俺の周りはキャラが濃い。 (diamond dust)
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坂道は辛い
坂道は、辛い。
人生楽あれば苦あり、という。
降っているときは、いつか上り坂が来るのを感じるし、上りは先が見えず、ここで終わってしまったら、もしいつまでも上り坂が続くなら、と思ってしまう。
俺は、高杉 洋一、埼玉県草加市に住む新高1、今日から綾瀬川高校の生徒だ、と自分のプロフィールを反芻する。こんな風にするのはこれで何回めだろうか。正直緊張しかない。おそらく誰もがそう感じることと思う。義務教育ではない、気づいたら進学しているわけではないのだ。
「なあ、高校ってどう思う?」
その問いに答えたのは中学からの友達で、文武両道、器量好し、家事勉強スポーツ事務作業なんでもそつなくこなしてしまうが、唯一の欠点自殺
「そうだな・・・一緒に心中してくれる人いないかなぁ。いそうじゃない?」
「まじめに」
「カーストといじめ、リア充とぼっち 、ビッチと腐女子・・かな」
「なんでそんな偏るんだよ」
「ともあれそんな根暗をスルーしても新しい出会いを見つける場所さ。嗚呼
そんな冬夜の唐変木っぷりにも慣れてきたこの頃、自分が悲しいなぁ、などと思っているうちに綾瀬川高校、略して綾高の制服が目立ち始める。
綾高の制服は以外となんの変哲もない。砂色を基調としたブレザーに、青いネクタイ。こんなのが沢山いるのだから見た目はまるで地面の上のアリの大移動だ。
さっさとクラスを確認した俺たちは上級生たちの一喜一憂する声をbgmに4階へと上がる。学年が上がると階数は下がるらしい。
女子の割合の多いクラスの中を俺はするする、冬夜はぬるぬる進む。ちょぬるぬる歩くってどうやってるん・・とアホなことを考えている間に席を通り過ごしかける。あっぶねー成瀬さんの席座るとこやったわー。
ホームルームまでは時間があるらしい。
ならば・・・本を読もう。それは冬夜も同じらしくすでに自殺への道標という恐ろしい本を読んでいる。首吊りっていろいろ漏らすのか・・・・うんうん関心してやがるぞこいつ。
とりあえず俺もリゼロを読みだした。
┸┰╂┰┸
視線を感じる。気のせいではない。
高杉ほどではなくても容姿に自信のある俺はよく視線を集める。昔からそういうのには敏感だったせいでいろいろ大変だった。高杉といればその視線は半分になる。だから3年以上仲良くしているのだろうか。違うと言い切れる俺がいない。死ぬときジャージとかヤダとおしゃれもしている。それは別に高杉に対する対抗心からかと聞かれてみると、違うと言い切れる言える自分がいない。そんな自分を保つため、自殺し唐変木を演じ、己に嘘をつくのか?そう言われると何も言えない、わからない。違うとなんて、言い切れない。
本から左目は動かさず、視線の感じる右側ににょろにょろ視線を動かす。・・・・・・・あかん髪の毛邪魔で、見えへんわ。
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高校生活初入水by冬夜
えー。皆さんお早うございます。篠原冬夜でございます。現在の小説内の時刻は10:30頃。髪の毛が邪魔でウィスパー並みに動かした右目がお役に立てず申し訳ないと汗をかいてから、2時間ほどが過ぎました。今は自己紹介の時間でございます。おっと自分の番が回ってきました。.………飽きたからこの喋り方やめるわ。俺は誰に喋ってるんだ。
「篠原冬夜です。趣味は読書と自………んんっ。ゲームです。」
あっぶねぇ。自殺言うちゃうところやった。洋一の視線がなかったらマジで言ってたわー。っべーわー。俺戸部じゃねーわー。
もう寝よう......
┬┤ ├┬
冬夜が趣味は自殺と言いかけた時は焦った。一緒にいる俺にもそんな疑惑が掛けられるのご免だ。
それをアイコンタクトで伝えようとしたら思い切り睨んでしまった。
・・・・・・
時はめぐって帰り道。ん?その間何があったって?何もねーよ。
┬┤ ├┬
せいぜい洋一の時に女子が
「「「「「「「「「キャァァァァァァァァぁ!!!!!!」」」」」」」」」
と叫んだくらいだった。
┬┤ ├┬
問題はだ、ある人物のことを思い出せないことだ。
確か....
『郡山 紗季です。趣味はゲームです♪』
って言ってたっけ。どこかで会ったことのあるような無いような・・・・
「なあ冬夜。」
冬夜なら、という希望を持ちつつ、
「あの、郡山さん?会ったことあるっけ。」
「え,郡山って誰・・・」
マジトーンで聞いてくるって忘れたのか?
「今日のことだぞお前・・・」
もしもそうなら絶望を通り越した後一周回って希望を持ちそうなほどの度忘れっぷりだ。
「イヤ寝てたし。起きたの笹木さんの時だし。・・・・・いい川だね」トプン
超若年性認知症の疑いが晴れたかと思えば、目を離すと入水する冬夜はこれからの高校生活を無事に過ごせるのか・・・
* * *
どーもみなさんこんにちは〜。郡山 紗季です♪あの〜みなさんって誰です?私も誰に喋ってるかわからないんですけど・・・
今日から私も綾瀬川高校の生徒になりました♪早く帰ってゲームしt・・・・人?
川から人の足が生えてる・・・んじゃなくて流れてるんだ!わああああととりあえず・・・トプンえい!
なんとか私でも手の届くところに来たので引きずり上げる。軽いなこの人・・・私がひきあげたのは綾校の制服を着た人だった。
「あ、あの。大丈夫ですか?」
その人は私を見るとため息をついた。
「む、君が俺の入水を邪魔したん・・・・君、名前は」
「は?」急に名前を聞かれ変な声をd「だから君の名前だよ」a最後まで言わせてくれればいいのに。
「郡山、、、紗季ですけど」
一応名乗るとその人はふうううんと納得したような声を出した。
「とざんさきさんね〜」
「あ、こおりやまです。読み方」
私はどこぞの尺八の流派とは無関係だ。よく間違えられる。
「おやおやおやおや。君が郡山何某さんなのかい。じゃ」
その人はそのまま何処かへ行ってしまった。何処かで見たのだと思うけど何処だろう・・・・結局名乗らなかったし・・・・・。
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