その蹴りの美しさに惚れた (鉛鉄砲)
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プロローグ

この系統なら描きやすい。
短いですが徐々に長くなる予定です。


『さあ!グランドファイトクラブ、66キロ級フェザー級ベルト争奪戦の王者が今宵、決まろうとしています!!これまでMMA、総合格闘技界の世界三大タイトルの内、2つ王者に輝いている挑戦者!!格闘技界で彼の名前を知らぬ者は居ないはず!!通称‘‘グランド・パンチャー’’キラーマン・エイジ!!』

 

 

 

『彼はパンチをヒットさせて寝技に持ち込む王道タイプの戦い方。それに加えてタックル、首投げなどの組み技も得意としている身体の強い選手でもあるね』

 

 

 

『対するはこの三大タイトルの一つ、グランドファイトクラブの絶対王者で通称‘‘神速蹴り’’ホッグス!!』

 

 

 

『彼は見えない所から蹴りが入って来るからね…今まで何人返り討ちにされて来た事か。派手な試合で人気を出した選手だな』

 

 

 

『さぁ…!両者リングで見つめ合う!』

 

 

 

 

 

 カーンッッッ!!!!

 

 

 

 

 

『さぁ、ゴングが鳴った!!ホッグス、早速前に出る!!』

 

 

 

『速い…だけどエイジは何とか避けて凌いでるな。とにかく距離を詰めて組むか、蹴りの後にパンチをヒットさせたいな』

 

 

 

『おおっと!ホッグスのハイキックがエイジの顔面を襲い続ける!危ないぞ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて…蹴りしか放って来ない。馬鹿なのか此奴は…?)

 

 

 

 今、俺は世界三大タイトルの三つ目のベルトを狙って、ゲージの中で戦っている。元々は強い奴と戦いたいと思って始めたが、これなら動物の方がまだ強い。人間の運動能力では強くなれる所の限界があるのだ。金は大量に入ってくる。が、そんな物を得る為に戦っている訳ではない。

 

 

 

(はぁ…しつこいな。)パシッ!

 

 

 

『う、うぉぉぉぉ!!!???ハイキックのつま先を取った!これは大きなチャンスだ!!』

 

 

 

『さてここで一気に決めたい……えっ?』

 

 

 

 

 

 「You disappointed me.」(失望したよ。)

 

 

 

『ど、どういう事でしょう!?チャンスを自ら逃して行きました!』

 

 

 

『何を考えてるんだ!!』

 

 

 

 ブー!ブー!!

 

 

 

 

 

 「Kill you…!!」(殺してやるよ…!)

 

 

 

 

 

 ブンっっ!!!

 

 

 

 

 蹴りが入る。が、もう見飽きた。懐に入りながらパンチを打つ。

 

 

 

 

 

 バチィッ!!

 

 

 

「ガッ…!」

 

 

 

 隙は逃さない。獲物を捕らえたら離さない。

 

 

 

「らあっ!!」

 

 

 

 パウンドを無慈悲に何発も落としていく。

 

 

 

 ドカッ!ドカッ!ドカッ!!

 

 

 

「ストップ!!」

 

 

 

 カーン!!!

 

 

 

『…き、きまったぁぁぁぁ!!!史上初の三大タイトル制覇者がここに誕生したぁぁぁ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 強さを求めた結果、余りにも人間の中では逸脱した能力を持ってしまったらしい。

 

 刺激が欲しい。それを求めて戦ってきたが、誰一人としてそれを満たせる者は居なかった。あの後、会見やら挨拶やらで忙しかったので今日はある意味で疲れていた。

 

 

 

 

 

「強い奴は居ないのか…ある種、別世界にでも飛び込んでみたい気分だ」

 

 

 

 

 

 その独り言に答える者などいるはずもない…

 

 

 

 

 

「あら?その願い叶えて差し上げようかしら?」

 

 

 

 

 

と思って居た矢先に面白そうな話が舞い込んで来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幻想郷?」

 

 

 

「ええ…きっと貴方なら楽しい生活を送れますわ。私が保証します」

 

 

 

「強い奴はいるのか?」

 

 

 

「ええ…貴方より強い者が沢山居ます」

 

 

 

「考える必要もない。俺は行くぞ!」

 

 

 

 この男、自分より強い奴が居るとなればなりふり構わず別世界にでも出向く戦闘狂なのである。因みに好きな女のタイプは強い女らしい。

 

 しかしこの男はまだ知らない。幻想郷に何千年も生きる本物の格闘家が居ることを。魔法を使いながら体術を行使する女達を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ…今日も暇だなぁ…」

 

 

 

 

 

 

また、彼女達もそれは同じであるようだ。

 

 

 

 

 




この度は申し訳なかったです。今回は誤字などが無いように頑張ります。


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中国拳法ってこんなに強かったっけ?

突然のラッキースケベ。


 

 謎の女に幻想郷と言う場所に連れてこられた。緑は深く、都会の様な場所の気配がしない。何も説明は受けてないが、とりあえず強い奴を探そう。

 

 

 

 

 

「グルルルル…」

 

 

 

「ん?なんだあれ?」

 

 

 

 見た事のない生き物がいる。犬の様な頭が二つで明らかにRPG系統に出てきそうな敵が出てきた。それも3匹も。

 

 

 

「んー?俺の事食いに来たのか?」

 

 

 

「キシャァァァァッ!!」

 

 

 

「おせーよ」

 

 

 

 二つの頭の噛みつきを頭と少し屈めて避ける。腹がガラ空きだ。

 

 

 

 バキッ!!

 

 

 

「キャウゥゥンッ!!??」

 

 

 

 かなりボディアッパーが深くめり込んだ。多分骨が何本か折れただろうな。まぁ、殺しに来てるなら手加減はしないけどね。他の二匹が同時に襲い掛かって来る。が、無意味。一匹の攻撃を避けて後ろ足を掴み勢い良くもう一匹の化け物の胴体に叩きつける。

 

 

 

「ガフッ…」

 

 

 

 

 

 三匹とももう動けなさそうだ。本来ならパウンドを落としてトドメを刺すところだが、無意味な殺生も良くないだろう。とにかくここを離れるか。少し歩いて赤い館と湖が見えてくる。そこで衝撃の光景を目にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ…今日もいい天気だなぁ…」

 

 

 

「…」

 

 

 

 強い。そう確信した。肉弾戦には自信があるが、女でもここまで強い者がいるのかと感心した。遠目で見ても何となくわかる。

 

 

 

「少し体でも動かしますか…」

 

 

 

 柔軟運動を行い終わって息を整えた直後、俺は固まってしまった。

 

 

 

「やあっ!!」

 

 

 

 シュンッ!!

 

 

 

 あそこまで美しい蹴りを放てる人を見た事が無かった。体の重心を入れ替えて蹴っても美しい放物線を描く上段に、鋭くコンパクトで鞭の様な中段蹴り、そしてローキックは女性特有の柔らかさと男性にも負けない力強さを備えたまさに理想の蹴りの数々だった。彼女が女性だからじゃない。あれは何年も生きて訓練をしないと辿り着けない様な芸術性すら感じる惚れ惚れする蹴りだった。少し話がしてみたくなった。

 

 

 

「そこのお姉さん。」

 

 

 

「!?」

 

 

 

 シュンッ!!

 

 

 

「うおっ!?」

 

 

 

(避けた!?)

 

 

 

「待て!戦いに来た訳では無い!」

 

 

 

「…紅魔館に何の御用ですか?」

 

 

 

「紅魔館?ここの館の名前か?」

 

 

 

「え?まさか知らないでここに着いたんですか!」

 

 

 

「着いたと言うか…ここが幻想郷って所と言うのは聞いた。人里と言う所を目指しているのだが、どっちに行けば良いのか分からないんだ。ここに危害を加える気は無いから教えてくれないかな。」

 

 

 

「…良いですけど、条件があります。」

 

 

 

「え?お金は持ってないよ?」

 

 

 

「いえ、そんな物は要りません。ただ、私と手合わせ願えませんか?」

 

 

 

「…さっきの蹴りを見てたら分かる。お姉さん俺より強いよ?」

 

 

 

「同じ格闘家、幻想郷では滅多に見受けられません。貴方程の使い手なら人間でも暇を潰せるでしょう。」

 

 

 

「まじか…暇つぶしかぁ。それで教えてくれるならいいよ、やろう!」

 

 

 

「ふふ…なら私から行かせて貰います!」

 

 

 

 タンッ!!

 

 

 

(嘘だろ…!?滅茶苦茶な速さだ!)

 

 

 

 バキッ!バキッッ!!

 

 

 

(早い上に中々重たい蹴り…上の打撃で何と無く分かる。中国拳法か!?)

 

 

 

 門番さんの蹴りと上の滅多撃ちを食らう。力も今まで戦って来た相手とは全然違う。やばい、本格的に負けるかもしれないと思う相手に初めて会った。

 

 

 

「やあっ!」

 

 

 

 飛び膝蹴りを仕掛けてくる。どうにか避けれたが、スピードも戦闘経験も違う。女だから油断していた訳では無い。が、強すぎる。

 

 

 

(全く…本当に惚れちまいそうなぐらい強ぇ)

 

 

 

「せいっ!!」

 

 

 

 申し訳ないが俺のやり方で攻めさせて貰う。上の正拳突きと回し蹴りを受け流し、後ろで抱き抱えて投げる。

 

 

 

 ドサッ!!

 

 

 

「!?」

 

 

 

 受け身した後すぐに後ろに回り、腕を首に回す。あんまり女性に寝技を仕掛けるのはよろしく無いが、あの蹴りの懐に入って殴れる自信が無い。それなら参ったと言わせれば良いのだ、そう思っていた。

 

 

 

(こ、この女…なんて馬鹿力してやがる…!?ここまで入ってるのに腕力だけで完全に気道を確保している!)

 

 

 

(つ、強い!人間とは思えない程の力と洞察力…打撃も見た所出来る!)

 

 

 

 チョークを諦めて体にしがみつこうとした瞬間だった。この時、俺は大事な事を忘れていた気がする。いつもは相手が男だからそれが通用するが、相手が女だと言う事を完全に意識していなかった。

 

 

 

 むにゅん。

 

 

 

「…あ。」

 

 

 

「ひ…ひゃぁぁぁ!!!」

 

 

 

「わ、悪…」

 

 

 

「変態!!!」

 

 

 

 バチーーン!!!

 

 

 

「ぎゃおっ!?」

 

 

 

 勝負は決した。女の武器には勝てず、平手打ちで気絶させられる前代未聞の負け方を喫した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目覚めると赤い部屋の中に居た。とても目に悪そうなのが第一印象だった。

 

 

 

「…いてて、やっぱし気絶してたか」

 

 

 

「目が覚めた様ですね。」

 

 

 

「えっと…ここのメイドさん?」

 

 

 

「十六夜咲夜と申します。先程は凄い戦いでしたね」

 

 

 

「ははは…平手打ちで負けましたけどね」

 

 

 

「あの胸の邪魔な脂肪の所為で負けたのですね。やっぱり男って最低です」

 

 

 

(う、うわぁ…印象悪い…)

 

 

 

「それよりもお嬢様がお呼びです。着いて来て下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、少し歩いて見て分かったがこの館は外から見るより中が明らかに広い。不思議な構造をしていると考えていたが、十六夜さんの能力の応用で広くしているとか。完全にファンタジーの世界である。

 

 

 

「ここがお嬢様のお部屋です。くれぐれも失礼な態度を取らない様にお願いします」

 

 

 

 ギィィィ…

 

 

 

「ようこそ人間。お前のさっきの戦いぶり、非常に興味深いモノがあったわ」

 

 

 

(よ、幼女?この館の主って…こんな幼そうな子が統一してるの?幻想郷ってすげーな)

 

 

 

「お前、美鈴と交代制で門番をしないか?この幻想郷に来てまだ間もない貴方にはとっても良い案だと思うけど?」

 

 

 

「はいお願いします。」

 

 

 

「そう断らなくてm…え?」

 

 

 

「あの門番と毎日手合わせ出来るのであれば、仕事はきっちりこなす事を誓います。何せ自分より強い女性達がこんなに居るのですから。興味がわかない訳ありません。」

 

 

 

「…そんなに門番の胸が気に入ったの?」

 

 

 

「いえ、彼女の格闘家としての強さに惚れました。はっきり言います。滅茶苦茶魅力的で、自分の好みの超どストライクなんです。戦わせて下さい」

 

 

 

「…貴方、時々人に変わり者って言われない?」

 

 

 

「毎日の様に言われてました」

 

 

 

「…ふふっ、面白いわね。良いわ、変な事言ったら殺そうかと思ったけど、自分の立場をよく理解して発言してるわね。人間にしては強いと思ったけど頭も回る様ね。正直に話す所も気に入ったわ…採用ね」

 

 

 

 よく分からないが、この幼女も只者では無い。尋常じゃないくらいの強さを持っていることには変わり無い。銀髪のメイドさんもそうだ。かなりやばい能力を持っていると見た。確実に俺が一番弱い。成る程、ここが幻想郷。強い者が沢山いて、あっちよりずっと楽しそうだ。

 

 

 

「自己紹介が遅れたわ…私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の当主で、種族は吸血鬼よ」

 

 

 

「エイジと言います。これからよろしくお願いします。レミリアお嬢様」

 

 

 

「うん。よろしい。早速門番とも挨拶して来なさい。あ、言っておくけど相当恥ずかしそうにしてたわよ」

 

 

 

 その情報は凄く気まずくなる!やめて!わざとじゃないの!凄く柔らかくてハマりそうな感触だったけど!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、えっと…門番に雇われたエイジです。これからよろしくお願いします、先程は申し訳ありませんでした」

 

 

 

「…エッチ。」

 

 

 

「あ、さっき美鈴の事凄くタイプとか言ってたわよ?良かったわねー美鈴?」

 

 

 

 余計なこと言わないで!!本当にドSなメイドさんだ…

 

 

 

「エッチな人は嫌いです!!」

 

 

 

「フラれましたね…」

 

 

 

 うわぁ…凄く黒い笑みを浮かべているのですが。ちょっとだけ期待したのになぁ…残念だ。

 

 

 

 

 

 こうして、紅魔館に雇われて住むことになった俺だが後々酷い目に合うのはまた先のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人里に行くの忘れてた」

 

 

 

 アホである。

 

 

 




眠たい。美鈴可愛いよね。


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体術が得意な3人の欠点

ポロリもあるよ(白目)


 俺が幻想郷に来て二週間ぐらいが経つ。なぜか幻想入りした次の日には美鈴との戦いが新聞に掲載されていた。その記事の内容は酷いモノで俺が美鈴に好意を抱き過ぎてわざとラッキースケベを装ったと書いてあった。滅茶苦茶白い目で見られているのですが…

 

 

 

「…本当にやましい事とか考えてないのになぁ」

 

 

 

「あら?むしろ逆だと私は捉えてましたわ…」

 

 

 

「あ、咲夜さん。ども」

 

 

 

「異常は無いかしら?」

 

 

 

「無いです。」

 

 

 

「ふーん…貴方、暇なら私と手合わせ願えないかしら?」

 

 

 

「え…?まじですか?今、仕事中なので勘弁した…」

 

 

 

「あら?良いじゃない?やってみたら?」

 

 

 

「お嬢様…有難いお言葉です」

 

 

 

「か、勘弁して欲しい…」

 

 

 

「美鈴のおっp」

 

 

 

「わかった!!わかったからもう弄らないでくれ!」

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで咲夜さんと俺が戦う事になった。

 

 

 

 

 

「行きます…!」

 

 

 

 シュバッ!

 

 

 

「うおっ!?」

 

 

 

 彼女の能力は時間を操れるという馬鹿みたいに強い能力である。よって何処からでも打撃の奇襲が可能なので、どうしても防戦一方になってしまう。

 

 

 

「フッ…!!」

 

 

 

 バキィッ!

 

 

 

「ガッ…!」

 

 

 

 飛び膝が真横から飛んでくる。流石に避けきれずダメージを受けるが、今ので足りないものが分かった。彼女は軽すぎるのだ。別に胸が無いと言っているわけでは「…殺してやろうかしら?」心を読まれた。物凄く目が殺気立ってビビってます。

 

 

 

「咲夜さん!ふぁいとー!!」

 

 

 

 というか、女殴るとか無理だし。蹴って腹とかに当たったら大変な事に成りかねない。はぁ…無理だ。どっちにしろ打撃は放てない。

 

 

 

「トドメよ?」

 

 

 

 シュンッ!パシッ!

 

 

 

「!?」

 

 

 

「悪い…許してくれ」

 

 

 

 ズササッ!!バシィッ!

 

 

 

「か…は…っ!」

 

 

 

「らあっ!」

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 目の前にパンチがくる。殴られる恐怖に目を閉じる…が打撃は来ない。目を開けると寸止めされた拳が目の前にあった。

 

 

 

「女は殴れない。流石に能力を持っていようが無理だ」

 

 

 

「勝負アリね。咲夜に体術で勝つ人間なんてこの幻想郷でも数少ないわよ?」

 

 

 

「悪い…投げた所は痛く無かったか?」

 

 

 

「え、えぇ…大丈夫よ?」

 

 

 

 背中の土埃を払ってあげる。怪我はないか少し見てみたが、大丈夫そうだ。

 

 

 

「あら…紳士的じゃない?」

 

 

 

「いえ…女性と言えど、投げてしまったので流石に…」

 

 

 

(それを言うなら私だって投げられたのになぁ…)

 

 

 

「咲夜さん、貴方は少し打撃が軽めですね。奇襲を掛けて急所を狙ってくるのも良いですが、根本的に重さが無いと仕留め切れません。体の使い方次第で改善すると思います」

 

 

 

「具体的にはどうすれば良いのかしら?」

 

 

 

「体重を少し増やすだけで変わるのですが…女性ですからね飛び膝の時、相手の頭を抱えて引き寄せると相手に確実にダメージが与えられるとか、以外に色々方法があるんです。」

 

 

 

「成る程、参考にしてみるわ…」

 

 

 

 

 

 咲夜さんとエイジさんが話しているとなんだがすっごいムカつきます。あんなに真剣に私と話をしてくれた事は無いです!意見交換ぐらいしても良いのに!

 

 

 

 

 

「…終わりましたか?」ムスッ…

 

 

 

「あ、終わりました。」

 

 

 

「ふーん…満更でも無いじゃない?」

 

 

 

「ははは…冗談きついですよ!私より弱い人なんて付き合えって言われても付き合いませんよ!」

 

 

 

「ふーん…」

 

 

 

(俺、泣いても良いよね?)

 

 

 

「なら私が貰っちゃおうかしら?」

 

 

 

「え!?まだ弱いですよ!咲夜さんが弾幕を使えばイチコロじゃ…」

 

 

 

「わ、分かった!美鈴さん、俺が悪かったからさ!俺はここで一番弱いのを認めるよ!美鈴師匠の話を聞きたいなー!」

 

 

 

(師匠…師匠ですか)ニヤニヤ…

 

 

 

(え?門番チョロ過ぎない?)

 

 

 

(はぁ…手のかかる門番だわ)

 

 

 

「じゃあ、私の意見ですが…」

 

 

 

 

 

 

 

 そこから1時間ずっと俺の欠点を話し続けてダメ出しをされていた。あれ?欠点が分かって嬉しいはずなのに目から汗が出てきた…

 

 

 

 

 

「さて…これで貴方の悪い所は三つ、女性に対しての戦い方と普段からの雑念の多さ、ふしだらな行動がダメです!」

 

 

 

(居眠りしてる貴方が言える事なのかしら?)

 

 

 

(お嬢様…あとでイジる為にここは我慢です)

 

 

 

「そんな雑念は私との組手で貴方諸共吹き飛ばしてあげます!」

 

 

 

(俺、死ぬんじゃね?)

 

 

 

 

 

 結局、美鈴に何も出来ずに滅茶苦茶ボコボコにされた後、門番を続けていた。何だろう…新手のしごき?俺はドMでは無いぞ!?あの後、きっちり咲夜さんが手当てしてくれて助かった。まぁ…戦い方を間違えるとフラグは折れるのか…ある意味いい事を学べた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美鈴、もう少し優しくしてあげたら?」

 

 

 

「いやー、ついついやり過ぎちゃいました!!」

 

 

 

「程々にしないと嫌われちゃうわよ?というか、本当に大きな怪我したらどうするの?」

 

 

 

「べ、別に好きなわけじゃ無いですよー!!け…怪我をしたら私が責任を持って永遠亭に連れて行きます」

 

 

 

(後悔しなければ良いけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃のあるお寺…

 

 

 

「あら?この男性は妖怪と渡り合う力を持っているのですね。是非とも私の門下生に入って欲しいです。そうは思いませんか?星、ナズーリン?」

 

 

 

「強そうですね!」

 

 

 

「書いてある記事には頭が悪そうな事しか書いてないが、戦闘描写だけ見るとかなり冷静な戦略家の様だ」

 

 

 

「明日にでも紅魔館の皆さんに頼んで見ましょうか?」

 

 

 

「そうですね!人間ですけど顔が非常にタイプなので!!」

 

 

 

「ご…ご主人…欲に忠実すぎる」

 

 

 

「ふふ…可愛がってあげましょう…」

 

 

 

(エイジとやら…可哀想に…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾクゾクッ…!!

 

「うっ…風邪でも引いたか?悪寒がするぞ?風呂でも入ろう…」

 

 

 

 

 

 

 その後、風呂に入ろうとすると美鈴(半裸)と鉢合わせになり、まさかの上段蹴りでぶっ飛ばされたのは紅魔館メンバーの秘密である。まさに、不運のラッキースケベである。明日は生き残れるか…エイジの運命や如何に。

 

 

 

 

 




因みに美鈴の設定ははおっきいです。何とは言いませんが。咲夜さんもそれなりにありますが、少し盛っています。本当に何とは言いませんが。


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命蓮寺への誘惑

グイグイくる和服女性って良いよね(白目)


 今日は美鈴が門番の日である。確か、レミリアお嬢様にお客さんが来ると言われた日だ。なんでも凄く珍しいお客様達らしい。俺にも用があるのだとか。どんな人達なのか、お寺の人達とか言っていたから…布教活動かな?

 

 

 

「エイジ、お客様がお見えです」

 

 

 

「りょーかいした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 客人用の部屋に入るとお嬢様と反対の大人びた女性が二人に何とも著作権やら何やら危なそうな二つの耳をお持ちの女の子が座っている。え?あれ本当に大丈夫?まじで夢の中に引きずり込まれるとかの能力を持ってたらアウトだよ?

 

 

 

「お前の考えてる事は分かるぞ。所詮あっちは私より後生まれ。この意味が分かるか?」

 

 

 

「やめて!!何か色々危なそうだから…本当にその発言はやばいと思うから!!!」

 

 

 

「何の話ですか?」

 

 

 

「さぁ…?」

 

 

 

「あ、あの!!」

 

 

 

「はい?」

 

 

 

 何か虎みたいな姉さんが俺に話しかけて来る。この人も俺よりずっと強そうだ。

 

 

 

「えっと…凄い好みなんです!!」

 

 

 

「…はい?」

 

 

 

「あらあら…」

 

 

 

「ず、随分と積極的ね…」

 

 

 

(この場に美鈴がいたら彼は死ぬんじゃないかしら?)

 

 

 

 

 

 

 

 何でも俺の顔が物凄くタイプらしく、身長も同じくらいで物凄く理想的らしい。こ、ここまで真っ直ぐに来られるのも凄く恥ずかしいな…

 

 

 

 

 

「レミリアさんにお願いがあるのです。」

 

 

 

「珍しいわね。要件を聞こうかしら?」

 

 

 

「エイジさんを門下生…兼師範に迎え入れたいのです」

 

 

 

「………それは、彼を連れて行きたいという事かしら?」

 

 

 

「はい。そう捉えて構いません。彼の戦い方に非常に感銘を受けました。まだ新聞で見ただけですが、女性を殴らずに弱者を放って置かないと言う見方も出来ました。と言うか、あの新聞の事ですからむしろそちらの方が真実と捉えてよろしいでしょう。それを見越して仏教の素晴らしさを広めて心技体を鍛える事は、私達の概念に合っています」

 

 

 

「…うーん、私としてはここに留めておきたいけど。こればっかりは全員で決めるのが一番ね。咲夜、全員呼んできて頂戴。勿論、フランもね?」

 

 

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館に来て名前は知っているが、まだ会っていない人達も何人か居た。小悪魔さんとは何度か会った事はあるが、パチュリーさんと妹のフランドールお嬢様とは面識が無かった。金髪の髪に宝石のような何かがついた翼を広げているのがフランドールお嬢様で、本を持ってパジャマの様な服を着ているのが魔法使いのパチュリー様。二人とも初めて会った。フラン様は昔から地下に部屋があったらしいが、今はお嬢様の部屋の隣にあるらしい。が、長年地下にいた為、その部屋が物凄く落ち着くらしい。俺がいた三週間程は部屋で遊ぶ事が多い。ずっと会わない訳だ。

 

 

 

「はじめまして、フランドールだよ!フランって呼んで!」

 

 

 

「聞いてるだろうけど、パチュリー・ノーレッジよ。基本図書館に居るわ」

 

 

 

「この度門番になったエイジです」

 

 

 

「こ、ここで自己紹介って…」

 

 

 

「な、何も言わないで下さい…」

 

 

 

(フランは引きこもりというより自宅警備員願望が強かったわね…こ、こんな事になるとは…)

 

 

 

「私は絶対反対です!!一人門番が居なくなったら私の一日中寝るというシエスタが消えてしまいます!!」

 

 

 

(そんな理由で!?)

 

 

 

(泣いていいと思うわ)

 

 

 

「でも、それは彼の意志次第じゃないですか?」

 

 

 

「いや…俺はなるべくここに残りたいな…と?」

 

 

 

「待って下さい。私達の強さを知らないまま決められるのは不公平だとは思いませんか?」

 

 

 

「へぇ…?何をするの?」

 

 

 

「私達と勝負して下さい。勿論寝技でも打撃でも勝負してもらって構いません」

 

 

 

「やりましょう」

 

 

 

「…またエッチな事しようとか考えてませんよね?」

 

 

 

「どんだけ疑ぐり深いんだよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえずルールは決まった。頭の先から投げ落とす事、首や俺への金的攻撃、目潰しや脊椎、後頭部への攻撃はなし。後は参ったを宣言させるか、気を失わせたら勝ちである。勝負が着くまで戦い続けるというかなり過酷なルールである。正直言おう、俺は人間だ。人間離れしてても所詮妖怪達に体力や力は女と言えど勝てない。体力は…20キロメートル全力ダッシュしても疲れないが、それでも力の差が無いとは限らない。聖白蓮は見た所、華奢である。しかしパチュリーに聞くと彼女は魔法使いに無いタイプの魔法使いらしい。よく分からんが注意する事に越した事は無さそうだ。何百年と生きている寿命を捨てた人間と聞くが、ここまで若く見えるのが凄い。というか、さっきから俺を獲物を狩る様な目で見ている星さんと聖さんが怖い。色々な意味で食われてしまいそうだ。彼女は…少林寺と柔術に日本拳法の三つを注意しなければならない。ていうか、昔の柔術って相手を殺す為にやってたから寝技というより投げ中心なんだよな…死なない様に頑張ろう。

 

 

 

 

 

「それでは、お互い決めたルールを守って下さいね…はじめ!」

 

 

 

 

 

 星さんの合図でお互い間合いを確かめる為、距離を取る。彼女と対面してみて、ある予想が的中した。本当に隙が無い。どこに攻撃を仕掛けても必ずカウンターが来る様な体制。中途半端に行けば間違いなく大ダメージを喰らうだろう。

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

「ふふ…どこからでもどうぞ」

 

 

 

 

 

 スタスタスタ…

 

 

 

 歩いて距離を詰める。聖さんは警戒してる様だ。一歩、また一歩と距離を縮めていく。

 

 

 

(何で来る…拳か、蹴りか…もしくは投げか!?)

 

 

 

 何と距離がゼロになる。何もしない。ただ待つのみ。これには聖さんも少し驚きを隠せて居なかった。

 

 

 

(な、何を考えているの!?)

 

 

 

(む、無謀にも程がある!聖の攻撃をあの距離で受けたら大怪我で済まないぞ!?)

 

 

 

「何を考えて…」

 

 

 

 瞬間、肩に手を置かれる。これを聖さんは投げに掛かる。

 

 

 

「完璧です!この投げは決まりました!」

 

 

 

 美鈴の言葉に誰もがそう思った。が、投げられている本人は顔に笑みが浮かぶ。それを誰も気付かない。これは柔道では無い。一種の総合格闘技である。今仕掛けられた技は一本背負いの様な技、即ち片方の腕は自由が効くのだ。片腕が肘の辺りに巻き付く。聖はそこでやっとエイジの狙いが分かった。が、もう遅い。

 

 

 

(しまった…!迂闊だった…)

 

 

 

 そこからの寝技の展開は神業の様に早い。聖が立ち上がろうとするも最早肩が決まっていて動けない。完全に聖はエイジの実力を見誤っていたのである。ただ単純に技術だけなら聖は魔法で力を上げて逃げられるだろう。が、掛けても無駄なのだ。力も相当ある。動けない。

 

 

 

「み、美鈴…あれはいったいどういう状態なの?」

 

 

 

「…あれはただの腕十字に見えますが、彼は首と肩、顎をキメて上半身の力を奪っています。それでもかなりの力が無ければ聖さんは抑えられません。彼が人間なのか…本当に不思議でなりません」

 

 

 

「す、凄い…ご主人や私達が束になっても勝てない聖を完全に上回る技術だ…!」

 

 

 

「ですが、まだ参ったはしてません。勝負はこれからですよ、ナズーリン」

 

 

 

 

 

(やばいな…最後の決めが決まらねぇ…!片腕で背筋力と同じ力とか、どんな馬鹿力してんだ!?この尼さんは…)

 

 

 

「くっ…」

 

 

 

 聖が脚を振り回して上手く体を起こす。これ以上は危険と判断して聖の肩を蹴りすぐさま距離を取る。が、この展開は聖も読んでいた様だ。

 

 

 

「せやぁっ!!」

 

 

 

 飛び込んで中段蹴り(ミドルキック)を放つ。かなりのスピードで踏み込んできた。どんだけ速いんだよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 ドコオッ!!!

 

 

 

 

 

 体を屈めて少し蹴り足方向と逆に動く。威力は大分弱まる…が、かなりの衝撃が体に走る。体重が戻っていなければ吹き飛ばされていたかもしれない。

 

 

 

「嘘だろ!?聖の蹴りを食らって吹き飛ばされないどころかグラついてすらいないぞ!?」

 

 

 

「相当な手練れですね…更に惚れてしまいそうです!」

 

 

 

「…は?」

 

 

 

「だってかっこいいじゃ無いですか!!」

 

 

 

「美鈴…早く行かないと取られちゃうわよ?」

 

 

 

「だ、誰があんなエッチな人なんて!!」

 

 

 

「じゃあ、私が連れて行っても問題は無いですよね!」

 

 

 

「そ、それは…うぅ…」

 

 

 

(み、美鈴が物凄く可愛く見える…だと!?)

 

 

 

 

 

 ドカッ!ドカッ!

 

 

 

 

 

「お!聖が押し始めたぞ!!」

 

 

 

「しかし、彼は打撃を出しませんね…」

 

 

 

「出して無いんです。彼は女性を殴らず倒す方法を考えます。女性を殴る位なら負けても構わないと言っていました」

 

 

 

「それは本当ですか!!」

 

 

 

「聖!?」

 

 

 

「それならば遠慮は必要ないです!顔面を狙おうが体を狙おが関係ありません!寧ろそれで勝とうとしてるのなんて舐めてるんですか!?」

 

 

 

「…」

 

 

 

「そんなドM体質なんてドン引きです!」

 

 

 

「ちげーよ!!俺の関心を返せ!!どーなっても知らないからな…」

 

 

 

「最初からそうして下さい!」

 

 

 

 聖が鋭い右ストレートを放つ。スピード、重さ、タイミングが完全に合った最高の右である。気がついたら膝をついていた。……誰も予想をしていなかった聖が。

 

 

 

「…くっ!?」

 

 

 

「だから言ったのに…」

 

 

 

「聖!!」

 

 

 

「これ以上は辞めておいた方が良い…あんたは総合力というより身体能力で勝負するタイプだ。だが、基本的に気付かないうちに飛んできた打撃で脳が揺れたらどうなるか?同じ人間だ、視界が揺らぐ程脳にダメージが行く」

 

 

 

「い、今何をしたんだ!?」

 

 

 

「あれは…右を避けた後のサウスポーに入れ替えた後の右の浅いジャブですね…確実に顎に当てて力を入れずスピードを重視した一撃必殺の技です。あれを喰らったら妖怪でも多分膝をつくでしょう…」

 

 

 

「み、見えなかった…」

 

 

 

「いくら私達が体が強いとは言え、確実に顎に攻撃を当たられたらひとたまりもありません。彼はだからどうなっても知らない、なんて言ったのでしょう…」

 

 

 

「ど、どうする?審判は私達に任せられてるが、止めるか?」

 

 

 

「…難しいところですね。聖は確実にダメージがあります。しかも立ったとしても足腰が安定しないでしょう。故に…」

 

 

 

「くっ…脚に力が入らない…!」

 

 

 

「…ストップだ。そんな状態でまだ勝つつもりなら辞めておけ。本当に二度と立てなくなるぞ?」

 

 

 

「エイジさんの言う通りです。聖、流石にこれでは勝負になりません」

 

 

 

「まだ…参ったと言っていません!それなら速く私を仕留めれば良いでしょう!!」

 

 

 

「聖…!」

 

 

 

「お嬢様、止めた方が良いです。聖さんはあのまま続ければ命に関わります」

 

 

 

「…私にもそれぐらい分かるわ。あのスピードで軽くでもパンチを打たれたら効かない訳無いじゃない…」

 

 

 

 しかし、それとは真逆にエイジは聖の元に歩いて行く。

 

 

 

「わかりました。貴方に参ったと言わせましょう」

 

 

 

「ちょ…おい!」

 

 

 

「エイジさん!正気ですか!?」

 

 

 

「流石に私もそれを黙って見過ごす事は出来ないわよ?」

 

 

 

「俺だってこの状態の女性に打撃なんて仕掛けません…誰か、治癒魔法みたいなので治せる人は居ますか?」

 

 

 

「…はぁ。まぁ、治せないことも無いけど…?」

 

 

 

「治してやって下さい。勝負はそこからです」

 

 

 

「くっ…そんな事受けると思ってるんですか!?」

 

 

 

「じゃあ、このまま引き下がるのか?それならそっちの負けだ。どっちを選んでも俺は何とも思いませんよ?」

 

 

 

「くっ…わかりました。治してから勝負します」

 

 

 

「次は本気で意識を奪いに行く…来るならお互い本気でやりましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パチュリーの治癒魔法で聖を回復させた後、聖が自信に最大の強化魔法を掛ける。その体の強さは鬼に匹敵すると聞くが、この幻想郷の鬼はどの位強いのかが分からない。その為イマイチピンとこない…

 

 

 

 

「幻想郷の鬼を舐めない方がいい。あれはそのレベルに達しているなら攻撃を喰らったらどれだけ威力を殺しても骨が砕けるわよ?」

 

 

 

「レミリアお嬢様がそう言うなら違いありませんね…ですがこの勝負、俺が確実に勝ちます…断言できる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝負が再開された。先程より警戒が強く、とても普通には近付けない。迂闊に攻撃すれば鬼の様なカウンターが飛んで来るだろう。喰らった瞬間俺の負けが濃厚になる。ならばどうするか、答えは簡単…これで行く。

 

 

 

 

 

 ズサッッ!!!

 

 

 

 

 

(エイジさんが仕掛けた!!)

 

 

 

 ビュンッ!

 

 

 

(素直すぎる!!あれはカウンターが来る!)

 

 

 

「甘い!!」

 

 

 

 聖がカウンターを完璧に合わせて来る。先程よりスピードも力もタイミングもバッチリだった。

 

 

 

 

 

 バチィッ!!!

 

 

 

 

 

「…嘘でしょ?あのタイミングで避けられるの!?」

 

 

 

 

 

 ドサッ…

 

 

 

 

 

「聖!!!」

 

 

 

「やっぱりサウスポーとの対戦経験話が少ない分、対応が素直だったな。モロ左フックが入った」

 

 

 

「成る程…左利きの構えで対応を即座に変えた分、カウンターを読み切って確実に気絶させる…やるじゃないですか」

 

 

 

「当然です。美鈴さんを惚れさせるまで他の人に負ける訳には行かないですから」

 

 

 

「でも、それではまだ私には多分勝てません。良い所相打ちで終わるでしょう。私も今の貴方の戦い方を見て確信しました」

 

 

 

「俺はもう最初から分かってますよ。肉弾戦において美鈴さんより強い人を見た事がが無い。あの寝技の時、決まらない時点でもう分かっていましたから」

 

 

 

「…まぁ、少しは見直しましたけどね。」

 

 

 

(素直に褒めればいいのに…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っ!私は…」

 

 

 

「聖の負けですよ…とにかく大きな怪我が無くて良かった」

 

 

 

「本当に…無茶ばかりして…」

 

 

 

「…私では叶いませんでした、強かったです」

 

 

 

「さて、どこも痛い所は無いか?」

 

 

 

「…頭が少し痛いくらいですね。他は大丈夫の様です」

 

 

 

「そうですか…俺はここに残って美鈴さんを攻略する為に頑張ります!だから、貴方達の下には行けないんです!すみません!!」

 

 

 

「…分かりました。ですが、人里に訪れる事があるなら是非お寺によって下さい。歓迎いたします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、命蓮寺メンバーと別れた後に美鈴さんと咲夜さんに質問をされた。何でも外の世界の人間は俺並みに皆んな強いのか?と聞いて来たのでそんな事はないとしっかり答えさせて貰った。が、俺より強い女性が目の前にいるのだ。俺はこの女性と頑張って付き合う為にもっと強くなる。ちなみに寝技の時に聖さんの色んな所に触れたが勿論大きくて柔らかいモノであった。何とは言わないが。まだまだ強くなれると信じて、明日も鍛錬しようと思う。因みに、その後は美鈴に寝技の確認をしようと頼まれた所、うっかり手の平で柔らかくて大きいモノを鷲掴みにしてしまった為、一瞬甘い声が聞こえたがまた怒られた。でもぶっ飛ばされなくなったのは進歩なのかな、と風呂の中で前向きに考えていた。密度の濃い1日であった。

 

 

 

 

 

 




長え…


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河童の相撲の強さは世界一ィィィィィ!!!

負けます(ネタバレ)


 

 

 さて、今日は妖怪の山への招待状が届いている。あの新聞を書いている記者に招待されたのだ。手紙の中には二人分の通行許可証と地図の二つが入っていた。ここからそう遠くはない。お嬢様に天狗について聞いて見たがかなり誇り高き一族らしい。ん?何かどこかで聞いたことあるな?オラ、ワクワクすっぞ!!…なんて考えながらその道を歩く。

 

 

 今回は暇なのでお嬢様と二人で妖怪の山に向かう事になった。とりあえず傘をお嬢様から離さない様にする。美鈴さんには悪いとは思うが、二日連続で門番をやって貰う事になった。後で人里で何か買ってあげよう…ごメイリン!…なんちって。本人に聞かれたらぶっ飛ばされそうな、そんなつまらないシャレを心の中で叫ぶ。つまらない事を考えていると、いつのまにか妖怪の山の麓に着く。すると白い天狗の女の子が空から降りて来た。お嬢様!空から女の子が!!

 

 

 

「ここは我ら天狗が支配する妖怪の山である!直ちに引き下がりなさい!!」

 

 

 

「あのーこれなんですけどね…」

 

 

 

「ん…?あ、文様の通行許可証ですか!?これは失礼しました!!どうぞ!周りには私が言っておきますので、暫くお待ちください!」

 

 

 

 

 

 その言葉を残して慌てた様子で白い女の子は山へと飛んでいく。あ、尻尾が着いてる。犬みたいで可愛いな。

 

 

 

「相変わらず忙しい子ね…もう少し落ち着きというモノは無いのかしら?私みたいに…そう思わない?」

 

 

 

「ははは…お嬢様が大人び過ぎててそう見えるだけですよ」

 

 

 

「あら…いい事言うじゃない?どんな事を言うと思ったら、やっぱり紳士的な事を言うのね?」

 

 

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

 

 

 そんな他愛も無い話をしていると先程の女の子が山から降りて来た。とりあえず見回りしている天狗に、二人の容姿と特徴を伝えて攻撃しないようにしてくれたらしい。何とも有難い話だ。流石組織で動いているだけの事はある。

 

 

 

「さて、行きましょう。早く行かないと日を跨いでしまうわよ?」

 

 

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、どれくらい登ったのだろうか。麓から登って道に沿って1時間歩けば着くと言われていたので、大体4分の3ぐらいだろうか?夏でも森の中は涼しい。木々が日光を遮る事によって気温が上がり難くなっている。ここは歩いても不快感は無く寧ろ気持ちが良いぐらいだ。お嬢様に天狗についての話を聞きながら歩いていると空から別の天狗が降りて来た。何かカメラ持ってるし…女の子のパパラッチかな?

 

 

 

「あやや…よくぞここまで来てくれました!!」

 

 

 

「はぁ…貴方が何を考えているか分からないけど、変な事を聞かせない為に私もついて来たわ。どうせ取材なんでしょ?」

 

 

 

「勿論ですよ!その他にも河童と相撲を取ってもらうとか、外の世界の知識で、シャドーとか言う鍛錬方法の取材をするべく今日はご招待させて貰いました!!」

 

 

 

「…河童って超相撲強くありませんでした?」

 

 

 

「分かんないけど、単純にあれだけ見てたら他の妖怪は普通に投げ飛ばされてたわよ?美鈴も含めて、色々な妖怪たちも勝ててなかったわね…」

 

 

 

「何て奴らと戦わせようとしてんですか!!!」

 

 

 

「まあまあ…!百聞は一見に如かずですよ!!とにかく此方に来て下さい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ざわ…ざわざわ…!!

 

 

 

「あれが妖怪寺の尼僧に勝った人間か…」

 

 

 

「見た所、そんなに筋肉はついて無さそうだね…」

 

 

 

 

 

 

 

 何かすげー観客いるんですけどぉぉぉぉ!?と、某江戸時代ギャグマンガの様なノリで心の中で叫ぶ。え、何これ?聞いてないんだけど…ここで相撲取るの?恥かいちゃうよ?俺が。

 

 

 

「私の相手はそこの盟友かな?」

 

 

 

「え?まじ??女の子と相撲取るの??」

 

 

 

「あ!女だからって舐めないでよ!!私此処の河童の中で一番相撲が強いんだからね!男も含めてね!!」

 

 

 

「なん…だと…?」

 

 

 

「しかし可哀想にな…よりによって、にとりさんが相手だとはね…あの人間死ぬんじゃないか?」

 

 

 

「え!?何、そんなにやばいの、この子!?」

 

 

 

 嫌な予感しかしない。くそっ!!強い奴と会う為に此処に来たんだ!!死ぬ覚悟で行くしかない!

 

 

 

「良いですか?枠を越えたら負け、膝や手をついても負けです。そこが分かっていれば、殴ったりする以外大丈夫です」

 

 

 

「盟友…勝負だ!!」

 

 

 

「よし…やるか!」

 

 

 

 上半身の服を全て脱ぎ捨てる。そして天狗の女性達も彼の体を見て凄く興味が湧いた様だ。

 

 

 

 ねぇ…凄い身体じゃない!?着痩せするタイプ…良いかも…何て言葉は聞こえてない。聞こえてないからねっ!!

 

 

 

「よーし…見合って見合って…はっけよーーい…のこった!!」

 

 

 

 ダァン!!ガシッ!!

 

 

 

 お互い前に出て奴組になる。下手な張り手をするより組んだ方がまだ勝負になると思ったからだ。しかしお互い一歩も動けない。力と力で格好している様だ。加えて、相撲もやった事があるので何となく相手のしてくる事がわかる。よって、両者動かない。

 

 

 

(に、人間の癖に何て力してるんだ!!こ…これはやばい!!本気で行かないと負けるかも…!)

 

 

 

「うおっ!!あいつ…にとりさんとまともにやり合ってるぜ!!」

 

 

 

「本当に奴は人間なのか!?」

 

 

 

 失礼な…これでも一応人間である。確かに動体視力と力とスピードは他の動物やオレ流トレーニングで鍛えて来たが…一応種族は人間である事に変わりは無い。そんな事を考えて来ると、にとりが押し出しに俺の腰を持ち上げて来る。

 

 

 

「うおっ!?にとりさんが前に出た!これは決まったか!?」

 

 

 

(つ…強ぇ!中々やばい…が!)

 

 

 

 瞬時、片手を離す。その離した右手で相手の内ももを払う。

 

 

 

(う、内無双だって…!?何て技やるんだ!)

 

 

 

 グラッ…!!

 

 

 

「うおっ!?内無双だ!」

 

 

 

「脚が完全に浮いた!腰も回ってる!凄え!勝った!!」

 

 

 

 が、ここで忘れてはいけない。彼はこの幻想郷の戦いの中、肝心な所でやらかすという事を…

 

 

 

(くっ…手を勢いよく払い過ぎた…!)

 

 

 

 ぽにゅ…

 

 

 

(…あれ?顔に柔らかな感触が…?おかしいな…凄くある様な…?)

 

 

 

 瞬時、会場の空気が凍る。それはお嬢様、白狼天狗、烏天狗に他の河童達の時間が止まった気がした。あ、これ展開が読めたわ。

 

 

 

「ひにゃぁぁぁぁっっ!?!?」

 

 

 

 バチィィィィィンン!!!

 

 

 

「ゴルベザッッ!?!?」

 

 

 

 やはり張り手が飛んで来た。そのおかげで後ろの岩に吹き飛ばされる。決まり手は張り手だったか…

 

 

 

 パシャッ!パシャッ!

 

 

 

「ふふふ…良い絵が撮れました!まずは二枚取れた事は大きいですね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、男の天狗達にお前は勇者だ!俺らは誇りに思うぞ!など色々褒められたが、全く嬉しくない。寧ろ顔に跡が残るぐらいの張り手って実際にやばいと思った。首が取れそうになる。というか、ラッキースケベ多くね?これ、重要な勝負でやらかしたら死ぬんじゃないか…?そんな事より凄く、にとりさんの視線が痛いのですが。

 

 

 

「…盟友は胸が好きなのかい?」

 

 

 

 やめて!その精神攻撃は俺に効く!!効果は抜群だから!!

 

 

 

「も、申し訳ない。倒したと思って油断してしまった…」

 

 

 

「へぇ…盟友は変態さんなんだね!」

 

 

 

「は、ははは…」

 

 

 

「あやや…エイジさんはラッキースケベを狙って起こせる天才だと…」

 

 

 

「やめて!それを記事にしたら俺の居場所がなくなっちゃう!!」

 

 

 

「あやや!今度は私も狙ってるんですか!?これはとんだ狼さんでした…」

 

 

 

「性欲が有り余り過ぎじゃない?美鈴に頼んだら?」

 

 

 

 も…もう何を言ってもダメな様だ。あはは…なる様になりやがれコンちくしょー!!

 

 

 

「そんな事より、美鈴さんの事を慕っているのは本当ですか!?」

 

 

 

「え…うん。そうだよ?」

 

 

 

「な、何と!!断言しました!これはスクープです!是非とも取材をお願いします!あとシャドーも!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 質問責めにあう事、1時間が経過しただろうか。馴れ初めだとか、どこが魅力的なのかなど色々聞かれた。コイツある意味凄い。同じ質問をしてこない記者としてのレベルは高いのだろう。が、書いてる内容がゴシップ誌だけあって酷い。何でやねん。

 

 

 

 

 

「さて…最後にシャドーとやらを見せて欲しいのですが、お願いできますか?」

 

 

 

「私も見てみたいわ。その練習方法を見せてくれないかしら?」

 

 

 

「わかりました。あんまり長くは出来ませんが…見てて下さい」

 

 

 

 

 

 その場で全身の力を抜いて立つ。そして軽く拳を上げてステップをする。その後は流れる様にジャブ、ワン・ツーにローキックなど様々なコンビネーションを見せる。あれ?カメラの音が聞こえない…どうしたのかステップを組みながら見てると、二人とも呆然としている。

 

 

 

「あれ?写真撮らないの?もしかしてお気に召さないぐらい地味だった?」

 

 

 

「い、いえ…余りにも綺麗な形の練習だったもので…久々に見とれてしまいました。本当に美鈴さんに勝てないんですか?」

 

 

 

「純粋な肉弾戦なら彼女がこの幻想郷で一番強いんじゃないか?ルールと試合場を設けた試合をしたら間違いなく一番になるのは彼女だよ。制限付きだけど、そのぐらい彼女は強い。だから惚れたんだ」

 

 

 

「素敵!あなた最高だわ!」

 

 

 

「え゛!?」

 

 

 

「貴方ほど他人をよく見てキチンと好きな女性を選ぶ男性はこの幻想郷でどれほど貴重か…是非ともその恋を応援したいと思うの!」

 

 

 

(あ、あれ?何か思った展開と違う事になって来たわね…?)

 

 

 

「貴方、人里や天狗達にその武術と格闘術を教えてみない?勿論報酬も出すわ。紅魔館の門番を休める時だけで良いの、上に話は通すから…レミリアさん、どうですか!?」

 

 

 

「わ、私は良いけど…エイジは良いの?」

 

 

 

「俺は良いけど…まぁ全員がどんな格闘術を学びたいかも知りたいし、図書館で資料集めをする事になるかもしれないね」

 

 

 

「その広告は私が配るわ!美鈴と貴方でご教授願えないかしら?」

 

 

 

「…それに関してはまた返事するよ。美鈴さんの許可もいるし」

 

 

 

「分かったわ…良い返事を期待してるわね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、白狼天狗の何人かと柔術勝負をしていたが、天狗のスピードには驚いた。とにかく速い。脚の動きが速かったので組む時が一番大変だったりする。因みに昔の柔術なので投げた後、参ったと言わせるまで勝ちではない。本気で相手も来るのだ。とりあえず最初の相手は飛び十字で相手に参った宣言をさせた。その後は絞め技や関節技など多様なモノを用いて勝った。俺は相手を殺す為にやってる訳ではないと説明すると、実践的な格闘技もやりたいと天狗達は言い出す。成る程、全員意欲はある様だ。

 

 

 

「あ、貴方本当に凄いですね!!身体能力の差をまるで感じません!」

 

 

 

 射命丸文の直属部下である白狼天狗の犬走椛さんが話しかけてくる。彼女もまた、武術を習いたい一人である。強さ的には天狗の中では上の中ぐらいか。中々良い線いってると思う。彼女は剣術が得意だが、剣がなければ頼るものが投げる事しかないそうだ。それは対人戦の時にかなり不利かもしれない。色々と教え甲斐がありそうだ。

 

 

 

「身体能力だけじゃ格闘術、武術は勝てないからね。身体能力を技術で抑えてこそ本物だと思う」

 

 

 

 試しに彼女にどんな武術を会得したいか聞いてみると、殴る技術が欲しいと端的に言ってくれた。分かりやすくて助かる。これで教える事は絞られそうだ。後は人里について何か言っていたので後々行こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰り道、お嬢様と共に歩いて帰る。幻想郷の住民は空を飛ぶ事が出来るらしく、俺はその飛ぶ術は持っていない。何でも飛ぶ方法は色々あるらしいとか。飛んでみたいな…と、考えてみると今日の相撲の話をお嬢様が持ちかけてくる。

 

 

 

「貴方、本当に懲りないのね…あれじゃワザとじゃないにしても、狙ってやってる風にしか見えないわよ?門番があんな風に顔を真っ赤にして叫ぶのも何となくわかる気がするわ」

 

 

 

「いや…申し訳ないです。勝てそうな所でやらかすので、大変この後が心配になって来ました…」

 

 

 

「本当よね…あの子の胸に顔を埋めた後、展開が見えたもの…私の能力を使わなくてもね…」

 

 

 

「俺も読めてしまいました。本当にあの張り手は死ぬかと思いました。体全体を使った威力MAXの大爆発張り手だったので…」

 

 

 

「かなり吹っ飛んでいたわね…あれには笑わせて貰ったわ」

 

 

 

「ひ、人の不幸で笑わないで下さいよ…」

 

 

 

 お嬢様と話をして帰る。従者としての生活も悪くないが、幻想郷に来てから楽しみが色々増えた気がする。前の世界の様に暇はしない為、本当に毎日が刺激的である。特に俺より強い女の人がいるのはびっくりだ。惚れた人も出来たし後は自分の全てをぶつけるだけ…毎日の鍛錬を欠かさず、美鈴に勝てる様に頑張ろう!

 

 

 

「さて…そろそろ貴方も飛ぶ練習やら能力やらをきっちり判別させておくべきね。私も流石に歩き疲れちゃったわ…」

 

 

 

「も、申し訳ありません」

 

 

 

「ふふっ…良いのよ。こうして貴方とも話が出来たし、私としても色々楽しませて貰ったから、謝る事は無いわ」

 

 

 

 

 

 やべぇ…仕事しててこの方は最高の上司かもしれない。この人の下で働けて良かったと思った。明日からまた一層頑張ろうとかんがえながら紅魔館を目指して歩く。今日も月が綺麗だな。因みに風呂で美鈴と会う事は無かったよ?ラッキースケベがあると思った?残念、そんなに多く起こったら俺が死んじゃうからね。勘弁して下さい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて…明日はどんな風に書こうかな?


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使えるかどうか微妙な能力で笑う

割と使える能力だけど、決してチートではありません。
いや、チートにさせねーよ?



 

 

 門番は割と暇である。特に今日の様な雨の日は誰も来ない事が多い。割と妖精達と戯れるのも面白いものだ。暇を潰せるし、周りにしっかり警戒しながら話すのも良い時間である。ロリコンとか思うんじゃねーぞ?しかし雨であると逆に気分も落ちてくる。美鈴さんを濡らすわけにもいかないので今日は変わってあげる事にした。彼女はすごく喜んでいたが、これで二日連続でゴロゴロ出来るから喜んでいる訳であって、決して俺に感謝の言葉とかは無い。そりゃそうだ、あんなに女性の恥ずかしい事、嫌がる事をしたら心配される訳が無い。言ってて涙が出て来た…

 

 

 

「あの…」

 

 

 

「あれ?小悪魔さん…どうしたんですか?」

 

 

 

「パチュリー様とレミリア様がお呼びです。図書館について来てください」

 

 

 

「門番は良いのか?」

 

 

 

「お嬢様曰く…雨降ってるから侵入する者も居ないだろう、との事です」

 

 

 

(それで良いのかよ…)

 

 

 

 

 

 

 

 小悪魔さんの後に続いてパチュリー様とレミリア様のいる図書館に向かう。何の話か全く見当がつかない。まさか変な事をし過ぎて解雇…?やばい、あり得ない話では無い。一人で顔を青ざめながら歩いていると、図書館の扉の前についた。

 

 

 

「来たわね…担当直入に言うけど、貴方に能力があるかどうか調べるのと、その内容を確認するわ。調べるから早くこっちにいらっしゃい…」

 

 

 

「調べるのは私だけど…そこの魔法陣の中心に立って頂戴。そこから動いちゃダメよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 良かった…解雇の勧告じゃ無かった為、凄く安心した。寧ろ辞めたら行く所が無い。安堵しながら魔法陣の中心に向かう。能力って…お嬢様の様な『運命を操る程度の能力』とかそんな感じの能力か。改めて見るとお嬢様の能力は凄まじい。運命を操れるなら、自分に起きる事を変えられる事も可能かもしれない能力だ。スケールが違いすぎる。そして咲夜さんの『時を操る程度の能力』は、最早あれだよ。何処かのスタンド使いですか?訳分からん。強過ぎて話になりません。美鈴さんは『気を使う程度の能力』だったはず。決して気を周りに配るとかの意味じゃ無いよ?本人は気配りする事も出来るけど…あれ?美鈴さん、あながち間違いでは無いのでは…?フラン様は『ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力』である。一つ突っ込ませてくれ…ありとあらゆるモノを破壊するのに程度もクソもあるか!!!もはや矛盾だらけじゃねーか!と、思ったのは俺だけじゃ無いはず。一つ言うけど、普通にヤバい能力らしい。何でも隕石をぶっ壊せるのだとか…妹様はブロリストだったのかー。

 

 

 

 

 

「終わったわ…全てはこの紙に書いてあるから読み上げるわね。んーと…戻す程度の能力?」

 

 

 

「えっと…内容は?」

 

 

 

「死んだ者の身体は戻せないけど、生きている状態なら健康な状態に戻す事や、壊れているモノを戻す事が出来る能力ね。相手に使う時は制約はほぼ無いらしいけど、自分に使うのはほぼ自動で掛かっているらしいわ。ここには年齢も戻るって書いてあるわね。あ、移動手段でも使えるわ。前いた所に戻るって事も出来るみたい」

 

 

 

「………は?」

 

 

 不老がここで確定して、外傷を受けない限り生きて行く事が確定しました。俺、まじで人間やめちゃったっぽいな…え?だったら種族は何かって…?勿論、長く生きてても人間だよ?化け物じゃ無いよ?

 

 

 

「あら?随分と使い勝手の良い能力ね。壊した物も戻せるって事でしょ?」

 

 

 

「でも体力を相当消費するらしいから、大きいモノを一気に直す事とかは出来ないみたい。多分、大きな病気や怪我でも同じなんじゃ無いかしら?貴方自身の身体は勝手に戻るから普通の状態に戻るスピードを速めたり遅くしたりする事は出来ないみたいよ?」

 

 

 

「戦闘に超不向き!!俺、戦い好きなのにまさかの直すとか治療するとか、そっちに目覚めちゃったの!?どっちかと言うとここは壊す方の能力が身に付くところだろぉぉぉ!!!空気を読めないにも程があるだろ!!」

 

 

 

「まぁ…良いんじゃ無い?使い勝手は良さそうだし、これで半永久的に私に従う者が増えたし、私としては嬉しいわよ?」

 

 

 

「あ、自分の体力を戻すのには1日に何度も使えないみたい。使うとしたら二回が限度ね。相手の体力はいつでも戻せるらしいわ。そして相手の年齢を戻したりする事も不可能。よく分からない能力ね…」

 

 

 

「なんでだぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 

 

「ど、どうしたんですか?急に叫んだりして…?」

 

 

 

「寝るのに凄くうるさいです!シエスタの邪魔です!」

 

 

 

「…今、エイジの能力を調べていた所よ?」

 

 

 

「へ、へぇ…どんな能力なんですか?まさか攻撃的な能力じゃ無いですよね…?私が弾幕勝負で虐められるなんて事はありませんよね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 美鈴さんが何か必死で問いかけている。幻想郷の弾幕ごっこはまだ見た事は無い。まぁ、興味もないけどね。あんなに必死になると言う事は昔何かあったのかな…?どちらにせよ、闇が深そうので聞かないで置いてあげよう。

 

 

 

 

 

「な、なんか名前だけ聞くと微妙な能力ですね…」

 

 

 

「どんな内容なんですか!!教えて下さい!!」

 

 

 

 

 

 なんか俺が攻撃的な能力じゃ無い事に気がつくと、凄く明るい笑顔で俺の能力の内容を聞いている。俺、目からしょっぱい水が出てきそう。塩分の取り過ぎなのかな?うん。きっとそうに違いない…

 

 

 

 

 

「あはは!!!全く戦闘に使えなさそうな能力ですね」

 

 

 

 グサッッ!

 

 

 

「成る程、エイジさんのラッキースケベが治らないのはエイジさんがいつもの状態に戻っているからなんですね…」

 

 

 

 グサッッ、グサッッ!!!

 

 

 

「ふふーん…これでずっと交代してくれる人が居るから楽ですね!」

 

 

 

 物凄い言われようだ。本当にショックです。美鈴さん、素直に言い過ぎ。咲夜さん…違う、多分そうじゃない。あれ?いつの間に弄られる立場になったの?どちらかと言うと昔から弄る立場にあったのに今では全く逆だ。成る程、弄られている奴の気持ちがわかった。あの時は本当に申し訳無かった、許して下さい。ごメイ…

 

 

 

 ドゴォッ!!

 

 

 

「パトラッシッッッ…!!!!」

 

 

 

「つまらない事で私の名前を使わないで下さい。不愉快です。次言ったらぶっ飛ばしますよ?」

 

 

 

「も…もうぶっ飛ばされてるし、心の中の声に反応しないでくれ…」

 

 

 

「ねぇ…美鈴ってどうしてそんなに意地を張ってエイジを突っぱねるの?」

 

 

 

「え!?フ、フラン様…!?」

 

 

 

「だってエイジって美鈴に凄く優しいじゃん。私達以外の人にも優しいけど、美鈴には特に優しいよ?あんなに良い人滅多に居ないと思うけど?」

 

 

 

「私は強い人がいいんですっ!私だって理想の男性像くらいありますよぉぉ…」

 

 

 

(だったら新聞の事書かれても何もしなければ良かったのに….)

 

 

 

「なら、別の人に取られても問題無いのね?」

 

 

 

「え…も、勿論ですよー!!」

 

 

 

「なら、エイジ。貴方に興味がある妖怪がいるわ…さっき天狗から手紙が届いて居たわよ?」

 

 

 

「…これはまた戦う事が予想される展開では?」

 

 

 

「まぁ…戦いが好きな種族ではあるわね。鬼たちは特に…」

 

 

 

「ま、待ってください…鬼って言いました?」

 

 

 

 流石に俺も予想すらしてない種族が来た。いや…流石に今回ばかりは相手の規模が違う。天狗達から聞いたが、幻想郷の鬼は相当ヤバい奴らが集まっているのだとか。その鬼が人間に勝負を挑むとか…どんだけ戦いに飢えているんだよ……無謀にも死にに行くような真似はしたくないが、断れば紅魔館のメンツにも関わってくる問題である。行くしか無いのであろう。

 

 

 

「えっと…地上にいる鬼であれば伊吹萃香でしたか…これはまた厄介なのに目をつけられましたね」

 

 

 

「あれは喧嘩の強い鬼の中でも特殊な奴ね。普段はとんだ酔っ払いだけど、勝負事には滅法強いと聞くわ」

 

 

 

 お嬢様が強いって言うのって相当じゃ無いの?本当に命に関わってくるんじゃ無い?あれ?何か幻想郷に来て命に関わるような勝負が凄く多い気がする。血の気の多い場所だな。弾幕ごっこはどこへ行ったのか…

 

 

 

「まぁ…弾幕ごっこ以外で殴り合いの強い人間って聞いたら、まずあいつらは見逃さないでしょうね。エイジ、死なない程度に頑張って来なさい」

 

 

 

「死ぬ気で行って死んで帰ってくるパターンじゃ無いですかそれ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伊吹萃香の情報を得る為に幻想郷の妖怪や能力を詳しく書かれた書物を書いてる少女に会いに行く。確か稗田阿求だったか…その為に人里に出向いているのだ。流石に今回ばかりは対策なしでは本当に死んでもおかしく無いだろう…

 

 

 

 

 

「ここか…稗田邸は…大きいな」

 

 

 

「あ、貴方は最近来た紅魔館に住む外来人!」

 

 

 

「あ、君。稗田阿求って言う人を知らないかい?」

 

 

 

「…私に何か用ですか?」

 

 

 

「あ、君が稗田阿求さんか。非常に申し訳ないけど、幻想郷の鬼の情報が欲しいんだ。伊吹萃香って言う鬼なんだ」

 

 

 

「…条件があります。貴方のことを幻想郷縁起に書きたいので取材させて下さい。それが条件です!」

 

 

 

「わかった。それぐらいの事なら協力する」

 

 

 

 

 

 俺はとにかく色々な話を聞かれた。情報を得る為なら全然話せる内容である。自分の種族や能力、好きな物や人と仲良く出来るかなど、主にそんな感じの内容だった。今度は伊吹萃香と戦う事を伝えると物凄く驚かれた。何でも鬼の中でも四天王に入る超強い鬼であるとか。鬼ってただでさえ強いのに、その中のトップとやろうとしてんのか。聞くだけで中々刺激的ではある。

 

 

 

「そんな方と戦うなんて本当に貴方本当に人間なんですか?同じ人間として疑いますよ!」

 

 

 

「い、一応人間何だけど…」

 

 

 

「人間が何で妖怪と同等に殴り合いで勝負出来るんですか!!バカなんじゃ無いですか!?いや、お馬鹿ですよね!?」

 

 

 

「馬鹿じゃなきゃこんな事やってらんないんだよ!それに本当に人間だ!!ここの奴らの人間と妖怪の基準がもうわからんぞ!!」

 

 

 

 

 

 それから色々話し合い(?)が続いたが、最終的に目的の伊吹萃香の能力が判明したので、何とか助かった。伊吹萃香、彼女は密と疎を操る程度の能力の持ち主である。その能力は精神状態にも及び、尚且つ自分にも使えるという中々戦闘でも強い能力である。やばい、どう対策しよう。帰ってパチュリー様の言ってた事を思い出しながら能力を使う練習でもするか。稗田阿求さんには感謝しなければ。お礼を言おうとすると、美鈴との仲について聞かれた。

 

 

 

「門番さんとは上手く行きそうですか?」

 

 

 

「上手く行くも何も、まず俺の事を好きって言ってもらえるようになるまで頑張らないと…多分変な優しさを持って接しても警戒されるだけだし…普通に好きって伝えても振られたから、本当に彼女の得意な格闘術で俺が上回らない限り付き合う事は無理だろうね。まぁ…振られて別の男に取られたらしょうがないよ。彼女にも好みはあるから強制はしたくない」

 

 

 

「…思ったより美鈴さんにベタ惚れなんですね。あの新聞記事もあながち嘘では無かったのですか…」

 

 

 

「まぁ…本気で嫌がるようになったら今の時点で殺されているだろうし、まだ見込みはあるのかも…って前向きに考えなきゃやってけないよ」

 

 

 

「…少しだけ貴方の事を応援したくなりました。その恋、実るといいですね」

 

 

 

「そうだね。期待に応えられるような男になってみせるさ!」

 

 

 

「ふふっ…頑張ってくださいね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人里から帰った後、美鈴に甘いモノを買って来たので咲夜さんに渡してもらう事にした。流石に俺から渡したら受け取ってくれない可能性が高い。変な優しさは禁物だろう。そんな風に話すと咲夜さんが溜息をつく。

 

 

 

「はぁ…貴方は最近の美鈴を見て何も思わないの?」

 

 

 

「疲れてるから甘いモノを買ってきたつもりなのでしたが…もしかして甘いモノ苦手でした?」

 

 

 

 さらに溜息をつかれる。渋々了解を得たが、そんなに悪い事だったのか。おっと、とりあえず能力の修行をしなければ…弱かったら伊吹さんに殺されちゃうかもしれないしな。これは弾幕勝負じゃないんだ。自分の能力をしっかり確かめておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?エイジさんからですか?」

 

 

 

「疲れてるから貴方に買ってきたそうよ?」

 

 

 

「直接渡しに来れば良いじゃないですか…まわりくどいですね」

 

 

 

「まぁ、自分から渡したら貴方に受け取って貰えないと思ったって言ってたわね。とりあえず受け取っておきなさいな」

 

 

 

「は、はい…」

 

 

 

 それを渡した後、彼女は能力を使ってその場から居なくなる。居なくなったのを確認した後、美鈴は一人ため息を吐く。

 

 

 

「…ばか」

 

 

 

 残念ながら彼には届かない。が、不器用な優しさだけは彼女に伝わっているのかもしれない。美鈴はそれを無自覚で金平糖を舐めながら、今日も門の前に立つ。金平糖の甘さが、少し物足りない気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 




あのタグを追加したのはね、惚れる鬼が居るんですよ。寅丸さんはまた違うけどね。


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鬼ってもっとこう…いかついモノだと思ってたこの頃

関節技を極めたいこの頃(白目)


 

 

 

 勝負を申し込まれてから約束の5日後、能力の使い方を理解した俺は勝負をする場所に自分の能力を使って移動する。と、言っても直ぐに着いてしまうのだが。鬼と言うぐらいだから、物凄く怖いイメージである。戦う場所に着くと、そこには可愛らしい少女がお酒を飲みながら座っていた…ってあれ?

 

 

 

「…もしかして伊吹萃香さん?」

 

 

 

「ん〜?私が萃香だよぉ〜?」

 

 

 

「…想像して居たのと全然違う。というか酒臭っ!?」

 

 

 

「え?とすると…お前がエイジか!?」

 

 

 

 お互いの姿を見て双方目を丸くしている。二人の共通して思っている事は、屈強なイーメジとは全く違うという事だ。エイジについては、そもそも少女という事すら頭の中に入って無かったので拍子抜けである。もっとごっつい女性が出てくると思ったらしい。一方伊吹萃香は、筋骨隆々、むさ苦しいオッさんを想像していた。彼女は新聞を見ていないので彼の容姿を知らない。彼の姿を見て若い、以外に細いという印象を抱く。

 

 

 

「アンタ、本当にあのエイジなんだね?」

 

 

 

「伊吹萃香さんで間違なさそうだな」

 

 

 

「勿論弾幕ごっこじゃないよ…わかってるね?」

 

 

 

「殴り合いだろ?わかってるさ…」

 

 

 

「「…………勝負!」」

 

 

 

 

 

 伊吹萃香が突進してくる。いきなり飛び膝をぶちかまして来た。それを後退しながら勢いを殺して、手のひらで受け止める。が、しっかりとした力が伝わってくる。まだ手を抜いてるな…

 

 

 

「へぇ…人間にしては格闘術に長けてるんだね。これならある程度本気を出しても大丈夫そうだ!」

 

 

 

 その軽そうな身体からかなりのスピードで距離を詰めてくる。そのまま彼女は踊る様に攻撃を繰り出す。読みにくいのもあるが、身体の差をうまく使って避ける。多分、まともに攻撃に当たればガードの上からでも結構効いてしまうだろう。そのぐらいの威力の攻撃だ。

 

 

 

「守ってばかりじゃ…面白くないよ!!」

 

 

 

 シュバッ!

 

 

 

 下方から縦の回転蹴りが放たれる。死角からの攻撃、これを身体を最小限傾けて避ける。ここからは俺の攻撃だ。萃香との間合いを詰める。小さいので基本的に間合いは詰め切らない事を意識する。距離が詰まると圧倒的にこちらが不利なのだ。

 

 

 

 ガッ!ガッガッガッガッ…!!

 

 

 

「…速いね。嫌らしい攻撃と熟練された動きだ。成る程、肉弾戦には強そうだね…だけど、それだけじゃ無いよ!!」

 

 

 

 弾幕を近距離で放ってくる。この勝負は確かにルールには無かった。だから最小限の動きで彼女の放つ弾幕を避けていく。これには彼女も少し驚く。

 

 

 

「あんた…どんな目をしてんだい…どこまで弾幕が通じるか確かめるつもりだったけど、遠慮は要らなさそうだね!ミッシングパワー!」

 

 

 

 弾幕が近づいてくる。が、彼は動かない。どういう事だ?

 

 

 

「…確かに、それについては何も言っていない。だから、俺も使わせて貰う。裏切り者の寝返り!」

 

 

 

「なに…!?うわっ!?」

 

 

 

 まさかのスペル宣言。自分の放った弾幕が返ってくる。いや、私の元に戻ってくるの方が正しいのだろうか。全ての弾幕が私に戻って来る為、直撃する。

 

 

 

 

 

 ピピピピピピピピチューーン!!!

 

 

 

「うわぁ…あれが噂に聞くピチュるって奴なのか…弾幕を切るのはアリなんだし、元の場所に戻すのもアリでしょ…って弾幕ごっこじゃ無いからそんな事どうでも良いか…」

 

 

 

「いってー…まさか自分の能力を使いこなすなんて…完全に舐めてたね…私も本気でいかせて貰うよ!!」ゴオッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え!?これは…伊吹萃香の妖力…?」

 

 

 

「美鈴!お嬢様の命令で今すぐに向かうわよ!流石に彼が無事に帰ってこれないかもしれないわ!」

 

 

 

「ていうか、弾幕ごっこ以外の勝負って幻想郷では御法度なんじゃ…?鬼の様な巫女にぶっ飛ばされますよ!?」

 

 

 

「そんなの承知だからやってるのよ!八雲紫自身の許しを得たと伊吹萃香が新聞記者に言ってたらしいわ!」

 

 

 

「…分かりました。ついて行きます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドカッ!バキッ!

 

 

 

「いいねぇ…!久々に血が騒ぐよ…あんたの様な人間に久し振りに会ったぞ!」

 

 

 

「これが鬼か…まともに攻撃喰らったら下手すりゃ死ぬな。流石、妖怪一を争う力を持つ種族だ…」

 

 

 

「行くよ……!!おりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 伊吹萃香が先程とは比べ物にならない速さで突進して来る。この前戦った聖さんより速く、ほぼ天狗と同等と言った所か。あの攻撃は喰らったら即負けが確定するだろう。が、当たればの話だが。突進を避けて足場を崩す。

 

 

 

 ドコオッ!!

 

 

 

「うわっ!」

 

 

 

 その瞬間は見逃さない。よろけた所に間合いを極限まで詰め、顎先を狙ってスピードの乗った右ストレートを放つ。

 

 

 

 ガスッッ!!!

 

 

 

「がっ…!!」

 

 

 

 鬼がよろめく。手応えアリ。脳を揺らしたんだ、かなり効いただろう。が、意外にも伊吹萃香はすぐに持ち直してしっかりとその場に立っていた。意識もしっかりしていて、目の焦点も合っている。顎先にしっかり入れたのにダメージが少ない。どんな身体の強さをしてやがる!?

 

 

 

「成る程…あんた強いよ。だけど、それじゃあ私達に勝てないな。私達は普通の妖怪や人間達と違ってね…元々身体や脳の強さはぶっ飛んでるんだよ!」

 

 

 

「なら…何度も脳を揺らすだけだ!」

 

 

 

 間合いを更に詰めて来る。それなら根比べで勝負をする。また攻撃を避けてカウンターが決まる……とは行かなかった。当たったはずの攻撃がすり抜けて逆にカウンターを顔面に貰う。

 

 

 

「ぐあっ…!」

 

 

 

「ふん…アンタ、まだまだ甘いね。私の能力は私自身にも掛けれるって忘れたのかい?」

 

 

 

 失念していた。なんたる不覚であろう。今のダメージはかなり大きかった。これまでで一番効いたのでは無いのだろうか。意識はしっかりしているが、頭から血が流れている。あまり出血が多いと集中力に問題が発生する為、早目に勝負を着けたいところだ。が、ここから一方的に攻撃をされる。

 

 

 

 

 

 

 

 ドコオッ!!バキッ!バチィッ!!

 

 

 

「ぐうっ…!!」

 

 

 

「アンタは人間にしては良くやるよ…間違いなく強い。だけど、期待外れだね。もう少し強いと思ったが…これで決めさせて貰うよ!」

 

 

 

 

 

 伊吹萃香の打撃の連打が飛んでくる。避けてカウンターを入れようとしても、密度を操り自身に当たらない様にする。が、彼は殴られながらそれを狙っていた。その勝てると思った慢心を狙っていたのだ。そのタイミングを逃さない為に、伊吹萃香の猛攻を耐え凌ぐ。

 

 

 

「…ここだぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 萃香の左フックに合わせる様に右肘を振り回す。タイミングはバッチリだった。が、伊吹萃香もこれは読んでいた様だ。

 

 

 

 

 

(…無駄だ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伊吹萃香は勝ちを確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自身の密度が戻るまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

(なっ!?密度が戻った!?)

 

 

 

「らあっ!!」

 

 

 

 グシャッ!!!!

 

 

 

 鈍く、大きな音が響き渡る。左フックをガードした腕は痺れているが、その音ではない。彼女のテンプルに肘が完全に当たったのだ。伊吹萃香自身の意識が遠くなる。目の焦点が合わない。耐え切れず、地面に手を着いた。

 

 

 

「ぐあっ……」

 

 

 

「はぁ…はぁ…勝負は、まだ…分かんないさ。俺は誰が相手だろうと諦めない…!!」

 

 

 

「ぐっ…」

 

 

 

 伊吹萃香が立とうとするも、上手くバランスが取れない。完璧にクリーンヒットして、尚且つ頭蓋骨の破壊を狙う為にフルパワーで振り抜いた肘が当たったのだ。人間なら即死だろうが、伊吹萃香は鬼である。このくらいでは死なない。が、それでも効いてしまう。エイジの力は普通の妖怪並みにあるのだ。それに当てるところの技術にスピードが乗ったら鬼と言えどたまったモノでは無い。しかし、外から見れば、エイジの方が確実にダメージは有るのだろう。顔面が血だらけである。そこに、美鈴さんと咲夜さん達が到着する。

 

 

 

「お…鬼に膝をつかせている…!」

 

 

 

「いや、そこじゃないわよ…エイジの顔を見なさい。血だらけじゃない…」

 

 

 

「まだ…勝負はついていない!」

 

 

 

 伊吹萃香が叫ぶ。そしてエイジに向かって突進して行く…が、最早意味無し。能力自体の相性もそんなに良くないのだ。対策を施された伊吹萃香は成す術無くクロスカウンター3発を顎先に全て決められて失神する。

 

 

 

「鬼に…勝った…!」

 

 

 

「素直に凄いわね…あの拳の攻撃の鋭さと速さは貴方にも出来ないんじゃない?」

 

 

 

「私には蹴りがあります。彼の全てを上回る蹴りを持っている自身があります。だから…まだ負けません!」

 

 

 

「はぁ…はぁ…最後にボディ…がっつり喰らっちまった…ゲフッ…!!」

 

 

 

 吐血する。恐らく内臓が損傷したレベルで効いてしまっただろう。倒れた後、美鈴さん達がが慌てて駆け寄ってくる。それでも、伊吹萃香に少しずつ近づいて、能力で状態を戻す。自分の傷に使えないのがこの能力の難点だ。美鈴さんに抱えられる。もう何を言ってるか聞こえない。

 

 

 

(ははは…情けねぇ…まだまだ弱いなぁ…)

 

 

 

 ブラックアウトする寸前、美鈴さんが必死に叫んでいる様に見えたが、もう意識が持たなかった。そこからは何も覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何という事でしょう…あの山の四天王の伊吹萃香さんに勝ってしまいました…!これは大スクープですよ!!」

 

 

 

 その後、幻想郷全体に激震が走る。人間が弾幕ごっこをしないで、殴り合いで鬼に勝ったのだ。この新聞記事に証拠写真が載っている為、全員信じざる得なくなった。その新聞は博麗神社や地底の鬼達にも届く。内容を見て地底の住人達の話題となった。博麗の巫女は当然の如く怒り狂い、紅魔館に押しかけて来たが八雲紫が止めに入る。彼女自身が勝負をさせた理由を話すと、意外にもアッサリと巫女が引き下がったのだ。何でも妖怪としての本能が本気で騒いで弾幕ごっこじゃそれを味わえない為、紫に頭を下げに来たらしい。本気で巫女もそれには驚いていたが、気持ちも分からなくも無い。なので今回だけはお咎め無しという事になった。それから3日後、元の状態に戻ったエイジが目を覚ます。起き上がると、身体がいつもより重かった。慣れない能力を使った分、体力を相当使ったのだろう。自分の身体について推測を立てていた時に、咲夜さんが目の前に現れた。何でもお嬢様と八雲紫、そして伊吹萃香達が話をしたいらしい。いつのまにかあった俺の着替えを持って客間に向かう。身体の痛い所は無さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁー!!久々に殴り合いで負けた!負けたけど最後の一撃でアンタもすぐ倒れなかったね!?流石だよ!」

 

 

 

「殴り合いには自身があるんだ。ただ殴り合うだけじゃ勝てないけど、自分のやってきた事を信じて戦えば、勝てると思っていたよ」

 

 

 

「貴方はかなり特殊な人間です。それは前の世界からでも見て取れた…自分でも何と無く分かりませんでしたか?」

 

 

 

「全くそんな事考えてはいませんでした。ただ強くなりたいと鍛錬を積んで、そして強い奴と戦う為に多少の無茶をしました」

 

 

 

「本当に無茶をする時はメチャクチャね…身体の内臓が損傷してて、永遠亭に連れて行こうか本気で迷ったわ…」

 

 

 

「も、申し訳ございません。お嬢様…」

 

 

 

「まあいいわ…無事に帰って来てくれた事だし、貴方もかなり強い事を証明出来たじゃない?」

 

 

 

「もしかしたら当主様よりも強いかもな?」グビグビ…

 

 

 

「あ…?何か言ったしら…このチビ!?」

 

 

 

「お前だってチビだろ!若造が!!」

 

 

 

 ギャーギャー!!

 

 

 

 何故か喧嘩が始まってしまったが、とりあえず手元に置かれている新聞を見てみる。うわぁ…バッチリ俺が肘を当ててる写真が載ってるよ…あの記者、ちゃんとした記事を書けばもっと売れるんじゃ無いの?

 

 

 

「とりあえず門番を美鈴さんと変わってきます。彼女に3日間も門番をやらせてしまったので今日から連続で門番をしますね」

 

 

 

「分かったわ…今日からもよろしく頼むわよ?」

 

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美鈴さんの元に着く。珍しく寝ていない様だ。美鈴さんに交代を告げるとやっとか…みたいな顔をして俺の方を向いた。

 

 

 

「今日から明後日まで美鈴さんは休んで貰って構わないです。俺が三日間門番やるので、戻って大丈夫ですよ?」

 

 

 

「分かりました…」

 

 

 

 美鈴さん、相当疲れているのか、いつもの毒舌が出ない。これは凄く申し訳ない事をした。少し話でもしようかと思ったのだが、今日は辞めておこう。しかし、珍しく向こうから話を掛けてきた。

 

 

 

「エイジさんは、まだ私の事を好きなんですか?」

 

 

 

「当然ですよ!俺は貴方より上に行くまで、しっかり修行を…」

 

 

 

「はっきり言ってください。もう私より強いって思ってるんでしょう?」

 

 

 

「いえ…そんな事は…」

 

 

 

「信じられません。私より強い人に勝ってそんな事を言われても説得力が無いです…まだ私より強いって言われた方がよっぽど好感が持てますよ!!はっきり言って私は貴方と付き合う気は微塵も無いです。今のでハッキリしました…」

 

 

 

 この時、美鈴は心の何処かでまだ貴方を追いますと、言ってくれるのを期待していたのかもしれない。が、予想に反した答えが返ってきた。

 

 

 

「…分かりました。それなら仕方ないでしょう。嫌なモノは嫌だって言ってくれた方が分かりやすいですから…でも、尊敬してる事に嘘は無いです。素直で無くてすみませんでした。暫く追うのは辞めようと思います…」

 

 

 

「…え?」

 

 

 

 

 

 その謝罪に美鈴は固まってしまった。その後、いつもならすぐベットで寝付けるのだが、エイジの言葉が頭から離れず中々寝付けなかった。

 

 

 

「…私のばか」

 

 

 

 素直になって褒めれば良かったと思う。彼の言ったことは私自身を諦める事になるのか、一時撤退なのか、どちらかは分からない。そのことが気になってしまった。ここで気付いたのだ。かなり依存してしまっている事に。

 

 

 

「他の人に取られるのは嫌です…」

 

 

 

 彼女が素直になれる日は来るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ…そんな人間が居るのかい…萃香に勝ったのなら私とも手合わせして欲しいモンだねぇ…久々に闘いたくてウズウズしてるよ…!」

 

 

 

 




エッチな事は今回は無しです。寝技なんて鬼にしたら普通に死にます(白目)


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少しの恩返し。

素直になる事って凄くいいよね。
今回は美鈴視点のお話です。


 

 

 私自身がもう少し素直になれば、彼から話し掛けて来てくれるのだろうか。5日前のあの言葉以来、必要な事以外喋らなくなってしまった。確かにあれだけのアプローチをされて迷惑だったけど、今思えば嫌だと思う事は殆ど無かったのかもしれない。私は後先考える事が苦手なタイプだ。だから咲夜さんに門番の仕事中に何度も寝てて怒られるし、ナイフで攻撃されても、死ななければ大丈夫だと考えていた。だけど今回の話だけは違う。急に会話が無くなってしまったのだ。割と格闘術の事で話すのも楽しかったし、甘い物を買ってきてくれた事は嬉しかった。けど、一度もお礼を言えていないのは事実。ありがとうの一言ぐらい言えれば良いのに、最初のセクハラ事件で変な意地を張ってしまっている。他の女性にセクハラ紛いの事をして、何故か腹が立って何も言わずに投げ飛ばしてしまいました。それでも彼は笑顔で私には怒らず、寧ろ許してくれました。

 

 今思えば、フラン様の言う事は正しかったのかもしれません。彼は素直で真っ直ぐな良い人です。何も言わずに花壇の整理や花の水やりを欠かさず、妹様の壊した物を元に戻して、咲夜さんの手伝いもする真面目な人です。私の事を好きと言いますけど、何で私の事が好きだったのか…良く聞いていませんでした。彼はかなり真剣に話していた気がします。こんな重要な事を忘れてしまった事を申し訳なく思います…何だかんだ言って、私も彼と居るのが楽しかったのでしょう。今、会話が無い分凄く寂しいと感じています。寧ろ、私の方がまだまだ修行が足りないのかも知れませんね。今度、休みの日に寝ていないで人里に彼の欲しそうなモノを探して来ようと思います。咲夜さんや小悪魔さんに助言を貰いましょう…

 

 

 

「あ、雨ですか…」

 

 

 

 今の私の気持ちにぴったりの天気かも知れません。あれだけ突っぱねておいて、今頃寂しいなんて言ったら…やめましょう。おこがましいだけです。…あれ?何でエイジさんが館から出てきたのでしょう?

 

 

 

「交代しましょう。雨に濡れて風邪を引いたら困ります」

 

 

 

「な、何ですか…心配には及びませんよ?私は体が頑丈なので、貴方達人間程ヤワじゃ無いんです」

 

 

 

「ダメですよ。僕が例え人間で貴方が妖怪だとしても、貴方は女性なんです。女性の身体は冷やしてはいけないんですよ?」

 

 

 

 また言ってしまった。本当に懲りないなぁ…私。でも、彼は笑ってて、私の事を心配してくれる。久々の会話だった。あれだけ仕事をしてくれて、見返りの一つも無い薄情な私にどうしてこんなにも優しくなれるのでしょうか。頑張ってお礼でも言ってみようかな…

 

 

 

「そ、そうですね…私としては眠いから変わって貰えると助かります。良いんですか?」

 

 

 

 ダメだ…素直に感謝の気持ちを伝える事が出来ない。まるで子供が恥ずかしがってるかの様な受け返しだ。自分の言ってる事が恥ずかしくなってきてしまう。

 

 

 

「顔が少し赤いですね…熱でもあるんですか?」

 

 

 

 ピトッ…

 

 

 

「あ…」

 

 

 

 彼の手が私の額に優しく触れる。自身の少し鼓動が速くなるのが分かった。早く大丈夫である事を伝えなければ…

 

 

 

「だ、大丈夫ですよ。と言うか、気安く触らないで下さい。またエッチな事でも考えているんですか?」

 

 

 

 最低の受け返しだ。相手が心配してくれているのに何をどうしたらその受け返しが出てくるのが。男性経験が殆ど無くてもお礼ぐらいは言えるものだと思っていたが、実際違うらしい。私の性格的に、素直になるのが難しんでしょうか…?

 

 

 

「そうですか…では、本降りになる前に早めに館に入っていて下さい。僕はここで立っているので2日間は任せて貰っても平気ですから。咲夜さんにも許可は取ってあります」

 

 

 

「そうですか…では部屋に戻ってベッドに潜るとします」

 

 

 

 結局、素直にお礼が言えないまま館に戻る事になってしまった。彼が引き受けている仕事は多いはずなのに、私は今のまま休んでいて良いのだろうか…そういえば、彼の好きなものとかを一切知りません。彼は私の好きなモノを良く知っています。恐らく咲夜さんとかにも聞いているのでしょう。私も少し聞いてみる事にした。

 

 

 

「さ、咲夜さん…」

 

 

 

「あぁ…美鈴じゃない?どうしたの?」

 

 

 

「エイジさんの好きなモノって何ですか?」

 

 

 

「あら…急にどうしたの?明日は雪でも降るのかしら?」

 

 

 

「か、からかわないで下さい!」

 

 

 

「ふふ…でも、ごめんなさい。私は彼の好物とか知らないの…お嬢様や小悪魔さんにも聞かれたけど、彼はそう言う事を口にしないのよ。私やお嬢様、小悪魔さんに美鈴の好きなモノを把握してるのに…彼自身の好きなモノを聞いても、いつも上手い具合にはぐらかされるの…」

 

 

 

「そうなんですか…」

 

 

 

 彼は見返りを求めている訳では無い為、非常に自分の言動に注意を払っているのだろう。この前は、私の枕が凄く使いやすいモノに変わっていてビックリしていた。咲夜さんに聞くとわざわざ八雲紫に頼んで、外の世界からこっちに買って欲しいと頼んだらしい。それを自分で言わない限り、彼らしい所か…本当に貰ってばかりである。八雲紫に聞こうにも、何処に居るのか分からないのでアテにならないとして…

 

 

 

「彼の好きなモノは意外にも可愛いモノが好きらしいわ。この前、スキマで覗いていた時に、ルーミアを溺愛していたわ」

 

 

 

「計ったようなタイミングで出てきましたね…」

 

 

 

「あら?貴方に有力な情報を持ってきてあげたのよ?あとは…果物系のお菓子が凄く好みみたいね…何と言うか、乙女が好きそうなモノが好みなのよ…」

 

 

 

((い…意外すぎる…))

 

 

 

「ま、それを参考にして下さいな。それと彼、割と豪快に見えて繊細な人だから、自分の事より相手の事が気になってしまう性格よ」

 

 

 

「わかりました…有難うございます」

 

 

 

「ふふ…じゃあね」

 

 

 

 八雲紫が帰った後、咲夜さんが明後日のメニューに果物系の料理を考える為に厨房に向かった。私は何か可愛いモノを明日にでも探しに行こうかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、彼の様子を見てみると、かなりぐったりして居るのが分かった。どうも様子がおかしい。そのまま門番をしていたが、どうも気になって仕方がない。確認の為に門の前に行くと、氷の妖精を首の上に乗せて壁に寄りかかって居たのだ。かなり顔色も悪い。妖精達の会話が聞こえてきた。

 

 

 

「アンタ、かなり首の所が熱いのね…アタイのテンテキか!?」

 

 

 

「えっと…大丈夫ですか?かなり具合悪そうですけど…?」

 

 

 

「大丈夫…これぐらい、修行と思えば何とも無い…ゲホッ…」

 

 

 

 完全に風邪を引いている。昨日の雨に当たって身体を冷やしたのか、かなり具合が悪そうだ。急いで、彼の元に駆け寄る。

 

 

 

「何ですか…具合悪いなら言ってくださいよ…そんな状態で仕事になる訳…」

 

 

 

「あの…もう終わらせてます。花壇の整理と雑草抜きに、壁の修復作業までしていました」

 

 

 

 何と、この体調の悪さで能力を使って仕事をしていたのか。ここまで来ると本当に恐れ入る。彼を早く休ませなければ…

 

 

 

「とにかく、私が交代するので大丈夫です。病人はさっさと寝て咲夜さんの看病でも受けていた方が良いです」

 

 

 

「お、おい…お前、凄い熱いぞ?大丈夫か?」

 

 

 

「ん…あぁ…大丈夫だ。心配するな…で、何て言ったんだ。ボーッとしてて聞き取れなかった」

 

 

 

 不味い、彼は本格的に重たい風邪を引いている。これ以上は無理をさせては行けないと頭の中で警鐘が鳴っている。チルノが熱いと言うのはかなりの重症だ。

 

 

 

「これも修行のうちなんで…美鈴さんの気持ちも嬉しいですが、休んでても構いません」

 

 

 

「も、門番さん…代わってあげて下さい。エイジさんは多分このままだと倒れるまで無理する気です…」

 

 

 

 そんな事は勿論させない。どうしようか考えていた時に、咲夜さんとお嬢様が此方に歩いて来た。

 

 

 

「エイジ…具合悪いのを隠してまで仕事をしろとは一言も言ってないわよ?咲夜、彼がどの位の熱か、計りなさい」

 

 

 

「分かりました…失礼します」

 

 

 

 …少し羨ましい。彼に気兼ねなく触れられる咲夜さんに少し嫉妬してしまったが、咲夜さんの表情が無表情から一変、焦りの様なモノに変化する。

 

 

 

「お嬢様…彼は永遠亭に連れて行くべきかと。普通の熱の高さではありません。何で立っているのか分からない程に熱があります」

 

 

 

「…はぁ。エイジ、なぜそれを早く言わないのよ…流石に具合悪いのなら無理をしないで休んでも良いのに」

 

 

 

「すみ…ません…部屋で大人しく寝かせて…貰い、ます」

 

 

 

 するとフラフラになりながら歩く姿を見て、昨日の雨の事を思い出す。かなり強い雨が長時間降っていたので相当濡れた筈だ。やっぱり代わったのは失敗であった。具合悪そうな姿で働く姿を見て、自分の頼り無さを悔しく思う。彼が治るまで門番をする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エイジさんは、今どんな状態ですか?」

 

 

 

「熱が少しずつ下がってはいるけど…意識は戻らないわね…明日までに目覚めれば良いけど、この前寝てて欲しいのも事実なのよ。起きたらまた無理をしそうで怖いからね」

 

 

 

「…エイジさんに色々して貰って私は何も出来ないのは、正直悲しいです」

 

 

 

「美鈴…」

 

 

 

「彼の優しさに甘えてしまって、彼が苦しくても助けを求められない環境を作ったのは私です。何か出来る事を探しても、されてるばかりで何一つ返せてません」

 

 

 

「…大丈夫よ。きっとすぐ元気になって、またセクハラでもやらかしてしまうんでしょう…」

 

 

 

「…そうですよね。なら私は彼が元気になるまで頑張りますよ!」

 

 

 

「ふふ…そうね、頑張りましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 その2日後、熱が下がって体調も回復した彼が直ぐに門番の仕事をしようとする所を止める。まだ病み上がりなので無理はして欲しく無いのだ。

 

 

 

「貴方はまだ休んでて下さい。お嬢様にも無理はするなと言われているでしょう」

 

 

 

「全員働いているのに、俺だけ休むなんて事は出来ないです…大丈夫ですよ。いつもの様に俺に任せて貰えれば…」

 

 

 

「そうじゃないんです。私も貴方に少なからずとも、恩はあるし、感謝もしています。だから、私に少しぐらい頼って下さい…」

 

 

 

「え……分かりました、今回は休みます。美鈴さん、今度何か欲しいものあったら言って下さいね」

 

 

 

 

 

 そのまま紅魔館内へ消えて行った…彼の事をこれからもっと知って行こう。私達にとって彼は必要な存在である事に変わりは無い。今度、好きって言ってくれたら、少し考えてあげないといけないかもしれませんね…

 

 

 

 

 

 

 

 




素直になれない美鈴かわゆす(白目)


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正直者は徳をする。

恋のライバル出現です(白目)


 

 

 

 

 門番が休みのある日、また俺に決闘を申し込む手紙が届いたらしい。レミリアお嬢様にその事で呼び出しを受けて話を聞きに行った。しかし、ただ決闘すると書いてあるだけなら良かった。何と負けたら私のモノになれと、何とも豪快な内容で書いてある。誰から送られて来たか聞くと、手紙を渡されて差出人を見る。星熊勇儀と書かれていた。

 

 

 

『アンタの活躍、見せて貰ったよ…萃香に勝つとはやるじゃ無いか!写真と新聞の記事を見ると、正直者で真っ直ぐな性格が見て取れる。だけどフラれ続けても諦めないその心意気、違う種族とは言え男として私の理想だ。是非とも勝負してくれ。アンタが勝ったら私を好きにして良いけど、私が勝ったらアンタは私の男になりな!勝負は地底三日後に地底でしよう!来てくれる事を期待してるよ』

 

 

 

 

 

 手紙を読んだ後に、星熊勇儀の能力を思い出す。怪力乱神を持つ程度の能力と書いてあった筈だ。今までは柔よく剛を制して勝って来たが、柔を制すのは剛でもある事を忘れてはならない。幾ら技術があっても、力で全てねじ伏せられたら意味が無いのだ。今回はそれが出来る相手であり、正直…一番相性が悪いかも知れない。

 

 

 

「これ、門番が見てたら…貴方、無条件にぶっ飛ばされていたわよ?」

 

 

 

「あ…」

 

 

 

「咲夜さん?」

 

 

 

「美鈴が凄く機嫌悪そうにしてたの…それだったのね。それ、美鈴がすっごく機嫌悪そうに手紙を持って来たのよ…」

 

 

 

「え?それって、俺…ぶっ飛ばされて来いと言うフリですか?」

 

 

 

「…未来形じゃなくても、もうぶっ飛ばされる準備をした方が良いかもしれないわね…」

 

 

 

「え?それはどう言う事ですか?」

 

 

 

「…」ゴゴゴゴゴゴ……

 

 

 

「あ、あれ?美鈴さん?ど…どうしてここに?」

 

 

 

「いえ…今から勇儀さんとやるなら修行が必要かと。私がお相手しますから外に出て下さい」

 

 

 

「え?そ、そうです…ね?」

 

 

 

「なら、早く修行しましょう。今日は厳しく行きますよ?」

 

 

 

(も…門番ってあんな性格だったかしら?)

 

 

 

(美鈴…何か焦ってるわね…)

 

 

 

 

 

 この後、めちゃくちゃボコボコにされました。やっぱり勝てません。今日は特に蹴りが強すぎて、身体中痣だらけになった。めっちゃ痛いんですけど…あの蹴りの連打とか速すぎてガードするだけで精一杯なんですが…物凄く機嫌が悪そうだったのは一旦置いて、あの威力で連打をされると、懐にも入らないから何も出来ないんだよなぁ…

 

 

 

 

 

「失礼します。入りますね」

 

 

 

「え…美鈴さん!?」

 

 

 

「身体の傷を見せて下さい…薬を塗ってあげます」

 

 

 

「え…いや、大丈夫ですよ?」

 

 

 

「遠慮しないで下さい。それとも…私に触られるのは嫌なんですか…?」

 

 

 

「是非とも宜しくお願いします…」

 

 

 

(やった…!)

 

 

 

 上着を脱ぐ。体重制限が無い為、少し体重が増えた身体は、筋肉が少し膨らんで更に身体付きの良さを強調させる。美鈴の目が点になる。恐らく女性が思うに、余りにも筋肉付いている男はドン引きされる事も少ない事も無い。しかし、彼は服によって完全にその身体の筋肉が隠れる着痩せ体質の為、普段は細く見られるが脱ぐと皆が思う。異性として凄くエロいのだ。実際に割れた腹筋や女性とは違う胸筋、腕の筋肉のつき方全てに無駄が無い。故に美鈴が興味深々で色々な所に触れてくる。エイジはそれにタジタジな様子であった。(と、咲夜さんは語る)

 

 

 

 

 

「…へぇ、意外と男の人の筋肉って硬いと思っていましたが…そんな事無いんですね。動ける為の良い筋肉のつき方です」

 

 

 

 ペタペタ…

 

 

 

(ち、近いし…恥ずかしい…)

 

 

 

「…勇儀さん。とても強い方です。私でも、殴り合いなら負けてしまうかも知れません。殺されない様に頑張って下さい」

 

 

 

「負けたら星熊さんと付き合うと言う約束の元の勝負ですから…彼女が嫌だと言う訳では無いですが…負けられない理由があるので頑張ります」

 

 

 

(よし!ちょっと素直になれた…)

 

 

 

 

 

 

 

 それから三日後、勇儀さん対策は細かい事を考えたら負けだと思いぶっつけ本番で行く事にした。今日が勝負の日だ。何とご丁寧に八雲さんと地底の妖怪の女の子が俺を迎えに来ていた。何か美味しそうとか言われたのだが、聞かなかった事にしよう。何と勝負する場所まで案内してくれるらしい。用意も良いし、凄く助かる。実はまだ飛べるか飛べないかだけは分からないのだ。八雲さん曰く飛べるらしいのだが、その方法は習っていない。走る方が好きなのだ。楽をしてしまえば体重の管理が難しくなる。太り過ぎれば、身体のキレが落ちてしまうからだ。地底なんて言うので凄く暗いのかなと思ったがそうでも無かった。前がしっかり見える。そして歩き続けて30分程が立っただろうか。橋の前に立つ美少女が此方を見つめていた。

 

 

 

「彼が鬼に勝った人間?」

 

 

 

「そうらしいよ?食べ頃にしか見えないんだけどね〜」

 

 

 

「アンタが言うと、どっちの意味か分からないからやめなさい。」

 

 

 

「どっちの意味でも…だよ?」

 

 

 

 何だろう。凄く貞操の危機と命の危機が近くに迫っている気がする。ここに一人で来たら俺はどうなってしまうんだろう…

 

 

 

「妬ましい…貴方の事を気に入ってる人が多そうね…」

 

 

 

「おっと…勇儀を待たせちゃ悪いから、話は後でにしよう。さ、行こうか?」

 

 

 

 

 

 彼女の事を聞くと、嫉妬心を操れる能力があるらしい。精神能力系は中々使い方次第で強い能力だと思う。なので、某忍者漫画の幻術能力とかも憧れていた時期がありました。あの真似をしていた頃が懐かしい気がする。

 

 

 

 さて…更に歩いて30分程だろうか。街の前に立っている一角の鬼の女性が立っていた。もう一目見て分かった。ある意味、あの幼女よりタチが悪い。今回ばかりは五体満足で帰れる可能性は低そうだ。

 

 

 

「アンタがエイジか…成る程、写真で見た通り良い男じゃないか?」

 

 

 

「それはどうも。まさか山の四天王と呼ばれた鬼達と連続で戦うなんて思いもしなかったが…アンタはある意味で物理的攻撃がヤバそうだ」

 

 

 

「萃香に殴り合いで勝ったと聞いた時に、電撃が走ったね…弾幕ごっことかじゃなく、鬼に殴り合いで勝つ人間がまだ残っていたのは私としても嬉しいよ。しかも、聞く所によると正直で真っ直ぐなんて、私の好きなタイプじゃないか…是非ともアンタを手に入れる為にも勝たせて貰おうじゃないか!」

 

 

 

「小細工の無しの殴り合いで決着を着けるのか?」

 

 

 

「まぁ、最初は小手調べだ。この皿に入った酒を私が一滴でも零したら第2ラウンドに進める。そんなに早く決まっても面白く無いからね…」

 

 

 

「…分かりました。勝負開始の合図は彼女に任せます」

 

 

 

「全く…あんまり暴れないでおくれよ?私にまで被害が出たら、アンタらを恨むからね…」

 

 

 

「ヤマメ…そう言うなって、合図、宜しく頼むよ?」

 

 

 

 両者見つめ合う。ヤマメがお互いを見て準備が出来たことを確認した。勝負は今、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

「はじめ!」

 

 

 

 

 

 

 

 勇儀は開始直後にスピード攻めてくると思っていた。が、予想が外れる。彼は歩いて私の元に来た。流石にノコノコと懐に入らせる訳が無い。近づいて来た時にローキックを入れた。

 

 

 

 

 

 ピチャッ…

 

 

 

 

 

「………は?」

 

 

 

「第2ラウンド…入るんだよな?」

 

 

 

 

 

 見事にローキックの足を掴まれて、引っ張られて酒の皿を取られてしまった。酒が当然零れた。それ以前に簡単に自分の蹴りを止められたのだ。人間にしては耐久力が尋常じゃ無い。

 

 

 

「はっはっはっ…!!気に入ったよ!アンタ最高じゃ無いか!!何としてでも手に入れたくなっちまったよ…第2ラウンド、早速開始と行こうじゃないか!?」

 

 

 

 

 

 遠目で見ていたヤマメが驚愕した表情で此方を見ている。彼女自身、第1ラウンドすら持つとは思ってなかったのだ。それをこんなにアッサリと突破してしまう人間がまだ地上に居たも驚いているが、何よりその格闘術の技量が高い事に驚いた。これは一波乱あるかもしれないと勝負の行方を想像しながら見つめていた。

 

 

 

 

 

「さて…私から行かせて貰うよ!」

 

 

 

 ダンッッ!!!

 

 

 

 地面が割れるほどの踏み込みでエイジに突っ込んでくる。踏み込む力も強い為、当然スピードも出ている。パンチを打つ、そして連打、連打の連続でエイジは困惑した。物凄い滅茶苦茶な所から飛んでくる為、避けるのが中々難しかったのだ。殴る事に関しては負けないと思っていたが、このタイプは中々見れないケンカ闘法である為、対応が少し遅れる。それでも避けきれるのは今まで戦って来た幻想郷の住民達と戦ったお陰だ。そこに感謝しなければならない。

 

 

 

「へぇ…避けるのは上手いんだね?」

 

 

 

「貴女のパンチは当たったら僕でも死にかねないので…流石に冷静に判断させてもらいますよ」

 

 

 

「で?私に勝てそうかい?」

 

 

 

「言われなくても勝つ気で行きますよ。ちゃんとした殴り合いで勝たせて貰います!」

 

 

 

 

 

 そして今度打撃を返すのはエイジの方だ。勇儀みたいにがむしゃらに打つのではなく、しっかり相手を見つつ連打を放つ。勇儀はカウンターを合わせてくる。しっかり避けて後ろに回って投げ飛ばす。これには彼女も想定外の戦い方だった為、受け身を取った後に後ろへ下がって距離を取ってしまった。

 

 

 

 シュッ!!バチィッ!!!

 

 

 

 その距離が離れた分、腕が伸び切るか切らないかの所で右ストレートが完全にヒットする。しかも顎先だ。だが…少しよろめいているが、あれはまだ効き切って無い。前の萃香戦で学習済みである。

 

 

 

「くっ…アンタ、脳を揺らしてくるなんて嫌らしい殴り方するじゃ無いか…成る程、人間の攻撃でもこれはある程度効く訳だ。感心したぞ」

 

 

 

「余裕だな…殴り合いで圧倒的に不利なのは此方である事に変わりは無い。この戦法は変えないぞ?」

 

 

 

「ふんっ!好きにしな!私はアンタに勝つ事だけを考えているからね…行くぞ!」

 

 

 

 

 

 しかし、ここで差が生じ始める。勇儀のパンチが全く当たらないのだ。エイジは逆に、確実にパンチを当ててダメージが蓄積させて行く。しかし彼女の勢いは止まらない。パンチをかなり振り回していた。当たったら下手すれば即死レベル。まじで殺す気なのかな?

 

 

 

「くぅ…っ、一方的に殴って…アンタだけずるいじゃないか!」

 

 

 

「力の差があるのだから、避けるのは当然。むしろ、良くそれだけ打たれて膝も落ちないし、意識も飛ばないな。本当に鬼の耐久力は惚れ惚れするぐらい強いな」

 

 

 

「なら、私も頭を使わせて貰うよ!」

 

 

 

 ガシッ!!ドコオッ!!

 

 

 

 何と組み止めてきたのだ。そのまま地面に叩きつけられる。

 

 

 

「ガハッ…!?」

 

 

 

「らあっ!!」

 

 

 

 そのまま追い込んで踏みつけてくる。上手く避けたが、地面が壊れた衝撃で遠くまで吹き飛ばされる。衝撃波って…力が常人とかけ離れ過ぎててもはや笑えるレベルだ。

 

 

 

(どうするか…)

 

 

 

 殴ってもジリ貧だろう。萃香と戦った時もそうだった。ただ、今回はギアを上げても勝てるか…その上を行く意味で、死ぬ気で行くしか無い。

 

 

 

「らあっ!!」

 

 

 

 勇儀が距離を詰めて右ストレートを放つ。勿論カウンターで返して顎に当たるが、それを狙ってたかの様にカウンターで返してくる。それに掠った様に当たるが、視界が揺れるほどのダメージを受ける。やはり力で勝てない為、攻撃が当たってしまうと人間の俺ではキツイものがある。

 

 

 

「くっ…」

 

 

 

「決めさせて貰うよ!」

 

 

 

 片膝をつく。それを見てすかさず蹴りが飛んでくる。避けれるわけもなく、ガードのしても吹き飛ばされた。意識が飛びそうになる。半端じゃない衝撃と当たりどころが少し悪かった性か、今までで一番ピンチな状況かもしれない。

 

 

 

「ゼェ…ゼェ…」

 

 

 

「さて…満身創痍なアンタをそろそろ楽にさせてあげるとするか。アンタは人間にしては強かったよ」

 

 

 

「くっ…」

 

 

 

「行くぞ…!」

 

 

 

 瞬時、距離を詰めて連打を放ってくる。が、勇儀の顔が苦悶の表情を浮かべた。鳩尾にボディブローが完璧に決まる。肺の空気と同時に内臓にダメージが伝わる。勝利を確信していた故に、ダメージが返ってくる。しかし、それはこっちも同じ。だがここで行くしか無いのだ。連続でボディブローを放ち、勇儀の足を止める。そのまま顎に4発、ローキックを2発入れる。相当効いたのか、初めて膝をついて荒い呼吸をしていた。

 

 

 

「う…ぐあ…!!」

 

 

 

 俺は攻撃の手をやめない。そのまま裸絞めが入る。酸素が足りて無いのか、完全に力が入っていない。勇儀は相当苦しそうだ。とは言え、落とすのは此方としても忍びない。意識が飛びかけた瞬間に絞めを放し、距離を取る。が、勇儀は立てなかった。身体に力が入らなくて、脚に限界が来てしまったのだ。これには勇儀も油断していた。人間とは言え、急所を殴られ続けるとダメージが残るのだ。そこに畳み掛けられれば、たまったモノでは無い。

 

 

 

 

 

「な、何で落とすまで…やらなかったんだい…」

 

 

 

「さて…どうしたものか、貴女に参ったと言わせたくなったのかも知れないね」

 

 

 

「ははは…人間にここまでやられるのはいつぶりだろうね…もう立てないよ…」

 

 

 

 参った、そう宣言しようとした瞬間、上から岩が落ちてくる。まずい…あの大きさの岩が落ちて来たら鬼とは言え、タダでは済まない。瞬時に脚が動いていた。

 

 

 

 ドンッ!!

 

 

 

「な!?」

 

 

 

 岩が落ちてくる、それを受け止めるが、ダメージがある身体で最後まで支えるのは難しそうだ。脚が笑っている。能力を使うにも、そこまでの体力が残っていない。

 

 

 

「あ、アンタバカじゃ無いのか!?私は鬼だぞ…なぜそんな要らん助けをしたんだ!?」

 

 

 

「鬼とは言え…女だ…潰されるのを見たままいるのは、男じゃねぇ…!!」

 

 

 

 

 

 潰れるなと思った瞬間、糸の様なモノが岩に巻きつく。岩が一瞬で軽くなった。今の内に下から脱出する。この糸は…?

 

 

 

「ヤマメか…」

 

 

 

「勇儀姐さんが助けられてるのには驚いたよ。確かに、あの状態で今の岩が落ちて来たら、鬼とは言え流石に危ないよ…勇儀姐さん助けてくれてありがと…」

 

 

 

「悪い…最後の最後に格好つかなくて。こっちこそ助かった」

 

 

 

「…アンタ、余計に気に入った!私はアンタを手に入れる為にもっと強くなるぞ!」

 

 

 

「「え…!?」」

 

 

 

「覚悟しておくんだね…私は諦めが悪いんだ。アンタみたいな男を逃すのは勿体ないのさ…とりあえず…酒だ!アンタ私に勝ったんだから、勿論付き合うよな…?」

 

 

 

「ま、マジですか?」

 

 

 

 この後、地底の街に3人で飲みに出歩いたが、勇儀さんが自分に勝った事を話すと、たちまち鬼達でその飲み屋は満員になった。外にも沢山人がいる。あれ?これ、俺は帰れるのかな?次の日に、勇儀と俺が二人で添い寝をして、目の前に柔らかいものがあった事は紅魔館の人達に話していない。ある意味で徳だったけど…帰ったのは、次の日の夕方になったので美鈴さんにこっ酷く叱られた。誰か俺を労ってくれ…

 

 




因みにあの後、添い寝の写真と共に幻想郷へ新聞が広められて、美鈴にボコボコにされました(白目)

長い割に内容が薄くてごめんなさい…


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修羅ラバ!〜宴会と言う名の地獄〜

場所は地霊殿(白目)


 幻想郷では、事あるごとにどこかで酒を飲みまくる宴会と言うモノをやるらしい。その頻度はかなり多いそうで、萃香が起こした異変で何日も連続で宴会をした日もあったそうだ。肝臓がヤバそう。今回は地霊殿でやるらしい。あれ?俺何日か前にも行ったと思うけど…勇儀さん達も当然来る訳で、紅魔館のメンバーも当然招待されている。以前は何らかの不可侵条約で地底と地上の妖怪が行ったり来たり出来なかった為、お嬢様達は行けなかったらしい。今回はその条約も緩くなり、地底を管轄する地霊殿の招待状があれば地上の妖怪も地底にいける様になった。うん、仲良くするのが一番だと思うよ(小並感)

 

 

 

 今回は幻想郷の大御所達も何人か来るらしい。その内二人も人間と聞いているが、まさかあの白黒魔法使いの霧雨魔理沙がその内の一人とは予想すらして無かった。何でも異変解決に率先して参加している為、かなり名前が売れたそう。パチュリー様とは全く別タイプの魔法使いで弾幕はパワーである事が信条らしい。スッゲェ脳筋ですね。その他にも魔法使いがいるが、今回来るかどうかは分からないらしい。パチュリー様曰く、白黒みたいにおてんばでは無いので安心して良いとの事。因みにもう一人の大御所は博麗の巫女だが、今回も勿論参加するらしい。お酒と飯がある所には必ずと言って良いほど来る為、貧乏巫女とも呼ばれている。…大御所なのにお金が無いってどう言うこと?何か他にも来るらしいが、所詮付き添いなのでお酒は多分飲まないだろう…そうである事を願いたい。全員扉前に立つと、俺の能力で最後に来た旧都前に戻る。何人いようが、使う体力が同じ所がいい所なのだが…もうちょっと戦闘に使い勝手の良い能力が欲しかったのは少しある。補助系の能力として相手の体力と状態を戻す事が出来る。自分の体力は戻せない、どうにも俺には優しく無いのは何故だろう。とりあえず、目的地を目指して咲夜さんに着いて行く。実はこの前、地霊殿に行くのを忘れていたのだ。別に行かなければならない訳では無いのだろうが、挨拶ぐらいはしておきたかった。旧都に入ると、俺の顔がかなり知られている為か、鬼や妖怪達が近くに寄って来る。

 

 

 

「よう!強え人間…4、5日ぶりだな?」

 

 

 

「どうもっす。今日は従者として地霊殿に来たんで…酒は勘弁して下さい…」

 

 

 

「そいつはぁ…残念だ。今度来てくれりゃまた一緒に飲もうぜ?なぁ、みんな!」

 

 

 

「「「今度はちゃんと既成事実を作るからな!」」」

 

 

 

「やっぱりアンタ等の仕業か!!!!」

 

 

 

「へぇ…既成事実って、何をどうするんでしょうね…」ゴゴゴ…

 

 

 

「い、いやぁ…何も無いですよ?」

 

 

 

「エッチィのは行けないと思います!!」

 

 

 

「小悪魔さん、貴方がそれを言ったらダメな気がします…」

 

 

 

 美鈴さん、何か怖いです。最近恐怖を感じる様になって来ました…て言うか、どうして怒っている様に見えるんですか!?小悪魔さん!火に油を注ぐ様な真似をしないで下さい…俺が打ち上げ花火にされちゃいます。汚ねえ花火だ…とか言われそう。

 

 

 

 ダダダダダッ……!!

 

 

 

「おーい!!」

 

 

 

 げ…このタイミングで一番来てはいけない人が来てしまった。美鈴さんが凄くこっちを睨んでる。ヤバイ、色んな意味で後々怖い…修行と言う名のシゴキが入らなければ良いが、この場は回避不可能…どうやってやり過ごそうか…

 

 

 

「会いたかったぞ!」

 

 

 

 ダキッ!!ギリギリギリ…

 

 

 

 抱きつかれている。大きなスイカさんが二つ当たっているだけれども、その感触より命の危険が迫ってる事について彼女は気付いていない。一つは抱きしめる力が強すぎて背骨と肋骨がバラバラになりそうな比喩表現的な意味と、もう一つは…

 

 

 

「何してるんですか…?」ゴゴゴゴゴゴ…!!!

 

 

 

 あ、ヤバイ。物理的な意味で確実にバラバラにされる勢いでドス黒いオーラを放っている美鈴さんがいた。あれ?全身から汗が止まらないぞ?勇儀さんにくっつき過ぎて暑い訳では無いと思うのだが…(白目)これ、最低でも死亡ルート確定です、ありがとうございました。

 

 

 

「あ?何かと思えば紅魔館の門番じゃないか…?別にお前の男じゃないから何したって良いじゃないか?なぁ?」

 

 

 

「へぇ…わたしに惚れてる人がそんな不埒な事はしませんよね?星熊勇儀さんでしたか…面白い冗談を言いますね?」

 

 

 

「「…ふふふふふ」」バチバチバチッ!!!

 

 

 

 け、喧嘩はやめてー。二人を止めt…何て言ってる場合じゃ無い。誰か止める人はいないのか、紅魔館のメンバーを見る。お嬢様…は咲夜さんと一緒に話している風に見せている。裏切りおった…一緒に来たヤマメさんやパルスィさん達を見る。あれ?何かパルパルしてるよ?嫉妬の力が漲ってる…なんで?が、意外な人が止めに入る。

 

 

 

「そこら辺にしておきなさい…早く地霊殿に向かって座りたいわ…」

 

 

 

(お、思っても居ない助け舟がキターー!!)

 

 

 

「…良いさ、この場は引いてやる。けど、エイジは私の男にしてやる。自分に正直になれる奴が強い事を教えてやる!」

 

 

 

「今、門番が居なくなると困るので!仕方なくその勝負乗ってあげます!他意は無いですからね?いや、あるはずがありません!」

 

 

 

 うわぁ…中国に良くある表現技法の一つが出た…そんなに強調しなくても分かってますよぉ…

 

 

 

「なら一緒に行くか!」

 

 

 

「…貴方は本来紅魔館なんですから、こっちでしょう?」

 

 

 

 ギュゥゥゥゥ…

 

 

 

 役得なんだか、災難なんだか分からない今の状況を楽しんでいる小悪魔さん、あとでばくれつけんの刑に処します。絶対に許しません。

 

 

 

 

 

 そんなこんなで歩いていたら地霊殿に着いた。門の前に案内役の黒耳のゴスロリ女子が立っていた。

 

 

 

「あー、紅魔館の御一行と勇儀さん達が一番最初に来たんだね?中々早いじゃないか!ささ…入っておくれよ!」

 

 

 

 黒耳の女の子に案内されてとても広い宴会場に案内される。成る程、元いた世界で一流のホテル並みに広い場所である為、どんな権力者なのか凄く気になる所ではある。まぁ、紅魔館も負けてないぐらい広い所ではあるが。とにかく椅子に座ってて欲しいと言われて自由な所に座る。隣は美鈴さんと勇儀さんの二人に挟まれている状態だ。あれ?緊張状態が解けてないぞ?

 

 

 

「あ、問題児達が来たわ」

 

 

 

「誰が問題児ですか!誰が!?」

 

 

 

 レミリアお嬢様が問題児と言った少女…守矢神社の神様方達だ。何でも…関わっても面倒くさい事しか起きず、奇跡を操れるらしい巫女姿の少女は要らない微妙な奇跡しか起こせないらしい…何だろう、可哀想になって来た。

 

 

 

「あんた…見た事あると思ったらキラーマンじゃないか!!」

 

 

 

「あ、神奈子がすっごいファンだった人間だ!」

 

 

 

「あ、テレビで見た事ある人だ!」

 

 

 

「やめなさい!やめて!こっちに来ないで!!!」

 

 

 

 何かサインやら握手やら求められて懐かしい感覚になった。あの頃はゴット・パンチャーやら何やら言われていて、ボクシングでも試合をしたのが懐かしい。因みに1ラウンドで世界統一チャンピオンを沈めました。その頃から凄く名前が売れて、総合格闘技を超有名にしたのが懐かしく感じる。

 

 

 

「ん…?あんたから信仰心を感じられるね…」

 

 

 

「あ…!本当だ!しかもかなりの信仰の力ですよ、神奈子様!」

 

 

 

「ケロケロ…有名人が有名になり過ぎると信仰すら生まれてくるんだね!流石、世界チャンピオン…」

 

 

 

「そんなに有名だったんですか?」

 

 

 

「そうさ。何を隠そうと、あっちでは、立ち技も寝技も神様扱いされて来た程の腕前の持ち主だからね。て言うかぶっちゃけ今の状態は神様の領域に腰まで浸かってる状態。つまり早苗とほぼ同じ位かそれ以上のクラスだね」

 

 

 

「は?今、貴方なんて言ったの?」

 

 

 

「そのまんまの意味だよ?神格化されてるんだろうね…多分ぶっちゃけ現人神クラスまで行ってるよ?」

 

 

 

「あれ?もしかして半分程人間辞めてるって意味ですか?」

 

 

 

「まぁ、6割程辞めてるだろうね。じゃ無いと、鬼や妖怪達に勝てないだろうさ…」

 

 

 

「あら、そんな凄い彼を従者にしてる私は凄いわね?」

 

 

 

「おい。仮にも神様を従者扱いにしたらバチが当たるぞ…」

 

 

 

「関係無いわよ…私達は神をも恐れぬ吸血鬼なのよ?別に神が下に居ようが私に従うなら悪い様にはしないけどね?」

 

 

 

「吸血鬼の住処はブラック企業だったんだね…辛かったらいつでも私の所に…」

 

 

 

「何で抜け駆けしようとしているんですか…勿論エイジさんは残りますよね…?」ゴゴゴ…!!

 

 

 

 何か変な方向に向かって来たが、命蓮寺のメンバーや白黒魔法使いも到着した。その際、初めて博麗の巫女と会ったが…滅茶苦茶警戒された。何でも戦いに関して私でも勝てるイメージが思い浮かばないと言われた。普通に負けているのですが…

 

 

 

 色んな人が続々と集まった所で宴会が始まった。男が俺だけだが、話し掛けてくれる人達が沢山いる為、暇な時間は無さそうである。というか、隣の二人の作ったモノを食べている。美鈴さんはお酒に合う回鍋肉、勇儀さんは様々な種類の具材おにぎりを作って来た。どちらも美味しいのだが、どっちの方が美味しいのか度々聞いてくるので、冷や汗をかきながら食べている。周りの人は温かい目で見てくるが、是非とも誰か止めて欲しい。二人が酒を飲んでて大変なのですが…

 

 

 

「ふふふ…エイジしゃぁぁん…離れたらいけましぇんよ…」

 

 

 

「エイジ…お前は私の男にしてやるからな。なんたってお前は…」

 

 

 

 お互いの胸部はとても豊かなので、めっちゃ形が変わって両腕が幸せな事になっている。それでもお酒の匂いはそこまでしない。何か…甘い香りがする。これは女性の魅力だよね。というか、酔ったら勇儀さんはかなり説教気味になって話す。ちょっと可愛いかも。美鈴さんは凄く甘えて来て理性がゴリゴリ削られて行く。これはお酒のせいだと分かっていても、可愛いのには違い無いのだ。ダメだ…煩悩が次から次へと生まれてくる。これじゃ、ラッキースケベじゃなくて、ただのスケベ野郎になってしまう気がする。あ、勇儀さんのはノーカンで。マジでお酒を飲み過ぎて何をしたかお互い覚えていないから。

 

 

 

「だいたい私の…お、おっp」

 

 

 

「ストップ。何か思い出したらダメな気がして来た…」

 

 

 

 そのニ語が出た瞬間、女性達から何をしたのか、懐疑の目線を送られる。本当に貞操は守れていたのか心配であるが、大丈夫なのか?

 

 

 

「大丈夫だよー!あれだけならセーフだよ、セーフ」

 

 

 

「…ん?君は?」

 

 

 

「へぇー!凄いね!お兄さん、私の事を見つけられるんだね!私の名前は古明地こいし!貴方がエイジでしょ?」

 

 

 

「そうです。古明地さとりさんの妹で間違い無いですね…見ていたんですか?」

 

 

 

「うん!でも結構危ない事をしていたよー!まぁ、そこの門番さんでも同じ事出来ると思うけど…なんたって、そんな趣味が…」

 

 

 

「待って…言わなくて良い。やっぱり、思い出したくない。何も言わなくても良いから…ね?」

 

 

 

「おっけー」

 

 

 

 そう言うと何処かへ飛んで行ってしまった。本当に周りは気付いて無いのが見て取れる。と言うか、言いふらさないか心配ではあるが…取り敢えず、放置で。

 

 

 

 宴会後、紅魔館のメンバー以外も此処で泊まることになった。俺も少し酔ってしまった為、早目に寝る事にする。ベッドに転がると、すぐ睡魔が襲って来た。なんか扉が開く音がしたが、気のせいだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝起きると、上半身裸で寝ていた。何故か俺と美鈴さんが。お互い同時に起きた為、同タイミングで目が合う。あ、これは…

 

 

 

「きゃぁぁぁ!?!?」

 

 

 

 バチィィィィィンン!!!

 

 

 

「ピカチュッ!!!」

 

 

 

 まぁ…予想していた通り殴られましたよね…本当にラッキーなんだか、ただのスケベなんだか分からなくなって来たので、これからは最新の注意を払おうと思う。昨日の事がまた思い出せない。

 

 

 




二人のことはちょっとR18で書こうと思います(白目)
流石にここでは書けないです(色目)←誤字じゃ無いよ!



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やっぱり洗練されている蹴りは芸術的である

洗練された技術って、音楽でも建築でも絵でも武術でも美しいと思うんです。因みにかなり短いです。


 朝、紅美鈴は少し紅魔館の周りをランニングしてからストレッチをする。その後、決まって蹴りの練習をするが…角度を変えて見ても、蹴りの種類が変わっても、動きながらの実践的な鍛錬をしていても、どれをとっても俺がいつまで経っても追いつけなさそうなレベルの美しい放物線を描く蹴りを放つ。しなやかさ、速さ、力強さの3種類に合わせてあのスタイルの良さも引き立つ。ますます芸術的な武術の鍛錬に合わさってまだ出切っていない朝日が彼女を紅く照らす。動きに合わせて光の反射する所も違うが、ひとつひとつの動きに合わせて空気の流れる様な姿を見て思わず呼吸をするのも忘れそうになる程だ。一体どれだけの長い年月を生きて、自分をどれだけ鍛え上げて来たのだろうか。22年しか生きていない俺には到底、そこまでの過程が想像出来ない。彼女はこれを誰よりも前から欠かさず行っていると聞く。レミリアお嬢様と咲夜さんの二人から聞いた。打撃型体術において、彼女の右に出る者は居ない。やはり勇儀さんでも普通にやれば一発て失神させられる程の実力を持っているそうだ。お嬢様でも弾幕ごっこや、自分の技があるから勝てるだけであって、肉弾戦になると一気に形勢逆転されて負けてしまう程と語る。本気を出した彼女は蹴りが見えない為、気付いたら地に身体を預ける状態になる。極限状態の彼女は間違い無く肉弾戦で幻想郷一だろう。心底惚れている理由は今、全て話した。

 

 しかし、彼女は俺を好みでは無いと話す。それはとても残念な話だが自分のやられて嫌な事は絶対にしない。戦っている時は、相手の嫌な事をしまくるが、私生活では絶対にやらない。別に付き合わないのであれば…生きている間、その鍛錬に付き合うだけだ。彼女は女性としても惚れてしまった他にも、格闘家、武術家としても心底惚れ込んでいるのであろう。彼女の話を聞くと、普段の私生活との違いにも驚くが、案外自分に厳しいのかも知れない。レミリアお嬢様が知る前からずっと門番としてやっていると言う話を聞くが、よく途中で辞めなかったと思う。

 

 

 

「…そこで見てないで手伝って下さい。私も相手がいた方が凄く技が洗練されると思うので…」

 

 

 

「わかりました」

 

 

 

 少し試したくなった。鋭いジャブを2発飛ばす。が、脚に鋭い痛みが走る。ローキックを蹴られていたが、見えなかった。成る程、彼女も少し本気になったみたいだ。しかし、何となくわかる。あれは全力では無い。本能的に彼女の間合いに入るは危険だと判断する。が、俺も少しゾーンに入る。勇儀とやった時より少しギアを上げる。

 

 

 

「!!」

 

 

 

 ローキックを読み切り流す。そのままジャブを目の前に突きつけられる。間合いを詰めるのがエイジは異常に速い。早いのでは無い…速いのだ。美鈴が中段蹴りを見せた後、連続技で膝打ちを選択する。が、そこにエイジは居ない。蹴りを放つ。同時にエイジはストレートを放って双方寸止めする。美鈴が微笑みを返す。

 

 

 

「強いですね…」

 

 

 

「ふふ…まだ負けませんよ?これでも長く生きてるんですから…」

 

 

 

 彼女に一歩届かない。恐らく中段と見せかけた上段蹴り。少しガードの力の入り方が甘いのを分かっていたのだろう。彼女の方がやはり本能的に強い事を実感する。その強さに再度惚れ惚れする。

 

 

 

「貴方は、天才と言われる類の存在なのでしょう…私を超えるのはそう遠くないと思います。私も負けません…!」

 

 

 

 やはり、俺は彼女に惚れて良かったのかも知れない。彼女を超える為、何をすべきか考えよう。俺は、美鈴さんに勝った後に…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




終わり方はこれで良いと思います。その後に来る言葉は皆さんの想像に任せるとしますので。正解は無いです。思い浮かべてる展開はいくつかありますが。これからもよろしくお願いします!


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ぶっ飛ばされた時の叫び声が…

タイトル詐欺ってるぅ!(白目)



 今日は妖怪の山に向かっている。美鈴さんも一緒に着いてきた。門番は小悪魔さんにやって貰っている。小悪魔さんは泥舟に乗ったつもりでいて下さいと言っていたので、全然安心できない。泥舟は沈むし、安定しないからやめて欲しい。こんなに不安になったのはいつぶりだろうか…妖怪の山に行くにあたって天狗達からも報酬が出るそうだ。物凄く頭を低くして色々な天狗達に挨拶に行くと、どうも気に入られたらしい。挨拶は基本なので、誰に対しても最初は頭は下げた方が良いのでは?と思うのは自分だけだろうか…教える事は決まっているが、どうも天狗達は組み技が得意だと言うので、打撃を教える予定だ。その為、美鈴さんがいると大変心強い。俺だけじゃ打撃を教えられても、精々パンチの打ち方ぐらいしかしっかり教えられない。その為、武術を極めている美鈴さんが教えた方がレパートリーも増えるだろう。

 

 

 

「さて…貴方の指導方法と戦い方を見せて貰います。それを踏まえて、どんな事を教えるのですか?」

 

 

 

「足運びとガードを最初に教えてから…パンチの打ち方を教えようと思ってます。自分たちのいた世界に、攻撃は最大の防御と言う言葉があります。それは最低限ガードが出来る人に言えることであって、普通の人はまずガードの仕方を覚えないと…とても危険です」

 

 

 

「成る程…確かにガードが甘いとカウンターを仕掛けられた時に、ダメージが残ってしまうか、モロに入って気を失うかの2つですからね。中々考えられてて良いと思います…基礎を怠れば、後々苦しむ事になるかも知れないですからね…」

 

 

 

「美鈴さんがそれを言うと…とても説得力があります。何か反論されたらその時はよろしくお願いします!」

 

 

 

 美鈴さんはそう言われると少し満足そうな表情を浮かべる。ちょっとだけ胸を張るが、何かポヨヨンって言った。すげぇ…

 

 

 

「あやや…エッチぃのはいけないと思いますよ?エイジさん?」

 

 

 

 げっ…なぜ考えてる事がバレてるんだ…美鈴さんが怒るじゃないか…あれ?いつまで経っても蹴りが飛んで来ない…美鈴さんの顔を見ると真っ赤になって固まっていた。あるぇるぇー?おかしいぞぉー?(某少年探偵風)

 

 

 

(胸が好きなんでしょうか…あんな事があった手前、変な事出来ないし…エイジさんはどれくらいの大きさが好みなんでしょうか…本当にエッチな事はダメだと思うですけど、別にエイジさんなら嫌じゃないし、でも……)

 

 

 

 なんて長い妄想をしている美鈴の事を気付かず普通に山を登って行く。ここで確実なダメージを射命丸文が俺に与えて来る。

 

 

 

「やっぱり美鈴さん、スタイル良いからエイジさんもコロっと落ちる理由が分かりました!美鈴さんは罪深い女ですね!」

 

 

 

「違います!ちょっと触ったり揉まれたり、あとその他色々やられましたけど、別に一緒に寝て、私が色々させた訳では無いですからね!?」

 

 

 

「「え?」」

 

 

 

「あ…い、今の無しで!!エイジさん!忘れて下さい!!」

 

 

 

 ドコオッ!!

 

 

 

「メタナイッ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茶番劇の様ないつものやりとりが終わり、天狗達の住処である里に着く。顔が人間と同じで、鼻が長い者はいなかった。俺の幻想がぶち壊されたぜ…しかし、何というか顔の整い方が尋常ではない。通りすがる人が皆、美女や美男ばっかりだ。美鈴さんも全然これっぽっちも負けていないが、幻想郷の顔面偏差値のレベルは現代の世界レベルを遥かに上回るだろう。そう考えると、射命丸文も相当レベルの高い女子である。彼氏の一人や二人ぐらい居てもおかしく無さそうだ。

 

 

 

「ん?どうしました?」

 

 

 

「…天狗達の顔の整い方が凄いなと思っていたんだ。男も女も美男に美女ばかりだから、俺の世界なら相当モテたろうな…」

 

 

 

「ふふ…皆んなに言ったら喜びますね!あ、因みに私は可愛いですか?」

 

 

 

「お前は可愛いというより、綺麗系だろ。顔立ちも整ってるし、彼氏の一人や二人ぐらい居てもおかしくなさそうだ」

 

 

 

 それを言い終えると、脛に鈍い痛みが走る。美鈴さんのブラックオーラがいつもに増して滲み出ている。

 

 

 

「あの…美鈴さんの前でそれを言わない方が良いかも知れません…本当にぶっ飛ばされますよ?」ヒソヒソ…

 

 

 

「ん?美鈴さんは勿論綺麗だよ?でも…あんまり優しくしすぎると、前にさ…あざといって言われたからさ…おれも学習したんだよ…」ヒソヒソ…

 

 

 

 射命丸が大きな溜息をつく。なぜか心底呆れた様な顔で此方を見ていた。が、ここで忘れてはいけない人物を忘れていた様だ。後ろから肩を叩かれる。背筋が凍る様な感覚に襲われた。

 

 

 

「エイジさん…コソコソと何を話しているんですか?私に話せない様な事でもあるのでしょうか…?」

 

 

 

 あれ?何か思っていたのと反応が違う。寂しそうな表情と、少し元気の無い声色だった為に、自身の対応の仕方に困る。正直に話すべきか、それとも誤魔化すべきか…確実に前者なのだろうが、興味ない男に綺麗だなんて言われても、淡白な反応をされるのは目に見えている。真実を伝えつつ、肝心な所をボカそうとした。が、射命丸に口止めされる。

 

 

 

「ちゃんと真実を伝えないと、後で酷い目にあいますよ…!」ヒソヒソ…

 

 

 

 射命丸がそう言うなら包み隠さず全部話す事にした。天狗達に負けないぐらい、美鈴さんは綺麗である事を伝える。いつもの様に罵倒されるのかと思いきや、予想すらしない反応をしていた。

 

 

 

「…えへへ。可愛いって言われちゃった…!」ボソボソ…

 

 

 

 凄く照れてる様子に上機嫌である事がまじ合わさって、見た事の無い表情でその言葉を口にした。天狗の男達が振り返る。そりゃそうだ。あれだけの美女が顔を少し赤くして笑顔になっているのだ。美鈴さん、貴方は男を悩み殺す天才かも知れません。俺も間近で見て吐血しそうになりました。あまりにも反応が可愛い為、俺も唖然とする。射命丸が写真を撮りつつ、満足そうな表情を浮かべていた。後でその写真買おうかな。

 

 

 

「はっ…!そ、そんな事言われても…嬉しくなんて無いですからね!ほ、本当ですよ!?」

 

 

 

 何この可愛い生き物。某RPG風に今の状態を表すと、セクシービームに混乱呪文をかけられた状態になっているに違いない。今の貴方に俺は超混乱してます。可愛すぎて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事をしてると初稽古の時間が来た。集まったのは5〜60人ぐらいか。滅茶苦茶多い。こんなに集まってくれるとは思っても居なかった。素直に嬉しい。集まった所で、早速パンチの打ち方を説明して、ガードの仕方と同時に説明をする。基本は脇を締めて相手との距離を調整し、牽制の意味を持つジャブ。そして意外と実戦で当てるのが難しいが、しっかり打てれば相手を確実に倒せるストレート。そしてカウンターを受けやすいが、カウンターも自分がやりやすいフックを教える。割とシンプルだが、型を覚えれば後は天狗達の身体能力で避けたりは出来るだろう。そしてガードの仕方を教える。殴る拳の向きの方に動きながらガードをするとダメージは少ない事を伝えて、実際に俺に当てて貰う。勿論、全力で殴らせた。結果は完全にダメージが吸収されて、脳震盪を防ぐ事が出来た。実戦的にやらせてみると、美鈴さん以外は案外苦戦していた。しかし、美鈴さん自体も納得いっていない様で、俺の様にダメージを吸収しきれていないと言っていた。実戦でそこまで出来れば十分なのだが…そして、その3つのパンチだけでまず、実戦的な戦い方を学ばせる。かなりパンチを当てるのにもガードをするのにも苦戦していた様だ。そして俺が実戦する為に天狗の中で一番上手くいっていた椛さんと模擬戦をやる。俺は守るだけで椛さんに攻撃をさせると言う約束実戦みたいなモノだ。椛さんも鋭いジャブを飛ばし、踏み込んでストレートを当ててくる。しかし、パンチをガードしている拳で少し叩いて落とす。このパーリングと言われる技術を完璧にこなす。フックは見せた通りのガードをしっかりと行う。2分ぐらいの攻防が続き、美鈴さんも周りの天狗も俺に関心してくれた様で、ガードをしっかりと練習していた。そして各自でその約束実戦を何度も行う。人間より遥かに運動能力が高い天狗達はもうこの動きを自分のモノにしていた。アッパーやボディブローの打ち方は今度教えるとして、寝技も教授してくれと頼まれた。美鈴さんも寝技には興味がある様で、俺の動きを一つ一つ逃さない様に見ていた。実戦で投げからの寝技練習をしても、美鈴さんは強かった。全く射命丸は歯が立たなかったのだ。彼女は天狗の中でも五本指に入る強さなので、その為か、美鈴が射命丸を手玉に取っていた事を受けて紅魔館の二人はレベルが高い事と天狗達も凄く驚いた様子であった。

 

 

 今日の打撃講習会の様な集会は終わる。その時、射命丸にいつでも妖怪の山に入れる様にしてくれる様に手配してくれたと話された。これで移動範囲が広まった為、守矢神社にも行ける様になった。意外にいい存在なのかも知れない。時間が来たので紅魔館に帰ろうとすると、風呂や夕食をご馳走になった。かなり手厚く歓迎して貰った為、今度きた時はもっとしっかり教えよう。とりあえず、あまり遅くなると咲夜さんに怒られるので紅魔館に帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館に着いた後、小悪魔さんの様子を見たが、何故か服がボロボロで前が少しはだけていた。あらまぁ…立派なメロンをお持ちの様な事で。勿論、美鈴さんにぶっ飛ばされた。だって俺も男だもん…しょうが無いじゃないか…その後に、お嬢様に天狗達から貰った幻想郷の通貨を渡すと俺と美鈴に与えてもらえる様になった。何に使おうか迷っているが、珍しいモノが置いてある香霖堂に行ってみようと思う。お金はそこで使う事に決めた。行ったことも無い為、前から興味があったのだ。お金を使ういい機会なので、そこでこの結構な大金を使おう。その内、博麗神社や太陽の花畑、魔法の森などにも足を運んで見たいと思っているので、今後の計画をベッドに寝転びながら考えている。睡魔が襲って来た。睡眠欲には勝てない。とにかく、明日は楽しい一日にしようと考えながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ…嬉しいなぁ…今度は少し優しくしてあげようかな…」ポワポワ…

 

 

 

 




打撃って奥が深いですよね(白目)


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優しい顔

大ちゃんとルーミアが懐いたこの頃、超シリアス展開です。


 

 

 今日から俺が二日連続で門番をする事になっている。美鈴さんを少し休ませる為だ。前にも何回かやって貰ってるので美鈴さんとレミリアお嬢様にその旨を伝える。美鈴の顔がみるみる上機嫌と取れる表情になったので、無理してでも頑張ろうと思う。門番としての仕事は主に四つある。一つは花壇と花畑の水やりと草抜き。二つは侵入者を追い返す事。三つ目は塀の修理で、最後の四つ目に外からの情報を来た人から得る事が仕事である。今は花の水やりも草抜きも終わって、門の前に立っている。割と暇だが、客人と言うか、俺目的で来てくれる人もいる様だ。その時は一緒に居てくれたりして暇が潰せるのでとても有難い。噂をすれば、チルノと大ちゃんの二人組が来た。どちらとも人懐っこい妖精なので、面倒を見ていても楽しいものだ。

 

 

 

「エイジ!遊ぼ!」

 

 

 

「チ、チルノちゃん…今はエイジさんお仕事中だよ?」

 

 

 

「なら、面白い話をしてよ!!」

 

 

 

 チルノがかなりの無茶振りを言ってくる。しかしこんな時にこそ話題は考えておくべきなのだ。話す事はもう決めてある。某RPGの勇者の話をする。自分を育ててくれた村が魔物達に攻め入られて無くなった後に、魔王を倒すべく導かれて行く仲間達と共に成長して行く話をした。二人は食い入る様に聞いてくれる。時に反応してくれるのが子供っぽいと感じる。その中でも大ちゃんが少し涙目で質問して来た。

 

 

 

「その人の幼馴染は…結局幻だったんですね…あんなに頑張ったのに、何も戻って来ないなんて悲しすぎます!」

 

 

 

「そうだよね…この話を聞いた時、俺も少し悲しくなったな…」

 

 

 

「でも、前を向いて生きていかないと、ずっと辛いまんまだ!アタイならどんな時でも諦めないで前向きに生きる!」

 

 

 

 チルノには偶に感心させられる事がある。この子は⑨とか、おバカとか言われているが、誰よりも真っ直ぐで前向きに生きていける子なんだろう。実際にはゲームの話だが、人生に当てはめてみると悲惨なモノである。その中でも、前向きに生きていかねば魔王を倒す事なんて出来ない。そう考えると、俺も同じ様に生きなければと改めて考えさせられた。これまで美鈴さんに何度もアタックをして来たが、今は時が経ってタイプじゃないから嫌だと言われただけで何も変わろうとしなかった。考えてみると、俺は幻想郷に来てから前向きになれていなかったのかもしれない。美鈴さんの理想となれる男になる為に前向きに生きて行く。チルノのお陰で少し目が覚めた。感謝しなければならないだろう。二人の頭を撫でる。

 

 

 

「ありがとう、チルノは強い子なんだね。俺もその生き方、真似させて貰うよ」

 

 

 

「えへへ…学校でも全然褒められないけど、エイジに褒められるのは凄く嬉しいぞ!」

 

 

 

「チルノは真っ直ぐで良い子だ…俺が保証するさ」

 

 

 

「大ちゃんもアタイに負けないぐらい強いぞ!頭も良いし、人に優しいんだ!」

 

 

 

「ち、チルノちゃん…」ウルウル…

 

 

 

「二人とも心が強いな…今度また一緒に遊ぶか!」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は元気よく返事をした後、俺が仕事だから邪魔しちゃ悪いと思って帰って帰っていった。丁度入れ変わりで美鈴さんが話しかけてくる。

 

 

 

「面白い話でした。私も聞いてて生き方の参考にしたいと思う程の前向きさ…感服します」

 

 

 

「あの子達には感謝しているよ。今度遊ぶ時に何かあげるかな…」

 

 

 

(…あんなに優しい顔も出来るんですね。前、勇儀さんを見てて同じ様な顔をしていました…あれ、胸がズキズキする…)

 

 

 

 彼の顔を見る。再び目が合うと、いつもの笑顔を私に向けてくる。彼は私にフラれてもずっと笑顔で接してくれるが、それ以外の表情を私に向ける事は無かった。意外にも同じ仕事をしていて彼の事を知らない事が多い。彼の話を最近になってちゃんと聞く様になったが、彼の好きなものや彼の過去の事など知らない事は沢山ある。この前、勇儀さんと話をして、彼の過去の話を少し聞いた時は驚きました。手紙で彼の過去の事を知ったと聞いて、少し嫉妬してしまいました。彼の事を知りたいのに、未だに素直になりきれない自分のせいで彼自身から聞く事が出来ませんでした。出来ればきちんとお話をして聞きたかった為、勇儀さんからエイジさんの過去の話を聞いてる時、ずっと胸がモヤモヤして…そして何と無く痛かったのを覚えています。

 

 

 

 彼の親と兄弟は先立たれているそうです。亡くなった親に代わって病気の弟を治す為に格闘技を始めたのですが、頑張り虚しく助からなかった。途方に暮れていた所、弟の手紙を読んで世界一強くなって幸せに暮らして欲しいと書かれてあったそうです。いつまでも暗くなっていたら弟や両親に顔向け出来ないと思い、その言葉通りあっちの世界で一番強くなったと聞きます。そして勇儀さんが今は幸せかどうかと聞いた所、勿論だと肯定したみたいです。そんな事も知らずに彼と関わっていたと思うと、どうして教えてくれなかったのだろう…と悲しい気持ちになります。恐らく彼の事なら、そんな事を聞いて私に気を使われたら嫌だと言う理由で話さなかったのでしょう。ですが、それを勇儀さんに話すと言う事は、相当な信頼を勇儀さんにしていると言う事…勇儀さんには隠さなくても良いとエイジさんに言われているそうで、その話をしてくれました。彼はある意味で私よりずっと強いのかもしれません…

 

 

 

 

 

 

 

「そんな悲しそうな顔をして…何かあったんですか?」

 

 

 

 私の辛い事を聞こうと彼は努力してくれます。私は彼の事をこれまで考えた事があったのかと思い返して、自分が嫌になってしまった。本当に白状過ぎて、呆れを通り越し笑いが出てきてしまう程に彼に何もしていない。変わろうとしても、所詮口だけであって情けなく感じます。

 

 

 

「…話したくないなら、咲夜さんとか小悪魔に話を聞いてもらった方が良いですよ?人に話すと少しは楽になると思います」

 

 

 

「…なら、一つ聞いて良いですか?」

 

 

 

「はい、僕に言える事なら何でも…」

 

 

 

「貴方の過去の話を勇儀さんから聞きました…どうして私には何も話してくれなかったんですか?」

 

 

 

「…自分からこんな重い話は出来ないです。聞かれたら答えようと思っていましたが…まぁ、興味無いんだろうと判断しました。だからなるべく明るい話をしようと思ったんです。暗い話なんて嫌じゃないですか」

 

 

 

「…っ」

 

 

 

 悔しいと思った。確かに、最初は本当に興味も大して無かったのは認めます。が、今は恐らく違い他の女性と話しているのが凄く面白くなくて、直ぐに手を上げてしまう程の気になる人です。興味無いと判断される程、離れていくのは当然の結果と言えます。

 

 

 

「だから…勇儀さんには話したんですね?」

 

 

 

「…俺の過去に嘘はつきたく無いんです。弟がいた事も、両親がいた事も俺には忘れられない思い出なので、真っ直ぐで正直者の彼女には聞かれたから嘘や隠し事も無く話をしました」

 

 

 

「私は素直でも、正直者でも無いですからね…分かりました。貴方が私の事を本当はどう思っているのかが…」

 

 

 

「い、いや…そんな風に言ったつもりは…」

 

 

 

「近寄らないで!!」

 

 

 

「え…あ…」

 

 

 

「今後、一切私に話を掛けないで下さい。話しかけた瞬間、本気で蹴り殺します」

 

 

 

「…なら、死んだ方が本望だ!」

 

 

 

「そうですか…なら、遠慮なく倒させて頂きます…!」

 

 

 

 美鈴さんが蹴りを放つ。が、あえて防御を取らずただ蹴りを受け続けた。意識が遠くなってくる。咲夜さんとお嬢様が扉から飛び出して止めに入ろうとする。

 

 

 

「何をやってるの!やめなさい!!」

 

 

 

「美鈴…貴方は…」

 

 

 

「…っ!」

 

 

 

 美鈴が我に帰る。エイジの方を見ても、意識などある訳も無い。立ったまま気絶していた。…カッとなって本気で蹴り続けてしまった。

 

 

 

「…お嬢様」

 

 

 

「咲夜…どうしたの?」

 

 

 

「美鈴の気持ちも…分からなくありません。今回は…彼が目覚めるまで門番をやるという事で、許しては貰えませんか?」

 

 

 

「…」

 

 

 

 レミリアがエイジを見て、その後に美鈴の方を見る。美鈴の表情が暗い。いつもはかなり明るかったのだが、ここ最近は悩んでいる様子でもあった。本当にレミリアがどうするか迷っていた。

 

 

 

「彼が起きたら、その時に処罰を決めるわ…それまで門番をしてなさい」

 

 

 

「…わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。ベッドからゆっくり起き上がって蹴られ続けた時の事を思い出す。本気の彼女の蹴りが見えなかった。それ以上に、あの殺気を放った彼女が本気で恐ろしく思えてしまった。好きなのには変わらないのに、彼女が本気で俺を殺しに来ていたと思うと体が震える。死んだ方がマシだと思ったがどうやら口だけだった様だ。本気で拒絶された今、紅魔館から出て行こうかすら考えた。正直言って、もう美鈴さんに話しかけれそうにも無い。俺も、本気で殺しにかかって来るとは思っていなかったのだろう。それを考えると涙が出て来る。好きな者に恐怖を抱いてしまった。俺の気持ちはそんな物だったのかと悔しくてたまらない。暫くすると咲夜さんが心配した様子で話しかけて来る。

 

 

 

「美鈴も反省してる…だから出て行くとかはしないで欲しいの。そうじゃなきゃ美鈴は多分、壊れてしまうわ…」

 

 

 

「…俺が先に壊れてしまった」

 

 

 

「え…?」

 

 

 

「美鈴さんの事を考えると、身体が震えるんです。起きた時に夢で何回も蹴られて殺される夢を見ました。あれ程の殺気を持つ格闘家は今まで見た事が無いです…好きな人に殺されるなら本望なんて言いましたが、結局死ぬのが怖くて震えています。情けなくて笑えてきますよね…」

 

 

 

「それは当然よ。貴方は元々人間だもの」

 

 

 

「お嬢様…」

 

 

 

「エイジ、私が前に言った事…理解出来たかしら?」

 

 

 

「はい…本当に勝てる気がしませんでした。防御するのすら無駄な行為と思えるほどにその蹴りは美しく、そして確実に俺を殺しに来ていました」

 

 

 

「本気で恐怖を抱いてるようね…門番と合わせようと思ったけど、無理かしら?」

 

 

 

「…会ってみるだけ会ってみます。それでダメなら、美鈴さんは諦めようと思います」

 

 

 

「わかったわ…無理はしない様に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 門番の前に歩いて行く。彼女がそこで立っていた。そしてゆっくり俺の方を向く。が、ここで自身の身体が震えている事に気付く。

 

 

 

(…身体が殺されると判断して震えているのか)

 

 

 

「…私が怖いですか?」

 

 

 

「…」

 

 

 

「沈黙は肯定と受け取ります。実は私、貴方に惹かれていました…と言っても、怖がらせてる私に何を言われても駄目ですよね…」

 

 

 

「…俺だって、好きですよ」

 

 

 

「…」

 

 

 

 サッ…

 

 

 

「…っ!」

 

 

 

 美鈴さんが手を出した瞬間、身体がすくんで後ろに倒れてしまった。ここまで情けないと、本気で自分で自分を殺したくなる。

 

 

 

「…ごめんなさい」

 

 

 

 美鈴さんは泣いてしまった。男として好きな女を泣かせるのは最低な行為だ。何て事をしてしまったんだ…と俺は後悔をする。自分の身体の震えを無理矢理押さえつけて、彼女に近づく。

 

 

 

「顔を上げてください…」

 

 

 

「…」

 

 

 

「俺だって、美鈴さんが好きです。でも…今はこんな状態なので流石に付き合って欲しいとは、お世辞にも言えません。必ずこれを治します!そして、貴方より強くなる!だから…それまで待っていてくれませんか…?」

 

 

 

 美鈴が涙を流しながらこちらを見る。嬉しさなのか泣いてる所為なのか分からないが声が出ない為、頷いて答えてくれた。これから鍛錬を積み、自身の恐怖と美鈴さんの本気を超えられる様に頑張ろうと思う。

 

 

 

 




15話かその前ぐらいで完結するかもしれない…
シリアスは悲しくなるから苦手です。でも必要なので書きました。こんな展開が嫌いな人は超ごめんなさい。


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空が青く澄み渡る。

海を目指して歩きたいな。
意外な方が熱血キャラです。本の影響なのでキャラ崩壊はありません。まぁ、後に理由がわかります。


 

 あれから2ヶ月、死に物狂いで恐怖を克服しようとした。美鈴さん以外の人には恐怖を抱いていない事が分かったが、肝心の美鈴さんに対しては振り向かれただけで身体が動かなくなる始末。本当にどうしようもなくて永遠亭にまで行ったのだが、結果は本人次第で、これは自分で乗り越えて行くしかないと永琳先生に言われた。俺はどうして彼女自身にもっと積極的にならなかったのか…今更ではあるが凄く悔やんでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 今の空は曇天、まるで俺の心の中を表している…いや、俺の心は曇りどころか雪が降っている。雨では無い。凍るように寒いと思う時がある。美鈴さんに恐怖を抱いていない時はこんな冷たい気持ちにはならなかったのに。今の事実を認めたくは無い。夢で美鈴さんと俺が仲良くする夢を見た。が、俺達が些細な事で喧嘩をして美鈴さんに蹴りを入れられる映像が流れてきた。その瞬間叫びながら飛び起きる程に、現実は冷え込んでいるのである。俺には、彼女しかいないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 格闘技とは、自分の身体を鍛え上げると同時に心も鍛えられるというが、あれは己をいじめ抜いて、他人の事を考えられる様に意識する事で初めて心も鍛えられるのだ。今の俺は自分の恐怖に打ち負けて、美鈴さんを傷つけて泣かせた弱者であり、格闘家として失格であるだろう。負けを認めて次に繋がると思えれば真の格闘家に一歩近づく事が出来るが、そのビジョンが見え無いどころか、負ける姿しか想像出来ない愚か者である。今の俺に美鈴さんを迎え入れる資格があるのか、それを本気で考えている。あんな事言った手前、彼女と自身の心に向き合わねばならないが、それから逃げる様に身体が拒否反応を起こす。美鈴さんには心底惚れているのだが、俺にはそのチャンスを掴む決定的なチャンスを逃してしまったらしい。俺は負けをもっと経験した方が良かったのかもしれないと、心から後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

「あの…」

 

 

 

「こ、小悪魔さん…?どうしました?」

 

 

 

「パチュリー様がお呼びです。何かいつものパチュリー様らしく無くて…とにかく来て貰えませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小悪魔に呼び出されたまま、動かない大図書館…パチュリー様の元へ向かう。そして着いた途端、火属性魔法と木属性魔法で俺に攻撃を当ててきた。

 

 

 

「アグニシャイン!グリーンストーム!」

 

 

 

 グオォォォォォ!!!!!

 

 

 

「がっ!?」

 

 

 

「パチュリー様!?」

 

 

 

「何たる体たらく…アンタは意外に根性なしね…!」

 

 

 

(え?パチュリー様、そんなキャラだっけ!?あんな熱血感溢れるパチュリー様…見た事ないし、見たくない!)

 

 

 

「アンタは強い女に惚れたんでしょ?アンタ自身が弱かったら、それこそ二度とチャンスは来ないわよ!?考えてる暇があったら身体動かしなさい!」

 

 

 

(貴方がそれを言っちゃダメです!!動かない大図書館!!)

 

 

 

「美鈴の事をこのまま悲しませたままで男として悔しくないの…?本当の貴方は強いけど、好きな人に本気を出せないから恐れているだけよ。そんな臆病者に美鈴なんてやれないのよ!」

 

 

 

「…!」

 

 

 

「貴方が美鈴を諦めないなら死に物狂いで彼女の心を奪い取って見なさい…貴方にとって今大事なことはなに?」

 

 

 

「美鈴さんを…笑顔にすることです…!」

 

 

 

「…それが分かっているなら大丈夫ね。貴方と美鈴が笑顔になる様にここで祈っているわ。頑張りなさい…」

 

 

 

「…パチュリー様がそんなに熱い心を持っているとは思いませんでした。もっと冷静で現実を見せる様な方だと考えていた俺が馬鹿らしく思えます。心を折れかけているところに、そのアドバイスをくれた事を、感謝します!俺、頑張ります…!!」

 

 

 

「感謝は良いわ…諦めたらそこで何もかもが終了よ?それは何にでもそうじゃないの?諦めるくらいなら、後ろを向くくらいなら前を向きなさい。私も魔法使いとして上を目指しているからその格闘家の気持ちも分からなく無いわ。良い報告、期待してるわね」

 

 

 

(パ…パチュリー様…私、涙が止まりません!!!貴方がそんな…そんなに熱くて、他人思いで、人と共感出来る様な方だと思っていませんでした…従者として誇りに思います!!!)

 

 

 

 

 

 

 

「さあ….行きなさい。貴方は今以外に自分に打ち勝つ事なんて出来ないわよ?この機会を逃さない様にね…」

 

 

 

「わかりました…行ってきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予想外の方からゲキを飛ばされて、その後激励を受けたが…心に火が着いた感じがする。パチュリー様には本当に感謝しなければならない。この恩は絶対に返さなければならないモノだ。俺に足りないモノを埋めてくれた気がする。この気持ちを忘れない為に美鈴さんに会いに行く。会ってしっかりと自分の全てをぶつけるのだ。俺が俺である為に。格闘家である事を証明する為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私のせいで…」

 

 

 

 私は自分で好きな人を殺そうとしてしまいました。妖怪としての本能が出てしまったとは言え、自分のした事に後悔しています。私自身の嫉妬という醜さの所為で、戦う気の無い彼を傷つけてしまいました…彼の優しさを独り占めしたいが為に、私の我儘で彼が離れて行くのが怖くて堪らないです。私は彼と付き合う資格なんて…

 

 

 

 

 

「美鈴さん!」

 

 

 

「あ…エイジさん…」

 

 

 

「俺と…俺と勝負して下さい!今しか…今しかチャンスは無いんです!」

 

 

 

 美鈴は少し驚いた様な表情を見せるが、涙を流しながら言葉を絞り出す。

 

 

 

「私は…エイジさんと付き合う資格はありません…」

 

 

 

「…」

 

 

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…!」

 

 

 

「なんで謝ってるんですか?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「元はと言えば僕が何も話さないのが悪いじゃ無いですか…それなのに好きだと付きまとってくる俺を蹴って何が悪いんですか?避けられない俺が弱いだけの話です」

 

 

 

「…そんなことは」

 

 

 

「とにかく!俺は貴方と付き合う為に練習してたんです!美鈴さん、遠慮無しで勝負をしましょう…殺す気で来て下さい…」ゴオッ!

 

 

 

「…っ!どうなっても…知りませんからね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝負は白熱している。美鈴の蹴りの連打を出せば、ガードで守りきり、鋭いジャブを当てて確実に距離を詰めた後に攻撃する事を徹底する。美鈴のギアの第2段階でも全て受け切り、ダメージはほぼ無い。彼女はまだ後2段階のギアを残している。が、ギアはこちらの方が上だ。身体の強さでは負けるが、技術とスピードは負けない。足の裏に蹴りを食らわせる。美鈴も驚いていた。

 

 

 

「っ…やあっ!」

 

 

 

 ドカッ!

 

 

 

 クリーンヒット…かと思いきや、美鈴が苦悶の表情を浮かべる。膝脛が当たったのだ。いや、当たる様に仕向けたのだ。足の色が変色する。美鈴さんも痛そうだ。

 

 

 

「ふ…不覚…!」

 

 

 

「らあっ!!」

 

 

 

 動けない美鈴にストレートが向かってくる。足の痛みで反応が遅れた彼女は当たる事を予想して目を瞑る。が、パンチはいつまで経ってもやってこない。足の痛みでバランスが崩れる。

 

 

 

「…僕の勝ちですね」

 

 

 

 彼に抱きとめられる。あのパンチが当たっていれば自分は負けていただろう。自分の蹴りに対して、膝を使ってくる事は頭に入れなければならなかったが、普通なら膝が逆に壊れているはず。その慢心で負けたのだ。久々に負けた。肉弾戦の負けなんて何千年前になるのだろうか。悔しいはずなのだが顔に笑顔が溢れる。

 

 

 

 

 

「やっと…私の理想の人が現れてくれた…」

 

 

 

 

 

 美鈴の目に涙が浮かぶ。負けたら悔しい気持ちになるが、お互い全力を尽くしたのだ。悔しさより清々しい気分だろう。美鈴は自分の理想になる為に恐怖を乗り越えてくれた事が何よりも嬉しかったのだ。それも力の劣る人間が正々堂々と戦ってくれたのだ。エイジが美鈴自身を抱きしめる。

 

 

 

 

 

「私なんかで良いんですか…本当に眠るのが好きで、中華料理しか作れなくて、咲夜さんみたいにお淑やかでは無く、勇儀さんみたいに自分の意志は強くありません…」

 

 

 

「それでも美鈴さんの良い所は沢山あります。他人が何と言おうと…俺は努力家で優しい美鈴さんが大好きです」

 

 

 

「…ありがとう」

 

 

 

 

 

 二人は抱き合う。同時に互いの心の中が軽くなる。

 

 

 

 青と赤の澄んでいるこの空の様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ〜パチュリー様編

 

 

 

 

 

「全く…心配かけさせて、大変だったわ」

 

 

 

「あ、貴方がそんなキャラは見た事ないわよ!?私も見たい見たい〜!!」

 

 

 

「お嬢様の言う事も分かります。パチュリー様が熱い心の持ち主だったなんて意外でした」

 

 

 

「あぁ…彼に回復魔法を教えていた時に師匠って言われてたから、本を読んでそれっぽい事言っただけよ?そしたら感動したのか彼は目の色を変えて美鈴の元に走っていったわね…人間の心って単純なのよねー…心理学の本と現代の指導本を読んでいて試したかったから良い実験結果が得られたわ…」

 

 

 

「「「…」」」

 

 

 

「ま、終わり良ければ全て良しなのよ?魔法使いは頭も使わないとやっていけないのよ。彼も今、美鈴の事を回復させている様だし、みんな仲良くハッピーエンドね」

 

 

 

(私の感動を返してください!!)

 

 

 

(ぱ…パチェの研究心には時々狂気じみてるものがあるけど…まさかここまでとは…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館は今日も二人の門番のお陰で平和である。二人の仲は幻想郷中の話題に上がる程、有名になった。互いに信じ合い、互いに強くなる二人は微笑ましく、そして誰よりも強かった。俺は泥臭い戦い方だが、いつも見惚れている。

 

 

 

 

 

 彼女の蹴りは美しい

 

 

 

 

 

 




終わりです。
因みにその内、後日談をしたいと思います…R18で。
如何だったでしょうか。次は中に出てきた某RPGの予定です。

気に入れば評価とお気に入り、してくれれば嬉しいです!


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後日談(R18では無い)

ほのぼの〜


 

 ・暖かい秋の昼寝〜

 

 暖かい秋の昼に美鈴さんの様子が気になって見に行ってみた。彼女とふと、話したくなる時があるのだ。美鈴さんも暇だろうし話しに行っても怒られる事は無い。まぁ早い話、どちらもずっと側に居たくて話をしているのだ。美鈴さんのいる門前まで向かう。彼女は相変わらず可愛らしさ溢れる寝顔だった。彼女を起こさない様にお姫様ダッコでゆっくり寝かせて膝に頭を乗せる。この寝顔にどれほどの男性を破壊する力があるのか。とても可愛らしく思えて、顔から笑みが出てしまう。

 

「zzz…」すぴー…

 

「…かわいいなぁ」

 

 

 後日に文々。新聞で取り上げられて周りから弄られたのは秘密である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・咲夜さんにラッキースケベをかまして殺されかける話〜

 

 

「体術の相手を願います」

 

「え?僕ですか?」

 

「少し教えて欲しい事があって…関節技の事ですが…」

 

 咲夜さんが関節技のレクチャーを求めて居たので、本人自身にそれをやってみせる。しかし腕を取るときに、ここで自分の特性を発揮してしまう。

 

 ムニュッ…

 

「あ…」

 

「…美鈴のだけじゃ足りないんですか?と言うか見てたら殺されるわよ?」

 

「ま…まぁ、見てないから大丈…」

 

「へぇ…何が大丈夫なんですか?」

 

「あ…私は仕事あるから厨房入ってくるわね。教えてくれて感謝するわ、私の胸の感触でおあいこでよろしくね?」

 

「ふーん…そうですか。この前、勇儀さん達と一緒に飲んだ時も何かやらかしてましたが…貴方って人は中々治らないらしいですね」

 

 美鈴から黒いオーラが溢れ出してくる。これはやばいかもしれない。

 

「治らないなら、治るまで治療するしか無いですね…!」

 

「わ、わざとでは無いんだ…」

 

「問答無用!!」

 

 バキッ!グシャッ!!ピチューン!ピチューン!!ドカーン!!ギャァァァァ…!!

 

 この日、門番の機嫌が悪すぎて白黒魔法使いが弾幕ごっこでもボコボコにされて帰って行ったと言う…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・温泉編(ポロリもあるよ)

 

 

 お嬢様達と温泉に行く事になった。とりあえず地底に着いて予約してくれていた温泉宿に泊まる。お嬢様達はパチュリー様の魔法で流水が大丈夫になるから吸血鬼がお風呂に入っても大丈夫らしい。魔法ってすげぇ…早速、風呂に入る。

 

 チャプン…

 

「はぁ…気持ちいい…」

 

 日頃の疲れが取れる。ちょうど寒くなってきたこの時期に丁度いい湯温と柔らかい湯当たりが心地良い。非常に快適である。そして一時間後ぐらいに湯から上がる。美鈴さんと会うが、浴衣姿が何と言うか…すっごくエロい。色々と目のやり場に困っているが、二人で卓球をやる事になった。と言うか、何で卓球を知っているんだろう…

 

「行きますよ…!」

 

 コンッ!コンッ!ぷるん…ぷるん…

 

 本当に無防備すぎて困る。集中出来ないため、勿論ゲームセットを落とす。美鈴さんがちょっと飛び跳ねて喜んでいた。

 

 スルスル…

 

「え?」

 

 当然、その反動で緩く縛られていた帯がほどけ、美鈴さんのお腹と、メロンが少し肌を見せる。あ、展開が読めた。

 

「きゃぁぁぁぁ!!!」

 

 スパーン!!!

 

「エブァンゲッ…!!!」

 

 勿論、この後は美鈴さんと同じ部屋で看病されていました。色んな意味で楽しい事も色々したが、宿自体は最高だったので、また来たいと思えるような、そんな所だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・守矢神社は素敵な所(白目)

 

 

 守矢神社に宴会のお誘いで呼ばれて来たが、早苗さんの酔った時に起こす微妙な奇跡がとても嬉しく無いものだ。毎回の様にラッキースケベが起きて、その度に美鈴さんにボコボコにされている。現在もお説教を食らっている最中であります。とても悲しいです。

 

「何で奇跡なんかに負けているんですか!私と言う彼女がいながら、ほかの女の人のデリケートな部分に触れるのは良くありません。と言うか、絶対にダメです!!貴方はいつもそうです貴方はとてもモテモテなので色々管理しないと私との関係も危うくなるのがどれだけ恐ろしいかわかっているんですか!!貴方は全く分かっていません!本当にエイジさんは…」クドクド…

 

 やばい、超怒っている。素直にはい、と言わないと地面にめり込む程の強い蹴りが俺に飛んでくる事になるのだ。それだけは絶対に嫌だ。まだ死にたく無いし、別れたくも無い。ここは男が我慢するのが一番なのだ。そして更にまずい事に、また早苗さんが何かを唱えている。あ、これは死んだな(白目)

 

「幻想郷は常識に囚われてはいけないのですね!(・ω・`)」

 

 何かいつもと違う感じなのだが、嫌な予感を漂わせながら目の前を見る。料理がなぜが核融合みたいな液体が入っている鍋になっていたのだ。これを食べるのは死ぬ覚悟がいるかもしれない。そう思っていると、早苗さんにその物体を口に大量に突っ込まれた。まず、宇宙が見えて、次に惑星の誕生が頭に思い浮かんだ。それ以降のことは宴会が終わってから何一つ覚えていない。ただ、泡を吹いて倒れていた事を伝えられると、もう二度とあの鍋が出てきても食べないと誓ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・パチュリー様と修行!回復中級編。

 

 

 大図書館にて、俺は今パチュリー様の所に修行に来ている。仕事を全て終わらせて、回復魔法の第2段階を覚える為だ。今回は状態回復についての魔法を覚える。パチュリー様の勧められた本を読んでしっかり勉強する。なんでも魔力が無いと読めないらしいが、俺は普通に持っていたらしい。パチュリー様には感謝しているので基本言う事を何でも聞く。すると、美鈴さんが部屋に入ってくる。

 

「エイジさん!私を捨てて、パチュリー様と一緒になるって本当ですか!?それならパチュリー様から奪ってでも…」

 

「いや…今回は状態回復魔法を覚える為に…」

 

「目を覚ましてください!セネギネラ9!!」

 

 ピピピピチューーン!!!

 

「ベロニカっ…!?!?」

 

 今日も紅魔館は平和である(白目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一部、完。

 




考えました。とりあえず、第2弾もちょっとだけやりますので悪しからず。


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