ウルトラリリカルキュアファイト (JINISH)
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プロローグ

デバイスの言葉は読者にも分かるように日本語でやらせてもらいます。


管理世界デント、この世界は管理外世界地球によく似た世界で、自然豊かな緑や岩山、湖や川などたくさんある。

その世界にある鉱山の中で未知の神殿が発見されたと聞き、発掘調査に乗り出した。

発掘現場に乗り出したのはツインテールの髪型をした白い衣装を纏った女性と、考古学者の格好をしていた金髪の青年青年である。

まず、前者の女性から紹介しよう。

彼女の名前は高町なのは。

管理外世界地球の出身で、PT事件や闇の書事件、レリック事件やJS事件を解決した時空管理局の戦技教導官である。

最初はどこにでもいる普通の女の子だったが、ユーノとの出会いでレイジングハートを手に、それからして様々な事件を解決していっている。

後者の青年は、先程名前を上げたなのはの親友、ユーノ・スクライアである。

遺跡の発掘が生業とするスクライア一族の魔導士である。

先程述べていたが、なのはと出会い、レイジングハートをなのはに託し、共にジュエルシードを集める等の働きをしていた。

今は無限書庫の司書長を務めている。

 

「この鉱山の中だよね?見たことがない神殿が見つかったって所の・・・」

「うん。何が起こるのか分からないし、十分気を付けた方がいいね・・・」

 

なのはとユーノは発掘現場である鉱山の中へと入って行った。

なのははバトン状の杖を持って、ユーノと同行している。

 

「こうやって一緒に調査をしていくの、久しぶりだね?」

「うん。お互い忙しかったから、会うのも滅多にない事だしね。」

 

なのはとユーノは現場調査中に楽しそうに語り合っている。

その内にようやく未知の神殿の所まで辿り着いた。

2人はその神殿に入ると、石碑のような物体と巨人の像が目の前に建っていた。

 

「あっ!?」

「あれは!?」

 

なのはとユーノは巨人像を見て驚きを隠せなかった。

なのはとユーノが見た巨人像は特徴からして背中に翼のような突起があり、胸に赤いライン上のクリスタルのような物体がある。

その巨人像はウルトラマンノアの巨像である。

ウルトラマンノアは太古から全宇宙の平和を守り続けてきたノアの神と呼ばれた巨人である。

ダークザギとの死闘で次元の彼方へと姿を消した。

それから、ウルトラマンの事も説明しよう。

ウルトラマンはそれぞれの宇宙で怪獣や侵略宇宙人、そして侵略ロボットと死闘を繰り広げられた光の巨人である。

遠い惑星からやって来たウルトラマンや、地球で誕生したウルトラマン、そしてはるかな時間から存在したウルトラマンや、遠い未来から来たウルトラマンもいる。

 

「ユーノ君!これって!?」

「うん。僕達の知っているウルトラマンとは違うけど、ここにもウルトラマンが現れたんだね・・・」

 

なのはとユーノはノアを見て不思議そうに見る。

その後、近くにあった石碑を調べるが、変わったところはなかった。

 

「ユーノ君、また会えるかな?ウルトラマンに。」

「う~ん・・・僕もウルトラマンに会いたいかな・・・」

 

なのはとユーノはノアの巨人像を見たのが理由か、そう言う。

その時、なのはとユーノの周りに時空が歪み始めた。

 

「えっ!?」

「なになに!?」

 

なのはとユーノは突然の事で周囲を見渡す。

この瞬間、空間の歪みが強くなり、しばらく経った後、なのはとユーノが消えた。

 

 

 

 

 

 

 

場所が変わり、やや古ぼけた城や、その周りに広がっている廃墟と化した町並みが建っている。

ここはバラージ王国。

数年前、魔王獣と呼ばれた7体の怪獣によって滅ぼされたが、ウルトラマンノアによって城は残されていた。

しかし現在は、とある国の制圧のためにある組織によってアジトとして巣食われてしまったが、ある戦士達によってその組織は壊滅した。

その国の外れにある森の上空より、小さな空間の捻じれが発生し、その捻じれからなのはとユーノが姿を現し、落下していった。

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」

「お、落ちてるぅ!?」

「れ、レイジングハート!浮遊制御!ユーノ君の分も!」

〈了解しました。〉

 

なのははバトン状の杖に命令すると、その杖が英語で返事する。

その杖が先程説明したレイジングハートである。

なのはがユーノと協力してジュエルシードを集める時に使用した魔導杖であり、この杖を使うと魔法を使うことができる。

元々はビー玉のような姿だったが、なのはがバリアジャケットを纏う時に杖の姿になれる。

レイジングハートはなのはの命令で、なのはとユーノをピンクの光を纏わせ、浮遊させ、落下を防ぐ。

 

「あ、危なかった~・・・」

「びっくりした・・・」

 

なのはとユーノは一先ず安心する。

 

「何でこんな所にいるんだろう?確か、管理世界のデントで発掘調査をしたはずだよね?」

「うん。鉱山の奥まで行ってみたら見たことない神殿が見つけたと思ったら、急に空間が歪んで、気付いたらここに・・・」

 

なのはとユーノはデントで起こった事態から今までの経緯を整理する。

その時、なのはは気付いた。

ユーノの姿が民族衣装のような格好になっていたことを。

 

「・・・って、ユーノ君!?なんで小っちゃくなってるの!?」

「え?ん?えぇぇっ!?」

 

ユーノはなのはに言われて、自分の手を見たり、服装を見たりすると驚く。

 

「なんで子供の姿に!?・・・ってなのは!?君まで!?」

「へ?え?ふぇ、ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」

 

なのははユーノに言われて、同じように見渡すと、ユーノ以上の大声で驚きの声を上げる。




ついに始まりました、『ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ』の続編。
相変わらずの文章力ですが、期待しないでお楽しみください。


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別次元から来た魔導士

オリキャラの登場人物紹介はいくつか話を済ませた後、投稿しようと思います。


トランプ共和国。

その国は元々、トランプ王国が本来の名前だが、ジコチューによって滅ぼされた。

しかし、ドキドキ!プリキュアの活躍でトランプ共和国へと生まれ変わり、平和を取り戻した。

この国は、ジコチューの襲撃の時に生き延びたトランプ王国の戦士デニーズ・ポーカー率いる革命軍ユグドラシルに侵攻されたが、プリキュア達と、そしてこの世界に訪れたウルトラマン達によって、ユグドラシルの侵攻を阻止し、ユグドラシルを壊滅した。

せっかくなので、プリキュアについても説明しよう。

プリキュアとは、妖精の世界や人間の世界に危機が訪れた時に現れる伝説の戦士。

その正体は普通の小学生、中学生、高校生の女の子である。

彼女達はどれほどの窮地に陥れても、世界が滅ぼされそうになっても諦めずに最後まで戦い続けてきた。

ユグドラシルを壊滅した功績に称えて、プリキュア達とウルトラマン達は祝勝パーティを開いた。

今はパーティを終え、このトランプ共和国で寝泊まることにした。

そのバルコニーで1人の青年が城下町の夜景を見ていた。

青年の名はモロボシ・シン。

時空移動をする際に時空の歪みによってプリキュアの世界に放り込まれた男である。

その正体はウルトラマンゼロ。

彼は幾多の宇宙に飛び回り、平和を取り戻した希望の戦士である。

プリキュアの世界に飛ばされた後、多くのプリキュアと出会い、共に戦ってきた。

 

(邪神が消え、ユグドラシルは壊滅し、地球も妖精の世界も平和が取り戻した。だが、時空の歪みから現れる怪獣は今も現れ続けている。この世界は一体、何が起きたんだ・・・?)

 

シンはユグドラシルが壊滅し、ガタノゾーアを倒して一先ずは落ち着いたが、まだ謎に包まれている時空の歪みについて悩んでいた。

先程説明した時空の歪みはウルトラマンだけでなく、世界中の人達を苦しめる怪獣達も出現しているのだ。

その謎は未だ分かっていない。

その時、トランプ共和国の城上空より時空の歪みが発生する。

シンはそれに気づいた。

 

「あれは!」

 

シンは時空の歪みをしばらく見る。

その歪みから両腕に鋏が加え、鳥のような赤い体をした怪獣が現れた。

その怪獣の名は超古代竜メルバ。

イースター島の地底から現れた『空を切り裂く怪獣』と呼ばれた古代怪獣である。

ゴルザと共に光のピラミッドに隠されているティガを含む3体の巨人像を破壊し始めるが、破壊を免れたティガによって倒された。

 

「また怪獣が出やがったか!?」

「ゼロ!」

 

シンは背後から声を聞き、振り向くと2人の男がいた。

ハヤタ・シンとモロボシ・ダンである。

その正体は初代ウルトラマンとウルトラセブンである。

彼らはM78星雲・光の国からやって来た宇宙人である。

地球に訪れては、多くの怪獣達と戦っている。

 

「親父!」

「先程、バラージ王国の近くで時空の歪みが発生した。」

「今の怪獣もそこに向かっている。」

「なんだと!?」

 

シンはメルバの事もそうだが、バラージ王国の方にも時空の歪みが発生した事も驚く。

 

「急ぐぞ!」

「あぁ!」

 

シンはウルトラゼロアイを、ハヤタはベーターカプセルを、ダンはウルトラアイを構える。

ハヤタはベーターカプセルのボタンを押すとフラッシュビームがハヤタを纏わせ、初代ウルトラマンに変身する。

ダンはウルトラアイを両目に嵌めると、ウルトラセブンに変身する。

シンはダンと同じように、ウルトラゼロアイを両目に嵌めると、ウルトラマンゼロに変身する。

ゼロと初代ウルトラマンとセブンはバラージ王国へと向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃、なのはとユーノは自身が子供の姿になって混乱するものの、とりあえず地上に降りて、今後の事を話し合う。

 

「ユーノ君、これからどうしよう?」

「う~ん・・・見た感じ、見たことない場所だし、管理局に連絡しても何の応答もないし、流石に困ったところだね・・・」

 

なのはとユーノが見知らぬ世界に放り込まれてからしばらく経ち、時空管理局に連絡するなりしたが、誰からも連絡が来た様子はなかった。

 

「フェイトちゃんとヴィヴィオ、心配してるだろうな・・・」

「何とかしてミッドチルダに戻らないとね・・・」

 

2人は非常に悩んだ。

その時、どこかから獣の咆哮が響き渡る。

 

「な、なに!?」

「どこから鳴き声が・・・!なのは!」

 

ユーノはなのはを呼んで、上空に指を指す。

なのははユーノが指した先に目を見る。

上空に巨大な時空の歪みが発生している。

そして、その歪みから頑丈な鎧のような体格の怪獣が現れる。

その怪獣の名は超古代怪獣ガルラ。

ネオフロンティアスペースのメトロポリス地下より現れた古代怪獣である。

ガルラの体は非常に硬く、ティガでも苦戦させるほどの実力を持っている。

 

「なっ!?」

「怪獣!?」

 

なのはとユーノはガルラの登場に驚く。

その時、別の方向から怪獣の咆哮を聞く。

なのはとユーノはすぐに振り向くと、メルバが飛翔してきた。

 

「ふぇぇっ!?」

「また!?」

 

メルバは地上に降りた後、なのはとユーノに目から光線を放つ。

 

「くっ!」

 

ユーノは即座に手を翳し、魔法陣を展開した。

よってメルバの攻撃は防がれる。

ガルラは頭部から熱線を発射する。

 

「レイジングハート!」

〈ラウンドシールド!〉

 

なのははラウンドシールドを展開し、ガルラの攻撃を防ぐ。

 

「怪獣が2体同時に出てくるなんて・・・!」

「しかも強い!一筋縄じゃいかない!」

 

なのはとユーノは今の戦況に苦心する。

その時、再び別の獣の咆哮が響き渡る。

なのはとユーノは辺りを見渡すと、メルバの横に時空の歪みが発生する。

 

「また歪みが!?」

「まさか!?」

 

なのはとユーノはガルラが現れた時の事を思い出す。

ガルラが現れた時、時空の歪みから現れた。

それを考えると冷や汗が滲み出る。

予想通り、時空の歪みから鎧のような皮膚を持つ怪獣が現れる。

その怪獣の名は超古代怪獣ゴルザ。

モンゴル平原地底から現れた『大地を揺るがす怪獣』と呼ばれた古代怪獣である。

メルバ同様、光のピラミッドに隠されているティガを含む3体の巨人像を破壊し始めるが、破壊を免れたティガに返り討ちに遭われ、退けられる。

 

「ふぇぇっ!?」

「次から次へと!」

 

なのはとユーノはゴルザの登場により、窮地に陥れる。

メルバやガルラだけでも苦しんでるのに、更にゴルザまで加わったら一溜りもない。

ゴルザはなのはとユーノを叩き潰そうと右腕を振り下ろす。

なのはとユーノはゴルザの攻撃を躱す。

 

〈ディバインバスター!〉

「ディバイン・・・バスター!」

 

なのははゴルザに向けて、ディバインバスターを放つ。

しかし、ゴルザはディバインバスターを吸収する。

 

「そんな!?」

 

ゴルザはなのはに超音波光線を放つ。

なのはの前にユーノが出て、シールドを展開する。

なのはもラウンドシールドで二重に防ぐ。

よってゴルザの超音波光線は防がれたが、攻撃を止む様子はない。

その後、メルバは目から光線を放ち、ガルラは頭部から熱線を放つ。

なのはとユーノの防御壁はもう持たず、破られる。

 

「きゃあぁぁぁぁぁっ!!!」

「うわあぁぁぁぁぁっ!!!」

 

なのはとユーノはゴルザとメルバとガルラの同時攻撃により、地に伏せられる。

ゴルザはなのはとユーノを踏み潰そうと足を上げる。

なのはとユーノはもうダメだと思い、目を瞑る。

その時・・・

 

「うぉおらあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

なのはとユーノを踏み潰そうとしたゴルザが突然吹き飛ばされて、ガルラに衝突する。

よってゴルザはガルラと共に倒れる。

 

「・・・ふぇ?」

「・・・一体・・・何が・・・?」

 

なのはとユーノは見上げると、3体の巨人の後ろ姿を目に捉える。

 

「危なかったな?お前ら。」

 

ゼロはなのはとユーノの方に振り向き、無事を確認した。

なのはとユーノは右から順番にセブン、ゼロ、初代ウルトラマンへと見渡す。

その後、最後に目に映った初代ウルトラマンを見て驚く。

 

なのは「ユーノ君!」

ユーノ「もしかして!?」

 

初代ウルトラマンはなのはとユーノの様子を見て、重々しく頷いた。

 

「なんだ?知り合いかよ?」

「別の宇宙の地球でな。その話は後にする。」

「あぁ。今は・・・」

 

ゼロと初代ウルトラマンとセブンは3体の怪獣の方に振り向く。

ゴルザとガルラは起き上がり、メルバもゴルザとガルラと合流する。

 

「こいつらだ!」

「あぁ!」

「うむ!」

 

ゼロと初代ウルトラマンとセブンはゴルザとメルバとガルラとの戦闘のために身構える。

ゴルザとメルバとガルラはゼロ達が構えるのを見て、即座に襲い掛かる。

 

「いくぞ!セブン!ゼロ!」

「あぁ!」

「ブラックホールが吹き荒れるぜ!」

 

ゼロと初代ウルトラマンとセブンもゴルザたちが走り出すと、迎え撃つように走り出す。




『ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ』の時もそうだけど、ゴルザの出現率高いな、自分で執筆しといて・・・
・・・まぁ、それは兎も角、次回は早速ですがゴルザたちとの決着をつけようと思います。


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超古代怪獣との決戦

伝え忘れましたが、プリキュアやウルトラマンが多いので、何人かだけ登場します。


管理世界・デントで謎の神殿を発見したなのはとユーノ。

その突如、時空の歪みが発生し、プリキュアの世界のバラージ王国に放り込まれてしまう。

ミッドチルダへ帰る方法を模索するが、その時にゴルザ、メルバ、ガルラが現れる。

絶体絶命の危機に陥ったなのはとユーノだが、ゼロ、初代ウルトラマン、セブンが現れ、危機一髪助かった。

ゼロと初代ウルトラマンとセブンはゴルザとメルバとガルラに立ち向かう。

その頃、トランプ共和国で時空の歪みから怪獣、つまり、メルバが現れた事を知り、城内は騒然としていた。

 

「ほのか、シンさん見つけた?」

「ううん。会ってないよ。もしかしたら、すでに怪獣を追っていたかも。」

「恐らくそうですね。」

 

城内でシンを探している女の子が3人。

 

彼女達はふたりはプリキュアMAX HEARTのキュアブラックこと美墨なぎさ、キュアホワイトこと雪城ほのか、シャイニールミナスこと九条ひかりである。

彼女達はドツクゾーンとの激闘を繰り広げ、その主であるジャアクキングとの死闘の末、勝利したプリキュアの一組である。

他にもふたりはプリキュアSPLASH STARのキュアブルームこと日向咲、キュアイーグレットこと美翔舞。

YES!プリキュア5GOGOのキュアドリームこと夢原のぞみ、キュアルージュこと夏木りん、キュアレモネードこと春日野うらら、キュアミントこと秋元こまち、キュアアクアこと水無月かれん、美々野くるみ。

フレッシュプリキュアのキュアピーチこと桃園ラブ、キュアベリーこと蒼乃美希、キュアパインこと山吹祈里、キュアパッションこと東せつな。

ハートキャッチプリキュアのキュアブロッサムこと花咲つぼみ、キュアマリンこと来海えりか、キュアサンシャインこと明堂院いつき、キュアムーンライトこと月影ゆり。

スイートプリキュアのキュアメロディこと北条響、キュアリズムこと南野奏、キュアビートこと黒川エレン、キュアミューズこと調辺アコ。

スマイルプリキュアのキュアハッピーこと星空みゆき、キュアサニーこと日野あかね、キュアピースこと黄瀬やよい、キュアマーチこと緑川なお、キュアビューティこと青木れいか。

ドキドキ!プリキュアことキュアハートこと相田マナ、キュアダイヤモンドこと菱川六花、キュアロゼッタこと四葉ありす、キュアソードこと剣崎真琴、キュアエースこと円亜久里。

ハピネスチャージプリキュアのキュアラブリーこと愛乃めぐみ、キュアプリンセスこと白雪ひめ、キュアハニーこと大森ゆうこ、キュアフォーチュンこと氷川いおな。

Go!プリンセスプリキュアのキュアフローラこと春野はるか、キュアマーメイドこと海藤みなみ、キュアトゥインクルこと天ノ川きらら、キュアスカーレットこと紅城トワ。

魔法つかいプリキュアのキュアミラクルこと朝比奈みらい、キュアマジカルこと十六夜リコ、キュアフェリーチェこと花海ことは。

キラキラ☆プリキュアアラモードのキュアホイップこと宇佐美いちか、キュアカスタードこと有栖川ひまり、キュアジェラートこと立神あおい、キュアマカロンこと琴爪ゆかり、キュアショコラこと剣城あきら、キュアパルフェことキラ星シエル。

そして、忘れてはならない幻の戦士キュアエコーこと坂上あゆみがいる。

彼女達もどんな困難も諦めずに恐ろしい敵に立ち向かってきた伝説の戦士である。

 

「全く!恋する乙女6人を置いてくなんて!帰ってきたらとっちめてやるっしゅ!」

「うんうん!異議なしナリ!」

 

えりかは頬を膨れながら言う。

咲も同意する。

 

「ふぇぇっ!?(////)」

「さ、咲さん!?えりかさん!?(////)」

「恋する乙女って何言ってるのよ!?(////)」

 

ほのか達は顔が赤くなり、リコは代表して文句を言う。

 

「やれやれ・・・散々からかわれてるわ・・・」

「あ、あははは・・・」

 

そんな光景を黒のショートヘアーの少女は呆れた表情で見て、もう1人の黒髪のポニーテールの少女は苦笑いしながら見る。

前者の少女の名前は新真理奈。

ベローネ学院中等部2年桃組の生徒で、科学者志望。

河童山でゼロ、ふたりはプリキュアMAX HEART、ハピネスチャージプリキュアと遭遇した時、ウルトラマンティガとなって共闘したが、ルルイエでの戦いで変身する力を失う。

後者の少女は新まのん。

今説明した真理奈の妹で、ベローネ学院中等部1年桃組。

剣崎真琴を憧れており、アイドルを目指す。

開拓島・ノルンでティガとなった真理奈を助ける為、パートナーであるクルルの力によってキュアエレメントに変身する。

 

「それにしても、せつな。結局時空の歪みの原因は分からないままなの?」

「えぇ。ウエスターとサウラーが全力で調べてるけど、まだ原因がつかめてないの。」

 

真理奈はせつなに時空の歪みの原因について聞いてみるが、まだ分からない状態だった。

 

(トランプ共和国から帰った後、ダニエルに相談するかね・・・)

 

真理奈は今後の事を考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロはゴルザを、初代ウルトラマンはガルラを、セブンはメルバを交戦する。

ゴルザは自分の体を球体状にして、ゼロに体当たりする。

 

「同じ手が通用するかよ!」

 

ゼロはゴルザの体が宙に浮いているタイミングを見計らって、頭上に蹴り飛ばす。

ゼロはゴルザの元へ飛び、ゴルザを追い越して、オーバーヘッドキックの要領で地上に叩き落す。

地上に叩き落されたゴルザはよろよろとよろめきながら立ち上がる。

ゼロは着地し、ゴルザの元へ走り出す。

ゴルザは超音波光線を発射するが、ゼロはゴルザの攻撃を躱し、頭部に跳び蹴りする。

ゴルザはゼロの攻撃に怯む。

初代ウルトラマンはガルラの尻尾攻撃を躱し、ガルラの腹部に跳び蹴りする。

ガルラは初代ウルトラマンの攻撃により、後退る。

ガルラは初代ウルトラマンに熱線を放つ。

初代ウルトラマンはガルラの熱線を躱し、八つ裂き光輪を放つ。

しかし、初代ウルトラマンの八つ裂き光輪はガルラの体が真っ二つになることなく、粉々になる。

初代ウルトラマンは続けてスぺシウム光線を放つ。

だが、ガルラは初代ウルトラマンのスぺシウム光線を受けても平然としている。

 

「この硬さ、Q星で戦ったキーラを上回るか・・!」

 

ガルラは初代ウルトラマンに尻尾で攻撃する。

初代ウルトラマンはガルラの尻尾を受け止め、その尻尾でガルラを叩き付ける。

それでも、ガルラ自身は平然としたままである。

セブンはメルバにエメリウム光線を放つ。

メルバはセブンの攻撃に対し、上空に飛んで躱す。

セブンはメルバの追い、飛翔する。

メルバは急旋回して、セブンに光線を放つ。

セブンはメルバの光線を躱し、アイスラッガーを手に持ち、構える。

メルバも腕の鋏を構える。

セブンとメルバはぶつかり合うが、メルバの腕が斬り落とされる。

セブンはメルバにアイスラッガーを投げる。

メルバはこのまま飛翔し続け、アイスラッガーを避ける。

 

セブン「逃がさん!」

 

セブンはウルトラ念力でアイスラッガーをコントロールし、メルバを追う。

メルバはセブンのアイスラッガーから逃げ続けるが、どんどん追い詰められ、ついにメルバの翼が切断され、そのまま地上に墜落する。

セブンも地上に降り立ち、メルバの方に振り向く。

メルバは覚束ない足取りで立ち上がる。

セブンはメルバにワイドショットを放つ。

メルバはセブンの光線を受け、爆散される。

ガルラは額から熱線を放つ。

初代ウルトラマンは八つ裂き光輪で熱線を防ぎ、そのままガルラに飛ばすが、ガルラのパンチによって砕け散る。

 

「ユーノ君!」

「うん。分かってる!」

 

ユーノはなのはの背後に回り、足元に緑の魔法陣を出す。

そして、なのははレイジングハートをガルラに向けた後、ピンクの魔法陣を出し、ブラスタービットを召喚する。

レイジングハートとブラスタービットの先端にピンクの光が収束し始める。

 

〈スターライトブレイカー!〉

「ユーノ君のブースト魔法を加えて、周囲の魔力を収束・・・」

 

レイジングハートとブラスタービットの先端のピンクの光が強く大きくなる。

 

「全力・・・全開!スターライト・・・ブレイカー!!」

 

なのははレイジングハートを頭上に挙げた後、ガルラに向けて振り下ろす。

すると、レイジングハートとブラスタービットの先端のピンクの光が某ロボットアニメの巨大砲のような光線を放つ。

ガルラはなのはの攻撃により、くの字のように吹き飛ばされる。

ガルラ自身はダメージがないものの、背中から倒れる。

初代ウルトラマンはなのはとユーノの方に振り向き、重々しく首を縦に振る。

 

「ウルトラマンさん!」

「今です!」

 

初代ウルトラマンはガルラの方に振り向く。

ガルラは立ち上がり、初代ウルトラマンを襲う。

初代ウルトラマンはガルラにウルトラアタック光線を放つ。

ガルラは初代ウルトラマンの光線を受け、動きが止まる。

初代ウルトラマンは腕を×の字にした後、ガルラが木っ端微塵になる。

 

「やったぁー!」

「よし!」

 

なのはとユーノは初代ウルトラマンの勝利に喜ぶ。

初代ウルトラマンはなのはとユーノに振り向き、人差し指と中指を立てた敬礼で応える。

なのはとユーノも初代ウルトラマンに応えるように敬礼する。

 

「あのガキどももやるな?こっちも負けてられねぇぜ!」

 

ゼロはなのはとユーノを見た後、すぐにゴルザの方に振り向き、走り出す。

ゴルザは超音波光線を発射する。

ゼロは光線を擦り抜け様に躱し、ゼロスラッガーをゼロツインソードに変形させる。

 

「俺のビッグバンは・・・もう、止められないぜ!」

 

ゼロは地面を蹴り、ゴルザに向かって飛翔する。

そしてゼロツインソードでゴルザを切り裂く。

よってゴルザは真っ二つに切り裂かれ、そのまま爆散される。

 

「へへっ!決まったぜ!」

 

ゼロはゴルザが爆散した所に振り向き、指を指して決める。

戦いを終えた後、ゼロと初代ウルトラマンとセブンは人間の姿に戻り、なのはとユーノの元に着く。

 

「ハヤタさん!会いたかったです!」

「なのはちゃん、久しぶりだな。ユーノ君も。」

「またお会いできてよかったです。」

 

なのははハヤタと対面した後、ハヤタに抱きつく。

ハヤタはなのはの頭を優しく撫でる。

ユーノはハヤタとの対面に喜びの表情を浮かべる。

その後、ハヤタはシンとダンになのはとユーノを紹介する。

そして、なのはとユーノがプリキュアの世界に来た経緯と、今のプリキュアの世界で起こった事象を説明した。

 

「じゃあ、僕達がいる場所はプリキュアっていう女の子達がいる世界に来て、その世界で次々と怪獣達が現れ、そして、今の僕達はミッドチルダに帰りたくても時空の歪みが原因で帰れなくなってしまったってことですね・・・?」

「あぁ。ゼロの力を持ってしても元の世界に戻れなくなったんだ。」

「どうしよう・・・私達の知ってる地球じゃなかったら、アリサちゃんやすずかちゃんが作ってくれた転送装置もないよ・・・」

 

ユーノとなのははシン達から状況を聞いて、大いに悩む。

今いる妖精の世界は真理奈の母、新真奈美が作った『ディメンジョンゲート』によって地球、曰く、人間の世界と繋がっているが、そこにはなのはとユーノが知る地球ではないし、海鳴市という町も存在しない。

しかも2人がいるのは別の地球なら時空管理局に連絡が取れないのも納得する他ないのだ。

 

「とりあえず、仲間のトコに行こうぜ。考えるのはそれからでいいだろ?」

 

シンはなのはとユーノにそう言う。

なのはとユーノはシンの言う通りにし、トランプ共和国へ向かうことになった。

尚、シンとハヤタとダンは予めシンが持っていた魔法の手紙の力で魔法の絨毯となり、それに乗って戻ることにした。

 

「ところでよ、お前らウルトラマンの事、知ってるみてぇだが、どこで会ったんだ?」

 

シンはなのはとユーノにハヤタと出会った経緯について聞いた。

 

「あ、はい。実は・・・」

 

なのははシンとダンにハヤタと、つまり初代ウルトラマンと会った経緯を説明する。




次回は回想シーンですが、宇宙人が出ます。


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初代ウルトラマンとの邂逅

長い回想ですが、ご拝見を。


バラージ王国にゴルザとメルバとガルラが現れ、なのはとユーノは窮地に追い込まれる。

その時、なのはとユーノのピンチから救ったのはゼロと初代ウルトラマンとセブンだった。

ゼロはゴルザを、初代ウルトラマンはガルラを、セブンはメルバを対峙する。

ゴルザとメルバとガルラを討伐した後、なのはとユーノとコンタクトする。

トランプ共和国に向かっている最中、シンとダンはなのはとユーノから初代ウルトラマンとの邂逅について聞いた。

 

~~~~~回想~~~~~

 

なのはとユーノがハヤタ、つまり初代ウルトラマンと邂逅したのはPT事件が解決してから1ヶ月経った頃、つまり、なのはとユーノが時空の歪みによって幼くなった時と同じ姿だった時の事である。

なのはがある少女との再会を信じて、ユーノによるコーチで魔法の練習をした時、謎の光に包まれ、何処かへ消えてしまった。

なのはが目を覚ました時はどことも知れない怪しい部屋だった。

 

「ここは・・・どこ・・・?」

 

なのはは周囲を見渡すが、誰もおらず、何かの装置のようなものがポツリと置いてあるだけだった。

この時になのははユーノがいないことに気付く。

 

「ユーノ君?ユーノ君、どこ?」

「ユーノ君の事は心配いらない。」

 

なのははどこからか声が聞こえ、もう一度周囲を見渡す。

すると装置の近くに黒くずんぐりとした体と耳の尖った悪魔のような顔をした何者かが現れた。

その正体は悪質宇宙人メフィラス星人である。

フジ・アキコ隊員の弟サトルに『地球人の心への挑戦』と称して地球を売り渡す要求を行なった宇宙人である。

要求を断られた挙句、初代ウルトラマンと戦うも、地球人の心に負け、退散される。

なの、このメフィラス星人はその時のメフィラス星人とは別人である。

 

「あっ!?」

「驚かしてすまなかったね?私はメフィラス星人フェレス。ここは私の円盤の中だ。ユーノ君はこことは別の部屋に居座ってもらってるよ。」

 

なのははレイジングハートの力でセットアップしようとするが、何の反応もなかった。

 

「私は暴力は嫌いでね。君のデバイスの機能を停止させてもらったよ。」

「そんな・・・」

 

なのははレイジングハートがフェレスによって機能を停止されたことを知ってショックを受ける。

なのははフェレスに対する警戒心を強くした。

 

「落ち着きたまえ。先も言ったように危害を加えるつもりはないのだ。ただ、君に話がしたいだけでね。」

 

フェレスはなのはを宥めた後、なのはにこの部屋に連れてきた理由を話す。

 

「私は数多くの宇宙に渡り、君達が住んでいる地球で次元を揺るがす程の事件が起きているのを知った。そして、君のお友達と共にその事件を解決したことも知った。その功績は称えるべきだろう。しかし、今の君は地球には存在しない力を持っている。そんな君を時空管理局が放っておくはずがない。場合によっては君のお友達のように犯罪者になってしまうだろう。」

 

フェレスの言う通り、なのはが持つ魔力は地球にはない力だ。何時までも地球にいさせるわけにはいかないだろう。

 

「そこでだ。私は君をそうならないように、地球とは別の世界で活動できるよう導こう。別の部屋にいるユーノ君も話しておく。」

 

なのははフェレスの言ったことに驚く。

フェレスが言うには地球から離れろと言っているのだ。

 

「どうだね?私と共に別の世界で数多くの事件を解決してみないかな?」

「そんなの嫌です!」

 

なのははフェレスの要求を拒否する。

 

「そうだろうね?君が生まれ育った星を見捨てるはずがない。しかし、これをご覧?」

 

フェレスはなのはが自分の要求を拒否することをお見通しだったのか、装置を操作し、周囲の空間を変える。

なのはが見たのは地球人が火星へと移り、新たな基地を建て、防衛チームの活動を行なっている光景、そして、広大な宇宙に進出し、資源の輸送や惑星開拓を行なっている光景である。

 

「宇宙は無限に広く、しかも素晴らしい。今見せた映像の他にも怪獣と一緒に暮らしている惑星もあり、地球と他の惑星と平和条約を結んだ惑星もある。君は魔導士だ。私と共に大宇宙に進出すれば、君の才能を人間の何倍、何百倍も引き延ばすこともできる。他の望みも思うがままだ。私にはそれを実現できるだけの力がある。どうだね?この星から離れて、全宇宙の救世主にならないかね?」

 

フェレスはなのはにそう言う。

 

「お断りします!」

 

なのははフェレスの申し出を断る。

フェレスは不機嫌の表情になりながら、元の空間に戻し、なのはに尋ねる。

 

「聞き分けのない子だね?何故私と共に宇宙に出ると言えんのだ?私と共に宇宙に出れば、望みさえすれば罪無き者たちを救えるのだぞ?さらに言えば罪を犯した馬鹿どもを裁き、平和な世界に成り立つこともできるのだぞ?それでも断るというのか?」

「私とユーノ君だけ地球から離れて強くなったって、誰よりも長生きしたって、全然嬉しくもありません!それに私は、私が住んでいる地球は大切なお友達が帰ってくるのを待ってるんです!その子を裏切るようなことなんてできません!それだけじゃありません!地球には私の友達がいるし、家族もいるんです!私がその人達から離れ離れになってから心配してくれました!そんな人たちを見捨てるなんて絶対に嫌です!」

 

なのははフェレスの申し出を断る理由を述べる。

 

「・・・ほざくな!」

 

フェレスは逆上し、なのはを一瞬に消し去った。

なのはは無重力空間の部屋に移動されている。

 

「なのは!」

 

なのはは近くに声が聞こえ、そちらに振り向くと、ユーノがいた。

そのユーノは人間の姿になっていた。

 

「ユーノ君!」

 

なのははユーノがいたことに喜びの表情に変わる。

その時、無重力空間の部屋の窓の向こうからフェレスの声が聞こえる。

 

「私を怒らせたな!?私はあらゆる手で欲しいものを手に入れてきた!見るがいい!」

 

フェレスは装置を操作し、なのはとユーノに映像を見せる。

なのはとユーノが見たのは何もない月の上である。

その月面に両手に鋏を持ち、セミのような顔をした宇宙人がいた。

その正体は宇宙忍者バルタン星人である。

分身能力や脱皮による復活等、忍者のような多彩な能力を持つ宇宙人である。

20億3000万の仲間と共に地球を侵略しようとした。

 

「なにあれ!?」

「あれも宇宙人なのか!?」

「彼はバルタン星人。何度か地球侵略を行なってきた宇宙人だ。私が命令するだけで地球を制圧することも可能だ。君が住んでいる地球は君の返事にかかっている。なのは君、今からでも遅くはない。隣にいるユーノ君と共に地球から離れ、殺戮や略奪を行なう愚か者どもを制裁すると言うんだ!」

 

フェレスはなのはに要求を申し続ける。

 

「いやです!私の大切な場所を離れるわけにはいきません!それに、仲間の宇宙人を利用して地球を侵略する、そんな脅迫をするあなたを許すことなんてできません!」

 

フェレスはなのはの返答に増々不機嫌になる。

その時、円盤内が揺れ始めた。

 

「ふぇっ!?」

「なに!?」

「な、何事だ!?」

 

フェレスは装置を操作し円盤の外の映像を流す。

なのはとユーノ、そしてフェレスが見たのはバルタン星人の前に怪光を放った赤い球体がゆっくりと下りていく所である。

そして、その赤い球体が眩しいぐらいの光を放つ。

すると、その光から初代ウルトラマンが現れた。

 

「な、なにぃっ!?ウルトラマン!?この宇宙に来ていたとは!?」

「ウルトラマン?」

 

なのはとユーノはフェレスの口から発した言葉に首を傾ける。

初代ウルトラマンはバルタン星人に対して身を構え、その直後に走り出す。

バルタン星人は忽ちのうちに分身を作る。

 

「フアッハッハッハッハッ!いくらウルトラマンと言えども、これだけの数では太刀打ちできまい!」

 

フェレスは今の戦況を見て、勝ち誇っている。

初代ウルトラマンは一体のバルタン星人に八つ裂き光輪を放ち、そのバルタン星人を爆散させる。

しかし、バルタン星人は数え切れないほど多く、しかも分身を繰り返している。

 

「頑張って!ウルトラマン!」

 

なのはは無数のバルタン星人を前に劣勢に追い詰められているように見える初代ウルトラマンに感情の迸るままに叫ぶ。

すると初代ウルトラマンはなのはの声が聞こえたのか、一層力が漲ったみたいに胸を張った。

バルタン星人は鋏から光弾を放つが、初代ウルトラマンはウルトラバリヤーで防ぐ。

接近してくる他のバルタン星人をチョップ、キックをお見舞いする。

その後、初代ウルトラマンはスぺシウム光線で周囲のバルタン星人を一人残らず全滅させる。

初代ウルトラマンがスぺシウム光線の発射を終えた時はもうバルタン星人はいなくなった。

 

「バ、バカな!?あれだけのバルタンを全滅させただと!?」

 

フェレスは今の光景に驚きを隠せなかった。

 

「す、すごい・・・」

「あれだけの数を・・・」

 

なのはとユーノも開いた口が塞がらなかった。

 

「メフィラス星人フェレス。これ以上の申し出は無意味だ。お前は負けたのだ。彼女の強い心に。」

 

初代ウルトラマンはフェレスにそう言う。

フェレスはしばらく沈黙し、無重力空間の部屋にいるなのはの方に振り向く。

なのはの目は誰にも屈することない眼差しをしていた。

フェレスは初代ウルトラマンへの映像の方に振り向く。

 

「フフフ、どうやらそのようだね。地球人以上の力を見せても彼女は断固拒否し続けました。なのは君が何故、次元を揺るがす程の事件を解決できたのか、たった今、それが分かった気がする。2人を元の場所に戻そう。」

 

なのはとユーノはフェレスの言葉を聞いて、喜びの表情に変わる。

 

「なのは君。ユーノ君。一つだけ忠告します。君達が住んでいる地球に大いなる闇が潜んでいます。その闇は滅亡は決して避けられぬ運命。ですが、君達のその諦めない精神が運命を覆すことができるかどうか、宇宙の果てから見守らせてもらうよ・・・さらばだ。」

 

フェレスは装置を操作する。

すると無重力空間の部屋にいたなのはとユーノが消え去った。

なのはとユーノが目を開いた時は、元居た公園だった。

ユーノの姿はフェレットになっていた。

 

「私達、助かったの?」

「そうみたいだね・・・」

 

なのはとユーノは互いに見つめ合う。

 

「二人とも、よく頑張ったな。」

 

なのはとユーノは声がした方に振り向く。

そこにはハヤタ・シンがいた。

 

「あなたは?」

 

なのははハヤタに尋ねる。

 

「ウルトラマン。地球での名はハヤタだ。」

 

その後、なのはとユーノはハヤタの地球での活動と、M78星雲・光の国について聞き、しばらく経った後、ハヤタは地球から離れようとしていた。

 

「ハヤタさん。もう行っちゃうんですか?」

「我々、ウルトラ一族の使命は宇宙のバランスを保つことだ。どこかでバランスが崩れれば、この地球も影響を及ぼす。」

 

なのはとユーノはハヤタとの別れに落ち込む。

 

「心配することはない。そばにいなくても、姿が見えなくても、私達は繋がっている。」

 

ハヤタはポケットから赤い石を出し、なのはに渡す。

なのはとユーノはその石を眺める。

 

「これは?」

「ウルトラの星だ。私と君達の絆の証だよ。」

 

ハヤタはなのはに渡した赤い石をウルトラの星だと教える。

 

「また会おう。なのはちゃん。ユーノ君。」

 

ハヤタはベーターカプセルを頭上に掲げボタンを押す。

よってハヤタは初代ウルトラマンに変身し、宇宙の彼方へと去って行った。

 

「ウルトラマーン!さようならー!」

 

なのはは宇宙の彼方へ去った初代ウルトラマンに別れの言葉を言う。

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

なのはとユーノはシンとダンに初代ウルトラマン基いハヤタとの出会いを語った。

 

「そんなことがあったのか・・・」

「よく信念を曲げなかったな。よく頑張ったぞ。」

「あ、いえ・・・」

 

なのははダンに褒められ、照れる。

 

〈マスター。20km先に時空エネルギーを感知しました。〉

「えっ!?もしかしてさっきのような時空の歪みが!?」

「とにかく行ってみようぜ。」

 

シン達はトランプ共和国へ直行する。




次回はなのはシリーズの2つの作品のあの4人が出ます。


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二つの力を一つに

今回はあの4人だけでなく、あのウルトラマンも登場します。


なのはとユーノとハヤタとの出会い、それはPT事件解決後、メフィラス星人フェレスの対面がきっかけだった。

フェレスはなのはとユーノを地球から離れ、フェレスと共に宇宙へ出ようと誘う。

なのははフェレスの誘いを断り、その直後、月面で待機させたバルタン星人の前に初代ウルトラマンが現れる。

初代ウルトラマンは単身、バルタン星人を薙ぎ倒し、フェレスに説得する。

フェレスはなのはの心に負け、なのはとユーノを地球に帰した。

その地球でハヤタと出会う。

これがなのはとユーノが語った邂逅である。

なのはとユーノが初代ウルトラマンとのファーストコンタクトを話した頃、トランプ共和国郊外で時空の歪みが生じている。

規模は小さいが、2ヵ所捻じれ始めた。

その2ヵ所の捻じれから緑と赤のオッドアイをした金髪の少女と、青と紺のオッドアイをした碧銀のツインテールの少女と、1本のアホ毛が伸びている茶髪のショートヘアーの少年と、白の衣服に青のスカートを着ているロングヘアーの少女、それからペンダントのような物体が現れた。

まず一番最初の少女は高町ヴィヴィオ。

ジェイル・スカリエッティの手で生まれた先代の聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンである。

JS事件解決後、なのはの養子として迎えられた。

次なる少女はアインハルト・ストラトス。

シュトゥラ王国の国王である覇王イングヴァルトの末裔でDSAA格闘競技・U15のチャンピオンである。

先祖の想いに縛られていたが、ヴィヴィオとの模擬戦で吹っ切れた。

そして、次の少年はトーマ・アヴェニール。

ヴァイゼンの鉱山町の事件により、天涯孤独になった少年である。

ECウイルスによりエクリプスドライバーとなる。

続いての少女はリリィ・シュトロゼック。

ルヴェラ鉱山遺跡の研究施設で実験台にされた生命体型リアクトプラグである。

トーマと初めて会った時は言葉を発することができなかったが、トーマを助ける際に言葉を発することができるようになった。

最後はスティード。

旅のサポートを担っていたトーマのインテリジェントデバイスである。

人格型AIの中で自律性が高く、撮影と観測ができる。

 

「うぅ・・・アインハルトさん、大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です。」

〈トーマ、リリィ。大丈夫ですか?〉

「あ、あぁ。」

「大丈夫。」

 

ヴィヴィオはアインハルトを、スティードはトーマとリリィを心配する。

アインハルトとリリィは大丈夫だと告げる。

宙に浮いているウサギのぬいぐるみやアインハルトの肩に乗っている子猫もヴィヴィオとアインハルトの事を心配しているが、ヴィヴィオ達は大丈夫だと告げる。

ただし、そのぬいぐるみと子猫は、玩具でも生き物でもなく、元々はデバイスである。

ウサギのぬいぐるみのようなデバイスはクリスことセイクリッドハート。

子猫のようなデバイスはティオことアスティオンである。

その時、ヴィヴィオとアインハルトはトーマとリリィが、トーマとリリィがヴィヴィオとアインハルトがいることに気付く。

 

「あっ!トーマ!リリィ!」

「ヴィヴィオ!アインハルト!」

 

ヴィヴィオとアインハルトはトーマとリリィの元に駆け付ける。

 

「2人とも、どうしてここに!?」

「こっちが聞きたいよ~!」

 

ヴィヴィオ達とトーマ達が突然現れたことに戸惑いを隠せなかった。

 

「確か、私とヴィヴィオさんは来年のインターミドルに備えて、ナカジマジムから帰る途中・・・」

「そしたら、いきなり目の前がぐにゃぐにゃして、いつの間にかここに・・・」

 

ヴィヴィオとアインハルトはプリキュアの世界に来るまでの経緯を話す。

 

「俺もリリィと一緒に別の管理世界に旅をして・・・」

「もうすぐ町に着くと思ったら、急に目の前が歪んで・・・」

 

トーマとリリィもプリキュアの世界に来るまでの経緯を話す。

 

「あ~ん!やっぱり、さっぱり分かんな~い!」

 

ヴィヴィオは混乱する。

その時、トーマとリリィの目の前に突然、黒い本が現れる。

黒い本の正体は銀十字の書。

リアクターであるシュトロゼックとセットになっているストレージデバイスである。

古代ベルカの魔導書をベースに作られており、誓約者の守護と敵性対象を排除するための武器管制システムを司っている。

 

「おわっ!?銀十字!?」

「どうしたの?」

〈付近に巨大生物の接近を確認。〉

 

銀十字の書がそう告げると、近くの海に巨大な影が現れる。

海が水しぶきをあげた直後、鋭利な爪と角と棘が先端の瘤に生えた尻尾を備えた怪獣が現れた。

その怪獣の名が宇宙凶険怪獣ケルビム。

日本海に潜伏した別個体が産み落とした卵から生まれた宇宙怪獣である。

遠距離では火球、中距離では尻尾攻撃、近距離では爪と角による攻撃でメビウスを苦しめる。

 

「えぇ~っ!?」

「でかっ!?」

 

ヴィヴィオ達はケルビムの登場に驚く。

ケルビムはヴィヴィオ達に向けて弾道エクスクルーシブスピットを放つ。

 

「キャアァァァァァァッ!!!!」

「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

ヴィヴィオ達はケルビムの攻撃により爆風で飛ばされる。

 

「セ、セイクリッドハート!セットアップ!」

「アスティオン!セットアップ!」

「リアクト!」

「オン!」

 

4人はケルビムの攻撃で吹き飛ばされながらも、それぞれのデバイスで変身する。

ヴィヴィオの体型が大人になり、私服も白と紺を基調としたジャケットへと変わる。

アインハルトもヴィヴィオのように体型が大人になり、薄い緑を基調としたジャケットを纏う。

リリィは私服から白を基調とした女性魔導士のような衣装へと変わり、トーマは全身がタトゥーだらけになり、黒い鎧のようなジャケットを纏う。

リリィはトーマと寄せ合うと、トーマの中に入っていった。

3人は見事に着地し、ケルビムの方に見る。

 

「大丈夫か、みんな!?」

「うん、平気!」

「大丈夫です!」

『!来るよ!』

 

ケルビムはトーマ達に尻尾で攻撃する。

トーマ達はケルビムの攻撃に対し、回避する。

 

「ソニックシューター!」

〈シルバースターズ、ハンドレッドミリオン〉

 

ヴィヴィオは虹色の魔力弾を発射し、トーマは銀十字の書の無数のページからエネルギー弾を発射する。

2人の攻撃がケルビムに命中し、怯ませる。

ケルビムは尻尾でアインハルトに攻撃する。

 

「覇王空破断!」

 

アインハルトはケルビムの尻尾に拳で弾き飛ばす。

ケルビムはその時の衝撃で自身の尻尾がケルビムを巻き付いてしまう。

ケルビムはそれによって身動きが取れなくなった。

 

「ナイスです!アインハルトさん!」

「ありがとうございます。」

「よし、このままいくぞ!」

 

トーマ達は勢いをつける。

ケルビムは自身の尻尾に巻き付かれながらも弾道エクスクルーシブスピットを放つ。

アインハルトはケルビムの火球を受け止める。

 

「覇王流・・・旋衝破!」

 

そして、アインハルトは受け止めた火球をそのままケルビムに投げ返す。

火球はケルビムの口に命中する。

ケルビムはそのまま倒れる。

 

「トーマ!」

「あぁ!」

 

ヴィヴィオは虹色の光を集約し、トーマは銃と剣が一つになった武器を構える。

 

「ディバインバスター!」

「シルバーハンマー!」

 

ヴィヴィオは虹色の魔力砲を放ち、トーマはエネルギー砲を放つ。

2人の攻撃がケルビムに命中し、ケルビムは爆散される。

 

「よし!」

『やった!』

 

トーマ達はケルビムを倒して勝利を収め、グッとガッツポーズをとる。

 

「でも、この世界はあのような生き物がいたなんて・・・」

「キャロさんのヴォルテールより大きかったよ・・・」

〈4時の方向に空間の乱れを感知。〉

 

ヴィヴィオ達は銀十字の書の知らせに驚く。

ヴィヴィオ達は銀十字の書が言った方向に振り向く。

そこには巨大な時空の歪みが発生していた。

その歪みから王冠のような角と巨大な鎌状の腕を持つ怪獣が現れた。

その怪獣の名は宇宙戦闘獣コッヴ。

根源的破滅招来体が地球に送り込んだ宇宙怪獣である。

ワームホールで池袋に降り立ち、大暴れしていた。

 

「えぇぇぇぇぇっ!!?」

「また怪獣が!?」

「今の歪みから出てきたという事は!?」

『さっきの怪獣も!?』

 

ヴィヴィオ達はコッヴの登場に驚く。

コッヴは頭部から光弾を発射する。

 

「下がって!」

 

トーマはヴィヴィオとアインハルトを下げらせ、銀十字の書のページで盾を作る。

よってコッヴの光弾はトーマの防御によって防がれる。

しかし、コッヴは攻撃を止める様子はなかった。

その時、ヴィヴィオ達の背後に空間の歪みが発生した。

 

〈後方より空間の乱れを感知。〉

「!?」

 

トーマはコッヴの攻撃を防ぎながら、ヴィヴィオとアインハルトは銀十字の書に言われて後ろに振り向く。

空間の歪みから山羊のような角をした怪獣が現れた。

その怪獣の名は宇宙雷獣パズズ。

コッヴ同様、根源的破滅招来体に送り込まれた宇宙怪獣である。

体から放つ電波で地球上の機械を狂わせたことがある。

 

「また怪獣が!?」

「そんな!?」

 

ヴィヴィオ達はパズズの登場に驚く。

パズズは角から電撃を発射する。

ヴィヴィオ達はパズズの攻撃に怯み、トーマの守りが薄くなってしまい、ついにコッヴの攻撃が炸裂される。

よってトーマはリリィとのリアクトが解除され、リリィは気絶してしまう。

 

「リリィ!?」

 

トーマはリリィを抱きかかえて呼びかけるが、目が覚める様子がなかった。

 

「アインハルトさん!大丈夫ですか!?」

「え、えぇ・・・グッ!?」

「アインハルトさん!?」

 

アインハルトは足を押さえながら痛がる。

ヴィヴィオはそんなアインハルトを見て、コッヴとパズズの同時攻撃を受けた時に捻挫したのだと気付いた。

トーマもアインハルト程、怪我はしてないが、ダメージは相当なものである。

コッヴはヴィヴィオ達に鎌を振りかぶる。

ヴィヴィオは即座に魔法陣でコッヴの鎌を防ぐ。

 

「ヴィヴィオ!?」

「無茶です!」

 

トーマとアインハルトはヴィヴィオの行動を止めようとするが、ヴィヴィオは気にする余裕もなく、守り続けている。

 

(昔の私はママを殺そうとしてた・・・でも、今の私は違う。私の拳は大切な人を守るための拳!だから、誰にも死なせはしない!)

 

ヴィヴィオは聖王のゆりかごでの戦いを思い出し、自分自身の決心を告げる。

パズズはヴィヴィオ達の背後から踏み潰そうとした。

その時、ヴィヴィオの周囲の時間が止まる。

 

「え?」

 

ヴィヴィオは今の状況に困惑する。

その瞬間、ヴィヴィオの前に光のリングが現れる。

 

「うわっ!?な、なになに!?」

 

ヴィヴィオは突然の事に動揺を隠せなかった。

 

 

 

 

 

光のリングがヴィヴィオの前に現れたと同時に、ハヤタの変身アイテムであるベーターカプセルが光り出す。

 

「!これは!?」

「ベーターカプセルが!?」

 

ハヤタのベーターカプセルから光の球が現れ、流星のごとく飛んでいった。

その現象が起きたのはハヤタのベーターカプセルだけではなかった。

トランプ共和国にいる真理奈の方も、石のままになったスパークレンスから光の球が現れ、城外から飛んでいく。

 

「お姉ちゃん、今のは!?」

「知らないよ!こんなの初めてだったのよ!」

 

真理奈はまのんにそう言いながら、バルコニーに顔を出す。

尚、とっくに見えなくなってしまったが・・・

 

 

 

 

 

その光はヴィヴィオがいた場所に向かっていった。

ヴィヴィオはその光に気付き、両腕で顔を覆う。

2つの光の球が光のリングに入り、光が強くなってヴィヴィオを包み込む。

その現象で周囲の時間が再び動き出し、それと同時にコッヴとパズズが吹き飛ばされる。

トーマとアインハルトは突然の光に顔を隠す。

光が治まって、二人は顔を隠した手を下ろす。

そして、二人が見上げると、初代ウルトラマンとウルトラマンティガが混ぜたような姿をしたウルトラマンを目視する。

その名はウルトラマンオーブ。

惑星O-50の出身であるクレナイ・ガイが変身するウルトラ戦士である。

オーブリングで2人のウルトラマンをフュージョンアップさせることで変身できる。

今のオーブの姿はスぺシウムゼぺリオンと呼ばれる形態で、初代ウルトラマンとティガの力をフュージョンアップさせることで、その姿になる。

 

「巨人!?」

「もしかして、ヴィヴィオさん!?」

 

トーマ達はオーブの登場に驚くが、アインハルトはオーブを見て、ヴィヴィオだと気付く。

驚いているのはヴィヴィオも同じである。

 

「え、えぇっ!?ど、どういうこと!?」

 

ヴィヴィオは何が何だかさっぱり分からない状態である。

コッヴとパズズはオーブを挟み撃ちするように襲い掛かる。




次回はゼロも参戦します。


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VSコッヴ&パズズ

このウルトラリリカルキュアファイトのオーブはオリジナル設定でヴィヴィオの技も加えられております。


トランプ共和国郊外で時空の歪みが発生し、その歪みから高町ヴィヴィオ、アインハルト・ストラトス、トーマ・アヴェニール、リリィ・シュトロゼックが現れる。

その直後、ヴィヴィオ達の前にケルビムが出現。

ヴィヴィオとアインハルトはバリアジャケットにセットアップし、トーマとリリィは戦闘防護服を装備してリアクトし、宇宙凶険怪獣ケルビムと対峙し、勝利する。

しかし、その束の間、宇宙戦闘獣コッヴと宇宙雷獣パズズが現れる。

コッヴとパズズに追い詰められて、絶体絶命の危機に遭うヴィヴィオ達。

そんな時、ヴィヴィオの前に光のリングが現れ、そのリングの力でヴィヴィオがウルトラマンオーブへと変わった。

コッヴとパズズはオーブを挟み撃ちにするように襲い掛かる。

コッヴは腕の鎌で斬りかかる。

オーブはこれを避けるが、パズズの突進により吹き飛ばされる。

 

「キャアッ!」

 

オーブはパズズの攻撃により、倒れる。

コッヴは頭部から光弾を、パズズは角から電撃を放つ。

 

「ヴィヴィオ!」

「ヴィヴィオさん!」

 

オーブはトーマとアインハルトの声を聞いて、コッヴとパズズの攻撃を後転で躱して起き上がる。

 

「負けられない!大好きな人達を守りたいんだ!」

 

パズズはオーブに電撃を放つ。

オーブはパズズの攻撃を躱し、回し蹴りでパズズの顔を蹴り飛ばす。

パズズはオーブの攻撃で怯む。

コッヴは腕の鎌でオーブを攻撃するが、オーブは悉く躱し、コッヴの腹に10発パンチを喰らわせる。

コッヴは負けずに再び鎌で攻撃する。

オーブは蹴りでコッヴの鎌攻撃を躱し、最後にコッヴの腹に蹴りを入れる。

コッヴはオーブの攻撃に怯みながらも、頭部の光弾で反撃する。

オーブはスペリオンシールドでコッヴの光弾を跳ね返す。

よってその光弾はコッヴ自身に受けられる。

パズズは角から電撃を放つ。

オーブは電撃を避け、オーブ水流をパズズに浴びせる。

すると、パズズの体に電流が走り、痺れ出した。

 

「凄い。まるで自分の技を知ってるみたいに・・・」

 

オーブは自分の手を見ながら、今までの戦いぶりに壮快する。

コッヴはオーブの背後を取り、鎌を振り被る。

 

(この姿なら、出来るかな?)

 

コッヴはオーブに鎌を振り下ろす。

 

「アクセル・・・スマッシュ!」

 

オーブはコッヴの攻撃に対し、振り向け様でヴィヴィオお馴染みの格闘技で受け止めた。

コッヴの腕の鎌は弾かれ、オーブはその隙を突いて懐に入り、コッヴの腹に連続パンチを繰り出し、最後に蹴り飛ばした。

コッヴはそのまま倒れる。

 

「イケる!」

 

ヴィヴィオは得意のストライクアーツがオーブの姿でも使えることに喜ぶ。

パズズはようやく痺れが治り、オーブを襲い掛かろうとする。

その時・・・

 

「うぉおぉぉぉぉらぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

上空からゼロがウルトラゼロキックでパズズを蹴り飛ばした。

そして、ゼロは着地する。

 

「な、なんだ!?」

「巨人がもう一人!?」

 

トーマとアインハルトはゼロの登場に驚く。

それはヴィヴィオが変身したオーブも同じである。

 

「えぇっ!?誰!?」

「ん?見たことないウルトラマンがいるな?初めて見るタイプだぜ。」

 

ゼロはオーブを見て物珍しそうな事を言う。

 

「もう・・・いきなり飛び出さないでよ~・・・」

 

ゼロの前になのはが駆けつけてフゥっと溜息を吐く。

オーブとなったヴィヴィオとトーマとアインハルトは幼くなったなのはを見て驚く。

 

「えぇ~~~~~っ!!?」

「え、えぇっ!?なのはさん!?」

「ど、どうしてそんなに小っちゃく・・・!?」

「あーっ!トーマ!リリィ!アインハルトちゃん!それと・・・ゼロ、あのウルトラマンは?」

 

なのははトーマとリリィとアインハルトを見つけ、驚くものの、オーブがヴィヴィオであることを知らないなのははゼロにオーブの事を聞く。

 

「話は後だ。まずはこいつらからだ!行くぜ、そこのウルトラマン!」

「(ウルトラマン・・・?今なってる巨人さんの事かな?)う、うん。分かった!」

 

ゼロとオーブはコッヴとパズズに対して身を構える。

コッヴとパズズはゼロとオーブを襲い掛かる。

ゼロはパズズを、オーブはコッヴを相手にする。

パズズは電撃を放つが、ゼロはパズズの電撃を避け、腹に一蹴りし、ゼロスラッガーでパズズの角を斬り落とす。

パズズは角を失われたが、それでもめげずに尻尾で攻撃する。

 

「おぉっとぉっ!」

 

ゼロはパズズの尻尾を受け止め、そのまま振り回す。

オーブはコッヴの鎌攻撃を躱し、カウンターヒッターで反撃する。

コッヴはオーブの攻撃に怯むが、即座に頭部の光弾を放つ。

オーブはコッヴの攻撃に対し、ジャンプで躱して、コッヴの尻尾を掴み、振り回す。

オーブはそのままコッヴを放り投げる。

コッヴは地面に叩きつけられる。

ゼロもパズズを放り投げる。

パズズは地面に叩きつけられ、立ち上がったコッヴはパズズに躓いて倒れる。

 

「そろそろ決めるとすっか!」

 

ゼロはパズズにワイドゼロショットを放つ。

パズズはゼロの光線によって爆散される。

コッヴはオーブに頭部から光弾を放つ。

オーブは腕で光弾を次々と防ぐ。

 

「よーし!私も!」

 

オーブもコッヴの光弾を全て防いだ後、スペリオン光線を放つ。

オーブのスペリオン光線を受けたコッヴは爆散される。

 

「やった!」

 

なのははゼロとオーブがコッヴとパズズを倒した所を見て喜ぶ。

 

「なのは!」

「ユーノ君!」

 

なのはの元にユーノとハヤタとダンが駆けつけてきた。

オーブとアインハルトとトーマはユーノがなのは同様体が小さくなってるのを気付き、驚く。

 

「えぇっ!?ユーノ司書長まで!?」

「これってどういう!?」

「も、もう追いつけない・・・!」

「とりあえずお前、そろそろ元に戻ろうぜ。」

 

ゼロはオーブにそう言う。

ゼロは腕をクロスして、体全体を光に包まれるとシンの姿に戻る。

 

「人になった!てことは私も?」

 

オーブはゼロを真似して、そのままヴィヴィオの姿に戻る。

 

「ふぇっ!?」

「ヴィヴィオ!?」

「よかった~。あのままだったらどうしようかと思った~。」

 

なのはとユーノはオーブがヴィヴィオだったことを知り、驚く。

特になのはは・・・

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」

 

驚きを隠せなかった。

 

「ど、ど、ど、どうしてヴィヴィオが!えっと、その・・・ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」

「いや、落ち着けよ・・・」

 

シンはなのはのリアクションにツッコむ。

その後、ヴィヴィオ達はオーブの事を含めて、プリキュアの世界に来た事情を説明する。

そして、なのはとユーノもプリキュアの世界に来た経緯を話す。

 

「そうだったんだ・・・」

「それにしても、しばらく見ない間大きくなって・・・」

「えぇ!?まだ中等科2年だよ!?」

(ユーノから聞いたが、時空の歪みで小っちゃくなったとは言え、とても親子には見えねぇな・・・)

 

シンはなのはとヴィヴィオが親子だと知るが、今の2人を見ると親子には見えなかった。

 

「俺達が飛ばされた世界は管理外世界の地球とは違う地球で、そこに繋がっている妖精の世界。」

「しかもこの妖精の世界と地球にはプリキュアという女の子が守っているのですね。」

「あぁ。我々ウルトラマンもここに飛ばされたんだ。」

「とりあえず王宮に向かおう。皆が待ってる。」

 

シン達はトランプ共和国の王宮に向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃、場所が変わり、北欧のツンドラ森林地帯ツングースカにスパイクの付いた尻尾を持ち、鉱物のような体をした怪獣とシュモクザメのような外観をした怪獣が取っ組み合っていた。

前者の怪獣は溶岩怪獣グランゴン。

龍厳岳の火山活動によって出現した怪獣である。

一度防衛チームDASHによって倒されたが、龍厳岳の溶岩によって再生された。

後者の怪獣は冷凍怪獣ラゴラス。

伊豆半島沖から出現して、グランゴンと対峙した怪獣である。

グランゴンとの共闘でウルトラマンマックスと戦ったことがある。

その様子を10機の黒いガッツウイングの中で乗組員が伺っていた。

 

「イリス・レイブラッド女史。2体の怪獣が確認されました。」

 

10機の内先頭の1機のパイロットは後部座席にいるピンクのリボンで纏めたピンクの髪型をした白衣の少女、イリス・レイブラッドに報告する。

 

「あの2体から離れた場所に降ろして。実験や捕獲にはちょうどいいわ。」

 

パイロットはイリスの指示でグランゴンとラゴラスが対峙している地点から離れた場所に降下する。

黒いガッツウイングが着地した後、イリスはコックピットから降り、白衣のポケットから3つの画面が付いているリモコンのような青と白のカラーリングをした機械を取り出し、グランゴンとラゴラスに向ける。

すると、その機会から金色の光が現れ、その光から腹部の無数の牙が出て、背中に隙間がある翼を持ち、3つの目をした怪獣が現れた。

その怪獣の名は最強合体獣キングオブモンス。

ウルトラマンが空想の産物と扱われていた世界に現れた怪獣である。

ウルトラマンガイアでも苦戦させた強力な怪獣である。

グランゴンとラゴラスはキングオブモンスが現れたことに気付き、ラゴラスはキングオブモンスに突撃する。

キングオブモンスはそんなラゴラスに対し、尻尾で薙ぎ払う。

グランゴンもキングオブモンスに攻撃を仕掛けるも、キングオブモンスに踏み潰された挙句、蹴り飛ばされてしまう。

グランゴンは火炎弾を放ち、ラゴラスは冷凍光線を放つ。

しかし、キングオブモンスはボーンウイングでボーンシールドを展開し、グランゴンとラゴラスの攻撃を防ぐ。

その後、キングオブモンスはクレメイトビームを一直線に放射する。

すると、グランゴンとラゴラスに向かって火柱が次々と発声し、終いにはその火柱がグランゴンとラゴラスまでもが巻き込まれる。

グランゴンとラゴラスはキングオブモンスの攻撃によって倒れる。

イリスはそれを確認した後、キングオブモンスを金色の光と化し、機械の中に入れる。

 

「怪獣の召喚、その怪獣の操作・・・ま、結果は悪くないわね。あなた達、あの2体を捕獲しなさい。」

 

上空で待機している黒いガッツウイングの内2機から金色の光を放ち、その光がグランゴンとラゴラスを包み込み、2つの金色の光となって、そのまま2機の黒いガッツウイングに入っていく。

 

「イリス女史、いかがですか?バトルナイザーの出来は?」

「悪くないわ。自分が作った物にしては上出来よ。」

 

イリスは地上にいた黒いガッツウイングのパイロットにそう言う。

彼女が使っていた機械はバトルナイザーと呼んでいる。

バトルナイザーはレイブラッド星人の遺伝子を持つレイオニクスが怪獣を操るために使っているアイテムである。

レイオニクスはその怪獣でレイブラッド星人の後継者になるためにレイオニクスバトルを繰り広げた。

 

「ここはもう用はないわ。引き上げるわよ。」

 

イリスは黒いガッツウイングに戻ってツングースカを後にする。




次回はようやく、なのは達がプリキュア達と対面します。
あと忘れてましたが、なのは達は無印・A’sの姿ですが、ヴィヴィオ達はFORTHの容姿と変わってません。


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プリキュアとの邂逅

サブタイトルにそう打ってますが、一人も変身していません。
早くプリキュアの活躍が見れるようにしたいと思ってます。


宇宙戦闘獣コッヴと宇宙雷獣パズズに追い詰められるヴィヴィオ達。

その時、ヴィヴィオが光に包まれ、ウルトラマンオーブとなり、コッヴとパズズと相手をする。

その最中、ゼロが乱入し、オーブと共にコッヴとパズズを倒した。

後になのは達と合流し、トランプ共和国へと向かう。

トランプ共和国に到着した後、シン達はハヤタとダンと一旦分かれ、プリキュアがいる宮殿に向かう。

ちなみになのは達はトランプ共和国に来る前、すでに変身を解いたので悪しからず。

アインハルトの足の捻挫はシンのウルティメイトブレスレットの力ですでに治っていた。

 

「なんだか魔法の国って感じだね~。」

「人の手がいらない動くモップってミッドチルダでも見ないよ・・・」

 

ヴィヴィオ達はトランプ共和国の生活を見てそれぞれの感想を言う。

 

「どんな技術を使ってあのように動くのでしょう?」

「俺もそれ思った。」

「思ってたんだ・・・」

 

なのはとユーノはシンが言ったことに苦笑いする。

 

「あっ!シン兄さん!」

「シンさん!」

 

シンの前に真理奈とまのんがやって来た。

 

「いきなりウルトラマンになってどこかに行ったからびっくりしましたよ。」

「悪ぃ。バラージ王国で時空の歪みが出てきてよ。こいつらを連れてきたんだ。」

 

シンは真理奈とまのんに後ろにいるなのは達を親指で指す。

 

「なに?バラージ王国の生き残りなの?」

「いや、こいつらは別の世界から来たんだ。」

「えーっ!?」

「マジ!?」

 

シンは真理奈とまのんになのは達の事情を伝えた。

 

「なるほどね・・・」

「シンさんと同じように時空の歪みでこの世界に・・・」

 

真理奈とまのんはシンからなのは達がプリキュアの世界に来た経緯を聞いて、納得する。

 

「とりあえず、ひかりちゃんや真琴さんの所へ行きましょうか。」

「えぇ。そこの女の子を寝かせとかなきゃだし。ほのかや真琴達がシン兄さんがいきなりいなくなって焦ってるわけだしね。」

 

真理奈達はなのは達をなぎさ達の元へ連れて行こうとするが、真理奈のポケットから着信音が鳴り出す。

真理奈はポケットからiPhoneを出し、連絡先を確認する。

 

「キャスからか。まのん、先に行ってて。」

 

真理奈はまのんに一足先になのは達を連れて行くように言った後、この場から去って行く。

 

「どうしたんだろ?」

「電話くらいで別に人前に気にすることじゃないと思うけど・・・」

 

なのはとユーノは真理奈の行動に変に思う。

 

「あ~、いつもの事です・・・とりあえず、皆の所へ行きましょう。」

 

まのんはシンとなのは達をプリキュア達がいる所に連れて行く。

 

 

 

 

 

その頃・・・

 

「あーっ!もう!一体どこで道草食ってんのよ!シンさんったら!」

 

えりかはシンがまだ帰ってこないことにイライラしている。

 

「仕方ありませんよ。闇の支配者は倒しましたけど、怪獣被害が治まったわけじゃありませんから。」

「ていうか、なんでえりかがイラついてんの?」

 

つぼみは帰ってきてないシンに代わり代弁し、あおいはえりかがイライラしている理由を聞く。

 

「なんとなく!」

「もう、えりか・・・」

 

変顔で胸を張って言うえりかをつぼみが呆れる。

 

「胸張って言えることじゃないでしょ・・・」

 

茶髪のロングヘアーの少女もそんなえりかを見て呆れる。

彼女は前に紹介した皆と同じ、プリキュアである。

彼女はキュアイージスことマヤ。

彼女はジコチュー襲撃に遭われたトランプ王国の生き残りである。

ユグドラシルと手を組み、消えていったマリー・アンジュ王女を蘇らせるため、プリカードを集めるべく、キュアイージスとして活動していた。

しかし、マリー・アンジュ王女が蘇った後、改心してプリキュアオールスターズと共に戦うことを決心した。

 

「クルル、リュイル。シン達はまだ戻ってこないポポ?」

 

ポルンはそれぞれ額の宝石を付いた緑の体のカーバンクルと黄色い体のカーバンクルに聞いてみる。

まず、緑の体をしたカーバンクルはクルルと呼んでいる。

クルルはまのんのパートナーであり、まのんが変身するキュアエレメントをサポートしている。

過去に真理奈に治療されたことがきっかけで真理奈の家に暮らしている。

そして、黄色い体のカーバンクルがリュイルである。

元々は1万年前に活躍していた先代のキュアエレメントことユザレのパートナーだったが、闇の支配者の力によって超古代変身怪獣イビロンとなったカーバンクルである。

現代で新たなキュアエレメントによって闇の支配者の呪縛から解き放たれた。

 

「キュッ!」

『大丈夫だ。すでに戻ってきてる。彼の父親とその親友はここに戻った後、他の場所へ行ったが、問題はない。』

 

リュイルはテレパシーでシン達の事を教える。

 

『ただ、他にも客がいるようだ。』

「お客さんポポ?」

『あぁ。しかも、この世界の住人じゃない。』

 

リュイルは視線をポルンとは違う所に向く。

その先にはシン、まのん、なのは、ユーノ、ヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィがいた。

 

「あーっ!帰ってきた!」

 

マナはシンが入ってきたことに気付き、声を上げる。

 

「ただいま。」

「ただいまじゃないわよ!急にいなくなって!」

 

真琴はシンに怒鳴る。

 

「心配したんだよ?シンさん。」

 

みゆきは心配そうにシンに言う。

 

「あ、悪ぃ。」

 

シンはみゆきと真琴に謝る。

 

「あ、悪ぃって・・・」

「もう、シンさんったら・・・」

「でも、無事でよかったです。」

 

なおはシンの返事に苦笑いし、ほのかは溜息を吐きながら安心し、つぼみはシンが無事であるのを知り、安心する。

 

「シンさん、この子達は?」

 

あゆみはなのは達を見て、シンに質問する。

 

「バラージ王国で会ったんだ。俺達ウルトラ一族と同じように、時空の歪みで別の世界から来たらしい。」

「えっ!?」

「時空の歪みで!?」

「本当なのですか!?」

 

シエルといおなと亜久里はシンの話を聞いて驚く。

 

(ヴィヴィオさん、皆さんの声を聞いてコロナさんとフーカに似ているような感じがするのですが・・・)

(はい、それにアインハルトさんの声とそっくりな人も・・・)

 

ヴィヴィオとアインハルトはみゆきとシエルとあゆみの声を聞いて、知り合いを思い出す。

 

(な、なんかリリィと同じ声が聞こえたような・・・)

 

トーマはいおなの声を聞いた後、リリィの方に振り向く。

 

(今、フェイトちゃんとアリサちゃんの声が・・・)

(偶然だね。それにリインとエリオの声も・・・)

 

なのはとユーノはつぼみと亜久里とほのかとなおの声を聞いて、知り合いの姿を思い浮かべる。

 

「あの・・・皆さん?」

 

まのんはそんななのは達の様子が変だったのに気付いたのか、恐る恐ると尋ねる。

一同は「なんでもない」と答えた。

その後、ようやくリリィが目を覚まし、彼女を椅子に座らせ、お互いに自己紹介をした。

尚、人数が多かったため、自己紹介を終えるのに時間がかかった。

 

「自己紹介するだけでも時間かかっちゃったね・・・」

「改めて見るとプリキュアって何人いるんだよ・・・」

 

ヴィヴィオとトーマは時間が時間なだけにだらけるなり、苦笑いするなりしていた。

 

「すみません・・・自分でもびっくりです・・・」

 

まのんはそんなヴィヴィオ達に謝る。

 

「それにしても、時空の歪みによってこの世界に来たという事は、余程深刻な事態になってるみたいね?」

 

ゆりはなのは達の話を聞いて深刻な状況になっていると改めて知る。

 

「このままやとどうなってまうんや・・・」

 

タルトは時空の歪みについて悩んだ。

 

「う~ん・・・ってこのフェレットさん、喋ってる!?」

「そっちかいな!?っていうか、ワイはフェレットちゃうわい!ワイは可愛い可愛い妖精さんや!」

 

タルトはヴィヴィオに言われて怒り、訂正させる。

 

「自分で言ってるよ・・・」

「ユーノ君のフェレットモードと比べると全然可愛くないの・・・」

「ガ~ン!!」

 

なのははユーノとタルトを見て、そう言うと、タルトはショックを受けて落ち込む。

その光景を見たラブ達は苦笑いした。

 

「とにかく、原因が分かるまで地球にいた方がいいわね・・・」

 

せつなは時空の歪みの原因が分かるまで地球、つまり人間界に暮らした方がいいと提案する。

 

「でも、住まいはどうしましょう・・・」

「お姉ちゃんに相談すれば部屋に案内できるけど、許してくれるか・・・」

 

ひかりとまのんはなのは達の住む場所について悩んだ。

 

「私がどうしたって?」

「お、お姉ちゃん!?」

 

まのんは真理奈の介入に驚く。

 

「何よ?幽霊でも見たようなリアクション取って?」

「お姉ちゃんがいきなり割り込むからでしょ?」

「?ま、いいや。皆には事情を説明したの?」

 

真理奈はまのんに質問する。

 

「うん。でもなのはさん達の住まいはどうするか悩んでて。私達の家でもいいかな?」

「孤児院か、私達の家は・・・まぁ、別にいいけどさ・・・」

「!住まわせてくれるの?」

 

まのんは真理奈の言葉を聞いて更に質問する。

 

「えぇ。キャスから連絡が入ったけど、最近怪獣が次々と出てきたからスーパーGUTSが設立されたのは知っての通り。でも、怪獣が現れた原因は時空の歪みのせいだから、プロノーン・カラモスの科学力や情報収集能力が必要になったので人材が欲しいってヒビキおじさんが言ってたから、母さんの弟子の殆どがプロノーン・カラモスのサポートに行かせる代わりにアルケミー・スターズの何人かをスーパーGUTSに行かせるって話になったのよ。私も明日、プロノーン・カラモスに行って人材の選抜を手伝うことになったのよ。」

 

真理奈はまのんにキャスからの連絡内容を伝えた。

 

「そうだったんだ。」

「んなもんで、母さん達の許可にもよるけど、私達の家に住まわせようって考えてんの。」

 

まのんは真理奈の言葉を聞いて表情が明るくなり、真理奈に抱きつく。

 

「メルシー!お姉ちゃん!」

「ちょっ!?」

 

真理奈はまのんに抱きつかれたことに驚く。

 

「フフッ♪みんな揃って楽しそうだね~?」

 

真理奈は背後から声をかけられたことに驚いて、まのんを庇うように抱き寄せながら距離を取る。

当然、まのんも突然の登場に驚いた。

真理奈の後ろにいたのは、薄紫色の髪型をした女性だった。

その女性はクリシス。

四葉スタジアムでシンと出会った謎多き女だが、ウルトラマンネクサスに変身して、シン達と共に戦っている。

ガタノゾーアとの戦いの時、ネクサスに変身することがなくなった。

 

「クリシス姉さん!?いつの間に!?」

「全然、気付かなかった・・・」

「ついさっきだよ。で、どうしたの~?」

「実はですね・・・」

 

まのんはクリシスに事情を話した。

 

「なのは達がこの世界に来てるってことは、フェイトとはやても来てるのかな?」

「フェイトとはやてって誰よ?」

「それに、なんでなのはさん達の事を?」

 

まのんはクリシスに質問する。

 

「秋葉原でなのは達の事を知ったの。ほら、『魔法少女リリカルなのはDetonation』第1巻。昨日発売したの。」

 

クリシスはどこからか、なのはのイラストが描かれていたコミック本を取り出して言う。

 

「そ、そうなんですか・・・」

「そう言や、こいつ・・・オタクだったわね・・・」

「とりあえず、私も挨拶しに行こっかな♪」

 

クリシスはコミック本をしまい、なのは達の所に行く。

 

「お姉ちゃん、さっきはごめんね?」

「今更気にしないでよ。けど、まのんは大丈夫なの?」

「え?」

 

まのんは真理奈の言葉に首を傾ける。

 

「イビロンの事も、ルルイエで戦った闇の支配者ももういない。それでもプリキュアとして戦うの?もう、戦いを続ける理由はないはずよ?」

 

まのんは真理奈が言っていたことに理解した。

イビロンは浄化され、リュイルとして蘇り、ガタノゾーアはゼロの手によって倒された。

キュアエレメントの役目も終えたような物だろう。

しかし・・・

 

「理由はあるよ。」

「え?」

「ひかりちゃんと真琴さんと同じ理由だよ。大切なものを守りたいからってね。だから心配しないで。」

「・・・まのん・・・」

 

まのんはプリキュアとして戦う理由を告げ、大丈夫だと真理奈に言う。

真理奈は溜息吐きながら、「心配した私が馬鹿だった」と思いながら苦笑いする。

一方のなのは達はクリシスに挨拶されながら抱きつかれたので疲弊していた。

その光景を見たなぎさ達は苦笑いするしかなかった。




次回ですが、登場人物・・・というか、オリキャラの設定を投稿してから、次の話を投稿しようと思ってます。


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登場人物

一応、今まで出てきたオリキャラを紹介します。


登場人物

 

モロボシ・シン/ウルトラマンゼロ

ウルティメイトフォースゼロの1人、ウルトラマンゼロが地球で活動する時に人間の姿になった。

謎の時空の歪みによって、プリキュアの世界に飛ばされる。

現在は相田マナが暮らしている洋食店『ぶたのしっぽ亭』で居候しており、剣崎真琴を助けた礼として、彼女の付き人をしている。

雪城ほのか、美翔舞、花咲つぼみ、星空みゆき、剣崎真琴、十六夜リコに好意を持たれるが、本人は自覚がない。

モチーフは『零の軌跡』『碧の軌跡』のロイド・バニングス。

 

新真理奈/ウルトラマンティガ

超古代人・アムイの遺伝子を持つベローネ学院中等部2年生の女の子。

母と同じ科学者になって、人間と妖精を共存できる世界を夢見る。

ウルトラマンティガに変身するが、ルルイエでの戦いで力を使い果たし、変身できなくなった。

恋愛に関してはぶっきら棒で、空気を読まない所もしばしば。

モチーフは『バトルスピリッツブレイヴ』の紫乃宮まゐをショートヘアーにアレンジしたもの。

 

新まのん/キュアエレメント

新真理奈の妹でベローネ学院中等部1年生の女の子。

剣崎真琴に憧れてアイドルを目指している。

クルルと合体することでキュアエレメントに変身する。

フランス語を口にすることもたまにある。

モチーフは『怪盗セイントテール』の羽丘芽美。

 

クルル

ジュエル鉱国に住むカーバンクルで、まのんのパートナー。

真理奈に助けられたことがきっかけで、真理奈の家に住んでいる。

まのんをキュアエレメントに変身する役目を持ち、まのんと力を貸している。

ちょっと目を離すとどこかへ行ってしまう悪い癖を持つ。

モチーフは『ファイナルファンタジーⅨ』のカーバンクル。

 

リュイル

1万年前に活躍していたキュアエレメントのパートナー。

闇の支配者クトゥルフの闇の呪縛により超古代変身怪獣イビロンに変えられてしまうが、現代のキュアエレメントにより、闇の呪縛から解放され、元に戻る。

変身する力を与える能力は失ったが、テレパシーで話すことができる。

モチーフはオフィシャルカードゲーム『バトルスピリッツ』の宝石の獣カーバルク。

 

マヤ/キュアイージス

トランプ王国がジコチューに襲撃された際に逃げ延びた女の子。

プロトジコチューとの戦いを終えた後に消えたマリー・アンジュ王女を蘇らせるために革命軍ユグドラシルに加入したが、真理奈達の説得により改心し、プリカードファイルの力でマリー・アンジュ王女を蘇らせ、ユグドラシルを裏切る。

プリチェンミラーとプリカードでキュアイージスに変身する。

モチーフは『聖闘士星矢Ω』のアクィラのユナ。

 

クリシス

謎の多い女性だが、ウルトラマンネクサスに変身することができる。

アニメ・ゲームオタクで、シン達には頭を抱えている。

時々頭痛が起きることがあるが、彼女は平気にしている。

モチーフは『ソードアート・オンライン インフィニティモーメント』のストレア。

 

イリス・レイブラッド

バトルナイザーを開発した女の子で、ゴンドウ・キハチが結成した特殊部隊ブラックバスター隊の協力者である。

3年前にフランスで起きた爆発事故で大切なものを亡くし、それ以来、真理奈とその家族を忌み嫌っている。

科学力は優れているが、プロノーン・カラモスに非難される。

モチーフは『魔法少女リリカルなのはReflection』『魔法少女リリカルなのはDetonation』のイリス。



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スーパーGUTSの人材選抜

サブタイトルはイマイチですが、ご視聴お願いします。


バラージ王国でなのはとユーノと出会い、トランプ共和国郊外でヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィと出会ったシン。

その後、トランプ共和国でプリキュアオールスターズとその仲間である真理奈とまのん、クリシスとマヤと邂逅させる。

スーパーGUTSからの要請でプロノーン・カラモスから人員を割くことになり、真理奈の家から母の弟子を何人かをプロノーン・カラモスにサポートを回す代わり、なのは達を真理奈の家に住まわせることになった。

次の日、ウルトラ戦士は引き続き、世界中に出現した怪獣達との戦闘を行ない、プリキュア達は夏休みの宿題を終わらせるべく、家で勉強に励んだ。

尚、すでに夏休みの宿題を終えたのは新姉妹とふたりはプリキュアMAX HEART、ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュアだけである。

さて、前回真理奈が話したプロノーン・カラモスについて話そう。

プロノーン・カラモスは世界中に極稀に誕生した科学力や情報収集能力に長けた天才児達が集まっている施設である。

その天才児の事をアルケミー・スターズと呼び、プロトジコチューが消えた後、地球と妖精の世界にサポートをしている。

真理奈もアルケミー・スターズに対し、協力関係になっている。

 

「う~ん・・・この子もいいけど・・・この子も見込みあるよな・・・」

 

真理奈はプロノーン・カラモスの副リーダーを務めるキャスことキャサリン・ライアンからの呼び出しでスーパーGUTSに入隊させるアルケミー・スターズの選抜をしている。

真理奈が見ているのはそのアルケミー・スターズのプロフィール資料である。

尚、人材選抜をやっているのは真理奈だけではない。

プロノーン・カラモスのリーダーを務めるダニエル・マクフィーと、スーパーGUTSの隊長を務めるユミムラ・リョウと副隊長を務めるカリヤ・コウヘイ、そしてスーパーGUTSの隊員中島ぎんがも行なっている。

 

(しかし、リョウ姉さんがスーパーGUTSの隊長をやって、コウヘイ兄さんが副隊長をやってるなんて・・・)

 

真理奈はリョウとカリヤにそう言う。

真理奈がプロノーン・カラモスに訪れた頃・・・

 

~~~~~回想~~~~~

 

「ダニエル、キャス。待たせたわね?」

 

真理奈はなのはとユーノを連れて、ダニエルとキャサリンに元に来た。

 

「よく来たわね。真理奈。」

「その子達が例の?」

「えぇ。時空の歪みで妖精の世界に迷い込んだ子達よ。」

 

真理奈はなのはとユーノに目を向けながらダニエルとキャスに言う。

 

「初めまして、高町なのはです。」

「ユーノ・スクライア。」

 

なのはとユーノはダニエルとキャスに自己紹介する。

 

「君たちの事は真理奈から聞いている。元の姿に戻す方法も見つけるし、君達のバックアップもスーパーGUTS同様協力する。」

「スーパーGUTS同様?」

 

真理奈はダニエルが最後に言った言葉に首を傾ける。

ダニエルは真理奈にそちらの方に向けと言うように視線を逸らす。

真理奈はダニエルが向いた方向に振り向く。

そこにはリョウ、カリヤ、ぎんががいた。

 

「ふぇっ!?」

「リョウ姉さん、コウヘイ兄さん、ぎんが!?」

「やっと気付いたか、真理奈ちゃん。」

 

真理奈はリョウとカリヤとぎんががいることに驚く。

 

「いつこっちに!?っていうかぎんが、スーパーGUTSに入ってたの!?」

「えぇ。ヒビキ総監に武術の腕を買われて入隊することになったの。ところで、すばるは元気?」

「あ、うん。チンクとディエチ、ノーヴェとウェンディも元気よ?」

 

真理奈とぎんがは雑談し始める。

 

(僕達の知ってるぎんがじゃないみたいだね?)

(うん。でも自然に反応しちゃったの・・・)

 

なのはとユーノもぎんががいることに驚いたが、別人だという事に気付いた。

なのはとユーノが知るぎんがは、時空管理局・陸士108部隊所属捜査官ギンガ・ナカジマである。

目の前にいるぎんがは先程前述したようにスーパーGUTSの隊員である。

 

「ぎんが?真理奈ちゃんと会うの久しぶりだからっていきなり雑談に入らないでくれる?」

 

リョウはぎんがの耳を抓りながら叱る。

 

「いたたた!す、すみません!」

 

真理奈はその様子を見て苦笑いする。

 

「けど、意外ね。リョウ姉さんは兎も角、コウヘイ兄さんも来るなんて。てっきりヒュウガおじさんと一緒かと思ったけど・・・」

「ヒュウガ隊長とハルナ副隊長はクマノ隊員とオキ隊員、それからミクラ隊員で別の防衛チームとして活動して、今は私が隊長として怪獣の対処をしてるのよ。カリヤが副隊長に任命してね。」

「要するにヒュウガおじさん達は異動して、リョウ姉さんとコウヘイ兄さんは出世したってことね?」

 

真理奈はリョウの言葉に納得した。

 

「ユミムラ隊長とカリヤ副隊長も、人材選別を協力してくれるそうよ。」

 

キャサリンは真理奈にリョウとカリヤとぎんががプロノーン・カラモスに来た理由を教えた。

 

「へぇ。ま、多い方がいいよ。キャス、その間、この子達を中に案内してくれる?」

「えぇ。」

「それから・・・」

 

真理奈はキャサリンになのはとユーノをプロノーン・カラモスの中を案内するよう頼んだ後、ポケットから石の状態のままのスパークレンスを出す。

 

「あの時は結果が分からずじまいだったから、代わりにこれで調べてよ。」

 

真理奈はそう言ってキャサリンにスパークレンスを渡す。

 

「・・・えぇ。夕方ぐらいまで待っててくれる?」

「いつでもいいわ。」

 

キャサリンは真理奈の言う通り、なのはとユーノをプロノーン・カラモスの内部の案内とスパークレンスを調べることにした。

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

(あの時、アートデッセイ号のモニター越しで見たけど、あのデカブツのおかげで、本当に上手くいったのか分からなかった。プロノーン・カラモスには光遺伝子コンバーターがある。そいつの光でスパークレンスに力が戻り、もう一度プリキュアの皆と戦えるんだけど、上手くいくんだろうか・・・)

 

真理奈はルルイエでの戦いでアートデッセイ号のモニターを見たゼロ救出作戦を思い出す。

作戦実行中、ガタノゾーアの妨害により、ドルファー202から照射した光遺伝子コンバーターによるゼロの復活が失敗に終わり、結局ウルトラマンネクサスの力で復活したため、その実験の結果は分からないままだった。

だから、真理奈はティガの力が使い果たし、石となったスパークレンスを光遺伝子コンバーターの光でスパークレンスが力を取り戻し、ティガを蘇らせようと思ったが、未だ不安が残る。

 

「真理奈ちゃん?」

「え?」

「手が止まってるわよ?」

「あぁ、ごめん。思わず考え事してた。」

 

真理奈はリョウに言われて続きを始める。

 

「ぎんががスーパーGUTSに入隊する際にこうやって選別してたの?」

「いいえ。ぎんがは入隊試験に合格してスーパーGUTSの隊員になったのよ。別に今みたいにプロフィール資料を見て選別したわけじゃないの。ぎんがの努力で入隊できたの。ルルイエの事件にも活躍してたしね。」

 

リョウは真理奈の質問に答える。

 

「そっか。ぎんがもあの時、ルルイエに。」

「えぇ。その時は予備隊員だったけど、ダニエルリーダーから真理奈がティガだって話を聞いてヒュウガ隊長に出動命令を貰ったの。無茶をしない程度でウルトラマンを援護しろ、とね。」

「予備隊員が一気に本隊の前衛に昇格って・・・随分早い出世ね・・・」

 

真理奈はぎんががルルイエで活躍していた顛末を聞いて苦笑いする。

 

「しかも、ぎんがは結婚することになったしね。」

「フ~ン、ぎんががね・・・結婚!?」

 

真理奈はリョウから発した言葉に驚く。

 

「あぁ。スーパーGUTSの科学班主任のナカジマ・ツトムと付き合うことになったんだ。」

「なにぃ!?あのドジなおデブのツトム兄さんと!?」

 

真理奈はカリヤからぎんがの結婚相手を聞いて、更に驚くと、隣にいたリョウに拳骨喰らわされた。

 

「んぎゃん!?」

「人の悪口を言わない!」

「真理奈のそういう所、変わっていないな・・・」

 

ダニエルは真理奈の悪口の言う所を見て呆れる。

 

「ウフフ♪4年前にいろいろあってね。8月の下旬辺りにハワイで式を挙げることになったの。その時に招待させてあげる。」

「招待させるのは構わないけど、そのいろいろが気になるんだけど・・・ま、いいわ。家に帰ったらこの事を母さんと父さんに話すし、現在旅行中の妹にも伝えるから。」

 

真理奈はぎんがとナカジマの結婚式について、家族に伝えると言い出す。

 

「ありがと。」

(・・・とは言ったものの、怪獣が出てきたらどうすんのよ?その場合・・・)

 

真理奈は結婚式に出ると言ったものの、その最中に怪獣が現れないか心配になる。

 

「ダニエルリーダー!大変です!」

 

突然、思い切りドアを開けて入ってくるショートヘアーの少女。

 

「あんたは確か、ミドリカワ・マイ?」

「あっ!真理奈!来てたんだ!」

「マイ、どうしたんだ?」

 

ダニエルはマイが慌てている様子を見て質問する。

 

「クローバータワーで宇宙人が現れたと言う情報が入りました!」

「宇宙人?怪獣じゃなくて?」

 

真理奈はマイの言葉に「はっ?」と疑うような口振をする。

 

「何よ!?その目は!?」

「それで、特徴は?」

 

リョウはマイに宇宙人の特徴を聞く。

 

「口がとても大きくて、カタツムリのような突き出た両目をしてました!」

「えっ!?」

 

真理奈達はマイから宇宙人の特徴を聞いた途端、別の声が聞こえる。

その声はマイの後ろから聞こえていた。

その声の主は大空大地である。

 

「大地兄さん!」

「俺、その宇宙人知ってる気がします!」

「えぇっ!?」

 

真理奈は大地の発言に驚く。

 

「まさか博士も・・・すぐにクローバータワーに行きます!」

 

大地は即座に部屋から去って行った。

 

「えっ!?あっ!ちょっと!」

「私達も行きましょう!ダニエルリーダーと真理奈ちゃんはここで待ってて!」

 

リョウとカリヤとぎんがはマイの報告にあった宇宙人の所へ向かうべく、東京クローバータワーへ向かった。




次回はあの宇宙人が登場します。


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地底の襲撃者と植物の捕食者

今回はウルトラマンエックスに出て来る宇宙人が登場します。


プロノーン・カラモスでダニエル・マクフィーとキャサリン・ライアン、そして、スーパーGUTSのユミムラ・リョウとカリヤ・コウヘイと中島ぎんがと一緒にスーパーGUTSに入隊するアルケミー・スターズからの人材選抜を始まった。

そんな時、ミドリカワ・マイから東京クローバータワーに宇宙人が現れたと言う報告を聞く。

その報告を聞いた大空大地はその宇宙人の元へ向かい、リョウとカリヤとぎんがも東京クローバータワーへ急行した。

 

「すみません、通してください!」

 

大地達はタワー内にいた観光客を掻い潜り、現場へ向かう。

大地はそこに着いて例の宇宙人を目撃した。

その宇宙人はマイが言っていた通り、カタツムリのような顔をした口の大きい姿をしている。

その宇宙人の名は健啖宇宙人ファントン星人。

食糧危機に陥っている母星を救うため、シーピン929を開発した宇宙人である。

インペライザーの破片を潰し、GUYSの危機を救ったことがある。

しかも・・・

 

「やっぱり!グルマン博士!」

「おぉ!大地!どうやら無事だったようだな!」

 

大地はそのファントン星人の事をグルマン博士と呼ぶ。

彼はウルトラマンエックスの世界で防衛組織XIOのラボチーム特別顧問を役職している。

モンスアーマーの一つであるゴモラアーマーやウルティメイトゼロをベースにしたウルトラマンゼロアーマーを作ったのも彼である。

 

「知り合いなの?」

 

リョウは大地にグルマン博士との関係を聞く。

 

「はい。俺がいた世界で世話になっています。グルマン博士も時空の歪みで?」

「あぁ。大地とエックスが行方不明になってしばらく経った後にな。」

「とりあえず、タワーから下りましょう。知り合いとは言え、周りの人達がいるから余計目立ちます。」

「ムゥ・・・やっぱりそうなるか・・・」

 

大地とグルマン博士はリョウに言われて頷く。

 

「皆さん、安心してください!彼は敵ではありません!一緒に戦ってくれる心強い宇宙人なんです!」

 

大地は東京クローバータワー内にいる観光客にそう伝える。

観光客たちの殆どはホッとしたりしていた。

その後、大地達はこのままグルマン博士をプロノーン・カラモスへ連れて行き、プリキュアの事や、妖精の世界の事、この世界で起きた事、ティガの事、そして、ウルトラマンの他になのは達も時空の歪みによってプリキュアの世界に飛ばされた事を説明した。

 

「うむ。他の平行宇宙の住人まで巻き込むほどの時空の歪みが生じていたとは・・・」

「しかもその歪みで次々と怪獣が現れたんです。」

「その歪みの発生源を突き止める必要があるな。よし!私も全力で協力するぞ!」

 

グルマン博士は大地の話を聞いて意気込む。

 

「いいの?得体の知れない宇宙人をここに連れてきて。」

 

真理奈は隣にいたぎんがに耳打ちする。

 

「クローバータワーに現れて危害を加えるようなことがあったら、周りの人達はいないわ。大地君が信頼を寄せている仲間なら協力するに越したことはないわ。」

「見た目からして変なことしそうな感じにしか見えないんだけど・・・」

 

真理奈はグルマン博士を見て自分の感想を言う。

 

「とりあえず、持ち場に戻ろう・・・」

 

真理奈はダニエルのいる部屋に戻る。

 

 

 

 

 

 

その頃、ゼロは人気のいない妖精の世界の峡谷でオーブとなったヴィヴィオと模擬戦を始めている。

オーブは自らのストライクアーツを駆使して、ゼロを追い詰めようとするが、ゼロ相手に一筋縄にはいかず、有効打に与えられなかった。

ゼロはオーブに一撃を与え、ノックダウンする。

ゼロとオーブの模擬戦が終わり、二人の変身を解いて、シンとヴィヴィオに戻る。

 

「うぅ~・・・やっぱ手も足も出ないや・・・」

 

ヴィヴィオはだらりとしながら言う。

 

「へへっ。俺に勝とうなんざ二万年早いぜ。だが、筋はいい。防御力も攻撃力もイマイチだが、視野の広さで距離を掴むのが上手いし、反応も動作も悪くない。よく鍛えられたもんだな?」

「ありがとうございます。」

「しかもカウンターヒッターって奴か?相手の攻撃を躱して懐に入って一撃と喰らわす。その戦い方なら手強い怪獣に対応できるかもな?」

「ホントですか!?」

「あぁ。」

 

シンとヴィヴィオは和気藹々と話している。

 

「すごい戦いだったな。」

「うん。壮観だったね。」

「そうですね。」

 

シンとヴィヴィオ、いや、ゼロとオーブとの戦いを見たトーマとリリィとアインハルトは感激する。

 

「さてと・・・」

 

シンは再びウルトラゼロアイを装着し、ゼロに変身し、トーマとリリィとアインハルトの方に振り向く。

尚、その時にゼロはトーマ達に合わせて人間大の大きさにしていた。

 

「次はお前らだ。3人がかりでもいいぜ?」

「いぃっ!?」

 

トーマはゼロにそう言われて驚く。

ヴィヴィオを除くトーマ達は変身し、ゼロと模擬戦を行うが、手も足も出ず、疲労困憊の状態であった。

 

「無茶苦茶だろ・・・」

「視界設定を変えても手も足も出ないなんて・・・」

「この実力、ジークさんどころか、ヴィヴィオさんのお母様より強い・・・」

 

トーマ達は息を切らしながらもゼロの戦いぶりにそれぞれの感想を言う。

それと同時にトーマ達の数メートル離れた所に赤い光が現れ、その光からラブ、美希、祈里、せつな、つぼみ、えりか、いつき、ゆりとタルト、シフォン、シプレ、コフレ、ポプリが現れる。

 

「あれ?もう終わっちゃった?」

「みたいですね。」

「おぉ。遅かったな?」

 

ゼロはシンに戻り、つぼみとえりかにそう言う。

 

「なんや、3人共えらいお疲れでんな?」

「プリップ~♪」

「あ、うん・・・」

 

トーマはタルトに対して、生返事するしかなかった。

 

「あたし達もアスカさん達がこの世界に来てからこんな風に稽古付けられたから気持ち分かるよ・・・」

「その時のシンさん、おっかなかったよね?」

 

ラブとえりかは苦笑いしながら話す。

 

「で、どうだったですぅ?」

「あぁ。ヴィヴィオもそうだが、トーマ達も筋がいい。伊達になのはに扱かれた訳じゃないみてぇだ。」

「それはよかったぁ。」

 

シンはシプレの問いに答え、祈里はそれを聞いて安心した。

 

「えりかもヴィヴィオ達に見習ってほしいものですっ。」

「なんですって~っ!?」

 

えりかはコフレに言われ、怒り出す。

その時、地面が突然揺れ始める。

 

「わわわっ!」

「なんだ!?」

「まさか・・・」

 

ヴィヴィオ達は周囲を見渡すと、地中から巨大な角を生えた恐竜のような黒い怪獣が現れた。

その怪獣の名は凶暴怪獣アーストロン。

朝霧山に出現して村を焼き尽くした怪獣である。

ウルトラマンジャックに角をへし折られ、スぺシウム光線で爆死された。

 

「怪獣だ!」

「アーストロンか!」

 

トーマ達はアーストロンの登場に驚くが、その途端、別の方向から獣の咆哮が響き渡る。

ヴィヴィオ達はその方向に振り向くと、腹部に巨大な花を持つ右手に鞭を左手に鎌を兼ね備えた怪獣が降下してきた。

その怪獣の名は宇宙大怪獣アストロモンス。

腹部の巨大な花・チグリスフラワーでオイルドリンカーを丸呑みにした怪獣である。

ウルトラマンタロウに奮戦するが、最期にストリウム光線で倒された。

 

「また怪獣!?」

「今度はアストロモンスか!?」

「もう!何の番組のそっくりさんなのよ!?」

 

リリィ達はアストロモンスの登場に驚き、えりかはアーストロンとアストロモンスを見て、某ものまねバラエティ番組を連想する。

 

(いや、どこが似てるんだ?)

 

シンはえりかの言ってることに心の中でツッコむ。

 

「そんなことよりあの怪獣を!」

 

トーマ達はそれぞれのデバイスを構える。

 

「ちょっと待った!」

「ここは私達とシンさんに任せてください!」

 

ラブとつぼみはトーマ達にアーストロンとアストロモンスの相手をシンとラブ達に任せるよう言い出す。

 

「えっ!?でも・・・」

「大丈夫ですよ。私達だって今までウルトラマンと一緒に戦って、強くなったんです。」

「それに4人共バテバテで完璧じゃないでしょ?」

「私達は怪獣に負けませんから。私たちの事、信じてください。」

 

いつき達はトーマ達に微笑みながら言う。

トーマ達は頷くしかなかった。

 

「変身よ!」

「はい!」

「やるっしゅ!」

 

ラブ達とつぼみ達はそれぞれの変身アイテムを構える。

ラブ、美希、祈里、せつなはピックルンをリンクルンにセットし、ローラーを回すと、画面から光を発生する。

 

「チェインジ・プリキュア・ビートアップ!」

 

ラブはピンクのコスチュームを、美希は青いコスチュームを、祈里は黄色いコスチュームを、せつなは赤いコスチュームを纏う。

よってラブ達は、キュアピーチ、キュアベリー、キュアパイン、キュアパッションに変身した。

 

「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ!キュアピーチ!」

「ブルーのハートは希望のしるし!つみたてフレッシュ!キュアベリー!」

「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ!キュアパイン!」

「真っ赤なハートは幸せの証!うれたてフレッシュ!キュアパッション!」

「レッツ、プリキュア!」

 

シプレとコフレとポプリは「プリキュアの種、いくですぅ!」と言った後、シプレ達のブローチからプリキュアの種が現れ、つぼみ達はそれを受け取る。

 

「プリキュア・オープンマイハート!」

 

つぼみとえりかはココロパフュームに、いつきはシャイニーパフュームに、ゆりはココロポットにプリキュアの種をセットする。

つぼみとえりかはココロパフュームを、いつきはシャイニーパフュームを吹きかけた時、ピンク、青、金のコスチュームを纏い、ゆりも銀と紫のコスチュームを纏う。

よってつぼみ達はキュアブロッサム、キュアマリン、キュアサンシャイン、キュアムーンライトに変身した。

 

「大地に咲く一輪の花!キュアブロッサム!」

「海風に揺れる一輪の花!キュアマリン!」

「陽の光浴びる一輪の花!キュアサンシャイン!」

「月光に冴える一輪の花!キュアムーンライト!」

「ハートキャッチプリキュア!」

 

変身を終えたピーチ達とブロッサム達はアーストロンとアストロモンスの前に立ち塞がる。

 

「おぉ~!」

「かわいい!」

「あれがプリキュアとしての姿。」

「アイシスがいたら羨ましがるだろうな・・・」

 

ヴィヴィオ達はそれぞれの感想を述べる。

 

「さてと、3度目になるが、俺もおっぱじめるか!」

 

シンはウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出し、目に装着する。

よってシンはウルトラマンゼロに変身した。

当然アーストロンとアストロモンスと同じサイズになっている。

アーストロンとアストロモンスはゼロ達を襲い掛かる。

ゼロ達もアーストロンとアストロモンスを迎え撃つ。




ようやくプリキュアの出番です。


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VSアストロモンス

前の話のあとがきにもありましたが、ようやくフレッシュプリキュアとハートキャッチプリキュアの参戦です。


東京クローバータワーでファントン星人グルマン博士と再会する大地。

グルマン博士はプリキュアの世界に迷い込んだウルトラ戦士となのは達を元の世界に帰すために時空の歪みの発生源を突き止める決心をする。

その頃、シンはヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィと模擬戦した後、凶暴怪獣アーストロンと宇宙大怪獣アストロモンスが現れる。

ラブ達とつぼみ達はフレッシュプリキュアとハートキャッチプリキュアに変身し、シンもウルトラマンゼロに変身し、アーストロンとアストロモンスに立ち向かう。

アーストロンはプリキュア達にマグマ光線を放つ。

 

「サンフラワー・イージス!」

 

サンシャインはアーストロンの攻撃に対し、サンフラワー・イージスで防ぐ。

 

「プリキュア・フローラルパワー・フォルテッシモ!」

 

ムーンライトはプリキュア・フローラルパワー・フォルテッシモでアーストロンに突進する。

アーストロンはムーンライトの攻撃に怯む。

 

「いくっしゅ!マリンダイブ!」

 

マリンはアーストロンの頭上から急降下して飛び蹴りする。

しかし、アーストロンはマリンの攻撃を避ける。

 

「ありっ?」

 

マリンはアーストロンに避けられ、そのまま地面に急降下し、生き埋め状態になる。

 

「んぬぬぬぬ・・・抜けないっしゅ・・・!」

 

生き埋め状態になったマリンは必死に脱出しようとするが、出られなかった。

マリンは目を開けると、アーストロンがマリンを踏み潰そうと足を上げていた。

 

「おわあぁ~~~~~っ!!?」

「ブロッサム・スクリューパンチ!」

 

ブロッサムはアーストロンの顎を目掛けてブロッサム・スクリューパンチを放つ。

よってアーストロンは仰向けに倒れ、マリンは踏み潰されずに済んだ。

パッションはアカルンの力で生き埋めになったマリンをテレポートで助ける。

 

「大丈夫?マリン。」

「あ、ありがと・・・」

「来るよ!」

 

ピーチの声で見上げるパッションとマリン。

アーストロンはマグマ光線を放つ。

ピーチとパッションとマリンはアーストロンの攻撃を避ける。

 

「プリキュア・エスポワールシャワー!」

「プリキュア・ヒーリングプレアー!」

 

ベリーとパインはそれぞれの技をアーストロンに命中させる。

アーストロンはベリーとパインの技に怯む。

 

「いくよ、ブロッサム!」

「はい!」

「プリキュア・大爆発!」

 

ブロッサムとマリンはアーストロンの目の前でプリキュア・大爆発を発動する。

アーストロンはその爆発で高く吹き飛ばされる。

 

「プリキュア・ハピネス・ハリケーン!」

 

パッションは吹き飛ばされたアーストロンにプリキュア・ハピネス・ハリケーンを放つ。

アーストロンはその技によって地面に叩き落される。

アストロモンスは右手の鞭でゼロを襲う。

ゼロはアストロモンスの鞭を避け、顔面に蹴り飛ばす。

アストロモンスはゼロの猛攻に怯むが、即座にチグリスフラワーから溶解液を発射する。

 

「おっとぉ!」

 

ゼロはウルトラゼロディフェンサーで溶解液を防ぐ。

ゼロはアストロモンスの攻撃が終わった後、ジャンプし、アストロモンスの頭部に飛び蹴りを喰らわす。

アストロモンスはゼロの攻撃に吹き飛ばされる。

ゼロはアストロモンスの元へ行き、アストロモンスの胴体を抱え、逆さまにし、飛び上がってその直後に地面に垂直に急降下する。

よってアストロモンスの頭は地面に刺さり、あたふたしていた。

 

「うわっ!決まった!」

「インターミドル選手も驚きだな・・・」

 

ヴィヴィオとトーマはゼロのゼロドライバーを見て、それぞれの感想を述べる。

 

「いきますよ!マリン!サンシャイン!」

「うん!」

「やるっしゅ!」

 

ブロッサムはブロッサムタクトを、マリンはマリンタクトを、サンシャインはシャイニータンバリンを構える。

 

「花よ、舞い踊れ!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!」

 

サンシャインはプリキュア・ゴールドフォルテバーストを発動する。

 

「集まれ、二つの花の力よ!プリキュア・フローラルパワー・フォルティシモ!」

 

ブロッサムとマリンはプリキュア・フローラルパワー・フォルティシモを発動し、サンシャインが発動したプリキュア・ゴールドフォルテバーストに突入する。

 

「プリキュア!シャイニング・・・!」

「フォルティシモ!」

 

すると、ブロッサムとマリンは黄金に輝き、アーストロンに突進する。

アーストロンは3人の合体技で吹き飛ばされ、地面に首が埋められたアストロモンスにぶつかる。

よってアストロモンスは地面から頭が抜け出せたが、アーストロンに下敷きにされる。

アストロモンスはアーストロンを退かし、起き上がると、いきなりアーストロンに鞭や鎌で攻撃をし始める。

 

「喧嘩した!?」

「事故だろ?あれ?」

 

リリィとトーマはアストロモンスとアーストロンのやりとり(?)を見てそう言う。

アーストロンはアストロモンスに対し、怒って突進する。

その時、アーストロンがアストロモンスの腹部のチグリスフラワーに頭を突っ込み、次第に飲み込まれていく。

 

「えぇっ!?」

「アストロモンスだっけ!?アーストロンって怪獣を食べてる!?」

 

ブロッサムとピーチはアストロモンスがやっている事に驚く。

そう言っている内にアストロモンスはアーストロンを飲み込んだ。

 

「アーストロン、相変わらずひでぇ扱いだな・・・」

 

ゼロはその光景を見て、引き気味になりながらアーストロンに同情する。

アストロモンスはアーストロンを飲み干した後、再びゼロに襲い掛かる。

ゼロはアストロモンスの攻撃を躱し、アストロモンスの腹部にパンチを繰り出す。

当然、アストロモンスの腹部にはチグリスフラワーがあるが、ゼロのパンチを喰らったアストロモンスは苦しんでいた。

 

「俺を貪り食おうなんざ・・・2万年早いぜ!」

 

ゼロはストロングコロナゼロにタイプチェンジする。

 

「姿が変わった!?」

「ウルトラマンってそんなことができるのですか!?」

 

ヴィヴィオとアインハルトはゼロがタイプチェンジするところを見て驚く。

ゼロはアストロモンスにパンチのラッシュを繰り出す。

 

「これで・・・止めだ!」

 

ゼロは最後にアストロモンスの顔面に一発殴り飛ばす。

アストロモンスはゼロの攻撃により吹き飛ばされ、山の断層にぶつかり、埋め込まれる。

ゼロはウルティメイトブレスレットを叩くと、炎のエネルギーを纏わせる。

 

「ガルネイトバスター!」

 

ゼロはアストロモンスにガルネイトバスターを放つ。

ゼロの技はアストロモンスに命中し、アストロモンスはそのまま爆散された。

 

「へへっ!呆気なかったぜ!」

 

ゼロはアストロモンスが爆散された場所に振り向いてそう言う。

ゼロはシンの姿に戻り、フレッシュプリキュアとハートキャッチプリキュアも変身を解く。

 

「すげぇ・・・」

「ゼロもすごいけど、プリキュアもあんなに大きいのを追い詰めるなんて。」

 

トーマとリリィは今の戦いぶりを見て感想を述べる。

 

「いやぁ♪あたし達にかかれば、これくらいお茶の子さいさいですよ!」

「怪獣に踏み潰されそうになっておいてよく言うですっ。」

「あんですって~!?」

 

えりかはコフレの両頬を抓りながら怒る。

ゆりを除くプリキュア一同やヴィヴィオ達は苦笑いしていた。

ただ、シンは何かを感じたのか、つぼみ達がいる方向とは別方向に振り向く。

 

「シンさん、どうかしましたか?」

 

アインハルトはシンのその様子に気付き、尋ねてみた。

 

「いや、なんでもねぇよ。」

 

シンはアインハルトに「なんでもない」と答える。

シン達の様子を伺っていたのは黒いコートを纏った人物である。

アストロモンスが倒された際に崩れ落ちた瓦礫の陰に隠れていた。

 

(別次元の住人がこの世界に迷い込んだか・・・急いで手を打たねばな・・・)

 

黒コートの人物はシン達がせつなのアカルンの力でテレポートしていったのを見送った後、瓦礫の陰から去って行った。

 

 

 

 

 

 

その頃、真理奈はダニエル達の協力で人材選抜をしていたが、それはもう終わり、プロノーン・カラモスにいるアルケミー・スターズを食堂に集められた。

 

「みんなも知っての通り、世界中に空間が歪み、そこから怪獣達が次々と出現した。それと同時に別の世界から来た巨人ウルトラマンと、幻影帝国に立ち向かった伝説の戦士プリキュアが怪獣達と戦っている。しかし、先程言ったように空間の歪みが世界中に発生している限り、この世界も、妖精の世界も次々と怪獣が現れる。その発生源を突き止める為、我々はスーパーGUTSをバックアップすることを決定した。」

 

ダニエルは食堂に集められたアルケミー・スターズにプロノーン・カラモスとスーパーGUTSの決定を話す。

 

「今から名前を上げた者はスーパーGUTSの元でサポートに徹してもらう。呼ばれた人は前に出るように。真理奈。」

「はいはい。(私はダニエル達と違って民間人だから私に発表させなくてもいいでしょうに・・・)」

 

真理奈はダニエルに言われ、ぶつぶつ言いながらもダニエルから渡された名簿を受け取る。

 

「あ、初めに言わせてもらうけど、サポートって言っても戦場に行く必要ないから。」

 

真理奈はアルケミー・スターズの一同に念を押す。

真理奈はその後、咳払いしながら改めて選抜したアルケミー・スターズを発表する。

 

「まず、ミドリカワ・マイ。」

「やった!」

 

呼ばれたマイはダニエル達の元に行く。

 

「いやじゃないのね?」

「元々スーパーGUTSに入りたいなって思ってたんだ!」

「そ、そうだったんだ・・・」

 

真理奈はマイの発言を聞いて苦笑いする。

 

「続けて言うわよ。モリモト・アヤノ。」

「はい。」

「三日月マモル。髙田ルイ。」

「はいっス。」

「はーい。」

「続いて、一条寺友也。佐々木敦子。ジョジー・リーランド。」

「はい。」

「任せて。」

「ハ~イ。」

 

真理奈に呼ばれた数人の人達も次々とダニエルの元に行く。

 

「最後に、七瀬リサ。」

「はい。」

 

最後に呼ばれた七瀬リサもダニエルの元に行く。

 

「以上。」

 

真理奈はそう言って、名簿をダニエルに渡す。

名前を上げた8人はスーパーGUTSへの異動が決まったため、各自部屋に戻り、異動の準備を始まった。

真理奈はキャサリンの元へ行き、スパークレンスの事を聞きに行った。

この時、なのはとユーノも一緒である。

 

「どうなの?キャス。」

「これからよ。」

 

キャサリンはスパークレンスをガラスケースの中の台に設置する。

 

「科学班が作った光遺伝子コンバーターは真理奈が所持していたスパークレンスを覆っていたアークの砂から抽出した光エネルギーを元にプログラムを組み込んで、完成した光エネルギー発生装置。ルルイエで起きた闇の支配者の戦いで力を失ったゼロにその光で蘇らせようとした。」

 

キャサリンは真理奈達に光遺伝子コンバーターを説明し、ルルイエで起きたガタノゾーアの戦いをモニターで見せる。

真理奈達が見たのは石像になったゼロにドルファー202に搭載した光遺伝子コンバーターで蘇らせようとしたところである。

しかし、ガタノゾーアによる妨害で失敗に終わってしまった。

 

「シン君ってそんなことがあったんだね・・・」

「それにこの世界ではそんな出来事があったなんて・・・」

 

なのはとユーノはモニターを見て、この世界で起きた出来事を改めて痛感する。

 

「まぁ、この時の事は一旦置いといて、作戦が失敗したから結果的にどうなったのか、結局分からなかったのよ。そこで、ルルイエの戦いで力を失ったスパークレンスに光遺伝子コンバーターで元の姿にならないか、キャスに頼んで試してみることにしたのよ。キャス、頼んだわよ。」

「えぇ。」

 

キャスは真理奈の言う通りに、光遺伝子コンバーターを作動する。

よって光遺伝子コンバーターから光線が発射し、スパークレンスに照射する。

しかし、しばらく経った後、光遺伝子コンバーターに火花が散らし始める。

この状況に真理奈達は慌てるしかなかった

 

「うわっ!?」

「マズい!?」

 

キャスはすぐに光遺伝子コンバーターを停止する。

そのおかげで大事にならなかった。

 

「ふえぇ~・・・」

「びっくりした・・・」

「あのまま続けていたら光遺伝子コンバーターが壊れる所だったわ・・・」

「でも、逆に言えば失敗したってことになるわね・・・」

 

真理奈達は光遺伝子コンバーターが爆発しなかったのが不幸中の幸いなのかホッとするが、同時に光遺伝子コンバーターによる実験が失敗し、スパークレンスが力を取り戻せなかったことに真理奈は少しショックを受けていた。

 

(この方法がダメなら別の手を考える必要があるけど、どうすればいいのやら・・・)

 

真理奈はスパークレンスに力を取り戻し、再びウルトラマンティガを蘇らせる方法を考え、悩んだ。



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アメリカ・テキサスでの戦い

スーパーGUTSの隊員である中島ぎんがとウルトラマンギンガが被ってるので、分かりやすいように、ひらがなとカタカナに分けております。


妖精の世界でアストロモンスとアーストロンが現れ、シン達を襲う。

しかし、シンはウルトラマンゼロに変身し、ラブ達とつぼみ達もフレッシュプリキュアとハートキャッチプリキュアに変身し、アストロモンスとアーストロンを打ち倒した。

一方、真理奈はプロノーン・カラモスでスーパーGUTSに異動するアルケミー・スターズを選抜し終え、石になったスパークレンスに光を取り戻させ、ウルトラマンティガを蘇らせる為、光遺伝子コンバーターを使用するが、そのマシン自体が壊れてしまう可能性が出る程ショートし、ティガの復活は失敗に終わってしまう。

夕刻、スーパーGUTSに選ばれた8人は異動の準備を終え、リョウとカリヤが所有するゼレットとボッパーでスーパーGUTS基地に行った。

尚、ぎんがは自分の家族と再会するため、休暇を取ることになっていた。

今はプロノーン・カラモスの前にいる。

 

「じゃ、高町とスクライアの事は頼んだわよ。」

「えぇ。真理奈も早く帰ってくるようにね。」

「分かってるって。」

 

ぎんがはそう言ってなのはとユーノを乗せたスバル・インプレッサで一足先に帰宅した。

真理奈はぎんがの車が見えなくなった後、プロノーン・カラモスに入っていった。

そして、ダニエルの部屋に入る真理奈。

 

「お待たせ。ダニエル、キャス。」

「あのままお家に帰ってればいいのに。話なら電話越しでもできるわ。」

 

キャサリンは真理奈にそう言う。

 

「ぎんがとはゆっくり話したいモンだけど、それどころじゃないからね。怪獣が出てきたら休暇どころじゃないし、高町やスクライアのように別の世界から来た奴がこの世界に来てるかもしれないしさ。」

 

真理奈は空いている椅子に座る。

 

「それよりさ、フランスで起きた例の事件の事、シルバーウィークの時に調べようと思ってる。夏休みはできればゆっくりしたいし、スーパーGUTSの人材集めの時にぎんがの結婚式があるわけだし、来月は学校が2学期に入るとはいえ、連休があれば調べる余裕がある。ありすにもこの事を伝えてほしいのよ。」

 

真理奈はダニエルとキャサリンにそう要求する。

 

「確かに5日間もあれば調べる余裕はあるわね。」

「だが、いいのか?今の君はウルトラマンに変身できない。それに、友達の事は兎も角、君の家族が心配するぞ。」

 

ダニエルは真理奈にそう言って心配する。

 

「分かってる。だからシルバーウィークの時にスーパーGUTSにボディーガードをお願いするよう説得してほしいのよ。流石に1人で行こうなんて思ってないわ。頼んでくれる?」

 

真理奈はダニエルにそのように要求する。

ダニエルは真理奈の言葉に悩まされるが・・・

 

「わかった。シルバーウィークの事をスーパーGUTSに伝える。」

「悪いね。」

 

真理奈の要求に承諾するダニエル。

そのダニエルに謝る真理奈。

 

(1ヶ月後にフランス行き・・・か・・・まのんはどこにいるのかな?クルルの奴、また勝手に離れたりしないよね?)

 

真理奈はまのんとクルルの事を思い出し、天井に見上げながら思いを馳せる。

 

 

 

 

 

 

その頃、まのんとマヤ、ドキドキ!プリキュアはアメリカのテキサスでプリキュアに変身して、ウルトラマンギンガと一緒に植物のような無数の触手を持つ怪獣と戦っていた。

まず、怪獣の方を説明しよう。

ギンガが戦っている怪獣は植物怪獣グリンショックス。

惑星ソーキンの隕石に乗って地球に飛来したソーキンモンスターである。

自己修復能力や無数の触手でウルトラウーマンベスを苦戦させた。

そして、ドキドキ!プリキュアとウルトラマンギンガと一緒に戦っているまのんとマヤが変身したプリキュアがキュアエレメントとキュアイージスだ。

まのんが変身したキュアエレメントはカーバンクルのクルルと合体することで変身したプリキュアである。

妖精の世界に現れたゲスラに苦しめられたティガを助けたことがある。

1万年前ではユザレという人物が変身し、当時のティガと共にイビロンと戦ったことがあった。

そして、マヤが変身したキュアイージスの方はハピネスチャージプリキュアと同じ変身アイテム・プリチェンミラーで変身する。

ユグドラシルのトップであるデニーズ・ポーカーからプリチェンミラーとプリカードを貰い、トランプ共和国襲撃を始めたが、キュアソード達による活躍で失敗した。

その後、真理奈達の説得でマリー・アンジュ王女を蘇らせ、プリキュアオールスターズと一緒に戦うことに決めた。

 

「ギンガセイバー!」

 

ギンガはギンガセイバーでグリンショックスの触手を斬り落とすが、グリンショックスの触手は再生し始めた。

 

「再生した!?」

 

ダイヤモンドはグリンショックスの再生能力に驚く。

グリンショックスは触手でギンガを捕らえる。

 

「イージス・ジャスティスソード!」

 

イージスはラブプリブレスから光剣を生み出し、ギンガを捕らえたグリンショックスの触手を切り裂く。

よってギンガは助かったが、グリンショックスの触手が再び再生する。

 

「なんて怪獣なの!?」

「これじゃ、キリがない!」

 

ソードとハートはグリンショックスに苦しむ。

 

「キュゥ!」

「え?この怪獣を海に連れて行けって?」

「キュッ!」

 

エレメントは自身の中にいるクルルの提案に首を傾げる。

 

「そっか!あの怪獣は植物!塩分が含まれている海に放り込めば枯れるから、あの怪獣にとっては弱点だよ!」

 

ハートはクルルの提案に理解する。

 

「よし!俺がこいつを海に放り込む。あとは任せるぜ!」

「私とイージスが決めるわ!」

「よろしくね!ソード!」

 

グリンショックスは触手でギンガを再び捕らえる。

 

「ヒカルさん!」

「大丈夫だ!このまま連れて行く!」

 

ギンガはグリンショックスの触手を掴み、そのまま飛び上がる。

ギンガはヒューストン港まで行くと、グリンショックスを海に叩き落す。

グリンショックスは海に叩きつけられ、もがき苦しみ、ギンガを捕らえた触手を放してしまう。

 

「いくわよ!イージス!」

「わかった!」

 

ソードはラブリーコミューンにキュアラビーズをセットし、画面にハートを描く。

イージスはラブプリブレスのダイヤルを回す。

 

「閃け!ホーリーソード!」

「裁け!ジャッジメントソード!」

 

ソードとイージスは無数の剣状の光弾をグリンショックスに放つ。

グリンショックスはソードとイージスの攻撃でダメージを負い、海水によって徐々に溶けていき、消滅する。

 

「やったーっ!」

 

プリキュア達はグリンショックスが消滅したのを見て喜ぶ。

 

「まだだろ?」

 

ギンガは喜んでいるプリキュア達にそう言う。

 

「ラブリー達の所に行こうぜ。」

「あっ!そうだった!もう1体怪獣いたっけ!?」

「では、急ぎましょうか。」

 

ギンガとドキドキ!プリキュアとエレメントとイージスはハピネスチャージプリキュアの元へ合流する。

 

 

 

 

 

 

一方、ハピネスチャージプリキュアはケンタウロスのような見た目をして、鞭のような尻尾を持つ怪獣と戦っている。

いや、正確には怪獣ではなく、超獣である。

その名は変身超獣ブロッケン。

人間に憑依する能力を持っていることから、TACの隊員・小山隊員を乗り移り、TAC基地を壊滅しようしたヤプール人が作った超獣である。

ウルトラマンAを敗北寸前まで追い詰めるが、ウルトラギロチンで倒された。

今、ハピネスチャージプリキュアはオースティン郊外にいる。

 

「全然効かないよ!」

「弱音を吐かない!ヒカルさんが来るまで持ち堪えるのよ!」

 

プリンセスは弱音を吐くが、フォーチュンに叱咤される。

 

「見て!ハート達とギンガが来るよ!」

『思ったより早かったな。』

 

ラブリーはギンガとドキドキ!プリキュアが来るのを気付き、指を指す。

リュイルも予想より早く駆けつけてきたギンガ達に驚く。

 

「形勢逆転だね!」

 

ラブリー達はギンガ達が来るのを知り、活気がわいてくる。

その時、ブロッケンが金色の光に包まれ、何処かへ飛んで行ってしまう。

 

「えっ!?」

「なになに!?」

 

ラブリー達は拍子抜けしたように驚く。

ギンガ達は降り立ち、変身を解く。

ラブリー達も変身を解いた。

 

「何があったんだ?」

「分かんない。怪獣が光に包まれたと思ったら、どこかへ消えちゃった。」

 

ヒカルはブロッケンの事を尋ねるが、ひめは何が何だか分からない状況である。

 

「ロシアのツンドラにあるツングースカにも同じように光に包まれて消えたという話も聞きましたけど・・・」

「四葉財閥の情報網でも分からなかったよね。」

 

ありすとマナはひめの話を聞いて、ブロッケンのように、ツングースカの出来事を言う。

 

「どういうことなんだ・・・」

 

ヒカルは今の話に悩まれる。

 

『!』

「キュッ!?」

「どうしたの?」

 

六花はリュイルに尋ねる。

 

『クルル、お前も気付いたか?』

「キュッ!」

 

クルルは突然走り出す。

 

「あっ!クルル!また勝手に!」

 

まのんはクルルを追いかける。

ヒカル達もまのんの後を追う。

彼らが向かっている先にはマッキンニーフォールズ州立公園である。




次回はあの4人チームとギンガには欠かせないあのウルトラマンが出ます。


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なのはの教え子と地底の戦士

これと言ったサブタイトルが浮かばず、この通りになりましたが、サブタイトルの通り彼女達とあのウルトラマンが登場します。


真理奈とダニエル達、そしてスーパーGUTSの選抜でプロノーン・カラモスから異動することになった8人のアルケミー・スターズ達。

そんな頃、アメリカでグリンショックスと対峙するウルトラマンギンガとドキドキ!プリキュア、そしてキュアエレメントとキュアイージス。

グリンショックスを倒した後、ブロッケンと対峙しているハピネスチャージプリキュアの元に駆け付けるが、そのブロッケンが光に包まれて消えてしまう。

それからしばらくして、マッキンニーフォールズ州立公園に何かを感づいて駆けつけるクルルをヒカルとプリキュア達が追いかけていった。

その州立公園で、3人の少女と1人の少年、そして10mを超える白い竜が魚人のような怪人と戦っている。

まず、その魚人のような怪人を紹介しよう。

名は半魚人兵士ディゴン。

水棲生命体スヒュームがスーパーGUTSの母艦クラーコフを襲わせた怪人である。

スーパーGUTSの隊員とウルトラマンダイナと攻防戦を繰り広げられた。

そして、そのディゴンと対峙している4人の少年少女と白い竜だが、1人はローラースケートのような物を着用した青いショートヘアーの少女、1人は拳銃のような物を所持しているオレンジのツインテールの少女、1人は槍のような物を所持している赤髪の少年、そして1人は宝石の付いたグローブのような物を嵌めているピンクの髪の少女である。

まず、一番最初に挙げた少女から紹介しよう。

名前はスバル・ナカジマ。

姉のギンガ・ナカジマを救い、聖王のゆりかごでなのはとはやてを救出した経歴を持つ少女である。

戦闘機人というサイボーグであるが、JS事件をきっかけにレスキュー隊員となった。

次に、ティアナ・ランスター。

機動六課のフォワードチームのリーダーを務める少女。

ジェイル・スカリエッティを率いる戦闘機人の3人・ノーヴェ、ウェンディ、ディードを勝利し、スバルと共になのはとはやてを救出した。

そして、エリオ・モンディアル。

ジェイル・スカリエッティ達に利用されたルーテシアを救い出した少年である。

プロジェクトFによって生み出されたクローン人間だが、フェイトの保護により立ち直った。

続いて、キャロ・ル・ルシエ。

エリオ同様、スカリエッティ達に利用されたルーテシアを救い出した少女である。

彼女の能力に危惧され、故郷から追放されたが、フェイトに保護される。

最後に、フリードリヒ。

キャロが使役する飛竜である。

本来の姿はクルルと同じくらいの大きさだが、キャロとエリオが任務を遂行する時、今の大きさになれる。

ちなみに、それぞれが所持している物は、なのはが持っているレイジングハートと同じデバイスである。

スバルが着用しているローラースケート・マッハキャリバー、ティアナが所持している拳銃・クロスミラージュ、エリオが所持している槍・ストラーダ、キャロが嵌めているグローブ・ケリュケイオン。

4人はそのデバイスで変身し、現在ディゴンと戦っている。

 

「次から次へと!しつこいわね!」

「あ~ん!もう!どんだけいるの!?」

 

ティアナはクロスミラージュの射撃で、スバルはシューティングアーツを駆使してディゴンを倒しまくるが、次々と湧いてくるのでキリがなかった。

 

「エリオ君、大丈夫!?」

「うん、平気だよ!」

 

エリオはディゴンの軍団を相手に苦戦するが、キャロが乗っているフリードの火炎により助かった。

高い岩の上からクルルが姿を現し、スバル達がディゴンの集団と戦っているのを見る。

そのクルルの後ろにヒカルとまのんとマヤ、そしてマナ達とめぐみ達が駆けつける。

 

「もう・・・クルルったら・・・」

「見て!あそこ!」

 

まのんは先走ったクルルに息を切らしながらも叱る一方、ひめはディゴンの集団と交戦しているスバル達を見つける。

 

「あの子らもプリキュアなの?」

 

マヤはスバル達を見てプリキュアだと思っている。

 

「多分、違うと思う。男の子もいるし。」

『今の気配はあの者達か。なのは達と同じ外の世界の住人のようだ。』

 

六花は違うと判断し、更にスバル達はなのは達と同じ世界から来た人間であることをリュイルは気付く。

 

「えっ!?あそこにいる人って・・・すばるさん!?」

「なになに!?知り合いなの!?」

「はい!すばるさんは・・・」

「話は後だ!来るぞ!」

 

まのんはひめにスバルの事を話そうとすると、ヒカルに止められる。

ディゴンの集団が岩によじ登って、ヒカル達に向かって走り出す。

それだけでなく、すぐ近くに空間の歪みが生じ、その歪みからエビやカニのような外見をした怪獣が現れた。

その怪獣の名は宇宙海獣レイキュバス。

水棲生命体スヒュームが送り込んだ火炎弾や冷凍ガスを繰り出すことができる宇宙怪獣である。

その冷凍ガスでウルトラマンダイナを氷漬けにしたことがある。

 

「また怪獣が!?」

「あいつは俺に任せろ!」

 

ヒカルはギンガスパークを取り出し、レイキュバスの方に走っていく。

 

「みんな!」

「いくよ!」

 

マナ達はラブリーコミューンを、亜久里はラブアイズパレットを、めぐみ達とマヤはプリチェンミラーを、いおなはフォーチュンピアノを構え、まのんはクルルを抱きかかえる。

まず、マナ達はラブリーコミューンにキュアラビーズを嵌め込む。

 

「プリキュア・ラブリンク!」

「プリキュア・ドレスアップ!」

 

亜久里はキュアラビーズをラブアイズパレットに嵌め込む。

マナ達はラブリーコミューンの画面にL、O、V、Eとなぞり、亜久里はチップペンで5色のロイヤルクリスタルに触れる。

 

「かわルンルン!」

 

プリチェンミラーとフォーチュンピアノから音声を流し、めぐみ達はプリカードをそれぞれの変身アイテムに挿入する。

 

「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」

「プリキュア・きらりんスターシンフォニー!」

 

めぐみ達とマヤはプリチェンミラーのミラーボールを回し、いおなはフォーチュンピアノの鍵盤を鳴らす。

そして、まのんはクルルを抱き寄せると、クルルがまのんの中に入っていく。

 

「えっ!?」

「なにっ!?」

「この光は!?」

「強いけど、暖かい?」

 

スバル達はマナ達が変身する時に発した光に気付き、そちらの方に振り向く。

マナはピンクのコスチュームを、六花は青いコスチュームを、ありすは黄色いコスチュームを、真琴は紫のコスチュームを、亜久里は赤いコスチュームを身に纏う。

よってマナはキュアハートに、六花はキュアダイヤモンドに、ありすはキュアロゼッタに、真琴はキュアソードに、亜久里はキュアエースに変身する。

更にめぐみはピンクのコスチュームを、ひめは青いコスチュームを、ゆうこは黄色いコスチュームを、いおなは紫のコスチュームを身に纏う。

よってめぐみはキュアラブリーに、ひめはキュアプリンセスに、ゆうこはキュアハニーに、いおなはキュアフォーチュンに変身する。

そして、マヤは銀色の光に包まれ、その光から聖騎士のようなコスチュームを身に纏い、キュアイージスに変身する。

最後にまのんは七色の光に包まれ、白と緑のコスチュームを身に纏い、キュアエレメントに変身する。

 

「繋ぎ合う七つの光!キュアエレメント!」

「正義の盾!キュアイージス!」

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

「愛の切り札!キュアエース!」

「響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!」

「世界に広がるビッグな愛!キュアラブリー!」

「天空に舞う蒼き風!キュアプリンセス!」

「大地に実る命の光!キュアハニー!」

「夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!」

「ハピネス注入!」

「幸せチャージ!」

「ハピネスチャージプリキュア!」

「愛を無くした悲しい魚人さん!このキュアハートがあなた達のドキドキ取り戻してみせる!」

 

変身を終えた後、ハートはディゴンの集団に向けてそう言う。

ディゴンの集団はハート達を襲い掛かる。

 

「ハァァァァァァァァッ!!!」

 

ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュアも向かってくるディゴンの集団を次々と薙ぎ払う。

スバル達はプリキュア達の戦いに度肝を抜く。

 

「すっご・・・」

「インターミドルの選手といい勝負だわ・・・」

「なのはさんとフェイトさんとは別の意味で強い・・・」

「魔法の類じゃないです・・・」

 

スバルとティアナとエリオとキャロはプリキュアの戦いぶりを見て、呆気をとる。

その時、スバル達の背後にディゴンの集団が迫ってきた。

スバル達はそれに気づき、ディゴンから離れる。

 

「プリキュア・ファイヤーボール!」

「裁け!ジャッジメントソード!」

 

スバル達、ディゴンの集団の間に火の玉が着弾し、ディゴンの集団を怯ませ、無数の白い光剣がディゴンの集団に命中し、倒れ伏す。

 

「二人とも、大丈夫ですか!?」

「危なかったわね。」

 

エレメントとイージスはスバル達の前に降り立つ。

 

「え、えぇ。」

「大丈夫だよ!」

「助かったよ!」

「ありがとう!」

 

スバルとティアナとエリオとキャロはエレメントとイージスに礼を言う。

しかしその間、スバルとティアナとエリオとキャロ、エレメントとイージスの周りにディゴンの集団が囲っている。

 

「誰なのかは気になるけど、今はこいつらを!」

「分かったわ!みんな、こいつらを倒して、あの怪獣を倒すわよ!」

「うん!」

「はい!」

 

イージスは話を後にして、ディゴンの集団を何とかしようとティアナに言う。

ティアナはイージスの言う通りにし、スバル達とエレメントに指示を与え、ディゴンの集団に挑む。

一方、ヒカルはレイキュバスの前に立ち、ギンガスパークからウルトラマンギンガのスパークドールズが現れる。

ヒカルはそれを掴み、8の字を描くように振ってからギンガスパークに読み込ませると、「ウルトライブ!ウルトラマンギンガ!」と音声が流れる。

 

「ギンガー!」

 

ヒカルは叫び声をあげながら、ギンガスパークを頭上に挙げる。

よってヒカルはウルトラマンギンガに変身した。

ギンガはレイキュバスの前に身構える。

その時、ギンガの背後に空間が捻じれ始める。

ギンガはそれに気づき、振り向くと、その空間の捻じれから口の部分に巨大な鋏をし、長い尻尾を持つ怪獣が現れた。

いや、それは怪獣ではなく、超獣である。

名は大蟹超獣キングクラブ。

瀬戸内海に現れたカブトガニと宇宙怪獣が合成した超獣である。

その長い尻尾でウルトラマンAを苦しませるが、逆転され、倒される。

 

「またか!?」

 

レイキュバスの目が青から赤に変わり、ギンガに火炎弾を放つ。

 

「ビクトリウムバーン!」

 

その時、空から光線が放たれ、レイキュバスの火炎弾を相殺する。

それと同時にギンガの前に全身がVの字のクリスタルが備わった赤と黒を基調とした巨人が降り立った。

その巨人の名はウルトラマンビクトリー。

地底の民・ビクトリアンの青年ショウがビクトリーランサーで変身するウルトラマンである。

ギンガと共闘し、ビクトルギエルやエタルガーと戦ったことがある。

 

「うわぁっ!また何か出た!?」

「もう一人のウルトラマン!?」

 

スバルとハートはビクトリーの登場に驚く。

 

「ショウ!」

「久しぶりだな!心配したぞ!」

「悪ぃ!心配かけたな!」

 

ギンガはビクトリーとの再会に胸が熱くなる。

しかし、それどころではなかった。

レイキュバスとキングクラブの咆哮で、ギンガとビクトリーは気付き、身構える。

 

「まずはこいつらだな!」

「あぁ!行くぞ!」

 

ギンガはキングクラブを、ビクトリーはレイキュバスを対峙する。

ラブリー達とスバル達もディゴンの集団の戦いに集中する。



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VSキングクラブ&レイキュバス

久々の投稿ですが、3ヶ月もかかったんですね・・・(汗)


アメリカにあるマッキンニーフォールズ州立公園で半魚人兵士ディゴンの集団と戦っている少年少女。

その正体は過去に時空管理局・機動六課に配属し、JS事件をなのは達と共に解決した、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、エリオ・モンディアル、キャロ・ル・ルシエだった。

ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュア、そしてヒカルとエレメントとイージスは彼女達の戦いを目の当たりにしながらも、共闘することになった。

そんな時、宇宙海獣レイキュバスが現れ、ヒカルはウルトラマンギンガに変身するが、その直後に大蟹超獣キングクラブが現れる。

その時、レイキュバスの攻撃を相殺し、ギンガの前に現れたのは、かつてギンガと共に同じ世界で地球を守ってきたもう1人の戦士、ウルトラマンビクトリーが現れる。

ギンガとビクトリーはキングクラブとレイキュバスと対峙する。

キングクラブは尻尾でギンガを攻撃する。

ギンガはキングクラブの攻撃をジャンプで躱し、そのまま脳天に殴りこむ。

キングクラブはギンガの攻撃に怯むが、立て直してクラブ光線を放つ。

ギンガはキングクラブの攻撃を躱す。

 

「ギンガファイヤーボール!」

 

ギンガはギンガファイヤーボールでキングクラブに反撃する。

キングクラブはギンガの技に怯む。

ギンガはこの隙にキングクラブに駆け付け、脳天にチョップを下す。

キングクラブはギンガの格闘に負けず、尻尾で攻撃する。

ギンガはキングクラブの尻尾を掴み、ハンマー投げの如く振り回し、投げ飛ばす。

キングクラブはギンガに投げ飛ばされて、そのまま叩き落される。

 

「ギンガサンダーボルト!」

 

ギンガは頭上に雷の渦を発生し、それをキングクラブに投げつける。

キングクラブは立ち上がった瞬間、ギンガの技を受けて怯む。

一方、レイキュバスはビクトリーに向かって走り出す。

 

〈ウルトランス!ハイパーゼットンシザース!〉

 

ビクトリーの右腕に突起状の腕が現れる。

これがビクトリーの得意技の1つ、ウルトランスである。

ウルトランスはショウが所有するビクトリーランサーに怪獣のスパークドールズをリードすることで、様々な怪獣の力を武器に使用することができる。

今、ビクトリーが使ったのは、ハイパーゼットンのスパークドールズをリードすることで装備したハイパーゼットンシザースである。

ビクトリーは向かってくるレイキュバスの腹部に、ハイパーゼットンシザースで突き刺した後、暗黒火球を放つ。

よってレイキュバスはその衝撃により後ろに吹き飛ばされる。

レイキュバスはすぐに起き上がり、目が赤から青に変わり、冷凍ガスを放つ。

 

〈ウルトランス!EXレッドキングナックル!〉

 

ビクトリーはすぐにハイパーゼットンシザースからEXレッドキングナックルに変更させる。

ビクトリーはEXレッドキングナックルで地面に叩きつけると、炎を走らせ、レイキュバスの冷凍ガスを掻き消しながら、そのままレイキュバスに命中する。

レイキュバスはビクトリーの攻撃に怯む。

 

「プリキュア・ロイヤルラブリーストレートフラッシュ!」

「プリキュア・イノセントプリフィケーション!」

 

一方、ドキドキ!プリキュア、ハピネスチャージプリキュア、エレメント、イージス、そして、スバル、ティアナ、エリオ、キャロは互いに連携してディゴンの群れを次々と薙ぎ倒していく。

 

「プリキュア・ハリケーンダンス!」

「イージス・ソードトルネード!」

 

エレメントは緑色の竜巻を発生し、イージスは光剣の竜巻を発生させ、ディゴンの群れを飲み込んでいく。

 

「今よ!」

「OK!」

 

イージスはティアナに止めを刺すよう伝える。

ティアナは無数のオレンジ色の光球を形成し、竜巻に飲まれていたディゴンにクロスミラージュを向ける。

 

「クロスファイヤー・フルバースト!」

 

ティアナはクロスミラージュの引き金を引くと同時にオレンジ色の光球が竜巻に向かって飛翔していく。

その光球は竜巻の中にいるディゴンの集団に次々と命中し、爆散させる。

竜巻が消えた後、スバル達は周囲を見渡すが、もうディゴンの群れはいないことを知り、一先ず安心をする。

ただ、スバルとティアナとエリオとキャロはディゴンの群れとの連戦で披露がピークに達しているのか、その場で座り込んでいた。

 

「大丈夫ですか?」

 

エレメントはスバル達の元に駆け付け、心配かける。

 

「だ、大丈夫だよ。」

 

スバルは息を切らしながらエレメントに言う。

 

「エレメント、イージス。あなた達はこの人達をお願い。」

「あたし達はヒカルさん達を援護するから。」

「は、はい。」

「頼んだわよ。」

 

ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュアはエレメントとイージスにスバル達を守っておくよう頼み、ギンガとビクトリーを援護するべく、駆けつけていった。

 

〈ウルトランス!シェパードンセイバー!〉

 

ビクトリーはシェパードンセイバーを召喚し、レイキュバスを叩き斬る。

レイキュバスはビクトリーの攻撃に怯む。

ギンガもギンガスパークランスを出し、キングクラブを斬りつける。

キングクラブはギンガの攻撃に手も足も出なかった。

ギンガとビクトリーの猛攻に後退るレイキュバスとキングクラブはそれぞれ火炎と冷凍ガスを吐き出す。

 

「ハニー・テレポート!」

 

その時、ギンガとビクトリーが突然消え、レイキュバスとキングクラブの攻撃が躱される。

レイキュバスとキングクラブはギンガとビクトリーを探すが、見当たらなかった。

 

「煌めきなさい!トゥインクルダイヤモンド!」

「ときめきなさい!エースショット!ばきゅ~ん!」

「プリンセス・トルネード!」

「フォーチュン・タンバリンリング!」

 

レイキュバスが氷の結晶を纏った竜巻に飲まれ、全体に氷漬けにされる。

一方のキングクラブは光のロープとリング状のエネルギーにより、身動きが取れない状態になる。

その直後、レイキュバスとキングクラブの背後にギンガとビクトリーが現れる。

 

「フヒィ~・・・あたしまで氷漬けにされるトコだった~・・・」

「あぁ・・・ごめんね、プリンセス。」

「アイちゃんがいなかったら巻き込まれたわね・・・」

「無事でよかったですわ。」

「きゅぴ!」

 

レイキュバスとキングクラブの付近に飛んでいるのは、ダイヤモンドとプリンセス、エースとフォーチュンである。

レイキュバスとキングクラブの動きを封じたのはこの4人だったのだ。

 

「ヒカル、あの女の子たちは?」

「伝説の戦士プリキュア。俺達ウルトラマンと一緒に戦う仲間だ!」

 

ギンガはビクトリーにプリキュアの事を教えた。

キングクラブはダイヤモンド達に気づき、尻尾で薙ぎ払おうとした。

 

「ラブリー・ライジングソード!」

「煌け!アルティマソード!」

 

しかし、キングクラブの尻尾は、ラブリーとソードの技によって切断され、空振りになる。

キングクラブは尻尾が使えなくなったので、クラブ光線でラブリーとソードに放つ。

 

「プリキュア・ロゼッタリフレクション!」

 

ロゼッタはプリキュア・ロゼッタリフレクションでキングクラブの攻撃を防ぐ。

 

「プリキュア・ハートシュート!」

 

ハートはプリキュア・ハートシュートを放ち、キングクラブに命中する。

よってキングクラブは攻撃を中止した。

 

「今だよ!」

 

ハートはギンガとビクトリーに止めを刺すよう伝える。

 

「あぁ!」

 

ギンガとビクトリーはハートの言う通りにキングクラブとレイキュバスにギンガクロスシュートとシェパードンセイバーフラッシュを放つ。

ギンガの光線はキングクラブに、ビクトリーのV字型の刃はレイキュバスに命中する。

よってキングクラブとレイキュバスは同時に爆散された。

 

「よし!」

「やったーっ!」

 

ハート達とスバル達はギンガとビクトリーが勝利した所を見て、大喜びする。

ギンガとビクトリーはキングクラブとレイキュバスとの戦いを終えた後、変身を解き、プリキュア達の元に来る。

プリキュア達とスバル達も変身を解き、互いに自己紹介をした。

 

「じゃぁ、ギンガビクトリーにはなれないという事か?」

「あぁ。けど、いつか力を取り戻せるぜ。あの子達がついてるからな。」

 

ヒカルはショウにウルトラフュージョンブレスが失われたことを伝えるが、力を取り戻せるチャンスがあるとショウに言う。

 

「しかし、ウルトラマンの他に時空の歪みでこの世界に飛ばされた奴もいるとはな。」

 

ショウはスバル、ティアナ、エリオ、キャロの方に振り向く。

 

「すばるさん・・・あ、いや。ナカジマさん。人違いしてすみませんでした。」

「あぁ、気にしない、気にしない。それにスバルでいいから。」

 

まのんは人違いをしていたスバルに謝るが、気にするな、と言われる。

 

「でも、この世界にスバルと同じ名前の女の子がいるなんてね。」

「会ってみたいよー!」

 

スバルはまのんからすばるの事を聞いて興奮していた。

 

「私も会いたいです!」

「いや、会ったらややこしくなるんじゃ?」

 

エリオはスバルとキャロの言葉にツッコミを入れる。

 

「こっちの世界にもあたしがいるってことは、ギン姉やノーヴェもいるのかな?」

「はい。チンクさんやディエチさん、それからウェンディさんもいます。」

 

まのんはキャロにすばるの家族の事を言う。

 

「やっぱりチンク達もいるのね・・・」

 

ティアナはまのんからすばるの家族の事を聞いて苦笑いする。

それを他所に、クルルとフリードは鬼ごっこしてるかのように遊んでいた。

クルルとフリードだけじゃない、シャルルとラケルとランスも追いかけっこしていた。

 

「あ、そうだ。クルル、勝手にどこかへ行っちゃダメでしょ?」

「キュ?」

 

まのんはクルルに叱り、そのクルルはフリードを追うのをやめ、まのんに振り向くと、能天気に首を傾げる。

その途端、シャルルとラケルとランスはクルルにぶつかり、地面に転がった。

まのんはクルルのそんな様子に溜息を吐くしかなかった。

 

「もう、クルルったら・・・」

「まぁまぁ、クルルがここに連れて来なかったらティアナ達が無事で済まなかっただろうし・・・」

 

マヤはまのんをそう言って宥める。

その時、どこからか腹の虫が響き渡る。

 

「え?」

「ちょっと、マナ?」

「あ、あたしじゃないよ!?」

「じゃ、ゆうこなの?」

「フフッ、私ならありそうだけど、違うよ?」

 

まのんは今の腹の虫を聞いて目が点となり、六花はマナの方に睨みつけるが、マナは否定し、ひめはゆうこにジト目で見るが、ゆうこは違うと言い出す。

 

「ごめん、あたし・・・(////)」

 

スバルは照れながら手を挙げて言う。

そう、腹の虫の張本人はスバルだった。

 

「全くあんたは・・・」

 

ティアナはそんなスバルに対し、ジト目で呆れる。

 

「それでは、私の別荘に戻りましょうか。ティアナさん達が住んでいるミッドチルダの事を知りたいですし。」

 

ありすはまのん達をスバル達と一緒に別荘に戻るように提案する。

 

『それに別行動をしている誠司とまりあも怪獣と戦っているはずだ。急いで合流した方がいいだろう。』

 

リュイルはまのん達にそう言う。

 

「それじゃ、行こっか。」

「誠司君達と手伝うために。そして・・・」

「テキサス名物ステーキを食べるために!」

「そっちが本命じゃん!」

 

めぐみとゆうこが意気込むが、ひめは2人の最後の意気込みにツッコミを入れる。

 

「よーし、そうと決まればしゅっぱーつ!」

「あんたねぇ・・・」

 

スバルはめぐみとゆうこの意気込みに乗り、ティアナはそんなスバルに呆れる。

エリオ達は苦笑いするしかなかった。

それはさておき、まのん達はスバル達とショウと一緒に誠司達と合流するべく、クルルとリュイルの力でテレポートして、マッキンニーフォールズ州立公園から去って行った。




次回はギンガをサポートしたあのウルトラマンが登場します。


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暗躍する革命

不定期投稿とはいえ、こんなペースで大丈夫なんかな・・・


アメリカのマッキンニーフォールズ州立公園でスバル、ティアナ、エリオ、キャロと出会い、空間の歪みから現れたレイキュバスとキングクラブを新たに現れたウルトラ戦士・ウルトラマンビクトリーと連携して戦うギンガとドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュアとエレメントとイージス。

それぞれの得意技を駆使してレイキュバスとキングクラブを撃破する。

2体の怪獣との戦いの後、別の場所で戦っている仲間と合流するマナ達。

その仲間とは・・・

 

「ストリウム光線!」

 

2本の角を生やした赤い体の巨人・ウルトラマンタロウである。

タロウはウルトラ六兄弟の末っ子で、東光太郎が変身するウルトラ戦士である。

今では宇宙警備隊の筆頭教官を務めており、ウルトラマンメビウスを教導したのも彼である。

そしてそのタロウに変身した今の変身者は相良誠司である。

彼はハピネスチャージプリキュアのキュアラブリーこと愛乃めぐみの幼馴染。

めぐみがラブリーだったことがバレたことがきっかけでサポートすることになった。

そして、今はウルトラマンタロウの変身者として戦っている。

そのタロウがストリウム光線を放った件だが、タロウは今、目の前にいる怪獣と戦っている。

その怪獣は背中に鰭が生え、二本の角を持つ首長竜のような怪獣である。

その怪獣の名は古代怪獣キングザウルス三世。

角からバリヤーを張って光線を防ぐ強力な怪獣である。

ウルトラマンジャックのスぺシウム光線や八つ裂き光輪をも防ぎ、ジャックを窮地に追い詰めた。

そのキングザウルス三世はバリヤーでタロウのストリウム光線を防いでしまう。

 

「くそっ!光線技が効かない!」

『落ち着け、誠司。キングザウルス三世はバリヤーで光線技を防ぐが、それは横方向だけ。真上から攻撃して角を破壊すればバリヤーは張れない。』

「真上から?」

『あぁ。ジャック兄さんはその方法でキングザウルス三世を倒したのだ。』

 

タロウは誠司にキングザウルス三世の倒し方を教えた。

キングザウルス三世は口から放射能光線を放つ。

タロウはキングザウルス三世の光線をジャンプで躱す。

タロウは上空からスワローキックでキングザウルス三世をお見舞いする。

しかも、タロウの攻撃は見事にキングザウルス三世の角を蹴り折らせた。

 

「よし!」

『上手いぞ、誠司!』

 

タロウの助言を受けて、スワローキックでキングザウルス三世の角を蹴り折らせることに成功した誠司は心の中でガッツポーズする。

キングザウルス三世は自身の角が折らされたことに焦りを隠せなかった。

タロウはキングザウルス三世に反撃を行なう。

タロウはキングザウルス三世を殴ったり蹴ったりした後、背中を掴んで持ち上げ、地面に放り投げる。

地面に叩きつけられたキングザウルス三世はタロウに背中を向け、逃げようとする。

しかし、タロウはそれを見逃すはずはなく、ストリウム光線を放つ。

タロウの光線はキングザウルス三世の背中に命中。

キングザウルス三世はタロウのストリウム光線を受け、力尽きる。

 

「やあっ!!」

 

タロウとは別に戦闘を繰り広げられていた。

そこでは、キュアフォーチュンによく似たコスチュームだが、フォーチュンと違い、長いフレアスカートをし、大人っぽい雰囲気をしたプリキュアと、カウガールのようなコスチュームをしたプリキュア達がディゴンの群れと戦っていた。

前者のプリキュアはキュアテンダー。

ハピネスチャージプリキュアのキュアフォーチュンの姉であり、氷川まりあが変身するプリキュアである。

プリキュアハンター・ファントムとの戦いで、エターナルケージに封印された挙句、クイーンミラージュに操られたが、ハピネスチャージプリキュアに救われた。

後者のプリキュア達はボンバーガールズプリキュアである。

彼女達はアメリカ西部で幻影帝国の魔の手から守り続けたプリキュアチームである。

テンダーはディゴンの群れを一ヵ所に集めるように薙ぎ倒していく。

 

「シェリフ、ポニー、インディ、今よ!」

 

テンダーはボンバーガールズプリキュアにディゴンの群れに止めを刺すよう伝える。

ちなみにテンダーが呼んでいるシェリフとポニーとインディというのは、保安官風のプリキュアがキュアシェリフ、金髪ポニーテールのプリキュアがキュアポニーで、インディアン風のプリキュアがキュアインディである。

 

「サンキューな!」

「ミー達に!」

「任せてくだサーイ!」

 

ボンバーガールズプリキュアは頷き、右肩から星を出す。

 

「スターブーメラン!」

 

3人同時に星を投げ飛ばす。

その星はディゴンの群れに命中し、1体残らず消滅させた。

テンダーとボンバーガールズプリキュアはディゴンの群れを倒して、安堵する。

テンダーは変身を解き、まりあに戻る。

その直後、めぐみ達が駆けつけてきた。

 

「お姉ちゃん!」

「いおな!」

 

いおなはまりあの元に駆け付け、抱きつく。

 

「シェリフ、ポニー、インディ。」

「そっちも終わったの?」

「あぁ。たった今な。」

「ミス・マリアのおかげで助かったワ。」

「ウルトラマンも怪獣をやっつけてくれて感謝デース。」

 

ゆうことひめはシェリフ、ポニー、インディと話し合う。

 

「誠司、お疲れ様!」

「めぐみもお疲れだな!」

 

めぐみと誠司は互いにハイタッチする。

 

「すごぉい、あの有名なボンバーガールズプリキュアをこの目で見られるなんて・・・」

「・・・」

 

まのんはシェリフ達を見て、両手を組んで目を光らせるが、マヤの方はバツが悪そうにシェリフ達から視線を逸らした。

 

「?マヤ?」

「どうした?」

 

ティアナとショウはそんなマヤに気付き、尋ねる。

 

「マヤ、まだ気にしてるの?」

「・・・えぇ・・・」

 

真琴はマヤがシェリフ達から視線を逸らした理由を察しながら尋ねると、マヤは俯きながら頷く。

 

「あの子達に何かしたの?」

 

スバルはマヤにそう聞く。

 

「・・・後で話すわ・・・」

 

マヤはスバルの質問に対し、そう答えるしかなかった。 

 

「ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュアもかっこいいけど、ウルトラマンも強くてかっこいいね。なんだか興奮しそうだよ。」

 

その状況を遠くから、赤いバンダナをした黒のロングヘアーの少女は見ていた。

いや、彼女だけではなかった。

 

「レン、遊びに来たんじゃないのですよ?わたくし達の目的は、例の女の追跡です。人間界にいるとフラムからの情報で知ったんですから、少しは集中を・・・」

 

レンと呼ばれた少女の隣に、金色の鎧を纏った金髪の少女もいたのだ。

 

「ぶぅ~。頭固いんだから、セレナは・・・」

 

レンはセレナと呼ばれた少女に頬を膨らませながらジト目で睨む。

 

「君だって、ユグドラシルの女騎士さんに興味持ったんでしょ?」

「キュアイージスの事ですか。確かに戦士としての腕は興味を持ちますが、罪を犯した者に気にする道理はないでしょう。それよりも行きますよ、レン。」

「ほい、了解。」

 

セレナはレンにそう言い、首に掛けているメダリオンを握ると、セレナの足元に金色の三角形の魔法陣が現れる。

その後、セレナが光に包み込まれ、消えていった。

 

「う~ん、ボクはあのカーバンクルの女の子が気に入ったんだよな~?」

 

レンはまのんの事を言っているのか、口を尖がらせながら不貞腐れる。

 

「ま、いいや。クレインやフラムに無理言って、お姉さんを探すついでにお話すればいっか。だったら、その子が日本に帰って来た時に会っとこう。」

 

レンはそう言いながら、ポケットからメダリオンを出し、指パッチンをした後、足元に黒い三角形の魔法陣が現れ、光に包み込まれた後、消えていった。

 

 

 

 

 

 

その頃、真理奈はプロノーン・カラモスでの用事を済ませた後、小泉学園に戻り、そして、自宅の近くまで帰ってきた。

 

「ふぅ・・・すっかり遅くなったわね・・・でも、夕飯まで間に合うかな。」

 

真理奈はアタッシュケースを手に、そのまま真っ直ぐ帰宅する。

そして、家のドアの前に来て、ドアの取っ手を握って開ける。

その途端、真理奈は土間に立ち止まり、そこら中に置いてある靴の数を眺める。

 

「やれやれ・・・居候がこんなにいると苦労するわね・・・しかも来客は中島ファミリーの7人もここに来てるから大変だわ・・・母さんの部下達は裏口の玄関を使ってたから問題ないけど。」

 

真理奈はその辺の靴を見て、やれやれとジェスチャーをする。

その居候というのは、なのは、ユーノ、ヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィの事である。

真理奈はそう愚痴りながらも、靴を脱いでダイニングルームへ行く。

 

「ただいま~。」

 

真理奈はダイニングルームに通じるドアを開ける。

 

「真理奈ーっ!おかえりっスーっ!」

「うおぉあぁっ!?」

 

真理奈は突然、何かにぶつかって後ろに倒れる。

いや、ぶつかると言うより、押し倒されたと言った方が正解だった。

犯人は赤髪を後頭部にまとめた少女・ウェンディである。

 

「ウェンディ、いい加減にそうやって突進する癖やめないか?」

 

黒い眼帯をつけた銀髪の少女・チンクはそんなウェンディを呆れながら注意する。

 

「ウェンディったら相変わらずだね?」

「・・・ったく、このバカは・・・」

 

長い茶髪を薄黄色のリボンで結んでいる少女・ディエチと少年的な雰囲気を纏った赤髪の少女・ノーヴェもウェンディに対して呆れていた。

この4人は、ミッドチルダではJS事件を勃発した違法研究者・ジェイル・スカリエッティの手によって生み出された戦闘機人である。

事件解決後、更生プログラムを受け、ナカジマ家の養子として迎えられた。

プリキュアの世界では、その4人とは別人である。

 

「ええい!どきなさい!」

「おわぁっ!?」

 

真理奈は両手でウェンディを少しずつ話した後、その時に空いた所に自分の足でウェンディの腹に置いて、突き飛ばす感じに足を延ばした。

よってウェンディは思い切り吹っ飛ばされた。

真理奈はその後に上体を起こす。

 

「あいててて・・・真理奈、蹴り飛ばすなんて酷いっスー!」

「あんたがいきなり抱きついて来るからでしょうがよ!」

 

ウェンディは頭のたんこぶを抑えながら真理奈にそう言うが、逆に文句を言われる。

 

「それより、高町とスクライアは兎も角、他の4人は帰って来たの?」

「あぁ。ヴィヴィオ達はね・・・」

「お待たせしました!」

 

真理奈はヴィヴィオ達の事をディエチに聞くと、別のドアからヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィが入ってきた。

4人共、すでにパジャマ姿である。

 

「あ。真理奈、お帰り~。」

「あぁ、ただいま。」

 

ヴィヴィオは真理奈が帰って来たのを気付いて、挨拶する。

 

「シン兄さんと相手してどうだったの?」

「正直きつかった・・・」

「うぅ~、リアクト状態でも敵わなかった・・・」

 

真理奈はシンとの模擬戦についてヴィヴィオ達に聞くと、トーマとリリィは疲れ切った表情でそう答える。

 

「手加減してもらったとはいえ、次元が違いました・・・」

「私なんかウルトラマンになっても手も足も出なかったよ・・・」

 

アインハルトとヴィヴィオも苦笑いしながら、そう答える。

 

「まぁ、シン兄さんの戦闘スタイルは人間の常識超えてるから・・・」

 

真理奈はそんなヴィヴィオ達を見て、苦笑いしながらそう言う。

 

「真理奈ーっ!おかえりーっ!」

「ほげぇっ!?」

 

真理奈は突然、機動六課時代のスバル・ナカジマとそっくりな少女に押し倒される。

その少女とは中島すばるである。

 

「真理奈、会いたかったよーっ!」

「ええい!お黙り!」

「うわあぁっ!?」

 

真理奈はそんなすばるに対し、巴投げをする。

 

「いった~い・・・こんなのあんまりだよ~・・・」

「いきなり抱きついてきて、なに言ってんのよ!?」

 

真理奈は痛がっているすばるに怒鳴る。

ヴィヴィオ達はその光景を見て笑い出す。

 

「え?何で笑ってんの?」

「あぁ、ごめん。このやりとり、スゥちゃんとティア姉の事を思い出して・・・」

(スゥちゃんとティア姉って誰よ?)

 

真理奈はヴィヴィオ達が突然笑い出した理由を聞くと、トーマがスバルとティアナのやりとりを思い出したと言い出し、真理奈は「なんだそりゃ・・・」と言いたげな表情で呆れる。

 

「さ、思い出話は後にして、晩御飯を食べようか。」

 

ディエチは一回手を叩いて夕飯を食べるよう勧める。

 

「はーい!」

「今日は餃子っスー!」

 

すばる達はテーブルの方に向かう。

真理奈はダイニングにいないなのはとユーノを呼びに行った。

 

 

 

 

 

ちょうどその頃、大貝町の四葉ターミナルのコンテナの傍に白衣を纏った2人の青年が集まっていた。

その2人の内1人は髪型がツンツンした茶髪をしており、もう1人は眼帯をつけた黒い髪型をしていた。

 

「遅い・・・」

 

眼帯の男は腕時計を見ながらも、キョロキョロしている。

 

「・・・!来たぞ!」

 

ツンツン頭の男は何かを発見したのか、眼帯の男に声をかける。

ツンツン頭の男が発見したのは、翼と両腕の生えた蛇である。

蛇の腕に紫の水晶が付いた杖を持っている。

その蛇はヨロヨロと降り、その時に持っていた杖を落としてしまう。

眼帯の男はその杖を拾う。

その時、翼の生えた蛇が突然姿が変わり、紫色のウェーブヘアーの少女となる。

 

「よく見つけたよ、蛇。軟禁したお前を行かせて正解だったよ。」

「!このぉ・・・」

 

紫ウェーブの少女は眼帯の男に言われて、睨みつける。

その時、ツンツン頭の男はポケットからリモコンのような機械を取り出し、スイッチを押す。

すると、紫ウェーブの少女の首に掛けている首輪から電流が走り出す。

 

「!アァァァァァァァァッ!!!」

 

紫ウェーブの少女はその電流に耐えられず、突っ伏してしまう。

その後、ツンツン頭の男は彼女の脇腹を狙って蹴り飛ばす。

 

「バケモノが。逆らおうとしてんじゃねぇよ。」

 

紫ウェーブの少女はツンツン頭の男に蹴り飛ばされ、咳き込みながら脇腹を抑える。

 

「おい、例のサンプルは持って来たのか?」

「問題ないよ。ちゃんと持って来てる。」

 

ツンツン頭の男は眼帯の男に聞く。

眼帯の男は内ポケットから血液が入った試験管を出す。

 

「こいつをあの怪獣に入れておけば、プリキュアなんてイチコロさ。」

「よし、急いで計画を始めるぞ。我々ユグドラシルに革命を!」

 

ツンツン頭の男は眼帯の男にそう言って、紫ウェーブの少女を引き摺って、どこかへと立ち去る。



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変異されし少女の虚ろ

戦闘シーンありませんが、もう少し待っててください。


ドキドキ!プリキュアとハピネスチャージプリキュア、そして、ウルトラマンギンガとキュアエレメントとキュアイージスはスバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、エリオ・モンディアル、キャロ・ル・ルシエとウルトラマンビクトリーと共にレイキュバスとキングクラブ、そしてディゴンの群れを退治した一方、キングザウルス3世と対峙していたウルトラマンタロウは苦戦するものの、キングザウルス3世に打ち勝つ。

アメリカで活躍していたボンバーガールズプリキュアとの協力で、怪獣を倒した彼女達は一時の休息をとっていたその頃、真理奈は実家で中島ぎんがの休暇により、中島家と一緒に団欒している。

 

「しっかし、今でも信じらんないわね。まさかぎんがが結婚することになるなんて・・・」

 

真理奈は箸でぎんがに向けて言う。

 

「もう、真理奈。お行儀が悪いわよ?」

 

ぎんがは真理奈の行為を見て、注意する。

 

「そうだよ?お箸で人を指しちゃダメだよ。」

 

なのはもぎんがと同じように真理奈に注意する。

 

「ム・・・わ、悪かったわね・・・」

 

真理奈はなのはとぎんがに指摘され、箸を下ろす。

 

「やれやれ、お前さん達の娘は礼儀がなってねぇな?」

「すみません。妹の方はしっかりしているんですけど・・・」

「結婚式当日が心配だな。」

 

真理奈の両親である母の真奈美と父のカズマは、すばるの父親・中島げんやと真理奈の事を話している。

 

「密かにディスらないでくれる?」

 

真理奈は真奈美とカズマ、げんやの方に睨む。

 

「いや、実際そうっスし・・・」

「頭いい癖にこの態度だもんな・・・」

「少しはぎん姉に見習ってほしいよね・・・」

「品行方正を心掛けて貰いたいものだ・・・」

「あんたらまで・・・」

 

真理奈はウェンディ、ノーヴェ、ディエチ、チンクに言われ、肩をすくむ。

 

「自業自得です。」

「流石に今のはどうかなと思う・・・」

「まだ局員見習いだった時の俺達に比べたら、そっちの方がマシだったな・・・」

「もう、社会人になったら恥ずかしい事だよ。」

「うわぁ・・・散々な言われ様・・・」

 

アインハルト、リリィ、トーマ、ヴィヴィオにも言われた真理奈は流石にゲッソリする。

 

「こんな風に言われたくないなら気持ちを切り替えるんだね?」

「クッ・・・あんたもかよ・・・もう、落ち込むしかないわ・・・」

 

ユーノにまで言われた真理奈は落ち込むしかなかった。

すばるはそんな真理奈を見て苦笑いする。

 

「ね、ぎん姉。ツトムさんとの結婚式、ハワイでやるんだよね?ダイゴさんとレナさんも来てくれるかな?」

「えぇ。ダイゴさんとレナ先輩にはすでに連絡とってあるわ。」

 

すばるはぎんがに結婚の事を話した。

ぎんがとツトムの結婚式はハワイ・ホノルルのキャルバリー・バイ・ザ・シー教会で挙げることになり、二次会はカハラホテルで行なうことになり、更に、真理奈の姉と義兄であるレナとダイゴも結婚式に招待されていたのだった。

 

「姉さんと義兄さんもか・・・私としては2人の結婚より姉さん達の再会が楽しみだけどね。」

「また~!」

 

すばるは真理奈の本音を聞いて頬を膨らませる。

 

「薄情っスよ、真理奈。」

「ホント、デリカシーねぇな?」

「いや、関係ないでしょ!?」

 

真理奈はまたウェンディとノーヴェにディスられる。

 

「あぁ。真理奈はまのんちゃんにこの事を伝えたの?」

「えぇ。プロノーン・カラモスから出た後にメール送っといた。受信が大分遅くなるけどね。」

 

ぎんがは真理奈にまのんに結婚の事を教えたのか尋ね、真理奈はすでに伝えたと言う。

 

「まのんは今、お友達と一緒に旅行中だけど、そんなに長くあっちこっち飛び回ったりしないはずよ?精々3日か5日で戻ってくるんじゃない?」

 

真理奈は明後日の方向にまのんの事を思い浮かべながら言う。

 

 

 

 

 

 

その頃、ログハウスに立て籠っている白衣の2人組は荷物をまとめる。

ちなみに紫ウェーブの少女は、外で鎖で繋がれており、逃げられない状態にある。

 

「君、うっかりして逃がさないでよ?」

「当たり前だ。そんなヘマすると思ってんのか?」

「だよね。問題は外にいる蛇か。」

 

眼帯の男とツンツン頭の男はドアの向こうに向いた。

 

「いずれにせよ、プリキュアとウルトラマンがジョナサンと組んだ挙句、我々の計画を水の泡にしたんだ。その報いを受けてもらわないとな。」

「そうだね。噂では、ある国の技術によく似た魔法を使える何者かが姿を現しているみたいだ。これ以上面倒にならないように手を打たないとね。」

「あぁ。ヤマザキさんとドクトル・ゴースができなかった目的を達成するために。」

「そして、トランプ王国を手に入れるためにね。」

 

2人はそう話し合う。

一方、外にいる紫ウェーブの少女は乾パンを食べているが、二人の白衣の男に散々な仕打ちを受けてきたせいか、気分が悪くなり、嘔吐した。

 

「げほっ!えほっ!」

 

少女は「ハァッ!ハァッ!」と息を切らした後、右腕で口を拭う。

 

「はぁ、はぁ・・・くっそぉ・・・」

 

少女は右手を見つめながら、過去の事を脳裏に思い浮かべる。

 

~~~~~回想~~~~~

 

「被験体No.08・伊佐薙ライハ。5歳の時に両親、兄妹を失い、天涯孤独の身になった。8歳に蛇の細胞を移植し、突然変異に成功。10歳の時、変化が始め、翼と腕が成長する・・・か。とんでもないバケモノだな、この女。度が過ぎた突然変異だな・・・」

 

ツンツン頭の男は手に持っているレポートを見ながら、ドアの窓から覗き込む。

そのドアの向こうの部屋には紫ウェーブの少女がベッドの上で寝転がっていた。

その少女こそが、伊佐薙ライハである。

ライハの部屋には吐瀉物があちこち吐き出されており、息を切らしている。

 

「いつまで・・・こんな所にいなきゃいけないんだよ・・・」

 

ライハは吐き出した時に口についていた吐瀉物を右腕で拭い取る。

当時のライハは、彼女以外の家族はおらず、友達も移植手術を強引に受けられて以来、会うこともしなかった。

ツンツン頭の男が言ったように、ライハは天涯孤独の身である。

そこに眼帯の男がやってくる。

 

「ライハ、生きてるよね?」

 

眼帯の男はライハを呼び掛ける。

ライハはその男に対し、鋭い目つきで睨みつける。

 

「この施設に残っている君に仕事をやる。僕達と一緒に来るんだ。」

 

眼帯の男はライハについて来いと告げる。

その時、ライハは蛇の姿となり、眼帯の男に食って掛かる。

しかし、ライハは当然閉じ込められた状態にあり、抗おうにもこじ開けることもできないのだ。

眼帯の男はポケットからリモコンのような機械を取り出し、スイッチを押す。

その時、ライハの首輪から電流が流れる。

 

「!?アァァァァァァァッ!!!!」

 

電流を受けたライハは、抵抗も空しく、地に蹲る。

 

「このスイッチ、倉庫で見つけたものでね。君の首輪と同じ番号が書かれていた。その首輪、決まった奴を大人しくするために掛けていたんだろうね。その方が移植手術をするのに手間が掛からないから。そしてこのスイッチは決まった奴の首輪と連動しているそうだ。そうすれば、首輪から電流が流れることができる。つまり、僕達に逆らうのは無理だってことさ。」

 

眼帯の男はライハに嘲笑いながらそう言う。

 

「クゥゥゥ・・・・」

 

ライハは悔しそうに眼帯の男に睨みつける。

 

「話を戻すとしようか。仕事の内容はここから出した後に教える。僕達は一足先に外に出るから、自力で来るんだ。」

 

眼帯の男はライハにそう告げ、ドアのロックを解除し、ツンツン頭の男と一緒にこの場から去って行く。

ライハは嘔吐や、先程の電流によるダメージに苦しみながらも、覚束ない足取りで2人を追うように、部屋から出る。

今のライハは首輪が付けられており、その首輪から電流が発せられ、更に最悪なことにそれを起動するスイッチは2人の白衣の男が持っている以上、彼らに従うしかなかった。

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

「いつまでこんな風にいなきゃなんないんだよ・・・」

 

ライハは仰向けになって夜空を見上げながらそう俯く。

 

 

 

 

 

翌日、真理奈とぎんがは町外れの墓場で墓参りをしていた。

と言っても、真理奈とぎんがはそれぞれ違う墓碑の前で供養している。

 

(祖父ちゃん、あのまのんがプリキュアになったのよ?信じられないでしょ?とはいえ、今のあの子は危なっかしい状況になるかもだし、天国で見守っててよ。)

 

真理奈は墓碑の前で黙祷する。

それを終えた後、つい先程墓参りを終えたぎんがと合流する。

 

「あ、ぎんが。クイントおばさんの墓参り終わったの?」

「えぇ。すばる達がすでに供養してたみたいだけど、久しぶりにお母さんに会うんだから、私もしておかないと。」

「そりゃそうよね。」

「光太郎さん、お孫さんにお参りされてうれしいでしょうね。」

「・・・そうだといいけど・・・」

 

真理奈は少し俯きながらも、笑みを浮かべる。

 

「んじゃ、私、ダニエルに呼ばれたから先に帰ってて。どうせ、明日出勤でしょ?」

「それは隊長の判断次第だけどね。でも、またプロノーン・カラモスに行くなんて。昨日あそこに行ったばかりでしょう?」

「えぇ、今日は別件で呼ばれたみたい。一応、プリキュアの皆には伝えるけどね。」

 

真理奈は今日、ダニエルに呼ばれ、プロノーン・カラモスに行くことをぎんがに伝える。

 

「なのはちゃん達も?」

「高町達には教えないつもりだけど、まあ、あの子等の事だから、そっちはそっちで何とかするでしょ?」

 

真理奈はぎんがにそう言う。

 

「んじゃ、また後で。」

 

真理奈はぎんがと別れる。

その後、歩きながらiPhoneのメールの内容を見る。

差出人はまのんである。

内容は二つある。

一つはハワイで行う、ぎんがの結婚式について了承した事、もう一つは海外出張中になのはと同じ世界、つまり、プリキュアの世界とは別の世界から来たスバル、ティアナ、エリオ、キャロと出会ったことである。

 

(まのんからの返事はOKだとして、問題はもう1人のすばるとその仲間達・・・か・・・いい加減にシン兄さん達と高町達を元の世界に帰す方法を探さないとな・・・)

 

真理奈はiPhoneをしまい、これまでの問題を頭にしまい込みながら、プロノーン・カラモスに向かった。




次回なんですが、前作の『ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ』の出来事を纏めた話を執筆しようと思います。


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振り返る始まり

今回は前作の『ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ』の総集編(?)になります。
もっと知りたいと思う方は、前作の方をご拝見していただけると。


俺の名はウルトラマンゼロ。

地球ではモロボシ・シンで名乗ってる。

俺は突然起こった時空の歪みの影響で別の宇宙の地球に流れ着いた。

その地球は俺達のように、あらゆるワルと戦い、平和を齎している伝説の戦士・プリキュアと出会ったんだ。

その時に最初に出会ったのは、津成木町の魔法つかいプリキュアであるキュアミラクルの朝比奈みらい、キュアマジカルの十六夜リコ、キュアフェリーチェの花見ことは。

そして、幻のプリキュアと言われているキュアエコーの坂上あゆみの4人だ。

時空の歪みで漂流された時、みらい達に助けられたんだ。

だが、その時に怪獣が現れた。

津成木町に現れたのは超古代怪獣ゴルザ。

みらい達はプリキュアに変身して、ゴルザに立ち向かったが、歯が立たなかった。

マジカルがゴルザに捕まえられ、絶体絶命になった時、俺はゼロに変身して、マジカルを助けたんだ。

その後、ミラクル達と一緒にゴルザを倒したんだ。

それはいいんだが、みらい達と別れた後、時空の歪みが起きてから別の宇宙に行けなくなったせいか、イージスの力を使っても他の宇宙に行けなくなっちまったんだ。

 

次の日、俺はサンクルミエール学園がある町に行ったんだが、そこに七色ヶ丘市から来たスマイルプリキュア、キュアハッピーの星空みゆき、キュアサニーの日野あかね、キュアピースの黄瀬やよい、キュアマーチの緑川なお、キュアビューティの青木れいかと出会ったんだ。

だがそこに、ブロブタイプビースト・ペドレオンが現れた。

あいつがみゆきを食おうとしたところを、俺がゼロに変身し、みゆきを助けた。

あの時にペドレオンに捕まってひっでぇ目に遭ったが、プリキュアに変身したみゆき達が助太刀してくれたおかげであいつを倒すことができたんだぜ。

だがその後だ。

また新しい怪獣が現れたんだ。

その怪獣は超合成獣ネオガイガレード。

あいつはスマイルプリキュアとは別のプリキュアの所に現れたんだ。

ナッツハウスを拠点にしているYES!プリキュア5GOGO、キュアドリームの夢原のぞみ、キュアルージュの夏木りん、キュアレモネードの春日野うらら、キュアミントの秋元こまち、キュアアクアの水無月かれん、ミルキィローズの美々野くるみがプリキュアに変身してネオガイガレードに立ち向かった。

だが、他にもネオガイガレードに立ち向かう心強い奴がいるんだぜ。

そいつは原始怪鳥リトラ。

これはうららから聞いた話だが、少し前に古代怪獣ゴメスが現れて、そいつと戦っている時にリトラが現れて、一緒に戦ったようだぜ。

それでも、ドリーム達とリトラはネオガイガレードに苦戦したが、その最中、俺とハッピー達も入れさせてもらったぜ。

俺とプリキュア5、そしてスマイルプリキュアと一緒にネオガイガレードを追い詰めて、止めにゼロツインソードで決めようとしたが、奴はハッピーを人質にして、形勢逆転させられた。

その時、リトラはシトロネラアシッドをネオガイガレードにぶっかけて、ハッピーを助けたんだ。

そのリトラを、ネオガイガレードは止めを刺しやがった。

卑怯者め・・・このウルトラマンゼロが許さないぜ!

俺はネオガイガレードを倒し、リトラの仇を取ったんだ。

その後、リトラの墓を建てて、ナッツハウスを後にした。

 

次に訪れたのは四ツ葉町だ。

俺はそこでフレッシュプリキュアのメンバー、キュアピーチの桃園ラブ、キュアベリーの蒼井美希、キュアパインの山吹祈里、キュアパッションの東せつなと、もう一組のプリキュアチーム、希望ヶ花市で活動しているハートキャッチプリキュアのメンバー、キュアブロッサムの花咲つぼみ、キュアマリンの来海えりか、キュアサンシャインの明堂院いつき、キュアムーンライトの月影ゆりと出会ったんだ。

そして、四ツ葉町に新たな怪獣達が現れた。

月の輪怪獣クレッセントと満月超獣ルナチクス。

ラブ達とつぼみ達はプリキュアに変身して、クレッセントとルナチクスに立ち向かったが、やはり苦戦はしていた。

ちょうどその時に、皆の人気者、ウルトラマンゼロが駆け付けてきたんだぜ。

クレッセントは俺が引き受け、ルナチクスはピーチ達とブロッサム達に任せた。

ピーチ達とブロッサム達はちょいと手古摺ったが、ルナチクスを倒すことができた。

勿論、俺もクレッセントに手古摺ったが、何の問題もなく倒してやったぜ。

 

日が変わって、他の場所にも怪獣が現れた。

河童山ってトコにある池の近くで宇宙恐竜ヤナカーギーが現れたんだ。

そのヤナカーギーに立ち向かったのは、小泉学園に住む、ふたりはプリキュアMAX HEARTのメンバー、キュアブラックこと美墨なぎさ、キュアホワイトこと雪城ほのか、シャイニールミナスこと九条ひかり、そして、ぴかりが丘に住む、ハピネスチャージプリキュアのメンバー、キュアラブリーこと愛乃めぐみ、キュアプリンセスこと白雪ひめ、キュアハニーこと大森ゆうこ、キュアフォーチュンこと氷川いおなだ。

だが、ヤナカーギーは宇宙一の暴れん坊と呼ばれている怪獣、ブラック達の力じゃビクともしなかった。

しかも、そこにいた怪獣はヤナカーギーだけじゃなかった。

近くにあった池の中に宇宙海獣べムラーが潜んでいたんだ。

ホワイトはヤナカーギーの一撃でべムラーが潜んでいる池に落ちちまった。

ブラック達はホワイトを助けようとしたが、ヤナカーギーに邪魔された。

だが、そんな時に俺以外のウルトラマンが現れたんだ。

そいつは、ウルトラマンティガ。

ティガが現れたことで、ヤナカーギーが邪魔することはなくなった。

おかげで、俺は池に飛び込み、ホワイトを助けたんだ。

そこでようやくこの俺、ウルトラマンゼロの登場だぜ!

俺もティガもべムラーとヤナカーギーに苦しめられたが、ブラック達とラブリー達のおかげで、奴らを倒すことができたぜ。

あいつらの戦いを終えた後、ティガの正体が分かった。

ティガに変身したのは、なぎさ達と同じ町に住んでいる新真理奈って女の子だった。

そいつの祖父さんは人間の世界と妖精の世界に繋ぐプリズムフラワーを研究し、フェアリーゲートを完成させた。

だが、祖父さんは過去に現れた悪党共がプリズムフラワーを狙うことを恐れ、プリズムフラワーの力に頼らない別の世界へ渡ることができるディメンジョンゲートを真理奈の両親に託した。

祖父さんはパリで起きた爆発事故によって死んじまったらしい。

その孫である真理奈はディメンジョンゲートを通じて足を踏み入れた無人島・ノルンでジュエル鉱国で暮らしているカーバンクルのクルルと出会い、一緒に人間の世界で暮らしてたみたいだぜ。

真理奈がティガになれた訳は後で説明するけどな。

 

んで、小泉学園を後にしてた訳だが、夢ヶ浜でまた新たな怪獣が2体も現れたんだ。

そいつらは、催眠魔獣ラグストーンと夢幻魔獣インキュラス。

その町にも、ラグストーンとインキュラスに立ち向かったプリキュアがいるんだぜ。

その町に住んでいる、Go!プリンセスプリキュアのメンバー、キュアフローラこと春野はるか、キュアマーメイドこと海藤みなみ、キュアトゥインクルこと天ノ川きらら、キュアスカーレットこと紅城トワだ。

いや、そいつらだけじゃねぇな。

夕凪町に住んでいるふたりはプリキュアSPLASH STARのメンバー、キュアブルームこと日向咲とキュアイーグレットこと美翔舞も2体の怪獣に立ち向かったんだぜ。

ちょうどそこにこの俺も参戦して、ラグストーンに立ち向かった訳だが、ブルームとイーグレットはインキュラスの能力で2人を夢の世界に閉じ込めやがった。

そんな時、ティガが現れてラグストーンの相手を引き受けてくれたんだ。

んで、俺は夢の世界に入って、ブルームとイーグレットと一緒にインキュラスを倒したってわけだ。

リアルでも、ティガはラグストーンに苦戦したが、フローラ達の力を借りて、逆転してやったぜ。

 

その後、俺は大貝町っていう、ドキドキ!プリキュアが活動しているキュアハートこと相田マナ、キュアダイヤモンドこと菱川六花、キュアロゼッタこと四葉ありす、キュアソードこと剣崎真琴、キュアエースこと円亜久里が住んでいる町に来たんだ。

だが、怪獣は現れてなかったが、事件が起きたみたいだぜ。

ヤマザキっていうマッドサイエンティストと手引きしていた誘拐犯が真琴を攫いやがったんだ。

ま、その誘拐犯は俺がフルボッコにしてやったし、奴らが使ったホシイナーやナケワメーケも、ハート達と加音町で活動していたスイートプリキュアのメンバー、キュアメロディこと北条響、キュアリズムこと南野奏、キュアビートこと黒川エレン、キュアミューズこと調辺アコが浄化してやったから真琴は無事で済んだけどな。

誘拐犯は逮捕され、一先ず安心・・・と言いたいトコだが、また新たな怪獣が現れたんだぜ。

しかも、3体もな。

大貝町に現れたのは、剛力怪獣シルバゴン、超力怪獣ゴルドラス、ハイパークローン怪獣ネオザルス。

その時に大貝町にいた真理奈は合流してきた俺達と一緒にネオザルス達と戦ったが、流石にキツい戦いだった。

だが、メロディ達がピンチの時、新たなウルトラマンが助太刀に来たんだぜ。

そいつは、ウルトラマンネクサス。

ネクサスはメタフィールドを展開して、3体の怪獣を異空間に引きずり込んでくれた。

これで町の被害の心配はいらなくなったぜ。

俺はティガとネクサス、ドキドキ!プリキュアとスイートプリキュアと連携して、シルバゴンとゴルドラス、ネオザルスを倒した。

 

プリキュアの世界に俺とティガ、ネクサスが現れて、怪獣達と立ち向かったが、この世界に現れたのはそいつらだけじゃねぇ。

俺のように時空の歪みが影響して、姿を現すことになったんだ。

ゾフィーと初代ウルトラマン、俺の親父であるウルトラセブン、そしてウルトラマンジャックとウルトラマンA、ウルトラマンタロウで結成したウルトラ6兄弟や、俺と一緒に戦ってくれたウルトラ10勇士の中の6人、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイア、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンマックス、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンギンガ、そして、俺の後輩とも言えるウルトラマンエックスもプリキュアの世界に現れたんだ。

親父達と再会した時にも、強力な怪獣と戦っていた。

6兄弟の前に現れたのは、超合体怪獣グランドキング。

そして、10勇士の前に現れたのは、根源破滅天使ゾグ。

いずれも苦戦する程の強敵だったが、プリキュア達の連携には助かってる。

おかげで、グランドキングもゾグも倒すことができた。

プリキュアの皆に改めて感謝しねぇとな。

 

だが、心強い先輩後輩が来てくれたからと言って、安心はしなかった。

このプリキュアの世界に見たことがない怪獣が現れたんだ。

そいつは、超古代変身怪獣イビロン。

こいつがまた厄介でな。

自分自身の姿を変えることができるし、怪獣を操る能力も持っていやがる。

更に最悪なことに、そいつは元々カーバンクルだったわけだから、クルルのパートナーであるキュアエレメントの能力も使える。

このイビロンは1万年前のキュアエレメントをパートナーにしていた・・・確か、リュイルだったっけ?

そいつが闇の支配者・クトゥルフの呪いによってイビロンへと変貌してしまった。

そして、1万年もの時を超え、あらゆる怪獣を操るモンスターズルーラーを持つ、生物工学を専行しているヤマザキ・ヒロユキの手で復活した。

そのヤマザキはトランプ共和国の革新を狙っているユグドラシルのトップ・デニーズ・ポーカーと手を組み、イビロンを利用しようとしていたわけだが、イビロンの方が一枚上手だったみてぇだ。

イビロンは操った怪獣達を集めて、太平洋にルルイエって島を隆起し、俺達ウルトラマンとプリキュアとの戦いに備えた。

だが、俺達にも心強い仲間がいる。

おっと、肝心なことを忘れていたぜ。

真理奈がティガになった事や、ネクサスの正体も触れてなかったな。

新人達の事も含めて教えてやるぜ。

まず、ティガに変身する新真理奈だが、あいつは超古代人の遺伝子を持っている。

ティガので世界で活躍していたGUTSのメンバー・マドカ・ダイゴも同じ遺伝子を持っていた。

おまけにジュエル鉱国の王女ディアーナからもらった闇薙の剣も持っていて、怪獣との戦いにも役に立っている。

特にプリキュアの力を無力化するイヴィルアイの破壊にはプリキュアの皆には助かってるぜ。

そして、ネクサスの変身者クリシス。

この女は未だ何者なのかは知らねぇが、一緒に戦ってくれている。

時々頭痛が起きることもあったが、それでも戦いに身を投じている。

ネクサスは自らデュナミストって奴を選んで、一体化することによって変身ができるようになるが、クリシスもその1人なのかは分からねぇ。

まぁ、クリシスの正体は後で考えるとして、次は新しいプリキュアだ。

真理奈の妹であるキュアエレメントこと新まのん。

クルルと一体化することで変身することができるプリキュアだ。

1万年前のノルンでイビロンと戦っていた時、自らを犠牲にして封印したことがあった。

と言っても、勿論まのんじゃなく、先代のキュアエレメントだけどな。

エレメントは炎、水、風、土、雷、闇、光の7つの力を操ることができる。

他にもエレメントには隠された力を持っているが、それは後で話すぜ。

もう一人の新しいプリキュア、キュアイージスことマヤ。

マヤはトランプ王国の王女マリー・アンジュを蘇らせるため、ユグドラシルと手を組み、各国のプリキュアからプリカードを奪い取った上で、アンジュを蘇らせる願いを叶えようとしたが、ヤマザキとデニーズの計画のため、

それをしようとしなかった。

だが、ソードとの一騎打ちや、精神体となったアンジュの説得で立ち直り、アンジュを蘇らせた。

イージスは攻撃は勿論、防御も硬いプリキュアだ。

ハピネスチャージプリキュアもイージスの守りに苦戦していた。

おっと、新しいプリキュアと言えば、プリンセスプリキュアと魔法つかいプリキュアも後輩ができたんだぜ。

そいつらは、苺坂町で活躍している、キラキラ☆プリキュアアラモードのメンバー、キュアホイップこと宇佐美いちか、キュアカスタードこと有栖川ひまり、キュアジェラートこと立神あおい、キュアマカロンこと琴爪ゆかり、キュアショコラこと剣城あきら、キュアパルフェことキラ星シエルだ。

ユグドラシル壊滅もこいつらの協力で解決したんだぜ。

 

だが、さっきも言ったように、イビロンは自分が操った怪獣達を親父達に差し向けた。

それぞれの所で、苦戦はしていたが、プリキュア達の協力で全滅することができた。

イビロンもエレメントの諦めない気持ちや仲間との絆によって、イビロン・・・いや、リュイルをクトゥルフの呪いから解き放ったんだ。

1万年前のエレメントはイビロンを封印するために力を使ったんじゃない。

リュイルを救うために使ったんだ。

だが、まだ終わりじゃない。

クトゥルフの闇の力でイビロンがパワーアップしやがった。

それだけじゃねぇ。

そのイビロンは自らの闇の力で、邪神ガタノゾーアを蘇らせたんだ。

ティガはプリキュア達と共にイビロンに立ち向かい、俺達ウルトラマンはガタノゾーアを倒しに行った。

ティガはプリキュアの助けで、イビロンと戦ったが、苦戦していた。

だが、闇薙の剣がティガに力を貸して、イビロンと牽制していた。

そして、ティガは全ての力を振り絞ってイビロンに止めを刺したんだ。

これで後はガタノゾーアだけだぜ。

だが、俺はそのガタノゾーアに一撃喰らわれて、石像に変えられ、海の底に沈められちまった。

助っ人に来てくれたスーパーGUTSが立てた作戦も奴に阻止された。

だが、クリシスはネクサスに変身できなくなる代りに、石像になった俺を蘇らせた。

シャイニングウルトラマンゼロとして!

親父達はもう戦えないほどエネルギーを使い果たしちまったが、親父達の分まで戦うぜ!

俺は奴を追い詰めたつもりだが、再生能力を持っていたから苦戦してたんだ。

そんな時、俺とプリキュア達を応援する声が聞こえた。

ミラクルライトの力によってパワーアップして、いよいよケリをつける時が来たぜ。

俺とプリキュアの力を奴にぶつけ、戦いを終わらせることができた。

 

それでも、時空の歪みが消えたわけでもない。

そうである以上、俺達は元の世界に戻ることができない。

世界中に怪獣が現れ続けているし、真理奈とクリシスも戦う力を失った。

おまけにこのプリキュアの世界に妙な動きがしてきたぜ。

だが、この世界に俺達ウルトラマンとプリキュアがいる限り、どんな困難も立ち向かってみせるぜ!

それに、幸か不幸か新たな仲間も来たわけだしな。

皆の応援がある限り、俺達は諦めない。

ある男は言った。

地球は我々人類、自らの手で守り抜かなければならない。

俺達が大切な存在を守るために戦い続けているように、皆も守るべきものを守り続けてきた俺達を励まし、支え続けているんだ。

皆で力を合わせて、目の前の壁をぶち抜いて行こうぜ!




今回はすごく長かったです・・・(汗)
それは兎も角、次回はスイートプリキュアとスマイルプリキュアを出したいと思います。


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ティガの末路

今回の話ですが、ミッドチルダの現在も書いております。


第一管理世界ミッドチルダ。

そこはリンカーコアを持つ魔力保持者及び魔導士が多く存在している世界であり、なのはやスバル達が活動している時空管理局の本拠地とも言える世界である。

この世界にはJS事件やマリアージュ事件等、数々の事件をなのはやスバル達によって解決した。

しかし、今回の事件はそれ以上に深刻な状況だった。

 

「そうか・・・ヴィヴィオとアインハルトも見つからなかったんだな・・・」

「あぁ。管理世界や無人世界だけでなく、管理外世界にも手を広げて探しているんだが、どの世界にも確認されていなかった。」

 

通信画面で連絡を取り合っている眼帯の女と赤髪の女。

眼帯の女はチンク・ナカジマで、赤髪の女はノーヴェ・ナカジマである。

この2人はジェイル・スカリエッティによって作られた戦闘機人である。

この2人の他にもウェンディ、ディエチ、セイン、オットー、ディードもJS事件で暗躍していたが、更生プログラムによって心を入れ替えている。

セイン、オットー、ディードは聖王教会のシスター及び騎士として働いており、ノーヴェ、チンク、ウェンディ、ディエチはナカジマ家の養子として普通に暮らしている。

ノーヴェは今、ナカジマジムの会長室でチンクとの連絡で、ヴィヴィオ達の行方を尋ねるが、手掛かりは掴めず、管理局内にも何人か行方不明になっているという報告を受け取った。

 

「ハラオウン執務官、八神指令も行方不明。報告によると、原因不明の空間の歪み。その正体が分からない以上、手の打ちようがないな・・・ノーヴェ、トーマ達との連絡は?」

「何度も連絡したけど、繋がらねぇんだよ。アイシスもな・・・」

「そうか・・・」

 

チンクはノーヴェにトーマ達の事を聞いてみるが、通信途絶だと言う。

 

「とにかく、その歪みがどこに発生するか分からない。そっちの方にも十分気を付けるんだぞ?」

「あぁ。分かってるよ、チンク姉。」

 

 

ノーヴェはチンクからの忠告を聞いた後、連絡を切った。

その後、ノーヴェは右手で頭を抱え、溜息を吐く。

 

「くそ・・・何がどうなってんだよ・・・ヴィヴィオ達もそうだけど、トーマ達は無事なのか・・・」

 

ノーヴェはヴィヴィオ達やトーマ達の事が心配で仕方なかった。

ヴィヴィオとアインハルトはノーヴェの教え子だし、トーマとリリィは弟と妹のような存在だから、心配なのも無理もない。

その時、ノーヴェがいる会長室に黒髪のロングヘアーの少女、ボーイッシュな外見の少女、茶髪のポニーテールの少女3人の少女が入ってきた。

最初に紹介すると、まずロングヘアーの少女はユミナ・アンクレイヴ。

アインハルトの同級生で、ナカジマジムのバイトリーダー。

整体二級の資格を持っており、マッサージが得意である。

次にボーイッシュの少女はミウラ・リナルディ。

DSAA格闘競技部門のU-15ワールドランキング5位の実績を持つ抜剣の使い手である。

戦技披露会でヴィヴィオとの再戦後、正式にナカジマジムの同門となった。

最後にポニーテールの少女はフーカ・レヴェントン。

ウィンターカップで決勝まで上り詰める実力を持つ格闘技選手である。

孤児院の出身だが、アインハルトの紹介でナカジマジムに入り、住み込みでアルバイトをし、競技選手として対戦をしている。

 

「会長!大変です!」

「どうした!?」

「リオさんとコロナさんが消えました!」

「なにぃっ!?」

 

ノーヴェはユミナとミウラからの報告を聞いて、驚きを隠せなかった。

 

「ワシらがスパーリングしょーる時におチビさん達がぐにゃぐにゃした思たら、二人が消えてもーたんです!」

「リオとコロナまで・・・!?」

 

フーカが付け加えるように報告すると、ノーヴェは机に拳を叩きつけて、動揺を隠しきれない様子になった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、プリキュアの世界ではオーブが体色が赤く、メカニカルな姿をした怪獣と交戦している。

その怪獣の名は円盤生物ロベルガー。

エンペラ星人の命令で地球に襲撃した怪獣である。

両手から放つ光弾や格闘戦でウルトラマンメビウスを苦しめたことがある。

そのロベルガーと戦っているのはオーブだけではなかった。

他にもスイートプリキュアとスマイルプリキュアもロベルガーと戦っていた。

ちなみにオーブ達が戦っている場所は秋葉原である。

 

「プリキュア・ミュージックロンド!」

「プリキュア・ハッピーシャワー!」

 

メロディとハッピーはロベルガーが放ってきた光弾を自分の技で相殺した。

 

「プリキュア・スパークリングシャワー!」

「プリキュア・ビューティブリザード!」

 

ミューズはプリキュア・スパークリングシャワーでロベルガーの動きを止め、ビューティはプリキュア・ビューティブリザードでロベルガーを包んだシャボンごと凍らせた。

 

「今よ!ヴィヴィオ!」

「うん!タロウさん!メビウスさん!熱い奴、頼みます!」

 

ヴィヴィオはオーブリングにタロウのカードとメビウスのカードを通し、オーブの姿が変わる。

その姿はタロウとメビウスの姿が混ぜたような容姿となっている。

この姿をバーンマイトと呼ぶ。

 

「ストビュームバースト!」

 

オーブは氷漬けにされたロベルガーにストビュームバーストを放つ。

よってロベルガーは氷漬けから解放されたが、オーブの技による衝撃で吹き飛ばされる。

ロベルガーは立ち上がるが、フラフラの状態である。

 

「ジャックさん!ゼロさん!キレのいい奴、頼みます!」

 

ヴィヴィオはジャックのカードとゼロのカードをオーブリングに通す。

よってオーブはジャックとゼロの姿が混ぜたような容姿になる。

この姿はハリケーンスラッシュと呼ぶ。

オーブはオーブスラッガーランスを出し、レバーを2回操作する。

 

「ビッグバンスラスト!」

 

オーブはオーブスラッガーランスをロベルガーに突き刺し、ビッグバンスラストを繰り出す。

ロベルガーはオーブの攻撃に苦しみ、そのまま爆散される。

 

「やったー!」

 

ハッピーはオーブがロベルガーを倒した所を見て喜ぶ。

オーブはロベルガーに破壊された建物を自身のエネルギーで修復する。

その後、オーブ、スイートプリキュア、スマイルプリキュアは変身を解き、アインハルト、トーマ、リリィと合流する。

 

「ヴィヴィオさん!大丈夫ですか?」

「はい!ちょっと危ないトコでしたけど、響達とみゆき達のおかげで助かりました!」

 

アインハルトはヴィヴィオの事を心配したが、ヴィヴィオは大丈夫だと答える。

 

「町も元に戻ったし、町の人達もトーマ達のおかげで無事なんだし。」

 

エレンは周囲を見渡してそう言う。

ロベルガーを倒してしばらく経った後、すでに町はオーブの力で修復されており、町の人達も何事もなく歩いている。

 

「ねぇ、ヴィヴィオ。ミッドチルダってどんな世界なの?」

 

奏はヴィヴィオにミッドチルダの事を聞く。

 

「地球と同じ平和な世界だよ。昔はテロ事件とかで大変な日々が続いてたけど、ママ達が無事事件を解決して、平和を取り戻したんだ。」

「スケール違いすぎやろ・・・」

 

ヴィヴィオはミッドチルダの事を話した。

あかねはテロ事件を解決したと聞いて、スケールの違いに思わずツッコミを入れる。

 

「それを言うんなら、ピエーロと戦った時の方がもっとスケールが違うんじゃない?」

「それ、言わんといて~・・・」

 

なおはあかねにバッドエンド王国の皇帝・ピエーロの話を持ち出す。

 

「他にも地球の危機が何度かあったけど、一緒に頑張れたからここにいるもんね。」

「えぇ。」

 

やよいとれいかもハートキャッチプリキュアやハピネスチャージプリキュアのように世界の危機から救い出した経歴を話す。

 

「この世界にも凄いことになってるね。」

「ミッドチルダで起きた事件がスケールが小さく思える・・・」

 

トーマとリリィは今の話を聞いて苦笑いする。

 

「みんな~。終わったみたいだね?」

 

みゆき達は振り向くと、クリシスがやってきた。

 

「クリシス。」

「町の人達の誘導、お疲れ様。」

「うん。ありがと♪」

 

クリシスはリリィとトーマに言われ、お礼を言う。

 

「これで落ち着いて話せるね。もうすぐお昼だし、食べながらお話ししようか。付いて来て~♪」

 

クリシスはアインハルトとトーマの腕を引っ張って行く。

その時のアインハルトとトーマは若干慌てていた。

ヴィヴィオ達はその様子に苦笑いしながらもクリシスの後をついて行った。

 

 

 

 

 

その頃、なのはとユーノは、先日プロノーン・カラモスで真理奈とキャサリンが行なった光遺伝子コンバーターの実験で、スパークレンスが力を取り戻せず、石器のままだった件について、真理奈は「ノルンの地下に住んでいるディアーナなら知ってるんじゃないか。」と言い出し、ディメンジョンゲートを開けさせ、二人をノルンに行かせた。

ちなみに真理奈からは「ディメンジョンゲートの事は秘密よ?前に悪党に悪用されたから。」と念を押された。

なのはとユーノはアタッシュケースに入っているスパークレンスを手に、ディアーナがいるジュエル鉱国に訪れ、そのディアーナに会った。

ちなみにそのアタッシュケースは真理奈が用意したものである。

 

「成程、ルルイエでの戦いの時、そんなことが・・・」

 

ツインテールの髪型のようなダイヤモンドをした妖精はなのはとユーノから真理奈の事を聞き、深刻な表情になった。

その妖精こそ、先程話したディアーナである。

ジュエル鉱国の王女でカーバンクルと共にこの国を守り続けている。

他にもティガやエレメントに関わる歴史の事も話してくれて、プリキュア達の手助けをしてくれた。

 

「うん。真理奈がもう一度ウルトラマンになれる方法、ディアーナなら知ってるんじゃないかなって・・・」

「・・・お気持ちは分かるのですが、真理奈はもう二度とティガに変身することができません。」

 

ディアーナは、真理奈はもうティガに変身することはできないと言い出す。

 

「どういうこと?」

 

ユーノはディアーナに詳しく聞いた。

 

「真理奈はルルイエでイビロンを倒す時、黄金のオーラを纏っていた。それはティガの最後の力なのです。本来、ティガに変身できるのは、超古代人の遺伝子が必要でした。ですが真理奈は、イビロンと戦う際、超古代人の遺伝子を活性化させ、そのエネルギーを使い、イビロンを倒したのです。その時に真理奈に宿してある超古代人の遺伝子が消え、どこにでもいる普通の女の子になってしまったのです。」

 

ディアーナは真理奈がティガに変身できない理由を伝えた。

 

「つまり、真理奈がティガとしてイビロンを倒す時、その遺伝子を力に変えて光線を放ったからティガとして戦う力を失ってしまったってことなんだね。」

「はい。もう一度ティガを蘇らせるには、真理奈と同じ超古代人の遺伝子を宿した人間が必要です。ただ、現代にその人間がいるのか、私にも見当がつかないのです。」

 

ディアーナは付け足すようにティガを蘇らせる方法を教える。

しかし、真理奈と同じ遺伝子を持つ人間が他にもいるのか、いや、そもそも生き残っているかも怪しい所である。

実際、妹のまのんはプリキュアとして戦っているわけだから、ティガに変身できるかどうかと言えば、その可能性は低いだろう。

いずれにせよ、ティガに変身できる者を探すのは、無理難題である。

 

「う~ん、ミッドでは古代人の末裔が存在していたけど、巨人が出てきたって伝説は聞いたことないな・・・」

「そうだね、無限書庫でもそんな話なかったよ・・・」

 

なのはとユーノはディアーナから聞いた話とは無縁とはいえ、古代ベルカの事を頭に浮かぶ。

その時代とプリキュアの世界の超古代文明とは時代が大きく離れており、古代ベルカでも巨人の話はなかった。

 

「考えても仕方ない。この事を真理奈に伝えよう。」

「そうだね。」

 

なのはとユーノは超古代人の末裔の事は一旦置いておいて、ティガの事を真理奈に伝えようと新邸に戻ろうとする。

 

「あ、それなら、ヴァベルの騎士を気を付けてください。」

 

ディアーナはなのはとユーノに伝言を伝えようとする。

 

「ヴァベルの騎士?」

「えぇ。ユグドラシルが壊滅された後、活動を始めたようです。目的は分かりませんが、なんでも、メダリオンの力で魔法を使うことができるそうです。」

 

ディアーナはユグドラシルとは別の勢力について、なのはとユーノに忠告する。

 

「魔法?」

「えぇ。魔法界の物とは違う強力な魔法です。」

 

ディアーナは付け足すように言う。

 

「分かったよ。真理奈達にもそう伝えるね。」

「どうかお気をつけて。」

 

なのはとユーノはジュエル鉱国を後にするように洞窟から出ていった。

ディアーナが言っていたヴァベルの騎士とは何なのか、真理奈以外の超古代人の遺伝子を持つ者はどこにいるのかを頭の片隅にしまい込みながら。




次回はあのロボットを出したいと思います。


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侵略ロボット、現る!

ジュエル鉱国の姫君・ディアーナから、ティガのことを聞いたなのはとユーノ。

それは真理奈がティガとしてイビロンを倒した時、超古代人の遺伝子を活性化させ、グリッターティガとなった時に、すでに力を使い果たしてしまった事だった。

それによって真理奈は二度とティガに変身することができなくなった。

ティガを蘇らせる方法は真理奈と同じ超古代人の遺伝子を持つ人間だけ。

一方、秋葉原で円盤生物ロベルガーが現れ、ヴィヴィオが変身するオーブとスイートプリキュアとスマイルプリキュアが立ち向かう。

オーブとプリキュアとの連携でロベルガーを倒すことに成功した。

その後、ヴィヴィオ達はクリシスの引率でランチタイムを楽しんでいた。

 

「ご主人様~。お待たせ致しました~。オムライスでございます~。」

「うん。ありがと♪」

 

クリシスはメイド服の店員に礼を言う。

 

「お昼ってメイド喫茶でかいな・・・?」

「なんでメイド喫茶なのよ・・・?」

 

あかねとアコはクリシスが昼食の時間にしようと案内されたのは、メイド喫茶の為、ツッコミを入れる。

 

「ご主人様~?今からあなたのオムライスにこのケチャップで愛情をたっぷりかけますね♡」

「えぇ!?いや!?俺は別に・・・」

 

トーマはメイド服の店員に言われ、慌てふためく。

 

「いいじゃん、別に。君の為にオムライスを作ったんだから。メイドさん、遠慮なく愛情をかけてて♪」

「はい♡」

(うぅ・・・スゥちゃんか八神指令にこの事を知れたら、俺、立ち直れないよ・・・)

 

クリシスは割り込むように声をかけた後、メイド服の店員にトーマのオムライスにケチャップをかけるように言った。

トーマはこのやりとりを見た後、顔を突っ伏してしまう。

 

「あららら・・・」

「見事に撃沈されたわね・・・」

 

奏とエレンはトーマの今の様子を見て苦笑いする。

 

「クリシスさんはいつもここに寄ってるんですか?」

「ううん。皆と合流する時、たまたま見つけて、ここ行ってみようかな~って思っただけ。」

「適当やな・・・」

 

アインハルトはクリシスにいつもメイド喫茶に寄っているのか聞くと、クリシスは偶然見つけたから寄っただけと言い出し、あかねは苦笑いする。

 

「こんな所じゃ落ち着けないんだけど・・・」

「なんで~?自分の家だと思ってゆっくりしてきなよ。」

「だからそれが無理なんだよ!」

 

トーマはクリシスに言われ、文句を言う。

この場にいる一同はクリシスに「自分の家だと思ってゆっくりしろ」と言われても、雰囲気的に落ち着けるわけがなく、早い所昼食を平らげることになった。

 

 

 

 

 

 

その頃、真理奈は墓参りを終えた後、ダニエルからの呼び出しでプロノーン・カラモスに訪れた。

真理奈は局長室にいるダニエルから話を聞く。

その話とは・・・

 

「ヴァベルの騎士?」

「あぁ。その騎士が持つメダリオンには、なのはが持つ宝玉と似たようなエネルギー。つまり魔法と科学を絡み合った魔力を備わっている。」

「人工的に作られたってこと?」

「あぁ。」

「みらいやリコが使った魔法じゃなく?」

「あぁ。全く比べ物にならない技術だ。」

 

ミッドチルダの魔導士が魔法を使う際に使用したデバイスと同じ技術を持つヴァベルの騎士についての事だった。

 

「その組織は、前にトランプ共和国に侵攻してきた革命軍・ユグドラシルが壊滅したと同時に活動を始めたと聞く。」

「そんな技術、地球上のどこ探しても見つからないわね。妖精の世界の由来の技術かな?」

「恐らく。」

 

真理奈はダニエルの話を聞いて、ヴァベルの騎士が持つ魔導技術は妖精の世界の物であることを推理する。

 

「そういや、バラージ王国でヤマザキと会った時、怪獣を操る技術を欲しがっている奴がいるって言ってたわね・・・そいつがヴァベルの騎士の1人だってことなのかな・・・」

 

真理奈はバラージ王国で会ったヤマザキ・ヒロユキの言葉を思い出す。

ヤマザキが怪獣を操る際に使用した闇の神器と呼ばれるモンスターズルーラーの技術を何者かに渡したと言っていた。

真理奈はその人物がヴァベルの騎士の1人なのではと思い始める。

 

「その話が本当だとすると、ユグドラシルが立てたトランプ共和国侵攻は、ただの前座。つまり、ユグドラシルはヴァベルの騎士の掌の上に踊らされただけに過ぎないのかもしれない。」

 

ダニエルはユグドラシルが行なった行為を、ヴァベルの騎士の思惑ではないかと推測する。

 

「モンスターズルーラーが持つ怪獣を操る力を手に入れるために・・・」

「あぁ。実はこの話、ツンドラ森林地帯のツングースカで、それらしい動きを判明したんだ。」

「え?怪獣を操ってるかもしれない状況を?しかもツンドラ森林地帯のツングースカって、ロシアに流れている川の事よね?」

「あぁ。そこに怪獣が現れたんだ。昨晩に映像記録が届けられた。」

 

ダニエルは真理奈にロシアのツングースカの映像を見せる。

その映像にはキングオブモンスがグランゴンとラゴラスと戦っている所を映っている。

 

「うわぁ・・・なんかヤバそうなの出てきたよ・・・」

 

真理奈はキングオブモンスを見て引き気味になる。

キングオブモンスがグランゴンとラゴラスを圧倒した後、キングオブモンスが光となって消え、更にその後にグランゴンとラゴラスがしばらく経った後に光となって消えた。

 

「・・・」

「このような様子が撮ったんだが、気付いたね?」

「えぇ。」

 

真理奈はダニエルの端末をいじり、キングオブモンスが消えた所まで巻き戻し、一時停止する。

 

「あのヤバい怪獣に肝抜かれたから気付かなかったけど、薄っすらだけど、黒い機影が見えた。」

 

真理奈は一時停止した場面を見直す。

 

「黒いガッツウイング。その近くに私と同い年くらいの女の子か・・・」

 

真理奈はキングオブモンスの付近にいる黒い機影と女の子を見つける。

その機影と女の子は黒いガッツウイングとイリスを指している。

 

「名前を考えるなら、ガッツシャドーと言ったところか。スーパーGUTSとは別のチームらしいけど・・・ダニエル、女の子の方は何者なのか分かるの?」

「いや、僕の方にも分からない。プロノーン・カラモスの研究者リストにも載っていなかったし、旧GUTSのリストにも入っていない。関連性も不明だ。」

 

真理奈はイリスの事をダニエルに聞いてみるが、ダニエルも知らないと言う。

 

「いずれにせよ、モンスターズルーラーのデータを持っているのはあの子である可能性は高い。気になるのは、あの子がヴァベルの騎士かどうかよね。」

「ガッツシャドーで行動しているとしたら、スーパーGUTS本部に行けば分かるかも知れない。女の子の正体も分かるだろうしね。」

「ったく、昨日人選したばっかりなのにこんなことになるなんてさ・・・」

 

真理奈は今後の方針について溜息を吐く。

 

「そういやさ、ヴァベルの騎士の事で目撃情報とかあったりするの?そうじゃないと、こんな話題出さないし。」

「あぁ。君が作ったクリアープローブのおかげで、それらしい姿を撮ることができた。その画像が記録されている。」

 

ダニエルは真理奈にヴァベルの騎士の画像を見せる。

映ったのは男女5人の画像である。

右から順番に特徴を上げると、まず、金色の鎧を纏う金髪の少女、その次に金色の変わった剣を腰に挿している銀髪の青年、真ん中に赤い鎧を纏った天使のような女騎士、続いてはサングラスをかけた大柄な男、最後に一番左の画像に映っているのは、緑色の髪をした細身の男である。

最初に出てきた少女はセレナの事だろうが・・・

 

「こいつらがそうか・・・首に掛けてるメダリオンも同じ物ばっかり・・・」

 

真理奈は5人の騎士の画像を眺める。

 

「現在確認されているのはこの5人だけだ。目的は不明だが、用心はした方がいい。」

「了解。」

 

真理奈はダニエルに忠告され、そろそろ帰ろうとする。

 

「情報サンキュ。」

 

真理奈は荷物を纏めて、プロノーン・カラモスを後にする。

 

 

 

 

 

 

その頃、ヴィヴィオ達はメイド喫茶でオムライスをご馳走になり、秋葉原の街中に歩き回った。

ただ、その道中、トーマは疲れ切った表情をしていた。

 

「トーマ、大丈夫?」

 

リリィはトーマが心配し、声をかけるが、返事はしなかった。

 

「あれれ~?トーマ、お昼の時から元気がないね?」

「いや、理由はアンタやん!」

「メイド喫茶に連れ込むし、アニメの女性キャラのコスプレを着させるし・・・」

「確かにイケメンだけど、程々にしてほしいわ。」

 

クリシスはトーマの様子に首を傾げる様子に、あかねとなおと奏が言い出す。

 

「でも、その時のトーマさん、可愛かったね。」

「うん。特に八神はやてセットアップコスの時の。」

「勘弁してくれ・・・」

 

みゆきとやよいの会話を耳に入ったトーマは沈んだままで俯く。

 

「今のトーマ、今回の事で黒歴史になっちゃいそう・・・」

「ご愁傷さまです、トーマさん・・・」

 

ヴィヴィオとアインハルトはトーマに掛ける言葉が思いつかず、苦笑いするしかなかった。

 

「全く、いい歳してこんな子供染みた事を・・・」

「アニメとゲームに歳なんて関係ないもん♪」

 

アコはクリシスにそう呟くが、彼女は全く懲りなかった。

 

「あ、そうだ。クリシスさんは普段どこに住んでるの?」

「あぁ。まだ言ってなかったね。」

 

響はクリシスにどこに住んでいるのか聞いてみる。

 

「私がウルトラマンとして戦った頃は住む場所がなく、あっちこっち飛び回ってたけど、今は安いアパートに暮らしてるの。若葉台駅の近くのね。」

「そうだったんだ・・・」

 

クリシスは今住んでいる所を伝えた。

 

「お金の方もバイト見つけたから問題ないよ。」

「そのバイトって・・・」

「うん。秋葉のコスプレショップでバイトを始めたの♪」

「やっぱり・・・」

 

響達はクリシスのバイト先を聞いて、「クリシスさんらしいよ・・・」と呟く。

一人を除いては・・・

 

「へぇ~!クリシスさん、いい所で働いてるね!」

「よかったら遊びに来てくれる?」

「モチのロン!」

 

やよいは目をキラキラしながらクリシスに言う。

やよいは特撮ヒーローやロボットアニメが好きなので、クリシスに食いつく。

 

「やっぱこうなるんかい・・・」

「相変わらずだね・・・」

 

あかねとなおはそんなやよいにドン引きする。

 

「!グッ!アァ・・・!」

 

その時、クリシスは頭を抱えて苦しみ出す。

 

「あっ!」

「クリシスさん!?」

「どうしたんですか!?」

 

みゆきと響はそんなクリシスを支える。

ヴィヴィオ達はクリシスが突然苦しみ出したことに心配する。

その時、どこからか電子和音が聞こえる。

ヴィヴィオ達は周囲を見渡すと、空中に空間の歪みが発生し、その歪みから人型のロボットが現れる。

その正体は宇宙ロボット・キングジョー。

ペダン星人の科学力によって生み出され、地球に送り込んだ侵略ロボットである。

ウルトラセブンのエメリウム光線やアイスラッガーでも傷つけられないほどの装甲を持っている。

 

「ひえぇ~っ!おっきいロボットが出た!?」

 

みゆきはキングジョーを見て、一歩後退る。

 

「ふわぁ~っ!かっこいい~!!」

「喜んどる場合か!?」

 

やよいはキングジョーを見て目を輝かせる。

あかねはそんなやよいにツッコミを入れる。

 

「みんな!プリキュアに変身クル!」

 

キャンディはみゆき達にプリキュアに変身するよう急かす。

 

「みんな、行くよ!」

 

みゆき達はスマイルパクトを構える。

 

「私達も!」

 

響達もキュアモジューレを構える。

みゆき達はスマイルパクトにキュアデコルをセットする。

 

〈レディ?〉

「プリキュア・スマイルチャージ!」

〈ゴー!ゴーゴー!レッツゴー!〉

 

みゆきは体にパフをタッチし、あかねは指パッチンして着火したパフを胸に当て、やよいはパフを5回打って、なおはパフで前方に三角形を描き、れいかはパフに息を吹きかける。

よってみゆき達はピンク、赤、黄色、緑、青の衣装を纏い、キュアハッピー、キュアサニー、キュアピース、キュアマーチ、キュアビューティに変身する。

 

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカぴかりんじゃんけんポン!キュアピース!」

「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

「しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティ!」

「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!」

 

ドリーとレリーとラリーとドドリーは響達のキュアモジューレに装着する。

 

「レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!」

 

響達はキュアモジューレをト音記号を描いた後、スイッチを押す。

すると、キュアモジューレから金色のト音記号が現れる。

響と奏とエレンとアコにピンク、白、青、黄色のリボン状の光を纏う。

その光が衣装に変わり、響達はキュアメロディ、キュアリズム、キュアビート、キュアミューズに変身する。

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート!」

「爪弾くは女神の調べ!キュアミューズ!」

「届け、4人の組曲!スイートプリキュア!」

 

ハッピー達とメロディ達は変身完了する。

 

「みんな~!頑張るニャ~!」

 

ハミィはメロディ達を応援する。

ハッピー達はキングジョーに立ち向かう。

 

「よし!私も!」

 

ヴィヴィオはすでにセットアップし、オーブリングを構える。

 

「ウルトラマンさん!ティガさん!光の力、お借りします!」

 

ヴィヴィオは初代ウルトラマンとティガのカードをロードし、ウルトラマンオーブに変身する。

オーブはキングジョーの前に立ち、身を構える。




こうして執筆してみると、アインハルトとトーマとリリィの存在感が薄く感じるな・・・(汗)


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VSキングジョー

秋葉原の街並みの中、クリシスと一緒に楽しむヴィヴィオ達。

そんな時、空間の歪みから宇宙ロボット・キングジョーが現れた。

キングジョーに立ち向かうため、響達はスイートプリキュアに、みゆき達はスマイルプリキュアに、ヴィヴィオはウルトラマンオーブに変身する。

オーブはメロディ達とハッピー達の援護でキングジョーを攻めるが、キングジョーの攻撃力や防御力に苦戦を強いられる。

 

「プリキュア・シャイニングサークル!」

 

ミューズはプリキュア・シャイニングサークルでキングジョーの動きを止める。

 

「ビートソニック!」

「プリキュア・ビューティブリザードアロー!」

 

ビートとビューティはキングジョーに技を放つが、効果がなかった。

 

「プリキュア・ミラクルハート・アルペジオ!」

「プリキュア・ファンタスティック・ピアチェーレ!」

「プリキュア・サニーファイヤーバーニング!」

 

メロディとリズムとサニーもそれぞれの技を放つが、キングジョーは倒れる様子もなかった。

 

「はぁ、はぁ・・・つ、強い・・・!」

「あれだけ攻撃しても、傷一つつかないなんて・・・」

 

オーブはキングジョーの防御力の前に手も足も出なかった。

メロディ達やハッピー達もそれぞれの技を繰り出すが、効いた感じはしなかった。

キングジョーはミューズが形成したサークルを破り、目からデスト・レイを放つ。

ビートはビートバリアで、ミューズは虹色の鍵盤でシールドを形成するが、防ぎ切れず、破られてしまう。

オーブはスペリオン光輪でキングジョーを真っ二つにしようとするが、そのキングジョーは4機の円盤に分離し、オーブの技を躱す。

 

「えぇぇっ!?」

 

ヴィヴィオはキングジョーの意外な避け方に驚く。

4機の円盤に分離したキングジョーは、再び合体し、ロボット形態になった。

 

「あんな方法で躱すなんて・・・」

「やっぱりロボットはいいなぁ~♪」

「いつまで感動しとんねん!」

 

ビートはキングジョーの避け方を見て、困惑する。

一方、ピースはそんなキングジョーに感動し、サニーはそれにツッコむ。

 

「でも、どうしよう・・・?」

「パワーもすごいし、守りも堅いし・・・」

「しかも、あんな風に避けられちゃ、歯が立たないよ・・・」

 

メロディとリズムとマーチはキングジョーを見て、どうすればいいか分からなくなる。

その時、ハッピーはキングジョーの後ろに何かが近づいて来るのを気付く。

 

「みんな、見て!」

 

ハッピーはキングジョーの後ろに指を指して、メロディ達に言う。

ハッピー達が見たのは、先頭に飛翔している赤、青、黄色のカラーリングをしていた戦闘機と、黄色一色でカラーリングされていた戦闘機9機がキングジョーに向かっている所である。

まず、先頭に飛んでいる戦闘機はガッツイーグルである。

スーパーGUTSの隊員が出動する時に使用した主力戦闘機である。

分離することができ、赤の配色をしたα号、青の配色をしたβ号、黄色の配色をしたγ機で怪獣や敵宇宙人のような脅威に立ち向かう。

そして、ガッツイーグルの後ろについて来るように飛翔している戦闘機はガッツウイング1号である。

GUTSの隊員が出動する際に使用した戦闘機である。

ネオフロンティア時代にも活躍されており、以前にルルイエで起こったイビロンとガタノゾーアとの戦いにも活躍されていた。

 

「ガッツイーグルにガッツウイング!」

「おぉ~っ!来ちゃったよ~!!」

「もうええっちゅうねん!!」

 

メロディはガッツイーグルとガッツウイング1号が来たことに安心する。

ピースはガッツイーグルとガッツウイング1号を見て、またまた興奮して、サニーはそんなピースに再びツッコミを入れる。

ガッツイーグルはα、β、γに分離し、ガッツウイング1号と共に一斉にレーザーを発射し、キングジョーに命中させる。

それでもキングジョーには効果がなかった。

キングジョーはデスト・レイを放つ。

しかし、ガッツイーグルとガッツウイング1号は難なく躱す。

 

「なんて頑丈なロボットだ・・・」

「弱音を吐かないの。この街が危ないってのに、引き下がるわけにはいかないでしょ?」

 

ガッツイーグルβに搭乗しているリョウはカリヤにそう言う。

 

「チームライトニング、チームファルコン、チームクロウ。あのロボットが分離した時に、撃ち落とされないように気を付けて。」

 

リョウは9機のガッツウイング1号のパイロットにそう言う。

 

「了解。北田、大河原、今言った通りだ。撃墜されないようにな?」

「了解。ライトニングの名に懸けて。」

「梶尾リーダー程、操縦の腕はイマイチだけど、頑張りまっせ。」

「林、塚森。背後から攻めるぞ。」

「了解。米田リーダー。」

「ファルコンの初陣、必ずやり遂げます。」

「さて、三島、多田野。心の準備はよろしいでしょうね?」

「オッケーです、稲城リーダー。」

「いつでも。」

 

リョウの命令を受けた梶尾、北田、大河原、米田、林、塚森、稲城、三島、多田野の9名のパイロットは散開してキングジョーを攻める。

 

「シンジョウ、ヘタこいて落とされんなや?」

「うるせぇよ、ホリイ!そう簡単にやられるかよ!」

 

ホリイとシンジョウは言い合いながらガッツイーグルαとγを飛翔させる。

ちなみにαはホリイが乗っており、γはシンジョウが乗っている。

 

「シンジョウ先輩、ホリイさん。態々ご協力、ありがとうございます。」

 

リョウはシンジョウとホリイに、一緒に戦ってくれたことを礼を言う。

 

「気にすんな。そっちこそ、足引っ張るなよ?」

「シンジョウ、お前が言うな。」

 

ホリイはシンジョウの言葉にツッコミを入れる。

オーブとメロディ達とハッピー達はスーパーGUTSの連携を見て、感動を覚える。

 

「すごい・・・」

「あのロボットを撹乱させるなんて・・・」

 

ハッピーとメロディは思わず声が出る。

無理もない。

キングジョーはガッツイーグルとガッツウイングに対し、デスト・レイを放つが、全機撃墜されず、一方のスーパーGUTSはレーザーを撃っても、効果はないものの、キングジョーに撃墜されることはなかった。

 

「えへへ・・・あれを見てると、なんだかやる気が出てきた。」

 

オーブは武者震いをしたかのように拳を握りしめる。

 

「高町ヴィヴィオ、ううん、ウルトラマンオーブ、頑張ります!」

 

ヴィヴィオはオーブの中でオーブリングを前に出し、光を放出させる。

 

「タロウさん!メビウスさん!熱い奴、頼みます!」

 

ヴィヴィオはオーブリングにタロウとメビウスのカードをスキャンして、頭上に掲げる。

よってオーブはスぺシウムゼぺリオンからバーンマイトにタイプチェンジする。

 

「クリス!全力全開で行くよ!」

 

ヴィヴィオは中にいるクリスにそう言うと、クリスは「押忍!」と言っているみたいにジェスチャーする。

オーブは拳に炎を纏わせ、キングジョーに勢いよくパンチする。

すると、今までスぺシウムゼぺリオンの姿だったオーブの攻撃も、プリキュアによる援護も、スーパーGUTSによる援護も歯が立たなかったキングジョーが今の一撃で後退する。

 

「!効いてる!」

 

オーブはそんなキングジョーを見て、「これはイケる!」と言わんばかりに追い打ちをかける。

キングジョーはオーブの追い打ちに怯むものの、態勢を立て直してデスト・レイを放つ。

 

「プリキュア・サニーファイヤー!」

「プリキュア・マーチシュート!」

 

サニーとマーチはオーブを守るように、キングジョーの攻撃を各々の技で相殺させる。

 

「オーブ!」

「今や!」

 

サニーとマーチはオーブに止めを刺すよう伝える。

 

「はい!」

 

オーブはサニーとマーチに頷く。

 

「ストビュームバースト!」

 

オーブはキングジョーにストビュームバーストを放つ。

それを受けたキングジョーは火達磨の状態になりながら、気を付けの状態になって後ろに倒れ、その直後に爆散される。

 

「やったーっ!」

「オーブが勝ったーっ!」

 

メロディとハッピーはオーブがキングジョーを倒したところを見て喜ぶ。

 

「でも、もうちょっと見たかったよ・・・」

「どっちの味方やねん・・・」

 

ピースはキングジョーが爆散した所を見て口惜しがるところをサニーがツッコむ。

スーパーGUTSの全クルーはオーブに敬礼をする。

オーブはそれに応えるように敬礼で返す。

ガッツイーグルとガッツウイングは秋葉原を後にし、オーブはヴィヴィオに戻ってアインハルト達と合流する。

メロディ達も変身を解き、ヴィヴィオの元に合流した。

幸い、町の被害はなかった。

 

「今回はスーパーGUTSに助けられちゃったね。」

 

クリシスは頭痛薬を飲んだ後、先程の戦闘に感服する。

 

「それより、大丈夫なんですか?一度病院に診てもらった方が・・・」

 

アインハルトはクリシスにそう言う。

 

「だいじょぶ、だいじょぶ。もう頭痛しなくなったし、前にありすが紹介したクリニックに診てもらったけど異状はなかったって言ってたよ。」

 

クリシスはアインハルトに大丈夫だと伝える。

 

「本当なのか?れいか。」

「えぇ。以前連絡を貰ったのですが、本当です。」

「でも、ずっと前から頭痛が起きるなんて、どう考えても異状だよね?」

 

トーマはれいかに本当かどうか聞く。

れいかはトーマの質問に頷く。

リリィはクリシスの頭痛の事を聞いて、疑問を持つ。

 

「あ、さっきの頭痛で思い出したけど、ルルイエで変な夢を見たことがあって・・・」

「夢?どんな夢ですか?」

 

ヴィヴィオはクリシスが見た夢について聞いた。

 

「私の夢なのに私の姿がないんだよね。どういうわけか、白い服を着た人が何人かいたけど、確か光太郎って名前を聞いてたような・・・」

「えっ!?」

「光太郎って真理奈ちゃんのお祖父さんの!?」

「うん。」

 

みゆき達は光太郎という名前を聞いて驚く。

 

「真理奈さんにお爺様がいらしたのですか?」

「はい、3年前の爆発事故で亡くなったと聞いております。」

 

アインハルトは光太郎の事を聞くと、れいかから、その光太郎は既に死んだと聞き、沈んだ表情になる。

 

「光太郎博士は人間の世界と妖精の世界を守ろうとして研究を重ねたと聞いています。」

「そのようだね、夢でもそう言ってた。あと、MHCP・Ⅹ・KIKIとかも言ってたような・・・」

 

クリシスはれいかの話に上乗せしつつ、話を続ける。

 

「MHCP・・・?」

「KIKI・・・?」

 

響と奏は訳わからない状態になった。

 

「白い服の人達の様子がおかしいと思ったら、目の前の風景が変わって、前にシンが話したウルトラマンノアが出てきたんだ。」

「ノア!?」

「それってバラージ王国で見たって言う・・・」

 

響達はウルトラマンノアの名前を聞いて驚く。

 

「うん。あぁ、ヴィヴィオ達は知らないんだっけ?これなんだけど。」

 

クリシスはスマートフォンの画像を見せる。

しかもノアの石像の画像を。

 

「あっ!ママとユーノ司書長が見せたウルトラマンだよ!」

「この巨人像のウルトラマンがクリシスさんの夢に?」

「うん。そのノアが光を放ったと思ったら、夢から覚めちゃったけどね。」

 

クリシスの夢の話はそこで終わった。

 

「MHCPとかKIKIとか何のことなんだろう?」

「もしかして、お祖父ちゃんが言ってた光太郎博士の計画と何か関係が?」

 

響は聞きなれない単語にハテナを浮かべる。

アコは祖父の音吉から聞いた光太郎の計画の事を思い出す。

 

「真理奈か真奈美さんに聞いてみようか。研究者の方が詳しそうだし。」

「じゃ、後で真理奈ちゃんの家に行こう。」

 

響とみゆきはMHCPの事を真理奈に聞こうと、真理奈の家に訪れることに決めた。

 

「今日はありがとね。私が働いてるコスプレショップに案内できなかったのは残念だけど。」

「大丈夫!また来るからね!」

「ありがと。その時はよろしくね♪」

 

やよいはクリシスにそのように約束する。

 

「ホンマブレへんな・・・」

「やよいちゃんらしいよ・・・」

 

あかねとなおはそんなやよいに呆れる。

 

 

 

 

 

 

その頃、土星周辺に獅子の鬣のような頭をした巨人と、腹部に菱型のバックルが付いている巨人が辺りを見渡している。

前者の巨人はウルトラマンレオ。

獅子座L77星から来たウルトラ兄弟の1人である。

マグマ星人に故郷を滅ぼされた後、ウルトラセブンに変わり、地球を守る戦いに身を投じた。

後者の巨人はウルトラマン80。

M78星雲から怪獣復活の調査に派遣されたウルトラマンである。

マイナスエネルギーから生まれた怪獣を次々と戦ってきた。

 

「どうだ、80。セブン達は見つけたか?」

「いいえ。そっちも?」

「あぁ。ウルティメイトフォースゼロも協力してくれたが、見つからなかったようだ。」

「私も太陽系の方に探しましたが、やはりいないようです。」

 

レオと80はゼロやウルトラ兄弟が消えたと聞き、捜索を始めたが、発見しなかった。

 

「別の宇宙に飛ばされたのでしょうか?」

「間違いはないだろうが、マルチバース全体に探し回ることは不可能だ。」

 

レオと80はゼロ達は別の宇宙に飛ばされたと推測するが、ゼロのように別の宇宙に渡る手段がないため、どうすることもできなかった。

その時、レオと80は何かに気付いたのか、周辺を見渡した。

そして、レオと80は瞬時に回避するように飛翔する。

何故なら、レオと80を横切るように赤、青、黄色が混ざった光線が放って来たからである。

 

「今の光線はA兄さん!?」

「いや!」

 

80は今の光線をAのメタリウム光線だと気付くが、レオは放射した方向に振り向くと、右手のナイフと左手の鉤爪を持つ巨人がいた。

いや、巨人ではなく、ロボットと言った方が正解か。

その正体は異次元超人エースキラー。

ヤプール人がAを抹殺するために作られたロボットである。

初代ウルトラマン、セブン、ジャック、ゾフィーからエネルギーを奪い、Aを追い詰めた。

 

「エースキラー!」

「まさか、ヤプールが!?」

「その通りだ!」

 

エースキラーの隣の空間が割れ始め、そこから鎌状の右手を持つ赤い体をした異形の物が現れた。

その正体は異次元超人ヤプール。

超獣を作って地球に送り込ませた生命体である。

空間を捻じ曲げる能力を持ち、それでAやメビウスを苦しめた。

 

「ウルトラ兄弟がこの宇宙から消えたのは気になるが、お前達がいるとは好都合。ここでやつざきにしてくれるわ!」

 

ヤプールとエースキラーはレオと80に対し、身構える。

 

「80!気をつけろ!強敵だぞ!」

「はい!」

 

レオと80もヤプールとエースキラーに対し、構えをとる。




レオと80がいよいよ登場しましたが、彼らの活躍はしばらくお預けになります。


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焼き払われし山

今回はようやくあの2人が登場します。


秋葉原に現れた宇宙ロボット・キングジョー。

その侵攻を阻止すべく、ヴィヴィオはウルトラマンオーブに変身し、響達はスイートプリキュアに変身し、みゆき達はスマイルプリキュアに変身して、キングジョーに立ち向かう。

しかし、キングジョーの強さに苦戦を強いられるオーブ。

その時、スーパーGUTSのガッツイーグルとガッツウイング1号が助太刀に来てくれたことで、オーブはキングジョーを倒すことに成功する。

その後、ヴィヴィオ達はクリシスの口から、真理奈の祖父・新光太郎の事を聞き、新邸に戻って真理奈に会いに行った。

その真理奈はすでにプロノーン・カラモスから帰宅している。

今はダイニングルームで話を伺っている。

 

「MHCP・・・それはメンタルヘルスカウンセリングプログラムの略称ね。」

「メンタル・・・ヘルス・・・?」

 

みゆきは真理奈から聞いたMHCPについて聞くが、チンプンカンプンだった。

 

「AIって言った方が通りがいいわね。メンタルヘルスカウンセリングプログラムは精神的健康に悩む人に相談援助するAI。つまり、ストレスや悩みを抱えている人間が精神障害でパニックにならないように心のケアを行なう手助けをAIが担っているのよ。」

 

真理奈はヴィヴィオ達にMHCP(メンタルヘルスカウンセリングプログラム)の事を詳しく説明する。

 

「心の悩みを相談する役目を持つAIか・・・」

「えぇ。そのAIは全部で10体。全部祖父ちゃんが構築したんだ。それを頼りにしている国はいくつかあってね。日本を入れた首都にメンタルヘルス対策を貢献してきたんだ。・・・と言っても、10体の内8体だけどね?」

 

真理奈は付け足すように言う。

 

「残りの2体は?」

「あぁ、それがね?1番目から8番目までのMHCPは対面したことあるけど、9番目と10番目は会ったことないのよ。祖父ちゃんから何も聞いてなかったし、資料にも載ってないのよね。まぁ、そのMHCPに自立行動性構築プログラムで人間と同じ肉体を構築したわけだから、区別がつかないけど。」

 

真理奈はリリィの質問に対し、そのように答え、MHCPの構造を伝える。

 

(プログラムで肉体を・・・ザフィーラやヴィータさんと同じってことかな?)

 

ヴィヴィオはMHCPの構造を聞いて、とある人物の事を思い浮かべる。

 

「でも、なんでその話を?突然帰って来たかと思えば、響とみゆき達を連れてきて、いきなりMHCPって何って・・・」

「クリシスさんが夢の中でその話をしてたの。」

「クリシス姉さんが?」

 

真理奈はヴィヴィオがMHCPの事を聞いてきた理由を聞いて、首を傾ける。

ヴィヴィオは、クリシスから聞いた話を詳しく真理奈に伝えた。

 

「う~ん・・・」

「どう?真理奈ちゃん。」

「・・・あくまでクリシス姉さんの夢の話だから、夢の中で祖父ちゃんを見たって言っても、何の証拠にもならないわ。あいつの頭痛の原因も分からないし、ネクサスに変身するのに必要なエボルトラスターを持っている経緯も分からない。クリシス姉さんとKIKIとの関連性も不明よ。」

「真理奈ちゃんでも分からないのか・・・」

「多分、母さんもね・・・」

 

真理奈はみゆきに聞かれるも、クリシスが言っていた話が真実か否か分からない様子である。

 

(・・・よくよく考えてみれば、クリシス姉さんは何者なのか、それすらも分からないのよね。本人も過去の記憶がないわけだし・・・)

 

真理奈はMHCPの事からクリシスの事に話が変わり、深刻に考える。

 

(そっち方面にも調べたいけど、明日はぎんがと一緒にグランドームに行く予定になってるし、夏休みの最後の週にハワイに行くことになってるし、さらにシルバーウィークには、あの事故が起きたフランスの研究所に行かなきゃいけない。全く、暇もないわね・・・)

 

真理奈は今後の予定が山積みで、クリシスの事を調べる余裕がない様子だった。

 

(それに、一昨日にニュースで噂された蛇の事もあるし・・・)

 

真理奈は更に付け加えて、先日に知った蛇の事も考える。

響達とみゆき達はMHCPやクリシスの話を聞いた後、すでに夕方になったので、お暇することにした。

 

 

 

 

 

 

深夜2時頃・・・

 

「こんな山ん中で計画を進めんのかよ?ライトリー、レフティー。」

 

ライハは白衣の男2人組と鉤爪の付いた手甲を装備した忍装束を纏う兵士16人と一緒に河童山の瓢箪池の近くに来ていた。

ちなみにライトリーは眼帯の男で、レフティーはツンツン頭の男である。

 

「あぁ。流石に市街地に攻め込むと面倒だからね。」

「これはあいつの実験だ。本格的に入るのはそれからだ。」

「この森を焼き払ったら、プリキュア達も黙っていられないぞ?」

 

ライハはライトリーとレフティーにそう言う。

 

「だからだよ。ここを荒らせば、プリキュアは奴と戦わざるを得ない。君はプリキュア以外の人間を妨害すればいい。」

「空間の歪みで新たな敵が現れたからな。お前はそいつらを叩くんだ。」

「プリキュア以外の敵?」

 

ライハはライトリーとレフティーの言っていることが分かっていなかった。

ライトリーは内ポケットから10枚の写真を取り出して、ライハに渡す。

ライハに手渡した写真には、なのは、ユーノ、ヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロが写っていた。

 

「その写真に写っているのが、君のターゲットさ。その内4人は今、ハピネスチャージプリキュアとドキドキ!プリキュア、そしてキュアエレメントと裏切り者のキュアイージスと共にスペインに滞在している。その為、君が気にすることではないが、その4人と、ここ日本にいる6人と合流したら面倒なことになる。そうならないように始末するんだ。」

 

ライトリーはライハにそのように命令する。

 

「ふざけんなよ?どう見てもプリキュアのような実力があるような人間じゃねぇだろ?」

 

ライハはライトリーに反論する。

 

「やれやれ・・・まだ反抗するのかな?」

 

ライトリーはポケットからリモコンを取り出し、スイッチを押す。

 

「!ギャアァァァァァァァァッ!!!!」

 

ライハの首輪から電流が流れ出し、ライハは苦しみ出す。

 

「プリキュアのような実力がなかったら、その写真渡さねぇっての。」

「それに、ルルイエの件を考えれば、君が蛇の姿になっても、プリキュアやウルトラマンに勝てない。だから始末し易いその子供達の事を君に頼んでいる。これも渡しておくからしっかりやるんだ。」

 

レフティーはライハの頭を踏ん付けながら言い、ライトリーは白衣のポケットからダイヤ状のシンボルを取り出し、ライハの前に放り投げる。

その光景を木の陰から見届けている人物がいた。

その人物とは、レンである。

 

(ふぅん?まだ残党がいたんだ?しかも、アダマンとグリアナ達の他にいたんだね。)

 

レンはライハとライトリーとレフティーのやり取りを見て、それぞれの感想を述べる。

 

(助けに行ってもいいけど、流石にあの人数は無理か。あの2人も隠し札を持ってるだろうし、あの子と協力してから助けに行こうかな。彼の濡れ衣を晴らす口実もできるかもだしね。ま、せめて山火事にならないように配慮しようかな。)

 

レンはその場から離れるように瓢箪池を後にする。

 

「さて、そろそろ始めるよ、レフティー。」

「あぁ、実験が終わり次第、作戦を検討するぜ。」

 

レフティーはライトリーの指示でアタッシュケースを開ける。

ライハは苦しみながらも起き上がろうとする。

その時、周囲が影で覆われ、月の光も射さなくなった。

ライハは見上げると、その理由が判明する。

 

「なっ!?こいつは!?」

 

ライハは目の前の存在を見て驚愕する。

それから数分後、ライハとライトリーとレフティー、及び16人の忍装束の兵士はすでにいなくなり、瓢箪池の周囲の森は炎に焼かれていた。

そんな中、瓢箪池から去って行ったはずのレンが戻って来た。

 

「ふぅ、行ったか。それにしても、あの小っちゃいのが彼になるなんてね・・・ま、とにかく、急いで消化しとこ。」

 

レンは周囲の焼かれた森を見渡した後、首に下げているメダリオンを掴む。

すると、レンの足元に黒い三角形の魔法陣が現れる。

 

「風よ、霧を呼べ。地獄の炎を鎮める幕となれ。ミストカーテン。」

 

レンは呪文を唱えると、周囲が濃霧で覆われ、森の炎が徐々に消えていった。

 

 

 

 

 

 

翌日・・・

 

「スーパーGUTSの基地に?」

「えぇ。前にトランプ共和国でユグドラシルの事を聞いたと思うけど、そのユグドラシルの研究者が怪しい取引をしたみたいでね。その件について、リョウ姉さん達は知らないのか、聞きに行こうと思ってさ。」

 

真理奈はなのはとユーノにスーパーGUTSに行くことを教える。

 

「まのん達はアンタの部下と一緒だったから予定より早く帰れそうなんだ。帰ってきたら、夕方までに帰ってくるって伝えてよ。」

 

真理奈はなのはにそのように伝える。

 

「気を付けてね。どこかで怪獣が現れるかも知れないから。最近じゃ、ヴァベルの騎士っていう組織が潜んでいるって聞いたから。」

「!分かってる。どうせ戦う力がないし。危ないと思ったら逃げるわよ。」

 

真理奈はヴァベルの騎士の事を聞いて、「ディアーナから聞いたのか。」と思いながらも、何事もないようにアタッシュケースを手に取る。

 

「尤も、アンタ等のように戦いたいってわけじゃないけどね。」

 

真理奈はドアを開けた直後、なのはとユーノに付け加えるように言った後、家から出ていく。

なのはは真理奈の言葉を聞いて、少し俯く。

 

「なのは?」

「あ、ううん。昔の事を思い出しただけ。」

 

ユーノはそんななのはの様子を見て、心配かけるが、なのははなんでもないと言うように応える。

その時・・・

 

『深夜2時頃に河童山瓢箪池付近で山火事が起きた模様。詳細は不明ですが、大きな被害はなく、霧が発生したためか、しばらく経った後、火は鎮火されたようです。詳しい状況を調べる為、現在、スーパーGUTSが調査を始めています。』

 

深夜に起こった山火事の事件を聞くなのはとユーノ。

 

「あの被害、普通の山火事じゃないね。」

「うん。それに霧で消火するなんて、普通は出来ないはずだけど・・・」

 

なのはとユーノは今のニュースを見て、不自然な出来事であると思い始める。

 

「ユーノ君、調べてみよう。」

「そうだね。」

 

なのははテレビを消して、ユーノと一緒に河童山へ向かう。

 

 

 

 

 

その頃、日本アルプスの飛騨山脈に2人の少女が合流するかのように、飛翔していた。

その内1人は黒い水着のような着衣と黒いマントを羽織り、斧のような杖を所持している金髪の少女、もう1人は黒のインナー及びスカートの上に白いジャケットを羽織り、白い帽子を被り、剣十字の杖を所持する茶髪の少女である。

まず、前者の少女はフェイト・T・ハラオウン。

時空管理局にて執務官を務めているなのはの幼馴染である。

JS事件ではジェイル・スカリエッティの拘束を果たした。

後者の少女は八神はやて。

レリック事件当時、機動六課の部隊長を務めているなのはとフェイトの幼馴染。

エクリプス関連事件では、特務六課として再結成し、フッケバイン一家と対峙していた。

 

「フェイトちゃん、見つけたん?」

「ううん、相手は魔導師と違って、正体の分からない巨人。その反応を探るのは無理みたい。」

 

フェイトは手を前に翳すと、何もない所から四角い光が現れ、その光の内側に山火事が発生した光景が映し出される。

しかも、その炎の向こうにゼロの姿が映っていた。

 

「この巨人が山火事を起こしたのなら、急いでなのは達を探さないと・・・」

「そやな。地球に戻って来た事や、なんで私らがこんなに縮んだんかは後にして、今はなのはちゃんと合流して対策を取らなアカン。ヴィータやシグナム達も戻って来たんかは分からへんから何とも言えれへんけど・・・」

「そうだね。地球に戻ってから念話も通信も出来なくなってる。その原因は分からないけど、今まで起きた事件に関わりがあるなら、なのはとヴィヴィオもこの地球にいるはず。」

「とにかく、海鳴市へ行こ。ようやく長野県入りしたから、早よ東京に戻らな。」

 

フェイトとはやては、今いる地球がプリキュアの世界の地球であることを知らずに、この世界には存在しない海鳴市に向かった。

その様子を木の陰から窺っている人物がいた。

 

「なのはのダチだったか・・・遠目で覗かせてもらったが、面倒なことになって来たぜ・・・」

 

その人物とはシンである。

フェイトが山火事が起きた時の映像を出した時に見たのか、状況は理解したものの、気まずい感じになる。




う~ん・・・こんな調子で大丈夫なんやろか・・・(汗)


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ノアの神と魔王獣

クリシスから口にしていたMHCP。

それはストレスや悩みを持つ人間の心のケアを手助けするAI、メンタルヘルスカウンセリングプログラムの略称だった。

真理奈の話によれば、新光太郎が世界主要国の首都からの要望で構築した10体の内8体のMHCPを貢献し、残りの2体は行方知らずとなった。

ただ、ヴィヴィオ達の話によると、クリシスの夢でMHCP・Ⅹ・KIKIについて話した事を真理奈に話すものの、関連性は不明との事だった。

次の日、フェイト・T・ハラオウンと八神はやてが飛騨山脈で昨夜に河童山の瓢箪池の周囲に火事が起きたことを知る。

そしてその火事を起こした張本人がモロボシ・シンが変身するウルトラマンゼロだった。

それを知ったフェイトとはやてはゼロの対策を整えるべく、なのはを探すことにした。

そのなのはとユーノは深夜で起こった河童山の火事を調べる為、スーパーGUTSの隊員に見つからないように、瓢箪池付近に降り立つ。

 

「ここで起きたんだよね?」

「うん。スーパーGUTSが巡回してるから動けないけど、この有様・・・」

 

なのはとユーノは木の陰に隠れて、周辺を調べる。

火事の影響で倒れた木、焼け焦がれた草原、焦げ落ちた葉が浮かぶ池、一見それだけにしか見えなかった。

 

〈マスター。この一帯の大気成分を分析しました。人体に害はありませんが、僅かながら魔力反応が確認されました。〉

「本当に?もしかして、はやてちゃんかな?前に空港で火災が起きた時、はやてちゃんが消火してくれたから。」

「その可能性は低いね。当時、はやてが消火に使った魔法は広域凍結魔法。この山の火災を消したのは霧。今回の一件ははやてが消火したわけじゃないようだね。」

 

なのははレイジングハートの報告を聞いて、深夜の山火事を消火したのははやてじゃないかと思い込んでいたが、ユーノは違うと言い出す。

 

「いずれにしても、ニュースで発表したように、スーパーGUTSが調査している以上、これ以上は調べられないね。」

「うん。夜中に気付いて、ここに来るべきだったかな。」

 

なのはとユーノは現状を見て、事件の調査は出来ない事を悟った。

 

「管理局の人なら調査しやすいけど、違う人じゃあ・・・」

 

確かに現場に調査している人達は時空管理局の局員なら調査は捗るが、スーパーGUTSの隊員では無理な話だろう。

なのは達が住んでいる次元とは違うし、今のなのは達は空間の歪みによって幼児化されたので、相手になれない。

 

「仕方ないね、真理奈はスーパーGUTSの基地に行ってるから、あの子から情報を貰えばいいしね。」

「うん、一旦家に戻ろう。」

 

なのはとユーノは河童山の調査を断念せざるを得なくなり、一先ず真理奈の家に戻ることになった。

 

 

 

 

 

 

その頃、真理奈はダニエルからの情報でツンドラ森林地帯で怪獣を操っているという少女について聞くべく、ぎんがの運転でスーパーGUTSの基地・グランドームへ移動中である。

 

「しっかし、研究チームとして設立していたGUTSが、スーパーGUTSって言う戦闘部隊として各地の怪獣と対応していたなんてね。イルマ財閥が防衛省とのコネで防衛チームを立ち上げたって聞いたけど。」

「えぇ。各国の防衛隊、自衛隊の少数がそこに異動することになって、怪獣との戦闘を繰り広げられているわ。今のこの世界はもう、プリキュアだけの問題じゃなくなってきているし、ユグドラシルのように怪獣を利用しているものも僅かながらいるから。」

「まぁ、実際そうだしね。ヤマザキがクローン怪獣を作っていた辺り、現実問題だし・・・」

 

真理奈とぎんがはスーパーGUTSの設立の事、現在起きていた世界の現状の事、ユグドラシルの事を話していた。

 

「ねぇ、ダニエルから聞いたけど、ヴァベルの騎士って連中が動き出してるって噂なんだけど、スーパーGUTSからはそんな情報を聞いた?」

 

真理奈はぎんがにヴァベルの騎士について聞いてみた。

 

「えぇ。世界各地で不審な動きをしている人物をあちこち目撃されていたと聞いてたわ。しかもその人物には首に下げている共通のメダリオンを所持している。真理奈達がトランプ共和国で祝勝会をやっていた頃、北方領土で建てた研究施設が放火された件も彼等の仕業であることも判明したわ。」

「!本当に!?」

 

真理奈はぎんがの話を聞いて驚く。

 

「ヒビキ総監からの連絡で知ったけど、その放火は引火物も爆薬も使われていなかったという報告も聞いたわ。」

(となると、ダニエルが言ってた高町と同じように魔法って奴で放火させたってことか・・・)

 

真理奈はぎんがが言っていた研究施設の放火は魔法による行使だと推測した。

 

「そういえば、河童山で山火事が起きた時、突如発生した霧で消火されたってニュースで聞いてたわね。それと関係があるのかもしれない。」

「確かに、水噴霧消火設備は水蒸気による窒息作用で燃焼を抑えることができるけど、河童山にはそんな消火器はないし、それ以前に人が行くような場所じゃない。あの霧が発生させたのはヴァベルの騎士って事になるわね。」

 

真理奈とぎんがは今日のニュースで聞いてた河童山の山火事について話し出す。

 

「いずれにせよ、スーパーGUTSの基地に行って、大まかな情報を得る方がいいわね・・・っと、話している内に見えてきた。」

 

真理奈は助手席側の窓から目を向けると、広大な設備が広げられており、その中心にキノコのような外観のタワーが建てられていた。

そのタワーこそ、スーパーGUTSの本部基地・グランドームである。

ガッツウイングやガッツイーグルのようなライドメカの格納庫、巨大シェルター、開発・整備工場などが配備されいる。

アスカ・シンが元居た世界・ネオフロンティアスペースにも存在していた。

 

「へぇ!これはまたすごいな!?驚いたよ!」

「ウフフ。私も最初は圧巻されたけどね。」

 

真理奈はグランドームや下の設備を見て圧巻させられた。

 

(あの基地の中にユグドラシルと取引してた奴が・・・)

 

真理奈はグランドームを見て、ツンドラ森林地帯に現れたガッツシャドーと怪獣を操るアイテムを所持している少女・イリスを頭に思い浮かべる。

 

「もしかしたら、なのはさんやユーノさんのように別の世界から来た魔導士がいるかもしれないわね。」

「え?あぁ、そうね。それも含めて聞いてもらわないとね。」

 

真理奈はぎんがにそう言われ、改めて真剣な表情になる。

 

 

 

 

 

 

その頃、ヴィヴィオ達は、かつてユグドラシルがアジトとして身を潜めていたというバラージ王国に足を踏み入れた。

管理世界デントの鉱山で発見されたウルトラマンノアの石像がこのバラージ王国の地下にも発見された事を知り、メイド服を着た茶髪のロングヘアーの少女と黒髪のショートヘアーの少女の案内でノアの石像の元へ案内された。

前者の少女はアリアで、後者の少女はライラ。

ユグドラシルのリーダー・デニーズ・ポーカーの召使いとして働いていた剣崎真琴の古い友人である。

今はトランプ共和国の大統領ジョナサン・クロンダイクと王女のマリー・アンジュのお世話役をやっている。

バラージ王国の地下は怪獣も徘徊できるほどの空間になっているため、とても広く、ユグドラシル事件解決の後、調査のために彼方此方照明が設置しているが、地形の問題で移動が困難。

しかし、元々バラージ王国の生まれであるアリアとライラのおかげで、無事ノアの石像の所まで辿り着いた。

 

「うわぁ・・・なんていうか・・・」

「今までのウルトラマンと桁違いだね・・・」

 

トーマとリリィはノアの石像を見て圧巻する。

 

「なのはママとユーノ司書長もデントで同じ石像を見たけど、実際見てみるとすごいですね・・・」

「えぇ。シンさんから聞きましたけど、ネクサスは元々、このノアと同じなんですよね・・・」

 

ヴィヴィオとアインハルトもそれぞれの感想を述べる。

 

「はい、10年前、このバラージ王国が平和で豊かな国でした。ですが、この国の近郊に魔王獣と呼ばれる7体の魔物が現れ、この国は滅亡されました。魔王獣はあらゆる自然災害を引き起こし、あらゆる文明を滅ぼしたのです。闇を齎す魔王獣は狂信教によって人の心を蝕み、光を齎す魔王獣は太陽の力で眠りについた獣を呼び覚まし、風を齎す魔王獣は暴風を引き起こし、土を齎す魔王獣は地上の全てを沈め、水を齎す魔王獣は一面の水を汚し、火を齎す魔王獣は熱で自然を干ばつに見舞われました。それらの魔王獣は1体の魔王獣によって生み出されたのです。」

 

アリアはヴィヴィオ達にバラージ王国に纏わる魔王獣の事を語り始める。

 

「その魔王獣って奴、生き物って言うより災害そのものだな・・・」

「そうです。これらの事を考えると、それぞれの魔王獣を生み出した存在は、あらゆる災害を引き起こすことができるという事です。しかし、その魔王獣の前に光の巨人が舞い降りました。その巨人こそがノアの神様なのです。ノアの神様は魔王獣の猛攻にも関わらず、自身の光の力で全ての魔王獣をジュラン諸島に封印したのです。」

 

トーマの言葉にライラは肯定し、更に続けるようにノアについて語る。

 

「想像を絶しますね・・・」

「なんだか古代ベルカ戦争の方が可愛く思えちゃうかも・・・」

 

アインハルトとヴィヴィオは今の話を聞いて言葉を濁したように言う。

 

「?何の話か分かりませんが、ノアの神様のおかげで、今のバラージ王国は復興し始めていましたし、元の豊かな国に戻りかけて来てます。」

「ユグドラシルが壊滅されたことで平和になりましたし、空間の歪みで怪獣が現れる点を除けば魔王獣の脅威はないでしょうから。」

 

アリアとライラは苦笑い気味にそう言い出す。

その時、台座の窪みとその付近に光が放出する。

 

「わわぁっ!?」

「な、なんだ!?」

 

ヴィヴィオ達はあまりの眩しさに両腕で顔を覆う。

光が治まったと思い、両腕を下ろすと、台座に短剣のようなアイテムが置かれ、台座の後ろに石造りの翼とも言える石碑が置かれていた。

まず、短剣のようなアイテムの名前はエボルトラスター。

ウルトラマンネクサスに変身する時に必要な変身アイテムである。

デュナミストのみが使え、それで変身してスペースビーストと戦っていた。

そして石碑の方はストーンフリューゲルである。

ネクサスに変身するデュナミストが召喚する石棺である。

デュナミストの傷やダメージを回復させることができる。

 

「えぇっ!?」

「これは一体!?」

 

ヴィヴィオとアインハルトはストーンフリューゲルを見て驚きを隠せなかった。

 

「エボルトラスター!?」

「邪神が消えた後、行方知らずになった物が何故!?」

 

アリアとライラもエボルトラスターの出現に驚く。

 

「あれが10年前に魔王獣を封印した巨人の石像か。」

 

突然、どこからか声が聞こえ、ヴィヴィオ達は周囲を見渡す。

その時、ヴィヴィオ達の背後に茶色の三角形の魔法陣が二ヵ所展開される。

しかも、その内一つは一回り大きかった。

 

「なっ!?魔法陣!?」

「でも、私達が使ったものとは違う!」

 

アリアとライラは出現した魔法陣に驚く。

 

「ベルカ式の魔法陣!?」

 

ヴィヴィオは今見た魔法陣にそう言う。

その魔法陣から金色のショートヘアーをし、黒い貴族風な服装を着た男が現れた。

そして、それに続けるかのように巨大な魔法陣からは頭部に赤い水晶が付いた怪獣の石像が現れる。

 

「しかし、我々としては世界を破滅に追いやるこの厄介者を封印というイカサマではなく、本当に倒して欲しいものだな。ポーカーというトランプゲームで優れた手札を競い合うように。」

 

貴族風な男は怪獣の石像を見上げながら言う。

 

「その石像は・・・まさか・・・」

 

アリアは怪獣の石像を見て、恐怖を感じ取る。

その時、怪獣の石像の頭部にある赤い水晶が発光し始めた後、石像にヒビが入り、崩れ落ちていく。

石像の内側から青みがかった機械のような怪獣が露わになる。

その怪獣の正体は土ノ魔王獣マガグランドキングだ。

ジャグラス・ジャグラーのダークリングの力によって復活した土を司る魔王獣である。

ウルトラマンオーブの攻撃が一切通用せず、スペリオン光線も効かなかった。

 

「ふ、ふぇえぇ~っ!?」

「な・・・なっ・・・!」

「土ノ・・・魔王獣・・・ッ!」

 

ヴィヴィオ達はマガグランドキングの前に圧巻する。

 

「驚くのも無理はないが、このままでは城ごと崩壊される。早く奴を倒さないと、生き埋めになってしまうぞ。」

 

貴族風な男はヴィヴィオ達にマガグランドキングを倒せと促す。

 

「自分から怪獣を連れてきて何言ってるんだよ!?」

 

トーマは貴族風な男にそうツッコむ。

 

「アインハルトさん、トーマ、リリィ!ここは私が!アリアさんとライラさんもあの人を捕まえてください!」

 

ヴィヴィオはオーブリングを取り出し、アインハルト達に貴族風な男を捕らえるよう伝える。

 

「はい!」

「気を付けてください!魔王獣は並の怪獣とは違います!」

 

アインハルトはヴィヴィオの言う通りにし、アリアはヴィヴィオに忠告する。

 

「大丈夫です!任せてください!」

 

ヴィヴィオはアリアの忠告を聞き入れる。

 

「タロウさん!メビウスさん!熱い奴、頼みます!」

 

ヴィヴィオはタロウとメビウスのカードをオーブリングに通し、そのオーブリングを頭上に掲げる。

よってヴィヴィオはオーブ・バーンマイトに変身する。

アインハルト達は突如現れた謎の貴族風な男と対峙し、オーブは封印が解かれたマガグランドキングに立ち向かう。




ついに、オーブに出て来る怪獣が登場です。


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ネクサスの帰還

今回は、あのウルトラマンが帰ってきます。


ヴィヴィオ達が訪れたノアの石像が建てられているバラージ王国の地下で、ネクサスの変身に必要なエボルトラスターと、ルルイエでのガタノゾーアとの戦いの後、行方知らずになっていたストーンフリューゲルが現れた。

その直後に貴族風な謎の男と土ノ魔王獣・マガグランドキングの石像がヴィヴィオ達の前に現れる。

マガグランドキングが長年の眠りから覚めたように封印が解かれ、ヴィヴィオの前に立ちはだかる。

ヴィヴィオは謎の男をアインハルト達に任せ、オーブに変身し、マガグランドキングを相手にした。

 

「やれやれ・・・私に構っている場合ではないと言うのに・・・」

 

その謎の男はアインハルト達に追いかけられ、地上への出入り口の手前の広場に足止めされていた。

ちなみにアインハルトは既にセットアップし、トーマもリアクト状態になり、リリィもトーマの中にいる。

 

「どなたかは存じませんが、あの怪獣を連れて、この城を壊そうとしているあなたを見過ごせはしません。」

「誤解しているようだが、あれは私が起こしたのではない。私が何もしていなくてもいつ封印が解かれてもおかしくない所まで来たのだ。大きな事態が起こらないよう、多くの怪獣を倒してきた巨人に倒させてもらおうと態々ご足労しただけだ。」

 

アインハルトは貴族風な男を引き留めるが、貴族風な男はアインハルト達に誤解だと告げ、マガグランドキングを連れ出した理由を教える。

 

「お話はあの怪獣を撃退後に聞かせてもらう。それまで大人しくさせてもらおうか。」

 

トーマは貴族風な男の言い訳を流しながら、投降を呼びかける。

 

「聞く耳持たないとは、無粋だな。これでは管理局の『海』と『陸』の二の舞だな。」

 

貴族風な男はやれやれとジェスチャーする。

アインハルトとトーマとリリィは管理局の『海』と『陸』を聞いて、警戒を強める。

 

「まぁ、いい。せっかくここまで来たんだ。3人にも付き合ってもらおう。」

 

貴族風な男は2枚のカードを出し、アリアとライラに向けて投げた。

そのカードはアリアとライラの前に止まる。

 

「え?」

「白紙のカード?」

 

アリアとライラが見たのは何も描かれていない白紙のカードである。

2人は拍子抜けになったと思った瞬間、カードが怪しく光り出す。

 

「なっ!?なに!?」

「す、吸い込まれる!?」

 

アリアとライラは2枚のカードに吸い込まれていき、白紙だったカードはアリアとライラの姿が描かれていた。

 

「アリアさん!ライラさん!」

「心配するな。ゲームに巻き込まれないように安全な所に招待したまで。ゲームが終わったら解放するぞ。」

 

アインハルトは今の光景を見て心配かけるが、貴族風な男は後で解放するから心配するなと言い出す。

貴族風な男は51枚のトランプのカードをバラ撒く。

すると、51枚のカードが人間大まで巨大化し、ドーム状に取り囲む。

 

「ルールを説明しよう。52枚のカードの中から♠の『10』、『J』、『Q』、『K』、『A』の組み合わせを揃えれば君達の勝ちだ。但し、組み合わせが間違えればペナルティを与える。タイムリミットは5分だ。」

 

貴族風な男はアインハルトに曰くゲームの説明をした後、自身を巨大な♠の『A』のカードに変わり、51枚のカードのドームに紛れ込む。

 

「おい!誰もゲームをやるなんて言ってないぞ!?」

 

トーマはカードのドームに紛れている貴族風な男にそう言う。

 

『フフフ、君達の実力を見てもらう、と言う解釈にしておいてくれたまえ。』

 

貴族風な男はアインハルト、トーマ、リリィにそう言った直後、トランプのドームの周りに茶色の魔法陣を囲う。

 

『これで君達はゲームを断ることはできない。召使い達、そして彼女を助けたければ、このゲームに参加するがいい。』

 

貴族風な男は飄々とした態度でそのように諭す。

 

「トーマさん、どうやら拒否権はないようです!」

「あぁ、もう!分かったよ!やればいいんだろ!?やれば!?」

 

トーマはイライラした口調でそう言う。

 

『やる気になってくれて何よりだ。では、ゲームスタート!』

 

貴族風な男はゲーム開始を宣言する。

 

「銀十字、トランプの絵柄やあいつの居所を特定できるか?」

〈分析不能。敵性存在の確認不可。このカードには魔力を遮断する効能を確認しました。〉

「トランプの絵柄さえも特定できないのか・・・」

 

トーマはこのゲームを早く終わらせるため、銀十字の書を頼りに分析しようと思ったが、貴族風な男を見つけ出すこともトランプの絵柄を割り出すこともできないことを知った。

 

『それはそうとも。透視などというものはイカサマだからね。だから真剣に探してもらわないと。』

 

貴族風な男はトーマと銀十字の書の会話を聞き、そのように言う。

 

「仕方ない、こうなったら破れかぶれだ!」

 

トーマは銀十字の書のページを5枚出し、そのページからエネルギー弾を放つ。

そのエネルギー弾は5枚のカードに命中する。

すると、トーマが命中させた5枚のカードが瞬間的にトーマの目の前に現れる。

 

「うわっ!?びっくりした!」

 

トーマは突然目の前に現れた5枚のカードに驚くも、カードの絵柄を見る。

しかし、トーマが選んだカードの組み合わせは♠の『8』と『10』、♣の『7』、♢の『10』、♡の『7』のツーペアだった。

その時、目の前のカードがトーマの前で爆発を起こす。

 

「どわあぁっ!?」

「トーマさん!?」

 

トーマは爆発の衝撃によってアインハルトの元へ吹き飛ばされ、アインハルトはトーマに心配をかける。

 

「大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ・・・」

『カードがいきなり爆発するなんて・・・』

 

トーマは頭を抑えながら大丈夫だと答える。

リリィはトーマが選んだカードが爆発することに驚く。

 

『だから言っただろう。組み合わせを間違えればペナルティを与えると。あと4分20秒。見つけられるかな?』

 

貴族風な男は楽しそうに言う。

 

 

 

 

 

 

その頃、オーブはトーマ達が謎の男を追っている間、マガグランドキングと対峙していた。

 

「アクセルスマッシュ!」

 

オーブはマガグランドキングにアクセルスマッシュを繰り出した。

マガグランドキングはバーンマイトのオーブのアクセルスマッシュを受け、後退る。

しかし、マガグランドキングはお構いなしにオーブにマガ一閃を繰り出す。

 

「うわっ!あぅっ!」

 

オーブはマガグランドキングのマガ一閃に怯む。

マガグランドキングは右腕の大鋏でオーブに一撃を与える。

マガグランドキングの強烈な一撃により、オーブは吹き飛ばされる。

マガグランドキングは続けて、胸部からマガ穿孔を発射する。

オーブはマガグランドキングの攻撃により大ダメージを負う。

 

「ストビュームバースト!」

 

オーブはマガグランドキングにストビュームバーストを放つ。

マガグランドキングはオーブの技を受けるが、大したダメージとは言わなかった。

 

(防御が固い!)

 

オーブはマガグランドキングの防御力に苦戦する。

その時、オーブの周囲の地面から3体の怪獣が現れる。

その内1体はゴルザで、他の2体はドリルのような口先をした怪獣と鋸状の角を持つ昆虫のような怪獣もいる。

前者の怪獣は地底怪獣テレスドン。

地底人が地上制服の為に送り込んだ尖兵である。

ウルトラマンエックスの世界で局地的な地震を発生させたこともある。

後者の怪獣は磁力怪獣アントラー。

隕石が落下した直後にバラージの街に現れた宇宙怪獣である。

初代ウルトラマンのスぺシウム光線を耐えられるほどの頑丈な体の持ち主である。

 

「ええぇっ!?増えちゃった!?」

 

オーブはゴルザ、テレスドン、アントラーの参戦により、焦り出す。

ただでさえ、マガグランドキングだけでも苦戦しているのに、更に3体の怪獣まで現れては余計に苦戦してしまう。

オーブは目の前にいるマガグランドキングや背後に近づいて来るゴルザ、テレスドン、アントラーに警戒するように目を配る。

 

 

 

 

 

 

その様子を貴族風な男はカードの中から見ていた。

 

『おやおや。乱入とは空気の読めない・・・』

 

貴族風な男はゴルザ、テレスドン、アントラーを見て呆れた表情をする。

トーマとアインハルトは次々とカードを選ぶが、いずれも違う組み合わせで、爆発によるダメージを受ける。

 

「ハァ、ハァ・・・クッソ・・・!」

「思うようにいきません・・・!」

 

トーマとアインハルトは爆発によるダメージで息が乱れる。

 

『あと20秒。それまで♠のロイヤルストレートフラッシュ、完成できるかな?』

 

貴族風な男はトーマとアインハルトの様子を見て、楽しそうに言う。

 

(ヴィヴィオが危ないんだ・・・!こんな所で倒れるわけにはいかない!)

 

トーマはフラフラになりながらも立ち上がり、シルバーハンマーを5回発射する。

5枚のカードが命中され、その5枚のカードがトーマの前に現れる。

トーマが選んだのは♠の『10』、『J』、『Q』、『K』、そして♡の『A』だった。

よってトーマの目の前のカードが爆発される。

 

「ぐあっ!」

『トーマ!』

 

爆発のダメージを受けたトーマを、中で心配かけるリリィ。

 

『タイムオーバー。』

 

貴族風な男はそう言うと、アインハルト達の周囲のトランプカードが消え、残り一枚となったカードがゆっくりと下りて、そのカードが高速で回転した直後、貴族風な男が姿を現す。

 

「今のはいい引きだったよ。もし最後に選んだカードが♠の『A』だったら私の負けだった。」

 

貴族風な男はトーマに褒める。

トーマとアインハルトはそんなことをお構いなしに貴族風な男を睨みつける。

 

「そんなに睨まなくても解放するつもりだ。」

 

貴族風な男は指を鳴らした後、2枚のカードが怪しく光り出し、その光からアリアとライラが現れる。

 

「うぅ・・・いったい何が・・・」

「助かったのでしょうか?」

 

アリアとライラはゆっくりと目を開け、周囲を見渡す。

 

「アリアさん!ライラさん!」

「!アインハルト様!トーマ様!」

 

アインハルトに声をかけられたアリアとライラはアインハルト達の元に駆け付ける。

 

「大丈夫ですか!?」

「えぇ。大丈夫です。」

「俺も大丈夫。」

 

アインハルトとトーマはアリアに心配掛けられるが、大丈夫だと答える。

 

「それにしても、人質をこんな簡単に解放するなんて・・・」

 

アインハルトは貴族風な男を見てそう言う。

 

「?何を言ってるんだね?私はあの時、ゲームが終わったら解放すると言った。私に勝てたら解放するとは言っていない。」

「・・・は?」

 

トーマは貴族風な男が言ってることに頭を傾げる。

 

「私が2人をカードに入れたのは、今やっていたゲームでカンニングするようなルール違反をさせないようにしたからだ。カードの絵柄を覗かれたらゲームにならないだろう?」

 

貴族風な男はアリアとライラをカードに閉じ込めた理由を言い出す。

 

「そんな理由で?」

「あぁ。私はルールを守る主義でね。」

 

貴族風な男はアインハルトの質問に答える。

その後、メダリオンを出して指パッチンする。

すると、貴族風な男の足元に茶色の魔法陣が現れる。

 

「あっ!待て!」

「私はこう見えて忙しいのでね。君達は魔王獣を何とかするがいい。」

 

貴族風な男はトーマに飄々とした態度で流す。

 

「ま、ゲームを楽しませてもらった褒美だ。自己紹介はしておこう。私はヴェント。ヴェント・フォルクスワーゲン。ヴァベルの騎士の一人だ。また会おう。」

 

貴族風な男は自らの名前をヴェント・フォルクスワーゲンと名乗り、更に自分がヴァベルの騎士の一人だとトーマ達に告げ、光に包まれた後、姿を消した。

 

「逃げられたか・・・」

「ヴァベルの騎士、ヴィヴィオさんのお母様が仰っていた組織・・・」

 

トーマとアインハルトはヴェントが消えた場所を見つめる。

しかし、地響きと衝撃音を聞いて我に返る。

先の衝撃音を聞いたアインハルト達はその方角に振り向くと、オーブがマガグランドキング達に苦戦している状況を目の当たりにする。

 

「ヴィヴィオ!」

「ヴィヴィオさん!」

 

アインハルトとトーマは今の状況を見て危機感を感じる。

 

「トーマさんは休んでてください!行きますよ、ティオ!」

『にゃぁん!』

 

アインハルトは中にいるティオに語り掛け、オーブの元へ飛翔する。

トーマはアインハルトに休むよう言われたが、黙っているわけにもいかず、アインハルトの後を追いかけようとする。

 

(ヴィヴィオが危ないのに、自分だけ休んでいられるか!)

 

トーマはディバイダー996を杖代わりにして立ち上がる。

その時、トーマの目の前にストーンフリューゲルが現れる。

 

「なっ!?」

『さっきの石が!?』

 

トーマとリリィは、突然目の前にストーンフリューゲルが現れて驚く。

その直後、ストーンフリューゲルがトーマを覆い尽くすように光を放つ。

 

「うわぁっ!?」

 

トーマはストーンフリューゲルから発した光に目を瞑る。

しばらくの後、トーマは目を開けると、地下の洞窟の中ではなく、何もない異空間にいた。

 

「うわっ!?何だここ!?」

「虚数空間とは違うみたい・・・」

「リリィ!?いつの間にリアクト・オフを!?」

「え!?ホントだ!」

 

トーマとリリィは今いる空間に驚き、更にトーマはリリィが外に出ていることに驚く。

リリィも驚きを隠せなかった。

その時、トーマとリリィの前に赤い発光体が現れ、闇から現れるように姿を現した。

その姿は胸にY字型の発光体を備わり、両腕に刃のような物がある銀色の巨人である。

その巨人の名はウルトラマンネクサス。

姫矢准、千樹憐、弧門一輝等のデュナミストが変身するスペースビーストを次々と倒してきた光の巨人である。

闇の巨人であるダークメフィストや、あらゆるスペースビーストが合体したイズマエルを倒した経歴を持つ。

 

「ウルトラマン!」

「この巨人がクリシスが変身したっていう・・・」

 

トーマとリリィはネクサスの出現に驚く。

ネクサスはトーマとリリィに手を翳すと、小さな光が現れ、トーマの元に飛んでいく。

トーマはその光を受け取ると、光がエボルトラスターとなる。

 

「これは!?」

「あの台座に現れた!?」

 

トーマとリリィはそれに驚く。

その時、怪獣の咆哮が耳にし、振り向くトーマとリリィ。

そこにはオーブがマガグランドキングとゴルザ、テレスドン、アントラーの連携に苦しんでいる状況が映っている。

 

「ヴィヴィオ!」

「トーマ、このままじゃ!」

 

トーマは今の光景を見た後、手に持っているエボルトラスターを見る。

 

「やるしかない!行くぞ、リリィ!」

「うん!」

 

トーマはエボルトラスターを引き抜く。

それによって、エボルトラスターから光が発し、トーマとリリィを包み込む。

一方、オーブはマガグランドキング達に追い詰められる。

テレスドンはオーブの背後からデプス火炎を放とうとする。

 

「ヴィヴィオさん!後ろ!」

 

駆け付けたアインハルトはオーブにテレスドンが攻撃してくることを伝えるが、時すでに遅し、たった今テレスドンがオーブにデプス火炎を放つ。

その時、テレスドンの火炎が突如、発射された光線によって打ち破られ、そのままテレスドンに命中される。

テレスドンは今の光線を受け、爆散される。

 

「えっ!?」

 

アインハルトはテレスドンが倒されたことに驚く。

 

「今のは?!」

 

ヴィヴィオは振り向くと、マガグランドキングの背後にネクサスがいた。

 

「あれは!」

 

ネクサスはエナジーコアの前に腕を掲げると、体の色が赤くなり、ジュネッスへとタイプチェンジした。

 

「ヴィヴィオ、大丈夫か!?」

「えぇっ!?もしかして、トーマなの!?」

 

オーブはネクサスの変身者がトーマであることに驚く。

 

「トーマさんが、ウルトラマンに!?」

 

アインハルトもオーブ同様驚愕する。

 

「とにかく、話は後にしよう!今は!」

「う、うん!」

 

オーブとネクサスは囲まれているマガグランドキング、ゴルザ、アントラーを前に身構える。

ネクサスは戦闘に入る前にフェーズシフトウェーブを放つ。

それによって、オーブ、ネクサス、マガグランドキング、ゴルザ、アントラーは光のドームに包まれ、消えていった。

 

「ヴィヴィオさん、トーマさん・・・」

 

オーブ達が消えた場所を見つめるアインハルト。

オーブ達の戦いはある空間にいる者しか分からない。

メタフィールドという空間にいる者しか・・・




ようやく投稿できたけど、今まで投稿した中で文章が最長だと思う・・・


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VSマガグランドキング

アインハルト、トーマ、リリィが相手をした謎の男、その正体はヴァベルの騎士の一人、ヴェント・フォルクスワーゲンだった。

ヴェントのトランプを駆使した戦術に苦戦されるアインハルト達。

ヴェントが言うゲームにアインハルト達は敗北するが、閉じ込めていたアリアとライラは解放される。

その一方、オーブはマガグランドキングに苦戦し、ゴルザ、アントラー、テレスドンが乱入し、窮地に追い込まれる。

そんな時、ルルイエの決戦の後、姿を消したはずの光の巨人、ウルトラマンネクサスがトーマに変身する力を与える。

トーマはネクサスに変身して、テレスドンを倒し、オーブと助太刀する。

そのオーブとネクサスはメタフィールドでマガグランドキング、ゴルザ、アントラーと交戦していた。

 

「ハァッ!タァッ!」

「クッ!デヤッ!」

 

オーブはゴルザを、ネクサスはアントラーを対峙している。

オーブはゴルザの尻尾攻撃を避け、脳天にチョップし、ゴルザの首を抱えて、立て続けにチョップを繰り出す。

ゴルザはオーブの捕縛から脱出し、オーブに向けて超音波光線を発射するが、オーブはゴルザの光線を避ける。

オーブは拳に炎を纏い、ゴルザにお見舞いする。

オーブは立て続けにゴルザに蹴りを入れる。

ゴルザは体を丸めて、オーブに突進する。

オーブはゴルザの攻撃を受け止め、アクセルスマッシュで殴り飛ばす。

ゴルザはオーブの攻撃により、地面に叩き落される。

ネクサスはアントラーの大顎を避け、腹に蹴りを入れる。

アントラーはネクサスの反撃に怯むが、磁力光線を放射する。

ネクサスはアントラーの磁力光線によって、少しずつアントラーに引き寄せられる。

アントラーは大顎を広げて、ネクサスを鋏もうとするが、ネクサスは危機一髪の状態でアントラーの大顎を躱し、腹に蹴りを入れる。

アントラーはネクサスの反撃に怯む。

ネクサスは怯んだアントラーの大顎を掴み、腹に再び蹴りを入れた後、拳で大顎を圧し折る。

アントラーは自分の大顎が折られ、後退する。

その最中、アントラーは地面に倒れたゴルザに躓き、仰向けに倒れる。

 

「よし!」

「イケるぞ!」

 

オーブとネクサスはゴルザとアントラーに光線技を使おうとする。

しかし、オーブとネクサスは背後から強大な力を感じ取り、咄嗟に横跳びする。

オーブとネクサスの間にレーザー光線が通り抜き、そのままゴルザとアントラーに命中する。

それによって、ゴルザとアントラーは呆気なく爆散される。

オーブとネクサスは振り向くと、マガグランドキングが立っている。

そう、先程のレーザー光線はマガグランドキングのマガ穿孔だったのだ。

 

『トーマ、ヴィヴィオ、大丈夫!?』

 

トーマとリアクト・エンゲージしていたリリィはトーマとヴィヴィオを気に掛ける。

 

「あぁ、危なかった・・・」

「すごい破壊力だったよ・・・」

 

オーブとネクサスはゴルザとアントラーが倒された場所を見て、一瞬恐怖を覚える。

しかし、オーブとネクサスはそうは言ってられず、マガグランドキングに反撃を行なう。

ネクサスはマガグランドキングの腹に蹴りを入れ、頭部にパンチを繰り出すが、逆にネクサスの方が痛がり、一方のマガグランドキングはダメージはなかった。

マガグランドキングは痛がっているネクサスに左腕の鉤爪で一撃を見舞う。

オーブは拳に炎を纏わせ、マガグランドキングの頭部に一撃を与える。

マガグランドキングはオーブの攻撃に怯むものの、右腕の大鋏でオーブを薙ぎ払う。

マガグランドキングは今度は外さないと言わんばかりに、マガ穿孔を連射する。

オーブとネクサスは喰らってたまるかと思い、マガグランドキングのマガ穿孔の連射を避け続ける。

 

「あんなのを諸に喰らったら一溜りもないぞ!?」

「でも、この怪獣の身体固いし、光線技も効かないし・・・」

 

オーブとネクサスはマガグランドキングを見て、苦悩する。

マガグランドキングは再びマガ穿孔を放つ。

オーブとネクサスはマガグランドキングの攻撃を躱す。

その直後、オーブのカラータイマーとネクサスのエナジーコアに点滅を始めた。

 

「あっ!?」

「エネルギーが!?」

 

オーブとネクサスは自身のカラータイマーとエナジーコアの点滅に少々焦る。

マガグランドキングはオーブとネクサスに再びマガ穿孔を放つ。

ネクサスはオーブを庇うようにサークルシールドで防ぐ。

すると、マガグランドキングが放ったマガ穿孔がネクサスのサークルシールドに反射され、地面に弾かれた。

 

「えっ!?」

 

ネクサスは今の状況を見て唖然とする。

 

『あんなに強力なのに弾かれた!?』

 

リリィもマガグランドキングの攻撃が容易く防がれたことに驚く。

マガグランドキングはお構いなしにマガ穿孔を再び発射する。

ネクサスはもう一度サークルシールドを展開し、マガグランドキングの攻撃を防ぐ。

今度の攻撃はまだ継続しているものの、マガ穿孔がまるでレーザーポインターの光が鏡に反射されたように曲がっている。

 

「そうか!トーマ、そのままシールドをあの怪獣に向けて!」

「えっ!?あぁ!」

 

オーブはマガグランドキングの攻撃が弾いた訳を察し、ネクサスに指示する。

ネクサスはゆっくりだが、サークルシールドの鏡面をマガグランドキングに向ける。

よって、マガグランドキングが発射したマガ穿孔がマガグランドキングに直撃し、直撃された箇所に風穴が空けられる。

 

『あんなにぶつかっても傷一つつかなかったのに・・・』

「自分の技じゃ防げないのか・・・」

 

リリィとネクサスはこの状況に呆然とする。

 

「最強のレーザーと最強の装甲は両立できないんだね・・・」

 

オーブも今のマガグランドキングを見てそう言う。

 

「とにかく今だ!」

「うん!」

 

オーブとネクサスはこの機を逃さず、反撃を行なう。

オーブはストビューム光線を、ネクサスはオーバーレイ・シュトロームをマガグランドキングの開けられた穴に放つ。

マガグランドキングはオーブとネクサスの光線技を受け、内側から膨れ上がり、最期は爆散された。

 

「やったーっ!」

「手強かったな・・・」

 

オーブとネクサスはマガグランドキングに勝てて嬉しくなる。

その直後、ネクサスが展開していたメタフィールドが消滅し始める。

オーブとネクサスはメタフィールド消失と同時に変身を解き、ヴィヴィオとトーマの姿に戻る。

リリィもトーマとのリアクトを解除し、トーマの隣に立つ。

その後、アインハルト、アリア、ライラと合流した。

 

「お二人とも、無事でよかったです。」

 

アインハルトはヴィヴィオとトーマとリリィが無事で安心する。

 

「本当に危ない所でした~・・・」

「本当にギリギリだったよ・・・」

 

ヴィヴィオとトーマはマガグランドキングとの戦いでヘトヘトになっている。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

「少々お待ちください!今、回復させていただきます!」

 

アリアとライラは呪文を唱え始める。

すると、ヴィヴィオとトーマの足元に魔法陣が展開される。

その魔法陣は円型で白く光り出している。

魔法陣の中にいるヴィヴィオとトーマは次第に体が軽くなってきた。

 

「おぉ~!なんだかラクになってきた~!」

「あいつとの戦いの時の痛みが消えていく感じだよ!」

 

ヴィヴィオとトーマは、アリアとライラの魔法で回復させてもらって感謝する。

その様子を遠くから窺っていた者がいた。

 

「ヴェントの奴、遊びにしては派手なことをしてくれるな。」

「私の住む世界に余計な戯れをしないでほしいですわね。」

 

ヴィヴィオ達の様子を見ていたのは、金色の剣を所持している銀髪の青年と、赤い鎧を身に着けている女性である。

 

「それにしても、あの子達は何者なのかしら?先程、ヴェントとの戦いを見届けさせて貰いましたが、プリキュアではないですわね。」

「ミスティの話によれば、異世界から迷い込んだらしい。ユグドラシル事件に現れたウルトラマンという巨人は元々別の世界から来た。最近起こった空間の歪みによって。奴らも同じ事情だろうな。ヴェントは奴らが住む世界に縁があるようなことを言っていたが・・・」

 

赤い鎧の女はヴィヴィオ達は何者なのか気になり、銀髪の青年は別の世界から来た者だと予想し、ヴェントとトーマ達のやり取りについて気になり始める。

 

「それを言ったら、ヴェントは何者なのかという話になりますわね・・・ま、あんなフザけた遊び人など、このヘルヴィムにとってどうでもいいものですわ。ライガー、もう長居は無用ですわ。そろそろ任務に戻りませんと。」

 

赤い鎧の女・ヘルヴィムは銀髪の青年・ライガーにそう言った後、メダリオンを取り出し、目を瞑ると、赤い魔法陣が現れ、光に包まれ、消えていった。

 

「フッ、確かにヴェントは食えない男だが、10年前の悲劇を思えば、感謝しなければならないな・・・」

 

ライガーは小言でそう言い、首に下げているメダリオンを握ると、銀色の魔法陣が現れ、光に包まれながら消えていった。

ヴィヴィオ達はその事に気付くことはなかった。

ヴィヴィオ達はアリアとライラと別れ、人間の世界に戻って行った。

 

 

 

 

 

その頃、まのんは『マヤの全国謝罪巡礼ツアー&海外プリキュア共同作業』を終え、日本に戻った後、ドキドキ!プリキュア、ハピネスチャージプリキュア、マヤ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロと別れ、家に帰ることにした。

ちなみにスバルとティアナ、エリオとキャロはブルースカイ王国大使館で厄介になり、マヤは当分の間、真琴が暮らしているマンションの一室に泊まることになった。

ヒカルとショウはプリキュアの世界に迷い込んだ時に失われたウルトラフュージョンブレスの力を取り戻すため、何処かへ行った。

今夕方、まのんは小泉学園駅から下りて、徒歩で自宅に向かっている。

 

「いい感じに楽しめたね。スバルさん達も手伝ってくれたし。」

「キュゥ!」

 

まのんはトートバッグに隠れているクルルとリュイルにそう言うと、クルルは楽しそうに鳴く。

 

『クルルはもう少し我慢してほしかったのだがな。』

 

リュイルはそんなクルルを見て、呆れたかのように溜息を吐く。

 

『それより、光の巨人とは別の異世界の住人がこの世界に迷い込むとは・・・状況が厳しくなっているのは間違いない。』

「うん、オーストラリアではルルイエで戦った闇の支配者と似たような怪獣と遭ったし、シベリアでは色違いのゼットンも遭ったし、どれも手強い怪獣だったね・・・」

 

まのんはリュイルに言われてゲッソリしていた。

まのんが言うガタノゾーアと似ている怪獣とゼットンの色違いの怪獣とは、闇ノ魔王獣マガタノゾーアと光ノ魔王獣マガゼットンの事である。

まず、マガタノゾーアは紀元前1800年のイシュタール文明でオーブと死闘を繰り広げられた魔王獣である。

文明一つを滅ぼす事ができ、謎のオーロラ現象や干ばつなどの災いを引き起こすことができる。

そして、マガゼットンはツンドラ地帯の森・ルサールカでオーブと対峙していた魔王獣である。

周辺一帯を破壊し尽くす大爆発を起こすことができ、ルサールカ大爆発を引き起こした。

マガタノゾーアはオーストラリアで遭遇した時にダイナとコスモスが加わって、共に退治し、マガゼットンはシベリアで遭遇した時に初代ウルトラマンとジャックが加わって激闘を制した。

強敵ではあるものの、なんとか倒すことができ、無事帰国することができた。

 

「あれ?」

 

まのんは目の前の方に目を向けると、真理奈がゼレットに乗っているぎんがに別れを告げている所を見ていた。

 

「お姉ちゃん!」

「ん?あっ!まのん!元気そうで何よりね。」

「ごめ~ん、1週間御留守させて。」

 

まのんは真理奈と一緒に自宅まで歩いて行った。

 

「やれやれ、私より早く帰ったのかと思ったわ。」

「またカラモスに行ったの?」

「カラモスだけじゃないけどね。ま、いいや。もうすぐ日が暮れるし、早めに帰ろ。」

「うん。」

 

真理奈はあまり遅くなると悪いので、これ以上話を聞かずにそのまままのんと帰宅する。

まのんは気付いていないが、真理奈の表情は張り詰めていた。

 

(シン兄さんが逮捕された今、なんとか無実を晴らさないと・・・)

 

真理奈は強張った表情で心の中で思いつめる。

シンが逮捕されたとはどういうことなのか。

それは真理奈がグランドームに訪れた時だった。




マガゼットンとマガタノゾーアは原作では出番がなかったので、2体の登場は省かせていただきました。


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イリスの素性とシンの犯行疑惑

戦闘シーンはありませんので、ご了承ください。


ヴィヴィオが変身するオーブとトーマが変身するネクサスはメタフィールド内でマガグランドキングとゴルザとアントラーと対峙する。

オーブとネクサスはゴルザとアントラーを地に伏せるが、マガグランドキングの圧倒的なパワーに苦戦し、そのパワーでゴルザとアントラーが死滅される。

マガグランドキングの防御力に手も足も出ず、窮地に追いやられたが、シールドによる反射で隙を作り、二人の光線技でマガグランドキングを討伐することができた。

しかし、その間にグランドームで不測の事態が起きた。

 

~~~~~回想~~~~~

 

それは、真理奈がイリスとコンタクトを取る為、スーパーGUTS基地・グランドームに訪れた頃・・・

 

「ここが司令室・・・」

 

真理奈は、まずリョウに会って、ツンドラ森林地帯での出来事を話し、イリスの事やバトルナイザーの事を知る為、ぎんがの案内で指令室の前に歩み寄った。

ぎんがはゲートの横に設置してある装置のスイッチを押す。

 

「ユミムラ隊長、ただいま戻りました。真理奈も連れて来てます。」

『おかえり。入ってきて。』

 

ぎんがはリョウからの通信を受け、別のスイッチを押し、ゲートを開ける。

指令室の中にはリョウ以外にカリヤ、ミドリカワ・マイもいた。

 

「へぇ~、広いな・・・」

 

真理奈は指令室の中を入った後、チラホラ目移りしていた。

 

「真理奈!しばらくぶり~!」

 

真理奈はマイに声をかけられ、振り向くと、マイの格好はスーパーGUTS隊員が着こなしているガッツアーマーである。

 

「マイ!?何でスーパーGUTSの隊員服着てんの!?」

 

真理奈はマイの隊員服姿に驚く。

 

「スーパーGUTS入隊試験を首席で合格して、正式に入隊することになったの。」

「え゛ぇぇぇっ!?経った数日で!?」

 

真理奈はマイがほんの数日でスーパーGUTS入隊試験に首席で合格し、入隊した事を聞いて驚きを隠せなかった。

 

「いやいやいや!?ありえないでしょ!?だって、ここのバックアップを選抜してから五日経つのよ!?そんな短期間で首席で合格!?私でもそんなにいかないわよ!?」

「もう、なに言ってるの?スーパーGUTSが発足してから一生懸命勉強したから、こうして正式にスーパーGUTSの隊員として活動してるだけです。」

「え?あっ!急場しのぎで試験を受けたわけじゃないんだ?」

「そりゃ、そうでしょ。入隊試験はそんな簡単に受かるものじゃないわ。マイを選抜したのも、試験前日を考慮しての事なの。」

 

真理奈はリョウとマイの話を聞いて納得した。

それと同時に何故マイがスーパーGUTSに入隊しようとしたのか疑問を持ったが、聞かないことにした。

 

「ところで、どうしたの?用があってここに来たんでしょ?」

「あぁ、実は・・・」

 

真理奈はリョウに用件を聞かれ、ツングースカの出来事やイリスについて話をした。

 

「そんなことが・・・」

「えぇ。ヤマザキが言ってたことが本当なら、ツングースカで行なった怪獣の捕獲や操作も辻褄が合う。だから、その女がユグドラシルと繋がりがあるんじゃないかと思って、わざわざここに来たのよ。プロノーン・カラモスから映像記録も持って来たわ。」

 

真理奈はポケットからUSBを取り出し、差込口に挿してツングースカの映像を出す。(詳しくは『侵略ロボット、現る!』で。)

 

「すごく強そうな怪獣ですね・・・」

「ガッツシャドー、新型の戦闘機ね。」

「そして、近くに映ってるのが例の少女か・・・」

 

マイとぎんがとカリヤは映像を見てそう言う。

 

「彼女が持っているあの機械が?」

「えぇ。この女はあの機械を使って、怪獣を操ってるんじゃないかって思ってるのよ。」

 

リョウはイリスが持っているバトルナイザーを見て、真理奈に聞くと、真理奈は肯定を取る。

 

「その機械というのは、このイリス・レイブラッド女史が開発した怪獣を封印し、使役をすることができるバトルナイザーと言う。」

 

真理奈達はモニターとは反対側の方から声が聞こえ、後ろに振り向くと、高圧的な面構えをした男とイリスが入って来た。

 

「ゴンドウ参謀。」

「リョウ姉さん。あのおじさん、誰?」

「ゴンドウ・キハチ参謀。スーパーGUTS警務局所属。最近発足したブラックバスター部隊の司令官よ。」

「ガッツシャドーの事?」

「えぇ、私達の部隊とは別に機密保持を優先しているわ。」

 

カリヤはその男の事をゴンドウ参謀と呼び、リョウは真理奈にゴンドウの事を教えた。

 

(?レイブラッド?どこかで聞いたような名前ね・・・)

 

真理奈はゴンドウが言うイリスの名字を聞いて、首を傾げる。

 

「初めまして、と言わせておこうかな?新真理奈君。新光太郎博士の事はイルマ会長から聞いたよ。」

 

ゴンドウは真理奈に改めて挨拶する。

 

「イルマさんから・・・お初にお目にかかるわ、ゴンドウさん。で、そこにいるのが、さっき怪獣を操るマシンを作ったっていう?」

「あぁ。紹介しよう。イリス・レイブラッド女史。ブラックバスター部隊所属開発担当者であり、怪獣コントロールマシン・バトルナイザーの設計者だ。」

 

真理奈もゴンドウに挨拶し、対するゴンドウはイリスを紹介する。

その後、真理奈はグランドームに来た理由をゴンドウとイリスに伝え、イリスは真理奈が持って来たツングースカの記録映像の事も含めて説明した。

 

「あなたの言う通り、ユグドラシル事件で使われたモンスターズルーラーの力、あらゆる生き物を操る力をヤマザキ・ヒロユキに調べさせ、それをデータとして貰い受けたわ。でも、誤解しないで頂戴?私がその力を手に入れたのは、今まで起きた怪獣頻出に対抗するため。ユグドラシルともヴァベルの騎士とも関係ないわ。」

 

イリスはバトルナイザーについて詳しく説明した。

 

「とにかく、このバトルナイザーを量産すれば、ユグドラシルのような反政府組織や、ルルイエに現れた邪神が現れても、対処できるようになるわ。ウルトラマンの力に頼らずにね。」

「!」

 

真理奈はイリスが言っていたことに、心外だと言わんばかりの表情を表れる。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!ウルトラマンの事が信用できないって言うの!?」

「そうは言ってないわ。確かにウルトラマンは地球のあちこちに頻出している怪獣を倒してきた。それは認めるべき点よ。でも、その分負担が抱えている。その負担を軽くする意味合いでもスーパーGUTSの戦力をあげておかないといけないわ。」

 

マイはイリスの発言に反論するが、ウルトラマンの負担を軽くするためにスーパーGUTSの戦力を強める必要があると解釈する。

 

「随分勝手な気遣いね?ヒビキおじさんやイルマさんにはこの事を伝えたの?」

 

真理奈はゴンドウの方に振り向き、バトルナイザーの事をヒビキやイルマには報告したのかを確認の質問をする。

 

「いや、伝えていない。ユミムラ隊長が言ったように、ブラックバスター部隊は機密保持を優先する。世界各地で目撃している不審者集団が出没しているからな。」

 

真理奈はゴンドウの話を聞いて、納得できない表情が現れると同時に、最後に言っていた不審者集団の事をヴァベルの騎士だと推測していた。

 

「でも、それ以前に今まで各地に出没して、人々を脅かしてきた怪獣をそのバトルナイザーで操るなんて、それはあまりにも・・・」

「パリ上空に現れた謎の生命体の事を考えれば、バトルナイザーは必要不可欠だと思いますけど?」

 

カリヤはゴンドウとイリスに抗議するが、イリスはバトルナイザーは今後の為に必要だと言う。

真理奈はイリスが言っていた謎の生命体の事を聞き、プロノーン・カラモスでダニエルと一緒に映像記録を見ていたのを思い出す。

ダニエルの話ではパリにある新光太郎の研究所の上空で、紫の体色をして、翼や4本の腕を持ち、下半身の代りに水晶玉のような物体が特徴の異形の生命体が現れたと聞いていた。

それ以来、姿を現していないが、ルルイエに現れたガタノゾーアより脅威になるかも知れない。

 

「どこでその情報を手に入れたのかは知らないけど、だからと言って、世界中の人々に混乱を招くようなことをするなんて、正直気が引ける話ね。レイブラッドはそういう事態を予想できないほど世間知らずなのかしら?」

 

真理奈はイリスの会話に嘲笑しながらそのように言う。

すると、イリスは憎悪に満ちた目で、真理奈を睨む。

 

「世間知らずはアンタよ!」

「!?」

 

イリスは真理奈に激昂し、一方の真理奈は訳が分からない様子だが、イリスの激昂に驚く。

ちょうどその時、イリスのW.I.Tから通信音が鳴り響き、イリスはすぐに冷静さを取り戻し、W.I.Tを取り出して、通信に出る。

 

「はい・・・分かりました。すぐに戻ります。」

 

イリスは内容を聞いた後、通信を切る。

 

「ゴンドウ参謀、お先に失礼します。」

 

ゴンドウはイリスの了承を得て、イリスは指令室から出ていく。

 

「何よ、あいつ・・・」

 

真理奈はイリスにいきなり激昂され、こっちが怒りたくなる気分になった。

 

「彼女は数年前、祖父のノート・レイブラッド教授が、新光太郎博士の実験中の事故で亡くなられてね。それ以来、彼女は新家を恨んでいるんだ。」

 

ゴンドウはイリスの過去を暴露し、真理奈達はそれに驚く。

 

「なんですって・・・!?」

「実験中の事故って、パリで起きた爆発事故の!?」

 

ぎんがは光太郎の実験中の事故の事をパリでの爆発事故を解釈する。

ゴンドウはぎんがの言葉に肯定する。

 

(ノート・レイブラッド・・・祖父ちゃんと同じ、妖精の世界の研究をしているもう一人の科学者・・・当時祖父ちゃんと一緒にパリで研究をしてたって聞いたけど、あいつもあの事故の犠牲者の身内だって言うの?でも、ノート・レイブラッドに孫がいるって話聞いたことないわ・・・)

 

真理奈はイリスの素性やノート・レイブラッドに孫がいることが初耳のため驚く。

そんな時、司令室のゲートが開き、紺色の隊員服を着た男が入って来た。

 

「ゴンドウ参謀、例の山火事を起こした犯人が判明しました!すでに拘束されております!」

「本当か!?で、その犯人は?」

 

ゴンドウは男性隊員に河童山の放火犯について問う。

 

「ウルトラマンゼロ、モロボシ・シンです。」

「!?」

 

真理奈達は河童山で山火事が発生した犯人がシンだと聞き、信じられないと言わんばかりの表情を表れる。

 

「シン兄さんが!?」

「そんな!?何かの間違いじゃ!?」

 

真理奈達は放火犯がシンだと知り、混乱している。

 

「まず、これを見てください。偶然ですが、ガッツシャドーで撮影した映像です。」

 

男性隊員はゴンドウ達に記録映像を見せる。

瓢箪池付近にゼロが映っており、そのゼロがエメリウムスラッシュやワイドゼロショットで山の木々を焼き払っているのが分かる。

この映像で、シンが河童山の放火を行なったのが決定的になった。

 

「シン兄さんに会わせて!今の話は本当なのか、本人に聞きたいのよ!」

「ダメだ。民間人が首を突っ込むことではない。」

 

真理奈は納得できず、男性隊員に詰め寄るが、断られる。

 

「真理奈!落ち着いて!」

「でも、ぎんが・・・」

「彼の事は任せて!私にも、ウルトラマンがこのようなことをするなんて思わない。いろいろ調べるから安心して。」

「・・・えぇ、分かった。こっちもこっちで何とかする。」

 

ぎんがに静止させられた真理奈は冷静になって、シンの事はぎんがに任せる。

その後、真理奈はぎんがが運転するゼレットでプロノーン・カラモスに到着した後、ダニエルにイリスの事やブラックバスター部隊の事、そしてシンの放火容疑の事を伝えた。

それからしばらくして、小泉学園でぎんがと別れた。

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

真理奈は帰宅後、夕食を摂り、地下の研究室に入り、パソコンを入力し始めた。

 

「あぁは言ってたけど、今の私には手掛かりがない・・・まずは高町とスクライアに新たな戦力を立てておかないと・・・」

 

真理奈はグランドームでシンが逮捕されたことを知るが、これと言った手がかりはなく、今は自分にできることをやるしかなかった。

真理奈が入力したパソコンの画面に『Link Of Bond』と記され、その下には発行回転するような装置の設計図が描かれていた。

それだけではなく、『Link Of Bond』の設計図の横に、六角形の緑の宝石とそれを先端にした杖の設計図が描かれ、その上に『Strong Will』と記されていた。

 

「高町から聞いた『カートリッジシステム』、それを代用できるシステムを完成させないとね・・・」

 

真理奈はパソコンとにらめっこしながら作業に取り掛かる。

 

 

 

 

 

 

その頃・・・

 

(母さんやエイミィさんが住んでいるマンションどころか、海鳴市そのものがない・・・この地球はどうなってるの・・・?)

 

フェイトは周囲を見渡しながら、心の中でそう呟く。

状況からして、はやてと共に海鳴市に向かったが、その海鳴市がない事を知る。

かつて、フェイトが暮らしていた地球は、なのはの家族が営業している喫茶店・翠屋やスバル達が初めて地球に訪れた時に使っていたスーパー銭湯・海鳴スパラクーア、更に彼女の友達である月村すずかの家には、ミッドチルダ直通の転送ポートがある。

だが、フェイトが今いる地球は、それらの場所や物は存在しなかった。

 

「フェイトちゃん!」

「はやて、なのはは見つかった?」

 

フェイトははやてが来てすぐになのはの居場所を聞く。

 

「見つかってへんよ。桃子さんが営んでる翠屋もすずかちゃん家もアリサちゃん家もあらへん。私ん家も見当たらへんわ。」

「そうなんだ・・・」

 

フェイトはなのはどころか、知り合いの家すらない事を聞いて、少しばかりショックを受けた。

 

「ウチらが今おる地球、まるで別の世界やね・・・」

「そうだね、昨日は巨人が出てきたし・・・」

 

フェイトとはやては、今いる地球は違う世界だと感じ取る。

 

「今もなのはと連絡を取れない。何も起こらなきゃいいけど・・・」

「今は探すしかないみたいやね。」

 

フェイトとはやてはまだ明るくならない内に、行方不明になったなのは達を捜す為、別の町へ移動した。



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翼蛇の襲撃





ぎんがの計らいで、スーパーGUTSの本拠地・グランドームに足を踏み入れた真理奈。

真理奈はそこでツングースカで使われていた怪獣を操る機械・バトルナイザーの性能を知る。

そのバトルナイザーを製作したイリス・レイブラッドは、新光太郎の同僚とも言えるノート・レイブラッド教授の孫であることを知り、加えて、ノート・レイブラッドは、パリで起きた実験中の爆発事故により亡くなられたと聞いた。

その直後、河童山の瓢箪池の森を放火した犯人がシンであることを知り、真理奈とぎんが達は動揺を隠しきれなかった。

翌日・・・

 

「なんですとーっ!?」

『そんなに大声出さないでくれる?』

 

真理奈からの連絡で、シンの事を聞いたいちかは驚きの余り大声をあげていた。

 

「シンさんがそんなことするはずないのに、どうして!?」

『それは私にも分からない。現時点、シン兄さんが無実だと言う証拠が見つかっていない。面会もできない状況よ。だからダニエルに調べさせてもらったんだけど、有力な情報も掴んでないわ。』

 

いちかはシンが河童山の事件の犯人であることを信じたくなく、真理奈に詰め寄るが、真理奈は眉間に指を付いて、シンの無実を証明できる物はないと告げる。

 

『やれやれ、シン兄さんを惚れ込んだほのかと舞とつぼみ、みゆきと真琴とリコがこの話を聞いたらショックでしょうね・・・』

 

真理奈は今の話をして、ほのか達の反応を頭に浮かべると、溜息を吐く。

 

「とにかく、ひまりんとあおちゃん達にこの事を伝える。真理奈ちゃんもなぎささん達に伝えといて。」

『あぁ、なぎさ達には伝えたよ。これからみなみ達に教えるつもり。』

「そっか。ありがとう。あ、そうだ。まのんちゃんの旅行帰りに、なのはさんと同じ世界から来た人達も日本に来たんでしょ?その人達には伝えたの?」

 

いちかはスバル達の事を聞いてみる。

 

『例の4人組か。今頃ひめに伝えてると思う。まのんには行く必要はないって言っといたけど、よっぽどその人らが住んでいる世界が気になるのか、クルルと一緒にぴかりが丘に向かったわ。まぁ、いずれにせよ、何か分かったら連絡するわ。』

「お願い。」

 

真理奈はいちかへの通信を切る。

 

「よし!急いで皆に伝えないと!」

 

いちかは真理奈との連絡を終えた後、ひまり達にも連絡した。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、シンの事を真理奈から聞いたまのんはこれからスバル達が泊まっているブルースカイ王国大使館に向かう最中である。

 

「シンさんが山火事を起こすなんて・・・そんなことないよね?」

「キュゥ!」

「スバルさんやティアナさんのような通信方法がないから直接伝えに行くしかないよね・・・」

 

まのんは苦笑い気味でそう言う。

確かに地球人が連絡を取る時は、携帯電話やスマートフォンのようなメールの送受信や電話の通信が主に使うのだが、ミッドチルダの場合は魔導師が持つデバイスの助けで、念話や通信映像が主である為、勝手が違うのだ。

だから、まのんはスバル達のようにデバイスによる連絡ができない為、直接ブルースカイ王国大使館に行くしかないのだ。

 

「とにかく、急いでスバルさん達の所へ行かないと。」

 

まのんはこのままブルースカイ王国大使館に向かった。

その時、出会い頭に誰かにぶつかった。

 

「キャッ!?」

「わわっ!?」

 

まのんはぶつかった拍子に尻餅ついてしまう。

まのん同様、もう一人の少女も尻餅ついた。

その少女はレンだった。

 

「痛たた・・・」

「イテテ・・・ごめん。前見てなかった・・・」

「い、いえ、こちらこそ・・・」

 

まのんは、今ぶつかったレンに謝る。

レンもまのんに謝った。

 

「大丈夫?怪我とかなかった?」

「あ、はい。私もこの子も大丈夫です。」

「そんなに敬わなくたっていいよ。見た感じ同い年くらいだし。あ、名前言ってなかったね?ボクはレン。姫矢レンだよ。君は?」

「新まのん。この子はクルルって言うの。」

「キュッ。」

 

まのんとレンは立ち上がり、互いに自己紹介する。

 

「よろしくね、クルル。額に宝石がついてるけど、お洒落なのかな?」

「え!?う、うん!C‵est vrai(その通り)!」

 

レンはクルルの額の宝石を見てお洒落なのかと聞くと、まのんは気まずい感じになりながらも肯定する。

流石にクルルはカーバンクルだという事は言えず、話に合わせた。

 

「ここじゃ見かけない顔だね?ひょっとして、レンちゃんは引っ越してきたばっかりなの?」

「うん、そんなところだよ。あそこで暮らしてるんだ。」

 

レンはまのんにそう聞かれ、レンが暮らしてると言う家の方に振り向く。

レンが暮らしているのは、まのんの家の近くにある15階建てのマンションである。

 

「へぇ!ご近所なんだ?」

「うん。よろしくね!」

 

レンは笑顔でまのんによろしくと伝える。

 

「まのんはこれからお出かけなの?」

「うん、そうなの。」

「そっか。じゃ、またね。」

「うん。Salut(じゃあね)。」

 

まのんはレンに別れを告げ、改めてぴかりが丘へ向かう。

 

「ちょっと耳に挟んだけど、ブルースカイ王国大使館に行くって言ってたね。いよいよ彼らと対峙か・・・僕も手伝おっかな。」

 

レンはまのんの姿が見えなくなった後、緑色のアイテムをレンの左腕に装着した。

そのアイテムは外装は緑のカラーリングで、四角の枠内にハートの鏡が嵌め込んでいたブレスレット型のアイテムである。

レンはそのまま、まのんの後を追うように走り出す。

 

 

 

 

 

その頃、真理奈からの連絡で、シンが山火事を起こした事を聞いたなぎさとほのかとひかりは、咲達とのぞみ達と待ち合わせして、山火事が起きたという河童山の瓢箪池に行くことになった。

数分後、巨大な鳥となったシロップに乗っていた咲達とのぞみ達と合流し、一緒にシロップの背中に乗って、河童山へ急行した。

しばらく経ち、河童山の瓢箪池に到着した。

そこにはもうスーパーGUTS隊員はすでに帰還されており、なぎさ達以外の人はいなかった。

 

「またここに来ることになるなんてね・・・」

「えぇ、ここに来るのは4回目ね。」

「私は3回目でしたけど・・・」

 

なぎさ達はそれぞれそう呟く。

一回目はなぎさとほのかがメップルが落としたプリズムホーピッシュを取りに行くために訪れ、二回目はハーティエルの1人・インテリジェンのアドバイスで訪れ、そして三回目はめぐみ達と一緒に真理奈と邂逅したことがある。

 

「真理奈さんからいろいろ聞きましたけど、やっぱりシンさんが犯人だなんて信じられません。」

「うんうん!シンさんにはいつも助けられたし、優しいもん!」

「前に特訓された時、のぞみはすぐにダウンされたけどね。」

「ぶぅ~!りんちゃん!それいいでしょ!?」

 

ひかりとのぞみとりんはそれぞれ、シンの事を無実だと信じて疑わなかった。

 

「でも、ひかりさんの言う通り、シンさんが悪い事をするはずがない。ここは前にシンさんに助けられた場所でもあるから。」

「そうそう。シンさんがほのかを池にいるべムラーから助け出して、人工呼吸までしてくれたからね。」

 

ほのかはこの河童山でシンと初めて会った時の事を思い出す一方、なぎさはからかい半分で当時の出来事を口にする。

その時、ほのかは顔が真っ赤になった。

 

「ちょっ!?ちょっと、なぎさ!?それは言わないでって言ったでしょう!?(////)」

 

ほのかは顔が真っ赤になった状態でなぎさに怒る。

 

「ほ、ほのかさん!?それって本当ですか!?(////)」

 

舞は驚くほど動揺し、誰よりも早くほのかに詰め寄った。

その時の舞は顔が赤くなっていた。

 

「えぇ~!?」

「びっくりナリ!」

「ほ、ほのかさん!?」

「シンさんに・・・」

「人工呼吸されたんですか!?」

 

のぞみ、咲、りん、かれん、うららの順番にほのかに問う。

 

「ちょっ、ちょっと!みんなして!(////)」

 

ほのかはのぞみ達に詰め寄られ、顔が真っ赤になったまま焦る。

 

「あ、アハハ・・・」

 

ひかりはそのやりとりを見て、苦笑いするしかなかった。

しばらく経った後、ようやく落ち着いてきて、事件現場を調べる。

 

「いや~、緊張感が解れてホッとしたよ。」

「もう~、今のはなぎさが悪いよ・・・」

 

ほのかは気が抜いてはいるものの、なぎさがシンの事でからかったことを叱る。

 

(まさか、夢ヶ浜で会う前、ほのかさんがシンさんに人工呼吸されてたなんて・・・)

 

舞はジト目でほのかを見る。

そんな様子を木の陰から窺う2人の男達がいた。

 

「チッ!本物のウルトラマンゼロは捕まったか。これじゃ、計画通りに行かねぇじゃねぇか・・・」

「ニュースでゼロの事を聞いて、プリキュアとゼロを戦わせる段取りなのに、こんなことになるなんてね・・・」

 

その男達とはライトリーとレフティーである。

ライトリーとレフティーはなぎさ達の会話を聞いて憤っていた。

 

「計画を変更しないとね。」

 

ライトリーは鏡を取り出し、鏡に映った忍装束の兵士に命令を出す。

 

「僕だ。あの娘を使え。大使館に例の4人組がいる。そいつらから始末しろ。」

『ハッ!』

 

ライトリーは兵士との連絡を切る。

 

 

 

 

 

 

その忍装束の兵士はぴかりが丘におり、人目が付かない所に隠れ、ライトリーとの連絡を終える。

 

「おい、ライハ。早速指示が出た。ブルースカイ王国大使館へ行って、4人の異世界の住人を始末しろ。」

 

兵士の一人はライハにライトリーから受けた指示をそのまま伝える。

 

「なんだ、随分急だな?」

「計画が少し変更したんだ。すぐに大使館に向かえ。」

「その変更が気になるけど、電流喰らいたくねぇから行かせてもらうぜ。」

 

ライハは兵士にそう言った後、彼女の胸から紫の光の塊が現れ、その光が強くなった瞬間、ライハの姿が翼の生えた両腕を持つ蛇へと姿を変えた。

そして、ライハは上空へ飛び、ブルースカイ王国大使館に向かった。

その直後、同じ装束を纏った兵士2人が現れ、ライハに指示した兵士と合流した。

 

「あの女は行ったか?」

「あぁ、たった今ブルースカイ王国大使館に向かってる。」

「始末できなかったらどうする?奴らにこの計画がバレたらプリキュアとウルトラマンの一騎討ちどころではないぞ。」

「分かってる。だからライトリー殿からこのリモコンを預けたんだ。もしあの蛇から口を割らせそうになったら、電流で殺すように言付かっている。更にあの首輪は鍵がないと外れないし、無理矢理外そうとすると電流が流れる仕組みになっている。これで証拠が無くなったも同然だ。」

 

兵士達はそのやりとりをした後、ライハの映像を映し出す。

 

 

 

 

 

ライハは兵士達に見られているのを知らず、ブルースカイ王国大使館に向かっている最中だった。

 

(クソッ・・・あいつら、好き放題しやがって・・・この首輪がなきゃあ・・・)

 

ライハは首輪に手をかけ、兵士達やライトリーとレフティーに対して憤りを露わにする。

しかし、ライハはすぐに我に返り、何かに気付いたのか、下の方に見下ろす。

ブルースカイ王国大使館にはまだ着いていないが、街中にスバル、ティアナ、エリオ、キャロの姿が目に映る。

更に、スバル達の元にまのんとクルル、マヤが合流してきた。

ライハは建物の屋根の上に下り、その様子を伺う。

 

(あいつら・・・ライトリーとレフティーが見せた写真の子らだな・・・一緒にいるのは、ウルトラマンの仲間か・・・)

 

ライハはスバル、ティアナ、エリオ、キャロの写真を確認する。

 

(一緒にいるとやり辛ぇったらありゃしねぇ・・・こいつであの子らを引き付けて、奴らを何とかするか・・・)

 

ライハはダイヤ状のシンボルを取り出す。

その一方、まのんはマヤと会った後、商店街でスバル、ティアナ、エリオ、キャロと合流する。

 

「まのんの友達に他にもプリキュアがいるんだね。」

「はい。海外プリキュアを除けば新しく誕生したHuGっとプリキュアと私とマヤさんを含めて58人います。」

「多すぎ!?」

「ほぼ60人だよ!?」

 

スバルはまのんにプリキュアの事を聞くと、あまりの人数に驚きを隠せないスバル達。

 

「HuGっとプリキュアって?」

「なぎささんとほのかさんから聞いたんですけど、はぐくみ市で活躍しているプリキュアで、クライアス社と戦ってるんです。」

「なぎさとほのかが・・・何がきっかけでそのHuGっとプリキュアに会ったの?」

「はなさんが世話をしてるはぐたんの力で出会ったんです。その時に一緒にクライアス社の社員の一人を相手に一緒に戦ったって聞いてます。」

 

マヤはまのんにHuGっとプリキュアの事を聞く。

HuGっとプリキュアははぐくみ市で誕生したプリキュア。

キュアエールこと野乃はな、キュアアンジュこと薬師寺さあや、キュアエトワールこと輝木ほまれ、キュアマシェリこと愛崎えみる、キュアアムールことルールー・アムールで結成されている。

未来から来た悪の組織・クライアス社の魔の手から未来を守っている。

 

「ほ、本当にいろんなプリキュアがいるのね・・・」

 

ティアナは苦笑い気味に唖然とする。

スバル達も内心驚いている。

その時、商店街にいる人達がパニックになって逃げ惑っている。

 

「なになに!?どうしたの!?」

 

スバルは周囲の人達の様子にキョロキョロしながら言う。

その時、地響きが起こり、その発生源の方に振り向くと、自動販売機ナケワメーケが大暴れしていた。

 

「何あれ!?」

「ナケワメーケ!?ユグドラシルは壊滅したはずなのに・・・」

 

マヤは何故、ナケワメーケが目の前に現れているのか、分からない状況になる。

その時、マヤは背後から殺気を感じ、後ろに振り向くと、蛇の姿になったライハが手に持っている刀でキャロを襲おうとした。

 

「危ない!」

 

マヤはキャロを庇いながらライハの刀を避ける。

 

「キャロ!」

「大丈夫?」

「う、うん!」

 

エリオとマヤはキャロを心配するも、キャロは大丈夫だと答える。

 

「あいつがナケワメーケを・・・!」

 

マヤはライハを見て、自動販売機ナケワメーケを召喚したのはライハだと確信し、変身しようとするが、マヤのプリチェンミラーが真っ二つに斬られ、変身することができなくなってしまった。

 

「なっ!?プリチェンミラーが!?」

「皆さん、下がってください!ここは私が!」

 

まのんはマヤは戦えない事を悟り、クルルを抱き上げ、スバル達に避難するよう言い出す。

 

「私達は大丈夫よ!」

「うん!こういう非常事態、何度も経験してるから!」

「僕達も戦います!」

「フリードも手伝います!」

「皆さん・・・分かりました。」

 

マヤはまのん達が戦闘に入るのを悟り、巻き込まれないように離れる。

まのんはキュアエレメントに変身し、スバル達もバリアジャケットにセットアップする。

各々は戦闘準備ができ、ライハと自動販売機ナケワメーケと対峙する。




文中にHuGっとプリキュアが入ってますが、名前だけの登場です。
次回は新たなオリジナルプリキュアが登場します。


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踊る神風、キュアシルフィー

登場人物のモロボシ・シンの容姿を変更しました。
それから、イリス・レイブラッドのモチーフを追加しました。


ウルトラマンゼロが河童山の森を焼いた事を知るも、無実だと信じて疑ずに河童山の瓢箪池周辺を調べるなぎさ達。

一方、マヤ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロと合流したまのんは商店街で自動販売機ナケワメーケと翼蛇の姿になったライハと遭遇する。

マヤはライハの一太刀で変身アイテムであるプリチェンミラーが壊されてしまう。

まのんはキュアエレメントに変身し、スバル達もバリアジャケットにセットアップし、ライハと自動販売機ナケワメーケと対峙する。

エレメントは自動販売機ナケワメーケと戦い、スバル、ティアナ、エリオ、キャロはライハと牽制している。

商店街にいる人達は自動販売機ナケワメーケの登場により、すでに誰もいない。

 

「動きの読めない奴ね!」

「あの刀や雷をシールドで防いだら、尻尾で足を狙ってきたよ!」

 

スバル達はライハより数は上回ってはいるが、今までの次元犯罪者と違い、ライハは普通の人間と違って、蛇そのものであるため、戦い辛かった。

 

(チッ!少しは隙を突けたと思ったが、慣れてるみたいに躱しやがって!)

 

ライハもスバル達のチームワークに苦戦していた。

しかし、ライハは休む暇なく、スバル達を襲う。

エリオはライハの刀を受け止め、スバルはリボルバーナックルでライハの横腹に直撃する。

ライハはスバルの攻撃で吹き飛ばされる。

その反動で刀と10枚の写真が落としてしまう。

 

「あっ!?」

 

ライハは刀と写真を落とした事に気付くが、それどころではなく、向かってきたスバルとエリオの攻撃を躱す。

 

「ヤロォ・・・!」

 

ライハは左腕に雷を集中させる。

それによって左腕に蓄積された雷が球体状になり、拳をスバルとエリオに向かって突き出す。

よって球体状に蓄積された雷はスバルとエリオの方に放たれる。

しかし、その雷はティアナの射撃によって破られる。

スバルとエリオはライハの雷の球とティアナの射撃による弾幕に紛れて、ライハに突撃する。

ライハはスバルとエリオの攻撃を避け、尻尾で刀を拾い、そのままエリオに斬りかかる。

エリオはそれに対し、ストラーダでライハの攻撃を防ぐ。

ライハは尻尾で掴んだ刀を手に、振り向け様に刀をキャロに目掛けて真横に振る。

これにより、雷で形成した三日月状の刃が放たれる。

 

「ストラーダ!」

〈ソニックムーブ!〉

 

エリオは自身を電気に変え、猛スピードでキャロを救出する。

 

「キャロ、大丈夫?」

「うん。ありがとう、エリオ君。」

 

エリオはキャロに心配かけるものの、キャロは大丈夫だと答える。

 

「それにしてもこの蛇、手強いね・・・」

「えぇ。おまけに人間の言葉を発してる辺り、とんでもない奴だわ・・・」

 

スバルとティアナはライハを見て、厄介な奴だと思い始める。

 

「てめぇらに言われたかねぇよ!あんなに攻められといて、よく冷静にやれんな?!」

 

ライハはスバルとティアナに対し、そのように言い出す。

 

「ウチの教官達に鍛えられましたから♪」

「なにちゃっかり会話してんのよ?とにかく、あの怪物に攻撃を止めるよう命じて。あんたは何者なのかは知らないけど、話せる口があるなら、こんなことする必要ないはずよ。」

「うるせぇ!私だって好きでこんなことやってるわけじゃねぇんだ!」

 

ライハはティアナにそのように言われ、逆上して襲い掛かる。

一方、エレメントは自動販売機ナケワメーケに苦戦している。

 

「燃え上がる炎よ、焼き払って!プリキュア・ファイヤーボール!」

 

エレメントはプリキュア・ファイヤーボールを放つ。

それに対し、自動販売機ナケワメーケは両腕の発射口と頭部の発射口からジュース缶のミサイルを発射する。

よって、エレメントの技が相殺されるが、未だ残っているジュース缶のミサイルはエレメントの周囲に着弾する。

 

「キャアッ!!」

 

エレメントは自動販売機ナケワメーケの攻撃に苦しませられる。

さらに自動販売機ナケワメーケは追い討ちをかけるようにコンセントでエレメントを薙ぎ払う。

 

「痛ったぁ・・・」

 

エレメントは自動販売機ナケワメーケに悪戦苦闘する。

 

「エレメント!避けて!」

 

マヤはエレメントに避けるように叫ぶ。

自動販売機ナケワメーケは頭部からオレンジジュースを発射する。

エレメントは自動販売機ナケワメーケの攻撃を躱そうとするが、もう避けられない距離になっており、エレメントは目を瞑る。

 

「シルフィー・シールドストーム!」

 

その時、エレメントの目の前に緑の竜巻が発生して自動販売機ナケワメーケの攻撃から守った。

 

「えっ!?」

「この風は!?」

 

エレメントとマヤは突然の竜巻の発生に驚く。

その後、すぐ近くに足音が聞こえ、エレメントとマヤはその音の方向に振り向く。

エレメントに近づいて来るのは、緑を基調とした衣装を纏い、緑のロングヘアーに羽根付きのカチューシャを嵌め、アームカバーの手の甲には鳥の羽根のような形をした宝石が付いており、左腕には緑色のブレスレット型の変身アイテムが装着されている。

エレメントとマヤは、纏っていた衣装と明るさのある髪、そして左腕に装着している変身アイテムを見てプリキュアだと理解する。

 

「プリキュア・・・なの・・・?」

「このプリキュア、今まで見たことない・・・」

 

緑のプリキュアはエレメントの元に歩み寄り、手を差し伸べる。

 

「大丈夫?危ないトコだったね。」

「あ、ありがとう・・・」

 

エレメントは緑のプリキュアの手に取って立ち上がる。

 

「あなたは・・・?」

「ボク?ボクは・・・踊る神風!キュアシルフィー!」

 

緑のプリキュアは自身をキュアシルフィーと名乗る。

 

「キュアシルフィー・・・」

「あのブレスレット・・・プリカードが・・・」

 

マヤはシルフィーの左腕の変身アイテムのミラー越しにプリカードが入れられているのに気付く。

エレメントとシルフィーは自動販売機ナケワメーケの雄叫びにハッとする。

自動販売機ナケワメーケはエレメントとシルフィーに殴りかかるが、二人は自動販売機ナケワメーケの攻撃を躱す。

 

「いくよ!」

 

シルフィーは左腕の変身アイテムにタッチすると、宝石の部分が光り出す。

 

「シルフィー・バインディングハリケーン!」

 

シルフィーは両腕から小さな竜巻を作り、自動販売機ナケワメーケに放り投げる。

その小さな竜巻は大きくなり、自動販売機ナケワメーケを包み込み、動きを封じ込む。

 

「響き渡る雷よ、纏わせて!プリキュア・サンダーストライク!」

 

エレメントは自動販売機ナケワメーケにプリキュア・サンダーストライクを食らわせる。

自動販売機ナケワメーケは竜巻が消えると同時にそのまま仰向けに倒れる。

自動販売機ナケワメーケは仰向けのままジュース缶のミサイルを発射する。

 

「吹き荒ぶ風よ、舞い踊って!プリキュア・ハリケーンダンス!」

 

エレメントはプリキュア・ハリケーンダンスでジュース缶のミサイルを防ぎ切る。

 

「止めは任せて!」

 

シルフィーは再び変身アイテムにタッチする。

 

「シルフィー・セイクリッドフェザー!」

 

シルフィーは背中の翼を大きくし、その翼から光の羽根を自動販売機ナケワメーケに飛ばす。

シルフィーの技を受けた自動販売機ナケワメーケは浄化され、元の自動販売機に戻る。

 

「ブイッ♪」

 

シルフィーはエレメントに振り向いて、Vサインをする。

 

「え?あ、あぁ・・・」

 

エレメントもシルフィーにVサインで返す。

 

(この雰囲気、前にもあったような・・・)

 

エレメントはシルフィーを見て、どこかで会ったような感覚を覚える。

その時、少し離れた場所から非常に甲高い悲鳴が耳に入る。

 

「悲鳴!?」

「スバル達がいる所ね。行くわよ、エレメント!」

「はい!」

「ボクも行くよ!」

 

エレメントとマヤとシルフィーはスバル達の元へ駆けつける。

数分前、スバル達は今もライハと交戦している。

ライハは口から雷を光線状に放つ。

スバルはシールドを展開し、ライハの雷を防ぐ。

 

「アルケミックチェーン!」

 

キャロはアルケミックチェーンを発動し、ライハを捕らえようとする。

ライハはキャロのアルケミックチェーンを避けるように飛行する。

次々と襲い来るピンクの鎖を避け続けるライハ。

しかし、ライハの目の前にウイングロードの上で走ってくるエリオがストラーダで攻撃をする。

ライハはギリギリで躱し、刀でエリオに斬りかかる。

その時、ライハの刀がオレンジの魔力弾に命中され、撃ち落とされる。

その魔力弾は真下にいるティアナのクロスミラージュによる射撃である。

ライハは早々とその場から離れるように再び飛翔する。

その時、ライハの胴体にピンクの鎖が絡まり、身動きが取れなくなった。

 

「チッ!またかよ!」

「キャロ、そのまま抑えといて!」

「なぁっ!?」

 

ライハはティアナの方を見ると、無数のオレンジの魔力弾が展開されていた。

 

「チャージ及びシフト完了!目標補足!行くわよ!クロスミラージュ!」

〈了解。〉

「クロスファイア・フルバースト!」

 

ティアナはクロスファイア・フルバーストを放ち、ライハに命中させる。

 

「ギャアァァァァァァッ!!!!」

 

ライハはティアナのクロスファイア・フルバーストを喰らわれ、地上に撃ち落とされる。

スバル達は急いでライハの元に駆け付ける。

ライハは地上に叩き落され、起き上がるのに苦しい状況だった。

 

「ティアさんのクロスファイアを耐えるなんて・・・」

「しかもあの高さで落とされても生きていられるなんて・・・」

 

キャロとエリオは地を這いずっているライハを見て、普通じゃないと確信する。

その時、ライハが紫色の光に包まれ、同時に蛇の姿から人の姿に変わる。

 

「えっ!?人間だったの!?」

「それに今の光、リンカーコアの・・・!?」

 

スバルとティアナはライハが人間の姿に変わったのを見て、驚きを隠せなかった。

ライハは地に這いずりながらこの場から逃げようとする。

しかし、ライハの両腕両足に光の輪が掛けられ、動きが封じられる。

 

「くそっ・・・!ここまでするかよっ・・・!?」

 

ライハは両腕両足の光の輪を見て、「やりすぎだろ・・・」と思い込む。

スバル達はライハの元に着いて、ライハの方に見下ろす。

 

「動かないで!大人しくしていなさい!」

 

ティアナはライハにそう言う。

その状況を別の場所で見ている忍装束の兵士の3人。

その3人がいる場所は、ぴかり神社の森の中である。

 

「チッ!使えない奴!」

「このままじゃ情報が洩れるぞ。」

「あのバケモノ、そろそろ終わりにしてやる。」

 

兵士の一人はリモコンを取り出す。

そして、兵士はリモコンにテープで巻き付きながらスイッチを押す。

それと同時に商店街にいるライハの首輪から電流が流れ出す。

 

「グッ!?ギャアァァァァァァァァッ!!!!」

 

ライハは首輪から発する電流によって苦しみ出す。

しかも今のライハは両腕両足にバインドで拘束されているため、身動きをとれないまま藻掻き始める。

 

「な、なになに!?」

「ちょっ、あんた・・・痛ッ!!」

 

ティアナはライハに触れようとすると、空気中の静電気によって弾かれる。

 

「ティア、大丈夫!?」

「えぇ!」

 

スバルはティアナに心配するが、ティアナは右手を抑えながらも平気だと伝える。

ライハが電流に苦しめている映像を見ている兵士の3人は嘲笑っている。

 

「フン、リモコンがこれなら、いちいち押さなくても電流が流れる。」

「これで証拠も残らないな。」

「そのリモコンは土に埋めとけ。拾って剥がしたら後が面倒だ。」

 

先頭にいる兵士はリモコンを持っている兵士にそのように指示する。

その後、3人の兵士はぴかり神社から立ち去る。

その頃、スバル達はライハの今の状況に困惑していた。

 

「スバルさん!皆さん!」

 

スバル達の元にエレメントとマヤとシルフィーが駆け付けてきた。

 

「エレメント!マヤ!」

「・・・と、誰!?」

 

スバルはエレメントとマヤが来たら手を振る。

ティアナはシルフィーを見てそうツッコむ。

 

「ボク?ボクはキュアシルフィー!」

「挨拶はいいから!」

 

マヤは自己紹介したシルフィーにツッコミを入れる。

その後、マヤはライハに近付いて呪文を唱える。

すると、ライハの首輪から発した電流が弱まっていく。

 

「マヤさん、魔法が使えるんですか!?」

「といっても触り程度よ!それに、まだ電流が流れてる!どこかにこいつを殺そうとしてる奴がいるかもしれない!そいつを捜して!きっとそいつが電流を流しているはず!」

 

キャロはマヤが魔法が使えたことに驚くが、マヤは安心できないと言わんばかりにライハを殺そうとしている張本人を探すよう促す。

 

「え、えぇ!」

「はい!」

(う~ん・・・間に合うかな・・・?)

 

スバル達は了承するが、シルフィーは不安を感じ取る。

 

「みんな、状況からして、この子を送り出した黒幕が裏を引いてる!そいつを捜して、彼女を助けるわよ!」

「了解!」

「私も捜します!」

「ボクも行くよ!」

 

ティアナはスバル達に指示を出し、エレメントとシルフィーも手伝うと言い出す。

スバル達は二手に分かれて黒幕を捜し出す。




次回もまた、オリキャラを出します。


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黒幕を捜し、ライハを救え!

そのまんまのサブタイトルですが、見てください。


ぴかりが丘の商店街に現れた翼蛇となったライハと自動販売機ナケワメーケ。

そのライハをスバル、ティアナ、エリオ、キャロが、自動販売機ナケワメーケをエレメントが相手をした。

エレメントがピンチの時、風を操る謎のプリキュア・キュアシルフィーが現れた。

シルフィーとの協力で自動販売機ナケワメーケを浄化するエレメント。

一方、スバル達はライハを抑えるものの、何者かが口封じするかのように、電流で苦痛を与えられるライハ。

そのライハを救うためにスバル達はエレメントとシルフィーと共に黒幕を捜索する。

マヤは電流に苦しんでいるライハに魔法の力で電流を抑えている。

 

「グァッ、ガゥゥ、ゥアァッ!」

 

ライハはマヤの魔法で首輪から発する電流を抑えられたことで少しはマシになったものの、それでも話もできないほど苦しんでいる。

 

「大丈夫よ、エレメント達があなたを助けるから。」

 

マヤは魔法で電流を抑えながら、ライハにそう言う。

 

(とはいえ、プリチェンミラーが壊れた今、これくらいの事しかできないなんて・・・)

 

マヤはプリチェンミラーが使えなくなってしまった事で、自身の無力さに悔やみ始める。

 

(みんな・・・頼んだわよ・・・)

 

マヤはライハがいる場所とは反対方向に振り向いて、エレメントたちの事を思う。

 

 

 

 

 

 

その頃、エレメント達は黒幕を捜すべく、エレメントとスバルとティアナ、シルフィーとエリオとキャロの二手に別れる。

尚、バリアジャケットのままでは目立つので、変身は解除した。

 

「エレメント、どうだった?」

「Non(いいえ)、クルルの助けがあっても、それらしい人は見つかりません。」

 

スバルはエレメントに黒幕を見つけたのか聞くが、手掛かりはないと聞いた。

 

「そっか・・・それにしても、何なんだろ、あの子?最初は蛇の姿だったのに人になって・・・」

「実験兵器みたいなものかしら・・・」

 

スバルとティアナはライハについて考え込んでいた。

 

(お姉ちゃんかママなら、あの人の事、知ってるのかな・・・)

 

エレメントはライハが異形の姿になった事を真理奈か真奈美は知っているのか、気になっていた。

 

「とにかく、あの子を口封じにしようとしてる犯人を見つけないとね。」

「うん!」

 

ティアナはそう言い、スバルは返事して、エレメントは頷く。

捜索を再開するも、エレメントは今もシルフィーの事を気にしている。

 

(こんな時にこう思うのはなんだけど、シルフィーって子、知ってる感じがするんだけど・・・)

 

エレメントはシルフィーの事、初めて会った気がしない感じがしていた。

 

「キュゥ!キュゥ!」

「どうしたの、クルル?」

 

エレメントは中にいるクルルの慌てたような鳴き声を聞き、どうしたのか聞いてみる。

 

「・・・えっ!?見つけたの!?」

 

スバルとティアナはエレメントの言葉に振り向く。

エレメントはクルルとの会話を終えた後、スバルとティアナにそのまま伝える。

エレメントから聞いた話によると、クルルはライハを口封じにしようとした黒幕が見つけたと言う。

その黒幕は3人いて、ぴかり神社から離れていることも知った。

 

「成程、その3人はその神社で私達の戦いを見ていたのね。」

「しかもとても逃げ足が速いです。クルル、その人達が今いる所にワープできそう?」

「キュッ!」

 

エレメントは黒幕の3人を一刻も早く捕まえたいため、クルルにその場所へワープするようにお願いする。

クルルはエレメントのお願いに応え、ブローチの宝石が黒から白に変わり、エレメント、スバル、ティアナと一緒に黒幕の3人の元に瞬間移動した。

 

 

 

 

 

 

その頃・・・

 

「いったいどこにいるんだ・・・」

「封絶結界が使えれば、ジャケットをつけたまま捜せるんだけど・・・」

 

エリオとキャロは私服のまま、シルフィーと一緒に黒幕を捜していた。

シルフィーは一羽の鳩を見かけると、声をかける。

 

「あ、君。この辺りに怪しい人見なかった?」

 

シルフィーは鳩に質問する。

 

「って、鳩相手に・・・?」

「動物の言葉を理解できるのかな・・・?」

「うん・・・うん、わかった。」

 

シルフィーは鳩と別れを告げた後、エリオとキャロの元へ降りる。

 

「神社辺りに忍者みたいなのが3人見たようだよ。もういなくなっちゃったけどね。」

 

シルフィーはエリオとキャロに鳩から聞いた事を伝える。

 

「分かるの?」

「うん。いろいろあって、動物の言葉が分かるんだ。例の黒幕が神社から離れた時、小さなオモチャを土に埋めたって言ってた。」

 

シルフィーは続けてエリオとキャロに伝える。

 

「そのオモチャって・・・」

「うん。どうやらビンゴみたいだね。忍者さん達はエレメント達に任せて、ボク達はそれを探そう。」

 

シルフィーとエリオとキャロはライハの首輪のスイッチがあると思わしき神社に向かった。

 

 

 

 

 

 

その一方、クルルの力でワープしたエレメントとスバルとティアナは今、河川敷におり、クルルが見つけたという黒幕の3人を周囲に目を配らせながら捜す。

 

「この近くにいるんだね?」

「あんたのペット、なんでもアリね。」

「えぇ、ちょっと目を離した隙に勝手にどこかに行ったりするのが、玉に瑕ですけれど・・・」

 

捜してる最中、こんな会話があったが、そんなことを言ってる場合ではなく、じっくりと黒幕を捜し出す。

その時、川の方から巨大なザリガニが現れた。

 

「うわわっ!?なんか出てきた!?」

「これってザリガニ!?」

「あ!あれは!?」

 

スバル達は突然現れた巨大ザリガニに驚き、エレメントはザリガニの頭部に眼が付いているボールを発見する。

 

「もしかして、ホシイナー!?」

 

エレメントは目の前にいる巨大ザリガニをホシイナーであることに気付く。

ザリガニホシイナーは「ホシイナー!」と咆哮を上げながら、鋏でエレメント達を襲い掛かる。

 

「あ、あぶな~・・・」

「ていうか、さっきのナケワメーケと言い、こいつと言い、鳴き声がそのまんまなんだけど・・・」

(ナケワメーケにホシイナー・・・もしかして・・・)

 

ザリガニホシイナーはそのままエレメント達を襲い続ける。

その時、川から忍び装束を着た3人の兵士が、エレメント達がいる所とは反対の岸に上がった。

 

「うわっ!?また誰が出てきた!?」

「キュゥ!キュゥ!」

「えっ!?あの人達がそうなの!?」

 

スバルは3人の忍び装束の兵士に気付き、エレメントとティアナも3人の兵士の方に振り向く。

クルルはエレメントにライハを口封じにしようとした犯人がその3人であることを伝える。

 

「まぁ、あんな格好だと、どう考えても不審者ね・・・」

 

ティアナは3人の格好を見て、いかにも犯人だと指摘する。

しかし、今の3人はザリガニホシイナーと相手をしており、しかもスバルとティアナはまだセットアップしていないので、苦戦しており、黒幕を捕らえるどころではなかった。

忍び装束の兵士の3人はこの隙に逃走する。

 

(逃げられちゃう!)

 

エレメントは逃げていく3人の兵士に慌てる。

その時、3人の兵士がまるで転送されたように消えてしまう。

 

「えっ!?」

 

エレメントは3人の兵士が消えたのを目撃して驚きを隠せなかった。

それはスバルとティアナも同じ。

すると、ザリガニホシイナーも兵士達のように消えてしまい、エレメント達もそれに巻き込まれる。

その瞬間にエレメント達は腕を顔に覆うように目を逸らす。

その後、エレメント達は腕を下げ、辺りを見回すと、ザリガニホシイナーが困惑した状態になり、逃走した3人の兵士は状況を把握できていない様子だった。

しかし、周りの風景は変わっていない。

ただ、風景の変化がない割には静かすぎるのだった。

 

「い、今のは何?」

 

エレメントは周囲の風景だけでなく、忍び装束の兵士3人とスバルとティアナ、そしてザリガニホシイナー以外の気配が感じなかった事に動揺する。

 

「ティア、これってもしかして・・・」

「えぇ、恐らく封時結界よ。」

 

スバルとティアナは今の状況に心当たりはある様子だった。

 

「何が起こった!?」

「人の気配がない!?」

「いや、それより、今のは何だ!?」

 

忍び装束の3人は右往左往している。

その時、3人の兵士の足元に青い魔法陣が現れ、その魔法陣を囲うように巨大な氷が形成する。

 

「んなっ!?」

「なんだっ!?」

「氷だとっ!?」

 

忍び装束の兵士3人は突然の氷の形成に驚く。

 

「そこまでです。」

 

突如、女性の声が聞こえ、兵士達は振り向く。

振り向いた先に、青い魔法陣が展開し、その魔法陣から白い軍服を身に纏った水色のサイドテールの女性が現れた。

軍服の女性だけでなく、彼女の部下らしき10人の軍人達が現れ、忍び装束の兵士3人を取り囲む。

その軍人達の両手には黒い杖を所持しており、その杖を忍び装束の兵士に向ける。

 

「ええい!小癪な真似を!ホシイナー!」

 

兵士の一人がザリガニホシイナーに命令を出し、軍服の女性を襲わせる。

 

「あっ!危ない!」

 

エレメントは軍服の女性に逃げるように諭す。

軍服の女性はポケットから雪の結晶の形をした宝石を取り出す。

 

「アイスメイデン。」

〈コールドスリープ。〉

 

軍服の女性は雪の結晶の宝石をアイスメイデンと呼び、アイスメイデンは軍服の女性の指示でザリガニホシイナーを囲むように青い魔法陣を展開させる。

すると、ザリガニホシイナーが氷の中に閉じ込められる。

 

「ぅえぇっ!?」

「あんなのを一瞬で!?」

 

スバル達は氷漬けにされたザリガニホシイナーを見た後、軍服の女性の方を振り向き、唖然としていた。

 

「今です。浄化を。」

「え、あ、はい!」

 

軍服の女性はエレメントにそう言う。

エレメントはザリガニホシイナーを浄化するため、胸のブローチの宝石を白から赤に変化させる。

 

「燃え上がる炎よ、焼き払って!プリキュア・ファイヤーボール!」

 

エレメントはプリキュア・ファイヤーボールを放ち、氷漬けにされたザリガニホシイナーに命中する。

ザリガニホシイナーは浄化され、元のザリガニに戻った。

 

「小っちゃくなっちゃったね~・・・」

 

スバルは元に戻ったザリガニを見て、暢気そうに言う。

 

「あの、あなた方は一体・・・?」

 

エレメントは軍服の女性に何者なのか問いだす。

 

「アルバトロス王国・第八魔導部隊少佐、クレイン・ホワイトウィンドと言います。商店街にいる彼女と同じ妖精の世界から来ました。」

 

軍服の女性はエレメントに自身をクレイン・ホワイトウィンドと名乗った。

 

 

 

 

 

 

その頃、エリオとキャロは鳩の言伝を聞いたシルフィーの案内で、ぴかり神社に続いている石段の前に到着した。

 

「ここだね・・・」

 

シルフィー達は石段を上って、神社の方に足を踏み入れる。

 

「この近辺に首輪のスイッチがあるの?」

「うん。土に埋めたってことは、掘り起こした跡があるはずだよ。」

 

シルフィー達は周囲を見渡しながら探す。

しばらく歩いて、森の中に入るが、掘り起こしたような形跡はなかった。

 

「う~ん・・・落ち葉が沢山あるから見つけにくいな・・・」

 

シルフィーは周りの木々や落ち葉を見て、リモコンを見つけるのは容易ではないと言う。

 

「どうするの?」

「ちょっと待ってて。」

 

キャロはシルフィーにどうやってリモコンを探し出すのか聞くと、シルフィーは地面に片手を置き、目を瞑る。

その時、シルフィーの脳裏に3人の忍び装束の男が映る。

 

『この木の近くでいいだろう。』

『ついでに木の葉で隠しておけ。』

『これであのバケモノは終わりだ。』

 

1人の忍び装束の男はクナイで巨大なウロができている木の下の土を掘り返し、テープでスイッチの部分を固定したリモコンをその土の中に埋めた。

 

『おい、ライトリー殿からの指示だ。ライトリー殿とレフティー殿はホープキングダムに向かい、例の怪獣を放つ。我々はプリキュア共がそちらに来られないように食い止めろ、と。』

『ホープキングダムに?』

『あぁ。ホープキングダムのカナタ王子はウルトラマンと同化していると聞く。ウルトラマンとプリキュアを同士討ちするきっかけがあれば、プリキュアもウルトラマンと戦わざるを得ないとの事だ。』

『成程、ならば早速他の者も伝えよう。』

 

3人の忍び装束の男はライトリーの指示通りにし、その内1人は手鏡で別の兵士にライトリーの指示を伝えた後、その場から離れていった。

 

(ふぅん?地球じゃまずいから、妖精の世界に襲撃させるのか・・・ま、それよりも・・・)

 

シルフィーは脳裏に浮かんだ光景を見終わった後、巨大なウロができている木の方に走り出した。

エリオとキャロもシルフィーの後を追う。

シルフィー達がいた場所とその木まではそんなに遠くはなく、数十秒で着いた。

シルフィーは忍び装束の兵士が埋めたと思われる場所に木の葉をどかして、掘り起こす。

忍び装束が埋めたとはいえ、掘りが浅かったので、簡単にリモコンを取ることができた。

 

「見つけた・・・!」

 

シルフィーはリモコンを見つけ次第、すぐにテープを剥がし始める。

テープの方は何重も巻いていたので、スイッチを切るのに時間がかかった。

 

「さっきの鳩の事といい、普通じゃないね・・・」

「うん。騎士カリムやアコース査察官のようなレアスキルを持ってるのかな・・・」

 

エリオとキャロはシルフィーの今までの行動が気になり、不思議そうにシルフィーを見つめる。

 

「よし!取れた!あとはスイッチを・・・と!」

 

シルフィーはリモコンのスイッチを切る。

それによって、商店街にいるライハの首輪の電流が停止した。

ライハは力なく地に伏せる。

 

「ちょっとあなた!」

 

ライハの傍にいたマヤはライハを抱き上げ、声をかける。

ライハは虫の息ではあるものの、生きているのは間違いなかった。

 

「一先ずは大丈夫そうね。電流も流れなくなったし・・・」

 

マヤはライハは無事であるのに安心する。

 

(それにしても、口封じなんて誰がこんなことを・・・)

 

マヤは悲しそうな表情でライハを見る。

それからしばらく経った後、まのん達がマヤと合流し、ライハを病院で診てもらうため、救急車に連絡した。



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ライハの素性

前に感想一覧で支配者さんから『Hugっとプリキュアは出ますか?』と書かれ、出さないと返信しましたが、この小説を執筆してから大分経っていますし、出そうかなと思っています。(スタートゥインクルプリキュアは保留させてもらいますけども・・・)


ぴかりが丘のどこかに潜んでいる黒幕を捜す為、二手に別れるエレメント達。

エレメント、スバル、ティアナはライハを陰で動かした忍び装束を纏った黒幕を捜し出した。

黒幕が放ったホシイナーに苦戦するエレメント達だが、突然乱入してきた軍服の女性の手助けにより、ホシイナーを浄化することに成功するエレメント。

その女性はアルバトロス王国から来た、クレイン・ホワイトウィンドと名乗る。

一方、シルフィー、エリオ、キャロはライハの首輪から流れる電流のスイッチはぴかり神社にあることを知り、そこに向かう。

そこで、シルフィーの能力により、リモコンのスイッチを切り、商店街にいるライハの首輪の電流を停止することに成功する。

その後にエレメント達が合流してきて、ライハの首輪を外した。

シルフィーが持っていたリモコンには、首輪の鍵が収納されており、その鍵で首輪を外したとの事。

まのんは変身を解いた後、真理奈にライハの事で聞きたいことがあると告げ、彼女をライハが入院している病院に向かわせた。

その後、まのんはライハを病院に搬送させ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロと共にその病院に駆け付けた。

その病院で、ライハの状態を聞いた所、全身の怪我や打撲は予想より治まっており、首の方にもレントゲン写真で調べたが、信じられないことに見る見るうちに回復していたという。

想像を超える回復力に、ライハは並の人間ではない事にまのん達は悟る。

ただ、目を覚ます様子はなく、しばらく様子を見るとの事だった。

まのん達はライハが寝かしている病室にいる。

 

「あの子、一体何なの?あれだけダメージを負わせてこんな短い時間に完治だなんて・・・」

「うん。戦闘機人でも完治するのに相当時間かかったよ。」

「それに、スバルさんに殴り飛ばされた時、僕達の写真が落としてましたし・・・」

「首輪の事もありますし・・・」

 

スバル達はライハの事を話し合っていた。

 

「う~ん・・・それはお姉ちゃんから聞いてもらうとして・・・まさかキュアシルフィーがレンちゃんだったなんて・・・」

 

まのんもライハの事で気になるが、レンの方に振り向いてそう言う。

まのんが言ったように、目の前にいるレンがキュアシルフィーだと言う事実を発覚した。

まのん達が病院に行く前、レンも変身を解いた。

その時にまのんはキュアシルフィーの正体が、近所に暮らしているレンだったことに驚きを隠せなかった。

 

「アハハ。やっぱり驚くよね?実はぴかりが丘におおもりごはんっていう店があるって聞いて、一度食べてみたいなって思って、ぴかりが丘に来たんだよ。」

 

レンはまのんに事情を話す。

 

「あ、アハハ・・・そうだったんだ・・・」

 

まのんはレンの事情に苦笑いする。

 

「失礼します。」

 

病室の外から女性の声を耳にするまのん達。

その女性はクレインである。

今のクレインは流石に軍服姿で来るわけにはいかず、白のシャツの上にデニムベストを羽織り、短めの黒いジップレザースカートを着こなした私服で、まのん達の前に現れた。

 

「あ!クレイン!」

「レンちゃん。もう、勝手にどこかに行っちゃダメですよ?」

 

レンはクレインが入ってきた途端、妹が姉に甘えるように抱きつく。

 

(うわ、C'est cool(かっこいい)・・・)

(流石にあの格好では来ないか・・・)

 

まのんはクレインの私服を思わず見惚れ、ティアナはまのん同様にクレインの私服を見て、最初にクレインが着た軍服じゃないことに苦笑い気味に安心する。

 

「皆さん、真理奈さんがこちらに来られました。特別個室でマヤさんとお待ちしています。」

 

クレインはまのん達に真理奈とマヤは特別個室で待っていると伝える。

まのん達は真理奈とマヤが待っている特別個室に向かう。

しばらく経ち、まのん達は特別個室に入り、ソファーに座っている真理奈とマヤと対面する。

 

「お姉ちゃん!」

「あぁ、まのん・・・って、すばる!?なんでいんの!?」

 

真理奈はまのんの後ろにいるスバルを見て、驚いて目を見開く。

 

「いや、なんでって・・・」

「お姉ちゃん、このスバルさんはなのはさんと同じ別の世界から来たの。ティアナさんやエリオさん、キャロさんも。」

「え?あ、あぁ、昨日まのんが言ってた高町達と同じ境遇の奴ね?ったく!名前だけじゃなく人相まで同じだから紛らわしいったらありゃしないわ!」

 

真理奈にそう言われたスバルは苦笑いする。(ティアナ達も同然だが・・・)

 

「それにしても特別個室の利用なんてよく許可取れたわね?」

「まぁね。プロノーン・カラモス経由でダニエルの主治医に頼んで、1時間の利用を許してくれたわ。まのんが言ってた患者の見舞いはしないけどね?」

 

ティアナに特別個室の使用について話した後、ライハのお見舞いはしないと突き放す真理奈。

 

「あ、アンタね・・・」

「すみません。お姉ちゃん、人の悪口が多いから・・・」

「うっさい。」

 

真理奈はまのんに言われて、「放っとけ。」と言わんばかりの表情になる。

 

「まぁ、それよりもよ。その患者の事なんだけど、まず彼女の名前は伊佐薙ライハって言ってね、9年前に彼女を除く家族は病気や交通事故で亡くなられて、学校にも行けず、友達もいない独りぼっちの身なのよ。」

 

真理奈はまず、ライハの素性を話す。

 

「そのライハが蛇に変わったり、手術もいらないほどの回復力からして、その子は恐らくミュータントよ。」

「ミュータント?」

 

真理奈はライハの事をミュータントだと言い出す。

まのんは真理奈の発言に首を傾ける。

 

「ミュータントは動植物の特徴を併せ持った実験動物よ。コウモリでもハエトリソウでも何でもいい。それらの動植物の細胞を人に移植することで、バケモノになっちゃうのよ。施設の調査によれば、大人100人、子供300人程の人材を実験台にされたみたい。」

 

真理奈はまのん達にミュータントの事を説明する。

 

「っ!?」

「それじゃあ、ライハは蛇の細胞を?」

 

キャロは真理奈の説明を聞いて鳥肌が立ち、ティアナはライハが翼蛇になった訳を解釈する。

 

「えぇ。2年前に。しかも更なる突然変異で、翼と両腕も突然変異した結果でできたみたい。でも、動植物の細胞だけじゃ、ミュータントに変貌できないはずなのよ。実験記録によれば、動植物の細胞に細胞促進剤を混ぜ込んで、直接人に移植したけど、ほとんどの人はそれに耐えられず、死に至ることもあったのよ。ミュータントになれた奴は極僅かな人だけ。」

 

真理奈は手提げバッグからファイルを取り出し、ファイルのページをまのん達に見せる。

まのん達が見たページは、ミュータントになった時に顕現した謎の発光体の事だった。

 

「これなんだけどね。人がミュータントになる時、人の中にある霊視反応が活性化して、それが原因なのか、外に漏れ出す感じにして、変貌を遂げたという事になるかな。」

「そういえば・・・」

 

スバルは真理奈の説明を聞いて、ライハが蛇の姿から人間の姿になった時の事を思い出す。

ライハが人間の姿になった時、胸から紫の発光体が浮かび上がっていた。

 

「人の中にある霊視反応・・・リンカーコアの事ね・・・」

「リンカーコア?」

 

まのんはティアナの口からリンカーコアという単語を聞き、なんなのか聞いてみた。

 

「あたし達魔導師が持つ魔力の源だよ。」

「大気中の魔力を体内に蓄積したり、体内の魔力を放出したりするのに必要な器官よ。次元犯罪者を捕らえたり、災害救助をするのに欠かせないものなのよ。」

 

スバルとティアナはまのんにリンカーコアの事を説明した。

 

「つまり、動植物の細胞を移植する時、リンカーコアって奴にも影響を受けて、ミュータントになったという事か・・・運がいいのか悪いのかは別にして、ミュータントも皮肉なものね・・・」

「お姉ちゃん、そんな言い方はないでしょ?」

「冗談よ、冗談。」

 

まのんは真理奈がまた悪口を言ったので叱る。

 

「まぁ、話を戻すとして、ミュータントを作った場所はここ東京と大阪、北海道、高知、鹿児島の5ヵ所。具体的にどんな細胞移植を施したのかは分からないけど、外国から来た人も含めて実験材料にされたみたいよ。」

「ひどい・・・どうしてそんな・・・」

 

キャロはミュータントを作った理由が気になった。

 

「400人の大人子供を攫って、ミュータントに改造した理由は、砂漠地帯や氷の世界のような厳しい環境に耐えられる肉体を作る為みたいよ。そのためにも、被験者の首に電流を流すシステムを施した首輪をかけ、外に出させないようにいろいろやってくれたわ。更に質の悪いことに、戦争の道具に使うために裏取引をしたとも聞く。全く吐き気がするほど外道な連中よ。」

 

真理奈はキャロにミュータントを作った理由を述べる。

 

「ひどすぎる・・・」

「えぇ・・・命を何だと思ってんのよ・・・!?」

 

スバルとティアナはミュータントを作った者達に憤る。

 

「ま、結局、それを企てている違法研究者達は警察、自衛隊、それからイルマ財閥を含めた12の企業グループの特殊部隊によって一斉検挙されたけど、肝心のミュータントにされた被害者は、実験中に拒絶反応を起こしたショックで死亡及び自殺したって話。生存を確認できたのは、大人子供400人中たった20人だけ。その内15人は行方を掴めてないけど、アンタは知らないの?」

 

真理奈は当時の事件について話した後、クレインに残りのミュータントの行方について聞く。

 

「いいえ、こちらにも行方を掴めていません。仮に掴めたとしても、お教えするつもりはありませんが。」

 

クレインは真理奈の質問に答えるが、ミュータントの行方については教えないと告げる。

 

「教えないってどうしてですか!?」

「人間の手に負える相手じゃないからだよ。ミュータントは肉体だけじゃなく、スバル達と戦った時みたいに魔法を使えるから、並の人間じゃ敵わないんだ。それも、プリキュアでも敵うかどうか分かんないくらいに。」

 

レンはクレインに代わって、まのんの質問に答える。

 

「そういや、病院の駐車場に停めている車の中でマヤと何か話し込んでたっけ?これは私の勘だけど、河童山で火事を起こしたゼロと、伊佐薙をパシらせた黒幕と関わりがあるって話なの?」

 

真理奈は今回の襲撃と、山火事の件と繋がりがあるのかという想像をクレインに確かめるように聞いた。

 

「えぇ。大貝町の四葉ターミナルで、ライハさんが黒幕の首謀者の2人と合流された事を報告を受けました。その内一人が首輪のスイッチを所持しておりました。もう一つ分かったことに、彼女が合流する時、あらゆる獣を操ると言われているオーパーツ・モンスターズルーラーを手に持っていることも知りました。」

「なんですって!?」

 

真理奈はクレインの話を聞いて驚いた。

 

「モンスターズルーラー?」

「怪獣にも操れる杖よ。ユグドラシルって言うクーデターをやらかした革命軍が持っていた。あの時一緒に壊したと思ったんだけど・・・」

 

真理奈はモンスターズルーラーの事をスバル達に聞かせた。

真理奈の話によると、ユグドラシルの一人であるヤマザキ・ヒロユキがモンスターズルーラーを所持し、エボリュウ細胞でゾンボーグに変貌した時にもその杖を持って、当時ティガとして戦っていた真理奈を苦しませた。

しかし、真理奈が変身したティガの奮闘により、ゾンボーグを倒した。

この時にモンスターズルーラーも破壊されたと思っていたが、クレインの話によると、モンスターズルーラーはまだ無事だった事が判明し、ライハは黒幕の首謀者の2人、つまりライトリーとレフティーの命令で、回収したという事である。

 

「そして、ウルトラマンゼロの件ですが、黒幕が使われていたと思われるログハウスで、血液が入っている試験管が発見されました。試験管に付着していた血液を調べた結果、人間の血ではないことも、その血液の主がウルトラマンゼロに変身するモロボシ・シンさんの血であることも判明されました。」

 

真理奈達はクレインの証言を聞いて驚きを隠せなかった。

 

「じゃあ、シンさんを独房に追い詰めたのは・・・」

「えぇ、ライハさんを無理矢理モンスターズルーラーを回収させ、ゼロの姿をコピーできる怪獣を操り、その怪獣を使って、プリキュアを戦わせることで、ウルトラマンをこの世界と妖精の世界の敵に仕立てようとした黒幕、ユグドラシルの残党なのです。」

 

クレインは山火事を引き起こした元凶がユグドラシルの残党だと告げる。

 

 

 

 

 

 

場所が変わって、横浜の山下公園のベンチであゆみはクリシスにシンがスーパーGUTS・ブラックバスター部隊に逮捕された事や河童山の山火事の事を話していた。

 

「そんなことがあったんだね・・・ごめんね?私、携帯持ってないから、直接聞かせるようなことさせて。」

「あ、いいえ。いいんです。」

「けどよ、なんとかあんちゃんを釈放させとかねぇとヤバいぜ?」

「うん。僕達もプリキュアの皆もシンのおかげでいろいろ助かってるし・・・」

 

あゆみ達は今後の事を話し合う。

その時、クリシスは何かを感じ取り、ベンチから立ち上がり、走っていく。

 

「あぁ、ちょっと、クリシスさん!?」

 

あゆみはグレルとエンエンが隠れているカバンを持って、クリシスの後を追う。

クリシスは水の守護神像の付近に到着し、辺りを見渡す。

クリシスは近くの茂みの方に寄り、その茂みに手を伸ばす。

あゆみはそんなクリシスを見て驚く。

 

「ク、クリシスさん!ダメですよ!」

「ちょっと待ってて。」

 

クリシスは茂みの中から何かを引っ張り出す。

クリシスが引っ張り出したのは、1Lのペットボトル程のサイズの隕石だった。

クリシスはその隕石を持って、あゆみの所に戻った。

 

「隕石?」

「え?なんであそこに?」

 

あゆみ達はクリシスが持っている隕石を見つめる。

すると、隕石の中からピンクの毛虫が出てきた。

 

「ふぇぇっ!?け、毛虫!?」

「体の色からして、ただの毛虫じゃないね・・・」

 

あゆみはその毛虫を見て後退るが、クリシスは珍しいものを見るようにその毛虫を見つめる。

ピンクの毛虫は何故か寂しがっており、キョロキョロ周りを見渡していた。



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ユグドラシルの残党の思惑

ほぼ適当な文章ですが、ご容赦を。


ライハを病院で寝ている間、彼女の素性について聞かされるまのん達。

真理奈の口から、異常な回復能力、動植物の特徴を持ち、魔導の力を兼ね備えた実験動物・ミュータントの存在を知る。

ライハは家族を失われ、蛇の細胞を植え付けられていた。

その後、クレインの口からそんなライハを利用して、ウルトラマンとプリキュアの同士討ちを目論んでいるユグドラシルの残党が陰で蠢いていることを知った。

 

「ユグドラシル・・・全員捕まったと思ってたけど、まだ残党が残ってたなんてね・・・」

「マヤさんは気付いてたんですか?」

 

まのんはマヤにユグドラシルの残党の事を聞いた。

 

「えぇ、最初にナケワメーケが現れた時は気付かなかったけど、まのん達がホシイナーを浄化したと聞いた時、薄々予感はしていた。もしかしたらと思って、少佐に尋ねたけど、当たってたわ。」

 

マヤはまのんの質問に答える。

 

「今回の件ですが、私達魔導部隊とレンちゃん、マヤさんで解決するつもりです。今のマヤさんはプリキュアに変身できなくなったとはいえ、ユグドラシルの事を良く知っていますから、ご協力をお願いしました。」

「じゃあ、私達も・・・!」

「いいえ、あなた達はこの件から手を引いてください。」

 

まのん達はクレインの言葉に驚く。

 

「ちょ、どうしてですか!?」

 

スバルは今回の事件から手を引けと言われた理由を聞く。

 

「ユグドラシルの残党の狙いは、先程言ったようにウルトラマンとプリキュアの同士討ちです。ゼロの姿を変えられる怪獣を利用して、プリキュアがウルトラマンと戦わせるきっかけを生み出されたら、彼らの思う壺です。」

「っ・・・!」

「プリキュアにユグドラシルの件を手を引かせる理由は分かるとして、ナカジマ達に手を引かせる理由は何なの?」

 

真理奈はプリキュアが手を引く理由は分かるが、スバル達が手を引く理由は分からず、クレインに聞いてみた。

 

「あなた方は元々、別の世界から来た者。いなくなれば、元の世界にいる大切な人が悲しみに暮れるでしょう。そんな人達にこの世界の問題を付き合わせるわけにはいきません。」

「だけど・・・!」

「それに、例の怪獣とは別の問題があります。」

 

クレインはスバルが手を引く理由を告げ、更に付け加えるように言う。

 

「別の問題?」

 

真理奈はクレインの言葉が気になり、聞いてみた。

 

「この2人に見覚えありませんか?」

 

クレインはアイスメイデンを取り出し、映像を出す。

 

「えっ!?」

「まさか!?」

「知ってる子?」

 

真理奈はクレインが見せた映像を見たスバル達の反応を見て、尋ねる。

 

「フェイトさんに・・・八神指令・・・」

「この世界に来てたんだ・・・」

 

エリオ達は映像を凝視していた。

スバル達が見たのは、フェイト・T・ハラオウンと八神はやての姿だった。

しかも、河童山とは違う場所で、ゼロと交戦していた光景の映像である。

 

「ユグドラシルによる放火の同時刻に、日本アルプスで彼と遭遇したんです。」

「日本アルプスで?!」

「えぇ。それも、すでに河童山で起きた山火事の情報を知った上で。」

 

真理奈達はクレインの話に驚く。

 

「その二人は日本アルプスで遭ったゼロを偽物だと思って戦ってたの?」

「いいえ、彼女達はこのゼロを偽物だと判断していないようです。それどころか、彼女達はゼロが二人いたことを知らない模様。いえ、彼女達はウルトラマンの存在を知らないと言った方が正解でしょうか。実際彼女達はこの世界に彷徨ってからプリキュアの存在を知らないのですから。」

 

クレインはフェイトとはやてがゼロと交戦した経緯を話した。

 

「だったら、私達が今までの事を報告して、ゼロと一緒に・・・」

「ですが、証拠はありません。先程話したシンさんの血液の事も、彼女達からしてみれば、ウルトラマンは人類の味方だという証拠にはなりません。」

 

スバルはフェイトとはやてに報告すれば誤解は解けるではないかと言い出そうとするが、クレインはそれを断言する。

 

「そうである以上、私とは別の部隊に彼女達を捕らえ、この事件を解決するまで大人しくする他ないでしょう。ユグドラシルの犯罪行為に彼女達まで巻き込んでは、残党の確保どころではありません。」

 

クレインはこれから起きる出来事を予想して言い放つ。

 

「無用なトラブルは避けたいって事ね?」

「その通りです。ですから、この件は我々に任せて、あなた方はこの事件を解決するまで大人しく・・・」

「お断りします。」

 

クレインはスバル達にユグドラシルの残党を捕らえるまで、大人しく待つように言おうとするが、突然割って入るように拒否する声が聞こえる。

しかし、その声はスバルでもまのんでも真理奈でもなかった。

その声の主はなのはである。

特別個室のドアは開けられ、ユーノも入って来た。

 

「なのはさん!ユーノ司書長!」

「スバル、久しぶり。でも、ここは病院だから静かにしてね。」

 

なのははスバル達との再会に喜ぶが、すぐに注意する。

 

「あんたら・・・付いて来たの?」

 

真理奈はなのはとユーノにそう言うと、二人は頷く。

なのはとユーノは、その後にクレインに視線を向ける。

 

「初めまして、クレインさん。高町なのはと言います。こちらはユーノ・スクライア君。」

 

なのははクレインに自己紹介する。

 

「余所者の私達やプリキュア達の事を想って、最善の方法で対処してくれるのは嬉しいです。でも、今回の事件が終わるまで、ただ待ってるなんてできない。同じ過ちを繰り返したくないですから。」

「同じ過ち?」

 

クレインはなのはの言葉に、表情が引き攣りながらも問う。

 

「フェイトちゃんの実の母・プレシアさんを救えなかった事、はやてちゃんと傍にいるはずだったアインスさんを助けられなかった事、どこまでも届く腕がちゃんとあるのに、救い出すことができなかった。とても悔しかったです。だから、私の目の前で悲しい物語が哀しいまま終わるのは嫌なんです。だから、どんなことをしてでも必ず助けるって誓ったんです。」

 

なのはは自分の気持ちをクレインに告げる。

 

「高町・・・」

 

真理奈はなのはの覚悟を決めた表情を見て、呆気をとられている。

 

「それに、ウルトラマンが人類の味方である証拠なんて必要ありません。私とユーノ君の知っているウルトラマンは地球で生きている人達を好きになって、何度裏切られても守り続けてきた人達ですから。」

 

なのははクレインにそう断言する。

ユーノは傍らでなのはの言葉に頷く。

なのはとユーノは知っている。

魔法に出会ってからしばらく経ち、メフィラス星人にさらわれた所を初代ウルトラマンに助けられた事を。

そして、空間の歪みでプリキュアの世界に彷徨っていた時、初代ウルトラマンとゼロ、セブンと共に怪獣と戦った事を。

なのはとユーノは彼らに助けられ、助け合っているからこそ、感謝してもし切れないのだ。

そう考えたなのはとユーノにとっては、ウルトラマンが人類の味方である証拠は必要ないのだ。

 

「なので、クレインさん。お気遣い感謝しますが、シン君の事、ユグドラシルの事、フェイトちゃんとはやてちゃんの事、私達も協力します。」

「・・・っ!ですが!」

 

クレインはなのはの言葉に反論しようとする。

 

「そうですよ!いくらなんでも水臭すぎです!」

「私だって、ミッドチルダでレスキュー隊をやっている身!多少の無茶でもドンと来いですよ!」

「ま、なのはさんの言う通り、ただ指を咥えて待ってるだけっていうのは気分じゃないわね。」

「僕もユグドラシルの犯罪を無視できません!」

「私もです!」

 

クレインの反論を遮るように、まのん、スバル、ティアナ、エリオ、キャロは協力体制を申し込む。

 

「みんな・・・」

「アハハ・・・思いっきり言い張られちゃったね?」

 

マヤはなのは達の言葉に嬉しさを感じ、レンはクレインに視線を向けてそう言う。

 

「・・・っ!・・・分かりました。他の部隊にもお伝えします。ですが、ユグドラシルの狙いがプリキュアとウルトラマンの同士討ちである以上、あなた方の勝手な行動は無視できません。今回の事件は戦争になりかねない事態です。皆さんの安全を考慮した上で、無闇な行為は慎むように。」

 

クレインはこれ以上の反論は無駄だと判断し、なのは達の協力を受け入れる。

 

「大丈夫です!テロ犯罪の類は慣れてますから!」

「いや、慣れちゃダメでしょ?ていうか、いいの、そんな見栄張っちゃって?」

 

真理奈はなのはにそのように聞く。

 

「大丈夫。本当の事を言っただけだから。ヴィヴィオにアインハルトちゃん、トーマとリリィも同じ想いだよ。」

 

なのはは真理奈に真理奈の質問に答える。

 

「真理奈はどうするの?」

「まぁ、今の私はティガになれないから皆のように無茶はできないけど、私は科学者の端くれだからサポートは出来るわよ。」

「フフフッ、まだ卵だけどね?」

「こら!」

 

真理奈はまのんに訂正され、余計なこと言うなと言わんばかりに怒る。

その時、真理奈のポケットの中からiPhoneの着信音が鳴り出す。

 

「おっと!悪い、続けて。」

 

真理奈は一旦得抜個室から出て、付近の通話可能エリアへ走り出す。

 

「もう、お姉ちゃんったら、マナーモードくらいすればいいのに・・・」

「にゃははは・・・」

「真理奈ってそういうトコ、いい加減だよね・・・」

 

まのんは今の真理奈の行動を見て、頭を抱え、なのはとユーノは苦笑いする。

 

「ねぇねぇ、なのはちゃんとユーノ君。」

 

レンはなのはとユーノに声をかける。

 

「ほえ?」

「何?」

 

なのはとユーノはレンに声をかけられて、何かと聞く。

 

「さっき君達の知ってるウルトラマンがどうのこうの言ってたけど、ずっと前から会ってたの?」

「あ、うん。実はね・・・」

 

なのははレンに聞かれ、初代ウルトラマンと会った時の事をスバル達にも聞かせた。

 

「そうだったんですか・・・」

「それで証拠はいらないと・・・」

 

ティアナはなのはの昔話を聞いて驚き、クレインはなのはが協力する理由を理解する。

 

「あーん!私もなのはさんみたいにウルトラマンに会いたかったよー!」

 

スバルはなのはの話を聞いて羨ましがる。

 

「スバルさん、病院なんですから静かに・・・」

「ハハハ・・・」

 

エリオはスバルにそう注意し、キャロはそのスバルに苦笑いする。

 

「この世界で再会した時はびっくりしたよ。」

「うん。でも、嬉しいかな。また会うことができたから。」

「えへへ、二人揃って幸せ者だね。しかも、お互い付き合ってるわけだし。」

 

なのはとユーノは初代ウルトラマン=ハヤタと再会したことを嬉しく想う中、レンはその2人に意味深な発言を言い放つ。

 

「え゛っ?」

「付き合うって?」

「ほえ?同じ家で暮らしてたんでしょ?こうして見てると仲良さそうだから恋人同士なんだなぁって!」

「ちょっと、レンちゃん!?」

 

レンのなのはとユーノに対する発言に、まのんは驚きながらも叱る。

 

「あ、い、いや、別にそんなんじゃ・・・」

「うん。ユーノ君は私が魔法と出会った時から、魔法の事を教えてくれる先生でお友達なの。だから恋人って関係じゃないかな。」

「えー?!恋人じゃないの!?ちぇっ!この部屋に君達が入って来た時一緒だったからカップルかなって思ったのにな・・・」

「レンちゃん、誤解を招くような言い方をしないでください・・・」

 

レンはなのはとユーノの関係を聞いて、つまらなさそうにやさぐれる。

クレインはそんなレンに呆れた表情で指摘する。

特別個室でそんな話題を盛り上げる中、真理奈が帰って来た。

しかし、真理奈は重い足取りでソファーに座り込む。

 

「真理奈?どうしたの?」

 

マヤはそんな真理奈が気がかりになり、尋ねてみた。

 

「ぎんがからの連絡よ。シン兄さんが脱走したみたい・・・」

 

スバル達は真理奈からの報告を聞いて驚いた。



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ライハの憂鬱

う~ん・・・話が進まないんだけど・・・
最近怪獣が出てないし・・・
どうしましょ、これ・・・
でも、やるしかないよね・・・(鬱)


ユグドラシルの残党の目的がウルトラマンゼロの姿を変えることができる怪獣を利用して、ウルトラマンとプリキュアを戦わせることを知ったまのん達はクレインと協力して、その目論見を阻止しようとする。

しかし、クレインはまのん達にユグドラシルの残党の事件から手を引くように言われる。

そんな時、なのはとユーノが割り込み、説得してくれたことで、改めて協力を承諾する。

その時、真理奈の口から、ぎんがからの連絡で、シンが脱走した事を告げる。

そんな中、病室で寝ていたライハの方にも、動き出そうとしていた。

 

「・・・う・・・ん・・・」

 

ライハはゆっくりと目を開ける。

ライハが見た風景は、スバル達と戦っていた商店街ではなく、白い天井に、隣を仕切るように置いてあるカーテン、外の風景がはっきり見える窓。

更に、ライハは起き上がると、白いシーツにベッドが自分の下にあることに気付く。

 

「病・・・院・・・?確か、私・・・」

 

ライハは自分が病院にいる前の出来事を思い出す。

ライトリーとレフティーの指示を聞いた忍び装束の兵士から、ぴかりが丘で活動しているスバル、ティアナ、エリオ、キャロを抹殺しろと言われ、商店街で見かけたその4人を襲った。

しかし、4人のコンビネーションや実力差もあって、返り討ちに遭われた。

その後、ティアナに拘束された時、首輪から電流が流され、もう少しで死ぬところだった。

ライハはその時にハッとなる。

 

「そうだ、あいつらに!・・・?」

 

ライハはその時の出来事を思い出し、上体を起き上がらせる。

その時、ライハは自分の首に違和感を覚える。

ライハは首に触ると、嵌められていたはずの首輪がない事に気付く。

そして、自分の体を見ると、所々に包帯が巻かれているのも気付いた。

 

「あいつらが助けたってのか?それに首輪まで・・・」

 

ライハは自分の今の状況を把握する。

ライハはまのん達に助けられ、この病院に搬送されたことを理解した。

 

(バケモノの私にとっちゃ、包帯を巻くほどの怪我でもすぐ治っちまうんだよなぁ・・・)

 

ライハはもう一度包帯が巻かれている体を見てそのように呟く。

 

(この病室には私以外の患者はいない・・・か・・・)

 

ライハは改めて周囲を見渡すと、ライハ以外の患者はいないことを知る。

その後、ベッドから下りて、ちょっとジャンプして痛みがないか、確かめる。

痛みがない事を分かると、ハンガーに掛けられている服を取る。

それを他所に、真理奈とクレインはライハが寝かせている病室に向かっている。

 

「ねぇ、ホワイトウィンドのお姉さん。姫矢ってどんな関係なの?アルバトロス王国って国の住人にしては、名前からしても場違いな感じなんだけど?」

 

真理奈はクレインにレンとの関係について聞く。

クレインは真理奈の質問を聞いて、一瞬悲しそうな表情を浮かべるが、すぐに何もなかったかのように笑みを浮かべながら、真理奈の質問に答える。

 

「レンちゃんは、とある施設から脱走した子だったんです。一人黄昏てるところを私とフラムさんが拾ったんです。」

「とある施設?」

「えぇ。それについては伏せておきますが、アルバトロス王国で暮らしてから、私とフラムさんを姉と兄のように慕っており、魔導部隊の仕事も手伝っております。」

(このお姉さんが言う施設が気になるが・・・今はやめておこう。ユグドラシルの事もあるし・・・)

 

真理奈はクレインの言葉が気になるものの、今は聞かないでおくことにした。

 

「しかし、まのんと楽しそうに会話してる辺り、普通の女の子にしか見えないわね?」

「フフ、すみません。レンちゃんがご迷惑をお掛けしました・・・」

「それを言うなら、まのんに言いなよ。実際、姫矢と初めて会ったのはこの病院でだったんだし。」

 

クレインは真理奈にレンの事を謝るが、真理奈は気にしていなかった。

 

「まぁ、伊佐薙って奴も、首輪を外してもらった事を期に、蟠りを無くしてくれると助かるんだけどね?」

 

真理奈はライハが寝ている病室のドアに手をかける。

ライハもまのん達と仲良くなってくれることを願うが、ドアを開けた瞬間、不測の事態が起こった。

 

「あっ!?」

 

真理奈とクレインが目撃したのは、ライハが蛇の姿になって、窓から出ていった瞬間だった。

 

「伊佐薙!?」

 

真理奈はすぐに窓の方に駆け付けるが、ライハはすでに外に出て、遠くに飛行していた。

 

「行っちゃったよ・・・」

「くっ!彼女を逃がすわけには!」

 

クレインはすぐにライハを追おうと病室から出ようとする。

 

「あっ!待ちなよ、お姉さん!」

「しかし・・・!」

「私が捜すよ!」

 

真理奈はクレインを止めて、自分が捜すと言い出す。

 

「魔導師が捜索に出たら、あいつにすぐ気づかれて逃げられるし。あんた達には明日の準備があるから外すわけにはいかないでしょう?」

「そうは言っても・・・」

「な~に。私は高町達と違って魔力はないし、人や物を探すのに便利な発明もあるから。それに大勢で捜すより少人数で捜す方が気付かれにくいと思う。」

「・・・分かりました。ライハさんの事は任せます。しかし、現在はやてさんとフェイトさんはシンさんを捜しているはずです。もし遭遇することがあったら、作戦の差し障りのないようにする意味でも、連れて来ないように。」

「作戦の支障をきたすのかどうかはあのロリッ子2人組次第だけど・・・まぁ、邪魔させないように気を付けとくよ。」

 

真理奈はクレインの忠告を聞きながら、ライハの捜索を任せる。

 

 

 

 

 

 

その頃、病院から抜け出したライハは、町外れの自然に囲まれた田舎道に下りて、人間の姿に戻る。

 

「この辺りに来るの、6年ぶり・・・か・・・」

 

ライハは周囲を見渡した後、何事もなく歩き始めた。

 

「父さんと母さん、兄さんと姉さんがいなくなって、8歳の頃白服の奴らに捕まって、さっきのようなバケモノにされて・・・警察がそいつらを逮捕して、自由になれたけど・・・」

 

ライハは昔の頃を思い出しながら俯く。

その後、歩いていた足が止まる。

 

「ミコトねえちゃ~ん!」

 

ライハの耳に子供の声が聞こえる。

ライハは木の陰に隠れて、声がした方を見る。

 

「もう、洸君、栞ちゃん。ダメでしょう?もうすぐ暗くなるから。」

「ごめんなさ~い。」

「さ、そろそろ帰って夕食の準備しようね?」

「は~い。」

 

水色のショートヘアーの少女・ミコトは子供達を大きな家に連れて行った。

 

「元々私の家だったあそこは取り壊されて、今は孤児院として、ああいう風に過ごしてる。」

 

ライハは今の光景を見た後、木に背凭れする。

そして、彼女が察したのは・・・

 

「もう私の居場所はないんだ・・・」

 

ライハには家族だけじゃなく、家も失われていた。

 

「結局行く当てがなくて、あの施設に戻って野垂れ死のうとしたら、ライトリーとレフティーに連れて行かれて・・・はぁ、なにやってんだろうな・・・」

 

ライハは焦燥しきっており、自分の家がない以上、このまま留まっても仕方がないと思い、その場から後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、真理奈は3つの黒いアタッシュケースを自宅の中庭に置いて、それを開けた。

 

「真理奈さん、それは?」

 

中庭には真理奈以外に、まのん、クレイン、なのは達もいる。

クレインはアタッシュケースの中に入っているディスク状の物を見て、何なのかと真理奈に聞く。

 

「1年前に発明した私の自信作、チェイサーディスク。探し物や地形を調べる時に使う小型の偵察用マシーン。これがあれば、録音や録画もできるし、センサーの役割も果たせるし、更にセキュリティ対策にも可能になってるわ。フィールドワークに出かける時に重宝してたのよね。」

 

真理奈はアタッシュケースに入っている物をチェイサーディスクと言い、なのは達に説明する。

そのチェイサーディスクはアタッシュケース1箱分で50枚、それが3箱あるので、合計150枚ある。

 

「偵察って言ってるけど、どうやって探させるの?ディスクの状態じゃ何もできないよね?」

「なに、ちょっとスイッチを入れとけば起動できるわよ。」

 

真理奈はヴィヴィオの質問に対し、ポケットからホイッスルのような物を取り出し、それを吹きかける。

すると、アタッシュケースに収納されているチェイサーディスクが勝手に動き出し、鳥のような形態に変形した。

 

「えぇ~っ!?」

「へ、変形した!?」

 

ヴィヴィオとトーマは今の光景に驚く。

 

「へへっ。どうよ?これがあれば、この関東地方を丸々調べることも造作もないわよ。しかも、チェイサーディスクは意思疎通ができて、サポートもしちゃうのよ。」

 

真理奈はチェイサーディスクの性能を見せつけ、誇らしげに言う。

 

「真理奈さん、今の笛は?」

「あぁ、これ?これはね、サーチドライバーと言ってね。チェイサーディスクから収集した情報を読み取って、映像記録、音声記録、位置情報などを調べることができるのよ。これがチェイサーディスクの目玉ってワケ。」

 

真理奈は持っている笛をサーチドライバーと言い、クレイン達に説明した。

 

「記録や情報を調べるのはいいですが、機械作りの偵察機を飛ばしたら、不審に思われるのでは?フェイトさんやはやてさんの事もありますし。」

「私がそんなヘマすると思ってんの?まぁ、見てて。」

 

真理奈はクレインの質問に対し、もう一度サーチドライバーを吹きかける。

すると、機械でできたボディのチェイサーディスクが、鳩、雀、鷹、鴉、燕などの鳥の姿に変わる。

 

「えぇぇぇ~~~っ!!?」

 

ヴィヴィオ達は今の光景に驚きを隠せなかった。

 

「へへっ。驚いたか?チェイサーディスクにはカモフラージュ機能が付いていて、もう一度サーチドライバーを吹けば、このように本物の鳥の姿に変えれるのよ。これでスムーズに捜せるわ。あいつは電流のダメージが残ってるはずだから、そんなに遠くに行ってないはずだしね。あんた達、この写真の奴を捜してあげて!」

 

真理奈はそんなヴィヴィオ達に説明した後、チェイサーディスクに写真に載っている人間の姿のライハと、ミュータントの姿のライハを見せ、捜すように指示する。

チェイサーディスクは四方八方に散らばり、捜索を始める。

 

「さ、流石だね・・・」

「ヴィヴィオと同い年とは思えないな・・・」

 

トーマとリリィは真理奈を見て、唖然とする。

 

「ヴィヴィオさん、アインハルトさん。」

「はい!」

 

ヴィヴィオとアインハルトはクレインに呼ばれて、駆けつける。

 

「お二人は真理奈さんの護衛をお願いします。彼女の科学力は認めますが、万が一怪獣が現れたら元の子もありませんから。」

「えっ!?」

「あ、はい。」

「了解です!」

「おい!」

 

真理奈はクレインとヴィヴィオとアインハルトの会話を聞いて、「そんなに信用ないの!?」と言わんばかりに怒る。

その後、なのは達はクレインと共にスバル達と合流するために、ぴかりが丘のブルースカイ王国大使館へ向かい、ヴィヴィオとアインハルトは真理奈と残って、ライハが見つかるまで待機することにした。

 

 

 

 

 

 

一方、ライハは孤児院から離れてから1日が経ち、フラフラしながらも街中に歩いていた。

にも関わらず、周りの人達は気にする様子もなく、ただ何事もない青春を楽しんでいるだけだった。

 

「あぁ~・・・腹減った~・・・」

 

ライハは完全に空腹でひもじい思いになっていた。

もう泣きそうになっている。

 

「ライトリーとレフティーに関わってから、まっずい乾パンばかりだったからな・・・」

 

ライハは近くにある公園に入り、ベンチに座る。

その時のライハはグダーっとしていた。

 

(あ~、やべ・・・もう動けねぇよ・・・)

 

ライハの目が徐々に細くなり、気を失ってしまう。

しばらく経った後・・・

 

「シンさん、どこ行ったのかなぁ・・・」

「心配ですね・・・」

「無事でいるといいわね・・・」

 

なぎさとほのかとひかりがライハがいる公園を通り過ぎようとする。

 

「メップル、気付いたミポ?」

「メポ。人にしては異質だメポ。」

 

メップルとミップルはハートフルコミューン越しで何かを感じ取る。

 

「どうしたの、ミップル?」

「近くに変な感じがするメポ。」

「公園の方からミポ。」

 

なぎさとほのかとひかりはメップルとミップルが感じ取った気配が公園の方からすると聞いて、近くの公園に入る。

公園に入ったなぎさとほのかとひかりが見たのは、ベンチで横たわっているライハの姿である。

 

「あの子だメポ!」

「ちょっとあんた、大丈夫!?」

 

なぎさ達はライハの元へ駆けつけ、声をかける。

しかし、ライハは目を覚ます様子はなかった。

ただ・・・

 

グゥ~~~~~・・・

 

「へっ?」

 

ライハの腹の虫がなぎさ達にも分かるように聞こえる。

 

「お、お腹空いてて気を失ってたのね・・・」

「なぎさとそっくりメポ。」

「なんですって~っ!?」

 

ほのかはライハの腹の虫を聞いて苦笑いし、メップルの辛辣な発言に怒るなぎさ。

兎にも角にも、ひかりはライハを看取り、なぎさとほのかは食べ物を買いに行った。



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新たなる遭難者

今回は新しいオリジナルキャラクターが出ます。


真理奈とクレインからミュータントについての話やユグドラシルの残党の計画についての話を聞いたなのは達は、クレインと協力体制を結ぶことになる。

そんな中、ライハは回復を終え、病院から抜け出す。

それに気づいた真理奈はライハを捜索することにし、クレインはなのは達と共にスバル達と合流することになった。

一方、なぎさ、ほのか、ひかりはライハが気を失っている所を目撃した。

 

「お待たせ!」

 

なぎさとほのかは公園のベンチに座っているひかりと未だ目を覚まさないライハの元に駆け付けた。

 

「なぎささん。ほのかさん。」

「袋の食べ物、沢山ポポ。」

 

なぎさの手にはコンビニに売ってあるパンや牛乳パックが沢山入ってある大きなビニール袋を持っている。

 

「いや~、実は私もお腹空いてて・・・」

「もう、なぎさったら・・・」

「朝、食パン5枚も食べたのに食い意地張ってるメポ。」

「うるさい!」

 

なぎさはメップルの辛辣な発言に怒る。

その様子を鴉と雀が見た後、何処かへ飛び去って行った。

 

 

 

 

 

その頃、はやてとフェイトは偶然忍び装束の兵士、つまりユグドラシルの残党の兵士2人が使役するホシイナーとナケワメーケと一戦交えていた。

 

「くっ!なんて小娘どもだ!」

「撤退する!」

 

ユグドラシル兵は煙玉を使って、フェイトとはやての視界を遮らせ、撤退した。

 

「逃げられてもうたか。」

「逃げ足が速いね。」

 

フェイトとはやてはユグドラシル兵の撤退を許してしまう。

 

「ここはウチが。フェイトちゃんは彼らを追って。」

「了解。」

 

フェイトは先程撤退したユグドラシル兵を捜索し、はやてはホシイナーとナケワメーケを相手にする。

 

「今のウチ、体縮んでもうたからブラスターは危ない。ここは氷結魔法で動きを止めて、一気に仕留めるか。」

 

はやては夜天の書を出し、呪文を唱える。

 

「仄白き雪の王、銀の翼以て、眼下の大地を白銀に染めよ。」

 

はやてが呪文を唱えてる時、4つの立方体が展開される。

 

「来よ、氷結の息吹、アーテム・デス・アイセス!」

 

はやては呪文を唱え終えた後、4つの立方体から吹雪が発生する。

ホシイナーとナケワメーケはその吹雪により、氷漬けにされた。

 

「クラウ・ソラス!」

 

はやてはクラウ・ソラスを放ち、氷漬けにされたホシイナーとナケワメーケを一網打尽にする。

これによってホシイナーとナケワメーケは浄化された。

 

「これで全滅やな。フェイトちゃんを追わんと。念話も通信も使えへん以上、追うしかあらへんな。」

 

はやてはホシイナーとナケワメーケを倒したのを確認した後、フェイトの元へ向かう。

そのフェイトはユグドラシル兵を捜しているが、見失ってしまった。

 

「いない。彼らは一体何者なの・・・?」

 

フェイトは周囲を見渡しながら、ユグドラシル兵の事を考える。

その時、フェイトは何かを見つけたのか、表情が強張っている。

フェイトが見つけたのは、ウルトラマンゼロであった。

 

「あの時の巨人!?今度は何をやろうとしている!?」

 

フェイトはゼロを追おうと、ライトニングフォームからソニックフォームにフォームチェンジする。

はやてはその事に気付かず、ただ周囲を見渡すしかなかった。

 

「さっきの忍者さん達だけやなく、フェイトちゃんまで見失ってもうた。1人はきついな・・・ん?」

 

はやてはフェイトとはぐれて困ってた所、鷹と鳩3羽が揃って飛んでいく所を目撃する。

 

「あの鳥達、変やな?鷹は鳩の天敵やったはずやのに。」

 

はやては鷹と鳩が一緒に飛んでいる所を見て、おかしい事に気付く。

何故なら、猛禽類である鷹が、害鳥と言える鳩と仲良く飛んでいるなんて有り得ないからである。

 

「フェイトちゃんには申し訳ないけど、あの鳥達を追ってみよか。」

 

はやては鷹達の後を追う。

 

 

 

 

 

一方、真理奈はチェイサーディスクをサーチドライバーにセットし、調査結果を調べるも、成果は挙げられなかった。

次のチェイサーディスクで調べてみるも、「外れか・・・」と言って、ディスク状態のチェイサーディスクをアタッシュケースにしまう。

 

「これで140枚目だね。」

「すでに遠くの地に行ってしまったのでしょうか?」

「いやいや、流石にそれはないって。あいつには電流のダメージが残ってるし、病み上がりで無理したら体が持たないし。おっ、戻って来たか。」

 

真理奈は開いている窓を見ると、別のチェイサーディスク2体が来て、2体の内1体がディスク状になり、真理奈の方に飛んでくる。

真理奈はそれをキャッチし、即座にサーチドライバーにセットして、再生した。

 

『朝、食パン5枚も食べたのに食い意地張ってるメポ。』

『うるさい!』

『でも、この子の目が覚めないんじゃ、何もできないミポ。』

『この子から感じた異質な物って何なの?』

『分からないミポ。でもドツクゾーンのような闇の力を感じないミポ。』

 

真理奈は録音された声を聞いて、声の主はなぎさ達だと確信する。

そして、なぎさ達の会話から『異質な物』を聞いて、真理奈はもしやと思い、推測する。

 

「今の話、あいつの事かな・・・?」

「声だけじゃわかりませんね・・・」

「映像で調べてみるか。」

 

真理奈はチェイサーディスクをサーチドライバーに嵌めたまま、ノートパソコンの差込口に嵌めて、映像を出す。

真理奈達が見たのは、なぎさ達がライハの看病をしている所である。

 

「アタリみたいね。しかも、なぎさ達と一緒とは好都合だわ。」

「よかった~・・・」

「場所は小泉公園か。早速行こう。」

「残り8枚はどうするの?」

「なに。放っといても帰ってくるさ。それより、伊佐薙が起きる前に会いに行かないとね。」

 

真理奈は2体のチェイサーディスクをアタッシュケースに入れ、別のアタッシュケースを手に持ち、ヴィヴィオとアインハルトと一緒に小泉公園に向かう。

 

 

 

 

 

同時刻、ミッドチルダではなのはを初めとした行方不明者が続出し、原因を調査しているものの、未だ調査が進んでおらず、難航している状況である。

 

「シャーリーさん!なのはさん達の行方がまだ分からないんですか!?」

 

ピンクのポニーテールの女の子が、眼鏡をかけたロングの茶髪の女性に詰め寄る。

その眼鏡の女性はシャリオ・フィニーノ。

通称『シャーリー』と呼ばれ、フェイトの執務官補佐を兼任しつつ、通信とデバイスの制作・整備の主任を任されている。

機動六課時代にはよくサポートしていた。

 

「お、落ち着いて、エクセル!」

 

シャーリーは、突っかかって来た少女、エクセル・ロータスに落ち着くように諭す。

 

「でも、シャーリーさん・・・!」

「心配なのはわかるけど、焦っても何も解決できないよ。」

 

シャーリーはエクセルを何とか宥める。

 

〈マスター、冷静に。エースオブエースと呼ばれた彼女がそう易々と堕ちたりはしません。〉

「ブレイブハート・・・うん、そうだよね。こんな時くらい落ち着かないと・・・」

 

エクセルを慰める青色の宝玉、いや、デバイスのブレイブハート。

その時、エクセルとシャーリーの周囲の空間が歪み始めた。

 

「な、なによこれ!?」

「空間が歪んで・・・ッ!?」

 

エクセルとシャーリーは周囲を見渡すと、空間の歪みが強くなり、その場から2人が消えた。

 

 

 

 

 

同じ頃・・・

 

「ホシイナ~!」

「ナ~ケワメ~ケ~!」

「ハァァァァッ!!」

 

横浜みなとみらいでブルームとイーグレットとドリーム達はホシイナーとナケワメーケと対峙していた。

ホシイナーはタコと合体し、ナケワメーケはイカと合体していた。

タコホシイナーとイカナケワメーケはブルーム達に墨を吐き出すが、彼女達はそれを躱す。

ブルームとイーグレットはタコホシイナーに精霊の力をエネルギー弾にして至近距離で放つ。

ドリームはプリキュア・シューティング・スターを繰り出し、イカナケワメーケに突撃する。

タコホシイナーとイカナケワメーケはその攻撃によって、海に吹き飛ばされる。

その様子をユグドラシル兵が見ていた。

 

「くっ!やはり戦い慣れてるプリキュア相手に並のホシイナー共では役に立たんか!」

「足止めにもならないぞ!」

 

2人のユグドラシル兵はタコホシイナーとイカナケワメーケがプリキュアに圧されているのを憤慨する。

ユグドラシル兵はすぐにその場から離れる。

 

「ラピ!?」

「何か出るチョピ!」

 

ブルーム達はフラッピとチョッピの反応に「えっ!?」と驚き、周囲を見渡す。

その時、プリキュアがいる所の傍らに空間が歪み始めた。

ブルーム達はそれに気付く。

その歪んだ空間からエクセルとシャーリーが現れる。

 

「な、なんなのよ今の・・・」

「・・・!こ、ここって管理外世界の地球じゃない!?どうして私達がここに・・・!?」

 

エクセルとシャーリーは顔を覆っていた腕を下げる。

シャーリーは地球の事を知っている為、地球に来たことに戸惑う。

 

「あの子達・・・!」

「もしかして・・・!」

 

ブルームとドリームはエクセルとシャーリーが現れた時、二人はなのは達と同じミッドチルダの者だと気付く。

 

「って、シャーリーさん!?背が縮んでますよ!?」

「え?え、えぇっ!?ど、どういうこと!?」

 

シャーリーはエクセルに指を指されたと思ったら、自分の手を見ると、小学生と同じ位の手の大きさになっており、自分の体が縮んでいたことに気付き、驚きを隠せなかった。

 

「ホシイナ~!」

「ナ~ケワメ~ケ~!」

 

シャーリーとエクセルは今の咆哮を聞いて振り向くと、ブルーム達が吹き飛ばしたタコホシイナーとイカナケワメーケが戻ってきていた。

 

「なあぁぁぁぁぁっ!!?」

「バ、バケモノ!?」

 

タコホシイナーとイカナケワメーケは触手でシャーリー達を叩きつけようとする。

 

「プリキュア・ファイヤー・ストライク!」

「プリキュア・サファイア・アロー!」

 

ルージュとアクアはそれぞれの技を放ち、タコホシイナーとイカナケワメーケを吹き飛ばす。

 

「大丈夫!?」

 

アクアはシャーリーとエクセルに大丈夫かと尋ねる。

 

「う、うん!」

「ていうか、あんた達何なの!?」

「お話は後で!ローズ、この子達を!」

「えぇ!」

 

ローズはアクアに言われ、シャーリーとエクセルを守るように前に立つ。

 

「大地の精霊よ。」

「大空の精霊よ。」

 

ブルームとイーグレットは必殺技の準備をする。

 

「今、プリキュアと共に!」

「奇跡の力を解き放て!」

「プリキュア・ツインストリーム・スプラッシュ!」

 

ブルームとイーグレットはタコホシイナーに合体技を放つ。

タコホシイナーはブルームとイーグレットにより浄化される。

 

「クリスタル・フルーレ!希望の光!」

「ファイヤー・フルーレ!情熱の光!」

「シャイニング・フルーレ!はじける光!」

「プロテクト・フルーレ!安らぎの光!」

「トルネード・フルーレ!知性の光!」

 

ドリーム達は互いのキュアフルーレの剣先を重ねる。

 

「5つの光に勇気を乗せて!プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン!」

 

ドリーム達は合体技をイカナケワメーケにぶつける。

イカナケワメーケはドリーム達により浄化される。

 

「すっごい・・・」

「あぁもう!一体何なのよ!?」

 

シャーリーはブルーム達の戦いぶりに圧巻され、エクセルはもう何が何だか分からない状況になっている。

ブルーム達は変身を解き、シャーリー達の所に駆け付ける。

 

「大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。」

「平気だけど、状況が全然呑み込めないんですけど・・・」

 

咲達に心配されたシャーリー達は平気だと答え、先程のホシイナーとナケワメーケの事や咲達が変身するプリキュアの事を聞く。

 

 

 

 

 

ある少女は夢を見ていた。

その夢は、とある施設での出来事である。

 

「お・・・い・・・おい・・・おい、起きろ。」

 

少女は少年の声を聞き、目を覚ます。

 

「ん・・・ん・・・」

「起きたか。大丈夫か、ライハ。」

「・・・その声・・・健斗か?」

 

目を覚ました少女・ライハは、起こしてくれた少年・健斗にそう言う。

 

「あぁ。達也とアリシアも一緒だ。」

「達也とアリシアも・・・ここは?」

「分からない。変な奴らに薬飲まされて、気が付いたらここにいた。」

 

ライハは健斗にここはどこなのか聞くが、健斗も分からなかった。

 

「くそっ!私達はこのままどうなっちまうんだよ・・・」

 

ライハは今でも泣きそうになりながら、壁に殴りつける。

 

「泣かないで、ライハ。」

「なんとしてでも脱出するんだ。こんな所から。」

 

アリシアと達也はそんなライハを慰める。

しかし、結局脱出することも敵わず、健斗と達也は実験中に拒絶反応を起こして死んでしまい、ミュータントとなったライハとアリシアは元いた部屋に再び閉じ込められた。

 

「ちっくしょぉ・・・健斗・・・達也・・・」

 

ライハは壁に何度も叩きつけ、死んでいった健斗と達也の事を悲しむ。

 

「ライハ、そんなに責めないで。生きていれば、きっと幸せを手に入れられるよ。」

 

ライハはアリシアに励まされるも、彼女の心は晴れることはなかった。

ライハの実家が取り壊された事を白衣の男から聞き、自分の家はもうない事を知らしめられた。

警察や自衛隊等が施設を制圧した頃、アリシアはライハと一緒に施設から出ようと言い出すが・・・

 

「アリシアは行けよ。お前だけでも生きろ。」

「ライハ、どうしてなの?前にも言ったじゃん!生きていれば幸せになることができるって!」

「私の父さんや母さん、兄さんや姉さんは既に死んで、私一人なんだ。その家がなくなってちゃ、帰る場所なんてねぇんだよ。それに、人間を手放しちまった私がそこにいても、避けられるだけだ・・・結局私は・・・幸せになんかなれねぇんだ・・・」

 

ライハはもう、唯一の友人であるアリシアの言葉にも届かず、施設に残ることに決めたのだった。

ライハの夢はここで終わり、目を覚ます。

 

「ん・・・んん・・・」

 

ライハはゆっくりと目を開ける。

 

「あっ!やっと起きた!」

 

ライハは声がした方に振り向くと、隣になぎさが座っていた。

 

「よかった・・・このまま目が覚めなかったら、どうしようかと思ったわ。」

「随分魘されてたけど、大丈夫そうでよかったメポ。」

 

ほのかとメップルはライハが目を覚めたことに安心する。

 

「お前らは・・・それにそのぬいぐるみ、喋ってないか!?」

「メップルはぬいぐるみじゃないメポ!」

「ちょ、メップル!誰かに見られたらどうすんのよ!?」

 

メップルはライハの一言に怒り、なぎさはメップルが大声を出したことに慌てる。

 

「じゃなくてだな、なんで私を・・・」

 

ライハはなぎさ達になんで助けたのかと聞こうとするが、途中で腹の虫が鳴る。

 

「まぁ、とりあえず何か食べなよ。まずはそれからだよ?」

 

なぎさは袋からメロンパンを出して、ライハに差し出す。

ライハは頭が混乱しているものの、なぎさが差し出したメロンパンを手に、袋を破って、メロンパンを頬張る。

余程腹が減っているのか、なぎさが持ってる袋のパン全部食べまくった。



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残党の新兵器

今回はオリジナルの怪物を登場させました。(ネガトーンやゼツボーグのようなネーミングセンスはありませんが・・・(汗))


ライハの行方を追うため、チェイサーディスクで探索させた真理奈。

そのライハは小泉公園でなぎさ、ほのか、ひかりに看取られていた。

ライハの居所を知った真理奈、ヴィヴィオ、アインハルトは小泉公園へ向かう。

その頃、咲と舞、のぞみ達はプリキュアになって、ユグドラシルの残党が放ったホシイナーとナケワメーケと対峙した。

その最中に空間の歪みによって現れたシャリオ・フィニーノとエクセル・ロータスと出会う。

ブルーム達とドリーム達はホシイナーとナケワメーケを浄化し、シャーリーとエクセルにプリキュアの事やこれまでの経緯を伝える。

 

「つまり話を纏めると、最近ミッドチルダで起きた行方不明者続出はその空間の歪みの影響で起こった出来事で、私達がいるのは、プリキュアって言う美少女戦士が活躍していた世界で、なのはさん達はこの世界で無事だと分かった。でも空間の歪みによってこの世界に迷い込んだのは、六課メンバーだけじゃなく、ウルトラマンっていう正義のヒーローも同じような出来事だった。今は空間の歪みが起きている原因や元の世界に戻れる方法を探っているけど、重要な手掛かりは掴めていないとそう言う事ね?」

 

エクセルは長々と話を整理して、咲達に確認する。

 

「その通りよ。」

「うわ・・・最悪なんですけど・・・」

 

かれんはエクセルが整理した話を肯定し、そのエクセルは落胆する。

 

「でも、なのはさん達が無事でよかった・・・」

 

シャーリーはなのは達が無事であることを知って安心する。

 

「なのはさんとスバルさん達は、ゼロさんの無実を証明するために、ユグドラシルの残党を捕まえに行ってます。ヴィヴィオさんとアインハルトさんは真理奈さんと一緒にいますからすぐ会えますよ。」

 

うららはなのは達とヴィヴィオ達の事を話す。

 

「分かった。ありがとう、なのはさん達を守ってくれて。」

「アタシ達も協力するわよ!」

 

シャーリーとエクセルは咲達にそう言う。

 

〈マスター、我々に接近するエネルギー反応をキャッチしました。〉

「えっ!?」

「ホシイナ~!」

 

エクセルはブレイブハートから何かが近づいて来る事を聞くと、空からカモメホシイナーが飛んできた。

 

「ホシイナー!」

「前の奴と違くない!?」

〈どうやら、あの球体が魔獣にさせたのでしょうね。〉

「ナ~ケワメ~ケ~!」

 

ブレイブハートはホシイナーの性能を分析した途端、別の方向からカラスナケワメーケが飛んできた。

 

「ナケワメーケもいます!」

「じゃぁ、この近くにユグドラシルが!?」

 

うららはカラスナケワメーケの方に指を指す。

くるみはカモメホシイナーとカラスナケワメーケを見て、ユグドラシルの残党が近くに潜んでいるのではないかと推測する。

そして、その推測は当たる。

 

「!?シャーリーさん、危ない!」

 

エクセルは飛行魔法でシャーリーを抱えて飛行する。

エクセルは着地し、シャーリーを下ろす。

 

「あ、ありがとう。」

「いえ。」

 

エクセルはすぐに振り向くと、先程までシャーリーがいた場所に手裏剣が突き刺さっていた。

その時、エクセルは気配を感じ、目の前に魔法陣を展開する。

魔法陣に手裏剣が弾かれ、そのまま地面に落ちる。

 

「そこか!」

〈アクセルシューター。〉

 

エクセルはブレイブハート経由でアクセルシューターを放つ。

標的は木の上。

その木の上から2人の忍び装束の兵士が飛び降りる。

 

「我々の奇襲攻撃を躱すとはなかなかやるな?」

「いきなりなにすんのよ!?」

「これ以上、貴様らの好きにはさせん!」

 

ユグドラシル兵は懐から目玉が付いているダイヤ状の物体を出す。

 

「行け!!オルトロス!」

 

ユグドラシル兵は目玉付きのダイヤを先程飛び降りた木に貼り付ける。

すると、ダイヤは木に吸い込まれ、その木は見る見るうちに大きくなり、ダイヤが吸い込まれた位置に目玉がカタツムリのように浮かび上がり、その隣にダイヤ状の嘴が浮かび上がる。

 

「オ~ルトロ~ス!」

 

謎の怪物が雄叫びを上げる。

 

「な、なにこれ~!?」

「もしかして、ホシイナーのボールとナケワメーケのダイヤを組み合わせて生まれた怪物?」

 

のぞみはホシイナーでもナケワメーケでもない生み出された怪物を見て驚きを隠せず、舞は目の前の怪物を見て、ホシイナーとナケワメーケが一つになった怪物なのではないかと推測する。

 

「その通りだ。このオルトロスはドクターライトリーとドクターレフティーの手で、ホシイナーとナケワメーケを上回る怪物を作り出したのだ。」

 

ユグドラシル兵は召喚した怪物をオルトロスと呼び、オルトロスについて説明した。

 

「それがどうしたって言うの!?ボトムやトラウーマを倒した私達がこんなのにやられるわけないでしょ!?」

 

くるみはユグドラシル兵にそう言い切る。

 

「いずれにしても、これ以上見過ごすわけにはいかないわ。」

「みんな、行くよ!」

「YES!」

 

のぞみ達はキュアモを、くるみはミルキィパレットを構える。

 

「舞、私達も!」

「えぇ!」

 

フラッピとチョッピはクリスタルコミューンとなり、咲と舞はそれを手に取る。

 

「プリキュア・メタモルフォーゼ!」

 

のぞみ達はキュアモの3つのボタンを押す。

のぞみ達は光に包まれ、バラをイメージしたコスチュームを纏い、のぞみはキュアドリームに、りんはキュアルージュに、うららはキュアレモネードに、こまちはキュアミントに、かれんはキュアアクアに変身する。

 

「大いなる希望の力!キュアドリーム!」

「情熱の赤い炎!キュアルージュ!」

「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」

「安らぎの緑の大地!キュアミント!」

「知性の青き泉!キュアアクア!」

「希望の力と未来の光!華麗に羽ばたく5つの心!YES!プリキュア5!」

 

ドリーム達は変身を完了する。

 

「スカイローズ・トランスレイト!」

 

くるみはミルキィパレットをタッチペンでスイッチを押すと、周りに青いバラが包み込む。

それによって、青いバラをイメージしたコスチュームを身に纏い、ミルキィローズに変身する。

 

「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!」

 

ミルキィローズは変身を完了する。

咲と舞はクリスタルコミューンの先端を回す。

その後、二人は互いに手を繋ぐ。

 

「デュアル・スピリチュアル・パワー!」

 

咲と舞はクリスタルコミューンを前に翳し、先端から光が放出し、その光に包まれる。

咲は花をモチーフにしたコスチュームを、舞は鳥をモチーフにしたコスチュームを纏う。

 

「花開け大地に!」

「羽ばたけ空に!」

 

咲はキュアブルームに、舞はキュアイーグレットに変身する。

 

「輝く金の花!キュアブルーム!」

「煌く銀の翼!キュアイーグレット!」

「ふたりはプリキュア!」

「聖なる泉を汚す物よ!」

「アコギな真似はお止めなさい!」

 

ブルームとイーグレットは変身を完了する。

 

「すごい・・・本当の魔法少女って感じだね・・・」

「はじけるレモンの香りって・・・何、その前口上・・・?」

 

シャーリーとエクセルはブルーム達が変身するところを見て、それぞれの感想を述べる。

 

「って、そんなこと言ってる場合じゃないわ!ブレイブハート!私達も行くわよ!」

〈はい、マスター。〉

 

エクセルはブレイブハートにそう言う。

 

「ブレイブハート!セットアップ!」

 

エクセルはブレイブハートを空に掲げる。

エクセルは、ブレイブハートから発する光に纏い、ピンク色のバリアジャケットを身に纏う。

そのバリアジャケットは、なのはがスバル達を教導していた時に身に纏ったバリアジャケットと酷似しているが、なのはのと違うのは、オーバースカートの下が短パンだという事である。

 

「エクセルさんも変身しました!」

「かっこいい~!」

 

ドリームはエクセルの変身した姿を見て、目がキラキラしている。

 

「プリキュアでもない貴様が、オルトロスはおろか、ホシイナーもナケワメーケも敵わんぞ!」

 

ユグドラシル兵はエクセルに対してそのように見下す。

 

「そんなの、やってみないと分かんないでしょ!行くわよ、みんな!」

「YES!」

「なんでアンタがしきってるわけ!?」

 

ルージュはエクセルがしきってるのをツッコむ。

しかし、そうは言ってられず、ブルーム達は達に立ち向かう。

 

 

 

 

 

その頃、なぎさ達は目が覚めたライハの面倒を見ている。

ライハは袋の中のパンは全部食べ尽くし、最後にペットボトルのお茶を飲んだ。

 

「物凄い食べっぷりね・・・」

「なぎさも大食いだけど、この子もすごい大食いだメポ。」

「ちょっと!散々嫌味を言わないでよね!」

 

ほのかはライハの食べっぷりに苦笑いし、なぎさとメップルはまた口げんかする。

 

「お~い!」

 

なぎさ達は突然声をかけられ、振り向くと、真理奈とヴィヴィオとアインハルトが来た。

 

「真理奈。」

「ヴィヴィオさん。アインハルトさん。」

「相変わらずうるさいほど言い合ってるわね?」

「なぎさが大食いなのがいけないメポ!」

「デリカシーないっての!ていうか、アンタに言われたくないわよ!」

 

なぎさとメップルは再び喧嘩する。

 

「でも、こんなところで何してんの?」

「それが、この公園でお腹が空いている人が倒れてたもので、コンビニのパンを食べさせてあげてたんです。」

 

ひかりは真理奈の質問に対し、ライハの方を振り向きながら答える。

 

「あの子?」

「はい。」

 

真理奈はライハの方に指を指してひかりに尋ねる。

ひかりは肯定する。

 

(あの二人・・・)

 

ライハは真理奈の後ろにいるヴィヴィオとアインハルトを見て、以前ライトリーに見せた写真の10人の内2人を思い出す。

なぎさ達は改めてライハに自己紹介する。

真理奈はなぎさ達にライハの事を話した。

ライハがユグドラシルに口封じされそうになった事、ライハが蛇の細胞を持ったミュータントの事を。

 

「そんなことがあったんですね・・・」

 

ひかりは真理奈からライハの事を聞いて、表情が暗くなる。

なぎさとほのかもライハの事で胸が張り裂けそうだった。

 

「そう言う事だよ。私にパンを食べさせてくれたことは礼を言うけど、もう私に関わるなよ。」

 

ライハはなぎさ達にそう言って去ろうとする。

 

「え?あ、ちょっと。待ちなさいよ!」

 

真理奈は去ろうとするライハの前に回り込んで止める。

 

「私、アンタに用があるから探しに来たのよ?」

「お前らに話すことはねぇよ・・・!?」

 

真理奈はライハに詰め寄るが、ライハは話そうともしなかった。

その時、ライハは何かを感じ取ったのか、空を見上げる。

 

「?どうしたの、アンタ?」

「この感じ・・・」

 

ライハの胸から紫のリンカーコアを現出させ、その魔力で蛇の姿になる。

 

「っ!?」

「ライハさん、その姿・・・!?」

「あ、あ、あ、ありえない・・・」

 

なぎさ達はライハが蛇になったところを見て、驚きを隠せなかった。

 

「あれが、ミュータント!?」

「ライハさん・・・!」

「マジかよ、まるでケツアルコアトルじゃない・・・」

 

ヴィヴィオ達もライハの姿を見て、驚きを隠せなかった。

真理奈は今のライハの姿をケツアルコアトルみたいだと言い出す。

 

「横浜だな・・・!」

 

ライハはその場から飛び立つ。

 

「あっ!?ライハさん!?」

「あのバカ!」

 

真理奈はアタッシュケースに入っている2枚のチェイサーディスクを取り出し、飛び上がっているライハに投げ飛ばす。

その後、真理奈はサーチドライバーを2回吹きかける。

2枚のチェイサーディスクは鳥型に変形し、その後に鴉と雀に変わってライハを追う。

 

「ちょ、何よあの鳥!?」

「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」

 

なぎさは雀と鴉に変わったチェイサーディスクに驚くが、真理奈はそれどころじゃないとスルーする。

真理奈はiPadを取り出し、ライハの現在地を調べる。

 

「チェイサーディスクの視点からして、あの蛇女の行き先を予測すると・・・横浜みなとみらいね。」

 

真理奈はライハの行き先を調べ上げ、その行き先が横浜みなとみらいであることが判明した。

 

「ここからだとみなとみらいは遠い。タクシー捕まえてそこに行くしかないけど、6人じゃ全員乗れないわね・・・」

 

真理奈は一刻も早くライハの後を追いたいが、タクシーの利用は定員4名までなので、全員は乗れない。

 

「大丈夫、私達は変身してそこに行くわ。」

「真理奈達はタクシーでみなとみらいに向かって。」

 

なぎさ達はプリキュアに変身して、横浜みなとみらいに向かうと言い出す。

 

「え?あぁ、うん。(幸い、この公園には人がいないから、変身しても問題ないかも・・・)行こう!」

「うん!」

「はい!」

 

真理奈とヴィヴィオとアインハルトは公園から離れ、近くのタクシー乗り場に向かう。

 

「よし!横浜みなとみらいまでひとっ跳びだよ!」

 

なぎさとほのかはハートフルコミューンを手に、ひかりはタッチコミューンを手に取る。

なぎさとほのかはプリキュアハートをハートフルコミューンにセットして手を翳した後、ハートフルコミューンが光となって天高く飛ぶ。

 

「デュアル・オーロラ・ウェイブ!」

 

なぎさとほのかは互いに手を繋ぎ、掛け声を上げると、光に包まれる。

その光の中から、なぎさは黒い衣装を纏い、キュアブラックに、ほのかは白い衣装を纏い、キュアホワイトに変身する。

 

「光の使者!キュアブラック!」

「光の使者!キュアホワイト!」

「ふたりはプリキュア!」

 

ひかりはタッチコミューンに手を翳す。

 

「ルミナス・シャイニング・ストリーム!」

 

ひかりは掛け声を上げた後、金色の光に包まれ、三つ編みの髪が解かれる。

ひかりはピンクの衣装を纏い、シャイニールミナスに変身する。

 

「輝く命!シャイニールミナス!光の心と光の意志、総てをひとつにするために!」

 

ブラック達は変身を終えた後、ジャンプしてライハの後を追う。

真理奈達もタクシー乗り場で停まっているタクシーを捕まえ、横浜みなとみらいに向かうようお願いし、そこに向かう。




遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。


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オルトロス

横浜みなとみらいでエクセルとシャーリーに、現在のプリキュアの世界について状況を説明する咲達とのぞみ達。

そんな時、ホシイナーとナケワメーケを引き連れたユグドラシルの残党が現れ、その上で新たな兵器・オルトロスを召喚する。

咲達とのぞみ達はふたりはプリキュアSPLASH STARとYES!プリキュア5GoGo!に変身し、エクセルもバリアジャケットを装備して、共にオルトロス、ホシイナー、ナケワメーケを対峙する。

その頃、真理奈達はなぎさ達に看取られているライハと会うが、ライハはミュータントとなって、すぐさま横浜みなとみらいに飛び去って行く。

なぎさ達はプリキュアに変身してライハを追い、真理奈とヴィヴィオとアインハルトも後を追う。

一方、なのは達は・・・

 

「ふ~ん、中はこうなってるんだ。」

 

ブルースカイ王国大使館の中で、スバル達が準備を終えるのを待っている。

 

「ねぇ、トーマ君。リリィちゃんとずっと一緒にいる感じだけど、お付き合いしてるの?」

 

レンはなのはがブルースカイ王国大使館の中を見渡しているのを他所に、トーマとリリィの関係を聞く。

 

「いぃっ!?」

「あれ?顔が真っ赤になってるってことはお付き合いしてるんだね?」

「い、いやいや!リリィとは大事な友達で、コンビのパートナーだから!」

「ふ~ん?怪しいな~?」

 

レンは薄ら笑いの表情でトーマを見る。

 

「でも、トーマ君とリリィちゃんなら上手くいけるだろうから気にしないとして、問題はなのはちゃんとユーノ君だよね~?あの2人とくっつかせるきっかけないかなぁ?」

 

レンはトーマとリリィの恋沙汰の方は上手くいくだろうと思って話を逸らし、今も大使館の中を調べているなのはとユーノを見て、二人と寄り添うきっかけはないか気にしていた。

 

「もう、レンちゃんったら・・・」

「僕の事呆れてるけど、ホントは興味あるんでしょ?」

 

レンは注意してくるまのんにニヤケ顔でそう言う。

 

「う・・・実はそうかも・・・(////)」

 

まのんはレンに言われると、少し顔を赤らめながら肯定する。

 

「お待たせしました!」

 

二階からスバル、ティアナ、エリオ、キャロが下りてきた。

 

「あ、スバルさん。皆さん。」

「準備は終わったの?」

「うん、バッチリ!」

 

まのんとレンはスバル達にユグドラシルの残党の確保をするための作戦の準備はできたのか聞くと、スバルは準備は終わったと返答した。

 

「クレインさんは?」

 

ティアナはこの場にいないクレインはどこにいるのか、レンに聞いてみた。

 

「クレインはついさっき、フラムから連絡が入って、外で通信してるよ。」

 

レンはクレインが今やっている事を伝える。

 

「ひめは?ここに住んでるんだよね?」

「ひめはめぐみ達と一緒にゼロを捜してるわ。」

「ほぇ~、そっちもそっちで大変だね・・・」

 

ティアナはレンにめぐみ達は今どうしてるか教える。

 

「お待たせしました。」

 

玄関の方から声が聞こえ、そちらに振り向くスバル達。

そこにクレインが入ってきて、スバル達の元に合流する。

 

「フラムさんからの連絡で、ぴかり神社に来るように伝えられました。ユグドラシルの情報が入りましたので、そこでお話しするとの事です。」

「ぴかり神社に・・・」

 

クレインはスバル達にフラムはぴかり神社で待っており、そこでユグドラシルの残党について分かったことを話すと伝える。

 

「フラムはお調子者だけど、頼りになるから当てにしていいよ。」

 

レンはまのん達にそのように言う。

その後、なのは達がクレインと同行し、ぴかり神社に向かっている所を、3人の人影がブルースカイ王国大使館の屋根の上から見届けている。

その先頭にはセレナが、セレナの右後ろにはヘルヴィムが立っていた。

 

「全く、見ず知らずの輩達と戯れるとは・・・何をしているんですの、レンは・・・」

「いつまで経っても子供ね・・・」

「まぁまぁ、レンの好きなようにしておきなよ。」

 

セレナとヘルヴィムはなのは達と一緒に歩いているレンを見て、溜息を吐き、セレナの左後ろに立っている黒い騎士服を身に纏った髪型が亜麻色のポニーテールの少女がセレナとヘルヴィムを宥める。

 

「それよりも、ユグドラシルの雑魚達が無駄な抵抗をしてるみたいだね?」

 

チャリオットと呼ばれた少女はユグドラシルの残党の動向について言う。

 

「えぇ。ウルトラマンとプリキュアと同士討ちする狙いでしょうが、わたくし達からすれば下らない喜劇物ですわ。」

「任務の方も支障はありません。ウルトラマンゼロが脱走した件についても、自らの手で解決できると思っての事。要らぬ心配です。」

 

ヘルヴィムはユグドラシルの残党の事を見下し、セレナはゼロが脱走した事も心配はいらないと言い切る。

 

「へぇ~?セレナ、なんか嬉しそうじゃん?」

 

チャリオットはそんなセレナを見て、揶揄うように言う。

 

「!?う、嬉しそうになんてしてません!(////)」

「あっはは!図星つかれて焦っちゃって!ま、私としては虐待を受けたミュータントが気になるかな。天瞳流のお姉さんから仕込めば、刀の扱いも良くなるかもよ?」

 

チャリオットはセレナを揶揄いつつ、ライハの事で気になっていた。

 

「あの翼蛇ですか・・・確かに人間界には捨て置けない者ですし、彼女については彼らにお任せしましょう。」

「えぇ。先程レンと一緒にいたあの女もいずれ機会があります。気にすることではありません。」

 

ヘルヴィムとセレナはチャリオットにそう言う。

 

「まぁ、確かに問題はないけどさ、ちょうど近くに寄るわけだし・・・ちょっと挨拶くらいはしたいと思わない?」

 

チャリオットは不敵な笑みを浮かべながら、セレナとヘルヴィムにそう言う。

 

「また出ましたわね、あなたの悪い癖・・・」

 

ヘルヴィムはチャリオットの言葉に頭を抱える。

 

「チャリオット。あなたも騎士なら、少しは弁えなさい。」

「まぁまぁ、そう固いこと言わずにさぁ~。」

 

セレナはチャリオットに再び叱ると、チャリオットはセレナからのお叱りを気にせず、瞬間的にセレナの背後に回り込む。

その後、チャリオットはセレナの金色の胸甲の下に手を入れて胸を揉み始める。

 

「キャアァッ!?チャ、チャリオット!いきなり何を!?ひゃあん!(////)」

「ふぅん?前に触った時より大きくなったね?女の子は恋をすると綺麗になるって話聞くけど、やっぱりゼロのお兄さんと何かあったかなぁ?」

「な、なにを馬鹿なことをぉっ!?それにあんな男とはそんな関係ではっ!キャアァッ!(////)」

「あれ?その言い方だととっくに会ってたんだ?その人とのファーストコンタクトが聞きたいね♪」

「ですから!そんな関係ではないと言っているのです!いい加減に・・・いやあぁっ!?(////)」

 

セレナはチャリオットに胸を揉みしだかれ、彼女の拘束から抜け出そうとするが、頭が真っ白になり、思うように力が入らず、段々と息が荒げるだけである。

 

「ええい!いつまで戯れてるんですの!?会うくらいはさせてあげますから、支度なさい!」

 

ヘルヴィムはセレナとチャリオットに怒って言い出す。

チャリオットはもう満足したのか、セレナから離れ、一方のセレナは屋根の上に膝を付いて顔を真っ赤になりながら荒げた息を整える。

 

「流石、ヘルヴィム!物分かりがいいねぇ!」

「ハァ、ハァ・・・お、お前は~っ!!(////)」

 

セレナは嬉しそうな表情をしているチャリオットに対し、顔が真っ赤になりながら怒る。

その後、セレナが落ち着いてきた後、メダリオンで魔法陣を展開し、大使館の屋根の上から姿を消す。

 

 

 

 

 

 

その頃、横浜みなとみらいに降り立ったライハは、人間の姿に戻り、建物の陰に隠れて目の前の光景を覗き見る。

ライハの目の先には、ユグドラシルの忍び装束の兵士が操る街路樹オルトロスが、ブルーム達を薙ぎ倒していってる光景だった。

 

「なんだ、あの怪物は?」

 

ライハはオルトロスを初めて見たのか、目を見開いて驚く。

街路樹オルトロスはブルーム達に木の葉を無数に飛ばす。

ブルームとイーグレットはドリーム達を守るようにバリアを張る。

しかし、そのバリアは耐えきれず、ブルーム達に直撃される。

 

「キャアァァァァァッ!!!」

 

ブルーム達は街路樹オルトロスの攻撃により、地に伏せる。

エクセルはカモメホシイナーとカラスナケワメーケの連携に苦戦していた。

 

「さっきから強力な魔法を撃ち込んだのにしぶといわね!」

 

カモメホシイナーは水を消防車のポンプから放射する水のように吐き出す。

エクセルはラウンドシールドでカモメホシイナーの攻撃を防ぐ。

カラスナケワメーケは天に向かって雄叫びを上げると、カラスナケワメーケの背後からカラスの群れが次々とやって来て、そのままエクセルの方に襲い掛かる。

 

「う、うそでしょ!?」

 

エクセルはカラスの群れにギョッとなり、クリスタルケージで身を守る。

 

(あいつ、見ない顔だな?しかも今のサークル、あいつらと同じ奴なのか・・・)

 

建物の陰から見ていたライハはエクセルを見て、スバル達やヴィヴィオ達と同じ異世界の人間だと気付く。

街路樹オルトロスは根っこでブルーム達を捕らえ、そのまま締め付ける。

 

「何なの、こいつ・・・ホシイナーとナケワメーケとは桁違いじゃない・・・!」

 

ブルームは街路樹オルトロスを見て、ホシイナーやナケワメーケより強いと思い知る。

 

(・・・ったく、見てらんねぇな!)

 

ライハは建物の陰から出て、街路樹オルトロスに向かって走り出す。

街路樹オルトロスはライハが近づいて来ることに気付き、振り向く。

ユグドラシル兵は街路樹オルトロスの反応が気になって、同じ方向に振り向くと、ライハが真っ直ぐ街路樹オルトロスに向かってくるのを発見する。

 

「ライハ!?」

「生きてたのか!?」

 

ユグドラシル兵はライハが生きてたことに驚いた。

 

「あなた!ここは危ないわよ!」

 

エクセルはライハに気付き、逃げるように諭すが、ライハはエクセルの注意を聞かず、ベンチを踏み台にしてジャンプする。

それと同時にライハは翼蛇の姿になり飛翔する。

 

「え、えぇ~っ!?」

「蛇になりましたよ!?」

 

ドリーム達はライハが翼蛇の姿になったところを見て驚きを隠せなかった。

ライハは掌から電気を放出し、刀を形成する。

そして、ライハは刀に電気を溜めて、横薙ぎに振ると、三日月状の刃が街路樹オルトロスの根っこを切断する。

よって、街路樹オルトロスの根っこに捕まってたブルーム達は着地し、街路樹オルトロスから離れた。

 

「た、助かった~・・・」

「あのまま絞め殺されるトコだったナリ~・・・」

 

ドリームとブルームは街路樹オルトロスから解放されて安心した。

 

「でも、あの蛇は何なの?」

 

アクアはライハに対して警戒心を持つ。

カモメホシイナーとカラスナケワメーケはエクセルに挟み撃ちする。

その時・・・

 

「だぁぁぁぁぁっ!!!」

「やぁぁぁぁぁっ!!!」

 

カモメホシイナーとカラスナケワメーケは突然吹き飛ばされた。

その理由はエクセルを助けるために、ブラックとホワイトがカモメホシイナーとカラスナケワメーケを蹴り飛ばしたからである。

 

「やっと追いついたよ。」

「大丈夫?」

 

ブラックはライハを見て肩をすくめ、ホワイトはエクセルに大丈夫かと心配する。

 

「え、えぇ。平気よ。」

 

エクセルはホワイトに大丈夫だと言い返す。

 

「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」

 

虹色の光が街路樹オルトロスの動きを封じられる。

その虹色の光はシャイニールミナスのルミナス・ハーティエル・アンクションである。

ルミナスは街路樹オルトロスが動かない間、ライハの元に走っていく。

 

「お前、なんで付いて来たんだよ?」

「ライハさんの事が心配だったんです。」

 

ルミナスはライハになんで来たのか聞かれ、ライハが心配だから来たと答える。

その時、街路樹オルトロスの動きを封じた虹色の光が破られ、街路樹オルトロスは木の葉を無数に飛ばす。

 

「っ!?チィッ!」

「キャッ!?」

 

ライハはそれに気づき、ルミナスを突き飛ばす。

代りにライハは街路樹オルトロスの攻撃を受けてしまう。

 

「ライハさん!」

 

街路樹オルトロスの攻撃を受けたライハは地に伏せ、人間の姿に戻ってしまう。

ルミナスはライハの元に駆け付ける。

 

「大丈夫ですか!?」

「うぁ・・・ぐぅ・・・」

 

ルミナスは街路樹オルトロスの攻撃によるダメージに苦しんでいたライハを抱きかかえる。

しかしそんな中、街路樹オルトロスがルミナスとライハに迫っていく。

 

「プリキュア・マーブル・スクリュー・マックス!」

 

ブラックとホワイトはプリキュア・マーブル・スクリュー・マックスを放って、街路樹オルトロスに命中する。

 

「ルミナス!ライハをお願い!」

「ここは私達が引き受けるわ!」

 

ブラックとホワイトは、ライハをルミナスに任せて、街路樹オルトロスを相手にする。

カモメホシイナーとカラスナケワメーケはライハを狙って急降下する。

 

「ブレイブハート!」

〈アクセルシューター。〉

 

エクセルはアクセルシューターでカモメホシイナーとカラスナケワメーケに命中する。

その直後、ブルームとイーグレットはカモメホシイナーとカラスナケワメーケをキックでルミナスとライハから離す。

 

「ルミナス!」

 

ライハを担いで街路樹オルトロスから離すルミナスは声がした方に目を向けると、真理奈、ヴィヴィオ、アインハルトが駆け付けてきた。

 

「皆さん!」

「ヴィヴィオ!アインハルト!」

 

ルミナスはライハを担いだまま真理奈の元に行き、エクセルとシャーリーもヴィヴィオとアインハルトがいるのを気付き、すぐに駆け付ける。

 

「あっ!エクセル!シャーリーさん!」

 

ヴィヴィオとアインハルトはエクセルとシャーリーと再会する。

 

「無事だったんだ・・・」

「はい!でも、シャーリーさん、背が縮んじゃいましたね?」

「う・・・い、いろいろあってね・・・」

「それより、あの怪物は何なの?どういうことか説明して。」

 

真理奈はヴィヴィオとシャーリーとの会話を割り入って、今の状況を教えるよう伝える。

勿論、真理奈はちゃんと名前を教えた。

その光景を黒いコートを着た人物が建物の上から見届けている。

 

「愚かなことだな、研究をこのように使うとは・・・」

 

黒コートの人物は街路樹オルトロスを見てそう言う。

その後、握っていた手を広げると、ピンクの光の球が曝け出す。

その一方、シャーリーは今までの経緯を真理奈達に話した。

そして、真理奈もライハについて話した。

 

「いずれにしても、面倒なことになったわね・・・」

 

真理奈は今も街路樹オルトロス達と苦戦しているブラック達を見て、思い悩む。

実際、ブラックとホワイトはプリキュア・マーブル・スクリュー・マックスを放ったが、街路樹オルトロスは浄化されなかったのだ。

しかも強く、他にもカモメホシイナーやカラスナケワメーケもいるのだ。

ブラック達はこの状況を打開できるのか・・・



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キュアスピカ、誕生!

今回は新しいオリジナルプリキュアの登場です。
いや~、変身バンクとか、名乗り口上とか、イメージコスチュームとか物凄く悩みましたよ・・・(汗)


横浜みなとみらいでユグドラシルが放った街路樹オルトロス、カモメホシイナー、カラスナケワメーケと対峙したエクセルとふたりはプリキュアSPLASH STARとYES!プリキュア5GoGo。

オルトロスの性能はホシイナーとナケワメーケとは桁違いで、苦戦を強いられる。

ミュータントの姿となったライハやふたりはプリキュアMAX HEARTが介入するも、苦戦されていることに変わりはなかった。

 

「プリキュア・シューティング・スター!」

 

ドリームは街路樹オルトロスにプリキュア・シューティング・スターを繰り出す。

街路樹オルトロスは木の枝を伸ばして、その木の枝を針のように飛ばす。

ドリームは街路樹オルトロスの攻撃に吹き飛ばされる。

 

「プリキュア・プリズム・チェーン!」

 

レモネードはプリキュア・プリズム・チェーンで街路樹オルトロスの動きを封じる。

 

「ブルーム!イーグレット!今です!」

 

レモネードはブルームとイーグレットに街路樹オルトロスに止めを刺すように諭す。

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

「希望へ導け!二つの心!」

「プリキュア・スパイラル・ハート・スプラッシュ!」

 

ブルームとイーグレットはプリキュア・スパイラル・ハート・スプラッシュを放つ。

しかし、街路樹オルトロスは木の葉を竜巻のように飛ばして、ブルームとイーグレットの技を相殺する。

その後、街路樹オルトロスはレモネードの技を破り、木の根を伸ばし、ブラック達を薙ぎ払う。

 

「キャアァァァァァァッ!!!!」

 

ブラック達は街路樹オルトロスの攻撃に吹き飛ばされる。

カラスナケワメーケは雄叫びを上げて、カラスの群れを呼び出し、ブラック達を襲わせる。

 

「キャアァッ!!」

「い、痛い痛い!」

 

ブラック達はカラスの群れにつつかれて頭を抱えるしかできなかった。

カモメホシイナーはライハの方に飛翔し、口から水を噴射する。

ルミナスはライハを守るようにバリアで防ぐ。

 

「大丈夫ですか!?」

 

ルミナスはエクセル達に大丈夫かと言う。

 

「平気よ!っていうか、プリキュアって他にもいたのね?」

「しかも日本だけで50人以上もいるよ。」

「50人も!?」

 

エクセルはプリキュアの人数をヴィヴィオから聞いて、開いた口が塞がらないほど驚く。

 

「お前はそのまま後ろの奴らを守ってろ。」

「あ!?ライハさん!」

 

ライハは横跳びしてルミナスのバリアから離れて、再び翼蛇の姿になる。

ルミナスはライハを止めようと思ったのだが、今もカモメホシイナーの攻撃が続いている。

ライハは左腕に雷を集中して、カモメホシイナーに電気球をお見舞いする。

カモメホシイナーはライハの攻撃に気付き、攻撃を止めて、電気球を躱す。

カモメホシイナーはライハに向けて口から水を噴射する。

ライハはカモメホシイナーの攻撃を躱す。

この瞬間、カラスナケワメーケがライハに突進する。

ライハはカラスナケワメーケに吹き飛ばされ、街樹木オルトロスの根っこに巻き付かれ、捕まってしまう。

 

「このバケモノめ、まだ生きてたとはな。」

「がっ・・・あぁっ・・・!」

 

ライハは街路樹オルトロスに締め付けられて苦しむ。

 

「ホシイナー!そこの小娘共はお前が蹴散らしてやれ!プリキュアでもない小娘共など、大した問題ではない!」

 

ユグドラシル兵はカモメホシイナーにエクセル達を倒すように命令する。

カモメホシイナーはエクセル達を接近し、口から超音波を発する。

エクセル達はカモメホシイナーが発する超音波に耳を塞ぐ。

魔力弾の類なら、ルミナスのバリアやエクセルのラウンドシールドで防げるが、音波の類では防ぎようがなかった。

真理奈はカモメホシイナーの超音波に堪えられず、手に持っているアタッシュケースを落としてしまう。

落としたアタッシュケースが開けられ、中から石の状態のスパークレンスが露わになる。

 

「なめんじゃ・・・ないわよぉっ!」

〈ディバインバスター。〉

 

エクセルは超音波に歯を食いしばって、ブレイブハートをカモメホシイナーに向けて、ディバインバスターを放つ。

カモメホシイナーはエクセルの砲撃に命中され、地上に叩き落される。

 

「あの超音波を耐えながら撃ち落とすなんて、とんでもない執念ね・・・」

 

真理奈は頭を抱えながら、エクセルの行為に度肝を抜かれる。

エクセルは真っ直ぐ街路樹オルトロスの方に飛翔する。

街路樹オルトロスは木の根っこを伸ばし、エクセルを襲う。

 

「ブレイブハート!」

〈カリバーモード。〉

 

エクセルはブレイブハートに指示を出し、ブレイブハートはそれに応えるように、魔導杖の形態が西洋剣の形態に変わった。

エクセルは迫ってくる街路樹オルトロスの木の根っこを斬り込み、ライハが巻き付いた木の根っこに接近し、それを斬る。

エクセルはライハを救い出し、街路樹オルトロスから離れる。

 

「お前、なんで・・・!?」

「悪党に捕まってる人を助けるのに理由なんか必要ないわよ!」

 

ライハはエクセルに何故助けたのか聞くと、エクセルはそのように答える。

ライハはエクセルの言葉に理解できなかった。

その時、カモメホシイナーが起き上がり、口から水を噴射する。

エクセルはラウンドシールドを展開しようとするが、間に合わず、直撃を喰らう。

その水流により、エクセルはブレイブハートを手放してしまう。

エクセルはライハと共に地面に墜落する。

2人のユグドラシル兵は呪文を唱え始める。

すると、エクセルとライハの影が独りでにぐにゃりと歪み、触手のように蠢いて、エクセルとライハを縛りつける。

エクセルとライハは何とか脱出しようとするが、緩んだ感じもしなかった。

 

「エクセル!ライハさん!」

 

ヴィヴィオはエクセルの元へ行こうとするが、カモメホシイナーに阻まれる。

 

「このバケモノめ、手古摺らせてくれる。」

「だが、こちらの計画の段取りが進んでいる以上、もうお前に用はない。死んでもらうぞ。」

 

ユグドラシル兵は鉤爪でライハを斬ろうとする。

 

「っ!やめなさいよ!」

「?」

「さっきからこの子の事をバケモノ、バケモノって!あんた達が扱き使ってるカラス達の方がバケモノじゃない!」

 

エクセルはユグドラシル兵に怒りをぶつける。

 

「その言い方、この蛇女の事を人間だと強調しているような言い方だな?」

「ミュータントはとある施設で動植物の細胞を移植され変貌された実験兵器。十分バケモノだろ?」

 

ユグドラシル兵はエクセルの言葉を糾弾する。

 

「そりゃあ、この子が蛇の姿に変わった時は驚いたわ。でもね、そんな子がブルーム達を助けようと飛び込んだのよ!?それ程勇気のある行動をしたこの子は思いやりがあるし、人間性があるわ!それを全否定するようなあんた達に!この子の事を語らないでよ!」

 

エクセルはユグドラシル兵にそう言う。

その様子を黒いコートの人物が建物の屋上から見届ける。

その後、黒いコートの人物が持っているピンクの光の球が点滅する。

 

「これは・・・」

 

黒いコートの人物はエクセルとピンクの光の球を交互に見て、お互いに共鳴していることに気付く。

 

 

 

 

 

 

その頃、なのは達は、フラムと連絡を受けたクレインにぴかり神社に行くことになり、そこに合流することになった。

 

「この神社の近くで、ライハの首輪のスイッチを見つけたんだよね?」

「うん。間に合わなかったら、どうしようかと思ったよ。」

 

なのははレンにライハの口封じについての出来事を聞いて、レンはその時の事を言う。

 

「でも、レンちゃん。どうして首輪のスイッチが神社の近くにあるって分かったの?」

「ボク、普通の人間にはない能力を持ってるんだ。生まれつきにね。」

 

レンはまのんからの質問に対し、そのように答える。

 

「普通の人間にはない能力?それって・・・」

「まのんさん。それ以上の質問はお控えください。」

 

クレインはまのんが続けて質問しようとする所を遮る。

石段を上り切り、ぴかり神社に着くと、赤髪の青年が参拝をしている姿が見られた。

赤髪の青年は参拝を終えた後、その場から離れると、クレインやレン達の姿を目撃する。

 

「よぉ。クレインにレン。待たせたな?」

「フラムーっ!」

「第8魔導部隊隊長、クレイン・ホワイトウィンド、ただいま合流いたしました、フラム少佐。」

「クレインは生真面目だなぁ?まぁ、いいや。一緒に来てるのが、俺達と協力してくれるっつう奴らかい?」

 

レンとクレインは赤髪の青年の事をフラムと呼び、そのフラムは2人の後ろにいるなのは達を見て、協力者だと見解する。

 

「初めまして。ミッドチルダと言う異世界から来ました。高町なのはと言います。クレイン隊長からユグドラシルの事を聞いて、協力することになりました。」

「へぇ?それはご立派なことで。私はアルバトロス王国・第七魔導部隊少佐、フルハム・ハマースミス。まぁ、気軽にフラムって呼んでくれ。」

 

なのはとフラムは互いに自己紹介する。

 

「ウチの悪ガキのおかげか、ユグドラシルの残党捕獲を協力してくれてサンキューな。」

「ぶ~、誰が悪ガキだよ?ボクはずっといい子だもん。」

「本当にいい子なら、俺とクレインが新さんのご近所の引っ越しを済ませてる間に、荷物運びの手伝いもせず、勝手に家から飛び出したりしねぇっての。2人だけでどんだけ荷物の整理すんのに苦労したと思ってんだよ?」

「もう・・・ボクの事、分かってる癖に・・・」

 

フラムとレンはちょっとした口喧嘩をする。

周囲の人から見てみれば、仲良さそうに見えるが。

 

「もう、フラムさん、レンちゃんはまだ13歳の女の子ですから、まのんさん程の年頃の子と交流する方がいい事ですよ。」

「だよね~?」

「でも、レンちゃん。出かける時は声をかけてくださいね?」

「はーい。」

「ったく、しょうがねぇガキだぜ?」

 

クレインに仲介されたフラムとレンは口喧嘩を止める。

 

「こうして見ると、本当に兄妹みたいですね。」

「えぇ・・・」

 

まのんはレンとクレインとフラムの様子を見て、マヤにそう言うが・・・

 

(でも、何か切なく感じる・・・何でかは分からないけど・・・)

 

マヤはそんな様子を見て、切なさを感じた。

 

「さて、あんまり時間取らせるわけにはいかねぇから、そろそろ行くとすっか。」

「ユグドラシルはどこに潜伏してるんですか?」

 

キャロはフラムにユグドラシルの残党がどこにいるのか聞く。

 

「ホープキングダム郊外だ。俺とクレインの部隊もすでにそこに待機させてある。もう一個部隊も合流するようだ。」

「ほぇ~、魔導部隊が3つも?」

「何をしてくるか分かんねぇからな。イフリート、転移頼むぜ?」

〈OK、ボス。〉

 

フラムは赤い宝石付きのソードキーホルダー・イフリートに命令を出し、イフリートは命令を受諾し、この場にいるフラム達となのは達を囲うように赤い魔法陣を展開する。

赤い魔法陣の内側にいたなのは達はフラム達と一緒にぴかり神社から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

その頃、横浜みなとみらいでは、ブラック達が街路樹オルトロスとカラスナケワメーケに苦戦しており、ヴィヴィオ達はカモメホシイナーに妨害され、エクセルとライハはユグドラシル兵の影縛りで身動きが取れなくなっている状態に陥っている。

 

「何も知らん小娘が・・・!ならばそのバケモノと一緒に地獄へ送ってやる!」

 

ユグドラシル兵の2人は鉤爪でエクセルとライハを斬りかかる。

 

(諦めない!こんな奴らに好き勝手にさせるもんですか!)

 

エクセルは絶体絶命の危機になりながらも、諦めないと強く想う。

その時、建物の屋上にいる黒いコートの人物が持つピンクの光の球が強く光り輝き、エクセルの方に一直線に飛んでいった。

その光がエクセルに直撃し、ユグドラシル兵が吹き飛ばされる。

ライハはピンクの強い光に目を覆う。

 

「なにっ!?」

「この光は!?」

「エクセルさん!?」

 

真理奈達はその光に驚く。

 

「な、なに!?何がどうなってるの!?」

 

エクセルはピンク色の光の空間に包まれながら、今の状況に驚く。

その時、エクセルの目の前にピンクの光の球が現れ、その球がピンク色のブレスレット型のアイテムが現れる。

そのアイテムはレンがキュアシルフィーに変身する際に所持していた変身アイテムに酷似していた。

そのアイテムは独りでにエクセルの左腕に装着する。

 

(何これ!?体が勝手に・・・!?)

 

エクセルはピンクのアイテムが装着された時に不思議な感覚が体に流れ込む。

エクセルの手にピンクの光の粒が集約し、カードとなって絵が浮かび上がる。

その絵はピンクの衣装を纏い、胸のブローチと両耳のイヤリング、両腕のアームカバーと両足のブーツカバーに星の装飾が加えられ、ピンクの髪がより鮮やかになり、ポニーテールに結んだヘアゴムに正三角形に繋ぐ小さな星が加えられた少女の姿が映っている。

そのカードをブレスレット型の変身アイテムに装填する。

 

「プリキュアモード・スイッチオン!」

 

エクセルは変身の掛け声を出し、変身アイテムのハートの鏡の下のリボン状のスイッチを押す。

すると、エクセルはカードに描かれた少女の姿に変わる。

 

「七星の乙女!キュアスピカ!」

 

エクセルはカードに描かれたプリキュアに変身し、自らをキュアスピカと名乗る。

 

「なんだ、こいつは・・・!?」

「エクセルが・・・プリキュアに・・・!?」

「なん・・・だと・・・!?」

 

ライハ、ヴィヴィオ達、そしてユグドラシル兵はエクセルがキュアスピカに変身したのに驚きを隠せなかった。

ただ、驚いたのは、エクセル基い、スピカも同じである。

 

「へ?え?え!?えぇぇぇぇぇっ!?何がどうなってんの!?ていうか、七星の乙女、キュアスピカって何勝手に名前決めてるわけ!?」

 

スピカは無意識にプリキュアに変身していた為、なにがなんだかさっぱり分からない状況である。

建物の屋上にいた黒いコートの人物はその場を後にするように体を振り向く。

 

「まさか、ミッドチルダの娘がプリキュアになるとはな・・・」

 

黒いコートの人物はそのまま去って行った。




前書きもあったように変身バンク、名乗り口上、衣装は悩んだ末、決まって、あとは変身アイテムの名前ですね・・・(これもこれで悩む・・・(汗))


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蘇える超古代の戦士

今回は久々の怪獣の登場です。
そして、あのウルトラマンが復活します。


ユグドラシル兵が放ったオルトロスとホシイナーとナケワメーケに押されるプリキュア達。

ライハは単身で立ち向かうも、呆気なく捕らえられてしまう。

エクセルはライハを助け出すも、ユグドラシル兵の助力により、拘束されてしまう。

その時、エクセルは謎の光に包まれ、キュアスピカに変身した。

エクセルが変身するスピカは今の姿に困惑していた。

 

「私がプリキュアに!?どういうこと、これ!?」

「エクセル!危ない!」

「へ?うわぁっ!?」

 

スピカはヴィヴィオに言われて振り向くと、街路樹オルトロスが襲い掛かり、スピカはそれを避けるようにジャンプする。

 

「う、うわあぁっ!?こんなに高く跳んでる!?魔法を使った訳じゃないのに!?」

 

スピカは自分が今いる所に驚く。

スピカは今、50m程の高さに飛び上がっていた。

しかも、魔法に頼らず、ただジャンプしていただけなのにである。

しかし、スピカは呑気に驚いている場合ではなかった。

カモメホシイナーとカラスナケワメーケがスピカに迫っているのである。

 

「危ない!」

 

カモメホシイナーとカラスナケワメーケの襲撃を妨げる2人の少女がスピカを助けた。

ブルームとイーグレットである。

 

「大丈夫!?」

「え、えぇ!助かったわ!」

 

スピカはブルームとイーグレットに礼を言う。

 

「何を手間取っている!さっさと片付けろ!」

「キュアスピカとやらを狙え!」

 

ブルームとイーグレットに蹴り飛ばされたカモメホシイナーとカラスナケワメーケはスピカを倒すように指示する。

 

「プリキュア・プリズム・チェーン!」

「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」

 

レモネードはプリキュア・プリズム・チェーンでカモメホシイナーの足を捕らえ、ルミナスはルミナス・ハーティエル・アンクションでカラスナケワメーケの動きを封じる。

スピカは地上に着地する。

しかし、安心してはいられない。

街路樹オルトロスが根っこでスピカに叩きつけようとしていた。

スピカは思わず、街路樹オルトロスの攻撃に対し、両腕をクロスして防御した。

スピカは街路樹オルトロスの根っこを弾き飛ばすように、両腕を前に押し出した。

よって街路樹オルトロスは後ろに仰け反った。

 

「プリキュアってのに変身すると、魔導師と違って超人的な力を発揮できるのね。」

 

スピカは今の状況と自身が発揮した力を理解してきた。

 

「何をもたもたしている!?早く片付けろ!」

 

ユグドラシル兵は街路樹オルトロスに命令する。

街路樹オルトロス、カモメホシイナー、カラスナケワメーケは一斉にスピカを狙う。

 

「私達を!」

「忘れないでよね!」

 

ブラックとホワイトはカラスナケワメーケに強力な跳び蹴りをお見舞いする。

ブルームとイーグレットはブライトとウィンディに変わり、ウィンディの風の力を受けたブライトの光弾をカモメホシイナーに命中する。

ドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクアは息の合ったコンビネーションで街路樹オルトロスを翻弄する。

カモメホシイナーは口から水流を吐き出し、カラスナケワメーケは黒い羽根をブラック達とブルーム達に向けて飛ばす。

それをルミナスはハーティエルブローチェを装備した状態で2体の攻撃を防ぐ。

街路樹オルトロスは根っこでドリーム達を捕らえようとする。

それを阻止すべく、ローズは地面に思い切り殴ると、クレーターが出来上がり、街路樹オルトロスがバランスを崩れ、地に伏せる。

 

「前の時も思ったけど、改めて見ると凄いわね・・・」

 

スピカはブラック達の戦いを見て、改めて呆然とする。

 

〈マスター。〉

 

スピカは声がした方に振り向くと、宝玉の姿をしていたブレイブハートが駆け付けてきた。

 

「ブレイブハート!無事だったの!?」

〈はい。問題ありません。しかし、その姿は?〉

「いろいろあってこの姿になっちゃったけど、それより、この状況を打破するわよ!」

〈はい、マスター。〉

 

スピカはブレイブハートに命令すると、ブレイブハートは宝玉の姿から魔導杖の姿に変わる。

街路樹オルトロスは木の葉を竜巻のように飛ばす。

 

「ブレイブハート、集束砲による魔力ダメージでノックダウン。行くわよ!」

〈はい。〉

 

スピカはブレイブハートにそう命令すると、目の前に巨大な魔法陣を展開し、その魔法陣の前に巨大なエネルギー体を形成する。

 

「あれって!?」

「えぇ、集束砲です!」

「おいおい、冗談でしょ・・・?」

 

ヴィヴィオとアインハルトはスピカがやろうとしている事に気付き、真理奈は嫌という程冷や汗をかく。

 

「な・・・な・・・!?」

 

それはライハも同じことであった。

 

「いくわよ!なのはさん直伝!」

 

スピカはブレイブハートを振りかぶる。

 

「スターライト・・・ブレイカー!!」

 

スピカはブレイブハートを振り下ろすと、エネルギー体が光線となって発射される。

スピカのスターライトブレイカーが街路樹オルトロスを包み込む。

 

「グゥッ・・・クゥッ!!」

 

真理奈達はスターライトブレイカーの余波で吹き飛ばされそうだが、ヴィヴィオのシールドが守ってくれたので、大事には至らなかった。

余波が治まった後、シールドを解き、蔓延した砂埃が治まるのを待つヴィヴィオ達。

砂埃が治まった時、視界に入ったのは、ぐったりとして伸びていた街路樹オルトロスである。

 

「あ、ありえない・・・」

「桁違いすぎでしょ?」

 

ブラックとルージュはスピカの戦闘に驚愕を隠せない。

 

「す、凄い・・・魔法もパワーアップしてる・・・」

〈この姿になったおかげですね。〉

 

スピカはスターライトブレイカーの威力がパワーアップしてるのに驚く。

 

「バ、バカな・・・!?」

「オルトロスを・・・!?」

 

ユグドラシル兵はスピカのスターライトブレイカーによって意識を遠のいた街路樹オルトロスを見て、畏怖を感じずにはいられなかった。

 

「くっ!?撤退するぞ!」

 

ユグドラシル兵は煙玉を地面に叩きつけ、煙幕に紛れて姿を消した。

 

「ホシイナ~!」

「ナ~ケワメ~ケ~!」

 

スピカとブラック達はカモメホシイナーとカラスナケワメーケの咆哮に我に返り、2体の攻撃を躱した。

 

「ホワイト!ルミナス!」

「うん!」

「はい!」

 

ホワイトとルミナスはブラックの言いたいことを把握し、街路樹オルトロスに視線を向ける。

 

「ウィンディ!」

「えぇ!」

 

ブライトとウィンディは襲ってくるカラスナケワメーケを蹴り飛ばして、態勢を整える。

 

「でえぇい!」

 

ローズはカラスナケワメーケの脳天に踵落としで地面に叩き落す。

 

「みんな!今よ!」

「YES!」

 

ローズはドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクアに合図を送る。

 

「漲る勇気!」

「溢れる希望!」

「光り輝く絆と共に!」

「エキストリーム!」

「ルミナリオ!」

 

ブラック、ホワイト、ルミナスは街路樹オルトロスにエキストリーム・ルミナリオを放つ。

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

「希望へ導け!二つの心!」

「プリキュア・スパイラル・スター・スプラッシュ!」

 

ブライトとウィンディはカラスナケワメーケにプリキュア・スパイラル・スター・スプラッシュを放つ。

 

「5つの光に!」

「勇気を乗せて!」

「プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン!」

 

ドリーム達はカモメホシイナーにプリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョンを放つ。

それぞれの合体技を受けた街路樹オルトロス、カラスナケワメーケ、カモメホシイナーは浄化され、元の街路樹、カラス、カモメに戻った。

 

「凄いね。プリキュアって・・・」

「えぇ。特にロータスって娘、初めてとは思えないくらいの戦いぶりだったわ・・・」

 

シャーリーと真理奈は勝利の余韻に浸っているスピカたちを見て、それぞれの感想を述べる。

 

(それにしても、あの変身アイテム・・・)

 

真理奈はスピカの左腕に装着しているブレスレットを見て、心当たりがあるかのように見続ける。

その時、地面が揺れ出した。

 

「な、なに!?」

「地震!?」

 

ブラックとスピカは突然地面が揺れ出してパニックになる。

しかし、これはただの地震ではない。

ビルが崩れたと同時に巨大な影が現れた。

その影は鼻先がドリルになっている魚のような怪獣だった。

その怪獣の名は深海怪獣グビラ。

日本近海の海底センター近辺の海域を根城にしていた怪獣である。

初代ウルトラマンの八つ裂き光輪をドリルで跳ね返したことがある。

 

「な、なんなのよあれ!?デカすぎでしょ!?」

「怪獣!?このタイミングで!?」

 

スピカはグビラの登場に驚愕し、真理奈はオルトロス達との戦闘の後に現れた事に焦った。

 

〈マスター。〉

「なに!?」

〈海域より巨大な生体反応を感知しました。〉

「えぇぇっ!?」

 

スピカはブレイブハートから海から新たな怪獣の反応がした事を聞いて驚く。

振り向くと、海から巨大な影が近づいて来る。

そして海から両腕に巨大なハサミを備えた魚のような怪獣が現れる。

その怪獣の名は大海魔ボクラグ。

千葉県沖に現れた質量の殆どが海水でできた怪獣である。

ガイアとアグルを苦戦させたことがある。

 

「怪獣が2体も!?」

「ありえな~い!」

 

ミントとブラックはボクラグの乱入に驚く。

ヴィヴィオはオーブリングを取り出す。

 

「ここは私に任せて!」

「え?」

 

スピカはヴィヴィオの言葉に首を傾げる。

ヴィヴィオはバリアジャケットにセットアップし、オーブリングを構える。

 

「ウルトラマンさん!ティガさん!光の力、お借りします!」

 

ヴィヴィオはオーブリングに初代ウルトラマンとティガのカードをロードし、オーブに変身する。

 

「ヴィ、ヴィヴィオ!?」

「嘘でしょ!?」

 

スピカとシャーリーはヴィヴィオがオーブに変身した事に驚く。

 

「あれがウルトラマンオーブか・・・!」

 

真理奈はオーブを見るのは初めての為、オーブを見てそう言う。

オーブは突進してきたグビラを跳び箱の要領で躱し、ボクラグの両腕の鋏を避け、カウンターヒッターで反撃する。

グビラはオーブの方に振り向き、もう一度突進しようとする。

オーブはそれに気づき、スペリオン光輪を放つ。

グビラはスペリオン光輪を鼻のドリルで弾き返す。

オーブはそれを躱し、背後にいるボクラグを真っ二つにさせる。

しかし、ボクラグの体はあっという間に再生される。

 

「えぇ~っ!?」

 

オーブはそんなボクラグに驚く。

グビラはジャンプしてオーブに突進する。

オーブはグビラの攻撃に仰け反り、ボクラグに捕まってしまう。

よってオーブはボクラグのハサミから発する電撃とエネルギー吸収により苦しむ。

 

「ヴィヴィオさん!」

 

アインハルトはオーブのピンチに悲鳴を上げる。

 

「あいつ!再生能力を持ってるの!?」

 

真理奈はボクラグの再生能力を目の当たりにして驚く。

グビラはそのままオーブに突進して、ダメージを与える。

ボクラグの両腕のハサミから発する電撃やエネルギー吸収、更にグビラの突進まで加えられて、オーブは地面に膝を付く。

 

「ヴィヴィオさん!」

「ストラトス!待ちなさい!無謀よ!」

「でも!ヴィヴィオさんを助けないと!」

 

オーブを助けようとするアインハルトを止める真理奈。

その時、すぐ近くにある石になったスパークレンスが光り始めた。

 

「なに、この光?」

 

シャーリーは発光した石の状態のスパークレンスを不思議そうに見つめる。

アインハルトと真理奈はシャーリーの言葉が聞こえ、二人もそのスパークレンスを見る。

 

〈彼女の声に反応したようですが・・・〉

「アインハルトの声に?」

 

スピカはブレイブハートの見解に「本当に?」と言いたげな反応を示す。

アインハルトは石のスパークレンスを拾うと、罅が入り始め、光と共に剥がれ落ち、スティック状のアイテムが現れる。

 

「!スパークレンスが・・・!」

 

真理奈は石の状態だったスパークレンスが元の姿に戻ったことに驚く。

 

(この感じ・・・頭に伝わってくる・・・一緒に戦おう、と・・・)

 

アインハルトはスパークレンスを握ったまま、目を瞑り、そのように思う。

 

「ティオ。行きましょう。」

「ニャアン!」

 

アインハルトはバリアジャケットをセットアップする。

そして、アインハルトはスパークレンスを前に突き出し、その後、両腕をクロスして、腕を大きく回して、スパークレンスを空に掲げる。

よってスパークレンスから発する光がアインハルトを包み込み、巨人となってグビラとボクラグの前に立ちはだかる。

その巨人の姿は赤、紫、銀色の配色をしており、プロテクターの中心にカラータイマーがある。

その巨人の名はウルトラマンティガ。

3000万年前の時を経て復活し、ゴルザとメルバを撃退させた超古代の戦士である。

ネオフロンティアスペースでガタノゾーアとの戦いで、光となって消滅した。

このプリキュアの世界では、真理奈が変身したが、ルルイエでの戦いで力を失い、消滅したが、再び蘇った。

 

「アインハルトが・・・巨人に・・・」

「ティガが・・・蘇った・・・」

 

スピカと真理奈はそのティガを見て、驚きを隠せなかった。

ティガはハンドスラッシュを放ち、ボクラグに命中する。

ボクラグはティガの攻撃に怯む。

オーブはグビラを蹴り飛ばす。

ティガはオーブの元に駆け付け、手を差し出す。

オーブはティガの手を取り、立ち上がる。

 

「ご無事ですか?ヴィヴィオさん。」

「はい。大丈夫です。アインハルトさんがウルトラマンになるなんて・・・」

「えぇ。私も驚きました。」

 

ティガはオーブの無事にホッとする。

ボクラグとグビラの咆哮を聞き、オーブとティガはそちらに振り向き、身構える。

ボクラグとグビラはオーブとティガに襲い掛かる。

オーブとティガはそれに対抗するため、身を投げ出す。




ティガの復活はどのようにすればいいか悩みました。
ただ、アインハルトがティガになるのは計画済みだったんです。
次回ははやてが合流する予定です。


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VSボクラグ

こういうサブタイトル付けるの久しぶりな気がする・・・(汗)


エクセル・ロータスが変身するキュアスピカは、ふたりはプリキュア MAX HEART、ふたりはプリキュア SPLASH STAR、YES!プリキュア5GoGo!と連携し、オルトロス達を浄化することに成功した。

しかし、その直後に深海怪獣グビラ、大海魔ボクラグが現れる。

ヴィヴィオは2体の怪獣に立ち向かうべく、ウルトラマンオーブに変身し、対峙するが、2体の怪獣の猛攻により窮地に追い込まれる。

その時、石化したスパークレンスが力を取り戻し、アインハルトはそのスパークレンスでウルトラマンティガに変身する。

ティガはオーブと共にグビラとボクラグと対峙する。

ティガはボクラグの両腕のハサミを躱し、腹部に蹴りを入れ、頭部に回し蹴りを喰らわす。

オーブはグビラと取っ組み合いになるが、徐々にグビラを押している。

オーブはグビラを押し倒し、後ろに下がった。

その後、身構えるが、カラータイマーが点滅を始めた。

 

「ヴィヴィオ!?」

「もうエネルギーが!?」

 

スピカとブラックはオーブの様子を見て、何が起こったか思う。

 

「あの怪獣のせいね?」

 

真理奈はiPadでボクラグを調べた。

 

「どうやらあの両腕のハサミはエネルギーを吸収できるみたい。しかも厄介なことに、あいつの体は海水と同じ塩化カリウムが含まれている。いわばあの怪獣は海そのもの。ミサイルもさっきみたいな切断攻撃も通用しない。」

 

真理奈はボクラグについて解析する。

 

「そんなのどうやって倒すのよ!?」

 

ルージュは真理奈にボクラグを倒す方法はないのかと聞く。

 

「あいつの体は海水と同じ成分。だから、あいつの体を凍らせて粉々にすれば再生する事も出来ずに倒せるかもしれない。」

 

真理奈はボクラグの攻略法を教える。

 

「だったら、私の番ね?」

 

ローズはボクラグを凍らせる役目を名乗り出る。

 

「プリキュアのメンバーの中ではローズが適任ね。みんな、私達があの怪獣を引きつけましょう!」

「もう一体はどうするの?」

 

アクアがボクラグ攻略を提案する中、ブラックはグビラについて聞く。

 

「一応調べたけど、あの怪獣に比べれば強力な怪獣じゃないから気にしないで。」

 

真理奈はグビラはボクラグほどの実力はないと言い出し、ブラック達はボクラグの攻略に集中するように言う。

 

「ねぇ。これからって時に聞くのもなんだけど、あの胸に点滅してるあの光は何なの?」

 

スピカは真理奈にカラータイマーについて質問する。

 

「そっか、知らないんだっけ?ウルトラマンの胸についてるクリスタル、あれはカラータイマーと言って、ウルトラマンの姿で活動できるエネルギーの源なの。ウルトラマンの力は強力な分、エネルギーの消費が激しいの。カラータイマーが点滅したという事は、活動できるエネルギーはもう残されてないって事。」

「成程ね・・・」

 

スピカは、真理奈からカラータイマーについて説明を受け、納得すると同時に、急いで助けないといけないという事を理解する。

 

「じゃ、早速行きましょ!」

 

スピカ達はすぐに行動に出る。

オーブはグビラに突進を喰らわされ、仰向けに倒れてしまう。

グビラはそれを好機とみて、オーブにのしかかる。

ティガはボクラグの胴体に覇王断空拳を放つが、貫かれたボクラグの胴体が再生される。

その直後にボクラグはティガの首を挟み込み、エネルギーを吸収し始める。

 

「あれは?」

 

オーブとティガがグビラとボクラグに苦戦してる中、その光景を目の当たりにした少女がいた。

その少女ははやてだった。

 

「あの2体の巨人、フェイトちゃんと戦ったのとちゃうけど、仲間なんやろか?ん?」

 

はやてはオーブとティガを見て、ゼロの仲間だと判断する。

その後、はやてはスピカがボクラグに向かって飛翔していくのを目撃する。

 

「ブレイブハート!」

〈アクセルシューター。〉

 

スピカはティガの首を挟んだボクラグの腕に向けてアクセルシューターを放つ。

それによって、ボクラグの腕が千切れてしまうが、すぐに再生してしまう。

しかし、おかげでティガは助かり、ボクラグはティガを他所にスピカを追う。

 

「あのデバイス、ブレイブハートか?」

 

はやてはスピカがブレイブハートを持っていることに気付く。

スピカがエクセルであることを知らない為、一瞬、何故スピカがブレイブハートを持っているのか疑問を感じた。

 

「とりあえず行ってみよか。」

 

はやてはスピカの正体が気になる為、邂逅することにした。

オーブにのしかかったグビラは突然強い衝撃を受け、横に倒れる。

強い衝撃の正体はブラック、ホワイト、ブライト、ウィンディの同時攻撃だった。

 

「ブラック!ホワイト!ブライト!ウィンディ!」

「大丈夫?」

「ありがとう!」

 

オーズは救援してきたブラック達に感謝する。

グビラは起き上がり、再び突進しようとする。

 

「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」

 

ルミナスはグビラにルミナス・ハーティエル・アンクションを放つ。

ルミナスの技を受けたグビラは動かなくなった。

 

「ヴィヴィオさん!」

「オッケー!」

 

オーブはグビラにスペリオン光線を放つ。

それを受けたグビラはそのまま爆散された。

 

「ミルキィローズ・メタル・ブリザード!」

 

ローズはボクラグにミルキィローズ・メタル・ブリザードを放つ。

ボクラグの足が徐々に凍っていく。

 

「くっ!」

 

ローズは力を振り絞ってボクラグを氷漬けにしようとするが、ボクラグが半歩下がっただけで折角凍っていった足が元通りになる。

 

「動かないで!」

〈レストリクトロック。〉

 

スピカはレストリクトロックでボクラグの動きを封じる。

その間、ローズが放った技が効率よくなり、ボクラグの体が凍っていった。

 

「今よ!」

「はい!」

 

ティガは氷漬けになったボクラグにゼぺリオン光線を放つ。

よって氷漬けにされたボクラグはバラバラに砕け散ってしまう。

 

「やったーっ!怪獣達を倒した!」

 

シャーリーはグビラとボクラグが倒され、オーブ達の勝利に喜ぶ。

 

「エクセルさん、お疲れ様です。」

「お疲れ様。ヴィヴィオもご苦労様。」

「うん。」

 

オーブ達はヴィヴィオとアインハルトの姿に戻り、ブラック達も変身を解く。

スピカも変身を解いてエクセルの姿に戻るが、服装はバリアジャケットの状態のままである。

 

(ストラトスがティガになるなんて・・・ティガに変身するには、超古代人の遺伝子、光遺伝子が必要。ストラトスはルルイエとは関わりがないのに、何で変身できたのかしら・・・)

 

真理奈はアインハルトを見て、何故アインハルトがティガに変身できたのか深刻に考えていた。

ライハは何かが近づいて来るのを感知したのか、警戒し始める。

 

「ライハさん、どうしたんですか?」

「・・・強い魔力を感じる。」

 

ヴィヴィオはライハの様子が気になって聞いてみると、ライハが強力な魔力の持ち主が近づいて来ることを言い出す。

ビルの間からはやてが飛び出る。

はやてはそのままヴィヴィオ達と合流する。

 

「八神指令!」

「あらら~?なんかややこしい展開に~・・・」

 

ヴィヴィオははやてが来た途端、驚きつつも再会できたことに喜ぶが、真理奈はクレインとの約束があるので、状況がややこしくなったと思い、気まずくなった。

 

「ヴィヴィオ、アインハルト。無事でよかったわ~。」

「八神指令もご無事で。」

 

はやてはヴィヴィオ達の安否を確認出来て安心する。

 

「エクセルにシャーリーも巻き込まれたんやね。せやけど、シャーリー縮んだ?」

「あ、はい。恥ずかしながら・・・」

「無事でよかったです!」

 

シャーリーははやての質問に照れながら答え、エクセルははやての無事にホッとした。

 

「それよりもヴィヴィオ、アインハルト。巨人が消えた思たら、君らがおったんやけど。」

「あぁ、それはですね・・・」

 

ヴィヴィオははやてになのは達が無事である事、今いる世界がプリキュアの世界である事、ヴィヴィオとアインハルト、そしてトーマがオーブ、ティガ、ネクサスに変身できるようになった事、そして、ユグドラシルの残党が偽物のゼロを操って河童山を燃やした事を話した。

 

「つまり、日本アルプスで遭遇した巨人は山火事を引き起こした犯人やないって事やね?」

「はい。スーパーGUTSから濡れ衣を着せられて捕まったんです。」

「今はそいつらの目を盗んで脱獄したけどね。彼は今、どこにいるのかは全く分からない。まぁ、その件は後回しにするとして、今はニセゼロの正体を突き止めたいから、そこの蛇女から情報聞くつもりだったけど・・・って、おい!?」

 

真理奈ははやてに事情を話して、ライハの方に振り向くと、ライハは翼蛇の姿になっている。

 

「あの子、蛇に!?」

 

はやてはライハが蛇の姿になった所を見て驚く。

 

「もう私に関わんな!」

 

ライハはそう言って飛び立つ。

 

「逃がすもんですか!ブレイブハート!」

〈チェーンバインド。〉

 

エクセルはブレイブハートに命令を出し、チェーンバインドを放つ。

チェーンバインドは尻尾に巻き付け、ライハはそのまま地面に叩き落される。

 

「ッ痛っ!てめぇ!」

「助けてもらっておいてその態度はないでしょ!?」

(いや、こればっかりは怒っても仕方ないと思うんだけど・・・)

 

真理奈はエクセルが言ったことに心の中でツッコミを入れる。

 

「偽物のゼロの事もそうだけど、アンタもこの件、協力するべきでしょ?あいつらに虐待されて、いいように利用されていたとはいえ、仕返しもしないまま、はい、さよなら、で済むわけにはいかないでしょ?あいつらを逮捕すれば、アンタを虐待する人もいなくなるし、きっかけさえあればアンタの心は救われるわよ。」

 

エクセルはライハに説教する。

 

「胡散くせぇよ!救われるわけねぇよ・・・家族を失って、家も失って、ダチを捨てて、人間をも捨てた私にそんな綺麗事を抜かしてんじゃねぇよ。どの人間もそうだ。都合のいいように嘘を吐く。信用できねぇよ。」

 

ライハは悲しげな表情でそう言う。

 

「だったら、何でひかりちゃんを庇ったのよ?」

「!」

 

ライハはエクセルの一言にハッとする。

 

「アンタ、言ったわよね?人間を捨てたって。ひかりちゃんを庇ったって事は人間を捨ててないって事じゃない。」

「また胡散くせぇ事を・・・」

「ひかりちゃん達がアンタの事を考えてここまで来たように、アンタもひかりちゃん達を考えて助けた。その想いがある限り人間を捨てることはできないわ。まだチャンスはあるわよ。目の前にアンタの事を受け入れてくれる人がいるんだから。」

 

ライハはエクセルに言われ、エクセルの背後にいるなぎさ達を見る。

頷く者、笑顔を見せる者等の表情を目の当たりにする。

ライハはしばらく沈黙する。

 

「あのウルトラマンは青い芋虫が化けた奴だ。こっちに向かってるお前らのダチが連れてくる奴と似たような奴がな。そいつに聞いてみろ。」

 

ライハは偽物のゼロの正体を告げた後、電気で刀を形成して、チェーンバインドを斬った。

 

「なっ!?アンタ!?」

「じゃあな。」

 

ライハはエクセルの制止を聞かず、空へ飛び上がる。

 

「待ちなさいよ!」

「一人にしてやって。あのバカは時間が必要よ。」

 

エクセルはライハを追おうとするが、真理奈はそれを制止する。

ライハはもう姿が見えなくなるほど遠く飛んでいった。

その直後・・・

 

「あ!真理奈!みんな!」

 

真理奈達は声がした方に振り向くと、あゆみとクリシスが駆け付けてきた。

 

「あゆみちゃん!」

「クリシス姉さん。」

「今、おっきい蛇が飛んで行ったけど、何だったの?」

 

クリシスはライハの事を聞く。

 

「あぁ、あとで教えるわ。」

「この人は?」

「クリシスさんって言って、トーマさんがネクサスになる前に一緒に戦ってくれてたんです。」

 

アインハルトははやてにクリシスの事を話す。

 

「あれ~?そこにいるの、はやてとシャーリーじゃない!本物だよ~!」

 

クリシスははやてとシャーリーを見て感激する。

 

「えっ!?」

「なんでウチ等の事を?」

 

はやてとシャーリーはクリシスが自分たちの事を知っているようで、警戒する。

 

「このコミックを見て、同じ顔だったから知ってるよ。」

「またそれか・・・」

 

クリシスはどこからか『魔法少女リリカルなのはA’s』のコミック本を出して、はやて達の事を知っている理由を答える。

真理奈はクリシスの趣味を知っているので、手を顔に置いて呆れる。

 

「なんや、見かけに寄らへん人やなぁ・・・」

 

はやてはそんなクリシスを見て、呆気をとられる。

 

「?その隕石は何?」

「公園の茂みで拾ったんだけど・・・」

「可愛い毛虫さんを見つけたの。ピンキー?」

 

真理奈はクリシスが抱えている隕石を見て質問する。

クリシスは隕石にピンキーと呼びかける。

すると、隕石からピンク色の毛虫が現れた。

 

「うおぉぉおぉっ!?」

 

真理奈は突然出てきた毛虫にびっくりする。

 

「だいじょぶだいじょぶ、危害はないから。毒も持ってないし。凄い事ができるけどね。」

 

クリシスは真理奈に隕石から出てきた毛虫は危害はないと伝える。

はやてはクリシスが最後に言った凄いことを耳にし、それをクリシスに聞いてみる。

 

「凄い事って?」

「うん。見てて。」

 

クリシスははやての質問に対し、人差し指を毛虫の口に近付ける。

毛虫はクリシスの指を噛んだ。

すると、毛虫の姿がクリシスの姿に変わっていった。

 

「えぇぇぇぇぇっ!!?」

「け、け、け、け、け、毛虫がクリシスさんになった!?」

「私も最初はびっくりしたよ・・・」

 

ヴィヴィオ達は驚きを隠せなかった。

あゆみは既にこの事を知っており、苦笑いした。

 

(伊佐薙が言ってた芋虫ってこいつの事だったのね・・・)

 

真理奈は今の状況に驚くも、ライハの言葉を思い出し、クリシスに化けた毛虫の仲間が偽物のゼロの正体だと判明した。

 

「これがピンキーの能力だよ。」

 

クリシスは真理奈達に見た通りの事を伝える。

クリシスの化けた毛虫はクリシスの口の中に入り、溶けるように元の姿に戻った。

それを見た真理奈達は更に驚き、特にりんは白目を剥いて気を失ってしまった。

下手なホラー映画みたいな光景だったので、りんが目を覚ますのに大変だったとか。



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3つの魔導部隊

大したサブタイトルじゃないですけど・・・(いつものことか・・・)
見てくれたら十分です。


ヴィヴィオが変身するオーブと、アインハルトが変身するティガがグビラとボクラグに苦戦するが、キュアスピカとふたりはプリキュアMAX HEART、ふたりはプリキュアSPLASH STAR、YES!プリキュア5GoGoの援護により、ボクラグとグビラを倒した。

その後、はやてが合流し、これまでの経緯を説明し、ライハから偽物のゼロの正体を聞く。

更にその後、クリシスとあゆみが連れてきたピンキーと呼ぶピンクの毛虫と遭遇。

その毛虫はクリシスの指を噛んだ途端、もう一人のクリシスに変わる。

真理奈はクリシスが連れてきた毛虫について、グランドームにいるグルマン博士に尋ねてみた。

 

『成程。その毛虫、ゲルワームじゃな?』

「ゲルワーム?」

 

真理奈はiPad越しでゲルワームについてグルマン博士から聞く。

ちなみにヴィヴィオ達にも聞こえるようにスピーカーモードに設定している。

 

『カトラ隕石と言う小さな隕石に住み着いている小型の生命体だ。噛んだ生物のDNA情報をコピーして、全く同じ生物の姿に擬態することができる。とはいえ、擬態できても光線技を使うことはできないがな。コスモスペースの地球でウルトラマンコスモスがゲルワームと戦った時、彼のDNA情報をコピーしてその姿に擬態した事もあったんだ。』

 

グルマン博士は真理奈にゲルワームについて説明する。

変幻生命体ゲルワーム。

グルマン博士が説明したように、噛んだ生物のDNA情報をコピーして、同じ姿をした生き物に擬態できる宇宙生物である。

コスモスとの戦闘で、その方法でコスモスの姿に擬態して戦ったことがある。

 

「噛んだ生物と同じ姿に・・・」

『あ、でもな。そうやって擬態したのは、同じ隕石の中に暮らしていた仲間を捜す為なんだよ。クリシスが言った通り、人に危害を加えないし、悪い生命体じゃないんだ。』

 

グルマン博士はゲルワームが違う生き物に擬態する理由を教えた。

 

「ね、私の言ったとおりでしょ?」

 

クリシスは真理奈にそう言い、真理奈は苦笑いしたまま頷くしかなかった。

 

「で、そっちは?ゼロが脱走したわけだから、何もしてないわけじゃないんでしょ?」

 

真理奈はグルマン博士にスーパーGUTSの動きについて聞いてみた。

 

『あぁ。あの後、ユミムラ隊長達が行方を追っているが、トランプ共和国に繋ぐ裂け目に経由して、そのまま妖精の世界に入ったそうだ。それと、妖精の世界にはブラックバスター部隊がユグドラシルの残党捜索に当たっている。』

(イリス達が・・・)

 

真理奈はグルマン博士から妖精の世界にブラックバスター部隊、つまり、イリス達がユグドラシル残党の捜索を担っている事を聞いて深刻な顔になる。

 

「ゼロとの衝突、有り得るかな?」

『可能性は高いな。』

「マジかよ、どんだけ都合悪いんだよ・・・」

 

真理奈の予想では、ゼロはトランプ共和国に繋ぐ空間の裂け目を経由して妖精の世界に入り、その世界にはイリスが配属しているブラックバスター部隊がユグドラシルの残党を捜しているが、ウルトラマンの力を頼らない力、バトルナイザーを量産させたイリスの事を考えると、ゼロのとの衝突は間違いなくする。

もしゼロがバトルナイザーの影響で操る怪獣と戦うことになれば、ブラックバスター部隊はゼロの事を敵と認識し、排除対象にされるかもしれないと真理奈は予想した。

しかし、真理奈は今、ブラックバスター部隊の事を考えてる場合ではないと思い、気持ちを切り替える。

 

「まぁ、とにかくよ。これから高町達の所に行く所よ。渡したいものがあるしね。今どこにいるのか、そっちでは分かってるの?」

『あぁ。君が発明した電波コントロールアンテナ付きのドローンが役に立ったよ。なのは達は今、ホープキングダム郊外にいる。』

「ホープキングダムの外に・・・」

『そこにユグドラシルの残党が潜んでいるようだ。』

「オッケー。情報ありがとう。じゃ、切るね。」

 

真理奈はグルマン博士からなのはの現在地を聞いた後、連絡を切った。

 

「つまり、そこにいるゲルワームの仲間がユグドラシルに捕まって、ゼロの血液のDNAを読み取り、偽物に化けさせてプリキュアと戦わせる段取りを整えたというわけか・・・」

「でも、その子に仲間のピンキーがいたの、ユグドラシルも気付かなかったみたいだね?」

「でも、グルマン爺さんはコピーできるのは姿だけで、光線技は使えない。そんなゲルワームはゼロの姿になって、河童山を光線技で火の海にした。だったらどうやってゼロの姿になったゲルワームが光線技を放てるのか、それが一番気になるところね・・・」

 

真理奈はゲルワームについて深刻に考えた。

その時、真理奈は何かに気付き、iPadで再び連絡を取る。

その連絡先は・・・

 

『どうした、真理奈?急に通信してきて。』

「ダニエル。ちょっと確認してほしいものがあるんだけど・・・」

 

プロノーン・カラモスのダニエルである。

真理奈はダニエルに何かを頼み、しばらく経った後、ダニエルから真理奈に頼まれた事を話した。

 

『真理奈、科学班からの報告によると、保管していたはずのアークがなくなってしまった。』

「やっぱりか・・・」

 

真理奈はダニエルの知らせを聞いて落胆する。

 

「一応聞くけど、監視カメラで何が映ってた?」

『忍装束を着た2人の人物だ。間違いなくユグドラシルの残党だろう。』

「いつのまにか紛れ込んでたみたいね・・・わかった。ありがとう。とりあえず何とかするわ。アジトが分かったし。」

『真理奈。』

「皆まで言うなって。分かってる。高町達と合流するつもりだから。いい知らせが来るまで待ってて。じゃあね。」

 

真理奈はダニエルとの連絡を切った。

 

「真理奈、アークって何なん?」

「3年前、イルマ財閥が太平洋の深海からサルベージした古代の遺品の中に石像の破片らしい石から採取した砂の事。最近知った話だけどね。その砂には強力な光エネルギーが検出されていて、スパークレンスも同じ物質を確認されたわ。でもそれがどこを由来しているのか、全国の研究者にも分からないのよ。」

 

真理奈ははやてにアークについて説明した。

 

「とにかくだ。ユグドラシルはゲルワームをゼロの血液と同時にアークのDNAまでコピーした事で、本来光線技が使えないはずが、それを可能にしたという事よ。」

 

真理奈は偽物のゼロに化けたゲルワームが光線技を使えた理由を推測した。

 

「私はこれから高町達の所へ行く。ほのかは他の皆に伝えといて。」

「えぇ。分かったわ。」

「行くわよ、高町の娘、それからストラトス。」

「もう、ヴィヴィオって呼んでよ。」

「八神指令とエクセルさん達は連れて行かないんですか?」

 

アインハルトは真理奈にはやて達を連れて行かないか聞く。

 

「あのお姉さんには連れてくるなって釘刺されたのよ。文句言うならそんなこと言ったホワイトウィンドのお姉さんに言って。」

 

真理奈は病院でクレインに言われたことを頭に浮かび、それを言い出す。

 

「ちょっと、なに仲間外れさせてんのよ?」

「冷たいなぁ、真理奈。私達も連れてってぇな~。」

「私は足手纏いかもしれないけど、手伝えることがあるはずだよ?」

 

はやて達は自分達も連れて行くように言い出す。

 

「そんなこと言われてもね・・・」

 

真理奈は頭を掻きながら迷う。

 

「何があったのか知らないけど、はやての事、信じてもいいんじゃないかな?世界を守った人に悪い人いないから。」

「そんなシンプルに行くわけないでしょうがよ・・・」

 

真理奈はクリシスの言葉に密かにツッコむものの、なぎさ達の賛成の意を表す顔を見て落胆する。

 

「分かったよ。ホワイトウィンドのお姉さんの作戦の邪魔をするのは八神と・・・テスタロッサだっけ?その子の2人次第だって言ったけど、理由はどうあれ、今の高町達はミッドチルダに帰れないし、余所者同志いがみ合ったところで、次々と怪獣が現れる現象が解決できるわけじゃない。協力させとこう。」

 

真理奈はそう言ってはやて達と同行することを決定する。

 

「決まりやね。」

「でも、真理奈さん。ライハさんはどうするんですか?」

「あの娘の事なら心配いらないわ。ロータスが伊佐薙を引きずり下ろした時、すでにチェイサーディスクを待ち伏せさせといたのよ。あいつがまたどっかに飛んで行くことを予想して、この広場から見えなくなったら、あとを追わせるように命令しといたのよ。」

 

真理奈はひかりにライハの事はチェイサーディスクで追跡させていることを教えた。

 

「そ、そうだったんですか・・・」

「あぁ、そのチェイサーディスクって、これの事なん?」

 

はやては真理奈に4枚のCD型の機械を見せる。

 

「そうそう、それよ・・・ってなんでアンタが持ってんの!?」

 

真理奈ははやてがチェイサーディスクが持っていることに驚く。

 

「ここに来る前、天敵同志やった鷹と鳩が仲良う飛んどったから気になって追ってったら、本物の鷹がこれらを襲ってもうて、追い払った後、拾たんよ。」

「え゛っ?要するに見抜いたって事?カモフラージュ機能付いてるからバレない自身あったんだけど・・・」

 

真理奈はチェイサーディスクのカモフラージュ機能をはやてが見抜いたことに少しばかりショックを受ける。

 

「まぁ、いいわ。それよりも伊佐薙はそいつらに任せて高町達と合流しよう。グズグズしてるとユグドラシルが逃げられちゃうわ。」

「じゃ、真理奈。ピンキーも連れてって。」

「言うと思ったわ・・・分かったよ。」

 

真理奈はクリシスからピンクのゲルワーム・ピンキーを隕石と一緒に渡され、はやて達と一緒に横浜みなとみらいを後にした。

 

 

 

 

 

 

その頃、なのは達はフラムの転移によってホープキングダム郊外に移動され、そこで野営してユグドラシル残党確保の準備を進めている兵士達と合流していた。

 

「フルハム少佐、クレイン少佐。第十二魔導部隊中尉、チャオ・メイリン、ただいま現着いたしました。」

「おう。ご苦労さん。」

「ご協力ありがとうございます。」

 

赤髪のショートヘアーの少女、チャオ・メイリンはフラムとクレインに敬礼した。

 

「レンちゃん、あの人は?」

「チャオ・メイリン。クレインとフラムの後輩で、12の魔導部隊の中で大人数の兵士を持つ隊長さんだよ。まのん達の世界では魯峰【ルーフェン】って言う中華料理屋さんの店長さんをやってるんだ。」

「えぇーっ!?」

 

まのんはレンにメイリンについて聞くと、最後に聞いた「中華料理店の店長」の一言に驚く。

 

「あぁ、あとメイリンも僕と同じプリキュアなんだよ。」

「えっ!?メイリンさんも!?」

 

スバル達はメイリンがレンと同じプリキュアだと聞いて驚愕する。

 

「もう、レンちゃん?人の秘密を簡単に明かさないの。」

 

メイリンはレンにそのように注意する。

 

「初めまして、皆さん。チャオ・メイリンです。皆さんの事はクレイン少佐から聞きました。ユグドラシル残党逮捕のご協力感謝します。」

 

メイリンはなのは達に敬礼して挨拶する。

 

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

なのはは代表してメイリンに敬礼で交わす。

 

「それで、状況はどうなってるんですか?」

「フルハム少佐の情報通り、この先の洞窟にユグドラシルの残党が立て込んでいました。しかし、その洞窟は3つの出入り口があり、中は迷宮になっていて、その上、ホシイナーやナケワメーケが徘徊しています。」

 

メイリンはユグドラシルの残党の情報を報告する。

 

「突入部隊はどうなってるんだ?」

「ホシイナーとナケワメーケとの戦いに負傷され、撤退されました。100人中軽傷者13人、重傷者31人確認されました。」

「やっぱりあの怪物ども相手じゃ荷が重いか・・・」

 

フラムはメイリンの報告を聞いて溜息を吐く。

 

「でも、逃げられないように封絶結界は使ったんだろ?」

「はい。出入り口がそこしかないため、その心配はありませんが・・・」

「問題は徘徊しているホシイナーやナケワメーケ共ってわけか。まぁ、いい。どうせ出入り口はそこしかないんだ。そいつらを徘徊させてるって事は奴さんもいい気になってるって事だろうぜ。袋のネズミになってるってことを気付かないくらいにな。」

 

フラムは今の状況を聞いて余裕をかましている。

 

「メイリン、お前は自分の部隊とティアナ達と連携して奴らを追い詰めろ。俺とクレインの部隊はなのはとユーノと一緒に最悪の場合に備えとく。」

 

フラムはメイリンにそう命令する。

 

「最悪の場合・・・?」

 

なのははフラムの命令に首を傾げる。

 

「例の怪獣が現れた時、そして、洞窟内の迷宮からユグドラシルが逃げ出した時です。なのはさんとユーノさんは万が一の時に対処してください。ホープキングダムに侵攻させるわけにはいきませんから。」

 

クレインはなのはとユーノに偽物のゼロ、つまりゲルワームとユグドラシル残党の脱走に備えるように言う。

なのはとユーノはクレインの指示に了承する。

 

「では、準備ができ次第、逮捕行動に参ります。」

 

クレインはフラムとメイリンと一緒にユグドラシル残党確保の準備を始める。

なのは達はメイリン達の準備が終わるまで待機することにした。




これでまだ活躍できていないプリキュアはGo!プリンセスプリキュアと魔法つかいプリキュアとキラキラ☆プリキュアアラモードになりました。(どのタイミングで登場させよう・・・)


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2人の融合騎

ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズの『二体の伝説怪獣』の内容を少し改編させました。(あれは自分もどうかなと思ったので・・・(汗))


河童山で山火事を起こした偽物のウルトラマンゼロ、その正体は噛んだ生物を擬態できる変幻生命体ゲルワームだった。

クリシスが連れてきた隕石の中にいる小さなゲルワーム・ピンキーはその仲間である。

更にゼロに擬態したゲルワームはアークの光遺伝子によって光線技を使えるようになったことも知った。

真理奈はヴィヴィオ、アインハルト、はやて、シャーリー、エクセルと一緒に家に来ていた。

今は地下室にいる。

 

「ここに何があるの?」

 

エクセルは真理奈に質問する。

 

「百聞は一見に如かず。見れば分かるわ。」

 

真理奈はエクセルにそう言い、机にあるパソコンを操作する。

 

〈指紋認証確認。〉

 

真理奈はパソコンからのアナウンスを聞いて、その隣の装置に眼を見る。

その装置は画面に真理奈の手の指紋と同じ紋様が出て来る。

真理奈はそれと重ねるようにiPadに手を置く。

 

〈音声認証確認。〉

 

再びパソコンからアナウンスが流れる。

 

「隣の客はよく柿食う客だ!」

「え?」

 

真理奈はパソコンに向けて早口言葉を言う。

エクセルは「なにそれ?」と言わんばかりの反応をする。

 

〈指紋及び音声認証特定。新真理奈。〉

 

このアナウンスの後にエトワール凱旋門のような装置の内側に光が広がっていき、その向こうに別の世界が広がっていた。

その世界は緑が溢れ、海が見えており、更に人間の世界では見た事のない動物達があちらこちらにいた。

真理奈達が足を踏み入れたのは、開拓島ノルンである。

この島は真理奈の祖父・光太郎が初めて妖精の世界に行き来できる『フェアリーゲート』を完成した時に訪れた島である。

そして、この島は真理奈が初めてクルルと出会った場所であり、地下にはカーバンクルと共存しているジュエル鉱国が存在している。

先程のエトワール凱旋門型のアーチのような装置は『ディメンジョンゲート』と呼び、妖精の世界に繋げる『フェアリーゲート』から引き継がれる転送装置である。

『フェアリーゲート』は元々プリズムフラワーの力を借りることで妖精の世界に繋げるようになるが、『ディメンジョンゲート』はそれに頼らずに妖精の世界に行けるようにしてある。

 

「うわぁ~・・・すごい自然・・・」

「ルールーが住んでるカルナージを思い出すよ・・・」

「妖精の世界って暖かくてキレイなんですね・・・」

「えぇ・・・じゃなくて!」

 

ヴィヴィオ達は妖精の世界に来るのは初めてで、それぞれの感想を言う中、エクセルは「ちょっと待って!」と言わんばかりに真理奈の方に振り向く。

 

「さっき早口言葉言ってたけどどういう事!?」

「防犯措置の一環のセキュリティ項目よ。本人かどうかの確認と、ちゃんと言えるかのテストをね。」

「随分と変わったセキュリティね・・・」

 

真理奈は若干キレ気味のエクセルに一通り説明する。

 

「あの装置、他の世界に繋ぐゲートになっとるんやね・・・」

「えぇ。行ける世界は限られてるけど、元々妖精の世界に行けるように設計したものだからね。」

 

真理奈ははやてに『ディメンジョンゲート』について説明する。

 

「さてと・・・」

 

真理奈はアタッシュケースから飛空艇のミニチュアを取り出す。

 

「オモチャ?」

「オモチャって言うな。これも研究成果の一つよ。」

 

エクセルに真理奈が持つ物をオモチャと言われ、真理奈はそれを否定する。

真理奈は飛空艇のミニチュアに小型のハンディライトのようなアイテムの光を当てる。

すると、飛空艇のミニチュアが全長50mの実物に巨大化していった。

 

「えぇぇぇぇぇ~~~~~っ!!??」

「あの小っさいのが、こないでかく・・・!?」

 

エクセル達は今の状況に驚きを隠せなかった。

 

「『コンパクトオブジェクター』。サイエンキッズの開発チームの協力で完成したばかりの代物だけど、大成功ね。」

「これもアンタの発明品なの!?」

「違う違う。こいつの設計図をウチの開発チームに渡しただけで、発明したのはそいつらなの。」

 

エクセルは目の前の飛空艇を作ったのか真理奈に聞くが、真理奈はそれを否定する。

 

「これは『コンパクトオブジェクター』と言って、移動手段や建造物がない時にこれを使うのよ。いちか達が使うキラキラパティスリーの特徴を知って、その時に閃いたのがこいつよ。もちろん飛空艇だけじゃなく、研究所も作っといたのよ。」

「なんでもアリね!?」

「さっきのライトででかくしたみたいやけど、その『コンパクトオブジェクター』を実物化するアイテムなん?」

 

真理奈は『コンパクトオブジェクター』について説明した後、はやてからそれを巨大化したアイテムについて質問する。

 

「呑み込みが早いわね。これは『リアルビルダー』っと言ってね。アンタの言った通り『コンパクトオブジェクター』を実物化するアイテムよ。当然元のミニチュア化に戻すことも可能よ。」

 

真理奈ははやての質問に応じ、『リアルビルダー』について説明する。

その後、真理奈達は飛空艇に乗り込む。

中はちゃんとエンジンルームや食堂、客室や格納庫、医療室やブリッジもある。

そのブリッジに真理奈達が入った。

 

「真理奈、さりげなくこの艇を出しちゃったけど、操縦できるの?」

「自慢じゃないけど出来ないわ。あ、でもね、この艇には自動操縦機能が付いていて、行きたい場所に設定すれば、自動的に航行できるわ。つまり、自身が操縦する必要はないって事。」

「さ、流石研究者・・・」

 

真理奈はエクセルの質問に対してそのように答え、ヴィヴィオは真理奈の研究者としての腕に呆然とする。

真理奈はキーボードで行き先設定をして、自動操縦機能を設定し、飛空艇を動かす。

画面に〈Alfheim Take Off〉と表示する。

その後、飛空艇が浮き上がり、行き先設定した場所に向かって飛行する。

 

 

 

 

 

 

その頃、ライハは横浜みなとみらいで真理奈達と別れてから数十分飛び続けていた。

行く当てもなく、ただひたすらに飛び続けていた。

 

(ハン、気休め言いやがって・・・)

 

ライハはエクセルの言葉を思い出すものの、彼女の言葉を受け入れようとしなかった。

しばらく経った後、ライハは町が見えたので、休もうと公園の森蔭に下りる。

その後、人間の姿に戻る。

 

(人間って分かりやすいんだよね・・・)

 

ライハは心の中で俯き、町に出歩いている人達の方に目を配る。

ある人は彼女を見て遠ざけようとしたり、ある人は彼女を見て引き返したり、ある人は彼女を見て気味悪がるような目を見たりしていた。

 

(分かりやすいほど、よそよそしい・・・)

 

ライハはそんな人達を見て、溜息を吐く。

その時、周囲の人達が時が止まったように動かなくなった。

ライハはその状況に驚きを隠せず、チラホラあちこち振り向くだけだった。

 

「みんなとは違う、て言いたいの?」

 

ライハは背後から話しかけてきたので、驚きつつも振り向く。

ライハに声をかけてきたのは、スマートフォンを構えている金髪の少年である。

その少年はライハが振り向いた瞬間、カメラ機能で画像を撮る。

その時はフラッシュをたいていたので、ライハは眩しがられる。

 

「うおわっ!?」

「あっはっはっはっはっ!だっせぇ顔!あっはっはっはっはっ!」

「っ!この野郎っ!!」

 

ライハは金髪の少年がスマートフォンの画像を見て笑っているのを見て、バカにされているのを気付き、カチンときて殴りかかろうとする。

 

「お前は本当に悪趣味な奴だな?」

 

ライハが金髪の少年に殴りかける拳を眼鏡をかけた知的な雰囲気をした少年が受け止め、金髪の少年に溜息吐きながら言う。

 

「なんだよ、お前ら?」

 

ライハは拳を引き下げて2人の少年にイライラしながら質問する。

その2人は挨拶代りとしてなのか、金髪の少年は緑の発光体を、眼鏡の少年は赤褐色の発光体を胸から表れる。

よって金髪の少年はコーカサスオオカブトを連想する怪人になり、眼鏡の少年はギラファノコギリクワガタを連想する怪人に変貌する。

ライハは2人の姿に驚く。

 

「お前ら、私と同じ・・・?」

「そうだ。お前と同じ・・・ミュータントだ。俺は木場双刃。」

「僕は角田一だよ。」

 

コーカサスオオカブトの怪人は角田一と名乗り、ギラファノコギリクワガタの怪人は木場双刃と名乗る。

2人は元の人間の姿に戻り、角田は指パッチンすると、先程まで止まっていた周囲の人達が動き出した。

ライハは角田を見て、彼が周囲の時間を止めたんだろうと予想する。

 

「それで、私に何の用だよ?」

 

ライハは角田と木場に何しに来たのか質問する。

 

「場所を変えよう。話はそれからだ。」

 

木場はライハの質問に対し、場所を移すように提案する。

ライハは角田と木場と共に公園から離れた。

 

 

 

 

 

一方・・・

 

「プリキュア・ダイヤモンド・エターナル!」

 

苺坂でGo!プリンセスプリキュア、魔法つかいプリキュア、キラキラ☆プリキュアアラモードと共にユグドラシルの残党が放ったホシイナーとナケワメーケ、そしてオルトロスと対峙していた。

ホシイナーはフルーツの具だくさんのクレープの姿をし、ナケワメーケはソフトクリームの姿をし、オルトロスはチョコレートケーキの姿をしていた。

ミラクルとマジカルはチョコレートケーキオルトロスにプリキュア・ダイヤモンド・エターナルを放つが、チョコレートのホイップクリームで防がれる。

 

「あのオルトロスって奴、マジ強いじゃん・・・」

「ホシイナーとナケワメーケとは違います!」

 

トゥインクルとスカーレットはオルトロスを見て、息を切らしながら言う。

ユグドラシルの残党はその様を時計塔の上から嘲笑いながら見届ける。

 

「ふっふっふっふっ、いい気味だな?」

「オイ、ライトリー氏から連絡が入った。ホープキングダム近郊にアルバトロス王国の連中が配備されているらしい。しかもすぐ近くに。」

「何!?もう嗅ぎつけられたのか!?仕方ない。すぐに戻るぞ。」

「あぁ!」

 

ユグドラシル兵はアジトの居所が知られた事を気まずそうになり、すぐに時計塔から離れる。

 

「プリキュア・フローラル・トルビヨン!」

 

フローラはチョコレートケーキオルトロスにプリキュア・フローラル・トルビヨンを放つ。

チョコレートケーキオルトロスは蝋燭の火から火炎放射を放ち、フローラの技を掻き消す。

クレープホシイナーはフルーツの爆弾を飛ばすが、フローラ達はそれを避ける。

ソフトクリームナケワメーケはクリームを飛ばすが、それも避けられる。

 

「クッソ~、手強いな・・・」

「ホシイナーとナケワメーケだけでも厄介なのに・・・」

 

ジェラートとショコラはチョコレートケーキオルトロス達を相手に厳しそうな表情を浮かべる。

クレープホシイナーはフルーツの爆弾を再び飛ばす。

 

「食いモンを粗末にすんじゃねぇっ!!」

 

フルーツの爆弾が突然炎によって遮られ、消滅する。

 

「えっ!?」

「何!?」

 

フローラ達は声がした方に振り向くと、赤髪のクアドラプルテールの少女がいた。

 

「危なかったな!?」

 

赤髪の少女はフローラ達の無事を確認してそう言う。

フローラ達は赤髪の少女に戸惑いながらも感謝する。

だが、そんな場合ではない。

チョコレートケーキオルトロス、クレープホシイナー、ソフトクリームナケワメーケがフローラ達に迫ってくる。

その時、チョコレートケーキオルトロス達の前に白銀色のロングヘアーの少女が横入りする。

 

「捉えよ!凍てつく足枷!フリーレン・フェッセルン!」

 

チョコレートケーキオルトロス、クレープホシイナー、ソフトクリームナケワメーケの足元に水が現れ、3体を囲むように覆い、最後に凍結されていった。

 

「皆さん!今です!」

 

白銀髪の少女はフローラ達に反撃の猶予を与える。

 

「う、うん!」

 

フローラ達は白銀髪の少女の言う通りにする。

中央に凍結されたチョコレートケーキオルトロスは何とか拘束から解放される。

しかし、反撃を試みようとするのが遅かった。

 

「輝け!3つの力!プリキュア・トリニティ・エクスプロジオン!」

「永遠の輝きよ!私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア・ダイヤモンド・エターナル!」

「キラキラキラルン、フルチャージ!スイー・ツー・ワンダフル・アラモード!」

 

フローラ達、ミラクル達、ホイップ達はそれぞれの合体技を放ち、チョコレートケーキオルトロスとまだ氷漬けにされているクレープホシイナーとソフトクリームナケワメーケを一気に浄化する。

戦いが終わった後、変身を解いて白銀髪の少女と赤髪の少女の元に駆け寄る。

その様子を建物の陰から窺っている人物がいた。

 

「ほう。リインフォースⅡ司令補とアギト一等空士もこの次元に来ていたとは・・・」

 

その人物はヴェントである。

彼は白銀髪の少女をリインフォースⅡと、赤髪の少女をアギトと名前を上げている。

まず、リインフォースⅡは機動六課ではやての補佐をやっている管制融合騎である。

はやてとのユニゾンが可能で、それではやてのサポートを回している。

そして、アギトは烈火の剣精と自称する管制融合騎である。

JS事件の後、はやてに引き取られ、八神家の一員として迎え入れた。

 

「これは楽しみ甲斐がありそうだ。せっかく例のミュータントがこの街に来たんだ。彼女も私のゲームに参加させてもらわないとな。」

 

ヴェントは手品師のようにトランプのカードを出し、不敵に笑みを浮かべる。



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VSベゼルブ

5月中に仕上げたかったけど、結局6月の初めに投稿することになりました。(文章長いんだよ・・・(汗))


ホープキングダム郊外でなのは達がユグドラシル残党のアジトを突き止めた事を知った真理奈達は開拓島ノルンから飛空艇で向かうことになった。

その一方、Go!プリンセスプリキュア、魔法つかいプリキュア、キラキラ☆プリキュアアラモードは苺坂でユグドラシルの残党が放ったチョコレートケーキオルトロス、クレープホシイナー、ソフトクリームナケワメーケと交戦していた。

その時、リインフォースⅡとアギトが乱入し、彼女達と連携してオルトロス達を浄化した。

それを他所にライハは商店街通りで上の空になっていた。

 

(・・・)

 

ライハはポケットから何かを取り出した。

それは、色は紫色だが、レンやエクセルが使っていた変身アイテムである。

 

~~~~~回想~~~~~

 

ライハがコーカサスオオカブトの細胞を併せ持つ角田一とギラファノコギリクワガタの細胞を併せ持つ木場双刃と遭遇した後、人気のいない路地裏に連行される。

 

「・・・で?話って何だよ?」

 

ライハはぶっきら棒に角田と木場に用件を聞く。

 

「いやなに、お前にユグドラシルの雑魚共に竹箆返しをするチャンスを与えようと思ってな?」

「なに?」

 

ライハは木場の言っていることが理解できなかった。

 

「もし君が死んだら、僕達がやろうと思ったけどね?スポンサーさんがこれを試させてほしいって言われたんだよね?」

 

角田はポケットから紫のブレスレット型のアイテムを取り出す。

ライハはそのアイテムを見覚えがあった。

 

「それは!?」

 

ライハが見たのは、横浜みなとみらいでエクセルがキュアスピカに変身した時に使用されたアイテムである。

 

「スポンサーさんから聞いたんだけど、これ、プリチェンブレスって名前みたいだよ?」

 

角田はライハに見せたアイテムをプリチェンブレスだと教える。

 

「なんでそれを私に寄越すんだよ?」

「言ったはずだ。あの雑魚共に竹箆返しをするチャンスを与えると。どうするかは聞かん。だが、考えてみろ。このまま何もせずに逃げて、弱者として惨めな思いをずっと送っていいのか。」

 

木場はライハにそう言う。

その後、角田と木場はポケットからメダリオンを取り出し、魔法陣を展開してライハの前から消え去っていく。

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

ライハはジッとプリチェンブレスを見つめながら、木場の言葉を思い出す。

 

(あいつらは何者なのかは知らねぇけど、どうせ私に帰る場所はねぇんだ。こいつの力で戦って死んでやるぜ。)

 

ライハはプリチェンブレスをポケットにしまって、ユグドラシルの残党の元に行くことにした。

その時、ライハは何かを感じ取り、すぐさま走り出した。

しばらくの後、ライハは広場に到着し、建物の陰に隠れて様子を見る。

ライハの目の先には、リインフォースⅡとアギト、Go!プリンセスプリキュアと魔法つかいプリキュアとキラキラ☆プリキュアアラモードがいた。

そう、ライハが訪れた街は苺坂だったのだ。

 

「じゃぁ、なのはさん達は無事なのですね!?」

 

リインはいちかからなのは達が無事である事を聞いて嬉しく思う。

 

「これからなのはさん達の所に行くけど、一緒に行きますか?」

「はいです!」

「おぉ!」

 

リインとアギトはいちかの口からなのはと合流することを聞き、同行することになった。

 

(あの2人、ライトリーとレフティーが見せた写真には載ってねぇけど、あいつらと同じ別の世界の人間みてぇだな・・・)

 

ライハはリインとアギトを見て、スバル達と同じ世界の住人である事を知る。

ライハはこのまま様子を伺うが、背後に爆風が生じて、その衝撃で吹き飛ばされる。

 

「があぁっ!?」

 

ライハは地面に叩きつけられる。

 

「な、なに!?」

 

はるか達は今の爆音に気付き、振り向くと、地に伏せられていたライハと、両手の鉤爪や先端に針が付いてある長い尻尾が特徴の昆虫のような怪獣がいた。

その怪獣の名は、宇宙悪魔ベゼルブ。

レイフ星人・ドクター・サイキが生み出した宇宙怪獣である。

尻尾の毒針であらゆる怪獣を傀儡にすることができる。

ライハはベゼルブを見てすぐに起き上がり、胸からリンカーコアを曝け出す。

よってライハは翼蛇の姿に変わり、左手から刀を召喚し、ベゼルブに斬りかかる。

 

「あ、あの人、蛇になりました!?」

「うそだろ!?」

 

ひまりとあおい達はライハが翼蛇になった所を見て驚く。

ライハはベゼルブを何度も斬りつけ、ベゼルブを倒す。

しかし、その直後、ライハの頭上から火炎弾が降ってきて、ライハにダメージを負う。

よってライハは元の人間の姿に戻った。

ライハは見上げると、ベゼルブが他にも3体飛んでおり、3体ともライハを囲うように降り立つ。

 

「あの人が危ない!みんな!」

 

いちかの号令で、はるか達はそれぞれの変身アイテムを構える。

はるか達はドレスアップキーのブレードを出す。

 

「プリキュア、プリンセスエンゲージ!」

 

はるか達はドレスアップキーをプリンセスパフュームに差して回す。

その後、はるか達はプリンセスパフュームに溜めていた光の香水を体に吹き付ける。

よってはるかはピンクのドレスを、みなみは青いドレスを、きららは黄色いドレスを、トワは赤いドレスを身に纏い、はるかはキュアフローラに、みなみはキュアマーメイドに、きららはキュアトゥインクルに、トワはキュアスカーレットに変身する。

 

「咲き誇る花のプリンセス!キュアフローラ!」

「澄み渡る海のプリンセス!キュアマーメイド!」

「煌く星のプリンセス!キュアトゥインクル!」

「深紅の炎のプリンセス!キュアスカーレット!」

「強く!」

「優しく!」

「美しく!」

「Go!」

「プリンセスプリキュア!」

 

みらいとリコは互いに手を繋ぎ、ことははリンクルスマホンと魔法のタッチペンを構える。

 

「キュアップ・ラパパ!ダイヤ!」

 

その後、ダイヤのリンクルストーンがモフルンのリボンに装着する。

 

「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」

 

みらいとリコは呪文を唱える。

そして、リンクルストーン・エメラルドがリンクルスマホンに装着する。

 

「エメラルド!」

 

その後、ことはは魔法のタッチペンでリンクルスマホンにFと書く。

すると、その後に続くようにeliceの文字が浮かび上がる。

 

「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」

 

ことはは呪文を唱えながら、魔法のタッチペンで円を描く。

みらいはピンクの衣装を、リコは紫の衣装を、ことはは緑と白を基調とした衣装を身に纏う。

よってみらいはキュアミラクルに、リコはキュアマジカルに、ことははキュアフェリーチェに変身する。

 

「二人の奇跡!キュアミラクル!」

「二人の魔法!キュアマジカル!」

「遍く生命に祝福を!キュアフェリーチェ!」

「魔法つかいプリキュア!」

 

いちかはうさぎショートケーキ、ひまりはりすプリン、あおいはらいおんアイス、ゆかりはねこマカロン、あきらはいぬチョコレート、シエルはペガサスパルフェのアニマルスイーツを手に取る。

 

「キュアラモード・デコレーション!」

「ショートケーキ!」

「プリン!」

「アイス!」

「マカロン!」

「チョコレート!」

「パルフェ!」

 

いちか達はそれぞれのアニマルスイーツをスイーツパクトに装着する。

 

「元気と笑顔を!」

「知性と勇気を!」

「自由と情熱を!」

「美しさとトキめきを!」

「強さと愛を!」

「夢と希望を!」

「レッツ・ラ・まぜまぜ!」

 

いちか達はスティックで光のクリームを作り、そのクリームをいちか達の身に纏わせる。

それによっていちかはキュアホイップに、ひまりはキュアカスタードに、あおいはキュアジェラートに、ゆかりはキュアマカロンに、あきらはキュアショコラに、シエルはキュアパルフェに変身する。

 

「キュアホイップ!出来上がり!」

「キュアカスタード!出来上がり!」

「キュアジェラート!出来上がり!」

「キュアマカロン!出来上がり!」

「キュアショコラ!出来上がり!」

「キュアパルフェ!出来上がり!」

「キラキラ☆プリキュアアラモード!」

 

プリキュアに変身したホイップ達はライハを助ける為に3体のベゼルブに突撃する。

フローラ達とミラクル達、ホイップ達はそれぞれ一体ずつ相手をする。

リインとアギトはフローラ達がベゼルブを引き付けている隙にライハを救い出す。

 

「大丈夫ですか?」

「・・・っ!」

 

リインはライハを起こそうとするが、ライハはリインの手を払い、自力で立ち上がる。

ライハは立ち上がった直後に何かを感じ取り、フローラ達とは反対方向に見上げる。

リインとアギトも同じ方向に振り向くと、ベゼルブの群れが続々と接近してきた。

 

「ぅえぇっ!?まだあんなにいんのかよ!?」

「皆さん!」

 

リインはフローラ達に慌てて声をかける。

フローラ達はリイン達の方に振り向くと、ベゼルブの群れが迫ってきているのに気付く。

 

「ミラクル、マジカル、フェリーチェ!そこの3体は任せたよ!」

「えぇ!」

 

ミラクル達はフローラの言う通りにする。

ベゼルブはミラクル達に火炎弾を放つ。

マジカルはリンクルストーン・アメジストをリンクルステッキにセットする。

 

「リンクル・アメジスト!」

 

マジカルは紫の魔法陣を展開し、ベゼルブが放った火炎弾が吸い込まれるように消えていき、ベゼルブの目の前に紫の魔法陣が現れ、その魔法陣から火炎弾が放たれる。

ベゼルブは自ら放った火炎弾に喰らわれ、火達磨になり、爆散される。

残り2体のベゼルブはミラクル達に突撃する。

ミラクルとマジカルは2体のベゼルブの突進を避け、擦り抜け様に尻尾を掴んで、地面に叩きつける。

 

「フェリーチェ!今だよ!」

「はい!」

 

フェリーチェはリンクルストーン・エメラルドをフラワーエコーワンドにセットし、「キュアーアップ」と唱え、フラワーエコーワンドの花が開花する。

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」

 

フェリーチェはプリキュア・エメラルド・リンカネーションを放つ。

2体のベゼルブはフェリーチェの技により消滅する。

一方、フローラ達が相手をしているベゼルブの群れは一斉に火炎弾を放った。

 

「プリキュア・フルムーン・ハミング!」

 

トゥインクルはプリキュア・フルムーン・ハミングで火炎弾を防ぐ。

 

「プリキュア・ローズ・トルビヨン!」

 

フローラはプリキュア・ローズ・トルビヨンでベゼルブの群れを怯ませる。

この隙に、ホイップ、カスタード、ジェラート、マカロン、ショコラはクリームエネルギーでベゼルブの群れを一ヵ所にするように捕らえて動きを封じる。

 

「プリキュア・フローズン・リップル!」

 

マーメイドは身動きが取れなくなったベゼルブの群れを更にダメ押しするように、プリキュア・フローズン・リップルで氷漬けにする。

しかし、群れの中に1体だけ捕らえ損ねたベゼルブがパルフェを襲い掛かる。

だが、パルフェはそれを躱し、レインボーリボンでベゼルブを捕まえる。

 

「キラキラキラリン!パルフェ・エトワール!」

 

パルフェは捕まえたベゼルブをパルフェ・エトワールで止めを刺す。

 

「スカーレット!お願い!」

「はい!」

 

スカーレットはモードエレガントにフォームチェンジし、スカーレットバイオリンにフェニックスのドレスアップキーをセットする。

その後、スカーレットはスカーレットバイオリンで楽曲を奏でる。

 

「羽ばたけ、炎の翼!プリキュア・フェニックス・ブレイズ!」

 

スカーレットは氷漬けになったベゼルブの群れにプリキュア・フェニックス・ブレイズを放つ。

よって、ベゼルブの群れは一体も残らず消滅された。

 

(ルミナス達もそうだが、こいつらもすげぇ・・・)

 

ライハはフローラ達の戦いぶりを見て呆然とする。

 

「大丈夫ですか?」

「・・・」

 

リインはライハに大丈夫かと問うと、彼女は頷く。

 

「助けた事は礼を言う。でも、もう私に関わんな。」

「どうして?」

 

ホイップはライハがホイップ達を拒絶している訳を聞く。

 

「さっきの見ただろ?私はバケモノだ。お前ら人間とは違うんだよ。そろそろ行かせてもらうぜ?」

 

ライハはホイップ達にそう言って去ろうとする。

 

「いや、もう少し彼女達と付き合ってもらう。」

 

ホイップ達は突然聞こえてきた男の声を聞いて身構える。

 

「封絶結界。」

 

ホイップ達の周りの人の気配が瞬時に消え、ホイップ達以外の人の声や鳥や虫の声も聞こえなくなった。

代りに建物の上に茶色の魔法陣が現れ、その魔法陣の光からヴェントが現れた。

 

「先程の戦い、見させてもらった。」

「あぁーっ!?てめぇ!?」

「ヴェントさん!?」

「久しぶりだな?リインフォース曹長、アギト陸士。そして、プリキュアの諸君は初めましてと言わせてもらおう。そして、君が蛇のミュータント、伊佐薙ライハだな?」

 

ヴェントはリイン達に丁寧に挨拶する。

 

(あのおっさん、このガキ共の知り合いか?)

 

ライハはヴェントとリインとアギトを交互に見て、お互い知り合いだと予想する。

 

「あなた!街の人達に何をしたの!?」

「落ち着け、今のは封絶結界、街の人達は無事だよ。」

「そう。この結界は度が過ぎる荒事から巻き込まれないように空間そのものを隔絶している。心配することはない。」

 

ヴェントはホイップ達に無用な心配をかけないように封絶結界について説明した。

 

「テメェ、何のつもりだ?」

「迷える子羊2人がご友人に会いたがっているから、私の魔法で会わせてやろうと思ってな。しかし、無条件で会わせるのは私の流儀に反する。だから君達には私のゲームに参加させてもらう。」

 

ヴェントが言う迷える子羊とはリインとアギトの事だろう。

ヴェントは左手に握っている4枚のトランプカードを出し、ホイップ達の背後に投げる。

すると、ホイップ達の背後に♠、♡、♣、♢の7のカードが人間大のサイズになり、縦一列に並ぶ。

更にヴェントは右手に握っている48枚のトランプカードをばら撒く。

そのトランプカードは両腕両足が加え、頭部に甲冑の兜が嵌められた兵士となった。

しかも、♠のトランプ兵士は二本の剣を持ち、♡のトランプ兵士は弓矢を持ち,♣のトランプ兵士は杖を持ち、ダイヤのトランプ兵士は盾と剣を持っている。

 

「何ですか、これは!?」

「彼らはトランプソルジャー。ランクが高ければ高いほど強い力を持つ兵士だ。散開!」

 

ヴェントはカスタード達にトランプソルジャーについて説明する。

その後、ヴェントの命令でトランプソルジャーは逃げるようにプリキュア達から離れていく。

 

「って逃げてるし!?」

 

ジェラートはトランプソルジャーが一目散に逃げていくのを見てズッコケる。

 

「ゲームが始める前の準備だと思いたまえ。」

 

ヴェントはジェラートにトランプソルジャーが逃げ出した理由を代弁する。

 

「ルールを説明しよう。君達の後ろにある♠、♡、♣、♢の7を中心に残り48枚のカードを全て揃えれば君達の勝ちだ。その為には先程去って行ったトランプソルジャーを倒さなければならない。但し、7のカードの横列を見るがいい。」

 

ヴェントは考案のゲームの説明をした上で、ホイップ達の背後の4枚の7のカードに指を指す。

ホイップ達は背後を見ると、4枚の7のカードの左右に8つの光の枠が表れている。

 

「分かるかな?それぞれのマークの7のカードを隣り合うように置くようになっている。7に近い数字を光の枠に置けば、次のカードを置くことができる。」

「面白いわね?要する七並べをしようって事ね?」

 

マカロンはヴェントの説明を聞いて、ゲームの内容を理解する。

 

「その通り。ちなみにトランプソルジャーは私の封絶結界でこの空間から出られない。落ち着いて捜したまえ。タイムリミットは1時間。君達が勝った暁には私の魔法で曹長達の友人がいる所に転送することを約束しよう。では、ゲームスタート!」

 

ヴェントはホイップ達にルール説明や報酬を伝えた後、指パッチンすると、煙幕が放散し、その煙が晴れると、ヴェントの姿が消えた。

 

「あんにゃろ~!ふざけやがって~!」

 

アギトはヴェントのやることにムカついていた。

 

「ハッ!要はその紙切れ共を全部ブッ倒して揃えればいいだろうが?とっとと終わらせてもらうぜ!」

 

ライハは翼蛇の姿になり、トランプソルジャーを捜す為に空を飛ぶ。

 

「あっ!待って!」

 

ホイップはライハを止めようとするが、ライハは振り向きもせずに去って行った。

 

「あの子の事は私達に任せて!」

「みんなは先にトランプソルジャーを!」

 

ミラクルとマジカルはホイップ達にそう言うと、ホイップ達は頷く。

ミラクル達は魔法のほうきでライハの後を追う。

フローラ達とホイップ達はトランプソルジャーを捜す為に一旦分かれて行動する。

リインとアギトはフローラ達と同行した。




次回は新しいオリジナルプリキュアを出す予定です。


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紫電の大蛇 キュアコアトル誕生

投稿が物凄く遅れました・・・(いつもの事ですが・・・)
まぁ、見ていただけると嬉しいです。(適当やな・・・)


苺坂で翼蛇となったライハを追い詰めたベゼルブの群れをGo!プリンセスプリキュア、魔法つかいプリキュア、キラキラ☆プリキュアアラモードが撃破した。

その直後、ヴァベルの騎士の一人ヴェント・フォルクスワーゲンがホイップ達の前に姿を現す。

ヴェントはなのは達がいる場所に転送する事を報酬に、トランプソルジャーを召喚し、ホイップ達にゲームを提言する。

そのゲームは48体のトランプソルジャーを倒し、七並べのように52枚のトランプカードを揃えるゲームだった。

一足先にライハは上空からトランプソルジャーを捜し出す。

ミラクル達はそのライハを追い、フローラ達とホイップ達、そしてリインフォースⅡとアギトはそれぞれトランプソルジャーを捜す。

その頃、ホープキングダム郊外の野営地に向かっている真理奈達は外を眺めていた。

真理奈が実物化した飛空艇・アルヴヘイムの目先にホープキングダム城が見えてきた。

 

「ホープキングダム城、もうすぐ到着ね。」

 

真理奈は単眼鏡でホープキングダム城を眺めると、グラールとの戦いで負けた時を思い出す。

あの時、真理奈がティガに変身してグラールに一戦交えたものの、結局グラールにエネルギーを奪われ、反撃することも叶わずに重傷を負ってしまった。

ユグドラシルの革命の一件で力を取り戻したが、ルルイエでの戦いでティガに変身する力も失ってしまった。

今はアインハルトがティガとして戦っている。

その時の真理奈とアインハルトとは力の差が歴然としていた。

真理奈はそれを思うと、情けなく思った。

 

(いや、あの時の事を考えても仕方ない。元々なりたいわけじゃないわけだし。羨ましいとは思ったけど、無い物強請りしてもどうしようもないわけだし・・・)

 

真理奈はもう気にしちゃいられないと言わんばかりに首を小さく振る。

真理奈は気を改めて目的地を確認する。

 

「もっと早く飛べないの?」

「えぇ。何せこいつの原動力は蒸気機関だからね。けどさ、これでもエコロジーって物があんのよ。」

「効率の悪い蒸気機関にエコロジーって・・・」

「お?あそこか。」

 

真理奈は言い寄ってくるエクセルを無視して、単眼鏡で何かを見つける。

単眼鏡で見つけた先にはテントが数十ヵ所配置されて、白い軍服を纏った軍人達が数多くおり、その中になのは達がいた。

 

「なのはさん!ユーノ先生!それにトーマ君達まで!」

「どうやら作戦の方はまだ始まっていないみたいね。」

 

真理奈は操舵席の方に走って、到達予測地点を調べる。

 

「うわ、ヤベ。テントの真上だわ。」

 

真理奈は到達予測地点を見ると、気まずそうな表情を浮かべる。

ヴィヴィオ達は「えぇぇぇぇ~~~~~っ!!!?」と驚愕する。

 

「なんでそこに設定したのよ!?」

「知らん!あそこにテント張ってるとは思わなかったのよ!」

 

真理奈はエクセルに詰め寄られながら言い訳する。

 

「真理奈!今すぐ行き先設定を変えれないの!?」

「それは無理よ!一度設定したら着陸するまで変更できないようプログラムされてるのよ!」

 

ヴィヴィオは真理奈に行き先設定を変更できないか聞くが、真理奈は出来ないと答える。

 

「シャーリー、この艇のプログラム変更できそうか?」

「もちろん!すぐに取り掛かりますよ!」

「は?」

 

シャーリーは操舵席に座り、キーボードを操作する。

僅か1分経った後・・・

 

「はい!終了!飛行中でも行き先設定できるようになりました!」

「たった1分で!?」

「ついでに到達予測地点はキャンプから離れた地点に設定しました!」

「うそだろぉっ!?」

 

真理奈はシャーリーの手際の良さに驚きを隠せなかった。

 

「さ、流石メカニックデザイナー・・・」

「こ、この『コンパクトオブジェクター』のセキュリティは私でも10分手古摺るのにたった1分で・・・?」

 

エクセルはシャーリーの腕に目が点となり、真理奈は今でも信じられないと言いたそうな表情でシャーリーを見る。

なんだかんだで、アルヴヘイムは魔導部隊が設置したテントを下敷きにする大惨事は免れ、野営地から少し離れた湖付近に着陸する。

その後、真理奈達はアルヴヘイムから下りて、なのは達と再会する。

 

「はやてちゃん!」

「なのはちゃん!無事でよかったわ~。」

「フェイトは?一緒じゃないの?」

「それがなぁ、怪物を相手した間、忍者さん達を追わせたんや。ウチも怪物を堕とした後、向かったんやけど・・・」

 

なのはとユーノははやてと再会できて嬉しくなるが、フェイトがいないことに気付き、はやてから事情を聞く。

 

「こうして見ると、とても公務員には見えないわね・・・」

 

真理奈はなのはとはやてのやり取りを見て時空管理局の局員には見えないと呟く。

そんな時、クレインが真理奈の元に歩み寄る。

 

「真理奈さん、何故彼女を連れてきたのですか?」

「何故って、それは・・・」

「作戦の支障がないように連れて来ないでください、と言ったはずですが?」

「好きで連れてきたわけじゃないわよ。偶々そこのロリッ娘に半ば強引にお願いされただけで、私の都合じゃないのよ。それに前にも言ったけど、邪魔させないように気を付けとくって病院で言ってたし・・・」

 

真理奈はクレインにはやてを野営地に連れてきた理由を聞かれ、事情を説明する。

 

「まぁまぁ、味方は多い方がいいじゃないですか。」

 

まのんは真理奈とクレインの言い合いを見て、すぐに仲介する。

 

「・・・分かりました。はやてさんには監視対象としてここに滞在させます。ですが、私達はこの作戦を終えた後、最近起きた異常事態を調査しなければなりません。彼女と、そしてここにはいないもう一人の少女の処遇については、なのはさん達とよく話し合って決めてください。」

(最近起きた異常事態・・・怪獣やウルトラマン、そしてなのは達がこの世界に来させた空間の歪みの事か・・・)

 

真理奈はクレインの言っていた異常事態を空間の歪みであることを察する。

 

「八神達の事は大丈夫よ。住まいについてはツテがあるの。(バトルナイザーの事もあるしね。)それよりも、これから作戦を始める予定なの?」

「えぇ、すでに手配されております。」

 

真理奈ははやて達の事は既に考えがあり、まずはユグドラシル残党の捕獲作戦の方に優先することにした。

 

「じゃ、後は任せるね。」

 

真理奈はクレインに一通り話を終え、その場を後にする。

 

(例の奴を高町とスクライアに渡そうと思ったけど、ちょっと目を離した隙にいなくなったから、また後にしよ・・・)

 

真理奈は手に持っているアタッシュケースを見て、なのはとユーノに渡そうと思ったが、タイミングが逃がしてしまったので、後で渡すことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、魔法つかいプリキュアは苺坂で徘徊しているトランプソルジャーを倒しながら、一足先にスタートしたライハを捜していた。

現在、ミラクル達が集めたトランプカードは♠の2、♡の9、♣の3、♢の8の4枚である。

 

「どこ行ったのかしら、あのライハって娘・・・」

「うん、一人で行くのは、流石に無茶だよ。」

 

ミラクル達は魔法のほうきに乗って、ライハを捜す。

その時、山の方から爆発音が鳴り響く。

 

「今の音!」

「いちご山の方です!」

 

ミラクル達はいちご山の方に向かった。

いちご山の中間辺りに来てみると、ライハの姿があった。

しかも、そのライハは3体のトランプソルジャーと相手をしている。

そのトランプソルジャーは♢のA、♣のJ、♡のQの絵柄が描かれている。

ライハは刀で♢のAのトランプソルジャーと鍔迫り合いをするが、♣のJは杖で火の玉を飛ばし、♡のQは3本の矢を放ったことで、ライハは後退し、♢のAとの距離をとる。

 

「チィッ!紙切れの癖に手強いこって!」

 

ライハは息を切らしながら、3体のトランプソルジャーを見て苦しそうな表情を浮かべる。

その背後から♠のKのトランプソルジャーがライハを襲う。

 

「っ!?ぎゃあぁっ!?」

 

ライハは♠のKに左右の翼を斬り落とされ、更に追い打ちをかけるように♣のJが火の玉を飛ばして、ライハにダメージを与える。

ライハは翼蛇の姿から人間の姿に戻り、地に伏せる。

その拍子にライハのポケットからプリチェンブレスが落としてしまう。

♢のAと♠のKはライハが倒れた事を確認すると、その場から去ろうとしていた。

 

「チ、キショォ・・・待ち・・・やがれ・・・」

 

ライハは今も握っている刀を杖代わりにして立ち上がり、4体のトランプソルジャーを引き留めようとする。

♢のAと♠のKはそれに気づいたのか、振り向いた後、剣を構える。

ライハも刀を構えるが、相当ダメージを負っているのかフラフラの状態である。

♢のAと♠のKは止めを刺そうと、ライハに襲い掛かる。

 

「リンクル・アメジスト!」

 

ライハの足元に突然、魔法陣が現れ、吸い込まれるかのように入っていく。

トランプソルジャーは周囲を見渡すが、ライハの姿が見当たらない。

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」

 

その直後に♣のJと♡のQのトランプソルジャーがピンクの光線を浴び、その後に2つのリングに包み込まれ、トランプのカードに戻る。

♢のAと♠のKは後ろに振り向くと、ミラクルとマジカルとフェリーチェ、そして魔法陣と一緒に消えたと思われたライハがいることに気付く。

 

「大丈夫ですか?」

「お前ら!?」

 

ライハはミラクルに抱きかかえられながら、驚きの表情を浮かべる。

 

「君がなんて言おうと、一人にはさせないよ。」

 

ミラクルはそんなライハに対し、優しい言葉で言う。

♢のAと♠のKは剣を構えて、戦闘準備に入る。

 

「ライハちゃんは下がってて!」

 

ミラクルとマジカルとフェリーチェはライハを下がらせ、2体のトランプソルジャーに対して身構える。

ミラクルとマジカルは♠のKを、フェリーチェは♢のAと対峙する。

♠のKは2本の剣でミラクルとマジカルが繰り出す攻撃を躱し、♢のAはフェリーチェの攻撃を盾で防いで剣で反撃するが、フェリーチェはそれを避ける。

 

(一人には・・・させない・・・か・・・バケモノに代えられて、あの部屋でアリシアに言われた時を思い出すな・・・)

 

ライハはミラクルが言った言葉を頭に残り、6年前に施設で監禁された時の事を思い出した。

 

『お前!?姿を見せないから心配したら、こっそり食いモンをかっぱらったのかよ!?』

『わたしはライハの大切な友達だよ?一人にはさせないよ!』

 

6年前、ライハはアリシアと同様にミュータントに改造され、毎日のように部屋に放り込まれた日々の間、アリシアは施設の研究者の目を盗んで食べ物を持って来た事を度肝を抜かれたことがあった事を思い出す。

 

『お前、何でついて来たんだよ?』

『ライハさんの事が心配だったんです。』

 

その後、ルミナスがライハの事を心配そうに駆けつけて来た時の事を思い出す。

 

(友達でも何でもないあいつに心配されるなんてよ・・・それに・・・)

『アンタ、言ったわよね?人間を捨てたって。ひかりちゃんを庇ったって事は人間を捨ててないって事じゃない。』

 

ライハはエクセルに言われた言葉を思い出す。

確かに私は人間であるあいつを庇う辺り、人間を捨ててないのかもしれねぇ・・・

いや、私が勝手にあいつの事を心のどこかでアリシアと被ったんだろう・・・

私やダチのアリシアにあんな体にした人間を、健斗と達也を殺した人間を許すわけにはいかねぇ・・・

 

(強くなる・・・!こいつらに感化されてるわけじゃねぇが、健斗と達也のような奴らをいなくするわけにはいかねぇ・・・!私は、あの力を使うぜ!)

 

ライハはリンクル・アメジストの力で移動される前の場所に目を見る。

ライハの視線の先には、先程ポケットから落としたプリチェンブレスがある。

ライハの体は既に回復しており、ダッシュでそこに駆け付け、プリチェンブレスを拾う。

その後、ライハはプリチェンブレスを左腕に装着する。

すると、プリチェンブレスのカードホルダーが独りでに開き、そこから3枚のカードが浮遊する。

ライハはそのカードを手に取って見ると、最初は白紙だったが、そのカードが光に包まれると、ケツアルコアトルをモチーフにした衣装を上衣、下衣、光の衣を纏った状態の3枚に分けて構成されている。

 

「こんな風になるんだ・・・」

 

ライハはエクセルがスピカに変身する時の心境を覚える。

ライハはプリカードをプリチェンブレスに装填する。

 

「プリキュアモード・スイッチオン!」

 

ライハはプリチェンブレスのスイッチを押し、プリカードに描かれていた衣装に変身する。

 

「これが・・・私・・・?紫のマフラーに蛇柄のソックスとグローブ・・・おまけに背中に翼が付いてる・・・」

 

ライハは自身の姿に動揺する。

 

「ライハちゃんが・・・」

「プリキュアに・・・」

「新たなプリキュア・・・」

 

ミラクルとマジカルとフェリーチェはプリキュアになったライハを見て驚嘆される。

 

「ライハ、名前は何するモフ?」

「名前・・・か・・・」

 

ライハはモフルンにどんな名前を付けるか聞かれ、考える。

その時、小泉公園でなぎさ達と別れる前、真理奈が放った言葉を思い出す。

 

『マジかよ、まるでケツアルコアトルじゃない・・・』

 

あの時の言葉はライハが翼蛇の姿になった時に言われた言葉だ。

 

(ケツアルコアトル・・・か・・・あの蛇の姿がそういう名前なのか・・・よし、決めたぜ!)

 

ライハはプリキュアになった今の姿の名前を決め、こう叫ぶ。

 

「紫電の大蛇!キュアコアトル!」




次回はキュアコアトルの戦闘が始まります。


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キュアコアトルの戦闘

飛空艇アルヴヘイムでホープキングダム郊外に移動した真理奈達。

そこでクレイン達と一緒にいたなのは達ははやて達との再会を喜ぶ。

更に、はやて達も魔導部隊によるユグドラシル残党の逮捕を協力する。

一方、ヴェントが考案したゲームを挑戦している最中、魔法つかいプリキュアはライハを発見・救出する。

ライハはかつての友達のような犠牲者を出させないためにプリキュアに変身する。

 

「紫電の大蛇!キュアコアトル!」

 

ライハは今のプリキュアの姿をキュアコアトルと名乗る。

 

「キュアコアトル・・・」

「!?」

 

コアトルは何かを感じ取ったのか、トランプソルジャーの♢のAと♠のKとは逆方向に振り向く。

コアトルの視線の先には、♡の10♠の4と♣の5と♢の9が迫って来ていた。

 

「おい、そこの紙切れ2枚はお前らに任せるけどいいよな?」

 

コアトルはミラクル達に♢のAと♠のKの相手をお願いする。

 

「任せて!」

 

ミラクル達はコアトルのお願いに応え、♢のAと♠のKの相手をする。

コアトルは迫って来た♡の10と♠の4と♣の5と♢の9の相手をする。

 

「っしゃあっ!行くぜぇっ!」

 

コアトルは♢の9に狙いをつけ、ジャンプして殴りかかろうとする。

♢の9はコアトルが襲ってくるのを気付き、盾を構える。

コアトルのパンチが♢の9の盾で防がれるも、♢の9は後ろに倒れる。

 

「痛ってぇ~・・・何つう硬さだよ・・・!?」

 

コアトルは盾を殴った手がジーンときたのか、手を大げさに振る。

しかし、手を痛がっている場合ではなかった。

♡の10が火の矢を飛ばした。

火の矢はコアトルに直撃する。

コアトルは地面に叩きつけられる。

 

「あっちぃ~・・・クッソ~、こんな紙切れ共に負けてたまるか!」

 

コアトルは立ち上がって、掌から電気を放出し、刀へと形成して、それを持つ。

♡の10は火の矢を、♣の5は氷の針を飛ばす。

コアトルは刀を♡の10と♣の5の攻撃を斬り落とす。

コアトルはそのまま♡の10に斬りかかる。

その時、♠の4が割って入り、コアトルの攻撃を防ぐ。

コアトルは♠の4と鍔迫り合いになる。

その時、コアトルは突如危機感を察知した。

コアトルは少し後ろに振り向くと、♡の10が弓矢を構えていた。

 

「やっべ!」

 

コアトルは♠の4から離れ、刀を投げ捨て、プリチェンブレスにスイッチを押す。

♡の10はコアトルに狙いを定めて矢を放つ。

♡の10が放った矢はコアトルがいた場所に着弾し、爆発すると同時に砂埃が蔓延する。

 

「コアトル!?」

 

ミラクル達は蔓延した砂埃を見て、コアトルの心配をする。

しばらく経った後、蔓延した砂埃が晴れる。

その砂埃の中から背中の翼がコアトルを守るように覆いかぶさっている。

 

「コアトル・ウイングガード。間に合ったぜ。」

 

コアトルは♡の10の攻撃を防ぎ切った事にホッとする。

 

「狙い撃ちされちゃ、たまんねぇわな!」

 

コアトルは♡の10と♣の5を見て、戦い辛いと思い、プリチェンブレスのスイッチを押す。

 

「コアトル・シャドークリエイト!」

 

すると、コアトルの影が独りでに動き始め、更に大きくなり、白紫色の巨大な翼蛇へと姿を変える。

 

「コアトルの影が蛇になった!?」

「綺麗な蛇だね~!」

 

マジカルはコアトルがやったことに驚き、ミラクルは蛇になったコアトルの影を見て綺麗だと言い出す。

 

「そこの2枚を頼むぜ!ヴィオレ!」

 

コアトルは巨大な翼蛇にヴィオレと名付け、♡の10と♣の5を相手にするように命令する。

ヴィオレはコアトルの言う通りに♡の10と♣の5を襲う。

ヴィオレは♡の10と♣の5の攻撃を悉く躱し、2体いっぺんに巻き付く。

その後、ヴィオレは♡の10と♣の5に電気ショックを浴びせる。

よって♡の10と♣の5は爆散し、カードとなって地面に落ちる。

 

「来い!ヴィオレ!」

 

コアトルはすぐさま投げ捨てた刀を拾い、プリチェンブレスのスイッチを押す。

ヴィオレがコアトルの真後ろに飛翔すると、コアトルは後方宙返りしてヴィオレの背中に乗る。

 

「コアトル・アサルトスパーク!」

 

コアトルは刀を構えると、刀が電気で覆われ、♠の4を横一閃に斬りかかる。

♠の4はコアトルの攻撃に応戦するかのように、コアトルの首を斬り飛ばそうとするが、コアトルは♠の4の剣を避けるように前に伏せ、♠の4の懐に斬る。

♠の4は2本の剣を落とし、そのまま前へ倒れ、トランプのカードとなる

 

「巡り合う奇跡よ!」

「繋がる魔法よ!」

「育まれし幸福よ!」

「今、私達の手に!プレシャスブレス!」

 

ミラクルとマジカルとフェリーチェはアレキサンドライトスタイルにフォームチェンジし、レインボーキャリッジから現れた魔法陣に手を翳す。

 

「フル・フル・フルフルリンクル!プリキュア・エクストリーム・レインボー!」

 

ミラクル達は手を前に突き出すと、巨大な魔法陣が展開する。

 

「キュアップ・ラパパ!虹の彼方に!」

 

ミラクル達は♢のAと♠のKにプリキュア・エクストリーム・レインボーを放つ。

よって♢のAと♠のKはトランプのカードに戻る。

 

「私があんなに苦戦した紙切れ2枚をもう倒しちまったのかよ・・・」

 

コアトルはミラクル達の戦いぶりを見て、唖然とする。

 

「ぐおぉっ!?」

 

コアトルは背後から突然、何かにぶつかられて、そのまま前に倒れる。

 

「いてて・・・な、なんだ?」

 

コアトルは後ろに振り向くと、盾を前にした♢の9が立っていた。

コアトルが受けた衝撃は♢の9が盾で突進してきた時のダメージだろう。

 

「チィッ!嘗めやがって!」

 

コアトルは立ち上がってプリチェンブレスのスイッチを押す。

その時、ヴィオレはコアトルを守るように周囲を囲む。

 

「コアトル・ライトニングフォール!」

 

コアトルはその囲いの中から天高く跳躍し、それと同時にヴィオレはコアトルを螺旋状に飛ぶ。

その後、コアトルは飛び蹴りの体勢となり、ヴィオレはコアトルの後ろから電気エネルギーのビームを放つ。

コアトルはそのビームによって、対戦車ライフルの弾丸並に速度が上がり、♢の9を目掛けて飛び蹴りを見舞う。

♢の9は盾を構え、コアトルの攻撃を防ごうとするが、対戦車ライフルの弾丸並のスピードを誇り、ヴィオレが発した電気エネルギーで威力が数倍パワーアップしたコアトルの攻撃に防げるはずがなく、そのまま吹き飛ばされてしまい、最後にトランプのカードに戻る。

 

「す、凄い・・・」

「あの大きな蛇も凄いけど、威力が半端じゃないわ・・・」

 

ミラクルとマジカルとフェリーチェはコアトルの戦いぶりに凄いの一言に尽きなかった。

 

 

 

 

 

 

その頃、真理奈は野営地のテントの中で、アタッシュケースの中身を見ているまま黙っていた。

 

(ロータスと姫矢、チャオが持っている同じ変身アイテム・プリチェンブレス・・・あいつもそれを持ってるけど、誰からもらったんだろう・・・)

 

真理奈はエクセル、レン、メイリンが所持しているプリチェンブレスの事で疑問を持つ。

 

「真理奈。」

 

真理奈は急に声をかけられ、その声の主の方に振り向くと、テントの出入り口にマヤが入って来た。

この時、真理奈はアタッシュケースを閉じる。

 

「マヤ、どうしたの?」

「これを修理できないかしら?」

 

マヤは真理奈の手元にライハによって壊されたプリチェンミラーを置く。

 

「伊佐薙に壊された奴ね・・・」

「えぇ。ユグドラシルと関わっている以上、戦力は多い方がいい。今の私じゃみんなの足を引っ張るだけ。足手まといになりたくないのよ。」

「・・・気持ちは分かるけど、修理は出来ないわ。めぐみから聞いたけど、プリチェンミラーは元々、ブルーっていう地球の精霊からもらった愛の結晶から変化した変身アイテムだから、原理が分からない以上、修理は臨めないわ。それに妖精の世界を研究してるって言っても、全てを把握していた訳じゃない。」

 

マヤは真理奈にプリチェンミラーの修理を要求するが、修理は不可能だと言われ、自分自身に情けなく憤慨する。

 

「あぁ、ごめんね?力になれなくて。」

「う、ううん。いいの。こっちこそごめんね?無茶なこと言って・・・」

 

マヤは真理奈の手元に置いたプリチェンミラーを回収してテントから出ていく。

真理奈はそんなマヤを見ている事しかできなかった。

 

「やれやれ、研究者の端くれの私がこんなこと言うなんてね・・・」

 

真理奈はマヤがテントから出ていった後、溜息を吐く。

 

「あ、お姉ちゃん。今、マヤさんが元気なさそうにテントから出たけど、何かあったの?」

 

まのんがマヤと入れ替わるようにテントに入って、真理奈にマヤの様子について聞く。

 

「まのんか。実はマヤ、プリチェンミラーの修理を私にお願いしてきたのよ。できないって断ったけど・・・」

「そんな・・・」

「仕方ないわよ。人間の科学では解明できない代物が相手じゃ修理どころか、分析すらできないわよ・・・」

 

真理奈はまのんの質問に対して、もうお手上げと言わんばかりに椅子に背凭れする。

 

「あ、ここにいたの?」

 

真理奈とまのんの会話の最中、突然入って来たのはなのはとユーノである。

 

「なのはさん、ユーノさん。」

「おいおい、千客万来ね・・・」

 

真理奈は突然入って来たなのは達に対し、苦笑いする。

 

「ヴィヴィオから聞いたけど、渡したいものがあるんだって?」

「ゲッ!?あいつ、いつの間に・・・」

 

真理奈はなのはの発言にギクッっと驚く。

 

「まぁいいや、いずれ渡すつもりだったんだし。」

 

真理奈はなのは達に教える為、アタッシュケースを開ける。

アタッシュケースの中には六角形の緑の宝石とターンテーブルが内蔵している2つの装置が入っていた。

 

「これが高町とスクライアのお土産。『ストロングウィル』、挨拶しな?」

〈承知しました。初めまして、マスター。〉

 

ストロングウィルと呼ばれた六角形の宝石はユーノの前に浮遊して挨拶する。

 

「あ、あぁ。初めまして。」

「これってユーノ君のデバイス?」

「えぇ。高町のレイジングハートをベースに作ったのよ。おかげで徹夜しちゃったけどね。」

 

真理奈はなのはとユーノにストロングウィルについて話した。

 

「この装置は?」

 

ユーノは2つの装置の事を質問する。

 

「『リンクオブボンド』。レイジングハートについているマガジンを代用できるように作った魔力変換マシン。自身ともう一人の術者と魔力の共有ができるようになったわ」

 

真理奈は『リンクオブボンド』について説明する。

 

「この装置は2人1組専用のシステムになってるからアンタ達に渡したこの2つしかない。と、話ズレちゃったけど、レイジングハートのデータによれば、『カートリッジシステム』は自身の魔力量をパワーアップする為の物だけど、『リンクオブボンド』はペアを組む相手との魔力を共有化できる代物なのよ。キュアブラックとキュアホワイトのコンビネーションをヒントにね。マニュアルもケースに入れてあるけど、アンタ達なら実戦でやった方が分かりやすいか・・・」

「うん。そうする。今までそうしてきたもん。」

「僕もできる限りフォローするよ。」

 

真理奈は一々説明するより、実際やってみた方がなのはとユーノには分かりやすいと判断した。

 

「でも、お姉ちゃん。いつの間にそんな物を・・・」

「グランドームから帰った後にね。」

 

真理奈はまのんの質問に対し、そう答える。

 

「まのんさん。そろそろ時間です。」

 

テントの出入り口からメイリンが入ってきて、まのんを呼ぶ。

 

「はーい!」

「気を付けてよ。」

 

まのんはメイリンに呼ばれ、テントから出ようとすると、真理奈から気を付けるように注意する。

まのんはそれに対し、ウインクで返事する。

まのんとメイリンは、レンと元フォワードチーム、そして第十二魔導部隊と合流する。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ミラクル達はコアトルと一緒に広場に戻り、手持ちのカードを7以外のカードを置く。

しかし、現状で並べるように置けたのは、♢の7と並べられる8と9だけである。

 

「まだ他のカードは置けないようですね。」

「チッ、こんなことならもう少し捜すんだったぜ。」

 

ライハは今の状況に舌打ちする。

 

「みんなーっ!」

 

ミラクル達は声がした方向に振り向くと、フローラ達とホイップ達、リインとアギトが戻って来た。

フローラ達はミラクル達と合流する。

フローラ達が集めたカードは♠の5、6、9、Q、♡のA、3、4、6、♣のA、2、6、8、♢の2、4、J、Kの16枚である。

 

「大分集まって来たけど・・・」

「完全には並べられないね・・・」

 

それでも、4つのスートの7に隣り合うように並べられるのは、♠の4、5、6、♡の6、♣の5、6、8、♢の8、9の9枚である。

フローラ達が持っている未だ置けないカードは♠の2、9、Q、K、♡のA、3、4、9、10、Q、♣のA、2、3、J、♢のA、2、4、J、Kの19枚である。

 

「でも、あと20枚です!20体のトランプソルジャーを倒せば揃えられます!」

「だな。ライハの言った通り全員ブッ倒しちゃいいからな。これを並べるのはその後にすりゃいい。」

 

リインとアギトは前向きにそう言う。

フローラ達は残りのトランプソルジャーを捜す為、手分けして捜すことにした。




最後に出したコアトルの技ですが、某特撮ヒーローのキック技をベースにしました。


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赤い竜の拳士、突入!

今回は新たなオリジナルプリキュアが早速登場します。(投稿が遅れましたが・・・)


ヴェントのゲームを進行される中キュアコアトルに変身を果たしたライハ。

殆どのトランプソルジャーを倒した事で48枚の内28枚を回収し、残り20枚となった。

フローラ達はこのまま残りのトランプソルジャーを捜し出す。

一方、ホープキングダム郊外では、ユグドラシル残党の確保作戦が実行しようとしていた。

 

「皆さんに報告した通り、付近の洞窟には3つに分けられており、中は迷宮になって、ホシイナーやナケワメーケが徘徊されております。ホシイナーとナケワメーケはプリキュアでなければ対処できません。しかも、マヤさんから聞いた話だと、ヤマザキ・ヒロユキ氏の弟子、ライトリーとレフティーがその2種類の怪物を融合させた新兵器を作り上げていた模様。アインハルトさんからの話だと、人間界でそれを召喚されたそうです。しかし、これ以上ユグドラシルの悪行を行なわせないためにも、今ここで逮捕行動に入ります。先程言った通り洞窟の中にホシイナーやナケワメーケが徘徊しております。しかし、私を含めたプリキュアは3人、レンちゃんと、人間界より協力をしてくれる新まのんさんがユグドラシルが放った怪物を対処することができます。洞窟の入り口は3つ、三手に分かれて行動を移します。」

 

メイリンは目の前にいる第十二魔導部隊とまのん、レン、スバル、ティアナ、エリオ、キャロに洞窟内の情報と作戦内容を伝える。

なのはとユーノはクレインが率いる第八魔導部隊とフラムが率いる第七魔導部隊と共に上空で待機させ貰っている。

ユグドラシルの残党が確保し損ねた時に逮捕行動に出ると言うのもあるが、空間の歪みによって怪獣が現れる可能性がある為、細心の注意を払う事にした。

ヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィも外で待機するようにしていた。

怪獣が現れた時、ウルトラマンに変身して、それの対処をさせることにした。

 

「スバルさん、ティアナさん、エリオさん、キャロさん。まのんさんの手助けをお願いできますか?」

 

メイリンはスバル達にまのんとの同行をお願いする。

スバル達はそれに承諾した。

まのん、スバル、ティアナ、エリオ、キャロは真ん中の洞窟に行かせ、レンとメイリンは左右の洞窟に2つの部隊に分け、レンは右の洞窟に、メイリンは左の洞窟に行くことにした。

 

「それでは、これより突入を開始します!」

 

メイリンの号令により、部隊の兵士達は魔導杖を構え、まのんはクルルを抱きかかえ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロはデバイスを起動させ、レンとメイリンはプリチェンブレスをプリカードにセットする。

 

「セットアップ!」

「プリキュアモード・スイッチオン!」

 

まのんはキュアエレメントに変身し、スバル、ティアナ、エリオ、キャロはバリアジャケットを装備し、レンはキュアシルフィーに変身する。

 

「繋ぎ合う7つの光、キュアエレメント!」

「踊る神風、キュアシルフィー!」

 

メイリンも赤く短いチャイナドレスを身に着け、腰の部分に大きな緑のリボンが飾り、赤髪のショートヘアーが長く伸びて、その長髪を両サイドのお団子状に整え、赤い龍のデザインが彫刻されているメダルが付いているティアラを嵌め、右腕に赤い龍をモチーフにしたアームカバーを装着した功夫のようなプリキュアに変身した。

 

「灼熱の焔、キュアチーロン!」

 

メイリンは自らをキュアチーロンと名乗る。

変身完了した後、エレメント達は三手に分かれて3つの洞窟に突入する。

 

 

 

 

 

 

その頃、フローラ達は残り20体のトランプソルジャーを倒してヴェントのゲームに勝つ為、手分けして捜した。

フローラ達はミラクル達とアギトと行動している。

現在は東苺坂にいる。

 

「プリキュア・フローラル・トルビヨン!」

 

フローラはプリキュア・フローラル・トルビヨンで♢の5をカードに戻した。

 

「これであと18枚か。」

「だいぶ減って来たけど、捜すのに大変になってきたよ・・・」

 

フローラが今倒した♢の5とミラクルとマジカルが倒した♠の10を入れて残り18体となったが、数が減っていくにつれ、見つけ辛くなっていった。

 

「あの博打野郎~っ!面白半分にこんな下らねぇモン考え付きやがって~っ!」

 

アギトはゲーム開始以降姿を見せていないヴェントに対し、イライラしていた。

 

「あの、ヴェントって男の人、どんな人なんですか?」

「ヴィヴィオからあの男はヴァベルの騎士だって言い出したけど、あの人のこと知ってるんですの?」

 

マーメイドとスカーレットはアギトにヴェントの事を聞いてみる。

 

「知ってるよ。アタシがミッドチルダにいた頃、時空管理局で働いてたんだ。つっても魔力が高いだけの嘱託魔導師だけどよ。」

「嘱託って?」

「アルバイトみたいなものだよ。」

 

フローラは嘱託という単語に首を傾けて、トゥインクルは嘱託の事を説明する。

 

「アイツ、嫌という程遊び人でさ、犯罪者を捕まえる時、ゲームとカッコつけて犯人を嬲るみたいに追い詰めてたんだ。まぁ、管理局は元々治安維持や法務執行は勿論、文化管理や災害の防止・救助が任務だから目を瞑ってるけど、あのオッサンは貰った給料の金を使ってカジノでギャンブルしてたから別の意味で困ってんだよ~っ!」

 

アギトはフローラ達とミラクル達にヴェントについて説明していく内にどんどん声が荒げていく。

 

(よっぽど問題ありな人なんだね・・・)

(現代社会ではよくある話だよ・・・)

 

ミラクルはアギトの話に呆気をとり、トゥインクルはヴェントのミッドチルダでやったことに苦笑いする。

 

「とにかくだ。ヴァベルの騎士の正体を探る為にも、あいつをとっ捕まえてやらねぇとな!まずはあの紙切れ共だ!」

 

アギトはフローラ達とミラクル達とは別の方向に振り向くと、♠の3と8、♣のQの3体がいた。

 

「はい!」

 

フローラ達は♠の3と8と♣のQのトランプソルジャーを倒す為走り出した。

その同時刻、リインとコアトルとホイップ達は西苺坂で♡の2と♣の10と交戦していた。

 

「チィッ!」

 

コアトルは♣の10の風の刃を避ける。

しかし・・・

 

「グゥッ!?」

 

♡の2の矢がコアトルの背後から肩に掠らせる。

 

「コアトル!」

「手ぇ出すんじゃねぇ!」

 

カスタードはコアトルの心配で駆け寄るが、制止させられる。

コアトルはコアトル・シャドークリエイトでヴィオレを形成する。

 

「んなろぉ・・・もう容赦しねぇぞ!」

 

コアトルはプリチェンブレスのスイッチを押す。

コアトルは電気で形成した刀を構えると、ヴィオレも手から電流が流れ、その電流が光の刀に形作る。

コアトルとヴィオレは刀を後ろに引くと、刀が電気エネルギーが纏わせる。

♣の10はコアトルの攻撃を妨げようと、火の玉を繰り出そうとしたが、リインのフリーレン・フェッセルンで♣の10の動きを封じる。

 

「へっ、これで集中できるぜ。」

 

コアトルは動きが封じられている♣の10を見て、内心安心して、すぐに♡の2の方に視線を向ける。

♡の2は矢に炎を纏わせ、コアトルを狙い撃つ。

 

「コアトル・ボルティックセイバー!」

 

コアトルとヴィオレは刀を抜くように横に振ると、三日月状の雷の刃が♡の2に襲い掛かる。

ヴィオレの雷の刃が炎の矢を相殺し、コアトルの雷の刃が♡の2に命中する。

よって♡の2はトランプカードに戻る。

 

「後は任せて!」

 

ホイップ達はキャンディロッドを構える。

 

「キラキラキラルン、フルチャージ!」

 

ホイップ達はキャンディロッドのキラキラルポットを回す。

カスタードは生地を作成し、ジェラートはその生地を混ぜ、マカロンはその生地を切り、ショコラはその生地を焼き、ホイップはクリームと苺を乗せる。

よって完成した巨大五段ケーキが♣の10を包み込む。

 

「スイー、ツー、ワンダフルアラモード!」

 

ホイップ達はキャンディロッドのキラキラルポットを回す。

よって、ケーキの中にいた♣の10が消え、代わりにトランプカードが地面に落ちる。

ホイップはそれを拾う。

これで残り16枚となった。

 

「大丈夫ですか!?」

「これくらいなんともねぇよ。すぐ傷が塞がる。」

 

リインはコアトルに近寄って心配をかけるが、素っ気なく突っぱねる。

コアトルの肩の傷は徐々に塞がっていき、元通りになっていく。

 

「君は一体・・・」

「・・・バケモノだよ。人の手に作られたバケモノだ。」

 

コアトルは自分の素性を手短に明かし、リイン達はそれを聞いて目を大きく開く。

 

「今は私の事はどうでもいいだろ?時間がないんじゃねぇのか?」

 

コアトルはリインに残り時間を聞く。

 

「確かタイムリミットは1時間だったわね?」

「はい。あと20分です。」

 

マカロンはタイムリミットの残り時間をリインに確認させると、残り20分で終了になる。

 

「捜す範囲が広すぎます・・・」

 

カスタードは周囲を見渡しても他のトランプソルジャーが見当たらず、いちご坂の面積の広さを考えて、トランプソルジャーの捜索に困ってしまう。

 

「・・・山ん中か・・・」

 

コアトルはいちご山の方に視線を向けてそう言う。

 

「コアトル、分かるの?」

「ミュータントになってから動物的勘が鋭くなってんだよ。私のようなバケモノの気配にな。」

 

コアトルはトランプソルジャーがいる場所が分かる理由を言った後、いちご山の方に向かう。

ホイップ達はそのコアトルについていく。

 

 

 

 

 

 

その頃、チーロンは第十二魔導部隊の兵士達と洞窟に突入後、ホシイナーとナケワメーケと対峙していた。

ホシイナーはコウモリと合体し、ナケワメーケはサソリと合体していた。

コウモリホシイナーはサソリナケワメーケと連携し、チーロンを襲い掛かるが、チーロンの部下がチェーンバインドを使用し、サソリナケワメーケを封じる。

コウモリホシイナーはチェーンバインドに引っかからず、そのままチーロンに突撃する。

 

「ハァッ!」

 

チーロンはコウモリホシイナーの顎に蹴りあげる。

コウモリホシイナーはチーロンの蹴りで悶絶する。

チーロンはすかさずプリチェンブレスのスイッチを押す。

 

「チーロン・フレイムバースト!」

 

チーロンはコウモリホシイナーの胴体に掌をつくと、コウモリホシイナーの体の内側から燃え上がり、そのまま浄化される。

サソリナケワメーケはチェーンバインドを力尽くで引きちぎり、そのままチーロンの方に襲い掛かる。

チーロンはサソリナケワメーケの振り上げた鋏を躱し、頭上から迫る尻尾の毒針を避け、その尻尾を掴み、背負い投げの要領で地面に叩きつける。

チーロンはこの隙にプリチェンブレスのスイッチを押す。

 

「チーロン・バーニングロード!」

 

チーロンは地面に拳を叩き付けると、炎を走らせ、サソリナケワメーケを火達磨にさせる。

よってサソリナケワメーケは浄化される。

 

「すごい・・・我々を苦しめた怪物共をたった1分で・・・」

「プリキュアに変身するとこれ程の力が・・・」

 

兵士達はチーロンの戦いを見て、感激の声を上げる。

 

「皆さん、無事ですか?」

「は、はい!全員怪我はありません!」

「では、このまま前進します。」

 

チーロンは兵士達に命令して、奥へと進む。

 

 

 

 

 

 

その頃、洞窟の外ではなのは、ユーノ、はやて、エクセルは上空で魔導部隊と周囲の警戒をしている。

 

「私も一回しか変身してないとはいえ、プリキュアの1人なんだけどな・・・」

「多分、ユグドラシルが逃げ出した時、あの怪物を出してくるんだと思う。それを見越しての作戦なんだろうね。」

「な、成程・・・」

 

エクセルはなのはからエクセルが外に待機させる理由を聞いて納得する。

 

「でも、びっくりだね。アインハルトちゃんがウルトラマンになるなんて。」

「そうだね。トーマとアインハルトは兎も角、ヴィヴィオがウルトラマンに変身したって知った時、心配だったんじゃないかな?」

「にゃはは・・・それは確かに心配だったけど、それ以上にヴィヴィオが無事だって分かった時安心したよ。」

 

なのはとユーノは暢気に雑談する。

エクセルはなのはとユーノの会話する所を見て苦笑いする。

地上にいるクレインとフラムはその様子を真剣な眼差しで見ている。

 

「・・・ったく、こんな時に暢気なこったな?」

「えぇ・・・でも、悪くない光景です。」

 

フラムとクレインはなのは達のやり取りを見て感慨に浸る。

今のフラムとクレインの表情は微笑んでいるが、どこか悲しそうに見えた。

 

〈マスター。〉

 

突然、イフリートがフラムに声を掛け、フラムとクレインはハッと我に返る。

 

「なんだ?」

〈半径4km先に敵性反応確認。〉

「!人間界でプリキュアと対峙していた残党共か?」

〈はい。その数、約20。〉

 

イフリートからの報告で、ブラック達やフローラ達を足止めしていたユグドラシル兵20人が迫ってきているらしい。

その時、洞窟とは反対方向からホシイナー、ナケワメーケ、オルトロスが攻めてきた。

 

「敵襲ーっ!」

 

1人の兵士が掛け声を上げる。

ホシイナー、ナケワメーケ、オルトロスが全部で60体もいる。

 

「迎撃開始!ユグドラシルを一網打尽にしてください!」

 

クレインの命令で兵士達は魔導杖を構える。

なのはとユーノとはやてとエクセルも戦闘態勢に入る。

クレインとフラムも手に持っているアイスメイデンとイフリートを頭上に掲げる。

 

「アイスメイデン・・・」

「イフリート・・・」

「オープンコンバット!」

 

クレインとフラムの足元に青い魔法陣と赤い魔法陣が展開する。

クレインは青い魔法陣を中心に巨大な氷の柱で囲まれ、内側に吹雪で覆われ、その後、氷の柱が砕け散り、その中から青白い鎧を身に纏い、右腰に細剣、左腰にボウガンが携わり、白いマントを羽織っている姿をしたクレインが姿を現す。

フラムも足元の赤い魔法陣毎炎で覆い、その炎が勢いよく火柱を立てた後、弾けるように消え、火柱を立てた所にいたフラムが濃いオレンジ色の鎧を身に着け、その上に白いオーバーコートを羽織り、右腰にサーベル、左腰に鞭を携わった姿で現れる。

 

「あれがクレインさんとフラムさんのバリアジャケット・・・!」

 

なのははクレインとフラムの変身した姿を見て厳粛な表情を浮かべる。

しかし、そうは言ってられない。

ユグドラシル兵が放ったオルトロス達が接近してくるのだ。

なのは達は先に前線に出ている魔導部隊と合流し、オルトロス達と一戦交える。

唯一、この戦闘に参加していなかった人物、マヤはなのは達がオルトロス達と戦っている隙にテントから出ていき、洞窟の方へと向かった。




う~む・・・全然話が進みませんな・・・(汗)


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突入!残党のアジトへ!

1日遅れましたが、あけましておめでとうございます。
それから不定期投稿とはいえ、4ヶ月も投稿できず申し訳ないです・・・(疲)


ホープキングダム郊外でユグドラシル残党確保作戦を実行したスバル達。

郊外の洞窟には3つに分かれており、真ん中の洞窟はスバル、ティアナ、エリオ、キャロ、まのんが突入し、右の洞窟はレンに任せ、左の洞窟はメイリンが行くことになった。

エレメントとシルフィー、そしてメイリンが変身するキュアチーロンによって洞窟内のホシイナー達を倒しながら、レフティーとライトリーを追う。

その間、野営地にいるなのは達は、人間界にいるフローラ達と交戦していたユグドラシル兵の帰還の報告を受け、迎撃戦を開始する。

その頃、ヴェントのゲームに悪戦苦闘していたフローラ達はようやく終わりを迎えようとしていた。

 

「ハァァァァァッ!!」

「オォラァァァァァッ!!」

 

フローラとコアトルはいちご山に潜伏している残りのトランプソルジャーの内、♠のJと♢のQを跳び蹴りでダメージを負わせる。

 

「スカーレット!」

「えぇ!」

 

スカーレットはスカーレットバイオリンを召喚し、フェニックスのドレスアップキーを挿し込み、バイオリンの音色を奏でる。

 

「羽ばたけ!炎の翼!プリキュア・フェニックスブレイズ!」

 

スカーレットはプリキュア・スカーレットブレイズを放ち、♠のJと♢のQを元のカードに戻す。

 

「高鳴れ、海よ!プリキュア・マーメイドリップル!」

「キラキラ、星よ!プリキュア・トゥインクルハミング!」

 

マーメイドとトゥインクルはそれぞれ浄化技を放つ。

よって、♣の9と♡のJは元のカードに戻る。

アギトは炎の球を飛ばし、♣と♡のKを怯ませ、リインはフリーセン・フェッセルンで動きを封じる。

 

「フル・フル・フルフルリンクル!プリキュア・エクストリームレインボー!」

 

ミラクルとマジカルとフェリーチェはプリキュア・エクストリームレインボーを放ち、♣と♡のKはカードに戻る。

そして、ホイップ達は・・・

 

「キラっと輝け!クリスタルアニマル!」

 

うさぎとリスとライオンと猫と犬とペガサスのクリスタルアニマルを召喚し、♠のA、♢の3と6、♣の4、♡の5と8の周りに囲む。

 

「プリキュア・アニマルゴーランド!」

 

ホイップ達はメリーゴーランドのように回り、キラキラルクリーマーからキラキラルを出して包み込む。

よって残りのトランプソルジャーも元のカードに戻った。

 

「ゼェ、ゼェ・・・やっと全部倒したか・・・」

 

コアトルは虫の息を出しながらようやくトランプソルジャーを全滅した事に安堵する。

しかし、まだ安心はできない。

ヴェントが考案したゲームは♠、♡、♣、♢の7を除く48枚のカードを1時間以内に揃える事がルールである。

だから、こうしてトランプソルジャーを全滅したからと言って、それでゲームクリアというわけにはいかない。

残り時間はもう少ない。

フローラ達は先程元に戻ったトランプのカードを拾い、急いで町の広場に戻る。

町の広場に戻ったフローラ達は手持ちのカードを4枚の7のカードを中心に並べるように光の枠に置く。

全てのカードが揃った後、52枚のトランプのカードが建物の上に飛んで行く。

建物の上に等身大のジョーカーのトランプのカードが突如現れ、回転すると、ヴェントが現れ、飛んできた52枚のカードがヴェントの手に集まる。

 

「ゲームクリアだ。時間は59分57秒。あと3秒遅かったら結果が逆になっていた。」

 

ヴェントは手品師のように器用にカードを消したり出したりする。

 

「てめぇ、ふざけんのもいい加減にしろよ!」

「ったく、とんでもねぇオッサンだな・・・」

 

アギトはヴェントに対してムカッ腹立ちし、コアトルは疲れた表情で陰口を吐く。

 

「リインさんから聞いたよ?大の大人が自分で稼いだ金でギャンブルするなんて!」

「私の魔導技術を上げるにはそれがベストだからな。」

 

ヴェントはホイップにリインから聞いた話の事で指摘するが、ヴェントは飄々とした様子で答える。

 

「ま、封絶結界で民間人が巻き込まれる心配はないとはいえ、結局迷惑かけた訳だから、その詫びとして情報を教えてやろう。君達プリキュア諸君が気に掛けているウルトラマンゼロの事だが、すでに妖精の世界に訪れている。」

 

ホイップ達はヴェントからの情報を聞いて目を見開く。

 

「もうすぐホープキングダムに到着するだろう。そして、そのゼロをリイン君、アギト君、君達のマイスターはやて君の友人、フェイト君が追っている。」

「なに!?」

「フェイトちゃんが!?」

 

リインとアギトもヴェントからの情報を聞いて驚く。

 

「それともう一つ、はやて君は既になのは君達と再会している。すぐに会わせるから、そのままいい子にしておくがいい。ワンダーランド。」

〈OK、コマンダー。〉

 

ヴェントはサイコロを取り出して、それをワンダーランドと呼び、命令を出すと、ホイップ達の足元に魔法陣が展開される。

 

「なっ、おい!」

「約束は約束だ。はやて君達に会ったら、気を付けるように伝えたまえ。仕事で疲れた所を敵に隙を突かれないようにとな。」

 

ヴェントはアギト達にはやて達への伝言を伝える。

その後、魔法陣の内側にいたリイン、アギト、フローラ達は転移される。

ヴェントは指パッチンをした後、封絶結界を解除する。

よって消えた町の人達が何事もなく賑やかに歩いていた。

その様子を見た後、ヴェントの足元に魔法陣を展開して、どこかに消えていった。

 

 

 

 

 

 

ヴェントに転移されたフローラ達は足元の魔法陣が消えた後、周囲を見渡す。

フローラ達が今いるのは森の中。

一見、どこの森なのかはわからなかったが、ヴェントの約束事を考えると、確証はないがホープキングダム郊外だろう。

その時、突然爆発音や振動音が鳴り響く。

フローラ達はそれらの音が聞こえた方向に向かって走り出す。

森から抜けた後、フローラ達が見たのは、野営地でなのは達が、ユグドラシルが放ったオルトロス達と戦っている所である。

 

「はやてちゃん!なのはちゃん!」

「本当にはやて達の所に送りやがった・・・」

(あのツインテールの娘と金髪の坊主、ライトリーとレフティーが見せた娘達か・・・しかもさっきの茶髪の娘とピンクの娘も一緒か・・・)

 

コアトルはなのはとユーノとはやてとエクセルを見てそう言う。

 

「き、貴様ら!?」

 

フローラ達は突然声を上げられ、そちらに振り向くと、オルトロス達を率いた5人のユグドラシル兵が押し寄せてきた。

ユグドラシル兵が引き連れた怪物はキノコのオルトロスが1体、カエル、トカゲのナケワメーケとカタツムリ、ハチのホシイナーである。

 

「何故プリキュア達がここに!?」

「ユグドラシル!」

 

フローラ達はユグドラシルが来たと分かり、身構える。

 

「ケッ!他のプリキュア達を足止めしてんのかと思ったら、ライトリーとレフティーんトコに戻るトコだったのかよ?」

「!?貴様、何故それを!?」

「待て!その言葉遣い・・・貴様、ライハか!?」

 

ユグドラシル兵はコアトルの言葉を聞いて、コアトルの口調が聞き覚えのあると思い、ライハなのかと問い詰める。

 

「あぁ。今はキュアコアトルって名前になってるけどよ。」

「バカな!?このバケモノがプリキュアに目覚めたと言うのか!?」

「あぁ。流石にそれは自分にも驚いたぜ。」

 

コアトルはユグドラシル兵にそう言う。

 

「貴様のようなバケモノがプリキュアだと?ふざけおって!だったらこの小娘共と一緒に葬ってくれる!行け!!」

 

ユグドラシル兵はキノコオルトロス達をフローラ達に襲わせる。

 

「いきなり戦場に来るなんてな・・・」

「でも、スカーレットの国の為だもの!これ以上好き勝手にはさせない!」

「もちろんですわ。ホープキングダムを脅かすあなた方を許すわけにはいきません!」

 

フローラ達も襲い掛かってくるキノコオルトロス達を対峙する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方・・・

 

「迸る水よ、逆巻いて!プリキュア・ウォーターピアーズ!」

 

エレメントはクモのホシイナーにプリキュア・ウォーターピアーズを放つ。

クモホシイナーはエレメントの技を受け、浄化される。

 

「ハァ、ハァ・・・」

「大丈夫、エレメント。」

「は、はい。今までなぎささん達やシンさん達のサポートをしてたから、こうして前に立って戦うのは慣れなくて・・・」

 

エレメントはキャロに心配かけられ、大丈夫だと答えるも、慣れない前線による戦闘に苦心する。

 

「大丈夫だよ!私達がついてるから!」

 

スバルはそんなエレメントを励ます。

 

「スバルさん・・・」

 

エレメントはスバルの言葉に勇気づけられる。

その時、エレメント達の後ろから足音が近づいて来た。

スバル達は警戒心を曝け出し、エレメントを庇いながら様子を伺う。

足音が大きくなると同時に、暗闇から人の姿を曝け出す。

その正体はマヤだった。

スバル達は足音の主はマヤだと分かり、警戒を解くものの、何故ここにいるのか疑問を抱く。

 

「マヤさん、どうして・・・」

 

まのんはマヤに、何故ついて来たのか恐る恐る質問する。

 

「いつまでも足手まといになりたくないから。」

 

マヤはポケットからレンやメイリンと同じ変身アイテム・プリチェンブレスを取り出す。

 

「それは!?レンちゃんとメイリンさんが持ってた・・・」

「今は聞かないであげて。」

 

まのんはマヤにプリチェンブレスを持っている理由を聞こうとしたが、口止めされる。

マヤはプリチェンブレスを左腕に装着し、プリカードを装填する。

 

「プリキュアモード・スイッチオン!」

 

マヤはプリチェンブレスのスイッチを押すと、プリキュアに変身する。

 

「正義の盾、キュアイージス。」

 

マヤは再びキュアイージスとなった。

 

「マヤさん・・・」

「仕方ないわね。今はユグドラシルの拘束を優先しましょ。」

 

ティアナはスバル達にイージスの事は後回しにして、ユグドラシル残党の逮捕を優先するように言い出す。

スバル達はそれに了承し、さらに奥へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、フローラ達はユグドラシルの兵士が放ったオルトロス達を薙ぎ倒し、兵士を気絶させ、なのは達の元に合流する。

 

「はやてちゃん!なのはちゃん!」

 

リインはなのはとはやてを呼び掛ける。

なのはとはやて、そしてユーノはそれに気づき、振り向くと、フローラ達が駆け付けてきた。

リインとアギトも一緒である。

コアトルはフローラ達とは距離を取りつつ、合流する。

 

「リイン!アギト!」

「無事でよかったです!」

「シグナム達もいなくなっちまったから心配したよ!?」

「シグナム達も・・・とにかく無事で何よりやね。」

 

はやてとリインとアギトはお互いの無事に安心する。

 

「リイン、早速やけど、サポートをお願いな?」

「はいです!」

 

はやてはリインに依頼すると、リインの体が白銀の発光体となり、はやての周囲に飛び回る。

 

「祝福の風、リインフォースⅡ!ユニゾン・イン!」

 

白銀の発光体がはやての胸の中に入っていく。

すると、はやての髪が茶色から銀髪へと変わり、黒い瞳が綺麗な青色に変わる。

 

「髪の毛が変わった!?」

「はやてちゃんのユニゾン形態、久しぶり!」

 

ミラクル達ははやてのユニゾン形態を見て驚き、一方のなのははミラクル達の反応と違い、懐かしさを感じる。

 

「そこの娘は?」

 

ユーノはコアトルの方に視線を向ける。

 

「ライハさんです。プリキュアになったんですよ。」

 

ホイップはコアトルの正体を教えると、なのは達はコアトルがライハであることに驚く。

コアトルは何も言わなかった。

 

「とにかく、お話は一旦後にしよ。アギト、テントの方にシャーリーがおる。すぐそっちに行って守ってぇや。」

「了解だ、はやて!」

「プリキュアの皆はオルトロス達を頼むで。何度か反撃したけど、やっぱりプリキュアの力が必要や。」

「はい!」

「エクセル、君はエレメント達と合流してや。」

「了解!」

 

はやてはアギトとプリキュア達、そしてエクセルに指示を出す。

エクセルはプリチェンブレスでキュアスピカに変身する。

 

「あれがほのかさんが言っていた・・・」

「もう一人の新しいプリキュアパフ!」

 

フローラ達はエクセルがスピカに変身した姿を見て唖然としていた。

 

「私達はクレインさんとフラムさんと合流して下っ端達を懲らしめとこ。」

「うん!」

「了解だ。」

 

なのはとユーノははやての指示に従う。

 

(よく分からねぇが、お互い信頼し合ってる・・・あの4人もそうだ・・・)

 

コアトルはなのは達のやり取りを見て、深刻な表情になる。

 

(あの時、人数があいつらの方が上とはいえ、この世界の事を知らない世間知らずだった。私みたいなバケモノでも、まるで慣れてるみたいにやってのけた。プロの野球選手並みのチームワークのように・・・それ程の修羅場を潜ってんのか・・・)

 

コアトルは前にぴかりが丘でスバル達と戦闘した時の出来事を思い出す。

しかし、コアトルはその出来事をなかったかのように誤魔化すような気持ちで首を振ったり頭を掻いたりする。

 

(バカなこと考えてんじゃねぇ!あいつらの仕返しがあるしな。この山のどっかに穴を開けて直接探っていくか・・・)

 

コアトルはすぐに洞窟がある山に視線を向ける。

その後、コアトルは変身を解除して人間の姿に戻った後、ライハは蛇の姿に変わる。

 

「ライハちゃん!?」

「先に行くぜ!」

 

ライハはホイップ達よりも先に洞窟のある山の方に飛んで行く。

 

「あのバカ!追います!あとの事はお願いします!」

「うん。行っておいで。」

 

スピカはなのは達にあとの事を頼んでライハの後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

一方・・・

 

「チィッ!親父が地球で戦った奴より手強いもんだな!」

 

ゼロは手で口を拭う仕草をした後、目の前の方に向ける。

ゼロが相手をしているのは、2つの鳥のような頭をした赤黒い怪獣である。

その怪獣の名は、火ノ魔王獣マガパンドン。

超高温の火の玉で身を守り、多くの人々を熱中症に陥れた魔王獣の1体である。

マガパンドンを覆う火の玉はオーブの攻撃を一切通らない程強力である。

 

「だがな!親父が倒した奴のパクリが俺に勝とうなんざ、2万年早いぜ!」

 

ゼロは立ち上がり、戦闘の構えをとる。

ゼロとマガパンドンはお互いぶつかり合う。




最後の場面ですが、ゼロが魔王獣の存在を知らないことになっています。


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