ソードアート・オンライン外伝-サンタへのお礼- (栖都 李風)
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ソードアート・オンライン外伝-サンタへのお礼-

2026年2月 -上旬-

和人は菊岡にメールで

呼び出されカフェに赴いた。

和人(まったく今度は

どんな依頼をされるんだ)

「カラン」

カフェの扉を開けると

店員が「いらっしゃいませ、

1名様でよろしかったですか?」

和人「いえ、ここで

待ち合わせをしてるん…」

と返答してる最中に

カフェの奥の席から

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

菊岡「キリトくーん

こっち、こっちー!」

周りのお客が全員、

菊岡と俺に注目した。

俺は恥ずかしかったが

菊岡の座る席に向かった。

和人「毎回、待ち合わせする度に

大声で呼ぶなよ、他の客に迷惑だろ

それとリアルでキリトと呼ばないでくれ」

菊岡「ごめん、ごめんw

今度から気を付けるよ」

和人(絶対、反省してないな)

和人「それで今回はどんな依頼なんだ」

菊岡「まぁまぁ、

とりあえず注文しないよ

奢るからさ」

和人「じゃあ遠慮なく」

和人はしばらくメニューを見て

店員を読んで注文をすませた。

和人「それで今回の話って言うのはなんなんだ」

菊岡「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ

今回は事件の調査とかそんなんじゃないんだ」

と言ったところで店員がやってきて

「お待たせいたしました。

こちら、コーヒーと

特製チーズケーキになります

ご注文以上でよろしかったですか?」

和人「はい、大丈夫です」

店員「それではごゆっくり」

和人はチーズケーキを

一口食べると菊岡に

和人「…それで話の続きは」

菊岡「あぁ、今回は

とある人に会ってほしいんだ」

和人「人?」

菊岡「これは僕の管轄じゃないんだけど

総務省通信ネットワーク内仮想空間管理課に

電話があってね

キリト君に会いたいとの問い合わせがあったんだ」

和人(どうして俺のことを知ってる)

「それでそいつは誰なんだ?

俺に会いたい理由は?」

菊岡「理由は伏せてほしいそうだ

君が会いたくなくなるかも

しれないからだそうだ

相手の名前は林 直人という」

和人「“林 直人”………

聞いたことないな」

菊岡「話しても構わないと

言われている会いたい理由は

ソードアート・オンラインのことで

会って確かめたいことがあるそうだ」

和人「!」(ソードアート・オンライン…

ゲーム内で会ったことのあるやつか

それともSAO生還者なのか

どうして俺に会いたいんだ

だがこうして誰かを介して会おうとするなら

悪いことを企んではないのだろう)

菊岡「どうする和人くん

一応、伝えておくとだけ言ってある

もし君が嫌なら無理に会う必要はない

向こうもそれを了承してる」

和人はしばらく黙りこんで

口を開いた。

和人「……………いえ、会ってみます。

俺にどんな話があるのか

気になりますし、自分のしたことからは

もう逃げないと決めたので」

菊岡「そうか、わかった

それじゃあ連絡しておくね。

会う時期は出来れば

今月の終わりか来月の始めだそうだ」

和人「わかりました」

2月28日土曜日

和人は林 直人と会うために

宇都宮駅に来ていた。

和人(ここでいいんだよな

一応服装は黒ずくめと伝えてあるが)

すると声をかけられた。

???「すみません、キリトさんですか?」

和人「!」

キリトは驚き振り返った。

そこには自分より

歳が6つほど上の人が立っていた。

和人「あなたが林 直人さんですか?」

直人「はい、今回は会っていただき

ありがとうございます。キリトさん」

和人「いえ、大丈夫ですよ

でも、キリトはちょっとやめてもらっていいですか(-_-;)

和人と呼んでもらえればいいので」

直人「これは失礼しました

私も直人と呼んで貰って構いません

立ち話もなんですので

近くのお店に入りましょうか」

和人「そうですね」

二人は近くのカフェに入った。

二人は席について

注文をすませ話を進めた。

和人「それであって

話したいこととはなんですか」

直人「それは僕の妹の話になるんですが」

和人(妹さんの話しか)

直人「僕の両親は妹を出産して

直ぐに母が亡くなりました。

あまり体が強いわけではなく

出産の反動で死んでしまいました。

その12年後、父は事故で死んでしまいました。

僕の妹はSAO事件の被害者で

名前は林 佐知といいます」

和人「!!」

直人「やっぱり知ってるんですね。

佐知のことを。」

和人(知っている。

忘れられるはずがない。

彼女を助けられなかったのは俺だ)

和人「すみませんでした」

直人「え?」

和人「妹さんが死んだのは俺のせいなんです…。確認ですが佐知さんの

キャラネームはサチ(Sachi)ですよね?」

直人「はい、たぶんそうです。

ゲームで名前をつけるとき

いつも自分の名前を使ってましたから」

和人「俺はサチさんの所属するギルドで

一緒にSAOを攻略していました。

そして、トラップに引っ掛かってしまい

俺以外のメンバーは全滅

自分だけが助かってしまった………」

直人「和人さん…。

僕は別にあなたを

責めに今日会いに来たんじゃないんです。

佐知が死んだとき、僕は病室にいました。始めは絶望と悲しみで

その場に崩れ落ちました。

なぜ妹が死ななきゃならないのかと

でもその時、佐知の声で小さく

“キリト”と聞こえたんです。

そしてぱっと顔をあげて

佐知の顔を見ると

笑っていました

両親を亡くしてから

笑わなくなったあいつが

最後、笑っていたんです。

それで最後に名前を呼んだあなたに…

和人さんにお礼をいいに来たんです!」

和人は涙を流していた。

自分のせいで死んでしまったのに

そんな自分にお礼を言うために

会いに来てくれることも

嬉しかったがそれ以上に

自分以外にもサチの気持ちを

知ってる人がいることが何よりも

嬉しく思った。

直人「和人さん妹を…佐知を…。

救っていただきありがとうございます」




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