貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!【本編完結】 (小此木)
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機神咆吼デモンベイン編
第1話


 

 

 

『貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!』

 

赤いロボット…〝ゲッターロボ〟と呼ばれる人型のロボットから聞こえる男の声。

 

この日、この()に初めてゲッターロボが、

 

『な、何だこのロボットは!?知らない!知らないぞ!!この()をもってしても!!』

 

姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は魔導技術によって繁栄を極める大都市アーカムシティ。

 

だが今は、恐るべき犯罪結社ブラックロッジに脅かされている!!

 

大導師マスターテリオンを首領に掲げるブラックロッジの信徒たちは欲望のおもむくままに破壊を繰り広げる。圧倒的パワーの破壊ロボ、邪悪な力を操る魔術師たち、そして最強の魔導ロボットである鬼械神(デウス・マキナ)!!

 

アーカムシティの守護者である覇道財閥はこれに対抗すべく、巨大ロボット魔を断つ者(デモンベイン)を製造する。

 

そして、しがない三流探偵の大十字九郎は、魔導書の化身である少女アル・アジフとの出会いにより、デモンベインに乗って戦うこととなってしまった!!

 

 

 

 

 

が、この物語の主役はお馴染みの大十字九郎ではない。

 

この日より五年ほど前。

 

 

 

「じゃ、俺は旅に出る。ライカ、九郎の坊主を気に掛けてやってくれ。」

「…分かったわ。くれぐれも気を付けてね。」

「おう!!」

 

この世界に生まれ早17年。捨て子だった俺は、このオンボロ教会の前神父に拾われすくすく育った。わけの分からない()()ってモンを除けば、喧嘩したり誰かと吊るんでバカやったり充実した日々を送っていた。…前世の記憶ってもんに悩まされていたけどな。

 

んで、今日17歳(此処に拾われて17年)になった俺は、前世の記憶と知識を駆使し、一番の不安要素が()()事を確かめに〝ある場所〟へ行く。前神父…俺の中じゃオヤジだったけど、オヤジが死ぬ直前連れて来たこの妹分、ライカに教会を任せて。

 

は、ははははは…や、ヤバイ!ヤバすぎる!!なんで()()があんだよ!!それも、『真』や『新』『チェンジ』じゃなくて、『ゲームオリジナル版』かよ!!クソッ、俺の未来〝虚無る〟事一択かよ!!…い、いいぜ!やってやらぁ!!だが、前世の知識をフルに使って、お前に取り込まれないようにしてやる!!…でも、ラ=グースや時天空は出てこないで!!(熱望!!)

 

 

 

■□■□

 

 

 

クトゥルーの召喚を成功させたマスターテリオンへ突然反旗を翻し、マスターテリオンを倒したアンチクロス。そして、彼らはクトゥルーを使いこのまま一気にアーカムシティの攻略を計画する。それは、相手に防戦体制の余裕を与えず、破壊ロボによる第三波の攻撃。

が、そこに待ったを掛けたのが、僕らの町のマッドサイエンティスト…オホン、失礼。邪神などの力より自身の力でも世界征服が出来ると反対していた、ドクター・ウェスト。彼は基地の一部を破壊し脱サラして行った。

 

一方、大十字九郎とアルはアンチクロスの総攻撃によってアルは倒れ、デモンベインも大破。九郎は、単騎でアンチクロスへ挑む為、覇道邸の図書館で魔導書を物色。そこで魔力の籠った弾丸を制作し、バルザイの偃月刀を拝借。黒いマントを羽織ってデモンベインの格納庫へと向って行った。

そこには、修復されたデモンベインとギターを弾いているドクター・ウェストとエルザが待っていた。『スーパーウエスト無敵ロボ28号デラックス(通称デモンペイン)』の理論を取り入れ修復されており、九郎が変身しなくても戦えるように改修されていた。

 

そして、彼らの反撃が始まった。

 

 

 

 

 

九郎の駆るデモンベインは数々の敵を倒しているが、

 

『やったロボ!あぁ、でも残弾ゼロ、ロボ…ッ!ダーリン、正面!!』

『ハァァァァ!!』

 

今残弾はゼロ。九郎がコクピットを開け、自らが迎撃した。しかし、この先強力な敵が出て来る事が予想されるため、九郎達はこれ以上の消耗は避けたい。

 

そこへ、

 

『まとめてぶっ壊してやる!真・トマホォォォク!ブゥゥゥゥゥゥメラン!!』

 

真っ赤なロボットが突如現れ、何処からか出したのか、六つの斧を回転させながら敵へぶつけて行った。

 

『クソ!どうなってんだ!?』

(クソったれ!恐竜帝国や百鬼一族が何処かに潜んでいないか調べるのに何年も掛かって、居ない事が分かったってのに!なんで変なロボット達に俺が育った街が蹂躙されなきゃならねんだよ!!)

 

『ムフフフフ、ハハハハハ!!』

 

突如地面に出現した幾何学模様から1体のロボットがせり上がって来た。

 

『さぁ、デモンベインの最後…貴様、何者だ?』

『俺の故郷をこんなにしたのは貴様らか!!』

 

対峙する赤と黒のロボット。

 

『フフフ、ならどうする?』

『貴様にも味合わせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!』

 

赤い人型ロボットの中から聞こえるのは、特徴的なモミアゲを持つ男の声。

 

『ムフフフフ。なら、この俺にその恐ろしさとやらを見せてみろ!!』

 

対する剛力のロボットには、ドクロを模した覆面を被った巨漢が乗っている。

 

『行くぞ!隼人、武蔵!』

『やれ竜馬!!』『任せたぞ竜馬!!』

 

特徴的なモミアゲを持つ男の声の後、赤いロボットから突然響いた二人の()()の声。

 

『ゲッタァァァァトマホォォォォク!!』

 

赤いロボットが両肩から長い獲物を取り出し、それを合わせ斧へと変化させた。刹那!

 

<ドワォ!!>

 

一瞬で肉薄し、剛力のロボットは一刀両断され、

 

『な、なんだ<斬!!>と…』

 

止めに横一閃。四つに分かれたロボットは爆発四散していった。

 

『あ、あの声…ま、まさか!!()()兄ちゃん!?』

『よう!五年ぶりだな九郎の坊主!!』

 

 

 




戦闘時脳内BGM『Can't Stop』、竜馬のCVは神谷明さんでお願いします。


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第2話

少し編集しました。2018/3/25


 

 

 

おかしな事を言うが、俺には前世ってもんの記憶がある。

 

その中で俺は様々なロボットを操作し戦うゲームをよくプレイしていた。主に力を入れて育てていたのはスーパー系と呼ばれた機体。(くろがね)の城は勿論、スーパー系主人公、某リアルロボットなのにロボットが飾りの作品等は機体やキャラのレベル共に優先して上げて行った。

 

「…はぁ。現実逃避したくなるぜ。」

 

その中でも合体・変形を可能とする〝ゲッターロボ〟はプレイしていた当時…前世の俺にとって憧れの存在だった。

 

「そう、憧れだったんだけどな。今は複雑な心境だぜ。ゲッターロボは恐竜帝国と戦い、ゲッタードラゴンは百鬼一族、真ゲッターから號、ゲッターアークは徐々に宇宙が舞台になって…エンペラーへと続いて行く。」

 

俺は大都市アーカムシティから1年掛けて漸く日本の浅間山のとある場所、この世界が〝ゲッターの世界〟なら早乙女研究所があるだろう場所へ辿り着いた。

 

「研究所があった形跡は全く無いのに、何故か此処に大きな穴があって降りてみれば…何でこんなモンがあるんだよ!!」

 

ギロリと目の前の()()()が俺を…いや、〝流竜馬〟を睨んでくる。

 

「真・ゲッター、ドラゴン…」

 

そう、某ロボット大戦には登場せず、原作漫画とゲッターロボ大決戦ってゲームにしか登場していないゲッター。原作漫画では繭に包まり進化途中だった為活躍しなかったが、ゲームでは最終話直前使用できるようになる機体。攻撃の仕方が、別空間から武器を取り出したり、ドラゴンの状態でライガーのドリルを出現させる等どれもぶっ飛んでいたのを覚えている。チェンゲの様に下半身がウザーラ()じゃなく、足ってとこも個人的に魅力的だった。んで、その真ゲッタードラゴンがうつ伏せになって穴の奥に倒れているこの現状…

 

てか、ヤベ、さっきのセリフカッコイイ!!動画でも撮っとけばよかったな。容姿だけじゃなく声も流竜馬(CV神谷明ver)だからな。で、

 

「ほぉ、このクズ鉄。動いたのか。」

「…さっきから俺を付け回していたのはお前か。」

 

この森に入ってから此処までずっと付けていたヤツが出てきやがった。如何にも怪しいって感じの顔まで隠せるフード付きのマントっていでたち。関わりたくねぇー!

 

俺はゲッターが()()()()()踏んで(願って)此処まで来た。だから、ヤツが俺に直接何もしないなら、気付かぬ振りをしてさっさと帰るつもりだった。が、予定変更だ。付け回していたヤツは、

 

「…お前、()()がある事を以前から知っていたな。」

 

〝動いたのか〟って言いやがったからな。元々知っていたのか、俺みたいに前世絡みか。

 

「ああ。ハッキングした日本政府のサーバーの一番奥に隠されていた。んで気になって何度か見に来た事がある。以前は泥の様な物で全身を覆っていたが徐々に剥がれていき、今は御覧の有様。鬼械神(デウス・マキナ)なら魔導書をどっかからぶん盗って使ってやろうと思ったんだが…調査してみたら何の金属か分からねぇし、乗り込む所を探しても見当たらねぇし。そんな時に現れたのがお前だ。」

 

せ、政府のサーバーにハッキング!?トンデモねぇ事をしたのにコイツサラッと言いやがったぞ!!な、何か嫌な予感がするんだが…

 

「で、政府のサーバーをハッキングして無事って凄腕のお前が俺に何の用だ?」

「単刀直入に言う。お前、()()の事知ってる風じゃないか。()()()の事を教えろ!拒否権は、無論無い!!」

 

って、いきなり襲ってくるよかよ!嫌な予感がこんなに早く当たるなっての!!

 

「ほぉ、初撃を躱されたのは初めてだ。だが、接近した状態でこの攻撃は避けられんだろう!!」

「ちょ、待てって!!」

 

早い早い早い!!攻撃が早すぎる!!俺が少し()()を出さないと避けきれないってどんな鍛え方してんだよ!!

 

「そら!目だ!耳だ!鼻ぁ!!」

 

チィ、何処の神隼人だよ!!

 

「…仕方ねぇ!手加減正拳付き!!」

 

魔術が普通に使わられていたアーカムシティで生活する(生き残る)為に、前世の知識をフルに使って色々な格闘技術を体に覚えさせていったからな。相手のスピードを考慮して、

 

「グッ!?」

 

その軌道に拳を置いて当たる寸前に力を弱め振動させる。相手のスピードと俺の力を体内に響くようにすれば…一発で気絶させれる。

 

「フウ、これで大人しくなった。起きる前に拘束して、少し脅しながらゆっくり話でも聞くかな。」

 

しっかり手加減の練習もそこら辺のゴロツキ相手にやったからな。これぐらいなら朝飯前だぜ!…本気で殴ったら、鋼鉄をぶち抜いてビビったしな。

 

 

<ポヨン>

 

 

ん?何か今腕に柔らかいモノの感触が!?今、腕には襲撃者しか居ないぞ…あっ!

 

「…いや、考えるな。感じろ…って只の変態じゃん!!」

 

大きい岩は無いか、無いか…あった!!

 

「オラァ!!」

 

手刀で斬って、

 

「声が何か高いなーって思ってたけど。」

 

そこに襲って来たヤツを寝かせてっと。失礼、顔を拝見。

 

「はぁ~。やっぱり、()か。」

 

手刀で綺麗に切り取った岩の上に、襲って来た女を寝かせた。う~ん、拘束は無しだな。それと、どっかで見覚えのある顔だな~。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「…う、こ、此処は。」

(私は、確か…そ、そうだ!重力に反逆している妙なモミアゲを持つ男を付けて、)

 

「よう、目、覚めたか?」

「ッ!?」

(力ずくで赤い兵器の情報を聞き出そうとして返り討ちに遭った。チィ!負けたのはこれが初めてだぜ!!)

 

さて、単刀直入に聞いちゃいますか。

 

「で、超天才のアンタは()()について聞きたいって?」

「…ああ。で、負けた私を辱めた後にでも教えてくれるのか?」

(どんな辱めを受けても、情報だけは吐かせ隙を付いて殺してやる!!)

 

ちょ、俺は○犯罪者じゃねぇよ!健全なアーカムシティ民です!!

 

「はぁ!?そ、そんな事はしないぞ!!その証拠にアンタを拘束してないだろ!!」

「…ま、そう言う事にしておこう。で、()()は一体何なんだ。見た所鬼械神(デウス・マキナ)じゃないロボットって事しか分からん。」

 

そりゃそうだ。なんせこのゲッターの動力は、魔術じゃなく〝宇宙から降り注ぐゲッター線〟だからな。

 

「…コイツの事を知ってどうする?」

「決まってる!我が物顔で街をぶっ壊す、鬼械神(デウス・マキナ)を操るクソったれな魔術師共に一泡吹かせる為に利用させてもらうのさ!!」

 

それには同意するぜ。この日本でも訳の分からねぇ魔導書を持った魔術師が、好き勝手やってるのを見たからな。

 

「何だって利用する!アレも!無論、お前も!!」

 

いいねぇ!その絶対諦めない心!!気に入った!魔術師を倒したいって嬢ちゃんの願い俺が手助けしてやるぜ!!

 

「…分かった!「じゃあ!!」…が、アレに関しては諦めろ。今のままじゃ動きやしない。」

「何故!!」

「アレは三人居ないと動かない代物だ。代わりと言っちゃあなんだが、俺がその魔術師を倒す手伝いをしてやる。」

 

他のゲッターならまだしも、この真・ゲッタードラゴンはゲッターロボ大決戦内では三人乗っていないと動かせないって代物。それも、オープンゲット(分離)が出来なくて、別の形態に変形できなかった。恐らくコイツも同じ仕様だろう。

 

「願い下げだ!!生身で鬼械神(デウス・マキナ)は倒せねぇだろうが!クソが!…ん?なら、後一人見つければいい話だろ!!」

「いやいや。俺みたいなのが三人いないと、まともに動かせないっての!!魔法障壁ないからGは直接体に掛かるしな。」

 

はぁ、この世界の〝隼人〟や〝武蔵〟に早く会いたいもんだ。…居るかどうかは分からんが、ゲッターがあったんだ。彼らがいても不思議じゃないぜ。

 

「ま、そう言う事だ。自己紹介が遅れたな。俺は竜馬。孤児だから苗字は無い。」

「私はじn…私の名前は隼人(はやと)神隼人(じんはやと)だ。」

 

…はい?

 

「え、き、聞き取れなかった。もう一度頼む。」

「私の名前は神隼人(じんはやと)だ!」

 

……フゥ、落ち着こう。

 

「パドゥン?」

神隼人(じんはやと)だぁ!!」

 

………マジかぁぁぁぁぁ!!そう言えば何となく似てる!でも!何で!

 

「女体化はないだろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

この日、竜馬の叫びが洞窟に響いた。

 

「五月蠅いわ!!」

「スマン!!」

 



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第3話

 

 

 

結論から言おう。

 

森で見かけたコイツは人間じゃなかった。

 

私が何を言っているか分からないと思う。

 

だが、事実だ。

 

だって、

 

「魂の籠められていない玩具(ロボット)風情に、この俺が()られるかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

()()で20メートルクラスの鬼械神(デウス・マキナ)を次々と破壊していっている。一応私が何処を壊せば動かなくなるか教えてはいたが、今は正直もうどうにでもなれだ。

 

「ロボットの正しい乗り方を知らねぇなら、この俺が教えてやるよぉぉ!!」

 

あ、説教しだした。

 

「ひとぉぉぉぉぉつ!自身の操るモノを理解しろぉ!!自分の命を預けて一緒に戦うんだ!理解し、信頼し、大切にしやがれぇぇ!!」

 

………すげー、五月蠅い。コックピット越しでも敵パイロットに聞こえる様にしてんだろうけど。

 

「ふたぁぁぁぁぁぁつ!整備は出来るだけ自分でも出来る様にしとけぇぇぇぇ!!戦場では不具合が必ず起きると思え!敵は待ってくれんぞ!その不具合を瞬時に探し、的確に処置しなければ死が目の前に有ると思えぇぇぇ!!」

 

コイツに言われるのが腑に落ちんが、確かにそうだ。

 

「みいぃぃぃぃぃぃつ!必殺技は叫べぇぇぇぇ!!気合いと根性を込めて技名を叫べば、普通のミサイルでも宇宙怪獣をも屠る超兵器に変わる!!これが、スーパーロボットを操る必要な三つの要素だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ハァ!?技名を叫ぶ?敵に自分の位置を教えるようなもんじゃないか!!それと、宇宙怪獣って何だよ!この国の重要機密にも無かった言葉だぞ!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

隼人…この世界の神隼人ちゃん(?)の話で、東京で暴れまわっていた変な宗教団体と思わしき過激派集団をぶっ潰しに来たぜ。そいつらが我が物顔で暴れまわっていたのを見たら、居ても立ってもいられず一人突貫しちまった。でも、なんて言うか、その…

 

「貧弱な奴らだったな。「って、お前がバケモノなだけだからな!!」お、おう?」

 

隼人に怒鳴られた。解せん。倒した奴らは気絶させ鎖で雁字搦めにしておいた。街の皆に煮るなり、焼くなり好きにしろって言ったら何故か歓声が起きた。随分あいつ等に酷い事されていたんだな。

 

「お前みたいなバケモノを後二人も探さないといけないって…無理だな。」

 

ちょ、まだ街に来ただけなのにパイロット探すの諦めるの早!?

 

「てか、後一人だぜ。」

「ん?二人だろ?」

「いや、一人だって。」

「な、何ぃ!?貴様みたいな、地球外生命体?変な組織に改造された人間、人間サイズのロボット的な人外がもう一人…もう一匹の場所を知っているのか!?」

「何で言い直した!?」

 

イヤイヤイヤ、ただ鉄くずを掃除しただけで人外扱いってひどくね!

 

「俺はどこぞの野菜人じゃねぇし、ましてや仮○ライダーやアンドロイドでもないぞ!魔術の使えない普通の人間だ!!」

「…えー。」

「〝何言ってんだコイツ〟って目で見るな!本当だ!!俺よりスゲー奴なんて世界の何処かに普通にいるって!!」

 

俺は隼人が言う程強くない。

 

「俺は、魔術って訳の分からないモノに対抗する為、鍛えて、鍛えて、鍛え続けているだけだ。あの(キャラ)達の動きを参考にしながらな。」

 

そう、俺はあの(キャラ)達の動きを真似ているだけだ。理不尽なこの世で生き残る為に。でも、まだまだあの(キャラ)達の強さに追い付いていない!鍛錬は今後も続けるぜ。

 

「…あの人達?」

「ああ。その(キャラ)達は、水面を自由に走り回り、貧弱なロボットはパンチやキック一発で粉砕。衝撃波や大自然の『気』を自由に操り、分身や忍術なんかも使っていた。」

 

懐かしいな~。5歳ぐらいから十傑集(じっけつしゅう)走りや流派東方不敗、ゲルマン忍法を前世の記憶から試行錯誤しながらだったけど鍛錬に入れて、大怪我したっけな。

 

「そ、そいつらは何処にいる!!そいつ等ならあのロボット、簡単に乗りこなせるだろ!!」

「(創作物のキャラだからな。)この世界には、いない。」

「う、わ、悪かった。スマン、この話は聞かなかったことにしてくれ。不謹慎だった。」

(…あの人達ってのは恐らく、コイツの師匠達の事だ。修行中に死んだ為、その動きを真似ながら鍛錬していったんだろう。それにしても、本当にコイツより強いヤツが存在していたなんて…)

 

不謹慎?やっぱり創作物のキャラの話しって分かっちゃったかな。この世界の隼人だからな、頭が切れる。此処に来るまで敵に見つかりにくいルートの見極め、人が出入りしにくい建物場所、この破壊ロボの仕組み、その片鱗は多く味わった。

 

「それよりも悪かったな。戦闘を避けるために色々ルートを変更してくれてただろう。それなのに、勝手に飛び出して戦闘に巻き込んじまって。」

「いや、気にするな。結果、お前の実力が分かったしこの地域の魔術師達は壊滅したんだ。」

 

ん?

 

「えぇっと、あれ?さっきの奴らって…」

「多くの人間を生贄にして、やっと召喚できるレベルの二流魔術師共の鬼械神(デウス・マキナ)だ。こう一方的に破壊してくれて、スカッとしたぜ!!」

 

ま、まじか!?弱いからてっきり、破壊ロボかなって思ってた。そう言えば時折、隼人が破壊する場所を指定して来たな。それに従ってぶっ壊して行ったらあっさり動かなくなった…そう言えば、偶に古汚い本が置いてあったな。

 

 

 

■□■□

 

 

 

~某所 某隼人隠れ家~

 

「さて、あの〝ゲッターロボ〟には三つのゲットマシン、ドラゴン号、ライガー号、ポセイドン号に一人ずつ合計三人パイロットがいる。」

「ん?おかしくないか?あのロボット1体だけだぞ。」

「そう、1体だけ。だが、パイロットは三人。つまり…」

「ま、まさか3体の機体が合体している…」

「ご明察!!」

 

あの場を離れた俺達は、隼人がねぐらにしている廃墟でゲッターロボの事を教えている。

 

「そして、ゲッターロボの強みは、『分離、再合体』だ。」

「分離と合体?ならアレとは別の〝形態〟があるってのか!?」

 

流石隼人。理解が早くて助かるぜ。

 

「そうだ。それで、ここからが本題だ。神隼人、君にはライガー号のパイロットになってもらう。」

「…は?」

 

さぁて、今日から忙しくなるぞ!

 

「少しずつゲッターのGに耐えられるように、俺が指導する。大丈夫、君はまだまだ強くなる。」

「…ん?」

 

隼人専用トレーニングメニューを考えなくてはな!!

 

「わ、わわわ。」

「わ?どうしたんだ隼人?」

「私がアレに乗るのか!?お前みたいな人外がアレには必要なんだろう!私じゃ力不足だ!!」

 

正体不明のロボットに乗り込むんだ。不安でしょうがないんだろう。それにあのゲッターには意思があるからな。

 

「大丈夫だ、問題ない。俺が数年でお前を乗れるぐらいまで鍛えてやる。もう一人のパイロットを探しながらだがな。」

「全っ然大丈夫じゃない!!私は乗らんぞ!!そんな危険なロボットには!!」

 

う~ん。勘も良さそうだから、やっぱり取り込まれる可能性に気づいちゃったかな?

 

「大丈夫、大丈夫。取り込まれそうになったら強制脱出装置で逃がしてあげるから。」

「はぁ!?取り込まれるって聞いてないぞ!!ヤッパ無理!!私を巻き込むなぁぁ!!」

 

…墓穴掘ったな。

 

「だ、大丈夫問題ない!!………ハズ。」

「テメェ!ハズっつたな!絶対私は乗らないからなぁぁ!!」

 

この日、竜馬と隼人が出会い、数百年眠っていたゲッターが目を覚ました。

 

 




自動羊肉様誤字報告ありがとうございました。
三流魔術師程度ではデウスマキナを召喚出来ないと指摘を受けましたので、生贄込みの二流魔術師へ変更しました。


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第4話

望月様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

<ドン!>

 

『何処見てやがる!!』

「クッ!もう一度…」

 

<ガコン!>

 

『馬鹿野郎ぉ!!』

「野郎じゃねぇよ!!」

 

<ガチャン!!>

 

『よぉっし!合体成功だ!!』

「フゥー、やっと成功だぜ。」

 

フゥー、やっと()()()()での合体シミュレーションを一通り成功させたぜ。あの竜馬のボケがどっからか分かんねぇけど、二日前にこのシミュレーション用の機械を持って来て土下座で頼んできやがった。

 

「ゲッターには乗らなくてもいい!でも、このシミュレーションを週に3回やってくれ!鬼械神(デウス・マキナ)や破壊ロボの操縦の練習にもなるから!!」

 

ってな。あれ程、私は得体の知らねぇゲッターなんぞには乗らねぇつったのによ!でも、今後ロボットとかぶん捕って使う時に役立つし、勿体ねぇし、仕方ねぇから使ってやる事にしたけどよ。てか、オペレーターや他2機のパイロットの声が何で竜馬のアホの声なんだよ!!…ま、自分の声入れるしか手はなかったんだろうけど。

 

「さて、頼まれてた調べものでも再開しますかね。日本政府が把握している此処500年で『ハチュウ人類』『百鬼一族』なるモノの目撃情報はなかったっと…」

 

私は、竜馬のボケから何個か頼まれ事をされた。私のハッキング技術で日本政府の情報端末や文献、古文書から『ハチュウ人類』や『百鬼一族』ってキーワードが無いかと、

 

「『早乙女研究所』に『橘研究所』と〝ゲッター線〟の論文、若しくは発見者・調査している人物についても此処1000年以上手掛かりは無しっと。」

 

『ゲッター線』にまつわる情報。受けるかどうかは好きにしてくれって言ってたが、私はそれを受けた。あんなに切羽詰まった表情で言われたら流石に受けないのはな…それに、あいつに強くしてくれって頼んじゃったし。

 

「収穫は今日もゼロか。さて、今私が竜馬に渡せる情報は、5()0()0()()()に富士山に大きな隕石が落下したって事と、それが鬼械神(デウス・マキナ)じゃないかって最近政府が魔術師に対抗する為に調査していたって事だけだな。ま、それがあの『ゲッターロボ』だったんだけど。」

 

 

 

■□■□

 

 

 

俺は隼人…さん?ちゃん?どっちだ?やっぱり、よ、呼び捨て?…は、隼人の腕を見込んでゲッターと恐竜帝国、百鬼帝国にまつわる情報を集めて貰っている。それと、漸く真ゲッタードラゴンのコックピットが開いたんで色々物色した。そして、()()…『チェンジゲッターシミュレーション』を作る為に必要だった機器や操縦桿の位置が分かったぜ。助けた街の連中の中から、機械に強い奴を何人か引き抜いて前々から欲しかったシミュレーターを作ってもらった。ま、今は隼人に渡している。レベルDの山での合体は数日で1回でも成功できれば御の字だな。

 

「こうしている今も、帝王ゴールやブライ大帝が虎視眈々と人類滅亡を計画してるかもしれねぇ!でも、焦るな。今は情報収集と仲間…〝武蔵〟を探さねぇと…」

 

俺も俺で日本全土を放浪し、その地方の口伝や書物を確認して行っている。

 

『偽善者が!この俺の邪魔をしやがって!!』

 

あー、うっせえな!体目的で女を襲ってたから、懲らしめただけだろうが!この日本は何故か世紀末風味な場所が所々あるんだよな。…てか、俺は全人類の為に色々忙しいんだよ!一々突っ掛かってくんな!!それと、

 

「たかがロボットに乗ったぐらいで、偉そうにしてんじゃねぇ!!」

 

生身ユニットをなめるなよ!!

 

「行くぜぇ!『キック』!!」

『ハッ、生身で何が…<ドン!ドドドドドン!!ドドン!!>うそぉ!?』

 

衝撃とマスターのバトルを参考にさせてもらった蹴りだ!

 

「雑魚に構ってられるか。ま、生かしてあるからそのうち出て来るだろうがな。」

 

さっさと次の場所に行くかな。

 

「…う、き、貴様…」

 

お、もう出て来たのか。案外タフなヤツだな。それを別の方向に向ければいいのに。

 

「…貴様が噂の『武蔵』か?噂に違わぬ生身の強さだ…だが、女って聞いていたz「おい!それは本当か!?武蔵ってヤツがいるのか!詳しく聞かせろ!!」…わ、分かったから揺らさないでくれ!!」

 

こんな所で武蔵の情報が手に入るとは…それもロボット相手に生身で戦闘している感じだし…それに、こいつ女性って言ったよな。武蔵も女体化か?ま、そんな事はどうでもいい。情報を聞き出して会いに行ってみるか。

 

 

 

~某県 某所~

 

 

 

クソッ、なんでこんなことになったんだ!!私が望んだのは、可愛い女の子達とキャッキャウフフな百合百合世界だったのに…

 

「はぁ、()()()()はおろか()()自体も存在しない世界なんて…それも、自称神様も全く干渉出来ないってどう言う事だ!!こっちに来る前特典で貰えた〝戦闘用燃費80%軽減〟と〝全艦娘の武装の装備及び使用可能〟〝改二実装〟がなかったら、あっという間に大破して海の藻屑だった。」

 

それに、()()ってなんだよ()()って!!それも、中世のファンタジーじゃなくてSF方面っぽい。ロボット達が蔓延(はびこ)り街は所々破壊され、ヒャッハーなゴロツキ共もいる…此処は世紀末か!?

 

 

 

 

神様転生って知っているか?善行した者や創造神達の手違い、別の世界でその者がどうするか鑑賞したい等…ま、所謂テンプレだ。そんな酔狂な物に巻き込まれた私は、キャッキャウフフな百合百合世界に行きたかったから『艦隊これくしょん』の世界を望み、この容姿と艦これ用の特典を貰った。あ、それと私は元々女だったから…大丈夫だ、問題ない。(合法合法、ウヒヒ。)

 

でも、

 

『じゃ、君の望む世界に送r<ビキ、ビキビキビキ!!>な、時空干渉!?×××さん下がって!!』

「は、はい!!」

 

そいつらは突然やって来た。

 

『おのれゲッター!!このギィムバグ、未来の為只では死なんぞ!!貴様諸共ゲッターの存在しない別の宇宙で朽ち果ててやる!!』

『ハヤト、ベンケイ脱出だ!』『分かってる!』『付き合ってられるか!!』

 

超巨大な戦艦とその船首らしきモノに刺さっている赤いロボットだった。

 

『クソッ!我らの宇宙に干渉してくるなど!!×××さん此処は危険だ!早くその穴へ飛び込んで下さい!!此処は私と他の神々が食い止めます!早く!!』

「わ、分かりました!!」

 

自称神様が言ったように私はその穴へ飛び込んd<ゴウ!!>

 

『ククク、これは嬉しい誤算!パイロットは無理だったが、にっくきゲッターは別宇宙へ叩き落としてやったぞ!!』

『×××さん!?クソォ!これ以上好きにさせるかぁ!!』

 

私は正体不明のロボットと共に、さっきの穴とは全く別の方向に吹き飛ばされ、

 

<パリーン!!>

 

落ちて行った。

 

 

 

 

今思い返してもあのギィムバグってヤツが全部悪い!私の百合百合世界を返せ!!

 

「はぁ、この世界に落ちて来て早5年。私の百合センサーに反応する美女や美少女、美幼女が早く現れないかな~。」

 



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第5話

 

 

 

建物が崩れ、

 

「この恨み、晴らさでおくべきかぁぁぁ!!」

 

地面が抉れ、

 

「何の恨みだぁぁぁ!!」

 

形あるモノが次々破壊されて行く。

 

「私の…私のキャッキャウフフな百合世界を奪った恨みだぁぁぁ!!」

「そんなモン知るかぁぁぁぁ!!」

 

その日、廃墟と化していた街は、二人の戦闘によって更地に変えられてしまった。

 

 

 

 

(さかのぼ)る事数分前。

 

 

 

 

この世界に放り出されて早5年。近未来的な科学と、世紀末がごちゃ混ぜになっている日本の海岸で私は目覚めた。最初は念願の『艦隊これくしょん』の世界に来れたと小躍りしていたが、

 

「は?ま、術?何だそれは?」

 

近くの街での情報収集中『魔術』なる変な単語を耳にした。

 

「し、深海棲艦は!え…き、聞いたことが無い!?」

 

それと、深海棲艦や艦娘、妖精さんと艦これ世界なら知らぬ人はいないって言葉が通じず、

 

「この武蔵の主砲、伊達ではないぜ!!」

『痴女風情が、生身でこの鬼械神(デウス・マキナ)に敵うとでも<ドン!ドドン!!>嘘だろ!?』

 

変な目でこの私を見ていた男を注意したら、ロボットを使い脅してきやがった。無論、ロボットをぶっ壊し、男の顔は原型が分からない程ボコボコにしてやったがな。

 

「今日こそ、今日こそは私好みで、何のしがらみもない可愛い綺麗な女性と出会えないだろうか。」

 

この日本で色々と情報を集めていた数年間、可愛い或いは綺麗な女性は多く見て来た。だが、

 

「大体魔術師に酷い事されてたりしていて…何かと過去が重い。それに、私がケアしようと思って話を聞いていたら、大体が彼氏・旦那持ちって私への当てつけか!!」

 

何で薄い本みたいな展開が多いんだ!?それと、リア充共め、私の主砲で爆発させてやる!!<コンコン>…ん?来客?

 

「今行く。少し待っていろ。」

『突然の訪問、申し訳ない。俺は…』

 

こ、この声!わ、忘れもしない!!

 

「貴様!此処であったがひゃ…5年目ぇぇ!!」

 

あの()()()()()()に乗ってた奴の声だ!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

俺は、ボコボコにした男から様々な情報を聞き出し、廃墟と化したアパートの一室に住んでいると云う『武蔵』に会いに来たんだが、

 

「この主砲の本当の力、味わうがいい!!」

「味わってたまるか!!」

 

声を掛けた途端部屋のドアごと俺をふっ飛ばし、魔術で武装し襲ってきやがった。

 

「クソッ、ちょこまかと!!」

「俺はお前の事なんて知らん!何かの間違いじゃないのか!!」

 

それと、この女はヤバイ。百合世界って言動もそうだが、速さは俺より無いがパワーは俺よりあるんじゃねぇのか。

 

「間違いなどではない!私がこっちに落ちたのはお前等とあの()()()()のせいだからな!!」

「…宇宙、戦艦!?」

 

な、何だと!宇宙戦艦!?この地球の奴らの技術では戦艦を宇宙で運用する事は出来なかった筈だ!!

 

「私は、貴様らが乗っていた()()()()()()と共にこの世界に落ちて来たんだ!これは貴様らと()()()()()って奴らの戦闘の所為だろうが!!」

「赤い、ロボット…ギィムバグだとぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ギィムバグ軍曹って言ったら『真ゲッター』と『ゲッター大決戦』に出る敵だ。それに、赤いロボットって言ったら、

 

「ゲッター、ロボ…」

「何呆けてやがる!さぁ、行くぞ!!」

 

<ドゴ!!>

 

「うぐっ!!」

「な、貴様何故避けん!?」

 

この武蔵とは、色々話さねぇといけんな。

 

「…俺はアンタと話がしたい。頼む!話をさせてくれ!!」

「ム…そこまで言うなら、話してみろ。」

 

紆余曲折あったが、やっとの事で武蔵との話にこじつけれた。てか、これ俺何も悪くなくね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、お前はその〝神様転生〟?ってヤツで自分の望む世界へ行くはずだったと。そんな時現れたのが、」

「お前達とギィムバグと名乗った者の乗る宇宙戦艦だ。」

 

う~ん良く分からん。てか、自分の望む世界へ転生?異世界?へっ、くっだらねぇ!!

 

「ま、望まぬ世界に来て良かったんじゃねぇか?」

「何を言う!!」

「自分の思うようになる世界なんざつまらねぇし、それこそ何もせずに只死ぬだけになるぞ。そんな何の刺激のねぇ世界、俺だったら願い下げだ。」

「…フン!!」

 

ま、人それぞれ思う事、感じる事は違う。だから対立し、話し合い他人を知ろうとし仲間やライバルが増え切磋琢磨し先に行けると俺は思うんだがな。

 

「それより話を戻すぞ。お前が見たのは恐らく〝ゲッターロボ〟だ。そして、乗り込んでいたのは…」

「お前らだろうが!!」

「違う。()じゃねぇ。自己紹介が遅れたな。俺の名前は竜馬。孤児だったから苗字はねぇ。」

「知っているだろうが、私の名は武蔵。大和型戦艦二番艦、武蔵だ。」

 

ん?大和型戦艦?

 

「大和型って戦艦の型式じゃね?」

「そうだ。私は戦艦の魂を宿した〝艦娘〟と呼ばれる存在。」

「………ハァ!?」

 

ちょっと待て。落ち着け!そ、素数を数えろ素数を!!

 

「それで、竜馬。この私と互角以上に戦えるんだ、さぞ名の通った魔術師だろう?」

「い、いや。俺は全く魔術が使えん。只の人間だ。」

「………ん?ハ、ハァ!?」

 

その後、俺達は知っている情報を全て出し合い隼人の元へ戻る事にした。

 

「私は転生者なのに、お前は前世持ちか。少し親近感が湧く。」

「それよりも俺は、武蔵がゲッターと共にこの星に落ちて来たって方が衝撃だったぞ。」

 

そんな雑談しながら隼人が拠点にしている廃墟へ数日ぶりに帰って来た。

 

「隼人ぉ!帰ったぞー!!」

「遅いぞ竜馬!あれ程定期的に帰って来いと「か、か」…ん?お前の女か?」

「可愛いー!!」

 

俺の横に居たハズの武蔵が超スピードで隼人の元へ移動し、

 

「ば、馬鹿!降ろせぇ!!」

私の天使(my angel)!!私は貴女に出会う為生まれて来た!!」

 

両脇に手を入れて高い高いをしていた。てか、隼人は160以上あるのによくやるぜ。

 

「この!ぶっ殺す!!」

「あぁん!もっと罵ってー!!」

 

…そう言えばこの武蔵、百合の変態だったな。よし、他に『武蔵らしい』武蔵を探しに行くか。

 

「おい!竜馬!!この痴女、力が強くて脱出出来ない!手伝え!!」

「な、何故そこで竜馬を誘う!?竜馬、やはり貴様は敵だ!!」

「だぁー!うるせぇ!!」

 

とうとう揃った三人のパイロット。だが、この間にもアーカムシティでは犯罪結社ブラックロッジが虎視眈々と世界征服の計画を進めていた。着実に決戦の日は近づいている。

 

それでは、次回へチェンジ、ゲッター!!

 



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第6話

 

 

 

さて、隼人の拠点に戻って来た俺達だったが、

 

「そう言えば、シミュレーターは何処まで出来た?そろそろレベルBぐらいにはなったか?」

「いや、1日目でSまで終わったぞ。今はシミュレーターのバグ潰しと戦闘シミュレーションの追加アップグレードをやってる。」

「成程、Sまでもう出来たんだな。エ、ス?…Sぅぅぅ!?」

 

思った以上に隼人の秀才に驚いた。てか、1日で終わらせて、バグの修正に新しいシミュレーターの作成!?凄すぎんだろ!!

 

「お前に頼まれていたモノの調査結果は、このレジメに簡潔にまとめておいたから読んでくれ。」

「お、おう。」

 

隼人ちゃんスゲー優秀。

 

「おい竜馬。私がやるシミュレーターってのは何処だ?」

「えぇっと…」

「それなら、隣の部屋だ。一応大体の調整は私が乗り込んでして「ヤッフー!隼人ちゃんの残り香!!」ちょ、待てコラ!!」

 

…武蔵がマトモならなおさら良かったのに。おっと、隼人が武蔵を追いかける前に言っとかねぇとな。

 

「隼人、先に言っとく。お前を鍛える為、俺と〝武蔵〟で指導をする。」

「あんな変態とは願い下げだ!!」

「そう言うな。武蔵はお前と同じ女性だ。俺からは指摘できない女性視点での指導をやってもらう。それに、奴は俺より力は強いぜ。」

「…本当か?」

「ああ。だが、実践経験が少ない。そこは俺とお前で逆に指導していくぞ。」

「チッ、分かったよ!!」

 

この日から俺達三人の生活が始まった。

 

「竜馬!隼人の貞操は渡さん!!」

「喧しいわ!!」

 

この先スゲー不安だ。

 

 

 

~3年後~

 

 

 

色々あったが、日々鍛錬と情報収集の毎日だったと言っておこう。それと、一応ゲッターの起動が、この三人でなら出来た事。手足を動かしてあの穴から脱出出来た事で、俺は一安心している。

 

「二人共ありがとう。これで、俺が不安だった恐竜帝国と百鬼帝国がこの星に存在しない事が分かった。」

「ヘッ、気にすんな!私がやりたいからやったんだ!!」

「フヒヒ、ツンツンしてる所も可愛い(小声)…気にするな。この世界に巨大な驚異がないのであれば、それに越したことは無い。」

 

あれから3年と少し経ったが、ゲッターの世界で驚異だった彼らの存在は確認できなかった。これで少しは安心して生活できる。魔術師っつう驚異はまだまだ世界中に居やがるから少しずつ排除して、俺はこの()を出ようと思っている。

 

「この世界で自分勝手に力を振るう魔術師共を一掃したら、俺は一人この()をゲッターと共に去る。」

「…は?」

「やはり、行くのか竜馬。」

 

ハトが豆鉄砲を食らったような顔の隼人。ま、彼女には話していなかったから無理はない。だが、転生者の武蔵には出会った時に話していた。…恐らくゲッターと()が別の宇宙から敵を呼んでしまうと。それに、22年間育ったこの地球を破壊されたくはないしな。

 

「こ、この星を出るってどうやってだよ!ゲッターは三人いないと動かないじゃないか!!」

「…故郷にデッケエ研究機関を持ってる令嬢がいる。そいつを脅してロケットを造らせて運んでもらうさ。」

 

あの隼人がこうも取り乱すなんて。

 

「…そうか。」

「武蔵!何でお前は冷静なんだ!!…ま、まさか知ってたのか!?」

「ああ。初めて出会った時、聞いた。」

「…私だけ、仲間外れかよ!!」

 

すまねぇな、隼人。

 

「クソッ!今からその研究機関にハッキングして造れないようにしてやる!!」

 

オイオイ、俺がいなくなるだけだろう。俺がいなくなれば、この星への脅威が無くなるんだぞ。

 

「止めろ。それが無理でも、ミサイルでも何でもゲッターに付けて俺はこの星から出る。」

「理由は!理由は何だ!!私が気に食わないのか?武蔵がバカやるからか?この前、無断でお前のデザート食べた事か?…答えろ!竜馬ぁぁ!!」

 

この前作ってた俺のデザート無くなっていたのは武蔵が食ったからじゃなかったのか!?って、そうじゃない。

 

「俺とゲッターは「おい!二人ともハッキングしたパソコンから妙なのが流れているぞ!!」…こ、これは俺の育った街が!?」

 

隼人がハッキングしていたパソコンは、見事俺の知ってる令嬢の研究機関と繋がっていた。けど、そのパソコンから流れて来たのは街を…世界を支配するとふざけた事をぬかす魔術師達の声だった。

 

「チィ!ふざけた事を!!」

「オイ!まだ私の質問の答えを言ってないぞ!!」

 

そんな事言ってる場合じゃねぇってのに!!

 

「手短に話す。ゲッターは宇宙で敵と戦いこの星に落ちた。その敵はゲッターとそれを動かすパイロットを狙っている。別の星の連中が倒したかもしれんが、念のため俺とコイツでこの星を去り敵からこの星を守るつもりだ。」

「…りか…」

「隼人?」

「正義の味方気取りか!!」

 

その言葉と共に俺は隼人に殴り飛ばされていた。

 

「グ…何のつもりだ隼人。」

「…自己犠牲のつもりか?テメェ一人で何でもかんでもしょい込むな!!」

「アイツらの事知らねぇから「私も隼人と同意見だ。」…武蔵?」

「お前が抱えているモノは私には想像できないくらい危険なモノだ。だが、この武蔵を舐めるなよ。それも、何の因果かゲッターは私とも縁が深い。ギィムバグの野郎に一発ブチかましてやらんと気が済まんしな。」

 

武蔵まで何を言い出すんだ!!

 

「だが、「だがもへったくれもねぇ!此処まで手ぇ貸してやったんだ!最後まで手伝わせろ!!」…隼人。」

 

ああ、もう!どうなっても、知らねぇぞ!!

 

「クソッ、好きにしろ!!」

「当たり前だ!!」

「腕が鳴る!!」

 

それと、早くアーカムシティへ行かねぇと!!

 

「今から「行くんだろ?アーカムシティ(戦場)へ!!」…ああ!!」

「だが、どうやって行く?今から行っても、数日後破壊しつくされた街へ辿り着くだけだぞ。」

 

どうする?考えろ!考えろ!!…うってつけのモンがあるじゃねぇか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『ペダルを踏むタイミングを合わせるんだ!!』

『任せろ!』

『行くぞ!』

 

巨大な力(ゲッターロボ)が今動き出そうとしている。

 

『ゲッタァァァァ・シャアァァァァァイン!!』

 

三人同時にペダルを踏み込んだ瞬間、真・ゲッタードラゴンが緑色の光に包まれた。

 

『真・シャイィィィィン!』

『『『スパァァァァァク!!』』』

 

竜馬達の掛け声と共にジグザグに飛んでいくゲッター。その目的地は無論、

 

「ん?何だこの反応は?…こ、この()にも途切れ途切れにしか感知出来ないだって!?いったい何なんだこの反応は!!」

 

九郎達がいる大都市アーカムシティだ。

 



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第7話

 

 

 

鬼械神(デウス・マキナ)をいとも簡単に屠ったロボットから、聞きなれた…以前から九郎が()と慕っていた人物の声が聞こえ、降りて来た人物も、

 

「よう、久しぶりだな九郎の坊主。」

「久しぶりって、何で竜馬兄ちゃ…竜馬兄さんが鬼械神(デウス・マキナ)に!?それに、何で俺がデモンベインに乗ってる事を知って「覇道財閥にハッキングしたとき色々調べさせてもらったぜ。」…なにやってんすか!!」

 

少し成長しているが、見慣れていた兄貴分の姿だった。久しぶりに会った竜馬は以前と変わらず…いや、以前よりやる事がぶっ飛んでいた。

 

「それと、コイツは鬼械神(デウス・マキナ)じゃねぇ。魔術を一切使わないロボットだ。」

「ついでに言うと、ハッキングしたのはコイツじゃなくてこの私!神隼人だ!!」

「見栄っ張りな隼人ちゃん、かわゆい(小声)…これを機に自己紹介をする。このロボットは三人乗りで、三人目のパイロット武蔵だ。」

 

その後ろから見知らぬ女性が二人。

 

「…竜馬兄さん。いや、神竜馬さん!俺達が知らない間に結婚して〝隼人〟って子供まで!?」

「ちゃうわい!誰が竜馬のガキだ!!」

 

子供扱いされた隼人はキレ、即座に抗議。長身の竜馬と武蔵に前後で挟まれるように立っていた隼人は、九郎には二人の子供に見えたらしい。

 

「…私からも、一言いいか?」

「ど、どうぞ。」

「いいか、よく聞け!私の貞操は隼人ちゃんみたいな美女や美少女でないと渡せん!!分かったか!!」

「…そ、そうですか。」

 

鬼気迫る武蔵の抗議により九郎は納得した。…兄も色々と苦労したんだなと。

 

「そ、それより、そのロボットを何処かに隠さないと敵の的に「フッ、その点は解決済みだ。」なって、え?」

 

九郎の言葉を遮った隼人。彼女が自慢げにそう言った瞬間、

 

<ゴゴゴゴ>

 

「な、何だ!?」

 

ゲッターが待機している地面が動き出した。

 

「此処一帯の地下がテメェのデモン何とかを移動させたり、格納する要塞になってたからな。一個借りたぜ。」

「か、借りたってどうやって!?」

「ハッキングでちょちょいのちょいだ。案外簡単だったぞ。」

「…はぁぁぁ!?」

 

九郎は覇道財閥のシステムに簡単に侵入する隼人と云う女性の規格外さや、

 

「そ、そこの緑髪の君!私と眠れぬ夜を共にしないか!!」

「ダ、ダーリン!エルザ、身の危険を感じるロボ!!」

「今度は何だ!?」

「止めんか!武蔵!!」

「<ゴチン!!>ウグ!?な、何をする竜馬!!」

「それは、こっちのセリフだ!!(わり)ぃな九郎。コイツ可愛い女と思った奴なら誰にでもこうなんだ。」

「え、えぇ…(もう、どうなってんだよ!!)」

 

いつの間にかエルザを誘っている武蔵といった濃いキャラに驚きっぱなしだった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

ゲッターを覇道の嬢ちゃんが持ってる倉庫に(無断で)仕舞って、久しぶりに会った九郎に今までの事を簡単に話した。ま、宇宙からの敵とゲッターの事を伏せてだがな。それと、避難している妹分、ライカに会って来いと九郎が五月蠅かったから会いに来たんだが、

 

「…兄さん!聞いていますか!!どれだけ私が心配したか!この5年間なんの連絡も寄越して来ないし!!」

 

何故か正座でライカにお説教喰らっている。5年も経つのに旅に出て一度も無事だと連絡しなかったし、手紙も無論送っていない。街が襲われて避難していた時、そんな奴がそこへひょっこり帰ってきたら、

 

「…そりゃ、怒るわな。」

「兄さん聞いていますか!!」

「は、はい!!」

 

クソッ、こんな事なら会いに来るんじゃなかったぜ。

 

「…叱ってくれる〝家族〟が竜馬のアホにもいたんだな。」

「竜馬め!巨乳の美女にうらやまけしからん事を!!…スマン、本音が。…隼人大丈夫だ。家族じゃなく〝仲間〟でも叱ってやる事や、叱られる事もあるではないか。」

「…それもそうだな。ま、私らゲッターチームも今じゃアイツの家族みたいなモンだし。」

「じゃあ、私を武蔵お姉ちゃ「やっぱ、今の無し!!」…ちょ、それはないではないか!!」

 

それと、隼人に武蔵は何やってんだ!アイコンタクトとジェスチャーで助けを求めてんのに!!

 

「…〝家族〟水入らずを邪魔しちゃいけない。行こうぜ武蔵。(これ以上いたら巻き込まれる。ずらかるぜ。)」

「無論、隼人の誘いならどんな所でも付いて行くぞ!!(了解した。それと、流石の私でも、あの状況では話し掛けにくい。)」

 

あ、あいつ等何処に行くんだ!!って、ぬお!殺気!?

 

「…兄さん?貴方とお話をしているんですが…何処を向いているんです?」

「ス、スンマセンでした!!」

 

それはそれは、綺麗な土下座だったと俺達のやり取りを見た人達が噂していたぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっと許してくれた。」

 

正座する事約3時間。正直、俺はライカに勝てる気がしねぇよ。

 

『妹にこってり絞られたのか~い。絞られて意気消沈してないか~い。』

 

ギターを弾きながら、俺への皮肉を歌う。何処のどいつだ?

 

「俺に何か用か?用が無いなら何処か行ってくれ。」

「ム、大十字九郎の兄貴分と聞いて、直ぐキレるヤバイ奴かと思ったのであるが…失礼、吾輩勘違いだったのである。」

 

ピッチリな全身タイツに緑の髪。ああ、九郎の坊主が言ってた変な科学者って、コイツの事だったか。

 

「そんな事はいい。早く要件を言え。俺もそんなに暇じゃねぇんだ。」

「そうであった。何、ちょっと手を貸してほしいのである。―――と云う事をしたいのである。」

「―――か、面白そうじゃねぇか!その話乗ったぁ!!」

 

このドクターウエストってヤツ、中々面白い事を考えるな。九郎が一目置くわけだ。

 



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第8話

二話連続投稿しました。
望月様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

突然侵入して来た敵によって覇道財閥の基地は混乱していた。先の戦闘で竜馬達に敗れたカリグラの仇を討とうと、少年の容姿をしているクラディウスが乗り込んで来たのだった。

次々と突破される迎撃システム。そして、クラディウスは着実に基地中枢…整備中のデモンベインへと向かっている。途中、九郎とエルザが迎撃を試みたが、あと一歩の所で逃げられてしまった。そして、格納庫へ侵入しクラディウスがデモンベインへ乗り込もうとハッチを開けた瞬間、

 

「な!?」

「フン!レッツ、ブレイク!!」

 

先に乗り込んでいたドクターウエストが自慢のギターケースからのミサイルでクラディウスをふっ飛ばした。

 

それと、同時刻。

 

「ウインフィールド?」

 

覇道瑠璃が何かに気付いた執事にどうしたのか聞こうとした瞬間、司令部の後ろの壁が爆発し二刀流の侍ティトゥスが侵入して来た。

 

「お嬢s「此処は私らに任せな!!」貴女方は!?」

「よぉ、お嬢サマ。倉庫借りてるぜ。」

「こ、此処は楽園(パラダイス)か!?(小声)…私はゲッターチームの武蔵だ。彼女は隼人。大十字九郎の兄貴分、竜馬の仲間と言えばわかるかな。」

 

そこへ現れたのは、隼人と武蔵。

 

「竜馬のアホがどっかに行っちまってな。探してたらコイツが此処に侵入するのが見えたから助太刀に来たぜ。倉庫の家賃代わりに、コイツ倒すからチャラにしてくれ。」

「―ッ、そ、それはもういいです!それよりも相手は魔術師です!!貴女方は避難を!!」

 

<パシ!>

 

「オイオイ、こっちは女子トーク中だ。野郎は黙って待つのがマナーだろ?」

「ッ!?…お初にお目に掛かる。強きお嬢さん方。」

「ま、まさかこんな事が!?」

 

いきなり一太刀浴びせて来たティトゥス。それを右手の中指と人差し指二本で止める隼人に驚きを隠せないウインフィールド。

 

「執事殿、此処は私達に任せてもらおう。なに、私の後ろへは鼠一匹通さん!隼人、好きに暴れろ!!」

「言われなくても!!行くぜ!侍擬き!!」

「いざ、尋常に!」

「「勝負!!」」

 

 

 

■□■□

 

 

 

クラディウスは奪えなかったデモンベインを今度は破壊する為、格納庫で自身の鬼械神(デウス・マキナ)を出現させた。

 

『このロードビヤーキーで粉々にしてやんよ!!』

「これじゃあ、中に乗り込む事も出来ねぇ!!」

「そんな事はないのである!第二波、レッツゴー!!」

 

乗り込む隙が無いとぼやく九郎に、ドクターウエストは最後の隠し玉を出した。

 

『任せろ!!』

 

そこに現れたのは、

 

「りょ、竜馬兄ちゃん!?」

 

隼人と武蔵が探していた竜馬だった。

 

『カ、カリグラの仇ぃぃぃぃぃ!!』

 

竜馬目掛け鬼械神(デウス・マキナ)の鋼の拳が次々と放たれた。

 

「舐めるなよ!!」

 

が、その拳は一つも当たらない。的が小さいと云うのもあるが、それを考慮しても凄まじい速さで敵を翻弄している。

 

『クソッ、風の魔術師である僕がこんな奴に!!』

「とっとと外に出てもらうぜ!はっ!はあっ!」

 

そして、何処にそんな力があるのか鬼械神(デウス・マキナ)を殴り、後退させていく。

 

「な、なあドクターウエスト。俺の目が節穴じゃ無ければ、竜馬兄ちゃん生身で鬼械神(デウス・マキナ)殴ってんだけど!?」

「正直、吾輩も此処まで規格外の超生命体だったとは思わなかったのである。」

「す、凄いロボ!!」

 

殴り、蹴り、デモンベインから距離を取った後、

 

「ぬおおっ!でえいっ!はああっ!北斗飛衛…機神猛撃拳!!」

 

必殺の蹴りで地上目掛け蹴り上げて行った。

 

「テメェら何やってる!デモン何とかってぇので止めを刺せ!!」

「わ、分かってる!!」

 

その後、地表でデモンベインが〝触れた対象に無限の熱量を流し込んで滅殺する第一近接昇華呪法〟『レムリア・インパクト』を相手に浴びせ勝利した。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「…な、何故だ。人まで捨てたこの俺が、こんな小娘に負けるなど!!」

「全っ然ダメだなおっさん。そんなんじゃ、私や武蔵には勝てんぜ?」

 

圧倒的。その一言に尽きる。隼人は、ティトゥスの二振りの刀の軌道を簡単に見切り、不利と悟り隠していた腕二つでの不意打ちすら〝見て〟躱し、カウンターすら入れていた。

 

「あ、あの武蔵様。もう決着は付いたのですから、私とチアキを解放して頂けませんか?」

「至高のひと時だった。(小声)…では、二人とも足元に気を付けてな。」

「はいな!武蔵はん、助かりましたわ。あの二人の戦闘に巻き込まれそうになった時、私とお嬢様を咄嗟に抱えて此処まで運んでもろうて。」

 

隼人とティトゥスの戦闘中、武蔵は覇道瑠璃とオペレーターのチアキを抱えソーニャとウインフィールドが避難していた場所へ移動した。

 

「何、気にするな。当然の事をしたまでだ。(これが、役得と云うやつか。…それにしても、二人とも素晴らしいモノを持っておられた!!)」

 

武蔵に下心があったにせよ、二人を助けたのは事実である。

 

「そうか、『人』はそこまで上り詰める事が出来たのだな。」

「ん?どうしたおっさん?」

「もう、俺は人には戻れん。…その頂き、この目に焼き付け逝くとしよう!!外に出ろ!鬼械神(デウス・マキナ)で勝負を付ける!!」

 

人の可能性を垣間見たティトゥスは、鬼械神(デウス・マキナ)で決着を付けると言い、破壊した壁から外に出て、

 

()でよ!我が鬼械神(デウス・マキナ)皇餓(オーガ)!!」

 

刀を操る鬼械神(デウス・マキナ)を出現させた。

 

「武蔵!!」

「分かっている!!」

 

隼人と武蔵は同じようにそこから飛び出し、

 

「こんな時、竜馬のアホは何やってんだ!!」

「そうぼやくな。<ドゴン!!>…多分あそこだ。合流するぞ!!」

「ああ!!」

 

地上に打ち上げられたロードビヤーキーを見つけ、そこへ駆けた。そして、竜馬と合流し

 

「今回は私にやらせてくれ!」

「隼人?…何があった武蔵?」

「ちょっと訳ありでな。今回の奴は隼人にやらせてやってくれ。」

「分かったぜ。存分にやれ!隼人!!」

「言われるまでもねぇ!!」

 

ゲッターロボ(進化の力)が動き出す。

 

『行くぞ!オープン・ゲット!!』

『チェンジライガー!スイッチ、オン!!』

 

赤いロボットが三つに分かれ、今度は容姿も色も変わり新たなロボットが姿を現した。

 

『それが、貴様の鬼械神(デウス・マキナ)か!相手にとって不足無し!!』

『へっ、言うじゃねぇか!音速を超えた戦いを見せてやる!!竜馬、武蔵!行くぞ!!』

 

二体が動いたのはほぼ同時。だが、

 

『この太刀筋見切れ『遅い!マッハスペシャル!!』…ま、まさかそんな?』

 

隼人の操る真・ゲッターライガーの方が何枚も上手だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何なんだこのロボットは!?それも、形を変えるロボットだと!?魔力は感じず、僕すら全く知らない存在!!こんな、こんな事一回も無かったぞ!!」

 

この()の黒幕は、ゲッターと云う存在に頭を悩ませていた。

 




神谷さんが使っているのに南斗は駄目だと思い、北斗へ変更しました。


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第9話

物数寄のほね様、望月様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

「実に興味深いロボットである。この吾輩でも『人が乗り込むと云う前提が無ければ』少しは近づける事は可能であるが…いかんせん、パイロットを人外に限定しても実用しようとは思わないレベルのロボットであるな。」

「オイオイ、乗ってる私の前で良くそんな事が言えるな。」

「だから言っているであろう、神隼人!このロボットに乗れる時点で人外決定だと!!」

 

此処は覇道財閥が保持している超大型倉庫。ドクターウエストは先の戦闘で傷ついたデモンベインを修理し、隣で隼人が各ゲットマシンの点検を行っていた。それを見ていたドクターウエストからの正直な感想が、先程の言葉だ。

 

「おーい、隼人!点検終わったか?」

「竜馬か。点検で問題は見つからなかったぜ。ま、無傷で楽勝だったしな。」

 

隼人の言葉通り、先の対戦でゲッターはアンチクロスの魔術師が駆る鬼械神(デウス・マキナ)に無傷で勝利を収めた。アルアジフ不在により十全ではないデモンベインでは、また数多の傷を負い修理に時間が掛かったはずだ。しかし、それを差し引いてもゲッターロボの強さは異常の一言に尽きる。

 

「で、何か用があるから来たんだろ?」

「そうそう、ライカ…俺の義妹が此処の施設の厨房を借りて炊き出しやってんだ。お前等も飯にしろ。食える時に食っとかなきゃ、いざって時に力が出ねぇぞ。」

「…フム、それもそうであるな。少し休憩にするのである。」

 

竜馬は丸一日修理作業をしていたドクターウエストに食事させ、少し休憩させようと此処へ呼びに来たのである。そして、隼人はそんなドクターウエストが無理をしていないか九郎やエルザ、竜馬からそれと無く見て来てくれと数時間前に送り出されていた。

 

「そろそろ痺れを切らした武蔵が「皆!美女が(よそ)った食事が無くなるぞ!!何を迷う事がある!早く来い!!」…来たぞ。」

 

バタバタと云う効果音が似合いそうな足取りで、武蔵が大声で倉庫へ入って来た。

 

「さて、私も行きますk<ドン!!>な、なんだ!?」

「大丈夫か、お前…ら!?」

「て、敵襲で…ある!?」

「こ、此処は何処だ!?」

 

一瞬の出来事だった。大きな音が鳴り響き、敵からの攻撃かと皆が身構えたが、

 

「暗闇…」

「声は聞こえるが、何も見えねぇぞ。」

「吾輩達は襲撃を受けたのではないのか?」

「び、美女の(よそ)った食事がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

周り全て闇に包まれ、声は聞こえるが他人の姿は見えない。若干一名、血涙を流しているが触れないでおこう。

 

<ドクン!!>

 

混乱している彼らの後ろで、此処へ一緒に()()()()()ゲットマシンから鼓動のようなモノが鳴ったが、

 

「美女の(よそ)った食事…」

「未練たらたらだな。」

「此処まで来ると尊敬すらするぜ。」

「吾輩ドン引き。」

 

彼らには聞こえていなかった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

『フ、フフフ。アハハハハハハハハハ!!君達には僕が造った舞台(地球)から退場してもらったよ。ゲッターロボにそれを操るパイロット…そして、()()()のドクターウエスト君!!魔術を使用しないロボットは君の十八番だったからね。直ぐ分かったよぉ!九郎君の第1のライバルとして何度も役立ってもらったけど、あんなモノを造る君は危険すぎる。この何も感じない時空の狭間でココロもカラダもコワレテ、消滅してしマエ!!』

 

竜馬達をこの空間に閉じ込めたのはこの黒幕。

 

『おっと、九郎君達の記憶を書き換えておかないと。あの忌々しいロボットは最初から存在しない、パイロットも。ああ、それじゃ九郎君の兄貴分も存在自体消しておかないといけないね。エルザ君には悪いけど覇道財閥の専用メイドロボと云う事にしよう。さぁ!これから忙しくなる!!』

 

黒幕は笑いながら()()から消えて行った。

 

 

 

■□■□

 

 

 

数秒、数分、数時間、数日、数年どれだけの時間が経ったのか分からない闇の空間。

 

「此処から脱出する方法を考えないと…」

「恐らく、魔術の類に違いないのである。術者を探すか、」

「風船の要領で更に膨らませ、破裂させるかだな。」

「でもどうやって「美女が渡してくれるはずだった食事が…」だぁー!メソメソすんな!帰ったらライカに頼んでやっから!!」

 

竜馬達は脱出の方法を模索していた。

 

「俺達は魔術がからっきしだ。ゲッターがあれば「…あるぞ。」武蔵があるってさ。」

「「「え!?」」」

「あ、あるのかゲッターが!?」

 

竜馬が無いと思っていたゲッターがこの空間にあると云う事実に驚愕した武蔵を除く三人。

 

「…私の声が聞こえる方向を向いてみろ。ゲッターが緑色に光っている。」

 

武蔵の声が聞こえる方へ三人が向くと、

 

「すげぇ。」

「こんな近くにあったのに何故気付けなかったのであるか?」

「…コイツが俺達を集めたのか。」

 

三機のゲットマシンが淡く緑色に発光し、パイロットが乗り込むのを待っているようだった。

 

 

 

 

 

「いいのか?こんなバケモンに乗り込んで?」

「背に腹は代えられないのである。そもそも、こんな何もない空間でのたれ死にたくはないのである!!」

 

ドクターウエストは竜馬が操縦するドラゴン号に一緒に乗り込んでいた。

 

「じゃ、こっからは寝言も泣き言も無視するからな!!」

「ちょーぴり、さっきの言葉に後悔しているのである。」

「へっ、もう遅いぜ!行くぞ!!『チェェェーンジドラゴン!スイッチ、オン!!!』」

 

闇の空間に1体のロボットが出現した。

 

『ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』

『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

「グゥ!?」

 

そのロボットは凄まじい速さで空間を移動していく。そのGを今まさに初めて経験しているドクターウエストは意識を持っていかれないようにするのが精一杯だ。

 

(クソッ、まだこの空間を突破出来ないのか!これ以上はドクターウエストの奴がもたないぞ!!)

 

中々この空間の出口、或いは破裂しない事に焦りを感じる竜馬。

 

「ガッ!!」

 

そして、ドクターウエストは吐血しだした。

 

「(これ以上はコイツには無理だ!)クソォ、止め「ま、待つのである。」ド、ドクターウエスト!?」

「ま、まだ平気なので、ある。続けてくれたまえ…」

「…絶対死ぬんじゃねぇぞ!!(何やってんだゲッター!お前の力はこんなモンじゃねぇだろが!!)『真・ゲッタードラゴンの力は、こんなもんじゃねぇ!隼人、武蔵、ドクターウエスト!感情を込めて叫べぇぇぇぇ!!』」

『『『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

そして、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

彼らは、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

その空間を、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

脱出した。

 

『見えた!光だ!!』

 



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キャラクター設定

一部変更しました。


 

 

 

・竜馬 年齢22歳

今作の主人公でドラゴン号のパイロット。生まれて直ぐアーカムシティの教会に捨てられた孤児。前世の記憶を所持しており、ゲッターに取り込まれて〝虚無る〟事を恐れている。その為、前世の知識をフルに活用して逃れる術を模索中。

15年間十傑集(じっけっしゅう)達の業や流派東方不敗、ゲルマン忍法、機神拳など様々な武術を独学で修行していった。本人に自覚はないが、今では十傑集(じっけつしゅう)や国際警察機構等と対等に戦える実力を持っている。

 

身長は170程度。自分が乗る機械は自身で整備する事が当たり前だと思っている。なので、容姿は漫画版竜馬だが手先は器用で機械いじりが得意。

 

CV:神谷明

 

・神隼人 年齢20歳

ライガー号のパイロット。両親を魔術師に殺され、その骸を鬼械神(デウス・マキナ)を召喚する為の生贄にされた過去がある。両親を殺した魔術師に復讐する為、自身が扱える鬼械神(デウス・マキナ)又はロボットを奪う為、様々な情報機関へハッキングを繰り返している内にゲッターの存在を知る事になる。他の隼人と同じように頭の切れは良い。まだ子供っぽい所があり、所謂ツンデレ。

 

身長は160程度。ゲッターの整備を主にやっている。元々生身での戦闘には長けていたが、竜馬と武蔵の修行によりパンチやキックで5階のビル程度なら簡単に破壊できるようになった。十傑集(じっけっしゅう)走りを気に入り、三人の中で一番早く移動できる。容姿はロボットガールズZの新生チームGライガ様で、少し釣り目で顔が隼人寄り。

 

CV:矢作紗友里

 

・武蔵 年齢8歳(この世界に来ての肉体年齢。精神年齢は<――>何かの液体で汚れていて読めない。)

ポセイドン号のパイロット。『神様転生』を行っている最中、ギィムバグとゲッターとの戦闘に巻き込まれ、この世界に落ちた被害者。神様転生でよくある転生特典で〝戦闘用燃費80%軽減〟〝全艦娘の武装の装備及び使用が可能〟〝改二実装〟を貰っている。

生粋の百合で、美女、美少女に目が無い。ながもん属性(幼女好き)も持っており、本当は『艦隊これくしょん』の世界で艦娘達とキャッキャウフフの百合世界を満喫していたと本人…本艦談。恐らく艦これ世界に行ったとしても、即憲兵に捕まりそれを繰り返すのが関の山だろう。

 

身長は三人の中で一番大きく180。容姿は艦隊これくしょんの武蔵。力は三人の中で一番強いが戦闘経験がほぼなかった。その為、竜馬と隼人が相手を行い様々な対人経験を積ませた。その時、度々隼人に飛びかかる武蔵を竜馬が止めていたのは想像しやすいだろう。今の実力は隼人と同じレベルで、艤装を展開し艦娘状態、尚且つ改二を発動すれば竜馬を凌駕する力を発揮する。

 

CV:味里

 



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真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ編
第10話


望月様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

暗闇の空間から(ようや)く脱出した俺達だったが、

 

『も、森ぃ!?』

『アーカムシティじゃないのか!?』

 

脱出した先は木々が生い茂った森だった。だが、俺はそんな事を驚いているわけにはいかない!

 

「ドクターウエスト!無事か!!」

「…だ、大丈夫、で、ある。」

 

同乗していたドクターウエストが無事かどうかを確認しなければならない!って、もうボロボロじゃねぇか!?

 

「ハッチを開ける!隼人!武蔵!ドクターウエストを!!」

「任せろ!」

「何時でもいいぞ!!…エルザちゃんならもっと良かったのに(小声)」

 

クソッ!やっぱ、いきなりコイツのGはキツ過ぎたか…けど、此処までよく耐えたなドクターウエスト!!

 

「ウ、ウグ…」

「待ってろ、今横になれる場所を作る!!」

 

オリャア!<ズパッ!!>

 

「此処で少し横になれ!!」

「…済まないので、ある。」

「気にするな!!」

 

此処じゃ満足に治療出来ねぇ!!

 

「おい、武蔵!あの建物、何かの施設じゃねぇか?」

「ム、確かに!隼人は此処に居てくれ!私が行って何か借りれないか聞いてくる!!」

 

何処か良い場所はねぇのか!!

 

「隼人、武蔵!近くに建物h「武蔵が見つけて行った!!」…分かった!!」

 

えっと、此処から見える建物は…建もの、たてもの…建物ぉ!?

 

 

 

■□■□

 

 

 

「誰か、誰か()()なヤツはいないか!!」

 

クソッ!何だこの状況は!!研究者であろう白衣を羽織った人の死体と、

 

「…これは、人?いや、尻尾や鱗がある。そして、ワニの様な顎。蜥蜴(とかげ)人間とでも呼べばいいのか?」

 

人外であろう人に近い生物の死体がゴロゴロ転がっている。人の死体は銃弾痕があるが、人外の方は違うな。恐らく拳や蹴りだろう。触れただろう場所がその形に陥没している。あんな世界に落ちる前の私がこれを見たら、どうなっていたか…

 

「…そもそも、何故この()()()は襲撃されたんだ?」

 

何かヤバイ研究をしていたのか?ま、まさか人体実験!?そして、この蜥蜴(とかげ)人間達は反旗を(ひるがえ)し勇敢に戦ったのか?

 

「…ッ!そんな事より、使える医療機器の確認と担架を探さないと!!」

 

不要な事は考えるな!今は一刻も早くドクターウエストが治療できる場所の確保と、機器を揃えないと!!

 

「誰も居ないなら、勝手に探させてm<ドン!!>…手厚い歓迎だな。」

 

物陰からの鋭いパンチ。並みの相手なら一発で死ぬ威力だ。恐らくこの人外達を屠った奴だな。

 

「歓迎なんざしてねぇよ!お前、恐竜帝国の兵士の変装か何かか!!(何だこの女?俺の拳を簡単に受け止めやがった!!)」

「恐竜、帝国ぅ?何だソレは?それより此処の人、間…りょ、()()ぁ!?」

「お、おう?俺は竜馬だが、お前みたいな女知らねぇぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「済まない、友人に似ていた物で取り乱してしまった。」

「そいつはもうどうでもいい!それよりも担架はこっちだ!!」

「礼を言う!!」

 

彼はこの施設の関係者で名を『流竜馬』。竜馬ソックリだったから、少し取り乱したが声は全く違った。有り難い事に事情を話したら、この()()()研究所にある医療機器を使わせてくれるそうだ。

 

「では、借りて行く!「待て!!」…何だ?」

「俺も手伝いに「いや、仲間が後二人いる。此処が直ぐに使えるようにしておいてくれ!!」…任せろ!!」

 

にしても、本当にソックリな奴だな。竜馬のヤツに教えてやらないとな。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「友人の為に尽力して頂き、礼を言う。自己紹介が遅れたが、私は武蔵だ。」

「神隼人。「「「な、なにぃ!?」」」…何だよ。」

「竜馬だ。」

 

ドクターウエストは武蔵が見つけたこの施設で治療してもらっている。めっちゃ見覚え?のある施設に、敵である人外の死体…やべーよ。でも、目の前の奴らはもっとヤベー!何がヤバイって?

 

「…オッホン。わ、儂は此処の研究所を立ち上げた早乙女と云う。専門はゲッター線d「「な、何だって!?」」お嬢さん方、そんなに驚かんでも良いだろうに。」

「俺は流竜馬。しがない武道家だ。」

「俺は早乙女博士をサポートしている神隼人「「何だって!?」」…驚きたいのはこっちの方だ。」

 

CV石川の竜馬と早乙女博士や男の神隼人が目の前にいるからだよ!!隼人が助手して、竜馬が武道家って、まさかこの地球は…

 

『博士!剴が倒したクラゲの何だ?『〝ゲラ〟だ覚えておけ!!』スマン翔!…そうソレがもう一体出てきやがった!ネオゲッターや他のヤツは出せないのか!!こっちは敵の親玉へ行かねぇと!!』

「號!?クソッ!!早乙女博士!此処は俺が使えるゲッターで出r「俺達が相手をする!!」…何だと!?」

 

やっぱり、OVAの『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の世界に近い。一度この世界の竜馬達に敗れた帝王ゴールが、再び世界をハチュウ人類のものへとする為帰って来たと云う感じだったな。

 

「…信じられないだろうが、俺達は別の()のゲッターチームだ。」

「(後で色々事情を話せよ。)ま、そう云うこった。」

「(無論私にも、な。)友人を助けてくれた恩、此処で返させてもらう!!」

 

後、ゲラって何でもエネルギーに変換して取り込んじまうって厄介な奴だった気が…

 

「だが!「ハヤト。」リョウ?」

「この痴z「痴女ではない!!」…この姉ちゃんは俺のパンチを軽々止めた。それに、負傷している俺や乗って傷がうずくお前が乗ったところで勝てるのか?」

「そ、それは…」

「では、君たちの申し出を受けよう!」

「博士!?」

 

やっと折れてくれたか。

 

「じゃ、行くz「但し!こちらで無理だと思ったら、即帰還してもらう!いいな!!」了解!!行くぞ隼人、武蔵!!」

「「ああ!!」」

 

 

「って、ゲットマシンはこの地下にあるんだぞ!!」

 

悪いなこっちの隼人。そいつは必要ねぇんだ。だって、

 

「「「(俺)私達のゲッターで相手をする!!」」」

 

俺達にもあるんだぜ。ゲッターロボが!!

 



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第11話

少し話が長くなってしまいました。


 

 

 

俺達は待機させてあった真・ゲッタードラゴンの前で動けずにいた。

 

「こ、これは…」

「緑色に発光してやがる。」

「何がどうなっているんだ?」

 

その真・ゲッタードラゴンの心臓部、ゲッター炉心の近くが鼓動するかのように発光していたからだ。

 

「…待てよ、元々ゲッターは『ゲッター線』を()()するときは発光するんだ。」

「ん?私は一度もそんな所見た事ないぞ。」

「私もだ。」

 

ま、まさか俺の考えが正しいのなら…

 

「憶測だが、コイツは500年間動かなかったんじゃなく、エネルギーが少なくて動けなかった。ギィムバグ達との戦闘でボロボロになり大半のエネルギーは自身の修復に宛て、残りのエネルギーを少しずつ回復。ゲッターG…元になったゲッタードラゴンはゲッター線の()()器でもあったんだが、その増幅器で少しずつ回復していって俺達が現れた頃(ようや)く動けるようになったんだと思う。」

「成程。でも、何故私達は吸収している所を見た事がないんだ?今みたいに吸収すればいいではないか。」

 

そう、そうなんだ。武蔵が言ったようにエネルギーが少ないのなら、()()から降り注ぐゲッター線を吸収すればいい。でも、やらなかった。いや、出来なかった!!

 

「…あの星(正しくは()()()だが)にはゲッター線が無く、吸収しようにもできなかった。」

 

そう、この推理が正しければ真・ゲッタードラゴンの真・シャインスパークがトップスピードになるのに、あんなに時間はかからないハズ!俺達は500年間コツコツ溜めていたエネルギーを使っていたんだ!!!

 

「成程。なら、今この状態は正常って事だな。心配して損したぜ。」

「やはり、全ての元凶はギィムバグの奴だな!一発殴ってやらないと私の気が済まん!!」

 

まさか、枯渇しそうなエネルギーを求め、()()()()へ来たのはお前の意思か、

 

「…真・ゲッター、ドラゴン」

 

 

 

■□■□

 

 

 

この世界の剴の操る真ゲッター3が倒した敵、ゲラが早乙女研究所の近くに再び現れていた。それを倒す為、別の世界…別の宇宙からやって来た竜馬達が対峙する。

 

『行くぞ!チェンジポセイドン!スイッチ、オン!!』

 

今回は、何時ものドラゴンや手数の多いライガーではなく、

 

『この戦、武蔵に任せてもらおうか!!』

 

真・ゲッターポセイドンのパワーで一気に押し切る作戦だ。

 

「…あれが彼らのゲッターか。」

「本当にゲッターを持ってたんだな。」

「ま、まさかアレは…」

 

早乙女研究所にある司令室で、この世界の竜馬と隼人そして早乙女博士が戦況を見ている。別の星からやって来たと話した不思議なゲッターチーム、その実力を。

 

「ん?どうしたんです博士?」

「あ、あのゲッターは儂が造ろうと構想していたモノに似ている。」

 

彼らのゲッターは、以前早乙女博士が製造しようと試みたゲッターによく似ていた。

 

『一気にケリを付けてやる!ストロングミサイル!!』

『…あ゛(やべ、武蔵に忠告すんの忘れてた!!)。』

「待て、お前等!そいつはミサイルみたいな固体でも、エネルギーに変換し取り込んでしまうぞ!!」

『そいつを早く言え!この星の私!!』

 

この世界の隼人の忠告通り、ポセイドンのミサイルはゲラが取り込んでしまった。流石は、対ゲッター用の敵。だが、先程とは違う点が一つ。

 

「おい、隼人。さっき吸収した時より大きくなるのが早くないか?」

「ああ。見間違えかと思った、がそうではないみたいだな。」

 

先程は何発も打ち込んで今の大きさになったが、今回はたった()()のミサイルで巨大化したのである。

 

『(…これは、行けるか?)武蔵!そいつにジャンジャン攻撃をご馳走してやれ!!』

「何をバカな事w『…成程、そう言う事か!任せろ!!』おい!俺の話を聞いていたのか!!」

 

この世界の隼人の忠告を無視し攻撃を再開させる竜馬。

 

『とっておきのフルコースだ!行くぞぉぉぉぉ!()()()!おろしー!!』

「あ、あれは武蔵が使ってた技だぞ!?」

「…他の星のゲッターチームってのは、嘘じゃないようだな。」

 

武蔵が操るポセイドンの腕が蛇の様に伸び、敵を絡め取った。そして、

 

『どっせーい!!』

 

空へ投げ飛ばし、

 

『ゲッターサイクロン!!』

 

ポセイドンの肩周りの装甲が展開し、そこから発生した竜巻がゲラを閉じ込める。

 

『この主砲の本当の力、味わうがいい!遠慮はしない、撃てぇ!!』

 

そこへ殺到するストロングミサイルの雨。これを喰らったゲラは、

 

<ドワォ!!>

 

あっという間にエネルギーを溜め込み過ぎ飽和状態となって爆発していった。

 

「…成程、エネルギーを過剰に摂取させ自壊させたか。」

「へっ、やるじゃねぇか!!」

 

ゲラを倒した竜馬達。だが、まだ恐竜帝国…帝王ゴールは倒されておらず、世界は脅威にさらされている。

 

 

 

■□■□

 

 

 

日本の国会議事堂や東京の街を次々と破壊する帝王ゴールを乗せた円盤。この世界の竜馬と隼人、早乙女博士は即座に駆けつけ人々の避難と誘導を行っていた。

 

『ゲッタービーム!!』

 

號達の操る真ゲッターロボは、その円盤へ彼らハチュウ人類の弱点であるゲッター線を照射したが、

 

『な、ゲッタービームが効かねぇ!?』

 

円盤のバリアによって簡単に弾かれてしまった。そして、

 

『しまった!?』

 

円盤から次々と照射されるビームによって飛行する為のゲッターウイングの一部を破壊されてしまい、落下していく。

 

『ヘヤッ!!』

 

だが、そのゲッターの足へロープが放たれ、

 

<ドシャッ!!>

 

強引だが誰も居なくなった雑居ビルへ突撃させた。まだ人々がいた場所への落下は阻止され、その人々は號達を助けたのはカウボーイ姿のロボットへ向け感謝の言葉を叫んでいる。

 

『いつかの借りを返しに来タノサ!』

『me toヨ!!』

 

そのロボットは、ジャック・キングとメリー・キングが操縦する〝テキサスマック〟。彼らも加わり、2体のロボットで様々な攻撃を加えるが、

 

『グハハハハ!この帝王ゴール。貴様ら如き虫けらに負けはせぬわ!!』

 

彼らが加わってもバリアを貫通出来ず、中々決定打が無い。そこへ、

 

『『『スパァァァァァク!!』』』

 

<ズン!!>

 

『な、何事だ!!』

『きょ、強力なゲッター線がこの円盤に直撃した模様です!しかし、被害はありません!!』

 

別の世界からやって来た竜馬達の真・ゲッタードラゴンが駆けつけ、〝シャインスパーク〟を浴びせたのである。

 

「チィ!これでもダメか!!」

「こっちは、シャインスパークを辛うじて放てるエネルギーしか回復してねぇ!もっと回復してからじゃねぇと!!」

「だが、これ以上黙って見ていれば被害がもっと大きくなってしまう!!(可愛い幼女や綺麗な保母にもっと被害が!!)」

 

しかし、この世界に来るため使用したのと先の戦闘でエネルギーはほぼ無く、本来の力が出せていない一撃では円盤を揺らす事しか出来なかった。

 

『…何者かは知らんが、〝ゲッター〟がもう一体。だが、さっきので分かったであろう!この帝王ゴールには通用せんわ!!』

 

「クソッ!(ヤバイな。このまま此処にいても最悪足手まといになりかねん。何か、何かエネルギーを回復する手段はないか!!)一旦『おい、リョウマのオッサンにハヤトさんよう!何か手はねぇのか!?』ジャかましい!誰がオッサンじゃあ!!」

『え、あれ?リョウマのオッサンの声じゃねぇ!?』

「俺は…あぁ、もう!!説明してる暇はねぇ!助太刀に来たモンだ!!(せっかく真ゲッターと真・ゲッタードラゴンが()()()見えるのに………そろって?揃って。揃ってぇ!?)おい!そっちのパイロット!()()()()()はあるか!!」

『いきなり偉そうに「いいから答えろ!!」わあったよ!あるぜ!!』

「よし!いいか皆、今から俺の言う事をよく聞け!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本当に良いんだろうな!!』

「早くしろ!ジャック達が持たない!!」

 

真・ゲッタードラゴンの前にテキサスマックが盾で守り、その真・ゲッタードラゴンの後ろに真ゲッターがエネルギーを溜めている。

 

「…悪いな隼人、武蔵。こんな事に付き合わせて。」

「気にするな。〝仲間〟だろ。」

「フッ、そう言う事だ。…それに、早く帰ってライカちゃんの食事を食べないとな!!」

「「ぶれないなお前!!」」

 

何時もの会話だが、彼らがこれから行う事は一か八かの賭けだ。

 

『行くぜぇ!ストナァァァ、サァァンシャァァァァイン!!』

 

<ポチ>

 

真ゲッターは両手に球状のエネルギーを溜め、目の前へ放つ。

 

「真・シャイィィィィン!」

 

そのエネルギーは真・ゲッタードラゴンを包み必殺の一撃へ変換する。

 

「「「スパァァァァァク!!」」」

 

別の世界線でこの攻撃はこう呼ばれる。

 

『『『行けぇぇぇぇぇ!!』』』

 

合体攻撃〝ストナーサンシャインスパーク〟と。

 



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第12話

遅くなって申し訳ありません。
短編でUPしていましたが、短編ではなく続き物の作品になったと思い連載へ変更しています。


 

 

 

 

真・ゲッターの『ストナーシャイン』を無理やり真・ゲッタードラゴンのエネルギーに変え、放った一撃は…

 

『ゴ、ゴール様!!バリアが臨界を突破して破壊されました!!』

『そんな事報告しなくても分かっているわ!!』

 

バリアを破壊した。そして、

 

「…わ、(わり)ぃ。」

「バカ竜馬!!」

「…。(何も言うまい)」

 

真・ゲッタードラゴンは突撃した勢いを殺しきれず、円盤に突き刺さってしまった。

 

「それに!何でエネルギーを全部使っちまってんだよ!!動けねぇじゃねぇか!!」

「しょ、しょうがねぇだろ!全力でやらねぇと、バリアぶち抜けなかったんだから!!」

「(フフフ、怒ってる隼人ちゃん可愛い!!でも、何で毎回私じゃなく竜馬ばかり罵られるんだ!不公平だ!やってられるかぁ!!)…フフフ、竜馬。今度隼人とイチャついたらコロス(小声」

 

それもエネルギーの切れた状態で、上半身は内部へ、下半身は外でダランとしている。傍から見たら何とも情けない格好だ。

 

「ま、後はこの()のゲッターチームに任せるとするか。」

「で、バカ竜馬。今のうちにお前が知ってる事、洗いざらい教えてもらおうか?」

「無論、私にもな。」

「わ、分かってるって。じゃあ…」

 

竜馬は知っているこの世界の事を二人へ話した。武蔵は以前竜馬本人から前世の記憶を持っていると知っていて問題なかったが、隼人には未だその事を話していない。なので、竜馬は〝ゲッターからの知識〟と云う事で説明を行った。

 

「…成程。だからあの時私に、『ハチュウ人類』や『百鬼一族』ってキーワードを探させたって訳だな。」

「彼らが、『ハチュウ人類』…ゲッター線によって地上を追われた存在か。」

「だが、この戦いで良くも悪くも終わるだろう。<ガタン!!>…ム、どうやらこのデカブツを外の連中が移動させているようだな。さて、そろそろ此処から脱出するか?」

「ああ。」「そうだな。」

 

 

 

■□■□

 

 

 

「『真覇光拳!』貫けぇぇっ!!」

 

真・ゲッタードラゴンが刺さっていた円盤の壁が吹き飛び、そこから幾つもの白い闘気が飛び出した。

 

「…お前の師匠ってほんとぶっ飛んだ奴らだな。」

「それは、私も同意する。」

「ソ、ソウナンダヨ!!(い、言えない。ただアニメやゲームのキャラの動きを真似たら出来たって…)」

 

竜馬の師匠(?)の事を話していた三人だったが、不意に武蔵が一歩前へ出て来た。

 

「さて、私の出番だな。『()()展開!この戦…じゃない。此処はこの武蔵に任せてもらおうか!!』」

 

武蔵が艤装を展開して、真・ゲッタードラゴンへ近づき…

 

「よっと。」

<ズン!!>

 

驚く事に、今まで乗っていた真・ゲッタードラゴンを持ち上げて

 

「フン!!」

<ゴウ!!>

 

そのまま海面へ投げ飛ばした。

 

「着水の衝撃は、俺と」

「私に任せな!!」

 

その直後、竜馬と隼人が円盤から姿を消し、

 

「フン!」「ハァ!!」

 

落ちて来た真・ゲッタードラゴンを海面で十傑集(じっけっしゅう)走りをしながら受け止め、衝撃を最小限に抑えていた。

 

『…ハヤト、俺の目がおかしくなったのか?あいつ等生身でゲッターを投げて海面で受け止めたぞ!?』

『お前の目は正常だ。俺にも見えた…』

『わ、儂もだ!彼らは一体どんな環境で育ったのだ!?』

 

ネオイーグルに乗っていたこの世界のリョウマ、ハヤト、早乙女博士は目の前で行われている事が信じられず、呆然としてしまった。

 

『ほほう。まだそんな力が残っていたか。』

『へへ、力なんざ残っちゃいねぇ。タイマンの最後は気合いと根性だ。起きろ!翔!!剴!!』

 

だが、まだ恐竜帝国…帝王ゴールとの決着は付いていない。右腕を破壊され、立つのもやっとの真・ゲッター1が最後の砦だ。

 

「…おい竜馬。アイツ等大丈夫なのか?」

「今からでも間に合う!貴様の得意なトンデモ拳法で手助けを「駄目だ!」何故だ!?」

 

真・ゲッタードラゴンを海面に着水させ、今の状況がまずいと悟った隼人と武蔵。そして、武蔵は竜馬に助太刀を依頼するが拒否されてしまった。

 

「あのガキが言ってたろ、タイマンだって。タイマンに横槍は無粋ってモンだ。それに…」

「それに?」

 

良く見とけ。ゲッターの力を!と竜馬は二人へ言い放った。

 

 

 

 

 

 

緑の光に包まれた真・ゲッター1は破壊された右腕を再生し、その大きさを帝王ゴールと同じまで巨大化、そして全身を青く変色させていた。

 

「あれが〝神・ゲッター〟。ゲッターに完全には取り込まれず、〝人の意思〟で操縦できる終着点の一つか…(小声」

「ん?竜馬何か言ったか?」

「…いや、あれがゲッターの力だってな。」

「ふ~ん。ま、お前が止めたのもあれで頷けたぜ。」

「…。(竜馬、お前は何に怯えているんだ?)」

 

全身が青くなった真・ゲッター1…神ゲッターの渾身の力を込めた右腕の一撃で帝王ゴールは倒され、この世界に束の間の平和をもたらした。

 

そして、

 

それから、

 

一週間後。

 

「成程、そんな兵器を考え出すとは…吾輩脱帽である!」

「ふふふのふー!この儂の頭脳に掛かれば、握手しながら攻撃するこんなカッチョイイ武器なんかも作れるぞい!!」

<ズガガガガガガガ!!>

 

すっかり元気になったドクターウエストと手の形をしたマシンガンをぶっ放す頭のネジが5、6本抜けた…頭に曲がった釘が一本刺さっている敷島博士が楽しそうに雑談をしていた。

 

「…なぁ、こっちの世界の私よぅ。何であんな危険な奴此処に置いてんだ?」

「…聞くな。こっちにも色々事情があるんだ。」

 

そんな二人を見て隼人はこの世界のハヤトに呆れながら聞いたが、ハヤトは顔を逸らしそれ以上何も言わなくなってしまった。そんな二人はそれぞれの世界の情報と技術を交換。一番大きかったのは早乙女博士を入れて〝ゲッター線〟に付いての大まかな説明と、データ資料を提供してもらった事だろう。…無論、隼人が男の毒牙に掛からないようにと武蔵がぴったり横に居たりする。『役得』と顔にでかでかと書かれていたが…

 

「こう言うのも変かもしれねぇが、そっちの俺元気でな。またこっちに来たら俺に面白そうな拳法教えてくれ!!」

「ああ。()()()()教えてやるよ。今度はゲルマン忍法な。」

「ゲ、ゲルマン?忍法?…ま、その時を楽しみにしてるわ。」

 

竜馬はこっちの世界のリョウマに機神拳を教えそこから意気投合。ほぼ日中は手合わせを重ね二人とも業により磨きがかかった。

 

「じゃあ、武蔵君。こんな事しか言えんが気を付けてな。」

「はい。早乙女博士も娘さんと息子さんに心配を掛けないよう、ご自愛くださいね。」

「ははは、君に言われると娘に言われたようで何かむず痒いな。」

「いえいえそんな事は…(ミ、ミチルさん美人だったー!!料理も上手いし!お風呂にも一緒に入れたし(ここ重要!)!!最高の一週間だった!!でも、私にはライカさんの手料理が待っているんだ!!こ、これ以上は浮気になってしまう!!)」

 

早乙女博士は武蔵達の()()を心配し声を掛けたが、武蔵は早乙女博士の娘のミチルとの日々を思い返していた。

 

『おーい!竜馬の兄ちゃん!準備が出来たぜ!!』

 

皆が思い思い話していると號の声が響いて来た。

 

「じゃ、サヨナラだ。」

「…あの爺には気を付けとけよ。」

「ミチルさ゛ん゛!達者で!!」

 

「「「「「え゛!?」」」」」

 

 

真・ゲッター1のエネルギーが臨界を超え緑の光に包まれた時、真・ゲッター1は〝神ゲッター〟へと変り

 

『翔!剴!やるぞ!思いを込めて力を籠めるんだ!!』

『任せろ!』『分かった!』

 

両手へエネルギーを集めて行く。

 

「こっちは異常なしだ。」

「こちらも異常は無いである。」

「エネルギー30%って所だ。」

「ミチルさ゛ん゛!!」

「「「………ハァ。」」」

 

その前に待機しているのは竜馬達を乗せた真・ゲッタードラゴン。竜馬は神ゲッターのエネルギーでゲッター炉を満たし、『真・シャイスパーク』で元の世界へ帰ろうと考えた。元々『真・シャイスパーク』でこの世界に辿り着いたのだから、出来ない事は無い。

 

『行くぜぇ!ストナァァァ』

『『『サァァンシャァァァァイン!!』』』

「真・シャイィィィィン!」

「「「スパァァァァァク!!」」」

 

緑の光と共に真・ゲッタードラゴンはこの(世界)から消えて行った。

 

「行ったか…」

「バカ野郎!此処は帰ったって言えよ!!」

「彼らの旅に幸あらんことを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・ゲッタードラゴンは光の中を飛んで行く。

 

「さっすがエネルギー満タンな今度は早い!見えたぞ出口だ!!」

 

そして、光の中から出て来た真・ゲッタードラゴンは、

 

「…なぁ、此処何処だ?」

「…さぁ?」

「また森かよー!!」

 

また見知らぬ森へ流れ着いてしまった。

 



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新ゲッターロボ編
第13話


 

 

 

森の中に異形のバケモノの真っ二つになった死体と、

 

「あ、アレはゲッター…2か?」

「オイ、竜馬!今度もアーカムシティじゃねぇぞ!!また森だ森ィ!!それにあの白いロボット、真ゲッターライガーに似てるんだが?」

「それと、あの巨大な生物の死体にはつのが…角?まさか、()だと!?」

「もしもし、吾輩の事皆さん忘れてないであるか?」

 

何かを振り下ろして動かなくなった白いロボットが存在していた。

 

『なっ!?何故もう一体ゲッターがこの世界にあるんだ!?』

『プロトタイプが落ちて来たんじゃないのか?でも変だな。俺達はこの一機だけで来たはずだぜ。』

 

2体のゲッターが世界(宇宙)を超え出会ってしまった。

 

 

 

 

 

『フ、フフフ。アーハハハハハ!!これは面白い!パイロットが乗っているかは知らないが、もう一体ゲッターロボが現れた!!しかーし!見たところあのゲッターは普通のゲッターより差異が多い…恐らくプロトタイプだろう。』

『あ、あぁ!!ゲッターが2体も!!』

『狼狽えるな!あんなプロトタイプなら直ぐ始末できる!恐らく何処かの時空から廃棄されたものが流れ着いたんだろう。やはり、流竜馬が合流し完全になったゲッターを叩き潰してこそよ!!』

 

この時この世界の先兵(安倍清明)は知らなかった。そこに現れたのが別の世界(宇宙)のゲッターであり、常識はずれなパイロット達(竜馬達)が乗っている事を。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「済んだのか?」

「済んだも何にも、寝てるうちにトンズラよ。ずっといつ逃げるか狙ってたんだぜ。最初会った時は可愛げもあったんだが…」

「フ。」

「…情けない。確かに俺の女癖が蒔いた種だけどよ…お、おっと種は蒔いてな「ジャかましいわ!こっちには女がいるんだ!ちったぁ気にしろ!!」わ、悪い青髪の嬢ちゃん!!」

「で、話は変わるが、何故竜馬がそのゲッターに乗っている?」

 

この世界(宇宙)の平安時代にゲッターと共に飛ばされた武蔵坊弁慶(今後ベンケイ)は、2年連れ添った女房から先程逃げて来た。1カ月旅をした神隼人(今後ハヤト)は(ようや)くこの前弁慶と合流出来、流竜馬(今後リョウマ)を探していた。そして、つい先ほど鬼を倒した際、別のゲッターに乗って竜馬が現れたのだ。これに二人が驚かないわけがない。

 

「悪い、俺はお前達が探している〝流竜馬〟じゃねぇんだ。俺の名は竜馬。孤児だったから苗字はねぇ。」

「ム、顔はそっくりなのに声が全く違う。不思議なもんだ。」

「…本当にお前は流竜馬じゃないんだな。で、お前等はどうして此処…この()()に来た?何が目的だ。」

 

この世界のハヤトが竜馬達を睨みつけ、探りを入れる。

 

「オイオイ、ハヤトそんな邪険にしなくても「ベンケイは黙ってろ!!」あぁ、もう!分かったよ!!」

 

それは仕方がない。ベンケイとハヤトの二人、特にハヤトは得体の知れない新たなゲッターから出て来た相手に最大の警戒をしていた。

 

「俺達の目的は()()()()()()()事。」

「元の、世界ぃ?」

「それはどういう事だ?」

「俺達四人は何らかの空間攻撃を受け、何もない場所へ放り出された。そして、強力なエネルギーで突っ込めば別の世界へ辿り着くことが分かり…」

「この世界へ来たと?」

「正解。」

 

竜馬達はこの世界のハヤトとベンケイへ簡単な説明をした後、互いに協力する事を決めた。

 

「じゃ、私から改めて自己紹介をしよう。私の名前は〝神隼人〟「「何だって!?」」フッ、そのリアクションは前回で慣れたぜ。真ライガー号兼真ゲッターライガーのパイロットで主にゲッターのメンテをやってる。」

「次は私だ。私の名は、「「弁慶か!?」」…残念ハズレだ。私の名は〝武蔵〟。真ポセイドン号兼真ゲッターポセイドンのパイロットだ。主に、主に?…お、おもに!物資の輸送?」

「って、俺に聞くな!!ハァ、で俺が竜馬。真ドラゴン号兼真ゲッタードラゴンのパイロットで一応リーダーと()()()をやってr「「それは本当か!?」」ど、どうした!?それ程驚く事か!?」

 

この竜馬が機械類のメンテナンスを行っている衝撃に、この世界のハヤトとベンケイは戦慄した。

 

「こっちのリョウマは機械類がてんでダメでな。初めて会った時は俺がイーグル号の修理をさせられたぜ。」

「アイツにメンテなんか頼めるか。それよりアイツは戦ってる方がお似合いだぜ。」

 

やれやれと肩を落とす二人。

 

「吾輩が最後であるな!スゥゥゥ、吾輩の頭脳は魔術をも超える!吾輩は魔術すら科学で支配してみせる!吾輩の名はドクター・ウェスト!科学の申し子ドクタァァァァァウェストである!!」

 

久しぶりの自己紹介にテンションMAXなドクターウェスト。今回のシャインスパークは直ぐにトップスピードになった為、無理なGが無かった。それのお陰か、マッドな彼は絶好調である。

 

「お、おう。」

「(…こいつ等と組んで、大丈夫だろうか。)ま、まぁ。よろしく。」

 

そんな彼の自己紹介に圧倒された二人。

 

「今度はこっちの番だな。お前達の反応で大体察しは付いたが、俺の名は神隼人。ジャガー号兼ゲッター2のパイロットだ。」

「じゃ、次は俺だな。俺の名前は武蔵坊弁慶。ベアー号兼ゲッター3のパイロットだ。」

「後、此処には居ないが流竜馬がイーグル号兼ゲッター1のパイロットだ。今俺達はそのリョウマを探している。」

 

お互いの自己紹介も終わり彼らは本題へ移る。

 

「だが、リョウマを探すのはさほど難しくはないだろう。」

「え?そうなのかハヤト?」

「こんな世界に来てまであんなバケモノと遭遇するのが()()だと思うか?」

「…成程、敵はゲッターの居所を知って襲って来た、と?」

「青髪の俺(?)もそう思うか。」

「ああ。それに、最悪そっちのリョウマがこの世界に居れば、敵が監視している可能性もある。」

「いずれにしても、敵の動きに乗って行けばリョウマと出会える確率は高い。それに、別の世界の竜馬が此処に存在しているが、襲ってこない事を考えれば、」

「まだ向こうには俺の顔がバレてないって事だな。」

 

その後、彼らは鬼の事やこれまであった事を竜馬達に説明し、竜馬と隼人とドクターウェストはこっちの世界のハヤトとベンケイを手伝いゲッターの修理と調整を行っている。

 

「お前、ホントに出来るんだな。修理。」

「この世界の俺って…それに、熱ぃ!!」

「喋ってないで手を動かせ!それと、そのフードは絶対に外すんじゃないぞ!!お前の顔がバレれば、此処に総攻撃を仕掛けて来るかもしれんからな!!」

「分かってるよ!」

「わ、私は何て無力なんだ!!」

(((((うぜぇ(のである。)。))))

 



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第14話

 

 

 

真ゲ対ネオゲの世界を後にして、アーカムシティに戻れると思ったのに!

 

「…オイ、竜馬。今度の敵は『鬼』だとよ。前私に調査依頼したヤツじゃねぇか。まさかお前、」

 

ヤベ、隼人には()()の事、まだ伝えてなかった!い、今から白状しても…ゆ、許してくれるかな?

 

「…最初に乗り込んだ時、號達みたいに一度ゲッターに取り込まれたんじゃねぇのか?気付かねぇ内にコイツ(真ゲッター・ドラゴン)の過去データ中で追体験させられたとか。」

「ま、まっさか~。(ゴメン!今の流れで話すのは無理!!それよりもっとスゲェ事知ってるし!!)」

 

ハァ、それにしても、『鬼』『武蔵坊弁慶』『平安時代』って揃ったら、

 

「新ゲかよ…俺達、無事にアーカムシティに戻れるかな。(小声)」

「竜馬。」

 

うお!?な、何だよ

 

「武蔵?」

「いや、聞き耳立てた訳ではないが、艦娘の聴力は伊達ではないのでな。お前がいつになく弱気な発言をしたからな…この世界以前よりヤバイのか?」

 

武蔵に聞かれちまったか。前世持ちの俺と転生者の武蔵。ま、同じ穴の狢って事でコイツに俺の事は大体話たし、隠していても仕方がないな。

 

「…敵は鬼だけじゃなく『黒平安京』って所にいるそいつらの司令塔陰陽師、安倍清明。」

「超有名人が相手とは…」

「で、ソイツに命令している―だ。」

「な!?そ、それは!?」

「ちょ、武蔵騒ぐな!」

「…竜馬、なんか武蔵と距離近いぞ?」

 

は、隼人から殺気!?

 

「い、いや。そうでもないぜ!なあ。」

 

武蔵も流石に空気を呼んで、此処はフォロー入れてくれるハズ!!

 

「…ズルい。」

「「は?」」

 

む、武蔵さーん!?

 

「隼人ちゃんに睨まれるなんて、竜馬はズルいぞ!!私にはそんなに睨んでくれないのに!!」

「まぁ、何だ。睨んで悪かったな竜馬。」

「…気にするな。」

 

分かってましたよ!!武蔵に期待した俺がバカだった。まぁ、結果的に危機は去ったけどな。

 

ハァ、俺達生きてアーカムシティに帰れるかな…

 

 

 

■□■□

 

 

 

源頼光(みなもとのらいこう)達と別れたこの世界の流竜馬(今後リョウマ)は、単身安陪清明の城へ乗り込み暴れ、天守閣に居た安倍清明へ砲撃を飛ばした。

 

「此処まで来たのなら、歓待せねばな!!」

 

だが、安倍清明の陰陽術により届く前であっけなく暴発。そして召喚した大型の鬼がリョウマへと襲い掛かる。

 

「出やがった。」

 

<ドン!!>

 

『ゴァ!!』

 

リョウマの放ったバズーカは見事命中。しかし、鬼には全くダメージは入っておらず登っていた建物を破壊され、残っていた柱に片手で捕まり宙づりになってしまった。

 

『ガァ!!』

 

そこへ容赦なく鬼が喰らわんと大きな口を開け襲い来る。

 

「野郎!オリャア!!」

 

だが、リョウマの目はまだ諦めておらず持っていたトマホークで応戦しようと振りかぶったその時!!

 

覇皇轟雷脚(はおうごうらいきゃく)!!』

 

リョウマの目の前を()()が横切り、

 

『グォォォォォォ!?』

 

鬼を吹き飛ばした。

 

「…流竜馬、此処は任せて先に行け。」

「お前、何者(なにもん)だ?何故俺を知ってる?…それに生身でアレを吹き飛ばすって事は…お前、清明と同類「良いから早く行け!ハヤトとベンケイが来るぞ!!」ちょ、まだ話は終わってねぇぞ!!」

 

その者は顔を包帯でグルグル巻きにし、茶色いマントを付けた格好でリョウマの横を走り抜けて行った。

 

「な、何だありゃ!あいつの足、ブレてねぇか!?」

<ガン!ドガ!!>

 

そして、リョウマが掴まっている建物の近くからゲッター2が地中から姿を現した。

 

『何時も無茶するな、リョウマは!!』

『フ。だが、アイツよりはマシだろ。』

『ハハハ、それは言えてるな!!』

 

ゲッター2の中から聞きなれたベンケイとハヤトの声が響いた。

 

「バカ野郎!居たんならサッサとしやがれ!それとさっき変な奴が割り込んできやがったぞ!!」

 

何時も通りの二人の声に安心したリョウマはそう叫んだ。

 

『アイツなら問題ない。味方だ。』

『ガハハハハ、アイツの強さにビックリしただろう!俺達もさっき見て度肝抜かれたわい!!』

「アイツが味方だって!?早く説明しやが<ドガン!!>って、負けてんぞアイツ!?」

 

リョウマ達が言い合っている最中、謎の味方はリョウマの掴まっている右隣の建物に吹き飛ばされて行った。

 

『不味い!いくらアイツでも今のは!?』

『おいリョウマ!早くイーグル号へ乗り込め!アイツを助けるぞ!!』

「何が何だか分からねぇが、分かっ『テメェに、今日を生きる資格はねえ!!』へぇ、(やっこ)さんまだピンピンしてるじゃねぇか!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

クソッ、簡単に吹き飛ばせたから油断した!腐っても清明お手製の鬼。鬼械神(デウス・マキナ)以上に頑丈だぜ!でもなぁ!

 

こんな奴に後れを取るようじゃ、先兵(安倍清明)には勝てねぇし、その後ろの奴にだって手も足も出ねぇ!!だから、この『鬼』如き程度は

 

「生身で倒さねぇとな!!」

 

全身に(なんちゃって)覇気を巡らせる!さぁ!清明さんよぅ!度肝抜かれるなよ!!

 

「テメェに、今日を生きる資格はねえ!!」

 

俺は掛け声と共に(なんちゃって)覇気を体の中から爆発させ、

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!おりゃあっ!!」

 

両手へ収束。そして、

 

「アタタタタタタタ―」

 

禁断の北○百裂拳ん!!

 

「ホワタッ!!」

 

仕上げに上空へ打ち上げて、

 

「貫け!覇竜!!」

 

(なんちゃって)覇気を竜の姿へ無理やり収束!これが、

 

『奥義!轟覇機神拳(ごうはきしんけん)!!』

 

へへへ、決まったぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らは自分の目を疑った。

 

『おいリョウマ。』

『何だ。』

『お前、アイツの様に生身でアレ出来るか?』

『…無理だな。』

『そうか。』

『……(人はあそこまで出来るのか…)』

 

ベンケイはリョウマとそんな事を話し、ハヤトはそれを聞きながら目の前の光景に呆気に取られていた。

 

「な、何なのだあ奴は!?まさか、我と同じ陰陽師…いや、あ奴の放った〝気〟陰陽術とは全く違った。何なのだ、あのバケモノは!!」

 

清明に至っては、鬼を倒した正体不明の人物がバケモノ以外には見えなかった。

 



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第15話

 

 

 

「竜馬の奴、初っ端(しょっぱな)から奥義なんて使って張り切ってんな。」

「…そうだな。(何を焦っている竜馬?そんなに()()は強いのか。それとも他に敵が…)」

 

黒平安京がある琵琶湖の畔に隼人と武蔵が待機していた。二人の目に映るのは、竜馬が放った攻撃で空へ打ち上げられた鬼の末路。

 

「じゃ、私らも加勢に…<ゴウ!>ん?空飛ぶ戦艦!?ホント、時代や技術がバラバラな世界だな。」

「そういう世界だと割り切ればいい。では、加勢に…な、何ぃ!?」

「どうした武蔵!?新手か!!」

「し!し!!」

「死?誰か死んだのか!?」

「し、指揮官が女性だ!!」

「…は?」

「あの船団の指揮官は女性だ!そちらに加勢せずに、百合ハーレムを目指せるかぁ!!」

「…はぁ。(何時もの発作か…)」

 

突然叫んだ武蔵は、顔を隠していたフード付きのマントはそのままだったが、あっという間に去って行ってしまった。隼人は武蔵に対しため息を吐くしか出来なかった。

 

「おーい、ドクターウェスト。まだ掛かるか?」

「もう、出来ているのである!吾輩の芸術的天才的超頭脳があればこの程度、朝飯前どころか昨日の夕飯前どころか昼飯前どころか朝飯前であり何?戻った?それともこれは一日食事を抜いてぶっ通しってこと?我輩にも分からぬ。」

「ンなもん、私が知るか!!それと、今からアイツ…武蔵を連れ戻してくる!戻ったら、行動開始すんぞ!!」

「分かったのである!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

「こ、こんな事があってたまるか!!」

『見ろよ。清明の野郎、狼狽えてやがる。』

『ま、あんなの見せられたら誰でも狼狽えるわ。』

『おかしい、そもそもあんな速度で人間は動けないハズ(ブツブツ…)』

 

顔を隠した謎の乱入者に鬼を倒された清明は、目の前の現実を受け入れられず途方に暮れている。今まで良いようにあしらわれていたリョウマは、その姿を面白そうに眺め二人に話しかけた。

 

「クソ!!こんな所で使いたくは無かったが…『全ての時空に(うごめ)く鬼共よ!この都へ集え!!我と共にこの地、この時にて打ち払うべし!!』」

 

清明がそう唱え五芒星を切った途端、その五芒星が五つに別れその中から巨大な鬼が5体現れた。

 

「なに!?(…おかしい、この時五芒星は4()()だった筈だ!一個多いぞ!?俺達がこの世界へ来た所為か、或いは…)」

『こうなりゃ、オレ達も参戦するぞ!良いな、ハヤト!ベンケイ!!』

『…考えるのは後だな(小声)。分かった。存分に暴れてやれ!』

『やっちまえリョウマ!!』

 

突然出現した鬼に驚愕した謎の乱入者。敵が増えた事でリョウマ達はゲッターロボで、謎の乱入者に加勢する。

 

「先ずは、あ奴から消せ!!」

「望むところだぁ!!」

 

しかし清明は、3()()の鬼を乱入者へ向かわせ、残りの2体をゲッターへ宛がった。

 

『チィ、アイツ一人に集中攻撃かよ!!』

『悪態を付いている場合じゃないぞリョウマ!早く奴の加勢に向かわないと!!』

『どんどん出て来てやがる!?目の前のヤツを早く倒して向かわねぇと!!』

 

次々と五芒星から現れる鬼共に戦慄しながら、リョウマ達は目の前に迫り来る鬼共と対峙し乱入者への助太刀を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

源頼光(みなもとのらいこう)率いる空飛ぶ戦艦が、鬼共を蹴散らしながら清明の居る城を目指していた。

 

『騎乗部隊、降下!!』

 

空を飛び襲ってくる鬼共をガトリング銃の様な物で撃ち落とし、大きな木箱を投下。その中から戦車と思わしき物と歩兵が出現し、清明の城目指し進軍して行く。

 

「殿!降下、全て完了しました!!」

「分かった。私達も『危ない!!』なに!?」

 

源頼光と家臣、金時の目の前に迫る鬼が誰かの声と共に消えた。

 

「今のはいったい…」

「殿!ご無事ですか!?」

「大丈夫だ。問題ない。それよりさっきのは…」

 

頼光は助かった事に安堵したが、何故助かったのか分からなかった。それに、先ほどの声も気になる。

 

『世の為、美女の為、美女に敵対する野郎を打ち砕く、大和型戦艦2番艦武蔵!この菊の輝きを恐れぬなら、かかってこい!!』

「殿!艦首に女が立っています!!」

「何だって!?」

 

突如名乗りと共に艦首に現れた謎の女。白い髪を(なび)かせ、首元にあるマークが輝いている。

 

「私の名は、武蔵!訳あって助太刀する!!『艤装展開!行くぞぉ!打ち方、始め!!』」

「な、何という…」

「これ程の手練れが居ようとは…」

 

謎の女…武蔵が一瞬眩い光に包まれた後、彼女の腰あたりから船と思しき装備が装着され、その主砲から次々と砲撃していた。

 

「何故貴殿は私達に手を貸してくれるのか?」

「と、殿!?」

「フッ、それは「テメェは黙ってろ!バレないようにフード付きのマントにしたんだぞ!!自分から(清明)に正体明かしてどうすんだボケ!!」済まない、連れが来たようだ。」

 

頼光が武蔵に何故自分を助けたのか聞いた直後、フード付きのマントで顔を隠した者がもう一人現れた。

 

「何奴!?」

「そう邪険にすんなオッサン。(って言ってもどう説明するか…あっ、コレで行こう。)私達はあの陰陽師と対立する者だ。アンタらがおっぱちめやがったから、好機と思ってな。助太刀に来た。」

「成程、清明と対立する者が私達の他に居たのか。これは心強い!」

 

頼光にとって今話した者は、顔が分からず怪しい存在だった。しかし、その仲間と思わしき者は名乗りを上げ、姿をさらしている。それを踏まえ頼光は、怪しい存在を悪い者ではないと判断した。

 

「オラ!一旦戻るぞ武蔵!!」

「だ、だが美女のそb「ドクターウェストの調()()が終わった。竜馬の野郎を回収しに行くぞ。」う~、仕方ない。ご両名!私達は一旦戻り()()()()で仕掛ける!!その間持ちこたえてくれ!!」

「「任せろ!!」」

 

 

 

■□■□

 

 

 

「熱烈歓迎だなクソが!!」

 

負ける事はねぇが、

 

「敵が多いぞこんちくしょうが!!(()()()は秘孔を突かなくちゃならねぇけど、これなら!)アタタタタタタタ―、ホワタッ!!」

 

デカい奴を一々相手するのに手間が掛かる!!

 

魔朧(まろう)百裂拳(ひゃくれつけん)ン!!』

 

次ぃ!!

 

空円脚(くうえんきゃく)!でえええい!!(ま、本家のこの技は只の格闘だけどな)』

 

流達も確実に数を減らしてるけど、どんどん五芒星から出て来てやがる!!

 

「切りが無いぜ!『ゲッター・レザー!である!!』(ようや)く来たかアイツ等!!」

 

流石()()()()()()()()、G制御装置をもう完成させたか!!

 

『不本意ながら、このバケモノ達と肩を並べて戦う事になったのである。本当に()()()()()()、である!!』

『誰がバケモノだ!!』

『…ドクターウェストには普通に構うのに、私には全然構ってくれない。』

 

清明さんよぅ!こっから俺達も()()()()で反撃させてもらうぜ!!

 



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第16話

 

 

 

()にとって、目の前の光景は信じられないモノだった。

 

「こ、こんな事が…」

『こうなったら、ヤケである!ダブルトマホゥゥゥク・ブゥゥメランッ!!である!!』

 

試作機で()()()()と思っていたもう1体のゲッターが動き、

 

「あ、悪夢だ…」

『オイオイ、もう1体ゲッターがあるなら早いとこ教えてくれよ!こっちも負けてらんねぇな!ゲッタァァァァトマホォォォク!ブゥゥゥゥゥゥメラン!!』

 

流リョウマ達の乗っている1体ともう1体…2()()のゲッターで鬼達を相手に大立ち回りをしてるのである。

 

「くそ、くそっ!何故あのような機体を動かせるバケモノが6()()も存在するのだ!?」

『でえいっ!はああっ!北斗飛衛…ってまた間違えた!機神猛撃拳ン!!』

「それに、こっちは正体不明の()()だとぉ!?」

 

そして、止めに生身で巨大な鬼を屠る人外も目の前に現れたのだ。

 

『テメェ!俺を人外なんて呼ぶんじゃねぇ!!』

「えぇい!鬼を生身で倒せるお前は人間などと呼べるか!!」

『〝陰陽師〟って言う人外に言われたくねぇぞ!!』

「喧しいわ!!」

 

顔を包帯で隠した謎の人物と晴明の激しい口撃(誤字に非ず)が繰り広げられた。

 

「チィ!お前などに構っていられるか!!本命はゲッターよ!!」

『そりゃ残念、だ!!』

「これで潰れてしまえ!!」

 

晴明はそう言うと五芒星を切り正体不明の乱入者へ放ち、乱入者はそれを迎え撃つため全身に力を込めた。

 

『機神k「させぬわぁ!!」「晴明様!こやつは我らごと滅して下さい!!」な、何ぃ!?』

 

突然乱入者へ取り付き待ったを掛けたのが、何時も晴明に寄り添っていた女に化けた鬼達。

 

「何故勝手に、お前達が…」

「晴明様!こやつは危険です!生身で我らを倒す事もですが、得体の知れない拳法を操ります!!」

「このまま野放しにすれば、ゲッターと並ぶ驚異になります!!」

『こんなもの振り払ってやる!はぁぁぁぁ…!!』

「クッ!お早く!!」

「我らでも、もう持ちませぬ!!」

「…分かった!滅せよ!!」

 

乱入者を掴んだまま2体の鬼は晴明の放った五芒星に飲み込まれて行った。

 

「よもや、あやつらが自ら行動し、我の手助けをするとは…」

「隙あり!!」

「我に隙など無い!!」

 

そこに突如切り込んで来たのは、源頼光(みなもとのらいこう)。しかし、晴明の中指と人差し指2本で簡単に止められてしまった。

 

「クソッ!晴明ぇぇ!!」

 

頼光はビクともしない刀にさらに力を籠めるが、

 

「お前などに構っていられるか!!」

「うわぁ!!」

 

後ろの壁まで吹き飛ばされてしまった。

 

「これで、邪魔者は居ない。さて、2体に増えたがこれでゲッターに集中でき『おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』こ、この声はさっきのバケモノ!?」

 

 

 

 

 

 

 

場所は移り、此処は城の外。

 

『リョウマ、力なら俺に任せろ!』

『オウ!オープン、ゲット!!』

 

力の強い鬼を前にして、リョウマ達はゲッターの力を生かし別の形態で反撃に移る。

 

『チェンジ、ゲッターァァスリィ!!おりゃぁああああ!大雪山おろぉし!!止めのゲッターミサイルだ!!…成仏!!』

 

ゲッター3の力で相手を投げ飛ばし、最後にミサイルで止めを刺した。そして、

 

『も、もう無理である!『なら、この武蔵に任せな!!』頼むのである!!オープン、ゲット!!である!!』

 

真・ゲッタードラゴンをドクターウェストが臨時で動かしていたが、慣れない操縦の為ギブアップしてしまった。

 

『チェンジ、真・ゲッターポセイドン見参!!行くぞ!ゲッターサイクロン!!』

 

変形した後武蔵は、即座に空中からゲッター3を狙っていた羽根の生えた鬼をその暴風で巻き込み倒し、

 

『貸し、一つだな。』

『チェンジ、ゲッターツゥ!ドリルアァァァァム!!』

 

真・ゲッターポセイドンの後ろから迫ってきている鬼をハヤトが操るゲッター2が屠って行った。

 

『ヘッ、そっちがな。』

『…そうでもないぞ。貴様の後ろもお留守だぞ!!大雪山おろし!!『止めは私にやらせろ!!』分かった!頼んだぞ隼人!!オープン、ゲット!!(やった!隼人ちゃんが()()頼んで来たぞ!()()!!ここ重要!!)』

『チェンジ・真・ライガー!スイッチ、オン!!チェーンアタック!!』

 

2体のゲッターは迫り来る鬼共を次々と倒している。互いの戦闘をカバーし合い鉄壁と思えるほどの立ち回りだ。

 

『アイツは、大丈夫なのか?』

『ヘッ、アイツはそう簡単にやられる奴じゃねぇよ!私と武蔵二人掛かりでも勝てねぇんだぞ。』

『そんな事はどうでもいい!俺は晴明をブッ倒す!!邪魔はするなよお前等!!』

 

この世界のハヤトと隼人が話している中でも、自身の目的を曲げないのがこの世界の流リョウマと云う存在だ。

 

『…こっちのリョウマは話をあまり聞かないヤツだな。(小声)<ドワォ!!>こ、この衝撃は…武蔵!!』

『ああ、アイツ()()()使う気だ!真・ゲッターライガーで此処から離れるぞ!!』

『いったいどうしたのである!?』

『アイツがデカい技を使う!!お前達もゲッター2で避難だ!!』

『オイオイ、どうしたんだよあっちのネェちゃん達は?』

『あんなに焦るとはどんな技なんだ?(小声)…リョウマ、ベンケイ。言う通りにしろ。』

『分かったよ!!』

『お、おう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・ゲッターライガーとゲッター2が避難した直後、晴明の城が白い龍によって蹂躙された。

 

 

 

■□■□

 

 

 

クソッ!晴明の後ろに居た()()さんにビックリして捕まっちまったよ!!原作では、ゲッター1が倒れた後に頼光さんがあそこまで行っていたのに…俺達が来たから変わったのか?って、いやいや、そんな事を考えている暇は無い!!どうにかこの鬼達を引っぺがして助け出さないと!!

 

一気にあそこまで飛んで助け出すには…派手だけど()()を使うしかねぇ!!

 

「こんなもの振り払ってやる!はぁぁぁぁ…!!」

『クッ!お早く!!』

『我らでも、もう持ちませぬ!!』

『…分かった!滅せよ!!』

 

ヤベェ!晴明の攻撃が来る!!間に合えぇぇ!!

 

「…真覇極奥義(しんはごくおうぎ)!!うおおおおおっ!!」

 

こんな所で使いたくなかったけど、城をぶっ壊して頼光さんをどさくさ紛れに助けるのは…派手すぎるけど、この方法しかない!!

 

「行け!双覇龍(そうはりゅう)!!」

『な、なにぃ!?』

『そんなまさか!?』

 

なんちゃって覇気で両腕から覇気の龍で鬼を吹き飛ばし、晴明からの攻撃の盾にした。

 

『ぎゃぁぁぁ!!』

『きゃぁぁぁ!!』

 

晴明の攻撃の盾にする。覇龍を城へ向けて放つ。鬼に慈悲などいらん!!

 

「おりゃあっ!!」

 

で城を敵と見立て柱や壁をぶっ壊していく!!

 

「でえええええいっ!!」

 

もっともっと中をぶっ壊していく!!

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

んで、最後に…

 

「でやあっ!!真覇(しんは)猛撃烈破(もうげきれっぱ)!!」

 

城の周りを飛んでいた哀れな一匹の鬼を打ち上げて爆殺!!敵がそれに見とれている隙に

 

「…頼光回収。」

「おのれバケモノが!!」

「誰がバケモノだ!!」

 

無事頼光さん回収!!って、晴明がこっちに向いてる!?

 

「此処から無事に出られると思うな…き、貴様は!?」

「何を驚いてい…ヤベ、包帯が…」

 

あ~、あんな派手な技使ったから、顔に巻いてた包帯緩んで俺の顔バレちゃったぜ。てへぺろ(自分でやったけどキモッ!!)

 

「貴様、流竜馬!?」

「ちょっと違うんだけどな。頼光は連れて帰らせてもらうぜ!!」

「させると思うか!ハァ!!」

 

チィ!十八番の五芒星攻撃かよ!!

 

空円脚(くうえんきゃく)!でえええい!!」

「小癪な!!」

 

頼光さんを担いでの戦闘は不利だぜ。

 

「よもや、ゲッターが2体に流竜馬も二人とは…()()()()からの情報には無かった事だ。余興を楽しむのは此処までだな!!」

「チィ!!(来るか!?)」

 

俺は晴明を向かい打つため臨戦態勢を取った。

 

が、

 

『2体まとめて、この地で果てるがよい!!』

『お前…晴明!?』

 

どうやら原作同様鬼と融合し〝ゲッター〟を破壊するつもりだ。

 

「…う、此処は…お前、リョウマか。」

「うっし、大丈夫みたいだな。悪いが、俺はお前が知っているリョウマじゃねぇんだ。だが、此処からは俺達に…()()()()に任せな。」

「げっ、たー?」

「お前の知ってるリョウマが乗って戦っていた赤鬼だ。」

「…あれが、ゲッター。」

「おう!晴明の野郎に味合わせてやるぜ!()()()()()()()()()をな!!」

 



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第17話

少し遅いですが、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。


祝!真ゲッタードラゴン(ゲッターロボ大決戦!版)スパロボ参戦!!
数年ぶりにスパロボ購入します!!


追記、読みにくいので話を分割しました。


 

 

 

『畜生!ゲッタービームが効かない!!』

『困った時のビームって、安直すぎじゃねぇか!お前が放ったさっきのパンチは()()()()()だろうが!チッ、私にやらせろ!チェーンアタック!!』

『小癪な!!』

 

ゲッター1のゲッタービームが効かないと分かったリョウマは狼狽えたが、真・ライガーに乗っている隼人は間髪入れずチェーンアタックで援護攻撃を行った。しかし、それを間一髪で避けた鬼獣王(晴明)

 

『…やはり、新たなもう1体のゲッターには注意しなくては。だが、流竜馬が乗っていないゲッターなぞ恐る恐るに足り<機神猛撃拳!!>どわ!?』

 

そこに現れ鬼獣王(晴明)の巨大な鬼の顔を蹴り飛ばしたのは、

 

『お、俺!?』

 

リョウマにそっくりな人物だった。

 

『おっと、説明するのを忘れていた。アイツは、あっちのゲッターのパイロットの竜馬だ。見て分かるように、()()()巨大な鬼を倒すバケモンだ。』

『それに、手先の器用さと冷静な判断力も持っているときた。正直、お前と変わってほしいぜ。』

『な、何を!!』

 

最初にベンケイ、次にハヤトから言いたい放題言われたこの世界のリョウマ。声を荒げるのも無理はない。

 

「ドクターウェスト!操縦の交代だ!!鬼獣王(晴明)の野郎に味合わせてやる!()()()()()()()()()をな!!」

『分かったのである!!((ようやく)くこの機体から降りられるのである。)オープン、ゲット!なのである!!早くハッチへ来るのである!!』

 

分離したゲットマシン…真ドラゴン号に並走しながら竜馬はハッチに飛び乗った。

 

『ビームが効かないなら、効く攻撃を何度も打ち込めばいい!ドクターウェストしっかり掴まっていろよ!!』

『わ、分かったのである!!(な~んか嫌な予感がするのである。)』

 

操縦者が竜馬に変わり、此処から真・ゲッタードラゴンの真価が発揮される。

 

『行くぞ!隼人、武蔵!!変幻自在のゲッターの本領を発揮するぞ!!オープン、ゲェェット!!』

『よっしゃ、任せな!!チェンジ、真・ライガー!ゲッタードリル!!』

 

変形しながら鬼獣王(晴明)の背後に回り真・ライガーが次々とドリルを放つ。

 

『なっ、動きに追い付けないだと!?』

『まだまだぁ!!オープン、ゲット!!やれ武蔵!!』

 

間髪入れず隼人は分離し、武蔵へ交代する。

 

『ヤッホーイ!隼人ちゃんに、また名前で呼ばれたぁぁぁぁ!!(この武蔵に任せて貰おう!!)チェンジ、真・ポセイドン!大・雪・山!おろしぃぃぃぃ!!』

『な、何だこの女は!急に奇声を上げたぞ!?』

 

真・ライガーの速さに翻弄された鬼獣王(晴明)に今度は、真・ポセイドンの腕が絡みつき回転させられながら投げ飛ばされた。

 

『最後は任せたぞ、竜馬!オープン、ゲット!!』

『…ま、任せろ!(ヤバイ、武蔵の美女成分が減ってやがる。隼人に…いや、俺に甚大な被害が生じる。こ、この戦いが終わってから考えよう!!)チェェェンジ、真・ドラゴン!ダブルトマホゥゥゥゥク!!』

 

その先で竜馬へ変わり、再び真・ドラゴンに変形と同時に両手に持ったダブルトマホークを鬼獣王(晴明)へ振り下ろした。

 

『クソォ!!』

 

ダブルトマホークは鬼獣王(晴明)の両肩に深々と刺さり、

 

『今だ!このダブルトマホーク目掛けてビームを放てぇ!!』

『何でそんなところn『そうか!()()()!!リョウマ、奴の言う通りにしろ!!』チッ、分かったよ!ゲッタァァァァビィィィィィィム!!』

『こっちからも追加ぁ!これで、終わりだ!(相方がマジンガーじゃねぇけど)ツインビィィィィィィム!!』

 

その2本を目掛け新ゲッター1と真・ドラゴンのビームが鬼獣王(晴明)に迫る。

 

『無駄だぁ!ゲッター線はこの五芒星で…な、何ぃ!?』

 

今までは五芒星で簡単に防げたビームが、ダブルトマホークの柄を辿り鬼獣王(晴明)に到達した。

 

『そ、そんな!馬鹿なぁぁぁぁぁぁ!!』

 

そして、爆発を引き起こし鬼獣王(晴明)は消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よっと、ダブルトマホークの回収完了っと。」

 

ダブルトマホークは思ったより近くに落ちていて助かったぜ。それにしてもこの世界の〝流竜馬〟はビームばっかに頼り過ぎだな。OVAで何度も見たけど、もうちょっと鬼獣王(晴明)の倒し方もやり用があった気がするぜ。今みたいにな。(大人の事情)もあったんだろうけど…

 

『りょ、竜馬!あいつ等変な〝渦〟に飛び込んでいったぞ!?』

『助けただけ助けて、その後は去るだと!?何を考えているんだ奴らは!?』

 

チッ!もう出やがったのか!?それと、この世界の〝流竜馬〟は何でも投げっぱなしだな!!だが、あの()が無くなったら、俺達はこの世界()に閉じ込められる可能性がある!!

 

「ッ!追いかけるぞ!あの()が消えれば俺達はこの星から出られなくなる可能性がある!!」

『そ、そうなのか!?』

『そういう事は事前に教えてくれ!!』

「う、渦が徐々に小さくなっているのである!は、早く行くのである!!」

「分かっている!!」

 

俺は頼光達を一瞬見て、その渦に飛び込んだ。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「う、嘘だろ…」

『竜馬!これはどうなってるんだ!?』

『こ、こんな事が!?』

「こ、此処はどこであるか?それも、目の前に見えるのは…()()!?」

 

あの渦はこの世界の早乙女研究所に繋がっていたはず。なのに此処は…

 

『おい!竜馬!!あいつ等、変な奴らに捕まってんぞ!?』

『あれは鬼…ではないぞ!?晴明のように術を使t…ってあれが、お前が言っていた晴明にゲッターの事を教えた()か!?』

『「神!?」』

 

宇宙空間が見える小さな星。壊れて動かなくなったゲッターの残骸。そして、四(はしら)の神。多聞天(たもんてん)広目天(こうもくてん)持国天(じこくてん)増長天(ぞうちょうてん)が新ゲッター1を取り囲み、術を放ってやがる。

 

『オイ!竜馬!!神が敵ってどういう事だ!?』

「(神が敵、であるか?…まさか、吾輩達をあの()()に閉じ込めた犯人は!?)そ、それよりも、このままでは奴ら死んでしまうのである!!」

『まずは、奴らを助けてからだ!行くぞ竜馬!!』

 

やばい。

 

「…」

「りょ、竜馬!急に黙ってどうしたのである!?」

『竜馬!助けに行くぞ!!』

『そうだ!隼人の言う通りだ!お前も思っているだろうが、先程助けた者達を放置し勝手に帰ったのは頂けん!だが、奴らを見捨てていい理由にはならん!!』

 

ヤバイ。

 

「…」

「竜馬どうしたのである!!」

『何で黙ってんだよ竜馬!!』

『どうしたと言うんだ竜馬!!』

 

ヤバイ、ヤバイ。

 

「…やばい。(小声)」

『『「竜馬!!」』』

 

ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい。

 

「…ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい、ヤバイ、やばい!!」

『ど、どうした竜馬!?』

『どうした!!』

「何がどうヤバイのである!?」

 

ヤバイ、ヤバイ!ヤバイ!!()が来る!!一つの()()()が!!出会いたくなかった。晴明ロボをこの世界の竜馬達が倒した後、〝真・シャインスパーク〟でこの世界から脱出するつもりだったのに!!俺はまだ()()りたくない!!()()って堪るか!!

 

「…()が来る!!()()って堪るか!!奴が来る!!虚無って堪るか!!奴が来る!!虚無って堪るか!!奴が来る!!虚無って堪るか!!奴が来る!!虚無って堪るか!!」

 

このゲッターの墓場の星へ、恐らくこの世界の竜馬達が勝っても負けても()来る。竜馬が寄せ集めて作ったゲッターで最後突撃して行った〝ゲッター聖ドラゴンっぽい〟奴も存在する()()!!ヤバイ以外言葉は出ねぇし、下手したらこいつ等も取り込まれて

 

『『「りょぉぉぉぉぉぉぉぉまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」』』

「ッ!?」

 

…頭、冷やさねぇとな。

 

「竜馬!どうしたのである!!しっかりするのである!!」

『ボケ竜馬!()とか()()とか訳の分からねぇ事ばっかりブツブツ言ってんじゃねぇ!!()()()()()()助ける時だろうが!!』

「…ああ、そうだな。」

『此処で奴らを見殺しにしたら、軽蔑するぞ!!何がお前を悩ませているのかよく分からないいが…アーカムシティに戻って真っ先にライカちゃんへ報告し、説教地獄へ叩き落すぞ!!』

「…ハハ、そりゃ、勘弁してほしいな。」

 

此処でチマチマ考えるよりも、

 

「新ゲッター1がやられる、見殺しには出来ねぇぜ!!」

「よし!戻って来たのである!!」

『リーダー、説明は後。今は分かってるだろうな?』

『同じゲッター乗りのよしみ。無論!』

『『「「助ける(のである)!!」」』』

 



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第18話

前話を分割しました。


 

 

 

さっき〝助けてやる〟って意気込んだのは良いけど、あいつ等急に覚醒して盛り返しやがった。大体OVA通りゲッターチェンジアタックで三(はしら)広目天(こうもくてん)持国天(じこくてん)増長天(ぞうちょうてん)を撃破。途中多聞天(たもんてん)は星よりデカくなって反撃したけど、(こっちの隼人とドクターウェストが重力崩壊云々と叫んでいたな)最後はフルパワーのゲッタービームで勝ちやがった。

 

『…今は、負けを認めよう。だが、ゲッターの存在を許しは<ガシッ!!>何ぃ!?』

『…どう云うつもりだ?もう一人の()()さんよう!!』

 

ま、横槍入れて()を倒す()()を確保はするけどな。隼人達にも大体説明して納得してもらったけど、()を倒した後コイツがどうなるかは知らないけどな!!

 

『コイツを助けたなんて勘違いするなよ。<ゴゴゴゴゴゴゴ!!>今から出て来るボス戦に備えて戦力の増強だ!!』

 

多聞天を握り潰そうとしていた巨大ドラゴンが姿を現しやがった。

 

『う、き、貴様は?…もう一体のゲッターだと!?』

『俺が誰で、何処から来たとか言う質問は無しだ。今は〝巨大ドラゴン〟をぶっ壊す手伝いをしろ。それ以外の事をやったら、テメェはスクラップだ多聞天。』

『何故俺の名を!?』

 

さて、この世界の竜馬達に手酷くやられてるな。

 

『回復には、何分かかる?』

『…最低でも10分は必要だ。だが、お前はあれが何なのか分かっているのか!!あの()()()()は俺でも太刀打ちできなかったバケモノなんだぞ!!』

『…ゲッター、あれもゲッターロボだってのか。』

『ゲッターの行きつく姿。』

 

この世界のハヤトとベンケイも漸くバケモノの存在に気付いたみたいだな。

 

『あれは、ゲッターの行きつく一つの姿でしかない。人類全てをゲッターの一部とし〝蠱毒〟の様な環境を創り勝ち残ったものを配下にするモノ、別の星を蹂躙し外宇宙へ進出するモノ、別の惑星…銀河からの侵略者を倒して星を守護するモノ、ゲッターには様々な()()()が存在する。』

『あぁ、その中でも()()()はダメだ。』

『『リョウマ!?』』

 

さて、あと8分暴れてやりますか!!

 

『お前も奴の危険性に気付いたか。奴をこのまま放置しておけば星々を食い荒らす害虫にしかならん!…でだ、奴をぶっ壊す。』

『あ、あんなデカい奴とやり合うってのか!?』

『目の前のゲッターは重力崩壊云々よりあり得ない存在だ!どうやって叩くんだ!?』

 

フッフッフ、ベンケイさんハヤトさん愚問ですよ。此処まで来たなら腹を括って、

 

『『「「気合いと根性(である)!!」」』』

 

しかねぇだろうが!!

 

『へっ、相当いかれてるな!!行くぜ!ハヤト、ベンケイ!!』

『全く…どうなっても知らんぞ!!』

『あーもう!やってやるぜ!!』

<ドワォ!!>

 

巨大ドラゴンの口らしき部分からビームが放たれた瞬間、俺達はオープンゲットしながら奴へ突撃して行く。

 

『チェェェェンジ、真・ポセイドン!ストロングミサイル!!』

『チェェェェンジ、ゲッタースリィ!ミサイルストーム!!』

 

両腕をミサイルで破壊し、

 

『オープン、ゲット!隼人交代だ!!』『分かったぜ!チェェェェンジ、真・ライガー!!真ドリルアァァァァム!!』

『オープン・ゲット!やれ、ハヤト!!』『任せろ!!チェンジ、ゲッターツゥ!!ドリルアァァァァァァム!!』

 

破壊した両腕から、ドリルで両方から頭部コックピットがある場所を目指して掘り進んでいく。

 

『見えた!最後は任せたぞ、竜馬!オープン、ゲット!!』

『行けぇ!リョウマァ!!オープン・ゲット!!』

 

そして、俺達は()()()の元へ辿り着いた。

 

『チェェェェンジ、真・ドラゴン!ダブルトマホゥゥゥゥク!!』

『チェンジ、ゲッターワン!!ゲッタァァァァトマホォォォク!!』

 

ま、これで勝てるとは思ってねぇけどな!!

 

「ククク…粋がるなよ。お前らは、この俺に誘い込まれたにすぎん!さぁ!パーツを寄越せぇぇぇぇ!!」

『『『『何なんだこいつは!?』』』』

『『…』』

 

ゲッターと融合した人間が愉悦な顔で叫んできた。四方八方から伸びて来るコードやパーツ類。俺は()()()の顔が、流竜馬や神隼人、(ともえ)武蔵、(くるま)弁慶等歴代ゲッターパイロットの顔ではなかった事に安堵し、

 

『掛かったな!!脱出だリョウマ!!オープン、ゲット!!』『奴の事教えろよな竜馬!チェンジ、真・ライガー!!真ドリルアァァァァム!!』

『おうよ!!オープン、ゲット!!』『…後で話を聞かせろ!チェンジ、ゲッターツゥ!!ドリルアァァァム!!』

 

トマホークをサッサと仕舞い新ゲッター2、真ゲッター・ライガーでその場から逃げ出した。

 

「この俺の体から逃げられると<ヌゥン!ハァァァァア!!>クソォ!この忌々しい電撃は多聞天の奴か!!」

 

そこに事前に打ち合わせしていた、回復した多聞天の攻撃が入る。

 

『このままお前を野放しにできるかぁ!!今此処で、貴様に引導を渡してやる!!』

「フン、貴様などに負ける訳が『ゲッタービィィィィィィィム!!』小賢しい!!」

 

続いて新ゲッター1のフルパワーゲッタービーム。

 

『リョウマ!ハヤト!ベンケイ!ゲッターの力を信じてもっと感情を込めろ!!…いくぞっ!!隼人!武蔵!ゲッターの力を信じるんだ!!』

『任せろ!』

『行くぞ!』

 

そして最後に俺達で終わりだぁ!!

 

『貴様にも味合わせてやる!()()()()()()()()()をな!!』

「まさか!その声、そのセリフは()()()()()!?」

 

…この宇宙はエンペラーの存在する世界か。だが、今はそんな事関係ねぇ!!コイツをブッ倒す事に集中する!!

 

『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』

『ストナァァァ、サァァンシャァァァァイン!!』

 

この()()ならゲッター線が豊富にある!!か○は○波の要領で機体の掌にエネルギーを集中させ、

 

『真・ゲッタードラゴンの力を見せてやる!!』

『行け、()()()!!』

『(な!そ、そのセリフはゲームで隼人が叫んでいたヤツ!?)…あぁ、任せろ!!』

 

そのエネルギーへ機体ごと突っ込み、

 

『真!!シャイィィィィン!』

『『『『スパァァァァァク!!(である!!)』』』』

 

疑似合体攻撃〝ストナーサンシャインスパーク〟へ変貌させる!!

 

「こ、この俺が…<ドワォ!!>畜生ぉ、エンペラァァァァァ!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

巨大ドラゴン(本体の人間)を倒した後、俺達は急に発生した渦に飲み込まれ新ゲッターが製作された現代へ放り出された。この世界のリョウマ達と情報、技術などを交換しリョウマが見たゲッターと人間の融合した世界や俺の持っている知識を話した。

 

そして、今日。

 

「此処は立ち入り禁止の筈だが?」

「神君!?貴方こそ此処へ何しに?」

「見送りだよ。…それに、俺だけじゃないぜ。」

 

早乙女研究所跡に来ていた。

 

「武蔵坊君。…え!?今日、別世界の竜馬君達帰っちゃうの!?」

「フッ、ミチルさん。そんなに悲しがることは無い。一緒に私達の世界に来れば、私との眠れぬ夜が毎日楽しめます。」

「…武蔵ちゃん、それは何度も断っている筈よ!」

「そんなバカな!?」

 

此処で2週間ゲッター線を集め真・ゲッタードラゴンのエネルギーを限界まで溜めていたからだ。

 

「ハイハイ、武蔵の病気は無視するぜ。竜馬、エネルギーは満タン。ゲッター炉は臨界までもう少しって所だ。」

「分かった。俺達は元の世界へ今度こそ戻る。リョウマ、ハヤト、ベンケイ、ミチル。世話になったな。」

 

今日でこいつ等ともお別れ。そろそろ、帰るぜライカ。…って俺ら何カ月帰ってない!?ラ、ライカの雷が落ちる気配がする!!どうしよう…九郎の坊主に、は無理だろうな。仕方がない。正直に話して説得(土下座)するしかない!!

 

「オゥ!またいつでも来い!!」

「バカが、来れるかどうか分からんだろう!こっちの世界のゲッター線は俺とミチルで引き続き調べ、この地獄の釜から敵が来たら俺達が処理する。気にせず帰って妹に元気な顔を見せてやれ。」

「じゃねぇと後が怖いぞ。俺も帰って来るのが遅かった時、あの時代の嫁にこってり絞られてな…」

 

ヤベェ、ベンケイの実体験聞いたら不安が倍増してきた。

 

「お、おう…」

「吾輩の大天才的頭脳に新たな知識が入り、超大天才に生まれ変わった!待っていろ大十字九郎!超大天才の吾輩がデモンベインを改修する!そのデモンベインでアンチクロスを倒し、吾輩の〝スーパーウエスト無敵ロボ29号デラックス改(通称デモンペイン)〟で吾輩との決着を付けるのである!!」

 

今まで当たり前のように居たけど、ドクターウェストは九郎の坊主と敵対していたんだよな。良い決着が付けばいいんだが。

 

『お前達には、全てのゲッターがあそこへ()()するわけではないと教えてもらった。だが、ゲッターと慣れあう事はこれ以上ないだろう。』

「…お前も来ていたのか多聞天。」

『フン!お前から()()()()()の情報を貰ったが、礼を言ってなかったからな。…それだけだ。』

 

…男のツンデレは要らんわ。

 

『じゃ、皆達者でな!!チェェェーンジ真・ドラゴン!スイッチ、オン!!!ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』

『『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』』

 

緑の光と共に俺達は暗闇の空間へ突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

「…またな、ダチこう!!」

「此処からまた忙しくなるぞ。ミチルさん今までのデータを洗い直す手伝いを頼む。」

「任せて。」

「リョウマ、あの竜馬に武術を習ったそうだな。」

「おう!今から組手するか!!」

「ちょ、そ、そんな事は言ってないだろう!?」

『…騒がしい連中だ。(別の()()か。少し調べてみるか)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見えたぞ出口だ!!」

 

今度こそ俺達の()()に出てくれよ!!

 

「…街が、燃えてる?」

「何処だ、此処は!?」

「な、なんなんだコレは…」

「これは酷い有様である。」

 

俺達の目の前には、数多のビル群が倒壊し、所々で炎が上がっている廃墟が広がっていた。

 

 



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真・ゲッタードラゴン設定

設定を一部変更しました。



 

 

 

・真ゲッタードラゴン

 

PSソフト『ゲッターロボ大決戦!』第20話クリア後に似た世界から落下してきた。

ゲッターチームが月面に待ち受ける昆虫軍団に向かう途中、早乙女博士が建造した宇宙戦艦『ゲッターエンペラー』内でゲッターロボGのゲッターエネルギーが暴走しまるで昆虫のように繭となり、真ゲッターに似た姿へ成長した機体。

その後、第21話でギィムバグとの戦闘中別の()()へ投げ出され、富士山へ衝突し浅間山へ墜落した。

 

武装はゲッターGの全形態の発展系を一まとめにしているが、その武装一つ一つが『物理法則などあったもんじゃない』出し方が出来る。

パイロットは3人必要だが、本作でドクターウェストが搭乗出来た様にGに耐えられるのなら誰でも操縦可能。

 

武装・技

 

<真・ゲッタードラゴン>

 

ゲッターレザー

両腕の鋭利な刃物。伸ばして相手を真っ二つにする。

 

ゲッタービーム

ゲッター1と違い額から発射され、従来のようにビームを直線的に放射するものやビームがジグザグの軌道を描くもの、機銃掃射の如く弾丸状に撃ち出すものと3通りの照射パターンが使い分け出来る。

 

ゲッタートマホーク

両刃の大戦斧のゲッタートマホーク。両肩に収納されているが、真ゲッターの持っているものより大きく、重量もある。

 

ダブルトマホーク

両刃で柄の先端部にメイス状の刃物が付いたゲッタートマホーク。

『ダブルトマホーク』という名称が有名だが、『ダブル』とは『両刃だから』ではなく『2本使うから』であり、本機体で使用する『ダブルトマホーク』は旧ゲッタードラゴンが使用していた物。(ゲッタートマホークは2種類存在する。)

 

真トマホークブーメラン

機体の周りに無数のエネルギー状のトマホークを形成し、それを相手に投げつける。

 

真ドリルアーム(操作するメインパイロットは、真ライガー号の操縦者)

真・ゲッタードラゴンの状態で右手にエネルギーを結集し、ライガーのそれを進化させたような、下腕部を変形させて巨大実体ドリルを形成し、相手を貫く。

 

真ストロングミサイル(操作するメインパイロットは、真ベアー号の操縦者)

真・ゲッタードラゴンの状態で腹部から巨大なストロングミサイルを生成し、発射する。

 

真ゲッタービームランチャー

亜空間から巨大なゲッタービームランチャーを召喚する。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 

ストナーサンシャイン

赤いボタン1つで発射できるという超お手軽設計。両手の間からゲッターエネルギーの塊を作り出し、それを投げつける。

感情を込めて放った場合、威力は感情の度合いにより変化する。

 

真シャインスパーク

シャインスパークの進化版。ストナーサンシャインをも凌ぐ量のゲッターエネルギーを纏い、相手に突撃する。その時には空間すら歪むほどのエネルギーを集束させ、プラズマを纏う。

 

<真・ゲッターライガー>

 

真ライガーミサイル

左腕を展開して発射するミサイル。

 

チェーンアタック

左腕の傘状パーツをチェーン付きで発射する。

 

真ドリルアーム

右腕がドリルに変形する。左腕が展開して中からドリルを出す事も可能。

 

マッハスペシャル

ゲッタービジョン(高速移動による残像現象で分身を作り出し、敵を幻惑する。)とゲッターマッハ(分身を伴わぬ高速移動モードで、陸上のみならず空中から急降下する際にも使用可能。)の技を合わせたもの。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 

<真・ゲッターポセイドン>

 

ストロングミサイル

背中に装備している2基のミサイル。チェンゲ版のポセイドンのように、これを直接持ってぶつけるという荒業も可能。

 

フィンガーネット

指を変形させて放つ投網。ポセイドンの怪力で絡み取った相手を投げ飛ばす事も可能。

 

ゲッターサイクロン

首の周りにあるフィンを回転させる事で暴風を発生させ、敵を飲み込ませてしまう大技。

 

大雪山おろし

敵の力を利用して体勢を崩し、遠心力を利用して相手を投げ飛ばす荒技。本機体は伸縮する腕で敵を絡めとる。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 

2019年発売予定のゲーム『スーパーロボット大戦T』にて20年越しのサプライズ参戦がPV第2弾にて告知されているぞ!!

 



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機神咆吼デモンベイン編
第19話


 

 

 

俺達が目の当たりにした光景は、破壊された街だった。

 

『街が…』

『…クソッ!!(クソッ!私の(故郷)と同じようにぶっ壊しやがって!!)』

『街の、街の住人(美女、美少女)達は無事なのか!?』

 

倒壊したビルや煙が立ち上っているビル。それに、まだ逃げている人達が見えている。こんな光景は見たくなかった。

 

『俺は、俺は!』

『竜馬…』

『…』

 

俺は、街が破壊された光景は多く目の当たりにしていたし、人々が逃げている光景を見た事もある。

 

『まさか、負けたというのか()()()()()!!』

 

…だが、自分の()()が此処まで破壊された光景は初めて目の当たりにした。以前破壊された街を見たが、その時の方がマシだと思う程。

多分、今俺の顔は鬼の形相になっているだろう。早くライカ達の無事を確かめねぇと…

 

 

 

■□■□

 

 

 

デモンベインが窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)の起動に成功し、ティベリウスを屠ったところを監査していた〝モノ〟がいた。

 

「やはりだ九郎君。やはり今回の君がそうだったんだ。ついにこの時が来た。幾多(いくた)の時間を繰り返す事幾星霜(いくせいそう)。ついに、ついに!」

 

<パリンッ!!>

 

「な、こ、これは!?」

 

しかし、その〝モノ〟の喜びに横槍を入れる存在が現れた…

 

「まさか、そんな!?」

 

いや、()()()()()が表現として正しい。

 

「バカな!?私が造ったあの空間から、普通の魔術師では脱出出来るハズがない!!」

 

それは、戻って来るハズない存在。()()()()()()()()()()()()()

 

『街が…』

『…クソッ!!』

『街の、街の住人(美女、美少女)達は無事なのか!?』

 

ドクターウェストが造り出した(彼又は彼女なる存在(モノ)が、勘違いしている)魔術を使用しないで動くロボット。

 

「ドクターウェストに…ゲッターロボ!!」

 

そう、彼ら竜馬達がこの世界(宇宙)に戻って来たのだ。

 

「何故、どうして!?それも、緑色のエネルギーを(まと)っているダト!!」

 

それもその筈。ゲッター線の存在しないこの世界(宇宙)を離れ、ゲッター線が充満する世界(宇宙)を渡って来たのだ。エネルギーは満タン、直ぐにでも臨界まで上げられる。

 

「クッ、製作者を同じ空間に閉じ込めては拙かったようだね。…此処は引いて様子を見た方が良さそうだ。」

 

そう言い残すとこの世界の黒幕は姿を消した。

 

 

 

■□■□

 

 

 

ライカは!九郎は!!無事なのか!!

 

「俺が、一旦地上へ降りる!皆が無事か見て「竜馬、そこにデモンベインがいるのである!!」直ぐ向かう!!」

 

九郎の坊主は、無事だった…か?

 

「…エルザちゃんじゃねぇ少女と抱き合ってんぞアイツ?」

『グヌヌ!エ、エルザちゃんがいながら別の女を手籠めにするとは、許せん!!』

『だが、エルザではないとデモンベインは動かせなかったハズだが?』

 

こんな光景エルザちゃんが見たら泣くぞ。

 

「いや、彼女…アル・アジフ(ネクロノミコン)と大十字九郎が揃って魔を断つ者(デモンベイン)が十全に動くのである。エルザは彼女がダメージを負って休んでいた時のサポート役である。」

「成程。彼女がネクロノミコン。…で、ネクロノミコンって何だ?」

「…簡単に言えば、魔導書である。」

「へぇ。…マジでぇ!?」

 

ってんな事はどうでもいいんだ!(投げやり)九郎の坊主にこの状況を説明してもらう!!

 

「九郎の坊主無事k『九郎!新手の鬼械神(デウス・マキナ)だ!連戦になるがいけるな!!』『応よ!!』って待て!俺達は敵じゃねぇ!!」

 

あの少女スゲー好戦的なんだけど!?

 

「待つのである、大十字九郎にアル・アジフ。状況を説明して欲しいのである!!」

『この声、ドクターウェ『誰だお前は!!』何!?どうした九郎、この声と口調はドクターウェストのだぞ!?』

 

どうもまともな会話が成り立っていない。このままじゃ埒が明かない

 

「…話しをしたい。そこへ降りてもいいだろうか?」

『…アル、どうする?』

『我も復活したばかりで現状が分からぬ。…何かあれば今の九郎なら大丈夫だろう。』

『分かった。(小声)良いぞ!降りてこい!!』

 

九郎の奴凄く警戒してるな。

 

「久しぶりだな、九郎の坊主。」

「ん?俺はアンタと初対面だが?」

「そうそう初対め…ん?」

 

…は?

 

「ドクターウェスト、やはり(なれ)だったか。」

「アル・アジフ、単刀直入に聞く。貴様が復活していてこの体たらくはどう云う事である。」

「体たらく?ああ、街の惨状か。こればっかりは妾も申し訳ないと思っている。妾は()()()()したばかり。だが、ブラックロッジであるお前が何故街の心配をするのだ?」

 

九郎の奴何言ってんだよ。

 

「ライカの奴は無事か?ジョージやアリスン、コリンは無事にシェルターで過ごしているか?」

「何でライカさん達の事知ってんだ?教会に来た事あるのか?」

「俺だよ、俺!竜馬!!お前が小さい頃一緒に遊んだ事も…まさか、5年間も連絡寄越さずに出てったの、まだ怒ってんのか。ゴメン、悪かった、スマン、この通り謝るから機嫌を直してくれ!!」

 

何だ?何か違和感がある。

 

「そうか、それで…納得したのである。それと、吾輩ブラックロッジは脱サラして辞めたのである。今はデモンベインのメンテナンスを主に行う技術者として、エルザと一緒にそちら側へ雇用してもらっているのである。」

「な、何と!?では、あのロボ娘も九郎の周りに!?…これが格差社会か。九郎の周りには大きい者しか集まらないのにどうして妾のモノはおおきくブツブツ(小声)」

 

ナニカが引っかかる。

 

「えぇ…」

「頼むこの通りだ!!」

「…竜馬、その辺にしておけ。」

 

隼人、でも!!

 

「だが、「済まない、大十字九郎。私達は貴方方と敵対しない。少し込み入った話がしたい。拠点があれば案内して欲しいんだが。」武蔵!!」

 

武蔵も何故止める!!

 

「どうしたのである、竜馬?」

「リョウマ、竜馬?そう言えば、どこかで聞いたような…あぁ、九郎が言っていた兄と慕っていた男か。」

 

何かが、何かがおかしい!!

 

「アル?兄って?」

「九郎、お主どうしたのじゃ?あれ程ライカと共に話していたではないか。」

「…話は後なのである。一度拠点で話をするのである。」

 

クソッ、クソォ!何がどうなってるんだ!?

 



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第20話

 

 

 

クソッ、クソ!何で()()()()()()()()()()んだ!!俺は狐につままれたのか?悪い夢を観ているのか?九郎の坊主の様子が変だったから、念のためシェルターの外で話をして良かったぜ。ジョージやアリスン、コリンにまで俺を覚えてねぇから、俺があいつ等に迫っちまった。

それで、ライカのヤツに敵意むき出しで警戒されたな。ありゃ、悪戯とかじゃねぇ。本当に俺の事が分からねぇんだ。

 

ハァ。一度教会に行ってみたが、俺の部屋は影も形もねぇし。拾ってもらった日の丁度15週年目(何度もオヤジ(神父)に聞いて教えてもらった)に送った、ガレキの鉄くずから作った力作、超合金(笑)SDアースゲイン超可動verもオヤジ(神父)の部屋に跡形もねぇ。

本当に()()()()()()()()()()()なのか?まさか、此処は俺達が存在しなかった別の地球…パラレルワールドだってのか!?

 

「チクショウ!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

「チクショウ!!」

「…竜馬。」

「今はそっとしておこう。」

 

避難シェルターから帰って来た竜馬の背中は、意気消沈し何時もより小さくなっていた。その背中を見守る隼人と武蔵は、いつもと違う竜馬に一定の距離を置いていた。

 

ライカさん(家族)からあんな拒絶を受けたんだ…無理もない。私が同じ立場なら、即自害していただろう。」

「そ、そこまでなのか!?」

「ああ。それも、巨乳美女(ライカ)さんからだぞ!巨乳美女(ライカ)さんから!!大事なので(ry」

「…心の声がただ漏れだぞ武蔵。(だが、身内からの拒絶か…私らじゃどうもできんじゃねぇか)」

 

隼人は此処で初めて竜馬が苦悩している姿を見た。そして、竜馬に何か出来ないか考え武蔵に一つの提案をした。

 

「―――か。フム。」

「駄目か?」

「隼人の頼みだ、問題ない。それに、」

「それに?」

「私達は3()()()()()()()()()()だ。仲間が困っている時は助けるのは普通の事だ。」

「武蔵…」

 

武蔵の了承得て安堵する隼人。

 

「で、何故話の途中から私に頬ずりするんだ?」

「隼人ちゃ…美少女成分の補給だ。これも普t「こんなのが普通であって堪るか!止めろ鬱陶しい!!」そんな!?」

「…不安になって来た。」

 

…訂正。あまり安堵出来ていないようだ。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「鬱だ、ちのう。」

 

必要に迫ったこっちも悪かったけど…ライカに来ないでって言われた。嫌われたかな…ハハハ。ハァ、これからどうすっかな。ん?人の気配だ。

 

「エ、エルザが!吾輩が生み出した最高傑作が!!」

 

ドクターウェストか。…何か様子がおかしいぞ。

 

「よぅ、ドクターウェスト。そっちもなんかあったのか?」

「ム、竜馬であるか。そっちもとは、何かあったのであるか?」

「あぁ。ライカやアリスン…教会で一緒に住んでいた奴らが俺の事を一切覚えていねぇんだよ。教会で俺が使っていた部屋は倉庫になってるし、一緒に描いた絵は全くの別物だ。…ハァ、どうなってんだよ。」

 

ホント、頭がおかしくなりそうだ。

 

「な、なんと!?吾輩も似たような事になっているのである!この街の数か所に点在させておいたラボから映像や電波は来ないので近場を確認したのである。そうしたら、な、なんと!只のビルになっていたのである!!それに、エルザに至っては覇道財閥が造り上げた()()()()()()()!!何がどうなっているのである!?」

 

オイオイ、ドクターウェストもかよ。パラレルワールドって線が有力かな。

 

「なぁ、パラレルワールドって知っているか?」

「…並行世界であるか。その可能性大であるな。」

 

流石ドクターウェスト。一瞬で俺が言おうとした事に気付いたな。

 

「隼人達と話をして、『真・シャインスパーク』で次こそは元の地球へ帰っt「お兄ちゃん!!」ん?この声アリスンか?」

 

どうしてアリスンが此処へ?そろそろ晩飯って言ってた筈だが?…それと、何か慌てた声色だ。

 

「モ、モミアゲのお兄ちゃん!ライカお姉ちゃん見てない!?」

「モ、モミアゲって…ハァ。見てないよ。それより、どうしてライカ…お姉ちゃんを探しているんだ?あのまま一緒に避難シェルターに戻ったのかと思っていたが?」

 

それも、こっちはシェルターとは逆方向だしな。

 

「あ、あのね。モミアゲのお兄ちゃんがいなくなった後、ぱーかー?でお顔を隠した変な人が来てライカお姉ちゃんに何か喋っていたの。聞き取れたのは〝むーんちゃいるど〟と〝りゅーが〟って言葉だけ。その人は、それだけ言ってどっか行っちゃったんだ。そしたら、ライカお姉ちゃん急に怖いお顔になって追いかけて行ったの。」

 

ムーンチャイルド?リューガ?聞いたことのない言葉だ。だが、

 

「そうか、良く話してくれた。ドクターウェスト。」

「何であるか?」

「アリスンを皆の元へ。…それと、」

「大十字九郎にも話しておくのである。気を付けて行くのである。」

「恩に着る。…アリスンちゃん。」

「何、モミアゲのお兄さん?」

 

ライカが…()分が血相を変えて追いかけて行くんだ。何か深い事情が絶対ある。

 

「この緑髪のお兄さんと一緒に九郎の坊主…九郎お兄さんの所に戻れ。」

「で、でも!!」

「さっき話してくれたことを九郎お兄さんにもう一度話すんだ。いいな。」

「う、うん…」

「大丈夫、俺が…このモミアゲのお兄さんが今から探しに行く。九郎お兄さんにもその話を聞いてもらって手伝ってもらおう。アリスンちゃん達は皆でライカお姉ちゃんが帰って来るのを待っていろ。帰って来たら、皆で飯だ。」

 

そう言って俺はアリスンの頭を撫でて、十傑集(じっけっしゅう)走りでライカを探しに出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?なんで私、モミアゲのお兄ちゃんにライカお姉ちゃんの事話したんだろう?九郎お兄ちゃんに話せばいいのに。でも、()()()()()()()()()()()()十傑集(じっけっしゅう)走りは凄いn<ズキ!!>ッ!?

 

『いいか、お前等!何かあったら、この竜馬兄ちゃんに言え!勉強以外なら何でも助けてやる!!』

『ゴロツキ共が!俺の兄妹たちには指一本触れさせんぞ!!』

 

なに?今の…

 

「…竜馬、お兄ちゃん?(ボソ)」

「ん?どうかしたのであるか?」

「んーん。何でも無い。早く九郎お兄ちゃんに伝えないと!!」

「こ、こら!走ったら危ないのである!!」

 



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第21話

 

 

 

罠だと分かってこの人気の無い一角に私は来た。()()()を完全に使いこなし、こいつらの企みを潰して来たから私だけで倒せると思ったからだ。覚悟を決め、目の前の男と決別する為に!

でも、また私は繰り返してしまうの?

 

「あの『メタトロン』が『ムーンチャイルド計画』の生き残りだったとは。至極、至極納得した。」

「クッ、ウェスパシアヌス!夢幻心母には私がコアになる、リューガにこれ以上戦わせるな!!」

 

私達(ムーンチャイルド)は、クトゥルーを制御する為に魔術強化を人為的に受け造り出された。目の前の杖を持った老人、ウェスパシアヌスに。

そして、対峙している全身黒の外骨格を(まと)った男が、4号である私の次に生み出された存在。5号で弟のリューガだ。

…あの何もない施設で同士討ちをさせられた時、この私がこの手で殺してしまった。神父さまに助け出された後も彼を殺してしまった事を後悔していた。でも、その子が蘇って私と敵対している。

 

「…だそうだがどうするかね?」

「メェェェェタァトォロォォォォン!!」

「そんな、正気が!?」

 

まさか、この子を蘇らせた時に細工を!?

 

「なに、細工などはしていない。」

「心を読んだ!?」

 

クソッ、ウェスパシアヌスのペースに呑まれるな!ヤツを倒してリューガも助ける!!

 

「読めずとも、今のお前の心境は分かる。ソレを蘇らせたのだが、困った事にお前に復讐する事しか考えてなどいない。お前に宛てる事しか出来んのだよ。それに、夢幻心母のコアは既に()()している。故に、故に!!」

「ぼくに倒されろ!4号ォォォォォ!!」

 

そ、そんな!それじゃ、リューガは私に復讐する事…殺す事しか頭にないの!?…そして、この場でウェスパシアヌスが嘘を付く必要もない。残念だけど、『C計画』も完成してしまっている。九郎ちゃんとアルちゃんに早く連絡して<ドゴン!!>

 

「グッ!!」

「彼を前に考え事とは。何かこの状況をひっくり返せる秘策があるのかね?あれば、教えてほしいものだ。」

「オォォォォォォ!!」

 

重いパンチを腹部に喰らってしまった。これ以上のダメージを受けたら…

 

「そろそろ、チェックメイトと行こうか。我らブラックロッジの計画を次から次へと邪魔をした責任、取ってもらう。ガルバ止めをs「手を出すな!!」…そう言えば、お前の復讐だったな。さっさと始末したまえ。」

「言われなくても!!」

 

ゴメン、九郎ちゃん。この先、もう手助けは出来ないわ。

 

「これで、これで、目の上のたん(こぶ)のメタトロンがいなくなる。」

「…滅びる。お前達『ブラックロッジ』は必ず滅びる!邪悪を憎み、魔を断つ剣を執る者が現れるから…世界には、そういう意思が確実に存在するのよ!!」

「実に、実に滑稽だ!!今吠えてもなにもなりはしない!やれ!サンダルフォン!!」

 

…もう、叫ぶことしかできなかったわ。これから私、死ぬのね。ゴメンねリューガ、助けられなくて。そして、九郎ちゃんあの子達をお願いね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…助けて、()()()()()()()!!

 

『そこか、ライカァァァァァァァァ!!電影弾(でんえいだん)ンー!!』

<ドドドドドドドドン!!>

「チッ!!邪魔しやがって!!」

 

あれ?何で、あの人を兄と?それに、何故その人が()()にいるの!?

 

「な、何者だ貴様!?(か、回転するエネルギーを身体に纏ってそのまま壁を突き破って来るだと!?)」

「あぁ゛?テメェらこそ誰だ。ライカ…さんの声が聞こえたが、何処だ?まさかとは思うが、ライカさんに怪我とかさせてねぇよな?怪我の具合によっちゃあ、今後自分で日常生活が出来ねぇ様な身体になるぜ!!」

 

あ、あの壁を突き破って来たですって!?私やリューガ、変身した九郎ちゃんでも一度に一つか二つが限界なのに、五・六枚は破壊しているわ。

 

「あ、貴方は…」

「ん?こっちからライカ…さんの声が?って、銀髪の姉ちゃん大丈夫か!?ボロボロじゃねぇか!!」

 

何だろう?この人の顔を見ると安心してしまう。

 

「貴方は此処から逃げて、大十字九郎にブラックロッジのウェスパシアヌスとサンダルフォンがいる事を伝え「何言ってるんだ、()()()?」ッ!?よ、よく私がライカだと分かったわね。」

「声と雰囲気だ。…それに、何時もお前は自分一人で何かを抱え込もうとする。悪い癖だぜ。」

「良く私を知っているわね。でも、今は私の言う通りにして!貴方がいくら強かろうと魔術師には敵わな<ドゴォ!!>ってなに!?」

 

え?今、黒いモノが吹き飛ばされた?

 

「悪いな、ちょっと殺気が気になって手が出ちまった。そこで大人しく待っててくれ。話が終わったら直ぐ相手してやる。」

「グ!!」

「サ、サンダルフォンが一撃で膝を付くだと!?」

 

まさか、リューガが一撃で大きなダメージを負ったの!?

 

「で、この状況を客観的に見てお前等がライカを痛めつけた元凶、ブラックロッジって奴だな。二度とライカに近づけねぇように躾けてやるぜ。」

「ま、待って!関係ない貴方が身体を張らなくても「関係ねぇわけねぇ!!」竜馬…さん。」

 

何故、何故貴方はそこまで私達に優しいの。

 

 

 

■□■□

 

 

 

ライカの声が聞こえたからそっちに急いで超級覇王(ちょうきゅうはおう)電影弾(でんえいだん)を使って文字通り飛んで行ったら、エロ…失礼。所々破壊された戦闘服の銀髪姉ちゃんがボロボロの状態で爺さんと全身黒戦闘服を来た奴に対峙してた。

んで、銀髪姉ちゃんの声や仕草がライカに似てたから、鎌掛けたんだがライカだった。…『何で格好が変身ヒロインなんだ!?』っては、空気を呼んで突っ込まねぇけど。ま、ブラックロッジの連中には悪いが、ライカを傷つけた代償は高く付くからな!たっぷり躾け(サンドバック)てやるぜ!!

 

「ま、待って!関係ない貴方が身体を張らなくても「関係ねぇわけねぇ!!」竜馬…さん。」

 

もうパラレルワールドだの別の地球だの関係ねぇ!!

 

「此処が別の世界でも、お前は俺の()だ!!それだけで、身体張る理由になる!!」

「横からしゃしゃり出て、メタトロンを殺す邪魔をするな!!」

 

あぁ゛今コイツ

 

「殺す、だと?俺の()を殺すと言ったかぁぁぁぁぁ!!」

 

ライカ()を殺すと言いやがった。オーケーオーケー…半殺し決定だ。

 

「ゆくぞ!お前に死を告げる為に!!はっ!はあっ!」

「ガルバ、オトー、ウィテリウス、ヤツを止めろ!行けぇ!!」

「竜馬さん逃げてぇぇぇ!!」

 

たかが、獣が3匹増えた程度でこの俺を止められると思うなよ!!

 

「俺を舐めるなよぉぉぉぉぉ!!でえいっ!!」

 

4体まとめて拳で吹き飛ばし、この一撃を叩き込む!!

 

『機神!猛撃拳ん!!』

「ま、まさかそんな手も足も出ないだと!?」

「す、凄い。」

 

顔を守っていたヘルメットが砕けて、獰猛な青年の顔が出て来たぜ。まだまだ敵対する意思があるな。さぁ、次は何を叩き込こもうか?

 

「四肢でも捥ぐ「ま、待って!その子は、サンダルフォンは!リューガは私の弟なの!!」なに!?」

 

なにホントか!?なら、

 

「この小僧がライカの弟だぁ?じゃ、俺の弟だ!歯ぁ食いしばれ!拳骨で更生させてやる!!」

 

俺の拳骨で目を覚まさせてやる!!

 

「な、舐めるな!ぼくは「フン!フンフン!!」グフゥ!?」

 

そっちこそ舐めるな!声だけ勇者王だったから少し加減をミスった(あんなに吹き飛ぶとは思わなかった)けど、お前の様な経験の浅い小僧に後れを取る訳がねぇ!!

 

『空円脚!!』

 

これで、終いだ。

 



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第22話

今年7月に、ななんと!あの皇帝、ゲッターエンペラーが発売されます!!
無論私は買いますよ。



…あぁ、何だそうだったんだ。
…俺は、エンペラーを買う為に此処まで頑張って来たんだ。


 

 

 

さて、俺の蹴りでダウンした義弟はライカに任せて、

 

「…爺さん、自己紹介がまだだったな。俺の名は竜馬。一応コイツ、ライカの兄貴分だ。」

「なぜ、何故サンダルフォンが敗れる!?私が造ったムーンチャイルドだぞ!ま、まさかお前もムーンチャイルドの生き残りなのか!?」

 

何だよ爺さん、自己紹介も出来ねぇのかよ。それと、ムーンムーンってお前は武装錬○のムーンフェイスか!?

 

「悪いな爺さん、むーん何とかってのは知らねぇ。だが、(ライカ)を泣かせた報いは受けてもらうぜ!!」

「クッ!オトー、ガルバ、ウィテリウスよサイクラノーシュを呼ぶ!メタトロンとサンダルフォンへ攻撃しろ!鬼械神(デウス・マキナ)でここ一帯を焦土に変えてやるわ!!」

「やらせるかぁ!<ドドドン!!>ちぃ!邪魔な獣共め!!」

 

俺だけならまだしも、ライカ達を庇いながら戦うって少しキツイぜ。

 

「チッ!短気な爺さんだ。おい!ライカ…さん、ソイツを連れて此処から逃げろ!!」

()()()()()()()はどうするの!?」

「(ん?攻撃されているのにライカの奴気付いてねぇ。倒れたりゅーがって奴の事しか見えてねぇぞ!?それと、この地球(別の地球)のライカが何故俺をお兄ちゃんって呼ぶんだ?)…お前を泣かせたからな。お灸を据えてやらんと俺の気が済まん!それに、此処は直ぐに崩れる!九郎達が騒ぎを聞きつけて此処に向かっている筈だ!早く行って合流しろ!!」

「わ、私も戦「駄目だ!!」なんで!?」

 

えぇい!こんな時にその頑固さは出て来るなよ!!

 

「いいか、よく聞け!その弟が助けたいのなら、今すぐ九郎の坊主の所へ行け!!手加減したが、相当のダメージが入っている筈だ。このまま此処にいると戦闘の余波で本当に死んじまうぞ!!」

「ッ!!」

 

チィ!話してる時ぐらい攻撃を止めろや獣共!!テメェらの攻撃をいなし、相殺してるが、反撃出来ねぇじゃねえか!!

 

「俺を、()()()()()()を信じて、早く行けぇ!!」

「分かった!竜馬お兄ちゃんも気を付けてね!!」

 

やっと、行ったか。あの獣共一匹ぐらいは倒したかったが、

 

『まさか、まさか、お前は守りきったと言うのか!オトー、ガルバ、ウィテリウスの攻撃からあの2体を!?』

2()()だとぉ!二人って言えや爺ぃ!!それに、兄ちゃんが妹と弟を守るのは当たり前だぁ!!」

 

でっかい機械仕掛けのヒトデにのって爺さんが戻ってきやがった。だが、まぁいい。ライカ達は此処から居なくなった。こっからは、()()のキツイお仕置きタイムと行こうか!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

避難シェルターから遠い街の一角で、一人の男が生身で鬼械神(デウス・マキナ)と対峙していた。

 

『クッ!オトー、ガルバ、ウィテリウスよサイクラノーシュと一体となれ!!』

「俺の妹を傷つけ、弟をけしかけた罪、その身を持って償ってもらう!老人だからと容赦せんぞ!!」

 

3体の獣はヒトデのような形の鬼械神(デウス・マキナ)サイクラノーシュに吸い込まれて行った。

 

『お前が勝利することは無い。咆哮で動けなくなった所を、高速呪文詠唱を組み合わせた複合攻撃で消し炭にしてやる!!』

「御託はいい。ロボットに乗ったところで俺に勝てると思うなよ!!」

 

ロボット対人。この絶望的な状況でも男は負けることは微塵にも感じていない。

 

『減らず口を。やれ!オトー、ガルバ、ウィテリウス!!』

<ゴア!!>

「なっ、うるせ…ッ!体が!?」

 

しかし、鬼械神(デウス・マキナ)から放たれた魔術によって体を拘束され、攻撃魔術が次々と彼目掛け放たれる。

 

『まだだ!此処一帯を消し飛ばし、大十字九郎に絶望を味わ「そ、そいつは、残念だったな!」なに!?』

 

男は立っていた。全身はボロボロだが確かに立っていた。口から血を流し、片目を瞑り右手で左腕を持ちながら。

 

「ゴフッ!…こ、こんなもんじゃ、俺は倒せねぇぜ!それに、()()を舐めるなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

竜馬の目の中に円が複数出来、体を緑色のエネルギーが(おお)って行く。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!はあっ!!」

 

竜馬が両足に力を込め踏み込んだ箇所が大きく陥没し、ひび割れて行く。そして、そこから鬼械神(デウス・マキナ)に肉薄。

 

「おりゃあっ!おおおおおおおおおおっ!!」

 

目にも止まらぬ拳を次々と繰り出し、取り込まれ巨人になったオットー達の顔面を砕いて行く。

 

真覇(しんは)剛掌閃(ごうしょうせん)!!』

 

街の外れにある山にサイクラノーシュが激突し、山の一部を完全に破壊しサイクラノーシュもその衝撃でコックピット部分を残し爆発した。

 

『な、何故生身の人間に敗れるのだぁぁぁぁぁ!?』

「…そりゃ、魂の(こも)ってねぇロボットに俺が負ける訳ねぇだろ。」

 

その叫びに男は答え、その場に倒れ意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…五月蠅い。こっちは気持ちよく寝てるってのに。

 

「―!――!!」

「――!!―!」

 

何か言い争ってるのか?それにしても、五月蠅いな。

 

「竜馬お兄ちゃん死んじゃやだよう!!」

「オイ、ガキ!竜馬が簡単にくたばるわけねぇだろうが!起きたら直ぐに私達と、私達と、うわぁぁぁぁん!!」

 

誰かが泣いているのか?

 

「ちょ、アリスンちゃんと隼人ちゃんが泣き止まない!?幼女が!美少女が泣いているのに今の私では泣き止ませられない!!どうすればいいんだー!!」

 

何故だろう、最後の奴を殴りたくなったぞ。

 

「ラ、ライカ!こ奴生身で鬼械神(デウス・マキナ)を屠ったのか!?生身で!?」

「そうよ、アルちゃん。私達の兄さんは世界で一番強いからね。」

「って、何故(なれ)はそんなに落ち着いているのだ!!」

「前も、こんなにボロボロになって帰って来たことがあったからよ。私達を守る為に街のマフィア相手に一人で大立ち回り。最後にそのマフィアを潰したのは良いけど、兄さん3日も寝込んで子供たちに隠すのが大変だったわ。」

 

そう言えばそんな事もしたな。

 

「ライカさんのお兄さん?駄目だ、思い出せない。」

「…4号の兄?僕の、兄?」

 

だぁー、ちったあ静かに出来ねぇのかこいつ等!

 

「静かにしろ!寝れねぇじゃねぇか!!」

 

ん?急に静かに「兄さん!!」ドワォ!?

 

「兄さん!聞いてますか竜馬兄さん!!何であんな無茶するんですか!生身で鬼械神(デウス・マキナ)に立ち向かうなんて!いくら兄さんが強いからって私が心配しないとでも思っているんですか!それも、私の個人的な事だったからならなおさらです!!いつものように帰って来たからいいものを!それと、兄さんは()()が一切ないんですよ!鬼械神(デウス・マキナ)と戦うのは、魔力が有って、アルちゃんみたいな魔導書(ネクロノミコン)を所有している九郎ちゃんに任せればいいんです!!兄さんは街のゴロツキ共を死なない程度に痛めつけて、私達の安全を守ってくれるだけでいいんです!!5()()()も行方をくらまして、連れ帰って来たこんな可愛い娘に涙を流させて!聞いてますか兄さん!兄さん!!」

「す、スマン!!」

 

久しぶりに喰らうライカのマシンガン説教。寝起きにはキツイぜ。…あれ?意識が遠のいて行くぞ?

 

「…(なれ)の、さっきまでの余裕な態度は何処に行ったのだ!?」

「さ、流石ライカさん。容赦ねぇ。」

「あわわわ、ライカお姉ちゃん竜馬お兄ちゃん白目向いてるよ!!」

「ま、待てライカ!竜馬の首掴んでる!首!!起きて早々殺しに掛かるな!!」

「グヌヌ、こんな美人なライカさんに気遣ってもらえるのに、アリスンちゃんや隼人ちゃんまでも!!…私も心配したんだぞ。それと、隼人ちゃんがお前を元気づける為に元気が出る料理も作って待ってたのに(小声」

「これが、家族と云うモノなのか?」

 

 

 

■□■□

 

 

 

「う、くっ!何のつもりだ?ウェスパシアヌス!<バリバリ!!>ぶるぁぁぁぁ!!」

 

此処はアンチクロスの基地の中。ウェスパシアヌスは必死の思いで此処までたどり着き、若本…失礼。アウグストゥスを魔術で拘束していた。

 

「決まっている。決まっているとも。君を排除するんだよアウグストゥス。『ルルイエ異本』を手に入れた私が!『Cの巫女』を造り上げた私が!クトゥルーの力を掌握し、あの竜馬と言う小僧に復讐するのは、至極、至極当然な事だと思うのだがね。」

「き、貴m<バリバリ!!>ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そして、最後の電撃を浴びアウグストゥスは地面へ落下して行った。

 

「悲しいね。実に悲しいね。君はアンチクロスとして大切な同士だったのに。しかし、しかし!この世は悪意や裏切りに満ちているのだ。世知辛いよね、アウグストゥス。」

「全くだ。」

「ぬ!?」

 

しかし、アウグストゥスの体は落下した箇所から浮き上がり、先ほどと同じ場所に静止した。

 

「こ、これはクトゥルーの力!何故!?」

「この世は、悪意や裏切りに満ちているのだろう?さぁようならだ。ウェスパシアヌス!」

「お、おのれぇ!!」

 

いつの間にかルルイエ異本はアウグストゥスの管理下になり、それを使いクトゥルーの力でウェスパシアヌスは跡形もなく消し飛ばされてしまった。

 

「遂に、遂に私は神の力を手に入れた!何者も抗えぬ、究極の力ぁを!手に入れたのはこの私だ!世界のはぁしゃ!アァウグストゥスがぁ!!」

 



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第23話

日向@様誤字報告ありがとうございました。
一部矛盾が生じる所があったので修正しました。


 

 

 

俺は翌日には動けるようになったんだが、何故か全快祝いが行われた。元々俺の落ち込みようを見て、隼人と武蔵が俺を元気づける為に料理パーティーを予定していたらしい。ライカや九郎の坊主に覇道の嬢ちゃん達をも巻き込み盛大なものになった。

皆、いつブラックロッジが攻めて来るか不安で眠れぬ夜を過ごしていた。こんな時こそ騒いで不安を一瞬でも消したかったのかもしれないな。

んで今は、

 

「無事デモンベインは夢幻心母へ突入しました。」

「マコトさんのクールで凛々しい声には、何時も惚れ惚れします!どうです?今夜ベッドでその声を私だけに聞かせてくれないか?」

「…貴女が幼女ではないので、お断りします。」

「む、武蔵さん!私のメイドに変な誘惑をしないでくださる!それに、マコト!幼女だったらどうなっていたのですか!?」

 

アル・アジフの嬢ちゃんが復活して飛行可能となったデモンベインが、太平洋に移動した夢幻心母って黒くてデッカイ玉へ強襲を掛けている。やはり、空を飛べることは大きなアドバンテージだ。俺が、ジェットス○ランダーって叫んだのも仕方ない事。五月蠅いって怒られたけど…

それと、夢幻心母の観測できるのは海上に出てる半円だけってのは警戒しないとな。海中から何が出て来ることやら。

 

「…竜馬兄さん、武蔵さんをスカウトしたのは失敗かもしれないわよ。」

「そう言うなよライカ。こんなのでも、やるときはやる奴だ。それに、」

「それに?」

「それに、ゲッターを通した縁だからな。」

「ゲッターを通した?まぁ、竜馬兄さんがいいならこれ以上は追及しないわ。」

「スマンな。」

 

俺達は覇道の嬢ちゃんの護衛兼九郎の坊主の手助け役だ。最後の決戦になるかもしれないから自分も行くと言い出して聞きやしない覇道の嬢ちゃん。これはテコでも動かないと思って俺が一緒に行く事を提案した。

ライカとリョーガは主に覇道の嬢ちゃんの周りの警戒。俺達は九郎の坊主に何かあった時の為の別動隊だ。それと、九郎の坊主達と行動を共にすれば、俺達を()()()()()()()()奴が出て来ると思ったからもだが。

 

「さて、(やぶ)をつついて何が出るk<ザパン!!>ってカニィィィィィ!?」

 

な、何を言っているか分かんねぇと思うが、俺達が乗っている戦艦覇道号(覇道の嬢ちゃん命名。10メートル級の戦艦で製造は俺とドクターウェストと隼人。)の目の前にデカいカニが海中から出て来やがった。って突然のカニに驚いてポルポルしそうになっている場合じゃねぇ!!

 

「チィ!ゲッターチーム出るz『此処は任せるのであ~る!!』この声、ドクターウェストか!!」

『瑠璃お嬢様が乗っている船はエルザが守るロボ!!』

『わ、吾輩も一緒に乗っているのである!吾輩とエルザの最強タッグが『お前とタッグを組んだ覚えはないロボ。』ってチャチャを入れないでほしいのである!この吾輩とエルザがいる限り、七つの海に敵は存在しないのであ~る!ああ、君といつまでも。僕は幸せだな~。』

 

ふぅ、ドクターウェストのドリルロボがカニを倒した。だが、まだエルザちゃんの記憶は()()()()のようには戻ってないみたいだ。

 

艤装(ぎそう)!展開!!」

 

ん?この声…

 

「七つの海に敵は無い、だと!この、私!大和型戦艦二番艦、武蔵の前でそのような戯言(たわごと)を言うとは!!」

 

む、武蔵ぃ!?

 

「海上で私より優れているなどと、誰であれ認める事は出来ない!性能の違い、魅せつけてやる!!」

「ちょ、武蔵さん!?」

「押して参る!!」

 

武蔵は俺の静止を言う間もなく艤装を展開し夢幻心母へ向って行っちまった。

 

『遠慮なぞとうに忘れた!妖精さん撃ちまくれぇ!!』

『らじゃー!』

『ここがいのちをもやすとき!!』

「あー、武蔵の奴()()()()まで出して突貫して行きやがったぜ。んでもって、デカいカニや海生生物を次々と海の藻屑にしてる。」

「つ、強い!?」

「…兄さんより、強い?」

「海の上でアイツはほぼ無敵だ。俺もどうなるか分からん。って、そんな事より、武蔵!早く戻ってこい!!」

 

武蔵は海中から出て来る大きなカニや魚…あと、名状しがたい生もの共を倒しつつ、

 

「あ゛、アイツ夢幻心母へ砲撃しながら突っ込んでいったぞ。」

「何してんだアイツは!今、お前が居なくなったらゲッターが動かんだろうがー!!」

 

勝手に敵の本拠地に突っ込んでいきやがった。

 

『チッ。』

 

ん?

 

「隼人にライカ、何か言ったか?」

「いや、何も。」

「私も何も言ってないわ。」

「気のせいか。」

 

誰か()の声が聞こえた気がしたんだが…ま、気のせいか。

 

 

 

■□■□

 

 

 

『レムリア・インパクトォォォォォォ!!』

『そんな、バカなぁぁぁぁぁぁ!!』

 

夢幻心母の中で大十字九郎とアル・アジフが操るデモンベインは、やっとのことでアウグストゥスの操る楕円型の鬼械神(デウス・マキナ)レガシー・オブ・ゴールドを倒した。

 

『ハァ、ハァ、こ、これで最後の一体だけになったな。』

『気を付けろ九郎!あ奴、アウグストゥスと戦っている時でさえ、(わらわ)達を見て動かなかった!何か企んでいるやもしれん!!』

 

最後に残ったのはアウグストゥスに『ネームレス・ワン』と呼ばれていた、首の無い天使のような巨大鬼械神(デウス・マキナ)。アウグストゥスとの戦いでは支援するでもなく、唯々()()に浮いていた。

 

『あ、あ、あ…』

『バカな!こんな事が!?』

 

そのコックピットらしき場所が眩く発光し、光の玉に包まれた少女が降りて来た。

 

「やっほー、九郎。元気ぃ!」

『エンネア!?』

 

九郎達が驚くのも無理はない。()()()()()()()()()()()出会った少女で、短い期間だが一緒に生活をした。しかし、不幸にも九郎達の戦闘の余波の衝撃で、倒れて来たガレキに押しつぶされてしまった。そんな不幸な少女が、生きて目の前に魔術を使い浮いていた。

 

「ゴメン、その名前嘘。本当の名前はネロ。…暴君ネロ。アンチクロスのネロ!」

 

それも、彼女の正体は敵であるアンチクロスの幹部。そこからネロはクトゥルーの力を暴走させ九郎達を追い詰めていった。

 

『うわぁぁぁぁ!!』

 

しかし、突然黄金のエネルギーがデモンベインを覆い再び窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)の発動が起きた。

 

『そう、それでいいんだよ九郎。』

「自分の力で無理なら、九郎君の人の力で。この()()()()()の中君が(ようや)く辿り着いた答えがそれという訳か。流石だよ。…でもね、人は強いよ。本当に強い。君が思っているよりずっと。だから、その強さが仇となる!」

 

ネロが操るネームレス・ワンに現れたこの()()()()()はそれだけ言うと姿を消した。

ネロは何度も繰り返されるこの世界に絶望し、異次元へ追放できるデモンベインの窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)を喰らう事でこの世界から消えるつもりだった。

 

「く、九郎!?」

 

しかし、窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)の剣はネロの真横に突き刺さり、彼女には当たっていなかった。

 

『俺が、デモンベインが斬るのは…エンネア、お前じゃない。デモンベインは魔を断つ剣。俺は此処にある邪悪だけを断つ!!』

 

九郎はネロを以前と同じエンネアとして自身の事務所に連れ帰ろうとしていた。

 

「ありがとう、エンネアの大好きな九郎。」

「エンネア!?」

「それと、せっかく買ってもらった洋服、ダメにしちゃうな。ゴメンね。」

<ブシュ!!>

 

だが、ネロは九郎の唇にキスをした後それを拒否し、ネロの腹部を引き裂き鮮血をまき散らしながらナニカが出て来た。

 

「初めまして、だな。大十字k「イケメン死すべし慈悲は無い!!」グハァ!?」

 

出て来たのは消滅した筈のアンチクロスの大導師マスターテリオンだった。だが、その横っ面を殴る女が一人。

 

「妖精さん!高速修復材を!!」

「む、むさしさん。これはかんむすよ「つべこべ言わずにやってくれ!!」ら、らじゃー!!」

 

ゲッターチームの武蔵だった。その肩に乗っていた小さな小人が緑色のバケツを持ちだし、血だまりへ倒れているネロへ中身を掛けた。

 

「あ、アンタはゲッターチームの…」

「私の名は武蔵!大和型戦艦二番艦、武蔵ぃ!!この菊の輝きがある限り、美幼女、美少女、美女は私が守る!!」

 

何度も繰り返した歴史なら此処でネロは死に助かる事はない。しかし、今回は今までとは違う。

 

「…う、つ、冷たい…」

「エンネア!!」

「か、かんいっぱつでしたー。こんかいはうまくいきましたー!」

「流石、妖精さんだ。さて、此処からは私が相手になる!美幼女を大切にしない奴を私は許さない!!」

 

()()()()()()と云うイレギュラーと竜馬達が居るのだ!!

 



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第24話

trotaro様、加賀川甲斐様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

夢幻心母が崩れた中から、一隻の戦艦が現れた。向かうは戦場。

 

その戦艦は、力強く、敵を見据えて航行している。引けぬ戦いがそこにはあった。

 

その戦艦の名は、

 

『15.5㎝三連装副砲!全7砲放てぇぇぇぇぇ!!』

『おらおらおらー!!』

『ひゃっはー!おぶつはしょうどくだぁー!!』

 

戦艦武蔵。

 

『よ、余のリベル・レギスが揺れるだと!?』

『マスター!?クッ、彼女はアル・アジフや私と同じ魔導書(ネクロノミコン)なの!?』

 

対峙するは空中を駆る鬼械神(デウス・マキナ)リベル・レギス。マスターテリオンが操り、エセルドレーダが補佐をする空を飛ぶ巨大ロボだ。

ドクターウェストの言葉で触発された彼女は、海の戦いでなら自分が優れている所を彼女達(瑠璃達)に魅せる為、単身敵の本拠地に乗り込んだ。

 

『遠慮はいらん!46㎝三連装砲の威力も味わって行け!!』

『1ねんたってはじめてのとうじょう。もう、これはわたしがしゅやくできまりだ!!』

『なにをねぼけているのよ。わたしがしゅやくよ!!』

 

そして、見た。見てしまった。血の海に倒れる幼女を。

 

『だが、大十字九郎の前哨戦としては、ふさわしい相手だ!!』

『こんな奴に負けてられない!!』

 

そして、それを()したであろう空中に浮くイケメン(マスターテリオン)を殴った。大十字九郎と敵対していた組織のボスと知らずに。だが、彼女は後悔しない。何処の誰だろうと女に仇為すものは、彼女にとって全て敵であるから。

倒れていた幼女(エンネア)を高速修復剤で治療し、大十字九郎に船に連れて行くよう説得(物理で殴る)。そして、驚愕しているイケメン(マスターテリオン)をボコボコにする為全力での戦いを望んだ。それが今行われている戦いだ。

 

『聖弓ウィリアム・テル起動!天狼星(シリウス)の弓よ行け!!』

『妖精さん!撃ち落とせ!!』

 

魔力で出来た矢と実弾が接触し、様々な場所で大きな爆発が起こって行く。

 

『クッ、視界が!!』

『まかせて、むさしさん!れーだーきどう!!』

『てっきかくに…うえからくるぞ!よけろぉ!!』

 

海上なら無敵を誇る武蔵だが、悲しいかな空飛ぶ機械獣…失礼。空飛ぶ敵は苦手としている。

 

『少しは楽しめたぞ女。天狼星(シリウス)の弓・セト!!』

 

煙が晴れる直前、真上に移動したリベル・レギスの必殺の矢が迫る。

 

<ズドン!!>

 

大きな水柱を上げ武蔵が立っていた場所が抉れた。

 

『妙な液体を用い、母を助けてくれたこと礼を言う。この()()()()()の中、何度か助けようと試みた事もあるが無理だった偉業だ。その点は誇って良い。そして、今回は大十字九郎も余が求める水準にまで成長した。今回こそこの絶望の輪を断ち切る。』

 

そう言うと、マスターテリオンはリベル・レギスを大十字九郎が向かった場所へ向け飛び立て

『まだ、私は負けてはいない!!』なかった。

 

<ドン!>

 

水柱が上がった直ぐ後方の海面が眩い光を放つ。そして、その中から彼女は出て来た。

 

『大和型戦艦二番艦、改大和型、武蔵!参る!!』

『此処からは、手加減出来んぞイケメン!!』

『我ら妖精も改二へパワーアップした!竜馬さんや隼人さんならまだしも、女を大事にしないヤツに負けて堪るか!!』

 

(よそお)い新たに武蔵は海面へ立っていた。キリリとした目に白い髪が(なび)く。首にある艤装の菊紋は大きくなったが、邪魔にならなず彼女を引き立たせている。包帯で胸を隠していただけの服装は様変わりし、黒を主とし白が所々あるセーラー服へ変わった。上着を肩へ掛け、マントのように着こなしている。武蔵は世で言うおっぱいのついたイケメンへと変貌した。……中身はアレだが。

その艤装へ座っている〝妖精〟と呼ばれていた存在も少し顔がキリリと変わっている。そして、流暢な言葉をしゃべり敵を罵倒している。中身は完全に武蔵寄りな考えになっているのは、仕方ない事だろう。

 

『ほう、あの一撃を避けたか。それも、魔力は感じれぬが、パワーアップもしている。面白い、余を楽しませる余興だ!!』

『マスターが笑っている?大十字九郎との戦い以外で!?』

『御託はいい。貴様には、もう一発私の拳を喰らわせないと気が済まんのでな!!』

 

マスターテリオンはリベル・レギスを再び彼女へ向け空を駆り出す。太平洋での第二戦が始まろうとしていた。

 

 

 

■□■□

 

 

 

大十字九郎と少し回復したエンネアは、たった一人彼女をそこへ置いてはいけないと言って武蔵を止めようとした。しかし、彼女はそれを拒否。デモンベインを素手で殴り飛ばし、あろう事かマスターテリオンを挑発。それも鬼械神(デウス・マキナ)で戦えと言うではないか。それを見たマスターテリオンは、鬼械神(デウス・マキナ)で戦う事を承諾してしまった。

 

『エンネアを頼む!』

「分かりましたわ大十字さん!!」

「お願い九郎!あの人を!!」

『任せろ!!』

 

九郎はエンネアを覇道号へ連れて行き、直ぐにマスターテリオンと武蔵が戦っている場所へ飛び立って行った。

 

エンネアは初めて見る()()()に驚愕していた。

 

「何でこの船には戦闘機があるの?」

「そいつは、私らのだ。」

 

エンネアの疑問に答えたのは隼人。何度も繰り返された世界で、今回初めてエンネアは彼女に会った。

 

「…貴女は?」

「私の名前は神隼人。その青い戦闘機、真ライガー号兼真ゲッターライガーのパイロットで主にゲッターのメンテをやってるぜ。」

「ゲッター、ロボ?」

 

ゲッターロボ。エンネアは何度も繰り返しの中で得た知識を持ってしても、そんなロボットは聞いたことが無かった。

 

「そして、俺の名が竜馬。ゲッターn「な、何だって!?」って嬢ちゃん、驚き過ぎだ。」

 

そして、その名を聞いた。何度も何度も九郎から聞いた男の名。ビルを蹴り倒す脚力。地面を割る腕力。様々な武術を用いて潰して来た数々のマフィアやゴロツキの話し。どんなゴリラ又は凄腕の魔術師か、はたまた小さな鬼械神(デウス・マキナ)かと想像を膨らませていた存在である。

そんな人物が目の前にいる。()()()()()()()()()()()彼女の記憶から彼が消えなかった。()()()()()を何度も数える事すら億劫になるほど経験していた為、耐性が付いていたからだ。

 

「君が、竜馬。ライカの義理の兄で九郎の兄貴分の。」

「…君は俺を九郎の坊主から聞いたことがあるんだな。」

「え、ええ。」

「…やはり、魔術の(たぐい)か。それもとびっきりのヤバイ奴が絡んでそうだな。」

「ッ!?」

 

エンネアは驚愕した。何度も繰り返した世界では、彼に一度も会っていない。それも、彼から魔力が感じられない為ほぼ一般人に等しい存在だ。そんな彼がこの前の大規模記憶改ざん魔術を感知したのである。驚かないわけがない。

 

「(まぁ、それは後だな。)悪いな驚かせて。俺は竜馬。そこの赤い戦闘機、真ドラゴン号兼真ゲッタードラゴンのパイロットで一応リーダーをやっている。此処には居ないが後一人、武蔵ってのが「は、早く彼女を助けに行って!!」偶にはまともに喋らせてくれ。」

 

エンネアは彼らに武蔵に助けられた事、今武蔵がマスターテリオンと戦っている事を話した。

 

「よく話してくれた。こりゃ、モタモタしてられんな!ライカとリューガは覇道嬢ちゃんとエンネアちゃんの護衛!!」

「「分かったわ(任せろ)!!」」

「ドクターウェストとエルザは引き続きこの艦の護衛!!」

『『分かったのである(任せるロボ)!!』』

「んで、俺と隼人が敵地へ突っ込む!!」

「分かりやすくていいぜ!」

 

そして、彼らは敵地へ向かう。

 

「え、ま、まさかコレで行くの!?」

「ああ。コレで行く。この戦闘機3人居ないと動かないからな。」

「ま、何時もの事だな。」

 

エンネアは自身の目を疑った。今から向かうと言うのはいい。だが、その行き方が問題だった。

 

「な、何でこんな発想が出て来るの!?」

 

信管を抜いたミサイルを中心にして、3機のゲットマシンを簡単に溶接。それを崩れた夢幻心母へ発射すると云うサーカスもビックリな作戦だった。

 

『何時でもやってくれ!!』

「わ、分かりました。で、では!ゲッターロボ、発射!!」

<ドワォ!!>

 

瑠璃の掛け声と共に竜馬と隼人が乗り込んだゲッターマシンは発射された。

 

「どうか、ご無事で。」

「いや、その前に!発射のGにあの人たち耐えられるの!?あの人達魔力ほとんど持っていなかったから魔法障壁すら張れないのよ!!」

 

エンネアが声を荒げるのも仕方ない。普通の生身の人間ではそのGに耐えられる前に死んでしまうからだ。

 

「大丈夫よ。なんたって、私とリューガのお兄ちゃんなんだから!!」

「…大丈夫、義兄さんは僕より強いから。」

 

だが、自身の姉達(ムーンチャイルドの生き残りの年上)に言われれば、納得するしかなかった。

 

「わ、分かったよ。」

 



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第25話

真・ゲッタードラゴン設定を一部変更しています。


 

 

 

マスターテリオンと武蔵改二の戦いは激しさを増していた。

 

『余も貴公がそのような飛行方法するとは思わなかったぞ。』

『マスターの興味を引くなんて!許せない!!』

 

改二となった武蔵は飛んでいた。

 

「燃費が悪すぎる為、滅多に使わない代物だ。」

 

10㎝連装高角砲改4基を某ガン○ムのバーニア風に使用し、そこから推進力を発生させて飛んでいた。

 

「(拙いな、これ以上戦いが長引けば私の燃料が尽きてしまう。)さて、どうするかな。」

『これ以上、貴公に隠している力はなさそうだ。これで決着とさせてもらうぞ。大十字九郎との前哨戦に面白い余興であった。』

 

生身(?)で鬼械神(デウス・マキナ)と対等に渡り合い、且つ自力で空を飛ぶ。成程、脅威になる存在だ。だが、相手がマスターテリオンでなかったらと後付けがあるが。

 

『これで、終わりだ。メテオ!』

「妖精さん!!」

「分かってます!迎撃行きますよ!!」

 

武蔵の頭上に突然現れた隕石。

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!クソォ!!」

「こ、こなくそぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「まだ、まだだ!まだ私達は負けてない!!」

 

それへ次々と砲撃が当たるが、あと少し。あと少しで砕ける所で砕けないと悟ってしまった。

 

「防御してくれ妖精さん!!」

「わ、分かったです!!」

「チクショウメ!!」

<ドドドドン!!>

 

武蔵を中心に爆発が起き、海面へ墜落した。

 

「クッ!!」

『ほぅ、あれを喰らってまだ立てるかのか。』

 

無事、ではない。満身創痍。所謂、大破状態で海面へ片膝を付き肩で息をしていた。

 

『此処まで耐えられるとは思っていなかった。余の予想をはるかに超えた存在だ。此処で、余の部下に「なるわけがないだろう!!」戯れだ、許せ。そう返って来るとは予想していた。』

 

これ以上は死を待つだけ。今の状況でこれ以上逆転は無理だろう。根本的な力の差が出たと云う事だ。

 

『貴公へ敬意を表し、この一撃で葬り去ろう!エセルドレーダ!!』

『…何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。何でこんな奴に。(小声)ハ、ハイ!!』

 

リベル・レギスの手刀にエネルギーが集まって行く。

 

『『ハイパーボリア・ゼロ『待てぇ!マスターテリオン!!』来たか大十字九郎(アル・アジフ)!!』』

 

そこへ待ったを掛けたのが、我らが魔を断つ者(デモンベイン)。しかし、今見えている距離からでは武蔵を助ける事は出来ない。

 

『待て、マスターテリオン!お前は俺との決着を『もう少し待て、余がこの者を消し去ってから戦おうではないか。』マ、マスターテリオン!?』

 

それでも大十字九郎は武蔵を助けようとマスターテリオンへ話し掛けたが、マスターテリオンはそれを自身の言葉で遮り武蔵へ止めの一撃を振り下ろす。

 

『ゼロドラ「武蔵ぃー!たぁすけに来たわよ!!」何奴!?』

 

そこに、聞き覚えの無い()の声が響いた。

 

『ま、まさかこの声!?』

『あ奴の声!どうやって此処へ!?』

 

大十字九郎とアル・アジフ、そして、

 

「竜馬!?」

「りょ、竜馬さんの声だ!?」

「で、でも何処から!?」

 

武蔵達にはなじみのある声。

 

<ドドドドドドドドドド!!>

 

それは、デモンベインの真横をとんでもないスピードで過ぎて行った。

 

『ゲッター、マシン?』

『戯け!呆けている場合か!!あ奴らミサイルごと飛んできおったのだぞ!早く止めなければ、海面に当たって微塵に砕けるぞ!!』

 

ミサイルに繋がれてと云う誰も予想だにしないやり方で。

 

『助けが来たか。だが、その速度では間に合わ「撃てぇ!隼人ぉぉぉぉぉ!!」「任せろぉぉぉ!!」そんなバカな!?』

 

驚愕による驚愕。コックピットから出て来た彼らは妙なポーズを取り、青髪の女が特徴的なモミアゲを持った男を打ち出したのである。

 

超級(ちょうきゅう)覇王(はおう)電影弾(でんえいだん)!!』

『何だと!?』

『マスター避けて!!』

『…あれが、俺達の兄さん。にい、さん?』

『ば、馬鹿な!今のあ奴から魔力を感じられん!!あれが魔術ではないというのか!?』

 

男、竜馬は顔だけ残し首から下はエネルギーの塊になってリベル・レギスへ突貫して行き、

 

『グッ!?』

『で、出鱈目な!!』

 

攻撃態勢だったリベル・レギスを弾き飛ばし、武蔵を助けたのだった。

 

「あれ程一人で動くなと言っただろうが!」

「ス、スマン。」

「ごめんなさいです!」

「反省してまーす。もーうしませーん!」

 

竜馬に怒られ反省する武蔵達。若干1名反省していない者もいるが。そして、竜馬は十傑集(じっけっしゅう)走りで海面へ立っていてそこへ、

 

<パチン!パチンパチン!!>

 

指を鳴らす音と共に、

 

<ドドドン!!>

 

何かを蹴る音が三つ。

 

「よっ!生きてるか、武蔵?」

 

そして、隼人が降って来た。

 

<ザブン!!>

 

ゲッターロボと一緒に。

 

『な、生身で余のリベル・レギスを退けた!?』

『…ホッ、男がいたか。コレで私の脅威にはならない。(小声)』

 

マスターテリオンとエセルドレーダは初めてその戦闘機を見た。それは、()()()()()の中で一度も見なかった異物。

 

『チェェェーンジドラゴン!スイッチ、オン!!!』

 

3機の戦闘機が合体し、現れたのは赤を主としたロボット。

 

『貴様にも味合わせてやる!()()()()()()()()()をな!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『此処だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()は待っていた。

 

ずっとこの時を待っていた。

 

()の世界から居なくなれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

 

この世界の()()は合体したゲッターを操縦者ごと()()()()へ閉じ込めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対峙していたモノが突然消えた海上。

 

『ム、奴らは…』

『…彼女によって別の空間へ閉じ込められたようです。』

 

何故今のタイミングだったのか、何故彼らを()()()()ごと閉じ込めたのか、それはこの世界の()()しか知りえない事。

 

『行くぞ!マスターテリオン!!』

『お、おい九郎!!(おかしい、さっきまで誰かが(わらわ)達の代わりに戦っていたような…)』

 

だが、白の王、大十字九郎とアル・アジフにもう彼らの記憶は無い。

 

「…兄さん?」

「…姉さんの兄さん。竜馬兄さん?」

 

一部の例外は存在するが。

 

 

 

■□■□

 

 

 

また何もない空間へ閉じ込められた竜馬達。

 

『チィ!今回も全く気付けなかった!!』

『これは魔術?いや、もっと別の…』

『ありがとう、妖精さん。』

『高速修復剤です。』

『次補充できるのは、一週間後なので大きな損傷は避けて下さい。』

 

武蔵の回復を待って彼らは再び動き出す。

 

『今度こそ、術者を見つけ出してやる!!』

『また、ライカ達の記憶をいじられてるかもしらねぇぞ?』

『…私達が感知できない業。魔術書、その精霊。ルルイエ異本、クトゥルー…まさか!?(小声)』

 

真ゲッタードラゴンのエネルギーが臨界になり、彼らはこの世界を前と同じく真・シャインスパークで脱出する。

 

『『『ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』』』

『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

 

そして、今回も無事此処から脱出出来た。

 

『また、廃墟か。』

『アーカムシティ、ではないな。』

『…何処かで見た街だな。』

 

そこは、廃墟と化した街だった。

 



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真(チェンジ!!)ゲッターロボ編
第26話


ま た せ た な。


 

 

 

人っ子一人いない街だな。デカい()()()()()()()()がある。それも、所々壊れているな。腕だった場所が無くなってやがるし。う~ん、何処かで見た覚えがあるんだが、何処だったかな?

 

「…思い出せない。」

『竜馬?どうしたんだ?』

「いや、何でも無い。」

『さて、この世界の美女は何処だ?この武蔵、新たな出会いにドキがムネムネしているぞ!!』

『そこは、胸がドキドキって言うところだ。』

『それはもう古いぞ隼人!最新の言い回しはこっちで正解なのだ!!』

『ハイハイ。』

『なっ!信じてないな!!これは由緒正しい(ry』

 

何か、何か見覚えのある光景なんだが。

 

『あれ?あんなところに空飛ぶ魔物がいる。意外と此処はアーカムシティの近くかもしれないぜ!』

『あっちは、機械のクジラが魔物に襲われているぞ。ドクターウェストあたりが作った奴なのか?ってそんな事言ってる場合じゃない!竜馬助けに行くぞ!!美女、或いは美少女達が避難している舟かもしれん!!』

「分かった、分かった。そう叫ぶな。ちょっと頭の整理をしていただけだ。」

 

ドクターウェストの奴、また面白いモン作ったな。クジラの戦艦なん、て…

 

「クジラの戦艦!?」

 

間違いない!あのクジラの戦艦は、()()で何度も見た、ある作品で出ていた物だ!!…俺は、俺達は一番危険な()()に来ちまったかもしれない!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

此処は廃墟とかしたニューヨークの街。クジラと呼ばれる移動基地は、今現在木に擬態していた巨大な()()()()()()に攻撃されていた。

 

「大将!インベーダーに取り付かれました!振り落とせません!!」

「チィ!(ケイ)達とリョウマは罠にはまっちまってる!万事休すか!!」

 

クジラの操縦をしていたメガネを掛けた小柄な男、古田に大将と呼ばれた大柄な男は、()()()()の元ゲッターチームだった(くるま)弁慶(べんけい)。今は、このクジラ型の基地で地上の調査を行っているリーダーだ。

しかし、今基地の主戦力である真ゲッターロボは別の場所でインベーダーと戦っていて助けに来られない。

先程、13年ぶりに再会した元ゲッターチームのリーダー流竜馬も改造したゲッター1で出て行ったきり、帰ってこない。敵の罠に掛かりインベーダーと交戦中とみてまず間違いないだろう。

 

団六(だんろく)!ビィートT23を用意しとけ!クジラがやられる前にそれに乗って脱出する!!」

「分かった!」

「古田ぁ!今はエンジンを止めろ!デカいのが来たと同時にエンジンを吹かして、奴の意表を突いてやる!!」

「分かりました!!」

 

ベンケイの指示により吉田がエンジンを止めようとした瞬間!

 

『フィンガーネェェェット!!』

 

聞きなれない()の声が響いた。

 

「何だ!?」

「分かりません!声はクジラの後方からです!!」

 

ベンケイ達は声の響いた後方にメインカメラを移動させ、

 

「ま、まさかコイツは!?」

()()()は、全部あのでっかいのに吸収されたんじゃ!?」

 

驚愕した。

 

『おりゃあっ!!』

 

()()()であった、()()()()()…ゲッター()()()()()が、何故か自分たちを守ろうとしているではないか。

ゲッターGは、全て一つに合わさり、巨大な()へ変貌した筈なのだ。こんな所に存在するはずがない。

 

『こいつも、喰らいな!ストロングミサイル!!』

 

そのポセイドンが、背中のミサイルを両手に持って大きく振りかぶりインベーダーへ投げつけ止めを刺した。

 

「す、凄い!!」

「た、助かったのか?だが、いったい誰が…」

 

ゲッターGは、ゲッター線の第一人者である()()()()()しか製造できない。そしてその早乙女博士は、地球を害するインベーダーの()()へ変貌した。真ゲッターロボに乗っている(ゴウ)やケイ。ケイの義父であるベンケイ、ゲッターチームとしてリョウマに此処に居ないハヤトとも大きな因縁がある。そして、ケイ達とリョウマがはまった罠も彼が関与していた。

そんな相手が寄越した伝令役と考えたベンケイは、自分たちを助けたのには何か裏がある。そう考え、

 

「いいか、お前達!ビィーストT23へ乗り込み、いつでも脱出できるようにしとけ!!」

「た、大将はどうするんです!?」

 

部下達を守る為、

 

「俺一人で操縦者と話をしてくる。早乙女博士の差し金なら俺を生かしたまま捕らえるだろう。だが、お前達は殺される可能性が高い。俺が掴まったらバレないようにビィーストT23で逃げろ!!」

 

己を囮にする事を選んだ。無論、早乙女博士がベンケイを生かして捕まえるなんてことは彼の作り話だ。少しでも彼らの生存率を上げる為の嘘でしかない。

 

「俺も!「団六(だんろく)!!」クッ!!」

「上手くケイ達と合流しろよ。あと、リョウマにもな。」

「大将!!」

 

団六と吉田に見守られながらベンケイはクジラの背中へ出て来た。

 

「俺に何の用だ!早乙女博士!!」

『…ああ、いや。何か勘違いしてないか?私は早乙女博士ではない。私は…』

 

そして、ポセイドンのコックピットが開き見知らぬ()()が出て来た。

 

「あ、あんたは!?」

「初めまして、私の名は武蔵改二…ム、今の状態で改二と言っても分からないな(小声)済まない、私は武蔵!大和型戦艦二番艦、大和型、武蔵だ!!」

 

セーラー服と軍服を合わせた様な格好をした女性は、ベンケイ達に自分()の事を簡単に説明したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『チッ!これじゃ、キリがねぇ!!』

 

ブラックゲッター(大気圏突入時に黒く焦げた改造ゲッター1)に乗って戦っていたリョウマは、次々と現れるインベーダーにそう悪態を付いた。

 

『ゴウ!俺の言う所にビームを集中させろ!!』

『…』

『何をする気、リョウマさん!!』

 

そして、別の場所で戦っていた真ゲッター1のパイロット、ゴウへ通信を入れケイがそれへ返答した。

 

『クジラのゲッター炉心をマンハッタンでメルトダウンさせる!!』

『しかし大将達が。』

 

リョウマの提案は、ゲッター線をエネルギーとするインベーダーを数多くクジラに呼び寄せ、クジラにあるゲッター炉心をメルトダウンさせる。そして、一気に過剰摂取状態となったインベーダーは崩壊し、そのエネルギーに釣られ他のインベーダーも集まり一網打尽に出来る作戦だ。

しかし、(ガイ)が言ったようにベンケイ達が乗っている基地を使う為、ベンケイへ一旦聞かなければならない。それも、先ほどまで途切れ途切れに繋がっていた通信では、ベンケイ達もインベーダーに襲われていたのだ。

 

『…フフフ、相変わらずだなリョウマ。』

『大将!?』

 

無事通信が繋がりベンケイの声が聞こえたことで、ガイ達は内心ほっとした。

 

『フッ、無茶な事考えやがる。だが、その手は使わなくても済みそうだ。』

『なに?』

 

リョウマの提案を却下したベンケイ。彼にはとっておきがあるのだ。

 

『よく聞けお前等!今からそこへ助っ人が行く!間違ってもそいつ等へ攻撃するんじゃないぞ!!』

『あぁん?助っ人?此処へ?』

『オヤジ!助っ人って!?』

『そりゃ、心強いぜ!!』

 

リョウマは半信半疑で、ケイはその言葉に驚愕し、ガイは少しでもこの状況が変わるのならと喜んだ。

 

『…来たぞ!』

 

ゴウの言葉で皆()()を見た。

 

『な、なにぃ!?』

『う、嘘!?』

『マジかよ!?』

 

見慣れた赤色に染まった頭部。中心部分は赤だが、他は青い胴体。見慣れぬ黄色い腰から伸びる赤い両足。

 

『な、何で()()()()()()()()が此処に!?』

 

それを見たリョウマは、堪らずそう叫んだ。

 

 




みんな大好きチェンゲ編です。
予約したスパロボTまだ来ない。
早くやりたいのに…
sk-san様、誤字報告ありがとうございました。


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第27話

sk-san様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

助っ人に来たロボットは、皆ゲッターGだと思っていた。だが、

 

『…あれは、アレはゲッタードラゴン()()()()!!』

 

リョウマは違うと叫ぶ。量産機だったゲッタードラゴンの腰部分は()()、胴体部分ももっと()に近い色をしていた。それに、ゲッタードラゴンの腕にはスピンカッターが装備されていたが、真ゲッターの様に鋭利なレザーは存在しなかったからだ。

 

『まとめてぶっ殺してやる!真・トマホォォォク!ブゥゥゥゥゥゥメラン!!』

 

そして、その機体の周りに()()()()()で形成されたエネルギー状の斧が六つ現れ、インベーダー達を襲う。

 

『なっ!?ゲッター線で出来た斧だって!?』

『凄い!一発でインベーダーが崩壊していっちゃった!!』

 

ガイはその形成された素に、そしてケイはその威力に驚いた。

 

()()交代だ!!私が地上の奴らを蹴散らす!!』

『分かったぜ!オープン、ゲェェェェット!!』

『チェェェェンジ、真・ライガー!!真ドリルアァァァァム!!』

『りょ、リョウマだと!?』

 

聞きなれない()の声。それも自分と同じ名前を呼んだことに驚愕するこの世界のリョウマ。そして、ドラゴンはその形態を分離し、地上戦に特化したライガーへ変形した。

ライガーから繰り出されるドリルには緑色のエネルギー…ゲッター線を纏っており、

 

『真・ライガーの真骨頂は此処からだぁぁぁ!マッハスペシャル!!』

 

そのドリルに触れたインベーダーは次々と崩壊して行く。そして、マッハスペシャルを用いる事により、縦横無尽に駆け回り、

 

『う、嘘だろ。あれだけいたインベーダーをあっという間に消しちまいやがった!?』

 

此処に集まっていたインベーダーは瞬く間に倒されてしまった。

 

『おいおい、そっちのゲッターチームに黒いの。まだまだ魔物…インベーダー?がいるんだ!テメェらもとっとと手伝え!!』

『…分かった。』

『え、ええ。分かったわ…』

『とんでもねぇ助っ人が来たもんだ!!』

『…ゲッターライガーか?だが、あんな出力は出ないハズだ。インベーダーの野郎をぶちのめした後ベンケイに詳しく聞いてみるか。(小声)分かった!さぁ、インベーダー狩りの再開だ!!ゲッタァァァァビィィィィィム!!』

 

真ゲッターロボとブラックゲッターも戦いに加わり、数十分程度でここ一帯に潜んでいたインベーダーを全て駆逐したのだった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

一番来たくなかった世界、と言えば分かるだろうか?

インベーダーと云う宇宙空間を漂流し、ゲッター線に寄生して生きるバクテリア状の生命体がこのチェンゲ…(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日の敵だ。

ゲッター線をエネルギーとし、知能は低く攻撃的で形を変えて機械や人と融合して取り込んでしまう能力を持っている。唯一倒す方法なのが、ゲッター線を過剰摂取させ飽和状態にし、体を崩壊させる事。全く〝厄介な敵〟ときやすく呼べない相手だ。

 

「先ずは、自己紹介からだ。俺の名は竜馬。孤児だったから苗字はねぇ。真ドラゴン号兼真ゲッタードラゴンのパイロットで一応リーダーとゲッターのメンテをやっている。只のロボット程度なら生身で倒せるが、あの変な敵には恐らく通用しないだろう。ま、基本真ゲッタードラゴンで戦うから頭の片隅にでも置いといてくれ。」

 

んで、今俺達はクジラ内のブリッジでこの世界のリョウマ達と顔合わせをやっている所だ。俺達の真ゲッタードラゴンは真ゲッターと同じように戦闘機状態にし、このクジラに搭載させてもらった。焦ゲッターと名高い、ブラックゲッターは分離できねぇから外に直立不動で置いてあるがな。

 

「大将に聞いた通り、ホントにそっくりだな、名前まで一緒。でも声が全く違うぜ。おっと、俺の名は(ガイ)。真ベアー号兼真ゲッター3のパイロットだ。世界に3人は自分と同じ顔の人間がいると言われているけど、実際見たのは初めたぜ。」

 

この世界で俺は、世界に3人は居る顔のそっくりさんとしてベンケイ達に説明している。そして、このゲッターは早乙女研究所の地下に眠っていたプロトタイプのゲッターGを少し改造したモノって事で押し切った。…この世界のハヤトや早乙女博士に見つかったら、この説明だけじゃ通らないけどな。

今、ゴウ達がニューヨークで罠に掛かってるなら、この世界の()()()()()が発見され、皆そっちに注目している筈。早乙女博士が俺達の目の前に出てこない現状とコーウェンとスティンガーが此処を襲いに来ていない事を考え、まだ俺達は奴らに見つかっていないとみて大丈夫だろう。

 

「じゃ、自己紹介の続きだ。私の名前は神隼人「「何だって!?司令の娘か(さん)!?」」フッ、久しぶりだなそのリアクション。元ゲッターチームのジン=ハヤトとは血の繋がりはない。ただ同名なだけだ。真ライガー号兼真ゲッターライガーのパイロットで主にゲッターのメンテとPCのハッキングやプログラム開発なんかもやっている。」

 

この世界からとっとと〝真・シャインスパーク〟を使って脱出したいが、早乙女博士やコーウェンとスティンガーがまだ生きている現状では迂闊に行動できない。最悪コーウェンとスティンガーにこの機体を乗っ取られた場合、この()()がインベーダーのモノになってしまう。

 

「私が次ね。私の名前は(くるま)(ケイ)。オヤジ…(くるま)弁慶(べんけい)の娘だ。「お、おい!ケイ!!」オヤジは黙ってて!真ジャガー号兼真ゲッター2のパイロットよ。」

 

…早乙女博士ぇ。彼女の本当の名は早乙女()()

16年前の事故で姉ミチルはインベーダーに寄生されリョウマとハヤトを守る為犠牲に。更に父である早乙女博士が殺害され、兄とも慕っていた竜馬が犯人として逮捕・連行される悲劇を目の当たりにしショックにより失語状態に陥った過去がある。

畳かける様に、事件後は武蔵が養父として養育していたが、重量子爆弾の炸裂を目の当たりにして自我が完全に崩壊し過去の記憶を喪失。

ベンケイは武蔵から託された元気の正体が〝女の子〟だと知り、元気が〝早乙女博士の一人息子〟としてシェルターに避難した日本人の憎悪を一身に背負うことを避けるために、〝自分の娘である渓〟だと素性を偽って養育し今に至る。恐らく既に自身が早乙女博士の娘だと本人から伝えられた後だろう。それを考えたら仕方ない、仕方ないんだが。早乙女博士よ、元気…ケイに自身の姉の死体を見せるより、少しは事情を娘に伝えろや!!

 

「では、こっちの最後は私だな。私の名は武蔵。大和型戦艦二番艦、大和型、武蔵だ。真ポセイドン号兼真ゲッターポセイドンのパイロットだ。竜馬と同じように只のロボット程度なら生身で倒せる…以上!!」

 

あっ、武蔵の奴最後ヤケになりやがった。

 

「こっちのゲッターチームは最後に彼なんだけど、あまり喋らない人なの。だから、私から。彼の名は(ゴウ)。真ゲッターなら1・2・3どれでも操縦出来て、搭乗しなくてもゲッターを操る事が出来るの。」

 

そりゃ、ゲッター線の申し子だからな。それくらい出来て当然だ。なんたって、早乙女博士とミチルさんの遺伝子を元にし、敷島博士によってゲッター線の力で作り出された人造人間だからだ。

 

「最後に俺だな。俺の名は流竜馬。元ゲッターチームだった男だ。」

 

ヤベェ。俺すっげー睨まれてる。そりゃ、何処から湧いて出たのか分からない俺達だけどさ。信用できないのも分かるけどさ。そんな敵意むき出しにしなくてもいいじゃん!!

 

「おいおい、こっちの竜馬をそんなに睨むなよ。しばらくの間仲良くしようぜ。」

「ヘッ、くだらねぇ!俺はあっちのゲッターで追いかける。さっさと真ドラゴンが見つかった太平洋へ向かう!!」

「お、おいリョウマ!!」

 

隼人の言葉も無視して真ドラゴンへ向かうか…余程、早乙女博士を殺したいようだ。

 

「俺から謝らせてくれ。済まなかった!」

「気にするな。それより、むさ「ベンケイさん…いや、義父(おとう)さん!ケイさんを私に下さい!!」しにぃぃぃぃぃぃ!?」

 

この世界のベンケイに武蔵に気を付けろと言おうとした瞬間これだ。

 

「は?え?わ、私ぃぃぃ!?」

「な、何を言っている!?」

「ケイは俺が守る!!」

「馬っ鹿武蔵!此処は耐えろよ!!」

「テメェは黙っとけねぇのか!!」

<ゴチン!!>

 

条件反射的に武蔵に特大の拳骨を落とした俺は、悪くない。

 

「俺の仲間が申し訳ない!!」

「い、いいよ別に。」

「いや、まぁ、大変だなお前達も。」

「…こいつ等と組んで本当に大丈夫か。(小声)」

 

チィ!改二になった武蔵は無駄に硬い!!これから忙しくなるのに問題を起こさせて堪るか!!

…ハァ、手の掛かる娘を育てている気分だぜ。

 




午後スパロボT届きました。
プレミアムアニメソング&サウンドエディションなので2話まで楽しくプレイしました。


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第28話

 

 

 

此処は太平洋のとある島。

この島で繭状態だった真ドラゴンは、早乙女博士達インベーダーに見つかってしまった。

そして、真ドラゴンは早乙女博士の細胞を取り込み、コーウェン、スティンガーと同化し邪悪な破壊神となってしまう。そして、それを防ぐために集まっていたスーパーロボット軍団と隼人の奥の手だったステルボンバーは、あっけなく真ドラゴンのゲッタービームで消えて行った。

 

「チッ!隼人達は間に合わなかったか。」

「…凄まじい威力のビームだ。吉田さんと団六さんを拠点に降ろして正解だった。」

 

そこにやって来たのは、空を飛ぶクジラ。しかし、今は飛んでおらず、海を航行している。それも、前を航行する真ゲッター3の手を伸ばし引っ張ってもらっている形だ。

 

『無駄口はそこまでだ!見えて来たぞ!真ドラゴンだ!!』

 

それを空から眺めながら飛ぶブラックゲッター。だが、その手にはクジラの口から出ている錨を持っており、この2機がクジラを引っ張って来たと云うのが分かる光景だ。

 

「…合図だ。」

「ケイにリョウマ!もう放して大丈夫だ!!」

『オヤジ!私達は真ゲッター1で行く!!』

「オウ!クジラは俺達に任せとけ!!」

『大将と武蔵さんも被弾しないように気を付けろよ!!』

「…船の操縦なら任せておけ。」

 

ベンケイとテンションの下がった武蔵を残し、ケイ達は真ゲッター1、リョウマはブラックゲッターで真ドラゴンへ向って行いく。

 

『行くぜゴウ!オープンゲット!!』

『…任せろガイ。チェェェンジ!ゲッタァァワン!!ゲッタァァァァトマホォォォク!!』

『雑魚に構うな!狙うはジジイだけだ!!』

『…分かってるわよ!ゴウ!!』

『了解した!』

 

リョウマ達が真ドラゴンへ向かう中、クジラ内部では急ピッチで作業が行われていた。

 

「私達が造った()()()()()()は、安定してきたぜ!!」

「よし!これで飛行も航行も問題ない!!」

 

隼人と竜馬が今まで渡った3つの世界の知識(竜馬に関しては、前世の知識も使って)を振り絞り、プラズマ使用の炉心を完成させ交換していたのである。

 

「竜馬!そっちはどうだ?」

「駄目だ!新たに組み込んだ()()()()()()が安定しない!!」

 

そして、竜馬はクジラから取り出したゲッター炉心を、仰向けに寝かせた合体状態の真ゲッタードラゴンの腹部へ組み込んでいた。

 

「クソ!早くパワーアップさせて助太刀に行きてぇのに!!」

「そう焦るな竜馬!まだあいつ等はやられてねぇ。もう一度、回路を点検しよう!今度は私も手伝うから!!」

「頼む!!」

 

彼らが行っているのは、真ゲッタードラゴンの強化。それも、ゲッター炉心を1基から2基へ増やす作業だ。

 

「お前が言った通り、あのバケモンゲッターは恐ろしく強い!私達の真ゲッタードラゴンであっても勝てるかどうか分からねぇ。それに、()()()()()()()()()()になってんだろう。尚更、今のコイツじゃ荷が重い!」

「ああ、だから強化しないとダメなんだ!!(この世界の真ゲッターロボみたいな劇的パワーアップは、今の真ゲッタードラゴンには見込めん!このままじゃ、このままじゃ!()()()インベーダーには太刀打ち出来ねぇんだ!吉と出るか凶と出るかは分からん。だが…今は背に腹は代えられん!!)」

 

作業をしながら、そう竜馬は力強く隼人に返したのだった。

 

 

 

―半日前―

 

 

「頼む!!」

「た、頼むって言われてもな…」

 

クジラのブリッジで竜馬はベンケイに土下座をしていた。

 

「理由を言え!それに、お前等にそんな事が出来るのか!!」

「リョ、リョウマ。」

 

この世界のリョウマが怒るのも無理はない。

 

「今のままのゲッターロボじゃ太刀打ちできないから強化するんだ。技術面でも問題ない!俺と隼人でやれば出来る!俺達二人で数年間()()ゲッターを調べ尽したんだ。構造上出来ないことは無い!!」

「だからと言って!!「リョウマ、その辺にしとけ。」ベ、ベンケイ…」

 

竜馬が言いだしたことは、とんでもない事。

 

「先ずは理由を教えてくれ。そして、真ゲッターではなく何故()()()()()()()()を強化するかについてもだ。」

 

真ゲッタードラゴンの強化である。それも、

 

「分かった。まずは、敵インベーダー達がまだ太陽系内に潜んでいると思われるからだ。」

「「「「「な、何だって!?」」」」

「この地球に多数のインベーダーが存在する今、それ以外考えられん。何処か拠点…巣を作り、そこから此処へ来ていると予想できる!!そこを叩かなければ、俺達…いや、人類に未来は無い!!」

 

()()()()()()()()()()を使って。

 

「次に、炉心の追加強化作業が出来る人間が、俺と隼人しかこの場に居ないからだ。何時もメンテナンスして慣れている俺達のゲッターを強化する方が確実だろう。」

 

竜馬は、この強化に()()()()()()()()()()()危険性があると考えている。これまでのゲッターは1基の炉心で〝神ゲッター〟に進化したり、多聞天を退(しりぞ)くパワーを出しているのだ。

ただ、このゲッターは『ゲッターロボ大決戦!!』のゲーム仕様に近い。ゲーム内で早乙女博士に未知数と言われていたが、巨大なインベーダー相手では未だ力不足なのだ。これは、竜馬も賭けに近い。

 

「分かった。直ぐ作業に取り掛かってくれ。「おい!ベンケイ!!」…慌てるなリョウマ。この竜馬が言っている事を全て信用したわけじゃない。だが、このまま正面からぶつかっても勝てる見込みは無い。なら、一つやってもいいんじゃねぇか?」

「…クソッ!勝手にしやがれ!!」

 

そして、彼らは動き出した。

 

「俺達のゲッターの構造上、ゲッター炉心は必ず機体の中心に来る。」

「ん?そりゃ、当たり前じゃないのか?」

「チッチッチ、ベンケイのおっちゃんそりゃ安直すぎるぜ。真ゲッタードラゴン、真ゲッターライガー、真ゲッターポセイドン。この三つの形態()()で中心なんだ。不思議とは思わなかったのか?」

「そ、そう言えば!!」

 

クジラを真ゲッター3とブラックゲッターで移動させながら。

 

「俺達のゲッター炉心は分離した場合、()()()()()()()()に収納されている。(恐らく前行った2つの世界でも、真(新)イーグル号に収納されていたと仮定出来る。〝流竜馬〟達の異常なまでのゲッター線への適応力を見ればそうとしか考えられん。…ってヤベ、俺もだわ。)」

「それで?」

「再度合体した場合、ゲッター炉心が挟まれた機体の中心に移動する。その移動するスペースにもう一つ炉心を組み込むんだ。」

 

竜馬と隼人は、これから行う作業の事を皆に説明しながら、急ピッチで新炉心の作製とゲッター炉心の解体を行っていった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

隼人が言ったように焦るな、俺!

それに、その先に待っている()()()には今のままの真ゲッタードラゴンじゃ絶対に勝てねぇ!!真ドラゴンのように多くのゲッター炉心が一つになった物があれば多少無茶が出来るが、俺達のゲッターでは無理だ。()()()は、覚醒した真ゲッター1の〝ストナーシャイン〟が全く歯が立たなかった木星よりデカい相手だ。〝真・シャインスパーク〟を使えば一瞬だけなら攻撃になるが、最悪あいつ等残して元の世界に帰っちまう。それだけは絶対にしたくねぇ!!

 

「まだ掛かるのか!!」

「ベンケイ!もう少し待て!!」

「炉心が安定するまで待っt「なっ!?ケイ達が落ちた!!」チィ!」

 

もう、これ以上待たせたら、この世界のリョウマ達がやられちまう!腹、括るか!!

 

「ベンケイ!クジラを真ゲッターが落ちた場所へ移動させ早く助け出せ!!」

「わ、分かった!!」

 

安定しない炉心!迫り来る真ドラゴン!!

 

「だぁー!俺達を閉じ込めた奴に、絶対一泡吹かせてやる!!」

「ど、どうした竜馬!?」

 

改めて言う!この世界には来たくなかったぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クチュン。

 

ム、九郎君が僕の事を噂してるのかな?

 



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第29話

 

 

 

真ドラゴンがスーパーロボット軍団を蹂躙する中、一機の基地型戦艦が海面上で停泊していた。

 

『待っていろ!今助けに行く!!』

 

そう叫び、海中目掛け飛び込む人影が一つ。

 

『潜水型艦娘艤装へ換装!!』

 

彼女の体が眩く輝き、

 

『大和型()()()二番艦、武蔵!参る!!(隼人ちゃんとの共同作業(意味深)を竜馬に取られた挙句基地の操縦に甘んじていたが、此処でケイちゃんを助け出しそこから好感度爆上げ。そして、キャッキャウフフな展開に私なら持っていけるはずだ!!)』

 

服装そのままに(他人から見たら全く分からないが)下着がサラシから競泳水着と変わった。無論、上に着ている服は妖精さん手製の超耐水性へと変わっている。

 

『ソナー起動!』

『ラジャー!』

『真下へ魚群を感知!魚影探査からロボット探査へシステム移行します!!』

 

彼女は深く、深く、潜って行った。

 

『武蔵さん!真ゲッター1と思われる影を発見しました!!』

『よし!今行くぞケイちゃん!!』

 

武蔵はどんな環境だろうと美女、美少女が絡む場合、自身のスペックを大きく上回る力を発揮する。

 

『ケイちゃ…皆!無事か!?』

『こ、この声武蔵さん!?』

『助かった。武蔵さん!ポセイドンで早く俺達を引き上げてくれ!!』

 

落ちて直ぐ向かったのが功を奏し真ゲッター1はすぐ見つかった。

 

『済まんな。私達のゲッターは未だ調整中で動けない。だから、私一人で来ている!!』

『そんな、まだなのかよ!!』

『って、む、武蔵さんはどうやってこの海中まで来たの!?』

『フッ、私を何も出来ない木偶の棒と思わない事だ。海での戦闘なら私が遅れを取ることは無い!海中も然りだ!!』

 

まだゲッターの調整が済んでいない事に落ち込むガイ。しかし、どうやってこの海の中に来たのか気になったケイが武蔵に質問したが、帰って来たのは〝海の事なら任せろ〟的な回答のみだった。

 

『コックピットにしっかり座っておけ!ムン!!』

『『は!?』』

 

ゴゴゴと云う効果音と共にゲッターが動きだした。

ケイ達が武蔵に言われコックピットに座り直した直後、急に下から何かに押し上げられる感覚になり徐々に海面へと向かってゆく。

 

『もう少しの辛抱だ。』

『え、えぇっと。武蔵さん?どうやって私達を引き上げてるの?』

『ん?変な事を聞くな。引っ張ってはいないぞ。お前達のゲッターを海底から()()()()()いる。なに、もう少しすれば、お義父さ…ベンケイさんの乗っているクジラで休める。』

『へ、へぇー。押し上げてくれ、ている、の…』

『『()()()()()()!?』』

 

そこでケイとガイは自分たちの状況を正しく判断した。どうやっているかは分からないが、彼女…武蔵は自分たちのゲッターを下から押し上げていたのだ。

 

『ムッ!海面が見えたぞ!!クジラの口が開いている筈だ!!』

 

それ程大きくない水しぶきを上げながら、海中からゲッター1がせり上がりクジラの口へ降ろされた。

 

「さて、自己紹介の続きと行くか。私の名は大和型戦艦…って今は!大和型()()()二番艦、武蔵!見ての通り、私は戦艦だけに留まらず、空母や潜水艦等の()の力が使えるのだ!!」

『す、凄いぜ武蔵さん!!』

『武蔵さん凄い!海面に立ってる!!』

「ま、まあー、このくらい造作もない事だ!!」

 

ケイ(とガイ)に褒められ気分を良くした武蔵。そして、此処で初めて武蔵が海面に立っている事に二人は気付いのだった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

チクショウ!

 

「1番回路から3番回路まで問題なし!!」

「こっちも107番、108番まで問題なしだ!!」

 

チクショウ!!

 

「もう一度炉心を動かす!竜馬準備は良いな?」

「ああ!やってくれ!!」

 

コン、チキショウ!!

 

「1番炉心出力80%で安定!!」

「2番炉心は…ダメだ!15%で強制的に炉心が落ちや(止まる)がる!!」

 

どうして、動いてくれないんだ!!

 

『そっちの竜馬!無事、ケイ達を回収出来たぞ!だが、ゴウが意識不明だ!!ちっこい武蔵の妖精さん?って奴が診てるが意識が戻る気配がない!それと、武蔵は凄いな!生身で海上や海中を自由自在に動いていたぜ!!』

「フフン!(変態ではあるが)私達の仲間だから当然だ。海では奴に私達も敵わない。それより、こっちはまだ掛かる!出来るだけこの戦場から離れてくれ!!」

『分かった!ゴウの容体も心配だ。これより、治療施設があるタワーへ向けて後退する!!』

 

タワーか。こっちの世界のハヤトが指揮を執っている超大型基地だったな。…待てよ、敷島博士がいる筈だ。少しの間手伝ってもらうか!!

 

『ゲッタービィィィィィム!!』

 

な、この声は!?

 

「チィ!こっちのリョウマの奴、私らがあれ程ビームは撃つなって言っただろうに!!」

『クソッ!お前が言った通りになった!真ドラゴンがブラックゲッターのエネルギーを吸収してる!!』

 

ヤバイ!ヤバイ!!考えろ、考えるんだ!!

今OVAと違ってクジラは無傷、その炉心を俺達が真ゲッタードラゴンへ組み込んでいる最中だ。次に、ゴウは恐らく真ドラゴンの影響を受けダウン中。最後に、ブラックゲッターに乗っているリョウマはこのままじゃ置いて行かれる可能性がある。これじゃ、真ゲッターの覚醒イベントが無くなり、本当に人類が滅亡しちまうぞ!?

 

「…それだけは、させねぇ!!隼人!!」

「おう!行ってきな!こっちは引き続き私がやっとくぜ!武蔵!!」

「ハッ!隼人ちゃんの声が聞こえる!!呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!!武蔵!惨状!!隼人ちゃん呼んだ?」

 

…最近武蔵が某海賊漫画に出て来るコックに見えて来た。一瞬足が竜巻になってたし。

 

「私が言う工具を取ってくれ!分かりやすく言えば助手d「こ、これが夢見た共同作業(意味深)!?」だぁー!只の助手だ!!行け!竜馬!!此処は私らに任せろ!!」

「分かった!!」

 

早乙女博士やコーウェン、スティンガーに顔を見られ必要以上に警戒されたら危険だ。変装して向かうか!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

『クソッ!アイツの言ってた事は本当だったか!ん?アレは…人か!?』

 

エネルギーを吸収され身動きが取れないブラックゲッターは、地上に向かって落下していた。

 

「人間は水面を走れない?何故そんな固定概念を持つ?足りない!!足りないんだよ!!そいつ等に足りないもの、それは!!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなによりもォォォオオオオッ!!速さが足りない!!」

 

落下している最中でもハッキリ聞こえる声で、包帯かターバンで顔を隠しマントを背負った人間?が、こちらに向かって海上を()()()来ていた。

 

『イ、 インベーダーの野郎か!?チッ!ゲッターが動かねぇ!!』

 

リョウマはそれをインベーダーだと思い込み、反撃しようとするがゲッターが動かず悪態をうった。

 

「…味方だ!今からお前をタワーまで()()()()!しっかり操縦席に座っていろ!でないと、舌を噛むぞ!!」

『は?どう言う事d<ドワォ!!!!!>グッ!?』

 

ハッキリ言って異常だった。突然声が聞こえたと思ったら、そう指示が聞こえた。そして、突然何かに引っ張られる感覚に驚くリョウマ。

 

『お前は本当にインベーダーじゃねぇのか?お前の身体能力、普通じゃねぇ!!』

「ん?そうなのか?最近、生身でロボットを倒す奴に会いまくってたからな。ま、慣れれば普通になるぜ。」

『なるか!!』

 

リョウマは、気を許して話が出来る存在を完全ではないが、敵ではないと許したのだった。しかし、

 

『やっぱり、生身で()()()()を運ぶ奴はなんぞ、普通じゃねぇぜ!!』

 

生身でブラックゲッターを運んでいる事はどう考えても異常だろう。

 



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第30話

 

 

 

此処はタワーの中。それもハヤトが使っている一室である。

 

「何だと、ゲッターに乗れない!?どう言う事だ!!」

「リョウマ、ハヤトには司令官として責任があるんだ。」

 

そこでリョウマはハヤトを真ゲッターのパイロットとして誘ったが、ハヤトはそれを拒否。そんなハヤトをベンケイは何とか庇おうとしたが、

 

「フ、どうやら、何か企んでいるようだ。行くぜベンケイ。」

「…あ、ああ。」

「ハヤト、コイツは返しておく。じゃあな。」

 

何かを察したリョウマは追及せず、渡されていた拳銃を投げ返し去って行った。

 

「フウ。で、お前達は何者だ?」

「…さっきも話したが、俺達はゲッターチームだ。」

「…」

 

しかし、その部屋には異世界の竜馬達も居た。そして、ハヤトは彼らを警戒している。

ベンケイ達と同じ自己紹介を受けたが、海の中からゲッターを生身でサルベージし、ブラックゲッターを持ち上げたままタワーまで運ぶ人間。警戒しないわけがない。

 

「…いいだろう。質問を変える。お前等は()()()()()()()()か?答えろ!!」

<チャキッ!!>

 

そして、先程リョウマから受け取った拳銃を彼らに向け再度質問した。

 

「…やはり、一筋縄ではいかないな。」

「いいから答えろ!!」

「俺達はにん「私は艦娘d」えぇい!武蔵は黙ってろ!俺達は()()だ!!」

「…人間と云う事にしといてやろう。それで、お前等の目的を言え。」

「俺達の目的は、()()()()()()()()。信じられないと思うが、俺達は何らかの力で別の空間に閉じ込められた。そして、ゲッターの〝シャインスパーク〟のエネルギーで空間に歪を創り脱出し此処へ来た。星を渡るのはコレで3回目だ。」

 

竜馬はあえて本当の事をこの世界のハヤトへ話した。此処で嘘や嘘を混ぜた情報を渡し、変な勘ぐりをされたらこの後ゲッターの強化のために場所を借りたりできなくなるからだ。

 

「ふ」

「ふ?」

「ふざけた事言ってんじゃねぇ!!」

<パパパン!!>

 

だが、極限まで追い詰められていたハヤトには嘘を言っているとしか思えず、竜馬へ向けていた銃の引き金を簡単に引いてしまった。

 

「俺をおちょくるのも大概にしろよ!この男の様に、し、にたく…何だと!?」

「いや、おちょくってないんだが…全部本当の話だ。俺の故郷は魔術が支配するアーカムシティだ。どうだ?聞いたことあるか?」

 

だが、竜馬は某ガンダムファイターの如く、右手指の間で弾丸を全て掴んでいた。

 

「ま、術?そんな御伽話みたいなモノがこの世界に存在するはずがない。それにアーカム?聞いたことが無い街だ。」

「さて、もう一度言う。俺達は(武蔵は無視するが)()()だ。そして、()()()()()()()為にゲッターを強化したい。それに伴いタワーの施設を一部借り、敷島博士の助言が欲しい。俺の持っているインベーダーの情報と別世界の技術、知識を渡す事で手を打ってくれないか?」

 

ハヤトはまだ納得がいっていない顔をしていたが、一旦彼らの話を聞くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タワー内、機体整備区間にて。

 

「こ、これは驚いたわい…」

「驚くのは後にしてくれないか?(まともな敷島の爺さんって、私には違和感しか感じれないぜ。)さっきも説明したように、炉心を同時に始動しても、別々に始動しても突然2番炉心が停止してしまう。」

 

呆然としている敷島博士に、異世界の隼人が2基に増やした炉心が突然止まる事を簡単に説明していた。

 

「おっ!竜馬!!良い所に来たな!!」

「ほぅ、お前が竜馬か。こっちのリョウマは喧嘩殺法の我流じゃったが、お前達の竜馬は武道家だと聞く。フム、佇まいから違う。顔はそっくりなのに、儂が知っているリョウマとは全然違うのう。」

 

そこへハヤトの質問責めから解放された竜馬が入って来た。この世界のリョウマは先程ベンケイと共に真ドラゴンへ向って行っている。しかし、真ジャガー号はオートパイロットで代用していた。

 

「初めましてだな、敷島博士。(質問責めに疲れたが、生でハヤトの〝発進〟の掛け声が聞こえたから役得だったかもな。)」

「今早速、お前達のゲッターを見せてもらったが、聞いた通りゲッターGが基準となっている。それにしても、強化する為に炉心を2基にするとは無茶な事をするのう!」

 

未だ外ではスーパーロボット軍団と真ゲッターが、真ドラゴンへ攻撃を仕掛けている。

 

「済まんが、今の儂では助言も何も出来ん。それに、真ドラゴンの様な大きな機体ならまだしも、ゲッターG程度の大きさの機体で2基の炉心を()()()()()()()()()()()なんぞ最悪合体時に回路が切れてしまうわい。儂は、ゴウの体を調べに行く。力になれんで悪かったの。」

 

そう言って敷島博士はゴウが運び込まれた部屋へ向かってしまった。

 

「ちょ、敷島の爺さん!!…ちっ、行っちまいやがった!!」

「よせ、気にするな。それより、打開策を思いついた!持ってきた()()が使えそうだ。今から突貫作業で仕上げるぞ!!(無理に移動させたら、最悪回線が切れる!?盲点だったな。早く作業しねぇとこの世界のハヤトがこのタワーを使って動き出しちまう!!)」

 

竜馬と隼人のコンビは驚くべき速さで炉心が収まっている部分を分解し、新たな()()への組み込み作業を行っている。

 

「よし、もう少し『緊急回避!緊急回避!!全員避難艇にて速やかにタワーから脱出せよ!!』今度はいったい何なんだ!?」

「この部屋が勝手に脱出するようになっているから無視しても問題ない!今は炉心を組み込むのが先決だ!!(チィ!もうそんな時間かよ!!)」

 

突然流れる脱出のアナウンス。そして、生き残ったスーパーロボット軍団を収容した直後、各区画がタワーから切り離されて脱出艇へと変わり強制退避させられていった。

 

が、

<ドゴン!!>

 

「隼人!おまけで竜馬!!急に退避命令が出たぞ!どうやったら脱出出来るんだ!?」

 

脱出艇へと変わろうとしていたこの部屋の窓をブチ破り、武蔵が血相を変えて飛び込んで来た。

 

「炉心の組み込み作業中だ!勝手にこの部屋が脱出するようになってるらしい!!」

 

無論、脱出機能も起動しなくなっていた。

 

「…わ、悪い隼人。その脱出装置だがな。」

「ん?どうした竜馬?」

「武蔵がブチ壊した。」

「この、ボケがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「あぁん!隼人ちゃんもっと罵ってぇぇぇぇぇぇ!!」

「ライカ、お前の言ったように、武蔵をゲッターチームに入れたの間違ってたよ。」

 

そんなやりとりをしながら、新しい炉心がゲッターへ組み込まれた。しかし、

 

「駄目だ!やっぱり動かないぞ!!」

「クソッ!そろそろ()()()()()()()だってのに!!」

「どうする!?もうこれ以上の策はねぇz『おぉぉぉぉ!!』何ぃ!タワーが何かに突っ込んだぞ!?」

 

この世界のハヤトがタワーを真ドラゴンへ突撃させた。これが、竜馬が焦り()()()()()()()と言った事。

 

「ま、まさかタワーを真ドラゴンへぶつけたのか!?」

「…そうだ。この世界のハヤトはタワーを使って真ドラゴンのエネルギーを吸い出すつもりだ。何処まで弱体化出来るか分からないがな。」

「ど、どうする!私達のゲッターは動かないままだ!!脱出するにしても敵のど真ん中だぞ!!」

 

真ドラゴンのゲッター線をタワーへ吸収させ弱体化させ、真ゲッター或いはスーパーロボット軍団で倒す計画なのだ。

<ド、ドドドン!!>

 

「きゅ、吸収が追い付いていねぇ!タワー自体が吹き飛ぶぞ!!」

「15.5㎝三連装副砲!全7砲放てぇぇぇぇぇ!!」

「超ヤバイですよ竜馬さん!!」

「早く逃げますよ!!」

 

緑色のエネルギーが吸収されるにつれて、所々爆発するこの部屋。隼人の悲鳴にも似た叫びで我に返った武蔵が砲撃で壁に穴を開けた。

 

「分かった!皆、ゲッターを持って脱出すr<ドドン!!>な!?」

 

そして、タワーはバラバラになり、この世界のハヤトは無事真ジャガー号に助けられたのだった。

 



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第31話

sk-san様脱字の連絡ありがとうございました。


 

 

 

真ジャガー号へハヤトが乗り込んだことにより、旧ゲッターチームが揃った。そして彼らは、

 

『行くぞ!ハヤト!ベンケイ!!』

『ゲッターチーム復活だぁ!底力を見せてやる!!』

『俺に任せろ!真ん中からぶった切ってやる!!チェンジ!ゲッターツゥ!!ドリルアァァァァム!!』

 

真ゲッター2で真ドラゴンの内部へ突撃。が、そのまま真ドラゴンの体内で敵の幻影に惑わされた。

 

『よくも、よくもミチルさんを!ドリルミサイル!!』

 

しかし、間一髪の所でケイのミチルへの祈りに反応したゴウによって、この世界の武蔵、ミチルの魂を彼らに送り出し、彼らによって正気を取り戻したハヤト達は反撃に出た。

 

『今一歩のところを!』

『何故だ、一体何がこの空間に干渉したと云うのだ!?』

『フハハハ、どうやら人間の業の深さを少し甘く見ていたようじゃ!!』

 

初代ゲッターチームの早乙女博士、コーウェン、スティンガーとリョウマ達の戦いは佳境に入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、タワーの爆発に巻き込まれた異世界の竜馬は、

 

「…う、わ、儂はどうなった?」

「よう、敷島博士。大丈夫か?」

 

敷島博士を助け出していた。

 

「お主は武道家の竜馬か?それに此処は…」

「おう、正解だ。此処はドラゴンが繭になってた島の端っこだ。だが、アンタを助けたのは良いが、俺の不注意で隼人と武蔵からはぐれちまってな!!(それに、何処にいるか分かってて、見捨てて逃げるって無責任な事は出来ねぇからな。自覚は無かったと思うが、助言ももらったし。)」

 

だが、助け出す為に隼人、武蔵の二人とは離れ離れになってしまっていた。

 

「あの爆発の中をどうやって潜り抜けたのだ?」

「ああ、あれなら()()()で、爆風を吹き飛ばして助け出したぜ!あと一歩遅かったらヤバかったけどな!!」

「に、人間が()()()を操るだと!?儂は以前、ゴウのニューロン活動電位が異常だと言った事があるが、お主の身体能力はその驚きを凌駕するわい。本当に人間かどうか儂が主の身体を隅々まで調べてやるわ!早く解剖させろ!!」

「…海に投げ落とすぞジジイ!!」

 

突然解剖させろと言う敷島博士に、竜馬がキレるのも最もだ。しかし、未だ他の二人に合流出来t「お~い!竜馬!!敷島の爺さんは助けたか!!」…訂正、今合流したようだ。

 

「隼人か!無事助け出せたぜ!炉心の方は上手くいったか?」

「そ、そうだった!竜馬と敷島の爺さん、急いでこっちに来てくれ!!」

 

慌てた様子の隼人に促され、竜馬は敷島博士を背負い急いで隼人の元へ向かい、

 

「ま、まさかこれは…」

「う、嘘だろ!こんな事が!?」

 

二人は()()を見た。

 

 

 

■□■□

 

 

 

話をしよう。

あれは、今から36万…いや、1万4000年前だったか。まぁいい、私にとってはつい昨日の出来事…

 

って、ルシフェルごっこしてる場合じゃねぇ!!

 

…ゴホン、気を取り直してゲッターロボのコックピットについて話をしよう。

まず、TV版と原作漫画版のゲッターのコックピットは戦闘機のコックピット風になっていて、大体の操縦は全て()()()()()で手元のレバーや足元のペダルで動かしていく。そして、合体時はコックピットが自動的に地上と水平になり、直接可視出来る特殊ガラスやアクリル板等のパネルか、特殊合金を用いたモニターで外が見えていた。

OVA(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日の真ゲッターでは、戦闘機状態は上記と同じで座った状態で、手元のレバーや足元のペダルで動かしていく。しかし、合体時の操縦は、UFOロボグレンダ○ザーの様に座っていたコックピットが後ろにさがり、下にある別のコックピットへ移動(シュート・イン!)し、()()()()()で手や足のレバーを使って動かしていく。モニターも頭上以外の360度が見渡せる特別仕様だった。

 

『―――い――お―おい!竜馬!!』

 

うお!?武蔵の声か。

 

「悪い、ちょっと考え事してた。今から周りにいるインベーダー共を倒しながら動作を確認する!敷島博士はそこを動かないでくれ!!」

『分かった!早く回収してくれ!!』

「んじゃ、隼人に武蔵!無茶な動きもするから万が一の為に、しっかり掴まっていろよ!!」

『ヘッ、そんなの何時もの事だろ!今更だ!!』

『そうだ!早く動作確認し、ケイちゃんを助けに行かねば!!』

 

それじゃ、

 

いっちょ、

 

やったる、か!!

 

空円脚(くうえんきゃく)!でぇぇい!」

 

()()()()()()(こも)()()蹴りで、4・5体のインベーダーが真っ二つだぜ!続けて、

 

「肘打ちぃ!裏拳正拳!とぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」

 

パンチだ!まだまだぁ!!

 

「ジェノサイドカッ…違った!覇皇轟雷脚(はおうごうらいきゃく)!!」

 

最後にぃぃぃぃ!!

 

超級(ちょうきゅう)覇王(はおう)!!『やりすぎだボケ!敷島の爺さんが巻き込まれるだろうが!!』…あり、隼人?」

 

ま、超級(ちょうきゅう)覇王(はおう)電影弾(でんえいだん)は周りに被害が出すぎるし、やりすぎだな。真ドラゴンの中のコーウェン、スティンガーにバレるし。それに、これだけ動けるなら問題なしだ。

 

「悪い、悪い。自由自在に動けるのに興奮してな、止まらなくなっちまった。じゃ、次は隼人の番だ!オープン・ゲェット!!」

『分かった!チェンジ!真・ゲッターライガー!スイッチ、オン!!』

 

さっきまで俺は()()()()()でゲッターを動かしていた。でオープンゲットする時は、唯一ある右手のレバーを引く。すると、下から座席がせり上がり、俺が操縦しない間コックピットは以前と同じ戦闘機の操縦席の様な状態に戻った。

 

十傑集(じっけっしゅう)走りからの、砕竜(スクリュウ)!!』

 

オイオイ、隼人がゲッターで蹴りを放ったぞ!?…申し訳ありません。俺の所為です。隼人に色んな蹴り技教えたら、影技(SHADOW SKILL)の技をえらく気に入って偶に使ってるんだ。

さて、気を取り直して、()()()()()ってのでもう察しは付いたと思うが、嬉しい事に操縦がMF(モビルファイター)のモビルトレースシステム(モーションキャプチャのように機体を動かすシステム)に似た使用に()()した。

元々俺達は体を動かして戦闘する部類の人間だ。レバーでの操作やペダルを踏む動作等は、俺が憧れのゲッターを動かしてるって感じて良かったけど、生身であれだけ動けるのにゲッターが俺達より動かないって違和感が半端なかった。

 

聖爆(セイバー)!…からの、ミラージュドリル!!』

 

だけど、動かなくなったブラックゲッターから()()()()()()を拝借して、ゲットマシンに1基ずつ()()を付けた途端安定したのは驚いたぜ。それもこれも、敷島博士の言葉があったからだ。

 

『交代だ武蔵!!オープン、ゲット!!』

『任せろ!隼人ちゃん!!チェェェェンジ、真・ゲッターポセイドン!!』

 

今、敷島博士は安全な場所に隠れてもらっている。

 

『フッ、相棒よ、随分待ったぞ!大和型戦艦二番艦、改大和型、武蔵。参る!!』

『我が世の春が来たぁぁぁ!対空は私が操る10cm連装高角砲改が火を噴くぜ!!』

『レーダーは私に任っせなさい!どんな敵でも見つけ出して蜂の巣よ!!』

 

で、何で武蔵の妖精さん達が普通に出て来てんの!?

 

『主砲、一斉射だ!薙ぎ払え!!』

『ラジャー!!』

汚物(インベーダー)は消毒だぁぁぁ!!』

 

せ、背中のストロングミサイルが割れて武蔵の艤装が出て来た!?それも、妖精さんが動かしてるし!!

 

『フッ、此処一帯の敵はコレで一掃出来たな。』

『我らの敵ではなかったのです!!』

『ざまぁみろです!!』

 

…深く考えないでおこう。この後は、敷島博士回収して、ケイ達と合流だな。

 



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第32話

 

 

 

『俺の…俺達の想いがゲッターのパワーを引き出す!ストナァァァァァァ!サァァァァァァァンシャイン!!』

 

この世界のリョウマ達は、ゲッターの申し子たるゴウの助言と、

 

『リョウマ、ハヤト、ベンケイ!儂の引いたレールも最後だ!!』

『『博士(ジジイ)!?』』

『後はお前達の手で切り開け!人類の未来を!!さらば!!』

 

敵味方両方欺いた()()()()()によって、インベーダーの計画を阻止した。

爆発に巻き込まれた真ゲッター1は、真ドラゴンの体外へ吹き飛ばされた。

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『無事か!ケ『ケイちゃん大丈夫!?ついでに他二名。』って、武蔵五月蠅い!それに、ゴウとガイの扱いが酷くなってねぇか?』

 

異世界の竜馬達は、真ドラゴンの近くに不時着したケイ達が乗っている脱出艇へ駆けつけた。今は、ライガー状態になっており、真ドラゴン号のコックピットの空きスペースへ敷島博士を乗せている。

 

『武蔵さん!私達は無事よ!!それより、真ドラゴンが『僕達を呼んでいる。』ッ!ゴウ!?良かった!本当に良かった!!』

『…グヌヌ!私の時より喜び方が上だと!?そんなバカな!!』

『あ~、ハイハイ。いつも通り武蔵は無視だ。敷島の爺さん、あっちの脱出艇へ行ってくれ!』

『もう少し間近で観察しt『いい加減にしろよ、敷島の爺さん!足手まといだつってんだ!!』ハ、隼人の嬢ちゃん分かった!分かったから!!』

 

竜馬と隼人は突貫作業で脱出艇へプラズマエンジン(試作の為数個作成していたモノ)を搭載。敷島博士はそれに乗り込み、この海域から脱出して行った。この海域を去る際敷島博士は、「嬢ちゃん応援しとるぞ。」と言って去って行った。それを聞いた隼人は「くたばれジジイ!!」と言っていたが、何のことやら。

そして、ゴウ、ケイ、ガイの三名は真ドラゴンを取り戻す為、異世界の竜馬達の真・ゲッタードラゴンの手に乗り真ドラゴンまで送ってもらうのだった。

 

『こっからは、防衛戦だ!インベーダー共を一匹たりとも真ドラゴンへ近づけさせんぞ!!』

 

真ドラゴンへケイ達が入り込んだことを察知して、島の周りからインベーダーが次々と這い出して来る。

それを迎え撃つのは、()()した真・ゲッタードラゴン。背中に棘の様な翼が8()()付いており、翼の表面に排気口のような構造物が幾つも付いている。そして翼の内側には、常時()()()()()が膜の様に(まと)っている。肩から伸びている突起も同じように、表面には排気口のような構造物。内側はゲッター線を(まと)うと云う形だ。

 

『敷島博士を避難させたから、遠慮はいらねぇぜ!行くぞ!超級(ちょうきゅう)覇王(はおう)電影弾(でんえいだん)!!』

 

敷島博士をこの島から脱出させ、ケイ達を真ドラゴンへ乗せた為竜馬の心配は無くなり、自重、自粛などと言う言葉を排除した。

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

真・ゲッタードラゴンの下半身が()()の竜巻となり、ゲッターヘッドだった頭部が竜馬のモノへと変わる。そして、地面を削り地中に隠れていた他のインベーダーをも巻き込んで島をぐるりと一周して行った。

 

『リョ、リョウマ!ありゃ…』

『お、俺の顔がインベーダー共を蹴散らしてる…』

『アレを本当に、人間が操縦できるのか!?』

 

若干、若干この世界のリョウマ達が引いている様に思えるが、気の所為であろう。

 

『し、師しょ…い、今のビジョンは何だ!?』

『あ、あの竜馬さんってホント何者よ!?』

『ま、規格外のバケモンって覚えときゃいいな。』

 

その戦闘力を真ドラゴン内で見たゴウ、ケイ、ガイは戦慄した。一瞬ゴウの中に別の人物が乗り移ろうとしたが、未遂に終わり事無きを得たので、気にしないで欲しい。

 

<ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!>

『ん?』

 

突然島の一部が揺れ出し、

 

<ザパァ!!>

 

コーウェン、スティンガーが乗ったボロボロのゲッタードラゴンが宇宙へと逃げ出して行く。

 

『しまった!リョウマ!逃がすな!!』

『おう!!』

 

リョウマ達はそれを逃がさんと追いかけようとしたが、

 

『待て!そいつらは只の先兵だ!今は真ドラゴンを守り、親玉を叩く戦力を増やすんだ!!』

『そ、そうだった!リョウマ、ハヤト!今は我慢だ!!ケイ達の力を借りなければ、奴らには勝てない!!』

『どう云う事だベンケイ!?』

『チィ!そう言えばそんな事も言ってやがったな!!』

 

異世界の竜馬と、説明を受けていたベンケイが止めリョウマが言っていたことを思い出し、追撃に向かわず周りのインベーダー狩りを再開した。

 

『おい!リョウマにベンケイ!後で説明しろよ!!』

『分かった!俺とあっちの竜馬で説明する!いいなリョウマ!!』

『ああ!!』

 

そして、2体のゲッターで真ドラゴンを守っていると、真ゲッター1のゲッタービームが通用しないインベーダーが出現した。しかし、

 

『此処は私に任せな!チェンジだ竜馬!!』

『おう!任せたぜ!オープン・ゲェット!!』

『チェンジ!真・ゲッターライガー!スイッチ、オン!!』

 

ビームに頼らない真・ゲッターライガーで対応する。

進化した真・ゲッターライガーは全体のフォルムが真ゲッター2寄りになり、背中のブースターが以前と同じ飛行機の羽型で機体のカラーリングがゲッターライガーのままだ。

 

『物理攻撃なら通じるだろう!ドリルミサイル!!』

 

そう言うや否や、隼人は右手のドリルをインベーダーへ向け放った。

 

<ガァァァ!!>

 

ドリルが迫る中、インベーダーはビームを跳ね返したバリアを展開するが、

 

鈍間(のろま)が!裂破(レイピア)!!』

 

ドリルを放ったと同時に、後ろへ()()()した真・ゲッターライガーの飛び蹴りが炸裂。そして、

 

<ギュイィィィィィィィィン!!>

 

後から来たドリルによって大穴を開けられ、無残に敗れ去ってしまった。

 

『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』

 

ゴウ、ケイ、ガイの叫びと共に真ドラゴンの繭は、急速に周りのゲッター線を吸収しながら次第に浮かび上がって行く。

 

『お?始まったぜ!(ながれ)、此処からずらかるぞ!!』

『へッ!分かってらぁ!!』

 

それを確認した隼人はこの世界のリョウマへ離脱するように促し、真ゲッター1と進化した真・ゲッターライガーはその場を後にする。尚、スーパーロボット軍団は敷島博士を回収し既にこの海域から離れて行っている。真ドラゴンは、暫くゲッター線を吸収し世界に青空が戻った時吸収を止めた。

 

「起きてよ!起きてよ!!アタシを守るって言ったのは嘘なのかよ!ゴォォォォォウ!!」

 

だが、地球を汚染していたゲッター線を真ドラゴンに全て吸収したが、その影響でゴウは絶命してしまった。

コーウェン、スティンガー操るメタルビースト・ドラゴンは、木星のゲッター線太陽化のためゲッター炉心を取り出し破棄された。そして、コーウェンとスティンガーは木星と融合して、衛星を次々と呑み込み巨大インベーダーへと進化。地球へガニメデを落とす為、インベーダー共を向かわせたのだった。

 

「確か、月にハイパー超電磁砲(レールガン)があったはz「止めとけ、止めとけ!跳ね返されてこっちの被害が大きくなるだけだ!!」…それは、否定できん。」

 

ガニメデを落とす為、ハイパー超電磁砲(レールガン)の使用を提案したリョウマだったが、異世界の竜馬に否定された。

 

「それより、俺達のゲッターやスーパーロボット軍団で迎撃した方が現実的だ!俺一人でも行くぜ!!」

 

そして、提案したのはスーパーロボット軍団での反撃。事実、OVA版ではハイパー超電磁砲(レールガン)を使用し跳ね返され、甚大な被害をこうむっている。それより、インベーダーを倒しながら、ゲッターを中心にガニメデを破壊した方が、跳ね返された被害よりも地球への影響が小さくて済むのだ。

 

『行くぞ!ハヤト、ベンケイ!ゲッターロボ!!』

『『『発進!!』』』

 

真ゲッター1に続き、

 

『野郎共!後れを取るなよ!!』

『『『おう!!』』』

 

スーパーロボット軍団、

 

『ケイさん!』

『古田!?』

『日本軍もやっと重い腰を上げましたよ!!ビィート戦隊出撃です!!』

 

日本のビィート戦隊とケイ、ガイ、古田、団六。そして、

 

『世界は違うが、地球のピンチだ!行くぞ!隼人、武蔵!!』

『任せろ!』

『この星の、美女、美少女の未来は私が守る!!』

 

()()した真・ゲッタードラゴンも後に続く!

 

『インベーダー共首を洗って待ってろよ!貴様らにも味合わせてやる!()()()()()()()()()をな!!』

 




進化した真・ゲッタードラゴンを見た心境。

シュワルツ「な、何だあのバケモンは!?」
スーパーロボット軍団「インベーダーより恐ろしい奴らだ!!」
元タワーオペレーター「え、あれもゲッター!?真ゲッターが普通に見えて来たわ!!」

次回、貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!『自重、自粛を忘れたオリ主達が牙をむく!』にチェンジゲッター!!(cv神谷明)






サブタイトルは嘘です。


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第33話

間に合った。平成最後の投稿です。


 

 

 

今、インベーダーに操られている恒星だったガニメデを地球に落とさせない為、スーパーロボット軍団と、

 

『オラオラオラオラ!劣化型だがゲッター線入りのミサイルを喰らいやがれぇぇぇぇ!!』

『ケイだけにいいカッコさせねぇぞ!こっちのミサイルも喰らって行けインベーダー共!!』

 

重い腰を上げた日本軍のビィート戦隊がインベーダー共と交戦をしている。それに、ビィートにはケイとガイが乗り込み加勢している。今までゲッターを操縦してきた彼らなら確実にエースパイロット並みの技術だ。あまり心配しなくていいだろう。てか、ケイちゃんがさっきまでと違い、生き生きしている様に見えるんだが?

 

『今度はアタシがゴウを、皆を守るんだぁぁぁ!!』

 

守る、か。俺も早く元の宇宙に戻って、ライカ達を守らねぇとな!!

 

『ゲッタートマホーク!ランサー!サイトォォォ!!』

 

この世界のリョウマ達も奮闘してる。俺達別の宇宙から来たゲッターチームが遅れを取るわけにはいかんだろう!!

 

『括目しろ!これが、()()をした真・ゲッタードラゴンだ!!』

 

今から、木星をぶっ壊さなきゃならねぇんだ!遠慮なんぞクソ喰らえだぜ!!

 

『ぬうん!空円脚!おりゃぁぁぁぁ!!』

 

これで、軽く20体は倒したか?だが、まだ気は抜けないぜ!次ぃ!!

 

『真覇光拳ん!ホアチャチャチャチャチャチャチャ、ホワッチャ!!』

 

出来るだけ敵の数を減らすんだ!!

 

『チェンジだ武蔵!出来るだけ広範囲の攻撃をしてくれ!!オープン、ゲェェェェェット!!』

『任せろ!得意分野だ!チェェェェンジ、真・ゲッターポセイドン!妖精さん!目に物見せてやるぞ!!』

()()やっちゃうんですね武蔵さん!!』

『我らに挑んで来た事を地獄で悔やませてやりましょう!!』

 

ん?()()って何だろう?…スッゲー不安なんだが、大丈夫か?

 

『ストロングミサイル、殲滅型艤装へ変形シークエンス発動!!』

『特殊変形コード入力!K・A・N・K・O・R・E!!』

『やぁぁぁってやるです!武蔵さん!!』

 

オイオイオイオイ、俺達は獣○機隊じゃねぇんだぞ!!てか、妖精さんや武蔵の知識って、俺より年う『竜馬。一度話し合おうか?』ナチュラルに俺の心の声に反応するなよ!!

 

『乙女には秘密が付きものなのだ!!』

『武蔵さん!敵インベーダーロックオン出来ました!!』

『何時でも撃てます!!』

『分かった!全砲門放てぇぇぇぇぇぇ!!』

<ド、ドドドドドドドドドドドン!!>

 

…訂正。獣○機隊じゃなくて、種割れ(SEED)かよ!?

 

『止めだ!フル、ファイヤァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

汚ぇ花火かよ。ま、これで大半のインベーダーを殲滅出来たな。

 

『おいコラ!バケモノゲッターさんよう!!こっちまで危なかっただろうが!!』

『ム、それは無い。全て計算し当たらないから撃ったのだ。』

『ヘッ、言うじゃねぇか!野郎共!こっちも負けてられねぇぞ!!』

『『『おう!!』』』

 

何かシュワルツ達が、武蔵の殲滅攻撃を見て奮起しだしたぞ。これは、いい傾向だ。そう言えば、リョウマ達はどうn『ス、ストナーシャインが効かない!?』もう、ガニメデに向かったのか!?

 

『武蔵!隼人に代われ!ガニメデへ俺達も行くぞ!!』

『分かった!オープン、ゲェット!!』

『チェンジ、真・ゲッターライガー、スイッチ・オン!!』

 

待ってろよ!今、助太刀に行く!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

ガニメデへ放った真ゲッター1のストナーシャインは、あっけなく弾かれただけ。しかし、呆けている場合ではない。このまま放置すれば、地球が滅んでしまうのだ。

 

『クソッ!弾切れ!?』

『こっちもだ!!』

 

そして、ケイ達のビィートの劣化ゲッター線ミサイルも弾切れしてしまった。だが、インベーダーが手を休める訳がない。二人のビィートは、インベーダーに捕まってしまった。

 

『ストナァァァ、サァァンシャァァァァイン!!』

『何だと!?((なに!?))』

 

今度は、ガニメデの中でストナーシャインを放ったが、中に巣食っていたインベーダーに跳ね返され、ソレと共に地球へ吹き飛ばされてしまう。

 

『真ゲッター1が!?竜馬、助けに『駄目だ!少しでも足止めしないと地球への被害がデカくなる!!』分かったよ!!生半可な攻撃じゃさっきみたいに吹き飛ばされるぞ!!』

『この規模の大きさでは、私の砲撃では無理だ!中からではインベーダー共の妨害もある!どうする竜馬!?』

 

そこへ駆けつけた異世界から来た竜馬達も、その大きさと妨害で手を出せないでいた。

 

『(考えろ、考えろ!地球がヤバいんだ!!OVAでは、ゴウが蘇ったけど、必ずしもそうとは限らない!!)分かっている!チィ、折角、()()()()()機体が動くようになったのに!!』

『冷静になれ竜馬!私でこの星を穴だらけにしてやる!その間に良い案を思いつけ!!』

 

何もしないより、何か行動しようと思い隼人はドリルで穴だらけにすることを提案した。しかし、それも地球に迫っているガニメデを破壊する決定打にはならない。

 

『(これだけ動ければ、流派東方不敗もこの()()で、で、き、る、のに…)()()()()()()()()()()!?こ、これだ!!』

『『ど、どうした竜馬!?』』

『真・ゲッタードラゴンへチェンジだ!試してみたいことがある!!』

 

真・ゲッタードラゴンへ変形しガニメデと対峙する竜馬。

 

『竜馬!勝算はあるのか!?』

『竜馬!大丈夫なんだろうな!?』

 

隼人と武蔵がそう言って心配しているが、

 

『…。』

 

竜馬は全く反応しない。

 

『おい!竜馬大丈夫なんだな!!目の前までガニメデが迫って来てるぞ!?』

『地球の美女、美少女達の命運も掛かっているんだ!出来ませんでしたってのは無しだ!!』

 

二人を無視し何も答えない竜馬。

 

『『竜馬!!』』

『…。』

 

 

 

 

 

 

 

<カッ!!>

 

『見えたっ!水の一滴っ!!』

 

隼人、武蔵が叫んだ時、真・ゲッタードラゴンの全身が()()に輝きだした。

 

『こ、これは!?』

『き、機体が輝きだしただと!?』

『…一か八かの賭けだったが、俺も明鏡止水の頂へ届いたぜ!!』

 

今までは、緑色のゲッター線を(まと)っていたが、今度は黄金。それも、燃え盛る激しい炎ではなく、

 

『な、何だコレ?さっきまで焦っていたのが馬鹿みたいに落ち着いたぜ。』

『両腕に美女と美少女が抱き着いているような安心感。この現象はいったい?』

『武蔵の変な表現は無視する!だが、成程。この機体に乗り込んでいる全員に効果があるのか。嬉しい誤算だ!!』

 

淡く揺らめく炎。しかし、触れた物全て焼き尽くしてしまう温度の高い青い炎のようだった。

 

『詳しい説明は後だ!はぁぁぁぁぁたりゃ!!』

『な、何だこれ!?』

『光が倍増しただと!?』

 

竜馬の気合いと共に光が増していく。

 

『流派、東方不敗が最終奥義ぃ!(地球よ!この一撃に力を貸してくれ!!)』

 

真・ゲッタードラゴンの両腕が、胸の前で何かを包むように動いて行く。

 

『石波!天驚けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!』

 

そして、放たれたのは()()だった。

 

『ま、まさかあのエネルギーは!?』

『大自然を間近で見ているような感覚だ!!』

 

その地球と見間違えるようなエネルギーは、吸い込まれるようにガニメデへ着弾し

 

『嘘、だろ…』

『ハハハ、妖精さん見てみろ!星がゴミのようだ!!』

 

ガニメデを粉々に破壊してしまった。本来のこの技は、地球で使うのが最も威力が出ると言われている。今回はその地球の危機。3つのゲッター炉心のエネルギーと明鏡止水、()()の大自然が味方した為に起こりえた奇跡だ。

 

『…ほ、本当に破壊できるとは思わなかったぜ。』

 

その後、死に淵から蘇ったゴウが最終進化した真ドラゴンと、地球へ落ちて行った真ゲッター1を連れて合流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…よかった、星の力は間に合いましたね。これ一回切りしか手助けは出来ません。後は、頑張ってください。こっちも頑張りますから!

 

 

 

 

 

 

 

武蔵さん。』

 




脳内BGMは無論、明鏡止水でお願いします。


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第34話

 

 

 

足止め程度に考えていた石波天驚拳が、まさかガニメデを破壊するとは思わず、俺はその事実を受け入れないで呆然としていた。そんな中、蘇ったゴウがケイとガイを救出。ケイとガイの二人はビィートごと真ドラゴンへ乗り込み、あれよあれよといつの間にか木星のブラックホール化を阻止する為、何故か俺達もそのメンバーに選ばれてしまった。

 

『…何故俺達が行くメンバーに?』

『いや、お前さん、あれだけの力を見せて、ソイツを連れて行かん訳にはならんだろう?』

 

うう、ベンケイの言う通りなんだけどさ。

 

『ヘッ、生の木星がこの目で見えるんだ!それも、ブラックホール化しそうって言うじゃねぇか!それを何とかしねぇとどうせ死ぬんだから、最前線で見ながら戦ってた方がいいだろ!!』

『このままこの地球が無くなったら、()の美女、美少女達が宇宙の藻屑になってしまう!そんな事は私がさせない!行くぞ竜馬!!』

 

ちょ、何で君達乗り気なの!?

 

『腹ぁ括れ、そっちの竜馬さんよう!早くしねぇと太陽系が乗っ取られちまうぜ!!』

 

あぁ、もう!この世界のリョウマの言う通りなんだけどな!!…真・シャインスパークで俺達の宇宙にトンズラって手が有ったが、元々やるつもり無かったし!仕方ねぇ、腹、括るか!!

 

『だぁー、分かった!分かった!!俺達も行く!!』

『これで、9人揃ったな。じゃあ、行くz『その前に野暮用だ!!』ん?手短に済ませろよ。』

 

さぁて、行く前に野暮用だぜ!!

 

『はぁぁぁぁ、はぁ!!』

『ゲ、ゲッターが黄金に輝いてやがる!?』

 

こっちのリョウマが驚くのも無理はない。俺も出来て驚いたし、隼人や武蔵からの質問責めにもあった。模倣した業って正直に答えたら、隼人からは「その、まぁ、何だ。奥義習得、おめでとう。」って言われ、武蔵からは「感、無量だ!」って言って涙ぐんでた。なんでだ?

 

『この業は地球から力を貰っている。故に、地球から離れると威力が大きく下がってしまう。だから、この業を使う範囲は、コレでギリギリなんだ。んで、木星では使えないからな。』

『そ、それは本当か!?ん、この反応…ブレインズベース!気を付けろ!!後ろだ!!』

 

この世界のハヤトも気が付いたみたいだな。っと、それよりも、ブレインズベースを狙ってるインベーダーをぶっ倒す!!

 

『流派、東方不敗が最終奥義ぃ!石波!天驚けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!』

 

石波天驚拳を受けたインベーダーはゲッター線を浴びた様に崩れて行った。ま、種明かしをすると、進化した俺達のゲッターは常にゲッター線を(まと)っている。だから、放った石波天驚拳にも込められていて、それを受けたインベーダーは崩壊しったって訳だ。

 

『後は、任せたぜ。スーパーロボット軍団!!』

『『『任せろ!!』』』

 

さぁ、行くぜ!木星!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

真ドラゴンのトマホークと真ゲッターのゲッタービームでワームホールを造り、真ドラゴン、真ゲッター1、そして、進化した真ゲッタードラゴン(見た目は真ドラゴンver進化)は木星へやって来た。

木星では、コーウェン、スティンガーが使役している数多(あまた)のインベーダーが待ち構えており、それを相手だって戦う3機のゲッターロボ。

 

『ゴウ!これじゃ、キリがねぇ!!』

『三つのゲッタービームを合わせて木星へ打ち込み、核を安定させるんだ!!』

『分かった!やるぞ!!』

 

次々と現れるインベーダー。先の見えない戦いを終わらせる為、木星を安定させる事をリョウマ達は優先した。

 

『『『ゲッタービーム!!』』』

 

が、

 

『うわぁ!?』

『な!?炎が!?』

 

直撃した場所から突然炎が上がり、意思を持ったようにゲッターロボ達を拘束したのである。

 

『グフフフ!!』

『ハハ、ハハハハハ!!』

 

それは、木星と一体となったコーウェンとスティンガーだった。そして、語り出す。自分達インベーダーと人類のルーツ、始祖が同じだと。

 

『は?何を寝ぼけた事を言っている。寝言は寝て言えよ。コーウェン、スティンガー!!』

 

しかし、全く影響を受けない存在が居た。

 

『な、何!?我らの力が効かない!?』

『そ、そう言えば、何故3()()()のゲッターが存在する!?今、現存するゲッターは2体のハズだ!!』

 

そう、別の()()から来た竜馬達だ!

 

『なにゴチャゴチャ言ってやがる!竜馬代われ!私のドリルで腐った脳天ぶち抜いてやる!!』

『そもそも、私は人間ではない!私は艦娘!大和型戦艦二番艦、大和型、武蔵だ!!』

 

異世界から来た竜馬の態度、隼人と武蔵の何物にも屈しない態度に感化されたこの世界のケイは、吠える。

 

『たとえお前達と同じ起源だろうとも、たとえゲッター線を浴びたからとしても、アタシ達人類は自らの意思で進化したんだ!ゲッター線に頼り、寄生しながら突然変異を繰り返したバケモノとは違うんだ!!』

『『『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』』

 

炎のインベーダーの拘束と強制同化を振り払う為、この世界のリョウマ達も吠えた。感情の高まりによって活性化したゲッター炉心は、インベーダーの拘束を存在ごと崩壊させた。

 

『はぁぁぁぁぁたりゃ!!』

 

異世界の竜馬は、明鏡止水の力によって三度その機体を黄金に輝かせ、インベーダーの拘束を解く。

だが、コーウェンとスティンガーは巨大な1体のインベーダーと化し、竜馬達を倒さんと襲い来る。それを向かい打つ3体のゲッターロボ。

 

『何だ?いったい何が奴らを動かすと云うのだ!?』

 

ゲッター線を吸収し巨大化するインベーダーを数多く生み出しているコーウェンとスティンガーだったが、全く(ひる)むことのない彼らを見て驚愕した。大きさ、物量どれをとっても彼らはインベーダーに遠く及ばない。だが、意思や力では彼らの方が何倍も上。

過去を未来へと繋ぐため現在を生き、ゲッター線を捨て去り、自らの手で未来を切り開く事。それが、この世界のリョウマ達が行きついた答え。早乙女博士が伝えたかった事だった。

 

『フッ、何を戯言を!!』

『ならば、ゲッター線に(いだ)かれて死ぬがよい!!』

 

木星に取り込まれた筈の衛星が木星の中から現れ、コーウェンとスティンガーの強烈なビームの攻撃支援システムと化した。そのビームによって、不覚を取った真ドラゴンと真ゲッター1は閉じ込められてしまったのだった。

 

『待ってろ、今助けてやる!ストナァァァ、サァァンシャァァァァイン!!』

 

間一髪そのビームを避けた真・ゲッタードラゴンは、ストナーシャインを放ち、

 

『小癪な!エウロパが破壊されても、また造り出せば『この時を待っていた!!』何!?』

 

恒星の一つエウロパを破壊した。そして、一瞬攻撃が緩んだ隙を付いて、真ゲッター1が真ドラゴンの竜の頭に立った。そこから真ゲッター1へエネルギーを集中させ、

 

『死なば、諸共よ!ゲッタァァァァトマホォォォク!おぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!』

 

残りの恒星諸共、両断した。

 

『コレで終わったと思うなよ!!』

『我が種族は永遠なりぃぃぃ!!』

 

そして、崩れゆくコーウェンとスティンガー。

 

リョウマ達は、3つのゲッタービームで木星を安定させたまでは良かった。だが、その木星を()()()()程の巨大な口が出現した。これが、異世界から来た竜馬が危惧していたインベーダー共の主力だ。これだけデカい敵に別世界のゲッターが何処まで通用するか予想で出来ず、竜馬はこの世界の力を取り込む為、ゲッター炉心を組み込んだのだ。

巨大インベーダーを倒す為、真ドラゴンの奥の手で迎え撃とうとしたこの世界のリョウマ達だったが、ゲッター炉心の出力が思うように上がらず真ゲッター1の炉心を使うことに。

 

『最初に言っておく。俺達の真・ゲッタードラゴンは初手しか攻撃が出来ない場合がある。』

『何!?それは、どう云う事だ!?』

『…俺達は別の世界の人間だ。そして、このシャインスパークで幾つもの世界を渡ってきている。』

 

最終決戦前に聞かされる驚くべき事実。

 

『気にするな。『リョ、リョウマさん!?』良いかケイ。それにお前等!そっちにも何か事情があるのは察していた。それと、最後の最後に正直に言ったんだ。そんな事、今更どうでもいいじゃねぇか!!』

『『『『ああ(そうね)!!』』』』

 

そして、彼らは巨大インベーダーへ挑む。

 

『ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』

『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

 

まずは、異世界の竜馬達の真・ゲッタードラゴンが突撃し、

 

『ゲッタァァァシャァァァァイン!シャイィィィィン』

『『『『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』』』』

 

次に真ドラゴンとその頭に乗った真ゲッター1が続く。

 

『『『『『『『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』』』』』』

 

3体のゲッターによるシャインスパークは、巨大インベーダーを口ごと消し去りそして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『りょ、竜馬前見ろ!前!!』

『ん?どうした隼tどわぁぁぁ!か、回避ー!!』

 

突然俺達の目の前に現れたのは、

 

『無理だ!隼人ちゃん衝撃に備えろ!!…あと、竜馬も。』

<ドゴン!!>

 

デカい鉄塔っぽい物。それも、その大きさは尋常じゃねぇ。ゲッターが小さく見える程だ。それに俺達はぶつかっちまった。

 

『み、皆無事か!?<パリン!!>く、空間が割れた!?』

『おのれ、ゲッタァァァァロボォォォォォォォ!!』

 

な、何だ?空間が割れて、変な鉄塔?はそれに飲み込まれて行った。何故かゲッターロボって叫びながら。

 

『無事か皆?』

『ああ。って、此処は…()()()な空間だと!?』

『こ、()()はまさか!?』

 

ん?武蔵の様子がおかしい。こんな事、初めて見る。一体どうしたんだ?

 

『お、おい武蔵、どうしたんd『ご無事ですか!神様!!』…か、神様!?』

『■、■■君!?よかった。()()()に送った()()()は間に合ったみたいだね。』

 

えっと、〝神様〟って武蔵に呼ばれていた人の輪郭の発光体は、武蔵を転生させた存在らしい。数十分前武蔵を送って、そのままギィムバグの戦艦を抑えてたってスゲェな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『な、何だコイツらは!?』

『これって、ゲッターロボ!?』

 

そこはゲッター軍団とインベーダーとの戦いの場だった。ゲッター軍団は1体1体が真ドラゴンの何倍も大きく、数も数えるのが馬鹿らしくなる程だ。

 

『待っていたぞ、ゲッターチーム。』

 

そのリーダーだと思われる機体からよく聞いた男の声が聞こえた。

 

『エンペラーから各機へ、ライガー2044を中心に真ドラゴンの修理を急げ。』

『…ご厚意、感謝する。』

 

その機体のブリッジには二人の男が立っていた。

 

『気にするな。未来を守る為、これもゲッターの意思だ。』

『それでも、お力添えに感謝しよう。』

 

その()()はすぐそばまで迫っている。

 



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機神咆吼デモンベイン編
第35話


黄金拍車様、亜蘭作務村様誤字報告ありがとうございました。
少し加筆修正しました。


 

 

 

此処は絶対引けない!

 

「私達が義兄さんが帰って来るこの街を、アーカムシティを壊させはしない!!」

『何なんだコイツ等は!僕達の、邪神の力でも滅せられないなんて!?』

 

何としてでも、守り抜く!義兄さんとの思い出が沢山、沢山詰まった街だから!!

 

「僕は義兄さんの事を良く知らない。だから、帰ってきたら聞きたいことが山ほどある!それを聞く為に、姉さんと一緒にこの街を僕は守る!!」

『何故、何故別次元へ幽閉しても戻ってくるんだ!?』

 

何時だって義兄さんはそうだった。絶対に引かない。どんな困難な場面でも私達を守る為必死に戦ってくれていた。だったら、今度は私達の番!絶対にアーカムシティをバケモノ共から守り抜いて見せるわ!!

 

「竜馬義兄さんの見様見真似だが、機神、猛撃拳!!」

『僕達とは異なる次元のバケモノ共めぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!僕達の地球や宇宙は渡さない!!』

 

リューガと神様(仮)も奮闘してくれている!それに、もう少ししたら九郎ちゃんをエンネアちゃんが連れ戻してくれる。彼女の御子さん、テリオン君を連れて!!

 

 

 

―数分前―

 

 

 

そこは、宇宙。人の聖の極限、絶望を知らぬ英雄〝大十字九郎とアル・アジフが操るデモンベイン〟。人の負の極限、絶望を知る魔人〝マスターテリオンとエセルドレーダが操るリベル・レギス〟。2機の鬼械神(デウス・マキナ)が対峙する。全ては黒幕(邪神)の掌で踊らされているとも知らず。

 

『その切実なる命の叫びを胸に、祝福の華に誓って――我は世界を紡ぐ者なり!』

『その深き昏き怨讐を胸に、埋葬の華に誓って――我は世界を紡ぐ者なり!』

 

そして、二つの〝触れた対象を異次元へ放逐する〟力…いや、〝無限に存在する並行宇宙そのものを結界と化して、邪神たちの宇宙(アザトースの庭)を封じたもの〟は衝突した。

 

『『窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)!!』』

 

それを愉快に眺めている、この繰り返す世界を造り出した黒幕(邪神)が1(はしら)ナイアルラトホテップ。

 

『フフハハハハ、これで宇宙があるべき姿に戻る!窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)に封じられていた僕達の宇宙が戻る!アザトースの庭が解き放たれる!アハハハハハ!!』

 

そして、黒幕(邪神)の思い通り二つの窮極呪法兵葬(シャイニング・トラペゾヘドロン)はぶつかり合い、壊れてしまい封印されていた邪神たちの宇宙、アザトースの庭が解き放たれてしまったのだった。

 

だが、

 

<ピシィ!!>

『ン?』

 

此処で

 

<ピシピシピシピシィ!!>

『な、何だこの空間のひび割れは!?』

 

邪神をも予期せぬ事態が発生した。

 

『此処は、地球か?』

『だが、我らが知る地球ではなさそうだ。』

 

アザトースの庭が解放された場所の反対側の宇宙が突然割れ、そこから人語を介する巨大な()()が出て来た。

 

『何なんだアレは?まぁいい、僕達邪神に掛かれば直ぐ片が付く。』

 

アザトースの庭から解放された邪神たちが()()に向かって行く。

 

『この宇宙の既存生命体かな?僕らに似た形態の者が襲ってくるよ。ど、どうする()()()()()()?』

『無論迎え撃ち、此処を我らの宇宙に変えるよ()()()()()()()。』

『そ、そうだね。それが良いね!!』

 

そう言うと()()は、二つある顔の下の口を開け様々な形のバケモノを吐き出して行く。

 

『興味深い生き物だ。だが、僕たち邪神の力の前では無意味。ま、九郎君とマスターテリオンの様子でも見ながら時間を潰す…な、なんだって!?』

 

その光景に今まで余裕だったナイアルラトホテップの顔は、驚愕に歪められてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女、あの子の母親なんでしょ!早く止めさせなさい!!」

「ぼ、僕も止めたいんだけど、今回のループで初めて対面したんだし、母親って言われても自覚ないし…って、そっちも九郎を止めてよ!!」

 

地球の外が大変な事になっている事などつゆ知らず、ライカとエンネアはそんな言い争いをしていた。

 

「ムムム!分かったわ。竜馬お兄ちゃん直伝の技なら九郎ちゃんも一撃なんだから!!」

「またその竜馬お兄さんか。今回のループで初めて聞く名だけど、モミアゲが特徴的でとんでもない事を思いつく人って印象……え?ラ、ライカお姉ちゃん?竜馬お兄ちゃんの事()()()()()の!?」

「それはそうよ。一度何か魔術的なモノで消されはしたけど、今は問題ないわ。」

「僕は一度しか会ってないけど、覚えている。…一度技も喰らった。それに、あれ程強烈な技が魔術ではないと聞いた時の驚きは忘れようにも、忘れられない。」

 

言い争いの中、エンネアはライカが竜馬を覚えている事に驚く。あの黒幕(邪神)に別次元へ幽閉された者の記憶は、普通無くなってしまうのだ。しかし、ライカそれにリューガの記憶にはしっかりと彼が残っていた。

 

「一体どうs「危ない!!」ッ!?」

「兄さん直伝!『酔舞・再現江湖デッドリーウェェェェイブ!!』」

 

エンネアが考えているそこへ、突然強襲が来た。だが、ライカが左腕・右膝を突き出して相手に体当たりし、襲われる前に弾き飛ばしたので大事に至らない。

 

「エンネアは私達の後ろへ!!」

「此処は僕達が食い止める!!」

『ライカさん!エンネアさん!リューガくん!気を付けて下さいませ!正体不明の敵が()からまた来ますわ!!』

 

そして、覇道瑠璃から空からまだ敵が来るとの警告と、

 

『覇道号!主砲発射ぁ!!』

 

船からの迎撃が行われる。

 

『エルザ!迎え撃つのである!!』

『私に指示するなロボ!でも、迎え撃つロボ!!』

 

その迎撃にドクターウェストとエルザが操る破壊ロボも加わった。

 

「ッ!僕にも鬼械神(デウス・マキナ)があれば…」

『暴君ネロ!生きているか!?』

「この声、邪神ナイアルラトホテップか!?何の用!今の僕は取り込み中だけど!!」

 

そこへ驚いたことに、黒幕(邪神)からエンネアへ直接連絡が入って来た。

 

『一人でも戦力が居る!君の鬼械神(デウス・マキナ)、ネームレス・ワンを()()へ復活させる!地球へ降りたバケモノ共を排除したら此処へ来てくれ!そして、異なる宇宙に弾き飛ばされた筈の九郎君とマスターテリオンを見つけ出す手伝いをして欲しんだ!彼らの力ならコイツ等を排除出来る感応性がある!!』

「(ナイアルラトホテップも知らない存在!?でも、何とか先に僕が九郎とあの子、マスターテリオンを助け出さないとまたコイツに操られてしまう!)…分かった!行くよネームレス・ワン!『魔剣(ソードスペル)!!』」

 

突然エンネアの目の前に眩い光が現れ、その中からネームレス・ワンが出現した。そして、間髪入れず目の前のバケモノを両断。

 

「これは、ネームレス・ワン?どうして、九郎ちゃんに破壊されたって聞いたのに!?」

『クソッたれな神の贈り物だってさ。この()に正体不明な敵が襲い掛かっているらしいの。コイツ等はその先兵。僕にも手伝ってほしいんだって…九郎やマスターテリオンを探す事を。』

「(九郎ちゃん達を探す?扉の向こうで何があったの!?いえ、それより!)私も行k『駄目だよ、お姉ちゃん!』でも!!」

『僕には鬼械神(デウス・マキナ)がある。でも、お姉ちゃんには無い。それに、今から行くのは、この異次元の扉の向こうにある宇宙だよ。宇宙に対応出来る鬼械神(デウス・マキナ)はデモンベインとリベル・レギス、そしてネームレス・ワンだけ。』

 

突如復活したネームレス・ワン。エンネアの話によれば、神からの贈り物らしい。それも、その神と一緒に宇宙に行き、九郎達を探すと云う。

 

『でも、大丈夫。神様にお姉ちゃん達を守ってもらうようお願いしたから。(ナイアルラトホテップ、ライカ達を守りなさい!じゃないと手伝わないわよ!それにライカ達に変な事でもしてみなさい、その場で裏切ってやるんだから!!)』

(…わかった。その条件を呑もう。)

 

エンネアは邪神の手助けをするのに条件を付けた。その条件を渋々飲んだ邪神はライカ達の前に姿を現した。

 

『私の名はナイア。君達を守る神的存在だ。だが、君達も侵略者を倒す手伝をしてほしい。この星の為に。』

 

そして始まる。邪神をも巻き込んだこの宇宙を賭けた戦いが。

 



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第36話

 

 

 

光溢れる世界で俺は、

 

「…おい!これ以上隠している事は無いだろうな!!有ったら承知しないぞ!!」

 

隼人にシメられている。…身動きが出来ないように吊るされて。それも、ご丁寧に自称神が造り出した発光する縄でだ。俺の全力(明鏡止水無し)でもビクともしない代物にグルグル巻きにされ、見えない棒的なモノに吊るされて…とほほ。

 

「自業自得だな。…プクク。」

『りょ、竜馬君ゴメン!彼女には逆らえそうにないんだ!!』

 

武蔵を転生させたって云う神様なら、俺達を閉じ込めた存在も知っているんじゃねぇかって思って色々聞いてたら、隼人に言っていなかった前世の記憶に関しても喋っちまって…あら、大変。

鬼の形相でブチ切れた隼人が俺の胸倉掴んで来た。追い打ちをかける様に、武蔵がさりげなく前から知ってたことをゲロったらご覧の有様。もっこり星人こと冴○獠のようにグルグル巻き状態でサンドバックにされてる。今も誰も助けてくれない!やはり、神は死んd『死んでないよ!!』何ぃ!?心の声に突っ込むとは、やはり貴方が神か!!

 

『そりゃ、一応曲がりなりにもこの星の神をやっているからね。…でも、君みたいな子は初めてだよ。神々の恩恵や手出し無しで前世の記憶持ち、それも特殊な特典や能力無しでそこまで鍛え上げられる人型は。』

「…人型って!?サラッと酷い事言いますね神サマ!!てか、やっぱり俺には特典無かったんでs「コラ!私との(物理で殴る)中だろ!私に前世の記憶の事隠して、武蔵とだけ…ひ、秘密を共有していた裏切者馬鹿竜馬が!!」ハ、ハイ!スンマセンでした!!」

 

だから、だから顔を殴るのは、もう止めて下さい!!痛い、痛い!でも、前世の記憶があったのを話していないだけで、こんなに怒るなんて思わなかったんだよ!本当にゴメンなさい!!

 

『そうそう、武蔵君。君には伝えたい事があったんだ。』

「ム、神様が私に?」

『…改めてだけど、君が行きたがっていた世界に転生、或いは転移してみるつもりはあるかい?』

 

…そう言えば、武蔵が言ってたな。自分が望んだ世界に行くはずだったって。武蔵は、どっちを選ぶだろう。俺達と一緒の道を行くか、一人で別の道を行くか。

 

「隼人、口出しは「分かってる!それより、話題を逸らして(物理で殴る)を逸らそうとはいい度胸だ!!」何故ばれた!?」

「ククク、ざまぁみろ竜馬!!(済まない竜馬。私には隼人ちゃんを止められないんだ。)」

『む、武蔵君!?心の声と口に出す声が逆になってるよ!!』

 

隼人に話題逸らしが通用しないだと!?クソッ、これじゃあ(なぶ)り殺されちまう!!誰か、誰か助けてくれー!!

 

「ま、アレは痴話喧嘩だ。(少し羨ましいけがな。)『えぇ!?竜馬君のライフはもうゼロ寸前だよ!?』痴話喧嘩だ!」

『ち、痴話喧嘩かな。』

「それと神様。私の進む道は既に決まっている。私は―」

 

あ、ヤベ。意識が遠のいて来た。生まれ変わるんなら、ゲッターロボが居ない世界がいいな。…でも、マジンガーも遠慮したい。〝衝撃!Z編〟や〝ZERO〟とか生き残れねぇよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何なんだ、この生き物は!?

 

『復活させたレガシー・オブ・ゴールドが大破!操縦者の邪神は無事脱出できたが、これじゃあジリ貧だ!何か手はないか()!!』

『駄目だ!地上の()()も戦っているが、体力と魔力が消耗するばかりで決定打がない!!』

 

今分かっている情報は、親玉以外は不定形で何にでも変化できる。それに、人、物を選ばずに寄生し体を乗っ取って行く。…クソッ!また地上の人間が寄生された!!

厄介な事に、親玉を何度も別の次元や宇宙へ幽閉しているが、この宇宙へ必ず戻って来ている。そう、まるで

 

『あの子達…いや、ゲッターロボを相手しているようだ。』

<ビクン!!>

 

ん?顔面の親玉の様子が変だが、どうしたんだ?

 

『ゲッ、ター。』

『ゲッターロボ、ダト!?』

 

あのバケモノが止まった!?

 

『コ、コーウェン君!この宇宙にもゲッターロボが存在するらしいよ!!』

『お、落ち着こうスティンガー君!我らは幸運だ!この宇宙にはゲッター線がほぼ無い!そんなところのゲッターなら。』

『『我らの敵ではない!宇宙は違えど、我らの怒りや憎しみをこの世界のゲッターへぶつけ、この宇宙を手に入れよう!!』』

『このバケモノの元凶はお前か、ゲッタァァァァァァァァァァァァロボォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

このバケモノの次はお前達だ!竜馬、隼人、武蔵、ドクターウェスト!そして、全ての元凶ゲッターロボめぇ!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

地球ではライカとリューガの拳と蹴りが、覇道号率いる戦艦とドクターウェストの破壊ロボのミサイルと魔術が、エンネアが操るネームレス・ワンの攻撃が次々とバケモノ共へ決まるが、

 

『ま、また復活したロボ!?』

『お嬢!これじゃ、キリがないです!!』

『これじゃ、九郎達を探しに行けないよ!!』

『でも、私は引かない!此処は兄さんが、竜馬兄さんが帰って来る場所なんだからー!!』

 

奴らは何度でも、何度でも蘇って来る。斬られても、爆破されても元通りになって襲ってくるバケモノ達。それでも、ライカ達は寄生されていないだけ他とはマシだ。他の国では、既に全国土を掌握された場所まで存在するのだから。

 

『お兄ちゃん直伝!空円脚(くうえんきゃく)!でえええい!!』

 

〝ふとした拍子〟と云うのがある。ソレはまさにその事を指す言葉だった。

 

『え?倒れたのに、起き上がって来ないわ。それも、苦しんで…崩れちゃった。』

 

ライカの蹴りでバケモノが崩れたのだ。

 

『姉さんが()()に光ってる。』

 

それも、只の蹴りではない。体が緑色に発光している…ソレはこの宇宙には()()()()()()()エネルギー。()()()()()だった。

 

『凄い、ライカお姉ちゃん…』

『ラ、ライカさん凄いです!!』

『凄いロボ!!』

『この光、この色…あのロボを動かすエネルギーもこんな色だったのである。』

『ラ、ライカ君!僕達神にそのエネルギーを調べさせてくれないか?侵略者を倒すヒントになる!!』

 

次々と称賛を浴びるライカ。ナイアに至っては藁にも縋る勢いで迫る始末。結論から言えば、長い間ゲッター線を浴び続けた竜馬と接触していたから一瞬出たモノだ。なので、

 

『あ、消えちゃった。』

 

その効果と時間は微々たるもの。彼女は蹴り一発でゲッター線は消え失せ、

 

<キシャア!!>

 

『姉さん後ろ!!』

『不味い!囲まれてる!(別次元へ逃が…間に合わない!!)避けろ!!』

 

放たれたゲッター線を感知したインベーダーに囲まれ絶体絶命!!

 

その時!!

 

『拡散型エンペラービーム照射!!お前達助k『ウェストちゃん大丈夫か~?助けに来たぞい!』敷島博士勝手に喋らないでください!!』

 

空を覆う()()()戦艦が現れた。

 



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第37話

黄金拍車様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

ライカ達を謎の光で助けた青白い戦艦の全容は大きすぎる為分からないが、戦艦の前方にはロボットの顔らしき物があり、側面には白い棘の様な突起ある事が分かった。そんな戦艦から聞こえる男の声は、今ライカ達が立っている場所が危険である事と、敵の情報を伝える為その戦艦へ乗ってほしいと言う。

 

『デカい…な。』

『これ程の大きさのモノを浮かせるには、吾輩の知る金属では到底無理なのである。だが、何処かで見た事があるような、無いような?』

『…で、どうやってコレに乗り込むの?』

『(僕に感知されずに突然現れた戦艦…バケモノ共と一体どんな関係があるんだ!?)申し訳ない。神の僕にも分からないんだ。』

<ヒュン!!>

『『『ッ!?一体何(だ)!!』』』

 

しかし、乗り方が分からず首をかしげていると、覇道号並びにネームレス・ワン、ライカ達に突然浮遊感があった途端、見知らぬブリッジへ立っていた。驚いた事に、ネームレス・ワンへ乗っていたエンネアすら機体から降りた状態で立っていたのだ。

そして、皆が呆然としている中、ドクターウェストは、知人と思われる人物から話し掛けられたのだった。

 

「ウェストちゃん元気にしとったか?儂はいつも通りピンピンしているがの!!」

「この、世紀の大天才たる吾輩が元気でないわけが…あったのであるドクター敷島!これを語るには〝ドクターウェストの大冒険、未だ連載中〟の現36章のうち30章から34章までを説明しないといけないのである!!所々短縮しても2時間は掛かるが…」

「って、そんな長ったらしい話は聞きとう無いわ!それより、この危険な臭いがプンプンする頭のネジが…ちゃうわ。頭に釘さしてる爺さんは何者なん後輩整備師!?」

 

チアキが突っ込むのも無理はない。突然出来た後輩で整備師のドクターウェストと仲良く話すのは、何故か曲がった釘が頭に刺さっている老人科学者だったからだ。

 

「色々あるのだが、研究者仲間である。」

「短!?」

「…久しぶりだな、ドクターウェスト。こっちの竜馬はどうした?真っ先にこのバケモノ共を相手に、大立ち回りする筈だが?」

「…やはり、さっきの声は()()()だったであるか。だが、残念な事に竜馬達はこの星から消えてしまったのである。事情が知りたいのなら、ソコにいる自称神のナイアに聞けば分かるはずである。」

 

何気ない会話から一変し、ドクターウェストの口からとんでもない事が投下された。自分たちと一緒に戦っていた自称神のナイアが竜馬達の消失を知っていると言うのだ。

 

『な、何故僕が…』

「往生際が悪いよナイアルラトホテップ。正体不明の敵、援軍だって僕の何万回もループした記憶には無い。君の想定を超える危機が地球へ迫っているんだ。さっさと白状した方が僕は良いと思うよ。」

「まぁ、お前達の事情は戦闘中に聞く。今は()()()()()()共をこの地球から追い出すのが先決だ。『新型ゲッター炉心搭載の量産型ネオゲッター軍団の出撃準備を急がせろ!なおネオゲッター軍団は、テキサスマックのジャックキングが指揮を執れ!!』」

『OK!Leave it!!』

「ゲ、()()()()()()だって!?」

 

竜馬達が居ない経緯を聞く前にドクターウェストにハヤトと呼ばれた男は、艦内放送でそう指示を出した。そしてナイアは、その中で最も聞きたくない単語、()()()()()()に驚いた。

 

『量産型ネオゲッター1号から200号まで出撃準備完了!!』

『AIへジャックキングを司令塔としてプログラム入力完了!!』

「よし!『ネオゲッター軍団!出g『ちょと待てってくれハヤト!儂の芸術で敵を減らしてからでもいいじゃろう!!』…分かりました、敷島博士。」

 

敷島博士のゴリ押しで何故か芸術を見る事になったライカ達。それも、GOサインを渋々出したハヤトの顔には若干の諦めが見て取れた。

 

『うぎゃ~!!』

「ど、どうしたのあのお爺さん!?」

「…パスワードを入力したんだ。」

 

突然叫んだ敷島博士を心配するライカを他所に、ハヤトは淡々とそう答えた。

 

『アドレナリン!ちゅう!にゅう!!』

 

そして、敷島博士はおもむろに自身の頭に何かの配線を接続し、

 

『これが、敵をグチャグチャに、見るも無惨な姿でぶちブチぶち殺す!クジャクの舞じゃあ!!』

 

その声と共に放たれるゲッター線の入った特製ミサイルの雨。敷島博士の宣言通り周りを飛行していたインベーダー共は崩れ落ちて行った。

 

「こ、これは美しいのである!!」

「「「「「は!?」」」」」

「流石儂が認めた男、ウェストちゃん!あっちで新開発中の兵器について話し合おう!!」

 

その様子を美しいと言い放ったドクターウェストに、ドン引きしたライカ達。しかし、敷島博士はその言葉にドクターウェストの事を更に気に入り、肩を組んで二人で新兵器の話し合いに行ってしまった。

 

「…オホン。『ネオゲッター軍団出撃!!』」

 

気を取り直して発進していく青色のゲッターロボ軍団。

 

「助けて頂き感謝いたします。私、覇道財閥の覇道瑠璃と申します。申し訳ありませんが、敵の事、この船の事を御教え頂けませんか?」

「敵は()()()()()()と云う生物だ。次は、この戦艦について簡単に説明する。この戦艦は、量産型エンペラージャガー号。名前通り量産型だが、インベーダー共と殺り合うには性能は申し分ない。それに、じき()()が駆け付ける手筈になっている。」

 

ライカ達は、此処で初めて敵の名前が分かった。そして、超巨大戦艦の名前も。

 

「そ、そう言えば!ナイア!僕と一緒に宇宙へ行くよ!!九郎達を探さないt「いや、その必要はない。」何故だ!?ナイアルラトホテップ!!」

 

そして、(ようや)く大十字九郎とマスターテリオンを探しに行ける状態になったにも関わらず、ナイアルラトホテップはそれが必要ないと言い放った。

 

「勘違いしてくれるな暴君ネロ。行かないのではないのだよ。行かなくて良くなったんだ。」

「そ、それじゃ九郎ちゃん!!」

「ああ、ライカ君の察しの通り、この世界(宇宙)へ帰って来たよ。今は僕達神々と一緒にインベーダーとやらと交戦中だ。」

 

それも、敵のインベーダーと交戦中だと云う。

 

「くろう?ああ、九郎とテリオンの事か。俺達が此処へ転移する時偶然見つけて、機体を強化してやった奴らはお前達の仲間だったのか。これは、嬉しい誤算だった。」

「…で、九郎君達に君は何をしてくれたんだ?」

「インベーダーと戦うと言っていたからな。彼らの機体へ()()()()()()を組み込んだ。」

 

 

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

 

 

 

『フフフ、ハハハハハ!!』

『お、おい!アル!落ち着けって!!』

 

此処は宇宙。ナイアルラトホテップとコーウェン、スティンガーが戦っている場所である。

 

『何が、(きょう)()の格差社会か!何が貧乳がステータスか!!』

『今回ばかりは、アル・アジフに同意する!!』

『エ、エセルドレーダ!そちも落ち着け!!』

 

大十字九郎とアル・アジフが操るデモンベイン。そして、マスターテリオンとエセルドレーダが操るリベル・レギスは宇宙を駆け次々とインベーダーを()()()いた。

 

『覇道瑠璃にライカ、マコト、チアキ、比呂乃、エルザ、ナイア…それに、妾の断片のアトラック=ナチャにクトゥグア、イクタァよ!妾()は勝ち取った!ゲッター線(進化の力)によって―』

『これで、マスターは私しか見ない!アル・アジフと同じくゲッター線(進化の力)によって―』

『『進化した私(妾)のグラマラスボディなら誰にも負けない(わ)!!』』

 

だが、操縦しているのはゲッター線の影響でボンキュボンのグラマラス美女へ()()したアル・アジフとエセルドレーダ。彼女らの活躍でコーウェンとスティンガーが生み出したインベーダーの半数が壊滅していた。

 



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第38話

 

 

 

『レムリアァァァァァ…!』

『ハイパーボリアァァァァァッ…!』

 

宇宙で繰り広げられる、

 

『インパクトッ!!』

『ゼロドライブッ!!』

 

インベーダー対ゲッター線搭載のデモンベイン&リベル・レギスの戦いは、

 

『…なぁ、マスターテリオン。』

『…何だ、大十字九郎?』

 

2体の機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)が一方的に殲滅して行くものとなっていた。

 

『俺達、いらなくね?』

『言うな。』

 

だが操縦者である九郎とテリオンは、操縦コアで呆然としているだけ。それも無理はない。()()()()()によって()()したアル・アジフとエセルドレーダが暴走して(良い方向で)操縦を掌握し、しでかした事だからだ。

 

『向こうの姉ちゃん達スゲエな!翔も俺達に構わずやってもいいぜ!!』

『…いや、あの鬼気迫る勢いは私では無理だ。』

『ヘッ、そうかよ!!』

『良かった。これ以上の()()戦闘は俺にはキツイよ。』

 

そして、その戦いを観戦しながら戦うロボットが1体存在する。

 

()()ゲッターめ!ちょこまかと!!』

『我らの攻撃が当たりさえすれば!!』

 

()()()()を残しながら、コーウェン&スティンガーの身体を削って行く機体だ。

 

『そんな薄鈍(うすのろ)攻撃に当たって堪るか!喰らえ!()ミラージュドリル!!』

 

青いゲッターの右腕はドリルになっており、そのドリルから七色の光が飛び出しコーウェン&スティンガーの身体を次々と貫いて行った。

 

『凄い、これがゲッターの力。僕の知らない力…』

 

その戦いを呆然と見ている事しか出来ないナイア。そして、初めて見る()()()()()()()()ゲッター線(進化の力)に驚きを隠せないでいた。

 

『邪神ナイアルラトホテップよ、近くに居たバケモノ共は妾達で殲滅した。地上はどうなっておる?』

『あ、ああ。問題ないよ。君達を此処へ連れて来た青白い戦艦が大量のロボットを使って殲滅中だ。だが、』

『やはり、最初に制圧された地域が気になるのですね。』

『そう言う事だ。相手を舐めていた僕達邪神に非があるけど、対応が後手後手に回り過ぎた。アーカムシティだけなら既に取り返したが…あの青いネオゲッターとやらの数では、世界中に戦力を分散させるのは悪手だよ。』

 

宇宙空間に居たインベーダーを殲滅したデモンベイン(アル・アジフ)リベル・レギス(エセルドレーダ)は、気になっていた地上の戦況をナイアに聞きに来た。今戦っている()()()()()()()()を援護しようにも彼らの戦い方が分からなかった為、邪魔にならないよう地上の援護に行こうと考えたからだ。

 

『ならば、()()した妾と』

『私が向かいましょう。…ですが、何故貴女は何時もの様に〝世界をやり直す〟事をしないのです?』

 

完全に空気と化した大十字九郎とマスターテリオンを無視して話を進める魔導書コンビ。

 

『……ん…よ…』

『ん?申し訳ないが聞き取れん。もっとハッキリ喋ってくれぬか?』

『…け……のよ…』

『一体どうしたのです、ナイアルラトホテップ!ハッキリ言って下さい!!』

『奴ら、奴らが現れてから直ぐに僕はやったんだよ!でも、全く出来ないんだ!!何か私より大きな力によって、この空間、この時間で固定されてしまっている!!こんな事初めてだ!こっちのほうが聞きたい程だよ!!』

 

何時も自分の都合の悪い状況になった時や面白い状況の時、時間を巻き戻し何度も自分の都合のいいように繰り返して来たナイアルラトホテップ。驚く事にその力が今は全く使えない。

 

『なん…だと…』

『そんな…まさか…』

 

その衝撃の事実に戦慄する魔導書コンビ。そして、ゲッター線を浴びた大十字九郎とアル・アジフは全ループの記憶を取り戻しているのを補足として記述しておく。

 

『アザトースの庭を解放できても、今の僕達邪神はあのバケモノ共との戦闘でボロボロ。君達を強化してくれた()()()を待つしか今は方法が無いんだ!!』

 

何時も愉悦に浸り他人を弄んで来た邪神ナイアルラトホテップ。その邪神の悲願がかなった途端現れた正体不明のバケモノによって、彼の邪神は絶望の淵に立たされていた。

 

そして、

 

<ピシピシピシ!!>

 

ソイツらは突然やって来た。

 

『な、なんなんだコイツ()は!?』

『わ、妾達の宇宙が…』

『よ、余がたじろぐだと!?…何と云う規模だ!!』

『マ、マスターは、私が、ま、守ります!!』

『僕達の宇宙が!?やっとの思いで解放したアザトースの庭が!!』

 

惑星より大きいモノはざらで、恒星をも潰せる程の…

 

『チィ!向こうの団体さんの方が早かったか!!翔!剴!!コイツに付き合っている時間はなさそうだ!一気に決めるぞ!!』

 

インベーダーの軍団だった。それを見た青いゲッターロボのリーダーらしきパイロットは、決着を早く付ける為動き出す。

 

『分かっている!行くぞ剴!オォォォォォォプン、ゲッェェェェェト!!』

『任せろ翔!!チェンジ、神ゲッタースリィ!ゲッターホーミングミサイル!!頼むぜ號!オープン、ゲット!!』

『任せろ剴!チェェェェェンジ、神ゲッターワン!ストナァァァァ、サァァァンシャァァァァァイン!!最後は細切れにしてやれ翔!オォォォォォォプン、ゲッェェェェェト!!』

『任せろ!光速の戦いを魅せてやる!チェンジ、神ゲッターツゥ!!神ゲッタードリル!!』

 

次々と姿が変わりコーウェン&スティンガーへ攻撃を与える青いゲッター。ミサイルの次にゲッター線の塊、最後はドリルで穴だらけにされたコーウェン&スティンガー。

 

だが、

 

『グフフフフ、パワーアップした我らには効かぬわ!!』

『流リョウマや早乙女ケイの乗っていない別のゲッターに、負けるものか!!』

 

みるみるうちに傷は元通りになってしまう。

 

『クソッ!強化した神ゲッターでも、後一押し足りない!!』

『まだか、本隊は!?私達だけではコイツにも歯が立たないとは!!』

『號に翔!まだ焦っちゃいけない!そろそろ<ピシピシピシ!!>き、来たー!!』

 

そして、彼らの味方も駆けつけた。

 

『座標は此処で合っているの?』

『間違いない。彼らの話から割り出した場所は、この時間、この銀河の()()だ。』

 

その戦艦は()()()戦艦。青白い戦艦と同様顔の様な部分が機体前方に付いている。

 

『…アレは、別世界のリョウマくん達が追っていたインベーダー!?座標はぴったりよ流石()()()くん!!』

『それ程でも『って、號くん達の支援をしないと!量産型エンペラーベアー号全砲門開け!!』…ハァ、了解!全砲門開け!號達と前方のインベーダー軍団へ照準合わせ!撃てぇぇぇぇぇぇ!!』

 

その戦艦から女性の声が聞こえた途端、ミサイルとビームが流れ星の様に打ち出されて行った。

 

『ハヤトくん!此処は私に任せて號くん達を!!』

『分かった!リョウマ!ベンケイ!!聞こえたな!!』

『ヘッ、やっと暴れられるぜ!!』

『ハヤト、早く来ないとリョウマの奴が此処で暴れちまうぜ!?』

 

そして、この戦艦にも()()()()()()が搭載されている。

 

『アノ馬鹿が!済まないが後は頼んだ()()()さんと頼光(らいこう)!!』

『任せて!!』

『リョウマを頼むぞ!!』

 

そしてもう一つ別世界のゲッターが出撃する。

 

『行くぞ!()ゲッターロボ!!』

『『『発進!!!』』』

 



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第39話

黄金拍車様、adachi様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

量産型エンペラーベアー号から飛び出した()ゲッターロボは、號達が相手をしているコーウェン&スティンガーへ一直線に向って行った。

 

『號くん達の援護はリョウマくん達に任せるわ!私達は目の前の軍団と地球に降りて行ったバケモノ共を何とかしないといけないわ!!』

『ああ!()()に借りた借り、倍にして返さねば私の…いや、』

『『『我らの気が済まぬ(のでな)!!』』』

 

そして、量産型エンペラーベアー号が動き出す。

 

『各砲塔、狙いは前方のインベーダー軍団!これ以上、地球やこの銀河に侵入を許すさないで!!』

『『『応!!』』』

 

エンペラーベアー号の前方の口部分が開きビームが放たれ、両側面からゲッター線入りのミサイルが雨あられと飛び出して行く。

 

『金時達は量産型新ゲッターで地上のネオゲッター軍団を援護!スリーマンセルで行動しろ!!』

『殿より勅命だ!この金時に続けぇぇぇ!!』

『『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』

 

エンペラーベアー号の腹部ハッチが開き次々と射出される戦闘機群。そして、その戦闘機群は一定の距離を開けながら地球へ降下して行く。

 

『『『チェェェンジ!ゲッタァァァァァ!!』』』

『『『ワン!!』』』

 

降下中に3体のゲットマシンが合体。新ゲッター1に変形してネオゲッターの援護へ向って行ったのだった。

 

()ゲッターロボが加わり、コーウェン&スティンガーを直ぐに倒せると思っていた()ゲッターロボパイロットの十文字號、橘翔、大道剴。しかし、敵の親玉が軍団を引っ提げてきた事により状況は全くの逆。コーウェン&スティンガーにダメージを与えるどころか、地球にこれ以上インベーダーを降ろさない事しか出来ていない。

 

『ゲッタービィィィィィィィム!!』

『神ゲッタァァァァトマホォォォォォォォク!!』

 

インベーダー軍団と戦い、

 

『『我らを忘れてもらっては困る!!』』

『忘れちゃいねぇぜ!!』『だが、これでは…』『切りが無い!!』

 

『だぁぁ!四方八方敵だらけ!一か所にまとまりやがれ!!』『五月蠅いぞ號!!』『ハァ、援軍はまだかな?』

 

コーウェン&スティンガーの攻撃を躱す。

 

『『レムリアァァァァァ…!インパクトッ!!』』

『『ハイパーボリアァァァァァッ…!ゼロドライブッ!!』』

『クソッ!ゲッター線を持たない僕達邪神は、足手まといでしかないのか…』

 

デモンベイン、リベル・レギスは迫り来るインベーダー軍団を相手取り、大立ち回り。だが、自身の力が通用しないと知ったナイア…邪神ナイアルラトホテップ達は只呆然とするしかなかった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

此処は量産型エンペラージャガー号のブリッジ。

 

「君の兄は計三つの世界を間接的だが救っている。…これが俺達と奴らの情報だ。そして、とある()()からゲッター軍団から逃げて来た奴ら…インベーダーがこの宇宙を狙っていると情報がもたらされ駆けつけたんだ。」

「兄がそんな事を…それに、兄やこの世界を助ける為に来て下さるなんて、感謝の言葉しかないわ。」

 

ハヤトさんの話は驚きの連続だった。義兄さんが間接的とは言え、恐竜?帝国の野望を打ち砕き、次は鬼退治。最後は私達が戦った正体不明のバケモノとの死闘をしていたなんて。私の知らない所で義兄さんは邪神(ナイアルラトホテップ)の所為で大変な事にあったのに、他人を助ける為に戦っていたなんて…一時期でも義兄さんを忘れてしまった自分が情けないわ。

 

『全く分からない、僕が閉じ込めた空間からいったいどうやって脱出したんだ…』

 

この巨大艦長のハヤトさんから色々教えてもらったけど…この憎たらしい邪神(ナイアルラトホテップ)の分体は、義兄さん達がどうやって脱出したかを考えているみたい。

そう言えば、ハヤトさんって何となく義兄さんが連れて来た隼人ちゃんに似ているんだけど…気のせいよね。

 

「さて、話は此処までだ。俺も號達の援護に行きたい。だから、」

 

あら?急にハヤトさんが瑠璃ちゃんに視線を送っているわ。ま、まさか!?

 

「ハヤト様どうなさったのですか?」

「覇道瑠璃、君にこのk「ハヤトさん!付き合うには、段階と近しい方の許可が!!」…ライカさん一体、何を勘違いしているんだ!彼女と付き合うつもりはない!この戦艦の指揮を執ってもらおうと話し掛けただけだ!!」

 

あらあら!?私ったら、早とちりを…

 

「ごごごご、ごめんなさい!てっきり瑠璃ちゃんに気があるのかt『ハヤト君!()()()()の調整が出来たぞ!!』こ、今度は何ですかー!?」

「ああ、この声は早乙女博士のものだ。頼んでいた()()のゲッターが出撃可能になったのさ。」

 

ふぅ、ビックリした。でも、ハヤトさんも出撃するんだ。私達の星なのに、頼ってばかりなんて義兄さんに合わせる顔がないわ。

 

「では、覇道瑠璃。君の戦艦での指揮能力は先程の戦闘で見せて貰った。規模が大きいだけだ。気負わず同じようにやってくれ。命にかかわる危険なモノは、このエンペラージャガー号が自動的にガードしてくれる。」

「分かりましたわハヤト様!では、ウィンフィールド!!」

「此処に!!」

「ソーニャ!!」

「は、はい!!」

「マコト!!」

「はい!!」

「チアキ!!」

「はいな!!」

「覇道財閥の力を見せてやりましょう!!」

「「「「はい!!」」」」

 

ちょっと羨ましいな。義兄さんが帰って来る場所を守る事が少しでも出来るんですもの。

 

「…姉さん。」

「心配ないわリューガ。帰って来るのを待つのも、大切な事よ。信じましょう。竜馬義兄さんが無事帰って来る事w『おい、ハヤト!早く来やがれ!!お前が居ないと発進できんだろうが!!』って、に、義兄さん!?」

 

ちょっと、待って!目の前の浮かぶパネルに竜馬義兄さんの顔が!?

 

「に、義兄さん何時この世界に帰って来たの!?私心配したんだよ!!帰って来たなら来たって連絡をしてくれてもいいじゃない!!それも、直ぐ戦場に出るですって!リューガも心配していたのよ!!顔を見せて無事だったことを伝えたって、(ばち)は当たらないと思うけど…一旦、此処まで来てくれないかしら?」

 

もう!もう!!無事だったなら早く言ってよ!義兄さんが無事なら、私は今の十倍だって百倍だって強くなれるのよ!!あんなバケモノ達なんか、一ひねりなんだから!!

 

『わ、悪い。ライカさん、だっけ?俺はアンタの兄の竜馬じゃねぇんだよ。顔は似てるけど、俺の名前は()()()()()。簡単に言えば、アンタらから見たらパラレルワールドのリョウマって所だ。それと、()違うだろ。…なんか、期待させちまって悪かったな。』

「…そ、そんな。」

 

そんな、まさか。義兄さんの顔なのに義兄さんじゃない!?そう言えば、何時もの義兄さんより老けてる気がする。

 

『だが、アイツが簡単に死ぬようなタマかよ!この俺が全力出しても勝てなかった相手だぜ?アンタの兄貴を信じて待ってな。そのうちひょっこり帰って来るぜ!!』

「…そう、ね。ウジウジしてたら、義兄さんに笑われちゃう。」

「話はまとまったようだな。(竜馬、話以上に怖いぞライカ君は。帰ってきたらインベーダーよりライカ君を落ち着かせる方が骨が折れそうだ。)博士!俺もそっちへ行きます!!発進準備を「私も、私も連れて行ってください!!」ライカ君!?」

 

さっき分かったわ。もう、待っているだけは嫌!私も義兄さんが帰って来るこの星、地球を守りたい!!

 

「足手まといなのは重々承知です!でも、だけど!義兄さんが帰って来る場所を一緒に守りたい!!私も連れて行ってください!!」

「だが、」

『ライカ君。儂は早乙女と言う。このロボットに乗るには相当の訓練を積んで「絶対に弱音は吐きません!!」ウムムム…』

『ハヤト、博士。俺達の負けだ。ライカさんを乗せてやろう。』

「リョウマ?」

『丁度、一機自動操縦だろ?覚悟と信念を持って言っているんだ。それにこの嬢ちゃん、乗るまでテコでも動かねぇぜ。』

 

リョウマさんの言う通り。私は乗るまで…いえ、私は絶対乗るんだ!!

 

「ハァ、分かった。博士俺達の負けですね。流石竜馬の妹だ。やる事が俺達の斜め上をいってる。」

『分かった。ライカくん。くれぐれも無茶だけはせんでくれ。』

「ありがとうございます!!」

 

義兄さんが帰って来る場所は、私が守る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ライカを乗せ()()()()()()が発進する。

 

『まさか、3人で発進できるとはな!!』

『ライカ、もう無理だと思ったら早く言え。戦艦に直ぐ戻る。』

『分かりました。(義兄さんもこんな感じの戦闘機に乗ってたのかな。)』

 

そのロボットの名は、

 

『しゃあ!行くぜ!()()()()()()()

『『『発進!!』』』

 

ゲッターロボアーク。

 



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第40話

悲報、梵字入力できませんでした。


 

 

 

()()は地球から飛び出して来た。

 

『チェェェンジ!ゲッタァァァ大日如来(アーク)!!』(漢字部分は脳内で梵字(ぼんじ)変換希望)

 

ゲッターアークの顔は悪魔(デビル)のようで歯があり、背中の羽は避雷針を彷彿とさせる。

このゲッターは、〝真ゲ対ネオゲ〟世界の早乙女博士、〝新ゲ〟世界のハヤトとミチルの手によって設計完成された。

 

『行くぜ!バトルショットカッター!!』

 

行く手を阻むインベーダー。それに向けゲッターアークの腕が振るわれる。その一振りで数十のインベーダーが崩れていく。

 

『オラオラ、次はこれだ!ダブルトマホゥゥゥゥク!ブゥゥゥゥゥゥメラン!!』

 

両肩から飛び出したのは、先端にモーニングスター状の物が付いたトマホーク。その二つを持ち手で繋ぎ一つにして投擲。トマホークはインベーダーを屠り続け、戻ってくるときには目の前のインベーダー軍団はほぼ全滅。

 

『これなら、一気に號達の所まで行けるぞ!チェンジだリョウマ!!』

『ああ!オォォォォプン!ゲェェェット!!』

 

そして、ゲッターは別の姿で號達の場所まで駆ける。

 

『チェンジ!ゲッタァァァ阿弥陀如来(キリク)!!』(漢字部分は脳内で梵字(ぼんじ)変換希望)

 

現れたのは全身棘が付いているロボット。両腕がドリルになっており、

 

『邪魔だ!ダブルゲッタァァァァドリルゥゥゥゥゥゥゥ!!』

 

両腕を前へ突き出し流星の如く號達が戦闘している場所まで突貫して行った。

 

(凄い。あれだけいた敵があっと言う間に居なくなった。それも、このロボット〝G〟をほとんど軽減されていないわ!私やリューガみたいに魔術の鎧でも纏ってないと、意識が保てない!それなのに、彼らは平然と乗りこなし敵を倒していく…人は、()()は生身でどこまで強くなれるの!?)

 

ライカは、自動操縦(オートパイロット)で操縦されているコックピットの中、リョウマとハヤトの身体能力に戦慄しその先の可能性を考えた。

 

(やっと私は、竜馬義兄さんと同じ戦場に立てる!何度も経験したループでは一度も会えなかったけど、今回初めて出会えた存在。

教会の子供達を守り、一緒に育て、導いて行った義兄。何度も怪我をして、教会を、子供達を、私を守ってくれたその背中に憧れ、寄り添い守ってあげたいと何度も、何度も思った!!)

 

ライカは無意識に、コックピットの中で拳を握る力を徐々に上げて行った。

 

(この鎧を扱えるようになって並んで戦えると思った!でも!義兄さんは強くなった私を見る前に旅に出てしまった…最初は直ぐに帰って来ると思っていたわ。1日、1週間、1カ月、1年、竜馬義兄さんがいつ戻ってもいいように、部屋は綺麗にして子供たちの世話と九郎ちゃんの面倒を見ながら待ち続けた。手紙は一度も来なくって、無事なのかどうかも分からず、そんなときにとうとうブラックロッジが動き出してしまった。

そして、街が破壊されようとした時、竜馬義兄さん(私のヒーロー)は帰って来た!!ブラックロッジの鬼械神(デウス・マキナ)をいとも簡単に倒し、何時ものように私達を守ってくれた!!やっと帰って来た義兄さん。でも、義兄さんは私の何倍も強くなって帰って来た…変な女を2人も連れて。)

 

ゲッターキリクの速度は音速を超え普通の人間では耐えられないモノへなっていたが、リョウマにハヤトそして魔術で出来た鎧を着たライカはものともしない。

 

(守ろうと思った背中はずっと、ずっと大きく遠くなって帰って来た。覇道財閥に入り込んだ敵を倒す為、潜入した私が見たモノは…鬼械神(デウス・マキナ)を生身で圧倒する義兄の姿。私達と同じく魔術で強化しているのか、九郎ちゃんの様に魔術書と契約したのかと最初は思ったわ。

でも違った。魔術の形跡は一切感じられず、変な女2人…隼人ちゃんと武蔵ちゃんが魔導書だと思い調べたけど違った。それも、調べていた2人にはすぐにバレてしまって、気絶させて逃げようと魔力を込めたら、気付いた時返り討ちにあって私は空を見ていたわ。強くなったと云う自負を簡単に折られた私は、邪神(ナイアルラトホテップ)によって記憶を改ざんされちゃった。

…武蔵ちゃんからは脅威を感じなかったけど、妙な違和感を覚えた。でも、隼人ちゃんは私の道を阻む驚異になるわ!女の勘だけど。)

 

『義兄さん、今度こそ貴方の背中に追い付きます!私は貴方を守れる存在になる!!』

 

力強くそう宣言したライカからは、一瞬しか出なかった緑色のエネルギー…()()()()()が炎の様に燃え上っていた。

 

 

 

■□■□

 

 

 

激化するインベーダーとの戦い。

 

『クソッ!倒しても、倒してもキリがねぇ!!』

『フ、フフン!九郎よ弱音を吐くのはまだ早いぞ!!』

 

次々現れるインベーダーを倒しているデモンベイン。しかし、中の操縦者である大十字九郎は度重なる戦いで精神的に疲れて行っている。アル・アジフも強がっているが心労が見て取れる。

 

『『(ハァ、ハァ)レ、レムリアァァァァァ!インパクトッ!!』』

『『ハイパーボリアァァァァァッ!ゼロドライブッ!!』』

 

だが、背中合わせで戦っているリベル・レギスに乗るマスターテリオンとエセルドレーダには、未だ心労の様子は無い。そして、ピンチは突然やって来る。

 

『九郎!今は休め!!パワーアップした妾がデモンベインを操縦すr<ガァアア!!>何ぃ!?』

 

一瞬の隙を突き、仲間を盾にしたインベーダーが1体デモンベインへ襲い掛かった。

 

『大十字九郎!?クソッ、邪魔だ!!』

『アル・アジフ!?避けろー!!』

 

マスターテリオン達もインベーダーと対峙していて助けに行こうにも行けない!

 

『ち、畜生ぉぉぉぉ!!』

『こ、こなくそぉぉぉぉ!!』

 

避けられず、防御も間に合わない。

 

『アル!』

『な、何じゃ!?』

 

最期を覚悟した九郎はアル・アジフへ叫ぶ。

 

『どんな姿でも、アルが好きだー!!』

『こんな時に言うでないわ!!』

 

愛の言葉を。雰囲気も何も台無しだが、今は仕方がない。

 

『わ、妾m『九郎ちゃん!助けに来たわよ!!』…ンンン゛!!ちょっとは空気を読まんか!!』

<ガギン!!>

 

そこへ駆けつけ助けたのは、

 

『この声、ライカ姉ちゃん!?』

 

全身を丸め、棘が飛び出たタイヤのようなロボット。

 

『これで、私も義兄さんと一緒に戦える!!』

『ラ、ライカ姉さん!?』

 

その名は、

 

『これは、私が新たに手に入れた力!ゲッター不動明王(カーン)よ!!』(漢字部分は脳内で梵字(ぼんじ)変換希望)

『いや、違うから!これは、俺らのゲッターだから!!』

『…あのリョウマが突っ込む日が来るとは。ライカは末恐ろしいな。』

 

ゲッターカーン。(原作ではたった1回しか出てこないし、海中戦もしていない不遇の機体って言わないでくれよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間は(さかのぼ)るが、ゲッターキリクの状態で突貫していたその時、何か胸騒ぎを感じたライカ。

 

『ハヤトさん!何か胸騒ぎを感じるんですが…』

『何っ!?戦闘時の勘は良く当たる!感じる方向とかは分かるか!!』

『は、はい!あっちの方向です!!』

『(今向かっている方向とは逆だが…)分かった!リョウマ!いいな!!』

『ああ!!』

 

そして、方向を180度変えそちらへ向かう。

 

『…あれか!奴ら仲間を犠牲に突っ込んで行くぞ!!』

『このまま行けば間に合う!だが、キリクの状態なら多少の被害は避けられんぞ!!』

 

このまま行けば間に合うが、ゲッターが損傷してしまう。

 

『チィ!仕方ないこのまま『私が行きます!!』ライカが!?』

『操縦は教えてねぇんだぞ!一体どうやってやるってんだ!!』

『大丈夫!この子が、ゲッターが教えてくれました!!』

 

驚く事に、ライカは搭乗しているゲッターに操縦を教えてもらったと言う。

 

『…嘘じゃねぇだろうな。』

『大丈夫です!ペダルを踏むタイミング、レバーを引く強さ、全部頭に流れ込んできています!!』

『…ゲッターの()()か。』

 

そして、ゲッターアークは3つ目の姿を現す。

 

『行くぞ!ライカ!オープン、ゲット!!』

『任せて下さい!チェンジ!ゲッター不動明王(カーン)!!』(漢字部分は脳内で梵字(ぼんじ)変換希望)

 

デモンベインとインベーダーの間に現れたゲッターカーン。

 

『ト、トゲトゲローリングアタック!!』

『って、もっといいネーミングは無いのかよ!!』

『またリョウマが突っ込んでいるだと!?』

 

ライカ、念願のゲッターで参戦!!

 

(これで、義兄さんと一緒に戦える!!)

 



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第41話

この話を読む時、最後の所でBGMで第4次スーパーロボット大戦のCMを脳内再生してください。


 

 

 

ゲッターアーク(今はカーン状態)の参戦で少しは持ち直した前線。しかし、別の宇宙から出て来るインベーダーに終わりは見えてこない。

 

『ニードルミサイル!!』

(さく)(ばく)!!』

『神ゲッターホーミングミサイル!!』

 

ゲッターカーンが棘状のミサイルを撃ち、続けて新ゲッター3と神ゲッター3のミサイルが続く。

 

『クトゥグア、イタクァ!!』

『思う存分暴れてくるのだ!!』

天狼星(シリウス)の弓・セト!!』

『マスターを害する者に死を!!』

 

デモンベインとリベル・レギスも次々とインベーダーを倒しているが、先ほどまでとは打って変わって九郎達の心労は無くなっていた。

 

『ラ、ライカ姉ちゃんの前で不甲斐ない事は出来ないぜ!!』

『な、何故、ライカが来たら元気になるのだ!?』

『今回のループで出会ったライカさんには、絶対逆らっちゃいけないんだ!彼女は竜馬兄ちゃ…義兄さんの摩訶不思議な修行を一緒にやっていて、2流3流の魔術師程度なら生身で簡単に(ほふ)る事が出来るんだ。』

『な、なんと!?』

 

アル・アジフが驚愕するのも無理はない。これまで出会って来たライカは、魔術で出来た鎧を(まと)わなければ魔術師とは戦闘は出来なかったからだ。それも、竜馬が戦ったところや、ライカが教わった不思議拳法(流派東方不敗、機神拳等)を使っている所を見た事のないアル・アジフには、仕方のない事。

 

『一度2人の前で悪ふざけした時怒られてな…今でも思い出すだけで、うぅ!考えただけで恐ろしいぜ…』

『そ、それ程までとは…』

 

心と肉体が強く逞しく成長したと思っていた九郎だったが、義兄と義姉の前ではまだまだ小さい頃と同じ手を焼く弟のようだ。

 

『クソッ!まだまだ敵に終わりが見えないぜ!!』

『武蔵坊さん!諦めないでください!竜馬義兄さんなら絶対に諦めないわ!!』

『ヘッ!違ぇねえ!!おい!アイツ…この世界の(リョウマ)に一泡吹かせるんだろベンケイ!こんな事で根をあげてんじゃねぇよ!!』

『フッ、違いない。』

『ちょ、リョウマ!ハヤトも!!』

 

終わりの見えない戦いに弱音を吐くベンケイ。しかし、ライカと〝新ゲ〟世界のリョウマとハヤトに発破をかけられる始末。

 

『オイ、剴!お前は弱音を吐かねぇよな!!』

『ちょ、號なに言って『無論、我らに弱音を吐くような輩は居ない。』翔ぉ!?ハードル上げないで!?』

 

〝真ゲ対ネオゲ〟世界の號は剴をからかい、それに翔が便乗した形だ。連戦に続く連戦。バカ話しぐらいをしないと、流石の彼らも心労を紛らわす事が出来ない。

 

『おい、ハヤト…』

『ああ、分かっている。彼らもそろそろ限界が来ている。早く、早く来てくれ―』

 

コックピットの中で〝真ゲ対ネオゲ〟世界のリョウマとハヤトは願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『皇帝(エンペラー)!!』』

 

 

 

援軍の到着を!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

隼人の容赦ない往復ビンタとボディーブローを耐えきった俺を、誰か褒めてくれ。

 

『大袈裟だな~。君を縛ったロープは特殊な素材でね。』

 

大袈裟なんて…現に俺は隼人にボコボコにされて一歩も、動けない、あ、り、さま!?

 

(ようや)く気付いたみたいだね。君を縛っているロープは疲労と心労を癒す効果がある。無論、殴った彼女も例外ではない…あぁ、武蔵君は僕/私が直接干渉出来る子だから、既に回復しているから安心していいよ。』

 

今までの疲れが吹っ飛んでる!?あれ?でも俺が殴られる必要は無かったハズじゃ!?

 

『おぉっと!君の義妹だったかな?彼女達がピンチになってるよ!!今のげったー?ロボだったかな?それの力と、僕/私の力なら一度だけその世界(宇宙)へ繋ぐことが出来る!!早く助けに行くんだ!!』

 

急に話を逸らしやがって!!

 

「ライカさんのピンチだ!行くぞ!!」

「…はぁ、武蔵特有の病気が出て来た。だが、いもう…ライカを見殺しになんて出来ない。行くぞ!!(此処で義妹…ライカを颯爽(さっそう)と私が助けたなら、竜馬とけけけ、結婚する時直ぐに認めてくれる筈だ!って私は何を考えている!?)」

「誰も行かないとか、見殺しにするなんて言ってねぇだろうが!何処の誰かは知らんが、ライカに攻撃した時点で地獄すら生温い恐怖を味合わせてやる!!」

 

待ってろライカ!兄ちゃんが助けに行くからな!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

<ピシ、ピシピシピシピシ!!>

 

突然、空間がガラスの様に割れた。

 

『インベーダーの増援か!?』

 

一切の攻撃が効かず、役立たずとなってしまったナイアルラトホテップの悲痛な叫びが宇宙空間で漏れた。

 

『いや、』

『コイツらは…』

 

しかし、それを否定した〝真ゲ対ネオゲ〟世界のリョウマとハヤト。

 

『ヘッ!遅かったじゃねぇか!多聞天(たもんてん)!!』

『スマン、インベーダー共の足止めを喰らってな。だが、此処からは奴らの好きにはさせん!!』

 

〝新ゲ〟世界のリョウマが口にした名前は、以前敵対していた〝神〟の名。そして、その存在の後に続く

 

『コーウェンにスティンガー!?まだ死んでいなかったのか!?』

『しつこい野郎だな。』

『全くだ。』

 

蝙蝠の羽をしたゲッターと

 

『…ケイは俺が守る。』

『本っっ当にしつこいわね!!』

『此処まで来ると感心しちまうぜ。』

 

東洋の龍を思わせるゲッターに続き

 

『スーパーロボット軍団!このシュワルツに続けぇ!!』

『『『『応!!』』』』

 

所々強化されているのが分かるスーパーロボット軍団

 

『神司令!量産型エンペラードラゴン号並びに各機、戦闘準備完了です!!』

『フハハハハ!デッカイ花火を打ち上げるぞ!!』

『ちょ、敷島博士!?何故此処(ブリッジ)へ!?』

 

それらを引き連れている超巨大ゲッタードラゴンと様々な形をしたゲッター軍団だった。

 

『こ、これは…』

『やっと来たか!こいつらがハヤトが言っていた()()。エンペラー率いるゲッター軍団だ!!』

 

ナイアルラトホテップの呟きに答えたのは、〝真ゲ対ネオゲ〟世界のリョウマ。そして始まる、星を簡単に壊せる程の攻撃の応酬…この宇宙を守る為の戦いが!!

 

『あぁぁ!あぁぁぁ!!に、義兄さんが一人(真ゲ対ネオゲ)二人(新ゲ)三人(チェンゲ)!!(ジュルリ)でもでも、顔は義兄さんだけど声が違うわ!こ、これは違うのよ義兄さん!断じて義兄さんを嫌いになったわけじゃ!!』

『『『…ッ!?』』』

 

若干、同じ顔で同じ声の3人に悪感がしたが気のせいであろう。

 

『エンペラービーム照射!!』

『オラオラ!ゲッタートマホォォォク!!』

『ゲッタービィィィィィィィム』

 

彼らが参戦した事により、インベーダー側は徐々に押され出した。

 

援軍の到着と少しではあるが、現状の好転。

 

だから、皆少しではあるが油断していた。

 

『ん?これは…』

 

<ビシィ!!>

 

地球の傍で異変が起きている事を知らずに。

 

『おのれ!ゲッタァァァァァァァァァァァァロボォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

()()は地球の目の前に突然出現した。

 

『『『『な、何ぃ!?』』』』

 

恐らく、超巨大戦艦の先端部分。

 

『コ、コーウェン君!僕達の母星候補が無くなっちゃうよ!?』

『スティンガー君!これは予想外だ!?』

 

インベーダー側も予期していなかった事態。

 

しかし、

 

『このぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

一人…いや

 

『これ以上、僕の星に手を出すなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

(はしら)の邪神、ナイアルラトホテップは咄嗟に分体を送り、地球への衝突を止めた。

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

その一瞬。されど、一瞬。その時間を稼いだナイアルラトホテップを後に人は女神と呼ぶだろう。

 

『『『スパァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

 

地球を救ったのだから。

 




やっと一番最初に思いついた所まで来ました。
もう少しで完結予定です。最後までお付き合い下さい。


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第42話

Razgriz様誤字報告ありがとうございました。


 

 

 

突如、光が地球から宇宙へ伸びて行った。

 

『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!』』』

 

そして、その光には一筋の緑色の閃光が走っている。その光が間に合ったのは、ナイアルラトホテップが稼いだ一瞬。逆転への狼煙だ。

 

『ありがとうよ!ナイアさん!!アンタのお陰で間に合ったぜ!!』

『な、何故僕に礼を!?元々、君達を異空間に閉じ込めたのは僕なのに…』

『へぇ!?そ、そうだったのか!?』

『…気付いていなかったのかい?』

『そんな事はどうでもいい!竜馬!早くこの戦艦をぶっ壊すぞ!!』

『ああ!コイツの、コイツの所為で!私の夢は一度打ち砕かれたのだからな!!』

 

地球を守る為(完全に自身の為だったが)に文字通り体を張って戦艦を止めてくれたナイアルラトホテップへ礼を言った竜馬。しかし、礼を言った人物が自分たちを異空間へ閉じ込めた犯人だった事に驚きを隠せない。

だが、今はそんな事を考える暇は無く、地球へ突貫して行くギィムバグ指揮する巨大戦艦を何とかしなければならない。

 

『じゃ、行くぜ!準備はいいか武蔵!!』

『何時でも行ける!!』

『敵戦艦へのハッキングは既に完了している!このままコイツを破壊しながらブリッジへ殴り込むぞ!!』

 

緑色の光に包まれた進化した真ゲッタードラゴン(見た目は真ドラゴンver進化)。スパロボで表現するなら、気力は限界突破し個別作品の最終決戦使用になっている。

話をしている今も戦艦の先端を地球へ接触させない為、フルパワーのエネルギーバリアで次々と消滅させている。

 

『絶対にコイツを地球には落とさせねぇ!!』

 

竜馬がそう言い放った途端、真ゲッタードラゴンが放つ緑の光が増していく。

 

『もういっちょ、デカいの行くぜぇぇぇぇぇぇ!!』

『『応!!』』

 

光が徐々に大きくなり、巨大戦艦の先端とほぼ同じ大きさになった。そして彼らは、本日二度目の最終兵器を使う。

 

『もう、あの神様の力は消えちまっているが…』

『ああ!粋な事してくれたぜ!!』

『宇宙間の移動を任意でオン、オフ出来るようにしてくださったからな!これで、キャッキャウフフな百合世界に、私は行く!!』

『『一人で行け!!』』

 

新たに設置された紫色のワープボタン。このボタンを押さない限り、宇宙間の移動は勝手にされない。だが、移動する()()は選べられない。

 

『気合いを入れて、タイミングを合わせるぞ!!』

『任せろ!』

『行くぞ!』

 

今一番の輝きを放つ真ゲッタードラゴン。

 

『『『ゲッタァァァァ・シャアァァァァァイン!!』』』

 

三人の息の合った叫びが、この空間を支配する。

 

『『『真・シャイィィィィン!スパァァァァァク!!』』』

 

今、真ゲッタードラゴンの進行は何物にも阻まれない。

 

『『『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』』』

 

戦艦を破壊しながら目的地へ彼らは向かう。

 

『竜馬!もう少し左だ!』

『了解!!』

 

そして、彼らが目指す目的地は…

 

『そこだ!威力を抑えて飛び込め!!』

『任せろ!!』

 

たった一つ。

 

『…ゲッター、ロボ!』

『初めましてだな!ギィムバグ軍曹!!』

 

敵艦のブリッジ。その中で響く竜馬の声。

 

『な、何故私の階級を!?』

『そんな事は、どうでもいい!歯を食いしばれ!!』

『は?』

 

そして、ブリッジ辿り着いた真ゲッタードラゴンは突如止まった。その真ゲッタードラゴンから女性の声が聞こえた途端!

 

『オラァ!!』

<ドゴォ!!>

『ブッ!?』

 

ギィムバグからすれば、小さな何かが飛び込んで来て自身の右頬を殴り飛ばした。

 

『さっきのは、私が巻き込まれた分!次は、同じく巻き込まれた神様の分!!』

<ガシャン!!>

『グア!?』

 

次は空中を蹴り、反対の左頬を。

 

『最後に、私が行くはずだった艦これ世界で出会うはずだった艦娘たちの分だ!!』

<ドドドドドドドドドドドドド!!>

『く、くそぉ!ゲッターに、選ばれた、に、人間は此処までの、ものなのか!?』

 

その巨体をいとも容易く殴り続ける…武蔵の猛攻が浴びせられている。

 

『…一つ、訂正しておく。』

『な、何だ。』

『私は、人間ではなく…艦娘だ!!』

<ドワオ!!>

『か、かんむすとは一体…』

 

渾身の一撃を浴びせられたギィムバグは、そこで意識を手放した。

 

『これ以上地球への攻撃を止めるなら、これで許してやる!』

『クソォ!よくもギィムバグ軍曹を!!』

 

武蔵の言葉を無視し次々と襲い来る昆虫型の異星人たち。

 

『すげぇな。あの巨体を殴り飛ばしやがったぜ。それに、お前等の攻撃で、この戦艦の進行は止まった。此処からは…』

『『『俺達も混ぜてもらうぜ』』』

 

そして、突如聞き覚えのある声が響いた。

 

『恐竜帝国以来だn『義兄さん!竜馬義兄さん!!あぁ!やっぱり駆けつけてくれた!!何時もピンチになったら必ず駆けつけてくれる()の義兄さん!!いっぱい、いっぱい話したい事があるわ!まずはウフフ、私ゲッターに乗れるようになったのよ!それでね、』だぁぁぁ!今はそんな話している場合じゃねぇだろうが!!』

『やはり、ライカは俺達には荷が重すぎる。』

『オイオイ、リョウマのおっさんとあのハヤト司令が圧倒されてんじゃねぇか。』

『な、なんと!?』

『あはは、俺達のチームじゃなくてよかった。』

 

ゲッターアークと神ゲッター1。

 

『待ってたぜ!この世界の(リョウマ)!!』

『フン、何時も美味しい所ばかり持って行きやがって。』

『よう!今度は俺達がお前の世界を助ける番だ!!』

『インベーダーと云う勢力が別の宇宙を狙っていると知ってな。…あの時の礼だ。』

 

新ゲッター1と多聞天(たもんてん)

 

『へっ!やっと来たか!!インベーダー野郎はまだくたばってなかったようだぜ!!』

『全く、中々諦めん奴らだ。』

『今度こそ息の根を止めてやる。』

『…この世界の竜馬。俺達も加勢する。』

『あはは、何か濃いメンバーになったね。』

『いやいや、濃いってレベルじゃないぜケイ!!』

 

真ゲッター1と真ドラゴン。

 

『ラ、ライカが何故ゲッターに!?それも、ソイツはゲッターアークだぞ!?』

 

様々な世界の代表と云えるゲッターが、この巨大戦艦へ集結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふ~。あの子達、随分賑やかだった。それに、武蔵君には驚いたよ。〝私は転生を望まない。転移を望む。だが、殴らねば気が済まない輩がいるのでな。殴るには、転移してしまっては再会できぬだろう。だから、私は彼らと共に行く〟って。まさか、振られちゃうとは思わなかったよ。』

 

此処は全てが白い空間。竜馬達を癒し、ゲッターへ新たな機能を付けた存在の住まう場所。

 

『しっかし、竜馬君と隼人君の力は、僕/私の干渉を一切受けない不思議なモノだったな。こんな事は初めてだっt『その話詳しく聞こう。』ッ!?こ、これは創造神様!対応もせず申し訳ありません!!』

 

そこへ突如現れたのは少女の形を(かたど)ったナニカ。

 

『よい。して、その者達はどうしたのだ?』

『は!先程まで僕/私が癒し、今彼らの宇宙へ送り届けたところです!!』

 

神は頭らしき場所を下げ、誠心誠意忠義を示しそう答えた。

 

『成程。あと、不思議な力の名称は分かるか?』

『はい!()()()()()と呼ばれるしr『()()()()()だと!?』ヒィィィ!』

 

だが、その力の名を言った途端、少女の形を(かたど)ったナニカは急に感情を大きく露わにした。

 

『あの進化狂い共め!一度滅ぼしただけでは消滅せぬか!!(きゃつ)らは戦闘狂の集まりだ!此処一帯の星への被害はどの位だ!よもや、十、二十消し飛ばされたとは言わんだろうな!!』

『ち、違います!逆に共闘し、正体不明の敵から此処の星々を守って下さいました!!ひ、被害はゼロです!!』

 

神は戦々恐々とした態度だったが、先ほどまで此処であった事を嘘偽りなく創造神へ報告した。

 

『…何?それは真か?』

『はい。』

『少し未来を観てみるか…お?ク、ククク、ハハハハハ!!』

『ど、どうされました!?』

 

突如笑い出す創造神へ訪ねた神。

 

『なに、何度か会った事のある存在だったのだが…今回の奴は笑わせてくれる。』

『は、はぁ。』

『気にするな。それに、先程は取り乱して済まなかった。先程の件は忘れろ。』

『わ、分かりました()()()()()様!!』

 

 

 

 

 

 

~遥か未来~

 

 

 

 

 

『おい!ラ=グース、笑ってないで早く手伝ってくれ!!』

『ククククク、これが笑わずにいられるか!』

『竜馬は私の旦那だ。義妹であるライカのモノじゃねぇんだ!!』

『あら?隼人義姉さん、それは違います。私の夫です!!』

『…リア充(竜馬)爆発しろ!!』

 

そこには超巨大ゲッターとそれに並ぶ女性が居た。

 

『今から時天空をぶっ飛ばしに行くんだ!こんな状況じゃやられちまうぞ!?』

『ハハハハ、その時はその時よ!今は、お主を見ている方が楽しいのでな!!』

『畜生ぉぉぉぉぉ!!』

 

それは、彼らが辿る事になる遥か未来の出来事だ。

 




もう少し続きます。


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第43話

 

 

 

宇宙では九郎達が奮闘しているが、一方地球では…

 

『量産型ネオ・新ゲッターを座標に設定!行くのであ~る!!』

『了解ロボ!ゲッター線付与の我、埋葬にあたわず(ディグ・ミー・ノー・グレイブ)発射ロボ!!』

 

マッドな彼らがドッカンバッカン大暴れ…大活躍していた。

 

『全量産型ゲッター達へ()()()()()ニトクリスの鏡に我、埋葬にあたわず(ディグ・ミー・ノー・グレイブ)の着弾を確認したでぇ!!』

『よろしい。さぁ!ゲッター線の乱反射でインベーダー共を蹴散らすのである!!』

『流っ石博士!そこに痺れる!憧れるロボ!!』

『なぁっははは!エルザも元に戻って吾輩超絶好調である!!』

『ムム、ウェストちゃんに負けてられんぞ!超必殺!ゲッター線付与の連続クジャクの舞じゃあ!!』

 

だ、大活躍、していた。

 

『わ(わたくし)、まだ指示を出していませんのに!?』

『お労しいや、お嬢様。』

 

全指揮を譲渡された覇道瑠璃はその光栄に呆然。その姿に涙するウィンフィールドは正に執事といったところ。だが、チアキがノリノリでオペレーションしていたので、瑠璃にこっぴどく怒られたのは仕方ない事だ。

そして、この世界で量産していたニトクリスの鏡をいつの間にか量産ゲッターへ装備させたドクターウェストとクジャクの舞を連発する敷島博士によって、地上はゲッター線の緑色で溢れ返っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『此処と、そこ、あとそっちもだ!!』

『了解だ隼人の嬢ちゃん!サンダーボンバー!!』

 

ゲッターアークを操る〝真ゲ対ネオゲ〟世界のリョウマは、この世界の隼人の指示により必殺の(いかづち)をその場所へ飛ばしていく。

 

『よっしゃ、此れでこの戦艦の電気系統はぶっ壊せた!しばらくは動かせんぜ!後は、』

『『『インベーダー共をぶっ殺す!!』』』

 

動けなくなった敵戦艦を後に、六つのゲッターが最前線へ戻って来た。

 

『やっと帰って来れたぜ。』

『全くだ。それとこの世界には、後一人殴らなければならない者が存在するのでな。…せっかくライカさんの手料理が食べられるハズだったのに(小声)』

『この世界の神とやらには、キッチリケジメってヤツを取らせてやる!…今度こそ竜馬の家に行ってやるぞ(小声)』

 

真・ゲッタードラゴンを操る、竜馬、隼人、武蔵。

 

『へっ、頼もしい限りだな!!』

『俺達とは潜った修羅場が違う。当然と言えば、当然か。』

『これが初めて義兄さんとの共同作業(意味深)よ!!(今度作る手料理は、媚薬増し増しで、私しか認識できないような魔術を使うわ!これなら隼人ちゃんにも邪魔されない!!)』

 

ゲッターアークを操る、〝真ゲ対ネオゲ〟世界の流リョウマ、神ハヤト、この世界の住人であるライカ。

 

『竜馬の兄さんが居れば百人力よ!!』

『蝶のように舞い、蜂の様に刺す。そんな隼人さんの技量に、魅せられ鍛錬した技術!此処で披露しよう!!』

『あらあら、俺だけのけもの感があるけど…この地球と人類は俺達が守る!!』

 

()ゲッターを操る、〝真ゲ対ネオゲ〟世界の一文字號、橘翔、大道剴。

 

『とっととバケモノ退治を終わらせねぇとな!!』

『そのために俺達が此処にいる。それにコイツ等の相手が終わったら、正体不明の巨大戦艦の対応だ。』

『次から次へと…この世界の竜馬は何かに呪われている可能性がある。この俺が直々に祓ってみるか?』

 

()ゲッターを操る、〝新ゲ〟世界の流リョウマ、神ハヤト、武蔵坊ベンケイ。

 

『前にも言ったが、有機体ならぶっ殺す!メカなら!! ぶっ壊す!!』

『コイツ等との腐れ縁も此処までだ!覚悟しろよ、コーウェン、スティンガー!!』

『その通りだハヤト!こいつらは此処で倒す!!』

 

真ゲッターを操る、〝チェンゲ〟世界の流リョウマ、神ハヤト、車ベンケイ。

 

『…ケイは俺が守る!!』

『しっかり守って頂戴ねゴウ!それにしても不思議ね。向こうの方が戦力としたら多いのにちっとも不安にならない。これも、この世界の竜馬さんの影響かな?』

『それは、俺も思った。』

 

真ドラゴンを操る、〝チェンゲ〟世界の早乙女號、車渓、剴。

 

『これぞ最終決戦って感じだな!アル!!』

『悠長な事を言っている場合ではないぞ九郎!!』

 

デモンベインを操る、大十字九郎、アル・アジフ。

 

『余も此処までの決戦になるとは思いもしなかった。』

『マスターは私が守る!!』

 

リベル・レギスを操る、マスターテリオン、エセルドレーダ。

 

今此処に最高戦力と言える仲間たちが集結した。

 

相手は、数える事も億劫になるほどの数で迫るインベーダー軍団。

 

『まずは、コーウェンとスティンガーを倒す!これ以上地球へ被害を出して堪るか!!』

 

だが、彼らは一歩も引かない。

 

『『ストナァァァ!!』』

『『ゲッタァァァ!!』』

『サンダァァァ!!』

『『レムリアァァ!!』』

『『ハイパーボリアァ!!』』

 

神ゲッターと真ゲッターは両手へエネルギーを集中させ、新ゲッターは腹部、真ドラゴンは龍の口へ、ゲッターアークは背中の避雷針に電気が集まり、デモンベインとリベル・レギスは右手へ魔力とゲッター線が集まって行く。

全てはこの地球を守る為に!

 

『『サァァンシャァァイン!!』』『『ビィィィィィィィム!!』』『ボンバァァァァ!!』『『インパクトッ!!』』『『ゼロドライブッ!!』』

 

この世界(宇宙)を守る為に!!

 

『な、何故だ!?これ程の力が何故この宇宙へ集まる!?』

『こ、この宇宙ではゲッター線が無いのだぞ!そんな宇宙を守る価値が、何処にあると云うのか!?』

 

此処はゲッター線が存在しない世界(宇宙)。彼らインベーダーからすれば、エネルギーの存在しない世界を何故守るのか理解できなかった。

 

『俺達の故郷!価値なんざ、それで十分だ!!』

『私達の故郷を、よくも此処まで破壊してくれたわね!只じゃ済まさないわ!!』

『私の女達を苦しめた罪、万死に値する!!』

 

若干ずれた思考の者が混じっているが、彼らの想いはたった一つ。自分の生まれ育った星を守り抜く事だ!

 

『そろそろ、くたばりやがれ!ゲッタァァァァァ・シャアァァァイン!!』

『『『真!シャイィィィィン、スパァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

 

真ゲッタードラゴンは眩い緑色の閃光となり、

 

『真ゲッタードラゴンの力を見せてやる!!』

 

様々な軌道を描き必殺の技を繰り出す。

 

『こ、こんな!?』

『バカなぁぁぁぁ!!』

『『『オープン・ゲット!!』』』

 

そして、その技を受けたコーウェン&スティンガーは、今度こそ塵も残らないよう消滅させられた。

 

『次は、このデカブツ共だ!一気に片付ける方法は…あれしかねぇ!!』

 

 

 

■□■□

 

 

 

『量産型ネオゲッター並びに、量産型新ゲッターはスリーマンセルでエンペラーを守るんじゃ!!』

『真ドラゴンや各ゲッターも同じや!私ら、守って下さい!!』

 

地球に居たインベーダーを殲滅し、宇宙へ上がって来た量産型エンペラージャガー号と量産機達。

 

『ぼ、僕のネームレス・ワンも出撃できれば、九郎達の役に立つのに…『出来るのである!吾輩の科学力をもってすれば、出来ない事などなぁんにも無いのである!!』ほ、本当!?』

 

そして彼女も、とうとうこの戦いへ参戦する。

 

『ネームレス・ワン、各魔術回路とゲッター炉心問題無し!行けるロボ!!』

『よぉぉぉし!吾輩の手が加わったネ『ネームレス・ワン発進!!』吾輩のセリフを!?』

 

夢にまで見た九郎との共闘。

 

『エ、エンネア!?』

『何故来たのだ!ゲッター炉心の無い機体では『大丈夫なのである!吾輩の手で改造し以前の3割増しの出りょ』ドクターウェスト五月蠅いわ!!』

 

今は機体なのだが、肩と肩を合わせる様な立ち位置へネームレス・ワンは落ち着いた。

 

『は、母よ…』

『今は、このゲッターを護衛することが大事よ…テリオンちゃん。』

『ッ!言われずとも!!』

『マ、マスター…良かったですね。』

 

そして、リベル・レギスは反対側へ落ち着く。

 

『チェェェンジ!ゲッタァァァァァエンペラァァァァァ!!』

 

そして、皇帝(エンペラー)がこの世界で本格的に動き出した。

 




正直言って、CV神谷明さんで最期のセリフ聞きたいです。


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第44話

 

 

 

一度も交わらなかった存在が、今此処で出会い、新たな歴史を紡いでいる。

 

『九郎!前方にインベーダー多数!!』

『ゲッター線で強化したバルザイの偃月刀だ!いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!』

『撃ち漏らしは任せて!魔術弾(ブリットスペル)!!』

『後ろは余らに任せよ。ABRA!』

『『HADABRA!!』』

 

何百、何千のループの中で一度も訪れなかったエンネアの救出。そして敵対組織のボスであり、永遠のライバルと認識しても差し違えないマスターテリオン達との共闘。それを為しえた大十字九郎は…

 

『まだ、奴は正気に戻らんのか!?』

『クソッ!()()()()()()早く()()に戻ってくれ!!』

 

今は喜ぶことが出来ない。

 

【うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】

 

『クッ、今はインベーダーのみを狙っているようだが…何時、余らに標的を変えるか分からん!!』

『マスター!前方から新たなインベーダーです!!』

 

此処は宇宙。

 

【ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!】

 

合体したエンペラーが放つ無数のゲッタービームが乱射される戦場である。

 

 

 

■□■□

 

 

 

あれ?此処何処だ?確かインベーダーを一掃する為にエンペラーへ乗り込んで、合体した筈だけど。

 

『そうだ。お前は、忌むべき侵略者を屠る為、我を呼び出した。』

 

なんだ、だったらインベーダー(寄生虫)共を消し去って、次は…

 

『次は、ラ=グースを。最後は時天空を倒し、〝大いなる意思〟の本懐を遂げる。』

 

そうそう。〝大いなる意思〟の為、()()の進化を極めラ=グースを倒す事によって、俺達人類が時天空と対抗できる存在だと知らしめる。そして、時天空を倒し〝本当の宇宙〟…ゲッターと大いなる意思が支配する新たな宇宙を造り出すのだ!!

 

『そう!そうだ!!進化を繰り返し、敵を薙ぎ払い、星々を…いや、銀河を!宇宙を征服する!!その為に!!』

 

あぁ、そうだな。そうだったな!敵を蹴散らし、数多を吸収し、追随を許さず、人類を進化させる!!

進化。

進化、進化。

進化、進化、進化。

進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、進化、シンカ、シンカ!シンカスル!!

 

『それが、ゲッター!それが我らの存在意義!!さぁ!共に行こう!!この宇宙にゲッター線を蒔き、成長させ、我らで刈り取り、糧とする!この宇宙が終われば、次の宇宙へ!!』

 

俺達ハ、進化スル!マダマダ、ラ=グースにはトドかナイ。進化ダ。進化!進化スル!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、地球を揺るがす程のエネルギーが集まり出した。

 

『お、おい!このゲッター線量異常だぞ!!』

『こっちの世界の(竜馬)はどうしたんだ!?』

『義兄さん!竜馬義兄さん戻って来て!!何時もの義兄さんは何処に行ったの!?』

 

〝真ゲ対ネオゲ〟世界のハヤトが異常な数値を出しているゲッター線量に焦り、リョウマはこの世界の竜馬の心配している。そして、この世界の住人であるライカは悲痛な叫びをあげるしか今は出来ない。

エンペラーが合体した瞬間、この世界の竜馬は叫びながらインベーダー軍団へゲッタービームを乱射し始めた。正気を失っていると判断した隼人と武蔵は、現在竜馬が居るエンペラーのブリッジへ急いでいる。

 

「一体どうしたんだ竜馬の馬鹿は!!」

「見当もつかん!こんな事初めてだ!!」

 

その隼人と武蔵にもこんな状態の竜馬を見た事は無く、唯々ブリッジへ急ぐしか手が無い。

 

「此処だ!着いたぞ!…りょ、竜馬ぁぁぁぁぁ!?」

「どうしたんだ隼人ちゃ…う、うわぁぁぁぁ!?」

 

そこで二人が見たモノは、

 

「そ、そんな!こんな事って!?」

「か、体が取り込まれているだと!?」

【ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!】

 

壁や床、天井から飛び出した様々な線が、竜馬の体内へ侵入している無残な姿だった。

 

「む、武蔵!妖精さんで何とか出来ないか!?」

「わ、分かった!妖精さん(メディック)!!」

 

隼人の声で我に返った武蔵は、直ぐに妖精を呼び出したが、

 

『む、武蔵さん!コレは完全に肉体と繋がってしまっています!無理に引きはがすと、竜馬さんの肉体も大きく損傷する可能性が!!』

『これ以上浸食されないよう線を切って下さい!じゃないと、完全に取り込まれて救出は不可能となってしまいます!!』

 

これ以上浸食されないようにするので精一杯だと言う。

 

「チィ、邪魔だ!聖爆(セイバー)!!私はまだ、竜馬に伝えていないんだ!!」

「隼人、落ち着け!えぇい!私は根元を狙う!妖精さん!竜馬と隼人を頼む!!」

『ラジャーなのです!!』

『絶対に竜馬さんを助けるのです!!』

 

隼人の蹴が放った真空刃が線を次々と切断して行くが、直ぐさま触手の様に生え竜馬を浸食して行く。それを見た武蔵は発生源を破壊する為艤装を展開。何かあった時の為に応急修理女神(ダメコン)を二人残し、竜馬救出の為ブリッジの壁や床、天井を破壊して行く。

 

「竜馬を!竜馬を返せぇぇぇぇぇぇぇ!私の好きな竜馬をぉぉぉぉ!!」

『負けないでください竜馬さん!!』

『この機械のバケモノが!竜馬さんを返すのです!!』

「15.5㎝三連装副砲!放てぇぇぇぇぇ!(破壊した箇所が驚くべきスピードで修復されて行く…おい、竜馬。隼人ちゃんに此処まで言わせたんだ!絶対死ぬんじゃないぞ!!)」

 

だが、二人の奔走も虚しく、

 

【うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】

 

竜馬の悲痛な叫びが木霊するだけだった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

進化、シンカ、進化、シンカ…

 

『そうだ。進化だ。進化。』

 

進化、しんか、進化…

 

『さぁ、共に行こう!進化の頂へ!!』

 

進化、しん『――!!』か、進化。

 

『無粋な輩め。だが、既にこの世界の竜馬も我が意思を受け、エンペラーへの道を歩み始めた…全ての世界の竜馬は我が肉。我が意思。それを戦わせ、更なる進化への足掛かりにするのだ!!』

 

進化、しんか、進『―ま!!』化。

 

『フム、この世界の隼人は物分かりがいささか悪い用だ。メシア・タイールの様に全てを受け入れれば、楽に取り込んでやるが…』

 

しん『―ょうま!!』か、進化、しんか。

 

『この世界の武蔵まで!?…あぁ、嘆かわしい事だ。全ては大いなる意思の定めた事。別の宇宙と云えど、()()が我に歯向かうなど到底出来ぬ。』

 

進化、しんか、『竜馬ぁ!!』りょう、ま。

 

『まだ、諦めぬか。仕方ない…インベーダー(寄生虫)共を屠った後、この星をダーク・デス砲で綺麗にしなければならないな。』

 

進化、進化…進化進化進化!!

 

『さぁ、始めよう。この世界の粛清と新たな創造を!!』

 

『『竜馬ぁぁぁぁぁ!!』』

 

…。

 

……。

 

…オイ、テメェ!俺の義妹の住んでいる星を、撃ってみろ!存在すら残さねぇ様に、塵にするぞ!!

 

『なん、だと!?』

 

それに、人の頭ん中を勝手に上書きしようとしやがって、絶対に許さねぇ!!

 

『竜馬が、人類が、我に逆らうだと!?』

 

インベーダーに、今度は〝大いなる意思〟の代理人(ゲッター)かよ。危うく〝虚無る〟とこだったぜ。

 

『貴様は、何者だ!我の意思を振りほどき、(ゲッター)をそこまで知るモノなど、大いなる意思かラ=グース…まさか、ラ=グースか時天空の差し金か!?』

 

全部ハズレだ。俺は竜馬。ゲッターをちょっと知っている只の人間だ。それと、此処はちょっと窮屈なんでな。はぁぁぁぁ、はぁ!!

 

『…精神のみの存在が、黄金に輝くだと!?』

 

此処から出させてもらう!超級(ちょうきゅう)覇王(はおう)電影弾(でんえいだぁぁぁぁん)!!

 

『何ぃ!?』

 

 

 

 

竜馬が放った輝きは、その場の全てを照らし、

 

『こんな事が…』

 

無事竜馬はその世界から逃れて行った。

 



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第45話

 

 

 

…あれ?何か息苦しいぞ。

 

『―!!』

 

ん?でもさっきは息苦しさ何て感じなかったはず。

 

『――!!』

 

今度は、五月蠅いような感じだ。全く、ろくに休めないじゃねぇか!

 

『『―!!』』

 

ハイハイ、分かりましたよ大統領閣下!起きりゃあいいんだろ!起きりゃあ!!

 

「…全く、何だってんだy「りょぉぉぉぉぉぉぉぉまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」うぉ!?」

 

一体全体何なんだ!?

 

「ど、どうしたんだ()()!?そんなに涙と鼻水で顔中汚して!!」

 

起きたら涙と鼻水でグチャグチャになった隼人が抱き付いてきた。

 

「馬鹿、野郎ぉ!散々私達に心配させて!そ・れ・に!隼人ちゃんの抱擁なんて羨まけしからん事だ…うぅ!!」

 

って、武蔵もかよ!?

 

「あ~、何だ。何が何だか分からんが、済まなかった。心配させたな二人とも。」

「竜馬ぁぁぁぁぁぁ!!!」「…全くだ。」

 

ヤベェ。今の状況マジヤベェ!ボロボロ泣く二人をどうやって落ち着かせればいいんだ!?…えぇい!こうなりゃヤケだ!!

 

「…よ、よしよし。悪かった!俺が悪かったって!!」

「グス…こんなに心配させる奴を一人にさせて堪るか!一生離れてやんねぇ!!」

「うぇ!?」

 

孤児院の子供たちが泣いていた時は、頭を撫でてやれば直ぐに落ち着いたのに!?

 

「竜馬、許すまじ!!」

 

え、何?俺隼人に嫌われる事した!?てか、一生離れないって?え?えぇ!?

 

「理解が全然追い付かないんですが…今の状況はどうなってんだー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へーへー、ふんふん。成程、成程。

 

全部、俺の所為じゃねぇか!!

 

やっと落ち着いた二人に事情を説明してもらったら、エンペラーに合体した直後俺は叫び声をあげながらインベーダー共へゲッタービームを乱射しだしたらしい。コレ完全に、何か別の存在に体乗っ取られてましたね。成程、あの夢は一種の精神攻撃だったんだな。

それで妖精さんの力も借りて、俺に浸食していた線を切ったりぶっ壊してたと。そしたら、突然風化したように線がボロボロになって俺が解放され、隼人が飛びついて来たってのが今の現状らしい。

あ゛!悠長に情報を整理している暇は無いんだった!!早く残りのインベーダーと宇宙の亀裂を何とかしないと、このままこの宇宙を乗っ取られてしまう!!

 

「隼人!!」

「任せろ!!」

 

即OKかよ。頼もしい限りだ!!

 

「武蔵!!」

「条件がある!!」

 

何!此処に来て条件だと!?

 

「…一体どんな条件だ。」

「何、簡単な事だ。条件は――だ!!」

「な!?…わ、分かった」

 

クッ、武蔵らしいっちゃらしいが、此処でその条件を持ってくるか…

 

 

 

 

 

 

 

へその近くにある力を、身体の中心から体の外へと放つ。そして、それを身体の周りへ(まと)わせて行くんだ!

 

『『はぁぁぁぁぁはぁっ!!』』

 

そうだ。そして、ソレを一気に解決させる!!

 

『『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』』

『そう!それが明鏡止水だ!!』

『で、出来た!!』

『まさかこの私も出来るとは。』

 

二人とも素質は十分にあったから、切っ掛けさえあれば自分自身で覚醒したかもな。

 

『それじゃあ、インベーダー共には退場願うか!!』

『ああ!!』

『そうだな!!』

 

 

 

■□■□

 

 

 

各世界のゲッターと鬼械神(デウス・マキナ)は、突然止んだゲッタービームに戸惑いつつインベーダーを食い止めていた。

 

『この世界の竜馬はどうした!?』

『…まさか、ゲッターに取り込まれたか!?』

『そんな、そんな義兄さん!!』

 

ゲッターアークへ乗り込んでいる真ゲ対ネオゲ〟世界のリョウマの問いにハヤトが最悪の予想を立てた。その会話を聞いたライカが悲鳴にも似た叫びを発した…瞬間!!

 

『『『はぁぁぁぁぁだぁりゃぁぁぁぁぁぁ!!』』』

<カッ!!>

 

『嘘、だろ…』

『ま、マジかよ!』

『流石、この世界の竜馬。何をやるか予想できん!!』

 

光った。それも、エンペラー全体が黄金へ変色し、まだまだ輝きが収まる気配がない。

 

『貴様らにも味合わせてやる、ゲッターの…いいや。』

 

その輝きは一点に集中して行く。

 

『『『俺/私達の恐ろしさをな!!』』』

 

巨大な両掌の中心へと。

 

『『『ストナァァァァァァ!サァァァァァァァンシャイン!!』』』

 

その輝きは緑と黄金が混ざった球体となり、星を、太陽系を、揺るがし、インベーダーへ迫って行く。

 

<ドワォォ!!!!>

 

エンペラーの放ったストナーシャインは、空間の亀裂とインベーダー軍団を巻き込み亀裂の向こうへ消えて行った。そして、亀裂は逆再生のように塞がりこの宇宙にインベーダーが本当に侵略して来たのか分からない程の静寂を取り戻したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『でだ。インベーダー共をこの宇宙から排除したのはいいが、この戦艦はどうする?正直、〝空間を固定〟と〝時空を超える〟技術は個人的に調べたいんだが…』

 

エンペラーを中心に各世界のゲッターが謎の戦艦を取り囲み、代表してこの世界の隼人がそう発した。

 

『俺達が知っている明確な敵は、〝恐竜帝国〟と〝インベーダー〟に多聞天(たもんてん)の世界で猛威を振るっていたエセゲッターぐらいだ。こいつに関して未来の()から何も情報は無い。』

『俺もこんな戦艦は見た事が無い。様々な世界を渡っていたが、エンペラーを駆るリョウマに会うまでは宇宙へ進出した生命体とは出会わなかった。…残念だが、俺には見当が付かん。』

 

〝チェンゲ〟世界の流リョウマと名前が出た多聞天(たもんてん)もこのような戦艦は見た事が無いと言う。だが、

 

『この戦艦は、遥か未来の宇宙…いや、戦場から来た。』

 

この世界の竜馬は淡々とその戦艦に関して話し出した。

 

『此処ではない地球。そこには、ゲッター線を使用しないゲッター號や姉妹機のゲッター斬が存在する。そして、ゲッター斬は女性のみで構成されたゲッターチームが操縦している。』

『ゲッター線を研究しているのは、早乙女博士と(たちばな)博士。まずは、神ゲッターの存在する世界のように帝王ゴール率いる恐竜帝国が地球を我が物にする為攻めて来た。次にブライ大帝率いる百鬼帝国…要するに安倍清明が使役していた鬼のような存在が。

そして、彼らを倒した後、この〝ギィムバグ軍曹〟率いる昆虫軍団が()()より攻めて来た。』

 

此処まで一気に話した竜馬は、一呼吸置き続けた。

 

『そいつらと戦っていたのが武蔵も見た別の世界の俺だ。流竜馬とその仲間達…そして、500年前この地球へ落ちて来たのが、俺達が乗り戦っていた()()()()()()()()()だ!!』

『…私達が乗っていたゲッターに、そんな経緯があったのか!?』

『やはり、あの時見たゲッターがコイツだったのか。』

 

驚愕の真実…かは分からないが、目の前に存在する謎の戦艦と、この世界の竜馬達が乗っていたゲッターにつながりがあった。そのつながりは最早、因縁と呼べる。そこへ、

 

<ヴォン!!>

 

『決着を付けるぞ!ギィムバグ!!』

 

一隻の

 

『『『『なに!?』』』』

 

宇宙戦艦が

 

『『『『小さいエンペラー!?』』』』

 

現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『超高濃度のゲッター線を感知しました!!』

『何処だ?』

 

此処は別世界の戦場。〝チェンゲ〟世界のリョウマが出会った未来のリョウマ達が戦っている場所だ。

 

『本艦から見て右前方200宇宙キロ!本艦に被害は無いと思われます!!』

『…。』

 

彼らの戦いは未だ終わりを見せない。

 

『ッ!?このエネルギーの発生源は()()が向かった時空です!!』

『…そうか。』

『た、多数のインベーダーが光に触れた途端消滅して行っています!崩壊する以外、こんな現象これまで観測されたことはありません!!』

『何だと!?』

 

この世界のリョウマが驚愕するのも仕方がない。インベーダーを倒す方法は、唯一ゲッター線の過剰摂取による崩壊しか今までなかったのだ。

 

『…まさか彼らが出会った〝竜馬〟は、俺達の()()()()()()()()()なのか!?』

 




次回、最終回の予定です。


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第46話

 

 

 

そこへ現れたのは、量産型エンペラードラゴン号…より二回りほど小さいエンペラードラゴン号だった。

 

『此処は、地球か?』

『間違いない、地球だ。だが、これほどまで大きなゲッターは存在しない筈…』

 

この世界へ渡って来た別の星から来た来訪者は戸惑うしかない。自分たちが乗っている宇宙戦艦に似た存在は、比べる事が出来ない程大きく力強い。

その周りの存在も軒並み彼らを上回る力を有しているのは一目でわかった。

 

『俺の名は竜馬。この星の人間だ。今から事情を話す。』

()()だと!?それにこの声、俺に似ている!?』

 

それから竜馬はこれまでの事を簡単に話し、ギィムバグや今まで操縦していた真ゲッタードラゴンの事を説明して行く。

 

「やっと、落ち着いて話が出来るね。あの時はありがとう!初めてだよ、僕が生き残った世界は。」

 

此処はゲッターエンペラーポセイドン号のブリッジ。戦闘を終えた真ドラゴン以外のゲッターと鬼械神(デウス・マキナ)は各エンペラーへ格納された。

そして、エンネアは武蔵へ以前自身を救ってくれた礼を改めてしている。

 

「何、美女、美少女さらには熟女や幼女、ロリババアまで私の守備範囲…オホン、礼はいらない。体が勝手に動き、私に貴女を癒す手があった為だ。」

「あ、あははは…それでも、だよ。君には感謝してもしきれない。それに、我が子にも生きて会えた。」

「…我が子?」

「そう、我が子だ。そう言えば、紹介していなかったね。おっと、丁度来たみたいだ。彼が我が子、テr「イケメン死すべし!慈悲は無い!!」え?えぇ!?」

 

その拳は閃光の如し。武蔵の放った黄金の右は、丁度ブリッジへ来たマスターテリオンの右頬へ突き刺さり、

 

<チュドン!!>

 

人体から出てはいけない音と共に壁へ突き刺さってしまった。

 

「マ、マスター!?」

「女を大切にしない奴へは、慈悲など無用!!(キリッ)」

 

そして武蔵は明鏡止水を発動させたまま、エンネアへ憎たらしい程のドヤ顔をさらした。

 

「な、何てことするんだ!彼が僕の子供なんだ!!大丈夫、テリオンちゃん!!」

「お、お義母様!揺さぶらないでください!マスターの首が曲がってはいけない方へ曲がっています!!」

 

慌てふためく幼女の二人を呆然と見ながら武蔵は、

 

「むしゃくしゃしてやった。反省はするが、後悔はしていない!!」

 

何故か得意げにそう返した。

 

 

 

■□■□

 

 

 

「この機体は貴方が造った物だ。お返しする。」

「なっ!?竜馬それは!!」

 

別の世界のエンペラーに乗って来たリョウマ達へ一通りの説明を終えたこの世界の竜馬は、そう繰り出した。

 

「隼人、さっきも話しただろう。この機体は元々この世界のモノではないんだ。あるべき場所へ戻る。それだけだ。」

「で、でもよぅ…」

「隼人ちゃん、私もそれに賛成し「シリアスな所、悪いがそれは却下だ。」ん?どうしてだ、えぇっと「流で構わない。」流さん。」

 

だが、それに待ったを掛けたのが返される側の竜馬。

 

「いや、正直返されても俺達の身体がもたない。以前のスペックでも一杯いっぱいだったのに、それを凌駕する性能だ。」

「真ゲッタードラゴンは、君達別世界のゲッターチームにこのまま使って欲しい。機体の性能データがまだまだ足りないからのう。いつデータを取りに来れるか分からんが、やってくれんか?」

 

リョウマと早乙女博士にそうまで言われた竜馬は、

 

「…分かったよ。(これでゲッターから逃げられると思ったのに。)」

 

渋々了承するのだった。

 

そして、戦士たちは束の間の休息をとる。

 

『じゃあな、この世界の(竜馬)!!』

 

インベーダーの襲撃を食い止める為、様々な世界から来たリョウマ達はそれぞれの地球へ。

 

『ギィムバグは、お前等が煮るなり焼くなり好きにすればいい。だが、俺達の地球へ二度と来させるなよ。』

『ああ、分かっている。この戦艦の〝空間を固定〟と〝時空を超える〟技術を取り出した後、しかるべき処置を行う事を約束しよう。』

 

原初のリョウマ達もギィムバグの事をこの世界の竜馬達へ任せ帰って行った。

 

そして、

 

『ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』

『『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』』

 

この世界の竜馬達は、また別の世界へ渡って行く。

 

『ここは何処だ!?任意で別世界に行けるって神様が付けてくれた装置、全然機能してねぇじゃねぇか!!』

『別世界の流から聞いた景色の良い丘とやらに、ちょっとした旅行に行くんじゃなかったのか馬鹿竜馬!!』

『だから言っただろう!旅行するなら船である私が隼人ちゃんを背に乗せ、竜馬を足蹴に航行してやると!!』

『『願い下げだ!!』』

『何故!?』

 

その世界での出会いは、また別の物語で話すとしよう。

 

 

 

 

 

脳内BGM Say good-bye loneliness 希望

 

竜馬:神谷明

 

神隼人:矢作紗友里

 

大和型戦艦二番艦武蔵:味里

 

真ゲ対ネオゲ

新ゲ     流竜馬:石川英郎

チェンゲ

 

真ゲ対ネオゲ

新ゲ     神隼人:内田直哉

チェンゲ

 

新ゲ   武蔵坊弁慶:梁田清之

チェンゲ   車弁慶:飯塚昭三

 

大十字九郎:伊藤健太郎

 

アル・アジフ:神田理江

 

マスターテリオン:緑川光

 

エセルドレーダ:神田理江

 

暴君ネロ/エンネア:成瀬未亜

 

ドクター・ウェスト:山崎たくみ

 

エルザ:佐藤美佳子

 

ナイアルラトホテップ:折笠愛

 

古代進:富山敬

 

兜甲児:石丸博也

 

シモン:柿原徹也

 

吹雪:上坂すみれ

 

 

原作

機神咆吼デモンベイン

ゲッターロボ『永井豪と石川賢原作漫画版』

ゲッターロボサーガ

ゲッターロボ大決戦!

真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日

真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ

新ゲッターロボ

 

 

 

編集 兼 構成 兼 効果音 兼 監督

 

       小此木

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父ちゃーん!!」

「あまりはしゃぐなよ()()!…怪我させたら隼人にまたどやされるしな(小声)」

 

此処は宇宙戦艦のブリッジ。

 

「聞こえてるぞ!全く、拓馬と()()()には、お前に似ないよう私が徹底的に躾けるつもりだ!ジュンはあんなお父さん嫌いだよね。」

「おとうさんきらーい!!」

「ゴフッ!なん、だと!?」

 

そんなブリッジに、仲睦まじい家族(一人精神攻撃を受け、吐血しているが)の会話が聞こえる。

 

「キィー!泥棒猫が!!義兄さんの純潔を奪うのは私だったはずなのに!!」

「聞こえているぞ、義妹。お前が夫の飯に散々媚薬を盛った結果!わ、私が、襲われたんだぞ!!…女とみられて嬉しかったけど(小声)」

「今度こそ、隔離した部屋で事を為してやるんだから!!」

「…先回りして三人目だな(小声)」

 

だが、夫の方には聞きたくなかった話も聞こえて来ていた。

 

「俺、この先大丈夫かな?」

『き、君達、これから()()()との決着を付けに行くんだぞ!そんな悠長に構えていて大丈夫なのか!?』

「大丈夫…じゃないが、何処か別の宇宙に居ても()相手では何も変わらん。だからこのくらい問題ないだろが、女神様?」

 

そこへ現れたのは、この宇宙では有名な地球の神。

 

『その名で僕を呼ぶな!今は仕方なく神をやっているだけなんだ!何でこんなに信仰されているか分からないのに…全盛期の倍以上の力が発揮できるようになったから仕方なくだよ!仕方なく!!』

「まぁ、まぁ、()()()さん抑えて、抑えて。何なら、九朔(くざく)のお守りでもやって、現実逃避でもします?」

『…九郎君も悪乗りしないでくれるかな!!』

「ナイアお姉さん遊んで!遊んで!!」

『く、九朔(くざく)ちゃーん何して遊ぶ!!』

 

彼と地球の神…ナイアルラトホテップとの会話に入って来たのは、人の聖の極限、絶望を知らぬ英雄と謳わられた大十字九郎。そして、その息子だった。

 

「堕ちたモノだな、邪神!!」

『えらい言われようだね。だがアル・アジフ、君も同じようなモノだろう?』

「なっ、違「あっ!お母さんだー!!あそぼ、遊ぼう!!」お、おーよしよしよしよし!やっぱり、妾の九朔(くざく)は可愛いのー!!」

 

邪神と魔導書は小さな子供の九朔(くざく)を二人であやし出してしまった。

 

「はぁ、どっちもどっちだな。」

「お互い大変だな。」

「そうですね義兄さん。…だから、こんな日常を壊させはしない為に!!」

「ああ、だな。」

 

だが、此処は戦場。彼らの戦艦の後ろや傍らには、

 

『こちら、宇宙戦艦ヤマト艦長古代進!波動エンジンのエネルギーの艦首への充填100パーセントだ!指示があれば、何時でも波動砲は撃てる!!』

 

(かつ)て大戦で沈んだ船を宇宙使用へ改造した戦艦、

 

『光子力エネルギー、フルチャージ!こっちも、何時でも行けるぜ!!』

 

神をも越え悪魔も倒せる魔神の皇帝、

 

『天も次元も突破して!掴んで取り戻してみせるぜ俺の…俺達の道を!!なあ!()()さん!!』

 

ゲッターとは別の進化の力、螺旋力を使い宇宙を救った螺旋の戦士達が揃っている。

 

『あぁ!当たり前d『フッ、これ以上私の桃源郷(ハーレム)を壊させはしない!!』武蔵テメェ!!』

『そ、総司令!?済みません、済みません!武蔵さんには私からも言っときますから!!』

 

エンペラーポセイドン号から聞こえた武蔵の声と、少女の声。

 

『全く。武蔵、お前が出した〝()()()()()に行かせてくれ〟って条件をちゃんと叶えてやっただろうが!真面目にやれ、真面目に!!…なんでコイツを操縦者と選んだんだかねポセイドンは。』

『ヲ!ヲヲ!!』

『む、何でヲ級ちゃんが竜馬の意見に同意するんだ!私は何時も真面目だぞ!!』

『あ、あははは…そ、総司令!私達艦娘と深海棲艦さん達全員戦闘準備完了しています!!何時でもどうぞ!!』

 

武蔵の出した条件を叶える為、渡った世界で助けた少女…いや、吹雪型1番艦駆逐艦吹雪から、全ての戦闘準備が整った連絡が入った。

 

『ククク、何時もお前には笑わせられる。それに、数十年と云う一瞬でそれだけの軍勢を集めるとはな。』

『これだけの仲間が集まったのは、ただ運が良かっただけだ。それと、前は悪かったなラ=グース。お前が居なかったら俺は死んでいた。』

『気にするな。余が勝手にやった事。』

『ま、そういう事にしとくぜ。じゃ、そろそろ行くぜ戦闘隊長殿?』

『任せろ!このギィムバグ!全ての生きとし生ける生命の為、全てを賭けて戦おう!!』

 

全ての宇宙の存亡を賭けた戦いが今、始まる!!

 

貴様(時天空)にも味合わせてやる!』

 

 

 

『『『『ゲッター(俺/私達)の恐ろしさをな!!』』』』

 

 

 

完!!

 



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最終話キャラ設定・機体性能

 

 

 

・竜馬 年齢22歳 CV:神谷明

 

今作の主人公でドラゴン号のパイロット。生まれて直ぐアーカムシティの教会に捨てられた孤児。前世の記憶を所持しており、ゲッターに取り込まれて〝虚無る〟事を恐れている。その為、前世の知識をフルに活用して逃れる術を模索中。

15年間十傑集(じっけつしゅう)達の業や流派東方不敗、ゲルマン忍法、機神拳など様々な武術を独学で修行していった。

 

身長は170程度。自分が乗る機械は自身で整備する事が当たり前だと思っている。なので、容姿は漫画版竜馬だが手先は器用で機械いじりが得意。

明鏡止水を習得後、現在の強さは健康な東方不敗を凌駕する程。

 

空A 陸S 海B 宇B

タイプ 陸

サイズ SS

技 流派東方不敗、機神拳、魔朧拳(まろうけん)

 

 

・神隼人 年齢20歳 CV:矢作紗友里

 

ライガー号のパイロット。両親を魔術師に殺され、その骸を鬼械神(デウス・マキナ)を召喚する為の生贄にされた過去がある。両親を殺した魔術師に復讐する為、自身が扱える鬼械神(デウス・マキナ)又はロボットを奪う為、様々な情報機関へハッキングを繰り返している内にゲッターの存在を知る事になる。他の隼人と同じように頭の切れは良い。あと、ツンデレ。

 

身長は160程度。ゲッターの整備を主にやっている。容姿はロボットガールズZの新生チームGライガ様で、少し釣り目で顔が隼人寄り。

足技を得意とし、影技(SHADOW SKILL)のクルダ流交殺法・影技を良く使っている。

明鏡止水習得後、病に蝕まれている東方不敗なら勝利できる程になっている。

 

空A 陸S 海B 宇B

タイプ 陸

サイズ SS

技 クルダ流交殺法・影技

 

 

・武蔵改二(大和型戦艦二番艦、改大和型、武蔵)年齢8歳 CV:味里

 

ポセイドン号のパイロット。『神様転生』を行っている最中、ギィムバグとゲッターとの戦闘に巻き込まれ、この世界に落ちた被害者。神様転生でよくある転生特典で〝戦闘用燃費80%軽減〟〝全艦娘の武装の装備及び使用が可能〟〝改二実装〟を貰っている。

生粋の百合で、美女、美少女に目が無い。ながもん属性(幼女好き)も持っており、本当は『艦隊これくしょん』の世界で艦娘達とキャッキャウフフの百合世界を満喫していたと本人…本艦談。恐らく艦これ世界に行ったとしても、即憲兵に捕まりそれを繰り返すのが関の山だろう。

 

身長は三人の中で一番大きく180。容姿は艦隊これくしょんの武蔵。

明鏡止水習得後、病に蝕まれている東方不敗なら勝利できる程になっている。

 

空A 陸S 海S 宇B

タイプ 陸海

サイズ SS

技(?) 10㎝連装高角砲改4基を某ガン○ムのバーニア風に使用し、そこから推進力を発生させ飛ぶ。

 

 

 

機体名 真ゲッタードラゴン(見た目は真ドラゴンver.進化)

 

空S 陸S 海S 宇S

タイプ 空 陸 海 宇

サイズ L(1L)

HP:130,000 EN:1,300

装甲:3,500 運動性:350 移動:12

特殊能力:ゲッター線、HP回復大、EN回復大、次元移動(ON/OFF)

 

PSソフト『ゲッターロボ大決戦!』第20話クリア後に似た世界で誕生した。その後、ギィムバグとの戦闘中別の()()へ投げ出され、富士山へ衝突し浅間山へ墜落した機体。

武装はゲッターGの進化した物を使っている。

モビルトレースシステム(モーションキャプチャのように機体を動かすシステム)に似た使用に進化した為、コックピット内で体を動かせば機体も同じように動いてくれる。

パイロットは3人必要だが、本作でドクターウェストが搭乗出来た様にGに耐えられるのなら誰でも操縦可能。

 

武装・技(生身で使用していた技が使用可能)

 

ゲッターレザー

両腕の鋭利な刃物。伸ばして相手を真っ二つにする。

 

ゲッタービーム

ゲッター1と違い額から発射され、従来のようにビームを直線的に放射するものやビームがジグザグの軌道を描くもの、機銃掃射の如く弾丸状に撃ち出すものと3通りの照射パターンが使い分け出来る。

 

ゲッタートマホーク

両刃の大戦斧のゲッタートマホーク。両肩に収納されているが、真ゲッターの持っているものより大きく、重量もある。

 

ダブルトマホーク

両刃で柄の先端部にメイス状の刃物が付いたゲッタートマホーク。

『ダブルトマホーク』という名称が有名だが、『ダブル』とは『両刃だから』ではなく『2本使うから』であり、本機体で使用する『ダブルトマホーク』は旧ゲッタードラゴンが使用していた物。(ゲッタートマホークは2種類存在する。)

 

真トマホークブーメラン

機体の周りに無数のエネルギー状のトマホークを形成し、それを相手に投げつける。

 

真ゲッタービームランチャー

亜空間から巨大なゲッタービームランチャーを召喚する。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 

ストナーサンシャイン

両手の間からゲッターエネルギーの塊を作り出し、それを投げつける。感情を込めて放った場合、威力は感情の度合いにより変化する。

モーションはスパロボαの真ゲッター1と同じ。

 

真シャインスパーク(次元移動OFF)

シャインスパークの進化版。

ストナーサンシャインをも凌ぐ空間すら歪むほどのエネルギーを集束させ、プラズマの発生したゲッターエネルギーを纏い、相手に突撃する。最後はオープン、ゲットし分離した状態で離脱して行く。

モーションはスパロボαの真ゲッター1と同じ。

 

※真シャインスパーク(次元移動ON)

別の宇宙へ移動できる。移動はランダム。(以前はゲッター線の存在する場所へ引かれていた。)

 

 

機体名 真・ゲッターライガー(全体のフォルムが真ゲッター2寄りになり、背中のブースターが以前と同じ飛行機の羽型で機体のカラーリングがゲッターライガーのまま)

 

空S 陸S 海S 宇S

タイプ 空 陸 海 宇

サイズ L(1L)

HP:130,000 EN:1,300

装甲:2,500 運動性:450 移動:15

特殊能力:ゲッター線、HP回復大、EN回復大、分身

 

武装・技(生身で使用していた技が使用可能)

 

真ライガーミサイル

左腕を展開して発射するミサイル。

 

チェーンアタック

左腕の傘状パーツをチェーン付きで発射する。

 

真ドリルアーム

右腕がドリルに変形する。左腕が展開して中からドリルを出す事も可能。

 

ミラージュドリル

七色の光が敵を貫く。

 

マッハスペシャル

ゲッタービジョン(高速移動による残像現象で分身を作り出し、敵を幻惑する。)とゲッターマッハ(分身を伴わぬ高速移動モードで、陸上のみならず空中から急降下する際にも使用可能。)の技を合わせたもの。

 

プラズマドリル・ハリケーン

ドリルからプラズマを帯びたハリケーンを放つ。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 

機体名 真・ゲッターポセイドン(全体のフォルムが真ゲッター3寄で、腕の伸縮がしやすくなっている。)

 

空S 陸S 海S 宇S

タイプ 空 陸 海 宇

サイズ L(1L)

HP:130,000 EN:1,300

装甲:4,500 運動性:250 移動:10

特殊能力:ゲッター線、HP回復大、EN回復大

 

武装・技(生身で使用していた技が使用可能)

 

ストロングミサイル

背中に装備している2基のミサイル。チェンゲ版のポセイドンのように、これを直接持ってぶつけるという荒業も可能。

 

フィンガーネット

指を変形させて放つ投網。ポセイドンの怪力で絡み取った相手を投げ飛ばす事も可能。

 

ゲッターサイクロン

首の周りにあるフィンを回転させる事で暴風を発生させ、敵を飲み込ませてしまう大技。

 

主砲

背中にあるストロングミサイルが割れ、武蔵の所有している艤装で攻撃する。艤装ごとに操る妖精さんが変わって来る。

 

大雪山おろし

敵の力を利用して体勢を崩し、遠心力を利用して相手を投げ飛ばす荒技。本機体は伸縮する腕で敵を絡めとる。

 

ゲッターチェンジアタック

ゲッターロボ系列機の行う、分離・変形・合体を多用した連続攻撃の総称。

 



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