忍者で勇者ってもうこれわかんねぇな (鈍足ハイカー)
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開幕から波の国
一話


果たしてエタらず終わるのか!
ほぼ思い付き



オッス、おいら一楽 ヤマメ皆んなからはヤマメって呼ばれてる………そのまんまだな。

 

産まれも育ちも火の国木の葉隠れの里。ラーメン屋一楽の第二子、忍びアカデミーに通う普通の男の子だったんだ……………ついこの間までは。

 

 

 

 

 

 

簡潔に説明すると……………勇者になったのである。

 

 

 

 

 

 

 

これは何かの比喩表現ではない。俺は実際に異世界で勇者になってしまったのである。向こうの世界で過ごした時間はおよそ三年。

 

日本と言う国から来た賢者や戦士、魔法使い、現地の治癒士と共に魔王を討つために激しい魔族との戦いを繰り広げた…………筈。

 

筈、と言うのは三年間戦って体などが成長していたのだが……帰って来た時には時間もそのままだし、体も元に戻ってるし。

 

本当に何事もなかったかのように日常に引き戻されたのである。あの出来事をなかった日と割り切るつもりは無いけど………傷などを無くされると感傷に浸りにくいし、向こうの人間が言うには傷は勲章とも言うから。

 

しかし何も残らなかった訳ではない。ちゃんと激しい戦いの記憶もあるし、仲間達との楽しい思い出も残っている。

 

それに…………忌々しい事にこれも……

 

掌を空へ向け、自らの手の甲を見ると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「おい!ヤマメ、ぼーっとしてねぇでさっさと仕込み手伝え」

 

「ん、わかった」

 

親父に呼ばれたので素直に仕込みに参加するとしよう。

親父がやっているラーメン屋、一楽は木の葉隠れの里、一番のラーメン屋である。少なくとも俺はそう思っている。このラーメン屋を継ぐのは俺の姉貴で俺はやる事も見つからないので忍びアカデミーに通って忍者を目指していた。

 

いた、と言うのは今は目指していない、と取ってもらって構わない。三年間戦争の主力として参加していたし、日本人の賢者や魔法使い、戦士が俺のいる世界を物語として知っていた。

 

最初は疑心暗鬼で聞いていたさ、………けどなんか話を聞いていると歴史もだいたい合っていたり、俺の周囲の人間を知っていたりと、かなり信憑性が高い事に気付いた。

 

特にヤベェ…、と思ったのは大蛇丸と言う伝説の三忍の皮を被った変態である。性別不詳、ほぼ不死身、美男子の首筋にヨダレを塗りたくり、蛇のようになったり、人体実験をしまくるオカマ。

 

先程の紋章を見られたら…………色々オワル

 

後は親父の店によく来るナルトが英雄になるらしい。里の人間に嫌われている理由も教えてもらったが………まあ納得出来る。

 

俺は嫌うつもりはないけど、うちの常連だし。イタズラは多いけど悪いやつじゃない。

 

………今はそれより、アカデミーの合格試験についてだ。俺の体感三年前までの俺はアカデミーでも中間層の成績を取っていた。

 

流石にこれぐらいの成績なら最低でも下忍に成らなくてはならない。成績ドベのナルトが忍者になれるのだから当たり前とも言えるが、三年前の自分をぶん殴りたい。下忍になるのを辞退する事もできるらしいが………ラーメン屋を継ぐつもりもないし、プー太郎だと親父に何言われるかわからないし……うちはお袋が早死にしてしまった為、親父一人が息子と娘を育てている。流石にこの家でニートをするのはダメ。

 

 

逃げ道がない

 

 

忍者に成らなければいけないならば対策をしなくては………

まず変態の標的、うちは サスケに近づかない。必要以上に実力を見せない。魔法を無闇に使わない。後は………なんだ?口頭で伝えられただけだし、あまり覚えていない所もある。………流石に隕石を落とす術を使うラスボスの話をされたら冗談の類だと思うだろ?だからそれほど覚えている訳ではないのである。

 

「っと、豚骨あがり。次は醤油?」

 

「おう、頼む」

 

もう忍者になって、平穏な日常を望みながら家計の足しになる様に働くしかないのかなぁ……

 

 

 

 

 

卒業試験当日

 

もはや何も言うまい…………合格してしまった。

なんで"分身の術"なんだ?………ある程度の奴なら合格出来るからか?

 

ナルトは主人公なのに何故か試験に落ちてしまっていた。あれ?もしかして賢者とか魔法使いの話はデマ?

 

いや、でも留年したって事は…………でも変態の標的のサスケェはいるんだよなぁ…………もうこれわかんねぇな………

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい」

 

今は親父の店の手伝いをしている、早速客が来たようだ。

 

「おっちゃん!ラーメン!」

 

「………ハァ」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()……ファッ!?

 

いや、別に驚く様な事ではないか………ナルトはたまにイルカ先生にうちのラーメン奢らせてたし。

 

「こんばんは。イルカ先生」

 

「おー!ヤマメ。今日も手伝いか?」

 

「そうですよ?ナルトもオッース」

 

「オッース、だってばよ……」

 

ナルトは元気があまり無いな………やはり試験に落ちたからか。

まぁ今年であろうが来年であろうがナルトはかなり凄いやつになる気がする。勇者としての勘がそう言ってるからな。

 

「コラッ!知り合いでもちゃんと接客しろ。水を持って来てくれ」

 

「うーい。」

 

お冷を運ぶか………ぬるいな。魔法で冷やしとこう。

 

"icicle(冷却)"

 

手に持った二つのお冷の温度が下がり、カップの表面が結露によって水滴が付いた。因みに魔力はチャクラとは別種の力なので忍者に気づかれた事はない。

 

「あいよ」

 

「ありがとうな」

 

「…………ヤマメは試験に受かったんだってばよ?」

 

「そうだよ?」

 

「俺ってば………やっぱりダメな奴なのかなぁ」

 

「それを俺を見て言ったらなら一言物申したい所だが………ナルトらしく無いな。…………俺から見ればナルトは努力家でこんな事で諦める様な奴じゃねぇ、それにお前は凄え奴になれる、俺が保証する。外れたらラーメン奢ってやるよ」

 

「………そうだってばよ!俺は火影になる男だ!こんな所で諦めるのはありえない!今日は調子が悪かっただけだ!」

 

「おお!その意気だぜナルト!よっ!未来の火影!」

 

「へっ!こうしゃいられねえ!早くこれ食って行動だってばよ!」

 

ズルズルズル!ガラガラガラ!

 

ナルトはとてつもない速さでラーメンを食し、イルカ先生にラーメンの会計を託して店から出て行った。

 

「おいっ!ナルト!…………ハァ」

「元気ですねぇ………」

 

「お前が煽った様に見えたんだが………。まあいい、お前はナルトと特に仲がいいからな」

 

「うちの常連ですし。結構昔から知ってますからね」

 

その他諸々も多少知ってるけど。でも未来の火影になってたり、九尾という化け物の依り代になっているって事ぐらいか?あと4代目の息子だったな。

 

「仲がいい俺からの助言なんですけど…………早速イタズラやらかしますね」

 

ズルズルズル!ダンッ!

 

「ナルトォオオオ!」

 

イルカ先生はラーメンを完食してカウンターに代金を叩きつけナルトの元へ颯爽と去って行った。

ほんと、イルカ先生は苦労人だなぁ…………"祝福"でもやっておくか?

 

「まいどありー!…………聞こえてないか」

 

「……………ヤマメ」

 

「あ、やらかした」

 

ナルトならあと二杯はいけたな。………今日は説教だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いい朝だな………うちの親父は魔王より怖い(確信)

まあ魔王はハメ技で殺したから全く恐怖とか感じなかったけどね。奴は下準備の大切さを教えてくれたよ………フヘヘヘヘヘ

 

「ヤマメェー!おはよーだってばよ!」

 

なにやら窓の方から聞き覚えのある声が聞こえた。心なしか嬉しそうに聞こえる。

 

「おう。近所迷惑だから少し黙ろうか」

 

「す、すまねぇだってばよ。それより!俺ってば試験に合格できたんだってばよ!」

 

「…………ファッ!?マジ?………良かったじゃん。それより、なんだそれ?」

 

俺の部屋の位置は二階だ。当然どうにかしてナルトは登って来たのかと思ったのだが………そこにはナルトを担ぐナルトを担ぐナルトを担ぐナルト…………何これ?

 

「これは俺の新しい術。多重影分身の術だってばよ!」

 

「ほーう、実体を持った分身か………面白そうな術だな」

 

応用力も高そうだな………相当出来た人間が作った術、その割には他の先生が使っているのを見たことがない………高度な忍術なのか?

 

「それ、俺にも教えてくれない?」

 

「いいぜ!その前に、この術を使って更なる超忍術を作ったんだってばよ!見てくれよ!」

 

「おお!凄そうだな。いっちょ見せてくれや」

 

ナルトは俺の部屋に入ってきて影分身によってその数を増やした

 

「"ハーレムの術"!」

 

そこに広がっていたのは金髪のグラマラスな裸の女性の集団。何よりすごいのは一人一人の体型が違っていることによって必ずしも自らのストライクゾーンの女性を見ることが出来る事だろうか………

 

あまりの感動に俺は鼻から真っ赤な涙を流した

 

「…………いい術だ。百点をやろう」

 

「あれ?………火影のじいちゃんは倒れたのに?」

 

そりゃ俺、非童貞ですし………火影もか。あの爺さんはムッツリなのかな?

 




非童貞の12歳児とは?
異世界では15歳だった。
やっぱり中世の倫理観はすげぇや

感想評価があるとやる気が出ます(震え)


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二話

フォーマンセル

 

木の葉の里に限らず大抵の里の下忍は担当の上忍を含めた四人一組で動く。俺たちの中で卒業試験に合格したのは28人………単純計算で言えば一人余る。確か………ナルトとサスケと………春野 サクラと言うゴリラ女が一緒の班になるらしい。

 

有名どころで言えば木の葉の里の猪鹿蝶だな。このクラスのイノ、シカマル、チョウジは3人でスリーマンセルは確定。この班に入る事は無いだろう。後目をつけるべきは………木の葉にて最強(笑)日向家のヒナタ、忍犬を使う家犬塚家のキバ、そして虫を使う油目家のシノぐらいか?

 

他の合格者は俺と同じく無名の家から出た奴、それで言えばゴリラ女も一般の家から出た奴なんだけど………

 

「第七班、うずまきナルト、うちはサスケ、春野サクラ、そして一楽ヤマメ」

 

「うん、なんか………知ってた」

 

そもそも勇者に選ばれる様な運命を持った奴が主人公達と関わらない様に行動とかまず無理だろうと思ってたさ。思ってたけどッ………なんか悲しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

班が決められたその後、他の班の担当上忍達が生徒達を迎えに来た様だがうちの班の担当だけやって来ない。どうしたものかと首を傾げたていると……

 

「へへっ、これをこうしてっと」

 

「何やってんの?」

 

ナルトが黒板消しをドアの間に挟んで簡易的なトラップを作っていた。トラップと言うよりイタズラに近いけどな。

 

「担当の人が来ないから、腹いせにこうしてやるんだってばよ!」

 

「成る程。しかし………仮にも上忍だし、引っかかるのか?」

 

「言われてみれば………じゃあ罠を追加だ」

 

 

 

かなり単調だけどさっきよりはマシかな?

噂をすればと言う奴だな、早速やってきた様だ。

 

ガラガラガラ! ストッ

ナルトが仕掛けた黒板消しがやって来た人の頭頂部に降ってきて白い粉をその頭に被せた。しかし俺が避けられる事を考慮して、扉を開くと同時に後ろから飛んでくるコンニャクがまだ来ていない。

 

やって来た人は何かを感じたのか振り返って………ベチャ

顔面にコンニャクが直撃した。

 

「ぎゃはははッ!」「ぷっ」

 

「お前らの第一印象は………………嫌いだ!」

 

考えられる最悪の形で罠にハマったな………本当に大丈夫かこの人?

 

 

 

 

 

「さて………自己紹介をしよう。」

 

さっきまでの事を完全に無かったことにしようとしているな、まああまり言い過ぎても話が進まないし……ただでさえ他の班より遅れてるのに。

 

「……どんな事を言えばいいの?」

 

「……そりゃあ好きなもの、嫌いなもの……将来の夢とか、趣味とか……まぁそんなのだ」

 

「じゃあ先生からお願いします」

 

「俺か?俺は、はたけカカシ。好き嫌いをお前らに教える気は無い!将来の夢って言われてもなぁ……趣味は色々だ」

 

成る程、名前しか分からん。と言うより、はたけカカシか………確かアイツらに聞いた話だと………常に猥本を持ち歩いている片目開眼中二病先生だっけ?

 

「じゃあ次は……お前から頼む」

 

そう言ってカカシ先生はナルトを指差した

 

「名前はうずまきナルト!好きなものはカップラーメン。もっと好きなのはイルカ先生に奢ってもらった一楽のラーメン!嫌いなものはお湯を入れてからの三分間。」

 

うん、うちの親父もラーメン屋冥利に尽きるだろうな。今度奢ってやろう

 

「将来の夢は、火影を超す!そんでもって、里の奴ら全員におれの存在を認めさせてやるんだ!趣味は……イタズラかな?」

 

いい夢だな。そしてそれが叶う事を知っている身としてはこれからの成長がとても気になる

 

「じゃあ次」

 

次はナルトの隣に座っている俺だな

 

「俺は一楽ヤマメ。ラーメン屋の息子だ………好きなもの……ていうか事は平和な生活。嫌いな事は戦争。将来の夢は莫大な金を手に入れて隠居する事。趣味はラーメンを作ること」

 

「(なんで忍びになったんだ?)んじゃ次」

 

「名はうちはサスケ。嫌いなものは沢山あるが好きなものは別にないそれから……夢なんて言葉で終わらせる気はないが野望はある」

 

出た、第一級俺的危険人物、うちはサスケ、通称変態の標的……変態以外にも兄貴にストーカーされる男

 

「一族の復興と………ある男を、必ず殺す事だ」

 

復讐かな?俺にも向こうで魔族どもが復讐して来たりしたからなぁ………本当戦争って悲惨だね

 

「よし、じゃあ最後は女の子」

 

「私は春野サクラ。好きなものはぁ……てゆうか好きな人は……」

 

そう言ってサスケをチラ見……普通の男子なら効果はありそう……というわけでも無いけどまぁ無理だろう

 

「えっと……将来の夢は……キャーー!嫌いなものはナルトです」

 

自己紹介の完成度としてはナルト>俺>サスケ>サクラ>カカシ先生って所かな?本当にそれでいいのか先生!

 

「自己紹介はそこまでだ。明日からサバイバル演習をやる。」

 

「演習?…………卒業試験の続きですか?」

 

流石に分身の術で合格なら、里の中でもかなりの人数が下忍になる筈………そんな事はあり得ないので別に試験があると睨んでいたんだが

 

「よく分かったな………これ聞いたらお前ら引くぞ?」

 

はー、その辺はアイツらに聞いてないからなぁ……注意すべき人物ぐらいしか教えてくれなかったし……

 

「脱落率66%以上の超難関試験だ」

 

「……………29分の9,3って所ですか」

 

落ちたいなぁ………でも家計もあるし………合格しないとなぁ。はぁ………

 

「んな!じゃあ何の為の卒業試験なんだってばよ!」

 

「ああ、あれは下忍になる可能性のある奴を選抜するだけ。とにかく明日は演習場でお前らの合否を判断する。忍び道具一式持ってこい」

 

クナイと手裏剣か…………聖剣使いたいなぁ。クナイと手裏剣って俺の認識的には使い慣れてないし……

 

「先生。忍び道具以外もいいですか?」

 

「ん?演習に使えるなら別に構わないが………それと朝めしは抜いてこい。吐くぞ」

 

「吐くって!?そんなにキツイの!?」

 

「詳しい事はプリントに書いたから。明日は遅れて来ないよーに」

 

それをあんたが言うの!?まぁ流石に明日は遅刻して来ないだろうな仮にも上忍だし。確かこの人、里でも有名人だったな"写輪眼のカカシ"だっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「やー、諸君おはよう!」

 

「「「「おっそーーい!」」」」

 

こいつはひでぇ………遅刻魔か。有能な人って欠点多くて困る。 おはようと言うより、もう少しでこんにちはの時間なんだが

 

「演習の内容だが………ここに三つの鈴がある」

 

「「「?」」」

 

「これを俺から昼までに奪い取ることが課題だ。もし昼までに俺から鈴を奪えなかった奴は昼メシぬき!あの丸太に縛り付けた上に、目の前で俺が弁当を食うから」

 

そう言ってカカシ先生は丸太を指差した。丸太はご丁寧に4本用意されている。前日の朝めし食うなって奴はこの為なのね………

まぁ朝からラーメン食って来たけど

 

「鈴は一人一つでいい。三つしかないから必然的に一人丸太行きだな………で、鈴を取れない奴は任務失敗ってことで失格だ。失格なら学校へ戻ってもらう事になるだろう」

 

まっ、失格は出来ないな。なんとかして鈴を取るか………この班は先生合わせて5人だから一人だけ落とすのも余裕であり得る

 

「手裏剣も使っていいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな」

 

「でも!危ないわよ先生!」

 

「そう!そう!黒板消しも避けれねー程、どんくせーのに!本当に殺しちまうってばよ」

 

確かにナルトの言う事も一理あるな………でももしかしたらわざと当たって相手を油断させる為の罠かもしれない。それを俺たちにやる意味があるのかは疑問だが。

 

「まっドベはほっといてよーいスタートの合図で……」

 

ドベって言う言葉にムカついたのか、ナルトが忍具入れからクナイを取り出してカカシ先生に飛びかかった。

 

 

すぐにカカシ先生に取り押さえられてるけど

 

「そうあわてんなよ。まだスタートって言ってないだろ?」

 

流石はNINJA速いな。これだけ速いのになんで遅刻するんだろう???まぁ関係ないことかな

 

「(コイツ俺を目で追っていたな)俺を殺るつもりで来る気になったようだな。じゃあ始めるぞ」

 

「スタート!」

 

その言葉が聞こえた瞬間俺たちは周囲に散開した。



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三話

執筆ペースが上がらない問題

評価してくださった方々、ありがとうございます
お陰でモチベが上がります


ありゃ〜………やばいな

 

今の状況は非常によろしくない。カカシ先生にナルトとサスケが果敢に挑んだが二人とも捕まってしまっている。サクラも悲鳴が聞こえたのでカカシ先生に沈められてしまったのだろう。

 

そもそもこの試験………普通に無理ゲーじゃね?俺を基準にして考えてたけど、そもそも俺は勇者として戦争をしていた経験がある。しかし当然ながら他のアカデミー卒業生はそんな経験なんて持ってない訳で………多少の訓練をした程度の子供が果たして上忍からあの鈴を取れるのだろうか?

 

思うにこの試験には別の意図があるのだと思う。戦闘能力を測る為?いやそれなら模擬戦をすれば良いだけの話だ…………忍者らしい目的?他の奴を蹴落としてでも鈴を取ろうとする事か?………三代目はそんな事しないな。あのムッツリジジイが言うには里の人間は家族らしいし………ッ!

 

チームワークかッ!

 

 

 

 

あれ?ナルト(撃沈)………サクラ(撃沈)………サスケ(撃沈)もしかして、詰んでる?

 

 

 

 

 

 

 

sideカカシ

 

ふぅ………流石は、うちは一族。下忍にしてはなかなかやる、基礎ができていない段階であれなら成長したらどれだけの忍びになるんだ?

他の奴らは………まぁまぁかな。磨けば光るんだろうが、今のところ目立ったところは無しっと

 

しかし問題はコイツだ。一楽 ヤマメ………ラーメン屋の息子だったか、あのラーメンはたまに食いに行くが………、まぁそれは関係ない。火影様が言うにはコイツには不可解な点があるらしい。

 

なんでも、ある時から異常な警戒心を持ってアカデミーを過ごしているとか。それにヤマメのアカデミーでの成績は平均値、しかしそれにしては隠れ方が様になっている。アカデミーで学ぶ様な隠れ方じゃないな………我流か?お陰で見つけるのに時間が掛かったぞ

 

持っているものもおかしい………忍具以外も許可はしたが………鉄パイプ?何故そんな物を持ってきたんだ?

 

後ろから出てきて少し脅かしてみるか………

 

 

 

 

 

---------------------

 

ヤマメは自分の至った考えが非常に正しいと言う事を理解した。同時にこの試験はもう既に詰んでいるという事も………カカシが背後に迫っている事にも気づかない程落ち込んでいた。

 

カカシはこれを好機と見て後ろから幻術を掛けようとヤマメの後ろに立って印を組もうとしていた。

 

 

 

 

 

カカシが次の瞬間に見たのは自分の首が落ちている光景だった。

 

「ッ!?」

 

カカシがそれを避けることが出来たのは奇跡と言っても過言ではない。それほどまでにヤマメの一撃は洗練されていた。

 

 

勇者殺法二式『威殺居合』

 

ヤマメがいきなり背後に忍び寄られた事によって反射的にやってしまった技である。名前についてはこの技を使った時期が14歳頃に掛かる例の病気が原因である。

勇者をやっていた時に作られたその技はほぼ回避不可能と言っても良い。集中的に研ぎ澄まされた殺意によって相手に死に際を幻視させて動きが止まった瞬間に勇者としての超人的な膂力によって放たれる予備動作無しの居合。

 

カカシがそれを回避出来たのは、ヤマメが異世界から帰還してから常に加護の力を制限していた事。得物が鉄パイプだった事。伏せて隠れていて技の出が遅くなった事。先程カカシがサスケの相手をしてイチャイチャパラダイスをしまっていた事、など様々な要因が重なった結果だった。それでもカカシ程の実力者でなければ避けられない様な一撃である。

 

『ヤベェ、今の下手したら(殺してた)死んでた』

 

ヤマメが思わず技を出してしまったのは、背後に忍び寄られた事によって例の変態による尻の危機への異常なまでの警戒によるものだ。直前に見た千年殺しも原因の一つ。そもそも尻を警戒していたからこそ三代目火影に目をつけられるに至ったのだが………

 

 

そしてヤマメに次の難問が迫っていた。

そもそもヤマメはカカシに通用する様な忍術を知らない、ナルトに影分身を教わってはいるのだが……非常に精密なチャクラコントロールを必要とする術である為、習得できなかった。ナルトは膨大なチャクラによって無理矢理成功するに至っているがヤマメのチャクラ量はそれほど多くはないのである。

 

自分の主戦力である魔法を使う事は論外、もう使ってしまっているが勇者殺法と言う独自の技を使う事も実力を隠す意味であまりよろしくない。

 

ヤマメはとりあえずカカシから離れる事を選択した様だ。

カカシから跳びのき先程サスケやナルトが戦っていた広い場所に逃げ込んだ。カカシもそれを追う様に開けた場所に出た。

 

「びっくりしましたよ。カカシ先生、後ろからいきなり出てくるから………」

 

「………こっちも十分驚いたけどね………死ぬかと思ったよ。お前には手加減が必要無いらしい」

 

「た、たまたまですよ。あれです、あれ。火事場の馬鹿力的なやつです(尻の危機を感じてついやってしまうとは…………流石に誤魔化せなくね?)」

 

「…………それで通ると思ってる?」

 

「ははは、………ですよねぇ〜………(魔法は論外、忍具も通用しなさそう………)仕方ないか………」

 

ヤマメは隠す事を諦めた。どうせ何かあると思われてるなら異常に体術や剣術が優れてるって評価に落とし込むしかない。派手な忍術なんて使っていたら他国のスパイの疑惑がかかりそうである。

 

(勇者殺法三式『砂放拳』)

 

ヤマメはカカシに向かってその強力な脚力を存分に発揮して、一歩を地面に踏み込んだ、………いや側から見れば叩き込んだ様にも見える。地面はひび割れヤマメの足は地面を貫通するに至っている。足が刺さった地面から前方に大量の砂が飛んで行きカカシの目を潰さんと襲いかかる。

 

カカシは思わず目を瞑りながらも離脱しようと離れるが、

 

「ぐっ!」

 

ヤマメは地面に向かって踏み出した勢いそのままに直進、カカシが後退した事を予測していたかの様な強力な拳が直撃した。

 

ボフッ!

 

「…………影分身か」

 

「そうだ。………さっきあんなの見せられたのに迂闊に近づく訳ないだろ?」

 

「……………降参していいですか?」

 

「ん、なんでだ?お前なら鈴ぐらい昼までには取れるだろ?」

 

「多分ですけど………鈴を取っても合格にはならないんじゃないですか?恥ずかしながら他のものを見る試験だとさっき気づいたので………」

 

「ほぉ〜う。まぁそろそろ昼だし休憩を入れるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideヤマメ

 

何事も諦めが肝心。うん、だって気づいた時にはもう終わってたし、仕方ないよね。

そして弁当を取りに来たらナルトが既に弁当を食べようとしていた。

当然説教コースでナルトだけ丸太に括り付けられ昼飯抜き、そして昼食後もう一度試験をするらしい

 

「うぅ〜、お腹減ったんだってばよ」

 

「自業自得だろうに………」

 

 

 

 

『………お前ら、最後にもう一度だけチャンスをやる。ただし昼からはもっと過酷な鈴取り合戦だ。挑戦したい奴だけ弁当を食え、ただしナルトには食わせるな』

 

『え?』

 

『ルールを破って一人飯食おうとした罰だ。もし食わせたりしたらそいつをその時点で試験失格にする。ここでは俺がルールだ、………わかったな?』

 

 

先程そう言いながらカカシ先生は去って行った。まあナルトは試験後の弁当を一人で食おうとしてたので自業自得だけど

 

 

「あれ?ヤマメは結局カカシ先生と戦ったのか?」

 

「ああ。ボコボコにされた、手も足も出なかったよ」

 

無論口から出まかせだ。どうやらここにいるメンツは俺の戦闘を見ていないらしいので、もう隠したままでいいかな?と。

 

ぐぅぅぅぅ!

 

「………ホラよ」

 

「ちょ、ちょっと!サスケ君さっき先生が!」

 

驚く事にサスケがナルトに自分の弁当を差し出した。ツンデレか?こういう態度がホモに狙われる要因になってしまうのだろうか……全く恐ろしいッ、と戦慄していると。

 

「大丈夫だ。今はアイツの気配はない、昼からは4人で鈴を取りに行くぞ。………足手まといになられちゃ、こっちが困るからな」

 

「…………私もあげる」

 

「サクラちゃん…………」

 

「ふむ………少し待ってくれ」

 

「どうしたんだってばよ?」

 

俺のカバンの中にはあれが入ってるからな、それをナルトにやろう。

 

「先生はナルトに弁当を食うな、っと言ったんだ………つまり弁当以外を食えばいい話だろう?」

 

俺はそう言いながらカバンの中に入っている『一楽インスタントラーメン』を取り出した。そしてお湯が入った水筒も

 

「や、ヤマメ。みんな…………ありがとう」

 

ちなみにインスタントラーメンは自作である。粉末スープで店の味を再現するのに時間が掛かったがかなりの自信作だ

 

ズドンッ!

 

「お前らあぁぁぁあ!」

 

「ごーかっく!」

 

俺たちの目の前にいきなりカカシ先生が出てきた。まぁ隠れていたのは知っていたが………何故合格?文句を言われたら屁理屈でなんとかする気満々だったんだが

 

「……………なんで?」

 

「忍者は裏の裏を読むべし。忍者の世界でルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる。」

 

厳しい世界だな。俺がいた異世界もそんなもんだった気もするけど。まぁ俺自体はかなりVIPな対応されてたけどね

 

「けれど!仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」

 

成る程。チームワークだけでなく人道的な面での試験だったのか、これで試験に落ちるの66%って少なくない?

 

「これにて演習終わり。全員合格!よぉーし!第七班は明日より任務開始だ!」

 

「よおっしゃーあぁぁぁ!」

 

ナルトが歓喜の雄叫びをあげる中、カカシ先生がこちらに近づいて来た

 

「ところでヤマメ…………そのカップラーメン、演習には不要な物だよな?」

 

「あー…………ラーメンが無いと俺………生きていけないッ」

 

「お前はこれから説教だ」

 

んな殺生な、無礼講という事でなんとか……なりませんよねー

 




主人公「大蛇丸に尻を狙われる((((;゚Д゚)))))))」

三代目「なんかあいつ変わったな?監視するか」

ダンゾウ「………敵かな?」


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四話

評価感想、誤字修正ありがとうございます
あまり更新頻度は高くならなそうですが……
出来る限りは頑張っていきたい所存

開いたら評価ゲージが赤くなってて、ファッ!?ってなりました

3話が漢数字になってないやん。って事で直しました


「しゃぁっ!つっかまえたぁー!」

 

『右耳にリボン。目標のトラに間違いないか?』

 

「ターゲットに間違いない」

 

「ハハハハハ!ナルト!随分猫に手こずってんな!」

 

あの演習から少しして……俺たち第七班はある任務を行なっていた。その依頼とは、

 

『よし。迷子ペット"トラ"捕獲任務終了!』

 

木の葉の里で迷子になっている猫の捜索だった。忍者とは一体なんなのか?そんな疑問が湧いてはいるが……平和に越したことは無い。俺はナルトが猫にひっかかれているのを近くで見ながら笑っていた。

 

この木の葉の里では、下忍の任務はこういったお使いみたいな依頼が多い。想像以上に殺伐としていない。これなら異世界の方がだいぶ物騒だ。あの世界の戦争は色々あれだったけど………まぁそれは後々。それよりこの猫を飼い主の所に届けなきゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニ"ャァァァァァァァ!

 

「ああ!私のかわいいトラちゃん。死ぬほど心配したのよぉ〜」

 

あーあ、猫が可愛そう(棒)

猫の飼い主はこの国の大名の妻、らしい。この国の身分は火影が一番高いと言う訳ではない。あくまでこの里のリーダーが火影なだけであって火影は国の表の代表と同じぐらいの立場である。まぁあの大名の妻はそれななりに羽振りが良さそうだから報酬は多めにもらえそうだ。あと何回か逃げないかなぁ(ゲス顔)

 

「……さて!カカシ隊第七班の次の任務は、と……子守りと隣町までのお使い。それに芋掘りの手伝いか……」

 

「ええっ!?そんなのノーサンキュー!俺ってばもっとこう、スゲー任務がやりてーの!他のにして!」

 

うーむ。忍者として正しそうなナルトの意見だが………やっぱり平和なお使いレベルが丁度いいかなぁ……まぁ一人暮らしのナルトやサスケは報酬が少ないから生活に支障が出そうだけど。

 

「バカヤロー!お前はまだペーペーの新米だろうが!誰でも最初は簡単な任務から場数を踏んで繰り上がってくるんだ!」

 

ああ………イルカ先生。ナルトが卒業しても苦労人だなぁ(遠い目)

しばらくは火影様とナルトの口論が続いている。仲がいいなぁ……まぁ火影様にとっては孫の様なもんか。実際孫いるらしいけど。

 

「…………分かった。お前がそこまで言うならCランクの任務をやってもらう。………ある人物の護衛任務だ」

 

ちなみに任務のランクはA〜Dまで。一般的にC、Dランクが下忍。C、Bランクが中忍。Aランク任務に上忍が割り当てられる。下忍になったばかりならDランクを主に受けて、慣れたらDランクの任務を受けてもいいレベルらしい。

 

「だれ!だれ!?大名様?それともお姫様?」

 

流石にそこまで行くとどんなに安全でもBランクは下らないだろうに………まぁ商人とか、その辺の人だろ

 

「そう慌てるな。今から紹介する。………入ってきてもらえますかな?」

 

入ってきたのは酔いどれのオッサン……いやジジイか?というか酒飲んでていいの?

 

「なんだぁ?超ガキばっかじゃねーかよ!………とくにそこの一番ちっこい超アホ面!お前それ本当に忍者かぁ?お前ぇ!?」

 

「アハハ。誰だ一番ちっこいアホ面って」

 

「お前じゃい!」

 

あ、賢者の口調が移った。どうしてくれんのこれ(続行)地の文だけじゃなくて言葉まで移るとか……

 

「………ぶっ殺す!」

 

「これから護衛するじいさん殺してどーするアホ」

 

「(どうせ殺すなら依頼料貰ってからにしろ)」

 

殺すなら奪えるものを奪ってから。これ鉄則。

 

「ヤマメ………なんか怖いってばよ」

 

「?わしは橋作りの超名人のタズナと言うもんじゃわい。わしが国に帰って橋を完成させるまでの間、命をかけて超護衛してもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木の葉の里。門の前。

木の葉の里の門は独創的だ、何故門の中央に"あ"ん"の字がデカデカと書かれているのだろうか?何かの風習なのかな?この里に住んでて一度も聞いたことないけど。

 

「しゅっぱーつー」

 

「ヤマメはなんか緩いってばよ………俺ってば一度も里の外に出たことないから楽しみだってばよ!」

 

「おい!本当にこんなガキ()()で大丈夫なのかよぉ!」

 

あれ?それ俺も入ってます?

 

「ハハ……上忍の私がついてます。そう心配いりませんよ。(片方は別の意味で心配だがな)」

 

「コラじじい。あんまり忍者を舐めんじゃねぇーぜ!俺ってばスゲーんだからなぁ!」

 

ナルトェ……。売られた喧嘩買いすぎじゃない?まぁ相手にナメられると意外と良いこと沢山あるから止めないけど。ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……カカシ先生。波の国にも忍者っているの?」

 

「いや、波の国には忍者はいない。が、大抵の他の国には文化や風習こそ違うが隠れ里が存在し忍者がいる。例えば-------」

 

カカシ先生の話を要約すると。大体の国には軍事力として忍者が存在し、荒事などは忍者が治る。小国や島国だと軍事力必要無かったりするので、隠れ里が存在しない場合もある。里の中でも木の葉、水、風、岩、雷の里は軍事力が強く、忍び五大国と呼ばれている。

その五大国では里の長は影と呼ばれる。まぁ火影様はそれだけスゲーって事だ。ただのムッツリじゃないって事。

 

「へー火影様って凄いんだぁ!」

 

「……お前ら今火影様を疑っただろ?」

 

「火影様って普段はアレだけど、すっごく強いよ」

 

あのじじいの監視は本当にすごい。俺を監視してくる組織の動かし方も上手いし、けど普段の態度がなぁ………

 

「…………(何故そんな風に言い切れるのか100回ぐらい問い詰めたい)ま、安心しろ。Cランク任務で忍者対決なんてしやしないよ」

 

しばらく歩いていると怪しい水溜りが道のど真ん中にあった。カカシ先生は気づいているが無視するつもりらしい。しかし………同じ不意打ち使いとしては………アレはないんじゃないかなぁ?

 

通り過ぎると水溜りから音もなく人間が出てきた。視界には入ってないけど。異世界での戦争だと不意打ち上等。正々堂々汚く。戦いで負けた奴が悪いんだよ。ちくわ大明神。とか教えてられたからなぁ。アレぐらいの感知は出来る。…………てか最後の誰だ?

 

水溜りから出てきた二人の人間は俺たちの最後尾にいたカカシ先生に飛びかかった。敵の武器は鎖、それも刃の付いた奴だ。

それをカカシ先生は避けることもせず……えぇ!?

 

「1匹目」

 

カカシ先生はバラバラにされてしまった。ご冥福をお祈りします。なんまんだぶなんまんだぶ

 

「キャーー!」

 

「カカシ先生ェ!」

 

「うわーカカシ先生がー(棒)」

 

そして次の獲物はカカシ先生の一つ前にいた………俺じゃん

 

「2匹目」

 

俺は衝撃を受けた………何と敵の武器は鎖だけではない。敵の腕に装着されていたのはゴツい籠手。鋭い爪が付いている。よく見ると鎖は二人のゴツい籠手から出ていた。なんてロマン武器なんだ……

 

「か、かっこいいー」

 

俺は背中のバッグに付いている鉄パイプを使ってこちらに向かってくる鎖を巻き取った。しかし向こうの武器はそんな事も予想されて作られているのだろう。相手が少しゴツい籠手にに触れただけで籠手の鎖は外れそのまま爪が俺に向かってくる

 

「ッ」

 

しかし俺には鎖が巻きついて凶悪になった鉄パイプがある。その悪魔のような凶器を俺を襲ってきた二人組の顔面に向かって振り切った。例え鎖の分重くなったとしても俺の筋力ならばなんら障害もなく振り切れる

 

「がぁぁぁッ!」「くッ!?」バリッ!

 

一人は直撃したらしい、マスクをつけてはいるが……まぁあの凶器はそれを容易く壊した。しかしもう一人には少し顔を削った程度しか傷をつけられていない。剣なら首ごと行けたけど………尋問出来ないから悪手だな。

 

うわー痛そう(他人事)直撃していない方の敵は俺から目標をタズナさんに切り替えた。しかしタズナさんの前にはサスケがいる訳で……

 

「ぐォ!」

 

サスケが止まる前にカカシ先生が割って入ってしまった……。あれ?俺しか活躍してないとか………見られている気配は感じないが……変態研究者に見られてたら………

 

「ヤマメはなんで落ち込んでるんだ?……それよりお前らすぐに助けてやれなくて悪かったな。あと………タズナさんちょとお話があります」

 

まぁ忍者に狙われるとか……Cランク任務じゃないしなぁ。その辺の所は話し合わないといけないんだろう。

 




ストック作ってねぇ。やべぇよ……やべぇよ……
主人公
「戦場に情け容赦は必要なし、勝てば官軍、不意打ち上等、正々堂々汚く、ゲス道精神を持て」
汚いさすが忍者きたない
けど勇者


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五話

日間ランキングに載ってる……ッ!?
初めて載ったのでとても嬉しい

思った事
タイトルに淫語使ってると目立つな……。
淫語ってなんか目に入った瞬間、ん?ってなるんですよね
これって………勲章ですよ


「こいつら、霧隠れの中忍ってとこか………」

 

「ごめんなさい。一人、口が使えませんね、これ」

 

俺がぶっ飛ばした、かっこいい忍者の一人の顔面は結構重症だった。話す事も出来そうにない。本来なら二人を拷問して情報を集め相違点や一致している所から嘘などを見抜くんだけど……

 

「こいつらはいかなる犠牲を払っても戦い続ける事で知られる忍びだ。口を割るとは思えん(コイツ……普通に拷問する気だったな?)」

 

「………何故我々の動きを見きれた」

 

「何言ってんの?ここ数日は晴れだ。水溜りあったら怪しいだろう?」

 

「ま、そういう事」

 

「ていうかカカシ先生何で身代わりしたの?」

 

「確かに俺が本気ならコイツくらい瞬殺できる。……だが知る必要があったんだよ。この忍びのターゲットが誰であるかをな」

 

「あー、そういう。理解しました」

 

「?どういう事だ?」

 

依頼人のタズナさんとナルト、サクラが疑問を持っているが……

 

「つまり。狙われているのはあなたなのか、それとも我々忍びのうちの誰かなのか……という事です。」

 

忍びの俺たちが狙われる要因としては……有名なカカシ先生や九尾の狐を封印されているナルト、最後のうちは一族のサスケぐらいだな。意外と俺たちが狙われてたって可能性もあるのか。

 

「我々はアナタが忍に狙われているなんて話は聞いていない。依頼内容はギャングや盗賊など、ただの武装集団からの護衛だった筈………これだとBランク以上の任務だ。依頼は橋を作るまでの支援護衛という名目だった筈です」

 

「?どういう事だってばよ?」

 

「簡単に説明すると………俺たちはこのじじいにチャーシュー麺を頼んだ訳だ。それなのにこのじじいが俺たちにただのラーメンを出した。………つまりぼったくりだな。」

 

ここで言うチャーシューとは敵対する忍びが居ない安全って所か。我ながら謎の例えだな。これではわからな---

 

「わかったってばよ!」

 

「えぇ?(驚愕)」

 

見栄を張ってる訳でもなく本当に理解した様な顔をしている………頭がいいのか、バカなのか……この場合はバカだな。ラーメンバカ

 

「敵が忍者であるなら高額なBランク任務に設定されていた筈。何か訳ありみたいですが……嘘をつかれると困ります。これだと我々の任務外って事になりますね………少し荷が重いな」

 

「大丈夫だってばよ!そんなの俺がいればッ」

 

「………ナルトお前さっき恐怖で動けなかっただろう。次の標的がヤマメだったから良かったがお前が死んでいてもおかしくはなかったんだぞ」

 

「ッ」

 

カカシ先生の言うことも最もだな。まぁ最初に本気で来る忍者を相手に戦えって方が無理な気がする。まぁこれを反省して改善しなくちゃ忍びとしてやっていけないだろう。

 

「まぁ、慣れればいいでしょう?この任務はそれに慣れる為の物って事ですよね?流石に忍者じゃなくて盗賊程度の相手だとは思いますが」

 

おそらく下忍に対する教育方針の一種だろう。どんなに模擬戦や成績が良くても実戦で戦えなきゃ意味がない。異世界でも同じ様に洗礼として動物や盗賊を狩った記憶がある。

 

「確かにそうだな。帰ってCランク任務でも受け直すか」

 

「…………やる」

 

「ん?」

 

「意地でもやってやる!次は動く!絶対に!だから!ッ」

 

いい気合いやこれは。確かに続行するのも手だな。精神的成長も望めるし、下忍の最初から忍者と戦うのもいい経験になるだろうし。カカシ先生はどうするかね。

 

「……………いいだろう。任務続行だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「儂は超恐ろしい男に命を狙われている………」

 

「超恐ろしい男……?」

 

サクラが聞き返す様に繰り返す中、俺はある答えに辿り着いた。

……………まさか大蛇丸ッ

 

いや待てよ……奴はバイではあるが、オジ専ではない筈。このじじいを狙う理由がないな。奴が狙うならショタ、若しくは若い女だと聞いている。

 

「………あんたらも名前ぐらい聞いたことがあるじゃろう。海運会社の大富豪。ガトーという男だ」

 

何処かで聞いたな…………あー親父が言ってたな。アイツのせいで海産物が仕入れにくいから魚介系スープに手を出せていない……とか言ってたな。

 

「表向きでは海運会社として活動しとるが、裏ではギャングや忍びを使い麻薬や禁制品の密売……果ては企業や国の乗っ取りといった悪どい商売をしている男じゃ………」

 

うわー真っ黒。

 

「一年ほど前、奴は財力と暴力をタテに波の国に入り込んで来た。そしてあっという間に島の全ての海上交通、運搬を牛耳ってしまったのじゃ」

 

「それがじーさんを狙う理由にどう繋がるんだ?」

 

「うむ。島国国家の要である交通を独占し今や富の全てを独占している奴がその国に出来る新たなる交通。島と大陸を繋ぐ橋を作られると商売の邪魔になるのじゃろう」

 

成る程。確かに島国なら船を使わないといけないし、その船を独占すれば儲かるだろうな。それなのにタズナさんが橋を作ると船の必要性が落ちて儲けが無くなる……と

 

「しかし分かりませんね。相手は忍びすら使う危険な相手……何故それを隠して依頼されたのですか?」

 

「波の国は超貧しい国で大名すら金を持ってない。もちろん儂にも高額なBランク以上の依頼をする様な金はない!」

 

清々しく金が無いって言い切ったなこのジジイ。

 

「まぁ……お前らが任務を辞めればワシは確実に殺されるじゃろう……が」

 

「が?」

 

「なーにお前らが気にする事はない!ワシが死んでも10歳になる可愛い孫が一日中泣くだけじゃ!あっ、それに!ワシの娘も木の葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!いや、なに、お前達のせいじゃない!」

 

えぇ?人間のクズがこの野郎………まぁ押し付けがましいがこちらもある程度、依頼を続行する事が決まったし。しっかし太えじいさんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

波の国は島国だ。大陸の火の国から行くには船に乗る必要がある。しかしその船もガトーに牛耳られている訳だから……仕方なく小さい船で波の国に渡ることになった。

 

「船……か……」

 

「どうしたんだってばよ?」

 

「そういえば船って(この世界では)初めて乗ったなーって」

 

「俺も!俺も!他の国に行くのもワクワクするってばよ!」

 

「こ、コラ!静かにしてくれ。この霧に隠れて船出したんだ。エンジン切って手漕ぎでな。ガトーに見つかったら大変なことになる。」

 

「「…………ごめんなさい」」

 

異世界での船の思い出と言えば、やはり豪華魔導客船で魔族の船を沈没させた事だろうか?あの時は凄かったな。賢者が魔法で魔族の船の周りを凍らせて、それから豪華客船に乗っていた客と共に相手の船に向かって大量の魔法を放ちまくる。戦争だって言うのに緊張感もなく、楽しく完封できた。

 

賢者は凄い奴だ。魔法では右に出るものはいない。力こそ無いけど体術も達人級。本当にお前平和な国で生まれたのか?ってぐらいには強い。

 

俺は勇者としてスペックは高いが、魔法は賢者や魔法使いに劣るし、剣術や体術も戦士に劣っていた。まぁそれを補って余りある色んな能力があるけど。

 

またアイツらに会いたいなぁ………出来なくも無いけど、下忍になっちゃったし……抜け忍になってまで会いに行くのもなぁ。長期の休暇……それも一年ぐらいの休暇が欲しい。それだけあれば行き帰りが問題なくなるんだよなぁ。

 

「そろそろ橋が見える。その橋沿いに行くと波の国がある」

 

船の先、霧で見えにくいが大きな作りかけの橋が見えた。これだけの橋を作っていたのか………このジジイが名人を自称するのも頷けるな。

 

 

 

 

 

 

「オレはここまでだ。それじゃぁ、気をつけろよ」

 

「ああ。超悪かったな」

 

「送っていただいてありがとうございます。」

 

船で送ってくれたおじさんに礼を告げ、俺たちはタズナさんの家に向かった

 

「よーし!ワシを家まで無事、送り届けてくれよ」

 

「はいはい」

 

あーあ、波の国に入ったから襲撃されるんだろうなぁ……あのかっこいい装備の忍より強いんだろうな。嫌だ嫌だ。

 

 

 




前書き書いた時より順位が上がってた
((((;゚Д゚)))))))

罵倒であろうと感想募集してます


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六話

適度にプロットを作成中
疾風伝……どうすんべ……




タズナさんの家へ向かう中……ナルト達に迫る影……

 

「そこかァーー!」

 

「やめろー!」

 

先程からナルトが何かを感じるたびに手裏剣を投げているが、今まで何かがいた事は無かった。と、言っても今回は違った様だが……

 

「……あ」

 

ナルトが手裏剣を投げた茂みを見てみると白いウサギの頭に手裏剣が直撃していた。ウサギはかろうじて生きている。

 

「なんだ……ウサギか」

 

「ナルト!なんて事すんのよ!」

 

「そ、そんなつもりは……ごめんよ、うさこう……」

 

「焼いて食べるか………煮て食うか……」

 

やはり丸焼きが良いかな。中々に身が引き締まっているウサギだ。しかし全員が食べるには少し少ないな………ナルトが獲ったから、ナルトと調理する俺で分割するか。

 

「「!?」」

 

「そんな事させないってばよ!」

 

「そうよ!あんたには人の心がないの!?」

 

「えぇ……ウサギ美味しいのに………」

 

異世界では屋台やら出店やらでほとんどの街に売っていたな。店ごとに味付けが違うから中々に楽しめた。燻製とか。エールのつまみに……ああ^〜たまらねえぜ。

 

「ッ!全員伏せろ!」

 

「「「!?」」」

 

俺たちを襲ったのは大きな刀、死角から全く音もせず放たれたそれは俺たちを死に陥れようと、こちらに向かって投げられた。

 

サスケはすぐに護衛するタズナさんを抱えて伏せ、俺たちも各自その場で伏せた為に犠牲者は出なかった様だ。

 

投げられた刀は木に突き刺さった。そして剣の上にはその刀を投げた下手人………前衛的ファッション(変態センス)の男が立っていた。

 

「へ、変態だー!」

 

ギロ

oh……短気やな。別に殺気を送らなくても良いじゃない?

 

「へー、こりゃこりゃ、霧隠れの抜け忍。桃地再不斬君じゃないですか。………邪魔だ。下がってろお前ら。こいつはさっきの奴らとはケタが違う」

 

「確かに強そうですね………」

 

それに………あの剣、中々の名刀だな。頑丈そうだし、何か特殊能力もありそうだ。

 

「写輪眼のカカシと見受ける……悪いが、じじいを渡してもらおうか」

 

「卍の陣だ。タズナさんを守れ……お前達は戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」

 

「りょーかい」

 

卍の陣……この場合タズナさんの周りを囲うように配置して、タズナさんを守れって事だな。里の英雄の本気の戦闘を見れるとは……運がいいな。

 

「?写輪眼ってなんなんだ?」

 

「写輪眼……」

 

サスケの話によると、幻術、体術、忍術を跳ね返してしまう能力を持っているらしい。はえ^ーすっごい。

 

「………しかし写輪眼が持つ能力はそれだけじゃない」

 

「クク……ご名答。それ以上に怖いのは、その眼で相手の技を見極めコピーしてしまう事だ。オレ様が霧隠れの暗殺部隊にいた頃。携帯していた手配帳にお前の情報が載ってたぜ」

 

「それにはこうも記されていた。千以上の術をコピーした男。コピー忍者のカカシ」

 

「スゲーってばよ!」

 

そんなの、もうチートや、チーターやろそんなん!俺が言えた事じゃ無いけど………つまりカカシ先生の左目が開眼している時は、忍者に対してガンメタを取れるっと。メモメモ。

 

「さて、お話はこれぐらいにしとこーぜ。オレはそこのじじいをさっさと殺んなくちゃならねぇ。つっても………カカシ!お前を倒さなきゃならねぇーようだな」

 

再不斬は大刀と共にその場から飛び、近くの()()()()()()()()()。おー忍者っぽいな。

 

「水の上に!?」

 

「忍法………霧隠れの術」スゥ……

 

「消えた!?」

 

水の上にいた再不斬は見えなくなってしまった。水蒸気の反射を利用したステルス……しかも足音がしない。オレと同じく堂々と不意打ち暗殺するタイプか……通りでシンパシー感じる訳だ。

 

「…………桃地再不斬。こいつは霧隠れの暗部で無音殺人術(サイレントキリング)の達人として知られた男だ。気がついたらあの世だったなんて事になりかねない。オレも写輪眼を全て上手く使いこなせる訳じゃない……お前らも気を抜くな」

 

サイレントキリング………しっかし足音がマジで聞こえないなぁ。練習すれば出来るか?流石に無理か……教えてもらえば出来そうだけど……生憎敵だしなぁ。

 

「どんどん霧が濃くなってくってばよ!」

 

『8箇所』

 

「!え?な、何なの!?」

 

声が何処から聞こえてくるのか分からない……徹底してるな。流石は無音殺人術の達人だ。

 

『咽頭、脊柱、肺、肝臓、頸静脈に鎖骨下動脈。腎臓、心臓……さて……どの急所がいい?クク……』

 

「うーん…………頸動脈を一つお願いします。」

 

「ま、真面目に答えてる場合じゃないってばよ……」

 

いやー達人の技をその目で見たくなりまして………テヘッ(//∇//)っ

 

カカシ先生が印を組んだ瞬間---周囲のそこら中から凶悪な殺気が放たれた---慣れていないサスケ、ナルト、サクラは身を固め、タズナさんは腰が引けてしまっていた。

 

「サスケ………安心しろ。お前達はオレが死んでも守ってやる。」

 

┌(┌^o^)┐ ホモォ………

 

「オレの仲間は絶対殺させはしなーいよ!」

 

笑いながら言い切ったカカシ先生は俺たちに安心感を抱かせた………そして俺は妙な勘繰りをした事によって罪悪感が湧いた。

 

『それはどうかな……?』

 

音もなく再不斬は現れた()()()()()。どうやら注文通り俺を狙ってくれるらしい。既に奴の剣は俺の首を刎ねようと迫っていた。

 

 

 

キンッ

 

「鉄パイプだと!?」

 

俺は鉄パイプを()()()()()()()、奴の剣の軌道を上へ打ち上げた。その隙をカカシ先生が見逃す筈も無い。弾いた瞬間には再不斬の元にカカシ先生がクナイを持って迫っていた。

 

グサッ

 

「先生!後ろ!」

 

ナルトが声を荒げるのも無理はない。何故なら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。元々いた方の再不斬は水に変わって地面に落ちている。

 

再不斬は俺によって打ち上げられたその大刀を手にしてカカシ先生を真っ二つに切り裂いた。

 

 

 

 

しかし、切り裂かれたカカシ先生は本物では無かったらしい。再不斬の分身と同じ様に水となって崩れ落ち、本物のカカシ先生は再不斬の背後から首の所にクナイを突きつけて立っていた。

 

「動くな…………終わりだ」

 

うーむ、高レベルな戦いだ………俺の首を狩るだけの一発芸では対応できそうにない………

 

「す、スッゲーー!」

 

「………ククク。終わりだと?………分かってねぇーな。猿真似ごときじゃあ……あのオレ様は倒せない」

 

どうやら再不斬はまだ秘策があるらしい。

 

「しかしやるじゃねぇーか!あの時既に俺の水分身をコピーされてたって事か。分身の方に()()()()()()()セリフを喋らせる事で、俺の注意を完全に引きつけ、本体は霧隠れの術で隠れて俺の動きをうかがってたって寸法か」

 

再不斬の話によるとカカシ先生の仲間を守る的な発言の時には既にカカシ先生は水分身であったらしい。ていうかあの術水分身って言うのか………影分身みたいに忍術を使わせる事は出来そうにないが……実体があるから体術や忍具を使わせる事は出来そうだ。

 

「だがな…………俺もそう甘かぁねーんだよ」

 

「!!」

 

カカシ先生に拘束されていた再不斬は水となって消えた。本体はカカシ先生の背後に、そして再不斬は剣を振り、カカシ先生を真っ二つにしようと襲いかかる。

 

「ッ(ヤマメよりは振りが遅い!)」

 

カカシ先生は難なくそれをしゃがんで躱した。再不斬の振った大刀は地面に突き刺さった。しかし再不斬の猛攻はそれでも止まらない。地面に刺さった大刀を支えにカカシ先生を蹴り池の中へ落とした。

 

「ッぐウ」

 

それを追うように再不斬も池へ向かおうとするが、地面にはカカシ先生によってまきびしを撒かれていた。蹴られた一瞬に周囲にばら撒いたのか………

 

「チッ………くだらねぇ」

 

「センセー!」

 

"水牢の術"

 

池に落ちたカカシ先生は再不斬の術によって水の中に囚われてしまった。

 

「ククク……ハマったな脱出不可能の特性牢獄だ!お前に動かれるとやりにくいんでな………さて………?(断頭・首斬り包丁が欠けている?)」

 

再不斬は自分の武器を見て何かを感じたらしい。よく見ると奴の刀が欠けている。俺の鉄パイプ(に化けた聖剣)ともろに拮抗させたからなぁ………

 

俺は異世界で勇者になった。その恩恵としての1つが聖剣だ。色々能力があるが……今回は自由に形を変えることが出来る能力で鉄パイプにしていた。サバイバル演習の時も鉄パイプではなく聖剣を持っていた。

 

バレたく無いのに聖剣を持って来た理由としては………実はこの聖剣常に持ち歩いていないと拗ねるのである………異空間に収納する能力もあるが………それでも拗ねる。

拗ねると能力を使いにくくなったり、切れ味が落ちたりするのでよろしくない。全くもって面倒な武器である。

 

「……さてと。カカシお前との決着は後回しだ。まずはアイツらを片付けさせて貰うぜ。」

 

"水分身の術"

 

池の水が段々と人の姿を形作り…………もう一人の再不斬が現れた。

 

「絶体絶命って奴か」




感想欄でネタバレしたけど鉄パイプは聖剣です。
この辺はナルトの成長が目覚ましいのであまり主人公に首を突っ込ませたく無いなぁ……


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七話

前回のあらすじ
カカシ先生が再不斬に捕まってしまったぞ!
奴はカカシ先生を捕まえるのに手一杯だが奴の水分身が俺たちに迫って来ているーゥ!
KEN、どうにかしろ(無責任)


カカシ先生が捕らえられた為に俺達は絶体絶命のピンチに追い込まれていた。俺達を狙おうとする奴の水分身の相手をしなくてはならなかった………

 

「ククッ……偉そーに額当てまでして忍者気取りか……だがな本当の"忍者"ってのはいくつもの死線を越えた者の事を言うんだよ」

 

なん……だと……

その理論だと………俺もじゃん。口には出さないけど。

 

「つまり……オレ様の手配書にのる程度になって初めて忍者と呼べる。………お前らみたいなのは忍者とは呼べねぇ……」

 

再不斬が再び霧隠れの術によって消えてしまった……水分身は影分身とは違い能力のスペックが幾らか落ちる様だが、それでもナルト達では実力差があるある。

 

「!」

 

ナルトが蹴り飛ばされた!奴の忍者である事を認めないと言う主張からか奴は額当てを狙って蹴り飛ばしたらしい。その蹴りによってナルトの額当てが外れてしまった。

 

「ナルトォ!」

 

「お前らは唯のガキだ」

 

コイツの相手は流石に荷が重いんじゃ無いのか?ナルトが主人公らしいが、最初の敵がコイツって……鬼畜か何かなのかな。

 

「お前らァ!タズナさんを連れて早く逃げるんだ!コイツの水分身は一体とは限らない!コイツとやってもお前らの誰かが死ぬだけだ!オレを水牢に閉じ込めている限りコイツはここから動けない!水分身も本体からある程度離れれば使えないハズだ!」

 

「とにかく今は逃げろ!」

 

成る程。複数人奴の分身がいる可能性もあるのか………、居たとしても奴の霧隠れの術で見えないし、足音もしないしで最悪だな。

 

「……………………」ギリッ……

 

確かに逃げるのが理想的な回答だけど……ここでカカシ先生を見殺しにしてもなぁ。こんな時主人公(ナルト)はどうするのかな?

 

「うおおおおお!」

 

「バ…バカ!よせ!」

 

ナルトは再不斬の元に一直線に走り突撃した。なんの策も無い只の突進。それを見た再不斬はナルトに呆れている。

 

「あ!ナルトォ!何考えてんのよ!」

 

「フン……バカが」ドカッ

 

再不斬はまともに相手をする気も無い様だ。ナルトを蹴り飛ばしただけだった。ナルトが吹き飛ばされ、俺たちの元に飛んできたが、

 

「一人で突っ込んで何考えてんのよ!いくら粋がったって、下忍の私たちに勝ち目なんてあるわけ……」

 

面白い。それを取りに行ったのか………ナルトにとって大切な物の1つ。イルカ先生に認められた証。()()()()()()()を……やる気は十分らしい。

 

「…………おい、そこのマユ無し」

 

おっ再不斬の奴、少し反応したな………気にしてるのかな?これは後で煽るしか無いな、相手の精神状態を乱すのも立派な戦術だし。

「お前の手配書に新しく載せとけ!」

 

 

 

 

「いずれ木の葉隠れの火影になる男………木の葉流忍者!うずまきナルトってな!」

 

 

 

 

「………かっこええやん。やっぱりお前はスゲー奴だ」

 

流石は主人公。でも…俺、勇者やってる中こんなカッコいいセリフ吐いたこと無いんだけど………かなしぃなぁ。

 

「へっ、ありがとよ。………サスケ!ちょっと耳貸せ。……作戦がある」

 

「フン、あのお前がチームワークかよ…」

 

"silent(消音)"

 

これは俺からのオマケ……これでどれだけ大きな声で話しても奴には作戦は聞こえねぇぜ。……俺は………適当にフォローするか…

 

「さーて。暴れるぜぇ……」

 

「くく……えらい鼻息だが、勝算はあるのか?」

 

「お前ら!何やってる!逃げろって言ったろ!オレが捕まった時点でもう白黒ついてる!俺たちの任務はタズナさんを守る事だ!それを忘れたのか!?」

 

 

 

「………おっちゃん」

 

ナルトが申し訳なさそうにタズナさんを見る。しかしタズナさんはナルトに感化されたのか笑っていた。

 

「………なぁに、元はと言えばワシが撒いた種。この期に及んで超命が欲しいなどとは言わんぞ。すまなかったなお前ら……思う存分に戦ってくれ」

 

いいおっさんや……。是非ともあの橋を完成させて欲しいな。そしたらあの橋で出張一楽でもしてやるかね。

 

「フン……という訳だ」

 

「覚悟はいいな……」

 

「それに………カカシ先生の話だと……"ルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされるが、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!"らしいですから」

 

先生の教えは大切。守らなきゃ(使命感)

 

「クックックックッ………」

 

「壊れたか?マユ無し」ギロッ

 

あー怒ってる怒ってる。これでヘイトがこっちに来るな。流石に上忍である奴の攻撃をナルトやサスケに向かせたら勝ち目が無い。

 

「…………本当に成長しねぇな」

 

「なにぃ!」

 

「いつまでも忍者ゴッコかよ……オレァよ

お前くらいの歳の頃にゃ、もうこの手を血で赤く染めてんだよ……」

 

おっ、そうだな(適当)

おれもよぉ…今ぐらいの歳の頃にゃ、この手を紫色の血で染めてんだよ※魔族の血は紫でした。

 

「鬼人……再不斬!」

 

「ほぅ……少しは聞いたことがあるようだな」

 

知っているのか雷電。

 

「その昔"血霧の里"と呼ばれた霧隠れの里には忍者になる為の最大の難関があった……」

 

「フン……あの卒業試験まで知っているのか」

 

「あの卒業試験?なんだってばよ?」

 

「クックックッ、生徒同士の殺し合いだ」

 

「………非効率的だな」

 

カカシ先生の話によると、10年前その卒業試験は改革を遂げざるをえなくなった。その原因が同期の卒業生を皆殺しにした再不斬だった。なんの躊躇もなく100人以上の受験者を殺し尽くしたらしい。

 

「楽しかったなぁ………アレは……」

 

---その直後、俺たちに向けられる再不斬の強烈な殺気。慣れていないナルトとサスケは今は動くことができなそうだな。まっ、それより()()()()()()()()()()()()

 

「まずはテメェからだ………生意気なクソガキィ」

 

オレの元に現れ、その大刀を振り下ろして来た。

 

 

ガキンッ

------まぁ鉄パイプ(聖剣)で止めるけど

ギリギリギリ

 

俺の鉄パイプと奴の大刀が拮抗する中、奴の分身が口を開いた。

 

「チッ……首斬り包丁で切れない鉄パイプ……どんな素材で作られてやがるッ」

 

そりゃ……アダマンタイト(魔導金属)?よう知らんな。知っていた所で………本当に教えるつもりも無いけど。

 

「あっ、わかりますぅ?これホームセンターで選び抜いたこだわりの鉄パイプなんですぅ」

 

うーん、我ながら素晴らしい煽り………70点。惚れ惚れするね、奴もかなりイラついたのかかなり本気で大刀を振ってきたが……

 

「死ね!」

 

「オラァッ!」ズドン!

 

再び振られた首斬り包丁を、鉄パイプ(聖剣)を振られた刀を沿う様に叩きつけ地面に半ばまで埋め込んだ。ま、メイン武器を奪うのは定石の1つだからな、本来ならここから勇者のスペックを利用した一方的リンチをしなければならないのだが

 

「今だ!ナルト!」

 

「おう!」

"多重影分身の術"

 

ナルトの膨大なチャクラによって量産された大量の実態ある分身。その全てが得物を失った再不斬へ向けて走り出す。

 

「「「「行くぜ!」」」」

 

「ッ影分身か…………しかし幾ら数が多くても!」

 

しかし、ナルトの技量が足りない。再不斬は何十人ものナルトを体術だけで圧倒し……一体、一体確実に影分身を消していく。しかしそれだけで終わる奴じゃない。

 

「サスケェ!」

 

ナルトの本体は自分の鞄から目的の忍具を取り出して、サスケに投げ渡した。サスケの方も殺気による硬直から解放されたのか何の障害も無くナルトからそれを受け取れた様だ。

 

「風魔手裏剣」

 

ナルトからサスケに渡された忍具は風魔手裏剣。折りたたみ式の大型の手裏剣である。

 

「手裏剣なぞオレには通用せんぞ!」

 

「テメェは黙っとけや!」

 

奴の水分身がナルトに構っている隙を突いて、背後から鉄パイプを突き刺した。すると水分身は形を保てなくなったのか元の水に戻ってしまった。

 

「ッ!」

 

一方サスケは展開した風魔手裏剣そのまま再不斬の本体に向け風魔手裏剣を放った。

 

「成る程。………最初から本体狙いだった訳か……だが、甘い!」

 

一直線に向かって来る風魔手裏剣を再不斬は難なく掴み取った。しかしその風魔手裏剣の影に隠れる様にしてももう一つの風魔手裏剣が投げられていた。

 

「手裏剣の影に手裏剣が……!」

 

上手い。流石はアカデミーのエリート手裏剣の使い方も違うな……俺ではああいう繊細な技は無理だ。出来て無回転手裏剣ぐらいか?(只の力技)

 

「……が、やっぱり甘い!」

 

再不斬はカカシ先生を捕らえている手をそのままに、2枚目の風魔手裏剣をその場で跳ぶことで回避した。

 

 

しかし………それすら作戦通りだ

 

 

ボフッ!

2枚目の風魔手裏剣は再不斬の後ろで手裏剣からナルトに変わった。いや、戻ったと言うべきか……最初にサスケに渡された、風魔手裏剣はナルトが変化して変身したものだったのだ。

 

「ラァ!」

 

ナルトはそこから飛び上がって宙に浮いている再不斬に向かって苦無を投擲。顔面に向かって一直線に飛んでいる。

 

「!?」

 

流石の再不斬もそれは本腰を入れて避けなければならなかったらしい。()()()()()()()()()()()()()()最初に掴んだ風魔手裏剣でナルトを仕留めんと構えた。

 

ガシッ

 

しかし再不斬の忍術から解放されたカカシ先生がそれを許すはずがない。再不斬の持っていた風魔手裏剣をつかんで止めてしまった。

 

「カ、カカシ先生!」

 

「………ナルト……作戦見事だったぞ。成長したなお前ら……」

 

「へへ……あの影分身の狙いは再不斬を倒すことじゃなく、俺自身が風魔手裏剣に化けるのを隠す為だったんだってばよ!もちろんそれだけで倒せるとは思ってなかったけど……水牢さえ壊せればと思ってね。」

 

いい発想だった。まさか手裏剣に変化するとは……しかも影分身ですらブラフか………応用性の高い術だと思っていたが………こうも使いこなすか。

 

作戦を聞いていた俺は投げた風魔手裏剣に干渉されない様に奴の水分身を一応消しておいたが……そんなフォローも必要なかったらしいな。

 

 

 




主人公
「3人に勝てる訳ないだろ‼︎」

再不斬
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前‼︎」


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八話

夏休みの宿題を仕上げたので遅れました
……夏休みの宿題って最後にやるのが風情だと思わない?

またランキング上がっててびっくりした。
文才ない作品ですがどうぞよろしくお願いします。




それからのカカシ先生と再不斬の攻防は想像を絶するものだった。カカシ先生がコピー忍者としての異名を持っている事を素直に納得出来る。再不斬の忍術を悉く、全く同じタイミングでそのままコピーして最後には再不斬の術を出すスピードを上回った。

 

「カカシ先生………えぐいな」

 

俺が率直な感想を口にする中、どうやら二人の戦いに決着がついた様だ。再不斬はカカシ先生に追い詰められている。

 

「何故だ………お前には未来が見えるのか……!?」

 

「ああ……お前は死ぬ」

 

しかしその決着に横槍を入れる者が現れた。いや、横槍って言うより横取りだが……

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そのまま再不斬は絶命し、物言わぬ死体となった。

 

「フフ………本当だ。死んじゃった」

 

千本を投げたのは奇妙な面を付けた恐らく忍者。その面には霧隠れの里のマークが入っている。カカシ先生は再不斬の脈を取って死んでいる事を確認した様だ。

 

「確かその面………お前霧隠れの追い忍だな?」

 

「流石………よく知っていらっしゃる。」

 

追い忍とは、里から抜け出した重要な機密などを持った忍者を処理する事を専門とする忍者だ。俺もこの世界に帰って来た時に木の葉の里を出る事を考えたが……この追い忍の存在から抜ける事を諦めた。

例え抜ける事は簡単だったとしても、親父や姉に余計な迷惑が掛かるからな。

 

「ありがとうございました。ボクはずっと再不斬を殺す機会を伺っていた"抜け忍狩り"を任務とする追い忍部隊の者です。」

 

「まっ、こっちと敵対するつもりはないなら言うことなしですよね。カカシ先生?」

 

「そうだな。下手に手を出しても国際問題になりかねない。」

 

「納得できないってばよ………俺と変わんねぇあんなガキに……」

 

確かにあれは背丈や声からして俺たちとそう変わらない年齢だな。ナルトはあんだけ苦戦した再不斬が一瞬で殺された事に納得出来ない様だ。それにしても霧隠れの里ってのは相当に高度な教育をしているらしい。……人道的かどうかは別としての話だが。

 

「ま、信じられない気持ちも分かる、がこれも事実だ。この世界にはお前より年下でオレより強いガキもいる。」

 

この世界は修羅の国か何かなのか?当然浮かんだそんな疑問に答えてくれる人間もいないので状況は進んだ。

 

「……あなた方の戦いもひとまずここで終わりでしょう。ボクはこの死体を処理しなければなりません。何かと秘密の多い死体なもので……それじゃあ失礼します」

 

「………消えた」

 

あれがよく見る瞬身の術と言うやつであろう。短距離転移の劣化版って所かな。極めれば短距離転移ぐらいの速度に至れるだろう。まぁ俺は短距離転移の魔法が使えるので覚える気は無いけど。

 

「さ!俺たちもタズナさんを家に連れて行かなきゃならない。元気よく行くぞ!」

 

「はははっ、超済まんかったのう。ま!ワシの家だゆっくりしていけ!」

 

バサッ

タズナさんが言葉を発すると同時にカカシ先生が地面に倒れ伏した。

 

「カカシ先生!大丈夫ですか!?」

 

「………う、動けない」

 

どうやら毒とかでは無く、単純な疲労で動けない様だ。写輪眼と言うチートを使った代償だろう。それ程までにチャクラの消費が激しいのか………

当然の様にカカシ先生を運ぶ必要があったので特に疲れていない俺が運ぶ事にした。例え将来ゴリラだとしても女の子に持たせるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちはタズナさんの家に到着した後、布団にカカシ先生を寝かせて少し休憩をしていた。例えサクラが戦闘に参加していなくても精神的に疲れてるだろうし、戦闘に参加した二人は尚更だろう。

 

「先生、大丈夫?」

 

「いや、一週間ほど動けない……」

 

「なーによ!写輪眼って凄いけど、体にそんな負担がかかるんじゃ考えものよね!」

 

「でも先生は"写輪眼のカカシ"って言われるぐらいの忍なんだから、今回の奴は鈍ってたか、写輪眼に慣れてないだけじゃないの?」

 

「…………(耳が痛い……)」

 

実際一回の戦闘で倒れるぐらいなら二つ名になる程有名にはならないだろう。つまり相当な時間、写輪眼を使わなかったから慣れない疲労が溜まって倒れてしまったんだろう。まぁ最近平和だし仕方ないのかもな。

 

「ま!今回あんなに強い忍者を倒したんじゃ。お陰でしばらくは安心じゃろう!」

 

「それにしてもさっきのお面の子って何者なのかな?」

 

「……アレは霧隠れの暗部。追い忍の特殊部隊がつける面だ。」

 

カカシ先生の寝ながらの講義によると、彼らは己の里の忍術の秘密や忍者個人のチャクラの性質、体に用いた秘薬の成分などの情報を死体から知られない為に、死体を処理して忍者の痕跡を消す死体処理班の様なものらしい。

 

特におれの体は調べられると困る物が多いので絶対にお目にかかりたくない。変態に捕まってしまえばどんな事をされるのか………恐怖で死にたくなってくる。

 

「…………」

 

「どうしたんだってばよ先生?」

 

「ん?ああ………死体処理班ってのは殺したらすぐにその場で処理するものなんだ………」

 

確かにその場で燃やしてしまえば殆ど痕跡も残らないし、効率的だな。向こうでは死体なんて使い物にならないから捨てるか埋めるかしてたのに………やっぱりNINNJAは面倒だなぁ。

 

「それが何なの?」

 

「あの少年は再不斬の死体を持ち帰った。殺した証拠なら首だけ持ち帰れば事足りるのに……だ。それと、問題は追い忍の少年が再不斬を殺したあの武器だ……」

 

ふむ……確か千本だったか?確かそれなりに使う奴は少ないマイナーな武器だな。正直俺は使いたいとは思わない。

 

「………まさか」

 

サスケは何かに気づいた様だ。俺には全くわからないけど……再不斬の死体を使って悪魔召喚の儀式でもおっぱじめるのか?いやでもこの世界の人間がそれを知ってる訳無いし……

 

「あーあ……そのまさかだな。恐らく……再不斬は生きている」

 

「ほへー」

 

「どーゆー事だってばよ!」

 

「カカシ先生が再不斬が死んだのをちゃんと確認したじゃない!」

 

俺が気の無い返事をする中、ナルトとサクラがカカシ先生に突っかかった。アイツ生きてたのか。………俺って魔法使わないと無能だなぁ、あんまり使いたくないけど。

 

「確かに確認したが……あれは恐らく、仮死状態にしただけだろう。あの追い忍が使った武器は急所にでも当たらない限り殺傷力のかなり低い武器で、そもそもツボ治療などの医療にも用いられる代物だ。」

 

なるほど、仮死状態になって逃走を図るとは……汚い、流石忍者きたない。カカシ先生の言う根拠は二つ。

一つ自分より重い死体をわざわざ持ち帰った。二つ殺傷性の低い千本と言う武器を使った。この事から再不斬を殺しに来たのではなく助けに来たとも考えられるという事だ。

 

「考えすぎじゃないのか?追い忍は抜け忍を狩るもんじゃろ?」

 

「いや、クサイあたりを付けたのなら、出遅れる前に準備しておく……それも忍の鉄則!」

 

なら遅刻を辞めればいいのに……そんな指摘が頭をよぎったが空気を読んで自重しておいた。

 

「お前達に修行を課す!」

 

「えっ?先生!私達が今ちょっと修行したところでたかが知れているわよ!相手は写輪眼のカカシ先生が苦戦するほどの忍者よ!」

 

「ククク……その苦戦している俺を救ったのは誰だった?お前達は急激に成長している。特にナルト!お前が一番伸びてるよ」

 

確かに今のナルトはイタズラ小僧のナルトとは雲泥の差があるな、これ程の成長効率なら未来に火影になるのも納得だ。それでも一週間で再不斬に勝てる様になるのは少し無理だろうけど……

 

「再不斬は仮死状態から回復するのにかなり時間が掛かるだろう。」

 

「その間に修行って訳だな!面白くなって来たってばよ!」

 

しっかし修行か………当然、ナルト達の力量を見るに基礎力を上げる修行なんだろうな。俺も戦争屋としてはかなりの強さだけと、忍者としては二流、三流だし。

 

「…………面白くなんかないよ。……お帰りおじいちゃん」

 

「おおイナリ!どこへ行っておったんじゃ!こちらはおじいちゃんを護衛してくれた忍者さん達だよ!」

 

「イナリ!ちゃんと挨拶しなさい!」

 

出てきた少年はタズナさんの孫にあたる人物らしい。ついでに紹介しておくとタズナさんの娘ツナミさんもこの場にいたりする。

 

「母ちゃん……こいつら死ぬよ……」

 

「なんだとぉー!このガキってばよぉーー!」

 

「ガトー達に刃向かって勝てる訳がないんだよ」

 

「このガキー!」

 

「なに子供相手にムキになってんのよバカ!」

 

サクラがナルトを抑えているが離したらそのまま襲い掛かりそうな雰囲気である。煽り耐性ゼロかな?火影になるなら、木の葉に住んでいる俺としてはその面でも成長してほしいもんだな。

 

 

 

 

 

 




カカシ先生と再不斬の戦闘は原作通りなので飛ばしました。
俺にはあの激しい戦闘を表現する事は出来ない……
そして
淫語が入ってないやん……どうしてくれんのこれ?

次回修行アンド解説回

お気に入りが千……件
((((;゚Д゚)))))))


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九話

今回魔法の大盤振る舞い

魔法の名前に芸が無いなぁ……って思ったので英語にしました。
名詞か動詞か副詞かは発音の良さと気分です。


俺達に課された修行、手を使わずに木を登る事。

足にチャクラを少量集め、吸着させる事によって手を使わずに木や壁を登れる様になるんだとか。

カカシ先生が松葉杖を突きながら実演してくれたそれを実行しようと皆が張り切っている。

 

「とりあえず…………ヤマメ。お前がやってみろ」

 

「………ふぇ、何故です?」

 

「ああ。この中で一番チャクラコントロールが出来ていないのはお前だ。だからどうやって失敗するのか皆に見てもらう。お前は頑丈だし大丈夫だろ?」

 

確かに。そもそも勇者に成った時には、ある程度チャクラは使えていたのだ。しかし量が限られたチャクラと無尽蔵にある魔力、どちらを使うか、と言う状況だった時どうすると思う?しかもチャクラより魔力で身体強化や魔法を使った方が火力が出ると言う条件つきで………当然後者を選ぶだろう。

 

 

まぁ、そういう理由があって、体感3年間チャクラを殆ど使わなかったので高度な忍術は不可能と言っても過言ではない。

 

「………上まで登ってこのクナイで印を付ければいいんですよね?」

 

「ああ。」

 

俺は目の前にある大きな木の幹の前に立った。今回練るチャクラは少量でいいらしい。俺の場合大量のチャクラを練ると不都合な事が起こるのでありがたい話だが。

 

しかし、言われた通り仲間に無様を晒すのも芸が無い。

俺はクナイを握り…………

 

 

 

バキッ!

 

 

 

その第一歩を木の幹に突き刺した。予想外の行動にナルト達が唖然とする中。

俺は突き進むッッッ!来るべき日までぇッッッ!

 

 

 

バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!

 

 

 

木の幹に足を減り込ませるだけの簡単なお仕事。なんとチャクラ消費はゼロである。一体なんの修行になるのかと聞かれたら余裕を持って体幹を鍛えていると言い放て(ないです)

 

ある程度登った所にクナイで傷を付け、足を引っこ抜いて地面に降り立つとカカシ先生が頭に手を当てて上を向いていた。何か悲しい事でもあったのだろうか?

 

 

「………ヤマメ、これが何の修行だかわかってるか?」

 

「ええ。これはジョークの一種なので気にしないで良いですよ?」

 

「男って、本当にバカね……」

 

「一緒にしないで欲しいってばよ」

 

「………フン」

 

 

どうやら勇者流のジョークは不評らしい。賢者辺りには『ハハハハハ!ディ○様じゃん。人間やめたの?』とか言って笑ってくれたんだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後真面目にやってみたが無理だった。何事も諦めが肝心です。

しかしこの修行は俺には必要不可欠な要素をトレーニング出来るのだ。そもそもスタートラインにすら立ててないけど……

 

足が木にくっ付く程度の微量なチャクラを、チャクラを通しにくい足の部分で精密に操作する事でチャクラの調合量を体で覚える為の修行なんだが、俺は一定量のチャクラを練る事が苦手……いや不可能と言ってもいい。

だから足を付けた瞬間弾かれたり、くっ付かなかったりするのだ。最初の一歩で躓いている時点でお察しだろう。

 

サクラは元々チャクラコントロールが上手かったらしく、すぐに終わってしまった。ナルトは最初は俺と同じぐらいのレベルだったのに凄い勢いで成長して、先に進むサスケに迫ろうと頑張っている。サスケもサクラ程では無いにしても最初の一歩で躓く様なことは無かった。

 

 

 

俺だけ出来てない………

 

 

 

俺はナルトがサクラにアドバイスを聞きに行くのを見た後、このままではヤバイと思って裏技を使う事にした。

 

立ったままやるのもアレなので精神統一している事にしておこう。座禅を組んで地面に座り込み、それを行使する。

 

 

 

 

"analyze(分析)"

 

 

----仮定存在"精神エネルギー"の特定を開始

 

--失敗--失敗-ー-成功

 

 

 

----更なる仮定存在"身体エネルギー"の特定

 

-失敗--ー成功

 

 

"fusion(融合)"

 

----"精神エネルギー"と"身体エネルギー"の融合を開始

 

 

 

 

---ー不特定存在を確認、"チャクラ"と推測

 

 

--これより調合量調節の"術式"の調整…開始

 

 

 

--失敗--失敗------成功

 

---完成した魔法を"auto fusion(自動融合)"と命名

 

 

 

 

 

 

 

「…………………我ながらチートだな」

 

忍術を使う為のチャクラが自動で調合されるバフ魔法。そして任意の場合に常にこのバフが掛かる事を設定しているので不意打ちにも安全に対処できる。まぁパッシブスキルと言う奴だな。

 

後は……

 

----"チャクラ"の思考操作術式を構成

 

--失敗---失敗---失敗--失敗

 

---目標規定値--低下要求--許可

 

---失敗------成功

 

---完成した魔法を"auto operation(自動操作)"と命名

 

 

多少精度は低くなったけどまぁ無いよりはマシだな。改良は使っていく中でやればいいし………

えーと……結構時間が掛かったらしいな。サクラが居ない。

けどナルトとサスケはまだ修行をしているな。

俺が魔法を作ってる間にあんなに上まで登ったのか……

 

「オイ、ナルト!」

 

「ん?なんだってばよ?」

 

あれ?サスケがナルトに声を掛けるなんて珍しい事もあるもんだな。一方的にナルトが突っかかるだけだと思ってたけど……

 

「そ、その……なんだ。サ、サクラお前に何て言ってた?」

 

お前ノンケかよぉ(驚愕)!ホモに狙われてるから余裕でホモだと思ってたわ。いつも女子にキャーキャー言われてても無視してたし………そうか。ああ………安心した。

 

「教えなーい!」

 

しかしナルトはそれをサスケを揶揄う要因に出来ると考えたのかニヤつきながらサスケの質問に答えるのを拒否した。

 

「「………………」」

 

しかし二人の間に生まれたのはただの沈黙。しっかし……

 

「………青春だねぇ」

 

「「ッ!?」」

 

先程まで瞑想?していた俺がいきなり現れたことに驚いたのか二人はその場で尻もちをついた。そんなに驚く事かな?

 

「な、何がッ」

 

「そ、そうだ。ヤマメは自分のこう言う話はないのか?不公平だってばよ!」

 

「恋愛経験?…………あるね。振られたけど……」

 

「「!」」

 

「そ、それって誰!誰!」

 

誰って言われても………異世界の人だし。ていうか振られたって言うか、降ったって言うか………普通に破局したんだよね。お互い自分の世界の事もあるし。

 

ていうかアイツの話を出しただけで腕輪(に変形した聖剣)が抗議の声あげてんだけど…………お前無機物だルルォ!?

 

「うーん………二人が知らない人だよ。」

 

「そうなのか。ヤマメはそんなの縁がなさそうだってのに……」

 

「それ、どう言う意味だ?………っともうこんな時間だな。飯でも食いに行こう」

 

さらっと失礼な事を言われた気がしたが、気にしない事にした。それにもう晩飯の時間も近い。タズナさんの家に戻れば夕食が出来上がっているだろう。

 

「ああ」

 

「お腹ペコペコだってばよ!」

 

チャクラは自分の身体エネルギーを使ってるからか、練れば練るほど腹が空くし疲れるし。ダイエットには効率的かもしれない。

 

 

 

 

---ヤマメの創作ラーメン 波の国編---

 

修行もひと段落したし………ラーメン作るか。

 

「はい!と言うわけで今回の厨房は波の国の橋職人。タズナさんの家となっております!」

 

「どんなラーメンができるか楽しみだってばよ!」

 

「………なにこれ」

 

カカシ先生は俺たちの戦いについて来れそうにない。

そこはノリと勢いで乗ってきて欲しかった。

 

「今回メインの材料はコレ!俺が海で釣ってきたフグ!」

 

おいコラァ!(フグの調理師)免許持ってんのかコラ!

問題無いこの世界にはそんなものはない。なんなら率先して毒を使っていくまである。

 

「フグぅう!?そんなのでラーメン作れるのか?」

※本当にあります

 

「ラーメンに!ラーメンに不可能は無い!」

 

ラーメンは何を原料にしてもいい。一つのコンセプトを純粋に極めればそれ特有の旨味を基にしたスープを作れるからな。

 

 

「ではまず、こちらの鰹節、昆布、干し椎茸で出汁をとりましょう。30分程煮込んだら内臓を取って毒抜きしたフグを入れます。」

 

「30分も待つのか?」

 

「いいや?調理したものがこちらになります」

 

 

 

俺は調理した熱々のフグ出汁スープを取り出した。

 

 

 

「流石ヤマメ!準備がいいってばよ!」

 

「ちょ、ちょと待ってくれ。」

 

ん?

 

 

「カカシ先生、何かおかしい所がありましたか?」

 

「何故懐からでかい鍋が熱々の状態で出てくるんだ?」

 

俺が"storage(収納)"の魔法で取り出したのだが………ギャグパートだから見逃してもらえると思っていたがそうとも限らないらしい。不覚ッ!しかし俺は魔法で記憶を改竄させることも辞さない覚悟だ。…………まず説得からするけど。

 

「俺の熱いラーメン魂さえあれば熱々のスープの鍋を持ち歩くことなど造作もない。そう言う事で……いいね?」

 

「…………アッハイ」

 

「やっぱりラーメンは至高だってばよ!」

 

よしっ、これでカカシ先生は思考停止に陥ったな。やっぱり説得(洗脳)は大事。これは古事記にも書いてある。

 

「まぁ、これだけでは少し味が薄いので塩などで味付けするのがいいでしょう。次は具ですね。」

 

俺は机の上にネギ、ナルト、チャーシュー、メンマ、海苔を取りだした。これは俺のリュックに乾燥させて入れている。更に魔法を使うと折角の説得が無駄になりかねない。

 

「このチャーシューは薄く切るのがいいでしょうね。スープがよく絡むようになりますし。味噌や醤油と違って結構あっさりした味なので」

 

ピー

 

俺が事前に茹でていた麺が茹で上がったようだ。タイマーで時間を図っていたが丁度よいタイミング(ご都合主義)で出来上がった。

 

「じゃあ茹でておいた麺を取ります。」

 

「はい!はい!湯切り俺やりたい!」

 

「よろしい……」

 

本来ラーメンの湯切りは長年の修行が必要だが……仲間内で食べるだけだからナルトに任せよう。それに家庭内であれをやると床が濡れるからな。台所でザルに入れて蓋をして降るだけでいいだろう。

 

「できたってばよ!」

 

「よろしい。後は盛り付けるだけだ。ついでに余ったフグの刺身も入れておこう。」

 

フグラーメン完成だ。

 

とてもおいしかったですまる。

これで次の戦いの英気を養えるな………

 




文字数余ったからラーメン作る
今後も不定期で開催ラーメンイベント

主人公はサスケがノンケだと知って安心した
ヒロイン(オリ)の付箋を貼っていくスタイル
尚、回収するかは不明


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十話

申し訳ないがイナリ君の流れはカットで



そして一週間が過ぎた頃。

俺達は木登りの修行を何の問題もなく成功出来るようになっていた。チャクラの操作を改善した事で影分身の術も出来るようになったし、影分身を使えばラーメンの作業を並行して出来るから最高やで。

 

朝食は昨日のラーメンのスープで作った雑炊だ。腹にも優しいし、あっさりした味だから三杯いけた。

 

木登りの修行も終わったのでタズナさんの護衛をする許可も貰えた。けど俺普通に護衛のサイクルに入れられてた気がするんだけど……まぁ気にする程の事でもないか。

 

今日も朝からタズナさんの護衛で橋にやって来た、ナルトは今日は休みらしい。サイクルを入れて仕事をするのは大事だね。そしてタズナさんに着いて行き橋に着くと

 

 

 

 

 

 

「な……なんだこれは!」

 

そこには職人たちが倒れ臥す姿があった。その光景を見たタズナさんは驚きの声を上げている。しかしまだ息があるようだ。

 

「どうした!何があったんじゃ!」

 

「ば……化け物……」

 

それと並行して周囲にチャクラの反応が……

俺は魔力によってチャクラを認識したことによって"search(探査)"の魔法をチャクラにも反応する様に設定したので擬似的に探知タイプの様な事が出来るようになった。この反応は……

 

「………霧隠れの術か」

 

「来るぞ!」ボンッ

 

そして俺たちの周りに現れた再不斬の水分身十数体程。

 

一体相手をするのにも手間取った相手がこんなにも……

 

 

 

 

「やれ、サスケ」

 

しかし今のサスケ君なら相手をするのも造作も無い。

 

奴の水分身は一瞬のうちにサスケによって排除された。強く成ったな、これならもう少し俺のペースを上げても良さげだな。

 

 

 

ていうか、一つ気になったのだが……

 

「変態ファッションじゃ……ない、だと!?」

 

「おい白。あのガキは俺が殺す」

 

例の暗部の仮面をつけた少年を伴って現れた比較的まともな格好をした再不斬。どうやら俺の発言が至極気に入らないらしい。でもあの半裸は無いと思うんですけどねぇ

 

「再不斬さん、だから言いましたよね。あれは無いって」

 

ていうか再不斬の仲間の方も思ってたのか。まぁ不審者確定のファッションだし、街中でやったら警備隊が飛んでくるよね。

 

「チッ………」

 

「カカシ先生。向こうもやる気ですし、再不斬は俺に任せてください。そっちのちっこいのは………」

 

「アイツは俺がやる。」

 

うん。サスケがやってくれるらしい。タズナさんを経験豊富なカカシ先生が守ってるし、割と妥当だと思う。

 

「わかった。だが危なかったら手を出すぞ」

 

「了解です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りに霧が立ち込める中、対峙する大きな刀を持った男、再不斬と()()の少年ヤマメ。濃い霧が男の体を隠し次第に見えなくなる。男の忍術"霧隠れの術"の効果だろう。

 

 

ヤマメは再不斬を見失った事により男を捕捉する為、耳にチャクラを集め聴力を強化する。しかしこれだけでは"無音殺人術"を極めた再不斬を察知する事は出来ない。

 

ズガン!

 

そこでヤマメは金属製の橋に足を叩き落とす事によって大きな音を出した。音が周囲に鳴り響くが特に何かが変わった様な事はない。

 

再不斬は少し警戒しながらもヤマメの死角に現れ自らの武器"断頭首切り包丁"を振り下ろす。

 

確実に首を狙った無音の絶技。ヤマメはそれを予め察知していた。

再不斬が音を出さないなら、自らが出した音の反響によって相手を捕捉する事を考えた。異世界には魔法によって音を消す敵もいた。

 

その場合反響しない場所を探し出して相手を捕捉していたのだが……その経験から強化した聴力によっての探知技能を習得しているのだ。異世界の戦闘のセオリーとして探知妨害が基本の為、ヤマメからすれば探知技能を複数持つのが普通らしい。

 

 

ヤマメは再不斬の一撃を回避するだけに留まらない。得物を振り切った再不斬にさらに接近し、攻撃を放つ。しかし再不斬も予測していたかの様に武器から手を離しクナイを構えていた。

 

"賢者直伝 鉄山靠"

 

「くッ!」

 

再不斬がクナイをヤマメに届かせるよりも早くヤマメの体が衝突した。ただの体当たりではあるが、使っている人間が勇者(暴力の化身)である。例え再不斬の絶技によって、打点をずらされたとしてもトラックに轢かれた程度の威力はある。

 

「…………肋を数本程度か、内臓潰すつもりだったんだけど……やっぱりNINJAはこええなあ」

 

「クソガキがッ…………だがわかったぜ。テメェも俺と同じ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「人殺し……ですか?」

 

ヤマメはその会話を"silent(消音)"の魔法で他の人間には聞こえない様にした。聞かれるとヤマメにとって不都合が多いからだ。カカシ先生が読唇術を持っているかもしれないので少し工夫して会話をしているが。読唇術を使っているなら『俺はラーメン屋の息子だ』とでも言っている様に見えるだろう。

 

「クククッよく分かってるじゃねーか。なら尚更そんな平和ボケた所にいて満足してんのか?テメェの目はまだ殺したりねぇって思ってる様だぜ?」

 

「殺し足りない……そうかも知れませんね。いえ、他でもない人殺しがそう言うならそうなんでしょう。」

 

「あぁ?」

 

再不斬はその発言を肯定された事に驚いた。確かに彼の主観からすれば殺し足りないと言う目をしている事は事実なのだが、指摘されたほとんどの人間はそんな事を肯定したりはしない。

 

「だけど殺しには理由が必要です。理由もなく殺しをするなら星の数程いる人間がいつかは居なくなってしまいますからね」

 

勇者である事を疑いたくなる様な発言がヤマメの口から溢れた。無論本心である様だ。

 

「例えば貴方がタズナさんを殺そうとするのは仕事だから。貴方が俺を殺そうとするのはそのクソダサいファッションセンスを馬鹿にされたから……」

 

真面目に話している途中でも相手を煽る事を辞めない。再不斬は額に青筋を浮かべているが話を聞き続ける様だ。

 

「まぁ、俺は殺し合いと同じぐらい人と接する事を面白く思ってますから。大抵の場合殺しても俺には損しかありませんね。」

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

「…………けどアンタを殺すのは仕事だから。全力で殺してやるよ」

 

ゾクッ

再不斬はヤマメの凶悪な殺気を感じその場から離れた。そして即座に印を組んでヤマメに攻撃を仕掛ける。

 

"水遁 水龍弾の術"

 

橋の下から龍を象った三本の水流がヤマメに向けて襲いかかる。ヤマメは避けようともせず、その術を正面に見据え狙いを定め自らが出来る全力でチャクラを練り上げる。

 

"握撃"

 

この技は通常、相手を握り潰す技だ。当然向かってくる多数の水流を止める事は出来ない。ヤマメは練りこんだチャクラを右手に集め腕力を強化する。

 

握り潰すのは再不斬でも、水龍でもない。()()()

勇者としての圧倒的な力をさらに強化する事によって、空間すら握る潰す事を可能にした技。もしも人間が対象となっていれば即死するであろう威力。

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

空間が壊れた事によって、その帳尻合わせが起こる。潰された場所を中心に衝撃波が発生し再不斬による、龍を象った水流が粉々になった。

 

"影分身の術"

 

ヤマメは追撃の為、影分身の術を使う。

一週間の修行によって可能になった忍術だ。自らと全く同じ存在が傍に現れる。無論幻術でなく実体を持っている。まず分身の様に弱体化する事は無く、技量までコピーされている。

 

ヤマメはこの術を作った奴は(いい意味で)頭がおかしいと思っている。更に分身を解除するとその分の記憶まで累積される。有用過ぎる。

 

"水分身の術"

 

再不斬もそれを見て数十体程の水分身を出した。そして()()()ヤマメに襲いかかる。しかし水分身程度では二人のヤマメを止める事は出来ない。再不斬に向かって走り出したヤマメの手刀によって切り裂かれ元の水に戻っていく。

更にヤマメが再不斬に肉薄しようとした、その時。

 

 

 

 

 

 

「ッ…………何だこれは」

 

ヤマメは強力なチャクラを霧の中で捉えた。目の前の再不斬からでもない。感じたことの無い様な強力なチャクラだ。ヤマメは様子を見るために一旦再不斬から離れた。

 

「…………あれか。」

 

ヤマメはその強力なチャクラの持ち主に当たりが付いた。

無論ナルトである。九尾の力を解放したか、暴走したかは分からないがそんな所だろうと当たりを付けた。

 

「早めに切り上げた方がいいかな?霧が濃くて助かるよ。」

 

「どう言うことだ。」

 

ナルトが暴走しているとすれば先程のチャクラを見る限りかなりの被害をもたらすだろう。

 

「……………聖印"release(解放)"」

 

言葉と共にヤマメの右手の甲が薄く輝き出す。

 

 

 

 

 




常識的殺人鬼系主人公
殺す理由があれば殺すが、逆に言えば殺す理由が無ければ殺さない。
召喚前は普通だったが、三年間も殺し合いの世界の中心にいた事によりサイコになった。
普段は普通に見えるが同類が見ると唯のサイコ野郎に見えるらしい。


主人公「霧が濃いから本気出せるぜ」


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十一話

この話の落とし所を悩みました


「……………聖印"release(解放)"」

 

小さな呟きと共にヤマメの右手の甲が薄く輝く。濃い霧の中でも独特の光を放つそれは、相対すれば確実に目につくだろう。

 

「ッなんだそれは!」

 

再不斬は目の前の現象に困惑した。ヤマメの右手が輝き妙な威圧感を感じはするが()()()()()()()()()()()。それはこの忍びの世界、いやこの世界ではあり得ない様な現象だった。

 

「答える必要はない、時間の無駄だ。」

 

そしてヤマメの姿は()()()

 

 

「ッ!くっ」

 

ヤマメを見失った再不斬が見たのは腹に拳打を打ち込まれる自分の姿だった。相当の実力者である再不斬にも見ることさえ不可能な域の移動速度。例え写輪眼であってもその速度を完璧に捉えることは出来ないだろう。

 

「……………時空間忍術かッ!?」

 

その速度程の攻撃を喰らっても()()()()()()()()()()()()()()()。その為すぐに体勢を立て直しヤマメの行使した術の当たりを付けようとする再不斬だったが……

 

「違うよ………これはただ速く動いただけ。そして勝負は終わり。」

 

「…………なんだと………ッこれは」

 

再不斬が拳打を喰らった場所を見ると、なんと()()()()()()。その石化の範囲はだんだんと広がって行くのが良く分かる。

 

ヤマメは異世界から木の葉の里に帰還した後、暗部による監視をされる事が多かった。ヤマメは大概それを気にしない様にしていたのだが………ある時、陰湿に監視を付けられた時期があった。その監視はダンゾウ直属の暗部"根"と呼ばれる部隊だ。

 

余りに陰湿に監視をされたヤマメは憂さ晴らしでそのうちの一人を捕らえて様々な検証を行った。当然その後、記憶を処理して解放したのだが。

その検証でヤマメは自身が使う力、"魔力"と呼んでいる物についてある性質を発見した。

 

それはこの世界の人間に"魔力"と言う物を送り込むと()()()()のである。

 

ヤマメの知らぬ事ではあるが彼が"魔力"と呼んで使っている物は、この世界では"自然エネルギー"と呼ばれている物だ。

仙人と呼ばれる人間だけが使う事が出来るエネルギー。主にチャクラと混ぜて使っているのだが、ヤマメは純粋な"自然エネルギー"を扱う能力を勇者としての能力の一つ、"聖印"によって獲得しているのである。

 

「再不斬さん!」

 

「……………チッ、面倒だな」

 

「お前………再不斬さんに何をした!」

 

再不斬の水遁によって周囲にばら撒かれた水から氷の鏡が出現し、再不斬の仲間である例の少年が現れた。ヤマメは新たな敵が来たのを面倒だと思うと同時に多数の存在を感知した。

 

「…………面倒だから君にも少し寝ていてもらおう」

 

「!くッ」

"秘術 魔鏡氷晶"

 

数多の氷の鏡がヤマメの周囲に配置され少年、白の攻撃がヤマメに襲い掛かる。その速度は神速と言っても過言ではない。ヤマメとて聖印を解放していなければ避ける事は出来ないであろう。

 

「……ッ!」

 

まぁ当然の如く最初の一撃の時点で白が捕まり、そのまま地面に叩き落されるのだが……

 

 

 

 

 

 

 

---------------------

 

 

これどうしよう………全滅させちゃったけど。

隠すとかそう言う対処の次元を超えてるんですが……

やっぱり俺は戦闘中、頭がパーになっているらしい。

 

再不斬が落ちた事によって霧隠れの術による霧もだんだんと晴れて来ている。とりあえず再不斬の石化は解かないと………それにお客さんもいるらしいし。

 

ペチッペチッ

 

「おきてー、お客さん来てますよー」

 

「………………」

 

余りに緊張感の欠けるヤマメの行動に再不斬は絶句、いや相当イラついているらしい。こんな奴に俺は負けたのかと言った所だろう。

 

「だんまりもいいですが………アンタの雇い主さん来てますけど?」

 

「なに?」

 

感知範囲にいる百人以上の人間。それ程手練れと言うほどではなさそうだが、鬼人と言う二つ名が付くほどの忍に援軍を送ってくるとは考えづらい。おそらく最初から……

 

「どうやら貴方を消すつもりらしいですね。反抗的で使いづらい殺し屋は要らないとかが理由でしょうね。」

 

「……………」

 

「おそらく貴方が消耗している時を狙っていたんだろうけど、向こうからしたら大誤算だな。………別にあんたを殺してあいつらも抹殺するのもいいけど。ここは交渉しない?」

 

「…………ッチ、選択肢が二つに一つじゃねーか。何をする気だ?」

 

再不斬は少し考えた後、生存することを選んだ様だ。まぁ大きな野望もあるっぽいしここで死ぬ気は無いのだろう。

 

「じゃあ------って事で」

 

「…………本気で言ってるのか?」

 

再不斬は俺の提案にかなり驚いている、というより寧ろ困惑している。まぁ忍がやる事じゃないしな。下忍はやりそうだけど。

 

「もちろん!俺に妥協はありません。連絡は後ほど」

 

完全に霧が晴れたようだ。橋の向こうではカカシ先生たちが百人以上ものチンピラと思しき集団と相対していた。途中サスケェ!が仮死状態になっていたが………ある程度治療して放置しとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はカカシ先生の前に()()()()()()()()()()()()()。集団の方はやっと獲物が来たかと言った感じで息巻いているが………世辞の句を読んだ方がいいんじゃないか?

 

「ヤマメ………お前」

 

カカシ先生が俺が二人を戦闘不能にした事に懐疑的な目を向けている。黒か白かで言えば真っ黒かと言わんばかりの疑いの目にもはや欺く事は不可能(寧ろ最初から無理ゲー)だと感じた。

 

「その辺は帰ったら報告します。」

 

 

「ふははは!まさかガキにやられてるとは思わなかったぞ!再不斬!おいそこのガキ!さっさとそいつをこっちに渡せ!」

 

あの集団のリーダー、おそらくガトーカンパニーの社長である人物が出てきて再不斬の身柄を要求してきた。リーダー自ら出てくるとは不用心だな。

 

「はい。お渡しいたします」

 

俺は素直に要求に応える事にした。カカシ先生は驚いたような顔をしているが当然だろう。この場を収めるには素直に再不斬を引き渡すのが一番だ。まぁ再不斬の方が暴れないとは限らんがなぁ(確信犯)。

 

「いけ再不斬!君に決めたッ!」

 

俺はガトーに再不斬を投げつけた。無論、再不斬には意識があるし別に動けない訳でもない。自分を始末するつもりの上司に投げつけられたら再不斬はどうするだろうか?

 

「ッ死ね!」

 

今の死ねはきっとガトーに向けて放った言葉なんだろう。決していきなり自分を投げ捨てた自分に向けての台詞ではないはず……まぁ言葉通り再不斬は懐から取り出したクナイでガトーの首を切り飛ばした。

 

「「「……………」」」

 

「は?」

 

「グッキル」

 

あまりの出来事に周囲が騒然としているが、再不斬は止まらない。更に"断頭首切り包丁"を手に取り、周囲の人間を殺戮していく。敵は逃げる奴もいたが再不斬の水分身によって処理された。

 

「…………そういうことね」

 

「まぁ、カカシ先生の想像通り雇い主の方が裏切るつもりらしかったので敵対する必要もないかな?と思いまして」

 

「納得いかねえってばよ!あいつらにサスケはッ」

 

「………サスケ生きてるよ?」

 

「へ?」

 

「ナルトォー!サスケ君は無事よ!ちゃんと生きてるわ!」

 

どうやらサスケは息を吹き返したらしい。向こうの小さい方の忍は殺しが得意ではないらしい。物騒なこの世界で中々、平和な精神を持っているようだな。

 

「とりあえず、………一件落着?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、タズナさんの家には橋が完成した後もサスケやナルトの傷が完治するまでにお世話になった。俺もその間に再不斬達との交渉の詳細について詳しく取り決めを行った。

 

交渉の内容、それは海産物の木の葉の里への運搬である。ガトーカンパニーが無くなった事により波の国からの輸入が適正価格によって行われると見込んだので親父が試したいと言っていた海産物系のラーメンの材料を運搬してもらう事にしたのだ。

 

 

 

これで一楽の新メニューが増えるぜ…………

俺のラーメン道に妥協の二文字はない。

 

 

 

 




というわけで再不斬、白生存ルート
まぁ偶に出てくるでしょう。


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中忍試験
十二話


中忍試験編導入

FGOのギル祭と執筆を天平にかけなければ…


あの波の国の任務から少し経った頃。里での雑用任務も板についてきた。もはや俺は猫探しのプロといっても過言ではない。奴らの足跡、体毛、糞尿の跡から猫を探し出すことはこれ以上ないぐらいに上達した。

 

まぁ、そんな事はどうでも良いのだ。

俺は今………()()()()()()()()()()。カカシ先生と火影様だけなのが幸いだな。どうやらこの前の任務で流石に目立ち過ぎたらしい。

あーあもう滅茶苦茶だよ。

 

 

こう言う潜入系の技術とか皆無に等しいからいつかはこうなると解ってたさ………でも流石にはやくない?

 

「それで…………今回の件についてじゃが……」

 

「はい!それについて火影様にお耳に入れていただきたい事が!」

 

「……………」

 

俺のかなり畏まったわざとらしい敬語にカカシ先生がこめかみを抑える中、俺はある作戦を思いついた。

 

逆に考えるんだ(情報)あげちゃってもいいさ、と

 

「………なんじゃ?………話してみろ」

 

「は!先入観無しに聞いて欲しいのですが………アカデミー在学中に異世界に召喚されたのです!」

 

「「は?」」

 

ここだけ聞いているなら只の狂人の戯言だ。更に物証を小出しにしなければならない。まず隠すのが難しい……

 

「"聖印よ"」"silent(消音)"

 

聖印を軽く起動させると同時にこの部屋の外部に音が漏れない様に魔法を発動。周囲に気配も無いのでこれだけで問題ないだろう。

 

「………なんじゃそれは?」

 

「はい。適当に言うと異世界で戦争の主力をやっていたのですが…………その印みたいな物です。因みにチャクラとは別種の力で動いています」

 

「………カカシ」

"写輪眼"

 

火影様の命令でカカシ先生が左目の写輪眼を露出させそのチャクラの流れを見切る力で俺の手を見た。魔力はチャクラとは全く別物なので発光している様にしか見えない筈。

 

「………本当にチャクラではないですね」

 

「あと、これですね。俺以外は使えないらしいですが……」

 

俺は自分が付けていたブレスレットを火影様の机の上に置いた。こちらの意図を察してくれたのか、元の直剣の形に戻ってくれた。

 

「………むう。これは?」

 

「聖剣です。神造の剣らしいです。俺以外は触れられない様に成っていますね。」

 

「…………つまりこれは異世界で手に入れてきたと言いたい訳だ。」

 

「肯定であります!」

 

「………もう少し詳しく説明してくれんかの?」

 

「はい!」

 

とりあえず説明しても良い所。三年間戦争に駆り出された事。聖剣の能力(変幻自在の変化のみ)、チャクラでは無い力の詳細、向こうでの待遇の事について、どの様な世界だったか、どれくらい文化が発達していたかを話した。

ちなみに魔法については話さない事にした。切り札は最後まで見せないのが異世界流だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………………」」

 

「あと火影様に些細なお願いが………」

 

「なんじゃ?」

 

「いえ、別に俺を追い出す事ぐらいは構わないのですが……この事は本当に信頼できる人間以外には内密にして欲しいのです。俺の力は例え解析できないとしても兵器として他の里の忍に狙われる可能性があります。」

 

ていうか実際兵器と変わらないし、人柱力と遜色ない力だと思ってるからね。世界のパワーバランスを保つ為に人柱力が分散してるのに、新しい兵器が増えたら忍界対戦が始まりそう。

そしてガチで秘密にしないと人体実験コースだ。

 

「うむ…………お主を追い出す事はせん。この里の者は皆わしの家族じゃ。………例え、少しばかり他の場所に行っていたとしてもじゃ。」

 

「ッ…………ありがとうございます!」

 

「それとこの話もここだけの話としておこうかの?流石に次の火影には伝わると思うが………」

 

「火影様まじリスペクトすっ!一生ついていきます!」

 

「(こういう所は年相応……なのか?)」

 

「ほっほ、お主や一楽にはナルトも世話になっとるしのう。」

 

火影様まじ人格者。今すぐ無いに等しい向こうの世界の神への信仰を捨てて、三代目火影教に入信したい。

え?そんな宗教無いって?

お前が教徒になるんだよ!(ただの勧誘)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火影様とのお話も良い感じに収まったのでこれから家に帰ろうとしたのだが……

 

「あっそうだヤマメ。お前中忍試験受けてもらうから」

 

「……え?それって新人がやる事なんですか?」

 

「いや?普通は二、三年してからだが。お前を含めてうちの班は優秀だからな、全員中忍試験に推薦する事にした。」

 

「中忍試験には他の里の忍も参加する。腕試しには丁度いいじゃろうて」

 

火影様がそう言うなら参加するのも吝かでないのだが……他の里の忍か……あまり賢者が注意勧告した奴は居なかったような……気がする。

 

「でも俺………表沙汰に出来る手札が"影分身"ぐらいしか存在しないんですけど。聖印も聖剣もダメですし(ついでに魔法も)」

 

「じゃあ俺が忍術を…「待てカカシ」

 

カカシ先生が教えてくれると思っていたのだが……流石にこれ以上の戦力強化は目に余ったか?まぁ里を守る人間として正しい判断だろう。

 

 

 

 

 

 

「…………ワシが教えよう」

 

「「は?」」

 

「しかし火影様……執務が」

 

「影分身に任せればよかろう?若い世代を育てるのもワシの仕事の一つじゃ」

 

マジで?あの"教授(プロフェッサー)"と呼ばれる数多の忍術に精通している三代目に教えてもらえるの?ラッキー!火影様やっぱり最高かよ(震え)

 

「中忍試験まで一週間ほど……おそらく基礎的な事だけじゃが………構わんかの?」

 

「光栄です!(何かお礼をしなければッ………)」

 

俺は火影様に恩返し出来ることが無いかと考えた。可能な事、出来ない事、色々考えたがあまり出来る事が思いつかない。自分の中で貸し一つという事にしておこう。それはそれとして……

 

「では俺からはこれを………」

 

「これはッ」

 

そう。それは………一楽の特別割引券だった。

なんと一楽のラーメンの価格が半額になるのである。それを10枚、赤字覚悟のレアな割引券である。

 

「ハハッ……ヤマメらしいな」

 

「?……本当はこっちを渡そうと思ったんですが。これは好みが分かれますからね。」

 

そう言って俺はカバンから一冊の本を取り出した。

 

「なんじゃそれは?」

 

「これですか?…………猥本ですよ。異世界の」

 

内容は異世界特有のエルフもの、獣人もの、中にはドワーフ、妖精相手の物まで存在する。超豪華な猥本である。無論こっちの言語で書かれている。

 

「………ヤマメ!そんな物火影様が受け取ると思ってたのか!それは俺に渡しなさい!」

 

イチャイチャパラダイスとか言う本を持ち歩くカカシ先生には言われたく無いんですが………ていうか自分で回収しようとしてるし。

 

「ウホンッ!ウホンッ!」

 

「「……………」」

 

「……………確かにワシはそれを受け取らんだろうな…………しかしまだ子供であるお主が持つものではない。ワシが没収させてもらう。」

 

「火影様!?」

 

やっぱり火影様はむっつりだったのか………ナルトのお色気の術にも引っかかったらしいし。それを聞いた時には耳を疑ったが。

 

「じ、冗談じゃよ」

 

「…………確かにこれは俺が持つべきものではありませんね。これは火影様に預けます。」

 

「ヤマメ!?」

 

賄賂?違うよ。これは火影様に猥本を没収されただけだ。まぁ俺は事実十二歳だし当然だけどね。別に意図的に渡したわけじゃないよ?

 

「………カカシ先生にも後で同じものを渡しましょうか?」

 

「(………受け取ったら負けな気がする)

………………いや、いい」

 

「そう、ですか。わかりました。」

 

かなりの長考の末にカカシ先生は受け取らない事にしたようだ。本当に答えに詰まっていたのでかなり悩んだのだろう。

 

ペラペラ

 

「ふむ………これはいいものじゃのう」

 

俺とカカシ先生が話している間に火影様は俺から徴収した猥本を少しめくって内容を確かめていた。いつの間に………これが火影か(戦慄)

 

「火影様!?」

 

「い、いや。なにちょっとした冗談じゃよ」

 

 

 

 

 

その後。色々あって俺たちは猥本談義に花を咲かせ語り合った。時間も忘れて語り合っていた為だろう……俺が帰宅した頃には夕刻になっていた。

 




ギャグ回

秘密裏に行われる猥本取引。
男同志のエロコミュニケーション。
エロは万国、いや全世界(異世界含み)共通で栄えている。


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十三話

遂に大蛇丸が里に侵入


中忍試験

 

意味としては言葉通り、下忍が中忍として昇進するための試験であり忍としての鬼門の1つでもある。中忍になるメリットとしては中忍になれば部隊を持つことが出来るとか、単純に給料が上がるとか、もっと高難易度の任務を選ぶことが出来るようになるとかがあるだろう。

 

この木の葉の里で行われる中忍試験は近隣の同盟国を里に呼び共同で試験を行うのだ。

 

一見すれば国同士が仲良くしていて微笑ましい話だが本来の意味はその全く逆。里の下忍たちを競わせ、自分の国の国力を強調するために用意された一種の戦争なのである。

 

 

 

 

 

しかしその現在進行形で俺が問題視しているのはこの代理戦争としての戦力にされている事ではない。

他国の忍が多くうちの里に来ると言う事なのである。

中忍試験当日

 

「…………………まじか」

 

俺が魔法によって感知した魔力の反応。

この世界において魔力を持つ人間は()()存在しない。例外な人間も俺は一人しか見たことが無い………筈だった。

 

 

 

 

俺が見たことがある魔力を持った人間。

俺は"妖怪 団子狂い"と呼んでいるのだが、そいつぐらいしかいない筈である。しかもその人物に魔力を使って軽い挑発行為をしたのだが全く反応しない。本当にただ魔力を持っていると言うだけなのだと予想していたのだ。

 

 

どうやら違ったらしい、特別上忍だから無理に詮索する事を諦めたのが裏目に出たか………()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()人間が里の外からやって来た。これは本来、影分身でもしていないとあり得ない事だ。

 

魔力は体内に入った段階で個人個人で違った波長に変化する。例え血縁関係があったとしても、全く違った波長に成ってしまうのだからほぼ同じ波長と言うのは魔力の受け渡しなどをしないとあり得ない事なのである。忍術を使えば影分身の術である可能性も出てくるが、解除すれば情報なども持ち帰れるので里の外から来る理由がない。

 

 

 

これによりある事実が理解できる。

 

この世界には魔力を扱える奴が存在し、ほぼ無差別に魔力を与えることが可能であるという事だ。この世界の人間が魔力によって石化する現象を起こさないで魔力を与える事ができる奴がいる。そして妖怪

団子狂いはそいつの内通者、又はそれに近しい人間である可能性が高い。

 

中忍試験中魔力を使うのは控えた方が良いぽっいな………

バレたら目も当てられん。まぁ三代目から教わった忍術だけで乗り切るしかないな。他の受験者と同じ条件になるしフェアな勝負ができるね!(全く嬉しくないけど)

 

 

俺が中忍試験に対するイメージをまとめていると、目の前に同じ班の三人がいた。俺が現れた事で怪訝な顔をしている。

 

「おはよう、どうかしたのか?」

 

「いや、ヤマメってば中忍試験に参加するのかと思って」

 

「確かに任意だから参加しないのも有りだけど………普通参加するだろ?」

 

「だってヤマメはカカシ先生に呼ばれた時に居なかったじゃない。だから参加する気が無いのかと思ったのよ」

 

「………………呼ばれた?」

 

「ああ。例に漏れずアイツは遅刻して来たがな」

 

もしかして…………ハブられた?

カカシ先生の家のポストに割引券をぶち込んだのがいけなかったのか?それとも付属で入れた猥本の方か?

 

「…………まぁいいや。早く行こうぜ、カカシ先生みたいに遅刻したら目も当てられん」

 

「まだ時間はあるわよ?」

 

「そこの二人が会場前で他の奴と喧嘩しそうだから早く行った方がいいだろ?」

 

「「………………」」

 

「そ、そうね」

 

ナルトとサスケは俺が言った事を否定しきれなかったのか黙り込んでしまった。まぁこの二人は売られた喧嘩をすぐに買う事は同じ班で過ごして来てよくわかってるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二人は試験前なのに他の受験者に喧嘩を売られ、息をするかのごとくその喧嘩を買ったのは言うまでも無い話である。

 

「む、君もカカシの班か。カカシの班は粋のいい奴が多そうだな」

 

現在俺に絡んでいるのは賢者から聞いた戦力ヤバイ奴の中でもトップクラスの人間。マイト・ガイ、体術だけでラスボスと同格レベルの強さを誇るやべー奴らしい。確かに顔面はギャグのそれだけど、肉体面に至っては異常な性能を誇っているのが見てわかった。

 

「そうですかね?………俺は結構冷めてると思うんですけど…」

 

「バカヤロー!試験前からそんなんでどうするんだ!もっと青春感じろよ!もっと熱くなれよ!」

 

「まずいですよ!………じゃなくて、あれ?」

 

近年稀に見る熱血野郎だな。しかも何故か別の人物の発言が出てきた気がしたんだが………サスケとの喧嘩についてもひと段落したのかマイト・ガイの弟子ロックリーまでやって来た。うわぁ壮観だなぁ。

 

「ガイ先生!こちらは?」

 

「そういえば名前を聞いていなかったな!君、名前は?」

 

「ラーメン屋の息子。一楽 ヤマメです。」

 

「おお!君があの一楽の!リーよ彼は強いぞ!試験前なのにも関わらず全く緊張感が無い。歩いている時に混ざる自然な歩法も達人の域に達している。おそらく…………リー、お前より強い」

 

本人の前で言う事じゃ無いだろうに。ていうか意識してなかったけど、歩法とか出てたのか。擬態するのにはとても悪い癖だな、あとで直せるかなぁ。

 

「本当ですかガイ先生!こんなにもライバルが多いとは……ボクは幸せ者です!」

 

「そうだ、リーよ!相手が強いのならそれを努力で上回ればいいだけだ!そうと決まれば特訓だ!生憎、中忍試験中は時間がある!リー!青春するぞ!行くぞ!」

 

「はい!ガイ先生!」

 

眉毛の濃い特徴的な二人組が去って行くのを見た後、試験会場に向かった。あれが世界最強格とか真面目に世も末だと思う。しかしいい事を聞いたな。中忍試験中は特訓出来るような時間があるのか。長期間の試験なんだろうな。

 

 

 

それより青春しなくちゃ……………あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

san値チェックに失敗した気がする。1d3ぐらいかな。勇者パーティで良くtrpgやってたから自然にこの言葉が出て来たがこの世界にはクトゥルフ神話は無い。

というよりこれ以上時間を使うと本当に遅刻しそうだ。他の三人と一緒に早く三階に登らなきゃな。

 

「なんか、いろいろアレだったな。そろそろ遅刻するから行こうぜ」

 

「ああ」「わかったってばよ」「ええ」

 

三人ともアレとの会話のせいかだいぶ疲れているらしい。

マイト・ガイに関しては戦闘能力に関しては最強クラスだが特に危険視する必要は無さそうだな。敵対する事も木の葉にいれば無さそうだし。性格も善…良?だし。

 

「おう、お前ら全員来たか。………わかっていた事だが……」

 

「何か問題でも?」

 

「いや、中忍試験は三人一組での参加になる」

 

「それって……」

 

「一人余るってばよ」

 

なんか悪い予感がするんだが………カカシ先生は俺に視線を向けた。あーききたくない。………でも行動はし易くなる………のか?面倒ごとは減りそうだな。悪くないかもしれん。

 

「ヤマメ。悪いがお前だけ特別に一人での試験だ」

 

「それって、いろいろ大丈夫なんですか?」

 

「中忍試験の参加人数が合わない事は度々ある。一応特例として認められているな。(殆どあり得ない事だが)」

 

ヤマメが知らない事ではあるが、この特別措置を受けて試験をした時の合格者はゼロである。ついでに生存率もかなり低い。チーム戦になれば一人だけの人間は真っ先に狙われる為だろう。

 

「特例………あまり嬉しくない類ではありますね。まぁ参加しますけど」

 

「よし!じゃあうちの班は全員参加だな。お前らは自慢のチームだ。さあ、行ってこい!」

 

「よーし、行くってばよ!」

 




自然エネルギー=魔力
自然エネルギー+チャクラ=仙術チャクラ≒呪印
これにより大蛇丸の持つ仙術チャクラを感知してしまった。
みたらし アンコは呪印持ちなので主人公に警戒されていた。(過去形)

ガイ先生まじですこ


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十四話

筆記試験?特にやりたい事もないので飛ばします。


期間が空いた理由?
勉強してました(大嘘)


「では……ここに残った全員に……"第一次試験"合格を申し渡す!」

 

 

 

あれ?

俺は現在混乱していた。中忍試験の最初の筆記試験で書くこと書いたけど最後の問題は試験の終盤に試験問題が聞かされると聞いていたので時間まで寝ていたのだが………いつの間にか合格になっていた。

 

な、何を言っているのかわからねーと思(ry

 

 

「一次試験の目的は------------」

 

試験官の特別上忍の語った試験の目的などを聞いていたが、カンニング前提の試験だったのか。試験中妙に騒がしいと思ったよ……

 

特別上忍の有難いお話によると、情報収集は大切であるって事と、仲間と共に勇気を持って困難に立ち向かえるかって事らしい。

俺は完全に試験の意図を理解できてなかったと言う事だろう。特に何も考えず問題をやって寝ただけ。まぁ、情報収集能力に限ってはかなりあるし、勇気という面でも勇者の俺が問題があるとは思えないけど。

 

「……ん?」

 

バリンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

衝撃的だった。

窓側から誰かが突っ込んで来る気配がしたので目を向けると、窓ガラスを割って例の奴が突撃して来た。魔力の精製を止めてるから探知できる訳では無いのだが、生憎()()とは顔見知りだった。

 

 

妖怪 団子狂い

 

「私は第2試験官、みたらし アンコよ!」

 

 

名前はみたらし アンコ。

帰還後、里の中で唯一魔力を持った人間だったので監視や挑発をしていたのだが、調べた結果白だと判断していた女だ。その後、監視外で会うことがあったのだが、それから奴は俺の中では妖怪 団子狂いと呼ぶ事にしている。

 

7()9()()………ああ今年は1人余ったんだっけ。それはそれとして27チームも残したの!?今回の試験は甘かったのね」

 

「今回は優秀そうなのが多くてな」

 

「まぁいいわ。あんた達、ついてらっしゃい」

 

俺たちは妖怪に連れられ第2試験の会場に移動する事になった。現状、俺の中では団子狂いには《ナニカ》の内通者である疑いが掛かっている。次の試験………見極める機会があるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場を出て連れてこられたのは巨大な森の前だった。樹木もかなり大きく成長している。昔からある物なのだろうか……

 

「ここが第二の試験会場、第44演習場。別名『死の森』よ」

 

そりゃまた大層な名前だなぁ。

 

「あら?よく見たらあんたラーメン屋の奴じゃない。例の物作ってくれた?」

 

「作れる訳ないです。あんたの頭にはそれしかないんですか?」

 

俺は遂に妖怪に見つかってしまったらしい。別に隠れていたわけでもないので見つかってもしょうがないけどな。

 

「そう?できると思うけど。……()()()()()()()()()()

 

「醤油ラーメンでも食ってろ」

 

これが奴を団子狂い呼びする理由、事あるごとに俺に団子ラーメンなる物を作る事を強要して来るのだ。確かに俺は王道とは言えない様なラーメンを作るのは得意だがそこまで道を外れたつもりはない。

 

「話が逸れたわね。ここが死の森と呼ばれる所以はすぐに実感する事になるわ」

 

「そんなに脅したって全然怖くないってばよ!」

 

その言葉を聞いたナルトは自信ありげに話している。妖怪の性格を考えると…………

 

ナルトへ向けてのクナイの投擲、直撃はしないが頬を掠めた様だ。流石に試験前に殺したら問題になる。試験中でもダメだと思うけど。

そしてナルトの背後に回って脅しの言葉を吐いている。

 

 

更にとてつもない事が起こった。なんとクナイを拾った受験者が試験官にクナイを届けたのだ。

そこまではおかしくないが………なんとクナイを《長い舌》で持ってわざわざ殺気を出しながら試験官の背後に回って。

 

「クナイ……お返ししますわ……」

 

「……気持ち悪っ!?」ギロ

 

睨まれてしまったが仕方ない事だろう。まさかあそこまでキモい行動をした後に、オカマ言葉を発したのだ。最早ただのグロ映像だろう。

 

「どうやら今回は血の気の多い奴が集まったみたいね……フフ楽しみだわ。それじゃあルールを説明するわね」

 

 

 

 

第2試験はサバイバルの試験らしい。

半径10キロの巨大な森の中心にある塔を目指してサバイバルをする。ただサバイバルするだけでは無いらしいが……サバイバルらしく食料も自給自足、毒虫や猛獣も多い為死亡者も出るらしい。

 

各チームに一つずつ巻物が配られる。種類は天と地の二つのうちのどちらか。スタート地点は各チーム全て別の場所から。合格条件は天か地の巻物を持って全員揃った状態でゴールする事。俺は1人なので多少は有利だろうな。

 

逆に失格の条件は制限時間、5日以内に巻物を持ってゴールに到達できない事。そしてチーム内に死者や再起不能者を出した時、最後に巻物の中身を見た時。

 

中忍になれば班員を持つことがあるし、機密の資料を届ける事もあるから必要な試験ではあるのか……

 

「最後に追加ルールよ。27チーム中、13チームに天の巻物が、そして13チームに地の巻物が配られる」

 

「?それじゃあ数が合わないじゃないですか」

 

「そう!最後の1チームはハンデ、いやシードと言うべきか各自に任せるけど巻物を二つ最初から持ってるわ。」

 

27チーム中1チーム………何か嫌な予感がするんですが。

 

「ここにいる一楽 ヤマメは一人での参加になるわ、彼だけに限ってはゴールすれば合格。一人である事を考えれば妥当な条件ね。そして全てのチームにおいて彼の巻物を狙えば確実に両方の巻物が手に入るわ。」

 

…………全ての奴らに積極的に狙われる訳か。俺は一人だしチームの所より倒し易いと思われるし、わざわざ巻物を誰が持っているかというのも確認する必要もない。

 

もしも第2試験が毎回これをやっているなら一人のみの試験と言うのは特例中の特例とカカシ先生が言っていたのも理解出来る。合格は難しいし、これを部下に受けさせる担当上忍とかただの鬼畜だろう。

 

「うわぁ………」

 

この会場の全員から格好の獲物を見つけたと言わんばかりの目で見られている。勇者もやっていたがこんな事は初めての経験だ。新しい何かに目覚めそう………

 

 

冗談はさておき、俺の場合は戦闘を避けて逃げるのが最も堅実に合格する方法だろう。この森で10キロ進めばいい話だ。どんなに険しい森だとしても1日あれば到達可能だろう。

 

「じゃあ、各自死んでもいい様に契約書を書いて。巻物を受け取りに行きなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

巻物を受け取る時に職員の人に同情的な視線で見られた。

異世界から帰ってきてからいろんな人に妙な視線を向けられるなぁ。そろそろ妙な視線対する耐性が付きそうだ。

 

「皆、担当の者についてそれぞれのゲートへ移動!これより30分後に一斉スタートする!ヤマメ。あんたの担当は私だ」

 

「今日は厄日か………」

 

「喧嘩売ってんの?買うわよ?」

 

「買わないでください。お願いだから」

 

この人マジで大人気ない。この前も団子ラーメンを作らせようと割とマジの殺気を出して脅してきやがったからな。警察を警察を呼んでくれ、いや寧ろこの人警察側だったな。内通者の疑いあるけど。

 

「…………なぁ、あんたって誰かのスパイだったりする?」

 

「………どうしてそう思った訳?」

 

こういうのは直接聞くのが早い。直球に聞いて相手が反抗してくれば黒、例え本当の事を話さなくても仕草や反応から嘘を見分けて、判断材料に出来るからな。

 

「んー、あんたからは妙な気配がする、かな?」

 

「……………そう。違うわよ。」

 

反応からすると………妙な気配については思い当たる事があるらしい。スパイの方は判別出来ない、仮にも特別上忍だから簡単には表情に出ないか。逆考えればに妙な気配についてはかなり深刻な問題なのだろう。

 

「ついたわ。あなたみたいに特別枠で試験を受けた子は大体ここで死ぬけど…………あんたなら大丈夫そうね」

 

「生き残っても、団子ラーメンは作りませんよ?」

 

「残念ね。そろそろ試験開始よ、いってらっしゃい」

 

そうして第2試験が始まった。

俺はまだ知らない。この第2試験で最も会いたくない奴に出会う事を。

 




中忍試験
筆記はやる事なかった
死の森は………変態がいるから。
次回、変態と勇者の邂逅


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十五話

皆さんお待ちかねの展開が始まります。


第二試験開始早々、面倒な事になった。()()()()()()。それだけならまだ許容範囲だったのだが………

 

「視線がキモいんだよ……クソがッ」

 

恐らくこう言う視線を()()()()()()()()と言うのだろう。非常に()()で気持ち悪い。最早俺の精神にダメージを与えてから捕らえるつもりなのか………?

なんだろう?ふざけて言ったが否定できないな……

 

「面倒だ………隠れてないで出て来いよ」

 

これで出てこないなら相当性格が終わっている。()()()()()()()()でこれ程に不快感のある奴は初めてだ。出てこないなら()()()()()()()()()かしなければならない。

 

「……あら、感知タイプだったのかしら?それだけじゃ無いわね、あなたの異常性は」

 

()()()は地を這うようにして出て来た、人間であるという事を疑いたくなる様な動きで俺の目の前に現れた。

成る程()()()()()()と言うが、コイツにそんな名前を付けた人間を殺したくなるな。

 

「………()()()か。全く、神の加護も疑いたくなるよ本当に」

 

「神?そんなものを信じているのかしら、珍しいわね。私の事を知っているのも面白いわ、()()()()誰にも見せていない筈なのに」

 

そういえば、この世界は仏教が主流だったな。まぁ、仏の存在は()()()()()から信じる事も出来ないけど。

 

「少なくともお前の様な奴が存在する事の方が有り得ないね。………とりあえず木の葉に来た目的は?」

 

「そうねぇ……()()()若い子を見に来たのよ。あなたみたいな子もいる事だし収穫は多いわね」

 

俺もめでたく標的か………良し、殺そう。

ホモでは無いらしいが、コイツは生かしておいて俺の得になる様な事がない気がする。問題は殺せるかどうかだ、最悪だがどうやら奴は俺が危惧していた魔力持ちらしい。

 

「"剣よ"…………見物料を貰おうか。」

 

()()()()の形態では無理だな。殺すならやはり本来の形の方がいい。俺が意識すれば既に手元には西洋剣が握られていた。

 

「あら、何を払えというのかしら?」

 

「もちろん、お前の命だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------

 

 

ヤマメが相対するのは、この木の葉の里において伝説の三忍と呼ばれた人間の一人だ。例え凶悪な世界の戦争を生き抜いて来たとしても経験の面では負けている。

 

"『威殺居合』改無音"

 

故に()()()()()

 

 

圧倒的な脚力によって瞬時に、そして最早海産物配達係と化した、ついこの間の敵から教わった『無音殺人術』を使い背後に回り。首を切り飛ばした。

 

「……チッ、人じゃねえな」

 

魔力を使っていなくても、今のは確実に首を切り飛ばした筈。ヤマメはその事実を理解していながら()()の生存を悟っていた。

 

「………すごいわね。それ程の力どこで身につけたのかしら?」

 

切った筈の大蛇丸の首が一人でに動き体へと繋がった。血は出ているがそれも直ぐに止まり完全に元の状態へ戻ってしまった。

ヤマメは知らない事だが、大蛇丸の()()()()()体は今の攻撃でかなり寿命を減らした。

 

「…………ラーメン屋の息子なら当然だ」

 

「真面目に答える気は無いみたいね。」

 

ヤマメは生理的嫌悪から大蛇丸から離れた位置に移動していた。逃げる訳では無いが、絶対に近寄りたくは無い。ヤマメは遠距離攻撃に徹する事にした様だ。

 

勇者殺法一式『魔回転聖剣投擲』改

 

ヤマメが一対多の時によく使った技だ。膂力の限りに聖剣を回転多めで投げるシンプルな技だが、その速度は異常の一言に尽きる。例え致命傷を回避できたとしても四肢のうちの一つが消えている事が普通にある。

 

一対一でなら回避は結構される技だ。なら何故今使ったのか。

 

"聖剣影分身の術"

 

ヤマメが投げた聖剣が速度そのままに()()()。異世界においてこの聖剣より硬い物は無いと伝えられている剣が。狂った速度で大量に飛び交う、悪夢の様な技だ。

 

「これは………猿飛先生の……」

 

しかし大蛇丸もただ攻撃を喰らうだけでは無い。

高速で印を組んで忍術を放つ。

 

"風遁 大突破"

 

大蛇丸の口から嵐の様な風が吹き荒れる。いくつかの聖剣は散らされ、大蛇丸に当たるはずだった剣も大蛇丸を逸れてそこら中に散らばった。

 

「"剣よ"………そっか、アンタも三代目の弟子だったか」

 

ヤマメは会話をしながら聖剣の()()()()()手元に戻した。こうやって離れていても手元に転移される能力も聖剣の物だ。

 

「そうよ?殺しづらくなったかしら?」

 

「いいや、()()?」

 

「……………アナタ本当に子供かしら?もう少し躊躇いって物がある筈よね」

 

「なら、そう思ったまま俺に殺されろ"聖印"解放。『起点を聖剣から聖剣へ繋げ』"evil jammer(破邪結界)

 

影分身で増やした聖剣が輝き、大蛇丸を中心に方陣を描く。ヤマメの持つ聖剣の本体からリンクを繋ぎ結界を作動させる。媒体はこれ以上ない程に上等な物だ。その効果は………

 

「ぐぁぁぁぁッ!?これは……仙術ッ?」

 

「仙術……ね。いい事を聞いた。それにしても逃げられたか……面倒な事をする。」

 

「何を………ッ」

 

動けない肉塊に用はない。

ヤマメは聖剣で動けない大蛇丸を()()()()()()。これで大蛇丸は死んだ様に見えるだろう。しかし奴は生きている。

 

「クローンか………」

 

いつの間にか大蛇丸のクローンに入れ替わっていたのだ。大蛇丸のオリジナルの術?かは分からないが、本人は消えない影分身だと言っている様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---------------------

 

これならこの結界も本体にはさほど意味をなさないだろうな。あれは悪意やそれに準ずる物を祓う結界だ。奴のは悪意ではない。()()()()。奴は好奇心のまま行動している、厄介な奴だ。

また暴れているか監視される様なら殺すか。

 

 

 

それにしても()()()()()()

漁夫の利を狙ってくる奴が来る可能性が高い。巻物とかは取ってないけど逃げた方がいい。

 

剣を西()()()から、()()()()()()()に変化させる。この形は俺がある程度手加減をする為の形態だ。

 

俺の戦法の殆どは力押しなので、どちらかと言うとスピードで切るタイプの武器である刀、そしてリーチが短く、小手先で軌道を変えられる()()()に変化させるのが手加減には最適だと思った。

 

クナイに関してだが、俺は戦闘中は聖剣以外の武器を使う事が出来ない。厄介な事だが、戦闘中にそれ以外の武器を手に取って使おうとした瞬間にその武器が壊れる。

 

聖剣の能力、と言うより呪いの様なものだ。

その結果普通にクナイを買っても使えないし、拾っても、敵から奪った物だとしても使えない。

 

帰還後は聖剣との交渉の末、練習や授業中は自分以外の武器を使っても壊さないという所まで譲歩させた。

 

まぁ、この呪いもうまく使えばかなりの切り札になり得るのだが…………

 

思考が逸れたな。

さっさと逃げよう。

 

この試験、さっさと終わらせるつもりだったけど、大蛇丸って言う不確定要素がいるなら話は別だ。

俺の魔力感知に現在一人だけ反応がある。しかしこれは大蛇丸では無いだろう。先程消えた大蛇丸の位置としては()()()()。つまりこれは妖怪 団子狂いだろう。

 

大蛇丸の反応が無いのは恐らく魔力感知を阻害する術でも使っているのか?もし、仙術と言うのが魔力を操る技術だとしたら有り得ない事では無い。

 

そして向こうが魔力感知を使ってくる可能性もある。

 

"jamming(阻害)"

 

これで良し、暴れ回らない限り奴に魔力の存在がバレる事は無いだろう。そろそろ飯の調達でもするか。

 

 

 

 

 

 

 




大蛇丸と軽めの戦闘。
影分身で聖剣が増える、増える。
主人公は仙術の存在を知った
(露骨なパワーアップフラグ)


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十六話

ちなみにサスケくんは無事に頂かれました。


翌日

 

 

「…………ラーメンが無い」

 

中忍試験、第二試験は五日間のサバイバルである。

しかしサバイバルであるからこその問題が発生した。それはラーメンの不足。不覚だったサバイバルがある事を知っていればカップラーメンぐらいは持ち込んだのに。

 

「しかし戦場にラーメンを持ち込んで食えるのか?向こうの戦場では軽い軽食ぐらいしか無理だったからなぁ……」

 

ポリポリ

 

「まっず……」

 

ヤマメはとりあえず忍具袋に入っていた兵糧丸を食べて率直な感想が口に出た。兵糧丸はチャクラを回復する効果などもあり、戦場では必需品とは言われているが、いかんせん味が酷すぎる。ラーメン味でも作るか?

 

 

待てよ、兵糧丸は忍の必需品であり、味が疎まれている物でもある。ラーメン味を作ればそれはバカ売れする事は間違いない。そして莫大な資金を手に入れて隠居すれば………うむ、悪くない。帰宅後早速試作に取り掛かるか……

 

 

 

 

後にヤマメによって作れ出されたラーメン味兵糧丸は味を意識する余り、チャクラ回復の効果が無くなり最早ただのスナック菓子的な存在になってしまった事を記しておこう。

それでも木の葉の里の忍ではない人間や忍が任務外の時にお菓子として重宝する物となったので多少収入は増えた。

 

 

 

 

 

 

まーた余計なこと考えてるなと思ったろ?

しかし巻物は既に二つ持っている訳ですし、今は隠れているので襲ってくる奴もいないし。ゴールしようにもあの変態がいる以上、何かしらしてくる可能性はある。最低でもナルト達が出るまでは残った方がいいだろう。

 

魔法による感知の網を広げているがこの死の森でナルトを探すのは簡単だ。ナルトはチャクラ量がかなり多い、九尾のチャクラ無しにしても異常に多い。そんなアホみたいな反応はこの辺りに………()()()()()

 

でかい方がナルトかな?

もう1つは目的地に到達してるし。

 

「……………まずいな。変態(ヤツ)の魔力反応がある。サスケか?唾液塗りたくるってコレの事?」

 

賢者の言っていた事によれば、大蛇丸はマッドサイエンティスしすぎて火影になれなくて、いじけて里抜けしたバイ野郎(ショタコン寄り)であるとか。

 

ついでに美少年に涎を付ける趣味があるとか無いとか………つまり美少年(サスケ)は大蛇丸によだれ(魔力)を付けられた訳か。

 

「うわぁ……………」

 

とりあえず暴走しているっぽい?ので現地に向かうとしよう。間に合うかは知らんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………どういう状況だ?」

 

目的地に着いたのはいいのだが………ナルトは寝ているし、肝心のサスケはフラフラで今にも倒れそうだ。サクラは髪が短いなイメチェンか?

 

あと、同期のイノ、シカマル、チョウジがいて、一次試験開始前にサスケに喧嘩を売ったロック・リーが倒れてる。一体何が起こったと言うんだ………?まぁいいや。

 

とりあえず降りて手助けでもしますかね。

 

スタッ

 

「よっ、みんな昨日ぶりだね。」

 

「なんだよ、ヤマメかよ。敵が来たのかと思ったぜ」

 

「ヤマメは敵じゃないの?」

 

シカマルの発言にチョウジが疑問の声を挙げたが、

 

「巻物は開始地点で既に二つあるから、戦う必要ないし……でもそのまま塔に向かうのも芸がないから散歩してる。」

 

「それに、何にも傷ついて無いから巻物を奪われた可能性も無しだ。」

 

確かにシカマルの言う通り巻物を奪われていたら俺は死んでいるか何処かしらに怪我を負っているだろうな。まぁ、そんなこと出来る奴が中忍試験にいるとは思えんが。(変態は除く)

 

「サスケとサクラも大丈夫?」

 

「私は大丈夫よ、サスケ君とリーさんが守ってくれたから………」

 

「…………………」

 

サスケはノーコメントなのね。それとも喋る気力も無いのかな?かなり魔力に対する拒絶反応が出たみたいだし。首筋にある奴は例の変態に付けられたのだろうか、後で調べよ。

 

「サスケも大丈夫そうだね。ナルトー、起きろー」

 

「……むにゃむにゃ」

 

どうやらナルトは相当深い眠りに入っている様だな。昨日は相当疲れたのだろう。夜辺りに膨大なチャクラを感知したがナルトだったのかな?

 

 

ナルトを起こす魔法の呪文でも使いましょう。

 

 

 

 

「ラァーメン上がりぃ!」

 

「ッ!待ってたってば………よ?」

 

ナルトを起こすのは楽でいいな。やっぱラーメンに対する愛は本物の様だ。帰ったらラーメン奢ってやろう。

 

「じゃあ全員起きたし、シカマル達ももう行った方がいいんじゃない?」

 

「おおっ、やべ。まだ巻物も手に入れてねぇのに」

「おう。介護は俺に任せなよ」

 

シカマル達とも別れ、ロック・リーも同じ班の仲間に回収されていった。別に介護をする必要は無さそうだけどな。それよりサスケの首にある推定奴のヨダレ(呪印)が気になるので後々解析させてもらおう。

 

「ところで三人とも巻物二つある?」

 

「うっ、まだだってばよ。」

 

「………最悪よ、大蛇丸って言う奴にも狙われるし……」

 

ナルトやサスケはともかくサクラは精神的な疲労が見られるな、サスケに関しては例のヨダレに適合?するのに体力を使ったのか一番消耗している。ナルトは体力オバケだからかなり大丈夫そうだ。

 

「明日で三日目になるし、明日は1日休んだ方がいいんじゃない?同じ班のよしみで飯はなんとかしてあげるけど?」

 

「それだと遅いのよ!巻物は他のチームがゴールするたびに減るのよ!四日目なんてどれだけ残ってるか………」

 

「大丈夫だ、問題ない。作戦がある。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四日目

 

サスケの首にある奴の解析も大体終わった。

全員の体力もだいぶ回復した様だ。ナルトは昨日から元気だったけど……それはともかく。現在は試験開始四日目、場所はゴールの直前だ。

 

「それじゃ、作戦を説明しましょう。」

 

「何をやる気だ?」

 

「悪いんだけど、今回の作戦はサクラとナルトがメインだよ」

 

「………どうして?サスケ君は確かに疲れてるけど……」

 

「だってサスケは今チャクラ練れないだろ?」

 

「ッ…………何故知ってる」

 

何故って言われても解析したとは言えないしなぁ………解析結果は俺の聖印に近い物だった。違うところがあるとすれば周囲の魔力を取り込んでからチャクラと合成している事か。

発動条件もチャクラを練る事なのでサスケは今チャクラを練れない状態である。

 

「勘?の様なものだよ」

 

嘘だけど

 

「それじゃあどうするんだってばよ」

 

「今は四日目の朝だ。今日中にゴールしなければ不合格になる。しかしそれは他の班も同じだろ?何としても巻物を手に入れたい筈だ。」

 

「………………」

 

「だから罠を張ろう。ご丁寧に罠だとわかるようにな」

 

「?」

 

ナルトはまだわかっていない様だが四日目ともなれば時間もギリギリで既にゴールしているチームも多いだろう。この人数が減った状況で敵に会う確率は低い。だから向こうは罠だと思っていてもこちらを襲ってくる。ついでに杜撰な罠を張れば嬉々として向かって来るだろう。

 

「まぁとりあえずナルトは影分身でサスケとサクラに変化して三人組で移動させろ。そしてそれを襲って来た奴を本体で狙うだけだ。」

 

「わかったってばよ!"多重影分身の術"」

 

ボンッ!

 

「「「「それじゃあ行ってくる!」」」」

 

「おー、いってら」

 

こうして大量のナルトが森に放たれた。

その後三組程この罠にかかって多めに巻物を手に入れる事になったのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールした後、巻物を開き口寄せされた中忍に説明を受け次の試験会場に連れられて来た。ていうかサスケチャクラ練れないのに大丈夫なのか?

 

ちなみに俺は第三試験の予選はシード枠出場らしい。

お陰で周囲から嫉妬の視線が………それはそれとして、予選は見応えがあったな。キャッツファイトとかしてたけど………まぁ根性ある奴多かったな。

 

ちなみ本戦は一ヶ月後だ。




難産

主人公は予選無しで通しとこ


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