切なる願いで幻想入り (青井蓮)
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1話

ある晴れた日、私はお願いをする為にとある神社に行った。

神社は誰もいなく私だけの貸切状態、私はお賽銭を入れ、お願い事をした。

私はお願い事をして神社で腰をかけて呟いた。

「はぁ〜どうしたらいいんだろ」

私がそう呟くと何か神社から感じた。

「ん?何なの?」

私は気になり神社の中を見ると眩い光に包まれた。

「うっ眩しい!」

光が和らぎ周りを見ると神社は愚か周りが森になっていた。

「えっ?!私神社に居たのにここは?」

キョロキョロしても辺りは木ばかり誰もいない私は森を出ようと適当に歩き始めた。

歩いていると箒を持った金髪の女の人が何か探していた。

「あの〜何をしてるんですか?」

私は声をかけた。

「うおっ!って誰だお前、見たことない奴だなー」

金髪の女の人は驚いた。

「す、すいません。私沖野真奈っていいます」

「沖野真奈かいい名前だな、私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ!」

「魔法使い?魔法使いってあの魔法とか使う?」

「そうだぜ、私は魔法使いだぜ」

「そ、そうですか」

私はそういう人と思った。

「真奈はもしかして外の世界から来たのか?」

「えっ?外の世界?」

私は魔理沙さんが何言っているのか分からなかった。

「やっぱりな。いいか真奈ここは幻想郷って言うんだぜ」

「幻想郷?」

「そう、ここ幻想郷。人間と妖怪が住む世界だぜ」

「妖怪?妖怪ってあのツノとか首が長いの?」

「まぁそうだな」

私はからかわれてると思ったが魔理沙さんの目はとても嘘を言っているように見えなかった。

「取り敢えず真奈、霊夢のとこに行こう」

「霊夢?」

「まーこの幻想郷の異変や結界を守る博麗神社の巫女だぜ」

「で、でも何か探し物してたんじゃ、迷惑ですし」

「大丈夫だぜ、いいきのこがないか探してただけだし、迷惑じゃないぜ」

そういうと魔理沙さんは箒に跨った。

「ほら後ろに乗りな」

私は少し不安ながら魔理沙さんの後ろに乗った。

乗ると箒は浮いた。

「おー!ほんとに飛んでる」

「よーし行くぜ、しっかり掴まってろよ」

「は、はい」

箒は宙を浮き博麗神社に向かった。

「真奈大丈夫か?」

「はい、でもほんとに箒で飛べるなんて」

「はははっ!言ったろ魔法使いってこれで信じたか」

「は、はい魔理沙さん」

そうこう話してる間に博麗神社が見えてきた。

「おっ!見えてきたぜ、あれが博麗神社だぜ」

神社を見ると赤と白の巫女服を着た人が箒を持ち境内を掃除していた。

「おーい霊夢!」

魔理沙さんが大声で呼んだ。

すると霊夢さんはこっちを向いた。



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2話

そして境内に箒は降りた。

「よっと、よぉ霊夢」

「あら、魔理沙、今日はきのこを探すって言ってたけどってその子は?」

「あ、どうも始めまして。沖野真奈って言います」

「いや〜きのこ探してたらばったり会ってさ、どうやら外の世界から来たらくてだから連れて来たぜ」

「そうなの?結界には異常は無かったはずだけど」

「どっか緩んでるんじゃないのか?」

「まぁいいわ、取り敢えず2人とも上がりなさい。お茶を出すから」

「おう、サンキュー霊夢」

「いえ、そんなお構いなく」

私が遠慮すると

「そんな遠慮しなくていいわよ」

「そうだぜ真奈、霊夢が出すって言ってるんだから遠慮しなくていいぜ」

「あんたは遠慮しなさいよね魔理沙」

「へっへっーん遠慮しても出してくれるだろ霊夢は」

「はいはい」

霊夢さんと魔理沙さんがそう言うからお茶を頂いた。

こんな見ず知らずの私に魔理沙さんと霊夢さんは優しくしてくれた。そして2人はとても仲がいいと思った。

「はい、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

「そんなに畏まらなくていいわよ、誰かさんはもうちょっと遠慮して欲しいけど」

霊夢さんは魔理沙さんを見て言った。

「もぐもぐ、ん?なんか言ったか?」

「勝手に煎餅食べるんじゃないって言ってんのよ魔理沙」

「いいじゃねぇか霊夢、お前と私の仲だろ」

「責めて言ってから食べなさいよね」

「へいへい、真奈も食べるか?」

「私は別にいいですよ」

そして霊夢さんは切り替える様に言った。

「で真奈幻想郷に来る前に何処に居たとか話してくれるかしら」

「はい分かりました」

私は霊夢さんに神社にいて神社で起こった事を話した。

けどお願いした事は言わなかった。

「なるほどね、光に包まれて気づいたら森に」

「はい、目を開けたら森でそれで魔理沙さんと会ったんです」

そう言うと霊夢さんは少し考え言った。

「なるほどね。真奈その神社でお願いした事は言えないかしら」

「え、そ、それはあんまり。恥ずかしいのでその」

私は恥ずかしいから言いたくなかった。

「大丈夫だぜ真奈、どんな願い事でも私たちは笑ったりしないぜ。な、霊夢!」

「ええ、神社に行ってまでするお願いだもの、笑わないわよ」

「魔理沙さん、霊夢さん」

私は2人に神社にお願いした事を言った。

「その友達が欲しいってお願いしたんです」

「、、へぇーどうしてそう願ったのかしら?」

「え?」

私は笑われると思った。

「え?ってどうしたんだぜ真奈」

「いやその、笑わないんですか?」

私は実際笑われると思ったので思わず笑わなかった理由を聞いた。



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3話

「何でって別に笑う様な願いじゃないわよ」

「え?」

「そうだぜ真奈、私も昔は友が欲しいと願った事もあるしな」

「そうですか」

「誰だって願ったことぐらいある願いだから恥じることないわよ真奈」

私はそう言われ逆に恥ずかしがってた自分が恥ずかしくなった。

「でどうして友達が欲しいって願ったの?」

「あ、はい、その私昔から剣道をやってるんです」

「剣道?何だそりゃ」

「え?!その簡単に言うと竹刀って言う刀で戦うみたいなものです」

「ほぉー」

「それでその、私昔からほとんど剣道をやってたもので年上にも何度か勝ったことがあるんです。それで周りの子が何だか避けてその自分から話しかけのもなんか怖くてそれで神社に行って神頼みしたんです」

私がそう言うと霊夢さんが言った。

「自分から話しかければいいのよ」

「それで嫌に思われないですか?」

「思われないわよ絶対私が保証するわ、この博麗の巫女に二言はないわ!まずはおはようとかから言ってみたらいいんじゃないかしら」

「わ、わかりました」

私は自信はないけど霊夢さんの言葉を信じる事にした。

「魔理沙、紫を読んできてくれるかしら多分家にいるはずだから」

「わかったぜ霊夢!それじゃあ真奈少し待ってろよ」

「は、はい」

そう言うと魔理沙さんは箒に乗り勢いよく飛び立った。

そして私は縁側に座った。

すると霊夢さんが私の横に座った。

「私も昔にね、同じ経験があるの」

「え?!そうなんですよ」

私は驚いた。

「ええ。博麗の巫女は代々妖怪に恐れられているの。私は博麗の巫女として子供の頃からお母さんに修行させられてね、その頃は何度死ぬかと思ったか。でもそのお陰で私は強くなっていろんな悪い妖怪やらを退治してきたわ」

「でもそれだったら人に感謝されて人気なんじゃないですか?」

私がそう言うと霊夢さんは首を横に振った。

「確かに感謝はしてると思うけど博麗の巫女そして私はその妖怪に立ち向かう力がある代わりに人からも恐れられているの」

「え、どうしてですか?」

「まぁ人は恐怖に勝てないって事よ。それと戦ってる時の顔が怖いらしくて昔は『鬼巫女』って呼ばれたわ」

今の霊夢さんを見るととても綺麗であまり想像できない。

「まぁでも魔理沙に出会ってからかしら。あいつと出会ってからいろいろあって自分からも声をかけてみたのそしたら人からもあまり恐れられなくなったり、昔思った事を実現出来るかもって思ったぐらいにね」

「それって何ですか?」

「妖怪と人間が仲良く気軽に話せる様にする」

「でも妖怪って怖いんですよね」

「ふふっ人間だって悪い奴はいるでしょ、それに妖怪にも優しい奴とか人に無害な奴とかもいるのよ」

「そうなんですか?」

「ええ、でもまだお互いに理解するのは難しいのよ。出来る人や妖怪もいるけどね」

そう聞いて私は霊夢さんはとても強いと思った。



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4話(最後話)

「私も妖怪と仲良くなれますか?」

私がそう言うと霊夢は笑顔で言った。

「出来るわよ。チルノって言う奴なんか多分遊んでって言ってくるわよ」

そう話してると突然空間に亀裂ができ、中から魔理沙さんと誰かが現れた。

「うわっ!?」

「霊夢連れてきたぜ」

「ふぁ〜霊夢来たわよ〜」

魔理沙さんと一緒にいる人は眠そうだった。

「紫、魔理沙から聞いてるわよね」

「ええ聞いたわ、その子が沖野真奈かしら?」

「は、はい沖野真奈です」

「私は八雲紫、隙間を操る妖怪よ」

「よ、妖怪何ですか?!」

「ええそうよ。どうかしたのかしら?」

私は驚いた。

「そ、そうなんですか、妖怪ってもっとなんかすごい人外と思ってたので」

「ふふっ妖怪にもいろいろあるわよ、あなたの思ってた人外や人間と見た目変わらない妖怪もいるのよ」

「へぇーそうなんですか」

紫さんがそう言うと魔理沙さんが言った。

「そうだぜ真奈、紫はこう見えてなん100年以上も、」

「え!?そうなんですか」

「ええそうよ」

紫さんはとても100年以上生きてるとは思えないほどの見た目だった。

「それじゃあはい、この隙間に入れば元いた場所に戻れるけどどうする?」

「どうするって?」

「ここに残りたいなら残れるって事よ」

紫さんが突然幻想郷に残るか帰るか言われた。

私は少し迷って霊夢さんを見たら

「私達はどっちでもいいわ、どうする真奈」

と言い少し考えた。

「ん〜、私帰ります」

「そうわかったわ、急に言ってごめんなさいね」

「いえ、正直ここに残っていろいろ見てみたいものもあるんです」

「別にいいのよ居ても」

それでも私は首を横に振った。

「私、向こうで頑張りたい事があるので」

「そう、引き止めてごめんなさい、でもあなただったらいつでも幻想入りさせてあげるわ」

「ありがとうございます」

私は恐る恐る隙間の中に入った。

「霊夢さん魔理沙さんありがとうございました」

私は深々とお礼をした。

「いいって事だぜ」

「今度来た時はこの幻想郷を案内するわよ」

「ほんとですか!」

私がそう言うと霊夢さんが隙間に入り私を優しく抱きしめ言った。

「ええ、約束するわ」

「私もいろいろ案内するぜ」

「ありがとうございます!私絶対また来ます!霊夢さん、その時にはいろいろ成長してますからね!」

「頑張りなさい真奈」

「はい!」

私は涙を抑えながら隙間の中を進んだ、だってこれは永遠のお別れじゃないから、また会えると信じて進んだ。

すると出口らしきものがありそこに行くと元いた神社にいた。

私はまるで夢みたいな世界にいた。

でもそれは夢じゃないだって霊夢さんに包まれた感触がまだ残っているから。

空を見るとすっかり夕暮れ、私は走って家に向かった。

明日から積極的に話しかけよう。

私は霊夢さんから大きな勇気をもらった気がした。



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