銃撃の中のナイフ使い (風峰 虹晴)
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part1 ログイン

記念すべき第1話


ガンゲイル・オンライン。通称GGO。アミュスフィアという五感全てにアクセスするフルダイブ機器を使ってプレイするVRMMOで、剣や魔法ではなく、銃を使うゲームです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺と……付き合ってください!!」

 

「えっと……ご、ごめんなさい!」

 

私の名前は隼 迅(はやぶさ じん)、高校2年生です。昼休み、席でゆっくりしてたら、同学年の子に呼び出され、告白されました。断りました。私はその後、教室に帰っていった。ちょっと悪いなぁ……。でも付き合うのは……。だって付き合う気ないし私のどこがいいのか正直……。

 

「ふぅ……なんか疲れちゃった……。」

 

「よう、今日も告白されたのか?」

 

「う、うん。」

 

教室に戻って自分の席に座ると、幼馴染の山祇 聖平(やまつみ しょうへい)が、私に話しかけてきた。

 

「ははっ!で、振ったんだろ?」ニヤニヤ

 

「もう!からかわないで!!」

 

聖平は私をからかってニヤニヤしている。だって……(泣)。急に言われて付き合えるほど安い女じゃないもん……(泣)。

 

「……なあ迅。」

 

「ん?何?」

 

「放課後、なんか用事あるか?」

 

「え?うーん……ないけど。」

 

「じゃあ、放課後、ちょっと付き合ってくれ。」

 

「別にいいよ。」

 

聖平が私にそんな頼みごとをすることは、あんまりなんだけどなぁ……。幼馴染だけど最近はあんまり話す以外のことしてないし。そろそろ授業始まるし、後で考えよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「ふぃ〜……。さて、聖平は?」

 

「ここにいるぞ。」

 

私は声の方向を見る。

 

「じゃあ、行くか。」

 

「うん。」

 

私は聖平に付き合い、何処かへと向かう。何処に行くんだろ?私は聖平と約10分間歩き続けた。

 

「やっと着いたー。」

 

「ん?ここって……。」

 

大型家電量販店。……正直な感想、なんで高校生の男女が大型家電量販店なの?ねえ、おかしいの?ねえ。聖平はどんどん歩いていく。私はそれに連れられて、一緒に歩いていく。たくさんの種類の家電が並ぶ。そして、私達が着いた場所は、アミュスフィアというフルダイブ?というのをする専用機器が置いてある場所だった。

 

「聖平、ここになんか用事?」

 

「あぁ、予約してたアミュスフィアを受け取りに来たんだ。ここでちょっと待っていてくれ。」

 

「あ、うん。わかった。」

 

私がそう返事すると、聖平はカウンターの方に行ってしまった。……暇だし、ここに並んでるアミュスフィア?でも見てるかな……。……私には、縁のなさそうな物だけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「おまたせ。」

 

「あ、ちゃんと受け取れた?」

 

「まあな。」

 

「あれ?そういえば、聖平って元々自分の持ってなかったっけ?」

 

この前、私に親にアミュスフィアを買ってもらったと騒いでいたのを思い出した。アミュスフィア専用のハードも買ってもらったって言っていたけど、そっちの方の名前は忘れてしまった。

 

「ああ、持ってるぜ。これは俺用じゃない。」

 

「え?じゃあ誰が使うの?」

 

「……これ、お前にやるよ。」

 

「え?」

 

聖平は、私に先程受け取ってきたアミュスフィアを差し出してくる。

 

「な、なんで?」

 

「ほら、お前明日誕生日だろ?それに、最近お前色々と疲れてそうな人付き合いだろ?」

 

「う、うん……。」

 

私の誕生日は、明日の5月20日。でも、誰かにプレゼントを貰うのは予想してなかった。ましてや聖平に。色々と疲れてそうな人付き合いというのは、元々一年の頃からちょくちょく告白されてたのだが、2年生になり、最近は同学年、それに一年生にも告白される。全員断るのは、罪悪感が募り、まあまあ疲れてはいる。

 

「だから、これ、やるよ。」

 

「で、でもこれって月々料金が発生するんじゃなかったっけ?」

 

「聞いて喜べ、お前の親御さんから許可貰ってる。」

 

聖平はバッグから一枚の紙を取り出す。そこには、

 

『昔から頑張ってるから、息抜きも大事よ?料金は任せなさい❤︎

母より』

 

と書かれていた。あれ?お母さんこんなキャラ?私色々わかんなくなってきちゃった。

 

「あ、ありがとう……。あ、聖平ってどんなやつやってるの?私もやってみたい。」

 

「ん?俺のやってるゲーム?あんまりオススメしないぞ?ガンゲイル・オンラインってやつで、よくあるファンタジー系のやつじゃなくて、荒廃した世界の銃を使って戦うゲームだ。」

 

「ふーん……なんか面白そう、私もそれやる。」

 

「お、おう……。仕方ねぇ!買ってやる!」

 

聖平はどこかに行く。な、なんか悪いなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、これ。」

 

「あ、ありがとう!」

 

「じゃあ、今日の夜8時、俺待っとくから。」

 

「うん。あ、ありがとう!」

 

「おう!じゃあな〜!」

 

私は聖平と別れ、家に帰っていった。聖平ってあんなことできるんだ……。ちょっと見方変わるかも。……変わんないかも?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の8時の10分前になった。めっちゃお母さんニコニコしてたなぁ……。も、もう気にしないでおこう。なんかキャラメイク?とかあるらしいから、早めにやろうかな。

 

「り、リンク・スタート。」

 

すると、目の前が変わり、何処かに引き込まれるような感覚になる。

 

『ようこそ、ガンゲイル・オンラインへ。あなたのアバター名を入力してください。』

 

アバター名……自分の名前ってことね。えっと……『MAX』っと……。なんで『MAX』?って思うけど、適当です。これが良いと思いました。私はアバター名を入力する。

 

『アバターを生成します。』

 

視界が変わっていき、真っ白になる。そして、視界が開ける。そこにあったのは、少し薄暗い、建物と人がたくさんの場所でした。自分の姿を見たいと思い、鏡を見る。

 

「こ、これが私……。」

 

身長は少し下がって155cmぐらい?顔は……あんま変わってない。ちょっと小顔になった?髪は少し赤く、普段はストレートのロングだけど、ポニーテールになっている。そして、服はブーツにコート(フード付き)で、中に長袖シャツに短パン。……初期装備感ないなぁ……。ちなみに、全て黒です。

 

「ここが……ガンゲイル・オンライン……。」

 

私は少し、新しい世界にドキドキしました。




多分しばらくはこっちメイン?


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part2 初モンスター戦

だから言っただろう?こちらがしばらくメインだと。


「なぁ……あの子見ろよ……めっちゃ可愛いぞ……。」

 

「見ない顔だな……新規の子かな?」

 

「おいお前、ナンパしてこいよ。」

 

「え〜、フラれた時めっちゃ心が痛むから却下。」

 

周りから視線と、多分私に対しての話し声が聞こえる。んー……聖平どこにいるんだろ?あ、でもこっちだとアバターの名前だからわかんないなぁ……。

 

「そこの君。」

 

「ひゃっ!?」

 

私は後ろから肩を掴まれて驚き、変な声を出してビクッとする。そして、即座に後ろを振り向く。その男の人は、身長は多分175cmぐらいで、細マッチョの人でした。地味に怖いです。

 

「な、なんか用ですか?」

 

私は恐怖で固まりながら、なんとか巨体の男の人に話しかける。

 

「何の用って……待ち合わせしてただろう?顔が似てるからな。」

 

「待ち合わせ……え!?ま、まさか!?」

 

「おっと、リアルネームはここでは禁止、俺のことは『レイ』って呼んでくれ。」

 

「わ、わかった。じゃあ、私のことはマックスって呼んで。」

 

「おう。変な名前だな。」

 

「そ、そんなこと言わないで……。」

 

この話しかけてきた男の人は、聖平だったようです。本当に最初に話しかけられてきた時びっくりしたぁ……。

 

「で、マックスはどうするの?始めたばっかりだから、チュートリアルでも受けてきたら?」

 

「うーん、そうする。」

 

私は指を使ってチュートリアルを行うため、Yes/No画面でYesを選択する。すると、私の体は光に包まれ、転送された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、帰ってきたか。」

 

「う、うん。」

 

私は、少し疲れた顔で帰ってきた。理由は、チュートリアルの教官の女の人が、中々にハードな人だったからだ。まあ、なんとか基礎はわかったんだけど……。

 

「で、自分に合いそうな武器種とか、わかったか?」

 

「うん。私には、ハンドガンと、それよりもナイフが合ってるみたい。」

 

「お、おう……。中々特殊だな……。俺はアサルトライフルかな。」

 

アサルトライフル……って、確か近〜中距離で戦う銃だっけ。私は主にナイフ使って、副武装にハンドガンって感じだから……っていうか、この組み合わせってこのゲームではあんまりなさそうだよね。

 

「さて、じゃあ必要な装備買ってモンスター狩りに行くか。」

 

「うん。あ……でも私全然お金持ってないよ?」

 

「あー……まあ、足りなかったら俺が足りない分出してやるよ。」

 

「う……なんかごめん。」

 

「いいよいいよ。じゃあショップ行こうか。」

 

「はーい。」

 

私は聖平に連れられてショップに入っていった。武器はモンスター相手ということでプロキオンSLという光学銃のハンドガンとそのエネルギーパックを2個、それに救急治療キットというのを買いました。180秒で体力の三割を回復するアイテムらしい。

 

「さて、フィールドに行くか。」

 

「おー。」

 

私は聖へ……レイの掛け声に応じて、フィールドに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は危なくなった時に助けるから、できるだけマックスが倒してみて。」

 

「うん。わかった。」

 

私達は岩に隠れながらそう会話した。レイが手に持っている銃はAKMという、有名で、人気の武器らしいです。私も、ちょこっとだけなら聞いたことがあるようなないような。

すると、私達の目の前に、猪のモンスターが現れる。私は岩に隠れながら、プロキオンSLを構える。すると、視界の中に、拡大と縮小を繰り返す円が発生する。これは『バレットサークル』というもので、プレイヤーが狙いやすいようにするシステムアシスト?っていうやつらしい。円の拡大と縮小は心拍数に連動していて、心拍数が上がると、拡大と縮小が速くなって狙いにくくなる。

 

「…………ッ!」

 

私は小さくなったのを狙って引き金を引く。すると、エネルギーの弾が発射され、見事猪に命中する。猪は悲鳴を上げ、光の粒子になって消えてしまう。

 

「うん。上手い上手い。この調子で狩っていこうか。」

 

「おー!」

 

私とレイはその後、モンスターを狩り続けた。……大きい蠍に襲われた時は終わったと思いました。レイがAKMで一気に倒してくれたので、助かりました。そして、狩りに出かけてから2時間……。

 

「ふぅ〜……つ、疲れた……。」

 

「お疲れ様。どうだ?GGOは。」

 

「面白いね!このゲーム!」

 

「そりゃ良かった。買った甲斐があったよ。俺は落ちるけど、マックスはどうする?」

 

「うーん……この街を巡ったりしようかな?覚えておいて損はないと思う。」

 

「OK、じゃあ、また明日。」

 

「うん。じゃあね。」

 

レイはメニューを開いて、消えてしまった。あ、そういえば、レベルアップで手に入るポイントで能力上げることが出来るんだよね?今のレベルは3。初期に200で、レベル1ごとに20だから……えっと……。

 

「……もう全部俊敏力に注ぎ込んじゃえ。」

 

私は全部Agility(俊敏性)に注ぎ込んだ。試しに走ってみよ。私は思いっきり走ってみる。すると、自転車くらいの速さで走ることができた。時速25kmぐらい?速い!楽しい!もっと速く動きたい!

 

「思った時に動いた方がいいよね!」

 

私はフィールドへモンスター狩りに向かうために、全速力で走り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!!あともうちょっとだったのにー!!」

 

1人で狩りに出掛けて1時間後。私はリスポーン……死に戻りをしていた。途中までは順調だったのです。けど、一際大きい猪と出会い、あともう少しだったんですけど、突進で死んでしまいました。少し経験値が減ってしまいましたが、まだ許容範囲です。早速、ポイントをレベルに振り込む。レベルは4だから20ポイント。全部Agilityに注ぎました。

 

「時間があれだし、そろそろ私も終わろうかな……。」

 

私はメニューを開き、ログアウトボタンを押すと、Yes/Noボタンが出てきて、Yesを押す。そして、私はGGOから姿を消した。




プレイヤー名 マックス
レベル 4
Str 0
Agi 260
Vit 0
Dex 0
Int 0
Lux 0

武器

プロキオンSL

防具(服)

黒コート(フード付き)

黒長袖シャツ

黒パン

黒ロングブーツ

アイテム
エネルギーパック×1 救急治療キット×1

主人公のステータスと装備、アイテムはこうなっております。はい。(多分)原作無視の設定です。小説はⅡまで読みましたが、多分これが最適です。はい。


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part3 ナイフとPK

ようやく主人公がナイフプレイ。そして、スキル(独自解釈によるオリジナル)も登場。ちなみに、銃の種類とかは、あんまり理解できてないのでそこらへんもお願いします。


私がGGOを始めて1週間。聖平と学校で話す機会も多くなって、ストレスもGGOをプレイすることで今の所は解消できている。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「さて、帰ろ。」

 

「迅、一緒に帰ろうぜ。」

 

「うん、いいよ。」

 

私は聖平と一緒に帰路につく。……なんだか、途中視線が気になったりしたけど、もう気にしてたら負けだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、今日の8時な〜。」

 

「はーい。」

 

私は聖平と別れ、家の中に入る。聖平の家は、私の家の隣ではないが、3つ右の家です。なので、昔から遊ぶ機会とか、交流する機会とかは多かったです。

 

「ただいま〜。」

 

「迅、おかえり。」

 

家に帰ると、お母さんが家事をしていた。お父さんは遠いところで働いていて、1年に数回帰ってくる程度です。でも、私がアミュスフィアを使ってることは知ってるらしく、お父さんもOKだったそうです。我が家族ながらノリが軽い……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の時刻は7時。晩御飯と歯磨きを終え、勉強もしたので、何もやることはない。というわけで。

 

「リンク・スタート。」

 

私の感覚は現実の世界から切り離され、GGOの世界に送り込まれる。ちなみに、今のレベルは8。レベルが上がると、やっぱり次のレベルまで時間が空きますけど、それも楽しいです。

 

「……フィールド行こっと。」

 

レイが来るまで時間があるので、フィールドに行くことにしました。クレジット……現実でいうお金が貯まってきたので、念願の物を買えるかもしれません。ちなみに、GGOには、クレジットを現実の円に変えることができるらしく、10万クレジット……現実で1000円から両替可能らしく、それで生計を立てている人もいるらしいです。そこまで稼げるって、ほんとすごいですよね。逆にお金持ちの人は、リアルマネートレードと言って、簡単に言えば課金です。現実のお金をクレジットに変えて、レアな装備を手に入れるらしいです。まあ、私はどちらもしませんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後

 

「はぁ……はぁ……ま、間に合った?」

 

「ああ、ちょうどだぞ。っていうか、なんで疲れてんだ?GGOじゃ走っても疲れないだろ?」

 

「気疲れってやつかな?」

 

8時になり、レイと合流した。結構ギリギリまで狩っていたので、間に合うか心配でした。俊敏力に物を言わせて走りました。

 

「で、どうする?いつもみたいにモンスター狩り?」

 

「あ、その前に買い物に付き合って。」

 

「OK。」

 

私がレイにそう頼み、2人で武器のショップに向かいました。そして、私がショップで購入したものは……。

 

「わーい!念願のコンバットナイフ!」

 

「お前近距離でしか戦わないのか?」

 

私は念願のコンバットナイフを購入しました。刃渡りは大体20cmぐらい?ナイフの方がハンドガンより使いやすいので、自分としては嬉しいです。隣ではレイが呆れています。確かに、GGOのことについて調べていても、ナイフメインでサブにハンドガン使う人は、見たことないです。

 

「あと、もう一つやりたいことがあるんだけど……。」

 

「ん?はいはい。」

 

私は、レイを連れて次の目的地に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで完璧だ!」

 

「まあ、髪とおんなじでいいんじゃないか?」

 

私が行ったのは、服とナイフ、ついでにハンドガンの色替えです。髪が黒に赤を足した色だったので、服の色とナイフの柄、そしてハンドガンの銃身とエネルギーパックも、赤黒い色にしました。静脈の血のような色ですが、問題はないでしょう。何しろGGOは明るい色より、暗い色の方が普通な気がします。

 

「試し振り、してみたら?」

 

「あ、忘れてた。じゃあ、フィールドにレッツゴー!」

 

「おー!」

 

そういえば、GGOをし始めてから、GGO内でのテンションが高くなってる気がする。気のせいですかね?多分慣れですね。はい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とレイはフィールドに出て、モンスターを求めて歩いていた。私は歩きながらナイフを逆手に持って、ブンブン振り回していた。

 

「おい、俺に当てんなよ。」

 

「わかってる。だから距離とってるでしょ。」ブンブン

 

「どんだけナイフ好きなんだよ……。」

 

筋力値的に少し重い気がする?けど気のせいだと思うし使いやすいしかっこいい!女のロマンだね!

 

「お、早速モンスターだ。ほら、ご自慢のナイフの出番だぞ。」

 

「うん!」

 

私の目の前に現れたのは、大きさが全長6mぐらいの大きさの蠍型モンスター。前に殺された蠍の配下?とか子分?みたいなポジションのモンスター。目の前に出てきたのは私はAGIを全開にしてモンスターに走り出す。蠍モンスターは両腕の鋏を叩きつけようとしてくる。私はそれをサイドステップで躱して、ナイフを構えて、鋏と腕の間を俊敏力を最大限まで発揮して、スパスパっと切り裂く。地面に落ちた鋏はパンッと音と共に光の粒子になってしまう。私は両腕の鋏を切られて怯んでいる隙に後ろに回り込み、毒の判定がある尻尾攻撃を封じるために、尻尾の付け根に、両手を使ってブスッとナイフを突き刺す。蠍が悲鳴のような声をだす。そのまま私は尻尾を切り落とす。

 

「ラストッ!」

 

鋏と尻尾を失い、既に体力がない蠍。私は跳躍して蠍の前に立つ。そして、顔にナイフを突き刺す。血は出ない。そのまま蠍はパンッと光の粒子になってしまった。

 

「おぉ……ナイフの扱いに慣れてる……。」

 

「やっぱり、素早いのにナイフは合うってことだね。」

 

「まあ、ナイフ使うのに力が強いだけとかだと合わないな。やっぱり、ナイフプレイはAGIが高い人が使うべきだな。」

 

「だよね〜。」

 

私はナイフを鞘に納める。私はスキップをしながら進む。けど、ちょっとした驚きが。これでもAGI働く。気がついたらレイが走ってきてた。慌てて私は進むのを止める。そして数秒後、レイが私に追いつく。

 

「AGIってスキップにも影響するのか……俺も初めて知った……。」

 

「私も知らなかった……。」

 

「よし、じゃあ狩りますか!」

 

「うん!」

 

と、私達は動き出したその時。微かにだが、前方から足音が聞こえた。

 

『!!』

 

私達は音の聞こえた方から隠れるように岩陰に隠れる。どうやら、レイにも聞こえていたようだ。

 

「初の対人戦、どうする?手伝おうか?」ヒソ

 

「ううん、いいこと思いついた。丁度いい武器あるし。」ヒソ

 

私はそう言って、鞘に収めたコンバットナイフを見せる。すると、レイは全てを察したような顔をして、

 

「なら、頑張れ。」ヒソ

 

「うん。ちゃんとバレないように隠れててよ。」ヒソ

 

そう言って、私は鞘からナイフを抜いて、右手でナイフを逆手で持つ。そして、敵の様子を伺う。足音が、だんだん近づいてくる。

 

「いや〜、かなり大量に狩れたな。」

 

「そうだな。どんどん狩っていこうぜ。」

 

どうやら、男2人のペアのようです。武器はわからないけど、今回の作戦ならそこまで気にするほどではないと思う。私達の姿は見えてないらしく、そのまま岩の前まで到達する。とても緊張している。NPCのモンスターと違い、予想とは違う行動をしてくる可能性もあるから、結構怖い。でも、スリルがあって楽しいです。そして、男2人が岩を通過して去る瞬間……

 

(今っ!!)

 

私は低く跳び、足音を立てない工夫をしました。そして、着地したのは右の片方の男のちょうど真後ろ数cm。そして…………

 

「ばーい……。」ボソッ

 

右の片方の男の首を思いっきり、深く切り裂く。

 

「……え?」

 

切られた男は何があったかわからない状況のまま、HPがどんどん減っていき……光の粒子になりました。

 

「!?な、なんだ!?」

 

もう1人の男は死んだもう1人の方を振り向き、私の姿を視認しようとします。しかし、そこに私の姿はいません。私は高速で動き、もう1人の死角に入り込み、ナイフで首を切り裂く。サクッと音とともに赤い被弾エフェクトが見え、HPがどんどん減っていき……パンッと音と共に光の粒子になってしまった。

 

「…………ふぅ〜……。」

 

私は溜息をつく。息を殺して隠密PKをするのはかなり疲れた。身体的には疲れないけど、やっぱり精神的な疲労は無理です。

 

「おお、凄いな。まるで暗殺者《アサシン》だったぞ。」

 

「そんな物騒な……ん?なんかお知らせ?」

 

私はメニューを開き、お知らせを見る。『取得可能スキル』?私はどんなスキルか見てみる。

 

「ねえねえ、これ何?」

 

「ん?なんだ?」

 

私はそれをレイに可視モードにして見せる。そこには、《暗殺者》というスキルがあった。

 

「なんだこれ?こんなスキル見たことないぞ?」

 

「とりあえず……取得♪」

 

私はそのスキルをタップし『《暗殺者》を入手しますか?』というメッセージとYes/Noボタンが出現し、Yesを押す。すると、ピロンという音が鳴る。

 

「スキル欄、覗いてみたら?」

 

「うん。」

 

私はスキル欄を開き、《暗殺者》というスキルの内容を見てみる。

 

スキル《暗殺者》

ステルス能力

足音消去

AGI 1.3倍

与ナイフダメージ 2倍

被ダメージ 5倍

 

「ねえ、これってどう?」

 

「ん?……んん!?ステルス能力だと!?」

 

レイはそれを見て驚く。え?何?これって普通じゃないの?

 

「お前……ステルス能力なんて超レアだぞ!?この世界でステルスと言ったら光学迷彩で、光学迷彩ってボスモンスターの専用技ぐらいなんだぞ!?」

 

「んん……?」

 

いまいちピンと来ない。とりあえず、強いってことだよね。多分、さっきの立ち回りが原因かな?

 

「とりあえず、セットっと……。」

 

私はスキルをセットしてみた。このスキルは、私にとって都合が良い。ナイフをメインで使っていくつもりだからナイフのダメージが増えるのも嬉しいし、更に速く動けるのも嬉しい。まあ、ダメージ5倍もある意味凄いけど……。

 

「とりあえず、このスキル試したいなぁ……。」

 

「まあ、モンスター狩りやろうぜ?さっき中断したし。」

 

「うん、いいよ。」

 

レイはAKMを、私は、右手に逆手でコンバットナイフを、左手にプロキオンSLを持って。ポップしたモンスターを手当たり次第に狩り始めた。




プレイヤーネーム マックス
レベル 8
Str 0
Agi 340(442)
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux 0

武器
メイン コンバットナイフ(柄が赤黒)
サブ プロキオンSL(銃身が赤黒)


赤黒コート(フード付き)
赤黒長袖シャツ
赤黒短パン
赤黒ブーツ

スキル
《暗殺者》
ステルス
足音消去
与ナイフダメージ2倍
Agi 1.3倍
被ダメージ5倍

ついにナイフ登場!そしてオリスキル登場!メリットは大きいですがデメリットも大きいです。


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part4 アサシンと呼ばれ始めた

銃の種類覚えるのって難しいと思います。
え?自分ですか?全くと言っていいほど覚えてません。


「あー!!くやしー!!」

 

「いやなんで俺の方が先に死んでるんだ?」

 

モンスター狩りを再開して2時間。私はレベル10まで上がりました。そして、私は死に戻りで街まで転送されました。前に倒された巨大蠍に遭遇しました。私もレベルが上がって前より素早くなっており、何よりナイフも手にしているし、レイもいる。なので、挑みました。AKMによる援護射撃、それと、私のナイフとプロキオンSLでの鋏と尻尾を切り落とし、そして、私は最後に思いっきりナイフを顔面に差し込み、何度も刺した。このモンスターの小型版を倒した時のように。そして、倒すことができた。私は喜んだ。しかし、それが仇になりました。プレイヤーの襲撃を受けました。敵は5人。素早さを最大限まで発揮して岩に隠れましたが、レイはそれができず、倒されてしまいました。私は影でステルスを発動。そのまま逃れようと思いましたが、銃を乱射しながら岩を囲んできます。予測線を見て、避けたりはしましたが、少し、頰を擦りました。その時、体力が3割は削れました?心の中で「は?」と呟きました。そして、次に足に命中すると……私の体力はどんどん減少していき……私は死んでしまい、今の状況に至りました。

 

「あ〜……喜ぶときは周りを警戒しなきゃなぁ……。」

 

「俺もすっかり忘れてた……すまん……。」

 

「ううん、私こそごめん。キリもいいし。そろそろ落ちようかな?」

 

「あ、俺も。そろそろ寝ないといけないからな。」

 

「じゃあ、またね〜。」

 

「おうっ!」

 

私はもう慣れた手つきでログアウトする。GGOの世界から切り離され、現実世界に戻ってきた。今日は楽しかった。初めての推奨プレイであるPK……。結構いい感じに経験値も手に入ったし、ステルスも手に入れたし、また強くなれたと思う。

 

「……ふわぁ〜……寝よ……。」

 

私は布団をかぶり、目を閉じる。精神的に疲れたこともあり、私はすぐに眠りにつくことができた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初プレイから1ヶ月。日常の中にGGOがあることが、本当に当たり前になった。

 

「で、今日はどうする?」

 

「んー……1人でやってみようかな。今日は聖平もやってるの?」

 

「おう。もちろんだぜ。」

 

「じゃあ、なんか用があったらフレンドチャット送るね。」

 

「OK。じゃあな〜。」

 

「うん。」

 

私はいつもの通り聖平と帰り、家の前で別れる。行動がパターン化してきたなぁ……。まあ、パターン化してなくて悪いことなんてないんだけど……。

 

「ただいま〜!」

 

「迅、おかえり。」

 

お母さんがいつもの通り家で家事をしている。私はそのまま部屋に向かう。最近、食事までの時間にGGOでやることと、その後にGGOでやることが、だんだん別れてきた。これがゲーマーってやつかな。……もう、誰かにゲーマーって言われても気にしないようにしようかな……。反論できないし……。私はバッグを置いて、服を着替え、短パンと半袖Tシャツに着替えて、アミュスフィアを被ってベッドに寝転がる。タイマーもよし。やりますか。

 

「リンク・スタート。」

 

私がそう唱えると、体の感覚はGGOに吸い込まれていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう……やっと終わった……。」

 

GGOを一旦中止して晩御飯を食べて、歯磨きをし、予習復習を終え、私は椅子にもたれかかっていた。勉強はあんまり好きではないけど、学生だから勉強しなきゃだよね。さて、じゃあやりますかー。アミュスフィアを被ってベッドに横たわる。そして、

 

「リンク・スタート。」

 

その言葉と共に、現実世界から感覚が切り離され、私の意識はGGOの中へ。レベルは14になっています。今回は、いつもの岩がよくあるフィールドではなく、建物……と言っても、今は使われていない廃墟が多いフィールドに行く。私はフィールドに向かう。

 

「なぁ……知ってるか?小さな噂になってる女のプレイヤー、通称《アサシン》のこと。」

 

「あぁ、勿論。いつの間にか後ろから忍び寄られて、姿を見ることもなく全員殺されるんだろ。」

 

「そんなプレイする割には、よく撃ち殺されてるらしいけどな……。」

 

はい。完全に私の噂だと思います。そんなプレイスタイルは私ぐらいだと思います。私そんな通称つけられてたんだ。なんか……嬉しいような?悲しいような?はい。本当によく殺されます。最初の方は本当に。よくステルスを看破されて殺されます。今は、なんとか上手く立ち回ったり、予測線を見て避けたり、あと、自慢できるのは、スナイパーの予測線がないショットに対応できるようになりました。風切り音の方向から、俊敏力に物を言わせて伏せます。そして、なんとか避けれます。リスポーンに慣れるのは嫌だなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、待ち伏せ待ち伏せ……。」

 

私はモンスター狩りのスコードロンが通るところに近く、死角になっている場所で隠れています。ちなみにスコードロンというのは、簡単にいえばチームです。流石に普通のプレイヤーならここで1人で待ち伏せてもやられてしまうでしょう。しかし、私には自慢のステルスがあります。だから、私にとっては有効な隠密プレイが可能なのです。待ち続けて数分。早速来ました。私はステルスを使用する。私から見ても自分の体は普通に見えますが、多分今周りからは見えてないんでしょう。

 

「うーん、あんまりここら辺湧いてないなぁ……。もっと奥の方行くか。」

 

「そういえば、ここって例の《アサシン》が良く出るんじゃなかったっけ?」

 

「あー、なんかそんな噂を聞いた気がする。まあ、俺達なら楽勝っしょ?」

 

「確かにな!」

 

『アッハッハッハッハ!!』

 

はー……凄く楽しそうに会話してる……。仲、いいんだろうなぁ……。歩く音からして4人かな?ちなみに、ここら辺のモンスターがあまり沸いてない理由は、私が経験値確保も込めて狩り尽くしたからです。ここでの狩りも慣れたので、勿論ノーダメージです。というかダメージ食らったら死ぬんですけどね。そして、私が出て4人の後ろに出れる場所にまで通過したので。私は迅速に背後に回り込み、ナイフを抜き、一番後ろの人の首を切り裂く。首は与ナイフダメージ2倍のおかげで、何か装備していても一撃です。そして、俊敏力はジャンプ力にも影響するので、高くジャンプします。

 

「な、なんだ!?」

 

全員一番後ろの人のことを見ます。その瞬間に一番前にいた人を着地同士に首を切り裂く。そして、私は素早く動き、1人の後ろに回り、首を切る。

 

「くそっ!アサシンの仕業k」

 

最後に言い切る前に首を切り裂く。そして、一つのスコードロンが死んだ。

 

「あ、レベル上がった。」

 

レベル15になりました。レベルアップすると20ポイントゲットです。これでまた素早くなれるので、嬉しいです。

 

「さて、もうここでAGIにポイント振ろうっとぉ!?」ヒュンッ!

 

私は急いで伏せました。あと伏せるのが0.1秒遅れてたらヘッドショットで一撃死でした。めっちゃ怖いです。スナイパーの仕業ですか。私は新しく取得した《視力強化》のスキルを使い、撃たれた方向を拡大して見ました。すると、ある廃墟ビルの上でチラッと銃身が見えたのを確認しました。

 

「キャラじゃないけど……やられたらやり返す!倍返しだ!」

 

私はスナイパーを倒しにステルスプレイを開始しました。




あるスナイパー、次回登場


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part5 女アサシンと女スナイパー

サブタイで誰が登場するかわかっちゃましたかね。


私はスナイパーのいるビルの頂上から、死角になっている場所に隠れる。周りを確認。モンスターや、他のスコードロンがいないのを確認して、ステルス発動。このスキル、まだ他のプレイヤーには発見されてないスキルらしく、レイに隠しておいた方がいいって言われました。普通に看破された時は、回り込まれたとしか思われてないらしいです。

 

「……今のうちにポイントを……。」

 

私はポイントをさっさとAGIに振る。そして、ビルに向けて走る、走る、走る。《視力強化》でビルの頂上を見ながらビルに向けて走る。狙われては……ないようだ。少なくとも看破されてない。私はビルの中に入る。

 

「はぁ……第一関門クリア……。さて……。」

 

私は一気に階段を駆け上がる。流石にAGIに全て振ってるだけあって、かなり速い。2秒で1階を駆け上がる。このビル、かなり高く、10階ぐらい。だから、合計20秒。私は屋上の既に開かれているドアの前で立ち止まる。足音はない。これも便利です。これがなかったらそんなにkill数は稼げてません。ステルスをふたたび発動。しゃがみながらゆっくり進む。そこでは、女の子プレイヤーが私に向けてハンドガンを向けていました。私はびっくりして声を上げるところを、必死に堪えました。どうやら、バレているわけではなく、来るのはわかっているのでいつ来てもいいように構えてるようです。水色の髪の毛と目で、抹茶色の服に白いマフラー、黒いデニムに、ショートブーツ、そして、滅多にいない女の子。それに、悪戯心も働きました。こっそり後ろに回り込み、そして……

 

「こんばんわっ♪」ポンッ

 

「!!?」

 

私は後ろから挨拶と同時に声をかける。その女の子はびっくりして後ろを向き、私にハンドガンを向ける。バレットラインが私の頭を捉える。

 

「待って!待って!撃たないで!」

 

私は全て武器を仕舞っていて、両手をあげる。目の前の女の子も戦闘の意はないことをわかったらしく、ハンドガンを下ろす。背中には、大きい銃を背負っている。やっぱりさっきのスナイパーだ。私はその場に座り込む。

 

「ねえ、お話しない?ここなら狙い撃たれることはないし、ゆっくりお話しできるでしょ?」

 

「…………わかったわ。」

 

目の前の女の子は私のことを警戒しているようだ。まあ、仕方ない。この世界はPKを推奨しているゲームだ。警戒しない方がおかしい。

 

「私の名前はマックス。あなたの名前は?」

 

「……シノンよ。ねえ、聞きたいことがあるんだけど。」

 

「ん?何?」

 

「さっき、私あなたのこと撃ったわよね?」

 

「うん、撃ったね。あれは本当に危なかったよ。凄いね、あんな正確な射撃ができるなんて。」

 

「私初めて狙撃銃使ったんだけど……。」

 

「え?」

 

私は衝撃の事実を聞かされた。初めて?初めて?初めてであの距離からのヘッドショット?私、ナイフ、ハンドガンの次にスナイパーライフルが使えるけど、ハンドガンとの間に乗り越えられない壁があります。

 

「だったら、凄い上手だよ!」

 

「あ、ありがとう……。で、どうやって私の射撃を避けれたの?あと、なんで私に見つからずにここに来れたの?」

 

「あ〜……。だ、誰にも言わないでくれる?」

 

「えぇ、いいわよ。」

 

「じゃあ話すね。」

 

私はシノンちゃんに説明した。AGIに全振りしていること。遠距離ショットを風切り音で避けたこと。《暗殺者》スキルのステルスで姿を消したことを。シノンはGGOを始めたばかりらしい。つい2週間前ぐらいに。凄いよね、うん。私には、スナイパーなんて無理。

 

「へぇ……そのスキル、面白そうね。」

 

「体のどこかに命中したら一発KOだからね。多分好みは人によると思う。」

 

「じゃあ、私には合わなさそうね。」

 

「あはは……。さて、お話できて楽しかった!ありがとう!」

 

「えぇ、私も貴重な意見が聞けて良かったわ。」

 

私はシノンちゃんと別れて、廃墟ビルを降りていく。あー!このゲームで女の子と話すの初めてで楽しかったなぁ!そして、私はAGIをフル活用してモンスターを片付け、待ち伏せを開始。まだステルスしてはしてない。数分、スコードロンがやってくる。

 

『………………。』

 

足音的に……5人?スコードロンにしては珍しく会話していない。ステルスを開始。いつもの通り、後ろから襲えるように通過を待って……。今っ!

 

「来たぞ!アサシンだ!!」

 

「やっぱりか!!」

 

え!?な、なんでバレた!?うっそ看破率かなり低くなってるはずなんだけど!?っていうか誰が話した!?よく確認すると、他の4人と後ろの方に離れて行動してる男の人が1人。こ、こんな対策初めてなんだけど!!

 

「オラオラ!!1発でもいいから当てろ!!」

 

「ちっ!すばしっこいな!!」

 

私はなんとか素早く動き回り、コンクリートの壁に隠れて乱射をやり過ごす。しかし、5人による掃射に怯えることしかできない。分厚いコンクリートの壁の向こう側で、壁を削る音が聞こえる。この壁から出たら当たって死ぬ。このままここにいたらコンクリートの壁を削りきられる。正に万事休すです。

 

「ここまま倒してやr」

 

すると、喋っていた1人の声が止み、粒子になる音が聞こえた。そして、銃の発砲音と、コンクリートが削られる音が止む。

 

「そ、狙撃だ、狙撃されt」

 

もう1人撃たれたらしく、そのまま粒子になったらしいです。そして、ザッという隠れた音。私はその隙にステルスを再発動。そしてAGIを全力に活かして……

 

「アサシン狩りに来たのにとんだ邪魔g」ザシュッ

 

「チッ!アサシンk」ザシュッ

 

「な、何が起こっt」ザシュッ

 

ナイフで3人の喉を一気に切り裂いていく。そして、3人とも光の粒子になって消えてしまいました。私はステルスを解いて、シノンちゃんがいた廃墟ビルの屋上を《視力強化》を使って見る。すると、グッドサインをしていたシノンちゃんを見て、私もグッドサインを送り返しました。本当に助かった……。

 

「……さて!MK(モンスターキル)行きますかー!」

 

私は全力ダッシュでその場を離れた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………狙撃が上手……か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノンちゃんのいた場所から離れて、いつものフィールドでソロMKを開始して3時間。レベルが16になり、街に戻りました。勿論ポイントはAGIに。そして、ログアウト寸前、一つのフレンド申請が。

 

「誰からだろ?」

 

私は誰からかなフレンド申請か確認する。そこには、《Sinon》の名前が。

 

「やった!」

 

私は承認。そして、フレンドリストの中に、シノンちゃんが追加され、私はログアウトしました。




プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル16
Str 0
Agi 500(650)
Vit 0
Dex 0
Int 0
Lux 0

装備
メイン コンバットナイフ(柄が赤黒)
サブ プロキオンSL(銃身が赤黒)
赤黒コート(フード付き)
赤黒長袖Tシャツ
赤黒ショートパンツ
赤黒ブーツ

スキル
《暗殺者》
ステルス能力
足音消去能力
与ナイフダメージ 2倍
Agi 1.3倍
被ダメージ 4倍

《視力強化》
1x〜4xの視力強化

なんだか、展開が急?な気がする。まあ、いつものですよいつもの


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part6 2人の女スコードロン

タイトルの通りだと思います。そして、少し短めです。


「リンク・スタート。」

 

私はいつもの流れで、GGOにログインした。プレイし始めて、1ヶ月と一週間が経ちました。昨日のモンスター狩りの途中までの時点では、今日は1人でモンスター狩りをする予定でした。しかし、それはもう過去のお話。今日は約束があります。

 

「うーん……そろそろ待ち合わせの時間だな〜……。」

 

「おまたせ。待たせたかしら?」

 

「ううん。そんなことないよ。」

 

後ろから女の子の声。後ろを振り向くと、水色の髪の毛の女の子が。今日は、初めてシノンちゃんとスコードロンを組んで、モンスター狩りに出かけます。昨日、大体ポップしていたモンスターを狩り終えたころ、一つのメッセージが届いたんです。

 

『明日、スコードロン組んでモンスター狩りしない?』

 

シノンちゃんからそんなメッセージが届きました。私は嬉しくなりました。1週間前に助けてもらったこともあり、一緒に戦えると思う嬉しくなりました。

 

『勿論!!明日の8時、ポータル前で待ち合わせよっ!』

 

『わかったわ。』

 

ということで、私、シノンちゃんと2人でスコードロンを組んで、モンスター狩りをすることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノンちゃんは、一週間前に出会った廃墟ビルの近く、ビル約3階ぐらいの高さの廃墟の上で。私はモンスターがよくポップする場所の近くの影に潜んでいた。この場所は強いモンスターが現れ、あまり他のスコードロンも来ない。

 

ドォォォォン…

 

「キュオォォォオオォォ!!」

 

『マックス。大型金属蟻。』

 

「わかった!」

 

私はシノンちゃんとの通信機の通信を切り、巨大な体が金属で出来ている蟻だ。全長は15mほど。私はステルスを発動。ちなみに、ステルスはスコードロンを組んでいる仲間には見えるらしい。流石に仲間にも見えないのはアレだから、嬉しいシステムです。私は右脚に向けて走っていく。

 

…バンッ!パンッ!…バンッ!パンッ!

 

シノンちゃんも攻撃を開始したらしく、一番前の右脚と左脚が、シノンちゃんの狙撃で消える。全身金属だが、金属ではない部分もある。それは、口内と関節。それにそこを金属化してしまうと、口内だと口を動かせない。関節だと動けない状況になる。

 

「よい……しょっ!」

 

私は右脚残りの2本を切り落とす。すると、金属蟻は体勢を崩してしまう。体が金属なので、勿論体重がかなり重い。勿論、時間が経つと……詳しくいうと、大体120秒で復活する。しかし、戦闘で120秒という時間は大きい。

 

「シノンちゃん!口内目指してどんどん撃って!!」

 

『わかった。』

 

シノンちゃんは口内に向けてスナイプショットをしていく。蟻の弱点は口内だ。シノンちゃんのスナイプショットは正確だし、7.62弾なので威力も大きい。ちなみに、FR-F2という銃名らしい。私もハンドガンを使って口内を撃っていく。なぜナイフを使わないかというと、普通に邪魔になってしまうから。弱い訳ではないし、連射できるから、良いダメージになっているらしく、蟻の体力はどんどん減少していき……

 

バンッ

 

金属蟻は爆発音と共に粒子になってしまう。この蟻、中々良い経験値を手に入れることができる。相性バッチリってこと。

 

「お疲れシノンちゃん!」

 

『この調子で頑張りましょう。』

 

私達は数分間隔でポップする巨大金属蟻を狩り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ

 

私とシノンちゃんは15匹目の巨大金属蟻を倒す。私のレベルは17になっていた。うん、かなり良いレベリング方法だ。またレイも連れてきて3人でやったらもっと効率良くなるかな?

 

『マックス。北北東からそっちに1組のスコードロンが来た。全員で6人。』

 

「!わかった。私は隠れているから、ちょうどいいタイミングで1人をヘッドショットで倒して、その後は隠れてて。」

 

私はシノンちゃんにそう伝え、影に隠れてステルスを発動する。微かに足音が聞こえる。段々足音が近づいてくる。そして……

 

バンッ!ビシュッ!

 

「な、なに!?1人やられた!」

 

「あっちだ!撃て撃て!」

 

1人撃たれ5人になったスコードロンは、シノンちゃんの方向に撃ちまくる。しかし、すぐに姿を隠したシノンちゃんにその弾は当たらない。その間に私は後ろからまず1人。音もなく切り裂き、その後1秒後にもう1人を切り裂く。

 

「なっ!?2人やられた!?」

 

「もう1人いるぞ!」

 

残った3人は私の方に銃を向ける。しかし、そこに私はいない。

 

「シノンちゃん、お願い。」ボソッ

 

私はそう小さく呟き、AGIを全力で生かして1人の首を切り裂く。それと同時に、シノンちゃんが1人の頭を撃ち抜く。

 

「くっ、くそぉぉぉ!!」

 

そう叫んだ男の首をすれ違いざまに切り裂いた。そして、パンッと音とともに、消えてしまった。

 

「シノンちゃん、そろそろ街に戻る?」

 

『そうね。今ので興が冷めたわ。』

 

「じゃあ、合流するね。」

 

『ええ、わかったわ。』

 

私はシノンちゃんと合流するために走り始めた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……今日はありがとう!シノンちゃん!」

 

「いえ、私こそ感謝するわ。また一緒にスコードロンを組みましょうね。」

 

「うん!じゃーねー!」

 

私は手を振ってシノンちゃんと別れた。シノンちゃんは、1人でダンジョンに挑むらしい。さて、私は1人でいつものフィールドに行こっと……。

 

「あ、あの……《アサシン》さん……ですよね?」

 

「へ?」

 

私は、1人の自分より小さい女の子に話しかけられた。




プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル17
Str 0
Agi 676
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux

武器や装備等は変化ないので割愛させていただきます。


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part7 《虚空》の少女

新しい女の子。筆者が溺愛してしまったキャラ。


「あ、あの……すみません。勝手に声かけてしまって……。迷惑ですよね……。」

 

「あっ!ううん!大丈夫だよ!」

 

ちょっとマイナス思考な子なのかな?少しブカブカの上下深緑色の長袖と長袖の軍服。そして、すこし斜めに被った深緑色のキャップ。ズボンで隠れてる深緑色のブーツ。長い黒いロングの髪の毛。そして、140cmぐらいの身長の背。

 

「あ……ここで話すのもあれなので、移動……しませんか?」

 

「あ、うん。いいよ。」

 

私はその子と一緒に移動を開始し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私と女の子は、人が少ないお店の中に入った。「なるべく人気が少ない方がいい。」と言われたから、ここのお店にした。ここのお店はレイと話すときによく来るお店です。

 

「あっ……自己紹介してませんでしたね……すみません……。私、ヴォイドっていいます。」

 

void……空虚とか、虚無って意味だった気がする。

 

「えっと、私マックスって名前です。噂では《アサシン》って呼ばれてるらしいです。んで、お話って何ですか?」

 

「あっ、えっと……ま、マックスさんって、特殊なスキル……持ってますよね……?」

 

「ん?え?それどこで知ったの?」

 

私の特殊なスキル《暗殺者》のことである。あれ、取得条件を自分のスキルで確認したら、『相手に視認されずにナイフkillする』らしいです。中々に厳しい?条件なのかな?いつもそれしかやってないからわからないです。

 

「わ、私の予測です……。わ、私も持っているので……。」

 

「え!?ホント!?どんなスキル!?」

 

「ひゃうっ!?」

 

あ、怖がっちゃったみたい。なんか、めっちゃ可愛い、この子。

 

「あぁ……ごめんね、驚かせちゃって。」

 

「い、いえ……。《虚空》ってスキルで、発見されてない状況での発砲音消去です。し、取得条件は『2時間以上連続で見つからず、その中で全射撃にサプレッサーありで撃つ』というものです……。」

 

「へえ!私のスキルは《暗殺者》って言って、ステルスに足跡消去、ナイフダメージが倍増にAgility1.3倍と、ダメージ4倍だよ。」

 

「そ、そうですか。それに比べたら、私のスキルなんて見つかったら効果消えちゃいますし、そもそもサプレッサー付けたら意味ないし……。マックスさんのに比べたら全然……。」

 

うん、あのね?サプレッサーって使い捨てでしかもその割に高価なアイテムだよね?ね?しかも多分サプレッサーは完全に音消しきれないけどそのスキルだと完全消去だよね?強くない?

 

「大丈夫だよ!私のはダメージ増えちゃうし、ステルスだって勿論看破されるし……。そうだっ!じゃあ、一緒にモンスター狩り行く?」

 

「え、えっと……わ、私なんかといいんですか?」

 

「勿論♪そうと決まったら行こっか。」

 

「は、はい。」

 

私とヴォイドちゃんはスコードロンを組み、フィールドに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とヴォイドちゃんはシノンちゃんと蟻狩りをした廃墟の多いフィールドに来ていた。ヴァイドちゃんのメイン武器は、7.62mm弾のロシア製の狙撃銃《ドラグノフ》。引き金を引くたびに撃てるセミオート自動式です。それと、サブ武器はサブマシンガン《スコーピオン》。30発を2秒間で打ち切る武器です。

 

「ヴォイドちゃん、試しにあのスコードロンを1人でやれる?」

 

私は4人組のスコードロンを指差す。ちなみにステルスは発動しているので、指を指してもバレることはありません。

 

「ふぇ!?え、えっと……わ、わかんないです。」

 

「一回試してもらえる?」

 

「は、はい……無理かもしれないですけど……頑張ります。」

 

ヴォイドちゃんはドラグノフを構える。距離は大体200m。屋上には、高さ50cmぐらいのコンクリート塀があります。なので、狙撃には十分だと思います。

 

「…………。」

 

すると、引き金を引くと、風切り音のみ聞こえ、スコードロン連中の1人に命中。見事にヘッドショット。一撃死してしまいました。そして、粒子になって消えてしまいました。

 

「ビューティフォー…。」

 

ほんっとうに発砲音がない。なので、敵スコードロンの残り3人は戸惑う。消えてしまったので被弾エフェクトから方向を見分けることもできない。もう一度、ヴォイドちゃんは敵に向けて撃つ。今度も見事にヘッドショット。光の粒子になりました。

 

「凄いね、ヴォイドちゃん!」

 

「え、えへへ……。」

 

ヴォイドちゃんは少し顔を赤くして、俯く。何この子。めっちゃ可愛い。

 

「それじゃ、私が残りやってくるね。」

 

「え、ええ?でも、まあまあ遠いですよ?」

 

「まあ、任しといて。」

 

私は右手にナイフを逆手に持って、建物から飛び降りる。そして、ステルス発動AGI全開の全力ダッシュ。200mを数秒で走り抜け、2人の喉をすれ違いざまに切り裂く。私が切り裂いた2人はそのりまま地面に倒れこみ、それと同時に光の粒子になって消えてしまう。私はヴァルドちゃんのところに走って戻る。

 

「わぁ……!」

 

ヴォイドちゃんは私に憧れのような目を向けてくる。

 

「す、凄いです!わ、私なんかよりよっぽど……。」

 

「ボイちゃんの方が凄いよ!私は近距離でしか戦えないけど、ボイちゃんは遠距離から攻撃できるんだから!」

 

「えっと……ボイちゃん?」

 

「ほら、ヴォイドだと呼びにくいからボイちゃん!可愛いでしょ?」

 

「う、うぅ……。」

 

ボイちゃんは更に顔を赤くしてしまった。あれ?私なんか言ったっけ?

 

「じゃあ、街に戻ろっか。もう遅いし。」

 

「は、はい。私もそろそろ落ちなきゃです。」

 

私とボイちゃんは建物から降りて、街に向けて進み始めた。途中、モンスターを倒しながら。




新キャラボイちゃん!!可愛いよボイちゃん可愛い。


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part8 学校の光と闇

まあ、どうやっても展開を急にしてしまうんです。どうしたらいいんですかね?


「ふぅ〜……。」

 

私はGGOからログアウトして、アミュスフィアを頭から取り、軽く体を伸ばす。今日は楽しかったな〜。シノンちゃんと始めてスコードロンも組めたし、ボイちゃんと出会って、結局フレンドにもなれたし。明日、学校で聖平に話そ〜っ♪

 

「さっさと寝よ。おやすみなさ〜い。」

 

私は目を閉じて、眠りについた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ〜……。眠い〜……。」

 

私は目を覚まして、大きく欠伸をする。やっぱり私朝は苦手……。夏で夜も寝苦しい……。やっぱり春と秋がいいなぁ……。

 

「学校の用意しよ……。」

 

私は顔を洗いに洗面所に行く。私は顔に水をかける。うわっ、ぬるい!なんか地味にぬるい!これだから夏は……。それに髪の毛ボサボサ……。早く直さないと……。

 

「迅ー!もうちょっとで朝ご飯出来るわよー!」

 

「は、はーいっ!」

 

私は急いで髪の毛を櫛で解いて、髪の毛をくくる。あれ?そういえばいつからポニテにしてたっけ?あ、高1からだ。私は自分の部屋に戻って服を着替える。着替え終え、朝ご飯を食べるためにリビングに向かう。

 

「はい、ジャストタイミングよ。」

 

「いただきまーす。」

 

私は朝ご飯を食べ始める。ご飯と野菜盛りだくさんのお味噌汁に鯖の塩焼き。和食大好き。昔の人の知恵を侮ったらいかんのですよ。私は早急に朝ご飯を食べ始める。

 

「ごちそうさまっ!」

 

「はーい。」

 

私はご飯を食べ終わると再び洗面所に、歯を磨く。さっさと磨き終わり、自分の部屋に戻って自分の荷物を持ってリビングのソファーに座る。そろそろ来る頃かな?

 

ピンポーン「おはようございまーす!山祇でーす!」

 

インターホンから聖平の声。

 

「今行くー!お母さんいってきまーす!」

 

「いってらっしゃい。」

 

私は荷物を持って玄関のドアを開ける。ドアを開けた先には聖平が立っていた。登校するときは毎日迎えにきてもらってます。昔連続遅刻をしてしまってこうなってます。なんで遅刻したか?単純に寝坊です。

 

「おはよう聖平。」

 

「おう、おはよう。」

 

私は聖平と一緒に学校へ向かう。徒歩約10分。その間私と聖平は、学校と関係ある話や、全く関係ない話をする。予習や復習、テストについてや、揶揄いあったり……GGOの話をしたりする。

 

「昨日シノンちゃんと一緒にモンスター狩りしてたんだー。」

 

「あぁ、シノンって、最近新しくフレンド登録した女の子のことか?」

 

「うんうん!それでね〜…………。」

 

そんな感じで喋りながら歩くこと10分。多分喋りながらで10分なら1人で7分ぐらいなのかな?私は今日登校してるとき、少し気になってる子がいた。……恋とかじゃないです。毎日1人で、俯いて、悲しそうに、寂しそうに登校してる1年生。今日は多分2年になって初めて聖平に急かされながら用意しなかったから見かけることができたんだと思う。私、ホントに朝に弱いなぁ……。学校につき、教室に入るまでも喋る。

 

「おはようございまーす。」

 

教室に入って挨拶し、自分の席に座る。私の席は窓際の真ん中らへん。私は用意をして、だらーっと机に伏せる。そうすること数十秒後、先生が入ってくる。

 

「起立。礼。着席。」

 

「みんなおはよう。じゃあ早速朝のHRを始めるぞ……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!やっとお昼休みー!」

 

「お疲れ。」

 

私は机の上にだらーっとしていた。授業と昼食を終え、私はやることがなかった。GGOやりたい。シノンちゃんは大人なのかな?でも、口調的には高校生ぐらいだったような……。ボイちゃんはちっちゃい子みたいで可愛かったです。

 

「お前、先生に職員室に呼ばれてなかったか?」

 

「あっ!そうだった!ごめん行ってくるっ!」

 

私は職員室に向かいました。あれ?なんでだろ?私なんか悪いことしたっけ?遅刻はしてないはずなんだけどなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか……嬉しい?出来事だったなぁ……。」

 

職員室に呼ばれた理由は、ただ単に褒められただけでした。これでも勉強頑張ってるから、まあまあの成績だと思います。

 

「ん?」

 

私は教室に戻ろうとしていた歩みを止める。あんまり人が行かない、屋上の方で音がする。壁に打ち付けられる音と、話す声。多分人数は3人。うーん、なんか変な胸騒ぎがする。

 

「あれ?なんで私こんなに音だけで情報が?」

 

思い当たることはある。というか原因としてはこれしかない。明らかにGGOのせいですね。しかも待ち伏せプレイで音で聞き分けて距離とか人数とか場所とか割り出してるから、情報量が多いリアルでこんなことになるのは当たり前ですか、はい。

 

「とりあえず、行ってみよ……。」

 

私は階段を登り、屋上の扉を開けた………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は空峰 静瑠(からみね しずる)。私のお家は、少し裕福でした。勉強も頑張り、お母さんとお父さんによく褒めてもらった。私にはあまり物欲はない。ただ、あるものを昔からよく買ってもらっていた。

 

「…………。」

 

私は眠りから目覚め、学校に行く準備をする。そして、それらが終わって、時計に鍵を使う。時計は横に動き、階段が現れる。私はその階段を降りる。その階段の先にある部屋は、私の大好きな物がたくさん置かれてる部屋。銃のエアガン私は小さいころから銃が大好きでした。だから、GGOというゲームもやっています。大好きな銃を、リアルな感触で使うことができるから。朝食を食べる時間までの間、私はその部屋で銃を眺めたり、手に取って触り心地を楽しむ。

 

「静瑠、朝ご飯が出来ました。」

 

「教えてくれてありがとうお姉ちゃん。」

 

私は持っているエアガンを片付け、階段を登り始める。お姉ちゃんは本当のお姉ちゃんじゃなくて、咲妃 風友美(さき ふゆみ)って名前の昔からいるメイドさんです。でも、とっても仲がいいです。

 

「お母さん、お父さん、おはよう。」

 

「あぁ、おはよう。」

 

「ほら、朝ご飯食べましょう?風友美さんも。」

 

「うん。」

 

「ありがとうございます。」

 

私とお姉ちゃんは席に座る。そして、

 

『いただきます。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま、学校に行ってきます。」

 

「あぁ、いってらっしゃい。」

 

「気をつけるのよ?今日も楽しい学校生活を送ってきてね。」

 

「…………うん。」

 

私は荷物を持って家を出る。そして、門を通って学校に向かう。楽しい時間はここまで。私は暗い気持ちになる。

 

「ねえねえ、今日は何時からするの?」

 

「お前これから学校って言うのにな……!」

 

「あはは……。」

 

楽しそうに登校する先輩の男女2人が登校してるのを見つけた。……私も、あんな風に楽しそうに登校したいなぁ……。私には、無理なのかな……。せめてあの2人の先輩と仲良く……無理だよね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、屋上行こうぜ?」

 

「楽しくお喋りしようか?な?」

 

「は、はい……。」

 

私は女の先輩先輩2人に、屋上に連れていかれる。

 

「オラッ!オラッ!」ガンッ!ガンッ!

 

「うあ……うう……。」

 

「あはは!へばるの早すぎwww」

 

「ほら、さっさと立てよ。」

 

私は髪を掴まれ壁に打ち付けられ、地面に横たわっていた。私は、この先輩2人にイジメられていた。痛い。とても痛い。もう……こんなの嫌だ……助けて……お姉ちゃん……。その時、屋上の扉が開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

私はその光景を見て唖然とした。多分、私と同学年の女の子2人が、小さな女の子の髪の毛を掴んで、虐めていた。小さな女の子には、見覚えがある。今日の朝、暗い雰囲気で登校してた女の子。なるほど、こういうことか。

 

「なんだお前!」

 

「あ〜……あいつあれだよ。2年の間で有名な隼 迅だよ。」

 

「はいはい、なるほど。正義のヒーロー気分か。そういえばお前も前からムカつくやつだと思ってたんだよ……。」

 

髪を掴んでる子は、手を髪から離し、私の方に近づいてくる。私は怖くなり、少しずつ後ろに下がる。

 

「……オラァァァッ!!」

 

その子は私に殴りかかってくる。私は両手で顔を防ぐ。腕に強烈な衝撃が走る…………と、思っていた。

 

「!?なんだてめえ!!」

 

1人の男子がその腕を掴んでいた。その手を離すと、ゾロゾロと何十人もの男子が入ってくる。え?なにこれ?

 

「我々は『迅さんにフラれたけど迅さんを見守ろう会』である!」

 

「…………(汗)」

 

……確かに、全員見覚えがある。全員私に告白してきた人達だ……。男子達は小さい女の子と私から遠ざかる用に包囲して、包囲網を縮小していく。

 

「あっ!大丈夫?」

 

「えっあのっ……だ、大丈夫です。」

 

「怪我してるし、保健室行こっか。」

 

「あ、有難うございます。」

 

すると、包囲網の中から1人の男子が私達の方に歩み寄ってくる。あ、この人凄く見覚えある。入学して間もないころに告白してきた、最初の人だ。

 

「またイジメられたら私達に言うといい。」

 

「あ……はい。」

 

「あ、ありがとうね〜!」

 

私は苦笑いしながら、保健室に向かっていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「迅さんの笑顔……これで1ヶ月は持つな!!」




GGOの描写は珍しくありませんでした。


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part9 友達

平日でも頑張って更新するのです。


「これで大丈夫よ〜。」

 

「ありがとうございます先生。大丈夫?」

 

「あっ……えっと……だ、大丈夫です。お二人ともありがとうございます。」

 

「お礼なら助けてくれたあの人達にも言わなきゃなんだけど……正直会いたくない……。」

 

私は保健室に女の子を連れてきた。ところどころ切り怪我があったので、先生に絆創膏を貼ってもらい、1人で立てないぐらいフラフラだったので、ベットで寝てもらった。助けてくれたあの人達は『迅さんにフラれたけど迅さんを見守ろう会』?だっけ?の人。一度フっちゃったから会いづらい……。

 

「あ、あの……ここまで連れてきてもらって……あ、ありがとうございます。」

 

「いいよいいよ!」

 

私は女の子の寝ているベッドの近くの椅子に座る。

 

「あ、そうだ。自己紹介してなかったね。私、2年3組の隼 迅って言うの。あなたの名前は?」

 

「い、1年1組の空峰 静瑠です。」

 

「えっと……イジメっていつから……?」

 

「…………入学してすぐだったはずです……。」

 

「…………。」ギュッ

 

「!?」

 

私は黙って椅子から立ち上がる。そして、私は静瑠ちゃんを……静かに抱きしめた。

 

「ずっと辛い思いしてたんだね……。」

 

「え、えっと……あの……///」

 

「あっ!ごめん!苦しかった!?」

 

「い、いえ……そうじゃなくて……。」

 

私は静瑠ちゃんのことを離す。怪我人を無闇に抱きしめるのは良くないね。傷に触れて痛かったかもしんないし……。

 

「う、嬉しかったんです……友達なんて高校に入ってからいなかったので……こんなに優しくしてもらえると思ってなかったので……。」

 

「えっ?」

 

私は心底驚いた。お世辞抜きでこの子はとても可愛い。超が3つぐらいついてもいいレベル。私よりも絶対モテてもいいはずなのに……。っていうかなんで私はこんなにモテるの?そのせいであんな変なグループ生まれてるし……(汗)

 

「じゃあ、私が友達になろうか?」

 

「え?」

 

私は静瑠ちゃんにそう言うと、今度は静瑠ちゃんが、とても驚いた顔をした。

 

「あ、ごめん、嫌だった?」

 

「いえ……そ、そうじゃなくて……い、いいんですか?わ、私なんかが友達で……。」

 

「勿論!なりたくて言ってるんだよ♪」

 

私は静瑠ちゃんにそう言った。静瑠ちゃんは私の方を向いて、涙を流し始める。

 

「あ、あの……ひぐっ……わ、私とと、友達に……えっぐ……なってくれるんですか……?」

 

「勿論!ほら、泣き止んで。」

 

「は、はい……。」

 

私はハンカチを取り出して静瑠ちゃんの涙を拭く。

 

「どう?落ち着いた?」

 

「はい……。ほ、本当にいいんですか?こ、こんな私と……。」

 

「いいのっ!じゃあ、今日一緒に帰る?朝見かけたから多分帰り道一緒でしょ?」

 

「え……い、いいんですか?」

 

「うんっ!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「うわっ!予鈴鳴った!じゃあ私行くね!」

 

「あ、はい。」

 

私は保健室から飛び出て、自分の教室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、友達……ふふっ♪」

 

ちっちゃな体の女の子は、ベッドの上でそう言い、可愛らしい笑みを漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃー!やっと終わったー!」

 

私は授業とHRを終え、椅子にもたれかかってそう言った。

 

「んじゃ、帰ろうか。」

 

「その前に、寄らなきゃいけないところが。」

 

「ん?」

 

私は立ち上がり、荷物を持って聖平と一緒に教室を出た。目指すは1年1組の教室。私と聖平は1年1組の前に到着すると、後ろのドアから中を見渡す。

 

「んー……どこかなー……?あっ、いた。静瑠ちゃん!」

 

私が静瑠ちゃんを呼ぶと、私に気付いたらしく、小さな体でちょこちょこと歩み寄ってくる。……何この子、めっちゃ可愛い。

 

「えっと……こ、この人は?」

 

「無視してもいいy」

 

「おいこら。俺は山祇 聖平。まあ、こいつの幼馴染ってやつだ。」

 

「そうでしたか。空峰 静瑠です。よ、よろしくお願いします。」

 

「じゃあ、帰ろっか。」

 

「あ、はい。」

 

「あっ、静瑠ちゃんの家寄ってもいい?見てみたい!」

 

「あ、俺もいいか?」

 

「ぜ、全然いいですよ……!」

 

私は聖平と静瑠ちゃんと一緒に下校する。勿論、帰る途中も会話をする。そして、1つわかったことが。

 

「静瑠ちゃんもGGOやってるの!?」

 

「えっ!?あっ、はい、やってます……。」

 

「私もやってるんだ〜聖平からのプレゼントで。」

 

「バイトで頑張って貯めた。」

 

静瑠ちゃんもGGOをやってるらしい。フレンドになりたい……。一緒にスコードロン組んでモンスター狩りしたいなぁ……。そして、その後3人で歩くこと数分…………。

 

「ここが私のお家です。」

 

「…………(汗)」

 

「…………(汗)」

 

私と、多分聖平も困惑してると思う。お金持ちだったよ静瑠ちゃん。静瑠ちゃんはインターホンを押して、

 

「風友美さん、門開けてください。」

 

静瑠ちゃんがそう言うと、屋敷の中から1人の1人のメイドさんが出てきて、門を開ける。うわ、めっちゃ美人。

 

「おかえりなさいませ、お嬢様。……この方達は?」

 

「隼 迅です。」

 

「山祇 聖平です。」

 

「私のお友達だよ。通してあげてね。」

 

「わかりました。自己紹介ありがとうございます。わたくし、メイドの咲妃 風友美と言います。以後、お見知りおきを……。」

 

初めてみたメイドさん!メイドさんは美人って相場が決まってるのかな?

 

「では、どうぞ。」

 

風友美さんは私達に道を開ける。3人で門を通ると、風友美さんは門を閉めた。そして、私達は静瑠ちゃんの家の中に入る。

 

『おじゃましまーす……。』

 

私と聖平は少しビビりながら玄関に立ち入る。正直恐縮です。

 

「お母さん、ただいま。」

 

「おかえり静瑠。……あら、お友達?」

 

「うん。私の部屋に連れてくね。」

 

静瑠ちゃんは大きな廊下をどんどん進んでいく。そして、一つのドアの前で止まり、ドアを開けて中に入る。私達も、静瑠ちゃんに続いて部屋の中に入る。そこには、少し高級そうな内装の、女の子らしい部屋でした。

 

「ここが私の部屋です。」

 

「わぁ〜!」

 

私も女の子です。可愛らしい内装には正直興奮します。しかし、そんなとき少しの違和感が。私は時計に近寄り、隣接している壁に耳を当てる。……うん、やっぱり。

 

「ねえねえ静瑠ちゃん。」

 

「?どうしましたか?」

 

「ここ……空洞音が聞こえる。なんかあるの?」

 

「……言いたくありません……。私のこと……嫌いになっちゃうかもしれないので……。」

 

「……大丈夫!私、なにがあっても静瑠ちゃん嫌いにならないよ!」

 

「で、でも……。」

 

「こいつの言葉は信用できるぞ。有言実行もこいつの取り柄だからな。」

 

「わ、わかりました……。」

 

静瑠ちゃんは机の中から一つの鍵を取り出す。そして、時計に近づき、鍵穴に突き刺す。っていうかそんなとこに鍵穴あったんだ。全然気がつかなかった。すると、時計が横に動き、階段が現れる。なるほど、空洞音はこれか。

 

「ど、どうぞ……。」

 

私達3人は、階段を降りていく。そして、その先にある部屋からの光が見える。その先にあったのは………………大量のエアガンでした。

 

「わ、私、昔から銃が大好きなんです。昔サバゲーもやってて……。」

 

「へぇ……ねえ、好きな銃とかは?」

 

「え、えっと……こ、これですね。」

 

静瑠ちゃんは2つの銃を取って、私達の方に戻ってくる。

 

「GGOでも使ってる、ドラグノフっていうスナイパーライフルと、スコーピオンっていうサブマシンガンです。」

 

「ん?この銃……見覚えが……。」

 

しかも、見たのはつい昨日のような……。しかも、超至近距離で。

 

「……ねえ静瑠ちゃん。」

 

「や、やっぱり嫌ですよね……銃が大好きな人なんて……。」

 

「いや違う違う。昨日GGO赤黒の服着て、ナイフ持ってる人とプレイしてた?」

 

「え?な、なんで知ってるんですか?……え……も、もしかして、マックスさん?」

 

「ボイちゃん?」

 

昨日一緒にスコードロン組んで、フレンド登録したネガティブ思考の《虚空》の少女、ヴォイドもといボイちゃん。

 

「わーボイちゃんだー!」

 

「えっ!?あ、あのっ!ちょっと!///」

 

私は静瑠ちゃんを抱きしめる。わー!昨日の通り可愛いっ!確かに考えてみれば色々と似てる。口調とか、ネガティブ思考なところとか。

 

「あのっ!色々と困りますぅ!///」

 

「ハッ!あはは、ごめんごめん。」

 

「うぅ〜……///」

 

「おい迅、説明しろ。」

 

「あぁ、はいはい。えっとね〜…………。」

 

静瑠ちゃんを解放した私は聖平に説明を求められたので、聖平に説明し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………というわけ。」

 

「なるほど、この子が今日お前が話してた子ってことだったってわけか。」

 

「うんうん。」

 

「皆様、お菓子を持ってまいりました。」

 

「風友美さん、ありがとう。」

 

気の利くメイドさんによって持ってこられたお菓子を食べながら、ギリギリの時間まで私達は話した。銃の話や、GGOの話で、そして、時間になった。

 

「じゃあ、また広場でー!」

 

「はい、力になれるかわかりませんけど、頑張ります。」

 

「じゃあねー!」

 

私と聖平は、暗くなったので家に帰った。けど、またすぐ会う。GGOの中で遊ぶ約束をしたから。家に着き、やるべきことをやった私は、自分の部屋に入る。

 

「さて、やりますかー!」

 

アミュスフィアを被り、ベッドに寝転がる。そして…………

 

「リンク・スタート!」




静瑠ちゃん=ボイちゃん


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part10 主従の連携

記念すべき10話目です!


私がGGOを始めて2ヶ月。毎日学校に行くとき、私と聖平だけではなく、静瑠ちゃんも一緒に登校することになった。初めて登校するのを見たときは、とても暗い雰囲気だったけど、今はそんなことはない。とても楽しく、明るく登校している。……相変わらず、ネガティブ思考は抜けてないけど。イジメにも遭ってないらしく、以前より明らかに元気で、めっちゃ可愛い。

 

「さてと…………。」

 

いつもの帰宅→勉強→夕食を済ませ、自室に戻ってきた私。もうすっかり手際がよくなってしまった、アミュスフィアを被り、ベッドに寝転がるまでの行程。今日は、何度目かなる私、レイ、シノンちゃん、ボイちゃんの4人で遊ぶ予定…………だったのだが、ボイちゃんがもう1人連れてくると言ったので、快くOK。あんな上目遣いされたら断れませんよ……(遠い目)。

 

「リンク・スタート。」

 

もう何度目になるか忘れたGGOへのログイン。五感が現実を離れ、仮想世界GGOへ。光が消えると、荒廃した世界が広がる。私のレベルは23になった。レイは33、解せない。まあ、3月のサービス開始からほんの一週間後ぐらいから始めたらしいから、プレイ時間から見たら妥当なレベルなのかもしんない。あと、ハンドガン新調しました。ベレッタ・モデル92、M9の名で知られる実弾銃です。上手く使えるかどうかはさておき、主にナイフなので気にすることはないです。

 

「んで、予定よりも1時間早くログインできたから、蟻さんを1人で狩ってこようかな……。」

 

私はてくてく歩いてフィールドに行くポータルを目指した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜55分後〜

 

「ふぅ〜……。」

 

「お、ホントだ。」

 

「だから言ったでしょ?マックスは暇ならフィールドに出かけてるって。」

 

私は蟻狩り帰った。ちなみに、レベルが1上がり24になりました。フィールドから帰ってくると、レイとシノンちゃんが待っていた。なんな動き予知されてる……確かに待ち合わせまでの時間まで、纏まった時間あったら蟻狩ってるけど……。

 

「あれ?ボイちゃんまだ?」

 

「えぇ、まだ来てないわ。でも、そろそろ来るんじゃない?」

 

「お、噂をすればなんとやらだな。」

 

レイがそう言って、後ろを見る。すると、ボイちゃんと、もう1人、170cmぐらいで、銀髪のロングの女性。

 

「どうも、Ripper(リッパー)です。お嬢様がいつもお世話になってます。」

 

「ん?お嬢様?」

 

リッパーさんは『お嬢様』と言った。このリッパーさん除く4人の中で、その言葉が該当するのは、確定で1人。私はリッパーさんに近づき、話しかける。

 

「あの……風友美さん……ですか?」コソコソ

 

「!なんで私のことを……。」コソコソ

 

「風友美さん、この人迅さんだよ。」コソコソ

 

「そうでしたか。本日はよろしくお願いします。」コソコソ

 

私はリッパーさんから離れる。うーん。なんでだろ、美人多いね(ブーメラン)。

 

「さて、今日はどうしよっかー。」

 

「んじゃ、この人数だし、ちょっと挑戦してみようか。」

 

「へ?挑戦?」

 

私達は『挑戦』をしに、フィールドに向け出発した。レイの言ってる挑戦の意味が全然わからなくて困るんだけど。まあ、なんとかなるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァァァァ!!」

 

「グォォォオォオオオォ!!」

 

「いいぞ!そのまま向こうまで誘導しろ!!」

 

私は今、変に足が速くて、口から熱戦を吐き出す巨大亀から逃げています。嘘は言っていません。特撮かな?こうなったのには色々とあるんだけど、高難度ダンジョンに挑もうって話になって、嫌々ついて行ってたら、こいつに遭遇しました。ボイちゃんがトラップを即席で作ったらしく、そこに私は今Agilityを限界まで生かして、亀より速く走り、熱戦を吐く予備動作を見たら大きく横にサイドステップをして回避したりしてそこまで誘導している。ちなみに熱戦が通った後は地面が赤くなってえぐれてました。あんなのに当たったらどんな耐久値がある人でも死ぬんじゃないかな?ダメージ4倍だから多分掠っただけで死んじゃう。

 

「残り100m!」

 

「2秒もいらないぃぃぃぃ!!」

 

私は思いっきり走ってトラップのワイヤーを思いっきりジャンプして乗り越え、距離を取る。そして、ナイフをしまい、M9を両手で構え、命中率が低いハンドガン扱いで頭部をどんどん撃っていきます。体力バーは3本。30分以上、高所からシノンちゃんとボイちゃんが狙撃して、そっちに注目が行くたびに玉砕覚悟で頭部にナイフを刺して注目を私に集めさせていたせいか、1本目の半分程度。

 

「3……2……1……0!」

 

レイが0と言った瞬間、亀がワイヤーに触れて大爆発。亀の前足が吹き飛び、体力が1本目の3割程度になる。そして、体勢を崩した亀を……。

 

「一斉攻撃っ!!」

 

レイがそう叫ぶと、リッパーさんはこちらに降りてきて、サブマシンガン、UZIを両手に二丁持ち、顔面に向けて乱射していく。シノンちゃん、ボイちゃんも目にスナイプショットを浴びせていく。レイもAKMをフルオートにしてガンガン撃っていく。私はあれです。フレンドリーファイア覚悟でナイフで顔面ブスブス刺してます。怖い。すると、足が再生したらしく、亀は立ち上がり、大きく咆哮する。

 

「マックス!!またトラップ仕掛けるからその間引き付けとけ!!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

私はヤケクソでその作戦に乗りました。ブラック作戦反対!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……お疲れ様。」

 

「お疲れ。」

 

「お嬢様、お疲れ様です。」

 

「………………。」

 

「あ、あの、マックスさんお疲れ様です。」

 

「あ、うん……ボイちゃんお疲れ様……。」

 

あれから亀を狩り始めて1時間半。私の渾身のナイフで亀は断末魔を叫びながら爆発四散!しました。亀殺すべし、慈悲はない!状態です。

 

「マックス様、お疲れ様です。」

 

「あ、うん。マックスでいいよ。」

 

「これは癖みたいなものなので気にしないでください。」

 

「あ、うん。分かった。」

 

私はその場に座り込む。正直疲れました。殆ど全力疾走で疲労が凄いです。体の疲労はなくとも、脳の疲労はあるんです。だから疲れます。ブラック作戦嫌い。

 

「んじゃ、もっと探索続けますか。」

 

『賛成。』

 

「えっ。」

 

私達は、再び『挑戦』という名のダンジョン攻略を再開しました。その後、ダンジョンを探索中、偶然にもボス級巨大メカに遭遇し、30分の奮戦の後全滅しました。




最後の方適当です。理由?1日1投稿目指してるので焦ってましたw


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part11 新武器とボスモンスター

またまたタイトル通り。


かなり時は進んで私がGGOをやり始めて約3ヶ月。レベルは31になりました。毎日MKかPKを2〜5人でやるんだけど……。最近、少し悩んでいる。それは…………

 

「このお金……どうしよう……。」

 

私は手元に大量にあるクレジット(GGOでのお金)の使い道に悩んでいました。わかるだけの理由は、銃や防弾チョッキ等を買っても意味がない。もしくは装備できないことがあること。AGI全振りしているので、筋力値のせいで銃を持つことができないことや、防弾チョッキ等の防具は、ダメージ4倍なので全然意味がありません。今ので十分に事足りています。あと、ハンドガンの銃は、そもそもあまり撃たない(具体的には1ヶ月に10マガジン消費)ので、そこでもお金を使いません。

 

「うーん……ショップにでも行くかなぁ……。」

 

私はお金を消費するためにショップに向かいました。お金をリアル還元はしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……やっぱり、いいのはないよね……。」

 

私は商品を見ながらそう呟いた。元々ナイフプレイだから、近距離で攻撃力の高い武器なんてそうそうないし……。ちなみに手元にあるお金は50万クレジット(現実換算すると5千円)。私は1人でショップ内を歩いていく。すると、あるものが置いてある場所に着いた。

 

「…………光剣かぁ…………。」

 

名前だけは聞いたことがある浪漫武器、光剣。某有名SF映画に出てくるような見た目と性能の武器で、なんでも斬れるそうな。でも、浪漫武器ではあるけど、人気はないらしい。理由は、近づかないと折角の攻撃力が意味を成さないらしいから。銃弾も斬れるけど、フルオートの銃弾の雨を斬って近づける人なんていないだろうし、いたら化け物です。

 

「……………………えいっ♪」

 

私は光剣の種類を選び、光剣の購入ボタンを押す。出てきたYes/NoボタンのYesを押すと、商品をロボットが持ってきてくれた。不人気だけど、面白そうな性能してるし、きっと何かの役に立つでしょ。私は光剣のエネルギーパックも購入する。光剣はエネルギー消費で使えるらしく、エネルギーパックも必要っぽい。

 

「でも、まだお金余るなぁ…………。」

 

私は高価な光剣を買ってなお残ったお金の使い道を考えました。そして、一つ思いついたことがありました。

 

「そうと決まれば売り場に直行〜♪」

 

私は少しテンション高めにして、目的のものが置かれている場所に歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜♪」

 

店から出てきた私には、装備が2つ追加されていた。一つはエネルギーの刃の色が、赤に黒を足した赤黒で、柄の部分が黒に赤を足した赤黒の光剣、カゲミツG4。もう一つは、刃渡り20cmのコンバットナイフ2本目。とても奇妙な装備になってしまいました。

 

「まあ、今日は予定もないし、適当に蟻狩りに行こっと。」

 

私は蟻を狩りにフィールドに向かった。そろそろ巨大金属女王蟻を攻略してみようかな…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれかぁ……大きいなぁ……。」

 

私は物陰に隠れながら、いつも狩っている金属巨大蟻が、数匹いる。その数匹が守っているようにしている、2倍くらいの大きさで、他の蟻より、光沢の強い金属で体を構成している蟻。あれが、ここら辺のボスモンスター、『女王蟻』。びっくりするぐらい攻略情報がないモンスター。どうやら、すっごい硬いらしい。

 

「とりあえず……周りの蟻……!」

 

私はまず、近くにいる立場的に『働き蟻』に当たる金属蟻に向けて、ステルスを発動して突撃。2本のナイフを逆手持ちして、まだこちらに気付いていない蟻の右に向けて突撃。そして、そのままの勢いで右脚3本を一気に切り落とす。蟻の体力は一気に6割まで減少する。体勢を崩した蟻の口元に走り、思いっきり口元にナイフを2本突き刺し、引き抜く。それにより蟻の体力がググッと下がり、爆発四散して光の粒子に。

 

「キュイィイィィィイイィ!!」

 

すると、女王蟻が耳をつんざく咆哮を放つ。蟻ってこんなに大きく叫べるんだ。初めて知った。すると、女王蟻が赤い瞳でこちらを見てくる。あれぇ?ステルスしてるはずなんだけどなぁ……?

 

「キュイィイィィ!!」

 

「うわっ!!」

 

女王蟻が叫ぶと、働き蟻の一匹が私に突進してきた。私はびっくりしたけど、冷静に回避し……

 

「それっ!」

 

足の下に潜り込み、すれ違いながら脚の関節を斬り落とす。この蟻の超質量体当たりなんて何回も見たから、避けて斬ることなんて簡単。

 

「今のうちにっ!!」

 

私は一直線に女王蟻に向けて走って行く。左脚を振りかざし、その腕を振り下ろして私に当てようとする。私はそれを回避して、攻撃の隙をついて、その腕を斬り落とした……つもりだったのだが…………

 

ガァァァァァン…

 

「うわっ!?」

 

私は全速力のスピードのまま関節に2本のナイフで同時に斬りかかったが、柔らかいはずの関節に、金属が打ち合う高い音が、周りの空気を揺らし、私のことを弾き返した。

 

「何これ硬い!!うわっ!!」

 

女王蟻に愚痴を言ってると、働き蟻が私に連続で脚を振り下ろすモーションを見て、私は思いっきり横に跳躍して躱す。

 

「ていっ!!」

 

両脚が攻撃後の硬直で動かない蟻の前脚を斬り落とす。やっぱり、斬れ味云々ではなさそう。単純に、関節までもが硬い。そんなんで動けるの?硬くて柔らかい?謎性能過ぎて訳がわからないから絶対違う。

 

「実弾銃なら……。」

 

私はナイフをしまい、ホルスターからハンドガンを抜き、女王蟻の方を見る。よく狙いを定め、撃つ!…………検証虚しく、関節部分に命中したけれど、カンッと音と共に弾かれてしまった。

 

「とりあえず、働き蟻っ!!」

 

私は脚を薙ぎ払ってくる女王蟻の脚を、ジャンプして回避して、反対方向にいる働き蟻の方に、女王蟻の上を高速で走り抜け、飛び降りる。そのまま左脚3本を2本のナイフで斬り落としていく。そして、光の粒子になる。さて、残りは女王蟻さんなのですけど……。

 

「…………どう考えても詰んでない?」

 

銃弾も、得意のナイフも通じない。硬すぎる!こんなん倒せるのとかいるの!?

 

「キュイィィイイイィィイィィ!!」

 

「うるさっ!?」

 

女王蟻が大きく咆哮する。すると、地面から地震の時のような音が聞こえる。そして、その直後、地面に亀裂が走り、地面を突き破り、なんと働き蟻さんが先程の倍、6匹登場する。

 

「えぇ!?こんなのズルいー!!」

 

私は一旦距離を取るために、後ろに全力バックダッシュ。一瞬で数百mの距離を取れたが、蟻達は私の方に近づいてくる。うー……一旦諦めるかな……。そんなことを考えてるそのとき、一発の発砲音が。私に向けて撃ったと思ったけど、その一発は女王蟻の関節部分に命中。しかし、その弾でさえ弾かれてしまう。

 

「マックス!」

 

「ま、マックスさん!」

 

「あぁ……シノンちゃん!ボイちゃん!」

 

後ろを振り向くと、一発撃ったらしい体勢のシノンちゃんと、その後ろでちょこんとしゃがんでるボイちゃんが見えた。私は一度蟻達から離れ、跳躍して建物の上に着地する。

 

「あー!来てくれてありがとう!シノンちゃん、ボイちゃん!」

 

「ま、マックスさんを誘おうとしたんですがいなかったので、ここまで来たんですが……。」

 

「マックスが蟻達に珍しく苦戦してたから、一番大きいのを私が狙ったんだけど……なにあれ?関節部分でも銃弾が弾かれたんだけど?」

 

「あ、説明するね…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………。あの女王蟻についてはこんな感じ。」

 

「うーん……攻略は困難ね……。」

 

私とシノンちゃんは攻略に悩んでいました。すると、ボイちゃんはあることを言う。

 

「あの…………マックスさん。」

 

「ん?どうした?ボイちゃん。」

 

「あ、あの……その腰に下げてるのって、間違えてたらすいませんけど、光剣……じゃないですか?」

 

「ふぇ?あっ、すっかり忘れてた。」

 

私は腰に下げていたカゲミツG4を手に持ち。刃は出さずに空中に投げてキャッチして投げるのを繰り返していた。

 

「えっと……それなら、関節部分なら斬れるんじゃないですか?」

 

「それだよボイちゃん!」

 

「わっ!///き、急に抱きしめないでくださいぃ!///」

 

「あっ、ごめんね。」

 

私はボイちゃんのことを離した。その発想はなかった。確かに、光剣なら斬れるかもしれない!

 

「それじゃ、作戦はこうだね!」

 

私達が考えた作戦を簡単に言うと、シノンちゃんとボイちゃんが、私を襲おうとする働き蟻を足止め、もしくは撃破して、その間に私が女王蟻を攻撃するという作戦です。

 

「んじゃ、2人ともお願いね!」

 

「う、うまくできなくて、足引っ張るかもしれませんけど……が、頑張ります!」

 

「任せなさい。」

 

「んじゃ、作戦開始っ!」

 

私はそう言うとピョンっと建物から飛び降り、多分200m/sぐらいのスピードになる全力ダッシュで、女王蟻に向け一直線に走っていく。すると、働き蟻達が、女王蟻を守るように私に襲いかかってくる。しかし、その働き蟻の脚が吹き飛び、体の体勢を崩す。

 

「今度こそ……!」

 

私は片手にカゲミツG4を持ち、スイッチをONにする。すると、1m程の長さの明るい赤黒のエネルギーの刃が出現する。女王蟻は、私に向けて両足を振りかざし、振り下ろすが、私はそれを避ける。私はその振り下ろされた女王蟻の右脚の関節に向けて、思いっきりカゲミツG4を振り下ろす。

 

「うん……しょお!!」

 

0.5秒ほどかけて、右前脚を斬り落とす。しかし、まだ足りない。私は右脚の2本目に向けてカゲミツG4を斬り上げる。また0.5秒ほどすると、2本目が切れて、女王蟻は体勢を崩す。

 

「これで……終わりっ!!」

 

頭部に向かって、大きく振りかぶり、胴体と頭部の間の関節にカゲミツG4を振り下ろす。

 

「うぎぎぎぎ……。」

 

少しずつカゲミツG4が奥に進んでいく。しかし、少しして女王蟻の体が少し動く。ふと脚を見ると、脚が治りかけていた。

 

「うぅ……サヨナラッ!!」

 

腕にAGIの加速力を込める。すると、少しだけ奥に進む速度があがる。そして、ついに胴体から頭が切断される。HPバーはぐんぐん減少していき……残り1割で止まった。

 

「えぇぇぇぇ!?」

 

これぞ生命の不思議!頭切られても生きてるとかある意味すごい!そんなことを考えていると、切断面の部分に、数発の弾丸が打ち込まれる。そして、HPは少しずつ減少していき………………ほんの少しの残量で止まった。

 

「こんな時にマガジン内の弾が……!」

 

「あ、あと少し……!」

 

「まだぁ!!」

 

シノンちゃんが撃ってダメージが通る。つまり、ナイフが通る。私は即座に片手でナイフを抜き…………。

 

「本当の本当に最後だっ!!」

 

その切断面に思いっきり突き刺した。すると、断末魔もなく、女王蟻は、光の粒子になって消えてしまった。それと同時に、周りの蟻も消えてしまった。どうやら、女王蟻が死ぬと女王蟻が呼び出した蟻も死ぬらしい。

 

「…………あーっ!!疲れたー!!」

 

私の目の前に、報酬ウィンドウが現れる。多くの経験値のクレジット。そして、異端の物が。

 

『ラストアタック特典。防具や服等にそれぞれAgility×1.05倍付与』

 

『クリア特典。スキル1つ(特殊スキル除く)自由に入手可能』

 

…………なにこれ、私得すぎ。すると、スキルの取得画面が現れる。私はその中から、《Agility強化》を選択する。私はそれを終え、シノンちゃん達の元に走っていく。

 

「お疲れー!」

 

「お疲れ様。」

 

「お、お疲れ様です!」

 

私達はお互いにハイタッチをする。本当に疲れた。

 

「よくこんなのに挑んだわね……。」

 

「あ、あはははは……。」

 

シノンちゃんに飽きられました。蟻達はいつも相手してるので、勝てると思いました。

 

「もう疲れた!グロッケンの町に帰ろー!」

 

「えぇ、そうね。」

 

「元々私達マックスさんをお茶に誘う予定だったんですけどね……。」

 

「あ、そんなんだ。じゃあお茶しようか〜。」

 

私達は建物から降りて、グロッケンの町に戻っていった。その後、GGO攻略サイトに、巨大金属女王蟻の攻略情報が更新されたらしい。




プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル31
Str 0
Agi 800(1440)
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux 0

武器
コンバットナイフ2本(柄が赤黒)
カゲミツG4(エネルギーの刃 明るい赤黒 柄 暗い赤黒)
ハンドガン M9


コート フード付き(Agi×1.05 赤黒)
長袖Tシャツ(Agi×1.05 赤黒)
ショートパンツ(Agi×1.05 赤黒)
ブーツ(Agi×1.05 赤黒)

スキル
《暗殺者》
ステルス能力
足音消去
与ナイフダメージ 2倍
Agi×1.3
被ダメージ 4倍

《視力強化》
視力を1x〜8xまで強化する

《Agility強化》
Agi×1.3

今回は長めでした!


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part12 今度はお金足りない

タイトル通り(ry
あとみんなのあの子が登場!原作なんてなかったんや……(遠い目)


もっとお金欲しい。女王蟻を初めて討伐してから2週間。他のスコードロンに誘われて金属巨大女王蟻の討伐に参加して、討伐を完了した時に、私はふとそう思った。

 

「よっしゃー!あんたありがとう!助かったぜ!やっぱこいつを最初に倒した女性プレイヤーは流石だぜ!」

 

「あっはい。ありがとうございます。」

 

どうやら、私はこの女王蟻を最初に倒したプレイヤーらしく。ネットでかなり有名になっているようです。ネットの力恐るべし。だから、女王蟻を倒そうとするスコードロンにしょっちゅう誘われます。………………まあ、経験値とお金はたくさん手に入るのでいいんですが。ちなみに、装備のAgiボーナスは最初にラストアタックを決めた人のみらしく、スキルプレゼントは、1人1回までのようです。

 

「んじゃ、街に戻ろうかー!」

 

『おー!」

 

「お、おー……。」

 

他の男キャラが力強くそう返事する中、私は弱々しく返事する。だって全員筋肉モリモリのマッチョマンだよ!?盛り上がれないっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ、今回の報酬だ。今回はありがとう。」

 

「ど、どういたしましてー。」

 

私は男の人達のスコードロンから報酬を受け取る。

 

「今日はありがとなー!」

 

男の人達はどこかへ楽しそうに喋りながら言ってしまった。戦友達が帰って行く…………。それで、私がお金が欲しい理由は、光剣がもう1本欲しいです。女王蟻倒して以来、光剣がモンスター相手にとても効果があることを知り、対人戦はナイフ、対モンスター戦は光剣という感じに使い分けてるんだけど…………正直、ナイフが二刀流だから、光剣も二刀流でやってみたい。というわけで、頑張ってお金貯めてます。同時に経験値も溜まるので、レベルは35になりました。嬉しい。

 

「んー……とりあえず、街の中をぶらぶらするかなー……疲れたし。」

 

私は、適当にグロッケンの町を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー、特にやることないなー。」

 

私は適当に歩きながらそう呟いた。暇だし、やっぱ蟻狩りしようかな〜……。

 

「す、すみませーん……。」

 

「ふぇ?」

 

私は幼い感の声を聞き、後ろを振り向く。そこには、150cmにも満たない、初期装備服の色、つまり迷彩系の緑のミリタリー服を着た女の子でした。

 

「あ、あのぉ……蟻退治のお手伝いしてくれるってネットで書いてたんですけど……。」

 

「へ?ネット?」

 

私はそれを聞き急いでメニューから日本のグー○ルのサイトから、それを調べる。するとそこには、

 

『GGOのモンスターの金属蟻を倒したくても倒せない場合は、全身赤黒の女プレイヤーに頼むといい。断らずに手伝ってくれるはずだ。』

 

と、書かれていた。確かに断ってないけれども!まあ別にいいんだけど!経験値とお金手に入るし普段から狩場にしてるから大体は熟知してるんだけれでも……(汗)

 

「あ、あのー?」

 

「えっ!?あっ!?じ、じゃあ、フィールド行こっか(汗)」

 

「お、お願いします!」

 

私達は愛すべき蟻達のいるフィールドに向かうことにした。……シノンちゃん誘お。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは冷静に、片方の脚を2本以上、関節を狙ってね。」

 

「は、はい!」

 

「なんで私まで……。」

 

「最近対物ライフル手に入れたって言ってくれたでしょ?」

 

「そうだけど……。」

 

私はいつもの廃墟が多く、金属蟻が闊歩するフィールドに、私とLLENN(レン)ちゃん、そしてシノンちゃんの3人で来ていて、私はレンちゃんに金属蟻(働き蟻)の倒し方を説明していた。レンちゃんの使う武器は光学系ブラスター。まあ、当たらなければ死なないんだけど……私当たったら即死だけどね!そういえば、対光弾防護フィールド持ってないけど……まあ、使っても意味ないし、現時点で重量ペナルティまでギリギリの境目だから、別に大丈夫か。

 

「じゃあ、軽く1匹倒してくるねー。」

 

「えぇ!?ひ、1人でですか!?」

 

「大丈夫よ。まあ、見ておきなさい。」

 

シノンちゃんがそう言ってレンちゃんを止める。なんか変に期待されてる気がするけど、気にしないでおこう。私は3人で集まっていた建物の上から飛び降り、ステルスを発動。そして、高速で蟻に近づき、カゲミツG4を逆手で右手に持ち、スパッと右前脚を斬り落とす。そして、もう1本、右中央の脚を斬り落とす。すると、蟻は自分の体重に耐えきられなくなり倒してしまう。そして、弱点の口内にカゲミツG4を突き刺す。すると、蟻の体力は0になってしまい、光の粒子となって消えてしまう。私は他のやつはとりあえず置いておき、レンちゃんとシノンちゃんのいる建物の屋上に戻る。

 

「よいしょっと…………。」

 

「は、速い……!」

 

「AGI全振りだからねー。けど、あまりオススメはしないかな。」

 

「マックスは楽しそうにやるけどね。」

 

「シノンちゃん……(汗)まあ、ナイフと相性バッチリだし、そのせいかな?じゃあ、次はレンちゃんやってみよー!」

 

「えぇ!?も、もう!?」

 

「レベルはちょっと高い相手だけど、そこまで速くもないし、当たらなければどうということはないよ!」

 

「が、頑張る……!」

 

やばいこの子可愛い。あれ?私男の人に好感とかあんまり持ってないけど、女の子にはやけに反応する?……可愛いから仕方ないか!

レンちゃんは建物から(階段を使って)降りて、身を隠しながら金属蟻に近づいていく。レンちゃん、一応俊敏力と器用さを重視してるけど、流石に私程速くないね。というか、私より速い人っていったらまだレベル低かった頃だけだからなぁ……。

 

「……えーーーーーい!!」

 

レンちゃんはブラスターを連射しながら蟻に突撃していく。その内の数発が左前脚の関節に命中。しかし、まだ千切れない。思ったより硬いことが判明。ナイフってやっぱ凄いね。更にレンちゃんはブラスターを連射。そして、ついに左前脚の腕が千切れた。けど、これじゃ足りない。体勢を崩すなら、左中央の脚を壊すしかない。

 

「うわっ!?」

 

レンちゃんが銃を撃とうとすると、蟻は残り5本の脚で突進してくる。レンちゃんはそれを横に跳んで回避する。そして、突進後の隙に、ブラスターを連射して、左中央の脚の関節に、光弾を浴びせていく。すると、ついに金属蟻は体勢を崩してしまう。

 

「うおーーーーー!!」

 

レンちゃんは急いで倒れた蟻の目の前に回りこみ、ブラスターを口内にどんどん連射していく。すこしずつ蟻の体力は減っていく。そして、ついに0になった………………と、思ったが、予想は外れた。突然蟻が右前脚でレンちゃんをはたいた。いつもより勢いは弱い。けど、質量のある鉄の腕ではたかれたら、やっぱりダメージは大きい。レンちゃんの体力はぐーんと下がり…………赤色になって止まった。そして、金属蟻の脚は再生し、レンちゃんは、偶然にもスタン(気絶)状態になってしまった。スタン状態とは、数秒間のあいだ、行動不能になってしまう異常状態です。

 

「レンちゃ━━━」

 

私がレンちゃんを助け出そうと動き出したその瞬間、右からドォンッ!!と轟音が響く。そして、金属蟻は粒子になって消えてしまった。轟音が聞こえた右を見てみると、シノンちゃんが対物狙撃銃ウルティマラティオ・へカートⅡを構えていた。

 

「ビューティフォー……。」

 

私はシノンちゃんにそう言うことしかできなかった。ほんと、別アカウントでも作ろうかな?レンちゃんは走ってこっちに戻ってくる。可愛い。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「どういたしまして。」

 

「レンちゃん惜しかったねー!倒し方分かった?」

 

「え?あ、はいっ!」

 

「じゃー、もっと沢山狩っちゃおー!」

 

私達は蟻の大量狩りを開始した。ネットで私に、《アサシン》とは別に、《アントハンター》の異名をつけられていたのはこのあとでした……。




投稿2日開けてごめんなさいっ!


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part13 Let's☆東京①

最近聖平が羨ましい


「迅さん迅さん!」

 

「ん?静瑠ちゃん何?」

 

「明日の土日、一緒に東京遊びに行きませんか!?」

 

「へ?」

 

というわけで、東京に遊びに行くことになりました。どうやら、テストも終わったので、東京に遊びに行くから私を、ついでにって言うと酷いけどついでに聖平を誘ったそうです。テスト?まあまあ頑張れたんじゃないですかね?(5教科450点) 予習と復習ってやっぱ必要だね。

 

「おかーさーん。」

 

「どうしたの?迅。」

 

「明日明後日の土日、静瑠ちゃん達に東京行こうって言われたんだけど、行っていい?」

 

「いいわよ〜。」

 

親からの許可も貰いました。1分ほどで許可貰えるところを見ると、やっぱり私の親はノリが軽いところがあると思います。でも、やっぱり静瑠ちゃんと東京に遊びに行くの楽しみだなー!朝早いって行ってたし、早めに寝よっかな。……起きられるかな?私はそう思いながらアミュスフィアに手を伸ばした………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

「おはよう、静瑠ちゃん。」

 

「ふわぁぁぁ……おはよー静瑠ちゃん…………。」

 

「おはようございます。………………迅さん、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫。こいついつもこんなんだから。朝にめっちゃ弱い。」

 

「あれ?それにしては昨日やけに遅くまでGGOにログインしてませんでした?」

 

「ギクッ」

 

「……おいこら迅、お前昨日早く寝ろって言ったよな?」

 

「ナ、ナンノコトカナー?」

 

「なに夜遅くまで起きてんだよてめー!」

 

「ひはいひはい!はあひへ!!(痛い痛い!離して!!)」

 

私は聖平に両頬を引っ張られる。痛いです。私が言える立場じゃないと思うけど、暴力反対!

 

「あ、あはは……じゃあ、行きましょうか。」

 

「なにで行くの?」

 

「風友美さんが車運転してくれるので、それで行きます。」

 

「あ、そうなんだー。」

 

「みなさん、本日はよろしくお願いします。」

 

やっぱり、静瑠ちゃん家凄い。私達は早速車に乗り込む。東京へ出発だー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ目的地ですよー。」

 

「2人とも、起きろ。」

 

「うぅん……?あ、もうすぐ到着?」

 

私は東京に着くまでの間、寝てました。そして、なんか左肩が重いと思って左を向くと、静瑠ちゃんが私にもたれかかって寝ていました。やばい、可愛い、尊い。

 

「…………着くまで起こさないであげよ…………。」

 

「あぁ……そうだな。」

 

聖平も私の考えを察したようで、私達は目的地に到着するまでは静瑠ちゃんを起こさないようにしようと努力することにしました。時々寝言で「銃がこんなに…………。」と言ったときは言葉を失いました。どんな夢かは想像しないようにしよ…………。そして、ついに目的地に到着しました。

 

「静瑠ちゃん、起きて起きて。」

 

「ふぇ……?ふあっ!?ね、寝ちゃってました……///」

 

「大丈夫だよ〜。それより、これでよだれ拭いたら?」

 

「うぅ……///」

 

私は静瑠ちゃんにハンカチを渡し、静瑠ちゃんは私からハンカチを受け取ってよだれを拭く。可愛い。私は車から降りる。

 

「んー!東京来たー!」

 

見渡す限り巨大なビルがそびえ立つ街。私の街はこんな光景ないので、かなり興奮します。……豪邸の方が珍しいはずなんだけどなぁ……。

 

「これ全部廃墟になったらGGOみたいですね!」

 

「う、うん……(汗)」

 

静瑠ちゃんは目を輝かせながらそう言った。そ、そうっぽいけどさ……不吉だよ……。ここのビルが全て廃墟にならないことを私は祈ります。

 

「それでは、私は今日泊まる場所の確保をしておきます。」

 

「風友美さんお願いします。確保できたら私に連絡してください。」

 

「了解しました、お嬢様。」

 

「それじゃ、男女別行動ー!!」

 

「おい男俺1人だぞ!?」

 

「レッツゴー!!」

 

「聞けよおいぃぃぃぃ!!」

 

こうして私達は東京の街巡りを開始しました。男女別行動は勿論実行します。ほっぺ引っ張った報いです。倍返しだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこの女の子!2人だけかい!?」

 

「よかったら俺達と一緒に遊ばない!?」

 

「うー……。」

 

「え、えっと……。」

 

こんな筈では……!私達はナンパされています。静瑠ちゃんは怖がって私に隠れてます。可愛い。この状況非常にまずい……!男女別行動って言ったの誰だ!(ブーメラン)

 

「ほらほら、一緒にお茶しようよ〜。」

 

「!?う、腕掴まないで……!」

 

私は片方の男の人に腕を掴まれる。静瑠ちゃんも私とは違う、もう1人の男性に腕を掴まれる。あぁぁぁぁ!!私のコンバットナイフがあったらぁぁぁぁ!!あ、銃刀法違反になるか。

 

「おいコラてめえら。」

 

「あぁ?誰だてめぇ。」

 

そこに、見知らぬ男の人が現れました。もちろん知り合いではありませぬ。

 

「そこの2人、嫌がってんじゃねえか。」

 

「あぁ?てめえには関係ねぇだrグハッ!?」

 

「グボァッ!?」

 

その人は急に2人の男の人の顔に殴りかかった。すると、私と静瑠ちゃんは男の人達から解放される。

 

「ついてきて!」

 

「えっ?あっ、はい!静瑠ちゃん!」

 

「は、はい!」

 

私達はその男の人に連れられて、戸惑ってる静瑠ちゃんを引っ張ってその場から逃げていく。

 

「お、覚えてろよーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ありがとうございました!』

 

「あ、うん、いいよ。」

 

私達はさっきの場所から離れた場所で、その人にお礼を言っていた。本当に助かった。ナンパなんて初めてでかなり怖かったです。

 

「あーいたた……慣れないことしなきゃよかった……。」

 

目の前の男の人は、自分の手を撫でながらそう呟いた。どうやら、普段は人を殴ったりしない人みたい。

 

「じゃあ、気をつけろよー。」

 

そう言って、その男の人は、その場を去ってしまった。それと同時に、風友美さんからの着信音が静瑠ちゃんのスマホから鳴った。




1日1投稿できなかった……(´・ω・`)
あと、短くてごめんなさい


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part14 Let's☆東京②

今回GGO描写は0ですよー


「へー、そんなことがあったんですね。」

 

「そうなんですよ!……で、聖平は何してたの?」

 

「とりあえず、観光してたら、お婆ちゃん困ってたから助けてあげてた。」

 

「聖平さん凄いです!私には到底……。」

 

「静瑠ちゃんはそんなことしなくていいよ……。」

 

私は風友美さんが運転してる車の中で、どんなことをしているのか話しています。昔から妙に優しい性格なので、見慣れぬ場所でもそんなことをすることはあると思っていたので、大して驚きません。……まあ、流石に少しは驚きます。

 

「皆様、着きましたよ。」

 

「ありがとう、風友美さん。」

 

『………………(汗)』

 

なんというか…………お嬢様だね、静類ちゃん。目の前にある宿泊施設はどう見ても高級ホテルです。私と聖平はお互い目を合わせて状況の整理をしている。

 

「ではみなさん、行きましょうか。」

 

「迅さん!行きましょう!」

 

「う、うん。」

 

「この状況で男俺だけって辛いな……。」

 

聖平の泣き言が聞こえたけど、そんなことはほっとこう。一緒に東京に来れてるだけありがたいでしょ。……まあ、ちょっとは同情するけど。私達は、ホテルのロビーに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!」

 

「お疲れ様です、迅さん。」

 

「静瑠ちゃんもお疲れー!」

 

私はベッドに腰掛けて、静瑠ちゃんと休んでいた。部屋は、私と静瑠ちゃんの2人、そして、風友美さんと聖平は1人部屋です。静瑠ちゃんの寝顔……あ、変なヨダレが…………。

 

「というか、静瑠ちゃんは私と一緒でよかったの?1人部屋2つ空いてのに……。」

 

「じ、迅さんと一緒が良かったので……。い、一緒の部屋で嫌な思いさせてしまいましたか?」

 

「ううん!そんなことないよ!静瑠ちゃん大好き〜♪」

 

「あぅぅ!?///急に抱きつかないでください〜!///」

 

やっばりちょっとネガティブ思考だけど、そんなところも含めて可愛い!やっぱり静瑠ちゃんは静瑠ちゃん。あと、抱きついてるときの反応が可愛い。

 

「ん〜♪」

 

「ち、ちょっと苦しいです!///」

 

「あ、ごめんごめん。つい可愛くて……。」

 

「あぅ……///」

 

私は静瑠ちゃんを離す。静類ちゃんは恥ずかしがって、顔を真っ赤にしている。……ほんっとうに可愛い!抱きついたときの体温とか反応とかも最高!

 

「あ、そうだ静瑠ちゃん。結構遅めに浴場行かない?部屋のお風呂でもいいんだけど折角浴場あるならそっちで一緒に入りたいから。」

 

「は、はい。わ、私は全然いいですよ。」

 

「それじゃあ私は…………」

 

私はバッグに手をつけ、中から私愛用の機械、アミュスフィアを取り出す。

 

「その時間まで蟻狩りでもしようかな〜。あ、静瑠ちゃんもどう?」

 

「じ、じゃあ、一緒にやります!」

 

私達はダブルベッドなので、アミュスフィアを頭に装着し、ベッドに寝転がる。そして……

 

『リンク・スタート』

 

私達の意識は、荒廃した別世界に引き込まれていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜2時間後〜

 

「あ〜疲れた〜。」

 

「その疲れはお風呂に入って十分に癒してください。」

 

私達はGGOからログアウトし、アミュスフィアを頭から外してそう会話をした。いやー、最近金属蟻を狩る手際が更に上がった気がする。なんか、無駄を省いていく作業みたいで怖い。まあ、そのぶんお金と経験値が手に入るから、一石二鳥だね。私達はお風呂の用意を手に持ち、部屋から出る。

 

「楽しみだね〜。」

 

「そうですね〜。」

 

あ〜やっぱり静瑠ちゃん可愛い〜……。そんなことを思いながら移動すること約数分。浴場に到着しました。私達は更衣室で服を脱いで、タオルを巻いて浴室に入る。……タオル付けて入るのって、マナー違反らしいけど、狙った通り人は全然いないし、流石に裸を静瑠ちゃんに見られるのもあれだし…………。まあ、セーフだよ、セーフ。私達はお風呂に少しずつ足を入れて浸かっていく。

 

「あー気持ちいい…………。」

 

「そうですね〜……。」

 

こんな大きなお風呂に入るのは、かなり久しぶりな気がする。人もいないし、やっぱりこの時間に来て正解かも〜……。

 

「………………。」

 

「ん?どうしたの?静瑠ちゃん。」

 

「その……迅さんとってもスタイルいいなぁって……。」

 

「んー?あー…………。」

 

静瑠ちゃんは自分の胸に手を添えてそう言った。なるほど、そういうことか。いいと思うけどなー、小さくても。静瑠ちゃん可愛いし。

 

「大きくてもいいことはないよ?…………変な人達に目をつけられるし……。」

 

そういえば今頃なにしてるんだろうあの人達。…………あの人達は、地味に恐怖心を抱いてます。怖いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ハッ!?」

 

「ど、どうしましたかリーダー?」

 

「俺の勘が伝えている…………迅さんが今入浴中だと!」

 

「リーダーすげえ!」

 

「やっぱ俺達のリーダーだ!」

 

変な集団の人達は、集まって結構楽しそうでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、やっぱり羨ましいです……。」

 

「うーん……私は、静瑠ちゃんは今のままが好きなんだけどなぁ……。」

 

「そ、そうですか……?///」

 

「そうだよー。あれ?なんか顔赤い?」

 

「ち、ちょっとのぼせただけですっ!///」

 

静瑠ちゃんはそう言うと、急いで出ていってしまった。私は、暫くこのまま浸かってようかなぁ……っと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、今のままが好きって言われた……///」

 

私はその夜、何故か興奮して眠れませんでした。あ、明日も迅先輩と楽しもう……///




更新遅くなってほんっとうにすみません!え?理由?ネットの悪魔だ!


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part15 おおきなきず

ちょっとシリアス?かも?わかんない?かな?
投稿遅れてすまん!


私達は起きて、用意をして、早速車に乗りました。朝帰りです。昨日でまあまあ楽しめたし、私としては大満足ですよ?静瑠ちゃん、なんだか寝不足っぽいらしく、車の中でずっと寝ていました。うーん、なんでだろうね?時間は昼過ぎになり、私は家の前まで送ってもらい、風友美さんに礼を言った。そして、家の中に入りました。

 

「お母さんただいまー。」

 

「おかえり、迅。どう?楽しかった?」

 

「うん、凄く楽しかったよ。」

 

「そう。よかったわね〜。」

 

「うん。じゃあ、私部屋にいるね。」

 

私は階段を登って自分の部屋に入る。お昼ご飯は、途中のパーキングエリアで済ませたので、勉強しよ〜っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜っ、終わった〜。」

 

私は椅子にもたれ込んで体を大きく伸ばす。3時間程度の勉強を終えた。休日だし多くやったけどまだ晩御飯までの時間あるし、どうしようかな〜……。まあ、考えるまでもないけどね〜♪私は手際よくアミュスフィアを頭に装着してベッドに寝転がる。そして、

 

「リンク・スタート。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んん〜……!おはよ〜!」

 

今日は日曜が終わり、平日の月曜。月曜日って憂鬱だよね。休日から平日に切り替えるのって苦手。朝も苦手。勉強……は、特にかな。とにかく、休日明けの月曜日は苦手ってことです。私は目をこすりながら学校の準備を始める。顔を洗って寝癖直して服着替えて朝食食べて歯磨き。これで完了。だいたいこれが終わると聖平が来る頃だと思う。

 

ピンポーン

 

「おはよ〜、学校行くぞ〜。」

 

「は〜い。じゃあお母さん、行ってくるね。」

 

「いってらっしゃい。気をつけるのよ〜。」

 

「は〜い。」

 

私は家を出て、いつも通り聖平と学校に行く。静瑠ちゃんはどうやらもう先に学校に行っているみたい。聖平と適当に雑談をしていると、見慣れた校門が。靴から上履きに履き替えて、教室に向かう。教室に着くと、私は自分の席に座り、だら〜んとしている。

 

「お前、いつもそうしてるよな。飽きないのか?」

 

「うーん、飽きる飽きないじゃなくて、やることないから仕方なくこうしてるの。」

 

「そっか。そろそろ先生くるから、寝ないようにな。」

 

「わかってるよ〜。」

 

私が聖平にそう答えると、聖平は自分の席に戻っていった。正直、何かあったらそっちやると思う。けど、本当に朝はやることない。こうしてゆっくりしてるのも、必要だよね〜。教室の扉が開いて先生が教室内に入ってきた。私は体勢を直して、きちんと座る。

 

「みんなおはよう。それじゃ、朝のHR始めるぞ〜。…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前の授業が終わり、お昼休みに入った。いつもなら聖平と話す、もしくは静瑠ちゃんと話すのどちらかだけど、今は聖平は先生の手伝いをしていない。だから、静瑠ちゃんと話そうと教室を出た。

 

「…………トイレ行こ……。」

 

私は静瑠ちゃんの教室に行く前に、トイレに向かった。私は静瑠ちゃんの教室とは反対方向にある、ちょっとここから遠いトイレに向かいました。……んー、珍しく、人がいない。私は女子トイレに入り、個室に入……

 

「なあお前。」

 

ろうとした瞬間、後ろから2人の女の子に話しかけられた。私は、その2人に見覚えがありました。静瑠ちゃんをイジメていた、あの同学年の2人です。

 

「え?あ、はい、な、なんでしょう?」

 

「お前あんときはよくも私達の楽しい時間を邪魔してくれたよな?」

 

「だから〜、あんたのことがウザいわけよ〜。」

 

2人は私の方に少しずつ近寄ってくる。それに合わせて、私は怖くて下がってしまう。こ、こんなときのあの人達……が、来ない!嬉しさと悲しさが……。

 

「で、でも……ひ、人をイジメるのは、良くないと思う!」

 

「はぁ?」

 

「だから、私はそれを止めたことに、後悔はない!」

 

私はその2人に、はっきりとそう言った。現に、静瑠ちゃんも、初めて会った時は、顔とかに絆創膏とかしてたけど、今はそんなことは全くない。だから、私には後悔はない!

 

「なんだとぉ……?」

 

そう言うと、片方の女の子が、ポケットに手を突っ込む。……な、なんか嫌な予感する……。そして、その子がポケットから出したものは………………カッターナイフでした。

 

「ち、ちょっと、それは流石に……。」

 

「うっせぇ!!随分と調子こいたこと言いやがって……!!」

 

チキチキとカッターナイフの刃を出しながら、その子は私に距離を詰めてくる。私は、その形相にくらみ、追い詰められ、ついにトイレの奥まで来た。

 

「さ、流石にまずいだろ!!」

 

「うっせぇぇぇぇ死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

その子は私に向けて、カッターナイフを振りかざした。視界がスローモーションになる。私は体を動かして避けようとする。けど、足が動かない。すると、今まで人生で起きてきたことが私の頭の中に浮かんできた。あ、無理だ。走馬灯ってやつだ。そして、次の瞬間。右側が急に暗くなった。次に、右目から何か液体が流れてくる感覚。その直後に、私の右目の部分に、猛烈な激痛が襲う。

 

「うわぁぁぁあぁああぁぁあぁぁぁぁ!!!??」

 

私は両手で右目を抑えてその場にしゃがみこむ。激痛をこらえながら、なんとか左目で目の前を見る。そこには、さっきの女の子が赤い液体に濡れた、カッターナイフを持って、恐怖に顔を染めてるのが見えた。右目を抑えてる左手の手のひらを見てみる。手のひらは、赤い液体がべっどりと付いていた。そこから、少しずつ意識が朦朧としてきた。頭がくらくらする。保健室に……行かないと……。私は立ち上がった……けど、とてもフラフラする。ダメだ……。私はその場に倒れこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………ん……?」

 

私はガバッと体を起こす。何があったっけ?あれ?なんか右側見えにくい?なんかつけてる?私は右目を右手で触れてみる。すると、なんか布?みたいなものがついてる。右目を開いてみる……あれ?布どころかなにも?あれ?どうしてこうなったんだっけ?んー、部屋的に病院?なんで?そんなことを考えていると、部屋の扉が開いて、看護師さん?が入ってきた。これはもう、病院確定だね。

 

「あ、隼さん。目を覚ましたんですね。」

 

「え、えっと……どういう状態ですか?」

 

「では、現在の状況の説明をしますね。……

 

私は看護師さんから、今の私の状況を聞いた。簡単に言うと、私は目を切られて、手術をし、右目が無い状態らしい。……うん。無い。だから、もう一生見えないらしい。うーん、なんだか悲しいけど、あんまりショックを受けない。なんでだろ。まあ、少し不便になる程度だと思うな。

 

「迅!!」

 

看護師さんからの説明が終わると、お母さんが病室の中に飛び込んできた。正直ビックリしました。だってめっちゃ速く動いてたもん。お母さんがあんなに速く動くの初めて見た。

 

「大丈夫!?何処か痛いところとか!?」

 

「い、痛いところはないよ。右目が見えないだけだから。」

 

「それが大問題なんでしょうが!!」

 

お母さんは涙目になりながら私にそう言った。そう言えばそうだ。確かに目が見えないのは、ちょっとじゃなくて大問題だ。でも、なんだかもうショックを受けないというかなんというか……。

 

「……迅は、今は大丈夫なのね?」

 

「う、うん。多分私は大丈夫だよ。」

 

「そう……元気そうにしててよかったわ……。」

 

お母さんは安心したような顔で、どんなことが私の知らない間に起こったのか話して帰っていった。ようやく思い出した。私、イジメっ子の人達にナイフでやられちゃったんだった。カッターナイフの所持を許す学校が悪いです、はい。どうやら、イジメっ子達は退学処分を受けたらしい。静瑠ちゃんをいじめたんです、当たり前です(違うそこじゃない)。

 

「よう、迅。」

 

「あ、やっほー聖h「迅せんぱぁぁぁい!!」

 

「おわっぷ!?」

 

聖平が部屋に入ってきたので、挨拶し返そうとしたら、静瑠ちゃんが飛び込んできました。うん、やっぱちょっと不便かも。右からのアンブッシュで死ぬかと思いました。あ〜静瑠ちゃん可愛い〜……。

 

「やっと目を覚ましたんですね!嬉しいです!」

 

「まあ、3日間寝てたもんな。」

 

「あ、そんだけ寝てたんだ。初耳。」

 

私、3日間寝てたらしいです。明らかに麻酔のせいじゃないよね。私も疲れてたんだよ、きっと。

 

「ど、どれくらいで退院するんですか!?」

 

「えっと、1カ月?で退院らしいよ?」

 

「な、長いですね……。」

 

「私も思った……。」

 

1カ月はやりすぎですよ!……まあ、気にすることはないか。

 

「それじゃ、早いけど帰るかな。病人だから休ませないと。」

 

「う……そ、そうですね。では、迅先輩お元気で!」

 

「じ、じゃあね〜……。」

 

あぁ……静瑠ちゃんが帰っていく……。さっさと退院しなければ!というわけで私、頑張って体調治します!……GGOやりたい……。




ちょっと別の企画考えてるとか考えてないとか。


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part16 復帰

前回はどうでしたか?なんでやりたくなったかというと、10割が夜廻実況を見たからでしょうね\(^o^)/


私が入院してから1ヶ月。長かった……長かったよぉ…………。ついにこの日がやってきた……。

 

「退院だーー!!」

 

「はいはい、おめでとうおめでとう。」

 

「聖平なんか対応ひどくない!?」

 

ついに退院しました!ほんっとうにこの1ヶ月、暇でした!!特になにもなく、ただ殆どベッドで寝てるだけです。GGOもプレイできない!退屈な日々が過ぎるだけだったので、思い出とかなんもないです。

 

「さーて、帰りますかー。」

 

「右側に俺は立ってるけど、一応右側に注意しとけよ?」

 

「わかってるよ〜。」

 

私と聖平は帰り道に、並んで歩いている。聖平は荷物持ち兼私のサポートです。私、眼帯つけてるし、多分外しても見えないし、右側がわからないわけで、退院してすぐ事故してまた入院するのは流石に嫌なので、聖平に右側を歩いてもらってます。

 

「あ、そういえば静瑠ちゃんは?」

 

「用事って言ってたな。お金持ちの家だし、なんかあるんだろ。」

 

「そっか。折角なら静瑠ちゃんと一緒に帰りたかったなぁ……。」

 

「文句言うな。明日から学校だから、用意教えてやるよ。」

 

「さんきゅ〜。」

 

私は学校の用意を聖平から教えてもらいながら帰っていきました。ちなみに、なんでお母さんがいないかというと、パートだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、聖平。」

 

「おう、また明日な。」

 

私は家の前に着き、聖平にお礼を言ったら、聖平は帰っていった。まあ、家近いんだけどね。私は家の鍵を使って家の中に入る。うわー!久しぶりの家だー!私は速攻で自分の部屋に入って、ベッドにダイブ。さーてと。私はアミュスフィアを1ヶ月ぶりに手に取り、頭に装着する。

 

「リンク・スタート!」

 

私の意識は私の肉体から離れていき、マックスという名前の女の子の体に入っていった。

 

「んー!久しぶりのGGOだー!」

 

私はその場でぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。病院の中じゃGGOできないからね。うーん、1人で久しぶりの女王蟻でも倒そうかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶり、女王蟻さん。」

 

私はフィールドに出て、女王蟻の前に立ってます。さーて、久しぶりにしては辛いかもしれないけど、頑張るぞー。

 

「さーて、まずは働き蟻さん。」

 

私の方に向かってきた働き蟻2匹が、私に向けて思いっきり前脚を同時に叩きつけてきた。私はそれを思いっきり回避。叩きつけられたことによる、砂埃の中で、ステルスを発動。ナイフを両手で逆手に持って、2匹のうち、右側の方に向かい、1.2.3のテンポで3本の脚を切り落とした。そのまま側面からぐるっと回り、もう1匹の蟻の腹部を両手のナイフで思いっきり突き刺して突き進んでいく。そして、切り終わった瞬間、一匹が光の粒子に変化。それに怯むことなく、まだ脚を切られて動けない蟻の口に容赦なくナイフを突き刺す。すると、こっちの蟻も爆発四散、粒子になった。

 

「さてと……。」

 

私は2本のナイフを鞘の中にしまう。そして、腰にかけてある光剣、カゲミツG4を右手に取る。私は高速で接近する。それを見た女王蟻さんは、タイミングを合わせ、私を右前脚でなぎ払おうとする。私は跳躍して、薙ぎ払ってきた右前脚を、落下の勢いを利用して光剣を関節部分に叩きつける。すると、切断されて地面に落ち、切り落とされた部分は、光の粒子となってしまった。私はそのままもう一本の右脚の関節部分に、全力で走り幅跳びの要領で飛び、その勢いで切り落とす。すると、女王蟻さんは、体勢を崩して、右側に倒れこむ。私は自慢の素早さを生かして素早く左側に回って腹部に入り、まだ柔らかい腹部を、両手を使って深く突き刺す。

 

「もう一本の光剣の為のお金になってくださいっ!!」

 

私はそう言って、更にもう一段階深く突き刺す。けど、削りきれない。そこで私は、光剣でなんとか腹を切り開く。そして、光剣をしまいつつ両手にナイフを握る。そして、その中にブスッと刺す。一際大きい虫ではありえない悲鳴をあげて、私が突き刺している部分から、大量に出血のような被弾エフェクトが溢れ出る。流石私のナイフ。みるみる体力バーが色を失っていき……。爆発四散。と、思ったけど、新たに兵隊さん達が地面から5匹ほど登場。悲鳴と一緒に呼んでいたと判断します。メタい話、NPCの癖に判断力にめっちゃ優れてる!?私は急いで距離を取る。と思っていたら、この場に3回轟音が響く。それと同時に、3匹の兵隊蟻が倒れる。それに加え、轟音の響きが消える前に、音がなく、残り2匹の兵隊蟻も倒れる。

 

「ようやく復帰したと思ったらいきなり女王蟻ねぇ……。」

 

「手助けしなくても大丈夫そうでしたけどね。」

 

「あ!シノンちゃーん!!ボイちゃーん!!」

 

私は2人を視力強化スキルで確認し、全力ダッシュして思いっきりジャンプ。高さ数階の建物の屋上に、そのまま着地した。AGIって凄い。

 

「いきなり来ないでよ、びっくりするから。」

 

シノンちゃんに怒られました。だってこれが一番速いし全力疾走しないとジャンプ力足りなくて壁に激突してHP全損は絶対に嫌だもん……。

 

「えっと……そういえば、なんで2人はここに?」

 

「ヴォイドがここにいるかもしれないって言ってたから様子を見に来ただけよ。」

 

「あ、なるほど。というかよくわかったね。」

 

「え、えっと……いつもここにいるので……。」

 

なるほど。確かに私、いっつもここで蟻さんと戦ってるよね。懐かしいなぁ……。いつも蠍と戦ってたのが……。

 

「で、今からどうするの?いつもの通り蟻狩り?」

 

「それもいいけど、ちょっと行きたいとこがあるんだよね。」

 

『?』

 

2人は同時に首を傾げた。可愛い。というわけで、今から目的地に向かいます。ちゃんと2人に合わせて歩きます。お喋りしたいので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったー!!」

 

「まさか2本目を買うなんて…………。」

 

「だってナイフだけ両手使用だとなんか感覚狂いそうで。」

 

「なんか、マックスさんらしいです。」

 

というわけで、念願の光剣2本目!!PKには使いません。MKにしか使わないつもりです。というか、更に私ハンドガン使う機会少なくなりそうです。割合でいうとナイフ6割、光剣3割、ハンドガン1割です。まあ、別にいいでしょうね。

 

「じゃあ、早速試しに蟻さん狩ろー!」

 

「結局行くのね……。」

 

「わ、私も手伝います!」

 

私は、シノンちゃんとボイちゃんと一緒に、再び蟻さんを狩りに行きました。ログインした後、気まぐれにGGO関連のサイトを覗いてみると、顔まではバレてないようですが、有名にはなっているようです。『暗殺者』という異名に加え、『アントキラー』という異名まで授けられていました。それでも蟻さんを狩るのはやめません。経験値必要なので。




時間空いてしまってすみません。


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part17 BoB 《準備》

作者の欲望part…………あれ?(いつも欲望のままにしてるから数えれない) もうぼくおうちかえる!(ガシッ -(^q^)-ハァン!!
というわけで始まります。長いですよ。


私がGGOを始めてから約7ヶ月半ぐらいが経ち、12月1日。私のレベルは50になりました。やったー。1日1回女王蟻さん狩るのをノルマにしてます。シノンちゃんとボイちゃんとレイの協力を貰って。そして、今日も元気な金属の蟻さん達を倒して街でシノンちゃん達とお話ししてます。

 

「ねえマックス。」

 

「ん?何?シノンちゃん。」

 

「マックスは次の第3回BoBには出るの?」

 

「BoBかぁ……。」

 

バレット・オブ・バレッツ。GGOで最も強いプレイヤーを決める大会があるらしい。えっと、予選が13日で、本戦がその翌日で14日だったと思う。ちょっと気になったから調べたんです。

 

「でも……私出てもすぐに負けそうだし……。」

 

「いつもステルスしてナイフPKしてる人の発言とは思えないわね。」

 

「うっ…………。」

 

そうでした。というか、このステルスのスキルもそもそもPKしなきゃ手に入らないしね。私、結構優先的にPKしてるし。蟻エリアは蟻が中々経験値効率とかがいいから人が中々来ます。ありがとうございます。私の経験値もおかげで溜まるので。というか、この前なんか変なスキル手に入れたんだけど。なんだっけ?あ、《壁走り》だ。一応取ったけど、あんまり使い道ないんだよね。あと、AGI補正のスキルを強化しました。前は1.3倍だったのが1.5倍になりました。だから、今現在AGIは2倍になってます。

 

「ボイちゃんはどうするの?」

 

「私も出たいですけど、リアルで用事が……。」

 

「あー……。」

 

まあ、静瑠ちゃんのお家あれだから、用事もあるだろうね。あんまり詮索はしません。

 

「シノンちゃんは出るんだよね?」

 

「勿論よ。」

 

そう言ったシノンちゃんの顔が、少し険しくなった。……私の思い違いかもしれないけど、シノンちゃんは、強さに少し執着してると思う。勘だけど。

 

「……じゃあ、出場しようかな……。予選突破できるとは思えないけど……。」

 

「ま、マックスさんなら本戦にも出れますよ!」

 

ボイちゃん可愛い。そんなボイちゃんから応援を貰った。私のすることはただ1つ。ボイちゃんの期待に応える!この手に限る!最大限の努力をしよう。……体調管理、しっかりしなきゃなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は進んで12月13日。いつもよりログイン時間を短くして、体調管理を優先する日々を続けて12日。現在、シノンちゃんと一緒にいます。まだ受付締め切りまで時間あるね。

 

「あのー道を……。」

 

とか考えていたら、後ろから声をかけられました。振り向くと、黒い長髪の美人な女の子がいました。声は女の子にしては低めかな?アルトボイスってやつか(適当)。

 

「初心者さん?どこへ行きたいの?」

 

すると、女の子は何か考えるような顔をしている。うーん、なんてだろ。美人で可愛いんだけど、何故か受け入れられない。原因わからない。けど、女の子はすぐに明るい表情になり、

 

「はい、今日から始めたんです。どこか安い武器屋さんと、あと総督府でバトルロイヤルイベントのエントリーに……」

 

「ん?え?ちょっと待って?」

 

「え……ええ?BoBに出るの?今日ゲームを始めたんだよね?」

 

シノンちゃんが女の子にそう聞いた。初心者だよね?初期ステじゃないの?BoBの予選すら危ないんじゃない?

 

「あ このキャラコンバートなんでステータスは大丈夫です。」

 

「ああ なるほど。」

 

「色々と納得。」

 

コンバートっていうのは、簡単に言うと他のゲームからアバターを移動させてくることらしいです。けど、装備とかお金は持ってこれないらしいです。けど、色々と納得しました。

 

「ずっとファンタジーな世界のゲームにいたんですけど、たまにはサイバーっぽいのも遊ぼうかなって。銃の戦闘とかもちょっと興味あったし。」

 

「そっかー。いいよ、案内してあげる。私もどうせ行くところだったんだ。」

 

「え!あなた達も大会に!?」

 

「そう、エントリーしなきゃ。マックスもいいよね?」

 

「私は全然いいよー。エントリーまでまだ時間あるし、大丈夫だと思うよ。」

 

「じゃあ、その前にガンショップね。でもいきなりBoBに出ようなんて根性あるね。」

 

シノンちゃんは笑顔でそう言った。というわけで、私達はガンショップに向かいました。思ったんだけど、シノンちゃん面倒見いいね。いつも鋭い発言をしてるイメージなのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわー。すごい店ですね。アミューズメントパークみたい。」

 

「だよねー。」

 

私は今、シノンちゃんと案内を頼んできた女の子と一緒に、武器を買うときお世話になったお店に来てます。店内は銃の広告や、音楽にプレイヤーの声で騒がしいです。そういえば、レイはどうしたんだろ?そうでした、リアルで友達に勉強教えてたんでした。

 

「さてと、あなたのステータスは?」

 

「えっと……筋力優先。その次が素早さかな。」

 

「STR-AGI型か。」

 

私?私はAGI極振りです。ほんとに装備の許容量ギリッギリなの。でもやめません。好きですから。

 

「じゃあちょっと重めのアサルトライフルかもうちょっと大口径のマシンガンをメインアームにして、サブにハンドガンを持つ中距離戦闘タイプがいいかなぁ……。」

 

ここらへんはシノンちゃんに任せよう。私ナイフぐらいしか学がないから。逆にナイフだったら任せてください。頑張ってレクチャーします。

 

「あ……でもあなたコンバートしたばかりだよね?てことはお金が……。」

 

「あ(汗)」

 

「コンバートだから、初期金額なのか……。」

 

コンバートするとお金は持ち込めないので初期金額の1000クレジットだと思います。BoBに出るなら、性能の良い銃が必要だから、勿論お金も必要になるよね。

 

「うーん……小型のレイガンくらいしか買えないかも……。」

 

「私のお金貸しましょうか?どうせあまり使わないだろうし。」

 

「い、いや、いいですよ、そこまでは。」

 

私が聞くと、女の子はそう私に返した。蟻さん狩ってると本当にお金が貯まる貯まる。だから、今現在欲しいものがない私は、使い道のないお金が貯まってるので、別に貸してもいいんだけどなぁ……。

 

「どこかでどかんと稼げる手っ取り早く儲けられませんかね……カジノとか────」

 

「あれはオススメしないよー。お金を溶かすの前提でやる方がいいからね。」

 

「小さいギャンブルゲームならあちこちあるんだけど。確かこの店にも。ほら。」

 

シノンちゃんが指差した方向には、店の正面を模したオブジェクトの前にガンマンと、そこに続く道があるギャンブルゲームで、オブジェクトには、301500とという数字が表示されていた。

 

「これは……。」

 

「手前のゲートから入って奥のガンマンの銃撃をかわしながらどこまで近づけるかってゲーム。今までの最高記録が、ほらそこ。」

 

シノンちゃんが示した場所は、道の途中に、光の線が引かれていた。どうやら、ガンマンに触れたことのある人はいないようです。

 

「へぇ……いくら貰えるんですか?」

 

「えっとねー、プレイ料金が500でね、10m突破で1000貰えて、15mで2000貰えるの。で、最終的にガンマンに触れれたら、あそこに表示されてる数字のお金全額貰えるの。」

 

「ぜ 全額!?」

 

30万といったら、私の過去の最高金額に迫る金額です。かーなーり多い!私ですか?別にお金に困ってないからやったことないです。

 

「だって無理だもん。」

 

「え?」

 

シノンちゃんはそう言った。確かにちょっと難しいかもね。

 

「あのガンマン、後半インチキな早撃ちになるのよ。予測線が見えた時にはもう手遅れ。ほら、またプール額を増やす人がいるよ。」

 

シノンちゃんがそう言って、見てみると、青い迷彩服を着た男の人が、チャレンジしていた。『Go!』という音声と同時に走り始める。その約3秒後、男の人は途中で変な体勢で止まる。すると、上手い具合に体勢の間を銃弾が通り過ぎていく。そして、再び走り始める。

 

「弾を避けた!」

 

シノンちゃんは女の子に弾道予測線、バレットラインについて説明した。バレットラインとか、バレットサークルがなかったら、超が3つつくぐらい難しいと思う。挑戦している男の人は、身をかがめて弾を避ける。

 

「まだまだぁ!」

 

すると、ガンマンは、高速でリボルバーの弾をリロードする。そして、3発、挑戦者に向けて撃ちました。3発のうち、最後だけタイミングがズレてました。

 

「おおっ……と。あっ。」

 

ガンマンはにやりと笑い、3発の弾丸を打ち込みました。3発とも命中し、ゲームオーバーになりました。

 

「……ね。左右にほとんど動かず一直線に突っ込まなきゃだからあのへんが限界なのよ。」

 

「ふうん……なるほど、予測線が見えた時にはもう遅い……か。」

 

女の子はそう言って、ゲームのチャレンジをするパネルに近づく。

 

「あ……ちょっとあなた。」

 

シノンちゃんは止めようとしましたが、どうやら無理っぽい。女の子は、パネルにタッチし、ゲームを開始しました。全速力で走っていき、そこに3発、弾丸が撃ち込まれる。それを、女の子は縦にして回避しました。そのまま全速力でダッシュしていき、撃ち込まれた3発の弾丸を、リズミカルに回避します。そして、ガンマンの高速リロード。ここからが難関。再び3発の弾丸を身を翻して回避し、再び撃ち込まれた3発の弾丸を、スライディングで回避しました。これで、装填されている弾の数は0。リロードしてる間に、タッチできる間合いです。すると、ガンマンはニヤリと笑い、リボルバーの銃口が光り、レーザーが発射されました。しかし、その女の子はレーザーには当たらず、跳躍し、レーザーを回避。ガンマンにタッチしました。

 

「オーマイ……ガーーーッ!!」

 

ガンマンがそう叫ぶと、今まで注ぎ込まれたお金の量を表示していた場所から、大量のオブジェクト化されたお金が溢れ出てきました。そしてその後、そのお金は消え去り、女の子の所持金額にプラスされました。

 

「あなたどういう反射神経してるの!?最後のレーザーなんてあんな距離だともう……弾道予測線と実射撃の間にほとんどタイムラグがないのに……。」

 

「え えーと……だってこのゲームは弾道予測線を予測するっていうゲームですよね?」

 

『よ……予測線を予測ぅ!?』

 

私とシノンちゃんは同時に叫びました。この子……怖い!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このアサルトライフルってのはサブマシンガンより口径が小さいのになんで図体が大きいんです?」

 

「えっとそれはね……。」

 

私は女の子の質問に答える。私も知識は少ないけど、できる限り教えてあげよう……。

 

「……そんなことも知らないのにあんなとんでもない回避技術があるなんて……。」

 

「知識と技術は別だよ?」

 

「わかってるわよ。」

 

シノンちゃんの辛口は変わらないみたい。まあ、シノンちゃんらしいよね。

 

「ともかく30万も稼いだなら結構いい奴買えるけど……最終的にはその人の好みとこだわりだから。」

 

「こだわり……ですか。!」

 

すると女の子は何かを見つけたらしく、商品の表示画面に近づく。

 

「あのこれは?」

 

「あっ!それはね、光剣だよ!正式名《フォトンソード》だけど。」

 

「け 剣!?この世界にも剣があるんですか!」

 

「え でも 銃相手に剣は不利だし実際使う人はあんまりいないよ。」

 

そんなこと御構いなしに女の子は光剣を購入する。光剣の種類は私と同じ《カゲミツG4》。なんか嬉しいな♪同じ武器を使う人がいるのって。

 

『お買い上げありがとうございました〜。』

 

購入を完了し、電子音が鳴る。女の子は光剣の光の刃を出し、それを眺める。

 

「接近しなきゃ当たらないよ?ま 戦闘スタイルは好きずきだけど ね。」

 

「そうだよ!」

 

「そうそう!売ってるってことは戦えるはずですよコレでも。」

 

すると、女の子は自然に構えを取り、4度剣を振る。すると、四角い光の軌跡が現われる。

 

「へぇー!けっこうサマになってるね。」

 

「や それほどでも……。」

 

「私よりも扱い上手だよ!」

 

ちょっと悔しいけど。まあ、コンバートしたってことは、剣を使うゲームでやってたんだろうし、私より扱い上手くて当然だよね。私、剣技じゃなくて暗技の方極めてるし。

 

「あとメインアームはそれでもサブにハンドガンくらいはほしいね。接近するための牽制も必要だろうし。」

 

「なるほど そうですね。」

 

銃に関してはシノンちゃんに任せよう。ボイちゃんがいたら、もっと良かったんだけどなぁ……。女の子はハンドガンの《FN・ファイブセブン》を購入し、その後に防具等の買い物をしました。銃意外なら慣れてるから任せろー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっかりお世話になっちゃいました。どうもありがとう。」

 

「全然大丈夫だよ。暇だったし。」

 

「そうね。私達も予選が始まるまでに特に予定なかったから。じゃあ、総督府行こうか。」

 

私は目の前の時刻表示を見てみる。すると、14:50を示している。えっと……締め切りが15:00だから……。

 

『……あっ。』

 

「どうしました?」

 

私とシノンちゃんの声が重なる。どうやらシノンちゃんも気がついたようです。

 

「いけない。確か3時にエントリー締め切りだよ。」

 

「えっ。」

 

「私は走れば全然間に合うけど、シノンちゃん達やばいんじゃないの!?」

 

『急いで!』

 

再び私とシノンちゃんの声が重なり、私達はダッシュを開始する。……私は全力では走りません。というか、シノンちゃん達に合わせます。

 

「え ええ!?テレポートとかないんですか!?」

 

「ないの!死んだとき蘇生ポイントに戻る時だけで……総督府はあそこ 市街の北の端。ここから3キロはある!」

 

「シノンちゃん!エントリーってどれくらいかかる!?」

 

「エントリー操作に5分はかかるから……あと3分で到着しないと……。どうしよう……。」

 

ごめんなさい私全力でダッシュしたら40秒ぐらいで到着できちゃうんですごめんなさい。けど、これはもうシノンちゃん達に合わせるよ!意地でも!

 

「こっち!」

 

『え!?』

 

女の子は、私達を引っ張った。そこには、バイク置き場がありました。そして、女の子とシノンちゃんはバイクに乗りました。私?大丈夫です。

 

「しっかり掴まってて!」

 

女の子はそう叫び、バイクは順調に加速しました。これでも全力ダッシュしたら普通に私が勝っちゃうんです。

 

「キャーッ!!」

 

バイクは走行している車と車の間を通って、総督府までどんどん距離を縮めます。

 

「こ、これ、結構運転むずかしいのよ……!?うわ!」

 

「大丈夫?」

 

女の子はシノンちゃんを心配するように声をかけました。私?私のことは放っておいてください。

 

「ふ ふふ あはは……凄い気持ちいい!」

 

シノンちゃんとってもご満悦です。これより加速すると厳しい世界です。風圧とか。

 

「ねぇ、もっと……もっと飛ばして!」

 

「OK!」

 

バイクはエンジン音を鳴らしながら加速し、私達は総督府に向かいました。私達は、無事に総督府に3分以内に到着しました。




セリフは漫画見ながら確認してます。小説?金(全ての原因)
あと、この中にマックスを入れていくのが難しいです。


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