淫靡改変シンフォギア (セイラム)
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プロローグ(世界観解説)

 切っ掛けは、ある聖遺物の回収任務だった。

 S.O.N.G.所属の装者が全員参加した、極めて大規模な作戦。

 

 謎の多い存在であったために慎重に進められた作戦だったが、結論から言って作戦は失敗に終わる。

 聖遺物の回収には成功したものの、それが何の、どんな聖遺物なのかが一切謎のままだったのだ。

 

 故に、誰も気づくことはできなかった。

 それが装者に関わる全ての人間の常識を改変する一種の世界改変を成し遂げていることを、誰も認識することはなかったのだ。

 

 回収された聖遺物の正体は、ギリシヤ神話の主神であるゼウスが所有していた杖の欠片だった。

 その聖遺物が秘めた特性は、男女の性の解放。

 子孫の繁栄という遺伝子に刻まれた命題の優先順位を変更することで、無意識に男女は性的な行動を優先するようになるというものだ。

 

 欠片とはいえ世界最高規模の存在の所有物が故に、その影響規模は他の聖遺物とは比較にならない。

 そして極めて小さな欠片であるが故に、だれもその変化に気づけない。

 

 回収した装者たちですら一切変化が起きていないと認識し、研究者たちの調査でも稼働こそしているものの外界には微塵の変化も見られないとの調査結果をだすだけだ。

 

 結果、任務は完了と判断された。

 若干の疑問を残しつつ、厳戒な警備体制の下で変化を監視するという判断が下されたのだ。

 

 装者たちは任務を終え、日常へと帰還する。

 数名はその終わりに疑問や不安を抱いていたものの、数日後には聖遺物の改変に飲まれ議題に上げることもなくなった。

 

 監視する研究者たちも、すでに変化が起きている以上これから変化するはずもない聖遺物をただ見ているだけだった。

 無論、こんな状況は誰も責められはしない。

 これほどまでに大規模な改変が起きているなど誰も想像できないし、仮に想像したとしても改変に抗って正解にたどり着ける生物などこの世に存在するわけもない。

 

 装者たちが性に開放的になっているという事実を、誰も違和感として捉えない。

 世界と齟齬が発生すると、瞬間、極地的に世界の常識が書き換わる。

 

 世界の方を書き換えて非常識を常識にしてしまう、前代未聞の聖遺物。

 主神の力は、人の想像を超えて凄まじい。

 世界の滅びを誘発する効果でなかったのは、あるいは幸運と呼べるかもしれない。

 ゼウスの伝承には、世界を滅ぼす雷や宇宙規模の物まで存在するのだから。 

 

 そして、誰も認識できないがために解決は不可能。

 そんな異常な日常が、装者の周囲で始まろうとしていた。



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立花響の放課後買い食い

「~~♪」

 

 太陽の照り付ける夏の放課後。

 今日から夏服に着替えたこともあり、私立リディアン音楽院の生徒たちは上機嫌に学園を飛び出している。

 

 立花響も同様に、笑顔で口笛を吹きながら日常を謳歌していた。

 帰り道の途中に展開されている屋台でお気に入りのアイスを買って、ベンチに腰掛ける。

 

 口内に広がる冷たい甘味に舌鼓を打つ姿は、どこにでもいる一人の女の子だ。

 その服装が異常なことを除けば、だが。

 

 響の着用している夏服は、過剰なまでに布面積が小さかった。

 袖の無いブラウスは少しの風で捲れ上がりそうになる薄さで、丈は通常の半分程度しかない。

 辛うじて胸こそ隠れているものの、ヘソを大胆に露出した様子は下着と錯覚しかねなかった。

 

 スカートも大胆に切り詰められており、ただでさえ制服にしては短いミニスカートはその長さを僅か十センチ弱にまで削られていた。

 当然そんな長さでは衣服としての役割を果たせるわけもない。

 ベンチに座った響の下半身は、周囲に尻肉の膨らみを惜しげもなく見せびらかしている。

 

 まるで痴女のような格好に、道行く男たちは足を止め視線を向ける。

 だが誰も通報や注意を行わなず、大胆な恰好という程度の認識を抱くのみだ。

 

「──ごちそうさまッ!」

 

 口端に付着したアイスを舌で舐め取り、響は勢いよく立ち上がる。

 急激に動いたことでスカートが捲れ、背後からは響の下半身が丸見えになった。

 

 丁度真後ろから響を盗み見ていた男は、その光景に目を見開いた。

 響は下着を付けていなかったのだ。

 故に、男の視界にはなにも身に着けていない響の尻が映し出された。

 

 ゴミ箱にゴミを捨てたところで、視線に気づいた響は男の方向へと振り返る。

 自分の恰好に疑問を持たない響はその視線に訝し気な顔を浮かべ、男へと駆け寄っていく。

 

「あ、あの、なにかゴミとか付いてます……?」

 

 響は自分の背中を見ようとして、その場でクルクルと体を回転させる。

 その動きでまた下乳や下腹部が露出され、男は思わず前屈みになった。

 

「あっ……」

 

 改変前の世界なら、響はその様子にも体調が悪いのかと誤解しただろう。

 だが、聖遺物の効果により性への知識と興味を植え付けられた今、響は男の眼前へと移動する。

 

 なんでもないような仕草で、響は男の下腹部へ躊躇いなく手を伸ばす。

 そしてズボンのチャックを下ろし、大きく膨張した肉棒を解き放った。

 

「美味しそうな臭い……」

 

 響はその場にしゃがみ込み、目の前の肉棒をまるでそれが良質な一本のアイスであるかのように臭いを堪能し始めた。

 汗と汚れに満ちた肉棒の香りなど、悪臭でしかないはずだ。

 だというのに、響の表情は恍惚としたものに変化していた。

 

「んっ……!」

 

 我慢できないというように、響は目の前の肉棒を一気に奥まで咥える。

 喉奥にまで届いたことによる息苦しさに涙を浮かべているが、それでもより奥まで咥えようと響は男の腰に両腕を回して肉棒を喉へと押し付ける。

 

「ふぐ、むぅっ、んっ……」

 

 口を大きく開き、肉棒を根元まで受け入れる響。

 口内に広がるむせ返るような臭いを堪能しながら、響は舌を肉棒へと這わせていく。

 

 棒アイスを舐めるような舌の動きで、肉棒へと刺激を加える。

 天下の往来でこんなことをしていては通報されそうなものだが、道行く人々は視線こそ向けるもののそれ以上の行動は誰もしなかった。

 

「──ッ!」

 

 刺激に耐え切れなくなった男は、あっという間に絶頂を迎えた。

 放たれた精は口内を超えて、響の喉奥へ注ぎ込まれる。

 

「ケホッ、ごほっ、ご、ごちそうさまでした……!」

 

 片手を地面につき、咳を繰り返しながらも響の口からはお礼の言葉が出ていた。

 認識を阻害された響の思考は、珍しいアイスを奢ってもらったというように認識が改変されているのだ。

 

「あれ……え?」

 

 響が顔を上げると、そこには別の男が三名も己の肉棒を響へと突きつけている。

 先程の騒ぎで集まった、聖遺物の影響を受けた新たな被害者だ。

 

「こんなに、いいんですか……?」

 

 しかし、響は困惑の表情を浮かべている。

 金も支払わずにこんなに受け取っていいのかという、異常な認識の上での困惑を。

 

「あ、大丈夫です。私、普段から沢山食べる子なんで!」

 

 三人も一気に大丈夫なのかという男の問いにも、ズレた返答でしか返さない。

 だというのに誰も疑問を抱かず、当然のように響の性奉仕は続くのだった。

 

 

 

「──ふぅ、ご馳走様!」

 

 口端に付いた精液を指で拭き取り、響は食事を終えた時のように両手を合わせる。

 結局人数はあれからも増え続け、響の奉仕は七名もの男を満足させていた。

 

 げふっ、と。

 精子の臭いを纏ったゲップが漏れた響は、恥ずかしさで顔を赤くした。

 

「ちょっと食べすぎちゃったかな……走って帰れば晩御飯も大丈夫だよね……?」

 

 すっかり日の落ちた空を見て、響はダッシュで帰り道を走り出す。

 日常の風景だというように、その光景は何の騒ぎを起こすこともなく消えていくのだった。



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切歌と調の休日

「うぅ……」

 

 町中の喫茶店。

 冷房の効いた快適な店内で、暁切歌は渋い表情を浮かべていた。

 

「無理してブラックなんて頼むからだよ、切ちゃん」

 

 隣に座る月読調は、想像通りの光景にため息をつく。

 いつもなら自分の飲み物と交換するのだが、残念なことに今日は調もブラックコーヒーを注文していた。

 

「て、店員さん、ミルクをお願いするデス……」

 

 呼び出しボタンを押し、切歌はやって来た店員にそう告げる。

 しかし、店員は二人の服装に目を奪われていた。

 

 日曜日である今日は、二人とも制服を脱ぎ捨て私服に身を包んでいた。

 しかし、その服装は周囲から異常に浮いている。

 

 切歌の服装は、緑のパーカーに黄色のホットパンツ。

 だがパーカーの下は何も身に着けておらず、半ばまでジッパーを下ろしていた。

 結果、切歌の膨らんだ乳房が半分近く見えてしまっている。

 

 調の服装は、白色のミニワンピース。

 こちらも当然のように下着を身に着けていない。

 汗で透けたワンピースの下から乳首が透けており、丈も短いために太股が丸出しだ。

 

 罰ゲームかそうでなければいじめでも受けているのかと疑いそうな服装だが、彼女たちは顔を赤くすることもなく店員に注文をしていた。

 

 そして、改変術式が作動する。

 

 店員はミルクの追加注文を手元の注文用紙に書き込むと、己のズボンを下ろし肉棒を露出する。

 

「どうもデス」

 

 そして切歌も自然な動きで、突きつけられた肉棒を己の右手で包み込む。

 左手にコーヒーのカップを持ち、右手を動かし刺激を与えていく。

 セルフサービスの機械を操作するような気軽さで、切歌は手淫を行っていた。

 

 やがて店員はビクリと体を震わせると、ドロリとした“ミルク”をコーヒーへと注ぐ。

 黒いコーヒーに“ミルク”は溶け混ざり、強烈な臭いを放つ。

 

 ペコリと頭を下げ、店員は去っていく。

 日常の一風景に、先程の異常は溶け消えた。

 

 備え付けのスプーンでコーヒーをかき混ぜると、精液の入ったコーヒーを切歌は口にした。

 酷い味になったコーヒーに、切歌は再び渋い顔を浮かべる。

 

「……まだ苦いデス」

 

 だが、その理由は甘味の不足というものだった。

 調は切歌からカップを受け取ると、試しに一口飲む。

 

「本当だ。ずいぶん控えめな甘さのミルクだね」

 

 ミルクではないのだから甘いはずはないのだが、彼女らは首を傾げるだけだった。

 そして調は切歌の方向を向くと、自然な流れで来ていたワンピースをたくし上げた。

 

「わ、ぷ……」

 

 調は切歌の頭を掴むと、己の胸に切歌の口を押し付ける。

 周囲の客が切歌の声に目を向けるものの、大胆なカップルだなと思う程度で客たちはすぐに元の向きへと視線を戻した。

 

「こっちのミルクなら、少しは甘いかも」

 

 無論、通常であれば調の胸から母乳が出るはずもない。

 しかし聖遺物の改変効果により、切歌の舌は確かに甘味を感じていた。

 

「んっ……」

 

 小さな胸を切歌に吸われ、調は喘ぎ声を漏らす。

 染み出すようにその胸からは白い液体が漏れだしており、切歌は舌で液体を舐め取っていく。

 

「あ、あぁっ――!」

 

 脳に電流が流れたと錯覚する衝撃と共に、調は絶頂する。

 勢いよく噴き出た“ミルク”を、切歌は己のコーヒーカップへと注いだ。

 

「……うん、これならなんとか飲めますね。ありがとうデス、調!」

 

 笑顔を浮かべる切歌だが、調は絶頂の快楽に未だ浸ったままだった。

 ソファーに仰向きの体勢で横になり、ピクピクと体を痙攣させている。

 

 たくし上げたワンピースは全身を露出しており、もはや服としての機能を果たせていない。

 両胸も秘部も丸出しのままで、調は虚ろな瞳を浮かべていた。

 

 切歌は一切気にしないが、問題は周囲の客だ。

 劣情を煽られた男性客が二人、調の元へとやってきていた。

 

「ん、なんデスか?」

 

 見知らぬ男に、切歌は脳内に疑問符を発生させる。

 だが彼らが己の男根を露出すると、切歌は笑顔を浮かべて男へ近づいた。

 

「おお、大きいデス……!」

 

 調を跨ぐような位置で膝立ちになり、切歌は着ていたパーカーを脱ぎ捨てる。

 晒された乳房を見て、男たちはさらに肉棒を膨張させた。

 

「んっ……」

 

 男たちは切歌の乳房に己の肉棒をこすり付ける。

 切歌はそれを手助けするように、両手を使って二人の肉棒を根元から刺激した。

 

「───ッ!」

 

 僅か数分で男たちは射精する。

 胸元に掛けられた精液は切歌の体を伝い、下で放心中だった調の顔にまで届いた。

 

「凄いデス、まだこんなに大きい……!」

 

 その光景に興奮を強めた男たちの肉棒は衰えず、さらにその大きさを肥大化させる。

 切歌は驚愕の表情を浮かべ、奉仕を続けるのだった。

 

 

 

「ふぅ、お疲れ様デスかね?」

 

 出し尽くして疲れ果てた男たちが、その場で倒れ伏していた。

 切歌が手元に持ったカップには、飲み干したコーヒーの代わりに新たに注がれた白い“ミルク”が並々と注がれている。

 

「調も、そろそろ起きるデスよ」

「ん、うぅん……」

 

 意識を取り戻し、起き上がる調。

 その顔は精液で汚れ、髪も白く染め上げられている。

 

「ほら、ミルクでも飲んでサッパリするデス」

「ありがとう、切ちゃん」

 

 カップを受け取った調は、注がれた精液を一息に飲み干した。

 口内に広がる悪臭を気にも留めず、喉を鳴らして美味しそうに飲んでいく。

 

「うん、目も覚めたかな」

「じゃあそろそろ帰りますかね、マリアもきっと待ってますよ」

 

 立ち上がった二人は衣服を整えると、会計を済ませて店の外へと出ていった。

 

「うぅ、夕方だというのにこの暑さは……」

「涼しい家が待ってるから頑張って、切ちゃん」

 

 二人は手を繋ぐと、帰宅の途に就く。

 帰り道の途中、何人もの通行人が二人に視線を向けるが、精液塗れの彼女たちに疑問を抱く者は誰もいなかった。

 

 仲のいい友人同士が、歩いているだけ。

 そう認識されて、彼女たちは今日を終えたのだった。



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雪音クリスの銭湯

「あー、クソッ」

 

 任務を終えた雪音クリスは、恨めしそうに天を仰ぐ。

 沈みかけた太陽は未だ夏の暑さを盛大に振りまいていた。

 

 クリスの衣服も泥や埃、汗に塗れて肌へと張り付いている。

 溢れる不快感に苛立ちながら足早に歩いていたクリスだが、ふとその足が止まった。

 

「銭湯……か」

 

 視線の先には、最近できたばかりの銭湯。

 スーパー銭湯と呼称されていたそれは、内部にコインランドリーまで併設されていると大きな文字で張り紙に書かれていた。

 

 家に帰るまでの時間が耐え切れないと、クリスは暖簾を潜る。

 

 クリスは料金を支払うと“当然のように男湯の扉を開け”、中へ入っていく。

 脱衣所にはそれなりの人数、客が着替えを行っていた。

 近場にこういった施設が少ないこともあり、お年寄りから子供までがひしめき合うようにロッカーを利用している。

 

 クリスは隅に配置されたコインランドリーへ近づくと、財布から硬貨を取り出した。

 汗に濡れた衣服を脱ぎ捨てると、大きく膨らんだ乳房が露出する。

 周囲の男たちが一斉に視線を向けだしたが、早く汗を流したいクリスは視線を気にも留めず脱ぎ捨てた衣服を全てコインランドリーに放り込み蓋をしてスイッチを入れる。

 

 全裸になったクリスは、その裸体を一切隠すことなく鼻歌交じりに浴場へと入っていく。

 男たちは突如現れた痴女の光景に瞬き一つせず、その様子を見つめ続けていた。

 

 

 

「ふぅ……!」

 

 シャワーで汗を流し、髪に付いた汚れを落とす。

 不快感が一斉に流れ落ちる感覚に、クリスは上機嫌だ。

 

「……げっ」

 

 そして、すぐに気分が沈む。 

 急な思い付きで銭湯に入ったせいでシャンプーもボディーソープも持っていないことに、この段階でようやく気付いたのだ。

 

 備え付けの石鹸やシャンプーが置かれた店も多いが、どうやらここには無いらしい。

 湯で流すだけでも十分汚れは取れたものの、心情的に物足りない。

 

「ん、いいのか?」

 

 クリスの隣に座っていた青年が、困っているなら貸し出そうと口にした。

 クリスは礼を言うと、青年の肉棒へと手を伸ばす。

 

「いやぁ、悪いな。アタシもうっかりしててさぁ……」

 

 世間話をしながらクリスは青年の肉棒を優しく握り、刺激した。

 右手で男根を扱き、左手で二つの玉を揉んでいく。

 手慣れた動きに青年はあっという間に射精し、クリスの両手に大量の精液を吐き出した。

 

「ん、あんま泡立たねえのな……普段使ってるのと違うから妙な気分だ」

 

 両手の精液をシャンプー代わりに、クリスは己の髪を洗い出す。

 汚れが落ちるどころか現在進行形で汚れていく髪を、しかしクリスは丹念に洗う。

 

 髪の一本一本にまで精液を塗りこみ、満足したクリスはシャワーでそれを洗い流す。

 見た目は綺麗になったものの、精液の臭いがこびり付いた髪。

 だがクリスは満足気に鏡を覗き、洗い残しがないかを確かめていた。

 

「ん? ボディーソープの出が悪いな……」

 

 青年が貸し出した“ボディーソープ”を扱き、クリスは首を傾げる。

 同じ青年の肉棒なのだから、出したばかりで元気がないのは当然なのだが。

 

 数瞬考え、クリスは己の両胸で青年の肉棒を包み込む。

 九十センチの爆乳に包まれ、青年の肉棒は再び固くそそり立つ。

 

 そのまま上下に胸を動かすクリス。

 柔らかな両胸が動きに合わせてスポンジのように形を変え、肉棒を刺激する。

 

「んじゅ、ん、ちゅ……」

 

 更にクリスは肉棒の先端を咥えると、唇と舌を使って口淫奉仕を開始する。

 未体験の快楽に、青年は先程よりも濃く多い精液を発射した。

 

 口から垂れた精液はクリスの胸元に落ち、起伏の大きな体を伝う。

 二発も連続で発射した青年は満足気な顔を浮かべながら、フラフラとした足取りで去っていった。

 

「ん?」

 

 クリスが視線を周囲に向けると、そこでは大勢の入浴客がクリスの姿で自慰を行っていた。

 それは、精液に塗れたクリスの姿に興奮した男たちだ。

 通常であれば悲鳴を上げて逃げ出すような地獄絵図だが、クリスは動じない。

 

「わっ、ぷ……!」

 

 続々と絶頂を迎えた面々がクリスの体に精を放つ。

 だがクリスはその精液を全て己の体に塗り込み、客に礼を言う。

 クリスの認識では、彼らはうっかりした自分にボディーソープを分けてくれた優しい人たちということになっているのだ。

 

 多種多様な人々の精液を全身に塗り込み、シャワーで洗い流す。

 すでにクリスの体には精液の臭いがこびり付いていたが、綺麗になったと認識している本人は上機嫌でサウナへと向かっていったのだった。

 

 

 

 その後もサウナや水風呂、露天風呂などを満喫したクリス。

 そろそろ上がろうかと歩いていると、見慣れない施設が目に留まった。

 

「……何風呂だ、これ?」

 

 それはとても小さな、一つの湯船だった。

 個人用にしても小さな、子供用としか思えないサイズ。

 なにより奇妙なのは、男湯なのに『女性客専用』の文字が書かれていることだ。

 

 当然、誰も利用などしていない。

 不思議に思いながらも、クリスは興味本位で湯船の中へと足を踏み入れた。

 

「──あぁ?」

 

 だが、その瞬間にクリスは顔をしかめる。

 透明な湯が張られていると思った湯船には、なにも入っていなかったのだ。

 

 なんの意味があるんだと、クリスが空の湯船を出ようとした瞬間。

 集団の男性客が、クリスに己の肉棒を突きつけたのだ。

 

「……あぁ、なるほどな」

 

 聖遺物による、文字通り天からの啓示。

 クリスは全てを理解し、突きつけられた肉棒へ奉仕する。

 

 一本を口に咥え、両手で別の肉棒を扱く。

 三人同時に奉仕をするクリスに、他の客の手が殺到する。

 

「お、おい、ちょっとは待て!」

 

 胸を、尻を、秘部を。

 全身を揉みしだかれながらも、クリスは奉仕の手を緩めない。

 

「はぅっ、んぅ、んんっ……!」

 

 快楽に身をよじりながら、クリスの奉仕は止まらない。

 精を放った瞬間に、クリスは新たな肉棒に手を伸ばす。

 

 次々と発射される精液はクリスの全身を白く染め上げる。

 そして体を伝った精液は小さな湯船に溜まっていく。

 

「んんっ、ぷはっ。キリがねえなこりゃぁ……」

 

 困ったような言葉とは裏腹に、クリスの顔は笑みを浮かべている。

 むせ返るような精液の臭いも、今のクリスには快楽を増幅させる香りでしかない。

 

「──ッ!」

 

 荒々しい愛撫に、クリスも絶頂を迎える。

 秘部から愛液が決壊したダムのように噴き出し、立っていられなくなったクリスは半強制的に膝立ちの体勢になる。

 

 びちゃり、と音を立て、湯船に溜まった精液が跳ねた。

 既に精液はクリスの膝を埋め尽くすほどになっていた。

 

 そう、この湯船は“精液風呂”だったのだ。

 それを理解したクリスは、男たちから精を搾り取り続ける。

 完成した光景に舌なめずりをしながら、クリスは快楽を貪った。

 

 

 

「――ふぅ」

 

 数十の男たちが床に倒れる異常な光景。

 その中央でクリスは完成した湯船に浸かっていた。

 

 ドロドロの白濁液に全身を沈め、上機嫌にクリスは深呼吸する。

 周囲を満たす悪臭を堪能するだけで、クリスの股からは愛液がとめどなく溢れ出ていた。

 

「んっ、んぅ……」

 

 自然と、己の股に手が伸びる。

 ぐちょぐちょと大きく音を立てながら、クリスは分泌される蜜の量をさらに増やしていく。

 

「んん、あぁッ――!」

 

 あっという間にクリスは絶頂し、脳に駆け巡る電流のような快感に身を任せ始める。

 意識が薄れても手の動きは止まることなく、より激しさを増していく。

 

 精液と愛液が混じりあい、より強烈な臭いを放つ。

 その匂いに蕩けながら、クリスはより強く自慰を行った。

 

 絶頂するたびに、クリスの体は感度を増していく。

 そして敏感になった体はより強い快楽を求めて激しい自慰を繰り返す。

 

 結局、満足したクリスが精液風呂から出たのはそれから一時間弱もの時間が経過してからだった。

 

 

 

 コインランドリーから衣服を取り出し、クリスは満足気に銭湯を後にする。

 近くを通る人々が精液の臭いに顔をしかめるものの、その様子を見てもクリスには原因が分からなかった。

 

「まだ臭うのか……? しっかり洗ったはずなんだけどなぁ……」

 

 軽く鼻を鳴らして己の臭いを確認するも、精液の臭いが悪臭だと認識できていないクリスでは首を傾げるだけだ。

 帰ったら念のためにシャワーでも浴びるかと考え、クリスはそのまま帰路に就いた。



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立花響の深夜散歩

 ある夏の夜、立花響は寝苦しさから目を覚ました。

 ベッドの上で体を起こすと、じっとりと寝間着や布団が湿っているのを実感する。

 

 真夏の夜は、冷房の効いた室内でも十二分に暑い。

 前日まで降っていた雨の影響で湿度も高いため、絶え間なく汗が噴き出している。

 

「うぅん……」

 

 明日は休みだし、気分転換に軽く散歩でもしてみようか。

 そう思い立った響は隣で眠る友人へ書き置きを残し、夜の世界へと繰り出した。

 

 

 

 響が向かったのは、近場にある公園だ。

 それなりに大きく利用者も多い場所だが、深夜帯では人の気配などあるはずもない。

 軽く一周すれば気分も楽になるだろうと、響は公園へと足を踏み入れた。

 

 響はおもむろに着ていた服を脱ぎ捨てると、入り口近くのベンチに放り投げる。

 周囲に人がいないとはいえ、羞恥心も躊躇いもなく響は全裸を晒し始めた。

 

「夜風が気持ちいいなぁ……」

 

 肌に直接当たる空気の流れを感じ、響は四つん這いの恰好を取った。

 部屋から持ち出した極太のバイブを秘部に押し当てると、一気に挿入する。

 

「んっ――!」

 

 バイブは太さもだが、通常の二倍近い長さだった。

 膣の奥まで押し込んでも、バイブは半分程度しか挿入できていない。

 余った部分が響の秘部からぶら下がり、まるで尻尾のようにゆらゆらと揺れている。 

 

「準備完了、っと」

 

 ゆっくりと膣内をかき回すバイブの感触に、響は快感を覚える。

 狂わされた常識の中で、響は犬のように歩き始めた。

 

 

 

 誰もいない公園は、風の流れる音だけが木霊している。

 まるで時が止まったかのような空間で、響は散歩を満喫していた。

 

 手足を一歩動かす度に、突き刺さった尻尾が左右に揺れる。

 犬が喜びを示すように動くたび、響の顔は快楽に染まっていく。

 

「ん、んぅ、あぁ……!」

 

 甘い声を漏らしながら、響はゆっくりと進んでいく。

 初めは抑えていた声も快楽が増大するごとに大きくなり、今ではもはや公園に響くほどの大きさになっていた。

 

 舌を出し、涎と愛液を地面に垂らしながら四つん這いで歩く少女。

 そんなものを、もし誰かが目撃でもしたら。

 

「あぁ……あ……?」

 

 コツ、コツ、コツと、靴音が夜闇に鳴った。

 それは響の足音ではない。

 今の響は、靴どころかなにも身に着けてなどいないのだから。

 

 靴音は、響の前から聞こえてくる。

 闇夜の奥から、その靴音は一歩ごとに大きく鳴っている。

 

 誰かが近づいてくる。

 そう認識したとたん、響の膣が一層強く締まった。

 擬音で表現するなら、キュン、とでも言おうか。

 より強くバイブを咥え、響の感覚は鋭敏になる。

 

「は、あはぁ……」

 

 ハァハァと息を荒げ、響は足を止めて靴音の正体が明かされるのを待っていた。

 一定のペースで繰り返された靴音は、突如止まる。

 

「───!」

 

 響と同じように深夜の散歩を楽しんでいた一人の青年が、響を視界に捉えたのだ。

 青年は突如目の前に現れた全裸の少女に驚愕の視線を向ける。

 しかし、その扇情的な光景から青年は目を離せない。

 

 大きな乳房が、重力に引っ張られ小刻みに揺れている。

 四つん這いになったことで後ろに突き出された尻が、正面からでもその形が鮮明に伝わるほどに強調されている。

 秘部からは動物の尻尾であるかのようにバイブが垂れ下がり、響の姿が人からかけ離れた者だと主張していた。

 

「あ、はぁっ……」

 

 決して小さくはない戸惑いや困惑を塗り潰すほどに、その姿は性的だった。

 発情期の動物のように涎を垂れ流す響に、青年の性欲が駆り立てられる。

 

「ハッ、ハッ……」

 

 息を荒げる響に、青年はゆっくりと近づいた。

 四つん這いの響を見下ろし、青年は響へと手を伸ばす。

 

「───あァッ!」

 

 背後から尻を揉みしだかれ、響は大きな嬌声を上げる。

 極度の興奮で感度の上がった尻肉は、性器に直接触れたような衝撃を響に与えていた。

 

 響の背中がビクリと跳ね上がり、両足が小刻みに震えだす。

 崩れ落ちそうになる体を必死に支え、響は他者から与えられる快楽に身を任せている。

 

「───おお゛っ!」

 

 青年が響の秘部に刺さったバイブを引き抜くと、それだけで響は絶頂した。

 せき止めていた栓を抜きとられたことで、響の秘部から大量の愛液が溢れ出る。

 

 代わりに添えられた肉棒の感触に、響はより一層呼吸を荒げる。

 餌のおねだりをするようにゆらゆらと尻を揺らす姿は、傍目からは惨めにしか見えない。

 

「あ、あぁッ、アァ……!」

 

 洪水のように濡れた秘部は、肉棒を抵抗なく受け入れる。

 四つん這いで背後から犯され、響の喉は動物のような喘ぎ声だけを奏でていた。

 

「おっ、おぉ、ギィ、おゥ……!」

 

 一突きごとに、響は鳴き声を漏らす。

 荒々しい青年のピストンは響の膣を容赦なく蹂躙し、痛みを伴う快楽を十二分に提供していた。

 

「──い、グゥッ!」

 

 一層強く響の体が跳ね上がる。

 青年と響が、同時に絶頂を迎えたのだ。

 

 愛液に混じって白濁液が地面に滴り落ちる。

 しかし青年は息を荒げながらも、己の肉棒を抜き取ろうとはしない。

 

 ドロドロに蕩けるような感覚が青年の肉棒を包み込み、あっという間に勃起する。

 一度の射精程度では逃がさないと、響の膣が肉棒を離さなかった。

 

「い、いま、び、敏感だから……い、グゥ……!」

 

 表情を醜く歪め、響は沸き上がる快楽に身を任せる。

 強く突かれると、その場にとどまることが出来ずに響の体が一歩一歩前へと進む。

 それを追いかけるように青年はより強く響の膣を肉棒で叩く。

 

 ポタポタと垂れる愛液がマーキングのように地面へと残っていく。

 性器で繋がりあったまま、二人は散歩を再開した。

 

 

 

「あ、ヘェ、あぅぅ……」

 

 公園を一周するころには、響はもはや口を閉じることもできなくなっていた。

 尻を突き出した格好で地面にひれ伏し、ビクビクと痙攣を繰り返している。

 

 青年はすでに帰宅し、この場には再び響一人が残されていた。

 秘部からは大量の精液が今にも零れ落ちそうになっており、注がれた精の量がたったの数回ではきかないことを示している。

 

 麻薬を服用したかのような幸福感に包まれ、響は唾液と涙と愛液を垂れ流す。

 正気を取り戻し帰宅したのは、それから十数分が経過してからだった。



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小日向未来の身体検査

 なにかがおかしい。

 小日向未来は、そんな疑いを漠然と抱いていた。

 

 装者の経験を持ちながら、今は協力者として一歩引いた立場にいる彼女。

 特殊な立ち位置にいる未来は、他の装者に比べ改変の影響が軽微だったのだ。

 

 だが、世界を巻き込む改変からは逃れられない。

 疑問に思いつつも、結局はその思考を打ち切り学校へと向かっていく。

 

 

 

 私立リディアン音楽院は女子校だ。

 男性は一部の教師や講師以外は特別な事情がなければ立ち入ることがない。

 

 だが、今日は多くの見知らぬ男が校内へと入っていく。

 毎年恒例の身体検査だ。

 

 一般的な学校で行われるものに比べ、その規模は非常に大きなものだ。

 この検査はシンフォギア装者の適正検査を兼ねていた。

 見たこともない機材や多くの人材が、次々と校舎内へと移動していく。

 

 未来はそんな様子を眺め、そういえば去年よりも男性の比率が多いなぁと思考する。

 そして時計に目をやり、慌てて教室へと向かっていった。

 

 

 

 検査の時間になり、小日向未来は備え付けの籠に衣服を脱ぎ棄てる。

 ピッチリと肌に張り付くスポーツブラとスパッツだけを身に着け、扉を開けた。

 

 クラスの生徒と入れ替わりで中に入ると、そこには数名の男性がいた。

 手元の書類に記された未来の名前を呼び、未来はそれに短く返事する。

 

 指示された通りに検査器具に近づき、身長と体重を測る。

 数字が読み上げられ、次の器具へ。

 一般的な検査の光景だ、なにも疑問に思うことなどない。

 

 だというのに、未来の脳内はモヤがかかったような状態だった。

 なにかがおかしいのに、その原因が分からない。

 

 軽く視線を動かしてみても、おかしい部分など見当たらない。

 検査器具、生徒別に検査結果が記された書類、未来の下着姿に勃起した男性たち。

 

 なにもおかしくはない。

 改めてそう納得し、未来は次の検査室へと歩き出す。

 

 

 

 扉を開け、未来は室内に入る。

 先程と同じような部屋には、同様にいくつかの検査器具と医師が待機していた。

 

 指示に従い、未来は着ていた下着を脱ぎ捨てる。

 男たちの前で躊躇いなく裸体を晒す未来に、医師たちはニヤニヤと笑っていた。

 

「っ……」

 

 血液検査はいつまでも慣れない。

 未来はつい、採血の瞬間に声を漏らしてしまう。

 医師の笑みに、注射が苦手な子供にでも見られたのかと未来は顔を赤くした。

 

 採血を終え、次の検査は視触診だ。

 椅子に座り医師と向かい合い、軽く質問に答えていく。

 

「んっ……」

 

 医師の手が、未来の乳房へと触れる。

 小さな膨らみが、医師の手に合わせて柔らかく形を変えた。

 

 快楽を感じている自分に恥ずかしくなり、未来の顔が薄く紅潮する。

 真面目に診察をしている医師に申し訳ないと、未来はできるだけ声を出さないように堪えていた。

 

「っ、ん、うぅ……!」

 

 乳首を摘ままれ、未来の体がビクンと震えた。

 その反応に医師はニヤリと笑うと、両胸の乳首を執拗に刺激し始める。

 

「あっ、あぅ、ひぅ……!」

 

 漏れ出る声は甘い喘ぎ声に染まっていく。

 医療行為に興奮してしまう自分は恥ずかしいというズレた羞恥心によって興奮は一層強くなり、未来の股が濡れ始める。

 

 触診が終わった頃には未来の全身は熱く火照り、息をぜいぜいと荒げていた。

 そして休む暇もなく次の検査として、医師は紙コップを未来へと手渡した。

 

「──はい、体液の採取ですね……?」

 

 医師の指示に従い、未来は己の秘部に紙コップを添える。

 そしてそのまま、秘部を刺激し自慰を開始した。

 

 すでに濡れだしていた秘部からは愛液が溢れ出す。

 添えたコップに愛液が注がれ、少しづつコップを満たしていく。

 

「うぅ、んっ、んん、っあ……」

 

 人前で、それも男性の前で自慰を行うことに羞恥を感じる未来。

 だが真面目な検査だというのに恥ずかしがってはいられないと、未来は顔を赤く染めながらも激しく己を慰めていった。

 

「ん、あぁ、い、いぃ、ぐぅ……!」

 

 声と比例して水音が大きくなり、ぐちょぐちょといやらしい音が室内に響きだす。

 溢れる愛液の量は次第に多くなり、未来の指の動きも激しさを増していく。

 

「いッ、ッ――!」

 

 そして未来は絶頂を迎えた。

 ビクビクと体は痙攣し、壊れた蛇口のように股からは愛液が溢れ出ている。

 震える手で規定量が溜まった紙コップを医師に渡し、未来は次の検査を受けにいく。

 

 

 

「――ん、うぅ……」

 

 膣内に挿入されたガラス管の冷たい感触に、未来は思わず呻き声を漏らす。

 自慰の影響で火照った体を冷やすように、ガラス管が飲み込まれていく。

 

 透明なガラス越しに、膣内の様子が露わになった。

 普段は晒す機会など皆無の部分を、医師は薄い笑みを浮かべながら観察する。

 

 診察の妨げにならないようにと、未来は己の秘部を突き出すように見せつけている。

 流石に恥ずかしいのか、顔だけを真横に向け、視線を外していた。

 

 奥にまで達したガラス管の目盛りを医師が読み上げる。

 抜き取られたガラス管には愛液が糸を引いており、未来の興奮が未だ収まっていないことを如実に伝えている。

 

「ん、ぐぅッ……!」

 

 医師は軽くガラス管に付着した愛液を拭き取ると、今度は未来の尻穴に差し込んだ。

 肛門に異物が挿入される感覚に、未来の喉が短く震える。

 

 愛液という潤滑油が無いために、ガラス管は肉を押し広げるように差し込まれていく。

 慌てて口元を手で押さえる未来だが、僅かに声が抑えきれずに漏れ出ていた。

 

「ん、んぅ、っぁ、ぁ、ぁぁ……」

 

 息を荒げ、体を痙攣させて未来は必死に耐える。

 

 医師は未来の尻肉を両手で鷲掴みにし、ガラス越しに尻穴をじっくりと見つめていた。

 時折ガラス管を動かし丹念に内部を観察する。

 ガラス管が内部で動くたびに未来の体が微細に跳ね、甘い声が漏れ出ていた。

 

 医師が満足するまで検査は続き、十数分後にようやく終わるころには未来は立ち上がれないほどに憔悴していた。

 

 

 

 全ての検査を終え、未来は軽く一礼をして部屋を後にする。

 赤みがかった顔を隠すように小走りで廊下を進み、手早く制服を身に纏う。

 

 目に見えた異常がないという診察結果に安堵し、彼女は再び日常に戻るのだった。



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立花響の救助活動

 シンフォギア装者の任務はノイズの討伐だけに留まらない。

 ノイズの出現により出た被害者の救助や災害の防止も、装者の重要な役目である。

 

 この日の立花響は、出現したノイズの討伐を他の装者に任せていた。

 響の任務は、火災の発生した建物に取り残された住民の救助。

 常人を遥かに超えた力を振るい、炎の中を突き進んでいる。

 

「最後の要救助者、発見しました!」

 

 炎に囲まれ身動きができずに震えていた一人の少年を抱き寄せ、響は大地を全力で踏みしめる。

 全力の震脚にコンクリートの床は容易く崩れ、炎の壁から抜け出る出口を作り出した。

 

 強く、しかし優しく少年を抱きしめて、響は一直線に落ちていく。

 小学校に入学したばかりの少年はとても小柄で、響の体でも全身を包み込めるほどに小さい。

 着地の衝撃を最大限殺し、煙の少ない安全なエリアへと退避することに成功した。

 

「――はい、了解です」

 

 無線連絡に返事をし、そのまま待機。

 しばらくすれば救助部隊が適切な装備を持って救助に来てくれる。

 

 響は炎を突き進めるが、少年は熱波だけで命を落としてしまうだろう。

 これは適材適所。響の役目は安全な場所まで避難させることだ。

 

 少しでも恐怖を抑えてあげようと、響は少年を胸に抱いたまま近くの壁へと腰を下ろす。

 すぐに両親にも会えるからと、優しい言葉を投げかけて微笑んだ。

 

「――ん?」

 

 ずっと黙っている少年に、響は首を傾げた。

 恐怖で震えているのかとも思ったが、どうやら様子がおかしい。

 顔を赤くして俯く姿は、どちらかと言えば恥ずかしがっているような。

 

「……あっ」

 

 そして、響は察した。

 

 装者の姿は、直球に言って性的なのだ。

 ぴっちりとしたインナーは、体のラインがはっきりと見える。

 胸や尻の形がくっきりと強調された姿は、年頃の少年には目に毒だった。

 

 おまけに今は改変の影響もある。

 改変前に比べ、装者のギアもより扇情的な恰好に変わっているのだ。

 

 無骨なパーツは軒並み消失。

 ただでさえ少なかった布地はさらにその面積を縮小している。

 

 今の響の恰好は、極短チューブトップに極小スパッツとでも例えるべきだろうか。

 大きな拳の武装こそ残っているものの、肝心の胴体は下着姿も同然だ。

 

 いや、肌に張り付いた布は下手な下着よりも性的だろう。

 動くたびに揺れる胸と尻の形が、傍目からはっきりと伝わってしまっているのだから。

 

 隠れているのは秘部と胸の部分だけ。

 胸の部分は上乳が四割程度露出しており、肌色の膨らみが大きく解き放たれている。

 指でも引っ掛けて下側に引っ張れば、桃色の乳首が容易く開放されるだろう。

 

 スパッツも極端に布面積が小さい。

 太股は当然、尻の割れ目すら一部が隠しきれてはいなかった。

 

 そしてそのどちらも隙間なく肌に張り付いている。

 乳首の突起や秘部の筋がくっきりと浮かび上がり、それは全裸よりも情欲を煽る服装だ。

 

 性の知識を殆ど持たない子供でも、本能が反応する。

 人生初の性的興奮に、少年は戸惑いと羞恥を感じていた。

 

「ほー。へぇ、ふぅん……」

 

 しかし、そんな少年の姿を響はニヤニヤと笑顔を浮かべて見つめている。

 己の痴態に興奮する少年。

 自分が興奮していることを素直に認識できない若さは、聖遺物の影響を植え付けられた響には我慢の効かないものだった。

 

「えいっ」

 

 正面から、響は少年を抱きしめる。

 少年の顔面を己の胸に密着させ、後頭部を両手でしっかりと固定した。

 

 少年は慌てて抵抗するも、がっちりと固定された頭部は微塵も動かない。

 踠くたびに、柔らかな乳房に飲み込まれていくだけだ。

 

「大丈夫、これは……そう、リラクゼーション!」

 

 これは必要な措置なのだと、誰に向けたものでもない言い訳を響は口にする。

 左手で少年の後頭部を抑えたまま、空いた右手を下へと伸ばす。

 

「お、固くなってる……!」

 

 響は右手を少年のズボンの中へと潜り込ませ、肉棒を探り当てる。

 小さいながらも固く勃起したそれを、響は優しく撫でた。

 

 少年のズボンを下ろし、露わになった肉棒を響は己の股へと密着させた。

 割れ目が見えるほどに肌へと張り付いたスパッツ越しに、二人の性器が擦り合わされる。

 

「んっ……」

 

 沸き上がる快楽に戸惑う少年とは違い、響への刺激は微弱なものだ。

 だが、無垢な少年を相手にしているという状況が響に嬌声を上げさせた。

 

 自然と、少年の腰が前後に動く。

 ぎこちない動きだが、だからこその初々しさに響の我慢は限界を超えた。

 

「ほら、入れていいよ……」

 

 響は己の股を指で押し開く。

 切れ目が入れられていたスパッツは、秘部だけを露出するように穴が開いた。

 

「んぅっ……!」

 

 少年を導くように腰を動かし、響の秘部は肉棒を受け入れる。

 入れた瞬間に声こそ上げたものの、太さも長さも響を満足させるものではなかった。

 

 つまりは余裕があるということ。

 獣のように腰を動かす少年で、響は遊んでいた。

 

 空いた少年の両手で胸を揉ませ、舌で舐めさせる。

 赤子のように胸を貪る少年の姿は、響の顔に悪戯めいた笑みを浮かべさせる。

 

「赤ちゃんみたいだね、流石に母乳は出ないけど……好きに使っていいからねー」

 

 少年の頭を優しく撫で、響はそう呟いた。

 気恥ずかしさを覚えた少年だが、目の前の快楽には逆らえない。

 目の前の女体を貪り、少年は快楽へと溺れていった。

 

「んッ!」

 

 そして、少年は人生初の射精を体験した。

 一滴残らず響の中へと精が放たれ、全てが膣内へ飲み込まれる。

 

「気持ち良かった? なら……」

 

 放心の真っ只中にいた少年の肉棒を、響は舌で刺激する。

 皮の中に残った精液を残さず舐め取ると、ゴクリと音を立てて飲み干した。

 

「ん、ご馳走さま!」

 

 ぼんやりとした意識の中、少年の脳にその言葉だけが反響した。

 

 

 

 その後、救助は無事終了した。

 関係者へは秘匿対象であるシンフォギア装者たちの情報を外部へと漏らさないよう、いくつかの警告や誓約書などの手続きが行われる。

 

 少年も両親と共に書類にサインを行った。

 子供相手には詳細は伝わらないだろうと、今日起きたことは内緒にするようにとだけ、優しい口調で大人たちが説明する。

 

 少年はぼんやりとそれに頷くだけだ。

 幸い、よく意味が分かっていないのだろうと大人たちは認識した。

 

 少年の頭の中には、一人の少女が強く焼き付いている。

 誰も知らない所で大人となった少年は、先程の行為を思い出し一人股間を固くしていた。



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マリアの握手会

 マリア・カデンツァヴナ・イヴのソロライブはいつも以上の大盛況だった。

 大型ドームを埋め尽くす観客が歓声を上げ、彼女の歌声に酔いしれる。

 演目が全て終わってもその歓声は鳴り止まず、ドームを揺らしていた。

 

 今日はライブだけではない。

 珍しく、ライブ後にマリアの握手会が行われるのだ。

 

 ライブのチケットを入場券代わりに、観客たちが長蛇の列を形成する。

 マリアはその一人一人に笑顔で応対し、応援の声にお礼の言葉を返していた。

 

「あら、ありがとう……どう、似合うかしら?」

 

 客の一人が差し出したプレゼントを、マリアは受け取った。

 ピンク色のヘアアクセサリーをその場で付けると、マリアは送り主へと微笑む。

 涙を流しかねない勢いで、そのファンは感動していた。

 

 一種のファンサービスだが、マリアはその手の趣向を怠らない。

 演技ではなく実際に喜んでいるのだから、その効果も一層高まるというものだ。

 

 人気アーティストであるマリアへのプレゼントは決して少なくない。

 飲食物などは流石に断るが、アクセサリー程度ならスタッフも黙認していた。

 その一つ一つにマリアは礼を言い、相手の目の前で身に着けて見せる。

 

 丁寧な対応にファンは皆、歓喜に打ち震える。

 人気の秘訣を見せつけながら、イベントは滞りなく進んでいった。

 

 

 

 プレゼントの内容は非常に多彩だった。

 多くは小物系のアクセサリーだが、中には例外もある。

 

「これは……」

 

 マリアが手に取ったのは、小型のピンクローター。

 アダルトグッズを手渡されたマリアだが、彼女は動じる様子もない。

 当然のように己の秘部へと挿入し、スイッチを入れた。

 

「んっ、んぅ……!」

 

 喘ぎ声を漏らしながらも、握手会は続行される。

 ファンもスタッフも、マリア自身も疑問を抱くことはない。

 

 

 

 その後もなんの問題もなく、握手会は続いた。

 時折渡されるアダルトグッズを身に着け、マリアはファンとの交流を繰り返す。

 

 淫猥な姿に変貌していくマリアの様子に、ファンたちは股間を膨らませて顔を赤くした。

 しかしあくまでも接触はお互いの手だけ。

 マリアの姿以外は通常の交流という、奇妙な空間が形成されている。

 

「あ、ありがと……うぅ……!」

 

 足を震えさせ、マリアはファンに声をかけ続ける。

 時折体を震わせ、沸き上がる絶頂の波に必死に抵抗していた。

 

 今のマリアには、ライブ中の美しい面影は微塵も残っていない。

 膣は四つのローターを飲み込んでおり、太股に止められたスイッチに繋がれたコードは愛液で妖しく濡れている。

 尻穴からはみ出たアナルビーズが尻尾のように揺れ、定期的に太股を叩いている。

 

「い、いぐぅ……イッちゃうぅ……!」

 

 両胸に、新たな性具が付けられる。

 微弱な電気が乳首を刺激し、マリアの喉から泣き言が情けなく漏れた。

 

 プロ根性だけで耐えきれる限界をついに超えたのだ。

 舌を出し涎を垂れ流す姿は、歌姫とは思えない無様なものだった。

 

「あ、あぁ、イッ――!」

 

 そして、ついにマリアは絶頂を迎える。

 ファンと手を繋いだ状態で海老のように全身をのけ反らせ、白目を剥いた。

 

 そして握手会は交流会へと変化する。

 誰が口にするでもなく、その変化は自然なものだった。

 

 

 

 マリアを中心に、列を形成していたファンたちが円形に集まりだす。

 股を突き出しM字に膝を開いたマリアの姿に、男たちは息を荒げていた。

 

「んっ、んん、んぁあ……!」

 

 ローターで膣と乳首を刺激し、右手で尻穴に刺さったビーズを出し入れするマリア。

 ファンの目の前で自慰を行い、すでに三度の絶頂を味わっていた。

 

 大きく膨らんだ乳房や尻肉が揺れる。

 汗や愛液、涎が周囲に飛沫となって飛び散っていく。

 

 そんな姿に、ファンが我慢できるはずもない。

 猿のように自慰を開始し、己の精を目の前の歌姫へと解き放つ。

 白濁液に汚されながら、マリアはより興奮を高めていた。

 

「熱い……あ、あぁ……!」

 

 水音は大きくなり続け、汗や精液と混じり合った愛液は淫靡な香りを充満させる。

 一度射精したはずの肉棒は何度も固さを取り戻し、新たな精子が生み出される。

 

 ライブ衣装がドロリと真っ白に染まる。

 袖や裾から落ちる白濁液を、マリアは指で掬いとり舌へと運ぶ。

 

 見せつけるように舌を突き出して舐めとる仕草に、ファンの興奮は最高潮に高まった。

 

 

 

 日が落ちる頃になって、ようやくイベントは終わりを告げる。

 ファンたちは満足気な顔で帰路につき、SNSで今日の様子を発信していた。

 

 あくまでもライブと握手会という認識でマリアの人気はさらに高まる。

 たとえ歌姫が白濁液に包まれて陶酔した表情のまま、会場で気を失っていたとしても。



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月読調の服装検査

 私立リディアン音学院は、極めて特殊な事情の絡んだ学校である。

 だが、表向きは一般的な私立の音楽校だ。

 

 音楽を中心とはしているが通常の授業も行う。

 学園祭や体育祭などのイベント行事もあるし、夏場はプールで水泳の授業が実施されたりもする。

 

 だから、月読調は校門前の光景にもさして疑問を抱かなかった。

 抜き打ちの服装検査など、私立の学校では珍しくもない。

 

 いくつか形成されていた生徒たちの列に並び、順番を待つ。

 小中高の一貫校だけあって生徒数は膨大だが、学校側も多くの人員を配置している。

 スムーズに列は進み、調の順番がやってきた。

 

 指示されたように鞄を渡し、中身を確認される。

 当然、規則違反になるような物は入っていない。

 

 服装も無論普通であり、行うのはあくまでも形式的な検査だけだ。

 調は目の前の男の指示に従い、直立する。

 

 だが、改変された常識によって調の制服は盛大に改造されていた。

 

 上下ともに異常なまでに薄く短くなった制服は、劣情を煽る目的以外の用途を果たしていない。

 ヘソや太股は丸見えで、布地の部分も極端に薄いせいで肌が薄く透けて見えている。

 

 男の視界には、汗で張り付いた制服越しに調の下着がしっかりと映っていた。

 しかし改変された世界では制服に問題なしと判断される。

 少し風が吹いただけで下着が丸見えになるようなスカートも、長さに問題なしと宣言された。

 

「え、下着もですか……?」

 

 一瞬戸惑ったものの、調は指示に従いスカートを両手で捲り上げる。

 十数センチしか長さがないため、捲るというよりは摘まみ上げるといった感じだろうか。

 

 白色の、レースが施されたショーツが露になる。

 校門前で下着を露出しているせいで、通行人たちの視界を一点に集めていた。

 

 学校に通いだしたばかりの調は、テレビドラマと現実はやはり違いもあるのだなと場違いな感想を内心で抱いていた。

 

「あ、んっ……」

 

 男は検査の名目で、調の尻を揉みしだく。

 小柄で膨らみに乏しいとはいえ、柔らかい尻肉は男の手によってその形を変えていた。

 

 甘い嬌声が、調の喉から溢れ出る。

 調は姿勢を崩さないように、ただスカートを持ち上げたままで耐えていた。

 

 数分間長々とその姿勢を強制され、問題なしの言葉でようやくスカートを元に戻す。

 そして当然のように、調は同じ流れでブラウスを捲り上げる。

 

 今度はブラジャーが露出された。

 ショーツと合わせるような、フリル付きの白いものだ。

 

 通行人たちが足を止め、その光景に釘付けになっている。

 一部の男に至ってはズボン越しでも膨らみが見て取れる始末だ。

 

「あっ、んぅ……!」

 

 そして男はブラの中に己の手を入れ、調の両胸を刺激する。

 固くなった乳首を摘まみ引っ張られ、漏れ出る声はより淫靡になっていく。

 

 両足がガクガクと震えだし、立っているのも辛いとその表情が訴えている。

 しかし検査中、調は必死に堪えるだけだ。

 

 執拗な愛撫に股が濡れ、流れ落ちる愛液が太股をいやらしく光らせる。

 濡れ切った下着はもはや下着としての役割を果たせてはいなかった。

 

「い、ぐ、うぅ……ッ!」

 

 ついに耐え切れず、調は絶頂に達した。

 大きく体が跳ね、力の抜けた体が膝をつく。

 

 足元には水溜まりができており、膝をついた瞬間に大きな水音が上がった。

 調の意識は朦朧となり、その場に倒れてしまう。

 

 制服は乱れ切って、下着が丸出しになっている。

 股はぐしょぐしょに濡れ、紅潮した頬は男の本能をどうしようもなく刺激した。

 

 気が付けば、調の周囲には男たちの人だかりができている。

 皆が己の肉棒を調に向け、手淫を行っていた。

 

 誰も調には触れてはいないが、そこにいるだけで今の調は性を刺激している。

 意識を失った調に、大量の精が放たれていた。 

 

 

 

 目を覚ました調は、慌てて時間を確認する。

 数分しか経過していないことを認識し、ほっと息を吐いた。

 

「ん、汚れてる……?」

 

 調の体は、全身が白く汚されていた。

 盛大な臭気は息が詰まるほどだ。

 

「ん、れろ、ジュル……」

 

 零したクリームを舐め取るように、調は制服に付着した精液を舐め取っていく。

 全身を舐め、吸い、己の体内に収めていった。

 

「──けぷっ」

 

 口元を抑え、小さくゲップを鳴らす。

 はしたないと顔を赤くして、調は立ち上がった。

 

 服装も持ち物も問題なし。

 調は制服の乱れを直すと、校舎へと小走りで向かう。

 なにも変なことなどしていないのに、どうしてか調の鼓動は高まり呼吸は乱れていた。



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切歌と調のお医者さんごっこ

 シンフォギア装者の肉体は、定期的なメディカルチェックが行われている。

 超常の力を身に宿す以上、どんな異常が突然現れるかも分からないからだ。

 

 暁切歌と月読調は、いつものように検査室へと足を運ぶ。

 だが、今日はいつもと違う。

 医療スタッフが不在だったのだ。

 

 偶然スタッフの休憩時間だったのだろうか。

 誰もいない部屋を、二人は落ち着かない様子で見回していた。

 

「おぉ、これは……?!」

「どうしたの、切ちゃん。これって……ナース服?」

 

 そこで、切歌は二着のナース服を発見した。

 スタッフの物にしてはサイズが小さく、丁度二人の背格好に合っていた。

 

 元より年相応に好奇心旺盛な二人。

 非日常の衣装に心奪われ、袖を通すことに躊躇いはなかった。

 

「おぉ、とっても似合ってるですよ、調!」

「ありがとう、切ちゃんも可愛いよ」

 

 お互いに着替え、可愛らしい姿を褒め合う二人。

 同型の量産品ではないのか、二人のナース服は色が異なっている。

 

 切歌が着ているのは白色で、調が着ているのは薄いピンク色。

 一般的なものより丈が短く、二人の太股が大胆に露出されていた。

 

 しばらくはしゃいでいた二人だが、ふと切歌が疑問を抱く。

 

「二人ともナースになっちゃったら、診察相手がいないデスね」

「このままじゃ、ナースの仕事が果たせない」

 

 これは困ったと、二人が悩んでいると。

 偶然体調不良を訴える職員が扉を開けて室内へと入ってきた。

 

「なんとッ、患者、発見デース!」

「ナイスタイミング」

 

 犠牲者……もとい、職員は疑問を抱く暇もなく二人に制圧される。

 タイミング悪くやってきただけの職員は、二人のごっこ遊びに強制参加となったのだった。

 

 

 

「ところで、診察って何をするデスか?」

「普通なら、体温測ったり……着替えさせたり?」

 

 診察台に拘束された職員は、二人にされるがままだ。

 猿ぐつわで口を塞がれ、聴診器をペタペタと肌に張り付けられている。

 その光景は診察というより、等身大の人形遊びのようだった。

 

「体温……体温計は見当たらないデスね」

「じゃあ、これで」

 

 そう言うと調は右手を職員の額に当てて、体温を測る。

 身を乗り出す形になったせいで、職員と調の顔が一気に近づいた。

 

 子供とはいえ可愛らしい女の子に急接近され、職員の顔が赤くなる。

 それを発熱と勘違いしたのか、調はやや焦ったように機材を漁った。

 

「少し熱があるみたい」

「おお……手術デスか、投薬デスか……?」

 

 洒落にならない単語が聞こえ、慌てて職員は脱出を試みた。

 しかし厳重な拘束は微動だにせず、抵抗は不可能だ。

 

「……ん?」

 

 そこで、切歌は異常に気付く。

 職員も男だ。美少女二人に密着されれば、興奮もする。

 

 それに、丈の短いナース服からは時折彼女たちの下着が見えてしまっている。

 身を乗り出した切歌と密着すれば、乳房の柔らかな感触が肌に伝わっていた。

 

 結論として、職員の下半身は服の上からでも気づくほどに膨張していたのだ。

 切歌はそれに気づくと、躊躇いなく職員のズボンを脱がせにかかる。

 

 無論、抵抗は無意味だった。

 勢い余って下着まで剥がれ、そそり立った肉棒が外部に露出される。

 

「おぉ……」

 

 息を呑む切歌の声。

 いつの間にか調の視線も同じく肉棒へと注がれている。

 

「これは」

「治療、デスね」

 

 同時に二人が頷き、二本の手が肉棒へと延びる。

 治療行為と認識した手淫は、年に似合わないほど手慣れたものだった。

 

 切歌の右手が、肉棒を上下に扱く。

 親指で裏筋をなぞるように刺激される度に、肉棒はビクビクと脈打っている。

 

 調は棒ではなく、玉を刺激する。

 小さな手のひらで、優しく揉み解すように刺激を与え続けている。

 

 職員の視界では、己の肉棒と二人の顔を見上げるような格好だった。

 笑顔で手淫を行う二人の姿は、性的興奮を一層掻き立てる。

 

「──んッ!」

「──わッ!」

 

 我慢などできるはずもなかった。

 勢いよく噴き出た白濁液は二人の顔目掛けて飛んでいく。

 頬や目元を汚された二人は、しかし笑顔を崩さなかった。

 

「まだまだ、固い……」

「これは強敵デス……」

 

 口端の精子を下で舐め取りながら、しかし二人は手淫の手を止めようとはしない。

 絶頂直後で敏感な肉棒を絶え間なく刺激し、二発目の発射を待ちわびている。

 

 職員は呻き声を上げることしか出来なかった。

 あっという間に二度目の射精が訪れ、二人の体を白く汚す。

 

 精巣も空になり、ようやく手淫は終わった。

 だが、二人にはどうやら火が付いてしまったようだ。

 

「ん、ちゅっ……」

「じゅ、レロ……」

 

 肉棒に口をつけ、手淫の次は口淫の始まりだ。

 舌で舐め回すような動きは直接的な刺激以上に、その光景が興奮を助長させている。

 

 徐々に固さを取り戻しだす肉棒に、もう精は残っていない。

 だというのに快楽だけが沸き上がり、三度目の射精までにそう時間はかからなかった。

 

 調と切歌の医療行為は、二人が満足するまで終わることはない。

 

 もう限界だと訴えようが、ありとあらゆる手で二人は肉棒を復活させる。

 胸や秘部を見せつけ、体に付着した精液をいやらしく舐め取り。

 とにかく視覚的な刺激を与え続け、職員の本能を沸き立たせる。

 

 二人が満足し解放された頃には、職員は立つこともできないほどに搾り取られてしまっていた。

 二桁に及ぶ搾取は気力も体力も空になるには十二分な回数だったのだ。

 

 拘束は解かれている。

 切歌も調も、もう服を着替えて去っていった。

 職員はただ一人、横になったままぼんやりと休むことしかできなかった。



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月読調のメイドギア

 装者のギアには、総数三億百六十五万五千七百二十二のロックが施されている。

 装者の心境や技量、心象変化によってロックは段階的に解除され、ギアの機能や外見に変化が生じる仕組みだ。

 

 その殆どは細部や内部武装が変化する程度だが、例外も存在する。

 膨大なフォニックゲインによって白く変化する“エクスドライブ”。

 聖遺物ダインスレイフの力を取り込んだ“イグナイト”。

 

 そして、局地的な状況に対応するための特殊ギアだ。

 砂地や水辺での戦闘に特化した水着ギア。

 寒冷地帯での戦闘に特化したサンタギア。

 

 それらは一応の説得力があるが、中には戦闘に向かないようにしか感じられないギアの形状もあるのが現状だ。

 未だ謎の多いシンフォギアシステムは、日夜その研究が進められている。

 

 月読調のメイドギアも、特殊形状ギアの一種だ。

 古式ゆかしいクラシカルなものではなく多量のフリルやリボンで彩られた服装は、どう贔屓目に見ても戦闘行為に向いているとは言い難い。

 

「――Various shul shagana tron」

 

 故にこうして、定期的にギアを展開しての調査が行われているのだが。

 心象由来の変化形態であるがゆえに、その細部は毎回変化している。

 綿密なデータが取れず、調査は難航していた。

 

 給仕や掃除を手早く行えるという共通の特徴はある。

 だがそれは月読調が元々得意としていたことだ。

 仮にギアの性能だとしても、それをどうノイズとの戦いに生かせというのだろうか。

 

 更に今は改変の影響もある。

 可愛らしいメイドの衣装も、性的に変化が発生していた。

 

 ただでさえ短いミニスカートの丈は半分以下に。

 太股が丸出しになり、ただ立っているだけで尻の一部までが露出されている。

 

 腹部の布地は消失し、数本の紐が上下の衣装を繋いでいた。

 当然腰は丸出しになっている。

 

 肩と胸元の布も消失。

 胸部以外はほとんど隠れていないといってもいいほどに、露出が増えている。

 

 

 

 シミュレーターを使用したノイズとの戦闘実験。

 検査機器を通したギアのスキャン。

 

 いずれも成果と呼べるようなものは現れず、ため息のような呼吸音がどこからか漏れた。

 物は試しにと家事等の実験を行ってはいるが、研究者の視線には完全にやる気が欠けている。

 

 ご主人様役の職員に、調はメイドとして様々な奉公を実施する。

 食事を作り、身の回りの世話を行い、その結果がモニターに反映されていく。

 

 完成した食事を、調は“ご主人様”に食べさせる。

 一口サイズに小さく切り分けた料理を相手の口元に運び、甲斐甲斐しく世話をする。

 

「ん、ぐ」

 

 半分ほど食事を終えると、調はその食事を己の口へと運んだ。

 そしてそのままお互いの唇を重ね合わせる。

 

 口移しで食事を行っているのだ。

 一口ごとに唇を合わせ、舌を動かして相手の口元へと食事を運ぶ。

 

 お互いの舌がいやらしく絡み合い、吐息が熱を帯びていく。

 結局、食事を終えるまでに通常の三倍近い時間が経過してしまっていた。

 

 そして自然な流れで、調は職員の足元に跪いた。

 ズボンのチャックを下ろし、露出された肉棒に手を添える。

 

「んっ……」

 

 左右に縛った髪を右手で掻き上げ、左手で肉棒を支える。

 調の唇が、眼前の肉棒を優しく咥えた。

 

 小さな口いっぱいに肉棒を頬張り、舌を動かし肉棒を舐め回す。

 空いた手で玉を揉み解し、メイドとして“奉仕”を行っている。

 

「──ッ」

 

 奉仕によって職員が精を放つのに、そう時間はかからなかった。

 調は喉奥に注がれた精液を口内に押しとどめ、零れた精液を両手で受け止める。

 

「ん、ぐ……ふぅ……」

 

 苦しそうに精液を飲み干すと、両手で受け止めた白濁液を続けて口元へ持っていく。

 一滴も零さずその全てを飲み干した調は、手に付着した精液も舌先で舐め取った。

 

「れ、ろぉ……」

 

 次は掃除だ。

 肉棒にこびりついた精液を、調は舌で舐め取っていく。

 丹念に汚れを取り、調自身の涎以外を全て取り除くと満足気に笑みを浮かべた。

 

「え――キャッ!」

 

 だが、興奮の収まらない職員は調をその場で押し倒す。

 両腕を抑え込まれた状態で地面に倒され、調は小さく悲鳴を上げる。

 

 戦闘能力が低いとはいえ、今の調はギアを纏った状態だ。

 抵抗しようと思えば余裕で振りほどけるはずなのだが、メイドとなった調にその選択肢を選ぶという発想は生まれない。

 

 調は顔を赤らめ、ただされるがままの状態になっていた。

 その視線は、掃除によって再び固さを取り戻した肉棒へと注がれている。

 

「──ん、あァッ!」

 

 下着を着用していない調の股は、肉棒をすんなりと受け入れた。

 息を荒げながら荒々しく肉棒を突き入れられ、調の喉が嬌声を上げる。

 

「ひ、いぃッ、ん、ぁぁ……!」

 

 調の声が情欲を煽り、挿入はより激しさを増していく。

 突き入れられる肉棒に、調の股は洪水のように愛液を垂れ流していた。

 

「──ッ!」

 

 両者の体が大きく跳ね、同時に絶頂を迎える。

 ドクドクと精液が膣へと注がれ、調の体が小刻みに痙攣を開始した。

 

 肉棒が抜き取られ、入りきらない精液が調の股からドロリと溢れ出す。

 意識もぼやけ、虚ろな瞳で痙攣する調の姿は、奇妙な犯罪の匂いと背徳感に満ちている。

 

 その様は、たとえ小児性愛者でなくとも性欲を掻き立てる。

 職員は己の任務も忘れ、足腰が立たなくなるまで調の体を貪った。

 



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マリアと翼のグラビア撮影

 マリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼は、薄暗い空間で無数のカメラに囲まれている。

 月末の合同ライブを盛り上げるためのグラビア撮影。

 そのために二人は今、己の体を衆目に晒していた。

 

「ほら翼、表情が硬いわよ」

「う、うむ……駄目だな、どうもこうした仕事は苦手で……」

 

 経験の差か、あるいは元々の性格故か。

 ぎこちない翼を横でマリアがフォローし、大きな問題もなく撮影は続いている。

 

 フラッシュの光に包まれながら、二人は指示に従いポーズを決める。

 そしてカメラマンがOKの指示を出すと、二人には新たな衣装が配られた。

 

「ず、ずいぶんと露出が多いな」

「水着なんてこんなものでしょう? さっさと着替えましょ」

 

 翼は顔を赤くして、マリアは自然に。

 何の遮蔽物もないカメラマンの目の前で、二人は服を着替えだす。

 それは、水着と呼ぶのが憚られる衣装だった。

 

 マリアの水着は、濃い赤色のスリングショットと呼ばれる水着だ。

 Y字の紐とでも表現すべきそれは、もはや服とは思えない。

 

 通常ならば背中に通っているはずだった一本の布すら消失している。

 その代わりに水着がずり落ちないように固定する器具として、二本のディルドが股の部分に付属していた。

 

「んっ……!」

 

 マリアはまず、二本のディルドを己の穴に挿入する。

 秘部と尻穴に深く押し込み、水着……いや、Y字の紐を固定した。

 

 そして二本に分かれた紐で乳首を隠し、首の後ろで結び留める。

 長さもギリギリなそれは、マリアの体にピッタリと張り付いていた。

 

 数センチ程度の太さしかない布地は、辛うじて乳首と性器を隠してはいる。

 だがそれ以外は丸出しだ。

 

 少し動くだけで紐はずれ、両の乳首は露出されるだろう。

 現状ですら隠しきれない乳輪が見えてしまっている。

 

 全裸より淫猥とも言えるその水着を、マリアは多少露出が多い程度にしか認識していない。

 二本のディルドに貫かれ、顔を紅潮させたまま撮影用ライトに照らされていた。

 

 そして、翼に渡された水着はそれ以上に異常だった。

 白色のマイクロビキニは、三角の極小な布地で胸と性器を隠すものだ。

 

 だというのに、翼が着用したそれは隠すべき部分に穴が開いていた。

 マリアと比較すると平坦な胸に突き出た二つの突起が、丁度丸出しになるように。

 

 下も同じく性器の部分だけが布地をくり抜かれ、丸出しの状態だ。

 結果、隠すべき部分の周囲を水着で囲むような姿になってしまっている。

 それは性器や乳首をより強調する結果となっており、翼の顔を赤く染め上げている。

 

 しかしプロとしての根性か、二人とも己の体を隠そうとはしない。

 多少恥ずかしい水着仕事程度我慢しなくてはという、認識改変の結果でもあるのだが。

 

 二人は指示に従い、様々なポーズを決める。

 カメラのシャッター音が絶え間なく鳴り続け、二人の痴態を記録に残す。

 

 マリアが前屈みになり、両の胸を寄せる。

 大きな乳房は柔らかく形を変え、男たちの劣情を煽る。

 

 逆に翼は凛と立ち、スラリとした美しい肢体を見せつける。

 だが今の姿でその格好をしても、淫靡な姿とのアンバランスさが強調されるだけだ。

 

「あっ、あぁ……」

 

 体を動かす度に、マリアの喉からは嬌声が上がる。

 水着は固定されてもディルドは動く。

 指示に従い体勢を変えるたびに、マリアの体内は二本の杭にかき回されていた。

 

「うぅ……」

 

 そして翼も、羞恥とは違う本能が反応する。

 カメラのフラッシュを浴びるたび、肉体は汗ばみその顔は赤く染まっていく。

 

 

 

 カメラマンは一度カメラを下ろし、近くのスタッフに指示を出した。

 指示を受けたスタッフは小走りで部屋の隅に向かい、小道具を手に戻る。

 

 水着グラビア撮影の小道具は、単刀直入に言えば性的な要素を多く含む。

 肌を水で濡らしたり、棒状の小物を被写体に持たせたり。

 間接的な表現でいかに性欲を表現するかという偏執的な努力の結晶とも言えるだろう。

 

 だが、常識を改変された世界では婉曲な手など使用されない。

 

 全身にローションを塗ったマリアと翼の全身は、とても艶めかしく輝いている。

 粘度の高い液体が四肢を伝う姿は、見ているだけでスタッフたちの呼吸が荒くなっていた。

 

 マリアはM字に大股を開き、両手を背中に回す。

 突き出された股間に、カメラのフォーカスは合わせられた。

 

 翼の水着には各所に避妊具の袋が挟み込まれている。

 凛と立つその姿とのギャップは非常に効果的であると、膨らんだスタッフの股間が証明している。 

 

 カメラマンは股間を固くさせながら二人を撮影し続ける。

 その撮影は、他の衣装よりも明確に長く続いていた。

 

 

 

「ふぅ。お疲れ様、翼」

「できれば、こういった仕事は次から遠慮したい所だ……」

 

 軽く汗を浮かび上がらせるマリアに対し、翼の表情には疲労の色が隠せない。

 とはいえ長時間の撮影で慣れたのか、羞恥心は随分と軽くなった様子だ。

 

 そして翼の期待とは裏腹に、今回のグラビアは大反響を呼び即日完売。

 早速次回作の会議が緊急で行われることとなるのだった。 



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立花響の水分補給

「はっ、はっ、はっ……」

 

 立花響は、休日の昼間を利用し日課のランニングを行っていた。

 もはやその速度と距離はマラソンに近いが、響の体力を考慮すれば適切ではある。

 

「ふぅッ……」

 

 数十キロもの長距離を走り、ようやく響は足を止めた。

 額の汗を拭い、深呼吸をする姿は健康的な少女そのものだ。

 

 だが、その光景はあまりにも性的に過ぎる。

 

 チューブトップとスパッツという組み合わせは、非常に露出が激しい。

 傍目から見れば下着姿で外出していると錯覚しそうになる。

 

 しかも通常より布地が薄く、サイズも小さい。

 汗によって肌に張り付き、全裸よりも性を煽っている有様だ。

 

 薄い布越しに乳首や性器の形がくっきりと浮き上がっている。

 近くを通る男は皆、目を奪われていた。

 

「んっ、んんー」

 

 そんなことは気にも留めず、響はマイペースに柔軟を行っていた。

 全身を伸ばし、両手を左右に振る。

 すると膨らんだ乳や尻が、動きに連動していやらしく揺れた。

 

「喉、渇いちゃったなぁ」

 

 響はキョロキョロと視線を回すが、周囲に自動販売機は見当たらない。

 近くの公園に足を踏み入れるも、水場には故障中の張り紙が張られていた。

 

 響は少し考えると、公衆便所へと足を運ぶ。

 当然のように男子便所の方へ入ると、そこでは一人の男が用を足した後だった。

 

「あ、よかったぁ。やっと喉が潤せるよ」

 

 入口付近で足を止めた男の前で膝立ちになってしゃがみ込み、響は男のズボンに手をかけてチャックを下ろす。

 戸惑う男を尻目に、響は露出された肉棒を大口を開けて咥え込んだ。

 

「んっ、じゅ、るぅ……!」

 

 肉棒へ一気に吸い付き、音を盛大に立てて口淫を開始する響。

 男の肉棒はあっという間に固く勃起し、数倍の太さに膨れ上がる。

 

「ッ──!」

 

 一分にも満たない時間で、男が射精する。

 溢れ出す精液を響は一滴残らず己の喉へと注いでいく。

 

「──ぷはっ」

 

 尿道に残った分も余さず吸い出し、ようやく響は肉棒から口を離す。

 用を足した直後でアンモニア臭の残った精液を、響は満面の笑みで嚥下した。

 

「ご馳走でした!」

 

 そう言って走り去ろうとする響だが、男はその手を取って引き留める。

 男の股間は先程出したばかりだというのに、固さが微塵も衰えていない。

 

 言葉もなく、響は己のスパッツを脱ぎ捨てる。

 男は響の手を取ったまま、便所の中へと戻っていった。

 

 

 

「ん、あ、あぁッ!」

 

 響と男は男子便所の個室内で性交を行いだした。

 言葉も切っ掛けもなく、まるでそれが当然であるかのように。

 

 洋式便器でM字に足を開き腰を下ろす響へと、男は腰を振り続ける。

 すでに数度の射精を行い、響の膣は男の精液で奥まで満たされていた。

 

 だが男の性欲は衰えを見せず、固く勃起した肉棒で響を貫き続けている。

 男が満足して便所を去るころには、響は快楽で目も虚ろの状態になっていた。

 

「あ、あぁ……ぁ?」

 

 視界のぼやける響の前に、今度は別の男の影が映る。

 あれだけ盛大に喘ぎ声を出していたのだ、当然の結果として、それは人を呼び寄せた。

 

 そして何事かと男が見に来れば、そこにいたのは犯されたようにしか見えない一人の女。

 通常であれば警察を呼ぶような案件である。

 

 だが響は現状を認識すると、まず最初に誘惑という手段を行使した。

 二本の指で性器を押し広げ、股を突き出して見せつける。

 

 ドロリという擬音と共に性器からは白濁液が流れ、便器の中へと落ちていく。

 男は己の性欲に支配され、獣のように響へと襲い掛かることとなった。

 

 その後も、響の元へは絶え間なく男たちがやってくる。

 用を足そうとした者。

 喘ぎ声を聞きつけた者。

 

 それら全てが響を発見し、そして響の穴へと精を注いだ。

 

 

 

「わっ、もうこんな時間……」

 

 便所から出てきた響は、夕暮れとなった空を見上げていた。

 スパッツを穿きなおしてはいるが、布越しに精液が染み出してしまっている。

 

 口の端には渇いた精液が涎のようにこびり付いている。

 多量の精液を飲み込んだ響の口は、胃の底から強烈な精液の臭いを放っていた。

 

 ポタポタと精液を零しながら、響は家へ向けて走り出す。

 汗をシャワーで流してすっきりしたいという、場違いな欲求を抱きながら。



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雪音クリスの水着ギア

「──ふぅ」

 

 雪音クリスは、近辺のノイズを掃討するとようやく一息ついた。

 自分の体をぐるりと見まわし、改めて特殊ギアの有用性を思い知る。

 

 今クリスが身に纏う水着ギアは、砂地や水辺での戦闘に特化していた。

 海に出現したノイズの対策に装着したものだが、その効果は目に見えて凄まじい。

 

 砂地で足を取られることなく、水の抵抗を完全に無効化している。

 中々の規模だったノイズたちも、クリス一人の力であっという間に全滅だ。

 

「慣れねえなぁ……」

 

 問題があるとすれば、その見た目くらいか。

 元々武骨な重火器を戦闘に使用するクリスには、遊戯用に見える水着姿で戦うということがどうにもピンとこないのだろう。

 

 うっすらと頬を赤くし、クリスは撃ち漏らしが存在しないかを確かめに砂地を走る。

 

 

 

「――げッ」

 

 ノイズは残っていなかった。

 だが、クリスの目の前では二人の男が不審な眼差しでクリスを見ている。

 

 水着姿の青年二人。

 恐らくは避難に遅れた市民だろう。

 

 まずい。と、クリスは冷や汗をかいた。

 シンフォギア装者の活動は一般人に知られてはならない。

 どうやって誤魔化すべきか……と考えたところで、クリスは我に返る。

 

 そう、今のクリスはギアを纏ってはいるが、普段とはその形状が違う。

 衣服は水着で、両手の重火器も水鉄砲を模したものに変化している。

 

 傍目から見れば、青年たちと同じく海で遊んでいたとしか見えないだろう。

 ならばなぜ、青年たちは訝し気にこちらを見ているのか。

 

 それはクリスの水着姿に問題があった。

 改変の影響で、水着はより性的にその姿を変えている。

 

 フリルをあしらったビキニだったはずのそれは、上下の布地が丸ごと消失している。

 腰に巻いた短いパレオと胸のフリルだけが、現状のクリスが身に纏う衣服だった。

 

 当然、そんな水着で隠しきれるはずもない。

 パレオは腹部あたりで巻かれているせいで、一番大事な股間部分が隠れていない。

 性器と尻を丸出しにした状態で、クリスは先程まで走り回っていたのだ。

 

 胸元はより酷い。

 ビキニ水着を縁取っていたフリルだけが残っているせいで、フリルで作られた三角のラインが乳房を強調している。

 乳房の先端部分がフリルの締め付けで形を歪め、乳首をいやらしく突き出させている。 

 

 

 男たちは言葉もなく、ただ本能のままに股間を固くしている。

 それを見たクリスは、腰に手を当ててため息をついた。

 

「ったく、仕方ねえなぁ……」

 

 一歩、男たちに接近し。

 クリスは一人の男に顔を近づけ、膨らんだ下腹部を水着越しに右手で撫でる。

 

 ピクリと反応したソレに、クリスは沸き上がる涎を飲み込んだ。

 

「よっ、と」

 

 クリスは男たちの水着を両手で下ろし、雄々しくそそり立つ男根を露出させる。

 そして片方の男根を、胸の谷間へと突き刺した。

 フリルで締め付けられた乳房は柔らかく男根を包み込む。

 

「ん……レ、ロォ……」

 

 クリスは谷間から突き出た亀頭を舌先で舐め回す。

 チロチロと弄ばれ、男はたまらず呻き声を上げていた。

 

「ヒャッ?!」

 

 もう一人の男が待ちきれず、背後からクリスの膣へと己の男根を挿入した。

 多量の興奮で息を荒げながら、男はクリスに腰を打ちつけ続ける。

 根元まで突き刺さるたび、クリスの尻肉が音を立てて揺れていた。

 

「んっ、イィ、ジュッ……」

 

 目の前の男根を舐めながら、クリスは性交の快楽に喘ぎ声を響かせる。

 そして、男たちはほぼ同時に絶頂へと達した。

 

「──ッ!」

 

 クリスの膣と顔面に、白濁液が噴射される。

 内と外、その両面を同時に白く染められ、クリスは蕩けたような笑みを浮かべる。

 

「なん、だよ……まだまだ元気じゃねえか……」

 

 三者共に息は荒く、顔は赤く染め上がっている。

 そして興奮は絶え間なく高まり、その果ては未だ見えてはいない。

 

 

 

「あっ、あぁ、イィッ……!」

 

 砂浜で仰向けになった男に馬乗りになって、クリスは上下にスクワットを繰り返す。

 己の自重で肉棒を奥にまで突き刺し、表情を快楽に歪めていた。

 

 片割れはすでに二桁にも及ぶ回数を搾り取られ、脇でダウンしている。

 今性交している方も、すでに疲労困憊といった様子だ。

 だが性欲は正直なのか、未だその男根はガチガチに固さを保っている。

 

「い、くぅッ……!」

 

 もう何度めかも分からない絶頂に、男の体がビクリと震える。

 もう限界だとクリスに懇願するも、クリスは腰の動きを止めようとはしない。

 

「何言ってんだ、こんなに固くしやがって。ほら、もう一回行くぞ!」

 

 膣に溜まった精液を指で掻き出し、クリスはそれを口元へ運ぶ。

 丹念に舌で味わった後に、ゴクリと音を立てて飲み下した。

 

 上質な蜂蜜を味わったかのように、それは幸福な表情だった。

 同時にその色っぽい顔は性欲を煽り、男の本能は性器を固く硬直させる。

 

 悲鳴にも似た男の声が、砂浜に木霊した。

 クリスが満足するには、日が暮れるのを待たなければならないだろう。



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マリアのお色気バラエティ番組

 マリア・カデンツァヴナ・イヴは、憂鬱な気分についため息をついた。

 今日の仕事は、深夜のアイドルバラエティ番組。

 演出過剰なライトと司会の大声は、マリアの気分を落ち込ませる。

 

 新人アイドルが宣伝のために仕方なく出演するような、典型的なお色気番組。

 人気絶頂のマリアが出演する意味は皆無に等しいのだが。

 新人の無名時代に世話になった相手の頼みでは、善人のマリアに断れるはずもない。

 

 今もマリアの目の前では、新人女性アイドルたちが水着姿で下品なゲームを行っている。

 敗者は乱れた水着をカメラに映し、勝者は特設のステージで己の歌声を披露していた。

 

 数少ないアピールチャンスを手にするため、誰もが必死だ。

 端から見れば滑稽でも、アイドルたちは真剣そのものなのである。

 

「……はぁ」

 

 順番通りに、マリアの名前を司会が叫ぶ。

 もう一度ため息をついて気持ちを切り替え、マリアは気持ちを切り替える。

 営業スマイルを顔に張り付け、ライトを浴びて手を振った。

 

 赤と黒の派手な水着姿は、マリアの美しいスタイルをより一層引き立たせる。

 チューブトップは両胸をきつく締め付け、上下に現れている谷間を強調していた。

 パンツも布地が少なめで、大きな尻の肉が一部露出している。

 ただ歩くだけで豊かな肉が揺れ動き、男たちのざわめきが聞こえていた。

 

 簡素なセットに足を進め、司会の解説をマリアは聞き流す。

 器具を取り付けられると同時に、客席に数台のビデオカメラが配置される。

 

 今回の企画は、よくあるスポーツ物だ。

 規定時間内でスクワットの回数を競う。

 

 上下運動による胸揺れや接写される股間部分の映像は、男の劣情を十二分に煽るのだろう。

 今までの最高記録が紹介され、合図の笛が鳴った。

 

「ふっ……!」

 

 基本的に善性で負けず嫌いのマリアは、企画にやる気がなくとも手を抜きはしない。

 毎日鍛え続けた体を全力で動かし、スクワットを繰り返す。

 

 前もって指示された通りに、両手を後頭部で組み、足をガニ股に開く。

 突き出された股間と上下に激しく揺れる胸をカメラが捉えていた。

 

「──はぁ、ふぅっ」

 

 終了の合図が鳴った。

 一分が経過し、記録がモニターに表示される。

 

 これを後二セット。

 次からはお邪魔も入るのだったかと、打ち合わせの内容をマリアは脳内で反芻していた。

 

 舞台の脇からスタッフが現れ、マリアの乳首にローターを張り付けた。

 股にも一つ、計三つをテープで張り付けると、スタッフは去っていく。

 

 打ち合わせと違う進行にマリアが戸惑う間もなく、二度目の開始を知らせる笛が鳴った。

 

「ふぅ、ん、んっ……!」

 

 マリアが上下に動くたびに、彼女の喉からが甘い声が漏れる。

 機械的な振動音は見る者の興奮を沸き立たせ、マリアの顔を紅潮させる。

 

 汗ばむ体。

 それと同時に、汗とは違う粘ついた液体がマリアの股からは分泌されていた。

 

 終了の合図と共に、たまらずマリアは膝をつく。

 プルプルと震える体は必死に沸き上がる絶頂の波を抑えようとしていた。

 

「ん、ぐぅッ……!」

 

 再びスタッフが登場。

 追加のバイブをマリアの膣に突き刺し、再度開始の音が鳴る。

 

「お、おぉッ、ぐぅ、あ、あぁッ……!」

 

 バイブは生き物のようにマリアの膣内で蠢いていた。

 口を開いたまま、マリアは悶え喘ぐ。

 

 スクワットは目に見えてそのペースが落ち、動きも乱れている。

 男を誘うような淫らな動きで腰を動かす姿に、男たちは釘付けとなっていた。

 

「あ、あぁ、あぁぁ……い、いぃ……ぐッ!」

 

 終了の合図と共に、マリアは盛大に絶頂した。

 股から大量の愛液を噴き出し、股間をカメラに接近させたままピクピクと痙攣している。

 

「あ、ぁ……」

 

 飛びかけた意識を、しかし動きの止まらないバイブによって強制的に引き戻される。

 

「え、終わ、り、じゃ……?」

 

 スタッフは新たにマリアの尻穴へ二本目のバイブを挿入する。

 そして予定されていない四度目の開始音が鳴り響いた。

 

 

 

「──オ゛、オォォッ!」

 

 十度目の開始音。

 マリアの口から、動物の鳴き声に近い呻き声が漏れる。

 

 七度目で動くことも出来なくなったマリアは、ピストン運動を行う機械を取り付けられ強制的にスクワットを繰り返させられていた。

 地面に置かれた特大のディルドが、上下運動の度にマリアの膣が飲み込んでは抜き取られる。

 

 口は馬用の猿ぐつわで塞がれ、顔面は鼻フックで醜く歪まされている。

 床はマリアの汗と涙と愛液と涎で水溜まりができており、今も水音を大きく響かせていた。

 

 そんなマリアに、観客は己の精を開放する。

 我慢しきれず自慰を行う連中がマリアへ向けて白濁液を注ぎ、マリアの体は白く染まる。

 

「ハ、オォ、ゴォッ……!」

 

 そして終了の合図が鳴り、マリアのクリトリスに小型のローターが取り付けられた。

 休む暇もなく、十一度目の開始。

 

 マリアには既に自由などない。

 獣のように呻き、快楽の果てに絶頂し、失った意識を再び快楽によって取り戻す。

 

 その様子は余すところなく、複数台のカメラによってしっかりと記録されていた。



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クリスと翼のバニー接待

「ったく、なんであたしがこんなことを……」

「そう言うな雪音。普段世話になっている相手に恩を返す良い機会ではないか」

 

 雪音クリスと風鳴翼は、S.O.N.G.主催のパーティに参加していた。

 余興のメンバーが急に来られなくなり、困っていた所を翼が手伝いを申し出たのだ。

 

 ちょっとした衣装を着て参加者にプレゼントを渡す。

 それだけでいいのならと、近くにいたクリスと一緒に会場へ向かったのだが。

 

「衣装がコレとは聞いてないんだよッ!」

「……まあ、少々気恥ずかしくはあるな」

 

 用意されていた衣装は、バニースーツと呼ばれるものだった。

 クリスが赤色で、翼が青色だ。

 

 元々そういうものとはいえ、この衣装は非情に露出が多い。

 

 背中は丸出し。

 胸は下半分しか隠れておらず、少しずれるだけで乳輪が見えてしまいかねない。

 股間部分の布地も限界まで少なくなっていて、秘部以外は隠す気が無いようだ。

 

 下着はバニースーツからはみ出てしまうために、そもそも着けていない。

 そのせいでうっすらと乳首や秘部の形が透けて見えてしまっている。

 

「我々は余興の手伝いにすぎん。ほら、行くぞ」

 

 翼はクリスの手を取ると、半ば連行するような形で引っ張っていった。

 

 

 

 パーティ自体は、大きな問題もなく進行した。

 プレゼントを手渡すだけの仕事だ、難しいものでもない。

 

「……あのバカや後輩連中がいたら絶対に道連れにしてやったのに!」

「まだ怒っているのか、いい加減に諦めろ」

 

 クリスが叫ぶたびに、兎を模した付け耳と尻尾が揺れる。

 幸い、可愛らしい少女が騒いでいても誰も気分は害さない。

 浮かれた空気は皆の精神を寛容にしていた。

 

 高そうなワインやリボンで装飾されたプレゼントを手に、二人は会場を歩き回る。

 

「しかし……大きいな」

 

 翼がクリスの胸元に目をやり、ぼそりと呟いた。

 別にコンプレックスがあるわけではないが、どうしても自分と比較してしまう。

 

 元々別人用に用意されていた衣装なだけに、サイズが合っているとは言い難い。

 クリスの胸元は今にもはち切れそうだ。

 

 そして翼も。

 胸元は平気……むしろ緩いぐらいだが、問題は別にある。

 翼の身長は百六十七センチと女性にしては中々に高い。

 そのせいで歩いていると乳輪がはみ出てしまいそうになるのだ。

 

「……んっ」

 

 定期的に胸元の衣装を上へと引っ張るのだが、その度に股間部分が食い込んでしまう。

 衣装のサイズが小さいせいで、秘部の形がくっきりと浮き上がってしまっていた。

 

 しかし、言ってしまえばトラブルはその程度。

 だったのだが。

 

「ヒャッ?!」

「あッ?!」

 

 二つの嬌声が、会場に響く。

 翼とクリスが身に着けていた兎の尻尾が、急に振動を開始したのだ。

 

 尻尾は尻穴にプラグを挿入することで固定されている。

 内部から刺激を受け、二人の両足はプルプルと震えだした。

 

「あんのセクハラ野郎……!」

 

 この衣装は主役のリクエストだと聞いている。

 クリスは見ず知らずの主役へと痛烈に毒を吐いた。

 

 しかしパーティはまだ終わらない。

 顔を赤く染めながら、二人は己の役割を果たすしかないのだ。

 

「んっ、あぁっ……」

 

 小鹿のように足を震わせながら、会場内を歩く。

 秘部から漏れ出る愛液が、マーキングのように地面を濡らしていた。

 

「ひっ、あっ?!」

 

 クリスの尻へ、客の手が伸びた。

 酒に酔った質の悪いセクハラだ。

 

 普段のクリスならとっとと追い払うのだが、今は不味い。

 必死に快楽に耐えている所に追加の外部刺激を受け、クリスは限界を超えた。

 

「――ッ!」

 

 あっという間に、クリスは絶頂を迎える。

 立っていることも出来ず膝立ちに崩れ、噴水のように愛液を噴き出した。

 

 視線は虚ろで、全身は細かく痙攣を繰り返す。

 口端からは涎が流れ落ち、肌を伝っていた。

 

「お、おい。大丈夫か雪音!」

 

 慌てて翼が駆け寄ると、複数の男性客もクリスへと近寄った。

 だが、純粋に心配しているのは翼だけだ。

 

「あっ、あぁっ、何を……!」

 

 手を差し伸べるふりをして、男性客らは二人の柔肌へと手を伸ばす。

 目の前で絶頂したクリスの姿に、男は発情していた。

 

「あ゛、あぁッ……!」

 

 クリスは男たちの一方的な愛撫に、獣のような声を上げた。

 絶頂したばかりで敏感な肌は、いつも以上に快楽を伝える。

 

 そしてその手は駆け寄ってきた翼にも向けられている。

 乱暴は出来ない相手だという負い目が、翼をされるがままにしていた。

 

 胸が、尻が、太股が。

 無数の手によって凌辱される。

 

「あ、グッ、うぅ……!」

 

 誰かが己の肉棒を翼へ挿入した。

 濡れ切った秘部はあっさりと肉棒を受け入れ、快楽を提供する。

 

 そして一人が始めれば止まらない。

 連鎖的に次々と肉棒が二人の穴や肌を犯しだした。

 

「あ、あっ、あぁッ!」

「んぐ、ぐぅっ……!」

 

 尻尾は取り外され、代わりにと肉棒が絶え間なく尻穴を押し広げる。

 放たれる白濁液が彼女たちを染め上げる。

 

 もはやパーティーの主演は彼女たちに様変わりしていた。

 二匹の兎が上げる嬌声が、いつまでも会場に響いている。 



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暁切歌の無自覚援交

 暁切歌は、特に目的もなく町中を歩いていた。

 予定していた訓練が機器の不調により中止になり、急に時間が空いたのだ。

 

 調もマリアも、それぞれ別々の用事があるという。

 珍しく一人になった切歌は、さてどうしようと考え事をしながら散歩をしていた。

 

「――え?」

 

 そして切歌は、見知らぬ男性に声をかけられた。

 いつの間にか切歌は、普段なら決して足を踏み入れない怪しげな繁華街へと侵入していたのだ。

 

 まだ昼過ぎだというのに、ピンク色の光があちこちで灯っている。

 客引きの女たちは皆露出過多の服装を身に纏っていた。

 

 風俗関連の店が多く並ぶそこでは、切歌のような学生は珍しい。

 しかし、今の切歌は決してその場で浮いてはいなかった。

 

 今の切歌の服装も、非常に露出が多い。

 短く切られた黄緑色のホットパンツはピッタリと肌に張り付き、尻の形を強調している。

 ×印の模様が入った白黒のトップスはブラと見間違うほどに丈が短く、腹どころか下乳すら隠せてはいない。

 下着は着用していないのか、服の上から乳首や性器の形が透けていた。

 

 こんな格好でこんな場所を若い女がうろついていれば、当然勘違いもされるだろう。

 売春目的の女と勘違いされ、切歌は声をかけられたのだ。

 

「今……はい、暇デスよ?」

 

 そして、切歌はそれに気づいていない。

 そのような文化があることさえ知識にない彼女は、言われるがままに男へついていく。

 

 

 

「こう、デスか?」

 

 誰もいない路地裏で、切歌は男の指示に従ってトップスの端を一気にたくし上げた。

 当然、大きな乳房が派手に揺れながら晒される。

 

 いわゆる“半脱ぎ”の状態になった布地は乳房を強調し、性的な印象を増大させる。

 男は鼻息を荒げ、我慢できないとばかりに己のズボンを下ろし肉棒を露出させた。

 

「おぉ、大きいデス……!」

 

 切歌は驚き、肉棒へと視線を向けた。

 珍しい玩具でも見るかのような切歌の視線に男の肉棒はピクピクと反応しながら大きく、そして固くなっていく。

 

「あたしは立ってるだけでいいんデスか?」

 

 不思議そうに胸を露出させたまま立っている切歌を凝視しながら、男は己の右手で肉棒を扱く。

 苦しそうに息を荒げながら数分間の自慰を行い、男は射精した。

 

 白濁液が切歌の腰当たりに注がれる。

 ホットパンツと周辺の肌を汚したそれを切歌は何の疑問も持たず指で掬い、舌で舐め取った。

 

「うぇ、結構苦い……でも不思議と止まらないデスね」

 

 生クリームを味わうかのような切歌の精飲に、男は興奮を抑えきれない。

 衝動的に、男は切歌へ襲い掛かった。

 

「な、なんデスか……ヒャッ!」

 

 男は切歌の腕を己の右手で抑え込み、左手で乳房を鷲掴みにした。

 乱暴に揉みしだかれるたびに乳房はマシュマロのように形を変え、切歌の喉から声が漏れ出る。

 

「あっ、あぁ、んうぅ……!」

 

 男が左手を下腹部へ伸ばし、ホットパンツの中へと潜り込ませる。

 

「ひ、あぁッ!」

 

 性器に直接触れられたことで切歌が出した、悲鳴のような鳴き声。

 水音が鈍く響くほどに濡れ切った性器を、男は人差し指で愛撫する。

 指の動きと連動して、楽器のように切歌の喉は嬌声を響かせた。

 

「あ、あぁッ――!」

 

 ビクン、と切歌の体が跳ねた。

 噴水のように愛液が股から噴き出し、ホットパンツを濡らす。

 湧き出た愛液は太股を伝い地面に小さな水溜まりを作るほどだ。

 

 男はぐしょぐしょに濡れたホットパンツを下へとずらし、露になった切歌の性器へ己の肉棒をピタリと密着させた。

 

 躊躇いは一瞬。

 絶頂によって蕩けた切歌の顔を見た瞬間に理性は吹き飛び、一気に肉棒を挿入した。

 

「~~ッ!」

 

 もはや生き物の声とは思えない音。

 絶え間なく響く切歌の声と一突きごとに結合部から響く水音が、男の興奮を更に増長させた。

 

 あっという間に、男は切歌の膣内へと精を放つ。

 二度目の射精だというのに、その量は膣に収まりきらず結合部から零れ落ちるほどだ。

 

「ぁ、あぁ……」

 

 幸せそうに、切歌は朦朧とした意識の中で笑っていた。

 

 

 

「優しい人でしたね……見知らぬあたしにお小遣いまでくれたなんて」

 

 数枚の紙幣を懐にしまい、切歌は繁華街を再び歩き出す。

 

「調とマリアに、おみやげでも買って帰るデス!」

 

 そうして笑顔を浮かべた切歌に、別の男がまた声をかけた。

 切歌が帰宅したのは、それから数時間後の話だ。



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切歌と調のハロウィン

「トリックオアトリート」

「デース!」

 

 暁切歌と月読調は、仮装をしたまま町中を歩き回っていた。

 今日は十月三十一日、ハロウィンだ。

 

「ハロウィンって楽しいデスね、調!」

「特別割引、オマケのお菓子……!」

 

 二人の目当ては買い物のキャンペーンだ。

 仮装して来店すればサービス、という宣伝が町のあちこちでされている。

 

 年の割に庶民的……いや、経済的な思考が強い調は商店街の特売狙い。

 切歌はサービスで貰えるお菓子目当てに、小走りで街を巡回している。

 

「トリックオアトリート、お菓子をどうぞ」

 

 そして仮装を行っているのは彼女たちだけではない。

 お祭り騒ぎの子供たちも、切歌と調にお菓子をねだってやってくる。

 

 調は先程の買い物で手渡されたチョコレートを目の前の子供に手渡した。

 子供は顔を真っ赤にしながらお菓子を手に、急いで走り去っていく。

 

「……どうしたんだろ」

「照れ屋さんだったんじゃないデスか?」

 

 二人は意識していないが、問題は二人の恰好にあった。

 

 切歌の仮装は死神だ。

 普段のギアとは違う、プラスチック製の鎌を手に、黒のローブを被っている。

 

 問題はそのローブが非常に薄く、透けているということにある。

 よく見れば中の裸体が見えてしまい、おまけに薄いせいで風に吹かれて捲れ上がることも多い。

 定期的に全裸を晒しながらも、切歌の顔に羞恥の色はない。

 

 調の仮装はドラキュラだ。

 黒のマントは切歌と違いしっかりとした作りで、透ける心配はない。

 

 

 だが、マントの丈は腰ほどまでしかない。

 しかも調はマントの下に何も身に着けてはいなかった。

 ただ立つだけで後ろからは尻が見え、前からはマントの隙間から胸が、下に目をやれば丸見えの秘部がある。

 

 露出狂以外の何物でもない恰好だというのに、二人にとってはただハロウィンの仮装をしているという認識でしかないのだった。

 

「トリックオアトリート」

「お菓子をどうぞデース!」

 

 男たちは目を奪われ、下心を持って彼女たちへと近づいていく。

 何も知らない二人は笑顔で彼らへお菓子を配っていた。

 

「トリックオアトリート……あ、もうお菓子がないよ切ちゃん」

「なんデスと?! じゃあいたずらデスか……ヒャッ!」

 

 目の前の男は迷いなく、切歌の両胸を揉みしだく。

 悲鳴に似た声が切歌の喉から漏れ出るが、切歌はただされるがままに立っていた。

 

 数分間切歌の胸を堪能した男は去っていった。

 

「いたずらとはいえ中々の威力……くすぐったかったデスよ……」

 

 当の切歌はいたずらとしかとらえてはいなかったが。

 その後も二人は街を回って祭りを楽しみ、時折“いたずら”を受けていった。

 

 

 

「と、トリックオアトリート……!」

「トリックオア、トリート……デス……!」

 

 数時間後。

 二人は複数の男に囲まれ、今も“いたずら”を受けている。

 

 両胸と秘部には小型のローターが張り付けられており、小さな振動音と共に二人へ快楽という刺激を与え続けていた。

 黒を基調とした仮装は精液であちこちが白く汚されている。

 全身を撫で、揉み、叩かれ続け、二人の両足は小鹿のように震えていた。

 

「──ッ!」

 

 調が三度目の絶頂を迎える。

 膝をついてその場に崩れ落ち、口端からだらしなく涎を垂れ流しながら小刻みに痙攣を繰り返す。

 

「あ、あぁっ……!」

 

 その間にも人間と機械による愛撫は止まらない。

 絶頂したばかりで敏感な性感帯は、通常の数倍増しで快楽を提供する。

 

「ひ、あっ……」

 

 切歌もすでに四度の絶頂を経験し、足元に愛液の水溜まりを形成している。

 漏れ出る声は虚ろで、人の言葉を成してはいない。

 

「――ッ!」

 

 切歌は五度目の絶頂でついに限界を迎えた。

 意識を失い、仰向けに倒れる。

 

 体は外部の刺激に未だ反応しているのか、気を失いながらもピクピクと痙攣している。

 

 だが“いたずら”は止まらない。

 意識を失った切歌の膣に、一人の男が己の肉棒を挿入した。

 

 自慰の道具として使用される切歌。

 その横では別の男に調が犯されている。

 二人を取り囲む集団は次々と増えていき、減ることが無い。

 

 

 

「切ちゃん、起きて」

「ん……ハッ!」

 

 切歌が意識を取り戻すころには、すでに夜も更けていた。

 ハロウィンの盛り上がりも落ち着き、片付けや掃除が始まっている。

 

「そろそろ帰らないと」

「デスね」

 

 服に付いた埃を払い、切歌は立ち上がる。

 膣からドロリと精液が垂れ落ちるが、気に留めている様子はない。

 

 全身に精液がこびり付き、全裸同然の恰好をした二人。

 どう考えても異常な光景だというのに、溶けこんでしまっている異常な現実。

 

 二人が数十名に犯され続けたことも、この世界では祭りの一幕として片づけられた。



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立花響と新型ノイズ

「くっ、うぅ……」

 

 立花響は窮地に立たされている。

 

 広範囲に出現したノイズの撃退に、装者たちは個別に作戦行動を開始した。

 だが、不運なことに響の前に現れたのは今まで見たことが無い新型のノイズだった。

 

 蛸のような形状をした新型ノイズは、改変の影響を受けて誕生したノイズである。

 八本の触手を鞭のように振るい、ノイズは響を捕らえたのだ。

 

 響のギアが正常に作動していれば、ノイズの拘束も容易く振りほどけただろう。

 だが今、響が身に纏うガングニールのギアも改変の影響により変化している。

 機動力こそ多少向上しているものの、攻撃力と防御力は著しく低下していた。

 

 露出が多く布が薄い衣装は、もはや裸よりも性的と言っていい。

 スパッツ越しに尻の割れ目や秘部の形がくっきりと浮き出ている。

 動くたびに胸が揺れ、勃起した乳首が擦れて刺激される。

 

 武装は普段より小さく頼りない。

 自慢の怪力は鳴りを潜め、一般的な少女より多少は上程度の膂力しか発揮できてはいない。

 響がどれだけ全力を込めようと、ノイズの拘束から逃れることはできなかった。

 

 唯一の救いは、ノイズも改変の影響を受けたことで一般人を襲うという行動の優先順位が下がっていることか。

 新型以外のノイズは撃破済み。

 逆説的に響が拘束されている間は一般人は安全だということだ。

 

「く、あぁっ……!」

 

 ギリギリと四肢を縛り上げられ、響は苦悶の声を漏らす。

 両手両足を一本ずつ触手で拘束され、空中に固定されたような格好で響は嬲られていた。

 新型の触手は八本。

 歩行と姿勢制御に二本、拘束に四本使用してもあと二本の空きがある。

 

 余った二本が響の体に伸びる。

 ギアペンダントを破壊されては装者の力が解除されてしまう。

 響は必死にもがき、触手からペンダントを守ろうとする。

 

「え、ひ、ァッ……!」

 

 響の予想に反し、ノイズの触手はペンダントではなく響の下半身へ向かっていた。

 そのまま触手は響の秘部と尻の穴へと侵入しだす。

 

「が、あぁッ──!」

 

 体内を貫かれる感覚に、響は絶叫した。

 ギアの一部であるはずのスパッツはただの布切れ同然に力なく敗れ、穴の凌辱を許している。

 内部で動きまわる触手の刺激は、響が体験したことのない未知の物だった。

 

「な、中で、動いて……あ、アァ……!」

 

 ぐちゅぐちゅと大きく音を立てて、ノイズは響を犯す。

 初めは未知の刺激と痛みに悲鳴を上げていた響だったが、次第に快楽が沸き上がってきたのか、悲鳴は甘い嬌声へと変化していく。

 

 股からは愛液が噴き出し、水音はより大きな音を立てている。

 どんどん深く触手は入り込み、響の腹が傍目から見ても異常なほどに膨らんでいた。

 

「──ッ!」

 

 響の食いしばった歯の隙間から涎が泡のように溢れ出る。

 大きく体が一度痙攣し、浮いたまま響はのけ反った。

 

 絶頂に達した響の体に、もはや自由などない。

 愛液を噴き出し、ただ絶頂を繰り返すのみだ。

 

「ぎ、イィッ、グゥッ――!」

 

 敏感になった体に休みなく犯され、連続で響は絶頂する。

 全身から力が抜け、抵抗が止まる。

 

「あ、へぇ……? オゴォッ──!」

 

 ノイズは足の拘束を解き、新たに自由になった二本の触手を響の口内へと侵入させた。

 下からだけでなく、上からも響を犯す。

 三つの穴を同時に凌辱され、響は声を出す自由すら失った。

 

 あとはもう、ただ繰り返すだけだ。

 ノイズの殲滅を終えた別の装者が救援に来るまで、この凌辱は続く。

 響はひたすら、無残に、無様に犯され続けた。



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マリアとクリスの接客体験

「……で、なんでこんなことになってんだ?」

「なんでって、仕方ないでしょう」

 

 雪音クリスは両手にグラスを持ちながらぼやき、マリア・カデンツァヴナ・イヴはそんなクリスにため息をついて言葉を返す。

 

 海に出現したノイズを倒す際に誤って海の家の商品を破壊してしまったお詫びにと、二人は店の手伝いを申し出ていた。

 正確には、マリアが言い出した。

 クリスも自分が破壊した張本人である手前一人だけ帰るなどとは言い出せず、文句を言いながらも付き合っている状態だ。

 

「なによ、恥ずかしいの?」

「平然とエプロン着て接客してるお前の感覚がおかしいんだよ……」

 

 二人はエプロンを身に纏い……というか、エプロンしか身に纏っていない。

 いわゆる裸エプロンというやつだ。

 当然背中側は裸同然で、丸出しの尻に客の視線は吸い寄せられていた。

 

 さらに大きく膨らんだ乳房は、唯一の衣服であるエプロンを持ち上げている。

 商品を提供するために屈めば己の腕によって谷間が強調され、歩けば潮風に揺れるエプロンが秘部を隠しきれずに露出させていた。

 

「……おい、なんか客足が露骨に増えてないか?」

「あら、大繁盛ね」

 

 そんな痴女が二人もいれば人が集まるのも当然と言える。

 普段の倍以上の客を手慣れた様子で捌くマリアとは対照的に、この手のことに慣れていないクリスは自然と小走りになって店内を駆け回っていた。

 

 結果、クリスの胸は上下左右に激しく揺れ動き、客の視線を独占する。

 生き物のように跳ねまわる二つの風船は、男の本能を刺激し、暴走させた。

 

「──ひゃッ?!」

 

 注文中の客が、クリスの胸を揉みしだいた。

 まるでそれが当然の行為であるかのように、客はメニューを見ながら胸を掴んだ右手を動かしている。

 そしてクリスも一切抵抗することなくその愛撫を受け入れ、注文内容をメモ用紙に記入していた。

 

 それを皮切りに、あちこちで二人へのセクハラが始まった。

 

「こちらご注文の──あんっ……!」

「ひっ、い、いらっしゃいませ……!」

 

 マリアは困ったような表情を浮かべ、クリスは顔を真っ赤にして震えている。

 だがどちらも文句を口にはせず、店員としての対応を続行していた。

 

「あぁ、いっ、あぐッ……!」

「んっ、は、あぁッ……!」

 

 無数の客の手が、二人の胸や尻に伸びる。

 まるで商品の一部であるかのように、二人の体は弄ばれていた。

 

 

 

 二人が接客を開始して数時間が経過した。

 すでに二人は店員ではなく、性欲処理の生きた道具と化している。

 

 エプロンは腰から下を覆う短いタイプのものに変化している。

 ただでさえ露出過多であったのに、今はそれに加えて胸が完全に露となっていた。

 

「あ、あぁっ……!」

 

 背後から挿入された肉棒の動きに、クリスの喉は嬌声を上げる。

 両胸は鷲掴みにされ、柔らかな乳房の肉に男の指がめり込んでいた。

 

「――ッ!」

 

 クリスの膣に多量の精液が注がれる。

 衝撃で意識が飛びかけ、クリスは目の前のテーブルに手をついて体を支えた。

 

 結果、そのテーブルの客にはクリスの蕩けた表情が至近距離で見えることになる。

 少し視線を下げれば、そこには大きな乳房が揺れている。

 

 痴態は他の客の興奮を煽り、クリスの元へは絶え間なく人が押し寄せた。

 

 

「あら、差し入れ?」

 

 息も絶え絶えなクリスとは対照的に、マリアは余裕の表情を崩さない。

 全身を精液で白く汚しながら、集まる客に手淫奉仕を繰り返す。

 

 差し出されたジョッキには、ソフトドリンクの代わりに白濁液が並々と注がれていた。

 マリアは笑顔でストローを差し込むと、一切の躊躇いなく白濁液を吸い上げた。

 

「ん、ん、んぐっ……ぷはっ」

 

 半分ほどを一気に飲み干し、大きく口を開ける。

 口内からは精液の臭いが立ち上がっているが、マリアは笑みを崩さず手淫を続行していた。

 

 

 

「あ、あぁっ……」

 

 休みなく膣を犯され、クリスは意識が朦朧としていた。

 一突きごとに膣内の精液が掻き出され、ポタポタと地面に落ちる。

 

「――ッ!」

 

 そしてまた新たな精液が注がれ、新たな客がクリスを利用する。

 繰り返しは終わりが見えず、周囲を取り囲む客は待ちきれないとばかりにそんなクリスの姿で自慰を行っていた。

 定期的に降り注ぐ白濁液はクリスの全身を白く染めていく。

 

「ヒ、グゥッ――!」

 

 次の客はクリスの尻穴を犯しだす。

 そして別の客が、正面からクリスの膣に挿入した。

 

 二人に挟まれながら二つの穴を犯され、クリスは直立の姿勢を強制される。

 もはやその両足に力は微塵も入っていない。

 男たちが射精を終え肉棒を抜き取った瞬間に、クリスはその場に倒れ伏すだろう。

 

 

「ん、ぐっ、んんっ……!」

 

 マリアの両手で奉仕を受けた肉棒から溢れる精液が、ジョッキへと注がれる。

 どれだけマリアが飲んでもそれ以上の精液が新たに注がれ、その量が減ることはない。

 

「ごくっ、んぐ、んんっ……げふっ……」

 

 胃の中に詰まった精液が逆流しかけ、マリアは慌てて口元を抑える。

 手が休まっている間にも、降り注ぐ精液はジョッキとマリアの体を白く染め上げていく。

 

「これ、いつになったら終わるのかしら……?」

 

 客足が途絶える様子はない。

 結局、二人の仕事は日が落ちるまで続くことになる。



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響と切歌とクリスのチア特訓

 立花響、暁切歌、雪音クリスの三人は放課後、学校近くの公園で集まっていた。

 響と切歌は笑顔だが、クリスの表情は優れない。

 先程から何度も大きくため息を吐き続けている。

 

「ったく、なんであたしが……」

 

 体育祭の合同種目でチアダンスをすることになった三人は、響の提案で学校近くの公園を利用し特訓を行うことになった。

 運動が苦手なクリスは長距離走の種目を回避するために合同種目を選択したのだが、まさかチアダンスとは思わなかったと愚痴を垂れ流している。

 

「もう、いい加減観念しなよクリスちゃん」

「せっかくだから楽しむデスよ!」

 

 響と切歌はテンション高く、チアの衣装を取り出した。

 そのうちの一つをクリスに渡すと、クリスは顔を赤くしてプルプルと震えだす。

 

「こんな衣装で踊れってのがおかしいんだよ……!」

 

 チア衣装は布地が少なく、露出が多い。

 上半身のシェルトップは袖が無く、ヘソどころか腰まで丸見えの長さだ。

 スカートは十数センチ程度の長さで、立っているだけで太股が丸出しになる。

 

 露出の多いチア衣装だが、これは一般的な物よりもさらに露出が増している。

 

「可愛いと思うんだけどなぁ……」

「早く着てみたいデス!」

 

 チア衣装を手にして固まっているクリスを尻目に、響と切歌は早速着替えだす。

 公園。つまりは野外だというのに、二人は躊躇うことなく制服を脱ぎだした。

 

 公園内の、そして隣接した道路の一般人たちが驚いて二人を見る。

 視線を認識していないのか、二人はあっという間に上下の制服を脱ぎ捨てた。

 下着を着けていなかったために、乳首や秘部が通行人に丸見えだ。

 

「ほら、クリスちゃんも早く!」

「わ、わかったよ……!」

 

 遅れてクリスも、着替えるために服を脱ぎだす。

 その顔は真っ赤に染まっているが、裸になることではなくチア衣装に着替えることが恥ずかしいという様子だ。

 

 公園の片隅に全裸の女が三人という異常な光景に、男たちは視線を外せない。

 

「おお、似合ってるデスよクリス先輩!」

「全くもって嬉しくないがな……」

 

 チア衣装を身に着けた三人だが、その格好はむしろ全裸より淫猥な姿に映る。

 下着を身に着けていないせいで、衣装の上から乳首が透けて見えていた。

 スカートの布地は薄く、少し動くだけで舞い上がり中が露出する有様だ。

 

「じゃあ早速、特訓開始だねッ!」

「おー!」

「はぁ……」

 

 そんな恰好でダンスを踊るのだ。

 腕を振れば豊満な乳房が激しく揺れる。

 足を上げれば尻や秘部が露出する。

 

 激しい運動で汗ばみ、息を切らし、赤くなる顔。

 それら全てが周囲の男たちに性的な興奮を与えている。

 

「……ん?」

 

 気づけば、周囲は股間を固く膨張させた男たちで溢れていた。

 動物のように息を荒げた彼らは一斉に三人へ襲い掛かる。

 

 四肢に纏わりつく男たちの両手を、しかし彼女たちは振りほどかない。

 困ったような顔で、その欲望を受け止める。

 

「ひゃッ?!」

 

 響は尻肉を揉みしだかれ、くすぐったそうに短い悲鳴を上げる。

 

「わっ……!」

 

 切歌は突き出された肉棒を両手に一本ずつ握ると、脈動する感触に驚きの声を上げる。

 

「うぅっ……!」

 

 クリスは見知らぬ他人にチアの衣装を見られている状況に、羞恥の感情を抱く。

 無数の手が己の乳房に伸びていることには、特に疑問も抱いていない。

 

「――ッ!」

 

 誰かが興奮の限界に達し、射精した。

 それを皮切りに、次々と白濁液が三人の体を白く汚していく。

 脇が、腹が、太股が。

 そして衣装も残らず、白色に染まっていく。

 

「ん、ぐぅッ……!」

 

 精液の臭いに興奮し濡れる少女達の秘部は、男の肉棒を抵抗なく飲み込んだ。

 苦悶の声は一瞬で、すぐに甘く蕩けるような嬌声が流れ出す。

 

 短いスカートは脱がせる必要もない。

 響は後背位で、切歌は正常位で、クリスは騎乗位で男根を受け入れていた。

 

「――ッ!」

 

 次々と、膣内に溢れんばかりの精液が注がれていく。

 一人が膣を犯す間にも、待ちきれない男たちは空いた手や脇で己の肉棒を慰撫している。

 

 一度や二度で満足もしない。

 全てを吐き出すまで男はその場を去らなかった。

 

「ぜっ、はぁっ、くぅッ……!」

「あ、あぁっ……!」

「んっ、うぅっ……!」

 

 甘い嬌声が三重に重なり、木霊する。

 夕暮れを過ぎ夜になって、ようやく男は全員去っていった。

 

 残された三人も、動くことはできない。

 ぜいぜいと息を切らせて、しばらくの間はただ地面に倒れ伏すだけだった。

 



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月読調の忍者修行

 月読調は近くの公園にある小さな池で、忍術修行(本人談)を行っていた。

 ゆっくりと右足を水面に向け差し出し、一息に踏み込む。

 

「……ッ!」

 

 バシャンと水飛沫が上がり、調の体を濡らす。

 池の底に両足を付けたまま、調は拗ねたように頬を膨らませていた。

 

「右足を水面に付け、反発を受ける一瞬に左足を踏み出す……」

 

 池から上がって再挑戦するも、結果は同じ。

 違いと言えば先程より水飛沫が大きい程度だ。

 

「教わった通りにやっているのに……」

 

 気合を入れて忍者服まで用意したというのに、この結果では帰れない。

 ムキになった調は、文字通りの全力を出すことを決意した。

 

「――Various shul shagana tron」

 

 聖詠を唱え、調はギアを身に纏う。

 心象の影響か、そのギアは忍びの服装に変化していた。

 

 漫画やアニメに頻出する、くのいちのような和服。

 袖や足元の布は取り除かれ、脇や太股が丸見えになっている。

 動きやすくはあるのだろうが、少々露出過多とも言える衣装だ。

 

「これなら……!」

 

 勢いよく、調は右足を踏み出した。

 そして右足が水面に付くと同時に、左足を前へと踏み出す。

 

「あっ……!」

 

 一瞬、調の体が重力から解き放たれる。

 時間にすれば一秒にも満たない時間だが、調は確かに水面を移動していた。

 

「――ッ!」

 

 喜ぶ暇もなく、復活した重力に従って調の体は池に沈む。

 足を踏み出したことで崩れた体制のまま、調の全身は水へと沈んだ。

 

「……むぅ」

 

 たった一歩。

 これでは駄目だと、調は思考した。

 これでは忍びとはとても言えない。

 

 どうしようかと調が考えていると、一人の男性がこちらに走ってくるのが見えた。

 池に落ちた調を心配してやってきた一般人だ。

 

「……妥協案」

 

 忍の技は水面走りだけではない。

 他の技を習得すればいいと、調はやって来た男が差し伸べた手を引き寄せた。

 

 想定以上の力で引っ張られ、男は体勢を崩し調の胸元へと倒れる。

 調が男を抱きしめるような姿勢になり、男は驚愕した。

 

 間近で見たことで、男には濡れたギア越しに調の体のラインが丸分かりになっている。

 そして、調が下着を着用していないことに気がついた。

 乳首の形や尻の割れ目が、張り付いた布越しに浮かび上がっている。

 

「房中術も、忍びの基本」

 

 本能的に膨れ上がった男の股間に、調は手を伸ばす。

 外見に似つかわしくない色気を出した姿に意識を奪われ、男は動けない。

 

 ちなみに。

 正しい房中術は医学的に健康を求めるものであって、くのいちが使用する性的な技を指すわけではない。

 漫画やアニメに影響された調は勘違いしているが、その勘違いを正せる存在がこの場にいるわけでもなかった。

 

 露出された肉棒は、すでに固くそそり立っていた。

 調は舌を出し、肉棒の裏筋を根元から舐め上げる。

 

 水に濡れた服や髪が肌に張り付き、淫靡な姿と化した調。

 視覚的に興奮している最中に性器を舐め上げられ、男は身悶える。

 

「ん、ぐっ、じゅッ……」

 

 調は肉棒の先端へ舌先を這わせ、しばらくの間肉棒を弄ぶ。

 そして口を開き、一息に肉棒を飲み込んだ。

 

「ぐぅッ、じゅるッ、んぐッ……!」

 

 根元まで咥え、喉にまで達した肉棒へ調は吸い付いた。

 蛇のように舌を動かし、生成される精液をくみ上げるように。

 

「――ッ!」

 

 ビクンと、男の体が一度跳ねる。

 射精によって、調の喉奥に多量の精液が注がれた。

 

「ん、んぐっ、ぷはッ……!」

 

 ストローでジュースを飲むような様子で、調は注がれる精液を全て飲み込んだ。

 胃の底に落ちていく精液を感じ、紅潮した頬で調は仰向けになって息を切らせている男に跨った。

 

「――んッ」

 

 未だ固さを保ったままの肉棒へ向けて腰を落とし、己の膣内へと挿入する。

 ぐちょっとした水音と共に、調の体はいとも容易く肉棒を受け入れた。

 

「んっ……あっ、ん、くぅッ……!」

 

 調が腰を上下させるたび、水音と共に調の喉が嬌声を漏らす。

 少女の小さな膣は肉棒を強く締め付け、性を搾り取る。

 

「――ッ!」

 

 二度目の射精。

 ドクドクと注がれる精液を、調の性器は全て受け止める。

 

 もはや忍びの特訓という大義名分も忘れ、調は快楽を貪っていた。

 二度の射精で体力も精神も尽きかけた男から、さらなる精を吸い上げる。

 

 調は腰の動きを止めようとはしない。

 何度も何度も、目の前の肉棒から精を搾り取っていく。

 

 目に入った時計を確認し調が帰宅を選択したころには、その回数は二桁に達していた。



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マリアのジムトレーニング

 マリア・カデンツァヴナ・イヴは行きつけのジムで汗を流していた。

 性根がストイックな彼女は、時間がある時にはよくトレーニングを自主的に行っている。

 

「――ふぅっ」

 

 ランニングマシンのスイッチを切り、荒くなっていた呼吸を整える。

 額の汗を軽く拭うと、別のマシンへと歩き出した。

 

 ただでさえ布地が少なく肌に密着していたトレーニングウェアは、汗で肌に張り付きマリアのボディラインを強調していた。

 薄手のチューブトップはその乳房を強調するだけでなく、乳首の形が完全に浮き上がってしまっている。

 黒のスパッツ越しには尻の割れ目がはっきりと見えていた。

 元々大きな胸や尻、そして整った顔立ちで注目を浴びやすいマリアだが、今は性的な視線をあらゆる方向から浴びている。

 

 しかし当のマリアは気にもせず、部屋の隅に置かれたバランスボールを使用する。

 着用していたスパッツを脱ぎ捨て、躊躇う様子など一切なく性器を露出する。

 なぜか付属しているディルドに似た突起に、マリアは己の秘部を合わせると一息に挿入した。

 

「ん、あっ……くうッ……!」

 

 揺れ弾むボールの動きと連動して、マリアの膣内で突起が暴れ回る。

 汗と愛液を撒き散らしながら、マリアは喘ぎ声を堪えながら体を揺らす。

 

「――ッ!」

 

 口元を抑えながらマリアが絶頂するのに、そう時間はかからなかった。

 ピクピクと全身を震わせながら、マリアはそれでもボールとの結合を解こうとしない。

 絶頂の直後で敏感になった性器を、先程よりも激しく突き回す。

 

「あ、ぐッ、うぅ……!」

 

 バランスをとるための円運動は、いつしか上下のピストン運動に変化している。

 全身を弾ませるごとに胸や尻が激しく揺れ動く。

 そして突起はマリアの膣を奥底まで貫いていった。

 

「――ッ!」

 

 二度目の絶頂。

 派手にのけ反った姿勢でマリアの意識が途切れる。

 凛とした美貌を保っていた顔は、だらしなく快楽に歪んでいた。

 

 

 

「う、んぅ……」

 

 意識を取り戻したマリアの意識は、靄がかかったようにぼやけている。

 長時間の運動と二度の絶頂で、マリアは軽度の脱水症状を起こしていた。

 

 故に今も、周囲の男たちによって犯されていたことにも気づいていなかった。

 

 仰向けで床に倒れたまま、マリアの膣は肉棒を飲み込んでいる。

 幾度となく膣内に注がれた精液は、その大半が入りきらずに溢れ出ていた。

 

「水……」

 

 水分を求め、マリアは口元に近づけられた肉棒に吸い付いた。

 それが肉棒であることも分からないままに、口淫奉仕を行っている。

 

 つい先ほどまでマリアの膣を犯していたその肉棒には、マリアの愛液と男の精液がこびりついている。

 マリアは酷い臭いを生み出しているそれを、ゆっくりと舐め回す。

 

「んっ、ちゅ……じゅるぅ……」

「――ッ!」

 

 不意打ち気味に己の肉棒を刺激された男は、耐える暇もなく二度目の射精に達した。

 口内に溢れんばかりの精液を注がれたマリアは、その全てを己の喉奥へと飲み込んでいく。

 

「ん……んぐっ、ぷはッ……」

 

 べたついた液体を大量に飲み込んだマリアの喉奥からはむせ返るような精液の臭いを漂わせている。

 悪臭であるそれはしかし、どこか淫猥な雰囲気を周囲に漂わせていた。

 

 順番待ちをしていた男たちが、待ちきれないとばかりにマリアの口を犯しにかかる。

 第二の性器として、マリアの口は利用されていく。

 

 

 

 それから数時間後。

 意識をはっきりと取り戻したマリアは、しかし別の要因に囚われていた。

 

「あ、あぁッ、くっ、ふぅッ……!」

 

 意識の無い間犯され続けたマリアの肉体は、快楽に溺れている。

 たとえ明瞭に意識を取り戻したとしても、目の前の肉欲に抗えはしなかった。

 

 下から肉棒で膣を突き上げられ、両手で別の肉棒を扱き、喉奥に新たな肉棒をねじ込まれる。

 複数の男に全身を犯されつくしながら、マリアは数えきれないほどの絶頂を繰り返していた。

 

 汗と愛液と精液が、マリアの肉体と周囲を汚す。

 その中心で、マリアはいつまでも美しく透き通った、そして淫靡な喘ぎ声を響かせていた。



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雪音クリスのお化け屋敷体験

「はぁ……」

 

 雪音クリスは一人、憂鬱そうにため息を吐いた。

 目の前に建てられた建造物を見つめ、重い足取りで歩いていく。

 

 近所のイベントで建てられた、お化け屋敷。

 後輩たちに煽られて参加することになったクリスは、今になって後悔していた。

 

 受付にチケットを渡し、中へと入る。

 照明がなく一メートル先の視界も怪しい空間に、クリスは本気で引き返そうかと悩んでいた。

 

「仕方ねえなぁ……」

 

 

 

 どうせ大したことないだろうと高を括っていたクリスだが、中身は意外と本格だった。

 精巧な舞台道具とメイクを施した幽霊たちに、クリスは阿鼻叫喚といった有様だ。

 実際に涙こそ流していないが、声色は弱く震えている。

 

「うぅ……ひぁっ!」

 

 背後から延びてきた手が、クリスの尻へと触れる。

 悲鳴を上げたクリスは、逃げるように駆け足で先へと進んだ。

 

「わぷっ……」

 

 進んだ先で、新たな仕掛けが作動した。

 クリスの顔面に、べたついた液体が噴出される。

 暗闇の中では、それがなんなのかもクリスには分からない。

 生臭い臭いに辟易しながら、クリスは歩を進めた。

 

 

 

「で、出口はまだか……?」

 

 太股をこすり合わせながら、クリスは早歩きで歩いていた。

 お化け屋敷は想像していたよりもずっと本格的で、広く長い。

 怖がっていちいち足を止めるせいで中々進まないのもあり、クリスは沸き上がる尿意に焦りを覚えだす。

 

 そして、気を抜いた時に恐怖がやって来た。

 天井から逆さ吊りになった落ち武者風の男が、クリスの眼前に落ちてきたのだ。

 

「ひっ……あ……」

 

 お約束、と言うべきか。

 クリスのショーツが黄色く滲み、ポタポタとアンモニア臭のする液体が床に落ちる。

 

「ひ、あっ……!」

 

 背後から現れた幽霊が、クリスを羽交い絞めにした。

 スタッフの暴走だろうか、しかしそれを止める者は誰もいなかった。

 

 床を這い回るゾンビが、クリスの足を掴む。

 いつもであれば容易に振りほどけるはずのそれも、混乱の極致にいる今のクリスではどうしようもなかった。

 

 人形のように震え固まったクリスの両胸が揉みしだかれる。

 汚れたショーツがずり下ろされ、這いつくばるゾンビからはクリスの秘部が丸見えになった。

 

「ん、あっ、あぁっ……!」

 

 愛撫による快楽と目の前の光景による恐怖を同時に味わい、クリスの脳内は正常な思考が働いていない。

 されるがままに愛撫を受け入れていた。

 

「――ッ!」

 

 ビクリと、クリスの全身が痙攣する。

 股から愛液と尿を噴き出し、目尻からは涙を滲ませている。

 

「あぐっ……!」

 

 背後でクリスの両腕を羽交い絞めにしていた幽霊が、我慢できないとばかりに己の肉棒をクリスの膣に突き入れる。

 四肢を拘束されたままのクリスは、突如訪れた快楽に戸惑いと恐怖を覚えていた。

 

 クリスを襲う怪物たちの行動は、次第にエスカレートしていく。

 上着とブラを剥かれ、露出された両胸を揉みしだかれる。

 スカートも脱がされ、全裸のまま暗闇でクリスは犯される。

 

「――ッ!」

 

 幽霊が射精し、クリスの膣に精液が注がれた。

 そしてそれを皮切りに、周囲のお化けたちがそそり立った己の肉棒をクリスへと突きつける。

 

「ヒッ、ヒィッ……!」

 

 クリスはお化けが殺到するという状況に、涙を浮かべて恐怖した。

 出口に向かって駆け出す余裕すらなく、ただ肉体を蹂躙され続ける。

 

 

 

 ようやく出口から出てきたクリスの姿は、見るも無残な有様だった。

 己の衣服を脇に抱え、全裸のまま。

 全身は精液でベトベトに汚れ、股からはポタポタと黄色い液体が流れ落ちている。

 大粒の涙を浮かべたまま、クリスは全速力で自宅へと駆け出した。



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響とクリスのウエディングビキニ

今回登場した衣装の詳細は、“シンフォギア ウエディングビキニ”で検索してみて下さい。
公式の狂気がそこにあります。


 立花響と雪音クリスは錬金術師の残党が目撃されたという情報を受け、目撃箇所近辺の調査を行っていた。

 そこは多くの一般人で賑わっており、道行く人々は装飾過多な仮装で身を包んでいた。

 

「……コスプレイベント?」

「だぁッ、なんでこんなときに限って……!」

 

 戸惑いを抱く二人。

 制服姿の二人は、非日常なこの空間では完全に浮いていた。

 

「悪目立ちするのも不味いな……!」

「あ、じゃあわたしたちも着替えようか!」

「……はぁ?」

 

 響の発案で、二人は貸出衣装を身に纏う。

 クリスは不承不承、響はノリノリで。

 

 

 

「って、なんだよこの衣装!」

「ウエディングビキニって服らしいよ」

「なんだその組み合わせ?! ミスマッチにも程があるだろ!」

 

 白を基調としたその服は、非常に露出が多い。

 クリスの体で隠せているのは、胸の中央部と腰、あとは股部分のみだ。

 胸は上下の谷間が丸出しで、肩やヘソは当然のように肌を晒している。

 太股は根元近くまで丸見えで、少し足を上げれば尻や秘部が見えかねない。

 

 響の服装はそれ以上に酷かった。

 白のビキニ水着を着て、限界まで布を切り取ったと例えるしかないような衣装。

 当然のように谷間を晒し、股部分も辛うじて秘部の割れ目が隠れる程度。

 パンツ部分は細い紐で止められているだけで、なにかに引っ掛かれば容易く解けてしまう。

 サイズも小さく、尻の割れ目は半数以上が隠れておらず、布が尻肉に食い込んでいた。

 

「確かに悪目立ちはしなくなったけど、根本的な問題の解決にはなってないぞ……」

 

 クリスのぼやき通り、調査は難航している。

 日常からかけ離れた服装を着たはいいが、今度は二人の周囲へ一般のイベント参加者たちが群がってしまい身動きが取れなくなっていた。

 

 響もクリスも自覚は無いが、両者共に整った顔立ちと豊満な肉体の若い女子なのだ。

 そんな彼女らが露出の多い仮装をしていれば、人目を引いて当然ともいえる。

 クリスは嫌々、響は笑顔で向けられたカメラにポーズを決めていた。

 

「腰を……こう、ですか?」

 

 響が尻を突き出し、後ろを振り返った姿勢で停止する。

 見返り美人、などと響は照れ笑いを浮かべているが、どう見ても男を誘っているようにしか見えていない。

 最小限の布地で固定された衣装は背中が大胆に開いており、パンツ部分も半分ほど尻の割れ目が見えてしまっている。

 柔らかな肉に紐が食い込んでいやらしく形を変えた尻をカメラのフラッシュが眩しく照らしている。

 

「なんであたしまで……ったく、仕方ねえなぁ……」

 

 苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべながら、クリスは前屈みになって両腕を後頭部へと添える。

 上乳の谷間を正面に突き出したような姿は、どうしようもなく男たちの興奮を煽っていた。

 

 次々と巻き起こるリクエストは徐々に過激で大胆なものへと変化していく。

 熱気で常識や理性は溶けていき、響とクリスの二人は言われるがままにポーズを取る。

 人だかりは増えていき、もはや離脱は不可能なほどに空間は人で埋め尽くされていた。

 

 

 

 一時間が経過したころ、そこは撮影所ではなくなっていた。

 

「あっ、あぐっ……!」

 

 響は立ったまま背後から男の肉棒で貫かれ、嬌声を上げていた。

 一突きごとに揺れる胸や蕩けたような表情を、周囲のカメラが写真や映像で記録している。

 

「んぐっ、ん、じゅっ……」

 

 クリスの乳には別の肉棒が差し込まれ、飛び出た先端をクリスは己の口で受け止めている。

 ベルトで締め付けたような圧のかかった胸肉に包まれた肉棒は、とこまでも固く雄々しくそそり立っていた。

 

「――ッ!」

 

 天国にいるような感覚を味わった男たちは、あっという間に射精した。

 響の膣とクリスの口内に、同時に白濁液が注がれる。

 

 性を搾り取った響とクリスは、まだ満足していないと無言で主張する。

 足を開き尻や股を突き出し、新たな肉棒を催促する。

 

 明かりに群がる虫のように、男たちはフラフラと二人の元へ向かう。

 そして己の精を解き放とうと、目の前の穴へと肉棒を挿入していく。

 

「むぐっ、うぅッ……!」

「い、ぎぃッ……!」

 

 口と膣と尻穴を同時に犯され、響もクリスも声すら上げることが出来ない。

 呼吸すらままならない状況で、しかし二人の手は別の肉棒を握り扱いていた。

 

 もはやそれは人ではなく、獣の交尾だ。

 呻き声だけを上げ、だらしなく顔を歪め、ただ精と快楽を求め続ける。

 

「――ッ!」

 

 放たれ、体内に注がれる白濁液。

 その全てを二人は緩み切った笑顔で受け入れている。

 手淫奉仕から放たれた白濁液すら、彼女たちは全身で受け止めていた。

 白い服が白濁に染まり、露出した肌も白く汚れていく。

 

 

 

「あ、あへぁ……」

 

 響はM字に足を開き、両手でピースサインを作ったまま放心していた。

 全身を白く汚した姿を、無数のカメラが記録している。

 

「う、うぁぁ……」

 

 その足元では、クリスが朦朧とした意識の中で呻きながら倒れていた。

 繰り返し犯された感覚が抜けきっていないのか、今も突き出した尻がピクピクと痙攣を繰り返している。

 

 二人の姿は、無数の記録媒体によって保存される。

 男たちが今後も二人の痴態を楽しむために。

 

 響とクリスのか細い声が、シャッター音にかき消されて消えていく。

 撮影会はまだ終わらない。

 満たされた快楽の中で、二人は溺れ続けていた。



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クリスと翼と切歌の海賊生活【1】

今回性的描写はクリスのみ。
初の続き物です。


 とある哲学兵装によって現代に現れた幽霊船と海賊団の亡霊。

 その調査と解決のため、風鳴翼、雪音クリス、暁切歌の三人は新たに海賊ギアを身に纏う。

 しかし無限に出現する海賊と装者以上の力を持った船長に敗北した三人は、船から脱出することもできず海賊の一員として閉じ込められてしまった。

 

 船長の打倒を目標に定める三人だが、問題が一つ。

 人が生きるためには、水と食料が必要不可欠だ。

 しかし海の上では資源は限られ、何もない所から湧いて出るわけではない。

 

 つまりは、働かざる者食うべからず。

 そして彼女たちは海賊行為を行うつもりはない。

 そして彼女たちは海賊連中とは違い、若い女だ。

 海賊団側が強者である以上、労働の種類など一択でしかない。

 

 

 

「ん、ぐっ、ぐぅッ……!」

 

 クリスの喉奥へ、海賊の肉棒がねじ込まれる。

 後頭部を両手で押さえられたまま喉奥を犯され、クリスは苦悶の声を上げた。

 

「――ッ!」

 

 ドロリとした精液が、クリスの喉を通って胃の中へと注がれていく。

 海賊は幽霊に近しい存在であるはずだが、その感覚は生きているかのように生々しい。

 

「ぐ、けほっ……」

 

 肉棒を喉から抜き取られ、クリスは苦し気に喘ぐ。

 両手と口を使って奉仕した肉棒の数は、今日だけで二桁を超えている。

 

 投げ捨てるように床へ放られた報酬のパンと水を手に、クリスは甲板へ向かう。

 大の字になって倒れている翼の元へと歩くと、クリスはため息を吐いた。

 

「雪音か……面目ない」

「謝るなよ。ほら、飯と水だ」

 

 翼は船長との一騎打ちに敗北し、疲弊したまま倒れていた。

 受け取った水を渇いた喉へ流し込むと、ふぅと息を吐く。

 

「これで全員、一度ずつ負けちまったな」

「……ああ。これで私にも絶対服従の掟が適応されてしまう」

 

 翼の首には、隷属の証である枷が装着されていた。

 同じ物がすでにクリスと切歌の首にも付けられている。

 

 一対一の決闘で船長を倒せば、船の主導権を奪い取れる。

 その望みにかけて全力で戦った三人は、しかし圧倒的な船長の力に敗北を喫してしまう。

 

 敗北の代償として逆らうことも許されなくなった三人。

 あとは船長が気まぐれで決闘を受け入れた際に再挑戦で勝つしかない。

 

 それは明日かもしれないし、明後日かもしれない。

 一週間後かもしれないし、一月後かもしれない。

 いつになるか分からないチャンスを待って、彼女たちは日々を生きるしかなかった。

 

「うぅ……」

 

 クリスと翼が硬いパンを食べながら相談をしていると、切歌がトボトボと歩いてきた。

 ただでさえ露出の多い海賊型ギアはインナーが剥ぎ取られ、胸元の谷間が見えている。

 

 非常に淫猥な恰好になっているが、その点はクリスや翼も似たような物だ。

 海賊たちにとって精処理の道具と化した彼女たちのギアは、それ専用に衣装が改変されている。

 

 クリスは上半身裸に薄いマントを羽織った姿。

 フリル付きのスカートも太股が根元まで見えるほどに短く、簡単に秘部や尻が露出する。

 

 翼は他の二人に比べ露出こそ少ないものの、それでも脇や太股が見えている。

 潮風で肌に張り付いた布越しに強調されるボディラインは、十全に海賊たちの劣情を煽っていた。

 

「酷い話デスよ……」

 

 食糧確保のために釣りをしていた切歌だったが、その様子では成果は芳しくなかったようだ。

 小魚が二匹ほど釣れたらしいが、道具の貸出料金として持っていかれたとのこと。

 

 釣ったのはあたしなのにと、愚痴を吐く切歌。

 釣りの最中も近くを通った海賊が尻や胸を触ってきて手元が狂った等、愚痴は止まらず加速している。

 

 翼もクリスも、そんな切歌の愚痴を黙って聞いている。

 文句を言いたい気持ちは痛いほど理解できるからだ。

 

「交代だ、雪音は休んでおけ」

「……悪いな」

 

 先程までクリスがいた専用室の元へと、翼は歩き出す。

 心身ともに疲弊するまで働いて、報酬はせいぜい一日分の食料と水だけだ。

 三人が生きるためには、三倍働かなくてはならない。

 

 クリスは重い体を引きずって寝室へ向かい、切歌は釣り具を手に再び甲板へと向かう。

 いつ終わるとも知れない航海生活は、まだまだ始まったばかりだった。



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クリスと翼と切歌の海賊生活【2】

防人編。
切歌は次回の予定です。


「――ッ!」

 

 夜も更け、日付が変わろうかという時間帯。

 風鳴翼は今日で十三度目になる膣内への射精を受け止めた。

 

 結合部からポタポタと精液が垂れ、床に落ちる。

 狭い室内は精液と汗、そして酒の匂いが混じり合い、形容しがたいほどの悪臭が漂っていた。

 

「くっ、はぁッ……うっ、ゲホッ……!」

 

 渇いた喉に精液を強制的に流し込まれ、翼は反射的に精液を吐きだしてしまう。

 苦し気に咳き込む翼を置いて、海賊たちは去っていった。

 

 幽霊である海賊たちには疲労も眠気もない。

 だが生者である翼は別だ。

 心身ともに疲れ果てた翼はそのまま、気絶するように眠りについた。

 

 

 

 目を覚ました翼は、眠っている間に床に置かれていた食料と水を手にする。

 起き上がる気力もなく這い回るように餌へと近づく姿が滑稽で、渇いた笑いが漏れた。

 

「――無様なものだ」

 

 誰もいない部屋の中で、自然と言葉が漏れる。

 身も心も汚され続け、屈辱に塗れてでも生きなければならない。

 改めて決意を抱き、翼は労働の対価を仲間へ渡しに部屋を出た。

 

 すれ違う海賊たちにセクハラを受けながら、翼は甲板へと出た。

 釣り竿を垂らすクリスと切歌に、先程の水と食料を渡す。

 

「お疲れみたいデスが……」

「大丈夫か? なんなら変わるぞ?」

 

 目に見えて憔悴している翼を心配する切歌とクリス。

 

「いや、まだ大丈夫だ。二人はしばらく体を休めているといい」

 

 しかし翼は気丈に振る舞い、来た道を戻っていった。

 後輩二人を守るため、翼は再び己の肉体を捧げにいく。

 

 

 

「むぐッ、ん、ぐぅッ!」

 

 喉奥に肉棒をねじ込まれながら、翼は喘ぐ。

 無理矢理に押し込まれる苦痛に、目尻からは涙が浮かんでいた。

 

「――ッ!」

 

 やがて肉棒は射精し、多量の精液が発射される。

 寸前で翼の喉から抜き取られたそれは、翼の体内にではなく目の前の床へと放たれた。

 

 そこには報酬として翼が受け取る予定だったパンが置かれていた。

 当然パンは精液塗れになり、とても食べられるような状態ではなくなった。

 

「くっ……悪趣味な……」

 

 意図を理解してしまった翼は手を伸ばし、精液ごとパンを齧る。

 パンと精液の混じり合った臭いが口内に広がり、吐き気が翼を襲った。

 

「うっ……! う、くぅっ……」

 

 吐き出そうとする体の反射を、口元を抑えて必死に堪える翼。

 数度噛み締め、ゴクリと音を立ててなんとか飲み込んだ。

 

「ぐ、うっ……!」

 

 目に涙を浮かべながら、翼はなんとかパンを胃の中へと押し込んでいく。

 悪趣味ではあるが、貴重な食料であることには変わらないのだ。

 

 渇いた喉が水分を求め、翼は差し出された木樽のジョッキを手にする。

 しかし、中身は水ではなくラム酒だ。

 

 海の上で、真水は貴重品だ。

 だが未成年である翼の論理や理性は酒気を拒否する。

 そしてそのまま、数分の時が流れた。

 

「くっ……」

 

 飲まねば命にかかわる。

 どの道、逆らうことは出来ないのだ。

 

 意を決したようにジョッキを傾け、翼は一息にラム酒を飲み干した。

 喉が焼けるような感覚に咳き込み、苦し気に呻く。

 

「け、ふっ、ぐぅッ……!」

 

 脳がかき回されるような酩酊感。

 ギアを纏っていることで多少の耐性はあったとしても、非常に度数の高いラム酒を一息に飲み干せば同じことだ。

 翼の思考は、そのまま深く沈んでいった。

 

 

 

「う、うぅっ……」

 

 翼の膣内に精液が注がれる。

 しかし朦朧とする意識の中では、か弱く声を上げることしかできない。

 今の翼は、自分が何をされているのかも正しく認識できてはいなかった。

 

「ん、んぐっ……」

 

 アルコールで焼けた喉が水分を求め、口元に注がれた液体を飲み下す。

 それが先程まで忌避していた精液であることも理解せず、赤子のように翼は精飲を行っていた。

 

「う、あっ……」

 

 口と膣を二本の肉棒で貫かれながらも、翼はそれを認識できない。

 ただ空に浮くような感覚と、無意識に感じる快楽を受け止める。

 

「――ッ!」

 

 もう何度めかもわからない海賊の射精。

 すでに翼の膣内は精液で埋め尽くされている。 

 ドロリと溢れ出る精液が、翼の太股を伝い床へと落ちた。

 

「あ、あぁ……」

 

 普段の凛とした表情は消え去り、だらしなく浮かべた笑みが海賊たちの興奮を煽る。

 彼らの肉棒は何度出しても衰えることがない。

 翼の酔いが醒めるまで、彼女の体は貪られ続けた。



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クリスと翼と切歌の海賊生活【3】

切歌回。
次回で海賊ギア編は完結の予定です。


 このままではいけない。

 暁切歌は、強くそう感じていた。

 

 一番の後輩だからだろう。

 翼もクリスも、口にこそ出さないが切歌をできる限り守ろうとしている。

 

 性奉仕に向かうのは二人で、切歌は毎日釣り具を垂らしているだけだ。

 稀に小魚が釣れても、その釣果は難癖を付けられて海賊たちに徴収される。

 

「あたしだけ迷惑をかけるわけには、いかないデスよね……」

 

 二人からの施しを受けているだけでは駄目だ。

 日ごとに疲弊している二人の様子に、切歌はそう決意した。

 

 

 

「よ、よろしくお願いするデス……」

 

 海賊たちに囲まれ、切歌は引きつった笑みで口を開く。

 男に媚び、股を開くその姿は良くも悪くも初々しい。

 

 豊満な肉体を持つクリスや海賊好みの雄々しい性格をした翼に比べ、子供らしさが前面に出ている切歌は率直に言って海賊たちからの需要が薄い。

 故に切歌は己が身を捧げるために自分自身の意思で股を開き、男に媚びる。

 

「う、うぅっ……」

 

 男根を固く隆起させた状態で座り込んだ海賊の股へ向け、切歌はゆっくりと腰を落とす。

 切歌の秘部が男根を少しずつ飲み込んでいき、ミチミチと音を立てて膣が広がっていく。

 

「く、ぐぅッ……!」

 

 犯されるのではなく、自分から犯されに行くという行動に切歌の体は強い忌避感を抱いていた。

 痛みと快楽に染まりだす脳内から理性を必死に守りつつ、切歌はスクワットのように腰を上下へ動かしていく。

 

 両手を後頭部に回して胸を激しく揺らしながら、切歌は己の膣で肉棒へと奉仕する。

 両足は小鹿のように震えているが、その上下運動は徐々に速度が上がっていた。

 

「く、あっ、あぅッ……」

 

 結合部からは水音が響き、愛液が隙間から飛び散りだす。

 快楽を感じている切歌の口元はだらしなく開いたままだ。

 

「――ッ!」

 

 腰を落とし、最奥にまで肉棒がねじ込まれたタイミングで海賊は射精した。

 切歌の膣内が精液で埋まり、隙間からポタポタと溢れ、漏れ出ている。

 ビクン、と体が一度跳ね、全身を脱力させて切歌は呆けていた。

 

「あ、あぁ……」

 

 舌を出し、口を大きく開けたまま切歌は動作を停止した。

 しかし海賊は一人ではない。

 そんな状態で終わるほど、彼らは甘くはなかった。

 

「あ、ぐうッ!」

 

 複数の海賊が切歌の体に掴みかかり、床へと押し倒す。

 背中を強く打ったことで、切歌の喉から呻き声が漏れた。

 

「ひ、あぁっ……」

 

 無数の手が切歌の体へと延びる。

 その手は胸や尻を乱雑に揉みしだき、四肢を床へと拘束する。

 

「む、ぐぅッ……!」

 

 喉奥に一本、膣に一本の肉棒が切歌の体を貫いた。

 口を塞がれ悲鳴を上げることも出来ず、切歌はただ蹂躙されていく。

 

 

 

 何度 も何度も切歌の体内に精液が注がれ、また別の肉棒が代わりに切歌を貫く。

 痛みは徐々に薄れ、代わりに快楽が切歌の脳内を満たしていく。

 

 切歌の胃が精液で埋め尽くされるころ、彼女は堕ちた。

 

「あ、はぁっ……」

 

 ゴクンと音を立て、精液を嚥下する切歌。

 全身を白く染めたまま、彼女は新たな肉棒を懇願する。

 

「お願いします、もっと、もっと欲しいんデス……!」

 

 足をM字に開いてしゃがみこみ、両手を胸元まで上げて切歌は男を誘惑する。

 犬が媚びを売るようなその姿に、海賊たちは再び切歌へ肉棒を突きつけた。

 

「は、あぁっ……むぐっ、んぐぅッ……」

 

 恍惚とした表情で、切歌は眼前に突きつけられた肉棒を咥え込む。

 根元から先端までを丹念に舐め回し、付着した汚れを嚥下する。

 

「――ッ!」

 

 注がれた白濁液に、切歌の喉が大きく音を立てる。

 多量の精液を飲み込み、未だ切歌は肉棒から口を離さない。

 

「ん、じゅ、るぅ……!」

 

 貪るように、切歌は尿道に残った精液を吸い上げる。

 生臭い嫌悪の対象であったそれは、今や切歌にとっては何にも代えがたいご馳走と化していた。

 

「もっと、もっと……!」

 

 すでに理性は一欠片とて残ってはいない。

 切歌は快楽のみを求める雌犬へと変貌していた。

 

 そしてこの日以降、切歌がこの部屋から外に出ることは無かった。



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クリスと翼と切歌の海賊生活【4】

エピローグ的な何か。
今回で海賊ギア編は完結です。


 装者たちは完全に敗北した。

 

 劣悪な環境に精神は疲弊し、快楽に精神を支配されていく。

 そのような状態で一騎打ちに勝てるはずもない。

 敗北を繰り返し、隷属の呪いは加速度的に肥大化する。

 

 海賊見習いであった立場は降格を繰り返し、今では精処理の備品にまで堕ちていた。

 自由もなく、二十四時間休みなく、ただ享楽のために肉体を貪られ続けている。

 

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ……!」

 

 息を荒げ、暁切歌は差し出された朝食に目を輝かせる。

 裸同然の服装で四つん這いになり首輪を付けて目の前の餌皿へと舌を伸ばす様は、まさに雌犬と呼ぶのが相応しい姿だった。

 

 餌皿に注がれたのは、ミルクと精液の混合物だ。

 ドロリとしたグロテスクな見た目と醜悪な臭いだが、切歌はご馳走を味わうかのように少しづつ舌先で掬い取り味わいながら飲み込んでいく。

 

 餌を咀嚼しながら、切歌は四つん這いの姿勢で尻を突き出したまま左右に揺らす。

 犬が尻尾を振るような動きで、切歌は男根を懇願していた。

 

「ぐぅっ、あ、いぃッ……!」

 

 望み通りに切歌の膣へ、海賊の男根が挿入される。

 白目を剥きかねないほどに目を見開き、切歌は与えられた快楽に溺れていく。

 

「ん、じゅ、じゅるッ」

 

 目の前に男根を差し出され、切歌は犯されながらその男根にむしゃぶりつく。

 前後から犯される状態であっても、彼女の表情は歓喜に染まっていた。

 

 切歌の首輪には先端が床に固定された鎖が繋げられており、立ち上がることが不可能。

 鎖は非常に短く、今の彼女は半径二メートル程度にしか移動できない。

 家畜同然の扱いを受けている切歌だが、それでも他の二人に比べればこれでもまだ自由がある方だと言えた。

 

 

 

「ん、ぐぅッ……!」

 

 雪音クリスは両手を鎖で縛られた状態で、天井から吊るされていた。

 重力に従ってゆらゆらと揺れる体を、海賊が己の肉棒で貫いている。

 

 鉄製の口枷のせいで満足に声を上げることも出来ず、クリスはただ呻くだけだ。

 両の乳首には大型のリングピアスが装着され、時折海賊が引っ張るたびに甲高い悲鳴のような絶叫が部屋に響いている。

 

 切歌とは違い、完全に自由を封じられた状態。

 海賊がクリスに近づくたびに、彼女はビクリと体を震わせた。

 そして未だ折れていない心を示すかのように強く相手を睨みつけることが、クリスにできる唯一の抵抗だった。

 

「――ッ!」

 

 無論、そのような些細な抵抗に意味があるはずもない。

 クリスの膣内はあっという間に精液で満たされ、クリスは口端から涎を垂れ流しながらピクピクと痙攣を繰り返していた。

 

「い、ギィッ!」

 

 気を失いそうになった瞬間、クリスの乳首ごとピアスが引っ張られる。

 指すような鋭い痛みに、クリスの意識は強制的に覚醒させられる。

 

 楽になることも許されず、切歌のように墜ちるまでクリスは犯され続ける。

 

 

 

 クリスに自由は無いが、風鳴翼はそれ以上だ。

 クリス以上に折れない精神を持つ彼女は、完全に人としての権利を奪われていた。

 

 体を入り口近くの壁に埋め込まれ、下半身だけが部屋の中にある状態。

 翼の価値は秘部と尻の穴にしかないと宣告するように、機材同然の扱いを彼女は受けていた。

 

 食事は壁へと伸びたチューブから。

 様子は見えないが、液体の中身が減っていることから翼が生きていることが外部にもわかる。

 

 食事内容は果物や酒、精液に尿を混合した汚物としか形容できない液体だ。

 しかし翼は屈辱に塗れながらも生を望んでいるのだろう、液体は定期的にチューブを通って壁の中へと消えていく。

 

 最も強い心を持った彼女は、それ故にこの船の中で誰よりも底辺の扱いを受けている。

 

「――ッ!」

 

 射精で穴が精液で埋まる。

 すると乱雑に中身を掻き出され、再び利用される。

 

 穴を犯され続け、翼の肉体は止まらず痙攣を繰り返している。

 

 壁に埋め込まれたせいで表情は見えないが、海賊たちにはそれでよかった。

 滑稽な姿で犯され続ける翼の内心は、彼女自身にしか分からない。



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月読調の電車帰宅

「ん……」

 

 月読調は遠出の用事を済ませ、帰りの電車に乗り込んだ。

 空いていた行きと違い、電車はかなり混んでいる。

 

 軽くため息を吐くと、調はあることに気付く。

 席に座った一人の男が、調へ手招きをしていた。

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

 ペコリと頭を下げて、調は腰を下ろす。

 男が座ったままの、膝の上に。

 

「ふぅ……」

 

 両手を己の膝に乗せ、調は一息ついた。

 背後に体重を預け、全身を脱力させる。

 

 結果、調の全身を男が抱き寄せるような姿勢になる。

 調の小柄な体躯が、男に包まれていた。

 

「――んっ」

 

 男の右腕が、調の腰に回される。

 引き寄せるように固定され、調の背中が男の胸元と密着した。

 

「ん、あっ……」

 

 男は己の左手を調の内腿へと這わせる。

 撫でるような手つきに、調の喉から思わず声が漏れた。

 

 男の手つきは徐々に激しさを増していく。

 露出した太股を触っていた左手は、いつの間にか調の服の内側へと入り込んでいた。

 

「あっ、くぅ、んっ……」

 

 調の小さな乳房を、男の手が揉みしだく。

 沸き上がる快楽に身をよじらせる調だが、男の右腕でしっかりと押さえつけられた肉体はびくともしない。

 

「――ッ!」

 

 せめて声を殺したのは、調の努力の結果だろうか。

 執拗な愛撫に絶頂した調の肉体が、ピクピクと震え続ける。

 

 愛液で下着は濡れ、少なくない汗が全身を照らしている。

 そんな様子に、椅子となっている男の股間が膨らみ始めた。

 股間の膨らみは直接、座っている調の尻を押し上げる。

 

「く、ふぅッ……」

 

 己の口を手で塞ぎながら、調は沸き上がる快楽に抵抗を続けていた。

 絶頂の直後で敏感になっている肉体を、男は容赦なく責め立てる。

 

 胸から離れた男の左手は、ゆっくりと調の下腹部へ向かう。

 スカートの中へと入り込んだ手が、秘部を刺激し始めた。

 

「――く、あッ」

 

 大きく一度、調の全身が痙攣した。

 ぐしょぐしょに濡れた下着はいやらしく水音を立て、周囲に響かせる。

 

 音や様子に気付いた周囲の客の視線が、自然と調へ集まった。

 衆目に晒される少女の痴態に、乗客たちは自然と己の股間を膨らませている。

 

 どう見ても異常であるその光景を、世界は常識と改変する。

 故に騒ぎ立てる者は皆無。

 調自身も助けを求めることはなく、ただ快楽に身を悶えさせるだけだった。

 

「――ッ!」

 

 二度目の絶頂。

 下着から溢れた愛液が座席と男のズボンを濡らす。

 

 調の顔は蕩けたように歪んでいる。

 口端からはだらしなく涎が垂れ、熱に浮かされたようにふらふらと頭が揺れていた。

 

「ひ、あっ」

 

 だが、男は容赦なく愛撫を繰り返す。

 多量の愛液を股から掻き出すように、男の指が調の秘部の中へと侵入した。

 

 生き物のように膣内で動く指に、調の限界は訪れる。

 声を殺すこともできず、車内へ嬌声を響かせ始めたのだ。

 

「あ、あぁっ、い、ひぃッ……!」

 

 もはや人の声をなしていない、動物じみた喘ぎ声。

 調は情欲を煽るように声を響かせ続け、周囲の男たちの興奮を増長させた。

 

「――ッ!」

 

 三度目の絶頂。

 それと同時に、電車は目的地へと停車する。

 

「ひ、ぐぅっ」

 

 もはや立つこともできない。

 這うように、調は電車を降りる。

 

 服を乱れさせ、汗と愛液に塗れたまま。

 調は震える足取りで、痴態を晒したまま帰宅した。



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切歌と調の巫女体験

 正月。

 新年の参拝客で、神社はどこも大盛況だ。

 

 月読調と暁切歌の二人は、近所の神社で頼まれてお手伝いをすることになった。

 お守りの売店で二人は巫女服を着て接客業に勤しんでいる。

 

「大盛況デスね」

「うん、忙しい……」

 

 慣れない仕事というのもあるが、そもそも人の数が尋常ではない。

 絶え間なく訪れる客の波に、二人は乱れた服を直す暇もなかった。

 

 それも当然。

 男性客はそのほとんどが、二人の姿を目当てにやってきているのだ。

 二人の恰好は、神に仕える者とは思えないほど淫靡に改変されていた。

 

 下着の代わりに着る腰巻と肌襦袢は存在せず、直接白衣《はくえ》と緋袴を身に纏っている。

 薄布のような頼りない生地は僅かな風でも揺れ、男たちの劣情を煽る。

 下着を着用していないせいで、腰や胸元からは彼女たちの白い肌が丸見えだった。

 

 忙しくあちこちに走り回るせいで、二人の衣服は乱れている。

 ずれた胸元から谷間が見え、袴の隙間からは尻肉の膨らみが露出する。

 そんな姿に興奮を抑えきれない男性客たちの勢いは増していく。

 

「つ、疲れたデス……」

「少し、休憩……」

 

 日が暮れてもなお、神社の人だかりは消えていない。

 売店は落ち着いたが、男性客は帰宅することなく切歌と調の艶姿を目に焼き付けている。

 

 神社の隅で座り込む二人の姿が、劣情を煽る。

 汗で張り付いた白衣越しに、乳首までくっきりと見えていたのだ。

 

「……ん?」

 

 一人の男が、休憩中の調の元へと歩いてくる。

 目の前で立ち止まった男は、自然な流れで己の肉棒を露出させた。

 そして、当然のように調はその肉棒を両手で支え、咥える。

 

「不浄なものを払うのも、巫女の仕事」

「調って、結構凝り性デスよね」

 

 異常な光景。

 だが、それが今のこの世界では常識なのだ。

 

「ん、じゅ、んぐッ……」

 

 肥大化した肉棒を口いっぱいに頬張り、調は口淫奉仕を繰り返す。

 舌や頬で刺激された肉棒ははちきれんばかりに膨張し、あっという間に限界を迎えた。

 

「――ッ!」

 

 調の喉に、多量の精液が注がれる。

 調はそれを一滴も零すことなく喉奥に流し込み、さらに肉棒を丹念に舐めて掃除する。

 

「ふぅっ」

 

 一息ついたのもつかの間。

 先程の売店のように、二人の前には長い行列が出来ていた。

 

 二人の肉体は、長い改変世界での生活で性に触れ続けている。

 故に、体は男の臭いに反応し、ただそれだけで股を濡らしていた。

 

 

 

「ん、ぐっ……」

「じゅ、るぅっ……」

 

 調と切歌の周囲を囲む無数の肉棒。

 彼女たちはその一つ一つを口と手、股で奉仕し射精を促していく。

 

 口で一つ、両手で二つ、股で一つ。

 最低でも四×二で八つの肉棒が二人の体を犯している。

 そんな状況が数時間にも渡って続いていた。

 

 巫女服は緋色の袴が白く染まるほど、精液に汚されている。

 髪も肌も、普段通りの箇所など存在しない。

 胃の中ですら、精液で満たされているだろう。

 

 精液や汗、愛液その他が混じり合い、悪臭と呼ぶのも憚られるほどのすえた臭いが満ちている。

 しかし調と切歌は恍惚とした表情でその香りを堪能していた。

 

「んっ、はぁ……」

「んぐっ、ぷはっ」

 

 絶え間なく注がれる精液を舌で味わい、蕩けた表情で続きを催促する二人。

 尻を左右に振り、胸元を両手で広げる姿は巫女ではなく淫魔と表現するのが相応しい。

 

 そんな二人の様子に、男の精は尽きることなく増長を続けている。

 一人あたり最低三発は子種を注いでいるというのに、彼らの男根は未だ萎えることなく雄々しくそそり立っていた。

 

「あ、あぁっ……!」

「い、ぐぅっ……!」

 

 二人の嬌声が合唱のように男たちの耳を打つ。

 仕草が、声が、姿が。

 その全てが男の興奮を煽り、より激しく二人を犯す。

 

 

 

「ふぅ、すっかりお疲れデス」

「早く帰って晩御飯にしよう」

 

 巫女服から私服に着替えて帰宅する二人。

 未だに精液に汚れた肉体に気付いていないのか、それとも汚れという認識が無いのか。

 改変された常識がどのように二人の認識を変化させているのかは不明だが、生臭い香りを全身から放つ二人の姿は明らかに異常だった。

 

 幼い容姿に、精液塗れの肉体。

 彼女たちが笑顔で歩いていなければ、傍からは暴漢に襲われたようにしか見えないだろう。

 実際、似たようなものなのだが。

 

 股から垂れる白濁液が太股を伝う。

 淫靡で淫らな姿を衆目に晒しながら、二人は日常へと帰っていった。



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風鳴翼のライブイベント

 風鳴翼は新たに出演が決まった歌番組のリハーサルを行っていた。

 本番を前日に控えたリハーサルは、殆ど本番と変わらない進行だ。

 

 用意された衣装に身を包み、多くのライトで照らされた舞台に翼は現れた。

 スタッフの視線が、翼に集中する。

 

 翼が身に纏う衣装は、非常に布地の少ないものだった。

 腹部や肩、胸に脇が大胆に露出されている。

 ビキニ水着のトップスと超が付くほど短いスカートにフリルをあしらったような衣装と例えれば伝わるだろうか。

 

 さらに通常の世界では衣装の中に着用していたはずのスパッツが消失していた。

 当然のように下着は上下共に無し。

 結果、翼の尻や秘部は舞台下から見上げるスタッフに丸見えだ。

 

 スタッフの指示に従い、翼は舞台をゆっくりと歩き回る。

 複数のカメラが翼に向いているが、今は回っていない。

 あくまでも段取りの確認だ。

 

「んっ……」

 

 時折スタッフが翼の元へと小走りでやってきて、会場を指差しながら指示を飛ばす。

 妙に多い肩や腰に触れながらの指示に、翼は違和感を覚えることもなく従っていた。

 

「では、お願いします」

 

 最後に行われる通しのリハーサル。

 実際にマイクを手に歌を歌い、本番さながらの雰囲気に包まれる翼。

 確認用に回されているカメラはその全てが翼を映している。

 淫らに晒された尻や秘部を、余すことなく。

 

 本番ではこの痴態が会場の観客だけでなく、生放送で全世界中に届けられることになる。

 だがそんな危惧や不安が、今の翼にあるはずもなかった。

 

 

 

 翌日。

 会場を埋め尽くすファンに、翼は心からの笑みと歌声を届けていた。

 

 リハーサルに比べ“多少”衣装が変更されている以外はトラブルもない。

 翼は歌に没頭してライブを盛り上げていた。

 

 翼が振り付け通りに強く腕を回す。

 連動して衣装が靡き、スカートが舞い上がる。

 

 カメラが捉えたのは下腹部を隠しているはずの布地ではなく、秘部に固定された小型のピンクローターだった。

 

「――あ、あぁッ」

 

 小刻みに振動し刺激を与えるローターに、翼の頬が紅潮する。

 時折歌声が途切れ、代わりに甘い喘ぎ声が漏れていた。

 

 誰もそれを異常だとは認識しない。

 だが、その様子に観客の男はライブとは別の興奮を感じていた。

 

 次の曲に入っても、翼の衣装は変わらない。

 それどころか、一曲目よりも激しい振り付けを行うせいでより大胆に秘部を露出している。

 

 二曲目が終わり、一度翼は舞台袖へと移動する。

 スタッフが乱れた衣装やメイクを手直しするのだ。

 

 手渡されたペットボトルのストローを吸い、水分補給を済ませる翼。

 そんな彼女に、スタッフは耳打ちした。

 

「え、衣装が破れている?」

 

 言われて見ると、確かにスカート部分の端が少し破れている。

 トラブルの発生に慌ただしくなるスタッフたちに、翼は優しく声を上げた。

 

「この程度なら、一曲分もあれば直せるでしょう。問題はありません」

 

 翼はそう告げると、躊躇いなく衣装を脱ぎ捨て全裸になった。

 

「では、手直しをお願いします」

 

 傍にいる衣装係に着ていた衣装を渡すと、翼は全裸のまま舞台へと歩いていった。

 敗れたのはスカート部分だけなのだから上を脱ぐ必要はないのだが、なぜか誰もその言葉を告げる者はいなかった。

 スタッフたちはあくまでも真面目に、衣装の修復を急ぐ。

 

 全裸で現れた翼に、会場はどよめいた。

 そんな様子に翼は、予定と違う恰好で現れたのだから皆が驚いているのだろうという程度の認識しかしていない。

 あくまでも違う衣装で現れたという体で、翼はそのまま歌い踊る。

 全裸にローターを付けた状態の翼をカメラが追い、ライトが照らす。

 その様子に目を奪われなかった者は存在しない。

 

「――ッ!」

 

 挙句の果てに、翼はその格好のまま絶頂を迎えた。

 歌が終わると同時に、刺激を与えられ続けた秘部が限界に達したのだ。

 

 決めポーズを取りながら愛液を噴き出させる翼。

 一瞬意識が飛んだが、すぐさま持ち直し何事もなかったように舞台袖に戻る。

 衣装を身に纏い、次の曲のイントロと同時に舞台へと駆けていった。

 

 

 

「お疲れ様です、無事に終わってよかった……」

 

 全曲を歌い終えた翼は、舞台袖に集合したスタッフにそう告げた。

 あの後も一度、合計で二度の絶頂を衆目に晒しながらも翼に羞恥の感情は無い。

 荒い息を整えながら、この後に控える握手会の準備を淡々と進めていた。



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風鳴翼の握手会

 盛大に痴態を晒した風鳴翼のライブは大盛況のまま幕を閉じた。

 ファンたちは熱に浮かされたような興奮を保ったまま、握手会へと参加する。

 

「んっ、ぐっ、じゅぷっ……!」

 

 行列の先頭では、翼がファンたち相手に“握手”を実施している。

 スタッフの指示に従い、ファンは翼に己の肉棒を突きつけていた。

 

 両手と口で計三本の肉棒へ、翼は同時に奉仕している。

 ライブ衣装のままガニ股でM字に足を開いてしゃがみ込み、眼前に突きつけられた肉棒を懸命に咥えていた。

 休みなく唇と舌を動かしながら、両手で別の肉棒を扱き続ける。

 

 捲れ上がったスカートの中からは、極太のバイブが姿を見せている。

 翼の秘部が強く咥え込んだそれは、今も小刻みに振動を繰り返していた。

 

「――ッ!」

 

 一斉に三本の肉棒から白濁液が放たれる。

 翼の口内とライブ衣装を同時に白く染め上げたそれを、翼は恍惚の表情で受け止めた。

 

「ん、ぐっ」

 

 苦し気に、しかし味わうように口内の白濁液を嚥下する翼。

 ペロリと出した舌で口元に付着した分も舐め取り、喉奥へと流し込む。 

 

「すぅっ……ふぅ……」

 

 体に降り注いだ白濁液の香りを堪能するように深く鼻で息を吸い、翼は次の肉棒を催促する。

 ファンたちは目の前で痴態を晒す歌姫の願いを叶えようと、下半身を露出させたまま翼へと歩み寄っていく。

 

「んぐっ、じゅっ……」

 

 翼は差し出された新たな肉棒を待ちきれないとばかりに咥え込む。

 喉の渇きを水で癒すように、翼は白濁液を求めて奉仕を繰り返した。

 

 

 

「……予定が押している?」

 

 未だ長蛇の列が形成されているのを見て、スタッフが翼に耳打ちした。

 予定以上の参加者が並んでいるせいで、終わりが見えていない。

 

 仕方ない。

 そう翼は一度ため息を吐き、己の膣に突き刺さっていたバイブを抜き取った。

 

「四人同時なら予定の時間内に終わるでしょう。手間をかけさせて申し訳ありませんが……」

 

 後ろに尻を突き出したような姿勢を取った翼の姿に、一瞬でファンは理解する。

 両手と口で足りないのだから、翼は新たな穴を使用することにしたのだ。

 

 中腰の後背位のような姿勢で、翼の膣は新たに肉棒を受け入れた。

 溢れ出んばかりの愛液で濡れ切った翼の膣は、簡単に肉棒が奥まで挿入される。

 

「あ、あっ……んぐっ!」

 

 思わず漏れ出た嬌声は、別の肉棒が翼の口を塞ぐことで消失した。

 前後から穴を貫かれ、しかし翼の両手が手淫奉仕を止めることは無い。

 

 前後左右から四本の肉棒が、翼を犯す。

 

「――ッ!」

 

 内と外の両方から、翼の体は白く汚される。

 快感と興奮に震える意識をプロ根性で繋ぎ止め、次々と放たれる白濁液を翼は己が肉体で受け止め続けた。

 

 

 

 最後の一人が翼の膣に白濁液を注ぎ込み、握手会は終了した。

 スタッフの合図と共に、集まったファンは興奮の中解散していく。

 

「あ、え、あぁぁ……」

 

 ピクピクと痙攣を繰り返す翼は、もはや呂律も回っていない。

 仰向けで倒れ、その全身を白く染めている。

 

 膣はだらしなく緩み、中に詰まった大量の白濁液が見えている。

 ライブ衣装に付いた悪臭と汚れはもう二度と取れないだろう。

 

 ファン全ての精をたった一人で受け止めきった歌姫は、薄れる意識の中で至極の快感を感じている。

 正気を取り戻すまで、彼女が動きだすことはなかった。

 

 撤収作業を行うスタッフたちが、労いの言葉を翼に届ける。

 その言葉も、今の翼には届いていないのだろう。



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立花響のマッサージ体験

 立花響は、最近新たに開店したマッサージ店へと入る。

 配られていた割引券を使わないのも勿体ないと思い、放課後に立ち寄ったのだ。

 

 元々は翼かマリアに渡すつもりだったのだが、丁度二人は長期のライブで忙しい。

 響は普段こうした店に縁は無いが、一人の女としてそれなりの興味はあった。

 年の割に純粋な響のイメージでは、漠然とした大人な印象というだけだが。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 こうした店は初めてなこともあり、上ずった声で響は指示に従い個室へ入る。

 簡易なホテルの一室のような部屋には、中央に白く大きなベッドが置かれていた。

 小さな音で落ち着いた音楽が流れ、響はそれだけで緊張した心が落ち着いていくのを感じている。

 

 女性客を担当するのが男性であることは非常に珍しいのだが、知識の無い響はそのまま指示に従い着ている服を脱ぎ始めた。

 目の前で異性が見ていることなど気にもせず、響は着ている全ての服を脱ぎベッドの横に置かれた籠へ放り投げる。

 

「ん、しょッ……」

 

 全裸になった響は、そのままベッドにうつ伏せになった。

 二つの乳房がベッドに押し付けられて、その形を変える。

 

「ひゃッ」

 

 男は棚から取り出したアロマオイルを響の背中に垂らし、両手で馴染ませ広げていく。

 冷たい液体の感覚に短く悲鳴を漏らす響だったが、やがて身を委ねるように口を閉ざし始めた。

 

「あぁ……」

 

 蕩けるような表情を浮かべ、されるがままに響はマッサージを受ける。

 初めての体験で感じていた緊張は消え、雲の上に浮かぶような気分の良さが響を満たしていた。

 

 男の手は背中全体を撫でまわした後、両手両足、そして前面へと向かう。

 両手で包み込むように、響の乳房を掴んだ。

 

「わっ、ちょっと……んッ……」

 

 驚きは一瞬。

 沸き上がる快楽に、響が漏らす戸惑いの声は瞬時に喘ぎ声へと変化した。

 

「くッ……あぁッ」

 

 揉み解し、摘まむように乳首を刺激される響。

 まだ液体を塗っていないはずの秘部から、トロリと愛液が漏れだしていた。

 

 その様子を見た男は、続いて尻を揉みしだく。

 オイルの効果で発汗を始めた響の肉体は、愛撫に似た刺激を受けその全てを快楽へと変換していた。

 

「んッ、くぅッ……」

 

 甘く苦し気な声が、響の喉から絶え間なく流れる。

 その瞳は微睡み、口端からはだらしなく涎を垂らしていた。

 

「――ッ!」

 

 ビクンと、響の体が大きく痙攣した。

 噴き出すように秘部から愛液が生成される。

 

 ベッドシーツに大きく染みを作った響。

 しかし男は意にも介さずその手を尻から秘部へと移動させた。

 

「い、ぎぃッ……!」

 

 絶頂直後で敏感になった響の秘部を、男は容赦なく刺激する。

 指を入れ、内部でかき回すように動かされる指に響の快楽は増長を繰り返していた。

 

「あッ、あぁッ、ぐ、うぅッ……!」

 

 腰を浮かせて必死に沸き上がる絶頂の波に耐える響だが、それも長くは続かない。

 あっという間に、響は二度目の絶頂へと達した。

 

「――ッ!」

 

 先程よりも多くの愛液が、ベッドシーツを汚す。

 それだけでなく、響はチョロチョロと別の黄色い液体までも垂れ流していた。

 むせ返るような臭いが、部屋中へと充満する。

 

 しかしマッサージは終わらない。

 響が選択したコースは六十分。

 残り三十分のマッサージを、男は淡々と響へ実行していく。

 

 

 

「あ、あぁ……へぇッ……」

 

 六十分が経過し、マッサージが終了した頃。

 響は数えきれないほどの絶頂に意識が朦朧としていた。

 

 うわ言のような喘ぎ声。

 意思に反して痙攣を繰り返す肉体。

 

 汗と唾液と愛液と尿を吸ったベッドシーツの端からは、ポタポタと雫が床へ垂れ落ちている。

 今も響の股からは、愛液がシーツへと垂れている最中だ。

 

「あ、ありがと……ごじゃいます……」

 

 もはや呂律も回らず、視界も定かではない状態。

 差し出されるままに服を受け取り、男に手伝ってもらいながら服を着なおす。

 

 全身が様々な液体に濡れたまま着たせいで下着も服もぐしょぐしょになってしまっているのだが、薄れる意識では気づかない。

 響は上の空のまま、店を後にし帰宅する。

 淫靡に顔を赤くしたまま歩く響の姿は、道行く人々の視線を独占していた。



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小日向未来のお買い物

 小日向未来は、近所のデパートで買い物を楽しんでいた。

 

 立花響と二人で楽しむ予定だった休日のスケジュールは、突然舞い込んだ任務によって強制的に変更させられたのだ。

 何度も頭を下げる響を笑顔で送り出し、未来は一人でショッピングに繰り出した。

 

 いつもよりやや豪勢なランチを食し、未来が足を運んだのは服屋だった。

 無数に並んだ女性服を眺め、手に取り、値札を見てそっと戻す。

 そんな行為を何度も繰り返し、ふと手が止まる。

 

「あ、すみません――」

 

 近くの店員に声をかけ、試着を申し出た。

 店員は笑顔を浮かべながら、未来を試着室へと案内する。

 

 案内されたそこは店の中心。

 お立ち台のように設置されたそこはどう見ても試着室とは思えない。

 大きな鏡と脱衣籠のスペースがかろうじて確保されているだけで、その試着室には周囲から身を隠す壁や布が一切存在していなかった。

 

「ん、しょ」

 

 だが、未来は疑問を抱くことなく靴を脱ぎ、鏡の前に立つ。

 そして着ている服を脱ぎ脱衣籠へと入れ、下着姿になった。

 

 当然、周囲の男性の視線が一斉に未来へと降りかかる。

 周りに見られているという認識はあるのだろう、未来の頬が赤く染まりだした。

 

 しかし、未来は己の肢体を隠すことは無い。

 あっという間に下着姿になった未来は、鏡で自分の姿を確認しながら薄紫色のワンピースを手早く試着した。

 

「んー……」

 

 軽く動きながら、未来は鏡に映る自分の姿を確認する。

 その度にヒラリとワンピースの裾が舞い、履いているショーツが周囲へ晒されていた。

 男性客は残らず足を止めており、一部は携帯カメラで撮影までしている。

 

 しばらく思案を続けた後に、未来はワンピースを脱ぐ。

 再び下着姿を周囲に晒し、そして手早く私服を身に着ける。

 

 試着したワンピースを店員に渡し会計を済ませると、未来は買い物を再開した。

 

 

 

 次に未来が訪れたのはランジェリーショップだ。

 裏路地の奥に存在したその店を偶然発見した未来は、恐る恐る入店した。

 中には未来以外の客はおらず、セクシーな女性用下着が数多く陳列されていた。

 店員が男性であることが気になったが、未来はそのまま商品を見て回る。

 

 レースが付いていたり透けていたり、この店の商品は未来が普段使用しているのよりも大人という印象が強い。

 恥ずかしいという感情と背伸びをしてみたい年頃の女の子の思考を混ぜ合わせたような頭で、未来はいくつかの下着を手に取った。

 

「あの、試着いいですか?」

 

 店員の許可を取り、未来は商品を試着する。

 下着の試着など聞いたこともない。

 

 だが、未来はそれが当然であるかのように店の中で服を脱ぎ、裸になった。

 試着室は無いと言われたので、未来はその場で服を脱いだ。

 当然全裸の姿が店員である男性に丸見えになるが、未来は気にせず下着を着用する。

 

「ん……似合ってますか?」

 

 目の前でストリップを開始し、薄いピンク色のフリル付き下着を見せつける女に対し、男の興奮は否応なく高められる。

 未来は構うことなく、次々と男の目の前で下着を着け変え続けていく。

 

 未来は勘違いしているが、この店は元々アダルトグッズの店だ。

 それ故に置いてある商品も、そういったものが殆ど。

 

 次に未来が付けた黒い下着は、中央部分に穴が開いている。

 乳首や秘部が丸見えになっており、下着の役割を果たしていない。

 男の性を煽るためだけのデザインを、未来は目の前の店員に見せつける。

 十二分にその効力は発揮され、男の肉棒はズボンの上からでもわかるほどにそそり立っていた。

 

 店員はもう我慢の限界だと言わんばかりに、ズボンを下ろし己の肉棒を露出させると未来を凝視しながら自慰を開始する。

 限界直前だったそれは、あっという間に絶頂へと達した。

 

「――ッ!」

 

 未来の全身に男の精液が降り注ぐ。

 黒の下着は白色に染まり、未来の痴態をより淫猥に変化させた。

 

「あっ……」

 

 店員の肉棒は、一度の射精程度では大人しくならない。

 ビクビクと震えながら太く固くなり続けているそれを、未来はじっと見つめていた。

 無意識に改変された未来の精神が、性を求めている。

 

 言葉もなく、未来は店員の元へ近づくとその腰に両手を回す。

 抱き着くような姿勢になり、そそり立つ肉棒に己の股を擦り付け始めた。

 

「んっ……」

 

 前後に腰を動かし、未来は甘い声を漏らす。

 挿入こそされていないが、その動きは完全に性交のようにしか見えない。

 

 肉棒へ与えられる柔らかな刺激。

 そして目の前の光景が生み出す興奮は、あっという間に二度目の射精を促した。

 

「――ッ!」

 

 一度目よりも多く濃い精液が、未来の腹部を汚す。

 恍惚とした表情を浮かべながら、未来は熱く注がれた液体を愛おし気に見つめていた。

 

 

 

「わ、もうこんな時間……」

 

 店を出た未来は、早足で荷物を抱えて歩き出す。

 

「特別に安くしてもらっちゃったし、いい店見つけたかな」

 

 今度は誰かを誘ってみようか。

 そんな考えを浮かべながら、精液塗れの下着を身に着けて未来は日常へと帰還する。



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マリアの怪盗ギア

「ふぅ……」

 

 マリア・カデンツァヴナ・イヴは、過去にとある事情で身に纏っていた怪盗型ギアの姿で深くため息を吐いた。

 まさかまたこの恰好をする日が来るとはと、深夜の誰もいないビルの屋上で黄昏れながら。

 

 錬金術師との繋がりを疑われている大手企業への潜入捜査。

 その目的のために隠密行動に長けた怪盗型ギアを再び使用することになったのだが。

 

「やっぱり気恥ずかしいわね、この恰好は……」

 

 怪盗ギアは隠密行動に特化したギアだが、その恰好は非常に目立つ。

 魔法少女のような衣装のセレナや昔の特撮染みた恰好の響とはまた違う、アダルティな衣装へと変化するこのギアをマリアはあまり好んでいない。

 

 改変の影響もあり、その恰好はとても人に見せられるようなものではなくなっている。

 胸元の布地がギリギリ乳首を隠せる程度にまで縮小、更に足を覆うタイツと下腹部を隠すレオタードが丸ごと消失しており、もはや裸よりも淫猥と言っていいほどにギアの形状は変化していた。

 性器と乳首のみを隠し腰にマントを巻いた姿は、一般人に目撃されれば別の理由で通報されかねないだろう。

 

 さっさと仕事を終わらせて元の姿に戻ろうと、マリアは目的のビルへ潜入を開始した。

 

 

 

 任務は滞りなく達成した。

 マリアは手早く潜入し、目的の資料を手にすると即座に離脱。

 手慣れた様子に自分で自嘲しながら、マリアは近くの路地裏に身を潜めている。

 

 資料に仕掛けられた警報装置が起動してしまい、周囲に警備の人間が歩き回っているのだ。

 ギアの解除も考えたが、万が一解除の瞬間が発見されてしまえば取り返しがつかなくなる。

 警備の数が減るまではここで隠れているのが上策ではないかとマリアは思考していた。

 

「――誰だ?!」

 

 背後からの叫び声に、マリアの体が反射で動く。

 大きく飛び上がり不審者の背後に回ると両腕を拘束。

 女の身とはいえ、ギアを纏っていればそうそう一般の人間に力負けはしない。

 

 マリアの予想通り、相手の正体は警備の男だった。

 即座に銃を向けるあたり危険性は非常に高い。

 さてどうして無力化しようかとマリアが思考すると、男の股間が不自然に盛り上がっているのを発見する。

 

 痴女のような恰好を発見し、背中にマリアの胸を押し付けられ。

 男の股間は理性とは無関係に大きく膨らんでいた。

 

 マリアはこれ幸いとばかりに、躊躇いなくズボンの中へ手を入れると勃起している男根へと己の手を伸ばす。

 拘束を強める意味も込めて先程以上に体を引き寄せ胸を押し付けながら、マリアは男根を扱き始めた。

 

 男は必死に脱出しようと踠くものの、装者の力に敵うはずもない。

 されるがままに男根を弄ばれ、やがて限界を迎える。

 

「――ッ!」

 

 ビクンと男の体が跳ね、全身から力が抜ける。

 マリアが拘束を解くと、男は立っていられず糸の切れた人形のようにその場へ崩れ落ちた。

 

 骨抜きになった男を尻目に、マリアは警備の隙間を探る。

 しかし先程の叫び声を誰かが聞きつけたのだろう、マリアの元には次々と新たな警備の人間が接近を始めていた。

 

 前後から挟まれるように包囲されるマリア。

 しかし男たちはマリアの姿を見た途端、皆一様に股間を固くしている。

 その様子にマリアは薄く笑うと、男の集団へと飛び込んでいった。

 

 

 

「んぐ、じゅッ……」

 

 マリアは男根を深く咥え、手で扱き、尻穴と膣で飲み込んでいく。

 絶え間なく注がれる精液はマリアの全身を白く汚している。

 

 何度も射精させられ、搾り取られた男たちはその場で気を失い無力化されている。

 だがその騒動を耳にして、新たな男がやってくるせいでマリアは未だ脱出できていなかった。

 

「――ッ!」

 

 膣内に精液が注がれ、マリア自身も絶頂する。

 快楽に顔を歪め新たな男根を求める姿は、雌と呼ぶに相応しい。

 

 この場からの脱出という目的すら、今のマリアは忘却しかけていた。

 永遠に続くかと錯覚しかねない乱交騒ぎの中心で、マリアは男の精を搾り取り続けている。

 その姿は怪盗というよりも、淫魔と表現できるものだった。

 

 結局、マリアが任務を完了し帰還したのは夜が明けた頃だ。

 全身から雌の臭いを漂わせながら、労いの言葉を受けてマリアは日常へと帰還した。



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騎士型ギア マリア編

 錬金術師集団の残党が潜伏しているという痕跡を発見した装者たちは、その打倒のために複数のグループに分かれ世界各地へと旅立った。

 バルベルデ共和国近辺を担当することになったのはマリア・カデンツァヴナ・イヴ、風鳴翼、そして本人の強い希望により同行している小日向未来の三名だ。

 

 三人は襲い来る新型のアルカノイズへ対抗するため、己のギアを騎士の形へと心象変化させた。

 その効力は絶大で、次々とアルカノイズを撃破していったのだが。

 

 数が多すぎる。

 規模の大きさとしてはここが本命であったということなのだろう。

 他の場所を担当した装者たちの報告はごく小規模の施設を発見したというもののみ。

 

 囮を複数用意して装者の戦力を分散させる。

 その策に嵌められたマリア、翼、未来の三人は、奮闘虚しく捕らえられてしまう。

 

 

 

 錬金術師達が潜伏しているアジトの地下深く。

 牢に囚われたマリアは厳重に拘束され、他の装者たちの助けを待っていた。

 

 後ろ手に両腕を拘束され、両足には床と連結させた足枷が嵌められている。

 天井から延びた鎖はマリアの首輪に繋がっており、倒れることも許されない。

 

 自分一人だけなら隙をついて脱出も可能かもしれないが、翼と未来も別の場所に囚われている。

 逃げ出せば彼女たちの命は保証しないと脅迫されているために、マリアは大人しく待っていることしか出来ない。

 

「くッ……あぁ……!」

 

 マリアの膣には、大型のバイブのような機械が挿入されていた。

 シンフォギア装者の能力が精神性に強く影響しているという情報を得た錬金術師が新たに開発した対装者用の道具らしい。

 

 内部に装着されたその機械はフォニックゲインを吸収する機能を持ち、マリアの膣内で生き物のように常に形を変え続けながら暴れ回る。

 マリアは堪え切れず嬌声を漏らしながら、ギアの効力が徐々に弱まっているのを感じていた。

 

「あ、ぐぅッ……!」

 

 快楽から逃れようと身を捩じらせる度に、拘束具がカチャカチャと音を立てる。

 しかしどれだけ力を込めようと、拘束は微塵も揺るぎはしない。

 

「――ッ!」

 

 絶え間なく続く刺激に耐え切れず、マリアの肉体がビクリと大きく痙攣する。

 意識を失い倒れそうになる肉体を、厳重な拘束具が引き戻す。

 

「あ、ぐッ、うぅ……!」

 

 首の締まる痛みと、機械によって絶え間なく与えられる快楽。

 その両方に耐えながら、マリアは健気にいつになるかも分からない救援を待つ。

 翼と未来は大丈夫だろうかと、離れ離れになった二人の装者を案じながら。

 

 

 

「が、あ、あぁッ……!」

 

 丸一日が経過し、マリアの精神は限界に近づいていた。

 数十度の絶頂を繰り返した膣は、通常の数倍感度が増している。

 常時与えられ続けた刺激に、マリアの肉体は敏感に反応してしまう。

 

 さらに追加で、マリアの両胸には新たな機械が取り付けられている。

 家畜用の搾乳機を模したようなその機械は、胸の形が変形しかねないほどの強さでマリアの乳房を吸引していた。

 

 ギアの形状も大きく変化していた。

 マリアの精神がすり減るごとに鎧の面積は小さくなり、どんどん肌を露出した淫猥な恰好へと変貌していく。

 

 胸当てとスカートが消失したせいで両胸や秘部は丸出しで、機械による責めを受け入れるような形になっていた。

 手足を保護する武骨な鎧とヘッドドレスのみが残った今の状態は、全裸よりもいやらしく男を誘うような状態と言えた。

 

「――ッ!」

 

 数えきれないほど繰り返した絶頂がマリアを襲う。

 その度に彼女の心は摩耗し、ギアはより薄く淫猥に形を変える。

 

 錬金術師達の性的な視線に晒され、初めは羞恥の感情しか抱いていなかった。

 しかし今のマリアはその視線すら快感に感じてしまっている。

 

 薄気味悪い笑みで己の痴態を鑑賞され、マリアは絶頂に等しい快楽を味わい続ける。

 声にならない声を数十秒響かせると、急激にマリアは静かになった。

 限界を超えた快楽に脳が耐え切れず気を失ったのだ。

 

 そしてマリアが意識を失うと同時に、彼女を纏うギアが解除された。

 機械は動作を停止し、マリアを守るものは無くなった。

 マリアは全裸になり、そのままバタリと床へ倒れ伏す。

 十二分なフォニックゲインを採取できたことを確認した錬金術師は満足気に頷くと、用済みとなったマリアをこれからどう扱うかを思考し始めた。



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騎士型ギア 翼編

 マリアとは別の牢に囚われた翼は、なんとか脱出できないかと方法を模索し続けていた。

 錬金術師達がマリアと未来の元へと向かい、一人残される時間を狙い翼は動こうとする。

 

 しかし拘束は厳重で、翼は満足に動けない状態だ。

 両手は後ろ手に拘束され、両足も足首と太股の二か所で束ねられ立つこともままならない。

 芋虫のように牢の中を這いずりながら、なんとか翼は鉄格子の前までたどり着く。

 

「開いている、だと……?」

 

 翼が扉に触れると、キィという金属音と共に扉が押し開かれる。

 この牢は閉ざされてすらいなかった。

 

「舐めているのか……それとも」

 

 不可解な現状に思考が混乱するも、考えていても始まらない。

 そう翼は結論付け、開かれた扉から這って外へと出る。

 

「――え?」

 

 カチ、と。

 なにかスイッチの入るような小さな音が、翼の拘束具から鳴った。

 

「ひぁッ……!」

 

 瞬間、翼に装着された機械が作動した。

 フォニックゲインを吸収する作用を持つその機械は騎士型ギアの内部に入り込んでいる。

 膣内と尻穴に挿入されている機械は微細な振動を繰り返し、翼の全身に快楽を送り込んでいた。

 

「く、うぅッ……」

 

 誰もいない牢の中で、翼は一人快楽に悶えている。

 錬金術師達が翼を直接監視していないのは、脱出の危険が無いと判断されたが故。

 翼は何もできずに喘ぎ続けるだけだった。

 

「――ッ!」

 

 止まることのない振動を受け続け、翼は絶頂する。

 ビクビクと体を痙攣させながら床で踠く様は、まるで陸に上がった魚のようだ。

 

 翼の脳内が快楽と幸福感で満ちていく。

 だが、振動は止まることがない。

 

「あ、ぐぅ、うぁぁ……!」

 

 絶頂し敏感になった翼の肉体は、その振動に耐え切れない。

 慣れるどころか感度は増し続け、涎と涙を垂れ流しながら翼は快楽に溺れていく。

 

「やめ、止め……!」

 

 どれだけ懇願しようとも、この場には翼しかいない。

 沸き上がる快楽だけが、翼を襲い続けている。

 

「――ッ!」

 

 二度目の絶頂。

 股から愛液を溢れさせながら、翼はバタバタと不自由な体を暴れさせる。

 

「あ、ぐぅッ!」

 

 一定量のフォニックゲインを吸収したのが切っ掛けか、それとも時間の経過か。

 内部の機械がより激しく振動し始め、悲鳴に似た声が翼の喉からこぼれ出た。

 

 もはや脱出を考える余裕もない。

 マリアや未来がどうなっているかなど、思考の外へと追いやられた。

 

 永遠に続く快楽は地獄のように翼を追い詰める。

 

「――ッ!」

 

 三度目、四度目と耐え、五度目の絶頂でついに限界を超えた。

 翼は気を失い、それを証明するかのように騎士型ギアが解除される。

 

 後に残ったのは全裸で拘束され床に倒れる翼のみ。

 機械の振動はなおも止まらず、意識の無い翼の肉体は自動的に反応しビクビクと震えていた。



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騎士型ギア 未来編

 小日向未来は、震える体で目の前の錬金術師に股を開く。

 笑みを浮かべ蹲踞の姿勢で屈み、両手で秘部を広げ強調する姿は男に媚びる雌犬のよう。

 しかしその瞳には涙が浮かび、笑顔は恐怖に引きつっている。

 

 錬金術師の手にはマリアと翼のギアペンダントが握られていた。

 別の牢に囚われ身を案じていた二人が今どのような状態なのか、言葉が無くともその事実だけで未来には理解できてしまう。

 

 騎士型のギアを未来自身も身に纏ってはいる。

 だが、今の未来が錬金術師に反抗するという選択肢は存在しなかった。

 

 ただでさえ直接的な戦闘能力という面で未来は翼やマリアに劣っている。

 ここからたった一人で錬金術師達を全滅させ二人を救出するなどという夢物語を達成できると思うほど、小日向未来という人間は自分に酔っていない。

 

 逆らえない。

 命令は全て聞き、相手の機嫌を損ねない。

 それこそが生きるための手段であると、未来は理解してしまっていた。

 

 

 

「んっ、んぐぅ……!」

 

 未来の喉が、錬金術師の肉棒に犯される。

 根元までねじ込まれ呼吸もままならず、苦痛と恐怖に未来の目からは涙が零れる。

 

 マリアや翼と違い、未来の肉体には一切の拘束が存在していない。

 あくまでも自主的に、未来は嬲られることを選んだのだ。

 

 自由になった両手は、別の肉棒を掴み扱いている。

 生暖かく脈打つ感触に鳥肌が立ったのはほんの一瞬。

 そんなことを考える余裕など、当の昔に消えていた。

 

「――ッ!」

 

 ほぼ同時に三本の肉棒から白濁液が放たれた。

 喉奥に注がれると同時に、未来の体が外からも白く染まる。

 

 未来は苦し気に咳き込み、そして絶望する。

 視線を上げた先では、錬金術師が大型のバイブを手に未来へと歩みを進めていた。

 

「ひ、ぁぁ」

 

 短い悲鳴は、錬金術師の嗜虐心を煽るだけだ。

 容赦なくバイブは未来の膣へとねじ込まれ、内部から未来のフォニックゲインを吸収する。

 

「あ、ぎぃッ……!」

 

 一息に膣内へとバイブを押し込まれ、首を絞めたような悲鳴が未来の喉から漏れた。

 快楽と痛みが同時に押し寄せ、未来の脳内を埋め尽くす。

 

「ん、ぐぅっ、うぅ……!」

 

 錬金術師は未来の後頭部を鷲掴みにすると、己の肉棒を未来の喉奥に突き入れ固定する。

 喉を塞がれ、身動きも封じられたまま未来は苦し気に喘ぎ続けた。

 

「――ッ!」

 

 二度目の射精。

 胃の中にまで精液を注ぎ込まれ、未来はそのまま失神した。

 快楽と痛み、そして酸欠が重なり合い限界を超えたのだ。

 

 ギアが解除され全裸で倒れる未来の首元から、錬金術師はギアペンダントを回収する。

 精液に塗れながら気を失っている未来を尻目に、三人の装者からギアペンダントという成果を手にしたことで歓喜に震えていた。

 

 未来はそんな錬金術師達の意識外で、意識無く倒れ伏し続けている。

 ギアを奪われどうしようもないままに、装者たちは敗北という事実に絶望しているだけだ。



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騎士型ギア エピローグ

 錬金術師達は祝勝会を開いていた。

 長年の潜伏が実り、溜まっていた鬱憤が解放されている。

 装者たちは虜囚兼祝勝会の景品として、錬金術師達に利用されていた。

 

「ふ、ぐぅっ……!」

「あ、ぁぁ……!」

 

 部屋の中央に設置された高台に晒されたマリアと翼は、必死に自慰を行っていた。

 通常であれば自慰は性的快楽を求めて行うはずの行動だが、二人はまるで何かに追われているかのように己の秘部を弄っている。

 

 全方位から錬金術師達の視線を集め、下品な囃し声を全身に受けている。

 そんな中で二人は一刻も早く達するために自慰を繰り返す。

 

「――ッ!」

 

 一瞬早く、翼が絶頂した。

 愛液を勢いよく周囲に噴き出しながら、快楽で無様に表情を歪ませる。

 

「ひ、ぃ……!」

 

 そしてそんな翼を見て、マリアは恐怖の表情を浮かべた。

 これは錬金術師達の余興だ。

 先に絶頂した方のみがひと時の休息を許される。

 

 部屋の隅で秘部から精液を噴き出しながら痙攣を繰り返す未来の姿がマリアの瞳に映った。

 ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら群がる錬金術師達に押し倒された瞬間、マリアは視界に映る未来と同じ目に自分が合うのだと理解し、絶叫する。

 

「い、いや、んぐっ、むぐぅ……!」

 

 叫び声を上げる喉は肉棒に塞がれた。

 マリアの穴という穴に錬金術師達の肉棒がねじ込まれ、乱雑にマリアは犯される。

 

 全身を貫かれたままマリアは高台から引きずり降ろされ、代わりに部屋の隅で意識を失っていた未来が引きずり出された。

 冷水を顔面に浴びせられ未来は強制的に覚醒する。

 

「う、うぅっ……」

「ぐ、くぅ……」

 

 絶頂直後の翼と覚醒直後の未来は、新たな余興として争わされる。

 一度味わった地獄は心を締め付け、二度と味わいたくないという恐怖を植え付ける。

 今も響くマリアの悲鳴が、次は自分だと誘う死神の声のように二人の耳へと届いていた。

 

 

 

 数時間が経過してもなお、狂騒が収まる気配はない。

 肉体と精神を犯され続けた三人の装者達は瞳を濁らせながらその全てを蹂躙され続けている。

 

「う、ぁ……」

 

 悲鳴を上げ続け喉は壊れ、掠れた呻き声だけが漏れる。

 虚ろな瞳は何も映してはいない。

 犯される肉体だけが反応し、性を受け止めていく。

 

 装者三人の中でまず未来が一番先に限界を超え、壊れた。

 今は部屋から連れ出され、意識の無いまま便所の個室で便器として扱われている。

 使用された回数を示す太股に書かれた正の字は、もはや数えきれないほどだ。

 

 次に壊れたのが、マリアだ。

 肉体は持ったが、精神が限界を超えた。

 全裸で土下座をしながらもう許してくれと懇願を繰り返す無様な姿は、錬金術師達が飽きるまでの短い間だが彼女を休息させている。

 

 翼だけはまだ耐えてはいるが、すでに限界は近い。

 反応は鈍く、声も小さい。

 正常な思考など当然出来るはずもなかった。

 

 彼女たちは錬金術師達が飽きるまで犯され続ける。

 そして祭りが終われば、装者として研究材料になるだけだろう。

 その神秘を全て吸い尽くされた瞬間に、彼女たちの存在価値は消失する。

 

 そう理解し耐え続けた装者達ではあったが、もう限界は超えている。

 嬌声すら聞こえなくなった世界で、まだ彼女たちは犯され続けていた。



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トレジャーハンター型ギア クリス編

 雪音クリス、風鳴翼、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、そして並行世界からやってきたセレナ・カデンツァヴナ・イヴの四人は、遺跡調査に赴いていた。

 盗掘者やアルカノイズ、遺跡内の罠に対応するため心象変化を行ったトレジャーハンター型ギアを纏い、四人は遺跡を探索していたのだが。

 

「ちッ……」

 

 遺跡の罠によって一人はぐれてしまった雪音クリスは、舌打ちをしながら壁を蹴る。

 一人だけで先へ進むか、合流を優先するか。

 さてどうするかと歩を進めたクリスの足元で、床が沈んだ。

 

「……ん?」

 

 カチッという音と共に一部分だけが沈んだ床。

 クリスは何らかの罠が作動したのだと理解し周囲を見渡すが、既に遅い。

 

「わ、ぷッ……!」

 

 天井から粘性の液体が降り注ぎ、クリスの全身を濡らした。

 ただの水かと思ったのは一瞬、すぐにクリスは異常に気付く。

 

「ギアが、溶けてる……?」

 

 クリスの纏うとレジャーハンター型ギアが、溶けて薄くなっている。

 ギアの形こそそのままだが、濡れたギア越しに乳首や秘部が薄く透けていた。

 

 クリスは己の髪や肌に触れるが、そちらに異常は見当たらない。

 どれだけ強力な酸性の液体だろうとギアのみが溶けるなどあり得ないだろう。

 どういうことだと首を傾げるクリスだが、罠は一つではなかった。

 

「……おわぁッ!」

 

 背後からの異音に振り向くと、背の丈を超えるほどに大きな岩がクリス目掛けて転がってきている。

 慌てて全力疾走したクリスは、間一髪の所で脇の小部屋へと逃げ込んだ。

 

「畜生、なんだってんだ……」

 

 ぜいぜいと息を切らし、クリスは膝立ちに崩れ落ちる。

 丁度四つん這いのような格好になった瞬間、クリスの右手が新たなスイッチを押した。

 先程と同じようにカチッという音と共に右手部分の床が沈むと同時、石床の割れ目から白い液体が滲みだす。

 

「くッ、ぐぅッ……!」

 

 それは接着剤のように固まり、クリスの四肢を床に縫い留めた。

 必死に脱出を試みて踠くクリスだが、ギアの力を持ってしても張り付いた四肢は動かない。

 

「ひゃぁ!」

 

 クリスは突然の刺激に乙女のような悲鳴を上げる。

 いつの間にかクリスの尻にはスライム染みた生物が張り付いていた。

 

「ふ、うぅ、くぅッ……!」

 

 スライムは形を変えてギアの隙間からクリスの穴へと入り込む。

 尻と膣が異物で埋まる感覚に、クリスは嬌声を抑えきれない。

 

「――ッ!」

 

 異形の存在に犯される未知の感覚に、クリスは数分保たず絶頂した。

 全身をのけ反らせ、愛液を滴らせながらクリスは快楽に打ち震える。

 

 それを合図としたかのように、クリスを捕らえていた白い液体は柔らかく戻った。

 粘ついた気味の悪さだけを残して、クリスの四肢は自由を取り戻す。

 

「ぜっ、はぁっ……」

 

 絶頂直後で意識が朦朧としているクリスだが、一刻も早くスライムをなんとかしなければならないと体を無理矢理に起こす。

 スライムはクリスの体内にほとんど入り込んでしまっていて、簡単に取り除けそうにはなかった。

 

「く、うぅッ……!」

 

 クリスは自分の指を秘部に入れ、スライムを掻き出そうとする。

 奥底にまで入ったスライムは、膣内で張り付いたように動かない。

 

 必然、クリスは己の指を深く挿入することを強いられる。

 まるで自主的に自慰を行っているかのようで、クリスは再度沸き上がる快楽に耐えていた。

 

「ふッ、くぅッ、あと少し……!」

 

 第二関節まで押し込んだ指によって、少しづつだがスライムがクリスの体内から排出されていく。

 クリスは、ふぅと軽く深呼吸をすると一息にスライムを引っ張り出した。

 

「――ッ!」

 

 スライムはクリスの体内から完全に排出された。

 だが膣と尻穴を責めていたスライムが一気に引きずり出された衝撃で、クリスは二度目の絶頂を味わう羽目になってしまった。

 

「あ、ぐぅ……!」

 

 クリスは仰向けに倒れたまま小刻みに痙攣を繰り返している。

 股からは愛液が大量に漏れ出ており、小さな水溜まりを床に作っていた。

 

 クリスが探索を再開できるようになったのは、それから十数分後のことだった。



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トレジャーハンター型ギア マリア編

 マリア・カデンツァヴナ・イヴは遺跡の罠によってはぐれてしまった雪音クリスを探すため、遺跡内を一人で徘徊していた。

 複雑な遺跡の道を、マリアは人のいた形跡を探して右往左往している。

 

「──え?」

 

 だから、だろうか。

 周囲の音や気配に気を配っていたが故に、マリアは足元にある罠を見逃した。

 マリアが踏み出した右足に体重を乗せた瞬間、周囲の床が文字通り抜けたのだ。

 

「なッ……!」

 

 慌てて飛び退こうとするも、もう遅い。

 マリアはそのまま、落とし穴に落ちていく。

 

 

 

「んっ……」

 

 落下の衝撃で一瞬気を失ったマリア。

 瓦礫の崩れる音で目を覚ますと、マリアは己の体が動かないことに気がついた。

 

「くッ……うぅッ……!」

 

 落とし穴の底には無数の触手が蠢いていた。

 濃い緑色をした大小様々な触手は粘液に塗れ、妖しく光っている。

 触手の一部はマリアの四肢に絡みつき、その動きを封じていた。

 

 肌を這い回る触手の生々しい感触に、マリアは顔を顰める。

 触手はマリアの全身を撫で回し、粘液で汚していく。

 

「む、ぐぅッ……!」

 

 一本の触手がマリアの口内へと侵入した。

 触手は喉を通り、胃にまで到達する。

 

 マリアは苦し気に呻き声を上げ、必死に踠く。

 しかし、ギアの力をもってしても拘束は微塵も揺るぐことが無かった。

 

「ぐ、んぅッ!」

 

 別の触手が、マリアの秘部へと侵入を開始する。

 粘液が潤滑油代わりとなり、マリアの秘部はあっさりと触手を受け入れた。

 瞬く間に触手は膣内を埋め尽くし、内部で蠢き出す。

 

「ん、ぐぅ……!」

 

 息苦しさと快楽を同時に与えられ、マリアの脳内は混乱していった。

 粘液と愛液の混合物が秘部から零れ出る度に、マリアの喉からは嬌声が漏れ出ている。

 

「――ッ!」

 

 触手はいとも簡単にマリアを絶頂させた。

 声にならない声を上げながら、マリアは全身を小刻みに痙攣させている。

 

「ん、んぅッ……!」

 

 触手の責めが休まることは無い。

 また別の触手がマリアの尻穴へと入り込み、体内からマリアを犯し始める。

 

 全身の穴を凌辱されながらも、四肢を拘束されているマリアには呻き声を上げることしか許されない。

 内部で休みなく動き続ける触手は、マリアに絶え間ない苦痛と快楽を与えていた。

 

 マリアを襲う触手の本数は次々と増えていく。

 豊満なマリアの胸にも触手は巻き付き、牛の乳を搾るようにマリアの両乳房を締め上げる。

 ゴム毬を踏みつけたように乳房の形が歪み、マリアは悲鳴じみた嬌声を上げた。

 

「――ッ!」

 

 再び、マリアの肉体が絶頂に震えた。

 股から噴き出した愛液が触手を濡らし、粘液と混ざって妖しく光る。

 

 喉、膣、尻、胸を同時に犯され、マリアは限界を超えた快楽に浸かる。

 自慰や愛撫とは全く違う、異形の存在に嬲られる感覚。

 苦痛を超える快楽に、マリアはただ溺れていく。

 

 落とし穴の底で、マリアは犯され続けている。

 口を塞がれているせいで悲鳴を上げて助けを呼ぶことも出来ない。

 触手が満足してマリアを開放するまで、マリアはただその肉体を蹂躙され続けるのだ。



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トレジャーハンター型ギア 翼編

 風鳴翼は単独で遺跡の調査を続行していた。

 手製の地図を片手に、新たな道をゆっくりと歩いていく。

 

 遺跡内は複雑に入り組んでおり、慎重に進まねば迷ってしまいそうだと翼は思考する。

 事実、今現在翼は道に迷っていた。

 自作の地図に絶対の自信を持つ本人は自覚していないが。

 

 鼠の抜け道まで記載された地図は複雑怪奇で、もはやそれを地図と認識するのも難しい。

 間の悪いことに、自信十分に歩く翼を止める者がこの場には誰もいなかった。

 

「……む?」

 

 翼は、ある扉を発見して足を止める。

 手元の地図を見ると、そこは壁であるはずなのに。

 

「どこかで仕掛けが作動したのか……」

 

 実際は見当外れの方向に翼が歩いているだけなのだが。

 翼は慎重に扉を開き、中へと入った。

 

 扉の奥は小部屋になっており、入ってきた扉以外には何も見当たらない。

 風化した何かが風で舞うだけの、簡素な空間だ。

 一応隠し部屋のような物が無いか確かめようと、翼が部屋の中央まで足を踏み入れた瞬間。

 

「――なッ?!」

 

 バタンという大きな音と共に入って来た扉が閉まる。

 罠かと後悔する間もなく、ガスのような白い気体が部屋に充満し始めた。

 

「くッ……!」

 

 多少の毒であればギアを纏っている翼には通用しない。

 しかし詳細不明のガスは不気味に部屋を満たしている。

 翼は口元を手で覆い、姿勢を低くしてガスが止まるのを静かに待った。

 

 

 

 数分後ガスは霧散し、部屋には翼だけが残った。

 身を起そうとした瞬間、翼は異変に気付く。

 

「う、あぁッ……!」

 

 体が熱い。

 熱に浮かされたような頭は思考が鈍り、全身からは汗がにじみ出ている。

 そしてなにより、沸き上がる劣情が止まらない。

 考えるまでもない、あのガスの効果だ。

 

 なにもしていないというのに、秘部が濡れて疼く。

 最低限の吸気ですらこの有様。

 もしあのガスを真正面から吸い込んでいたらと考えるだけで恐ろしい。

 

「ふ……くぅッ」

 

 翼はなんとか立ち上がり、部屋から出るために扉の方向へと歩いていく。

 恐る恐る触れた扉は、あっさりと開いた。

 

 時間が経てばこの体も正常に戻るだろう。

 そう思考し、病人のような足取りで翼は探索を再開する。

 

 

 

 甘かった。

 翼の奥底から沸き上がる劣情は時を重ねるごとに悪化していた。

 もはや真っすぐ歩くことも儘ならず、壁に体重を預けながら進んでいる。

 

「……ん?」

 

 通路の先に、翼は人影を発見した。

 遺跡の宝を目当てにやってきた盗掘者だ。

 

 遺跡の罠にやられたのだろう。

 盗掘者は意識を失い仰向けに倒れている。

 

 ゴクリ、と。

 翼が生唾を呑む音が静かに響く。

 

 通常であれば、拘束して放置するのが正常な判断だろう。

 しかし翼の視線は盗掘者の、男の下腹部を凝視していた。

 

 翼は周囲を見渡し、人影が無いことを確認すると躊躇いがちに盗掘者の衣服を脱がせ、肉棒を露出させる。

 まるで数日ぶりに水を飲む遭難者のように、翼はがっつきながらその肉棒を咥えた。

 

「ん、じゅっ、んぐっ……!」

 

 意識はなくとも、肉棒は刺激に反応して翼の口内で固くそそり立っていく。

 汗や汚れに塗れたそれは耐え難い悪臭を放っているはずだが、翼の表情は愛おし気と言ってもいい様子だ。

 

 雄の臭いとでも表現すべきそれを翼は堪能し、味わっている。

 それだけで股は濡れ、快楽を感じるほどに。

 

「ぷ、はぁッ」

 

 名残惜しそうに、翼は肉棒から口を離す。

 そして自分の秘部を露出させ、仰向けで倒れる盗掘者に跨る。

 そそり立った肉棒へ己の秘部を近づけ、一息に挿入させた。

 

「――ッ!」

 

 挿れただけで、翼は絶頂に達した。

 だらしなく顔を歪め、全身を震わせている。

 

「ふッ、くぅ、あぁッ……!」

 

 そして、今の翼は一度の絶頂程度では満足できない。

 腰を上下させ、肉棒が膣内を擦る感覚に翼は虜となっていた。

 意識の無い男の肉棒で、翼は性欲を発散する。

 

「――ッ!」

 

 肉棒から精液が注がれ、翼は再び絶頂に震えた。

 膣内を満たす熱い液体を求めて、翼はさらに激しく腰を振る。

 

 

 

「ふッ、くぅッ……」

 

 男から精魂尽き果てるまで搾り取って、それでも翼の情欲は収まらない。

 ギアの形状はいつの間にか変化しており、翼の秘部や乳首が丸出しになっていた。

 全裸に探索用の道具だけを身に着けたような格好は、いっそ全裸より淫靡と言える。

 

 膣内を白濁液で満たしたまま、翼は次の獲物を求めて探索を再開した。

 息を荒げ、鋭い瞳で周囲を見渡す姿は、まるで魔物のようだった。



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トレジャーハンター型ギア セレナ編

 遺跡内で一人になってしまったセレナだが、その表情から悲壮感は読み取れない。

 むしろ冒険譚のようだと、ワクワクしているようだ。

 子供特有の無謀と無邪気を身に纏い、セレナは遺跡内を歩み続けていた。

 

 鍵のかかった扉や、時折現れるアルカノイズや遺跡の守護者。

 それら全ての危機を、セレナは楽しんでいた。

 

 この場に翼やクリス、マリアがいたのならその様子を窘めただろう。

 だが彼女たちはここにいない。

 セレナは危なっかしいという表現が適切であろう様子で、遺跡の探索を繰り返していた。

 

 

 

「うぅ……」

 

 そして、そんなセレナもついに表情が曇る。

 遺跡の守護者を激闘を繰り広げ、セレナは負傷していた。

 

 ギアの一部であるランタンや双眼鏡は戦いの余波で破損し、割れてしまっている。

 背中に背負っていた大きなリュックも、いつの間にか無くなっていた。

 衣装のあちこちは破れ、汚れ、痛々しく傷ついている。

 

 なんとか休める場所をと重い体を引きずり、セレナは未踏の地で扉を開けた。

 中は質素な小部屋になっており、部屋の中央には大きな宝箱が一つ鎮座している。

 

「これ、は……」

 

 幼さゆえの無謀が原因か、あるいは重度の疲労か。

 セレナは警戒も浅く、その宝箱に手をかける。

 

「傷を癒せるものとか、入ってないかな……」

 

 重々しい音と共に、宝箱は開く。

 しかしセレナの希望とは裏腹に、中から飛び出したのは罠だった。

 催涙効果を含んだガスの直撃を食らい、セレナの意識は消失する。

 

 

 

「んっ……」

 

 どれほどの時が経っただろうか。

 目を覚ましたセレナはまず、己の肉体を確認した。

 

 意識を失ったことでギアは解除されている。

 しかしセレナの恰好は、普段の服装でもなかった。

 

「え、これ、なに……?」

 

 誰かが着替えさせたのだろうか。

 セレナの服装は、およそ服と呼べないようなものへと変貌していた。

 

「ひッ、くぅッ……!」

 

 衣服と呼べるような布は一切存在していない。

 代わりに秘所へと付けられた性具だけが、セレナの裸体を装飾していた。

 

 両の乳首にはガムテープのような粘着質の物体でピンク色のローターが張り付けられ、小刻みに振動を繰り返している。

 ショーツは紐のように細く、裸よりも尻や秘部の肉が強調され淫靡になっている。

 丸見えの股にはバイブのような棒が固定されていた。

 それはセレナの秘部に深く食い込み、生き物のように膣内を動き回っている。

 

 

 自慰すら知らない無垢なセレナの肉体は、未知の快楽を与えられ敏感に反応している。

 口からは涎を、股からは愛液を垂れ流しながらセレナは甘い声を上げ続ける。

 

「これ……と、取れない……?!」

 

 慌てて振動する性具を取り外そうとするセレナだが、それらは癒着したかのように外れない。

 セレナの好きな冒険活劇風に例えるなら、これは呪いの装備のようだった。

 

「あ、あぁッ……!」

 

 誰もいない小部屋で一人、セレナは快楽に悶え苦しむ。

 胸元や股に手を伸ばし全力で異物を引っ張るが、それらは外れることもなく無慈悲にセレナへ快楽を伝え続けるだけだ。

 

 刺激のせいで力が入らない。

 ギアを纏っていない少女の細腕では。

 

 全力であればという言い訳や後悔が、セレナの脳内で渦巻いていく。

 だがそんなもしもに意味は無い。

 

 こんな精神状態ではギアを再び纏うことなど不可能だ。

 頭の中に歌は浮かばず、快楽と恐怖だけがセレナの思考を埋め尽くす。

 

「――ッ!」

 

 セレナの脳内が真っ白に染まった。

 絶頂に震え、愛液を噴き出し、電流が流れるような衝撃が全身に走る。

 

「あ、あぁ……」

 

 だらしなく舌を出したまま、セレナは床に倒れ絶頂の余韻に浸る。

 怖い、苦しい、もうやめて。

 そんな言葉が浮かび、喉を通らずに消えていく。

 弛緩した肉体は声を上げることもできず、与えられる快楽を受け止める。

 

「う、うぅッ……」

 

 大粒の涙がセレナの瞳から零れた。

 翼さん、クリスさん、マリア姉さん。

 誰か助けて。

 そんな声も、届くことは無い。

 

 セレナは一人、与えられる快楽に震え続けた。

 それは機械であるが故に、休みなくセレナを責め続ける。

 

 不安や恐怖に包まれながら、セレナは絶頂を繰り返した。



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トレジャーハンター型ギア エピローグ

 遺跡の最下層。

 その片隅に、装者達は送られていた。

 

 不要な存在を一か所に纏めて処分するような思考でもあるのかと疑うほどに、遺跡の仕掛けは罠にかかった者たちをそこに集結させている。

 

 下層に向かうほど罠は悪質で巧妙なものへと変化していた。

 正常な思考が出来なくなっていた装者達は罠にかかり続け、この惨状に参加する羽目になっている。

 

 

 

「んぐ、ぐぅッ……!」

 

 クリスは己の身の丈を超えるほどの直径を誇る巨大なスライムに囚われていた。

 スライムの一部はクリスの体内に入り込み、内部からクリスを犯し続けている。

 

 膣内がスライムという柔らかな生き物で埋まり、中をかき回される。

 自慰で入れる己の指やバイブとは違う未知の感覚に、クリスの肉体は快楽を感じていた。

 

 嬌声は聞こえない。

 口内にすらスライムは侵入し、食道から胃の中までを埋め尽くしているせいで声すら上げることが出来ないのだ。

 まるでクリスの体内を苗床としているかのようにスライムは己の全身でクリスを包んでいる。

 

「――ッ!」

 

 声にならない喘ぎ声を上げながら、クリスは何度も絶頂を繰り返す。

 飽きることの無い快楽に包まれながら、クリスの意識は徐々に薄くぼやけていった。

 

 

 

「あッ、うぁぁ……!」

 

 苗床、というのならば隣で悶えているマリアを表す方が適切だろう。

 マリアは全身を触手に拘束されながら、今も犯され続けている。

 

 磔になった罪人のような格好で触手に縛られ、膣内には二本の触手が深々と突き刺さっていた。

 触手はビクビクと小刻みに震えながら、マリアの膣内に透明な液体を注ぎ込んでいる。

 

 限界を超えて、触手はマリアの膣内を己の体液で満たし続ける。

 マリアの腹は妊婦のように大きく膨れ上がり、触手と股の結合部からは入りきらない液体が少しづつ漏れ出ていた。

 

「――ッ!」

 

 絶頂を迎えたマリアの股から、噴水のように液体が床へと飛び散っていく。

 それはマリア自身の愛液や触手の粘液、分泌液などが混ざり合ったものだ。

 

 液体は床の石畳を濡らし、傾斜に沿って別の犠牲者の元へと流れていく。

 

 

 

 液体が伝う先にいたのは翼だ。

 翼は定期的に流れてくるその液体を指で掬うと、舌で舐め取り飲み下した。

 渇いた喉を汚れた液体で潤し、翼は休むことなく腰を振り続ける。

 

 翼の下では同じようにここへ送られた犠牲者が意識を失って倒れている。

 女は犯され、男は隅に纏めて廃棄されている。

 廃棄物であるそれを、沸き上がる性欲を解消するために翼は貪り続けていた。

 

 そこでは性を絞られ尽くした慣れの果てが、山のように倒れている。

 翼は何度も何度も、意識の無い男を犯していた。

 

 翼は知らない。

 何度も飲んでいる触手の分泌液に催淫の作用があることを。

 

 どれだけ性を貪っても飢え続ける原因はそこにあるのだが、肉欲に埋め尽くされた翼の思考がそれに気づくことは無い。

 何度も何度も永遠に、翼は腰を振り精を搾り取り続ける。

 

 

 

 最下層に送られた他の装者とは違い、セレナは遺跡の外へと脱出していた。

 だがしかし、それを成功とは呼べないだろう。

 

「うぁ、あぁ……」

 

 全裸の状態で外へ放り出された、と表現するのが正しいか。

 乳首にはローターが張り付けられ、秘部と尻穴にはバイブが尻尾のように突き刺さり前後左右に動いている。

 

 ぐちゅぐちゅと股からいやらしく水音を響かせながら、周囲に誰もいない野外でセレナは嬌声を上げ続けていた。

 全身はぐったりと弛緩し動かず、瞳は闇に覆われたかのように光が消えている。

 肉体だけが敏感に反応し、愛液を生み出し続けていた。 

 

 時折やってくる男がセレナの姿に驚き、そして本能のままに彼女を犯す。

 悲鳴も叫び声も、セレナに上げる気力は残っていなかった。

 

 肉人形のように好き放題に犯され、男が満足すると再び捨て置かれる日々。

 そんな地獄に絶望するだけの力すら、今のセレナには存在しなかった。



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雪音クリスの快傑☆うたずきん!

 シンフォギア装者たちの活動は機密の塊だ。

 守秘義務契約、情報操作、エトセトラ。

 様々な政府の介入によってその存在は秘匿され続けてきたのだが。

 

 人の口に戸は立てられないという諺があるように、完全な情報封鎖は不可能だ。

 少しずつ“少女の姿と聞こえる歌声”という都市伝説が広まり始め、政府はその対策を打ち出さねばならなくなった。

 

 そこで誕生したのが、人気少女漫画『快傑☆うたずきん!』である。

 

 要は噂に酷似したフィクションを作成することで、少女の歌声という事実をフィクションの産物に塗り替えてしまおうという試みだ。

 何故わざわざ少女漫画という手法を取ったのかは未だに謎だが、成果は確実に出ているため誰も文句を言えない。

 漫画としても大人気、アニメ化やグッズ化など商業的にも大成功を収めたのは流石に予期せぬ偶然だと思いたいが……ともあれ。

 

 要は装者の活動をモデルにしたフィクションが世間には浸透しており、その主人公が雪音クリスに酷似しているという話だ。

 

「…………だぁぁ!」

 

 つまりは、まあ、そういうわけで。

 災害地域から子供たちを救出した雪音クリスは、ある意味目論見通りに己をうたずきんだと誤認させることに成功していた。

 流石は大人気作品、少女漫画といえど男女問わず人気である。

 

 小学生低学年ほどの男子数名に囲まれ、クリスは叫ぶ。

 救助用のヘリが来るまでの一時間弱、クリスは一人で彼らの相手をせねばならない。

 

 子供の相手は苦手だと自称するクリスにとってはありがたくもあるのだが、それ以上に気恥ずかしさや鬱陶しさといった感情が勝って仕方がなかった。

 

 子供たちは前後左右からギアを纏うクリスへ輝くような視線を向けていた。

 通常であれば刺々しい兵器としての側面が強く出ているクリスのギアだが、現在は心象変化により柔らかく可愛さを強調した衣装となっている。

 さらに世界改変の影響も加わり布地が少なくなって、性的に変化していた。

 

 ベースはうたずきん。

 だが太股が半分以上露出するほど短いスカートの下にあったはずのパニエがなく、白色のショーツが丸見えになっている。

 更に腹部の布が丸ごと消失し、ビキニ水着のように衣装が上下で分断されていた。

 上の部分は胸全体をかろうじて包む程度の布地しか残っておらず、クリスの豊満な胸部が赤色の布地によってより大きく見えるよう強調されている。

 

 衣装全体が軽く薄い素材に変化しているのか、乳首の形がはっきりと浮き出ており、軽く風が吹くだけでスカートは盛大に捲れ上がる。

 そんなクリスの恰好は性に疎い年頃の子供であったとしても、雄としての欲望を掻き立てるには十二分だった。

 

「ひゃっ!」

 

 可愛らしい悲鳴を上げたクリスは、顔を紅潮させて振り向いた。

 一人の子供が背後からクリスの尻を揉みしだいたのだ。

 

「ひ、うぅっ!」

 

 クリスが文句を言おうとした瞬間、別の子供が今度は両胸を鷲掴みにする。

 所詮は子供。

 簡単に振り払えるはずの力でしかないというのに、クリスは抵抗も出来ずされるがままだ。

 

 世界改変の影響、子供相手というやり辛さ、原因は複数あってどれも正解だ。

 だがあえて最も大きな理由を挙げるなら、クリスは沸き上がる快楽に正直になっているというだけのことである。

 

「くぅ、ぁっ……!」

 

 蕩けるような吐息を漏らし、クリスの肉体は敏感に反応していた。

 精巧な人形を弄るような好奇心で満ちた子供たちの両手が、クリスの全身を這い回る。

 服の中に突っ込まれた手が、肌に直接触れて胸や尻の肉へと埋もれていく。 

 

 子供の稚拙な愛撫で股を濡らし、クリスは甘い嬌声を響かせる。

 挙句の果てには子供たちが己の肉棒をズボンの中で膨らませているのを見て悪戯気な笑みを浮かべる始末だ。

 

 クリスは目の前の子供の後頭部を右手で掴み、己の胸元へと引き寄せる。

 子供の顔面を柔らかな乳房へ埋め、右手に力を籠めて全力で固定した。

 

 苦し気に呻きながら股間を固くする子供を、クリスは更に責め続ける。

 ズボン越しに空いた左手で股間を弄り、刺激を続けている。

 

 子供は己の肉体に何が起きているのかも理解しないまま、人生初の射精を体験した。

 そこでようやくクリスは手を放し、子供を開放する。

 

「さて、次はどいつだ?」

 

 妖しく微笑むクリスの魔の手は、次の獲物を求めていた。

 

 

 

「――ッ!」

 

 救助活動の合流地点であるはずのそこは、あっという間に乱交会場へと変化した。

 クリスは一人の子供を押し倒し、騎乗位で精を搾り取っている。

 胸を揺らしながら激しく上下に動く最中にも、両手で別の肉棒を扱き、口で更にもう一本の肉棒を咥えていた。

 

 子供たちは数分すら耐えることも出来ず、クリスの全身に白濁液を注ぎ続けている。

 この場の全員が、理性を溶かし快楽に溺れていた。

 

 赤色だったはずであるクリスのギアは、すでに真っ白に染め上げられ汚されていた。

 汗と愛液と精液の混じり合った醜悪な液体に塗れながら、クリスは喜びに打ち震えている。

 

 結局、救助のヘリが到着するまでの間ずっとクリスは精を貪り続けていた。



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マリアの寝起きドッキリ

 日が変わる寸前の深夜。

 ライブの仕事を終えてホテルで眠っていたマリアの元に、数名の男が訪れた。

 男たちは皆がカメラやマイク等の機材を室内に持ち込んでいる。

 

 所謂、寝起きドッキリというやつだ。

 男たちは忍び足でベッドへと向かい、マリアの寝顔をカメラで覗き込む。

 

「ん、んぅ……」

 

 寝相良く綺麗に眠るマリアは、侵入者の存在に気付いていない。

 ライブの疲労もあってか、彼女の寝息は緩やかに一定のリズムを刻んでいた。

 

 一人の男がマリアの体を隠す布団に手を伸ばし、捲る。

 今まで隠れていたマリアの全身がカメラへと映された。

 

 マリアは寝間着を身に着けていなかった。

 純白の下着のみを上下に纏い、彼女は眠っている。

 

 豊満な肉体を下着のみでは覆いきれず、胸や尻の肉は一部がはみ出ていた。

 肉感を強調するような格好に、男たちは無意識に生唾を飲み込んだ。

 

「んっ……」

 

 寝起きドッキリというのは気づかれないように撮影を開始するが、気づかれなくては意味がない。

 起きた瞬間にカメラが回っているという衝撃を受けた反応こそを撮りたいのだから。

 

 カメラマンがマリアの全身を映し、他のスタッフがゆっくりとマリアへ手を伸ばす。

 太股や二の腕から始まった接触はそう時間のたたないうちに性感帯へと移行する。

 

 ブラを上にずらし、胸と乳首を露出させる。

 ショーツを下にずらし、尻と秘部を露出させる。

 

 半脱ぎ状態の恰好で眠るマリアの姿は、否応なしに男たちの劣情を煽る。

 我先にと男たちの手が伸び、マリアへの愛撫が開始された。

 

「んっ……」

 

 接触直後、マリアの体が小さく跳ねる。

 男たちは慌てて手を引くが、小さな寝息が聞こえると再びマリアの肉体にゆっくりと手を伸ばした。

 

 両胸はゆっくりとした動きで揉みしだかれ、豊かな乳房に十本の指が沈み込む。

 秘部の割れ目を上下する指先には、そう時間をかけずに愛液が付着し始めた。

 

 徐々にマリアの顔に赤みが増し、寝息は荒く熱っぽいものへ変化していく。

 劣情を煽る姿に男たちの肉棒は自然と勃起し、彼らは目の前のマリアで欲望を発散しようとズボンを脱ぎだした。

 

 ピンク色の髪を己の肉棒に巻きつけ、扱きだす者。

 脇や太股に肉棒を擦り付ける者。

 亀頭をマリアの唇に接触させ、キスをさせる者。

 

 様々な方法で自慰を行う男たちが己の精を解き放つのに、そう時間はかからなかった。

 

「――ッ!」

 

 まるで示し合わせたかのように、一斉に肉棒から白濁液がマリアの肉体へと降りかかる。

 顔が、髪が、胸が、その全てが白濁液で汚される。

 

「う、うぅん……」

 

 白濁液の熱と臭いで、ようやくマリアは目を覚ます。

 しかしその目は虚ろで、意識がまだ覚醒していないことが見て取れた。

 

「んっ」

 

 寝ぼけているのだろう。

 マリアは目の前にあった肉棒を咥え、ストローのように吸い出した。

 射精直後の肉棒に残っていた精液が吸い出され、マリアの口内へと入っていく。

 

「んっ、んぐっ……」

 

 喉を鳴らして精液を飲むマリアの姿に、男たちの理性は完全に焼き切れた。

 カメラやマイクを固定し、全ての男たちがマリアの肉体へと殺到する。

 

 肉棒を吸われていた男は、マリアの後頭部を両手で鷲掴みにするとそのまま腰を振り始める。

 胸を愛撫していた男は、己の肉棒を両の乳房で挟んで刺激する。

 秘部を愛撫していた男はそのまま愛液に濡れた秘部へと、己の肉棒を挿入する。

 

 男たちはマリアの全身を使用し、己の肉欲を解消する。

 

 マリアは何が起こっているのか理解していない、されるがままの状態だ。

 両手に握らされた肉棒を、反射的に扱いている。

 

「んっ……んんっ……!」

 

 ただしマリアの肉体だけは、快楽に反応している。

 顔はどんどん紅潮し、喘ぎ声はみるみる大きな声となって部屋に響き出す。

 

「――ッ!」

 

 例え絶頂しようとも、誰一人として性行為を止める者はいない。

 淫らに乱れるマリアの姿にあっという間に肉棒は固さを取り戻し、欲望は際限なく肥大化する。

 

 カメラのバッテリーが切れるまで、その乱交は続いた。

 

 

 

「ん、うぅん……」

 

 翌朝。

 マリアはむせ返るような精液の臭いで目を覚ました。

 

 大きく欠伸をし、周囲を見渡す。

 そこには精を出しきって気を失うように眠るスタッフの姿と、撮影機材。

 そして寝起きドッキリ大成功と記された手書きの看板が残されていた。

 

「ドッキリ……あれ……?」

 

 一切記憶にない。

 

 なにかマズイ発言でもしていないだろうかと、マリアはずれた危機感を抱いていた。

 下半身を露出した男たちや、全身を汚す白濁液には一切疑問を抱いていない。

 

 後で録画の内容を確認させてもらおう。

 そう思いながら、マリアは立ち上がり大きく伸びをした。



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切歌と調の援交体験

 暁切歌と月読調は、普段とは大きく装いを変えていた。

 胸元を開け、シュシュやリボン、メッシュで派手に己を飾り立てている。

 たまたまテレビで見た“今時の女子高生”を真似たものなのだろうが、それがギャルファッションと呼ばれる特殊例であることに二人は気づいていない。

 

 街へ繰り出すと、二人は最近若者に人気の食べ物に舌鼓を打ち、カメラのシャッターをあちこちで鳴らす。

 そうしてしばらく休日を楽しみ日が暮れかけた頃、調は財布の中身を見てため息を吐いた。

 

「今時の女子高生って、お金持ちなんだね切ちゃん」

 

 S.O.N.G.所属となってからは金銭面で不自由は無いが、根は庶民派なだけに今日一日で消費した金額に動揺を隠せていない様子である。

 一杯八百円の飲み物や千円を超えるパンケーキは調の常識外の存在であった。 

 

「なんでも、最近の女子高生は自分でお金を稼いでいるらしいデスよ?」

「そうなの……?」

「せっかくだし、そっちも体験するデスよ!」

 

 疑問符を浮かべたままの調を連れて、切歌は街の奥へと早足で歩いて行った。

 

 

 

 路地裏にある安ホテルの一室。

 調と切歌はそこに男を一人連れ込んでいた。

 援助交際とアルバイトを同一視しているとは男が気づくはずもなく、性の乱れた若者二名を彼は金で買ったというわけだ。

 

 切歌と調はベッドの上に膝立ちで座り、己のスカートを捲り上げている。

 目の前にいる男には二人の下着……ではなく、秘部が丸見えになっていた。

 上下共に下着を着用しないまま、切歌と調は今日一日を過ごしていたのだ。

 

 笑みを浮かべる切歌と、戸惑ったような表情の調。

 両者の秘部を視界に捉えた男の肉棒は、服の上からでもわかるほどに雄々しく勃起し始めた。

 

 どこで知識を得たのか。

 切歌は躊躇うことなくズボン越しに男の肉棒に触れ、優しい手つきで撫で始めた。

 そしてそのまま切歌は男をベットに招き、仰向けで横になった男のズボンを脱がせ、肉棒を露出させる。

 

「おぉ……」

「凄い……」

 

 見とれたような様子で、二人は肉棒をじっと見つめる。

 やがて切歌は右手で肉棒を掴み、扱き始めた。

 

「んっ……」

 

 調は男の頬に両手を添えると、お互いの唇を重ね合わせる。

 大胆に舌を入れ、両者の舌を絡め合わせる様は熟練の娼婦のようだ。

 

「――ッ!」

 

 二人がかりで同時に性的奉仕を受け、男はあっという間に射精した。

 切歌の手が白濁液で白く染まっていく。

 

「んっ……ずいぶん濃いデスね……」

 

 切歌は何事もなかったかのように、手に付着した白濁液を舐め取った。

 そんな日常では決して見ることのない光景に光景に再び興奮したのか、男の肉棒は再び勃起する。

 

「おぉ、まだまだ元気みたいデス。じゃあ、今度は調の番デスね」

 

 切歌は調と無邪気にハイタッチを行い、立ち位置を交代した。

 己のスカートの裾を摘まみながら、切歌は男の顔面に跨り腰を落とす。

 

「ふぅっ、んっ……」

 

 息を荒げる男の吐息が直接秘部にかかり、切歌は甘い嬌声を漏らす。

 それだけで男の肉棒は先程以上に固くそそり立っているのだが、そんな肉棒を調は一息に咥えだした。

 

「ん、じゅっ……」

 

 頬を膨らませながら小さな口いっぱいに肉棒を奥まで咥え、調は肉棒を舐め回す。

 

「――ッ!」

 

 男の体がビクンと跳ね、二度目の射精が行われる。

 喉奥に白濁液を注ぎ込まれた調は目尻に涙を浮かべながらも、その全てを嚥下していく。

 

「けほっ……!」

 

 咳き込みながら、調は口端や手に付着した白濁液を丁寧に舐め取っていく。

 そしてそのまま、射精直後の肉棒に付着した白濁液も舌先で舐め取りだした。

 

「ひゃっ……!」

 

 切歌の喉から突然嬌声が上がる。

 男は切歌の秘部に舌を入れ、彼女を責めだしたのだ。

 

 直接秘部を刺激される快感に身を捩じらせながらも、切歌は男の顔面に秘部を押し付けて離さない。

 両手で男の後頭部を掴み、沸き上がる快楽に身を委ね始めている。

 

「――ッ!」

 

 今度は切歌が絶頂し、ビクビクと全身を震わせる。

 噴き出した愛液が男の顔を濡らし、そこでようやく切歌は男から離れベッドに寝転がる。

 

「切ちゃんだけズルい……」

 

 調はそう呟き、白濁液を舐め取り終わった男の肉棒に己の秘部を近づける。

 二度の射精を終え流石に限界の近い肉棒を、調は腰を落とし自身の秘部に挿入した。

 

「んっ、くっ……ふっ……!」

 

 腰を上下に動かし、調は激しく性交を行っている。

 二度の射精で虚脱感に包まれている男を置き去りに快楽を求める姿は、性交というよりは自慰に近い。

 しかしそれでも、男の肉体に残った白濁液は徐々に肉棒へと集まっていく。

 

「――ッ!」

 

 最後の一滴まで搾り取るように、調の膣は男の白濁液を受け止めた。 

 満足気に調は微笑み、そこでようやく二人の援助交際は終了した。

 

 

 

「凄い、こんなに貰えるなんて……」

「今日一日の出費より多いデス!」

 

 ホテルを出た切歌と調の二人は、男から渡された金額に驚きの表情を浮かべていた。

 そして次も是非と渡された連絡先を見つめ、二人は顔を見合わせる。

 

「また、今度の休みに」

「次はクリス先輩も誘うデスよ!」

 

 二人はそう言いながら笑い合い、日常へと帰還する。



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装者六人のイベント警備

 大型企業イベントの会場に、立花響、風鳴翼、雪音クリス、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、月読調、暁切歌の六人はスタッフとして潜入していた。

 会場の近辺で錬金術師の残党が目撃されたため、仮にノイズ等が現れた際に即座に対応するための措置である。

 

 ギアを纏って待機するわけにもいかないため、六人はイベント用に特別な衣装を着用し空間内に溶けこむよう努力する。

 道案内やトラブルの仲裁を行い、初めの内は問題なかった。

 だが数時間が経過した頃、六人はいつの間にか人だかりに囲まれてしまう。

 

 潜入が露見したわけではない。

 ただ純粋に、美少女六人が露出の多い服を着ている姿に会場の男たちが視線を奪われてしまったというだけの話である。

 

 丈の短い上着は前のボタンを留めていないため胸の谷間が大胆に露出している。

 更にスカート丈は僅か数センチと、あまりにも短すぎて上下共に下着が丸見えだった。

 いくら真面目に仕事していても、これだけ肌色の多い衣装を身に着けていれば男の劣情を煽るのも仕方ない話だ。

 

 己の美貌に無自覚な節がある装者たちは戸惑い、そして男たちのズボンが不自然に膨らんでいたことで全てを理解する。

 

「しゃあねぇなぁ……」

 

 クリスが頭を乱雑に掻きながら、手招きで男たちを会場の隅へと誘導する。

 会場の中央に人だかりを作ったままでは、イベントの運営に不都合が出かねない。

 

 装者たちは一度顔を見合わせ頷き、クリスに続いて歩き出した。

 

 

 

「わ、凄い……」

 

 会場隅で、響は男の肉棒へズボン越しに触れる。

 右腕を腰に回して抱き着くように胸を押し付け、左の手でチャックを降ろし露出させた肉棒を扱いていく。

 ビクビクと脈打つ肉棒の先を己の股間に向けたまま、響は黙々と手淫奉仕を続けていく。

 

「――ッ!」

 

 元から興奮で限界の近かった肉棒はあっという間に射精し、響の衣装を白く汚す。

 息を荒げながらもむくりと肉棒の勃起を復活させる男の耳元で、響は優しく囁きながら手淫奉仕を再開した。

 

「一回じゃ足りないですよね……大丈夫です、しっかりお手伝いしますから……」

 

 

 

「こ、これでいいのか……?」

 

 翼は男たちに希望されるがまま、両手を後頭部に回し蹲踞の姿勢でしゃがみこむ。

 複数人の男たちがそんな翼を取り囲み、思い思いに己の肉棒を扱き自慰を行っていた。

 腰を落としたことで顔の高さに肉棒が並び、むせ返るような臭いを翼は至近距離で感じることになる。

 

「――ッ!」

 

 次々と男たちの肉棒から白濁液が放たれ、翼の顔や髪が真っ白に染まっていく。

 白濁液は徐々に垂れ、ポタポタと音を立てながら床へと落ちていった。

 

「熱っ……お、おい……まだ有り余っているというのか……」

 

 端正な顔立ちが白濁液の臭いに歪む様で興奮した男たちは、再び自慰を再開する。

 翼は呆れたような顔を浮かべ、その性欲を黙って受け入れていた。

 

 

 

「ったく、まだ出るってのかよ……」

 

 クリスは豊満な両胸で男の肉棒を挟み、勢いよく扱き続ける。

 すでに二度の射精でクリスの顔や胸はドロドロに汚れているが、肉棒は未だ固く反り立ったままだ。

 精液とクリスの唾液が潤滑剤になり、一度目より二度目、二度目より三度目の方が快楽が増している。

 

「――ッ!」

 

 衰えることなく、男の肉棒は多量の白濁液をクリスへと放っている。

 更に複数の男たちの手が、クリスの尻や胸へと殺到しだす。

 

「わっ、て、てめえら少しは待てねえのかよ……!」

 

 欲望の渦に巻き込まれたクリスの肉体はそのまま男の波へと飲まれていった。

 胸や尻を揉みしだかれ、クリスの喉からは大きな嬌声が漏れ会場内に響く。

 

 

 

「全く、人が多すぎてキリがないわね……」

 

 マリアは手際よく、両手で別々の肉棒を扱き射精へと導いていた。

 三本目は口淫奉仕で射精させており、六人の中でも最も手際が良い。

 問題はそれでも足りないほどに男たちが装者たちの元へと殺到しているという事実だ。

 

「――ッ!」

 

 口内で放たれた白濁液が、マリアの喉奥へと注がれる。

 マリアは喉を大きく鳴らしてその全てを飲み干し、そこでようやく肉棒から口を離す。

 

「ぷはっ、はい次の人……これ、終わるのかしら……」

 

 

 

「す、凄い人だかりデス……」

「……大人気」

 

 切歌と調はお互いに抱きしめ合い、両者の肉体を密着させる。

 二人の胸や秘部が接触し、その間に複数の肉棒が差し込まれていた。

 

「んっ……」

「んぅっ……」

 

 両者の眼前に差し出された肉棒に、切歌と調は舌を這わせる。

 肉棒が無ければまるで切歌と調がキスをしているような光景だ。

 

「――ッ!」

 

 胸で、秘部で、唇で。

 あちこちで両者から擦られ刺激された肉棒が射精し切歌と調の肉体を汚す。

 

「調……」

「切ちゃん……」

 

 白濁液の臭いに酔ったような両者は、より強くお互いの体を抱きしめる。

 二人の世界に入った切歌と調へと男たちが殺到するも、両者は気にも留めていなかった。

 

 

 

 日が暮れた頃、イベントは無事トラブルもなく終了した。

 だが撤収作業が始まってもなお、六人の元には男たちの集団が形成されている。

 

 どんなイベントよりも盛況な六人の乱交パーティは終わる気配が無い。

 姦しい嬌声がいつまでも響き、彼女たちの肉体は真っ白に汚れていった。



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マリアとクリスのナース奉仕

 とある一人の男性職員が、過労による体調不良を起こしたことが切っ掛けだった。

 少し休めば治ると主張した彼は、仮眠室のベッドへと電池が切れたように倒れ込み、若干の罪悪感を抱きながらあっという間に眠りについた。

 

「あら、丁度目が覚めたのね」

「悪い……起こしちまったか?」

 

 目を覚ました職員がそんな声を受け瞳を開くと、寝起きの倦怠感は一瞬で消え失せた。

 目の前には雪音クリスとマリア・カデンツァヴナ・イヴの二人が立っていたのだ。

 それも、何故か服を着替えて。

 

「普段わたしたちのために働いてくれる貴方たちが体調を崩したって聞いたから……ナース服で多少は恩返ししようかって思ったのよ」

「あたしは服まで着替える必要はないって言ったんだけどよ、コイツがどうしてもって聞かなくて……」

 

 堂々とした態度のマリアとは異なり、クリスは恥ずかしそうに目を背けている。

 だが、それも無理はない。

 

 マリアは胸元を開けたシャツとタイトなスカートに白衣を羽織っている。

 ナースというよりは女教師のようにも見える服装だ。

 

 問題はクリスの方である。

 いったいどこから持ってきた衣装なのか。

 

 大筋のデザインこそ、一般的なナース服を元にしているのだろうが、露出の量が桁違いだ。

 スカートは下着の見えない限界ギリギリまで短く、胸元は乳首が見えかねないほどに開けられている。

 そんな衣装をよりにもよって雪音クリスが着用しているせいで、胸や尻の扇情的なラインがくっきりと浮き出てしまっていた。

 

「ほらクリス、いつまでも恥ずかしがってないでちゃんとしなさい」

 

「なら服を交換しろよ!」

 

「駄目よ、サイズが合わないもの」

 

 クリスの訴えを一蹴し、マリアはそのままベッドへと歩みを進める。

 そしてもう十二分に休んだと主張し立ち上がろうとする職員の肩を掴み、そのままベッドへと押し倒した。

 

「ちゃんと丸一日の休暇は受理されたんだから、しっかり休まなきゃ駄目よ……あら?」

 

 呆れたような口調のマリアだったが、ある異変に気付き視線が彼の下半身へと移動する。

 そしてマリアは“元気”になったソレをズボン越しに捉えた。

 

 クリスよりマシとはいえ、マリアの恰好も大概なのだ。

 多忙で性欲の処理もおざなりな男が九十センチ越えの胸が作る谷間を間近で見れば、本能が反応するのもやむなしである。

 

「……よっ、と」

 

 何の前触れもなく、マリアは職員の顔面を己の胸へと押し付けた。

 膝枕ならぬ胸枕だ。

 

「な、なにしてんだ?!」

 

「男を癒すならこれがいいって、調が言っていたのだけど……ほら、クリスも来なさい」

 

 マジかよ……と呟きながらも、クリスは職員の背後に回りこむ。

 そしてそのまま、彼の後頭部へと己の胸を押し付けた。

 

 クリスとマリアが、職員を挟んで抱き合うように腕を回す。

 呼吸が苦しくなるほどの圧迫感と、美少女二人の豊満な乳房が接触しているという多幸感に、彼の股間はみるみるうちに大きく膨らんでいく。

 

 マリアが職員のズボンへと手を伸ばし、チャックを下ろす。

 跳ねるように露出された肉棒は雄々しくそそり立っており、ピクピクと小刻みに動く姿は限界が近いことを知らせていた。

 

「我慢しなくても大丈夫よ、ほら……」

 

 マリアは職員の耳元で囁きながら、彼の肉棒に優しく手を添える。

 そして彼の肉棒は、たったそれだけの刺激で限界を超えた。

 

 ビクン、と一度跳ねた後、肉棒から放たれた白濁液がマリアの手を汚す。

 しかしマリアは気に留める様子もなく肉棒を扱き残った分まで搾り取ろうとしていた。

 

「随分ため込んでいたのね、一度程度じゃ萎えないなんて」

 

 苦笑を浮かべ、マリアは顔を赤く染めていたクリスへと目くばせを行う。

 クリスは深くため息を吐き、マリアと立ち位置を交換した。

 

 次は自分の番だと、言葉は無く視線で答えるクリス。

 マリアは手に付着した白濁液を拭き取り、正座の姿勢で職員の頭を己の膝へと乗せる。

 彼の視界がマリアの下乳で埋まると同時、肉棒にも柔らかな感触が広がった、

 クリスが己の胸で肉棒を挟んだのだ。

 更にはマリアが上着をはだけさせ、露になった胸を職員の顔面へと押し付けてくる。

 

 膝枕授乳パイズリ奉仕という小学生が取り分けたバイキングの皿のような状況。

 男の夢でももう少し慎みがあるのではないかという状況に、彼の理性は溶け墜ちた。

 

 記憶が薄れるほどの幸福感に包まれたまま、職員は二度目の射精へと導かれる。

遠慮なくぶちまけられた白濁液が、クリスの顔面を汚す。

 

 言葉も無く呆れたような顔でこちらを睨むクリスの表情は、どうしようもなく男の劣情を煽るものだった。

 普段の自慰であればすでに萎え切っているはずの肉棒は、二度の射精を忘れているかのように固く勃起している。

 

「ったく……」

 

 クリスはそう呟くと、己の胸から飛び出した亀頭を舌先で舐めはじめた。

 妙にくすぐったい感覚が新たに加わり、男の肉棒は再び精液を放とうと動きだす。

 

 男は必死に我慢するが、マリアとクリスの柔肌と体温、そして彼女たちの性技に逆らえるわけもない。

 抵抗も空しく、男はその後も射精を繰り返した。

 

 

 

 どのくらい時間が経過しただろうか。 

 最後の一滴まで搾り取り、マリアは満足気な表情を、クリスはその射精回数に呆れたような笑いを浮かべて去っていった。

 残された男は呆然としたまま、夢のような一時を脳内で反芻し続けていた。



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ノーブルレッドの日常と悪夢

 薄汚れた地下牢の中央に、ライトの灯りでうっすらと浮かび上がる人影が二つ。

 

 人影の正体はエルザとミラアルクの二名。

 だがその姿は、かつて卑しき錆色と呼ばれていた頃以上に惨めなものだった。

 

 四つの瞳は全てが虚ろで、汚水のように黒く濁っている。

 外傷は無いが、起き上がる気力も無いのかじっと横になったまま動こうとしない。

 全員が衣服を剥ぎ取られ、全裸の姿で牢へ囚われている。

 

 

 

 無音の地下牢に、コツン、と靴音が響く。

 途端に、エルザとミラアルクは跳ねるように飛び起き、不安気に瞳を揺らした。

 

 現れたのは、黒いローブに身を纏った男。

 かつてパヴァリア光明結社と敵対していた組織の残党に、ノーブルレッドの三人は囚われてしまっていた。

 

 牢の鍵を開けた男に案内されるように、エルザとミラアルクの二人は歩を進める。

 拘束もされていないのに二人が黙って従うのは、リーダーであるヴァネッサが人質に取られているからだ。

 足を踏み入れたそこは、何もない広めの一室。

 下卑た笑みでこちらを見つめる構成員一同の視線を浴び、エルザは怯えミラアルクは俯いた。

 

 三人の生存を条件に、二人は毎日のように彼らへの性的奉仕を要求されている。

 この場の全員を満足されることが出来れば、明日までの生存が約束されるという契約だ。

 

 別の場所に囚われているのであろうヴァネッサの居場所を突き止め救出するまでは大人しく従う他ない。

 そう判断した二人が気丈に振舞っていられたのは、せいぜい一週間程度であった。

 

 ダッチワイフのようにただ犯され、凌辱されるだけであればもう少し耐えられただろう。

 だが彼らは、ヴァネッサとミラアルクを遊びがいのある玩具として扱った。

 

 

 

「ふっ、ぐぅっ……!」

「ぅぁ……ひっ……!」

 

 立ったまま大股に足を開き、秘部を見せつけるような姿勢で呻く二人。

 両者の秘部にはバイブが挿入されており、電子音を鳴らしながら彼女たちの膣内をかき回している。

 

 先に絶頂した方が罰ゲーム。

 そう伝えられてから十分間、彼女たちは必死に声を噛み殺して沸き上がる快楽に抗っていた。

 

 毎日のように競い合わされるエルザとミラアルクの二人。

 相方を庇う言動が出来たのは最初の二日だけ。

 気丈に男たちを睨みつけ罵倒できたのは五日が限界だった。

 与えられる罰の苦しさを知ってしまった今は、いかに相方に罰を押し付けるかしか考えることが出来ない。

 そして瞳を濁らせて凌辱される相方を見て、勝者は仲間を売った苦しさに胸を痛めるのだ。

 

「──ッ!」

「──ッ!」

 

 二人の体が同時にのけ反り、噴き出した愛液でバイブが抜け落ちた。

 同時に絶頂し倒れ伏した彼女たちを、引き分けはどうするかと男たちが軽薄な笑みを浮かべて見下している。

 

 結論は第二ラウンドの開催。

 痴態によって興奮した肉棒を露出させ、男たちは気を失いかけた二人を叩き起こした。

 

 

 

「んぶ、じゅ……!」

「はや、早く出して……出して下さいッ……」

 

 エルザとミラアルクの二人は、手、口、胸を使って同時に複数の肉棒を奉仕する。

 目の前に置かれた自分用の実験用ビーカーを、相手より多く精液で満たすために。

 

 相手よりもこちらに来てくれと懇願し、肉棒を求め、こちらの方が魅力的であると浅ましく尻尾を振ってアピールしなければ勝てない。

 羞恥に顔を赤く染め上げながら、二人は娼婦が客を奪い合うように下品な言葉で興奮を煽り、その口を勃起した肉棒で塞がれる。

 喉奥に注がれる精液を苦し気に呻きながらビーカーに吐き出し、目尻に涙を浮かべながら感謝の言葉を口に出す。

 

「わたくしめのような雌犬に精液をお恵み下さり……ありがとうで、あります……」

「ウチを汚してくれて、あり、がとう……ございます……だから、その、もっと下さい……!」

 

 そしてタイプアップの合図が鳴った時、より多くの精液が注がれていたのはエルザの前に置かれたビーカーだった。

 

 

 

「や、やだ……嫌……たす、助けて……エルッ」

 

 敗北を告げられ、恐怖に震えるミラアルクは思わずエルザの方を見る。

 一足早く牢へと返される彼女が安堵と自己嫌悪が混ざった表情でこちらを一瞥し、逃げるように立ち去るのを見て、ミラアルクは観念したように俯いた。

 自分が勝利していたら、きっと同じ表情を浮かべていたと理解したのだ。

 ミラアルクにとっての長く辛い地獄のような一日が、今始まった。

 

 

 

「ぐっ、うぅ……!」

 

 ギロチン台に似た拘束具で自由を奪われ、四つん這いの姿勢で固定されたミラアルクは、与えられる快楽から逃げるように身を捩じらせる。

 無論、ガチャガチャと拘束具が擦れ合う音が無情に響くだけなのだが。

 

 ミラアルクの頭上には秒数を示すデジタルカウンターが表示され、今もその数を減らしている。

 カウントがゼロになれば拘束が解け、彼女が解放される仕組みだ。

 カウントは三千六百秒からスタートした。

 つまり六十分耐えればいいのだが、それだけで終わるはずもない。

 

 ミラアルクが声を上げている間はカウントがストップし、彼女が絶頂する度に十五分……九百のカウントが増加する。

 現にミラアルクが悶えながら嬌声を漏らしている今、頭上の数字は二千四百九十三から動いていない。

 

 膣と尻穴に挿入された大型のバイブが生き物のように動き回り、両の乳首と陰核に被せられた吸引機が容赦なくミラアルクを喘がせる。

 

「──ッ!」

 

 ビクン、とミラアルクの肉体が跳ね、バイブと秘部の接合部から愛液が滴り落ちた。

 カウントが追加され、ミラアルクは一向に減少しない数字に絶望する。

 周囲の見物客はその様を見て、ケラケラと笑っていた。

 

 精液を吐き出し終え満足した彼らにとって、ミラアルクはもはや性処理の道具ですらないのだ。

 時折悪戯を行い反応を楽しみ、後は見下し嘲笑するだけ。

 怒りや羞恥を感じる暇もないほどの快楽に襲われ、ミラアルクはやがて意識を失った。

 

 ミラアルクが意識を失ったことで男共はキリが良いと判断したのか、それとも飽きたのか。

 一人、また一人とその場を去り、残されたのはミラアルク一人だけ。

 皮肉にも意識を失ったことでカウントは順調に減り続け、解放の時は近づいていた。

 無論、真に解放されることは無く、日が昇れば再び凌辱の一日が待っているのだが。



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ナイトドレス装者のハーレム奉仕

 都心の一等地に君臨する、超高級タワーマンション。

 そこに住む男の持つ機密情報を手に入れるため、立花響、雪音クリス、風鳴翼、月読調、暁切歌、マリア・カデンツァヴナ・イヴの六人は接待の名目で潜入捜査を行っていた。

 

 カチャン、と。

 男が帰宅する物音が微かに聞こえた瞬間、六人の装者は急いで調査の痕跡を隠蔽。

 何事もなかったかのように──事実、何の証拠も見つからなかったのだが──帰宅した家主を出迎える。

 

 彼女たちは六者六様に、露出過多なナイトドレスを身に纏っていた。

 性欲を掻き立てるような衣装で媚びるように男へと歩みを進める様は、高級娼婦のようでもある。

 

 響と切歌が男の左右に立ち、彼の着ている服を一枚一枚脱がせていく。

 その後ろではマリアと翼がワインとグラスを持ち出し、宴の準備を進めている。

 調とクリスは三つ指をつき、男の帰宅を出迎えた。

 

 一週間変わらぬルーティーンと化した行為。

 男は言葉を発することなく、いつものように全裸になった後、響と切歌の肩を抱き部屋の中央に置かれたソファーへと三人で腰を下ろした。

 露出された肉棒は固くそそり立っており、性と汗の混じった雄の臭いは装者たちの理性を狂わせている。

 

「「あぅっ……」」

 

 響と切歌の喉から、嬌声が漏れる。

 男が右手で響の、左手で切歌の胸を鷲掴みにしたのだ。

 ほぼ水着か下着と大差ない二人のナイトドレスは、男の指が隙間へと簡単に入り込んでしまう。

 柔らかな乳房は指の動きに合わせて形を変え、興奮を示すように乳首だけが硬く立っている。

 

「ん、ちゅっ、じゅるぅ……」

 

 調は男の足元に跪いたまま、彼の足を舐め始めた。

 まずは舌先で、そして指の一本一本をフェラでもするように咥えていく。

 靴を履いて一日歩き洗っていない足は強烈な臭いを発しているはずなのだが、調は媚薬でも嗅いでいるかのように恍惚とした表情を浮かべていた。

 胸元が空いたチャイナ風のナイトドレスは胸部の膨らみに乏しい調ではアンバランスに映るが、しかし瞳を潤ませて見上げる視線からは奇妙なまでに色気を感じる。

 

 そしてもっと直接的で性的なのは、男の背後で胸を枕のように押し付けているマリアだ。

 胸元が空いた中華風ナイトドレスという点では調と同様だが、際どいハイレグやガーターストッキング、そして装者の中で最も大きなバストが調とは違う肉感的な性を表現していた。

 

 翼はグラスにワインを注ぐと、それを己の口元へと運ぶ。

 ナイトドレスというよりは羽衣のように透けて乳首を隠せていない服装も相まって、それは日本神話のような光景だ。

 そして口内にワインを溜めたまま、その唇を男の唇へと重ね合わせた。

 

「んっ、じゅっ……」 

 

 翼の口腔をグラス代わりに、男はワインを堪能する。

 全ての液体が嚥下されても両者の唇が離れることは無く、翼は貪るように舌を入れキスを続けている。

 

 全身で奉仕を浴びた男の肉棒はビクビクと脈打ち、今にも精を解き放ちかねない。

 そして、そんな無駄打ちは許さないとばかりにクリスは男と向かい合うように彼の膝へと腰を下ろす。

 翼と同様に透けて丸見えの乳首と、豊満な乳房を見せつけるように一度後ろへ体重を移動させ、柔らかな胸の感触を伝えようと抱きつき、お預けをくらった犬のように涎を垂らしながら男の肉棒と己の秘部を接触させる。

 

「おぉ、ぉっ……!」

 

 挿入の瞬間飛びかけた意識を、クリスはなんとか持ち直すことに成功した。

 意識を保てるようにゆっくりと、しかし我慢が出来ないとでもいうようにがっつきながら、クリスは腰を上下に動かし男の肉棒を味わっている。

 

「――ッ!」

 

 しかし、男の方が限界だった。

 膣内へと注がれる特濃の白濁液。

 その衝撃と快楽に、クリスの意識はいとも簡単に奪われる。

クリスは全身をのけ反らせながらビクビクと二度体を震わせ、ぐったりとして動かなくなった。

 

 男はクリスの膣から肉棒を抜き、そのまま床へとクリスを仰向けに寝かせる。

 恍惚の笑みを浮かべて意識を失ったクリスの姿を見て、他の装者たちは皆ごくりと生唾を飲み込んだ。

 

 

 

 数時間後。

 満足気な表情でシャワーを浴びに行く男を見送るものは誰もいない。

 六人の装者は全員が床に倒れ伏し、気を失っているからだ。

 

 ナイトドレスを身に纏っているとはいえ、その様子は寝落ちというよりは事件現場と呼ぶのが適切だろうか。

 力が入らないのだろう。

 全身をひくつかせながら、彼女たちは注がれた精の熱を感じて快楽に溺れている。

 

 捜査のことを今だけは忘れ、明日になって正気を取り戻し後悔し。

 今日こそはと固めた決意を、雄の力によって奪われる。

 そんな毎日を、装者たちは繰り返すのだ。



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雪音クリスの障害物競走

 雲一つ無い青空に太陽が真上で輝く陽気の中。

 リディアン音楽院では体育祭が開催され、運動場では少女たちの歓声が響き渡っていた。

 

「負けたー!」

 

 立花響はそう叫びながら、軽く息を切らしながら苦笑を漏らす。

 先程の二百メートル走の結果は、響が二着、一着は彼女の幼馴染である小日向未来だった。

 

「もう、響ったら。同じチームなんだからそこまで悔しがらなくてもいいじゃない」

「でもでも、悔しいのは悔しいんだよー!」

 

 悔しいと言いつつも響の表情は笑顔であり、笑いながら未来に抱き着いている様からもじゃれ合っているというのが実際のところだろう。

 未来も苦笑はしているが、そんな響の行動を笑顔で受け入れている。

 

 何の変哲もない青春で健全な一般的光景……とは、しかし言い難い。

 

 汗によって張り付いた体操服からは乳首が透けて見え、スパッツ越しに尻の割れ目がくっきりと浮かび上がっている。

 響や未来だけでなく、その場にいる生徒全員がそうなのだ。

 

 リディアン音楽院は女子高ではあるが、芸能界や財政界からのゲストやスタッフが観戦しいくつものカメラが彼女たちを撮影している。

 撮影班やインタビュアーの股間が膨れ上がっていることは、目の錯覚ではないのだろう。

 常識は書き換わろうとも、雄の本能は変わらないのだ。

 

 

 

「頑張れークリスちゃーん!」

「あたしとお前は別のチームだろうが!」

 

 障害物走に参加する雪音クリスは、そんな応援の声に負けじと声を張り上げた。

 開始を告げるピストルの音に一拍遅れで駆け出し、障害へと向かう。

 

「ふっ、よっ……と!」

 

 両手を後ろ手に縛られたまま吊るされたアンパンの袋を口で咥え、先頭で走るクリス。

 ジャンプの度に跳ねまわる乳房に注目が集まっていることなど、彼女は思いもしない。

 

 クリスはそのまま跳び箱、平均台と次々に障害をクリアしていく。

 他の生徒は縛られた両手のせいでバランスを崩し、思うように進めていないようだ。

 

「よし、一着はいただきだな!」

 

 後ろに軽く視線をやったクリスは、大差がついた現状にニヤリと笑うと次の障害へとたどり着く。

 

 次の障害は飴探し。

 通常であれば小麦粉などの粉に隠された飴を手を使わずに探し当てるものだが、クリスの眼前にある容器に満たされているのは、粉ではなく白濁液だ。

 顔を近づけるだけで、むせ返るような雄の臭いに呻き声を上げそうになる。

 しかし、クリスは意を決したと言わんばかりの表情を浮かべ、白濁液の中に顔を突っ込んだ。

 

「ぶっ、んぅっ……うぅっ……!」

 

 飴を探し当てて顔を上げたクリスの顔面は、白濁液でドロドロに汚れてしまっていた。

 鼻にも精液が入ったのだろう、片方の鼻からは無様にも鼻提灯ができてしまっている。

 雄の臭いに発情でもしたのか、息苦しさ以外の理由でもクリスの息は荒い。

 太股には汗以外の艶めかしい液体が付着しており、それが秘部から流れ落ちた愛液であることは誰の目から見ても明らかだった。

 

 

 次の障害は綱渡りだ。

 上に立って渡るのではなく、腰の高さに張られた縄を跨ぎ、前へと進む。

 

「――ッ!」

 

 クリスは縄を跨ぎ──そこでビクン、と彼女の肉体が痙攣した。

 縄はつま先立ちをしても股に食い込む高さに設定されている。

 快楽を待ち焦がれていたクリスの性器は縄の刺激に耐えられなかったのだ。

 

 しばらくその場で震えていたクリスだったが、後方から追い上げてくる他の走者の気配を感じると慌てた様子で足を勧めだした。

 

「くっ……ぅぁっ……ふぅっ……!」

 

 つま先立ちで歩いていることもあり、その足取りは亀のように鈍い。

 加えて縄の各所にある結び目を超える度、クリスは堪え切れないとでも言うように喘ぎ声を漏らして立ち止まってしまう。

 

 たった数メートルの縄を越えるだけでクリスの息はぜいぜいと切れ、もはや言い訳のしようもないほどに秘部からは愛液が染みだしている。

 

「あ、と、一つ……」

 

 最後の障害に置かれているのは、三輪車だった。

 幼児用の小さな三輪車を漕いでゴールまで走る、障害物走では定番のアイテム。

 だが、当然のようにそのサドル部分にはディルドがそそり立っていた。

 クリスは器用に縛られたままの両手と腰を捩らせ、履いているスパッツを半脱ぎ状態にすると、腰を落とし己の秘部にディルドを挿入した。

 

「ん、くっ……太ぃっ……」

 

 顔を赤らめ、嬌声を漏らしながらも根元までディルドを入れ、クリスはペダルを漕ぐ。

 

「―─ッ!」

 

 そして、たった一漕ぎでクリスは絶頂した。

 ディルドはペダルと連動し、動く仕組みになっていたのだ。

 しかもディルドは単純な上下移動ではなく、生き物のようにクリスの膣内をかき回している。

 

「これ、無理っ……ぐぅっ……ッ!」

 

 二度目の絶頂。

 ゴールまでは僅か十五メートル程であるというのに、目の前のゴールテープがあまりにも遠い。

 ただでさえ不安定な幼児用の三輪車を、両手を縛られた状態で漕いでいるのだ。

 バランスを取るだけでも一苦労なのに、それに加えてディルドの刺激がクリスを襲っている。

 

 三度、四度と絶頂を繰り返しながらペダルを漕ぐクリスの姿は、周囲の男が見ているだけで“暴発”する程に無様で、淫靡で、滑稽でもあった。

 

「ぅお゛、ぉっ……!」

 

 獣のような嬌声を上げて、クリスはようやくゴールを通過した。 

 なんとかゴールしたと同時にクリスは躓いたように倒れ、ディルドが彼女の膣から抜ける。

 絶頂を繰り返し愛液を噴き出し続けた秘部はヒクヒクと痙攣を繰り返しており、その敏感な状態は風が吹いただけでも絶頂しそうだ。

 

「お疲れ様、クリス」

「クリスちゃん凄い! ダントツ一着だよ!」

 

 無邪気にクリスを称える響と未来。

 だがクリスはその両者に返事をする余裕などなく、ただ薄れゆく意識を繋ぎ止めることに必死だった。

 

 



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マリアの裏オーディション【1】

 マリア・カデンツァヴナ・イヴはとあるオーディションを受けるため、会場へと案内されていた。

 普段であれば向こうから参加を熱望される立場であるマリアであるが、今回は事情が違う。

 

 開催の規模も、勝者に与えられる栄誉の質も、そして醜悪なまでに過酷なオーディションの内容も。

 

「到着しました」

 

 案内人の言葉でマリアは足を止め、装着していた目隠しと耳栓を外す。

 司会に広がった光景は、大規模な誘拐現場か集団避難かと疑うような光景だった。

 百を超える女性──新人アイドルから有名歌手までがコンクリートの壁に囲まれた空間に集められている。

 全員が目隠しを外したタイミングで、黒服に身を包んだスタッフからの説明が部屋に響いた。

 

 今回のオーディションは多数の仕事内容の合同である。

 複数段階に分かれた審査を行い、落選した人間から順に待遇の悪い仕事が割り振られる。

 仕事に拒否権はなく、必ず受けなくてはならない。

 オーディション内容は会員制動画サイトにて有料生配信される。

 審査内容に対する不服申し立ては一切受け付けず、運営側の指示に従わない場合は即落選となる。

 

 それは既に通達済みの内容。

 この場の全員が、その醜悪極まるオーディションの見世物となることを理解し、この場に集まっている。

 

 誰一人として文句を言う者はおらず、誓約書へのサインを済ませると一人、また一人と鉄製の扉を潜り一次オーディションへと向かった。

 

 

 

 一次オーディション会場は、先程と同じような殺風景なコンクリート壁に囲まれた小さな部屋だった。

 一組となって部屋に案内された参加者五人と黒服スタッフが三名、そしてカメラなどの配信用機材や小道具。

 それだけで手狭に感じるほどに小さな部屋には参加者達の熱意や悲壮感などが渦巻き、居心地の悪いピリピリとした空気が充満していた。

 

「では、一番の方」

「──はい」

 

 マリアは短く返事をすると、指示された通りに部屋中央のお立ち台へと足を進める。

 深夜の低予算バラエティでよく使われるような、安っぽいデザインのお立ち台にはマイクがセットされている。

 そのコードの先にあるのはカラオケ機器。

 一次審査は歌唱審査だった。

 

 スタッフ曰く、一次審査は事実上の足切りらしい。

 カラオケで好きな曲を歌い、八十点以上を取れば通過。

 余裕と言うのも憚られるほどに緩い条件である。

 通常であれば、の話だが。

 

 改めてルールの説明をされ、準備は出来たかと促されたマリアは無言で頷いた。

 そして、指示された通りに服を脱ぎ、全裸になる。

 服を脱ぎ下着姿になっても、ブラを外し豊かな乳房が丸見えになっても、ショーツを脱ぎ秘部があらわになっても、部屋の中は静かなままだ。

 スタッフは事務的に準備を進めるままだし、残りの参加者は次は我が身だと覚悟を固めたように強く目を閉じている。

 

 配信用のカメラに裸体を晒し、その状態で平常心を保って歌わなければならない。

 マリアは右手でマイクを持ち、左手で乳房を隠す。

 そして両足を閉じて秘部が見えないように身を捩じらせると同時に、イントロが流れ出した。

 

「~~~~♪」

 

 歌姫と表現されるだけあって、マリアの歌声は素晴らしいの一言に尽きる。

 だが、この一次審査の相手は人間ではなく、カラオケマシンだ。

 表現力ではなく、いかに正確に歌い続けられるかが求められる。

 

 時折カメラを意識してしまい、羞恥心で歌声がぶれる。

 少しでも裸体を隠そうとして左手に力が入り、マシュマロのように乳房がその形を変える。

 配信先でどれだけの精子がティッシュの中に放たれたのか、マリアは知る由も無い。

 

 無事に最後まで歌い切ったマリアはマイクを置き、両手で乳房と秘部を隠したままカラオケマシンの画面を見つめる。

 表示された点数は九十三点。

 無事に合格したマリアは小さくガッツポーズをすると、案内されるままに一次オーディション会場を後にした。

 

 

 

 休憩室へと案内されたマリアは、テーブルに置かれていたお茶を紙コップに注ぎ、一息に飲み干した。

 衣服の返却はされなかったため、マリアは今も全裸のままである。

 

 ふぅ、と一息つくと、隣の部屋から微かな歌声が漏れ聞こえてきた。

 二番目の参加者のものだろうそれは、羞恥と緊張で明らかに震えている。

 

 歌声が途切れ、次に聞こえてきたのは悲鳴だった。

 

「嫌だ、いやだぁッ!」

「やったッ……!」

「やだ、助けて、助けッ……!」

 

 悲鳴や歓喜、そのどちらもが絶叫となって扉を貫通し、マリアの元へと届いてくる。

 歓喜の声の後には参加者が一人休憩室にやってくるが、悲鳴の後には誰もやってこない。

 何とも言えない気分で待機していると、スタッフが再びやってきて一次審査の終了を告げた。

 

 二次審査の会場へと案内される参加者たち。

 マリアは、決意や不安に満ちていた空気に覚悟や怯えの感情が加わったような気配を感じながら、休憩室を後にした。

 

 

 

 二次審査会場までの通路で、マリアは異様な光景を目にする。

 十数人の女性が、一列に並んで連行されていたのだ。

 

 全員がマリア達と同じように全裸であり、しかし違うのは自由が完全に奪われている点だった。

 目隠し、耳栓、首輪、手枷に足枷。

 よたよたと歩く以外の自由を奪われ、彼女たちはマリアとすれ違っていく。

 何人かは激しく暴れ鎮圧されたのだろうか、背中などに痣が見えた。

 

 マリアを含む一次審査通過者たちが絶句していると、彼女たちを案内していたスタッフは無感情に説明した。

 

「彼女たちは足切りされた面子です。似非に回せる仕事は無いんですよ」

 一次審査不合格者は速やかに帰宅。

 ホームレスが不法滞在する公園の男子トイレや、性被害が問題視される街の裏路地へとこの格好のまま放置されるらしい。

 

 その話を聞いて、審査通過者たちの瞳がより一層険しくなる。

 

 もし自分が合格していなければ今頃はあそこに……。

 そんな想像を振り払うかのようにマリアは二、三度首を振り、歩みを再開したスタッフの後を追って歩いて行った。



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マリアの裏オーディション【2】

 十人ずつのグループに分かれ、二次審査会場へと到着したマリア達。

 そこは、一次審査会場と似通ったコンクリート壁の空間だった。

 

 先程と同じようにマリア達をカメラが取り囲み、裸体を撮影している。

 一次審査会場には無かった審査員席が配置され、数名がそこに座っていることが唯一の違いだ。

 AV監督や深夜バラエティのプロデューサー達がパイプ椅子に腰を下ろし、目の前のマリア達に下卑た笑みをぶつけていた。

 

 マリア達は案内されるまま一列に並び、二次審査の説明を受けていた。

 二次はダンス審査。

 一度だけ流されるお手本通りにダンスを踊ることが出来れば合格。

 

 質問や意見を受け付ける気は無いと、スタッフは流れるように動画を再生する。

 マリア達は慌てて意識を集中し、再生されたダンスに意識を集中させた。

 誰の胸が好みだ、あの娘は個人的に楽しみたいだのと囃し立てる審査員の声を無視し、一挙手一投足までを網膜に焼き付ける。

 

「衣装はこちらの中から選んでください」

 

 二分ほどの動画が終わると、スタッフは人数分の箱を運んできた。

 箱には“セーラー服”や“スクール水着”など手描きのメモが貼られている。

 喜んで着たい衣装ではないが、一次審査のように全裸で踊らされると思っていたマリアは戸惑いを覚えてしまう。

 

「衣装は早い者勝ち。箱の中身を全て身に着けた方から審査を開始します」

 

 その言葉が合図であったかのように、参加者たちは慌てて箱へと走り出した。

 二分程度の短いダンスとはいえ、最後の審査となればかなりの時間を待たされることになる。

 一度しか見れなかったダンス映像の記憶が鮮明なうちに審査を受けたいと思うのは自然な思考だ。

 メモを見比べる時間も惜しいと、マリアは一番近くの箱を開け、中身を取り出す。

 

「──えっ?」

 

 セーラー服のメモが貼られていた中身を見て、マリアの喉からはどこか間抜けな声が漏れた。

 中に入っていたのは、安っぽく生地の薄い、いかにもコスプレ衣装というようなセーラー服。

 上下共に丈が半分近くにまで切られているが、そこは問題ではない。

 問題は、それがアクセサリーだとでも言いたげに付属されていた、一本のバイブだ。

 

 そういうことか。

 心中で毒を吐き、マリアの手に力がこもる。

 軽く周囲を見渡すと、他の参加者たちも戸惑いや怒りの感情を見せていた。

 中には涙を流している者もいる。

 そしてそんな様子を見て、審査員席の人間たちは笑っていた。

 

 だが、どうしようもない。

 ここで怒ろうと怒鳴ろうと、奴らを喜ばせるだけだ。

 マリアは急いでセーラー服に袖を通し、残ったバイブを手に取った。

 男根を模したデザインのバイブはかなり太く、秘部に固定する用のベルトが付いている。

 

「んっ……」

 

 マリアはバイブを口に含み、唾液を付着させると、ゆっくりと己の秘部に挿入していく。

 

「ふっ……んっ、くぅっ……!」

 

 膣を押しのけ入ってくるバイブの感覚に、思わず甘い声が漏れた。

 押し寄せる快楽に抗うように、マリアは先程のダンス映像を脳内で反芻する。

 奥までバイブを挿入し、ベルトを腰の位置で締めて固定した頃には、マリアの前には二人の参加者が着替え終わっていた。

 

 待機中に振り付けを忘れないよう脳内で復習を行いながら、マリアは早く自分の順番になってくれと祈りを捧げる。

 眼前では一人目の参加者が、スクール水着を着てダンスを踊っている。

 マリアが見てもそのダンスは中々の腕前で、表情もある程度余裕がある。

 

「きゃっ!」

 

 ダンスが半分ほど消化されたタイミングで、参加者は急に踊りを止めて蹲ってしまう。

 スクール水着の裏地に装着されていたローターが彼女の乳首と秘部を刺激したのだ。

 

「待って……これ、違ぅっ!」

 

 ローターに刺激されながらの抗議の声は届くはずもなく、一人目の挑戦者は無慈悲にも失格となった。

 荷物のように運ばれていく参加者を見ながら、同時にマリアの頬に冷や汗が浮かぶ。

 ローターですらあの様なのに、今秘部に入っているバイブが動作したら……。

 

「次の方」

 

 その声で、マリアはハッとした。

 俯いていた顔を上げると、既に二人目の参加者は合格していた。

 

 歩を進め、審査員たちに視線を向けると、彼らの手元にリモコンがあるのが見えた。

 

「三、二、一」

 

 粛々と進むカウントダウン。

 マリアは両の頬を軽く叩き気合を入れ、ダンスを踊り。

 

「──ぐぅっ!」

 

 開始と同時に稼働したバイブの衝撃に意識を持っていかれそうになった。

 バイブは甲高い音を立て、小刻みに振動を繰り返す。

 マリアはなんとかダンスを踊り続けるものの、その動きは素人のようにぎこちない。

 普段であれば考えられない無様な踊りに、マリアの自尊心は傷ついていく。

 

 だが、踊りを止めれば待っているのは破滅の二文字だ。

 薄れゆく記憶をなんとか掘り返していると、審査員はもう一度リモコンを操作した。

 

「うぐっ……ふぅっ……!」

 

 振動していたバイブが挙動を変え、生き物のようにうねりだす。

 膣内をかき回される衝撃に、マリアは思わず嬌声を漏らしてしまう。

 

(耐えろ、耐えろ、耐えろッ……!)

 

 秘部から漏れた愛液が床を汚し、口をだらしなく開きながらも、マリアは踊りを止めない。

 

「──ッ!」

 

 最後のキメポーズを取ると同時にマリアは絶頂し、その場に崩れ落ちた。

 陸に打ち上げられた魚のように肉体を痙攣させ、愛液を噴き出しているが合格は合格である。

 

 審査員たちの残念そうな目線を受けながら、マリアはスタッフに運ばれて合格者用の扉を潜っていく。

 その秘部にはバイブが挿入されたままであり、マリアが意識をはっきりとさせてバイブを抜き取るまで外されることはなかった。



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マリアの裏オーディション【3】

 三次審査は体力テスト。

 会場には一周百メートルのトラックが、ガムテープによるラインで用意されていた。

 スタート地点に集められたマリア達はそのまま説明を聞いている。

 

 参加者全員で四百メートル走を行い、最下位が脱落。

 その後先頭がゴールしてから五分の間休憩時間を挟み、残ったメンバーで再び四百メートル走。

 これを繰り返し、規定数まで減った時点で三次審査は終了。

 

 ずらりと並んだ参加者たちを一瞥し、マリアは思考する。

 開始時からかなり減ったとはいえ、まだ参加者は多い。

 長期戦になるということは、大切なのは瞬発力よりも持久力。

 

(ペース配分を考えないと……)

 

 スタートラインに立ったマリアがそう考えていると、合図の音が鳴った。

 反射的に足が動き、マリアは悠々と先頭に立つ。

 

「ふッ……はッ……!」

 

 日ごろから装者としての訓練などで鍛えられているマリアのフィジカルは、一般的なアイドルなどとは比較にならない。

 抑え気味に走ったつもりでも、マリアはダントツでゴールをしていた。

 

「ふぅッ」

 

 スタッフが最下位の子を連行していくのを尻目に、マリアは五分のインターバルを利用して呼吸を整える。

 スタート地点脇に置かれていた水と酸素ボンベを手にし、マリアは考えた。

 

(このペースなら問題はなさそうね……今回は変な妨害もないみたいだ……しッ──!)

 

 水を一口飲み、酸素ボンベを使用したとたんに、マリアの肉体に変化が起きた。

 体が熱い。全身から汗がじんわりと滲み出し、呼吸が荒くなる。

 周囲を見渡すと、全ての参加者が同じ様子だ。

 

(しまった……!)

 

 運営の趣味の悪さは重々承知していた。

 ただのレースで終わるはずがなかったのに。

 そんな後悔も時すでに遅く、会場には無慈悲に二度目の合図が鳴り渡る。

 

「くッ……!」

 

 相変わらず、先頭を走るのはマリアだ。

 だがその足取りは不安定で、先ほどに比べて明らかにペースが落ちている。

 

(水、いや酸素ボンベの方に……? いえ、両方にでしょうね……)

 

 その予感は的中している。

 配布された水と酸素ボンベには即刻性の媚薬が仕込まれていた。

 

 なんとか先頭でゴールしたが、マリアの肉体からは情欲が沸き上がって止まらない。

 そして呼吸を整え、乾いた喉を潤すためには再びこの水と酸素を取り込まないといけない。

 

「う……くぅ……!」

 

 悩んだ末に、マリアは再び水分を摂取し、酸素を取り込んだ。

 

 

 

 そして十度目のレース。

 マリアの意識は疲労と媚薬の効果で朦朧となり、思考回路はろくにに働いていない。

 股は愛液で濡れ、呼吸は艶めかしいものへと変貌している。

 

 もはや歩くよりも遅い足取りで、マリアは何とかゴールした。

 倒れながらコースに目をやると、性欲に負け、歩みを止めて自慰に耽る参加者の姿が見えた。

 

(きもち……よさそう……)

 

 無意識のままに、マリアの右手が己の股間に伸びる。

 ビチャビチャに濡れ切った秘部からはいやらしい水音が大きく鳴り、カメラとマイクがマリアの痴態を逃さず捉えている。

 

「ふッ、ふぅッ……あ、あぁッ……!」

 

 指の動きはどんどん激しさを増し、水音はどんどん激しさを増していく。

 一度堰を切った衝動が収まることはなく、マリアは全てを忘却して自慰のみに夢中になった。

 

「──ッ!」

 

 ビクン、とマリアの体が大きく跳ねる。

 絶頂したマリアの肉体は電流が流れたかのように数度痙攣し、秘部からは噴水のように愛液が噴き出した。

 

「あ……ぅぁ……」

 

 しかしそれでも、マリアの手が止まることはなかった。

 口端から涎をたらし、マリアは自慰を繰り返す。

 両手の指で膣内をかき回すマリアの耳に第十一レース開始の合図が入ることはなかった。

 

 結局、マリアは失格になるまで自慰を止めることはなく、彼女のオーディションは第三次審査で脱落となった。

 意識を失ったマリアは、他の失格者と同様にスタッフに別室へと引きずられていく。

 

 

 

「ぅぅ、んっ……」

 

 意識を取り戻し、マリアはゆっくりと目を開く。

 直後、彼女の鼻腔に甘ったるい臭いが充満した。

 

 ぼんやりとする意識を覚醒させ周囲を見渡すと、そこは撮影部屋だった。

 マリアの周囲には三次審査失格者たちが身を寄せ合うように集まっており、そんな彼女たちを三百六十度から大小様々なビデオカメラが捉えている。

 

 マリア達三次審査失格者たちへの仕事はアダルトビデオへのノーギャラ出演。

 通常であれば出演するはずのない女優やアイドル達を前に、男優達の肉棒は出番を待ちわびるかのように雄々しくそそり立っている。

 

 そんな光景に涙を流す脱落者もいる。

 怒りを見せ、歯を食いしばりながら下卑た笑みを浮かべる監督を睨みつける者もいる。

 だが皆一様に、己の秘部を濡らし肉棒を受け入れる準備は万端だった。

 

 投与された媚薬の影響もあり、雌の本能に抗うことはできない。

 マリアも一切抵抗することなく、今まさに始まろうとしている撮影を受け入れてしまっている。

 

 

 この日撮影されたキメセク乱交AVは販売元が限定されていたにもかかわらず空前絶後の大ヒットを飛ばし、マリア・カデンツァヴナ・イヴの名は一気にアダルト界隈で有名となったのだった。



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翼とマリアのハロウィン

 今日はハロウィン。

 古代アイルランドの祭りを起源とする十月三十一日のイベントは、ここ日本に伝わるまでに大きく様変わりしている。

 現代では宗教的な意味合いは焼失し、その実態はもはやただの大規模な仮装祭である。

 

「トリックオアトリート!」

 

 何度目かもわからない、そんなお化けの仮装をした子供たちの問いかけに、マリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼は笑顔でお菓子の袋詰めをプレゼントした。

 袋には二人のライブやCDの宣伝ミニポスターが封入されている。

 

 黒いローブと三角帽子で仮装した二人の左右に撮影用のカメラがあることからもわかる通り、これは二人の音楽活動を宣伝する目的……というのが表の理由。

 そして、マリアと翼の表情が妙に赤いのは、疲労や仮装の気恥ずかしさではなく、裏の理由が原因だ。

 

「トリックオアトリート!」

 

「はいはい……あら、ごめんなさいね、手元のお菓子が切れちゃって……いまスタッフさんに追加の分を──」

「じゃあトリート!」

 

 きゃっ、という悲鳴と共に、マリアのローブがスカートめくりの要領で少年の両手によって勢いよく捲られる。

 マリアが慌てて裾を抑えたころには、犯人は無邪気な笑い声をあげながら走り去っていた。

 

「だ、大丈夫かマリア……」

「え、えぇ……」

 

(ば、ばれてないわよね……?)

 

 過剰ともいえる反応も無理はない。

 マリアと、そして翼も、ローブの中身は全裸なのだから。

 

 これが、彼女たちの表情が羞恥に赤く染まっている理由。

 カメラは宣伝用ではなく、十八禁バラエティ番組の撮影用なのだ。

 

 痴態に気づかれることなくイベント終了までに規定量のお菓子を配り歩くことができれば、この映像は破棄され代わりにフル尺で二人のライブ宣伝用映像が流されるようになっている。

 しかし誰かに気づかれた場合、その度に二人にはペナルティの罰ゲームが待っているというものだ。

 

 二人の纏うローブはコスプレ用の安っぽい作りであり、生地は非常に薄いうえにサイズも小さい。

 ぴったりと肌に張り付いた上半身をよく見れば、浮き上がった乳房や乳首の形で彼女たちが下着を着用していないことに気づけるのだが、幸いなことに開始から一時間経っても帰ってくる反応はお菓子をもらえた無邪気な喜びだけだった。

 

 しかし、配り歩く相手は色気より食い気の勝る無邪気な子供だけではない。

 性の興味に最も満ち溢れているであろう高校生男子が、気恥ずかしそうにマリアへと声をかけてくる。

 年齢制限は無いと事前に告知しているが、思春期男子がアイドルにお菓子を貰うのはという思いなのだろう。頬はうっすらと赤くなり、キョロキョロと周囲を落ち着きなく見渡している。

 

「はいどうぞ。今度発売のCDもよろしくね?」

 

 マリアは笑顔でお菓子を差し出したが、男は手を伸ばさない。

 視線はお菓子ではなくマリアの胸に吸い寄せられ、その顔はますます赤みを増していた。

 

 衣装が張り付き、露になるボディライン。

 そこに浮き出た乳首の形に気づいたのか、男は何も見なかったと言わんばかりの速度で踵を返し、己のそそり立った男根を隠すように前傾姿勢で走り去っていった。

 

「……今のは」

「バレてるわよねぇ……」

 

 マリアが溜息を吐くと同時、取れ高の発生に喜びを隠せないスタッフが罰ゲーム用のくじ入りボックスを笑顔で運んできた。

 

「まぁ、まったくバレないで終われるとは思ってなかったけど……」

 

 差し出された箱に手を入れ、マリアは四つ折りのくじを一枚取り出す。

 くじをカメラに向けて開くとそこには“パンツ着用”と書かれていた。

 

「下着を付けるのが罰……? むしろ有難いのだが……」

「そんな訳ないでしょ翼。どうせ……ほら、やっぱりね」

 

 二人に手渡された二枚の黒下着。

 片方にはローターが、もう片方にはバイブが内側に固定されている。

 

「違いがあるのか。どうする?」

「まあ、気づかれたのはわたしだからね……」

 

 マリアは翼にローターパンツを手渡し、バイブパンツに足を通す。

 

「んっ……」

 

 あらかじめローションが塗布されたバイブはすんなりとマリアの秘部へと挿入される。

 膣が押し広げられる感覚に、マリアの喉からは甘い声が漏れた。

 

「大丈夫か?」

「えぇ、そんなに太くないし、激しく動かなければッ……!」

 

 途端、バイブが振動を開始し、マリアは慌てて口元を抑えた。

 音で周囲にバレないようにだろう。振動は最小限で、刺激は弱い。

 だがそれでも、マリアは嬌声を抑えようと口元を両手で抑え、身を捩じらせている。

 視線を翼の方に向ければ、彼女もプルプルと体を震わせていた。

 

「だ……大丈夫?」

「あ、あぁ、なん、とか……」

「そう、こっちもなんとか……ッ!」

 

 平気そうなのは強がった口調だけ。

 マリアの肉体がビクンと跳ね、周囲に絶頂を伝えている。

 

 

 再開されるお菓子配り。

 マリアも翼も、表面上は平静を装っている。

 だがその表情筋はピクピクと痙攣し、時折漏れる甘い嬌声はファンの下半身を刺激していた。

 

 ただでさえ衆目を集める二人が不自然な挙動を取っていれば、異常を隠し通すのは当然ながら不可能である。

 当然、二人の異常はあっという間に露呈し、二人はまたもや罰を受けることになる。

 

 罰を受け、そしてその結果更に罰を受けやすくなる。

 悪循環は留まることなく、二人は用意された罰ゲームのくじを引ききってしまった。

 

 

 

「ぐっ、うぅっ……おねがいだから、早く止めッ……!」

 

 イベント開始から一時間強が経過した。

 マリアは何度目かもわからない絶頂に震え、スタッフに懇願する。

 しかしイベントの終了規定は、お菓子を配り終えること。

 もはや渡すどころではなくなったお菓子が数袋残っている以上、解放されることは無い。

 バレないように宣伝企画という大義名分も消え失せ、行われているのはただのAV撮影だ。

 

 マリアの両腕は後ろ手に拘束され、ローブは前が完全に開いて裸体は丸出しになっていた。

 秘部にはバイブが挿入され、陰核には吸引機が固定されている。

 尻穴にはアナルパールが深々と突き刺さり、入りきらなかった分が尻尾のようにぶらぶらと揺れ動いている。

 両の乳首にはクリップが痛々しく挟まれ、その先にはお菓子袋がご自由にどうぞとぶら下げられていた。

 誰かが取ってくれればこのイベントも終わりに近づくのだが、通行人はマリアの裸体に股間を膨らませるばかりだ。

 

 無様にも絶頂を晒すマリアだが、しかし翼に比べればマシだろう。

 口はボールギャグで塞がれ、鼻フックによって端正な顔立ちは崩されていた。

 両手足は一纏めに縛られ、立つこともできずに地面へと転がされている。

 子宮内へは無数の小型ローターが入っており、膣に挿入された大型のバイブが蓋になっている状態だ。

 翼はくぐもったうめき声を上げることしかできず、絶頂のたびに噴き出した愛液で水たまりを形成していた。

 

 

 

 夜が明ける直前まで彼女たちは衆目に晒され続け、絶頂を繰り返す。

 そしてお菓子を配り切れなかった二人に、新たな罰ゲームが通達される。

 スタッフは二人を映せるカメラを設置すると、マリアと翼の腹部にマジックで“『撮影中』ご自由にお使いください”と書き、そのまま撤収していった。

 二人はライブ宣伝の映像を流す代わりとなる輪姦映像を撮影するため、そのまま周囲の男性たちの肉欲へと沈められていくことになる。

 



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私立リディアン音楽院秋桜祭

 今日は秋桜祭。

 私立リディアン音楽院で開催される学祭に他の装者たちから招待された風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴは、多くの客と学生で賑わう入口で待ち合わせ、合流した。

 

「どう? かつての母校は」

「前に来てからそう時間が経ったわけでもないからな……だがこの楽し気な雰囲気は悪くない」

 

 超人気アーティストの二名がこの場にいると判明すれば、勿論大騒ぎになるだろう。

 だが現状、パンフレットを受け取りながら談笑する二人の正体には誰も気づいていない。

 

 普段通りにしていればそうバレるものでもないわとマリアが笑い、いいや、私達の変装技術の賜物だろうと得意げに胸を張った。

 

 マリアの恰好は定番のサングラスに、肌にぴっちりと張り付いた白のシャツと太股まで大きく露出されたホットパンツ。

 豊満な肉体と肌をこれでもかと見せつける性的なファッションは人目を引いているが、それ故に周囲の視線は首から上へは集中せず、意図とは違う方向性で変装に成功している。

 

 翼の恰好はかつてリディアンで着ていた制服を魔改造したものだ。

 マリアと同じくデザイン性を重視したサングラスで目元を隠し、胸元は乳首がギリギリ隠れるレベルまで開かれ、スカートは立っているだけで尻の肉が見えるほどに短い超改造制服。

 

 普段であればすらりとした長身で美しさを振りまくはずの肉体が、今は性的な魅力を全開で解き放っている。

 

 

 

「あ、翼さん! マリアさん!」

「来てくれたんですね」

 

 初めに立ち寄ったのは、立花響と小日向未来のクラスだった。

 

「その恰好は……二人のクラスの出し物って」

「はい、メイド喫茶です」

 

 マリアの質問に未来が答え、響と共に教室の中へと翼とマリアを案内していく。

 

「わたしはお好み焼き屋がよかったんですけど……火や生ものを使う出し物は規制とか色々あるらしくて」

「随分と立花らしい主張だな。だが、その恰好も似合っているぞ」

「ええ、二人ともキュートよ」

 

 響と未来の恰好は、無論メイド服だ。

 だが、一般的なものとは違い随分と露出が多い。

 クラシカルな正式のものとは違うミニスカメイド服……よりも、更に。

 二人のクラスメイトである板場弓美が提案・実装したその衣装は、乳輪と秘部がギリギリ隠れるレベルのマイクロビキニにフリルと十センチ程の何も隠せない超ミニスカートを付けメイド服だと無理矢理言い張ったようなデザインであり、布地の総量は際どい下着よりも遥かに少ない。

 ガーターリングにはピンクローターのスイッチが挟まれており、コードは無論ビキニパンツの中へと繋がっていた。

 響と未来の顔が紅く染まっているのは、衣装を誉められ照れているというだけではないのだ。

 

「お待たせしました、アイスコーヒーとレモンティーです!」

 

 席について注文した飲み物は、既製品であるが故にあっという間に配膳される。

 響から受け取ったドリンクを飲みながら翼が入口に目をやると、未来が別の客の会計を受け付けていた。

 

「オレンジジュースにコーラ、クッキーが二つにゴムフェラとパイズリサービス、ディルドオナニー鑑賞にゴム無しハメ撮りセックス二回で……千二百五十円です」

 

「──ずいぶん安いのね」

「学祭ですし、こんなものですよ? むしろ儲けを出さないようにしないといけませんし」

「へぇ……」

 

 マリアは初めての学祭にカルチャーショックを受けた様子で、周囲を見回す。

 右の席では、安藤創世がローターの刺激に耐えながら接客を行っている。

 左の席では、寺島詩織がテーブルの上でM字に足を開き秘部を客に見せつけながら自慰を披露していた。

 正面の席では、板場弓美が両手と口で三本の肉棒に奉仕しながら膣を犯されている。

 

 繁盛している店内の様子に、あまり長居しては迷惑になるかと考え、マリアは残ったレモンティーを飲み干した。

 

「アイスコーヒーとレモンティーで、三百円です──そういえば、他の子たちの所へはまだ?」

「ああ、ここが最初だ」

「切歌に調、クリスのところも楽しみね」

 

 響と未来に見送られ、翼とマリアは次の出し物へと向かっていった。

 

 

 

 次に向かったのは体育館。

 ここにクリスがいると、二人は響から教えてもらっていた。

 

「げッ!」

「なんだ、突然不躾な」

「いつもの照れ隠しでしょ。似合ってるわよクリス」

 

 雪音クリスは全裸に猫耳と尻尾を付けた状態で両手を背中に回し、両足は大股を開いて立った姿勢で四肢を拘束されていた。

 特殊な折檻を受けているというわけではない。その証拠に、体育館にはクリスと同じように拘束された生徒が十数名ほど並び、クリスの足元には“ミスコン参加者・八”と書かれたプレートと投票箱が置かれている。

 

 周りを見れば三番と十番の子は今まさに犯されているし、六番の子は挿入されたバイブの振動に喘ぎ声を漏らしている。

 クリスの方に視線を戻せば、彼女の胸は白濁液で汚れ膣からもポタポタと漏れた白濁液が足元に水溜まりを形成していた。

 

「見られたくないから内緒にしてたのに……馬鹿後輩どもの誰だ? 二人に教えたのッ――!」

 

 ぶつくさと呟いた文句が急に途切れる。

 クリスの背後に立っていた客が、彼女を背後から犯し始めたのだ。

 

「あら、可愛い声」

「甲高い声で鳴いていると本当に猫のようだな」

 

 可愛らしいと褒められ、クリスの表情が瞬く間に赤く染まっていく。

 甘い喘ぎ声は体育館に響き、新たな客を呼び込んでいく。

 

 マリアと翼は労いの言葉をクリスにかけ、投票箱に一票を投じ、体育館を後にした。

 

 

 

「来てくれたんだ」

「おお、翼さんにマリア!」

 

 月読調と暁切歌は、クラス入口で客の引き込みをしていた。

 バニー衣装に身を包み、料金表の書かれた看板を手に持っている。

 

「“お風呂屋さん”へようこそデス」

「学園祭で風呂……?」

「あぁ……なるほどね。二人は受付役?」

「ううん、交代制。指名してくれれば二人も接客できるよ、マリア」

 

 折角だからと、翼とマリアは二人と指名し教室内へ入る。

 パーテーションで区切られた区域一つ一つには先ほどの料金表とビニールマットが置かれ、ローションに塗れた生徒が奉仕を行っていた。

 

「女性客も受け付けてるの?」

「時代は、多様性……」

 

 案内された個室もどきの空間に四人は入り、切歌がカーテンを閉める。

 

「コースは?」

「じゃあ、お任せで。なんだか照れくさいけどね」

 

 マリアの言葉を受け、切歌と調は三つ指をついて一礼する。

 そして切歌が翼の、調がマリアの正面に移動しゆっくりとした手つきで服を脱がせていく。

 

「んっ……」

「ちゅっ、んむぅ……」

 

 唇を重ね、舌を入れて口内をかき回し、快感を刺激する。

 どこでこんなテクニックをとマリアが考えている間に、四人は全裸になっていた。

 

 調はマリアの全身をねっとりと舐め回しながら、愛撫を行っている。

 ローションと唾液でマリアの肉体が濡れていくと共に、彼女の秘部からは愛液が漏れ始めていた。

 

「ちょ、ちょっと待って調……」

「大丈夫。マリアはお客だから、じっとしてるだけでいい」

 

 その様子を眺めながら、翼の頬に赤みが差す。

 

「では、こっちも始めるデスよ」

「……お手柔らかに頼む」

 

 四人分の服を脇に畳み終えた切歌は、代わりに性具の入った箱を抱えて翼と対峙した。

 翼の首筋にたらりと垂れた冷や汗は、期待と不安が半分ずつといった様子だ。

 

 

 

 三十分後。

 翼とマリアが入店した際に持っていた、愛娘の初仕事を微笑ましく見守るような様子は完全に消え失せていた。

 

「──ッ!」

 

 ビクン、とマリアの肉体が跳ね、噴水のように愛液が噴出される。

 ペニスバンドを装着した調に両腕を掴まれたままバックで犯されながら、マリアは獣のような嬌声を上げて絶頂を繰り返していた。

 

 共に女の肉体とはいえ、調とマリアの体格差はそれなりに大きい。

 平常時であれば、調の拘束を解くことなどマリアには容易である。

 しかし、クリトリスに装着された吸引機と両胸を覆うニップルドームによる性的刺激、そして調の緩急を入り混ぜたピストン運動によってマリアの肉体は完全に骨抜きにされていた。

 

「──ッ!」

 

 同時に、翼も何度目かわからないほどの絶頂を迎えた。

 膣と尻穴に咥えたバイブの刺激を受け続けながら、仰向けのまま切歌のディープキスで口内を凌辱され続けている。

 締まりのなくなった口端からは涎がだらしなく垂れ続け、時折零れる静止を求める懇願は人の言葉をなしていない。

 

「も、もぅ……止め……」

「た、のむ……もぅ満足、したからぁ……」

 

 二人の懇願に、調と切歌は悪戯っぽく笑う。

 

「でも、おススメコースを注文されてしまったデスから──」

「より高額な接客が店のため。だから二人のコースは時間無制限フルオプションコース」

 

 周囲の客が入れ替わろうと、その空間だけは終わることなく。

 マリアと翼の嬌声は、いつまでも室内に響き続けるのだった。



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アラビア装者達の潜入捜査

 聖遺物回収の命を受けた六人の装者は、踊り子に扮装しての潜入任務を開始した。

 六者六様のアラビア衣装に身を包み、某国有数の資産家が開く裏世界のパーティーへと足を運んだ先で、皆は息を飲む。

 

 案内されたお立ち台でベリーダンスを披露しながら周囲へと目を回すと、そこは現代の酒池肉林であった。

 高級ソファに腰を下ろす男たちに跪いた女性が露出された肉棒を奉仕している。

 手で、口で、秘部で肉棒を扱き、ある者は物のように扱われ、ある者は家具のように扱われ。

 

 この場の空気を真っ先に理解したマリアは、ダンスの内容を変える。

 流れるようなベリーダンスから、性を煽る独自のダンスに。 

 腰を突き出し見えない誰かにピストン運動をされているかのように上下揺れ動く度に豊満な胸が揺れ、雌としての魅力を振りまいていた。

 

 すると、一人の男がスタッフに耳打ちをし、マリアを己の近くへと招いた。

 情報を得るためにはより近くで。

 任務成功に一歩近づいたマリアを見て、他の装者はほぅ、と感心したように息を吐く。

 

 負けてはいられない。

 そう思ったのか残った五人もダンスを種類を変え、己の助平さを周囲にアピールしはじめた。

 

 響は中央に配置されたポールに上り、見事なポールダンスを披露する。

 腰に巻かれた布地が舞い踊り、見事な光景に拍手が注がれるが、男の劣情を煽るよりも技術への称賛という意味合いが強い。

 失敗したかなぁ。と下を見れば、翼が見事な演武を披露していた。

 こちらも同じく雄々しい美しさに満ちたものであり、完成度こそ高いが雌としてのアピールには程遠かった。

 

 調と切歌は、お互いの四肢を艶めかしく絡めあっている。

 時にはフェイスベールで相手の顔を隠し、時にはスカート部分の布を捲り上げ。

 そういった趣味が無くとも見ているだけで股間を膨らまさせるほど、二人の絡みは淫靡で雄の本能を刺激する者だった。

 

 六人の中で、クリスは最も幸運であった。

 小柄な体躯に不釣り合いな、豊満な肉付きと、羞恥に染まった表情。

 たどたどしい初心な仕草とダンスは男の劣情を煽り、ほとんど何もしていなくても“指名”を受けた。

 

 

 

 装者たちが潜入を開始して数時間後。

 

 マリアは椅子に座る男の前で土下座の姿勢を取り、その後頭部に足を乗せられている。

 男はマリア達装者が潜入してきたことも、その理由も理解しており、目論見がバレていることをマリアも理解していた。

 故に、情報を得るために誠意ある態度を示せという無言の取引をマリアは承諾し、その結果としてマリアは頭を垂れて服従の意思を見せている。

 

「ッ……く、ふぅっ……!」

 

 背後から犬に犯され、マリアは甘い吐息を漏らしながらも必死に耐えている。

 動かず、己の頭をフットレストとして差し出している以上はほんの僅かな振動も許されない。

 

 獣相手に快楽を感じているという羞恥。

 声を上げることも身動きを取ることも許されない屈辱。

 それら全てを噛み殺しながら、マリアはひたすら我慢を続けている。

 

 

 マリアが言葉を交わさずに交渉を続ける傍らで、クリスが受けた要求は単純明快なものだった。

 跪き、目の前の男へと行う肉棒への奉仕である。

 

 上乳も下乳も露出された衣装のまま、その豊満な乳房で差し出された肉棒を挟み込む。

 両手で己の乳を圧迫し上下に揺らせば、それだけで極上のパイズリ奉仕が完成する。

 

 男は恍惚の表情を浮かべたまま、クリスの頭を鷲掴みにして肉棒を咥えさせた。

 一気に奥まで肉棒を挿入すると同時に射精し、クリスの口内は生臭い精液で満たされる。

 

「んぐっ、んぅっ……!」

 

 湧き上がる吐き気と息苦しさを抑え、クリスは注がれた精液を一心不乱に飲み干していく。

 一滴たりとも零すことを許されず、クリスは目尻に涙を浮かべながら喉を鳴らし嚥下する。

 

「けほっ、あー……」

 

 大口を開けて全て飲み干したことを証明し、目尻の涙を拭い再びクリスは奉仕に戻る。

 

 

 お立ち台に残った切歌と調は、未だ二人で絡み合い周囲の見世物としての性交を行っている。

 双頭ディルドで繋がれたお互いの秘部からは愛液がとめどなく流れ落ち、既に二人が複数回の絶頂を迎えているのだということを示していた。

 

「い、嫌……それはもういらな……ッ!」

 

 動きが少しでも鈍れば、容赦なく二人には薬が投与される。

 “この国では現状合法”なだけのそれは投与された調を快楽に狂う獣に変貌させる代物であった。

 

 見られているという羞恥心は意識の外に消え、調は目の前で息も絶え絶えになっている親友の両腕を掴んで犯している。

 切歌による正気に戻って欲しいという悲鳴交じりの懇願は、ディープキスによって口を塞がれ届かない。

 

「切ちゃん……切ちゃん……!」

 

 親友の名前をうわ言のように繰り返しながら、猿のように調は腰を前後に動かしていた。

 

 

 性のアピールを満足に行えなかった女。

 つまり響と翼は、この場で最も悲惨な状況に陥っていた。

 

「ぐっ、うぅっ……!」

「ぐぅ、ぁ……くぅっ……!」

 

 二人は並んで、悲鳴を上げながらスクワットを繰り返している。

 両腕は頭の後ろに拘束され、だらしなくガニ股を開いた姿勢。

 股下にはディルドが配置され、スクワットのたびに二人の膣がディルドによって犯されていく。

 

 ディルドは普段女が自慰のために使うような男根を模した形状ではなく、あまりにも凶悪な外観をしていた。

 先端部分はまだしも根元は人の腕ほどの太さがあり、無数のイボやトゲは快楽ではなく性器の破壊を目的としているかのようだ。

 

 響も翼も、拘束されているだけで動きを強制されているわけではない。

 自分の意志で、二人は腰を沈め己の性器を虐めぬいている。

 その表情が恐怖で歪んでいる理由を証明するかのように、ピー、という電子音が鳴った。

 

「──ぎぃぁぁッ!」

 

 バチッ、という音と一瞬の閃光。

 首を絞められたような絶叫が、翼の喉から発せられた。

 一定時間ごとにスクワットの回数が少ない方に、罰として電流が流される。

 悪魔のようなルールのせいで、響と翼はスクワットを止めることができないのだ。

 

 痛み、恐怖、そして相手が苦しんでいるのに罰を受けず安堵してしまっているという罪悪感。

 響と翼は大粒の涙を流しながら、無様にスクワットを繰り返す。

 

 

 

 多種多様な見世物と化した六人の装者。

 その嬌声と悲鳴は止むことなく、BGMのように鳴り響き続けていた。



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雪音クリスのアイドル体験

「おぉ、思った以上に様になっているではないか」

「ええ、似合ってるわよクリス」

 

「──今回だけだぞ、本当に今回だけだからな!」

 

 翼とマリアがメインで出演するチャリティーアイドルライブで、新人のアイドルが体調不良で倒れてしまったと通達が来たのが今から数時間前。

 代役探しに奔走していたスタッフは翼とマリアに挨拶を済ませ客席へ向かおうとしていたクリスを発見し、即座にスカウトした。

 

 顔を真っ赤にしながら即座に断ったクリスであったが、今回だけと懇願されて衣装を身に纏い、翼とマリアの率直な誉め言葉に顔を紅潮させプルプルと震えている。

 

「言い方は悪くなってしまうが、あくまでも雪音の役は時間繋ぎだ。そう気負うこともないだろう」

「本格的にアイドルデビューするならここで顔を売るチャンスだけど……ねぇ、今からでも気が変わったりしない?」

「するか!」

 

 マリアの勧誘を断り、クリスは速足で舞台袖へと移動していった。

 マリアは軽く肩をすくめ、翼はステージの様子が移るモニターへと視線を移す。

 

(こんな格好、二回も三回もしてられるか!)

 

 内心で毒づくクリスの衣装は、倒れた新人アイドルのものをそのまま着用している。

 赤を基調としたフリフリの典型的なアイドル衣装。

 渡された時は好きなアニメのうたずきんに似ていると多少は上機嫌だったのだが、いざ来てみると鏡に映った自分の恰好に羞恥心が勝ってしまった。

 

 自分用に作られたわけではない衣装だ、当然サイズは合わず、お色気売りを目指していたアイドル用の衣装は純朴なクリスには刺激が強過ぎた。

 

 ただでさえ谷間が見えるようデザインされた胸元はクリスの豊満な肉体を考慮してはおらず、生地が今にもはち切れそうなほどパツパツで、激しい動きをすれば胸がこぼれ出てしまいそうになっている。

 短いスカートからは冷房程度の風でも中身が簡単に見え、尻穴に挿入されたビーズから生える犬の尻尾と秘部に挿入された二つのピンクローターが雄の視線を集めていた。

 

 

 舞台袖で出番が近づくと、クリスの周囲ではスタッフが慌ただしく駆けていた。

 マイクを手渡され、段取りを再確認。一旦ライトが落とされ暗闇になった舞台の中央へとクリスは歩を進める。

 マイクのスイッチがオンに、照明が点灯しクリスを照らし、そしてローターのスイッチも入ると同時に音楽が流れた。

 

「ッ~~!」

 

 観客の視線と熱狂。

 そしてローターの振動が伝える快楽でクリスの顔は茹で蛸のように赤く染まり、体は電撃を浴びているかのように震えている。

 

 前奏が終わり、翼とマリアがモニター越しに見つめる中、極度の緊張と羞恥で、クリスのタガは完全に外れた。

 

「~~~~♪」

 

 ようはヤケクソになったというだけの話だが、それで十分だった。

 クリスの美貌と肉体、そして歌声は新人アイドルという枠に収まるような物ではないのだから。

 

 観客は突如現れた見知らぬ新人アイドルの歌声に酔いしれ、揺れ動く乳房とスカートの中身に股間を固くする。

 ローアングルで撮られた映像はリアルタイムで後方の巨大モニターに映し出され、クリスの秘部や尻肉が衆目に晒される。

 サビに入れば激しい動きで衣装はズレ動き、ピンク色の乳輪がちらりと露出する。

 羞恥心と快楽が合わさり、歌い終わると同時にクリスは絶頂を数万の観客に晒す。

 噴水のように噴き出す愛液を合図にライトは消灯し、その場に崩れ落ちたクリスをスタッフが舞台袖へと回収していった。 

 

 歌ったのは僅か一曲で、時間にすれば五分にも満たないが、その熱狂は途轍もなく大きなものであった。

 

 

 

「お、終わった……」

 

 自分の出番が終わり、まるで一昼夜ノイズと戦い続けたような疲労感を覚えたクリスは舞台裏でぜいぜいと息を吐いていた。

 

「何を言っている、ここからが本番だぞ?」

「はぁ?!」

 

 だから、翼の宣告にクリスは驚きと困惑の感情で答えることしかできなかった。

 

 

 チャリティーの、そしてライブの目玉はファンとの触れ合いである。

 握手会・グッズ販売・私物オークション。

 慈善団体への寄付という名目を得た運営は、いつも以上にファンから金を吸い上げる。

 

「ほら、手が止まってるわよクリス!」

 

 翼・マリア・クリスの三人は握手会に並ぶファン達を捌いている。

 入口で販売されている一回一万円のくじを提示され、そこに書かれた内容でクリス達はファンと握手している。

 手と手の握手は外れだ。

 手と胸、肉棒と手、大当たりは肉棒と秘部。

 要は愛撫と手コキと性交であるのだが、この場ではこの行為は握手会と表現される。

 

「んぐっ、むぶぅっ……!」

 

 クリスは口で肉棒を咥え、両手で二本の肉棒を扱く。

 三人に犯されながらも、クリスの列はまだマシなほうであると言わざるを得ない。

 

 新人アイドルのクリスと違い、マリアと翼の人気は比較しようがないほどに強大だ。

 二人を求める長蛇の列はクリスの列の二倍近い速度で動いているが、それでも終わりは未だに見えない。

 

「ほう、今日が初めての現地観戦か、有難い」

「あら、貴方は確かこの前のライブにも来てくれていたわね」

 

 膣や尻穴を犯され、胸と手で奉仕をしながらファンとの交流までこなす翼とマリア。

 そんな様子にクリスの負けず嫌いが刺激されたのか、疲労感もいつの間にか忘れ、クリスは目の前でそそり立つ肉棒へと狙いを定める。

 

 握手会は二時間もの長時間に及び、大盛況のまま幕を閉じる。

 そして休む間もなく、次のイベントが開始されるのだ。

 

 

 

「嘘だろ……?」

「毎回思うけど、凄い熱狂ね」

「それだけ我々が愛されているということだろう。いいことじゃないか」

 

 チャリティーオークションで販売されるアイドルたちの私物や限定グッズ。

 その所有権をめぐって際限なく跳ね上がる落札額に、クリスは完全に引いていた。

 

 サイン入りのブロマイドが二万円なのはギリギリ理解できた。

 クリスが着用した今日のアイドル衣装は、たった今目の前で百四十万円で落札されたのだ。

 

「どこにそんな金持ってんだよ……」

「お祭りって財布の紐が緩みがちよね」

「そういう問題じゃねえだろこれ……!」

 

 そして次々と出品される内容は過激になり、最低落札価格も跳ね上がっていく。

 最後の商品であるマリア・翼・クリスと一夜を過ごす権利は二百万円からどれだけ跳ね上がるのか。

 それを知ることになるのは、もうすぐ先の話であった。



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アメスク装者の援交ハーレム

 深夜の繁華街。

 ピンクのネオンが暗闇を消し去り静寂はアルコール臭の混じった喧噪に飲み込まれる街中に、月読調と暁切歌は立っていた。

 

 正式な認可の降りていない裏の風俗店とぼったくりで有名なキャバクラの間にある路地に立っている二人は、俗にアメスクと呼ばれる衣装を着用している。

 極端に短いブラウスを胸の下で縛り、下は十数センチのベルト付き超ミニスカート。

 黒い下着は上下共に丸見えで、その下着を含めても布面積は非常に少なく露出狂のような格好だ。

 

 風俗かアダルトビデオの中でしか着ないような服装は、当然のことながら人目を惹く。

 この地域の近辺調査用に場所に溶け込む衣装を着てきたとは調の談だが、その試みは完全に失敗していると言っていいだろう。

 

「──お兄さん、なにか用……?」

 

 だからこうして、神待ちや援助交際と勘違いした男に声をかけられるのも必然だろう。

 断るのも不自然かと、調と切歌は男の手を引いて路地の奥へと歩いていく。

 

 男の脳裏に、この先で屈強な男が待ち受けていて、そして財布の中身だけを奪われるのではないかという不安がよぎる。

 しかし目の前の美少女二人の色気に逆らうことはできず、されるがままに歩を進めていった。

 

 結論から言って、男の予想は二重の意味で外れていた。

 路地の奥には更に四人の女がいて、彼女らはすでに別の客を相手していたのだから。

 

「あれ、また声かけられたの?」

 

 そう声をかけてきた立花響は、壁に手をついたまま足をI字に開脚し、サラリーマンの肉棒を受け入れていた。

 太ももに書かれた二つの正の字が、彼女の経験回数を物語っている。

 

「ったく、この世間知らずに任せるんじゃなかった……!」

「はいはい、愚痴言わずに手を動かしなさい。あなた、順番待ちできてる位の人気者なんだから」

 

 マリアとクリスは豊満な乳房を生かして肉棒を挟み込み、精液を搾り取っている。

 スカートに付いているリングに結ばれた使用済みコンドームの量は凄まじく、もはや腰蓑のようになっていた。

 

「二人から話は聞いているか? まだ? そうか。手なら五千、口は一万、本番は二万。ゴム無しは二倍でホテルに行きたいなら要相談だ」

 

「翼さん、駄目デスよ!」

「この人は……わたしたちのお客……」

 

 調と切歌に両脇から抱き着かれ、男は今見ているのが夢か現かと困惑する。

 だがしかし。

 調が口でチャックを下ろし、切歌が背後から抱き着き胸を押し付ける。

 

「うわ、汗臭ッ……!」

「おぉ、大きいデスねぇ、今日最大サイズデス」

 

 こんな光景と状況に、雄としての本能が抑えきれるはずもない。

 

 気づけば男は財布を取り出し、二人の体に手を伸ばしていた。

 

 

 

「ぉ、ぉぉっ……この、人……凄っ……!」

「だ、弾数無限のオートリロードデス……!」

 

 溜まった情欲をぶつけられ、調と切歌は息も絶え絶えに男の肉棒で犯され続けている。

 既に口、秘部、尻穴の三か所×二の射精を終えているというのに未だその肉棒が萎える気配はない。

 

 疲労困憊の様子な切歌と調を見かねて、己の客の相手を終えた他の四人が交代で相手をしたのだが。

 

「ぶむっ、んぐぅっ……!」

 

 翼はイラマチオフェラから喉奥へと流し込まれた精液に溺れかけ。

 

「あっ、あぁっ、くぅっ……!」

 

 バックで犯された響は三度の射精でグロッキーに。

 

「こいつ、どこまでッ──」

「薬とか使って……ないわよね……!」

 

 クリスとマリアのダブルパイズリでも肉棒は一向に衰える気配がない。

 

「すま、ない、も、もう勘弁してくれ……」

 

 翼の尻穴が蹂躙されたところで、ついに降参の言葉が出た。

 一対六で完全敗北を喫した装者達を尻目に、男は既定の金を財布から支払い路地から去っていく。

 

 

 

「とんでもない目にあいましたね……」

「ああ、完全に想定外だった……」

「その、また会えるかしらね……」

「おい何言ってんだ! いや、まあ気持ちは分からなくもないけどよ……」

「気持ちよかった……」

「涅槃が見えたのも事実デスけどね……」

 

 精液塗れになった六人は、疲労で動けないまま未だ火照る肉体と今後を相談していた。

 そこに、先ほどの男が再びやってきた。

 

「あら、何か忘れ物……? ──ッ!」

 

 マリアは驚愕し、一拍遅れで他の五人が事態に気づく。

 男が先程とは明らかに異なる膨らみの財布を取り出したのだ。

 

 六人は舐めていた。

 酒も煙草も賭博も女も無縁であった独身貴族の、性欲と財力と執着を。

 

「ホテルの代金は……要相談、だったな」

「その、オールを希望で、いいのよね……?」

 

 一人の雄と六人の雌は、そうしてホテルの中へと消えていった。

 

 

 

 一月後。

 男は先月と同じ場所に足を運ぶと、同じ格好、同じ様子の切歌と調を目に留める。

 二人は男に気づくと、小走りで男に駆け寄り抱き着いた。

 

「約束通り、時間通りデス!」

「しっかり、貯めてきた……?」

 

 二人に案内されたホテルでは、既に残りの四人が待っていた。

 団体用の大部屋で六人は既に発情しており、行為前だというのに雌の臭いが部屋中に立ち込めている。

 

「ホテルの代金は、要相談がルールだ……」

「一人十円の、合計六十円でどう……?」

「その、シャワーとか浴びてないですよね……?」

「あ、あたしは別に……お前に犯されたくてこの一月何も手についてないとか、そんな訳……」

「先輩……沈黙は金、話すは銀どころかガラスのごとき有様……」

「あれから一度も出してないんデスよね、さぁ、誰から召し上がるデス?」

 

 翼が、マリアが、響が、クリスが、調が、切歌が愛おしげな視線で男を見つめる。

 あの日のことを忘れることもできず、任務が終わったというのにこうしてアメスク衣装で三つ指をついて懇願する。

 男の肉棒はズボンの上からでもわかるほどに膨張し、それは今夜も嬌声が鳴り止まないことを予告しているのだった。



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マリアの枕営業調教

「──失礼します」

 

 マリア・カデンツァヴナ・イヴは憂鬱な気分でホテルのドアをノックする。

 既にトップアイドルの地位を手にしているマリアにとって、肉体を売り渡してまで手に入れたい仕事など存在しない。

 だからこの枕営業を受けた理由は、他のアイドルを守るためであった。

 目の前で下卑た笑みを浮かべる権力者が切歌や調、翼の名前を口にしなければ、マリアは今すぐにでもこの男の横面を叩き踵を返したい一心なのだ。

 言外の脅迫に屈する屈辱こそあるが、万が一にも彼女たちが毒牙にかかる危機は回避しなければならない。

 

 挿入行為及び薬は無し。

 なんとかその要求だけは通したマリアだったが、その行動が目の前の男の嗜虐欲を刺激することになっていたとは知る由もなかった。

 

 

 

「~~ッ!」

 

 枕営業の開始から一時間。

 男はマリアの肉体に一切触れていない。

 

 目隠し、耳栓、手錠に足枷で完全に自由を奪われたマリアはベッドの上に転がされている。

 両の乳房にはニップルドームが装着され、内部のブラシが絶え間なく乳首を刺激していた。

 陰核には吸引機が、秘部にはバイブが固定されており、ベッドシーツは既にマリアの愛液でぐしょぐしょに濡れている。

 

 男はマリアが芋虫のようにベッドの上をのたうち回りながら絶頂を繰り返す様を鑑賞しながら、別口で呼んだ新人アイドルに己の肉棒を奉仕させていた。

 視覚も聴覚も奪われ、ただ快楽のみが与えられながら鑑賞され続けているマリアにはこの一時間が数倍にも感じられる。

 

 無限に続く絶頂から解放されたのは、マリアの脱水症状を心配した男が休憩を挟もうとした二時間後だった。

 

 

 

 無論、マリアの地獄がそれで終わるわけもない。

 今度は椅子に座った状態で縛られ、身動きの取れない状態に拘束される。

 足を大股に開かされ、丸見えの秘部に挿入されたバイブと乳首に装着されたピンクローターの振動は先ほどよりも弱い。

 絶頂にギリギリ達しない快楽で焦らされ続けながら、目隠しを外され確保された視界には新人アイドルが男に犯される様が映り続けている。

 

 先ほどまで男が座っていた場所で、先ほどまでマリア自身が転がっていたベッドの上の性交を見せられる。

 自分が犯されているわけではないというのに、絶頂を繰り返したマリアの肉体は再びの絶頂を求めて疼いてしまっていた。

 

 己の快楽のみに集中させられていた先程とは違い、視界、聴覚、その全てがマリアに欲求という蜜を垂らしている。

 部屋に入ったころに溢れていた反抗心はいつのまにか薄れ、部屋に広がる甘い香りに包まれて、マリアの思考は徐々にぼやけていっていた。

 

 

 

 サイン済の契約書を胸に抱きかかえ、目に涙を浮かべた新人アイドルが帰宅する。

 男はマリアの拘束を解き、床に倒れ伏す彼女を見下ろしていた。

 起き上がろうとするマリアの眼前に、男の肉棒が差し出されると、それだけでマリアの秘部からは愛液が零れ落ちた。

 

 もう夜も遅い。

 男はマリアを解放し、帰宅を促すとベッドに腰を下ろす。

 口ではそう言っているがその表情は下卑た笑みに満たされ、マリアがどうするのか完全に理解したものであった。

 

 じっくりと調教されたマリアには既に正常な判断ができない。

 自我は薄れ、雌としての本能が彼女の肉体を動かしていく。

 

 自然な動きで、マリアの手は男の腰に伸び、彼女の口は自然と男の肉棒を咥えていた。

 精液と愛液に塗れた臭いを堪能するように、マリアの舌は男の肉棒を丹念に舐め回していく。

 

 己の意志で雌として服従したマリアの姿を見下ろし、男の笑みはより一層深く邪悪なものへと変化する。

 頭を押さえつけたり、言葉で責めたりもしない。

 ただ笑みを浮かべ、マリアがしたいようにさせ続ける。

 これは彼女が望んだ行動なのだと、マリア自身に突きつけるように。

 

「──ッ!」

 

 男よりも先に絶頂したマリアは、己が快感を覚えているという事実に驚愕した。

 肉棒から口を離し己の下腹部を見れば、己の右手が秘部を刺激している。

 無意識に自慰を行っていたという事実に目を背けたくなるが、それを予期していたかのように鼻先には隆々と勃起した肉棒が擦り付けられる。

 

 女を食い続け、女の悦ばせ方を熟知している男の駆け引きから、マリアは逃れることが出来ない。

 ベッドに腰掛ける男に向けて、マリアは無抵抗のまま見せつける様に股を開く。

 

 本番は禁止している約束だ。

 男にそう囁かれると、マリアは躊躇うことなく己の意志で肉棒を挿入した。

 

 濡れ切った膣内を満たす肉棒の感触で飛びそうになった意識を保ち、マリアは腰を動かし続ける。

 初めて自慰を知った猿のように、脳内が一瞬で性欲に満たされる感覚。

 獣のようなうめき声を漏らし、マリアは快楽を求めて“肉棒によるディルドオナニー”を繰り返す。

 

 マリアの脳は、既に目の前の男が下卑た笑みを浮かべていることも理解できていない。

 快楽に支配された思考回路は己が堕ちた事実を理解することもなく、あれほど嫌悪し拒絶していた性行為を喜んで受け入れている。

 

「──ッ!」

 

 無数の絶頂を繰り返し、気を失ったマリアが正気に戻るのは、夜が明け男が去ったホテルで意識を取り戻した後だった。

 

 

 

 数週間後。

 同じホテル、同じ部屋の前でマリアはごくりと生唾を飲み込んだ。

 

 これは他の子を守るための行為。

 自分は男に堕ちてはいない。

 

 自分にそう言い聞かせてはいるが、熱くなった吐息と濡れだしている股が客観的にそれを否定している。

 そんな滑稽な言い訳を訂正する者は誰も居ない。

 ノックをし、扉を開いた先にいる男は満足そうに笑いながらマリアを招くだけだった。



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翼とマリアの格付けチェック

 正月特番の一番組。

 ゴールデンタイムに生放送されているそれは、放送開始から僅か十数分ですでに視聴率七十%を超えていた。

 

 【新春アイドル格付け】と銘打たれたその番組に、マリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼は出演している。

 二人の座る席の隣には最高ランクを示す“一流アイドル”と書かれた看板が立てられており、豪華な椅子や最高級の紅茶は彼女たちが未だ全問正解を続けている証明であった。

 

 バイオリン・ダンス・マイク機材。

 高級品を当てる二択問題に連続正解した二人は、参加しているアイドルペアの中で唯一番組開始から変わらぬ厚遇を受け続けている。

 

 左右や後ろの雛壇では、不正解で待遇の落ちたアイドル達の姿を映すようにカメラが動いている。

 不正解の度にアイドルの待遇は悪化し、“一般アイドル”→“二流アイドル”と番組内での扱いも変化する。

 大スターとして扱われ司会者も敬語で声をかけるマリアたちの横では、新曲をミリオンヒットさせた“二流アイドル”がペラペラ生地の格安コスプレミニスカメイド服に身を包み、司会者に胸の大きさをAV女優のようだと弄られ、羞恥で顔を真っ赤にして笑われていた。

 

 四問目の問題に答えるべく、マリアと翼は席を立ち回答席へと移動する。

 今までの問題レベルから考えて、この調子でいけば全問正解も余裕だろうと鼻歌交じりに着席したマリアは、四問目の内容を復唱する。

 

「三種の利き媚薬……正解は枕営業でも使われている本物。外れは怪しい通販サイトの精力剤擬きで、ただの水を選んだら二ランクダウン、か」

 

「問題の傾向が随分変わったな」

 

「そうね翼、これはちょっと自信ないかもしれないわ……」

 

 目隠しをされ、差し出された小瓶に入った液体を順に飲むマリアと翼。

 液体を舌で転がすが味など分かるはずもなく、徐々に火照ってきた肉体の反応だけで判断するしかない。

 

「C……かしら。こういうのってすぐに効果ありそうだし、今体が熱くなってきたってことは最後のだと思う」

「全く見当もつかん……ここはマリアに合わせよう」

 

 三択を外したマリアと翼は、同じ選択をした大スターの“二流アイドル”と共に二つのランクダウンとなった。

 

 

 

 雛壇に戻ったマリアと翼を、司会者が笑いながら囃し立てた。

 アイドル衣装からマリアはスクール水着、翼はチャイナ服に着替えさせられ、売れないバラエティアイドルのような扱いを受ける。

 椅子も硬いパイプ椅子に変更され、飲み物は水道水だ。

 

 だが、ちらりと横に目をやれば先ほど同じ選択肢で不正解だったスターアイドルが全裸で胸と股間を必死に隠している。

 あれに比べればマシだが、逆に考えれば次の不正解は避けなければならないとマリアと翼は気合を入れなおした。

 

 

 

 五問目の問題も、さらにまた難易度が上がっていた。

 

「待ッ……ぉっ……うぁっ……!」

「い、一旦……止め、ッ……!」 

 

 人気AV男優・新人男優・一般スタッフの愛撫を当てる問題。

 三人から次々に全身を玩具にされ絶頂を繰り返した肉体では正常な判断などできるはずもなく、さらに二人のランクは下がる。

 

 六問めは、膣でのディルド当て。

 七問目は、打たれた鞭でのカリスマSM女王様当て。

 八問目、九問目、十問目……。

 

 繰り返される性的快楽に肉体は正常な判断を下せなくなり、ただ無様に絶頂を晒し続け、くじ引きのように三択を繰り返す。

 偶然正解したとしても現状維持にしかならない以上、不正解は積み重なりランクはどんどん下がっていく。

 

 

 

 最終問題。

 “自称アイドルの無様痴女”にまでランクダウンした二人は、最後の問題に挑む。

 椅子や机は用意されず、首輪に繋がるリードで引っ張られ四つん這いで歩かされながら回答席へとたどり着いた二人は、すでに移動行為で絶頂するまでに肉体が堕ち切っている。

 

 端正な顔立ちは鼻フックで歪み、乳首には“変態壱号・弐号”と書かれた名札がぶら下がる。

 膨れ上がった陰核には鈴が付けられ、絶頂に身を震わせる度チリンチリンと甲高い音が鳴っている。

 

 そんなマリアと翼の前に置かれたのは、三つの大型ジョッキ。

 二人分で計六つのジョッキには、なみなみと白濁液が注がれていた。

 

 人・馬・豚の利きザーメンジョッキ。

 マリアは最終問題に答えるべく引きつった表情で一つ目のジョッキを持ち上げるが。

 

「──ッ!」

 

 むせ返るような雄の臭気に、マリアは臭いだけで絶頂した。

 別室ではそんな様子に司会者がげらげらと笑っているが、今のマリアたちにそれを知る術はない。

 

「んっ、んぐっ……」

 

 翼も意を決してジョッキに口を付けるが、途轍もない粘り気と臭い、そして苦みに中々中身は減っていかない。

 

「んぶっ、んぅっ……?!」

 

 業を煮やしたスタッフが、翼とマリアの頭を固定し、無理矢理ジョッキを傾けた。

 目を見開き、精液で溺れそうになる翼とマリアは、必死に注がれる中身を嚥下していく。

 

「げほっ、けほっ……! うぅっ……!」

 

 飲み切った瞬間に襲い来るのは息苦しさと強烈な吐き気。

 

「ちょ、ちょっと待って──んぶっ!」

「少しでいい、だから休憩──んぐぅっ!」

 

 流れ作業のように拘束され、注がれる二杯目の白濁液。

 目尻には涙が浮かび、苦痛で震える肉体をスタッフが複数人で抑え込む。

 

「もう、む、無理ぃ……助け──ッ!」

「も、もういい、答えるからこれ以上は──ッ!」

 

 懇願に効果は無く、胃の底へと三杯目が注がれていく。

 ただの水であっても、ジョッキ三杯分を飲み干すのは難しい。

 それを精液で注がれ、二人の肉体は完全に拒否反応を起こしている。

 度を越えた苦痛は脳が精神を守るために快楽へと変換され、二人は潮を噴水のように噴き出して絶頂をカメラに伝えていた。

 

「こた、答え……早く答えなきゃ……」

「味……一杯目の味は確か……」

 

 しばらく虚ろな目でぶつぶつと呟き続けた二人は、揃って吐き気を堪えようと口元を抑える。

 

「「ぅ、げぇっっぷ……!」」

 

 吐瀉物を出さなかったのは最後の意地か。

 盛大なゲップを晒し、噴水のように愛液を噴出しながら、二人は絶頂し気を失った。

 回答不能となった二人は不正解扱いとなり、最低ランクまでダウン。

 “アイドルの価値無し”となり番組は終了した。

 

 

 

 会員限定の裏番組。

 番組の楽屋裏やカットシーンを視聴できる有料番組は、過去最大の登録者数を見せ盛り上がっていた。

 

 新人の“お色気アイドル”が半泣きでアダルトビデオ出演の告知をしている。

 十四歳という年齢が売りの“雌堕ちアイドル”が学生証を首から下げて全世界に公開しながらガニ股でディルドオナニーを公開している。

 トップスターの“家畜アイドル”が全裸のまま街中に放り出され、己のライブCDを本番セックスサービス付きで千枚売るまで売り歩かされている。

 

 そして“アイドルの価値無し”、マリアと翼は男子便所に拘束され、スタッフや職員に絶え間なく犯され続けている。

 アイドルとしての価値が無いと判断されたため、口はガムテープで塞がれ、顔には紙袋を被せられていた。

 アイドルマリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼としてではなく、肉便器としての女体のみを利用され続ける様を固定カメラで二十四時間放送され続ける映像は、本放送をはるかに超える視聴者数を記録した。



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装者六人のショタ保護エッチ

「あれ、その子どうしたんです?」

 

 任務中、紛争地帯の戦闘から本部へと帰還した立花響は、マリア・カデンツァヴナ・イヴが見知らぬ子供と共に本部待機している場面に遭遇した。

 まだ十歳にも満たないような男の子は、不安そうに震えながらマリアの体にしがみついている。

 

「親とはぐれた避難民なんだけど、怖い目にあったらしくてずっとこの調子なの……」

 

 マリアが優しく子供の頭を撫でていると、彼女の端末から出動指令を告げるアラームが鳴り響く。

 すぐに立ち上がろうとするマリアだが、子供の力が強くなった感触に困ったように笑って見せた。

 

「マリアさんは行ってください! この子は、私で面倒見ますから」

「ありがとう──ほら、ちゃんとあの娘が守ってくれるから、お留守番できる?」

 

 男の子が涙を拭ってコクリと頷いたのを確認し、マリアは急いで本部から駆け出した。

 

 

 

「それで響が面倒見てるんだ……」

「うん──装者だけじゃなくて、どこも人手が足りてないから……あぁ、大丈夫だから、大丈夫だからねぇ……」

 

 裏方として任務の手伝いに来ていた小日向未来に事情を説明しながら、響は子供を慰める。

 

 ──ところで。

 今の響はいつでも出動できるよう、ギアインナーを纏ったままだ。

 ぴったりと肌に張り付いた薄布越しに八十四センチの乳房が後頭部へと押し付けられ、汗混じりの甘い女性の香りが鼻腔を擽れば。

 

「……あっ」

 

 未だ女を知らぬ年とはいえ、生理現象として下半身が反応するのは避けられない。

 己の身に起きている性欲という現象の意味も分からず不安そうに戸惑う少年を、未来は正面から抱きしめた。

 

「大丈夫だよ……これは仕方ないことなんだから」

 

 後方から響、前方から未来にサンドイッチされて感じる四つの膨らみ。

 息苦しさに呼吸を荒げると、より一層女の香りを堪能するような状況。

 

 大丈夫、大丈夫とまるで催眠を掛けるように何度も囁かれながら、未来の手がズボン越しに少年の肉棒を刺激する。

 少年の肉体に性を学習させるような一連の行動は少年の肉体が痙攣をおこしたようにビクンと跳ね、ズボンを汚すまで十数分間も続けられた。

 

 

 

「はぁ、そろそろ温かい浴槽が恋しくなってきたデス……」

「贅沢は敵だよ、切ちゃん」

 

 汚れた衣服を着替えるついでにと、響たちと入れ替わりでやってきた切歌と調に、少年はシャワー室へと案内された。

 いくら彼女たちが小柄とはいえ、一人用の仮設シャワーに三人で入っているため中は狭く、肌と肌が強制的に触れ合う距離になる。

 

「お痒いところはございませんか~?」

「それ、頭を洗う時の台詞じゃ……」

 

 泡塗れになった両手をスポンジ代わりに、切歌は少年の肉体を洗浄していく。

 同じように調は少年の頭を洗い、少年はされるがままに顔を赤らめて俯いたままだ。

 ぴょこんと勃起した肉棒は雄々しさよりも可愛らしさを強調するようなサイズであり、切歌の両手で包むとすっぽりと隠れてしまう。

 

「中もしっかり洗うデスよ」

 

 切歌の両手で皮を剥かれて敏感な亀頭を弄られ、少年は腰を引いてむずむずとする感覚から逃げようとする。

 しかし、頭を洗い終えた調が背後から抱き着いて少年の体を抑え、逃げることを許さない。

 

「こら、狭いんだから、あまり動かないで……」

 

 そう耳元で囁かれ、少年は身動きも許されなくなった。

 背中に感じるささやかな膨らみと、敏感な部分を撫でまわす両手の感覚に、嫌でも全神経が集中させられる。

 調の指先は少年の両乳首をカリカリと刺激し、切歌の両手は少年の亀頭を丹念に撫で回していく。

 

「──ッ!」

 

 射精によってビクビクと震える肉体はがっちりとホールドされ、快楽の逃げ道を塞がれる。

 吐き出された精液を切歌は顔面で受け止め、口端に垂れたそれを悪戯っぽく微笑みながら舌で舐め取った。

 

「ありゃ、また汚れちゃったデスね……」

 

 続行の大義名分を手に入れた二人は、その後も少年の肉体を愛撫し続け、性を搾り取っていった。

 

 

 

「あら、目が覚めちゃった?」

「無理もない話だ……こちらに来ると良い。誰かの体温を感じていれば不安も薄らぐだろう」

 

 夜。

 ふと目を覚ました少年を、マリアと翼は己の元へと呼びよせる。

 

 寝床、とは言っても毛布を重ねただけのものだが、少年が言われるまま毛布の中で横になると、右からはマリアが、左からは翼が密着してきた。

 超有名アイドル二名による肉布団は物理的な温かさ以上に、家族のような温かさを少年へ与えている。

 

「~~♪」

 

 囁くような優しい声で子守歌を囁かれ、少年の意識は闇へと溶けて行った。

 

 

「──よし、よし……」

 

 少年は夢を見た。

 家族と再会し、母に抱き着き甘えている夢を。

 

 頭を撫でられる感触も、抱き着いた暖かく柔らかな感触もリアリティが、とそこで気が付く。

 頭を撫でているのも抱き着いている相手も夢の母親ではなく、現実のマリアであることに。

 寝ぼけた脳内が覚醒しそうになるが、そんな少年をマリアは赤子を相手にするように優しく包み込んでいた。

 

 薄れた理性と意識は、少年を本能で突き動かす。

 蓄積された不安と生まれだした性欲は少年を赤子へと若返らせた。

 

「んっ……ふふっ……」

 

 少年が乳首に吸い付いてきても、マリアは微笑みを崩すことなく少年を抱きしめた。

 無論母乳が出るわけではないが、一連の行動は少年の不安をかき消すことに成功している。

 

「ん、起こしてしまったか」

「いえ、翼のせいではないわよ、気にしないで」

 

 早朝の見回りから帰ってきた翼は、マリアと少年の光景を見ても疑問を抱くことは無かった。

 状況を理解し、少年の下半身が膨らんでいることを確認すると、それが当然のことであるというような態度で少年のズボンを下ろし、露出された肉棒を咥える。

 

「んっ、じゅぶっ、じゅ、じゅるぅ……!」

 

 根元までしっかりと咥えこみ、舌を絡めたフェラは、大の大人すら骨抜きにする技量であった。

 性を知ったばかりの少年が耐えきれるわけもなくあっという間に射精し、しかしそれでも翼は肉棒から口を離すことは無い。

 

「んぐっ、んっ……んじゅ、じゅるっ……」

 

 搾り取るように精液を吸い、飲み込み、性的刺激は続けられる。

 包み込まれる安心感と快楽に、少年の脳は支配され続けた。

 

 

 

「で、結局まだ家族は見つからないのか」

 

 任務を終え帰還した装者たち。

 一時的にマリアが引き取って面倒を見ることになった少年を見下ろし、クリスは呟いた。

 

 着替え中で全裸のクリスを見た少年は、慌てて己の股間を両手で押さえつける。

 しっかりと性教育された少年の性欲は無尽蔵に沸き上がり続けており、その様を見たクリスはゴクリ、と生唾を飲んだ。

 

 

 クリスに留守を任せていたマリアが帰宅すると、リビングで少年とクリスが性交していた。

 周辺に散らばった使用済コンドームの数が、どれだけ長い間まぐわっていたのかを想像させられる光景だ。

 

「あらクリス、貴方がその子の初体験になったのね」

「え、本番まだだったのか?! あー、口煩く抗議してきそうな顔が何個か目に浮かんだ……」

 

 そんな世間話の最中もクリスの腰は激しく上下に動き、胸を物理的に弾ませながら少年との騎乗位を続けている。

 

「せっかくだしご飯も食べていきなさい。この子も人数多い方が寂しくないでしょうし……せっかくだから皆も誘いましょうか」

 

 買い物袋から食材を取り出しながら、マリアは端末を操作し奏者たちにメッセージを送信していく。

 

 

 

「ご飯食べたら一緒にお風呂入ろうか?」

「響だけじゃ不安だし、私も一緒に入るよ」

 

「その後は一緒に遊ぶデス!」

「大人の遊びも、教えてあげる……」

 

「ったく姦しい……飯くらい静かに食えってんだ」

「まあそう言うな雪音。静かな食卓よりは騒がしい方がいいだろう」

 

「夜も寂しくないからね、今日も私が一緒に寝てあげるから……」



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囚われた装者の凌辱記録

 新たな並行世界の調査中、とある洞窟を発見した立花響、雪音クリス、風鳴翼。

 明らかに何者かの手によって整備されている人工的な空間を調査するため、三人の装者は内部へと足を踏み入れた。

 

「ふッ!」

 

 中にいたのは、周辺の地域では有名なごろつきの集団であった。

 金品を奪い、女を攫い犯し過ごす男たちは、三人を見つけた途端に襲い掛かってくる。

 幸いにもその戦闘力は低く、ギアを纏った彼女たちであれば容易く撃破できる程度であるが、問題はその数であった。

 

「はぁッ!」

 

 たった今響が打ち倒した相手で既に十を超える数。

 いくら個では弱いといっても、この数を相手にしては流石の装者にも疲労の色が見え始める。

 

「一旦引こう。先がどれだけ続いているかも不明だ。マリア達三人と合流して、この先の調査を──」

 

 翼がそう提案すると同時に、一つの扉を発見する。

 粗末で隙間の空いた、木製の扉。

 

 ここの調査だけ済ませて帰ろう。

 そう相談した三人は裏に掛けられた閂ごと扉を蹴り飛ばし、そして。

 

「「「ッ──?!」」」

 

 思考が停止する。

 そこにいたのは、つい先ほど合流を予定していた三人の装者。

 股から血と精液を流し、ボロ雑巾のように床へ打ち捨てられたマリア・カデンツァヴナ・イヴ、月読調、暁切歌の三人だった。

 

 そして、混乱と困惑と焦燥感に満たされた脳内に、周囲を警戒するという行動に割くリソースが残っているはずもなく。

 背後から頭部へと振り下ろされる一撃を回避できた者は、誰一人として存在しなかった。

 

 

 

「お、ごっ、ぐぅっ……!」

 

 秘部へと乱雑に突き入れられる肉棒の衝撃に、響の喉からは悲鳴が漏れる。

 女体のことを一切考慮しない乱暴なピストンを繰り返され、響は複数の男に犯され続けていた。

 

 鷲掴みにされた乳房には男たちの爪が食い込み血が滲んでいる。

 ゴツゴツとした洞窟内の床で乱暴に扱われ、全身には擦り傷が無数に発生していた。

 下卑た笑みを浮かべる男たちに使い捨ての玩具のように扱われ、しかしそれでもなお、立花響は幸運な方であったと言わざるを得ない。

 

 

「ひぃっ、ひっ……!」

「っぁ、ぐぅっ……!」

 

 部屋の隅では、二人の男が切歌と調という二頭の馬に乗って競争に興じている。

 先ほど響とクリスもやらされた、敗れた馬には罰を与えられる地獄のレースだ。

 

 クリスが響を庇いわざと負けたことで、響はただ犯されるだけで済んでいる。

 敗者のクリスは別室の便所に設置され、丸一日用を足しに来た男の小便を受け止めなければならない。

 初めは口を固く結び相手を睨みつけていたクリスだったが、備え付けの鞭で十数度躾を受けてからは震えた作り笑顔で大口を開けるようになった。

 

 その末路を知っているからこそ、切歌と調は必死に四肢を動かしている。

 髪の毛を手綱代わりに引かれ、四つん這いで涙を浮かべながら。

 

 ゴールと同時に、二人はべちゃりと潰れたように倒れ伏す。

 疲労と痛み、恐怖から解放された二人を襲ったのは、引き分け再試合という騎手の言葉。

 

「や、やだ……もう、無理ぃ……」

「誰か、マリア、助けて……」

 

 助けを求められたマリアだが、無論誰かを救済する余裕があるはずもない。

 マリアは全身を拘束され、蹲踞の姿勢でバイブとローターの振動に耐えている。

 足場は不安定に積まれた石材で、少しでも姿勢を崩せば足場は崩れて首にかかった縄が即座に彼女の首を絞めるだろう。

 マリアは恐怖に震える体を必死に抑え、終わることのない命がけの遊戯を強制されている。

 

 

「ぐっ、うぅっ……!」

 

 部屋の中央では、翼がごろつきのリーダーと剣術勝負を行っていた。

 勝てば全員を解放するという約束の元、翼は必死に剣を振るう。

 

 無論、それは正々堂々とした内容であるはずがない。

 両手でしっかりと剣を握る男と違い、翼の両手は後ろ手に拘束され剣を握ることはできない。

 代わりに柄の部分を秘部に挿入することで剣を支えているのだ。

 

 剣が動くたびに膣へと伝わる振動が翼を襲い、尻穴で振動するバイブの快楽と合わさって彼女の肉体は数分おきに絶頂している。

 膝をつくたびに無理やり立たされ、必死に近づいては剣を弾かれ、尻穴からぶら下がるバイブを弄られ、露出した陰核を突かれ、翼は嬲られ続けている。

 

 気を失えば水をぶっかけられ意識を取り戻し、勝てば仲間を解放するという口約束に縋って必死に腰を振り喘ぎながら剣を揺らす。

 見世物として男たちが飽きるまで、翼は玩具として遊ばれ続けるのだ。

 

 

 翼が何度目かも分からない気絶で倒れたと同時、切歌と調のレースにも決着がついた。

 時間切れで両者失格。

 スタート地点へと引きずられ、再試合の合図と共に男たちが棘付きの処刑用鞭を持ってきた姿を見て、切歌と調はこのレースが決して終わらないのだと理解し狂ったように笑いながら涙を流した。



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エロバラショートショート

 素人参加型のバラエティ番組。

 提示されるミッションに挑戦し成功すれば賞金が、失敗すれば罰ゲームが待っている人気企画に、彼女たちは参加した。

 

 

 

「ん、うぅっ……!」

「ふぅっ、ぅぅっ……!」

 

 息がぴったり合う仲の良い友人として紹介された暁切歌と月読調。

 公園からスタートする切歌が調の指示を受けてスタッフの待つゴールであるスタジオへとたどり着けば賞金が授与される。

 

 切歌は後ろ手に両腕を拘束されており、ローターとバイブで乳首と膣を刺激された状態だ。

 分厚く大きいコートを着せられているため傍目からは普通の格好だが、快楽に襲われふらついた歩き方になっているせいで通行人の注目を多少集めてしまっていた。

 切歌はバイブを落とさぬよう必死に膣に力を込め、イヤホン越しに聞こえる調の指示を待っている。

 

 調はとある公園にある男子便所の個室で拘束されている。

 手錠と首輪で便器に座った状態で固定され、目の前に配置されたモニターに表示されたゴールと切歌の現在位置を見ながら切歌に指示を出す、のだが。

 声量に応じて乳首に流れる電流の威力によって、調の指示はおおよそ人の言語とは呼べないものになっていた。

 短い言葉、の直後に聞こえる喘ぎ声とそれを堪えようとする噛み殺した呼吸音。

 そんな指示で切歌がゴールにたどり着けるわけもない。

 

 僅か数百メートル先のゴールにたどり着くことも許されず、二人はあえなくチャレンジ失敗となった。

 

 罰ゲームとして二人は朝までこのまま放置されることになるのだが、スタッフが撤収したことに気づく様子もなく二人は健気にゴールを目指し続ける。

 

 

 

 次週、切歌と調のリベンジとして紹介されたのは雪音クリスだ。

 スタジオで磔にされたまま登場した全裸のクリスを、会場の拍手が出迎える。

 

 クリスは今回の賞金である札束を口に咥えさせられ、横では電子式のタイマーが起動した。

 時間まで札束を落とさなければチャレンジクリア、単純明快なゲームである。

 

「ふぅー、ふぅっ……!」

 

 スタッフに胸を揉まれ、膣を乱雑にかき回され、クリスは必死に沸き上がる快楽から耐える。

 ローター、バイブ、ニップルドーム……、様々な攻めに何度か絶頂を迎えるものの、歯を食いしばり札束だけは離さない。

 

 責めは苛烈であるが、クリスの想像通りでもあった。

 残り五分を示すタイマーを見て勝利を確信したクリスであったが。

 

「ふ、ぁ……?」

 

 新たに登場したスタッフが持っていたのは、工具にも見える、というよりも工具そのものだった。

 挿入された先端部は先ほどのバイブよりも細い、だがその形状が意味するのは。

 

「──ッ!」

 

 ドリルバイブ。

 スイッチが入った瞬間、それは高速で回転しクリスの膣内を蹂躙する。

 声にならない悲鳴は逆に彼女の口をより強く食いしばらせ、札束が落ちることは無かった。

 だがそれはより一層強い責めが待ち受けているということでもあり。

 

「ま、待って、無理だって、無理、降参──ッ!」

 

 より細い二本目が尿道に挿入された瞬間、クリスは己の敗北を確信した。

 降伏は受け入れられず、無慈悲に入れられたスイッチを合図にクリスは絶叫しながら潮を吹き、ポトリと落ちた札束を濡らしたのだった。

 

 クリスは敗北の代償に、機械を作動したまま放置され、固定カメラによって二十四時間の間絶頂し続ける様を配信される羽目になった。

 

 

 

 また次の週。

 人気の無い路地の空間で拘束されているのは、立花響と小日向未来の二名だ。

 

 未来は両腕を後ろ手に縛られたまま、ランニングマシーンに乗せられて走り続けることを強制されている。

 ランニングマシーンには防犯ブザーが括り付けられており、紐の先は未来の首へと繋がっている。

 走ることが出来なくなり紐が抜ければ、大音量が鳴り響くようになっている。

 

 響はそんな未来の眼前で両腕は頭の上、両足はガニ股に拘束され、許される動きは上下動のみ。

 股下のディルドに己の意志で規定の速度で腰を下ろし続けないと、未来のランニングマシーンの速度が上昇するようになっている。

 

 彼女たちの周囲には撮影スタッフと残り時間を示すタイマー。

 そして【企画物AV撮影中、素人参加歓迎】の立て看板が設置されている。

 

 人が立ち入ることはあり得ない路地ではあるが、防犯ブザーの大音量が鳴り響けばどうなるか、想像するまでもない。

 

「お、ぐぅっ、ふぅーっ、くっ……!」

 

 ディルドの太さは相当なもので、響が腰を下ろすたびにミチミチと膣肉が悲鳴を上げている。

 絶頂に耐えながら、かなりの速度で腰を動かさなくてはいけないのに。

 そんな思考とは裏腹に響の肉体は快楽に溺れそうになり、腰の動きはどんどんとゆっくりになっていく。

 

 

「はっ、はっ、はっ……うぅっ……!」

 

 まだ残り時間は半分以上残っているというのに、未来の呼吸は乱れかけている。

 通常のマラソンであればまだまだ余裕なのだが、どんどん速度を上げていくランニングマシーンと目の前で繰り広げられる友人の痴態によって精神が完全に動揺しているのだ。

 

 

「──ッ!」

 

 残り十分の合図と同時に、響の精神は限界を迎えた。

 海老のように背をのけぞらせ、未来に飛沫が届くのではないかと思うほどの盛大な潮を吹いて絶頂した肉体はそれ以上動く力を残していない。

 

 未来の悲鳴も空しく響き、際限なく速度を上げたマシンはついに短距離走者レベルの速度を要求。

 五分の時間を残して未来の足は限界を迎え、都市部の路地に大音量が鳴り響き周囲の人々を呼び寄せることとなった。

 

 

 

 スタジオでチャレンジが成功するか失敗するかの賭けを行っていた風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴ。

 仲間を信じると意気込んだ結果は全問不正解で、二人は罰ゲーム企画の参加を強制された。

 

「ど、どうも初めまして~」

「よ、よろしく頼む……」

 

 都内の幼稚園、そこに体験入園という企画参加となった翼とマリア。

 衣装として着せられた園児服は大人用のコスプレ衣装であるのだが、わざと小さめのサイズを用意されたためぴっちりと肉体に張り付き、浮かび上がった乳首の形が丸見えで、スカートは立っているだけで動物の絵がプリントされた下着が丸見えになっている。

 

 もっと笑顔で、子供らしく。というカンペに従う二人の表情は引きつっており、顔は茹蛸のように羞恥で真っ赤に染まっている。

 

 園児の笑い声や股間を膨らませながらセクハラをしてくる職員。そしてスタッフが用意している様々な性具。

 嫌な予感しかしない撮影準備に、二人の心は不安で満ちはじめていたのだった。



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