生徒会の一存 if (天導 優)
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生徒会の一存
存在しえないプロローグ


今更ながらですが生徒会の一存の小説を書かせてもらいます。
作者は生徒会の復活以外は持っているので原作沿いになってしまいますが、所々変更して楽しんでいただけるように頑張ります 


1

 

2

 

3

 

ルール4 《企業》の意向は何よりも優先される

 

ルール5 《スタッフ》は個人の思想を持ち込むなかれ

 

ルール6 情報の漏洩は最大にして最悪の禁忌である

 

ルール7 我らが騙すのはヒトではなく神であることを忘れてはならない

 

ルール8 このプロジェクトに道徳心は必要ない。全ては《企業》の利益のために

 

ルール9 性質上、《学園》の《保守》は最大の命題である

 

 

 

 

 

追加ルール 今年の生徒会には気をつけろ 例年とは何かが違う



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キャラ紹介

天馬 愛

所属 碧陽学園生徒会(庶務)

クラス 一年C組

誕生日 8月31日

好きなもの イクラ

嫌いなもの 粕漬けなどお酒を使ったもの

髪の色 金色

瞳の色 青紫

イメージCV ●茉莉●他ETC.

見た目や名前、背丈で女の子に間違われるが男。

碧陽学園始まって以来の風雲児で勉強もスポーツも得意だがやる気が長続きせずに途中で飽きることもある。

身長はくりむと同じか少し小さいくらい。

声を自在に変える特技を活かして杉崎をからかうのが趣味。

家は室町時代から続く名家の家系だが実は養子。

歴史有る家庭だが子供は自由に生きる宝物を家訓にしているため、自由に将来の夢を選べている。

根っからのオタクでゲームと漫画は全て揃えている。

(本人曰くY●病)

同じクラスの真冬とは席が近く休憩時間には基本的に一緒にいる。(クラスメート達からはあそこには●Tフィールドが形成されてると言わせるレベル)

真冬が恥ずかしがらず喋れる数少ない男性。

初めて会ったのは内地の方で行われたゲームショーで真冬が迷子になっていたのを助けたのがきっかけ。

知弦とは碧陽学園入学前に図書館で出会っており勉強を教えてもらった過去がある。

初めて会ったときは中学生ではなく小学生に間違われていた。

この時に名前から渾名をつけられ、碧陽学園を進められた。

深夏とは同じ中学校で部活での手合わせをしていた為か全国では男女混同の大会では毎年2位、男子のみなら優勝するレベルまでになってしまった。

深夏には可愛い弟分としてからかわれている。

くりむとは幼稚園の頃よく一緒に遅くまで遊んでいたがくりむの親の都合で別れて以降会っていなかったが碧陽学園で再会する。

二人ともその頃の事はあまり覚えていないがなんとなくは覚えている。(お互いに特徴と名前は覚えていた)

杉崎との絡みは特に無いが杉崎がバイトしてる店の8割は天馬社の会社。

ついでにいえば同じアパートのとなりの部屋に住んでいる。

弱冠だが霊感があり幽霊も見ることができる。

将来の夢は特技を活かして声優になること。

実は一人立ちするために実家を離れてアパートで一人暮らしをしている。

掃除は得意だが自炊ができないので食事はコンビニ弁当などで済ませているが殆どは貰い物ですませている。

少食で女子と同じくらいしか食べていない。

 

家族構成 義父 義母

生徒会メンバー呼び方 呼ばれ方

 

杉崎鍵

杉崎さん 愛

桜野くりむ

くりむちゃん 愛

椎名深夏

先輩 天馬

紅葉知弦

紅葉さん ラブちゃん

椎名真冬

真冬ちゃん 天馬君



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駄弁る生徒会①

「世の中がつまらないんじゃないの。貴方がつまらない人間になったのよ」

くりむちゃんがいつものように胸を張って何かの本の受け売りのような事を言ってる。

確かに初めてほど楽しいことはない。

僕は去年の事を思い出していた。

春はみんなして遠足やなんだで惜しみながらもあっという間に過ぎていった。

夏にはみんな受験勉強を頑張っていた。

夏を制するもの受験を制す、てな感じで。

だから僕の受験の幕は夏に始まっていたと思う。

秋には修学旅行が合って皆でホテルに泊まったのが楽しかったな。

小学校の頃は興奮しすぎて熱を出して行けなかったし。

でもあれで皆のいろんな事を分かってきたんだよね。

冬には碧陽学園の受験を受けたんだよね。

僕以外にも何人か受けた人がいたけど合格したのは僕だけだったんだよね。

受かった時は何か失った気分になってたんだよね。

そう考えると……。

「ガラクタの山からあの日の夢を探しても良いってことかな?」

「何でそう言う発言が出てくるかな?……」

くりむちゃんは僕の意見に呆れながらもお茶を飲んでいた。

「じゃ、童貞も悪くないって事ですか?」

「ぶっ!」

お茶を吹き出すくりむちゃんと椅子からずり落ちる僕。

「私の言葉から、どうしてそういう返しが来るわけ?」

くりむちゃんが長机をティッシュで拭きながら杉崎さんを睨み付けてる。

「甘いですね会長。俺の思考回路はまずそっち方面に直結します!」

「何を誇らしげに語ってるのよ。杉崎はもうちょっと副会長としての自覚をねぇ……」

「ありますよ、自覚。この生徒会は俺のハーレムだという自覚なら十分」

「ごめん。副会長の自覚はいいからそっちの自覚から捨てる事から始めようね」

くりむちゃんが真意にツッコンでいた。

「というより、その思考回路はショート寸前なんじゃないですか?」

次の瞬間杉崎さんがなんか唸ってたけど無視しといて正解かもね。

杉崎さんは傷ついてるけどすぐに立ち直るから。

「会長ぉ」

「何よ」

あ、くりむちゃんが僕の近くのごみ箱狙ってる。

「好きです、付き合ってください」

「にゃわ!」

ティッシュは狙いを外して僕の頭に当たり、床に落ちた。

「杉崎は、どうしてそう軽薄に告白ができるのよ」

「本気だからです」

「嘘だ!」

あれ、今は春なのにひぐらしの鳴き声が聞こえた気が。

「杉崎、この生徒会に初めて顔だしした時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」

あー、あれかな?

「『俺に構わず先に行け』でしたっけ?」

「初っ離からどんな状況なのよ、生徒会」

「あれ?、それじゃあ……『ただの人間に興味ありません。宇宙人、未来人』」

「危険よ、杉崎。色んな意味で!」

「大丈夫です。原作派ですから」

「なんの保証!?」

「まったく、自分の発言くらい覚えといてくださいよ」

見かねた僕が言うことにする。

「『殺せると良いですねぇ、卒業までに』ですよね」

僕がそう言うと杉崎さんは。

「何でだよ。俺、マッハ20で動ける黄色いタコじゃ無いから」

あれ、違った?

「それじゃあー、『少女の為に、世界を壊す覚悟はあるか』でしたっけ?」

「全然ちげーよ。愛は俺の事をどう思ってんだよ」

杉崎さんの事か。

「しいて言うなら『タイトーのアイボー』ですかね」

「止めてくれ、俺は冤罪だ」

「どうしたの杉崎!?」

杉崎さんが突然慌てていた。

「愛の一言ですげー借金をした感覚になりました」

面白いし、もうちょっとからかっちゃおう。

「大丈夫『ル●ガー』」

「頼むからその名前を出さないでくれ」

「はーい。それで思い出しましたか」

「ああ、確か。皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対、幸せにしてやるから」

どうやら思い出したみたいだ。

僕はくりむちゃんと杉崎さんが話してる間にくりむちゃんが外したティッシュを捨てにいった。

「愛って気が利くっていうか優しいわよね、無意識に」

「なんか言ったくりむちゃん?」

「ううん、何でもない」

何を言ってたんだろ?。

後、杉崎さんが。

「何で愛の好感度が上がるんだよ~」

とか叫んでたけど、うるさいね。

すると生徒会室に黒いロングヘアーの女性が入ってきた。



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駄弁る生徒会②

生徒会室に黒髪ロングヘアーの女性、紅葉知弦さんが入ってきた。

「ラブちゃん、キー君をからかっちゃ駄目よ。まぁ、アカちゃんにキー君が余計なことを言ってたのかも知れないけど」

ラブちゃんというのは僕のニックネームだ。

由来は愛→LOVE→ラブと僕の見た目が女の子みたいだからちゃんをつけてラブちゃんと呼ばれている。

因みにアカちゃんってのくりむちゃんのニックネームでくりむ→クリムゾン→真紅→赤→アカちゃんらしい。

くりむちゃん自身は赤ちゃんみたいで嫌、って言ってたけどもう諦めたらしい。

そしてキー君というのは杉崎さんの仇名で杉崎さんは名前を鍵と書いてケン。

だから鍵→Key→キーでキー君らしい。

「なぁ、俺の渾名が漢字が違う気がするんだが」

「…気のせいですよ」

まぁ、恨みがあると言えば無いこともない。

「あれか?。俺が初めて会ったときに女の子に間違えたの」

「分かってるなら反省してください」

杉崎さんが土下座しながら謝ってきた。

因みに紅葉さんは自分が持ってきたおやつを食べながら宿題を始めていた。

あ、くりむちゃんが狙ってる。

「会長、太りますよ」

いつのまにか自分の席に戻っていた杉崎さんが声を発していた。

「大丈夫。栄養を身長と胸に回すんだもん!」

「でも、腹回りに回った時のリスクは、多大なものがありますよ」

「ぬぐぐ」

杉崎さん、女子相手にその一言はどうかと思います。

「えーい」

結局食べちゃうんだね、くりむちゃん。

「次の問題の回答はメタボリックシンドロームっと」

本当にそんな問題が出てたかは気になるが無視した方が正解かもね。

「大丈夫ですよ、会長。もしもらい手が無くなったら」

「え、太った私でも好きって」

「仕事に生きてください」

そんな発言するから嫌われるんですよ、杉崎さん。

「愛、私が太っても可愛いって思ってくれる」

急にくりむちゃんが話かけてきたのでちょっとびっくりした。

くりむちゃんが太ったらか?。

「僕は別に気にしないよ。最近はぽっちゃり系女子って言葉があるくらいだし。気にしなくて大丈夫だよ」

「愛~」

紅葉さんが勉強の手を止めて。

「ラブちゃんの勝ちね」

「だから何で愛の方の好感度が上がるんだよ」

杉崎さんがまたショックを受けていた。

「にしてもあの二人遅いですね」

あ、もう立ち直った。

「別にいいんじゃないかしら?。特に集まって議題することも無いし」

確かにそうだ。

今日僕が生徒会室に来たのだって紅葉さんと同じで静かに宿題ができるからだし。

「それじゃ駄目なんですよ。ギャルゲーだって女の子と出会う場所で好感度が変わるでしょ」

ギャルゲーならそうだけど、現実ではどうかと思いますよ。

「つまり、生徒会室に来ないと俺との愛は育めないんですよ」

「「だから来ないんじゃない」かしら」

あ、紅葉さんと声が重なった。

「でも知弦さんは俺との愛を育みに来てくれた訳ですね」

「……。……あ、うん、そうね」

うん、これは否定ではなくて上の空ってレベルだね。

「でも、こういう女性こそ惚れたら激しいに違いない」

まだ言ってるよ、杉崎さん(この人)

「それは正解ね。小学校の時、初恋の子に一日三百通「好きです」だけを羅列した手紙渡して、精神崩壊まで追い込んだけど」

あ、杉崎さんとくりむちゃんがドン引きしてる。

「でも杉崎さんなら似たり寄ったりな事してそうですね」

「俺はそんな事しねーよ」

「むしろ、好きな子の名前だけ書いてそうな感じですけど」

「俺は銀●の山●か!?」

「似てると思いますよ。ジ●ーなところとかツッコミキャラなとことか」

「そんなキャラか?。愛の中では俺はそんなキャラか?」

「まあ、そうですね」

「むしろ、●八君ポジョンじゃないかしら」

「どっちにしても目立たないですか。時代劇ならもっと俺に似合いそうな役があるでしょう」

杉崎さんに似合いそうな時代劇キャラね?

「虚無僧とか?」

「そうそう。『ぜんま●ざむら●、今日も善を施したり』って違うわ」

そんな事を話してると。

「おっくれましたぁー」

「す、すいません」

対照的な態度の二人が入ってきた。



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駄弁る生徒会③

たいへん遅くなりました。
仕事やら家業でなかなか更新できませんでした。


遅れて入ってきた2人は姉妹で姉を椎名深夏さんといい、杉崎さんのクラスメートで僕の中学校の先輩でもある。

妹の方は椎名真冬ちゃんといい、僕とは同じクラス。

すると杉崎さんが。

「そういえば2人は『初めてのころはあんなに楽しかったのに』みたいなことってある?」

「何だよ、突然に」

「いや、会長が久しぶりに『世の中がつまらなくなったんじゃないの。あなたがつまらない人間になったのよ。』何て久しぶりに良い名言を言ってたからな」

杉崎さん、それ普通本人の前で言いますか?

「久しぶりって何よ」

あ、くりむちゃんが怒ってるよ。

「真冬はコスメ、お化粧ですかね」

「「化粧?」」

あ、杉崎さんとハモった。

「昔お母さんがやってるのを見て真冬もやってみたいな~って感じだったんですよ。それで中学校に上がった時に自分専用の化粧箱を買った時は嬉しかったんですけど、よくよく考えたら真冬、化粧水くらいしか使ってないんですよね」

やっぱり女の子だね。

僕は(見た目は女の子)だから化粧なんて興味ないし。

「大丈夫だよ真冬ちゃん。下手な化粧したら真冬ちゃんの可愛さが台無しになっちゃうから」

「あ、ありがとうございます」

あ、杉崎さんがまた、ナンパしてるよ。

「その、天馬君はどうですか?」

「僕も杉崎さんと一緒だね。それにしても、女の子って化粧に憧れるものなのかな?」

「女の子にもよると思いますけど、どうしたんですか?」

僕は昔の事を思い出していた。

そう、それは幼稚園の頃の話だ。

「昔ね、くりむちゃんも化粧した事があったんだ」

「会長さんもですか?」

「うん。だけどあれは化粧ってより」

「そんな昔の話を思い出すのは止めてよ」

「アカちゃんもそういうのに興味があるのね」

「もう、知弦まで」

よく見ると真冬ちゃんと紅葉さんが笑っていた。

「なあ、天馬。あたしの魅力ってなんだと思う」

「え、どうしたんですか?、先輩」

「聞いてくれよ。さっき鍵の奴があたしと結婚したら真冬が義妹になるって魅力が、とか言うんだぜ」

杉崎さん、ハーレムを結成するとか言いながら、その発言はどうなんでしょうか。

「えっと、先輩の魅力ですか?」

「そんなのや」

「杉崎さん、少し黙っててくれませんか」

「あ、はい。愛って時折、怖い

杉崎さんって本当に失礼だね。後なんか余計なこと言われていた気がする。

「先輩の魅力ですが、やっぱり明るくて、元気いっぱいなところだと思いますよ。それだけで家庭が明るくなりそうですし」

「そ、そうか。ありがとうな」

なぜだか先輩の顔が真っ赤だけど熱でもあるのかな?

「わ、私の魅力は」

「くりむちゃんの魅力は言動で周りをよく振り回しちゃうけどやっぱりかわいいところだと思うよ」

「あ、ありがとう」

あれ、くりむちゃんも顔が真っ赤だよ。

「ま、真冬の魅力は。真冬は勉強もスポーツも苦手ですし」

「真冬ちゃんは旦那さんが忙しい時でも子供と一緒にゲームで遊んでくれるような優しい母親になれると思うよ」

「そ、そうですか」

真冬ちゃんの顔も真っ赤になっていた。

「じゃあ、さっきも話したけど。あんな手紙を書く人の魅力は何かしら」

「さっきの手紙、もしかして低学年の時に書いたものじゃないんですか?。相手の事が好きだけど、どう表現していいか分からないからあんな手紙を書いたんじゃないですか?」

「そ、そうね」

あれ、紅葉さんの顔も少し赤いような。

「大丈夫ですか」

僕が前髪を上げて額をくっつけようとすると「ひゃあっ」って声をあげ真っ赤になる紅葉さん。

「風邪が流行ってるのかな」

「ああ、お前というウィルスがな」

さらりと杉崎さんが何か言っていたけど何を言ってたんんだろ。

しばらくして女性メンバーの顔色が戻ったので話を続けることにした。



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駄弁る生徒会④

「やっぱりこの学校の生徒会の選抜基準は良くないと思うの」

それが気を取り戻したくりむちゃんの第一声だった。

「どういうことなんですか?」

「そうだね。僕も先生達による指名制だと思ってたし」

「ああ、それはね」

僕と真冬ちゃんの疑問に紅葉さんが答えてくれた。

この学校の生徒会メンバーの選抜基準は前年度の生徒が人気投票を行い、その上位5人が生徒会のメンバーに選ばれる。

所謂、人気投票らしい。

それに男子はイケメンだと女子には人気は出るが男には嫌われる存在。

しかし女子はかわいいというだけで男女問わず人気を得られる。

それじゃ人気投票とゆうよりミスコンみたいな感じになってしまっているという事に関してはツッコミを入れないでもらいたいらしい。

理由としてはカリスマ性がある人物が引っ張ってゆくって感じなんだろうけど、容姿が良い=実績が良いとは限らない。

そのために作られた案が優良枠らしい。

優良枠とは毎年成績トップの生徒が生徒会のメンバーになれるというものである。

しかし勉強を頑張っている生徒はそんなハーレム何かに興味は無いわけで、有って無いような物だったらしい。

けど、今年は例外がいた。

それが、杉崎さんである。

「成績の有無だけじゃなくて、性格面も考慮すべきなのよ。そうでないと杉崎みたいなのが入って来ちゃうんだよ」

「頭が良いのは事実ですよ、会長」

「お前の場合動機が不純なんだよ」

先輩の言う通りだ。

女性メンバーいる所に進んで入る男なんてそうそういるわけ無いしね。

「真冬、時々杉崎先輩が大きく見えます」

「「真冬(ちゃん)、それは見間違いだ(よ)」」

あ、先輩とハモった。

「でも真冬ちゃんや愛はどうしたんですか?。新入生じゃ優良枠も無いでしょうし」

杉崎さんの疑問が生徒会の先輩方がう~んと唸っている。

「実はさ、真冬ちゃんもそうなんだけど愛って投票枠なのよ」

「そうなんですか!?」

杉崎さんがびっくりしていた。

「真冬ちゃんの場合は、アカちゃんが深夏から妹が入学するって話を聞いて、嫉妬して選挙ポスターにそれっぽい事を書いたことが原因だしね」

「そうなんですか」

真冬ちゃんがびっくりしていたけど、当然の反応だよね。僕も先生に言われてびっくりしたもん。

「愛の場合は、3月の学校案内の時にあたしが案内したんだけど、その時に女の子に間違われたらしくてさ」

「その結果、ラブちゃんは人気投票で51%の支持率を得ちゃったのよ」

「でも、1年生を会長にするのは早いかなって事で去年も生徒会をやっていた私達3人が選ばれたの」

「でも、同級生がいないのはやっぱりきついだろうから同じ1年生で同じく人気投票でランクインしてた真冬が撰ばれたわけ」

「なるほどね」

そう言うと杉崎さんは急に立ち上がり。

「ハーレム王に俺はなる」

「いや、突然ル●ィみたいな事を言われても困るんだが」

「だってそうだろ。愛みたいなのが生徒会に入っているけど、それが俺の目標だし」

僕はため息を吐きながら、

「皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対、幸せにしてやるから。ってやつですか?」

「それだよ。俺にとって一番怖いのは今日会長が言った事なんだよ」

「どうゆうこと?」

「ハーレムを結成しながらも、あぁ、女に飽きたなって言えるレベルまでにならないようになるのが一番怖いって事です」

「なるほど。日常を退屈って思ったら終わりって事ですか」

「そういうこと」

「なるほどね、行けるところまで行ってみようって考えね」

「そういうスタンスは嫌いじゃないんだけどな」

「でもそれが杉崎さんらしいというか」

と評価する僕達。

因みにくりむちゃんは、「あんまり頑張るのは疲れるよ~」とダメ人間になっていた。

因みに紅葉さんのおやつを完食していた。

さてと、僕達の作業を始めますか。

 

知弦side

「で、あの2人はまた残って作業してるのか」

校舎外から生徒会室を眺めながら深夏が呟いていた。

「真冬達と喋るためだけに2人だけで大丈夫ですかね」

確かに本来6人でやる作業を2人だけでやっている。作業ペースでいえば一人で3人分の作業をしている事になる。

「別にいいんじゃない。本人達がやるって言ってるんだし」

アカちゃんがそう呟く。

「でも、あの2人が優秀な事は認めるべきじゃないかしら。2人で何事もなかった感じにしてんだから」

「2人で一人の仮面ラ●ダーみたいに最高のパートナーって感じだよな」

「ま、真冬は、あの2人、好きですよ」

真冬ちゃんの言葉にその場にいた全員がため息を吐いていた。

「あの2人をホントに嫌いな奴なんて一人もいないわよ。愛はともかく、杉崎はハーレムなんて言い出さなければ彼女なんて簡単に作れそうなのにね」

アカちゃんが代表してそんな事を言っている。

「アカちゃん、やっぱりキー君やラブちゃんの事を」

するとアカちゃんは顔が真っ赤になっていた。

「そ、そんなわけないじゃない」

そんなアカちゃんを見て思わず私達3人は笑っていた。

「ハーレムとか言うだけあって、彼は私達の大黒柱なのかもね」

私の言葉に他の3人がきょとんとしている。

「今更なんだけど、私達全員がどこかちょっと複雑な過去みたいなのがあるでしょう。精神的外傷(トラウマ)、と言い換えてもいいかもしれないけど」

全員の表情が曇ってしまった。

現にお互い、話したこともないし、キー君やラブちゃんも詳しくは知らないはず。

「でも、生徒会室で喋っている間は、とても救われている。楽しいだけでいられる。擬似的だけど、家族の食卓のような温もりがある。それを作っているのは間違いなく、あの二人なのよ。だからキー君は大黒柱。生徒会の大黒柱ということはこの学校の大黒柱ってことでもあるけど」

その意見に深夏が意見を出してきた。

「それなら天馬はさしずめ縁の下の力持ちかもな」

「そうね」

アカちゃんが同意を示していた。

「天馬だったら『貴方が世界の全てを支えるのなら、僕は世界ごと貴方を支えますよ』なんて言いそうだし」

「お姉ちゃん、それなんてテイ●ズ」

真冬ちゃんは苦笑しているけど満更でもなさそう。

アカちゃんが生徒会室を見上げながら、一言呟いていた。

「つまらない人間も悪く無いのかもね」

それはその通りかも知れない。

負の数(マイナス)負の数(マイナス)を掛けると正の数(プラス)になるように、つまらない人間も集まれば逆に楽しいのかもしれない。

私立碧陽学園生徒会。

そこでは、明日も、明後日も、未来永劫、つまらない人間達が楽しい会話を繰り広げるのかもしれない。




ようやく、駄弁る生徒会が終わりました。
次回はちょっとした日常的な事を書こうと思っています。


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怪談する生徒会①

「本当に怖いのは幽霊や化物じゃないの! 人間なのよ」

くりむちゃんが今日も相変わらず小さな胸を張って何かの本の受け売りの名言を語っていた。

くりむちゃんの今日の議題については思い当たる節が多い。

今、校内では怪談ブームが起きているからだ。

「でも、怪談ブームの原因としては妖怪ウォ●チや●太郎が原因かも知れないわね」

「そうだよな。地●先生もグランドジャ●プで復活してるし」

「鬼●郎に至っては今年がちょうど生誕50年目ですしね」

無理もない話だけど、小学生か、ってつっこみたくなったよ。

「でも何で会長はこの議題を出したんだ?」

杉崎さんが僕に小声で話しかけてきた。

「あー、くりむちゃんってこの手の話が苦手ですからね。僕もどうゆうわけか知らないですけど、七不思議ってのを42個知ってるんですけど」

「それ下手したら生徒会メンバー全員死ぬんじゃね?」

そんな話をしていると先輩が「どれだけ恐がりか確かめてみるか」とか言いながら笑っていた。

「はいはーい!」

「はい、深夏」

「会長さん、こんな話知ってるか。あるトイレに入った女子の話なんだけど」

するとくりむちゃんは。

「わ、わわ!。な、なんで急にそんな話をっ!。話を脱線させないでよ」

と、激しく動揺していた。

「脱線じゃねーよ。対処するにしても詳しく知るべきだろ?」

「と、とにかく、私は聞かなくていいのっ」

このくりむちゃんの態度に僕とくりむちゃん以外の目が怪しく輝いていた。

きっと面白いネタになるとか思っているんだろうな。

まずは紅葉さんが。

「深夏の言う通りね。まずは出回ってる怪談を一つ一つ確認する必要があるわね」

それに杉崎さんが賛成していた。

「ですね。ここは、それぞれ知っている怪談を語ってみるべきでしょう」

「ちょっ、杉崎。そこまでする必要なんか」

くりむちゃんは必死に止めようとしてるみたいだけど。

「真冬も、やるべきだと思います」

「真冬ちゃんまで」

くりむちゃんは完全にたじろいでいる。そこに杉崎さんが止めをさした。

「会長、ひょっとして怖いんですか」

「なっ」

「まっさかぁ。キー君、生徒会長が学校の怪談に怯えるわけ無いじゃない。ねぇ、アカちゃん」

紅葉さんが追い討ちをかける。

そこへ、先輩と真冬ちゃんの追い討ちをしかけ。

「この歳で怪談を怖がる奴なんていないって」

「真冬も怖い話、大好きですよ。小学生の頃から」

ついにはくりむちゃんは。

「お、大人の私が怪談なんて怖がるはずにゃいじゃない」

と、噛んでいた。

「でも、愛が怖がるならやめにしても」

くりむちゃんが僕を理由に怪談を止めようとしてるみたいだけど、僕もなんかスイッチがはいちゃった感じなんだよね。

鞄の中に入っていた白衣(サイズの合ってない)と紅葉さんの眼鏡を借りて掛ける。

「『全ての現象には必ず理由がある。』始めようか、くりむちゃん」

「なんで急にガリ●オ!?」

くりちゃんが色んな意味でびっくりしていた。

「さてと、全員が決意した事だし、怪談話を始めますか」

先輩がそう言うと、「それなら」と何処かに連絡を取る紅葉さん。

ついでに僕もクラスメイトの一人にメールをしておく。

それから数秒後に、我が校の土木研究会の皆さんと、僕の友人の一人である京極君が生徒会室に畳をしきに来てくれた。

先輩に「この二人も七不思議に追加していいんじゃね」とか言われてしまった。

とにかく準備が出来たのでそれぞれ、怪談を話す事にした。

くりむちゃんから時計回りにサイコロを降り、出た目の順番に怪談をすることになった。

結果は、紅葉さん、僕、杉崎さん、くりむちゃん、先輩、真冬ちゃんの順番になった。

さてと、怪談を話し合いますか。



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怪談する生徒会②

お久しぶりです。
今回の怪談は本来の生徒会の一存で語られていた怪談ではなく、作者が学生時代に聞いたり、本で見たりした物です。
それでは今回も楽しんでください。


今、僕たちは生徒会室のカーテンを閉めきり、蛍光灯も消して畳の上に蝋燭を一本だけ点けている。

生徒会室のカーテンは遮光カーテンだったので外の光も全く入ってこない

「さっそく始めるわよ」

紅葉さんの言葉に反応したのか蝋燭の火がゆらりと揺れた。

「これはね、私の中学1年の時の担任の先生から聞いたお話よ。その先生、学生時代は登山部だったらしいの。ただ、在籍していたのは1年だけだったらしいけどね」

「1年だけで止めるなんて、根性の無い先生だね」

くりむちゃんはまだ余裕ぽいね。

「それは仕方ない話なのよ。だってね、雪山を登山した時に部員が1人、亡くなっているんだから」

紅葉さん以外の皆が一斉にごくりと唾を飲む。

「でも、それは直接は関係無いのよ。話にはまだ続きがあってね、その亡くなった人がいるから下山することにしたんだけど途中で吹雪に見舞われたの。生き残った先生たち4人は偶然にも山小屋を発見するのだけど、その山小屋には誰もいなくて薪も全くない状態だったの。仕方ないので1番広い部屋で吹雪が収まるのを待つことにしたんだけど途中で眠気に教われる部員もいたそうよ。そこで部員の1人が1つの提案をするの。部屋の隅に1人ずつ座り部屋を壁伝いに肩たたきリレーをすることにしたのよ。そうすれば、自分の番が来るまで少しは眠れるし、他の人に伝えるという使命感から頑張れると考えてね。そうして先生たちは亡くなった部員を部屋の中心に寝かせ、その肩たたきリレーを4人で朝まで繰り返したそうよ。そして、夜が明けた時に救助隊が助けに来てくれたそうよ。それで先生たちは無事に下山することができたの」

「それのどこが怖いお話なの?」

くりむちゃんが紅葉さんに質問している。

「話は最後まで聞くものよ、アカちゃん。先生は気づいてしまったのよ。その不自然な肩たたきリレーについてね。その肩たたきリレーは4人では成立しないってことに」

くりむちゃんが唸っている。どうもこの意味が解っていないみたいだ。

「仕方ないわね。アカちゃん以外の皆は解っているけど解説してあげるわ」

紅葉さんは少し水分補給をしてから解説を始めた。

「例えば、部屋の中心にキー君を寝かせ、部屋の隅に深夏、私、真冬ちゃん、そしてアカちゃんの4人でいるとすると不自然な事になるの」

「俺、死体役、ハーレム王(自称)なのに」

落ち込んでいる杉崎さんは放っておいて解説は続く。

「図で現すとこんな感じね」

 

図1

深 → 知

     

↑ 鍵 ↓

     

く ← 真

 

この説明をするために1度部屋の明かりを生徒会室の明かりをつけて、紅葉さんが黒板に図(図1)を書いた。

「この図のような時にアカちゃんは誰の肩を叩くの?」

紅葉さんの質問にくりむちゃんは「そんなの深夏に」と言いかけ、気づいてしまったらしい。

この図の通りに肩たたきリレーをすると、不自然な事になるってことに。

 

図2

  → 深

     

↑ 鍵 ↓

く    

真 ← 知

 

そう。この肩たたきリレーをすると4人目は誰の肩も叩けない。

しかし、肩たたきリレーは朝まで続いた。

この事に気づいてくりむちゃんはムンクの叫びのような顔をしていた。

個人的には紅葉さんの怪談よりくりむちゃんの顔の方が怖かった。



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怪談する生徒会③

遅くなりましてすみません。
仕事やら、スランプやらで書くのが遅くなりました。
後、今回台詞が長いので読みにくかったらごめんなさい。


再び蛍光灯を消して蝋燭の灯りだけに生徒会室。

「次は僕の番だね」

そう言うと皆が一気にごくりと唾を飲む音が聞こえる。

「これはね、僕が小学生の時に遠足で行った山の近くにあるお寺に伝わるお話でね。

その近くに二人身の丘って呼ばれている場所が合ったんだ。

その場所は立ち入り禁止になってたから行けなかったけど、住職さんに話を聞かせてもらったんだ。

何でもその場所は深い木々に囲まれた小高い山の上にあるんだって。

その丘には霧の日に登るともう一人の自分に会う何て噂があって誰も近づこうとしなかったんだって。

でも江戸時代、其処が立ち入り禁止になる前の頃、度胸だめしで名をあげようと3人の若者達、壱野宮、仁平、三吉が来たんだって。

最初に一晩、壱野宮が一人で丘に登ることにしたそうだよ。

その壱野宮の自慢は人並みはずれた腕力のいる巨大な弓を一人で使える事だった。

そしてその夜、生温い雨が降ってきた。

次第に雨は濃い霧に変わって丘を包みこんだ。まるでそれが魔物であるかのように。

そして次の朝になっても壱野宮は帰って来なかった。二人身の丘は周りが崖で囲まれていて石段を登るしかなかった。

頂上には人1人がやっと登れる櫓が1つ。その櫓の上で壱野宮は死んでいた。

その胸には大きな壱野宮の矢が刺さっていた。何でもその言い伝えには続きが合ってね、残った2人も知る事になるんだけど、その続きってのがもう一人の自分に会った者は自分に殺されると。

それ以来その場所は立ち入り禁止になったんだって」

僕が話終わるとくりむちゃんは紅葉さんの腕を掴んでガタガタ震えていた。

「それって、ドッペルゲンガーって奴ですよね」

「まぁ、当時はそんな呼ばれ方をしてなかったと思うけどね」

「さて、次は杉崎さんの番ですよ」

「ま、まだ続けるの?」

僕が杉崎さんに向かって話し掛けるとくりむちゃんが真っ青な顔をしていた。

「あら、アカちゃん。怖いの?」

紅葉さんがそんな言い方をするものだからくりむちゃんは。

「怖くないわよ」

なんて言ってるけど思いっきりガタガタ震えながら言っても説得力皆無だよ。

「じゃあ、改めて俺の怪談を話させて貰います。これは俺の友人から聞いた、この学校の七不思議の1つです。

何でもこの学校の倉庫には新品同様な状態で残されている机が残っているそうですよ。

何でも昔、勉強するのが好きな生徒がいてその机を使っていたそうなんですが、勉強のしすぎで体を壊してしまったそうなんです。

医者に行くと勉強のしすぎだから少しは体を休ませるように言われたそうなんですけど、その生徒は大好きな勉強が出来ないならと自殺してしまったそうです。

問題はその後、数年経った後の出来事が起こったんです。

どこにでもあるようにそんな悲惨な事件が怪談に換えられるようにその事件も怪談に置き換えられてしまったそうです。

そこに一人の転校生がやってきてその自殺した生徒が使っていた机を使うことになったそうです。最初はみんなその事を黙ってたんだけどクラスメートの一人がつい、口をすべらせてその事を話してしまったそうです。

実はその転校生はそのテの話がダメだったらしく動揺してそれ以来勉強に集中できなくなってしまったそうです。

でもその転校生は三年生で受験の大事な時期ということもあって家で夜遅くまで起きて頑張って勉強したそうですよ。

そして試験日、テストを始めると教室の中だと言うのに霧がかかってきて体も動かないという状態になってしまったそうですが急に体が軽くなってどんな問題でも、今なら解ける気になったそうです。

そしてその霧はチャイムの音ともに消えたそうですが書いたはずの答案用紙は白紙のままだったそうですよ。

ショックでその後のテストも上手くいかなかった転校生は屋上から飛び降り自殺したそうですよ。あの机には座るなという遺書を残して」

杉崎さんが話が終わると静寂が訪れていた。

「アレ、俺の怪談、怖かったですか?」

くりむちゃんは震えてるけど。

「キー君に友人なんていたのね」

「杉崎さん、その友人て実在する人ですか」

「お姉ちゃん、杉崎先輩がおかしいです」

「鍵、私が叩きすぎたばかりに」

すると杉崎さんが急に立ち上がり、一言叫んだ。

「俺だって友人くらいいるよ。宇宙姉弟とか。ってか深夏は知ってるだろ」

すると先輩は口笛を吹いて誤魔化してた。



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怪談する生徒会④

今更ながらあけましておめでとうございます。
本年も楽しくのんびり書かせてもらいます。


「こ、これは私が体験した、話なんだけどね」

くりむちゃんが傍目で見ても分かる位にガタガタ震えていた。

「きょ、去年の話なんだけど私が、学校から帰るのが遅くなった日に体験したんだ。トイレから歌声が聞こえてきたんだよ。私も最初は他にも残ってた合唱部の人達かななんて思ってたんだけど、トイレには誰も居なかったんだよ。物凄く、怖かったんだから」

くりむちゃんが話終えるとくりむちゃん以外みんなキョトンとしていた。

確かにトイレから声が聞こえたのは怖いんだろうけど、その手の話はよくある話だし、何より本人が一番怖がってるから怖さが伝わってこない。

つまりぶっちゃけて怖くない。

「それじゃ次はあたしの番だな」

そういうと先輩は一息吐くと語り始めた。

「これは人伝に聞いた話なんだけど、10年以上前に聞いた話なんだけど、駅で沢山の自殺者が出たって話だ。これだけならよくある話だがこの話の被害者には全員共通点が有ったんだよ。共通点は2つ有って1つは全員深夜帰りだったこと、もう1つは全員、携帯電話を持ってなかったんだよ」

「グッ」

何だろ、この記憶は。

「ただ、携帯は駅のホームで壊された状態で発見されてるんだよ。死ぬ前に携帯の中身を見られたくなくて自分で壊したとも考えられるんだが、事件の被害者の中には生きてた女の人がいて警察が話を聞いたら、謎の子供から電話が掛かって着たそうだ」

(逃げろ、●●)

この金髪の女の子は誰?

「その電話の相手は、まるであの怪談のメリーさんのようにだんだんと近づいて来る感じで話をしたらしく、その被害者は怖くなって携帯を電源を切ったんだと。それでも携帯は何故か着信をし、最終的にその携帯を壊したんだと。でも、何故か着信音が聞こえ、周りを見渡したとき、その声の主は言ったんだと。『今、お姉さんの中に居るの』って」

先輩が話終えると僕は汗をかいていた。

僕が凄い汗をかいていた事に気付いた先輩達は、僕を心配していた。

でも、先輩が話している時に見えた光景。

あれはなんだったんだろうか?

僕が水分補給と、着替えを済ませると、最後に真冬ちゃんが話を始めた。

「これは真冬が通っていた女子中学に伝わる怪談です。真冬の通っていた中学は全寮制の学校だったんですけど、不思議な夢を見た女の子の話なんです。その女の子は何故か階段の前に立っていて傍には謎の人形がいたそうですよ。すると人形から『一段目』と声が聞こえたそうです。女の子は登りたくないと思いつつも足が勝手に動いて一段目を登ってしまったそうなんです。その日は階段を一段登ったところで目を覚ましたんですけどその翌日も似たような夢を見たそうです」

「ま、真冬ちゃん。それって階段と怪談を掛けてるの?」

くりむちゃんがそんな発言をしていた。

「そんなわけないです。偶然です。話を続けますよ」

話の腰を折られたが真冬ちゃんが話を続ける。

「そんな感じで七日目には階段の終わりが見えてきたそうです。その階段の終わりには結んだ縄が宙から垂れ下がっていて、女の子もそれが絞首台と気づくもその日も足が勝手に動いて一段登ってしまうんです。そして夢を見初めて十三日目、女の子は遂に十三段目に登ってしまい、怖くなって人形を見たそうですよ。女の子は人形に首を吊らなくていいのか聞くと人形は首を横に降ったそうですよ。女の子がほっとしたのも束の間、人形に『壊れなさい』と言って突き落とされたそうですよ。気づくと女の子は目を覚ましたそうなんですけど学校が怖くなって止めたそうですよ。後日女の子が家に帰ると夢で見た人形そっくりの人形が家に有ったそうですよ。その女の子の母親の話だとその女の子が小さい頃遊んでいた人形で、その女の子が夢を見初めた時期に女の子の母親が倉庫の2階で発見するんですけど、階段から落としてしまったそうです。ここからは女の子の母親の視点の話なんですけど、その女の子が人形を抱き締めると人形の手が動いて女の子の服の裾を掴んでいたそうですよ」

多分、今までの中で一番怖かった階段、いや怪談だった。

現にくりむちゃんは気を失っていた。

くりむちゃんが気を取り戻した後、皆で生徒会室の片付けをした。

「やっぱり一番怖いのは人間なんだよ」

生徒会室の片付けを終えるとくりむちゃんがそんな発言をしていた。

「怖い話を作り出すのは何時だって人間なんだから」

「それもそうね」

「でも、人ってどうして怖い話をしたがるんでしょう」

「怖いもの見たさって所じゃないかな?。ジェットコースターなんかと同じでスリルを感じたいんだよ」

真冬ちゃんの意見に僕が答える。

「でも、怖いのが苦手な人もいるんだからそういうのは控えてやってもらいたいよ」

「つまり会長は皆が怖い話をしなくなれば良いんですか?」

杉崎さんの意見にくりむちゃんはというと。

「ううん。そうじゃなくて、怖いのが好きな人は好きな人でやってくれって話。それこそサークルみたいに」

杉崎さんはなるほど、と言ったところで今日は解散となった。

数日後、あれほど騒がれていた七不思議は全く聞かなくなった。

それもその筈、僕と杉崎さんで新しい七不思議を作って流出させたこと原因だ。

その七不思議とは『七つ目以降を知ると知っている七不思議を体験する』という怪談だ。

これが効果覿面だったのかは分からないけど、怪談をする人はいなくなった。

でも、先輩の話の時に見えたあの光景はなんだったんだろう?

 



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放送する生徒会①

「他人との触れ合いやぶつかり合いがあってこそ、人は成長していくのよ!」

くりむちゃんがいつものように小さな胸を張ってなにかの本の受け売りを語っていた。

「なんですか、それ?」

杉崎さんが質問するとくりむちゃんはホワイトボードに議題を書いて「これよ!」とバンッとボードを叩いていた。

「「「「「ラジオ放送?」」」」」

ホワイトボードにはしっかりそう書かれていた。

くりむちゃんは一人、胸を張ったままで話を続けている。

「そう、これから生徒会でラジオ放送をやろうと思うの!」

「ら、ラジオって……」

気弱で引っ込み思案の真冬ちゃんが、嫌な予感でもしたのか、少し怯えていた。

「あの……ラジオですか?。音楽かけたり、喋ったりする……」

「そうよ。その、ラジオ」

「え、でもそういうのって普通は放送部の仕事なんじゃ」

真冬ちゃんの意見にも一理ある。

でも、くりむちゃんはというと。

「何を言ってるの。生徒会って生徒をまとめる立場にある組織よ。政見放送みたいなことをたまにはしないといけないわ!」

常識が欠けていた。

「それにしてもアカちゃん。政見放送なんてよく知ってたわね。いい子いい子」

すると紅葉さんがくりむちゃんの頭を撫でていた。

くりむちゃんは気持ち良さそうな顔をしている。

僕がちょっと羨ましそうに見ていると紅葉さんが手招きするので真冬ちゃんの膝の上に座らせて貰うと、僕の頭も撫でてもらった。

時間にして1分位経った頃、くりむちゃんは気がついたようで。

「政見放送ぐらい知ってるよ!。子供扱いしないで」

「そうね、ごめんなさいね、アカちゃん」

「わ、分かればいいのよ」

因に僕は、数秒前に自分の席へと戻っている。

「でも、紅葉さん。昨日のクイズ番組で政見放送のクイズが出てた覚えがあるんですけど」

「あら、ラブちゃんも。奇遇ね」

くりむちゃんを除く全員の目がくりむちゃんに集中する。

「………。……、とにかく!、政見放送よ」

どうやら図星らしい。

「でも、政見放送なら映像の方が良いんじゃないのか?」

先輩が嘆息混じりに発言していた。

「多分、放送部の人達が「渡せる機材は今のところこれだけ」って感じで渡されたんじゃないですか?」

「そうなのよ。私の姿がテレビで見れるってのにさ。失礼な話だよね」

そう言いながら、くりむちゃんはてきぱきと準備を開始している。

一応僕も手伝いながら、くりむちゃんに話しかける。

「映像撮影用の機材って結構するらしいからね。それこそ、くりむちゃんが昔、僕の家に遊びに来たときに台無しにした掛け軸くらい高いものだしね」

「……」

黙り込むくりむちゃんだけど、それは肯定したものと一緒だと思う。

「なぁ、愛。因にそれってどのくらいするんだ?」

「そうですね、僕たちが生活してるアパートだと家賃にしても2~3ヶ月分じゃないですか」

「マジか」

マジ(本気)です」

「いや、ルビの振り方が逆になってる気がするんだが、まぁ良いか」

そんな話をしているとくりむちゃんが全員の席の前にマイクスタンドを設置したので僕も席に戻る。

「ほ、本当に準備されちゃいました」

真冬ちゃんが元気をなくしていた。

まぁ元々こういう目立つ事が好きじゃないタイプだし、フォローしておくか。

「大丈夫だよ。いざとなったら僕がフォローしてあげるから」

「はい、ありがとうです」

僕が真冬ちゃんを励ますと同時に。

「それじゃあ、始めるよ」

とくりむちゃんが言い、スイッチを入れると音楽が流れ出した。

 



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番外編
天馬愛の一日(ある日の平日編)


三人称side?

5時00分 起床

愛の携帯から「迷いながら~♪」と音がしている。

愛はもぞもぞと布団から「もう朝か」と言いながらはい出ると携帯アラームを解除し、ジャージに着替えて玄関へと向かう。

 

5時30分 ジョギング

季節は5月だが朝はまだ少し肌寒く愛の吐息も真っ白だ。

「お、天馬。おはよう」

「おはようございます、先輩」

途中で深夏と合流して近くの公園まで一緒に走る。

 

6時00分 買い物

ジョギングを終えて近くのコンビニで朝食と昼食を買う。

「う~ん。今日の昼食は安いシャケ弁当(550円)にするか、それとも今週限定のくじ付き(アニメキャラの限定ストラップ)コロッケ弁当950円にするか」

迷ったあげくコロッケ弁当を購入する。

 

6時20分 朝食

本日の朝食、バターロール二個(賞味期限前日)とバナナ一本とヨーグルトと牛乳コップ1杯。

10分で完食。

 

6時30分 仮眠

登校時間までパジャマに着替えて軽く仮眠。

 

7時40分 登校

杉崎と共に登校。

「杉崎さん、おはようございます」

「オッス、愛」

 

8時00分 学校に到着

「真冬ちゃん、おはよう」

「天馬君、おはようです」

始業まで真冬とゲーム。

「今までの真冬と思わないでください。『メ●ゾーマ』です」

「甘いね、真冬ちゃん。こっちは『つねにマホ●ンタ』と『つねにアタカン●』持ちのスキルを覚えさせたパーティーだよ」

「どんなチートプレイですか」

「そして、反撃だよ」

「この威力、真冬のメラ●ーマを越えてます。この技はもしかして」

「今のはメラゾー●ではない、メ●ラだ」

「あ、メラガイ●ーではないんですね。後、伏せ字が仕事してないですよ……」

 

12時00分 昼食

朝買った弁当をクラスメイトと食べる。

「おー、コ●ットのストラップ。しかも色違い」

「良かったですね、天馬君」

「たださ、杉崎さんに睨まれてる気がする。さっきから殺気を感じる」

「大丈夫かにゃ」

「牛乳飲むか」

本日のメンバー

天馬愛 椎名真冬 巽千歳 北見

 

12時30分 予習 復習

休憩時間を利用して図書室で勉強。

「あら、ラブちゃん。今日は数学なの」

「はい、あの先生の授業、解りづらくて」

「確かにあの先生は人気無いわね。ワースト3に入っててもおかしくないわね」

 

15時00分 生徒会

「くりむちゃん、今日も早いね」

「まぁ、生徒会長だからね」

 

16時00分 生徒会終了

杉崎と残り、生徒会の雑務を片付ける。

「杉崎さん、来月転校生が来るそうなので机と椅子を用意しといてくれと先生方から指示が来てますけど」

「え、転校生。女子か?」

「男子ですよ。それと、分かりやすく落ち込まないでください」

「だってさ~」

 

17時00分 下校

「さてと、帰るか、愛」

「そうですね」

途中で杉崎と別れアパートに帰宅。

 

17時30分 宿題

その日に出された宿題を1時間程で終わらせる。

 

18時30分 夕食

昼食の残りを夕食として食べる。

 

19時00分 テレビ

撮り貯めたアニメなどのビデオを見る。

 

20時00分 風呂

洗濯機にお湯と入浴剤を入れて入る。

「こうゆう時って、背が低くて良かったって思うよ」

 

20時10分 ゲーム

真冬ちゃん達とオンラインゲームをする。

 

22時00分 洗濯

今日の洗い物を洗濯機に入れて洗う。

 

22時30分 睡眠

電気タイマーとアラームをセットして眠る。



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