とある幻想の風使い(仮) (シュウファ)
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Prologue

皆さんはじめまして、シュウファと申します。
にじファンでシュウキの名前で書いていたものです。
今回書いたのはにじファンで書いていたものをリメイクしたものです。設定なども変えているのである意味新作になると思います。

それではお楽しみください



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いったい、どれくらいの時間がたったのかな。

僕はずっと天井を眺めていた。

それしかできない。

僕の手足は切り取られていて動けない。

痛みはなかった。その時には体の感覚はなくなっていて、切られた時何も出来なかった。

なんで僕はこんな目に合っているのかわからない。・・・・・死ぬのかな?

そんなことを考えながら天井を見ている。

 

 

 

 

 

いつも通りの日常だった。朝起きて、歯を磨いて、ご飯を食べて、幼稚園に行って、友達と遊んで、家に帰って、お母さんと今日あったことを話して、そして寝た。起きたら此処に来て縛られていた。

 

 

 

 

 

僕、なにか悪いことをしたのかな・・・・?

そんなことを考えているとナニか聞こえてきた。

・・・イタイ?

無意識にその声に答えるように心で思う。

・・・・・わからない。

声はまた聞こえてくる。

・・・カナシイ?

・・・・・うん。

・・・ツライ?

・・・・・うん。

・・・ニゲタイ?

・・・・・うん。

・・・イキタイ?

・・・・・うん。

・・・ジャア、タスケル。

・・・・・できるの?

・・・マカセテ。

そのとき僕の体が持ち上がった。この部屋にきてから初めて景色が変わった。

そのままフワフワと浮きながら、移動していく。そのまま扉の前にたどり着く。

・・・ジャマ。

その瞬間ドアが真っ二つになって、部屋の外に出れた。

 

「う、浮いてる!?」

「な、何で出てこれた!?」

「早く誰か呼んで来い!対象が能力に目覚めたぞ!」

通路を移動していると白衣を着た人たちがいた。

・・・ジャマ。

そこにいた人たちは吹き飛んだ。

それでも、どんどん人が出てくる。そのたんびに吹き飛ばしていく。

「なぜだ・・・AIMジャマーを使っても止まらないだと!?」

「う、撃て-!!」

僕に向かって飛んでくる銃弾。

しかし、それらは僕に当たる前にすべて止まってしまう。

・・・マモル。

すべての銃弾が床に落ちていく。

「ひ、ヒィーーーーー!?ばけも・・・・」

出てくる人たちを無視して吹き飛ばしていく。

そのまま進んでいくが、目の前の通路がシャッターによって閉じられた。後ろを見ると同じようにシャッターが降りている。

・・・・コワス

シャッターを壊そうとした時、いきなり煙が出てきた。その煙をすった瞬間、目の前が真っ暗になる。

・・・!?

僕はそのまま意識をなくした。

 

 

 

「止まったか・・・」

「催眠ガス使わなければ危なかったですね。」

ぐったりと倒れている子供を見る。両手両足がなくなっており、あまり直視もしたくないが、仕事として割り切る。

「この子供、確か無能力者のはずじゃ・・・」

「・・・そんなことはどうでもいい。・予定変更だ、始末する。」

そう言って男は銃をその子供に向け発砲する。

「あら、それは困りますわね。」

子供の前に切れ目ができた。それが開き銃弾を飲み込んだ。

「な!?うっ!?」

男たちはいきなりの出来事に驚くが、胸に走る痛みによってそれどころではなくなった。手を胸に当てる、すると穴が開いており血が出ている。撃たれたのだ自分の放った弾丸によって。

「なん・・・・で。」

そのまま全員倒れた。

 

 

しばらくすると切れ目ができ、開いた。そこから一人の女性が出てきた。

「趣味が悪い人間も居たものね。」

子供を見て言う。

「でも何であなたみたいな存在がここにいるのかしら?」

子供は何も答えない。しかしそこにいる別のナニカが彼女に意思を告げる。

・・・・・・・

「・・・そう、ならあなたはどうするのかしら。」

・・・・・・・

「この子を?」

・・・・・・・

「それで私に何かメリットがあるのかしら?」

・・・・・・・

「!?・・・なるほど確かにこちらにもメリットはあるわね。」

・・・・・・・

「?・・・いや、聞くだけ野暮ね。」

・・・・・・・

「わかった、でも条件がある。この子を治したあと、こちらでしばらく預かるわ。それは譲れない。あなたに消えられても困るし、この子自身が強くなる必要が有るわ。」

・・・・・・・

「そう。・・・なら行きましょうか?」

そう言って少年をスキマの中に入れ、彼女自身もスキマに入っていった。

スキマが閉じた時その場に残っていたのは荒らされた研究所と男たちの死体だった。

 

「幻想郷へようこそ」

 

 

 

数年後、学園都市に一人の少年が居た。

「ふう、やめときゃいいのに。」

・・・・・・・・・

「まあ、それはわかっているけどさ。」

・・・・・・・・・・・・

「いや、あんまり足しにならないぞ。一対多の練習にはなるけど。」

・・・・・・・・

「油断も慢心もないよ。ただそれが事実なだけ。」

・・・・・・・・

「ん?これ?迷惑料。」

・・・・・・・・

「これでお供え物買うつもりだったんだけど・・・・・・」

!?・・・・・・・

「わかったわかった。そこまで必死にならなくていいよ。」

・・・・・・・・・

「じゃ、買い物行こうか。」

そう言って歩き出す少年。足元に倒れている男たちに目もくれなかった。

 

 

 

 

しかし少年はまだ知らない。

この先様々な物語と交差していく事を。

そして物語が本来とは変わっていく事を。

少年と・・・・はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 



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第一話「面倒事は回避不能?」

とりあえずの1話投稿。
感想待ってます。


1時間前

 

 

学校終わりの放課後、いつものごとく帰っている最中だった。

「おいテメェ見つけたぞ!」

その声に反応し振り返る。そこには見覚えのないチンピラたちが数人いる。格好はみんなバラバラだが皆共通しているのは俺をすごく睨みつけているくらいだ。

「・・・誰?」

疑問に思ったのでそのまま口に出したのだが、それがいけなかったようでこちらを見る視線がきつくなった。

「誰?だとぅ・・・忘れたとは言わせねぇぞ!!テメェに潰された、ワイルドキャッツといえばわかるだろうが!?」

「・・・そんな事言ってもな、覚えていないもんは覚えてないんだからしょうがないだろ」

頭を掻きつつ目の前の連中を見る。本当に覚えていないので考えても仕方ないと思っているので適当にあしらうつもりだ。

「くそっ!覚えている価値もねぇってか。・・・・しかしそんな態度も今日までだ。俺達は今までとは違う!!新たな力を手に入れた俺達に怖いものはねぇ!!きっちり落とし前付けさせてもらうぜ。」

妙に自信満々だな。ま、少しくらいなら付き合ってやるか。

『ねー、早く帰ろうよー。』

頭の中に声が響く。これは此処では俺にしか聞こえない声、そして俺にしか見えないモノの声だ。

『早く帰ってご飯食べよー。』

そう言って目の前に小人が現れた。手のひらサイズの人形みたいな女の子だ。

彼女の名前はシルフィ。もう付き合いは数年くらいになる。

「なあ?」

『何?』

独り言のようなつぶやきにシルフィが答える。

「今日の奉納、ちょっと豪華にするか。」

『!?やった~!』

「何ブツブツ言ってんだ!?レベル2になった俺達の力みせてや・・・ブホッ!」

ずっと講釈していた男に一瞬で近づき腹に一発入れぶっ飛ばす。男は後ろにいた数人の仲間を巻き添えにして飛んでいった。

「「「「「リーダー!!!???」」」」」

仲間がリーダーを呼ぶが返事がない。

「さて、そちらが先に仕掛けてきたんだ・・・覚悟できてるよな?」

残った奴らに睨みつける。するとビビったのか後ろに下がる。

「ま、容赦するつもりはないし。」

 

 

 

 

そうして今現在に至る。

あの後残った仲間をすべて倒し、迷惑料として現金を巻き上げているが、これは向こうの自業自得だと割り切っているので特に何も思わない。

戦っている時間よりも身ぐるみはぐ時間のほうが長かったのでシルフィは少し不機嫌である。

『全く、空は時間かけすぎだよ!僕、お腹すいて背中とくっつきそうなんだからね!?』

「んなこと言っても、これのお陰で今日の奉納が豪勢になるんだから仕方ないだろ?」

『それだったら僕の力使えばもっと早く済むのに。』

「それ明らかにオーバーキルだ。てか、目的は奉納を増やすためだろ。」

『バレた?』

「隠すつもりねぇな!?」

そんな会話をしつつ通りを歩いて行く。放課後なので制服を着た学生の姿も多い。

これ以上大きい声だと一人で喋るイタイ人になるので、早く行く事にする。

『空、空。』

全く今度はなんだ。

『反対車線から何か騒ぎがするよ。』

ん、反対?

そう言われ反対車線を見る。そこにはシャッターの閉まった銀行があった。・・・シャッター?平日のこんな時間に銀行って閉めるか?・・・まさか、

 

ドカーン!!!!!

 

考えていたら銀行のシャッターが爆発し、中から出てきたのはカバンを持った4人組。

『おおー、ねぇねぇ今映画の撮影でもあってるのかな?』

んなわけ無いだろ。

・・・やっぱり銀行強盗か・・・ま、アンチスキルに連絡すればいいか。

俺はスマホを取り出そうとする。

「ジャッジメントですの!!器物破損、及び強盗の現行犯で拘束します!」

早っ!?もう来たのか。

声がした方向を見るとジャッジメントの腕章をつけた中学生くらいの女の子がいた。

てか、一人だけ?

「嘘っ!?何でこんな早く・・・プッ、ギャハハハ!」

強盗たちは風紀委員が一人しかおらずそれが自分たちより小さい少女なのを確認したら笑い出した。

「どんな奴が来たかと思えば、風紀委員も人手不足かあ?」

・・・馬鹿だろ。風紀委員は基本的に能力者が多い。しかも一人で現れてる時点でそれなりの実力者なのはほぼ間違いないだろ。でも一人だと少々無謀じゃないか?取り逃がす可能性もあるのに。

「そこをどきな、お嬢ちゃん、どかないとケガしちゃうぜー!」

あ、フラグたった。

『フラグだね』

「そういう三下の台詞は、」

強盗の一人が襲いかかるが、その風紀委員は掴みかかった相手の手を掴み横に移動し、足をかけ相手の勢いを利用して投げ飛ばした。

「死亡フラグですわよ。」

ほー、今のは合気道、いや逮捕術か?結構スムーズに投げたな。

それを見た強盗は警戒している・・・・・てか、騒がしいな何かあったのか?

声のする方向を見るとバスガイドと中学生くらいの女の子たちがいた。何やら話しているようだが・・・

お、一人こっち来た。

「すいません!少し手伝ってもらえませんか!?」

花飾りを頭につけた少女が頼んできた。腕には風紀委員の紋章がついている。

「えっと・・・どしたの?」

「男の子が一人見つからないんです。それで手分けして探しているんですけど・・・」

「この周辺?」

首を振って当たりを見回すが見当たらない。・・・仕方ない。

(シルフィ。この周辺で小学生くらいの男の子一人。)

『オッケー、探すね。』

シルフィが答えると俺は目をつぶる。

「へ・・・」

俺の周辺から、ゆるやかな風が吹く。その風によって周囲を探索していく。・・・居た。

『見つけたよ。前方70メートル先、植木のとこに座っているよ。』

「前方70メートルに座り込んでいる子供がいる。多分それだ。」

そう言って子供がいるであろう方向に指を差す。

「えっ?あ、はい!佐天さーん!そこから少し向こう側に子供がいるみたいです!」

戸惑っていたようだが、その言葉を一緒に探している人に伝えている。これなら無事保護されるだろう。

『ん?子供に別の二人が近づいてる!多分さっきの強盗だよ!』

えっ!・・・クソッ!あの風紀委員、一人で出できたなら逃がすなよ!

地を蹴り、走りだす。

 

・・・50メートル

強盗が子供を連れて行こうとするが女の子が引っ張ってそれを防ごうとしている。

・・25メートル

引っ張り合いになっていたがもう一人の強盗犯が、女の子に近づく。

・10メートル

強盗が女の子に対して腕を振り上げて殴ろうとする。

 

俺は右足に力を入れて地面を強く蹴る。地面からの反発力を利用して滑るように近づいた。

強盗の右腕が振り下ろそうとする瞬間、横から相手の右腕を狙い掌底で弾く。

「なっ!?」

その時点で相手の懐に入る形になったので右足の踏み込みと一緒に肘での一撃を強盗の腹部に叩き込む。

「グフッ!?」

強盗はそのまま吹っ飛び壁にぶつかった。もう一人の方を見ると、

「ひ、ひぃぃぃ!!!???」

子供を掴んでいた手を離し逃げ出して車に乗り込んでいる。そのまま逃げ出すつもりだろう。・・・・あれ?Uターンした?

『明らかにこっち、狙っているね~。』

・・・・そのまま逃げてりゃいいのに。

「そこのあんた!!どいてなさい!」

後ろの方から声が聞こえたので振り向くと風紀委員と同じ制服の少女がいた。その言葉に従って道路から歩道に上がる。

『え、いいの?あの女の子大丈夫なの?』

・・・・大丈夫だろ。今思い出したけどあの制服・・・常盤台だ。

車がアクセルを吹かして少女に向かっていく。その間にその少女はコインを取り出し上に弾く。そのコインが手に落ちた瞬間、オレンジ色の閃光が車目掛けて発射される。

その閃光によって車は吹き飛び、回転しながら少女の上を飛んでいった。

「・・・・・・・・うっわー・・・強盗、死んでないよな?」

『今様子見たんだけど、気を失っているだけだね。あと空がふっ飛ばした強盗はうめいてるようだけど。』

そりゃ、そうなるように打ったんだから当たり前だ。

「・・・帰るか。」

結構時間取られたな、早く買い物に行くか。

『あっ、今日はちょっと豪華にしてよね。』

はいはい。

「あっ、あのありがとうございました!」

帰ろうとした時、後ろから声をかけられた。振り返ると子供を助けようとした女の子とその子供がいた。

「おにいちゃんありがとう!」

「・・・その言葉はそこのお姉ちゃんに言ってあげな。このお姉ちゃんがいたから間に合ったんだし。」

そういってその男の子の頭を撫でてやる。

「うん!ありがとうお姉ちゃん!」

「え、いや、うん。」

戸惑ってこっちを見てきたが、子供の方に返事をしている。じゃ、そろそろ帰らせてもらいますか。

「少々よろしいですか?」

・・・・・早く帰りたい。

声をかけてきたのは最初に強盗に突っ込んでいった風紀委員の少女だった。

「まずは、ご協力感謝しますですの。」

「・・・取り押さえようとするのはいいと思うけど、逃してたら世話ないな。」

「・・・それに関しては反論の余地はありませんの。」

「まあ、いいけどね。・・・要件はそれだけ?早く帰っていい?」

そう言って急かすように聞く。

「そうはいきませんの、残念ながら調書を取るためにお話をお聞きしたいんですの。」

「それ、そっちで適当にやっといてくれない?あんまり時間取られたくないし。目撃者ならいっぱいいるでしょ?」

「いえいえ、やっぱり本人からお話を聞きたいですの。なので近くの風紀委員の支部まで・・・」

言い終わらないうちに走りだす。めんどくせぇ!!絶対話し聞くだけじゃ終わらないだろ!

「来ていただけって、逃げた!?」

「白井さーん、警備員の方が来ましたー」

「・・・次の機会に、ということにしておくですの。初春、此処での映像をもらってくるですの。」

「?何に使うんですか?」

「人探し、ですの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さてと。」

買い物を終え、ご飯を作った。・・・・・始めるか。

俺の目の前には多種多様の料理とお酒がテーブルいっぱいに広げられている。今から始めるのは此処での義務だ。

「・・・展開。」

目を閉じ祈るような形で手を前に組む。

それと同時にテーブルを中心に幾何学模様の魔法陣が展開される。

「此処にある様々な供物、酒、奉納致します。」

目の前にはシルフィがいる。しかし先程までの子供っぽさは影を潜め、威厳に満ち溢れている。

『了承。受け取りました。これからも我の加護を与え続けん。』

そうシルフィが言うと目の前にあった料理たちが全て消えていた。展開していた魔法陣も消え、残ったのはいつもの僕の部屋だ。

「このやりとりって必要?」

『形式美ってやつだよ。たまにはこういうこともしとかないとね~』

その言葉を聞いてガクッとうなだれる。

「いつもどおり簡略化の方で良かったじゃねえか。」

『うーん、やっぱ料理が豪華だからね。』

「関係あるのか?」

『機能的な面ではほとんど問題ないよ。僕の気分の問題。』

はぁ~、ため息を思わずしてしまうが仕方ない。さっきまで大量の料理を用意していたので疲れた。

『それで、今後はどうするの?まだ門が開かないんでしょ。』

「そうだなぁ・・・確か8月の後半だっけ。それまではこっちにいるしかないな。」

『あのスキマならいつでもできそうな気がするけど』

「ま、考えても仕方ないだろ。とっとと飯食うぞ。」

そう言って今度は自分のご飯をテーブルに置いていく。

『はーい』

シルフィは両手をポンと叩く。すると目の前に先ほど消えた料理がミニチュアサイズで現れた。

「それじゃ」

「『いただきます』」

 

 

 

「白井さーん、頼まれていた映像用意できましたよ~」

「ようやくですの?」

風紀委員第177支部。そこで先ほど空と話した少女達がいた。

「ところどころ、映像が乱れていたところがあったので調整していたんですよ。」

ハイこれです。と頭に花飾りをつけた少女、初春飾利が映像を再生する。

「しかし改めて見るとすごいですね~相手の懐に飛び込んでの肘打ち。それであんなに飛ぶんですね。能力の一種でしょうか?」

「それは分かりませんの、ただこの攻撃は拳法の一種ですわね。」

もう一人の少女、白井黒子が映像から分析をする。

「そういえば、この前に話をしましたのね?」

「はい、子供を探していた時に手伝ってもらったんです。ただその時何か能力を使ったようで、子供の位置をズバリ当てたんです。」

「その時の様子は?」

んー、と初春は少し考えてから話しだす。

「手をあわせて、目をつぶったら、風が吹いて・・・・それで見つけ出していました。」

「(風力系の能力者?・・・それだけでは判断がつきませんの、やはり話を聞くのが手っ取り早いですの。)初春、その映像を使って人物の特定はどのくらいで可能ですの?」

「20分あれば十分です。」

「それじゃ、「頑張ってるみたいね?」固法先輩。」

はい、お茶。と渡しつつ固法美偉が映像を見る。

「これ今日起こった銀行強盗の?」

「はい。近くのカメラが捉えていたものです。」

固法が映像を見ていると何かに気づいた

「あれ?この人・・・」

「知っているんですか?」

「ええ、前に一度、ね。」

苦笑いしつつ、固法はその時のことを話し始めることにした。

 

 

 

 

 



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第二話「交差するきっかけは気付きにくい」

今回は短めです。



 

 

 

4月頃

 

「今どこにいるかわかる?」

「あそこの裏路地に連れて行かれて・・・」

「分かったわ、あなたは此処にいて彼女たちをお願い、私が見てくるから。」

震えてる彼女たちを相方に任せ、私は路地裏に向かう。

通報があったのは先ほど、内容はスキルアウトに絡まれている少年がいるという内容だった。しかも相手は複数人で、少年のほうが危険だ。

私は路地裏に入り様子をうかがう。様子は見えないが騒がしい、もしかしたらと思い、走りだす。

「ジャッジメントです!早急に・・・」

角を曲がり目に入ったのは少年の背中だった。その背中はあの人に似ているような気がした。

「ん?・・・警察・・・じゃないな、一人でこんなところ来たら危ないぞ。」

振り返った姿はあの人とは違った。黒髪の少年

「私は風紀委員です。通報があったので此処に来ました。」

「ジャッジメント?・・・治安関係の人か。」

少し考えてから答えた。様子から見てあまり学園都市に慣れていない?

「こんな状態になった理由を聞きたいのだけどいいかしら?」

「うーん、・・・予定では絡まれてた女の子たちを逃がして終わるはずだったんだけど・・・」

予定?

「絡まれてね・・・でもなんか直感的に放っておくのはまずい感じがしたからぶっ倒したんだが、」

その後ろで倒れていた内の一人が起き上がる。私はとっさに透視能力を使う。ナイフ!?しかも手にとって襲いかかろうとしている!?

「危ない!?」

男はナイフを持って襲いかかる。しかし・・・

「ん」

体の向きを変えることによって振りかぶったナイフを躱す。

「だから」

そのまま後ろに回り込み。

「甘いんだよ。」

後頭部に掌底を打ち込んだ。

「あ~もう!ここまで騒ぎになるとは思わなかったな。」

頭をポリポリ掻いてめんどくさそうに言う。

「この人達を連れて行ってくれない?」

「!?あなたは?」

「面倒くさいからパス。じゃ!」

「!ちょっと。」

そのまま彼は私と反対方向に逃げてしまった。

「まったくもう・・・」

この男たちをこのままにしておくわけには行かなかったので私は追いかけれなかった。

その後、警備員(アンチスキル)を呼び、男たちは連行された。

 

 

 

 

「ということがあったのよ。」

あの時のことを思い出しながら白井さん達に話した。まあ、ある程度ぼかしながらだけど。

「4月頃?そういえば大きいスキルアウトの集団が壊滅したと聞きましたが・・・」

「ええ、それよ。ま、アンチスキルが連行したあと調べてわかったんだけどね。」

「ああ~そういえばそうでしたね。名前は確か・・・『ワイルドキャッツ』。」

「誰が捕まえたかは、知らなかったのですが・・・固法先輩が関わっていたのは知らなかったんですの。」

「実際に倒したのは彼だからね。」

「その様子じゃ彼の名前とか連絡先は知らないようですの・・・地道に探すしかありませんの。」

「ん?知ってるけど?」

がっかりした様子だった白井さんが首をこっちにグリンと向ける。

「ちょ、結局知ってるんですの?」

「さっきの話の中で名前出てませんでしたよね?」

「え、そうだっけ?」

あちゃ~、名前知ってるものと思って話してしまってたようね。

「彼の名前は・・・・」

 

 

 

 

 

『ソラ~』

「何?」

宿題をしていると、テレビを見ていたシルフィの声が聞こえた。

『今日銀行強盗の時に、少し気になった子がいたんだ~』

「?」

気になった子?

『ソラも気になった子はいるんじゃない?可愛い子も何人かいたし』

「(そういうことか)特には何も思わなかったよ。話したのもちょっとだけだ。」

『え~?』

「ま、縁があればまた会えるだろ?」

『そうだね~。』

そのまま宿題を再開した。何でそんな事言い出したんだ?

 

 

 

『また会えるよきっと。精霊の感は外れないからね。』

 

 

 

「彼の名前は春池 空(はるいけ そら)。高校生よ。」

「春池、空。」

「あ、居ました。」

名前を聞いた初春さんがパソコンで調べたようね。

「なになに、春池空、高校1年能力は空力系の能力者でレベル3」

「レベル3って結構な能力者ですよね。」

「彼は高校から学園都市に来たって言っていたわね。」

「言っていたわねって・・・何度か会っていますの?」

「ええ。」

「その話を詳しく!」

「ええ!?」

初春さんが何故か興味津々な様子で聞いてきた。

「初春、そんなにがっつくのはみっともないですわよ?」

白井さんが抑えるように言う。

「それに固法先輩のプライベートですの。・・・そこら辺は暖かく見守りませんと。」

そう言って優しい眼差しで見つめるって勘違いしてる!?

「違うわよ!その、彼が彼氏とかそういう訳じゃなくて!」

「「分かります、分かっていますよ(ですの)」」

「だから違うってー!!!!!」

早く誤解とかないと!

 

 

 

 

翌日

 

 

 

学校へ行く際中メールが来た。相手は・・・固法?珍しいなこんな時間に。

『ソラ~どしたの~』

シルフィは頭の上に乗っかっている。

「メール、固法から。」

『固法ってあのメガネかけた女の人?』

「そうそう。」

あの人結構俺の面倒見ようとするからな。今日は何だ?

『要件は~?』

「今日放課後会えないかって。友達に紹介したいらしい。特に用事もないし、いいかなって思うけど。」

『いいんじゃない?』

「んじゃ、返信と。」

 

 

 

 

この時俺は何も考えずに返信をしてしまった。

これがきっかけで科学と幻想の物語が交差し始めたなんて

この時のまだ俺は知らなかった。

 

 

 

 




今回は回想ときっかけになるような話でした。
原作キャラとの掛け合いは次回に持ち越します。(切るところがなかなか見つからなかったので)




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第三話『ボクのチカラをちょっとだけ見せてあげる!』byシルフィ

感想などお待ちしてます。


 

 

放課後

 

 

 

「やっと終わった~」

授業が終わり机に突っ伏す。勉強自体はそれほど苦ではないが、ずっと机に座っているのも疲れる。シルフィは頭の上で寝ていた。

「春池。」

「ん?吹寄、どうした?なんかあったのか、」

こいつは吹寄制理。このクラスの委員長だ。

またの名を美人なのに色っぽくない鉄壁の女とも言うらしい。彼女らしいっちゃ、彼女らしい。

「今日は暇か?」

「すまん、先約がある。何かあったのか?」

「いや、か、買い物に付き合って欲しかっただけだ、別に深い意味は無い!」

そのまま彼女は席に戻っていった。少し顔も赤かったようだがどうしたんだ?

 

 

 

「ちょっ、あの鉄壁の女がむっちゃ可愛くなってるんですけど!?」

「対カミジョ-属性完全ガードの女をガードゆるゆるにするとは・・・」

「青ピーはどう思う?」

「かみやんのフラグ構築能力もすごいけど、実際やばいのははるやんやね。フラグ立ててる女子はみんなレベルが高い、今日の予定も巨乳クール系美女との約束と見た!」

「とりあえず、尾行して調査すべきでは!?」

「・・・おーい。」

「ん、かみやん。どうしたんだにゃ-?」

「春池はもう居ないぞ。」

「「「「「しまった!?」」」」」

 

 

 

 

直感的にやばそうだったので教室からとっとと出ていって待ち合わせ場所に向かう。

『ソラはフラグを立てるね~』

「フラグ?旗なんか立てた覚えはないんだが・・・」

『・・・・・これを落とすのは大変だよね~』

なんかシルフィが呆れているようだがわからん。

 

 

 

 

待ち合わせ場所のファミレスに入ると入り口から固法の姿が見えたのでその座席に向かう。

「固法、今日はどうしたんだ?」

「・・・相変わらず呼び捨てね。一応こっちのほうが歳上なんだからもうちょっと考えたら?」

「1つ2つ位の差じゃ変える必要はない。そう思うけど?」

「は~・・・春くんも相変わらずね。」

何でため息つかれるんだ?

「そういえば一人なのか?だれか紹介したいって言ってなかった?」

「少し遅れて来るって言っていたわよ。・・・ところで昨日銀行強盗倒していたわね?」

「何で知って・・・・ああ、そっか。風紀委員だったな。」

昨日の出来事の映像データくらい残っているか。

「あの後急に帰ったりするから調書取るの大変だったらしいわよ。」

「あれ明らかに調書取るだけで終わらんだろ?」

「違うと思うけど・・・たぶん。」

「たぶんってつけた時点でダメだと思うぞ。」

固法は苦笑いしている。

「そうそう、今日って何か用事あるの?」

「いや、今日は何もないよ、これが終わったあと買い物に行くくらい。」

「それじゃあちょっと来て欲しいところがあるから、お願いね?」

「・・・・・・色々と連れ回すのはやめてくれよ?」

「む~、頼んだのはそっちじゃない。」

「・・・最初頼んだのは携帯だけのはずだったのにいつの間にか俺をきせかえ人形にしたのは誰だったかな?」

じと~、と見るが目をそらされた。

「それで、今日紹介したい奴って?」

とりあえず話題を変えよう

「ああ、私の後輩よ、風紀委員の。」

それを聞いた途端俺は嫌な予感がした。立ち上がり動こうとするが固法に襟を捕まれ止められる。

「・・・トイレに行きたいんだけど。」

「方向は逆よ。」

「・・・嫌な予感がする。帰りたいんだけどダメか?」

「ダメよ。」

いい笑顔だなおい。

「はぁ~」

俺は逃げることを諦め席に戻る。なんか最近こういうことに対する直感が鈍ってるな。

はぁ・・・

「そんなに手間取らせることじゃないわよ。」

「ふーん・・・ま、いいよ。結構世話になってるし。」

「ありがとう。」

~~♪

「ん?ケータイ鳴ってる。」

「何かしら?・・・・ごめん予定変更。」

メールを見た途端立ち上がる固法。

「話はまた今度、また連絡するから。」

そのまま風紀委員の腕章をつけ走りだした。

「あ、おい!?・・・ったく!」

俺は店員を呼び、代金を渡し固法を追いかけた。

 

 

 

店を出て固法に追いつき並走しながら話しかける。いつの間にか固法は透明な盾を持っていた。

「おい、いきなり何があったんだよ?」

「・・・近くのコンビニに重力子の爆発的な加速が観測されたらしいわ。」

「具体的には何が起こる?」

「爆弾が爆発するってことよ」

「わかりやすい説明だな!?」

そう話している間に目的の店に着く。

「春君は此処にいて。私が様子見てくるわ。」

「アホ!お前は店の人に説明して避難させろ!」

そう言ってズカズカと入っていく、何か言っているがそれは無視。

俺は店の奥の方に気配があるのに気づく。そこに行くと女生徒が座り込んでいた。

「!大丈夫か?」

「あ、はい。でも足をくじいちゃって・・・」

肩を貸し店の入口の方に向かうが、商品棚の下にうさぎのぬいぐるみが見えた。

 

 

その瞬間嫌な感覚襲われた。

 

 

「!!」

直感的に固法の方に女生徒を突き飛ばす。ぬいぐるみはメキメキと変形していく。

「爆弾だ!!」

俺は叫ぶ。その直後爆発した。

 

 

 

 

春くんに突き飛ばされた女の子を受け止めると、春くんの言葉で反射的に持っていた盾で女の子をかばっていた。そして起こる爆発。爆風が吹き荒れ、店の中はボロボロになっている。煙で春くんがいたところの状況がわからない。

「春くん!大丈夫!?返事して!」

あの爆発に巻き込まれて無事であるはずがないのはわかっている。だけどそれを信じたくない。私の中で渦巻くのは後悔。此処に連れてこなければ・・・

 

「あー・・・大丈夫だぞー。」

煙から出てきたのは何故か苦笑いした彼だった。

安心したのと同時に私の中でキレる音がした

 

 

 

爆弾が爆発する瞬間、俺は風の力によって爆弾を壁まで吹き飛ばす。

しかし距離が足りない。爆発に巻き込まれるのは避けられない。だったら風で爆風をそらす!

『まかせて!ウインドプレス!!』「え?」

俺が風で爆風をそらそうとする前にシルフィは自分の判断で思いっきり風を爆弾にぶつけまくる。その結果・・・

「あ~・・・・」

爆風よりもシルフィによって作られた風の方が強すぎて壁に押しこむような形になってしまった。そのせいで爆発のエネルギーは空の方向には向かわず、壁にすべてぶつける形となってしまい大きなクレーターが壁にできてしまっていた。

『あ~、久しぶりに力が使えると思ったらこんだけか~・・・ま、ソラが無事だったからいっか!』

うん、そうだな。ただ勝手に使うのはやめてくれ本当に驚くから。

よく考えたらあの女の子を連れて逃げておけばよかったと思う。ここらへんの判断は反省だな。

そう考えていると固法の心配そうな声が聞こえてきたので俺はそっちに向かうことにした。

煙がだんだん晴れてきて固法の心配するような顔が見えた。

「あー・・・・・大丈夫だぞー。」

そんな心配しなくてもいいのにと思いつつ無事であることを報告する。

しかし固法は黙ってこっちに近づいてくる。・・・・・ヤバイ、逃げたほうがいいかも。

そう思うが、行動する前に目の前に来ていきなり胸ぐらを掴まれた。

「あなたねぇ・・・自分が何をしたと思ってるの!!」

「ちょ、ちょっと落ち着け。」『揺れる、ゆれる~』

おもいっきり頭を揺らされ気持ち悪くなってきた。シルフィ、お前楽しんでるだろ!?

「ついてくるだけならまだしも、何で自分から危険なことに首突っ込むのよ!!これは私の仕事なの!だからあなたが危険な目にあう必要はないのよ!?」

「・・・いや、なんとなく大丈夫かなって・・・直感で。」

「それでも!あなたは一般人に変わりないのよ!?」

「いや、・・・・なんかさ、あんまり許せなくて・・・」

「何が!?」

揺らすのをやめ、話を聞こうとする固法。やっと止まった。

「目の前でさ、何もできずに女が傷つくのが許せねえんだよ。」

「う、でも。」

動揺したのか胸から手を離した。

「嫁入り前の体に、傷をつけるわけにはいかないだろ。」

そう言って頭にポンっと手を乗せる

「ま、そういうことだから諦めてくれ。多分治らないし、治すつもりはないから。」

そう言って俺は店から出ていった。

「・・・・・バカ。」

 

 

 

 

 

『は~、本当にどうしようもないね。・・・咲夜お姉ちゃんになんて言えばいいんだろ?』

「ん?なんか言ったか?」

『なんでもないよ~。』

 

 

 

 



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第四話「事件というのは知らないうちに近くで起こって解決されてるもの」

久しぶりの投稿です。
結構おかしいとこあるかもしれませんが暖かく見守ってください。
お願いします。


 

 

 

土下座。

主に謝罪の時やお願いするときに使われるもので、最大限誠意を見せるときに使われる。

 

 

 

 

 

爆発事件に巻き込まれた翌日、いつも通り学校で過ごしていた。

昼休みになり、用意した弁当を開けようとした時、上条が俺の席まで来た。

何かあるのか?思っていたのだが、上条はいきなり目の前で土下座し始める。

「お願いします!!どうか、どうか、この私めに恵みの一品を!!」

「何があった・・・・・?」

ここまで綺麗な土下座されたのは初めてだ。

「昼飯はうちに忘れてくるし、購買は・・・」

「間に合わないか。」

今日の数学10分くらい伸びたからな。

「頼む!頼めるのはお前しかいないんだ!」

「・・・・・」

俺は無言で弁当を開け、蓋におかずを載せていく。それを上条に差し出す。

「ほれ、これでいいか?箸はないから素手で食べることになるが。」

「!サンキュー、今度返すぜ!!!」

上条はそれを受け取り、おかずの一つを摘んで食べる。・・・今度は動かなくなった。何やっているんだあいつ?

『気にすることはないよ~早く食べてしまおう~』

ま、確かにな。

 

 

 

 

「カミやん何してる・・・って、召されてる!?」

「しかも幸せそうな顔しとるで。」

青髪と金髪の二人は上条の様子を見て少しビビっていた。

「んー、原因はこれみたいだにゃー」

そう言って金髪は上条が左手に持っているオカズ達を指さした。

「へ~カミやん、昼飯春やんからもらったんやね。それじゃ一つ・・・」

そう言って青髪がおかずの一つに手を伸ばす。その瞬間、上条は右手を青髪の顔面に叩きつけた。

「な、カミやん、何するんや!?」

しかし上条は気にせずにまた一つおかずをつまみ食べ、幸せそうな顔をする。

「カミやんがおかしくなっとる!!?」

「どーもあのおかずが原因みたいだにゃー。明らかにあのおかずに執着している。」

「おかずって、春やんがわけた奴か・・・変な薬入れてる?」

「そんなわけないと思うが・・・春や~ん?」

金髪は飯を食ってる空に話しかける。

「どうした、土御門。何か用か?」

「春やん、あのおかずどうしたんだにゃ-?」

「どうしたって、俺が作った奴だけど・・・それが何か?」

「カミやんがそれ食っておかしくなってるんだにゃ-。何を使ったんだにゃ-?」

「普通の食材だけど・・・変なものは入れてないぞ。」

ジトッと土御門を見る。疑われると気分が悪い。

「・・・・・春池、それあなたが作ったの?」

話していると吹寄が話しかけてきた。興味あるのか?

「うん。と言っても昨日の残りだったりするが。」

「ひとつもらってもいいかしら?」

「ああ、いいよ。」

そう言って吹寄の前に弁当を差し出す。

「・・・悪いけど、流石に直接素手で掴むのは悪い気がするわ。」

「そうか。蓋は上条が持ってるしな・・・ほら。」

そう言って箸で唐揚げを摘んで吹寄に差し出す

「手を出してくれ。」

「・・・分かった。」

しかし吹寄は手を差し出さずに、直接食べた。その姿はまさしく『あーん』しているようにしか見えず教室の空気が凍った。

「(ここでまさかのラブコメ!?場違いどころか馬鹿かコイツら!!?)」

「(しかも春池はそれに対して、ノーリアクション!ハンパねぇ!?)」

「(吹寄もキャラ違うだろ!?何でだ!?)」

「(委員長、大胆ね。)」

そんなクラスメイトの反応をよそに吹寄はもぐもぐと食べている。

「・・・まさか直接食べるとは。」

「て、手が汚れるのが嫌だっただけよ。深い意味は無いわ。それより、どうやって作ったの、この唐揚げ。」

「いや、普通に作っただけだぞ。」

「・・・春池、今度からずっとご飯作ってく・・・なんでもない。」「?」

そう言って顔を赤らめつつ離れていった。何言おうとしたんだ?

『(同年代であの料理を作れるのはなかなかいないよね~。・・・咲夜お姉ちゃんの指導も今回はそれが裏目に出ちゃったか~。・・・ま、鈍感である限り大丈夫だろうけど。)』

「・・・・てことは、カミやんがおかしくなったのは春やんの料理が美味しかったから?・・・寄越せコノヤロー!!!!」

「そうだぜぃ!とっとと俺達によこすんだにゃ-!!」

「!!!そうは、させるか!不幸の中で手に入れた幸運、のがしてなるものか!」

事情を知った土御門たちと正気に戻った上条が戦い始めた。・・・これ、俺が止めるべきか?

『その必要はないと思うよ。』

そうしてると吹寄が3人のところに行く。

「フン!」

吹寄は青髪ピアスと土御門をボディブローで鎮圧し、

「吹寄、何を」

「はぁ!!」

上条は頭突きで倒した・・・・すげぇな、おい。

『・・・・ちゃっかりしてるよね、彼女。』

上条にやった弁当のおかずはいつの間にか吹寄の手に渡っていた。

 

 

 

 

放課後

 

 

 

さて今から何するか・・・

『考えてなかったの?』

頭に座っているシルフィが話しかけてきた。

・・・ああ、特に約束もなかったし。

『あのメガネの人は?』

固法?あいつは見回り。連続爆破事件の影響だろうな。

『ふ~ん・・・あの時の爆弾、なにか感じた?』

・・・悪意って奴か?なにか嫌な感じがした。

『そう。』

それだけでシルフィは黙ってしまう。表情は見えないが、何か考えているのだろう。

 

 

 

信号待ちをしていると、チョンチョンとズボンを引っ張られる感覚があった。その方向を見ると、小学生くらいの女の子がいた。

「どうした?」

「セブンスミストはどこですか?」

?セブンスミスト?

『この近くにある服屋だね。昨日テレビで紹介されてたよ。』

ほー、なら道案内頼む。

「それじゃ、一緒行くか?」

「うん!妖精さんも一緒にね!」

へ?・・・この子、見えてる?

 

 

 

 

まさか、こっちに見える人はいるとは・・・

『(まあ、珍しいよね。)』

俺は先程の女の子とともに服屋のセブンスミストに向かっている。シルフィは女の子の頭に乗って会話しつつ、俺とは念話で話している。

『(こっちで僕の姿は見えるのは少ないと思うよ?よっぽど純真な子か素質がある子位だろうね。・・・あ、この子の場合は前者の方ね。)』

ふーん。

『(まあ、この街にいる子はすぐに見えなくなってしまうから今だけだと思うよ)』

そんなことをシルフィと話しつつセブンスミストにたどり着いた。

俺も何か見とくかな。

 

 

 

「お、いいんじゃない?」

「お兄ちゃんさっきも同じこと言っていたよ?」

『まだまだだね~』

女の子の持ってきた服について感想を述べたらダメ出しされた。いいと思ってるから言ってるんだが。

『それでももっと具体的言わないとダメだと思うよ』

「それが女心だよ!」

わからん。

咲姉とかにも言われていたけどわからん。

 

 

 

入り口のところにいると伝え女の子と離れ入り口のところに向かう、一応シルフィをあの子につけたから大丈夫だろ。

適当に歩いているとふと見覚えのある顔を見つけた。正確に言うと頭だが。

「あ・・・」

向こうも気づいたようだ。

 

 

「「銀行強盗の時は助けてくれてありがとうございました!」」

そう言って二人、初春飾利と佐天涙子は頭を下げてきた。

「ちょっ、ここでやられてもほら、目立つだろ頭を下げるのやめてくれ。」

そう言うと二人はすぐに聞いてくれた。

「春池さん凄かったです!子供は見つけるは強盗を吹き飛ばすし」

「あ~、でも最後は超電磁砲に持ってかれたけどな。」

興奮気味に話しかけてくる初春。

「それでもすごいですよ!私は春池さんが居なかったら殴られていましたし・・・」

「俺としては抵抗してくれたおかげで間に合ったんだ、気にすることはない。」

元気な佐天。両方共中学1年らしい。

軽く二人と話すとお互い別行動をしているつれがいることがわかりその場で別れることにした。

「また今度お話しましょうね!」

「今度はちゃんとお礼をします!」

 

 

 

シルフィのところに戻る最中、

『来場のお客様にお知らせいたします。当店に爆弾がある可能性があります。皆様は店員の指示に従い店の外に避難してください。繰り返します・・・』

放送が流れた。

『ソラ!こっちこっち!』

シルフィと女の子がいっしょに居た。

「とりあえず外にでよう。」

そう言って女の子の手を引き外へと避難し始めた。

「早く避難しないと爆弾が『多分大丈夫だよ』・・・どゆこと?」

シルフィが言った意味がわからない。今現に避難しろって放送があってるし。

『もう犯人はぶっ飛ばしたから。』

 

 

 

 

5分前

「お嬢ちゃん」

「ん、なに~?」

一人で行動していた女の子を見つけ声を掛けた。あの風紀委員も子供が持ってきたものに対しては油断するだろう。

「このお人形を風紀委員のお、ブゲロッ!?」

いきなり強い衝撃が僕に襲いかかった。そのまま壁にぶつかり意識がなくなった。

 

 

 

 

「妖精さんこのお兄ちゃんいきなりぶっ飛んだよ?」

『笑いを取ろうとしたんじゃない?多分お笑い芸人を目指してるんだよ。』

まったく、子供を利用するなんて許せないね。そう思いつつ吹き飛ばしたメガネの男を見る。彼が近づいた時、この間の爆弾と同じ嫌な感情が彼から出ていた。だからこそ彼が人形を取り出したとき、危険と判断し攻撃した。

ま、これで懲りるといいけど。

「妖精さん、妖精さん。」

『ん・・・それじゃあ、お兄さんのところに行こうか?』

とりあえずソラのところに行って合流しよっかな。多分買い物もできないだろうし。

 

 

 

 

『と、言うわけ。』

「・・・そりゃ大変だったな。」

とりあえず外に出た後、女の子とは別れ近くの公園でシルフィの報告を聞いていた。ま、やり方は多少手荒だったけど大丈夫だろ。

「こっちに来てから面倒くさいことに巻き込まれるな。」

『むしろソラが引き寄せてるんじゃない?』

失敬な。

「ま、退屈しないけどな。」

空を見上げる。学園都市の空は狭いけど青く澄んだ色のように見えた。

 

 

 

「犯人ね・・・」

事件現場についたらメガネを掛けた男子生徒が気を失っているのが発見された。近くにスプーンの入ったぬいぐるみがあり、彼の能力は量子化速であったことも発覚して連続虚空爆破事件の犯人は捕まった。まだ不可解な点があるが同じ事件は起きないだろう。

「しかし彼を誰が倒したんですの?」

「まあ、映像データには何も写っていませんでしたし、考えても仕方ありませんよ。その誰かのお陰で私も助かりましたし、被害もなし。いうことありませんよ。」

初春は書類とにらめっこしている黒子にそう答える。

「そういえば春池さんに会いましたよ。あそこで。」

「春池って、銀行強盗の時の?」

「はい。」

思い出すのは銀行強盗をぶっ飛ばした彼。能力だけではなく素の戦闘能力も高い。もしかしたら・・・

「次会うときに確認したほうがいいですの。」

 

 

 

 

 



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第五話「物事を不幸ととらえるか幸運ととらえるかはその人しだい」

すごく、お久しぶりです


 

 

 

 

 

 

 

 

「よく飽きないな。そこだけは関心する。」

そう言って空は周りの倒れている不良達を見る。皆呻いていたり気を失っていたり様々だがすべて空がやったものだ。

「こっちはやらないと言ってるんだけどな。」

『いや、そう言って挑発をしている様に見えたのは僕だけかな?』

「相手がやる気と自信満々だったから戦うのは目に見えてたし・・・さてと。」

近くにいた気を失っていない奴のところに行きしゃがみこんで話を聞く。

「オハナシしようか?」

その時の笑顔はとてもイイ笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レベルアッパーね、なんかゲームに出てきそうな名前だな」

『ふしぎなアメみたいな?』

手に入れた音楽プレイヤー(レベルアッパー)見る。

不良何人かの話を聞いたところ、やけに自信があったのはレベルアッパーで自分の超能力のレベルが上ったからだそうだ。

「ゲームの世界じゃないからノーリスクで済むわけがないのに。」

『後先考えてないんだよ』

そもそも超能力だけレベルが上がっても意味ないんだけどな。

『これからどうするの?』

「元々ネットにあったものって言っていたから出処はわからんし調べようがないし・・・仕方ない。」

そう言ってスマホを取り出す。

『何処に掛けるの?』

「こういうのに詳しい奴。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、私を呼び出したというわけね。」

そう言って目の前の固法は少し呆れて言った。

「ま、そうだな。あと手に入れた経緯とかそういったことはノータッチで。」

「はぁ~まあいいわ、・・・・使ったの、これ?」

「使うかこんなもん。興味ないし」

コーヒーを飲みながら答える。・・・やっぱ安もんだなこれ。

「まさかくだらない都市伝説と思っていたものが君から出てくるなんて思ってもいなかったわ。」

「それはともかく質問に答えてくれ。・・・最近犯罪を犯した人間の中でこいつを使ったと思われる奴はどのくらいいる?」

「・・・余り詳しくは言えないけど、事件が増えていることに関係しているのは確実ね。」

「やっぱりか・・・」

「・・・春くんは余り首を突っ込まないようにね?更に事態が混乱するし。」

「それが出来れば苦労しない。こいつのせいでちょっかい掛けてくる奴らが増えたんだ。面倒事が増えて困っているところだよ。」

「・・・・稼いでいるんでしょ?その分。」

「それはもちろん・・・・あ。」

やられた。

ピンポーン

「すいませ~ん。『サマージャンボスペシャルパフェ』を一つ」

「何だその宝くじみたいな名前のパフェは!?というかメニューに載っていないんだけど!?」

「ここの裏メニューよ。今日は会計よろしくね?」

「・・・ちなみにいくら?」

「その時にならないとわからないのよ。店長の気まぐれで千円から十万くらいするのまであるらしいわよ。」

「ここファミレスだよな!?」

オマタセシマシタ-

「でかっ!?というかこれ使ってる食材いいやつばかりだぞ!?」

持って来たのは超特大のパフェで普通のより5倍の大きさはあるだろう。しかも全部使われてる食材は高級品だとすぐわかってしまう。

「今日は当たりの部類ね。」

『あ、僕もこれ食べたいな。』

頼めるか!?

 

この日の会計は10400円だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『で、どうするの?ああ、あと今日のご飯しっかり作らないと駄目だよ?』

「お前、さっきの状況見てそんなこと言えるな?」

『あれはソラが悪いよ。だからかんけーない!』

「そりゃそうだが。」

固法はレベルアッパーのネット上での拡散を止めるために風紀委員の事務所に戻っていった。なんでもネット関係に強い奴がいるらしい。

今俺達は時間つぶしも兼ねてプラプラ歩いているところだ。

『・・・ソラ』

「気づいてる・・・誰かずっと見てるな。」

適当に歩いて様子を見ていたがずっと誰かの視線を感じる気がする。

『どうする?』

「誘ってみるか」

人気がないところに向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・」

歩いている間ずっと視線は途切れなかった。まだついてきているようだ。

今いるのは解体予定の廃ビルの近くだ。此処なら人気が少ないし相手もこっちに接触を持とうとするだろ。

「・・・?」

そろそろ相手が来るだろうと思っていた時、別方向から人の声が聞こえてきた。何だか争っている様子だが。

『ソラ、いなくなったよ。』

「・・・・・ミスったな、こりゃ。」

追跡してきた相手に注意しすぎたな。相手もこっちが気づいていることがわかってたみたいだし。他人もいるから撤退したのだろう。

「こんなとこで何騒いでんだよ、・・・ろくでもないことは確定だな。」

『一応様子だけ見てみる?』

「念のためにな。」

そう言って騒ぎのしている方向に近づいていく

『あそこの角らへんみたいだね』

俺はそ~っと角から頭を出して様子をうかがう。

不良が4人、ボコボコになっている男が一人、それと・・・

「あいつ、佐天だったけ?」

銀行強盗の時助けた佐天だ。

たぶん今の状況としては不良が男をボコボコにしてるところを彼女が通りがかり止めようとしているところか?・・・無茶すんなよほんとに。

とりあえず止め「もっ、もうやめなさいよ!」・・・遅かったか。しかも不良の方は切れてるな。

案の定不良の一人が彼女の近くの壁を蹴りビビらせ髪を掴んだ。

「ガキが生意気言うじゃねーか。何の力もねえ非力な奴にゴチャゴチャ指図する権利はねーんだよ。」

・・・そろそろ止めるか。見ていて気分のいいものじゃないし。

「お「貰い物の力を自分たちの実力と勘違いしているあなた方に彼女を笑う資格はありませんわ」・・・」

出ようとした所、不良を挟んで反対側からツインテールの風紀委員が出てきてその場にいた全員がそっちの方を見ていた。

『プッククク・・・』

頭の上でシルフィが笑いをこらえているが無視だ。・・・今日の晩飯質素にしよう。

と、今はそんな事考えてる場合じゃないな。この機会を有効に活用しないと。

大立ち回りを始めた風紀委員に全員が注目している間に俺はこっそりと佐天に脅しをかけてた不良に背後から近づき、

「ほい」カクッ

「!?」

膝カックンをして体勢を崩し、

「離せ。」

「いてぇ!?」

腕をつかみ髪から手を離させ、

「邪魔」ボコッ

蹴っ飛ばして、佐天から離すことに成功した。

「え?・・・春池さん?」

「おう、また会ったな。・・・あと。」

「!!?~~~~~!」

軽く佐天の頭にチョップした。軽く涙目になっているが無視する。

「危ない所に首突っ込むな。」

「・・・おいテメェ。」

さっき蹴っ飛ばした不良が起き上がっていた。

「よくもまあ、蹴っ飛ばしてくれたなぁ、アア!?」

「・・・はぁ~」

「何ため息ついてんだこの野郎!?」

「別にいいがあと残ってるのお前とそこのガタイのいい野郎だけだぞ。」

不良が振り向くと既に二人は倒れていた。

「・・・アニキ、そこの野郎は俺に任せてくださいよ。」

「ジュンジ、何言ってんだ?」

「オレ、手加減できそうにないっすから、風紀委員の方やっちまうと後から楽しめないじゃないですかぁ?」

その野郎は下衆な笑みを浮かべながら言った。

「・・・そうだな、そのかわりしっかり潰しとけよ。」

その言葉を受けてジュンジと呼ばれた奴は俺の前に来た。

「へへへ、ちょうどいい、レベルアッパーの効果確かめさせてもらうぜ。」

「またここでもレベルアッパーかよ、今日は縁があるな・・・佐天、少し下がって。」

コクンと頷き佐天は俺から離れ、俺は相手を観察する。

体型は俺より二回りは大きくパワーはありそうだ。

「それじゃあ・・・大人しくぶっ潰れな!!」

不良は俺に向かって突っ込んで左腕を上から振りかぶる様に打ってきた。

バックステップで下がると、その拳は空を切るが。攻撃はそれでは終わらず更にこっちに突進し右手をフック気味に振り回し攻撃してきた。下がって躱すとその腕はそのまま壁にぶつかり壁を砕いた。

「ちょこまかと躱しやがって、大人しく潰されろや!」

俺は近くにあった鉄パイプを掴み、投げつけるがそいつは躱さずに頭に当たる。しかしダメージも傷もない。

「そんなもん効かねぇよ。」

『ありゃなんかの能力だね?こっちも使う?』

要らない。とシルフィの問いかけに念話で断りを入れ、不良に話しかける。

「やけに頑丈だな。」

「てめぇの攻撃がヘボなだけだろうが!」

「まあ、あんたの能力はわかったけど。」

「!?」

相手は少し動揺したのか動きが止まった。

「大方体を固くするものだろ?壁を殴っても手には傷一つもないし、鉄パイプが当たった時もダメージはないし、音も違ったからな。」

「・・・ふん、その通りだ!これがオレの能力、肉体硬化(ハードコート)だ!しかもいまのレベルは4。たとえ銃を持ってきてもオレを傷つけられる奴はいねぇ!」

『・・・あの人バカだね。自分でも能力を認めちゃって、全部ばらしてるし。』

それには同感。多分嘘はついていないだろう。

まあ、相手は相当能力に自信があるようで、通常の打撃ではダメージを与えられないからばれても問題ないと思っているんだろう。

「一つだけ言っとくわ。」

「?」

「あんた程度に能力を使う必要はない。」

俺は一気に距離を詰める。不良は一瞬驚くがすぐに右ストレートで迎撃しようとする。それに合わせ横から左手を添えその部分を支点に相手の右半身に回りこみつつ、攻撃をしようとする。

「攻撃は効かねぇって言ってるだろ!?」

「残念。」

回転しながら右肘を打ち込もうとして寸前で触れる程度に止め足を踏み込んだ。その衝撃は腰、肩、腕を通り肘から相手の横っ腹に放たれた。

「・・・・・・グフッ!?てめぇ、何しやがった。何の能力だ!?」

「言ったろ。」

不良は右腹を抑えながら膝から崩れ落ちる

「あんた程度に能力を使う必要はない。」

正面に回りこみ右手を鳩尾に添え足を踏み込む。その衝撃で不良は吹き飛び、壁にぶつかり倒れた。

「レベル4でこの程度・・・いや借り物だから参考にならないか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、こっちは終わったが少し消化不良だな。そう思い風紀委員の方を見るとまだ戦っていて、ボロボロになっていた。

「ジュンジ!?テメェどうやってぶっ飛ばした!?」

「どうやって?こうやってだが・・・!?」

もう一人の不良がこっちを向いて仲間が倒れているのを確認している隙に一気に接近し掌底を放つ。捉えたと思った瞬間俺の掌底は通り抜けた。

 

 

 

 

 

 

「甘いんだよ!」

持っていたナイフで仲間をジュンジをぶっ飛ばした野郎に攻撃を仕掛ける。どんな方法で倒したか知らねえが視覚情報がデタラメなら攻撃は当たらねえ。奴には正面に俺の姿が写っているから気づかねえはずだ。

そう確信しヤツの右側に回りこみナイフで刺そうとする、がいきなり奴はその場で回りいつの間にかナイフを持っていた右手が弾かれた。

奴には俺の本体は見えないはずどうやってこっちの攻撃に対応したんだ!?

「甘いのはそっちだ。」

 

 

 

 

誘いに乗った不良の出してきたナイフを払う。そのまま回転し左手を不良の顎に打ち込んだ。

ダメージを受けた不良の姿がはっきりと見える。能力を維持できなくなったようで能力としては幻影の類だろう。

「一つ言っておくぞ。」

 

弓を引くように右手を後ろに引く。

 

「例え能力が強くなったとしても。」

 

的は目の前にいる不良の鳩尾。

 

「それを扱うものが強くならなきゃ。」

 

放て。

 

「その『強さ』は偽物なんだよ。」

 

矢は的の中心を射抜いた。

 

 

 

 

 

 

「ま、こんなもんか。」

手をパンパンと叩いて、風紀委員を見ると苦戦した相手があっという間に倒されていたので唖然としていた。

「・・・なにぼーっとしてる。まだ仕事は終わってないだろ。」

「・・・・・・・はっ!?そうですの!協力感謝しますの!」

そう言って連絡を取り始めた風紀委員を一瞥して、佐天の方に行くと彼女も唖然としていた。

「おい。」

「は、はい!」

「ケガは?」

「無いです!」

「それならいい。今度からこんなところに近づかないようにしろ。いいか?」

「はい・・・って何処に行くんですか?」

「帰る。ここに居ても面倒くさい。」

「勝手に帰るのはやめていただけません?」

・・・幻聴だな、幻聴。疲れてるみたいだ、とっとと帰って寝よう。

『幻聴じゃないよ。彼女こっちを見て言ってるし。』

「明らかに呼び止めていると思うんですけど・・・」

「何帰ろうとしているんですの?」

ウオッ!?いきなり目の前に風紀委員が現れ驚いた。・・・これが瞬間移動(テレポート)か。改めて見ると驚くな。咲姉も急に現れるけどそれとは違う感じがするから純粋な瞬間移動なのだろう。

「不良の拘束、しなくていいのか?」

「心配いりません。もう既に終わっていますの。」

不良の方を見ると金属の矢で地面や壁に貼り付けにされていた。・・・仕事早いな、おい。

「それなら、帰ってもいいよな?俺は巻き込まれた。身の安全と彼女(佐天)を助けるために攻撃した。はい証言終わり帰っていいよな?」

「駄目ですの。」

「これ以上一般人に関わる理由はないと思うけど?」

「少なくともスキルアウトを簡単に倒せる方が一般人と言えるとでも?」

ああ言えばこう言う、面倒くさいのに目をつけられたか。

「喧嘩が強い奴なんていっぱいいるだろ?」

「ええ、でもあなたは逃がすわけには行かないですの・・・春池空さん?」

「!?・・・なんで名前を?」

「固法先輩から聞いていましたので、遅れましたが私、白井黒子と申しますの。協力してくれたお礼と聞きたいことが有りますのでご同行をお願いいたしますの。」

「・・・もし断ったら?」

空気が張り詰めたものになる。佐天が俺らを交互に見てあたふたしている。

「ご自宅に押しかけ瞬間移動で連行してお話してもらいますの。」

「容赦無いな!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありません。トラブルのため接触を断念しました。」

そう携帯越しに報告しているのは男物の黒スーツを身に纏った女だった。長い金髪、整った顔立ちの女だったが、通り過ぎる人たちは一瞥もくれない。

『仕方ありません。人目につくところではまずいですしその状況で接触すれば、交戦は避けられないでしょう。さすがにその街だと色んな目があるだけに鬱陶しい。』

「では、『やめておきましょう』」

続けましょうか?と言う前に止められてしまう。

『一旦監視は最低限度に。しかし夏休みに入ってから監視レベルを上げてください。このままでは相手にいらぬ警戒を与えます。』

「・・・畏まりました。」

今の主人の言葉に従う。正直なところ早急に進めたいところだったが、

『急いては事を仕損じるといいますからね。それに出会いにはそれなりの場は必要でしょう?』

「・・・ええそうですね。」

あの時の私のように。その言葉は胸の内に潜めておく。

報告を終え電話を切る。そして接触しようとした青年を思う。

「これが彼にとって幸運か不運か・・・こればかりはわかりませんね。」

願わくば私みたいにならないでほしい。そう思い街中から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長い間お待たせしました。(待ってる人いたかわからないけど)


とりあえずスローペースで書いていきますのであまり期待せず気楽にお待ちください。


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