Fate/Grand Order ~巻き込まれた特異と少女たち~ (コーラテートク)
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1章 特異点F
第1話
不定期更新ガンバルゾー(棒)
《???Side》
「───ここは、どこだ。」
燃え盛る街、人の気配が感じられないその場所に、一人の青年が立っていた。
辺りを見渡してみても、崩れたビルと焼けた地面くらいしか目に映らない。
「また、
そう呟くと、青年はいつの間にか持っていた二振りの剣で背後にいたスケルトンを切り伏せる。
「何が起こってるんだ。ここは冬木、だよな?」
黒と白の双剣を持ち直し、跳ぶ寸前の光景を思い出そうとする。
───あの時いた場所も冬木だったが、こんな世界の終わりを体現したような状態にはなっていなかったはずだ。
改めて周囲を確認すると、見渡す限りの骨、骨、骨である。
「…とりあえず、こいつらを蹴散らして落ち着ける場所を探そう。」
そういうと、青年はスケルトンの大群に突っ込んでいった───
《カルデアSide》
「───はぁっ!」
気合とともに、おおよそ人間の力では振り回すことなど出来そうもない大盾が振るわれ、スケルトンが吹き飛ばされる。
吹き飛ばしたスケルトンが動かなくなったことを確認し、軽く息を吐く。
「ふぅ…。戦闘終了です、マスター。」
「お疲れ様。やっぱりすごいね、マシュは。」
「い、いえ、センパイのサポートがあってこそです。」
マシュと呼ばれた少女は、センパイと呼ばれた青年───〈藤丸 立香〉の称賛に、謙虚に反応する。
どこか緩い雰囲気に思うところがあったのか、同行しているもう一人の女性───〈オルガマリー・アニムスフィア〉が
「油断しないで、どこに敵が潜んでいるか分からないのよ?」
と不機嫌そうな顔で警戒を促す。
「そうですね、気を付けます。」
そう言って正面に向き直った瞬間───
黒い風が立香たちを薙ぎ払った。
直撃はしなかったものの、衝撃によりかなり後方まで飛ばされ、壁に背を打ち付ける。
「か、は…!?」
一瞬息が詰まったものの、痛みをこらえて先程までたっていた場所を見る。
「くっ、マスター、所長、無事ですか!?」
マシュは何かと相対していた。一瞬たりとも目を逸らさず、黒い影を見据えている。
「だ、大丈夫!気絶してるけど所長も無事だ!」
───じゃらりと鎖が揺れる。ゆらゆらと体を揺らしながら、黒く染まった影が立香たちを睨みつける。
「コロス…。」
「ぇ?」
そんな言葉が聞こえたと同時に、マシュの体は宙を舞っていた。
勢いのままに吹き飛ばされるマシュの体を、間に割って入る形で何とか受け止めることに成功する。
だが、吹き飛ばされたときに頭を打ったのか、ピクリとも動かない。
「マシュっ、しっかりしろマシュっ!」
今の最高戦力であるマシュがロクに反応すらできずに倒された。
この事実に、恐怖が心を支配しそうになる。
ここで全員死んでしまうのか、と諦めそうになる。
「…でも、今マシュを守れるのは俺しかいないんだ!」
マシュは倒れ、所長も気絶している。
こんな状況で自分まで諦めてしまえば、間違いなく全員が死んでしまうだろう。
だから、
「絶対に、諦めてたまるかっ!」
動き出したソレに対し、負けてやるものかと心の底から叫んだ瞬間───
飛んできた
いやー、この黒と白の剣って何なんでしょうね?
Fate系は書きたいと思うけど戦闘シーンが多いから怖いところです(´・ω・`)
多分、ここからは大半が主人公視点になるんじゃないかな…?
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第2話
…するかな?
「これで、終わりだ!」
青年が降り抜いた白黒の双剣が最後のスケルトンを叩き切った。
「やれやれ、まさかこんなところで100人(体)切りを達成するとは…。」
今現在、青年が倒したスケルトンの数は100を超えていた。
勢いよくスケルトンの群れに突っ込んだまでは良かったのだが、群れの数が100を超えることを悟った瞬間、
「なんでさ…。」
と辟易としたものである。
まあ、己を鍛えてくれた師匠の口癖が出てしまっても仕方がないのである。
───仕方がないったら仕方がないのである。
何とかスケルトンを倒し切り、骨まみれの地面で軽く休んでいたのだが───
すぐ近くで、轟音が鳴り響いた。
「これは…。」
青年が感じたのは、スケルトンなどとは比べ物にならない魔力量である。
「間違いない、サーヴァントの魔力…!」
即座に気持ちを切り替え、魔力が流れてくる方向へ走る。
警戒を最大に引き上げそれが目に映った瞬間、
───驚くほどに呆気なく、サーヴァントらしき黒い影を貫き灰塵に還してしまった。
「なんでさ…?」
本日二度目となる青年のため息が吐き出された。
───襲われていた彼らの話を聞いていて分かったことがいくつかある。
一つ この場所は特異点と呼ばれる場所であり、本来は存在しない歴史であること。
二つ 彼ら(藤丸立香、マシュ・キリエライト、オルガマリー・アニムスフィア)は、この場所のように存在しないはずの歴史を修正するために来たこと。
三つ 先程のサーヴァントらしきものはサーヴァントではあるものの、本来持っている力には遠く及ばないということ。
そして四つ 発生した特異点を修正しなければ人理が焼却され、人の歴史は終わりを告げること。
「つまり、特異点とやらを修正しないと世界は終わりってことですかそうですか…。」
なんてものに巻き込まれてるんですかねぇ、俺は…。
と物思いに耽っていた訳だが、藤丸が何か言いたそうにしていることに気付く。
「どうした?」
ずっと見られているのも困るのでとりあえず聞いてみる。
少し言いづらそうにしていた藤丸だったが、一呼吸してから口を開く。
「そろそろ君の名前を教えてくれないかな?ずっと君って呼ぶのもやりにくいしさ。」
「…。」
あぁ、伝えるの忘れてた。
数秒してから咳払いを一つ、自身の名を伝える。
「ああ、悪かったな。俺は
───ここから、物語の歯車は回りだす。
これはまだ、序章に過ぎないのだから───
えみや、衛宮?
…ここからどうやって書いていこうかなぁ(;'∀')ㇵㇵㇵ
誤字脱字等々ありましたら、お気軽にお伝えください。
というかお願いしますミスってたら恥ずかしいのです(´・ω・`)
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第3話
あの人との繋がりは如何に…!?
「俺は衛宮、衛宮誠だ。」
簡単な自己紹介をすませ、情報の礼として携帯していた食料を少しばかり分ける。
最初は受け取れないと渋っていた彼らも、
「受け取らなければ捨てるだけだ。」
と伝えると受け取らざるを得なかったようだ。
厄介なことになった───
黒い影のようなサーヴァント───シャドウサーヴァントと呼ぶことにする───が一騎接近しているらしい。(予想以上に弱かったが)
近づかなければほぼ感知出来ない俺とは違い、優秀なサポーターがいて羨ましい限りである。
「さて、こういう場合どうするべきだと思うよ、藤丸。」
「ここにいるメンバーで、シャドウサーヴァントとまともに戦えるのは…衛宮だけだ。」
慌てる様子が見れるかと思い藤丸に振ってみただけだったのだが、
「───ほう、つまりお前は自分のサーヴァントを信用していない、と?」
少しばかり聞き捨てならないことを言いやがった。
「い、いや、そういうつもりで言ったわけじゃ…!?」
藤丸の言葉を聞いた瞬間、マシュが泣きそうな顔をしていたのを俺は確かに見た。
「今のお前の言葉を聞いて、お前のサーヴァントは───マシュは何を思ったんだろうな?」
「…。」
「そ、それは…。」
自分の仲間を信じられないのは三流以下だ。
あまり、愉快な気分ではない。
「戦えないならいいさ。後は、俺がやる。」
───彼らが戦うことが出来ないのなら、彼らが戦わなくても済むように俺が全て片付けてやる。
大橋の下、俺はシャドウサーヴァントと対峙していた。
「見ツケタゾ、漂流者ァ!」
「ランサーか…。」
槍を携えた大男、真名は不明、干将・莫耶を投影し油断なく構える。
「本来なら俺が英霊に敵う通りはない。」
当然だ。究極の一を極めた存在に、投影しか能のない半端者が勝てる筈はないのだ。
師匠は別格だけど───と心の中で呟き、苦笑する。
「だが、今は貴様も半端者だ。勝てない通りはないだろう?」
「ホザケ!」
そう叫ぶと、一直線に突っ込んでくる。
突き出された槍を干将で受け流し、体制を崩したランサーに莫耶で切りかかる。
しかし、即座に体勢を立て直し回避される。
「ドウシタ、ソノ程度カ!」
「腐っても英霊ということか。ならこれはどうだ?」
魔術行使の
「───I am the born of my sword...干将・莫耶オーバーエッジ!」
それと同時に干将・莫耶に変化が起こる。
鳥の羽のようにリーチが伸び、鋭さが増す。
「一撃で決めてやる。」
「オオオオオ!」
誠の技に触発されたのか、雄叫びを上げ突撃してくる。
───一瞬、槍と双剣が拮抗し、双剣が槍ごと敵を切り裂いた。
基本、誠はあの人の戦い方と同じです。
プリズマイリヤ要素はまだ後ですね、しばしお待ちを(;'∀')
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第4話
許してください何でもしますんで!(何でもするとは言ってない)
振り抜いた双剣が槍ごとランサーを切り裂く。
その一撃で霊基に致命的な傷を負ったのか、俯いたまま消えていくランサーだったが───
完全に消滅する寸前、その口元が見えた。
ランサーは───
嗤っていた。
ゾクリ、と背後に悪寒が走る。
直感に従い、即座に離脱しようと動き出したのだが、遅かった。
その直後、背後に現れたサーヴァントに背中を切り裂かれる。
否、いきなり現れたのではなく、元から近くに潜んでいたのだろう。
気付けなかった。簡単に言ってしまえば油断していただけだ。
「が、ァ…!?」
元々狙われていたであろう首に当たらなかったのは幸運だった。
だが、どれだけ強かろうと、誠は人間だ。
それだけに、今の一撃は致命的だった。
「ア、アサ、シン…!」
「甘イ、甘イゾ。イツカラ敵ガ一人ダト思ッテイタ?」
「ぐ、くそぉ…!」
悔しさが込み上げてくるが、そんなことを考える暇すらなく追撃が来る。
咄嗟に干将・莫邪を盾にして防ごうとするが、力なく添えられただけの剣で防げるほどサーヴァントの攻撃は甘くなかった。
剣は弾き飛ばされて消滅し、誠自身も直撃は免れたものの、大きく吹き飛ばされ壁に激突する。
「が、ぁ…。」
肺の中の空気が吐き出され目の前が真っ暗になる。
苦しい、呼吸が出来ない。
激しい痛みに視界が歪み、意識が飛びそうになる。
ふと、脳裏に褐色の白い髪の男の姿が映る。
その男は皮肉気な表情を浮かべ口を開く。
───諦めるのか?ここで倒れたら、誰がこのアサシンと戦う?
その言葉を聞きふと蘇るのは、最後に別れた藤丸たちの姿である。
まだだ、まだ力は入る。
「ム?」
「俺、は…!」
魔力も問題なく使える。
───ならば貴様はどうする?
「俺は…!負けられないんだ!!!」
己の心からの叫びとともに、力を振り絞って立ち上がる。
───フッ、そうか。なら少しだけ、力を貸してやろう。
師匠からもらったお守りが光を放つ。
「ソノ光ハ…!?」
中に入っていたのは───
「これは…?何かの欠片と、カード?」
黄金に輝く欠片と、弓を射る人が描かれたカードの二つ。
手に取った途端、先程の男の声とは違う、どこか機械的な声が聞こえてくる。
───貴様は、何を望む?
「戦う力を。」
───何のために戦う?
「守るため、救うために。」
───その願い、聞き届けた。
最後にその言葉が聞こえた瞬間、黄金の欠片から凄まじい光が迸る。
光が収まる。欠片は消え、代わりにカードケースのようなものが腕に装着されているのが確認できた。
何故かは知らないが、使い方は理解できている。
「さて、反撃開始だ。覚悟しろよ?」
何書いてるか分かんなくなりそう…。
小説初心者なんで多めに見てください(´・ω・`)
あと感想とかいただけると嬉しいです。
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第5話
ただ、書き進めるのに時間が足りないの(´・ω・`)
「さて、反撃開始だ。覚悟しろよ?」
「キサマァ!!!」
───
「サセヌゾォォォ!」
どこか焦ったように飛び掛かってくるアサシンを躱し、逆に蹴り飛ばす。
「───ここに誓いを告げる。
我が呼び声に答えし英霊よ。
汝の身は我が下に、我は全ての信を置きてこの命を預けよう。
いざ、いざ、いざ!
抑止の輪より君臨し、秩序を正す標となれ───!」
カードホルダーからカードを引く。
カードは───
金のアーチャー。
光に包まれる。
───やはり私か。やれやれ、チュートリアルということかね、全く…。
脳内に響く声は先程の男のもの。
───呼ばれたからには力を貸そう。理想に押し潰されるなよ?
「そこらの管理は任せるよ。何せ、
───フッ、その期待に応えられるよう、貴様の命を預かろう!
光が収まる。
体制を崩していたアサシンだったが、すぐさま次の行動に移ろうと振り向く。
そして、こちらの姿を見て驚愕する。
「ナ、ナンダ。ソノ姿ハ!?」
「なに、気にすることはないさ。貴様にとっては些細なことだろう?」
元より少しばかり黒くなった体に赤いコートを纏った姿、
「そうは思わないかアサシン───
以前と変わらない黒髪の誠が、そこに立っていた。
「キ、サマハ…!キサマハ何者ダ!?」
「俺か?俺は…。」
ゆっくりとアサシンに向かって歩き出す。
「ク、クルナ!」
「衛宮誠、別世界の衛宮士郎を師に持つ者だ。」
そう言って、
「まあ、もう聞こえていないだろうがな。」
霊基を両断されたアサシンが塵となって消えていく。
「…ところで、これってどうやって解くんだろ?」
───私が知るはずないだろう。
《???side》
「ライダー、ランサー、アサシンが落ちたか。例え、私だけになったとしても、必ず…。」
詠唱はオリジナルです。
おかしいところばっかりだとは思いますが、こんな小説でも良ければ見ていってくださいねー。
イベ周回辛いです(´・ω・`)
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第6話
艦これとかFGOイベとかマイクラとかやってたわけじゃないです(;'∀')
お待たせして申し訳ございませんm(__)m
進む───
赤いコートを身に纏った男は、群がるスケルトンたち(稀にキメラ)を薙ぎ払い、進み続ける。
「ふぅ、いい加減スケルトンにも飽きてきたな…。」
───仕方なかろう。根本を解決しなければ湧き続けるパターンだろう、所謂無限湧きというやつだな。
「そうは言っても、この特異点を成り立たせている要因が分からないと解決しようがないんだよなぁ…。」
なにか知らないのか、と言外に問いかけてみる。
───まあ、心当たりはあるが…。
「だよなぁ、あるわけ………え?あるの?」
希望的観測でしかなかったのだが、思わぬ返答が返ってきた。
───ここには多少縁があってな。
「へぇ、そうなのか。それで、その心当たりっていうのはなんなんだ?」
───
「大聖杯?聖杯とは違うのか?」
───大聖杯とは、聖杯を君臨させるためにこの冬木の地に流れる霊脈を利用する術式のことだ。特異点とは、一種の固有結界のようなものだ。大聖杯の魔力で維持されていると考えるのが妥当だと思うぞ。
「つまり、今はその大聖杯を目指して進んでいるってことか。」
───そういうことだ。さて、大聖杯の前にもう一仕事あるようだぞ。
それと同時に、サーヴァントらしき魔力が接近してくるのを感じた。
「この魔力量、並のサーヴァントじゃない!」
即座に白と黒の双剣を構え───即座に飛びのいた。
その直後───
「■■■■■────!!!!!」
狂気に染まった大英雄が、誠の立っていた場所を粉砕した。
「こいつは…!?」
───まさか、こいつと再び出会うことになるとは…!
アーチャーの焦った思考が流れ込んでくる。
───逃げろ!奴と戦っても勝つことなど出来ん!
「勝てないってのは、どういうことだ!?」
現れたサーヴァントの攻撃をひたすらに避けながら、アーチャーに尋ねる。
───あの巨躯と手に持っている斧剣。そして何より、身に纏っているあの覇気だ。間違いない、
「ヘラクレス、だと!?」
最高神ゼウスとペルセウスの孫・ミュケナイ王女のアルクメネの間に生まれた、半神半人の大英雄。
心技体に優れ、あらゆる武具を使いこなすその技量は、剣・槍・弓矢等、何を取っても百発百中の腕前を誇るとまで言われる最高峰のサーヴァント。
───つまり、実力は英霊の中でも最強に近いものだ!
「だからって、逃げられる状態じゃないだろ!」
アーチャーの力を身に宿した状態ですら回避で手一杯なのだ。
このまま回避を続けてもジリ貧になる。
「なら…っ!?」
考え事をしていたせいで反応が僅かに遅れた。
咄嗟に盾を投影し直撃は防いだものの、振るわれた剛腕になす統べなく吹き飛ばされる。
「ぐ、はぁ…。ガードしたのに、なんて威力だよ!?」
───あまり攻撃は受けるな!今の状態が保てなくなるぞ!
「了解。けど、距離は稼げた。今なら打てるだろう!」
一撃で葬れるよう、魔力を最大まで高める。
───待てっ、奴は!
「───
弓を構え、ある宝具を投影する。
「───
放たれるは空間をも貫く無敵の徹甲弾。
───そして、捩じれた刀身がヘラクレスの体を吹き飛ばした。
不定期ですけど頑張ります(;^ω^)
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第7話
「はあっ、はあっ…。宝具投影に魔力を使いすぎたか、休まないと、少し厳しいな…。」
───バ──ノ!─やく離─ろ、そい─は!
魔力を多用したためか、アーチャーの声が聞こえにくい。
「なんだって?まあいいか…。
藤丸たちが見つかっていたら間違いなくやられていた、それほどの強敵だったのだ。
「さて、早いこと離れないとな。」
重い体を引きずって離れようと踵を返した瞬間、背後が爆ぜた。
「なんだ!?」
咄嗟に体を捻り、飛んできた破片を回避するが、視界に映ったものに言葉を失う。
「おいおい、嘘、だろ?」
───だから待てと言っただろう!あれは簡単に殺せる相手ではない、今すぐに撤退しろ!
「■■■■──!!!」
「っ!?
凄まじい力で投げつけられた斧剣を、咄嗟に
「ま、りょくが…。」
魔力の大幅な消耗により、視界が歪む。
───馬鹿者!意識を保て、ここで意識を飛ばせば死ぬぞ!
「わ、かって…。ぐぁぁっ!?」
そして、その隙を見逃す狂戦士ではなかった。
斧剣の一撃をもろに喰らい、瓦礫に叩きつけられる。
───誠!?
「なんとか、生きてる…。」
───ちなみに、先程の防御で魔力がほぼ空になっているぞ。英霊化も保てない、解除する。
その言葉を最後に、反応が返ってこなくなった。
「………え。」
「■■■───?」
敵にも心配される始末である。
《カルデアside》
誠がヘラクレスと戦い始めて少しした頃───
「聞こえたかマシュ!?」
「はい、聞こえました!」
「きっと衛宮が戦ってるんだ。急がないと!」
藤丸たちは───走っていた。
「ちょっと、どこにいくつもりよ!?」
途中で合流したキャスターが話し出す。
「おいおいおい、俺はオススメしないぜ?なんせそいつが戦っている相手はバーサーカーだろうしな。」
「バーサーカー?確かに狂化してステータスは上昇している筈だけど、そこまで驚異になる存在では…。」
「奴の真名はヘラクレス、大英雄ヘラクレスだ。」
「ヘラクレスですって!?(誠視点で記載済みなので以下略)」
「ああそうだ。奴と戦ったことのあるやつしか知らんだろうがな、奴はとてつもなく厄介な宝具を持ってやがんだ。」
「宝具?」
「
「走りながらも説明していただき、ありがとうございます!ですが、それはつまり、倒す手段が無いと言うことなのでは!?」
「おう、普通なら殺すことなんざ出来ねえよ。だから行くのはオススメ出来ねぇ。…んで、どうすんだ」
「「早く行かないと(行きましょう)!」」
「…全く、甘いマスターだぜ。なら急ぐぞ!」
「「了解(です)!」」
「…どうしてこうなったのかしら。」
《カルデアsideout》
今頃失態に気付く(´・ω・`)
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第8話
とはいっても、かなりの期間が空いている(´-ω-`)
《カルデアside》
「そういえば、さっき遭遇したアーチャーだけど、なんで攻撃してこなかったんだろう?」
「そうですね、キャスターさんとはお知り合いのようでしたけど…?」
「…さあな、あいつことなんざ知らねえよ。」
───現在に戻る。
《誠side》
「■■■───!」
先程、一瞬だけ心配するような素振りを見せていたヘラクレスだったが、今は誠に止めを刺すべく行動を開始しようとしていた。
(くそっ!どうする、どうすればこの状況を打破出来る…。出来ることと言えば投影か
自身が取れる行動について考える。
(まず夢幻召喚はダメだ。アーチャーとは音信不通のままだし、他の英霊を呼ぼうにも魔力が底を尽いてる。投影も同じだ。今の魔力じゃ干将・莫耶の投影で手一杯だ、これじゃあ意味がない…。)
そして気付けば、ヘラクレスは目前に迫っていた。
「しまっ!?」
「■■■■■───!!!」
さらに振り下ろされる一撃に、なすすべなく弾き飛ばされる。
なんとか直撃は避けたもののその威力は絶大で、血を吐き地面に倒れ伏す。
「ご、ふ…。」
止めを指そうとヘラクレスが突っ込んでくる。
その様子をぼんやりと眺めながら、
(ああ、ここで死ぬのか…。死ぬ瞬間はゆっくりに見えるって本当だったんだなぁ。)
などと考える。
ふと、冬木で過ごしていた時のことを思い出す。
(師匠や凛さん、ルヴィアさんには、いろんなことを教えてもらったなぁ。ま、あの人たちなら俺がいなくても元気にやっていけるだろうけどな。)
師匠─衛宮士郎には今の基礎となる投影と家事全般を、凛やルヴィアには魔術を叩き込まれた。
───ヘラクレスが斧剣を振りかぶる。
(クロ、美遊───イリヤは、あの娘たちは悲しんでくれるかな。)
突然現れた得体の知れない誠に対し、よく懐いてくれた少女たちのことを思うと、少し悲しくなる。
「せめて、お別れくらいは言っておきたかったなぁ…。」
───迫るヘラクレスの斧剣。
そうっと目を閉じ、来るであろう痛みを待つ。
だが、痛みは訪れることなく───
「「
「
「■■■───!?」
聞き覚えのある声と、
「───ぇ?」
「「「大丈夫(ですか)、
「な、なんで君たちがここに…?というか、その格好は一体…。」
───そこには、いかにも魔法少女、といった服装の
《カルデアside》
「まだ着かないの!?」
「もう少しです、所長!」
「間に合え…!」
「あと少しだ、悩んだりする前に足動かせ!」
───藤丸たちが合流するのは、まだ少し先である。
誠が飛んでくる寸前にいたのは、雪花の誓い(アニメ完結後)の少し後くらいです。
師匠とは美遊の世界の士郎のことですね。
また、詳しい話は小説内で(^_^;)
次の投稿がいつになることやら…。
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第9話
「あれ?どったの君たち?」
「「「…。」」」
「ぁっ、ちょっ、ヤメッ!?」
「「「………大丈夫(ですか)、
「あ、ああ、なんとかな。助かったよ。」
(…触れられたくないんだろうなぁ。)
イリヤたちからの圧力で、服装について触れられたくないのだろう。と理解は出来た。助かったのも事実だ。
───だが、ある疑問が浮かび上がる。
「なぜ、君たちがここに…?」
彼女たちは別の世界の住人だった。
確かに、小聖杯の機能を有してはいるが、それだけで世界は越えられない。
誠のようなイレギュラーは除くが。
「それが…。」
「分っかんないのよねぇ。私たちは、おにいちゃんの姿が見えないから探してただけだったし。」
「誠さんを見つけて近付いたら、急に目眩がして…。気付いたら誠さんが襲われてて。」
「…そうか。」
恐らくだが、この少女たちは誠の空間転移に巻き込まれたのだろう。
(つまりは、俺のせいだ。俺がこの娘たちを巻き込んでしまったんだ。)
───誠の空間転移は特殊である。自らの意思に関係なく、ある日突然に起こりうるのだ。
「というか、何があったの?こんなにボロボロになってるし…。」
「ああ、それは─」
イリヤの質問に答えようと口を開くが、
「───。」
今の一撃で命を一つ削れていたらしく、バーサーカーの蘇生が開始されていることに気付く。
「っ!あんまり時間はなさそうだ、なんとかこの場を切り抜けないと…。」
同時に、イリヤたちも敵の姿を再度認識したようで─
「やっぱりアレって…。」
「バーサーカー、よね?」
「でも、前に戦った黒化英霊よりも弱体化してるような…。」
冷静に分析し始めた。
どうやらこの娘たちは戦い慣れしているだけでなく、普通ではありえない戦闘経験があるようだ。
「どういうことかは後で詳しく聞かせてもらうとして、だ。この状況、どうする?ちなみに、俺の魔力はもう空っぽだ。ほとんど何もできやしない。」
「ええ!?ど、どうしよう…。勢いで来ちゃったけど、今カード持ってないよ!?」
「カードって何だ?」
「かつての英雄たちの力を宿したマジックアイテムです。このカレイドステッキで力を引き出すことで、英雄の力を借りることができるようになるんです。私たちはクラスカードと呼んでいます。」
と、美遊が説明してくれる。
「なるほど、そのステッキは魔術礼装なのか。それに、クラスカードか…。」
『ザッツライトですよぉ!このルビーちゃんと妹のサファイアちゃんの力で、可憐な魔法少女たちは更なる力を得るのです!』
───なんか、ステッキが喋った。
誠は、イリヤたちが魔術に関わっていること自体知りませんでした。
イリヤたちの攻撃が通じたのは、ヘラクレスが黒化していることにより宝具が弱体化しているのと、カレイドステッキの最大出力がAランク総統であるためです。
また、クロの偽・偽・螺旋剣Ⅲが通じたのは、士郎・誠の偽・螺旋剣Ⅱとは創り方が違うためと考えています。
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第10話
今回は訳が分からないことになってる気がします、です(´・ω・`)
「うん…。最近の魔術礼装はしゃべるんだなぁ。」
「ああっ!?誠さんが混乱してる!」
「そりゃそうよねぇ…。本来なら意思を持って話すステッキなんてありえないもの。」
クロの言う通りである。
音を発生させる魔術礼装は存在するが、自らの意思を持って行動・発言する魔術礼装なんてものは、もはや魔法の領域なのだ。
「誠さん、大丈夫ですか?」
「…はっ!?え?ああ、大丈夫、大丈夫。心配してくれてありがとうな。」
心配そうにこちらを見ている美遊の頭をなでながら、軽く微笑んでお礼を言う。
「ひゃっ、あの、その…。」
何故か顔を俯かせてしまった。
「あ、ごめん。驚かせちゃったか。」
「い、いえ。もう少し…。」
「「…羨ましい!」」
「?」
何故か羨ましがられた。イリヤたちも美遊を撫でたかったのだろうか?
『姉さん、これは…。』
『いやぁ、なかなかの朴概念ですねぇ。イリヤさんをいじるネタが増えました♪』
「はぁ…?あんまりイリヤたちをいじめてくれるなよ?」
『わかってますよぉ。イリヤさんが本気で嫌がることを、このルビーちゃんがするわけないじゃないですか!』
どうだかなぁ…。などと軽口をたたくことで緊張感は紛れた。
そして、タイミングを見計らったように、ヘラクレスの蘇生が終わる。
「■■■───!」
再度咆哮を上げ、己の命のストックを減らした相手に目を向けた。
「来るか!?」
なけなしの魔力をかき集めて干将莫邪を投影、即座に動けるように体勢を整える。
───だが、ヘラクレスの視線がイリヤに向いた瞬間。
自由意志のないバーサーカーであるヘラクレスが、明らかな動揺を見せた。
「ぁぁ…。」
そして、
「生きていてくれて、ありがとう。」
と慈しむような顔で呟いた。
「■■■───!!!」
その後ヘラクレスは大きな声で咆哮し、崩れた街の中に消えていった。
ヘラクレスが去ったため、一度休息をとることにする。
「あのヘラクレス、イリヤのことを認識して…?いや、まさか、な。」
思考を奪われているバーサーカー、かつ戦闘しか考えられない黒化サーヴァント状態だったにも関わらず、意思を伝えて見せたヘラクレス。
その理由に、一つだけ心当たりがある。以前別の
その話の中では、ヘラクレスはイリヤを守ることができず、イリヤが殺されてしまった。
───もし、この世界がその世界線と似たものであったなら。ヘラクレスのあの行動にも納得がいった。あの大英雄はずっと、イリヤを大切に思ってきたのだろう。
だが、それを誠の口から語ることはない。己の胸に秘めておくべきことなのだろうと感じた。
まあ、ヘラクレスとともに戦うようなことがあれば話は別なのだけれど。
今回のヘラクレスの行動については、Fate/stay night 及びに、Fate/stay night[Unlimited Blade Works]を見られた方なら想像はつくかな、と思います。
ここから、誠が辿ってきた世界も何となくは分かる───かもしれないとか思ってたり思ってなかったり?
まずは読みやすい文章を書けるようにしていきたいかなぁ(遠い目)
思いつくままに書く、はだめですなぁ…。
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第11話
一方、藤丸君たちは…!?
思考を打ち切り、体を休めることに集中する。
すると、同じように休んでいたクロが話しかけてきた。
「ねえ、おにいちゃん。さっきカードについて聞いたとき、心当たりありそうな感じだったけど。」
「心当たりというか、持ってるというか…。」
恐らくは、弓兵が描かれたあのカードのことだろう。
「これのことだろ?」
一度使ったカードを取り出して見せると、
「アーチャーのクラスカード!?」
「嘘!?」
美遊とイリヤは驚いていたのだが、クロだけはなぜか納得したように
「やっぱり…。なんか違和感あったのよねぇ。」
と呟く。
「ど、どういうこと?なにか知ってるのクロ?」
「そのカードに宿っている英霊、私の中にあるカードと同じ英霊なのよ。」
「同じ?」
「恐らくは
「「「師匠(お兄ちゃん)の!?」」」
「ま、そんなことはどうでもいいのよ。問題は、なぜ私の中にあるはずのカードをおにいちゃんが持っているのか、ってところよ。」
割と重大な事実だったはずなのだが、軽く流されてしまった。
「そうだ、クロは大丈夫なの!?体に異常はないの!?」
クロに近づき、顔をペタペタと触るイリヤ。
「ちょ、そんなに慌てなくても大丈夫よ。だって、カードはちゃんと
そういって自身の胸を指すクロ。
「ほぇ?」
そして、まったく理解できずにいるイリヤ。
「多分、クロが言ってるのは…。」
それを見かねてか途中から黙っていた美遊が説明してくれた。
同じ英霊が宿ったカードが二枚存在することはあり得ないのだ、と。
「な、なるほど。」
『まったく理解できてなさそうですねぇ。…ま、イリヤさんですしねぇ。』
「ちょっと!?私だからってなに!?」
『そのまんまの意味ですよぉ♪』
ウガー!とルビーを追い掛け回すイリヤを背景に、
「わかりやすく言えばドッペルゲンガーとかかしら。まあ、出会ったら即サヨウナラなんて物騒なことは起こらないからいいけど、力が出にくいっていうのも確かなのよねぇ。」
とぼやくクロであった。
〈(たまに出てくる)カルデアside〉
誠たちが合流する少し前───
誠の救援に向かうべく駆けていた藤丸達だったが、
「───止まれ。」
キャスターの制止により歩みを止める。
「どうしたんですかキャスターさん、早く行かないと誠が!」
「いえ、センパイ。誠さんのことが心配なのは私も同じですが───下がって!」
「え…?うわっ!?」
マシュに腕を引っ張られ地面に倒れる。
倒れた藤丸の頭部を掠め、黒い剣線が飛んでいく。
「───そこか!」
キャスターの放った炎が崩れた瓦礫を吹き飛ばす。
だが、
「なにも、いない?」
「いいや坊主…。後ろだ!」
言われるがままに振り向く。
───そこには、悪夢がいた。
元はきれいだったであろう金髪はくすみ、黒く染まった鎧と剣を身に着けた漆黒の騎士。
「…。」
かつて騎士王と呼ばれた、サーヴァントとしては最高峰とまで言われた最優の騎士───
アーサー・ペンドラゴンが反転した存在が、藤丸たちの前に立ちはだかった。
いろいろとストーリーが改変されてしまった(;´・ω・)
現在、残っていると確実に判断できるサーヴァントは───
セイバー、アーチャー、キャスター、バーサーカーです。
決戦はどうなることやら…。
色々と修正を加えました。
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第12話
今回はいつもより長めですー
そして主人公(誠)たちが出てきません。
黒い風が周囲を凪ぎ払う。
圧倒的な力が振るわれる度、周囲は更地になっていく。
堕ちた騎士王───アルトリアオルタと呼ぶことにする───の剣線は藤丸たちを確実に追い詰めていた。
「おいおい、洒落にならねえぞ…!」
戦況はかなり悪い。
以前対峙した時以上の力を、アルトリアオルタが発揮していたためだ。
クーフーリンとしても、以前が全力だったとは思っていなかった。
だが、それを踏まえてこちらも勝てると判断した戦力を揃えていたのだ。
───にも関わらず、実際に戦ってみればこの様だ。
一方的に攻められ、防戦一方の状態が続いていた。
「くっ、うぁっ!?」
盾で剣を防ぎ続けるマシュも限界が近い。
何度も地面に叩きつけられ、その度に立ち上がり耐え続けている。
クーフーリンは考える。
(どうする、一か八かで宝具を使うか?だが、あの嬢ちゃんだけじゃ魔力が溜まるまで持たねえ。くそっ、手が足りねぇ!)
クーフーリンもただ眺めていた訳ではなく、キャスターとして召喚される大きな理由であったルーン魔術で援護していたのだが、アルトリアオルタが有する対魔力と全身を包む魔力により決定打を与えることが出来ないでいた。
(せめてランサーのクラスで召喚されてりゃあ、もうちょいやりようもあったんだが…。)
「あっ!?」
再度マシュが吹き飛ばされ、藤丸の足元まで転がってきた。
「マシュっ!?」
「う…。」
それでも、盾を支えにして立ち上がろうとする。
「貴様らは弱い、弱すぎる。それではこの先…。」
終始無言だったアルトリアオルタが口を開く。
「へぇ、あんた喋れたのか。ずっと無言だったからただの人形かと思ってたぜ。」
「話す必要がなかっただけのことだ。そして、もう遊びは終わりだ。」
「っ!?」
アルトリアオルタが話し終えた瞬間、とてつもない魔力の高まりを
漆黒の魔力がアルトリアオルタの構える聖剣に集まっていく。
「そんな、宝具ですって!?」
オルガマリーの驚愕の声が響く。
「宝具!?そんなの、あれしか…!」
この場で宝具を防ぐ手段は一つしかなかった。
クーフーリンとの訓練で身に着け、マシュが己自身を確立させるにいたった宝具。
「…やれるか、嬢ちゃん。」
「───やれます!」
「よし分かった。なら、あいつは何とかしてやる。」
それだけ言うと、クーフーリンは魔力を高めることに専念する。
「作戦会議は終わったか?ならば死をくれてやろう。」
聖剣に集まっていた魔力が解放される。
「『卑王鉄槌』極光は反転する。光を呑め…!『
「マシュ・キリエライト…。行きます!───仮想宝具『
放たれた極光と展開された大盾が鬩ぎ合う。
「やああああああああああ!!!」
マシュに叫びに応え、拮抗し耐えていた大盾だったが、
「…はぁぁ!」
アルトリアオルタから放たれていた極光が威力を増したことにより、一気に押し込まれる。
「そ、んな…!?」
盾ごと押し込まれて、今にも倒れてしまいそうになっている。
圧倒的な実力差を見せつけられ、マシュの体も心も、既に限界を迎えていた。
「マシュっ!」
堪え切れずマシュの元へ駆け寄ろうとした藤丸だったが、オルガマリーの言葉に足が止まる。
「待ちなさい藤丸、貴方が行ってどうするの!?」
「で、でも!」
「貴方はマシュを、自分のサーヴァントを信じられないの!?」
その言葉を聞き思い出したのは誠に言われた言葉だ。
『───ほう、つまりお前は自分のサーヴァントを信用していない、と?』
あの時見たマシュの表情は、深い悲しみに染まっていた。
───それでも、今は自分のような不甲斐ないマスターの力になりたい、と宝具まで解放してくれた。
(そんなマシュを信じられない訳ないじゃないか!)
間違いなく、藤丸の中で何かが変わった。
「マシュ、頑張れ!君なら、きっとやれるって信じてる!」
「───はい!マシュ・キリエライト、センパイの信頼に応えて見せます!」
仮想宝具
その元になった宝具は、使用者の
マシュの想いは、アルトリアオルタにも打ち勝った。
極光は弾け飛ぶ。
「…ほう?」
「「今だ(です)!」」
そしてその隙を見逃すほど、クーフーリンは甘くなかった。
「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社───
倒壊するはウィッカー・マン! オラ、善悪問わず土に還りな───!
焼き尽くせ木々の巨人 『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』! 」
最大までチャージした宝具が、アルトリアオルタに炸裂した。
やはり小説は難しい(´-ω-`)
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第13話
申し訳ない(;・∀・)
凄まじい爆炎が周囲を包んだ。
「うっしゃ、決まったぜ!」
完璧な手応えだった。
なにしろ全力の宝具だ、仕留めるまではいかなくてもかなりのダメージを負わせることが出来た筈である。
「はぁ、はぁ…。ど、どうですか…?」
マシュも全力を使い果たしたようで、立つのもやっとという状態である。
「ははは、流石にこれで仕留め切れてなかったらキツイなぁ!」
「さ、流石に、終わったよな?」
「大丈夫だとは思うけど…。油断だけはしちゃだめよ?」
警戒を促すオルガマリーもこれなら流石に、と思っていた。
だが、現実は非情である。
「…『卑王鉄槌』極光は反転する。」
和やかになりかけていた空気が凍った。
「光を呑め…!」
「そん、な…。」
「嘘、よね?」
「避けろマスター!!!」
「
再び、極光が放たれた。
〈藤丸視点〉
世界がスローに見える。
こちらへ必死に手を伸ばすマシュ。
絶望したように座りこむオルガマリー。
先程まで見せていた飄々とした雰囲気など一切なく、焦った様子のクーフーリン。
そして、目前に迫る極光。
(ここまで頑張ったっていうのに、これはあんまりじゃないかな…。)
悔しいという思いと、ここまで一緒に戦ってくれた仲間たちに対し、申し訳ないという気持ちが浮かんでくる。
(多分、あれだけの威力だし痛みを感じる前に消えちゃうかな…。)
と諦めたように目を閉じかけた。
だが───
「「
藤丸が死ぬことはない。
七枚の花が咲き誇り、極光を押しとどめたからだ。
「………ああ。」
(きれいだなぁ。)
こんな状況で何を考えているんだ、と思う者もいるだろう。
しかし、確かに美しい、きれいだと感じたのだ。
逃げることすら一瞬忘れてしまうほどに。
花を咲かせた
「今の内だ!早く藤丸拾って退避しろ!」
「おう、助かったぜ!」
その言葉と同時に、クーフーリンが藤丸を回収して後退する。
「よし、後はこっちでなんとか…。」
「ちょっ、おにいちゃん!?予想以上に厳しいんだけどこれ、完璧に出力負けしてる!」
もう一人、誠の隣で
「嘘だろ!?二人で展開した、完全な
───誠、すまないが次で限界だろう、後は任せた。
「なに!?どういうことだアーチャー!?」
───話している余裕はないが、これだけは伝えておく。まだ敵は残っている、油断するな。
「お、おいアーチャー、どういうことだ…!?」
そう話している間にも、花弁は一枚、二枚と砕かれていく。
「くそっ…、意味が分からないし予想以上に速いけど、仕方ないか…!」
花弁の六枚目が砕かれた。
「イリヤ、美遊、今だ!」
合図を送ると同時に、クロを抱えてその場から飛び退く。
飛び退いた場所を極光が突き抜けていく。
その瞬間、
「「
アルトリアオルタの左右を挟み込むように魔力弾が放たれる。
「く…!」
アルトリアオルタも
「そのまま抑え込んでてくれ!クロ、やるぞ!」
「了解、おにいちゃん!その代わり後であれ、お願いね!」
「分かってるよ…。」
二人同時に矢を番え、放つ。
「
「
「しまっ!?」
アルトリアオルタが気付いた時には遅く、今度こそその体を地面に沈めることになった。
ストーリー沿いとか言っておきながら、既にストーリーから少しずれている件について(´-ω-`)
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第14話
自転車でバス停にダイレクトアタックするとは思ってなかったです(´・ω・`)
「ふぅ、流石に危なかったな。」
「ほぇぇ、疲れたよぉ…。」
「そうねぇ、完全な
「あんなに威力があるなんて思いませんでした。」
クロも誠も、完全な熾天覆う七つの円環を展開することは出来ない。
どちらの力も借り物で、いくら自分のものにしたとしても本物の高みには届きえないのだ。
別々に熾天覆う七つの円環を展開したところで
ではどうするのか───
答えは簡単、二人で一つの熾天覆う七つの円環を展開すればいい。
少し危ない場面はあったが、結果として助かったので良しとする。
そういえば、とクロが話し出す。
「まだ
「「あれ?」」
イリヤと美遊の疑問の声があがる。
「何の事だ?」
「惚けたって無駄よおにいちゃん、約束したんだからね。しっかりお願いね。」
「………分かったよ。」
なんとか誤魔化したかったのだが、クロにジト目で睨まれたことで諦める。
仕方なく、懐から宝石───魔力を貯めておく媒体───を取り出し、クロに指で弾いて渡す。
「んー、美味しい♪」
嬉しそうに頬張っているので良しとしよう。
…貴重なんだけどなぁ。
「ああ、そうだアーチャー、さっき言ってた意味って…。」
何度か呼び掛けるのだが、応答すらしなくなっている。
どころか、先程まで感じていたアーチャーの気配も消えている。
「おいおい…マジか。」
休憩ということで会話や呼び掛けを行っていたのだが、
「あの…。」
「なあ、そろそろいいかい?」
先程まで黙っていた藤丸が待ちきれなかったようで話かけてきた。
「ん、ああ、どうした?」
「坊主のことは聞いてるが、そこの嬢ちゃんたちは何者なんだ、さっきはいなかったろ?」
案の定、先程までいなかったイリヤたちに注意が向く。
「イリヤたちのことか…。さっき話したとは思うんだが、俺が違う世界から来たことは伝えたよな?」
「そうだったね。」
「実は、この娘たちもそうなんだ。俺がこっちに来る時に巻き込まれちゃったみたいでさ。」
『跳ぶときに解析をかけてみましたが、どうやら私たちが行っていた鏡面界への
「空間転移は現代では未だ解明されていない部分が多い魔術です。カルデアで使われる予定だったレイシフト、これも空間転移の原理を一部応用しています。」
いくつかの話を続けた後、オルガマリーが話を締める。
「なるほど、大体の事情は分かったわ。まずは特異点の中心に向かいましょう、そこに何かがあるはずよ。」
一同は特異点の中心───大聖杯が眠る地へと進んでいく。
他の方の小説を読んでると、自分の文章力のなさにうんざりしてきますなぁ…。
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第15話
というより空きすぎてしまった(´Д`)
「やれやれ、この肉体だと流石に動きにくいな。」
《???side》
大聖杯が眠る地、特異点の中心に一人の男がある場所を眺めていた。
眺める先では、極光と大盾が鬩ぎ合い、しのぎを削っている。
その男は、物腰柔らかな紳士然とした人物で、モスグリーンのタキシードとシルクハットを着用しにこやかに微笑んでいる。
拮抗していた鬩ぎ合いだったが、ある時を境に大盾が極光を押し戻していく。
それを確認すると、男の顔から微笑みが途絶え、憎悪が溢れ出すかのように表情が歪む。
「オルガマリーだけではなく、あの青年とマシュまで生きているとはね。大した力もないからと見逃してやったというのに、どいつもこいつも統率の取れていないクズばかりだ!」
一通り叫び散らした後、男が藤丸達に向けて掌を向ける。
「これ以上邪魔されても困るんだ。ここであのセイバー共々消し去ってしまうか。」
向けられた掌に魔力が集まっていく。
サーヴァント可したマシュはともかく、到底生身の人間に耐えられる代物ではないだろう。
「全く、余計な手間をとらせてくれた。では、さようなら。」
禍々しい魔力が放たれる。
だが───
「
「■■■───!」
「っ!?」
その攻撃は藤丸達に届かない。
射撃が魔力を射抜き、斧剣の攻撃が男のいた地面を砕く。
咄嗟に飛び退き、体勢を整えた男が、自身の攻撃を防いだ何者かへと視線を向ける。
「貴様らは…。」
即座に招待を看破した男───レフ・ライノールが怒りを露にする。
「セイバーについてきた負け犬風情が、私の邪魔をするか!」
対峙した
「はて、何のことだかわからないな?だが、まあ、堕ちたとは言え元々は正義の味方を名乗っていたものだ、このくらいはさせてもらうさ。」
「■■■■■───。」
バーサーカーの話す言葉は分からない。だが、言いたいことは伝わったのだろう。
アーチャーが軽く笑みを浮かべて話を続ける。
「まさか貴様と共闘することになるとは…。しかし、利害は一致しているだろう?
「───■■■!」
「本当に…。本当にどこまでも私の邪魔をする!そこまで死にたいのなら貴様らから先に殺してやる!」
「やれやれ、品のない奴だ。───行くぞ大英雄、貴様の力を見せてみろ!」
「■■■───!!!」
二人の英雄が、それぞれの想いを胸に戦場へ駆ける。
《主人公side》
「しっかし、お前さんは本当にあいつの力を扱えてんのか?」
「どういうことだ?」
唐突なキャスターの問いに首を傾げる。
「いやな、ちょっとした面識があるんだがな。なんつーかなぁ…。」
「煮え切らない言い方だな?」
「ああ…すまねぇな、どうにも違和感が拭えねぇもんでな。」
また一つ、物語が動こうとしていた───
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第16話
本当に申し訳ない(´・ω・`)
切り付け、殴りかかり、叩き潰す。
これを何度繰り返しただろうか───
「チッ!この化け物めが、どんな耐久力してるんだ!」
「ふん、期待なんぞしていなかったが、所詮は騎士王の小間使いか。全く相手にもならん。」
レフの言葉とともに放たれた魔術が、アーチャーとバーサーカーを弾き飛ばす。
「ぐぅっ!?」
「■■、■…!」
「本当にガッカリだ…。もう消えかかってるじゃないか、なあ。さっきまでの威勢はどうしたんだ!」
幾度もの攻撃を受けたため、既に霊基には皹が入っている。
「そっちのデカブツももう限界だろう?せめてもの慈悲だ、今すぐ楽にしてやろう。」
藤丸たちへ放たれようとしていた魔術が、アーチャーたちに向けられる。
「時間稼ぎすらまともに出来んとは…」
「諦めるんだな、散れ。」
そして、放たれる。
だが─
「■、■■!」
「っ!?今行ったらいくら貴様でも───」
「無駄な事を、まずはお前から始末してやる。」
何を思ったのか、バーサーカーが突っ込んでいく。
一瞬、バーサーカーがアーチャーへ振り返り、にやりと笑った気がした。
「………そうか、分かった。」
即座に防御を捨て、霊基が許す限り魔力を溜めていく。
思い描くのは、眼前の大英雄が宝具にまで昇華せしめた技術。
「I am the bone of my sword…」
「■■■─!!!」
魔術が放たれる。
それを真っ向から受け止め、何度も燃え付きながらも、大英雄は威力を殺しきった。
そして─同時に霊基が砕け散る。
魔術が過ぎたあとに残ったのは、風に乗って消えていく黄金の粒子だけだった。
同時刻───
「イリヤ?どうして泣いてるの…?」
「え?あれ、ほんとだ。何でか分からないけど、悲しい気持ちになってくる…。」
「………バーサーカーが逝ったか。」
「これで後は君だけだ「油断大敵、という言葉を知っているかな」なにっ!?」
「
「ぐ、おぉぉ…!?」
放たれるは、神にも届きうる最高峰の九連撃。
霊基を犠牲に放たれた攻撃はレフ・ライノールを間違いなく捉えた。
「はぁっ、はぁっ…。流石に、この霊基で放つには、荷が重すぎる代物だったな。」
砕け散った霊基を気力で留め、敵へのダメージを確認しようと顔を上げる。
煙が晴れ
───そこにはなにもなかった。
「そんな…ばか、な…ガッ!?」
驚愕するアーチャーの胸を背後から伸びた手が貫く。
「今の攻撃だけは誉めてあげよう、この私に傷を付けるとは思わなかったよ。」
「(クソ…後は頼むぞ、誠。)」
アーチャーもまた、黄金の粒子となり消えていく。
「やれやれ、手間を掛けさせてくれた。さて、後はオルガマリーたちだけか。」
レフのキャラが分からん!
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