転生した憧れの世界はいろいろとおかしくなっていた(編集中現在3話までは完了) (ありふれた猫の中の猫又)
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テンセイ

どうも!ありふれた猫の中の猫又です!
ある人の薦められて今書いている小説と並行してTS小説を書くことになりました。どちらも見ていただけると嬉しいです!
では、どうぞ!


 

「ここはどこだ?」

 

確か俺は学校にいたはずなんだけど……見渡す限り綺麗な星?まるでプラネタリウムのような場所はなんだろう?地面見えないし。俺が立ってるからあるんだろうけど。俺がそんな事を考えつつ、辺りを見渡してぼーっとしていると目の前にサッカーボールくらいの大きさの光を放った球体がゆらゆらと飛んできた。そして俺の目の前で止まり、いきなり強い光を放った。

 

「うっ!なんだ!」

 

目を隠した手をどけると目の前には、その姿を見た人は誰もが美しいと言うだろう女の人が立っていた。

 

「はじめまして、こんにちは」

 

「こ、こんにちは。だ、だれ?」

 

「私は神です」

 

「え?今なんて?」

 

「神ですよ?」

 

「えぇ!ホントですか!?」

 

「えぇ、ホントですよ」

 

「すみません、神様とは知らずに無礼を…」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ。そんなに畏まらなくて」

 

なんで自分の目の前に神様がいるのか大体予想はできてるが、何で自分がここにいるのか聞いてみようか。

 

「それはあなたが、亡くなってしまったからですよ」

 

「あ、やっぱりそうなんですねって、なんで聞こえてるんですか!?」

 

「だってわたし神ですよ」

 

「あ、確かに、それで納得できる」

 

全部それでは片付けられるのは便利だな。さすが神って感じ(笑)てか、俺ってなんで死んだのか。

 

「あなたは、女の子を守って亡くなりましたよ。それはもうかっこよく散ってましたよ」

 

「女の子を?そうなんですか?」

 

「あなたの記憶によると好きな人だったみたいですよ。その女の子をあなたは不審者から勇敢に守って亡くなりました」

 

「守ったですか。そんなに好きだったんですかね?」

 

「そうですね。今は生の世界と死の世界の狭間なので記憶の一部(亡くなったところ辺り)が消えているようなのでわからないと思いますが、あなたは不審者が女の子をナイフで襲おうとしていたところを守ったみたいですね。ちなみにその後すぐに不審者は取り押さえられたので女の子は生きていますよ」

 

「そうですか。それは良かったです」

 

記憶が曖昧だからわからないけど俺の命が無駄にならなくて良かった。

 

「で、ここからが本題なのです。あなたがこんな亡くなり方をしたので、神の会議であなたに慈悲を与えようということになりました!」

 

「え?慈悲ですか?」

 

「はい、そうです!なにか望みを叶えて差し上げますよ!」

 

「えぇ!いいんですか!?」

 

「はい。あなたが好きなライトノベルにありがちの異世界転生もできますよ。記憶付きで。もちろん同じ世界でまた生きたいならそちらでもいいですけど、こちらだと記憶はリセットされますが…」

 

「いえ!転生でお願いします!!」

 

「そ、そうですか。わかりました。世界を決めることができますがどこか希望はありますか?」

 

「そうですねぇ。あ!ニセコイの世界ってありますかね?」

 

「もちろんありますよ!主人公的立ち位置に転生させることもできますが…」

 

「ぜひお願いします!!」

 

やったぁ!これで前世にはなかった幸せなリア充ライフを遅れる!

 

「良かったですね。ですが、主人公的立ち位置だとしても黙っているだけでは何も起きませんよ」

 

「え?どういうことですか?」

 

「つまり、自分で努力して切り開いて行かなければ幸せなリア充ライフはやって来ないと言うことですよ」

 

「うっ、そ、そうなんですか。わ、わかりました。一生懸命頑張らせていただきます!!」

 

「はい、頑張ってくださいね。私はあなたの幸せを願っております。では、転生させますのでじっとしていてください」

 

「わ、わかりました」

 

ついに、ついにこのときがきた。あぁ、神様ありがとうございます。これから、一生懸命に二回目の人生を生き抜いていきたいと思います。

 

「では、行きますよ」

 

足元から青白い光が溢れ出してくる。そして、自分を包み込むように広がってくる。

 

「神様。本当にありがとうございます!俺、頑張ります!!」

 

「えぇ、お幸せに」

 

そして、夕陽は光に包まれてその場から消えていなくなった。そこには神様だけが残っていた。

 

「あ!一つ言い忘れてた!……まぁいっか。これは生まれてからのサプライズってことで」

 

神様はまた光の球体になり、そのままゆらゆらと彼方へ消えていった。

 

 

 

 




今回は2話同時に投稿するので、次も見てくださると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。感想お待ちしております。


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ツウガク

どうも!ありふれた猫の中の猫又です!
2話です。
どうぞ!

1月15日 内容を改変しました。いろいろと変な部分を直しました。


 

 

 

 

転生してからもう16年が経った。

俺はこの世界に来てからすぐにこの世界がニセコイの世界と少し異なっていることに気づいた。が、まず、その異なる事の前に俺の自己紹介をする。

一条要。これが俺のこの世界でつけられた名前だ。ニセコイ主人公一条楽の家、一条家の長男として生まれてきた、わけではない。俺は拾われた子である。たぶん神様がここに拾われるようにしてくれたんだろう。拾った子でありながら愛情を注いでくれた両親と姉に感謝だ。そして、俺は、小さい頃から前世での不甲斐ない自分を変えるべく武道に打ち込んできた。今では極めるまではいかないがかなり上の段階まで上達している。前世の記憶があるためせこいが勉学も良くできる。さらに、神様がおまけでつけてくれたのか容姿も上の中の限りなく上に近いものだった。だか、ここからが問題だ。つまり、異なる事についてだ。

 

「みんなー、ご飯ができたよー!」

 

この声の主であり、俺の姉。その名は一条楽。一条家の長女である。前世の記憶では主人公で男のはずだった。なのに、見る限り黒髪ロングをポニーテールに結った綺麗なお姉さんになってしまっていたのだ。

 

「「「姉御!おはようごぜーやす!」」」

 

「ちょっと!姉御って言わないでっていってるでしょ!恥ずかしいからやめなさい!」

 

前世でもヤクザが好きではない楽は、この通りこの世界でも好きではないようだった。姉御ってちょっとヤクザ感あるから嫌なんだろう。

 

「あ!要おはよう!ご飯できてるよ〜」

 

「おはよう楽姉。いつもありがとう」

 

「どういたしまして!」

 

楽は頬を朱に染めながら照れくさそうに笑顔で言う。うん、我が姉ながら可愛いな。

本当に面倒見のいいがお姉ちゃんって感じだ。性格は楽のまんまだからそこも関係していると思うが。

 

「「「二代目!おはよーごぜーやす!!」」」

 

ちなみに二代目は俺。なんでかっていうと男が俺しかいないからだそうだ。なんとも適当だと思ったが、まぁ悪くない。この慕われている感じ。そして、俺と楽姉に挨拶してた見るからに危ない雰囲気のいかつい奴らは、ここ一条家の部下である。

 

「やれやれ、毎日元気だなー。おめぇらは」

 

「「「組長!!おはよーごぜーやす!!」」」

 

「おう親父。おはよう」

 

「お父さん、おはよう」

 

今出てきたのは、組長にして俺と楽姉の父親である。見た目は、少し鋭い目つきのおじいちゃんってところだな。

 

「ほら!みんなご飯冷めちゃうよ!早く食べてー」

 

楽の作ったうまい飯が冷めてしまうのはもったいないとそれぞれがすぐに席につく。

 

「では、手を合わせて!いただきます!」

 

「「「「いただきます!」」」」

 

これが俺の家のいつもの光景。こんなちょっと変わった日常がさらに変わっていくことになるのを俺は、知っていた。

 

「そうだ、要。近ぇうちにてめぇに大事な話があっから覚えときな」

 

「大事な話?」

 

「あぁそうだ」

 

「ふーんって、やべぇ!これじゃ遅刻しちまう!」

 

この話は後でということで、要と楽は学校へ急ごうとする。が、ここで二人よりも早く竜が動く。

 

「なにぃ!そいつぁいけねぇ!!すぐにリムジン用意しろぉ!!」

 

「やめろぉ!お前ら!余計なことすんなぁ!」

 

「兄貴!!これでいいですか!?」

 

「バカヤロウ!!15m級のに決まってんだろ!?」

 

「ひぃぃ!すいやせん!!」

 

「お前ら、俺の話を…」

 

リムジンで学校に行くというなんとも常識外れで恥ずかしい事を避けることは時間的に難しく、仕方なく乗ることにしたのだった。

 

 

 

─学校─

 

「では、二代目!姉御!今日も元気に行ってらっしゃいやせ!!」

 

「「「行ってらっしゃいやせ!」」」

 

まぁ、こうなるよね…。学校に遅刻せずについたのはいいのだか…、周りから見れば、ガラの悪い男たち校門の前で二人の高校生に頭を下げているという異様な光景に見えているわけで居心地が悪い。周りからは恐怖の視線を浴びている。これが、楽の気持ちかぁ。なかなか胸に来るな…。

 

「じゃあな、お前ら。気をつけて帰れよ」

 

「もちろんですよ!二代目!では!」

 

そう言って竜たちは帰っていった。

 

「はぁ、勘弁してほしいわ。もうあんなの嫌よ!恥ずかしい」

 

「今度俺から竜に言っとくよ。だから楽姉怒んなって。可愛い顔がもったいないよ?」

 

「か、可愛いなんて…えへへ」

 

楽姉はこうして褒めると照れて喜ぶ。原作では、男だったあの楽がここまでの美少女になっている。さらにめっちゃ可愛い。

 

「あ!私も今日日直だった!要!先言ってるね!!」

 

「おう。頑張って」

 

「うん。ありがと!」

 

楽は長い黒髪ポニーテールのしっぽをゆらゆらと揺らしながら校舎に向かっていった。

 

「はぁ、それにして…ついにかぁ」

 

原作では楽の学校生活が大きく変わる時期。それは、ある女の子が登場することで始まる。

 

「そういえば、原作だとこんな感じの塀だったっけな」

 

要は、すぐ横にある塀の近くを通っていた。

 

「楽は確かここらへんで…」

 

要が、前世で見たニセコイを思い出していると、ドンッという音の次に自分に影が掛かったことがわかった。

 

「え!?」

 

「ちょ!どいてぇぇぇ!」

 

なんと少女が塀の上から降ってきたのだ。だが、急なことでとっさに要は、その少女を受け止めた。不可抗力でお姫様抱っこになってしまったが…

 

「おっと、危ねぇじゃねぇか!気をつけろよ!他の人だったら大怪我させてたし、してたかもしれないだろ!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

要は、目の前の今、腕の中に収まっている金髪ロングの俺にはよくわからない髪型をしている透き通るような青い目の美少女に怒った。美少女は、びっくりしながらも自分のしたことを悪いと思っているようだった。要は、美少女をおろし、

 

「今度からは気をつけろよ」

 

「ごめんなさい」 

 

キーンコーンカーンコーン

ここで学校の門の閉まる合図の鐘がなった。

 

「あ!遅刻する!」

 

「え!?」

 

「それじゃ!またな!」

 

「は、はい!」

 

そう言って要は校舎に走って入っていった。

 

「またねか…。って私が遅刻しちゃうじゃない!」

 

原作を知っている人はわかると思うが、この出会いが主人公の生活を変えていくことになる。

 

 




どうでしたか?
これからどんどん書いていきたいと思うのでよろしくお願いしますね。ちなみにTSを薦めていただいたのはねむねむお布団さんです(笑)
感想お待ちしております。


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ヤクソク

どうも!ありふれた猫の中の猫又です!
今回は衝撃の事実と主人公の過去を少し書いてみました。
では、どうぞ!

1月15日 内容を改変しました。展開が変わったので前読んだ方はもう一度読んでくれると嬉しいです。


 

 

─教室─

 

「おはよー」

 

「おっはー!要!」

 

「一条君おはよう」

 

教室に入りいつも通り挨拶を交わす。挨拶を返してくれたのは、一番が舞子集で後が小野寺小咲である。この二人は原作でも出てくる重要人物だ。集は、親友。小野寺は、好きな人という立ち位置だった。だがここで問題がある。それは、

 

「要!今日は髪型変えてみたんだけどどうかな?似合ってる?可愛い?」

 

この発言、小野寺が言っていると思った人がほとんどだろう。だが、答えは集だ。別に集がオネェというではない。ではなぜかというと、それは集が女になってしまっているからだ。見た目は、茶髪のショートヘアでメガネを掛けている可愛い系女子だ。例えるなら俺ガ○ルの蝦○さんみたいな感じだ。知らない人、ごめん。ちなみに小野寺は原作通りで黒に近いの茶髪のショートヘアの美少女だ。

 

「あぁ、似合ってるよ」

 

「ほんと!いやー嬉しいねぇ。これで要も私にメロメロかな?なんてね!テヘペロ★」

 

ニヤニヤしながら舌を出し集が言う。

 

「ならん」

 

「え〜なんだよぉ〜つれないなぁ」

 

「あの…い…一条君!」

 

「ん、何?」

 

「手から血が出てるよ?大丈夫?」

 

今度は小野寺が心配そうに聞いてきた。さっき金髪美少女をキャッチしたときに切ってしまっていたようだ。 

 

「わ…私、絆創膏持ってるから使って!」 

 

「いやいいよ小野寺。放っとけは治るし」

 

「だ…だめだよ!バイ菌入ったらどうするの?ほら!」

 

小野寺は要の手を握り丁寧に絆創膏を貼った。手を可愛い女の子に握られているのはちょっと、いやめっちゃドキドキする。

 

「あ…ありがと」

 

「う…うん。どういたしまして」

 

要は貼られたことに、小野寺は貼ったことに照れていた。

 

ガラガラッ

 

「あー!要と小咲ちゃんがイチャイチャしてる!」

 

ここで日直の仕事を終えて教室に入ってきた楽姉が教室に入ってきた。ちなみに楽姉は姉だか同学年で同じクラスだ。楽姉はこちらに走ってきてそのまま要に抱きついた。

 

「小咲ちゃん…要の独り占めはだめだよ?」

 

「え…えぇ」

 

プンプンとあざとく頬を膨らませて可愛い楽姉と楽姉の勢いと言葉にあたふたしている可愛い小野寺。可愛いのはいいのだか…

 

「また始まったよ…」

 

「楽ちゃんは相変わらずブラコンだねぇ」

 

「くそっ…う…羨ましいぞ!要!」

 

そんな声がクラス中から聞こえてくる。やはりこの声にはなれないな。正直恥ずかしい。ラブコメ主人公の気持ちがこのときばかりはよくわかる。

 

「おまえらー。朝から恋愛ドラマみたいな修羅場繰り広げてるとこ悪いがホームルーム始めるから席につけー」

 

「「「ハーイ」」」

 

担任のキョーコ先生が入ってきたのでみんなが席に座る。

 

「よーし、今日は転校生を紹介する。どうぞー、桐崎さん」

 

「はい!」

 

先生がそう言うと廊下から金髪美少女が教卓のところまで歩いてきた。

 

「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です。母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが、日本語はこの通りバッチリです。みなさん気さくに接してくださいね!」

 

金髪美少女変わり千棘はニコッとした。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!かわいいー!」

 

「すっげー美人!!」

 

「足細ーい!!何あのスタイル〜〜!!」

 

「ハーフだってよ!あんなかわいい子見たことねぇよ!」

 

「ちとげちゃ〜ん!結婚して〜!!」

 

クラス中が大騒ぎになる。まぁ、当然といえばそうだろう。金髪で青い目、スタイル抜群で日本人顔の美少女であるから仕方ないことだ。俺は、原作を知っていたから驚いていないだけで普通はこんな美少女が来たらビビる。

 

「静まれー。じゃー、ひとまずテキトーに後ろの空いている席に……ん、一条弟!お前の席の隣っていないよな?」

 

「はい、いないですよ」

 

「じゃあとりあえず、桐崎さんはあそこの席に座ってくれ。一条弟!桐崎さんの面倒頼むぞ」

 

「わかりました」

 

千棘が少し恥ずかしがりながら俺の隣の席に座る。

 

「お、同じクラスだったんだ。さっきはごめんさない」

 

「もういいよ。それより、これからよろしく桐崎さん」

 

「うん!よろしくね!一条君!」

 

なんか原作の印象よりちょっと柔らかいような気がするな。本来の千棘は、殴る蹴る当たり前だったし口も悪かったはずだ。まだ猫被ってるかもしれないな。まぁ、それは後々でいいか。

 

「桐崎さん、よかったら後で校内案内するよ?」

 

「え?いいの!?ありがとう!お願いするね!」

 

とりあえずキョーコちゃんには任されたからにはしっかりと面倒見ようかな。小野寺と楽姉が何やらこっちを意味深な目で見ていたが今は気にしないでおこう。

 

 

 

 

 

─放課後─

 

俺は、桐崎さんに学校の中を案内していた。今日の一日は、桐崎さんが日本の字にまだなれていないようだったので手伝って上げたり、他の人たちから桐崎さんの事を近いからという理由でいろいろと聞かれて結構疲れた。そして今は、校舎の案内をしている。

 

「え〜と、ここで最後かな?」

 

「うわぁ、綺麗…」

二人は屋上に着いた。校内を案内していたが、ここで最後になる。千棘が屋上からの景色に夕焼けもあってか「綺麗」と感動していた。だが、ふと千棘は何か考えるような表情になって屋上からの景色を見つめながら黙ってしまった。

 

「桐崎さん?どうかした?」

 

そう要が聞くと千棘は、こちらを振り向き、目を合わせ、何かを決心したような顔をしていた。

 

「あのね、聞きたいことがあるんだけど…いいかな?」

 

「う、うん」

 

千棘はそう話すと急に、もじもじして顔を赤く染めながら首元からネックレスに付いている鍵を要に見えるようにしてを聞いてきた。

 

「い…一条君はさ!こ…この鍵に見覚えないかな?」

 

「ある…」

 

そう、見覚えはある。なぜならその鍵は、俺とみんなの十年前の約束の証なのだから。記憶は曖昧だが、強制的に約束をさせられた事は覚えている。

 

 

確か俺の記憶では…、

 

 

俺は、家族で旅行に行っていた。まぁ、旅行といっても親父と他のヤクザやギャングが話をするためだったらしいが。一条家はヤクザであるが、そんなに悪行をしているわけではないようだが。まぁ、その時に仲良くなった女の子達がいたことを名前まではいかないが覚えている。そして、そのときに約束をして証を作った。俺は錠で他の女の子達は鍵で再開したら開けると約束をして。そして、千棘が持っている鍵はその一つである。つまり、あの場にいた女の子の一人というわけである。

 

 

そして、今に至る。

 

「あ…あるの!そそそれじゃあ約束は!?」

 

「いやぁ、その約束があんまり覚えてなくてさ」

 

すると千棘がすごく悲しそうな顔をしていた。それは友達に裏切られたヒロインのような顔だった。

なんだろう。すっげぇ罪悪感。こんな千棘見てらんないよ。どうしよう。

 

「そ…そっか。忘れちゃったんだ…」

 

「ごめん…。あのさ、桐崎さんはあのときあの場所にいたってことだよね?」

 

「そうだよ。あのとき、みんなで約束したことも覚えてる。でも一条君は忘れちゃったんだね」

 

このとき、桐崎さんの目からは雫が落ちていた。泣いていたのだ。

 

「私なんで泣いてるんだろ…、ごめん!」

 

桐崎さんはそのまま走って帰っていってしまった。取り残された要はどうして忘れてしまったんだと自分を攻めることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
今回は少し嫌な終わり方だったと思います。すいません。すぐに次を完成させられるよう頑張ります!感想待ってます!


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ニセコイ

どうも!ありふれた猫の中の猫又です!
やっと書くことができました!
今回の回は千棘の家の事がわかってきて、関係も変わリます。描写に苦労したのでちょっと変なところがあるかもしれないのでご容赦を笑
では、どうぞ!


─一条家─

 

あれから一週間たった。千棘とは、あの屋上を案内した日から少し気まずくなっている。俺は覚えていなかった罪悪感で話しかけれずにいた。

 

「おーい。要、入るぞ」

 

急に部屋の襖を空けて親父が入ってきた。

 

「んぁ、親父か。なんか用か?」

 

「あぁ。この前、てめぇに大事な話があるって言ったなぁ。覚えてるか?」

 

「あ〜覚えてるよ」

 

「そうか。ちょいと俺の部屋に来な」

 

要はそのまま親父についていく。そして親父の部屋に着く。

 

「それで話なんだが…」

 

親父は真剣な顔になった。

 

「最近な、俺らの縄張りにギャングが入って来てな。今それと抗争になってんだ。それがな、いよいよ全面戦争になりそうなのよ」

 

「へ〜……は!?!?」

 

「ここからが本題だ」

 

ギャングとの抗争の話を聞いて要は今から起きることを思い出した。桐崎さんのことで頭がいっぱいだった要はすっかりこれから起こることを考えていなかった。

 

「あぁ!?そうだった!」

 

「ん?どうした?」

 

「え?あ、いやこっちの話」

 

「そうか?…まぁいい。それでだ、本題なんだが…要。恋人とか好きな人はいんのか?」

 

「いや、いねぇけど。急になんだよ」

 

「いや、いねぇならいいんだ。都合がいい」

 

「そうかよ。で、なんだよ」

 

「この戦争を回避する方法が一つだけあってな。しかもてめぇにしかできねぇことだ。これは楽にはできねぇ」

 

「実はギャングのボスとは古い仲でな。奴にも、おめぇと同い年の娘がいるらしいんだが…そこで要。おめぇ、その子と恋人同士になってくれねぇか?」

 

「あぁ、やっぱり」

 

「なんか言ったか?」

 

「いやぁ、なんも」

 

「そうか?まぁ恋人っていってもフリだけでいいんだ。お互い組の二代目が恋仲とあっちゃ若え連中も水差すわけにゃいかねぇだろ?」

 

「まぁそうだな…」

 

「悪ぃがこっちも命かかってんでな。泣き言言ってもやってもらうぜ?」

 

「わ、わかった」

 

「それじゃあ、こっち来い」

 

要はドキドキしながら親父の隣の部屋に移動した。原作の展開ということでワクワクしていた。ただ、要はまたもやあることを忘れていた。

 

「だからまだやるって決めたわけじゃ…」

 

「でも彼、なかなかイケメンらしいよ?」

 

「え?いやいやでも、私には要君が…」

 

「要、この子がお前の恋人になる…」

 

親父が仕切りになっていたカーテンを開けた。

 

「桐崎千棘お嬢ちゃんだ」

 

「「あっ」」

 

忘れてた〜!!桐崎さんが相手なの忘れてた〜!!

要はギャング・ビーハイブの娘が桐崎千棘だと言うことを忘れてたのだ。

 

「そして、こいつがギャング組織ビーハイブのボスであり、お嬢ちゃんの父親のアーデルト・桐崎・ウォグナーだ」

 

「アーデルトと呼んでくれ」

 

「ど、どうも、一条要です。よろしくお願いします。アーデルトさん」

 

「そして急だが、お前ら二人には明日から3年間恋人同士になってもらう」

 

「「さ、3年間!?」」

 

桐崎さんは、目の前の要と恋人のフリを三年間することに、原作うる覚えの要は、予想以上の期間の長さにびっくりしていた。

 

「か、か、要君がこ、恋人になるの!?パ、パパ!!なんで教えてくれなかったの!要君が恋人になるなら私…」

 

千棘はそこで自分がなにを言おうとしていたかを考え赤面する。親父たちはニヤニヤしながらこちらを見ていた。

 

「何だおめぇら、もうそういう関係なのか?そういえばガキの頃に遊ばせたことがあったな」

 

「そういえばそうだったねぇ。ならこのままゴールインもあるかもしれないねぇ」

 

「いや小さい頃はそんなこと言ってけど、まだそんな関係じゃないから!」

 

親父たちのからかいに俺が答えると、うっかり過去を覚えているわかる言葉を放ってしまった。それを聞いて千棘が驚愕の表情を浮かべたあと怒りの表情に変わり…

 

「か・な・め・くん?」

 

千棘が要の肩を女の子とは思えない握力で掴みながら笑顔でそこにいた。後ろには鬼が見える。

 

「ねぇ、要君?あの時、覚えてないって言ってたよねぇ?」

 

「ひっ!い、いや…あの…はい」

 

やばい!これはやばい!!あの原作でゴリラ女と言われていた怪力で千棘に殴られる!!!

 

「う……」

 

ん?

 

「うっ…」

 

あれ?

 

「うっ…ぐすっ」

 

あれあれ?

 

「がなめぐぅん!」

 

あれぇぇぇぇぇぇ!?

急に千棘が大泣きして要に抱きついた。要は千棘に殴られると思い構えていたが予想外の展開に呆然としながらも千棘を受け止めた。

 

「おぼえででぐれでよがっだよぉ」

 

「え?なんで?」

 

要は千棘に抱きしめられながらなぜこうなっているのか理解が追いついていなかった。ただ、思った以上に千棘が可愛かったのはたしかだ。

 

「そうかぁ、これが原因だったのかぁ」

 

「え?」

 

千棘の父のアーデルトさんニヤニヤしながら言う。

 

「いやぁ、ここ数日の千棘の様子がおかしくてねぇ。元気がないから何かあったのかと思って心配してたんだよねぇ」

 

「そっ、そうだったんですか。なんかすみません」

 

「いや、いいんだ。こうしてわかったわけだし、千棘も喜んでくれていることだしね。ただし、」

 

「ひっ!」

 

アーデルトさんは、さっきまでニヤニヤしていたが急に後ろに鬼が見えた。顔はすごくニコニコしているのに。怖い笑顔と言うやつだ。

 

「今度千棘を悲しませたらただじゃおかないよ?」

 

「は、はいぃ!すいませんでした!!」

 

親父はニヤニヤしながらこちらを眺めていた。アーデルトさんは親父の方に行き世間話なのかわからないが会話を始めた。

俺、この状況どうしたらいいんだろう。千棘がもう離さないとばかりに俺を抱きしめて泣いて顔を俺の胸に埋めている。とりあえず泣きやむまで待つしかないか。

 

 

 

 

 

 

「うっ…うっ…ぐすっ」

 

「落ち着いたか?」

 

「…うん………………ウソツキっ」

 

「……ごめん」

 

「なんで?なんであんな嘘ついたの?」

 

「そ、それは…」

 

どうしよう。ここは正直にいうべきなんだろうか。悲しんでしまうんじゃないだろうか。でも…ここまで思ってくれている人にもう嘘は付きたくないな。

 

「桐崎さん。小さい頃の約束、覚えてる?」

 

「うん、みんなで結婚しようって約束でしょ?」

 

「そう、俺はそれが嫌だったんだ」

 

「え?なんで?」

 

千棘は驚きの表情で俺に理由を求めてきた。重婚が普通であるこの世の中ではそれが嫌だと言う方が珍しいからだ。

 

「俺は、一人の人を愛したいんだ。一人の人と幸せな人生を送りたいと思っているんだ」

 

「そ、そんな…そしたらみんなでの約束が」

 

「確かに約束を破ることになる。でも俺はそうありたいんだ」

 

「……」

 

千棘は要の言葉を聞いてからしばらく黙ったままだった。だが急に真剣な目になって、なにかを決心して要に話した。

 

「な、なら!私が要君の一番になる!」

 

「え?」

 

「私!要君のこと大好きだから!!」

 

「えぇぇぇぇぇぇ!」

 

なんでこうなった?俺はここで諦められると思っていたのに。どうしよう。実を言うと俺は姉キャラのほうが好きなんだよね。一応言っておくが、楽姉はちがうぞ。

すると、親父がニヤニヤしながら…

 

「なんかてめぇらで仲良く話しているところすまねぇが、恋人のフリはするってことでいいんだな?」

 

「あぁ」

 

「やります!」

 

「それでいいんだ。じゃねぇと大変なことに…」

 

ドッガァァァァァン!!

 

親父が言葉を言い切る前にそれは起きた。なんと、部屋の壁が破壊されたのだ。そして、

 

「お嬢ーーーーーーーー!!」

 

「いまかよ!?」

 

これは、原作展開である次のイベント。ビーハイブの若い奴らが一条家に突撃してくる展開だ。まさかこのタイミングで来るとは思わなかった。

 

「…見つけましたよ、お嬢…」

 

そして、綺麗な銀髪を伸ばした誰もが見とれてしまう美女が先頭に立っていた。

 

「集英組のクソ共が、お嬢をさらったと言うのは本当にだったようですね…」

 

「クロード!!!」

 

銀髪の美女、クロードの登場に千棘が驚いていた。俺は、やはりかと思いながら驚愕していた。なぜなら、原作でクロードは男だからだ。原作ではビーハイブの大幹部でイケメンの千棘のお世話役のようなキャラで、かなり重要なキャラだったからもしやと思っていたが……ビンゴ。まさか、こんなになっているなんて。腰まである髪は透き通るようなの銀色で、顔はものすごく整っている。一言で言って、美女だ。一応言っとくと…若い連中も女が多い。

 

「ご安心くださいお嬢…、お嬢を守るのがビーハイブ幹部としての私の役目…、不肖このクロードめがお迎えにあがりました」

 

クロードは、素敵な笑顔で笑ってみせた。いま一瞬花見えたな笑

 

「い、いや、クロード!?私さらわれてないから!」

 

千棘がクロードの誤解を訂正しようとしていると、集英組の連中が駆けつけてきた。

 

「大丈夫ですか組長ー!!!」

 

「なんじゃあ今のは!」

 

「あ!こいつらビーハイブ!!」

 

あぁあぁめんどくせぇのが来たなぁ。これは、いよいよ危なくなってきたな。

 

「おぅおぅ、ビーハイブの大幹部さんよぉ。こいつぁちょいとお痛が過ぎやしやせんかぁ…。今までぁ手加減してやったけんどのぉ…。今度という今度は許さへんぞ!!」

 

竜がいかにもヤクザって感じの顔で怒っていた。

 

「ふん…猿共が…。お嬢に手を出したらどうなるかおしえてやる」

 

竜の言葉にクロードも負けじと挑発をする。

 

「この街ごと消し飛ばしてやろうか…。ついでに貴様らの跡取りもバラして売りさばいてやる…!!」

 

「怖ぇー」

 

「やってみぃやゴルァ…、二代目に手ェ出したら、ビーハイブに関わるもん全て二度とお里の土踏めんようにしたらぁ!」 

 

「えっえぇぇぇぇぇぇ!」

 

クロードの言葉に要が、竜の言葉に千棘が驚いている。すると、親父達が…

 

「あー、君君。ちょっと誤解してるんじゃないかね嬢ちゃん」

 

「ん?なっ!?ボ、ボス!!」

 

親父の方を見たクロードは自分のボスが、いることに驚愕した。

 

「嬢ちゃんをさらったなんざとんでぇもねぇ。なんせ…」

 

「「こいつらぁラブラブの恋人同士だからね(な)!」」

 

「「な(え)!?」」

 

親父達がついに恋人事を振りやがった。こうなったらもう一旦結婚のことは保留にして彼氏を演じ切るしかない!

 

「「「「な!なぁぁぁにぃいい!!?」」」」

 

うちもビーハイブの輩もみんな驚愕していた。そして、

 

「ボス…本当ですか?」

 

「あぁ、僕らが認めた仲だ」

 

「「「…そ…」」」

 

やばいな。若いもんが文句言ってくるかも知れない。何か認めてもらえることを考えろ!

 

「「「そりゃすげー!!!」」」

 

「「はぇ?」」

 

竜とクロード達は一斉に喜んだ。予想外の展開に俺と千棘は呆然としていた。

 

「いやーずっと心配だったんすよぉ!この歳にもなって彼女の一人も出来ねぇから…」

 

「いやー、こいつは本当にめでてぇ!」

 

竜と他の奴らが俺を祝福してきた。ウチの奴らは賛成のようだ。千棘のほうは…

 

「お嬢…」

 

「は…はい?」

 

今まで急に事が進みすぎて混乱していた千棘がクロードに呼ばれて変な声で返事をする。すると、急にクロードが泣き出した。

 

「えぇ!」

 

「いつの間にかお嬢もそんなお歳になられていたのですね…。幼少より見守ってきたお嬢が立派なレディに成長なされた…、これを喜ばずして何がお嬢のクロードでしょう…」

 

「い…いや、私のにした覚えはないんだけど…」

 

クロードの発言に戸惑いつつツッコミを入れる千棘。千棘の方も賛成のようだった。

 

「そういうことなら話は別でさぁ!坊っちゃんのためならこんな紛争すぐにでも手を引きやすぜ!!」

 

「我々も同じです!お嬢が安心して交際できるよう全力でサポートしましょう!!」

 

なんか知らんこれまた原作通りに紛争をやめてくれることになったようだ。良かった良かった。原作では楽がここで千棘を「ゴリラ女」と言い、千棘が楽を「もやし男」と言ってしまい危なくなるのだが、俺はバカではないし千棘をゴリラ女とは思っていないのでそんなことはしない。

 

「一つ、いいだろうか?」

 

「なんですか?」

 

クロードが俺に質問してきた。ん?こんなのは原作にはなかったなぁ。

 

「一条要。キサマはお嬢を守れるのか?」

 

「え?」

 

「キサマにお嬢を守れるだけの力があるかと聞いているんだ」

 

「んー、どうだろう?わかんないですね」

 

クロードとよくわからない質問をしてきたのでテキトーに返す。

 

「なに!?そんな曖昧なことでお嬢を守れると思っているのか!!」

 

「うわ!すいません」

 

クロードが美女には似つかない顔で怒鳴り散らした。ここで俺は、自分がテキトーに答えていたことを反省した。大事な人をこのように扱われたら誰でも怒ると思ったからだ。

 

「一条要!なら私と勝負しろ!」

 

「えぇ!やっぱそうなります!?」

 

「私がお前の力量をみてやる!」

 

このやり取りを見ている竜が止めようとしていたが要の親父に止められた。親父は、

 

「要のやつは心配ねぇよ、逆に相手を心配してぇくらいだ」

 

と、笑っている。竜は、

 

「そりゃぁ坊っちゃんは強ぇですが…」

 

だが親父は、

 

「まぁ黙ってみてな」

 

と言った。

なぜ要がここまで心配されていないのか。なにもクロードが弱いわけではない。一応ビーハイブの幹部をやっているだけあって腕は確かだろう。では何か…、それは、武道だ。一話でも言ったが、要は前世での反省をいかし、日々武道に打ち込んできたのだ。今ではインターハイのトップの注目選手になっているほどだ。つまり、やばいくらい強いのだ。

 

「では、行くぞ!」

 

「ちょ、ちょっとまって」

 

要の静止も聞かずクロードは要に一気に接近し、拳を突き出してくる。要はそれを状態を反らすだけで避ける。二発目、三発目と何度もクロードは拳を突き出すが、全て要に簡単に避けられてしまう。クロードはイライラしながら…

 

「おい!どうした!そんなに避けてばかりではお嬢を守れはしないぞ!」

 

「待ってっていったじゃないですか!あと、俺は女の人を殴る趣味はないんですよ!」

 

要は原作通りのクロードだったら男だったので殴っていたかもしれないが、この世界のクロードは美人なお姉さんである。そんな人を殴る事は要にはできなかった。

 

「なにを甘ったれたことを言っている!!ならばこうだ!」

 

クロードは想像以上の要の回避能力に驚愕し、苛ついたのか蹴りを使い始めた。さらに木刀も。

 

「うわっ!武器は危ないって!!」

 

「だまれ!お前のような腰抜けはここで成敗してくれる!」

 

要はどうしたもんかと考え、一つさっきの殴る趣味はないに反するが…方法を思いついた。それは…

 

「よし!わかった。クロード!やってやる!かかってこい!」

 

「のぞむところだ!」

 

クロードが要に再び接近して拳を突き出すが、要はそれを受け流しクロードの後に回った。そして、クロードのうなじを手刀でヒットさせた。クロードは膝から力なく崩れ落ちた。気絶したのだ。

 

「ふぅ…」

 

「幹部が負けた…」

 

「うそでしょ…」

 

クロードの部下が口々に言う。

 

「やっぱ坊っちゃんは強いっすねぇ!」

 

「そうだな」

 

要の親父と竜は予想をしていたが、要の研ぎ澄まされた身のこなしに驚愕し、歓喜していた。千棘は何が起きたかわからず再び呆然としていた。

 

 

 

 




どうでしたか?
次はデート回です!小野寺も関わってきます。
お楽しみに!
感想待ってます!


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アイビキ

どうも!ありふれた猫の中の猫又です!
今回はデート回と言うことで、デレを多めかけたかな〜と思います。それと、感想で主人公がクズって言われましたが、その通りです!その上で見ていただける方がいてくれたら嬉しいです。
では、どうぞ!


 

 

 

 

 

─次の日─

 

今日は土曜日。

要は、家での騒動が終わって、これからどうしていこうかと布団に寝転がりながら考えていた。

 

ついに、偽の恋人をすることになったけど恋人ってそもそもどうするかわからねぇし。一応、家の奴らもビーハイブの奴らも騙せたけど……クロードに原作と違う意味で目をつけられてそうだなんだよな(自分を倒した憎いやつ的な意味で)。まぁ、それはそうとして、これからどうなるんだっけか?ここ何十年とこっちで過ごしてきたから、今までの展開は読めたけどそろそろわからなくなってきた。

要がそんなことを考えていると…

 

ピンポーン

 

「ん?誰か来たのか?」

 

要が自分には関係ないと思っていると、

 

「坊っちゃーん!お客さんですぜー!!」

 

「俺に客?」

 

竜がテンション高めの声で俺を呼んでいる。客?誰か呼んでたっけ?

要は、自分の今と前世のニセコイの記憶をたどる。すると、

 

「あ!あれか!?」

 

要はあることを思い出し、急いで玄関に向かった。

 

「坊っちゃん、おはようごぜーやす。お客さんですぜ」

 

玄関には、ニヤニヤした竜が待っていた。そして玄関の外を見るとそこには、

 

「おはよう、要君……」

 

そこには、おしゃれした千棘とクロードが立っていた。千棘は顔を真っ赤にしている。実を言うとこの状況は、ニセコイ原作でもある展開だ。集英組での騒動の次の日、楽と千棘が無理矢理デートをさせられるというものだ。まぁ俺は嫌ではないが、とりあえず知らされていないことだからな。知らないふりをしておこう。

 

「おはよう桐崎さん。今日はどうしたの?」

 

「あ、あの……要君。今日なんだけど……デ……デートしない?」

 

千棘がもじもじしながらデートのお誘いを言ってきた。

まじか、千棘可愛いな!

 

「きょ、今日は予定もないし、いいよ…」

 

「ほ、ほんと!ありがと!」

 

そのキラキラした笑顔は反則です。よし、落ち着け俺。それはさておき、さっきからめっちゃ千棘の横にいるクロードが睨んでくるんだがなんだ?やっぱ昨日のことか?

 

「お嬢がどうしても集英組の坊っちゃんとデートをしたいというのでお連れしたまでだ!」

 

「いや、そんなこと急に言われても…」

 

クロードが要の視線に気づいたのか話しだした。

クロード絶対根に持ってるな。キサマは認めないとか言いそうな顔してるし。美人なのに勿体無いな。

 

「んじゃ、俺は着替えてくるな」

 

「うん!じゃあ、私は外で待ってるから」

 

「ん?いや、中に入って待っててくれていいぞ」

 

要の言葉に千棘は、

 

「あ、うん。じゃあお言葉に甘えて。クロード達は帰っていいわよ」

 

「ですがお嬢!」

 

「大丈夫だから!ほら!帰って帰って」

 

千棘はクロードが邪魔みたいだな。まぁ、何かと口を挟んでくるやつは俺も嫌だと思う。うん。

そんなこんなでデート(千棘)の始まり始まり。

 

 

 

─駅前─

 

千棘と要はとりあえずデートといえば映画と思い、駅前の映画館で映画を見ることにした。今は映画館の前でなにを見るか悩んでいるところだ。それにしても、

 

「いるな…」

 

「要君どうしたの?」

 

「ん?いや、なんでもないよ」

 

どうやら俺たちにビーハイブと集英組の奴らがついてきたようだった。まぁ、俺らの場合対して問題にはならないので好きにさせとこうかな。

 

「桐崎さんはさ、好きな映画とかある?」

 

「……」

 

「ん?どうしたの?」

 

「え?い、いや!なんでもないよ!れ、恋愛映画とか?」

 

「へ、へー。俺はてっきりアクション映画が好きかと思ってたよ」

 

要が、原作では千棘がアクション映画が大好きだったことを思い出した上での質問である。

 

「え!?アクション映画は好きだけど要君とは恋愛映画が見たいかなーって思って」

 

あ、やっぱ好きなのね笑。てか、そんなふうに思われていたのか。なんか恥ずかしいな。

 

「んー。じゃあこれなんかどうだ?」

 

「ん!あ、いいね!これ見てみたかったんだ!」

 

「よし、じゃあこれにしよう!」

 

 

─映画終了─

 

「はぁ、いい話だったな。久々に映画でうるっときた気がするな〜。千棘はどうだった?ん?」

 

「うっ…ぐっ…」

 

あら、千棘さん感動して泣いてらっしゃる。なんか、前から思ってたけど、この世界の千棘は俺の知っている原作の千棘とかなりの違うのかもしれない。これは、原作の知識に頼りすぎるのは危険かもしれないと思う。これから気をつけていかないといけないな…

千棘はしばらくして泣き止んで、「すごくいい話だった!」と、笑顔で言った。

やばい…

 

「この笑顔、一億円。いや、足りないかも…」

 

「要君?どうしたの?」

 

「い、いや、なんでもない」

 

要は興奮した気持ちを抑えつつ、次の目的地に千棘と一緒に向かった。

 

 

 

─レストラン─

 

「桐崎さん、ここで昼食を食べようか」

 

「うん、いいけど…」

 

千棘が映画の前から少し様子がおかしい気がする。なにかを気にしているような感じがする。

 

「ん?他のとこがいい?」

 

「いや!ちがうの!ここでいいんだけど…」

 

「?」

 

「要君」

 

「うん」

 

「私の事、昔みたいに千棘って呼んでほしいな〜なんて…どうかな?」

 

「なんだ〜そんなことか」

 

そういえば、昔はそんなふうに呼んでたっけか。すっかり忘れてたわ。でも急に言われると恥ずかしくなるもんだな。

 

「だ、だめかな?」

 

要が考えていると千棘が悲しそうな顔で聞いてきた。

そんな顔で見られたら断れないよ。てか、断る理由なくね?

 

「桐崎さんが良ければそう呼ばせもらうよ」

 

俺がそう言うと、千棘の顔が悲しそうな顔から一変して、喜びに満ちた笑顔になった。

 

「あ、ありがとう!」

 

「お礼をいわれるほどじゃないだろ。まず、拒否する理由がないし。まぁ、改めてよろしくな。千棘」

 

「う、うん。よろしく。要君」

 

「千棘も俺の事も要で」

 

「あ!そ、そうだよね!じゃ、じゃあか…要」

 

おぉ!何という攻撃力!名前呼びがここまで強力だったとは、やばい。照れる。

 

「あ、あぁ!よ、よろしくな!そろそろご飯食べようか!」

 

「そうだね!」

 

お互いの名前を呼んだことで恥ずかしくなり、その後はお互いを気にしてチラチラ見ながら無言の食事が続く二人であった。

 

 

 

 

 

カフェで食事をした二人は、特にやることがなくなったのでデートの定番の公園に来ていた。いつもはカップルがそこらへんにチラほら見えるのだが、今日はそんなにいないようだった。

二人は、カフェでの事は落ち着いたようでベンチに座って談笑していた。お互いの組のことやこれからの学校生活のことなどだ。ときおり見せる千棘の笑顔が可愛い。このままホントにゴールインなんてこともありかもな…

 

「あ、あのね、要。私ちょっとお花を積んでくるね」

 

「ん?いきなりどうした?花なら逆方向だぞ?」

 

「もう。女の子がお花を積むって言ったらトイレのことだよ」

 

「あ!そういうことか!」

 

「デリカシーないよ!要!」

 

「ごめんごめん」

 

俺は苦笑しながら答える。千棘はわざとらしく頬を膨らませて怒った真似をしているようだ。

 

千棘は行ってくると言って近くのトイレに走って行った。

 

「ふぅ〜」

 

千棘、可愛いな〜。あんなの笑顔見せられたら誰でも心が揺らぐよな〜。原作ではあんなに暴力的で口の悪い子だったのに、これじゃあまるで別人だな。完璧になってる。だが、まだ決められないんだよな。これからもたくさんの女の子が出てくるはずだし、俺、原作だと押しキャラ鶫だし。千棘がこんな感じだからなんか変わってるかもしれないしな。

そんなことを要が考えていると、そこに二つの影が近づいてきていた。当然要は気付きその影の方向を見る。

 

「うあ!」

 

「ば、ばれた!」

 

要が見た先には、楽姉と小野寺がいた。気づかれていないと思っていたようで、急に要が振り向いたことにびっくりしているようだった。

 

「あ…楽姉と小野寺か。よう!」

 

「うん。で、要はこんなところで一人はなしてるの?」

 

楽姉が俺に聞いてきたので、

 

「うん?一人でじゃないよ。デートだよ。いま待ってんの」

 

「「え!?」」

 

俺がそう答えたとき、二人が驚いていた。

 

「ん?」

 

「要?いま、デートっていった?」

 

「え?うん。そ、そういったけど…え?」

 

なんで、二人の顔が笑顔なのに目が笑ってないんだけど。ついでに言えば、背後に鬼が見えるよ。

 

「要君?デートって誰と?ねぇ誰としてるの?」  

 

「ひぃ!」

 

え?小野寺?この人小野寺?スゲェ怖いんだけど!目が笑ってないよ。それ人を殺す目じゃないよね。

 

「「早く答えて!!」」

 

「え…えーと…」

 

「要!お待たせ……え?」

 

楽姉と小野寺が戻ってきた千棘をものすごい形相で睨む。

 

「ひぃ!」

 

千棘も俺同様にこの二人の迫力に怯える。だが、千棘を見た楽姉と小野寺が急にさっきの怖さが一変して笑顔になった。

 

「なんだ〜。千棘ちゃんだったのか。なら早く行ってよ〜。びっくりしたじゃん」

 

「そうだよ要君。千棘ちゃんなら大丈夫だね」

 

ん?どういうことだ?なんでさっきまで怒ってたのに急に穏やかな雰囲気になってるんだ?

要が頭に?を浮かべていると楽姉が、

 

「要?どうしたの?」

 

「え、いや…急に変わったから…」

 

「あ〜あのね、要にはまだ言ってなかったことがあるの。実は、要と結婚するって約束した子達で約束したことがあるのよ」

 

「へ?」

 

「一つ目は、要を独占しすぎないこと。二つ目は、デートとかをするときは事前にみんなに連絡すること。そして最後が、要をずっと好きでいること」

 

「はい?」

 

「だから、今回の千棘ちゃんの行動はちょっと問題あるんだよねぇ〜?ね、千棘ちゃん?」

 

約束を言い終わった楽姉の顔は再び笑顔なのに目が笑っていない。

 

怖っ、てか、そんな約束してたの?全然知らなかったわ。俺の知らないところでこんなにもことが進んでいたのか。てか、俺の希望は?俺の希望は通らないのですか?

 

「千棘ちゃん?あとでみんなでお話があるからね。場所は〜、千棘ちゃんの家でいいかな」

 

「……」

 

「じゃあ、私みんなに連絡するね」

 

楽姉と小野寺が千棘になにかするようだ。さっきから千棘がガタガタ震えてるんだけど…大丈夫か?ここはデートの相手として助け舟を出してあげよう。

 

「あのさ…千棘も悪気なあったわけじゃないんだからさ…」

 

「「ん?」」

 

「ひぃ!」

 

俺が千棘を庇おうとしたら楽姉と小野寺が笑顔で振り向いた。ただ、目は一切笑ってなどいない。だが…

 

「はぁ」

 

「千棘ちゃん、要君がいて良かったね」

 

さっきまでの怖かった二人の笑顔が呆れ顔に変わった。

 

「仕方ないな〜今回は要に免じて許してあげる」

 

「そうだね」

 

「は、はぁ…」

 

「まじか」

 

「ただし!今度やったら千棘ちゃん?わかるよね?」

 

「ね、千棘ちゃん?」

 

千棘は楽姉と小野寺の言葉を聞き、体を身震いさせた。

楽姉と小野寺はそう言って、俺に今度は誰もが認めるような笑顔で「バイバイ」っと言ってこの場を去った。

 

「はぁ…、怖かった〜」

 

「ホントな、楽姉は見たことあるけど、小野寺が怒ったのは初めて見たな。あれは怖ぇな」

 

 

 

千棘と要は、二人が去ったあとしばらく公園のベンチでグッタリしていた。だが、ふと要が気になることがあったのを思い出す。

 

「なぁ千棘。さっき楽姉が言ってたみんなって十年前の子達の事?」

 

「うん。私、あれからずっとアメリカにいたから要と人生初デートできるのが嬉しくて、約束のことすっかり忘れてた」

 

そう軽々と甘いことばを言わないでくれ。恥ずかしくなるだろ。

 

「ま、まぁ、これから気をつけていこうか。あんな状態にはもうなりたくないからね」

 

「そうだね、じゃあ要。今日はこれで帰るね」

 

「わかった。あ、でも、時間も時間だし送ってくよ」

 

「大丈夫だよ?」

 

「いいのいいの。さぁいこう!」

 

要は現時刻が六時を指していた。俺は千棘を家まで送っていった。

 

 

 

 




どうでしたか?
今回は書いていて思ったことは、千棘って暴力振るわなければ完璧超人だってことですね笑
これからキャラがちょいちょい増えていくのでよかったらまた見てくださいね。
よろしくお願いします!


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ツギノヒ

皆さん!どうも!猫又です!
更新待っていてくださった方々、お待たせしてすいませんでした。次の流れが考えられなくて、ゲームをやっていたらそのゲームにハマってしまい…すいません。
今回は短めです。
ではどうぞ!


 

 

 

デートの後、千棘を家まで送っていった。その時、クロードに睨まれたがそれ以上はなく俺も家に帰った。

家に帰った後、十年前のことがあやふやで思い出そうと努力したが、はじめてのデートで疲れたのかそのまま寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

─次の日─

 

ピピピピッ ピピピピッ ピピガチャッ

 

「ふぉあ〜。寝てたか」

 

要が目を覚ます。

 

「要〜!ご飯だよ〜!」

 

楽が朝食を作り終えたようで呼びかけてきた。

 

「今行く〜!」

 

要は楽の料亭並の朝食を食べ、いつも通りの支度をして、一緒に行く楽を玄関で待っていた。すると、

 

「ご、ごめんくださーい!」

 

要の目の前の扉から知っている女性の声が聞こえた。

ちょうど玄関にいた要が扉を開けるとそこにいたのは、千棘と鋭い視線を向けるクロードであった。

 

「千棘?どうしたの?こんな朝早くに…」

 

要は薄々感づいてはいたが聞いてみると、

 

「あ、おはよう…要。つ、付き合ってるんだから一緒に学校に行くのは普通でしょ?」

 

千棘は頬を朱に染めながら言った。その顔に要はノックアウトされかけたがギリギリで耐え、

 

「た、確かにそうだな。それじゃあちょっと待っててくれ」

 

楽も準備ができたので出発した三人はクロードと別れ、学校に向かった。途中、要と腕を組んで歩いていた千棘に対抗し、楽が要の反対の腕に自分の千棘にはないものをグッと押し付けた。それを見た千棘がそれに対抗して、ないものを押し付けたりと夢のような事が起こっていた。要は両手に最高級の花という状況だったので周りから嫉妬と羨望の視線を向けられる羽目となった。

 

 

 

 

「ちょっと楽さん、その腕を離してくれませんか?要が困ってるんだけど…」

 

「そっちこそ離せばいいじゃない?ないものを当てられても要は喜ばないよ〜」

 

「なにを!」

 

「「ぐぬぬぬぬ…」」

 

千棘と楽は家から腕を組んで、ずっとこの調子でバチバチ火花を散らし要を奪い合っていた。だか、今は学校の前。要はさすがにきついと思い、

 

「あの、お二人さん?もう学校なので離れてくれませんかね?」

 

すると、千棘は楽に意識が向いていて気づいていなかったようで、自分の今までの行動が恥ずかしくなり急いで要から離れる。

 

「え?はっ!わ、私っ、なっ、なんて恥ずかしいことをして!」

 

千棘は離れたが、楽は毎日要にしていることなので特に気にせずに、さらに千棘を挑発するように、

 

「ふんっ!、私はいいもん!周りなんて関係ないし〜」

 

校門の前でこんなことをしているのでかなりの注目の的であった。嫉妬するもの、呆れるもの、憧れるもの、様々な視線が三人に視線を向けていた。要はさすがに、この注目度なら二人はおとなしくなるだろうと思っていたが、要の予想を外れるどころか悪化してしまったのだった。再び、要の掴まれていないほうの腕に重みを感じる。

 

 

「わ、私も周りなんてきにしないし…関係ないもん!」

 

ムキになって恥ずかしがりながらも腕を離さない千棘とそれにも動揺せずに腕を離さない楽に苦笑いし、周りからの視線を受けながら教室に向かった。

 

 

─学校─

 

さすがに恥ずかしかったのか千棘は教室の手前で腕を離した。ちなみに楽は廊下にいた友達とお話することでようやく腕を離した。解放された要は千棘と教室に入る。

 

「おはよう〜」

 

だが、要が教室に入るといつもと空気と視線が変わっていた。クラスの全員がこちら、俺と千棘にいつもと違った視線を向けていたのだ。

 

「え?な、なに?」

 

「な、なんですか?」

 

すると、クラスの全員の中心にいた集がニヤッとしたと同時に大声で、

 

「せ〜の!」

 

「「「おめでと〜〜〜〜!」」」パンッパンッパンッ

 

「うぁ!」

 

「きゃっ!」

 

集の掛け声でくす玉が割られ、クラス全員がクラッカーを打ち鳴らした。急なことで要と千棘は困惑した。が、集が発した言葉で理解する。

 

「いやいや〜、お二人さん!お付き合いされたそうで、おめでとうございます!!」

 

「え?」

 

「ちょ、お前なんで知ってんだよ」

 

要は集が何故知っているのかわからなかったが、次の一言で納得する。

 

「は?あんなに堂々と商店街を歩いてたら誰かは見るでしょ」

 

「あ…」

 

「確かに…」

 

「ちなみに私は見た」

 

「俺も見たよ」

 

「俺も」

 

「「私達も見たよー」」

 

集とクラスの面々に目撃されたと聞き、何も言えない要と千棘。

 

「で?そこんところどうなんですか?え?」

 

集がニヤニヤしながら詮索してくるので千棘にどうしようかと視線を向けた。が、その時要の目に入ったものは千棘にではなく銀髪の美女だった。その美女はもちろんクロードだ。おそらく千棘の護衛だろうが、教室の外にある木の上にいるのはあからさますぎる気がする。しかも双眼鏡で見てるし。そしてさっきから殺気が向けられている気がする。

 

「あ〜まぁ、付き合ってるよ」

 

「ちょ…ちょっと要、恥ずかしいから…」

 

要が折れて自白すると千棘が照れながら要の服の裾を少し引っ張ってきた。なんとも可愛い仕草で要は千棘に見とれてしまった。すると、要と千棘の二人の甘い空間ができてしまい、それにクラス中が一瞬にして飲まれてしまった。現在この教室で動いているのは時間と胸の鼓動だけ。要と千棘は見つめあい、クラスの人はその甘い光景に息を呑んでいた。だが、それを壊す存在がいた。

 

「はい終わり〜!千棘ちゃんタイム終了です!」

 

楽だ。今まで廊下にいたが、騒ぎを聞いて要の後ろで見ていたら我慢ができなくなって要を引っ張って抱きついた。

 

「うぉって、楽姉!」

 

さっきまで千棘とラブラブしてた上に、学校で人気の楽に抱きつかれる要に、クラスの男子から嫉妬や殺気の視線を向けられる。

 

「おいおい、朝から元気だな〜お前ら。まぁイチャイチャしてるのもいいがとりあえず席につけ〜」

 

「「「はーい」」」

 

担任のキョーコちゃんが入ってきたので全員すぐに席につく。これでこの話が終わる……わけなどなく、HRが終わったら、要は男子からの嫉妬と怒りの視線を浴び、千棘は女子からの質問の嵐に目を白黒して頬を赤くしていた。

 

 

 

 

 




感想待ってます。
そろそろ鶫を出したいと思ってるのでどんどん書いていけるよう頑張ります!
これからもよろしくお願いします!


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