ハリー・ポッターと空から降ってきた女の子 (にゃんこ(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎)
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死んだ。そして生まれ変わった。

この作品が私がハーメルンに投稿する最初の作品となります!
どうかよろしくお願いします!

1週間か2週間に1度という間隔で投稿します!


リンは全てを諦めていた。

 

私は何をしてもだめ。神様は私に何も与えなかった。続くのは冷たい道。

 

 

今日は学校で道を通っているだけで「消えろ!」と言われた。10人ぐらいに。

まぁ、10人を超えたあたりから数えてないから分かんないけど。

 

 

私には味方がいない。

 

 

昨日は髪の毛をひっぱられて昇降口から教室まで連れて行かれた。一昨日は体育着に落書きされていた。その前の日は男子トイレに無理矢理入らせられた。

そして、明日。明日は私の学校では演奏会をやる。だがしかし…もう演奏会の事を思っただけで嫌になる。

 

まあ、明日は来ないだろうけど。

 

学校の屋上のフェンスを乗り越えた。

 

今、体の重心を前にしたら死ぬ。

だけど私にとって死とは今よりも楽になるということ。

死んだらもう辛い思いをせずにすむ。

 

今私の目の前はとても綺麗。見晴らしがとてもいいのだこの場所。まあ、高いもんね。

 

自分が死ぬ前に綺麗な光景を見れたことを、とても光栄に思う。

そのまま飛び降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はばかだ。

実にばかだ。

本当にばかだ。

結果から言うと自殺失敗。

落ちてる時に足から地面について「あれ?だめじゃね?」って思ってたけど…

 

1人で無様に、校庭で大の字で倒れてた。

 

あれ?でもおかしくない?

私が屋上から飛び降りたこの校舎、4階建てだ。

4階から小学生が落ちたら、大怪我をするはず!

 

「…なんで?!」

 

私は怪我をしていなかった。

全身をくまなくみつめた。手と足をバタバタして、骨折してないと知り驚く。首も折ってない。頭も大丈夫。

どこも痛くない…。

 

急に、自分の体が不気味に覚えた。

 

おかしい、自分は一体なんなのだ?

 

自分がリンという名前で、灰色の目と茶髪で。足が遅くて勉強が出来なくて…。

 

分からない…何も分からない…。無気力で不気味な子。こんな自分がたまらなく…嫌だ。

 

体を起こして、あたりを見回す。

 

校庭に子供が落ちてきたら、普通は大騒ぎだ。だけどこの校庭は無人だ。5時までには校舎を出なければいけないところを私は5時半にここにいる。

みんながいるところに飛び降りたかったんだけど、小学校低学年の子達が私が死ぬところを見てしまうのと思うと…気が引けた。

 

「ねぇ、君、今さ空から降ってきたよね?」

「え?」

 

目の前にいるのはくせっ毛で緑色の目の少年。丸いメガネをかけている。

 

私はその時、はじめて自分と同類の人と出会えた気がした。

 

私は、その少年と帰った。

 

「名前、なに?

 

「ハリー・ポッター。」

 

「ふーん、私は

 

「リン・ブラック」

 

「え?なんで知ってるの?」

 

「僕達同じ学年だろ…。きみは、有名だから。」

 

「そんなに私の名は広がってたのか…。でも、ポッター君は見かけたことある、ダーズリーに追いかけられてんの見た。」

 

「うん…。でも、僕も君がスミスに髪をひっぱられてるの見た。」

 

「私達、辛いもの同士だね。」

 

「うん…」

 

沈黙。沈黙って静かなんだね。

 

「ポッター君。」

 

「ハリーでいい。」

 

どうしよう、結構緊張してる。だけど今言わないとダメな気がした。

 

「ハリー。私の人生最初の友達になってくれる?」

 

「…………いいの?」

 

「君がよければ!」

 

「いいよ。僕もリンが人生最初の友達だ!」

 

 

こんなどうしようもない私に友達ができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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満月の夜






今日は演奏会。私は学校を休んだ。本当にもうダメだ。

体調は崩してないのに気分がとても悪い。なぜ体は痛くないのだろう。心はこんなに痛いのに。

 

お母さんはお仕事に出かけていった。

 

私の家はアパート。築15年だ。しかし、明らかに低予算で出来ていて、しみったれている。

そんな家の中は私1人。なんか、地球上で私1人な感じがして、孤独。

学校の図書室で借りた本を読んだ。趣味はこれくらいしかない。

 

 

 

 

 

ハリーは演奏会前独特の喧騒に身を包まれていた。

僕はいる意味があるのだろうか。ペチュニアとバーノンはダドリーだけしか見てないでしょ。

 

『ねぇ、来ないね、ブラック。』

『今日は公衆の面前でリンのスカートをめくろうとマリーはしていたんでしょ?見てマリーはものすごい不機嫌だわ。』

『人が泣いているところを見てスッキリするのは困りものだな。』

ヒソヒソヒソヒソ。こんな声が聞こえる。顔が青ざめた。そんなことをしようとしてただなんて。人間なの…?

 

 

ハリーは演奏会が終わって家に帰っても嫌な気持ちでいた。

ペチュニアにトイレを掃除しろと命令されてめんどくさいからトイレの水をひたすら流していたら誤魔化せた。

案外アホなんだなーって思ってニヤニヤしながら廊下を歩いていたら床に何も無いのに転んだ。アホなのは僕じゃん。

今度は庭の掃除を命令されたので葉っぱという葉っぱを集めて隣の家の隅っこに放置した。カッとなってやった。後悔はしていない。(犯人ボイス)

トイレの掃除も潔癖のペチュニアのせいで毎日やらされる。今日ぐらいサボったってバチはあたらん。(ちなみに昨日もサボった。)

寝っ転がっていたら月が見えた。綺麗な満月。リンも今、月を見てたりするのかな。だとしたら僕達は今、同じものを見ているんだね、離れていても。

 

ちょっと嬉しくなった。

 

 

 

 

リンの髪は風に靡いている。

親におつかいを頼まれたので、今チャリで走ってる。

きー!家からスーパーまで遠いんだよ!

チャリで15分ほどしたらつく。私個人としては駅と学校とスーパーが10分圏内にあってほしいのだが。

今日は月が綺麗。でもあんまりガン見してると事故にあうのでガン見できない。小さい頃、夜に歩いていたら、ひたすら月が自分の後を追ってるんじゃないかと考えてたな。あの頃は純粋だったな…

 

私は最近、ハリーとは1日に1回話してる。

何の話でもしていた。私の近所のおばさんが奇声をあげてるとか私の隣の家の人が毎晩壁を叩いていて、私の家アパートだからこのままじゃ壁が崩れてご対面してしまうかもしれないとか。ハリーの近所のおばさんはキャベツ臭いんだって。地球は狭いんだからダドリーが太ったらその分地球が狭くなって人類にとって損だとか。

休みの日はお互い暇だから公園で遊んでいる。

なんか、普通の友達が出来て、私はとても嬉しい。

 




ペチュニア、寝る前に壁を磨くみたいな描写あったし1日に1回トイレ掃除しててもおかしくないっすよね?
あと、隣人が壁を叩くネタは私の家から来ました。私の家もアパートなんですけど隣の人が夜にハンマーみたいなので叩いてるんですよね。一年ほど前から。このままじゃ壁が崩れてご対面するかもどうしよう。
しかも夜に叩かれるから起きちゃうときもあるんですよね、2時とか3時とかに。めっちゃイライラしますよ。
あと、満月の時ってことは、どっかでルーピン先生が狼になってますね!


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私は軽くない

前の話で話した私の隣の家、なんか今はバイクみたいな機械音が聞こえるんですよ。結構やばいんですかね?

リンの髪の長さは、ロングです!


ハリーと一緒に勉強してみよーってなって図書室で算数をやることになった。

しかし、このわたくしめには…わたくしめは勉強出来ない。

「びっくりした。リンって頭良さそうな見た目なのに。」

「ハリーはすごいよ。解き方全部知ってるんだ?」

「うん。授業でやったのは全部覚えようとしてる。」

「すごいなー。私聞いてないや授業なんて。」

「ダドリーより豊かな将来を送ろうって密かに思ってたんだ。でも、勝負にならないよ、あいつ。ダドリーは足し算も出来ないもん。」

「oh......。私でさえ、足し算出来るよ。」

「てなわけて、ダドリーの友達とかには負けないようにしようと思ってる。リンは?」

「え?」

「いじめっ子には負けないって思わないの?」

「…」

思わなかった。思ったことすらなかった。

「僕ね、たくさん周りの人より不公平なこととかたくさんあったけどね、勉強だけは不公平じゃないなって気づいたんだ。同じ学校で同じ教科書で同じ授業をしているんだから、クラスで1番頭いい人が解ける問題は僕にだって解けるはずだって思って…。」

「確かに。思ったことすらなかった…。」

「あと、自分をいじめてる人には絶対に負けたくないって思った。

だから、リンも、リンをいじめている人に負けないで欲しい。さっきからドリル1問も解いてないでしょ、分かんなかったら僕に聞いてよ。

その為に一緒にやってるんでしょ。授業も聞いててよ、僕は君にいじめっ子に負けないで欲しいの。」

気づけば、涙を流していた。

なんで…今まで気づかなかったの…。

「うん…。」

「わ?あ、泣いてる?」

「泣いてない。」

「涙出てる!」

「だから泣いてないってば!」

思わず、ハリーを抱きしめた。

「きゃああ?!」

「ハリー…乙女チックな悲鳴。」

ケラケラ2人で笑った。

 

 

教室に戻ったら、雨が降ってた。自分の席についたら、スミスにはなしかけられた。

「さっき、図書室で随分と男の子と親しげだったわねぇ、リン。」

「へ?いやその…」

「彼氏なの?」

「…違う、友達」

「あら、あなた、彼氏じゃない男を抱きしめるのね。」

「それも違う。」

「一体、何が違うのかしら。みんなー!聞いてたーーー?リンったら軽いわねー?」

ヒソヒソヒソヒソ。

今、自分が何をすればいいのかが分からない。

だってハリーは彼氏じゃない。友達。大切なたった1人の友達。

なのに、軽いって言われて吐き気がする。私は軽くない。ファーストキスもまだだし。

 

 

私は授業が終わって、放課後ハリーと一緒に帰った。

暗い気持ちだったが、ハリーと話してたら気持ちが軽くなってきた。

 

「ねぇ、ハリー?」

「うん?」

「私ね、魔女になれたら、自由になりたい。そんで、魔法でいろんなことをしてみたいなぁ。物を浮かせるようになりたいし。上達したらダドリーを浮かせるようになりたい!」

「賛成だ!ダドリーは難しいかな、重いもん。僕は親戚のマージおばさんを1度膨らませたい!」

 

 

 

 

 

ダドリーは驚愕していた。

「え?え?なんで僕浮いてんの?!」

こんにちは、僕はダドリー。

たった今、自分の部屋の椅子から立ち上がろうとしたら浮いた。

「え?え?ママァ!ママァ!きゃあああ!」

しまった。今、両親は出かけてる。ハリーすらいない。

そのまま、天井と同じぐらいの高さになった。10秒ぐらいそうなってベッドから落っこちた。

何だったんだ!今の!

 

 

 




ダドリーsideも入れてみました!
ダドリー、将来仕事出来るのかなぁ。
やばそうじゃありません?

今回のハリー、イケメンですよー!惚れる!そういうことが言えるのが友達だと思います。また、私自身もそういうことを言える人になりたいし、読者様にもそういうことが言えるような人になって欲しいと思います。
あと、ダドリーとハリーの悲鳴を乙女チックにしてみました☆
ペチュニアの悲鳴って乙女チックだと思うんですよ!だからいつも聞いている2人は悲鳴は乙女チックかなぁって。


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やれば出来る

早くホグワーツに入学させたい!


ハリーを抱きしめたあの日から、結構勉強するようになった。

私は暇人で、習い事もしてなくて、今までそういう時間を読書や睡眠に使っていた。

私の家は結構生活が苦しかったする。そのせいでたまにからかわれる。

まあ、今日もよく勉強したわ。

さぁ、寝よう。

布団の中に入って、私は羊が1匹羊が2匹と数えていつの間にか寝た。

 

 

私は黒髪の男性に話しかけていた。

 

「箒はそうやって使うものではない。」

 

「…ラス、あなたは本当はさ、自由になりたかったんでしょ。私はね…魔法を使えること自体が自由だと、そう思うの。だから!おと」

 

場面は変わる。

 

「やーい!貧乏人!貧乏人!貧乏人!」

私は数人の子供達に囲まれていた。

私は膝から崩れ落ちて泣いていた。

「貧乏人!貧乏人!貧乏人!」

ずっと何十分も言われた。忘れられない。忘れたい記憶。

 

また場面は変わる。

 

「ごめんね…ごめん、もう嫌だ。なんで?なんでなの?なんで失敗したの?ごめん役立つで。…がかかってたのに、きっと軽い気持ちだったんだ!私さえ…私さえ…」

 

 

 

 

 

 

「はぁっ……」

目覚めは最悪だった。

気持ち悪さに手がぶるぶる震える。全身が汗を書いている。

なんだあの臨場感がある夢。嫌な夢。

なんなの朝っぱらから。

 

 

パンをオーブンに入れて、目玉焼きを焼いて、焼きたてほやほやなものを食べて学校に向かった。

 

一般的に夜更かしとはその日に満足してないからするという。

私は今まで3時寝るという小学生にしてなんとも…まぁ、満足してないからなのだろうか。

ところが今は10時には寝てる。

まあ、疲れるってこともあるんだろうけど。

 

ボーっと歩いてたら、同じクラスのやつに石ころを頭にぶつけられて頭を抑えてたら膝の裏を蹴られて逃げられた。けっ。

 

教室についたら、この間のテストの結果が返された。もうすぐ卒業式だからこれが最後のテストよーって先生が言ってた。

結構勉強したんだ。これで30点だったらどうしよ?

「え、90…。」

びっくりした。今までこんな点数とったことないから。本当に私のなのかと思って名前のところをガン見。

やっぱり私のだ…!

平均が60って書いてある…!

結構すごいやん!

そしたらマリーが近づいてきて、テストの点を見られた。

途端にマリーの顔が真っ青になる。

マリーの方が点数が低かったようだ。

マリーはこの事がよっぽど気に食わないらしく、足音荒く教室を隅っこに引っんだ。

私は勝ったって思って喜んだら、マリーが掃除用具入れから箒を持ってきて、箒で殴られた。

頭がジーンってなった。そのままマリーにもう一発殴られた。

痛い。

もう1発

痛い。

殴られた部分が痛い。猛烈に。

頭に、耐える。止まらない、黒い痛みに。

今何発目だろう。

やられていくうちに殺意を感じるようになった。

マリーの顔をバラバラにして、学校の汚い池に投げ捨てたいわ。

骨の髄まで、潰してみたい。私の目に惨めな姿を見せさせてごらんなさい。

殴られているうちに感じる殺意は、どんどん大きくそして明確に私の体の中を回る。

途切れることなく私を殴るマリー。

の鼻を殴った。思いっきり。

マリーは殴るのをやめて鼻を抑えた。前もマリーの鼻は低かったが今はもう一段とひくくなっていた。

 

…生まれてはじめて、やり返せたんだ。

途端に空気が、視線が変わる。

『あれ、やばくない?』

『見てて面白いわー!』

私はマリーの毛を引っ張り目を合わせた。

「マリー、周り見てよ。」

「は?」

「まぁ、私もなんだけど、誰もあなたの心配なんてしてないのよ。それに、箒はそうやって使うものではない。」

 

「…」

「あなたは所詮その程度なのよ。」

私は筆箱の中にあるハサミをとった。

「まぁ、これでいいか。」

泣いているマリーの手をハサミで書いてみた。

「わ た し は 所 詮 そ の 程 度 。」

マリーが抵抗するからあまりうまく書けなかったけど。

血でぐちょぐちょになってもう分かんないけど。

書いてやった。その傷は残るがいい。私があなたを覚えている限り。

 

「先生にチクったら私も今までの事をチクるから。」

 

とだけ行って荷物まとめて教室から飛び出した。

もうあの場所には行かない。

 

私は学校に行かなくなった。まぁ、もうすぐ卒業だし。

ハリーとは毎日公園で遊んだ。ハリーは私の点数を褒めてくれた。ハリーは私がマリーに何をしたのか知らないようだ。つまり、やっぱり彼女は周りから心配されてない。その程度。

「やっぱり、やれば出来るんだな。」

「うん!

「リンー!どうしよ、明日ダドリーの誕生日だよー!」

「あいつにも誕生日なんてあるんだな。」

「そうだよ。」

 

 

 




リンさん。サイコパス要素あるかも。
作者はバイトの面接落ちた。慰めて!
リンがテスト中に「あ!ここ、進〇ゼミで出た問題だ!」って叫ばせたかったけど、イギリスには進〇ゼミないもんね。


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賢者の石
You are a wizard,Lynn.


バーノンやペチュニアの行動って見ててなんか面白いですよね。


ハリーは動物園でやらかしたらしい。

何をやらかしたかは知らないが本人は相当参ってた。それに伴って公園の雰囲気はどこか暗い。

 

「もうバーノンおじさんは気が狂ってる。最近来る僕宛ての手紙を夏休みの宿題みたいに思っているのかは知らないけどビリビリに破くんだ。」

「君のところのおじさんが狂っているのはいつものことじゃない。私のお母さんなんて毎日1時に帰ってくるのよ。仕事は6時に終わっているはずだわ。」

「そうなの?この間リンの家に行ってお母さんを見た時はそう見えなかったけど。すっごい美人だし。」

「顔で人を決めちゃだめだよ。女優とか俳優とかモデルとかいくら見た目が良くても不祥事を起こしたりする人はいるでしょ。つまりはそういう事。」

「僕個人としては、女優とかの不祥事を週刊誌に載せるより、バーノンおじさんの奇行を週刊誌に載せる方がいいと思うな。週刊誌もその方が儲かるだろうし。」

言い終わったハリーは1人でブランコを漕いだ。

「また来るといいねその手紙。私のところにも、来るといいな。

あと、早く大人になりたい。」

私もブランコを漕いだ。

「リンでもそう思うことがあるんだ…。」

「失礼な。私だって大人になりたいんだよ。」

 

 

家に帰って飯を食べて皿を洗ったらチャイムが鳴った。

ドアを開けると、ものすごい…あれだな、育ちすぎたコウモリが立っていた。

「どちら様でしょうか。」

「我輩はホグワーツという学校の教員のスネイプと申す。あなたにホグワーツの入学説明をしに来た。」

「…私にですか?」

「あぁ。」

ちょっと気になる。近所の学校に進学するのはすごい嫌だから。

「あの、上がります?」

「お言葉に甘えて。」

スネイプさんを椅子に座らせた。

「すみません。お菓子とかお茶とか出せなくて。」

「構わん。」

「ホグワーツ?という学校ってどうやったら行けるのでしょうか。」

「9月1日にキングズクロス駅から出る汽車に乗るのだ」

「そうなのですか。で、何を学ぶのですか?そこで。」

「やっぱり…君は説明されてなかったか。しにくいしわからないからかね。まぁ、いい。リン・ブラック、よく聞け。」

 

《You are a wizard,Lynn.》

《君は魔法使いだ、リン。》

 

「まさか。」

「君はこの人生において不思議なことはなかったかね?」

「あります。いっぱい。学校の屋上から飛び降りても無事でした。」

「そうか。魔法使いの子は大体幼少期に不思議な事をする。君は飛び降りても無事なのもそれである。」

 

「それでは、魔法が使えるなら、私は自由ですか?」

 

 




スネイプを呼ばせたのはなんかスネイプに言わせたかったからなんですよね。君は魔法使いだって。
⤵︎⤵︎⤵︎はリンです。前髪はセンター分けです。

【挿絵表示】


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追憶のガキスネイプ

始業式くしゃみしまくった。


「そうだ。君は今までよりもずっと自由になれるだろう。」

「そうですか。それでは魔法を見せてください。見たいので。」

途端にお菓子がテーブルの上に出現した。びっくり。

「君にあげるよ。どうだ、自由だろう?」

「はい!ありがとうございます!」

スネイプからお菓子って…。いや、普段からよく食べるのかもね。

「それと、私は君の親に少し話をしたいことがある。」

「はい、今日は早く帰ってくると思うので…」

「もう9時だがな。」

「ああ…」」

玄関からドアが開く音がした。

「ちょっと帰ってきたんで、伝えときますね。」

「ああ。」

玄関にいる母にスネイプって人が来たよ今も待ってるよーって言ったら、飛んで向かっていった。足速い。

「セブルス?!久しぶり!」

「久しぶり、ステラ。」

「知り合いだったんかーい!」

「うん、セブルスがね、子供の頃に数回遊びにきたんだ!」

スネイプって子供の頃遊んでたの?

「ところでステラ、君は子供に自身かスクイブだと伝えなかったのか?」

「ええ、魔法なんてこの辺にないし、伝えない方が楽よ。」

「スクイブって何?」

「魔法族から生まれた、魔法を使えない者のことを差す。」

「お母さんの親って魔法使いだったり?」

「する。」

するのかーい!

「まあ、いい。リン。君は教材買うのをいつにする?」

「別に明日の昼でもいいです。」

明日はハリーの誕生日だからね。午前中は祝わなきゃ。

「では明日の12時にここに来る。その時に、教材を買おう。」

「あ、待って、セブルス。私もグリンゴッツ行きたいの。いい?」

「いいぞ。吾輩はトロッコになど乗らんがな。」

 

スネイプが帰ってていった後、寝て夢を見た。

ガキスネイプと白い犬とカンガルーとガキお母さんが滑り台でキャッキャウフフしてる夢だった。

 

「悪夢だ…悪夢だ…。」

 

顔を洗った後、飯をトーストを親ともぐもぐ食べた。

 

公園に行ったけどハリーは来なかった。昼まで…。

12時になりそうになってて、やばいスネイプちゃまとの約束に遅れる〜って思って走って家まで行った。

スネイプちゃまはその1分後に我が家に現れた。

それからロンドンまで行った。

それで、へんな煉瓦みたいなところでスネイプが…よく分かんない事をしたらダイアゴン横丁というものが現れた。

あっちにもこっちにも、魔法グッズがたくさんあってびっくり。

マグルの百均とかコンビニとかには到底ないものがたくさんあって…私、その中にある鍋買いたい。でも、魔法使いの鍋って底が薄そうじゃない?

まずは銀行に行くようだ。

スネイプは入口で待っていて、母親とトロッコに乗った。

 

「…最悪。」

「…それな。」

お母さんもなんだけど、私、酔いやすい。遠足の時のバスで吐いた事もある。

ブラック家の財産は…めちゃめちゃあった。地上から天まで、そしてあたり一面金、金、金!

「は?なんで今まで私たち贅沢してないの?こんな金あるのに!」

「私が私の親と喧嘩して家出して、スクイブにやる金はないーって、それでも親戚の方が少しくれたから…これがこの少しなんだけど…でも、その時は親戚とも関わりたくなかったから…。まさか魔法使いに私たちの金がこんなにあるなんて思わかなかったの…。」

「分かった…。とりあえず、取ろっか。」

それから、金を取ってトロッコで地上に戻った。

「…再び最悪。」

「…再びそれな。」

最初に、制服を買った。なんか、ローブとか見た事ないから…ガン見しちゃった。

それから教科書を買った。魔法学校だから当たり前だけど魔法薬学とかそういうのでびっくり。国語とか数学とかはないんだ。まあそうだろうな。ていうことは…

「私が小学校へ通ってた意味って…?」

「…まぁ、スクイブの可能性があるからよ。でも、私はあなたが魔女だなっていうのはうすうす気づいてたわ…。遊具を変な位置に動かしてた時もあるし。それに、読み書きを教えてくれたんだし…、良かったんじゃない?」

何よ、何も知らないくせに。

学校からの電話は最初は来ていたけどそのうち来なくなった。

親がいない時にちょうどよく鳴ってくれたから、居留守して着信履歴を消すだけだった。

道を歩いてたら…巨人とハリーが歩いていた。

「ハリー?!」

「リン?え?きゃああああ離して!」

ハリーを思わず抱きしめた。

「すっごい乙女チックな悲鳴だね、誕生日おめでとう。なんで公園に来なかったの?」

「おじさんの気が狂って、夜に島にいたからさ。そんなことより、君は魔女だったのか。」

「君も魔法使いだったんだねー!もしかして、来年はホグワーツ?」

「そうさ。君は?」

「私もー!やったー、来年もハリーと居られる!あ、スネイプが今にも爆発しそうな勢いでこっち睨んでるから離すね、ばいばい!」

「ばいばい!」

ハリーと別れても、スネイプちゃまは不機嫌だった。

「もう買うものはないよな、おまえら。もう戻るぞ。」

「はーい。」

「分かった。」

 

 

 




リンに鍋底の話をさせるというパーシーっぽい事をさせましたʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬ


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まもなく、ホグワーツ。ホグワーツ。お出口は右側です。

最近眠られない。


待ちに待った9月1日。

「混んでる…!」

「ははっ、まるで人がノミのようだ!」

「そこはゴミでしょ、リン。」

喧騒を作っている大衆は私とハリーの荷物とヘドウィグを邪魔がってた。

とりあえず隅っこに移動した。

「リン、9と4分の3番線って…?」

「スネイプが言うに、9番線と10番線の間のあの柱に突っ込めって。」

「おい、それ失敗したら?」

「ドンガラガッシャーンでしょ。」

「なるべく痛いのは避けたいな。」

「私も。」

「本当にするの?」

「やるっきゃないでしょ!」

ハリーと肩を組んで2人のカートを柱の方向に向けた。

「きっと痛くないはず!」

そのまま突っ込んだ。

 

 

 

待っていたのは痛みではなかった。

こちらもあちらと変わらない喧騒。

魔法使いと魔女の喧騒…!

ハリーと2人で顔を見合わせ、次第に2人の顔に喜びが浮かぶ。

「私たち、やっと?!」

「これからが楽しみ!」

ホグワーツ行きと書いてある赤い列車。

「とりあえず、座ろっか!」

座り心地はまあ良かった。

ハリーとホグワーツを予想しまくった。

校舎はどうなっているのか。

「私は青春したいから屋上開けてほしい。…決して飛び降りるためじゃないから安心して。」

「僕は…、なんとなく自販機が欲しいな。」

教室はどうなっているのか。

「私は別の教科の宿題を内職したらバレそう。」

「僕は椅子の座り心地を魔法で良くしてると思う。」

寮はどこへ行くのか。

「グリフィンドールがいいな。主人公感があるから。」

「僕もグリフィンドールかな。同じ理由で。」

主人公感とかなんとか言ったけど、本当は私、勇気が欲しいんだ。

私の人生に勇気は少なかったから。組み分けは、元からあるもので判断するのかな。もしそうだったのなら…。

しばらくして、赤毛の男の子がやってきた。

「あの、ここに座ってていいかな?他は満員で…。」

「いいよ。」

断る理由なんてないし、それに友達作り!

ロンという少年はなんか面白い。絶対ボケキャラだって。

「このコンパートメントにハリー・ポッターがあるって本当なのかい?」

しょうもない話を興じていたら急に知らない少年の声が聞こえた。

その少年は金髪のオールバックだった。おぼっちゃまって感じがする。あと2人少年がいる。

「そうだよ?」

「…そうか。ポッター、友達は選んだほうがいいぞ。ヴィーズリーのような」

なんか変なこと言い走りそうなのを察して、販売で買ったゴキブリごそごそ豆板を金髪の少年の口に向かって投げつけた。見事命中した。少年は走ってどこかへ行ってしまった。不味いのかなぁ。2人の少年もその後に続いた。なんだったんだ、今の。

話疲れて寝た。

寝てたらハリーに起こされた。

「リン!もうすぐ着いちゃいそうだから、リンが先に着替えてて、僕達は出るから。」

「了解!」

ガタンゴトン揺れるから、少し着替えにくかった。

それから、私が外に出て、ハリーとロンが着替えた。

 

赤いシュッシュポッポ(なんか言いたくなった)を降りたら人混みだった。それほどホグワーツ生はいるのであろう。

「イッチ年生はこっち!イッチ年生はこっち!」

なんだ、この間のハリーと一緒にいた人だ。

…2chのやりすぎでは?

 




イッチ!イッチ!ってハグリッドやっぱ2chやってたりしないかなー。
私も学校行く時は赤い電車に乗るから、たまにホグワーツにこれで行けるかなって乗ってる時に思ってます。

ホグワーツを降りる時に右側かは分かりません。


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まだまだのびるよ

ホグワーツ、改修工事とかってあるのかな。


船でホグワーツに向かった。

初めてのホグワーツ。

星が広がっている夜空に綺麗で壮大な城が見えてきた。

すごく綺麗、この世にこんなものがあっただなんて。死ななくて良かった。生きてて良かった。

心にじんわりとくるこの思い。一生、忘れたくない。思い出としてとっておきたい。

 

組み分けが始まった。

「アボット・ハンナ!」

「ハッフルパフ!」

「ブラック・リン!」

私の番だ!

普通の足取りで机に向かった。

なんか知らないけど、在校生みんな私のことみてない?!

特に緑色ネクタイの集団!

組み分け帽子は、私としては少しサイズがでかかった。

「君は…そうだな、どの寮に入りたい?」

「え、選べるんですか?」

「君は元々スリザリンに入れたい子だ。だが、最近の傾向をみるとレイブンクローやハッフルパフに入れてもいい気がする。グリフィンドールにも。」

「ひとつ聞きたい事があるのですが。」

「なんだね。」

「組み分けって元からあるもので判断するのですか?ああなりたいからあの寮に入って頑張るとかじゃダメなのでしょうか?」

「いいと思うぞ。君がそう望むのなら。」

「あの、グリフィンドールに入りたいんです、私。今まで、勇気がなくて…。勇気がある人になりたい。文武両道でありたい。お願いします。」

「分かった。それでいいのだな?…グリフィンドール!!」

途端に拍手が聞こえる。

私…グリフィンドール生になったんだ!

赤いネクタイ集団テーブルに座って、パーシーという人と握手した。

私の後の組み分けで、人の名前を懸命に覚えようとしたが、途中から7年間一緒にいるから別に今覚えなくてもいいよね?っていう考えが浮かんできたので、やめた。

「ハリーポッター!」

お、いよいよ我らのハリーちゃんの番!

おお、緊張してる可愛い!

しばらくして「グリフィンドール!!」と組み分け帽子が告げた。(…怒鳴り散らした。)

やった!ハリーと一緒の寮だあ!

ハリーと目をあわせてウィンクした。向こうをウインク仕返した。へったくそやなぁ。

ロンもグリフィンドールに入って、その後に校長先生の話を聞いた。

私は飯が待ち遠しくて、ほとんどなにも聞いていなかった。

やがてご馳走をいただく番が来た。

おお、なかなか美味そうなものばかり。私はまずはじめにハッシュドポテトを食いまくった。ハッシュドポテト大好き。その次にハムとチーズが乗ってるパンを食べて、野菜と肉をとった。うまうまー。ウホウホ。

腹を満たしたところで、解散。監督生の後に着いて行った。

グリフィンドール寮の扉は(穴?)…そこらへんにいそうなご婦人。

合言葉を監督生が言ったらしいが、私は聞いてなかった。どうしよ。

談話室は、赤を基調とされていた。燃えるような赤。

部屋を決められた。

同室の子は、茶髪の少しボサボサな事と、インド人っぽい子。

ハーマイオニーとパドマというらしい。

よろしくねーと言いながら布団に飛び込んで寝た。

すごい良い1日だった!

 




ハッシュドポテトがメニューにあるのか分かりません。

志望校とかを選ぶ時って、どこの学校に行けるのかなーというよりは、ああなりたいからあの学校に行くっていうのがいいかなって思って。元からあるものだけで判断したら、可能性が潰れちゃうんじゃないかなー。少しでもいいから可能性があったら、遠慮なく伸ばしてほしいなーという思いで今回を書きました。




ハリー「スリザリンは嫌だ!スリザリンは嫌だ!スリザリンは嫌だ!」


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きっと後から思い出すと初々しい

私はどうでもいいことばかり覚えてる。

子供の頃見た枯れている花。冷蔵庫の下に隠した点数の低いテスト。

この間ハリーと一緒に歩いてる時に見た近所の家の工事。

 

「ほう。ブラック。君は初回の授業に寝るとは度胸があるじゃないか?」

「へ?」

あ、いつのまにか寝てた。てへぺろ。って言ってる場合じゃねー。スネイプの授業だぜ?寝てたら毒薬を飲まされそうじゃね?

「目を瞑ってただけです。」

「にしてはでかいいびきをかいていたぞ。」

よく観察してるね。

「お恥ずかし。」

そのあとにスネイプはみんなに実験するように伝えた。

え?実験?いままで寝たからマジでわからんわ。

どうしよ、このまま材料を適当に切って鍋に放り投げるとする。普通の野菜とかだったら茹でて味付けしてまあ美味しい鍋料理完成!になるんだがここには野菜ではなくまともな材料じゃないものしかない。

口に入れたくないと思うものばかりだ…。

ハリーに教えてもらって、とりあえず言われたとおりに作業をこなす。サンキューハリー。

途中でネビルって子がやらかしてたけど、大丈夫かなー。

 

 

ホグワーツの昼飯はなかなかいいぞ。

私の大好物ばかりだ。

ハーマイオニーが横に座ってきた。

「ハーマイオニー、魔法史って何やるの?産業革命?」

「やりませーん。あなた、ここはマグルの学校じゃないのよ。」

「ちえ。私は産業革命好きなのに。てか、魔法使いって産業革命知ってるの?」

「上級生になって、マグル学をとってるじゃないと分からないと思うわ。」

ハーマイオニーの隣で飯を食ってるロンは、産業革命とはなんぞやみたいな顔でチキンをもぐもぐ食べている。

その横のネビルって子もチキンをもぐもぐ食べている。

今日のお昼、チキン多くない?

カレーの味付けをされているちょっとプレミアムなチキンを口に入れながら、次の授業を楽しみに思った。

 

 

 

「飛行訓練という話は本当?ハリー。」

「そうだ。…君は、地べたに足が2本あったほうがいいんじゃないかな?」

「どういう意味かなハリー。」

私は足を地べたにくっつけてもなにかやらかすしなぁ。って、ネビルもじゃん?

グリフィンドールの談話室の1年生は飛行訓練についてあれこれ言い合っている。みんな楽しみなんだなー。

空を飛ぶってマグル生まれは怖がりそうじゃないか。まあ、私もスクイブから生まれたけども、怖い。

空だぜ?あの空だぜ?普通空を飛ぶものって飛行機とヘリだよね?

結構運動神経に自信が無い私は怖いよ?

 

 

空を飛んだらどうなのかな。お星様とかお月様とか近くに見える?

 

 



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空気?

これからテスト3週間前なので現われる回数が少ないです。ご了承ください


飛行訓練がやってきた。

訓練場の芝生が、麗らかな太陽に照らされて美しい緑が私の目に入ってくる。この色、ハリーの目と一緒だな。

先生は目が綺麗。その目で空を飛んた時の景色を見ているのかな、マダム・フーチは。

 

かれこれ、3分ぐらい箒に向かってみんな上がれ!って言ってるのですが。

ハリーは出来た。私の隣の子は箒が顔に激突してうおんって叫んだ。

その隣の男子は、どうやら箒は上がったが、箒が上がるついでに急所を下から蹴られて苦しんでる。その他の子達はあんまり上がってない。

私はといえば、箒がぷよぷよ上がっている。手元まで行かないのだ。

「くそっ…この箒め…上がらんと始末するぞ…。」

「リン、それじゃ上がりやしないよ?」

「だって…」

 

 

 

いつの間にか、実際に飛ぶシチュになっていた。

なんとですね、この私、1mぐらい飛んだ!高い高ーい。高い高ーい…景色ちょっとしか変わらない。

おお、ハリーは飛べている。すげー!

途端に悲鳴が聞こえてきた。

空を見上げると、ネビルが悲鳴をあげながら太陽に向かっていた。

と思ったら落下して、禁じられた森の方に消えていった。

え、何あれ、死ぬんじゃない?

マダム・フーチがネビルを保健室に連れてくらしい。死んでなさそうだし良かった。先生戻ってくるまでに飛んだ人は退学らしい。

「この忘れたら真っ赤なやつ、これ、ロングボトムのか。」

「マルフォイ、返せ。」

ハリーとプラチナブロンドの少年が言い合っている。

「まあまあ、2人とも落ち着いて。ハリーも金髪?も、これネビルのだよ。後で渡してあげよ。」

「金髪…」

「リン。ちょっとそれとは違うの、空気読んで?」

マルフォイが玉を持ちながら3mくらい飛んだ。

「ちょっと!金髪?!1年だから高い高ーいしないで!降りて!このままじゃ君、他界他界になるぞー!あ、ハリーまで!」

ハリーがハーマイオニーの静止を振りほどいて箒に跨った。

そしてひょうひょうと飛んでいった。この間見た虫と動きが似ていた。

ハリーに挑発した金髪が玉を下に投げた。ハリーはボールを取ろうと落下してる。

金髪の方はというと、いけしゃあしゃあと地上に戻っていた。

「おい金髪」

「マルフォイだ。」

頬を張ってやった。驚愕してるマル…なんだっけ。マルなんとかは驚愕したまま何も言えないらしい。暴力を振るわれるのははじめてなのかな。幸せな環境で育ってきたと思うと嫉妬しちゃう。

「ハリー…良い奴だったのに…。」

「僕は死んでないよ。リン。」

「あらまあっポッターさん。いつの間に戻ってきた?怪我ない?あ、もしかして毛がない?落ちた衝撃で。」

「くだらないよリン。怪我はないけど。」

「本当にくだらない事ですわ。ポッター。こっちに来なさい!」

マクゴナガル先生…。いつの間に来てらしたのですか。

 

そのままマクゴナガルはハリーを連れて言った。

「マル!どうすんの!ハリー退学かもよ?」

「僕はドラコ・マルフォイだ!ポッターが退学?良かったじゃないか。」

「どこも良くないよマルコドラフォイ!」

「ドラコ・マルフォイだ!」

 

 

 

 

 




マクゴナガルって最初読んだ時にマクドナ〇ドって読んだ。
今はそこでバイトしてる。


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アイデンティティの拡散

テストから戻ってきた ('ω' )
返されるの今日からなんだかけど、渡されたらインセンディオしようかなー。


私は今、マルフォイとクソ爆弾をお互いに向かって投げあっている。

あたり一面悪臭だ。最悪だ。鼻がイかれそう。

今この光景をフィルチが見たら、泡を吐いて失神するんだろうな。

どうしてこうなったのか、それはかれこれ10分前…。

 

 

私は廊下でフレッドとジョージと話していた。

「マルフォイってやつがなんかムカつくからクソ爆弾を投げたい。」

それを聞いた2人は、ごっそりとクソ爆弾を持ってきた。一体どこにあったんだ?

「え?クソ爆弾でもこんなにあったら相当金がかからない?悪いよ。」

「いやいや、リン。こういう時はやっちまいな。何かが芽生えるかもよ?」

「では、お言葉に甘えて。」

「やる気満々だなー。」

2人ともニコニコしてる。

「マルフォイの親父がうちの親父と仲が悪いんだ。なんてったってマルフォイの純血主義には吐き気がするしな。」

「…純血ってなに?」

「「先祖が全員魔法使い。ちなみにそこまでは俺らもそうさ。純血主義ってのは、その純血だけが上で、その他やマグルとかはゴミって思想。」」

「えっ。おかしくない?人間の先祖はみんな猿なのに?純血の先祖も猿じゃん。」

「「それな。」」

「あっ、マルフォイが通りかかってくる!」

 

 

 

そして今に至る。

クソ爆弾も底を尽きた。マルフォイのクソ爆弾も底を尽きたらしい。

「ていうかなんでマルフォイみたいなおぼっちゃまくんっぽいのがクソ爆弾をいっぱい持ってわけで?」

「ポッターにプレゼントするつもりだったのさ。」

「おげっ。変わった愛情表現。」

「フォイ?!」

「とりあえずさ、私はもうスッキリしたからさ、お互いに風呂に入らない?」

「賛成だ。」

フレッドとジョージのところに戻ったら、汚れを取る魔法?をかけてくれた。

「「お疲れ様ー♡」」

「私の戦いぶりをみてくれた…?」

「「臭かった。」」

「あ、そう。」

とりあえずは風呂!風呂!

 

グリフィンドールの風呂は、更衣室も浴室も赤色を基調としてそれに金の模様が床と壁、天井に張り巡らされている。その模様は幾何学的な形を描いて、なおかつ力強い。嫌いじゃない。むしろ好きだ。地味ったれた家の汚い古い壁よりは。

清掃は基本行き届いている。なんかホテルみたいだな。

服を脱ぎ、真裸になり浴室に入る。

水を浴びて、シャンプーで髪を泡だらけにする。

ゴシゴシ。ゴシゴシ。

「どーしよ。ハリーがいなくても私、やってけるのかな。」

退学したら、ハリーはどうなる?

マグルの学校に転校?せっかくホグワーツに来たのに?

ダーズリーのとこに戻される?

ゴシゴシ。ゴシゴシ。

自分が一体何なのか分かんないよ。

ハリーは一体どうなってるの。

 

 

 

 

 




クソ爆弾を投げ合うって決闘のうちに入ってるのかね。
入ってないのかね。


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恋の種

ホグワーツ楽しそう。


風呂から上がったら、談話室でロンとハリーが熱心に話していた。

「ねぇ、ハリー。退学?」

「それがね、しないんだよ。しかもハリーはクィディッチのシーカーになったのさ!100年ぶりの才能さ!」

ロンは自分のことのように喜んでいた。

他人の事をこんなに喜べるなんて、なかなか出来ないことだよ。

「退学かと思ってた…。よかった…。」

私はへなへなとソファーに座ってしまった。

「シーカーってなに?てかさっきは何を話してたの?」

「「マルフォイと決闘する時にぶちのめす方法。」」

「あら。もうあらかたダメージを加えておいといたよ。」

「「さすがリン。」」

「いつ決闘するの?」

「今夜さ。」

「あの人、まだ決闘する体力残ってるのかな?」

「ないほうがこっちの都合にとてもいいのさ。」

「ていうか、いつ決闘を申し込んだの?」

「さっき食堂でさ。あいつは異臭を漂わせながら決闘をしようって言ったのさ。臭いったらありゃしなかったね。」

「私とクソ爆弾をお互いに投げあってたの。」

「カオスだね。」

「ね、私さっき風呂入ってきたんだけどさ、クソ臭くない?」

「リンは臭くない。石鹸のいい匂い。」

「ありがとう。それじゃ、ご飯食べに行ってくるねー。」

「「行ってらっしゃい。」」

グリフィンドールの談話室を出ると、涼やかな風が迎えてくる。もうすぐ秋だ。

そこまでお腹は空いてないので、校庭に出た。1度1人で探検してみたかったのだ。

夏の終わり。夕焼け。シャワー浴びた後だからなのか、自分から泡の匂いがする。禁じられた森の前でネビルを発見した。何か植えているようだ。

「ネビル。何やってるの?」

「この前、親戚がくれた薬草の種を植えているのさ。名前を教えてくれなくてね…。育ってからの楽しみだって。…全部植えたけど、どんな薬草かなあ?」

ネビルは丸っこい顔をしていて童顔だ。普段はドジなところがある。でもよく見たら整った顔してるんだけどな。

「薬草大好きなんだね。」

「うん!」

キラキラしながら薬草の事を話している。

その時。

夕焼けに照らされているウキウキした顔を見て。

なんか体温が急に上がったのかな。顔が真っ赤になった。なんで。どうしてなの?

森の草木の匂い。

あなたの匂い。

私の匂い。

すべてすべて夕焼けに溶けてしまったらいいのにな。

自分で自分がなんなのか分からない。

この時がずっと続けばいいのにって思ってるのに何故か走り出して逃げ出したい。

 

いつかこう大人になった時に

懐かしい戻りたい楽しかったって思えるような

何も忘れてて欲しくない。

この体温でさえ。

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと待って16年生きてるのに恋人いた事ねぇ(´;ω;`)
いいもん、これからだもん。


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君は忘れん坊だ。

海行きたいかも。


飯を食ってから談話室に戻ってハーマイオニーと勉強した。

マグルの小学校の授業なんかよりも楽しく、未知な内容がたくさんで思ってたよりもはかどった。

「ねー!ハーマイオニー、ホグワーツって体育ないの?」

「ないわ。」

体育は苦手なほうだから別になくていい。

「でも、こんなに走ったり玉遊びしてないとね…健康的にどうなんだろうか。ホグワーツ卒業して働くとして、体力のいる仕事についたらどうするの?」

「その時はその時よ。マグルのジムにいきましょう。」

「了解。」

気づけば時計は12時をさそうとしていた。

ハリーとロンが男子寮から出てきた。なんか2人ともどことなく怒ってるのが顔に出ていてまるでコーヒー豆のようだった。

「あなた方達!決闘なんて校則に違反していているわ!辞めなさい!」

「校則に違反してるから決闘はしないのかい?マルフォイは僕達に暴言をあの時に吐いた!プライドを傷つかれた!生徒一人のプライドを守れない校則なんていらないのさ!」

「しかも、煽ってきたのはマルフォイだ。」

「でも、深夜にグリフィンドール寮を出るのはダメだわ。私が許しません!」

「君の許しなんていらない!おまえ鬱陶しいんだよ!

「ロンってこの頃は毛嫌いしてたよね。少し反動形成かも。え?」

私何言ってるんだよ。

全く頭に考えてない事が言葉になって出てきた。

「えっ?なになに、病気かな?」

「さっきのどういうこと?」

「ごめん、何でもない。」

「あっそ。とにかく、僕達は行くから、そこで優等生ぶって勉強してろよ!ガリ勉!」

「まあ、あんまりだわ!」

ハーマイオニーも私を引きづすりながら

ロンとハーマイオニーは2人ともイライラしてて、だんだん2人とも声がでっかくなってる。

「お前ら落ち着けやあ!」

「これが落ち着いていられるか、リン!」

そういってロンとハリーは談話室を出てった。続いてハーマイオニーも。いや、お前も出るんかーい。

とりあえず出ておいた。

「もー、あなた達!これが最後の忠告よ!」

「喚くな!うるさい!」

「あなただって喚いてるじゃないのよ。」

「もういいわ。あなた達、明日にはホグワーツ特急に乗ることになるわよ。今のうちに荷物をまとめておいた方がいいんじゃない。まあ、退学になってから反省しながらまとめなさ…」

「ん、なんで何も言わないの?」

「いないわ。」

「誰が?あっ。」

合言葉をいうも何も、合言葉を聞いてくれる相手がいないのだ。

「あんなばばあでも寝るのな。」

「どうしよう!私、帰れないわ!」

「私も。ねー、提案なんだけどハリーとロンにくっついてよう?夜の学校って怖い。」

「ちっ。迷惑。」

「悪かったわね。」

こうして夜も冒険することになったのです。

私はあの時のことを後悔してやまない。




わざと時間帯ずらしました。


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そうやってもっと歩いていくがいい

体育祭で日焼けして、自分がコーヒー豆みたいになってる。


夜の学校の廊下はいつもよりひんやりしてる。

私達4人組は、トロフィールームに向かっていた。

今にもフィルチが現れるのでは、もしくはミセス・ノリスが現れるのではという恐怖を胸に抱きながら進む。

時計の針の音でさえ、怖くてたまらない。

動く絵画達も、あまり慣れてないから怖い。

私達は、無口に行動した。何を喋ってもみんなピリピリしだすことは明白だったから。

階段を曲がったり、降りたりして4階のトロフィールームへ行った。

その名の通り、トロフィーばかりだった。

トロフィーだなんて無縁なリンは、ただの鉄屑をまとめたやつに文字が書いてある無価値なものにしか見えない。

いや、本音をいうと羨ましいと思う。

でもいつか貰いたいとかは絶対に思ってないし?

「マルフォイ、遅いなぁ。」

「嵌められたんじゃないかしら、私達。」

「そうかも。」

「しいっ!静かに!」

足音が聞こえてくる。

「フィルチかも!逃げろ!」

4人は、自分達の足音すら気にせずに廊下へ飛び出した。

重心を前に!前に!とにかく前に進んだら

いつの間にか私1人になっていた。

「え?え?」

途中で3人と走る道がズレたのか、それとも別の理由があるのか、とりあえずホグワーツ入りたてで、校舎に詳しくない私にとって地獄だった。

どっちに進めばいいのかも分からなかったのだ。

「ハリー!ローン!ハーマイオニーー!どこにいるのみんなあー!」

どうしよう。

だんだん1人でいることに、怖いと感じはじめた。

目の前は真っ暗。点々とランプがあるが闇。あれ、懐かしい?

闇。黒い、闇。ただ自分1人。

帰りたい。グリフィンドールに。談話室で紅茶をまた飲んでみたいし、赤を基調とした天蓋付きのベッドに飛び込みたい。

本来ならばこの時間は、すやすや眠っている時間なのだ。

小学生の時に死んどけば良かったと思えるほどに。

人は孤独がこんなにも苦しいと思えるものなのか。

いや、この思いを孤独と言い表せていいものか?

少女だったら私はいつかは成人になる。

年老いていつかこの身体は土に還る。

ただそれだけの人生になぜ苦しみがあるの?

「あっ!!クィレル先生!」

ターバンぐるぐる巻きが目の前に現れた。

「ミ、ミ、ミス・ブラック。ど、ど、どうしてこんな遅くにここへ?」

「あー。えっと。」

決闘をみようとしたって言えないし、どうしよ?

「忘れ物、取りに行こうとしたんです。でもいつもより真っ暗で道がよく分からなくて。」

「ほ、ほ、本来ならば罰則を与えなければな、な、ならないのですが、ま、まあ。き、今日のところはみ、見逃します。ぐ、グリフィンドールまで送りますから。」

「ありがとうございます。」

イケメンやんけ。

あ、ここ来たことある!って階段を登ってる。おお、嬉しい。

「ブラック。聞きたいことがある。」

「はい。」

「君の父親は今どうしてる?」

「?会ったことないからわかりません。」

「…そうか。マルフォイとは、今のうちに仲良くしてたほうがいいと思うぞ。」

「そうですかー?生意気じゃないですか?」

「これ、飲むか?紅茶だ。」

黒いコップをどこからか出現させた。

「ありがとうございます。」

のどごし爽やかな飲み物を飲んだ。

その後のことは覚えてない。




クィレル先生って、服はどこで買ってるんだろう。


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ホグワーツに売店みたいなのあったら面白そう。


リンがいなくなってから2日経った。

3頭犬を見た日からあの子はいなくなってしまった。

どこにも、どこを探しても、あの幼いながらに凛とした美しさはどこにもなかった。

先生達は皆血眼になりながらリンを探していた。マクゴナガル先生なんかは昼飯を食わずに探してるし、あの、気味の悪いクィレル先生でさえ、ポスターを作っていた。

僕も、ロンもハーマイオニーも、授業が終わったら探しに行ってる。いけ好かないマルフォイでさえ、たまに探しているし、ハグリッドも禁じられた森で探してくれてる。

胸にぽっかり穴が空いたような気がする。悲しみを通り越した寂しさ。虚空。

あんな暗いところで置き去りにしてしまったのだ、僕は。

走ってる時になんでリンを確認しなかったんだろう?

罪悪感で気がどうにかなりそう。飯すら食えない。

この広いホグワーツ。この中でリンはいるのであろうか?

どんな日にもいずれ、夜が来て、闇が来る。

あの子はあの日から朝を迎えられずにいるのかな?

ダンブルドアはあの日から大広間で姿を見なくなったが、廊下で姿を見かけるようになった。探してくれてるらしい。

アクシオという呪文があるらしい。ものを呼び寄せる呪文。これがうってつけかなと、ハーマイオニーに声をかけてみた。

「ハリー。アクシオの呪文を今からあなたが習得するよりは、パーシーにアクシオしてもらった方が早いわ。」

「そうか。じゃあ、パーシーに頼むよ。」

グリフィンドールの談話室へ行くと、パーシーは机で勉強をしていた。

「あの、パーシー。ちょっとだけ、時間いいかな?」

「構わないぞ。」

「アクシオという呪文で、リン・ブラックを呼び寄せて欲しいです。」

「あまり、人に使うことはおすすめしないが…いいよ。アクシオ!リン・ブラック!」

どこからか騒がしい音がした。壁を突き破る音が、だんだんこちらに向かっていく。

そうして、リン・ブラックは全身に縄を巻かれた状態でグリフィンドールの談話室の壁を突き破って到着した。

「ぐえっ。がっ。」

「リン!ちょっと待って、今縄を解くからさ。」

リンの全身に巻きつけられた縄は、執拗に縛られていて、とてもじゃないが手で解けなかった。」

「パーシー、魔法で解ける?」

「ちょっと待っててくれ。縄、エバネスコ!」

縄が影すら残さす消えた。魔法便利。

リンは放心状態で仰向けで口を開けて倒れていた。

「大丈夫?」

「ご飯…食べたいよ。」

「はいこれ、パーシーが持ってたポテチ!」

「いや、ぼくのポテチかーい。」

「美味しい…。ううっ。これがホグワーツ…。」

「いままでどこにいたの?」

「闇の魔法に対する防衛術の教室の教員室…。ハリー、あいつは、クィレルは!」

パーシーが思い出したかのように急に立ち上がった。

「とりあえず僕はマクゴナガル先生に君が無事だと伝えてくるよ。」

「分かった。…リン、無理して立たなくてもいいんだよ?」

「いや、いい。ハリー!クィレルがヴォルデモートだったんだ…。信じてくれないんだろうけど、信じてほしい。」

人は人を殺せる。ヴォルデモートがハリーの両親を殺したように。

だけど、人はその反対に人を心から信用出来る生き物だ。

そう、私が信じてる。

「お願い。」

世の中思ってたよりも理不尽が多くて

嫌なことがあっても押しつけ殺され

体より心が死んでしまいそうになるけどさ

お願いだから。

今ここで信じられないと私の心は死ぬだろう。

それぐらい本気だから。

この目で見たことも確かだから。

「分かった。だけど、証拠は?」

「私が見たから。」

あー、よかった。

生きてて良かったー。死ななくてよかった。

気持ちが1点のくもりもなしに晴れになる。

朗らか。よかった。

気持ちが晴れやかになったら急にご飯が食べたくなっちゃった。

「お腹空いたから、大広間行こう?」

「いーよ。」

大広間についたら私はパンばかり食っていた。

食って食ってくいまくった。

みんなから、あれ、お前いたの?的な視線をうけても食って食って食いまくった。先生達は、マクゴナガル先生がもう私が発見されたと聞いてたらしく、あ、まじでこいつおるわって目でこっちを見てくる。

…先生方の中にクィレルはいなかった。

野郎、どこ行きやがった。いや、居たらいたで困るんだけども。

ハリーと一緒に大広間に出て、校庭にある湖のところへ行った。この湖には巨大イカがいるとかなんとか。食えれるなら食ってみたい。

「ハリー。クィレルは危険だ。近づかないで!」

「なんでだい?確かにクィレル先生は頭おかしいとは思うけどさ。」

「クィレルは、わたしの父親を知ってるらしい。目が似てるらしい。

私でさえ、自分の父親が分からないのに。」

「昔、仲が良かったのかな。」

「ハリー。クィレルは、まるで…まるでヴォルデモートだ。ていうかヴォルデモート。頭の後ろがヴォルデモートだ!」

「何を無茶な?! クィレルは僕の両親を殺した人だと言ってるのか、君は!」

「ああ、そうだよ!」

「そんなことがあっていいのか!闇の帝王がこともあろうか闇の魔術に対する防衛術だなんて!なんてセンスのいい冗談だ!」

「冗談じゃないの!」

「仮にそうだとして、これからどうしろってのさ!大人しくクィレル先生の授業を受けてろって?!僕は自分の親を殺した人の授業なんて受けたくない!」

「一緒にサボろ!」

「7年間もサボるのかい?それじゃ、本末転倒じゃないのか?」

「じゃあ、一緒に殺そ!」

「君に人殺しができる?」

「君こそ!」

「じゃあどうしろって言うんだ!」

「私には…」

私には分からない。

ハリーのヴォルデモートに対する気持ちも。

親を殺された気持ちも。

残酷なまでに。

言ってしまえば他人だし。

憎しみだなんて、悲しみだなんて、誰がこの物語を読んでもハリーにしか分からないはず。体験したのはハリーだけだから。

この世界中どこを探しても、ハリーの気持ちがわかる人なんていないはず。

「お前ら、そこで何をやっている?」

振り返ると、クィレルが湖を背にして立っていた。

 

 

 

 




クィレル先生ってイケメンなの?実際どうなんだろう?


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少年クィリナスちゃまの過去

しばらくサボってしまってごめんなさい。
でも、もう大丈夫です


快楽ってなんだろう。

人によって違うわけだし。

3代欲求を満たす瞬間?まあ、わかる気はするが…。

少なくとも、この私、クリィナス・クィレルにとっては永遠のテーマである。

服従の呪文。かけられた相手は相当気分が良くなるらしい。

魔法使いにしかできない。マグルにはできない。そんな服従の呪文。

極東の、朝日が登る国では、麻原彰晃のような信者が妄目的に服従しているのもあるが…。まあこれはレアなケース。

その服従の呪文を学生2人にかけたことに罪悪感はこれっぽっちもない。

湖の前でしゃがみこんでいる少年少女。その目はまるで正気を感じさせない。どことなく頭がいってる人の類に近い。

あの方の信頼を得るために、人のひとりやふたり。

なに、こんなのは朝飯前!

とりあえず私の部屋に連れてこさせた。

これからは定期的に服従の呪文をかけなければ。

さっさと利用したい。リン・ブラック。彼女はずっとこちらに閉じ込めさせなければならない。必要だから。

ハリー・ポッター。この小僧も必要。賢者の石をとるために。

これからやらなければならないことに、なんとなくイライラしている。なんでこんなめんどくさい事をやらなければならないのか。

自分じゃなくてもいいのに。ほかの人でもいいのに。

胸に来る不快感。ひっきりなしに掻いている肌。爪に感覚があることで自分って存在しているんだって思える一瞬。

自分が安らかに眠れる日がくるのであろうか。

自分の部屋の窓から見える、ホグワーツの校庭の花。あれを突如掻きむしりたい衝動に駆られ、我に返る。

なんて馬鹿らしいことを思ってるんだ自分。そんな暇なんてないだろう?

リン・ブラックとハリーポッターを縄で縛り、押入れに入れる。

押入れに魔法をかけ、そのままベッドに眠った。

 

 

 

俺、クィリナス・クィレルは子供の頃から魔法がまあまあ得意だった。

幼いながら魔法が周りよりよく使える俺を親はよく自慢してたっけ。

ホグワーツに入り、レイブンクローに入っても、そこそこ魔法ができて、友達もいる。そんな自分が大好きだった。

 

ホグワーツにいた時の、忘れられない記憶がある。

自分が1年の時のことだった。いたずらっ子が多いホグワーツの中のずば抜けてイタズラが得意な先輩たちの集団。あの、グリフィンドールの4人組だ。名前はなんだっけな。忘れた。

気晴らしに校庭に出てたら、その4人組が戯れていた。

その中の長身で美形な男子生徒。

その人を見ると一気に顔が赤くなって…。そのまま彼に夢中になってしまったのだ。

そう、俺は一目惚れをしてしまったのだ。同じ男なのに。

許されない恋。

絶対に報われることない恋。

これ以上辛い恋なんてないだろう。

そう思っても、彼の普通の女子よりサラサラな髪とか、どうしてそんなに?って思うほど澄んでいる瞳とかもう全てが神々しく、俺はどうにかなってしまいそうだったのさ。

と言っても、あんまりジロジロ見るのもあれだし、そもそも遭遇することもままならない。

自分が女だったら?彼と同じぐらい美しかったら?

勉強する時以外はそんな疑問が頭でぐるぐる回っている。

友達からは最近どうした?とよく聞かれる。

にしても、あの神々しさが…

「やっぱり、クィリナス、あなた最近どうしたのよ?思春期?」

「思春期だよ。この年代だし。」

「でも、勉強はちゃんとやっているのね。そこは安心した。」

当たり前だ。自己管理はきちんとやる。その前提ではじめて人に迷惑をかけない。そして、人に好かれる。

「…好きな人、出来たの?」

「はあああああああ?!」

「…そうだけど。」

「…実は私、最近失恋したの。」

「え?」

「だけど、アタックすることに意味があるんだわ。ダメだったらその時はその時。1度でも、やってみて?」

 

 

 



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少年クィリナスちゃまの過去②

ホモ要素があってすみません。





そう、アタックすればと言われても。世間の目は厳しい。

グリフィンドールに入ればよかったかな?そしたらすれ違う回数も多くなる。

魔法界において、同性愛は血統より問題視されてないのだ。

だけど、あの人はブラック家の人だ。

あの白い雪のような肌を忘れられない。

雪をみただけで思い出しちゃう。

年頃?まあ、そうだろよ。

まるで病気みたいだな。ざまあねぇな俺。

誰にも言えない、知られてはいけない恋。

 

朝起きたら隣に眠ってくれたりしたらな、いつも隣にいて笑ってくれてたりなって思いながら、日々がすぎるのであった。

あの人が、卒業してもその思いは消えなかった。

 

俺はある朝、日刊預言者新聞を手にパンを口にしていた。

その当時の魔法界は、ヴォルデモートの勢力がとても強かった。

あの人は、純血なのに純血が嫌いなようだった。

そこが美しかった。

あの人の影響で、闇の勢力は嫌いだった。闇の勢力はやってることも非人道的だと思うし。

新聞はほとんど闇の勢力のことばかりで、つまらなかった。

 

向かい側の席に知らない茶髪の女子が座ってきた。

「その新聞、もう読まないならくれませんか?」

「いいよ。」

その女子は、新聞を手にするとスリザリンの机の方へ行っていった。

「ん?」

今までその女子がいたところに羊皮紙が置いてあった。

“後頭部、今のうちに愛おしんどけ”

そう書かれてあった。

はぁ?将来はげそうな顔をしてるからか?失礼なやつ。

イラついきながらグリルポテトを食ってたら、またその女子が視界に入ってきた。

シリウス・ブラックの弟、レギュラスと一緒に話して茹でたポテトを食べていた。

弟の方も、綺麗だと俺は思う。けれど、あの人と重ならない。

俺は図書館に行き、天文学の調べ物をした。

あるページに、星のシリウスについて載ってあった。

「一等星…ね。」

あの人はどこにいても輝いてるから、一等星要素はあるね。

ちょいと脱線したが、調べ物終了して図書館を出て寮に戻ると友達からハッカ入りキャンディを貰った。

あの人が卒業するまでに惚れ薬を盛ればよかったのかなってハッカ入りキャンディを見て思った。

くだらない。ばかみたいなこと考えたとキャンディが舐めながら思った。

 

 

 

 

「…懐かしい夢を見た気がする。」

起きたら、強い日差しに照らされた。

今日も教壇に立たなければならんのかとため息をついた。

服を着替え、ターバンを巻く。かつて嫌いだったヴォルデモートが後頭部にいると思うと死にたくなってくる。

人生もう1回やり直したい。

 

 

 

 

 

 

 




というより純愛な気がする。


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おったまげ〜(笑)

涼しくなったり暑くなったり。全く弄ばれてるお。


ロン・ヴィーズリーは自分のベッドに向かって「アクシオ!」と唱えていた。

ロン・ヴィーズリーはアクシオいう呪文を練習していた。

物でもなんでも呼び出せる呪文だ。

だがしかしなかなか習得が難しい。

そもそも彼が呪文を練習するということはなかなかないのだ。この光景をハーマイオニーが目撃したら、彼女は明日雪が降ると思うだろう。

「失礼な!」

おっと、自分の妄想に対し独り言をするとは…僕はもう練習しすぎて頭がおかしくなったのかも。

今はルームメイトが全員眠っていて良かった。

「アクシオ!ベッド!」

あっという間にベッドが僕に向かって飛んできて思いっきりぶつかった。

「きゃあああ!おっ、ってことは成功したってことか。」

やったぜ!天才だ!僕。

ベッドがこっちに向かうことが出来たってことは、我が悪友ハリーがどこへいってもアクシオを唱えたらこっちにこさせることが出来るんじゃなかろうか。だってベッドは重いし。

全く、今は深夜の1時だっていうのに帰ってこないとは。

あのプレイボーイめ!

おっとその前にちょっと下ごしらえを。

「アクシオ!パーシーとフレッドとジョージのパンツ!」

即座に3つのパンツがやってきた。

「うん。効果抜群!」

では、本番だ。

「アクシオ!ハァリぃーポッタあああ!」

どすんどすんと、遠くから鈍い音が聞こえる。

それが数秒つづいた後に我が悪友ハリーポッターが姿を現した。

ハリーは何やら眠っているかんじがした。

「よお、ハリー!このプレイボーイめ!」

「…ん?」

「おお、どうしたその目。いつもとなんか違うな。」

「僕は…戻ってあそこにいなきゃ…」

ハリーは立ち上がってまた駆け出し、部屋から出た。

「ハリー!待って!」

僕も部屋から駆け出し、ハリーを追った。

グリフィンドールの男子寮の廊下は、真っ暗だった。

ハリーをあわてて追いかけていった。

ハリーを追いかけていくといつの間にか寮の外に出て、闇の魔術に対する防衛術の教室に来てしまった。

「全く信じられないぜ…。」

冗談は顔だけにしてくれたまえ…。

教室は薄暗く気持ち悪かった。

教室を尻目にハリーが入っていった教員室へ入った。

他人の部屋に入るとは何とも罪悪感の感じる事だった。

クィレル先生がいびきを書いて寝てた。

とてもいい夢を見ていそう。

ハリーは自ら先生の部屋の押し入れにはいっていった。

僕は先生が起きたら退学ものなんじゃないかなってうっすら思いながらも忍び足でハリーのローブを引っ張った。

「君は、全く……え?」

押し入れの中にはリンも入っていて眠っていた。え?え?

ハリーは押し入れの中に入り仰向けでくつろいでいる素振りをみせた。

僕の頭の中である仮説が生まれる。

ハリーとリンは、クィレルにここいにいるように魔法をかけられている。

ここから出てはいけない魔法を。

そうすれば、納得がいく。

僕も押し入れに入り、ハリーに思いっきりビンタした。

ビンタの音だけが、薄着味悪い部屋で響いていた。

「痛い…。」

「目が覚めましたか?それともまたダッシュか?」

「ここはどこ?」

「クィレルの部屋さ。」

「リンと湖にいてから記憶が無い…。」

「ふーん。まぁ、こんなおぞましい場所はない。リンを連れて出よう。」

 

 

 




小説を読んでるって言ったらえらく周りから驚かれた。
小説を読む見た目じゃないやろな。
小説を書いてるとは思いもしないやろな。


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ノーパン?!

ちょっとえろ要素あるので苦手な方どうぞごスルーを


グリフィンドールの談話室は静まり返っている。

談話室にはリンとハリーとロン、3人だけ。

3人ともソファーに腰掛けている。最もリンは眠り続けているが。

クィレルの部屋からここまではロンがリンをおんぶして連れてきた。

 

「ふぅ、やっと落ち着いたぜ。」

「リンがそんなに重かったの?」

「うん。米俵のようだね。米俵なんて持ったことないけど。」

「君ってたまにマイナーな知識を披露する時があるよね。」

「なんてったってあんなに兄がいるんだぜ。あっ、そういや君のためにアクシオを練習してた時にさ、パーシーとフレッドとジョージのパンツを練習として呼び寄せたんだよ。」

「君の性癖は僕が思っていた以上に特殊だね。」

「いや、面白半分だから?!」

「あと、僕がすごい気になることはね、そのパンツってご本人様が履いてたのを呼び寄せられたのかな?それとも、タンスの中にある洗濯されて畳まれたものが呼び寄せられたのかな?」

「僕…いままで後者だとおもってたんだけど。」

「…」

「…」

「誰がなんのパンツ履いてるのか分かるの?」

「ママに罰として家族全員の洗濯をやらされたことがあるから分かるよ。黒地にに鍋の刺繍が施されているのがパーシー。白と黒のしましまがフレッド。白のフリルがついてるのがジョージ。」

「誰が得するの?!」

「君が得するのかと思って。」

「ふざけた話はこれまでにしよう。」

「それもそうだね。」

「今日の事件。僕とリンはクィレルに攫われたということだよね。」

「今日じゃなくて、もう昨日だよ。」

「そうなのか。では、どうやって対処した方がいいと思う?」

ロンは自分の赤毛を手ぐしでときはじめた。

「ない。先生達は僕達のことを信じないだろう。」

「同感だよ。クィレルはターバン巻きののにんにく頭だが、教員のため最低限の信頼があるのさ。それに…リンが言うに、そいつはヴォルデモートなのだそうだ。」

「ひぇ?!そりゃたまげた。」

「僕は…信じられないんだ。クィレルがヴォルデモートだなんて。」

「僕も。」

男子寮の階段からドタドタ音が聞こえてきた。

やがてパーシーが倒れるかのように談話室に入ってきた。

「ロン?!探したぞこのバカ!」

「げ?!」

続けて双子も談話室にとびこんできた。

「「俺たちのパンツどこへやったーー!」」

ロンはパーシーに思いっきり頬をひっぱられた。

「や、やぁ、お、お兄様方!!」

「なにがお兄様方だ!君もノーパンにしてやる!」

「ご、ご勘弁を!ハリー!見てないで助けて!」

「原作の主人公である僕が下着泥棒に助ける義理なし。」

「何言ってるのー!」

「あと、パーシー。」

「なんだいハリー。」

「君はノーパンのままいまここにいるのかい?」

「そうだとも。」

「普通パンツ履いてから駆けつけるよね。」

「「安心してください。(俺たちフレッドとジョージは)履いてますよ。」」

「ロンよ。パンツはどこに置いといたんだい?」

「あ、自分の領域にあるのが嫌だったからハリーのベッドにおいといた。」

ハリーはソファーから飛び起きた。

「今夜は君のベッドで寝るから君は罰として僕のベッドで寝てくれ!」

「もう夜が明けるよ?今寝たら遅刻しちゃうよ!」

「寝不足はお肌に悪いってリンが言ってた!」

談話室から出て自室へ向かったら、本当にパンツ3つが自分のベッドに置かれていた。

3人が自分のを持って各自ベッドに戻った。

「正直いま寝るのはもう気が進まない。一緒にオールしようぜ。」

「いえーい。」

自分たちの部屋だとルームメイトが起きてまうかもしれないから、談話室でチェスをした。

リンが起きるまでそうしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




夏休みの宿題が終わらないがなんかこういう時に限って小説を投稿している。


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女の闘い

久しぶりです。1年ぶりですね。


リンの目にはいきなりロンとパーシーの顔面ドアップが映ってきた。

 

「ウオォア!」

「お、落ち着いて!リン!君の魔法と解いていただけなんだ!」

「あー、びっくりした!」

どこからかシャンプーの匂いがしてきた。

男子寮からお風呂上がりのハリーが出てかた。髪の毛がいつもよりかはストレートになっててウケる。

チェスをしていた双子の方から「色男‥」と聞こえてきた。二人はハリーに気があるのだろうか。

「私もシャワー浴びよっと。」

 

女子寮に行き、着替えを手に取りお風呂場へ向かった。

すっぽんぽんになって体を水で流していたら、自分以外にもいることに気がついた。

ハーマイオニーだ。いつもの癖っ毛もシャワーを浴びていたらストレートになっていた。ハリーと同じじゃん。

私とハーマイオニーの仲はあまりいいとは言えなかった。

マルフォイとの決闘するしないでもめたことあるし、話しかけにくいことこの上ない。

微妙な2人の間の空気を、シャワーの水が埋めた。

ホグワーツのシャンプーは多種多様だ。果物の匂いはほとんどある。私はストロベリーの匂いのシャンプーを気に入ってる。他には恋の匂いとか夕焼けの匂い、夜のパーティーの匂い、草の匂いなどもある。たくさんありすぎてまだ全部は把握してない。

私は何か面白いものがないか探した。

ふと、気になるものを見つけた。

“魅力的な美魔女の匂い”

決めた!!これにしよう!

 

英国は湯船に浸かる習慣はあまりない。

だが、ホグワーツには湯船がある。

リンはその中で平泳ぎを泳いでいた。

マグルの学校にいるときは結構泳げる方だった。

魅力的な美魔女の匂いは好きでも嫌いでもなかった。

女の甘い香りって感じかな。イカしてると思うよ。

「うわ!」

「きゃ!」

やべ、ハーマイオニーにぶつかっちまった!

「ごめん!痛かったよね?」

「あ、大丈夫だわ。」

いや、待って気まずいわー。

「リン。」

「ん?」

「ハリー達って私のことをどう思ってる?」

「うーん、本人達に聞かなきゃ分かんない‥。」

「そうなの‥。」

そして沈黙が続いた。

私は気まずすぎて潜水しようとした。

そしてハーマイオニーがおもむろに口を開いた。

「私、校則を破る人が嫌なの。ホグワーツに入学した以上、学校の規則は守るべきだわ。だから、あなた達のこと、見過ごせなかったのよ。」

リンは別に校則を守る守らないを意識したことはなかった。学校でいじめられたいた経験が多いから、校則を意識するなんていう機会は今までになかったのだ。

退学にならない程度ならば破っても別にいいんじゃない?って思う。

「彼らには彼らの正義があったの。校則よりももっと大切なね。貴女には貴女の正義があるように。」

「でも‥。納得いかないわ。彼らは私を悪者扱いするじゃない。彼らの方が悪者じゃない?」

「ほっとけばいいじゃんそんなの!そういうの興味ない!」

「そう!あなた達、見損なうわ!協調性がないのね!」

「こっちのことはほっといてよ!!勝手に見損なってなさいよ!」

「えぇ!そうさせてもらうわ」

そう言ってハーマイオニーは湯船から上がった。

ズンズン足音を立てて勢いよく扉を閉めた。

あっかんべーだ!

 



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覚醒なるか…?

受験受かった!!


 

リンは、朝食だというのに不機嫌だった。

さっきの風呂場のハーマイオニーとのことでモヤモヤするのだ。もしかしたら私はハーマイオニーと根本的にあわないのかも。

パンプキンパイを咀嚼していたら、ハリーがやってきた。

「リン。今度から闇の魔術に対する防衛術の授業はどうするの?」

「休む。私は落第してもかまわない。ハリーは?」

「僕は‥行くよ。」

「そう。私のことは気にしなくていいからね。」

私は新しいパンプキンパイを取ろうときた。

そしたらパンプキンパイは宙に浮いて爆破した。

「フレッドオオオオオ!ジョージイイィア!」

「「ヒェッ」」

おっかないリンの叫び声を聞いて双子が情けない声を出した。

「叫んだらスッキリした。」

「「お、おう。」」

 

 

 

あー。きちゃったよー。闇の魔術に対する防衛術。

リンは談話室で1人で優雅に紅茶を飲んでいた。ん、絶品。

最近、空気がひんやりしてきた。もうすぐ冬が来るだろう。きっと、雪に包まれたホグワーツは綺麗だろう。

こういうもうすぐ冬が来る感覚が大好きだ。ワクワクする。

寒がりだけど雪景色は大好きだ。

昔‥誰だか思い出せないけれど、大切な人と雪の中を歩いたことがある。

雪は、私の大切な思い出を包んでくれた。そしてこれからも包んでくれるだろう。

それはそうと‥前から気になってたことがある。

この魔法界はふくろうの通販があるらしい。

先日、そのカタログを手に入れた。

今なら気兼ねなく読める。

「わー。この服、可愛い。」

実は、リンはお洒落が大好きだ。

小学校の時は私服なのにも関わらずお洒落ができなかった。いじめられてたし、笑い者になるだけ。お洒落はいじめっ子だけの特権だった。まあその当時私の家はお金がなかったからそんなにお洒落できなかったんだけどね。

あの、ダイアゴン横丁のグリンゴッツに寄った際、あまりにも多すぎる金を目にして、親に「ちょっと持ってっていい?」と聞いた。

親は承諾した。「あんたがたくさん持っていってもこんなにあるんじゃ減った気がしないわ。」と言っていた。

そうして今現在私はたくさんお金を持っている。幸せ。うん。お金って心が満たされるね。

今の私の所持金は5000ガリオン、8シックルだ。

今は私服が欲しい。私の私服はちょっと少ないから。

私が最初に気に入ったのは白い長袖のワンピースだ。袖、コルセットにターコイズブルーの花の刺繍が施されていて、襟元にはダーコイズブルーのレースが施されていて、爽やかそうと思った。

そのワンピースの色違いの紺のワンピースも良かった。刺繍の色は白色だった。純粋に綺麗な色合いだなーと思った。

他にもポップな柄の紫のシャツと色違いの黄色のシャツ、ちょっとダメージがついたジーンズ、リボンが施されてるセーターなどがリンのお眼鏡にかなった。

それらを購入し、満足感に浸った。幸せ。

リンはカタログに同封されていた薄いファッション誌をみた。魔法界はそれほど魔法を使わない人‥マグルと言うのだっけ‥とそれほど格好は変わらないように思えた。ローブとかは魔法族だけだけど。ローブは黒以外にもたくさん種類があった。黒の生地に白いハートの水玉模様が散りばめられたローブをみて思わず感心してしまった。

マグルの世界にいた時の短パンなどはみかけられなかった。確かに短パンを履いた魔法使いは想像できなかった。

魔法族は全体的に若干中世のファッションを好むような感じがした。それにマグルのファッションをプラスした感じだった。

リンが魔法族のファッションについて学んたりしているうちに談話室にだんだん生徒が戻ってきた。

ハリーとロンが戻ってきた。

「次、薬草学だよ。」

「私は準備ばっちしだよ。」

「僕らも。」

そうして談話室を出た。廊下はひんやりとしていた。

リンは随分ホグワーツに慣れた気がした。ここに来て最初の頃は右も左も分からない状況だったし、どの授業がどの教室でやるのかも分からなかったっけ。外へも1人でも出れなかった。

 

薬草学は最悪だ。

リンは泥まみれになるのが嫌いだ。小学生の頃に学校の二階から授業で色々植えてた畑に落とされたからだ。土と畑の中にいるミミズなどが身体中についてそれがトラウマだった。あの時は1人畑のど真ん中でギャン泣きするしかなかった。今思えばよく助かったなと思う。

マンドレイクのクソ喰らえが!たかが草の分際で動くな!土をかけるな!腹立つ!腹立つ!

眼鏡にまで泥がついたハリーが近づいてきた。

「リン。顔が嫌悪だよ。」

「まじで最悪。」

ハリーはダメージが少なそうだ。私がハリーだったら眼鏡に泥をついたら発狂して眼鏡を割る。

休み時間中にシャワーを浴びるのだが急がなければならないのだ。次の授業に間に合うかどうか。

そんなこんなであっという間に夜。忙しかったなけど楽しかったな。

ベッドから見える窓をみてリンは思いにふけった。あの服を着たらネビルはどんな反応するのかな?!可愛いって言ってくれるかな?

そういえばもうすぐハロウィンだ。ホグワーツのハロウィンは楽しそうだ。本物のゴーストもいることだし。

「楽しみ!」

 

ハローウィンは朝からムードが良かった。

私は大広間に行く間にスネイプをみかけたので「トリックオアトリート!」と愉快に声をかけてみせた。彼の授業は好きじゃないがダイアゴン横丁に一緒に行った仲だ。お菓子の1つや2つぐらいくれるでだろう。

結果、育ちすぎたコウモリに減点されそうになった。

愛想がない。私の母親とは仲良さげに話していたのに‥。

大広間に行ったらどいつもこいつも笑顔だった。家族などからお菓子をもらえているのだろう。リンはまだ1つも貰ってないので羨ましかった。

パンプキンパイを食べていたらフクロウがリンに包みを置いた。

母親からのお菓子だった。金に余裕ができたからだろう。素直に嬉しい。

同梱されていた手紙には「ホグワーツでの近況報告をして。」「セブルスに冗談は通じないから間違ってもトリックオアトリートと言わないように。」と書かれていた。もう言ったんだけど。親って子供のしでかすことが分かるのかなーと考えた。手紙を読み進めていくうちに「セブルスが一年生だった時にハローウィンで惚れ薬を盛られて小一時間ダンブルドア校長に求婚をしたらしい。」と書かれていてパンプキンパイを吹き出しそうだった。最後に「あまり人に言わないであげて。」と書かれていたがそれを無視して近くにいたグルフィンドール生に言いふらして笑い話にした。

魔法薬学の授業でリンの鍋の中の液体が急に溢れ出して床を汚したのでスネイプが飛んできた。嫌味を言われると「わたしだったらダンブルドア校長に求婚しませんけど。」と言ったら減点された。グリフィンドール生は笑いが抑えきれていなかった。あまり減点を気にしていなくて良かった。ハーマイオニーはいい顔をしてはないけれど。すぐに魔法薬の作業に戻ったが鍋を洗い直してるうちに時間がなくて何も作れなかった。評価が0だ。

放課後、授業中のスネイプの苦虫を噛み潰したような顔を思い出し、余韻に浸った。

 

ディナーはそれはそれはとても美味しいご馳走が並んでいた。もう1つ1つの料理からオーラが出てる。イギリスの料理だけではなく、各国の料理が並んでいる。

私は数少ない小籠包を全速力で自分の皿に移している。リンは箸を使えないので、スプーンで小籠包を一口で食べた。口の中、火傷したかも。

ネビルが漢方料理を食べてはじめて食べたのか衝撃を受けた顔をしている。中華料理屋自体はイギリスにはあるが、まだまだ魔法界には浸透していないのだろう。にしても、ネビルのあの顔、写真撮りたかったなぁ。

ボンゴレスパゲティ、ラザニアはとてもイタリアンのお味だった。イタリアンレストランに行った気分だ。

サーモンカナッペ、クレームブリュレ、マカロンはおフランスの味だった。いつかパリに行きたい。巻き髪を優雅な風になびかせながら長いコートを羽織りパリの街を歩きたい。きっとそれは絵画のようだ。私は髪の毛を巻くのは下手くそだけど、その時までには上手くなりたい。

ロンに話かけられた。

「リン、問題だ。マカロンには誰が隠れているでしょう?」

「ロン。」

「正解!!」

「つまらん。全く子供なんだから。」

「えぇ?!」

ロンはちょっとしょんぼりしながら味噌スープを飲み込んだ。

そうしてみんながご馳走を綺麗さっぱり平らげる前、クィレルが大広間を扉を開けて前転した。

「ト、トロールが出た!!!ひ、避難を!!」

そしてクィレルが気絶した。

さっきまで騒がしく晩餐をとっていた生徒たちは打って変わって静かになった。

ん??どうした??

あちこちに悲鳴が上がり、パニックになった。

ダンブルドアが立ち上がり監督生に避難を誘導するよう指示をした。

リンは大広間に残って食べていたかったがとてもじゃないがそう言える雰囲気ではなかった。

グリフィンドール寮に向かっている最中にロンにトロールについて質問しようとしたら、ハリーとロンがグリフィンドールの列から抜け出し駆けていった。

リンは2人の後を追いかけていったらなんと女子トイレに入らんとばかりにしていた。

「ちょっと!!何入ろうとしてんのよこの変態ども!!」

「え?」

「へっ変態って‥」

「女子トイレじゃんここ!!分かる?女子トイレ!あんたらが入るなんて非人道的すぎない?」

「ちが‥グレンジャーが。その!!」

「ハーマイオニーが?なに?」

その答えはすぐに分かった。女子トイレのドアが吹っ飛んで中が丸見えになった。トロールがいた。

「用を足しに来たわけではなさそう。」

それがリンの感想だった。

ハリーが女子トイレに入りながら言い放った。

「まだグレンジャーが中にいるんだ!!」

トロールはリンの想像の100倍はデカかった。ひえ、こんばんは。

トロールはトイレの個室も刺々しい棒で破壊した。中から怖さのあまり震えているハーマイオニーが露わになった。

トロールほハーマイオニーを潰さんばかりにおっかない棒をあたりに振り回していた。

ハーマイオニーとリンは悲鳴をあげた。リンはいつもまにか杖を取った。

「アバダケタブラ!!」

 

 



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それを

寒くなってきましたねー


リンは今自分が何を口走っかが分からなかった。

杖からは緑色の光線が走ったがそれはトロールに届く前に空気中へ溶けたかのように消えていった。どこか幻想的で狂気的だった。

ロンが僕も戦うと言わぬばかりに杖をトロールに向けた。

「ウィンガーディアム・レヴィオーサ!!」

トロールが1センチばかり浮いた気がした。

「ブラック…」

先生たちがいつまにか来てくれていた。マクゴナガル先生は私を穴が開きそうなくらいみつめている。私、何か悪いことした?

スネイプが私には分からない呪文でトロールの動きを制御した。

沈黙が時を支配した。

 

 

ハリーとロンとハーマイオニーは寮の自分の部屋に戻っていいと告げられたがリンはマクゴナガルの部屋に連れて行かれた。先生の寝室に入るだなんて人生初の出来事でこの目にしかと映るように瞬きをしないように努力に努めていた。しかしマクゴナガルらしいレトロな部屋だ。そしてリンのように片付けを怠っていないようで几帳面さが現れている。

時々背もたれが消えたり現れたりする椅子に座らされたが、落ち着かない。しばらくしてマクゴナガルが紅茶をくれた。ありがたくて一気に半分以上飲んだ。体があったかくなった。

「ブラック、貴女は死の呪文をどこで学んだのですか?」

「死の、呪文?聞いたことないすよ。」

「貴女、先ほど使いましたでしょう?」

「私、あの時の事よく覚えてないんです。自分が何を言っていたのかも分かりません。」

マクゴナガルは嘘おっしゃいとでも言いたげにリンの瞳を見る。リンはなんだか心を覗かれている気がして嫌な気分だった。でも急にマクゴナガルが帰ってよろしいと言い放ったので紅茶を飲み干してから出て行った。

 

廊下はひんやりとした空気で、気持ちよかった。女の子は体を冷やしちゃいけないと言うけど、リンは少し冷たい方がいいな。

消灯時間はもうすぐのようでみんな部屋に戻っている。リンは部屋に戻ったら、ハーマイオニーが寝巻きに着替えていた。トロールに襲われかけたわけだし、夜更かしする気力はないのだろう。私もだ。早く寝よう。パドマはいないが多分談話室にいるのだろう。

ハーマイオニーに「おやすみなさい」と声をかけられ、「おやすみ」と返した。2人の間にあった壁がなくなったように感じた。

 

それ以来、ハーマイオニー・グレンジャーは三人の友人になった。共通の経験をすることで互いを好きになる、そんな特別な経験があるものだ。四メートルもあるトロールをノックアウトしたという経験もまさしくそれだった。ノックアウトしたのはスネイプ先生だけどね。

 

今日はクィディッチの試合でグリフィンドール対スリザリンだ。ハリーのデビューということもあって前々から楽しみにしていた。当の本人は朝食をあまり食べられていなかった。運動するんだから食べないと力が入らないよ!!

リンはクィディッチのルールについてあまり理解をしていない。サッカーだってあまりよく分からないのだ。ルールを覚えるのが苦手なのかな。

球技場の席をハーマイオニーとロンと一緒に確保するとリンはハロウィーンにもらった動く蛙チョコレートを頭から食べた。もぞもぞと口に入る直前も動くので噛み砕くのは気が引けたけど。実のことを言うと友達の試合へ行くのははじめてなのだ。ワクワクしないわけがない。

審判の笛が鳴り響く。試合開始の合図かな。

選手が一斉に上空に羽ばたくかのように箒で飛んだ。

「さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました――何て素晴らしいチェイサーでしょう。その上かなり魅力的であります」

「ジョーダン!」

「失礼しました、先生」

あ、あの双子の友達が解説者じゃん!!ホグワーツの中で知ってる人は少ないものでね…嬉しい。

 

「ジョンソン選手、突っ走っております。アリシア・スピネットにきれいなパス。オリバー・ウッドはよい選手を見つけたものです。去年はまだ補欠でした――ジョンソンにクアッフルが返る、そして――あ、ダメです。スリザリンがクアッフルを奪いました。キャプテンのマーカス・フリントが取って走る――」

リンは目が悪い方だから距離的に選手が緑か赤の粒にしか見えない。ハリーを見つけないのだが無理なようだ。うぅ、視力が欲しい。近眼の辛いところである。

「ジョンソン選手、飛びます――ブラッジャーがものすごいスピードで襲うのをかわします――ゴールは目の前だ――頑張れ、今だ、アンジェリーナ――キーパーのブレッチリーが飛びつく――が、ミスした――グリフィンドール 先取点!」

イエーイ!!私たちがいるグリフィンドールの観客生らお祭り騒ぎだった。ロンのジャンプ力は凄く箒でも使ってるのではと思うくらい高くジャンプした。

「さて今度はスリザリンの攻撃です。チェイサーのピュシーはブラッジャーを二つかわし、双子のウィーズリーをかわし、チェイサーのベルをかわして、ものすごい勢いでゴ……ちょっと待ってください――あれはスニッチか?」

リー・ジョーダンの解説を聞いたハリーが稲妻のように飛んでくる。スリザリンのシーカーも飛ぶが、ハリーの方が速い。私の誇らしい親友だもん。

ハリーが手を伸ばした――

 

とそこで、スリザリンのシーカーがハリーに体当たりを食らわせた。ハリーはコースから吹き飛んでしまった。私たちグリフィンドールの観客席から怒りの野次が飛びまくった。

ロンの罵倒のボキャブラリーは凄かった。モザイクをかけなければならないほどだ。

「死ねよスリザリン」

あまり悪口を言ったことがなかったが(小学生の時はいう相手がいなかった)蓋が取れるとヤバいものが溢れる自分に気づく。

あまり死ねよとか言ったことないんだけどね。

試合は止まり、スリザリンのクソシーカーに注意をしてるようだった。失格になってしまえ。

 

「えー、誰が見てもはっきりと、胸くその悪くなるようなインチキの後……」

「ジョーダン!」

「えーと、おおっぴらで不快なファールの後……」

「ジョーダン、いいかげんにしないと――」

ロンが不可解そうに呟いた。

「ねぇ、ハリーどうしちゃったんだよ。おかしいよ?!」

何事?目が悪い人には分かりません。

ロンが指差した方向を頑張って観ると、そこには赤いユニフォームを纏った揺れてる人がいた。黒髪だ。きっとハリーだろう。

「え?どうゆうこと?」

「分かんない。」

ハリーは大幅に動いたが、何かを吐き出した。ゲロか?情けない姿を見られたくないだろうから目を瞑った。

途端に大歓声が聞こえる。

「ポッターがスニッチを取った!ポッターがスニッチを取った!」

うん?

「グリフィンドール、170対60で勝ちました!」

目を開けるとゲロはどこにも見当たらなかった。

そしてグリフィンドールは勝ったようだ。嬉しい。

ハリーも揺れてなくてよかった。

絶対今度の試合まで双眼鏡買おう。思う通りに楽しめない。親友の頑張る姿は日々の生活の糧になるしなんかもう眼福だ!ルールも頑張って覚えよう。

 

夜のグリフィンドールの祝賀会のご馳走を平らげ騒ぐだけ騒いだ後、ベッドに入った。

疲れがどっと押し寄せてきて、目を閉じた。

 



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奥に入れて

目を開けたらハーマイオニーの顔がドアップでうつっていた。

「ひゃ!!」

「おはよう。リン。大広間にご飯食べにいきましょう!」

 

 

最近、朝から空気が冷え切っている。

雪が降り始めてきた。白くなっていくホグワーツは、ドラマチックだ。

暖炉の中の燃えたぎる炎は私達を照らした。

徐々にクリスマスが近づいていき、みんなは浮かれているようだ。あの、フィルチの飼い猫のミセス・ノリスでさえ足取りが軽いようにみえる。

リンはクリスマスはホグワーツに残ることにした。ハリーも残るしね。

今年、クリスマスプレゼントは何にしようかなぁ。去年のクリスマスは友達いなかったしその前もずっとだ。家にいてもなにも代わり映えしなくてじめったれた部屋に一人でなにもせずにいたっけ。いじめっ子に限って裕福なものでそういう子たちは大体おうちでクリスマスのご馳走を家族で楽しんでるようだった。冬の休暇の後、自慢されるのだ。羨ましかった。リンもみんなでわいわいはしゃぎたいのに。

でも、ホグワーツに入ったからこれからは大丈夫。

 

放課後、談話室でネビルとチェスした。誘われて、断るわけがない。ふと駒から目を離ししネビルを見たら、すっごい真剣な顔してて、カッコいいと思ってしまう。心が洗われるようだ。

 

ふくろうが遠くに聞こえる夜更けに、眠気を抑えながらベッドに入る。今日もよく頑張った、私。

ハリーへのクリスマスプレゼントは、ハリーのサイズに合う服にした。これが一番ハリーに必要だし喜ばれるだろうし。今までダドリーのおさがりの服しかなくて本当に可哀想だと思っていた。この歳だしすぐに体のサイズがデカくなりそうだけどそれは人間だから仕方ない。申し訳ないと思われない程度に2、3着を目処にしよう。

ちなみに、服のサイズはこの間聞いたので大丈夫だ。

マイブームの通販カタログを片手にあれやこれやと考えた。

ハリーはアーモンド型の美しい緑色の瞳をしている。宇宙からみた地球の大陸はこんな色をしてるんだろうなと前々から思っていた。そんなハリーの目とあう緑色のカジュアルなシャツを見つけた。なかなか似合いそう。これに決めた。

他にも数点選び、注文書を書いた。あと、服じゃない商品も一点、注文しといた。

 

 

夢を、見た。

私のアパートの隣の家が、すごい豪邸の夢。

それは魔法で隠されていて、湿気があって…。

 

朝起きたら休日だというのにハーマイオニーが真横の机で勉強していた。よく飽きないなぁ。

私服に着替えてハーマイオニーと一緒に大広間へ行く道すがら、フリットウィック先生に出会った。挨拶したら返してくれて優しく微笑んできてくれた。

ハリーの寝癖ほ今日も絶好調だった。朝食を食べ終わったらいつもの4人で図書室に行った。

最近、わたしとハリーとロンとハーマイオニーでニコラス・フラメルのことについて調べている。

わたしとしては三頭犬のことについて蒸し返したくはなかった。なぜならばトラウマだからだ。三人ともよくトラウマにならないな。

ニコラス・フラメル。どっかでみたような名前なのに思い出せない。うーん、なんかイライラする。

今日も特に大した収穫はなかった。私は探した時間はものの5分くらいであとはニコラス・フラメルのことは放り投げて興味ある魔女の小説に没頭したのも原因の1つかな。

いつもの4人で大広間でカボチャジュース飲でいる。ふと、ハーマイオニーへと目をやる。

ハーマイオニーへのクリスマスプレゼントは絶対小説だよなぁ。恋愛小説とかそんなに読まなそうだからどうだろう。

ちなみにロンへはお菓子に決めた。

瞬間、ロンが私を見て大爆笑した。

「ははははははは!」

ハリーも、そしてハーマイオニーも大爆笑している。息をするのが苦しそうなくらいに。どうしたの、この子達。

「リン!猫耳ついてるよ!!」

頭を触ってみたらもぞりと三角形が2つあるような。引っ張っても取れない。

少し離れたところの双子と目があった。めちゃくちゃ笑ってる。私は奴らに向けて全力で突っ走った。通行人を数人蹴散らした。

「どぉけ!退けどけどけ!!フレッドおおおおお!!ジョージいいいい!」

「「ぎゃははは!しっぽもついてる!!」」

「答えな!!私のカボチャジュースに何を入れた!!」

「俺たちの血と涙の結晶だミャ〜!な?ジョージ?」

「あぁ。変身術の授業の応用だミャ~。復習にもなったミャ〜!ミッ」

ジョージにアッパー。フレッドにストレート!!あ、さっき読んだ小説の影響で武闘家じみた行動をしちゃった。

そしてハリー達のもとへ舞い戻ったらなんと私の席には…キャットフードが置かれていた。

「「「ぶわっははははははははは!」」」

キャットフードをみた直後の私は相当おかしな顔をしていたらしい。ムカついたのでロンのスープに放り込んだ。3人のうちの誰かが用意したのか知らんがロンへのクリスマスプレゼントはキャットフードにしようと心に決めた。

ちなみに、ネビルへは手網のマフラーをプレゼントする。家庭的な女アピールをするの。

 

クリスマスの朝、ベッドの端っこにプレゼントがあって心躍った。

ハリーからは手袋だ。灰色の生地に端っこに赤いふくろうのマークが縁取られていた。助かる。ホグワーツ行く前に手袋を忘れてしまったのだ…。だから、最近はこのクソ寒い中でも手袋なしで手が真っ赤でもう感覚がない。それを見かねたのだろうか。

ロンからはゴキブリごそごそ豆板だ。手に持って至近距離で見てみると思っていた以上にキモい動きをしている。どうしよう、どうやって食べよう。はじめてマルフォイに会った時にこれを口に放り込ませたんだっけ。そりゃ走って逃げますわぁ。

ハーマイオニーからはぬいぐるみだ。可愛い黒い犬のぬいぐるみ。私はぬいぐるみを持ってないから本当にありがたかった。ペットもいないし何か癒しを!と思ってくれたのかな。そういえば女子って大体ベッドやもしくは机にぬいぐるみを置いている。置いていなかった者なんてリンくらいだ。私の生い立ちを知って気遣ってくれたのかな。リンは微笑みながら、枕の横にぬいぐるみを置いた。昨日から抱きしめて寝るんだ!

意外なことにマルフォイからもプレゼントがきていた。親愛なるクソ爆弾を投げあう友達。ちなみにリンはマルフォイにクッキーを送った。もちろん毒は入れていない。でもマルフォイは検査でもしてそう。

そしてなんと私の想い人であるネビルからは香水をプレゼントしてくれた。えっ、ドキッとした。普通の女性ならドキドキするよね?

まるで彼女にでもプレゼントするような品じゃん!!女としてみられている感じが嬉しかった。ネビルからの手紙によると、麝香草が使われている。昔から好きな香りなんだ。実家に帰ると料理と一緒によく食べている。と書かれていた。えっと…それって深い意味があったり?よくない表現だけどいつか私を食べたいと言っているようなものじゃない?エロい…。

ポーチの中にしまった。大切に使おう。香水のケースはハートの模様があしらわれていて、キューンとした。

 

談話室に行ったらロンとハリーがキャッキャとはしゃいでいた。

「どうしたの。私を置いてそんな盛り上がっちゃって。」

「リン拗ねないでよ〜。見て!これ、透明マント!」

「え、そんなのあるんだ!!」

魔法界ってなんでもあるなぁ。でもロンが体だけマントを被ってて生首だけが見えてしかもそれは右往左往している光景はあまり気持ちいいものではない。中々のホラーだよ。

ふと疑問に思って聞いた。

「ねぇ、これ洗濯できるの?」

「うーん。怖くてやりたくない。縮んだらやだもん。」

そういうものなのか。

この後、リンとロンとハリーの3人で誰か1人が透明マントを被って鬼ごっこをした。鬼はマントっていうルールを付け足した。結果は泥沼になった。急に手が出現したかのように出てきて触るんだもん。悲鳴あげちゃう。

 

数日経って、ハリーにハリーの親が見える鏡があると誘われた。ものすごく興味があるので同行することにした。夜、ベッドを抜け出して談話室でハリーとロンに合流し透明マントを被った。

量を抜け出し、クソ寒い廊下に出て、いざ、鏡の前へ!

鏡の上に「Erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi」と書かれてある。

下に目をやると

「ほら…お父さんとお母さんが…」

私は目の前の光景に息を呑んだ。

「……………………?!」

目の前の光景があまりにも美しすぎて、声にならない声が出た。

鏡には、綺麗な星空が映っていた。綺麗すぎて、どこか穢れは許さないと言った感じが伝わる。ていうかハリーの両親はどこ?

「ハリー、またきたのかい?」

私たちは驚きのあまり飛び上がった。振り向くと、ダンブルドアがいた。うっ、こいつ脳内に直接…?!と思うほどダンブルドアの声は頭の中でこだましてる。頭が痛いよ。

「おやおや、今夜はリンも連れたのかい。」

「ぼ、僕たち、気付きませんでした。」

「ハリーもリンも、透明になると近眼になるものじゃのう。」

「君たちだけじゃない。何百人も君と同じように『みぞの鏡』の虜になった。」

「先生、僕、そういう名の鏡だとは知りませんでした。」

「この鏡が何をしてくれるのかはもう気がついたじゃろう。」

「鏡は…僕の家族を見せてくれました…。」

「わ、私は綺麗な星空が見えました。」

「そして、友達のロンは主席になった姿をじゃろ。」

「どうしてそれを…?」

「わしはマントがなくても透明になれるのでな。しかしこの鏡は知識や真実を示してくれるものではない。鏡が映すものが現実のものか、はたして可能なものなのかさえ判断できず、みんな鏡の前でヘトヘトになったり、鏡に映る姿に魅入られてしまったり、発狂したりしたんじゃよ。

 

ハリー、リン、この鏡は明日よそに移す。もうこの鏡を探してはいけないよ。たとえ再びこの鏡に出会うことがあっても、もう大丈夫じゃろう。夢に耽ったり、生きることを忘れてしまうのはよくない。それをよく覚えておきなさい。

さぁて、そのすばらしいマントを着て、ベッドに戻ってはいかがかな。」

ダンブルドアの言う通りハリーは立ち上がって帰ろうとする。そして私も立ち上がる。

「あの、ダンブルドア先生、質問してよろしいですか?」

「いいとも。今のもすでに質問だったしのぅ。でも、もうひとつだけ質問を許そう。」

「先生ならこの鏡で何が見えるんですか。」

「わしかね?厚手のウールの靴下を一足、手に持っておるのが見える。靴下はいくつあってもいいものじゃ。」

ダンブルドアらしい答えだった。

そして私たちは透明マントを被り、月明かりに照らされている廊下へ出た。



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