戦姫絶唱シンフォギアIXA【更新停止、1月始めまで】 (みすちー)
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青い運命の下に

今日は、みすちーです。
この度は暁にも投稿している本作をハーメルンと同時投稿でやって行きたいと思います。

何卒、よろしくお願いします


戦姫絶唱シンフォギアIXA

 

 

 

 

 

 

 

世界はいつだってそうだ。

 

化物がぱんぱかぱーんと現れ人を殺す殺戮ショーを開催、それに釣られた英雄は化物を退治するヒーロアクションを好き勝手に始める。

そして、化物を退治して満足した英雄は人に討たれる……。

 

これがループしているのが世界だ。

 

でもさ、そろそろこんな茶番ループを壊したいとは思わないか?世界に目に物を見せてやりたくないか?イクサ君、んん?

 

 

ーー………。

 

 

まぁそう睨むなよ、いいだろ?丁度この世界は化物と人と英雄で満ち溢れてるんだからよ。

そこに“第四者"をぶち込んだらどうなるかな?ってぐらいの実験なんだぜ?名誉ある実験動物(モルモット)なんだから喜べよ。

 

 

ーー………。

 

 

んー、やっぱり女顔とはいえ男を縛る趣味は無いんだよなー俺。

とりあえず〜。ブルーが無くてもお前仮面ライダーの改造バッタ人間並に強いからなー、我ながら変な改造しちまったぜ☆いやぁ頑張っちゃったよ俺。

 

 

ーー………ッ!!

 

 

だからさぁー、暴れるなっつーの。この鎖は特殊合金製、アフリカ象が千匹いようが壊れねーよ。怖したきゃ核かレーザー辺りでも持ってくんだな。

 

…ま、諦めて運命を受け入れろよ。お前は運が悪かった、うん、お前は運悪く俺の標的になっちまって運悪くブルーに適合しちまって運悪くここまで生き延びたんだ。

 

…で、お前はこれから毎日毎時間安心を許されず、常に死と隣り合わせだ。

これからの運命に絶対あがらえない、抵抗も絶対に無理だな。

絶望しろ、それでも死ぬな、このクソッタレな世界を生き抜け。

未知に、恐怖に、明日に、人に、化物に、世界に、英雄に、思い出に、正義に、悪に、悲しみに、喜びに、怒りに、俺に、未来に、自分自身に、ブルーに、敵に、味方に、青い空に、白い雲に……

 

……絶望しろよぉ☆

 

 

ーー〜〜〜〜ッッッ!!!!!!

 

 

ギィャァァァァァッッハッハッハッ!!!!

いいねぇ、その絶望した顏!そんな絶望した顔見る為にこんな事やってるって言っても過言じゃないね!本当マジ受けるわ〜!

 

改造手術した甲斐があったってやつだ!超エキサイティン!!

 

 

ーー…。

 

 

そんな訳だ、じゃあな。後6時間後に会おーぜ☆

 

 

ーー……。

 

 

おいおい、そうしょぼくれるなよ。別に殺しはしないさ…。

 

 

ーー…………!!!!!

 

 

……あーあ、ダメだな。

 

もういい、お前らコイツを適当に抑えとけ、下手に暴走されても困るからな。あと睡眠麻酔も忘れるなよ。

 

 

….やれやれ、まだ記憶を消された事自体を覚えちまってるか…。

ま、いっか。おいお前らさっさとコイツを特式部屋まで連れてけ、勿体無いがもう一度コイツの記憶を消す。

 

 

 

……嗚呼、青い運命はコイツを殺すか生かすか…、わからないもんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い部屋…、周りは白く清潔だがどうにも慣れない。

 

「………。」

 

その部屋の壁際に、両腕、両足は鎖で雁字搦めにされており壁に打ち付けられ、口は猿轡で封じられている少年が一人居た。

 

…さっきからここが何処なのか、何故自分がここにいるのが全くわからない。

というより、自分の名前、本来の住所…家族友達思い出、ここに居る前、自分が何処で何をしていたのか、全てが“わからなかった”

 

頭に出てこないだとかもうちょっとで思い出せそうとかのレベルじゃない、“全くわからない”のだ、シルエットすら思い浮かばない。

 

 

少年は思考を張り巡らす。

ーーどうすればここから逃げ出せる?

ーー僕は…何故何も思い出せない?

 

この状態がヤバイ事は流石に知っている、少年はどうにか鎖を外そうともがくが…

だが鎖は無情にも依然として壊れたり外れたりする気配は全く無い、八方詰まりだ。

 

だが身体には一切痛みは無いし気持ちが悪い等という事は無い。

むしろ身体状態は優良なのだろう。

 

 

「(どうする…?)」

 

 

とにかくこの状況をどうにかしなければならない、此処から脱出しなければならない。

 

 

「(ぐぬぬ…!)」

 

 

もう一度力任せに鎖を引っ張る。

だがやはり鎖はビクともしない、鎖は壁と自分の両腕両足を縛った状態を保つ。

 

力尽き、諦めて力を緩めたその時ーー

 

 

ーーヴヴヴゥゥヴヴヴヴヴヴ!!!

 

突如、部屋からアラート音が高音量て流れ出した。

 

 

「(な、何ッ!?)」

 

 

少年は驚き周りを確認したりするがこの部屋にはまだ何も起きていない。

 

 

そう、“この部屋”にはまだ何も起きていないのだ。

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?なんて言いませんッ!


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EXAM

まとめるべきだったかなぁ


 

 

 

 

ヴーヴー!!ヴーヴー!!

 

 

 

「(な、何?何が起こっている!?)」

 

 

突如鳴り響くアラート、何が起きている!?

 

本当にさっきからわからない事だらけだ、“まるで今さっき僕という人物が生まれた感じだ”、奇妙な爽快感すらある。

 

 

「んぐぐぐぐっっ……!!」

 

 

何度目か忘れたが再び力一杯僕の両腕と両足を壁と繋いでいる鎖を思いっきり引っ張る。

やっぱりダメだ、全く歯が立たない。

だけど…ッ!

 

 

「(何度でもチャレンジさせてもらう!)」

 

 

更に力を込めて鎖を引っ張る。

 

ギシッ、ギャシャシャシャシャ…。

 

お?本のちょっぴりだけどいけた気がする、鎖が緩んだ気がする。

 

 

「んぎぎぎぎぃぃっっ!!(ならばぁぁぁぁぁぁっっ!!)」

 

 

もっと、もっと力一杯鎖を前へ前へと引っ張る。まだまだ…ッ!!

 

鎖は緩んだんだ!このまま力を加えていけば…っ!

 

 

バガンッッッッ!!!

 

 

「フグッッ!!?(あ痛ッ!?)」

 

何かが壊れた様な音と後頭部への鈍痛、そして…動ける!

 

それにしても一体何があったのかと猿轡を取り外し後ろを振り返る。

 

 

パラ…パラ……

 

 

 

 

……は?

 

僕は壁と鎖で繋がれていたけど…。

“壁が砕けていた”、鎖を見てみたけど何のダメージも受けてない。

 

…火事場の馬鹿力って凄いな…。

 

 

ヴーヴー!ヴーヴー!

 

 

とと、感心してる場合じゃないか。

絡まっている鎖を解き、ずっと見てるだけだったドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴーヴー!ヴーヴー!

 

 

……何だ…?コレ。

 

これまた白い病院みたいな通路に出た所で周りに一杯落ちている黒い塊や粉上の何かに目がいった、というより周りの何処を見ても黒い塊や粉上の何かしかなかった。

 

毒か何か…じゃないみたいだ、触れると更に粉々になってしまった。

それと立ち込めるこの独特な臭い…。そうか、これは恐らく“炭”だろう。

 

でも何で炭がこんな大量に?

通路を右に走り進みながら思考を巡らせる。

 

 

ーーヒッ…ひぃぃぃぃ!!

 

 

ピクッ…と聴き取れた。

この先に人がいる!?

炭だらけの通路を走り抜けていくとそこには白衣の人と………!!

 

 

 

「い、嫌だ…死にたくないぃぃぃ!!!!」

 

 

「……………」

 

 

何…アレ?

赤いけど透明で、まるでぬいぐるみか何かを大きくしたみたいな…?二足で立っているけどその足も柔らそうな三角形で自分を支えられそうか…。

 

 

 

 

 

 

ズギィィィィィィィィィッッッッッッッッッッ!!!!!!

 

 

次の瞬間、頭を金槌か何か…いや違う、万力で締め付けられた様な激しい痛みが襲った。

 

 

「…!!?ぐっっ…ぎゃぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!?!!?」

 

 

痛い…!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!?

 

痛みは止まらずに更に加速する。

 

僕は耐え切れず、その場で頭を抱えうずくまって痛みを堪える。

 

「!?お、お前は被験体193号…!!」

 

 

「うぐぅぅぅぅぅぅぅ!!?」

 

 

何だ…?

何か…何かが僕から溢れ出してくる…!?

 

痛みに堪えながらその違和感のある胸を確認すると胸が…いや、“僕の胸にある違和感”が青く、澄み渡る様な青だとかそんな綺麗な色じゃない、ドス黒い青みたいな色した光が光っていた。

 

何なんだ…一体!!何がどうなって……。

 

 

あれ、…段々痛みが引いてきた。

 

 

 

 

 

 

…でも、なんだ………か……………冷…………た………い…な………。

……何…が……………。

 

 

 

 

 

…ガクッ…………………。

 

 

 

 

 

少年が気を失った後も、その胸の光はか輝きを失わずに光り続ける。

 

 

 

 

……キィィィィィィィィン………

 

 

 

 

《Emergency,Emergency.A problem occurs to a player,A noise is occurring in the neighborhood.I start EXAM system(緊急事態、緊急事態。奏者に問題が発生しました。周囲にノイズを確認。EXAMシステムを起動します。)》

 

 

そして突如鳴り響いたのは機械音声。

 

 

 

 

そしてーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 



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EXAM2

近日中に出来たらまとめたいなぁ…


 

 

 

《EXAMSystem》

 

 

 

胸の青い光は更に輝きを増し、気を失い倒れた少年の身体をうっすらと包む。

 

すると…ムクリ…と、まるでゾンビの様に立ち上がる少年。しかしその顔は絵に描いた様な真顔で生気がまるで無い。

 

 

「ま、まさか暴走が…!?」

 

 

白衣の男は血相を変え、その場から走り去ってしまった。

 

ぬいぐるみの様な、赤い生物らしきものーーノイズは少年へと向きを変え、ゆっくりと歩いて来た。

 

 

「……………。」

 

 

だが少年は全く動じない。目の前に“人類の天敵”がいるというのに身じろぎ一つしていない。

 

 

 

ーその時、不思議な事が起こった。

 

少年に、何か赤い様なオーラらしきものが漂い始めた。

 

瞬時、少年の姿は“装甲らしき何か”を纏ったものへと変わった。

 

 

その姿はまさに“青”。緑のヘッドマウントディスプレイは赤く妖しく輝き、後頭部から回って顎まで青い装甲。青い肩部装甲に無骨な青色の両腕と両足、そして目を引くのが左腕に装着されている“シールド”と左肩にある“01”というロゴ。

 

直後、ノイズがうっすらとした透明からはっきりとした赤へと変化した。

 

「……………。」

 

 

ノイズは自身を紐状へと細長い弾丸へと変化させ、少年への体当たりを試みるが…。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

少年は飛んで来た所を裏拳一つで弾き飛ばした。

その拳には傷一つついていない。

パラパラ……と壁に埋まったノイズは灰となり朽ちる。

 

 

そうしていると、またどこからかノイズがうじゃうじゃと現れ始め、通路の床が見えなくなる程にノイズで溢れかえった。

 

 

「……………。」

 

 

少年…いや、“少年を動かしているコンピューター”は腰当てから棒状のものを取り出し、剣の様に構える。

 

ブォンッ!

 

いや、それは“剣”だった。棒状のものの先端からビーム状の刃が出現したのだ。

 

 

それを目の前のノイズに向けて無造作に横に振った。

ーー豆腐の様にスライスされた青いスライムに似た蛙型ノイズ。

 

そのまま下からの切り上げ。

ーー同じく、股の辺りから頭頂にかけて両断された赤い人型ノイズ。

 

今度は頭部のミニバルカンが火を吹いた。

ーー何も出来ず、ただ身を朽ちらせた蛞蝓型ノイズ。

 

腰右部の装甲の一部が飛び出し、変形してマシンガンとなる。

それを手に取り、狭いのも跳弾も気にせず銃弾をばら撒くコンピューター。

 

 

 

圧倒的だった、ただ圧倒的だった。

ノイズとは、人類を脅かす認定特異災害ものだ。

人間だけを襲い、接触した人間を炭素転換するという脅威の矛を持ち。

一般的な物理エネルギーの効果を減衰又は無効とするという絶対的な盾を持ち合わせ。

空間からにじみ出るように突如発生する神出鬼没な存在で。

有効な撃退方法はなく、同体積に匹敵する人間を炭素転換し、自身も炭素の塊と崩れ落ちる以外には、出現から一定時間後に起こる自壊を待つしかないのにーー

 

 

青い死神は“人類の脅威”をあっさりと全滅させた。

 

 

 

 

《I confirmed the battle end, the annihilation of the noise.I finish EXAM system.(戦闘終了、ノイズの全滅を確認しました。EXAMシステムを終了します。)》

 

 

 

ーキィゥゥゥゥゥ…ゥン

 

 

再び機械音声が鳴り、少年を纏っていた赤黒いオーラと装甲は消え、少年は再び床へと倒れ込んだ



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設定集です

ね、ネタバレあります!
私の文才では限界が有りすぎる為にこの様に生き恥を晒させて頂きます


設定集

 

 

主人公:名前は多分次の話で…。

 

プロジェクトXの結晶であるブルーディスティニーの193人目なパイロット。

特異災害対策兵器部という組織にて記憶操作され、自身が何者なのかを忘れてしまっている。

今の性格は明るく正義感有り、ただし拾ったお金をネコババ(一生死ぬまで借りる)する等、軽い所がある。

 

 

 

 

用語集

 

 

プロジェクトX

 

元はプロジェクトVという計画の内容を特異災害対策兵器部が改変したもの。

内容は“EXAMシステム”を完成させてそれをプロジェクトVの“ガンダム”に搭載、それを扱える人物を探し特殊訓練を受けさせパイロットとしてノイズと戦わせるというもの。

 

 

プロジェクトV

 

Vはアンテナと勝利の意味。

シンフォギアシステムと対を成す存在、“ガンダム”を作り出す計画。

しかしその計画を立てた米国の技術面に問題が発生し途中で頓挫、結局プロジェクトVは凍結し。プロジェクトVは特異災害対策兵器部によりプロジェクトXへと改変された。

ちなみにプロジェクトVのコンセプトは『誰でも皆ヒーローに』である。

 

 

ガンダム

 

シンフォギアシステムと対を成す存在、プロジェクトVにて計画さるた存在だが技術の問題でプロジェクトXへと改変されEXAMシステムを搭載されたブルーディスティニーへと変貌。

プロジェクトVのガンダムはファーストガンダムを想像して欲しい。

ガンダムの基本性能はシンフォギアシステムとは全く異なり、まず“パイロットは歌わない”。

ノイズを攻撃したりノイズの攻撃を防ぐのはミノフスキー粒子、ミノフスキーコーティング、というハウエル・ミノフスキーという米国の学者が生み出した不可視の粒子によって可能となる。

尚、ノイズの炭素化攻撃に対してはガンダム全体にミノフスキーコーティングが施してある為全く問題無いがシンフォギアシステムと異なり“使用者の身体強化”は全く無い為衝撃で死亡したりする。

 

 

特異災害対策兵器部

 

水面下でのみ活動し、噂でのみとされている組織。

しかしその実態は平気で人を実験動物とみなし非人道的な研究を行うもの。

プロジェクトVをプロジェクトXへと改変しブルーディスティニーを作り出すのに主人公含め計193人の人生を歪めた。

 

 

EXAMシステム

 

クルスト・モーゼス博士という元は精神学者がノイズへの憎しみによって生み出したシステム。

EXAMシステムはノイズの殺気、モーションを察知し回避、攻撃するというものだが実は欠陥があり、ノイズが大量にいたり、使用者の精神が安定していなかったりした場合EXAMの察知が行き届かなくなり、暴走する。

暴走した場合、例え使用者の骨が折れようが死亡しようが平気で滅茶苦茶な動きをし、自動操縦で敵を殲滅する。

尚、使用者が気を失っていたりしていて周囲にノイズが存在していた場合勝手に殲滅する。

追記、被検体77人目の少女が人一倍繊細であった為、EXAMは人の殺気も感知する様になった。

 

 

パイロット

 

シンフォギアシステムでいう奏者と同じ意味であり、ガンダムの使用者である。

 

 

ブルーディスティニー

 

プロジェクトXの結晶、一号機から三号機まであり、シンフォギアシステムと同じく使用者の技量やバトルスタイルによって総数約2億のロックを解除していく事により進化していく。

尚、シンフォギアシステムと違い限定的な解除ではない。

予算の都合で頭部がガンダムでは無くジムのもの(ガンダムのプロトタイプ)を完成させ、頭部にEXAMを乗せたもの。

武装はミノフスキー粒子を可視、凝縮したビームサーベル二本に頭部バルカン砲、マシンガンとビームライフルがそれぞれ一丁ずつと胸部に有線ミサイルがある。

性能はシンフォギアシステムより下回り、パイロット頼りのもの。

しかしそれでもノイズの討伐には十分。

更に背部と脚部脹脛当たりにバーニアがあり、機動性を確保している。ただし飛行能力はあまりなく、せいぜい滑空が限界である。

容姿は予算の都合上全身装甲ではなく、身体の四肢に装甲を纏う形となる。頭部にはヘッドギアと縦に割れ側頭部への移動が可能なヘッドマウントディスプレイ。

その名のとおり青色である

EXAMシステム起動時はヘッドマウントディスプレイが赤く発光、ブルーディスティニー自体もドス赤黒いオーラを身に纏う。

 



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少年

凄いコレジャナイ感




 

 

「う…うぅん……」

 

 

…頭がクラクラする、眩暈もする。

 

気がついたら僕は通路に倒れていたみたいだ、炭臭いが辺りに充満している。

 

「痛てててて…。」

 

何だか頭がズキズキする、そうだ、確か変なぬいぐるみみたいなのが白衣の人を襲ってて…。

…そっから覚えてないや。

 

立ち上がり、通路の手摺りを掴みつつとりあえず進む。

 

…本当にわからない事だらけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

これから少し前の出来事

 

 

「ノイズ出ました!数は20!ここから遠くありません!」

 

「風鳴翼、出ます!」

 

「天羽奏、出るよ!」

 

 

日本東京都、音楽の専門学校私立

リディアン音楽院の地下深く。

そこには人類の脅威に立ち向かう組織、“特異災害対策機動部二課”が存在していた。

 

 

「よし行って来い翼!奏!あんまり無茶すんなよ!」

 

司令であるムキムキな身体をした風鳴弦十郎が二人へ応援の言葉を投げかける。

 

「大丈夫大丈夫!ノイズなんて私達にかかりゃちょちょいのちょいさぁ!なっ、翼!」

 

先に返事を返したのが赤髪が鳥をイメージ出来る少女、天羽奏。

 

「問題ありませんよ叔父様。」

 

翼と呼ばれた青い髪の一部をサイドテールにした少女も同じく返事を返した。

 

 

二人は地下から地上、出撃用のエレベーターへと乗り、エレベーターを起動させた。

 

戦場へと向かう為に。

 

 

 

 

 

 

 

少年はフラフラと、おぼつかない足取りで通路を進み続けていると、やがて広い所へと出た。

 

「ここは…広いけど…。」

 

周囲を見渡すと…やはり白色の階段やらエレベーターやらがあり、受付らしき机や…螺旋階段の上に明るい外への出口があった、ガラスの自動ドアで、外には緑が見える。

しかし、人気は全く無い。あるのは炭の塊のみ。

ノイズの仕業なのだが、少年がそれを知るもない。

 

「やっと出口か…。」

 

ここに居る必要はない、ここは何故か嫌な感じがする。

臭いが、雰囲気が。

そんな“なんとなく”なレベルだがここには居たくなかった。

 

ーーとりあえずここを出よう、そしたら…後で考えよう。

そういえばお腹も空いた…がお金もない。

はぁ……

 

途方に暮れながらも螺旋階段を上がる。

町に出ればなんとかなるかも…と思っていた所で階段を踏み進む足の裏に何か違和感を感じた。

 

「お?」

 

足をどかして足元を確認する。

そこにあったのはやや分厚い茶封筒。

 

ちょっとした気まぐれで少年は中身を見てみた。

 

 

ズラッ(一万円札の束)

 

 

「………ふっ。」

 

少年は冷や汗を流しながら平然と

 

「大丈夫これはネコババとか泥棒じゃない、一生死ぬまで借りるだけなんだ、このお金は社会への還元になるんだ……ッッ!!」

 

何やら怪しく早口で呟きながらスッとポケットへと中身入りの茶封筒を入れる。

 

 

と同時、少年の周りの空間が歪み、滲み出る様に再びカラフルな色をした生物、ノイズが突如現れた。

 

「こ、こいつ等さっきの…!」

 

そう、先程白衣の男を襲っていたものである。

 

「(こいつ等が何かは知らないけど…人に有害みたいだ。)」

 

お忘れなきように再び言わせてもらうが少年は“ノイズ”がどんな生物なのかを全く知らない。

自分の名前も思い出せない記憶喪失なのだから。

 

後ろからノイズはジリジリと迫って来ている、螺旋階段から飛び降りればいい話ではあるかもしれないが少年にそんな勇気は無かった。

 

なので少年は螺旋階段を走り進む。

少年自身の“カン”がノイズが危険なものだと知らせていたからだ。

 

 

 

 

螺旋階段を登り切り、後ろを角にする。

ノイズはもたつき、つまづいていたりして十分に引き離せていた。

 

 

ーーよし、全然余裕だな。ここから出たら僕、何か食べるんだ……。

 

 

少年は期待に胸を膨らませ、外へと脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




…ダメだ、全く上手く書けません。
プロットとかっていうのを組んだりした方が良いんですかね?
手探りでやっているので全くわからないです…


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始まらない

割と感想が来ない事を悩む私。
しかしこんな薄っぺらい作品に書く感想などあるのか。
うーん…


 

 

 

 

 

それから数十秒後

 

 

「こんちくしょうがぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

出口から外へと出た瞬間、ノイズの群れにぶち当たってしまった少年がいた。

自分が拘束されていた場所から脱出はできたもののこうも化け物(に何度も襲われるとは。

 

そもそもノイズの発生率はさほど高くは無く、せいぜい人が一生に一度通り魔に襲われる程度の確立。

それを少年は一日に三度も引き当ててしまっているのだ。

 

既に周囲はノイズだらけ、戻ろうにも後ろからは『ふぅ、やっと登ってこれたぜ』といいたそうな雰囲気でグダグダしながらもやっとの事階段を登り終えたノイズ。

 

「…くっ。」

 

悪あがきにボサボサの藍色の長髪を振り乱し地面に落ちている石を周囲のノイズに向け拾っては投げ拾っては投げを繰り返すがノイズに物理的な攻撃は殆ど通用しない。

極稀に石が人型ノイズの頭部にコツンと当たったりしているが当たったら当たったでビクともしていない。

 

徐々に周囲のノイズ達は少年へと距離を詰めていく。

 

「くそぅ…!」

 

最早絶対絶滅、じゃなかった絶対絶命。

 

そして人型ノイズと蛙型ノイズがその身を特攻形態である紐状へ変化し少年へ突撃ーーー

 

 

しようとした所、ピタリと止まった。

 

「……アレ?」

 

来るべき痛みも衝撃も無く、一体何がなんだとノイズを見つめる少年。

 

そこで気づいた、自身の耳に聞こえるものが。

 

 

「これは……歌…か?」

 

 

歌が聞こえた。

 

 

ーーーImutans♪ AMENO-HABAKIRI throu♪(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

ーーーCroitzal ronzell gungnir zizzl(人として死しても、戦士として生きる)

 

 

力強い、透き通る様で綺麗な歌……。

 

 

歌が聞こえた方へと目を向ける。

 

気づくとノイズ達もその歌が聞こえた方へと向いていた。

よく見るとノイズ達の液晶ディスプレイの様なギラギラした表面がいつの間にか消えている。

 

 

歌が聞こえた方には

 

「奏、民間人がいる。」

 

「ありゃりゃりゃ、友里さんにもミスがあるんだねぇ。というわけだよ旦那。」

 

現れたのは二人の赤と青、メカメカしい鎧を見に纏う双翼。

日本が誇るトップアーティストツヴァイウィングの風鳴翼と天羽奏だ。

 

『やれやれ……、わかっていると思うが民間人の救出を最優先とするんだ、上手くやれよ』

 

天羽奏のインカムから出た通信越しの声は司令、風鳴弦十郎のもの。

 

 

 

 

「…な、なんだあれ…。」

 

一方、少年はというとただ呆然としていた。

一般人がこれを見れば“トップアーティスト”と理解している訳だからもっと違った反応をするだろうが如何せん少年はそれ以前に彼女達が日本のトップアーティスト、ツヴァイウィングだという事を知らないし彼女達が纏うものも知らない、いい認識としてコスプレ辺りだろう。

 

 

「お、おーい!誰だか知らないけど危ないよ!!」

 

さりげなくノイズ達の包囲から抜け出し逃げ道を確保しておきながら二人に大声で注意を促す少年、ノイズさんなにやってんですか。

ちゃんと包囲してて下さいよ。

 

 

 

少年の注意を聞いた二人は

 

 

「大丈夫だー!お前こそ巻き添え喰らわねーよにしとけよー!!」

 

「はぁ…奏、叔父様に『民間人の救出を最優先』って言われたばかりよ。」

 

どうやら引く事は無い。

 

奏が「あー、そーだったなー」とぼやきながら手首を合わせて自身の武器であるアームドギアを起動させる。

すると合わせていた手首のアーマー部が分離し、ガチョンガチョンと変形し一本の突撃槍が完成した。

それに続き翼もやれやれといった具合にアームドギアである刀を取り出す。

 

二人共、やる気スイッチ入ってます。

 

「じゃ、いくよ奏!」

 

「OK!どうせだからフリューゲルでいこう翼!」

 

 

そう言い二人はーーー歌い出した。

 

 

逆・・・・・・・・

・光・・・・・・・

・・の・・・・・・

・・・フ・・・・・

・・・・リ・・・・

・・・・・ュ・・・

・・・・・・ー・・

・・・・・・・ゲ・

・・・・・・・・ル

 

 




非公式ですがシンフォギアなりきり?ツイッター始めました。


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つめたいもの、どうぞ。

こ、今週中にまとめ上げます!


それにしても伏線が置いてきぼり…


 

 

「……は?」

 

戦場(IKUSABA)にて、少年の声がーー

 

ーーー逆光のフリューゲルーーー

 

 

ーー二人の歌によってかき消された。

 

 

「翼!その子を!」

 

「わかった!」

 

 

二人の内の無い方ーじゃなかった、スレンダーな青い方、風鳴翼が実体化したノイズ相手に刀で無双しながら少年の方へと向かってくる。

同時にノイズ達の一部が少年に向かい、攻撃し始めた。

 

「まっ、真っ正面ッ!!」

 

紐上となり特攻して来た一匹のノイズを少年は横に跳んでーー明らかに常人が出せる跳躍力ではないが跳んで回避する。

 

「待っていて!今助けるから!」

 

「だ、ダリナンダタンタイッタイ(誰なんだあんた一体)?!」

 

「後で話す、こっちに!」

 

少年の滑舌の悪い声は無茶な体制だったからなものの、翼はきちんと聞き取れたらしい。

 

翼は少年の手を取り、付近で待機している二課へと走る。

 

「奏、そっちはどう?」

 

しばらく走ったところで空いている手をヘッドホンへ当て、自分の相棒、奏へと通信をとる。

 

『大丈夫大丈夫!翼こそ平気かー?』

 

ヘッドホンから聞こえて来たのは呑気な相棒の声。

自身の槍、アームドギアを振り回しノイズ達相手に野球でもやっているのだろうと翼は思わず笑顔を浮かべる。

 

「うわっと…と。」

 

が、問題なのはこの少年だなと翼は真剣な顔へと戻る。

 

「(………この子…何かありそうね。)」

 

今翼自身が手を取り引っ張っているこの少年、どうにも怪しい点がある。

 

第一に“何故ここにいるのか”。

ここは街から離れた森の深く、開けた場所だ。

しかもこの辺りは最近ノイズが出た為立ち入り禁止区域となっている。

好奇心による行動にしては自殺紛い過ぎる。

 

「ちょっと、何処に行くのさ!」

 

「大丈夫、安全な場所だから。」

 

「むぅ…」

 

第二に少年の格好、容姿。

藍色の髪は切っていないのか無駄なぐらい長く、とてもぼさぼさだ。

服も白い病院着みたいな簡素な物である。

何処かの病院から抜け出したのか?という感想が翼の思考をまとめ上げる。

 

 

「翼さん、話は司令から聞いています!こちらへ!」

 

と、考えていると自分と相方()のマネージャー、茶髪の青年、緒川さんこと緒川慎次が手を大きく振っているのが見えた。

 

「この人は緒川慎次さん。悪い人じゃないから安心して。」

 

「?は、はぁ…」

 

無事に二課が待機している場所へ到着し、安堵の息を吐く少年。

 

「緒川さん、この子を頼みます。」

 

「はい、翼さんも気を付けて下さい。」

 

少年を二課届けると、翼は戦場へと走り戻って行った。

それを笑顔で見送る緒川。

 

「…………。」

 

そしてそれを見てポカンとした表情を浮かべる少年。

 

 

「おっと、冷たいものどうぞ。」

 

「ウェ?あ、はぁ…冷たいものどうも……。」

 

 

緒方川らスポーツドリンクを貰い、やや微妙な顔でそれを飲む少年だった。

 

 

 



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IXA

こんな調子で完結まで行けるかなぁ…


 

 

 

 

ーーーーー“ノイズ”ーーーーー

 

 

大昔からこの世界に存在し、今も尚打開出来る対策が少ない“災害”。

人間のみを襲い、神風特攻隊の如く自身の崩壊すら厭わず人に接触し炭化させ殺す。

 

唯一対抗出来るのは櫻井了子という女性が提唱し、実現させた『櫻井理論』に基づき古代の聖遺物を武器とし歌により装着者を矛とする『シンフォギアシステム』だ。

 

それ以外の兵器では全く歯が立たないーーーーー

 

 

 

 

 

「筈なんだがなぁ〜…」

 

「そ、そんな事言われても…」

 

 

じゃあ目の前に居る人物が持つ力は何だ?

 

大柄な体格、それに合わせて筋肉モリモリ。赤いワイシャツに自身の性格をそのまま表したかの様にネクタイを胸ポケットに入れている者。

風鳴弦十郎は思考を張り巡らす。

 

 

「(それにしても特異災害対策兵器部にその研究所、プロジェクトVにXか……厄介事が増えるな。)」

 

 

彼の姪である風鳴翼とその相方天羽奏が戦っていた場所。

そこから近くに巧妙にカモフラージュされた地下への建物が発見されたのだ。

ノイズに襲われたのであろうその建物は『研究所」、多数の違法研究の証拠や炭化していた研究員が見つかった。

そこで一番弦十郎の目を引いたものが『プロジェクトX』と特異災害対策兵器部の存在だ。

 

 

特異災害対策兵器部については噂話だけでなら聞いていた。

弦十郎の目の前で「?」と首を傾げている彼はどうやらそこに幽閉されていたらしい。

 

 

「もう一度聞こう。『あのノイズ達』を殲滅したのは君なんだな?」

 

「だから知らないしわからないって言ってるじゃないですか……」

 

 

ハァ、と弦十郎は溜息をつく。

さっきからどんな事を聞いても全て「知らない」「わからない」しか言わないこの少年。

自分の名すら知らないらしい。

 

 

「(こんな子が本当にノイズを殲滅したのかと思う程だ…)」

 

 

藍色の腰まで届きそうな髪、少女かと見間違いそうな顔立ち。藍色の瞳にスリムな体つき。

その身体からは戦う意思すら感じられない。

 

しかし戦っていたのだ。

つい先程研究所内で、藍色のシンフォギアに似た鎧を身に纏いノイズ達を圧倒し、軽々と殲滅していたのは紛れもないこの少年である事が研究所内カメラにてわかっている

だが、鎧を身に纏う時苦しんでいる様に見えたしノイズを殲滅した後は倒れてしまっていた。

何かしらリスクがあるらしい。

 

 

「やれやれ、話にならんな…」

 

「そんな事言われても…」

 

 

しょぼん、と藍色の少年はがっくりと項垂れる。

 

それにしても特異災害対策兵器部研究所はまだ全部調べた訳ではないのでわからず終いという事は恐らくないだろう。

今は緒川達が調べてくれている。

 

 

「なんでもいい、何かしら覚えてないのか?

 

 

ならば自分の役目はこの藍色の少年から何か聞き出すべきだと、弦十郎の心に火がついた。

今度は具体的にではなく、大雑把に質問する。

 

 

「うーん………あ。」

 

「何かわかったのか!?」

 

「わぎゃっ!?」

 

 

どうやら何か思い当たったらしい。

弦十郎はつい摑んでしまった肩を離し、詫びを入れる。

 

 

「えっと……『イクサ』。」

 

「…『イクサ』?」

 

 

藍色の少年から出た単語は、弦十郎の遥か予想斜め上を行くものだった。

 

「…なんかよく覚えてないんだけど、この単語だけははっきり覚えてるんです。もしかしたら僕の名前かも……。」

 

「『イクサ』……『イクサ』か……」

 

 

『イクサ』

弦十郎はこんな単語初めて聞いた。

『戦』なら解るが発音が全く違う。

何か意味のある単語なのだろうか?パスワードか何かなのだろうか?

 

 

「何か他にはあるか?」

 

 

藍色の少年は首を横に振った。

 

 

「(緒川君達が戻るのを待つか…)」

 

 

弦十郎は再び溜息をつき、茶を啜った。



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