転移したら進化した件 (循環)
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本編
第1話 目覚め
気がつけば森の中にいた。これだけ見るとまだ何処かに誘拐などされたとまだ考えることも出来るが、ここが夢だと感じさせるものが目の前にある。それはおそらくドラゴンと呼べる翼を持った大きなトカゲの死体だった。
全く理解が出来ずに呆然としながら興味本位でドラゴン(仮)の死体に触っていると鱗が思ったよりも鋭かったようで、手から血が流れ始めた。切った所から流れる血を見ていると、痛みが走り熱を感じるようになってようやく、ここが夢ではないのでは?と考え始めた。
記憶を遡れば自分は溜め込んだ課題をやり終えてから安心して横になってそこからは覚えていない。
まさかとは思うが、最近のネット小説などである異世界転生したのではと考え、自分の体がどうなっているのか近くにあった水溜りで確認すると記憶と変わらないいつもの自分の顔を見た。
(つまり転生ではなく転移というものなのか。)
そうやって考えていると、だんだんと喉が渇いていると感じた。近くにある水といえば地面にある水溜りしか見当たらず。
「この水溜りとか増やせて飲むことができたらな、まあ森の中だし川の水とか綺麗そうな所を探すか」
と独り言をし、移動しようとすると何処からか
《確認しました。ユニークスキル『吸引者』を獲得・・・成功しました》
《確認しました。ユニークスキル『増加者』を獲得・・・成功しました》
と言う声がまるで直接脳内に届けたかの様に聞こえ近くに人がいるのかと思い咄嗟に
「誰かいるのか、ここは何処なんだ、これはなんなんだ。」
と周りを探しながらドラゴンの死体を指して待って声をかけて見るが、周りには木々とドラゴンの死体しか見つからず幻聴でも聞こえたのかと考え川を探そうとすると、ふと何かを増やす方法と吸引する方法が頭の中にあった。
もしやと好奇心を持って、水溜りに触れて増えろと考えると水が段々と増え始めた。
「おお、増えた!とはいっても、流石に水溜りの水は飲めないよな。…いや待てよ」
ちょっとした考えを思いついて、健康よりも能力のことに気を取り、水を吸い取れと考えると、どこか潤った感覚をし、地面には乾いた砂があることを見て
「もしかしてさっきの声を頼りにすると増加者というのが物を増やして、吸引者というのが水や液体を吸うものなのか」
と思いもっと他の物にも使ってみたいと考え何かないかと探すと
「ちょうど近くにいいのがあるじゃん。このドラゴン(仮)に使ってみよ」
と思いドラゴンに触れて増加者の能力を使ってみる。しかし、
(あれ?何も変わらない?)
ドラゴン(仮)にはしばらく触れ続けても特に変化を見られずに失敗したかなと考え、今度は吸引者の能力を使ってみるすると突然気分が悪くなり、眠気が来たと共に
《告。進化条件に必要な魔素を確認します・・・認識しました。
規定条件が満たされました。これより、進化が開始されます 》
先程聞こえた声がまた、頭に響いてくるが急激な眠気に疑問を考えている暇もなく眠気に負けてしまうのであった。
独自設定として、人は大量に魔素を取ると、適正があれば進化するという物です。適正がない人は亡くなってしまうという主人公はかなり危険な事をしでかしています。
増幅者では魔素を増加し、吸引者で魔素を吸収して許容量を超えて適正を持っていたため進化した流れです。
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第2話 変化
主人公のキャラが定まり切っていないような感じがして不安、まあまだ始まったばっかりでどのようなキャラかも伝わり難いかもしれないですけど
目が覚めたら、自宅というわけではなくやはり森の中でドラゴンも変わらずに存在していた。
「さっきのはなんだったんだろう、進化とか言っていた気がするけど…」
ふと、違和感を感じて手を見てみると水かきができ爪は鋭く尖っていてた。足も見てみると同様に変化している。
顔を見ようと思ったが、水溜りは枯らしてしまったので、頭を手で触って確認すると顔つきも変わっている様で、頭に角の様なものが生えていて、目の前で亡くなっているドラゴンの様な顔になっているようだ。背中にも触って見ると翼の様なものが生えていて、先程まで人間だったという面影を全く感じなくなっていた。
「え、これはどういう事。さっきまでは間違いなく人だったよな、もしかして今度こそ夢の中にいるのかな。もうドラゴンの死体とかどうでもいいから、家に返って寝たい」
と現実逃避ぎみに今の状況に理解しようとするがそんな事を言った所で夢が覚める訳もないと理解して
「とりあえず、対話とかできる相手を探して情報を集めたいな、夢としてももっと死体なんかじゃなく生きているファンタジーを見てみたいし、いきなり襲ってくるような悲惨な世界じゃないことを祈ろう。」
ともかく情報が欲しいと考えて、行動方針を考えていると、突如空に青白く幻想的な光が立ち上がった。しばらくすると、さっきの光によるだろう爆発音が鳴り響いてきた。
「なんだ今の光は、どんだけ距離があるのかはよくわからないがあんな事が出来る奴がいるような世界なのか……もしかしたらあそこには話が出来るような奴がいるのでは?」
こんな所まで、爆発音を響かせるくらい強力な力を持っている相手で、話せる相手でかもしれないという思いを押しのけ、あれしか情報がないと自分に言い聞かせて歩き出した。
(あれほどの力を持つ者はいったいどんな考え方をしているのだろう)
_______________
しばらく歩き続けるいると、アスファルトなどの整地された道を歩いて生きてきたからか、それとも変化した足に慣れないからか少し疲れてきているのを感じた。
「足が思った以上に動かし難いな、もっと日頃から鍛えていればよかったかな。そういえば、筋力とか体力を増加すればもっと楽に移動出来るかな?」
物は試しと、足に集中して脚力を増加させ始める。足がムキムキになるのかと考えて溜め続けていると、限界まで達した感じがした。
「あれ、特に何も変化しないな。失敗したかな?とりあえずどのくらいか試してみるか。」
軽く走って見ようと地面を蹴るといきなりとてつもない力で押されたかのようにもの凄い勢いで跳ねて、体勢を立て直す暇もなく木々を倒しながら転がり続けた。
「いてて、酷い目にあった。結構長い間転がり続けた割に対して痛く無いな、進化とかでやっぱり身体は頑丈になったりしているのかな。さっきまでは木々が邪魔してどのくらい進んだか、よくわからなかったがこうやって移動するとどんだけ移動したかよくわかるな。もう二度としたくないけど。」
後ろを振り返ると、転がった跡が一直線上に伸びており、その近くにある岩や木は砕けたり倒れたりしてどこを通ったのか一目瞭然だった。
「とりあえず、要練習として一旦休憩するか。あの光が起きた場所に今日だけでたどり着くことが出来るか分からないし、食べれそうなの探すか。」
最悪の場合は、木から水や栄養を吸い取ったりしてなんとかしようと思うが、できるかどうかよくわからなかい手を使うよりも、やはり口に入れて食べる方がいいと思い。見知った物などないか探し始めた。
「ちょっと酸っぱさが強いけど食べられないことも無いし、このリンゴっぽいの見つけれてよかった。一個でもあれば増やすことできそうだし。何よりも味覚が特に変わってないのが嬉しい。しかも」
片手でもう一つのリンゴに触れて数を増やしながら、遠くにあるリンゴに手を向け吸い寄せると考えるとリンゴが手に向かって移動してきた。
「増加者が色々使えそうに感じて、対して役に立たないかなと思ったけど吸引者も結構役に立ちそうだな。」
そうしてある程度リンゴの数を増やしたら、近くに生えていた丈夫そうな草を取り、数を増やすのではなく大きさを増やしてみた。
そうやって大きな草でできた袋にリンゴを入れて、移動を開始した。
一応主人公が最初に目が覚めた場所は、8.5巻などに乗っている。カリュブディスの洞窟辺りと考えています。
設定などは、気になるたびに読み返したりするのでここおかしいかなと思ったらちょくちょくと変えたりします。
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第3話 遭遇
増加者で段々と上げながら移動をしているおかげで時々上げ過ぎて転んだり、ぶつかったりすることがあるが順調に進んでいた。
「よく考えたら、この森で他の生き物を見た覚えがないな。」
小鳥などは声が聞こえたりするのにドラゴン見ないのを見ないななんて思い呟いたのが、フラグだったのか目の前に、人を食うことだってできそうな大きな蟻が視界に写った。
「うわぁ、でかい蟻だな。こっちを見てないのを見るとまだ見つかったりはしていないのかな?一応平和的に解決できるのか確認するかな……おーい、聞こえるか?ここら辺がなんて言うか知っている?」
相手に知能があることを一応考えて、とりあえず両手を上げて声をかけてみたが結果は
「ジーーーーーーーーーー!!」
とまるで威嚇するかのように、身体を伸ばして口をカチカチと鳴らしている。とても友好的な姿とは見られず、嘆いていると隙を突いてくるかのようにいきなり噛み付いて来た。
「うおっと、あぶね友好的に接した筈なのにいきなり攻撃してくるとかジェスチャーが通じてないのかな。やっぱり知性はないと見ていいか。」
と考えながら噛み付いて来ようとする蟻から距離をとって躱しながら考える。この蟻を倒していくべきか、逃げるべきか。
倒すにしたら身体を強化して、この巨大な蟻に向かって突撃し殴り倒すしかなく、下手に強化しすぎて貫通したりでもしたら体液を被ることになると考えると直ぐに決断した。
「ここは撤退。アレに向かっていくとか正気じゃないし、万が一でも蟻の体液とか被りたくない。」
嫌悪感が勝り、自分が来ていた方向に蟻を誘導した後、一気に距離を離すために跳んだ。
______________________
あの巨大な蟻から逃げ切った以降は、背中に生えた翼を使って見ようと思いパタパタさせて見たりしたが、いまいち使い方がよく分からず滑空することはなんとかできたので、跳んで滑空跳んで滑空というように進んだりし、地上で寝たりするのは流石に危険かと思い。
枝の太い大きな木を探し、木の上で少し仮眠をとったりして移動を続けていると、あの爆発の後であろうクレーターを見つけた。
「まあ、そんなもんだろうと思ったけどやっぱり誰もいないか。これからどうしようかな、気がついたら異世界いるし、身体は変化してるし、もし元の世界に帰るとしたら元の体に戻ってからじゃないと無理だよなぁ。どっかに亜人の国とか探してそこで暮らすとかもありかな?」
元の世界に未練は少しはあるがそれ以上にこの変化してしまった体について考える。
おそらく増加者でドラゴンの因子とかを増加して、それを吸引者で取り込んだせいでこんな体になったのは大体分かる。じゃあ取り込んだものを分解して取り出すことはできるのだろうか?元の世界戻ったら解剖エンドが待ってそうだし、そもそも戻る方法が無いかもしれない。
『すいません、聞こえていますか?』
そんなこんなで考え込んでい続けていくらか経ったのか、声が聞こえて来たので前を見てみると薄黄緑色の髪をし、半透明な女性がいつのまにかいた。
「うわっ、人がいた!あの、ここがどこかわかりますか?気づいたら森の中にいて、身体は変化するわで何も分からないんです。」
ようやく見つけた、対話できそうな相手がいるとわかって興奮していると
『すいませんが貴方の言葉はよく分かりませんので、こちらから挨拶させていただきますね。わたくしはこの森の管理者の一人、
そう言ったであろう彼女からの声は、進化やスキルの通知をした声のように直接脳内に送りつけるかのように聞こえた。
「あの、それどうやっているんですか?あ、伝わらないのか。ああ、せっかく話せそうな人がいるのに話せないとはもどかしい。」
そうやって嘆いていると、そんな動きを見て理解してくれたのかトレイニーさんは
『ああ、これは念話というものですよ。心で思っていることを伝えているので、
そんなことを伝えて来た。
(え、それ使うことが出来るのか。というか今なんか大切なこと言わなかったか?
『あ、あの聞こえますか!』
『はい。聞こえていますよ、でももう少し抑えていただけると嬉しいですね』
そうトレイニーさんが返事をしているのを聞いて本当に相手に伝わっているのだと実感し、目が覚めてから今まで起きたことを説明し始めた。
はい、トレイニーさんの登場です。
地形の位置的にシス湖も近そうなので、リザードマン辺りに合わせたりしようかなと思いましたが、森を監視してるドライアドが出てこない訳ない気がしたのでトレイニーさんにしました。龍人だし、下手に弱いのは交渉できなさそうですしね。
大きな蟻はジャイアントアントです。漫画1巻とかで出てますのでイメージがつかなかったらそれを参考にどうぞ。
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第4話 交流
『そうですか、貴方は異世界人でそこから進化したと…近くに人がいなかったのを考えると召喚された訳ではなさそうですね』
嘘だと思われるかと思っていたが意外とすんなり理解されてしまった。
『え、嘘だとは思わないんですか?』
『はい、この世界では異世界人は他にもいらっしゃいますよ。こちらでは、"異世界人"や"異邦人"などと呼ばれていてそういう方達はこちらの世界とは異なる知識をお持ちで、特殊な能力を獲得するらしいですよ。』
衝撃の真実が判明した、自分以外にも世界を渡っている人がいるという。
もしかしたら同郷の人もいるかもしれないと考えていると
『ですが、そんなに直ぐに魔人になってしまう人は始めて見ました。てっきり下位龍族が突然進化して、知識を得て戸惑っているのかと思っていした。』
そうだ、同じ故郷の人に会えたとしても自分が異世界人だったと信じてもらえる可能性なんて限りなく低いじゃん。
そんな風に喜んだり落ち込んだりしているとトレイニーが悩みながら言ってきた。
『…もしよろしければ合わせたい相手がいるんですけど、貴方の事情を説明して来てもよろしいでしょうか?』
『え…はい、いいですよ…っていなくなった!瞬間移動みたいなのも出来るのか、流石異世界って感じだな。」
返事をすると瞬間移動かの様に一瞬でトレイニーさんは目の前から消えた。
異世界らしさに驚きつつ、勝手に移動するのは失礼かと思い近くにあった石を引寄せ増やしお手玉などして遊んだり、スキルを使って遊んでいたりして暇を潰していると、また瞬間移動してきたのかトレイニーさんが戻って来た。
『相手にも、説明させて貰い興味も持っていただいたので、もしよろしければいらっしゃいますか?今のところ、住む場所もなさそうですし。』
『え、いいんですか。お金とか何も持ってないですよ。美味しくないですよ。』
余りにもいい話な気がして、食べられるのではと思いつい言ってしまったが、この森で暮らすのは危険かもしれないし、自分で探すのは自分が元は人だと信用くれる人もいるかわからないし、この人について行くのが今は最良な気がする。
『別に何かを求めるつもりはありませんよ。相手の方は、異世界人で転生者みたいなのでお話をしたくてお誘いしたそうですよ。』
え、もしかして同郷の人かもしれないのか。
というか転生者なんてのもあるのか、じゃあ尚更
『行きます。』
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そこは、道が舗装されていて、家は木造、ポンプなんかもあり、肉を焼いている屋台などがある賑わっている街だった。
そしてその街に住んでいる住人は緑色の肌をしており、フィクションの世界でよくいるゴブリンらしき生き物や、猪の人型でオークと思われる生き物、自分と同じ様な姿をしているもの。様々な亜人と思われる人や狼、普通の人みたいな者もいた。
「うおおお、まさにファンタジーで出てくる感じの場所だな。ついていって正解だったかな。」
つい、普通に声を出してしまったが、周りにいるほとんどの人には、聞いたことのない言語のためか少し見られてしまった。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️」
すると、狼に乗ったゴブリンが何かを話しかけて来た。しかし、言語が異なっているため全く伝わらず。動きからして、挨拶などをしてきてくれているのだろう。言葉が通じていないと感じるとすぐにトレイニーさんの方に向き話はじめた。
しばらくトレイニーさんと話すとまた歩きはじめこちらに向かって手を振っているのを見て、親切に接してくれたのだろうと思い、一応礼をした。
『あの方は、ホブゴブリンのゴブタさんと言ってこの街の警備などをしてくれている方ですよ。ジュラ・テンペスト連邦国の中央都市リムルへようこそと、と後魔素を抑えて欲しいとおっしゃっていましたよ。』
『ここはジュラ・テンペスト連邦国って所なんですか。そして、ホブゴブリンのゴブタさんっとまた今度お会い出来たら感謝を伝えようっと。魔素?それってなんですか?』
また次にあった時にお礼をしようと考え、知らない単語が出てきたので聞いてみる。
『魔素とは魔法的なエネルギーのことで、魔物など魔力を持っている生物の生命力の源みたいなもののことですよ。』
つまり、生命力が漏れているってことかな。じゃあ吸引者で吸い取れば問題はなさそうかなと思い。自分の周囲の魔素を吸い取ると考えた。進化する直前に起きた気持ち悪い感覚をするのを感じ少し吸い取るのをゆっくりにし、この吸っているのを魔素なんだと実感する。
『こんな感じでどうですか?魔素を出さないようにしたつもりですけど。』
本当に魔素と言うものを吸えているのかはよく分からないので、トレイニーさんに聞いてみると。
『ええ、すごいですね。魔素が全く漏れていませんよ。そのくらい強い方なら魔素を抑えるのも一苦労ですから。さてそれでは挨拶に行きましょうか、リムル=テンペスト様がお待ちですよ。』
え、リムル=テンペスト?さっき聞いたばっかの単語が2つも聞こえたぞ。
『あの、それってもしかして。』
『はい、この国の国王が貴方に会いたいと仰っていました。』
ゴブタの声が聞こえていないのは、主人公が魔力感知を得ていないからで、何も反応しなかった人は魔力感知持ちで街に驚いているだけと判断しているからです。改めて思うと魔力感知はかなり万能ですね。
街の印象は、漫画5巻がいいですね、いろんな種族が街に訪れているんだなと思えて。
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第5話 名付け
念話の件は意見があれば変更します。
トレイニーさんについて行くと、そこは大きな日本屋敷の形をしていた。
リムルと言う人は、もしかしたら日本人、もしくは日本文化が好きな外国人かもしれない。
どちらにせよ、言葉が通じそうで安心できそうと思い。
門をくぐった。日本を感じさせる建物に気を取られていると、
『貴方がリムル様の申していたお客様ですね?シュナと申します。応接室までご案内します。』
声を掛けられて見てみると、その人は薄桃色の長髪から白い二本角が生えている綺麗な女性だった。多分角があるのを見て鬼かなと思いその女性について行くと、引戸の前に立って
『リムル様がお待ちです。どうぞ中へお入りください。』
と言われたので、入って見るとそこには薄っすらとした銀髪の美少女がいた。するとトレイニーさんが跪いて、
『リムル様、貴方と同じ異世界者らしき者を連れて参りました。』
と言うので、一応跪いた方がいいのかと思いトレイニーさんの真似をする。すると少女は
『はい、ご苦労さん。トレイニーさんまた何かあったら教えてくれると助かるよ。』
と国王が言った言葉とは思えない軽い言葉が出てきた。
『はい、それでは失礼します。』
と言ってトレイニーさんは部屋から去り、部屋には自分とリムル様しかいなくなった。国王に向かってどう対応すればいいんだ?敬語とか得意じゃないぞと考えていると、リムル様がこちらに近づきてきた。すると片手を出して握手を求めるかのように
「初めまして、俺がこの国の王をやっている、リムル。本名、
とフランクな感じで日本語で話しかけてきて、やはり日本人だったと安心しながら。自分も名乗らないといけないよな、嫌だなと思いながら名乗る
「初めまして、
そう、自分の名前は俗に言うキラキラネームと言う奴で、よく挨拶をし名前を名乗ると真っ先にドラゴンというところに反応して、その後笑いを堪えるか、憐れむ顔になるのが複雑な気分になる。
「おおう、よろしくな。"リュウ"」
と言われると急に力が漲ってきてなんだと思っていると、三上さんがふらついたと思うとスライムの様になった。
「え、ええええええ!三上さんがスライムに?え、自分何もしてないよね?え、何かしてしまったのか?」
と叫んでると、異常を感じたのか引戸から先ほどのシュナさんが入ってきた。
『失礼します。何か異常でも起きましたか?』
と言うので、スライムになった三上さんを見せると何だか、またか見たいな感じでスライムになった三上さんを見ていた。
『これは低位活動状態といい、名付けなどして魔素が少なくなるとこの状態になります。リムル様に名前を呼ばれましたでしょう?』
そんなことを聞いて取り敢えず、命に別状はないみたいだ。名付けってのはリュウと呼ばれたことか。てか、スライムなんて聞いてないんだけど
『名前はリュウと呼ばれましたね。あの名付けってのはなんなんですか?』
取り敢えず三上さんを薄桃色の鬼が持ち上げ椅子に座らせたのを見て聞いてみた。
『基本魔物は名前を持たないものなのです。名付けとは、力を分け与える行為で相手の強さに応じて魔素を消費します。名付けで消費した魔素は回復しないことも多いため、基本的にはそんな気軽にしないことなんです。』
つまりパワーアップの儀式見たいな物なのか、いきなりでビックリしたけどまだ自己紹介しかしていない自分にするなんて、お人好しなのか間抜けなのかよくわからないが、これからお世話になるし感謝しよう。
そういえば、魔素が足りなくなっているんだったら、魔素を増やせばいいのかな
『あの、低位活動状態って魔素が足りない状態なんですよね。じゃあ魔素を増やしたら早く回復しますか?』
取り敢えず無断でするのはいけないだろうと思いシュナさんに聞いてみる。
『ええ、そうですね。魔素が回復すればですが、どうするおつもりで。』
いきなり動いたからか、すこし警戒するような体勢をしている。
『いえ、魔素とか増やす能力あるのでリムルさんに回復して貰おうと』
といい、三上さんに触れ増加者で魔素を増えろと考えると、しばらくすると意識を取り戻したのか三上さんが声を上げた。
『あれ、今回は結構早く目が覚めたか?』
今回はって、この人もう何回も体験しているのかと言う考えは置いて、漸く話し合いができるなと思うのであった。
俗に言うキラキラネームですね。もし読者に変わった名前の方がいて気を悪くされたら申し訳ございません。
名付けでは15万ものオークに名付けするのも凄いですが、500のゴブリンに被りを作らずつけるのも凄いですよね。
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第6話 新生活
まだまだ気分が乗っているのでペースが速いです。そろそろ原作の進行を確認しながらになるのでゆっくりになるかと思いますが、お楽しみ下さい。
リムルさんの話を聞いていると、まるで自分の体験は大したことでは無いのかと思えてきた。
まず強盗にナイフで刺されて死んだという、そして転生したらスライムで何も見えず聞こえずの状態でしばらく過ごしていたと言う事にも驚きであった。今は魔力感知と言うエクストラスキルを手に入れたお陰でスライムの状態でも見たり聞いたりできるようだ。
自分に会う前にも、異世界人にあって井沢静江と言う人もいたそうだ。その人が亡くなる前に食ってと願われたそうで、それで人間になった姿が女のような見た目になったそうだ。
前世は男性で今はスライムになり無性となって、人になると女性の見た目になるなんて大変な状態だな。
「はあ、君も大変な体験してきたんだね。」
「流石にリムルさんほどでは無いですよ。まあ、起きてから進化だなんだとあってかなり混乱しましたけど、大して危険な目に会うことはありませんでしたし…まあこれからどうして行くか全く考えて無くて、こんな見た目だと化け物とか言われそうですし。」
三上と言う名前は昔のであって、リムルと呼んでくれと言われたのでリムルさんと呼ぶようにし、これからの事について話す。
「ああ、それなら。俺は繋がりのある人には、スキルの譲渡なんかできるみたいなんだよね。もしかしたら、さっきの名付けで繋がったと思うから。種族的には無理かもだが人の姿になら戻れるかもよ?住む場所は取り敢えずここで住めばいいよ、色々大変そうだし」
スキルに譲渡とかできるのか、人に戻れる可能性があるってことか。なんでも、龍鱗化と言うスキルで人の姿に近づけたり、できるそうだ。住む場所の確保は有難い。元の世界と比べると利便性は劣るが、綺麗だし居心地も良さそう。
「まあ、まずは言語の習得を目指すか。何にしても会話ができないのは、辛いだろ。」
そういえばそうでしたね。
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これからお世話になるに当たって自己紹介をしようとリムルさんが言い、今外の広間にある台の上にいる。
リムルさんが手に持っているのは、マイクのようなもので、魔法の力を使って声を広く響かせるそうで、名前は魔イクとそのままな名前らしい。
「あ、あー、今日から新しい仲間が滞在することになった。ちょっと特殊な人だから優しくしてあげるように。じゃ本人から一言。」
「リュウと申します。つい最近進化してしまった元人間です。こちらの世界の常識など教えてくださると助かります。お世話になりますがよろしくお願いします。」
と、言ってみたけど日本語だったからか何人かには伝わらなかったようで、
「あー、そうか。日本語聞き取れないのかな……ええと、元人間のリュウって言って、色々知らないから教えてください、よろしくお願いしますって言ったんだ。できるだけ仲良くしてくれよ。」
とリムルさんが付け足すと、うおおおおと言う歓声が上がり拍手などをしていることから歓迎してくれていることがわかる。リムルさんにお礼をして、住民にも礼をした。
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リムルさんは解析のスキルを持っているらしくそれで調べたところなんと、吸引者という能力では知識を吸収すると言う、まるで言葉遊びのようだかそういうのにも使えるらしく、かなり早いペースで覚えていくことが出来た。
ズルだと思ったのかリムルさんには、睨みつけられたけど。
言語を覚えるにあたって元の世界でやっていた漫画などを描いてもらい勉強したお陰で、大した苦もなく楽しい学ぶことができた。
それと、同時に護身などのため鬼人族で剣の達人であるハクロウさんに稽古をつけてもらったりもした。
ハクロウさんやシュナさん達が住んでいたオーガの村では傭兵集団として過ごしていて、昔侍達がいたようで刀を作ったり、扱いかたを知ったそうだ。その村はもう無くなってしまったらしいけど…
テンペストの中でも一番の達人がハクロウさんで、大きな岩を一瞬で滅多斬りにしたのを見て逆らってはいけないと思った。
そんなハクロウさんの修行では、街に来て最初に挨拶してくれたゴブタと仲良くなった。
他にもテンペストの実質的な統治者リグルドさん、テンペストの軍部を担当しているベニマルさん、リムルさんの秘書をしているのシオンさんなどのこの国の幹部たちをリムルさんから紹介させていただいた。
リムルさんの警戒心がこの頃は、まだ弱い感じですよね。4巻以降からは高めていっていますし、人が仲間になって信頼関係を得るのはこれくらいまでがいいと思う。
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閑話 ある一日
原作ストーリーとは関係ないので閑話としました。
念話とかでカッコ変えてたらしたけど面倒になって来た。まあ、今回だけにするつもりですので、次回からは主人公に言語覚えてもらったとしましょう。
これから住民として暮らすということで、俺を特別扱いする訳にはいかないそうで、長屋で暮らしてくれと残っている部屋を用意してくれた。
朝になり、リムルさんの元へ行くと単語帳のようなものを渡された。
「俺も王様として、色々見ないといけないから夜までにそれでも見て覚えてくれ。あっ後護身の為にも鍛えた方がいいだろうから、良かったら昼当たりに修練場に来てくれよ。」
と言って見回りしに行っているのを見て、本当に王様としてしっかり働いているんだなと思った。
確かにこの世界は、魔物など知性なく襲ってくるような危険な世界だしせっかく誘ってくれたんだから行ってみるか。
修練場がどこにあるのか知らないが…
昼頃になると、近くにいる人に修練場を聞いて見て移動すると、そこには鬼人の老人とその周りにホブゴブリン達が老人に向かって挑んでいた。そこから少し離れた所にリムルさんと赤い髪の鬼人が休んでいるので挨拶する。
「こんにちは、リムルさん確かに一応護身も必要かなとも思い。来ました。」
「おお、来たか。場所教えるの忘れてたから来ないかと思ってたよ。
まだ挨拶はしてないよな、この人は、ベニマル。このテンペストで軍部で指揮官をしている優秀な俺の右腕だ。」
そうリムルさんが紹介するのは、真紅の髪を持ち漆黒の二本角が生えている男性だ。
『テンペストで侍大将の座を賜ったベニマルだ。リムル様からおおよそ説明は聞いている、これからよろしくなリュウ。』
「はい、よろしくお願いします。異世界者のリュウと言います。ところであちらで戦っているお方は?」
ベニマルさんと握手をし、一人で無双している老人を見ると、リムルが紹介させるためか休憩と声を掛ける。
その声で戦っていたもの達が止まり、ゴブリン達は座りこんで休憩を喜んでいる。もしかしてかなりのスパルタなタイプの人なのかもしれない。そうこう考えていると老人はこちらに近づき挨拶した。
『初めましてリュウ殿、リムル様より指南役を担っているハクロウと申します。この度は、貴方に身を守れる程度には鍛えてとリムル様より命じられました。どうぞよろしくお願いします。』
「今回はハクロウにリュウの稽古をつけて貰おうと思ってな、どのくらい動けるか見せてくれないか。」
ハクロウさんが挨拶をし、リムルさんが今回の件について説明してくれた。
え、稽古ってこの人と?さっきあんなに無双していた人と?
『手加減は致しますからどうぞよろしくお願いいたしますぞ。』
え、えー本当に手加減してくれるのかな?さっき光景見る限り手加減してくれそうに思えないけど。
「は、はいよろしくお願いします。どうぞお手柔らかに。」
「今回は動きを見るだけだから、倒すとかそんなの考えなくていいぞ。まあ、ハクロウは強し厳しいからそんなこと考えられないかもしれないが。」
そうリムルさんがアドバイスをしてくれるけど、嫌なことも聞いたやっぱりスパルタタイプか。
ハクロウさんが、木刀を構えて来ているので取り敢えず増加者で身体能力を制御できる範囲まで増加させ、防御力を名一杯増やす。
そして、ハクロウさんがどう来るかを考えて待っていると全く来ないので、こちらから行くことにした。
まずは、木刀を片手で持っているのでその反対側に移動し、まるでわかっていたかの様に防がれた。少し呆気にとられていると、吹っ飛ばされた。
「いって、あれあんま痛くない。増やした分が上手く働いているのか。結構できたと思ったのにな。」
そう呟いていると
『ホッホッホ。身体能力は高いようですが。まだまだ目が付いていっておりませんな』
などと言ってくる。そうか目が付いて行ってないなら、目が追いつかないレベルまでいってしまえばいいじゃないか。
そう考えると身体の防御力はそのままにして、身体全身にしていたのを片足に一変に集中し、クラウチングスタートの姿勢をとった。
ハクロウさんも只事ではなく感じたのか、少し真剣な顔になった。
そして、一気にハクロウさんに突っ込むが、ハクロウさんの横を通り過ぎた。そこから吸引者を使って自分とハクロウを引き寄せ、一気に身体の向きを変化させ後ろからタックルをした。流石にこれには反応できないだろうしこれは吸引者で引き寄せ続けるから、一度では終わらない。
そう考えるとハクロウさんが消えた。引き寄せる対象を見失い勢いが途切れるまで木々を倒していくのであった。
________________________
せっかくの作戦が失敗して残念に思っていると
「おお、すごいじゃないか。ハクロウに隠形法の極意"朧"を使わせるなんて、てっきり移動させる程度かと思ってた。うん、大体の能力はわかったし、ハクロウこれから頼むぞ。」
とリムルさんが褒めてくれた。えー、てかそんな極意とか使われたの?なんかズルくね。
と不満な顔を見てかハクロウさんは
『いやはや、あのような攻撃をして来るとは思いませんでしたわ。あのままだと私の身体も引き寄せられていつまでも躱しきるのも、大変でしたので使わせていただきました。』
なんて言ってくる。まあ、普通人間ロケットなんて無謀なこといる訳ないしな。自分は吸引者があるから、誘導もできるし相手の動きを阻害できるからやったが、あんな方法で破られるとは…
「次こそは一発当てたいですね。これからよろしくお願いします。ハクロウさん。」
________________________
と訓練が終わり、夜になってリムルさんの元へ行くとスーツ姿の鬼人の女性がいた。
「おお、貴様がリムル様が言っていたリュウという奴だな。…そうか念話じゃないとだめだったか、私はリムル様の第一秘書のシオンという、よろしくな。さて、リムル様がお待ちだ付いて来い。』
クールビューティな姿とは裏腹に豪快な人だなと思いついていく。
ついたのかノックをし、いいぞというリムルさんの声が聞こえ中に入る。
「よし来たか、待っていたぞ。ちょっと教えるのにも工夫してみようと思ってな、これを見てくれ。」
そう言うリムルさんが持っている本の様なものを見る、そこには前の世界で連載したり、完結した作品が描いてあった。
そして、吹き出しのところは日本語ではなく朝に渡された単語のと似たような物があり、翻訳されたものだとわかる。
「おお、これは前の世界でやっていた漫画じゃないですか。これはいったいどうやって?」
「ふふふ〜、これのために夜まで待ってもらったのだよ。楽しく勉強できる方がいいだろう」
とリムルさんが誇らしそうに語る。読んでいない作品などもあり、これから楽しく勉強できそうだ。こうして熱中して次の日、ハクロウさんの訓練に遅れそうになるのであった。
ソウエイが出て来ていないのは、まあ隠密ですしスパイかどうかを監視する為ですかね。ランガとかいつもリムル様の影に潜ってそうで顔を合わせるタイミングがわからないですね。
キャラごとの口調を真似て書くのしんどいですね、小説などで似たようなセリフがあった気がしたら確認とかしますが何処に書いてあるか忘れてたりしますし。
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第7話 紹介
テンペスト連邦国で暮らし始めて一週間くらいした。基本午前中に勉強し、午後から特訓を受けたりしている。
勉強の方は日常会話は出来る程度までになり、この世界の人とも話し合うことができるようになって来た。
話しをして驚くことに、この街の住民はみんなリムルさんに名付けをされたネームドモンスターらしい。というか気軽にしてはいけないというものを国王がやっているってどういうことなの。それで低位活動状態に慣れてそうだったのか。
基本的に名付けなんて滅多にしてもらえるものではないからか、魔物や魔人の世界は弱肉強食という殺伐とした世界だからか、この街の住民はみんなリムルさんをリムル様リムル様と呼んで尊敬されている。
まあ、結果的には尊敬されて国を作れるまで行ったから正解なのかもしれないな、というか、この街にいる人だけでも結構いるのに軽く一万は名付けをしているかもしれないな、どんだけ魔素持っているんだよ、即時回復できる様なのなかったみたいなのに。
そして、鍛錬の方は自分が今持っているスキルなどを確認した。
龍鱗化、天眼、熱源感知、多重結界、魔法耐性、物理耐性などがあることが分かった。
まあ、持っていても使えなければ意味がないなどと言われたので、基本的にそれらを使いこなす練習をした。
それと、この町の住民以外の人とも出会った。ブルムンド王国で自由組合支部長のフューズさんと冒険者のエレンさん、ギドさん、カバルさんとファルムス王国から来たヨウムさん。
自由組合とはゲームなどである、ギルドみたいなもので採取や調査、討伐などを主に行なっているようだ。
そしてヨウムさんは、リムルさんの計画のため英雄をやっているそうで、ハクロウさんに師事を受けている。
後、ミリム・ナーヴァという魔王にも出会った。
「初めまして。ワタシは、魔王ミリム・ナーヴァだぞ。お前はこの町で龍の因子が一番強そうだし、親友のリムルが親切にしてやれと言ってたからワタシが稽古してやるのだ。」
始めは子供が何か言っているのかなと思い。
「はあ、ありがとうございます?」
なんて軽く返事をしてしまったのがマズかった。なんでも十大魔王の一人で天災級と言う一つ飛び抜けた人らしい。午前中はリムルさんとベニマルさん達が特訓を受けてるそうだが勝てたことがないらしい。
それからハクロウさんとの修行している時に現れて、稽古をしてくる様になったんだけど、滅茶苦茶強く、しかもそれでも手加減をしてくれているそうだし。両手に付けているグローブはドラゴンナックルといい威力制限の効果があるそうだ。
弱体化して、手加減までしてもそんなに強いのかよ魔王とか、天災級には手を出さないようにしようと心に誓った。
龍人の動きについては、同じ龍人である。ガビルさんやソーカさんから習った。
「リムル様から、聞いておるぞ、リュウとやら。我らと同じ龍人となったそうだな。どんなことでも頼るといい。我輩は先輩だからな。」
「リムル様より、伺いました。リュウさんですね。兄はこう言っていますが、抜けている所もありますので、どうかよろしくお願いします。」
なんとガビルさんは自分と同じ見た目に対し、ソーカさんは人間と全く変わらない容姿をしていた。あれで兄妹と言うのだから、魔物というか進化というのはよくわからないなと思った。
身体の動かし方には、ガビルさんに教えてもらい、龍鱗化のスキルについてはソーカさんに教えて貰い。翼を使って飛んだりすることができた、龍鱗化の方もおおよそ上手くでき、少し鱗や角が残ったりしたが人間のような姿になることもできた。
後、ソウエイさんと言う隠密の役を担っている人にも出会った。最初見たときは近くで物音がすると思い見てみると、其処にはボロボロになった人とソーカさん達がいて、リムルさんに逆らおうとしていたらしい。ちょっと恐い人なんだなと思った。
なんだか書いていて思うのが、幹部と同じ扱いにしてもいいのではなんて思ってしまう。基礎ステータスだけでもこの国では上位にいそうだし。でも、いきなり幹部になるのは不用心だし。
本の裏表紙とかって、つい何か無いかって見るんですけど、漫画のは描いてあって面白いですね。
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第8話 武器
今回で3巻が終わり、次から4巻に入る予定です。
ある程度身体の動きが慣れてきた辺りに、リムルさんに呼ばれ
「そろそろ、身体の動きも慣れて来ただろうし。リュウの武器でも作って貰おうと思うんだ。ああ、別に金取ろうとか思ってないって、普段から頑張ってる褒美とでも受け取ってくれ。」
なんと、自分の為に武器を用意してくれるらしい。てっきり何か頼まれるのかと思ったら、太っ腹だと思いついていく。
工房につくとそこは鍛治をしているため物凄い熱気を感じる。
「おーい、クロベエ、カイジンはいるかー?」
と言うリムルさんの呼び掛けに答えるか、小さな白い二本角が生えた黒髪の男性とドワーフのような人が振り返ってきた。
「おお、リムルの旦那じゃねぇか。んで、そちらにいるのがリュウって言ったっけ。俺はカイジンって言うよろしくな。」
「リムル様だべか。なんだまた面白い案でも思いついたべか?あー、リュウって言う奴の武器の話かある程度用意してるから、来るといいだよ。」
そうカイジンさんは挨拶をし、クロベエさんが移動する。のでリムルさんと共にについていく。
其処には太刀、大太刀、短刀、打刀、脇差、薙刀、長巻など色んな刀があり、刀以外にも剣やブーメランみたいな物もあった。
試しに持ってみろと言うので、普通に持ってみると、大太刀など大きい武器よりも短刀などの小さな武器がしっくりと来た。ふと気になって
「試してみたいことがあるんですけど、スキルを使ってみていいですか?」
と聞いてみるとリムルさんはおおよそ理解したのか
「おお、いいぞやってみてくれ」
と言ってくれた。まずは、増加者で短刀を増やしてみる。
「おお、これがお前さんの能力か。リムルさんのを思い出すな。だが、少し劣化してしまってるな」
増やすことに出来て喜ぶと、カイジンさんは感心しつつ増えた方を見てそう言う。まあ、職人が作った物を完全に再現するのは、難しいかと思い。今度は増えた方に意識して、刀身を増やしてみる、そのまま柔らかくなりずぎると思うので、硬度を増やしてみる。大太刀くらいまで伸ばしてみた。やろうと思えばもっと出来そうな気がする。
「おおー、できた。これなら如意棒みたいにリーチを変化されることが出来そうですね。」
と言うが、クロベエさんやカイジンさんは不満そうな顔で
「伸ばせたのはいいが、硬度が変になっているせいで、これじゃあ切れねぇぞ。大きくするんだったら、一定の大きさにしてその大きさごとの硬度を覚えた方がいいかも知れないな。」
「んだ、下手に伸ばして使うよりも。今はまだ、増やして使う方が良さそうだべね。」
と言ってくる。早々に思いついたことが上手くいくなんてあり得ない物だなとこの案は一旦置いておくのであった。
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そんなこんなでで楽しくも辛い毎日を過ごしていると。ある程度打ち解けたからか、呼び捨てでいいと言われたので、ベニマルやコブタなどを呼び捨てにした。後リムルさんのことをリムル様と言えと言う人もいて、リムルさんに聞くと
「リムルで良いよ。みんな気軽に呼んでって言っているんだけどな」
なんて言うので、周りに人がいない時はリムルさんと呼び、いる時はリムル様と呼ぶようにした。
あと、ミリム様が突然出ていったとリムルさんから聞いた。
「ワタシは今から仕事に行ってくる
リュウの事は、もっと鍛えさせるのだぞ。」
なんて、伝言を貰った。そのせいでハクロウさんの修行が一層厳しくなり。楽になると思ったが対して変わらないが少し静かになった日々を過ごすのであった。
やっぱり、ゲルドやランガに合わせるタイミングが思いつかない。ベスターやルグルド、レグルド、ログルド、リリナなどにあうのは幹部になってからかなぁ。
最後の方はダイジェストで雑な感じですけどすいません。
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第9話 配属
そろそろ更新ペースは落ちる筈。(落ちないとも言ってはいない)とまあ冗談は流石に口調とか設定読み直しながら書いているので、家に帰ってからでないと進めれないですから。
「働かざる者食うべからず。と言う訳で、もう勉強の方は問題無くなって来たから、リュウも何か仕事をしてもらうぞ」
そうリムルさんから突然言われた。
「えっと、仕事と言っても何があるんですか?あんまり荒事はやりたく無いんですけど。」
軍部などに入るのは嫌なので、少し意見を出して見ると、
「ふっふっふ、安心したまえ。君の性格は把握しているとも、君には研究所で働いて貰おうと思っている。君の能力なら知識を集めるのに上手いしいいだろう。」
という。研究というのだったら専門的なのでついていけなさそうで不安でもあるが、危険は無さそうなので安心する。
研究所へは、拠点移動というワープ装置で移動するらしく。其処は何処かの洞窟で天井には蛍光灯みたいなものが光っていた。
「ここでは、回復薬の元となるヒポクテ草の栽培と完全回復薬の開発などを行なっているんだ。君の能力を使って、魔素の濃度の調節などやって貰おうと思っているんだ。」
そうリムルさんに説明されながらついていく。ヒポクテ草は回復薬の元で魔素の濃度が高い場所に生えるようで、完全回復薬は片腕が千切れても治すことができるそうだ。
そのため、魔素を増やすことができ吸い取ることで薄めることができる自分に任せたいと
「そういうことならお任せ下さい。回復薬なら人の命に関わりますからね。」
そうすると、研究室みたいな本棚やビーカーなどの置いてある場所についた。其処にはカイジンと同じ肌の色をし白衣を着た人とガビルさんや他の龍人達もいた。
「こちらがドワーフ王国で大臣をしていたベスターだ。ここで回復薬の研究をしている。さっき話した完全回復薬の製作に成功した人だよ。」
リムルさんの説明を聞き、大臣なんかをしていた偉い人がなんでここに?礼儀とか大丈夫かと固まっていると、
「元ですよ、リムル様今はしがない研究者です。リュウさんですね、話は聞いています。ようこそ技術部門へ」
「おお、リュウもここで働くことになったか。分からないことがあったら教える故気安く話しかけてくるがいいぞ。先輩だからな」
「はい、これからよろしくお願いします。ベスターさん、ガビル先輩。」
そう言うと周りにいる龍人達が拍手をして歓迎し、ガビル先輩は本当に先輩と呼ばれるとは思っていなかったみたいで照れていた。
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そんなこんなで、勉強の時間を研究に置き換えて数ヶ月たった。そんな中十大魔王の一人。獣王カリオン様の獣王国ユーラザニアから使者が来たらしい。なんでも使節団を派遣し合い、国交を結ぶかどうか判断するらしい。
まあ最近は研究室にこもって実験をするか、ハクロウさんに鍛え貰ってばかりいるので戦ったりすることは無いだろう。
一応リムルさんからこちらからは攻撃はするなと言われたので、頭に入れておこうと思う。
こちらの使節団は団長がベニマル。その補佐としてリグルドの息子であるリグルや、ホブゴブリンの幹部候補たちが行くみたいだ。
式典では、リムルさんが礼装を着て出てきた。シオンが怒号をあげると騒ぎが収まり、挨拶が始まる。
「諸君、是非とも頑張ってきてくれたまえ!」
とかなり短く言った。考えるのめんどくさかったのかなぁと思い、しばらくすると
今度はしっかりと注意事項を説明した。ざっくり説明すると
「相手は弱肉強食の国だから舐められるな、相手と仲良くやっていけるかどうかを見極めて来い、後失敗してもいいから喧嘩を売るな」
と言うことだった。使節団は真剣に聞いていたがほとんどの者はただ祭り騒ぎを感じ集まっているようで、聞いている様には見えなかった。
使節団が来るに限りヒポクテ草の栽培と回復薬の生産については重点的に隠蔽するようで、洞窟の入り口を大岩で侵入できなくするようだ。まあ、移動に関しては特に問題無さそうだし
「環境の変化を察知する魔法が御座います。生命活動に支障が出るようなら警告してくれる魔法も御座います。」
と便利な魔法を知っていそうだった。また今度他にも何か魔法を知っていないか聞いて学んでみよう。
後リムルさんが酒を作ったみたいで、進めてきたので飲んでみたが、合わなかった様でただ苦いだけで美味しいとは思えなかった。
「はあ、酒が飲めないとはいい飲み仲間が増えると思ったんだかなぁ」
と言って去って行った。まあ、酒を作ることができたと言うことは、発酵系の食品を作れる様になって行くのかと思うと楽しみになってきた。
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いつものように過ごしていると、いつの間に来たのか夜に歓迎の宴が始まった。
ゴブタが踊ったり、ハクロウさんが剣舞をしているのを見て自分も何かやってみようと思い。能力の暇つぶしにやっていた、クロベエから貰ってた短刀でジャグリングを披露した。観客はいつの間にか増えた、短刀に驚いたりしてやってみて良かったと思う。
それから、使節団の一行は大将のような人たちは帰り、他の者たちは技術を学んでいるようだ。ハクロウさんの元で修行に来たグルーシスさんから聞いた。
「お前、結構強そうだな。また今度試合でもしてくれよ。」
なんて言って来るので、結構好戦的な性格しているんだなと後どこかでフラグでも建てたかな思い、苦笑いしながら
「あはは、そうですね。また今度にでもしましょう。」
と先延ばしをするのであった。
はい、主人公の設定が増えました。まあ、酒が苦手なのは自分がそうだからなんですよね。酒の良さがよくわからないのでこうしました。
ナイフでジャグリングしているのを見ると手とか切るんじゃないかとヒヤヒヤしますよね、あーゆーの見ると凄いなと思います。
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第10話 試合
戦闘シーンは難しいですね。細かく描写しようとすると、くどくなってややこしくなりそう。
ああ、遂にこの日が来てしまったか。グルーシスさんに誘われてわから、仕事が忙しくとか言って時間を合わせないようにしていたが、相手が合わせて来ることを忘れていた。
「ようやく、会うことができたな。最近は色々と忙しそうでなかなか会えなかったが、今日は問題無さそうだな。目星をつけたのでお前が最後だから楽しみだ」
他の人に擦りつけようとも思ったが無理そうか、やるしかないか。
前向きに考えよう殺し合いではないのだから死にはしないじゃないか。
「いやー、今まで忙してなかなか会うことができませんでしたが、そちらから来てくれるとは思っていませんでした。」
とりあえず今までは本当に忙しくて来れなくて申し訳ないアピールをしておく。
「問題ないぜ、俺が勝手に約束した話だからな。さて、お前も忙しいんだろうし話し合いもそろそろにして始めようぜ。」
くっ、会話で出来るだけ時間を稼いである程度時間が経ったら、もうこんな時間と言って試合を切り上げようと思っていたのに、気がつけば周りに囲まれてるし、なんかどっちが勝つか賭け事始めてやめるにやめられなくなっている。
「はあ、お手柔らかにお願いします。」
「おっ、やる気になってくれたか。」
諦めて戦うことにし、ため息混じりに返事をすると、グルーシスさんは嬉しそうに笑った。
今の自分の武器は、クロベエさんに作って貰った短刀が3本。1つは増やしやすいようにと、自分の魔素に馴染んだ普通の物。残り2つは魔法を付与した短刀で、風魔法と雷魔法をつけている。こちらはまだ増やしても付与した魔法が弱くなっていて使い物にならなく、要練習中である。
基本的に自分の戦闘パターンは遠距離では増加者で増やしてそれを投擲して吸引者で当てて、近接戦では短刀を増やさず身体能力を増やして戦うという感じだ。
先ずは試しに4つ増やして、3つを頭、肩、腹の辺りに投げ、もう一つを上に投げる。
すると、グルーシスさんが躱そうとしたと思ったら、壊された。
「面白い武器してんじゃねぇか。追尾してくるとか。おっと、まだあったか」
相手に向かうように投げたのに、軌道がおかしいことに直ぐに気づかれた。しかも時間差で投げたのにも気づかれるとは…
「それで終わりか?なら今度はこっちからいくぜ。」
そう言うと、こちらに向かってくる。距離を取るために投擲してみるが、直ぐに壊して近づいてくるのでこれ以上は無駄遣いと思い、身体能力の方にスキルを使う。そして、雷魔法の付与した武器を手に取り構える。
「今度は近接戦か?どっちが上か確かめようじゃないか。」
そう言いグルーシスさんは殴りかかってくる。
避けて受け止めて、それでも無理そうなら吸引者で短刀に引きつけて防ぐ事をしているが、やっぱり経験の差からいくらか殴られてしまう。身体能力が高くなっているお陰で対して痛くは無いがチクチクと溜まっているのがわかる。
そうやって防ぎ続けていると段々とグルーシスさんの動きが鈍くなってくる。
「これは…そうかその剣は、雷魔法でも付けていたのか。通りでピリピリ来ると思ったぜ。それなら。」
流石に何回も受けた所為で体が痺れているのに気づいたようで、グルーシスさんが痺れで伏せたかと思うと、変身して狼の獣人だったのが、完全に狼の姿となっていた。
「これは獣化って言うんだ。そっちも大部辛くなってそうだし、次の一撃でケリをつけないか?」
確かに自分もグルーシスさんから貰った攻撃で身体が鈍くなって来ている。だが、わざわざ一撃にしなくても時間をかけ続ければ、いずれ相手は痺れによって倒れるだろう。しかし、それをすればグルーシスさんは納得しても、周りの人たちも納得せず批判を受けそうだ。
またこんな試合をするなんて、嫌だし皆も納得するだろう、これ以上続ける気にも慣れないのでこっちも嬉しい。
「いいですよ。これで白黒はっきりさせましょうか。」
と言い、こちらも構える。
一瞬に静まりまるで時間が止まったかの様に錯覚する。
風が吹いた瞬間に両方とも一気に動き出す。
グルーシスさんは両脚で駆け抜けて、その鋭い爪で切り裂こうとし、
自分は両脚で踏み込み、魔素で増加した右手で殴る。
しかし、自分の一撃を受けたらヤバイと感じたのか身体をくねらせて回避し、そのまま通り抜けようとし後ろ足が顔面に当たった。
防御を強化していなかったので、予想外の一撃で気絶し、意識が途切れる瞬間グルーシスさんの申し訳なさそうな顔が見えた。
「いや、すまなかった。流石にあれを受けてしまったら大変なことになると思い、反射で避けてしまった。俺から提案したのに避けてしまうとは、今回は俺の負けだ。」
確かに、自分がしようとした一撃は増加した力を一点に引き寄せて更に増大させるものなのでもし、受けていたら大惨事になっていたかもしれない。基本的に一撃になると大火力でぶっ飛ばすことになるので、抑えが効きにくいのが難点だ。最近は短刀の練習ばかりしていたので、こっちもしっかりと練習した方がいいかも知れない。
「いえいえ、グルーシスさんと戦ってまだまだ不足しているところが見つかって助かりました。最後は避けれなかった自分が悪いですし。」
そう言って、次に戦うことがある場合について考える。普通の投擲は強者には通用しないことも考えていかなければならない事と生け捕りなんかの為にも威力を制限する必要がある。
「そうじゃな、日頃から鍛えていれば最後の蹴りは避けることが出来たじゃろう。リュウにはもっと経験を積ませる必要がありそうじゃな」
と地獄のような言葉が聞こえた。声のした方を見てみるとハクロウさんが情けないと言うように自分を見ている。
「いやー、あれを咄嗟に避けるのは難しくないですかね…それよりも投擲とかをもっと鍛えるとかどうでしょう?」
このままだと鬼のような修行が始まるので、せめて楽になりそうな方を提案してみる。
「そうじゃな、投擲も練習する必要があるか。なら同時にやって見ればいいだろう。」
と更にきつくなって返って来てしまった。
これ以上何か言い返すと余計に辛くなると思うので、諦めて受け入れるのであった。
主人公は大火力みたいな技か、チクチクと攻撃すると言う感じなので強者との対決では、殺さない様にするのが苦手です。
風の方では真空を作り見た目よりもリーチを増やしたりとか某カリバーの様に見えなくするとか考えてます。よっぽど制御出来るようになってからですけど。
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第11話 成果
まあ、不定期更新としていたのでご了承ください。
ベニマル達が帰ってきた様だ。リムルさんが言うには、獣王国ユーラザニアでベニマル達は喧嘩を売ったりしたらしい。
「ベニマルも勝手に喧嘩を売ったりしてなあ。それを笑っていなす魔王カリオンもだしよくわからん。最近は眠る事が出来るようになったのに、変な夢を見た気がするし」
なんて愚痴っていた。基本的に平和な国で過ごして来た自分達とは、常識が異なり理解できないところがある。特に強い魔人は好戦的みたいだ。
そんななので、同じ故郷で育ち常識が似ている自分にリムルさんは話しによく来る。
あと、武装国家ドワルゴンに外交に行くらしい。後、式典の終わりに演説をしなければいけないようで、やはり国王というのは大変そうだなと思う。
自分も完全回復薬の製造に、大分安定化して来ていることやベスターさんが余り眠っていないことを伝える。完全回復薬はやはり、空気を入れてはならないと言うことで、いくらか失敗して最近になってコツを掴んで来た。
最後に、魔素の濃度を間違えて増やし過ぎてヒポクテ草を枯らしてしまったことも言っておく。いずれヒポクテ草に余裕が生まれたら、魔素の限界値などを調べてみたいなと考えていると
「へー、魔素が濃すぎると枯れるのか。ヒポクテ草にとって魔素は水みたいな物なのかな。よし、今は難しいかもだけどいつかは調べてみたいな」
と興味を持ってくれたようだ。いずれは魔素について研究したいところだ。まあ今は無理だが…
そんなこんなで、リムルさんやカイジンさんなどドワーフの人達、シュナさん、シオンさん、ゴブリンライダー達がドワルゴンに行ったようだ。
ベスターさんはついて行かなかったようで、聞いてみると
「まだまだ、ガゼル王に顔を出すには成果が足りません」
だ、そうだ。完全回復薬では満足できないらしい。
今は、ヒポクテ草の栽培と完全回復薬の製造がメインとなっているが、魔素が多い場所だから魔物が生まれたりしそれに対処しなければならなく人員不足を感じる。基本的にベスターさんが調合をして、龍人達がヒポクテ草を採取。ガビル先輩や自分が魔法の皮膜作成を使って、下位回復薬にしたりしている。
完全回復薬は1日に一個しか作れなく、それを薄めて下位回復薬は100個にすることが出来ている。ちなみに上位回復薬とすると20個になる。
効能などを上げる為に、ベスターさんは試行錯誤し、ガビル先輩や自分達も手伝える様に薬学を学んでいる途中だ。
もっと人員増えて、勉強しないとなと考えているとリムルさん達が帰ってきた。なんと、ドワルゴンのガゼル王との協議より、人員の補充が来てベクターさんと同じ研究者が来るらしい。
「先ずは、これを見てくれ。」
とリムルさんがベスターさんに渡したのは、薬師の一覧と採用条件の書かれた書類だった。
「おお、ヨハンにマルシェの名もありますな。」
などと言っていたから同僚とかもいたのかもしれない。ベスターさんはドワーフの誇りに賭けるほど、信用に足る人物らしく。リムルさんも納得したのか、ガビル先輩や自分達に尋ねた後
「よし!それならば、この条件を全て飲み、ドワーフの薬師達を受け入れよう。」
と決断してくれた。これで少しは楽になりそうだと思っていると
「ああそれから、ガビル。お前が今回の仕事を全うしたら幹部に取り立てる事にする。精々頑張って、俺の為に働いてくれ」
と言った。ガビル先輩はいまいち理解できなかったのかしばらく固まると、
「は……、吾輩が、幹部?…幹部ですとぉ⁉︎」
と面白いくらいびっくりした後、大量の涙を流し、嬉し泣きし始めた。
「よかった。本当に良かったな、ガビル殿」
「おめでとうございます。ガビル先輩」
などと自分達は声をかけて、ベスターさんは肩を叩いた。
「おい、いいか?成功したら、だからな?ここで調子に乗ると、全てが水の泡だそ。」
と幹部になるのが確定したかの様な雰囲気に戒める為に声をかけた。ガビル先輩は調子に乗るとよく失敗するので、しっかりと理解しているのだなと思う。
これからの方針としては、薬師の応援が来たら生産量は3倍になりそうなので、軌道に乗ったら完全回復薬の1個は保管、上位回復薬の20個は特産品に、下位回復薬の100個はガゼル王との契約で使って行く様だ。
しばらくはベスターさんは薬師の指導などをしていく事になりそうだ。
リムルさんの考えは、継続して仕事を行う事が可能な環境作りで特定の誰かに頼る様にはしたくないらしい。
今は、まだ活かせていないけど。自分のスキルの代用なども生まれるのかなと、思った。
某動画サイトでグルーシスの戦闘シーン見たのですが、単行本発売されたら10話の戦闘シーンを少し変更するかもです。
基本的にに単行本派なので、漫画での情報は遅れています。漫画は色々描かれていて、参考になります。
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第12話 土産
この前話していた、夢で子供達を救って欲しいと聞こえたらしく、イングラシア王国に行っくるとリムルさんが言った。
流石に護衛はつける様で、ソウエイとランガがついて行く様だ。それでも、国王がひっそりとは言え出掛けるとは…
静江さんの教え子の神楽坂 優樹と坂口 日向という自分と同じ転移者もいるらしい。しかも神楽坂 優樹は自由組合総帥らしく、この前会ったヒューズさんよりも偉いみたいだ。
一緒に行くかと誘われたが、これから来るであろうドワーフの人達に遅れを取らない様に勉強している途中なので、泣く泣く断った。
自分の他の転移者は、この世界でどの様に暮らしているのだろう…
自分が最初に少し考えたように、帰る方法でも探しているのだろうか?それとも、この世界に満足して暮らしているのだろうか?
進化して、根本的に人ではなくなってしまったので帰る事を完全に諦めたけど、いずれ帰る方法が見つかったら一目でいいから、見ておきたい。
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リムルさんが出かけたからと言って、特に変化は起きなかった。まあ、ドワルゴンに行っていた時も問題は起きなかったので、想定していた通りだが…
そんな風に過ごしていると、珍しくシュナさんが自分に会いに来た。特に何かした覚えがなく、回復薬の納品にミスがあったのかヒヤヒヤしていると、箱を渡された。
「リムル様が昨夜帰ってこられまして、リュウ様や他の皆様にお土産をと渡されましたのでお届けに参りました。」
リムルさんがもう帰ってきたのかと聞くと、向こうで拠点移動を設置して、転移してきたのだと、そして渡されたら直ぐに戻って行ったそうだ。
人の街でのお土産とは何だろうと思い、箱を開けて見ると、そこには転移してから見ることの無くなったシュークリームが入っていた。
「え、これはまさか、あのシュークリームか?」
他の皆はやはり知らない様で、なんだと疑問を抱いているようだ。
恐る恐る口に含んでみる。すると、皮がサクッとした食感が伝わり中から出てくるのは、甘いカスタードクリームが口の中でトロける。カスタードの甘さはひつこく無く、それでいてまろやかな味わいで何個でも食べられるような気がする。
そんな自分が美味しそうに食べている姿に釣られて、他の人達も食べ始める。
「おお、これは美味しいですぞ。吾輩達もこの、シュークリームでしたか?を買ってくれたリムル様に感謝してより一層頑張らねばならぬな」
そうガビル先輩がシュークリームを食べて反応している。
あまりに、久しぶりにこの世界でここまでの菓子を食べて、前の世界を思い出す。
こんな物を食べる事がお金を出せば出来ていた事に感謝する。
ここテンペストでは、和食などを食べる事ができるがやはり材料が少し違うからか違和感を感じる事があった。でも、これにはそんな違和感を感じる事も無いくらい。それくらい美味しいシュークリームだった。
人の街は、ヒューズさんやエレン達が言っていたことから、この世界の食事やサービスには期待出来ないと思っていたが、やはりどの世界も広い物だなと思った。
「いずれこれを再現しようと思っていますので、楽しみにしていて下さいね。」
そう言うシュナさんの声を聞き、もっとこの世界で頑張ろうと思えた。
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また最近変化が起きた、ヨウムのところに新たな人員が入ったのだ。その人は魔導師らしく、名をミュウランと言うみたいだ。
魔導師とは、3系統以上の魔法体系を習得している人のことである。
余談だが魔法の分類は、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、召還魔法、刻印魔法などがあり、2系統以上を魔術師という。
ヨウムやグルーシス、ゴブタ達とハクロウさんに相手をしていたり、ロンメル達に魔法を教えているのを見たので自分も参加しても許してくれるから、お人好しなんだなと思う。
そんな余りにも幸せな日々を過ごしていたからか、どこかで不安を感じている自分がどこかにいた。それもきっと気のせいだと言い聞かせて…
異世界では、食事のレベルが下がることを考えると辛いですよね。
美味しい料理を知っているが故に満足する事が出来なさそう。
テンペストでも料理はこだわっているけれど、品種改良されてきた野菜などの材料の差を超えるのは難しい気がします。
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第13話 厄日
その日は休日で、食堂であのシュークリームを食べる事が出来る様になったと聞いて向かっていた。
そうした中で、何やら揉め事があったみたいだ。様子を見に行くと、どうやら抜けた感じのゴブゾウに冤罪を掛けられた様だ。ギャルのような少女が訴えていて、その近くに2人の青年が助長しているとゴブタ直ぐにやってきて謝罪したようで
「やってないんすよね?でも、そんなの関係ないっすよ。疑われた時点で負けなんす。リムル様も『痴漢冤罪は恐ろしい』と言っておられたっすからね」
とゴブゾウに言っているのを見て、よくそこまで教えているなと思っていると
「ちょっと、なんなワケ?もしかしてウチが嘘を吐いてるって言いたいワケ?」
「え、そう聞こえなかったっすか?そもそもゴブゾウはシオンさん狙いなんで、アンタみたいな小娘を触ろうとする訳がないっすから」
いちゃもんをつけてきたギャルにゴブタがバッサリと切り、ついでにゴブゾウの好きな人をばらした。まあ、よくシオンさんを見つめていたりしたからそうなのかなと思っていたが、こんなところでばらされるとは…
「ふざっけんなよ、クソ共がぁ‼︎ウチを舐めてんじゃねーぞ!お前らみんな"死んじまえ"」
とギャルがキレて言った。ただの逆ギレかと思ったが、何かをレジストした感覚がし、攻撃されたのだと判断し、警戒すると
「なるほど…これは声を利用して、脳波に干渉するスキルなのですね。とても恐ろしい力ですので、我が国での使用は禁止させて頂きます」
とシュナさんが言った。どうやら、事態の解決にきたようで、シオンさんが護衛についている。周りの人達に効かなかったのは、シュナさんが防いでくれたようだ。
「貴方達は、この国には相応しくないようです。お引き取り下さい」
ギャルにとってはさっきのスキルを頼りにしてきたようで、ヘナヘナと座り込んだ。
「ふーん。あっそ、そういう態度を取るんだ。いいぜ、そっちがその気ならよ、俺も本気で相手をしてやらあ!」
だが他の二人は違う様で攻撃的な体勢をしたのを見て、シオンさんが一歩前に出る。
一応、加勢できる様に自分も準備すると。いきなり結界が現れ周りにある魔法具が動かなくなった。空気中の魔素が少なくなっている様で、周りにいる魔物達が地面に伏せた。
そんな所を好機と見て、二人は周りの人達を攻撃し始めた。
「おい、やめろ!なんでこんなことをする!」
とりあえず、周りにいる人たちの被害を抑える為に、相手の注意を吸引者で引き寄せる。
「ああ、なんだよ。魔物が俺様よりも裕福な暮らしをしてるんじゃねぇよ」
もともと暴力的な性格なのか、黒髪の青年が殴りかかってくるのを躱しもう一人も見ると
「折角の機会なんだ。この力を存分に試して見たかったんだ、せいぜいサンドバッグにでもなってくれよ」
と言い剣を持った青年が切り掛かってきた。避けると、いきなり背中を斬られた。後ろを見ても誰もいなくどういう事だと思うと
「チッ、こいつ頑丈なヤツだな。さっさとやられれば苦しまずに済んだのに、今度こそ楽にしてやるよ」
と掛かって来た。どうやらさっきの斬撃は剣士の様だ、相手を殺してしまうのは不味いと思っているのに対して、相手は思いっきり此方を殺しに掛かってくる。
逃げたい気持ちに押されるが、ここで逃げたら他に過ごしていける場所があるか、それよりもここで逃げたという後悔に押し潰されそうな気がしてならない。
せめて、避難が終わるまでは時間を稼がないとと考えて、相手に近づかれくでも追ってこられる位置を確保しつつ投擲をする。しかし遠距離にもできる様で今度は肩の辺りを斬られた、だがさっきよりも浅く精度は落ちている様だ。
そうやって時間稼ぎをしていると、吸引者のスキルも限界を迎えたて気づいたのか
「へー、時間稼ぎが目的か。なら、他の奴を狙うまでだ」
と言って、避難をしている人達に向かっていった。避難している人達の前に立ち塞がろうとすると、相手は振り返って
「馬鹿が、引っかかったな。あんな奴ら見捨てたらよかったのに」
と言われて首を斬られたのに気づく。
首が飛んでも、走馬灯の様に世界がゆっくりと見えてくる。逃げる子供を庇いやられるシオンさんの姿、シュナさんを守るため自らを盾にしたゴブゾウの姿、急いで此方に駆けつけて来ているハクロウさんやソウエイの姿。
人の命はこんなにも呆気無く、消えていくのだと思い。この世界はやはり残酷なものなんだなと感じて、ゆっくりと瞳を閉じていく。
色々やり残した事が頭によぎる。ヒポクテ草について調べたかった、魔素はどんなものか知りたかった、進化や転移はどうして起きたのか、シュークリームを最後に食べたかった。
主人公が死んでしまった。はい、と言うわけで今作は終わりです。現実は非情と言うわけですね。
嘘です。まあ、基本この作品読んでいる人はwebとか読んでいるだろうし、大凡の展開は知ってるでしょうね。
次回はリムル視点をやってみたいと考えています。
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第14話 後悔
ドワーフの人たちが来たのはいつ頃でしょうね。書くの忘れてましたがもういてもおかしくないですよね。…まあ、主人公が伝え忘れていたってことで。
俺の前には、一人の死体が倒れている。
皆が混乱している中、襲撃者が暴れて一番最初に注意を引いて時間稼ぎをして、最後は逃げる人を庇う為に首を斬られたそうだ。リュウのお陰でブルムンド王国の客人や他の商人達の誘導をする事が出来た様で、犠牲者を減らす事が出来たみたいだ。
今は、他にも斬られた場所や離れた首を引っ付けて完全回復薬で治して、ただ眠っているかの様に見える。だが、体は冷たく脈は止まっていて死んでいる事がわかる。
「最近、シュークリームが食堂で食べられると聞いたので、気に入っていたようなので息抜きに休日を設けてやったのですが、まさかこんな事になってしまうとは…」
俺が届けたシュークリームは、よっぽど気に入っていたのか、食堂でも食えると聞いた時に真っ先に反応していたのが、リュウだったそうだ。そんなんだったらもっと買って上げればよかったな。
リュウと初めて会ったのは、カリュブディス討伐が終わって数日後のことだった。
トレイニーさんには、俺が異世界から来たとは伝えてはいなかった筈だが、人間が好きだなどを知っていたからか、おそらく転移者で龍人になった者を連れて来ていいかと尋ねて来た。
異世界人に会えると思い期待して待っていると、本当に龍人で、言葉を聞くとなんと日本語で同じ日本出身だとわかった。
自分が名前を名乗り、聞いて見るとまさかのキラキラネームが出てきてビックリした。坂本と聞いて、龍馬か?と思うとドラゴンと聞いて少し反応しそうになり、リュウと呼んで欲しいと言われたので、言ったら名付けをしてしまった。アレは今も本当に申し訳無く思っいる。
リュウが龍人となって基礎能力が上がっていたからか、名付けした瞬間に低位活動状態になった時は
(ああ、またいつものか)
なんて考えてしまった。しかし、直ぐに魔素が回復して、どうしかと思うとリュウが俺の魔素を回復させてくれた様で回復してくれた事へ感謝と共に、受容の効果でもう低位活動状態について考えなくてもいいかと思った。
リュウを見ていると何処か安心している自分がいた、周りにいる皆はやっぱりこの世界の者なんだなと思い、何処かで疎外感を感じていた。だが、リュウは俺と同じ日本出身の元人間という共通点があった。
言語の習得やハクロウの修行にしっかりとついていき、自分から学びにいっていたりしたのだと、基本的に真面目な性格だったんだろう。俺の愚痴なんかにもしっかりと聞いてくれて、酒は弱かったみたいで、酔った時にこぼした愚痴は自分の名前に対することやどうして転移したかについてで、この街は気に入ってくれていた様だ。
ベニマルとも甘いもの好きで仲良くなっていた様だし、ハクロウも真剣に学びにくるリュウを気に入っていた。ガビルも先輩と呼ばれて、嬉しかったみたいだ。ミリムも何だかんだで気にかけていた様だった。
この街に受け入れられて、これからももっと成長していくという時に…
リュウも自分の他に転移者がいると聞いて気になっていた見たいだし、合わせたかったな。日向は癖の強い性格だから難しそうだけど、優樹や店長にも合わせたかったな。特にあのシュークリームを作ったのが、あんな強面の人だと知ったらどんな反応をするか見てみたかった。
どうして、こんな事に?
《告。計算不能。理解不能。回答不能》
どうするのが正解だった?
《告。計算不能。理解不能。回答不能》
人間と関わったのが間違いだったのか?
《告。計算不能。理解不能。回答不能》
俺が、間違っていたのか?
《告。計算不能。理解不能。回答不能》
大賢者の力を以ってしても、答えの出ない問題はあるのだ。
それでも、答えが出るはずが無いのに考えを止める事が出来なかった。
シュークリームのこと出した後で、甘党のベニマルと仲良くてもいいなと思い。主人公が甘党になりました。
まあ、酒は苦手ですし問題ないですね。
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第15話 覚醒
意識が朦朧とする。今がどんな状態かとか考え様とすれはする程意識が薄れていく様な感じがした。このままでは消える、と思ってからはただこれは夢だろうと考え呆然としていた。
しばらくすると薄っすらと何が見えて来たが、視界はかなりぼやけていて、そこに何かがあると言うことだけしか分からない。
恐らくあの形は人だと思う。大勢の人が横たわっている、そうして少し意識がはっきりした時に自分が死んだ事を思い出した。
(今の状態は幽霊みたいなものか?あの後はどうなった?この状態はいつまで続く?このまま自分は消えてしまうのか?そんなのは嫌だ!何も分からずに消えたくはない!)
と、強く消えたくないと考えれば意識が段々と戻って来ている気がしたので
(自分はまだ消えたくない、もっともっと生きていたいんだ!それが人に戻ることが出来なくなってしまっても!)
そうやって未練がましく考えていると次第に意識がはっきりとする。
《告。個体名:リムル=テンペストの魔王への進化が開始されます。その完了と同時に、系譜の魔物への祝福が配られます》
そうしていると、あの進化の時などに聞こえた、世界の言葉が届いた。
(まだまだ生きていた…え、リムルさんがどうしたって?魔王への進化?リムルさん魔王になるのか。つーか、系譜の魔物って自分も含まれるのか?)
混乱しつつ、考えていると眠気を感じた。
このまま眠ってしまったら消えるのではと考えて抗っていると
《告。安心して、眠りにつきなさい》
その言葉に何故か安心して意識を落としたのだった。
____________________________
なんだか周りが騒がしい。スッキリした気分で寝ていたのを、無理矢理起こされたかの様に感じ寝ぼけていると
「おお、リュウお前も生き返ったのであるな。後起きていないのはリムル様だけだぞ」
そうガビル先輩が抱きついてくる。そういえば死んでいたんだよな。と言うことはあの時見たのは、本当に魂みたいな状態だったのか。
その後、しっかりと説明を聞くと、あの結界はミュウランが貼った物でそれで、魔法や魔物達の力が減少した様だ。そして襲撃者が暴れた後にファルムス王国の正規騎士団100名が現れて襲って来たそうだ。
そして、自分達を蘇生させる為に魔王に進化する事に決めたらしい。一万人の魂を生贄にし、真なる魔王へとなった様だ。
そして、ミュウランは魔王クレイマンに脅されていたらしく、リムルさんが解除したと。あの結界とリムルさんの魔素で自分達は消滅しなくて済んだとも聞く。
あそこで死ぬ様な事をしなければ、リムルさんは魔王なんかにならなくても良かったんじゃないか。自分もこの世界で暮らして価値観が変化しているが、リムルさんは相手が外道だったが一万人もの相手を一気に殺しても平気だったのだろうか?
皆も魔王になった影響で、理性のない化け物になってしまうかと不安に思っている様でもあった。
そんなリムルさんは現在シオンさんに膝枕をして貰っている。スライム状態になっているから枕と言って良いのかよく分からないが…
一応理性があるかどうかの確認の為に合言葉を用意しているらしいが、それを話した時のベニマルは悪い顔をしていたのでロクでもない合言葉なのだろう。
「あ!リムル様、お目覚めになられたのですね!」
と言うシオンさんの声が聞こえる。記憶の中でシオンさんもやられていたが、自分以外も生き返っているのか、皆生き返って良かったと思いつつ、それだけ死なせてしまったのかと考える。
「シオン、無事に生き返ったんだな!」
「はい、リムル様!こうして無事に、我等一同、生き返る事が出来ました!」
そう言う言葉と共に自分もリムルさんの近くに行き跪き答える。
「「「我等一同、一名の欠落もなく無事に生還致しました‼︎」」」
そんな姿をリムルさんは感慨深く一人一人の顔を見る。しっかりと自分もいる事に気づいた様で嬉しそうに頷いている。
「リムル様、お目覚めですか。良かった、色々と問題が、っとその前に…。ちゃんと理性が残っているか確かめないと安心出来ません。打ち合わせの合言葉を勿論覚えておられますよね?では、確認させて頂きます。『シオンの料理は?』 どうぞ、お答えください」
そんな所にベニマルがニヤリと邪悪な笑みを浮かべて問い掛けた。うわぁ、これは酷い。メシマズで有名なシオンさんで、しかもそれを自覚していない。その本人の目の前で不味いなんて言わせるとは…
ベニマルも前にシオンさんの料理の監督を任せたが、どうやっても不可能かもしれないとこぼしていた。今回のはその報復かもしれない。
「え、私の料理がどうかしましたか?」
「ん?ああ、久々に食べてみたいんだろ?お前の日々の努力を確かめてくださるそうだ」
更にシオンさんの疑問に追い打ちを掛ける様にベニマルが答える。さて、リムルさんはどう返すのかなとみていると
「待ちたまえ、ベニマル君。合言葉だったね?勿論覚えているとも。ベニマルが決めた合言葉は確か『クソ不味い』だったかな?ちゃんと覚えていただろう?」
その言葉で、シオンさんがピシリと固まる。おお、上手い。これでベニマルに全て責任がいった。そして
「わかりました。貴方がそんなにも私の料理を食べたがっていたとは…。満腹になるまで堪能させて差し上げましょう!」
なんて笑顔のまま、去って行った。
まあ、ベニマルはご愁傷様と言うことで。
キャラを喋らせようとは思うんですけど、なんかコレジャナイ感が出てる気がして、結果こんな感じになってしまうんですよね。悩ましい。
追記
ちょっと主人公の意識を変化させました。主人公の意思が弱かった様に感じたので
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第16話 再会
自分以外の者がリムルさんに挨拶をした後に、自分も挨拶しに行った。
「お久しぶりですね、リムル様。なんだか、お騒がせしてすいませんでした。」
「本当だよ。全く、帰ってきたらお前達が死んでいて、蘇生出来ないか必死になって考えたんだぞ。エレン達がヒントをくれたおかげで、助かった様なものだから感謝しとけよ」
一度死んだと言うのは嘘で今まで眠っていたのではなんて考えもするが、今まで人の体には無かった翼や手足の水かきに違和感を感じなくなっていた。
「そうですね。また会った時にでもお礼を言いますよ。そういえば、今回の蘇生で完全にこの肉体が記録された様です。今まで少しはどこかしら違和感があったんですが今はもう全く無くなっているので」
そう言うとリムルさんは少し苦しそうな表情をした後
「そうか…。多分だが、もうリュウはその姿が基準となってしまっただろうから、もう人の姿に戻るのは厳しいと思う。申し訳ない。リュウは人に戻って帰るのが目的だったよな」
「確かに元に戻りたい、帰りたいと言う考えはあります。でも難しいのは元からですし頑張りますよ」
と言うと、リムルさんは気が晴れた様で顔を上げた。ついでに他に何か変わっていないか聞くとスキルが変わった様で、増加者が帰還者へと変化していた。
帰還者と聞いて、元の世界に帰ることが出来るのではと思ったが、このスキルを得てからの場所にしか行けないようで期待外れだった。
戦闘でも使える増加する力が無くなったのかと思い。割りに合わないなと思っているとなんと帰還者に組み込まれているそうだ。
増加者の能力に、完全記憶や再生能力、空間移動などが加わった様だ。
完全記憶は魂に直接記憶するもので、これのおかげで生き返ることが出来た様だ。空間移動は拠点移動が便利になった感じだ。
そんな感じでスキルの確認などを終えると、この前に見た魔王カリオンの配下の獣人三人が近づいてきた。確かアレが噂に聞いた三獣士って、奴なんだと思う。全員グルーシスより強そうだし。
真剣な話そうなので、ここにいるのはマズイだろうから離れた。
そうやって少し離れてから研究所にでも行って挨拶し直そうかと思っていると、見慣れない姿を見つけた。
そこには、高級感漂う貴族の格好をした人がいた。
ブルムンド王国の人達は帰したと言う話では?と思いよく見てみると、魔素を完全に制御しているのか全く漏れていなく、気配を感じさせなかった。
「あれ、貴方はここで何をしているんですか?初めて見る顔ですけど」
と声を掛けて見ると、やはり、隠れていたのか声を掛けられたのに驚いていた。
「おやおや、しっかりと気配を消していた筈ですが…流石は、リムル様の配下ですね。私は今回、リムル様より召喚された悪魔でございます。リムル様にご挨拶をと考えていたのですが、ただ今リムル様はお忙しいご様子ですのでこうして、時間が空くのを待っていました」
なんでも、リムルさんが一万人以上倒した後、その屍を利用して召喚された様だ。
流石一万以上の生贄で来た者だ、進化したから認識力が上がった様で、明らかにこの悪魔が強いことが分かる。悪魔の基準で確かあった上位魔将くらいな気がする。
また、凄い人を仲間に加えることになったんだなと思いながら
「これから、此処で住むことになるんだったらこの町でも軽く案内でもしましょうか?リムル様はしばらく三獣士の方と話がある様ですし」
と聞いて見る、周りに雰囲気を見てみるとどうやら祭りでもしそうな雰囲気なのでその後辺りなら空いてるだろうと伝えると
「そうですね。では、お言葉に甘えて貰おうと思います」
____________________________
一通り歩いて周り終えた頃には、お祭りが始まっていた。
飲み比べでもしたのか、ヨウムやグルーシスはフラフラになっており、ミュウランさんはかなり強い様で、周りに獣人達も酔っているのを見るとかなり飲んでいそうだ。
コブタは芸を披露している、頭にナイフを刺さっている様に見せるなんて凄いなと思っていると血が流れているのに気づいて真っ青になっていたから失敗だろう。まあ、あの程度ならこの国には回復薬もあるし、大丈夫だろう。
大分、落ち着いて来た時にリムルさんの元へ向かうと何やら悩んでいる様だ。
「リムル様、貴方に挨拶をしたいという方がいらっしゃいますよ」
と伝えると、リムルさんはこちらを向いて悪魔の方を見る。
「お目覚めになられたようで何よりです、我が君。無事に魔王へと成られました事、心よりお祝い申し上げます」
悪魔は一歩前に出て言った後、丁寧にお辞儀をした。しかし、リムルさんは召喚したことを全く覚えていなかったようで
「リュウ、こいつは誰だ?」
なんて言った。するとリムルさんの影からランガさんが出てきて
「我が主よ。この者は貴方様が騎士共を供物に召喚なされた、悪魔の一体です」
悪魔の事をフォローした。しかし、悪魔の一体って事は他にもいたのか。
このくらいの悪魔が他にもいたとかかなり厳しいなと考えていると
「長々と引き止めてしまって悪かったね、もう帰っていいよ」
なんて言ったので、うわぁと思い悪魔の顔を覗き見すると泣きそうな顔になっている。
悪魔が配下になりたいと言ったらリムルさんは少し悩んだ後、
「よし、わかった。それじゃあお前も、今日から俺達の仲間だ」
と言った。この悪魔が仲間になってくれるなら心強いなと思い、もっとついていける様に頑張らねばと考えた。
変な感じで区切ってしまった感はありますがこれ以上すると、この話だけ異常に長くなりそうで区切りました。
漫画発売しましたね。ミリムの技がちょっと思っていたのと違い驚きましたが
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第17話 方針
なんか書きたい事はあったりするのに、全然話がそこまで進められない。ダイジェストにするのはちょっと違うのではと思うし。
さて、仲間になった悪魔に名前が無いと知ってリムルさんは報酬として名付けを行うらしい。
元から結構強そうだし、良いのかなと思うがスキルを見分ける事ぐらい出来るし余計なお世話かと見ていると
「お前の名前は"ディアブロ"だ。その名に相応しく、俺の役に立ってくれ!」
と名付けた。さて、今回も低位活動状態になるのかと身構えていると、何も起きなかった。
あれ?と思うが、魔王になったおかげで魔素量も増大しているのだろう。
そうしているといつの間にかディアブロさんに黒い繭が覆っていて、進化をしている様だ。
「リムルさん、名付けしても低位活動状態にならなくなったんですね。ディアブロさんも強そうだったから、てっきり今回もなってしまうのかと思っていましたよ」
なんて進化を待つ間に話し掛けると
「あ、当たり前じゃないか。リュウ君、確かに進化したのもあるが、俺だって一応考えてやっているとも」
ややどもりながら答えた。やっぱり軽率に名付けしているという意識はあるみたいだ。
まあ、それなのにしているという事は直りそうにないだろうな。
するとディアブロさんの進化が終わったのか立ち上がった。その姿は最高峰の極上紳士服を着た執事の様だった、リムルさんに仕えるという事を表した物らしい。
「ディアブロ、それが私の名。感激で胸が一杯ですよ、リムル様。今日この日より、誠心誠意御仕えさせて頂きます」
そう言ってリムルさんに向かって一礼した。
____________________________
先程悩んでいた事について聞いてみると、問題が重なって一度にするには、大変だそうだ。
まあ、一つは今回攻めて来たファルムス王国の後始末で、もう一つも三獣士達が来ていた事からユーラザニアの事だろう。
他にもあるかも知れないがこの両方を同時に行うのは難しいだろうしな。この国の防衛も考えないといけないし、人手不足だからだろう。
「なるほど、事情は把握しました。では、私が一方面を受け持ちましょう!事が生じるタイミングを操り、同時に問題が起きないように調整して御覧に入れます。是非とも御命令を!」
とディアブロさんは答える。上位の悪魔という事はあってかなり頭が良いのだろう、同時に問題が起きないように操るなんて普通出来ないし。
まあ、流石にリムルさんだけで決めるつもりは無かったようで
「待て待て、慌てるな。明日の会議で方針を立てるから、お前も参加するといい。あ、リュウも一応来てくれ」
なんて言われたので頷く。
____________________________
そして翌日、会議前にガビル先輩に会うとガチガチになっていた。
「大丈夫ですか?ガビル先輩、ソワソワしても意味無いですし落ち着きましょうよ」
なんて言って気を紛らわそうとしてみるが拭えない様で
「ワハハハハ、リュウよ。吾輩は緊張などしておらんよ……ああ、やはり幹部の話は無かった事になっていたりしないだろうか」
なんて虚勢を吐いた瞬間に弱音をこぼしている。
ガビル先輩達はリムルさんに会った時に、喧嘩を売っていたり、ガビル先輩は豚頭帝の討伐の時に失敗して蜥蜴人族から追放を受けた事もあり不安に思っているそうだ。
部下からはかなり慕われている様だし、リムルさんからも評価は悪くないから問題ないだろうし気にしすぎだろうが言っても余り変わらないしほっておくか。
さて、幹部の皆とリムルさん、ガビル先輩、自分、ディアブロさんこの国以外ではヨウムとその副官カジル、参謀のロンメルなどや三獣士もいる。
「諸君、よく集まってくれた!」
「急にどうしたんです、リムル様?」
早速リムルさんがかっこつけて言ったらベニマルに軽く流されている。まあ、会議って感じで浮かれたのかな、するとリムルさんはゴホンと咳をして普通にし始めた。
まず最初にディアブロさんの紹介から始まり、ガビル先輩は無事に幹部になり、開発部門を任されることになった。自分はガビル先輩の補佐に回って欲しいということだそうだ。そうして紹介が終わり、本題に入る。
「俺、魔王になる事にしたよ」
リムルさんの宣言にみんなが困惑する。魔王になったお陰でみんなが助かったから、どういう事だと思っていると
「世界に向けて、俺も魔王だって宣言しようと思ってさ!」
つまり、他の(リムルさんが言うにはクレイマンという)魔王に喧嘩を売りに行くそうだ。
他の国々にこれ以上舐められない様にするためだろう。しかもクレイマンはミュウランを操ったり、ユーラザニアに魔王ミリムや魔王フレイをけしかけた可能性があるらしい。
あのミリムさんを思い通りに動かすなんて事が出来るくらいの相手なのだろうか…
他にも、ファルムス王国の後始末と西方聖教会への牽制をし、魔王カリオンの救出をするそうだ。
確かにこれは一度にこなすのは難しいな。
「リグルド!お前には、西側諸国との交渉を任せる。商人達を避難させた事で、少しは有利な交渉が出来るだろう。信頼関係を大事に、慎重に進めてくれ」
という様に各自に命令が下された。ベニマルは、全員の進化結果を纏めて、シオンさんと自分、ヨウム、ミュウランは捕虜の尋問を任され、ソウエイはクレイマンの情報を集まると言って早速行動し、三獣士達には決戦に向けて備える事になった。
他には、街の被害状況の確認と補修。獣人達の住まいの提供、喧嘩などのトラブルが起きない様に、警備をしっかりするという事だった。
多分、今回自分が呼ばれたのはこの尋問のためだろう、戦争で真っ先に死んだ事への対応かも知れない。
「よし、後はソウエイの調査結果を待って、会議を行う。それまでに各自、与えられた仕事の問題点などを纏めて、実行可能な計画を立てておくように!」
「「「御意!」」」
その言葉と共に一斉に立ち上がり、リムルさんに向かって敬礼し
「行け!」
の言葉で一斉に動き出す。シオンさんは少し部屋に残ろうと迷っていたが、命令を優先したようだ。
尋問なんてした事はないが、自分に出来るのだろうか少し不安だがしっかりやり遂げよう。
今回で、幹部としっかりと顔合わせしました。
主人公の役職をリムル専属研究者とかにしようかと思いましたが成果がないんですよね(単に書けてない)、ポテンシャルは高いけど使いこなしていないし全く誰だよ主人公をこんなのにしたのは。
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第18話 拷問
早速、拷問部屋についたはいいが拷問の仕方なんて知らないと思いシオンさんに任せてみたがえげつない。
なんだか法則を操作して死なないようにしているらしい。
手足を切られたと言うのに血が流れず、もう切ることが出来ないのではないかと思うほどになってもシオンさんの料理者によって法則が変化しているので肉体的に死ねない。
今までは訓練だったり、魔物を狩ったりなどで人を相手にする事はなかった。
ラーゼンという魔法使いが自分を殺した黒髪の片割れの姿で悲痛な叫びを上げているのを見ていると、心の中で自業自得だと思う反面、そこまでやる必要があるのか、なんて考えたりしている。
相手に同情してしまうのは、最初から怯えていたからか、それとも意志のある相手だからか…
「どうした?リュウ、お前も何かしないのか?リムル様よりせっかくの命令だぞ」
そうだ、これは命令でもあるのだからやるしかない、とりあえずそう考える事にしてまずは仕事をする事にしよう。
これ以上考えていても仕方がないので切り替えていく事にした。
「そうですね。シオンさんのを見ておおよそ分かりました、自分もやってみます」
帰還者の能力での増加は前よりももっと増やす事が出来るようになっていた。しかも、増加者までの増幅はかなり安定して使える様になっている。これで、下手に上げすぎて周りに被害を出さなくて済む。
後、帰還者での回復は状態異常などを無効化して回復出来るようで、シオンさんが法則を弄りまくったせいで完全回復薬でも治せなかったのをある程度治す事が出来た。
途中でリムルさんより聞いて訪れた自分やシオンさん以外の被害者達が来たりしながら拷問を行った。
ひとまず知れた情報は、最初に来た襲撃者達の名前で、黒髪が田口 省吾で、剣を持っていたのが橘 恭弥、そして最後にあのギャルが水谷 希星と言う名前で、ラーゼンによって召喚され隷属された者だったと言うこと。
ラーゼンの姿が田口 省吾の姿なのは、幻覚魔法:精神破壊を使って精神体及び星幽体を砕き、憑依転生という秘術を使って肉体を乗り移ったそうだ。
聞くとその技を使って強靭な肉体を乗り換えて長き時を生きて来たようで、それだけ、精神を殺して乗り移って来たと言うことだ。
そして、あの襲撃者達には魔物の討伐を命じられていたそうだ。嫌々引き受けていたのかと聞くと、橘は分からないが田口の方は命令されるのが嫌そうだったが乗り気で合ったみたいだ。そういえば、スキルの練習とか妬みを言ったりして結構好戦的な奴らだったな。
前の世界でも、性悪説などがあるようにこの世界でも私欲の為に何のためらいもなくやってのける者がいる事を理解しなければならないか。
つい、エレン達の様に優しい人達にばかり会っていたからかこの世界の人々は優しい人達だけなのかと思っていたが、どの世界も変わりはしないのか…
___________________________
やはり薄暗い部屋の中、目の前で無残な姿になっていくのを見続けるのは思った以上に辛く少し外に出るとシオンさん達に報告すると、
「おう、おおよそは聞き出せたからな。ここは気が滅入るからな、無理せず休んで来いよ。なんなら今日は帰ったらどうだ?」
「うむ。第1秘書官である、この私に任せて今日は休んで来るといい」
とヨウムが心配してくれて、シオンさんがやってくれるという事にしてくれた。
という事で、気晴らしに散歩でもしているとゴブタ達の悲鳴が聞こえた。
ハクロウさんが気合いを入れて張り切っているんだろうなぁと考えているとまた違う悲鳴が上がっているのを聞こえる。
他人が頑張っている横で休むと言うのはなんだか気まずいな。特にこの街は真面目な人が多いし、不真面目なゴブタは今訓練中だし。
進化して身体も龍人とはまた変化してしまったし、この体でも動かしてどこまでやれるか試してみるか。
帰還者で最初に考えていたのは、帰還回路から来ています。能力の方は、少しぼかしながら書いています。
グロいのって実物を見るのと、映像などで見るのでは違うのではないかと思うんですよね。
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第19話 訓練
気になった所はルビ振る等しました、他にもして欲しい所などあったら教えて下さい。(探すのめんどくさい)
さて、ハクロウさんに事情を説明すると
「自ら鍛えに来るとは良い心構えをしておる。どれ、一度死んで体が鈍っているであろう、ワシ自ら相手をしてやるわい」
「え、いや…今回は軽く動かそうと思っただけなんですけど」
なんとハクロウさん直々に相手をしてくれる様だ。そこまでするつもりは無かったのに、なんだか張り切っている。やはり、橘達に負けて死んだ事に怒っているのだろう。
「リュウ久しぶりっす。あの時はもうダメかと思いましたっす、リュウをやったあの剣使いは師匠がしっかりやったっすよ」
休憩となって嬉しいのか、ニコニコしながらゴブタが近づいて来た。そうか、自分達の仇に橘をやったのはハクロウさんだったのか…
「ほう、そんな事を言える余裕があるとはな。もっと厳しくすべきじゃったか」
「ぴぇ、ほら、自分のことは置いておいてリュウの特訓に力を入れてくださいっす。リュウも早く動きたいっすよね?」
ゴブタが色々と話していたので、ハクロウさんに叱られる。そして、ゴブタは直ぐに自分を売り出した。こいつ、とも思うが色々話してくれたことだし乗ってあげるか
「そうですね。ハクロウさんお手合わせお願いします」
______________________________
さて、まずはスキルなしでどこまで変わったかを確認しようと思い。
一気に駆け抜けて、ハクロウさんの懐に入り込む。進化したお陰で今まで以上の速さで移動するが、流石にそれを許してくれる筈も無く刀が迫って来る。
咄嗟に短刀で受け流して斬りかかるが、体が小さくなってリーチが変化して中々当てられない。そうこうしてハクロウさんの斬撃をいなして、一旦退く。
「ほうほう、死んでいたからといって体が鈍ったりはしておらんようじゃのう。進化して動きはある程度よくはなっておるが、間合いを測りきれておらんな。再生の能力を得たからといって無闇に詰めなかったのは良い判断じゃ。ほれ、今度はスキルを使って掛かって来い」
リムルさんから能力の説明を聞いていたからか、再生能力について言って来た。
普通にいつも通りに戦っていたので、忘れてたなんて言いづらいな。
「え、ええ。スキル頼りではいけませんからね。まずは、スキル無しで試して見ました。じゃあ、行きます」
なんて誤魔化しながらもう一度と意気込む。
とりあえず短刀を出来る限り増やす。一気に全ての短刀に吸引者でハクロウさんに引きつけるのは難しいので、数本を紛れさせて投げまくる。ハクロウさんに弾かれたり、避けられた短刀は帰還者を利用して手元に呼せて追加して投げる。
そうやって時間稼ぎをしている内に魔力を貯めて
「--------。
巨大な氷柱が一直線にハクロウさんの元に飛ぶ。
元素魔法は法則を紐解き、世界の真理を探ることで奇跡を起こす詠唱魔法で、一々詠唱しないといけないのが欠点だ。リムルさん等は詠唱破棄というスキルを得る事で詠唱しなくてもいいらしいので是非とも欲しいものだ。
人が使う場合は大気の魔素を使うらしいが、魔物である自分達は体内魔素を使うことで発動出来る。
そんなんで、思いっきり魔素を加えた結果巨大な水氷大魔槍ができ、ハクロウさんにぶつかり地面に煙が立ち上っているのを見て、ついふざけて
「やったか!?」
なんて言ったのが駄目だったのか。
「何やら他のことにも、手を出しておるのは知っておったが、ここまでとはな。だが詰めが甘い」
と後ろから声をかけられ刀を首に当てられた。
「いや〜、降参です。色々と試してみたり出来て良かったです、あの魔法はエレンなどから教えて貰ったものなんですよ」
という感じで訓練は終了したのであった。後、ゴブタは自分の訓練が終わってコソコソと逃げようとしているのをハクロウさんに捕まえられるのであった。
なんかもうちょっと帰還者の能力を説明したいと思っていたけど、その描写に辿りつけなかった。とりあえず、自分が持っていたりした物は口寄せみたいに手元に呼び寄せる事が出来ます。
ちなみに、主人公は能力を完全に理解していません。webでスキルの使い方を間違えていた人がいた様に、勘違いしていたりします。
追記
水氷大魔散弾を水氷大魔槍に変更しました。
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第20話 暴風竜
設定とか忘れそうになって破綻しそうで怖い。パッシブスキルなどはあまり描写しないから忘れそう
さて、拷問は特に聞き出すことが無くなったので、シオンさん達に任せる事にしてガビル先輩の元に行った。
「おお、リュウよ。戻って来たのか拷問の方はもういいのか?」
「はい、もう聞くべき事は聞けたので後はリムル様に報告するだけで、そのリムル様が見当たらないんですけど何か知っています?」
ガビル先輩に会うと、仕事の状況を聞かれた。シオンさんはまだまだスキルを確かめたいと言って拷問を続けていて、ヨウム達が聞き出した事をまとめ終えて今は作戦を練っている最中だったので、洞窟に戻った訳だ。
「なるほど……そうだな恐らくリムル様はこの先にあるヴェルドラ様が封印されていた所にいるであろう。そこには誰にも近づかない様にと命じられているので、しばらく待っていれば良いだろう。さて、長い休日だったが仕事を忘れておったりしないだろうな」
と行ってガビル先輩はいつもの作業に戻る。それにつられて自分も作業を始める。
しかし、ヴェルドラって誰だ?というか、この洞窟って封印されていた場所だったのか妙に魔素が多いと思っていたけど、ある程度納得いった。しかし封印されていてもあんなに魔素が残るような人はどんな人だろう。
______________________________
さて、死んで作業を忘れたなんて事は無く問題無く作業は進んだ。
研究用にコツコツと魔素を調節して育てていたヒポクテ草の研究が一からやり直しになったりと悲しい事件はあったが…
そして数日立っても、リムルさんは出てくる様子は無く外ではなんだか慌しくなっていた。
ヴェルドラさんが復活したようで、リムル様を救出すべきだとか、命令あるまで待機だとかで揉めていた。
なんだか洞窟の魔素量が多い気がしていたが、そのせいだったのか…てっきり進化して皆が魔素を零していたのだと思っていた。
「ああ、皆。心配をかけたようでスマン」
そんなこんなで揉めていると、いつの間に戻ったのかリムルさんがいた。隣にはリムルさんの面影がある男性が立っていた。
「リムル様!ご無事でしたか、封印の洞窟に突如、"暴風竜"ヴェルドラ様の気配が復活したと知らせを受けました。リムル様が洞窟に向かわれたとお聞きしましたが、大丈夫でしたか?」
リグルドさんが皆を代表するように状況の説明をしてくれた。それを聞いて問題ないとリムルさんが答えると三獣士の方達は安堵した表情となった。魔王を相手にするにはリムルさんが必須だから、必死になっていたようだ。
「ところで"暴風竜"ヴェルドラはどうなったのですか?」
という質問が出てきて、リムルさん似の男性が不満そうな表情をし、リムルさんが苦笑しながら答えた。
「それについては、今から説明する。皆にも紹介しておこう。こちら、ヴェルドラ君です!ちょっと人見知りだけど、皆も仲良くしてあげてください!」
一気に静寂が訪れて、皆がヴェルドラさんに集中し、誰一人声を出さない。
暴風竜なのに、人の姿なのかとか、人見知りなのかなんてぼんやりしていると
「ちょっと待て、馬鹿な事を言うな!我は人見知りなどではないぞ?ただ単に、我の前まで生きて辿り着ける者が少なかっただけなのだ」
ヴェルドラさんが不満気に言うと、今度は騒然と変化した。
生きて辿りつけないってどれだけ危険だったのか…
「我等が守護神ヴェルドラ様、御復活を心よりお祝い申し上げます!」
しばらくするとトレイニーさん達が立ち上がってから跪き、頭を垂れた。
「クアーーーハッハッハ!おう、ドライアドか。懐かしいな。我が森の管理、ご苦労であった!」
ヴェルドラさんが高笑いをしているのを見ていると、なんだかガビル先輩を連想するな。やはり同じ竜と言うことなのか、褒められるとすぐに調子に乗りそうだ。しかし、この森の守護神でドライアドを従えていたことから凄い人ではあるのか…
「あのう……、ヴェルドラ様とリムル様は、一体どの様な御関係なのでしょう?」
すると、ドライアドの三女であるドリスさんが尋ねた。皆も気になっていたのか一斉に耳を澄ませた。
「その事か。クックック、知りたいか?」
「はい、是非!」
ヴェルドラさんは勿体振って聞いて欲しそうにすると、ドリスさんがヴェルドラさんの求めていた答えを返す。
「友達だ!!」
そうドヤ顔で言い放った。
しかし、リムルさんの友好範囲広いな。魔王のミリムさんやカリオンさんなどとも仲良くなって、暴風竜のヴェルドラさんとも友達とは……
そうしてヴェルドラさんが自慢しているのを見て恥ずかしがっているリムルさんを見るのであった。
ヴェルドラの登場です。主人公のこの世界での知識量を上手く考えてなかったのが仇となって、ヴェルドラに対しての知識をどうするか悩んだ。
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第21話 会議
会議パートが長ったらしく感じたので、ある程度飛ばしました。
後、第15話の冒頭を少し変えました。
ヴェルドラさんの宣言の後、ソウエイがクレイマンの情報を集め終え帰ってきたので、会議を始めようとしているとフューズさんがやってきて、その後にドワルゴン王国のガゼル王や魔導王朝サリオンのエラルド大公爵が来た。
フューズさん達はファルムス王国と戦う為に来た様で、ガゼル王はベスターさんからの連絡を聞いて来て、エラルド大公爵は魔王への進化を教えたのが、娘のエレンという事で後始末をしに来たらしい。そうやって各国首脳などが集まったので揃って会議をする事になった。
まあ、ヴェルドラさんの登場やリムルさんが知り合った魔王でラミリスさんの登場などで何回か脱線したりしたが会議事態はサクサクと進んでいった。
最初にリムルさんの事情説明に入り、西方聖教会について説明が入り、一先ずは様子見をするとのことで、次に今回のファルムス王国との戦争での犠牲をヴェルドラさんに擦りつけリムルさんやヨウムの印象を上げて、それを利用しヨウムを王とさせ新王国の樹立を目指すそうだ。
次に、エラルド大公爵がフューズさんやリムルさんに問いかけて、どの様な思惑かを把握した後、魔導王朝サリオンとの国交樹立が成った。
それからは、打倒クレイマンを宣言し、捕虜の報告をした。その報告を聞き教会とは敵対を避ける様で、フューズさんが魔国連邦を正式な国家として西方聖教会に揺さぶりをかけるそうだ。
最後に、魔導王朝サリオンとの街道の整備などを通行税などの条件でこちらでする事になった。
そうやって会議が一旦終わり、次に対クレイマンの作戦会議が始まった。
リムルさんは急に来たラミリスさんが気になったのかラミリスさんが来た理由を聞くと魔王達の宴という近状報告や面白い話題を話す場だそうで、そこで議題としてリムルさんが魔王を名乗ったことやカリオンさんが裏切ったという事で、すでにカリオンさんはミリムに倒され、クレイマンは配下を動かして戦争を起こすようだ。
そうやって魔王達の事情を知った後、一度解散し食事を挟んだ後、再び会議に戻った。今度はフューズさん達は抜きで、三獣士とミュウランさんのみが来客として参加した。
そして、今度はソウエイからクレイマンの軍の動向を報告した。今はミリムさんの領土で、軍団の編成を行っているらしい。
そして軍を率いているのはクレイマンではなく、クレイマンの誇る五本指の内の一人でヤムザといい。
そして狙いはこの町ではなくユーラザニアの人達の様で、リムルさんが魔王に進化した様に、人を殺して力を手に入れるのが目的かもしれない。流石に見逃せないという事で、ユーラザニア防衛戦をする事になった。作戦は各地の戦士に住民を集め避難させ、ゲリラ戦を仕掛け逃亡を手助けする事になった。
そして、クレイマンについてはラミリスさんにリムルさんを魔王達の宴に参加出来る様に打診してもらい、参加し直接対決する事になった。どうやらリムルさんはミリムさんの動向に気になっている様で色々と探りたい様だ。そして護衛はシオンさんとランガが付き添う事になった。
そしてヴェルドラさんはここで防衛する事で、リムルさんが危険な時は『暴風竜召喚』というスキルで呼び出す様だ。これならば従者のカウントを減らす事なく行けるという事らしい。
そうやって遂に会議が終了したのであった。
なんだかどれだけ切っていいか段々分からなくなって来ました。
お盆なのである程度更新したいなとは考えていますが予定は未定です。
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第22話 避難救助
なぜ今年はこんなに忙しくなってしまったのか、色々やりたい事が多すぎる。買ったゲームが出来ず積んでいくのは損した気分になりますね。
さて会議が終わったと言ってゆったりとしてはいられず、すぐさま避難民達を救助するために移動する事になった。
移動手段は転移魔法を使ったもので、普通は大人数を送るのは危険があるものをリムルさんはなんと会議中に新たに術を開発したと言った。まあ、安全確認は出来ていないから少し不安があるが大量の魔素に耐性があれば大丈夫らしい。
そんな訳で今回自分はゲルドさんの部隊と一緒に避難民を受け入れる野営地を設営で、場所はミリムさんが更地にした獣王国の首都があった場所で、各地に散らばった避難民を集める為に作る様だ。
転移するとそこは広大な荒野となっていた建築物などは見る影もなく消え去っていてここが首都だったなんて言われなければ気づからないくらいただの荒野が広がっていた。
「しっかりと話し合う事も無かったな。リュウ、オレは
ミリムさんの攻撃の影響に呆然としていると、ゲルドさんが話しかけて来た。ゲルドさんは猪の人型の様な姿をしていて、ゲームなどで出てくるオークの様な姿だ。
「そういえば話した事がなかったですね。ゲルドさん、リュウと申しますどうぞリュウとお呼び下さい。で、自分は何をすればいいですか」
ゲルドさんとは街中ですれ違ったことはあったが話し会うことはなかったと思い出し、自己紹介をしておき、自分が何をすべきか聞くと
「そうかリュウよろしく頼む。オレもゲルドと呼んで構わない。リムル様からは回復能力や力があると聞いている。避難民の中に負傷者がいるかも知れないのでその相手をしてくれ、それまでは木材などを運んでくれると助かる。」
そう言われて、ゲルドさんが仕事にかかったので、自分も仕事にかかりひと段落し終える頃にリムルさんが各地に散らばった避難民達を徐々に転移魔法で連れて来た。どうやら一箇所に集めてから一気に転送させるつもりらしい。
それからは、運ばれて来た避難民の中に負傷者などがいないかを確認し、治していった。逃げている途中に魔物に襲われたなんて話も聞き、やはりこの世界は過酷だと思う。逃げている途中でも魔物などに気を配らないといけないなんて。
後、能力による回復は、古傷を持っている人などがいたのでついでに治してみようと試みたが全く治る気配がなかった事から、この回復能力は傷がついてから時間が経てば経つほど完治させるのが難しくなるという事がわかった。
そうやって1日立つとリムルさんがまた転移してきて、向こうでの受け入れ準備が整ったということで戦闘員以外は魔国連邦に転送するとの事。こんだけの人数を転送しまくれるなんて間があったとしても、どれだけリムルさんは魔素があるのか…
さて、これから戦争となって殺し会いが始まるのかと思うと、死んだ時のことを思い出して嫌だなと考えていると、そんな考えを見越していたのか偶々なのかリムルさんが
「リュウ…もしよかったらヴェルドラの様子を見ていてくれないか?一応暴れない様に言ってるけど、アイツ放って置くと何しでかすかわからないし。頼めるか?」
と提案してくれたので、渡りに船と思い
「わかりました。あんまり殺すというのは気が乗らなかったので助かります。それでヴェルドラさんはどんな人ですか?」
と聞きどう接しようか考えると
「ああ、アイツは結構チョロいから煽てていればいいから。そうだな、俺たちの世界の話でもしてやれば喜ぶんじゃないかな。後アイツは結構生きているみたいだからこの世界について色々知っているかもな。じゃあ、よろしく頼むな」
とリムルさんからアドバイスを貰って、魔国連邦に帰ってから会うヴェルドラさんとの話題を考えていると、自分が安全な所に行けると考えて喜んでいる自分に気がついたのであった。
今回はゲルドとの顔合わせとかそんな感じでした。主人公は力がある癖にヘタレ見たいになりましたかね。まあ、基本修行ばっかでろくに殺した様な経験がなく、殺されたばっかでトラウマありと考えたのでこんな感じかなと思います。何故強くしたって感もありますがヴェルドラに相手出来るレベルという事で
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第23話 遊戯
最近は台風や地震などが起きて危険ですし、お気をつけて下さい。
「クワーハッハッハッ、リムルの奴は心配し過ぎなのだ。ワレはしっかりと約束を守るつもりでいるのに」
帰ってから、ヴェルドラさんに会って事情を説明するとそんな言葉が帰って来た。
まあ、リムルさんの言う通り結構お調子者っぽいしあんまり信用出来ないか。
「そういえば、お前はリムルと同じ異世界から来たのであったな。そうだな、見張りと言うならどれ異世界の娯楽でも聞かせて貰おうか」
娯楽か、簡単に出来そうなのはトランプとかかな。今は自分とヴェルドラさんの2人だけだから限られるけど、リムルさん達が帰って来たらもっと色々と遊べるし。作っておいて悪くないかな
「じゃあ、トランプでも作ってゲームでもしますか。カードさえ作ってしまえば色んなゲームを楽しめますし」
ととりあえず提案してみると
「おお、それなら知っているぞ。4種の13枚のカードを使った遊びのことだな。リムルの中では将棋をしていたが、それも気にはなっていたのだ」
どうやら少しは知っていた様だ。リムルさんからどれだけ聞いているのかはよく分からないが楽しみしてくれるなら何よりだ。しかし、将棋とは全くしている姿を想像出来ないな…以外と頭はいいのかな
ということで、カードを作った。
紙は持っていないので、余っている木の板を譲ってもらい片面に1〜10とJ〜Kそしてjokerを書く。
これだと木目でどのカードか判別できてしまうが、ヴェルドラさんがそこまで気にする人だとは思わないし、先ずはこんな物でいいかな。
「うむ。カードも作り終えたことだ、先ずは何のゲームをするのだ?」
カードを作り終えると直ぐにヴェルドラさんはソワソワしながら言ってきた。
よっぽど楽しみなんだなと思いながら質問に答える。
「そうですね。今は2人しかいませんし先ずは神経衰弱でもして見ますか」
と言ってルールの説明をしながらゲームを始めた。
__________________________
さて、トランプでのゲームはヴェルドラさんのご機嫌取りのために人が集まって、そのおかげで多人数でのゲームもすることができた。
ヴェルドラさんの事を見ていると記憶力や判断力などは優れている事が分かるが感情が凄く出てしまっている。
大富豪などでは普通に勝てているのに、ババ抜きになると周りが気を遣っているくらいだ。
そうやってヴェルドラさんへの見る目が段々と下がってるのに気がついたのか
「おいリュウよ、なんだその目は。この我に対して敬意がないぞ」
と言って来た。まあ、あんな姿を見たら尊敬なんて出来る筈無いと言うか、実際ヴェルドラさんの力ってよく知らないんだよな。
「ヴェ、ヴェルドラ様。リュウはこの世界については詳しく無いのです。ヴェルドラ様の威光も詳しく無いのは仕方のない事だとご了承ください」
やや不機嫌な様子のヴェルドラさんを見て、途中から参加したリグルドさんが宥めると
「ふむ、そういえばそうだったな。ならば我の真の姿を見せてやろうか」
とヴェルドラさんが言うと、一斉に周りの人達は動揺し始めた。こんな所でヴェルドラさんが魔素を解放したら自分はともかくリグルドさん達が耐えきれないかも知れないな。
「まあまあ、ヴェルドラ様。こんな所で真の力を出しては勿体無いですよ。強敵が来てピンチという時にこそ、真の力を発揮した方が格好良くないですか?」
と煽てながら説得してみると、見事に釣られて
「うむ、そうだな。ならば強敵が来るまでは、トランプで我の強さを見せつけてやるわ。ワーハッハッハッ」
とご機嫌になられた様で、リグルドさん達もホッとしてゲームを始めるのだった。
今回は、ヴェルドラとの交流という感じですね。カードは適当に作っているから強い人はイカサマし放題でしょうけど、ヴェルドラはそんな事を考えたりしなさそうと考えてやりました。
誤字などがありましたら、誤字報告などお願いします。
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第24話 暴風
後、誤字報告ありがとうございます。
追記
サブタイトルつけました。なんとなくだったりするので、意見があればお願いします。
ゲームするのにも飽きたのか、ヴェルドラさんは漫画を読み始めたので、集まっていた人達は解散して自分はヴェルドラさんから漫画を少し借りて読んでいると
「あれ?この巻だけ表紙と中身が違う。ヴェルドラさん知っています?」
中身と表紙が全く別の漫画があり、疑問に思い問いてみるとヴェルドラさんも知らなかった様で
「何⁉︎本当か、おのれリムルの奴めわざとすり替えおったな!こうなったら直談判だ!」
どうやら余計な事を言ってしまった様だ。
このままだと勝手に何処かへつれて行かれてしまいそうだったので慌てて
「ちょ、落ち着いて下さい。直談判てリムル様が何処にいるかもわからないじゃないですか。それにどうやって移動するんです?」
「問題無い。リムルのスキルに『暴風之王』での召喚を利用して、リムルの近くに移動することが出来るのだ」
それって向こうの状況とか理解できないかな、そしたら真剣な場所だから後でにしようとか言えるんだが。
「と、そういえばヴェルドラ様はリムル様よりここを守る様に言われているじゃ無いですか。誰がここを守るんですか?」
ふと、ヴェルドラさんの建前だろう役目を思い出しついて見ると、やはり忘れていた様で
「う、うぬ。そんな物他の者にでも任せてればよかろう」
「今ここには、ヴェルドラ様くらいしか強者はいないんですよ?もし、敵の幹部なり出て来たらどうするつもりですか?ここに幹部級の者が1人でもいたら考えたかも知れませんが誰もいないのですよ」
なんてまくし立てていくとヴェルドラさんは縮こまりグチグチだってだってと言っている。
何とかヴェルドラさんの暴走を止めれたと安心すると
「ヴェルドラ様緊急の用があると聞きましたが、何かございましたか?」
いつの間に帰っていたのかそこにはディアブロが立っていた。もしや、さっきボソボソしていたのはディアブロさんに連絡していたのか。
すると、後ろでガバッと立ち上がった音が聞こえると
「おお待っておったぞ。ディアブロよ、我の代わりにここの防衛を頼む。我はリムルの所へ用が出来たのだ」
ヴェルドラさんはそんな事を勝手にまくし立てるので、静止しようとする前にディアブロさんが
「なるほど、リムル様の元で何かトラブルがあったのですね。くっ、私がついていれば…かしこまりましたヴェルドラ様急いで参って下さい。そして、よろしければそちらの状況を報告して下さい」
と勘違いしながらヴェルドラさんを後押しをしてしまい。
「うむ、ディアブロよ頼んだぞ!そしてリュウよ。これでここを守る者も出来た事だな。では我は行って来るぞ!」
と言ってヴェルドラさんは転移魔法の様に消え去ってしまい、その場には嵐が通った後の静けさが残るのだった。
しばらくの間、放心していると
「どうしたんですか?リュウ殿。何か問題でも?」
ディアブロから声を掛けられる事により意識を覚まして
「ああ、そうだな。ってその前にリムル様にこの事を連絡しておかないといけないか」
ディアブロに説明をしようと考えて、その前にヴェルドラさんが向かった先のリムルさんに経緯を説明するのが先だと思ったので念話をする。
普通なら繋がる事は無いのだが、魂の回廊と言う名付けによる繋がりを利用することで離れた場所にも連絡することが出来るのだ。
『リムルさんすいません、ヴェルドラさんの事を止められませんでした。
防衛については、ディアブロさんがひと段落ついた様なのでヴェルドラさんに押し付けられた形で入れ替わっています』
とリムルさんに説明を言った後で、ディアブロに経緯を伝えるのだった。
__________________________
「なるほど、ヴェルドラ様のワガママと言うことだったのですか。私とした事がリムル様に危機でもあったのかと」
説明をし終えるとディアブロさんはヴェルドラさんの話を深く考え過ぎた様で少し反省していた。
「まあ、大体その通りだな。リムル様の嫌がらせもあるけど。ヴェルドラ様の勝手の行動だから、まあディアブロは巻き込まれる形だったし問題ないでしょう。まあ、リムル様が帰って来るまでここにいないといけませんが。
そういえばディアブロさんとか悪魔って召喚されるまでは何をしていたりするのです?」
今回の責任は自分とヴェルドラさんが主でディアブロさんには掛からないと声をかける。少し気が遠くなるが仕方ない。
またしばらく暇になる事だろうからディアブロさんや他の悪魔達が何をしていたのか聞いてみると
「そうですね、しばらく暇そうですし付き合いますか…一般的に悪魔は強いを重要視する様で精神世界という場で戦闘ばかりをしていますね。
私の場合は余り強さに興味が無くて、昔知人と決別してからは張り合える者がいなくなったので戦闘はしてませんでしたね。
しかし、リムル様を見つけてからはそれも構っていられません。これからリムル様の隣に立ち続けるためにもより強くなりあのお方の役に立てる様に強くなろうと思うのです---」
軽くディアブロさんの過去を聞こうとしたら、気がつけば延々とリムルさんについての話をし始めているディアブロさんを見て
(これからはこの人にリムルさんの話を振るのは止めよう)
と心に刻みながら話を聞くのだった。
ヴェルドラの交流とディアブロから悪魔や過去について知ったという感じですね。
後ついでに魂の回廊を使わせました。こんな時くらいしか使いそうに無い気がしましたし。
一応、ヴェルドラについていくルートも考えたのですが向こうでする事が思いつかなかったので、ディアブロとの雑談になりました。
追記
ディアブロのきたシーンなどを少し変えました。読み返してみるとあそこで戻って来るのは無理を感じたので、呼び出す形にしました。
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第25話 談話
新刊やらアニメやらゲームのイベントなどと気がついたら時間が経っていました。
いやー、ついにアニメ始まりましたね。あの調子だとあっさりと抜かれてしまうでしょうが、変わりなく進めていく予定ですので暇つぶし程度にお楽しみ下さい。
ディアブロさんの話は、何時間も続き気がつけば日が沈む頃だった。
「おや、いつの間にこんな時間に。また次の機会にでも話しましょうか。しかし、私がこんな所にいると言うのにあの者がリムル様の近くにいるとは許せませんね…後で消しておきましょうか」
あれだけ話したと言うのにまだ話し足りないのか。というかなんか物騒な事言わなかったか?
「あはは、まあまたいつか話ましょうか。そしてあの者って誰ですか?」
もしかして、ディアブロさんと初めて会った時に言っていた、リムルさんが一緒に召喚していた内の一人かな?
そう思いその人について聞くと
「ああ、この前の会議の時にラミリス様と一緒に入って来た人形ですよ。確かリムルからベレッタと名を授かっていますね。あの者は私の眷属の一人でしてね、この私を差し置いてリムル様に先に召喚され近くにいるなど許しがたい事ですよね。クフフ…」
と言う答えが返って来た。つまりディアブロさんとは別に呼ばれた人か。会議の時は特に気にしてなかったけど、そのベレッタさんには同情するな。
「へー、眷属なんていたんですね。最初に会った時にはそんな人は見かけませんでしたけど、情報収集でもさせているんですか?」
ディアブロさんの眷属らしき人を見たことが無いので何処にいるのかと聞いてみると
「え?私より能力の低い者を何故使うのですか?……ハッ、これがリムル様の与えられた真の課題という事ですか、能力の低い者を使ってみせよと。リュウ殿、感謝しますよ。」
なんて言って自己完結してしまった。
主人よりも強い眷属ってこの世界は弱肉強食なのに無理じゃないか。しかもなんか変な方に勘違いしはじめているし。
…まあ、問題ないか。
________________________
ヴェルドラさんからの連絡が入り、リムルさん達が帰って来るとリグルドさん達に伝えると、大慌てで迎える準備を行い。
リムルさん達を迎えた後、事情説明を詳しく求められた。
まあ、あの時は簡単にしか言っていなかったからしかない。そうして、説明し終えると
「うし、よくわかった。ヴェルドラのせいじゃねーか!勝手にディアブロを呼び出して、その上仕事を押し付けてんじゃねーよ!
ということで、ヴェルドラはデザートは無しな。そして、リュウは仕方ないとはいえヴェルドラを止められなかったので同様で」
ということになった。
デザートなんて基本的にそんなに食べられる物ではなく。しかも最近は、皆が努力して色々とレパートリーが増えて来ているという時に禁止と言うのはかなりきついな。
まあ、仕事をこなせなかったのにお咎めなしと言うのは、問題だろうし仕方ないことだとは思うが…
「そういえば、なんであの漫画だけ内容を入れ替えていたんですか?あれってリムル様が作った物ですよね?」
道連れを増やそうとリムルさんに漫画の件を指摘すると
「そうだそうだ。我もあんな事をされなかったら動きはしなかったぞ」
ヴェルドラさんも察したのか乗っかってくれた。まあ、リムルさんが睨んだ瞬間、顔を逸らして口笛を吹くと言うのはどうかと思うが
そして、自分の言及には思うところがあったのか
「あー、わかったよ。確かに俺が細工していたのも原因だし、俺もデザートを抜くよ」
そうして、リムルさんへの追及をし終えるとリムルさんはディアブロに計画の確認をしに行ったので解散となった。
翌日、ベニマル達が帰って来るとガビル先輩達は向こうで事後処理などをしている様なのでしばらくの間は帰って来れないと伝えられたので、ベスターさん達に伝言しに行く。
「そうですか、ガビル殿も大変ですな。なに、ポーションについては我々だけでも可動出来る様になったので、問題ありませんよ」
と言うことで、いつも通りの作業を始める。
しかし、ガビル先輩達は戦場に残っているのか…
「あの、ベスターさん。この世界での戦争ってどんななのか知っていますか?」
今回の戦争にはついリムルさんに甘えて逃げてしまったが、次の時にはそんな甘い事を言ってられないかもしれない。
いざと言う時に、知識でもあれば少しはマシになるのではないかな。
「戦争ですか…。私も直接見たと言う訳では無いですが。範囲魔法などがあるので、敵を捕らえるよりも殺す事が一般的です」
それはつまり、ベニマル達は皆殺しにして来たのだろうか。そんな暗い事を考えたのが分かったのかベスターさんは続けて
「しかし、リムル様は殺す事を良しとする方ではありませんので、リュウの心配する様な事は無いでしょう」
「そうですね。リムル様がそんな事を許可する人ではありませんね。ちょっとどうかしていました」
ベスターさんの言葉に納得しながら、自分の事が不安定なのに相手の事を気遣っている場合では無いなと考えるのであった。
色々と時間が経つと、案も増えて困りますね。
特に進化させた部分は本格的に無くしていい気がしました。容姿についても全然触れていませんし、修正も特にしなくていいですしね。
次回も不定期となる予定ですので、まったりとお待ち下されば嬉しいです。
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第26話 実験
というよりヴェルドラやミリムを何故出さない。建設の時にオークを出すのなら登場させても良いでしょう。
そんな愚痴はともかく、主人公の進化させたのはやめました。なんか大して戦って無いですし、強くした意味が無かったですので。
いつもの作業はガビル先輩達がいない分早く終わり、各自の実験をして良いと言う話になった。
そんな訳で前に行っていたヒポクテ草の限界値の実験で、上限は元の洞窟の2倍程度まで限界だとなった。
一部耐え続けた個体などはあったがそれ以上は、魔物が生まれて対処が難しいのと自分もそれを保つのが辛いということで、中断した。
そして下限については限りなくゼロまでしても枯れる事が無く、問題なしかと思ったが数日経過するとただの雑草となっていた。
始めはヒポクテ草が枯れた後に雑草が生えたと思っていたが、ガビル先輩達の実験からヒポクテ草の元は雑草と知り。あれは元はヒポクテ草だと言うことに理解した。
今はどの濃度まで、ヒポクテ草であり続けれるかと言う気の長い作業をしている最中だ。
そんな訳で時間が少し余っているので今日から、新たに意図的な魔物の作成をしようと思う。
リムルさんの例やホムンクルスの例を魂の情報は肉体では無く魔素にあると思う。
つまり、魔素を意図的に集めれば意識のはっきりとした魔物や種族を特定した魔物を生み出すことが出来るのではないか。
生命に対する冒涜だとか色々考えると難しい問題だけど、これを利用すれば肉体を失っても新たな肉体で生きながらえる事が出来ると言うことになる。
そう言い訳をして実験を開始する。
先ずは魔物を生み出す事だ。ただ単純に魔素を集めても魔素の濃度が濃くなるだけで、意味が無い。
さて、ジグソーパズルで枠も無くピースの数も分からない、それを更に目を隠して組み立てるそんな状態で作ってどうなるか。
「あーー、無理だ。全然理解出来ない」
不可能だ。元々魔素なんてよく分からないもので更に分からない事をやろうだなんて無謀に決まっている。
しばらくダメ元で試し続けてみたが、結果は変わらず。
一先ず、それで一日が終わり。夕食の時にベスターさんに相談すると
「なるほど、魔物の誕生の仕方ですか。すみませんが専門外なのでなんとも言えません。ああ、私も手伝いたいものですが現状では何も出来ないのが残念です。
しかし、いずれにせよリムル様に伝えた方がいいかもしれませんね。擬似的な転生を誰にでも行う事が出来ると言うことですから」
と返って来た。まあ、元から命に関わることだからある程度考えていたが、そうかあのラーゼンと言う魔法使いと同じ事が出来ると言うことか。
「そうですね。一度リムル様に相談してみますね」
その後、リムルさんの予定を確認してアポを取った。
___________________________
「なんほど、魔物を生み出して使役する、もしくはその原理を利用して転生を行うか…。ぱっと見ただけでもかなりの計算が必要になるけど、リュウってそういうスキル持っていたっけ?」
そういえば何となくでやっていたがこれは普通に考えてやったら途方も無く時間のかかる事だったな。
「いえ、そんなスキルは持って無いですね。思いついたからやってみようって始めて見ましたがやっぱり難しいですね」
そう言うとリムルさんは少し悩み考え出した。時々頷いているから誰かと会話をしているのだと思うが誰と話しているのだろうか。
「うし、リュウ。今回の実験は俺も参加しようと思う。まずはスキルを渡すか」
と聞いた後に、世界の声が聞こえてくる。
《告。リムル=テンペストよりユニークスキル『識別者』の譲渡・・・成功しました》
譲渡って事は今のはリムルさんが行ったのか。
「おお、スキルまで用意してくれるなんてありがとうございます。これを使って魔素を調べるですね」
と答えると、リムルさんは『識別者』について説明してくれる。
このスキルは、魔力感知などといった感知スキルを統合した万能感知と対象を詳しく解析・研究する解析鑑定、思考加速などを統合したスキルだそうだ。
そして、解析した物はリムルさんにも自動で届くという機能を付けたそうなのでデータの報告も無しで良いとのこと。
早速、識別者を利用すると今まで正面しか見えていなかったのが360度全体が見える様になった。なんだか奇妙な感覚を感じながら周囲を知覚する。
今まで見えていた景色では絶対に見えない筈の位置までもが見えてしまうと言うのは今までの常識が狂っている様に感じて気分が悪くなってくる。
しばらくはこの能力に慣れるまでスキルを使用するのであった。
またスキルが増えました。こいつ鑑定能力無しにどうやって判別して来たとかありますが、ドワーフ達の魔法具を借りていたのでしょう。
ユニークにまでしなくてもと、考えましたが魔力感知などには必要な物は…とか考えるとまとめて渡した方が良いと思いこうしました。
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第27話 準備
「リュウよ。我輩達は帰ってきたのである!」
識別者に慣れてきてから数日、ようやくガビル先輩達が帰ってきた。
戦場では指揮官を潰されて意気消沈していた下位魔人達を捕虜にしたり、ミリム様の配下である竜を祀る民との交流を行なっていたらしい。
竜を祀る民は自分らと同じ龍人らしく、ガビル先輩が蜥蜴人からの龍人なら、龍人は龍から龍人になったそうで、龍の様な見た目はしておらず人の形をしているらしい。
それと、ミリム様からリムルさんへの手紙があったそうで、
「へー、ミリム様からの手紙ですか。何かあったんですかね。直接言いそうな方ですのに」
「うむ、どうやら向こうでの食事は質素なものでそうでな。食事会でも開いて料理への関心を持って欲しいだそうだ。あの方も色々と配下に気を遣っているのだろうよ」
ここは日本人と言うかリムルさんの食への執着が強いから他に比べると仕方ない事だと思っていたら。なんと竜を祀る民での食事は自然のままにと言う考えで、野菜は生のまま。調理するとなっても肉を焼く程度で味付けなどは全くしないと言う。
「そんな食生活なんですか…。だから、ミリム様はここにしばらく居着いていたんですかね」
そう言いながら、美味しそうに食事をしていたミリム様を思い出す。結構、気ままに生きていると思っていたけどそうでも無かったのかな。
__________________________
それからは、ガビル先輩達がいなくなって停止していた作業を取り戻すかの様に皆が動く。
魔王クレイマンとの戦争やユーラザニアの避難民達に使用した回復薬を補充し直す必要があっていつもより真剣になる。
今まで傷を治す為に回復薬は使っていたが、今回は避難民達に重傷の人達がいて、腕を欠けた人を完全回復薬で治す所を見て命だけでなく今後の人生もを救うということに実感を感じたからだ。
とはいっても、材料であるヒポクテ草は有限だし、抽出する事の時間の短縮は未だに出来ていないので特に変化はない。そんな訳で張り切ったはいいが結果はいつもより少し早く終わった程度となった。
そんな感じで不完全燃焼していると、ようやくゲルドさんが帰って来た事で幹部全員が集まってでの会議が起きた。
内容は、リムルさんの魔王の領域がジュラの大森林全域となり、森に住んでいた人達が一斉に挨拶に来るだそうだ。それに対してリムルさんが人を集めると言う事でいっそ祭りを行い盛大にしようとなった。
更にカイジンさん達が自分の実験で、魔素の操作に試験運用していた魔素集積装置が完成した様だ。これで魔素漏れによる空気中の魔素濃度の上昇を防ぐ事ができる事となった。まあ、ヴェルドラさんのような規格外の魔素にはまだ耐えられないようだが。
他にも西方聖教会やファルムス王国、魔王クレイマンのそれぞれの背後の存在について調査をするとなった。
そして自分達はリグルドさんと協力をして祭りの準備を行うこととなった。
_____________________________
まず何をするかなどをリグルドさんやベスターさんなどで集まった所
「さて、リムル様の魔王となった祝いという訳で吾輩は演武を所望するのだが皆はどうだろうか?」
「私は研究成果の発表などをしたいですかね。ここテンペストの技術力を振るう良い機会でしょう」
「では、音楽と言うのはどうでしょう。建国して間もないですから、ここは文化的な側面を見せておくべきでしょう」
ガビル先輩が演舞、ベスターさんが技術発表、リグルドさんが音楽。そんな意見を自分が紙にでもまとめていく中
「音楽なら演武の後ろで流すは出来るでしょう。ここはリムル様がいかに素晴らしいかを吾輩達が歌いましょうぞ!最近良い歌詞が思いついたのです」
ガビル先輩はリグルドさんの意見を聞いてより演舞を押してくる。しかし、ガビル先輩が作った歌詞はいまいちなのは皆知っているので
「それなら、様々な楽器を使ったオーケストラはどうですか?確かリムル様が作った学校で音楽を学んでいる者達がいたはず」
「おお、それならタクトと言う者達がそう言った練習をしているのを聞きとても素晴らしかった覚えがあります。彼等に依頼しましょう」
ベスターさんが意見を出してリグルドさんが後押しすることでガビル先輩の意見は封殺された。
そうして祭りの準備を始めていくのだった。
今回は日記の方から少しネタを取って見ました。他のスピンオフの設定も書くことが出来たらなと思っています。
出来る限り設定は出したいけど雁字搦めになると書けなくなってしまいそうでなかなか書けませんね。
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第28話 支度
ひと段落ついたと思ったら、また忙しくなって来てなかなか書いている暇がなくなってしまいました。前回月一とか言ったのもいきなり撤回したいと思います。今度は完全に不定期にする予定です。暇がある時にちょくちょく書きたいです。
そして、一先ず区切りの良い所までは書いて一旦終了と言う形にはしてまた余裕がある時に続けたいとも考えています。まあ、どこに区切りをつけるのか余裕ができるのかなど不安はありますが。
祭りへの準備は、リグルドさんが商人などへの手続きや会場の手配などをしてくれて、ベスターさんは貴族への接客の練習などに付き合っている。
そんな中、自分やガビル先輩達は何をしているかと言うと技術発表会の発表内容を決める為、会議を始めた。
「よくぞ集まってくれた諸君。今回集まってくれたのは他でも無い。遂に我々の研究成果を大々的に発表する機会が来たのである」
ガビル先輩の言葉に皆が一斉に騒ぎ出す。龍人の人達はただ騒ぐ事が好きそうだから予想通りだったけど、ドワーフの人達まではしゃいでいた。どうやら、この国での発見は色々と目新しいものが多く自慢したかったんだそうな。
「そこでだ。諸君らは見に来た全て者達を驚かそうと言う気持ちはあると思う。吾輩はその中にリムル様をも含ませたいと考えているのだがどうかね」
その言葉に皆が固まった。
皆も来た人達に驚かせる事は考えていただろうけど、リムルさんをも驚かせようなんて考えていなかったのだろう。事実、自分自身そんな事全く考えていなかった。しかし、リムルさんを驚いた顔を見た時の考える。他の人達を同じ事を考えた様で
「面白いじゃないですか!リムル様をも驚かせてみましょう」
「ガゼル王をと考えていましたが、研究について知らなかった者達全てを驚かせましょう」
「発表内容は何にするか?あの射影機についてはどうだろう?」
などと皆やる気が出た様である。数人は先走ってもう動き出そうとし始めている。
「落ち着くのである!士気が高まったようで結構。発表内容についてはベクター殿との相談の結果、我々が研究し続けて来たヒポクテ草についてで行う」
とガビル先輩が諌めた後、発表内容を宣言する。この国の特産品である回復薬についても押していきたいだそうで、それについても発表を行いたいだとか。
一先ずヒポクテ草をテーマにレポートを作成してから国家機密などや公表しても問題無いかをベスターさん達に検印することとなった。
_____________________________
自分はヒポクテ草が雑草になり枯れるまでの過程などをまとめてレポート用にヒポクテ草の枯れる様をカメラを使って撮っていた。
そうして見ていると、識別者を手に入れたお陰でヒポクテ草への魔素の流れを知ることが出来た。その動きは呼吸の様でヒポクテ草に入っているのと出て行く様子が見れ、出てくる魔素は入っていく魔素に対して減少していた。
おそらくヒポクテ草は魔素が濃い場所でも生存出来る様に魔素を消費して魔素耐性などを身につけていて、それでも耐えきれない余剰の魔素を放出しているのだろう。回復薬になる事を考えると回復魔法を利用しているのかも。
そして魔素で光合成の代用をしているのかも知れない。そのおかげで洞窟の中でもヒポクテ草が群生する事が出来たのだろう。
そんな事を考えながらまとめていると
「リュウよ。ここにいたのか、先程リムル様から幹部での緊急会議があったのでな、伝えに来たのである」
ガビル先輩が訪れて内容を説明する。
先程、西方正教会で不審な動きがあり、戦闘になる可能性があり防衛準備を行うこと。
そして、ブルムンド王国では国王を暗殺して賠償金を無効にしようと動きがあるらしくそれを阻止しに行くこと。
「今回は、双方に戦略を割く事になっており、リムル様は敵味方共に損害を出さない事を願っている。今回、我々の所は戦闘になるだろうから、リュウは防衛に協力してはくれないだろうか。こちらは直接戦場に出る必要もないだろう」
わざわざ防衛を進めてくれたのは、未だに自分が実戦に臆しているからだろう。
日本にいた頃は、喧嘩なんてあってもせいぜい殴り合い程度のものだったし、こちらに来てからも特訓などで武器を使ったが殺し合いは未だ体験した事は無い。
敵を殺さない様にと作戦を立てていても、相手にそんな事は関係なく殺しに来るだろう。それに、戦場に想定外は付き物と言うし、いざとなれば殺し合いは避けられない。
「…ガビル先輩についていってもいいですか?」
「うむ⁉︎問題は無いが…しかしリュウよ。無理に戦う必要もないぞ。敵は我輩が全て蹴散らしてしまうのでな。リュウの出番などないだろうよ。リュウはこの町で唯一リムル様の世界を知る同郷の者でもあるのだからな」
ガビル先輩は驚きながらも承諾してくれた。やはり、自分が参加するとは思っていなかったのだろう。自分が戦わなくてもいい様に心配までしてくれた。
しかし、いつまでも甘えてはいけないだろう。
リムルさんもこの世界にきて初めて殺しを行なったのだろう。それはこの町にいる皆のために。そして一度死んだ自分達の仇に。
それに対して自分は答えれているのだろうか、リムルさんに聞いてもそんな事を気にするななどと言ってくれるだろうが自分が納得出来ない。
いつまでも停滞してはいられない。人は常に変化していくものなのだから。いずれ変化しなければならない時が来るだろう。その時のために備える必要があるだろう。
ようやく書きたかった事を少しかけました。ヒポクテ草や魔素ついてはどういう原理などがあるのでしょうかね。自分なりの解釈というか妄想はあるのですが公式の設定も知りたいです。また、設定集などが年明けに出るらしいのでそれに書いてあるといいですね
アニメでも出ているガビルの補佐なども好きなので出してみたいですね。まあこれ以上キャラを増やしてもキャラが薄れてしまうと思うので出しませんが。
後、タイトルを考えるのややしんどいですね。被らない様にしないといけないし。今回はかなりやっつけでつけてしまいました。毎回やっつけでもありますが
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第29話 戦場
中途半端に色々手を出すとダメですね。どれもイマイチ集中出来なくて上手くいきませんね。
※投稿ミスしてたのでやり直しました。
いざ、覚悟して戦場に出たが戦力差は圧倒的だった。
自分達が来るまでヨウム達は傭兵部隊がなんとか持ち堪えていた所を、鬱憤が溜まっていたのかランガさんは一直線に敵本陣まで突っ走って暴れて、自分達が着く頃には嵐が過ぎたかの様な光景が広がっていた。
大半の兵はランガさんの攻撃に巻き込まれてしまい倒れていて、ランガさんの攻撃から逃れた者達が戦線を立て直そうとしていた所をハクロウさんの指揮の元制圧した。
人と魔物には身体能力に差があり、それを埋める為に数の利を使っていたのにその数を減らされたファルムス軍には負けることが難しいくらいだった。
しかし、ここまで差があるとは…
確かに自分達は人数が少ない分全員がリムルさんによって名付けされていると言っても、幹部の一人であるランガさんだけで終わってしまいそうだ。
そして、そのままランガさんが敵の大将を倒した様で直ぐ様撤退の合図が出て退散して行った。
戦争が終わったことにより今まで戦ってくれていたヨウム達傭兵部隊の負傷者の回復や破損した武器の修復などを行う。
そんな中負傷者の回復については回復薬のおかげで直ぐに終わり、時間が余ったので先程までの戦場だった場所に出る。
そこはここで争いがあったとは思えない静寂が訪れていた。
しかし、戦場の雰囲気というのは残っており、折れた剣や血糊、焦げた土。そして、様々な要素が混じりあってできた不快な臭いが漂っていた。
以前にもミリム様による攻撃の跡を見たことがあったが、あれは隕石でも落ちて来たかのようで戦場だったとは認識し難かったがこれが戦争なのか。
「おう、リュウも来ていたのか。やっぱりリムルさんの配下の方は凄まじいな。俺たちが手こずっていた相手をあっという間に倒してしまったぜ」
この戦争で起きた事を考えていると、後ろからヨウムが近づいてきた。
「最近は暴れて無かったみたいですし。はしゃいでいるんじゃ無いですかね。いっつもリムルさんの影にいるようですし。それにしてもボロボロになっていますね」
そう言いヨウムの様子を把握する。
身体には何の怪我は無いが鎧や剣などは攻撃を受けた形跡があり、あちこちに疵がついている。
「ああ、いかんせん。敵が多くてな、身体の傷は治せても装備はそうとはいけないからな。そろそろ、クロベエさんにでも見てもらいに行くかな」
「あの、ちょっと試したい事があるんですけどよければその鎧貸してくれませんか?」
「ん?まあ、いいけどよ。しっかり返してくれよ」
一旦修理に出すというのならいいかと思い聞くと、ヨウムは鎧を脱ぎ渡してくれた。
確かヨウムの着けている鎧はナイトスパイダーという魔物でできた物、ならば可能な筈だ。
鎧を床に置いて疵がついている部分に手を当て、そこから魔素を少しずつ流し続ける。
しばらくすると魔素の容量が限界に近づいてきたと感じて手を離せば先程まで存在していた疵は無くなっていた。
「おお。さっきまで傷だらけだったのに、まるで新品同然じゃないか。どうやったんだ?」
実験の成功に喜びに浸っていると背中を叩かれ、ヨウムが何をしたかを聞いてくれた。
これからの技術発表会への練習に丁度いい。
「最近分かったのですが、完全回復薬を使えば物にまで反映されることがわかったんですよ。更に条件としましては魔鉱石など魔素を利用した道具が最低条件でして、それも回復の兆しが見れる程度ですが。
今回、完全に回復出来なかったのは回復薬に含まれる魔素量に関係するのではと思い試してみたんですよ」
「おお、なんかよくわかんねぇが凄いって事だな。良かったじゃねえか成功してよ」
長々と説明してみたが上手くは伝わらなかった様だ。やはりこういう説明は専門家辺りにしか良く理解出来ないか。
魔素の反応をヒポクテ草の魔素に近づけていたりと色々と頑張っていたりしたんだが。
しかし、これで魔素量を無視すれば意思を持つ物全てにこの回復方法が通用することになる。
まあ、魔素をヒポクテ草に近づけるというのが一番難しいのだがリムルさんから貰った識別者が無ければ不可能だっただろう。
しかし、覚悟を決めて参加したが自分の出る幕はなかったな。
だけど、魔物の素材にも回復薬が効く事が理解できた。街の中にいたら傷ついた物など無く、クロベエさん達に頼みに行くのは気が引けていたので丁度良かった。
肝心の戦闘をする機会が無いのを考えながらそんな日が来ない事を願い自分達も街に帰る準備を始めるのであった。
時系列や何が起きるのかをしっかり把握しないとダメですね。タイトル詐欺みたいになってしまいました。
今回主人公に戦わせようと考えていましたがランガがぶっ飛ばしていました。
そしてなんだか主人公の精神力が弱い様な感じがしてきました。よくこんな状態でスキルを獲得していたな。まあ、理由を作ればいいですかね。
さて、そろそろ設定資料集やBlu-rayの発売日が来ますね。
設定に矛盾が起きないか少し不安でもありますが楽しみです。
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番外
番外1
本編ではドラゴン達の記憶については消してしまったので、残してみたらこんな感じになったのかなと思いついたので書いてみました。
様々なシーンが頭によぎる。
自分が謎のビームで殺される。拳に殴られ殺される。首を切り落とされ殺される。炎によって焼き殺される。氷の矢に貫き殺される。
何体もの自分が仮面を被ったピエロ達に殺される。
あの仮面達を殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す憎い殺す殺す殺す殺す妬ましい殺す憎い殺す殺す殺す殺す生きたかった殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す憎い殺す殺す殺す嫉ましい殺す殺す殺す殺す力が欲しい殺す殺す殺す殺す殺す殺す呪う殺す殺す怨む殺す憎い殺す殺す殺す殺す妬ましい殺す憎い殺す殺す殺す殺す生きたかった殺す殺す殺す殺す殺す恨む殺す殺す殺す殺す殺す憎い殺す殺す殺す嫉ましい殺す殺す殺す殺す力が欲しい殺す殺す殺す殺す殺す殺す怨む呪う殺す殺す
《確認しました。ユニークスキル『復讐者』を獲得・・・成功しました》
ああ、あの仮面達に復讐したい…
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目が覚めると身体に違和感を感じた。
そして手足を見た瞬間に二つの疑問を感じてしまった。
それは、どうして爬虫類の様な手をしているのか。そしてもう一つがどうして人の形をしているのかだった。
ふと、先程までの自分が殺される光景を思い出し、そこでの姿が人では無かった事を思い出した。
「落ち着け、落ち着け自分。自分は人間だ。自分は人間だ。自分は人間だ…」
咄嗟に自分という存在が不安定なものに感じて自己暗示を行い精神を保つ。
しかし、どうしようもなく自分の姿は化け物に変化してしまっていると言うのに気づいてからは自分と言う存在を肯定することにした。
「そうだ。あのドラゴン達とは違う。自分は生きている、死んではいない。昨日までの記憶はある。先程までの行動は憶えている。ああああああああああああああああああああ」
自分を保とうと記憶を遡れば、自分の記憶が残ってはいたが、更に自分では無いドラゴン達の生きていた記憶も同時に思い出してしまう。自分が自分では無くなってしまう気がする。
なんとか気を晴らす為に体を動かし、空を飛ぶ。イライラしていた時は自分はこうして空を飛んでいた筈だ。体が変わった所為で若干飛びづらく感じるが、風を切り裂く感覚を何処か懐かしいと感じる。
もはや、自分の記憶が混同し始めている事に気づく事が出来なくなるくらいに発狂しているなんて気づいてしまわない様にただただひたすらに空を飛ぶ。
落ち着いた時に、元の自分に戻っている事を信じて。そしてその元の状態とはどれかを考えず。
______________________________
カリュブディスへの被害の対応に追われている最中、突如高速で空を飛ぶ生物の反応を大賢者が感知した。
《告。高速飛行している存在を感知しました。対象は
またミリムが何かやらかしたのかと思えば、龍人と言う事はガビルか?
何やっているんだと呆れながら作業に戻ろうとすると
《告。対象はガビルではありません。龍人が感知に反応し急速接近を開始しました。このままではこの周辺に3割の損害を与える事になります。接近対象はリムル=テンペストと推定します》
なんて来た。ガビル以外の龍人がなんでこんな所にいるんだ?ってそんな事考えているよりここから離れないと。
しかし、なんで俺が狙われているんだ?
今は丁度、抗魔の仮面をつけているから完全に魔素を漏らしていない筈。また、ミリムみたいな奴が来るとか勘弁して欲しいんだが…
「GRAAAAAAAAAAAAAAAAAA‼︎‼︎」
空から飛んで来た奴は空中で静止したかと思うといきなり叫び出した。
何処からどう見ても正気と思えない相手にどうしたもんかと悩んでいると、シオンが龍人に向かって攻撃し砂埃が舞う。何処か既視感を感じながらも殺して無いよなと不安に見ていると、龍人はシオンを無視してこちらに向かって来た。
今度はソウエイが糸を使って龍人を捕らえようとしているが、目に入っていないのか糸を無視して強引にこちらに向かって来ようとする。
それに続いてベニマルがヘルフレアを打つ。
おいおい、殺してしまうかもしれないぞ、と思ったが流石ガビルと同じ龍人少し焦げていたが全然効いている様に見えない。
先に攻撃を仕掛けたシオンやソウエイ達に目が向かない事から俺に用があるのは確かだがあんな奴知らないぞ?
「リムル様!ここは私達が相手しますので、離れて下さい!」
そんな出来事をぼんやりと見ているとソウエイが言ってくる。よく見ると先程まで縛っていた糸がいくつか千切れている。
まあ、確かにミリムほどでは無い様だしソウエイ達に任せても良いんだろうけどコイツは俺に用があるみたいだし
「嫌いい。どうやら用があるのは俺だけみたいだしな。俺がやるよ」
と仮面を懐に仕舞うと先程まで暴れていた龍人はいきなり静まり返り気絶したのであった。
そんな様子にシオン達も戸惑い、せっかく意気込んだ矢先の出来事にどうすれば良いのかまた悩むのであった。
______________________________
気がつくといつまでも頭の中に響いていたドラゴン達の呪いが聞こえなくなっていた。
訳が分からず辺りを見回して見ると、何処か家の中にいる様でベッドに寝かせていた。
一瞬、全てが夢で自宅で目が覚めたのかと思ったが、家の構造などから自宅で無い事がわかる。そして、混乱してしまうまでに見た爬虫類の様な体がそのままな事からあれらが現実だった事が嫌でも思い知らされる。
そうして心を落ち着かせた時に
「ようやく落ち着いた様だな」
なんて女性の様な声がかかって来た。部屋の中に人影なんて見なかった筈ともう一度部屋を見渡すがやはり、人の姿は見えない。
ドラゴンに続いてまた幻聴でも聞こえるようになったのかと思うと
「ここだよ!こ・こ!目が見えないのか?」
なんて声がする。声のする方向には人はいない。しかし、そこにはスライムの様というかスライムが存在していた。
「………スライム?」
何故こんな所にスライムがあるのか?と言うか先程まで聞こえたのは日本語だったか?結局何処から聞こえていたのか?なんて疑問がなり続ける。
すると目の前のスライムが口?を開けて
「よし、気がついたみたいだな。俺の名はリムル。お前はここに何をしに来たんだ?」
なんて声がかかる。しばらく理解が追いつかず固まっていると、リムルと言ったスライムが手に触れてくる
「うわああああああああああああああ、スライムが喋ったあああああああ‼︎」
そうして、つい手に触れていたスライムを壁に向かって投げつけてしまった。
「ぐはっ、なんて事をするんだ。こんな愛らしいスライムに。僕は悪いスライムじゃないよ」
そして、その言葉を聞きまたはっとする勢いで投げてしまった事に謝罪をしようとした時にまた固まる。某ゲームで聞き覚えのある言葉を聞いたから
「すみません。……⁈その言葉、もしかして?」
「おっ、その反応って事は日本人なのかな?日本語が聞こえて来たからもしかしてと思って言ってみたが、通じるもんだな。
改めてまして、俺の名前はリムル=テンペスト。元サラリーマンだ」
とリムルさんが名乗ってくる。色々と疑問が残っているが、挨拶を返す。
「ええと、自分は…坂本 竜です。確か学生だった筈です」
そうしてリムルさんとの交流が始まるのだった。
最近、クトゥルフTRPG動画などを見て、異世界転生系も発狂していいんじゃないかと思いました。
死んだ後と言っても複数のドラゴンの記憶に触れれば、しばらく記憶の混同や正気でいられはしないだろうと思い、発狂させてます。そして記憶の混乱はしばらく続きます。
リムルを襲った理由はただ仮面を持っていたから、つまり仮面を見ればこの主人公は狂って暴れる危険がまだあります。
一応、スキルの復讐者にドラゴン達の復讐心などを閉じ込めていて、その怒りなどから力に変えてなどと考えています。
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