Fate/GO_PLUS (スペシャルターボマン)
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CHAPTER ZERO/BURNING POLLUTEDCITY
Fate/GO_PLUS-#0:PRELUDE OF ORDER
宇宙世紀0080、未だどこかに神秘が残されたソラの時代。人類史の上で最悪の戦争と目された一年戦争終結の翌年。旧時代における国際連盟―地球連邦政府直轄組織、人理継続保障機関「カルデア」はある事象を観測した。
―0082以降の人類史消滅、即ち人類種の絶滅。この報告を受けた連邦政府はこれを危惧し直ちに極秘指令、『グランドオーダー』を発令。特殊技能第3連隊とペガサス級『スレイプニル』をカルデアに差し向けた。
一方でカルデア側でも|エーテル体で構築された身体を持ち令呪で縛られた『従者』《サーヴァント》を御することが出来る魔術師―マスターを集め、来るグランドオーダーに備えていた。
白い艦体の強襲揚陸艦、スレイプニルが極南の空を航行する。
Sleipnir:こちら連邦宇宙軍所属、ペガサス級『スレイプニル』。作戦コード・グランドオーダー。カルデア入港を求む。繰り返す。作戦コード・グランドオーダー―
Chaldea:こちら人理継続保障機関「カルデア」、作戦コードを受理。入港を許可する。
カルデア本館構造物の建つ雪山、その中腹頃に設置された艦艇用大型偽装ゲートが開く。
Sleipnir:了解。
前方に2つ、大きく張り出したカタパルト・デッキ先端の受光部にゲート内部から送信される誘導レーザーがグレーのロービジリティ・カラーに塗装された軍馬を導く。
Sleipnir:入港シーケンス開始。自動誘導システム起動。誘導レーザー受信。
少しずつゲートと艦の距離が縮まる。各部の姿勢制御スラスタは絶え間なく、しかし一瞬のみ火を吹かしゲート内に進入していく。
Chaldea:こちらカルデア管制、入港シーケンス完了を確認。艦体固定作業に入る。お疲れ様でした。
同時刻。日本。佐世保連邦海軍極東基地より1機のミデア型大型輸送機が飛び立とうとしている。
「―み、君。聞こえているか?」
「ぅ、え、はい!」
「ならいいんだが。もうすぐフライトだ、シートベルトを締めておけ。私は岸波ハクノ、少尉でモビルスーツのパイロットをやっている。君、名前は?これからしばらく共同生活なんだ、一応聞いておきたい。」
「ええと、ボクは―」
―ここからすべてが始まる。すべては白紙に戻された。既に賽は投げられ、新しい冠位指定が始まる―
「さ、こんなものかな。」
「これはグランドオーダーでありグランドオーダーではない。」
「この物語はきっと、君達の想像を上にも下にも大きく裏切ることだろう」
「見届ける覚悟はあるか?」
「―よろしい。言質は取ったからな」
「私は...そうだね、ストーリーテラーと名乗っておこうか」
「前奏曲はもう終わった。さぁ」
「オーダーを始めよう」
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Fate/GO_PLUS"INTERLUDES
PLUS"INTERLUDES《APLIL FOOL01》
「や、また会ったね諸君。ストーリーテラーだ」
「さて、このお話について3つ、注意事項を伝えておこう。」
「まずひとつ。オリジナルキャラクターがいる。―まぁこれはタグにもあるし、よっぽどいいとは思うが。」
「そしてふたつ。オリキャラが原作キャラに好意を向けているという表現がある。」
「そしてみっつ。とうのオリキャラがまだ本編に出てきていない。―ま、この文は彼が本編に出たら消去するが。」
「このお話を読み進め上でこの3つを念頭に入れておいてほしい。」
「『一向に構わない』、という人はこのまま読み進めてくれたまえ。そうでない人はブラウザバックを勧める。」
「―じゃ、始めようか。プラスされた幕間を―」
4月1日二十三時五十九分。カルデアの1区画。休憩室にて―
「あーあ、エイプリルフールも終わりかよ…鯖パーツコンプできなかったじゃねーかぁ」
支給品のタブレット端末を片手に持ちながら銀髪の青年―アルフレッド・アロウヘッドがぼやき、紙コップに入ったインスタントコーヒーをぐいと飲み干す。
「心残りだよなぁ~...」
「あら、アヴェンジャー。居たのね」
これまた銀髪の女性―カルデア所長、オルガマリー・アニムスフィアがマイマグを片手に休憩室へやってきた。
「居るぜ?」
「そう、よかった」
マグカップにコーヒーを注ぎ、椅子に座るオルガマリー。暫く静寂が続く。
「マスター、コーヒー冷めちまうぞ」
「猫舌なの―ねぇ、アヴェンジャー...いえ、アルフレッド」
「なんだよ、いきなり畏まって」
へらへらと笑みを浮かべ茶化すようなアルフレッド。しかし直後、その笑顔は驚愕に変わる。
「好きよ。」
一言。しかしそれは女性経験に乏しく、さらにオルガマリーに好意を抱いていたアルフレッドにとっては非常に重く、強く、それでいて嬉しい言葉であった。
「...あー、マスター。」
腕時計に目を落とし、日付が変わってさらに少し経っていたことを確認する。
「エイプリルフールは、もう―」
「知っているわ。」
トドメの一撃。みるみるアルフレッドの顔が赤く染まり、顔には驚きと喜びの相が現れる。
「マジで?」
「えぇ。」
クスリと何かを含んだ笑顔を向けるオルガマリー。しかし童貞を拗らせているアルフレッドは含まれているそれに気づかず、あまつさえその笑顔を意味を誤認する。
「ぉ、おおおおおお、おあぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!」
突如叫び始めるアルフレッド。椅子が倒れるのにも構わず立ち上がり、勢いに任せ走り去る彼をオルガマリーは―
「...バカね、『LOVE』って決まってるわけじゃないのに」
と、からかう様な目で見ていることを、アルフレッドは気付く由もなかったのである。
Fin
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