ならばこそ()()は達成された。

英雄の力を超えて、長き死闘を繰り広げ、致命の技を叩き込み、覚醒を果たしたことでーーー男の心に炎が灯る。

容易ならざる困難という、()()()()()()()()()()()が全て揃ってしまったのだ。

 

ーー胎動する光の波動ーー

 

ーー煌めき始める可能性ーー

 

ーーもはや語るべき言葉は必要ない。ーー

 

 

 

「それが、貴様の極点ならば・・・俺もまた更なる高みへ至るまでッ!」

 

 

刮目せよーー英雄譚(ティタノマキア)が始動する。

 

 

 

 

 

 

覚醒し、限界突破した俺を見た奴は驚いた目をしていた。

驚くのも無理はない

心臓を刺され、満身創痍の身体から放たれる尋常ならざる威圧、しかし迷いない足を見て、彼は慄き恐れた。

 

「この畜生風情が!誰の許しを得て立っている!」

 

先ほどより多い何千の波紋が俺の周囲一帯に配置されそこから絶対必滅の武器が現れ放たれた。

 

 

ーーーだからどうした

 

 

俺は二刀で容易に全ての武器を叩き落とした。

すると奴は化け物を見るような目で此方を見た。

 

「なっ!?貴様なぜ生きている!あれほどの武器を掃射したのになぜ生きている!?」

「なぜと言われても全て叩き落としたからにほかならないが?」

「!?全てだと!?ふざけるなよ!あれがいくらあったと思う!2468門だぞ!?」

 

 

 

「ーーー()()()()()()()()全てを撃ち落とした。それが事実だ」

 

 

 

「!?チッ!もういい!黙れ!」

「それよりも貴様に聞きたいことがある。貴様は神にでもなったつもりか?」

「そうだ!俺はオリ主だ!主人公だ!だから俺こそ全てだ!俺が死ねといえば死ね!それがこの世の法だ!貴様らはそれに従っていれば良いんだ!」

 

オリ主?主人公?俺こそ全て?だから従えと?ーーーーふざけるな、貴様のような輩に無辜な人々を殺させはしない。

 

「ふざけるな。人々を傷つける貴様のような神など必要ない。お前なぞ見るに耐えん糞袋だ。死ねよ貴様、塵屑だろうが。」

「黙れ!貴様誰に口答えしている!我は英雄王ギルガメッシュ!王の中の王!英雄の中の英雄だぞ!」

「知らんわ!」

「チッ!貴様のような奴にこれを使うことになるとはな!」

 

奴は黄金の波紋から剣の柄から円柱状の刀身が三段に重なっているという剣を取り出した。

 

それは互いに違う方へと回転し圧縮され絡み合う風圧の断層は、擬似的な時空断層となって敵対する全てを粉砕する。

 

「原初へ還れ!天地乖離す開闢の星!」

 

それ対し俺がしたことは単純爽快だった

 

()()()()()()()()()()()

 

それは言葉にするまでもなく無謀な試みである。〝天地乖離す開闢の星〟の風圧を上回る物質など人類史を遡っても全て遠き理想郷かそれと同等の威力を持つ宝具しかない。とある盾のの宝具ですら、精神の強度で何とか防げたというレベルの威力を持っているのだ。本来ならば、受け止める以前から蒸発しなければならない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

そして彼が抗えているそのタネはーーー意思の力に他ならない。後ろに守るべき無辜なる人々がいる。だから負けない、負けられない、負けてたまるか勝つのは己だと意志力を暴走。魂を燃焼させて進化、覚醒、限界突破を果たしながら天地乖離す開闢の星の風圧を受け止める。

 

「ハァァァァァァァァッ!」

 

その瞬間異星の法則が具現化する。握り締めた二刀に黄金の閃光が宿る。絶滅せよ、絶滅せよ、絶滅せよーーー無辜なる人々を嘆かせる遍く全てよ絶滅せよと、彼の意志力に呼応する様に一片の闇すらも焼き払う〝光〟が輝く。

 

それは徐々にだが天地乖離す開闢の星を押し返していた。

何十秒、何十分、何十時間という体感時間が狂うほどの拮抗を見せ、ようやく天秤が傾きだし、徐々にという亀のような遅さだがその時が訪れた。

 

「ハァァァァァァァァッ!」

 

天地乖離す開闢の星を真っ向から消し去った。

これには流石にギルガメッシュも目が点になり惚けた

彼がその隙を逃す訳などなく。

彼は最高速でギルガメッシュの懐に潜り込んだ。

そこでようやくギルガメッシュが意識を戻したが遅すぎた

 

「ハァァァァァァァァッ!」

 

ギルガメッシュに何十、何百、何千、何万の光の斬撃が襲う。

その一つ一つが音を超え、一つ一つが大地を揺るがす威力を持っており

ギルガメッシュは全身から血を吹き出し倒れ、光の粒子となり消えた。

 

 

後にこの戦いを『大破壊』といわれるようなり、ここから彼の英雄譚は始まった

 




どうでしたでしょうか?
もし誤字脱字アドバイス感想はコメントへよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

難産すえようやく産み落とせました(−_−;)

変態水星「あなた連続で放射光とかズバズバ放ってくるんでしょう?」


駒王町にある駒王学園では三大勢力の悪魔、天使、堕天使が会談を行っていた。

三大勢力は大きな戦争により大半の仲間を失いそれに加え魔王と神を失なった。

このままでは彼等は滅んでしまうと危惧した彼等は和平を結ぼうと駒王学園に集まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

駒王学園では会談を壊すためにテロが起き、今回のクーデターの主犯が現れた。

現れたのは胸元が大きく開かれ、スリットの入ったドレスを纏う眼鏡をかけた知的そうな女性だった。

 その女性は不敵な笑みを浮かべ、2人魔王を見据える。

 

「ごきげんよう。現ルシファーのサーゼクス。そして現レヴィアタンのセラフォルー」 

 

 セラフォルーの名を呼ぶときに若干険の色が濃くなった気がしたがこの場にいる者たちには関係のないことだった。

 

「先代レヴィアタンの血を引く者。カテレア・レヴィアタン。これはどういうことだ?」

 

 旧四大魔王が消滅後、三勢力での停戦が決まり、それに最後まで反発したのが先代魔王の血を引く旧魔王派の一派だった。

 意見の喰い違いからそれは内乱にまで発展し、戦争で数を減らした悪魔はさらに減少することになる。

 結果的には旧魔王派は内乱に敗れ、冥界の僻地へと追いやられるわけだが。

 その後、サーゼクスなどの新魔王が誕生し、新政府の樹立が成された。

 先代レヴィアタンの血を引くというカテレアは挑戦的な笑みで言う。

 

「旧魔王———真なる魔王である我々は大半が「禍の団」に協力すると決めました」

 

 真なる魔王と名乗ったカテレア。それが意味することは現魔王を偽の魔王としてその存在を認めないという意思表示だった。

 クーデター。その事実にサーゼクスは眉間の皺を深める。

 

「新旧魔王サイドの確執が本格的になったわけだ。悪魔社会も大変だな」

 

 他人事のように笑うアザゼル

 

「カテレア、何故だ」

 

「オーフィスを神とした新世界で法も理念も私たちが構築しますその為にミカエル、アザゼル。そして魔王サーゼクス。貴方たちの時代をここで終えるのです」

 

そして外で暴れている魔術師たちは旧魔王派の賛同者。

 カテレアの言い分を聞いてサーゼクスは自分の甘さに眩暈がした。

 

 旧魔王派を僻地に追いやった際に長い時間をかけて交渉し、いずれ現政府に復帰してもらうつもりだった。

 たとえ意見が異なろうと悪魔の未来を憂いているのは同じ。ならば考えを擦り合わせることは可能だと彼は信じていた。

 その目論見の甘さが今日を招いてしまったと後悔した。

 

 そしてそれはサーゼクスの後ろに居たセラフォルーも同様だった。

 

「カテレアちゃん、どうして!?」

 

「セラフォルー・シトリー。私からレヴィアタンの名前を奪うだけでは飽き足らず、その名を穢し、辱めた貴女を私は絶対に許しはしない!貴女が踏み躙ったレヴィアタンの名は今日を以って私が取り戻す!!」

 

「わ、私は……!?」

 

 敵意を越えた憎悪をその瞳に宿し、突き刺すような視線でセラフォルーを射抜く。そして彼女自身その視線に狼狽していた。

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーそこまでだ」

 

その言葉の覇気によって誰もが身体を強張らせた。

その一言は痛み、嘆き、そして絶望。それらあまねく負の因子を鎧袖一触する煌めきが覚悟ともに悪を射抜き、守護を誓うと宣誓していた。

 

 

「見つけたぞ、カテレア・レヴィアタン」

 

 

誰もがその言葉に耳を傾けていた。

突如結界が一刀両断され、上空から1人の男が降り立った。

 

軍服を身に纏った偉丈夫。腰には六本の刀剣。輝く金髪の美貌。

構成するそれら一つ一つの要素、総てが男を輝かせる。強靭にして荘厳、高潔なる強者として。 

 

 

ーーーここに英雄が降誕したーーー

 

 

魔王も天使長も堕天使総督も反逆者も赤龍帝も白龍皇も誰もが彼の覇気に飲み込まれた。

 

魔王よりも荘厳で、天使長よりも高潔で、堕天使総督よりも苛烈な彼が現れた、それだけで世界の不吉は取り払われる。

 

物語の主役が入れ代わる。

紅蓮の光はまだ届かず、英雄の光に覆い隠される。

これより始まるのは男が紡ぎ出す英雄譚

ただ姿を見せるだけで、戦場を支配する主演が立つ。

 

男は運命へと挑むもの――覇者の栄冠を担う光の守護者

そう、彼の名は――

 

 

「ルクスレイ・ヴァルレクス!」

 

彼に一番最初に反応したのは、先まで余裕の笑みを浮かべていたカテレアだった。

しかし彼を見た瞬間彼女は憎悪の目で、彼に山ひとつ消滅する特大の光線を放った。

 

それは最上級悪魔ですら瀕死に追い込まれる程の魔力が練られていた。

そんなものを人間が止められるか?ーー否だ

そんなのは不可能だ

 

 

 

 

 

 

 

ではここで諦めて抗わず無様に死を受けいるか?

 

ーーー否、馬鹿を言えよあり得ない。無辜なる民を守るためならば不条理、理不尽、不可能を打破し超えてみせよう。──全ては勝利(未来)をこの手に掴むため!

 

「ハアアアアアアアアッ!」

 

彼が腰から抜いた刀と特別性の刀が光線とぶつかり合う。

その影響で熱を帯び始めた刀が手が焼き始め、少しずつ少しずつ手から腕へ広がっていった。

 

それは地獄だった。

少しずつ焼け激痛を訴える己の身体、力を失っていく手足、焦げる臭いが鼻を突く。

 

 

ーーだが彼はその全てを()()()()()()で耐え切っていた

 

 

「(それがどうした!不可能?無茶?無謀?そんなこと知ったことか!この程度で死んでたまるものか!意志が続く限り、この鼓動が鳴る限り、俺は死なない!俺は必ず人類に勝利(未来)を与えてみせる!)」

 

 

ーー故に

 

「まだだッ!!!」

 

限界突破

理不尽を、不条理を、不可能をあらゆる負を覚醒と共に打ち破り、勝利をもたらすご都合主義。

彼は気合いと根性でそれを引き起こし光線を断ち切った。

だが手は大火傷を負い、贓物はぐちゃぐちゃに潰れており、骨は砕けており、まさに死に体であった。

 

「なっ!?オーフィスの力で強化した私の魔力を断ち切った!?」

 

「ーーーなめるなよカテレア・レヴィアタン。人々の幸福を未来を輝きを―――守り抜かんと願う限り俺は無敵だ。来るがいい、明日の光は奪わせん!」

 

 

その宣誓はどこまでも雄々しく、決して虚偽など欠片もない全身全霊で語られた本気のものである。

 

「この英雄(バケモノ)がッ!貴様のせいで禍の団で私たちの居場所は無くなった!どうしてくれる!」

 

「それこそふざけるなよ。他種族を劣等と考え、人間を家畜としてから見ていない貴様らにやるものなど一つもない!」

 

「ヴァルレクスゥゥゥゥゥゥッ!!!」

 

怒りにより彼女の体からドス黒い魔力が溢れ出した。

それは現レヴィアタンの魔力を遥かに凌いだ量だった。

 

「シネェェェェェェェェェッ!!!」

 

「死ぬのは貴様だ!」

 

彼の刀とカテレアの魔力がぶつかり合う。

それは何十、何百、何千と数えるのも馬鹿らしくなるほどのぶつかり合いをしていた。

彼の覇気は撃ち合えば撃ち合うほどに増し、人外の過半数が意識を失っていった。

だがそれよりも三大勢力のトップは目の前を信じきれずにいた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

それも英雄には何の関係もなく、神器を持たないただの人間がだ。

その光景を見てトップは恐怖を抱いた。

 

『これは何だ?人間?馬鹿いえよ。こんなのが人間なものあるものか。

これは俺たちと同じ英雄(バケモノ)だ』

 

少し違うかもしれないがほぼ同じことを彼等は感じていた。

だが何より彼等は嫌な予感がしていた

これ以上起こっていけないことが起きる、それは本能に近かった

 

 

そしてそれは目の前で実際に起こった

 

 

 

『それでいいの?傀儡(えいゆう)さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




評価、コメントよろしくお願いします


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

今回は短めです


目を開ければそこには1人の少女が浮かんでいた。

 

「それとは?」

 

俺が問うと奴はクスクス笑いながら答えた

 

『わかっているでしょう?貴方の身体はもう限界で、このまま打ち合えば貴方が先に死ぬわよ?』

 

たしかに奴の魔力はまだ残っており、先に俺の体力が先に底を着くだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからどうした?諦めろと?ーーふざけるなよ、奴は人間を家畜と見ており、奴は人間を殺した。ならば奴を野放しにすることなど出来ん否、してなるものか。人類を守るためならばいくらでも限界など超えて行こう」

 

その瞬間彼から先程が米粒と感じるような覇気が放たれた

 

 

 

『全ては人類の明日(ひかり)のため!』

 

 

 

すると少女は狂ったように笑い出した

 

『アハハハハハハハハッ!そう!それでこそ傀儡(えいゆう)に相応しい!なら詠唱(うた)いましょう!全てを鏖殺して!明日のため!光のため!』

 

 

 

 

 

 

先程からぶつかり合っていたヴェルレクスから先程とは比べ物にもならないくらいの覇気が放たれた。

それによって吹き飛ばされたカテレア、その覇気に喰われた魔王、堕天使総督、天使長、赤龍帝、白龍皇以外の三大勢力

 

 

『創世せよ、天に描いた星辰を───我らは煌めく流れ星』

 

高らかに詠い上げた聖句(ランゲージ)と共に、心臓が胎動して金色に光り輝き周囲を染め上げていく。

 魔力、否───それ以外の別の力が、まるで空に飛翔するが如く際限なく上昇を続ける。世界が震え、その力星は許容出来ないと拒絶の悲鳴を叫ぶが、それが止まることはない。

 

『!?!?!?』

 

 理解出来ない。なんだ、その力の奔流は? まるで──星そのもののような波動エネルギーが箍が外れたように溢れて止まない。僅かな痛みを感じて、腕を確認すると筋肉が痺れたようにピリピリと痙攣していた。空気そのものが帯電しているようで、時折パチリと音が鳴っている。

 

「・・・ッ!」

 

周りが愕然とする中、カテレアは一人あれの正体を知っていた。

あれこそ死の光に他ならない

 

ー邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろー

 

その思い、信念、渇望が具現化したに他ならない。

──彼は星を掴むべく飛翔を続けていく。

 

『悪蛇が世界を覆い、闇の世界が到来する』

 

『人々が血涙流す時、裁きの時は訪れる』

 

『世界を喰らいし深淵よ、我が雷光(さばき)を受けるがいい』

 

『残滅の雷光は悪蛇を討ち滅ぼし、世界に光を齎そう』

 

『遍く全てを我が雷光が照らすだろう』

 

『光の時代の到来する、故に我が雷光を持って討ち滅ぼそう』

 

『約束された日常(あんてい)を、新世界にて齎そう』

 

 

 

超新星(Metalnova)ーー天裁雷鏖、悪蛇殺しの裁断者(L i g h t n i n g・v a j r a P u n i s h e r)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

今回も難産だった。

ホモ邪竜「そいつらはなぜ、邪魔な国に核ミサイルを撃ちこもうと必死に努力しなかったんだ?おかしいだろうが、常識的に考えてッ!」


轟く雷鳴、吹き荒れる暴風、地面に縫い付けられるほどの覇気(プレッシャー)が彼らを襲う。

 

天使も堕天使も悪魔も龍も関係なく誰もが彼から放たれる覇気を前に恐怖を覚えた。

それはある二体の龍を抜いて最強と言われている二天龍、赤龍帝であるドライグ、白龍皇であるアルビオンも例外ではなかった。

二天龍は数多の英傑英雄を見てきたし、時には人外を圧倒する人間も見てきた。

 

 

だが奴は次元が違う。

 

奴は二天龍である我ら、そして最強と言われている○○と☆☆にすら届く程の力を秘めている。

 

この時二天龍は初めて一人の人間に対して恐怖した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

彼の姿を隠していた砂煙が無くなるとそこには黄金に輝く刀剣を携えた英雄(バケモノ)かいた。

奴は人間だ、ちっぽけで矮小でその癖数が多く欲にまみれた塵以下の存在だ。

私の魔法が擦ればそれだけで致命傷を負う。

 

 

 

 

なのに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

彼の眼がゆっくりと開き彼の放出する覇気が比べ物にならないほど巨大になり、彼女の身体が金縛りのように動かなくなった。

 

「カテレア・レヴィアタン、お前に対し俺はもう何も言わん。言っても無駄だと理解した。故に貴様に送るのはただ一つ。」

 

誰もがその言葉に耳を傾けたーー否、傾けさせられたと言う方が正しい。

 

「死だ。苦しみも痛みも屈辱も与えん。貴様に与えるのは死だけだということを理解しながら地獄の釜へと堕ちるがいい!」

 

その瞬間カテレアの目の前にヴァルレクスが音を置き去りにして肉薄していた。

背に腹は変えららないと、カテレアは片腕一本を犠牲にしてヴァルレクスの射程範囲から逃げようとしたところでカテレアは自らの羽が切り落とされていることに気づいた。

 

だが英雄(ヴァルレクス)がこの隙を逃すはずも無く、カテレアに絶死の一撃を与えた。

それは人の生を全てを捧げてようやく手に入ることが出来る対人最強の魔剣をヴァルレクスは()()()()()()で成し遂げた。

 

「地獄へ帰れカテレアァァァァァァっ!!!!」

 

その斬撃はカテレアをバラバラにするだけに留まらず後ろにあった学校の校舎もバラバラに切り裂いた。

そして音を置き去りにする速度で飛んで来た魔力弾を切り捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何の用だ白龍皇」

 

 

その魔力弾を放ったのは白龍皇であるヴァーリだった。

そしてヴァーリがヴァルレクスに喧嘩を売ったのは至極単純だった

 

「俺と戦えヴァルレクス」

 

彼が戦闘狂(バトル・ジャンキー)だからだ。

 

「断る。貴様と戦う理由はない」

 

それを最後に彼は空間に現れた渦に入ろうとしたところで爆弾とは比較にならない核を白龍皇が落とした。

 

 

 

「なら腹いせに人間を虐殺するぞ?」

 




Q.秘剣燕返しをどうやって習得したのか

「剣を光を超える速度で振り抜けば良いのだろう?」

A.気合いと根性


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話

ガンマレイキレーだなー(白目)


ルクスレイ・ヴァルレクスは自らを正義などとは一度も思ったことなんてない。

所詮自分がやっているのは自己満足に過ぎないし、快楽主義者が快楽のために人を殺すのと同じで、自分も悪を許容できないから殺す。

それがたまたま民衆の英雄像と重なったに過ぎない。

だからこそ彼は自らを英雄と呼ばずに裁かれるべき悪だと信じ込んでいる。

 

 

 

だがそれでもヴァーリはここで殺さなければ()だと本能が、理性が叫んでいた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

そもそもヴァーリは勘違いをしていた。

彼と戦う事が楽しいなどと思う事自体間違っているのだ。

彼と戦うということは雌雄を決するまで終わらないし、止まらないのだ。

それにだ、彼と戦うという時点で彼に勝利するなんてそれこそ闇の奥底の深淵で慟哭する(さけぶ)人狼(リュカオン)や悪を許容出来ず、悪を裁き続ける鋼の英雄や眷星神(光の奴隷)ぐらいだろう。

 

だからこそ、この結末は当たり前だった。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

今ここにいる各勢力は目の前の光景に驚くしかなかった。

 

魔王の血筋であり、二天龍の片割れの白龍皇でもあるヴァーリ・ルシファーは歴史上最強の白龍皇だ。

その力は神殺しすら可能なほど強い。

 

そう、そのはずなのだが

 

殴ろうとすれば

 

「ハァッ!」

 

「遅い!」

 

カウンターで数十発殴られ

 

 

魔法を放とうとすれば

 

「これでどうだ!」

 

「まだだ!」

 

魔法が刀で切り裂かれ、その鎌鼬がヴァーリを斬りつけ

 

 

半減(能力)を使おうとすれば

 

Divide(ディバインド)ガハッ!」

 

「そんな覚悟で俺の力を奪えると思うなよ!」

 

強すぎる力に吐血し、その上殴打斬撃を直接貰ってしまいヴァーリは満身創痍だった。

 

そのままトドメを刺そうと彼に近づき、あと数十メートルのところでひとりの鴉が眼前に立ち突然頭を下げてきた

 

「頼む!どうかこいつを見逃してやってくれ!俺の首でいいなら差し出すから!」

 

それは懇願だった。

1人の息子を守るために命すら投げ出す父親に対して返ってきたのはーー

 

 

「断る」

 

 

拒絶だった。

流石にその返しは予想してなかったのか鴉は固まり慌てながら言った。

 

「な、なら金か?女か?名誉か?何でもやるから「その口を閉じろ鴉」っ!?」

 

「俺が欲するのは奴の首一つだ。奴の思想は危険だ、戦うためなら殺人窃盗戦争生物として侵してはならないことすら起こす。そんな奴を野放しにすることなど出来ん」

 

「だが!そうなるとは限らないだろう!こいつだっていつか自分がしていることに気づいて「それは何時だ?そのために何人何十人何百人何千人が犠牲になればいい?そいつが殺した犠牲者の親兄弟親戚になんて言うつもりだ?」そ、それは・・」

 

「それこそ貴様らが人間を家畜、劣等だと思っている証拠に他ならない。数が多いから死んでも何も思わないし、何も感じない。減れば増やせば良いと思っている」

 

人外にとって人間とは食料であり、遊ぶ対象であり、道具であるとヴァルレクスは言った。

 

「もう貴様らのような人外が出てきて良い場所はないんだ。これから先は人間の時代だ、人間はもう一人で歩いていける時代なんだ。だからこそ表の世界に出てこようとするそいつを殺さねばならない。だからそこを退け鴉」

 

「・・・嫌だ。こいつは俺の一人義息子だ。義息子を差し出してのうのう生きるなんて絶対に嫌だ」

 

「そうか。――理解した。血の繋がらない義理の息子だとしてもそのために命を賭けるお前に対して俺は最大の敬意を払おう神如き強者(アザゼル)よ。お前の名は俺の心に刻んでおこう」

 

 

二人同時に飛び出し光の槍と刀がぶつかりあった。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話

ヴァルレクスの刀剣とアザゼルの光槍がぶつかるたびに火花が散り、砂塵が舞い上がる。

 

ヴァルレクスが上から下へ音を超えた速さで振れば、アザゼルはそれを受け流し音を超えた速さで刺突を繰り出す。

それをまたヴァルレクスがもう片方の刀で受け流しもう片方の刀を縦一線に振る。

アザゼルは半身になりそれを避けるとそのまま一回転して光槍を光剣に変え人外の力に加え遠心力を加えた一撃をヴァルレクスは真っ向から受け取めた。

そしてその力を利用して後ろへと飛んだ。

 

数分前から繰り返される打ち合いは最初と比べると少しずつだが速く、強くなってきており、一度打ち合うだけで衝撃波が周りを地面を削ぎ、木を揺らし始めた

 

「ならこういうのはどうだ?」

 

アザゼルが腕を空中(そら)にかざすと空中を覆う程の光槍を出し、それは一つ一つが上級悪魔を浄化するほどの力を持っており、例えヴァルレクスであろうと当たればひとたまりもなかった。

 

光槍の流星群(ライトニング・シューティングスター)!」

 

アザゼルが腕を下ろすのとそれはヴァルレクスに向けて発射され、一つ一つが音を超えた速度で空を駆けた。そして槍と槍の間から間を埋めるように槍が現れそれは点ではなく面となってヴァルレクスを襲った。

 

 

 

それをヴァルレクスは()()()()()()()()

 

 

 

側から見ればそれは無謀、無鉄砲、向こう見ずなのだろう。

面での攻撃に単体で迎え撃つのは愚者と嘲笑われる愚かな行動だ。

だが例え無茶や無謀と言われ笑われようと構わない、それが少しでも生還する確率が上がるのならと。

 

「まだだ!」

 

ヴァルレクスは気合いと根性の掛け声と共に、両手の刀と身体で光槍を撃ち落とし始めた。

 

地面に当たった光槍が砂煙を巻き上げそこら一帯は砂煙で覆われ何が起きているのかわからなくなった。

だが聞こえてくるのだ。

何かが割れる音が、砕かれる音が砂煙の中から見える火花が彼が生きている証になり、それが深淵の闇(ブラックホール)のように彼等の立ち向かう勇気を飲み込んでいく。

 

三大勢力の心は今一つの思いが駆け巡っていた。

 

『これで倒れてくれ。もう立つな、立たないでくれ』と

 

『光槍の流星群』が消え、それによって立ち上った砂煙が風によって運ばれる。

少しずつ砂煙が晴れ少しずつだが見えてきた。

 

ヴァルレクスは体から血を流し満身創痍だった。

アザゼルの心中ではここで仕留めないと取り返しのつかないことが起きると本能で感じるほどに脳に警報が鳴っていた。

 

 

 

ここでアザゼルは種族を超える階段を一つ登った。

 

 

 

彼に()2()()()()()で近づくと光剣を彼の心臓を光の速度すら超えた刺突が襲った。

その刺突は光の速度を超え、ソニックブームを引き起こし周りの空気を裂き、彼の臓腑をぐちゃぐちゃにし、その衝撃によって星が悲鳴をあげた。

目を見開き、驚愕した表情をしたヴァルレクスがゆっくりと崩れ落ち、そこから川のように血が流れ、周りを真紅の血で一帯を真っ赤に染めた。

 

 

医者ではない素人が見ても彼の死を確信した。

一人が喜びの声を上げると、周りにいた人外も現実を理解し始め、誰もが喜びをあらわにした。人でありながら人に収まりきらない力を持った英雄(バケモノ)が死んだ事に。

それは魔王や天使長である、サーゼクスやセラフォールやミカエルも同じだった。

英雄の呆気ない末路を見届け一種の憐憫を感じたアザゼルは胸で十字をきった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーその刹那

 

『ーーいいや、まだだ。すべては“勝利(明日)”をつかむために、今こそ俺は黄金の天雷で遍く闇を討ち滅ぼそう!』

 

 

ーーその瞬間ヴァルレクスの身体に雷霆が落ちた。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話

水着鯖一人も来ない件について(^ω^)

少し書き直しました。


心臓刺された瞬間、ヴァルレクスは走馬灯を見た。

9を生かすために1を切り捨てるために殺した、食人をする狂気な一組の夫婦、無垢な子供を実験に使っていた狂信者、孫を助けるために屍を築く老人、家庭内暴力によって人格が破綻した殺人を犯す若人などこれがお前の罪だと言いたげに殺して来た彼等の記憶だけが蘇る。

だがそれ以上にもっと記憶の奥底に沈んでいた、最初の犠牲者である一人の少女の記憶が蘇った。

 

 

その少女はヴァルレクスの幼馴染でスラムで一緒に育った。

ある日漠然とした胸騒ぎがした彼は、彼女に何かあったのでは?と不安になった。

だが彼女は大丈夫だと、何にもないと彼は自己暗示し彼女を必死で探した。

だが見つかったのは服はボロボロで、体からは血と精液を流して倒れていた少女であった。

ヴァルレクスはその光景を視野に入れた瞬間目を大きく見開いた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

犠牲となった一人の少女は、数人の男の欲を叩きつけられ無残に殺された。

何もできなかった自分が情けなくて、彼女の亡骸の前で泣きながら、無残に女として人として殺した彼等を憎み、殺されてしまった彼女を慟哭する自分。

 

 

それこそ英雄(ルクスレイ・ヴァルレクス)の目覚めであった。

 

 

「そうだとも。彼女のような犠牲者を出さない為に俺は戦って来たのだ。例え罵られようと蔑まれようと彼女のような無垢な子供達が笑う未来(明日)のために」

 

それは『不滅の誓い』

 

それは『黄金の宣誓』

 

それは『鋼の決意』

 

そしてそこには民衆が羨望する英雄の姿があった。

 

「今こそ俺は黄金の天雷で遍く闇を討ち滅ぼそう!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

誰もが息を飲んだ。

ヴァルレクスは心臓を刺された。

誰もがそれを見て、歓喜して、涙を流した。

 

だからこそ目の前の光景に誰もが凍りついた

 

ゆっくりとだが立ち上がる英雄(バケモノ)の姿に、誰もが恐怖と絶望を抱いた。

 

「いい..や...ま...だだ!ーー今こそ俺は黄金の天雷で遍く闇を討ち滅ぼそう!!」

 

その瞬間彼等は得体の知れない力の波動を感じた。

神器でもなく、先ほどのちからとは比べ物にならない波動に空間すら軋み始めた。

その事実に魔王も天使長も堕天使総督も赤龍帝も白龍皇も転生者も驚愕を露わにした。

 

『さぁ!もっともっともっと輝いて!私の傀儡(えいゆう)!!」

 

そして、そんな英雄(ばけもの)の前に立つ三大勢力の闇はまだ浅すぎた

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話

すいません!少し諸事情で書き直させていただきました!
そして投稿遅れてすいませんでした!何でもるので許してください!



『いい..や...ま...だだ!ーー今こそ俺は黄金の天雷で遍く闇を討ち滅ぼそう!!!』

 

 

その瞬間空気が凍った。

誰もが目の前の光景を受け入れることが出来ずにいた。心臓を刺された人間が立ち上がり、子供が押せば倒れそうなくらい死に体のはずなのに、しかしそれが嘘と感じる程尋常ならざる威圧(覇気)が彼から放れていたからだ。

 

「う、嘘よ」

「そんな、バカな!」

「なんだ彼奴は!?」

「ば、化け物」

 

兵藤一誠は、一般人だったから知っている。

人間の意思の弱さ、身体の脆さを知っている。だからこそ心臓を刺され、死んだ方がマシとも言える激痛を感じながらそれでもなお立ち上がった英雄(化け物)に恐怖を抱いた。

 

「あぁ理解しているとも。俺が英雄(バケモノ)なんて事は。貴様らの様な人外(バケモノ)に立ち向かえるのは、お前たちの様な人外(バケモノ)か、俺のような英雄か破綻者(極め付けの阿呆)に他ならないのだから。」

 

ーーそして彼はその恐怖を是定した。

誰よりも自らの力を知っているが故に、彼はどこまでも自らの狂気に気づいていた。即死の傷、数多の出血、普通なら即死する筈なのにそれを()()()()()()で耐え、立ち向かおうとしている自分を、化け物と言わずして何と言うのかぐらい彼は理解している。

 

「だからこそ、貴様等に立ち向かうことの出来ず、怯えさせられ、泣き寝入りするしかない者達の為に、俺が貴様等に立ち向かうのだ!貴様等が劣等と貶め、辱め、殺してきた者達の為に俺が存在することを理解しながら絶命しろ!」

 

ーーだからこそ彼は言う、()()()()()()()()

今も泣いている誰かがいる。今まで犠牲になった者達、犠牲にしてきた者達がいる。ならば彼は進み続けるだろう。それが破滅の道であったとしても。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

転生者である兵藤一誠は前世で好き勝手に過ごしてきた。そして今世であるこの世界で彼は自分をオリ主と信じ込み、今まで好き勝手に過ごしてきた。だから自分はオリ主である、自分は未知の相手にも主人公特有のご都合主義が働き、新しい力に覚醒して勝てると思っていた。

 

しかし彼は知らない、ご都合主義はあくまで創作の世界で起こる出来事で、そんなもの現実には起こらないことを。そして、それを自らの力で引き起こす英雄(化け物)こそ、彼のような光の奴隷(極めつけの阿呆)だということを。その事実を彼を知らないが故に、今まで散々好き勝手してきた彼は英雄(バケモノ)の力を見誤り、彼との対立を選んでしまった。

 

「ならその前に俺がお前を殺してやる! 禁手(バランス・ブレイク)!」

『Welch Dragon Balance Blake!!!』

「これが俺の赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)だ!」

 

しかしそれを見ても彼は眉一つ動かさない。そしてそれを見た一誠は苛立ちを覚えた、まるでお前なんて眼中にないと感じたから。しかし、他の者達は違う、一誠がここで禁手を至ったことに驚き、そしてもしかしたら勝てるかもしれないという希望を抱いてしまった。一誠が着いていれば自分達に敗北はないと信じ込んでしまった。

 

魔王、天使長、堕天使総統も一誠が禁手を出来たことに驚きはしたが、それでも彼等の顔色は晴れなかった。それもそうだろう、一誠は時間限定で禁手を一度使ったがそれでも上級悪魔であるライザー・フェニックスと互角だった。だがルクスレイ・ヴァルレクスは素の状態でカテレア・レヴィアタンを圧倒したのだから。それに加えて、最強の白龍皇を一方的に倒した上に、堕天使総統と互角の戦いをした。そんな奴が傷だらけとはいえ、パワーアップして復活したのだ勝てる確率なぞ、地球が誕生する確率にも等しい。自分達の戦力を加算してもそれは無に等しく、

 

ーー兵藤一誠(転生者)が死ぬかもしれないーー

 

その考えが彼らの頭によぎった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一誠の気合いの声ととも倍加した。

 

「ハァァァァァァァァァッ!」

『BBBBBBBBBBBBBBBboost!!!』

 

何千倍、何万倍にもされた一誠の力は、今や上級悪魔をも圧倒する力を手に入れた。そして彼が地面を蹴ったその瞬間、一誠はソニックブームを生み出しヴァルレクスに突っ込んだ。

 

ルクスレイ・ヴァルレクスは人間である、そんな彼がソニックブームを生み出し突っ込んでくる一誠を止めることなどできない。そんなことをすれば彼の身体は木っ端微塵に吹き飛び、贓物を撒き散らしながら死を迎えるであろう。そしてそれは一誠も理解しており、一誠はヴァルレクスが避けた瞬間倍加した魔力弾をぶつけて終わりだ考えていた。

 

 

ーーそう、ヴァルレクスが普通の人間だったならここで死んでいただろう。

 

 

ヴァルレクスは目のまで迫った突進の勢いを利用して地面に叩きつけた。

 

「!?…カハッ!」

『!?!?!?』

 

誰もがありえないその光景に目を見張った。自分達ですら避けることすらできない攻撃をいとも簡単に返したことに驚愕と畏怖を抱き、それと同時に彼の異常さを再確認させられる羽目になった。それだけでは終わらず彼は倒れている赤龍帝に落とした刀で剣戟を放った。

 

「ウォォォォォォォォォ!!!」

「!?ハッ!」

 

それを事前に感知した一誠は飛び退き避けそれに皆がホッとした。しかし次の瞬間一誠がとてつもない速度で吹き飛ばされた。皆が呆然としていた所でヴァルレクスの方を見ると、彼はなにかを投げた姿勢になっており、それ見た瞬間彼がなにをしたのか理解した。彼が一誠に対し刀を投げたのだ。そして砂煙で見えなかった彼の腹には刀が刺さっており、このままでは死んでしまう彼を助けようとリアス達が動いた。

 

『一誠(くん)(さん)!』

 

リアスが彼の刀を抜き、アーシアが癒し、それ以外が追撃を警戒する。しかし突如彼の周りから霧が発生し二人の男が現れた。

 

「何の用だ曹操」

「ハッ!これ以上ここで戦闘を行うと結界が壊れてしまい、街の者達にも被害が及びます」

「そうなのかゲオルグ?」

「はい。この結界では閣下の全力に耐えきれず壊れるのは明白でしょう」

「そうか、ならば帰還するとしよう」

 

そんな彼等の話を聞いていた者達は驚愕で固まっていた。

ヴァルレクスが全力ではないのも驚きだが、先ほど呼ばれた者達が過去の英雄の名で呼ばれたからだ。そこに疑問を抱いたアザゼルが聞いた。

 

「そこの二人は曹操やゲオルグの子孫か何かか?」

「そうだ。彼等は英雄の末裔であり、魂を受け継いだ者達だ」

「…まじかよ」

 

流石のアザゼルもその答えには驚いていた。

すると彼等の周りに霧が発生し彼等を包み始めた

 

「俺たちは人類を守護する者『人類最終守護者(ラスト・ガーディアン)』。覚えておけ、貴様等が犯してきた罪は、必ず貴様等に償わせる」

 

それを最後には霧に包まれ消えた。

戦いは終わったはずなのに三大勢力の顔には安堵や安心といった表情が浮かんでいなかった。彼の最後の言葉が彼等の心にあった安心や安堵の感情を消しさったのだ。そしてそれは魔王達も同じで、彼等の心にも安心や安堵といった感情が存在しなかった。寧ろ自分達が仕出かしてきた事がこんな事態を招くとは思っても見なかったのが余計に彼等の心を苦しめた。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!(^ω^)

それと投稿遅れてすいませんでしたorz



ヴァルレクス達を包んでいた霧が晴れると、そこは天と地の境目がなく紫色の空間が広がっており所々に地面を巨大なスプーンでくり抜いたかのような大地が浮かんでいた。そして彼等の前には巨城が建っており、その巨城の門をくぐるとそこには部下達が跪いていた。そして彼等は少しもズレを出すことなく、その帰還を祝福した。

 

『おかえりなさいませ、ヴァルレクス総統閣下』

「あぁ」

 

ヴァルレクスはそれだけを言い、彼等の跪きを視界に収めながら巨城へと足を進めていった。そして巨城に入るとそこには一人の女性が笑顔で仁王立ちをしていたーーただし青筋を浮かべながらだが。

「おかえりなさい、ヴァルレクス総統閣下」

「あぁ。それでジャンヌ、どうしてそんなに怒ってるんだ?」

 

そういった瞬間灰色の髪に10人中10人が振り向くほどの美しい女性ーージャンヌは烈火の如く怒りを露わにしながら詰め寄ってきた。その証拠に彼女の身体からパチパチと火の粉が飛んでいた。

 

「どうして私を連れていかなったのよ!私言ったでしょ!今度の三大勢力の会談連れていけって!それを堂々と破ったから怒ってんでしょうが!」

「その事については謝罪しよう。しかしお前を連れて行けば必ずあの天使長がお前を手に入れようとするのは目に見えており、それに加え今代の赤龍帝は女好きだった事からお前を手中に収めようとするだろう。だからこそお前を連れて行くリスクの方が高すぎたからだ」

「‥‥‥はぁ。もういいわ知ってました、貴方が仲間と自身を天秤にかけた時、仲間を取ることぐらい」

 

するとジャンヌはため息をつきながらポケットから赤い液体の入った瓶を彼に渡した。

 

「これは?」

「『不死鳥の涙』ってあるでしょ?あれの上位互換の『不死鳥の血』よ。いい加減その穴治しなさい。地面が血で汚れるでしょ」

 

ここまでヴァルレクスは胸の穴を開けたまま歩いていたのだ地面に血を垂らしながら。ジャンヌはヴァルレクス総統閣下は怪我して帰ってくるだろうと確信していた為『不死鳥の血』を用意していたのだ。

 

「そうか。すまない感謝する」

 

そう言い、ヴァルレクスがその液体を飲み干すとその瞬間胸の傷が塞がり所々にあった傷も消え去った。

 

「ふん、別に」

 

と言っていたが曹操やゲオルグは彼女が照れ隠しで言っていることを知っており、それを知らないのはヴァルレクスだけであった。

 

「それで三大勢力の宣戦布告は成功したんでしょうね?」

「無論成功したとも。必ず奴等を滅ぼし勝利する」

 

その瞬間とてつもない覇気が重力となって付近にいたもの達に降り注いだ。そしてそれに伴って彼からオーラとして溢れ出した嚇怒の雷が周りに伝達する。誰もが憧れてやまない英雄がそこにいた。

 

 

「ーー勝つのは俺達だ」

 




評価、コメントよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幕間ーー復讐の魔女ーー

いやー久し振りに書くと全然書けないっすねー!
試行錯誤の末書いたがこれでいいのやら_( ´ ω `_)⌒)_
まぁ、とりあえず感想評価よろしくお願いします!




人造人間、フラスコベビーとかまぁ色々な言いようはあるが、私はいわゆるホムンクルスという奴だ。

鉄の子宮から生まれた造られた人間。そしてその元となったのが『オルレアンの聖女』ジャンヌ・ダルク。フランスを救い出した英雄である。

 

私の他にも造られた子がいた。しかしジャンヌ・ダルクの魂を宿したのは私だけだった。そしてそんな私を造り出したのはいわゆる過激派というグループで人を人とは思わない業を持つ狂信者だ。かつての英雄の細胞を元に英雄を生み出すという頭のおかしい実験を行なっていた、そしてそんな私を生み出した彼等は私をこう呼んだ。

 

『汚らわしい魔女』

 

私はジャンヌ・ダルクの魂を宿したが何の因果かアルビノだった。他者より白い肌、色素が少ない故に輝く金から小汚い白い髪を宿した私を狂信者はジャンヌダルクを、汚す魔女だと言った。

 

それからは地獄の日々だった。

人間の尊厳も、女としての尊厳も、生物の尊厳も全て汚された。

正直思い出すのも辛い。あの時ほど死を望んだ事はなかった。人として女としての生物としてただの物のように扱われる私を見て狂信者は笑う、嗤う、嘲笑う・・・。

 

もう諦めていた。

誰も私を助けない。助けてくれない。

世界にとって私なんてそこらに落ちている小石のような存在だと絶望した。

もうどうでもよかった。もう考えたくなかったし、感じたくもなかった。私の中にあるのは虚無。なにも感じないし、なにも考えない。

そうやって己の全てを捨て去った。

 

 

 

そんな時だった。

突如大きな音が鳴り響いた。異変を感じた狂信者達は私を教会の地下に隠して上へ登っていった。最初は銃声や悲鳴が聞こえていたが徐々に徐々にその音は小さくなっていき、突如プツンと聞こえなくなった。

そしてまた大きな地響きが鳴り響いた事に驚きながらもコツ、コツという足音ともに誰かがこちらに歩いてくる足音が聞こえた。

そしてそれがちょうど私の檻の前で止まった。

 

どんな化け物が現れたか気になりビクビクしながら前を向いた。

私はこの日を一生忘れずに記憶し続けるだろう。

誰も助けてくれないと思っていた。誰も私のことなんて気にしないって思っていた。誰も私の存在を許容しないと思っていた。

だがそんなことも彼の前ではちっぽけに感じた。ただ一言、魔法の一言を言うだけでいいと本能が私に囁いた。

 

「助けて…!」『助けて…!』と

 

その瞬間私と彼間にあった檻が瞬きもしないうちに切り刻まれてからが入ってき一言私に呟いた。

 

「あぁ、任せておけ。必ずお前を救い出そう」

 

その瞬間私の体に彼のマントが被せられ、そして膝裏に腕を入れ持ち上げた。私は突然浮遊感を感じ彼に抱きついた。しかし彼はそのことを気にせず私を優しくお姫様抱っこをしてくれた。

 

そのことに気づいた私は彼に言った。

自分は汚いと、穢れているから離してくれと。

すると彼は言った。

お前に汚い場所なぞあるわけがない。むしろお前は美しいと。

 

私はーー泣いてしまった。

人として女として生物として穢れてしまった私に彼は嫌な顔せずにマントを貸し、触れてくれ、美しいと言われたことが私にとってなによりも嬉しかった。彼の胸で少女みたいに泣いてしまった。私が泣き止むまで彼は私を優しく撫でてくださった。

 

 

 

ーーこの時私は初めて英雄と出会った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。