レフィーヤ・ウィリディスは中二病 (ロベルト)
しおりを挟む
頭の痛い女の子
『ウオオオオオオオォォォォォォ――!!』
天地轟く雄叫びと共に、山羊のような角を持つモンスター『フォモール』は、一切の恐れ無く突進を敢行する。ブレのないその突進からは、モンスターの自信が見て取れた。
――これ我が必殺の一撃、故に迷い無し。
その直線上に立つは一人の少女。先の尖った耳を持ち、山吹色の髪を靡かせ、モンスターの突進に対し微塵も臆さない。
彼女は知っている。それをまともに受ければただでは済まぬと。
だが――是非も無し。
彼女はそれこそを望んでいる。
「フッ、フフフハハハハハ――ッ!! よい、実に見事だ。貴様の覚悟見せてもらったぞ、化外」
少女――レフィーア・ウィリディスは高らかに笑う。嗤う。哂う。モンスターの見せた勇気を、覚悟を、そして、愚かさを。彼女はただひたすらにワラっているのだ。
「ならばこそ、私も全力で応えましょう」
レフィーヤは左手で自身の蒼瞳を宿した右眼を隠す。それは余裕から来る行動なのか、まもなくモンスターの突進を受ける者の動きでは無かった。
左手の人差し指と中指が開かれ、再び右眼が姿を現わす。
その瞳の色は鮮やかな紅だった。
「レフィーヤ・ウィリディスが命ずる――フォモールよ、頭を垂れ我が名の下に跪くがいい!」
しかし、フォモールは止まらない。止まる訳がない。
そもそも彼女の右眼の能力は、
つまり――、
「バカな、ギアスが効かないだと!?」
これらは全て彼女の妄想である。
唯一現実なのは、フォモールがレフィーヤ目掛けて突進をしていることだけ。
未だ不動のレフィーヤ。
それも束の間、彼女は手に持つ杖を大地に突き刺し、腰にぶら下げた
「ならば切り捨てさせてもらいます、御免!」
腰を低くし、居合の構えをとるレフィーヤ。
「我が心は不動。しかして自由にあらねばならぬ。剣術無双――あれ?」
フォモールに斬りかかろうとした瞬間――フォモールが灰に還った。
灰の向こう側には、フォモールを倒した張本人、アイズ・ヴァレンシュタイン――。
「あ、アイズさ――じゃなくて、アイズ! おのれ、余計な事をしてくれる」
「うぅ……。ご、ごめんね、レフィーヤ」
「あ、いや、別にそんなつもりじゃ――でもなくて。全くだ、侮られては困る。フォモール如きに後れを取るこのレフィーヤではない!」
そうアイズに強く言いつけ、レフィーヤはその場を後にした。
「うぅ、またやっちゃった。アイズさんに嫌われるぅ」
†
ダンジョン50階層。
それは、広いダンジョン内にいくつか存在する安全地帯。その名の通り安全、つまりはモンスターが生まれないため、冒険者はこの安全階層にて野営を開く。
オラリオ最大派閥の一角である【ロキ・ファミリア】とて、それは例外ではない。
現在、彼らはこの50階層にて野営の準備をしている真っ最中だった。
そんなことなどお構いなしに、会話をしている人影が二つ。しかし、その雰囲気はあまり穏やかではない。
「この愚か者!!」
翡翠色の髪を持つエルフが怒声と共に杖を振りかざし、そのまま目の前の人物へと振り下ろす。
「あいたっ!」
叩かれた少女は、涙目でたんこぶの出来た頭を撫でる。
「何も叩くことないじゃないですか、リヴェリア様ぁ!」
「ああ、そうだな。何も叩くことはなかった。貴様があんな行為に出なければな、レフィーヤ」
あんな行為とは、先程の戦闘での事である。
主に、無駄に格好つけていること。後衛でありながら、モンスターに突進の標的にされる程前に出ていたこと。この二つだ。
「確かにお前はスキルのお陰で前衛と後衛、その二つの立ち回りが可能な稀有の才能を持っている。誰にでも出来る事ではない。むしろ、お前だけの持ち味と言っても過言ではないだろう」
「えへへ、リヴェリア様そんなに褒めても何も出ないですよ?」
「こいつ――!」
拳を握り締め、怒りを露わにするリヴェリア。
深呼吸をし、なんとか怒りを抑える。いちいちレフィーヤの言動に構っていては此方が疲れてしまう。
「だがレフィーヤ。先程の戦闘でお前に命じたのは後衛だ。前に出て戦えとは一言も――」
「その辺にしとけババア」
突如背後から声が聞こえ、リヴェリアは咄嗟に振り返る。
そこには尻尾生やし、獣耳をヒクヒクさせながらこちらに向かって歩いて来る狼人――ベート・ローガがいた。
ベートの存在に気づいたレフィーヤは、表情をムッとさせ件のベートを睨み付ける。
「馬鹿には何言っても無駄なんだよ。馬鹿だからなァ」
「ふっ、何やらよく吠える犬がいると思いければ、貴様か狂犬」
「犬じゃねえ、狼だ!」
互いを小馬鹿にしつつ、ジリジリと視線をぶつけ合うレフィーヤとベート。
その光景に、はぁとため息を吐き左手で額に手を触れるリヴェリア。この二人のやり取りはいつも通りなので特に何も言わない。
「はん、まあいい。忠告はしたぜ、リヴェリア。誰に説教しようが構いやしねえが、その馬鹿と一緒にいるとテメェまで馬鹿になるぜ」
話は済んだとばかりにベートはその場を立ち去る。
「はっ、神々ですら恐る我が内から発せられるエネルギーに畏怖したか、犬! フフフハハハハハハ――うわぁぁぁぁん!! リヴェリアざまぁ〜」
ベートの姿が見えなくなった途端に、レフィーヤは泣きながらリヴェリアに抱きつく。
「ベートさんが! べーとさんがぁ!」
「はぁ、よしよし。怖かったな。ベートは口が悪いから気を付けろとあれほど言ったのに。安心しろ、アイツには私からキツイのを一発お見舞いしてやろう」
「ぐすっ、ほんとう?」
「ああ、本当だ。お前を泣かせるなら、たとえ相手がオッタルであろうとも私が倒してみせよう」
それを聞いた瞬間にレフィーヤは泣き止み、代わりに満面の笑みをリヴェリアに見せる。
「やったぁ! 約束ですよ、リヴェリア様?」
「ああ、約束だ」
それを聞いて満足したのか、レフィーヤはリヴェリアから離れる。
一瞬、名残惜しそうにリヴェリアの表情が暗くなるが、レフィーヤがそれに気づくことはなかった。
「――ざまみろベート。あ、私皆さんのお手伝いしてきますね!」
「そうだな。人手は多い方がいいだろう。お前も行くといい」
最初のレフィーヤの呟きは聞こえなかったのか、リヴェリアは微笑みながらレフィーヤを送り出す。
どうやらかなり機嫌がいいらしい。レフィーヤはスキップをしながら去って行った。
「可愛らしい奴め。もう少し抱いていたかったが、仕方あるまい。私も少しばかり手伝うとしよう」
そう言って、リヴェリアもキャンプへと足を運んだのだった。
「あ、説教してたんだった」
†
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインには悩みがある。
誰しも一つや二つ、悩み事はあるものだ。それはオラリアにおいて、第一級冒険者である彼女とて変わらない。
具体的にどんな悩みかと問われれば、それは人間関係だった。アイズはとある少女となかなか仲良くなれず、いつも思い悩んでいた。
――また、レフィーヤを怒らせちゃった。
「アーイーズー、どうしたの?」
木に寄り掛かって座り、膝を抱き悩んでいると、自分を呼ぶ声が聞こえた。
アイズを呼んだのはアマゾネスの少女、ティオナ・ヒュリテ。
その後ろには双子の姉、ティオネ・ヒュリテの姿も見えた。
「ちょっと、悩んでて」
「悩み? さっき団長に呼ばれて説教されたこと?」
ううん、と首を振る。
その反応を見て、より一層わからなくなったのか、ティオナは首を傾げるばかりだ。
「はあ、どうせレフィーヤのことでしょ?」
ティオネに当てられ、黙って頷く。
それを聞いたティオナはそっかぁと納得の声を上げる。
それ程までに、アイズとレフィーヤの関係は絶望的だった。
「……レフィーヤ、怖いから」
「えー!? レフィーヤなんか全然怖くないよー!」
「なんかあの子、アイズにだけとる態度が違うのよね。あとベート」
別にレフィーヤがベート相手にどんな態度を取ろうがアイズにはどうでもいい事だったが、自分にだけ違うというのは聞き捨てならなかった。
――やっぱり私、嫌われてる?
ティオナは怖くないと言っているし、ティオネの発言を聞く限り、そう捉えるしかなかった。
「あ、レフィーヤだ!」
ティオナの声にパッと顔を上げる。すると、上機嫌にスキップをしながら移動するレフィーヤの姿が見えた。
「あら、機嫌良さそうね」
どうやらティオネも同じ感想を抱いたらしい。
「ねー、アイズ。直接レフィーヤに聞いてみたら?」
「そうね、それがいいかも」
「ちょ、ちょっと二人とも……」
「おーい、レフィーヤー!!」
アイズの制止を意に介さず、ティオナはレフィーヤを呼ぶ。
ティオナに呼ばれ、こちらに気づいたレフィーヤが、ぐるんと直角に曲がってこっちに向かって来る。スキップで。
――今の、どうやったんだろう?
「あ、ティオナさん、ティオネさん――はっ! アイズぅ!?」
自分を見た途端に明らかに表情を変えるレフィーヤに、アイズは意気消沈する。
「レフィーヤ、機嫌良さそうだったけど、どうしたの?」
「ふふん、実はですねティオネさん、さっきリヴェリア様とある約束をしたんですよ」
「約束?」
「ええ! なんと、リヴェリア様がベートを一発殴るんです! ざまぁ見やがれってんですよ! ふふ、これより下るは裁きの一撃。おお神よ! 全能たる永遠の王よ! あの愚かな狼に鉄槌を!」
レフィーヤの言葉を聞いた三人は、またベートと喧嘩したなと同じ結論に至る。
「ふーん。あ、そうだレフィーヤ!レフィーヤって、アイズのことどう思ってるの?」
ティオナの問いにピタリと動きを止めるレフィーヤ。
レフィーヤの答えを聞きたくないあまり、本来はこの場から逃げたいというのがアイズの本心。しかし、自分の事をどう思っているのか知りたいという欲求が勝った。
「ど、どどどどうって――」
「嫌いなの?」
「き、嫌いじゃないですよ!」
「じゃあ好き?」
「す、すすすき!? な、なに言わせるんですかティオナさんっ!」
激しく動揺するレフィーヤ。
こんなレフィーヤは滅多に見られないので、可笑しかったのかティオネは口を押さえて笑いを堪えていた。
「ええー! べつに普通のこと聞いてるだけじゃん! でさ、結局どうなの? アイズのこと好き? 嫌い?」
ジリジリとレフィーヤに近づくティオナ。
逃げるように視線をずらしたレフィーヤとアイズ目が合う。
今まで黙っていたがこれはチャンス。このチャンスを逃がさないよう、アイズは意を決して問う。
「私のこと、嫌い?」
レフィーヤの顔が赤くなる。
それを見たアイズは、
――あ、怒っちゃった?
「うわぁぁぁぁー!!」
奇声と共にレフィーヤは逃げ出した。
速い。恐ろしく速い。全力のベートと同等、あるいはそれ以上に。
「あー、あれは重症ね」
「よかったね、アイズ。レフィーヤ、アイズのこと嫌いじゃないって」
ティオナの言葉に疑問符を浮かべる。
はて、今のやり取りで何がわかったのだろうか。
「でも、逃げられちゃった。やっぱり、嫌われてる?」
「……こっちも重症ね」
「これは前途多難ですなぁ」
やれやれと首を振るヒュリテ姉妹にアイズは首を傾げる。
アイズがレフィーヤと仲良くなれるのは、いつになるだろうか。
――がんばら、なくちゃ。
どうやら、そう遠くないかもしれない。
ステイタスなどは後々公開いたします。
目の色が変わるのもスキルです。
いや、どんなスキルやねん。
感想、評価お待ちしております。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
これが詠唱の醍醐味です!
もうやりたくない(やらないとは言ってない)
ルビの関係上、所々謎に改行されてます。どうやら仕様のようなのでなんとか気にしないでいただけると嬉しいです。
ダンジョン51階層。
この階層での目的は『カドモスの泉』より水を汲んできて欲しいという【ディアンケヒト・ファミリア】からの
泉から汲んで来る水の量がそれなりに多いため、二つのパーティに分けて探索が行われていた。
一班:ティオネ、ティオナ、アイズ、レフィーヤ。
二班:フィン、ガレス、ベート、ラウル。
正直不安しかない一班。
特にレフィーヤに至っては言動が謎でしかない。
実を言うと、この班分けはフィンがティオネに面倒を押し付けただけだったりする。恋する乙女を利用する悪い奴だ。楽に死ねると思うなよ。
さて、そんな問題ばかりと思われる一班だが、思いのほか戦闘はスムーズに進んでいた。
「ティオナは右! アイズ、左からティオナを援護して!」
『了解!』
というのも、恋する乙女ティオネさんが絶賛そのエネルギーを解放しているからだった。
――ティオネ、君だけが頼りだ。
ティオネの脳内にフィンの言葉が駆け巡る。やります、やってやりますと意気揚々する。
考えれば考えるほどフィンは罪人だ。今頃モンスターに食われているかもしれない。
「レフィーヤ、詠唱して!魔法で終わらせるわよ! そうね、
「――請け負った」
ニヤリと顔を歪める。
待ってましたと言わんばかり杖を掲げ、レフィーヤは詠唱を開始する。
「【怒りの日、終末の時。天地万物は灰燼と化し、タビデとシビラの予言の如くに砕け散る】」
レフィーヤが所持する『スキル』のうちの一つ、『魔導王』。
魔法威力の大幅上昇に加え、詠唱文を自分の好きなように変えられる脅威的『スキル』。
「【たとえどれほどの戦慄が待ち受けようとも、審判者が来たり】」
これにより、本来は長文詠唱の魔法でも「あ」と言うだけで発動が可能になる。無論、その場合は本来の威力よりも格段に落ちることになるが。
「【厳しく糾され、一つ余さず燃え去り消える】」
しかし、逆に本来の詠唱文よりも長い詠唱を行なった場合、威力の低い魔法でも、殲滅魔法に昇華される。
「【我が総軍に響き渡れ。妙なる調べ、開戦の号砲よ。皆すべからく玉座の下に集うべし】」
そして、何よりも問題なのはこのスキルが
「【彼の日、涙と罪の裁きを。卿ら、灰より蘇らん】」
彼女にとって、まさしく打って付けのスキルだった。
「【されば天主よ、その時彼らを許し給え】」
レフィーヤのもとに、突如ダンジョンの壁を突き破って生まれ落ちた、『デフォルミス・スパイダー』が急行する。
八本の足を巧みに利用し、レフィーヤを喰らわんと大口を開く。
それでも、レフィーヤは詠唱を止めない。
「【慈悲深き者よ、今永遠の死を与える――エィメン】」
デフォルミス・スパイダーはレフィーヤを喰らおうとしたその瞬間、一刀両断された。
誰が? どうやって?
決まっている。あの時、レフィーヤ以外にデフォルミス・スパイダーを斬れる者など存在しなかった。
「一刀流、一式――菊一文字」
先程までレフィーヤの手に握られていた杖は地に突き立てられており、替わりに刀が手の内にあった。
『平行詠唱』と呼ばれるその技術は、高等故に扱える者は限られてくる。しかし、レフィーヤはそれを意にも介さずやってのけたのだ。
「【
詠唱が完了し、あとは魔法を放つだけ。
狙いは無論、モンスターの群れ――のはずだった。
「あるぇー?」
おかしい。いや、可笑しい。あれほどいたモンスターが、見る影もなく消えているのだ。
どうやら先程レフィーヤが斬ったデフォルミス・スパイダーが最後の一匹だったらしい。
「このバカ!」
「あいたっ!」
ティオネから拳骨をもらう。どうやらレフィーヤが詠唱している間に倒しきってしまったようだ。
「長すぎず短すぎないヤツって言ったわよね!? 何ガッツリ長文詠唱してるのよ!」
あーもうとティオネは愚痴る。
それもそうだろう。せっかくフィンの期待に応えようと奮闘していても、部下がこれではどうしようもない。
「これが詠唱の醍醐味です!」
「だまらっしゃい!」
「ちょっとティオネ、なにも殴ることないじゃん! レフィーヤは頑張って詠唱してたんだからさー! レフィーヤイジメるならあたしが許さないよ!」
「うっさい、馬鹿ティオナ! まな板は黙ってなさい!」
「なっ!? 胸は関係ないでしょ!」
ギャーギャーと喧嘩をするヒュリテ姉妹を横に、レフィーヤは一人落ち込んでいた。
「はぁ、せっかく一日かけて考えた詠唱だったのに……」
「大、丈夫?」
「あ、大丈夫です。また同じ詠唱使えばいいんですから」
そう、また同じ詠唱を使えばいい。今度はしっかり発動出来るよう、タイミングを考えて。
などとレフィーヤは思考していたが、ふと気づいた。
――あれ? 今の声、だれ?
そう。ティオナとティオネは現在口喧嘩でレフィーヤに構っている暇などない。
――ということは?
消去法で、レフィーヤに声を掛けられる人物は一人しかいない。
確認のため、恐る恐る横を見る。
そこにいたのは――、
「あ、ああアイあアイぃ!?」
「……? アイアイ?」
「アイズぅぅぅ――!?」
キーンと耳に響くほどの声量でレフィーヤはアイズの名を口にする。それと同時に疾走かつ失踪。レフィーヤは一目散に逃げ出した。
「また、逃げちゃった」
何がいけないのだろうかと落ち込むアイズ。
――もしかして、私、怖い?
「あのバカ! そっちは泉の方でしょうが!」
ティオネの叫び声により、現実に戻る。
よくよく考えれば、レフィーヤが逃げたのは目的地である泉の方角。このままでは単独でカドモスと接敵してしまう可能性がある。
「うっそー!? いくらレフィーヤでもソロでカドモスは無理だって!」
ティオナの言う通り、レフィーヤでもソロでカドモスの相手は少々無理がある。倒せないことも無いだろうが、苦戦は免れない。
力だけなら階層主である『ウダイオス』より上。それがティオナの持論だった。
「あーもう、ほんっとうにあの子は――! アイズ、ティオナ、急いでレフィーヤを追うわよ!」
三人がレフィーヤを追ってダンジョンの奥へと進む。
カドモスと接触していないことを願って。
†
アイズに話しかけられたと理解した瞬間逃げ出したレフィーヤは、ここまで来れば追ってはこれまいと足を止める。
普段ならば、アイズに話しかけられたとしても、逃げ出すことはない。しかし、今回は訳が違った。
――私のこと、嫌い?
「ぐはっ!?」
キャンプにてアイズにかけられた言葉を思い出し、精神的ダメージを負う。
「おのれ、アイズ・ヴァレンタイン! なぜ貴様はこうも私を苦しめる! ――くっ、腕が!?なぜこういう時に限って右腕が疼く!」
腕を押さえながら片膝をつく。
もちろん腕は何ともない。彼女の妄想だ。
「ヤツの復活が近いということか……」
レフィーヤ本人、別にアイズが嫌いという訳ではない。むしろその逆。彼女はアイズと仲良くしたいと思っている。
では何故それが出来ないのかというと――長くなるので別の機会にしよう。
「そういえば、ここどこ?」
無我夢中でダンジョンを走り回ったレフィーヤは自分がどこにいるか把握出来ていない。
「泉……?」
まず目に入ったのは、ダンジョン内にあるとは思えないほど美しい泉だった。
「ってことは、『カドモスの泉』!?」
もしそうだとしたら、今すぐにこの場を離れなければマズイ。今のレフィーヤならば、カドモスが相手でも勝とうと思えば勝てる。ただ、それでもアイズやティオナ達と狩った方が明らかに効率的だ。
ここでレフィーヤは異常に気づく。カドモスがどこにも見当たらないのだ。
目を凝らし、もう少しばかり観察を続ける。
そして見つけた。モンスターの死骸を。
「え、カドモスが死んでる?」
レフィーヤは立ち上がると、ゆっくりと灰に近づく。
間違いない。ドロップアイテムの『カドモスの皮膜』が落ちていることから、この灰がカドモスのものであるとレフィーヤは断定する。
そして、不可解な事がもう一つ。ドロップアイテムはあるが魔石がない。
――ってことは、モンスター?
「みぃつけた」
「ひゃい!?」
突如背後から声をかけられ、女の子らしからぬ声を上げる。
ギギギという擬音が聞こえそうなぎこちない動きで、レフィーヤは後ろを振り向く。
そこには、鬼のような形相のティオネがいた。
「あらあら、ティオネさん。そんな顰めっ面をしていては、せっかくの可愛いお顔が台無しですことよ?」
「――ihbf殺wq」
あ、これマジのやつだと気づいた時には既に遅い。
顔面を鷲掴みにされ、軽々とレフィーヤは持ち上げられた。
ティオネの背後に立つアイズとティオナに視線で助けを求めるが、二人とも都合が悪そうに目を逸らした。
「このパーティは私が団長に頼まれてんの。つまり、トラブルなんかは全部私の責任。もし団長に嫌われたらどう落とし前つけてくれる? テメーの命一つじゃ足んねえ――ん? それカドモスの死骸?」
どうやらレフィーヤの背後にカドモスの死骸が広がっているのが目に入ったのか、レフィーヤはティオネに投げ捨てられる。
「だ、大丈夫、レフィーヤ?」
解放されると同時にティオナがレフィーヤの下に駆け寄る。
「ティオナさぁぁん! わたし死ぬがどおもっだぁ〜」
「あー、はいはい。怖かったねー。もう大丈夫だよ。レフィーヤはあたしが守ってあげるからね!」
よしよしと優しく頭を撫でるティオナ。
それを羨ましそうに眺めるアイズ。
しばらくすると、カドモスの死骸を一通り見たティオネがレフィーヤに近づいた。
「レフィーヤ」
「ひぃ!?」
一瞬でティオナの背後に隠れる。
ダメだ。目を合わせてはいけない。
――死ぬぞ。
「はぁ、全く。もう怒ってないわよ。それで、あのカドモスはレフィーヤがやったの?」
「わ、私じゃないです」
「――となるとモンスターね」
「うっそー!? この階層にカドモスより強いモンスターなんていないよー!」
ティオネの分析を、ありえないとティオナは否定する。
それもそうだろう。階層主にすら迫る強さを誇るカドモスが、モンスターに狩られるなど考えられるはずもない。
しかし、どう考えてもモンスター以外あり得なかった。
51階層まで潜れる冒険者はオラリアにもそうはいない。そして、冒険者ならドロップアイテムを回収しないのも不自然だ。
『いいイィィィやああァァァ――!!』
ダンジョンの奥から絶叫が聞こえてくる。
それは、レフィーヤ達のよく知る人物の声と同じものだった。
「ラウル?」
【ロキ・ファミリア】の団員。Lv.4の冒険者、ラウル・ノールドの声だった。
†
声が聞こえてからのレフィーヤ達の行動は早かった。
ダンジョン内を高速で駆け抜け、即座に声の源へと到着する。
そこではフィン、ガレスを筆頭とした二班の面々が、今まで見たことのないモンスター相手に、防戦を敷いていた。
ブヨブヨとした気味が悪い体を唸らせ、ギチギチと声を上げる。一言で言い表すならば、巨大な芋虫。それが新種のモンスターの正体だ。
持ち前の行動力を活かし、ティオナが先陣を切って前に出る。
巨大な両刃刀、
「ダメだ、ティオナ!」
「――え?」
時すでに遅し。ティオナは芋虫を斬り捨てる。
すると――、
「うへぇ、なにこれー!?」
切り口から大量の体液が溢れ出し、飛び散る。
気持ち的に触れたくないと思ったティオナは即座にその場から離脱する。結果、その判断は間違いではなかった。体液に触れたティオナの髪の一部、そしてウルガが溶けていたのだ。
「うそでしょー!? フィン、もっと早く言ってよー!」
愛しいウルガが消え去り、ティオナは愚痴を漏らす。
初見であったため仕方がないといえばそれまでだが、それで割り切れるほどティオナも大人ではなかった。
「ふっ、面白い。ならば私が相手だ!」
レフィーヤは大地を蹴り、天高く飛翔する。
「南斗鳳凰拳究極奥義――天翔十字鳳!!」
「何やってんだ馬鹿エルフ!」
ベートの踵落としがレフィーヤの脳天に直撃する。
「やったな!? 二度もやったな! リヴェリア様にも踵落としされたこと無いのに!」
「二度はやってねぇだろ!」
モンスターに襲われているとは思えないほど、二人は通常運転だ。
ガレスが仲裁に入るが、なかなか終わりそうにない。
「フィン、あれ、倒せる?」
喧嘩をしているベートとレフィーヤをよそに、アイズがフィンに問う。
イエスかノーで答えるならばイエス。武器一つと引き換えにという条件付きだが。
このまま静止していても埒があかないため、フィンの指示に従いながら、後退を始める。
しばらく進み、ダンジョン内に点々と存在する広間、ルームへとたどり着く。
瞬間――ダンジョンの壁が割れた。
『
それを見た途端、フィンが動く。
「レフィーヤ、詠唱を頼む。それも、とびきり長いヤツをね」
とびきり長いヤツ。その単語を聞いたレフィーヤは歓喜に打ち震える。
「――承知」
「総員、レフィーヤが詠唱する時間を稼げ――!」
ここが魅せ場。ゆえに見せよう――とっておきを。
「【天昇せよ、我が守護星――鋼の
レフィーヤの詠唱が開始される。
「【荘厳な
「【
誰よりも早く動いたのはアイズ。超短文詠唱にて、唯一の魔法を発動する。
「【火の象徴とは不死なれば、絢爛たる輝きに恐るものなど何もない】」
「【エアリアル】」
魔法の発動が完了したアイズが、新種のモンスターに突撃する。
風を付与するその魔法は、腐食液をものともせず、アイズにモンスターの命を狩り取る力を与える。
「【勝利の光で天地を焦がせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる】」
疾風の如く、アイズは次々とモンスターを打ち倒す。
一匹、一匹、また一匹。
「【絶滅せよ、破壊の巨神。赫怒の雷火に焼き尽くされろ。人より生まれた血脈が、英雄の武功と共に汝の覇道を討ち砕く】」
無論、他の面々も負けてはいない。
決定打こそ与えていないにしろ、モンスターの侵攻を阻み、先へは進ませない。
「【天霆の轟く地平に、闇はなく。蒼穹を舞え天駆翔。我が降誕の暁に創世の火を運ぶのだ】」
アイズが倒したモンスターのうちの一匹が、瞬く間に肥大化し、破裂する。どうやら、爆発性もあるようだ。
「【ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ】」
周囲に飛散する腐食液を避けながら、なんとか戦線を維持する団員達。
「【是非も無し――さらば蝋翼、我が半身。焔の
「おい馬鹿エルフ! まだ終わんねぇのか!?」
ベートの催促がレフィーヤに届く。
レフィーヤはベートをひと睨みするが、言葉は返さない。そんな余裕はないのだ。
「【天空を統べるが如く、銀河に羽ばたけ不滅の
レフィーヤの顔に笑みが浮かぶ。
もうすぐ、もうすぐだ。
「【
さあ、幕引きだ。
害虫共、此処が貴様らの死に場所だ。
「いきます!」
レフィーヤの合図と共に、フィン達が後退する。
全員の離脱を確認し、レフィーヤは魔法を発動する。
「【
あ、別にフィンに恨みがあるとかじゃないです。怨めしいとは思ってます。
一応確認はしていますが、誤字、脱字などありましたら報告お願いします。
感想、評価もお待ちしております。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
レフィーヤ無双――ロッズ・フロム・ゴォォォォッド!
魔法によってモンスターの群れを駆逐したレフィーヤ達は、急ぎでキャンプへと戻っていた。
フィン曰く、
ちなみに、フィンの指の疼きは、レフィーヤの右腕と違い、ガチだ。実はフィンも中二病だったとか、そういう訳ではない。
「さっきの凄かったね、レフィーヤ! あんなの見たことないよ!」
ダンジョン内を走りながら、ティオナが感嘆の声を上げる。
さっきのとは、勿論レフィーヤの魔法の事だ。
「えへへ、ありがとうございます、ティオナさん!」
ヒュゼレイド・ファラーリカはレフィーヤが持つ殲滅魔法。それを、スキルと超長文詠唱にて大幅にブーストをかけ、これでもかというほど火力を上げた。
結果、放たれた魔法は流星群と比喩しても過言ではなかった。
紅蓮の業火が隕石のように降り注ぎ、ダンジョンを、大気を、空間を揺らしながら着弾した。
無論、それを受けたモンスターは絶命を免れない。魔石も灰も残らず、文字通り跡形もなく消えていた。
「ふっ、あれは地獄の業火。焼き尽くせぬものなど何もない。闇の炎に抱かれて消えろ」
「ちょっと過剰だったけどね」
「全くだ。こっちまで死ぬかと思ったわい」
フィンとガレスが思い思いに口を開く。
確かに過剰ではあったが、超長文詠唱を指定したのはフィンなのでそこは忘れないで欲しい。
ベートも尻尾が焦げたと愚痴を零す。その言葉に反応したレフィーヤと口喧嘩になったのは言うまでもないだろう。
「さあ、そろそろキャンプだ。お喋りはこの辺でやめておこう」
†
キャンプに辿り着いたレフィーヤ達を待っていたのは、おびただしい数の芋虫だった。
キャンプを蹂躙せんと迫る芋虫を、リヴェリアを中心として交戦しているが、状況はあまりよろしくない。あの腐食液が遠征隊の攻撃を邪魔しているのは一目瞭然だろう。
キャンプに合流したレフィーヤ達は、腐食液に対応可能なアイズを筆頭に攻撃を仕掛ける。
一匹ずつ、しかし確実に芋虫を消していく。
そして、レフィーヤも――。
「汚物にも劣るゲテモノめ。このレフィーヤ・ウィリディスが斬り捨ててくれるわ」
右眼をゆっくりと閉じ、開く。
「直死――」
紅く、妖しく光るその右眼は、視線にて目の前の芋虫を鋭く射抜く。
お前に決めたと、レフィーヤは狙いを定める。
「一刀流、六式――百花繚乱!」
居合の要領で刀を横に一閃。しかして、与えた斬撃は無数。
腐食液を浴びぬよう、剣を振ると同時に跳躍。その場から離脱する。
刀の心配も無用だ。レフィーヤの愛刀《千子村正》は
「我が一刀は一撃に非ず。ゆえに不可避」
これぞレフィーヤ第二の『スキル』、『一刀流』の真価。
一本の刀を装備している時にのみ、ステイタスが大幅に上昇。かつ、技名と共に剣を振ると追加効果を得られる。一刀にて無数の斬撃を放つ事が出来たのはそのためだ。
『魔導王』と『一刀流』。この二つのスキルにより、レフィーヤは魔導師と剣士、両方の立ち回りが可能となる。即ち、職業の
この稀有な才能に神々は敬意を評して、二つ名とは別に、レフィーヤをかつて存在した英雄の名で呼ぶことがある。
その名は――『SHOHEI OHTANI』。
魔石を残し、灰になる芋虫を背後にレフィーヤは口を開く。
「また、つまらぬモノを斬ってしまった」
†
モンスターの駆逐が終わり、レフィーヤ達は腰を下ろす。流石にあの数は疲れる。
それにしても、あの芋虫達はなんだったのだろうか。
新種だとしても、なぜこのタイミングであれほどの数が押し寄せたのか。考えれば考えるほど謎は深まるばかり。
――ドゴォォォォォン!!
突如、爆発が起こった。
どうやらまだ終わっていないらしい。今宵のダンジョンは本気で【ロキ・ファミリア】を潰しにきているのかもしれない。
爆発の発生源に目を向ける。そこにいたのは下半身は先程の芋虫、上半身が女人型という、これまた新種のモンスターだった。
胴体の左右には、翼のようなものが生えており、その翼からキラキラと鱗粉が舞う。
そして、爆ぜる。
先程の爆発の正体はこの鱗粉。
爆発の条件はわからないが、とにかく危険だ。
この爆発を見て、フィンが前にでる。
「総員、撤退するぞ! 遠征は中止だ。必要最低限の物だけ持ってキャンプを破棄する」
フィンの決断は、まさかのキャンプ破棄。即時撤退だった。
「団長。あれ、私にやらせてください」
「……理由を聞こう」
撤退の指示を聞いたレフィーヤがフィンに駆け寄る。
本来なら、アイズにやらせたいというのがフィンの考えだ。
しかし、滅多に自分からフィンには進言しないレフィーヤ。その行動から、フィンはレフィーヤに何か思惑があるのではと感じた。
「そろそろ、
その言葉に、なるほどとフィンは頷く。
本来の予定では、59階層に突入したあとに偉業の達成を行うつもりだったが、撤退するなら仕方なしと判断しフィンに頼んだのだ。
「いいだろう。頼んだよ、レフィーヤ」
「――御意」
団員達が撤退を開始する中、レフィーヤは一人戦場に立つ。
新たなる境地へと至るために。
「【集え、魔導を収めしもの達よ。汝らが王たる我が呼びかけに応じ、此処に集え】」
本日、三度目となる詠唱。しかし、その表情には歓喜がうかがえる。それほど彼女は詠唱が好きなのだ。
「【終段、顕象――】」
今発動しようとしている魔法は、攻撃性の魔法ではない。
しかし、レフィーヤは確信している。これこそ、我が最強の魔法であると。
「【ロッズ・フロム・ゴォォォォッド】」
それは、魔法の効果を把握すれば
「【世界を創世した五大元素が一つ――水よ】」
しかし、疑問に思う者もいるだろう。たとえ効果を把握したところで、詠唱文を暗記しないことには魔法を発動出来ないのではないかと。
「【汝はその豊かさで世界を創り、洪水にて世界を滅ぼす――その力をもって、我が身を大いなる魔神と化せ】」
そこで登場するのがスキル、『魔導王』だ。
魔導王の効果により、詠唱はレフィーヤの思うがまま。ゆえに詠唱文を暗記する必要はない。
神の杖の発動条件に詠唱文の把握が存在しないのは、魔導王の効果が反映された結果なのだ。
「【ネプトゥヌス】」
レフィーヤが召喚したのは水の付与魔法。
詠唱が終わると同時に、彼女の体を覆う水膜が現れる。
「行くぞ、雌型の芋虫――腐食液の貯蔵は充分か?」
剣を抜き、雌型のモンスターめがけて突貫する。
レフィーヤの存在に気づいた雌型のモンスターが、大口を開き、大量の腐食液を放出する。
しかし、レフィーヤには届かない。レフィーヤを覆う水のベールが腐食液を通さない。
ならばとモンスターは攻撃方法を変える。
翼を動かし、爆発性のある鱗粉を――放とうとして気づく。
いない。レフィーヤが何処にもいないのだ。
更に異変がもう一つ。振ろうとした翼の右側が無いのだ。
「――遅い」
その声は背後から。
ゆっくりと振り向き、確認する。
そこには刀を振り抜き、攻撃を完了したレフィーヤがいた。
圧倒的速度にて、モンスターに視認を許さなかったレフィーヤ。その速度の秘密は、レフィーヤが纏う水にある。
足を踏み出す瞬間、足の裏に水を溜め高速に回転させる事によって、自身の速度を何倍にも引き上げているのだ。
ヒュー、という甲高い音とともに空中に閃光が浮かぶ。
撤退完了の合図だ。
即ち――、
「時間稼ぎは終わりです。ここからは、殺す気でいかせてもらいます」
水がレフィーヤの持つ刀を覆い、伸びる。長く、薄く、そして鋭く。
「――
伸ばした水の刃をムチのように振り、健在だったモンスターの左翼を切り落とす。
「その鱗粉は面倒ですので、先に切らせてもらいました」
既に勝負は決した。
腐食液も効かなければ、鱗粉を出す翼も無い。完全にモンスターの詰みだ。
「ふふふ、フハハハハハハハ――! よくぞ最後まで足掻いた、化外よ。せめて奥義で葬りましょう」
そうは言うものの、レフィーヤはその場から動かず、モンスターに近寄ろうとしない。
モンスターとの距離は約30M。決して剣の届く範囲ではない。しかし、充分。レフィーヤに距離など関係ない。
剣を高く掲げ、縦に一閃。
「一刀流、奥義――神凪」
その行動が終わるとレフィーヤはモンスターに背中を見せる。
既に終わったと言わんばかりに、剣を鞘に収め、その場を立ち去るレフィーヤ。
しかし、モンスターは活動を続ける。
今なら、今ならばとモンスターは腐食液を吐き出そうと口を開く。
「――ジ・エンド」
瞬間、モンスターが縦に割れた。
時間差で訪れた斬撃が、モンスターを二つに切り分けたのだ。
「ふっ、言ったでしょう、奥義だと」
勝利の余韻に浸りながらレフィーヤは、
「うん、今のはかっこよかった」
そう思うのだった。
ちょっとレフィーヤ以外のキャラをあまり出せなかったのが心残りです。ごめんなさい。
次話からはしっかりと中二病レフィーヤとの絡みを表現していけたらなと思います。
ロッズ・フロム・ゴッドの元ネタを知る方へ。
ロッズ・フロム・ゴッドに終段を付けたのは単純な理由です。カッコいいから。それだけ。
ネプトゥヌスは私の創作魔法です。
感想・評価お待ちしております。
追記
サブタイトルとっぽぎとかいう謎の単語でしたが修正いたしましたw
目次 感想へのリンク しおりを挟む