魔法少女アマゾンズ (naogran)
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Episode1「MAGICAL GIRL SITE」

アマゾンオメガとして戦い続けた青年・水澤悠は、鷹山仁との決着の後、守りたい者の為に生きる道を選んだ。




あの戦いから3年後、アマゾンの存在は何らかの出来事で一部を除いた人々の中から忘れ去られた。悠は新しい人生を送りたいと思い、高ノ織中学校の理科の教師になった。母親の水澤令華の旧知の仲の朝霧家で居候する事になった。

彼は同級生からのいじめや、兄からの虐待を受けてる朝霧家の長女・朝霧彩を支え続けてる。しかし彼と彼女に新たな運命が迫っていた。


ある日の朝。1台のバイクが走行していた。そのバイクに乗っている2人の人物があった。

 

悠「彩、昨日眠れなかったのか?」

 

彼は水澤悠。

 

彩「・・・・・」

 

彼女は朝霧彩。

 

悠「また彼奴に甚振られたのか?」

 

彩「・・・ううん・・・怖くて眠れなかっただけだよ・・・」

 

悠「そうか・・・」

 

 

 

 

 

 

高ノ織中学校。悠は駐輪場にバイクを停め、彩と校舎に入る。

 

 

 

 

下駄箱。

 

女子生徒「先生おはようございます!」

 

男子生徒「おはようございます先生。」

 

悠「ああ、おはよう。」

 

彼は生徒達から人気が高かった。

 

悠「ん?」

 

職員室へ行く途中に彼は見た。彩が3人の女子生徒からいじめを受けていた。

 

悠(またあの3人か・・・)

 

彩をいじめてるのは、雫芽さりな、川野愛、貝島えりかの3人だった。

 

 

 

 

2年B組のHR。このクラスでは悠が担任を受け持っている。

 

悠「はい席に着いて。」

 

生徒全員が席に座るが、彩は座ろうとしなかった。

 

悠「ん?朝霧さん?どうしたの?」

 

彩「あ、あの・・・」

 

悠「ん?」

 

机を見ると、酷い悪口の落書きがあり、椅子にはボンドが塗られていた。さりなとえりかと愛はクスクスと笑っている。

 

悠「・・・朝霧さん、机は無理だけど、彼処に予備の椅子があるから使いなさい。」

 

彩「・・・はい・・・」

 

予備の椅子を、ボンドが塗られた椅子と交換する。さりなとえりかは悠を見て密かに激怒している。

 

 

 

 

 

 

放課後。悠が下駄箱前で彩を待っている。

 

女子生徒「先生さようなら〜!」

 

悠「さようなら。気を付けて帰ってね。」

 

しばらくして、彩が来た。

 

 

 

 

バイクに乗って、家路を走行する。

 

悠「また雫芽達にいじめられたのか?」

 

彩「私、もう耐えれないよ・・・」

 

悠「ごめんな。僕は君を守りたいけど、あの3人女子トイレで君をいじめてるからどうしようも出来ないんだ・・・」

 

彩「ううん、悠さんは何時も私を支えてくれている。それだけで嬉しい。」

 

悠「彩・・・君は優しいね。」

 

彩「あ、悠さん、彼処に寄りたいんだけど。」

 

悠「何時もの彼処だね?分かった。」

 

 

 

 

何時もの彼処とは、河川敷にある橋の下。

 

彩「ミャーちゃん。」

 

ダンボール箱から、1匹の猫が飛び出た。捨て猫のミャーちゃん。

 

彩「ごめんね遅くなって。お腹空いたでしょ?」

 

水筒に入ってる牛乳を蓋に注いだ。

 

彩「はいどうぞ。」

 

その牛乳をミャーちゃんにあげる。ミャーちゃんは牛乳を美味しそうに飲む。

 

彩「美味しい?本当はうちで飼ってあげられると良いんだけど。誰か良い人居ないかな・・・」

 

ミャーちゃんは、彩の手をペロペロ舐める。

 

彩「くすぐったい・・・」

 

悠「ミャーちゃん。」

 

横から悠が右手を伸ばすが、ミャーちゃんは顔を横に向けた。

 

悠「あ、あれ?何で僕だけ懐かないのかな?」

 

彩「ふふっ。」

 

すると彩のスマホが振動した。兄からのメールが受信されていた。

 

彩「もう行かなきゃ・・・また明日。絶対来るから。ね?」

 

悠「彩、早く帰ろ?」

 

彩「うん。じゃあね。」

 

2人はバイクに乗って、家路を急いだ。しかしそこに、1人の人物が隠れていた。貝島えりかだ。

 

えりか「ふ~ん面白いもの見~っけ。」

 

 

 

 

そんな遠くから見てる少年が居た。

 

少年「見付けたよ。僕のご飯。」

 

 

 

 

 

 

朝霧家。悠は朝霧家で居候している。彼は彩と、彩の両親と、彩の兄の要と夕飯を食べてる。

 

彩の父「ははは!そうか今回の試験も1番だったか!」

 

要「当然だよ。毎日こんなに美味しい食事を食べさせてもらっているからね。母さん何時もありがとう。」

 

彩の父「やれやれ。東大合格確実の秀才は言う事が違うな。」

 

彩の母「もうパパったら親バカなんだから。でも嬉しい。作った甲斐があるわ。悠君も美味しい?」

 

悠「美味しいよ。ありがとうおばさん。」

 

要「明後日のテストも頑張るよ。」

 

彩の父「要は出来が違うんだ。期待するのは親として当然だろう?」

 

彩の母「はいはい。でもあまり無理をしてはダメよ?」

 

要「勿論。体調管理も受験の内だから、上手くストレス発散しているよ。」

 

悠「・・・」

 

彼は要の言うストレス発散の言葉に不快感を抱いている。

 

彩の父「悠君はどうかね?教師として頑張っているか?」

 

悠「うん。母さんが勧めてくれたから頑張っているよ。」

 

彩の父「そうか。流石令華さんの息子だな。」

 

この家庭は幸せな一家団欒。しかし中は違っていた。

 

 

 

 

 

 

その後の彩の部屋。彩は要から腹パンを受けていた。要が言ってるストレス発散は、妹の彩へ対する虐待だった。

 

要「ったく1発でゲロかよ。すぐにヘバんじゃねぇぞ。」

 

彩「お・・・お願い・・・お腹殴るの・・・止めて・・・女の子の日が・・・来なくなるの・・・」

 

要「てめぇの体がどうなろうと知ったこっちゃねぇよ!お前と違って僕はあのバカ親父の期待に応える為に毎日必死なんだよ。僕の精神ストレス緩和の為にお前も貢献しろやドクズが!」

 

すると誰かが要の髪の毛を引っ張った。

 

要「いでででででで!!!」

 

 

 

 

悠「それが貢献してる人の言う事か?」

 

 

 

 

彩「悠、さん・・・」

 

悠は要の髪の毛を手放した。彼は要を冷静に睨む。

 

要「・・・てめぇ、何でまた邪魔をするんだよ!!!」

 

悠「邪魔じゃない。止めただけだ。」

 

要「てめぇのせいで、僕の精神ストレスが残ってるんだぞ!!どうしてくれるんだ!!あぁ!?」

 

彼は悠の襟を掴んで怒鳴る。悠は表情を変えない。

 

悠「ストレスを発散したいなら、虐待以外の事を考えろ。」

 

要「・・・チィ!お前、後で後悔しても知らねえぞ!!」

 

そう言い残して、部屋から出て行った。

 

悠「彩、大丈夫か?」

 

彼は、彩を縛ってるロープを解いた。

 

彩「悠さん・・・」

 

悠「毎日やられてばかりで、悔しいだろ?」

 

彩「悠さん・・・私、もう死のうかと思ってるの・・・」

 

悠「死ぬなんて簡単に言っちゃダメだ!!」

 

彩「え・・・?」

 

悠「確かに君はいじめや虐待を散々受けている。けど、君が死んだら両親や僕が悲しむんだ。だから、死ぬなんて簡単に言っちゃダメだ。」

 

彩「・・・・・・」

 

悠「大丈夫、僕は君を守る。何があっても絶対に。」

 

彩「悠さん・・・・」

 

泣く彩を、悠が優しく抱き締めて慰める。

 

悠「今日は寝れそう?眠れなかったら僕の部屋に・・・」

 

彩「ううん、大丈夫・・・」

 

 

 

 

その後悠は、自分の部屋に戻った。ベッドの下にあるアタッシュケースを開けると、アマゾンズドライバーとネオアマゾンズドライバーが入っていた。ネオアマゾンズドライバーはあの時破壊されたが、令華がもしもの時の為に予備を持っていた為、予備を受け取ったのだ。

 

悠「・・・・」

 

ネオアマゾンズドライバーをカバンに入れて、アマゾンズドライバーはアタッシュケースに残してベッドに戻した。

 

 

 

 

その頃彩は、ベッドの上でぐっすり寝ていた。すると、部屋にあるノートパソコンの電源が勝手に入った。

 

彩「・・・魔法少女サイト?」

 

画面には、魔法少女サイトと言う謎のサイトが表示されていた。

 

彩「何だろう・・・」

 

画面にクリックすると。不気味な顔が映し出された。

 

 

 

 

漆『不幸だね~不幸だね~。そんな君に・・・魔法の力を与えよう。』

 

 

 

彩「魔法・・・?」

 

 

 

漆『不幸な君に当サイトから魔法のステッキをお送りします。使うも使わぬも君次第。それでは楽しい魔法少女ライフを。』

 

 

 

 

恐怖を感じた彩が、すぐに電源を切った。

 

彩「何これ・・・?気味悪い・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝。悠と彩がバイクで学校へ向かう途中。

 

悠「ん?」

 

踏切前に停車した。踏切前には、群衆が居た。

 

サラリーマン「何だよ?事故か?」

 

男性「猫が轢かれたって・・・」

 

悠「猫が轢かれた?・・・」

 

群衆が見てる死体を見ると。

 

悠「っ!!」

 

彩「どうしたの?悠さん。」

 

悠「・・・彩、早く行こう。」

 

アクセルグリップを捻って、学校へ向かう。その途中で彩が死体を見ると。

 

彩「っ!!」

 

その死体の正体が分かり、すぐに顔を逸らした。

 

 

 

 

 

 

高ノ織中学校・下駄箱。彩は勇気を出して下駄箱を開けた。そこには。

 

彩「え・・・?」

 

中は無事だったが、ハート型の拳銃と、1枚の手紙が入っていた。

 

彩「おもちゃ?ハートの・・・銃?」

 

手紙を見ると、ステッキの使い方と、魔法少女サイトで見た不気味な顔があった。彼女はすぐにカバンに仕舞った。

 

 

 

 

 

 

放課後・グラウンドにある倉庫の中。

 

さりな「あ~つまんねぇ。」

 

愛「さりな。次どうする?」

 

さりな「任せるわ。」

 

愛「ええ~?こいつ全然元気ないからちっとも面白くないんだけど。」

 

また彩へのいじめを行っていた。そこにえりかが戻って来た。

 

えりか「お待たせ!スペシャルゲストを連れて来たんだから。先輩お願いしま~す。」

 

先輩「うぃ~っすこいつか?遊んで欲しいって奴は。」

 

連れて来た相手は、3年の荒井翔太。

 

 

 

 

 

 

その頃屋上では、謎の少年がグラウンドを見渡していた。

 

少年「何処かに僕のご飯は無いかな〜?ん?」

 

グラウンドを見ると、彩が逃げて行く光景が見えた。

 

少年「どうしたんだろうあの子?」

 

 

 

 

荒井『ありゃ~逃げられちゃった。』

 

さりな『早く追っ掛けろ!』

 

えりか「私行く!』

 

さりな『先輩!』

 

荒井『俺も行くよ。』

 

 

 

 

少年「へぇ〜、あの3人があの子と遊んでるのか。遊ぶなら僕にすれば良いのに。」

 

 

 

 

その頃悠は、彩が来るのを待っていた。

 

悠「彩、どうしたんだろう?ん?」

 

外を見ると、彩がえりかと荒井が逃げて行くのが見えた。

 

悠「彩?それに貝島さんに荒井君?まさか雫芽が!」

 

駐輪場へ向かい、バイクに乗って彩を追う。

 

 

 

 

 

 

繁華街。駐車場に停めてる車の陰に隠れる彩。

 

荒井「お~い何処行った~?出て来~い!何にもしないから!」

 

えりか「居ないっすねぇ。」

 

荒井「ああ~もう面倒臭ぇ。やる気なくした。もう帰るわ。」

 

えりか「ええ~?それはないっすよ先輩~!」

 

荒井「もう見付かんねえよ。」

 

えりか「先輩ってば〜!」

 

荒井「また今度な~。」

 

しばらくして2人が去って行った。それを確認した彩はホッとした。

 

 

 

 

 

 

荒井「ばぁ〜!!」

 

彩「きゃああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

叫び声を聞いた悠が停まった。

 

悠「彩の声!?あっちか!」

 

声がした方へ向かった。

 

 

 

 

同じく声が聞こえた謎の少年も。

 

少年「あっちかな?」

 

 

 

 

 

 

その頃彩は、荒井から性的暴行(レイプ)を受けていた。

 

彩「嫌!止めて!」

 

荒井「無駄だって。諦めなよ。」

 

えりか「朝霧。これ何だか分かる?凄かったな~。一瞬で肉塊になるんだもん。ほら。」

 

彼女が見せたのは、ミャーちゃんの首輪だった。今朝に見た死体の正体はミャーちゃんだった。昨日えりかがミャーちゃんを殺したのだった。

 

彩(嫌!嫌!嫌!)

 

???「随分楽しそうだね〜。」

 

えりか・荒井「?」

 

後ろに振り返ると、1人の少年が立っていた。

 

えりか「誰あんた?何か用?」

 

少年は何も言わないまま彩の方へ歩く。

 

えりか「ちょっと!無視するんじゃないよ!!」

 

少年「君、そこ退いてくれる?」

 

すると彼は、荒井を蹴り飛ばした。

 

荒井「ぐあっ!!」

 

えりか「先輩!!」

 

少年「君、大丈夫かい?」

 

手を伸ばす。

 

彩「・・・・・」

 

返事しないまま、少年の手を握って立った。

 

彩「あ、あの・・・」

 

少年「礼はいらないよ。僕は当然の事をしただけだから。」

 

えりか「あんた!!よくも先輩を!!」

 

荒井「このガキ!!!」

 

少年「え?君達がこの子をいじめたのが元凶じゃないの?」

 

荒井「何だと!?」

 

少年「そんな君達を、この子から遠ざけてあげるよ。」

 

えりか「はぁ?どうやって私らを此奴から遠ざけるんだよ?」

 

少年「こう言う事さ!!」

 

すると彩のカバンからステッキを出して、銃口を2人に向けて発砲した。するとハート型の煙が出現し、2人の姿を消した。

 

彩「消えた・・・?」

 

少年「君、これを返すね。」

 

ステッキを彩のカバンに戻した。

 

少年「じゃあね。」

 

彩「あ、待って!」

 

しかし少年の姿は何処にも無かった。

 

彩「何だったの・・・?」

 

そこにバイクに乗った悠が来た。

 

悠「彩!」

 

彩「悠さん!」

 

悠「どうしたんだ?あれ?貝島さんと荒井君は?」

 

彩「それが・・・」

 

するとその時。

 

 

 

 

”パァーーー” ”ドゴン”

 

女性「きゃああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

彩「え・・・?」

 

悠「何だ!?彩!」

 

ヘルメットを彩に被せてすぐに乗せて、叫び声が聞こえた場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

近くの踏切では群衆が集まっていた。

 

愛「これ何!?はぁ・・・はぁ・・・さりな・・・」

 

そこにさりなと愛も駆け付けた。

 

さりな「ひぃっ!?」

 

突然さりなが恐怖した。その理由は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりかと荒井の死体が転がっていたからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さりな「何これ・・・?先輩・・・?えりか・・・?」

 

現場を見た悠と彩も驚いた。

 

悠「貝島さん・・・?荒井君・・・?」

 

彩「嘘・・・そんな・・・」

 

悠「・・・ん?」

 

2人の死体を凝視すると。

 

悠(左胸が貫かれてる・・・それに両足と両腕が何処にも無い・・・どう言う事だ・・・?)

 

 

 

 

 

 

その日の夜。彩は恐怖して部屋に引き篭もってる。

 

”コンコン”

 

部屋の外から、要がノックした。

 

要「食事にも下りて来ないで母さん心配してたぞ?なあ。ここを開けてくれよ。」

 

だか彼の右手には、虐待に使うロープが握られていた。

 

悠「何をしているんだ?」

 

そこに悠が要を見付けた。

 

要「え?何って、心配だから見に来たんだよ。」

 

悠「じゃあ右手に強く握ってるそのロープは何だ?」

 

要「ああこれ?そこに落ちてたから拾ってあげたんだよ。」

 

悠「嘘言っても無駄だ。考えてる事はお見通しだ。」

 

要「チィ、覚えとけよ。」

 

そう言って部屋へ戻って行った。悠が彩の部屋のドアをノックする。

 

悠「彩、悠だ。」

 

すると鍵が開き、彩がドアを開けた。

 

彩「悠さん・・・」

 

 

 

 

 

 

部屋に入って、彩から話を聞く。

 

悠「1人の少年が?」

 

彩「うん・・・その子が私を助けてくれたの・・・ステッキを使って。」

 

悠「ステッキ?」

 

彩「これなんだけど・・・」

 

持っている拳銃型のステッキを見せた。

 

悠「彩、それ何処で?」

 

彩「昨日、魔法少女サイトで・・・」

 

悠「魔法少女サイト?」

 

彩「待ってて。」

 

すぐにパソコンを開いて、魔法少女サイトを探す。しかし。

 

彩「どうして?何でないの?」

 

悠「無い?」

 

彩「あの時は確かに・・・確かに・・・あったのに・・・どうして・・・」

 

悠「彩、落ち着いて。魔法少女サイトは僕にも分からないけど、2人で見付け出そうよ。」

 

彩「悠さん・・・」

 

悠「そうだ彩、おばさんから夕飯貰って来たよ。これでも食べて?」

 

彩「ありがとう・・・」

 

夕飯を食べる彩。

 

 

 

 

 

 

翌朝。悠と要と彩の父が朝食を食べてる。要は元気が無い。

 

彩の父「どうした?今朝は元気が無いようだが。」

 

要「そんな事無いよ父さん。昨日の夜ラマヌジャンの関数を解いていたら・・・」

 

彩の父「体調管理を怠れば成績に支障を来しかねん。日々の心掛けが大事だと・・・」

 

 

 

彩「行って来ます。」

 

制服に着替えた彩が先に学校へ行った。

 

 

 

彩の母「あら。体の具合はもう良いの?朝ご飯は?」

 

彩の父「・・・悠君、彩の奴どうかしたのか?」

 

悠「・・・学校でいじめを受けているんだ。」

 

彩の父「いじめだと?」

 

悠「うん。僕が守ろうとしても、いじめを受けてる場所は何時も女子トイレだから・・・」

 

彩の父「そうか。無理せずに彩を守ってやってくれ。あの子は優しい子だからな。」

 

悠「うん。」

 

朝食を食べた後。

 

悠「じゃあ僕も行かなきゃ。」

 

彩の母「悠君、彩弁当忘れてるから、持って行ってあげて?」

 

弁当を受け取る。

 

悠「ありがとうおばさん。じゃあ行って来ます。」

 

彩の母「行ってらっしゃい。」

 

彩の父「気を付けるんだぞ。」

 

要は学校へ行った悠と彩を密かに睨む。

 

彩の父「要、気を抜くなよ。」

 

要「え?」

 

彩の父「お前には期待しているんだ。しっかり頼むぞ。」

 

要「・・・分かってるって。じゃ、僕も行って来ます。」

 

 

 

 

 

 

その頃悠と彩は、河川敷の橋の下に来ていた。彩が段ボール箱に花束を供えた。

 

彩「ごめんね、守ってあげられなくて。ごめんね・・・」

 

悠「ミャーちゃん・・・守れなくてごめん・・・」

 

 

 

 

 

 

高ノ織中学校。

 

女子生徒「ねえ聞いた?2-Bの貝島さんの事。」

 

男子生徒A「3年の荒井先輩も死んだって」

 

男子生徒B「何?心中?ってか三角関係って聞いたけど?」

 

男子生徒C「まあどっちにしろDQNだろ?死んで良かったんじゃね?」

 

 

 

 

 

 

2年B組。えりかの机に花束と遺影があった。

 

悠「皆の中に知っている生徒が居ると思うけど、昨日本校の生徒2名が事故により亡くなった。3年A組の荒井翔太君とこのクラスの貝島えりかさん。」

 

さりなと愛は泣いている。

 

悠「突然の出来事に皆もショックを受けているだろう。だけど、まずは心を静め皆で黙祷を捧げたいと思う。黙祷。」

 

全員が黙祷をする。

 

悠(っ!?)

 

何かを感じた悠。

 

悠(この気配・・・まさか。)

 

 

 

 

 

 

放課後。悠が屋上へ行くと。

 

悠「君は・・・!」

 

屋上にあの少年が居た。

 

少年「やあ水澤君。久し振りだね。」

 

悠「何で君がここに?あの時死んだんじゃ?」

 

少年「確かにあの時は死んだ。けど、奇跡的に一命を取り留めたんだ。」

 

悠「一体何が目的なんだ・・・?」

 

少年「目的?僕はただご飯を喰べにこの街に来たんだよ。」

 

悠「昨日何があったのか知っているのか?」

 

少年「ああ、2人の中学生が事故で亡くなったって。それも両腕と両足が無くなって、左胸が貫かれたって。」

 

悠「誰が殺ったんだ?」

 

少年「それは分からない。それと水澤君、僕とお話をしてる場合かな?」

 

悠「え?」

 

 

 

 

さりな『昨日あの後何があった!?お前見てたんじゃねぇのか!』

 

 

 

 

悠「っ!?」

 

下を見ると、校舎裏でさりなが彩の首を絞め上げて尋問していた。

 

悠「彩!!」

 

少年「あの子を助けたいなら、早く行かないと。」

 

悠「・・・くっ!!」

 

すぐに走って校舎裏へ向かった。

 

少年「さて、次のご飯はっと。」

 

 

 

 

校舎裏。

 

彩「知らな・・・見てない・・・」

 

さりな「嘘吐け!だったら何で2人は死んだ!?2人に恨みがあるのはお前しか居ねぇ!朝霧。私はな。お前が2人を線路に誘い込んで殺したと思っている。」

 

彼女はポケットからカッターナイフを出した。

 

愛「さりな!流石にそれはやべぇって!」

 

止めようとする愛だが。

 

さりな「五月蝿ぇ!此奴のせいで・・・此奴のせいでえりかは死んだ!此奴が私の親友を殺したんだ!!!!」

 

愛「・・・あ!水澤先生!!助けて!!」

 

駆け付けた悠を発見して助けを呼んだ。

 

悠「雫芽!!止めろ!!」

 

すぐにさりなを彩から引き離した。

 

さりな「何だよ先生・・・!!お前まで邪魔をするのか!!!」

 

悠「何で彩を問い詰めるんだ!!」

 

さりな「あの2人に恨みがあるのは此奴なんだよ!!」

 

悠「それだけの理由で、彩を殺すのか!?」

 

さりな「ああそうだよ!!あの2人が死んだ恨みを晴らす為にな!!そこを退け!!」

 

悠「いや、退かない!!」

 

さりな「何でだよ!!」

 

悠「彼女に罪は無い!あの2人の両腕と両足が失って、左胸が貫かれた。そんな事が彩に出来るのか?」

 

さりな「五月蝿え!!此奴が2人を殺したから恨みを晴らすんだよ!!証拠なんてどうだって良いんだよ!!」

 

 

 

 

”バチーン”

 

 

 

 

突如、悠がさりなを平手打ちした。

 

さりな「・・・え・・・?」

 

愛「せ、先生・・・?」

 

悠「いい加減にしろ・・・!!そんな下らない理由で人の命を奪って良いはずが無いんだ!!僕は前から君達のいじめの行為を全て知ってる。弱い者いじめを続けて何になるんだ!!自分の為か?誰かの為か?自分が満足になるならそれで良いのか!?人をいじめる行為なんて、簡単にやってはいけないんだ!!」

 

愛「・・・・・」

 

さりな「な・・・何だよそれ・・・!!正義の味方の面してんじゃねえよ!!!!」

 

愛「もう止めてさりな!!」

 

さりな「愛・・・テメェも此奴らに加担するのか!!!」

 

愛「違う!!さりなを落ち着かせたいだけなの!!!」

 

さりな「私は知ってるぞ!!お前は裏で先生を信頼してんだろ!!この裏切り者が!!!!」

 

愛「っ・・・!!」

 

悠「雫芽、そんなに彩を殺したいなら、僕を殺せ。」

 

彩「え・・・?」

 

愛「せ、先生・・・?止めて先生!!」

 

悠「止めないで!」

 

さりな「上等じゃねえか・・・!!先生は何時も朝霧ばっかりくっ付いてる・・・!!何時も朝霧を支え続けてる・・・!!その行為がムカつくんだよ!!!!」

 

カッターナイフを持って、悠を刺そうとした。

 

愛「さりなーーーーー!!!」

 

さりな「死ねええええええ!!!!!」

 

彩「いやああああああ!!!」

 

悠「っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、悠と彩以外の周りが突然停止した。

 

悠「・・・・え?」

 

彩「え・・・?」

 

???「全くもう、世話焼かせるわね。」

 

そこに1人の女子生徒が、さりなが持ってるカッターナイフを没収した。

 

彩「あなたは・・・奴村さん・・・何で?」

 

そこに現れたのは、2年B組の奴村露乃だった。

 

悠「奴村さん・・・?どうして君が?」

 

彩「これって・・・」

 

露乃「時を止めた。」

 

彩「え・・・?」

 

悠「時を、止めた?」

 

露乃「そう。それが私の魔法。」

 

彩「魔法?」

 

露乃「そう。朝霧さん、あなたも持っているんでしょう?ステッキ。だったらこんな生ゴミ早く殺せば良いのに。」

 

彩「殺すって・・・」

 

悠「奴村さん、彩は殺す行為なんて出来ないんだ。」

 

露乃「そうね。例えばこんな風にして・・・」

 

さりなにカッターナイフを持たせて、そのままさりなの首を切った。

 

彩「ひぃっ!」

 

悠「っ!」

 

露乃「はい。不慮の事故の出来上がり。」

 

悠「・・・・・」

 

露乃「長居は無用よ。付いて来て。先生も。」

 

彩「あ・・・あの・・・魔法って?奴村さん・・・」

 

悠「奴村さん、魔法って?」

 

露乃「教えてあげる。魔法少女サイトについて。朝霧さん、水澤先生、あなた達が必要なの。」

 

悠「僕達を・・・?」

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
     雫芽さりな:山崎はるか
       朝霧要:岡本信彦

  サイト管理人・漆:中尾隆聖

       川野愛:清水彩香
     貝島えりか:喜多村英梨
      荒井翔太:山本祥太
       彩の父:小上裕通
       彩の母:増田ゆき
    サラリーマン:村上聡
        男性:小林竜之
     女子生徒A:木田祐
     女子生徒B:古賀葵
     女子生徒C:田中那実
     男子生徒A:安田陸矢
     男子生徒B:安田廉平

        少年:緒方恵美

NEXT SITE「THE TEMPEST」


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Episode2「THE TEMPEST」

???「全くもう、世話焼かせるわね。」

そこに1人の女子生徒が、さりなが持ってるカッターナイフを没収した。

彩「あなたは・・・奴村さん・・・何で?」

そこに現れたのは、2年B組の奴村露乃だった。

悠「奴村さん・・・?どうして君が?」

彩「これって・・・」

露乃「時を止めた。」

彩「え・・・?」

悠「時を、止めた?」

露乃「そう。それが私の魔法。」

彩「魔法?」

露乃「そう。朝霧さん、あなたも持っているんでしょう?ステッキ。だったらこんな生ゴミ早く殺せば良いのに。」

彩「殺すって・・・」

悠「奴村さん、彩は殺す行為なんて出来ないんだ。」

露乃「そうね。例えばこんな風にして・・・」

さりなにカッターナイフを持たせて、そのままさりなの首を切った。

彩「ひぃっ!」

悠「っ!」

露乃「はい。不慮の事故の出来上がり。」

悠「・・・・・」

露乃「長居は無用よ。付いて来て。先生も。」

彩「あ・・・あの・・・魔法って?奴村さん・・・」

悠「奴村さん、魔法って?」

露乃「教えてあげる。魔法少女サイトについて。朝霧さん、水澤先生、あなた達が必要なの。」

悠「僕達を・・・?」






あの後、3人は時が止まってる街中を歩く。

彩「本当に皆止まってる・・・」

悠「奴村さん、本当に君が?」

露乃「そうよ。私のステッキの能力は時間停止。これで信じてもらえたかしら?」

悠「スマホ型のステッキ?」

彩「でも何で私と悠さんは?」

露乃「動かしたい相手の名前を入力すれば、止まった時間の中でも私と共に行動出来る。」

ステッキには、悠と彩の名前が入力されてあった。

露乃「朝霧さん、あなたのステッキも中々便利な能力ね。」

彩「え?」

悠「知っているのか?」

露乃「瞬間移動。対象物を瞬時に別の場所に移動させる力。」

彩「どうしてそれを・・・?」

露乃「昨日の事全部見せてもらったわ。」

昨日の事とは、ステッキでえりかと荒井を殺した事だった。

彩「あれは・・・」

露乃「気に病む事ないわ。言ったでしょ?折角ステッキを手に入れたのだから生ゴミはどんどん排除すれば良い・・・でも、あなたのステッキを使ったのは見覚えの無い男だったわ。」

彩「え?」

悠「見覚えの無い男?」

露乃「ええ。朝霧さんが持ってるステッキを簡単に使っていた。先生、見覚えは無い?」

悠「彩のステッキを使った男・・・いや、僕には・・・」

露乃「そう。朝霧、ステッキを持ってるなら生ゴミを排除すれば良い。」

彩「・・・・」

露乃「ムカつく奴、嫌味な奴、嫌いな奴、五月蝿い奴、調子に乗ってる奴、モラルの欠片も無い奴、他人に迷惑を掛ける奴、罵声を浴びせる奴、暴力を振るう奴、脅しを掛けて来る奴、法を犯す奴、欲望の為に他人を傷付ける奴。自分に実害があると認識すれば皆消してしまえば良い。」

彼女は調子に乗ってる奴、モラルの欠片も無い奴、他人に迷惑を掛ける奴、罵声を浴びせる奴、暴力を振るう奴、脅しを掛けて来る奴、法を犯す奴らを全て別々の場所へ移した。

彩「あの・・・」

悠「君は・・・」

露乃「これが不幸な人生に血塗られた、私達のような人間の特権。」

彩「奴村さん・・・」

露乃「ここまで来れば十分ね。」

悠「・・・・」

彼女はステッキの再生ボタンを押した。すると周りが動き出した。先程露乃に移動させられた者達が驚いてる。






校舎の裏では。

さりな「ん?」

首を見ると、大量出血した。

愛「さ、さりな・・・!?」

さりな「ぐああああああああ!!!!!」

愛「きゃあああああああああ!!!!!」

さりなは倒れ、愛が絶叫した。






街中。

悠「奴村さん、雫芽は?」

露乃「大丈夫。あの女はクズだけど殺してはいないわ。じゃあ行こっか。」

彩「えっ?」

悠「何処へ?」

露乃「朝霧さん家。」


夜の朝霧家。彩の部屋。

 

露乃「ふ~ん。」

 

彩「あ、あの、どうして家に・・・?」

 

悠「何かあったのか?」

 

”コンコン”

 

要『彩、入るよ。』

 

ノックしたのは要だった。

 

要「母さんに聞いたよ。お友達が来てくれたんだって?」

 

彩「は、はい・・・」

 

彼はお菓子とジュースを持って来たのだった。

 

悠「・・・・・」

 

要「いらっしゃいませ。えっと・・・」

 

露乃「奴村露乃です。お邪魔しております。」

 

要「兄の要です。彩の事どうぞ宜しく。じゃあごゆっくり。」

 

露乃「はい。どうも。」

 

彼は部屋から出た。彩はホッとした。

 

悠(あの笑顔から殺気を感じた。)

 

露乃「お兄さんイケメンね。」

 

彩「え?」

 

露乃「な~んて言うんでしょうね。普通の人間は。あんなクソみたいに胡散臭い顔をした人久し振りに見たわ。先生もそう思うでしょ?」

 

悠「え?僕?」

 

露乃「朝霧さん家で居候しているんでしょ?」

 

悠「何時から気付いていた?」

 

露乃「先生が学校に入った直後に。」

 

悠「そうか。」

 

露乃「朝霧さんにとっては優しいお兄ちゃんかしら?」

 

彩「あの・・・奴村さん。」

 

露乃「何?」

 

彩「私これからどうなるのかな?」

 

露乃「どうって?

 

彩「だって、私の持つステッキで人が・・・雫芽さんも大怪我を・・・」

 

露乃「どうにもなりはしないわよ。」

 

彩「え?」

 

悠「どう言う事だ?」

 

露乃「「魔法のステッキで人を殺しました。」そんな事言って誰が信じる?」

 

悠「そう言う事か。」

 

彩「で、でも・・・」

 

露乃「魔法を物理的に証明出来ない以上警察は立件すら出来ない。つまりそう言う事。目障りなゴミはどんどん排除すれば良い。ただし使い過ぎは要注意よ。」

 

彩「え?」

 

露乃「教えてあげるわ。魔法少女サイトについて。と言っても今の所経験から導き出されたルールのようなものでしかないけど。」

 

露乃「昨日これを使った時体に異変があったでしょ?」

 

彩「異変・・・」

 

露乃「まぁ、あなたは昨日使ってなかったから知らないだろうけど、教えてあげるわ。これを使うと目から流血して、髪の毛が可笑しくなる。そしてここに紋章が浮かび上がる。」

 

左手首のハート型の紋章を見せた。

 

悠「ハート型紋章?」

 

露乃「そう。あの紋章は私達のライフポイント。要するに寿命よ。魔法を使う度少しずつ削られてゆくの。で紋章が消えた時魔法少女は死ぬ。どうやらそう言う仕組みらしいわ。」

 

彩「死ぬ?」

 

悠「事実、なのか・・・?」

 

露乃「ええ。恐らくは。魔法少女サイトあれが何の為にあるのか。誰が運営し私達に何をさせようとしているのか・・・」

 

 

 

 

 

 

漆『不幸だね〜不幸だね〜。』

 

 

 

 

 

 

露乃「1つはっきりしているのはステッキを手にした瞬間、私達魔法少女はサイトのルールに縛られる。それがどんなに理不尽なものであってもね。だけど、あの時見覚えの無い男が使ってもあなたは何の異変も無かった。」

 

彩「でも。」

 

露乃「ん?」

 

彩「どうして奴村さんはそんな大事な事を私に教えてくれるの?同じ魔法少女だから?」

 

露乃「・・・まあそんな所ね。朝霧さんは私にとって実害はないし、寧ろ手を結べばメリットのある相手だと思ってる。勿論先生も手を結べばメリットになるわ。」

 

彩「メリット?」

 

悠「何のだ?」

 

露乃「実を言うと、ここに来た理由がもう一つある。私は朝霧さんあなたに警告しに来たの。気を付けて。魔法少女サイトに出会ってステッキを手に入れた者は私達だけじゃない。」

 

悠「それって、他にもステッキを持つ者が複数存在するのか?」

 

露乃「そうね。先生の言う通り、魔法少女は複数存在する。しかも私達が思うより遥かに多く。」

 

彼女はスマホから少女の画像を2人に見せた。

 

露乃「彼女もその1人だったわ。」

 

悠「その子は?」

 

露乃「名前は潮井梨ナ。ネットで知り合って以来共にサイトの謎を追い求めていた魔法少女よ。」

 

悠「どんな子なんだ?」

 

露乃「梨ナは所謂情報屋と言う奴で、でネット上で繋がりを持った他の魔法少女達から情報を引き出したりしていた。だけどその矢先・・・魔法少女達が次々と惨殺されると言う事案が発生したの。そしてどの現場でも金品は奪われず、その魔法少女の持っていたステッキだけが消えていた。つまり犯人の目的はステッキの回収。その残忍な手口と不可解な遺体の状況から私達は犯人を他の魔法少女だと推察したわ。」

 

悠「魔法少女を狩る者か。」

 

露乃「ええ。私と梨ナはそいつの事をマジカルハンターと名付けて調査を始めた。そんなある日潮井梨ナが突然消息を絶った。」

 

彩「え?」

 

悠「消息を絶った?まさか、彼女は死んだのか?」

 

露乃「いえ、遺体はまだ見付かってない。」

 

彩「じゃあ潮井さん・・・」

 

露乃「行方不明になる直前梨ナが送ってきたメールに犯人の写真が添付されていた。被害者の少女の1人が死の間際に撮ったものらしいわ。」

 

被害者が残した写真の画像を見せて、悠と彩が驚いた。その画像には、両目が大きく見開かれ、顔に大量の血が付着していた。

 

露乃「此奴がステッキの回収人、マジカルハンターよ。」

 

悠「・・・・・・」

 

露乃「これで分かったでしょ。私達が手を結ぶ訳。時を止める私のステッキ物体を瞬間移動させる朝霧さんのステッキ。先生の持つ特殊な力。奴にとっては魅力的な獲物でしょうね。」

 

彩「え?」

 

悠「特殊な力?」

 

露乃「それは朝霧さんの前では言えないわ。」

 

悠(奴村さん、まさか僕の正体を?)

 

露乃「まあ今の所負ける気はしないけど。もし奴が私以上のスペックを備えたステッキを手に入れたら。」

 

彩「どう、なるんですか・・・?」

 

露乃「間違い無く3人共殺されるわね。」

 

彩「そんな・・・!」

 

悠「・・・・・・」

 

露乃「だからこそ万が一の備えに、朝霧さん、水澤先生、あなた達が必要なの。」

 

彩「でも、何で悠さんまで必要なの?」

 

露乃「さっき言ったでしょ?先生には特殊な力があるって。」

 

彩「悠さん?」

 

悠「彩、その事は今度話す。」

 

露乃「勿論見返りとしてあなた達の身は私が守る。悪くない取り引きでしょ?」

 

彩「でも、私はどうしたら・・・何時襲って来るか分からないなんてそんな・・・」

 

露乃「やれやれ、世話が焼けるわね。じゃあ今夜だけ私が朝霧さんを守ってあげる。」

 

彩「えっ・・・えっ?」

 

露乃「良いよね?先生。」

 

悠「う、うん。」

 

この日は露乃がお泊まりする事になった。

 

 

 

 

 

 

深夜の彩の部屋。露乃が寝ずに寝ている彩を見守っている。

 

”ギギギ”

 

露乃「ん?」

 

廊下から音が聞こえた。露乃は確信した。

 

 

 

 

ドアの前で要が立っている事を。

 

要(今日は我慢・・・今日は我慢~!!)

 

彼は面白い顔芸しながら虐待を我慢していた。ストレス上昇中。

 

 

 

 

その頃悠の部屋では。

 

悠「・・・・・・」

 

 

 

 

回想。

 

悠『何で君がここに?あの時死んだんじゃ?』

 

少年『確かにあの時は死んだ。けど、奇跡的に一命を取り留めたんだ。』

 

悠『一体何が目的なんだ・・・?』

 

少年『目的?僕はただご飯を食べにこの街に来たんだよ。』

 

悠『昨日何があったのか知っているのか?』

 

少年『ああ、2人の中学生が事故で亡くなったって。それも両腕と両足が無くなって、左胸が貫かれたって。』

 

悠『誰が殺ったんだ?』

 

少年『それは分からない。』

 

回想終了。

 

 

 

悠(彩のステッキを使った謎の男、恐らく彼奴だ・・・)

 

 

 

 

 

 

そして夜の街中では、1人の少女が鼻歌を歌いながら「さつりく帳」と言う資料を読んでいた。

 

少女「さ~てお次は~・・・う~ん・・・此奴だなぁ。」

 

資料に乗ってる彩を指差した。

 

少女「ふふふふふ・・・・あはははははははは!!!」

 

 

 

 

 

 

翌朝の高ノ織中学校。

 

男子生徒A「やべぇよな。貝島に続けて雫芽も大怪我だろ?」

 

男子生徒B「えっ、自殺じゃねぇの?」

 

男子生徒C「違ぇだろ。川野が一緒に居たって言うし。」

 

男子生徒B「えっ、川野にやられたの?」

 

男子生徒A「いや自分で切ったらしいぜ?」

 

男子生徒B「うわっ。呪われてんじゃね?」

 

男子生徒C「じゃあ次は川野の番だな。」

 

愛「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

彼女は両耳を塞いで過呼吸をした。

 

 

 

 

 

 

放課後。露乃は机の上で寝ている。

 

彩(奴村さん、本当に一晩中眠らずに守ってくれてたの?)

 

 

 

 

露乃『自分に実害があると認識すれば、皆消してしまえば良い。』

 

 

 

 

彩(奴村さん・・・あなたには何があったの?)

 

彼女は教室から出た。彩が教室から出たタイミングで、露乃が起きた。

 

 

 

 

 

 

バイクに乗った悠と彩が居た。

 

悠「奴村さん、一日中寝てたの?」

 

彩「うん。一晩中私を守っていたから。」

 

悠「そうか。奴村さんの言う通り、マジカルハンターは何処から襲って来るか分からないからね。」

 

彩「大丈夫。マジカルハンターの顔は分かっているんだから・・・」

 

悠「ん?」

 

目の前に少女が立っており、悠がすぐにバイクを停車した。

 

彩「え?」

 

悠「君、そこに立ってたら危ないよ?」

 

少女「あのぉ~。すいませぇ~ん。ちょっと良いですかぁ?」

 

悠「え?はい。」

 

少女「あなたじゃなくて、後ろの彼女に用があるんですぅ。」

 

彩「え?私に何か用ですか?」

 

少女「えっとぉ。早速なんですけどぉ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでもらいま~す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「なっ!?」

 

少女の両目が変わって、黄色い結界が張られ、悠と彩を閉じ込めた。

 

露乃「何!?」

 

すぐに露乃もステッキを使った。しかし結界に入ってる3人が動いてる。

 

露乃(そんな・・・時を止めたのに・・・何で奴は動いているの?)

 

少女「さ~て。お前のステッキ頂こうかしら?寿命縮んじゃうからさぁ。とっとと片づけさせてもらうね!」

 

彼女は鼻血を出してる。

 

露乃「マジカルハンター!!」

 

悠「奴村さん!!」

 

彩「奴村さん!!」

 

露乃「朝霧さん!先生!そいつから離れて!」

 

彩「駄目なの!壁が!」

 

悠「この結界、頑丈だ!!」

 

露乃(あの壁・・・まさか・・・)

 

マジカルハンター「さっすが~!もう気付いたか!」

 

パイプを持って壁の破壊を試みるが、罅すら入らなかった。

 

悠「奴村さん!!」

 

マジカルハンター「無駄~!どんな魔法も物理攻撃もこのボックス内に居る限り通用しないわ!それに、ここに異物まで入り込んじゃうとはね〜。」

 

悠(っ!)

 

彼はカバンからある物を密かに出した。

 

露乃「マジカルハンター。あんたどうやって顔を変えた?」

 

マジカルハンター「やっだな~その呼び方。ダサいからもう使わないでよ~。」

 

懐からカメラ型のステッキを取り出した。

 

マジカルハンター「ジャ~ン!このカメラ撮影した被写体と同じ容姿になれるステッキ。すげくね?」

 

露乃(此奴・・・!!)

 

マジカルハンター「で、ついムチムチボインの眼鏡っ子にしてしまったわ!はっはっはー!いやぁ男が寄って来る寄って来る。入れ食いだかんね!って・・・そんなこたぁどうでもいいの。はよ死ねぇ!」

 

ステッキから電撃を放射した。

 

彩「きゃあああああああああ!!!!!」

 

悠「ぐああああああああああ!!!!!」

 

電撃を受けた悠と彩。悠が膝を付き、彩が倒れた。

 

悠「彩・・・!!!」

 

露乃「朝霧さん!!先生!!」

 

マジカルハンター「んだよ。意外と攻撃力低いな。」

 

露乃「朝霧さん起きて!早く!」

 

悠「彩・・・!!!」

 

マジカルハンター「やっぱり此奴が一番かな?」

 

背負ってるバッグからハンマー型のステッキを取り出した。彼女はハンマー型のステッキを振り上げた。しかし悠が彩を引っ張って回避させた。

 

悠「彩!!大丈夫か!?」

 

マジカルハンター「な〜にしてんだよカス男が。次は逃がさねぇべ。脳みそぶち撒けてやんよ!」

 

悠「これ以上彩に手を出すな!!」

 

マジカルハンター「な〜に格好付けてんだよ。ただの男が何が出来る?」

 

悠「彩、下がってろ。」

 

彩「え?悠、さん?」

 

彼はネオアマゾンズドライバーを腰に巻き、注射器のアマゾンインジェクターをスロットに挿して、レバーを上に上げた。

 

マジカルハンター「な〜にそのステッキ?」

 

悠「アマゾン!!」

 

アマゾンインジェクターに入ってる白い液体を注入した。

 

『NEW・OMEGA』

 

”ドゴーーーーーン”

 

彼は緑色の炎に包まれた。

 

彩「っ!!」

 

マジカルハンター「な、何!?」

 

露乃「・・・!!」

 

炎が晴れるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑色の体表面、オレンジ色の胸部装甲、更に頭部に銀色の追加装甲やバイザーが装着されたアマゾンニューオメガが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「は、悠さん・・・?」

 

露乃(水澤先生、やはりあなたは・・・)

 

マジカルハンター「何その姿!?」

 

悠「マジカルハンター、これ以上彩に手を出すのは止めろ!」

 

マジカルハンター「格好付けんじゃねえ!!だったら先にお前の脳みそをぶち撒け手やんよ!!!」

 

ハンマー型のステッキを振り上げた。

 

『BLADE・LOADING』

 

アマゾンインジェクターを押すと右腕にニューオメガソードが生成し、ハンマー型のステッキを受け止めた。

 

悠「何て力だ・・・!!」

 

マジカルハンター「このまま潰してやんよ!!」

 

彩「悠さん!!」

 

露乃「朝霧さんステッキよ!あなたのステッキを使うの!」

 

彩「ス・・・ステッキ・・・駄目!これを使ったらこの人が死んじゃう!」

 

露乃「何言ってるの!?使わなきゃあなたと先生が殺される!!」

 

彩「だけど!!」

 

悠「彩・・・!!使ってくれ・・・!!」

 

彩「駄目!!悠さんが死んじゃう!!」

 

露乃「バカ!!そんな事言ってる場合じゃ!!」

 

悠「ぐあっ!!」

 

蹴り飛ばされ、壁に背中を強打した。

 

マジカルハンター「イッラ〜!ぶっ殺されるってのにな〜んで此奴上から目線な訳?」

 

露乃「朝霧さん、大丈夫。ステッキを使ってもそいつは死なない。」

 

彩「でも・・・」

 

露乃「自分が信じられないのなら・・・」

 

マジカルハンター「死ねやこのブスがあああああああ!!!!」

 

ハンマー型のステッキを大きく振り上げた。

 

悠「止めろおおおおお!!!!」

 

前に出たニューオメガがハンマー型のステッキを防いだ。

 

マジカルハンター「お前もしつこいな〜!!」

 

悠「くっ!!」

 

露乃「私を信じなさい!!」

 

彩「・・・うん!!」

 

彼女は勇気を出して、拳銃型のステッキを発砲した。

 

悠「っ!!」

 

ニューオメガが横に避け、マジカルハンターが何処かへ消えて行った。

 

悠「はぁ・・・はぁ・・・」

 

彩「はぁ・・・はぁ・・・」

 

彼女の髪が少し赤くなり、両目から血涙が出た。

 

露乃「大丈夫。もう大丈夫だから。」

 

彩「でも・・・私・・・」

 

露乃「バカね。私が時間を止めているんだから前のようにはならないわ。」

 

彩「奴村さん・・・」

 

悠「彩・・・助かった・・・」

 

彩「悠さん・・・その姿は・・・?」

 

悠「これ?今は話せないけど、今度訳を話すよ。」

 

露乃「さて、後は何処へ飛ばしたのかが問題ね。立てる?」

 

右手を伸ばした。

 

彩「う、うん・・・」

 

手を握って立つ。

 

 

 

 

マジカルハンターを探しに向かう。悠は変身を解いた。

 

露乃「朝霧さん。さっきステッキを使った時何を考えた?」

 

彩「何って・・・ただ殺したくないと・・・」

 

露乃「はぁ・・・呆れたお人好しね。」

 

彩「ごめんなさい・・・」

 

露乃「前回は踏切だった。恐らく身近な場所記憶に強く残っている場所を選択しているはずだけど・・・」

 

彩「記憶に・・・?あっ!もしかしたら・・・」

 

 

 

 

 

 

ミャーちゃんと遊んだ河川敷の橋の下へ行くと。

 

悠「ここに居たのか。」

 

ステッキによって飛ばされ、時を止められたマジカルハンターが居た。

 

露乃「成る程、そう言う事ね。やっぱり便利ねそのステッキ。」

 

彩「え?」

 

露乃「此奴を殺したくないと言う思いが、無意識的にせよ朝霧さんにこの場所を選ばせた。つまり意識すれば飛ばす場所を選べるって事。」

 

悠「頭に浮かんだ場所を考えて撃てば、その場所へ飛ばせるって事なのか?」

 

露乃「そう言う事ね。それなら1人でステッキを使っても殺す恐れはないでしょ?」

 

彩「そう・・・なのかな?」

 

露乃「さて、先生手伝ってくれる?」

 

悠「うん。」

 

 

 

 

 

 

夕方の公園。マジカルハンターが縛られている。

 

マジカルハンター「奴・・・村・・・!」

 

露乃「あんたの負けよマジカルハンター・・・いいえ潮井梨ナ。」

 

悠「え!?」

 

彩「潮井梨ナ?でもその人って・・・」

 

露乃「そう。私と共にサイトの真相を追い求めていた魔法少女。まさかあんたが犯人だったとはね。」

 

マジカルハンターの正体は、潮井梨ナだった。

 

梨ナ「くくく・・・どうして気付いた?」

 

露乃「マジカルハンター・・・この呼び名を使っていたのは私とあんただけ。あんたはその呼び掛けに応じた。」

 

梨ナ「チィ!」

 

露乃「何故裏切った?」

 

梨ナ「うっせぇよバ~カ!」

 

”ドゴッ”

 

梨ナ「ぐはっ!?」

 

腹蹴りを喰らった。

 

悠「奴村さん!?」

 

露乃「何故姿を変えた?」

 

梨ナ「お前を油断させてステッキを奪う為だよ・・・まっ、前の顔はブスだし貧乳だったからな。」

 

露乃「まさか、私欲と私のステッキ欲しさに魔法少女を殺して回ったのか?」

 

梨ナ「ちっちっちっ。んな訳ねぇだろ。けどこれ以上は・・・」

 

”ドゴン”

 

しかし悠に殴られた。

 

彩「悠さん・・・?」

 

悠「何処まで黙秘する気だ?」

 

露乃「言え。言わないともう一度時を止めてその間に公園中のセミをお前の体の中にぶち込む。」

 

梨ナ「ちょ・・・ちょっと待て!頼むそれだけは・・・」

 

悠「じゃあ何で魔法少女達を殺したんだ?」

 

梨ナ「わ・・・私はただ生き残りたいだけなんだよ!」

 

露乃「生き残りたい?」

 

梨ナ「ステッキが必要なんだよ沢山!より強いステッキを手にして生き残る!でないと全員死ぬ!テンペストが起きればな!」

 

露乃「テンペスト?」

 

悠「どう言う事だ?」

 

梨ナ「姿を消す前私は奴に出会った。サイト管理人。」

 

彩「あの・・・サイト管理人って?」

 

梨ナ「おさげ髪の不気味な奴だよ。お前らも知ってるだろ。そいつから聞いたんだ!あのサイトには隠しエンターがある。」

 

 

 

 

以前。

 

漆『不幸だね~不幸だね~んっ・・・耳感じる~。』

 

サイト管理人の漆の左耳をクリックした。

 

 

 

 

梨ナ「来る8月11日19時23分。その日・・・テンペストが起きる。この腐った世界に終焉を齎し新世界への扉を開くこと。それがテンペストだよ。」

 

露乃「どう言う事だ!?それじゃあ答えになってない!新世界とはなんだ!?何故全員が死ぬ!?」

 

梨ナ「それは・・・がはっ!」

 

彼女が吐血した。

 

彩「ひぃっ!」

 

悠「なっ!?」

 

露乃「潮井!?おい潮井!どうした!!」

 

彩「あ、あの私救急車を!」

 

露乃「お願い!」

 

すぐに救急車を呼ぶ彩。

 

露乃「テンペスト・・・その意味は嵐、暴風雨。一体どう言う事?」

 

悠「一体、何があったんだ・・・?」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ある場所では、1人の少女、穴沢虹海がパソコンで潮井梨ナを調べていた。

 

虹海「殺したい殺したい殺したい殺したい・・・殺したい殺したい殺したい殺したい・・・」

 

彼女は親指の爪を噛みながら殺したいと唱え続けていた。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      潮井梨ナ:鈴木愛奈
      穴沢虹海:芹澤優
     雫芽さりな:山崎はるか
       朝霧要:岡本信彦

  サイト管理人・漆:中尾隆聖

       川野愛:清水彩香
      小波ゆう:古賀葵
     男子生徒A:村上聡
     男子生徒B:小林竜之
     男子生徒C:木田祐

        少年:緒方恵美

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Episode3「POISON APPLE WITH PRINCESS」

とあるアパート。このアパートに住む1人の住人が居た。

???「もうすぐ会えるね。にじみん。」

住人の名前は「直戸圭介」。彼は暗い部屋でテレビを見ながらお菓子を食べていた。



テレビMC『君達いぬあそび。は飼えるアイドルっていうコンセプトなんだよね?』

メンバーA『はい!ペット型アイドルとして活動させてもらってます!』

メンバーB『ファンの皆様には私達のオーナーとして応援していただいてるんです!』



アパートの外では、大家がドアを叩いてた。

大家「直戸さん!!」



テレビMC『所で穴沢さん・・・あっ、にじみんはグッズのプロデュースもしてるんだって?』

虹海『はい!おしりんごって言うんです!』



大家「直戸さん居るんでしょ!?今日こそ貯まったお家賃払ってもらいますからね!居留守使っても無駄です!返事しなさい!」

すると直戸が激怒した。

直戸「うるせぇババア!にじみんの声が聞こえねぇだろうが!!」

彼は皿を投げて大家を脅した。

大家「きゃああ!!」

怯えた大家が帰って行った。

直戸「はぁ・・・はぁ・・・」




テレビMC『いやぁ〜、でもこれ可愛いよ?』

虹海『ありがとうございます!』



直戸『人は僕が人生のどん底に向かっていると言うけれど、僕はそう思わない。にじみんに恋しにじみんを愛しにじみんの為に人生を捧げる。僕は今人生で最も幸せに満ちている。』

彼の頭の中は虹海の事で頭がいっぱいで、現実逃避をしている。


都内にある武蔵之病院。

 

医者「取り敢えず命に別状はありません。」

 

悠「そうですか。」

 

彩「良かった・・・」

 

医者「しかし検査の結果非常に不可解な事が判明しました。」

 

露乃「不可解な事?」

 

悠「何ですか?」

 

医者「原因は不明ですが、彼女の脳や内臓あらゆる器官が酷く衰えている。体の中身だけ見れば丸で老人のようだ。残念ながら彼女の意識が戻るかどうかは今の所・・・」

 

彩「そんな・・・」

 

医者「所で患者の身元も家族も不明と言う事ですが・・・」

 

露乃「ええ。私達は知り合いでも何でもありません。」

 

悠「倒れていた所を見付けたんです。」

 

 

 

 

ホール。

 

悠「分かった。じゃあ。」

 

電話した悠が戻って来た。

 

悠「彩、おばさんに電話しておいたよ。もう少ししたら帰るって。」

 

彩「ありがとう。・・・」

 

悠「彩?」

 

彼女は落ち込んだ。

 

露乃「朝霧さん。」

 

彩「あっ・・・ありがとう。」

 

露乃「先生。」

 

悠「ありがとう。」

 

2人は露乃からジュースを貰った。

 

露乃「もしかして自分のせいだと思ってる?」

 

彩「・・・・」

 

露乃「安心なさい。潮井が倒れたのは自業自得よ。」

 

彩「うん・・・」

 

露乃「言ったでしょ?ステッキを使う度、魔法少女は寿命を削られる。潮井が倒れたのは、奪ったステッキを多用したせい。しかもあの時は複数のステッキを連続して使った。体に負荷が掛かって当然よ。」

 

悠「梨ナが使っていたステッキがこんなにあるのか。」

 

梨ナが持っていた大量のステッキ。

 

露乃「よくもまあこんなに・・・」

 

彩「じゃあこのステッキの持ち主達は皆・・・」

 

露乃「潮井に殺された。」

 

彩「どうしてなのかな?何でそこまでして潮井さんは・・・」

 

 

 

 

梨ナ『ステッキが必要なんだよ沢山!より強いステッキを手にして生き残る。でないと全員死ぬ。テンペストが起きればな!』

 

 

 

 

悠「彼女が言っていたテンペスト、それが理由なのか?」

 

彩「テンペストって何だろう・・・皆死ぬって・・・」

 

露乃「来る8月11日19時23分。その日・・・テンペストは起きる。この腐った世界に終焉を齎し新世界への扉を開く事。それがテンペストだよ。」

 

彩「どうして私達なんだろう・・・あのおさげの管理人は何で私達を選んだのかな?」

 

露乃「不幸だからでしょ。」

 

悠「魔法少女達は不幸を抱いてるのか?」

 

露乃「そのようね。」

 

彩「そうだけど、もし不幸と言う理由で選ばれたのなら誰かが・・・誰かが私達の幸せを願って魔法少女にしてくれたのなら良いな・・・って。そんな訳・・・ないよね。寿命を削られるステッキなんて持っていたって何にも良い事なんか・・・ステッキを手にする前奴村さんには何があったの?」

 

悠「君はどうして魔法少女になったんだ?教えてくれる?」

 

彼女は過去を思い出した。

 

 

 

 

まだ幼い頃。

 

露乃『お母さん?』

 

寝ていた露乃が起きてリビングへ行った時。

 

露乃『ん?・・・っ!?』

 

彼女は恐怖した。目の前に惨殺された両親の遺体があったからだった。

 

 

 

 

露乃「話す程の事もない。ありきたりな事よ。」

 

彩「ごめんなさい・・・」

 

露乃「何で朝霧さんが謝るの?」

 

彩「だって・・・」

 

露乃「何でも自分のせいにするのは悪い癖よ。少なくとも私はこれで救われた。」

 

彩「・・・」

 

露乃「さっきの先生の姿、私見覚えあるわ。」

 

悠「っ!?」

 

彩「え?」

 

露乃「あなた、アマゾンなんでしょ?」

 

悠「やっぱり、知っていたのか?」

 

露乃「ええ。微かに記憶が残っているわ。」

 

彩「は、悠さん・・・その、アマゾンって何?」

 

悠「・・・アマゾンはさっき僕が姿を変えた人工生命体だよ。僕は元々そのアマゾンの1人だったんだ。」

 

彩「アマゾンの1人?じゃあ、他にも居ると言うの?」

 

悠「いや、今は僕と彼以外は誰も居ない。」

 

彩「彼?」

 

悠「それはまだ言えない。」

 

露乃「孰れにしろ潮井が意識を取り戻さない限りどうしようもないわね。さてどうしたものか・・・」

 

彩「・・・あっ!」

 

露乃「何?」

 

悠「どうしたんだ?」

 

彩「ステッキ!奴村さん、魔法少女は沢山居るんだよね?」

 

露乃「ええ・・・」

 

彩「潮井さんを治せるステッキを持った魔法少女は居ないのかな?」

 

露乃「え?」

 

悠「治療のステッキって事?」

 

彩「うん!もし、魔法の力で潮井さんを目覚めさせる事が出来たら!」

 

露乃「それよ!潮井の所持品にこれが。」

 

カバンから、さつりく帳を出した。

 

彩「さつりく帳?」

 

露乃「ステッキ保持者のリストよ。」

 

さつりく帳を見る。

 

彩「知らない人達ばかり・・・」

 

露乃「そうね。しかも顔写真だけか。」

 

悠「罰印は多分、梨ナが殺した魔法少女なのかな?」

 

露乃「ええ。その可能性はあるわね。」

 

ページを捲ると。

 

彩「あれ?この子何処かで・・・」

 

指差したのは、穴沢虹海の顔写真。

 

 

 

 

虹海『こんばんわん!それでは聴いて下さい。いぬあそび。の新曲。オンリーわんこになりたくて!』

 

 

 

 

目の前のテレビに虹海が映っていた。

 

悠・彩・露乃「居た・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後の武道館。いぬあそび。のライブが開催され、ファン達が熱狂の歓声を上げていた。

 

メンバーA「それでは、改めて自己紹介!はい!いぬあそび。ポメラニアン担当、まいむーこと、赤根舞夢で〜す!」

 

ファン達「まいむーーーーーーー!!!!」

 

メンバーB「はい!プードル担当、みゆかこと、明日実由佳で〜す!」

 

ファン達「みゆかーーーーーーー!!!!」

 

メンバーC「はい!柴犬担当、うちりんこと、小内りん香で〜す!」

 

ファン達「うちりーーーーーーん!!!!」

 

虹海「はーーい!チワワ担当、にじみんこと、穴沢虹海でーす!」

 

ファン達「にじみーーーーーーん!!!!」

 

直戸(僕の天使・・・)

 

舞夢「にじみん。お次の曲は~?」

 

虹海「勝手に飼ってもいいからね。」

 

 

 

 

 

 

ライブが終わった後の握手会会場。大勢のファンが待ち望んでいた。

 

直戸(今日は何を話そう・・・ん?)

 

前を見ると、悠と彩と露乃が並んでいた。

 

直戸(へえ~、女の子のファンか。珍しいなぁ。)

 

虹海「次の方、どうぞ〜!」

 

遂に悠の番が来た。

 

虹海「こんにちわん!来てくれてありがとう!」

 

握手する悠。

 

悠「虹海ちゃん、君に1つ話したい事がある。」

 

虹海「?」

 

悠「奴村さん。」

 

露乃「ええ。」

 

すぐにスマホ型のステッキを取り出した。

 

警備員「すいません。スマホでの撮影はご遠慮・・・」

 

すぐに一時停止を押して、周囲の時を止めた。

 

露乃「穴沢虹海との接触に握手会を利用するなんて。朝霧さん、あなたって意外と策士ね。」

 

彩「ええっ!そんな・・・」

 

露乃「ありがとう。」

 

彩「え?」

 

露乃「こんな作戦、1人じゃ思い付かなかったわ。誰かと力を合わせるなんて・・・」

 

悠「彩、君のお陰で作戦は成功したんだよ。」

 

彩「悠さん・・・奴村さん・・・」

 

露乃「出来る?」

 

彩「うん。」

 

拳銃型のステッキを持って、虹海に銃口を向ける。後ろから悠が彩の肩に手を乗せる。

 

悠「彩、頑張れ。」

 

彩「うん。(大丈夫。飛ばしたい場所をきちんとイメージすれば・・・)」

 

頭の中で飛ばす場所をイメージした。

 

彩「っ!」

 

そしてトリガーを引いて、虹海を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

飛ばした場所は、武道館の近くの公園だった。

 

虹海「あら!ここは?」

 

状況が掴めてない。そこに3人が来た。

 

虹海「あなた達は?」

 

露乃「単刀直入に聞くわ。あなた魔法少女よね?」

 

虹海「・・・・」

 

風が吹き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虹海「わあ~!もしかしてあなた達も魔法少女なんですか~!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠・彩・露乃「えっ?」

 

虹海「嬉しいな~!他の魔法少女に会えるなんてラッキー!」

 

彼女は露乃の手を握って握手した。

 

露乃(何此奴・・・?こんなにあっさりと・・・)

 

悠(魔法少女だって認めた・・・)

 

3人は虹海に対して少し引いた。

 

虹海「2人とも可愛い!嬉しい!運命の出会いって感じですね。あっ!もしかして私をここに連れて来たのもステッキの力だったりするんですか~?どんなの?どんなの?どんなの~?見せてほ・・・」

 

露乃「ちょ・・・ちょっと待って・・・待て!」

 

虹海「?」

 

露乃「自己紹介するわ。私は奴村露乃。」

 

彩「あ・・・朝霧彩です。」

 

悠「水澤悠。彼女達のサポーターだ。」

 

露乃「今、ある理由で他の魔法少女を探してるの。」

 

虹海「理由って?」

 

彩「あ、あのね、実は・・・ある魔法少女がステッキの使い過ぎで意識不明になってるの・・・」

 

悠「今は病院で眠っている。」

 

露乃「そいつは私達魔法少女に関する重要な情報を握っている。情報を聞き出す為には意識を回復させるしかない。」

 

彩「だから私達、その子を助けられるステッキを持った子を探しているの。」

 

露乃「所で、あんたのステッキの能力は一体何?」

 

虹海「えっと・・・私の力は・・・」

 

 

 

 

スタッフ達「ああ~!居た~!」

 

 

 

 

2人のスタッフが虹海を発見した。

 

スタッフA「にじみん!こんな所で何してんの!」

 

スタッフB「会場大騒ぎになってるよ!」

 

虹海「あっいけな~い!握手会の途中だった。ごめんね行かなきゃ!あっそうだ。今夜なんだけど、9時にサンレゾナンスタワーマンションに来て。お話の続きはそ・こ・で。」

 

悠・彩・露乃「!?」

 

虹海「きゃあ!!」

 

途中で2人のスタッフに担がれた。

 

スタッフA「ああ~もう!ファンの皆さんが待ってるんですよ。早く!」

 

虹海「じゃあね~!」

 

すぐに会場へ運ばれた。

 

露乃「なんだ彼奴・・・」

 

悠「かなり友好的だったね・・・」

 

彩「でもにじみん可愛いかったね・・・」

 

 

 

 

 

 

夜のサンレゾナンスタワーマンション。

 

虹海「こんばんわ~ん!あやっぴ!つ~ゆゆ~!はるる〜ん!」

 

プライベート姿の虹海が来た。

 

彩「あ・・・あやっぴ?」

 

虹海「うん。だって魔法少女同士だもん。もうお友達でしょ?ねっ?つゆゆ。はるるん。」

 

露乃「止めろ。」

 

悠「そのあだ名は止めてくれるかな?」

 

虹海「こっちこっち!来てくれるの分かってたけど、すっごく嬉しいよ~!」

 

 

 

 

エレベーターに乗って、上へ目指す。

 

悠(・・・奴村さん、どう思う?)

 

露乃(ええ、何か引っ掛かるわね。穴沢虹海のこの警戒心の無さ。マジカルハンターの事件を知らないにしても簡単に私達を招き入れるなんて・・・よっぽどステッキの能力に自信があるのか・・・)

 

悠(もしかしたら、罠かも知れない。)

 

露乃(しばらく様子を見ましょ。)

 

 

 

 

目的の階に到着。

 

虹海「さぁ着いたよ〜。」

 

カードをタッチして、ドアを開ける。

 

虹海「ただいま~!」

 

そこに待っていたのは。

 

 

 

 

 

 

男達「おかえりなさいませ。にじみん。」

 

 

 

 

 

 

悠・彩・露乃「っ!?」

 

男A「掃除は全て完了いたしました・・・」

 

男B「洗濯物畳んでおきました・・・」

 

露乃(何・・・これ・・・)

 

彩「に・・・にじみん。この人達は?」

 

虹海「ああ~。この人達はね。私のファンの方達なの。」

 

彩「ファン?」

 

悠「ファンと暮らしているのか?」

 

虹海「うん。」

 

すると虹海がスカートを脱いだ。

 

悠「?」

 

虹海「実は私のステッキはね・・・」

 

 

 

 

 

 

「パンツなの!!」

 

彼女のステッキはまさかのパンツだった。

 

 

 

 

 

 

露乃「!?」

 

悠「なっ!?」

 

彩「・・・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

その頃要は。

 

要(可笑しい・・・ここ数日彩の様子は確実に可笑しい・・・悠さんと出掛けただと?僕のサンドバッグのくせに・・・!あの男も何考えてるんだ・・・!!)

 

彼は帰って来ない彩に対して怒りをぶつけていた。

 

要「一体何があった。彩。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃。

 

虹海「これ履くとね。み~んな私の言葉通りに動いてくれるの。掃除してってお願いしたらずっと掃除してくれるし、お茶が欲しいな〜って言えばすぐに淹れてくれるの!」

 

悠「そのステッキは、言霊の力なのか?」

 

虹海「まぁそんな所ね〜。」

 

彩「凄い・・・ね。」

 

虹海「えへへ!」

 

露乃(凄い所じゃないわよ。此奴のステッキは全ての人間を言葉のままに操る能力。道理で何も恐れる必要は無い訳ね。敵に回すにはあまりにも悍ましい力。)

 

虹海「遠慮せずにどうぞ。あやっぴ。はるるん。」

 

彩「あ、ありがと・・・」

 

悠「う、うん・・・」

 

ケーキとマカロンを貰った。

 

露乃(だけど此奴のステッキなら、あるいは意識のない潮井に情報を吐かせる事も・・・)

 

虹海「つゆゆも、お1ついかが?」

 

露乃「(まずは何としても、此奴を味方に付けないと。)ありがとう。所で聞きたい事があるんだけど。」

 

虹海「何?」

 

露乃「これまでに他の魔法少女と出会ったり、交流を持った事はある?」

 

”カン”

 

持っていた紅茶を勢いよく置いた。彼女の両手が震えている。

 

悠「虹海ちゃん?」

 

虹海「あるよ・・・みかどちゃんって言うんだ・・・でももう居ない・・・」

 

露乃「居ない?」

 

悠「まさか。」

 

虹海「みかどちゃんは私のお友達・・・唯一の親友だった魔法少女は殺されたの・・・」

 

彼女は過去を語った。

 

 

 

 

 

 

唯一の友達のみかどは、とあるカラオケボックスで頭を撃ち抜かれて死んでしまったのだった。

 

虹海『みかどちゃん・・・?』

 

戻って来た虹海が死んでるみかどを見て絶望した。

 

梨ナ『いや~ごめんごめ~ん。ちょっとグロ過ぎたかなぁ?まあ良いや。あんたもすぐ逝かせてあげるから~!』

 

みかどを殺したのは潮井梨ナだった。彼女はハンマー型のステッキを振り上げて虹海を殺そうとしたが。

 

虹海『止めろ!!』

 

魔法を発動した。

 

梨ナ『何!?』

 

虹海『お前なんか・・・お前なんか全身バラバラになっちゃえ!!』

 

しかし梨ナが自分の周りに結界を張った。

 

虹海『それはみかどちゃんのステッキ!』

 

みかどが持っていたステッキを使用して生き延びたのだった。

 

 

 

 

 

 

虹海「だから今度会ったら・・・此奴だけは此奴だけは此奴だけは・・・此奴だけは此奴だけは此奴だけは・・・絶対に殺すって決めてるの!!」

 

潮井梨ナの絵を描いて、シャーペンで絵をぶっ刺した。

 

彩・露乃「・・・・・・!!」

 

悠(友達を殺したのが、梨ナだったなんて・・・)

 

虹海「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・あっ。ごめんね。暗いお話になっちゃって。私の中の毒りんごが出ちゃった。」

 

悠・彩・露乃「・・・・・」

 

虹海「だから今は、あやっぺとつゆゆとはるるんしか、魔法少女のお友達は居ないんだ〜。」

 

露乃「それはそうとあんた、何でステッキを使っても身体変化が無い訳?」

 

虹海「あっ。それはね~髪はヘアカラーで染めていて、アイドル活動してる時は目はカラコンで隠してるの。腕に浮かぶ紋章はコンシーラーで。後血が出ちゃう所は・・・ひみちゅ~!」

 

悠「そ、そうなのか。」

 

露乃(成る程、上手くやったものね。生まれ持った才能にステッキの力。アイドルとして成功したのも合点がいくわ。)

 

虹海がファンが持って来たジュースを飲む。

 

露乃「話してくれてありがとう。今日はこの辺で帰らせてもらうわ。」

 

虹海「ええ~。もう帰っちゃうの?」

 

露乃「ええ。残念だけど。」

 

悠「こっちも色々やる事があるからね。」

 

虹海「じゃあ連絡先交換しよ?」

 

連絡先を交換した。しかし3人は、虹海の連絡先を見て驚いた。

 

露乃(此奴・・・)

 

 

 

 

虹海「じゃあね〜!」

 

3人は帰って行った。

 

虹海「あれ?そう言うえば助けてあげたい魔法少女の事聞くの忘れちゃった。」

 

 

 

 

 

 

武蔵之病院・梨ナの病室。

 

露乃「面倒な事になったわね。」

 

悠「こんな事になるなんて。」

 

彩「まさか潮井さんがにじみんのお友達を殺していたなんて・・・」

 

露乃「彼奴のあの目・・・潮井のこの状態を知ったらすぐにでも殺しかねない。』

 

悠「この状況だと、虹海ちゃんは使えそうにないね。」

 

露乃「ええ。他の魔法少女を探すしか無いわね。」

 

彩「あ・・・あのね奴村さん。さっきの話なんだけど・・・」

 

露乃「絶対やだ!時間を止めて穴沢のパンツを盗むのは良いとして、何で私が履くのよ?それで私の寿命を減らせって言うの?あんたバカなの!?」

 

彩「ごめん・・・」

 

悠「奴村さん、あんまり怒ったらダメだよ?彩は本気で言ってないから。」

 

露乃「・・・そうね。ごめんなさい。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、トイレでは。

 

さりな(可笑しい!何度考えても腑に落ちねえ!)

 

入院中のさりなが思い出そうとした。悠を刺し殺そうとした時から、首が切られた時の間の記憶が思い出せてない。

 

さりな(あの時確かに私は・・・一体何があった?あの後何故私は・・・思い出せない・・・あの瞬間の記憶だけが都合よく消えてやがる。やはり彼奴には何かある。一生残るこの傷・・・償いは必ずさせてやる!)

 

 

 

 

彼女がトイレから出ると。

 

彩「無理です!にじみんのパンツなんて私恐れ多くて履けません!」

 

さりな(この声!!)

 

露乃「ったくとんだ相棒だわ。」

 

彩「だけど次の魔法少女はどうやって探したら・・・」

 

さりな(魔法少女・・・?)

 

露乃「さつりく帳の手掛かりに、地道に探しましょう。背景や制服、手掛かりはあるわ。」

 

彩「その中に、潮井さんを治せる子は居るのかな・・・?」

 

露乃「病院は嫌い。」

 

悠「っ!?」

 

さりな(!!)

 

気配を感じた悠が振り向くが、さりながすぐに隠れた。

 

さりな(何で先生まで彼奴と一緒に・・・?)

 

悠「何だ?」

 

露乃「先生、どうかしたの?」

 

悠「いや、誰かが覗いてたような・・・気のせいか。じゃあ、帰ろうか。」

 

3人は帰って行った。帰って行ったタイミングを見計らって、梨ナの病室の前に立つ。

 

さりな「ここは確か・・・」

 

引き戸を開けた。

 

 

 

 

 

 

その頃要は、彩のノートパソコンを調べていた。

 

要「魔法少女サイト?」

 

パソコンの履歴から魔法少女サイトを見付けた。

 

 

 

 

 

 

梨ナの病室。

 

漆「不幸だね~不幸だね~。この子は失格。困ったね~。不幸だね〜。不幸だね〜。」

 

眠っている梨ナの傍に漆が立っていた。

 

さりな「て・・・てめぇ誰だ!?」

 

漆「雫芽さりな・・・そうだ君!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃悠と彩はバイクで帰宅途中だった。

 

彩「あのね悠さん。」

 

悠「何?」

 

 

 

 

露乃『ったくとんだ相棒だわ。』

 

 

 

 

彩「ううん、何でもない。」

 

悠「どうしたの?何か嬉しい事あったの?」

 

彩「何でもないよ。」

 

悠「そうなの?」

 

 

 

 

 

 

その頃要は魔法少女サイトを調べていたが、ページが見付からなかった。

 

要「え?」

 

 

 

 

同じ頃虹海は、梨ナの絵をシャーペンで何度も刺していた。

 

 

 

 

そして直戸は、自宅でいぬあそび。のライブを鑑賞していた。

 

直戸(にじみん・・・僕の天使。)

 

 

 

 

更に都内のビルの屋上。あの少年が街を見渡していた。

 

少年「そろそろ見付かりそうだね。僕のご飯。」

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      潮井梨ナ:鈴木愛奈
      穴沢虹海:芹澤優
     雫芽さりな:山崎はるか

       朝霧要:岡本信彦
      直戸圭介:安里勇哉
      赤根舞夢:久保田未夢
     小内りん香:久保田梨沙
     明日実由佳:古賀葵

  サイト管理人・漆:中尾隆聖

     テレビMC:小林竜之
        大家:岡田幸子
        医者:関幸司
     スタッフA:村上聡
     スタッフB:木田祐介

        少年:緒方恵美

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Episode4「SUCCESSOR WITH EXCHANGE STUDENT」

ある日のネットカフェ。さりながある物を取り出して、それにUSBケーブルを接続してパソコンに繋げて、魔法少女サイトを検索した。

漆『不幸だね〜不幸だね〜。また会えたね〜。』

魔法少女サイトが開いた。

漆『もう魔法少女になって魔法を・・・』

マウスを動かして、漆の左耳をクリックする。

漆『耳感じるぅ~。』

すると画面が切り替わり、テンペストまでの残り時間が表示された。

さりな「これか。」






数日前。梨ナの病室。

漆「これはこれは。君は雫芽さりな。」

さりな「っ!?私の名前・・・」

漆「そうだ君・・・魔法少女にならない?」


さりな「魔法・・・少女?」

 

漆「ひょほほほほ~。」

 

さりな「あんた一体・・・」

 

漆「僕は魔法少女サイトの管理人、漆だよ~。」

 

さりな「魔法少女サイト?」

 

漆「不幸~な女の子に、魔法を与えてるウェブサイトの事っすわ~。」

 

さりな「魔法少女って?」

 

漆「サイトから受け取ったステッキを使って、魔法少女になった子の事よん。」

 

さりな「まさかあの朝霧と奴村も・・・」

 

漆「そっ。彼女達もステッキで力を手に入れたの~。君のお友達もさぁ。君のその痛そ~なお首の怪我もみ~んな彼女らのステッキパゥアーによるもにょ。そして、あの水澤悠君は、彼女達と行動を共にしてるのよ〜ん。」

 

さりな「そんな・・・」

 

漆「因みに~。この子も魔法少女。名前は潮井梨ナたん。この子には魔法少女のステッキの回収をお願いしていたんだけどさぁ、使い過ぎてぶっ倒れちゃったみたいでちょ~っと困ってたんだよね。ぶひひひっ。だ・か・ら・ね、やってみない?魔法少女。」

 

さりな「っ!?」

 

漆「この子の後継者になってよ。マジカルハンターに。」

 

さりな「わ、私が・・・?」

 

漆「ひとまずこれを渡しまっさ~。」

 

ヨーヨー型のステッキをさりなに渡した。

 

さりな「ヨーヨー?」

 

漆「それな。君のステッキ。能力は試してみてからの、お・た・の・し・み。きゃはっ!」

 

さりな「それで・・・どうしろって言うんだよ?」

 

漆「復讐。」

 

さりな「っ!?」

 

漆「そうすれば、あの3人に受けた屈辱も恨みも晴らす事が・・・できる。どうする~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在に戻った。さりなが画面をクリックし、Tempestを調べる。

 

さりな「っ!!」

 

テンペストまでの残り日数を見て驚愕した。

 

さりな「くっ!!」

 

ステッキを持って、ネットカフェから出た。

 

 

 

 

帰り道。

 

さりな(朝霧と奴村と先生・・・)

 

カラス「カァ〜!!」

 

さりな「っ!!」

 

ヨーヨー型のステッキをカラスに向けて投げた。ヨーヨーはそのままさりなの右手に戻った。

 

さりな「彼奴らには・・・この傷とえりか達の仇・・・」

 

首に巻いてる包帯を取ると、切られた傷跡が残っており、カラスは首を切断されて死んでしまった。

 

さりな「死で償ってもらう!」

 

彼女の復讐が始まった。

 

 

 

 

 

 

後日の武蔵之病院。梨ナの病室。

 

悠「まだ意識は回復してないみたい。」

 

露乃「ええ。(来る8月11日、19時3分。その日テンペストが起きる。何としても、此奴からテンペストの情報を聞き出さないと・・・)

 

そこに彩が花を持って来た。

 

露乃「朝霧さん。先生。行こっか。」

 

 

 

 

 

 

帰り道。悠はバイクを押してる。

 

露乃「そう言えば、ずっと聞こうと思ってたんだけど・・・」

 

彩「え?」

 

悠「何を?」

 

露乃「朝霧さんって、あのクソ女達にどうしていじめられてたの?」

 

悠「っ。」

 

彩「・・・」

 

彼女は語った。

 

 

 

 

 

 

彩は高ノ織中学校に転校して来た。彼女は元々人見知りで誰とも真面に話せなかった。そんな彼女に目を付けたのが、雫芽さりなだった。最初は彩に優しくしていたが、彩のたじたじした行動を何度も見て嫌気が刺した。最終的に彩をいじめると言う行動に出てしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

彩「その日からはもう・・・ただの地獄だった。」

 

露乃「・・・先生は知っていたの?」

 

悠「ああ。彩が転校した1週間後に赴任したからよく覚えてる。あの日から僕は雫芽達の行動を全部知っている。」

 

彩「でもね、こうなったのも全部私が悪いの。私がちゃんと人とコミュニケーションを取れる人間だったら・・・ありがとうって言える人間だったらこんな事にはならなかった・・・」

 

悠「彩・・・」

 

彩「だからああなったのは全て私が原因・・・」

 

"ピチン"

 

突然露乃から軽いデコピンを喰らった。

 

彩「ちょ・・・ちょっと奴村さん!急に何するんですか?」

 

すると露乃が、彩を撫でる。

 

彩「え?」

 

露乃「もう自分を気負うのは止めなさい。私はね朝霧さんに強くなって欲しいの。」

 

彩「強く?」

 

露乃「例え1人でも、立ち向かえるようなそんな強い人間にね。」

 

彩「え・・・?」

 

露乃「朝霧さん。あなたは自分が思っている程駄目でも弱い人間でもないわ。少なくとも私はそう思ってる。」

 

彩「奴村さん・・・」

 

露乃「じゃあね。」

 

彩「うん。また明日。」

 

悠「気を付けてね。」

 

露乃は帰って行った。

 

彩「悠さん、私強い人になれるのかな?」

 

悠「きっとなれるさ。例え僕が君の傍に居なくても、勇気を持って立ち向かえる強い人間にね。」

 

彩「悠さん・・・」

 

悠「でも、何もかも1人で抱え込んでちゃ駄目だ。困った時は僕と奴村さんに相談して。僕は君を守りたいから、こうやって君を支えている。ね?」

 

彩「悠さん・・・うん。」

 

涙を流した彩。悠が優しく撫でる。

 

悠「じゃあ、帰ろうか。」

 

彩「うん。」

 

 

 

 

バイクで家路を急ぐ。

 

彩(知ってるかな?奴村さんは私に出来た初めてのお友達なんだよ。こんな私に何時も優しくしてくれてありがとう。私奴村さんの期待に応えられるように・・・強くなれるように頑張るよ。だから・・・これからもずっとお友達で居てね。奴村さん。)

 

 

 

 

その頃露乃は、自宅に帰って来た。

 

 

 

 

同じ頃虹海は、亡くなったみかどを見て涙を流していた。

 

 

 

 

そして要は、父から暴力を受けていた。母が父を止める。殴られた理由は、テストで100点が取れなかった事だった。実は父親は、過去に東大に合格出来なかった事から、要への教育に厳しい態度で臨み、模試が満点でないだけで息子に過剰な暴力を振るう性格になってしまったのだった。

 

 

 

 

同じ頃露乃は、自宅で倒れてしまった。

 

 

 

 

 

 

後日。要が学校へ向かっている。

 

要(僕は自分以外の何者も認めていない。)

 

彼は自分の才能と、自分を優しくしてくれる母親以外はクズと見下している。

 

女子高生A「あの人格好良くない?」

 

要(クズクズクズ・・・)

 

女子高生B「あっほんとだ。格好良い~!」

 

要(クズクズクズ・・・)

 

周りの女子高生達に目を向ける事無く、全てクズと連呼する。

 

要(どいつも此奴もクズばっかりだ。此奴らは動く脳なし肉だるまだ。)

 

彼には、周りの人間が肉だるまにしか見えていない。

 

要(どうして僕は、こんなクズ共と同じ空気を吸いながら生きているのか本当に謎だし理解出来ない。ク〜ズ!!)

 

精神状態が只事では無い性格になってしまってる。

 

 

 

 

1軒のコンビニに入店。

 

要(もしかしたら僕は、人間などではなく人間の皮を被った神なんじゃないか?)

 

突然訳の分からない事を言い始めた。ジュースを持ってレジに持って行く。

 

直戸「らっしゃあせ~。」

 

このコンビニには、直戸がバイトしていた。すると彼のスマホが鳴った。

 

直戸「あっ、ちょっとお待ち下さい。」

 

仕事そっちのけでスマホを見る。

 

要「はあ?おいお前何をしている?早く・・・」

 

直戸「ーーーーーー!!!!!」

 

突然絶叫して、泣きながら倒れてしまった。

 

要「お・・・おい!お前大丈夫か?」

 

直戸「ううぅ・・・・にじみ~ん・・・・何で・・・・」

 

要(はあ?ん・・・?)

 

彼のスマホを見ると、穴沢虹海が学業専念を理由にいぬあそび。を引退すると言うニュースがあった。

 

要(クズだ。自分の人生を勝手に他人に預けているクズの中でも最低最悪で最底辺のクズ。あいつと同じ・・・生きる価値のない・・・クズだ!)

 

 

 

 

 

 

その頃高ノ織中学校では、彩が怯えながら下駄箱を開けた。しかし、何もされていなかった。

 

彩(不思議。奴村さんと出会ってから、何だか世界が変わって見える。ううん。本当に変わってきてる。だから言わなきゃ。昨日思った事奴村さんに・・・)

 

教室に入る。

 

男子生徒A「昨日にじみんがアイドル辞めたってよ!」

 

男子生徒B「な?びっくりだよな?」

 

男子生徒C「いぬあそび。どうなるんだよ。」

 

彩(にじみんがアイドルを辞めた?どうして?奴村さんお休みかな・・・)

 

そこに悠が教室に入った。

 

悠「皆おはよう。」

 

男子生徒A「あれ?水澤先生早いですね。」

 

悠「ああ、ちょっと早く来ちゃって。HRまで自由にして良いよ。」

 

愛「さりな!」

 

彩「!」

 

悠「っ!」

 

 

 

 

 

 

退院したさりなが登校した。

 

 

 

 

 

 

愛「もう怪我大丈夫なの?」

 

さりな「ええ。お陰様で。」

 

彼女は彩と悠を強く睨んだ。

 

彩「・・・!!」

 

悠(雫芽・・・退院したのか・・・)

 

 

 

 

HR。

 

悠「はい皆着席して。今日はまず始めに、転校生を紹介したいと思う。」

 

男子生徒A「転校生?」

 

女子生徒「どんな人なんですか?」

 

悠「皆がよく知ってる方だと思うよ。入って。」

 

教室に入って来たのは・・・

 

 

 

 

 

 

虹海「初めまして。穴沢虹海です。知ってる方も知らない方も皆宜しく~!」

 

 

 

 

 

 

全生徒「にじみーーーん!?」

 

転校生は穴沢虹海だった。

 

虹海「あっ!あやっぴ~!」

 

生徒達が彩に顔を向けた。

 

彩「いや・・・あの・・・」

 

悠「じゃあ穴沢さん、向こうの席に座って。」

 

虹海「は〜い!」

 

 

 

 

 

 

放課後・屋上。

 

彩「あの・・・どうして・・・」

 

虹海「決まってるじゃな~い。みかどちゃんを殺した奴を探す為だよ。」

 

満面な笑みで物騒な発言をした。

 

彩「え?」

 

虹海「お仕事で時間を取られて犯人を探せないから、アイドル活動は一先ず休止。結果的にはファンの方を悲しませる事になったけど。それでも私は彼奴を・・・殺したいんだ!ここにはあやっぴとつゆゆとはるるんも居るし、少し迷惑を掛けるかも知れないけど、これからも宜しくね!」

 

彩(どうしよう・・・これじゃあ・・・)

 

 

 

 

露乃『彼奴のあの目、潮井のこの状態を知ったら、すぐにも殺し兼ねない。』

 

 

 

 

彩(奴村さんに相談を・・・)

 

虹海「所で、つゆゆは今日どうしたの?風邪?」

 

彩「連絡はしたんだけど、全然既読にならないの。何時もは向こうから連絡が来るんだけど・・・」

 

虹海「何それ?大好きだね!何かあったのかなぁ?」

 

彩「そうだね。今日帰りに悠さんと家に行ってみる。」

 

虹海「それなら私も行く~!」

 

彩「い・・・いやそんな・・・いいのに・・・」

 

虹海「良いの良いの。私もつゆゆが心配だしね。それにもう私達お友達じゃない!」

 

彩「う・・・うん。そうだね。じゃ・・・じゃあ一緒に行こっか。」

 

 

 

 

さりな「へぇ。」

 

盗み聞きしていたさりな。

 

 

 

 

 

 

職員室。

 

彩「それで・・・今日奴村さん家へ行こうと思って。」

 

悠「分かった。僕も行く。」

 

彩「はい。」

 

悠「連絡は来なかった?」

 

彩「はい・・・メールしたんですが、既読にならなくて。」

 

悠「何かあったのかも知れない。僕はもうすぐ終わるから、教室で待ってて。」

 

彩「はい。」

 

 

 

 

教室。

 

虹海「皆ばいば〜い!また明日〜!」

 

女子生徒A「にじみんばいば〜い!」

 

女子生徒B「じゃあね〜!」

 

虹海「またね〜!」

 

 

 

 

 

 

玄関。

 

さりな「穏やかじゃないねぇ。まさか穴沢虹海が復讐の為にアイドルを引退するなんて。」

 

虹海「え?何の・・・」

 

さりな「ねえ。あんたの探してる奴ってこの女じゃないの?」

 

スマホである女を見せた。

 

虹海「っ!!!」

 

 

 

 

 

 

夕方。悠と彩が露乃の自宅があるマンションへ向かっていた。

 

彩「にじみん先に帰っちゃったのかな・・・」

 

悠「野暮用とかあったのかもね。」

 

彩「そうかな?」

 

 

 

 

マンション付近に、あの少年が立っていた。

 

少年「ここにご飯の匂いがする。」

 

 

 

 

奴村家。

 

悠「ここだね。」

 

インターホンを鳴らす。しかし、反応は無かった。

 

彩「奴村さん!朝霧です!」

 

悠「水澤だ!奴村さん居るの?」

 

しかし返事が来なかった。

 

悠「可笑しい。」

 

ドアノブに触れると。

 

彩「開いてる・・・奴村さ~ん!」

 

悠「奴村さん?」

 

中は真っ暗になっていた。すると奥から。

 

呻き声「うぅ・・・うぅ・・・」

 

彩「お・・・男の人の声・・・」

 

悠「誰か居るのか?彩、離れないで。」

 

彩「うん。」

 

2人は部屋へ上がった。

 

 

 

 

廊下。彩は悠の後ろに隠れてステッキを持ってる。

 

 

 

 

リビングのドアを開ける。

 

彩「奴村さん!」

 

倒れてる露乃を発見し、急いで駆け寄った。

 

悠「奴村さん!!大丈夫か!?」

 

彩「奴村さん!返事して!」

 

露乃「・・・朝・・・霧さん・・・先生・・・私は・・・大丈夫。」

 

彩「良かった・・・奴村さん、生きていた・・・」

 

悠「どうしたんだ?それに血がこんなに・・・まさか!」

 

露乃「ちょっと・・・ステッキを使い過ぎたみたい・・・」

 

悠「彩!救急車を呼んで!」

 

彩「うん!」

 

露乃「駄目!!」

 

悠「え!?」

 

露乃「呼んだら・・・彼奴を見られたら・・・絶対に駄目!」

 

リビングには、呻き声を上げてる謎の男が拘束されていた。

 

彩「で、でも・・・」

 

悠「何だ?この男は・・・」

 

露乃「彼奴は・・・絶対に渡さない・・・あ・・・彼奴は・・・死ぬまで生かすの・・・!」

 

彩「あの人一体・・・」

 

悠「教えてくれ。君に何があったんだ?」

 

露乃「私が・・・魔法少女に選ばれた理由・・・」

 

悠「君が、魔法少女に選ばれた理由?」

 

露乃「私の家族は・・・幸せを絵に描いたような笑顔の絶えない家族だった・・・」

 

 

 

 

彼女が幼い頃。

 

露乃の父『ほら露乃!バースデーケーキだぞ!』

 

バースデーケーキを持って来た。

 

 

 

 

露乃「父にも母にも愛されて・・・私は幸せだった・・・」

 

彩「だった・・・?」

 

悠「じゃあ、両親はまさか・・・」

 

露乃「ええ・・・ある日突然強盗に殺された・・・」

 

 

 

 

 

 

彼女の両親は、強盗によって命を奪われてしまった。大好きだった両親が殺された光景を見て、露乃が恐怖した。強盗は露乃に近付いた。

 

強盗『今は殺さないでいてあげる。君は可愛いからきっと美人になる。だから大人になったらまた遊びに来てあげるねぇ~。』

 

 

 

 

 

 

露乃「その日以来、私は彼奴の影に怯えながら生きて来た・・・来る日も来る日も来る日も、1人私は死んだように怯えて生きて来た・・・しばらくしてサイトに出会い、時を止めるステッキを手に入れた。成すべきことは決まっていた。復讐だけが私の生きる理由。」

 

ステッキを手に入れた彼女は、両親を殺した強盗を毎日甚振る生活を送って来た。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
     雫芽さりな:山崎はるか

       朝霧要:岡本信彦
      直戸圭介:安里勇哉
       川野愛:清水彩香
       彩の父:小上裕通
       彩の母:増田ゆき

  サイト管理人・漆:中尾隆聖

     女子生徒A:古賀葵
     女子生徒B:田中那実
     男子生徒A:安田陸矢
     男子生徒B:小林竜之

        強盗:佐藤健太郎

        少年:緒方恵美

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Episode5「REVENGE AND DETERMINATION」

小野田「ううう・・・」

この部屋で拘束されているのは小野田総二。露乃の両親を殺した強盗犯。彼は露乃によって歯を全部抜かれていた。

悠「奴村さんの、両親を殺した強盗・・・」

露乃「此奴に・・・家族全員殺された・・・それが・・・私の不幸・・・」

彩「そんな・・・そんな事って・・・」

露乃「復讐だけが・・・私の生きる理由。此奴だけは・・・此奴だけは簡単に死なせない!ぐあっ!!」

彼女はあまりの苦しさで吐血した。

彩「もう喋らないで奴村さん!!」

悠「奴村さんもう止めろ!これ以上やったら君が死ぬ!」

彩「辛かったね奴村さん・・・ずっと・・・ずっと1人で・・・辛かったんだね・・・奴村さん。私は奴村さんにいっぱい救われた。だから今度は・・・今度は私が・・・私が奴村さんを1人にさせないから!絶対1人にさせないから!」

悠「君は僕達が守る!だからもう1人じゃない!」

露乃「あ・・・朝霧さん・・・先生・・・」




???「あーあ。くっせぇなぁ!」




彩「っ!」

悠「この声・・・雫芽!!」

後ろにさりなが立っていた。

さりな「ぼっち同士の友情ごっこかよ。やだやだ。」

悠「付いて来たのか・・・」

さりな「臭くて臭くてヘドが出らぁ。」

悠「・・・!!」




外では、あの少年が微笑んでた。

少年「見付けた。僕の新しいご飯。」


さりな「へえ~。楽しそうな事やってんじゃん。私らよりよっぽどえぐい事してんじゃねぇか。なあ奴村。学校じゃ真面目なフリか?」

 

露乃「どうやって・・・!?」

 

さりな「穴沢虹海。彼奴この女に親友を殺されたんだってねぇ。」

 

彼女のスマホに、梨ナの画像があった。

 

悠「梨ナの写真・・・!?」

 

さりな「それを知ってて、てめぇら穴沢に黙ってただろ?ひでぇよなお友達なのにさぁ。だから教えてやったよ。親友の仇が何処に居るのか。」

 

 

 

 

武蔵之病院では、虹海が親指の爪を噛みながら梨ナの病室へ向かっていた。

 

 

 

 

悠「くっ!」

 

彩「どうして・・・」

 

さりな「それは私も・・・魔法少女だからに決まってんだろうが!」

 

悠「ヨーヨーのステッキ!?」

 

さりな「朝霧・・・奴村・・・先生・・・惨死で償え!!」

 

ステッキを飛ばした。

 

 

 

 

病院では、虹海が梨ナの病室に到着した。

 

虹海「居た・・・みかどちゃんの仇・・・お前なんて・・・お前なんてお前なんてお前なんてお前なんて全身の骨が逆に曲がっちゃえぇー!!」

 

 

 

 

マンションでは、さりながステッキを飛ばした。

 

悠「危ない!!」

 

2人を抱えて避けた。しかし小野田がステッキによって真っ二つにされた。

 

悠「なっ!!」

 

露乃「あっ・・・私の・・・復讐・・・」

 

悠「くっ!」

 

バッグからネオアマゾンズドライバーを出した。

 

さりな「てめぇらの事情は全て漆から聞いた。私はこの時をずっと待っていた。えりかと翔太先輩を殺された恨み・・・知らなかったとは言わせねえ。そして一生消えないこの傷跡・・・てめぇら3人地獄に落とさずにいられるか。」

 

彩「そんな・・・」

 

露乃「ふっ・・・自業自得じゃない。」

 

さりな「何だって?」

 

露乃「元はと言えば、あんたらが朝霧さんにあんな事しなければ何も起きやしなかった・・・あんたは被害者面した悲劇のヒロイン気取りの大バカ女よ。」

 

悠「全ての元凶は、君だ雫芽!」

 

さりな「だからどうした?今頃病院じゃ穴沢が潮井をぶち殺してる。てめぇらの切り札はもうねえ。全てのステッキを手に入れ生き残る魔法少女は一人で良い。マジカルハンターの後継者・・・それはこの私だ!」

 

悠「っ!!」

 

アマゾンインジェクターをスロットに挿して、上に上げた瞬間。

 

 

 

 

”ピロピロピロピロ”

 

 

 

 

突然の着信音。

 

さりな「チッ!」

 

仕方無く電話に出る。

 

 

 

 

病院では。

 

虹海「どうなってんのよ!!此奴・・・殺せないじゃないの!」

 

梨ナの周りには結界が張られていた。

 

 

 

 

マンション。

 

さりな「え?」

 

露乃「手を打っていて正解だった・・・」

 

さりな「何?・・・っ!?てめぇ・・・その紋章!!」

 

目に紋章が浮かんでいた。

 

露乃「潮井の集めたステッキがこんな所で役立つとはね・・・」

 

みかどが持っていたステッキを使ったのだった。

 

 

 

 

病院。

 

虹海「此奴!!何で意識も無いのに魔法が発動してんのよ!!!」

 

看護婦「あら?お見舞いの方?はっ!何これ!?」

 

結界を見て驚いた。虹海は涙を拭いてすぐに出て行った。

 

 

 

 

マンション。

 

悠「まさか奴村さん・・・」

 

露乃「魔法を防御するステッキ・・・そしてもう1つ・・・魔法を他の場所で使うことのできるステッキ…対になるステッキを同時に発動させれば・・・」

 

 

 

虹海『どうなってんのよ!ねえ言ってる事と違うじゃん!ねえってば!何か言えよあ!!』

 

 

 

すぐに通話を切った。

 

露乃「どうやら結果は出たようね。情報を吐かせるまで・・・潮井は死なせな・・・」

 

彩「もう喋らないで奴村さん!」

 

悠「これ以上喋るな!!死ぬぞ!!」

 

さりな「バ~カ!死に掛けが何ぶっこいてんだ。潮井を殺り損ねた所でこの状況に変わりはねぇだろうが!」

 

彩「お願いしっかりして!!」

 

さりな「ウゼェ。なるべく苦しめながら殺してやろうと思ったけど、もう良いや。とっととぶっ殺してやるよ!」

 

悠「もう止めろ!!」

 

さりな「っ!」

 

悠「これ以上彩に手を出したら、幾ら君でも許さない!!」

 

さりな「先生、また正義の味方のツラしてんのか?ん?」

 

彼女は、悠が巻いてるネオアマゾンズドライバーに目を付けた。

 

さりな「先生、それってステッキか?それをよこせ!!」

 

ヨーヨー型のステッキでネオアマゾンズドライバーを取り上げた。

 

悠「なっ!!」

 

ネオアマゾンズドライバーがさりなの手元に渡った。

 

さりな「へぇ〜、面白そうなステッキだねぇ。使い方は私にも分かるようだ。これは私が使ってやるよ。」

 

彼女はネオアマゾンズドライバーを腰に巻いた。

 

悠「止めろ!!君が使ったら命に関わるぞ!!」

 

さりな「五月蝿え!!まずは先生からぶっ殺してやるよ!!!」

 

アマゾンインジェクターを押して、液体を注入した。

 

悠「なっ!!」

 

 

 

 

さりな「ぐっ!?・・・ぐあああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

突然さりなが苦しみ始めた。

 

さりな「な、何だ・・・!!このステッキ・・・!!身体が・・・身体が苦しい・・・!!」

 

悠「くそっ!!」

 

急いでさりなから、ネオアマゾンズドライバーを外した。

 

さりな「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

悠「君はこれを使いこなせない。君が人間である限り。」

 

さりな「人間である限り・・・?どう言う意味だよ・・・!」

 

???「これは傑作だねぇ〜。」

 

悠「っ!?」

 

彩「え?」

 

さりな「っ!」

 

 

 

 

 

 

外に立っていたあの少年がここに居た。

 

 

 

 

 

 

悠「君は・・・!」

 

彩「あ、あの時の・・・」

 

悠「ん?あの時のって、彩もしかして。」

 

彩「私のステッキを使った少年・・・」

 

さりな「だ、誰だてめぇ・・・!」

 

少年「ただの人間が怪物になろうなんて、何と無謀な。」

 

さりな「怪物・・・だと・・・?」

 

少年「久し振りだね水澤君。そして、朝霧彩さん。」

 

悠「・・・」

 

彩「え?私の名前を・・・?」

 

少年「そして初めまして。雫芽さりなさん。」

 

さりな「な、何で私の名前を?」

 

少年「僕の名前は神崎賢也。君の事は貝島さんと荒井君から聞いたよ。」

 

彩「え?」

 

悠「貝島さんと、荒井君・・・?」

 

さりな「えりかと先輩を知ってるのか・・・?」

 

神崎「うん。あの2人、僕に殺される直前に君の名前を言ってくれたんだよ。と言っても、殺された後に2人の記憶を覗いただけなんだけどねぇ。」

 

さりな「僕に殺される・・・?2人を殺したのか!?」

 

神崎「そうだね。あの2人はメソメソ泣きながら僕を怖がっていた。あの顔が目に浮かぶね〜。クスクス。」

 

悠「2人を殺したのは、君だったのか。」

 

神崎「そうだよ。あの2人は僕にとって最高のご飯だったよ。」

 

さりな「お前・・・あの2人を殺したのか・・・?朝霧じゃなくてお前が・・・?」

 

神崎「そうだよ。だから、朝霧さんは無罪。」

 

さりな「朝霧が無罪・・・!?何で・・・何であの2人を殺したんだよ!!!!」

 

神崎「何でかって?それは・・・」

 

 

 

 

 

 

「クズな人間だからだよ。」

 

 

 

 

 

 

さりな「クズ・・・?」

 

神崎「そう。僕はクズな人間を食べるのが主義なんだよ。」

 

悠「皆気を付けろ。この男は人間じゃない。」

 

さりな「え?」

 

神崎「そうだよ。僕は水澤君と同じ怪物さ。」

 

露乃「っ?」

 

彩「え・・・?」

 

さりな「怪物って・・・先生、どう言う意味だよ?」

 

神崎「こう言う事さ。」

 

すると神崎から煙が噴射した。

 

悠「っ!」

 

ネオアマゾンズドライバーを腰に巻いた。

 

さりな「何・・・?」

 

煙が晴れるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボディが白く、頭に触覚が生え、全身が透けてる異形の怪物が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「な、何あれ!?」

 

さりな「何だよあれ・・・!?」

 

神崎「これが僕の本来の姿さ。ハダカカメガイアマゾン。」

 

彩「アマゾン・・・?」

 

悠「クリオネ・・・」

 

ハダカカメガイアマゾンは、真っ二つにされた小野田の方へ歩み寄った。

 

神崎「ここに美味しそうなご飯があるね。頂きます。」

 

彼の頭から触覚が伸び、小野田の心臓と内臓を掴んで、頭で喰い始めた。

 

”グチュグチュ”

 

さりな「・・・!!」

 

彩「・・・!!」

 

悠「・・・」

 

露乃「小野田・・・!」

 

神崎「ん〜。罪悪感を表に出さず、自分の罪を認めないクズな味が口の中に広がる〜。美味しい。」

 

さりな「何だよこれ・・・ってかアマゾンって何だよ!!」

 

神崎「そっか。今の若者はアマゾンの存在を知らないみたいだね。じゃあ簡単に教えるよ。僕と水澤君はアマゾンと言う存在。10年前、大手製薬会社の野座間製薬で生まれた人口生命体さ。けど不慮の事故で僕達アマゾンはこの現代社会に逃げ込んで、君達人間を喰いながら生きて来た。そして僕は8年前、水澤君と戦った。」

 

さりな「先生が・・・?」

 

悠「ああ。そして君は、崖に突き落とされて死んだはず・・・」

 

神崎「そう。でも僕は一命を取り留めた。何故なら、僕は魔法少女サイトに救われたんだ!」

 

全員「っ!?」

 

神崎「そして僕は魔法少女サイトから、魔法が使える力を与えられた。その力は、魔法少女が持ってる特定のステッキを使っても、その魔法少女の寿命が減らない力。それ以来僕は、クズな人間だけを喰いながら生きて来た。水澤君、君は黄金井市不良少年バラバラ事件を知ってるかい?」

 

悠「確か、1人の女の子を集団リンチした3人の不良少年がバラバラ死体で発見された事件・・・まさか!」

 

神崎「そう。その3人を生きたまま心臓を抉り取って喰べたのは僕なんだ。」

 

彩「い、生きたまま・・・?」

 

神崎「そして雫芽さん!君の友達と先輩も、生きたまま触手で串刺して、生きたまま心臓を抉り取って喰べたのは僕なんだ。」

 

さりな「ど、どうやって・・・!?」

 

神崎「教えてあげよう。」

 

彼はあの時を語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、彩のステッキを使ってえりかと荒井を飛ばした所から始まった。

 

 

 

2人を飛ばした場所は、とある廃墟。

 

荒井『・・・こ、ここは何処だ?』

 

えりか『何、ここ?廃墟?』

 

神崎『目が覚めた?』

 

そこに神崎が立っていた。

 

えりか『あんた、一体何をしたのよ!』

 

神崎『そんなに怒らないでよ。僕のご飯。』

 

荒井『あぁ?僕のご飯だ?何言ってんだこのガキ?』

 

神崎『そっか。今の若者達はあの怪物への概念が無かったんだね。』

 

えりか『はぁ?怪物?何言ってんのあなた?』

 

神崎『しょうがないな〜。特別に僕の姿を見せてあげるよ。』

 

すると全身から煙が噴射した。

 

荒井『な、何だ!?』

 

えりか『何!?』

 

煙が晴れると、ハダカカメガイアマゾンが立っていた。

 

えりか『な、何あれ!?』

 

荒井『ば、化け物!!』

 

神崎『どう?僕の姿。』

 

えりか『先輩!!逃げましょうよ!!』

 

荒井『あ、ああ!!』

 

2人は怖がって逃げ出した。しかし。

 

荒井『な、何だこれ!?』

 

えりか『どうなってるのよ!!』

 

見えない壁にぶつかった。

 

神崎『無駄だよ。僕達の周りには見えない結界が張られてるんだ。』

 

荒井『見えない結界・・・?』

 

神崎『そしてこの結界の外は皆速度が遅くなってる。つまり僕達だけが通常の速度で動いてるの。さぁ、これで逃げれないよ。早くご飯を食べさせておくれよ。』

 

えりか『こ、来ないで!!』

 

荒井『た、助けてくれ!!!』

 

2人は逃げ惑ってる。

 

神崎『逃がさないよ。』

 

頭から無数の触手・バッカルコーンが生え、その触手が2人の腹を串刺した。

 

荒井『がぁっ!!』

 

えりか『ぐあっ!!』

 

神崎『困るんだよ。僕のご飯が逃げちゃうとお腹が空いてしょうがないんだよ。』

 

そのまま結界の壁まで押した。

 

神崎『僕はね、君達のようなクズな人間を食べるのが大好きなんだよ。』

 

荒井『く・・・クズ・・・だと・・・!?』

 

神崎『そう。君達はさっき、あの子をいじめていた。』

 

えりか『あ、朝霧の・・・事・・・?』

 

神崎『朝霧さんか。僕はね、そんないじめ行為をする人間をクズと断定しているんだ。』

 

荒井『ふ・・・巫山戯・・・やがって・・・』

 

神崎『もうお腹空いちゃった。まずは、君から!!!』

 

”ドスッ!!”

 

荒井『が・・・あ・・・』

 

右手で荒井の左胸を貫いた。荒井が大量吐血し、身体中から流血が溢れ出た。

 

えりか『せ・・・先・・・輩・・・!!』

 

”グジュ”

 

右手で荒井の心臓を抉り取った。

 

荒井『・・・・・・・ぁ』

 

神崎『頂きます。』

 

”グチュグチュ”

 

彼は荒井の心臓を喰べた。荒井はそのまま死んでしまった。

 

えりか『い・・・いや・・・』

 

神崎『良いね〜。ありふれてる欲望の味が口に広がる〜。じゃあ次は君だね。』

 

次はえりかに目を付けた。

 

えりか『い・・・いや・・・止めて・・・!来ないで・・・!』

 

神崎『困るんだよ。そう言われると僕のお腹が空いちゃうんだよ。』

 

えりか『じ・・・じゃ・・・何でも言う事・・・聞く・・・から・・・』

 

神崎『え?僕の言う事聞いてくれるの?』

 

えりか『う・・・うん・・・』

 

神崎『そうだなぁ〜・・・あ!じゃあ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『君を喰べさせておくれよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか『い・・・いやあああああああああ!!!!!!!』

 

”ドスッ!!”

 

右手でえりかの左胸を貫き、心臓を抉り取った。

 

 

 

 

数分後。えりかの心臓も完食した。

 

神崎『まだまだ弱い者いじめをしたくなるこのクズな味が堪らないね〜。そうだ、折角だから腕とか頂いちゃおう。』

 

触手で、えりかと荒井の死体の両腕と両足を斬り裂いて喰べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在に戻る。

 

神崎「本当に良いご飯だったよ。」

 

彩「酷い・・・酷いよ・・・」

 

さりな「よくも・・・!!よくも私のえりかと先輩を!!!!!!」

 

激怒したさりながステッキを投げた。

 

神崎「遅いよ。」

 

ステッキを右手で受け止めた。

 

さりな「なっ!?」

 

神崎「そして僕は、雫芽さんの首を切った男でもあるんだ。」

 

さりな「なっ!?」

 

彩「え!?」

 

露乃(な・・・何で・・・!?)

 

悠(濡れ衣!?)

 

神崎「雫芽さん、今度は君の心臓も喰べさせておくれよ。勿論胴体や両腕や両足だけでも良いからさ。」

 

ステッキを手放さず、触手を伸ばした。

 

さりな「ひぃっ!!」

 

神崎「頂きます!!」

 

触手をさりなに向けて伸ばした。

 

さりな「いやああああああああ!!!!!」

 

悠「させるか!!アマゾン!!」

 

走りながらアマゾンインジェクターに入ってる液体を注入した。

 

『NEW・OMEGA』

 

電子音が鳴り、悠が緑色の炎に包まれた。彼はアマゾンニューオメガに変身した。

 

『BLADE・LOADING』

 

アマゾンズインジェクターを1回押して、右手からニューオメガソードを生成して触手を斬り裂く。

 

さりな「せ・・・先生・・・!?」

 

悠「止めろ神崎!!」

 

神崎「どうして?僕はクズな人間しか喰べないアマゾンなんだよ?」

 

悠「確かに雫芽は彩を散々いじめて来た。けど、彼女は人間だ!人間を守るのが僕の責務なんだ!」

 

さりな「っ!!」

 

悠「僕は守る!!この3人を絶対に!!」

 

彩「悠さん・・・」

 

露乃「せ、先生・・・」

 

さりな「先生・・・」

 

神崎「そっかぁ。じゃあこうしてやるよ!!!」

 

触手を縦横無尽に振り回し、マンションを崩し始めた。

 

”ゴゴゴゴゴゴゴゴ”

 

悠「マズイ!!」

 

彩「な、何!?」

 

神崎「そんなにご飯を喰べさせないなら、君達を殺してから喰べてあげるよ!!!!!」

 

マンションが崩壊し始めた。

 

さりな「っ!?」

 

真上から瓦礫が降った。

 

彩「雫芽さん!!!」

 

さりな「っ!?」

 

悠「止めろおおおおおおおお!!!!!!!」

 

そして、マンションが崩壊してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高ノ織中学校。教室にさりなが瞬間移動した。

 

さりな「あっ!教室?ど・・・どう言う事だ?」

 

 

 

 

彼女はあの時。

 

彩『雫芽さん!!』

 

さりな『っ!?』

 

彩がステッキを使い、さりなを瞬間移動させたのだった。

 

 

 

 

さりな「朝霧に助けられた・・・?朝霧に・・・」

 

自分がいじめていた彩に助けられたのだった。

 

さりな「・・・こんな事で引けるかよ。」

 

彼女はすぐに教室から出た。

 

さりな(私にはまだやる事がある・・・テンペスト・・・何があろうと私は生き残る!)

 

 

 

 

 

 

夜。崩壊したマンション付近。

 

漆「不幸だね〜不幸だね〜。」

 

 

 

 

マンションでは。

 

キャスター「こちら武蔵之市の現場です。本日午後6時ごろ突如マンションが崩落すると言う大事故が発生しました。この事故により多数の犠牲が出ている模様です。現在も懸命の救出活動が行われていますが、未だ建物内に取り残されている住民の方もおり、その安否が懸念されております。」

 

大規模な救出活動が行われていた。そこに1台のパトカーが到着した。

 

刑事「こりゃあ酷いですね美炭さん・・・」

 

2人の刑事が現場を見た。そこには刑事の美炭貴一郎が居た。

 

消防隊員「おい!何かあるぞ!」

 

美炭「ん?」

 

現場へ向かう美炭。

 

刑事「あ、単独はマズイですよ美炭さん。」

 

消防隊員A「応援は?」

 

消防隊員B「分からん。」

 

消防隊員C「こっちだ!!」

 

そこにある物があった。

 

消防隊員A「こりゃあ一体・・・」

 

消防隊員B「何なんだ?」

 

 

 

 

 

 

魔法の結界があり、その中に倒れてる悠と彩と露乃が居た。

 

 

 

 

 

 

消防隊員A「女の子だ!男も居るぞ!まだ生きてるぞ!」

 

 

 

 

 

 

その頃直戸は、銀行のATMで貯金を引き出していた。

 

直戸(よし。待っててね~にじみ~ん。)

 

 

 

 

銀行から出ると。

 

直戸(に・・・にじみん!?)

 

爪を噛みながら通り過ぎて行く虹海を発見した。

 

 

 

 

 

 

彼女はあの時を思い出した。

 

さりな『ねえ。あんたの探してる奴ってこの女じゃないの?』

 

スマホから、梨ナの画像を見せられた。

 

虹海『っ!?どうしてそれを・・・!!』

 

さりな『此奴の名前は潮井梨ナ。今はとある病院で眠っている。』

 

虹海『眠っている・・・?』

 

さりな『どうやらステッキの使い過ぎで昏睡状態らしいわ。けどこれってマジチャンスだよな。あんたこの女の事・・・殺りたいんでしょ?』

 

それを言われた虹海は激怒して、梨ナを殺しに向かった。

 

 

 

 

 

 

虹海(雫芽さりなの情報は正しかった・・・それなのに、何で潮井梨ナは魔法で守られていたの?私が潮井梨ナを殺ろうとしている事を知っている誰か・・・彼奴の居場所を知っていて守ろうとしている誰か・・・っ!!)

 

心当たりがあった。

 

虹海「あの3人・・・・」

 

 

 

 

彩『あ、あのね、実はある魔法少女がステッキの使い過ぎで、意識不明になってるの・・・だから私達、その子を助けられるステッキを持った子を探しているの。』

 

 

 

 

悠と彩と露乃だった。

 

虹海「お友達だと言って私を騙した!許さない!絶対に!」

 

 

 

 

 

 

その頃武蔵之病院では、彩と露乃が搬送されていた。

 

先生「後何人だ!?」

 

医者A「分かりません!」

 

先生「血圧下がってる。メトリジン!」

 

医者A「はい!」

 

先生「輸血400だ!」

 

医者B「先生!患者のご両親が!」

 

先生「駄目だ!中に入れるな!」

 

 

 

 

廊下では。

 

彩の母「先生!彩は、彩はどうなってるんですか!?連絡を貰ってあの・・・」

 

先生「安心して下さい。怪我はされていますが命に別状はありません。」

 

彩の母「良かった・・・」

 

彩の父「先生、悠君は?彩と一緒に居た・・・」

 

悠「僕はここだよ。」

 

そこに包帯を巻かれた悠が立っていた。

 

彩の父「悠君!無事だったのか!」

 

悠「うん。」

 

先生「彼の回復はとても速いので、傷口だけを塞いでおきました。」

 

彩の母「良かった・・・」

 

先生「ただ、一緒に居たお友達は・・・」

 

医者A「先生!心停止です!」

 

先生「何!?それでは失礼します!」

 

 

 

 

露乃が心停止していた。医者が心臓マッサージを始める。

 

先生「下がって!行くぞ!」

 

電気ショックをするが。

 

医者A「駄目です!!」

 

先生「もう1回!!」

 

何度も電気ショックして露乃の心肺蘇生をする。

 

 

 

 

 

 

その頃要は、家で夕飯を食べていた。

 

キャスター『夜を迎える中、依然救出活動は続行されています。現在確認の取れている情報では死者19名、重軽傷者38名となっています。』

 

彼はテレビを消した。

 

要「ふんっ。ったく、くだらない事故に巻き込まれるなんて死んだらどうするんだよ。サンドバッグが無くなったら僕泣いちゃう。」

 

まだストレスが上昇していた。

 

"ピンポーン"

 

インターホンが鳴った。要が出る。

 

要「おかえり。彩の具合は・・・えっ?君は・・・」

 

両親だと思っていたが、そこに立っていたのは虹海だった。

 

虹海「初めまして。彩ちゃんのお友達の穴沢虹海と申します。」

 

要「彩のお友達?」

 

虹海「彩ちゃんには何時もよくしてもらっています。親友だと思っています。」

 

要「あ・・・あの~・・・悪いんだけど・・・」

 

虹海「彩ちゃん・・・いらっしゃいますか?」

 

外では雨が降っていた。

 

 

 

 

 

 

その頃別の場所では。

 

???「うん分かってる。その子がテンペストの情報を握ってるんだね。心配しないでキヨちゃん・・・大丈夫だよ。上手くやってみせるから・・・」

 

眼帯の少女「雨谷小雨」が電話していた。電話を切って、武蔵之病院に入った。

 

 

 

 

彼女が向かった場所は、梨ナの病室。彼女は過呼吸をした。

 

小雨「して・・・みせるよ。私が・・・してみせる。」

 

一体彼女は何者なのだろうか。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
     雫芽さりな:山崎はるか
      雨谷小雨:原由実

       朝霧要:岡本信彦
      直戸圭介:安里勇哉
     美炭貴一郎:鈴木達央

       彩の父:小上裕通
       彩の母:増田ゆき

  サイト管理人・漆:中尾隆聖

     貝島えりか:喜多村英梨
      荒井翔太:山本祥太
      看護師A:古賀葵
      看護師B:岡田幸子
        刑事:木内太郎
     キャスター:村上聡
     救急隊員A:木田祐
     救急隊員B:関幸司

     小野田総二:佐藤健太郎

      神崎賢也:緒方恵美

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Episode6「FAKE WITH UNITED FRONT」

武蔵之病院・梨ナの病室。雨谷小雨が意識が無い梨ナを見てる。

小雨「潮井梨ナ。この子か・・・やら・・・なきゃ。」

彼女はカッターを出して、刃を伸ばした。

小雨「はぁ・・・」

そして自分の腕を切った。


同じ頃、朝霧家。

 

虹海「初めまして。彩ちゃんのお友達の穴沢虹海と申します。」

 

 

 

その近くに、直戸が後を追っていた。

 

直戸「にじみん・・・こんな時間から誰と会うつもりだ?」

 

 

 

要「えっ・・・えっ?」

 

虹海(お友達だと言って私を騙した!許さない絶対に!)

 

悍ましい顔をして、彩を憎んでいる。

 

虹海「彩ちゃん・・・いらっしゃいますか・・・?」

 

顔を上げた瞬間、虹海に異変が。

 

虹海「きゃあああああああああ!!!!!」

 

突然要を見て腰を抜かした。

 

要「え?・・・え?」

 

虹海「あ・・・」

 

要「ちょっと君。」

 

腰を抜かした虹海に手を伸ばした。

 

要「大丈夫?」

 

虹海「格好良いよほぉ~・・・」

 

彼女は要を見て恋心が芽生えてしまったのだった。

 

 

 

 

それを見ていた直戸が絶句した。このタイミングで雨が降り始めた。

 

直戸(に・・・にじみん!?)

 

 

 

 

要は虹海を家へ招き入れた。

 

 

 

 

 

 

その頃病院では。

 

先生「お嬢さんは、腕と足に軽い裂傷がありますが、命に別状はありません。」

 

悠「そうですか・・・」

 

先生「幸いお友達も、危険な状態から脱しました。今日の所はお帰りになっても大丈夫ですよ。水澤さん。傷口はまだ多く残ってありますので、しばらくの間入院した方が宜しいかと。」

 

悠「そうですか。分かりました。」

 

彩の母「悠君、大丈夫?」

 

悠「うん。おじさん、おばさん、彩と一緒に退院するから。」

 

彩の父「分かった。では先生、ありがとうございました。」

 

彩の母「ありがとうございました。」

 

2人は帰って行った。

 

悠「先生、僕を2人の病室に移っても良いですか?」

 

先生「ええ、構いませんが。」

 

 

 

 

 

 

その頃虹海は。

 

虹海「それでは失礼します!」

 

要「良かったらこれ使って。」

 

傘を渡した。

 

虹海「こ・・・これはお兄様の・・・」

 

要「もう遅いし、本当は送っていってあげたいんだけど・・・」

 

虹海「い・・・いえいえそんな。ふふっ。」

 

要(楽勝だぁ。取り敢えずこれでまた会う口実は出来たと。後は・・・)

 

ルンルン気分で虹海が帰って行った。要が帰って行く虹海を見送った。

 

 

 

 

直戸「よくも僕の天使を・・・彼奴・・・彼奴がにじみんを汚したな!」

 

遠くから要を見て、彼に対する復讐心が湧いてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

その頃梨ナの病室では。小雨が自分の血を梨ナの口に入れていた。

 

小雨「起きて・・・」

 

すると、梨ナの意識が戻った。

 

梨ナ「何だ・・・?頭痛え・・・」

 

小雨「やっと起きたね。」

 

椅子の上で体育座りしてる小雨が居た。

 

梨ナ「なっ!?誰だ!?」

 

小雨「はぁ・・・雨谷小雨。自己紹介面倒臭い・・・」

 

梨ナ「ちょっ・・・待て。状況が把握出来ねぇ・・・あっ!」

 

彼女は思い出した。意識が遠退いたのは吐血した時からだった。

 

梨ナ「そうだ。あの時私・・・」

 

小雨「君はステッキの使い過ぎで倒れてからずっと意識を失ってた。はぁ・・・だから私が治した。」

 

梨ナ「治したって・・・お前何者だよ!?」

 

小雨「だから雨谷小雨。何度も同じ事・・・」

 

梨ナ「名前を聞いてんじゃねぇよ!」

 

小雨「やだ・・・私に怒鳴らないで・・・お願いだからそんなに声を・・・荒げないで・・・」

 

彼女は怯えて過呼吸し始めた。持ってる薬と水を一気に飲んだ。

 

 

 

 

外では。

 

漆「そうだ思い出した。あの子は雨谷小雨たん。確か管轄は・・・」

 

 

 

 

病室。小雨が落ち着きを取り戻した。

 

小雨「ごめんなさい。お薬が無いと私精神を保てなくて・・・」

 

梨ナ「まさかお前も魔法少女か?」

 

小雨「はぁ・・・」

 

彼女は自分の首元を見せた。そこにはQが刻まれてあった。

 

梨ナ(アルファベット?あんな紋章初めて見たぞ。)

 

小雨「そう。私もサイトで魔法を手に入れた1人。ステッキの能力は治癒。」

 

梨ナ「治癒?」

 

小雨「このステッキで自傷行為をして、治療したい相手の体内に血を注げばたちまち傷は癒える。」

 

梨ナ「なっ!?あっ・・・うぇっ!まさかてめぇ私の口ん中に・・・」

 

小雨「幸い私には自傷癖があったからステッキの使用は辛くも何ともないけど、普通の人ならこんなステッキ・・・はぁ・・・使うの躊躇うと思う。」

 

彼女のステッキは、カッター型だった。

 

梨ナ「ちっ。人ん中勝手に汚ぇもん入れんじゃねぇよ!このメンヘラ女!・・・どうして助けた?なぜ私の事を知ってる?一体何が目的だ?」

 

小雨はノートパソコンを操作し始めた。

 

梨ナ「おい!!」

 

ノートパソコンで、梨ナにある物を見せた。

 

梨ナ「なっ!?」

 

画面に映ってるのは・・・

 

 

 

 

 

 

捌『不幸やねぇ。不幸やねぇ。』

 

魔法少女サイトだった。

 

 

 

 

 

 

別の病室では。

 

露乃「っ!!はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

意識を取り戻した露乃が目を覚ました。

 

露乃(そっか。まだ死んでなかったんだ。あの時私は生きる意味を失ったと思った。だけどもし叶うのなら、後少し・・・後もう少しだけ・・・)

 

悠「奴村さん。」

 

起きてる悠が露乃を呼んだ。

 

露乃「先生・・・」

 

悠「彩、奴村さんの意識が戻ったよ。」

 

彩「良かった・・・気が付いたんだね。」

 

露乃「・・・っ!」

 

彩「私もさっき起きたんだ。」

 

露乃「そう。」

 

悠「良かった。2人共意識が戻って。」

 

彩「悠さん・・・」

 

 

 

 

梨ナ「よう。やっとお目覚めか?」

 

 

 

 

悠・彩・露乃「っ!?」

 

梨ナ「その節はど〜も。」

 

悠「梨ナ!?」

 

露乃「潮井!?」

 

彩「潮井さん!?」

 

露乃「あんたどうして!?」

 

悠「意識が戻ったのか!?」

 

梨ナ「お陰様で全快だわ。此奴が治してくれてよぉ。」

 

そこに小雨が来た。

 

悠「彼女は?」

 

小雨「雨谷小雨。はぁ・・・宜しく。」

 

梨ナ「このメンヘラ女が私も、てめぇらのダメージも治してくれたって訳よ。」

 

小雨「メンヘラって呼ばないで。はぁ・・・」

 

悠「ダメージを治した・・・?」

 

彩「傷が・・・それに・・・何処も痛くない。」

 

悠「本当なのか!?」

 

梨ナ「な?凄え魔法だろ?」

 

露乃「魔法?まさか!」

 

梨ナ「そっ。そのまさかだ。」

 

悠「彼女も魔法少女、なのか?」

 

 

 

捌『不幸やねぇ。不幸やねぇ。』

 

 

 

小雨「私は別の魔法少女サイトの魔法少女。」

 

露乃「別の・・・?」

 

彩「魔法少女サイト・・・?」

 

小雨「私は君達に協力を仰ぎに来た。私達と共闘して欲しい。」

 

悠「共闘?」

 

 

 

 

別の魔法少女サイトを見る。

 

彩「これが別の魔法少女サイト?」

 

露乃「まさか他にも管理人が居たとは。」

 

梨ナ「だろ?私もマジ驚いたわ。」

 

露乃「それにしてもステッキにこんな使い方があったなんて、とんだ盲点ね。」

 

悠「治癒のステッキか。」

 

梨ナ「私は再接続のやり方を漆に教わったけどさぁ。此奴らすげぇの。マジカルハンターでもねぇのに自力でテンペストに辿り着いたんだとさ。」

 

悠「テンペストに辿り着いた・・・?」

 

露乃「でもどうして別のサイトの魔法少女があんたや私達の事を?」

 

小雨「どんなに上手く隠しても秘密は何時か暴かれる。誰もが見知らぬ誰かと簡単に繋がれる。こんな時代は特にね。それに私達には・・・互いの秘密を知り・・・共闘する仲間が居る。」

 

悠「共闘する仲間?」

 

露乃「じゃあ、他にもこの件を知る魔法少女が居るって事?」

 

小雨「そう。君達以外にもサイトでステッキを貰い魔法少女になった子は沢山居る。」

 

悠「沢山・・・まさかサイトが数多くあるのか?」

 

小雨「そう。魔法少女サイトは1つじゃない。複数存在してそれぞれにサイト管理人が居る。だけどどのサイトからも辿り着く結末は1つ。ここが隠しエンター。」

 

隠しエンターをクリックすると。

 

捌『んん~。そこぉ~・・・』

 

画面が渦巻きのように消え、テンペストのページが開かれた。

 

彩・露乃「・・・!」

 

悠「これが・・・テンペスト・・・」

 

梨ナ「よーく見とけよ。此奴がお前らが喉から手が出るほど欲しがっていた情報だ。」

 

更に詳しく検索するとそこには。

 

悠・彩・露乃「っ!?」

 

 

 

 

テンペストについて。ページが開かれた。

 

 

 

 

小雨「来る8月11日19時23分、その日テンペストは起こります。テンペストとはこの腐った世界に終焉を齎し、新世界への扉を開く事を意味します。しかしその過程で人類の大半は滅亡する事になるでしょう。テンペストの到来は不可避ですが、ただ一つだけ助かる方法があります。それは王のお腹を満たす事。」

 

悠「王のお腹を満たす?」

 

小雨「王は人間の不のエネルギーを餌としている為、これを献上することによりテンペストによる死を避ける事が出来ます。不のエネルギーは魔法少女サイトからお渡ししたステッキを使用する事により、ステッキ本体に蓄積されます。ステッキをより多く使用し尚且つ他の魔法少女の誰よりも不のエネルギーを多く献上した者のみが、来るテンペストの回避対象となります。生き残りたければ、不のエネルギーが充分に満たされたステッキをテンペストの日に我々魔法少女サイトにお渡し下さい。それではよい終末を。」

 

 

 

 

 

 

謎の会議室では。

 

捌「な~んや、えらい面倒臭い事にならはったなぁ。」

 

弐「お前らの管理が緩いんちゃうんけ?」

 

そこに神崎が来た。

 

神崎「君の管理も緩かったりして。」

 

弐「何やと!?化け物の癖に!!」

 

神崎「そう怒らないでよ。それで、これからどうする?」

 

漆「まあ彼女達もおバカじゃないからね~。そろそろ僕達のサイトに疑問を抱くのも想定内なのよん。」

 

捌「そうでんなぁ。どないしはります?」

 

壱「知り過ぎた者は無論・・・削除だ。」

 

 

 

 

 

 

病室。

 

彩「これが・・・テンペスト?」

 

小雨「そう。どうやら不のエネルギーと言うのは恨みや妬み死への願望、あるいは特定の個人への復讐・・・人が抱くマイナスの想念そのものを指すみたい。」

 

彩「それって・・・」

 

小雨「平たく言えば不幸。」

 

悠「不幸・・・」

 

小雨「連中は不幸を抱えた少女にステッキを渡し、まず本人の不を回収させる。且つテンペストの情報を与え生き残るための殺し合いをさせる。結果少女達はステッキを多用せざるを得なくなり、不のエネルギーはより効率よく集められる。」

 

梨ナ「ちっ。まんまとサイトの嘘に踊らされるって訳だ。」

 

悠「待て。この説明から違和感を感じる。」

 

小雨「そう。そこがテンペストの可笑しな所。」

 

彩「ステッキを使って不のエネルギーを集めれば集める程、魔法少女の寿命は削られてゆく。実際それで潮井さんは・・・」

 

悠「と言う事は・・・奴らは最初から・・・」

 

 

 

 

 

 

とある夜道。1人の少女が何者からか逃げていた。

 

少女「そんな・・・どうして!?」

 

漆「余計な詮索する奴はぶっ殺ね!」

 

待ち受けていた漆によって殺されてしまった。

 

 

 

 

 

 

病室。

 

悠「彼女達を1人残らず殺す事なのか・・・・・!?」

 

露乃「それじゃあ、サイトが嘘を付いてるとしてテンペストの真の意味は何?目的は?」

 

小雨「はぁ・・・それはまだ分からない。だからこそあなた達の協力が必要なの。」

 

露乃「協力・・・具体的には?」

 

小雨「そうね。まずはサイト管理人の捕獲。」

 

彩「管理人の・・・」

 

露乃「捕獲・・・」

 

悠「奴らからテンペストの真の理由を聞くのか。」

 

梨ナ「連中をとっ捕まえてテンペストの真相を吐かせる。生き残る方法を探るんだよ。でなきゃてめぇらなんぞおねんねこいてる間にぶっ殺してる。」

 

小雨「私達は知り得る限りの魔法少女に同じ事を呼び掛けている。今は1人でも多くの協力者が欲しいの。」

 

梨ナ「で、どうすんだよ?乗んのか?乗らねぇのか?」

 

露乃「(そう。後もう少しだけ・・・)勿論乗るわ。」

 

悠「僕も協力する。」

 

小雨「後日あなた達を私の仲間の所へ案内する。そこで今後の対策を練りましょう。」

 

梨ナ「おっしゃ~!体も治ったし幾らでも練り練りしてやるぜ!」

 

小雨「君達の事を治療したとは言ったけど寿命を延ばした訳じゃないよ。私は神じゃない。君達の傷を癒やしただけ。失った寿命は戻らないわ。はぁ・・・」

 

梨ナ「何だって・・・!?」

 

小雨「君達はこれから先、年寄りになる事もない。10代の内に死ぬかも知れないし、後数年いや、数ヶ月であっさり引くかも知れない。ステッキの代償で、そんな体になったと覚えといて。」

 

露乃「どう足掻いても、タイムリミットは変わらないって事ね。」

 

彩「タイムリミット・・・」

 

梨ナ「だからどうした?」

 

露乃「私達は限られた時間の中で、限られた命を使って立ち向かうしかない。」

 

 

 

 

 

 

崩壊したマンション跡。

 

梨ナ「って言ってもよぉ。サイト管理人は何時現れるか分かんねぇし、第一肝心のステッキが行方不明じゃどうしようもねぇわなぁ。」

 

悠「君も手伝ってくれよ!」

 

梨ナ「私が寿命を削って集めたステッキと、超お役立ちのさつりく帳をなくしたのはてめぇらだろ。働け働け。」

 

露乃「その性格だけは治癒魔法でも治らないのね。」

 

悠「厄介な子だ。」

 

彩「もう少し頑張ろう・・・」

 

悠「そうだね。」

 

梨ナ「よし!後は任せた!」

 

露乃「ちょっと!!」

 

梨ナ「んじゃな~!」

 

そう言って何処かへ逃げた。

 

悠「おい!逃げるな!!」

 

 

 

 

しばらくして、彩と露乃が寝転がる。

 

露乃「流石に疲れたわ・・・」

 

彩「今夜は色々あったもんね。」

 

露乃「あり過ぎよ。」

 

悠「全くだよ。」

 

彩「くすっ。・・・あのね奴村さん。」

 

露乃「何?」

 

彩「お部屋に居た男の人だけど、奴村さんあの人の事・・・」

 

露乃「そう。ステッキの能力で捕らえ復讐の為ずっと制裁を加えていた。死ぬより辛い苦痛を・・・生かさず殺さず私が死ぬその日まで罪の償いをさせる。それが私の生きる目的・・・そのつもりだった。だけどもう彼奴は居ない。」

 

悠「・・・・」

 

彩「奴村さん・・・(もしまだ生きられるのならそれは復讐の為ではなく・・・後少し・・・もう少しだけ・・・)」

 

 

 

 

 

 

しばらくして、3人は朝霧家に帰った。

 

彩の母「あ・・・彩!?悠君!?た・・・退院したってどう言う事?」

 

3人の姿を見て、両親が驚いてる。

 

彩「いや、それがあの・・・」

 

露乃「お邪魔します。」

 

彩の母「でも怪我は?治ったって・・・そんな魔法みたいな事ある訳・・・あらやだ本当。不思議ねぇ。」

 

悠「あの病院が、効き目が早い治療をしてくれたから早く退院出来たんだよ。」

 

彩の母「そうだったの・・・」

 

そこに要が様子を見に来た。

 

悠(要・・・)

 

彩「それでね。奴村さんお家が無くなっちゃったから、しばらくうちに泊めてあげたいんだけど良いかな?」

 

悠「僕達が負担するから。」

 

彩の母「それは構わないけど・・・」

 

要(ふぅ〜ん、魔法ねぇ・・・)

 

 

 

 

 

 

漆『どうして余計な詮索するのよん。折角僕たんが魔法少女にしてあげたのに。まあ良いや。使えない子は・・・にょほっ。どんどんぶっ殺でオッケーよん。びょほっ!びょほほほっ!』

 

近くに1人の少女が、紫色の結界に閉じ込められていた。

 

 

 

 

 

 

夜11時。彩の部屋。2人が添い寝している。

 

彩「奴村さん。まだ起きてる?」

 

露乃「うん。」

 

彩「私達大人になれないんだね。」

 

露乃「海に行ってみたい。私ね。海に行った事ないの。」

 

彩「一度も?」

 

露乃「ええ。今まで一度も。可笑しいでしょ?」

 

彩「そんな事・・・」

 

露乃「だからね。行ってみたいの海。朝霧さんと一緒に本物の海が見てみたい。」

 

彩「・・・うん。必ず行こう。私も・・・私も奴村さんとやりたい事がいっぱいある。せっかくお友達になれたのに・・・もっともっと沢山色んな事・・・したいのに。なのに・・・」

 

露乃「私も。朝霧さんとやりたい事いっぱいある。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、悠の部屋。

 

悠「サイト管理人を捕まえて、目的を聞く為に尋問をする。大変な事になったな。けど、僕が彩達を守らなきゃ。でも、神崎が何処から現れるのか分からない・・・用心しておかなきゃ・・・」

 

彼は眠りに入った。

 

 

 

 

 

 

翌朝のとある屋敷。

 

組員「お嬢。車の手配が整いました。」

 

組員達「おはようございます!お嬢!」

 

大勢の組員達がお嬢に挨拶した。

 

お嬢「うむ。今日は遅くなる。」

 

組員「承知しました。」

 

組員達「行ってらっしゃいませ!お嬢!」

 

 

 

 

南国にある豪邸。

 

山井「おはようございますみかり様。そろそろ・・・」

 

みかり「あらそんな時間?じゃあ山井。脱ぎなさい。」

 

すぐに脱いだ。

 

 

 

 

ヘリポート。

 

みかり「さあ行くわよ。」

 

山井「はい。お嬢様。」

 

ヘリの傍で山井が四つん這いになり、みかりが乗り上げた。山井は興奮している。

 

 

 

 

とある中学校。1人の女子生徒が手洗いをしていた。個室から小雨が出て来た。

 

小雨「キヨちゃん。またいじめられたの?」

 

清春「そっちこそ。また切ってるの?」

 

この女子生徒は水蓮寺清春。彼は自分が女の子だと思って何時も女子になりきってるが、それが原因でいじめを受けている。

 

小雨「ステッキがあるんだから使えばいいのに。まあ寿命は減るけど。」

 

清春「小雨ちゃん。私にはちゃんとした計画があるの。彼らが成長して大人になって安定した収入を得て愛する人と結ばれ可愛い子供を産んだ幸せの絶頂期に・・・その人生を終わらせてやるの。」

 

小雨「怖。あ、来たみたいだね。今日は皆仲良くしてね。頼むから。はぁ・・・」

 

外からヘリのローター音が聞こえ、1台のリムジンも到着した。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、高ノ織中学校では。

 

彩「小雨ちゃんに会うの今日だもんね?」

 

露乃「18時頃公園に来るって言ってたわ。」

 

彩「それまでに、にじみんを説得しないと・・・」

 

露乃「そう簡単には行かないと思うけど。」

 

上履きを履いて、悠と合流した。

 

悠「じゃあ2人共、行こうか。」

 

彩「はい。」

 

露乃「ええ。」

 

しかし後ろから虹海が来た。

 

虹海「ねえ3人共、お話があるんだけど。ねえ良い?良いよね?潮井梨ナ・・・この名前に聞き覚えはない?いえあるはずよね?正直に話して。」

 

露乃「はぁ・・・分かったわ。本当の事を話す。」

 

彩「奴村さん・・・」

 

悠「大丈夫なのか?」

 

露乃「だけど一つ約束して欲しい。」

 

虹海「約束?何?」

 

 

 

 

3人は虹海と屋上に来た。虹海に事情を話した。

 

虹海「3人の事情はよく分かったわ。サイト管理人を捕獲して、テンペストについて聞き出すと言うあなた達の目的には協力する。だけど・・・みかどちゃんを殺したあの女・・・潮井梨ナは絶対に殺す。殺すからね。いや寧ろ逆にこれが私の条件よ。あの女を私の手で殺せたら協力してあげる。良い?分かった?」

 

悠「分かった。約束する。」

 

虹海「私に逆らえる奴なんて1人も居ないんだから!」

 

彼女はそう言い残して去って行った。

 

露乃「本当に厄介なステッキね。」

 

悠「ああ。下手すれば制御出来なくなる。」

 

 

 

 

 

 

2年B組のHR。

 

悠「皆に1つ報告がある。雫芽がしばらく家に帰ってないらしい。ご家族も心配して警察に届けを出したみたいだけど・・・もし心当たりのある生徒が居たら、すぐに先生に報告してね。そして急だが、このクラスにまた転校生が来る事になった。」

 

彩「え!?また!?」

 

女子生徒A「にじみん楽しみだね!」

 

虹海「ねえ~。」

 

悠「(転校生を見たら、虹海ちゃんが豹変してしまうが・・・何とかしてみよう。)どうぞ、入って良いよ。」

 

教室に入って来た転校生の正体は・・・

 

 

 

 

 

 

梨ナ「お~い奴村と朝霧!行く所なさ過ぎて来ちゃった~!てへっ。」

 

 

 

 

 

 

彩「潮井さん・・・!」

 

露乃「あのバカ!」

 

転校生の正体は潮井梨ナだった。それを見た虹海が激怒した。

 

虹海「お前なんか・・・お前なんか・・・お前なんか!」

 

梨ナ「ほえっ?」

 

虹海「死んじゃ・・・!!」

 

途中で露乃に止められた。

 

彩「奴村さん!!」

 

梨ナ(私・・・今もしかして死に掛けた?)

 

男子生徒A「おい奴村何してんだよ!?」

 

男子生徒B「にじみんが可哀想だろ!?」

 

露乃「朝霧さん今よ!何とかして!」

 

彩「えっ!?な・・・何とかって・・・」

 

視線を悠に向ける。悠はコクンと頷いた。

 

彩「うう・・・にじみん!ごめんなさい!」

 

彼女が取った行動は・・・

 

 

 

 

 

 

虹海のステッキであるパンツを脱がせたのだった。

 

 

 

 

 

 

男子生徒達「うおおー!!」

 

女子生徒達「男子見るな!」

 

虹海「っ!!」

 

魔法が解除された虹海が涙を流した。

 

虹海「うわーーーーーーーーん!!!!!!」

 

悠「はぁ・・・君達、後で職員室に来て。」

 

彩「あ、あのこれは・・・」

 

悠(奴村さん。)

 

露乃(ええ。)

 

彼女は、彩が持ってる虹海のステッキを持って逃げ出した。

 

梨ナ「何だ彼奴?パンツ持って逃げよったで。」

 

 

 

 

職員室から出た2人。

 

彩「し・・・失礼しました。」

 

虹海「2人共絶対に許さないから!つゆゆは戻って来ないし、全く何なのよ!」

 

彩「その・・・ごめんね。本当にごめんなさい・・・」

 

すると彩のスマホに着信音が鳴った。

 

彩「あっ・・・あの・・・にじみん。ちょっとだけ付き合ってもらっても良い?」

 

 

 

 

 

 

放課後。2人は公園で待つ事に。

 

虹海「で、何時まで待たせるの?」

 

彩「ごめん。もうちょっとだけ・・・」

 

しばらくして、悠と露乃と梨ナが来た。

 

梨ナ「よっ。おっ待たせ~。」

 

虹海「潮井!今すぐ舌を噛み切って死んじゃえ~!!」

 

しかし、梨ナに異常が無かった。

 

梨ナ「おや?何ともない。あっ残念~。ぐえっ!」

 

すると悠が梨ナにげんこつした。

 

悠「煽ってどうする。虹海ちゃんを更に怒らせるな。」

 

虹海「くっ・・・!」

 

彩「に・・・にじみんあの・・・」

 

露乃「潮井には全ての事情を説明したわ。お互い情報を共有した方が得策よ。」

 

虹海「そん事とより私のパンツ返してつゆゆ・・・じゃないとそいつを殺せない!」

 

露乃「パンツはある場所に隠した。あんたが落ち着きを取り戻すまでは返さないわ。」

 

虹海「そんな・・・!!」

 

悠「しばらく君のステッキはお預けだ。」

 

露乃「一先ず私情は後回しにして。これから私達はある者達と会わなきゃならない。」

 

虹海「え?」

 

悠「来たよ。」

 

虹海「え?」

 

後ろに振り向くと・・・

 

 

 

 

 

 

小雨達が到着した。

 

 

 

 

 

 

悠「彼女達だ。」

 

小雨「皆揃っているようね。」

 

梨ナ「あっ。メンヘラ女。」

 

小雨「メンヘラって言わないで。」

 

虹海「あの子達は?」

 

露乃「別のサイトの魔法少女よ。」

 

虹海「どう言う事?」

 

悠「文字通り。魔法少女サイトは1つだけじゃないって事だ。」

 

虹海「もう1つのサイト・・・?」

 

清春「あっ!あの子いぬあそび。のにじみんじゃん!」

 

小雨「彼女も魔法少女みたいね。」

 

清春「ええ!?」

 

みかり「にじみんって誰ですの?さゆちゃん。」

 

紗雪「今を時めく国民的アイドルだよ。あんたテレビ見てないから知らないのね。」

 

みかり「ふ~ん。」

 

清春「にじみ~ん!握手して~!こないだの新曲も買ったよ~!」

 

虹海「あ・・・ありがと。」

 

清春「ってか何で辞めちゃったの?」

 

虹海「まあ色々と・・・」

 

清春「皆も宜しく~!」

 

他の皆にも握手を交わした。

 

清春「えっ・・・」

 

露乃「何?」

 

清春「あっ・・・いや・・・何でもないの。」

 

悠(何かあったのか?)

 

清春「あれ?あなたも魔法少女?でも男だよね?」

 

悠「僕は水澤悠。彼女達のサポーターとでも言っておこうかな。」

 

小雨「じゃあ順番に自己紹介するね。私は雨谷小雨。ステッキはこれ。」

 

カッター型のステッキを見せる。

 

梨ナ「リスカして血を飲ませると傷が治る・・・だっけか?」

 

小雨「でこっちが・・・」

 

紗雪「燐賀紗雪。宜しく。私の得物は・・・」

 

腰にある刀で居合い斬りをした。すると噴水の水が固まった。

 

紗雪「任意の物を斬り、硬化させるこの刀だ。」

 

みかり「泉ヶ峰みかり。宜しくですわ。ステッキは・・・魔法と言ったらこれ!空飛ぶホウキ・・・」

 

ホウキに乗って空を飛んだ。

 

みかり「ですわ~!お~っほほほっ!」

 

悠(あれ、無駄に寿命削ってるようだ・・・)

 

"ドドドドドドドドド"

 

彩「何!?」

 

後ろから物凄い音が聞こえた。すると小雨達の傍に、1人の少女が到着した。

 

あさひ「どうも。私滝口あさひ。」

 

小雨「現役JK。」

 

あさひ「これ身体能力の強化?的な奴っぽい。お陰で遅刻激減。」

 

小雨「そして最後が・・・」

 

清春「ども。水蓮寺清春です。ステッキはこの指輪。能力は・・・」

 

『相手の脳に直接リンク出来る事。所謂テレパシーね。』

 

彩「あ・・・頭の中に声が・・・」

 

清春「他にも色々。」

 

梨ナ「あんたどっかで見た事あると思ったら、ネットに出回ってた男の娘じゃん。」

 

彩「えっ?この子男の子なの?」

 

小雨「管理人が勘違いしたのかも。キヨちゃんどう見ても女の子だし。」

 

みかり「勘違いするなんてバカみた~い!本当ウケますわ!」

 

清春「ウケんなクソ女。」

 

みかり「いやウケるでしょ。魔法オカマって!」

 

清春「みかり・・・君やっぱ嫌い!」

 

悠「止めろ。」

 

2人を引き離した。

 

悠「喧嘩してる場合じゃない。」

 

清春「?」

 

テレパシーで悠を読んだ。

 

清春(この人・・・)

 

小雨「はぁ・・・色々説明するの面倒臭いからかなりはしょって言うけど、今日皆に集まってもらったのは他でもない。私達はそれぞれ管理されてるサイトが違う魔法少女同士だけど、これからは共闘しなければならない。サイトの管理人を捕獲してテンペストの真実を暴く為にね。」

 

彩「一体どうやって・・・?」

 

梨ナ「そうだよ。捕獲ったって私達今ステッキも無いし・・・」

 

露乃「現在手元にあるのは穴沢のステッキのみよ。」

 

小雨「その間私達がサポートする。」

 

みかり「誰かの所に管理人が現れたら私達が飛んで行きますわ。」

 

小雨「情報はキヨちゃんのステッキを使ってすぐに共有する・・・」

 

梨ナ「本当に出来るのかよ!?私達にそんな事・・・」

 

悠「前に奴村さんが言ってた。立ち向かうしかないって。」

 

小雨「その為にあなた達には、引き続きステッキを探してもらうわ。」

 

 

 

 

 

 

その頃行方不明のさりなは、ネットカフェでドリンクを入れていた。

 

 

 

 

個室に戻ると。

 

さりな「てめぇ・・・」

 

椅子に漆が座っていた。

 

漆「コンポタ?ココア?メロンソーダは鉄板だよねぇ~。」

 

さりな「何の用だ?」

 

漆「ポテチとコーラの相性ったら最高に幸せ~。いや不幸だねぇ~。」

 

さりな「何の用だ?」

 

漆「と言う訳で、ステッキの回収ご苦労様~。早速返してもらうよ~。」

 

さりな「断る。」

 

漆「んん~?どう言うつもり~?」

 

さりな「あの男を殺るまでステッキは預かっとく。例え私の寿命が無くなってもあの男だけは許せねぇ。」

 

彼女は、神崎に対する強い怒りを抱いていた。

 

漆「ふ~ん。もしかしたら君が次の・・・」

 

さりな「何だ?」

 

漆「何でもな~い。くれぐれも余計な詮索はしない事。でないと君も・・・死ぬよ!」

 

何処からか弾丸を放った。その弾丸はさりなの真横を過ぎた。

 

さりな「・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜の朝霧家。

 

彩の母「また・・・お友達?」

 

梨ナ「潮井梨ナと申しますぅ~。あのぉ~ほんのちょっぴりで宜しいので居候させて下さい。すみませぇ~ん。」

 

露乃「マジでこのカスうちに入れんの?」

 

彩「だってお外で寝かせる訳には・・・」

 

露乃「いいよこんな奴。外で虫でも食べて寝てりゃあ。」

 

梨ナ「お邪魔しま〜す!」

 

露乃「ちょっと何勝手に!?」

 

彩の母「えっと・・・それじゃあお風呂沸かして来るわね。」

 

梨ナ「あ!その前に何か食べる物を〜!」

 

露乃「あんたね・・・」

 

悠「やれやれ・・・っ?」

 

2階から気配を感じた悠。

 

 

 

 

2階。

 

要「いらっしゃい。」

 

 

 

 

1階。

 

悠(要、何か企んでいるのか?)

 

 

 

 

リビング。

 

彩の父「彩にまた友達が出来たのか?」

 

悠「うん。結構元気な子だったよ。」

 

彩の父「そうか。彩に友達が増えて私は嬉しいよ。」

 

悠「おじさん。」

 

彩の父「悠君。彩の事これからも宜しく頼むよ。」

 

悠「うん。」

 

 

 

 

リビングから出た悠は。

 

悠(おじさん・・・彩には興味を示していない癖に友達が増えて嬉しい?よくそんな事が言えるもんだ・・・彩がアレだからって・・・)

 

 

 

 

部屋に戻った悠が、ベッドの下のアタッシュケースを開けた。

 

悠「これも持って行こう。」

 

アマゾンズドライバーをバッグに入れた。

 

 

 

 

 

 

風呂では。

 

露乃「どうかした?」

 

彩「あっ。ううん。何でも・・・ただ・・・」

 

露乃「ただ?」

 

彩「何だか急に仲間が増えたみたいで・・・嬉しくて。」

 

露乃「そうね。凄く嬉しそう。私と一緒に居る時よりも大分。」

 

彩「えっ?」

 

露乃「つまり私だけじゃ朝霧さんを満足させる事は出来ないって事ね。よよよ・・・」

 

彩「ええっ!そんな・・・そんな事ないよ。奴村さんが居なきゃ私・・・」

 

露乃「冗談よ。」

 

彩「もう~酷いよ~!」

 

怒って露乃をポカポカ叩く。

 

露乃「ふふっ。だって・・・」

 

突然シャワーを喰らった。

 

梨ナ「あのさ。何時までイチャついてる訳?」

 

彩「イ・・・イチャついてなんか・・・」

 

梨ナ「はいはい私の事も忘れないでよね!」

 

浴槽にダイブした。

 

露乃「潮井!あんたって本当バカ!」

 

梨ナ「バカって言う方がバカなんです~。」

 

 

 

 

 

 

その頃悠は、家の裏にあるブルーシートを被った何かを見ていた。

 

悠「もうすぐこれが必要みたいだね。」

 

そう言って部屋へ戻って行く。

 

 

 

 

 

 

その頃洗面所では、彩のスマホの着信音が鳴っていた。

 

彩「はい。あっ小雨ちゃん?どうしたの?」

 

小雨『キヨちゃんからどうしても彩ちゃんに伝えたい事があるって伝言を頼まれて。あのね・・・』

 

しかし2人が居る場所が踏切だった為、電車の音で聞こえなかった。

 

彩「えっ何?聞こえない。」

 

 

 

 

バスルームから出た。

 

悠「え?彩?」

 

彩「は、悠さん・・・」

 

悠「い、いや、後ろ向いてるから。誰からの電話?」

 

彩「小雨ちゃん。」

 

悠「小雨ちゃんから?」

 

彼女は小雨から、ある事を聞いた。

 

彩「!!」

 

悠「彩?」

 

すると彩が崩れて泣いた。

 

悠「あ、彩?どうしたんだ?大丈夫?」

 

泣いてる彩が、悠に抱き付いた。

 

悠「彩・・・大丈夫。辛い事があったら僕が力になるよ。」

 

彩「ありがと・・・小雨・・・ちゃん。お願いが・・・あるの。」

 

果たして、小雨から何を言われたのか。そして彩のお願いとは何なのか。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
     雫芽さりな:山崎はるか

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

       朝霧要:岡本信彦
      直戸圭介:安里勇哉

       彩の父:小上裕通
       彩の母:増田ゆき

  サイト管理人・漆:中尾隆聖
  サイト管理人・捌:キズナアイ
  サイト管理人・弐:悠木碧

        組員:木内太郎
     男子生徒A:小林竜之
     男子生徒B:安田陸矢
     女子生徒A:清水彩香
     女子生徒B:古賀葵
      山井執事:小形満

      神崎賢也:緒方恵美

NEXT SITE「LAST SUMMER」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神崎賢也(かんざきけんや)

年齢・推定13歳

モデル・大空利空

アマゾン・ハダカカメガイアマゾン

野座間製薬出身のアマゾン実験体の少年。
不気味な笑顔を絶やさない。
8年前にアマゾンオメガに変身した悠と対立し、崖に突き落とされた。
しかし突き落とされた後に魔法少女サイトに救われて一命を取り留めた。
魔法少女サイトから魔法の力を貰い、所持者が持ってるステッキを使っても所持者の寿命が縮まない。
クズな人間を生きたまま心臓を抉り出す残忍。
2年前に起きた”黄金井市不良少年バラバラ事件”を引き起こした張本人。
彩のステッキを使ってえりかと荒井を廃墟へ瞬間移動させて、2人を生きたまま心臓を抉り取った。
露乃がさりなの首を切ったにも関わらず、自らがさりなの首を切ったと濡れ衣を着てさりなの怒りを買った。

実は同じアマゾン達を共食いした過去を持ってる。

最初は無差別に人間を餌にしようとしたが、いじめ、体罰、虐待、犯罪を多く見て、それらをクズだと断言し、それ以降クズな人間しか喰べないと決めた。

更に魔法少女サイトが作ったステッキを使って、ある計画を実行している。

イメージCV・緒方恵美
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ハダカカメガイアマゾン』

ランク・A

身長・192cm
体重・120kg

別名・クリオネアマゾン

神崎賢也が変身するクリオネ型のアマゾン。
全身が透き通り、頭に無数の触手・バッカルコーンがあるのが特徴。
頭部からバッカルコーンを伸ばし、人間を串刺ししてから心臓を抉り出す。
開いた頭部に入れて獲物を捕食する。
硬さは柔らかく、アマゾンの武器でも弾く事が可能。
唯一の弱点は、胸にある黒色の心臓。

デザイン・アークオルフェノクに酷似
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『黄金井市不良少年バラバラ事件』

2年前に黄金井市で起こった殺人事件。
廃工場で3人の15歳の少年が身体中バラバラにされ、更に心臓を刳り抜かれた状態で発見された。
3人の少年は、まだ幼い女の子をリンチして逮捕されたが、容疑を全て否認し、後に証拠不十分となり無罪放免で釈放されたと同時に、神崎の襲撃によって死亡した。
ある人物がリンチされた女の子を目撃し、そしてそこに現れた神崎が持ってるステッキによって蘇生された。

神崎は彼らを最低のクズと断言しており、『彼らはめそめそ泣きながら死んで行った』と心の声で発言した。

この事件はアマゾンである神崎の犯行であるが、最原竜我の右手に鉈が握られていた為、裁判所から最原が犯行を行ったと言う判決になった

目撃者・???

生存者・湖村愛里

死亡者・鴉間巽、最原竜我、久松翼冴

犯人・最原竜我

真犯人・神崎賢也(ハダカカメガイアマゾン)


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Episode7「LAST SUMMER」

自宅のアパート。

直戸「嘘だ・・・にじみんは・・・僕の天使は汚されてしまった・・・もうお終いだ。僕の幸せは何処にも無い・・・それもこれも彼奴の・・・彼奴のせいだ!」

彼は自分と虹海のツーショット写真を見て、要に恨みを抱いていた。




数日前のファミレス。虹海と仲良くなってる要に怒りをぶつけていた。

直戸(彼奴がにじみんをたぶらかし堕落させた・・・彼奴が天使の羽を散らせたんだ!)




再びアパート。

直戸「許さない・・・お前だけは絶対に・・・殺す・・・殺してやる朝霧要!」

写真に殺すと何度も書き、その真ん中に朝霧要を書いた。


後日。青空広がる浜辺。

 

虹海・梨ナ「海だ~!」

 

彼女達は海に来ていた。

 

梨ナ「よ~してめぇら!今日はがっつり遊びまくるぞ~!」

 

虹海「ちょっと!何であんたがリーダーっぽくなってるのよ!」

 

梨ナ「へっへ~。私を殺りたきゃここまでおいで~!べー!」

 

虹海「パンツがあれば今すぐ殺ってやるわよ!」

 

あさひ「でも確かに。」

 

みかり「来たからには遊ばなきゃ!」

 

紗雪「今日だけは存分に楽しもう。」

 

彩「奴村さん。楽しいこといっぱいしようね!」

 

露乃「ええ。」

 

すると彩は、露乃と手を繋いだ。

 

彩「行こ?」

 

露乃「・・・うん。」

 

海へ向かう2人。後ろには海パン姿の悠が立っていた。

 

悠「綺麗な海だ。でも海を見てると、あの時を思い出す・・・」

 

彼は、嘗てアマゾンアルファとして、多くのアマゾン達を狩った鷹山仁との対決を思い出した。

 

悠「いや、もう過去の話は止めた。僕も遊ぼうかな。」

 

清春「小雨ちゃん。」

 

小雨「分かってる。はぁ・・・今日だけは楽しい思い出に・・・」

 

 

 

 

海では、彩と露乃が楽しく遊んでる。

 

 

 

水鉄砲合戦をしてる虹海と梨ナ。

 

虹海「やったな!死ね~!」

 

梨ナ「甘い甘い!」

 

水鉄砲を避けた梨ナ。だが彼女の後ろに居るあさひの後頭部に命中した。

 

虹海・梨ナ「きゃあああああああああ!!!」

 

追って来るあさひから全速力で逃げる2人。

 

 

 

 

砂浜では、みかりが山井の体に砂を盛っていた。

 

 

海では、紗雪は浮き輪に乗ってのんびりしている。

 

 

砂浜では、梨ナは男達を逆ナンしている。男達は少し引いてる。

 

 

海では、彩と露乃とみかりと清春がカヌーをしていた。みかりは景色を眺めており、清春は景色を眺めているみかりに怒っている。

 

 

 

一方悠は、サーフボードに乗ってサーフィンをしていた。

 

 

 

砂浜では、彩達がビーチバレーをしていた。

 

 

 

その後スイカ割りをする。梨ナが目隠しをし、棒を持つ。

 

紗雪「もっと右だ!」

 

露乃「そうそのまま!」

 

梨ナ「うう・・・どっちが右だ?」

 

左へ進む。

 

露乃「バカ!そっちじゃ・・・」

 

みかり「良いわよ!そのまま直進!そうそうそこよ!ストップ!」

 

立ち止まった先には、体が砂に埋められてる山井が居た。

 

山井「ええ!?」

 

みかり「行っけ~!ぶちまかせ~!」

 

山井「えええええ!?みかり様ああああああ!!!!」

 

梨ナがお構い無しに棒を振り下ろした。

 

みかり「とても愉快だったわ山井。良く出来ました。」

 

ギリギリで回避出来た。

 

山井「で・・・では・・・」

 

みかり「ご褒美のハゲちゅっちゅ。」

 

悠「皆!スイカ切ったよー!」

 

切ったスイカを皆で食べる。

 

 

 

 

海の家。

 

清春「たまには、こう言うのも良いね。」

 

小雨「キヨちゃん。」

 

清春「ん?」

 

小雨「あの事、教えてくれてありがとう。」

 

清春「あっ・・・うん。」

 

小雨「はぁ・・・これで良かったんだよね。私達魔法少女の命にはタイムリミットがある。要はそれが来るのが早いか遅いかの話だもの。」

 

清春「うっ!」

 

突然清春が頭を抑えた。

 

小雨「どうしたの?」

 

清春「うん、また切れた・・・」

 

小雨「切れたって・・・仲間との通信?」

 

清春「うん。最近は沢山の魔法少女と繋がってるし、気のせいだとは思うんだけど・・・」

 

小雨「でも、それってまさか・・・」

 

清春「通信が途切れたのはコンタクトの浅い子ばかりだから正直まだ何とも言えない。だけど用心だけはしておいた方が良い。今日を良い思い出に終わらせたければ・・・」

 

 

 

 

 

 

女子更衣室では。

 

???「へへっ。」

 

ある男が何かを物色していた。

 

 

 

 

 

 

浜辺では、悠と彩と露乃が海を眺めていた。

 

悠「海は綺麗だなぁ。」

 

彩「うん。」

 

露乃「ねえ朝霧さん。」

 

彩「ん?」

 

露乃「今日の事計画してくれたのは、朝霧さんなんでしょ?」

 

彩「えっ?あっ・・・うん。思い出を作ろうと思って・・・」

 

悠「そうだね。皆との思い出を作らなきゃね。」

 

露乃「・・・・・」

 

彩「そ・・・それに皆で遊びに行けば結束も強まるかな~なんて。ほらこれから一緒にサイト管理人と戦う仲間なんだし・・・」

 

悠「勿論僕も仲間だよ。僕は君達を守らなきゃね。」

 

露乃「・・・・・」

 

悠「奴村さん?反応薄いよ?」

 

彩「えっと・・・あっ!そうだ奴村さんあれ!一緒にやってみようよ!」

 

露乃「ん・・・?うっ!」

 

空にある何かを見て嫌がっていた。

 

 

 

 

パラセーリング。

 

彩「わあ~!気持ち良い~!」

 

露乃「・・・・」

 

だが露乃は白目を向いていた。

 

彩「ふふっ、奴村さんにも苦手なものってあったんだね。」

 

露乃「よよ・・・」

 

実は、露乃は高所恐怖症である。

 

彩「奴村さん顔を上げて空を見て。そうすれば怖くないから。」

 

顔を上げると、綺麗な海と青空が見えた。

 

露乃「!!」

 

彼女は綺麗な景色を見て笑った。

 

彩「笑った!」

 

露乃「え?」

 

彩「奴村さんがそんなに楽しそうに笑うの初めて見た。嬉しい!」

 

露乃「・・・私も朝霧さんのそんな楽しそうな顔初めて見た。」

 

彩「え?」

 

露乃「出会った頃は何時も俯いて悲しそうな顔してた。でも今は違う。こうして顔を上げて2人同じ景色を見てる。」

 

彩「・・・・」

 

露乃「ねえ。私が初めて朝霧さんの部屋に行った時本当は何を考えていたか分かる?」

 

彩「えっ?何?」

 

露乃「この部屋女の子の匂いがするなって。」

 

彩「えっ!?えっ恥ずかしい・・・」

 

露乃「そんな事ない。甘くて優しい・・・ずっと昔どこかに置き忘れて来た大切なものの香り。」

 

彩「奴村さん・・・私奴村さんにも出会えて良かった。悠さんの他に奴村さんが居てくれたから私・・・ありがとう・・・」

 

彼女は嬉しくて涙を流した。

 

露乃「それは私のセリフよ。朝霧さん私と出会ってくれてありがとう。」

 

彩「・・・」

 

彼女はあの時を思い出した。

 

 

 

 

 

 

数日前、小雨から電話が来た時。

 

小雨『あのね、露乃ちゃんの命はもう長くない。もしまたステッキを多用すればその時は・・・』

 

あの時小雨が言った言葉は、露乃の寿命が長くない事だった。

 

 

 

 

 

 

彩「奴村・・・さん・・・」

 

露乃「やだ、まだ泣いてるの?泣き虫ね朝霧さんは。」

 

彩「もう一度・・・もう一度きっとまた一緒にこの海に来ようね。約束だよ。」

 

露乃「・・・そうね。きっとまた・・・2人でこの海に。」

 

2人は約束を交わした。

 

 

 

 

 

 

夕方になり、悠が私服に着替えて男子更衣室から出た。

 

悠「海楽しかったなぁ。そろそろ準備しないと。」

 

 

 

 

一方女子更衣室では、問題が起こっていた。

 

虹海「ええ~!?私のパンツが無いってどう言う事!?」

 

梨ナ「まさかてめぇ、奪ったパンツステッキずっと履いてたのかよ?」

 

露乃「誰が履くのよそんな物。」

 

虹海「そんな物って・・・酷いよ!」

 

何と虹海のステッキが無くなっていたのだった。

 

露乃「持って来てただけよ。朝霧さんの家に置いておいたら、雫芽さりなに狙われるんじゃないかと思って。」

 

梨ナ「ああ私の後継者だとか吹いてる女か。まだ生きてんのかねぇ。」

 

紗雪「何か分かるか?清春。」

 

魔法を使う。

 

清春「ううん。ここに居る皆の記憶を辿っても、誰1人盗んだ記憶は残ってない。」

 

あさひ「じゃあ一体誰が?」

 

 

 

 

 

 

その頃悠は、バイクに乗って駐輪場から出た。彼が乗っているのはジャングレイダーである。数日前までは、朝霧家の裏にあるブルーシートに隠してあったのだった。

 

悠「ん?この気配・・・彼奴か?でも何処だ?」

 

 

 

 

海の家の裏に、神崎が立っていた。

 

神崎「さて、これを使ってみようかな。」

 

彼の手にはある物が握っていた。

 

 

 

 

 

 

そして別の場所では。

 

直戸「殺してやる。殺す。僕の天使を汚し僕の幸福を奪った・・・僕は彼奴を・・・ん?」

 

浜辺で直戸がフラフラしながら歩いていると、目の前に要が後ろ向きで立っていた。

 

 

 

 

 

 

その頃女子更衣室では、ロッカーにこじ開けられた跡が残っていた。

 

みかり「こじ開けられた形跡があるわ。」

 

紗雪「と言う事は、明らかにステッキを狙った犯行だな。」

 

彩「でも誰が・・・?」

 

小雨「ステッキの力を知る誰か・・・」

 

清春「まさか管理人!?」

 

露乃「だけど、私が穴沢のステッキを所持してる事は、先生含んでここに居る人間しか知らないはずよ?」

 

虹海(まさかやっぱりそうなの?私のために?うんきっとそうだよ。ああ・・・なんてお優しいのお兄様!)

 

 

 

 

女子更衣室から出る。

 

悠「皆、遅かったね。」

 

彩「悠さん、にじみんのステッキが無くなったの。」

 

悠「虹海ちゃんのステッキが?誰かが盗んだの?」

 

露乃「いえ、私がステッキを所持してる事はここに居る全員しか知らないわ。」

 

悠「じゃあ一体誰が・・・」

 

 

 

 

 

 

別の場所では。

 

要「ん?」

 

後ろに振り向くと、直戸が立っていた。

 

要「あれ?君は・・・」

 

直戸「殺す殺す殺す殺す殺す・・・」

 

要「はあ?何言って・・・」

 

直戸「朝霧要!」

 

彼は包丁を出した。

 

要「え?」

 

直戸「お前は僕のにじみんをたぶらかした挙句彼女の天職を奪った。僕の天使を汚し堕落させた。お前だけは・・・お前だけは許さない!」

 

しかし要は冷静。

 

直戸「こ・・・こ・・・殺してやる。うっ・・・うわ~!!」

 

包丁を握って要を刺し殺そうとした。

 

 

 

 

 

 

数日前のファミレス。

 

要『魔法少女サイトって知ってるかな?』

 

虹海『あっ!どうしてお兄様がそれを?』

 

要『(ビンゴ!)やはり君も知っていたんだね。この所彩の様子がどうも可笑しいんだ。入院する程の怪我をしたのに急に治ってたり・・・そんな時噂を聞いたんだ。魔法少女サイトと言うのは一体何なんだい?」

 

虹海『そ・・・それは・・・』

 

要(もう一押し必要か。)

 

彼は虹海の両手を握った。

 

要『にじみん・・・君の事が心配なんだ。何か面倒な事に巻き込まれてるんじゃないのかい?こうして出会えたのもきっと運命だ。君の力になりたい。僕で良ければ全て話してくれないか?』

 

虹海『お兄様・・・』

 

要(全くちょろいメスガキだ。)

 

裏では悪事を企んでいる。虹海が全てを自白してしまった。

 

虹海『私のステッキは彩ちゃんと露乃ちゃんと先生に盗られてしまって、今は手元にないんです。』

 

要『彩と悠君がそんな事を?それはいけないな。取り返してあげたいけど・・・』

 

虹海『そ・・・そんなお兄様のお手を煩わせるなんて・・・』

 

要『所で君のステッキはどんな形で、何の能力があるのかな?』

 

虹海『それは・・・』

 

 

 

 

そして彼は、悠達が来てる海にこっそり訪れた。女子更衣室に潜入し、露乃のロッカーをこじ開けて虹海のステッキを奪ったのだった。しかしこれが、彼に災いが舞い降りて来る事を知る由も無かった。

 

 

 

 

 

 

現在に戻った。

 

直戸「お前は僕のにじみんをたぶらかした挙句彼女の天職を奪った。僕の天使を汚し堕落させた。お前だけは・・・お前だけは許さない!」

 

しかし要は冷静。

 

直戸「こ・・・こ・・・殺してやる!うっ・・・うわ~!!」

 

包丁を握って要を刺し殺そうとした。しかし。

 

要「跪け。」

 

突然体が勝手に跪いた。

 

直戸「何・・・だ・・・体が勝手に・・・」

 

要「包丁を置け。」

 

すると直戸は、強制的に包丁を置いた。

 

直戸「どうなってるんだ・・・」

 

要「あれ~?僕を殺すんじゃなかったっけ~?なあキモオタ。」

 

彼の左手首には、スペードの紋章が刻まれてあった。

 

直戸「な、何なんだお前・・・何なんだ・・・」

 

要「僕はね。お前みたいなクズを見てると虫唾が走るんだよ。僕が一番嫌いなクズの中でも最低最悪最底辺のクズ。何の取り柄もないバイト風情のクソ無能がくっだらねぇアイドルなんかのケツ追い掛けけて一喜一憂しやがって。てめぇの人生他人に依存してんじゃねぇよ!」

 

直戸「・・・!!!」

 

要「何が「僕のにじみん」だこのアホが!アイドルの事を自分の物だと勘違いしている寒いDT野郎なんか生きてる価値ねぇんだよ。バ~カ。」

 

直戸「くっ・・・!!お前・・・!!」

 

要「何だよ?悔しいのかよ?ええっ?人間の中でもザコ中の底辺の癖にさぁ。ええ~?ブッサイクな顔!マジウケんだけど。ひひひっ!ひひひひっ!ああ~それともう1つ良い事を教えてやろう。僕は今お前がそのくっだらねぇ人生を懸けて追い掛けていたアイドル・・・そのアイドルの・・・」

 

彼はズボンのベルトを解いて脱いだ。そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「穴沢虹海の使用済みパンツを履いている!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何と虹海のステッキがあったのだった。

 

直戸「っ!?・・・!?」

 

要「げはははははははは!!!どうだ?見ろ。これがお前の人生を捧げたアイドルの履いていたパンツだ!」

 

直戸「ぐっ・・・!!!」

 

要「そのパンツを僕は今直履きしている!お前が数十数百万と注ぎ込んでも握手しか出来なかった女のパンツを僕は履いている!」

 

直戸「ぐぅ~・・・!!」

 

要「んん~!良い良い良い~!その屈辱的な表情~!堪んないね~!お前のようなクズの人生観人間性人格全てを否定するのが僕にはたまらないよ~!」

 

直戸「ああぁ・・・」

 

要「ああ~五月蝿ぇ。」

 

跪いてる直戸の頭を足で踏んだ。

 

要「なあ分かった?世の中はね。弱肉強食なの。お前みたいなクズはねそうやって地べたをはいずり回って生きていくって運命レベルで定められてるの。なのに僕を殺すだって?はあ~?お前みたいな底辺どクズは1人で勝手に死んでろ。ひっそり誰にも気付かれずに。2度と生まれ変わるな。」

 

直戸「・・・して・・・」

 

要「あぁ?何?聞いてんの?」

 

直戸「殺してやる・・・殺してやる・・・」

 

要「ぶふ〜!いや死ぬのお前だけどね。はい包丁持って~。」

 

直戸「あっ・・・」

 

ステッキの力を使って、彼に包丁を持たせてあげた。

 

要「っで、そのまま沖へ向かいましょう~。」

 

そのまま直戸を沖へ向かわせた。

 

直戸「嫌だ・・・嫌だ・・・嫌だ・・・」

 

要「どうせお前の人生なんて嫌な事から逃げて来たんでしょ?最後ぐらい逃げんなよ。じゃあねキモオタ。心臓に包丁を突き立てて自殺しろ。」

 

直戸「にじ・・・みん・・・」

 

包丁で心臓を突き刺して、彼は自殺してしまった。

 

要「うん・・・あれ?全然心が痛まないぞ。そりゃそっか。クズだもんな。良かったね~魚の餌になれて。」

 

 

 

 

その光景を、悠と彩が見てしまった。

 

悠「か、要・・・!?何故・・・!?」

 

彩「あっ・・・嘘・・・お兄ちゃん・・・」

 

 

 

要「ん?」

 

後ろに振り向くが、誰も居なかった。

 

 

 

2人は物陰に隠れてる。

 

彩(どうしてお兄ちゃんがにじみんの・・・それにあの人・・・)

 

悠(まさか・・・彼奴が虹海ちゃんのステッキを奪ったのか・・・?)

 

梨ナ「お~い朝霧!水澤〜!こんな所に居たのかよ。」

 

露乃「海の家周辺をしらみつぶしに捜したけど手掛かりは無かったわ。諦めましょう。」

 

梨ナ「ほら、帰るぞ。」

 

悠・彩「・・・・・」

 

露乃「朝霧さん?先生?」

 

彩「う、うん・・・」

 

悠「い、今行くよ。」

 

2人が後ろに振り向くと・・・

 

彩「ひぃっ!?」

 

悠「っ!?」

 

 

 

 

 

 

恐ろしい顔をした要が覗いていた。

 

 

 

 

 

 

悠「彩、見るな!」

 

すぐに彩を自分の後ろに隠した。

 

悠(要・・・何故君が・・・!?何故虹海ちゃんのステッキを・・・!?)

 

 

 

 

 

 

夜。彩達を乗せたバスが移動中。そのバスの前には、ジャングレイダーに乗った悠が走行している。

 

車内では。

 

清春「飴ちゃんどうぞ~。」

 

露乃「ありがと。」

 

清春「はい彩ちゃんも。」

 

彩「ありがとう。」

 

露乃「やっぱり妙よね。」

 

彩「え?」

 

露乃「穴沢のステッキの事よ。どう考えても私達以外に内部の事情を知る者が居る・・・雫芽さりな?管理人?違う、奴ならこんなやり方はしないわ・・・だとしたら、誰が一体何の為に?」

 

彩(どうしよう・・・とても言えない・・・)

 

ステッキを盗んだ犯人は、自分の兄だと言えなかった。

 

 

 

 

ジャングレイダーに乗ってる悠。

 

悠(要、何故魔法少女サイトの存在と、彼女達魔法少女の事を・・・あの目・・・僕には分かる。要は確実に何か企んでる。災いが起こりそうな事を・・・けど何としてもそれを阻止しなければ・・・)

 

 

 

 

 

 

道路を走行してるタクシーには、要が乗っている。彼は虹海のステッキを使ってタダで乗り込んでる。すると要は、自分の腹部を抑え始めた。

 

要(ぐっ!?・・・な、何だこの痛みは・・・?)

 

彼の体内には、ある物が潜んでいた。

 

 

 

 

 

 

そしてバスの車内では。

 

清春(まさかこんな事になっていたとはね。女の子に隠し事は付き物だって言うけれど・・・)

 

魔法の力でお見通しだった。

 

彩(だけどどうすれば・・・もしこの事を打ち明けたらお兄ちゃんはきっと皆に殺されてしまう・・・)

 

清春(確かに、今後の事を考えてもそれは避けたい事態よね。それにしても情報の漏洩元がにじみん本人だったとは・・・)

 

全ての発端は、虹海だった。だが彼女はこの非常事態に気付いていなかった。

 

清春(出来れば誰も傷つかないようなるべく穏便に事を収めたい所だけど・・・さてどうするか・・・)

 

 

 

 

 

 

一方閉まってる海の家では、神崎が自販機でジュースを買って飲んでいた。

 

神崎「まさか彼がステッキを持っているとはね。でも、そんな彼はもう終わりに近い気がする。これがあればね。」

 

右手にはある物が握られていた。

 

神崎「さてと、次の場所へ行きますか。」

 

ジュースを飲み干してゴミ箱に捨てて、次の場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

そして、直戸が自殺した現場の浜辺では。美炭貴一郎と警官達が来ていた。

 

鑑識員「死亡推定時刻は本日の夕方。死因は失血死。状況から自殺と思われます。」

 

美炭「自殺?躊躇い傷も無く胸をひと突きでか?臭いな・・・」

 

白い手袋を嵌めて直戸の遺体を調べようとした時。

 

刑事「美炭さん!仏さんの所持品にこんな物が。」

 

持って来たのは、直戸が持っていた要へ対する強い恨みを書いた写真だった。

 

美炭「これは?」

 

刑事「何か怖いっすね・・・」

 

美炭「ああ。だが・・・ん?朝霧要・・・」

 

写真に、要の名前が書かれてある事に気付いた。

 

 

 

 

 

 

その頃虹海は、実家へ帰る途中だった。

 

要「おかえりにじみん。きっと君なら分かってくれると信じてた。」

 

そこで待っていたのは、要だった。

 

虹海「お兄様!ではやっぱり・・・」

 

要「君に1つ伝えたい事があるんだ。とても大切な事だよ。」

 

彼は、虹海の耳元に顔を近付けた。

 

要「にじみん。これからは何があろうと僕の・・・」

 

 

 

 

 

 

そして、管理人達は。

 

壱「遅いぞ。」

 

漆「いや~ごめんごめん。ちょっと仕込みに忙しくってさぁ。」

 

海を満喫したように漆が帰って来た。

 

弐「どう見ても遊んで来たっちゅう格好やないけ。」

 

捌「漆はん偉い余裕どすなぁ。」

 

漆「働き過ぎかなぁ。暇なチミ達と違って。」

 

弐「はあ?何言うてんねん。頭沸いとんのか?」

 

捌「羨ましいわぁせわしのうて。貧乏暇なしやなぁ。」

 

漆「やれやれ、口だけは達者だもんね。」

 

弐「何やわれ?もういっぺん言うてみい。」

 

捌「野蛮なお人らは敵わんなぁ。」

 

壱「無駄話はいい。座れ。」

 

漆「やれやれだねぇ。」

 

壱「テンペストによる新世界樹立の為、更なる不のエネルギーを王は欲しておられる。諸君。嵐の時は近い。」

 

果たして、不のエネルギーを欲しがっている王の正体は何なのか。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
      潮井梨ナ:鈴木愛奈

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

       朝霧要:岡本信彦
      直戸圭介:安里勇哉
     美炭貴一郎:鈴木達央

  サイト管理人・漆:中尾隆聖
  サイト管理人・捌:キズナアイ
  サイト管理人・弐:悠木碧

        刑事:木内太郎
       鑑識員:関幸司
      山井執事:小形満

      神崎賢也:緒方恵美

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Episode8「GOD IS NOT ABANDONED ME」

夜の燐賀家。

組員達「おかえりなさいませ!お嬢!」

大勢の強面の組員達が出迎えた。

紗雪「ただいま。」

悠「ここが、紗雪の家・・・」

紗雪「この通り、我が家の防犯システムは万全だ。」

沢山の監視カメラ、無数の感知レーザーなどもあった。

紗雪「パンツステッキ盗難の件が片付くまで、うちでゆっくりして行ってくれ。」

悠「あ、ああ。」

梨ナ「いや!こんなん休まらねえわ!!」

露乃「・・・取り敢えず、今夜は安眠出来そうね。ん?」

だが彩は俯いていた。

紗雪「悠さん。」

悠「ん?」

紗雪「後で話したい事がある。」

悠「何?」




その頃バスでは。

みかり「あさひちゃん!暗いから気を付けてね!」

あさひ「今日は楽しかった。じゃあな。」

バスを降りたあさひに手を振った。

みかり「・・・ねぇ清春。」

清春「・・・」

みかり「あなた、さっきからずっと何を企んでますの?」




同じ頃、別の場所では。

神崎「さて、ご飯の時間だ。」

右手に持ってるある物が光った。


その頃虹海の実家では。

 

要「流石国民的アイドル。凄い所に住んでるね。でも、寂しくないのかい?こんな広い部屋で一人暮らしなんて・・・」

 

虹海「ア、アイドルの時は、ファンの方達をステッキで操って、お手伝いしてもらってたので。」

 

要「へぇ〜。君も中々やるねぇ。悪い子だ。」

 

クールな顔とクールな台詞を聞いた虹海に、キューピッドの矢が刺さった。

 

虹海「はううぅぅぅ・・・・・・そ、それはそうとお兄様・・・」

 

要「ん?」

 

虹海「やっぱり、お兄様だったんですね!私のパンっ、・・・ステッキを取り戻してくれたのは。」

 

要「ああ。」

 

虹海「はわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

妄想の中。虹海が姫で、要が勇者になってる。

 

要『さぁ、これを。僕のプリンセス。』

 

 

 

 

そんな妄想してる虹海だった。

 

要「このパンツ、凄く良いな。」

 

虹海「ん?」

 

要「お座り。」

 

ステッキを使って、虹海を正座させた。

 

要「にじみん、君と出会えたこの運命に心から感謝するよ〜。」

 

髪の毛が白く変色した。

 

要「こんな素晴らしい物が手に入れる事が・・・出来たんだからね!!」

 

目にスペードの紋章が浮かび上がった。

 

虹海「お兄・・・様・・・?」

 

 

 

 

外では、誰かが立っていた。

 

 

 

 

要「ごめんねぇ〜。履いちゃった〜。」

 

虹海「っ!?嘘・・・やだ・・・!どうして・・・!?だって、お兄様は私の為に!!」

 

要「はぁ?何を言っているんだ?もうこれは、僕の物だ〜。」

 

虹海「わ、分かった!お兄様は私の寿命を減らさない為に、私の代わりに履いて下さっているのですね?」

 

要「寿命〜?ふぅ〜ん、そう言うシステムなのかぁ。良い事を聞いたなぁ〜。」

 

虹海「あ・・・・れ・・・・?」

 

要「君はもう用済みだぁ。」

 

虹海「嫌!!嘘・・・嘘・・・嫌です!!そんな!お兄様!!!!止めて下さい!!!お願いです!!!何でもしますから!!!!何でもしますから!!!!」

 

要「・・・・・・・・・・無理。」

 

彼は、1つのロープを投げた。

 

要「さぁ、縄を手に取って〜。」

 

抵抗したいが、ステッキの力で強制的にロープを取ってしまった。

 

要「君にはそれで・・・首を・・・」

 

しかし誰かが要の首にラリアットした。

 

要「ぐあっ!?」

 

ラリアットされた要が飛ばされた。ラリアットした人物は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝口あさひだった。

 

あさひ「今まで色んなクズに出会ったけど、あんたはその中でダントツの・・・」

 

 

 

 

 

 

清春・あさひ「クズよ!!!!」

 

バスの中に待機している清春もクズと発言した。

 

 

 

 

 

 

虹海「あ、あさひ・・・ちゃん・・・どうしてここに・・・?」

 

 

 

 

外では。

 

???「面白くなりそうだ。」

 

 

 

 

マンションの部屋。

 

要「ぐふふ、ぐははははは〜・・・・成る程〜、そいつが身体能力を増強させるステッキの持ち主かぁ。」

 

フラフラになりながら立ち上がった。

 

要「にじみ〜ん、君がお喋りで助かったよ〜。それにそいつのその目・・・・・対象を意識操作するステッキの持ち主に操られてるなぁ〜?いやぁ、君のお仲間は実に興味深い。だが、僕にはこれがある。」

 

虹海「っ!!」

 

要「大人しく術者の元に戻り、その手で操ってる者を殺・・・ぐおあああああ!?」

 

命令を下してる最中に、あさひに顔面を殴られた。

 

 

 

 

バスの中。

 

清春「ふぅ・・・間一髪で間に合ったみわね。後は・・・うっ!?」

 

突然清春が苦しんだ。

 

 

 

 

マンションの部屋では、あさひが虹海に首をロープで絞められていた。

 

あさひ「ぐ・・・あ・・・ぁ・・・・!!!」

 

虹海は今、要の持つステッキで操られていた。

 

要「残念だったなぁ・・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

口から大量の吐血を吐いた。

 

要「対策を取っておいて・・・正解だったよぉ・・・そのガキには予め・・・暗示を掛けてある・・・」

 

彼は、先程虹海と出会った直後に既に操っていたのだった。

 

要「あぁ〜、いってぇ〜・・・これ骨逝ってるなぁ〜。」

 

またもやフラフラしながら立ち上がった。あさひは首を絞められて苦しんでる。すると虹海が気付かれないように少しずつロープを緩めた。

 

要「はっ!お前ら無能とは違って・・・僕は2歩3歩4歩先まで見据えている〜。それが天才と凡才の違いだよぉ〜。さぁ、お飯事は終わりだぁ。その手で・・・ぐっ!?」

 

突然要が腹を抑えて苦しみ始めた。

 

あさひ「え・・・!?」

 

要「な・・・何だ・・・!?またこの痛み・・・!!何なんだ・・・!!」

 

彼の体内には、ある物が侵食していた。

 

あさひ「今だ!!」

 

すぐにジャンプして、要の顔面にキックした。

 

要「ぐおああああああ!!!!」

 

その隙にあさひが全速力で逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

外からあさひが逃げて行く光景を見た人物は。

 

???「さて、面白くなりそうだ。」

 

その場から去って行った。

 

 

 

 

あさひは、清春とみかりの元へ戻って行った。

 

清春「あさひちゃん!」

 

あさひ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

清春「大丈夫?」

 

あさひ「あ、ああ・・・何とか・・・」

 

みかり「一体、何がありましたの?」

 

あさひ「あの男が突然苦しんで、その隙に逃げた・・・」

 

 

 

 

 

 

マンションでは。

 

要「くそ・・・!足が・・・!しかも顔面の損傷が・・・激しい・・・それにこの腹の苦しみは何だ・・・?まぁ考えるのは後で、今はあれが必要だぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃燐賀家にある離れでは。

 

悠「え?僕がアマゾンだって事知ってるのか?」

 

紗雪「ああ。実は私の親戚が嘗て野座間製薬の職員だった。アマゾンが脱走したと同時に駆除班に配属され、悠さんがアマゾンになった光景を目にしたと言ってた。」

 

悠「そうか・・・それって、君の家族も知っているのか?」

 

紗雪「無論だ。だが私達はそなたを敵視しない。仲間として認めている。」

 

悠「あ、ありがとう。」

 

紗雪「さて、そろそろ風呂にするか。」

 

悠「あ、そうだ紗雪ちゃん。ちょっとゆで卵が欲しいんだけど良いかな?風呂上がりでも良いから。」

 

紗雪「ああ、部下に伝えておく。」

 

 

 

 

風呂から上がった大広間では。

 

梨ナ「ごく・・・ごく・・・ごく・・・ぷはぁ〜!美味え〜!!やっぱり風呂上がりはこれだよな〜!」

 

ジュースを飲んでる梨ナ。

 

悠「ふぅ〜・・・良い温泉だったよ。」

 

ゆで卵を食べてる悠。

 

紗雪「フッ。遠慮せずにやってくれ。」

 

露乃「ん?」

 

まだ彩は俯いている。

 

露乃「・・・あの、朝霧さん。」

 

”バリーーーーン”

 

突然窓ガラスが割れた。そこには、箒のステッキに乗ったみかりと清春と、高速ダッシュで来たあさひが到着した。

 

みかり「大変ですわ!!」

 

紗雪「何があった!」

 

あさひ「虹海が操られて、襲われた!」

 

悠「襲われた!?誰に!?」

 

清春「・・・眼鏡の男だ・・・」

 

悠「眼鏡の男・・・まさか・・・要!?」

 

彩「えっ!?」

 

露乃「彩のお兄さん・・・!?」

 

悠「まさか、今要は何処に!?」

 

あさひ「分からない・・・」

 

彩「こうなったのも・・・私の責任だ・・・」

 

悠「自分を責めるな彩!僕の責任だってあるんだ。」

 

露乃「どう言う事なの?」

 

 

 

 

 

 

外では、大勢の組員達が倒れていた。

 

彩「にじみんのステッキを奪い、にじみんを操って、あさひちゃんを襲わせたのは・・・私のお兄ちゃんなの・・・」

 

梨ナ「って!何で朝霧の兄貴が出て来るんだよ!!」

 

悠「見てしまったんだ・・・皆がバスに乗る前に、海岸で虹海ちゃんのステッキを使って、1人の男性を自殺させた要の姿を・・・」

 

彩「私も、見てしまった・・・」

 

梨ナ「てめぇ・・・知ってたんなら何で言わなかったんだよ!!!」

 

みかり「そうですわよ!!もし知っていたなら・・・!」

 

露乃「言わなかったんじゃないわ・・・言えなかったのよ。問題の原因が、自分の兄だって。」

 

梨ナ「え?」

 

清春「彩ちゃん・・・」

 

悠「清春君、君は彩の心情を組んで、誰かに知らされる前に処理しようとしてたんだろ?」

 

清春「え?何でそれを・・・?」

 

悠「分かった気がしたんだ。」

 

彩「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・・」

 

悠「僕からも言わせてくれ。ごめん・・・」

 

紗雪「静かに!来る!」

 

みかり「え?何が?」

 

 

 

 

外から足音が聞こえた。

 

 

 

 

悠「・・・彩、そこにあるバッグをこっちに。」

 

彩「う、うん・・・」

 

置いてあるバッグを、悠に持って来た。

 

悠「ありがとう。」

 

バッグを開けて、アマゾンズドライバーを取り出す。

 

悠「みかりちゃん、清春君と一緒に下がって。」

 

みかり「分かりました。」

 

清春とみかりが後ろに下がり、全員が構える。

 

梨ナ「何・・・だよ・・・?」

 

 

 

 

 

 

要「ばぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

暖簾から要が顔を出した。紗雪とあさひが一斉に攻撃を仕掛ける。

 

紗雪・あさひ「はあああああああああ!!!!!」

 

要「お座り。」

 

しかしまだ虹海のステッキを履いていた。全員がその場で座ってしまった。

 

あさひ「ば、バカな・・・!!」

 

紗雪「動けない・・・!!」

 

悠「虹海ちゃんのステッキを・・・!!」

 

みかり「こ、こんなのズルですわ!!」

 

梨ナ「く、くそ・・・!!指1本動かない・・・!!」

 

要「ん〜、いやぁ〜。本当に良い物を手に入れた〜。」

 

彼は彩の前に立った。

 

悠「要・・・!!」

 

要「お前のお陰だよ。彩。」

 

彩「お兄ちゃん・・・!!絶対に許さない・・・!!」

 

要「おいおい、何て顔でお兄ちゃんを見てんだよ!!!!!!」

 

激怒して彩の腹を蹴った。

 

彩「うっ!!」

 

悠「要・・・・!!!!」

 

露乃「お前・・・!!!」

 

要「お前とは失礼だなぁ。減点1。全く、どいつもこいつも。ん?」

 

小雨が持ってるステッキが落ちてあった。

 

要「此奴が傷を治す治癒のステッキか。」

 

露乃「何故それを・・・!?」

 

悠「何故ここだって分かった・・・!?答えろ!!!要!!!」

 

梨ナ「穴沢・・・」

 

露乃「え・・・?」

 

 

 

 

 

 

穴沢虹海の姿がここにあった。

 

 

 

 

 

 

悠「虹海ちゃん・・・!?まさか・・・!!」

 

要「丁度良かった。気が進まないが、飲ませてもらうよ。」

 

彼は小雨のステッキを持って、彩の右手を握って、掌を切った。

 

彩「っ!!!」

 

悠「彩!!!」

 

掌から血が溢れ出し、要がその血を飲み始めた。

 

悠「・・・・・!!!!」

 

要「美味いぞ〜。効いてきたぁ〜。」

 

再び彩の血を飲む。

 

彩「いや・・・いや・・・止めて・・・!!お兄ちゃん・・・!!」

 

要「・・・はぁ〜、不味。」

 

血を吸われた彩が倒れた。

 

悠「彩・・・!!!」

 

要「だがこれで元通りだぁ〜。へ、へへへへへへへへ!!!感謝してるぞぉ〜、クズメス共おおおおおお!!!!!げはははははははははは!!!!!」

 

紗雪「この・・・・外道が!!!!」

 

要「あぁ〜?おやおやぁ、これは。」

 

紗雪「貴様!!」

 

彼女のステッキを奪った。

 

要「ふぅ〜ん?これが斬った物を硬化させるステッキかぁ。にじみん、他のステッキを全て回収しろ。」

 

虹海「はい。」

 

命令された虹海が、彼女達のステッキを回収した。そして、清春のステッキを回収しようとしたが。

 

清春(にじみん・・・にじみん聞こえる・・・?私を!!)

 

テレパシーで虹海が解放された。

 

清春(良かった、どうやら魔法の上書きが出来たみたいだね。)

 

虹海(清春・・・ちゃん・・・?)

 

清春(そう。そのまま動かず黙って聞いて?この最悪な状況を断ち切れるのは、彼しか居ない。)

 

虹海(どう言う事・・・?)

 

清春(私達は、ステッキの力で動けない。だがステッキを持っていないのは悠さんだ。)

 

虹海(え・・・?彼が持ってるのは一体?)

 

清春(その話は後で。今あのクソ兄貴を止められるのは、悠さんだけだ。)

 

虹海(は、悠さんが?)

 

清春(お願い。そうにか不意を付いて、悠さんを解放させて!)

 

虹海(私が、悠さんを・・・?)

 

泣いてる彩の頭に、要が足を踏ん付けた。

 

要「あぁ〜?何泣いてんだよ〜?彩ああああ!!!」

 

悠「要・・・!!止めろ・・・!!」

 

要「黙れよクソ男。お楽しみはこれからなんだぞ!!!!」

 

そして彩の顔面を強く蹴った。

 

彩「がはっ!!!」

 

悠「!!!!!!」

 

彼は彩がやられてる光景を見て、怒りが頂点に達した。

 

悠「止めろ・・・!!要・・・!!」

 

要「あぁ〜?」

 

悠「これ以上・・・彩に・・・手を出すなああああああああ!!!!!!!!」

 

怒りが爆発し、自らの意思で立ち上がった。

 

要「何!?」

 

虹海「え!?」

 

彩「悠・・・さん・・・!?」

 

悠「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」

 

激怒して要に歩み寄る。

 

要「な・・・何だよお前・・・!?おい!!座れ!!」

 

しかし悠には効かなかった。

 

要「座れよ!!座れつってんだよ!!このクソが!!!!!!」

 

だが、悠はステッキの力に屈しなかった。

 

要「何で動けるんだよ!!!!!おいにじみん!!!!此奴をどうにかしろ!!!!!」

 

虹海「・・・え?」

 

だが何故か、虹海はその命令に操られてない。

 

要「おい聞こえてんのか!!!!!!此奴を殺せよ!!!!!!」

 

虹海「な、何で・・・?何で操られないの・・・?」

 

要「チッ!使えねえゴミ共め!!おるああ!!」

 

懐からナイフを出して、虹海に向けて投げた。

 

虹海「っ!?」

 

要「ハッハッハッハッハッ!!!死ねやああああああ!!」

 

”ザクッ!”

 

虹海「・・・・・あ、あれ?」

 

要「な、何で死んでねえんだよ!!・・・っ!?」

 

ナイフが刺したのは、要の右腕だった。

 

要「ぐあああああああああ!!!!!な、何でだああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

それは、悠がアマゾンズドライバーで跳ね返したからだった。

 

 

 

 

 

 

要「悠・・・貴様あああああああああ!!!!!!!」

 

悠「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

 

”ドゴーーーーーーーーン”

 

要「ぐおああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

悠が要の顔面を力強く殴り、外へ放り出した。それと同時に全員が動けるようになった。

 

梨ナ「う、動ける!」

 

清春「解放された!」

 

露乃「朝霧さん!」

 

倒れてる彩を起こす。

 

露乃「大丈夫?」

 

彩「奴村さん・・・」

 

 

 

 

中庭。

 

要「ゲホッ!ゲホッ!な・・・何なんだよお前!!!!」

 

悠「要、僕が狩りたい人間は、君が初めてだ・・・・」

 

要「な、何言ってんだよお前!!!!」

 

悠「これ以上、僕の守りたい者を傷付けるなら、僕は君を駆除する!!!」

 

腰にアマゾンズドライバーを装着した。

 

要「な、何だそのステッキは!?」

 

悠「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

 

そして獣のように声を枯らす程の咆哮を上げた。

 

要「五月蝿え五月蝿え五月蝿え!!!何なんだお前は!!!」

 

アマゾンズドライバーの左のアクセラーグリップを捻った。

 

『OMEGA』

 

電子音声が鳴ったと同時に、悠の体内に潜んでるアマゾン細胞が刺激された。

 

悠「アマゾン!!!!!!!」

 

叫んだと同時に、悠が緑色の炎に包まれた。

 

『EVOLU-EVO-EVOLUTIONE』

 

要「うわっ!?」

 

 

 

 

彩「っ!!」

 

露乃「っ!!」

 

梨ナ「っ!!」

 

みかり「何ですの!?」

 

紗雪「・・・!」

 

清春「・・・!」

 

虹海「っ!?」

 

 

 

 

要「・・・っ!?」

 

炎が晴れると、そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アマゾンオメガの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

要「な、何だその姿!?」

 

アマゾンオメガは、体勢を低くして構える。

 

要「そんな化け物の姿になったくらいで、僕に勝てるとでも思ってるのか!!!!!」

 

紗雪が持ってたステッキを強く振り下ろした。だが、アマゾンオメガが右腕のアームカッターで防いだ。

 

要「な!?」

 

悠「これ以上は止めろ・・・殺されたくなければな!!!」

 

要「五月蝿え!!!!僕は神になる男なんだ!!!!神は僕に力を与えてくれたんだよ!!!!」

 

悠「神なんて、この世に居ない!!」

 

要「何だと〜!!!!!!」

 

悠「ハァッ!!!」

 

要「ぐああああああ!!!」

 

強く蹴り飛ばした。

 

悠「ヴェアアアアアアア!!!!!」

 

高くジャンプして、要にマウントポジションした。

 

悠「ウオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

そのまま要の顔面を殴り続ける。

 

要「がはっ!!がぁっ!!」

 

悠「僕は守りたい者を守る為に戦う!!!!例え君が人間でも、守りたい者を傷付けるなら僕は容赦しない!!!!!」

 

殴り続けられてる要の顔面に大量の流血が流れた。

 

要(く、くそっ!!!何なんだよ此奴・・・!!!!)

 

アマゾンズドライバーの右のバトラーグリップを引き抜いて、両手でアマゾンブレイドを握って振り上げる。

 

『VIOLENT BREAK』

 

悠「ウオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

アマゾンブレイドを振り下ろして、顔を串刺そうとしたその時。

 

 

 

 

 

 

彩「止めて!!!!」

 

悠「っ!?」

 

 

 

 

 

 

見ていた彩が叫んだ。

 

悠「彩・・・?」

 

彩「もう止めて・・・悠さん・・・!」

 

悠「でも、要は君達を・・・」

 

彩「例え私達を殺そうとしても、お兄ちゃんは私の家族なの!!!」

 

悠「っ!」

 

すると要が、アマゾンブレイドを奪い取った。

 

要「おるあああ!!!!」

 

そして、アマゾンオメガの腹部を何度も串刺した。

 

悠「がはっ!!!」

 

彩「悠さん!!!」

 

露乃「先生!!!」

 

梨ナ「悠!!!!」

 

刺されたアマゾンオメガの腹部から大量の血液が溢れ出た。

 

要「助かったよ彩ぁ。僕を助けてくれてぇ。」

 

感謝しながら、彩達の方へ歩む。

 

要「さぁ、僕に忠誠を尽くせ!逆らうと即殺す!!」

 

悠「させない!!」

 

要「あぁ〜?そんなボロボロな体で何が出来るんだぁ?もう瀕死状態じゃねえかぁ。」

 

しかし、アマゾンオメガの腹部が一瞬にして完治された。

 

要「なっ!?」

 

彩「傷口が、治った・・・」

 

彼の体内に寄生してるアマゾン細胞の力で、一瞬にして傷口が完治された。

 

要「な、何で傷口が治るんだよ!!!!!」

 

悠「・・・・・」

 

要「治ったぐらいで調子に乗んじゃねえぞ!!!顔を刺せば殺せる!!!!!」

 

アマゾンブレイドを持って、アマゾンオメガの顔目掛けて串刺そうとする。

 

彩「止めてええええええ!!!!!!」

 

要「死ねやああああああああ!!!!!!!!」

 

しかしその時。

 

要「っ!!うぐっ!!!!」

 

悠「っ!?」

 

再び要が苦しみ始め、持っていたアマゾンブレイドを手放した。

 

要「ま・・・まただ・・・!!!何だよこの痛みは!!!!!」

 

彼の体内に潜んでいた物が侵食したその時。

 

要「うわああああああああああああ!!!!!!!」

 

体内から煙が噴射した。

 

悠「これは・・・まさか!!!」

 

彩「お、お兄ちゃん・・・!?」

 

煙が晴れるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼岸花と酷似した異形の怪物が姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「っ!?」

 

要「な、何だこの姿・・・!?何なんだよこの姿はあああああああ!!!!」

 

???「あ〜あ、遂になっちゃったか。」

 

悠「っ!?」

 

要「っ!?」

 

 

 

 

 

神崎賢也が、物陰から姿を現した。

 

 

 

 

 

 

露乃「あ、彼奴は!」

 

彩「神崎、君?」

 

梨ナ「誰だ彼奴?」

 

 

 

 

神崎「水澤君、また会ったね。」

 

悠「神崎、何で君がここに?」

 

神崎「そりゃあ勿論、彼女達の手助けさ。」

 

悠「手助け?どう言うつもりだ?」

 

神崎「忘れちゃったの?僕はクズな人間しか喰べないって。あの子達を喰べるつもりは無いよ。」

 

要「おい・・・何だてめぇは!!!」

 

神崎「僕は神崎賢也。朝霧要君、君の今までの行動をずっと監視してたんだよ?」

 

要「監視・・・だと・・・!?」

 

神崎「そしたら最終的に、僕達と同じアマゾンになってしまうとはねぇ。」

 

要「アマゾン・・・だと・・・!?何だそれは・・・!?」

 

神崎「簡単に言えば、僕達と同じ化け物って意味だよ。」

 

彼は体内から煙を噴射させ、ハダカカメガイアマゾンへと姿を変えた。

 

要「化け物・・・だと!?巫山戯るな!!!!」

 

すると要のアマゾンの体内から煙が噴射され、要の姿に戻った。

 

神崎「へぇ〜、自らの意思で元の姿に戻れるなんて、これまた興味深いね。さっきの姿からすると、彼岸花だね。要君、もう君には希望も残されてないよ。」

 

要「希望が無い・・・だと!?」

 

神崎「君が履いてるそのパンツのステッキ、精巧に作られてるだろ?」

 

要「精巧に・・・!?どう言う意味だ!!!!!」

 

神崎「だってそれ、僕の作った偽物さ。」

 

要「っ!?」

 

 

 

 

彩・露乃・梨ナ・虹海・清春・小雨・紗雪・みかり「え!?」

 

 

 

 

要「偽物だと・・・!?」

 

神崎「本物のステッキはここさ。」

 

彼の右手には、本物の虹海のステッキが握られていた。

 

要「なっ!?」

 

神崎「まさか自分が偽物を履いたとは知らずに命令を下していたとは、これまた嗤えるね。」

 

要「どう言う事だよ!!!!!あの時僕が命令したらあのメスガキ達が聞いてくれたんだぞ!!!!!」

 

神崎「あれ、僕が命令したんだよ。」

 

要「何だと・・・!?」

 

神崎「僕はずっと、君達の近くに居たんだよ?」

 

 

 

 

彩達が海に来た時は、海の家の裏に隠れて監視していた。

 

 

 

 

要が直戸を殺害しようとしてる時は、遠くにある岩陰に隠れて監視をしていた。

 

 

 

 

要が虹海と出会った時は、停車してある車の裏に隠れて監視をしていた。

 

 

 

 

あさひが逃げ出した時は、マンションの陰に隠れて監視をしていた。

 

 

 

 

神崎「実に面白い光景を見せてもらったよ。僕は隠れなから、虹海ちゃんのステッキで君の思うままにしてもらえるように操ったのさ。僕の耳は凄く良くてさ、君の命令を聞き取って、代わりに僕が彼女達に命令したのさ。」

 

悠「君が、何故そんな事を?」

 

神崎「要君のクズな行動が見たかったから。」

 

露乃「でもどうやって、偽物を本物と掏り替えたの?」

 

するとハダカカメガイアマゾンが液状化した。

 

露乃「え!?」

 

神崎「僕のこの姿は、液状化も出来るんだ。だから君達が海で遊んでる間に本物と掏り替えたのさ。」

 

悠「けど、何で要がアマゾンになったんだ?」

 

神崎「偽物のステッキに黒いシミがある事に気付かなかった?」

 

要「シミだと!?」

 

すぐにズボンを脱いで、履いてる偽物のステッキを見ると。

 

要「っ!?」

 

 

 

 

 

 

側面に小さな黒いシミがあった。

 

 

 

 

 

 

神崎「それは僕の血液さ。恐らく君は、溶原性細胞に感染してしまったね。」

 

彩「溶原性・・・細胞?」

 

悠「新種のアマゾン細胞。例え普通の人間でも、それに感染してしまえばアマゾン化してしまう。」

 

彩「アマゾン化・・・?」

 

神崎「恐らくその血液のシミには、無数の溶原性細胞が入っていたみたいだね。でも本来は感染してしまうと理性を失ってしまうが、君みたいな人間がそれを制御出来るなんて凄いよ。」

 

要「巫山戯るな・・・・・巫山戯るな・・・・・巫山戯るな・・・・・巫山戯るなああああああああああああ!!!!!!!!」

 

神崎「?」

 

要「僕を馬鹿にしやがって!!!!!!偽物を僕に履かせやがって!!!!!!僕を醜い化け物の姿に変えさせやがって!!!!!!」

 

神崎「もう君は人間には戻れないよ。駆除されるまではね。」

 

要「この・・・クソがああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

紗雪のステッキを強く握って、ハダカカメガイアマゾンを襲う。

 

神崎「させないよ。」

 

頭から無数の触手・バッカルコーンが生え、その触手が要の腹を串刺した。

 

要「がはっ!!!!!!」

 

神崎「そのままジッとしててね?君の心臓を喰べたら解放してあげる。」

 

要「や・・・止めろ・・・!!!!止めてくれ・・・・・!!!!!」

 

神崎「あれ?さっきまでの威厳はどうしたの?もっと狂っても良いんだよ?」

 

要「く・・・来るな化け物・・・・・!!!!!」

 

神崎「君も化け物の1人の癖に。」

 

要「僕は神だぞ!!!」

 

神崎「もうこれ以上反論しても駄目だから、早速頂いちゃおうかな?」

 

要「あ・・・彩・・・助けてくれ・・・!!!!」

 

しかし彩はパニックしており、どうすれば良いか分からない。

 

要「お・・・おい悠・・・お前でも良いから・・・助けてくれ・・・!!!」

 

悠「っ!!」

 

アクセラーグリップを捻ろうとしたが。

 

神崎「水澤君、邪魔したら容赦しないよ?」

 

悠「くっ!!」

 

要「このガキが・・・・・・!!!!!」

 

神崎「さて、最もクズで無様な心臓を頂きまーーーーーーす!!!!!!」

 

要「止めろおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ドスッ!!!”

 

神崎「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハダカカメガイアマゾンが何かに攻撃されて飛ばされ、触手が要を解放した。

 

悠「っ!?」

 

すると今度は、何かが要の自由を奪った。

 

要「え・・・?な、何かに踏まれてる・・・?」

 

何者かが、要を踏ん付けてる。

 

要「足か・・・?いや、見えない・・・誰だ・・・?」

 

見えない何かが要を踏ん付けていた。

 

要「見え・・・ない・・・?透明・・・?」

 

すると煙幕が何処からか噴射した。

 

要「な・・・何だ・・・?これは・・・一体・・・」

 

彼は死んだかのように眠った。

 

 

 

 

しばらくして煙幕が晴れた。しかし要の姿が何処にも無かった。

 

悠「消えた・・・?」

 

彩「お、お兄ちゃん・・・?」

 

露乃「一体、何があったの・・・?」

 

神崎「あ〜あ、逃げられちゃったか。」

 

彼女達は、ハダカカメガイアマゾンを見て表情を険しくした。

 

神崎「・・・さて、そろそろ行くか。」

 

体内から煙を噴射させ、元の姿に戻った。

 

悠「何処へ行くんだ?」

 

神崎「ここはもう用済み。これを返すよ。」

 

虹海のステッキをアマゾンオメガに返した。

 

神崎「じゃあね。また何処かで会おう。」

 

彼はジャンプして、何処かへ去って行った。

 

悠「・・・」

 

変身を解いて、元の人間の姿に戻った。

 

悠「皆、大丈夫だった?」

 

みかり「え、えぇ・・・」

 

悠「彩、大丈夫か?」

 

彩「うん・・・悠さん・・・」

 

悠「虹海ちゃん、これ。」

 

ステッキを虹海に返した。

 

虹海「ありがとう・・・」

 

悠「・・・虹海ちゃん、君はこの戦線から脱した方が良いよ。これ以上やったら、君が死んでしまう。」

 

虹海「・・・うん。」

 

こうして虹海は、この戦線から離脱した。果たして、要は一体何処へ消えてしまったのか。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
      潮井梨ナ:鈴木愛奈

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

       朝霧要:岡本信彦

       組員A:小林竜之
       組員B:木田祐
       組員C:大谷祐貴

      神崎賢也:緒方恵美

NEXT SITE「BREAKING」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オリジナルアマゾン

『ヒガンバナアマゾン』

ランク・不明

身長・194cm
体重・122kg

溶原性細胞によって感染してしまった朝霧要が変身した彼岸花型のアマゾン。
首元には彼岸花の花弁が満開されてる。
口から有毒液を吐く事が可能。
全身の色は真っ赤に染まってる。
普段は溶原性細胞に感染してしまうと、体表に黒い腫瘍が浮かび上がり、理性も喪失するが、要にはその症状が無く、自ら制御して変身を解く事もある。

デザイン・血祭ドウコクに酷似


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Episode9「BREAKING」

溶原性細胞に感染し、アマゾン化になってしまった要は、煙幕の中で姿を消した。神崎は虹海のステッキを返して、何処かへ去って行った。

悠「・・・虹海ちゃん、君はこの戦線から脱した方が良いよ。これ以上やったら、君が死んでしまう。」

虹海「・・・うん。」

悠「君を匿う場所を探さなきゃ。」

梨ナ「ここで良いんじゃねえの?」

悠「いや、ここに居たら要がまた襲って来るかも知れない。何処か良い場所は無いのか・・・」

???「それなら俺達に任せとけ。」

全員「っ!?」

声が聞こえた方を見るとそこには・・・











嘗ての駆除班の4人が居た。











悠「志藤さん!皆!」

三崎「よう悠、久し振り!」


駆除班の2台のバンに乗って何処かへ向かう。

 

悠「何で皆がここに?」

 

志藤「水澤主任の命令で、彼女を保護する事になった。」

 

望「あなた達の行動は、上空にあるドローンで監視してたの。」

 

悠「そうだったのか・・・」

 

彩「あ、あの悠さん、この人達は?」

 

悠「駆除班の皆だよ。嘗てアマゾンを駆除する為に、僕の母さんが集めたんだ。」

 

望「あなたが穴沢虹海さんね?」

 

虹海「は、はい。」

 

三崎「まさか生のにじみんに会えるなんて光栄だね!俺ファンなんだ!ゴフッ!?」

 

途中で望に殴られた。

 

望「少しは黙りなさいよね?」

 

三崎「す、すんません・・・」

 

彩「あ、あの・・・」

 

望「気にしないで。此奴こう言う奴だから。」

 

梨ナ「それで、何処へ行くんだ?」

 

志藤「もうすぐ着く。」

 

 

 

 

目的地に到着した。

 

福田「着いたぞ。」

 

全員がバンから降りる。

 

露乃「ここは・・・」

 

清春「豪邸・・・?」

 

1つの豪邸に到着した。表札には、切子聖園と書かれてあった。

 

彩「切子・・・聖園?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後の高ノ織中学校。

 

悠「しばらくの間、穴沢さんは休学する事になった。復学する日は未定になってる。」

 

 

 

 

放課後の屋上。

 

梨ナ「朝霧の奴、大丈夫かねぇ〜。」

 

露乃「あんただって知ってるでしょ?あれから部屋に籠りっきりで、幾ら声を掛けても・・・」

 

梨ナ「あぁ、思いっきり拒否られたよなぁ〜お前。」

 

彩は今、部屋にずっと籠っている。兄の要のせいで、自分にも責任を背負ってしまっている。

 

梨ナ「まぁ、無理もねえか。結局、てめぇの兄貴のせいであんな事になったけど、穴沢が無事で良かったんだ。取り敢えず隠蔽工作は上手くいったみたいだな。流石は燐賀組と駆除班だっけな。」

 

露乃「・・・・」

 

梨ナ「何だよ?」

 

露乃「あの時、私達の命を救ったのは一体何者だったのかしらね・・・」

 

以前、ハダカカメガイアマゾンを要から離して、要の自由を奪い取った何者かの事を考えてた。

 

露乃「タイミングから言って、相手はクソ兄貴の監視をしていたとしか思えない。あのアマゾンに化けた神崎と言う子を引き離し、その上で私達を助けた。」

 

梨ナ「だから何だって言うんだよ?こっちには知らない謎の協力者が居るってか?」

 

露乃「協力者かどうかは分からない。安易に結論を出すのは危険だわ。」

 

梨ナ「・・・そう言や、何処行ったんだろうなぁ?クソ兄貴はさ。」

 

露乃「あの煙幕の中で突然姿を消した。あの傷で移動出来たとは思えないけど。」

 

梨ナ「まだ生きてんのかね?」

 

露乃「だとしたら・・・必ずこの手で、制裁を加えてやるわ。」

 

梨ナ「って言うのは簡単だけどよ、肝心のステッキが無きゃどうしようもねえだろ?穴沢はこの状況から離脱してるし、私達の中で戦えるのは彼奴らと先生ぐらいしか居ねえし。・・・誰かさんが私のリュックごと無くしてくれたからなぁ〜。」

 

露乃「・・・!」

 

自分の事だと気付いてる露乃。

 

梨ナ「あ〜あ、何処にあるんだろう・・・私のステッキちゃん。」

 

 

 

 

 

 

とある廃墟。ローブを羽織った人物がリュックを持って外に出た。

 

 

 

 

 

 

梨ナ「あ〜あ、管理人に兄貴にステッキにアマゾン。問題山積みだなぁ〜。けど、1番の問題は今夜何処に泊まるかだ。流石にこの状況で朝霧ん家で世話になるのもなぁ〜。だったらあの豪邸・・・いや駄目かぁ。穴沢に即殺されちまうからなぁ〜。」

 

露乃「・・・・・」

 

梨ナ「何?朝霧と風呂に入れないのがそんなに寂しいか?」

 

露乃「な、何言ってるのよ!」

 

梨ナ「しばらく放って置くしかねえだろ。そうだ、泉ヶ峰にでも頼むかぁ。」

 

 

 

 

 

 

一方朝霧家では。刑事の美炭貴一郎が訪問しに来た。

 

美炭「では、息子さんが家を出られた原因に心当たりは?」

 

彩の父「ある訳が無い!要は自慢の息子だ!成績だって常に1番!東大合格と間違い無しだと言われてる子だ!」

 

美炭「しかし、行方を絶って1日2日の状況で、事件とするのは早計かと。こうした場合、ただの家出と言うケースも少なくありません。所で、妹さんは?」

 

彩の母「あ、彩は体調を崩して上で休んでおります。呼んで来ます・・・」

 

彩の父「彩の事は悠君に任せておきなさい。私達は要の話だ。」

 

彩の母「はい。」

 

 

 

 

その頃彩は、部屋に籠っている。悠が慰めてる。

 

悠「彩、そんなに責任を背負わないで?」

 

彩「でも、私のお兄ちゃんのせいで・・・・・皆に迷惑を掛けて・・・・・」

 

悠「彩、何時迄も落ち込んでたら前に進めないよ?自分を強くすれば自信を持てるよ。」

 

彩「・・・・強く・・・・」

 

 

 

 

 

 

露乃『私はね朝霧さんに強くなって欲しいの。』

 

彩『強く?』

 

露乃『例え1人でも、立ち向かえるようなそんな強い人間にね。』

 

彩『え・・・?』

 

露乃『朝霧さん。あなたは自分が思っている程駄目でも弱い人間でもないわ。少なくとも私はそう思ってる。』

 

 

 

 

 

 

彩「・・・・・」

 

悠「彩?」

 

 

 

 

玄関では。

 

彩の母「それでは、くれぐれも宜しくお願い致します。」

 

すると悠と彩が降りて来た。

 

彩の母「彩!丁度良かった。」

 

彩「ごめん・・・ちょっと出て来る・・・」

 

靴を履いて、ドアを開けて外に出た。

 

彩の母「え?彩?悠君、彩どうかしちゃったの?」

 

悠「気分転換に散歩だって言ってた。僕も行って来る。」

 

彩の母「そう・・・気を付けてね?」

 

 

 

 

走る彩。後ろから悠が追い掛ける。

 

彩(強く・・・強くなるんだ・・・それだけが今、私に出来る事だから・・・今度こそ誰も傷付けさせない・・・)

 

悠(彩・・・)

 

 

 

 

 

 

その頃朝霧家に、1人の訪問者が来た。

 

"ピンポーン"

 

インターホンを鳴らした。

 

彩の母「はい。」

 

ドアを開けると、1人の女性が立っていた。

 

彩の母「令華さん!」

 

令華「久し振りね桃子。」

 

この女性の正体は、悠の母親の水澤令華だった。

 

令華「あら?前より可愛くなったかしら?」

 

桃子「いえ、変わってませんよ。」

 

令華「次郎は居るかしら?」

 

桃子「あ、はい。あなた!」

 

そこに彩の父の次郎が来た。

 

次郎「令華さん!」

 

令華「久し振りね次郎。5年振りかしら。」

 

次郎「どうしてここに?」

 

令華「ちょっとね。お邪魔しても良いかしら?」

 

次郎「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

向かった場所は、崩落したマンション。

 

悠「彩?危ないよ?」

 

崩落したマンションに入る。

 

彩「戦うんだ・・・サイト管理人とアマゾンと、テンペストの真実を突き止めて、生き残る方法を探す・・・こんな悲しい事は、もう終わりにするの・・・」

 

悠「彩・・・」

 

彩「悠さん、手伝って・・・皆を傷付けさせたり、死なせない為に・・・」

 

悠「・・・うん。僕も、彩達を守る。」

 

彩「ありがとう・・・」

 

崩落したマンションの中を探る。

 

彩(どんなに寿命が縮まっても良い。ステッキを取り戻して、奴村さんを、皆を守る・・・それが私の償い。私の戦いだから・・・)

 

 

 

 

 

 

同じ頃朝霧家では。

 

令華「成る程ね。要君が行方不明になったのね。」

 

次郎「はい、彼奴は悠君と彩達が海へ遊びに行ったその後に外へ出て行ったっきり帰って来なくて・・・」

 

令華「私もそれに嗅ぎ付けたわ。今頼りになる捜索隊が行方を追ってるわ。」

 

次郎「要は見付かるんですか・・・?」

 

令華「必ず見付け出してあげるわ。それまで待ってなさいね。それと、1つ聞きたい事があるわ。」

 

次郎「何ですか?」

 

令華「あなた、要君に過度な期待を掛けてるんでしょ?」

 

次郎「な・・・!?何故それを・・・?」

 

令華「悠から聞いたわ。要君に過度の期待を掛けたお陰で、彩ちゃんを虐待してるって。」

 

桃子「彩を虐待!?」

 

次郎「そんなまさか・・・」

 

令華「いいえ、事実よ。確かにあなたは勉強し続けたが東大に不合格し、息子である要君に過度の期待と厳しい態度で接し、テストで満点じゃないと満足出来ない人間になってしまった。それが原因で要君が彩ちゃんに虐待をする事になった。そしてあなたは悠に彩ちゃんの相手を任せている。」

 

次郎「・・・・・」

 

令華「それが進めば、要君からの復讐が来ると私は思う。次郎、あなたは本当に洒落にならないわよ。以前に桃子にDVしたせいで、2人目の子供を流産したって悠から聞いたわ。」

 

次郎「っ・・・!」

 

実は彩は、朝霧家に引き取られた養女であり、要とは血の繋がりのない兄妹だった。

 

令華「よくもまあ私が高校時代に可愛がった桃子にDVするとは情けないわよ。あなたは本当に要君や東大の事しか考えてないから、こんな事になったのよ。そんな事で父親としてやっていけるかしら?」

 

次郎「・・・いえ、出来ません・・・」

 

令華「だったら、父親なら父親らしく子供達の成長を見守りなさい。あなたが今までやって来た事は虐待とほぼ同じよ。例え彩ちゃんが養子であっても、あの子は朝霧家の立派な子供なのよ?分かってるの?」

 

机を叩いて、次郎に問い詰める。

 

令華「あなたは学生時代、私にとって立派な後輩だったのよ?それなのに親になったら豹変してしまった。あなたはもっと父親としての自覚を持ちなさい!そうでないと自分の心も汚れてしまうわよ!分かってるの!?」

 

次郎「はい・・・」

 

令華「このまま要君に過度の期待を掛けるか、もうこれ以上やるのを止めて、父親として子供達の成長を見守る。どれを選ぶかはあなた次第よ。桃子、これで失礼するわよ。」

 

桃子「はい。」

 

令華「良いわね次郎?今後どうするかはあなたの自由よ。」

 

次郎「・・・分かりました。」

 

 

 

 

 

 

その頃、会議場では。

 

壱「例の少女達の件なんだが、始末はどう付ける?漆。」

 

弐「わぁれ、遊び過ぎとちゃうんか?」

 

捌「そう言わんと、賢い漆はんの事何か深いお考えが現るんでしょ?」

 

漆「勿論だよ。例の件だって結局、僕の協力者が上手〜く収まったでしょ?」

 

壱「ならば、このままあの者達を生かしておくつもりか?」

 

漆「うんにゃ?勿論粛清するよ。実は、例の協力者とは別に、もう1人ある魔法少女に情報を与えて、泳がせてるんだよねぇ〜。」

 

壱「それで?」

 

漆「長くは待たせないよ?決着はすぐにでも。」

 

神崎「・・・・」

 

この会話を盗み聞きした神崎は、すぐに別の場所へ移動した。

 

 

 

 

真っ暗な空間。

 

神崎「さて、そろそろ行動を開始しようかな。」

 

彼の目の前には、ある数人の人物の肉体が十字架に吊るされていた。

 

神崎「これで、目覚めさせてあげる。」

 

彼の手には、注射器型のステッキが握られてあった。その注射器に入ってる薬を、天井にぶら下げてるカプセルに注入し、その人物達の腕に繋いでるチューブを通して、体内に流し込んだ。するとその人物達がゆっくりと目を開けた。

 

 

 

 

 

 

その頃駆除班は、バンに乗って要の捜索に当たっていた。

 

福田「この写真の子を探すのが俺達の任務か。」

 

三崎「見た感じ、悪そうな顔をしてるな。」

 

望「悠の話によれば、妹を虐待してストレス解消してるって話よ。」

 

三崎「だけど一体何処へ行ったんだ?」

 

志藤「見付からないとしたら、誰かに誘拐された可能性がある。隈無く探すぞ。」

 

 

 

 

 

 

一方その頃悠と彩は、河川敷に居た。

 

彩「ステッキ、早く見付けないと・・・」

 

悠「ああ。」

 

彩「ステッキを見付けて、皆を守らなきゃ・・・」

 

悠「絶対に誰も死なせない。この命に代えても・・・」

 

???「朝霧、先生。それがてめぇらの覚悟か?」

 

彩「っ!?」

 

悠「この声・・・っ!?」

 

後ろに振り向くと、ローブを羽織った謎の人物が彩のステッキの銃口をこちらに向けていた。その人物の正体は・・・・

 

 

 

 

 

 

悠「雫芽!?」

 

 

 

 

 

 

行方不明になっていた雫芽さりなだった。

 

 

 

 

 

 

翌日の切子聖園。虹海は中庭のベンチに座って、子供達が遊ぶ光景を見てる。

 

虹海「・・・・・」

 

???「どうしたの?虹海ちゃん。」

 

虹海「美月さん・・・」

 

隣に座った人物は、悠の義妹の水澤美月だった。彼女はこの切子聖園で子供達と幸せな日々を送っている。

 

美月「何かあったの?私で良かったら聞いてあげるよ?」

 

虹海「・・・私、今までお兄様に騙されて来て・・・」

 

美月「お兄様って?」

 

虹海「あやや、じゃなくて朝霧彩ちゃんのお兄様にずっと騙されて・・・ステッキを奪われた挙句、皆を傷付けてしまって・・・」

 

美月「でも、ステッキは取り返したんでしょ?」

 

虹海「それは・・・そうですけど・・・」

 

美月「ねぇ、虹海ちゃんはどうして魔法少女になったの?」

 

虹海「それは・・・」

 

彼女は自分の過去を話した。

 

 

 

父親が多額の借金を抱えており、その悲しみの中魔法少女サイトと出会った。その後父親を自殺に追いやった借金取りを殺そうとしたが、親友である池股みかどに諭された事で殺さなかった。彼女はその後ステッキの力に頼る事なく、自分の夢だったいぬあそび。のメンバーとしてアイドルデビューを果たし、絶大な人気を獲得した。そして自殺した父親が抱えていた借金を全額返済し、母に新しいマンションと、弟にチワワを贈った。

 

 

 

 

美月「そうだったのね。」

 

虹海「でもみかどちゃんは、私と同じ魔法少女の潮井梨ナに殺され、彩ちゃんのお兄様に騙されて・・・でも悠さんのお陰で私は助かったけど・・・私にはもう何を信じたら良いのか分からなくて・・・」

 

美月「そんなに自分を責めないで?何かあったら何でも言って良いんだよ?」

 

虹海「美月さん・・・ありがとうございます・・・あの美月さん、この切子聖園って一体?」

 

美月「ここはね、2年前まで山奥にあったの。」

 

虹海「山奥に?」

 

美月「うん。元々は山奥にある養護施設だったの。親の居ない子供達が手を取り合って生活していたの。けど実際はアマゾン牧場だったの。」

 

虹海「アマゾン、牧場?」

 

美月「そう。子供達は毎日野菜を食べ続けて、新しい家族に迎えられるルールがあるの。でもその後、迎えられた子供達は殺され、お肉として調理され、人間に食されたの。」

 

虹海「酷い・・・・」

 

美月「そして子供達の体内にはアマゾン細胞が感染していた。でも逃げ出した子供達も居たけど、皆園長の御堂英之助と言う男に殺されて・・・」

 

虹海「・・・・」

 

美月「悠は生き残った子供達をその施設から逃がしたの。その施設にはあの男が居たの。」

 

虹海「あの男って?」

 

美月「鷹山仁。悠と同じアマゾン。」

 

虹海「悠さんと、同じアマゾン・・・?」

 

美月「そう。彼はその切子聖園の地下礼拝堂に居る創造主として、子供達にアマゾン細胞を送らせたの。」

 

虹海「その鷹山仁って人は、どうなったんですか?」

 

美月「彼は悠との戦いの末に死んだの。それ以来、私は生き残った子達と共にここで暮らしてるの。」

 

中庭で遊んでる生き残った子供達を見てる。

 

虹海「山奥にあった施設は?」

 

美月「誰も使わせないように焼却処分された。お母さんの立案で、この街中に建てたの。」

 

虹海「そうだったんですか・・・・あの子達にも、そのアマゾン細胞が?」

 

美月「いえ、今はもう無いの。」

 

虹海「え?」

 

実は2年前に、野座間製薬の嘗ての研究員達が叡智を結集して完成した”死滅剤”によって、子供達の体内に潜んでるアマゾン細胞を全て死滅させたのだった。

 

美月「今あの子達は私達と同じ普通の人間になってるの。それまであの子達は野菜ばかり食べていたけど、お肉を食べても大丈夫。」

 

虹海「そうなんですね・・・」

 

美月「ねぇ虹海ちゃん、戦いが終わったらどうしたい?」

 

虹海「私は・・・もう1度アイドルやりたいです。」

 

美月「うん、ファンの皆喜ぶと思うよ。」

 

ハイチ「虹海お姉ちゃん!遊ぼう?」

 

1人の少年”ハイチ”が虹海の手を引っ張る。

 

虹海「え?」

 

美月「その子はハイチ。元々は人見知りだったけど、今は克服してるの。虹海ちゃん、ハイチと遊んであげて?」

 

虹海「・・・はい。」

 

ハイチ「こっちこっち!」

 

子供達と遊ぶ虹海。美月はその光景を見て微笑んでる。

 

 

 

 

 

 

とあるビルの屋上。

 

漆「そろそろかなぁ?」

 

 

 

 

放課後の公園。

 

梨ナ「朝霧、てめぇ来るなら来るって言えよな?」

 

清春「皆心配してたんだから・・・でも、よく来てくれたね。」

 

小雨「はぁ・・・良かった。」

 

今日彩が学校に来たのだった。

 

彩「・・・・・」

 

梨ナ「おい!黙ってねえで何か言えよ!」

 

すると彩が、自分のステッキを取り出して銃口を向けた。

 

露乃「どう言う・・・事・・・?」

 

梨ナ「てめぇ、その銃何処で!?」

 

悠「彩、頼む。」

 

梨ナ「おい先生!何言って・・・」

 

すると次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

”ドガーーーーーーン”

 

 

 

 

 

 

公園で大規模な爆発が起こった。

 

男性A「な、何だ!?」

 

男性B「何が起きたんだ!?」

 

山井「・・・!!」

 

刑事「なっ!」

 

美炭「・・・!!」

 

近くに居た群衆と、山井と美炭達がそれを目撃した。

 

 

 

 

漆「不幸だねぇ〜不幸だねぇ〜。」

 

公園が滅茶苦茶になっていた。

 

漆「あ、いけね。さりにゃんの獲物まで殺っちゃった。恨まれちゃうかな〜?」

 

美炭「随分派手に殺ってくれたな。」

 

そこに美炭が来た。

 

漆「う〜ん、それはみすみん、君がいけないんだよ?」

 

美炭「ん?」

 

漆「あの時、君が魔法少女達を殺しておいてくれれば、こ〜んな手間掛けずに済んだのに。」

 

美炭「私が依頼されたのは、朝霧要の手に渡った穴沢虹海のステッキの回収。それだけだ。だが回収したのは神崎が作った偽物だった。本物は神崎の手にある。」

 

漆「っで、兄貴は処分したか?」

 

美炭「ああ、勿論。」

 

 

 

 

要は何処かの部屋で監禁されていた。

 

 

 

 

美炭「何か問題でも?」

 

漆「い〜や?万事解決したよ〜?後はそう、この下で死んでいる彼女達から、君がステッキを回収してくれればねぇ〜。」

 

 

 

 

 

 

とある廃墟。

 

女性アナウンサー『速報です。たった今、都内の公園で大規模な爆発がありました。』

 

この廃墟に、悠と彩達が居た。

 

みかり「驚き・・・ですわ・・・」

 

あさひ「彩ちゃんの銃で瞬間移動してなきゃ、確実に死んでたわね。」

 

 

 

 

あの時彩は、全員に銃口を向けて瞬間移動させた。それと同時に公園で大規模な爆発が発生したのだった。そしてとある廃墟に瞬間移動した。

 

 

 

 

紗雪「しかし、何故あの場所が?」

 

清春「まさかサイト管理人が、私達を狙って攻撃を?」

 

悠「そうだ。君達は命を狙われたんだ。」

 

露乃「でもどうして?どうして朝霧さんと先生がそんな事を?第一その銃は?」

 

すると悠と彩の後ろからある人物が・・・

 

 

 

 

 

 

さりな「それは、私に此奴らが付いただけだ。」

 

 

 

 

 

 

雫芽さりなだった。

 

露乃「雫芽さりな!」

 

梨ナ「あ!私のステッキ!」

 

すると彩が銃口を向けた。

 

彩「これは渡さない・・・皆が持っているステッキも、今ここで渡してもらう。」

 

全員「っ!?」

 

露乃「朝霧さん・・・!?」

 

梨ナ「どう言う事だ!?まさか、此奴と組んでステッキ狩りでもする気か!?」

 

悠「そうじゃない。」

 

露乃「だったら何故!?」

 

悠・彩「・・・・」

 

 

 

 

 

 

昨日の河川敷。

 

悠『雫芽さりな!?』

 

彩『雫芽さん!?』

 

さりな『朝霧、先生、てめぇらの覚悟は見せてもらった。受け取れ。』

 

彩『・・・?』

 

さりな『グズグズするな。奴らをぶっ潰す。二度と不幸を生み出さない。それがてめぇらの出した答えなんだろ?』

 

そして彩は、自分のステッキを受け取った。

 

 

 

 

 

 

現在に戻る。

 

彩「もう誰も傷付けさせない。死なせたりしない。だけどこのままステッキを使い続ければ、何時か誰かが死んでしまう・・・」

 

悠「だから皆、この戦線から離脱して欲しいんだ。ステッキを手放せば、管理人達から逃げれる。君達が魔法少女になる前の普段の生活に戻れる。」

 

彩「私のせいで、皆には沢山酷い思いをさせた・・・だから全てのステッキを預かって、私と悠さんが皆の分まで戦う。それが私に出来る償い!せめてもの罪滅ぼしだから!」

 

露乃「全てを、自分たち2人で背負うって言うの?」

 

梨ナ「ざけんな!てめぇら2人で殺れる相手じゃねえだろ!!」

 

彩「それでも!!」

 

清春「駄目だよ彩ちゃん、悠さん。」

 

彩「え!?」

 

悠「え?」

 

清春「私達は魔法少女だから!」

 

小雨「ステッキを手放したって、それは変わらない。変えられない!」

 

紗雪「これは私達自身の選択だ。」

 

みかり「それに、誰か1人を犠牲にして自分だけ助かろうなんて、プライドが許しませんわ!」

 

あさひ「大丈夫。きっとこの足で逃げ切ってみせる。」

 

悠「皆・・・」

 

さりな「どうするよ?」

 

彩「だったら・・・」

 

カバンから、梨ナのステッキを取り出した。

 

彩「こうするしかない!!」

 

梨ナ「っ!そいつは私の!!」

 

悠「彩!?何を!?」

 

彩「ステッキを渡して!!お願い!皆を守りたいの!!」

 

悠「止めろ彩!」

 

皆の前に立って庇う。

 

彩「退いて悠さん!!」

 

梨ナ「いい加減にしろよ・・・何でてめぇは何時もそうなんだ・・・!!ちったぁ私達を頼れ!!信頼しろや!!!この大馬鹿野郎が!!!!!」

 

彩を殴ろうとしたが。

 

露乃「待って。」

 

梨ナ「離せ奴村!!こう言う馬鹿は1発殴んねえと!!」

 

露乃「朝霧さん。」

 

ゆっくりと彩に近付く。

 

彩「駄目!!来ないで!!」

 

すると。

 

 

 

 

 

 

”パチーーーーーン”

 

 

 

 

 

 

何と露乃が、彩の頬に平手打ちした。

 

悠「奴村・・・さん・・・?」

 

露乃「朝霧さん、前に私に言ったわよね?」

 

 

 

 

彩『私が奴村さんを1人にさせないから!!絶対1人にさせないから!!』

 

 

 

 

露乃「私を1人にさせないって。それなのに、あんたが1人になってどうするのよ!私達は共に大きな物を失った。もう切っても切れない糸で繋がれてる仲間なの!」

 

彩「・・・・!!」

 

露乃「あんたが全てを背負う物でもないし、背負い切れる物でもない。だから私達にも・・・痛みを分けさせてくれないかしら?」

 

優しく彩を抱いた。

 

さりな「・・・・・」

 

梨ナ「おい!」

 

悠「梨ナ!」

 

ステッキを投げ渡した。

 

梨ナ「あっ!私のハンマーちゃん!」

 

さりな「奴村。」

 

スマホ型のステッキを渡した。

 

さりな「先生、朝霧、奴村、これだけは言っとく。えりかと先輩を殺し、この首を切ったあの男は私が潰す。絶対に手出しはするなよ?」

 

彩「うん。」

 

露乃「ええ。」

 

悠「分かった。」

 

梨ナ「何でこっちに付いたんだよ〜?現マジカルハンターさんよ!」

 

さりな「ムカついたからさ。」

 

梨ナ「ムカついた?」

 

さりな「ああ。奴らは、私らを人と思っちゃいねえ。都合の良い嘘で踊らせて、邪魔になればポイ捨てだ。チッ!馬鹿にしやがって・・・」

 

梨ナ「へえ~。朝霧をいじめてたって言うから、残念なDQNかと思ったら結構頭良いじゃん。」

 

露乃「あんたが言うか。」

 

小雨「はぁ・・・それで?」

 

さりな「管理人の漆・・・奴は私を煽ってお前ら全員を殺るよう仕向けた。爆破の情報も奴から聞いた。万が一仕留め損ねた場合、後始末をしろと。だが、他人に踊らされんのはもう御免だ。私は私の道を行く。」

 

悠「雫芽・・・」

 

彩「少なくとも、テンペストが終わるまでは協力しようって言ってくれて・・・」

 

露乃「はぁ・・・朝霧さん。あんたってつくづくお人好しね。」

 

さりな「ふんっ。てめぇらだっていい加減ムカついてんだろ?」

 

清春「確かに。このまま大人しく殺られるつもりなんてないよ。」

 

小雨「はぁ・・・まだ死ねない。」

 

紗雪「売られた喧嘩は買ってやる。」

 

みかり「ええ。そうですとも!」

 

悠「この戦いを終わらせる!」

 

さりな「なら・・・やる事は1つだ!」

 

 

 

 

空が晴れ、太陽が顔を出した。

 

 

 

 

彼女達はステッキを持ち、悠が腰にアマゾンズドライバーを装着した。

 

さりな「討つぞ。魔法少女サイトを!」

 

遂に、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
      潮井梨ナ:鈴木愛奈
     雫芽さりな:山崎はるか

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

  サイト管理人・壱:安里勇哉
  サイト管理人・弐:悠木碧
  サイト管理人・捌:キズナアイ
  サイト管理人・漆:中尾隆聖

      水澤美月:武田玲奈
       ハイチ:大西統眞

       志藤真:俊藤光利
       高井望:宮原華音
      福田耕太:田邊和也
      三崎一也:勝也

      水澤令華:加藤貴子

     美炭貴一郎:鈴木達央
      朝霧次郎:小上裕通
      朝霧桃子:増田ゆき
  女性アナウンサー:清水彩香
      山井執事:小形満

      神崎賢也:緒方恵美

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Episode10「TREASON GIRLS」

とあるビルの上。神崎とフードを被った謎の人物達が立っていた。

神崎「さてと、そろそろ行動を開始するかな?君達、頼むよ。」

するとフードを被った人物達がビルからジャンプして、地上に降りた。

神崎「僕も行くとするかな?」


夜の街中。その上空に、箒型のステッキに乗った小雨とみかりが空から監視していた。

 

清春(みかり、そっちはどう?)

 

頭の中で清春の声が聞こえた。

 

みかり(今の所異常無し。引き続き監視を続けますわ。)

 

清春(気を付けて。管理人は自宅と学校、どちらに姿を表すか分からないからね。)

 

 

 

 

八王子第二中学校。ここに悠と彩と露乃と梨ナが待機していた。

 

悠「何処から来るんだ?管理人は。」

 

梨ナ「ヒヒヒヒ。」

 

清春(何れにせよ、管理人が新たな魔法少女にステッキを与えに来たら、その一瞬の隙を突いて行動する。恐らくはそれ以外・・・私達に勝ち目は無い・・・)

 

 

 

 

とある家の前で、清春とあさひが待ち伏せしている。

 

 

 

この家の2階の部屋。1人の少女が誰かとメールをしていた。しかしそのメールが一瞬にして消去された。

 

???「・・・フッ。」

 

少女は不気味な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

数時間前。ある少女の写真を見た。

 

梨ナ「此奴の名前は住倉湯華。八王子第二中学校の2年生。すみっこ人間の裏アカの持ち主だ。」

 

小雨「はぁ・・・住倉湯華。すみっこ人間の書き込みは、ネットに上げられた直後に、何者かによって削除されてる。」

 

パソコンですみっこ人間の書き込みを見せた。

 

小雨「これが消される寸前、此方で保存した物だけど・・・」

 

書き込みには『キタキタキタキタキタキタキタ』と連続で書かれてあった。

 

紗雪「これは・・・どう言う事だ?」

 

彩「あ、えっと・・・」

 

悠「管理人は、ネットに流れる全ての情報を監視及び支配していると思う。多分の話だけど。」

 

露乃「都市伝説レベルの記述はスルーされるけど、魔法少女サイトの核心に触れた情報は自動的に消去される・・・そう言うシステムらしいわ。」

 

みかり「そこまで・・・?」

 

あさひ「じゃあ、すみっこ人間の書き込みが削除されたって事は・・・」

 

清春「情報が、本物だって事だね。」

 

小雨「そう・・・」

 

さりな「フッ、面白えじゃねえか。奴らの作ったシステムは、今回ばかりはテメェらの首を絞めたって訳だ。」

 

露乃「ええ、蓋然性は高い。賭けに出る価値はあると思うわ。」

 

梨ナ「面倒臭え言い方すんなよ奴村ぁ〜。ようするにぃ、今夜管理人がステッキを与えるのは、此奴って事だろ?」

 

 

 

 

 

 

そして現在に戻る。八王子第二中学校。

 

梨ナ「さぁ来やがれ。ぶちのめしてやんよぉ〜。」

 

悠「けど、ここに来る事は限らないと思う。」

 

露乃「そうね。」

 

彩「でも・・・」

 

不安になってる彩に、露乃が右手を添えた。

 

彩「っ?」

 

露乃「怖い?」

 

彩「ううん、怖くないよ。ただ・・・」

 

 

 

 

小雨『あのね、露乃ちゃんの命はもう長くない・・・もしまたステッキを多用すれば、その時は・・・』

 

 

 

 

あの時小雨が言った言葉を思い出した。すると露乃が彩の額にデコピンした。

 

彩「ひゃっ!・・・え?」

 

露乃「自信を持ちなさい。朝霧さんが皆を信じたように。私達は朝霧さんを信じてる。」

 

梨ナ「そうだな。まぁ、色々あったけどよ。一応仲間だしな。」

 

悠「僕も信じてるよ。彩の言葉を。」

 

彩「・・・うん。」

 

 

 

 

中学校の外では、フードを被った謎の人物が立っていた。

 

 

 

 

校舎内では。

 

???「ほんわかぱっぱ〜ほんわかぱっぱ〜♪」

 

 

 

 

遠くから歌声が聞こえた。

 

梨ナ「っ!来た!」

 

そこにサイト管理人の弐が現れた。左手にはペットボトル型のステッキがあった。

 

悠「サイト管理人!」

 

4人がすぐに隠れて待ち伏せする。

 

弐「たく〜、壱も人使いが荒うて敵わんわぁ〜。」

 

彼は住倉湯華の下駄箱にステッキを置こうとしたその時。

 

梨ナ「ど〜も〜!初めまして〜〜!!死んで下さ〜〜〜〜い!!!!」

 

ハンマー型のステッキを強く振り下ろした。管理人の弐の足が千切れた。

 

 

 

彩「っ!」

 

露乃「やったか!?」

 

悠「まだ分からない!」

 

 

 

梨ナ「チッ!」

 

弐「何やわれぇ。えげつない挨拶やなぁ〜。」

 

下駄箱の上に管理人の弐が立っていた。

 

弐「お陰で片足逝ってもうたわぁ〜。」

 

梨ナ「へぇ〜。あんたがこの地区を仕切る管理人かぁ。おさげにおかめ、管理人ってのは巫山戯た野郎ばっかりだな。」

 

弐「あぁ?このガキは何処の者んや?何でそれを?」

 

梨ナ「調べたんだよ。テメェらが何処の誰にどうやって接触したか。知りゆる限りの魔法少女達に当たってな。」

 

 

 

 

その頃湯華は、ステッキが来ない事に困惑していた。清春と紗雪とあさひがすぐにそこから退散した。その後ろから、フードを被った2人の人物が気付かれないように追跡する。

 

 

 

 

梨ナ「それで分かった。テメェら管理人は好き勝手にステッキを配ってんじゃねぇ。それぞれ管轄があって、決まった手順に従ってるって事がな!!けど、私らにステッキを与えたおさげとおかめは狙いね。此方の手の打ちを知られている。・・・って訳でぇ〜、おめでとさ〜ん!!あんたが今夜のターゲットに選ばれました〜〜〜!!!!」

 

弐「お前ら、漆の爆破で全員死んだんとちゃうんか?」

 

梨ナ「お生憎様〜。この通りピンピンしてるよ!!!!」

 

ジャンプして管理人の弐に襲い掛かる。しかし弐が一瞬にして避けた。

 

弐「調子こくなよ?このガキャ!!!!」

 

右手に力を込めて、梨ナを襲う。

 

梨ナ「っ!?」

 

彩・露乃「っ!!!」

 

悠「梨ナ!!!」

 

 

 

 

 

 

”ドゴーーーーーーーン”

 

 

 

 

 

 

激しい衝撃波が発生し、学校が滅茶苦茶にされた。

 

彩「コホッコホッ!」

 

梨ナ「ゲホッゲホッ!」

 

全員無事だった。

 

梨ナ「くそっ!何だこの馬鹿みたいな力は!?」

 

弐「た〜く、こっちが大人しく話を聞いとったら、ええ加減にせえやクソネズミがぁ。」

 

梨ナ「ちょろちょろチュウチュウ逃げよってからに、今度は逃がさへんで!!!!」

 

するとそこに、フードを被った謎の人物が姿を現した。

 

弐「ええ所で邪魔すんなよボケが!!!!!」

 

フードの人物を殺そうと、右手を強く振った。しかしフードの人物がそれを避けた。

 

弐「避けた!?」

 

 

 

 

悠「えっ!?」

 

彩「な、何?」

 

露乃「彼奴、何なの?」

 

 

 

 

弐「ど、何処行ったんや!?」

 

梨ナ「へっ、何処の誰かは知らんが隙あり!!!!!」

 

ハンマー型のステッキを振り下ろして弐を殺そうとした。だが弐が片手でそれを受け止めた。

 

 

 

 

外では。

 

清春「っ!!」

 

紗雪「どうした?」

 

”ドゴーーーーーーーン”

 

八王子第二中学校から激しい衝撃波が発生した。

 

みかり「え!?何ですのあれ!?」

 

 

 

 

校舎内では。

 

梨ナ「くっ・・・!!」

 

膝付いて脇腹を抱えてる。

 

梨ナ「くそっ・・・!!」

 

弐「チュウチュウネズミ。捻って潰して殺したろ。」

 

梨ナ「へっ・・・マズイな・・・とんだ計算違いだ・・・!!くっ!・・・これは死ぬかな・・・?」

 

弐「ほんわかぱっぱ〜ほんわかぱっぱ〜♪」

 

 

 

 

瓦礫の中からフードの人物が起き上がって、その場から去った。

 

 

 

そして彩と露乃は瓦礫に埋もれていたが、悠によって助けられた。

 

悠「彩・・・!奴村さん・・・!大丈夫か・・・!」

 

露乃「先生・・・」

 

彩「悠さん・・・」

 

 

 

そして弐は、徐々に梨ナに近寄る。

 

悠「梨ナ・・・!」

 

すると露乃が、ステッキを使って時間を止めようとしたが。

 

彩「駄目・・・!」

 

悠「奴村さん・・・駄目だ・・・!」

 

弐「お!そんな所にも隠れておったんか!!」

 

悠「なっ!!」

 

気付かれてしまった。

 

弐「死に底無いの!ドブネズミがああああああ!!!!!!!」

 

悠・彩・露乃「っ!!!」

 

 

 

 

 

 

すると後ろから電撃を喰らった。

 

 

 

 

 

弐「何・・・だと・・・!?」

 

梨ナ「誤算だったな!ステッキは1人1本とは限らねえ!!!」

 

その隙に、彩が拳銃型のステッキを弐に向けた。

 

露乃「撃って!!朝霧さん!!」

 

悠「彩!!今だ!!」

 

そしてステッキを発砲した。弐は何処かへ瞬間移動されて消えた。

 

 

 

 

 

 

瞬間移動された場所は、中学校の屋上。

 

弐「あら?ん?ん?何やどないなっとんねん。何なんやぁ、けったいなステッキやなぁ。お陰で潰し損ねたわぁ〜。」

 

すると後ろから、さりなが現れた。

 

さりな「っ!!」

 

ヨーヨー型のステッキで、弐を攻撃する。

 

さりな「潰されるのは、お前だ。」

 

弐「あぁ?何やわれ?でかい口叩きよって・・・ぐあっ!?」

 

しかし身体中が一瞬にしてバラバラにされた。

 

さりな「くたばれ。」

 

バラバラにされた弐は、その場で倒れ込んだ。そこに梨ナが瞬間移動で来た。

 

梨ナ「引っ掛かったな馬鹿が!!下での待ち伏せはフェイク、こっちが本命なんだよ!!!」

 

ステッキを使って電撃を発生させた。

 

弐「ぐあっ!!・・・お・・・お前ら・・・!!どつ・・・き・・・回・・・す・・・!!!!ぐあああああああああああ!!!!!!!」

 

そして弐が死んでしまった。

 

梨ナ「言ってろ、腐れ野郎・・・」

 

そこに悠と彩と露乃が瞬間移動で来た。

 

さりな「フッ。生きていやがったか、朝霧。奴村、先生。」

 

悠「雫芽・・・」

 

彩「無事で良かった・・・」

 

さりな「苦戦したようだな。」

 

露乃「ええ、でも作戦は成功よ。私達はまだ、生きている。」

 

さりな「だが、此奴に口調を割らせるのはもう無理だな。」

 

露乃「調べれば何か分かるかも知れない。チャンスはあるわ。」

 

梨ナ「いっ・・・!!しかし血も出てねえし、此奴らの体は一体どうなって・・・」

 

すると弐の死体から黒い煙が噴射された。

 

梨ナ「な、何だ!?」

 

悠「っ!!」

 

 

 

 

しばらくして煙が晴れた。

 

悠「っ!!皆!!」

 

露乃「え?こ、これは・・・!!」

 

そこにあったのは・・・

 

 

 

 

 

 

その頃清春達は。

 

紗雪「一体何があった!」

 

あさひ「管理人は仕留めたんでしょ?」

 

清春「それが、彩ちゃん達の意識が混乱してて、連絡が取れないの!」

 

紗雪「チッ、何れにせよ友軍のみかりと小雨が、一足先に向かっているはずだ!」

 

魔法を使って先へ急ぐ。しかし。

 

紗雪「待て!!あさひ!!」

 

あさひ「えっ!?」

 

前方に白い何かが現れた。その白い何かは、あさひの前髪を切り、更に左腕に擦り傷を与えた。

 

あさひ「・・・!?」

 

 

 

 

 

 

捌「不幸やねぇ〜不幸やねぇ〜。」

 

 

 

 

 

 

あさひ「マジ、かよ・・・」

 

捌「ホホホホホホホ〜。あんたはんら、少し調子に乗ってあらしまへんかぁ〜?」

 

サイト管理人の捌がそこに居た。

 

捌「わてらを倒そうだなんて、100年早いどすわ〜。」

 

すると捌が分身した。

 

捌「この先、通しまへん。」

 

一斉に襲い掛かった。すると清春達の後ろから、フードを被った2人の人物が走り出した。

 

紗雪「え?」

 

清春「な、何?君達?」

 

フードを被った人物達が、攻撃を仕掛けた。

 

 

 

 

 

 

屋上では、みかりと小雨が到着した。

 

悠「小雨ちゃん!みかりちゃん!」

 

小雨「皆無事!?」

 

悠「無事だよ。けど・・・」

 

みかり「管理人は!?」

 

露乃「そこで死んでるわ。」

 

みかり「え!?まさか、そんな・・・!!」

 

そこにあったのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みかり「これは・・・一体どう言う事ですの!?」

 

露乃「見ての通りよ。」

 

悠「サイト管理人は少女だったんだ。外側だけど。」

 

小雨「きっと、管理人は私達と同じ人間だったの・・・!?」

 

サイト管理人が人間だって事に驚きを隠せない一同。

 

彩「それって・・・」

 

 

 

 

???「あ〜あ、酷いよさりにゃん。僕を裏切るなんてさ。」

 

 

 

 

何処からか声が聞こえ、するとさりなが何かに直撃されて倒れた。

 

悠「雫芽!?」

 

彩「雫芽さん!!雫芽さん!!」

 

露乃「っ!」

 

 

 

 

漆「不幸だね〜不幸だね〜。」

 

 

 

 

悠「サイト管理人!」

 

漆「にょほほほほほ〜。」

 

露乃「お前!!何時から!?」

 

漆「にょほ〜、最初から。君達の勇敢な戦い方を見せて貰ったよ。」

 

すると漆の隣に、神崎が現れた。

 

神崎「本当に凄いよ君達〜。」

 

悠「神崎!!」

 

漆「いやぁ〜お見事お見事。」

 

神崎「素晴らしかったよ。」

 

露乃「まさか・・・私達の動きを知った上で、別の管理人を囮にしたのか!?」

 

漆「その通り〜。お陰で君達を引き摺り出せた。賢〜い!」

 

悠「くそっ・・・!!」

 

彩「雫芽さん!!雫芽さん!!しっかりして!!」

 

悠「もう許さない・・・!!」

 

アマゾンズドライバーを装着した。

 

漆「あ〜因みに〜、待ってもお仲間は来ないよ〜?今の所、別の管理人が始末してる所だからね。」

 

その言葉を聞いた神崎が密かに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

その頃清春達は。

 

清春「え・・・?」

 

紗雪「これは・・・?」

 

あさひ「一体・・・?」

 

フードを被った2人の人物が、捌達を攻撃したのだった。

 

捌「何やあんたら〜?うちらの邪魔をする気かいな〜?」

 

フードの男「・・・・」

 

フードの女「・・・・」

 

するとフードの男は、3人に下がれと手を振った。

 

清春「え?下がっれって・・・?」

 

フードの男は頷いた。

 

3人は言われるがままに後ろに下がった。

 

捌「ほんなら、先にあんたらを殺してやんよ。」

 

 

 

 

 

 

屋上では。

 

悠「神崎、そして管理人。僕はお前達を許さない!!」

 

漆「ほ〜う?余裕があるんだね。水澤悠君。魔法の力であの記憶を消してあげたのにね〜。」

 

悠「魔法の力であの記憶?」

 

漆「そう。君達の記憶の中には、アマゾンと言う異形の化け物が潜んでいる。それを知った僕らは魔法の力でアマゾンの記憶を消してあげたんだよ。」

 

右手には、壊れたベル型のステッキがあった。

 

漆「でも君と、一部の人間しかアマゾンの記憶が残っていたんだよ。でもこのステッキは使ったと同時に壊れちゃったんだよね〜。」

 

悠「じゃあ、今まで僕達アマゾンを見た人達が怯えた理由って・・・」

 

漆「勿論。このステッキで記憶を消してあげたんだよ。」

 

悠「そんな事が・・・僕達が知らない間に・・・密かに・・・」

 

すると漆が両手で指鉄砲をして発砲した。すると露乃のステッキが壊れた。

 

漆「この僕でも、君の持ってるステッキは厄介だよ。潰させて貰ったよ。」

 

彩「奴村さん!!」

 

梨ナ「お前ステッキが!!何してんだ下がれ!!!」

 

悠「奴村さん!!下がって!!」

 

漆「あ〜ま〜、こんなんなっちゃって。不幸だね〜不幸だね〜。」

 

露乃「それはどう言う事?あんた達は一体何?」

 

漆「知りたい〜?」

 

悠「ああ、お前達を知りたい。」

 

漆「そっか〜。でも・・・」

 

彩「駄目奴村さん!!!」

 

漆「教え・・・ない!!!」

 

攻撃しようとした。

 

彩「奴村さん!!!」

 

悠「奴村さん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがしかし。

 

漆「あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに現れたフードの人物が漆を蹴り飛ばした。

 

悠「え・・・?」

 

露乃「え・・・?」

 

漆「いてて〜。誰だ〜君〜?」

 

すると神崎が嗤った。

 

神崎「あはははははは!」

 

漆「神崎君?」

 

神崎「流石だよ。奴村さんを助けるなんて、君は最高だよ。」

 

フードの男「フッ。」

 

小雨「な、何・・・?」

 

みかり「何が起こったのです・・・?」

 

漆「神崎君、これは一体どう言う事かな〜?」

 

神崎「見ての通り、君達を喰べたいんだ。」

 

彩「え・・・!?」

 

神崎「前に言ったでしょ?僕はクズな人間しか喰べない主義だって。僕が今喰べたいのは、魔法少女達を殺し、テンペストを起こさせようとして、奴村さんを殺そうとした魔法少女サイトなのさ。」

 

露乃「え・・・!?」

 

漆「神崎君、僕達を裏切るなんて酷いな〜。」

 

神崎「裏切る?僕は元々魔法少女サイトの仲間になった覚えはないよ。」

 

漆「え?」

 

神崎「僕は君達の仲間のフリをしながら、会話をずっと盗み聞きしたんだ。そして全ての真意が分かった上で、僕は君達を喰べようって決めたんだ。そして僕は、君達魔法少女サイトのステッキを使って、彼らを生み出した。」

 

フードを被った男が顔を出した。

 

悠「なっ!?まさか・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仁さん・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フードの男の正体は、アマゾンアルファの鷹山仁だった。

 

仁「久し振りだなぁ悠。3年振りかな?」

 

悠「どうして、仁さんが・・・?」

 

仁「いやぁ、この小僧が俺の遺体をコピーして、そのまま俺を生き返らせたのさ。」

 

悠「生き返らせた・・・?」

 

神崎「そうだよ。カメラ型のステッキを使って遺体を撮影してそのまま現物させて、注射器型のステッキで蘇生させたのさ。まぁでも短期間しか生きて行けないけどね。」

 

漆「まさか、あの2つのステッキは君が・・・?」

 

神崎「そうだよ。そして僕は、ある2人も短期間だけ生き返らせたのさ。」

 

悠「ある2人・・・?」

 

 

 

 

 

 

その頃サイト管理人の捌は、フードを被った2人の人物と対峙していた。

 

捌「しつこいな〜あんたら〜!一体何者や〜!」

 

持ってる剣で、フードを斬り裂いた。フードを着た人物の正体は・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千翼とイユだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清春「君達は・・・?」

 

千翼は腰のネオアマゾンズドライバーのスロットにアマゾンズインジェクターを挿して、レバーを上げて、インジェクターに入ってる黄色の液体を注入した。

 

『NEO』

 

すると千翼の身体中のアマゾン細胞に刺激を与えて、”ゴクゴク”と飲むような音が響き渡った。そしてイユは、左腕に装着されてあるネオアマゾンズレジスターを操作した。

 

千翼・イユ「アマゾン!!!」

 

すると2人が赤い炎と黄色の炎に包まれた。

 

捌「な、何や!?」

 

清春「っ!!」

 

紗雪「っ!!」

 

あさひ「っ!」

 

炎が晴れるとそこに立っていたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アマゾンネオとカラスアマゾンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捌「何や?あんたらもアマゾンかいな?」

 

千翼「行くぞイユ!」

 

イユ「ターゲット確認。」

 

2人は走り出して、捌に挑む。

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

神崎「今頃向こうでは、千翼君とイユちゃんが戦ってる最中だよ。」

 

悠「千翼にイユも!?」

 

露乃「その2人って?」

 

悠「あの2人も僕達と同じアマゾン。千翼は仁さんの息子で、イユは死んで蘇ったアマゾンだ。」

 

露乃「死んで蘇った・・・?」

 

悠「でもどうやって?」

 

神崎「簡単だよ。僕は君達が戦ってる所を幾つも隠れながら見ていたんだよ。」

 

 

 

 

彼は、悠達が幾多のアマゾン達を狩り続けた光景を隠れながら見て来たのだった。千翼は悠と仁に倒された直後に、神崎が持ってるカメラ型のステッキで遺体をコピーして、真っ黒な空間で保存したのだった。息絶えたイユもそのまま遺体をコピーして保存したのだった。

 

 

 

 

そして仁は、悠に倒された後に神崎がカメラ型のステッキで遺体をコピーして、千翼とイユと同じ真っ黒な空間で保存したのだった。

 

 

 

 

神崎「そして君達魔法少女サイトが完成した、短期間だけ蘇生出来る注射器型のステッキをこっそり盗んで、彼らを蘇らせたのさ。どう?僕って賢いでしょ?」

 

漆「巫山戯た事をしてくれたね〜。そんな君も今から殺してあげるよ〜。ん?」

 

雨が降り始めた。

 

神崎「さてと水澤君、彼奴ら打倒の為に僕達と共闘してくれるかな?」

 

悠「神崎・・・」

 

仁「悠、守りたいもんがあったら全力で守れ。そう決めただろお前?」

 

悠「・・・分かった。けどこの戦いが終わったら、僕は君を駆除する。」

 

神崎「構わないよ。」

 

仁「悠、これを食え。」

 

ゆで卵を悠に渡した。

 

悠「仁さん、ありがとう。皆は下がって。彼奴は僕達が駆除する。」

 

彩「・・・うん。」

 

露乃「先生・・・」

 

彼女達は後ろに下がった。

 

神崎「そして彼女達にサービス。」

 

彼はシャーペン型のステッキを使って、彩達をバリアで閉じ込めた。

 

漆「僕らの邪魔をするなら、もう容赦しないよ〜。」

 

神崎「こっちだって容赦しないよ。」

 

悠は右手でゆで卵を握り潰した。

 

”ガリガリ”

 

そして殻ごと食べてタンパク質を摂取。

 

悠「お前を倒して、この戦いを終わらせる。」

 

仁「覚悟しろよな。」

 

アマゾンズドライバーで卵に罅を入れて、口を開けて生卵を食べてタンパク質を摂取。

 

神崎「さてと、ご飯の時間だ。」

 

体内から煙を噴射させ、ハダカカメガイアマゾンへと姿を変え、2人はアマゾンズドライバーのアクセラーグリップを捻った。

 

『OMEGA』

 

『ALPHA』

 

悠・仁「アマゾン!!!」

 

2人は緑色と赤色の炎に包まれた。

 

『EVOLU-EVO-EVOLUTIONE』

 

『BLOOD-AND-WILD-W-W-W-WILD』

 

緑色の炎と赤い炎に包まれた2人は、アマゾンオメガとアマゾンアルファに変身した。アマゾン対魔法少女サイト、最後の戦いが幕を開けた。

 

「END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       鷹山仁:谷口賢志

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      潮井梨ナ:鈴木愛奈
     雫芽さりな:山崎はるか

        千翼:前嶋曜
        イユ:白本彩奈

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

      住倉湯華:安齋由香里

  サイト管理人・弐:悠木碧
  サイト管理人・捌:キズナアイ
  サイト管理人・漆:中尾隆聖

      神崎賢也:緒方恵美

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Last Episode「MAGICAL GIRL AMAZONZ」

神崎「さてと、ご飯の時間だ。」

体内から煙を噴射させ、ハダカカメガイアマゾンへと姿を変え、2人はアマゾンズドライバーのアクセラーグリップを捻った。

『OMEGA』

『ALPHA』

悠・仁「アマゾン!!!」

2人は緑色と赤色の炎に包まれた。

『EVOLU-EVO-EVOLUTIONE』

『BLOOD-AND-WILD-W-W-W-WILD』

緑色の炎と赤い炎に包まれた2人は、アマゾンオメガとアマゾンアルファに変身した。

悠「ウオオオオオオオオオオ!!!!」

仁「ふんっ!」

神崎「行くよ!」

3人はジャンプして、漆に攻撃を仕掛けた。






その頃管理人達は。

壱「まさか神崎が裏切るとは・・・」

拾「Hey yo!此奴はヤバいぜ。どうするんだyo!」

拾伍「愚かな奴だ・・・」

陸「このままあのガキを見過ごすのか?」

壱「そうはさせない・・・あの小僧をこの手で始末する!」

すると管理人達が一斉に姿を消した。






同じ頃駆除班達は、要の捜索を続けていた。

志藤「ん?」

目の前にあるビルから、人影が現れた。

志藤「何だあれは?」

その人影の正体は・・・






ヒガンバナアマゾンだった。






望「アマゾン!?」

福田「まさか、別の奴が居たのか!?」

志藤「捜索は後回しだ!応戦するぞ!」

三崎「くそっ!」

志藤「狩り、開始!」

彼らは武器を構えて、ヒガンバナアマゾンに立ち向かった。






そして切子聖園では。

虹海「雨・・・」

美月「虹海ちゃん、どうかしたの?」

虹海「皆、大丈夫なんでしょうか・・・」

美月「きっと大丈夫よ。私達もそう信じてる。それにあの子達には悠が付いてるからね。」

虹海「そう、ですね・・・」

美月(悠、気を付けてね。)


八王子第二中学校・屋上。アマゾンオメガとアマゾンアルファとハダカカメガイアマゾンが漆と戦っていた。

 

悠「ウオオオオ!!」

 

右のアームカッターで漆を斬るが、避けられた。

 

漆「それ!」

 

両手から指鉄砲を連射するが、アマゾンオメガがアームカッターで全て斬り落とした。

 

『VIOLENT SLASH』

 

真上からアマゾンアルファがアームカッターを振り下ろして、漆の右腕を斬り落とした。

 

漆「やってくれたねぇ〜。」

 

神崎「隙だらけだよ!」

 

バッカルコーンを伸ばして、漆の顔面を殴ってぶっ飛ばした。

 

 

 

彩「凄い・・・」

 

梨ナ「あっと言う間に奴を圧倒してやがる・・・」

 

 

 

神崎「どう漆?僕達の力は。」

 

漆「中々だねぇ〜。」

 

悠「何でお前達は、魔法少女達を生み出して不幸を集めるんだ・・・」

 

漆「・・・世界は不幸で満ち溢れている。妬み、嫉み、怒り、暴力や犯罪への欲求。人が抱く有りと凡ゆる不の感情・・・それは、どんなに君達が正しく生きようと、ある日突然疫病のように降り掛かって来る。君達はこの世界を呪ったんだ。」

 

露乃「呪った・・・?」

 

漆「そうだよ。何故自分達がこんな目に遭わなくちゃならないのか、何故誰も助けてくれないのか、何故自分達が不幸なのか。」

 

悠「・・・・」

 

漆「その祈りは、王に届き、君達は魔法少女になった。」

 

仁「随分と勝手な野郎共だな。」

 

神崎「同感だね。本当に君達は相変わらずのクズだね。」

 

漆「君に言われる筋合いは無いよ神崎君。君は僕達を裏切った。だから僕達が君を殺して始末してあげるよ。」

 

神崎「面白いねぇ。それだったら、僕達も君を喰べてあげるよ!!」

 

バッカルコーンで漆を捕縛した。

 

神崎「2人共、やっちゃって!」

 

アマゾンオメガは、バトラーグリップを引き抜いてアマゾンサイズを出した。アマゾンアルファはアクセラーグリップを捻ってジャンプした。

 

『VIOLENT BLAKE』

 

『VIOLENT STRIKE』

 

大ジャンプした2人は、アマゾンサイズとドロップキックで漆を攻撃した。攻撃と同時に衝撃波が走った。

 

 

 

彩「っ!!」

 

梨ナ「何だ!?」

 

露乃「っ!!」

 

小雨「っ・・・!」

 

みかり「っ!!」

 

 

 

悠「なっ!?」

 

しかし漆は無傷だった。隠し持っていたもう1つのシャーペン型のステッキを持ってバリアを張ったのだった。

 

神崎「あれ?もう1本あったなんて、知らなかった。」

 

漆「ここは一旦、逃げるしかないねぇ〜。」

 

バッカルコーンを振り解いて、ジャンプして逃げ出した。

 

悠「逃げるのか!?」

 

神崎「僕に付いて来て。奴の居場所を特定出来るから。」

 

悠「分かった。頼む。」

 

神崎「任せて。朝霧さん達も来てくれ。」

 

彼は屋上から飛び降りて漆を追跡する。

 

仁「逃がさねえぞ。」

 

アマゾンアルファは大ジャンプしてハダカカメガイアマゾンに付いて行く。

 

悠「必ず駆除する!」

 

アマゾンオメガは、駐輪場にあるジャングレイダーに乗ってハダカカメガイアマゾンに付いて行く。

 

彩「皆、行こう!」

 

彼女達は走ってハダカカメガイアマゾンに付いて行く。小雨はみかりのステッキに乗って、さりなは梨ナが背負って走る。

 

 

 

 

 

 

その頃アマゾンネオとカラスアマゾンは、捌と戦っていた。もう既に分身達の半分は駆除された。

 

捌「もうあんたらしつこいなぁ〜。」

 

千翼「しつこいのはお前達の方だ!」

 

捌「ってかあんたら、一体何なんや?」

 

千翼「賢也が俺達を短期間だけ生き返らせたんだ。」

 

捌「神崎がぁ?あのアホ、裏切ったんかいな。」

 

イユ「お前達を、ここで駆除する。」

 

捌「もうあんたらは後回しや。先にあの娘達を殺してやる!」

 

分身達が清春と紗雪とあさひを襲い始めた。

 

清春・紗雪・あさひ「っ!?」

 

『CLAW・LOADING』

 

インジェクターを押して、右腕にフック状のワイヤーを生成させた。

 

千翼「はぁっ!!」

 

ワイヤーを射出して、3人を襲う分身達を捕縛して引き寄せた。

 

千翼「イユ!今だ!」

 

カラスアマゾンは鈎爪で分身達を一瞬にして斬り裂いた。

 

 

 

清春「凄い・・・」

 

紗雪「あれがアマゾンの力・・・」

 

あさひ「・・・・」

 

 

 

捌「おのれ!!」

 

すると捌の本体と分身達が一塊になって、アマゾンネオとカラスアマゾンに向かって転がり始めた。

 

千翼「くっ!イユ、逃げるぞ!」

 

イユ「了解。」

 

2人は捌達から逃げる。

 

捌達「待て待て〜〜!!」

 

 

 

清春「・・・行ったようだね。」

 

あさひ「何とかなったね・・・」

 

紗雪「だが、あの2人どうする気だ?」

 

???「さゆちゃーん!!」

 

そこに彩達が合流した。

 

紗雪「みかり!!」

 

梨ナ「大丈夫か!?」

 

清春「何とかね・・・悠さんは?」

 

彩「悠さんは、神崎君達と管理人を追った・・・」

 

あさひ「何処へ行ったの?」

 

みかり「案内しますわ!付いて来て下さい!」

 

露乃「行こう!」

 

 

 

 

 

 

その頃駆除班達は、ヒガンバナアマゾンと交戦中。

 

志藤「っ!」

 

M4カービンを連射するが、ヒガンバナアマゾンには効かなかった。

 

福田「喰らえ!」

 

L96A1で頭部を狙撃するが、ヒガンバナの花弁で防がれてしまった。

 

福田「効かないのか!?」

 

三崎「だったら!!これならどうだ!!」

 

ベネリM3ショーテイーを発砲すると、花弁がバラバラになった。

 

三崎「よっしゃ!望!」

 

望「うおおおおおおお!!!!」

 

コンバットナイフと電磁レガースでヒガンバナアマゾンを圧倒する。

 

望「どう!?」

 

ヒガンバナアマゾン「ウワアアアアアアアアア!!!!」

 

激怒したヒガンバナアマゾンが、口から毒液を放射した。

 

志藤「避けろ!!」

 

全員が散開して避けた。後ろの街頭が一瞬にして溶けた。

 

三崎「溶けた!?」

 

望「あの毒液、厄介ね。」

 

ヒガンバナアマゾンが口に毒液を溜め始めた。

 

福田「来るぞ!」

 

志藤「俺がやる。」

 

SIG SAUER P226に持ち替えて、銃口をヒガンバナアマゾンの口に向ける。

 

ヒガンバナアマゾン「ウワアア!!!」

 

口を開けた瞬間、志藤がSIG SAUER P226を発砲して、弾丸が口に命中した。

 

ヒガンバナアマゾン「ウワアアアアアアアアア!!!!!」

 

苦しむヒガンバナアマゾン。

 

望「これで終わりよ!!」

 

コンバットナイフを持って、顔を斬り裂こうとした瞬間。

 

ヒガンバナアマゾン「ウワアアアアアアアアア!!!!!!」

 

体内から煙を噴射した。

 

望「何!?」

 

すぐに距離を取った。そしてヒガンバナアマゾンがその場で倒れた。

 

望「何が起こったの・・・?」

 

福田「・・・っ!?」

 

志藤「これは・・・!!」

 

煙が晴れるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全裸姿の朝霧要が倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃アマゾンネオとカラスアマゾンは、捌達から逃げている。

 

『NEEDLE・LOADING』

 

アマゾンズインジェクターを押して。右腕にニードルガンを生成して、捌達に向けて針を連射した。少数の分身達が崩れ落ちた。

 

千翼「っ!」

 

目の前の紫色の塔に目を付けた。

 

千翼「イユ!彼処だ!」

 

イユ「了解。」

 

2人は大ジャンプして、塔のへ目指す。

 

捌達「逃がさへんで〜〜!!」

 

転がりながら大ジャンプして、2人を追う。

 

 

 

 

塔の天辺。アマゾンネオとカラスアマゾンが着地する。

 

『BLAED・LOADING』

 

アマゾンズインジェクターを押して、右腕にアマゾンネオブレードを生成して、天に掲げた。

 

捌達「逃がさへんで〜〜〜!!!」

 

迫り来る捌達。すると落雷が起こり、落雷がアマゾンネオブレードに集中した。カラスアマゾンは羽を展開させる。

 

千翼「行くぞ!!!」

 

アマゾンネオとカラスアマゾンが一斉に捌達に迫る。

 

イユ「フッ!!」

 

飛翔して、鈎爪で捌達を縦横無尽に斬り裂く。

 

千翼「今だ!!」

 

再度アマゾンズインジェクターを押した。

 

『AMAZON・BLAKE』

 

千翼「うおおおおおおおおお!!!!」

 

アマゾンネオブレードで捌達を一刀両断した。

 

 

 

 

地面に着地した2人。その目の前にバラバラになった捌達が一斉に落ちて来た。

 

千翼「終わったか・・・」

 

イユ「まだだ。」

 

千翼「ああ。行こうイユ。」

 

2人はその場から去って行った。

 

 

 

 

 

 

その頃駆除班達は、ヒガンバナアマゾンの正体が要だって事に驚きを隠せなかった。

 

三崎「あのアマゾンが、朝霧要だったとは・・・」

 

望「何で彼がアマゾンになったんだ?」

 

志藤「分からない。それより、これを彼に。」

 

1本の注射器を取り出して、右腕を消毒して注射器を刺して薬を注入する。

 

志藤「これで完了だ。」

 

あの注射器に入っていたのは、”死滅剤”だった。要がアマゾンになった事を嗅ぎ付けた水澤令華が駆除班に渡してあげたのだった。

 

福田「後は病院へ運ぼう。」

 

志藤「ああ。」

 

要を近くに停車してるバンに乗せて、病院へ運んだ。

 

 

 

 

 

 

同じ頃アマゾンオメガとアマゾンアルファとハダカカメガイアマゾンは漆を追っていた。

 

漆「しつこいね〜しつこいね〜。」

 

辿り着いた場所は、河川敷の近くにある野球場。

 

悠「何処までも不幸に拘るのか?」

 

漆「そうしないと、王が機嫌悪くするからね〜。」

 

仁「機嫌が悪いのはこっちの方だ。」

 

神崎「君達を倒さないとスカッとしないんだよ僕達。」

 

そこにアマゾンネオとカラスアマゾンが来た。

 

悠「千翼!イユ!」

 

千翼「悠。」

 

イユ「・・・」

 

 

 

そしてそこに彩達が到着した。

 

彩「悠さん・・・」

 

 

 

彼らは漆を睨む。

 

漆「お遊びもここまでにしようかねぇ〜。」

 

すると漆は、ロープ型のステッキを使って彼らを拘束した。

 

悠「なっ!?」

 

漆「こうすれば、君達を楽に殺せる。」

 

悠「くっ!!」

 

力を振り絞ってロープを千切ろうとしたが。

 

悠「千切れない!?」

 

漆「無理だね〜無理だね〜。そのステッキは君みたいな化け物でも簡単に破る事は出来ないんだよ。」

 

仁「此奴・・・!」

 

 

 

彩「悠さん!」

 

露乃「先生!!」

 

 

 

漆「さて、これで終わりだよ。」

 

右手で梨ナの持ってるハンマー型のステッキを引き寄せて掴んだ。

 

 

 

梨ナ「彼奴!!私のハンマーちゃんを!!」

 

 

 

漆「これで終わりだよ。」

 

ハンマーを振り上げた。

 

悠「くそっ!!」

 

千翼「っ!!」

 

イユ「・・・!!」

 

漆「死ね〜〜〜〜!!!」

 

彩「止めてええええええ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがしかし。

 

漆「あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然身体中に痺れが走り、ロープとハンマーを手放した。アマゾン達は解放された。

 

漆「ど、どう言う事だね・・・?これは・・・?」

 

神崎「死ぬのはそっちだよ。」

 

漆「え?」

 

神崎「これを使ったのさ。」

 

彼の右手には、塗り薬だった。

 

漆「そ、それはまさか・・・!」

 

神崎「塗り薬型のステッキ。これには痺れ薬が入っていて、漆が持ってるロープを伝って痺れさせたのさ。予め塗っておいて良かった。」

 

漆「そ、そんな馬鹿な・・・」

 

悠「これで終わりだ!!」

 

アクセラーグリップを捻って、アームカッターを大型化させた。

 

『VIOLENT PUNISH』

 

悠「ウオオオオオオオオオオ!!!!!!」

 

大ジャンプして、アームカッターで漆を切断した。

 

漆「僕が、不幸になるとは・・・不幸だね〜・・・不幸だね〜・・・」

 

切断された漆は、そのまま死んでしまった。

 

悠「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」

 

切断された漆は、人間の姿に戻った。

 

小雨「終わったの・・・?」

 

悠「終わった・・・」

 

梨ナ「此奴も人間に戻ったようだな。」

 

悠「ああ・・・漆の正体が君だったとは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長月雹花」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「悠さん、その子を知ってるの?」

 

悠「以前に会った事があるんだ。死んだ君が、まさかサイト管理人になっていたとは・・・」

 

すると。

 

さりな「・・・ん?」

 

彩「っ!雫芽さん!!」

 

さりなが起き上がった。

 

悠「雫芽!」

 

さりな「私は・・・一体・・・」

 

神崎「どうやら無事だったみたいだね。」

 

さりな「お前・・・!!」

 

悠「雫芽、彼は僕達と一緒にサイト管理人を倒したんだ。」

 

さりな「管理人を、倒した・・・?っ!」

 

倒れてる漆の人間体を見た。

 

さりな「彼奴・・・」

 

彩「でも雫芽さん、どうして・・・?」

 

神崎「漆は雫芽さんの急所をまぐれで外したんだよ。そして雫芽さんは自分が死んだと思って錯覚したのさ。」

 

さりな「お前、どうして?」

 

神崎「僕はクズな人間しか喰べない主義だから、今僕は君達と一緒に魔法少女サイトを駆除してる最中なんだよ。」

 

さりな「お前、彼奴らの仲間だったんじゃねえのか!?」

 

神崎「最初から仲間になった覚えはないんだよ僕。奴らはクズな考えを持ってるから最初から魔法少女サイトを喰べようって思ってたんだ。」

 

さりな「・・・・ってか此奴ら何だ!?アマゾンなのか!?」

 

アマゾンアルファとアマゾンネオとカラスアマゾンを見て驚いた。

 

悠「うん。神崎が生き返らせたんだ。」

 

さりな「生き返らせた?じゃあ此奴ら死んでるのか?」

 

神崎「うん。けど僕がこっそりと彼らを生き返らせたのさ。」

 

???「厄介だな君は。」

 

神崎「っ!?」

 

悠「何だ!?」

 

 

 

 

 

 

そこにサイト管理人達が一斉に姿を現した。

 

 

 

 

 

 

彩「管理人・・・!?」

 

露乃「こんなに残っていたなんて・・・!」

 

紗雪「くっ!」

 

壱「神崎君、君は余計な事をしてくれたようだね。」

 

神崎「余計って、君達に言われる筋合いは無いよ。」

 

壱「やはり、君を先に始末しておくべきだった。」

 

仁「お前ら、随分と色々やってくれたようだな。」

 

千翼「もうお前の好き勝手にさせない。」

 

イユ「ターゲット、確認。」

 

悠「これ以上、皆に指一本触れさせない!」

 

壱「なら止むを得ない。これを使う時が来たようだ。」

 

彼は、ダイヤモンド型のステッキを取り出した。

 

神崎「っ!」

 

 

 

清春「ダイヤモンド?」

 

みかり「あれもステッキですの?」

 

 

 

神崎「マズい・・・あのステッキはどんな願い事を叶える禁断のステッキ・・・奴らはそれを使って僕達を殺そうとしてる!」

 

悠「っ!?」

 

彩「え!?」

 

壱「こうすれば、君達アマゾンに邪魔されずに済む。」

 

神崎「止めろ!!!」

 

しかし他のサイト管理人達が神崎を拘束した。

 

神崎「く、くそ!!」

 

悠「神崎!!」

 

他のサイト管理人達が彼らと彼女達を拘束した。

 

露乃「なっ!?」

 

さりな「離せ!!」

 

梨ナ「おい離せよ!!」

 

紗雪「くっ!!」

 

小雨「いや・・・!」

 

あさひ「くそっ・・・!!」

 

壱「さぁ、この者達を今すぐ消し去れ。」

 

するとダイヤモンド型のステッキが光り輝いた。

 

悠「っ!!」

 

彩「止めて!!」

 

壱「これで邪魔者が無くなる。絶望の中で怯えるが良い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、何も起こらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壱「な!?どう言う事だ!?何故消えない!?」

 

彩「消えて、ない・・・?」

 

 

 

神崎「残念だったね!」

 

バッカルコーンで周辺のサイト管理人を蹴散らした。

 

壱「何故だ!?何故消えないんだ!?」

 

神崎「僕が作った偽物、よく出来てるでしょ?」

 

壱「偽物だと!?」

 

神崎「その偽物には、1回だけLEDライトが輝くように設定してあるんだよ。それを壊して中身をよく見て?」

 

壱「・・・なっ!?」

 

ダイヤモンドを壊すと、中にから電球が出て来た。

 

神崎「目を凝らさないと見えないLEDライトを仕込んでおいて良かった。そして中身が見えないように細工してあった。それは警視庁の取調室によくあるマジックミラーと同じ物を使ってるんだよ。」

 

壱「本物は何処にあるんだ!?」

 

神崎「ここさ。」

 

 

 

 

懐から本物のダイヤモンド型のステッキを取り出した。

 

 

 

 

壱「何時の間に!?」

 

神崎「これにはどんな願いでも叶える力が秘められている。朝霧さん、君がこれを使ってよ。」

 

ダイヤモンド型のステッキを彩に渡した。

 

神崎「所有者は僕になってるから、自由に使えるよ。」

 

彩「神崎君・・・」

 

壱「それを返せ!!」

 

サイト管理人達が一斉に襲い掛かる。

 

神崎「させないよ!!」

 

彼は十字架型のステッキを使って、サイト管理人達を金縛りにした。

 

壱「貴様・・・!!」

 

拾伍「許さねえ・・・!!」

 

陸「このガキが!!!!」

 

神崎「朝霧さん、頼むよ。」

 

悠「彩!頼む!」

 

彩「・・・うん。」

 

壱「止めろ・・・!!」

 

彩「テンペスト、この世界から無くなって!」

 

ステッキが輝いた。

 

 

 

 

カウントダウンが0になり、テンペストのページが消滅した。

 

小雨「テンペストが、消えた。」

 

梨ナ「凄え・・・!」

 

 

 

 

壱「止めろ・・・!!止めろ・・・!!」

 

神崎「君達はそこでじっとしててね。」

 

彩「魔法少女サイトに縛られてる魔法少女達を解放して!!」

 

ステッキが輝いた。

 

 

 

 

魔法少女「え?」

 

ステッキが消滅し、紋章が跡形も無く消滅して寿命が元に戻った。

 

魔法少女「消えた・・・?」

 

 

 

 

そして彩達のステッキと紋章も消滅した。

 

彩「消えた・・・」

 

露乃「ステッキと紋章が消えた・・・」

 

さりな「解放されたのか・・・」

 

 

 

 

 

 

拾伍「この野郎!!!」

 

金縛りから自力で脱して、彩に襲い掛かる。

 

拾伍「それを寄越せガキが!!!!」

 

悠「させない!!」

 

『VIOLENT PUNISH』

 

悠「ウオオオオオオオオオオ!!!!」

 

アームカッターで拾伍の首を切り落とした。

 

彩「不幸を持つ人々に、幸せな人生を与えて!」

 

ステッキが輝いた。

 

 

 

 

空から光が降り始めた。

 

露乃「光?」

 

彩「綺麗・・・」

 

光が彩達魔法少女達、更に不幸な人生を歩む人々に降り注いだ。更に朝霧次郎と朝霧要の心が浄化され、邪悪な心が消滅した。

 

 

 

 

彩「ん?」

 

ダイヤモンド型のステッキが点滅し始めた。

 

彩「点滅?」

 

神崎「どうやら次で最後だね。朝霧さん、最高の願いを言って。」

 

壱「まさか・・・止めろ!!!」

 

彩「魔法少女サイト・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「永遠に消え去って!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤモンド型のステッキが今まで以上に光り輝いた。

 

サイト管理人達「う、う、うわああああああああああ!!!!!!!」

 

光となって消滅した。

 

 

 

 

悠「消えた・・・」

 

露乃「やったわね、朝霧さん。」

 

彩「うん・・・」

 

 

 

 

???「不幸になって貰いましょう。」

 

 

 

 

全員「っ!?」

 

そこに、不のエネルギーを欲する王が出現した。

 

悠「彼奴が・・・」

 

神崎「うん。あれが王の正体だよ。しかも魔法少女サイトが消えたのに、彼奴だけが生きてるとは不思議だねぇ。」

 

王「あなた達は危険な存在。なのでここの世から消えて貰います。」

 

神崎「悪いけど、僕達は君に倒される義務は無いよ。」

 

仁「お前のお陰で生き返る事が出来た事だけは感謝するぜ。」

 

王「では、あなた達をここで駆逐します!」

 

嘗ての魔法少女達が使用したステッキを出現させた。

 

悠「っ!?」

 

彩「っ!?」

 

王「はぁっ!!」

 

ステッキを一斉に発射した。しかし。

 

神崎「させないよ!!」

 

バッカルコーンを展開して乱舞し、ステッキ達を次々と壊し続ける。

 

神崎「水澤君!この隙に王を殺して!!」

 

悠「神崎・・・!ああ!」

 

バトラーグリップを引き抜いて、アマゾンスピアを握る。

 

『VIOLENT BLAKE』

 

悠「ウオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

アマゾンスピアを力強く投げた。魔法少女達のステッキを壊し続け、王の左胸を突き刺した。

 

王「私が・・・あなた達に負けるとは・・・私が不幸になるとは・・・」

 

そう言い残して、王が光となって消滅した。

 

 

 

 

 

夜が明けて朝になった。

 

悠「・・・・・」

 

彩「終わったの・・・?」

 

露乃「終わったみたいね。今度こそ。」

 

するとアマゾンアルファとアマゾンネオとカラスアマゾンが倒れた。

 

悠「仁さん!?千翼!?イユ!?」

 

仁「悠・・・俺達はもうこれで終わりだ・・・楽しかったぜ・・・」

 

悠「仁さん・・・・・」

 

千翼「悠・・・この世界を頼んだよ・・・」

 

イユ「・・・・・」

 

悠「千翼・・・イユ・・・」

 

仁「じゃあな・・・」

 

そして3人は光となって消滅した。

 

悠「皆・・・ありがとう・・・」

 

彩「悠さん・・・やっと終わったね・・・」

 

神崎「まだ終わってないよ。」

 

彩「え?」

 

神崎「水澤君、僕を駆除してくれる?」

 

悠「神崎?」

 

神崎「僕の未練はもう無くなった。魔法少女サイトを消滅させた事で僕の未練は晴れた。だから、僕を駆除してくれ。」

 

彼は右手で自らの心臓を抉り取って、上に掲げた。

 

悠「・・・ああ。」

 

アクセラーグリップを捻った。

 

『VIOLENT STRIKE』

 

大ジャンプして、両足でハダカカメガイアマゾンの心臓を砕いた。

 

神崎「ありがとう・・・またね・・・皆・・・」

 

ハダカカメガイアマゾンは感謝を言いながら、液体となって消滅した。

 

悠「神崎・・・・」

 

梨ナ「やっと終わった〜〜〜〜!!!!」

 

露乃「何よいきなり。」

 

梨ナ「だって、私らは彼奴らに勝ったんだぜ!?」

 

彩「悠さん。」

 

悠「彩?」

 

彩「・・・ありがとう。守ってくれて。」

 

悠「彩・・・」

 

彼は彩を優しく撫でた。

 

 

 

 

 

 

その頃朝霧家では。

 

次郎「・・・」

 

前に令華に言われた事を真剣に考えてた。そこに桃子が。

 

桃子「あなた!要が見付かったって!」

 

次郎「何だって!?」

 

 

 

 

 

 

武蔵之病院。

 

桃子「先生、要は?」

 

先生「息子さんは衰弱しておりますが、一命を取り留めました。」

 

桃子「良かった・・・」

 

桃子「要の身に一体何が?」

 

先生「息子さんは、何者かに監禁された可能性があります。」

 

次郎「監禁!?」

 

先生「ですが、彼らが息子さんを救出しました。」

 

駆除班の4人と水澤令華が居た。

 

次郎「息子を助けていただき、ありがとうございます・・・」

 

志藤「いえ、我々は主任の指示に従っただけです。」

 

令華「これで一件落着ね。」

 

次郎「令華さん、ありがとうございます・・・」

 

桃子「ありがとうございます・・・」

 

令華「桃子、私は当然の事をしただけよ。次郎。」

 

次郎「?」

 

令華「悠の事を宜しく頼むわね。」

 

次郎「はい。」

 

 

 

 

あの戦いの後、少女達は元の場所へ戻って行った。

 

 

 

 

露乃は朝霧家で生活するようになった。

 

 

 

 

梨ナは泉ヶ峰家で居候生活を始めた。

 

 

 

 

小雨達は平穏な学校生活を送ってる。小雨の病気は完治された。清春は前は女装の事で虐めを受けたが、今は周りから可愛いと評判を受けている。

 

 

 

 

あさひも平穏な学校生活を送っている。

 

 

 

 

切子聖園では、虹海が正式に暮らす事になった。自宅のマンションから荷物を自分の部屋に移した。そして駆除班もこの切子聖園で生活する事になった。

 

 

 

 

水澤令華は、天条隆顕の屋敷で仏壇を拝んでいる。天条隆顕は2年前病気によって亡くなってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日が経った。

 

高ノ織中学校。悠と彩と露乃とさりなと梨ナが居る。

 

悠「皆に1つお知らせがある。穴沢虹海さんが今日から復学する事になった。穴沢さん、入って来て。」

 

教室に虹海が入って来た。

 

虹海「皆〜!」

 

女子生徒A「にじみん!!」

 

女子生徒B「良かった!無事に復学出来たんだね!」

 

男子生徒A「いやぁ〜またにじみんとお話し出来るなんて!」

 

悠「そしてもう1つお知らせがある。穴沢さんは来週からいぬあそび。に復帰する事になった。」

 

男子生徒B「え!?マジで!?」

 

女子生徒C「本当なんですか?」

 

悠「ああ。」

 

虹海「皆、急な話でごめんね。」

 

女子生徒A「にじみん、いぬあそび。頑張ってね!」

 

男子生徒A「俺達にじみんを応援してるよ!」

 

生徒達が虹海に激励を送った。

 

虹海「皆!ありがと〜!」

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

虹海「あやっぴ〜!つゆゆ〜!」

 

彩「にじみん!」

 

虹海「会いたかったよ〜!」

 

彩「良かった・・・」

 

露乃「もう大丈夫なの?」

 

虹海「うん!お陰で元気満タン!」

 

梨ナ「やっほ〜!」

 

そこに梨ナが来た。

 

虹海「潮井!」

 

梨ナ「元気になって良かったじゃね〜か!」

 

虹海「五月蝿い!殺してやるー!!」

 

梨ナ「捕まえてごらんなさ〜い!」

 

逃げる梨ナを追い掛ける虹海。

 

さりな「朝霧。」

 

そこにさりなも来た。

 

彩「雫芽さん?」

 

さりな「その・・・今まで悪かった。お前を虐めたりして・・・」

 

彩「・・・ううん、もう良いの。雫芽さん、私と友達になってくれる?」

 

さりな「ああ。」

 

2人は握手をして、互いに微笑み合う。彩とさりなが和解を果たした。

 

露乃「良かったわね朝霧さん。」

 

彩「うん!」

 

 

 

 

 

 

その頃美炭貴一郎は、街中を歩いていた。

 

美炭「彼らの協力者としての資格が無くなったか。フッ、まぁ奴らが消えた事で私は解放された。」

 

”ピリリリリリ”

 

美炭「ん?」

 

電話に出る。

 

美炭「私だ。・・・暴行事件?分かった。すぐに向かう。」

 

電話を切って、仕事へ向かった。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。朝霧家。

 

次郎「悠君、この前令華さんがうちに来たぞ。」

 

悠「え?母さんが?」

 

次郎「ああ。要を見付け出してくれたんだ。」

 

悠「見付かったんだね。」

 

次郎「令華さんのお陰で助かった。本当にありがとう。」

 

悠「い、いやぁ・・・」

 

彩「お兄ちゃんはまだ病院?」

 

桃子「ええ。まだ入院が必要だって先生が言ってたわ。」

 

彩「そうなんだ・・・」

 

桃子「露乃ちゃん、ご飯美味しい?」

 

露乃「はい、美味しいです。ありがとうございます。」

 

桃子「良かったわ。沢山食べてね。」

 

 

 

 

その後リビングで。

 

桃子「彩、ちょっと良いかしら?」

 

彩「何?」

 

桃子「実はね、この子がうちの近くに居たの。」

 

見せたのは。

 

彩「子猫?」

 

白くて小さい子猫だった。

 

桃子「お父さんがこの子を見付けてね、可哀想だから保護してあげようって言ってたの。」

 

彩「お父さんが?」

 

桃子「ええ。だから、大事に育ててあげようね?」

 

彩「うん!」

 

桃子「名前は何にしようかしらねぇ。」

 

彩「・・・ミャーちゃんはどうかな?」

 

桃子「良いわねミャーちゃん!可愛い名前だわ!」

 

 

 

 

 

 

数週間後。無事に回復した要が退院して家に帰って来た。

 

次郎「要、お前に言いたい事がある。」

 

要「何?」

 

彼は令華からの言葉を思い出した。

 

 

 

 

令華『このまま過度の期待を掛けるか、もうこれ以上やるのを止めて、父親として子供達を見守るか。どれを選ぶかはあなた次第よ。』

 

 

 

 

要に前で土下座をした。

 

次郎「・・・今まですまなかった。」

 

要「え?」

 

次郎「お前に過度の期待を掛け、挙句の果て暴力まで振るう事になってしまった。私も慢心し過ぎたようだ・・・だから私は心を入れ替えた。もう満点じゃなくても良い。要、お前はお前の道を進みなさい。」

 

要「父さん・・・」

 

次郎「だから、こんな父を許してくれるか・・・?」

 

要「うん・・・僕も裏で父さんに恨みを持ってごめん。だから、もう今までの事は忘れよう?」

 

次郎「そうだな。これからは無理をせずに頑張ってくれ。お前の成長を見守っているぞ。」

 

要「うん。」

 

 

 

 

その後彩の部屋。露乃は風呂に入ってる。

 

要「彩、良いかい?」

 

彩「・・・?」

 

彼女は怯えながら、恐る恐るドアを開けると。

 

彩「お兄、ちゃん・・・?」

 

部屋の前に要が立っていた。彼は不安な顔をしている。

 

彩「な、何・・・?」

 

また虐待を受ける事で不安がいっぱいだった。だが。

 

要「・・・今までごめん!」

 

彩「え・・・?」

 

彼は土下座して彩に謝った。

 

要「彩を虐待した事で、僕も酷い目に遭ってしまって・・・それにあの時悠の母さんに助けられたし・・・」

 

彩「お兄ちゃん・・・」

 

要「だから、こんなクズな兄を殴ってくれ・・・」

 

彩「・・・・・」

 

しかし彩は、要を慰めた。

 

彩「お兄ちゃん、もう良いの。お兄ちゃんが戻って来てくれた事が嬉しいの。」

 

要「彩・・・」

 

彩「だから、昔みたいな優しいお兄ちゃんに戻ってくれる?」

 

要「勿論だよ。本当に色々ごめんな・・・」

 

彩「私こそごめんね・・・」

 

こうして兄妹に絆が芽生えた。要は今まで彩に虐待をした事を深く反省したのだった。そこに。

 

悠「良かったね。彩。」

 

彩「悠さん。」

 

廊下に立ってる悠が居た。

 

悠「やっと兄妹に絆が芽生えたね。」

 

彩「うん。」

 

要「悠、君にも色々迷惑を掛けた。今まで本当にごめん・・・」

 

悠「いや、僕の方こそごめん。」

 

要「もう過去の事は忘れるよ。改めて、宜しくね悠。」

 

悠「ああ。」

 

2人は握手をし、無事に和解を果たした。

 

 

 

 

 

 

その後彩が風呂から上がってパジャマに着替えると。

 

次郎「彩、少し良いか?」

 

彩「え?」

 

次郎「この前令華さんが来たんだ。令華さんの話を聞いて、私は養子であるお前の相手を悠君に任せてばかりだった・・・」

 

彩「・・・・・」

 

次郎「だから私は改心した。お前を養子ではなく、本当の子供として見守り続ける。だから、今までの事を許してくれ・・・」

 

彩「お父さん・・・もう良いの。お父さん、もう昔の事は忘れて、これからの事を考えよう?」

 

次郎「・・・本当に優しい子だな、お前は。そうだ、今度皆で食事でも行かないか?彩の好きな物を沢山食べさせてやるぞ。」

 

笑顔で彩を優しく撫でた。

 

彩「本当!?ありがとうお父さん!」

 

こうして朝霧家に、本当の家族の輪が広がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数週間後。

 

要「あっち〜・・・」

 

家から出た要を出迎えてくれたのは。

 

虹海「きゃ〜!お兄様〜!」

 

梨ナ「此奴一向に治んねえなぁ・・・」

 

さりな「あれ?2人は?」

 

要「もうすぐ来るぞ。」

 

彩「待って〜!」

 

要「遅いぞ2人共。」

 

悠「遅れてごめん。」

 

露乃「これで揃ったわね。」

 

次郎「じゃあ彩、要、悠君。しっかり息抜きして来るんだぞ。」

 

要「ああ。」

 

彩「うん。」

 

悠「じゃあ、行って来ます。」

 

 

 

 

 

 

嘗ての元魔法少女達に会いに行く。

 

悠「あの日からすっかり変わったね。」

 

彩「うん。私達はもう魔法少女サイトに縛られなくて済んだね。」

 

露乃「私達は幸せな人生を手に入れたからね。」

 

悠「彩、奴村さん、これからも宜しく。」

 

彩「うん。宜しくね悠さん。」

 

露乃「宜しく。先生。」

 

 

 

 

切子聖園。

 

清春「彩ちゃーん!悠さーん!皆ー!」

 

彩「お待たせ皆。」

 

子供達と遊んでいる。

 

美月「おかえり悠。」

 

悠「ただいま美月。」

 

 

 

 

裏庭。

 

悠「ただいまムク、皆。」

 

ここは切子聖園の子供達の墓地。

 

彩「悠さん、ここは?」

 

悠「切子聖園の子供達のお墓だよ。家畜にされて、人間の肉として死んでしまった子達、御堂英之助に殺された子供達がここに眠っているんだよ。」

 

彩「子供達・・・」

 

露乃「先生、ムクって誰なの?」

 

悠「僕が守った少女。でも、御堂英之助に殺されて死んでしまったんだ・・・」

 

虹海「・・・・」

 

悠「でも、皆天国で見守ってるから大丈夫だよ。」

 

露乃「強いのね先生。」

 

悠「それ程でもないよ。」

 

美月「悠!行くよ〜!」

 

悠「今行く!2人共行こうか。」

 

彩「うん!」

 

露乃「ええ!」

 

子供達と駆除班と共に海へ行く。

 

 

 

 

 

 

海水浴で、駆除班も子供達と遊ぶ悠と元魔法少女達。

 

 

 

 

魔法少女サイトとテンペストの脅威が去り、彼女達は幸せな人生を歩み始めた。

 

「THE END」




         キャスト

       水澤悠:藤田富

       鷹山仁:谷口賢志

       朝霧彩:大野柚布子
      奴村露乃:茜屋日海夏
      穴沢虹海:芹澤優
      潮井梨ナ:鈴木愛奈
     雫芽さりな:山崎はるか

       朝霧要:岡本信彦

        千翼:前嶋曜
        イユ:白本彩奈

      雨谷小雨:原由実
    泉ヶ峰みかり:本渡楓
     水蓮寺清春:松井恵理子
     滝口あさひ:Lynn
      燐賀紗雪:M・A・O

      水澤美月:武田玲奈

       志藤真:俊藤光利
       高井望:宮原華音
      福田耕太:田邊和也
      三崎一也:勝也

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     女子生徒B:古賀葵
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      神崎賢也:緒方恵美

         王:能登麻美子

作者「やっとハッピーエンドになりました。読んで下さった皆さんありがとうございました。」


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Side Episode「APART INCIDENTAL」

2年前・黄金井市。

 

 

 

 

廃工場。

 

???「もうこれぐらいで良いか?」

 

鴉間巽。

 

???「いや、もうちょっとやっちゃえよ。」

 

最原竜我。

 

???「でももう死んでるぜ?」

 

久松翼冴。

 

竜我「いや、もうちょっとやんねえと気が済まねえよ俺は。」

 

巽「ほんじゃあまだまだやるか。」

 

3人は、1人の幼い少女をリンチしていた。

 

 

 

 

数分後。

 

竜我「これぐらいで良いだろう。」

 

巽「警察に捕まったらどうするんだ?」

 

竜我「んな訳無えだろ。俺達はこのガキに触れてないからな。」

 

翼冴「だな。警察に捕まっても否認すれば大丈夫だろ。」

 

3人はそんな話をしながら帰って行った。

 

 

 

 

その後、この廃工場に1人の人物が。

 

???「ん?」

 

その人物は、不良集団TEAM Xの元リーダーであり、アマゾンネオの千翼を支え続けた長瀬裕樹である。彼は現在刑事をやっている。

 

裕樹「お、おい!」

 

倒れてる少女に駆け寄る。

 

裕樹「大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

脈と心臓を確認するが。

 

裕樹「動いてない・・・くそっ!どうすれば!?」

 

???「だったら僕に任せて。」

 

裕樹「っ!?」

 

そこに現れたのは・・・

 

 

 

 

 

 

1人の少年だった。

 

 

 

 

 

 

裕樹「お前は?」

 

???「長瀬裕樹君だね?」

 

裕樹「っ!何故俺の名前を!?」

 

???「僕は神崎賢也。君の活躍を隠れながら見てたからね。勿論千翼君やイユちゃんの事も。」

 

裕樹「千翼とイユを!?」

 

神崎「あれ?その子どうしたの?」

 

裕樹「ここに倒れてたんだ!脈と心臓が動いて無い・・・それに、身体中に酷い痣が・・・」

 

神崎「成る程ねぇ。ねぇ、これ使ってみて?」

 

渡したのは、1本の注射器と消毒液。

 

裕樹「注射器?」

 

神崎「それをその子に注入してみて?凄い事が起こるよ。」

 

裕樹「どう言う事だ?」

 

神崎「いいから早く。」

 

裕樹「・・・・」

 

言われた通り、腕に消毒液を塗って注射器を注入する。

 

裕樹「・・・・・っ!!」

 

 

 

 

 

 

少女「・・・っ。」

 

 

 

 

 

 

何と少女が蘇生したのだった。

 

裕樹「生き返った!」

 

少女「・・・ここは・・・?あ、あなたは・・・?」

 

裕樹「お、俺は刑事だ。君を助けてくれたのは・・・あれ?」

 

さっきまで居た神崎の姿が無かった。

 

裕樹「彼奴、一体何だったんだ?それより、待ってろ。すぐに救急車を呼ぶから。」

 

スマホで救急車を呼んだ。

 

 

 

少女は黄金井市の病院に搬送され、身体中に痣があったものの、命に別状は無かった。

 

 

 

 

その後の黄金井市の病院。

 

裕樹「湖村さんですか?」

 

湖村の母「そうです。」

 

湖村の父「あの、愛里は?」

 

裕樹「全身に痣がありますが、命に別状はありません。」

 

湖村の母「良かった・・・良かったね、花夜。」

 

花夜「妹を助けてありがとうございました。」

 

花夜の母「愛里を助けていただき、ありがとうございました!」

 

花夜の父「ありがとうございました!」

 

裕樹「いえ、とんでもございません。」

 

花夜の母「それで、愛里の入院期間は?」

 

裕樹「全身に痣がありますので、入院期間は未定です。」

 

 

 

 

 

 

後日、湖村愛里をリンチした3人の少年達が逮捕された。裕樹が現場で多くの証拠を押収したが、3人は容疑を完全に否認。更に証拠不十分となり無罪放免で釈放された。後日、リンチされた湖村愛里の命に別状が無いニュースが流れた。3人はそのニュースに怒りを覚えた。

 

 

 

 

 

 

釈放後、3人は廃工場に来た。竜我はドラム缶や鉄筋を蹴っていた。

 

竜我「どうなってんだよ!!何であのガキが生きてんだよ!!」

 

巽「まだ殺しきれなかったんじゃないの?」

 

翼冴「あれだけ暴行したのに?」

 

竜我「冗談じゃねえぞ・・・今度あのガキを見たら完全に殺してやる!!」

 

???「残念だけど、そうは行かないよ。」

 

巽・竜我・翼冴「ん?」

 

そこに、神崎が現れた。

 

神崎「やあ。気分はどう?」

 

竜我「何だこのガキ?」

 

神崎「ガキだなんて失礼だな〜。君達もガキ同然じゃないか。」

 

巽「んだと!?」

 

神崎「事情徴収で容疑を否認するなんて、君達はクズ以下のクズだね。」

 

竜我「おいお前ら、このガキを先に殺すか?」

 

翼冴「奇遇だね。俺も此奴を殺したくてたまらねえ。」

 

竜我がヘアドライヤーを取り出した。

 

神崎(あれは・・・成る程ね。)

 

竜我「死ねや!!!」

 

すると神崎が高速で移動し、竜我が握ってるヘアドライヤーを奪った。

 

竜我「なっ!?」

 

神崎「生憎だけど、これは貰うよ。」

 

竜我「おい!それを返しやがれ!!」

 

神崎「・・・おっと、手が滑った。」

 

わざと手を離してヘアドライヤーを落とした。

 

神崎「おっと、足が滑った!!」

 

今度はわざと足でヘアドライヤーを踏ん付けて壊した。

 

巽「なっ!!」

 

竜我「てめええええ!!!!!このクソガキがあああああ!!!!!」

 

激怒して神崎を襲う。しかしその時、神崎から煙が噴射した。

 

竜我「っ!?何だ!?」

 

煙が神崎を包み、煙が晴れると・・・

 

 

 

 

 

 

ボディが白く、頭に触覚が生え、全身が透けてる異形の怪物が立っていた。

 

 

 

 

 

 

翼冴「な、何だあれ!?」

 

竜我「ば、化け物!?」

 

神崎「おや?さっきまでの怒りはどうしたの?もっと怒って狂っても良いんだよ?」

 

巽「お、おい!何だよ此奴!」

 

竜我「し、知るかよ!!逃げるぞ!!」

 

3人がパニックになりながら逃げるが。

 

神崎「逃がさないよ!」

 

シャーペンを押すと、バリアが張られ、3人を閉じ込めた。

 

竜我「で、出れねえ!!!何だよこれは!!!」

 

巽「まさか・・・彼奴も!?」

 

神崎「困るんだよ〜。君達が逃げちゃうとお腹が空いてしょうがないんだよ。」

 

ジリジリと寄り詰める。

 

神崎「君達からクズな匂いがプンプンするんだよ〜。ねぇ、僕に喰べさせてくれる?」

 

翼冴「く、来るな!!!」

 

神崎「それっ!!」

 

頭の触手を伸ばし、3人を捕縛した。

 

巽・竜我・翼冴「っ!?」

 

神崎「ねぇ、これでも罪を認めない?」

 

竜我「だ、誰が認めるか!!がぁっ!!!」

 

神崎「認めないなら、内臓が飛び出る程きつく締め付けるよ?」

 

巽「こ、このガキ!!!」

 

神崎「へぇ〜、まだ罪を認めないんだ。じゃあまずは、鴉間巽君!!」

 

巽「あああああああああ!!!!」

 

右手で巽の左胸を貫き、心臓を抉り取った。

 

神崎「いただきま〜す。」

 

その心臓を喰べた。竜我と翼冴は恐怖し、失禁した。

 

神崎「さてと、次は・・・久松翼冴君だよ。」

 

翼冴「ま、待って!!み、認めるから許して!!」

 

神崎「残念。時間が経ったから頂くよ!!」

 

翼冴「がぁっ・・・!!!」

 

右手で翼冴の左胸を貫き、心臓を抉り取って喰べた。

 

神崎「そして最後は、最原竜我君。」

 

竜我「ま、待ってくれ!!わ、悪かった!!罪を認めるから!!出頭するから助けてくれ!!」

 

神崎「ん〜・・・でも今更言っちゃうのはちょっとね〜。」

 

竜我「た、頼む!助けてくれ!何でもするから助けてくれ!」

 

神崎「え?今何でもって言った?」

 

竜我「い、言ったぞ!だから助けてくれ!」

 

神崎「ん〜そうだなぁ・・・・・・・あ、じゃあさ!」

 

竜我「お!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎「君の心臓を喰べさせて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜我「止めろおおおおおおおお!!!!!」

 

”ドスッ!!”

 

そして竜我の左胸を貫いて、心臓を抉り取って喰べた。

 

神崎「ん〜!美味しい!まだまだ殺したくて堪らないこの食感が良い味を引き出してる!折角だから。」

 

両腕を剣にして、3人の胴体をバラバラにして試食する。

 

神崎「ん〜、内臓も美味しいけど、やっぱり心臓の方が美味しいね。これでスッキリした!めそめそ泣きながら死んで行ったね。あそうだ、これは僕からお土産。美味しい物を喰べさせてくれたお礼だよ。」

 

持っていた血痕が付着した鉈を、竜我の右手に持たせた。

 

神崎「じゃあね。」

 

遺体をそのまま放置し、神崎は去った。

 

 

 

 

 

 

後日。鴉間巽、最原竜我、久松翼冴の3人の遺体が発見された。警察はこれを黄金井市不良少年バラバラ事件と命名した。竜我の右手に血痕が付着した鉈が握られていて、鉈に竜我の指紋が検出された。それが証拠となり、裁判所から竜我の犯行だと判決が言い渡された。

 

 

 

 

 

あれから2年後の東京。

 

えりか「ふ~ん面白いもの見~っけ。」

 

 

 

 

そんな遠くから見てる神崎が居た。

 

神崎「見付けたよ。僕のご飯。」

 

「THE END」




         キャスト

      神崎賢也:緒方恵美

      長瀬裕樹:赤楚衛二

      湖村花夜:黒沢ともよ
      湖村愛里:諸星すみれ
      花夜の母:清水彩香
      花夜の父:木内太郎

     貝島えりか:喜多村英梨

      最原竜我:山本祥太
       鴉間巽:小林竜之
      久松翼冴:安田陸矢


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