Fallout4 Answer それいけアクアビットマン (紅葉マン)
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1日目
アクアビットマンの朝は早い。
空が明るくなり始める早朝5時にスラスターの火を起こし、緑輝くコジマ粒子を散らしながら空を飛ぶ。連邦に住む者達にとってジャンボジェット機めいた爆音と、降り注ぐ緑の粒子による頭痛と吐き気が朝の合図となる。
空のパトロールをしていると、下から挨拶代わりに銃弾の嵐が吹き始めた。スーパーミュータント達の攻撃である。
しかし、そんな攻撃などアクアビットマンには通用しない。球体状に展開されたコジマ粒子によるプライマルアーマーの前に嵐は為す術なく掻き消えていく。
アクアビットマンは右手に構えた長身のライフルを眼下のスーパーミュータントに構える。銃口からは燦然と輝く緑の光が溢れ始め、みるみるその輝きを増していく。
もはやそれは緑色の太陽であり、トリガーを引いた次の瞬間付近一帯は真っ白に包まれた。
一拍遅れて雷鳴の如き爆音が響き、視界が元に戻るとそこには地面にクレーターだけが残されており、連邦で猛威を振るうスーパーミュータント達の姿はどこにも無かった。
一仕事終えたと言わんばかりにその光景を見て頷き、またパトロールを始めるべくその場を飛び去って行った。
結局その日の朝はスーパーミュータントとレイダーの基地を見つけたのでもれなく更地に変えて終わった。
□
朝のパトロールが終わったら次は朝食の時間である。アクアビットマンは意外にも食にうるさい。気に入ったものしか食べないのである。
それを食べるため、今度は連邦における緑色の至宝ダイヤモンドシティへと向かった。
ダイヤモンドシティのゲートに降り立つと、ダイヤモンドシティのガード達が声を掛けてくる。彼らも初めはこの異形のロボットに対して警戒していたが、彼が連邦のパトロールをしている
軽く手を挙げて挨拶を返し、そしてサイズギリギリのゲートを潜りシティへと入る。階段を登り切った時に街並み全体を見渡すことが出来るこの瞬間が、アクアビットマンは割と好きだったりする。この光景を守っているという幸福感を感じながら下へと降りていくと、姉妹2人の経営する新聞屋『パブリック・オカレンシズ』の前で新聞を叩き売りするナットを見つけた。
彼女がこちらに気づくと目を輝かせて近づいてきた。
「こんにちはアクアビットマン! 今日もパトロール終わりのご飯にきたの? 偶にはウチの新聞も買っていって欲しいのだけど! あそういえば市長がまた付近に住みついたレイダーに頭を悩ませているらしいわ! それから――」
姉譲りのマシンガントークに若干気圧されつつ、手をかざして分かった分かったと言わんばかりにキャップを出して新聞を買ってやる。ありがとうとはしゃぎながらニコニコしているナットの頭をワシャワシャ撫でつつ店を通り過ぎていく。
町の中心部へと到着した所で自分にとって待ち望んだ匂いが漂ってくる。
そう。何を隠そうアクアビットマンは大のヌードル(特にタカハシ謹製)好きなのである。早速近くへと行くと、ちょうどさっき話に出ていた市長がまさに今ラーメンを食べている所だった。
市長もこのタカハシのヌードルのファンであり、アクアビットマンにとって大切な同好の士である。市長に挨拶をして椅子の側にあるアクアビットマン用のスクラップでできた金属製の椅子に座る。
『ナニニシマスカ?』
勿論ヌードルを頼む。
『ナニニシマスカ?』
すると程なくして掛け声と共に目の前にヌードルとみんな大好きヌカコーラが運ばれてくる。どうやら今日はタカハシのサービスらしい。有り難い。
器用に箸を持ち、出来たてのヌードルを口元へと持っていく。すると不思議な事にヌードルが消える。アクアビットマンが赤いセンサーを明滅させながら悶えているあたり、どうやら食べたらしい。不思議だ。
そうしてヌードルに舌鼓をうちながら市長にレイダーの件について聞いてみる。
すると市長は困った様子で愚痴をこぼすように説明してくれた。どうやらこの近くの廃倉庫にレイダーの集団が住み着いてしまったらしく、そのせいでダイヤモンドシティにやってくる商人達が攻撃されて近づけなくなっているらしい。おかけで住人には隠しているがここ数日でダイヤモンドシティの物資が底をつきかけているのだとか。
それを聞いてアクアビットマンは胸をガンと叩き、任せなさいと言わんばかりに胸を張って見せた。何せダイヤモンドシティの危機であり、同じヌードルを愛する友が困っているのである。手を貸さない理由がない。
市長は機嫌を良くしてタカハシにヌードルを追加で頼み、アクアビットマンに御礼と報酬の前金替わりとしてヌードルを与えてくれた。
アクアビットマンは市長への好感度を更に上げた。
市長はKojima resistのparkを手に入れた。
□
アクアビットマンはダイヤモンドシティ近くの廃倉庫に来ていた。勿論レイダー達を灰燼に帰すつもり満々である。
さて、本来であればコジマキャノンを1発2発ぶち込んで終わりなのだが、ダイヤモンドシティが近くにある関係上あまり汚染地域を発生させるわけには行かない。かと言って直接殴り込みに行くにはアクアビットマンの装甲が紙過ぎてお話にならない。具体的にはスーパースレッジ1発で大破するくらい。
という訳で今回は爆薬による一撃必殺で行こうと思う。
用意した四角くて黒い長方形の物体を背負って廃倉庫のレイダー達に見える距離まで近づいていく。
「おい! そこのブリキ野郎止まりやがれ!」
案の定見張りのレイダーに見つかり警告を受ける。邪魔なので右手に持ったハンドガンのGAN01-SS-WH.Eで適当にレイダーの体を何ヶ所か撃ち抜く。最新鋭のパワーアーマーでも貫通できる威力のそれを受けたレイダーは原型をとどめないほど容易く吹き飛び廃倉庫の壁にそのペンキと化した肉塊をブチ撒けた。
発砲音につられて騒がしくなった廃倉庫からワラワラとレイダー達が出てくる。手当り次第にショットガンやサブマシンガンを連射してくるが、アクアビットマンはどこ吹く風といった感じで背中に背負った
折りたたまれた砲身が展開し、その巨大な砲身が廃倉庫に向けられたことでレイダー達は自分たちの運命を悟り、アクアビットマンの攻撃を止めるためにさらに激しく反撃する。
だが、無情にもOIGAMIから発射された弾丸は廃倉庫のレイダーが開けた入口から中へと入り、瞬間的にレイダー達を倉庫だった破片と共に冥土まで吹き飛ばした。その爆発は凄まじく、衝撃波で付近の建物が倒壊し、爆音でサンクチュアリのコズワースが核爆弾が落ちたのかと心配し、振動で海辺のマイアラークが大量に湧き出し近くのレイダーが悲鳴を上げた。
爆風が過ぎ去った後に残ったのは朝のパトロールで作ったクレーターの何倍も大きいクレーターだった。
結局その日は一日中市長に説教され、パイパーに爆発について新聞の取材をされて終わった。
Kojima resist
…アクアビットマンと親密になると貰えるpark。コジマ粒子による悪影響を受けなくなる。やったね!これで君もアクアビットマンと友達だ!
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2日目
あの日から暫くダイヤモンドシティを出入り禁止にされてしまった。なんという事だ! あのヌードルを食べないと翼をさずけてくれる飲料並みにやる気が出ないというのに!
ここ最近タカハシのヌードルを食べてないせいか、手足をだらーんと伸ばしながらだるそうにパトロールを行うアクアビットマン。
しかし反省はしている。流石にOIGAMIはやり過ぎた。人に頼み事をされたのが久しぶりだったこともあってつい張り切りすぎてしまった。今度からはOGOTOぐらいに自重しよう。そうしよう。
さて、今回のパトロールはサンクチュアリ周辺である。この辺りは連邦の中心部から大分離れているのでそれほど危険がある訳では無い(あくまで中心部と比較してだが)
そういえばサンクチュアリには友人のコズワースが居たことを思い出した。せっかくだから久しぶりに顔を見に寄っていくことにしよう。
彼の作るヌードルもまたタカハシとは違うベクトルで美味い。ヌードルは素晴らしい。ツルツルとした喉越しにもちもちとした食感、そしてそれらをスープが引き立てる。タカハシのヌードルは麺を自ら手打ちし、マイアラークとバラモンをよく煮込んで熟成させたスープを使っているから濃厚な旨みが口の中いっぱいに広がるのである。あっ、そうだ(唐突)コズワースにヌードル作ってもらおう。そうと決まればヌードルの具材集めである。ヌードルに必要なのは――――
いつの間にかアクアビットマンの頭はヌードルの事で一杯になり、パトロールは具材集めのための狩りへとシフトしていった……
□
材料を持ってコズワースの居る家まで飛んで行くと、何やら見かけない男性と話し込んでいるのが見えた。2人のそばに降り立つと、どうやらその男性はvault居住者の様だった。
「おや、これはこれはアクアビットマンさん」
久しぶりだなと手を挙げて応えると、男がぎょっとした風でコズワースに関係を問いかける。
「ああ旦那様、これは失礼致しました。この方はアクアビットマンさんと申しまして私の友人でございます。連邦をパトロールして下さっているのですよ」
コズワースからアクアビットマンの紹介を受けた男は、自分はネイトだと言って握手を求めてきた。アクアビットマンは礼儀正しい人物はヌードルと同じくらい大好きである。もちろんその握手に応じ、困ったことがあればなんでも言ってくれと言った。
するとネイトはアクアビットマンに「自分をコンコードまで護衛して欲しい」とどこか嘆願するような面持ちで頼み込んだ。
聞くところによるとどうやらネイトは核戦争以前の住人で、コールドスリープによってついさっき目覚めたばかりなのだそうだ。その過程で妻を殺され息子のショーンが攫われたので、それを取り戻す為に情報収集の先駆けとして近くの町のコンコードに行きたいということらしい。
アクアビットマンは感動した。そして激怒した。
なんと勇気ある人物なのだろうか! 大抵は探さずに墓を建てて諦めてしまう連邦の民と違い、この危険に溢れた広い連邦から息子を取り戻す為に命を懸けるその必死な姿! そしてこの荒廃した世界における、次代の希望である子供を攫った連中の愚かさといったら!
そのショーンを探す旅に、是非とも同行させて欲しいとネイトに伝えると、彼は嬉しそうに笑いこれからよろしくと言ったのだった。アクアビットマンはコズワースにネイトについていかないのかと聞いたが、「私には旦那様とショーン坊っちゃまの帰る家を守らなくてはなりませんから。それにアクアビットマンさんが旦那様に付いてくださるのであれば安心です」と返した。
コズワースの信頼にあふれた言葉を聞き、ネイトの護衛は任せろと親指を立てて応える。ネイトが「じゃあ早速出発――」と言いかけたところで彼のお腹の虫が大きな声を上げた。両手でお腹を抑えて恥ずかしそうにしながら、そういえば何も食べてなかったと告白してアクアビットマンは当初のヌードルを思い出した。
なあコズワース。これでヌードルを作ってくれよ。とマイアラークの身と乾燥させたヌードルを渡した。コズワースは袋を受け取り、近くにある焚き火の上に鍋を吊り下げただけの即席キッチンで3本のアームを器用に駆使し、ネイトとアクアビットマンの分のヌードルを準備し始めた。
待っている間にネイトとアクアビットマンが荒れ果てた家をゴミを外に出すなどして片付けていると、表通りから芳しい匂いが漂って来た。美味そうな匂いにネイトは目を閉じて鼻から息を吸い、口の中によだれが出てくるのを感じた。何せ200年ぶりの食事である。2人が家の外に出ると、コズワースがブリキ缶の器に入ったヌードルを2つ手に持って来てくれた。
「どうぞ御二方、出来たて熱々のヌードルですよ! フォークは汚れていましたが、心配いりません。ヌードルを作る鍋に一緒に入れて熱消毒致しました!」
それを聞いたネイトは若干苦笑いしていたが、取り敢えずヌードルを受け取り息を吹きかけながらフォークでヌードルを口に入れる。瞬間、目を剥き猛烈なスピードでヌードルをかきこみ始めた。
アクアビットマンはそれを見て嬉しそうに頷き、改めて自分もコズワースのヌードルを食べる。やはり美味い!
マイアラークで煮出した塩気のあるダシがヌードルと絡み合い、あっさりとしつつも決して薄味ではなく深い風味が広がる。海辺のマイアラークを選んで捕ってきたからどこか磯の香りがする様な気がする。つまるところこれは――――シーフードカッ〇ヌードルの味だ! 美味あああああああああああああああああい!!!! ブゥゥゥゥゥンキラキラキラ
久しぶりのヌードルのあまりの美味さに危うくアサルトアーマーを出しかけたが、爆発寸前で気がついて止めた。危うくサンクチュアリが吹き飛ぶところだった。危ない。
あっという間にカッ〇ヌードルを空にした2人はコズワースに美味かったことを伝え、今度こそサンクチュアリを出発する事にした。
目指すはコンコード。この先に一体何が待ち受けているのか。2人は無事にショーンを見つけ出すことが出来るのか。今此処から、2人の冒険が始まる!
サンクチュアリを出てすぐのスタンドで犬を見つけた。
ネイトは犬をドッグミートと名付けてほっこりした。
アクアビットマンは唸られてしょんぼりした。
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