俺と彼女と友達のツンデレ物語 (スタンチッカ)
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プロローグ

息抜き用のツンデレ物語でぇす!
ツンデレが好きな方にどぞ。


「今日こそは、今日こそは…彼女をデレさせてやる…っ!」

時刻は昼休み。俺は、右手にお弁当箱を持ちながら

目の前のドアに書かれている"屋上"という文字を眺めながら

手を組み祈った。

 

「ねぇ、あの人…ドアの前で手を組んて…何してるんだろうね…」

「しっ…!不良に関わっちゃダメって言われてるでしょ?」

 

屋上を利用したくて、階段を登ってきたであろう、女子生徒から

俺に辛辣な言葉がかけられる。

学校で"不良"というレッテルを張られた者だけが与えられる

素晴らしい辛辣な言葉は今日も絶好調だ。

そんな事を考えていると女子生徒がそそくさと階段を降りていった。

 

「さぁ…決戦の時だ……っ!」

 

頰をパチパチと叩き、屋上へと通じる扉を蹴破る。

たとえ、どれほどの苦難が待っていても、

今日こそは絶対に勝つ!

その思いのまま、屋上の隅っこに視線を向けると、

 

「あれ…?いねぇ、大体、あそこら辺にいんのに…」

「御機嫌よう」

「おわっ……!」

 

背後から声がかけられ、

俺は驚いて前へ数歩進んでしまう。

 

「驚かせてしまったわね」

 

そう言って彼女はクスクスと笑った。

 

「いや、べつに驚いてないし……」

 

俺は軽く笑って落としたお弁当箱を拾った。

落とした時にベチョという音が聞こえたが無視だ。無視。

 

「そう…?かなり足が震えてる様だけど…まぁ、平気よね?貴方だもんw」

 

語尾が笑っているような気がしたが、きっと幻聴だろう。無視だ、無視。

 

「はぁ〜」

 

俺はため息をつきながら、

彼女の隣にどかっとあぐらをかき、座り

お弁当箱を開ける。

俺の今日のお弁当の中身は…

 

"玉子焼き" "ブロッコリー" "おにぎり"

"生姜焼き" "ささみフライ" "小さめのアジフライ(冷凍食品)"

あぁ、今日もよく出来たお弁当だ。

最高。完璧。それ以外の言葉も見当たらない。

 

「あら、美味しそうね。おしゃべりしてあげるから生姜焼き頂戴?」

 

ふっ…生姜焼きが欲しいのに素直になれないんだな?

分かった。分かった。今日は俺が一歩引いてやるよ。

 

「あぁ、いいぜ。ほら、座れよ」

 

俺がそう言うと、彼女はスカートを押さえつつ

俺の隣に座り、

自身のお弁当を広げる。

彼女のお弁当の中身は…

 

"サンドウィッチ" "ハッシュドポテト" " ソーセージ"

少な!よく、それだけで足りるなぁ!おい!

 

「ほらよ、」

 

俺はぶっきらぼうに彼女のお弁当箱の中に

大きめの生姜焼き二枚を入れる。

彼女は少し目を見開いたが

すぐに愛らしく笑って

 

「ありがとう。ねぇ、今日はどんなお話をする?」

 

俺は彼女が

ツンデレで中々デレなくて、ぶっきらぼうで、

傷具に塩を本当に塗るほど(経験済み)優しくなくても

本当は、約束を守るいい子だって知ってる。

だから、俺は彼女が好きなんだ。





これからもよろしくお願いします!

よかったら私の別の作品も読んでくださいなw!


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プロローグ2

プロローグ2ぃぃ〜!

是非、読んでねっ


「ふぅ〜…食った食った。」

 

昼飯を食い終わり、俺は屋上に寝そべった。

太陽が当たり、ポカポカして気持ち良い。

そんな気持ち良さに身をまかせると

俺の足元で何か音がした。

よく、耳を傾けると

何かの金属音が聞こえる。

ギィーギィーギィー…。

ギィーギィーギィー…。

え?これって、大ピンチじゃ…!?

そう思い、俺が飛び起きると

 

「あぁ。おはよう。よく眠れた?」

 

そう言って彼女はハサミを持って

笑いかけた。

 

「おい、てめぇ。何切ってんだよ。」

「ふふ、何だと思う?」

「あー…草…?」

「ここで、草という回答が出る事にビックリだわ」

 

だって!ハサミで切るものといえば、髪、紙、なわけじゃん?

でも、それって屋上(ここ)にはないじゃん?

だったら、草かなって、思うじゃん?

ねぇ!?

 

「草じゃないわ。貴方の…」

「言うな!やめろ!やねてくれ!」

「ふふ、可愛いわね?」

 

どこが?と聞きそうになったがやめた。

俺の懸命な判断に拍手をあげたい。

一回、俺はそう言うことを聞いた事があった。

聞いた瞬間…俺の髪の毛が何十本と犠牲になった。

今でも、何が気に入らなかったのかは分からない。

 

「な、俺はお前と話したいんだけど」

「話すことは何もないわ」

「生姜焼き、あげたろ?」

「それはそれ、これはこれよ」

 

生姜焼きの恩も忘れたのか…。

だったら、こっちが話を振るまでだ。

 

「なぁ、最近、学校楽しいか?」

「えぇ、貴方以外のお陰でね。」

「は?」

「え?」

 

いや、聞き間違いかな…

よぉし!レッツトライ!

 

「なぁ、最近、たの…」

「えぇ、貴方以外のお陰でね」

「………」

「どうかしたかしら?」

「…いや、別に……」

 

俺は頭を抱える。

どうやら聞き間違いでも無かったようだ。

 

「あら…ごめんなさい」

 

いきなり謝られた。

 

「何がだ?」

「貴方の…髪の毛…私のハサミンの所為で切れちゃったわ」

「?」

 

そう言われ、髪の毛を触ってみると

確かに、俺の髪の毛が何百本と切られている。

 

「おい!なんて事するんだよ!」

「本当にごめんなさい。」

 

俺は頭を軽くかき、言葉を紡いだ。

 

「しゃーねぇ。反省してるなら、喜ばせてみな!」

 

勿論、デレてみろ!という意味で言ったんだぞ。

違う意味ではないからな!?

 

「いいわよ、恥ずかしいけど…」

 

そう言って彼女は立ち上がり

俺に向かって足を差し出す。

 

「どういう…事だ?」

 

首を傾げると、彼女は笑って

 

「貴方の大好物の上履きよ、舐めなさい」

 

頭がイカれたのだろうか…。

 

「舐めねぇよ?俺、上履き好きじゃねぇし」

「本当…!?」

 

何を今更。俺だって人間だぜ?

人間は、変人でもない限り上履き、舐めないんだぜ?

 

「ふざけてるだろ!?」

「あら、チャイム」

 

ちょうど良いところでチャイムが鳴った。

 

「ちっ……行くか。」

「えぇ。」

 

そう言って俺と彼女は教室へと続く

階段を降りていった。




むー。ツンデレ描写が難しい


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僕と彼女と友達の自己紹介

ふっ…ツンデレ美人の名前が知れるぜ!


僕の名前は、綾波 鹿江(あやなみ かのえ)

みんな知ってる、エ●ァのキャラクターと一緒の苗字。

生まれつきの金髪。

生まれつきの青い瞳。

容姿は、中の下。

成績は、並。

運動は、中の上。

まぁ、そこそこパッとする高校二年生だ。

とある事情で部活動には入ってない。

それについてはおいおい話す事にするよ、

でも、推薦で学級委員をやっている。……書記だけど。

選ばれちゃうぐらい、字がまぁまぁ上手だって事だね。

 

学校で授業を受けてー、

学級委員(書記)としての活動をしてー、

休みの日はゴロゴロゲームしてー、

と、やりたい放題なんだけど…。

 

今は、綺麗な桜並木の下、僕は学校へと登校していた。

 

「おっはよう、鹿江っ!」

「え、あ、うん。おはよう。双葉。」

 

いきなり声をかけられたから危うく鞄を落としそうになった。

意外とビビリなんだよ、僕は。

僕に声をかけたのは、幼馴染の

北条 双葉(ほうじょう ふたば)

北条建設の一人娘。僕ら庶民とは違い、お嬢様。

男女限らず人気者で、

剣道部に所属している。剣道で全国大会に行っただがなんだか…。

 

「今日もいい天気だなぁ、そう思わない? 鹿江」

「うん。春だからねぇ。もっといい天気に思えてくるよ」

「ふふ…。流石鹿江だ。」

 

双葉は軽く僕を笑う。

んー?僕、何か面白い事でも言ったかな。

そう思い、僕は首をかしげる。

 

「あ、鹿江。早くしないと遅れてしまう!」

「あぁ、本当だ、もうこんな時間。」

 

そう言って二人で顔を見やって

校舎に向かって駆け出した。

これが僕。綾波 鹿江 の毎朝の光景。なのである。

 

 

「おはよう、みんな」

「つがれたぁ……」

 

朝のダッシュは疲れるな。

双葉は運動部。僕は軽い運動不足。

そりゃあ、疲れるわな。うん。

 

「よぉ、おはよう。鹿江」

「うん…。おはよう、奏太」

 

彼の名前は、松栄 奏太(まつえい そうた)

彼もまた、運動部。

テニス部だ。確かこっちも全国大会に出場した。

中々の爽やかイケメンで、CCレ●ン357本分の爽やかさだ。

 

「つったれた顔してんぞ?大丈夫か?」

「いや、うん。大丈夫だけど…」

 

そう言って奏太は僕の頰をペチペチ叩く。

痛い、痛いよ、奏太。

君は見かけによらず、かなりの馬鹿力なんだから

痛いんだよ?

 

「…………」

教室の空気が変わる。

……これは、この高校一の美人さん。

佐倉 詩音(さくら しおん)が教室に入って来た感じだ。

詩音と僕は、小、中、高、と一緒の学校でまぁ、幼馴染だ。

詩音は、僕の元へとやって来て上目遣いで僕を見る。

 

「御機嫌よう。鹿江」

「おはよう、詩音」

 

詩音はニッコリと僕を見る。

僕は出来る限りの笑顔でそれに答える。

一回、これを無視したら酷いいじめにあったもんだ。

おぉ、恨みは怖いねぇ。

 

詩音は席につくや否や、

僕の机の中に何かをいそいそと入れている。

 

「あ、ごめんね。奏太。僕…やるべき事があって」

「おう!大丈夫だぜ、こっちも呼び止めちまってごめんな」

 

一応友達だから断りを入れて

僕は自分の席につく。

 

「何をしたの?詩音」

「当ててごらんなさい、鹿江」

「…………」

 

僕は黙って机に手を入れて、

中を探る。

出て来たのはシャーペンだった。

僕は黙って、シャーペンをノックする。

 

ノックした次の瞬間。

僕の手に電流が走った。

 

「くすくす、それ、今日一日、貸してあげるわ…www」

「いらないよ!こんなもんっ…!」

 

僕はそう言って机にシャーペンを叩きつけた。

 

これも、僕のいつも通りの朝。

 



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彼女と僕のいつもの時間

読んでいただけて幸いです…
これからもよろしくお願いします


先生が教室に入ってきて、チャイムが鳴る。

 

〜HR〜

 

「さて…皆様はトーストをこんがり焼く派ですか!?それとも軽く焼く派ですかっ!?」

 

先生の第一声がそれ?

どっちでも良くないでしょうかね?

 

「はい!椙山君っ!!」

「え、えっとぉ……」

 

椙山と呼ばれた生徒は立って先生を凝視する。

 

「その…どっちでもいいんじゃないですか…?」

「そう!どっちでよろしいっ!!大体……」

 

あぁ、分かった。先生。

今回の彼氏もダメだったんですね?分かります分かります。

 

「っていう事でトーストにケチはつけない事っ!いいですね!?皆様!」

 

先生はそう言ってニッコリと笑って。

 

「さぁて、昨日のテストで百点が1人いました!詩音さーん、前に来てー」

「はい。」

 

詩音が先生に呼ばれて席を立つ。

歩くたびに歓声があがる。

そりゃそうだ。可愛いもんな。

 

「はい、おめでとうっ!」

「ありがとうございます。」

 

詩音は軽く会釈をし、自分の席へと戻った。

 

 

「さて、今日のHRはおしまいっ!次の時間の準備をしましょう!」

 

 

「ねぇ、鹿江君」

「何かな?詩音さん」

 

詩音が不満そうに口を尖らせる

 

「どうして、詩音さん。なのかしら」

「僕、女の子にはさん付けだよ?」

「しらじらしい嘘ね」

 

僕はそれにニッコリと笑ってふざけて

 

「そうかな?じゃあさ、詩音さん、手でも繋ぐ?」

「繋ぐわけないでしょう。気持ち悪い」

「そうか、そうか。残念だなぁ、詩音さん」

「気持ち悪すぎるわ」

「うっ………」

 

最後の一言は余計だと思う

 

「詩音ちゃーん!心理テストやらねぇ?」

「いいわよ。」

 

詩音はクラスの男子に呼ばれていってしまう。

もう少し…話していたかったなぁ…

 

「えー!詩音ちゃん、O型だったんだ!?意外だ!」

「そうかしら?ふふふ」

 

楽しそうな声が聞こえる。

ふん!別にいいもんね、寝ちゃうから。

僕はガラにもなくふて寝した。

 

「鹿江君。鹿江君。」

「ふにゃ…?」

 

詩音の声が聞こえる。

あぁ。これは夢か。

さっきまで詩音はみんなと話してたもんな

 

「起きて。今起きたら…ジャージ交換してあげるわよ?」

「だらっしゃぁぁぁい!起きた!うん、起きた!」

「ふふふ」

 

僕が完全に起きると詩音がジャージを持って

佇んでいた。

 

「ほら、ジャージ。交換しましょう」

 

そう言って僕にジャージを差し出す。

詩音の顔は真っ赤だ。

 

「どうしてこれを僕に?」

 

「元気が…元気がなかったからよ……」

 

詩音はギリギリ僕に聞こえるか聞こえないかの

声で呟いた。

 

「え?何?」

「何でもないわ。貸してあげた事。感謝しなさい」

 

そう言って詩音は自分の席についた。

 

僕は詩音のジャージを握りしめ

ありがとう。そう呟いて机の中にジャージをしまった。

 

 

 

 

 

詩音side

 

私がクラスの男子と話していると

鹿江が寝ている事に気がついた。

 

そういえば、鹿江。

朝から元気がなかった。

 

「ごめんなさい、ちょっと失礼するわね」

 

そう断りを入れて、鹿江に近づいた。

 

「鹿江君?鹿江君?」

 

私はちょんちょんと突きながら

鹿江を起こす。

 

「うぅ……ジャージ…食べられない……」

 

そりゃそうね。

ジャージ…ジャージ…交換してあげようかしら。

 

そう思い、私は自分のジャージをカバンから出した。

 

今日は体育があって良かった。

 

「鹿江君。鹿江君。」

「ふにゃ……?」

 

私は無表情で続ける。

 

「起きて。今起きたらジャージを交換してあげるわよ?」

 

そう言うと、鹿江は奇声をあげて起きた。

 

作戦は成功だったみたいだ。




いや、ツンデレ難しいわぁ。
頑張りますので末長くよろしお願いします!


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まさかの事態

通信制限の壁は高い。


〜放課後〜

 

「あー…暇だ……」

 

「そりゃあ、そうでしょうね。貴方、部活に入ってないんですもの」

 

「それを言ったら詩音もだろうが…」

 

俺は机に突っ伏していた。

詩音は席に座って読書をしていた。

 

「あー…遊びにいきてー!」

 

「みんな、帰っちゃったわよ」

 

「分かってるよ!」

 

俺は起き上がり、軽く頭を掻く。

 

「ねぇ、僕僕キャラはもういいの?」

 

「お前が二人の時はこっちで話してほしいって言ったんだろ?」

 

「そうだったかしら」

 

詩音はとぼけながら髪を耳にかける

 

「詩音…バカと、とぼけは、違うんだぜ?」

 

「知ってるわよ、そのぐらい」

 

「そうか……?」

 

俺は詩音の頭が心配になり、詩音を見つめる。

 

「何見てんのよ」

 

「いや、頭が心配で…」

 

「………」

 

叩かれた。しかも、思いっきり。

 

「痛い……」

 

「貴方が悪いわ。今のは」

 

「そうだけど…そうだけどさぁ!加減はないの!?」

 

「無いわ」

 

「ですよね、知ってた。」

 

「全く…こんなんだから鹿江君は鹿江君なんだわ」

 

「どういう意味だよ、コラ」

 

「そのまんまの意味よ。」

 

「あ?」

 

「分からないならそれでいいわ。ふっ…wおバカさん」

 

絶対、あいつ、喧嘩売ってる。

そう思い、俺は立ち上がる。

 

「あのなぁ!俺だって、頑張ってるんだぜ!?」

 

「あら、どこら辺を?」

 

「毎朝、靴を右から履くとか!」

 

「どうでもいいわね。」

 

「毎朝、牛乳飲むとか!」

 

「そうね。鹿江君、背…小さいものね」

 

気にしてるんだから黙れ。

 

「忘れ物しないようにって!」

 

「あれ?今日、筆箱忘れてたわよね?」

 

「部活もサボらないようにって!」

 

「貴方、入部してないじゃない!」

 

「授業では毎回一回は手を挙げてるし!」

 

「にしては、先生にさされないわよね」

 

「規則正しい生活、おくってるし!」

 

「今年一番の要らない情報ね。それ」

 

「……………」

 

「もう、無いの?」

 

「クソ…!いい事がありすぎてもう、言えない…!」

 

「全部、しょーもない事だったわよ!?」

 

詩音はため息をつく。

 

「仕方ないわ。貴方はそのぐらいの力よね」

 

詩音は立ち上がって鞄に本を仕舞う

 

「お?どこ行くんだ?」

 

「帰るのよ」

 

「そうか、じゃあ、俺も帰るかな」

 

「当たり前よ。今日は、デートに行くわよ」

 

「は?」

 

俺は耳を疑った。

 

「デートよ、デート。」

 

「なんで?」

 

「……クレープが食べたいのよ」

 

案外可愛い理由だった。

 

「クレープ……しゃーねぇ。奢ってやるよ」

 

「まぁ、ありがとう。お詫びに今度、上履き舐めさせてあげるわ」

 

「間に合ってます」

 

そう言って俺も鞄を持ち、歩き出す。

 

クレープか…楽しみだな。




ツンデレ難しい


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デートまでの道のり

「ねぇ、鹿江君」

 

「何だよ。詩音」

 

クレープ屋まではかなり遠い。歩いて30分程だ。

え?自転車で二人のり??

まぁ、確かに、そう言うのは恋愛小説とかで多いよな。

でも、現実ではそうは上手くいかない。

二人のりはダメなんだ。いいか、二人のりはダメだ!

 

「演技力じゃがりこ面接ぅー」

 

「は?」

 

いきなり詩音が素っ頓狂な声を上げた。

 

「いや、いきなり何だよ。詩音」

 

「これから私が言うお題に合わせてじゃがりこと言って頂戴。アレンジなどは自由よ」

 

「は??」

 

「いいから、行くわよ」

 

詩音はほぼ何の説明も無しに、演技力じゃがりこ面接たるものを始めた。

 

「嬉しくて?」

 

「じゃがりこっ!」

 

「悲しくて?」

 

「じゃがががg……」

 

「怒ってて?」

 

「ふざけんなてめぇ、詩音。いきなr…」

 

怒ってて?と言うので今の気持ちを

素直に表現したところ右頬に強烈なパンチを食らった。解せぬ

 

「嫉妬して?」

 

「じゃがりこ…」

 

「失恋して?」

 

「じゃがぁぁあああ!」

 

「喧嘩して?」

 

「本当にふざけんなよ、詩音。覚えてろ」

 

「貴方が覚えてなさい。」

 

「じゃがりこ」

 

「………バカじゃないの?鹿江君」

 

「じゃがりこじゃないの?詩音ちゃん」

 

ふざけて詩音をおちょくったところ

左頬に強烈なパンチを食らった。可哀想な俺の両頬

 

「がっかりして?」

 

「じゃがりこぉ」

 

「驚いて?」

 

「じゃがりこなのか!!?」

 

「疲れ果てて?」

 

「疲れてるから静かにしろじゃがりこ」

 

「感謝して?」

 

「じゃがりぃーぬ」

 

「隣の私に?」

 

「はは、今日もお可愛いですね?まぁ嘘だけど」

 

「………遠くの人に?」

 

「可愛いじゃがりこですねー!!」

 

「……知り合いの私に?」

 

「疲れてるのかな?詩音の幻覚が…」

 

「赤の他人に?」

 

「あ、はい、じゃがりこ」

 

「私に恋のビームの?」

 

「クレープ行かないで帰りたいビーム!」

 

「二次元を見て?」

 

「うひょあぁぁああああ!」

 

「三次元の私を見て?」

 

「ぐふっ………」

 

「はーい、以上です。ありがとうございました」

 

「いえ、こちらこそ」

 

演技力じゃがりこ面接とやらが終わり、

詩音の顔を覗き込むと、凄い不機嫌そうな顔だった

 

「何で怒ってるんだよ」

 

「ちゃんとやりなさいよ」

 

「………ちゃんとやってるよ」

 

俺はため息をつきながら答えた

 

「クレープ、食べたくないわけ?」

 

「甘いものが俺は得意じゃないの知ってるだろ」

 

「そうだけど…」

 

詩音は少し落ち込んだ顔をする。

クレープ…そんなに食べたかったのか

 

「でも、今日は特別だから。」

 

「え?」

 

詩音は俺の顔を驚いた顔をして見る

 

「特別に一緒に行こうぜ。クレープ屋」

 

「……ええ、」

 

そんな事を話しているとクレープ屋についた。




演技力じゃがりこ面接を使わせて頂きました。
ありがとうございます


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