ハリーポッターと選ばれし者 (泉澪)
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幕開け&お勉強編
私は髙橋 カナメ。黒髪黒目のどこにでもいるようなごくごく普通の13才の女子だった。そう、ごくごく普通の家庭に生まれて、ごくごく普通に友達が出来た。ただ1つ、他の人と違うところをあげるとすれば、ハリーポッターの大ファンというだけで。
そんな私だったけど、おそらく人生最大の普通じゃない事が起こった。2度と帰ることのできない旅に出かけたのだ。川の向こうへのね。つまり、死んだって事。
死因は、中学校から家に帰る途中、トラックに跳ね飛ばされた事。もちろん、トラックをパンチしてくれる赤い猫が現れるわけもなく、スーパーマンが現れるわけでもなく、私の尊き命は塵と消え去った。激痛の中、私の意識は薄れていった・・・
次に目が覚めたとき、目の前にはシルバーブロンドの女の人がいた。
「わたしは音楽の女神、アーリア。今日はそなたの願いを叶えてやろう」
「え?どうしてですか?」
「そりゃぁ、抽選で当たったから・・・」
「はぁ。抽選・・・ですか・・・」
「と、とにかく!なんでも好きな願いを叶えてやろう!」
「じゃあ、生き返らせ・・・」
「あ、それ無理」
「はい?もう1回言ってくれません?」
「生き返らせんのは、無理だって言ってるのよ!」
なんか、突然女神アーリアの口調が変わった。ギャルっぽいんですけど。
「なんでも好きな願い叶えてくれるんじゃないんですか⁉︎」
「何言ってんのよ?今のあんたは、魂だけなの!」
なんかさっきっからふわふわしたような気分だったんだけど、魂だけだったのかぁ。今気づいた。
「それがなんの関係があるんですか?」
「だーかーらー、体が傷ついてなければまだ戻れるけど、あんたの体は傷だらけだから、戻れないの!」
「あ、そーなんすか。じゃ、どんな願いなら叶えられるんですか?」
「好きな世界に転生させて、とか・・・」
「好きな世界?」
「そ。例えば・・・19世紀のホームズの世界に行きたい、とか・・・あ、ただし、未来には行けないからね」
「じゃ、じゃあ!ハリー・ポッターの世界に転生させてください!」
「分かった。目を閉じなさい」
私は言われた通り目を閉じた。そういえば、どうして音楽の女神がやってんだろ?ピアノとか習ってなかったし。
そして突然私の意識はとんでいった。
目を覚ました。
私をのぞきこんでいたのは・・・瞳の色がエメラルドグリーン色で、真っ白な肌、 金髪をした、とっても綺麗な綺麗な人だった。
「
へ?シリウス?シリウスの娘っすか。ってか、シリウス結婚してたっけ?
「本当だ!
目は君にそっくりだし、顔立ちは僕と同じだ。
この子は将来、美人になるぞー!」
といって、黒髪のシリウスは私に向かって微笑んだ。
「しー、シリウス、ここ病院よ。そんな大声出しちゃダメ」
「ごめんごめん。ついつい嬉しくってね」
たしかに、全身から喜びのオーラが漂ってきている。
「それに、この子の名前、なににするの?」
「そうだ!僕、女の子が生まれたらこれにしようって思ってたんだ・・・ティアナはどうだい?」
「そうね。とってもいい名前だわ。それじゃあ、ミドルネームは、お祖母様の名前からとって、シャインでどう?」
「うん。それじゃあ、この子は今から、ティアナ・シャイン・ブラックだ!」
そして、1981年 5月2日に私のティアナ・シャイン・ブラックとしての人生が始まった。
____________________________________
母と一緒に入院しているとき、私の父は、シリウス・ブラックだということが明らかになった。
あ、そうそう。私はなぜか英語を理解できていた。もしかすると、前世で習っていた英会話のおかげかもしれない。もしそうなら、習わせてくれたパパママに感謝。
それと私、ティアナの母は、エレオノーレ・ホワイトというらしい。
____________________________________
私が生まれてから多分1〜2日たったとき。私は突然母を失った。
これは後で聞いた話だけど、私の母、アリスは、幼い頃から病弱だったらしい。私を産んだ時も、病気を患っていたんだとか。最近は、だいぶ具合も良かったんだけど、私を産んだ後、体調が急変し、そのまま亡くなってしまった。
普通なら、シリウスは育てることを拒否したっておかしくない。だけれど、シリウスは私をロンドンのグリモールド・プレイス12番地にあるお屋敷に連れて行き、屋敷しもべ妖精のクリーチャーと一緒に、愛情込めて育ててくれた。 クリーチャーは母が優しく扱ってくれたのか、すっごい柔らかくなっていた。だけど、そんな楽しい日々は長くは続かない。
ある日、シリウスは家を出ていった。親友を殺したも同然のペティグリューの居場所を突き止め、その仇討ちをしに行くらしい。どうなるかわかっていたので私は止めたかったけれど、今の私は所詮は幼児。どうすることも出来なかった。そしてやはりシリウスは帰っては来なかった。
___________________________SIDE. ダンブルドア
そのころダンブルドアは、「記憶」を見ていた。
憂いの篩にはシビル・トレローニーが写っていた。
『黒と白が交わるときに産まれた、前のときを知り、驚異の魔力を持つ娘は生き残った男の子の支えとなり、結束して闇の帝王を打ち滅ぼすであろう』
_____________________________SIDE.ティアナ
時は過ぎ、私は3才になった。
やることがない。ヒマだ。身の回りのことはすべてクリーチャーがやってしまうからである。このままホグワーツに行くまでの約8年間、このまま過ごしているにはあまりにももったいない。というわけでホグワーツに行くまでにやっておきたいことを考えておく。
え〜っと。守護魔法とか、攻撃魔法とか、やりたいなぁ。かっこいいもん。それに、守護霊の魔法とかもやりたいよね。それにそれに、せっかくハリポタ世界来たんだから、動物もどきになりたい。あとあと、開心術とか、閉心術とかもやりたい!あ、そうだ!1度はクィディッチやってみたいし、飛行の練習しよっと。う〜んと、発明しちゃったりとか、出来るかな?電気で動物つくったりとか、守護霊よりも強い守護魔法とか。楽しみやな〜。明日は、とりあえず本とか杖とかを探してみよっと。
なんて考えている私をほっといて、夜はだんだんふけていくのでした。
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翌日、私はクリーチャーにも手伝ってもらい、ばか広い屋敷から以下のものを見つけ出した。
•大鍋 2個
1個は大きな穴が開いていて使える状態ではなかった。
•薬瓶 3セット
1セット、何やら得体の知れない液体(血?)が入っていたので処分した。
•魔法薬キット 2セット
どちらもほとんど使われていなくて、新品同様だった。ありがたく使わせてもらう。
•ホグワーツの教科書 1セット
これは図書室で見つけた。裏にレギュラス・ブラックという名前が書いてあるから、多分シリウスの弟の物だったのだろう。
ちょっと古いが、十分参考になるだろう。
•杖 4本
4本の中で最も良かったものにした。黒い杖で、私が杖を振ったとき、花壇の花が冬にも関わらずすごい速さで伸び、花が咲いたんだ。
•箒 2本
箒の評判はよくわからないものの、2本共いい箒だということだけは分かった。
柄に銘柄(?)が入っていたので、名前は分かった。
1本目は黒色で、ブラックバードというやつ。
2本目は白と金で、ホワイトテールという。
気に入った方に乗ることにする。
•スリザリンのロケット
これはヴォルデモートの分霊箱なので、もちろん付けず、箱に入れておいた。
•普通のハンドバック
『検知不可能拡大呪文』をかけて、ダイアゴン横丁に持っていく。
他にもたくさん見つかったが、書いているとキリがない。
しかも、そのほとんどが危険なものだったので処分した。
かくして、私は平日の午前中に図書室で調べ物をして、午後に実践練習をすることになった。週末は、午前中には飛行訓練、午後は自由時間。大抵私は、図書室に驚くほどたくさんあった物語を読んでいた。おかげで毎日朝までグッスリである。
_____6ヶ月後____________________________
私は無事最上級の護りの術をクリアし、箒も普通に飛べるようになり、ポリジュース薬他簡単な薬は楽々作れるようになった。そして、まだ守護霊に言葉を持たせることはできないけれども、一丁前に作れるようになっていた。 守護魔法は、結構得意だと思う。
まあ、まだ動物もどきは全然ダメなんだけどね。
ちなみに、私の守護霊は鷲だった。鷲にしては、小柄な方かな。それと、飛行訓練はホワイトテールを使うことにした。色が気に入ったから。
_____3年後_____________________________
5月2日。私は7才になったのだ。クリーチャーが大好物のケーキをたくさん焼いてくれた。そのおかげで、チョーハッピー!
私は一通りの攻撃魔法(ホグワーツ卒業レベル)を全て習得し、守護霊の術もクリアした。
動物もどきの練習もはかどっているし、多分9才の誕生日までには必ずなれる
だろう。
そうそう、誕生日はクリーチャーが祝ってくれた。
_____1年後____________________________
5月2日。私の8歳の誕生日。
動物もどきは、だいぶできるようになったんだけど、詰めが甘い。しっかり出来るようにしたいなぁ。
フランス語を覚えることにした。まだ先だけど、「炎のゴブレット」で、フラーが来るでしょ?ペラペラになっておきたいから。
_____そのまた1年後 ____________________________
5月2日。私の9才の誕生日。
私は動物もどきになった。何になるかどうか楽しみだったけど、結局のところ守護霊と同じだった。
やった!・・・かな?鷲ってあんまりよく知らないけどネズミ捕まえるの得意でしょ?猛禽類だし。これで・・・捕まえられる!!(はず)
飛行はもうほとんど技ができるようになった。
それと、許されざる呪文、忘却術、悪霊の火まで難なく使えるようになったし、
姿現し、姿くらましも普通に出来るようになった。
あ。そうそう、1年前から勉強してたフランス語。喋ることはできるようになった。私、語学の才能あるのかも〜。
クリーチャーからお料理を習うことにした。前世ではほとんど出来なかったから・・・最初は目も当てられなかったけど、クリーチャーの教え方が上手いので、だんだん上達していっている。
_____2年後_____________________________
5月2日。待ちに待った私の11才の誕生日。今年こそホグワーツに行く年である。早く手紙こないかなぁ。多分だけど7月ぐらいにくるのだろう。
楽しみ♪
フランス語は、読み書きも完璧にできるようになった。字の上手さは別として。
それと、7年ぐらい頑張った結果、閉心術、開心術は普通にできるようになっていた。あんまり気分良くはないけど。
自分で発明した魔法も少しはあるぜ!へへ〜ん。(ドヤ顔)一応表にしておくね。
1.「デファンドール・プロテッジェーレ!〇〇よ、現れよ!」
これは、護りの魔法最上級・守護霊よりも強い護り魔法。呼び出したい動物の名前を言うんだけど、やっぱ、守護霊の動物の方が強い。私だったら鷲、ハリーだったら牡鹿、みたいな感じ。巨人とか小人とかも召喚できる。でも、結構魔力使うから、私でも最長7時間ぐらいかな。
2. 「カーラント・カピニオン!〇〇、出でよ!」
こっちは、電流魔法。知らない人も多いと思うけど、これは、私が考えた名前だから仕方ないと思う。まあとにかく話を戻すと、これは、動物を召喚する。ただし、普通の動物じゃなくって、全身が電流で出来ている。これに襲われたら・・・想像はやめる。グロいのは、苦手だもん。こっちも同じく巨人とか妖精も召喚できる。そして、召喚した本人、または自分の味方には危害は加えられない。あとあと、大小も変えられる。見上げるほど大きいのも呼び出せるし、手のひらに乗る程小さいのも呼び出せる。主人の敵を排除した、と悟ったら、消える・・・と思う、多分。
3. 「インウォカーティオ!」
これは、ただの召喚魔法。1の魔法と違って、実体がある。頭にイメージした動物が召喚される。で、実体があるから、攻撃もできるし、もちろん乗ることもできる。結構便利よ。最後に、お礼を言うと、消える。
これらの3つの魔法は、大きいものだったら、1〜2匹ぐらいしか呼び出せないけど、小さいものだったら、それこそ100、すごい人だと3000ぐらいは呼び出せると思う。まぁ、あんまり使い道ないけど。ちなみに、私の最高記録は、753匹。目標は1000なんだけど。あ〜あ、全然ダメだなぁ。もっと練習しなきゃぁ。
お料理の方は、簡単な料理なら楽々できるようになった。結構、美味しく作れると思う。まぁ、クリーチャーの足元にも及ばないんだけどね。クリーチャーは屋敷しもべ妖精だから、慣れてるからあそこまで美味しく作れるんだよ・・・と、自分を慰めながら、ベッドに入って、ぐっすり眠った。最近、寝るのが早くなった。ベッドに入って、4秒後にはもう眠ってる。ある意味、進歩してるのかな?そんなことを思う暇もなく、眠りに落ちてしまった。
ティアナの母についての情報は後から出てきます。
次はダイアゴン横丁にお買い物に行きます。ティアナのペット、何にしよっかな。
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賢者の石編
みんなで楽しくお買い物
1991年7月10日。ロンドン グリモールドプレイス12番地では輝くような金髪でエメラルドグリーン色の瞳をし、真っ白な肌をした、十分美少女の部類に入るであろう少女がたった今空から飛んできたフクロウに駆け寄った。
数分後、フクロウはまた空へと帰っていった。はたから見ればおかしな光景であろうが、その近所の住民たちはその光景を見ることもない。
なぜなら、屋敷の主人が屋敷の周りにこれでもかっというほど厳重な守護呪文やなんかをかけたからだ。
_______________________side. ティアナ___
私はたった今学校のコノハズクが届けてくれた手紙を読んでいる。
クリーチャーは私が自分で手紙を受け取ったので、何か言いたそうだったけど、諦めたのか何も言ってはこなかった。私は居間のソファの上に座り込み、早速封を開いた。そこには、
【 親愛なるブラック殿
この度ホグワーツ魔法魔術学校にご入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。
教科書ならびに必要な教材のリストを同封いたします。
新学期は9月1日に始まります。
尚、一年生の箒の持参は許されていないので、保護者はご確認願います。
敬具
ホグワーツ魔法魔術学校 副校長
ミネルバ・マクゴナガル】
読み終わったとき、ほぅっとため息が漏れた。一応魔力があることは分かっていたが、こうして入学許可の手紙を見ると、安心する。
「やっと入学できるのね。ああ、9月1日が待ち遠しい」
「それは何よりでございます、お嬢様。ところで、教科書はいつ買いに行きますか?」
「そうねぇ。出来るだけ早く行きたいから7月21日に行きましょう」
「21日ですね、分かりました」
________7月21日____________________
私はベッドの上で目覚めた。
いつもは7時ごろ起きるんだけど、今日は6時ごろ起きて、クリーチャーが作っておいてくれた朝ごはんを食べ、淡いピンクのワンピースに着替える。そして、『検知不可能拡大呪文』をかけた愛用しているハンドバックを持って、クリーチャーと一緒に『付き添い姿くらまし』した。次の瞬間、漏れ鍋にいた。
店を出てレンガのアーチをくぐるとそこは…
「うわぁ」
思わず歓声をあげてしまうほど騒がしく、色にあふれた場所だった。
さすが魔法使いの世界だと思うほど、マグルの世界には絶対にないはずの
おかしいと言おうか、変と言おうか、とても面白い店がたくさんあった。
目移りしてしまいそうだが、一番初めにグリンゴッツに行ってお金を引き出す。お金がないと何も買えないからね。
扉を開けて中に入る。そこには、たくさんのゴブリンがいて、仕事をしていた。壁には、あの歌(?)があった。
【見知らぬ者よ 入るがよい
欲の報いを 知るがよい
奪うばかりで 稼がぬものは
やがてはつけを 払うべし
おのれのものに あらざる宝
わが床下に 求める者よ
盗人よ 気をつけよ
宝のほかに 潜むものあり】
たしか、潜むものってのは、ドラゴンだったっけ?
トロッコに乗り金庫へ。トロッコはジェットコースターみたいで楽しめた。
流石はブラック家。金庫に入って、中を見たとき愕然としてしまった。だって、金貨、銀貨、銅貨がざっくざっく。キラキラ光っていて、眩しい位だ。
帰りもトロッコに乗って、暗い銀行を出た。
ここからは、クリーチャーとは別行動をとることにした。クリーチャーには教科書のリストを渡し、書店で教科書と本を買ってきてもらい、私は杖と制服のローブとペットなどを買うことにした。
まずは一番近かった[オリバンダーの店]に行って杖を買う。
薄暗い店の中に入ると、誰もいないように見えた。
突然声がする。ビックリした。心臓に悪い・・・早死にするぞ・・・
「ようこそ。わたしがオリバンダーです」
「こんにちは。私はティアナ・ブラックと言います。
今年ホグワーツに入学するので、杖を買いにきたのですけど」
「では、拝見しましょう。杖腕はどちらですかな?」
「右です」
そう言って腕を差し出すと、魔法がかかっているらしき巻き尺が、勝手に私の鼻の穴の大きさを測り始めた。失礼な巻き尺ね。そう思って叩いた。すると、ちょっとよろっとした後、正常に腕の長さとかを測り始めた。
そして測り終わるとともに、オリバンダーさんが一本の杖を差し出す。
「では、まずこれを。
檜にカラスの尾羽。27cm。頑固」
言われるままに受け取り、振ろうとした瞬間、オリバンダー翁に奪い取られた。
「だめだ。
では、次にこれを。
ケヤキにユニコーンの尻尾の毛。31cm。しなやか」
これも振るか振らないかのうちにひったくられた。
その後10分位試したけれど、決まらない。だんだんオリバンダー翁の背後に杖の箱が重なっていく。だけど、重なっていくのに、嬉しそうな顔をしている。
「さぁ、これを。
モミに鷲の羽。30cm。柔らかい」
促されるままにとって、振ってみる。すると、最初の杖に選ばれたときのように、店中の観葉植物が枝を伸ばし、花を咲かせる。
「その杖は、変身術に適しています。
今まで拒み続けていて、もう選ばれる者はいないかと思っておりましたがな。
あなたが選ばれたのですね」
そうか、これは変身術に適しているのか。私は、攻撃魔法や守護魔法は得意だけれど、変身術が苦手だったから、ちょうどいいかも。そう思いながら、私は代金の9ガリオンを支払い、店を出て制服を買いに[マダム・マルキンの洋裁店]に向かった。
私はローブを3着、冬用マントを1着、三角帽子を1個購入して、店を出た。
次は鍋を買う為に、[鍋屋]に向かう。錫の大鍋と材料をはかるための秤も一式、真鍮製の折り畳み式の望遠鏡も買い、材料を買うために[薬問屋]に向かった。そこは原作にもある通り、鼻がひん曲がりそうなくらい臭く、また面白いところだった。私は基本的な材料を買い、店を出た。もう気持ち悪くなってきたからだ。
さて、最後はペット。フクロウか、猫か、ヒキガエルだけど、何がいいかな。
まず、ヒキガエルはないとして(両生類は苦手です)フクロウか猫。う〜ん。やっぱ、猫かな。白い猫。ペルシャとか。前世でも、飼ってみたかったんだよね。まぁ、飼えなかったんだけどね。その前に死んじゃったから。
気を取り直して私は[魔法動物ペットショップ]に向かった。そこは、私が知っている、どのペットショップにも似てはいなかった。
白うさぎは、ポンと音をたてながらシルクハットに変身して、また戻ってを繰り返してるし、黒ネズミは、自分のしっぽで縄跳びをしているし。
「こんにちは、お嬢ちゃん。ペットをお求めですか?」
と店の主人らしき人が声をかけてきた。
「えぇ。猫を飼いたいんですけど」
「ああ、猫なら、こちらです」
といって、店主は、店の奥へと入っていった。もちろん、ついていったよ。
そこには、猫がたくさんいた。私は、一番最初に目が合った猫を買うことにした。白い子猫で、なんだか賢そうだ。右目が金色で、左目はグリーン。所謂オッド・アイってやつだね。
「あぁ、その子猫かい?お嬢ちゃん、見る目あるね。
その猫は、とても賢くてね。時々、こっちの言葉を理解しているんじゃないかと思えるぐらいにね」
「じゃぁ、この子とキャットフードをもらいます」
「はいはい、しめて、10ガリオン3クヌートです」
私は代金を払い、店の外に出た。真白いフワフワの子猫を抱えて。
[漏れ鍋]に向かう。この子の名前を考えながら。
[漏れ鍋]に入った。もうすでにクリーチャーは着いていて、待っていてくれた。そこから私たちは『付き添い姿くらまし』でグリモールド・プレイスに戻った。
ベッドの中で考え、ようやく名前が決められた。目が、太陽みたいにキラキラしてるから、ソーレにする。
「これからよろしくね、ソーレ」
「ミャ〜」
ってか、ほんとに賢いな〜。私より賢かったりして(汗)
ティアナのペットは、白いフワフワの猫に決まりました!白い毛皮に、金色と緑色のオッド・アイ。とっても可愛いです。どんな種類かは分かりません。雑種・・・なのかなぁ?まだ仔猫。メスです。
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9と4分の3番線
side. ティアナ
1991年 9月1日
ついにこの日が来たのね。私は今マグルでごった返している、マグルの駅、キングズ・クロス駅を、トランクとソーレを入れたケージと、どうしても私から離れてくれなかった、フクロウのアガサをのせたカートを押しながら歩いている。
あ、もうちょっとで汽車が出ちゃう!急いで私は改札口にある柵に突っ込んでいった。そこには、別れを偲ぶ生徒とその親たちがいた。汽車の最初の2、3両はもう生徒でいっぱいだった。
ほとんどの生徒が、窓から身を乗り出して家族と話したり、席を取り合ったり、友達とカエルチョコのカードの交換をしたりしていた。
私は最後尾まで行って、やっと空いているコンパートメントを見つけることが出来た。そして、アガサとソーレの入ったケージとトランクを汽車の中に押し上げた。そして、私も汽車の中に入り、そのコンパートメントのドアを開けた。そこには、ハリーと、ロンが座っていた。
「ごめんなさい。ここ、空いてるかしら?他は、どこもいっぱいで」
と聞くと、ハリーもロンも、快く頷いてくれた。なので、私は荷物をおいて、ハリーの向かい側に座った。ちょうどその時、汽車が動き始めた。
原作通り赤毛でのっぽのロンが自己紹介を始めた。
「僕、ロナルド・ウィーズリー。
みんなからは、ロンって呼ばれてる」
すると、ハリーが、
「僕はハリー・ポッター」
と、名前だけの自己紹介をした。
私も負けじとばかりに、
「私はティアナ・サイン・ブラック。
ロン、ハリー。仲良くしてね」
と言った。
「「うん。よろしくね」」
と、いいお返事。それにしても、息ぴったりだな。この2人。
私は、来るまでずっと不機嫌そうだったソーレをケージから出して、耳の後ろをかいてやる。すると、唸ってたのに、たちまち静かになった。(アガサは羽根に顔を埋めて眠っていた)すると、それを見てロンが、
「君は2匹もペットを連れて来たのかい?」
「ううんと。このフクロウのアガサは、もともとは家にいたんだけど、今日になって私からどうしても離れなくて。仕方なく連れて来たのよ。
で、この子猫は、ソーレって言うのよ。ハリーもロンも、どんなペットを飼っているの?」
すると、ロンは上着のポケットから、太ったネズミを引っ張り出した。グッスリ眠っている。
「スキャバーズって名前だけど、役立たずなんだ。
寝てばっかりいるし。僕の兄さんのパーシーは、監督生になったから、フクロウを買ってもらったんだ。だから、こいつはパーシーのおさがりさ」
お。とうとう出て来たか。ペティグリュー。ソーレが、スキャバーズに手を出さないように、私はソーレを抱きかかえた。
すると、今度は、ハリーが、
「僕は、フクロウを飼ってるんだ。 名前は、ヘドウィグ。
ホグワーツの森番のハグリッドからの誕生日プレゼントなんだ」
「へぇ、そうなんだ。綺麗なフクロウね」
「ありがとう」
____________________________________
12時半ごろ、車内販売が来た。
「何かいりませんか?お菓子もジュースもたくさんあるわよ」
私は、もうお腹ペコペコだったので、昼食を買うため、財布をハンドバックから取り出して、勢いよく立ち上がった。ハリーもね。
私とハリーは、カエルチョコやらかぼちゃパイやらかぼちゃジュースやらを買った。私とハリーが空いている席にどさっと置くのをロンは目を見開いて眺めていた。
「2人とも、そんなにお腹空いてるの?」
「「ペコペコだよ」」
私は早速大鍋ケーキにかぶりつきながら、ハリーはかぼちゃパイを食べながら言った。
「それに、ロンも食べるでしょ?私、今までお菓子を分け合える友達って、いなかったのよ。だから、食べてよ。いいでしょ、ハリー?」
「うん、もちろん」
それから、私はカエルチョコの包みを開けた。だけど、開け放されていた窓から、逃げて行ってしまった。
そして、有名な魔女・魔法使いのカードだけしか私の手元には残らなかった。
「なんのカードだい?僕、アグリッパがないんだ」
と、ロンが覗き込んで来る。と、ハリーが怪訝な顔で、
「なんだって?」
「ああ、そっか。君、知らないんだよね......
チョコを買うと、中に、有名な魔女とか魔法使いのカードが入ってるんだよ。
それを、みんな集めてるのさ。僕、500枚ぐらい持ってるんだけど、アグリッパがまだないんだ」
ハリーとロンは早速カエルチョコの包みを開け始めた。
ほんと、男の子ってこういうの好きだよね〜。
私は、カードに目を落とした。アルバス・ダンブルドアと写真の下に書いてある。私はカードを裏返し、裏を読んだ。
{アルバス・ダンブルドア
現ホグワーツ校 校長。近代の魔法使いの中で最も偉大な魔法使いだと言われる。特に、1945年、闇の魔法使い、グリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の12種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名。}
次に、バーティー・ボッツの100味ビーンズを食べた。私は、1つ目にミミズ味に当たってしまい、急いでかぼちゃジュースで飲みくだいた。その時、私は心に誓った。もう、絶対100味ビーンズは食べないと。あとは、食べる気力もなくなりすべてハリーとロンにあげてしまった。
コンパートメントをノックして、丸顔の男の子(多分、ネビル)が顔をのぞかせた。
「ねぇ、僕のヒキガエルを見なかった?
いなくなっちゃったんだよ」
私たちが首を振ると、
「そう。もし見かけたら、教えてね」
といって、男の子は出ていった。
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「それにしても、眼鏡がボロボロよ、ハリー。ちょっと貸して」
私は、ハリーから眼鏡を受け取り、杖を取り出して、ハリーとロンが見守る中、杖先でポンポンと2回ほど叩き、
「レパロ」
と唱えた。すると、金色の粉が舞い散り、次の瞬間、ハリーの眼鏡は新品同然になっていた。
私はその眼鏡をハリーに返した。ロンが驚いた様子で、
「ティアナ、きみ、魔法が使えるの?」
「ええ。まぁ、すこしだけど」
「ありがとう、ティアナ。すっごく見やすくなったよ」
「僕も、ジョージから教えてもらった魔法を知ってるよ。
やって見せようか__見てて」
ロンはトランクを引っ掻き回して、杖を取り出した。あちこち欠けていて、端から何やらキラキラしたものが飛び出している。
「ユニコーンのたてがみがはみ出してるけど、気にしないことにしよう」
いやいや気にした方がいいだろう、それは。
「かして」
そう言って杖をかしてもらう。
「レパロ」
私がそう唱えると、ロンの杖は新品同様になった。
「ありがとう、ティアナ。さっきよりもずっといい」
ロンが杖を振り上げた途端、またコンパートメントのドアが開いた。ネビルが、今度は栗色のフサフサ髪の女の子を連れて現れた。その子は、
「こんにちは、誰かヒキガエルを見なかった?ネビルのがいなくなったのよ。あら、魔法をかけるの?それじゃ、見せてもらうわ」
と、言う。
「あ〜、いいよ」
ロンは杖でスキャバーズを指し、
『お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。
このデブで間抜けなどぶねずみを黄色に変えよ』
と唱えた。でも、なにもおこらず、スキャバーズは相変わらずねずみ色。
「あんまりうまくいかなかったわね。私も練習のつもりで簡単な呪文を試してみたことがあるけど、みんな上手くいったわ。私の家族に魔法使いは1人もいないの。だから授業についていけるように、教科書はもちろん全部暗記したわ。それだけで足りるといいんだけど.....
私、ハーマイオニー・グレンジャー。ホグワーツの新入生。あなた方は?」
ということを、ハーマイオニーは息継ぎなしで言いきった。やはり、ただ者ではない。
「僕、ロン・ウィーズリー」
「ハリー・ポッター」
「私は、ティアナ・サイン・ブラック。
よろしくね、ハーマイオニー」
「ええ、よろしく」
ネビルは、その間ずっと泣いていた。そのことに気づき、私も流石に可哀想になって、
「ネビル、あなたのペットって、何ガエル?」
「?ヒキガエルだけど・・・」
私は、杖を振って、
『インウォカーティオ トォーノ』
と唱えた。すると、光に包まれながらシェパードのトォーノが現れた。
「トォーノ、ちょっとネビルのペットのヒキガエルを探してきてくれない?」
「ワン!」
トォーノは、一声鳴くとコンパートメントを飛び出して行った。
ハーマイオニーが、
「見つけられるのかしら」
と言った直後、ヒキガエルをくわえたトォーノが、向こうから飛んで来た。
「ありがとうね、トォーノ。おかげで助かったわ」
そう言って、頭を撫でると、トォーノは光に包まれて消えた。
「はい、あなたのペットのヒキガエルって、この子でいい?」
「うん。ありがとう、ティアナ。トレバーに違いないよ。
僕、ネビル・ロングボトムって言うんだ」
「よろしくね、ネビル」
「すごいのね、ティアナって。もっと話してみたいけど、もう行くわ。
ローブに着替えないと。あなたたちも、もう着替えたほうがいいわよ。
もうすぐ着くと思うから」
「あ、ハーマイオニー。私も、あなたのコンパートメントで着替えていい?」
「ええ、もちろん」
私は、ローブとソーレを抱えてハーマイオニーについて行った。
ハーマイオニーのコンパートメントで着替え中、ホグワーツについて、知っていることを言い合った。
「私、〈ホグワーツの歴史〉って本をもってるの。その本に、詳しくホグワーツの歴史が書いてあるのよ。例えばホグワーツは4人の創始者が造ったとか。
だから、4つの寮に分かれてるんだと思うわ。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンっていう風にね」
「組み分けが楽しみね」
「うん」
沈黙が訪れてしまう。その沈黙を破るようにハーマイオニーが、
「この子猫、可愛いわね。緑と金色の瞳をしてる。なんていう名前なの?」
「この子、ソーレっていうの。ほら、目が大きくて、キラキラ光ってて、太陽みたいじゃない?」
「へぇ。確かにね。いい名前ねぇ」
「ありがとう。それに、飼い主の私が言うのもなんだけどね、結構賢いのよ。時々、私の言葉を理解しているような気がするの」
と言った時、タイミング良くソーレが
「ミー」
と鳴く。
私とハーマイオニーは、思わず顔を見合わせて微笑んだ。
「じゃぁ、また後でね」
私もハーマイオニーも着替えが終わり、私は元いたコンパートメントに戻った。私が戻ってきた時、もうとっくのとうにハリーとロンは着替え終わっていた。
「あ、ティアナ、もうすぐ汽車がつくから、荷物まとめたほうがいいよ」
私は慌てて、トランク、アガサの入った鳥かご、ソーレの入ったケージ、愛用のハンドバッグを持って立ち上がった。私の用意が終わったのを見計らって、もうすでに準備が終わっていた、ハリーとロンも立ち上がった。
そして、私達は汽車を出た。これからの学校生活に期待しながら。
ソーレ、ナイスタイミング!ハーマイオニーと仲良くなれました。(多分・・・)
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湖と歓迎会
「イッチ年生はこっち!イッチ年生はこっち!」
というハグリッドの声に導かれるようにして、1年生たちは、ぞろぞろとそちらの方へ歩いて行く。私達が近づいて行くと、
「よー、ハリー元気か?」
と生徒たちの頭の上から笑いかけてきた。それにしてもでかい。多分、3m以上あるだろう。半巨人だというのもわかる気がする。
「さぁ、ついてこいよ。___もう他にはイッチ年生はいねぇかな?」
と言って、周りを見回した後、
「足下に気ぃつけろ。いいか。よし、イッチ年生はついてこい!」
私達は、暗い道をつまずいたり転んだりしながら進んで行った。
もう5分くらい歩いたかと思われる頃、突然前を歩いていたハグリッドが振り向いて、
「みんな、もうすぐホグワーツに着くぞ!この角を曲がったらだ」
「うぉーーー」
一斉に声が湧き起こった。そこは、暗い湖のほとりで、向こう岸に高い山がそびえ、その上に大きな城が見えた。ハグリッドは、予め用意されてたボートに一人で乗って、こちらに向かって、
「5人ずつボートに乗って!」
私は、たくさん用意されていたボートのうちの1隻にハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビルと一緒に乗る。
「すっごい綺麗なお城よね」
ハーマイオニーは夢見がちに言う。
「そうだね」
ハリーも同意した。
「うん、早く行きたいなぁ」
ネビルが幻想的なお城を見ながら答えた。
「僕は、組み分けの方が待ち遠しいよ」
ロンは笑顔で言った。
「ところで、みんな、どこの寮に入りたいの?」
ハリーが切り出した。
ネビルは、
「僕は、グリフィンドールに入りたいんだ。だけど、とても、入れそうにないよ」
ハーマイオニーは、
「私は、グリフィンドールかレイブンクローに入りたいかな」
ロンは、
「うちは、僕の兄さん達が全員グリフィンドールなんだ。
これで僕がスリザリンだったら、なんて言われるか、想像もしたくないよ」
ハリーは、
「僕もスリザリンは嫌だなぁ。
だって、ハグリッドから聞いたけど、あのヴォル___あっごめん__「例のあの人」もスリザリンだったらしいし」
私は、
「私も、ハーマイオニーと同じく、グリフィンドールかレイブンクローがいいわ」
「ふーん、そうなのね」
これはハーマイオニー。
「一緒の寮になれるといいね」
と、これはハリー。
「ところで、ロン。あなた、兄弟全員合わせて何人いるのよ?」
〜雑談は省略します〜
5人でなんだかんだ話していると、やっとボートが着いた。
引率の人がハグリッドから厳格そうな顔つきのマクゴナガル先生に変わる。
マクゴナガル先生から説明があった。
「1年生の皆さん、入学おめでとうございます。
私は変身術を担当している、ミネルバ・マクゴナガルです。
これからあなた方は大広間で組み分けを行います。
4つの寮___グリフィンドール、レイブンクロー、ハッフルパフ、そしてスリザリンのうちのどの寮に所属するかを決める、大事な儀式です。
ホグワーツにいる間、寮生が皆さんの家族、寮の談話室が皆さんの家となります。
ABC順に名前を呼ばれたら前に出てきてください」
私はBだから、結構はやいなぁ。
「それでは、入場します。着いてきてください」
大広間の中には数え切れないぐらいの数のろうそくが立ち並び、大広間を明るく照らし出していた。
上を見てみる。天井なんてないみたいに、満面の星が輝いている。
誰かが、感嘆したようにため息をしていた。
その気持ち、わからなくもない。だって、すっごく綺麗なんだもん。
テーブルは4つに分かれていて、多分4つの寮に分かれているんだと思う。
そこに座っている先輩たちが、こっちを興味深そうに眺めている。
その奥のテーブルは、先生方が座っている。
真ん中のダンブルドアの席の前に椅子が置かれ、その上に古ぼけ、汚ならしい帽子が置かれていた。
全員が入場し終わると、そのとんがり帽子が口らしきものを開けて、
歌を歌い始めた。すっごく綺麗な声で。え〜っと、多分、アルトって言ったんだと思うけど。そんな感じの低い声で。
歌の内容をまとめると、こんな感じ。
「グリフィンドールは勇気ある者、
ハッフルパフは誠実な者、
レイブンクローは賢い者、
スリザリンは狡猾な者が行くところ」
というようにそれぞれの寮についての紹介をしていた。
ちょっと長かったものの、歌い終わった時、みんな拍手していた。
いよいよ組み分けかぁ。私はどこの寮になるんだろ。
ハーマイオニーやロンたちと同じだといいなぁ。
Aの子が全員組み分けされ、とうとう私の番になる。
「ブラック・ティアナ」
私の名前が呼ばれた時、大広間中がザワッとなった。
どうしてだろ。
私は気にせずにその帽子の乗っている椅子に向かって歩いて行った。
椅子に座って、帽子をかぶる。
『ふむふむ。君には、才能がある。だからどの寮に入っても、偉大になれるだろう。
だが、一番大事なことは、君がどの寮に入りたいかだ。
君はどの寮に入りたい?』
「私は___やっぱりグリフィンドールに入りたいです」
「よろしい。それでは、
グリフィンドール!」
私はこうしてはれてグリフィンドール寮の一員となったわけである。
あ、そうそう。ドラコ・マルフォイはもちろんスリザリン、ハーマイオニー、ロン、ハリー、ネビルもグリフィンドールで、原作通りだった。
新入生全員の組み分けが終わった時、ダンブルドアが立ち上がり、あいさつをした。
「おめでとう!新入生の諸君、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、
言わせてもらいたい。そーれ!
わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」
私はおもわず吹き出してしまったけれど、そんな人は少数だった。ほとんどの人は歓声をあげ、拍手をしていた。
あっけにとられた。
なぜなら、今までピカッピカに磨き上げられた、金色の大皿にいつの間にやら食べ物でいっぱいになっていたからだ。それも、ローストチキンにローストポークにローストビーフに、ローストポテトにステーキにアクアパッツァに....
どれもこれも、私の好きなものばかりだ。
でも、イギリスの料理はまずいと聞くので、私はまずローストビーフを1枚とって、一口食べてみた。まぁ、クリーチャーの料理は美味しかったんだけど。
「うまっ」
思わずそんな言葉がもれてしまうほど美味しかった。
私は早速ローストチキンやらローストポークやらを皿に盛りつけた。
「そんなに食べるの?」
「うん!だって、ここの食事、美味しいんだもん」
「まぁ、たしかに美味しいけど、それは食べ過ぎじゃない?」
ハーマイオニーが呆れたように言うと、ハリーまで、
「さっき、汽車の中であれだけ食べてたのに...」
と言う。そうかと思えば、ロンも私の皿を見て、目を丸くしている。
「みんな、大げさだよ。他の人だって、たくさん食べ...」
私は周りを見回した。私と同じくらい食べてる人を探す。
ううう。確かに少ない。ちょっとはいるけど、一年生ではいない....。
「...てない...」
その答えを聞いて、ハーマイオニーは、
「そうでしょ?やっぱりね。あなた、食べ過ぎよ」
ふ、ふーんだ。
「私、いっつもこれぐらい食べてるんだけど...」
「そ、そのカロリーはその細い体のどこにいくの...」
と言って、ハーマイオニーは私の身体をながめまわした。
その後、「ほとんど首無しニック」の登場など色々あったけど、省略。
全員がお腹いっぱいになったところで、食べ物は消え去って、
次の瞬間デザートが現れた。
ありとあらゆる味のアイス、アップルパイ、糖蜜パイ、エクレア、ドーナツ、
ゼリー、果物、チョコパイ...などなど。
私は全てとった。ハリーは糖蜜パイが気に入ったらしく、そればっか食べていた。ハーマイオニーはバニラアイスとアップルパイを食べているところだったが私の皿を見て、目を大皿のように見開いた。
「そんなに食べられるわけ?さっきも相当食べてたのに...」
「うん!デザートは別腹よ♡」
そう言うと、ハーマイオニーもロンもハリーも、化け物でも見るかのような目でこっちを見てきた。うう。マジで泣くぞ。
そんなこんなで歓迎会は終わり、監督生でロンの兄のパーシーに連れられて、寝室に向かった。
「ふわぁぁ」
誰のかもわからないあくびがした時を境目に、みんな、
「ふわぁぁ」 「ふわぁぁ」 「ふわぁぁ」
と、あくびをし始めた。いやぁ、あくびって感染するものなんだねぇ。
この時、始めてそのことに気づいた。
抜け道を2、3回ぐらい通った時、やっと談話室についた。原作通り、入り口にかかっている、「太った婦人」の肖像画に合言葉を言って通してもらうらしい。
合言葉は、「カプ〜ト ドラコニス」。覚えとかないと。
寝室へは、談話室から女子・男子に分かれて階段を登って行くらしい。
寝室についた。4人部屋で、私はハーマイオニー、ラベンダー、パーバティと相部屋だった。私達は、パジャマに着替え(もうトランクとかの荷物は運び込んであった)挨拶もそこそこにベッドに入って、その夜はすとんと眠ってしまった。
ソーレは、かんっぺきにリラックスして寝てた。それはもう、どっちの為のベッドだよってつっこみたくなるぐらい。
主人公は、無事グリフィンドール寮に!ありがちといえば、ありがち・・・?ちなみに、シリウスもエレオノーレも、グリフィンドールです。
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ホグワーツ最初の日
新しい朝が来た。私は、開け放してあった窓から差し込んできた、日の光で目を覚ました。
朦朧とした目でベッド脇の小机の上に置いておいた時計を見ると、まだ6時半。起きるには早い。だけど、私は二度寝すると起きられないので、私はあくびをひとつして、ベッドから出た。隣でぐっすり眠っているソーレを起こさないようにね。
他の3人はまだ眠っているらしく、掛け布団が盛り上がって...ると思ったら、そうじゃなかった。よく見ると、ハーマイオニーはもう起きているらしい。私は、部屋を見回してハーマイオニーを探す。
あ!ハーマイオニーは、ブラシで髪を整えようとしているらしい。
「ハーマイオニー!」
私は、ハーマイオニーに声をかけた。
「な、な〜に?」
「なにしてるの?」
「私、見ての通り癖っ毛だから。毎朝毎朝、寝癖がすっごいついちゃって。
髪を整えるのに苦労するのよ」
「へぇ〜」
「ティアナは、寝癖とかつかないの?」
「う〜ん。私はあんまし。ウェーブはかかってるけど、意外にサラサラだよ」
私達は、話をそこで切り上げ、私は着替えを、ハーマイオニーはそのまま髪の手入れをした。
私が制服を着て、授業の準備を終えた時、ちょうどハーマイオニーも髪の手入れを終えたらしく、私達は一緒に行くことにした。
肖像画の穴を出て、大広間に向かう。まだほとんど誰もいない。
私達はグリフィンドールのテーブルに座った。
私はゆで卵2個、トースト3枚、ホットケーキ2枚を皿にとった。隣に座って、トーストに苺ジャムを塗っていたハーマイオニーが、私のお皿の中身を見て、目を大皿のように見開いた。あんた、そのリアクション、昨日今日で2回目よ。
「朝なのにそんなに食べれるの?」
「ハーマイオニーこそ。そのぐらいしか食べないの?お腹空いちゃわない?」
「これが、ふつうよ...」
〈省略〉
朝食を食べ終えた私達は、最初の変身術の授業のことを話しながら教室に向かった。途中で、ハリーとロンに会った。
無駄に階段が多く、抜け道も多いこの学校で迷ってしまったらしい。だって、142もの階段があるらしいし。私達は、そこらじゅう探してみたんだけど、結局始まる直前に教室に着いた。
授業が始まった。そこからが大変だった...というのがハリーとロン、他の人の感想なのだが、私とハーマイオニーの敵ではなかった。
まずマクゴナガル先生が、
「まずは変身術の基礎として、マッチ棒を針に変えてもらいます。何故変身術の基礎としてこれを行うのか、分かる人はいますか?」
ほぼ同時に私とハーマイオニーの手が上がった。
「では、ミス・ブラック、どうぞ」
「はい。変身術はその対象が大きくなればなるほど難易度が上がり、非生物よりも生物の方が難しくなります。さらに、姿形がよく似ている方が変化した後をイメージしやすいため難易度が下がります。そのため、小さく、かつ形が似ているということで、マッチ棒を針に変えることが変身術の基礎なんです」
「すばらしい説明です。ミス・ブラック。グリフィンドールに5点あげましょう。
それでは、始めましょう」
みんなが一斉に呪文を唱え始めた。
いやぁね。教科書暗記してるハーマイオニーと、変身術が苦手だといっても一応ホグワーツ卒業レベルまでマスターしている私はできたよ。だけどね〜。周りの人達(ハリーやロンたち)は出来なかった。燃やしちゃう人、粉々にしてしまう人、煙を上げてしまう人...いろんな人がいた。
最終的には、私とハーマイオニーしかできなかった。マクゴナガル先生は、グリフィンドールに一人ずつ5点として、10点くれた。
次は、魔法薬。魔法薬の教室は、地下室にあって、薄暗くてジメジメしていた。わし鼻のスネイプ先生が、暗がりに立っていた。
魔法薬学は、グリフィンドールとスリザリンの合同授業。おかげで、火花を散らして睨み合う、マルフォイとハリーの間に座らなければならなかった。
私が二人の中に立って苦戦を強いられている時、スネイプが出席を取り始めた。
「ハリー・ポッター...あぁ我らが新しいスターだねぇ」
彼は、ハリーの名前を呼ぶ時、皮肉たっぷりの笑顔で言った。
その後、スネイプは、ハリーに向けて、
「アスフォルデの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」
当然、ハリーは答えることができない。というか、クラスのほとんどの人がそうだろう。クラスで2人、私とハーマイオニーしか、答えを持ち合わせている人はいないはずだ。なにしろ、まだ授業を受けてすらいないのだから。
私とハーマイオニーの2人だけが手を挙げていたが、スネイプは見向きもしない。
「わかりません」
「チッチッチ___有名なだけではどうにもならんらしい」
マルフォイたちは、身をよじって笑っている。私は、イラっとした。
「ポッター、もう一つ聞こう。ベゾアール石を探してこいと言われたら、どこを探すかね?」
「わかりません」
「モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」
これはひっかけ問題。モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物だから、違いはない、はず。
この質問でハーマイオニーはとうとう椅子から立ち上がり、地下牢の天井に届かんばかりに手を伸ばした。
「わかりません」
「ティアナとハーマイオニーが分かっているみたいだから、彼女たちに聞いてみてはいかがでしょうか?」
あぁぁ....減点されちゃうよぉぉぉ...
「座りなさい、グレンジャー。手を下げなさい、ブラック。
教えてやろう、ポッター。アスフォデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬となる。そしてベゾアール石はヤギの胃から取り出す石で、大抵の薬に対する解毒剤となる。モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物で、別名をアコナイトとも言うが、トリカブトのことだ。どうだ?諸君、なぜ今のをノートに書きとらんのだ?」
いっせいに皆、羽ペンと羊皮紙を取り出した。その音にかぶせるようにスネイプが言った。
「ポッター、君の無礼な態度で、グリフィンドールは1点減点」
最初に作るのは、簡単なおできを治す薬。私はハーマイオニーとペアを組んだ。どうやらお気に入りらしいマルフォイ以外の生徒に注意していた。私とハーマイオニーのペアにも注意しようとしたらしいが、完璧に調合していたので、注意はされなかった。
作り終えた。周りを見回してもまだ誰も終わっている人はいない。
あ!そういえば、ネビルが大鍋溶かしちゃうんだよね。私は後ろを振り向いた。そこでは、ちょうどネビルが、大鍋を火にかけたまま、山嵐の針を入れようとしていた。
「ネビル!ちょっと待って!山嵐の針は、大鍋を火から下ろしてから入れるのよ!」
「え?あっぁぁ、そうだった。ありがとう、ティアナ」
うふふ。良かったぁ。これで、グリフィンドールは減点されないはず。
その後、闇の魔術に対する防衛術の授業があった。教室に入ると、にんにくの匂いがプンプンしていた。妖精の魔法などの授業もあったけど、すっとばす。
授業と宿題が全て終わり、私が寝室に入ると、もうすでに、ソーレが私のベッドで眠っていた。あぁぁ。私は、どっと疲れが出てきて、あっという間に寝入ってしまった。
最初の日、無事に終了☆
注:スネイプ先生は、ティアナにシリウスの面影を感じるので、ティアナのことが嫌いです。ただし、エレオノーレの瞳なので、どっちもどっちというところでしょうか。
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飛行訓練ア〜ンド、真夜中の冒険
う〜ん!爽やかな朝。空はスッキリと晴れわたり、雲一つない。まさに、飛行訓練には最適だ。
ソーレは、もう起きて、城の中を散歩しているのだろう。
私は、伸びをして、ベッドから立ち上がり、パジャマを脱いで、制服に着替えた。そして、長い黒髪をポニーテイルにする。
準備がすっかり整ったところで、大広間に行く。グリフィンドールのテーブルに、ハリーとロンが座っているのが見えた。
「おはよ!」
そう言って、ハリーの隣に座る。
「今日は飛行訓練だよね。僕、一番楽しみだったのに、スリザリンと合同授業なんだ。残念」
「へぇ、そうなんだ」
「ティアナって、クィディッチって知ってるかい?」
「うん。やったことも見たこともないけど」
その時、朝の郵便が届いた。メンフクロウがネビルに小包を運んできた。
「『思い出し玉』だよ。これをギュッと握って、赤くなると何かを忘れてるってことなんだけど。って、あれれれれ...」
ネビルがそのガラス玉を握ると、思い出し玉が赤く光り始めた。
「あれぇ?何かを忘れてるってことなんだけど...なんだろな?思い出せないよ」
ネビルよ、どんだけ忘れん坊なんだ...
ちなみに、今日の私の朝食のメニューはスコーン、リンゴジュース、ロールパン、スクランブルエッグ。私にしては、小食な方だろう。
____________________________________ 午後3時半。私たちは、校庭に出た。そこには、グリフィンドールとスリザリンの生徒たちが集まり、ガヤガヤと話に花を咲かせていた。
そこに、担当教官である短く切りそろえた白髪に鷲のような黄色い目をした、マダム・フーチが現れた。
「何をぼやぼやしているんですか!皆箒の側に立って!さぁ早く!」
そう言われて、生徒たちは慌てて箒の側に移動した。
「右手を箒の上に突き出して、『上がれ!』と言う!」
マダム・フーチの言葉に、皆右手を突き出して、「上がれ!」と言った。
私やハリー、マルフォイぐらいしか無事に手に収まった人はいなかった。ハーマイオニーの箒はコロコロと転がるだけだったし、ネビルのは、ピクリとも動かない。
全員が終わった後、マダム・フーチが乗り方をレクチャーし、生徒の間を回ってそれぞれの箒の握り方を直していた。マルフォイの箒の握り方が間違っていたのを知って、ハリーもロンも大喜び。
その後、いよいよ飛行訓練が始まった。
「さぁ、私が笛を吹いたら地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、2メートルほど浮上してそれから少し前かがみになってすぐに降りてきてください。
では、いきますよ..1、2の...」
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」
マダム・フーチが笛を吹くより早くネビルが悲鳴をあげて、飛び上がった。
マダム・フーチは慌てて戻ってくるように叫ぶが、ネビルはそのまま12〜13メートルほど飛んでいった。もう我慢できない。
「レピコーパス!」
ネビルに杖を向け、そう唱える。無事、ネビルは軟着陸した。
「大丈夫ですか!」
「はい、先生」
「あぁ、よかった ...Ms. ブラック、適切な対応でした。グリフィンドールに20点あげましょう」
そう言ってマダム・フーチはネビルを支えた。
「私はこの子を医務室に連れていきますから、その間誰も動いてはいけません。
箒もそのままにしておくように」
そう言うと、マダム・フーチはネビルを抱きかかえるようにして、医務室に向かった。
2人が声の届かないところまで行った瞬間、マルフォイが、
「あいつの顔を見たか?あの大間抜けの」
他のスリザリン生たちもはやし立てた。
「ごらんよ!ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ」
マルフォイが草むらから拾い上げたのは、朝食の時にネビルが送られてきたって言ってた『思い出し玉』だった。
「マルフォイ、返せよ。それはネビルのものだ」
ハリーがそう言うと、マルフォイが笑って、箒にまたがり飛び上がって、
「それじゃ木の上にでも置いておくよ。ロングボトムが後で取りに来られるだろう」
それを聞いて、ハリーもハーマイオニーが止めるのも聞かずに、箒にまたがり飛び上がる。
「ここまで取りに来いよ、ポッター」
ハリーと私が急上昇してマルフォイの前に行くと、まさか来られるとは思ってもいなかったのであろう。呆然としている。
「返せよ、マルフォイ!」
「ふん、取れるものならとるがいい、ほら!」
と叫んで、マルフォイは思い出し玉を放り投げ、地面に戻って行った。逃げ足はやいな、お前。
ハリーも私も急降下する。ガラス玉を掴み、地面に着陸。
「ハリー・ポッター!」
マクゴナガル先生が走ってきた。ハリーの顔が真っ青になる。
「まさか__こんなことはホグワーツで一度も...」
「ちがいます!ハリーが悪いんじゃぁないんです!」
「お黙りなさい、Ms.パチル」
「でも、マルフォイが...」
「くどいですよ、Mr.ウィーズリー。Mr. ポッター、一緒にいらっしゃい」
___________________________________
その後の夕食の時間、ハリーからクィディッチチームのシーカーになったと伝えられた。なんでも、100年ぶりらしい。
「誰にも言わないでよ。ウッドは秘密にしておきたいんだって」
その時、双子のウィーズリー兄弟が声をかけた。
「やぁ。初めてだよね?僕、フレッドっていうんだ。こっちはジョージ。知ってると思うけど、ロンの兄貴さ」
「はじめまして。私、ティアナ・ブラックっていいます。ティアナって呼んでください。ロンから噂はかねがね聞いています」
「タメ口でいいよ。ハリーともタメ口だし」
「じゃぁ、よろしく。フレッドにジョージ」
そして各自自己紹介が終わった後、
「すごいなぁ。ハリー。僕たちもクィディッチの選手なんだ。ビーターだよ」
「じゃあな。僕たちもう行くよ。リーが抜け道を見つけたって言ってたから」
そう言うと、フレッドとジョージは足早に去って行った。
その後、マルフォイがやって来て、真夜中にトロフィー室での決闘をハリーに挑んで帰って行った。
「2人とも行かない方が良いわよ」
「そうよ、ティアナの言う通りだわ」
私がそういうと、ハーマイオニーも横から言った。その後ロンと口論になり、ハーマイオニーは怒った顔をして立ち去ってしまった。
「はぁ。どう言っても行くのを諦めてはくれなさそうね」
そう言うとハリーとロンは首を何回も縦に降る。
「それなら、私も行くわ。少しぐらいなら戦力になれるわよ」
な〜んちゃって。多分瞬殺だろう。マルフォイぐらい。
それに、1回生で見てみたかったんだよね〜。三頭犬。
「ダメだよ。ティアナまでまきこんじゃぁ」
「あら。こーなったら意地でもついて行きますからね」
ハリー達はこれは話題を変えた方が良いと思ったのだろう。
「あぁ、ティアナ。金曜日、ハグリッドの小屋に僕たちと一緒に行かないかい?
ハグリッドと約束してるんだ」
「うん!もちろん行く行く」
私はその夜、隣で寝ているサニーやラベンダー達を起こさないよう、こっそり寝室を抜け出した。談話室へ降りてきた時、ちょうどハリーとロンが肖像画の穴から出ようとしているところだった。あぁっ。ハーマイオニーも続いて出て行く。私は、こっそりと後を追った。
「グリフィンドールがどうなるか気にならないの?私がせっかく稼いだ点数をあなたたちがご破算にするんだわ」
「あっち行けよ」
ロンが言う。
「ちょっと。それは可哀想よ、ロン」
そう言って出て行くと、ハリーもロンもハーマイオニーも驚いた顔。
「あっちゃ〜。やっぱり来ちゃったのかぁ」
ハリーはそう言って手で顔を覆った。
「失礼ね、ハリー」
「もう良いわ!私は談話室に戻る!」
そう言うと、ハーマイオニーは肖像画の方に向き直った。だけど、ハーマイオニーは中に戻ることはできなかった。
なぜかというと、太った婦人は、夜のお出かけに出かけてしまったからだ。というわけで、ハーマイオニーも私もハリーもロンも寮から締め出されてしまった。
「さあ、どうしてくれるのよ?」
と、ハーマイオニーは言うが、
「知ったこっちゃないよ」
とロンが言うと、
「僕たちもう行かないと。遅れちゃうよ」
そう言って歩き出したロンとハリー。もちろん私もついて行く。ハーマイオニーも後を追って来た。
「一緒に行くわ」
「ダメ。来るな」
「私、フィルチや先生方に本当のこと言うわ。あなた達、私の証人になるのよ」
「君、相当図太い神経してるぜ…」
ロンが大声を出した。
「し〜ロン!静かにしてよ!」
途中でネビルに会った。ネビルもついて来る。
それから私たちはトロフィー室に向かった。マルフォイ達を待っていると、ミセス・ノリスを引き連れた、管理人のアーガス・フィルチがやって来た。私たちは逃げた。全力疾走。さらに、そこでピーブスに遭遇。またも私たちは全力疾走した。もう私の心臓はパンク寸前です〜。
逃げた先は例の4階の右廊下。私たちは必死でそこに逃げ込もうとしたけど、鍵がかかっている。私は鍵に杖を向ける。
「ア、アロ、アロホ、モ、モア〜」
息切れしちゃって、呪文が発音できない。
私に代わり、ハーマイオニーが鍵を開ける。私たちは逃げ込んだけど、そこにいたのは三頭犬‼︎私は心の準備してたから良いけど、もうネビルとか失神寸前。
三頭犬から逃げ、なんとか寮に戻ってきた私たち。談話室に入ると、肘掛け椅子に倒れこんだ。ネビルは、可哀想にブルブル震えて、2度と口が聞けないんじゃないかとさえ思った。
「あんな怪物を学校の中で飼うなんて。ほんと、何考えてんだろ?」
と、ロン。
「ほんとだね」
と、ハリー。
「2人とも、あの犬がどこに立っていたのか、見えなかったの?」
「床の上にでも立ってたんじゃない?僕は頭を見るだけで精一杯さ」
ハリーが言うと、ハーマイオニーは不機嫌になって、
「あの犬は仕掛け扉の上に立っていたのよ。何かを守っているんだわ」
「 あなた達、さぞご満足でしょうね?
もしかしたら皆殺しされてたかもしれないのに。もっと悪いことに退学になっていたかも。
それじゃあ皆さん、 私、おさしつかえなければ、休ませていただくわ」
ハーマイオニーは立ち上がり、寝室へと行ってしまった。
「また明日ね。おやすみ」
私ももう寝ることにする。寝室に行くと、もうハーマイオニーは眠っているように見えた。私は心の中でハーマイオニーに謝りながら、自分のベッドに入った。
ティアナ、持久力がありません。
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ハロウィン・パーティー!イェイ!
10月31日の朝。私が目覚めると、もうハーマイオニーはいなかった。
あの決闘まがいの夜の後、ハーマイオニーは私、ハリー、ロンに近づかなくなってしまった。ハリー達はせいせいしたって言ってるけど、寂しい。
だって、前にハーマイオニーがすってんころりん(死語)って転んだ時、ハーマイオニーの持ち物が散らばっちゃって。ハリーとロンは止めたけど、私は駆け寄って、
「大丈夫?ハーマイオニー」
私が教科書を拾ってあげたら、こっちを睨んできた。
「ほっといてよ!」
そう言って、ハーマイオニーは教科書を引ったくり、私たちとは反対方向に走っていった。
ハリー達はハーマイオニーの方が悪いんだから気にしなくていいって言ってたけど、やっぱり悲しいよぉ。
私が準備を終えて大広間に降りて行くと(ちなみに今日の髪型はハーフアップ)
ハリーとロンはすでに朝食を食べ始めていた。私も向かい側に座り、お皿にヨーグルト、りんご、目玉焼き、トースト、スコーンをのせる。私がちょうどヨーグルトと目玉焼きとトーストを食べ終わり、りんごにかぶりついた時、フクロウが群れをなして大広間に飛んで来た。
6羽のメンフクロウが、ハリーに何やら長い包みを届けた。つづいて、もう1羽のコノハズクが、ハリーの前に1通の手紙を落とす。
「ニンバス2000だって!僕、触ったことさえないよ!」
「そんなにすごい箒なの?」
「何言ってるんだい、ハリー!今ある箒の最高峰だぜ!」
その後、ハリーとロンは寮に箒を置きに行くことにしたらしい。
ハリーもロンも、他のみんなも朝から浮ついていた。
それもあってか、妖精の魔法のフリットウィック先生が
「そろそろものを飛ばす練習をしましょう」
と言ったとき、大歓声が上がった。
皆、2人でペアを組んだ。ロンはハーマイオニー、ハリーはシェーマス、私はラベンダーと組んだ。ロンもハーマイオニーもカンカンだった。
「皆さんの前に置いてある羽を浮かせてください。呪文は、ウィンガーディアム・レヴィオ〜サです。杖の動きは、ビューン ヒョイですよ。いいですね?ビューン ヒョイですよ。
では、やってください」
「ウィンガーデアム・レヴィオ〜サ!」
ラベンダーが杖を振って呪文を唱えても、羽根は机の上に張り付いたままだった。
「う〜んとねぇ。杖の振り方はあってるんだけど、「ディアム」の部分がちょっと違うの。こうよ」
「ウィンガ〜ディアム・レヴィオ〜サ」
私が杖を振り、呪文を唱えると、羽根は机を離れて、頭上4、5メートルに浮いた。
「お〜っ!よく出来ました!
皆さん、見てください。ブラックさんがやりました!」
先生がそう言うと、ハーマイオニーがこっちに冷たい視線を送って来た。
こ、こわ。
授業が終わり、休み時間になる。ゾロゾロと次の教室に向かって行く。
「だから、あいつには我慢できないっていうんだよ、みんな。全く悪夢みたいなやつさ」
「ロンッ」
どんっ。ハーマイオニーがハリーにぶつかった。泣いてるみたい。
「今の、聞こえたみたい・・・」
「それがどうした?」
まったく。前世も思ったけど、ロンってマジでデリカシーないよなぁ。まぁハリーもハリーだけどね。
「誰も友達がいないってことはとっくに気づいているだろうさ」
「私がいるよ」
「でも、最近話してないじゃないか」
「それは・・・」
「だろう?」
次のクラスは薬草学だったんだけど、ハーマイオニーは出てこなかった。ま、知ってたけど。うう〜。気持ち悪いなぁ。モヤモヤするぅ。そのまま午後は見ることは出来なかった。
「ハーマイオニー、どこに行ったんだろ?」
「ハーマイオニーがトイレで泣いてるの。追ったんだけど、1人にしてって」
パーバティがラベンダーに話しているのが聞こえた。ロンはちょっとバツの悪そうな顔をした。ふん。大広間に入る。
「お、すっげ」
「すごっ、豪華だなぁ」
かぼちゃ、かぼちゃ、こうもり、こうもり。とにかくその2つがいっぱいあった。ハロウィン・パーティーが始まる。パンプキンパイをとったところで、
「あ〜〜〜、もう無理〜〜!!」
「え?」
我慢できない!!!
「ちょっと私、ハーマイオニーのところに行ってくる!何時帰るかわかんないから」
「え、ちょ、ティアナ?」
地下のトイレだよね?私は、地下トイレへ向かった。
ハロウィン、まだ続きます!
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憂鬱のハーマイオニーと焦げ焦げのトロール
Side. ハーマイオニー
どうして、どうしていつもいつもこうなの。マグルの学校にいた時も同じだった。私はいたって真面目に勉強してるだけなのに。真面目にやればやるほど皆離れていく。どうして?私は頑張ってるだけなのに。
目から涙が流れ落ちる。拭っても拭っても流れ落ちていく。
頑張ってる私は損をして、陰口を言われて。不真面目な人が得して、友達に囲まれて、いつもいつも幸せそうで。こんなのって。絶対に間違ってるわ。
違う。そうじゃない。私の方が間違ってるわ。全部私が悪いのよ。妖精の魔法の授業のときだって、もっと優しく教えてあげれば良かった。あんなに強く言われたら、魔法を成功させて上から目線で睨みつけられたら、誰だって頭にくる。陰口の1つや2つ、言いたくなるわよね。
どうして、あの子は、ティアナは、あんなに受け入れてもらえるの?ハリーからも、ロンからも、ネビルからも。授業でのもらえる点数は同じぐらいなのに。
私になくて、ティアナにあるものは一体なんなの?
そう思って、悔しくて。羨ましくて。追い抜かしてやるって思って勉強して。でも全然追いつかない。どんどん先に行ってしまう。だから、だんだんその気持ちが嫉妬に変わってきて。
優しくしてくれたのに。大丈夫?って声かけてくれたのに。嫉妬でつい冷たく当たっちゃって。
絶対に傷ついてるわ。私のことを嫌ってるわ。謝ろうって思った。だけど、あの子はいつも大勢の友達に囲まれて、楽しそうに話してる。
たまに1人の時に会ってもこわくて声がかけられなかった。突き放されたらどうしようって。拒絶されたらどうしようって。ほんとは友達になりたかった。仲良くなりたかった。それなのに、それなのに…
覆った手の間から涙が溢れ落ちる。
コツコツ。靴の音が聞こえた。どんどん近づいてくる。
コンコン。ドアが叩かれた。
「ハーマイオニー?ここにいるの?」
それを聞いた途端、私は固まった。ティアナの声だ。
「なによ?ほっといて!私を1人にさせてよ!」
声が震える。
違う。本心じゃない。1人にしないで。
「あのね。私、ハーマイオニーと話がしたくて。ドアを開けてくれない?」
私はドキドキする心臓を落ち着かせながら、ドアを開けた。
ティアナのエメラルドグリーンの瞳にじっと見つめられ、つい下を向いてしまう。
「あのね。ハーマイオニーは私のこと嫌いなのかもしれないけど。だけどね。私、ハーマイオニーと仲良くなりたいの。友達になりたいわ。最初はなんだか威張った話し方する子だなぁって思ってたんだけど、付き合ううちに、凄いいい子だってわかったんだ。だからね、ハーマイオニーが私に話しかけないようになって、すっごい寂しい」
その言葉を聞いて、私は顔を上げた。
「私と…友達になりたい?仲良くしたい?」
驚いた。私にそんなことを言ってくれた子なんて今まで1人もいなかったから。
「うん。そうよ」
「ダメよ。私にはそんな資格なんてない。私、あなたに嫉妬して、つい冷たくしちゃって」
「友達になるのに、資格なんて必要ない!」
少し怒った口調でティアナは言う。
「その資格って一体何?純血だから?同じ寮だから?__違うわ!私はハーマイオニーのことが好きだから、友達になりたいの。資格なんて関係ないわ」
「本当?ほんとに友達になってくれるの?」
信じられない。
「もちろん!あ、ハーマイオニーが私のこと嫌いじゃなければだけど…」
「そ、そんなことない。私、あなたと仲良くなりたいって思ってた。友達になりたいって思ってたわ!」
ティアナの瞳を見つめて言う。その答えを聞いた瞬間、ティアナの顔がパァーッと明るくなって、顔いっぱいに笑顔が広がった。まるで、太陽が雲の間から顔をのぞかせたような明るい笑みだった。見るものの気持ちを明るくさせる笑み。
その笑みを見た時、私になくてティアナにあるものが分かったような気がした。
「本当?嬉しいわ!今から、私たちは友達よ!」
その言葉を聞いた瞬間、目から涙が流れる。考えてみれば、私には今までこんな嬉しい事を言ってくれるような友達はいなかった。
「え、え?どうしたの?私、何か悪いこと言った?」
ティアナが慌てたように言った。
「バカね…これは嬉し涙よ…」
私は涙を拭ってティアナの方を向いた。
次の瞬間、私は驚いて目を見開いた。
side. ティアナ
ハーマイオニーがこちらを向いてくれる。次の瞬間ハーマイオニーは目を見開いた。
「ティ、ティアナ…う、後ろ…」
「え?」
後ろを振り向く。そこにいたのは、小さなハゲ頭をした4メートルほどのクソでかい化け物であった。あれは・・・
「トロール?」
って、あああああああああ!!!忘れてた!そういやぁ、トロール出るんだったぁぁ!このー私のバカバカバカ!
「に、逃げないと!ティアナ、早く!」
そうは言ってもどこに逃げようと言うのか。トロールが入り口を塞いでしまっている。狭いトイレに逃げ道はない。
そのトロールは、私たちに向かって棍棒を振り下ろしてきた。
「プロテゴ!護れ!」
急いで盾の呪文を唱える。一度トロールが棍棒を振り下ろしたぐらいで私の盾の呪文は破れない。トロールもそのことに気づいたのか、今度は体当たりをかましてきた。2度、3度と。流石に私の魔法で作り出した目に見えない壁も、だんだん壊れてくる。かといって攻撃しようにも、壁がある。だが、壁を取りはずそうものなら、私たちは朝を迎えることもできなくなるだろう。
「ティアナ、ハーマイオニー!大丈夫⁉︎」
ハリーとロンが走ってきた。
「私たちなら大丈夫よ!」
そう答える。私の横でハーマイオニーは信じられないって顔をしている。根拠はない!
その時。
ついに呪文がきれた。振り下ろされたトロールの棍棒がトイレのガラスを割り、破片が飛び散った。その破片の一つがハーマイオニーの方へ飛んでいく。その破片は、庇おうとした手を切った。
私は血を流しているハーマイオニーの手に杖を向け、
「エピスキー、癒えよ」
そう唱えた。みるみるうちに血は止まり、元どおりになる。
よかった。
怒りが放散されるのを感じる。生まれて初めてキレた。私は立ち上がり、トロールを睨みつける。
「失神させるぐらいで済ませてあげるつもりだったけど、私は友達を傷つけた奴をそのぐらいで許すほど優しくはないわ…」
そしてトロールに杖を向けて、唱えた。
「カーラント・カピニオン!鷲、出でよ!」
次の瞬間、大きな鷲が現れた。それも、全身が電流でできている。その鷲は、翼を広げてトロールに襲いかかり、のみこんだ。
その数秒後、マクゴナガル、クィレル、スネイプ、ダンブルドアがトイレにかけつけた時にはもうトロールはすでに息絶えていた。それを見た先生方は顔色を変える。クィレルは弱々しい声をあげその場にへたりこんだ。
マクゴナガル先生が、
「貴方達、これは一体どういうことですか?」
そう言って口をぽかんと開けて腰をぬかしているハーマイオニーと、唖然としているハリーとロン、そして黒焦げのトロールにむかって杖を向けて、肩で息をしながら立っている私を見回して、
「Ms. ブラック。これはどういうことです?」
「えっとですね。私とハーマイオニーがトイレにいたところ、突然トロールが襲ってきまして。棍棒を振り下ろしてきたので、盾の呪文で防ぎました。最後に、私が電流呪文で作り出した鷲でとどめをさしました」
「電流呪文?」
スネイプは怪訝そうにしている。それもそうだろう。電流呪文は私が考えたんだからね!o(`ω´ )o
「それは、私が勝手に名付けたんですけど・・・」
「どんな呪文じゃ?」
ダンブルドアが聞いた。
「カーラント・カピニオン!鷲、出でよ!」
私がそう唱えると、さっきとは違う、極小電流鷲が現れ、こちらを小さな小さな目でこちらを見返してくる。私がそっちに向かって手を伸ばすと、小さな翼を広げて私の手の上に座って、翼をたたんで目を閉じた。リラックスして眠っているように見える。
ちなみに私は全然熱くない。なぜかというと、この呪文が生み出した動物、鳥はそれを生み出した張本人、そしてその人が信頼している人には危害を加えられないからである。
最初に発明(?)した時は、そうじゃなかったんだけど、そっちの方が便利なので、考え考え、コツを掴み、出来るようになった。(勿論最初のやつも出来るよ)
「ほうほう、これはこれは。見たことがない呪文じゃな」
「あ、あははははは…」
笑ってごまかす。ここでは私が考えた呪文だと言わない方がいいだろう。
「まぁいい。では、君達はなぜここに?」
スネイプが今度はハリーとロンに矛先を向けた。
「え〜っと…」
ハリーもロンも言いにくそうにしている。
「あ、あの2人は、私たちを助けにきてくれたんです。ね、そうでしょ?」
ウィンクする。すると、2人ともブンブンと首を縦に振る。それを見てマクゴナガル先生はため息をついて、
「貴方達が助かったのは、ただ単に運が良かっただけです。
その幸運に1人5点ずつあげましょう。
怪我がないのなら、グリフィンドール寮に帰った方が良いでしょう。生徒達がパーティーの続きをやっています」
帰り道、4人とも無言だった。
グリフィンドール寮についた。ロンとハーマイオニーはお互いを見て、
「えっと・・・ハーマイオニー。さっき悪口ってか陰口言っちゃってごめん」
「私こそ。もっと優しく教えればよかった。ほんとに後悔してるわ」
どうやら、仲直りできたみたいだ。ハリーと目があったので、ウィンクしといた。なんか、上手くなった?ウィンク。
その後、パーティーを満喫した後、私とハーマイオニーは寝室に戻った。
「ふぉやすみ〜」
ハーマイオニーにそう言った。ソーレは完全にリラックスして眠っていた。起こさないようにこっそりベッドに入る。
「おやすみなさい」
ハーマイオニーが笑いながら返してくれる。
今日はいい日だったかも…ハーマイオニーと仲直りできたし♫
____________________________side. ダンブルドア
変なものが満ち溢れ、隅で不死鳥が眠っている暗い校長室で、椅子に座ったダンブルドアとマクゴナガルが話していた。
「電流呪文…」
「一体何なのでしょう。ダンブルドア先生も聞いたことがないのでしょう?」
「ああ」
「しかし、1年生でトロールを倒せるとは…」
「あの様子から察するに、盾の呪文も非常に強固でしょうね」
「そうじゃな。並の大人よりも強いかもしれぬ」
「いったいどんな子なのなのでしょう。ティアナ・ブラックとは…」
「まぁ、ジェームズ・ポッターの無二の親友、シリウス・ブラックと攻撃魔法・守護魔法の天才、エレオノーレ・ホワイトの実の娘じゃからな。別におかしくはないじゃろ」
「そうですね…」
数分後、マクゴナガルは自分の部屋に戻っていく。
今や、人は自分1人しかいない校長室でダンブルドアは椅子に座り、指を組んで考え込んだ。
電流呪文か…セブルスも知らぬのだから、おそらくあの子が発明した呪文じゃろう。あの年で、盾の呪文を難なく使いこなせ、また自分で発明した呪文もあるということは、おそらく…あの予言の娘とは、ティアナ・ブラックのことなのであろう。
幸い、あの予言はヴォルデモート卿には知られておらんじゃろ。ということは、あの子はヴォルデモート卿がその予言のことを知るまでは、安全だということじゃ…
ダンブルドアはその後も熟考していたが、そのうちにランプを消した。
____________________________________
その2日後。スネイプ先生の脚の怪我を偶然見てしまった。ハリー達は、スネイプを疑い始めたらしい。何度言っても、その考えを改めようとしなかった。
ティアナ、トロール瞬殺。圧倒的な能力の差であった。
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クィディッチ
あのハロウィン事件から月日は流れ、ついにクィディッチ!今日の試合は、グリフィンドール対スリザリン。さ〜て、どっちが勝つのかな?(知ってるけど)
ハリーは顔があおい。多分、そうっとう緊張しているんだろうなぁ。無理もない。だって、はじめての試合だもん。私も、初めての発表会とかの時は、緊張したもんね。
「がんば〜」
「がんばれ!」
「頑張ってね」
立ち上がって試合に向かうハリーにがんばれコール。対して励みになったようには思えなかった。
それから2、30分ほどしてロンが立ち上がる。
「あれ?もう行くの?」
だって、クィディッチの試合はまだあと1時間くらい先なのに…
「そりゃそうだろ!学校中が見に行くんだぜ。すぐにいい席は埋まっちゃうよ」
そ、そういうもんなのね…てか、ロンの情熱にはついていけん。
ロンに強引に引っ張っていかれた私とハーマイオニーはまだほとんど誰も座っていないグラウンドの観客席に座る。そして、(ロンが言うには)一番いい席へ。
30分ぐらい雑談したり、持ってきたトーストを食べたりしてるとだんだん観客席にも人が入ってきた。
ん。いつの間にきたのか、ソーレが私の足の横にちょこんと座ってこっちを見上げている。私はソーレを抱き上げ、膝の上に乗せて頭の下を撫でてやった。
ハグリッドが隣に座る。
「あら、おはよ、ハグリッド」
私もハーマイオニーもロンもハグリッドとは顔見知りだ。ハリーに連れられてよく小屋に行ってたからね。
「ああ、おはよう。ティアナ、ハーマイオニー、ロン」
「それにしても人いっぱいいるね〜」
「クィディッチファンってロンだけじゃなかったんだね」
「そりゃそうだろ!クィディッチは魔法界で今最も人気のスポーツだぜ?」
「へ〜、そうなんだ」
「私クィディッチのルールって知らないんだよね〜」
そう言ったのがいけなかった。そこからハグリッドとロンのクィディッチうんちくが始まった…
うんちくは緑色のローブを着たスリザリン・チームと紅のローブを着たグリフィンドール・チームが試合会場に入ってきて試合が始まるまで続いた。
「よかった。ハリー、緊張ほぐれたみたいだね」
「これで勝利できるかもね!!」
ロンは顔をほてらせて今にも爆発しそうだ。
最初はグリフィンドールが優勢だったけど、スリザリンのラフプレーで、差が狭まっていく。そして、シーカーへの集中攻撃。
まだどっちのシーカーもスニッチを見つけていないらしい。
って、あれ?ハリーを暴れる箒が振り落とそうとしている。
「ど、どうしたんだよ⁉︎ハリー!」
「あれは…箒の故障⁉︎」
「い、いや…ニンバスには強力な魔法がかけられてるから故障するなんてありえねぇ。誰かが呪いをかけてるのか」
たしか・・・
「ちょ、ちょっと、貸して!ハグリッド!!」
「え、あ、ああもちろん…」
ハグリッドから双眼鏡を借りて観客席を見回す。
ハリーの方を向いて呪文を唱えてるのは・・・スネイプとクィレルだ。
クィレルは…うわ!こわっ!すごい形相で口を動かしている。それに対してスネイプは、相変わらず無表情。
てことは…クィレルか!
「スネイプよ!スネイプが呪いをかけてるんだわ!」
ハーマイオニーが叫んだ。いつも冷静なハーマイオニーが、気づいてないなんて・・・多分取り乱しているんだろう。
「違うわよ、ハーマイオニー。一見するとスネイプが怪しいけど、犯人はその近くに座ってる、クィレルよ」
そう言ってそこらへんを指差す。
「え⁉︎」
「スネイプは対抗呪文を唱えてる。ハリーの事を助けようとしてるのよ」
ハーマイオニーが双眼鏡でクィレルの方を見る。
「ほ、本当だわ!でもどうして⁉︎」
「そんなことは後でもいいじゃんか!それよりも先にハリーの命を助けてくれよ!」
ロンの言う通り。早く、呪いを止めなくっちゃぁ‼︎
「私に任せて!」
そう言うとハーマイオニーは、消えた・・・
と思ったら、5分後、クィレルのローブが燃え始める。それに気づいたクィレルはハリーから視線を外した。
それと同時にハリーの箒がおとなしくなった。
「うまくいったわ!」
ハーマイオニーが突然現れる。
「さすがハーマイオニー!」
すごいね!
「あっ!ハリーが動いた!」
どうやらスニッチを見つけたらしい。キラキラ光る物をスリザリンとグリフィンドールのシーカーが追っていく。
「え?」
「どうなったんだ?」
「なんか、気持ち悪そう・・・」
ハリーはやっとのことでスニッチを吐き出した。
試合終了のホイッスルが鳴った。
その時、グリフィンドールの勝利が決定した。
「いやぁったぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ロンが叫んだ。
「勝ったぜぇぇぇ!」
その夜、談話室はお祭り騒ぎだった。
ウィーズリーの双子がお菓子をばら撒き、ますます盛り上がる。
ハリーはその騒ぎのまん真ん中にいて、癖のある髪がもっとくちゃくちゃにされている。ロンは勢いよく真ん中に入ってった。
私とハーマイオニーは遠巻きにして眺めていた。だって、なんというか・・・暑苦しいんだもん。
お祭り騒ぎは深夜まで続き、1時ぐらいになると、流石に寝る生徒が増えてきた。ハーマイオニーはもう先に11時くらいには寝てしまった。
私ももう寝よっと。
「おやすみ〜ハリー」
「おやすみ」
私は寝室へ行こうと思って・・・寝落ちしました。だって〜仕方ないでしょ?深夜だよ?午前1時だよ?健全な11歳が起きてていられる時間じゃないでしょ?
お願いだからそんな目で見ないで〜(涙目)
___________________________________
そういやぁ。箒使わないと空飛べないのかな。でも、原作ではヴォルデモートも飛んでたよね。調べてみよっと。
次の日はお休み。4人でハグリッドの小屋へ。話は自然と、クィディッチの試合の話になる。
「スネイプだったんだよ」
「違うわ。クィレルよ」
「まだそんな事言ってるのかい?」
「だって、私もハーマイオニーも見たもの。クィレルは、すごい形相で、口を動かしてたわ」
「バカな」
ハグリッドが口をはさむ。
「どっちもホグワーツの先生じゃねぇか。それに、なんでそんなことをする必要があるんだ?」
「スネイプは、ハリーを
「だから、スネイプじゃなくて、やったのは、クィレルだってば」
「何で、クィレルがそんなことやる必要があるんだよ?」
「じゃぁ、逆に聞くけど。スネイプは、何でそんな事やる必要があるのよ?」
「言っただろ?ハロウィーンの日に、三頭犬を出し抜こうとして噛まれたんだよ。脚の怪我を見たもの。それに、僕、思うんだけど・・・あの犬が守ってる物をスネイプは盗ろうとしたんだよ」
ガチャン!突然、物音がした。どうやらハグリッドがティーポットを落としてしまったらしい。
「何でフラッフィーを知っとるんだ?」
「フラッフィー?」
なんじゃそりゃあ。某ホラーゲームのあの薄べったいやつみたいな名前だな。
「あいつの名前だ。パブで会った男から買ったんだ。俺がダンブルドアに貸した」
「何のために?」
「あー・・・守るためだ」
「何を?」
「いや、もうこれ以上は言えん。機密情報なんだぞ」
「でも、スネイプが・・・」
「クィレルよ!」
ハーマイオニーが言い返して、またさっきの終わらない論争が続きそうになった時・・・。
「どっちにしろ、お前さんたちは間違っとる!俺はどうしてハリーの箒があんな動きをしたのかは分からん。だが、スネイプもクィレルも生徒を殺そうとはせん。これに首を突っ込むのは危険なんだぞ?あの犬が守っているものも、フラッフィーの事も忘れるんだ。あれはなぁ、ダンブルドア先生とニコラス・フラメルの・・・」
「あ!ニコラス・フラメルって人が関係してるんだ!」
ハグリッドは、悔しそうな顔をしている。ハグリッドの口は、羽根より軽いな〜。
帰り道。
「ニコラス・フラメルって人、聞いたことある?」
「さあね」
ロンが肩をすくめた。
「私もない・・・と思う、多分」
「ティアナは?」
「知ってるよ」
「そうだよね。知ってるわけないか・・・って、知ってんの?」
「もちろん。ニコラス・フラメルっていうのは、錬金術師で、ダンブルドアと一緒に賢者の石とかを作ったんだよね」
「賢者の石?」
「そう。どんな金属でも黄金に変えることが出来て、それから飲んだら不老不死になれる命の水とかも作れるんだよ」
おっしゃ!滑らかに言えた!勉強したもんね!
「へ〜、そうなんだ〜」
「多分、あの犬・・・フラッフィーは、賢者の石を守ってるんだよ!」
「そうね・・・」
なんか、作れそうだけど・・・とはもちろん言わずに、肯定する。
その夜、ベッドに入って思った。ハリーって、結構頑固だったんだ。
ティアナが賢者の石を作れるかもしれないことは、もちろん内緒です!
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クリスマス
あ〜あ、もうすぐクリスマスかぁ。今まさに、帰省ラッシュ。生徒たちは、ほとんどが帰省するらしい。
私は、今年は帰らないことにした。呪文を調べるのも進んでないし。
ハーマイオニーは帰省するって言ってた。まぁ、せっかくのクリスマス。家族で過ごさないとね!
ハリー&ウィーズリー兄弟は残る。やった!楽しいクリスマスになりそう。
ちなみに、クリスマスプレゼントは、3人とも杖磨きセットをあげた。
____________________________________
ついに、今日はクリスマス!朝、私が起きると、もうラベンダーたちはプレゼントを開け始めていた。
枕元を見ると、山積みのプレゼントが…ってあれ?こんなにもらう当てあったっけ?
カードを見てみると、ほとんど男子生徒(しかも話したことない人)からで、プレゼントと一緒にラブレターも入っていた。
驚いたけど、そのまま捨てるのも悪いので、開けていった。
プレゼントの中身はまちまち。かえるチョコ、チョコパイ、クッキー。
あとは、杖磨きセット、箒磨きセット、チェスセットなどなど。
でも、それ全部、知らない人からだった…
カエルチョコを食べてみようとして思い出した・・・もしかすると、愛の妙薬でも仕込まれてるかもしれない!
私は一応いつも持ち歩いている、中和剤セットを取り出し、先に飲んでおいた。これで安心!
ウィーズリー家からは、胸元にTというイニシャルが入った、淡いピンク色のセーターと蛙チョコ。
ハグリッドからは、自分で彫ったらしい、木彫りの笛。
クリーチャーからは、大好物のアップルパイ。
ハリーからは、髪をまとめるための淡いピンクと青と黒のかわいいリボンが3本と、ラスク一袋。
ハーマイオニーからは、香りが変わる香水とハンカチ。
ロンからは、クィディッチの本数冊。
よく見てみると、食べ物が多い・・・
__________________________________
その後、ウィーズリー兄弟とハリーと校庭で雪合戦をした。
暗くなるまで続いて、もうお腹ぺこぺこ〜。
それもあって豪華なクリスマス・ディナーをついついたくさん食べてしまった。
夜、談話室の肘掛け椅子でぼんや〜りしながらソーレを撫でていると、私とロンにハリーが耳打ちする。
「この後、僕と一緒に来て!!」
「え⁉︎」
「どーしてだよ?」
「見せたいものがあるんだ!」
「で、でも。見つかっちゃったらやばいじゃん!」
「大丈夫だよ。ほら、これがあるから」
そう言って、ハリーはキラキラ光るマントのような物を取り出した。
「それは・・・透明マント?」
「そ。クリスマスプレゼントにもらったんだ」
「だれから?」
「んと・・・差出人はわかんないんだ」
「え〜?」
「でも!大丈夫だよ!僕のお父さんも使ってたらしいし」
「んもぉ。しょうがないなぁ」
「ついていくよ」
「そうこなくっちゃぁ!」
___________________________________
透明マントを3人で被って廊下を歩いていくと、ある部屋にたどり着いた。
その部屋には、大きな鏡が置いてあった。
「これだよ!来て。鏡を覗き込んでみて!」
「う、うん」
私もロンも鏡を覗き込んでみる。
あっけにとられた。だって、私を見返していたのは・・・前世の私だったんだもん。つきたかった仕事について、結婚して、幸せになった、私。あのまま死ななかったら、かなっていたかもしれない夢。そして・・・絶対にかなうことのない望み。あ、そっか。これは、みぞの鏡・・・心の一番の望みを見せるんだ・・・
「僕の家族が見えるだろ?」
「うぅん・・・僕1人だ・・・でも、ぼく主席みたいだ・・・」
「なんだって?」
「最優秀尞杯とクィディッチの優勝カップも持ってる・・・僕、クィディッチのキャプテンもやってるんだ・・・」
「ねえ、ハリー。これって未来を映す鏡かなぁ?」
「そんなわけないよ。僕の家族はみんな死んじゃったんだから・・・」
「ハリーの言う通り・・・この鏡は未来を映すんじゃない。私たちの心の中の望みを写すのよ」
「2人とも、もう見ないほうがいいわ。鏡の虜になりたくなかったら」
「え?」
「それと、ダンブルドア先生・・・そこにいらっしゃいますよね?」
部屋の隅を見て言う。
「ほう。よく見破ったのう」
突然、ダンブルドア先生が現れる。ハリーたちはあっけにとられている。
「いつから気づいていたんじゃ?」
「部屋に入った時からです」
「さすがじゃな」
そして、ダンブルドアは、ハリーたちの方を向く。
「ティアナの言う通りじゃ。今まで何人もこの鏡の虜になり、身を滅ぼしている。もう来ない方が賢明じゃな。それに、この鏡は、近々別の場所に移す。絶対に探そうとしてはいかんぞ」
それから、私達は無言で寮まで歩いていった。パジャマに着替えて、ベッドに入った時、ちょっと思った。私の望みって、あんなことだったんだなぁ。まぁ、当然といえば当然・・・なのかもしれないけどね。
そういえば・・・必要の部屋に、ヴォルデモートの分霊箱があるんじゃなかったっけ?でも、まず肝心なことを1つ。必要の部屋って、どこにあるんだっけ?忘れたぜ☆あははははは・・・何忘れとんじゃぁ!私ぃ!聞くにしても、厨房がどこにあるのかも忘れちゃったし・・・あああ。その時が来るまで待つしかないかぁ。
でも、スリザリンのロケットはあったよね?あれだけなら、破壊できるだろうし・・・。蛇語で「開け」って言って開かないとダメなんだっけ?でも、試して見る価値はあるかもしれないなぁ。
ティアナ、ロケットを破壊してみようとする。そして、必要の部屋の場所を忘れる。
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この家は、木造なのよ
ある日。ハーマイオニーがホグワーツに帰って来てから翌日。4人で、ハグリッドの小屋を訪ねた。
「こんにちは、ハグリッド・・・って、この部屋ものすごい暑いんだけど⁉︎」
「気温差がすごすぎるんだけど」
「ねぇ。窓開けてもいい?」
「悪ぃな。それは出来ん」
「どうして?」
「そりゃあ、その・・・あれがいるからな」
ハグリッドが暖炉の方を顎でしゃくる。あれは・・・そういやぁ、ハグリッドドラゴンの卵をクィレルからもらってたな。
「あれって・・・ハグリッド、法律違反なんだよ」
「何あれ?」
「ドラゴンの卵さ!ハグリッド、こんなのどこで手に入れたんだい?」
「そりゃな・・・酒場で知らないやつと賭けをして、手に入れたんだ」
「そんな・・・軽々しくもらうなんて!」
同感。ってか、そん時にフラッフィーのなだめ方を教えちゃったんでしょ?どんだけ飲んだんだろ。
「ドラゴンって、法律違反なの?」
「そりゃそうだろ!野生のドラゴンにつけられた、チャーリーの傷を見せてやりたいよ」
「でも・・・イギリスに野生のドラゴンなんて、いないだろう?」
「いるんだよ!魔法省がその後始末にふぅふぅ言ってるんだから」
普通に私、召喚できますが。あはは、嫌なやつっぽいな、私。うっざ。
「ハグリッド、もし卵が孵ったら、どうするつもりなんだい?」
「そん時のためにな、本を読んどるんだが・・・ほら」
テーブルの上に広げてあった本の背表紙を見せてくれた。なになに?「趣味と実益を兼ねたドラゴンの育て方」
「ハグリッド・・・この家は、木造なのよ?」
ハグリッドは、ハーマイオニーのつぶやきも聞かず、ルンルン鼻歌を歌いながら、暖炉に薪をくべていた。
それから数週間後。すっかり試験モードになり、たくさんの宿題が出されている。おかげで私達は、ってか一年生のほとんどが毎日図書館の中だった。
「ああ〜、もう息が詰まっちゃうよ」
「ロン、ちゃんと勉強しないと。とっても大切な試験なんだから」
「試験まではまだ10週間ぐらいあるんだぜ?」
「
「でも、僕らはともかく、君は何のために復習するんだよ?全部暗記してるって言ってたじゃないか」
「あら。私は、そこで本を読んでるティアナと違って、完璧に覚えてる自信がないもの」
ハーマイオニーに指摘された。確かに、今私は、図書館にあった本を読んでいる。暇なんだもん。宿題は全部終わらせちゃったし、一年生レベルのことなら完璧に覚えてるし・・・。
「それにねぇ、二年生に進級するためには試験をパスしなきゃいけないのよ?」
「それはそうだけどさぁ」
「ふわぁ〜ぁ」
「・・・ティアナ、こっちまで眠くなってくるから、あくびは出来るだけ抑えて」
「ごめんごめん」
ついつい退屈で。ってか、本当に無いんだね〜、空飛ぶ魔法って。ということは何?ヴォルデモートの
翌朝。朝食を食べていたら、フクロウ便の届く時間に。
「ん、あれ?ヘドウィグ?」
雪のように真っ白なフクロウがハリーのもとに。
「なにこれ?ハグリッドから?」
「どうしたの?」
「えっと・・・今日、卵が孵りそうだって」
「卵って、あのドラゴ・・・」
「ロン!」
「
「うん」
「もう孵るの!」
いやに早くないですか。
「そうみたいだね」
「じゃあ、さっそく授業をサボって・・・」
「ダメに決まってるでしょ。今は大事な時なのよ」
「だってさ、ハーマイオニー。あれの卵が孵る瞬間なんて、一生に1度見れるかどうか分からないぜ?」
朝食を食べ終わり、立ち上がった。次の授業に向かう。ロンとハーマイオニーの言い争う声を聞きながら、ハリーと話す。
「でもさぁ、ドラゴンを飼ってるって魔法省に知られたら、ハグリッドマズイ事にならない?」
「・・・そうかも」
「そうかもって・・・」
ただでさえハグリッドってトラブルに巻き込まれやすいんだから。
「・・・それにしても、ロンとハーマイオニーって、仲良いっていうか、悪いっていうか・・・」
トムジェリっぽいよな。
「仲良い・・・のかなぁ?」
「仲良いでしょう」
将来的には結婚してたしね。やっぱ仲良いんでしょ。呪文学の教室に着いた。それと同時にロンとハーマイオニーの論争も終わったらしい。
「それで、どういう結論に達したの?」
「結局、休み時間に行く事になったわ」
ハーマイオニーが仕方なさそうに言った。
その日の休み時間。
「ハグリッド〜?私達だよ」
「おお、お前さんたちか。入れ入れ」
ハグリッドがドアを開けて中に入れてくれる。
「本当に今日生まれるの?」
「ああ、間違いなくな。本に書いてあるし・・・」
そのページを開いて見せてくる。確かに、卵は、そのページに書いてあるのと同じ状態だった。
その時。ピキッと、小さな音がした。
「おっ、生まれるぞ」
卵が置いてある、テーブルの周りに集まった。卵の殻がどんどんひび割れていく。そして、ついに運命の瞬間(?)が!
パキッ。
「な、何これ?」
「本当に・・・これって、ドラゴン・・・なの?」
「み、みにく・・・コホン」
それぞれから感想が出る。ここで、私からの感想も1つ。少々、楽しみにしていたのだが・・・醜い。そういえば、原作でも散々可愛くない可愛くないって書かれてたよな・・・。ハハハ。だけどハグリッドは私達からの冷たい視線を物ともせず。
「おお〜っ!」プスッ(赤ちゃんドラゴンが鼻から煙を吐き出した音)
「可愛いと思わんか」
こちらを向いて、キラキラした目で同意を求めてくるけど・・・私達には、頷くことはできなかった。だってさぁ、ぜんっぜん可愛くないんだもんね。
「え、えっと・・・可愛い・・・と思われなくもないと思われなくもないかなぁ」
私の曖昧な発言に、ハリーたちもブンブン頭を縦に降る。ちなみに、言った私にも可愛いと言ったのかどうかはよく分からない。うん。多分、この場にいる全員、分かってはいないのではないだろうか。
「結局、どういうことになるんだ?」
ハグリッドにもよく分からなかったらしく、首を傾げる。だけど、
「まぁ、いいか」
考えない事にしたらしい。それを見て、私達は胸をなでおろした。
「素晴らしく美しいな」
そう呟いて、ハグリッドがドラゴンの頭を撫でようとすると、その子は、ハグリッドの指に勢いよく噛み付いてから・・・吐き出した。どうやら、美味しくなかったらしい。
「こりゃすごい。ちゃんとママが分かっとるんじゃ」
ハハハハ・・・すっげぇ親バカ。分かってるわけないと思う。
「ん?」
「どうしたの?」
突然ハグリッドが窓の方を向いた。
「いや・・・カーテンの隙間から子供が見ておった・・・学校の方へ走っていくぞ!」
「えっ!」
やっば。すっかり忘れてた。最近、物忘れが多い。もう歳なのかなぁ・・・。って、そんなこと考えてる場合じゃなかった。追いかけて、記憶消しとくかな。
「インウォカーティオ!カーラ!」
杖を振って呪文を唱えると、デカいライオン(ただしメス)が現れる。
「うわぁっ!」
「本物だ・・・」
「おお・・・」
私以外の4人が目を丸くする。
「カーラ、ドラコ・マルフォイを
そう言うと、カーラは一声大きく吠えて、駆け出していった。1分ぐらいで帰って来て、マルフォイを床に落とす。
「ありがとね。えらいえらい」
そう言って頭を撫でると、気持ちよさそうにして、すうぅっと消えていく。
「さぁてと」
マルフォイを見ると、気絶している。そりゃそっか。私だってライオンに追いかけられれば、気絶くらいする。
「えぇっと・・・
慎重に、その時の記憶だけ選んで消去する。
「よし。完璧!」
さてと。どうすればいいんだろ、これから。とりあえず・・・気を取り戻させてから、ホグワーツに戻すか。
「ごめん、ハリー、ロン、ハーマイオニー。ちょっと手伝って」
「え、ああうん」
「分かったわ」
3人に手伝ってもらって、小屋の外に運び出す。
「じゃね、ハグリッド」
手を振って、小屋の外へ。
「うんしょっと」
頑張って引き摺り出す。
「
マルフォイの身体を浮き上がらせる。杖をそっちに向けたまま、歩き出す。
「それにしても、ハグリッドってすごいチャレンジャーだよね」
「うん」
「というか、ティアナってすごい高レベルなんだね・・・普通に忘却術とか使ってるし」
「ふつーにライオン呼び出してるし」
「あははは・・・練習すれば、誰だって出来るよ」
「1年生が使えるわけないでしょ!」
そんなことを話しながら、歩いていく。幸い、人も少ない。
「ここら辺でいいかな?」
選んだのは、緑の草原。マルフォイをおろして、ポケットから取り出した気つけ薬をかがせる。これで、ほっとけば2、3分で起きるだろう。寝かせておいて、歩き出す。
「さてと。これで良し」
「な、何を嗅がせたんだい?」
「普通の気つけ薬だけど?」
「どうしてそんなもの持ってるの⁉︎」
「いや〜。いつも持ち歩いてるけど?」
「「「・・・(そこには突っ込まないようにしよう・・・)」」」
お〜い、そこ!心の声丸聞こえなんすけど。そんな私に気づいたのか、ロンが話題を変える。
「そ、そういえばさぁ、ハグリッドって、猛獣をいっぱい飼ってるよね?」
「そうね」
「ドラゴンが欲しかったって、僕を迎えに来た時、言ってたし」
「ティアナがライオンを召喚した時も、すごい欲しそうだった」
「あげられないけどね」
そんなことを話していると、呪文学の教室に着く。まだほとんど誰も来ていない。真ん中ぐらいの席に座る。
「はぁ。あの犬って、フラッフィーっていう名前だったんだね」
「似合ってないわよね」
「うん。フラッフィーじゃなくて、ケロベロスの方がお似合いだよ」
「たしかにね」
ケロベロス。地獄の三頭犬だよね。すごい似合った名前かも。
1週間後。ハグリッドの小屋を訪れた私達は、驚きの光景を目にした。
最近、書くスピードが遅いので、次話の投稿も遅れるかもしれません。
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ドラゴン脱出計画!
薄暗い小屋の中。ハグリッドが、赤ちゃんドラゴン・・・いや、もう赤ちゃんではないドラゴンのそばに座っていた。
「外に放してあげれば?そっちの方が幸せかもしれないよ」
「そんなことは出来ん。すぐに死んじまう」
ハリーが促したけれど、ハグリッドは、すぐに否定する。
「この子は、ノーバートって名前にしたんだ」
はぁぁ。
「ノーバートや、ノーバート。ママはどこでしょう?」
「狂ってるよ」
ロンが囁いた。
「あ、あのさぁ、ハグリッド。いつかは飼えなくなる時がくるんだよ」
「うんうん」
「お、俺だってそれは分かっちょる。だけど、捨てるなんて俺にはできん」
ハグリッドが唇をかんだ。
「そうだ!」
「どうしたんだい、ハリー?」
「チャーリーだよ!チャーリー!君のお兄さんの!」
「チャーリーがどうかした・・・あ、そういう事か!」
「どういうことだ?」
「ルーマニアでノーバートの世話をして貰えばいいんだよ」
「賛成!」
ハグリッドは考え込むようなそぶりを見せたけれど、私達の必死の説得もあってか、最後は承諾した。
次の週。時々ドラゴンの様子を見に行っている。
「ハグリッド、大丈夫?」
「ああ・・・少々噛まれとるが、大丈夫だろう」
「はぁ」
ノーバートは、私に向かって歯をむき出した。
「・・・もう随分大きくなったけど」
「ああ。成長が早いな」
ノーバートが私に向かって火を吹く構えをしようとした。
「やっぱり、ドラゴン同士じゃないと、躾とかは無理なんじゃないの?」
「う〜む」
「ドラゴン召喚してあげるよ。そしたら、もうちょっとはマシになるんじゃない?」
「そうかもしれないな」
ハグリッドがそう言うが早いか。
「インウォカーティオ!セイラン!」
真っ白なドラゴンが召喚・・・されたかと思いきや、銀色の髪をした少女が立っていた。
「こんにちは〜、ティアナ〜。久しぶり〜」
「久しぶりね」
片手を上げて挨拶をする。
「今日は、何の用?」
「あのね。ノーバートを、しつけて欲しいの」
「しつけ?」
「そう。セイランなら出来るでしょ?」
「まぁ、多分」
「ティ、ティアナ。本当に、ドラゴンなのか?」
「「もちろん」」
声を揃えて言うと、ハグリッドの口と目が大きく開いた。
「さてと。外に出ないと、ドラゴンのしつけは出来ないんだけど」
「禁じられた森の中とか?」
「うん。とにかく広いところね」
「じゃぁ、ノーバートを連れて行こう、ハグリッド」
「あ、ああ」
セイランがノーバートの首を掴んで持ちあげて、禁じられた森の中に入って行った。
「き、禁じられた森は危険だぞ⁉︎」
「大丈夫だって」
ハグリッドを連れて、セイランの後を追った。
「ここら辺でいっか」
開けた空き地に着いてから、セイランがノーバートを降ろす。
「さすが、セイラン」
「腕力には自信あるからね」
ノーバートがセイランに襲いかかっていく。どうやら、運び方がお気に召さなかったらしい。
「セイランっ!」
「大丈夫大丈夫」
セイランが右手を前に出して、言った。
「待て」
セイランの身体を、殺気が包む。が、顔は依然として笑顔のままだ。だけれど、ノーバートはキキーっと音をさせて止まった。
「よしよし。えらいえらい」
そう言った瞬間、殺気が消える。元の、どこにでもいるような少女に戻った。
「なっ・・・」
ハグリッドが絶句している。
「さっすが、セイラン」
「どんなもんよ!」
そんなことを1時間ぐらい続けると、ようやくノーバートはおとなしい普通の(?)ドラゴンになっていた。
「おお〜っ!」
ハグリッドが歓声をあげる。
「さてと。これで良いよね?」
「うんうん。あ、そだ。最後に、背中に乗せてよ。久しぶりにさ」
「え?良いけど」
そう言うと、セイランの姿を光が包み込む。そして、光が消えると、そこには真っ白なドラゴンが座っていた。
「じゃ、失礼して」
そう言ってから、背中に座って、しっかりとつかまる。
「じゃ、いくからね!」
セイランの声がした。
「うわぁ!」
前世、大好きだったジェットコースターに乗ったときとよく似ている、独特の浮遊感。たまりませんわ。
「すっごい良い景色!」
大きな湖はキラキラと輝き、ホグワーツ城は、おとぎ話に出てくるようだ。
「じゃ、ホグワーツ一巡りの旅に出発進行!」
「お〜っ!」
10分ほどで、旅は終了。
「ああ、良い気分」
「楽しかった〜。あ、人間に戻って戻って」
「はいはい」
またセイランの身体を光が包み込み、銀髪の少女に戻る。
「さてと。戻ろっか」
またセイランがノーバートを吊り上げ、小屋の中に戻る。
「ありがとね。また召喚するから!」
「じゃぁねぇ」
セイランが消える。
「じゃ」
「あ、ありがとな、ティアナ」
「ううん。別に」
今日も1つ、良いことしたな〜。
寮の談話室に戻ると、ハリーたちが待ち構えていた。満面の笑みで。
「ティアナ!」
「え、えっと・・・何?私の悪事、なんかバレちゃった?」
「何したの?いや・・・そんなことより!チャーリーから返事が来たよ!土曜日の夜、1番高い塔に持って来てだって!」
「へぇ〜」
「でもさ、どうやって連れてけばいいんだろ?暴れるっしょ」
「あ、そのことなんだけど」
さっきのことを話す。ただし、セイランがドラゴンであるというところはふせてね。
「そうなんだ。っていうか、その女の子、何者なの?」
「えっと・・・わ、私の友達」
「すごい友達だね・・・」
「あはは・・・」
土曜日の夜。
「もうそろそろ行かないと」
ハリーがそう言って、透明マントと、すっかり大人しくなったノーバートを入れた箱を持った。
「あ〜。透明マント、3人までしか入れないよ・・・どうしよう」
「あ、私目くらまし術使うから、大丈夫だよ」
「目くらまし術って・・・?」
「すごいレベルが高い魔法だよ!ってか、そんな魔法まで使えるの⁉︎」
「まぁ、一応」
「「「・・・」」」
そんなこんなで、1番高い塔の上に着く。ちょうど着いたらしいチャーリーの友達とやらにノーバートの入った箱を渡す。もちろん、ちゃんと見えるようにしてからね。
「こんなに穏やかなドラゴンは、初めてだよ」
驚いていた。非常に驚いていた。
「あはは・・・」
穏やかにした方法を知りたがってたけど、笑ってごまかした。まさか、ドラゴンに頼んでやってもらったなんて、口が裂けても言えない。チャーリーの友達が箒に乗って帰っていく。
「これで、やっと厄介払い出来たね・・・」
「うん」
「出来れば、もうノーバートみたいに気性の荒いドラゴンとは、関わりたくないな」
「炎のゴブレット」で、ドラゴンと戦うけど・・・まぁ、あと3年も先のことだし。階段を降りていく。その時。背後から声がした。反射的に杖を構えてしまう。
「これはこれは。大変なことになってしまいましたねぇ」
振り向いた私たちの目に飛び込んできたのは・・・ニヤニヤ笑いをした、フィルチだった。やっべぇ。目くらましかけるの忘れてた。
それから、マクゴナガルに会って、1人50点ずつ引かれてから、寮に戻った。
翌日。談話室は、大騒ぎだった。だって、200点も引かれたんだもん。みんな、私達の方を見ながら、聞こえよがしにヒソヒソ話していた。その内容を要約すると、こんな感じ。
「ハリーポッターとか、あのティアナ・ブラックが、寮の点数を200点も引いちゃったらしいぞ」
「やっぱりな。あいつ、ティアナ・ブラックな、いつか問題を引き起こすと思ってたんだよ。だって、あの大量殺人鬼、シリウス・ブラックの娘なんだぜ?」
はぁ。私としたことが、あんなミスをするとはなぁ。夕食の席で、4人で並んで座って話す。
「ってか。私、授業で100点近く稼いだんだから。そのおかげで、200点引かれても、グリフィンドールは3位と10点ぐらいしか差がないんじゃない」
「しっ、ティアナ。皆、こっち見てるよ」
「ハーマイオニー。確かに、私達は、悪いことをしたわ。それは認めるけど・・・でも、あなただって50点はもらってたでしょ?それに、ハリーはクィディッチで得点もらえたし、ロンだって最近は点数をもらえるようになってきたし」
「ま、まぁそれは否定しないけど・・・」
実際、今日だって頑張って点数もらって、3位に押し上げたのに。感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはないはずだ。そう思いながらフライドチキンを噛みちぎる。
「そういえば、罰則はどんなのなんだろ?」
「さぁ?」
「書き取りとかじゃないの?」
「う〜ん」
禁じられた森で、怪我したユニコーンを探すんじゃなかったっけ?で、その時、クィレルが、ハリーを襲うんだよ!ああ、楽しみ・・・(何かが間違っている気がするな)
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禁じられた森
翌朝。朝食を食べに大広間に行く。マンゴージャムを塗ったトーストをかじっていると、フクロウ便の時間になった。すると、今までで初めての、フクロウ便が!少々興奮しながら開けてみると、そこには___
{処罰は禁じられた森で今夜11時に行います。玄関ホールでミスター・フィルチが待っています}
___という、そっけない手紙だった。何なんだよ!始めてのフクロウ便だってのに、よりにもよってこれかよ⁉︎落ち着け落ち着け。深呼吸を一つ。うんうん。禁じられた森で、死喰い人に襲われるんだよね。それに参加できるんだから、ある意味幸運だよ。うんうん。
などと自分で自分を慰めていると、ハーマイオニーが覗き込んできた。
「やっぱり、ティアナも同じ文面なのね。ということは、みんな同じかぁ」
「多分、そうだと思う。ってか、禁じられた森って、狼男とかがいるところじゃなかったっけ?」
「そうだよ!」
「ま、そう簡単にやられはしないけど」
「・・・その絶対的な自信は、一体どこからくるの・・・」
ちょっと引かれてました。
そして、夜の11時。4人で玄関ホールへ。もうフィルチはそこにいた。ちょっと残念なことに、ミセス・ノリスはいなかった。まぁまぁ可愛いし。ま、ソーレには敵わないけど。そういえば、最近見てないなぁ。探さないと。
「ついて来い」
フィルチは、ランプに灯をともし、外に出た。と、こっちを振り返る。
「規則を破る前に、よ〜く考えるようになったんじゃないかねぇ?どうかね?」
意地悪な目つきで見ながら言う。くぉんのぉ、スクイ・・・はぁ〜、はぁ〜。
「よし、出かけるとするか」
そう言って歩き出す。私達一行は、真っ暗な校庭を横切って歩いて行った。
何分か歩いて行った先に、1つの明かりが見えた。あれは・・・どうやら、ハグリッドの小屋の明かりらしい。
「フィルチか?急いでくれ!俺はもう出発したい」
という、ハグリッドの大声が聞こえた。横で、ハリーやロンがホッとしたように笑うのがちらっと見えた。フィルチにも見えたらしい。
「あの木偶の坊と一緒に楽しもうと思っているんだろうねぇ?だが、君達が今から行くのは、森の中だ・・・もし全員無傷で帰って来たとしたら、私の見込違いだねぇ」
ニヤニヤといやらしく笑いながら言う。ああ、嫌な奴。
「もう時間だ。俺はもう30分も待ったぞ」
「夜明けに戻ってくる。こいつらの体の残ってる部分だけ引き取りに来るさ」
フィルチは、ランプを掲げながら、城に帰って行った。それを見送ると、ハグリッドは私達の方をむいて行った。
「よーし、それじゃ、よーく聞いとくれ。今夜やる事は、危険なんだ。・・・わしについて来てくれ」
ハグリッドに着いて行って、森のはずれまで行った。ハグリッドのランプで、獣道が照らし出される。覗き込むと、何か光った物が見えた。
「あそこを見ろ。あの銀色に光る物が見えるか?あれは
「あ、私ファングと一緒でいいよ」
「僕も」
手を挙げて言うと、横でハリーも言った。
「よし、それじゃ、ハーマイオニーとロンは俺と一緒に行こう。ティアナとハリーはファングと一緒に別の道だ。もしユニコーンを見つけたら緑の光を打ち上げる。みんな出来るな?杖を出してやってみよう___それでよし。もし困ったことが起きたら、赤い光を打ち上げろ。みんなで助けに行く。じゃ、気をつけろ。それじゃ、出発!」
ファングとハリーと一緒に、歩き出す。
「それにしても・・・何がユニコーンを殺してるんだろ?やっぱり狼男かな?」
「んー。多分、違うと思うよ」
実際、クィレルだったし。
「どうして?」
「だってさぁ、狼男ってそんなに早くなかったと思うし・・・。それに、ユニコーンを傷つけられるのは、魔法使いとか・・・高い知能を持っている者にしか傷つけられないと思う」
「へぇ」
そんな事を話しながら、暗い道をたどる。無言で30分ほど歩くと、見た事も無いほど大きい、木が現れた。その木の根元には・・・銀色の・・・ユニコーンの血が飛び散っていた。
「ひどい・・・」
そこから少し歩くと、空き地が見えた。
「見て・・・」
「なっ・・・」
地面に光り輝く物が見えた。さらに近づくと、その正体が見えた。ユニコーンだ。頰を、一粒涙がこぼれ落ちる。それ程に、それは悲しいものだった。
踏み出そうとするハリーを止める。そして、赤い光を打ち上げてから言った。
「待って」
「え?」
「後ろに下がって」
「どうして・・・」
ズルズルという音が聞こえた。ついにヴォルデモートが現れる。ハリーとファングが立ちすくんだ。目を凝らすと、そいつが、ユニコーンの血を飲み始める。攻撃するなら今しかない!杖を抜き、呪文を放つ。
『ストゥーピファイ!麻痺せよ!』
そいつは、呪文を避ける。くっそ、いい線いってたと思ったんだけど。
『アバダケダブラ!』
死の呪文が帰ってきた。避けてから、続けて呪文を唱える。
『ペトリフィカス・トタルス!石になれ!』
あ、また避けられた。
『ディフィンド!裂けよ!』
まだ固まっているハリーとファングに向かって呪文が飛んでいった。くっそ、ここからじゃ盾の呪文も効かないし・・・仕方ない!ハリーたちの前に身を投げ出す。
「いったぁ!」
左頰が裂け、血が吹き出す。痛いよぉ。クィレルが私に杖を向け、呪文を放とうとした時・・・後ろで音がした。どうやら、ハグリッドたちが駆けつけたらしい。
「くそ・・・」
クィレルがそう呟き、マントを翻して逃げて行った。
「あ、逃がしちゃった」
「ティアナ!ハリー!ファング!大丈夫っ⁉︎」
ハーマイオニーとロンとハグリッドの声がした。
「ん、まぁね・・・」
「まぁね、じゃないわよ!頰の傷・・・!」
「そ、そうだよ!ティアナは僕をかばって!」
4人と一匹が私の方に駆け寄った。
「だ、大丈夫だよ・・・このぐらい」
「大丈夫なわけないでしょっ!!あ〜あ、女の子なのに顔にこんな傷負って・・・」
「あはは・・・大丈夫だって・・・これぐらいなら、完璧に癒せるし」
そう言いながら杖を向け、
『デファンドール・プロテッジェーレ』
極小の鷲を召喚し、傷を癒す。
「あ〜、気持ちい〜」
「うわ、すごい・・・どんどん治ってく・・・」
そうでしょ?でしょでしょ?10秒もあれば、こんな傷完治出来る。
「どうしたんだ?何があった?」
「えっと・・・」
簡単に説明する。
「なんてこったい。そんな事があったとは・・・」
「ハグリッド!もう帰ってもいいでしょう?ティアナとハリーが・・・」
「あ、ああいいぞ。送って行こう」
暗い道を歩いて行くと、足に何やら違和感が。見ると、ソーレが私の足に体を擦り付けながら見上げていた。急いで抱き上げる。
って、汚なっ。ところどころ泥がこびりついていたり、棒が絡まっていたり。洗わないとなぁ・・・。
談話室にて。肘掛椅子に座り、今夜禁じられた森で起こった事について話していた・・・私はソーレを洗ってたけど。
「どうしてあいつは、ユニコーンの血を飲んでたんだろう?」
「ユニコーンの血を飲めば、生きながらえる事ができるのよ。だけど、呪われる。まあ、あんなに純粋な生き物を殺すんだから、当たり前よね」
「でも・・・呪われるなんて・・・そんな事してまで生きたいかなぁ」
「いるわ。もう少しで命の水が手に入り、完全な力を取り戻せる者が・・・」
「それって、ヴォルデモートの事?」
「そうよ」
「そういう事か・・・スネイプが賢者の石を狙ってるのは、ヴォルデモートの為なんだ!」
「はぁ・・・」
いい加減スネイプ説やめようよ・・・。そう思いながら、ソーレの体をタオルで拭く。よし!元どおり!私はタライと濡れタオルとソーレを持って立ち上がった。
「ん、どうしたの、ティアナ?」
「疲れたから、もう寝るね。お休み・・・」
水も捨てなきゃだし。
「うん、いい夢を」
水道に水を流して、タオルを干してから階段を上がっていく。ベッドに倒れこんだ。頰の傷のあたりを撫でた。完治したはずなのに、まだ痛みがうっすらと残っているような気がした。
最近、ソーレが登場していなかったので、登場させました。ちょっと強引だったかな?
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試験
あの禁じられた森事件から数日後。試験が始まった。まず最初は呪文学の実技試験。1人ずつ教室に入り、パイナップルを端から端までタップダンスをさせる、というもの。いやぁ、簡単だったね!めっちゃくちゃ!勉強しなくてよかったんじゃね?と、私はめちゃくちゃうざいことを考えておりました。
さて。試験に話を戻すと、次の教科は、変身術。またまた実技試験で、ネズミを嗅ぎタバコ入れに変える。どうせなら豪華な箱にしようと思い、前世で読んだ漫画に出てきた紋章に、適当な宝石を埋め込んだ模様の箱にした。我ながら、うまくできたと思う。
その事をハーマイオニー達に言うと、
「いいなぁ・・・僕なんか尻尾が残ってたよ・・・」
「僕だって、ヒゲが生えてたんだぜ?」
「・・・」
というコメントを羨むような視線とともに頂きました・・・。
次の試験は魔法薬。筆記試験。ほぼほぼ簡単だったけど、強いて言えば、「忘れ薬」の作り方が難しかったかな?ま、全部覚えてた私には大した敵じゃない。
最後の試験は魔法史。1番最後の「鍋が勝手に中身をかき混ぜる大鍋」を発明した風変わりな魔法使い達についての答えを書き終え、見直しをしたら試験は終わり。
校庭に出て行く。
「思ってたよりずっと簡単だったわ!」
「そうね」
「僕、はっきり言って自信ないよ・・・」
「僕も・・・」
「さぁ!試験の答え合わせをしましょう!」
「いい加減にしてよ、ハーマイオニー・・・」
正直、私も同じ気持ちだった。
「嬉しそうな顔をしろよ、ハリー。もう試験は終わったんだぜ。この開放感をもっと味わえよ!」
「でも、ずっと傷が疼くんだ。・・・こんなに続くのは、初めてだよ」
ハリーが額の傷をこすりながら言った。
「マダム・ポンフリーの所に行った方がいいと思うわ」
「僕は病気じゃない!きっと警告だよ・・・何か危険が迫ってる証拠なんだ」
「リラックスしろよ。ダンブルドアがいる限り、石は無事だよ」
「そうかもしれないけど・・・何か忘れてるような気がするんだ。試験のことじゃなくて」
突然ハリーが立ち上がる。やっと気づいたかな?
「どうしたんだよ?」
「今気づいた事があるんだ。すぐにハグリッドに会いに行かなきゃ」
「そうだよ。行かなきゃ。ほら、ロン。ハーマイオニー。立って立って」
ハーマイオニーとロンを立たせてから、ハリーを追う。
「えっ?ちょっと待ってよ」
ハーマイオニー達も急いで追いかけてくる。
「どうしてハグリッドの小屋に行くのさ?」
「おかしいと思わない?ドラゴンが欲しくてたまらないハグリッドの前にたまたまドラゴンの卵を持った人間が現れるかい?・・・急がないと!」
「何が言いたいの?」
私達はハグリッドの小屋に、太陽の日が燦々と降り注ぐ校庭をつっきって走って行った。
「こんにちは、ハグリッド!」
「よう。試験は終わったのかい。茶でも飲むか?」
「うん、ありがt・・・」
「ううん!僕たち急いでるんだ!ハグリッド、ノーバートを手に入れた夜のことを覚えてる?トランプをした相手って、どんな人だった?」
「分からんよ。マントを着とったしな」
絶句。ってか、怪しすぎだよ。そして、そいつに騙されたハグリッドって一体・・・。
「そんなに珍しいこっちゃない。ホッグズ・ヘッドなんてとこにゃぁ・・・村のパブだが・・・おかしな奴がうろちょろしちょる」
「ハグリッド。ホグワーツのこと何か話した?」
「話したかもしれん」
ハグリッドが顔をしかめながら言った。
「うん・・・わしが何をしとるかを聞いたんで・・・森番をしとるって言った・・・で、ずっとドラゴンが欲しかったって言った・・・うん、それからドラゴンの卵を持ってるから、トランプで賭けてもいいって・・・でもちゃんと飼えなきゃ駄目だって言うから・・・だから言ってやったんだ。フラッフィーに比べりゃぁ、ドラゴンなんか楽なもんだって・・・」
「それで、その人はフラッフィーに興味があるみたいだった⁉︎」
ハリーが焦ったように言う。
「そりゃそうだ。三頭犬なんて、そんなに何匹もいないだろう?」
何匹もいたら困っちゃうよ。
「だからな、俺は言ってやったよ。フラッフィーなんて、なだめ方さえ知ってりゃお茶の子さいさいだって。ちょいと音楽を聴かせりゃ、すぐねんねしちまうって・・・」
はあ・・・・。私達は急いで小屋を出て、またまた城に全力疾走した。ああ、疲れるなぁ。ちょっとぐらい持久力ついてきたと思ってたけど、全然じゃん!
「おっと!お前さん達に話しちゃいけなかったんだ!忘れてくれ!おーい!皆、どこに行くんだ?」
やっと玄関ホールに着いた。
「ダンブルドアの所に行かなきゃ!ハグリッドはマントの人物にフラッフィーのなだめ方を、教えてしまった・・・そいつはスネイプかヴォルデモートだったんだ・・・」
しつこいなぁ。クィレルだよ。
「でも・・・校長室ってどこにあるんだろう?」
その時、後ろからマクゴナガルの声がした。
「そこの4人、こんな所で何をしているんです?」
「ダンブルドア先生にお目にかかりたいんです」
ワォ!ハーマイオニー、勇気あるぅ!
「理由は?」
「えっと・・・ちょっと秘密なんです」
それを聞いて、マクゴナガル先生は、さらに眉をしかめた。
「ダンブルドア先生は、10分前にお出かけになりました・・・魔法省に」
「先生がいらっしゃらない⁉︎こんな肝心な時に⁉︎」
「ポッター。ダンブルドア先生は偉大な魔法使いですから、大変ご多忙でいらっしゃる・・・」
「でも、重大なことなんです!」
「ポッター。魔法省の件よりあなたの要件の方が重要だと言うんですか?」
「実は・・・賢者の石の件なんですが・・・」
そう言った。すると、先生の手から本がバラバラと落ちる。
「どうしてそれを・・・?」
「クィ・・・いや、誰かが石を盗もうとしているんです」
「・・・ダンブルドア先生は、明日お帰りになります。あなた達がどうやってあの石のことを知ったのかは分かりませんが、安心なさい。盤石の守りですから、誰も盗むことはできません」
「でも・・・」
「Ms. ブラック。2度同じことは言いません。4人とも外に行きなさい。せっかくの良い天気ですよ」
マクゴナガルは、本を拾い集めながら言った。全て拾い、マクゴナガル先生が絶対に声の届かない場所に行ってから、ハリーが言った。
「今夜だ。今夜、石を手に入れようとするに違いない」
「でも私たちに何が出来るっていうの・・・?」
突然ハーマイオニーが息をのんだ。急いで振り返ると、スネイプが立っていた。
「やあ、こんにちは。諸君、こんな日には室内にいるもんじゃない」
スネイプは歪んだ笑みを顔面に貼り付けながら言った。・・・これじゃ、ハリーがスネイプ黒幕説を訴えるのも無理ないか。
「僕たちは・・・」
「もっと慎重に願いたいものですな。こんなふうにウロウロしているところを人が見たら、何かを企んでいるように見えますぞ」
仕方なく、一旦外に出ようとすると、スネイプが呼び止めた。
「ポッター、警告しておく。これ以上夜中にうろついているのを見かけたら、吾輩が自ら君を退校処分にするぞ。さあ、もう行きたまえ」
そう言い捨てると、スネイプは職員室の方に歩いて行った。
「よし。こうしよう。誰かがスネイプを見張るんだ。ハーマイオニー、君がやってくれ」
「どうして私なのよ?」
「当たり前だろ?フリットウィック先生を待ってるフリをすればいいじゃないか。こんなふうに。ああ、フリットウィック先生。私、14bの答えを間違えてしまったみたいで、とっても心配なんですけど・・・」
あはは、似てる似てる。
「まあ、失礼ね。黙んなさい!」
その後も少しハーマイオニーは食い下がり、結局のところ私とハーマイオニーがやることになった。
「僕達は4回の廊下の外にいるよ。さあ、行こう」
ロンとハリーを見送ってから、私達も歩き出した。すぐに職員室に着く。外に立っていると、スネイプが出てきた。
「何をしているんだ?」
「えっと・・・フ、フリットウィック先生を待ってるんです」
「ならば、吾輩が呼びに行こう」
げっ・・・やっべ。
結局、私達が解放されたのは、それから10分後のことだった。
もうちょっとで賢者の石も終盤へ!投稿初めてもう4ヶ月か(遠い目)
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仕掛けられた罠 前編
寮の談話室に戻ると、ハリーとロンがすでに帰っていた。
「ハリー、ごめんなさい!」
まず最初に謝っておく。それから、2人で事情を説明した。
「じゃあ、僕が行くしかない。そうだろう?」
じっと顔を見つめる。馬鹿か、こいつ。いや、気持ちはわかるけどさぁ。そう思っちゃうんだよなぁ、何故だか。
「僕は今夜1人でここを抜け出す。石を何とか先に手に入れる」
「気は確かかよ⁉︎」
「だめよ!退校になっちゃうわ!」
「だからなんだよ!」
ハリーが叫ぶ。
「分からないのかい?もしヴォルデモートが石を手に入れたら、あいつが戻ってくる!そうだ・・・もし僕が退校になって、プリベット通りに戻っても、どうせ死ぬまでの時間が短くなるだけだ!」
うん、まあそうだよねー。あ、いや、でも。ハリーのお母さんの愛の呪文でハリー守られてるんだったよね?そう簡単には死なないか。ま、死ぬより酷い目にあわされるかもだけど。ん?死ぬより酷い目って、どんな目なんだろうか。想像したくないなぁ・・・。
でもねぇ・・・ちょっとイラっとしちゃった。勇気と無謀は違うってよく言うじゃん?こいつのは後者でしょ。とにかく、むかっときちゃった私は、思いっきり、
「はぁ〜っ⁉︎あんたバカなわけ!つか、何なん⁉︎友達の心配してる気持ちわかんないの⁉︎せっかくお父さんとお母さんに助けてもらった命じゃん!大切にしろよ!もっと親孝行せい!1人で行くとか!無謀なんだよ!」
etc etc…色々叫びまくった私は、とりあえずスカッとした。ん、あれれ?ハーマイオニー達、目が点になってるよ??ま、仕方ないかなぁ?
「お〜い、どした〜?大丈夫?」
「い、今・・・何語で何を言ってたの、ティアナ?」
「気にしないで。とにかく叫びまくったおかげで、めちゃくちゃスカッとした」
「あ、そ・・・そうなの?」
「うん」
しばしみんな無言になる。それというのも・・・私がシリアスな空気ぶち壊しちゃったからである。やっぱ、まずかったかなぁ?
「ま、と、とにかく・・・僕は1人で行く」
「何言ってるの?私一緒に行くけど」
「えっ⁉︎」
「私達だって行くわよ。貴方1人で行かせるわけないでしょ」
ハーマイオニーがロンの方を見ると、ロンがうんうんと頷いた。
「で、でも・・・君たちまで退学に・・・」
「大丈夫よ!フリットウィックが教えてくれたんだけどね、彼の試験で私は100点満点中112点だったんですって。これじゃ私は退学にはならないわ」
そういやぁ何かすっごい悪いことしてるような場面だったなぁ。どっちも悪い笑み浮かべてコソコソと。フリットウィック先生もハーマイオニーもノリノリだったなぁ・・・まぁ指摘はしなかったけど。
長い授業がすべて終わり、夕食も食べ終わった後。談話室で、私達4人は他の人から離れて座っていた。私達がめちゃくちゃ頑張ったおかげで、4位から3位に上がったとはいえ、いまだに悪口を言われ続けている私達。誰も気に留める様子はない。長引くなぁ。怖い怖い。
「ハーマイオニー・・・そんなに呪文を調べなくても」
「私は心配なのよ!あなたみたいに自分に自信がないのよ!分かるでしょ⁉︎」
「いんや、分かんないけど」
「あのねぇ・・・!」
「大丈夫だよ。ハーマイオニーは十分いろんな魔法を知ってるから。十分強い」
ハーマイオニーの頭を撫でながら言う。
「う〜ん・・・まぁ嬉しいのは嬉しいんだけどねー、なぁんか上から目線なのよね。あやされてる的な」
「・・・ま、まぁ気にするない」
「・・・・・・指摘しないであげるわ」
ありがたい。
さて。寮生が全員寝室に行った時。
「マントを取ってきたら」
ロンがハリーに囁くと、ハリーは立ち上がって、透明マントを持って駆け戻ってきた。
「ここでマントを着て見たほうがいい。ティアナは、呪文で見えなくなれるんだよね・・・ってあれ?そのバッグは・・・」
「一応持って行っとこうと思って」
あの『検知不可能拡大呪文』をかけたハンドバッグっすよ。活躍してます。
「それじゃ、3人全員隠れられるかどうか確かめよう。足1本でも出てるところをフィルチにでも見られたら大変だ・・・」
「君達、何話してるの?」
突然ネビルの声が。部屋の隅・・・はっ!忘れていた!最近、物忘れが激しい。もう歳かなぁ。精神年齢(?)は、まだ20代・・・ってか、ネビルいたの気づかなかったって、どんだけ注意力散漫なのだろうか。いや、ネビルの影がまだ薄いだけなのかな?
「な、何でもないよ、ネビル。気にしないで」
「また外に出るつもりなんだろう?」
げっ。丸わかりじゃんね。私、思ったことすぐに顔に出るタイプ。
「ううん、違う、違うわよ。出るわけないじゃない。ネビル、もう寝れば?」
「嘘だろ。また外に出ているところを見つかったら、グリフィンドールはもっと大変なことになる」
「僕らがやろうとしている事は、とても重要な事なんだ」
「行かせるもんか!ぼ、僕は・・・君たちと戦う!」
ネビルが出入口の肖像画の前に立ちはだかった。
「ネビル!そこをどけ、バカな事やめろよ・・・」
「バカな事じゃない!もうこれ以上規則を破ってはいけない!それに、恐れずに立ち向かえって言ったのは、君だろ⁉︎」
「立ち向かうのは僕たちじゃない!」
「やるならやってみろよ。殴れよ!いつでもかかってこい!絶対通さないぞ!」
そう言ってネビルがファイティングポーズをとったところで、ハリー達が振り返って言った。
「「「ティアナ、何とかして」」」
んー、ハーマイオニーがやった方がいいと思うんだけどな。ま、いっか。
「あー、ごめんね、ネビル」
一応謝ってから、呪文を唱える。
「スエーニョ・ソムヌス 眠れ」
「え・・・?」
ネビルが絨毯の上に倒れこんだ。
「な、何したの・・・?」
「眠らせただけ。でも・・・」
肘掛け椅子に座らせたほうがいいか。
「モビリコーパス 浮遊せよ」
脱力したネビルをそっと持ち上げて、暖炉のそばの肘掛け椅子に座らせる。
「これで良しっと」
朝には目覚めてるはず。
「ネビル、ほんとにごめんね」
ま、ハーマイオニーよりゃあ良かったかな、方法としては。眠らせたんだもん。アフターケア(肘掛け椅子に座らせる)も万全だしね。
「さあ、もう行かないと!」
「うん、透明マントに入って!」
3人共が透明マントに隠れて見えなくなると同時に、杖を自分の方に向けて、
「クラールハイツ・トラスパレンツァ」
と、唱えてから、杖をしまった。
「さてと、行こう」
「うん」
肖像画の扉から出て、歩き出す。私は足どりもまぁまぁ軽かったのだけれども、他の3人は始終ビクビクしていた。
ん?階段の下に・・・ミセス・ノリスが。ミセス・ノリスって、あんまり好きじゃないんだよね。うちのソーレ虐めてそうだから。
「ねえ、あいつ蹴っ飛ばしてやろうぜ、1回だけで良いからさぁ」
「ダメよ、ロン」
慎重に、慎重に、猫をまたいで階段を上がっていった。ひえっ。なんか見てきたんですけど。怖いなぁ・・・。
ついに、4階に続く階段の下にたどり着いた。幸運なことに、ミセス・ノリス以来、誰にも遭遇しなかった。って、ああ⁉︎ピーブズ・・・いつまで私達の邪魔をすりゃ気がすむんだよ!!とにもかくにも、さっきのイライラがまたまたピークに達し、ついつい呪文を放ってしまった。
「デファンドール・プロテッジェーレ!」
この呪文には、除霊の効果もあるのである。ま、ピーブズはポルターガイストだから、完全には天に召されないだろうけど、1ヶ月くらい行動不能に出来る。
「ぎゃっ⁉︎」
シューッとピーブズの体が消えていく。良し!成☆敗☆完☆了!
「す、すごいわ、ティアナ・・・」
「サンキュ☆」
3人が少し引いたような顔をしていたけれど、それは気にしない気にしない。
そのまま長い階段を上がっていくと、4階の廊下にたどり着いた。見ると、扉が少し開いている。
「もうスネイp・・・クィレルはもうフラッフィーを突破したんだ」
おい、今スネイプって言おうとしただろ。そんな事を思っていると、ハリーが振り向いて口を開いた。
「君たち、戻りたかったら、今のうちに戻ってくれ。マントは持って行って良いから」
「バカ言うなよ」
「一緒に行くわ」
「もう覚悟はできてる」
私達の返事を聞き、ハリーの顔が少しだけ明るくなった。
「それじゃあ、扉を開けるね」
扉はきしみながら開いた。
「犬の足元に・・・ハープが置いてある・・・?」
「あいつが置いていったんだ。そうに違いない」
「きっと音楽がやんだ途端起きてしまうんだ」
「私が音楽を奏でるから、その隙にみんな行って」
「う、うん・・・でも、楽器は?」
「このバッグの中に入ってる」
そう言いつつ、ちゃんと組み立ててあるアルトサックスを出す。この世界の私は、さすが音楽の神に転生させられただけあって、音楽の才能もあるようで、1ヶ月ほどで1曲マスターできました!イェーイ!ぱちぱちぱち!
「それじゃ、始めるよ」
リードをセットしたマウスピースをくわえ、専用のベルトを首にかけて、吹き始める。必死で指を動かし、息継ぎもほとんどしないように頑張った。
すると、フラッフィーはみるみるうちにトロンとなり、眠り込んでしまった。
そうそう、今の状況に全く関係ないけど、サックスって、金属で出来てるのに、木管なんだよね。なんでも、昔は木で作られていたらしい。同じ木管楽器では、フルートとかクラリネットも有名だよね。フルートもやってみたけど、全くコツが掴めなかったため、諦めたのです。クラリネットは、サックスと同じようなマウスピースなんだよねー。以上、私の全くなんの役にも立たない雑学でしたー。
「演奏を続けてね」
ロンが念を押してくる。返事ができないので、とりあえず頷いて返した。
ハーマイオニー達がおそるおそる中に入り、仕掛け扉の方へ歩いて行く。私も吹きながら後を追った。
「扉は引っ張れば開くと思う。ハーマイオニー、先に行きたい?」
「嫌に決まってるでしょ!」
「ようし!」
結局、ロンが行くことになったらしい。ロンが引き手を引っ張ると、扉が跳ね上がる。よし!
「何か見える?」
「何にも見えないよ・・・階段さえないんだ。落ちて行くしかない」
「僕が先に行く。どのくらい深いかも分からないんだ。僕の身に何か起きたら、ダンブルドア宛てにヘドウィグを送ってくれ・・・それじゃっ!」
「「「ハリー⁉︎」」」
ハリーが突然穴の中に飛び降りた。思わず演奏をやめてしまった。
「「ティアナ!」」
「あっ!」
ハーマイオニーに言われて、急いで吹く。
「オーケーみたいだ!」
穴を見下ろしていたロンが言った。
「それじゃあ、次は僕が行く。ティアナは最後に来てくれ、いいね?じゃ、また」
「次は私が行くわ。よいしょっ!!」
・・・なんだか、飛び降りるのに抵抗がなさすぎる感がありまくるんだが。
「ティアナ、降りて来て!」
マウスピースから口を離し、バッグに入れる。ひええっ!背後で三頭犬が唸る声が聞こえた。
「いちっ、に〜のっさんっ!」
という掛け声と同時に、飛び降りる。あら、意外に楽しいかもしれない。着陸すると、床は植物。悪魔の罠、だっけ?
「きゃぁ⁉︎」
「植物が締めてくるんだけど⁉︎」
「動かない方がいいわよ」
「え?」
「これ、悪魔の罠っていうの。習ったでしょ?光と温もりが弱点なの!だから、火をつければいいんだけど・・・私、杖が取れなくって・・・ハーマイオニー、火をつけて!」
「わ、分かったわ!」
ハーマイオニーが杖を出して呪文を唱えながら杖を振ると、炎が噴射されて、悪魔の罠がすくみあがって、私達は自由になれた。
「ハーマイオニー、ありがとう、助けてくれて」
「良いのよ、どういたしまして」
ふわっとハーマイオニーが笑った。良いねー、美人は可愛くて。
「こっちみたいだよ」
ハリーが一本道を指差しながら言った。下りになっている道を歩いていく。時折、水滴が垂れる音が聞こえる以外には、足音しか聞こえなかった。
「何か聞こえないかい?」
「羽音・・・?」
次の部屋には、鍵鳥がいるんだっけ?私の記憶に違わず、宝石のようにキラキラした無数の小鳥・・・のような鍵が、部屋中に広がっていた。
「襲いかかってくるのかなぁ?」
「多分そうだよ」
「でも・・・他に手段はない。僕は走る」
ハリーが全速力で扉まで走って行く。ハリーが到着して、扉を開けようとしたけど、鍵がかかっていて開かないようだ。
「どうするんだろう?」
「鳥よ・・・あの鳥だわ!」
「あれが・・・鍵?」
「そうよ。多分、あの鍵のどれかをクィディッチの要領で取って・・・あれ?」
部屋中を見回す。あれぇ??箒がないぞ。あったはずなのに・・・どこ行ったんだ!?あのぉ・・・箒なくして、どうやって通れと!?
私達は、思いもよらないところで壁にぶつかってしまったのだった。
目くらまし呪文が分かりませんでした。ので、オリジナル呪文を作りました。
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仕掛けられた罠 後編
はい、状況説明いたしましょう。ただ今、三頭犬の隠し扉を通って、悪魔の罠を撃退し、進んで来たところですね。今私達がいる部屋には、数多くの鍵鳥が飛んでおりまして。そのどれか1つを箒を使って、取るんですよ。そのはずなのにっ!無いっ!箒が無いっ!どこにいったんだよぉ!まぁね、まぁねぇ・・・原作、どうして箒持ってかなかったのかなぁ?って思ってたけどさぁ!今ここで実践しなくても良いじゃん?ねぇ?どうきりぬけろと?ねぇ!
「どうやって・・・鍵を取れば良いんだろう」
セイランを呼び出して・・・いや、ダメか。部屋が小さすぎ。じゃ、私が鷲になって・・・ダメか。おお、そうだ!こんな時のために!じゃじゃ〜ん!このハンドバッグですよ!私は右腕をバッグに突っ込んで探るけど、なかなか見つからん。よーし。杖を向けて、唱えた。
「アクシオ、ホワイトテール!」
うわおっ!呪文の効果は絶大で、私の愛箒が飛び出してきた。
「な、何その箒・・・」
「私の愛箒」
「へ、へぇぇ・・・」
「その箒で何をするの?」
そんなハーマイオニーの問いにたいし、私は単純明快簡潔に答えた。
「鍵を取る」
「「「え」」」
ロンたちの表情が固まる。
「取れるの?」
「もちろん」
これでも、クィディッチは上手い方である。ってか、大丈夫かなぁ?一応手入れは簡単にしてたけど、もう1年ぐらい乗ってない。
「ハリーも手伝ってね」
「う、うん・・・?」
ハリーに取り寄せたブラックバードを手渡す。
「まぁ、ニンバス2000には及ばないかもしれないけど、箒としてのレベルは高いから」
「は、はぁ・・・」
ハリーがブラックバードにまたがる。私もホワイトテールにまたがった。
「んじゃ、ちょっと待っててね」
よしょっと。空中に舞い上がる。
「ええっと・・・あれかな」
「あの、羽が折れてるやつ?」
「うん」
とりあえずその鍵を追う。ああ・・・やっぱこの箒・・・いいわぁ(ちょっとやばい人)ちょっと前に倒れただけで加速できるし。学校のやつとはちがうねー。まぁ学校のは多分安いやつなんだろうし。
「回り込んでねー、ハリー」
「オ、オッケー」
ハリーの方に鍵を追い込んで、ゲッツゥ!私達は地面に降り立った。
「鍵。取れたよ」
(・Д・)←みたいな顔してるロン・ハーマイオニーの目の前で鍵を振りながら言った。
「おーい?」
反応なし。
「おーい」
やっぱり反応無し。
「おい。返事しろい」
「ティ、ティアナってほんと何でも出来るのね・・・」
いやぁ何でも出来るわけではないけど。
「今度さぁ、練習付き合ってよー」
「まぁいいけど」
「おー」
てなわけで。鍵を無事とった私達は、ドアを開け、次の部屋へと進んだ。ん、ちょい待ち?アクシオで取ればよかったのでは?・・・うん。考えないようにしよう。うん。世の中には知らない方がいいこともあるさ。うん。
「チェス・・・?」
ロンが呟く声が聞こえた。そうですね。チェスですね。普通の(私が苦手とする)チェスの1セットが並んでいた。普通と変わらない・・・大きさ以外はね。にしても大きいなぁ。
「チェスに勝たなきゃ向こうに行けない・・・と、いうことなのかな?」
「そうみたいだね」
「どうやればいいのかしら」
「多分・・・僕達がチェスの駒にならなきゃいけないんだ」
ロンが、馬に乗った騎士みたいな形の駒に触れると、石に命が吹き込まれた。
「あのー、向こうに行くには、私達やっぱチェスしなきゃだめっすかねぇ?」
うんうんと騎士が頷いた。
「ちょっと考えさせてください」
かくして、私達4人は頭を付き合わせることになったのである。そういえば、3人寄れば文殊の知恵って言われるけど、4人寄ったら・・・最強の頭?
「僕達4人がひとつずつ黒い駒の役目をしないといけないんだ」
「うん、そうみたいだね」
「あー・・・気を悪くしないでくれよ。でも3人ともチェスはあまり得意じゃなさそうだし・・・」
あなたの言う通り!私、チェス苦手っすー。
「気なんか悪くするわけないじゃない」
事実だし。
「何をしたらいいのか言ってくれ」
「じゃあ、ハリーはビショップ。ハーマイオニーはルークの代わりをして。ティアナは・・・あー、クイーンで」
「「「オッケー」」」
ふっ。いくらチェスを知らない私でも、クイーンぐらい分かるよ。チェスの駒の中で一番強い駒でしょ。
「ロンは?」
「僕はナイトになるよ」
チェスの駒達は、ロンの言葉を聞いていたかのように、黒のナイト達はチェス盤を降りて私達に持ち場を譲った。
「白が先手なんだ」
そこらへん、オセロと違うよね。あ、白のポーンが動いた。ロンは冷静に黒駒に動きを指示している。この頭の回転が勉強の時もあったら、天才だったのにね。
「ティアナ、右に3つ進んで」
ロンとついになっている、もう一方のナイトが取られた。ううー、ショッキングゥ。クイーンがナイトを床に叩きつけて、チェス盤の外に引きずり出したのだ。よくこれクィレル勝てたよな。いやヴォルデモートが、チェス強かったのかな?
「ハ、ハーマイオニー。進んで、そのビショップを取って」
震え声でロンが言った。
私達も走り回り(動き回り)白駒を取っていく。
「詰めが近い」
ロンが呟いた。
「うーん・・・やっぱり・・・僕が取られるしか」
「だめだよロン!」
「これがチェスなんだよ!犠牲を払わなくちゃ勝てないんだよ!クイーンが僕を取ったら、ハリー!君がチェックメイトするんだ!」
そ、そんなに過激(?)なゲームなのか、チェスって!もっと・・・こう、貴族達が遊ぶ優雅なゲームだと思ってたぜいって、そんなこと思ってる場合じゃないか。
「でも・・・」
「あいつらを止めるんだろ!急がないといけないんだ!」
「・・・分かった・・・」
「いいかい。グズグズせずに行くんだよ」
ロンが青ざめた顔で前に進みでる。間髪入れず、白のクイーンが飛びかかり、プロボクサーもびっくりな完璧なストレートをロンの頭に打ち込み、盤外へ引きずっていった。ロンは気絶しているようで、血が流れているのが見えた。
「ロン・・・」
ハリーが呟いて、左へ3つ進んだ。キングが王冠を投げ、ゲームセット。チェスの駒が左右に分かれてお辞儀をする。
「ロン!」
ロンに駆け寄った。脈を測ると、ちゃんと動いている。死んではいないみたいで、良かった。包帯をバッグから取り出して、手早く巻く。一応応急処置のつもり。
「ハーマイオニー、ロンを看てて」
「え・・・でも」
「大丈夫よ、ハーマイオニー。私を信頼して」
「わ、分かったわ」
「私たちは行きましょう、ハリー」
「うん」
扉を開けて中に入ると、長机の上に大小様々な薬瓶が並んでいた。と、巻紙が置かれている。まぁ中身を要約すると、7つの瓶のうち、3つは毒薬、2つはお酒、1つは前に進める薬、もう1つは後ろに戻れる薬。で、問題はどれか、だけれども・・・。
「と、解けるの?」
「うーん・・・多分。ちょっと集中させて」
こういうパズルはあまり得意じゃないんですが。紙とペンで考えを整理する。考えること5分ちょい。ようやく答えが分かった。
「わかったわ、ハリー!」
ポンと広げた手のひらに拳骨をぶつける。それぞれの瓶を指差しながら言う。
「この瓶は、黒い火を通り抜けられる薬が入ってる。・・・で、こっちの瓶が、戻れる薬」
「1人分しかないよ・・・君が戻る薬を飲んで。僕は先に進む」
「・・・本気で言ってるの?」
「本気さ。もしヴォルデモートがいたとしても、僕は1度は幸運だったんだ。もしかすると、2度目も幸運かもしれないだろう?」
「確かにね」
微笑む。
「じゃぁ、飲むよ」
ごくっとハリーが薬を飲んだ。
「・・・毒じゃないよね?」
「確証なかったのかい⁉︎」
「い、いやー・・・間違えてはいないと思うけど」
「めっちゃ冷たいけど、毒ではないみたいだよ」
「良かった・・・んじゃ、進んで」
後で私も行くから・・・とは言わず。
「うん」
ハリーが炎の中へ進んでいった。
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一年の終わり
ハリーを見送ってから1、2分ほど待つと、薬が復活した。どういう仕組みなんだろうなぁ、これ。一瞬、調べてみたくなったけど、振り切って、一気に胃に流し入れた。
「う、わっ」
めっちゃ冷たい。例えると・・・かき氷を一気に飲んだ感じかな。うん。分かりにくいっすね。すいません。うう〜。喉がスースーするぅ。ま、気にしないで進みましょうか。って、ああ!一応目くらまし呪文をかけておこう。多分必要になると思うし。
ちゃんと目くらまし術をかけてから、炎の中へ。前世で火傷した事があるので、火は軽くトラウマものだったけども、我慢して入っていった。思ったよりは熱くもなく、お風呂ぐらいの温度。気持ちいいぐらいのね。ほっ。毒じゃなくて良かった。
部屋に出る。一応相手からは見えていないとわかってはいるけれども、反射的に柱の陰に隠れちゃう。ビビりな私を許して、ハリー!ハリーとクィレルが話している声が聞こえた。
「おや?あまり驚いていないようだね?」
「友達が、本当のことに気づいたんです」
信じてなかったけどね、君。
「ほうほう。聡明な友達がいるものだ」
「でも、まさかあなただったなんて・・・。僕、スネイプが貴方を脅しているところを見た・・・」
「ああ、ああ。セブルスは私のことを疑っていた・・・私を脅そうとしたんだ。私にはヴォルデモート卿がついていると言うのに・・・」
「え?それは・・・どういう意味ですか」
「それを君にいう義理はないね、ハリー・ポッター。君にはここで死んでもらうからな!」
B級悪役みたいなセリフを吐いて、クィレルは杖をハリーに向けた。やべっ。
「アバダ・ケダブラ!」
「デファンドール・プロテッジェーレ!」
ハリーに死の呪文が届くより速く、私の呼び出した鷲がハリーを守った。とはいえ、さすがに最上級の盾呪文でも、死の呪文の効果を弱めることしかできなかったらしく、ハリーが崩れ落ちた。簡単に結界のようなものを張っておく。
「なっ・・・誰だ⁉︎」
私は一応目くらまし呪文をといてから柱の影から出て行った。
「お前は・・・ふっ・・・さっきポッターが言っていた友人というのはお前の「すみませんけど、ぶっちゃけあなたに用ないんですよ。シレンシオ」
からの〜
「エクスペリアームズ」
パシッとクィレルの杖をキャッチする。
「さてと・・・」
口をパクパクさせているクィレルは無視して、その頭にいるであろう、ヴォルデモートに話しかける。
「こんばんは、『例のあの人』・・・いいえ、ヴォルデモートさん?クィレルの杖はもう奪ったわ。もう攻撃することはできないわ・・・つまりね、貴方はもう私に殺されるしかないってこと」
言い切ったぜ!かっけー、私、かっけーっ!!なんて、1人で勝手に自画自賛している時。地獄の底から響いてくるような声が聞こえた。
『ふん・・・使えぬ奴め・・・まあいい。お前は・・・ティアナ・ブラックか。まさか死の呪文を防御呪文で弾くとはな・・・。さすが、エレオノーレ・ホワイトの娘だ』
「そうですか。母を知っているんですね。ゆっくり長話でもしたい所ですが・・・残念ながら、私、今時間ないんですよ」
『ふん・・・まあいい。今ここで殺されても、俺様は死なない・・・』
「あ、そういえば、この前屋敷を掃除したら、大変面白いものを見つけましてね・・・なんと、スリザリンのロケットですよ」
『なんだと⁉︎あれは、洞窟に隠してあったはず・・・何故それを貴様が持っているんだ⁉︎』
「あ、やっぱあれ、分霊箱だったんだー。あれねー、もうちょっとで破壊できると思うんですよー」
『くそおお!!』
「急がないと。では、さようなら」
最後に少しだけ微笑んでから、私は電流で出来た鷲を呼び出した。
明るい光で目が覚めた。1つ大きなあくびをして、横たわったまま周りを見回す。大量のお菓子が置かれていて、隣のベッドにハーマイオニー、正面のベッドにロン、斜め前のベッドでハリーが起き上がって、ダンブルドアと話している。ハーマイオニーとロンは、まだ寝ているようだ。
・・・あれ、何が起こったんだったっけな?・・・そうそう、確か、ヴォルデモートを倒してから、ハリーを抱えて医務室に行ったら、ロンとハーマイオニーがいて、何だかんだ色々と説明して、マダム・ポンフリーの差し出した薬飲んだら、急に眠気が襲ってきて、寝ちゃったんだ。そして、今に至る。
にしても、クィレルぐらいなら、余裕で倒せると思ってたんだけどなー。うーん。ま、倒せはしたんだけど、ね。
・・・さて。私やハーマイオニー、ロンは、次の日すぐに退院できたが、ハリーは念のため、そのまた次の日まで入院していた。・・・つまり、学年度末パーティがある日まで。
パーティの夜。グリフィンドールのテーブルに座ってハーマイオニーと話していたら、ハリーが走ってやってきた。
「あ、ハリー。やっと退院できたんだ」
「そうだよ!パーティに間に合ってよかった・・・」
そこまで話したところで、ダンブルドアが立ち上がって、話し始めた。
「また一年が過ぎた!君たちの頭も以前に比べ、少しでも何かが詰まっておればいいのじゃが・・・。
さて!それではここで、寮対抗杯の表彰をしようと思う。点数は次の通りじゃ。四位 ハッフルパフ392点。三位 グリフィンドール397点。二位 レイブンクロー451点。一位 スリザリン537点」
スリザリンのテーブルから歓声が上がった。
「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、最近の出来事も勘定に入れねばなるまい」
部屋全体がシーンとなった。
「えへん。では、点数を与えよう。まず最初に・・・ロナルド・ウィーズリー君」
ロンの顔が、カッと赤くなったのが横目で見えた。
「ここ何年か、ホグワーツで見ることのできなかった、最高のチェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに30点を与える」
いえーっ!
「次に・・・ハーマイオニー・グレンジャー嬢。怪我をした友への、的確な治療と、対処を称え、30点を与える」
歓声が、もっと大きくなったような気がした。
「三番目はティアナ・ブラック嬢に・・・火に囲まれながら、冷静な論理を用いて対処したことを称え、30点を与えよう」
オーッ!イエーーッ!
「最後に。ハリー・ポッター君・・・」
歓声が一瞬で静まった。
「その並外れた勇気を称え、40点を与えよう」
うわっ⁉︎鼓膜が破れそうなんだけど。スリザリン以外の三寮がいっせいに大歓声をあげた。
「さてさて・・・まだあるぞ。・・・勇気にも色々ある・・・敵に立ち向かうのにも大きな勇気が必要となる・・・だが、友人に立ち向かうのにはもっと大きな勇気が必要じゃ。そこで、わしはネビル・ロングボトム君に10点を与えたい」
さっきの歓声がハエの羽音だったかと思えそうなほどの大歓声が響いた。
その夜は、きっとスリザリン以外の人にとっては、忘れられない夜になったことだろう。・・・いや、スリザリンにとっては、ある意味忘れられない夜になったと思う。
そして、次の日、試験の結果発表が張り出された。つまり、晒しものである。
「ティアナ!」
「どうだった、ハーマイオニー?」
「すごいわ!あなた、学年一位よ!987点!」
・・・はい?
「あれ?700点満点だった・・・よね?」
「そうよ!」
「ハーマイオニーは、何点だったの?」
「私?私は、773点よ」
なんか、色々と変な気がする・・・。
その後、ハリーとロンの点数も聞いたのだが、ハリーは学年9位、ロンは学年12位という、意外に(ちょー失礼)いい点数だった。やっぱり私はぶっちぎって良かったらしい。
試験の結果を聞いてから、帰りの荷物をまとめ始めた。アガサは全く手がかからなかったけど、ソーレを見つけ出すのに、やけに時間がかかった。
またホグワーツ特急が9と4分の3番線に着いた。硬い壁から出ると、ロンが言った。
「夏休みに3人とも遊びに来てよ。フクロウ便を送るからさ」
「ありがと。僕も何か一つぐらい、何か楽しみだと思えることがなくっちゃ・・・」
「ねえ、ママ!見てよ!ハリーポッターよ!」
「ジニー、やめなさい、失礼ですよ」
赤毛のウィーズリーおばさんが笑いかけた。
「忙しい1年だった?」
「ええ、とっても。お菓子とセーター、どうもありがとうございました」
「どういたしまして」
「準備はいいか」
男の声がした。どうやら、バーノンおじさんの声らしい。
「ハリーのご家族ですね」
「まあ、そうとも言えるでしょうね・・・小僧、さっさとしろ。お前のためだけに丸一日潰すわけにはいかん」
と、とっとと歩いて行ってしまった。
「じゃ、夏休みにまた会おう」
「あー・・・楽しい夏休み・・・にななればいい・・・わね?」
「もちろんそうなるさ。僕達が家で魔法を使っちゃいけないことをあいつらは知らないんだ。この夏休みは、大いに楽しくやれると思うよ・・・もう行かないと。じゃぁね!」
そう言って、ハリーはバーノンおじさんを追って行ってしまった。
「あ、お父さんとお母さんがいるわ!じゃあね、また会いましょう」
ハーマイオニーにバイバイと手を振る。
「じゃ、私もそろそろ行くわ。手紙を送ってね」
「うん、もちろん。バイバイ」
ロンに別れを告げ、ロンの両親に挨拶をした後、私はキングズ・クロス駅を出た。
懐かしの我が家に帰り、玄関を開けると、クリーチャーが待ち構えていた。
「ただいま、クリーチャー」
「お帰りなさいませ、お嬢様」
さて、「賢者の石」はこれで終わりです。どうだったでしょうか?
次から「秘密の部屋」編になります。最初の何話かは、夏休み編ですね。
最後に、今まで読んでくださった方、コメントをくださった方に、感謝を。ありがとうございました。
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秘密の部屋編
集合場所を決め忘れました。
夏休み。私の朝は、クリーチャーの作ってくれた朝御飯で始まる。うん。いや、私が手伝ってないわけじゃないんだよ?むしろ、最初の方は、手伝おうとした。したけど、手伝い始めて2日で青い顔したクリーチャーから、「お願いですからお料理は私に任せて、お座りになっていてください」と言われた。・・・解せぬ。
まあそれはともかく。パンケーキを食べ終わって、食後のコーヒーを飲みながら、日刊預言者新聞を読む。一面大見出し記事で、こんな記事が載っていた。
『ギルデロイ・ロックハート氏が新刊を発表!』
あー、もうそんな年か。ロックハートな。あのナルシスト野郎。まあまあ好きなキャラではあったけど(面白いし)、現実世界で会うとしたら・・・殺したくなるかもなっ☆・・・まぁ冗談は置いといて。石化を解く薬とかも作っておかないとなぁ。幸い、マンドラゴラは畑にいっぱい生えているのである。
・・・と、その時。コンコン、と窓を叩く音がした。小さい音で、クリーチャーは気づいていないようだったから、窓の方に行くと、アガサが窓際にとまってこちらを見ている。お、ハーマイオニーからの返事を運んできたのかな。
「今開けるからね〜」
と言いながらガラッと窓を開けると、アガサが中に入ってきた。片足に結び付けられていた手紙を取った。片手で誇らしげなアガサを撫でながらもう一方の手で手紙を開ける。え〜っと、なになに?
【ティアナへ
手紙をありがとう。その分だと元気そうね。良かったわ。ロンからの手紙で知っていると思いますが、ロンはハリーを救い出しに行ったんですって。本当に心配だわ。大丈夫かしらね?
そうそう、話は変わるけど、宿題は終わった?・・・まああなたのことだから、もうとっくに終わっているんでしょうけどね。私は勉強でとても忙しくしています。
私たち、水曜日に新しい教科書を買いに行くのだけど、ダイアゴン横丁で会えませんか?
返事を待っています。では。
ハーマイオニー】
と、読み終わった瞬間、頰の横すれすれを何かがビュッと通り過ぎていった。どうやらエロールらしい。・・・よし、これからあいつのことはデンジャラススピード違反きちがいフクロウと呼ぼう(長い)その後を学校のコノハズクが悠々と追って中に入ってきた。
1枚ずつ手紙を外して封を開ける。エロールが運ぶ手紙は、ロンの筆跡で書かれていた。
【ティアナへ
元気?前の手紙で書いたけど、あれ、成功したよ!・・・まぁ、お母さんには叱られちゃったけどね。まったく危なくなかったぜ?ハーマイオニーもお母さんも心配しすぎなんだよな。
ハーマイオニーは、勉強で忙しくしてるんだってさ。あいつもやるよな。どんだけ勉強好きなんだっての。そういえば、水曜日にダイアゴン横丁でハーマイオニーと約束してるんだけど、ティアナは行ける?
じゃあ、もし行けるならまた水曜日に。
ロン、ハリーより】
次に学校からの手紙を開ける。
【二年生は次の本を準備すること。
・基本呪文集(二学年用)(ミランダ・ゴズホーク著)
・泣き妖怪バンシーとのナウな休日 (ギルデロイ・ロックハート著)
・クールおばけとのクールな散策 (ギルデロイ・ロックハート著)
・鬼婆とのオツな休暇 (ギルデロイ・ロックハート著)
・トロールとのとろい旅 (ギルデロイ・ロックハート著)
・バンパイアとバッチリ船旅 (ギルデロイ・ロックハート著)
・狼男との大いなる山歩き (ギルデロイ・ロックハート著)
・雪男とゆっくり一年 (ギルデロイ・ロックハート著)】
見事なまでに「ギルデロイ・ロックハート」で埋められた教科書リストだった。
ここまで自分が好きかww
水曜日にダイアゴン横丁ね。クリーチャーに行っておかないとな。
さて。とんでとんで水曜日。チェックのスカートに半袖のブラウスという優等生コーデに身を包んだ私は、ダイアゴン横丁に来ていた。ちなみに、クリーチャーは今回はお留守番である。
・・・そういえば、どこに集合するんだろ・・・。まさか私、約束において二番目に大事なことを忘れていた・・・⁉︎お、落ち着け落ち着け私。原作でのハリーの様子を思い出すんだ。えっと、まず
うわー、どうしよ。まずい、まずいぞ。このままだとハーマイオニー達に会えない上、学用品も買えないことになるかもしれな・・・
ツンツン。
突然肩を突かれる。振り返ると、目の前にハーマイオニーが。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ⁉︎」
「ど、どうしたの・・・?」
「い、いた・・・」
「え」
それから5分後。私の全力投球悲鳴を耳元で聞き、固まったハーマイオニーに状況を説明し終わったところである。
「なるほどね・・・そういえば、集合場所決めてなかったわね」
そ、そういえばって・・・ハーマイオニーって、変なとこ抜けてるよなぁ。
「ハリーともロンとも会えてなかったのは、そういうわけね」
「そういうわけだよ」
「そうね・・・探しに行った方がいい・・・のかしら?」
「当たり前でしょう!」
なんでこの人語尾に「?」つけてるんだよ。なんかその一言でハーマイオニーが前世で読んだラノベのクールキャラに見えてきたわ。
「じゃあ探しに行きましょう。はぐれるといけないから、2人で」
「うん」
でもなぁ、それにしても、こんな右を向いても左を向いても人がいっぱいいるのに12歳の少年2人を、12歳の少女2人が探せるのでしょうか?チッチッチ・・・無理!無理無理無理〜っ!!という思いを胸に秘めつつ、ハーマイオニーと通りに歩き出す私であった・・・。
10分後。見つからず。
20分後。まだ見つかってない。
30分後。・・・そろそろ疲れてきたんだが。
40分後。足がキリキリと痛んできた私達の目に、頭一つ突き抜けた人の姿が飛び込んできた。私の目には救世主に見えたよ。
「ハ、ハグリッド〜っ!!」
「す、すいません、通してください」
人を掻き分けながらどうにかこうにかハグリッドのもとにたどり着いた。
「あ、ティアナ、ハーマイオニー」
「ハリー!やっと会えた・・・私としたことが、集合場所を決めるのを忘れてしまって」
「そうだよね!僕だけはぶられたのかと・・・」
「そんなわけないでしょう?」
さすがに主人公ははぶれんわ。
「よかったあ・・・」
あはははは・・・私の足は今にも死にそうだよ。
最近、ネットで恋愛小説を読むのにはまっています。私も、ちゃんとした恋愛小説かければいいのに。。。
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