雪乃と八幡の物語 (ばいしむくん)
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罵倒をやめる雪乃

今回は雪ノ下が変わります


俺はいつも通り部室へ行った。

 

「うーっす」

「こんにちは。比企谷くん...」

「由比ヶ浜は?」

「由比ヶ浜さんは買い物に誘われたらしくて、今日はいないわ」

「おう」

 

ほんとリア充しんどけ。でも1度でいいから友達に誘われたりしてみたい...なんていってたらエリートぼっちは務まらん!!

てかそもそも友達いなかった...

 

というかいつもなら『同じクラスなのにそのくらいのことも把握出来てないのね。流石ゾンビ谷くんね。』

みたいな罵倒をしてくるはずなのだが...

やけに落ち着いてるな。なんか逆に怖くなってきた...

 

「どうしたんだ?いつもなら俺を罵倒してくるくせに。」

「...」ビクッ

「...」

「まあいいか。」

 

といっていつもの席につく。

30分くらいだろうか。いつもどうり本を読んでいたのだが、雪ノ下の様子がおかしい。なんかソワソワしてる。

あいつらしくないな。

 

「なんかソワソワしてるけど大丈夫か?」

「」ビクッ

「何も喋んないしお前らしくないな」

 

そして目線を本に移す。

さっきのことが少し気になってたが、本に没頭してるとそんなこと忘れてしまっていた。

 

数分後...まさかあんな光景を見ることになるとは...

 

 

俺が本に没頭してると、なんと!!なんとですねぇ!!

 

...

...

...

 

┏○┓

 

え?

え?

 

俺の頭の中がこんがらがる。

 

「なんで、お前土下座なんかしてんの...」

「なんかお前俺にしたっけ?」

「...」

 

黙ったままだ。ほんと、雪ノ下が土下座なんて...それも俺に向かってだ。どうしちまったんだよ。あいつ俺に悪いことなんてしてないだろ。てかそんなキャラじゃないのに...

 

「ご、ごめんなさい!!!!!!!」

「」ビクッ

 

かなりの大声で少し響く声。それには俺も少し驚いた。

 

「どうしたんだよいきなり。らしくねえぞ。」

 

少し沈黙が続いたあとに、雪ノ下が顔を上げて言った。

 

「私はあなたに散々嫌なことをしてきたわ。」

「...」

「昨日、テレビで人間関係についてやっていたのをたまたま見たの。」

「それをきっかけにして寝る前に考えたのよ。」

 

少し悔しそうな表情をしてた。

 

「私はいつもあなたに罵詈雑言を浴びせてきたわ。比企谷くんの気持ちも考えずに罵倒してこの関係を維持していこうとしてた...」

「...」

「これは.....ただの自己満足にしか過ぎないと考えたわ。自己満足のためだけに比企谷くんを傷つける行為をしてた。私はいつも冗談のつもりでやっていたのだけれど、昨日で完全に考えが変わったわ...」

「改めて考えてみると自分の行動の卑劣さが再認識できたわ...本当にごめんなさい。こんな最低なことを早く気づけない自分の愚かさも情けないわ...」

「...」

「確かにお前は俺をいつも罵倒してた。でもそこまで思ってはいない。たとえ傷つける行為だとしても、これが最近の流れみたいになってたろ?だからそこまで気にしてない...というか...」

「...」ウルウル

 

そこには涙を流してる姿があった。

 

「...ごめんなさい.....ごめんなさい.....」ポロポロ

「大丈夫だ。そこまで深く考えなくてよかったのに。」

「でも...それでも比企谷くんには迷惑をかけっぱなしで...」ポロポロ

 

落ち着くまで慰めてやった。

いやー雪ノ下がここまで号泣するなんて思いもしなかった。

 

「大丈夫か?」

「ええ。ごめんなさい。取り乱してしまって...」

「でもそこまで俺のこと気にかけてくれたんだろ。逆にちょっと.....嬉しかったな」ボソッ

「これからはこのようなことがないように罵詈雑言を浴びせないように言葉遣いには気をつけるわ。」

「そりゃどうも。でもそれだと由比ヶ浜とかになんか言われそうだな。」

「でも比企谷くんの気持ちが最優先だもの。」

「俺は別に言っても大丈夫だぞ。ぼっちで鍛え上げられた精神力といつもみたいな見事なツッコミができるからな。」

「私はこの考えを折り曲げるつもりはないわ。だから遠慮することなんてないわ。」

「そうだな。まあお前が考えたことだしお言葉に甘えて。」

 

 

こうして雪ノ下が罵詈雑言を浴びせてくることはほぼ無くなった。

まあところどころいつもの癖が出てしまうこともあるけどな。

 

 

 

 

続く

 




暇あったら続き書きます


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夫婦というのは辛い

前話に続いて書くということは基本ありません。
サブタイトルが「part○」のようになってれば話が繋がってると思ってください。




色々あって、大学を出てすぐ俺は雪乃と結婚した。

 

その生活はとても充実していて理想的すぎる形だった。

 

専業主夫を希望していたが、バイトの経験などから自分で働くことも大切だと改心し、雪乃に専業主婦を任せている。

 

最初の一年は雪乃と過ごす時を多くするため、

仕事は早めに終わらして二人で過ごす時間をつくった。

 

でも二年目になり仕事な慣れてきた勢いだろうか。

仕事に熱が入ってしまうことが多々あり、一年目とは

まるで違う生活だった。

 

仕事に熱が入る分、収入や上司の人達からの評価も上がり勢いに乗っていた。

 

 

 

 

LINE 八幡

 

『夕ご飯いる?』

『すまん。今日も上司の人達とたべる。』

『わかったわ。』

 

(今日も八幡と夕食食べれないのね...)

 

最近、八幡はとても忙しそうにしている。

帰ってきて見る表情は、それはそれはとても疲れている顔。

結婚して一年目はとても充実してたというのに...

 

でも生活のためにはと自分に聞かせ、毎日気持ちを抑えて家事をする。

 

...

...

 

「ただいま」ハァ

「おかえり八幡。今日も遅かったわね...」

「最近忙しくてな。ご飯あるか?」

「ええ...温め直すわ...」

 

何気ない会話だけれど、続かない会話。

もっと八幡と喋りたい...笑顔になりたい...

でも八幡の疲れてる顔を見ると、気を使ってしまう...

最近は疲れからか、八幡はすぐ寝てしまうし...

 

(私たちって本当に夫婦なのかしら...)

こんな事まで思ってしまうほど、少しずつ私の心はボロボロになりかけていった.....

 

「じゃあ行ってくる。あと、今日も少し遅くなりそうだ。」

「わかったわ...行ってらっしゃい...」

「ああ。」ガチャリ

 

毎日八幡を見送ることが辛くなってきた...

 

プルルルルル

 

「あら、誰かしら。」

 

ガチャ

 

「もしもし」

『あ、雪乃ちゃん?久しぶり〜』

「ええ...久しぶり...」

『どうしたの?元気なさそうだけど...』

「何でもないわ。で、要件は?」

『いや〜最近声聞いてなかったからさ〜それで電話しただけだよ♪』

「そう。なら切るわよ。」

『え〜つまんないなぁ〜』

「鬱陶しいわよ。じゃあまたね。」

ガチャリ

 

「はぁ。疲れる...」

 

今日もいつもどうり家事をこなす。

はずだったのだけれど今日はろくに力が入らない。

立つのに一苦労してしまうほど身体がだるい。

 

「少し寝れば良くなるかしら...」

 

私は睡眠をとった。

 

...

...

...

 

起きればもう午後の4時だった。

まだ身体にだるさがある。

 

「そう言えば何時くらいに帰ってくるか聞かないと。」

 

『今日は何時くらいに帰ってくる?』

『今日も10時くらいになりそうだ。』

『わかったわ...』

 

「買い物にでもいって、少しでも気分を変えましょうか。」

 

そう言って私は買い物に出た。

 

...

...

 

「今日は八幡の好物のハンバーグにしましょうか。」

テクテク

 

...

オカイケイハ.....

アリガトウゴザイマシタ-...

 

「ただいま...って言っても誰もいないのよね...」

 

そして夕食の支度を始める。

 

 

作り終えて、いつもどうり1人でたべる。

テーブルにはラップがしてある八幡のハンバーグも。

 

やり終えてない家事を終わらしてテーブルに座る。

 

「はぁ.....」

かなり大きなため息をつく...

 

「なんで、こんなにも変わってしまったのかしら...」ウルウル

「前まではとても楽しい生活をしてたのに...」

「理想的で、私も八幡も望んでいた生活だったのに...」

 

ポロポロ

今までのことを振り返ると自然と涙が出てきてしまう。

 

「もしかして、八幡は私に飽きてしまったのかしら...」

「だから仕事を優先してしまってる...」

ネガティブな考えが頭の中をよぎる。

 

「もう.....こんなのいやよ...」ポロポロ

 

急に目眩がする。

そして床にそのまま横たわって気絶してしまった。

 

 

 

「ただいまーすまん今日も遅くなっちまって。」

「あれ?返事がない...」

 

少し早足でリビングに言った。

 

「おい...雪乃...?しっかりしろ!!」

「おい!起きろ!雪乃!!!」

何を言っても反応がない。

 

ピーポーピーポー

 

「雪乃は大丈夫なんですか!?」

「命に別状はありません。適応障害というものです。」

「適応障害?」

「はい。ストレスを我慢したり、耐え続けたりしてしまうとら重症化してうつ病などの深刻な疾患を発症してしまうことがあります。」

「そんなに重いものなんですか...」

「そばに居てあげては?」

「そうですね...失礼します...」

 

 

 

「雪乃ちゃん!!大丈夫!?」

「陽乃さん...」

「比企谷くん。どういうこと!?」

「医師の人からすると適応障害というものらしいです...」

「あれ.....姉さん?」

「雪乃ちゃん!!」

「八幡も...」

「大丈夫か雪乃!?」

「ねえ八幡...私、もう生きるのが辛い...」

「何言ってんだよ雪乃!!」

「死にたい...」

「...」

「ごめんね雪乃ちゃん。ちょっと比企谷くんと話さしてもらうよ。」

「ついてきなさい。」

「...はい」

 

...

...

 

「改めて聞くけど、どういうことかな?」

「...多分、俺が毎日仕事で遅く帰ってきて、雪乃に構ってやれてなかった...」

「比企谷くんがこんな最低な人間とは思わなかったよ...」

「結婚する挨拶しに行った時は、とても本気で両親に訴えかけてたのに...」

「だから雪乃ちゃんを任せても安心出来たのに...」ポロポロ

「本当にすいませんでした...」┏○┓

 

俺は土下座した。誠心誠意謝った。

 

「私に謝ったって仕方ないでしょ。雪乃ちゃんにその誠意を見せてきなさいよ!!」

「わかりました。迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした!」

俺は走って雪乃のいる病室に行く。

 

 

 

 

「雪乃!!!」

「...八幡...」

「ごめん。本当にごめん。俺、お前の心境に気づいてやれなかった...」ポロポロ

「...」

「お前にこんなに負担かけてるの気づいてやれなかった」ポロポロ

「もう一回やり直させてくれ!もうこの仕事はやめる!お前との時間を大切にする!!だから...だから...頼む...」ポロポロ

「八幡.....」ポロポロ

 

...

...

 

 

 

 

俺はあのあと雪乃が安定するまでそばに寄り添った。

もうこんな過ちは犯さない。俺は決めた。

しっかりこれからにも向き合って、二人で幸せになるんだ。

 

 

 

 

 

「おとーさん!!遊ぼーー」

「いいぞ!たくさん遊ぼうな」ヨシヨシ

「二人とも今日はごちそう作るから早めに帰ってきなさいよ〜」

「ああ。分かった!」

「ふふっ♪」

 

今はとても幸せだ。子供もできてまた理想的な環境が戻ってきた。

これからも娘と雪乃の三人で楽しい毎日を送ろうと思う...

 

 

もしかしたら増えるかもしれないけどな...




書いてると時間が経つのは早いですね〜


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八幡の記憶

結婚後の思い出振り返りです。

ちなみに二人は27歳です。


「何してるの?八幡。」

「ああ、高校のアルバム久しぶりに見てたんだ。」

「そう...」

「...」

「この時は私たちは付き合ってもなかったのよね...」

「ああ。それに俺は由比ヶ浜と付き合ってたんだよな...」

「由比ヶ浜さん...」

「あいつ今頃どうしてんだろうな。」

ーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーーーー

 

10年前...

2年生が終わる、3月の初めくらいだ。

俺は由比ヶ浜から告白された。

だが、俺の本当の好きな人は違う...

だけれど俺が告白する勇気もない。そして雪ノ下が俺のことが好きかも分からない。それにあいつと俺では釣り合うはずがない...

その時は自分に自信を持てていなかった...

だから由比ヶ浜の告白を受け入れてしまった。

 

「この事、ゆきのんにも言わなくちゃいけないよね...」

「そうだな。いつまでも隠していちゃダメだよな...」

 

翌日

「ゆきのん。話があるんだ...」

「...」

「うちとヒッキー付き合うことになったの。」

「...そう」

その時の雪ノ下は非常に悲しそうな顔をしていた。

 

「...」

「...」

「...」

 

沈黙が続く。

この沈黙は今までの中で非常に辛く、胸が締め付けられるようだった。

 

「恋人同士がいるこの環境下で、3人はいらないわよね...」

雪ノ下も昨日の俺のようにネガティブになっていた...

 

「そんなことないよ!奉仕部は3人でいなくちゃいけないと思うの...」

「由比ヶ浜さん。私の気持ちも考えないで、無責任な発言をしないでちょうだい!」タッタッタ

ガララ、バタン!

走りながら部室を抜ける雪ノ下。横から見ても涙を流していることがわかった。

 

「どうしよう。ヒッキー...」

「俺に言われても...」

「...」

この時、やっと雪ノ下の気持ちがわかった。

でも、俺はもう付き合ってしまった。だから行動する勇気もない。それに由比ヶ浜が勇気を出して告白したことを否定することになる。

だから、もう雪ノ下のことは忘れよう...

 

 

 

 

それから3年生になり、奉仕部は2人で続けていた。

恋人という関係である以上、雪ノ下のことは極力意識しないようにした。

部室では2人で楽しく会話したり、笑いあったり、雪ノ下がいなくなったとはいえ充実はしていた。

部活を引退してからは、勉強部屋として2人で使っていた。

俺と由比ヶ浜は同じ大学への進学をするために努力していた。

特に由比ヶ浜はアホの子だから必死になっていた。

...

...

そして受験、卒業式、他にも色んなことがあった。

この1年は2年生の時より、はるかに長い1年だった.....

 

 

 

 

 

 

大学は無事に合格した。

大学では周りの男子から話しかけられたりして、念願の友達ができた。

この大学生活はとても充実していた。

 

 

 

ある日...

カマクラのエサなどの買い出しにペットショップに行った時のことだ。

 

ネココーナーの所に、雪ノ下がいる...

「(そういえばあの日以来全く話してないし、話しかけるか...)」

 

「よう、雪ノ下」

「!...ひ、比企谷くん...久しぶり...」

話しかけるとはいっても何話すかとか全く考えてなかった!!

「...だ、大学とか充実してるか?」

「え、ええ。」

「...」

「由比ヶ浜さんとはちゃんと上手くいってるの?...」

「まあ、一応...」

「...そう」

「...」

「ならもう行くわ...さよなら...」

さよなら。この言葉が重くのしかかってくるような感じがした...

 

ドキドキ

 

雪ノ下と話したあと、俺の心臓の鼓動はとても早くなっていた...

やっぱりまだ雪ノ下の事が...

 

 

 

 

 

雪ノ下にあった日以来、授業中や、ましては由比ヶ浜とのデートの日にも雪ノ下の事が脳裏に浮かぶ。

 

「ヒッキー?どうかしたの?ぼーっとしてるけど...」

「あ、ああ。何でもない。大丈夫」

「?...」

 

 

...

...

ダメだ...雪ノ下の事が忘れられない...

どうすればいいんだよ...

俺は由比ヶ浜という存在がいながらもこんなことを考えてしまう。

由比ヶ浜といると、もう1人の空白の存在が浮かんでしまう...

...

俺と由比ヶ浜ではダメなのかもしれない...

 

考え抜いた結果だった。

あまりに自己中心的な考えだ...

俺には由比ヶ浜をリードする自信が無い。

そして恋人という関係でありながら、俺には違う好きな人がいる。

これは「本物」という関係とは言えない...

...

俺は最低だ。昔っから変わっていない。自分の勝手な考えで、他人を傷つけてしまう。だけどこれしか方法がないんだ...

 

本当にすまない、由比ヶ浜.......

 

...

...

...

 

 

 

 

翌日

 

「由比ヶ浜、話がある。」

「ん?何、ヒッキー。」

「...別れよう。」

「え?う、嘘だよね?」

「本当だ。」

「な、なんで!?」

「俺は由比ヶ浜を引っ張っていけない...」

「そして、俺には違う好きな人がいる.....」

「...」ポロポロ

「ヒッキー...最低!!!大っ嫌い!!!!」ポロポロ

 

 

これでいいんだ。嫌われてもいいんだ。

 

なんたって俺は"最低"だから.....

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「俺、彼女と別れた。」

男友達「え?なんでだよぉ。めっちゃ可愛い子だったじゃん。」

「俺、あいつに告白する前に好きなやついたんだよ。」

「それで、まあ色々考えて付き合ったんだけど、その好きなやつが忘れられなくて...」

「...」

「おまえ、最低だな。」

「ああ、分かってる。」

「そんな自分勝手に片付けちまうやつだとは思わなかったよ!!」

「...」

 

 

また俺の周りから人がいなくなる...

過去が蘇ってくる...

 

 

2年後...

俺は20歳になった。初めて酒でも飲んでみようかなと思ってコンビニで酒を買ってみた。まあ初めてだから、ほろ〇いだけどね!

 

 

その帰りの事だった。

 

「比企谷くん?」

後ろから話しかけられた。それは俺の好きな人だった...

 

「雪ノ下...久しぶりだな。」

「由比ヶ浜さんと別れたんだって?」

「ああ、そうだ。」

「理由を聞いてみれば、自己中心的すぎないかしら?それに好きな人がいるだなんて。恋人という関係であるのに最低ね。」

「そうだよ。俺は最低だ。こんなやり方しか出来ない。」

「何?大学に由比ヶ浜さんより良い人でもいたの?」

「違う。」

...

俺は全てを話す覚悟を決めた。もう会えないかもしれないから。

振られたっていい。これで俺の心の中が少しでもスッキリするのなら...

 

「俺はそもそも告白された時から、由比ヶ浜じゃない違う好きな人がいたんだ」

「では、なんで告白を受け入れたの?」

「自信がなかった...その好きな人に告白する勇気も何も...」

「仮に告白したって、失敗すると思ってた。」

「だから、楽な道を選んだ。」

「でも、付き合ってからも好きな人の事が忘れられなかった。」

「その事に気づいて、別れた。そんだけだ。」

「本当に変わっていないわね。」

「ああ。」

「雪ノ下は誰かと付き合ったりしてんのか?」

「...」

「...」

「私も比企谷くんと同じような理由よ...」

「え?」

「大学に入ってから、告白はかなりされたわ。」

「...」

「でも、私も好きな人がいて、その人のことが忘れられなかった。」

「だから、全部受け入れてないわ...」

「...」

「...」

 

ここで言うしかないんだ。勇気を出すんだ。あの時後悔したことをいま晴らすんだ...

 

「雪ノ下...」

「なにかしら...?」

「俺のその好きな人ってのがな、お前なんだよ!」

「え?...」

「高校時代、お前と話してると罵倒が飛んできて、最初はすこし嫌なところもあった。でも、それが俺と雪ノ下のコミニュケーションの一部みたいになってて、それが少し心地よかった。ちなみにマゾってことじゃないぞ?」

「...」

「由比ヶ浜がいない日は2人で静かに本読んで、ずっと沈黙してたけど、その沈黙でさえも心地よかったんだ。」

「他にも色々あるが、だんだんとお前に惹かれていって、憧れの存在になっていた。」

「...」

「さっき由比ヶ浜との別れ話の時に言ったように、俺は最低だ。クズだ。」

「でも、そんな俺でよければ付き合ってくれないか...?」

全て言った。どうせ振られるだろう。何度も言うが俺は最低だ。

こんな俺と付き合うわけがないとわかっていた。

でも言い尽くして、かなりスッキリした。

とても清々しい気分だ。

...

...

 

「私の話も一旦聞いてもらえるかしら...」

「おう...」

「私の好きな人は比企谷くん、あなたよ。」

「!!」

「私も比企谷くんが好き...私も高校の時の話になるのだけれど、比企谷くんと接していてとても楽しかったわ。」

「他にも様々な場面で私を支えてくれた。それがとても嬉しかった...」

「でも由比ヶ浜さんと付き合うってことになって、とてもその空間に居続ける自信はなかった...」

「だけど、今、ここでチャンスができた...」

「...」

「私からも言うわね。私と付き合ってください...」

「...是非ともよろしく頼む...」

「ありがとう...」

「本当に最低だな俺」

「由比ヶ浜、本当にすまない...」ポロポロ

「比企谷くん...」

 

 

 

 

...

...

...

このことは由比ヶ浜には伝えてなかったが、2人で外に出歩いていた時にたまたまあってしまい、事実を伝えた。

俺は由比ヶ浜に謝り続けていた。

 

「ううん。過去を振り返ってばかりもダメだし大丈夫だよ...」ポロポロ

 

やはり由比ヶ浜は優しかった。

泣きながらもポジディブな姿勢を見せてくれた。

ありがとう、由比ヶ浜。そして申し訳ない...

 

ーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーーーー

 

 

「八幡。涙出てるわよ。」

「え?あ、本当だ。」ポロポロ

「たしかに、辛い過去ではあるけれど、由比ヶ浜さんの言ったように過去を振り返ってばかりもいけないわ。今を、そしてこれからを考えましょう。」

「そうだな。雪乃。」

 

 

 

オワオワリ

 

 




文章が下手になってしまった...
まあ元から下手なんですけど。


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