魔法少女リリカルなのは―ピンクの魔人さん― (ゼニア)
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魔人ブウの異世界訪問記
プロローグ


ハーメルンでの初投稿ー



海鳴市。

 

ここに今、一人の魔人が現れた。

 

人々の目にふれることなく、ひっそりと山の中に突然あらわれた魔人は辺りを見回し

 

「ぶぅ……?」

 

頭上に?を浮かべ首を傾げていた。

 

この者の名は【ブウ】

ピンク色の丸々と太った体を持つ魔人である。

 

 

―――――――――――

 

「ここ、どこだ?」

 

キョロキョロと辺りを見回し考える。

 

ブウは強敵ベビーとの戦闘でウーブと同化したはずである。

 

それなのに何故自分はここにいるのだろうか?

 

しかし、考えても分からないものは分からないのでブウは考えるのを止めた。

 

「ハラ減ったなぁ、ケーキが食べたいぞ」

 

そう呟くとブウは人がいる方へと歩き出した。

 

 

元至上最悪の魔人はこの世界で一体何をするのか。

 

 

次回へと続く。



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第一話 それは衝撃な出会いなんだそうです。

いつでも触角ビームでお菓子にでもなんにでも変えられるのにわざわざ店にいってお菓子を食べるのがブウクオリティ


住宅街にて。

 

「ケーキ、ケーキ、ホッホッホッ!」

 

ブウは陽気に道を歩く。

 

「ケーキ、ケーキ、ホッホッホゥ!」

 

「な、なんだアレ……?」

 

「着ぐるみ……?」

 

道行く人が驚いている。

まぁ無理もない、全身ピンク色なうえに変わった服を着ていれば皆こんな反応だろう。

 

幸い今は夜であるため、人通りが少ないのが救いだろうか。

 

「ケーキ、ケーキ、ホッホッホゥ!」

 

だがブウは我関せずとばかりに陽気なステップをふみながら、進んで行く。

 

-----------

公園にて。

 

ブウは公園のベンチに座っていた。

とりあえず適当に歩いてみたが、ケーキ屋所かコンビニすら近くにはなかった。

 

なので少し休憩していた。

 

「ハラ減ったぁ、ケーキにチョコにキャンディにアイスが食べたい……」

 

食べたいものが増えている。

 

そんなブウの目線の先に、何かキラリと光る物が落ちていた。

 

「ぶぅ?」

 

ブウは立ち上がり、光る物に近づき、手に取る。

それは、綺麗な宝石のような物だった。

 

「食えるかな?」

 

しかし、宝石の価値などは全く知らないブウはそう言って口に放り込み、コロコロと舐めてみる。

しかし

 

「美味くない」

 

ペッと手のひらに宝石を吐き出し、今度は眺めてみる。

 

そんな事をしていると。

 

「あの、それを渡してください」

 

 

ブウの頭上から声がかけられる。

 

「ん?」

 

ブウは顔を上げ声の人物をみると、綺麗な金髪をツイテールにした不思議な格好(ブウの方がよっぽど不思議ではあるが)の女の子だった。

 

「コレ、欲しいのか?

美味くないぞ?」

 

ブウはさして驚きもせず言う。

 

「えっと、美味しくないのは知らないけど、欲しいです」

 

女の子はブウという不思議な人?が相手だからか少し戸惑いながら答える。

 

「フェイト、コイツ何なんだい?」

 

女の子の隣にいた大きな犬が人語を話す。

 

「わ、分かんない、人……なのかな?」

 

「ソイツなんだ? 喋る犬は初めてだ」

 

ブウは犬を指差し不思議そうに言う。

 

「え? えっと、アルフは使い魔で、あ、使い魔って知ってるかな……

使い魔って言うのは」

 

「ちょ、ちょっとフェイト?

今はそんな事よりジュエルシードを回収しないと!」

 

フェイトと呼ばれた少女はブウに何故か使い魔の説明をしようとして、アルフという犬に止められる。

「そ、そっか、えと、とにかくそれを渡して下さい!」

 

フェイトが再びブウに言う。

 

ブウはそんなフェイトとジュエルシードという宝石を交互に見比べ

 

「いいぞ、コレお前にやる」

 

そう言った。

 

「あ、ありが「でも」?」

 

フェイトがお礼を言おうとし、ブウがそこにかぶせるように言葉を発する。

 

「コレやるかわりにケーキくれ、チョコでもいいぞ」

 

「え?」

 

「サタンが言ってたぞ、あまりタダで物をあげちゃダメだって」

 

ブウがそう言うと、フェイトはアルフと

 

「ど、どうしよう

アルフ、ケーキかチョコ持ってる?」

 

ヒソヒソと話あう。

 

「そんな物持ってないよ! 持ってたらむしろフェイトに食べさせてるよ!

もうめんどくさいし無理やり奪っちまおうよ」

 

「で、でも、それがあったらくれるって言ってるし」

 

「無い物はしょうがないじゃないか」

 

アルフにそう言われ、フェイトはブウに

 

「ごめんなさい、ケーキもチョコもないです

でもそれはどうしても必要なんです、だから……」

 

フェイトは手に持つ機械の杖、バルディッシュを構える。

 

「そうかー、お前ケーキ持ってないのか」

 

しかし、ブウは武器を構えたフェイトを気にする事無く辺りを見回し、すぐ近くに生えていた木に近寄り

 

「じゃあ、コレでいいか」

 

ポンポンと木に触れながらそんな事を言う。

 

「え?」

 

ブウの突然の行動に首を傾げるフェイト。

 

そんなフェイトをよそにブウは頭に生えた触角のようなモノを木に向け

 

「ケーキになっちゃえー!!」

 

ピンク色の光線を出した。

 

ビビビビビ!

ドゥン!!

 

見事、木はケーキに早変わり

 

「え!?」

 

「なっ!?」

 

フェイトとアルフが驚く、二人の目の前で木が大きなケーキに姿を変えたのだ、驚かない方がおかしい。

 

「ぶぅ~!」

 

ブウは両手を上に上げ満足そうにしている。

 

「ほい、もうコレいらないからやるぞ」

 

ブウはポイッとジュエルシードをフェイトに投げ渡す。

 

「わわ、え、えっと、あ、ありがとう……?」

 

ジュエルシードをキャッチしお礼を言うフェイト。何かもう色々分かっていないようだ。

 

「ちょ、ちょっと待っておくれよ!

あ、あんた、それなんだい!?」

 

「ん?」

 

アルフの言葉にブウは口一杯にケーキを詰め込みながら

 

「ケーキだぞ? 知らないのか?」

 

そう言った。

 

「そう言う事じゃなくて……!!」

 

ブウとアルフが問答している中、フェイトは

 

「(あんな事が出来るなら、どうして最初からしなかったんだろう……?)」

 

そんな事を思っていた。



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