if 平沢進がイーグルジャンプで働いていたら (イブ_ib)
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平沢進がイーグルジャンプで働いていたら

ぶっちゃけ前半部分を描きたかっただけ。


平沢進(susumu hirasawa )

1974年4月1日生まれ、

10代後半コンピュータに手をつける、'93年頃に、仲間たちと共にゲーム会社[マンドレイク]を立ち上げるが、その後解散、直ぐに新たなゲーム会社[P-model]を結成、その後プレイステーションにもソフトを供給するも、売り方が下手くそだった事や、その独特すぎる世界観の為に売れなかった。

因みにその時のソフト[電子産業廃棄物]は同時期に発売されたソフト、[東脳]や[LSD]に勝るとも劣らない中毒性を持ったソフトと、一部のマニアの間では非常に高値で取引されている。

 

結局プレイステーションに供給したソフトは軒並み売れなかった為、据え置きゲームから撤退、携帯ゲームへ舞台を変えていく。

 

2000年代も半ばの頃、[P-model]は財政悪化の為、別のゲーム会社である[イーグルジャンプ]に吸収合併されることとなった、しかし[イーグルジャンプ]の雰囲気や、ゲームの作風が元[P- model]の社員と合わず、多数が辞めて行ってしまった。

 

そんな中でも残った社員は自分の技術で

[イーグルジャンプ]でも腕を振るい

重要な地位に上り詰めた者達もいたという。

 

[イーグルジャンプ]で一番の有名作

「フェアリーズストーリー」の1シナリオである「マラカス振りの少年」の

少年のモーションは、元[P- model]の社員の動きであると言う。

 

その会社の中で働いている我らが平沢は

キャラ班で働いている、本当なら歳的にもキャリア的にもAD枠や企画枠、プロデューサー枠に入る筈なのだが、上にやると何をやらかすかわからない為と、前会社のCGの腕を買われキャラ班に寄越されたという。

 

閑話休題

 

この春[イーグルジャンプ]に就職した涼風青葉は、キャラ班4人と八神に挨拶した後、りんに連れられてとある人の場所に連れていかれた。

 

「平沢さん・・ですか?」

 

「そうよ、もう10年も前の事だけど

[P- model]っていう会社を吸収合併した時に来た人なの、彼はとても仕事が早いのよ」

 

「ヘぇ〜そうなんですか!どんな人なんですか?」

 

「・・・それがね、ちょっと癖があるというか・・・何というか・・・」

 

「??」

 

 

◇◆◇◆◇

「ここが彼のデスクなんだけど・・」

 

「わぁ・・・」

 

そこには割と綺麗にまとめられたデスクの上に、パソコン、謎のオブジェ、そして針金の足が生えた謎の石が置いてあった。

 

「・・凄いですね、これは・・・!」

 

 

何故か其処だけ不思議なオーラを放っており、眺めていると後ろから誰かがこれをかけて来た。

 

「どうしました?」

 

「おうっ!?」

 

「青葉ちゃん、この人が平沢さんよ、

平沢さん、この子がこの前言った新人の子です」

 

「すっ涼風青葉です!よろしくお願いします!」

 

「涼風さんですか、なにとぞよろしく」

 

「はい!」

 

「それで平沢さん、基本的には青葉ちゃんはコウちゃんに教えて貰うようにするけど、平沢さんに頼む事もあるかもしれないから、その時はお願いします」

 

「A・ROR? わかりました、コウさんの言う事は聞かないと怖い、聞けなかったら私は用務員から下げられてしまう」

 

やはり独特の言い回しに、リンさんでさえも苦笑い気味になってしまう。

 

人生で初めてのタイプの人に出会い、青葉はわずかな不安に包まれていたという・・・

 



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メールと笑顔

ある日・・・、涼風青葉は先輩であるひふみとチャットをしていた。

 

[確かに解決しました。感謝です。ありがとうございました]

 

[いえいえ〜(´∀`*)

でもそんなに硬い文章じゃ無くてもいいよ!スマイルスマイル!」

 

 

そんなやり取りがあった後、参考書の指示のあった項目まで終えた青葉は、会議に行っているコウの代わりに平沢に教えてもらう様言われていた為、チャットで終わった事を報告する。

 

 

 

from:キラキラ青葉

 

参考書の指示のあった項目までおやりました♪よゆーデス(`ω´ )b

 

 

 

ピロンッ♪

 

「おっ、もう来た!」

 

 

from:Susumu Hirasawa

 

我を打つなアオバ。

 

新人あたりの社員が、たまに常識を覚え、ちょっとはましな夕食を摂れるなら。

 

世界のどんな下っ端にも冷や飯は食わせたくない。

 

そうだろう兄弟?

 

 

◇◆◇

 

????????

 

青葉は混乱する、恐らく平沢さんはこう行っているのだろう・・・

 

真面目にやれ! と。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

ある日青葉は八神コウのインタビュー記事を読んでいた。

 

 

「しかし八神さん、この姿も可愛いですね」

 

「ホンマ恥じらいがあって可愛いわ」

 

 

などと話していると、葉月が現れた。

 

「お、八神の本を見てるのかい?」

 

「あっ!葉月さん、おはようございます!」

 

「おはよう、 そういやさっきこれを見つけたんだ、良かったら見てみるといい」

 

 

そう言い青葉に葉月は雑誌を渡した。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

渡された雑誌は20年も前の物で、

背表紙は日に焼けており、ページの端が擦り切れていた。

 

「・・こりゃまたえらい古い雑誌やね・・・」

 

 

「なんなんでしょう・・・あ、付箋が貼ってありますね」

 

青葉はおもむろに付箋が貼ってあるページをめくると・・・

 

「??!!」

 

「?!」

 

何とそこには顔に笑みを浮かべてインタビューを受けている20歳のヒラサワの写真があるではないか!

 

 

「なっ!何やこれは!!」

 

「あの平沢さんが笑ってる・・・」

 

 

『我々電光プレイステーション取材班は、独創的なソフトを多数制作しているソフト会社『P-model』代表の平沢進氏に取材を行った。

「先月発売された「回収船」について・・・』

 

 

「嘘・・・あの人こんな風に笑うんだ」

 

 

ひふみ先輩よりも表情の少ない平沢さんが・・・!

 

早速青葉はヒラサワに雑誌を見せに行ったが・・・

 

「なるほど、私によく似ているが偽物だ。私には表情筋が無いのでこういう顔にはならない。」

 

と言われてしまった。

 

(表情筋が無いって・・・)

 

まさかの答えに困惑した青葉だった。

 

 

しかし・・・数時間後、

パソコンで何かを見ていたヒラサワは

机に置いてあった扇子をスッと取ると、

それを広げ口元を隠すようにして持つ。

 

(平沢さん、何してるんだろう)

 

(フフフ、見てしまったね涼風くん)

 

(葉月さん!!)

 

(彼は人前で笑う時はあの様にして扇子で口元を隠すのだよ)

 

また一つ謎生物ヒラサワの生態の一つを知った青葉であった。

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 



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*実はヒラサワはおニューの自転車を見せたくてウズウズしてるそうです。

ある夏の日

 

青葉は自転車で通勤するはじめと話をしていた。

 

「はじめさんって自転車通勤だったんですね、家近いんですか?」

 

「うん、5駅ぐらいかな」

 

 

「え!私だったら電車にする距離です」

 

「でも仕事は座りっぱなしだから少しは運動しないと肉がついちゃうよ?」

 

「確かにちょっと肉がついてきたかも・・・」

 

 

するとはじめの止めた自転車の隣に、また別の自転車が止まっていた。

 

「この自転車は誰のなんですか?」

 

青葉は目の前にある見慣れない形の自転車のことを訪ねた。

 

「それは・・確か平沢さんが乗っているやつだよ」

 

「これに乗ってるんですか?!」

 

後から調べたところリカンベントという種類の自転車らしいのだが、あの平沢さんがこれに乗って会社に来てるのか!

 

衝撃を受けた青葉であった。

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

アハゴン×ヒラサワ

 

その日、私はプログラムチームの人に注意を受けていた。

 

「ここにエラーが書いてあるでしょう」

 

「あ、ホントだ。今初めて気付きました」

 

「今まで誰も注意してくれなかったんですか?」

 

「八神さんは特に何も・・・」

 

「ちっ、あいつ、じゃあ平沢さんは・・?」

 

「・・平沢さんも特に・・」

 

「あの人は・・・」

 

プログラムチームの人は頭を抱えた。

 

「・・・というわけで、リストをこの紙に書いておきましたので、修正できたらご連絡を」

 

「わかりました。 えっと・・・お名前を伺ってもいいですか?」

 

 

するとその時、八神が現れた。

 

 

「あ アハゴンだ!」

 

言うや否やアハゴンと呼ばれた彼女は、

ピストルを構え、八神のデコに向けて撃った。

 

と思ったらBB弾であった。

 

 

「アハゴンって合ってるじゃん!」

 

「合ってません!」

 

阿波根が八神に向けて乱射している時にタイミングが悪いんだから良いんだか分からないが、ヒラサワも現れた。

 

「おや、騒がしいと思ったらアハゴンさんじゃないですか」

 

「あなたも!」

 

阿波根はヒラサワにも撃つが、

 

「セイッ!!」

 

そう叫び、持っていたファイルで弾を弾いた。

 

「流石平沢さん、やりますね」

 

「私がアハゴンと呼んだことにより、多くの皆様を誤った場所に導いてしまったことを深くお詫び申し上げますから」

 

◆◇◆◇

 

うみこさんによると、平沢さんは何気に

吹き矢や弓矢が得意で、サバゲーなる物も嗜んでいると言う。(銃は昔仕事でアメリカに行った時に買った物だという、

たしか『からしにこふ』とか言ってた)

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

葉月はコーヒーを啜りながらチームの写真が載ったパソコンを眺めていた。

 

(新しくプロデューサーにつく遠山りん)

 

「可愛い」

 

心の声が漏れる。

 

「ADの八神コウも、飯島ゆん、篠田はじめ、そして涼風青葉も・・・はぁ、可愛い」

 

心の声が駄々漏れである。

 

「しかし・・・平沢さえいなければ」

 

葉月はヒラサワの写真を見ながら呟く。

 

 

「誰がいなければいいと?」

 

 

にゅっと、ヒラサワが扇子を片手に現れた。

 

突然の出現に葉月が驚く。

 

「うわぁああ!」

 

「こんなになるまでどうして誰も止めてくれなかったか。そのような開発チームであります。」

 

扇子で口を隠しながら喋る、僅かながら目は笑っていた。

 

 

続く・・・



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フォロワー増えちゃいけないんですか?(馬骨並感)

「さぁ・・・」




「ハァーイッ!ハイッ!イヤハハイヤァッ!ハーッ!ハァーァ? 」

 

平沢はゾーンに入っていた。

 

青葉達の開発チームはβ版の為にラストスパートをかけていたのだ。

 

もう深夜3時である。

 

平沢はβ版のデータを終わらせて、りんにメールを送る。

 

『こちらは完了しました』

 

『了解』

 

 

「よーし、後は焼くだけ・・・あ!!」

 

八神は焼く直前で不具合を見つけてしまった。

 

 

『平沢さん、不具合がありました。

修正お願いします。』

 

 

「ヘェーイヤヒィー!!」

 

◇◆◇◆◇

 

その後無事β版を提出し、いよいよマスターアップを迎えた!

 

◇◆◇◆

 

今日はフェアリーズストーリー3の発売日!

 

私達は渋る平沢さんを無理やり連れ出して、発売の様子を見に来たのである。

 

 

 

「何もわざわざ並んでいるのを見に行かなくても」

 

電子タバコを気怠そうに吸っているヒラサワを引っ張り、駅前の家電量販店へ向かった。

 

「はじめさんとひふみ先輩は先に来ているはずなのにいないですね」

 

「あれじゃないですか?」

 

平沢さんが指差した先にははじめとひふみが並んでいた。

 

その後特典付きを買う為、コウ、りんと青葉、飯島が並び始める。

 

「平沢さんも一緒に並びましょうよ!」

 

「頼めば並ぶと思うなよ?」

 

 

「そんな事言わずに〜!」

 

◆◇◆◇

 

渋々ヒラサワは列に並ぶ。

 

 

「これより『フェアリーズストーリー3』の販売を開始しまーす!」

 

ヒロインのコスプレをした店員さんが

店を開ける。

 

 

 

その後、無事購入できたヒラサワは袋を眺める。

 

(平沢さんが袋をじっと眺めてる、何だかんだいって自分の作ったソフトだもん、嬉しいんだろうなぁ)

 

(買ったは良いもののこれどうしよう。

p●4は会人達にあげちゃったからなぁ、後でこいつもあげよ)

 

その後、ねねっちがネタバレをかましかけたが、無事おおごとにならずに済んだ。

 

◇◆◇◆◇◆

打ち上げ

 

「平沢さん!こんどゲーム作らないんですか?」

 

「もうネットではファンが平沢さんのゲームを待ち望んでますよ」

 

「金ならいくらでも出すんで!作りましょうよ!」

 

ヒラサワの周りには人集りができ、さまざまな会社の人で芋洗状態となっていた。

 

 

「平沢進というのは『な~に~?このゲーム、きもちわるい』とか、そういう類だから。面白くないから」

 

ヒラサワも断るが、なかなか人混みが解消しない。

 

『次の挨拶は・・平沢さんですね、平沢さーん!』

 

司会の人が呼んでいるので、此れ幸いと司会の方へ向かい人集りから脱出する。

 

『では次の挨拶は平沢進さんです』

 

「え、あぁども」

 

『・・・えー、しがないプログラマーなのにこんな大勢の人の前に立たされて憤慨しています』

 

『このイーグルジャンプとかいう坩堝に落とされて郁十数年、この会社になってからフェアリーズストーリーは初代から今作まで携わって来たわけですが、まぁ、これまでこれといったコツもなく心意気でやって来たわけですが。〜』

 

◇◆

 

 

『〜こんなになるまでどうして誰も教えてくれなかったか。そのような制作チームであります。えーそれでは、挨拶が後にまだ控えておりますので、えー、とっとと先に進みたいと思います。えー。以上、挨拶終わり』

 

 

ペコリとお辞儀をし、マイクを司会に渡すと再度集まって来た人混みを振り切り何処かに行ってしまった。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

ヒラサワは外で電子タバコを吸っていた。

 

「ここにいたのか」

 

そこに葉月が現れた。

 

 

「ども」

 

 

「どうだい、八神君の様子は?」

 

「まぁ、強いて言うなら満更でもない、

前よりかは柔らかくなった感じか」

 

ヒラサワは少しだけ口角を上げて笑う。

 

「そうか、それに涼風さんというカワi・・ゲフンゲフン!、良い部下を持ったんだ。今度のゲームは八神にADを任せてみたいんだが、どうだろう?」

 

 

「いいんじゃないですか?彼女も今一度ADをやれば加減がわかるでしょう」

 

そう言いながらヒラサワは煙を吹いた。

 

白い煙は星で輝く夜空に流れて消えていったのであった。




オマエタチも。


「さぁ・・・」


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