戦姫絶唱シンフォギア AfterSong (幽影)
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序章

シンフォギアを見て無性に書きたくなってしまった。
書きたい衝動を押さえられるものかよ!!


俺の名前は音谷律(おとやりつ)

どこにでもいるアニメと音楽が好きな高校生だ。

いや、正確にはだったというのが正しいのだろう。

何故ならつい先ほどトラックに跳ねられ死んだからな。

スマホにイヤホンし音楽を聞きながら歩いてたらものの見事に跳ねられた。

はい、俺が悪いです。しかし、そんな俺でも未練がある。

それは…………童貞で死んだことだ!!。

ああ、神はなんて無慈悲な事をするのだろうか、童貞を殺すならまずリア充殺れよ。

「バカか、おぬしは」

「うお!ビックリした、急に話しかけないでもらえます?」

「いや、おぬしがあまりにも無視し続けるからな」

そう、実はさっきから目の前に仙人みたいな髭を生やした爺さんがいる。

死んでも美少女に会えないなんて童貞に厳し過ぎだろ。

「で、なにようですか?お爺さん」

「お爺さんって……儂これでも数千年しか生きとらんからまだピチピチなんじゃがのう」

「いや!十分ジジイだからな!それ!」

「まあ、儂の事はええわい、それでお前さん死んじまっとるんじゃが天国と地獄どっちがええか?儂としては地獄行きにしたいんじゃが」

「えっ!なんで?俺悪いことしてないと思うんだけど」

「さっき儂の事はジジイっていったじゃろ?」

「思いっきり私怨じゃねぇか!クソジジイ!!」

俺はあまりの理不尽に叫んだ。

「また言うし、最近の人間は神に対する敬意が足りんと見える」

「えっ、ジジイ神様なの?」

「見てわかるじゃろうが!!」

やばい、全然わからなかった。てっきり同じ時間に死んだどっかの爺さんにしか思っていなかった。

「なあ、ジジ……、いや神様1つ聞きたいんだけどさ」

「なんじゃ?言うてみ」

「異世界転生とかでき…「無理」」

「最後まで言わせろや!しかも即答かよ!使えないジジイだな!おい!」

ああ、神は無慈悲ではなく無能であったか……。

「異世界転生といった別の世界には無理じゃがおぬしらの世界にある作品の世界にであれば可能じゃ」

「まじか!それがいい!おじいちゃん大好き!」

神は無能ではなく全能でした。

「ところでなんで作品の世界には転生できるのに別の世界にはいけないの?」

「世界1つ1つに神がおるから儂の一存では送れん」

「てことはその別の世界の神様に話しを通せば可能ってこと?」

「うむ、でも儂が面倒くさい」

「神様がそんなのでいいのかよ!」

「ええい!やかましいわ!儂だって面倒くさい事はやりとおないわ!」

「あー、わかった。なら戦姫絶唱シンフォギアって作品の世界でお願い」

「おぬしが死ぬときに聞いとった音楽もその作品のやつじゃったのう」

「じゃ、よろしく」

「わかった、ではその世界におぬしを送ろう、あとおぬしに1つ贈り物をしよう」

「きたー!転生もの特有のなんか凄い能力くれる的なやつだ!」

「グッドラック!」

神様が俺に向けてめっちゃいい笑顔で親指をたててきた。

「は?」

「は?とはなんじゃ、ほれ、早くいかんかい」

その瞬間俺の周りに淡い光が溢れてきた。

「あ、あとおぬしのこっちでの記憶は消えるからのう」

「原作知識も無しかよ!うそだろ!」

「だから言ったじゃろ?グッドラックと」

「くたばれ!クソジジイーーーー!!!」

その言葉を最後に俺の意識は消えた。

残った神は何もない空間で嘯いた。

「まあ、おぬしの成長に限界はないようにしたから強くなれるかどうかはおぬし次第じゃな」

その呟きを聞く者は誰もいない。

 




文章力がないのは許してください。
誤字脱字がないように気をつけていますがあったら報告お願いします。
感想が頂けたら次の創作意欲に繋がりますし第一喜びます!!


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始まりの旋律

続きデス。


俺こと音谷律(おとやりつ)は物凄く機嫌がよかった。

「いやー、まさかツヴァイウィングのライブチケットが当たるなんて思ってもみなかったな」

人気ボーカルユニットのツヴァイウィングのライブチケットは完売が当たり前であり金欠の俺には入手困難なものであった。

しかし抽選でチケットがあたるハガキの応募で運よく入手するができ幸運だったと思う。

「普段の行いがよかったからかな?神様ありがとう!!」

つい興奮して大声で叫んでしまい周りから注目を集めてしまった。

「あ、すいません……」

気を取り直しいざ列に並ぼうとしたとき。

「うええぇーーーー!どうして!?今日のライブって未来(みく)が誘ったんだよ!?」

さっきの俺より大きな声が聞こえてきた。

声の主は女の子だった。

「はぁ、わたしって呪われてるかも……」

その女の子は電話を切りそう呟いていた。

話の内容だとどうやら友人が来れなくなったみたいだ。

まあ、俺にはどうでもいいことだが。

そんなこんなでライブ会場に入ってしばらくすると会場が暗くなり曲が始まり天井から白い羽と共に二人の女の子が舞い降りてきた。

赤い髪の子は天羽奏(あもうかなで)そして青い髪の子が風鳴翼(かざなりつばさ)だ。

二人の登場により会場が一体となりライブは大盛り上がりをみせた。

(ああ、来てよかった、生でのライブがこんなにすげーなんて……)

そう思った時に最悪の事態が訪れた。

ピコピコとふざけた音をだしながら現れたそれの名は……。

「ノイズだーーーーーー!」

誰かがそう叫んだ時には会場はすでに地獄絵図となっていた。

ノイズ、認定特異災害と呼ばれる災厄(それ)は人のみを襲いノイズに触れたら最後人間は炭素の塊となって絶命する。

「ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!!」

俺はノイズ達にライブを台無しにされた怒りでノイズの出現による恐怖などどこかにいっていた。

「助けてくれぇ!!」

「死にたくない!死にたくない!死にたく……」

しかし周りにいた人達がノイズにより殺されていく様を見てしまい冷静になる。

(ノイズ共に怒りをぶつけようにも俺はノイズ触れただけで死ぬただの人間……逃げなきゃ死ぬだけか、クソが!)

俺はすぐに会場の出口に走り出した。

会場の出口付近ついた時には遠目からでもわかるほど人だかりが出来ていた。

誰も彼もが我先にと逃げようとしており前の人を押し退け逃げようとする人や逃げるのを諦めその場に座り込んでいる人もいる。

仕方ないことだろうと俺は思った、実際に自分もパニックに落ちてたらこの人達みたいになっていたかも知れない。

(そういえばあの子は無事に逃げれたのだろうか?)

ふと、今朝がた見かけた女の子を思い出した。

(この中には見当たらないし……まさか!)

逃げ遅れているその言葉が脳裏によぎった。

(でも、出口は他にもあるしきっと逃げれているかもな)

そう思ったが胸のざわめきが収まらない。

(なんでだ?大体あの子は赤の他人だぞ?そこまで心配する必要なくないか?)

だがざわめきは強まりまるで戻れと身体が言っているみたいだった。

「そこの君!早く避難するんだ!」

気づいたら人混みは無くなっており後は俺だけだった。

「すいません!俺、戻ります!」

「あっ、こら君!」

誘導員の人の静止を振り切り俺はもときた道を走った。

「はあ、はあ、あの子は!?」

会場内に戻り周りを見渡すと目を疑う光景が入ってきた。

「ノイズと……戦っている?」

そう女の子二人がノイズと戦っていた、しかもその二人は先ほどまでステージの上で歌っていたツヴァイウィングの二人だった。

「なんでノイズと戦えるんだ?いや、それよりもあの子は!」

一度ツヴァイウィングの二人から視線をはずしあの女の子を探すと観客席がくずれた所に彼女はいた。

「まってろ!今そこに行くからな!」

しかしその子にノイズが迫っていた。

「逃げろ!」

ノイズがその子に飛びかかろうとした時ツヴァイウィングの片翼の一人天羽奏がそれをふせいでいた。

「駆け出せ!!」

天羽奏の言葉に従い走ろうとしたが足に怪我でもしているのか走れずにいた。

さらに追い討ちをかけるように大量のノイズが天羽奏に襲いかかり徐々に天羽奏が纏っている鎧や槍が欠けその破片があの子に突き刺さった。

「あっ…………」

その子の胸からは大量の血が吹き出し一目に致命傷である事がわかる。

「おい!死ぬな!目を開けてくれ!」

倒れたその子に天羽奏が駆け寄る。

「生きることを諦めるな!!」

天羽奏の必死の呼び掛けにその子は意識を取り戻したみたいだった。

「今日はこんなに沢山の連中が聴いてくれるんだ……。だから私も、出し惜しみ無しでいく……。とっておきのをくれてやる、絶唱……」

その子から離れた天羽奏はすでにボロボロになった槍を掲げ歌った。

「Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl」

風鳴翼の呼び掛けに答えず彼女は儚く歌いきった。

(なんだよ……これ……)

その歌を聞いた瞬間俺はまるで自身の身体が壊れていくようなそんな激痛に襲われていた。

あまりの激痛に俺は立っていれなくなりその場に倒れ薄れいく意識の中で最後にみた光景は消え去るノイズ達と倒れる天羽奏の姿だった。

 

「ここは……」

意識を取り戻した俺は病院のベットにいた。

「どうやら意識が戻ったみたいだな。三日間も意識がなかったんだぞ君は」

そんな俺に赤いシャツをきたおっさんが話しかけてきた。

「あんたは?」

「ああ、すまない。俺の名前は風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)、病み上がりで悪いが君には3日前に見た事に対し秘匿義務があるのだが了承してくれるかな?」

「わかりました、でも1つだけ教えてください」

「ふむ、なにかな?」

「天羽奏とその近くにいた女の子は無事ですか?それだけ教えてください」

「なるほど、安心するといい。二人とも無事とは言えないが生きてはいる」

「そうですか……ありがとうございます」

そう言って俺は再び眠りに落ちた。

それから2年間俺の周りの環境は激変した。

メディアによる報道によりあの事件で生き残った人の多くまたその家族は批判やいじめなど受け一時期社会問題まで発展した。

(くだらねぇ)

俺も例に漏れずその対象になったが他人から何を言われようと正直どうでもよかった。

「まあ、それも最初の1年間だけだったし今となってはどうでもいいか!」

現在俺は高校に上がり学費を稼ぐためふらわーというお好み焼き屋で働いていた。

「おばちゃん、俺今日は用事があるからそろそろ上がってもいいですか?」

「わかったわ、音谷くん最近ずっとお手伝いに来てくれてるからね、気をつけていってらしゃい」

「ありがとうございます!ではお先です!」

そう言い俺はある場所に向かった。

「いやー、今日はツヴァイウィングのCD発売日だからな!売り切れになる前にいかねーと」

既に夕方だが俺は全力で走った。

「今時CDなんてっていう人もいるけどCDのほうが好きなんだよな特典も豪華だし」

そう言いながら目的の場所に着いた時異変に気付く。

(静かすぎるな……いつもならこの時間帰宅する人がいるからそんなに静かでもないのに)

その瞬間ピコピコと忘れられない音が聞こえた。

「ノイズかよ……」

すぐに踵を返しシェルターがある場所に向けて走り出す。

「くそ!またノイズに邪魔されんのかよ!」

もし神様がいるのならあまりにも無慈悲だろうが!

「こっち!」

逃げてる最中に聞こえた声の主は小さな女の子の手を引きノイズから逃げていた。

「おい!お前!そっちはシェルターとは逆だぞ!」

俺の声は届いてないのかその女の子は走り去っていった。

「ああ!くそ!またこんなかよ!これで死んだら恨むぞちくしょう!」

ノイズを巻きその女の子を追った。

「どこいったんだ、あの子は……」

既に周りは暗くなり俺は追っていた女の子を見失ってしまった。

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

ふと歌が聞こえ光が柱となり輝いているのを見た。

「あそこか!」

俺は歌が響くその場所に急いだ。

「はあ、はあ、この近くのはずなんだけど……」

その時上から歌が聞こえ頭上から鎧を纏った女の子と共にノイズの群れが降ってきた。

「一体どうなってだよ……」

俺が呆気にとられていると近くでバイクのエンジン音が聞こえた。

バイクは俺の横を通り過ぎノイズの群れに突っ込んでいく。

「バカ!死ぬぞ!」

だがそのバイクはノイズを蹴散らして進みバイクから翔んだ人物は俺も知ってる人物だった。

「風鳴……翼?」

「Imyuteus amenohabakiri tron」

風鳴翼は鎧を纏い瞬く間にノイズを殲滅していった。

 

「今日は疲れた……」

黒服の人達が事態の収拾をしているなか俺はため息まじりにぼやく。

「大変でしたね、温かいものどうぞ」

「温かいものどうも」

黒服のお姉さんから紙コップを受け取り一息つく。

(それにしてもさっきの子どこかで見たような気がするんだよな……)

つい先ほどノイズに追われてた子を思い浮かべる。

(まあ、どこかですれ違ったとかだろう)

そう思い帰ろうとしたら黒服の人達に囲まれていた。

「えーと、まだなにかありますか?」

「すみません、あなたには我々と共に来ていただきます」

ガチャン

「なんでですか……ガチャン?」

気がつくと俺は重々しい手錠をかけられていた。

「すみません、抵抗はしないと思いますが一応拘束させてもらいます」

いつの間にか隣に立っていたイケメンの黒服にそう言われ車に乗せられる。

「なんでだーーーーーーー!」

そんな感じで俺は半分くらい強引に拉致られた。

 

「すいません、俺ってどこに連れていかれるんですか?」

「………………」

(また無言かよ)

車の中で色々と話したがこんな感じにずっとシカトされ着いた場所は。

「私立リディアン音楽院?なんで女子高なんかに……」

「さあ、こちらです」

黒服に促され車を降りると俺と同じように手錠かけられているあの子がいた。

(あの子も連れてこられたのか……それと風鳴翼も一緒か)

イケメンの黒服に連れられエレベーターに乗る。

(気まずい、なにこの空気の重さ耐えられないんだけど……)

「さあ、お二方危ないので捕まってください」

「あの危ないって……」

その子が質問し終える前にエレベーターはもの凄い速さで降り出し俺とその子は恥ずかしながら大声で叫んでしまった。

(どこまで降りんだよ……このエレベーター)

そして着いたのかエレベーターが停止する。

扉が開いたその先には……。

「ようこそ!人類守護の砦、特異災害対策機動部二課ぇ!!」

先ほどの空間とは真逆の感じのパーティー会場があった、横で風鳴翼が頭を悩ませイケメンの黒服は乾いた笑いをしてるしあの子にいたっては巨乳の眼鏡お姉さんに絡まれてるし……。

「あの子の名前、立花響(たちばなひびき)っていうのか……」

垂れ幕に大きく立花響と書かれてた。

そして当の本人────立花響はなんかわーわー騒いでた。

「やっと話が終わった」

長い説明うけを適当に会場をぶらぶら歩きながら俺はぼやく。

「おい、お前」

「にしてもまさかこんな所にこんな場所があったなんてな」

「おい!聞こえてんだろ!」

「今日は疲れたしはやく帰りてーな」

「無視すんな!」

ボカッ!

「痛てーな、誰だよ」

急に後ろから頭を叩かれ誰だと思って振り替えるとそこには最近までアーティスト活動を休止していた天羽奏がいた。

「……お身体の方は大丈夫なんですか、それと好きです、サインください」

「おう、ありがとうよ、あとその言い方は勘違いされるぞお前」

「? それで俺になにか用ですか?天羽奏さん」

「天羽奏なんて堅苦しい言い方はよしてくれよ、あたしの事は奏でいい」

「わかりました、では奏さん」

「さんもいらないし敬語も別にいいぜ」

「それはさすがに馴れ馴れしくはないですかね?」

「そうでもないぜ、なんたってあんたは私の恩人だからな」

恩人とな?俺には心当たりがない、人違いじゃないか。

「すいません、誰かと間違えてませんか?」

「んなわけねーだろ、音谷律それがあんたの名前だろ?」

「そうですけど奏さんは……」

「だから敬語はいらないって言ってるだろ!」

「わかった。でも本当に心当たりがないんだよ」

「お前は2年前のライブで……「おーと!それはこの何でも出来る女と評判のこの了子(りょうこ)さんが説明するわ」あの……了子さん邪魔しないでくれます?」

奏の言葉を遮って来たのはさっき立花響に絡んでいた眼鏡お姉さんだった。

「はあ、つまり絶唱ってやつのフィードバックを俺が半分くらい肩代わりしたと……すいません、言ってること全然わかりません」

俺はこの了子さんに色々教えてもらった。

シンフォギアシステムの事、この組織の事、そしておれ自身の事。

「まあまあ、最初はそんなものよね、まあとりあえずあなたも脱いでもらおうかしら」

「なんで!?」

「検査の為によ。さあ!」

そう言いながら了子さんは俺の服を脱がせようしてくる。

「やめてください!」

「いいじゃない、男の子なんだから気にしない気にしない!」

「気にします!他にも人いますしなにより女の子の前では脱げません!」

俺は必死の抵抗をしなんとかズボンは死守した。上は持っていかれてしまったがな。

そんなこんなで検査が終わりぐったりとした状態で歩いていると同じくぐったりしている立花響を見つけた。

「あ、どうも」

「こちらこそどうも」

「…………」

「…………」

「えっと、お互いに大変でしたね!今日は!」

長い沈黙に耐えれなかったのか立花響は俺に話しかけてきた。

「そうだな」

「あ、私の名前は立花響っていいます!」

「知ってる」

「じゃあ!お兄さんの名前はなんですか?」

「音谷律」

「なるほど、では律さんって呼びますね」

「いきなり下の名前かよ。あと多分俺とお前タメだぞ」

「うええーー!そうなの!じゃあ律くんって呼ぶね!」

同い年とわかった瞬間急に馴れ馴れしくなってきたなこいつ。でも不思議と悪い気はしない。

「ねぇねぇ、律くんは私の事なんて呼んでくれるの?」

「普通に立花でいいだろ」

彼女どころか女友達すらいない童貞の俺にそんな事聞くなよ。

「むー、なんで奏さんの事は下の名前で呼ぶのに私は名字なのー、私の事も響って呼んでよー」

こいつさっきの会話を聞いてたな。

「あれはなんか流れでそうなったんだよ、本来なら彼氏彼女でもないのに下の名前なんて呼べるか!」

「なら私の事も流れで響って呼んじゃおうよ!」

「なんでそうなる!」

そんなやり取りをしている内に時間が過ぎ響は同じ部屋の親友が心配するからとかなんとかで帰った。

「なんかさらに疲れた気がする」

響がいなくなり俺は先ほどよりもぐったり

「そこの君」

「もう帰りたい……」

「聞こえているのだろう?返事くらいしたらどうだ!」

「てか眠くなってきた……」

「無視をするな!」

バキッ!

「なんかスッゴいデジャヴを感じる……」

振り替えるとそこにはもう一人の片翼、風鳴翼がいた。

「あのさ、ツヴァイウィングって結構荒っぽいの?それと好きですサインください」

「な!?急になにを言い出すのだ!初対面の相手に!?」

なぜか赤くなりながら風鳴翼は答える。

なにかおかしかっただろうか?奏に言ったことと同じ言葉だったのだが。

まさか俺みたいな男に好きですって言われて勘違いするわけないよな、ファンとして好きですって意味だし奏は理解してたし。

「あの、ファンとしてなんですけど……」

「なっ!?し、知っていたぞ!私みたいな無骨者にそのような意味を持っているとは思っていない!」

「そんな事はないと思うけどな」

「まあ、世辞として受け取っておこう、ところでなぜ奏には敬語なのに私にはタメ口なのだ、一応私は君より年上だぞ?」

「なんとなく、奏にも既にタメ口だし」

「そうなのか?奏がいいなら私も……。まあ、それはともかく私は君に礼をいいにきたのだ」

「礼?」

「2年前のライブ時の事だ、奏を救ってくれてありがとう」

「たまたまだよ、俺が自分でしたわけじゃないし」

「それでも今こうして奏は生きている。あの場に君がいなければ奏は死んでいた」

風鳴翼は俺にもう一度頭を下げ礼を言う。

「まあ、俺もツヴァイウィングの二人が無事でよかったですからそれよりサインください」

「ふふっ、サインくらいいくらでも書いてあげよう、名前は音谷律でよかったか?」

「おっしゃあ!!ツヴァイウィング二人のサインゲット!ありがとうございます!風鳴さん!」

「私の事は翼と呼んでくれ、音谷」

「風鳴さんじゃダメなのか?」

「それだと司令と同じだからな、……不満か?」

「まあ、そう言うことなら……」

こうして1日して女の子3人と名前を呼ぶ間柄になったことを神様に感謝した。

「では私はこれから仕事があるから失礼する」

「そうか、なら俺もそろそろ帰るよ」

こうして俺は帰路につきふとある事を思い出した。

「あ、そう言えばCD買えてねーーーーー!」

そんな俺の叫びは夜の闇に消えていった。

 




やっと原作キャラがでましたがキャラ崩壊してないかな?と不安になりながら書きました。
結構展開がぐだぐたな感じもしますがどうか温かい目で見守ってください。
感想などくれたら嬉しいです。


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歌姫がいる日常

文章力?そんなものはない!


もし神様がいるのならこう問いたい。もしかして俺の事嫌いなの?

「なんでだ……」

(ひびき)達と出会って一週間がたつそんなある日俺はある問題にぶち当たっていた。

「いくらなんでもおかしくね?なんで毎日のように(かなで)が俺の部屋にいるの?」

「あまり細かいこと気にしてると禿げるぞ、(りつ)

「禿げてたまるか!いやいや!細かい事じゃないだろ!なんで毎日のように俺の部屋に入り浸るのさ!自分の立場を少しは考えろよ!」

そう、なぜかあの日から奏がずっと俺の家にいる。家に帰ったら部屋に風呂上がりの奏が居たときは色んな意味でビックリした。

「あたしは気にしないからいいじゃねーか」

「俺が気にするの!もし他の人に見られたりしたらどうする!?」

ツヴァイウィングの天羽(あもう)奏と男性が同じ部屋に入るのを目撃!!まさかの同棲か!?とか習慣雑誌にのるかもしれない。

「勘弁してくれよ……」

「律はあたしとは嫌なのか?」

「嫌ではないけど……」

嫌ではないが面倒な事はできるだけ避けたい。

「まあ、ほどほどにしてくれ、俺も男だし色々気を使うんだよ」

「りょーかい」

「本当にわかってるのか?」

「わかってるって、それよりもそろそろあたしの荷物が届くから運ぶの手伝ってくれよ」

「は?なんで荷物?」

「あたしが今日からここに住むからに決まってるだろ?」

「嘘だろ……」

「あたしは嘘はつかない主義だ」

清々しいまでの態度に怒る気も失せた。

「はあ、わかった。その代わりに俺の部屋にははいるなよ、昔に親が使ってた部屋があるからそこを使ってくれ」

「潔い男は好きだよ」

「はいはい、それはどうも」

のちほど奏の荷物が届き俺はそれを奏の部屋に運ぶ。

「ところでこの事は弦十郎(げんじゅうろう)さんとかは知ってるのか?」

「ん?多分知らないと思うぞ?」

「いや!せめて言っておけよ!」

「わかったわかった、そんなに怒鳴るなって」

そう言いながら奏は弦十郎さんに電話をかける。

「あ!もしもし?弦十郎の旦那?あたし今日から律の家に住むことにしたから!それじゃ!」

「で、弦十郎さんは何て言ってた?」

「さあ?なんか言ってたけど切ったから知らないや」

「お前なあ……」

なんでこう自由なのこの人。

「はあ、それじゃあ俺バイトだから家から出るときは鍵閉めておいてくれ」

そう言って奏に合鍵を渡し俺はバイト先のふらわーに向かう。

「よし準備完了、あとは客がくるのを待つだけか」

準備をおえてそう言ってる間に店の扉が開く。

「いらっしゃいませ、何名様です……か……」

「ああー!律くんなんでここにいるの!?」

「それはこっちの台詞(せりふ)だ、響……」

店に入った来たのは響だった。

「私は友達とお好み焼きを食べに来たんだよ」

「俺はここでバイトしてんの」

「響?この人は?」

俺が響と話していると小柄な女の子が響に話しかた。

未来(みく)!この人は律くんって言ってこの前知り合ったんだよ」

「そうなの?あ、初めまして小日向(こひなた)未来です」

「これはご丁寧にどうも、俺は音谷(おとや

)律だ」

響の友達にしては礼儀正しいな、響にも見習ってほしいものだ。

「なになに?ビッキーの彼氏さん?」

「まさか立花さんに彼氏さんがいたなんて驚きです」

「この前知り合ってもう彼氏だなんてそんなアニメじゃないんだから」

なんか他にもぞろぞろ入ってきた。

「えーと、響こちらの人達は?」

「私の友達!」

「いや、そう言うことじゃなくて……」

響をあてにした俺がバカだった。

のちに小日向が3人の紹介をしてくれた。

「なるほど右から安藤創世(あんどうくりよ)さん寺島詩織(てらしましおり)さん板場弓美(いたば ゆみ)さんでいいのか?」

「これからよろしくね、響の彼氏さん」

「よろしくお願いします」

「よろしく!」

「こちらこそ、あと響の彼氏じゃないぞ」

挨拶をすまし俺は注文をうけお好み焼きを焼く。

「ところで律くん、おばちゃんは?」

「ああ、なんか用事があるって言って今日はいないぞ」

「ええー!おばちゃんが焼いたのを食べれるって楽しみにしてたのにー、やっぱり私って呪われてるかも……」

「へえー、俺のは美味(うま)くないと」

確かにおばちゃんが焼いたお好み焼きは材料は同じはずなのに何故か俺が焼いたやつよりはるかに美味い。

「もう、響ったらそんな事言ったら音谷さんに

失礼でしょ?」

「そうだよビッキー、せっかく彼氏さんが焼いてくれたんだからさー」

「だから彼氏じゃないってさっきから言ってだろ……」

「そうだよね、よーし!律くん!じゃんじゃん焼いてよ!」

「焼くのはいいけど食えるのかおまえ」

「大丈夫!大丈夫!」

結局響はお好み焼きを5枚ほど食べて皆と帰っていった。あいつの胃袋どうなってんだよ。

「さてと、そろそろいい時間だし俺もあがるかな」

店の片付けをしてると店の扉が開いた。

「すいません、もう店を閉めるのでまた明日ご来店ください」

「けっ!こんな冴えないやつを連れてこいなんてフィーネも物好きなこった」

店に入ってきたのは銀髪の女の子だった。

「おいお前!悪いがあたしと来てもらうぞ、なんなら抵抗してくれてもいいが怪我したくねーならおとなくしくしてな!」

「いいよ」

「だよな、なら無理やりにでも……っていいのかよ!!」

「面倒な事は避けたいけどここで抵抗しておばちゃんの店を荒らされても困るしな」

「へっ!ずいぶんと物分かりがいいじゃねぇか、ならさっさと来やがれ!」

女の子がそう言った瞬間女の子の方から盛大に腹の音がした。

「…………腹減ってるのか?」

「うるせぇ!!いいから早くしろ!」

「まあ待て、ついていってもいいからまず飯を食え」

「お前には関係ないだろ!」

顔を赤くしながら女の子は怒鳴る。

「とりあえずまだ材料もあるし1枚焼いてやるか座って待ってろ」

「人の話を聞けよ!おい!聞いてんのか!」

そんな事を言いながらも座って待っているところを見ると根はいい子なのかもしれない。

「ほら出来たぞ」

お好み焼きを焼き女の子の前に置く。

最初は食べるのを渋っていたが空腹には勝てなかったみたいでいそいそと食べ始めた。

「にしても食べかたが汚いなお前、響ですらもう少しキレイに食べるぞ」

「余計なお世話だ!お前はあたしの親かなにかかよ!」

「頬にソースつけながら言われてもなぁ……」

俺がそう言うと女の子は顔を赤くさせながら腕で頬をぬぐった。

「ほら!食い終わったぞ!」

「わかったから外で待ってろ、お前が汚した机とか拭くから」

「っ!バカにしやがって!いいか!絶対にこいよ!逃げたらしょうちしねぇからな!」

そう言い女の子は扉を荒々しくあけて出ていった。

「で、どこに連れてかれるんだ?」

「お前本当はバカだろ?」

店をしめ外で待ってた女の子に話しかけるとあきれた顔でそう言われた。

「いきなりバカとは失礼だろお前」

「だってそうだろ!普通だったら逃げたりするだろ!」

「いや、逃げんなって言ったじゃん」

「たったそれだけで逃げなかったのかよ……」

女の子は信じられないといった顔で俺をみる。

「やめだ!やめだ!」

「やめだってなにを?」

「おまえを連れていくことをだよ!おまえみたいなのを連れていくとろくな事にならねぇ気がするからだ!」

「いいのか?」

「いいんだよ!あたしがそう決めたんだ!さっさとどこにでもいきやがれ!」

そう言ってその子は走ってどこかにいってしまった。

「なんだったんだ?あいつ……」

嵐のように過ぎ去った女の子を思いながら俺は家に帰ることにした。

 

「ただいま」

「遅い!いったいどこをほっつき歩いていたんだ!」

「なんで翼がいるんだよ……」

部屋に帰ると何故か(つばさ)がいた。

「決まっている!奏を連れ帰りにきたのだ!」

「律!助けてくれ!翼が無理矢理あたしを連れ帰ろうとするんだ!」

よく見ると奏が部屋の真ん中で簀巻きにされていた。

「ぜひ連れ帰ってください」

「律!?」

「ほら!音谷もこう言っているし帰るぞ!」

「嫌だ!あたしはここに住むって決めたんだ!」

「奏!いい加減にして!」

「いい加減にするのは翼のほうだろ!?」

言い争っている姿をみると姉妹みたいだなこの二人は。

「ていうか、なんで奏は俺の家にそこまでこだわるんだよ」

「そうよ!音谷の家になんでそこまでこだわるの!」

「だって翼と同じ部屋だと部屋が散らかるじゃねーか!いつも緒川さんに片付けてもらってるし」

(えっ!そうなの!?)

俺はちらっと翼のほうを見る。

「奏!それは誰にも言わないって言ったじゃない!しかもよりによって音谷に!」

「まあ、他にも理由はあるけどあたしは絶対に帰らないよ、翼」

「そう……なら私もここに住む事にしよう」

「なんでだよ!?」

「そうだぞ!翼!あたしと音谷の家だぞここ!」

「いや!本当は俺の家だけどな!?」

「私が奏を監視していれば間違いは起こらないだろ?それがダメなら無理矢理にでも連れ帰るぞ」

「くっ!わーたよ!翼も一緒に住もう」

「いや!なんで奏が決めるんだよ!俺の家だぞここ!」

「あまり神経質だと将来禿げるぞ?音谷」

「だから禿げてたまるか!あーもー!なんでこうなるんだよ!!」

こうしてツヴァイウィングの二人が俺の家に住むこととなった。

 

「家に美少女が二人いるって童貞にはキツイ状況だよな」

俺は自分の部屋にもどりベットに横になりながらそう呟く。

「そこらへんあのふたりは理解してんのか?」

しかも出会って一週間だぞ?一週間でその男と同棲っておかしいだろ。

「はあ、考えても仕方ないし風呂でも入るか……」

俺は着替えを用意し風呂に向かった。

「今日は疲れたな」

俺は服を脱ぎ風呂場の扉を開ける。

「奏?」

「ん?」

目の前から声が聞こえ前を見ると……。

「翼?」

目の前には翼がいた、風呂場であるため当然の如くお互いに全裸だ。

「きゃああああああああああ!!」

「ごめん!まさか誰かいるとは思わなかったんだ!」

「いいから!早く出ていけ!!」

翼は顔を赤くしながらそばにあった桶を俺に投げそれが見事に俺の顔面に直撃する。

「なんで……こうなるんだよ……」

その一撃で俺は意識を失った。

「ここは……?」

目が覚めると俺はリビングのソファに寝ていた。

「気づいたか音谷……すまない、まさかあんな事になるとは」

「いや、俺の方こそ悪かったよ」

「それでだな……、見たのか?」

「少しだけ、でも!あれは不可抗力だろ!」

「確認しなかった音谷が悪いだろう!?くっ、嫁入り前に男に裸を見られるとは……」

「ごめん……でも!湯気であんまり見えなかったから!安心してくれ」

「安心できるか!それに私だってお前の……その……見てしまったし……どうしてくれる!」

「まじかよ、もうお婿にいけない……」

俺は泣き真似をしながらそう言う。

「泣きたいのはこちらのほうだ!普通は逆じゃないか!?」

「だから悪かったてば!」

そのあとお互い今日の事は忘れるというとで話は落ち着き翼は部屋にもどり俺は風呂にはいる。

「ふぅ、本当に今日は疲れた……」

湯船に浸かりながらふと俺を連れていこうとした銀髪の女の子を思い出した。

「そう言えばあいつの名前聞いてなかったな……」

またあったときに聞けばいいか……。

そんな事を考えながら俺は風呂を上がり部屋にもどり布団にはいる。

(・・・なんで奏がいるんだよ)

布団入ろうとめくったとき下着姿の奏が気持ち良さそうに眠っていた。

「今日はソファで寝よう……」

俺は起こす気力もなくしぶしぶソファで寝ることになり次の日寝不足になったのは言うまでもない。

 




毎度のことながら四苦八苦しながら書いております。
この作品を見てくれている人達には感謝しかありません!見てくれている人達!ありがとうございます!
誤字脱字や感想があれはよろしくおねがいします


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悲劇と決意

遅くなり申し訳ない!
続きをどうぞ!
それにしても文章力がほしい……


(かなで)(つばさ)が一緒に住むようになった1ヶ月後弦十郎(げんじゅうろう)さんから大事な用事があるから至急来てほしいとのメールがあり俺は二課に向かっていた。

「二課に行くのはいいけど本部が女子高の地下だもんなぁ……」

前は車で連れてこられたからいいが今回は自力で向かうため二課の本部がリディアンどこにあるのかは知らない。

「メールでもどこにあるかは書いてなかったしな……」

(りつ)くんここでなにしてるの?」

俺がリディアンの正門前でうろうろしていたら(ひびき)が声をかけてきた。

「響お前二課がリディアンのどこにあるか知っているよな?」

「二課の場所?先生達がいる中央棟にあるよ?」

「いや、中央棟とか言われても外部の人間である俺がわかるわけないだろ?」

「それもそうだねなら私が案内してあげるよ!ついてきて!」

「いいのか?お前授業とかあるだろ」

「いいのいいの、人助けは私の趣味だから!」

響に連れられ俺はリディアンの中央棟まで向かう。

「ところで律くんこそ学校はどうしたの?」

「昨日なぜか退学になった……」

「うえぇーー!なんで!?」

「知らん、俺が聞きたいくらいだ」

そう俺は昨日学校の校長に呼びだされいきなり退学を言い渡され学校を追い出された。

「はあ、これから先どうしろってんだよ」

「あはは……でもいつか絶対に良いことあるよ!だから元気だして!」

落ち込んでる俺に響が励ましの言葉をくれる。

こういうときに限っては響の明るさが羨ましく思えるな。

「ありがとうな響、なんか元気がでた気がする」

「えへへ~、それはどういたしまして」

響と話ながら歩いていると中央棟らしきものが見えてきた。

「あれが中央棟だよ!」

「あれがそうか助かったよ響、今度なんかお礼させてくれ」

「じゃあ今度未来(みく)と買い物に行くから律くんも来てよ!」

「荷物持ちってところか?そんなのでいいなら喜んでいくよ」

「うん!それじゃあまたね!」

そう言って響はもと来た道を戻っていった。

「待っていたわよ、音谷(おとや)くん」

了子(りょうこ)さん、お久しぶりですね」

中央棟に入ると了子さんが待っていた。

「ごめんね~急に呼び出したりして」

「いえ、大丈夫ですよ、それより弦十郎さんは?」

「弦十郎君はいま忙しくてね、だから代わりに私が来たのよ」

「はあ、そうですか」

どうやら弦十郎さんはいないらしいどうせなら緒川(おがわ)さんとかがよかった、この人と二人きりだとなんか嫌な予感がしてしょうがないからな。

「んもう!私じゃ不満?まさかそっちのけがあったり?でも翼ちゃんと奏ちゃんと同棲しているしそう言うわけじゃないのよね」

「なんで知ってるんですか!!」

「女の勘よ」

女の勘って……しかも奏はともかくなんで翼もいるってわかるんだよ、やっぱりこの人苦手だ……。

「他にも~さっき響ちゃんとデートの約束していたのも知っているし音谷くんが昨日学校を退学になったのもしているわよ」

「良子さんっていったい何者なんですか……」

「ふふ、この何でもできる女の良子さんは何でも知ってるのよ」

本当に何者なんだよこの人は……。

「それで、俺を呼びだした理由はなんですか?」

「せっかちね~、せっかちな男はモテないわよ~」

「余計なお世話です早く教えて下さい」

「しょうがないないわね~、いきなりで悪いけど君には私達二課の保護下に入ってもらうわ」

「理由をきいてもいいですか?」

「君の体質よ、本来適合者本人が受ける絶唱の負荷(バックファイア)をその身に引き受けなおかつ死なない人間がなんの価値がないと思う?」

「つまり俺のその体質目当てに狙われるというわけですか?」

「そゆこと、君にはとても高い研究価値があるのよ、例えば君が他の何者かに捕まえられたりしたらあなたは確実に実験動物(モルモット)扱いよ」

「それは……笑えないですね」

了子さんの話を聞き苦笑いになりながらもそう答える。

「そ・こ・で!音谷くんにはこのリディアン音楽院に転入して貰うことになったのよ!そのために君の学校の校長に大金握らせて君を退学にしてもらったんだから!」

「いますごい聞き捨てならない言葉が!?俺って金で退学にさせられたのかよ!てか普通に転校扱いでよかったじゃん!」

「あまり細かいこと気にしてたら禿げるって言われなかった?」

「禿げてたまるか!なんでみんなして俺に禿げるって言うんだよ!」

本当に禿げそうな気がしてきたぞストレスで。

「もう話は通してあるから明日からリディアンに通ってちょうだいね」

「通うもなにもここ女子高じゃないですか!制服とかどうするんですか!」

「それもこちらで用意するわ、スカートとズボンどちらがいいかしら?」

「ズボンでお願いします!スカートとか選択肢にいれなくてもいいじゃないですか!」

「そう、残念ね…」

「本当に残念そうな顔しないでください!」

そんなこんなで俺はリディアンに通うことになった。

 

「ったく、了子さんの悪ふざけも直してほしいな……ん?あれって」

二課からの帰り道にそんなこと言いながらも歩いているといつぞやの銀髪の女の子をみつけた。

「久しぶりだな、こんなところでなにしてんだよ」

「あたしがどこで何をしていようとあたしの勝手だろ、それよりお前こそなにしてんだよ」

「それこそ俺の勝手だろう?」

「言うようになったじゃねぇか、前の時とは大違いだな」

相変わらずと言った口調で女の子は言葉を返す。

「暇なら俺と話さないか?」

「あいにく毎回お前に構ってやるほどあたしも暇じゃねぇんだよ」

「そうか、じゃあ俺帰るからおまえも暗くならないうちに帰るんだぞ?」

「だから!お前はあたしのなんなんだよ!」

「・・・顔見知り?」

「ほぼ他人じゃねぇか!」

「なあ、そんな怒鳴って疲れないか?」

「怒鳴らせてるのはどっちだよ!?」

この前と同じように女の子は顔を赤くさせながら怒鳴る。

「そういえばお前の名前知らないんだよな、俺の名前は音谷律、お前の名前は?」

「はあ!?なんでお前にあたしの名前をおしえなきゃなんねぇんだよ!」

「ならいいや、せめて俺の事はお前とかじゃなくて名前で読んでくれ、せっかく名前教えたんだし」

「マイペースすぎるだろ!本当に調子が狂うやつだな!・・・しょうがねぇから教えてやる、あたしの名前はクリス……雪音(ゆきね)クリスだ」

「いや、さっき教えないって言ったじゃん」

「いちいち細かいんだよ!禿げるぞ!」

「お前もか!?お前もなのか!?なんだそれ!流行ってるのか!?」

クリスまでにも言われた……くそ!なんだよ!どいつもこいつも禿げる禿げるって言いやがって!!

「ど、どうしたんだよ急に……大丈夫か?」

急に叫びだした俺にクリスが心配そうに声をかけてくる。

心配してくれるあたりやっぱりクリスはいい子なのかもしれない。

「気にすんな、それよりクリスはなんか用事があったんじゃないか?行かなくていいのか?」

「お前がちょっかいかけてくるからだろ!?やっぱりおまえになんか関わるんじゃなかったぜ」

「そんなこと言うなって俺たち友達だろ?」

「いつからあたしはお前と友達になったんだよ!あーもー!あたしは行くからな!」

そう言ってクリスは走っていってしまった。

 

「ただいま……誰もいないのか?」

クリスと別れ家に帰ると珍しく誰もいなかった、普段なら奏か翼のどちらかがいるんだけどな。

(まあ、コンビニに行っているとかそんな感じだろ)

俺はそう思いテレビのつけソファに座る。

(相変わらず部屋が汚い、どうしたらこんなに汚くなるんだよ……)

最近はリビングまでにもあの二人の私物が散乱している。

(はあー、片付けるか……)

部屋を片付けようとした俺に弦十郎さんから電話がかかってきた。

「弦十郎さん?どうかしたんですか?」

「音谷くんいまどこにいる」

「家ですけど?」

「緊急事態だ、今から指定するポイントまで来てほしい」

「わかりました、でも俺なんかいてもなんの役にもたちませんよ?」

「助かる、君のような一般人を巻き込んでしまってすまない」

弦十郎は場所だけを俺に伝え電話を切った。

「いったいなんなんだよ、しかもこの場所って俺がさっきクリスと別れた場所の近くじゃねえか」

俺は携帯をしまいすぐにその場所にむかった。

 

「弦十郎さん達は……!」

指定された場所につき周りを見渡すと弦十郎さん達が響も一緒にいた。

「緊急事態ってなにが……翼!?」

弦十郎さん達に駆け寄るとそこには血塗れの翼がいた。

「いったいなにがあったんですか!?」

「音谷くんか……先ほどここで戦闘があった、それで翼は絶唱をつかいこのような状態になっている、すでに応急処置はすませたが早くちゃんとした治療を受けないと命が危ういだろう」

「なら早く病院に連れていかないと!」

「落ち着くんだ音谷くん、すでに手配はすんでいる」

動揺している俺と違い弦十郎さんはひどく落ち着いた様子だったが俺にはそれが気にさわった。

「落ち着け?翼がこんな目にあっているのに落ち着けだと!?弦十郎さんは翼の叔父なんですよね!なんでそんなに落ち着いていられるんてますか!!」

「それが司令としての対応であり大人としての責任だ……」

それでもと弦十郎さんに食って掛かろうとしたが弦十郎が血がでるほどの強さで拳を握っているのをみて言うのをやめた。

「ごめんなさい音谷くん、私がもっと強かったら翼さんはこんな風にならなかったのに、私が翼さんの足を引っ張ったせいで……」

そんな俺に響がひどく落ち込んだようすで俺に謝ってきた。

「響……」

そんな響に俺は言葉を返す事ができず二課の救護班がくるまで重たい沈黙がその場を支配していた。

 

「弦十郎さん頼みがあります」

翼が手術室に運ばれたあとあることを伝えに弦十郎さんの所にきてた。

「音谷くんのほうから俺に言いたいことがあるとは珍しいな」

「今回の戦闘はノイズだけではなく相手は人間だったってことを了子さんから聞きました、俺を……俺を鍛えてはくれませんか!」

「駄目だ、君は一般人だ戦わせるなどできない」

「それでも!今回みたいになにも出来ないのは嫌なんです!!お願いします!弦十郎さん!!」

「・・・わかった、ただし俺の特訓は厳しいぞ?」

「ありがとうございます!」

喜ぶ俺をみて弦十郎はやれやれといった感じで肩をすくめていた。

「ちなみに響君も一緒にやるぞ」

「響もですか?」

「ああ、君より先に俺のところにきて戦い方を教えてほしいとな、では日程は後から俺が伝える今日はもう帰るといい」

そう言ってくれた弦十郎さんに俺は頭を下げ部屋を出ていき家に帰った。

 

 

 




相変わらず難儀しながら書いております。
誤字脱字などありましたら報告お願いします!


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強さの意味

いやー最近忙しくてなかなか書けませんでしたがやっと続きを投稿です。
この作品を読んでくれる人たちに最大の感謝を!!


「これで強くなれてるのかな?」

弦十郎(げんじゅうろう)さんに特訓を願い出て三週間が過ぎた頃に俺は悩んでいた。

「ここにきてからずっと飯食って映画見て寝て時々ハードな体力トレーニングってスケジュールだったもんな」

たかだか三週間で劇的に強くなれるとはおもっていなかったが弦十郎さんいわく男の鍛錬はそれで十分らしい。

「なら実際に体感してみるか?」

「弦十郎さん!」

そんな事を呟いていたら後ろに弦十郎さんがいた、どうやらさきほどの呟きを聞かれていたらしい。

「ちょうど(ひびき)君の特訓も今日で最後だからな二人の成果をみてもいい頃だろう」

そう言って俺は弦十郎さんに連れられて庭に出ると響がすでに待機していた。

「二人ともまずはこのサンドバッグを特訓で教えた通りにおもいっきり殴ってみてくれ、まずは響くんからやってみろ」

「はい!師匠!」

そう言われて響がサンドバッグの前に立ち構えをとる。しかしいくら響がシンフォギア装者とはいえギアを纏っていない状態だとただの女の子と同じくらいだろうと俺は思っていたが……。

「嘘だろ……」

俺は自分の目を疑ってしまった、なぜなら響が

殴ったサンドバッグは庭にある池までまるで映画やアニメみたいにぶっ飛んでいったからだ。

「うむ! さすがだ響くん!」

「押忍!!」

「いや!押忍じゃねぇよ!」

当たり前のようにしている二人に俺はつい突っ込んでしまった。

「わっ!急にどうしたの?律くん?」

「どうしたの?じゃねぇよ!おかしいだろ!普通に考えて!」

「そうかな~?師匠はもっとすごいよ?それに!律くんもこれぐらいできるよ!師匠に鍛えてもらってるんだから!」

響はさも当然といったように言ってきた。てか弦十郎さんこれ以上かよ……。

「そうだぞ、さあ次は音谷くんの番だ」

「あれ見た後に俺ですか……」

俺は気を重くしながらサンドバッグの前に立ち構えをとりサンドバッグに拳を打ち込む。

「まじでか……」

俺が殴ったサンドバッグはぶっ飛ぶ所か拳を打ち込んだ所から破裂した。

「まあ、当然といった所か」

「すごいよ!律くん!」

まさか本当にあの鍛練方法でここまで強くなれるとはおもっていなかったんだが……。

「よし、次は響くんはギア纏ってみてくれ」

「ギアをですか?わかりました!」

そう言われ響はギアを纏ったその瞬間から俺の身体に力がみなぎるような感覚がした。

「音谷くんなにか変わったことはないか?」

「なんか力がみなぎるのような感じがします」

俺は感じた事を弦十郎さんに伝えた、その事を聞いた弦十郎はやはりかといった顔をしていた。

「これはどういうことなんですか?」

「俺も詳しくはわからないが了子(りょうこ)君が言うには君の体質は聖遺物から発せられる力を吸収し身体能力などに影響がでるらしい、そして理論上シンフォギア装者がギアを纏って近くにいる時のみノイズとの戦闘も可能だという事だ」

「つまり響達がいれば俺もノイズと戦えるってことですよね」

「そうだと言いたいところだが……」

俺は思わぬノイズとの戦闘能力を得れた事に喜んだが弦十郎さんの言葉を聞き異変に気づいた。

「なるほど……こういう事ですか……」

喜んだのも束の間俺の身体に激痛が走る。

「ああ、聖遺物の力に適合者でもない人間が耐えられる訳がない、つまり君は彼女らと共にノイズとは戦えない」

「律くん!大丈夫!?」

倒れた俺に響がギアを解除し駆け寄ってくる、

響がギアを解除した途端に先ほど激痛は嘘みたいにおさまった。

「だが音谷くんノイズとは戦えなくてもノイズ以外からなら君は誰かを守れる力を手に入れた、それは君が俺に鍛練をつけてほしいと願い出た理由のはずだそれを忘れずこれからも鍛練を続けてほしい」

痛みで倒れてた俺に弦十郎さんはそう声をかけてくれた。

「そうですよね、弦十郎さん!これからもお願いします!」

「うむ!その意気だぞ!音谷くん!」

「ちなみに弦十郎さんだとさっきのサンドバッグはどうなるんですか?」

「俺か?俺はだな…………」

そのあとは俺はこの人は次元が違うことを思い知らされた、どうやったらサンドバッグが空の彼方に飛んでいくんだよ。

 

弦十郎さんとの鍛練の期間を終えてついにこの日が来た……来てしまった……。

「今日は皆さんに紹介したい人がいます」

教室からこれから担任になる先生の声が聞こえる。どうやら俺の説明をしているらしい。

「それでは音谷さん入ってきてください」

「ええい!どうにでもなれ!」

そう言って俺は教室の扉を開け教室に入った。

「皆さん初めまして音谷律です、今日からこのリディアンで皆さんと共に勉強させてもらいます、よろしくお願いします」

そう俺は女子高のリディアン音楽院に転入したのだった。

「うええ!律くん!なんで!どうして!律くん女の子じゃないよ!?」

自己紹介が終わった途端に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「お前と一緒のクラスかよ響……」

声の主はやっぱりというかなんというか案の定響だった。多分了子さんあたりがこうなるようにしたのだろう。

「疲れた……」

「大変だったね律くん」

あのあとリディアンの子達に質問責めされくたびれて気がつけば昼休みになっていた。今は響の誘いで響達と昼飯を共にしている。

「それで?どうして男の人の音谷さんがリディアンに?」

「えーと、それはだな……」

小日向(こひなた)に問われ俺は戸惑う、二課がらみとは言えないからな。

「俺も急な話だったからなー詳しくはわかんないなーあはは……」

「ふーん、そうなんだ」

小日向は納得はしていないみたいだったがこの話から引いてくれた。

「そんな事より律くん!この前の約束覚えてる?」

この空気を壊すかのように響が話かけてきた。

本当に響の性格には助けられるところが多いな。

「この前の約束?買い物に付き合うってやつか?」

「そう!今度(つばさ)さん達と買い物にいく約束してたんだ!律くんも来てよ!」

「女の子ばかりの買い物なんかいけるか!」

「ええー!絶対楽しいよ!行こうよ!」

「いや、楽しいとかの問題じゃなくて……また今度じゃ駄目か?」

そう問題はそこじゃない、響と小日向だけならまだしもツヴァイウイングの二人がいる買い物なんかについていけるか!スキャンダルまっしぐらだぞ!

「約束したのに…………」

「音谷さん……」

落ち込む響とこっちを責めるかのように見てくる小日向。やめろそんな目でこっちみんなよ。

「あーもう!わかったよ!行けばいいんだろう!行けば!」

「本当に!わーい!ヤッター!!」

俺が行くといった途端元気になってまったく現金なことでなによりだよ!!

「ところで律くんなんで最初は嫌がったの?」

「そりゃあ奏達がくると色々大変だろ?男の俺がいると」

そう言って俺は自販機で買った缶コーヒーを啜る。

「えー!でも翼さん達と一緒に住んでるのにそれはいいの?」

「ブハッ!ゲホッゲホッ!響お前それ誰に聞いた!」

響の発言に思わず飲んでたコーヒーを吹き出し口を拭いながらも響に問いただす。

「うわぁ!え、えーと奏さんからかな?」

奏かよ!あれほど周りには言うなって念を押しておいたのに!!帰ったら説教だ!まったく!

そんなたわいのない話をしながら昼休みは過ぎていく、その後午後の授業を終え下校時間になり俺はある場所にむけて歩いていた。

着いた場所はいま翼が入院している病院だ。

「翼調子はどうだ……っておい!」

「ん?音谷!?なんでここに!?」

部屋に入り目にうつったのは下着姿の翼の姿だった。

「なんでそんな格好してるだよ!」

「着替え中だ!むしろなんでノックも無しに部屋にはいってくるんだ!あのときもそうだったが狙ってやってるんじゃないだろうな!!」

「んなわけあるか!あーもう!着替えが終わったら声かけてくれ!」

俺はそういい急いで部屋を出た。一緒に暮らしているからだろうかまるで家族に接する感じで部屋を開けてしまった。翼の言うとおりノックしないのは悪かったな……あとで謝ろう。

「もういいぞ、音谷」

少し時間がたち部屋から声をかけられ俺は部屋にはいる。

「さっきは悪かった……」

「それはもういい、次からは気をつけてくれ」

「そうか、それよりも体の方はもういいのか?」

「ああ、明日には退院できるそうだ」

「それならよかった」

そこで会話が終わり部屋にへんな空気が出来てしまう。

(こんな時はなにを話せばいいんだろうか?)

女性経験どころか前の学校で友人すらろくにいなかった俺はこういう時どうしていいかわからなかった。

「そ、そうだ一つ聞きたいことがあるんだけどいいか?」

俺は前から気になっていたことを翼に聞くことにした。

「なんだ?」

「なんで響に対して強く当たってたんだ?」

「それは………………」

俺に聞かれた事に対し翼は黙りこんでいた。

俺も弦十郎さんから聞いた話だったが翼は響のことを嫌悪しているようだとそう言っていた。

「嫌なら話さなくてもいいぞ?」

「いや、言おう。私は立花の事が許せなかったのだ」

「許せない?どうしてだ?」

「立花の力は元々奏の力だった、2年前の事で奏は命こそとりとめたが二度とギアを纏うことができなくなってしまった」

「それは響は関係ないんじゃ…………」

「それに関しては私もどうも思ってない、私が許せなかったのはあの子の覚悟のなさだったのだ」

「覚悟のなさ?」

「そうだ、奏は血反吐を吐きながらも命懸けでガングニールの力を得た。だがあの子は偶然ガングニールの力を得てましてや遊び感覚でノイズとの闘いに望んでいた」

「遊び感覚って響はそんな奴じゃ!」

「わかっている!でも私がそう感じてしまったのだ!」

「翼…………」

「しかし元々の原因は私の力不足のせいだ、奏のことも今回のことも…………」

そう言い翼は悔しそうに拳を握っていた。

なるほど翼らしいといえば翼らしい考えだがその考えには賛同できない。

「自分の力不足か、なあ翼残念だけどそれは違う」

「違わない!私にもっと力があれば……だから私はあの日から己を剣として鍛えてきた!」

「そうか、だけどその考えだといつかかならず折れるどこかでポッキリとな」

「なんの力も持たない音谷に何がわかる!!知った風な口を聞くな!」

おおう、その言葉は俺の心をかなりえぐるぞおい。

「確かに俺はお前や響みたいにノイズと戦う力をもっているわけでもない、せいぜい人間相手にしか戦えないしお前たちの足手纏いにしかならないだろうな」

「だったら!」

「でも!お前たちをノイズ以外からなら守れる力をつけた!もう誰も傷つけさせないなんて大それたことは言えないけど俺の手が届く範囲でならって俺はそう思っている」

翼の声を遮るように俺は言葉を続ける、我ながら恥ずかしいセリフいっているのはわかっている。

「一人の力なんてたかが知れてるでもお互いに助け合って補いあえば助けられる方法なんていくらでもあるんだ!お前たちがノイズから俺達を守ってくれるなら俺は他の脅威からお前たちを守ってやる!」

今時アニメとかでしか言わないセリフを次々という俺はだいぶおかしいのだろうか。

でもここまで言わないと翼は納得してくれないだろう。

「音谷…………」

「自分が力不足と思うなら周りを頼れ!剣を握るその手で他の誰かと手を繋いでみせろ!まずはそこからだろ?」

「そうだな、まったく私は何を一人で躍起になっていたのだろうな…………」

「だろ?それに奏もきっと俺と同じ事を言うと思うな」

「ずいぶんと奏の事をわかっているような口振りだな?言っておくが私の方が奏とは付き合いが長いのだぞ、なにせ両翼揃ってのツヴァイウイングだからな」

翼は得意気な顔で俺にそう言ってくる。そんな事とうに知ってるよ。

「ありがとう音谷、なにか私の中で吹っ切れたような気がする」

「そいつはよかった、じゃあ俺もそろそろ帰るよ」

「そうか気をつけてな」

俺は部屋を出るさいにあることを思い出した。

「あ、そうそう、なんか響と今度買い物にいくんだろ?俺も行くことになったからよろしくな」

「なっ!?音谷も来るというのか!!おい待て!!」

俺はそう叫ぶ翼の声を後に部屋を出てツヴァイウイングのもうひとりがいる家にむけ歩き出した。




いやー相変わらずぐだぐたな展開ですが書きたいものを書けて自分は満足です。
誤字脱字などあればご報告おねがいします!


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