個性『ゴンさん』 (kris)
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ヒーローになりたかった

人は生まれた時から、平等ではない。子は親を決めれない。裕福な家庭もあふれば不裕福の家庭もある。裕福だけど、子を愛さない親もいれば、その逆もいる。この世は不平等なことが数えきれないほどある。

 

 

 

後藤 俊は不裕福の家庭に生まれ、そして親に愛されずに育てられた。物心がついた頃には毎日3食のご飯を作らされた。学校が終われば、寄り道をせずに一直線で家に帰り、夕食の支度する。放課後、マックで友人と馬鹿な話をする時間なんて彼にはない。そんな彼には友達と呼べる人はいない。少しでも夕食の支度が遅れると、仕事から帰宅した親に何をされるかわからない。彼の体には殴られたであろう打撲痕が沢山ある。

 

 

 

 

そんな彼にも夢がある。ヒーローになることだ。子供の頃から大好きだった、戦隊系ヒーローは彼に大きな影響を与えてた。どうして見ず知らずの他人のために命をかけられる?それもそのはず、彼は自分の事を守るために、親に従い続けたのだから。もちろん親に逆らったこともない。

 

 

 

 

 

「あんた!?期末試験どうだったの?」

 

 

 

 

「....満点だったよ」

 

 

 

「あんたは勉強だけは出来るんだから。これで私達の老後の生活も安定ね」

 

 

 

「...うん」

 

 

 

「ふん。あんたのその陰険な態度どうにかならないの?こっちまでテンション落ちるわ」

 

 

 

「...ごめんなさい」

 

 

 

「あんたといるとご飯が不味くなる。いったいどうしてあんたの性格がこうなったのかしら」

 

 

 

そう言うと、彼の母はゲラゲラと笑い、自分の息子のことを見下した目で見つめる。彼の今の性格は両親のせいでこうなったのを知る由もない

 

 

 

 

 

高校2年の期末試験が終わり、クラスメイト達は勉強を頑張った息抜きといい、彼以外のクラスメイト全員でカラオケに行った。もちろん、彼は誘われない。別にこれはいじめではなくて、ただ、誘っても彼は来ないと知っているから、建前で誘うって時間の無駄の行為をしないだけだ。

 

 

 

 

家に帰るろう。夕食の支度をしないと。

 

 

 

 

 

彼はそう心で言うと、いつもの帰り道を歩いている。そうすると学校終わりであろう小学生達が、大きな声で何かを叫んでいるのが聞こえた

 

 

 

「くらえ!!正義のヒーローキッークー」

 

 

 

「うう、やられた」

 

 

 

「くそ、あのヒーローは強いぞ!ここは一旦引こう!!」

 

 

 

子供達が戦隊モノごっこをしていた

 

 

 

「正義のヒーローは必ず勝つ!!」

 

 

 

「次は僕がヒーローね」

 

 

 

「じゃあ僕が怪人ね!」

 

 

 

 

正義のヒーローか。もし、この世界にヒーローって仕事があれば僕は慣れるだろうか??

 

 

 

ヒーローに憧れる彼は、子供のころ本当にヒーローになろうとしていた自身のことを思い出して、頬を緩めていた

ヒーローにはなれないけど、弱きを助け、悪い奴を守る、正義の弁護士になるんだ。毎日家の家事で大変だけど、弁護士になるために勉強も沢山しないと。

 

 

幸いのことに、彼の家にはゲーム機もなければパソコンもない。毎日家事を終えれば、両親からの雑用時間を除けば、十分に勉強する時間がある。子供の頃から勉強を毎日沢山してきた彼は、国内最難関大学に合格できるレベルの学力はあった。しかし、特待生として、奨学金を得るためには油断は出来まいと、日々勉強に明け暮れる。

 

 

そうだ!今日はお母さん達の結婚記念日だ。折角だし、今日の夕食は少し豪華な料理を作ろう。あと、ケーキも買おう。

 

 

両親は彼に毎日必要最低分のお金しか渡さない。バイトもしていないく、親からお小遣いも貰ったことがない彼だが、毎年、正月に母方の祖父母から親に隠れてお年玉も貰っている。それを数十年も貯めている為、今では数十万円も貯まっている。

 

 

 

スーパーに到着した彼は、高級ステーキ肉を2人分買い、それと両親が給料日にだけ家で飲んでいる、高級赤ワインを買って、ケーキ屋さんに向かった。

 

 

 

「いらっしゃいませ!!」

 

 

笑顔で彼を迎えた店員だが、彼は人と話すことに慣れていない為、無言のまま下を向き会釈した。それもそのはず、彼はスーパー以外の店を普段から行かない為、ケーキ屋さんや、服屋さんみたいに、客に挨拶をする店にはほぼ行ったことがない。

 

 

 

どのケーキも美味しそうだな。

 

 

彼はケーキを滅多にしか食べれない。

毎月月末になると、担任の先生がケーキを買ってきてくれる。クラスメイト全員でその月生まれの人を祝う行事。彼はその日が高校に入ってからの一番好きな恒例行事にないっている。ちなみにお気に入りのケーキはショートケーキ。

 

 

確か、お父さんがお母さんにプロポーズした時、チョコレートケーキを食べていたはず。

「お決まりでしょうか?」

 

 

「チョ、チョコレートケーキをください」

 

 

 

「はい。かしこまりました。何ピースですか?」

 

 

 

「二ピースでお願いします」

 

 

 

店員さんはチョコレートケーキ2ピースを箱に入れ、彼に質問をした

 

 

 

「今日は誰にプレゼントするんですか?」

 

 

 

「あ、はい。両親の結婚記念日なんです」

 

 

 

「なるほど!お客さん優しい方なんですね」

 

 

 

笑顔でそう言われ、彼は頬を緩めてしまった

 

 

 

「別に、そんなことありません」

 

 

 

「じゃあ、何かご両親に手紙を書来ませんか?」

 

 

 

「だ、大丈夫です。あんまりそういうのは慣れてなくて」

 

 

 

「大丈夫ですよ!きっと喜びますよ!」

 

 

 

「わ、わかりました」

 

 

 

満面の笑顔で言われ、彼は彼女の提案を断ることが出来なかった。

 

 

 

 

「じゃあ、これでお願いします」

 

 

 

「はい。じゃあケーキの中に入れておきますね!!

ありがとうございましたー!」

 

 

 

 

 

ケーキ屋を去り、彼は家に向かった。少しいつもと違うことをしている為か、少しだけ彼は楽しそうにしてた。

 

 

 

 

いつもと違う景色。綺麗だな。たまにはこうやって寄り道をするのも悪くないかもな

 

 

 

 

「おいおい!!火事だ!!見に行こうぜ!!」

 

 

 

「おう!大火事だぜ!!snsに投稿するために、行くか!」

 

 

 

家の近所に着き、家まで後ほんの数分の場所に着いた彼は周りにいる人々がやけに騒がしいことに気が付いた。それもそのはず、彼がいる場所から1分ぐらいの一軒家が火事になっているか

らだ。

 

 

家の近くで火事なんて珍しいな。消防車のサイレンが聞こえないあたりを考えると、まだ到着してないんだろう。心配だけど、僕が言っても何も意味がないし、今日はお母さんとお父さんの料理に時間が掛かりそうだし、はやく帰るか

 

 

 

 

「誰か助けてくださいー!!!!」

 

 

 

「!!??」

 

彼は誰かが大きな声で助けを呼ぶ声に反応した。気になって声がする方に向かった

 

 

 

「誰か助けてください!!私の息子と娘がまだ中にいるんです!二人ともまだ幼稚園児だから、彼らだけでは避難できません!!お願いします助けてください!!!」

 

 

 

「おい!聞いたかよ?お前が助けに行けよ」

 

 

 

「無理だよ。見ろよこの火。もう遅いだろ」

 

 

 

「消防士はまだかよ」

 

 

 

「やべよ。snsに投稿するか」

 

 

 

火の周りには数十人を超える野次馬がいるのにもかかわらず、誰も助けようとしない。皆人任せで、誰も動こうとしない。ひとりの少年を除けば

 

 

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

 

 

周りにいる人はひとりの少年が燃え上がっている家に入って行くのを見、驚いている

 

 

 

「馬鹿野郎!!!はやく戻れ!!死にたいのか???」

 

 

 

あれ?僕は何をしているんだ??体が勝手に動いている。考える暇なんてない。誰かが、今彼らを助けなければ、彼らは必ず死ぬ。僕がしなければ。

でも、なんで僕が??僕は彼らの顔を名前も知らない。何故僕は彼らを助けるために、火の中にいるんだ??

 

 

 

 

「おーーい!!!誰かいるか?助けに来たよー!!!聞こえるなら返事して!!」

 

 

 

やばい。思っていたより火の周りが早い。このままじゃ、無駄死にしてしまう。僕が入ってきた道はもう火に覆い尽くされている。ああもうだめだ

 

 

 

 

 

 

 

「....助けて!!」

 

 

 

 

「!!??」

 

声が聞こえた!間違いない!彼らはまだ生きている!!

 

 

 

 

「僕の声が聞こえるー??」

 

 

 

「....うん!!僕はここにいるよ」

 

 

隣の部屋から声が聞こえた!良かった!まだ彼らは生きている!!

 

 

 

「今からお兄ちゃんが行くから待っててね!!」

 

 

 

彼は隣の部屋に移動した。部屋の奥に、クローゼットがある!きっとあそこの中にいるんだ!!

 

 

 

「お兄ちゃんが助けに来たよ!!」

 

 

「お兄ちゃん!!!!」

 

 

 

何て事だ。2人とも顔色がとても悪い。きっと煙をいっぱい吸ったんだろう。女の子のほうは恐怖で体が震えている。

 

 

 

 

 

「もう大丈夫だよ!さ、お母さんのところに帰ろう」

 

 

 

「ありがとう!!」

 

 

 

「あ、ありがとうお兄ちゃん!!」

 

 

 

 

やばい!もう外に行く道がない。

これ以上ここにいると3人とも焼け死んでしまう。どこか出口はないか。

 

 

 

辺りを見回した彼は絶望感が押し寄せた。出口がどこにもない。無意識だが、彼はもう自分たちは死ぬんだと悟っていた。

 

 

 

「......」

 

 

 

もうだめだ。ごめんよ、僕がもっとはやく君たちを見つけてたら死なずにすんだのに。

 

 

 

 

「お兄ちゃんありがとう!僕ね、大人になったらお兄ちゃんみたいなヒーローになりたい!」

 

 

 

「お兄ちゃん!今度お兄ちゃんに私の大好きなお人形あげるね!!」

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

はは。僕ば馬鹿だった。勉強の成績が良くても今まで気付けなかった。そうかやっとわかった。

 

 

 

「ヒーローか...ありがとう!お兄ちゃんが必ず助けてあげるからね!!」

 

 

 

ヒーローが何故見ず知らずの人を命を懸けて助けるか。それは彼らの笑顔を見るため。何故だろう。彼らの安心した顔を見ると力が湧いてくる。

 

 

 

「もう僕はここで終わってもいい。だからありったけの力を.....この子たちを助けるために」

 

 

 

 

そう言うと、彼は一階が駄目だとわかり、上の階に向かった。

 

 

 

2階も駄目だ。それなら3階はどうだ??

 

 

 

「ビンゴ!!まだ3階の窓には火が覆っていない!!」

 

 

 

 

「おい!あれ見ろ!さっきの少年だ!!」

 

 

 

 

「子供2人を抱えてるぞ!!!」

 

 

 

 

 

野次馬達が彼に気付いた。誰もが死んだと思っていた少年が生きていて、しかも子供を2人抱えていることに驚いた。

 

 

 

「今からお兄ちゃんがいいって言うまで目を閉じていてね」

 

 

二人の子どもは彼が言うことに従い目を閉じた

 

 

 

 

「すみませんー!!!どうか彼達をキャッチしでください!!」

 

 

 

 

「!!??」

 

 

野次馬達は驚いた。まさか自分たちに彼らをキャッチしろと言われ、あまりにも唐突だったこともあり誰も動けない

 

 

 

 

「お前が行けよ」

 

「俺は無理だよ。そんな力ないし」

 

「私は無理だよ。女だし」

 

 

 

 

 

野次馬達は誰も動こうとしない。この場にいても、あと数十秒ぐらいで火が届くだろう。それなのに彼らは見ているだけで、動こうとしない。

 

 

「ふざけるなー!!!!」

 

 

 

彼は生きてきて初めて叫んだ。怒りが頂点に達した彼は大きな声で野次馬達に指示を出した。

 

 

 

「そこのあなたとあなた!今から投げるから受け取ってください!!」

 

 

子供の頃本で読んだことがある。日本人は周りの環境に合わせて動くと。こう言う時には名指しで支持するのが効果的だと。

 

 

「お、おう!わかった!」

 

 

「そこのあなた!隣の家から布団を持ってきてください!!」

 

 

「わかった!!」

 

 

彼はまだ気付いていない。この状況で瞬時な判断と的確の指示。いったい何人の人が同じことをできるか。といっても、彼の場合は体が勝手に動いての行動だ。もしかしたら、彼はヒーローとしての才能があるかもしれない。

 

 

 

野次馬達は彼の指示通り布団を持ってきて、彼らをキャッチする準備ができた。

 

 

 

「お兄ちゃん!もう目を開けていい?」

 

 

 

「あと、少し待ってね」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

少し痛いかを知れないけど我慢してね。良かった。これで君たちを助けれる

 

 

「いくよ」

 

 

 

 

 

 

BOOOOOOOOOOM

 

 

 

大きな爆発が燃え上がっている家から聞こえた。野次馬達の耳は大爆発音によって、鼓膜が破れた。

 

 

 

 

「良かった...彼らは無事だ」

 

 

 

 

 

見事に野次馬達は子供2人をキャッチし、安全な場所に避難させた。

 

 

 

 

少し痛かったかもしれないけど我慢してね

 

 

 

 

「おーーい!!次は君の番だ!!」

 

 

 

 

「はは、僕がヒーローか。彼らのおかげでヒーローとは何かわかったよ」

 

 

 

 

 

Booooooooooooooom

 

 

 

 

 

2回目の大爆発が起こり、燃え上がってた家は炎の勢いを増し、もう家の原型が見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

————----

 

 

 

 

数時間後、燃え上がっていた家は駆けつけた消防隊によって消された。そこにあったであろう家はもう家の原型が見えない状態になっている。この火事によりひとりの少年の命が途絶えた。

 

 

 

 

「どうしてうちの子が...」

 

 

 

仕事終わり、携帯を確認すると、普段見慣れない電話番号からの着信があった。電話を掛け直し、簡単にだが、息子が亡くなったことを告げられ、病院に来るように警察官から告げられた。

 

 

 

 

 

「目撃情報からすると、彼は自分の命と引き換えに、少年少女の命を助けました。お気持ちは察しますが、彼のような行動を出来る人はそう多くはいません」

 

 

 

「...どうしてくれるんですか」

 

 

 

とても小さく震えた声で呟かれた。それもそのはず、普通の親なら突然愛する息子が他人を助けるために亡くなったと告げられたら、現状を受けいられないだろう。....普通の親なら

 

 

 

「お気持ちは察しますが、今は落ち着き

 

 

 

「どうしてくれるんですか!!?あの子は名門大学に入れる学力はあったんですよーー!!将来は有名企業に入り、私たちの老後を支えてもらう予定だったのに!!!!!どうしてくれるんですか??」

 

 

 

「!!??」

 

 

 

周りにいた自分は口を開けて驚いた。常識がないとかそういうレベルではない。人として、親としての愛情が全く感じれない言葉を、今述べられたのだ。信じられないと言わんばかりの顔を見なしている。

 

 

 

「ああ!!あの子が死んだんだから、もちろん保険金や慰謝料も貰えるんでしょうね??」

 

 

 

「お兄ちゃんが僕のことをたすけてくれたんだよ!!僕ねお兄ちゃんみたいなヒーローになりたいんだ!!」

 

 

 

突然、彼が助けた子供が来て、彼の母にそう宣言した。子供だから死をまだ理解していない。その言葉には嘘はない。とても真っ直ぐな目をしている

 

 

 

 

「ヒーロー??馬鹿言わないで!!」

 

 

 

 

 

警察官から色々と話を聞き、帰路に着こうとした時、他の警察官が駆け寄って来た。

 

 

 

「すみません。目撃情報からすると、こちらの荷物は彼のものらしいです」

 

 

「何これ?ケーキ??何で?」

 

 

普段から、毎日ご飯を作ってきた彼だが、ケーキや無駄の物を買ったことは今まで一度とない。

 

 

 

 

「.....!!???」

 

 

 

 

ケーキの箱を開けたらそこには小さい手紙が入っていた

 

 

 

 

お母さんお父さんへ。

 

いつも迷惑をかけてごめんなさい。毎日怒られてばっかりでダメな僕だけど、とても二人には感謝しています。良い大学に入って、将来は二人が幸せになるために、僕も頑張るね。

いつもお仕事疲れ様です。

 

それとこのケーキは二人が結婚を決断した時に、食べていたチョコレートを連想して買いました。

 

結婚記念日おめでとうございます。そして、

 

 

 

 

 

 

 

手紙を読み終えた彼女は、手紙をカバンにしまった。まさか手紙には自分たちを恨むは愚か、感謝していると綴られていた。彼女は自覚していた。彼を愛した記憶はない。いつも自分たちのために彼を使ってきた。でも、彼は私たちのことを親としてみていてくれた。今までしたことを後悔し、目からおおきな粒の水滴が地面に落ちていった。

 

 

僕を生んでくれてありがとう。二人とも大好きだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

....ここは??

 

 

目が覚めたか??

 

 

....はい。体がない。僕は死んだんですか??

 

 

左様。お主の体はもうない。魂だけがここにある状態だ。

 

 

なるほど...だから、話せないんですね。さっきから脳に直接言葉が入ってくる感じがして少しだけ不気味だったんですよ

 

 

 

ホッホッホ。お主は死んだというのに冷静だな。普通はパニックになるもんだぞ。

 

 

 

そうでしょうね。でも、僕はあの子供を助けた時に、自分の命を犠牲にする覚悟はありましたよ。もうこれで終わっでいいってぐらい。

 

 

 

そうじゃろうな。だから儂は今お主をここに連れてきたのじゃ。

 

 

何のためにですか??

 

 

転生をしてもらう。

 

 

 

....転生ですか??

 

 

 

うむ。

 

 

辞書的な意味での転生は理解できます。でも、現実世界で可能なんですか?

 

 

 

うむ。まあー詳しいことは自分で肌で感じてくれ。

 

 

 

は、はい。

 

 

 

お主の夢はなんだ??

 

 

べ、別にありません....

 

 

うむ。ヒーローになることだな

 

 

どうしてわかったんですか?

 

 

儂はこの世界の神じゃぞ。心ぐらい読める

 

 

その通りです。ヒーローになることです。

 

 

わかった。お主に最適な場所を用意しよう。特別能力は何がいいかな?

 

 

能力ですか?別にいらないです、

 

 

 

お主がいく場所はヒーローもいれば、ヴィランと呼ばれる悪もいる。能力なしではヒーローになる前に、死んでしまうぞ。

 

 

 

いきなり言われても困ります...

 

 

 

儂はこう見えても忙しいのだ。

 

 

能力か....

 

 

もうよい。儂が決める。お主は普段大人しくて、人を助けるような人物には見えないが...いざって時に何が憑依したように変化する。先程みたいにな

 

 

は、はい。

 

 

そして、命を捨ててもいい。だから、全力で彼らを救う。そうじゃ!決まったぞ!!

 

 

何ですか??

 

 

能力は憑依。それも大人気キャラクターのゴンさんじゃぞ!お前は特別だぞ!嬉しいか??

 

 

ゴンさん?誰ですか?

 

 

ハンターハンターの世界主人公が一度だけ見せた、強制的に体を成長させて、驚異的な力を見せて、儂らに絶望と絶大な人気を与えた彼じゃ

 

 

知りません。

 

 

まあよい。兎に角、詳しいことは成長すればわかる。じゃあな

 

 

え?僕はもう新しい世界に行くんです?

 

 

うむ。名前は不利久須《ふりくす》ゴン

じゃあな。

 

 

えええええええええ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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僕のヒーローアカデミア

 

 

 

 

 

ある日、中国のある町で光る赤ん坊が発見された。それ以降、全人類の8割が何らかの個性と呼ばれる特別な力が宿っていと言われてる。僕もその内の一人だ。僕はあの後、神様に個性と呼ばれる能力を授かったんだけど、それがまたとんでもない個性だった。

 

 

 

 

個性 憑依

 

 

 

 

僕が5歳の頃、40度を超える高熱のせいで、前世、つまり僕が前にいた世界の記憶が戻った。その後の行動は早かった。本を読み漁り、この世界のことを勉強した。流石に5歳の僕が本を読むのは、親が不気味な目で見ると思ったが、子馬鹿な両親は、これも個性の1つだろうとあまり気にすることはなかった。

 

 

 

 

 

この世界にはヴィランと呼ばれる悪が存在する。その逆にヒーローと呼ばれる正義も存在する。平和の象徴であるオールマイトが他のヒーローを率先して、日々ヴィランから平和を守っていること。この世界には僕が前の世界では考えられなかった常識が沢山ある。

 

 

 

 

僕の個性が出たのは5歳のある冬の日。僕は家族と一緒に山にキャンプをしに来ていた。夜家族3人で寝ている時に、僕たちの寝床の周りには熊数匹が僕たちを今にも襲わんばかりの目で見ていた。残念なことに、僕は前世の記憶があるものの、まだ個性が出ていない。両親の個性も今この状況で役に立つ個性でもない。僕にはどうすることもできなかった。そんな時、お父さんが、お母さんと僕を自分の背後にやった。

 

 

 

 

僕は彼らを守ることができない。どうすればいいんだ...

 

 

 

 

彼は5歳である。個性もない5歳児が出来ることなんてないもない。

 

 

 

 

「ゴン!大丈夫よ!お母さんとお父さんが絶対に守ってあげるからね」

 

 

 

「ああ!お母さんの言う通り!ゴンは少し目を瞑っていなさい」

 

 

 

 

何ていう優しい親なんだ。僕は彼らを守りたい。誰にも彼らを奪われたくない。

 

 

 

 

 

「...もう...ここで終わってもいい...だからありったけを...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴンは意識が途絶えた。その瞬間、彼は精神世界かのような場所に飛ばさた。

 

 

 

 

 

 

(貴方は??)

 

 

 

 

(.....)ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

ゴンは自分の目の前にいる人物に声を掛けた。身長は2メートル近くあり、体は筋肉で覆われていている。髪は彼の身長以上はあり、逆立った髪が天井で渦を巻いている。何処からか不気味な音が聞こえる。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ・・・・

 

 

彼の存在の大きさを表してるかのような音だ。

 

 

 

すると彼の目から突然大きな水の粒が地面に落ちていくのが見えた

 

 

(大丈夫ですか?)

 

 

(............)ゴゴゴゴゴゴ

 

 

とても悲しそうな顔をしている。目は言い方が悪いかもしれないが、レイプ目と呼ばれる脅威的な目をてしている。その目から感情が読みとれない。ただ、人生を諦めきった、絶望顔と呼ぶのが相応しいぐらいだろう

 

 

 

(This way... )ゴゴゴゴゴ

 

 

(え?)

 

 

 

(...君はゴンで俺もゴン...) ゴゴゴゴゴ

 

 

(!?)

 

 

 

神から聞いたことがある

 

 

 

貴方がゴンさん何ですか?

 

 

力をかそう。ありったけの力を。

 

 

 

「Follow me..... 」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

ゴンは意識が戻り、自分の目線の高さがいつもと違うのがわかった。

 

体から力が沸き起こる。今なら誰にも負ける気がしない。ただ、体を動かしているのは僕であって、僕ではない。

きっと、さっき意識の世界であった彼であろう。ただ、ゴンは意識があるだけで体を動かすことができない。

 

 

 

「ゴ、ゴンなのか!?」

 

 

 

まだ、5歳児の彼が突然急成長して今自分の目の前にいる。巨漢で目の前の男から殺意が伝わってくるのが感じる。面影はある。しかし、突然すぎて、彼らは呆然としている。

 

 

「This way ....」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

巨漢の男に抱えられた二人は、彼によって目の前にある川の向こう側に運ばれた。走り幅跳びの要領で軽く飛び越えた。それは人間の跳躍力を遥かに超えている。

 

 

 

「君は、、いったい...」

 

 

 

「....」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

「何故君は泣いているんだ?」

 

 

「....」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

ゴンさんは彼の質問に答えることはなかった。

 

 

 

「...お父さん...少しだけ待っててね...」

 

 

 

「やっぱりゴンなのか!?」

 

 

 

そういうとゴンさんはまた川の向こう側へ向かった。

 

 

 

 

「....」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

目の前には熊が6匹。肉食動物である彼らは、今目の前にいる巨漢の男は狩る物に過ぎない。

緊張状態が続く中、突然、数匹の熊が巨漢の男に向かって牙を向けた

 

 

 

 

「....,.」 ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

「!!!??」

 

 

後数センチの所で彼らは巨漢の男を襲うのをやめた。否、辞めざるおえなかった。

 

 

 

狩る側から狩られる側になった彼らは恐怖で体が動かない。野生動物は動物的本能が発達している。そんな彼らは、今目の前にいる巨漢の男が自分らより遥かに強いことを本能で感じたんだろう。もう彼らにはどうすることもできない。本能が死を理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

巨漢の男は姿勢を低くした。右拳からは金色のオーラが放たれている。

 

 

ギリギリギリギリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

First ・・・・comes ・・・rock ・・

 

 

ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

・・・・ポン

 

 

彼が放った一撃は音を置き去りにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「....次はないぞ....」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

彼がそう言うと、熊たちは森の中に帰っていった。彼が放った一撃により、森林であった数百メートルが綺麗に木っ端微塵になった。

 

 

 

 

 

 

「君はいったい...」

 

 

 

 

 

 

 

自分の息子が着ていたであろう半袖半ズボンは、今目の前にいる巨漢の男には小さすぎるようだ。現に、服がはちきれそうだ。

 

 

 

 

「.....」 ゴゴゴゴゴ

 

 

「ゴン怪我はない??」

 

 

そう言うとお母さんは巨漢の男に抱きついた。

 

「きっとこの姿は未来のゴンよ!結構いい男じゃない!」

 

 

彼女は本当に子馬鹿である。でも、そのおかげで巨漢の男も息子だと認識されることになった

 

 

 

 

 

 

 

 

———- あれから色々とあったが僕は今日で中学三年生になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日から君たちは中学3年生だぞ!内申点が進路に響くからこの一年は真面目に頑張るんだぞ。で、もう進路は決めてる人はいるか?」

 

 

 

 

「Yeahhhhhh」

 

 

「ま、君らはみんなヒーロー科志望か」

 

 

 

 

 

 

毎年恒例の一連の流れが終え、クラスは最高潮に盛り上がっている。

 

 

「みんな良い個性だ!!」

 

 

 

「おい!俺をこんなモブたちと一括りするんじゃえーよ!!!」

 

 

「そういえば、爆豪は雄英高校ヒーロー科志望だったな」

 

 

「何!?倍率300倍で偏差値79のあの雄英高校!??」

 

 

 

「やっぱり才能があるやつは俺らと違うな」

 

「ああ、爆豪の個性は爆破。もうチートマンだぜ」

 

 

 

誰もが認める彼の才能。誰も彼が英雄高校に受かることを疑わない。

 

 

 

「そういえば、不利久須と緑谷も雄英志望だったよな?」

 

 

 

 

「!!??」

 

 

クラスメイトは一瞬にして硬直した。

 

 

「何...!?」

 

 

「あの二人が....!?」

 

 

「雄英に...!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無理だろ!!!!!!!」

 

 

 

「どうせ記念受験だろ!!」

 

 

 

クラスメイトの誰もが彼らが雄英に受かるとは思っていない。それもそのはず彼らは...

 

 

 

「おい!!デクとガキ!!」

 

 

 

デクとは緑谷 出久が木偶の坊みたいな男だから、爆豪によって付けられたあだ名だ。ガキとは不利久須 ゴンの見た目が、小学生低学年みたいな顔立ちなため、ガキと呼ばれている。

 

 

 

 

「クソナードのテメーらが俺と同じ土俵に何で立ってるんだよ!!」

 

 

「そうだよな...無個性のやつがヒーロー科に受かるとか万が一にないよな」

 

 

 

「クソナードらが!どうせ受からないんだから、受けるんじゃないぞ」

 

 

 

 

「べ、別に受けるのは僕の自由だよ」

 

 

気弱な緑谷がそう言うと

 

 

「うん、僕もそう思う。爆豪君に僕らの進路を決める権利はないと思うよ」

 

 

「うるせーえ!勉強しか出来ないお前らが受かる可能性なんてないんだよ!!」

 

 

 

爆豪は不利久須の胸ぐらを掴み、睨みつける。今にも殴りかかりそうな彼だが、担任に内申点減点すると告げられ、彼の暴走が止まった。自分に絶大的な自信があり、運動能力も抜群で勉強もできる。今、不利久須を殴ることは簡単だが、頭のいい彼は、自分に不利になるとわかると自分の席に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新学年のガイダンスを終え、帰路につく緑谷や不利久須は他愛もない話をしている。

 

 

「ゴン!かっちゃんはああ見えて、本当はいい奴なんだ!だから、彼のことは許してあげて!」

 

 

「デクは優しいな。デクがそんなに優しいから、彼は君に調子乗るんだよ!たまには反論しなよ!」

 

 

「そうだよね。でも、彼は本当に凄いんだ!センスも抜群でそれに個性もすごい!かっちゃんは絶対に凄いヒーローになるよ!」

 

 

「出た!ヒーローオタク!デクって本当に爆豪のこと好きだな」

 

 

「うん。苦手意識はあるけど、やっぱり幼馴染だしね!」

 

 

「...デクってゲイなの?」

 

「もう!ゴンひどいよ!!」

 

 

「はは!冗談だよ!」

 

 

「それに、ゴンは無個性じゃないのに、僕のせいでゴンもクラスの笑い者になってごめんね」

 

 

「気にするな。俺の個性は日常生活で使えないし、無個性って言っといた方が都合がいいしな」

 

 

「そうだね。ゴンなら絶対に雄英高校に受かると思うよ!凄い個性だしそれに頭も良くて、凄く他人思いな優しい性格だしそれに」

 

「そんなに褒めても何もあげないよ」

 

 

「べ、別にそんなつもりないよ」

 

 

「はは!わかってるよ!」

 

 

「じゃあ俺はこっちだから!」

 

 

「うん!また明日ね!」

 

 

 

 

 

 

出久は俺が小学3年生からの親友だ。もし、彼の身に危険があれば僕は命をかけて守るだろう。オタクで鈍いところもあるけど、誰よりもヒーローに向いていると思う。いや、なるべき人間だと思う。無個性だけど、彼ならきっとヒーローになれるそう彼は信じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴンは家に着き、宿題をした後に少しだけ昼寝をすることにした。数時間後に目が覚め何気なくテレビの電源を入れたゴンは、信じられない光景を目にした。

 

 

 

 

 

テレビに映っているのは、親友の出久とクラスメイトの爆豪。個性のせいで液体のようなヴィランに体を囚われている爆豪は身動き出来ずにいた。周りにはヒーローもそれを見ているギャラリーも沢山いるのに、彼を助けようとしているのは、出久だけだった。

 

 

 

居ても立っても居られないゴンは、幸い現場が近所だったため、急いで向かった。

 

 

 

 

「間に合ってくれよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

現場に着いたゴンだが、出久こ様子が見当たらない。近くにいた人物に緑髪で天パの中学生ぐらいの男の子がここに居なかったか聞いたら、さっきまで警察に事情聴取されていて、数十分前に帰ったらしい。

 

 

 

 

 

「出久どこにいるんだ?」

 

 

 

目撃情報からすると、怪我などはしていないらしいが、やはり親友の出久が事件に巻き込まれたゴンは気が気ではなかった

 

 

 

 

 

 

 

出久の家に向かう途中、遂に出久を発見した。何やら誰かと話している様子だった。普段の僕ならきっと声を掛けるだろうが、どうやらいつもと様子が違うようだ。盗み聞きをするのは好きじゃないけど、少しきになる

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

さっきまで出久と話していたガリガリの男が急にムキムキになった。あの男に見覚えがある。平和の象徴と呼ばれる最高のヒーロー、オールマイト。

 

 

 

いったい何が起きているんだ?

 

 

 

「 緑谷少年!私の個性を引き継いでくれないか?」

 

 

「!!?」

 

「!!?」

 

 

出久とその話を聞いていたゴンは驚いた

 

 

「君はヒーローになれる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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トレーニング

 

 

 

出久がオールマイトと話していた後、僕は彼に声を掛ける前に、自宅に帰った。彼とオールマイトの時間を邪魔したくなかったから、何よりも、自分の親友が平和の象徴の彼に認められたことがとても嬉しかった。家に着き、自分もこれからヒーローになる為に頑張ろうと考えてたとき、いきなりインターフォンが鳴った。

 

 

家には誰もいなくて、重い足乗りで画面越しに訪問者を確認すると、そこには顔の堀が深すぎて影になっているイカツイ人がいた。間違いなくオールマイトだろうと思った。

 

 

 

 

 

「私が君の家に来たー!!」

 

 

「あ、オールマイト。こんばんは」

 

 

「反応が薄いーーー!!」

 

 

予想していた反応より遥かに低いため、オールマイトは落ち込んでいる。ゴンが彼を見るのは今日2回目、1回目なら彼が予想ていたとおり、驚いたであろう。ゴンは彼が何をしに家に訪れたのかある程度わかっている。

 

 

 

 

「当然何だが、緑谷少年のことなんだか」

 

 

 

「貴方の個性を出久に継承してもらうことですか?」

 

 

 

「そうそう!理解が早いな君」

 

 

 

「...」

 

 

一瞬空気が凍りついた

 

 

「早すぎるだろー!!!」

 

 

オールマイトは何こいつって表情をしている。

 

「え、こわい?」

 

 

オールマイトは外見とは裏腹に乙女チックな動作をしている。

 

 

「すみません。盗み聞きは良くないのは分かっています。貴方と出久が話している時、近くにいて話を聞いてしまいました」

 

 

 

「なるほど。それならそれで話ははやい」

 

 

 

オールマイト...もう少し警戒した方がいいですよ..,絶対過去に同じ経験してるよこの人...

 

 

 

 

「緑谷少年。こっちにおいで」

 

 

 

すると、端っこに隠れていた出久が出てきた。

 

 

「ごめんね、ゴン」

 

 

「ううん、大丈夫!無事で良かったよ」

 

 

「ゴン突然なんだが、これから来年の入学試験まで毎日トレーニングしない?」

 

 

「トレーニング?もちろんいいけど」

 

 

「実はオールマイトの個性を引き継ぐには、僕の貧弱な体じゃ無理らしんだ」

 

 

 

「うん、そう思う。だってオールマイトのパワーだよ!あんなの今の出久じゃ無理だよ」

 

 

 

「うん!だからトレーニングしよ!」

 

 

 

「私が君たちの師匠になろう!」

 

 

 

「出久、オールマイトに僕の個性の話はした?」

 

 

 

「うん、実は少しだけした」

 

 

「君の個性強化もこれからしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久がオールマイトに出会ってから、僕には大きな変化があった。毎朝、出久と一緒にオールマイトが僕たちの為に作ってくれたトレーニングメニューをするようになった。放課後も肉体強化のため、二人でジムに通った。

そんな僕たちは、数ヶ月前と比べると見違えるぐらい、身体つきが逞しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験当日。

 

 

 

「おいおいまじか!私が君たちに指定した場所よりも、綺麗になってるじゃないか!!」

 

 

 

「オールマイト!僕はヒーローなれるでしょうか?」

 

 

 

「ああ!君は立派なヒーローになれる!」

 

 

 

「オールマイト!今までありがとうございました!」

 

 

 

「ああ!不利久須、いや、ゴンさん。君も立派なヒーローになれる」

 

 

 

「オールマイト!さん付けで呼ぶのはやめてください!」

 

 

 

「君を呼び捨てで呼ぶのはとても、恐れ多くてつい」

 

 

 

実は過去に何度か、彼の前で個性を発動させたことがある。その絶大的な存在と力に彼はそれ以降、僕のことをたまにゴンさんと呼ぶようになった

 

 

 

 

「僕もゴンの個性を初めて見た日のことは今でも詳しく覚えてるよ」

 

 

 

「もう!試験ではあの個性は使わないから安心して!僕は今のままでも、十分に戦えるんだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷と不利久須は約一年間、超過酷なトレーニングをやり切り、とてもアドレナリンが出ている。

 

 

 

 

 

「よし!緑谷少年!もう一度聞く!」

 

 

 

さっきまで笑っていたオールマイトの顔は真剣な表情になった

 

 

 

「はい!」

 

 

 

緑谷も覚悟を決めた表情をした

 

 

 

 

「私の個性を引き継いでくれるか?」

 

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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試験

コメント下さった方ありがとうございます。誤字も多く、文章力も壊滅ですが、頑張ります。


 

 

雄英高校。日本の頂点に君臨する超名門高校。その中でもヒーロー科は偏差値79、倍率は驚異の300倍。

そんな超名門雄英高校は、これまで平和の象徴オールマイトや数々の有名ヒーローを輩出してきた。そんな高校の試験会場に二人の少年が到着した。

 

 

 

「で、デカすぎない!!??」

 

 

 

「流石雄英高校...規格外だね....」

 

 

緑谷と不利久須は試験会場の広さに驚ろいた。驚きすぎて、足元を見ていなかった緑谷は、地面にあった石に足が引っかかって体のバランスを崩した

 

 

「!!??」

 

 

「あれ?僕転んでいない?」

 

 

 

緑谷自身も転んだと思っていたはずなのに、体は地面に着いていない。

 

「あれ?僕の体ふわふわしていない?」

 

 

「ごめんね、私の個性。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね!」

 

 

「あ、はい」

 

 

「じゃあ私行くね!」

 

 

 

 

 

 

「ゴ、ゴン...僕、女子と話した!」

 

 

「出久...正確には話せてないよ」

 

 

ゴンは相変わらずの出久に呆れて、試験会場内に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

会場内に入った僕たちは筆記試験を受けるために、指定された教室に向かった。筆記試験は5教科。僕と出久なら高得点は取れなくても、合格圏内の点数を上回るのは間違いない。

 

 

 

筆記試験が終わり、実技試験の説明が講堂で行われた。

 

 

相変わらずのヒーローオタクの出久は試験中に他の受験生のメガネ君に注意されていた。

 

 

実技試験の説明も終わり、僕と出久は別の試験会場で試験を行うことがわかった。

 

 

 

 

「ゴン!一緒に合格しようね!」

 

 

 

「うん!約束だよ!」

 

 

 

二人は握手を交わした

 

 

 

 

 

 

 

試験会場入り口に移動した不利久須は戦闘服に着替えた。緑色の半ズボンに白色のタンクトップ。顔付きは小学生なのに、服装と身長のせいで、尚なら小学生に見えてしまう。

 

 

 

周りにいる受験生たちも、ジロジロと不利久須の方に視線をやる。

 

 

 

現在、試験会場入り口前には100人を超える受験生たちがいる。ある者は精神統一をしている。ある者は準備運動をしている。

 

 

 

今、不利久須達の目の前には大きなトンネルがある。どのぐらい長いのかは、シャッターが閉まっている為、あまりわからない。きっとトンネルを越えれば試験会場何だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スターート!!」

 

 

 

プレセマントマイクがスタートと言ったと同時に、大きなシャッターが開いた。

 

 

 

「!!??」

 

 

 

「何だ?現場ではカウントなんて誰もしてくれないぜ!」

 

 

 

不利久須は集中力を高めていた為、スタートの合図とともに、シャッターが開いたトンネル内に全速力で向かった。

 

 

 

おおよそ20mはあるトンネルを抜けると、そこには町があった

 

 

 

一番乗り試験会場に到着した不利久須はあまりの広さに驚いたが、直ぐに切り替えた。

 

 

 

 

 

「敵発見!」

 

 

3ポイントの仮想ヴィランロボットが地面からいきなり現れた。

 

 

 

 

 

遅れて他の受験生達も試験会場に辿り着いた。

 

 

 

 

 

「な、なんてでかいんだ!」

 

 

 

「町じゃねえか!」

 

 

 

あまりの広さに受験生は驚いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(......)ゴゴゴゴゴ

 

 

 

(ゴンさん?)

 

 

 

(...Follow me )ゴゴゴゴゴ

 

 

 

(だ、ダメだよ!僕はゴンさんを使わずに試験に合格するんだ!その為に僕もトレーニングしてきたんだから!)

 

 

 

(......) ゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

不利久須は子供の頃にゴンさんに憑依されてから、時々精神世界で彼と会話出来るようになった。今は関係は良好だが、不利久須は己の力のみで合格したい為、彼の力を使わない。

 

 

 

 

 

 

 

「最初....は......グー....」

 

 

 

 

 

 

不利久須はゴンさんに憑依されて以降、彼の力を少しだけ使うことが出来るようになった。精神世界でゴンさんにオーラの使い方を教えてもらったこともある。

 

 

 

 

不利久須は姿勢をかなり低くして、右拳にオーラを貯める。黄金色に輝く彼の拳は、周りの受験生達もかなり驚かした。

 

 

 

「なんだよ!あのオーラ!?」

 

 

「黄金色に輝くオーラって、スーパーサイヤ人かよ」

 

 

「何の個性なんだ?」

 

 

 

 

不利久須の右拳は黄金色の円形のオーラに包まれている。半径50センチほどのオーラは、見るからに、かなりやばい。

 

 

 

 

「敵発見!排除する」

 

 

仮想ヴィランは不利久須の方に加速して、攻撃を仕掛けた。

 

 

「おい!危ないぞ!」

 

 

 

 

「ジャンケン.....」

 

 

 

「グーーー!!!!!」

 

 

BOOOOOM

 

 

 

「!?」

 

 

 

オーラが篭った右拳が仮想ロボットにヒットした。凄まじい破壊力があり、仮想ロボットは粉々になった。周りにいた受験生達は、不利久須の一撃によって作り出された爆風に体のバランスが奪われた。

 

 

 

 

「まずは3点!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————

 

 

「あの少年中々やりますね」

 

 

「個性は爆破かな?」

 

 

「爆破なら別の試験会場にいるあの子の方がすごいね」

 

 

「それに、一発に掛かる時間が長いね」

 

 

「HAHAHAHA!!まだそれは彼の本当の実力を見てからじゃないとわからないさ」

 

 

「オールマイト?彼のことを知っているのか?」

 

 

「HAHAHA!兎に角、今は待つんだ」

 

 

 

 

 

 

 

———————

 

 

試験時間も残り半分が過ぎた。

 

 

不利久須は現在25ポイント。合格には十分な点数ではない。

 

 

「ペースアップしないとやばいな」

 

 

「や、やばいぞ!このままじゃ落ちる」

 

 

 

「時間がない!」

 

 

 

「どうしよう!まだ点数が足りない」

 

 

 

 

毎年この時間になると、多くの受験生達が迫り来る制限時間により、冷静な判断力を奪われる。一度、集中力を切らすと、もう全力では戦えない。

 

 

 

「敵発見!敵発見!」

 

 

「敵発見!敵発見!」

 

 

 

「敵発見!敵発見!」

 

 

 

制限時間はもうすぐ終わるのに対して、仮想ヴィランの攻撃は終わらない。点数を稼ぎたい受験生達を多数の1ポイントヴィランが邪魔をする。3ポイント、2ポイントヴィランは殆ど受験生によって破壊された。

 

 

 

 

 

 

 

 

THOOM

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

 

爆音と共に地面から現れたのは100mを超えるかなり硬そうな0ポイントロボット。

 

 

 

 

見るからにやばい0ポイントロボット。残り数分と限られた時間では、あれを破壊するのはオールマイトぐらいのパワーがないと無理だろう。

 

 

 

 

あれを倒しても意味はない。今はもっと点数を稼ぐことに集中しよう。

 

 

 

不利久須は集中力を切らしていない。冷静な判断力と瞬時な判断力。相変わらずに利口な人間だ。

 

 

 

 

 

 

 

「きゃー!!!助けて!、」

 

 

「やばい!死ぬ!」

 

 

「あんなのどうしろって言うんだよ」

 

 

 

 

ほとんどの受験生達は、あの超大型ロボットの登場により、冷静な判断力を失った。

 

 

 

GOOOOOOOOO

 

 

 

遂に大型ロボットは動き出した。

 

 

 

 

絶望、恐怖。今この会場にいる受験生達の殆どが味わっている圧倒的な絶望と恐怖。

 

 

 

こうなったら、人間のする行動はみんな同じだ。

 

 

 

 

「入り口に戻れ!!」

 

 

「トンネル内に逃げろーー!」

 

 

 

本能的逃走。

 

 

 

超大型ロボットがいる場所から入り口までは、約1キロメートル。

 

 

受験生達は一斉に避難しはじめた。

 

 

誰もがトンネル内にいけば安全だと疑わなかった。誰もそこが安全だと言っていないのに。

 

 

 

 

 

ほとんどの受験生達はトンネル内に避難が完了した。

 

 

 

「良かった。私たち助かるね」

 

 

「ああ!ここなら安心だ」

 

 

 

 

 

GOOOOOO

 

 

 

「!!??」

 

 

 

 

超大型ロボットは動きを止めることなく、一直線にトンネルがある方向に向かってくる。

 

 

 

その距離300m

 

 

 

「どう言うことだ?」

 

 

 

 

 

「受験生のリスナー諸君!!」

 

 

 

「プレゼントマイク!?」

 

 

「実戦じゃ安全な場所なんてないぜ!!」

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

終わった...

 

 

 

トンネルの先にあるシャッターは、スタート前と同じく固く閉ざされている。試験会場にはもう逃げ場はない。

 

 

 

 

この時、多くの受験生達は気付いた。ヒーローとはいつでも正義の味方。正義の味方は何時も助ける側であって、助けられる側ではない。

 

 

 

 

 

ヒーロー予備軍から、一般市民になった彼らは、ヒーローが必要だ。

 

 

この時、彼らは自分らにはヒーローの器がないことを理解した。

 

 

 

「誰か助けて!!」

 

 

 

「ヒーロー!助けてください!」

 

 

 

超大型ロボットは動きを止めない。街を破壊しながら、爆音で大多数の受験生がいるトンネルに向かってきている。その距離ほんの200m

 

 

 

 

 

 

 

——————-

 

 

「今年の受験生達もやっぱりこうなったね」

 

 

 

「中学3年生のガキが、人生で超大型ロボットに襲われる経験なんてしているわけがない。ま、ヒーローの器がない奴はここで不合格だ」

 

 

 

 

「超大型ロボットがトンネルまでの距離50mに到着した時点で、ロボットは止まる仕組みになっているから、彼らの怪我の心配は大丈夫。兎に角、この会場にいる子達は、ヒーローの器なしだね」

 

 

 

「HAAAAA!! それはまだわかりませんよ!」

 

 

 

「オールマイト!?」

 

 

「不利久須 ゴン少年はまだ本気ではない!」

 

 

「あの子の個性は何なんですか?」

 

 

「黄金色のオーラをまとって、殴りかかっていましたよね?個性は特殊強化系かな?」

 

 

「HAHAHA !彼の個性は憑依」

 

 

「!?」

 

 

「彼はまだ本気ではない!ゴン少年の本当の力は計り知れないよ」

 

 

 

「オールマイト!貴方はどうして彼のことを知っているんですか?」

 

 

「HAHAH!それは後ほど」

 

 

 

 

 

——————-

 

 

 

「!?」

 

どうしてだろう。僕は誰かが危険な時、考える前に体が動いてしまう。前世で燃え上がる家に助けに入った時みたいに。今、沢山の人が助けを求めている。例えば、合格するために、ポイントを稼がなくちゃいけないと分かっていても、今、彼らを見捨てることは僕にはできない。

 

 

 

 

不利久須は幸いにもトンネルの近くにいた為、直ぐにトンネルの入り口前にたどり着くことができた。

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫。僕が来た!」

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

 

平和の象徴オールマイトが登場時に言う、決まり文句を言った。これを聞いた受験生達は少しだけ安堵の様子を見せた。

 

 

「オールマイト?」

 

 

「いや、彼は黄金色に輝くオーラを右拳にまとって、仮想ヴィランを壊しまくっていた人だ!」

 

 

 

多くの受験生達は、不利久須の戦闘能力の高さを知っている。彼はこの組みで唯一、スタートの合図と同時に駆け抜け、みんなが見ている前で、仮想ヴィランを倒したのだ。

 

 

 

 

「少しだけ下がってて」

 

 

 

 

そう言うと不利久須は姿勢を低くして、右拳に黄金色に輝くオーラをまとった。

 

 

 

「今出せる全力の力をこの右拳に....」

 

 

 

 

 

不利久須はありったけのオーラを右拳に集めている。彼の右拳は直視できないぐらい、黄金色に輝いている。

 

 

 

 

「な、なんて眩しいんだ!」

 

 

 

「あいつの周りの砂が舞っている」

 

 

 

 

 

 

GOOOOO

 

超大型ロボットの動きは止まらない。トンネルまで残りわずか150m.

 

 

 

 

「最初はグー....」

 

 

 

 

力をため終わった不利久須は構えを変え呟いた

 

 

 

 

 

「ジャンケン」

 

 

 

 

 

「敵発見!今から始末する!」

 

 

 

超大型ロボットが不利久須に気付き、攻撃を仕掛けた

 

 

 

 

 

「グー!!!!!!」

 

 

 

 

BOOOOOOM

 

 

 

 

 

不利久須の最大火力の一撃は超大型ロボットの右足を木っ端微塵にした。

 

 

 

 

「な、なんていう破壊力!」

 

 

 

「私たち助かったの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「右足損傷。一時停止する」

 

 

 

超大型ロボットは動きを止めた。

 

 

 

 

 

「...やった!もう僕には鼻をほじる力も残ってないや」

 

 

 

不利久須も安堵の表情を見せた

 

 

 

 

 

「ありがとう!君は僕達のヒーローだ!」

 

 

 

「ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

試験終了まで残り2分。そうアナウンスがされた後

 

 

 

 

 

 

 

THOOMMMMMM

 

 

 

超大型ロボットは再び動き出した。

 

 

失った右足のせいで、体のバランスが上手くとれていないが、でかいのには変わらない。再び受験生達を絶望感を与えた。

 

 

 

 

 

 

「敵発見!敵発見!トンネル内に敵発見!」

 

 

 

 

 

「やばい!どうしてよ」

 

 

 

「もう終わった」

 

 

 

 

超大型ロボットは倒れている不利久須には見向きもせずに、トンネルに向かった。

 

その距離残り100m

 

 

 

 

 

 

———————

 

 

 

「最後の不利久須君のパワーには驚いたね!彼はヒーローポイントも入れたら合格だね!」

 

 

 

「はい!ヒーローの素質も十分にある!」

 

 

 

「別の試験であの大型ロボットの顔面を破壊した少年もいましたが、今回はパワー系個性が多いですね」

 

 

 

「HAHAHA !まだ試験は終わっていないよ」

 

 

 

「もう、誰も立ち向かいませんよ!あと数十秒で誰かがあれに立ち向かうとは思えませんし、終わりです」

 

 

 

 

「....不利久須...ゴン はまだ終わっていないよ」

 

 

 

「彼にはあれを倒す力は残っていませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....ゴンさんがいる」

 

 

 

「....どうして震えてるんですか?」

 

 

 

「そうだぞ!あのゴンってガキがどうした?」

 

 

 

「BAKA !!! ゴンさんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

—————

 

 

 

 

 

 

 

(....ゴンさん。力をかして」

 

 

 

(....SURE ) ゴゴゴゴゴ

 

 

「ありったけの力を...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(......Follow me ) ゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

黄金色に輝く不利久須は、見るからに正義のヒーローだった。とても温かく、見ているだけ安堵してしまうぐらいに、不利久須のオーラは人を安心させる。

 

 

 

 

 

 

「おい!あの人立ち上がったぞ!」

 

 

 

 

突如、不利久須は立ち上がった。力を使い果たした彼が再び立ち上がったのに、彼らは驚いた。

 

 

 

 

「.......」

 

 

 

「何か様子が変じゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

黄金色に輝くオーラが正義なら、闇色のオーラはいったい....

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

試験会場内に不気味な音が鳴り響く。音と呼んでいいとか分からないが、不気味でまるで、この世の終わりみたいな音をしている。

 

 

 

すると次の瞬間、試験会場内に爆風が起きた。どこから起きたか分からないが、闇色のオーラをまとった風が不利久須の周りに集まる。

 

 

 

 

 

闇は深まり、不利久須の体をあっという間に飲み込んだ。

 

 

 

 

「...なんだよあいつ」

 

 

 

「体が大きくなっていくぞ」

 

 

 

 

 

不気味な音と共に、不利久須の体が成長していく。2mを超える巨漢な男が闇色のオーラをまとっている。

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

闇が深すぎて、彼の顔や体をはっきりと認識できない。しかし、そのあまりにも悪の見た目から、人間だとは思えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「This way 」 ゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

そう言った、不利久須は一瞬で消えた。

 

 

 

 

「き、消えたぞ!?」

 

 

 

 

 

「.....後ろだ」 ゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

「!!??」

 

 

 

 

さっきまで超大型ロボットの後ろにいたはずなのに、いつのまにかトンネル内の後方に移動していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その速さを捉えれたものは誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「....」 ゴゴゴゴゴ

 

 

 

「あ、あの...」

 

 

 

 

一人の受験生が声をかけた

 

 

 

 

「....後方に避難しろ」ゴゴゴゴゴ

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 

トンネル内にいる受験生全員がトンネル後方に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「FIRST Comes Rock......」

 

ギリギリギリギリ

 

 

 

 

 

不利久須は姿勢を低くして、右拳にオーラをためている。オーラの量、質は前とは比べものにならないほど高くなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超大型ロボットが停止するまで数メートルのところまで来ていた。

 

 

 

 

「....」 ゴゴゴゴゴ

 

ギリギリギリギリギリギリギリギリ

 

 

 

 

 

 

 

!!!!ポン !!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不利久須が放った一撃は音を置き去りにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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