咲-Saki-旅巡り編 (ウメ、)
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プロローグ1

初投稿になります。



ストーリーは変わりませんが、書き直しました。


竜華「なあ、そろそろ動き出さん?」ナデナデ

 

 

怜「うーん、まだいいやん」ゴロゴロ

 

 

竜華「そんなことい言うてたら着く頃には、日が暮れてまうやろ」

 

 

怜「そうは言うても道わからんしなぁ」

 

 

竜華「歩いてる人にでも聞いたらええやん」

 

 

竜華「そもそも初めての場所行くのに何で調べなかったん?」

 

 

怜「ちゃんと調べたんやで。プリントした紙、家に忘れたけど」

 

 

竜華「意味ないやん」

 

 

怜「気づいたときは焦ったで」ゴロゴロ

 

 

竜華「ぜんぜん焦ってるふうには見えんよ」

 

 

怜「そろそろ行かんといかんなぁ」

 

 

竜華「そういうわりには動く素振りないやん」

 

 

怜「うーん、このふとももが気持ちいいのが悪いわ。」サスサス

 

 

竜華「こっ、こんなところで何言うてん」////

 

 

怜「竜華の膝枕がいかに素晴らしいかについて」

 

 

竜華「そんなん今日は聞いとる時間ないよ」チョットキキタイ

 

 

怜「えー♡」

 

 

竜華「えー、やない。そんな可愛らしくいっても変わらんよ。」ウズッ

 

 

怜「えー」ボー

 

 

竜華「ほらほら、しゃきっとせな」

 

 

怜「そうやな。ほなあの人らに道聞こか」

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「うぅ、今日は一段と寒いね」ブルッ

 

 

京太郎「そうか?まだマフラーとか無くてもどうにかなるけどな」

 

 

咲「駄目だよ、ちゃんと着ないと風邪ひくよ、京ちゃん」

 

 

京太郎「大丈夫だって、咲が弱すぎるんだよ」

 

 

咲「もう冬休みだよ」

 

 

「すみませーん。」ブンブン

 

 

咲「どこかで見たことあるような、京ちゃん知り合い?」ウーン

 

 

京太郎「いんや、和なみの人なんて見たら忘れないと思う」

 

 

咲「どこ見ていってるのかな?」ニコ

 

 

京太郎「」

 

 

竜華「清澄高校までの道教えてほしいんやけど…」

 

 

怜「ちょいまち竜華、あの髪型って確か清澄の…」ツノ?

 

 

竜華「んー?そやっ⁉大将の咲ちゃんやん!はじめましてやな。決勝見てたよー、ほんま感動したわ。いやー会えてうれしいわ、一度会って話してみたかったんよ。それにしてもかわいいいなあ、ウチもこんな妹ほしかったわ、チャンピオンがうらやましい限りや」

 

 

咲「」

 

 

怜「ストップ。咲ちゃん固まってもうてるやん」

 

 

竜華「せやかて、これから会おうって人にこんなとこでたまたま会えたんやで」

 

 

咲「ううっ」

 

 

怜「ほら、咲ちゃん困ってるから、まずは自己紹介せな。ウチは園城寺怜、インハイでは千里山女子高校の先鋒やったっていえば、わかるか?」

 

 

咲「千里山の・・・はい思い出しました。確かお姉ちゃんと戦って倒れた…、体調は大丈夫なんですか?」

 

 

怜「そんな心配せんでも大丈夫やで、もともと病弱やったのと、あの時はちょーと無理し過ぎただけやから」

 

 

咲「よかったです、初めて映像見たときは私も血の気が引きました」

 

 

竜華「ホントあの時は、こっちが倒れるかと思ったわ、咲ちゃんからも無理せんよう言うてや」

 

 

怜「いいから、はよ自己紹介せぇ」

 

 

竜華「ウチは大将やっとった清水谷竜華や。もうちょっとで咲ちゃんとインハイで戦えたのに、惜しいことしたわ」

 

 

京太郎「俺は清澄高校麻雀部の須賀京太郎って言います。お二人は、またなんでこんなところに?」

 

 

竜華「あれ竹井さんに聞いとらん?今日練習にお邪魔することになってると思うんやけど?」

 

 

京太郎「部長からは聞いてないですね。咲お前は?」

 

 

咲「ううん、私も聞いてないかな。」

 

 

京太郎「そうか、でもそういうことなら部室まで案内しますよ。ちょうど向かう途中でしたし。」

 

 

咲「あれ、今日は用事があるんじゃ…」

 

 

京太郎「まだ時間に余裕あるし、お前一人じゃどこ行くかわかんねえからな」

 

 

咲「部室行くのに迷うわけないでしょ、京ちゃんは私を何だと思ってるの?」

 

 

京太郎「前科があり過ぎるんだよ」

 

 

竜華「あの二人仲ええなぁ」

 

 

怜「なぁ二人は付き合うてるん?」

 

 

咲「彼女違います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「すみません、遅れました」

 

 

和「おはようございます、咲さん」

 

 

久「咲が遅刻なんて珍しいわね。そうそう今日はサプライズがあるのよ」

 

 

優希「部長さっきからそればっかりで何も教えてくれないんだじぇ」

 

 

久「きっと驚くわよー」

 

 

咲「あはは、それが…」

 

 

竜華「お邪魔します、突然の申し出を受けていただきありがとうございます。千里山の清水谷竜華です」

 

 

怜「同じく、園城寺怜です。今日はよろしゅうお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和「つまり園城寺さんの特訓のために二人は来たということですか」

 

 

怜「まあ簡単に言えばそやね。具体的には咲ちゃんに聞きたいことがあってな」

 

 

咲「私にですか?」

 

 

怜「そうやで、まぁ目的の半分は清澄さんと話して打ってみたかったんやけどな」

 

 

優希「私たちも有名になったもんだじぇ。夏に頑張ったかいがあるじぇ」

 

 

和「確かに千里山の方に言っていただけるのは光栄ですね」

 

 

久「取り敢えず一局打ってからにしない、こんな機会めったにないし時間が惜しいわ」

 

 

まこ「そうじゃね、ほらせっかくじゃから咲入りんしゃい」

 

 

和「じゃあもう一人は私が入ります。園城寺さん、清水谷さんよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

1怜33400 2和31000 3竜華20600 4咲15000

 

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

竜華「咲ちゃんは調子悪そうやったけど、二人ともインハイで見た時より強くなっとるな」

 

 

和「ありがとうございます。誰が勝ってもおかしくない対局でした」

 

 

まこ「園城寺さんはさすがじゃね、清水谷さんはちょっとついとらんかったな」

 

 

優希「あの立直一発はあこがれるじょ。私も立直棒立てればできるかな」

 

 

まこ「そんな簡単なもんじゃないじゃろ」

 

 

怜「いやいや、そんなことあらへんよ。優希ちゃんも立ててみ」

 

 

優希「マジか!さっそく立てる練習するじょ」

 

 

竜華「あんまりてきとうなこと言ったらアカンよ」

 

 

怜「立直棒仲間増やしたかったんやけど」

 

 

まこ「立直棒仲間ってなんなんじゃ」

 

 

久「それにしても園城寺さんが1巡先を見えるってのは本当なのね」

 

 

和「そんなオカルトありえません!」

 

 

怜「えっ!?一応本当なんやけど・・・」

 

 

優希「あんま気にしなくてもいいじょ。のどちゃんはいつものことだじぇ」

 

 

久「全国の名門のエースともなるとやっぱり違うわね」

 

 

竜華「ウチら自慢のエースやからな」ドヤ

 

 

怜「なんで竜華が得意そうなんやねん」

 

 

久「みんなが二人に勝てるようになれば、来年のインターハイは清澄のものよ」

 

 

まこ「気が早いのお」

 

 

和「でも一理ありますね」

 

 

竜華「そう簡単には負けへんよ」

 

 

怜「ウチらに勝てても来年の千里山はもっと強いで。・・・多分」

 

 

竜華「船Qは問題あらへんけど、泉大丈夫やろか?」

 

 

久「随分不安そうね」

 

 

咲「それよりもっと打ちましょう、園城寺さんともっと打ちたいです」

 

 

怜「嬉しいこと言ってくれるやん、ほなどんどん打とか」

 

 

優希「いっちょやるじぇー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「いやー打った打った、ここまで打ったのは久しぶりやな」

 

 

優希「燃え尽きたじぇ・・・」モウダメ

 

 

和「さすがにお二人ともお強いですね、勉強になりました。ですがよかったんですか?」

 

 

怜「ん、何がや?」

 

 

和「もともと咲さんに何かを聞きたいというお話だったような?」

 

 

怜・竜華「「・・・・・・あっ!!」」

 

 

竜華「楽しくて、すっかり忘れてもうたな」

 

 

怜「やってしもたな。大事な話やったんやけど」

 

 

咲「大事な話なら今からでも・・・」

 

 

久「今からでも間に合うの?」

 

 

怜「今からじゃ間に合わへんと思う」

 

 

まこ「どうするんじゃ?」

 

 

久「確か今日はこっちに泊まるって言ってたわよね、明日もう一度集まったりはできるの?」

 

 

怜「大丈夫やで」

 

 

竜華「手間かけさせてもうてすみません。ウチが付いていながら」

 

 

優希「別にそんなの気にしないじぇ、なあ咲ちゃん?」

 

 

咲「ええと・・・」アワワ

 

 

久「咲、明日なにかあるの?」

 

 

咲「実は衣ちゃんに龍門渕家にお呼ばれしてまして」

 

 

久「それなら大丈夫なんじゃない、龍門渕ならこの二人を連れてったら喜びそうだけど」

 

 

まこ「天江衣は大喜びじゃろな」

 

 

和「そんな勝手に決めていいんですか?向こうの都合もあるでしょうし。千里山のお二人もまだ…」

 

 

怜「ウチらはもちろんオッケーやで。むしろあの天江衣に会えるなら万々歳や」

 

 

久「そういうことなら大丈夫だとは思うけど、一応透華に連絡してくるわ」

 

 

優希「相変わらず部長は手がはやいじぇ」

 

 

まこ「それだと意味が変わってくるがの」

 

 

竜華「竹井さんは顔が広いんやね、今回連絡とるときは姫松の愛宕洋枝に連絡先聞いたんよ」

 

 

優希「さすがは我らが部長だじぇ」

 

 

 

 

 

 

久「透華は大丈夫ですって。明日咲と一緒に迎えをよこすそうよ」

 

 

竜華「こんな段取りまでしてもらって、ほんま頭が上がらんわ」

 

 

久「いいのいいの。でもせっかくだし園城寺さんも連絡先交換しときましょ、あとで連絡するわ。」

 

 

竜華「そやね。竹井さんは来年はどうするか決まってるんか?」

 

 

久「大学に進学するつもりよ。推薦の話ももらってるしね」

 

 

竜華「竹井さんなら1年からインカレでも活躍しそうやな」

 

 

久「あら嬉しいこと言ってくれるわね。清水谷さんこそプロでもやれるんじゃない、モデルとかもやったりしたら、きっと人気出るわよ」

 

 

竜華「竹井さんこそもてそうな雰囲気しとるよ」

 

 

久「久でいいわよ。私も竜華って呼ぶから」

 

 

 

 

 

 

 

咲「園城寺さんすみません。私も気にはなってたんですけど、清水谷さんすごい楽しそうだったんで、ついいいかなって」

 

 

怜「咲ちゃんが気にすることやないで。竜華は部活の時はしっかりしてるんやけど、時々天然なところがあるんよな」

 

 

咲「いいじゃないですか、園城寺さんと二人でとてもいいコンビだと思います」

 

 

怜「咲ちゃん、そろそろ名前で呼んでくれてええんやで?一日中一緒におった仲やろ」

 

 

咲「誤解を生みそうな表現はやめてください」

 

 

怜「事実やん。やっぱ早く仲よくなるには名前で呼ぶのは効果的だと思うんよ」

 

 

咲「うーん・・・わかりました、私も園城寺さんとは仲良くしていきたいですし」

 

 

怜「」ジー

 

 

咲「そんなに見つめないでください、緊張しちゃいますよ」////

 

 

怜「」ハヤクハヤク

 

 

咲「と・・・と・・・ところで私に聞きたいことがあったんですよね?」

 

 

怜「期待させといてそれかいな」ハァ

 

 

咲「・・・怜さんが見つめるから変に緊張しちゃったんですよ」

 

 

怜「そのぐらいで緊張してちゃ大将は・・・ん、今?」

 

 

咲「なんですか?」

 

 

怜「聞き取れへんかったからもう一回言ってくれへん?」

 

 

咲「ほらほら、聞きたいことあったんですよね?」

 

 

怜「露骨に話変えんでも」チッ

 

 

咲「お姉ちゃんのこととかですか?」

 

 

怜「聞きたかったのは、咲ちゃんのことやで。前から気になっとったんよ、咲ちゃんの太もも」

 

 

咲「ええええええ」

 

 

怜「前からってのは冗談やけどな」

 

 

咲「もうからかわないでください」

 

 

怜「でも実際、なかなかのものやと思うで。幼いころから竜華に膝枕され続けているウチが言うんやから間違いあらへん。せっかくやし確かめてみよか?」ホラホラ

 

 

咲「膝枕なんて恥ずかしいですよ。他に人もいますし」

 

 

怜「なんや?二人だけならやってくれるんか?」

 

 

咲「そういうことじゃないです」

 

 

怜「意外とケチやな」チッ

 

 

咲「ケチじゃありません!もうやりませんよ」プンプン

 

 

怜「堪忍なぁ。一生のお願いや」

 

 

咲「随分安い一生のお願いですね。でもそれなら二人にだけになれたらやってもいいですよ」フフ

 

 

怜「マジか!?」

 

 

咲「ええ、別に減るものでもないですし」

 

 

怜「でもそんな簡単に知らない人と二人きりになったらいけんよ。かわいいんやから、もっと気をつけんと」

 

 

咲「お願いしたじゃないですか!?」

 

 

怜「一生のお願いなんて簡単に聞いたらいけんよ」

 

 

咲「なんで私が説教されてるんですか!?

 

 

怜「なんや予想以上にちょろそうやったから心配になってしもうて」

 

 

咲「ちょろくないです!!」

 

 

咲「それにその台詞だと言い出しっぺの怜さんが危ない人ですね」

 

 

怜「人を変態みたいに言うなや。ウチは他の人より少ーしだけ女の子の太ももと膝枕が好きなだけや!!」ビシ

 

 

咲「十分変態です!でも私だって相手はしっかり選んでるつもりですよ」

 

 

怜「ウチを選んでくれたんか?嬉しいわ半分冗談だったんやけど」

 

 

咲「じゃあやめときますか?」

 

 

怜「それも冗談や。竜華とはまた違う良さがあるんやろな、特に景色とか」

 

 

咲「今どこ見ていいました?」

 

 

怜「竜華は大きいのはいいんやけど、たまに自分と比べて虚しくなるからな」

 

 

咲「竜華さんや和ちゃんがおかしいんですよ、私だってまだこれから大きくなるはず・・・です・・・。」グヌッ

 

 

怜「そこまで気にせんくても、私かて3年生でこんなもんやで」

 

 

咲「怜さんって見た目よりありそうですよね」ジー

 

 

怜「恨めしそうに見んでくれや。照にも同じようなこと言われて睨まれたこと思い出したわ」ヒキッ

 

 

咲「引かないでください!それよりお姉ちゃんと仲がいいんですか?」

 

 

怜「インハイの後、1度だけ合同の取材があって同じような話になって言われたんよ。その時に咲ちゃんの話もいろいろ聞いたで」

 

 

咲「お姉ちゃんは何を話してました?」

 

 

怜「なかなか面白いお姉ちゃんやな、咲ちゃんの自慢しとったよ。麻雀やってる時とはイメージが180度変わるし、ほんと似たもの姉妹やな」

 

 

咲「お姉ちゃん・・・」ハァ

 

 

久「盛り上がってるとこ悪いけど、そろそろお開きよー」

 

 

怜「もうかいな。って膝枕してもらってない」

 

 

咲「膝枕はどうでもいいですけど、結局怜さんの質問聞いてませんでしたね」

 

 

怜「どうでもいい!?」

 

 

和「膝枕!?」

 

 

怜「コホン、まあ聞きたいことってのは能力に関することなんやけど、明日天江衣と会えるんやろ。そしたらそん時一緒に聞いてもらうわ」

 

 

咲「衣ちゃんと透華さんがいれば大抵のことは解決してくれると思いますよ」

 

 

怜「明日が楽しみやな」

 

 

咲「私もです」フフ

 

 

和「やけに仲がよくなってますね。なんだか嫌な予感が・・・」

 

 

優希「のどちゃん、大丈夫かー?」

 

 

久「それにしても咲は随分なついたわね」

 

 

竜華「怜も楽しそうやし気が合うんやろな」

 

 

まこ「完全に二人の世界に入っとったな」

 

 

久「咲、楽しいのは分かるけど続きは明日にしなさい。あと園城寺さんと清水谷さんのこと龍門渕によろしくね」

 

 

和「咲さん私もご一緒できればよかったんですけど…」

 

 

咲「和ちゃんは明日から家族で東京なんでしょ、しょうがないよ楽しんできてね」

 

 

和「そうですかね…、咲さんこそ楽しんできてくださいね」

 

 

咲「うん。怜さんと竜華さん明日もよろしくお願いします」

 

 

怜「こちらこそよろしく頼むわ」

 

 



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プロローグ2

冬休み中の設定です。

ストーリーは変わりませんが書き直しました。


~龍門渕邸~

怜「」アゼン

 

 

竜華「ホントにここが龍門渕なんか?」

 

 

咲「私も初めて来たときは驚きました」

 

 

ハギヨシ「こちらのお部屋になります。中で透華お嬢様がお待ちです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透華「お待ちしておりましたわ。あなた方が園城寺怜さん、清水谷竜華さんですわね」

 

 

竜華「本日はお招きありがとうございます。千里山女子高校の清水谷竜華です。急にお邪魔してしまってすんません」

 

 

怜「園城寺怜です。今日はよろしゅうお願いします」

 

 

衣「遠路大義、衣は天江衣だ。久からは二人はとびきりの雀士だと聞いている。さあ早く麻雀しよう。」

 

 

怜「ずっと気になっとったんやけど、そのウサ耳カチューシャかわいいなぁ」

 

 

衣「衣のお気に入りだ」フフン

 

 

怜「衣ちゃんかわええなぁ」ナデナデ

 

 

咲「怜さんから私と衣ちゃんに話したいことがあるみたいなんだけど・・・」

 

 

衣「ちゃんではなく!!」

 

 

透華「麻雀を打ちに来たと聞いていましたけど?」

 

 

竜華「そうなんやけど、先に私たちから聞いてもらいたい話があるんよ。いいやろか?」

 

 

衣「客人の願いを聞かぬわけにもいくまい、なあ透華?」

 

 

透華「そうですわね。では、お茶菓子を用意しますので先にお茶にしましょうか、ハギヨシ!!」パンパン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透華「準備できましたわね、それでは怜さんお願いしますわ」

 

 

怜「単刀直入に言うとな、ウチに能力の使い方を教えてほしいんや」

 

 

咲「園城寺さんの能力っていうと”1巡先が見える”ですよね?インハイで解説の人が言ってましたけど」

 

 

怜「その通りや、三尋木プロのお陰で一気に有名になってしもうた」

 

 

透華「にわかには信じられませんね」

 

 

怜「ただ無理をすれば2巡先や3巡先も見えるんやけど、見れば見るほど疲れるんよ。もともと病弱なこともあってインターハイでは倒れてしもてな、いろんな人に迷惑かけてしもたわ」

 

 

竜華「体力がないのもそうやけど怜はすぐに無理するんやから、そっちのほうが問題や。何回言っても聞かんし、一人で考えて勝手に限界を無視して・・」

 

 

怜「竜華の言う通りやったな」

 

 

衣「だった、ということは今は変わったのだな?」

 

 

怜「さすがのウチもインハイで懲りてな。インハイまでは2巡先・3巡先を見ようと密かに特訓してたんやけど、インハイ終わってからは地力を上げて今使える能力を最大限に活かせるように練習しとる」

 

 

透華「私もそれが良いと思います」

 

 

怜「最近だと原村和の牌譜検討とかよくやってるわ」

 

 

透華「それはわかってますわね。ぜひ後程一緒にやりましょう」

 

 

咲「でも今日は能力の使い方を教えてほしいっていうお願いでしたよね?」

 

 

衣「そうだ、矛盾しているではないか」

 

 

怜「最近になってちょっとばかり事情が変わってな。できるだけ早く力をつけたいんや」

 

 

衣「それはまた急な心変わりだな」

 

 

怜「自分でもそう思う、ただ照や憩ちゃんを見てると思うんよ。あのレベルの選手に勝つために、地力を鍛えてたら時間がかかりすぎる」

 

 

咲「時間がないですか?」

 

 

透華「その“事情”というのは教えてくださらないのかしら?」

 

 

怜「申し訳ないんやけど、約束やから教えられないんです」

 

 

衣「約束か・・・竜華はいいのか?怜は今まさに無理をしようとしているように見えるのだが」

 

 

竜華「怜は今回のことウチとセーラに真っ先に相談してくれたんよ。それで三人で相談した結果が今回の旅や」

 

 

透華「了解済みということですわね」

 

 

怜「最初はプロに直接教えてもらおうと思ったんやけど、年末年始はプロは忙しそうやから。インハイで成績残した人らに頼ってみようと思って、最初にインハイで印象に残ってた咲ちゃんがいる清澄にお願いしたんや」

 

 

透華「能力を鍛えるという方針自体には同意したということですわよね?」

 

 

竜華「そうや」

 

 

衣「ならば衣が言うことはない。存分に協力しよう!」

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

衣「咲もいいだろう?」

 

 

咲「・・・大丈夫だよ、衣ちゃん。ただ私に教えてほしいということでしたけど、私は人に教えられるほど強くありませんし、自身の能力についても使いこなせているとは言えないと思います。わざわざ訪ねてきてくださったのにすいません」

 

 

怜「そうなんか?あれで使えこなせてないとか末恐ろしいな」

 

 

衣「衣はそんなことないと思うのだが」

 

 

咲「ありがとう衣さん、でも最近勝率も悪いんだよね」

 

 

透華「能力の扱い方でしたら私も教わりたいですわね」

 

 

衣「よし、そういうことなら衣が教えてやろう」フフン

 

 

透華「衣、本当にできますの?私たちもそんな話聞いたことないんですけど」

 

 

衣「とりあえず一局打ってみよう話はそれからだ」

 

 

透華「私は一たちを呼んできますわ。そろそろ仕事も終わったころだと思いますし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~対局後~

怜「これが去年のMVPの実力か、あっぱれやな」

 

 

透華「満月の衣はこんなもんじゃありませんわよ」

 

 

衣「怜はすごい能力を持ってるんだな、実際に打ってみてひしひしと感じたぞ。それに咲もやっぱり強くなっているな」

 

 

咲「そうなのかな?怜さんへのアドバイスは準備できた?」

 

 

衣「うむ。咲にも衣の年長たるところを見せよう。もう“ちゃん”とは呼べなくなるぞ」

 

 

咲「まだ気にしてたんだね・・・」

 

 

衣「上手くいったら“お姉さん”に直すんだ」フフ

 

 

衣「まず1つ質問だが、怜は能力の使用は自在にできるのか?」

 

 

怜「基本的にはできるで。自分が見た未来と行動を変えるとしばらく見えなくなるし、体力がなくなると見たくても見れんくなるけど」

 

 

衣「そうか・・・ふむ、ならありきたりだが少しずつ使いながら慣らしていくのはどうだ?」

 

 

怜「私はええ案やと思うんやけど・・・」

 

 

竜華「インハイ前にもそれやって何回か倒れてるんや。それにたいして効果も上がってへんのやろ」

 

 

怜「最初は2巡目は一度も見れなかったんやけど、特訓後は無理すれば1局に何回かは見れるようになったで」

 

 

竜華「無理すればじゃ、あかん。ぜっっったい、アカン!!」

 

 

怜「この通りやから別の案にしてくれるとありがたいわ」

 

 

透華「そういえば目標とかはありませんの?」

 

 

怜「そうやな、常時2巡後を見れるくらいが理想やな、先は長いと思うけど」

 

 

衣「ふむ・・・。なら心構えの話になるが、怜は相手をもっと見下すように打つといいと感じる」

 

 

怜「見下す?」

 

 

衣「少し言葉が悪かったな。対局相手を尊敬することも大事だが、戦いに勝利するには相手を飲み込み支配する、そんな戦い方も有効だ」

 

 

咲「衣さんは相手をいつも飲み込んでるよね」

 

 

衣「当然だ。1巡先が見える怜なら、相手の全てを見透かすような気概で挑んでみたらどうだ。全てを見通し支配するそんな戦いができるはずだ」

 

 

怜「相手を支配する、そんなこと考えたこともなかったわ。でも相手を見透かすってのはなんとなくわかるかもや(照魔鏡・・・)」

 

 

衣「心の持ちようでその者の能力は良くも悪くも変わるように衣は思う」

 

 

透華「正直私には全然わからないアドバイスですわね。宮永さんはどうですか?」

 

 

咲「わかります。でも私にもうまくできません」

 

 

竜華「私もさっぱりやわ。でも怜は感じることがあるみたいやし、さっそく試してみよか」

 

 

一「透華お待たせ」

 

 

純「悪いな、遅くなっちまった」

 

 

智樹「軽食を持ってきた」

 

 

透華「ナイスタイミングですわ、これで卓が二つ立ちますわね。ではどんどん打ちますわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~休憩中~

 

咲「怜さん、どうですか衣ちゃんの指導は?」

 

 

怜「麻雀部での指導なんかとは全く違うて面白いわ。これぞオカルト派の雀士って感じやな」

 

 

咲「衣ちゃんが完全デジタルで打ってる姿は想像できませんね」

 

 

怜「ただな・・・、1局1局がしんどいわ。」ハァ...

 

 

咲「あのプレッシャーは恐いですよね、何度やっても慣れません」

 

 

怜「咲ちゃん、自分も大して変わらへんの自覚してないんか、咲ちゃんのほうがつらい局も普通にあるで」

 

 

咲「そ…そんなことないですよ?」メソラシ

 

 

怜「薄々わかってるやん」

 

 

咲「そっ、それより衣ちゃんにはどんなアドバイスされたんですか?2人が話してるの気になってたんです」

 

 

怜「ウチのことがそんなに気になるんか?」

 

 

咲「勘違いしないでください!そうじゃありません!」

 

 

怜「おおう、ツンデレか」

 

 

咲「つんでれ?」

 

 

怜「天然かい!」

 

 

咲「天然じゃないです。それよりアドバイスです」

 

 

怜(絶対天然やろ)

 

 

怜「アドバイスは技術的なことよりメンタル面のことが多いな。一番可能性を感じたんは“未来を見る相手を絞る”っていうアイディアやな。使いこなせれば体力の節約になるかもや」

 

 

咲「なるほど、衣さんは思っていた以上にオカルトの先生に向いてるのかもしれませんね」

 

 

怜「衣先生か。ガチな人からちょっと危ない人までいろんな人が集まりそうやな」

 

 

 

 

 

 

 

衣「咲、怜ちょっと来てくれるか」

 

 

怜「さあ先生がお呼びや」

 

 

衣「先生?咲、次はこの面子で全力で撃つぞ。怜は透華の後ろで見ていてくれ」

 

 

竜華「よろしくな」

 

 

透華「お願いしますわ」

 

 

咲「冷たい透華さんを呼ぶの?」

 

 

衣「そうだ、あれはまさしく長野最強に相応しい。今日の締めに良いかと思ってな」

 

 

怜(冷たい透華?)

 

 

透華「あまり気は乗りませんが、衣のお願いでは仕方ありませんわ」

 

 

竜華「本当にそんなに強いのか楽しみや」

 

 

咲「わかりました、やりましょう」

 

 

 

 

 

 

 

~対局終了~

 

怜「何やこれ?」

 

 

衣「透華こそがこの長野で最強の選手だ、合宿ではプロにも勝利してるぞ」

 

 

竜華「話は聞いとったけど、これは尋常じゃないなぁ。とんでもない選手が隠れてるもんやね」

 

 

衣「怜は竜華と交代だ。今日最後の一局だからな怜も残れる力を振り絞って打て」

 

 

竜華「怜っ!?」

 

 

怜「わかっとるよ、ダブル以上は使わん。今無理せず使える全力で挑む、その上で勝つ、これでええやろ?」

 

 

竜華「怜っ頑張り。全力で応援したる!!」

 

 

衣「それから今の透華はまるで卓の全てを把握したかのような麻雀を打つ、その正体は衣たちにとっても依然として知れぬままだ。怜も全力で挑んでみろ、何か新たな気づきがあるやもしれぬ」

 

 

怜「千里山のエースの力見せたる!」ゴッ

 

衣「ふふふ」ゴゴゴゴ

 

咲「・・・」ゴゴゴゴ

 

透華「」コォォォォォ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「完敗やっ!!手も足も出んてのはこのことやな。これがプロとの距離なんかな?」

 

 

竜華「あんなに息巻いとったのにな」

 

 

怜「それは言わんで」///

 

 

咲「プロでも相手を選ばなければ、もっと近いと思いますよ」

 

 

衣「それより怜に聞きたいことがあるんだが、今日一日衣は役に立てていたか?」

 

 

怜「アドバイスたくさんもらえて嬉しかったよ。ただ一朝一夕でどうにかなるものやなかったし、言葉が難しくてなぁ」

 

 

衣「」

 

 

怜「でも・・・最高の先生やったよ、衣ちゃん。今までになかった考え方とか視点とか教えてもらってホント感謝しかないわ。衣ちゃんのアドバイス絶対ものにして見せるから待っとってな」グッ

 

 

衣「怜っ!」パァ

 

 

透華「さすが我らの衣先生ですわ」

 

 

咲「今度は私も教わりたいな、衣先生」ナデナデ

 

 

衣「なーでーるなー、でも衣先生いい響きだ」ニパー

 

 

竜華「なんやったら千里山に転校するか、衣ちゃんに教えてほしそうな後輩がぎょうさんおるで」ナデナデ

 

 

怜「船Qとかよろこびそやな」

 

 

透華「何を言ってますの!?衣が転校なてするはずありませんわ」

 

 

衣「そうだぞ、龍門渕のみんなは家族だからな。でも衣先輩・・・、衣先生・・・」

 

 

透華「何を悩んでますの!?」コロモー

 

 

衣「じょ、冗談に決まっておろう、何を焦っておる」メソラシー

 

 

透華「ならこっちを向いてくださいまし。ころもー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕食後~

 

咲「そういえば怜さんと竜華さんは次はどこに行かれるんですか?全国巡るんですよね」

 

 

怜「そのつもりなんやけど中々予算がな。新道寺とは連絡とってあって、できれば行きたいっちゅう話はしてあるんやけど」

 

 

衣「ふーむ、よし衣に任せておけ。お金のことは透華に相談してみよう」

 

 

怜「さすがにお金まで世話になったりはできんよ」

 

 

衣「だったらこういうのはどうだ。衣は怜たちの学校が見てみたい、竜華たちの仲間と打ってみたい。だから我ら龍門渕高校との練習試合を受けてくれ」

 

 

竜華「その対価にっちゅうことか?うちの監督なら練習試合はすぐ決まると思うで」

 

 

衣「なら決まりだな」

 

 

咲「透華さんは大丈夫なんですか?」

 

 

透華「もちろんですわ」

 

 

竜華「ちょっと待って!その前に聞いておきたいんやけど、何でそんなにウチらを助けてくれるんや?」

 

 

怜「せやな。今日仲良くなったとはいえ、初対面の相手にそこまでする義理ないやろ」

 

 

衣「そうだな、衣は今日ほど率直に“教えて”と頼まれたことは今までなかったのだ。麻雀を教えるのは初めてのことでなかなかの難題だったがとても楽しかった。怜の麻雀を見ているとまるで自分が打っているかのように興奮し手に汗握っていた。怜は衣に麻雀の新たな楽しみ方を教えてくれたのだ」

 

 

透華「衣、そんなこと考えてましたのね」

 

 

衣「衣はまだまだ麻雀を楽しめる、みんなと一緒に楽しめる、それが嬉しくてたまらないのだ」

 

 

咲「・・・衣ちゃん」

 

 

衣「だからそのお礼だと思ってくれ」

 

 

透華「衣もこう言ってますし、ぜひ受け取ってくださいまし」

 

 

怜「衣ちゃん・・・こんなん断れるわけないやろ」

 

 

竜華「ありがとな。その代わり練習試合はウチらが無理矢理にでもねじ込んだる。ただ千里山は強いから気いつけてな」

 

 

衣「その言葉はそのまま返すぞ。来年のインターハイは衣たちが優勝するつもりだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「怜さん・・・」

 

 

 

怜「なんやー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「その旅に私も連れて行ってください。お願いします!!」

 

 

 

 

 

怜「急にどないしたん?福岡やで、そんな簡単に決めていい距離でもないし。いつ帰ってくるかもわからんよ。」

 

 

 

 

 

咲「それでもです。お金なら自分で何とかします。お父さんも必ず説得しますから」

 

 

 

 

 

怜「理由は!?せめて理由聞かせてくれや。」

 

 

 

 

 

咲「私最近壁に当たってるんです。練習でもほとんど勝てなくて、でも・・・・・・強くなりたいんです。もっともっと強く、だれにも負けないくらい」

 

 

 

 

 

竜華「ええやん、連れて行ったら。怜やって気に入ってるんやろ咲ちゃんのこと」

 

 

 

 

 

怜「そうやけど」

 

 

 

 

 

咲「怜さんの特訓も手伝いますから!」

 

 

 

 

 

怜「・・・わかった、竜華も言ってることやしな。どうせなら一緒に最強でも目指そか」

 

 

 

 

 

咲「はい!!ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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新道寺の巻1

怜「ようやく着いたな。」

 

 

咲「移動だけでも疲れちゃいました。」

 

 

怜「移動よりも咲ちゃん見張っとくのに疲れたわ。」

 

 

咲「ごめんなさい。」ウウッ

 

 

怜「そんな気にせんでええよ、ただ次からは手繋がなかあかんな。」

 

 

咲「ええっ!さすがに恥ずかしいです。」

 

 

怜「次空港ではぐれたら、アナウンスしてもらうで。『長野からお越しの宮永咲ちゃん』って」

 

 

咲「やめてください!!手つなぎますからっ。」

 

 

怜「それでええんよ。」

 

 

咲「うう」

 

 

煌「園城寺さん、お待たせしました。お迎えに上がりました。」

 

 

怜「おお花田ちゃん、待っとったよ。」

 

 

煌「久々の再会、すばらです。」

 

 

咲「花田煌さんですよね。初めまして、宮永咲です。」

 

 

煌「初めまして宮永さん、和と優希は元気にしてますか?」

 

 

咲「二人とも元気ですよ、優希ちゃんは元気が有り余ってますけど。」

 

 

煌「それはそれはすばらです。長旅お疲れでしょうしさっそくですが、我が家に向かいましょう。」

 

 

 

 

 

 

~移動中~

煌「お二人は何というか、不思議な組み合わせですね。それに清水谷さんも一緒に来ることになっていたと思うんですが。」

 

 

咲「私が怜さんに無理を言って連れてきてもらったんです。」

 

 

怜「竜華は今頃、大阪に戻ってるころやろか。ここに来る前に長野にも行ったんやけど・・・」

 

 

~龍門渕邸~

怜「咲ちゃんが本気なら一緒に行くことは問題ないよ、なあ竜華?」

 

 

竜華「咲ちゃん怜と一緒に行ってくれるんなら頼みたいことがあるんやけどええか?」

 

 

咲「もちろん何でもしますよ。」

 

 

竜華「やっぱりええ子やなぁ。そんな咲ちゃんやから頼む。怜が無理しないよう見張っててほしいんや。」

 

 

咲「ええっ、竜華さんは一緒に来ないんですか?」

 

 

怜「そうや竜華!!急にどうしたんや?」

 

 

竜華「今日怜は必死で特訓しとったけど、ウチはなんも力になれてへん。」

 

 

怜「そんなことないで。竜華が一緒に来てくれるだけでウチは・・・」

 

 

竜華「それじゃダメや!ウチが納得できへん。ウチも怜の力になりたい。」

 

 

怜「竜華・・・」

 

 

竜華「能力ってのもよう分らんしな。だから一旦大阪に戻るわ。必ずいい報告したるから待っててや。」

 

 

怜「ほんまにええんか?」

 

 

竜華「いいから行ってき。信用しとるよ。」

 

 

怜「分かった。なら咲ちゃんと一緒に行ってくるわ。絶対成長して帰るから心配せんと待っとってな。」

 

 

咲「私がきちんと見てますから。」

 

 

竜華「二人ともありがとな。」

~回想終了~

 

 

煌「青春ですね。すばらです。」

 

 

怜「まさかウチが咲ちゃんを見張っとくことになるとは思わんかったけどな。」

 

 

咲「もういいじゃないですか」/////

 

 

煌「? さあ着きましたよ、ここが我が家です。両親は旅行中なので気にせずくつろいでくださいね。」

 

 

咲・怜「お邪魔します。」

 

 

煌「部長と姫子は明日の朝から来ますから、今日は英気を養って明日に備えましょう。」

 

 

 

 

 

 

~夕食後~

怜「ご馳走さん、料理美味しかったで。二人とも料理上手なんやな。」

 

 

煌「お粗末様です。」

 

 

怜「咲ちゃんが上手くてびっくりしたわ。」

 

 

咲「どういう意味ですか。私はお父さんと二人暮らしなんで家事は大体できますよ。」

 

 

煌「宮永さんのお姉さんにはインハイでお世話になりましたねえ。」

 

 

怜「確かに、あれは強烈やったな。」

 

 

咲「あはは…、花田さん私のことは咲でいいですよ、宮永だと紛らわしいですし。」

 

 

煌「それでは、咲ちゃんと。皿洗いはやっておきますからお二人はくつろいでテレビでも見ていてください。」

 

 

怜「すまんなあ。何から何まで。」

 

 

煌「いいんですよ、お二人のお陰で楽しいクリスマスになりそうですし。」

 

 

怜「さっきまで今日がイブなの忘れとったで。バタバタしとったからなぁ。」

 

 

咲「確かに変わったクリスマスイブでしたね。」

 

 

怜「去年まではだいたい竜華、セーラたちと一緒やったからなあ。プレゼントも今年は用意してへんな。」

 

 

煌「明日何か買いに行きましょうか?」

 

 

怜「時間あったらそれもええな。咲ちゃんはどうや?」

 

 

咲「私はちゃんとプレゼント用意してきましたよ。というわけで怜さんにプレゼントです。」

 

 

怜「ウチになんか?」

 

 

煌「ちょっと待ってください!!」

 

 

怜「急にどうしたん?」ビックリ

 

 

煌「明日、部長と姫子も入れて5人でパーティーしようと思ってたんですよ。なのでプレゼントはその時までお預けでお願いしますね。」

 

 

咲「それならしょうがないですね、怜さんは用意してなかったみたいですし。」

 

 

怜「明日までに何か考えるから堪忍な。」

 

 

ピピー

 

 

煌「お風呂できたみたいですね。先入っちゃってください。」

 

 

怜「!!せや、咲ちゃん一緒に風呂入ろか。体洗ったげるで。」ドヤ

 

 

咲「プレゼントのつもりですか!?」

 

 

怜「なかなかええ案やろ?」

 

 

咲「ええくないです!」

 

 

怜「ええくないてなんやねん。軽い冗談やから、いつでも入ってきてええからな。」

 

 

咲「入りません!」

 

 

怜「咲ちゃんはからかうと楽しいな。」ハッハッ

 

 

咲「・・・・・・怜さん明日プレゼント期待してますね。」ニコッ

 

 

怜「」

 

 

煌「仲良きことはすばらですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

~就寝前~

咲「まだ起きてますか?」

 

 

怜「起きててるで。」

 

 

咲「怜さん今回の旅ってプロになるためですよね?」

 

 

怜「気づいとったんか。咲ちゃんにはかなわんな。」

 

 

咲「別に気づいていたわけでは…ただ他に理由が思いつかなかっただけです。3年生のこの時期に急に強くなりたいわけが。」

 

 

怜「その通りや、他言無用でお願いな。」

 

 

咲「スカウトとの約束ですか?」

 

 

怜「そうや。ウチ・竜華・セーラ3人そろってスカウトされたんやけど、ウチだけ条件付きやったんよ。」

 

 

咲「プロのレベルで打つには2巡目以上の力が必要ってことですか。」

 

 

怜「それもあるし、プロは年間に膨大な数の対局をこなす。だからこそ体力・精神力が必要になってくる。高校生の比やないって話や。」

 

 

咲「1巡目だけなら今の体力でも大丈夫なんじゃないですか?」

 

 

怜「一応な。それでも1年フルでってなったらやっぱり不安は残るし、病気が悪化するかもわからへん。」

 

 

咲「それでも十分活躍できると思います。」

 

 

怜「ありがとな。そやけど選手が倒れたら一大事やからな、場合によってはチームが責任を問われたりもする。ようするにリスクが大きいんよ、ウチは。」

 

 

咲「そんなリスクなんて・・・」

 

 

怜「インハイで倒れてもうたのが印象悪かったみたいや。」

 

 

咲「あれはチームのために頑張ったんじゃないですか!!」

 

 

怜「そういってもらえるとうれしいわ。」

 

 

咲「・・・でも諦めてないんですよね。」

 

 

怜「リスクが大きくても、そのリスクに見合うだけのリターンがあればええ。」

 

 

咲「それで能力の向上なんですね。」

 

 

怜「せや。最初に言った条件ってのは試験に合格すること。スカウトが言うには宮永照を抑えるだけの力があれば合格できるらしいで。」

 

 

咲「お姉ちゃんはプロでも抑えられないって言われてるんですよ」

 

 

怜「インハイでも散々無理して、三人がかりでやっとやったからな」

 

 

咲「だったら…」

 

 

怜「ようはトッププロ並みの力を示せってことやとウチは思うとる。」

 

 

咲「そんなの厳しすぎます。それに怜さんなら大学に行って、着実にレベルアップしてからでもプロになれると思います。」

 

 

怜「ウチは今プロになりたいんよ。せっかく竜華たちと同じ舞台で打てるようになったんや、もう離れたくない。」

 

 

咲「今無理しなくてもたった4年待つだけですよ。竜華さんもセーラさんも待っててくれます。」

 

 

怜「咲ちゃんは今回の旅反対やったんか?」

 

 

咲「旅には賛成です。能力を知ることは怜さんには必要だと思うから。でも急激な特訓で2巡先が見えるようになったとしても、怜さんの雀士としての命を縮めるだけな気がして」

 

 

怜「ええとこつくな、ウチもそう思うよ。」

 

 

咲「自分でわかってるなら、どうしてですか?」

 

 

怜「ウチは去年生死の境をさまよって、気づいたら1巡先が見えるようになっとった。一瞬で手に入れた力や一瞬で無くなっても不思議やない。なら4年も待ってたらこの能力消えてまうかもわからん。」

 

 

咲「そんな!?」

 

 

怜「ウチにとっては竜華やセーラの隣にいる今が夢がかなったみたいなもんや。せっかくかなった夢を簡単に手放せるわけないやろ。」

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

怜「それに今が夢なら奇跡だって起きてもおかしないはずや。」

 

 

咲「夢ですか。」

 

 

怜「さすがに臭かったな、忘れてや。」

 

 

咲「いえ好きです、そういうの。それに私も知りたいです、奇跡が本当に起こせるかどうか。」

 

 

怜「なんや付き合ってくれるんか?分の悪い賭けやで?」

 

 

咲「嶺上開花の起きる確率知ってますか?私には十分勝算があるかけです。」

 

 

怜「せやったな。心強い味方が増えて嬉しいわ。あと能力が消えるかもっていう話は竜華にも無しや。なんも確証のない話やしいらん心配をかけたくない。」

 

 

咲「付き合いの短い私に良く話しましたね。」

 

 

怜「一人で抱えきれなくなったところにたまたま咲ちゃんがいたんよ。このことは二人の秘密やで。」

 

 

咲「わかりました。二人の秘密です。」フフ

 

 

怜「次は咲ちゃんの話が聞きたいわ、この旅についてきたわけ。・・・、いややっぱりまた今度にしよか。今日は疲れたわ。」

 

 

咲「はい、おやすみなさい怜さん。(私の旅・・・)」

 

 

 



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新道寺の巻2

相変わらず方言がヤバイです。


 

トントントントン

 

怜「花田ちゃん、おはよう。」

 

 

煌「あら怜さん、おはようございます。もう少しでできますから、顔洗っちゃってください。」

 

 

怜「・・・朝からありがとな。ほな行ってくるわ。」

 

 

煌「そしたら咲さんも起こして来てもらっていいですか?」

 

 

怜「了解や。」

 

 

煌「ふんふふ~ん♪」

 

 

 

 

~寝室~

怜「咲ー、起きろー朝やで。」

 

 

咲「うー・・・」

 

 

怜「意外と朝弱いんやな。」

 

 

怜「ほら花田ちゃんが美味しい朝ごはん作って待ってるで、起きや。」

 

 

咲「うん・・・あれ怜さん?」ウトウト

 

 

怜「おはようさん、怜さんやで。」

 

 

咲「・・・ふわっ、お…おはようございます?」

 

 

怜「寝ぼけてないで朝ごはんや、顔洗ってきいや。」

 

 

咲「はい。先行っててください。」

 

 

怜「洗面所わかる、大丈夫迷わんか?」

 

 

咲「家の中で迷いませんよ!」

 

 

 

 

~リビング~

咲「お待たせしました。すみません、朝も手伝おうと思ってたんですけど…」

 

 

煌「いいですよ、それより昨夜はお楽しみでしたね。」イッテミタカッタ

 

 

咲「??」

 

 

怜「ブフッ!?急に何言うんや。う、ウチはな、何にもやましいことあらへんよ。」

 

 

咲「怜さん落ち着いてください。」

 

 

煌「いえ、昨晩は楽しそうにおしゃべりする声が聞こえてものですから。それとも何かあったんですか?」

 

 

咲「おかげさまでぐっすり眠れましたよ。」

 

 

怜「そ、そやな。楽しくおしゃべりしただけやで。」

 

 

煌「慌ててるとあらぬ疑いをかけられちゃいますよ。」

 

 

咲「・・・ほんとに何もしてませんよね?」

 

 

怜「」メソラシー

 

 

咲「何したんですか?」ニコッ

 

 

煌「早めにしゃべっちゃったほうがすばらじゃないですか、咲さんも怒りますよ。」

 

 

怜「可愛かったからつい・・・」スマホ

 

 

煌「おおっ、これは。」

 

 

咲「消してください!!人の寝顔を何だと思ってるんですか。」

 

 

怜「それは尊い何かやろ。」シレッ

 

 

煌「確かに、私にもぜひ送ってください。」

 

 

咲「だーめ、ダメです!ダメですからね。怜さんはすぐ消してください。」

 

 

怜「まあまあ、いいやろもう誰にも送らんから。」

 

 

咲「ダメです、ほら消してください。」

 

 

怜「わかったって。ほらこれでええやろ。」

 

 

咲「もうやめてくださいね。」

 

 

煌「(絶対他にもとってますよね)」

 

 

怜「(照に送って自慢したのは黙っとこか)」

 

 

咲「早く食べましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝食後~

煌「部長たちとは近くの雀荘で待ち合わせてるので準備できたら行きますよ。」

 

 

咲「インハイの映像見ましたけど、お二人ともすごく強かったです。」

 

 

怜「特に白水哩は強かったなぁ。準決勝は見てて怖かったわ。」

 

 

煌「味方でしたらあれ以上頼もしい方もなかなかいないと思いますよ。」

 

 

咲「大将の鶴田さんもすごかったです。」

 

 

怜「二人の和了りがリンクしてるんやろ、初めて聞いたときはさすがに嘘かと思ったわ。」

 

 

煌「二人はリザベーションって呼んでましたね。」

 

 

咲「プロでも破れないらしいですね。」

 

 

煌「確かにあれが破られるのは見たことがないですね。」

 

 

怜「二人で使う能力ってどういうもんなんやろな。ウチと竜華とも違うやろし。」

 

 

煌「私からしてみれば、怜さんと咲さんも十二分にすごい能力だと思うのですがね。」

 

 

咲「昔から使えたんですかね、それとも練習して習得したんですかね?」

 

 

煌「その辺の話は私も詳しくは知りませんね。ぜひ聞いてみてください。」

 

 

怜「白水にとってはリスクしかない能力やと思うんやけど、それでもあの強さは羨ましい限りや。」

 

 

煌「あまり言われませんが、姫子もそうとう強いですよ。」

 

 

咲「早く打ってみたです。」

 

 

 

 

~雀荘~

煌「部長、姫子お待たせしました。」

 

 

哩「待っとったよ。白水哩や、今日はよろしく。」

 

 

姫子「鶴田姫子です。今日はよろしくお願いします。」

 

 

咲「宮永咲です。」

 

 

怜「園城寺怜です。よろしくお願いします。」

 

 

煌「それでは私は夜の準備がありますので、終わったころに連絡をくださいね。」

 

 

姫子「準備全部任せてしまって、申し訳なか。」

 

 

煌「いいってことですよ、それより怜さんと咲さんにしっかり教えてあげてくださいね。それでは。」

 

 

哩「さっそくやけど、園城寺と宮永は私たちの能力は知っとお?」

 

 

咲「花田さんからリザベーションだと、能力も大体は知ってます。」

 

 

怜「二人で一つの能力って話やな。」

 

 

哩「そうやね、ただ私は気づいたらリザベーションができるようになっとったけん、能力の使い方ば教えるんは難しか。」

 

 

怜「やっぱりそうなんやね。」

 

 

姫子「やっぱりとですか?」

 

 

怜「今のところウチが聞いた人はほとんどそうやったからな。」

 

 

咲「私も聞かれて初めて、意識して使ってなかったなと思いまして。」

 

 

哩「そうやけん私らのアドバイスは能力を使う上での工夫にしよう思ってる。」

 

 

姫子「能力の使い方言うても抽象的な話しかできそうにないけんね。」

 

 

哩「まず単純な方法やが、いつリザベーションを発動したかをわからなくするようにしちょる。」

 

 

怜「あの牌ふせるやつやな?」

 

 

哩「そうだ。それでも見る奴が見れば、ばれてるとは思うがな。」

 

 

怜「フナQもわかってるふうやったな、そういえば。」

 

 

哩「あとはリザベーションした局としてない局の打ち方をできるだけ変えんように意識しとる。」

 

 

咲「翻数が決まってるとある程度は決め打ちになりますよね。」

 

 

哩「ああ。やけんできるだけになっと。隠すことに気を取られて和了りを逃したり、振り込んでしまったら本末転倒たい。」

 

 

怜「能力はあくまで補助ってことやろか?」

 

 

哩「いやそうじゃなか。リザベーションは私が強くないと意味のなか能力やけ、そがん甘か手ば打っとるようじゃダメばい。私がその程度ならリザベーション使わんと二人で打ったほうが強か。」

 

 

怜「頭の痛い話やね。」

 

 

咲「リザベーションがあったから白水さんは強くなったんですかね。」

 

 

哩「リザベーションは姫子の局ばもらっとるようなものたい、私は二人分強くなかダメやけん。」

 

 

姫子「部長…そがんこと思っとってくれたんですね。」/////

 

 

哩「なんか恥ずかしかね。」

 

 

怜「やっぱり急がば回れってことなんやろか?」

 

 

咲「怜さん・・・」

 

 

哩「ただ姫子と一緒に打つときはリザベーションば一番に考えとる。」

 

 

姫子「リスクも大きかですけどリターンが大きいですから。」

 

 

哩「リスクが大きいけん、使う局面や翻数は事前に良く考えとる。千里山と戦った準決勝は点差が大きかったけん、回数も多く手も大きくなった。」

 

 

怜「あの時はものすごかったな。」

 

 

姫子「逆に予選なんかで勝ってる時は、小さい手を多めにしたりしてますよね。」

 

 

哩「より確実性を高めるためやね。」

 

 

怜「なるほどな、いろいろ考えてるんやね。」

 

 

哩「あとは対局相手によっても変えとる。早い手が得意か、攻撃重視か守備重視かなんかは意識してる。」

 

 

咲「なるほど、臨機応変にですね。」

 

 

哩「リザベーションに関してはとりあえずはこがんとこか。」

 

 

姫子「園城寺さんに前から確認したかったんですけど、本当に1巡先が見えるんですか?」

 

 

怜「1巡先なら常に見えとるよ。」

 

 

哩「世の中には不思議な人もおるもんやね。」

 

 

咲「白水さんたちも大して変わらないと思いますよ。」

 

 

姫子「宮永さんもね。」

 

 

哩「でも1巡先が見えるならもっと鳴きの有効活用はできんと?」

 

 

怜「鳴き?立直一発が武器になるし面前を意識して打っとったけど。」

 

 

哩「極端な話やけど、1巡先が見えんくても、立直一発の手は立直して自摸れる。捨てる牌を一度も間違えなければ手の進みも大きくは変わらんと思う。」

 

 

怜「今のウチじゃ、正直厳しいんよな。」

 

 

哩「やけん1巡先が見える力の真価は他家の捨て牌がわかることにあると思う、他家の捨て牌を利用するとなると一番はやっぱり“鳴き”ばい。」

 

 

咲「確かに一理ありますね。」

 

 

哩「ばってん自分で使えるわけじゃなかけん、実際とは違うかも知れんが参考にはなるんじゃなか?」

 

 

怜「確かに鳴きを使ってはいたけど、面前を中心に考えとった。思い出してみれば照に一矢報いた局もウチは鳴いとったな。」

 

 

哩「参考になったならよかと、その代わり今日は全力で姫子ば相手を頼むけん、宮永もよろしく。」

 

 

姫子「私も来年はリザベーションに頼れませんから、お二人からいろいろ学ばせていただきます。」

 

 

怜「ウチは鳴きを意識やな。」

 

 

咲「(鳴きを意識して…)」

 

 

哩「よしじゃあさっそく打つぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~対局後~

姫子「こがん勝てないのは久しぶりや・・・」

 

 

咲「そんなことないですよ、本当につよかったです。」

 

 

姫子「咲ちゃんは優しいなー。長野はみんなそうなんか?」

 

 

咲「花田さんは特別ですよ、あんな人探したって見つかりません。」

 

 

怜「新道寺は来年も恐そうやな。」

 

 

哩「来年こそは日本一たい。千里山はどうたい?」

 

 

怜「まあ予選は大丈夫やろ、憩ちゃんがちょっと怖いけどな。全国は長野が恐いわ、龍門渕と清澄どっちが来ても。」

 

 

咲「風越や敦賀かもしれませんよ?」

 

 

姫子「咲ちゃんや天江衣が負けるとは思えんけど長野も大変なんやね。」

 

 

哩「宮永は麻雀が上手くなってるな。」

 

 

咲「そうですかね?」

 

 

哩「インハイで見た時よりは確実にうまくなっとると思うよ。」

 

 

咲「インハイ終わってからは和ちゃんとか部長の打ち方とかを教えてもらってるんです。」

 

 

哩「ばってん言わせてもらうが、怖くは無くなったと思う。インハイの時の宮永は何をやるか分らん不気味さがあった。」

 

 

咲「つまり弱くなってるということですか?」

 

 

哩「そうじゃなか。長いスパン打てば今のほうが成績ば残すと思うよ。」

 

 

姫子「インハイは一発勝負やけん、“何をするか分らん”ていうのはアドバンテージになるよ。」

 

 

咲「確かに自分でもうまくなってる自覚はあったんです。ネット麻雀でも前より勝てるようになりましたし。でも・・・」

 

 

怜「実際に打つとうまくいかんのやね。」

 

 

咲「そうなんです。怜さんはどう思いますか?」

 

 

怜「スランプってやつやろか。技術的にうまくなっとるなら精神的な不調とか?」

 

 

咲「特には思い当たらないですけど。」

 

 

怜「・・・・・・」

 

 

姫子「今日も別に調子悪そうには感じなかったですけどね。」

 

 

咲「うーん・・・」

 

 

哩「さぁそろそろいかんと花田が待ちくたびれてるとよ。」

 

 

怜「そやね。咲ちゃんの件はウチも考えてみるし、とりあえず帰ろか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~花田家~

哩「お邪魔します。」

 

 

煌「お疲れ様です。さあさあ上がってください。」

 

 

姫子「すごい料理やね、花田が作ったん?」

 

 

煌「だいたいはデパートで買ってきましたよ。」

 

 

怜「何から何までありがとなぁ。」

 

 

煌「それよりも特訓でおつかれでしょうし、早く食べましょう。」

 

 

咲「すごい、これってシャンパンですか?」

 

 

怜「これはシャンメリーやな。なんやお酒飲んでみたいんか?」

 

 

姫子「意外とませてるんやな。」

 

 

哩「宮永、お酒はダメぞ!怜もしっかり教育せんか。」

 

 

煌「部長、そんな本気にしなくても大丈夫ですよ。」

 

 

怜「ほら咲ちゃんも面食らってないで。」

 

 

咲「」

 

 

姫子「シャンメリー開けますよー。」ポンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「初めて飲みましたけど美味しいですね。」

 

 

姫子「こっちのチキンも美味しいよ。」

 

 

怜「このパスタめっちゃ上手いで。」

 

 

哩「確かに。花田こがんどうやって作ったと?」

 

 

煌「それはですね・・・」

 

 

姫子「これ手作りなんか。花田にはかなわんなぁ。」

 

 

怜「なあ花田ちゃん、千里山にこんか?今なら天江衣も付いてくるかもしれんで。」

 

 

姫子「何言い出すんですか!?ばってん花田が行くわけなか。」

 

 

咲「花田さん、清澄もまってます。古巣に帰るつもりでぜひ。」グッ

 

 

哩「宮永までっ!私が全力で阻止しちゃる!」

 

 

煌「みなさん、ありがとうございます。全力で準備したかいがありました。すばらです。」

 

 

怜「話変えてもダメやで。さあ答えてもらうで、千里山か新道寺か清澄か。」

 

 

煌「そんな!?新道寺を辞めることなんてできません、しかし誘いを無碍にするのも。ムムム。」

 

 

哩「そがんは新道寺一択じゃなか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「満足や、龍門渕の料理もすごかったけど花田ちゃんの料理も負けてへんな。」

 

 

咲「美味しかったです、あとでお料理教えてもらいたいです。」

 

 

煌「ハイ、ケーキ持ってきましたよー。お皿持ってきますんで部長切り分けお願いしますね。」

 

 

哩「・・・・・・」

 

 

咲「??」

 

 

姫子「部長どがんしたとですか?」

 

 

哩「いや、ぴったり5等分にするにはどう切ればいいかと思うて。」

 

 

怜「何もピッタリじゃなくても、普通に8等分くらいでええんやない?」

 

 

哩「え…あっ。そ、そうやな!?」

 

 

姫子「部長・・・」

 

 

煌「どうしました?早く切りましょう。」サラデス

 

 

咲「このケーキは手作りですか?」

 

 

煌「ええ、頑張りました。今回はこのケーキとパスタを気合い入れて作りました。」

 

 

怜「さすがの女子力やね。」

 

 

煌「そこだけは部長にも負けませんよ。」

 

 

哩「なんも言いかえせん。」

 

 

咲「お姉ちゃんや怜さん、白水さん3年生ってみんなそうなのかな?でも部長は一人暮らしだし・・・」ブツブツ

 

 

怜「なに一人でぶつぶつ言ってるんや。ウチが料理できないなんて言ったことあったか?」

 

 

咲「えっ怜さんできるんですか!?」

 

 

怜「まぁできないんやけど。その評価は心外や。」

 

 

哩「私も園城寺にはさすがに負けんと思っとる。」

 

 

怜「ケーキ切り分けるくらいはウチでもできるで?」

 

 

哩「あれはただ勘違しとっただけやけん。私は寮暮らしで、掃除なんかもじぶんでやっとる。」ホリカエスナ

 

 

怜「ウチかて、そんくらいやるわ。」

 

 

煌「部長も園城寺さんも他人に誇るにはもう少し女子力の高いことを…」スバラクナイ

 

 

姫子「それに部長は帰省した時、掃除もなんもせんかったって言ってましたよね…」

 

 

哩「うぐっ!?」

 

 

怜「やっぱりウチのが上やな。」ドヤッ

 

 

咲「怜さんも変わりませんからその顔やめてください。」

 

 

怜・哩「」

 

 

煌「さ、さあ次はプレゼント交換行きましょうか?」

 

 

姫子「私張り切って選びましたよ。」

 

 

咲「みなさんが何を選んだか楽しみです。」

 

 

煌「くじを用意したのでこれで誰が誰のをもらうか決めましょう。部長良いですか?」

 

 

哩「ああ、気を取り直してはじめよか。」

 

 

 

 

 

 

~くじ引き後~

煌「では私から発表しますね。・・・これはマフラーですね。すばらです。」

 

 

哩「私が選んだやつやね。ありきたりなものだがなかなか良いデザインやと思ってな。」

 

 

煌「ありがとうございます。絶対大切に使います。」

 

 

哩「まあ普通に使ってくれ。私のもらったこれは・・・手袋か。」

 

 

姫子「私ですね。といっても一緒に選んだから知ってますよね。」

 

 

哩「それでも嬉しかよ。大切に使うけんね。」

 

 

姫子「私のは・・・イヤーカフです。」

 

 

煌「それは私ですね。姫子ならきっと似合います。」

 

 

姫子「ちょうど欲しかったんよ。ありがとう。」

 

 

煌「しかし偶然とはいえ、新道寺で交換してしまいましたね。」

 

 

咲「しかたないですよ。ということはこれは怜さんのプレゼントですよね?」

 

 

怜「せやな。これは咲ちゃんのやね、ウチから開けてもええか?」

 

 

咲「どうぞ。」

 

 

怜「どれどれ・・・これは本?」

 

 

咲「すみません。買いに行く時間が無かったので、私が読んだものですが、一番のお気に入りの小説です。」

 

 

怜「いや、嬉しいわ。咲ちゃんのお気に入りどんな話なんやろ、早く読みたいわ。」

 

 

咲「・・・やっぱり別のにしません?」

 

 

怜「いやや。ええやろお気に入りの小説、なんならもう一冊買ってプレゼントしよか?」

 

 

咲「そうじゃないです。本当に一番のお気に入りなので、自分の内面を見られるような恥ずかしさが。」

 

 

煌「なんとなくですが、私もわかります。本の好みってその人の趣味嗜好がダイレクトに出るじゃないですか、本が好きな人ならなおさらです。」

 

 

怜「なるほど。それをウチにプレゼントしてくれたと。これは返すわけにはいかんなぁ」ニヤニヤ

 

 

咲「もう、その顔やめてください!!」

 

 

姫子「部長、一番好きな本って何ですか?」

 

 

哩「姫子こそどがん本が好きや?」

 

 

煌「仲良きことはすばらですが、後で二人でお願いしますね。今は怜さんのプレゼントが気になります。」

 

 

咲「怜さんのプレゼントは・・・」

 

 

怜「ちょっと待ったー!!」

 

 

咲「なんですか急に!?」

 

 

怜「そのプレゼントやけど無しにしてええか?」

 

 

咲「どういうことですか?」

 

 

怜「それ今日の帰りに適当に選んだ奴なんよ、だからいったん預かって後日ちゃんとしたの渡したいんや。」

 

 

咲「なるほど、わかりました。」

 

 

怜「そうか、なら・・・」

 

 

咲「それまでこのブレスレットは預かっておきますね。怜さん忘れそうですし。」ウデニハメ

 

 

怜「忘れる言うのは心外やけど、まあええよ。」

 

 

煌「これでプレゼント交換も終わりですね。」

 

 

哩「実はあと一つあるんだが、園城寺に宮永、永水に行ってみる気はないか?」

 

 

怜「なんの話や?」

 

 

哩「今朝たまたま永水と連絡を取る機会があってな、二人の話をしてみたらぜひうちにも来てほしいと言ってきてな。訪ねていけば明日からでも大丈夫やって。」

 

 

咲「永水ですか。鹿児島ですよね。」

 

 

哩「ああ。高校麻雀界では一番の異能集団やけん。能力を鍛えたいなら最高の環境だと思うがどがんする?」

 

 

怜「ぜひお願いします。願ってもない展開やし、神様が応援してくれてる気さえしてくるわ。」

 

 

姫子「永水がからむと本当にそう思えますね。」

 

 

哩「わかった。連絡しとくけん、明日電車で向かってな。」

 

 

怜「了解や。でも本当に新道寺に来て良かったで、最高のクリスマスやった。」

 

 

咲「私もこんなに楽しいクリスマスは久しぶりです。」

 

 

煌「すばらなクリスマスでした。来年もやりたいですね。」

 

 

姫子「せっかくやけん写真撮りましょう、写真!!」

 

 

怜「せやな。そういえば、あれやってなかったやんな?」

 

 

姫子「普通はクリスマスイブにやるんじゃないですかね?」

 

 

咲「楽しければいいんじゃないですか?」

 

 

哩「そやね。最後に言うのも変やけど」

 

 

煌「写真準備できました。」

 

 

怜「せーの・・・」

 

 

「「「「「メリークリスマス!!」」」」」

 

 

 




最後は無理矢理感がすごいですが、これで新道寺編は終わりです。

美子・羊先輩ごめん。


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永水の巻1

~移動中~

怜「なあ咲ちゃん」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「おーい」フリフリ

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「!!」ヒラメイタ

 

 

怜「ふっ!」ミミニ

 

 

咲「ひゃっ!!何するんですかっ!?」/////

 

 

怜「二人でいるのに、ほっとくのが悪いで。」

 

 

咲「ちょっと考え事してただけです。」

 

 

怜「寂しいと死んでまうで?」

 

 

咲「どこのウサギですか。でも迷信らしいですよ、それ。」

 

 

怜「ウチほっといて何考えてたん?」

 

 

咲「根に持ってます?ちょっと怜さんの対局を思い返していました。」

 

 

怜「なかなかすぐに成果はでえへんな。」

 

 

咲「衣ちゃんや白水さんのアドバイスはどうですか?」

 

 

怜「選んだ一人の未来を見るのは無理そやわ、どうも上手くいかん。」

 

 

咲「衣ちゃんの言ってたやつですね。」

 

 

怜「いい案やと思ってたんやけどな」

 

 

咲「怜さんの能力とは合わないってことですかね?」

 

 

怜「体力節約しながら未来見れるかと思ったんやけど…」

 

 

咲「なかなか上手くいきませんね」

 

 

怜「もともと簡単にいくとは思ってへんし、まあこれからやな。」

 

 

咲「そうですね。気を落とさず行きましょ」

 

 

怜「そやな。そろそろお弁当たべよか、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「私駅弁って初めてです。」イタダキマス

 

 

怜「旅先でのご飯はうまいで」

 

 

咲「確かにこのお魚すごくおいしい」モキュモキュ

 

 

怜「ウチはこの玉子焼きがお気に入りやな」

 

 

咲「やっぱり手作りとは違いますね」

 

 

怜「そか?咲ちゃんの手作りも同じくらい美味しかったで」

 

 

咲「お世辞はいいですよ」

 

 

怜「お世辞じゃあらへんよ、花田ちゃん家で食べた咲ちゃんの料理最高やったで」

 

 

咲「ありがとうございます。」フフッ

 

 

怜「“咲ちゃん手作り弁当”で売り出せば大儲け間違いナシやな」

 

 

咲「勝手に私をお金儲けに使わないでください」

 

 

怜「“宮永家の思い出の弁当”の方がええかな?」

 

 

咲「そういうことじゃないです!!」

 

 

怜「まあまあいいやん、美味しいのは本当やし」

 

 

咲「もうっ、それよりこれから行く永水のことです。」

 

 

怜「オカルトの総本山ってイメージやな、今回の旅の目的に相応しいわ」

 

 

咲「そうですね、インハイの時も恐かったです」

 

 

怜「永水はいろいろ大迫力やからなぁ」

 

 

咲「神様すごいです・・・」

 

 

怜「石戸さんか神代ちゃん、膝枕してくれんやろか?」

 

 

咲「またですか…昨日白水さんにも断られてたじゃないですか」

 

 

怜「白水さんの太ももはなかなかに魅力的やったな」

 

 

咲「あの時の鶴田さん目が恐かったです」

 

 

怜「あの時は引き下がったけど諦めたらアカン!夢は叶えるもんや!」

 

 

咲「何を力説してるんですか」ハァ

 

 

怜「ウチは永水で膝枕されたる!!」

 

 

咲「やめてください恥ずかしいです」

 

 

怜「なんなら咲ちゃんでもええんやで?」

 

 

咲「そのうちです、そのうち」

 

 

怜「やっぱり咲ちゃんは優しいな」

 

 

咲「もう・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~到着~

霞「お待ちしておりました。宿泊の準備もできていますよ。」

 

 

怜「どうもおおきに。園城寺怜です、今日からよろしゅうお願いします。」

 

 

咲「お久しぶりです、石戸さん。」

 

 

霞「お久しぶりね。今日はゆっくりしてね、お風呂もご飯もすぐ用意できるけど、どうします?」

 

 

怜「なんやお母さんみたいやな」

 

 

霞「・・・・・・」ピクッ

 

 

怜「なあ石戸さんお願いがあるんやけど・・・」

 

 

咲「怜さん自嘲してください」

 

 

怜「わかったから睨まんといて」

 

 

咲「すみません石戸さん、先にお風呂いただいてもいいですか?少し歩いて汗かいちゃって」

 

 

霞「・・・わかりました」ニコッ

 

 

怜「??」

 

 

霞「それならみんなで一緒に入りましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~入浴中~

咲「」アゼン

 

 

初美「咲ちゃんどうしたんですかー?」

 

 

怜「あまりの格差社会に絶望しとるんや、どこがとは言わんが」

 

 

初美「気にしたら負けですよー、あんなの」チッ

 

 

霞「初美ちゃん何か言ったかしら?」

 

 

初美「ただ山が減らないかなと思っただけですよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小蒔「宮永さん隣いいですか?」

 

 

咲「神代さん、直接お話するのは初めてですね」

 

 

小蒔「インターハイの準々決勝大将戦すごくかっこよかったです。あの状態の霞ちゃんに勝つなんてすごいです。」

 

 

咲「嬉しいです。でも私は永水を倒したんですよ、申し訳ないです。」

 

 

小蒔「もう気にしてません。もちろん当時は悔しかったですけど今は“宮永さんすごい”という気持ちのほうが大きいです。」

 

 

咲「私が“すごい”ですか?」

 

 

小蒔「はい。すごいしお強いです」ニコ

 

 

咲「一番大事な試合で負けたのにですか?」

 

 

小蒔「はい、もちろんです。優勝を逃したことを気にしていらっしゃるんですか?」

 

 

咲「本当に大事な試合だったんです。部長の最後の試合で・・・和ちゃんの転校もかかって・・・でも私が勝てなかったから」

 

 

小蒔「それは宮永さんの責任ではないと思います。誰かが背負うというなら清澄高校全員で背負うべきです」

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

小蒔「そもそもあの決勝で白糸台高校が勝ちましたが、それはあの日白糸台が他の高校より少しだけ運がよかったから。私はそう思います。」ニコッ

 

 

小蒔「他のどの高校も、劣っているなんてことは決してありません」

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

小蒔「あまり暗い顔ばかりしてると霞ちゃんに怒られますよ。霞ちゃんは怒ると恐いです」

 

 

小蒔「園城寺さんもきっと心配しますよ」

 

 

咲「・・・そうですね、ありがとうございました。少し心が軽くなった気がします」ニコ

 

 

小蒔「・・・はい」

 

 

咲「そういえば私のことも知ってくれていたんですね」

 

 

小蒔「インターハイがおわってから会ってみたいと思ってました」

 

 

咲「怜さんにも言われました。決勝の時のお姉ちゃんとのやりとりを見てくれた人が多いみたいで…」

 

 

小蒔「そうです私も見てました。」

 

 

咲「なんだか恥ずかしいですね」

 

 

小蒔「それで会ってみたくて新道寺にいると聞いて霞ちゃんにお願いして連絡を取ってもらったんです。」

 

 

咲「え!?」

 

 

小蒔「お誘いを受けてくれてありがとうございます。」

 

 

咲「私たちが新道寺にいるって誰から聞いたんですか?」

 

 

小蒔「春ちゃんが教えてくれました」

 

 

 

 

春「久が教えてくれた」

 

 

 

 

咲「わっ!」ビックリ

 

 

春「久にメールで頼まれた…“できたら練習を見てあげて“って」

 

 

咲「部長にはお世話になりっぱなしです」ハサマレタ

 

 

春「あと“迷子にならないように見張ってて”って」

 

 

咲「一言余計です!」ウッ

 

 

春「同級生だし久の頼みだから見ててあげる」

 

 

咲「えっ!?同級生だったんですか?」

 

 

春「そう…」

 

 

小蒔「同級生うらやましいです」

 

 

咲「この格差は一体・・・」グヌヌ

 

 

 

 

 

巴「姫様楽しそうですね」

 

 

霞「前から宮永さんのこと気にしていたものね」

 

 

初美「まるで姉妹みたいですよー」

 

 

怜「咲ちゃんはいろんな人に好かれとるな、羨ましいわ」

 

 

巴「園城寺さんも人気ありそうですけどね」

 

 

怜「そんなことあらへんよ」

 

 

初美「謙遜ですか?」

 

 

霞「今回の合同練習も小蒔ちゃんのお願いとはいえ、園城寺さんに会ってみたかったのも本音よ」

 

 

初美「準決勝の対局はお見事でしたよ」

 

 

巴「その分心配にもなりましたけど」

 

 

怜「今は大丈夫やからそんな心配せんといてな」

 

 

怜「それにしても何食べたらそうなるん?」ジー

 

 

霞「ええっ」

 

 

初美「霞ちゃんに聞いても無駄ですよー。ほぼ同じもの食べてる私がわかりませんから」

 

 

怜「うーん・・・」ミクラベ

 

 

怜「食べ物やなかったら遺伝か!?」

 

 

巴「霞ちゃんと姫様見てると遺伝はありそうですね」

 

 

初美「それじゃどうしようもないですよー」

 

 

霞「あはは・・・」ニガワライ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~食後~

怜「最近美味しいもんばっかりで家帰れんくなるな」マンゾク

 

 

霞「ふふっ、ありがとうね」

 

 

巴「特訓は明日からですね」

 

 

初美「私も一緒に打ちたかったですー」

 

 

巴「じゃんけんに負けたんだからしょうがないよ」ヨシヨシ

 

 

怜「明日は一緒じゃないんか?」

 

 

巴「私たちは神社の方のお手伝いに行ってきます」

 

 

咲「忙しい時期にお邪魔してしまってすみません」

 

 

霞「気にしなくていいわ、小蒔ちゃんも喜んでるようだし」

 

 

怜「それにしても永水の練習がどううなってるか楽しみやわ。」

 

 

霞「その練習のことなんですけど…園城寺さんは能力を鍛えにきたということでいいんですよね」

 

 

怜「そやね、永水と一緒の練習なら能力のヒントはたくさん得られそうや」

 

 

初美「それなんですがー、私たちが普段している修行してみませんかー?」

 

 

咲「修行ですか?」

 

 

巴「巫女としての修行です。修行といっても体力的につらいものではないので安心してください」

 

 

霞「私たちはもともと巫女の力を使う修行の一環として麻雀を始めました。私たちが麻雀で使ってる力は本来巫女としての力なんです。」

 

 

咲「それで巫女としての修行ですか」

 

 

霞「ええ、直接麻雀を教えるよりは貢献できるかと。それに時間はありますから、お二人さへよろしければ何日いてくださっても大丈夫ですよ」

 

 

怜「あの“神様降ろす”いう噂は巫女の力やったってことか?」

 

 

巴「一応はそうですね」

 

 

怜「想像以上にオカルトやな。」

 

 

咲「未来見える人も十二分にオカルトですよ」

 

 

巴「修行といってもあまり難しく考えないで大丈夫ですよ。昼過ぎくらいまで修行をして、それからは普通に麻雀を打つのはどうですか?」

 

 

咲「私は良いと思います。新しい発見がありそうです」

 

 

怜「そうやね、よしやるからには全力でやるで!」

 

 

咲「あまり無理しないでくださいね」

 

 

初美「やったー。麻雀向きの力を持った人と一緒にやってみたかったんですよー。仕事早く終わらせますから待っててくださいね」

 

 

怜「もちろん、薄墨さんの能力も見たいしな」

 

 

咲「巫女の力って私たちの能力とは違うものなんですか?」

 

 

霞「そんへんのことは私たちもあまり詳しくないの。ごめんなさいね」

 

 

巴「ただ巫女の力を麻雀という狭い範囲に集中させるのはとても難しいんです。だからこそ麻雀が修行になるんですけど」

 

 

初美「麻雀に馴染む力の人を相手にするのは難しいです」

 

 

霞「おそらくですが園城寺さんの未来視と同じような感じだと思いますよ」

 

 

怜「ウチと同じ?」

 

 

咲「そうなんですか、怜さん?」

 

 

怜「うーん・・・どうやろ」クビカシゲ

 

 

初美「でもでも最近は手段と目的が分からなくなってきてますけどね」

 

 

霞「修行のために始めた麻雀でしたけど今ではみんな麻雀が大好きですから」

 

 

巴「姫様は特にそうですね。」

 

 

咲「そういえば神代さんはどうしたんですか?」

 

 

初美「隣の部屋で寝てますよー、そろそろ起きるころじゃないですかー」

 

 

霞「噂をすればね」アラマア

 

 

春「姫様…起きた」

 

 

小蒔「おはようございます」

 

 

怜「おはようさん」

 

 

咲「あれそれは・・・」

 

 

小蒔「これですか、トランプです」

 

 

怜「そうやなくて、もう配り終わってやる気まんまんやん」

 

 

小蒔「ババ抜きしましょう」ニコー

 

 

怜「おおう、眩しい。これは断れん」

 

 

咲「断ったら罪悪感に押しつぶされそうですね」

 

 

小蒔「もう準備は万端です」

 

 

春「私が配った…」

 

 

霞「それじゃあやりましょうか」

 

 

怜「ウチはババ抜き強いでー」フフン

 

 

初美「私だって負けませんよー」

 

 

怜「なら負けたら勝った人の言うこと一つ聞くってのはどや?」

 

 

巴「え!?」

 

 

初美「受けて立ちます」

 

 

春「おもしろそう」

 

 

巴「春ちゃんまで」

 

 

小蒔「何をお願いしたらいいんでしょうか?」

 

 

霞「あらあら」

 

 

咲「ババ抜きは私強いですよ」

 

 

怜「随分自身あるようやな」

 

 

咲「怜さんにはまけません」

 

 

小蒔「早くやりましょう!」ワクワク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「咲ちゃん強すぎや、もうババ抜き禁止!!」

 

 

咲「ふふっ」ドヤ

 

 



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永水の巻2

祝詞とか瞑想とかちょっと調べただけのにわか知識で書いてます。
ちゃんとやられている方には申し訳ないです。


怜「よーし修行はじめよか」

 

 

小蒔「私も早くやりたいです」

 

 

霞「あらあら、すごいやる気ね。でもますはこちらに着替えてくれますか?」

 

 

咲「これって巫女装束ですか?」

 

 

小蒔「私たちとお揃いです♪」

 

 

怜「ウチ初めてやわ、コスプレするの」

 

 

咲「本物ですよ!私ちょっとあこがれてました。まさか本物を着れるなんて。」

 

 

怜「咲ちゃんは似合いそうやな。ウチにはどうやろ…」

 

 

咲「似合うと思いますよ」

 

 

怜「やっぱりか?ウチの儚い雰囲気と美

 

 

咲「…黙ってれば」ボソ

 

 

怜「なんか言うたか?」

 

 

小蒔「なんだか楽しいですね」フフ

 

 

霞「さあさあこちらへどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

~お着がえ中~

咲「準備できました」

 

 

怜「なかなか新鮮やな」

 

 

小蒔「お二人ともお似合いです」

 

 

霞「それにしても咲ちゃんと小蒔ちゃんは似てるわね」

 

 

怜「ほんまやな、巫女服でますますそっくりや」

 

 

小蒔「光栄です」

 

 

咲「いえいえ、こちらこそ光栄ですよ」

 

 

小蒔「そんなこちらこそです」

 

 

咲「いえいえこちらこそ…」

 

 

怜「二人で何してるん」ループ?

 

 

霞「似てるのは見た目だけじゃないのかしら」フフ

 

 

小蒔「もっと仲良くなれそうです」

 

 

霞「春ちゃんが準備してくれてますからそろそろ行きましょうか」

 

 

怜「そういえば修行ってどこでやるん?」

 

 

霞「これからあなた方を霧島神境にご案内いたします」

 

 

小蒔「外の方が来るのは宮守の方々以来ですね」

 

 

咲「これから移動するんですか?」

 

 

霞「大丈夫すぐですよ、こちらへどうそ」

 

 

小蒔「離れないでくださいね」

 

 

怜「そっち神社しかないで??」

 

 

 

~鳥居クグル~

 

 

 

怜・咲「」ポカーン

 

 

小蒔「ここにいらっしゃった方はみんなそうなりますね」

 

 

霞「無理もないと思うわ」

 

 

咲「“事実は小説よりも奇なり”とはこういうことを言うんでしょうか?」

 

 

怜「ホンマになぁ・・・」

 

 

咲「なんと言えばいいか・・・神秘的な空間です」

 

 

怜「ここになら神様もいそうやな」

 

 

霞「ありがとうございます」

 

 

小蒔「神様はきっと見ていてくださいますよ」

 

 

怜「そもそも二人の存在が“小説より奇なり”やったな。昨日から普通にしとったから忘れてたわ」

 

 

咲「ここに来ると改めて実感します」

 

 

霞「あまりかしこまらなくても大丈夫ですよ」

 

 

小蒔「これからも普通に接してくれると嬉しいです」

 

 

怜「そやな、昨日は散々遊んだしな」

 

 

咲「そうですね、これからも仲良くしてくれると私も嬉しいです」

 

 

小蒔「ありがとうございます」パァァ

 

 

霞「さあ行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春「待ってた。準備はできてる」

 

 

怜「まずは何やるん?」

 

 

霞「初めは祝詞を読んでみましょう」

 

 

怜「祝詞?」

 

 

小蒔「簡単に言えば神様に捧げる言葉・挨拶でしょうか」

 

 

霞「まずは私たちに続いてください。自らの祈りを込めるといいかもしれませんね」

 

 

怜「わかった(プロに…)」

 

 

咲「はい(私の願い…)」

 

 

小蒔「高天原に神留坐す・・・

 

 

 

 

 

 

 

       ・・・畏み畏みも白す」

 

 

霞「これで終わりです」

 

 

怜「やっぱり難しいなぁ」カミカミヤ

 

 

小蒔「大丈夫ですよ。本当に大事なのは心ですから」

 

 

咲「神様は聞いてくれたんですかね」

 

 

霞「宮永さんが真剣に読んだんですから、きっと聞いてくれています」

 

 

春「次は瞑想・・・こっちに並んで」

 

 

怜「瞑想はよく聞きはするな、やったことないけど」

 

 

咲「“心を無にする”とか聞いたことありますね」

 

 

小蒔「無にするですか?」

 

 

霞「心を静かに落ち着け、自分の心その奥深くを見つめる。そんな修行です。麻雀のことでも能力のことでもプライベートのことでも、自分を見つめ直してみてください」

 

 

怜「そうやな、今回の旅のこと振り返るにはいい機会や」

 

 

咲(私の旅の目的、私は強くなるために・・・来たはず)

 

 

小蒔「さっそく始めましょう」

 

 

春「早く座る・・・」

 

 

 

~瞑想中~

咲(インターハイ団体戦決勝の大将戦オーラス、私は嶺上開花を和了れなかった。槓はできた、でも和了れなかった。穏乃ちゃんの思いが私を上回ったんだと思う)

 

 

咲(その後の個人戦は準決勝で負けてしまった。お姉ちゃんと戦える機会を私は逃した。団体戦のあと仲直りすることができたのは、決勝まで連れてきてくれた清澄のみんな、私に牌を握る機会を与えてくれた和ちゃんのおかげだった。)

 

 

咲(なのに私が負けたから和ちゃんは転校しなければならなくなった。部長の最後の大会を負けで終わらせてしまった。)

 

 

咲(私が負けたから、私が弱かったから・・・・・・だから私は強くならなきゃいけない。今年私を導いてくれたみんなを今度は私が導くために。)

 

 

咲(なんとしてでも、どんなことをしても)

 

 

咲(強くなるためにいろんな麻雀を勉強している。和ちゃんの麻雀・部長の麻雀、そして小鍛治健夜。あんな人がいるなら、私だって全部勝てるようになれるはず。この旅も強くなるためのもの)

 

 

咲(でも最近はあまり勝ててない、インハイのころよりは強くなってるはずなのに。何でだろう?やっぱり技術が練習が足らないから?)

 

 

咲「・・・・・・」ゴゴゴゴ・・・・

 

 

春「・・・・・・」チラッ

 

 

霞「・・・・・・」フンフム

 

 

小蒔「・・・・・・」

 

 

怜「・・・・・・」チラッ

 

 

怜(咲ちゃん・・・どう見ても焦っとるよな、まだ1年生なんやしそんなに焦ることないと思うんやけど。と今は自分のことに集中せな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~終了~

霞「どうでしたか?」

 

 

怜「自分のこといろいろ再確認できたし、少し試してみたいこともできた。たまにはいいもんやね。咲ちゃんはどやった?」

 

 

咲「私もやらなきゃいけないこと確認できました。でも心を静めるって難しいですね」

 

 

小蒔「毎日少しづつでもやっていれば慣れてくると思います」

 

 

春「時間は短くても大丈夫・・・」

 

 

咲「帰ってからも続けてみます」

 

 

怜「ウチもそうしようかな」

 

 

霞「この後は舞をやってみましょうか。普段からやってるものではないですけど」

 

 

春「今日は特別」

 

 

咲「私運動はあまり得意じゃないです」

 

 

怜「ウチも不安やな」

 

 

霞「最初はだれでもそうですよ。とりあえず小蒔ちゃんにお手本を見せてもらいましょうか」

 

 

小蒔「はい、わかりました。でも友達に披露するのは初めてなので緊張します」

 

 

春「姫様ならきっと大丈夫・・・、準備もできてる」

 

 

 

小蒔「宮永さん・園城寺さん見ていてくださいね」

 

 

怜「しっかり見とるよ」

 

 

咲「頑張ってください」

 

 

 

~舞~

 

 

 

咲「すごい・・・綺麗です」

 

 

怜「ああ・・・」

 

 

小蒔「ありがとうございます」

 

 

春「あいかわらず・・・すごい」

 

 

小蒔「お二人もやってみましょう」

 

 

咲「私もあんな風に踊れるんでしょうか」

 

 

霞「それは咲ちゃんしだいかしら」

 

 

春「すぐにはできないと思う・・・でも咲ならきっと」

 

 

咲「私やってみたいです」

 

 

小蒔「私も初めはへたっぴでしたから大丈夫です」ニコ

 

 

怜「私もできるだけやってみるで。覚えて帰って竜華に見せたら喜んでくれるやろか」

 

 

小蒔「きっと喜びますよ。私も全力でお教えします」

 

 

春「私も教える」

 

 

咲「二人で頑張りましょう、怜さん」

 

 

霞「舞の所作ももちろん大事ですが、その心・精神を意識してやるといいと思いますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~修行終了~

怜「疲れたけど、すがすがしい汗やな」フー

 

 

咲「そうですね、楽しかったです」

 

 

小蒔「お疲れ様です。とてもお上手でした」

 

 

霞「今日の修行はここまでにしましょうか」

 

 

咲「ありがとうございました」

 

 

怜「ありがとうございました。シャワーとか浴びれんやろか?」

 

 

春「じゃあ私が案内する・・・咲はしっかりついてきて」

 

 

怜「手つなぐか?」ホレ

 

 

咲「二人とも心配し過ぎです」

 

 

小蒔「お友達を心配するのは当たり前ですよ。私が手をおつなぎましょう」ドウゾ

 

 

咲「ううっ、お・・・お願いします。」スッ

 

 

小蒔「はい!」ニコッ

 

 

怜「あれは強いなぁ」

 

 

春「そこは・・・姫様だから」

 

 

怜「あの笑顔には誰も勝てへんな」

 

 

春「でも・・・手をつないでよかった。はぐれたら帰って来れなくなるところだった」

 

 

怜「えっ!?冗談やんな?」

 

 

春「・・・」

 

 

怜「マジで?」

 

 

春「・・・」コクトウパク

 

 

怜「いや、どっちやそれ」ワカラン

 

 

霞「まあまあ、宮守の方々は全員で帰られましたよ」

 

 

怜「まあそうやろな。ん・・・宮守は??」

 

 

霞「さっさあ、はっちゃんたちがそろそろお仕事終わるころだと思うので、私は呼んできますね。そしたら麻雀しましょうか」アセアセ

 

 

怜「・・・春ちゃん手つながん?」ゾゾ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~まーじゃん~

初美「さあ麻雀の時間ですよー」

 

 

怜「やけにテンション高いやんな」

 

 

初美「お二人が来てるのに仕事なんてやってられませんよー」

 

 

霞「初美ちゃん??」ウフフ

 

 

初美「も、もちろんちゃんと終わらせましたよ」ヒッ

 

 

咲「私も早く打ちたいです」

 

 

小蒔「私も頑張ります」

 

 

巴「始める前に少しいいですか?園城寺さんって麻雀以外でも未来が見えるんですか?」

 

 

怜「一応秘密やったんやけど、何で気づいたん?」

 

 

巴「それは・・・私たちが異能に敏感だからとしか」

 

 

怜「さすがは永水やな。ただこれを知ってるのは竜華だけや。一切他言無用でお願いします」

 

 

巴「それは申し訳ないことを聞いてしまいました。すみません」

 

 

怜「といっても大したものは見えへんよ。昨日のトランプとか簡単なものなら少し未来が見えるけど」

 

 

巴「なるほど」フム

 

 

怜「聞いた理由がなんかあるんやろ?」

 

 

霞「あなたの力には私たちお同じものを感じていたの。」

 

 

怜「同じもの?」

 

 

霞「ええ、麻雀以外にも使える力を麻雀に使っている、そしてそれが上手くいってないんじゃないかって」

 

 

怜「消耗激しいしやな、上手くいってないのかもな」

 

 

霞「昨日も言いましたけど麻雀に私たちの力を集中させるのは難しいんです、もともとそのための力ではないですから。園城寺さんの力もそうなんじゃないかと思いまして」

 

 

怜「まぁ未来見える人がいても、それを麻雀に使おうとはならんやろな」

 

 

怜「ウチは最初麻雀しか思いつかなかったけどな」

 

 

初美「私たちが麻雀で力を使うときに気を付けることとか教えます」

 

 

巴「ただ“未来を見る”というその力は私たちに理解しきれるものではありません。ですので必ずしも力の使い方が上達するとは限りませんがよろしいですか?」

 

 

怜「もちろんオーケーや。今日やった修行もこの下準備みたいなもんやったんか?」

 

 

霞「麻雀も修行の一環ですよ」

 

 

怜「なるほど。それじゃあビシバシ頼むで!」

 

 

巴「ではまずは・・・

 

 

怜(必ずものにして帰るから。待っててや竜華!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小蒔「宮永さんは私たちと全力で打ちましょう。負けたら罰ゲームですよ」フフ

 

 

春「清澄には負けない・・・」

 

 

明星「よろしくお願いします」

 

 

咲「罰ゲームですか?」

 

 

春「そのほうが面白い」

 

 

小蒔「もっともっと仲良くなりたいですから。楽しく麻雀しましょう」

 

 

咲「麻雀は全力でやるんですよね?」

 

 

春「もちろん・・・勝ちに行く」

 

 

小蒔「楽しみながら全力です」

 

 

明星「私だって頑張ります」

 

 

咲「・・・はいやりましょう。私も負ける気はありませんよ」フフ

 

 

小蒔「はい!!」ニコッ

 

 

咲(神代さんが全力でやってくれるなら。私も全力で倒す!)ゴッ

 

 

春「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~麻雀終了~

巴「怜さんどうですか、コツはつかめましたか?」

 

 

怜「さすがに1日でとはいかんみたいやな」

 

 

巴「そうですよね」

 

 

初美「落ち込むことじゃないですよー。私たちだって未だに苦労しています」

 

 

怜「でも今までがむしゃらにやってたから、すごい進歩や」

 

 

巴「それはよかったです」

 

 

霞「私はすごいスピードで上達していると思いますよ」

 

 

怜「ホンマか!?石戸さんに言われると安心感がちゃうな。母性があふれでとるな」ウンウン

 

 

霞「」ピク

 

 

初美「母性があふれてるのは、きっと一番年上だからじゃないですかー」ケラケラ

 

 

霞「あらあら、私たちは同い年のはずだけど?」ニコニコ

 

 

初美「精神的にですよー」

 

 

霞「何が言いたいのかしら?もっとよく聞きたいわね」ニコニコ

 

 

初美「いいんですかー?言ってしまって?」

 

 

霞「あらまあ」ニコニコ

 

 

 

 

 

怜「あれほっといてええんか?」コソコソ

 

 

巴「大丈夫ですよ、はっちゃんはお仕置きかもしれませんけど、いつものことですから」

 

 

怜「・・・ならええか」(触らぬ神に祟りなしやな)

 

 

 

 

霞(それにしても園城寺さんは上達が早いわね。これも思いの強さかしら。修行の時も思ったけど本当に強い心と思いを抱えている。これならもしかするとすぐにでも・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「咲ちゃんたちも終わったかー?」

 

 

咲「はい、終わりましたよ」カオニスミ

 

 

怜「それどしたん?」

 

 

咲「罰ゲームになっちゃいまして」ハハ

 

 

小蒔「汚れちゃったけど、すごく楽しかったです」クロ

 

 

春「やっぱり強い」クロ

 

 

明星「完敗です」マックロ

 

 

怜「見比べると勝敗はごぶってとこやろか?」

 

 

咲「また勝てませんでした」

 

 

怜「そうやな」

 

 

小蒔「悔しいです、次はもっと勝ちます」

 

 

怜「4人とも楽しそうやな。ちょっとウチもやりたかったわ」

 

 

咲「次は一緒にやりますか?私が黒く塗ってあげますよ」

 

 

怜「ウチが咲ちゃんに第3の目でも書いたろか?」

 

 

咲「どんなセンスですか!?」

 

 

怜「なぁ咲ちゃん、楽しかったか?」

 

 

咲「突然なんですか?楽しかったですよ、こんな罰ゲーム久しぶりです」

 

 

怜(罰ゲームか・・・)

 

 

小蒔「宮永さん一緒に洗いに行きましょう」オーイ

 

 

咲「神代さん、待ってください」

 

 

 

 

 

春「園城寺さん・・・」

 

 

怜「なんや?」

 

 

春「咲のこと。分かってると思うけど・・・」

 

 

春「罰ゲームは楽しんでた。でも麻雀中は・・・怖かった。全てを圧倒しようとしていた」

 

 

怜「・・・」

 

 

春「ちゃんと見ていて。園城寺さんなら咲に思い出させてあげられると思う。久の言っていた咲の本来の麻雀」

 

 

怜「原村和でもなく宮永照でもなく、ウチがか?」

 

 

春「私はその二人をよく知らない。でも園城寺さんと咲のことを2日間だけど見てて、できると思った。だからお願い」

 

 

怜「なんや無責任やな自分」

 

 

春「私は久にいろいろ聞いただけで咲をよく知らないから。お願い」

 

 

怜「まぁ言われんでもやるけどな。一緒に麻雀楽しみたいからな」

 

 

春「ありがと。・・・久も喜ぶ」ニコッ

 

 

怜「なんや重たいもんを背負うたかもしれんなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

咲「忙しい時期にありがとうございました」

 

 

怜「おかげさまでこれからの希望が見つかりました」

 

 

霞「随分大げさなのね」

 

 

怜「誇張でもないですよ、実際ウチの目的に一気に近づけたと思います」

 

 

小蒔「こちらこそありがとございました。この数日間は本当に楽しかったです。咲さんは来年のインターハイで絶対に戦いましょう、約束です」

 

 

咲「小蒔さん・・・待っててください。必ず約束を果たせる力をつけて見せます」

 

 

霞「すっかり仲良くなりましたね。今ならだれでも姉妹で押し通せますね」

 

 

怜「心なしか咲ちゃんの胸も大きくなったような・・・」

 

 

咲「本当ですか!?きっとあの温泉が・・・」

 

 

怜「やっぱり気のせいやな。というかけっこう気にしてたんやな」

 

 

咲「気にしますよ!!周りがこんなのばっかりだったんですから」

 

 

霞「あはは・・・」

 

 

小蒔「??」

 

 

怜「まあ確かに、もう一緒に風呂入りたくはないかも知れへんな」

 

 

小蒔「ええっ!?何でですか?悪いところがあるなら直しますから」

 

 

咲「小蒔さん・・・それは無理です」

 

 

小蒔「ええっ!?」ナンデ

 

 

咲「むしろ私を直してください!!」

 

 

怜「咲ちゃん落ち着き。キャラがおかしなっとる」

 

 

霞「小蒔ちゃんも落ち着いて。それよりも来年があるのは羨ましいわね」

 

 

怜「そやな。ウチらはインターハイは1回だけやったからな」

 

 

霞「次はどうするんですか?旅はまだ続けるんでしょう?」

 

 

怜「もう今年も終わりやし、いったんは帰省やな。そこから先は竜華とかにも聞いてからやな。これまでのことの振り返りもしときたいし」

 

 

咲「そうですね。一度帰ってお父さんに顔も見せないと心配するでしょうし」

 

 

怜「次があるとしても年が明けてからやな」

 

 

小蒔「なるほど、私も旅の無事をお祈りしています」

 

 

怜「こんなに心強いこともないな」

 

 

咲「では改めてありがとうございました。この恩はいつか必ず返します」

 

 

霞「またいらしてくださいね」

 

 

怜「それじゃあ、ホンマおおきに」バイバイ

 

 

 

 



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幕間

プロローグを書き直しました。
よろしければどうぞ


~12月31日・大阪~

怜「今年は麻雀漬けの1年やったなぁ」

 

 

竜華「ほんまになぁ」

 

 

怜「麻雀やりに鹿児島まで行くとはな、自分でもびっくりや」

 

 

竜華「なら来年は海外でも一緒に行こか?」

 

 

怜「プロなったらそんな時間ないやろ」

 

 

竜華「オフなら行けんちゃうかな?ハワイとか行ってみたい!」

 

 

怜「そういや霧島神境の海綺麗だったで、夏行けば海水浴もできたのになぁ」

 

 

竜華「怜ばっかりずるい!」

 

 

怜「そんな言うても、しょうがないやろ。永水行は急遽決まったことやったし」

 

 

竜華「ウチが必死に怜の遠征先を探してるときに、怜は咲ちゃんと二人で・・・」

 

 

怜「ちゃんと修行しとったよ」

 

 

竜華「帰ってきてから妙にニヤニヤしとるときあるし」

 

 

怜「べ、別にクリスマスパーティーなんてしとらんよ」

 

 

竜華「やっぱり!!ウチもしたいー!」

 

 

怜「大晦日に何言うてん」

 

 

竜華「大晦日なんて関係ないで」

 

 

怜「しゃあないやろ、福岡でやったんたで?」

 

 

竜華「手作りケーキ美味しかったんやろ」フン

 

 

怜「確かに美味しかったけど、竜華の料理も美味いで?」

 

 

竜華「咲ちゃんから本貰って嬉しそうに読んどるし」

 

 

怜「ええやろ、せっかくもらったんやから」

 

 

竜華「怜はなんかあげたんか?」ツーン

 

 

怜「一応ブレスレットを・・・(あれはあげたってことでいいんやろか?)」

 

 

竜華「ウチはクリスマスプレゼントすらもらってない!」ガー

 

 

怜「セーラくれなかったんか?」

 

 

竜華「そうやない!?」

 

 

怜「わかってるから落ち着き竜華」

 

 

竜華「ウチがあげたマフラー頑張って選んだんやで?」

 

 

怜「ありがとな」

 

 

竜華「ウチは怜からもらいたいんよ」

 

 

怜「せやな、明日初詣終わったら一緒に買いに行こか」

 

 

竜華「絶対やで?」

 

 

怜「約束や」

 

 

竜華「」ルンルン

 

 

怜(咲ちゃんへのプレゼントも買うとは言えへんな・・・なぜか後ろめたいな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~長野~

咲「お蕎麦できたよー」

 

 

界「おう、今行く」

 

 

咲「ちょっと奮発して天ぷら蕎麦にしてみたよ」

 

 

界「おっいいじゃないか!あいつらも帰ってくれば食べれたのにな」

 

 

咲「テレビでるんでしょ、ならしょうがないよ」

 

 

界「今年くらい断って帰ればいいのにな」

 

 

咲「まあ来年からはいつでも会えるよ」

 

 

界「そうだといいけどな」

 

 

界「それより、九州はどうだったんだ?福岡と鹿児島だっけか?」

 

 

咲「楽しかったよ、クリスマスパーティーしたり、巫女さんの修行したり」

 

 

界「修行?」

 

 

咲「舞っていうのかな?初めて踊ったりしたんだよ」

 

 

界「どこでそんなことしたんだ?」

 

 

咲「霧島神境って言ってたよ」

 

 

界「神境って・・・お前麻雀しに行ったんじゃなかったのか?」

 

 

咲「そうだよ?」

 

 

界「最近の麻雀はわからないことが多いな」

 

 

咲「でも急にわがまま言ったのに聞いてくれてありがとう」

 

 

界「咲のわがままなんて珍しいからな。もっと言ってもいいんだぞ」

 

 

咲「それじゃあさっそく、お皿洗っといてね」

 

 

界「おう」

 

 

 

~咲ルーム~

咲(今年の最後くらいお姉ちゃんに会いたかったな)

 

 

携帯「ピロン」

 

 

咲(誰だろ?)

 

 

照『咲、久しぶり。大晦日なのに帰れなくてごめんね。私は咲に会いに行きたかったんだだけど、母さんがどうしてもテレビ出ろってうるさくて。冬休みは帰れないけど卒業したら絶対帰るから』

 

 

咲「お姉ちゃん!?うーんと…」

 

 

咲『春休みは楽しみに待ってるね。明日のテレビみんなで見るよ、お父さんも録画するって。あと和ちゃんよろしくね』

 

 

照『なんだか恥ずかしいな。でも高級お菓子貰う約束したから必ず勝つよ。あのおっぱいには負けない』

 

 

咲(おっぱいって…でも気持ちはわかるかも)

 

 

咲『私は最近怜さんと麻雀の特訓に全国回ってるんだ。そのうち白糸台にも行けたらいいな』

 

 

照『楽しみにしてる、ただ咲は無防備すぎるよ。人に簡単に寝顔の写真とか撮らせたらダメだよ』

 

 

咲『写真?なんの話?』

 

 

照『怜からこんな写真が送られてきた』

添付(咲の寝顔・巫女衣装の咲)

 

 

咲(これっ!?消したって言ったのに!?)

 

 

咲「怜さんっ!?」ゴッッ

 

 

 

 

 

怜「くしゅんっ、なんや急に寒気が・・・」

 

 

 

 

 

照『怜が羨ましいけど、咲が心配になるから少し気を付けてね。怜はなんとなく危ない気がする』

 

 

咲『怜さんなら大丈夫だと思うよ・・・多分。でも心配かけられないし、気を付けるね』

 

 

照『明日、朝早いからそろそろ寝るね。おやすみ、よいお年を』

 

 

咲(おやすみ、お姉ちゃん。なんとなく、来年はいい年になりそうだな)

 

 

咲「」スヤスヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1月1日・大阪~

竜華「ときー」ブンブン

 

 

怜「あけましておめでとうや、竜華」

 

 

竜華「あけましておめでとう!振り袖似合うてるで」

 

 

怜「竜華こそや。それにしても人多いなぁ」ハァ

 

 

竜華「正月やからなぁ、しゃあないやろ。新年やし明るくいこや」

 

 

怜「そやなぁ」

 

 

竜華「なんやテンション低いなぁ、ほらおみくじ引いてみいひんか?」

 

 

怜「ウチは大吉やな」

 

 

竜華「随分な自信やな。ウチは・・・中吉か、まあまあやな」

 

 

怜「・・・これや」

 

 

竜華「どやった?」

 

 

怜「ほれ」ドヤッ

 

 

竜華「大吉・・・未来見てへんやろな?」

 

 

怜「おみくじで見てもしゃあないやろ」

 

 

竜華「ということは天然物かっ!」

 

 

怜「天然物ってなんやねん、ウチには神様がついとるからな」

 

 

竜華「ほんまか!?怜は凄いなぁ神様まで味方にしたんか」

 

 

怜「まあな、ちょっと天然な可愛らしい神様やったけど」

 

 

竜華「怜はどんどん人間離れしていくな」

 

 

怜「それは誉めてるんか?」

 

 

竜華「もちろん!次はお参り行くで」

 

 

 

 

 

 

 

ガランガラン

 

竜華「」パンパン

 

 

怜「」ナム

 

 

竜華「怜は何お願いしたん?」

 

 

竜華「ウチは来年も三人一緒にプロなれるようにって」

 

 

怜「人に教えたら叶わなくなるんやで」

 

 

竜華「そうなんか!?」ガーン

 

 

怜「まあウチもおんなじやけどな」

 

 

怜「願いが届かんくても、三人でちゃんと叶えればええよ」

 

 

竜華「ウチのせいでプロ入りが・・・」アアア

 

 

怜「いつまでやっとんねん!ほらクリスマスプレゼント買いに行くんやろ」

 

 

怜(あとは咲ちゃんが楽しく麻雀できまさように・・・神様ほんまに頼むで)

 

 

竜華「せやったな。さっそく行こや」

 

 

怜「あんまり急ぐとこけるでー」

 

 

怜(咲ちゃんようのアレあるやろか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~長野・roof top~

咲「あけましておめでとうございます」

 

 

まこ「あけましておめでとう。今年もよろしくな」

 

 

優希「おめでとうだじぇ!」

 

 

久「おめでとう。鹿児島はどうだったかしら?」

 

 

咲「事前に教えてくれたらよかったのに、びっくりしましたよ。でもありがとうございました」

 

 

久「お礼なんていいわよ。ただ部長の仕事をしただけよ」

 

 

咲「怜さんも喜んでましたし、よろしく伝えてくれと言ってましたよ」

 

 

優希「二人ともそろそろ始まるじぇ」

 

 

まこ「“インハイトップ3に勝ったら100万円”じゃったか、新春らしい企画じゃな」

 

 

優希「これでのどちゃんもスターだな」

 

 

久「それはまだ気が早いんじゃないかしら」

 

 

まこ「わからんぞ、中学チャンピオンで今年は3位、加えてあの見た目じゃからな」

 

 

咲「テレビ通して見ると、アイドルって言われても違和感ないですね」

 

 

久「宮永照も荒川憩も負けてないと思うわよ」

 

 

まこ「一ヶ所だけ完敗しとるけどな」

 

 

咲「あはは」

 

 

優希「それじゃこっちも始めるじぇ、今年の打ち初めだ!」

 

 

久「咲の旅の成果見せてもらいましょうか」

 

 

咲「はい!負けません」

 

 

まこ「後で藤田プロも来てくれるからな、力を試すにはちょうどいい機会じゃな」

 

 

優希「よーし、サイコロ回すじぇ!」

 

 

咲「」ゴッ

 

 

久(あいかわらず本気ね、本気なのはいいことなんだけど)

 

 

まこ(もっと力抜いてもいいと思うんじゃが・・・)

 

 

優希(このプレッシャー、宮永照を思い出すじぇ)

 

 

咲(・・・負けない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~大阪~

竜華「マフラーありがとな」ルンルン

 

 

怜「疲れた・・・」

 

 

竜華「人多かったもんなぁ」

 

 

怜「はやく帰ろうや」

 

 

竜華「そやな」

 

 

怜「そういえば聞きそびれてたけど、遠征先って見つかったんか?」

 

 

竜華「あれ聞いてへんの?」

 

 

怜「聞いてへんよ」

 

 

竜華「まずは阿知賀や」

 

 

怜「おお、あそこも能力使う人多かったなぁ」

 

 

竜華「ウチの分までインハイのリベンジしてきてな」

 

 

怜「えっ?竜華は一緒に行かんの?」

 

 

竜華「他に交渉中のところもあるし、咲ちゃんいれば安心やしな」

 

 

怜「そうか一緒に行きたかったなぁ」

 

 

竜華「・・・やっぱり一緒に、いやでも」

 

 

怜「それで阿知賀行くのいつからなんや?」

 

 

竜華「明日到着の予定やで」

 

 

怜「・・・ん?」

 

 

竜華「明日到着やで」

 

 

怜「あほか!!今知って明日到着って無理やろ!咲ちゃんは知りもせんのに」

 

 

竜華「大丈夫やって、連絡してあるし」

 

 

怜「なんでウチすっ飛ばして咲ちゃんに連絡いっとんねん!?」

 

 

竜華「怜のお母さんにも連絡いってるはずやけど、ほんまに聞いとらんの?」

 

 

怜「・・・ほんまに聞いてないで、・・・オカン」ハァ

 

 

竜華「なら早く帰って準備しようや」

 

 

怜「そうやな」

 

 

怜(今日プレゼント買いに来といてよかったな)

 

 

竜華「ぼさっとせんと、おいてくでー」

 

 

怜(急で驚いたけど、竜華には感謝せなあかんな。プロまで頑張らなな!)

 

 

 

 



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阿知賀の巻1

日曜投稿予定だったんですが、間違って全部消してしまって書き直しました

想像以上にショックが大きかった




~松実館~

怜「すっかり遅れてもうた、咲ちゃん怒ってへんやろか」

 

 

玄「お待ちしておりました。お久しぶりです、園城寺さん!」

 

 

怜「玄ちゃん久しぶりやな」

 

 

玄「インハイ以来ですね。さあこちらへ、咲ちゃんが首を長くして待ってますよ」

 

 

怜「やっぱり怒っとるか?」

 

 

玄「ふふっ、自分で確かめて見てください」

 

 

怜「気が進まんなぁ」

 

 

玄「さっこの部屋です。私はまだ仕事が残ってますから、後でお邪魔しますね」

 

 

怜「ありがとな」フー

 

 

ガラガラ

怜「咲ちゃんゴメン!!このとおりや!」

 

 

「」

 

 

怜「あれっ・・・」チラッ

 

 

こたつ「・・・・・・」

 

 

怜「・・・」

 

 

こたつ「・・・・・・」

 

 

怜「玄ちゃん、部屋間違えたな」ハハーン

 

 

こたつ「」モゾッ

 

 

怜「」ビクッ

 

 

怜「だっ、誰かいるんか?」

 

 

こたつ「」モゾゾッ

 

 

怜「咲ちゃん?」

 

 

咲「う~ん、誰ですか?うるさいです」ゴシゴシ

 

 

怜「よかったで、知らない人の部屋でいきなり謝り倒したかと思ったわ」

 

 

咲「怜さん?」

 

 

怜「怜さんやで」フフン

 

 

咲「・・・おやすみなさい」

 

 

怜「なんでやねん。ウチって理解してから寝たやろ今?」

 

 

咲「阿知賀のみんなと麻雀打って疲れたんですよ」

 

 

怜「去年ぶりの再会やで、もっと喜んでくれてもええやろ」

 

 

咲「3日ぶりですよ、1年ぶりみたいに言わないでください」

 

 

怜「ウチは会いたかったで」

 

 

咲「・・・おやすみなさい」

 

 

怜「なんでや!?」

 

 

咲「疲れたんですよ、誰かと違って」

 

 

怜「ウッ、やっぱり怒っとる?」

 

 

咲「怒ってません」ツン

 

 

怜「お願いやから堪忍してや」

 

 

咲「怒ってないので堪忍も何もありませんよ」

 

 

怜「怒っとるやんか」

 

 

こたつ「もぞもぞ」

 

 

怜「えっ!?他に誰かいるん?」

 

 

咲「いますよ。ここ玄さんと宥さんの部屋ですし」

 

 

こたつ「ごそごそ」

 

 

宥「うーん・・・園城寺さんお久しぶりです」

 

 

怜「おっお久しぶりや・・・今までこたつの中おったんか?」

 

 

宥「すごーくあったかいよ」

 

 

怜「今までの話聞いてたんか?」

 

 

宥「うん。咲ちゃん心配してたんだよ、園城寺さんなかなか連絡とれなかったから」

 

 

咲「ちょっ、宥さん!?」

 

 

宥「練習中もうわの空で”怜さん大丈夫かな?”って呟いてて」

 

 

咲「ううっ・・・」チラッ

 

 

怜「」ニヤニヤ

 

 

宥「連絡取れたときは、ほんとに安心してたよね」

 

 

怜「連絡遅れてすまんかった、そんなに心配してくれてるとわ思わんかった」

 

 

咲「別に心配なんて・・

 

 

怜「してくれたんやろ、嬉しいもんやで」

 

 

咲「そ、そもそも怜さんが誘っといて遅刻するのが悪いんです」

 

 

怜「堪忍してや」

 

 

咲「私一人だったんですからね!」

 

 

怜「申し訳ないことしたわ、二度と会えんくなるところだったな」

 

 

咲「私の迷子癖なめないでください」

 

 

怜「自分で言うほどか!?」

 

 

宥「あったかいねー」

 

 

ガラガラ

玄「お待たせしました」

 

 

宥「玄ちゃんお仕事は終わったの?」

 

 

玄「友達が来てるなら先にあがっていいって」

 

 

怜「玄ちゃんの仲居さん様になっとったなぁ、着物も似合うてたし」

 

 

咲「しっかり者のお姉さんって感じでした」

 

 

宥「玄ちゃんはお仕事の時はしっかり者だから」

 

 

玄「ありがとうございます」

 

 

怜「着物はロングヘアの人が髪をアップにするのがええよな」

 

 

咲「ショートも着物似合うと思いますよ」

 

 

怜「普段見せないうなじがええんよな」

 

 

玄「マニアックですね」

 

 

咲「それ単に竜華さんのこと言ってるだけですよね」

 

 

宥「確かに清水谷さんは着物似合いそうだねー」

 

 

咲「怜さんより似合うと思います」

 

 

怜「一言余計や。玄ちゃんはどう思う?」

 

 

玄「私はやっぱりおもちですね」

 

 

咲「おもち?」

 

 

玄「おもちが帯でこう・・・

 

 

宥「玄ちゃん・・・着物関係ないよね」

 

 

玄「は、はい」ブルッ

 

 

咲「怜さんが玄さんに聞くから、玄さんが怒られましたね」

 

 

怜「なあ咲ちゃん?」

 

 

咲「はい?」

 

 

怜「今日ウチへの当たりきつく無いか?」

 

 

咲「遅刻したからですよ」

 

 

怜「そやけど・・・うーん」

 

 

咲「実は竜華さんに言われてまして」

 

 

宥「何を言われたの?」

 

 

~回想・電話~

咲「次は阿知賀ですね、了解です」

 

 

竜華「今度も怜のこと頼むで」

 

 

咲「任せてください」

 

 

竜華「でもあんまり甘やかさんといてな」

 

 

咲「?甘やしてはないと思いますけど」

 

 

竜華「怜帰ってきてから咲ちゃんとパーティーしたとかお風呂入ったとかそんな話ばっかりや」

 

 

咲「確かに事実ですけど」

 

 

竜華「特訓に行ったはずなのにな」

 

 

咲「特訓もちゃんとしてましたよ」

 

 

竜華「まあそういうことやから甘やかさんと厳しくしたってな」

 

 

咲「は、はい」

 

 

竜華「信用しとるからな」

 

 

~回想終了~

 

 

咲「というやり取りがありまして」

 

 

怜「厳しくってこういうことなんか?」

 

 

咲「それからもう1つ・・・」

 

 

怜「まだ何かあるんか!?」

 

 

咲「怜さん遅刻以外で私に謝らないといけないことありませんか?」

 

 

怜「遅刻以外・・・うーん・・・」

 

 

咲「はあ・・・お姉ちゃんに写真送りましたよね」

 

 

宥「写真?」

 

 

怜「ギクッ!?なんで知ってんねん?」

 

 

咲「ギクッて。お姉ちゃんが教えてくれましたよ」

 

 

怜「秘密にする約束やったのに・・・」

 

 

玄「そんなに恥ずかしい写真なんですか?」

 

 

怜「ただの寝顔やよ」

 

 

咲「ただのって何ですか!?あれだけダメだと言ったのに」

 

 

宥「それは怒られてもしょうがないよ」

 

 

怜「阿知賀でのウチのイメージが、どんどん悪く」

 

 

咲「イメージより私を気にしてください!!」

 

 

怜「せやかて、あの写真見ても“咲ちゃん可愛いい”しか思わんて」

 

 

咲「なっ!?」////

 

 

怜「照にしか送っとらんし、なんも悪いことないで」

 

 

咲「悪いです!私がすり減ります!」

 

 

宥「園城寺さんが悪いかな」

 

 

玄「私にも・・・じゃなくて謝ったほうがいいと思います」

 

 

怜「ごめんなさい」

 

 

咲「反省が感じられません」

 

 

怜「厳しない!?」

 

 

宥「これは私たちも厳しくした方がいいのかな?」

 

 

怜「勘弁してや」

 

 

玄「遅刻もしましたししょうがないですのだ」

 

 

怜「なら一つ言うこと聞くから勘弁してや、咲ちゃん」

 

 

咲「そうですね・・・じゃあ膝枕しますか?」

 

 

怜「してくれるんか!?」

 

 

咲「何でですか」ハァ

 

 

玄「それじゃご褒美ですね」

 

 

咲「怜さんが私にです」

 

 

怜「竜華にはいつもやってもらってるけどウチはやったことないなあ」

 

 

玄「なら初体験ですね」

 

 

咲「怜さんがいつもしてほしいって言ってるので私も気になってたんです」

 

 

怜「そのくらいならお安い御用や、ほれ」

 

 

咲「し、失礼します」ドキドキ

 

 

怜「どや?気持ちええやろ」

 

 

咲「初めてだからわかりません」

 

 

怜「貴重やからなしっかり堪能してや」ナデナデ

 

 

咲「まるでお姉ちゃんになったみたいですね」

 

 

怜「それもええかもな、照になら勝てるかもしれへんな」ナデナデ

 

 

咲「何の勝負ですか!?でもお姉ちゃんは負けませんよ」ウト

 

 

怜「チャンピオンやもな。疲れたんやろ、このまま寝てもええで」

 

 

咲「また撮るんですか?」ジト

 

 

宥「私たちが見張ってるよ」

 

 

咲「宥さんなら安心ですね」

 

 

怜「ウチの信頼が減ったなぁ」

 

 

玄「自業自得ですのだ」

 

 

怜「そういうわけだから安心して寝や」

 

 

咲「・・・そのままでいてくださいね」

 

 

怜「わかった。ほなおやすみや」

 

 

咲「・・・はい・・・おやすみなさい」スー

 

 

宥「やっぱりあったかいねー」

 

 

玄「なんだか羨ましいのです」

 

 

怜「誰にもやらんからな」

 

 

宥「そもそも園城寺さんのじゃないですよ」

 

 

玄「清水谷さんに報告して方がいいかもしれませんね」

 

 

怜「それは堪忍してや」

 

 

宥「今日は誤ってばかりですね」フフ

 

 

怜「せやなぁ」ナデナデ

 

 

玄「咲ちゃん本当に心配してましたから、園城寺さんも気をかけてあげてくださいね」

 

 

怜「遅刻してごめんな。心配してくれてありがとな」

 

 

宥「明日はあったかいといいね」

 

 

怜「そうやな。二人も明日からよろしゅうな」

 

 

玄「お任せあれ!!」

 

 

咲「・・・・・・」スースー

 

 

怜「・・・・・・」ナデナデ

 

 



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阿知賀の巻2

~阿知賀女子学院~

咲怜玄宥「おはようございます」

 

 

晴絵「おはよう!園城寺も無事着いたみたいでよかった」

 

 

怜「心配おかけしました」

 

 

咲「まったくほんとですよ」ハア

 

 

穏乃「園城寺さん、お久しぶりです!」

 

 

怜「あいかわらず元気やなぁ。憧ちゃんも灼ちゃんもお久しぶりや」

 

 

憧灼「今日はよろしくお願いします」

 

 

晴絵「揃ったし、さっそく打ちますか」

 

 

怜「インハイの借り返したるからな」

 

 

灼「園城寺さんは負けてないと思・・・」

 

 

玄「私がリベンジします。インハイからの練習の成果を見せてみせます!」

 

 

咲「やけに燃えてないですか?」

 

 

穏乃「園城寺さんは玄さんの目標の1つだったしね」

 

 

憧「園城寺さんと宮永照に勝つのが目標みたいだからね」

 

 

怜「ほほう、越えられるもんなら越えてみ!」ドヤッ

 

 

咲「玄さん、10局以上の耐久勝負にすれば、多分勝てますよ」

 

 

玄「なるほど!!」

 

 

灼「それじゃ意味な・・・」

 

 

晴絵「それに今の玄なら10局やれば勝てる局もあるんじゃないか」

 

 

怜「ウチかてインハイから強なっとるからな、そう簡単には勝たせへんで」

 

 

灼「あれ以上強いとか、プロレベル・・・」

 

 

怜「鹿児島での巫女さん修行の成果見せたる」

 

 

晴絵「巫女さん?なんだそれ?」

 

 

怜「永水に修行つけてもらったんよ、まだ未完成やけど」

 

 

玄「永水!!?」

 

 

晴絵「面白そうじゃないか」

 

 

怜「何か気づいたことあれば、助言お願いします」

 

 

晴絵「おう、まかせとけ」

 

 

咲「無理はしちゃダメですからね」

 

 

 

 

 

 

穏乃「うおー!こっちも早く打とう!」

 

 

咲「そうだね。今日こそはリベンジするよ」

 

 

宥「昨日は穏乃ちゃんの勝ち越しだったね」

 

 

憧「二人とも本気すぎ、インハイの決勝で打ってる気分よ」ツカレル

 

 

穏乃「だってだって、咲と打てるなんて本気でやらないと損だよ!」

 

 

咲「私も全力でリベンジします」ゴゴゴ

 

 

宥「二人ともあったかいねー」

 

 

憧「熱すぎよ」

 

 

穏乃・咲「「お願いします」」ゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄「勝てない・・・」シロメ

 

 

宥「大丈夫?」

 

 

怜「まだまだ精進やな」

 

 

咲「怜さんもじゃないですか」

 

 

怜「確かにまだ2順先は安定せんな」

 

 

晴絵「二人ともインハイから成長してるな、末恐ろしいよ」

 

 

咲「あまり実感ないですけど、そうですかね?」

 

 

憧「十分強かったわよ」ゲッソリ

 

 

穏乃「正直なんで勝てたかわかんない」

 

 

晴絵「うんとな、咲はいろんな打ち筋を覚えてるんだろ?」

 

 

咲「はい。最近だと永水の春ちゃんとか意識してみたりしてます」

 

 

晴絵「それが一時的に悪く作用してるな」

 

 

咲「どういうことですか?」

 

 

晴絵「咲が覚えた打ち筋と咲本来の打ち筋がうまく組合わさってないな」

 

 

憧「それで?」

 

 

晴絵「1局ごとに打ち分けるのはできてる見たいだけど、それじゃあ元の人の劣化でしかない、少なくとも今はね」

 

 

怜「なかなか辛口やな」

 

 

晴絵「今の段階でも奇襲には十分使えると思うよ」

 

 

灼「それで十分なんじゃ・・・」

 

 

晴絵「咲はもっと上を目指したいんだろ」

 

 

咲「はい。もう負けたくないんです」

 

 

晴絵「あとは1局の中でも打ち筋を変えようとしてるのがうまくいってないな」

 

 

咲「それが難しくて・・・」

 

 

晴絵「本来の打ち筋に+αくらいに考えた方がいいんじゃないか」

 

 

穏乃「そうだよ。咲は他の人の真似しなくても元々強いんだから」

 

 

憧「そんな簡単な話じゃないでしよ」

 

 

晴絵「そうでもないぞ。他の人の打ち筋を真似るんじゃなくて本来の打ち筋に取り入れる、それがてきればどこまでも強くなれると思うよ」

 

 

晴絵「その前の段階として真似るのはいいと思うけどな、技術的なものはこんなとこかな」

 

 

咲「なるほど・・・ありがとうございます、すごく参考になります」

 

 

晴絵「今結果がついてこないのも、そこまで気にすることじゃない。蝶になる前の蛹の時期ってやつだ!」

 

 

怜「阿知賀のレジェンドはさすがやな」

 

 

灼「でしょ・・・」

 

 

晴絵「なんでその呼び名を知ってるんだ!?」

 

 

怜「さっき灼ちゃんが自慢しとったで」

 

 

灼「的確なアドバイスかっこよかった・・・」

 

 

怜「レジェンドさん、ウチにはなんかアドバイスないんか?」

 

 

晴絵「やめてくれ。園城寺の力は私では教えられないな、ただもうやるべきことは分かってるようだったが?」

 

 

怜「永水て教えてもらったことを追求していこうとは思っとる」

 

 

晴絵「なら私が相手になるよ、これでもプロに誘われるくらいには強いぞ」

 

 

玄「永水なら私にも教えてほしいです!」

 

 

宥「やっと復活したよ」

 

 

憧「玄もぶれないわね」

 

 

穏乃「アドバイスもすんだしもう一度打つぞー」

 

 

憧「あんたもぶれないわね!」

 

 

咲「阿知賀はいつでも楽しそうですね」

 

 

宥「咲ちゃんたちも楽しそうだよ」

 

 

穏乃「早く打とうよー」

 

 

憧「あーもう、わかったわよ!ほら咲打つわよ」

 

 

咲「負けないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

~練習終了~

怜「2順先も少しだけなら見えるようになったな」

 

 

咲「体調は大丈夫ですか?」

 

 

怜「前よりは全然疲れなくなったわ」

 

 

玄「気をつけてくださいね、みんな心配してますから」

 

 

怜「ありがとな、常時2順先を見るのはまだ無理やけどええ感じに成長できてる」

 

 

穏乃「巫女さんの修行って凄いんですね」チラッ

 

 

憧「私見られても、修行なんてしたことないわよ」

 

 

灼「普通ないと思・・・」

 

 

宥「永水って凄いんだねー」

 

 

怜「ただ能力が変わってきてるのか、扱いが難しくなっとる感じはするんよな」

 

 

咲「うーん、難しいですね」

 

 

晴絵「あまり力になれなくてすまない」

 

 

怜「いえ、強い人と対局できるだけでとても練習になるんで」

 

 

晴絵「ありがとうな、この後はどうするんだ?」

 

 

咲「憧ちゃんのお家に初詣行くんですけど、怜さんも行きますよね」

 

 

怜「もちろんや。初詣は2回目やけどな」

 

 

玄「私たちはお手伝いがあるので先に帰ってますね」

 

 

宥「楽しんできてね」

 

 

穏乃「じゃあ早速行きましょう!」

 

 

 

 

 

怜「しかし憧ちゃんも巫女さんやったとはな」

 

 

憧「私はなんちゃってですけどね」

 

 

穏乃「ご利益ありますよきっと、去年の私のお願いは叶いましたから!」

 

 

咲「へー、何をお願いしたの?」

 

 

穏乃「和とまた遊べますようにって」

 

 

憧「ある意味咲が叶えてくれたと言えるかもね」

 

 

怜「咲にもお願いしといた方がええかな」

 

 

咲「なんでてすか!」

 

 

穏乃「来年もインハイに行けますように」ナム

 

 

憧「私はそうね・・・

 

 

咲「穏乃ちゃんも憧ちゃんもやめて!」

 

 

憧「まあまあ落ち着いて、ほら着いたわよ」

 

 

怜「立派な神社やね」

 

 

穏乃「せっかくだしお賽銭奮発しよう」

 

 

カランカラン

咲・怜・穏乃・憧「」

 

 

穏乃(今年もみんなでインハイに行けますように)

 

 

憧(今年も穏乃とインハイに行けますように)

 

 

咲(怜さんがプロ入りできますように、あと強くなれますように)

 

 

怜(咲ちゃんがまた麻雀を楽しめますように、あとプロ入りもお願いします)

 

 

穏乃「お二人は何をお願いしたんですか?」

 

 

怜「咲ちゃんがもっと優しくなるようにってな」

 

 

咲「もっと厳しくして欲しいんですか?」ニコッ

 

 

穏乃「もう十分優しかったじゃないですか?」

 

 

咲「えっ?今日私厳しくなかった?」

 

 

憧「えっ?厳しくしてるつもりだったの?」

 

 

怜「去年はもっと優しかったんやで」

 

 

穏乃「咲はもともと優しいんだね」

 

 

憧「あれで厳しくしてるつもりなら、諦めた方がいいかもね」

 

 

咲「そんな・・・」

 

 

怜「ほら膝枕してくれてええんやで」

 

 

咲「・・・絶対しません」フン

 

 

憧「素直じゃないんだから」

 

 

穏乃「憧も人のこと言えないんじゃない」

 

 

怜「素直な方がモテるで」

 

 

咲・憧「余計なお世話です!」

 

 

 

 

 

 

 

~帰り道~

怜「・・・」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「なあ咲?」

 

 

咲「急に何ですか?」

 

 

怜「・・・麻雀楽しいか?」

 

 

咲「最近は勝つことに必死ですから」

 

 

怜「ですから?」

 

 

咲「・・・楽しんでる暇なんてありません」

 

 

怜「暇がないと、楽しんだらアカンのかな」

 

 

咲「アカン訳じゃないと思いますけど、余裕がないんですよ」

 

 

怜「余裕がないから楽しめないんやなくて、楽しんでないから余裕がないんやないかな」

 

 

咲「?よくわかりません」

 

 

怜「咲ちゃんと対局してると必死さが伝わってくるよ、それと同時に余裕の無さもな」

 

 

咲「・・・・・・」

 

 

怜「勝てない理由の1つはこれやろな、余裕のない人の手は読みやすいやよ」

 

 

咲「楽しむってそんなに大事ですか?」

 

 

怜「麻雀なんて楽しんでなんぼやと思うよ」

 

 

咲「インハイはみんな必死で勝ちに行くじゃないですか」

 

 

怜「必死で勝ちに行くから楽しいんやないか。チャンピオンも個人戦のあと“楽しかった”言うとったで」

 

 

咲「お姉ちゃんも?」

 

 

怜「あんな顔して麻雀打ってるのにな」

 

 

咲「あんな顔って」

 

 

怜「咲ちゃんも予選て天江衣に言ったやろ“麻雀って楽しいよね”って」

 

 

咲「あの時は・・・」

 

 

怜「まあ考え過ぎるのも逆効果やから、気楽に考えとき」

 

 

怜「全勝目指すのもいいけど、負けたって楽しい時もあるで。むしろ本当に全勝なんてできたら、それこそ楽しくなくなるかもな」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「なんや暗くなってしもたな、そや咲ちゃん昨日の遅刻の理由知りたないか?」

 

 

咲「どうせ寝坊とかじゃ無いんですか?」

 

 

怜「・・・・・・」

 

 

咲「怜さん?」フリムキ

 

 

怜「メリークリスマス」

 

 

咲「・・・え、えっ!?」

 

 

怜「用意するのに時間かかってもうてな、昨日間に合わなかってん」

 

 

咲「すごく嬉しいです・・・開けてもいいですか?」

 

 

怜「もちろん。気に入るとええけど」

 

 

咲「・・・きれい」ポー

 

 

怜「スノーフレークって花のペンダントや」

 

 

咲「怜さんが着けてくれませんか?」

 

 

怜「ほれ後ろ向き」

 

 

咲「はい」

 

 

怜「・・・できたで」カチッ

 

 

咲「どうですか?」クルッ

 

 

怜「うん、似合っとるよ」

 

 

咲「ありがとうございます」

 

 

怜「ちゃんと選んで良かったわ」

 

 

咲「スノーフレークってマイナーだと思いますけど、どうしてこれにしたんですか?」

 

 

怜「百合と迷ったけどな、こっちの方が咲ちゃんに合ってると思ったんよ」

 

 

咲「嬉しいです!!」

 

 

怜「・・・あとは花・・・いやその」

 

 

咲「怜さん何やってるんですか、置いてっちゃいますよ!」ホラホラ

 

 

怜「・・・ん?!ちょお待てや!1人じゃ迷子なるやろ!」

 

 

咲「早く早く」

 

 

怜「待てって」

 

 

咲「はあはあ」

 

 

怜「急に止まってどないしたん?」

 

 

咲「・・・怜さん私文学少女なんです」

 

 

怜「知っとるけど、急になんや?」

 

 

咲「それだけです」

 

 

怜「??、なんやねんな、ほら行くで」

 

 

咲(怜さんのくれたもの大事にしますから)

 




これ阿知賀でやる必要あったのだろうか


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白糸台の巻1

咲「ついに来ましたね」

 

 

怜「竜華もいい仕事してくれるわ」

 

 

咲「なんてったって間違いなく日本一の高校ですからね」

 

 

怜「旅の最後にはもってこいやな」

 

 

咲「・・・やっぱり最後なんですか?」

 

 

怜「しゃあないやろ、もうすぐ冬休みも終わりやし」

 

 

咲「そう・・・ですよね」

 

 

怜「そんな寂しそうにすんなや、別にこれから会えんくなるでもなし」

 

 

咲「もう2週間近く一緒にいるんですよ、寂しくないはずないじゃないですか」

 

 

怜「そりゃウチも寂しいよ、けどまだ寂しがるには早いわ」

 

 

咲「すみません、朝から暗くなっちゃいましたね」

 

 

怜「元気よくいかんと、白糸台に負けてまうやろ」

 

 

咲「本当にやるんですか?」

 

 

怜「ああ、ウチは照に挑む。もちろん勝つつもりでな、やから少しの無理は見逃してな」

 

 

咲「・・・少しだけですよ、無理だと思ったら私の判断で止めますからね」

 

 

怜「それでええよ、咲ちゃんを信頼しとるからな」

 

 

咲「・・・じゃあ行きましょうか」

 

 

怜「いざ白糸台や!!」

 

 

 

 

 

 

~白糸台高校部室~

誠子「弘世先輩!全員集まりました」

 

 

菫「ありがとう。今日は練習の前にみんなに伝えることがある」

 

 

淡「えー何々!?もしかしてサプライズッ!?」

 

 

照「私たち二人からみんなにね」

 

ザワザワ

 

尭深「ほんとにサプライズなんですか?」

 

 

菫「まあな、今日のゲストはきっと最高の練習になるだろう」

(決まったのが直前だっただけとは言えんな)

 

 

照「私たちが呼べる最高の二人だと思うよ」

 

 

淡「気になる!スミレ早く早く!」

 

 

菫「わかったから、そう焦るな。二人とも入ってくれ」

 

 

「そんなに持ち上げられると、入りにくいじゃないですか」

 

 

「お姉ちゃんに誉められて嬉しかったんやろ、素直やないんやから」ククク

 

 

「な、何言ってるんですか!?」

 

ザワザワ

 

誠子・尭深・淡「「「・・・・・・」」」

 

 

照「・・・え」アゼン

 

 

怜「千里山の園城寺怜です。よろしゅうお願いします」ペコ

 

 

咲「清澄高校の宮永咲です。お姉ちゃんがいつもお世話になってます」ペッコリン

 

 

照「・・・なんで」アゼン

 

 

誠子「なんで先輩が驚いてるんですか?」

 

 

怜「それはな照は竜「サキだーーー!!」

 

 

怜「急になんやねん!?」

 

 

淡「逃げるっ!」ダッ

 

 

菫「逃がすかっ」ガシッ

 

 

尭深「さすがです、淡ちゃん残念だったね」

 

 

咲「淡ちゃん何で!?怜さん私なにかしました!?」

 

 

怜「どないやろな」

 

 

照「怜・・・これはどういうこと?」ゴゴゴ

 

 

怜「だからこれは竜「はーなーせー!」

 

 

菫「このっ!?亦野お前も来い」

 

 

誠子「はいっ!」

 

 

咲「怜さん、なんで・・・」

 

 

照「怜」ゴゴゴ

 

 

尭深「園城寺さんお茶どうぞ」ハイ

 

 

怜「・・・・・・」

 

 

怜「自由か!弘世お前まとめろや、何一緒に遊んでんねん!」

 

 

菫「二人が来ればこうなることは、だいたいわかっていたからな。あえて放置してみた」

 

 

怜「無駄な実験すなよ、白糸台はいつもこうなんか?」

 

 

菫「ほら」

 

 

部員「虎姫はだいたいこうです」

 

 

部員一同「」コクコク

 

 

怜「なんやすごいとこ来てしもうたな・・・」

 

 

 

 

 

~虎姫ルーム~

菫「気を取り直して、二人とも歓迎するよ」

 

 

怜「とても歓迎されてるとは思えんのやけど」

 

 

照「」ゴゴゴ

 

 

菫「こら照、いつまでやってるんだ」ハァ

 

 

照「ごめんなさい、でも怜。今日は竜華と一緒に来るんじゃなかったの?」

 

 

怜「?もとから咲ちゃんとの予定やったけど」

 

 

菫「私から照へのサプライズだ。なかなか面白い照が見られたな」マンゾク

 

 

誠子「確かにあんな先輩はめったに見れませんね」

 

 

照「・・・菫、あとで私の部屋に来て。話があるから」

 

 

菫「」

 

 

怜「自業自得やな。で大星はどないしたん?」

 

 

尭深「お互いに警戒してて、全然喋りませんね」

 

 

咲・淡「・・・」

 

 

咲「・・・淡ちゃん?」

 

 

淡「」サッ

 

 

誠子「そんな隠れなくても大丈夫だって」

 

 

尭深「どうもインハイから苦手意識があるみたいで・・・」

 

 

怜「大星が勝ったばすやろ、うーん??」

 

 

咲「うう、どうして?」

 

 

菫「ほら淡話してみろ、黙ってちゃ分からんだろ」

 

 

淡「・・・サキは私のこと嫌いなんでしょ?」

 

 

咲「えっ?」

 

 

淡「団体戦のとき、敵意剥き出しでオーラぶつけてくるし」

 

 

咲「あれは叩き潰せば「ほらやっぱり!」

 

 

淡「叩き潰すって何!?素直にコワイよ!」

 

 

咲「・・・あはは」

 

 

淡「そのあとの個人戦でも“団体戦の怨みー!”ってオーラぶつけてきたし」

 

 

咲「あれは和ちゃんのことがあって、冷静じゃなかったから」

 

 

淡「オーラぶつけてきたのは本当じゃん!」

 

 

咲「そうですけど・・・」

 

 

尭深・誠子「・・・・・・」

 

 

怜「咲ちゃん、あんまりオーラを人に向けちゃダメや」

 

 

菫「怖がられても、文句は言えんな」

 

 

咲「・・・」

 

 

照「あんまり咲をせめないで」

 

 

咲「お姉ちゃん」パァ

 

 

照「でも叩き潰すのはどうかと思う」

 

 

咲「」

 

 

咲「ごめんなさい、あの時は自分のことに必死で自分のことしか考えてなかったから」

 

 

淡「・・・」

 

 

咲「これからはちゃんと淡ちゃんのこと考えて行動するから、嫌いにならないで」ジーッ

 

 

淡「も、もともとちょっと怖かっただけで、嫌いではないから。むしろ…

 

 

咲「淡ちゃん」パァァ

 

 

菫「それなら仲直りのハグなり握手なりしてこの件は終わりでいいんじゃないか?」

 

 

咲「はい、これからも仲良くしていきたいです」

 

 

淡「まあライバルだしよろしくね」スッ

 

 

咲「ごめんね、淡ちゃん」ギュッ

 

 

淡「これからは私にも優しくしてよね」ギュッ

 

 

咲「うん」

 

 

 

 

 

淡「よし、サキさっそく打とう!」

 

 

怜「えらい切り替え早いな」

 

 

尭深「淡ちゃんのいいところですね」

 

 

菫「だが待て淡。二人にはまず虎姫以外のチームを回ってもらうことになってる」

 

 

怜「最後に戻ってくるから、楽しみにしとき」

 

 

淡「サキもトキも絶対打ってよね」

 

 

咲「また後でね」

 

 

 

怜「他のチームには悪いけど、照戦前の最後の調整やな」

 

 

咲「本気ですね」

 

 

怜「まあな、咲ちゃんもいろんなタイプの雀子と打てる機会やから楽しんでな」

 

 

咲「はい、がんばります」

 

 

怜(頑張って楽しむのも、変やけど少しずつやな)

 

 

 

 

 

~昼休み~

淡「サキー!一緒にご飯食べよ」

 

 

咲「うん、怜さんも行きましょう」

 

 

怜「大星はもう怖ないんか?」

 

 

淡「サキのこと?足が震えるくらい怖いよ」

 

 

咲「そんなに!?」

 

 

淡「冗談に決まってるでしょ」

 

 

咲「わかんないよ!」

 

 

怜「でも大星は積極的やな」

 

 

淡「もともと話してみたかったんだよね、でも嫌われてると思ってたから」

 

 

怜「なんで気になってたん?」

 

 

淡「あとは“宮永照の後継者”の私に突然現れたライバルが“宮永照の妹”だったんだよ。最高じゃん!」

 

 

怜「確かにできた話やなぁ」

 

 

咲「私たちってライバルなの?」

 

 

淡「えっ?違うの?」

 

 

咲「私まだ一回も淡ちゃんに勝ったことないし・・・」

 

 

淡「私が決めたんだからライバルだよ!!」

 

 

怜「他にも原村や穏乃ちゃんとかいるけど、咲ちゃんなんか?」

 

 

淡「もちろんみんなライバルだよ、でも一番はサキかな」

 

 

咲「やっぱりお姉ちゃんの妹だから?」

 

 

淡「最初はそうだったけど、今はサキの麻雀が好き!」

 

 

咲「えっ」/////

 

 

淡「サキの麻雀は綺麗でかっこよくて強くて・・・そんなのテル以外にはいないと思ってたのに!」

 

 

怜「やっぱり咲ちゃんの麻雀は人を惹き付けるんよ」

 

 

咲(私の麻雀が・・・)

 

 

淡「スーパーノヴアな私の麻雀に相応しいはサキくらいだよ」ドヤッ

 

 

怜「えらい自信家なんやな」

 

 

淡「でもライバルには絶対負けないからね。来年のインハイは私が団体・個人両方優勝する予定だから!」

 

 

咲「そんなの・・・私だって負けない!」

 

 

怜(ウチももっと出たかったなぁ)

 

 

 

 

 

~虎姫ルーム~

淡「やっときたー!」

 

 

照「さあ咲インハイの分まで打とう」

 

 

咲「そうだね、でも負けてあげないよ」ゴゴゴ

 

 

照「む、チャンピオンの力を見せてあげる」ゴゴゴ

 

 

怜「三人とも元気やなぁ」

 

 

菫「うん?園城寺は入らないのか?」

 

 

怜「今回は咲ちゃんと照の対局やから、ウチが入ってもな」

(メインの対局の前に疲れてまうわけにもいかんしな)

 

 

菫「そうなのか?ならどっちか入らないか?」

 

 

誠子・尭深「先輩どうぞ」フルフルフル

 

 

菫「・・・ほらいい練習になると思うぞ?」

 

 

誠子「蹂躙されるだけな気がします」

 

 

菫「尭深のハーヴェストタイムなら」

 

 

尭深「収穫まえに吹き飛ばされます」

 

 

誠子「先輩がいってくださいお願いします」

 

 

菫「私に逝けと!?」

 

 

尭深「私は嫌です」

 

 

菫「正直だな?!私だって三人とも怖いんだよ。三人とも本当に麻雀で人を叩き潰せそうじゃないか」

 

 

照・咲・淡「」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

誠子「どんどんテンション上がってますよ」ブルブル

 

 

菫「あれはテンションなのか!?」

 

 

照「菫早く入って、時間がもったいない」

 

 

菫「」

 

 

淡「サイコロ回すよー」

 

 

 

 

~対局ダイジェスト~

菫(くそっ、やるからには一矢報い…

 

 

淡「リーチ!!」

 

 

菫(いきなりか、だがまだま…

 

 

咲「カン!嶺上開花!」

 

 

照「今度は私の番」ゴゴゴ

 

 

菫「」

 

 

 

淡「ダブリーツモドラ4、3000・6000」

 

 

照(止められた)

 

 

咲(すごい・・・私も!)

 

 

 

 

淡「最後も行くよ!リーチ!!」

(これで二人まとめてまくる!)

 

 

咲(オーラスこの手なら和了って逆転!)

 

 

照(速さで勝つ)

「ツモ」

 

 

照「500・1000です」

 

~ダイジェスト終了~

菫「」シュー

 

 

誠子「先輩大丈夫ですよ、焼鳥なだけですからギリギリとんではいません!」

 

 

尭深「それは大丈夫なの?」

 

 

 

 

 

咲「勝てなかったか」

 

 

照「危なかった、最後も紙一重の差だったと思う。咲強くなったね」ナデナデ

 

 

咲「お姉ちゃん!?・・・お姉ちゃん今の対局楽しかった?」

 

 

照「??咲と久しぶりに打てたんだよ、そんなの当然」

 

 

咲「お姉ちゃんって二年生になってからは負けなしだったよね」

 

 

照「そうだけど、急にどうしたの?」

 

 

咲「その間麻雀はずっと楽しかったの?勝つためには楽しむよりも大事なことってないの?」

 

 

照「楽しかったよ」

 

 

咲「ずっと同じ繰り返しなのに?」

 

 

照「うん。勝ち続けるのはとても大変で、その為にいっぱい練習して牌符の研究して、好きじゃないとそんなことできないと思う」

 

 

照「だから私は麻雀が一番好きで一番楽しんでる人が一番強いと思う」

 

 

咲「楽しんでる人が強い・・・」

 

 

照「咲だって麻雀のためにこうやって旅をして、麻雀が楽しいからでしょ」

 

 

咲「・・・私強くなれたのかな?」

 

 

照「さっきだって2位だったでしょ、初めて淡に勝てたんだよ」

 

 

咲「そういえば・・・」

 

 

照「咲は強くなったよ、それにまだまだ強くなれるよ」

 

 

咲「ありがとう、お姉ちゃん!!」

 

 

 

 

 

淡「いい雰囲気のところ悪いんだけど、“そういえば”ってどういうことかな?サキ?」ニコニコ

 

 

咲「あ、ええとそれは・・・」

 

 

淡「私なんて眼中にないってこと!?言っとくけど、まだ私の2勝1敗で勝ち越してるからね!!」フン

 

 

咲「淡ちゃんごめんなさい!あれはお姉ちゃんが気になってたから…」

 

 

淡「やっぱり私のこと気にしても無かったんだ!!」

 

 

尭深「淡ちゃん、どんまい」クスッ

 

 

淡「今笑ったでしょ!?サキに相手にされない私を!」

 

 

怜「自分で言ってて悲しくならんか?」

 

 

淡「なるに決まってるじゃん!私は悲しい!!」

 

 

誠子「見事な空元気だな」

 

 

淡「もういいよ、ライバルだと思ってたのは私だけだったんだね」ハァ

 

 

咲「淡ちゃん!?隅っこ行かないで、ほら私たちは永遠のライバルだからね」

 

 

怜「さてと次はウチやな」

 

 

誠子「あれはほっといていいんですか?」

 

 

怜「咲ちゃんがいれば問題ないやろ。照まだ全力で打てるやんな?」

 

 

照「もちろん。怜と打つのも楽しみにしてた」

 

 

怜「なら照には真剣に勝負を申し込むで」

 

 

照「私はいつも真剣に打ってるけど?」

 

 

怜「本気の本気で勝負しようってことや」

 

 

照「でも・・・」

 

 

怜「自分のことは自分が一番わかる。今ならインハイのようにはならへん」

 

 

照「・・・・・・」

 

 

怜「なら賭けでもしよか?」

 

 

照「賭け?」

 

 

怜「照が勝ったら何でも言うこと聞いたる、でウチが勝ったら咲ちゃんもらおか」

 

 

咲「・・・」

 

 

照「ふざけてるの?」ゴゴゴ

 

 

怜「こうでもせんと受けてくれそうにないからな」

 

 

菫「ちょっとまてお前ら。常識的に考えろ、咲ちゃんを賭けの材料になんて」

 

 

咲「私はいいですよ・・・その賭けお受けします」

 

 

菫「何っ!?」

 

 

怜「・・・」

 

 

照「・・・」ゴゴゴ

 

 

菫「園城寺本気なのか、おい照もなんか言え!」

 

 

照「わかった。その勝負受けるよ」

 

 

菫「おい!何を言ってるのかわかってるのか!?」

 

 

照「菫、落ち着いて。多分私たちには分からない何かがあるんだよ」

 

 

菫「何かって・・・お前」

 

 

照「それに私が勝てばなんの問題もない」ゴゴゴ

 

 

怜「よしじゃあさっそく」

 

 

照「待って、勝負は明日にしよう。同卓する人も賭けのことを知らない人を私が用意する」

 

 

怜「なるほどな、だけど照と打てる人なんて誰呼ぶ気なんや?」

 

 

照「まだ憩と和がこっちにいるから明日来てもらう」

 

 

菫「本気なのか?」

 

 

怜「インハイ個人戦上位3人をまとめて相手できるなんて願ったり叶ったりやな」

 

 

淡「サキはほんとにいいの?」

 

 

咲「はい。これもきっと必要な事なんです」

 

 

怜(照にも咲にも感謝やな、こんなわがまま叶えて貰って。竜華、咲見ててや必ず勝つから)

 

 




次の話で初めて対局を、書いてるんですがなかなか難しくて筆が進まない
なので次は時間かかるかもしれません


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白糸台の巻2

荒川憩の能力は他の人が和了ると配牌がよくなるという前提で書いてます


~虎姫ルーム~

咲「おはようございます」

 

 

菫「おはよう、照は今例の2人を迎えに行っている。準備は大丈夫なのか?」

 

 

怜「もちろん。いつでもどんと来いや」

 

 

誠子「あの弘世先輩、本当にやるんですか?」

 

 

菫「不安しかないが、見てないところで勝手にやられるよりいいだろ」

 

 

尭深「賭けなんて監督にも言えませんよね」

 

 

菫「ああ、だから内密にな。特に淡、お前は口が軽いからな」

 

 

淡「」コクコク

 

 

尭深「別に喋っちゃいけない訳じゃないと思うよ」

 

 

淡「」コクコク

 

 

ガラガラ

照「みんな、おはよう。待たせちゃったかな」

 

 

憩「おはようさんですーぅ」

 

 

和「おはようございます」

 

 

怜「憩ちゃん、久しぶりやな」

 

 

憩「今日は全力で相手してくれはるんですよね、楽しみですよーぅ」

 

 

怜「憩ちゃんの本気は怖いなぁ、お手柔らかに頼むよ」

 

 

咲「和ちゃん久しぶり。テレビみんなで見てたよ」

 

 

和「なんだか恥ずかしいですね」

 

 

咲「牌のお姉さんもできるってみんな言ってたよ」

 

 

和「あれは…私にはまだ早いです」

 

 

咲「そうかなぁ、似合うと思うけどな」

 

 

照「和、そろそろ始めるよ」

 

 

和「はい、今行きます」

 

 

咲「頑張ってね」

 

 

 

 

照「さっ・・・始めよう」

 

 

怜「せやな」

 

 

和(急に空気が重くなりましたね)

 

 

憩(このメンバーで打つなら、真剣になるのもわかるけど、やけに緊張しとんな)

 

 

照「サイコロ回すよ」

 

 

 

 

 

~対局開始~

起家:照 南家:憩 西家:怜 北家:和

 

 

照「・・・」

 

 

怜(照の起家か、こればっかりはラッキーやな)

 

 

憩(最初は和了りたいとこやけど、うちも能力使えんしなぁ)

 

 

和(何か事情がありそうですが、私はいつも通り打つだけですね)

 

 

怜(最初に稼がせてもらうで、ダブル!2巡先や!)

 

~7巡目~

和「立直」タン

 

 

怜(さすがに速いな、せやけどウチの方が一手速かったみたいやで)

 

 

怜「立直!」

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「」タン

 

 

憩「」タン

 

 

怜「ツモ!!倍満で4000・8000や」

 

 

照 17000 -8000

憩 21000 -4000

怜 42000 +17000

和 20000 -5000

 

 

怜(とりあえず先制できたけど、こっからが本番やな)チラッ

 

 

照「・・・」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

怜(照には今のウチはどう写ってんやろな)

 

 

憩(何度体感してもなれんなぁこれ)

 

 

照「・・・」

 

 

~別室~

咲「中継で見れるなんて、さすが白糸台ですね」

 

 

淡「でしょでしょ」

 

 

菫「もともとは校内の代表決定戦などを録画するための設備だがな」

 

 

誠子「でもいきなりの倍満は驚きましたね」

 

 

淡「テルならそのくらい直ぐに取り返せるんじゃない?」

 

 

尭深「でもあの3人相手にそんなに上手くいくかな?」

 

 

淡「親が1回なのはちょっと不安だけど、もし止められてもアレがあるし」

 

 

菫「最初の連荘でどの程度稼げるかだな、跳満まで行ければ勝てるんじゃないか」

 

 

誠子「園城寺さんも調子よさそうですよ?」

 

 

咲「朝から気合い入ってましたからね。無理しなければいいんですけど・・・

 

 

「ロン」

 

 

誠子「と、さっそく連荘ですね」

 

 

~対局室~

照「ロン。2600」

 

 

照 20700 +2600

憩 17900 -2600

怜 41700

和 19700

 

 

憩「あいかわらず速すぎですよーぅ」

 

 

怜「ウチの親やったんやけどなぁ」

 

 

憩(けっこう本気で和了りにいったんやけどなぁ、あっというまに2連続かい)

 

 

照「・・・」

 

 

~東4局・親和~

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」タン

 

 

憩(速さで勝てないなら火力で勝つ)タン

 

 

怜(ここって止めない方が返ってええんやろか?)タン

 

 

 

 

照「ツモ。1000・2000」

 

 

照 24700 +4000

憩 16900 -1000

怜 40700 -1000

和 17700 -2000

 

 

怜(ここまでは想定通りや。次はおそらく12000が来る)

 

 

憩(簡単に4連続和了なんてさせへん)

 

 

怜・憩((ここで止める!))

 

 

~南1局・親照~

照「・・・」タン

 

 

憩「・・・」ゴゴゴ

 

 

怜(憩ちゃんもやる気やな、よしダブルや!)タン

 

 

和「・・・」フム

 

 

 

 

憩(火力は十分、あとは・・・)つ3筒

 

 

怜「チー」

 

 

和「・・・」つ8萬

 

 

怜「ポンや」タン

 

 

怜(よし、順調に鳴けとる。とにかくスピードで)

 

 

照「・・・」タン

 

 

憩(喰い断で速上がりやろか?怜さんにポンされるとちょおきついな)タン

 

 

 

 

 

怜「原村、それポンや」テンパイ

 

 

怜(ダブル!待ちはどっちが・・・くっ!2巡後に照か、それに原村まで)タン

 

 

和「立直」カチャ

 

 

照「・・・」タン

 

憩(和も速いなぁ・・・照ももう聴牌ってるんやろな)

 

 

怜(次の原村の牌を鳴いて・・・)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

怜「ポンや」タン

 

 

憩(裸単騎!?鳴かなかったらどっちかが和了るいうことなんか?)

 

 

和「・・・」ツモギリ

 

 

照「・・・ツモ。4000オール」

 

 

怜(やっぱりずらしてもダメかい)

 

 

照 37700 +13000 

憩 12900  -4000

怜 36700  -4000

和 12700  -5000

 

 

~別室~

淡「あっという間に逆転♪」

 

 

尭深「宮永先輩、さすがです・・・」ズズ

 

 

菫「園城寺も全力で止めに行ったみたいだがな」

 

 

誠子「裸単騎は珍しいですね」

 

 

咲「あれはお姉ちゃん対策の1つですね。以前の怜さんならあそこまでは鳴かないと思います」

 

 

淡「対策?他にはどんなのあるの?」

 

 

咲「対策と言っても、昨日の夜に怜さんが今できることで、使えそうなものをまとめただけですよ」

 

 

菫「それも恐らくは照魔鏡で見破っていたのだろうな、下手をすればこのまま終わるんじゃないか」

 

 

咲「怜さんと憩さんとが噛み合えばいいんですけど・・・」

 

 

~南1局一本場~

照「・・・」ゴゴゴ

 

 

憩(好き勝手させへん)ゴゴゴゴゴゴ

 

 

怜(ウチの鳴き麻雀じゃまだ力不足なんかな、今度は・・・)タン

 

 

和(少し付いていませんね)タン

 

 

 

 

憩「ポン」

 

憩(怜さんわざとやろな、うちが欲しいところを捨ててる)タン

 

 

怜(ウチ一人でおよばんかったのは悔しいけど、ここを和了られるわけにもいかんし。憩ちゃんに頼らせてもらうわ)

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「槓」ゴゴゴ

 

 

憩(先に和了られると思うて、無理矢理打点上げにきたんやろか)

 

 

怜(よしダブル!・・・!?)フラッ

 

 

怜(5萬でタンヤオドラ5直撃かいな、憩ちゃんに鳴かせたかったとこやけどしっかり狙ってきとるな、でも)つ1筒

 

 

和「・・・」タン

 

 

怜(憩ちゃんナイスポンや、これで終わりやな。せやけどだんだん辛なってきたな)

 

 

憩「ポン」タン

 

 

怜「チー」タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」タン

 

 

憩「ツモ!!3000・6000の一本場は3100・6100!!」ゴゴゴ

 

 

照(これは・・・まずいかも、あと3局。もし一回でも和了られたら)

 

 

照 31600  -6100

憩 25200 +12300

怜 33600  -3100

和  9600  -3100

 

 

~別室~

菫「・・・」

 

 

尭深「終わりませんでしたね・・・」ズズ

 

 

淡「何あれ?」

 

 

咲「憩さんの力と怜さんが上手くはまりましたね。お姉ちゃんも無理に追いかけましたけど追い付きませんでしたね」

 

 

淡「そうじゃなくて、テルとトキの勝負なのになんかズルくない!?」

 

 

誠子「荒川さんと原村さんは勝負のこと知らないんだし、しょうがないだろ」

 

 

尭深「麻雀は4人でやるものだよ」

 

 

淡「そうだけどさっ・・・」

 

 

菫「まあ淡の言いたいことも分かるがな。周りを使うだけでは照には勝てないさ」

 

 

咲「怜さんだって分かってますよ。あと3局きっとやってくれます」

 

 

淡「サキは怜に勝って欲しいんだね」

 

 

咲「うん、怜さんには負けないでほしい。今日勝てればきっと怜さんの願いも叶うから」

 

 

淡「テルが聞いたら嫉妬しちゃいそうだね」

 

 

「ロン」

 

 

誠子「えっ・・・」

 

 

尭深「これは・・・」

 

 

~対局室~

和「2000です」

 

 

憩「はい」

 

 

和「ラス親ですから、私もまだ負けてませんよ」

 

 

憩(舐めてた訳やないけど、ここまでか)

 

 

照(やられた。怜の鳴き麻雀と憩の能力に気をとられ過ぎたか?)

 

 

怜(これは・・・末恐ろしいな。今までも一番照に食らいついとったしな)

 

 

照(あと2局で負けてる・・・このまま連続和了の速さで勝負?それとも・・・)

 

 

~別室~

菫「驚いたな。照より速いのか」

 

 

淡「トキとケイ気にしすぎてない?テルらしくない。いつもならまとめて潰せてた」

 

 

誠子「先輩だって緊張したり怯んだりする事もあるんだろ、きっと」

 

 

尭深「南1局一本場を止められたのが、私たちが思うよりショックだったのかな?」

 

 

咲「それもあると思いますけど、和ちゃんはやっぱりすごいです。牌に愛された子って呼び名は和ちゃんが一番しっくり来ると思います」

 

 

菫「完璧なデジタルに牌が応えるか・・・」

 

 

淡「でもノドカのおかげでアレが見れそう、テルなら今度こそまとめて潰すよ」

 

 

~対局室~

怜(ここまで7局そろそろヤバイか・・・リードしてここまできたんや負けられへん、たとえ・・・)

 

 

照(・・・私は負けない)ゴゴゴゴゴゴ

 

 

憩(ここまで来て、とんでもないなぁ)

 

 

怜(間違いなく今までで最高のプレッシャー、なんやこれ?)

 

 

照「・・・」ギギギ

 

 

ギィ

 

 

~南3局・親怜~

怜(配牌が特別悪いゆうことはないな)

 

 

和「」キョロキョロ

 

 

怜「どうかしたんか?」

 

 

和「いえ、照明が急に暗くなった気がして・・・」

 

 

怜(そういえば・・・そんな気もするな。今はそれより照や、ダブル2巡先や!!)

 

 

 

 

照「・・・」ギギギ

 

 

憩(配牌は悪かったけど、大星ほどではない。何しとるんや?)

 

 

怜(ここまでは静かなもんやな、プレッシャーは続いとるけど動きはない。気になるといえばここまで有効牌が来とらんこと、というより2巡後にも来てない。ここまで来て運に見放されとるな)

 

 

和(手の進みが遅いですが、この程度はよくあることですね)

 

 

照「・・・」ギギギ

 

 

 

 

~別室~

咲「・・・」

 

 

淡「サキ、テルの奥の手はどう?」

 

 

咲「すごく・・・やっかいな力、連続和了みたいに派手じゃないけど間違いなく強い」

 

 

菫「咲ちゃんはアレが何をやっているのかわかるのか?」

 

 

咲「大体ですが、はい」

 

 

菫「すごいな、私たちでも完全には把握できていないだが・・・」

 

 

淡「だから言ってるじゃん、アレは光を独り占めするんだよ」

 

 

誠子「淡の言ってることは抽象的すぎて分かんないんだよ、もっと具体的に頼む」

 

 

淡「具体的に?うーん、あれは私の絶対安全圏とか天江衣とかに近いんんじゃないかな」

 

 

尭深「でも配牌はそこまで悪くないし、有効牌だって少ないけど、さっき原村さんはツモってたよ」

 

 

淡「そうなんだけど、何というか・・・サキ!パス!」

 

 

咲「パスって・・・アレはおそらく他家に役を作りにくくさせるものだと思います。配牌が少し悪くなったり有効牌の減少はその影響かと」

 

 

淡「そう!それそれ!」

 

 

菫「役を・・・照の手のドラ3もその影響か」

 

 

咲「はい、ただ完全に発動するまでには時間がかかるみたいですけど」

 

 

尭深「原村さんの手は平和がつきそうだし、先輩のドラが3つだけなのはまだ不完全だから・・・??」

 

 

誠子「完全に発動したらどうなるんだ?」

 

 

咲「“役の独占”・・・お姉ちゃん以外はツモと立直くらいしか役ができなくなると思います」

 

 

~対局室~

照「・・・」ギギギ

 

 

憩(プレッシャーどんどん強うなってますやん、手も進まなくなってきたし)タン

 

 

怜(照が何かやってるのは間違いない。さっきから未来を見ても無駄ツモばっかり、精神的に参ってくるわ。体力もあと少しやっていうのに)クラッ

 

 

和(進みませんね・・・)

 

 

照「・・・」ギギギ

 

 

憩(怜さんも辛そうやな、早めに仕掛けるべきやったやろか)

 

 

怜(プレッシャーもきつなってきたわ、けどまだまだ!ダブルや・・・)クッ

 

 

怜(はあはあ・・・2巡後に聴牌や、あとは照がどうでるか?)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」ギギギ

 

 

憩(本当に暗くなってきてへんか?)タン

 

 

怜(この巡は見れへんけど、次でもう一回見て照を超える)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」ギギギィ

 

 

憩(そろそろ何かありそうやな)

 

 

怜(よし聴牌、照はプレッシャーがさらに強くなっとるけど、まだ動きはなし。一気に決めたるダブル!!2巡先や!!)グラッ

 

 

怜「くっ・・・」

 

 

憩「ちょ、怜さん大丈夫ですか?」アブナイ

 

 

怜「あ、あぁ大丈夫やよ。続けるで・・・」

 

 

怜(・・・未来が、2巡先が見えんかった。ショックで倒れそうになってしもたけど、ウチの体力のせいやない、多分照が次巡に何かしたんや)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

怜(さあ、何がくる?)

 

 

照「ツモ」ギギィ

 

 

照「平和三色ドラ3で3000・6000」ギィ

 

 

照 43600 +12000

憩 20200 -3000

怜 27600 -6000

和  8600 -3000

 

 

憩(なんや?ただの跳満?)

 

 

フッ

 

 

怜「!!?」

 

 

チカッ

 

 

怜(今一瞬部屋が真っ暗になったような、気のせいやろか)

 

 

照「・・・」ゴゴゴゴゴ

 

 

怜(とんでもないプレッシャーなのに壁を一枚挟んでいるような感覚、なんや照がよく見えない)

 

 

照「これで最後」ゴゴゴゴゴ

 

 

 

ギィ

 

 

 

 

バタン

 

 

 

 

 

 

~別室~

咲「怜さん・・・」

 

 

淡「完成したね」

 

 

菫「役の独占なんてどうしようもないだろ、さすがに照の勝ちだな」

 

 

誠子「役を独占するために他家の有効牌の減少と悪配牌が厄介ですよね」

 

 

尭深「でもそんなに強い力なら今まであまり使わなかったのは何ででしょうか?」

 

 

誠子「うーん?最近完成したばかりとか?」

 

 

淡「それは違うかな。前にも見たことあるし」

 

 

菫「普通に考えれば何らかのリスクがあるんだろう。あれだけ大きな力だきっとリスクも大きくなるんじゃないか?」

 

 

誠子「それを見つけられれば、まだわかりませんね」

 

 

尭深「あれを初めて見て弱点まで見つけるなんてできるのかな?」

 

 

淡「できなければ負けるだけだよ」

 

 

咲(・・・怜さんなら大丈夫です、きっとできます)

 

 

咲「・・・頑張れ」

 

 

~南4局・親和~

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」ゴゴゴゴゴ

 

 

憩(うちの能力きいとらんな、酷い配牌や)タン

 

 

怜(未来見ても照以外はツモ切りだけ、おそらくウチ以外の配牌も酷いんやろな。こんなんどうしたらええんやろな)タン

 

 

 

 

 

 

怜(有効牌が少ないだけで来ない訳じゃないなのは幸いやな、これでどうにか一向聴や。せやけどこのままじゃ1000点にしかならんし、もうダブルも限界や使えてもあと1,2回ってとこか。ここまで勝てる気がしないのは龍門渕透華いらいやな)

 

 

照「・・・」ゴゴゴ

 

 

怜(龍門渕・・・“相手を見透かす”か。とにかくダブルや、最後まであきらめるな・・・照だって有利な状況でも必死に打っとる。ウチも必死になれ、最後まで逆転の手を考えるんや)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」ゴゴゴ

 

 

憩「チー」タン

 

 

照「・・・」

 

 

怜(今のチー、照は必死というより焦ってるようにも見えるな、速く終わらせたいみたいな。何かこの力をインハイの時に使わんかった訳があるんか。気のせいかもしれんけど、少しでも可能性があるなら・・・)タン

 

 

和「・・・」タン

 

 

照「・・・」ツモギリ

 

 

憩「・・・」タン

 

 

怜(ダブル!!・・・2巡後に照のツモで終わりか。でもまだや、次巡にウチも聴牌や。さっきの照はツモ切りやった、おそらく原村のツモが照に行ったから。でも照の捨て牌はウチらの有効牌にはほとんどなってないから直撃は取れないし、打点も足らんなら一か八か・・・)

 

 

和「・・・」タン

 

 

照(これで聴牌。次で決める)タン

 

 

憩「・・・」タン

 

 

怜「チー」

 

 

怜(これで役無し聴牌。やけど原村のツモが照に行くはず・・・)

 

 

和「・・・」タン

 

 

照(・・・これでは和了れない。でも怜の有効牌でもないはず、そもそも役無しじゃ和了れないし、仮に直撃されても私の勝ち)タン

 

 

怜(この先がどうなるかはウチにも分らへん。あとは神頼みやな、いや咲ちゃん頼む力を貸してや)

 

 

怜「槓!!」

 

 

照「なっ・・・」

 

 

照(明槓じゃ手は進んでないし、役もつかない有効牌とはいえないのか)

 

 

怜「・・・」

 

 

怜(この旅の最後や、協力してくれたみんなのお陰でここまで来れた。照を倒してウチはプロになる!!)

 

 

怜「・・・」

 

 

怜「ツモ、ドラ3、嶺上開花。8000や」

 

 

 

 

 

照 35600 -8000  

憩 20200

怜 35600 +8000

和  8600

 

 

 

 

 




やっぱり麻雀を書くのは難しいですね
最後の局は特に上手く書けませんでした


次の更新で最終回です


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白糸台の巻3

照の能力は天岩戸が閉じるイメージで書きました


~対局室~

和「・・・」

 

 

憩「・・・引き分けとは、また」

 

 

照「・・・違う、上家取りで私の勝ち」

 

 

怜「負けず嫌いやなぁ、ええやんか引き分けでも」

 

 

照「ダメ、勝負に負けた感じなのに試合にも負けたくない」

 

 

怜「ならウチの勝ちでええやん、最後は我ながらいい和了りだったと思うで」

 

 

憩「確かに凄かったなぁ、照さんの勝ちで決まったと思っとったわ」

 

 

照「それでもダメ、だって負けたら咲がとられちゃう・・・」

 

 

和「」ピクッ

 

 

怜「約束やもんな、じゃあ咲ちゃんはウチ「待ってください!!」

 

 

和「約束って何ですか!?聞いてませんよ!」

 

 

怜「言ってないからな」

 

 

和「言ってくださいよ!」

 

 

照「咲は私の妹。引き分けじゃあげるわけにはいかない」

 

 

和「聞いてください!!」

 

 

憩「どんな約束やったんですかーぁ?気になりますぅ」

 

 

怜「ただウチが勝ったら咲ちゃんをもらう、負けたら何でも言うこと聞くってだけやで」

 

 

和「“もらう”って何ですか!?咲さんはそんな賭けに乗ったんですか?」

 

 

憩「あんまりカリカリしてもいいことないで」

 

 

怜「もちろん咲ちゃんも了解済みやしな」

 

 

和「なんでですか咲さん・・・私に相談してくれれば」

 

 

怜「別に強制しとらんからな、相談しても変わらんかったと思うで」

 

 

照「そう、私に相談するべきだった。そうすればこうなることもなかった」

 

 

怜「ウチを悪者みたいに言うの止めーや」

 

 

憩「ここで言ったって変わらんで、咲ちゃんに聞いてみればええやんな?」

 

 

~別室~

咲「・・・」

 

 

淡「すごいすごい、何あれ!?サキ!!今のどうやったの?」キラキラ

 

 

菫「コラ、空気を読め。咲ちゃん考え事してるだろ」

 

 

咲「大丈夫ですよ、菫さん。あの嶺上は単純に運が怜さんの身方をしたんだと思うよ」

 

 

淡「でも何でドラ乗ったんだろ?テルが止めてたと思ったけど」

 

 

咲「聞いてみないと判らないけど、あの能力はまだ未完成もしくは調整不足なんじゃないかな。あまり実戦では使ってなかったみたいだし」

 

 

菫「あれよりもまだ上があるのか・・・」

 

 

誠子「何と言うかさすが先輩ですね」

 

 

尭深「底が知れない・・・」

 

 

淡「早く打ってみたい!テルにお願いしないと!」

 

 

咲「淡ちゃんは麻雀打つのが好きなんだね」フフフ

 

 

淡「当たり前じゃん、私は宮永照の後継者だからね」ドヤ

 

 

誠子「それにしてもどうなるんでしょうか?」

 

 

尭深「上家取りなら先輩の勝ちですね」

 

 

菫「だが園城寺は納得しないだろうな」

 

 

淡「サキが決めればいいじゃん、それなら二人とも文句無いでしょ」

 

 

照「その通り、咲に決めてほしい」

 

 

怜「咲ちゃんの思うようにしてくれてええよ」

 

 

咲「お姉ちゃん、怜さん・・・」

 

 

淡「どうするの?」

 

 

咲「引き分けじゃダメですか?」

 

 

怜「まあ咲ちゃんが言うならええか?」

 

 

照「そうだね、咲が言うなら仕方ない」

 

 

菫「二人ともやけに素直じゃないか」

 

 

憩「二人とも心の中では自分が負けたと思ってるからやと思いますよ」

 

 

誠子「どっちも十分勝ちに値する内容だったと思うけどな」

 

 

尭深「みなさん、お茶用意しましたよ」ドウゾ

 

 

 

 

 

~しばらく後~

咲「和ちゃん久しぶりだね」

 

 

和「そうですね、だいたい2週間ぶりでしょうか。しかし賭けなんて驚きましたよ」

 

 

咲「ごめんね、巻き込んじゃって」

 

 

和「簡単に賭けなんて許したらダメですよ。みんな心配しますから」

 

 

咲「怜さんにも同じようなこと言われたよ」

 

 

和「あの人は…」

 

 

咲「それより和ちゃんはまだ東京にいたんだね。朝ビックリしちゃったよ」

 

 

和「少し用事がありまして、その事で少し報告したいことがあります」

 

 

咲「なになに?テレビの事とか?」

 

 

和「実は転校先がきまりまして、来年から白糸台高校に通うことになりました」

 

 

咲「おめでとう!お姉ちゃんも良い高校だって言ってたし、淡ちゃんもいるしすごいよ!」

 

 

和「まだもう1つありまして…」

 

 

咲「えっ?」

 

 

和「お父さんが麻雀を続けることを許してくれました。学業を優先する条件付きですが、白糸台麻雀部に入ります」

 

 

咲「ホントに!?麻雀続けられるの?」

 

 

和「ええ。来年は白糸台の4連覇に貢献できればと思っています」

 

 

咲「よかった・・・よかったよ」ウルッ

 

 

和「ですから、咲さんもあまり気にしないでください。インターハイで負けたのも、咲さんのせいじゃありません。あれは清澄高校みんなの敗けです」

 

 

咲「和ちゃん・・・」

 

 

和「あまり引きずっていると、来年は天江さんに敗けてしまいますよ」

 

 

咲「そんな、やだよ。衣ちゃんには敗けたくない」

 

 

和「私は来年もインターハイに出ます。だから会いに来てください、待ってますから」

 

 

咲「うん!!私は衣ちゃんを倒してインターハイに出るから、和ちゃんも必ず来てね。約束!」スッ

 

 

和「はい、約束します。来年もインターハイで!」ユビキリ

 

 

 

 

 

~練習終了~

怜「今日はおおきに。いいの練習になったわ」

 

 

菫「それはよかった。こちらこそみんな練習になったと思う」

 

 

照「怜、今日は楽しかった、そのうちまた打とう」

 

 

菫「春休みも長いし、大阪に卒業旅行でも行くか?」

 

 

照「それいいね。たこ焼きにお好み焼き、今から楽しみ」

 

 

怜「意外と食いしん坊なんか?」

 

 

菫「甘いものなら無限に食えそうなやつだからな」

 

 

照「さすがに限界はある・・・たぶん」ボソ

 

 

怜「たぶんて・・・」

 

 

菫「太らないのが本当に不思議だよ」

 

 

怜「ほんまやな。というか照は春休み忙しくないんか?」

 

 

照「なんで??」

 

 

怜「プロ注目の超大型ルーキー様やろ、旅行なんてしてる暇ないんちゃう?」

 

 

照「さすがに大丈夫なはず・・・」

 

 

菫「照がダメなら淡でも誘って行くさ」

 

 

照「そんな・・・」ガーン

 

 

怜「まあ期待せんで待っとるよ」フリフリ

 

 

照「絶対行くから!」

 

 

菫「ほら落ち着け、プロになればいくらでも行けるだろ」

 

 

照「それとこれとは全然違うから」

 

 

 

 

 

怜「・・・なあ照」

 

 

照「なに?」

 

 

怜「わかってると思うけど、まだ賭けは終わってへんからな」

 

 

菫「なっ!?」

 

 

照「いつでも挑めばいい。次は今日みたいにはいかない」

 

 

怜「随分な自信やな」

 

 

照「そっちこそ大丈夫?私がプロになったら、そう簡単には対局できなくなるけど」

 

 

怜「わかっとる、だからここで宣言しとくわ」

 

 

照「うん?」

 

 

怜「ウチも必ずプロになる!だから首洗って待っとき」

 

 

菫「そんな簡単に

 

 

照「わかった、私も次までには能力を十二分に使えるようにしておく」

 

 

怜「こっちも攻略法考えとくで」

 

 

照「次こそは私が勝つ」

 

 

菫「・・・もう勝手にしてくれ」

 

 

~最後に~

咲「今日はありがとうございました」

 

 

尭深「こちらこそありがとう」

 

 

誠子「いい練習になったよ、いつでもまた来てくれ歓迎するよ」

 

 

咲「ぜひまた来たいです、あと少しですけどお姉ちゃんをお願いします」

 

 

淡「言われなくても大丈夫だよ、サキも次会うときにはまた対局するからね」

 

 

咲「うん、楽しみにしてる。あと和ちゃんを来年からよろしくね」

 

 

淡「エースの座は譲らないけどね。サキ来年も絶対にインハイで戦うから敗けないでよね」

 

 

咲「そっちこそ私と当たるまでに敗けないでね。それでは亦野さん、渋谷さんありがとうございました。またインハイで会いましょう」

 

 

尭深「うん、楽しみにしてるね」

 

 

誠子「それじゃあね」バイバイ

 

 



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エピローグ

~最後の日・ホテル~

 

 

怜「咲ちゃんごめんな」

 

 

咲「えっ?何の話ですか?」

 

 

怜「照に勝てなくてごめんな。あんな賭けまでして本気でやってもらったのにな」

 

 

咲「私もあの能力には驚きましたし、初見で同点にした怜さんが凄いです」

 

 

怜「そう言ってもらえるのは嬉いけどな、あの試合は運が完全にウチの身方をしとった。照は起家やったし、憩ちゃんと原村にも助けられた。最後の嶺上だって見えてた訳や無い」

 

 

咲「それでも、」

 

 

怜「それでも、勝てなかったんや。改めて実力差を見せつけられた気分や」

 

 

咲「運だっていいじゃないですか。麻雀って運が7割なんて言い方もされますし。引き分けでも怜さんは間違いなくトップでしたよ」

 

 

怜「そうなんかな・・・」

 

 

咲「そんなに勝ちたかったんですか?」

 

 

怜「当たり前や!」

 

 

咲「そうですよね、勝てればプロ入りもほぼ間違い無いですもんね」

 

 

怜「そうやないで、大事なもの賭けてたからや」

 

 

咲「へ?」

 

 

怜「咲ちゃんが賭かってたんやで、敗けるわけにはいかんやろ」

 

 

咲「そんな」////

 

 

怜「咲ちゃんはウチにとって勝利の女神様やからな、簡単に手放す訳にはいかんやろ」

 

 

咲「女神だなんて言い過ぎです」////

 

 

怜「咲ちゃんと仲良くなってから、この旅も上手くいったし。最後の嶺上だって咲ちゃんが和了らせてくれたんちゃうか?」

 

 

咲「そんなことできるわけ無いじゃないですか」

 

 

怜「いや分からんで。嶺上に関しては鬼より恐い咲ちゃんやからな」

 

 

咲「どういう意味ですか!」

 

 

怜「そのまんまの意味や。対局中はホントに鬼かと思うときあるで」

 

 

咲「女神とか鬼とか私を何だと思ってるんですか!?」ゴゴゴ

 

 

怜「知っとるか、普通の人はオーラなんて出せないんやで?」

 

 

咲「・・・もういいです」ハァ

 

 

怜「勝利の女神なのは本当やからな」

 

 

咲「はいはい、ありがとうございます」

 

 

怜「なあ咲ちゃん、引き分けとはいえトップやったわけやしトップ賞とかないんか?」

 

 

咲「切り替え早くないですか!?」

 

 

怜「関西人やからな」

 

 

咲「関係ないですよね!?」

 

 

怜「」ワクワク

 

 

咲「トップ賞?・・・ひざ枕とかどうです?」

 

 

怜「そうそうひざ枕とか・・・えっ!!?やってくれるんか?」キラキラ

 

 

咲「そんなに期待されるとやりづらいです」

 

 

怜「ほな速く」ゴロゴロ

 

 

咲「はやっ!?」

 

 

 

 

~ひざ枕中~

怜「ええなぁ、ええなぁ」ゴロゴロ

 

 

咲「変態ですか?」ナデナデ

 

 

怜「咲ちゃんがなかなかしてくれへんかったからな。ウチの方が先にするとは思わんかったな」ゴロゴロ

 

 

咲「今日は疲れたでしょうし、多目に見ますよ」ナデナデ

 

 

怜「確かにそこそこ疲れたなぁ」

 

 

咲「強がらないでいいですよ、お姉ちゃんとの対局以降は一度も能力使ってませんよね?」

 

 

怜「バレてた?」

 

 

咲「はい、見てましたから」

 

 

怜「そんな熱い視線向けられると照れるで」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「冷たい視線向けるのはやめてや」

 

 

咲「はぁ」

 

 

怜「照戦の最後は止められるかと思ったわ、南3局でわりと限界やったし」

 

 

咲「迷いましたけど、怜さんを信じると約束しましたから」

 

 

怜「やっぱりウチが信じた咲ちゃんやな」

 

 

咲「でもあんなに心配させるのはもうやめてくださいね」

 

 

怜「モウシマセン」メソラシ

 

 

咲「懲りないですね」ハァ

 

 

怜「これからプロになろうとしてるんやで、どうなるかわからんやろ」

 

 

咲「じゃあ心配が無いくらい強くなって下さい、特訓には何時でも付き合いますから」ナデナデ

 

 

怜「・・・やっぱり女神やな」

 

 

咲「女神のひざ枕は貴重ですね」ナデナデ

 

 

怜「満更でもないやん」

 

 

咲「そういえば怜さん、賭けは継続になったんですね」

 

 

怜「話聞いとったんか?」

 

 

咲「菫さんから聞きましたよ。私も当事者なんですから相談くらいしてくださいよ」

 

 

怜「昨日は勢いでOK貰ったけど、冷静になったら止めるやろ?」

 

 

咲「どうでしょう?でも決まっちゃったのならしょうがないですから、継続でもいいですよ」

 

 

怜「やっぱり咲ちゃんガードが緩すぎやな、変な人に引っかかるで」

 

 

咲「変な人が言わないで下さい」

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「最後も変わらんなぁ」

 

 

咲「そうですね・・・本当に終わるんですよね?」

 

 

怜「今日でこの旅は終わりや」

 

 

咲「・・・私こんなに楽しかった冬休みは初めてです。ありがとうございます」

 

 

怜「ウチも楽しかったで、ありがとうな」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「・・・終わりたくないです」

 

 

怜「咲ちゃん?」

 

 

咲「宮守の姉帯さんに会いに行きましょう!有珠山の獅子原さんとかもいいかもしれません。北海道はちょっと遠いですけど、なんとかなりますよ!」

 

 

怜「面白そうやけど無理やな」

 

 

咲「そんな」

 

 

怜「学校あるやろ?」

 

 

咲「少しくらい休んでも」

 

 

怜「とんだ不良生徒やな、でもダメや。清澄のみんなだって咲ちゃんの帰りを待ってるんやで?」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「咲ちゃんだって本当は分かってるやろ」

 

 

咲「・・・はい」

 

 

怜「プレゼント交換もしたし、頻繁には無理でも会おうと思えば会えるんやから」

 

 

咲「そうですよね」

 

 

怜「寂しくなったら大阪に来たらええよ」

 

 

咲「はい!」

 

 

咲「プレゼント交換と言えば、預かったブレスレット返して無いですね」

 

 

怜「あー、あったなーそんなの」

 

 

咲「忘れてたんですか」ハァ

 

 

怜「返さんでええよ、そのままあげる」

 

 

咲「・・・」ウーン

 

 

怜「どないした?」

 

 

咲「やっぱり貰えません」

 

 

怜「せやったら返してくれるんか?」

 

 

咲「今は自宅にあるので返せません。だから取りに来てください」

 

 

怜「直ぐには行けんよ、いろいろ忙しくなると思うし」

 

 

咲「はい。プロ試験があって、受かればプロ入りの準備と暇が無いですね」

 

 

怜「そうや」??

 

 

咲「だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「時間がかかってもいいです。お姉ちゃんにしっかり勝ってから取りに来てください」

 

 

 

 

 

怜「・・・それは」

 

 

 

 

 

咲「ダメ・・・ですか?」ジー

 

 

 

 

 

怜「いつになるか分からんけど・・・それまで預けとくから大事にしとってや」

 

 

 

 

 

咲「はい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「ふぁ~」

 

 

咲「眠いんですか?」ナデナデ

 

 

怜「照にしばかれて、疲れたからな」

 

 

咲「引き分けでその言い草はお姉ちゃん怒りますよ」

 

 

怜「向こうは元気一杯やったけどな」

 

 

咲「このまま眠っちゃっていいですよ」ドウゾ

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「何ですか?」

 

 

怜「咲ちゃん、ウチはプロになれるやろか?」

 

 

咲「今さら不安になってるんですか?」

 

 

怜「確かに照と引き分けたけど、絶対はないやろ?」

 

 

咲「大丈夫です!!」ナデナデ

 

 

怜「自信たっぷりやなぁ」

 

 

咲「なんたって勝利の女神が見守ってますから」ドヤ

 

 

怜「ふふふ、なら安心やな」スー

 

 

咲「はい。おやすみなさい」ナデナデ

 

 

怜「zzz」

 

 

咲「待ってますから、必ず取りに来てくださいね」ナデナデ

 

 

怜(プロになって照に勝って行くから、約束や)

 

 

怜「zzz」

 

 

 

 




最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
当初の予定とは大分違う形にはなりましたが、なんとか完結できてよかったです。
またの機会がありましたらその時はよろしくお願いします。

それでは。


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