EVOLinGATE 転生エボルが特地に行くそうです(一時凍結中) (エターナルドーパント)
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覚醒・殲滅

「まぁた性懲りもなく新しいssを・・・」
『仕方ないだろ?しかもコレは他と違って原作持ってるからな』
「何の理由にもなっとらんぞ・・・取り敢えず~あれだ。止まるんじゃねぇぞ・・・」
『キボウノハナー』


(?サイド)

 

「・・・ナァニコレェ」

うん、状況を整理しよう。今、俺は宇宙空間らしき所に浮いてる。そしてさっきまで俺は・・・確か・・・通販でなけなしの金叩いて買ったエボルドライバー(トリガー付き)開封して小躍りして・・・興奮冷ます為に夜の散歩に繰り出して・・・あ。

「トラック、突っ込んできた・・・」

・・・そうだよ!居眠り運転か何かのトラックが歩道に突っ込んできたんだよ!

「うっそだろオイ」

『歩道歩いてても死ぬ時は死ぬ』って親父が言ってたけど、ホントに死んじまったよ・・・オカンはロードスターで転けて車高3分の2くらいにべっこんでもピンピンしてたってのに・・・

「つか何で俺生きて・・・は?」

待て、俺の目には今、有り得ない物が映っている。何で・・・何で・・・

「何で、パンドラボックスが?」

俺の後ろに、あの緑色のパンドラボックスがプカプカ浮いてやがる!何で・・・

「・・・まさか俺・・・エボルト?もしくはブラッド族?」

そう思えば、真空の宇宙空間で生きていられるのも納得だが・・・もしかして・・・

「ぬんっ!」

物は試しと、俺は胸に手を突っ込んでみる。すると、思った通り手首までスッポリとめり込んだではないか。そして少しまさぐってみれば、指に硬い感触がある。俺の推測が正しければコレは・・・

「・・・やっぱりコレだったか・・・エボルドライバー(・・・・・・・・)

手を引っこ抜くと、俺の手にはワインレッドを基本に、金、青などで装飾されている機械───エボルドライバーが握られていた。

「ハイ確定~。俺エボルトもしくはブラッド族~」

取り敢えず、腰に着けてみようか。ハザードレベルが足りなかったら装着されないかも知れないし、知っておかないと。

【エボル・ドライバー!】

うん、変身可能っぽいな。じゃあパンドラボックス開けて・・・おお!

「レジェンド系も含めたフルボトル全部に・・・これまであったか」

俺が何よりも目を引かれたのは、白と黒というシンプルなカラーリングながらも、何処か危険な雰囲気のするツール───エボルトリガーだった。

「まぁ、ブラックホールじゃないと星間航行出来ないらしいし、当然だわな」

さて、となれば、やる事は1つだな。

「むんっ・・・やっぱりコレも、念じれば出て来るんだな」

俺は手元に出現した2つのボトル───コブラエボルボトルとライダーエボルボトルを手の中で転がして呟く。さて、やるとしますか!

「祝え。新たなる破壊者の誕生を・・・なんてな」

【コブラ!ライダーシステム!】

俺はそう言いながらドライバーにボトルを装填する。

【エヴォリューションッ!!】

すると認証音声が流れ、待機音も流れ始めた。そして俺は右側のグリップを掴み、ハンドルを勢い良く回す。すると、ベートーベンの交響曲第九番第四楽章に酷似した音声が鳴り、EV-BHライドビルダーがエボルドライバーを中心に、俺の前後に現れる。

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

そして俺の前後に靄に包まれたランナーパーツとリングが精製され・・・

「変身!」

両手をクロスした俺の言葉でEV-BHライドビルダーが一気に迫り、合体。腕を前に伸ばす俺を挟み込む。

【コォブラァ・・・コォブラァ!エボル・コォブラァ~!!】

そして、リングが縦横に激しく回転。かかっていた靄をエネルギーのスパークで吹き飛ばした。

【フッハッハッハッハッハッハッハ!!】

─ガララララッガチンッ!─

最後に、胸のアーミラリアクター、肩のEVOライドショルダーが回転、固定され、額のマスタープラミスフィアが周囲の天体を投影する。これで・・・

「変身完了・・・そうだな、どうせなら」

あの台詞で絞めようか。

『んっんん、よし・・・エボル・フェーズ1、完了だァ』

やっぱり、ここはエボルト(金尾)ボイスに限るな♪

『だが、コレだけだと星間航行は・・・待てよ?もしかして、あのベストマッチなら!』

俺はすぐさまパンドラボックスを開き、ある2つのボトルを取り出した。

『コイツなら、きっと宇宙空間での移動が可能な筈だ!』

俺は早速、取り出したボトルをドライバーのエボルボトルと取り換える。

【パンダ!ロケット!エボルマッチ!】

そして、再びハンドルを回転し・・・

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

『ARE YOU READY?』

「エボル・アップ!ってな♪」

そう言い俺はまたクロスした腕を前に伸ばした。

【ロケット・パンダ!・・・ヌァハハハハハ!】

『っと、エボル・マッチの時はマッドローグになるのか。良い事を知った』

マッドローグになった俺は、すぐさまパンダのタケノコサーチ機能を使う。コレなら、竹という植物が存在する惑星に行けるハズだ・・・よし、見つけた!絶対いらねぇだろ・・・と思ってた機能だが、意外な形で大いに役立ってくれたぜ♪

『じゃ、全速力で行きますかっ!』

そう言って俺はまたハンドルを回す。

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!!エボルテック・アタァック!Ciao♪】

その音声と共にフォーゼのロケットモジュールソックリのアタッチメントを両腕に出現させ、俺は地球に向かった。

 

ぱっぽー(30分後)

 

いやー驚いた驚いた。まさかイタクァやミ=ゴなんかとすれ違うとはなぁ。そしてそれらを目の当たりにしてもSANが黒字確定な辺り、流石はエボルトボディだ。恐らく、クトゥルフの神性達とも対等以上に戦えるだろう。

『と、見えてきたぁ♪』

俺は取り敢えずエボルに戻り、またパンドラボックスから別のボトルを取り出す。因みに、何か東方のゆかりんのスキマみたいな亜空間が創れたから、そこにエボルトリガーと一緒にパンドラボックスを収納している。

『ブラックホールは、出来るだけ温存しないとな。身体の負担も心配だし・・・』

そう言いまたボトルをドライバーに装填する。

【亀!ライダーシステム!クリエィション!!】

そしてハンドルをグールグルグル!

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!亀・フィニィッシュ!Ciao♪】

シュールな音声だな~などと考えながら、俺はブラカワニのように甲羅型のバリアを生成し、大気圏に突っ込む。さて、都合良く真下は日本っぽいぞ!

【ヘリコプター!ライダーシステム!クリエィション!】

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!ヘリコプター・フィニィッシュ!Ciao♪】

そしてヘリコプターで少しずつ降りていく。現在、高度44561m・・・めんどくせぇ!

『落ちよう』

そう言って俺はヘリコプターのプロペラを下に向けた。すると当然、揚力は下向きに働くから・・・

『ウッヒョォォ!こりゃあたまらんぜ!』

気分は絶叫マシーンの下りだ。ってもう高度10000mって速すぎだろ!?って、ん?

『何でワイバーンが?』

しかも、なんか中世の兵士みたいなのが一般人を襲ってる・・・よし、殺そう☆(鈴音感)

 

(NOサイド)

 

東京・銀座。普段は人で賑わい、ごった返している場所だが、今日は違う。

「キャァァァッ!!」

「た、助けてくれぇぇぇ!!」

いや、ある意味賑わっていた。恐怖と混乱で。何故なら、突然現れた門のような構造物から現れた兵士や竜、オークやゴブリンといったケダモノ共が、市民を蹂躙しているからだ。

「ウァァァァ~ン!!おかぁさ~ん・・・」

そしてこの少女も、ケダモノに目を着けられてしまった。

「(ほう?ガキか。ワイバーンの餌に丁度良い)」

そう言い、兵士はその子を掴み揚げた。

「いやっ!離してぇ!」

少女も暴れるが、兵士の腕はびくともしない。

(誰か・・・誰か助けて・・・)

少女の祈りも虚しく、ワイバーンの牙がその肌に迫る・・・その時だった。

─ドゴォォンッ!!─

「(な、何だ!?)」

兵士は驚いて少女を落とし、ワイバーンも硬直する。そしてこんな音がすれば当然だが、周りの者達もその場に釘付けになった。

『・・・(あ~クソクソクソン゛~)っあ゛~、実戦向きじゃない・・・』

そんな声と共に土煙から出て来た存在に、全員が固まった。本能的に悟ったのだ。目の前のコレに戦いを挑めば、間違い無く死ぬと。

『オイお嬢ちゃん、大丈夫か?』

そんなケダモノ共を無視し、その存在───エボルは少女に歩み寄った。

「・・・宇宙人・・・さん?」

少女は思わずそう零した。まぁ、当然だろう。天空義や正座早見版など、宇宙を連想させるモノが装飾として大量に着いているエボルは、ぶっちゃけ子供に宇宙人だと言って見せても通用するような外見だ。

『おぉ!ビンゴォ!そうだよ~、俺は宇宙人なんだ』

そう言いながら嬉しそうに少女の頭を優しく撫でるエボル。その場違いな空気に、兵士達はポカンとしていた。

『さてと、お嬢ちゃん。君を今から、安全な所に送ってあげよう』

そう言うや否や、エボルトは赤紫の残像を引きながら超高速で移動し始めた。もちろん、ケダモノ共は驚く。空から降ってきたおかしなヤツが、今度は目にも留まらぬ速さで動いたのだから。

「(き、消えた!?)」

一部には消えたように見えた者もいたようだ。そしてケダモノ共は、今逃げ出さなかった事を後悔することになる。

 

(エボルサイド)

 

『っと、ここだな』

俺は女の子を抱えて皇居に向かった。生体反応が多かったからな。

「な、何だお前!?」

と、何かTシャツ着たちょび髭男に驚かれた。まぁ当然か。

『丁度良い。この子を頼んだぜ。俺はあのケダモノ共相手に、チョイと準備運動して来る』

「はぁ!?」

俺はその男に女の子を押し付けて、またさっきの場所に向かう。

 

『お前等、今日は良く来てくれたな!』

俺は目の前のケダモノ共に対して叫ぶ。さっきとは違い、皆が皆武器を向けて来やがった。ま、そうでなくっちゃあな。

「ギィィィ!!」

何かオークみたいなのが剣で斬りつけて来るが・・・

─バキンッ!─

『効かねぇよ』

当然、へし折れる。そんな屑鉄程度では、このEVOオムニバーススーツにダメージは与えられる訳がない。

『お前等は・・・ここで滅びろ』

俺は集団の中に突っ込み、殴る、蹴る、手刀で切り裂くなどを繰り返す。俺の手足が動く毎に、その衝撃波で近くにいただけの兵すら手足が面白いように吹っ飛んで一瞬で物言わぬ肉塊と化し、手足が無事な者も大きく吹き飛ばされて建物の壁に激突。大きな赤い染みになった。

『おっと、そう言えば弓兵や騎竜兵もいたな』

そしてまたボトルを取り出し、ドライバーに装填。ハンドルを回転する。

【機関砲!ライダーシステム!クリエィション!】

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!】

そして俺は出現したドラムマガジン拳銃『ホークガトリンガー』のマガジンを手で撫でるように回す。

〈テン!トゥウェンティ!サーティ!フォーティ!フィフティ!シックスティ!セブンティ!エイティ!ナインティ!ワ~ン・ハンドレッド!フルバレット!〉

【機関砲・フィニィッシュ!Ciao♪】

チャージが終わったガトリンガーを、空に向けて放つ。すると鷹の形をしたエネルギー弾が100発発射され、弓兵や上空の騎竜兵に殺到した。そして次々に着弾し、一発一発が鎧など初めから無かったかのように奴等を貫き、炸裂して轢き潰し、瞬く間に肉塊に変えていく。

「(ば、化け物だぁぁぁ!!)」

「(逃げるな!おい戦え!)」

ありゃ、撤退か?まぁ・・・

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!】

『逃がさねぇけどな』

レバーを回すと、俺の足下に正座早見版のようなエネルギーフィールドが発生する。そしてそこを中心に、前方の空間を歪曲・圧縮・崩壊させて・・・

【エボルテック・フィニィッシュ!Ciao♪】

その空間崩壊の衝撃波を抑え込み、更に右足のミドルキックで無理矢理指向性を付け、足の延長線上に向けて撃ち放った。

──着弾、衝撃波、轟音。

この攻撃はガオガイガーのソール11遊星主の一柱、ピーヴァータのパイルドライバーと同じような原理の攻撃だ。そんな色々と可笑しな威力の攻撃の余波(・・)をまともに喰らった奴等は当然、チリさえ残す事も無くこの世から消滅。俺の宣言通り、完全に滅びた。

『つぅか、人間を殺しといて何も感じないんだな。流石はエボルトだ』

さてと、この死体の山は毒を噴射して根刮ぎ掃除するとして・・・これからどうしようか・・・




「え?今回エボル、スーパーヒーロー着地やったの?あの膝に悪い?」
『そうだ。お前の台詞だ』
「嬉しいねぇ。そしてエボルは・・・やる事が派手だねぇ」
『じゃ、コメント・評価宜しくお願いします!』
「『チャ~オ~♪』」
『あ、因みに冒頭の親父とオカンの話、あれ俺の実話だからな』
「ファッ!?」


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特地inエボル!ブルルルラァァ!!

「スクラッシュじゃねぇか!」
『俺の趣味だ。良いだろう?』
「嫌いじゃないわ!」
『ありがとよ』
「『さてさてどうなる第2話!』」


(エボルトサイド)

さて問題です!俺は今、どこにいるでしょ~か!

カチカチカチカチカチカチカチカチ・ゴーン!ライダ~タ~イム!なんちって

正解は~・・・こ~こでぇーす!こ~こここ~!ここでございま~す!正解はですねぇ、門の向こう側にあったの森の、木の上に登ってました~♪因みにあの門の前でスタンバってた兵士共は半分逝ッテイーヨ!しましたよ~♪

「・・・何やってんだろ俺・・・」

そう呟きながら、スルスルと木から降りる。因みに人間態だ。姿はまんま石動惣一。にしても何であんな某珍獣ハンターみたいな事を・・・しかも今は夜だから暗いし。疲れてんのかな・・・と。

『出て来いよ・・・見てんのは解ってるぜ?』

俺はこの国の言葉(&金尾ボイス)でさっきから覗き見してる趣味悪いヤツに話し掛ける。言葉はさっき覚えた。ブラッド族の憑依能力を使って、チマチマ1時間ぐらいかけてな。エボルトボディって便利。

「あらぁ?バレてたのかしらぁ?」

そう言って出て来たのは、バカでっかいハルバードを持った黒ゴスロリの少女だった。だが、雰囲気的にタダ者じゃねぇな。

「俺は、生命体の気配には敏感でね。で?お前さんは何モンだ?おっと、俺は石動惣司だ。名乗らずに聴くのは、失礼だったな」

流石に石動惣一そのままじゃあな、と思ってもじってみた。前世の名前も思い出せないしな。

「あらぁ、紳士的なのねぇ。私はロゥリィ・マーキュリー。暗黒の神エムロイの使徒をやっているわぁ」

ほぉ、神官のもうちょい上って所か。

「で、ロゥリィ。お前さんは何モンだ?」

「あらぁ?今言ったわよ?」

ふっ、よく言うぜ。

「とぼけんなよ。お前さんからは、未知のエネルギーが発せられている。こんなのは、人間が発する事は出来ない。つまり、お前さんは人間じゃあないってこった」

もしかして、俺と同じ人外か?

「・・・ふふっ。スゴいわねぇ、ソウジは。そうよぉ。私は元人間の『亜神』。まぁ、神様になりかけみたいなモノねぇ」

「なるほどな」

キリストやユダヤで言えば、セラフ以上神未満って所か。

「で、俺と戦いたいのか?」

「あら、そんな事も解るのぉ?」

当然だ。さっきから観察してみれば、右足を引いて前に出した左足は踵に、右足は爪先に体重を乗せているし、適度に緊張している。飛び退く事も、飛び込む事も瞬時に出来るベストな状態だ。

「まぁな。それに、俺も退屈してた所だ」

【エボル・ドライバー!】

「暇潰しには丁度良い」

【コブラ!ライダーシステム!エヴォリューションッ!】

俺はロゥリィに向き直り、装着したドライバーにボトルを装填。そして・・・

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

「変身!」

【コォブラァ・・・コォブラァ!エボル・コォブラァ~!・・・

フッハッハッハッハッハッハッハ!!】

─ガララララッガチンッ!─

エボル・コブラフォームに変身した。スパークと共に靄が晴れ、コブラを横から見たような形をとったワインレッドの複眼が妖しく輝く。

『じゃあ・・・始めるとしようか、ロゥリィ!』

そう言い、俺は駆け出すのだった。

 

(Noサイド)

 

─ガキンッ!ギャリッ!─

森の中で、鋭く重い金属音が鳴り響く。それと共に、木が薙ぎ倒され、空気が切り裂かれている。その元は言うまでもなく、エボルとロゥリィの暇潰し(戦い)だ。いや、戦いというのは正確ではない。何故なら・・・

「あぁ~もう!何で当たらないし効かないのよぉ!!」

ロゥリィは本気でハルバードを振るい、マジで首を取ろうとしているのだが、一方エボルは・・・

『オイオイどうした?この程度なのかよ亜神ってのは』

全て軽く避けたり流したりと、遊びにすらなっていないからだ。それもそのハズ、エボルはパンチ47t以上、キック53,7t以上のビルド・タンクタンクフォームで漸く何とか互角に戦えるのだ。幾らロゥリィが化け物でも、たかが時速60~80kmで振るわれたハルバード如きでは、エボルの顔を歪めるのは不可能と言っても良いだろう。

「くぅ~っ!悔しぃ~!」

『はぁ~・・・まだやるかい?』

地団駄を踏むロゥリィと、もうウンザリという様子で溜め息を吐くエボル。正直もう少し楽しめると思っていたのだ。

「というかぁ、あなたまだ1回も攻撃してないわよぉ?どぉしt」

─パァンッ!!・・ギリギリギリ・・・ドォン─

『・・・で?何か言ったか?』

「いえ、何も」

エボルはロゥリィの言葉を遮るようなタイミングで、隣にあった木にゆる~く(・・・・)パンチした。その結果どうなったか・・・拳が当たった部分が消えた(・・・)。流石のロゥリィもコレには顔をひきつらせる。因みに何故消えたかと言うと、エボルのグローブとシューズには触れた物質を自由自在に分解・再構築する機能が備わっていおり、それを使って触れた部分を分子レベルまで分解したのだ。

『つか、あと2~3時間でもう夜明けだな~』

どんだけ戦ってたんだよコイツ等。

『所で・・・あそこにに盗賊っぽいのがいるな』

「そうねぇ。それがどうしたの?」

『よし殺そう☆』

とんでもない事を言い始めた。しかも本家ボイスで。

「どっから出したのよぉ今の声ぇ」

『ハハハ!良い声してんだろ?声の仕事は得意なんだよ♪』

知っているネタはドンドン使っていくスタイルのエボルである。

「でもぉ・・・まぁ、丁度いいわねぇ」

『やっぱりな』

 

(惣司サイド)

 

『やっぱ便利だな、この毒』

俺は殺した盗賊の死体をスティングヴァイパーで消滅させながら呟く。にしても、本当躊躇無く人殺しが出来るようになっちまったなぁ~・・・ま、良いか。もう人間じゃねぇし。

「せっかくだからぁ、ヤっとけばぁ?」

オイオイロゥリィ、そりゃ無いだろ。死人だぜ?あ、死体愛好(ネクロフィリア)なんて性癖もあったっけ・・・

「改心する!これからは真面目に働くから!」

『・・・不様だなぁ、お前』

本当に、本っ当に・・・気持ち悪い事この上無しだ。

「主神は善悪に関わらず、人殺しを罪だとは言わないわぁ。それだけに、動機や覚悟は重要なのよぉ」

『それにお前、「これからは真面目に働く」っつったな。つまり、仕事の選択肢はあったんだ。それを蹴ってまで、殺される覚悟も無しに盗賊なんかに成り下がった過去の己自身を恨みな』

殺す覚悟も死ぬ覚悟も無い癖に、殺しを生業とする盗賊なんかになるからこうなるんだよ。

「本当に見苦しい・・・殺しが嫌なら最悪、物乞いにでもなれば良かったんだわぁ。男として,存在価値ナシ」

『おぉ恐w』

一瞬ゾワッとしちまったよ。

「あの3人のお墓、掘ってあげなさぁい」

「ほ、掘るって、道具が何も──」

「お母様から貰った、その両手があるでしょう?」

そして、男は手で地面を掘り始める。当然、そんな事をすれば爪も指の皮も剥がれてボロボロになるが、手が止まる度に俺が足下の石ころをスティングヴァイパーで消滅させて続行させる。そして夜が明ける頃・・・

「これで・・・いいか・・・?」

男は母、娘、父の墓を作り終えた。その手はもうズタボロで、恐らく感覚も無いだろう。そしてロゥリィは、死んだ親子に祈っていた。さてと・・・

『じゃ、殺すか』

俺はスティンヴァイパーを男に向けて伸ばす。

「え・・・ちょっ!言われたことやった・・・やりましたよ!」

『などと、意味不明な供述をしておりますが・・・』

ロゥリィを見ると、彼女はイイ笑顔で親指を立て、そのまま首を掻き斬る仕草をした。という事は・・・

『「逝って良い」・・・ってさ』

「やめて!た、助けて!やめろォォ!」

─ドスッブシュゥゥゥ─

男は、最期まで情け無い面のまま消滅した。そして俺は変身解除し、人間態に戻る。

「ふあぁぁ・・・」

「あらぁ、雰囲気変わるわねぇ」

「そぉか?」

まぁ良いか・・・ん?

「どうかしたぁ?」

「・・・エンジン音?」

かなり遠いが、間違い無い。もう直ぐ目視出来るハズ・・・!!

「あれは!」

俺が見た物は・・・自動車・・・それも、軍が使うような、ゴツいオフロード車だった。




「うへぇ、あの化けモンロリBBAがお遊びにもならんて・・・」
『エボルのスペック的に、これで正しいハズ・・・』
「おそろしあ・・・取り敢えず、閲覧ありがとな!」
『感想・評価宜しくです!』
「『チャオ♪』」


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自衛隊

「やっとこさ自衛隊と接触か」
『そうだぜ。そして、今回も大暴れして貰う』
「うへぇ、お相手さんご愁傷様w」
『ではでは・・・』
「『さてさてどうなる第3話!』」


(惣司サイド)

 

「成る程なぁ・・・」

完璧に、理解したぜ。取り敢えず、アイツ等が向かってる方向に先回りするか。

「ねぇねぇソウジ~、あれ何なのぉ?」

ん、説明するか。

「あれは自動車っつってな。(ゲート)の向こう側に普及している乗り物さ。石油から精製したガソリンって油を燃やして・・・というか小規模の爆発を起こし続けて、その力で車輪を回して走るんだ。乗り心地も良いし、何より馬車よりずっと速い」

「セキユ?」

おっと、知らなかったか・・・

「ま、でき方は石炭とほぼ変わらねぇな。太古の生物の死骸が、長い時間をかけて地下の圧力で液状の油に変化したものだ。ガソリンってのは、その中に含まれる油の一つでな。石油、というかそれを汲み上げただけの原油は、沸騰する温度の違う数種類の油が混ざった混合物だ。当然原油のままじゃ使えねぇから、それを蒸留酒みたいに沸点・・・沸騰する温度別に分けて、それぞれの用途にあったモノを使うんだよ。向こうじゃ、シルクとかの代用品にもなってるぜ」

俺が歩きながら説明すると、ロゥリィも付いて来て聞く。

「ふぅ~ん。何となくわかったわぁ。にしても、凄く詳しいのねぇ」

一応、地球じゃ中学生ぐらいで習うんだがな・・・

「ま、俺が喰ってきた星にも、石油を扱う知的生命体がいたのがあったからな。そん時に覚えたんだよ」

「・・・え?もう一回言ってくれる?」

ん?聞こえなかったのか?

「人間以外にも石油使うヤツがいたから───」

「その前よぉ!」

え?えぇ~っと・・・

「俺が喰ってきた星の中にも、って所か?」

「そうよぉ!星って、あの夜空の星でしょぉ!?」

うん、正解とも言えるし、間違いとも言えるな。

「知らなかったのか?ここも、宇宙っつう空間に浮かぶ星の一つだぜ?」

「えぇ?」

うん、まだちょっと難しかったか・・・

「また今度、ジックリ教えてやるよ」

これは、恐らく万有引力から教えなきゃいけねぇからな。

「と、奴さん等も俺達に気付いたみたいだな」

車から2人降りて、こっちに歩いて来た。つか、あの格好は完全に自衛隊だなぁ。

「あノーすイませン。オ2人は・・・え~っと」

片言だなぁ。まだなれてねぇんだろ。

「〈あ~、日本語で大丈夫だぜ?〉」

「「〈え!?〉」」

まぁ、そりゃ驚くわなぁ。急に日本語話せば。

「〈取り敢えず~あれだ。あんた等の車の所で話そうや。そうすりゃ、あんた等が気になってるロゥリィ(コイツ)の事もわかるだろ〉」

チラッと見れば、ロゥリィが唖然としている。ふふ、愉快愉快w

「〈え~・・・では、来てください〉」

「〈ありがとな〉ロゥリィ、あの車ん所行くぞ」

「えぇ?ソウジ~、何話したのぉ?」

「あの車の所で話そうっつったのさ」

そう言って俺は自衛官2人に続いて歩く。その後ろにロゥリィも続いた。

 

「っあぁ~!偶には、吹きっ晒しってのも悪く無いな♪」

俺は今、車の屋根の上に座っている。風が気持ち良いねぇ~。因みに、ロゥリィは最前車の助手席に無理矢理乗り込んだ。俺が乗ってんのは、そこから3台後ろの車だ。

「・・・」

─コンコンコン─

俺は窓ガラスをノックする。どうやら───

「どうしました?」

「全車両に伝達、戦闘準備だ」

───馬鹿デカい、招かれざるお客が来たらしい。

「っ・・・取り敢えず、警戒するよう呼び掛けます」

「あぁ、ありがとよ」

乗ってた自衛官も、俺の真面目な顔で察してくれたようだ。

「さて、と・・・」

【エボル・ドライバー!】

俺が重い腰を上げドライバーを装着した、その時だった。

「ほぉ・・・」

デカいドラゴンが、俺達に影を落としたのは・・・

「か、各車両!戦闘配備!」

ようやく、判断材料が揃ったらしい。

「オイ!あのドラゴンは俺が倒す。お前等は逃げに撤してろ!」

「え!?ちょ、まっ」

俺は車から飛び降り、ドラゴンの元に駆け出した。

 

(Noサイド)

 

───混乱───

今の状態を表すには、この一言で十分だった。当然だろう。大行列のすぐ近くに、天災とも言われる炎龍が現れたのだから。だが・・・

「よっ」

この男、石動惣司は別だった。炎龍に駆け寄り、挙げ句の果てには挨拶さえする始末だ。

「グルルルル・・・」

炎龍も混乱していた。今まで人間は、自分を見れば逃げ惑い、最後は自分に喰われるだけの存在だった。それが今、逆に自分から近付いて来たのだ。当然といえば当然だろう。

「悪いが、お前さんは死ぬべきだ。聞いた所じゃ、喰わねぇ奴まで喜んで焼き殺したんだって?頂けねぇなぁ」

そう言い、惣司は黒と青のエボルボトル構える。

「今こそ───」

『───審判の時だ』

「グッ!?」

惣司は声を変え、炎龍を威圧する。そして炎龍の方は、その余りの威圧感に思わず後ずさった。

【ドラゴン!ライダーシステム!エヴォリューションッ!】

炎龍は、これまで圧倒的な負けというものを知らなかった。故に、その威圧感の正体に気付けなかった。そして炎龍は、惣司に向かって爪を振るう。

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

『変身!』

【ドラゴン!ドラゴン!エボル・ドラゴォォォンッ!!】

 

その行動が───

 

【フッハッハッハッハッハッハ!】

─ガララララッ!ガチンッ!─

 

───自身の死因になることにも、気付かないまま・・・

 

(惣司サイド)

 

俺はドラゴンエボルボトルを使い、エボル・ドラゴンフォームに変身した。そして振るわれた爪を・・・

『ムンッ!』

両腕で受け止め、

『おぉらよっとォ!』

軽々と弾き返す。さて、遅れちまったが・・・

『エボル・フェーズ2、完了だ。今日が、お前の命日だぜ?』

俺は宣言する。コイツの運命()を。

「グオォォォォォッ!!」

と、ブレスか。ま、この程度の炎じゃ・・・

『俺を苦しめる事は出来んぞ?』

こんなのよりも、太陽間近で浴びる文字通りの直射日光の方がよっぽど熱いわ・・・ん?何でこんな事知ってるんだ?俺・・・

『取り敢えず・・・被害は最小限に、だな』

幸いと言うべきか、俺だけに意識を割いてるから、マシンガンで撃ってる自衛隊に見向きもしねぇ。俺は収納空間に手を突っ込み、ある物を取り出す。それは・・・

【トランスチームガン!】

トランスチームガンだ。もしかしてと思って車の上で確認したら、やっぱり入ってた。

『ドラゴン君!ミサイルは、お好きかな?』

【フル・ボトル!スチーム・アタック!】

俺はトランスチームガンにロケットボトルを装填し、この赤蜥蜴に向かって撃ち放つ。するとロケットの形をしたエネルギー弾は真っ直ぐ蜥蜴に・・・と思いきや・・・

─シュパン!ドドドドドドドッ!─

「ギャアァァァァァァッ!!!?」

『・・・マイクロミサイルなんて、俺聞いてない』

何と途中で100発まで分解し、その全てがホーミング弾として蜥蜴の左前足に命中、肩から先を千切り飛ばしたのだ。

「グアァァァァァ!!」

すると蜥蜴野郎がなんか明後日の方向向いて・・・

─ブワァァァァ!─

「!八つ当たりかよ!?」

何の関係もない難民の方に火炎放射しやがった!あ~あ、燃えちまってるよ・・・やっぱり、コイツは気に入らねぇな!

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!!】

俺は勢い良くハンドルを回し、身体を蒼炎で包み込む。そして蒼い龍のエネルギー体を背に・・・

『死ね』

【エボルテック・フィニィッシュ!!】

糞蜥蜴にライダーキックを叩き込んだ。合わせて放たれる火炎放射で、糞蜥蜴の身体を内側から焼き焦がし、溶かしていく。

【Ciao♪】

最後に糞蜥蜴の身体を貫通し、その背後に555の如く着地した。そして右手でサムズアップして右に伸ばし・・・

『さぁ、地獄を楽しみなァ!』

それをひっくり返す。そのタイミングで、糞蜥蜴の死骸は轟音と共に崩れ落ちた。




「うひょ~エグい」
『だろ?』
「しかもライダーネタ豊富だしな」
『タグ【大量のネタ】を追加しよう』
『「次回もお楽しみに!」』
「評価も宜しく!」


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教育

『デプ文とか出フラ三奈のR18書いてくれってメッセ来ちまったよ』
「おぉ!?書いてくれるのか!」
『残念作者はまだ高校生だ』
「(○Д○ )カーッ(`Д´)、ペッ」
『酷くない!?』


(惣司サイド)

 

『さぁ、地獄を楽しみな』

俺は崩れ落ちた糞蜥蜴にサムズダウンし、決め台詞を言う。フン、あんなのは仮面ライダーや中の上クラス以上のライダー怪人なら簡単に殺せたな。

「グアァァァァァ!!」

『んなぁっ!?』

コイツ、腹ぶち抜かれて内側から内臓焼かれたってのに、まだ生きてやがったのか!?

『くそったれ!なんて生命力だ!だったら今度こそ止めを───』

俺がハンドルのグリップに手を伸ばしたその時・・・

─ドシュン!ボドゴォォォンッ!!─

『・・・』

糞蜥蜴の頭が爆ぜた(・・・)

『・・・成る程、使い捨て式無反動対戦車榴弾砲か。確か名前は・・・パンツァーファウスト、だったな』

何故かスラスラ出て来やがった。何なの?この身体・・・

『ま、良いか。大方、この身体の記憶か何かだろ』

取り敢えず、アレを撃った奴にゃ感謝だな。サムズアップしとこう。

『さて・・・糞蜥蜴(コイツ)の鱗や爪・・・棄てるには惜しいな』

俺はおもむろに蜥蜴の死骸に歩み寄り、鱗を一枚引き剥がす。ん、ソコソコ硬いな。こりゃあ使えそうだ♪

『丁度良いぜ』

【ビート・クローザー!】

俺は喚び出したビートクローザーを持ち、両手を平行に立てて構える。

『これより、炎龍の解体作業を開始する』

そして俺は鼻歌を歌いながら、炎龍の皮を切り裂き始めるのだった。

 

(原作主人公(伊丹)サイド)

 

「な、何やってんだ・・・?」

俺は伊丹耀司。趣味に生きる為に働く、自他共に認めるオタク自衛官だ。で、今何に呆れてるかと言うと・・・

フフンフ~ン(BLACK・HOLE)フッフ~フフ~フン(飲ぉみ~込む~ぜ~)フフンフ~ン(此処~が~)フ~フ~フフ~フ~ン(終焉~だ)♪』

何かノリノリで鼻歌を歌いながら手に持った剣でザックザックとドラゴンを解体している、目の前の特撮ヒーローモドキだ。呼び戻して来いと栗林(クリ)に車から叩き出された。トホホ(泣)

『見て分からねぇか?解体してんだよ。分析した結果、このドラゴンの鱗や爪なんかはかなり良い素材らしいからな。殺した以上、出来る限り有効活用してやるのが礼儀ってモンだろ?』

「うへぇ」

そう言ってる内に、コイツは粗方肉を削ぎ終わったらしい。さっきから何か空間の歪みみたいな所に肉片を放り込んでいる。何あれアイテムボックス?

『これは異空間格納庫、名前は未定だ。この中じゃ時間の概念が無いから、どんなものでも腐らないらしい。生きたモンは知らんがな』

「エスパーかよ!」

『お前さんがそんだけこっちを見てりゃ、何考えてるかぐらい解る』

アンタ一回も俺に視線向けてないんですがそれは・・・

「あ、そう言えばその格納庫の名前、まだ決まってないって言ったよな」

『あぁ、どうかしたか?』

どんなものでも入るなら・・・

「①四次元ポケット、②王の財宝(ゲートオブバビロン)、③アイテムボックス。俺が挙げられる候補はこれくらいだが・・・どうだ?」

『よし、詰め込み完了。う~ん・・・じゃ②をもじって、パンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)にするか(放り込む度に見たが、まだ何か入ってやがる・・・)』

おぉう、厳つい名前だな・・・

『と、そうだ。ホレ』

「おっと」

コイツが急に投げてきた物を、俺は何とかキャッチする。これって・・・

『それは、炎龍の鱗だ。ざっと調べたが、モース硬度は9なのに対し、同程度の硬度であるタングステンに比べて質量はその七分の一だ。オマケに同族同士のケンカに耐えられるように耐熱性能も抜群。いやはや恐ろしいねぇ』

お前が言うなよ。それを前に一方的に無双したのは何処の何奴だ?

『ま、それはお前さん等の好きにしな』

「あはは・・・そうだ!俺まだお前の名前聞いてないや。俺は伊丹耀司だ」

危ね~聞き逃す所だった。

『ん、そう言やぁ言ってなかったっけか。俺の名は、仮面ライダーエボル。進化・発展(E V O L U T I O N)から取った、エボルだ』

何か無限進化しそう(小並感)

「さてと、待たせちまったな。作業終わったから行こうや」

そう言ってコイツは人間に人間!?

「あ、どっかで会ったと思ったら、俺が女の子押し付けた男、アレお前さんか」

「今更!?」

そんな事をだべりながら、俺とエボルは車に戻った。

「あ、人間態では石動惣司って呼んでくれ」

「先に言えよ!」

訂正。石動と車に戻った。

 

(惣司サイド)

 

さて、また車の上で吹きっ晒しだ。まぁこれが落ち着くんだがな。ではではでは・・・

「さぁ、魔改造を始めようか」

俺がまず取り出したのはビートクローザー。

「こいつの刃に・・・」

─ヴオォォォン─

手から変質エネルギーのモヤモヤを放出し、まずは刃を変質させる。そして同時に加熱っと・・・

「うへぇ、摂氏10000度でも融解しねぇな~。こりゃたまげた」

で、その白熱化した刃に・・・

「鱗を溶かし込む!」

おぉ、ドンドン定着していくぞ~♪やっぱり相性は良いらしいな。

「仕上げに・・・」

【フル・ボトル!スチームアタァック!】

俺はスチームガンを取り出し、冷蔵庫ボトルで液体窒素を作ってぶっかける。便利すぎだろこれ・・・。

「よっ!」

─ドモンッ─

すると、ものすごい煙が出た。まぁ当たり前だよなぁ。

「ちょ!何してるんですか!」

おっと、運転手さんに怒られちまった。

「いや~スマンスマン。ちょっと剣を鍛えててな」

と言うか剣じゃなくて刀になったな。刃も真っ赤だし・・・

「エボルクローザー・・・だな。これは」

シルエットはもう完全に日本刀だ。刃はツルツルテカテカ、まるで水で濡れているみたいだ。なかなかの業物を産み出してしまったかも知れない。

「残りは・・・そうだ!もしかしたらパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)の中に・・・あった!」

俺が取り出したのは、青色ベースに黄色、赤も所々入った、掌サイズのドラゴンロボット・・・言うまでもなく、クローズドラゴンだ。

「コイツに俺の遺伝子と蜥蜴野郎の鱗を溶かし込めば・・・」

ん、何か手応えアリ・・・

─キィィィン!ヴォアン!─

来た!来た来た来た来た!

「遂に、覚醒したか!!」

クローズドラゴンは紅蓮の光とエネルギーを放出し、変質を始める。

「何してるんですかあなたさっきから!」

「ゴメンよ~!これで最後だ!」

そして光が収まり、その中から進化したクローズドラゴンが姿を現す。カラーリングがワインレッドベースの金、蒼に変わっている。その名は───

「グレートクローズドラゴン!これからよろしくな!」

『ギュルルギャ~オ♪』

 可 愛 い 。癒し担当だなコレは。間違い無い。

「そろそろ着きますよ~」

「おぉそうか。分かった」

運転手さんの言う通り、何か仮設拠点みたいなのが見えてきた。

「さて、どうなるかな~♪」

 

 

 

その後、伊丹は難民を勝手に受け入れた事でちょいとゴタゴタになっちまったらしい。で、俺は難民と一緒に住民登録だ。お、ロゥリィが終わったから次俺だな。

「俺は外宇宙来知的生命体、エボルトだ。人間態では石動惣司で通してる」

「ハァ?」

栗髪の小柄な女性自衛官が『何アホなこと言ってんだコイツ』って顔をする。ま、そりゃそうだよな。だったら・・・

『証拠も見せようか。ほら』

俺は声を変え、右手をアメーバ状に変形させる。

「っ!?」

おぉ、良い感じに驚いてるな♪

「ついでに、出血大サービスだ。行くぜ♥」

【エボル・ドライバー!】

俺はドライバーを装着し、エボルボトルを取り出して構える。

【コブラ!ライダーシステム!エヴォリューションッ!】

そしてボトルを装填して、ハンドルを回転。腕を胸の前でクロスするように構え・・・

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

『変・・・身ッ!』

【コブラァ・・・コォブラァ!エボル・コブラァ~!!フッハッハッハッハッハッハ!】

─ガラララララッガチンッ!─

コブラフォームに変身した。今回は構えの時に目を閉じ、『変身』の『身』の所で目をカッと見開く感じだ。

『エボル・フェーズ1』

そしてビルドの決めポーズで締める。

「・・・すっご」

『HAHAHA!ありがとよ!』

『シュッ』と響鬼さんの敬礼ポーズをする。と言うか、最近ライダーネタを使っても違和感君が職務放棄しまくってくれちゃってる件について。取り敢えず変身解除っと。

「あの・・・今のは、何なのだろうか」

「ん、興味あるのかい?お嬢ちゃん」

さっき15歳と言っていた、水色の髪のお嬢ちゃんが話しかけてくる。名前は確か・・・

「え~っと、レレイ・ラ・レレーナだったな」

「そう。賢者を目指し志す者として、理解出来ない物を放っておけない」

ほう、随分と知的好奇心に溢れた子だな・・・良い事考えた♥

「よし、なら俺の事も教えてやる。だが、その前に自衛隊の使う車や(武器)の事を先に教えてあげよう」

「!本当に!?」

おうおう目がキラッキラしてるな。こりゃあ教え甲斐がありそうだ♪

 

(レレイサイド)

 

「と言う風に、ガソリンと圧縮空気がピストンの中で爆発を起こして・・・」

凄い。この人の知識は、今まで分からなかった部分にピッタリとはまり込む。

「するとタイヤの軸が回って、車が走る訳だ。解ったか?」

「凄く有意義だった。もっと教えて欲しい」

知れば知る程、次々に知りたい事が増えていく。

「ははは、レレイは本当に可愛い生徒だ!なら、もう一つ良いものを見せてやろう」

そう言ってソウジは、また腰にあの〈エボルドライバー〉というベルトを着けた。またあの鎧姿になる?

「じゃ、行くぜ!」

【ウィザード!ライダーシステム!クリエィション!】

!ソウジの掌に術式が!しかも何重にも重なって・・・逆さまな円錐形になっている?

「これは、一つ一つがさっき言った火薬と同じ現象を起こす事が出来る術式だ。そして、この先端にこうやって起爆すれば・・・」

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!ウィザード・フィニィッシュ!】

─ドガガガガボゴモォォォォンッ!!!!─

【Ciao♪】

・・・見上げる程の火柱が現れた。轟音と共に出現したそれは空を裂き、やがて消えていった。

「今のが、円錐状起爆だ。円錐状に成形した炸薬の頂点から起爆する事で、爆豪によって生じたエネルギーが全て円錐の底面側に向かう。その結果、アホほど強い穿孔力が生じるって寸法だ。これをモンロー効果と言う」

「モンロー・・・効果・・・」

これを応用出来れば、全く新しい魔法を生み出せる!

「ただ爆発させれば、敵が浴びるエネルギーは爆豪全体のほんの一部だ。だが、これならエネルギーの九割九分を敵に伝える事が出来るんだぜ♪」

嬉しそうに言うソウジ。

「そしてコレの派生系だが、この爆裂円錐を丈夫な金属で覆って、円錐の底面側を薄い金属板で塞ぐ。そして起爆すると、その穿孔力と圧力で前方を覆っていた金属板がまるで液体のように振る舞うようになるんだ。例え鉄であってもな」

「鉄が、液体のように・・・」

俄には信じられない。が、見た訳でも無いので否定も出来ない。

「あぁ。そしてこれをノイマン効果と言う。この液体として振る舞っている金属は、どんな装甲でも・・・例えば、炎龍の鱗だろうと簡単に貫く事が出来るんだ。ま、その分調合なんかが難しいけどな」

・・・ならば、それを私の魔法に置き換えれば、固有魔法のような物に・・・

「はい、今日の授業はここまでだ。モンロー効果やノイマン効果の実験がしたい時には俺に言うんだぞ?ありゃ下手すれば跡形も無くフッ飛んじまうからな。それと・・・」

ソウジは私を振り返った。どうしたんだろう?

「俺、近々喫茶店を開きたいんだ。だから俺の事は、出来れば『マスター』って呼んでくれ」

「キッサテン?」

開くというのは・・・

「ま、カンタンな料理やお茶を飲み食いする店だよ」

「・・・分かった、マスター」

「お、嬉しいね♪それじゃ、チャオ♪」

マスターはヒラヒラと手を振って歩いて行った・・・喫茶店、か。

「店が出来たら、行ってみよう」

そう思いながら、私は自衛隊の施設を見て回るのだった。

 

その夜、マスターの事については丸ごと聞き忘れた事を思い出し、ベッドの中で少し悔しくなった。




「レレイちゃん魔改造フ~ラ~グ!ヘイ♪フ~ラ~グ!」
『魔改造したらタグ入れるわ』
「そう言えば、今回のエボルの鼻歌、あれって・・・」
『YouTubeで見つけた神オリジナルテーマソング〈BlackHole〉だ。俺タブレット使ってるんだが、何故か制限かかってコメント出来なかった。うp主の〈Hito nandes〉さん、ごめんなさい(土下座)』
「あ~・・・すまねぇ画面の前の皆、うp主さんの動画見たら、使ってたって報告頼めねぇかな。いや本当、マジすまん」
『え~っと、感想&評価お願いします』
「ではここらで・・・」
『「チャオ~♪」』


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イタリカ

『書くことがねェ・・・』
「・・・それは、言っちゃお終いじゃないか?」
『適当で済まない(´・ω・`)つかメタの塊に言われるとはな』
「ハイハイ、じゃあ何時もの行くぞ~」
『「さてさてどうなる第5話!」』


(惣司サイド)

あの後、俺達は無事自衛隊の拠点に住む許可が下りた。で、レレイは日本語を勉強中。先生役は俺だ。レレイの吸収が良すぎて授業が予定の時間の半分で終わるなんて事はザラだったから、ついでに科学や生物学、物理学なんかもちょくちょく教えている。因みに、たま~にロゥリィも入ってきて一緒に俺の授業を聞いたりしてる。万有引力と、此処が惑星というモノだと言うことは理解出来たらしい。順調に教育が進んで何よりだ。目下の問題は・・・

「さて、どうしたモンか・・・コーヒー」

そう、コーヒーだ。喫茶店を開くのは決めている。料理もそこそこ美味く出来るつもりだ。だが、コーヒーはまだ確かめようがない。万が一、原点エボルトみたいなゲロ不味コーヒーだったら・・・

「取り敢えず、インスタントコーヒーから調達してみるか」

 

 

 

「で、これにお湯を注げば簡単に飲み物になるんだ」

「興味深い・・・」

自衛隊の皆から貰って回ってたら、途中からレレイも付いて来た。まぁ好奇心旺盛なのは可愛いな♪

「じゃ、始めますか!」

俺は仮設住宅の自分の部屋に戻り、テーブルの上に貰い物を広げた。インスタントコーヒー以外にも、カフェオレやココアなんかも貰えたぜ。よっしゃラッキー♪

「じゃ、ココアから行ってみるか」

手鍋でミルクを沸かし、ココアパウダーの入ったマグカップに注ぎ込む。後は玉を潰して混ぜれば・・・

「ほれ、出来たぞ。飲んでみろ」

そう言って差し出されたマグカップを受け取ったレレイと共に、俺は試飲を始めた。

 

(5分後)

 

「・・・何で・・・コーヒーだけ・・・」

結論から言おう。コーヒー以外は普通だった。だが・・・コーヒーだけは・・・

「これは・・・恐らく、やりようによっては兵器に転用できるレベル」

この有様だ。つか流石にひでぇよレレイ。顔真っ青にして机に突っ伏してるから尚更刺さる。

「いや!俺は諦めない!挑戦し続ければ、必ず・・・必ず何時か、美味くなるはずだ!」

俺はガタッと立ち上がり、また湯を沸かす。

「マスター、頑張って」

おぉ、応援してくれるのかレレイ・・・

「あんな物を出されたら・・・最悪、死人が出る」

「ウワァァァァァ(OMO)!?」

さ、SANが・・・削れた・・・神話生物、見た時は・・・何ともなかったのに・・・

「ふ・・・ッヘッヘッヘヘ・・・やっちゃろやないかぁぁぁぁぁッ!!」

 

(3時間後)

 

「今度・・・こそ・・・」

俺は、もうこの液体を摂取したくないと訴え拒絶する身体に鞭打って、何杯目か判らないコーヒーを注いだマグカップを掴む。レレイは、自衛隊の炊事担当の所に食材の名前なんかを教わりに行った。此処には、もう俺しかいない。早く、このコーヒーを吐きながら続ける悲しいマラソンを終わらせねば・・・さっきから不味すぎて、SANやら意識やら色々と吹っ飛び掛けてやがるからな。これ以上長引けば、最悪発狂するなんて事もあり得る・・・何だよコーヒーで発狂って・・・

「・・・匂いは・・・問題無い・・・問題は・・・味だ・・・」

俺は覚悟を決め、震える手で握ったマグカップの中の液体を口に流し込み、咀嚼する。頼む・・・今度こそ・・・!

「・・・美味・・・い?」

もう一口・・・やっぱり美味ぇ!

「やっ・・・た・・・!やったッッ!遂にやったぞォ!!ヤッタァァァァッ!!フォォォォォォウッッ!!夜は焼き肉ッショォォ!!」

思わず焼き肉ポーズをしてしまう。その後、10分ほどは興奮が冷めなかったのは言うまでも無い。

 

 

「・・・ふぁ?」

・・・どうやら、はしゃぎ疲れて寝落ちしたみたいだ。まぁ、問題無い。

「・・・さてと、これでNascita開店に近付いたな!」

と、そう言えばレレイ何処だろう・・・

「・・・外行くか」

そう言って俺は仮設住宅から外に出た。

 

(10分後)

 

「お、レレイ~!何やってんだ~?」

レレイがいたのは、拠点の外の平原だった。何か翼竜の死骸に仲間と一緒に集まってるな。

「ん、マスター。今、翼竜の鱗や爪を採っている。竜の素材は高値で売れるから」

「そうか、成る程・・・」

確かに、ワイバーンでもタダの人間にとっては脅威だからな。日本にはほぼ需要も無いから、自由に採らせてるんだろう。

「カトーお師匠の旧い友人が店を出しているイタリカに売りに行く事になった」

「ほぉ~」

で、その護衛を自衛隊に頼むのか。自衛隊を敵じゃないとアピール出来て、一石二鳥だな♪

「じゃ、そん時にゃ呼んでくれ。適当に時間潰してるからよ」

「ん、分かった」

そう言って俺達は別れ、俺は拠点に戻る。さて、面白いことになりそうな予感♥

 

(2時間後)

 

で、今俺は自衛隊のジープと併走している。バイクで(・・・・)

「いや~風が気持ちいいねぇ~♪」

これは、名付けて『マシンエヴォリュダー』。バイクとライダーシステムのクリエィションで作った、俺の専用バイクだ。見た目はディアブロッサのフロントライト部分にエボルト怪人態の頭が付いたような感じ。しかも、エボルドライバーみたいに金や青の歯車や天空儀の装飾も着いてて、控え目に言って超カッコいい。

『なぁマスター、今度そのバイク乗せてくんない?カッコいいし』

と、俺のインカムから伊丹の声が聞こえる。これは着けとけって言われて渡された物だ。

「そりゃ良いが・・・結構な暴れ馬だぜ?コイツ・・・」

いやマジで、馬力が馬鹿みたいに強い。俺の力で漸く抑え込めてるようなもんだ。

「・・・オイ伊丹、目的地と思わしき場所から立ち上る黒煙を目視で確認。どうぞ」

『えぇ?ど~いうことなの~?』

『畑焼く煙、違う。季節じゃない。〈(カギ)〉?でも大き過ぎ・・・』

「何か、文字通り焦臭ェな・・・後レレイ、鍵じゃなくて〈火事(カジ)〉な」

しかも、なんか城壁の上にデッカいバリスタ付いてるし・・・つか矢も装填済みでこっちに照準合わせてんじゃねぇか・・・あ、流石にジープ止めたか。じゃ、俺も伊丹の乗ってる車の横に止めてっと。

「明らかに、戦闘後か何かだな。どうする?退くなら退くで良いが、ここで敵じゃないってアピールすれば、後々便利かもよ?」

「う~ん、どうするかなぁ・・・熱湯攻撃とかマジ勘弁なんだけど・・・」

「マスターの言う通り、ここで敵でないと伝えられれば良い。イタミ達は待っていて欲しい。私が話をつける。危険だけど、私は恩人であるイタミ達の評判を落としたくない」

うひゃ~度胸あるな~レレイは。だったら・・・

「俺も行こう。エボルの噂は有名な筈だぜ。目の前で変身すりゃ、攻撃したらどれだけヤバいか解るだろ」

この感じだと、面白いもの好きなロゥリィも着いて行くな。なら、エムロイの使徒と(エボル)が並べば、かなりの存在感が出るはずだ。

「・・・分かった。私も行く。待ってね、今矢除けの加護を・・・」

テュカも来てくれるらしい。テュカが呪文を詠唱すると、何かエルフの魔法みたいなので俺達に風が纏わり着いた。ま、俺はそんなの無くてもバリスタの矢なんぞEVOオムニバーススーツやらで全く通らんだろうが・・・

「・・・あぁもう!俺も行く!女の子にばっかり危険背負わせられるか!止めるなよ!」

「誰も行くなと言ってませんわ」

ハッハッハw伊丹、ドンマイ。

さて、行きますか。

 

(ピニャサイド)

 

「誰か出て来たぞーッ!」

見張りの言葉に、妾は異界の荷車を見る。

「魔導師・・・しかもあの杖、リンドン派の正魔導師だ。それに金髪蒼眼のエルフ・・・何だあの服は?そして、紅い鉄の馬に乗っていた男・・・見た事も無い服だな。上は黒で、下は茶色・・・!?」

次に目に飛び込んできたのは、荷車から出て来た身の丈を大きく越すハルバードを持った少女・・・

「ロゥリィ・マーキュリー!?」

「あれが噂の、死神ロゥリィですか?」

「あぁ。以前、国の祭事で見た」

妾は隣のグレイに返す。くっ、まさかあの方まで・・・

「ここのミュイ様と、大して変わりませんな」

「あれでも齢九百を超える文字通り一騎当千の化け物だぞ!」

あの面子では、もし敵ならば・・・

─ドラゴン!ライダーシステム!エヴォリューションッ!─

!?何の音だ!?あの鉄の馬の男が腰に何か当てて・・・!!何だ、あの靄に包まれ、金の輪が付いた・・・壁?

─ドラゴン!ドラゴン!!エボル・ドラゴォォォン!!フッハッハッハッハッハッハ!!─

!?あ、あれは・・・あの、金と赤の鎧・・・あの、蒼く大きな目・・・間違い無い・・・

「・・・エボル・・・」

噂に聞いた、炎龍の胸を易々と蹴り貫いたと言う謎の亜人!その姿ソックリでは無いか!

「・・・し、しかし、エムロイの使徒が盗賊なんぞに加わりますかな?」

「あの方達ならやりかねんのだ。あの恐ろしく気まぐれな神の一端たる亜神ならばな・・・」

「は?」

グレイがワケが解らぬと言いた気な顔をする。まぁ致し方ないか。

「亜神たる使徒を含め、神とは人間には理解出来ぬモノなのだ。どれだけ偉い神官だろうとな。我々は信仰や崇拝という詐欺にかかっているかも知れない」

「し、小官は何も聞きませんでした」

(くっ、どうする!考えろピニャ!時間はない!決断しろ!)

「・・・ハァッ!」

妾は腹を括り、門の前に降りて閂に手をかける。

「姫!?」

驚くグレイを無視し、閂を外して門に手を着ける。あの怪物を2人も相手にすればこの町は少なくとも地図からは消えるだろう。ならばっ!

「(強引に仲間にするまでだっ!!)良く来てくれた!!」ガンッ!

そう言って私は勢い良く門を押し開け・・・ん?ガンッ(殴打音)

「「「・・・」」」

『ぷっ・・・クハハッw』

開け放たれた門の奥に見えたのは、口元に手を当てて笑うエボルと、黙って妾の足元を見つめる女3人・・・そして妾も見てみれば・・・

「・・・あ゛ぁ゛っ・・・」

唸りながら仰向けに倒れる、緑の人・・・え?ま、まさか・・・

「・・・妾?」

「「「うん」」」

『クハハハハハハww!』

肯定する3人と、爆笑するエボル・・・うん。

 

 

さて、どうしたものかな(思考停止)




「漸く此処まできたな。つか何だよ、コーヒーで発狂って・・・」
『マスターなら有り得る。それが飲み物になっただけ進歩だぜ』
「ひでぇ言われ様だな・・・じゃ、そろそろ締めるか」
『だな。せ~のっ』
「『次回もお楽しみに!』」


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イタリカ・2

「さてさて、どんな無双になるのかな~♪」
『あ~うん・・・』
「どうした作者?」
『・・・・・・』
「何か言えよ!」
『・・・さてさてどうなる第6話!』
「おい!今何を流しやがった!オイ!」


「何考えてるのよアナタ!」

テュカが倒れている伊丹に水をぶっかけながらピニャに怒鳴る。そしてその周りには、ニヤニヤしながら伊丹を膝枕するロゥリィ、無表情だが呆れているレレイ、そして腹を抱えて悶えるエボル・・・というかなりカオスな空間が出来上がっていた。主にエボルのせいで。エボルが厳ついドラゴンフォームに変身しながら大笑いしていることも、そのカオスさに一層拍車を掛けている。

「大変申し訳無いっ!」

腰を折って謝罪するピニャ。顔は蒼白になっており、危機感に溢れていた。まぁ文字通り一騎当千の化け物と、炎龍を簡単に屠ったと言われる神の如き戦士の仲間に対して、押し開けた城門でど突いて気絶させる、などという大ポカでは済まない事をやらかしてしまえば当然だが。

「フハハッwいや、大丈夫さ。思いの外頑丈だからな、コイツ」

そう言って手をピラピラと振るエボル。心配はないらしい。

「んん・・・わっ」

「あらぁ、気が付いたようねぇ」

と、そうする間に目が覚めたようだ。

『よっ、おはようさん。一応、お仲間には俺のインカムで連絡入れといたぞ。〈おい、伊丹の目ぇ覚めたぜ〉』

「あぁ、ありがとよエボル。〈すまん、ちょっと気絶してた。これから現状を確認するから、待機しててくれ〉」

『〈了解〉』

手早くトランシーバーで連絡を入れる伊丹。そして打ち付けた顎をさすりながら誰かに現状説明を求めるが・・・

「妾・・・?」

全員が一斉にピニャの方を向く。どうやら、満場一致のようだ。

 

(惣司サイド)

 

『成る程?つまり、首輪が外れた余所の犬共に喰い殺されそうになってるのか』

一人納得しながら、俺はレレイに自衛隊が着けている暗視スコープの簡単な仕組みを教える。

「ま、そういう事だな。にしても、斥候来てるな~。後ろに本隊もいるし・・・」

『数は・・・663人って所か』

「うへぇよく見えるな・・・で、狙いはこの南門かな?」

『今の所はそう見えるが・・・気紛れで幾らでも軌道変更が効く相手さんの方が有利だな。それに、エボル()自衛隊(緑の人)が下がれば士気にも大きく響く。だから退けねぇな。ま、戦えば戦うで、俺らに戦いを挑んで滅びるより、お友達になった方が良いと判るだろ』

「お前、俺の考えることを悉く当ててくるよな」

壁にもたれ掛かる俺に対して、肩を竦める伊丹。なんかメットにスコープ着けんの難儀してるな~。と、思ったらロゥリィがメット持ってくれて着けられたようだ。

「ま、単純にここの住人を護りたいってのもあるがな」

『元々、自衛隊ってのはそういうモンだしな。じゃ、頑張れよヒーロー君。俺は念の為、守りの薄い東門に回っとくぜ。お前らが居れば、士気も大丈夫だろうしな』

【エボル・コブラァ~!フッハッハッハッハッハッハ!】

そう言って俺はエボル・コブラに変身し、コブラみたいなスライディング移動で東門に向かう。これ名前何てったけなぁ~。と、8秒たつかどうかで東門に到着。

「え、エボル様!」

『オイオイ、様付けされるほど偉くはねぇぞ?それと、念の為俺はこっちに就く。南門は緑の人で足りるし、俺はあそこまで行くのに10数えるかどうかだからな。一緒に頑張ろうぜ♪』

俺は見張りと肩を組み、胸甲をカンカンッと叩く。これで、此方も恐らく大丈夫だろう。さて・・・

『利用させてもらうぜ、盗賊(下等生物)共』

恐らく今、俺は原点エボルトのような悪い顔をしているのだろう。あぁ、夜が楽しみだ♪

 

(6時間後)

 

『お疲れさん。ほれ、ココア飲むかい?』

「おぉ、有り難い」

俺はウトウトしている見張りにココアを差し入れする。チョコには疲労回復効果があるからな。身体も温まるし、丁度良いだろ・・・!

『お前らァ!伏せルォ!』

【亀!ライダーシステム!クリエィション!】

俺が叫ぶと全員が壁の下に伏せた。聞き分けの良い子は大好きだ♪

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【READY GO!亀・フィニィッシュ!Ciao♪】

そして俺は大気圏突入時に使ったバリアを最大出力で展開し、半径15mの超巨大ゴウラシールデュオを創った。そして次の瞬間・・・

─カンッ!カコン!コカガガガガガガガガガガガガッ!─

降り始める矢の豪雨。だがそれらはゴウラシールデュオに弾かれ、此方の兵士を穿つ事は無い。持ってて良かったぜ、タートルボトル!

『ピニャに伝令!敵さんらはこっちに来た!俺が食い止めるから早くしろ!』

「わ、分かった!」

俺の命令に直ぐに従ってくれる兵士。ありがとよ!お前ら大好きだぜ!

『俺が先陣を切る!お前らは弩で援護しろ!俺にその程度の攻撃は通らんから存分に撃てよ!』

簡潔に伝えた俺は城壁から飛び降り、まず奴等の持つ梯子を粉砕、その衝撃波で周りの盗賊を肉塊に変える。そして敵の中心に飛び込めば、俺がどんな動きをしても骨が砕け、人が空を飛ぶ。さて、いい加減温まってきたし・・・

『さぁ、実験を始めようか』

俺はコブラエボルボトルをドライバーから引き抜き、そこにウサギの造形があるエボルボトル───ラビットエボルボトルを装填する。

【ラビット!ライダーシステム!エヴォリューション!】

そして俺はハンドルを回し、ボトルの中の未知の物質を抽出。

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

『エボル・アップ!』

そして、出現したEV-BHライドビルダーが俺を挟み込み、リングが高速回転、変身アクション中に攻撃しようとした不粋な輩の武器を弾く。そして・・・

【ラビット!ラビットォ!エボル・ラビットォ~!フッハッハッハッハッハッハ!!】

─ガラララララララッガチンッ!─

胸のアーミラリアクターが回転、固定し、ウサギの横顔を象った紅い複眼がキラリと輝いた。これで・・・

『エボル・フェーズ3、完了だァ』

変身完了した俺は、右手の人指し指と中指で複眼をシュッと撫でる。

「やれ!畳み掛けろ!」

と、何か数で押しゃ勝てると思ったのか盗賊共が一斉に攻め立ててきた。無駄な事を・・・

「当たらなければ、どうという事はない」

俺はその攻撃を全て避ける。この程度、速度と脚力に振ったラビットエボルにとっちゃただの静止画だ。

『さて、お前らには役に立って貰うぜ?』

そう言って俺がパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)から10本のボトルを取り出した。それは上下の蓋が茶色で、容器は紫色。エレメントが彫り込まれた部分とキャップは銀色のフルボトル・・・ロストボトルだ。

「おりゃ~ッ!」

丁度突っ込んでくる馬鹿が居たので、何度かロストボトルを振って・・・

【キャッスル!】

ソイツの腕に突き立てた。すると男は呻きながら黒っぽい霧に包まれ・・・

「ウガァァァァァッ!?」

─ブシュゥゥゥゥ─

消滅した。

『チッ、一瞬たりともハードスマッシュにならなかったか。まぁ良い。ブラックボトルになったしな』

そう言って俺は、男が消滅した所に落ちているロストボトルを拾い上げる。うん、完璧に真っ黒だな。じゃ、この調子で・・・

【クワガタ!】

【フクロウ!】

【シマウマ!】

【バァット!】

【コォブラ!】

【ハンマー!】

【ハサミ!】

【CD!】

【スパナ!】

っと、あっと言う間に全部ぶっさして消滅!

『いや~、これどうやって創ろうか唸ってた所なんだよ。ありがとな♪俺の為に死んでくれて』

そしてちゃっちゃとブラックボトルを回収し、後ろを振り向く。

『ロゥリィ!獲物は残しといたぜ!選手交代だぁ!』

「ウフフフフフ!」

やっぱり来てるよなぁロゥリィ。門の内側に進入してる奴もいないし、自衛隊にタッチするとしますか。

『伊丹、地球の科学力の恐さ、敵と姫さんに見せてやりな』

『りょ、りょーかい・・・』

通信で伝え終わると、俺は自慢のジャンプ力で壁の上までひとっ跳びする。見てみれば、そこそこ負傷者も居るようだ。

『お前ら!傷に矢とか刺さってる奴は抜いとけ!すぐに治療してやるからな!』

そしてパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)からトランスチームガンを出し、続けて四コマ忍法刀も取り出した。

【フル・ボトル!】

そしてスチームガンにドクターボトルを装填する。そしてここで一工夫。

【分身の術!】

四コマ忍法刀の機能で8人に分身し、それぞれ離れてスチームガンを放つ。そうすれば・・・

【スチームアタック!】

癒しの効果がある緑の霧を広域散布出来るって訳だ♪

─デ~ンデ~デ~ン♪デ~デデ~デ~ン♪デ~デデ~ン♪─

『何だこの音楽・・・おっとぉ』

聞こえ始めた音楽に驚いて振り返ってみれば、戦闘ヘリが機関銃やらミサイルやら色々ぶっ放している光景が目に飛び込んで来た・・・これは、うん。この言葉を使う時だろう。

『ヤる事が派手だねぇ~・・・』

もう、これしか言えねぇや・・・

 

 

その後、盗賊は大部分があの世に渡り、残りも捕虜になったのでした。めでたしめでたし・・・いや、めでたくはねぇか。




「え~・・・何だよ、途中まで無双して最後は自衛隊に丸投げかよぉ」
『いや、こうしないと自衛隊の脅威性を伝えられないからさ』
「そしてしれっとブラックボトル精製してるし・・・ん?使ったら消滅するっけ?」
『カズミンが「人体実験を受けたのか」って三羽烏に言ってた所から、ハザードレベルが足りないと消滅するだろうな~と思って。因みに、この世界では生まれ付きハザードレベルが高い、所謂天然物は居ません。なので惣司の処置を受けてハザードレベルを上げないとこうなります』
「うっへぇ・・・じゃ、ここらで」
『そうだな』
「『次回も宜しくお願いしま~す!』」


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ベルばら騎士団

『これ、実は半分ほど書いたときに一回消えたんだよね』
「マジで?」
『ハーメルンの自動保存機能に救われたよ。コピペして書き直した』
「お疲れチャン。じゃ、そろそろ行くか!」
『おう!』
「『さてさてどうなる第7話!』ゆっくりしていってね!」


(惣司サイド)

一つ言える事、女怖い。あの後、ロゥリィが突っ込んでイイ顔しながら100%に~んげん♪挽き肉作ったり、栗林とかいうバトルジャンキーっぽい女が突っ込んで一緒に超・キョーリョクプレーで盗賊共に地獄を楽しませたり、しまいにゃ戦闘ヘリのマシンガンやらミサイルやらで粉々にしたりと、か~な~り派手なやり方で自衛隊が勝った。因みに俺はブラックボトルが造れてホクホクだ♪

─ドバチンッ!─

「はぁぁぁ~~~~~ッ!」

・・・何か伊丹の情け無い声が聞こえた。振り返ってみれば、ロゥリィを横抱きした伊丹の左頬に立派な紅葉が・・・あっ(察し)

「伊丹、お前勇気あるな~・・・蛮勇だが。よくもまぁロゥリィの胸を触れたもんだ」

よく見れば、伊丹の左手がロゥリィの胸を横から鷲掴んでた。そら紅葉されるわ。

「は~・・・さて、どうなるかな?」

 

(2時間後)

 

「あの子と、あの子、あと、頭に羽が付いてるあのファンタジーな子」

取り敢えず、ピニャさんとの和平協定は無事成功した。なんかピニャさんは目ぇ丸くしてたが、どうしたんだろうな?で、今は伊丹が連れて帰る奴を選んでるらしいが、何かやたら女が多い・・・つか、男一人だけだな。

「さて、じゃあ行くか」

「あいよ」

伊丹の言葉に従い、俺はバイクに跨がった。

「で、伊丹?これからどうする?」

「取り敢えず、カトーさんのお友達の所行こうか。一緒に来てくれるな?」

「あいよ」

伊丹の指示を聞き、エヴォリュダーを発進する。俺達土地勘無いから先頭の車両にのったカトーさんに案内して貰いながら走る事になった。ま、偶にはゆっくり走るのも良いかもな。

 

(ピニャサイド)

 

「・・・疲れた・・・」

平和に済む事になって良かったが・・・正直、エボル・・・いや、マスターの威圧感がとてつもなかった。例えるならば、大蛇にキツく巻き付かれながら、更に龍の舌の上で転がされているような・・・まぁ、和平協定も結べて、尚且つ彼等が一応だが敵対相手では無くなったのだから良しとしよう。

「・・・マスターに教えられた、究極の秘技とやら・・・ジエイタイ相手に使う事が無ければ良いのだが・・・にしても、んっん~~っ・・・っあぁ~。肩が凝ったな」

鎧を着たまま緊張しっぱなしだったからだろう。一っ風呂浴びたい所だが、ボーゼス達もまだ来ていないし・・・ん?ボーゼス達?

「・・・あ」

・・・まさかボーゼス達、ジエイタイに攻撃したり・・・あ、有り得る!騎士団にはこの事は伝わっていない筈だ!

「・・・さて、謝罪の練習でもしておこうか」

「姫様!?」

あぁ、頭が可笑しくなったと思われるだろう。だが、妾の頭一つで、もしかしたらこの町が滅ぶかどうかが変わるかも知れんのだ。止めてくれるなよ・・・

 

(惣司サイド)

 

「ベ~ル~ナジュ~にハァカ~イさ~れた~♪ドォラ~イバーが今は輝く~♪」

現在、また車の屋根の上で歌いながら寝そべっている。やっぱり、車に揺られるってのもイイねぇ~・・・あぁ、何だか眠く・・・

『おいマスター!前方にベルばら騎士団発見!』

「ナニィ!?」

伊丹からの無線を聞き即座に跳ね上がって前方を見る!っとぉ~・・・

「うへぇ別嬪さんばぁっかり・・・」

『生の縦ロールとか始めてみたよ俺達・・・』

Me too(俺もだ)

某飯マズなメズール声のファンネルスナイパーなら知ってるが、リアルじゃ俺も見た事ねぇや。と言うか・・・

「十中八九アレだよな、ピニャさんが言ってた騎士団って・・・ん?そう言えば・・・」

騎士団の皆さん、俺らの事知らなくね?そして、一応日本と帝国は敵対関係・・・オッオォ~ウ、これは・・・

「ヤッベ~イ、マジ・ヤッベ~イ・・・」

『マスターどったの?』

「どうもこうもねぇの。取り敢えず、出来るだけ穏便に済ませようぜ?」

『当然』

伊丹の指示で、全員が銃口を下ろす。まぁ敵対行動をするわけにゃいかんからな。

「貴様達、どこから来た?」

恐らく副リーダー格であろうショートヘアの女が先頭車両の運転手に問い掛けた。

「えーと、私達、イタリカから、帰る」

「何処へ?」

おぉっと、こりゃ雲行きが怪しくなってきたぞぉ・・・

「・・・アルヌス・ウルゥ」

「なんだと!?」

「異世界の敵か!!」

あ~らま、やっぱりこうなるか・・・

「もう一度、言ってごらんなさい」

そう言い、リーダーっぽい金髪ロールが運転手の胸倉を掴み揚げた。

「まぁまぁ落ち着いて、部下が何か失礼でも?」

すかさず伊丹が宥めに入るが・・・

「降伏しなさい!」

ショートヘアにレイピアを突き付けられる。少し手首を振るえば、伊丹の頭は胴体と永遠に泣き別れする事になるだろう。

「待って!話せば分かる!」

「聞く耳持たん!」

某五・一五事件で死んだ首相みたいな事を言う伊丹だが、ショートの方も聞いちゃくれない。あれ、伊丹死なないか?コレ・・・

「ええい!お黙りなさい!!」

─バシッ─

「へぶっ!」

と、ロールが伊丹をおもっきしビンタしたぁ!やべぇぞどうする!?俺出て行った方が良いか!?

「逃げろ!今は逃げろ!GOGOGO!!」

「ッ!聞いたな!フルスロットルでずらかるぞ!」

伊丹と俺の叫びを聞き、各車両の運転手はギアを入れて走り出した。

「伊丹!後で迎えに行くからなぁ!」

「頼むぞぉ!」

口約束を交わした俺は素早く窓から車内に飛び込むのだった。

 

(ピニャサイド)

 

「何ということをしてくれたんだ!!」

妾は叫び、杯をボーゼスに投げつける。杯は一直線に飛んでボーゼスの額に命中。少々の出血を起こす。

「姫様!私たちが何をしたと!?戦いに間に合わなかったとは言え、敵の指揮官を捕虜にしたのですよ!」

パナシュが自失となり座り込んだボーゼスの額にハンカチを当てる。

「・・・結んだ当日に協定破り・・・しかも、寄りによって浚ってきたのが・・・」

「イタミ殿!イタミ殿~!」

エボル(マスター)と親しいイタミ殿とは・・・

「・・・メイド長、イタミ殿を寝室に」

「畏まりました」

さて、イタミ殿の手当てはメイド達に任せるとして・・・

「貴ッ様ら~~ッ!イタミ殿に何をした!」

「「ひっ」」

2人とも縮こまってしまった。だが聞き出さねば・・・

「い、いつも通り連行して・・・」

ボーゼス達のいつも通り・・・馬で引き回し、更に鎧で蹴りつけながら連行するというアレだ。

「そうか・・・そうかぁ・・・」

取り敢えず、うん。2人には、マスターから教わった()()をさせよう。

「2人とも・・・()()()しろ」

 

(惣司サイド)

 

え~現在、夜になったので戦闘狂(栗林)、特地娘3人、ケモナー(倉田)料理人(古田)クーラー(富田)の7人、あ俺も入れて8人か。8人でイタリカの城門に潜入中だ。因みにラビットフォームで。途中で伊丹がレンジャー訓練突破者だって言われて驚いたなぁ。

「あんなのがレンジャー・・・嘘・・・ナニカの間違い・・・」

『大型連休潰す、とでも言われたんじゃねぇか?ヲタクは好きな事の為なら、冴えないヤローからバケモノにだってなれちまうんだからよ。いや、マジで』

ブツクサこぼし続ける栗林に返す。実際、世界を裏側から回してんのはヲタクだからな。

『と、城門は普通に潜れたが・・・上の帝国兵(見張り)は・・・よしレレイ、よ~く見とけよ』

俺は素早く階段を上り、右手の周りの気体を圧縮、更にモーフィングっぽい変質能力で組み換えて・・・

『よっ』

─ブシュ~─

城壁の上に散布した。すると見張りはバッタバッタと次々に倒れる。

「マスター、今のは?」

『前に、人間は酸素を取り込んで呼吸してるってのは教えたよな。俺が散布したのは、酸素濃度が全体の50分の3以下の空気、無酸素ガスだ。人間は無酸素ガスを1吸引でもすれば、急速に意識を失うんだよ』

ま、逆に過剰供給された酸素は身体を破壊するけどな・・・

『さて、屋敷が見えたな。お前等は伊丹の所に行け。俺はピニャさんの所に行ってくるからよ』

「了解っす」

ケモナーの返事を聞き、俺はピニャさんが居るであろう屋敷の屋根に飛び上がった。

『さてさて、様子はどうかな~?』

ラビットフォームの強化聴覚で盗み聞きしてみるか。

──そもそも、敵対する意思があればすぐに武器を向けていた筈だろう?もう二度とこんな事は起こしてくれるなよ?──

成る程、ピニャさんはお説教中らしいな。だったら・・・

『よ!』

俺はバルコニーに降りて、気さくに挨拶をする。

「ま・・・マスター・・・?」

ピニャさんはオイルの切れたロボみたいにぎこちなく顔を此方に向けた。つか俺が教えた正座させて説教してたのか、なんて事を考えながら俺はバルコニーの手摺に凭れて、ピラピラと手を振って見せる。

「・・・」

と、ピニャさんがスクッと立ち上がってこっちに歩いて来た。それから段々勢いをつけて・・・

「妾の身内が!大変申し訳無い事をしてしまった!!済まない!!」

「姫様!?」

と、重心を下げて物凄く綺麗に俺が教えた謝罪の最終奥義───スライディング土下座を決めた・・・うん。

『・・・プッククク・・・はっはっはっはっはっはっは!10点中9点!慣れればもっとスムーズになるぞ!いやぁ~、これだから人間は面白い!』

俺は笑いながら採点する。初めてにしては本当に綺麗な土下座だ。

『コレなら、自衛隊も許してくれるだろうさ。あぁ安心しろ。自衛隊は元より、この国をどうこうしようってつもりは無い。弱味見せたって・・・いや、寧ろ見せた方が信用されるぞ?因みに今、伊丹の居るであろう部屋には自衛隊の仲間が向かったが・・・』

「今すぐ土下座して来よう!行くぞ、2人共!!」

「は、はい・・・ッ!?」

「あ、脚の・・・感覚が・・・」

お、痺れてるな~♪

『どうしたどうしたwほれほれツンツンw』

「アァァァァァッ!止めて!やめて下さい!」

『ウヘヒヒヒヒヒヒヒヒw』

 

その後、ピニャさん達は伊丹の居る部屋に突撃。土下座して自衛官達をドン引きさせたのであった。




「す、スライディング土下座ww何でそんなん教えてんのww」
作者(オレ)の趣味だ。良いだろう?』
「んなこったろうと思ったわw」
『じゃ、そろそろ締めるぞ。せーの』
『「次回もお楽しみに!」』
『そういや今日ジードライザー買ったんだよ』
「おお、良かったな」


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交流/暗躍

「遂にイラスト投稿を始めたか作者」
『あぁ、pixivにな』
「精々エタらないこったな」
『コッチはともかく、イラストは怪しい』
「そこは頑張るって言っとこうぜ・・・じゃ、そろそろ・・・」
『「さてさてどうなる第8話!」』


(惣司サイド)

 

「いやはや、まさかスライディング土下座に到達するとはなぁ」

ご機嫌で呟きながらミュイの屋敷の屋根の上に寝転がる俺。因みに教えたのは普通の土下座だけだ。

「・・・さて、と・・・そろそろ、探りを入れ(探りを入れ)た方が良さそうだな・・・』

俺はよっこらせっと立ち上がり、右手にトランスチームガン、左手にスチームブレードを召喚する。そしてブレードを分割して、スチームガンに合体。

─ガチンッ─

【ライフル・モード!】

仕上げに空いた左手で俺の遺伝子を流し込んで、空に撃ち放つ。

【スチーム・ショット!】

銃口から発射された赤黒いエネルギー弾は一直線に夜闇の中を突き進み、やがて見えなくなった。

『これで良いだろう。()()()も創ったしな』

そしてパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)にスチームガンを投げ込んで返却っと。

「さてと、そろそろ戻るか」

俺は体細胞の結合を分解して赤黒いスライムになり、猛スピードで這いずる。なかなかの速度が出るようで、3秒後にはもう伊丹達が居る部屋だ。ドアの下の隙間をすり抜けて、シュバッと人間態に戻る。

「ただいま♪」

「うおっマスター!?」

真っ先に反応したのはベッドにいる伊丹だ。古田は真剣にコッチの食い物を頬張っている。料理人なら、味は知っておきたいわな。つか、ロゥリィがメイド長に捕まってやがる・・・助け船出すか。

「Heyメイド長、一旦ロゥリィを休ませてやりな。ロゥリィもお菓子ぐらい食いたいだろうしな」

「ありがと~ソウジ~」

「これは失礼しました!」

うっし、これで大丈夫だろ。

「マスター。この前の授業の続きをお願いしたい」

お、レレイは勉強熱心だなぁ♪

「よし!それじゃ今回の授業は、前半は音速突破と衝撃波、後半はDNAによる遺伝の授業だ!」

いやはや、こういう事を教え込むのは楽しいねぇ♪

 

その後、無理して帰る必要性も無いと判断し、皆はこの屋敷で1泊した。その際、面白い事が聞けたな。何でもここのメイドの内、首狩り兎(ヴォーリアバニー)と言うウサ耳種族2人の話だ。それによると、何でも彼女達の住処に帝国が奴隷狩りに来た時、彼女等の女王のテューレって奴が敵に寝返ったらしい。統率力も高く、仲間想いだったが、最後は己の身可愛さで同族を売り渡したと言っていた。証拠として帝国兵に女王の鎧を見せられたらしいが・・・恐らく、帝国側の都合の良いように捻じ曲げられた情報を植え付けられてるな。大方、女王には『お前が降伏すれば一族は助けてやる』とでも吹き込んで、鎧を取り上げたんだろう。手垢まみれのありふれ過ぎたやり口だが、ピンチで精神的にこの上無く追い詰められていた兎達には効果が絶大だったと見える。

『・・・これは、使えそうだな』

そう一言だけ呟いて、俺は眠りに落ちるのだった。

 

(?サイド)

 

『・・・と、ここっぽいな』

そう言い俺は着ている黒い革ジャンのジッパを下ろしながら、目の前の城門を見上げる。全く、流石は皇帝陛下の城だなぁ。無駄に馬鹿デカ過ぎる。

『さぁて・・・じゃ、行くか』

俺は革ジャンの右内ポケットから掌サイズのボトルを取り出した。それは錆鉄色の上下蓋に紫色のクリアパーツ、そして銀色のキャップと同色のコブラを象ったレリーフのあるフルボトル───コブラロストフルボトルだ。それを手首のスナップで3回程振り、キャップを正面に合わせて弁を開放、右手に持った変わった銃───トランスチームガンに装填する。

─ガキャコンッビィチュンッ!─

【コォブラ・・・】

するとスチームガンからどことなくダーティな雰囲気の待機音が鳴り始めた。俺はそのままスチームガンを上に掲げ・・・トリガーを引く。

()()♪』

【ミスト・マァッチ・・・】

その瞬間、銃口から真っ黒な煙が発生し、瞬く間に俺の身体を包み込んだ。

【・・・ココッ・コォブラ・・・コォブラ・・・】

そして煙の中で赤いスパークが走り、映るシルエットが変化する。

【ファイヤー!!】

─ドパ~ンッ!ピュルルルルルパンッパパァン!─

最後に頭部から金と銀の紙吹雪のような花火が上がり、黒い煙が霧散した。

『・・・やっぱ、しっくりくるな』

 

──鮮やかな赤色の装甲──

 

──関節や指の装甲はブラッドレッドとでも形容すべき暗い赤色をした、どこか宇宙服にも似たスーツ──

 

──コブラを模したトルマリン色のバイザーと胸部装甲──

 

──首にマフラーのように巻かれて、そのまま胸部のサイドに下ろさた、汚染水を垂れ流す工場を連想させる下向きのパイプ──

 

その名は───

『《ブラッドスターク》、装着完了』

そして俺はそのまま足音を殺し、中にスルスルと潜入する。あのスライディング移動・・・もうコブラスライドで良いや。コブラスライドなども駆使して、俺はあっと言う間にある部屋に辿り着いた。

『さてと・・・普通に入っても、何ら面白く無いよな。よし』

俺はもう一本ボトルを取り出す。それは白色のオバケのレリーフが入った、オバケボトルだ。これを数回振って活性化し、キャップを開けてコブラと入れ替えるようにスチームガンに装填する。

【フル・ボトル!スチームアタァック!】

すると俺の身体は霊体化し壁をすり抜けた。そして部屋の中を見れば思った通り、ベッドの上には白い毛並みのヴォーリアバニーが寝ころんでいる。俺はその兎の横にスタッと降りた。

『オイ、起きろ』

「ッ!?」

っと、寝起きで中々鋭い蹴りをお見舞いして来た。だが・・・

『オイオイ、随分とまぁ物騒な挨拶だな。落ち着けよ。俺は、お前さんの手助けをしに来たんだ。テューレって、お前さんだろ?真っ白の毛並みってのはそうそういねぇからな』

「・・・手助け?」

当然、この程度の情報じゃ警戒は解けない。だが・・・

『前に、アンタと同じようなヴォーリアバニーに会ってな。ソイツはお前さんの事を「裏切り者」だのと罵ってたが・・・』

「・・・ギリッ」

この様子だと、ビンゴっぽいな・・・

『どうやら、違うらしいなぁその顔は。勘違いとか擦れ違いとか、そんなんがあるかも知れん』

「・・・あなた、名前は?」

『お、聞いてくれる気にはなってくれたか?』

警戒そのものは解けてないが、会話なら出来るだろう。

『んっんん・・・俺の名は、ブラッドスターク。ま、意味は〈忍び寄る血〉って所だな。以後、お見知り置きを♪』

さて、自己紹介も済んだ事だし・・・

『さて、話してくれないか?お前さんに・・・いや、お前さん達に何があったのか』

「・・・わかったわ」

『ありがとよ。あ~それと・・・そこの犬、出て来い』

俺はベッドに向かって話し掛ける。いや、正確には・・・

「いやはや、見破られておりましたか・・・」

ベッドの下にいたコボルトに、だな。

『悪いなテューレ。話をたのむ』

「えぇ」

 

───────────────────────────────────

 

テューレの話を纏めると、やはり彼女は同族の為に生け贄になったらしい。ここのアホな自己中気違い皇太子ゾルザルの慰み者にされて毎度毎度下っ手糞なナニに付き合わされ、更に救った筈の同族からは裏切り者として命を狙われる。こう言うのを~何だ、踏んだり蹴ったりって言うのか?今は復讐の為にナニ中に洗脳じみた事をしてるらしいが・・・そしてやはりと言うべきか。

『俺の聞いた話と、食い違いがあるな』

「・・・どう聞いたのかしら?」

話して聞かせてくれたんだ。今度は、こっちが喋らなきゃな。

『簡単に言うと、自が身可愛さで同族を裏切って帝国に服従した、って所だったな。そいつ等は証拠としてお前さんの鎧を見せられたらしいが・・・全く、何の捻りもありゃしねぇナンセンスな、それでいて追い詰められて心に余裕が無い奴には効果覿面な、実に質の悪いやり方だぜ』

「・・・成る程ね。大体分かったわ。どうやら私たちヴォーリアバニーは、それぞれが騙されていたようね」

『まだ証拠はねぇから、取り敢えず頭に置いといてくれ』

俺はコメカミをトントンと指で叩いて追加する。

「えぇ。分かってる」

『なら良いんだ。それじゃ今夜はこの辺で。チャオ♪』

俺は扉を開けて部屋を出る。

「・・・チャオって?」

あ、そうか。知らないんだったな。

『ん~まぁ、〈こんにちは〉にも〈さようなら〉にも使える便利な言葉さ』

「そう・・・じゃあ、チャオ。スターク」

おお、意外とノリ良いんだなテューレって。

『・・・気ィ付けろよ』

そう言い、ちょっと嬉しくなりながら扉を閉めた。

『さて、すぐ帰っても良いが・・・適当に散策して行くか』

俺は適当にその辺をぶらぶら歩く。どうもここの見張りは徹夜慣れして無いっぽいな。簡単に探検出来た。

『ふ~ん、ここが奴隷部屋・・・ん?あの奴隷・・・まさか!』

適当に部屋を覗いていると、一人の少女が目に入った。黒髪だし、骨格的にも・・・

『おい、おい!』

「ん・・・ッ!?だ、誰!?」

やっぱりなッ!

『日本人か』

「え・・・日本語?」

キョトンとする少女。恐らく高校生くらいだろう。

『俺は、ブラッドスターク。よろしくな、お嬢ちゃん。それで、お嬢ちゃんの名前は?』

俺は少女の頭を撫で、同時に少しだが怪我も治した。

「の、紀子・・・です」

ノリコちゃんか。覚えたぜ。

『安心しろ、俺は君の味方だ。君以外に、日本人は居るかい?』

「いえ、ここには・・・でも、ここに連れて来られた時、友達も2人いたんです!男と女の!」

成る程、有力情報ゲットだ。

『ありがとな。そうだ、確かあったはず・・・あった。少ないが、食うかい?』

俺はパンと水筒を取り出し、ノリコちゃんに渡す。かなり窶れてるからな。きっと碌なモン食ってないんだろう。

「あ、ありがとうございます!」

おぉおぉ、あっと言う間に食っちまったよ。

『済まない。今日の所は、お別れだ。明日の夜、また来るぜ。チャオ♪』

「あ、わかりました!」

そう言ってノリコちゃんは笑顔を見せてくれた。これだから、エゴ活動とは言え人助けは好きなんだ。

 

そして俺は霧ワープで、その場から消えた。




「ほうほう、遂にスタークが!」
『まぁ、動かしやすいキャラでもあるからな~』
「そしてテューレちゃん、結構ノリ良いのね」
『原作と比べて、復讐以外にほんの少しだけど心の拠り所が出来たからな。ちょっとだけ付き合ってくれたんだよ』
「ではでは今回はこの辺で!」
『「次回もお楽しみに!」』


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ブラックホール

「待たせたな!」
『遅くなって申し訳無い』
「いや~作者、ヒロアカの方も宜しく頼むよ?俺ちゃんの格好いいアクションを・・・」
『あーはいはい分かったから』
「・・・期待できない俺ちゃん居るんですけど?」
『さてさてどうなる第9話!』
「また流しやがったぜコイツ・・・「ご都合主義注意!!」・・・何で俺ちゃんがもう1人!?」
『あ、消えてった・・・何だったんだ?アイツ』


(惣司サイド)

 

「え、帰るの?」

ピニャの所で一晩世話になった俺は、伊丹たちの言葉にちょっと驚いた。

「まぁ、国会から報告求められてるッスからねぇ」

ケモナーの説明によると、ドラゴンによる被害の原因は自衛隊の力不足にあるんじゃないのか、とか言われてるらしい。そういや難民の4分の1死んじまったんだっけ・・・まぁ確かに、現代日本でファンタジーの産物は想像し難いか。だが・・・もしかしたら、特地(ココ)の資源を狙ってる他国のスパイが居るかも知れんな。何せ、特地は未開発で公害・汚染も無し。更に、未知の鉱産資源もたんまり在ると来たもんだ。今のカツカツな地球人からしたら、正に砂漠のオアシスだろう。そして人間は、餓えて渇いた時に目の前に現れた物を、直ぐに独占しようとそれらしい理由で正当化してして潰し合う。そしてその血が、オアシスを阿鼻叫喚の色に染め上げるんだ・・・あぁ~全く、止めだ止め。人間の屑々しい部分なんぞ、考えれば考えるだけ出て来ちまうからな。

「妾も、同行させていただきたい!」

・・・ん?ゴメンちょっと話聞いてなかった。何があったの?

 

(スタークサイド)

 

「え?危険すぎるんじゃない?」

テューレはポカンとしている。確かに危険だろう。()()()()()、な。

『大丈夫さ。この世界の人間にも人外にも、俺を殺す事なんて出来やしない』

俺は椅子にドカッと座り込みながらテューレに向かって手をピラピラ振って見せた。何時もの仕草だ。

「全く、ゾルザルの()()になりたい、だなんて言うとは思わなかったわ」

そう、今さっき俺が申し出たのはこういう事だ。俺なら奇術もお茶の子さいさいだし、何よりこの飄々としたキャラに合ってる。それに、影から引っ掻き回せそうだしな♪

『頼むよ~紹介してくれよ~・・・お前、ある程度は歩き回れるんだろ?城内を散歩中に、偶々見かけて声を掛けたって事で良いじゃねぇか。それに・・・俺が近くにいれば、お前にかなり強力な武器を融通出来るぜ?』

「っ!」

ハハッ、復讐者(リベンジャー)としては、やっぱり武器は魅力的か?

「・・・ハァ、分かったわよ。その代わり、ゾルザルの前ではなるべく私に関わらないで頂戴。良いわね?」

『ありがとよ、テューレ。その武器を使うには、お前の身体を慣らさなきゃいけない。悪いが、ちっとばかし時間がかかるぜ』

さぁてと、あのアホを陥れるのが楽しみになってきたなァ・・・

 

 

(惣司サイド)

 

「凄い事んなったな~」

あの後、結局ピニャとボーゼスも着いて行くことになった。理由としては、自衛隊の基地を見たいとか、日本のお偉方と話がしたいとか・・・まぁ良いか。で、今は屋敷の屋根で胡座をかきながら車待ち中。

「・・・そういや俺、ハザードレベル幾つなんだ?」

思い出してみれば、今まで一回も測った事が無かったな・・・この際だし、測ってみるか。

「・・・はぁッ!?・・・ハザードレベル・・・7,5?』

・・・うん、驚く程でも無かったかな。ウ~ン、正直微妙な数値・・・エボルトリガー使えたっけ?

「・・・せっかくだし、この際使っちまうか。そうでもしねぇと、使わずにお蔵入りしちまいそうだしな~この世界だと」

そう言って空間を指で撫で、パンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)を開いてエボルトリガーを取り出す。ついでにパンドラボックスも出しとくか。

『さて、この際だからブラックパネルも創っちまおう』

─ガギュルルッギュッギュン!─

【オーバー・ザ・エヴォリューションッ!!】

ボタンを押してエボルトリガーを機動状態にし、パンドラボックスに放り込んだ。すると、見る見る内にパンドラボックスからエネルギーが放出され始める。そして数秒後にそのエネルギーはボックスの上でマテリアライズし、真っ黒な1枚のパネルという形をとった。

『意外とあっさり出来るモンなんだなぁ・・・拍子抜けと言うか、何と言うか・・・』

俺はそのパネル───ブラックパンドラパネルを外し、手に持って見てみる。成る程、エネルギーは完全に結晶化してるらしいな。全く外に漏れてない。

『さてと、いよいよ本命♪』

パンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)から追加でエボルドライバーを取り出し、腰に装着。

【エボル・ドライバー!】

『よし、やるか』

さて、覚悟は決まったでぇ!

─ガギュルルッギュッギュン!─

【オーバー・ザ・エヴォリューションッ!!】

俺はエボルトリガーを起動してエボルドライバーにセットする。やっぱり、緊張するなぁ・・・

【コブラ!ライダーシステム!レボゥルーッションッ!!】

ボトルをベルトに装填すると、いつもとは違う認識音声が鳴った。さて、記念すべき初ブラックホールだ!・・・初ブラックホールって何?

─デッデーデ♪デレデデレッデレーレーデン♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

『超変身ッ!!』

俺はクッソ下らん事を考えながら変身シークェンスを起動。

【ブラックホール!】

俺を中心として銀色に変色したEV-BHライドビルダーが現れ、その周りをパンドラボックスのような立方体が黒い竜巻に乗って飛び交う。

【ブラックホォールッ!】

そしてその立方体が俺の身体を覆うように合体して、柱のような状態になり・・・

【ブラックホォ~ルッ!】

次の瞬間、俺の視界が完全にブラックアウト。多分、あの消えるシーンだろうなァ。

【レボルゥション!フハハハハハハハハハァ・・・】

そして衝撃波と共に一気に視界が弾けるように開けた。俺は自分の身体を見渡す。

─胸部のアーミラリアクターが変化したカタストロフィリアクター─

─針状の軸が長く延びたEVOアナイアレイショルダー─

─腰に追加されたローブマント、EVOベクターローブ─

よし、間違いないな。これで漸く・・・

『エボル、フェーズ4、完了!!』

念願のブラックホールフォームだ!

『ん~っと、身体は・・・別に、問題無さそうだな』

身体を捻ったりしてみるが、別に痛みやだるさなんかも殆ど無い。

──(ブロロロロロロロ)──

『と、来たらしいな』

俺は遠くから走ってくる車を見ながらそう呟いた。

 

(Noサイド)

 

「あれ?そう言やマスターは?」

ピニャとボーゼスの2人を含めた全員を車に乗せたタイミングで、伊丹が呟く。

「そう言えば居ませんね。どこ行ったんだかあの宇宙人・・・」

呆れ顔でボヤく栗林。すると、その背後に白黒の影が音もなく着地した。当然、栗林は気付いていない。

『ハイ宇宙人ですが』

「ひょあぁぁぁぁっ!?」

その影・・・エボルが囁くと、栗林は驚きすぎて腰を抜かしてしまった。なかなか良い趣味をしたら宇宙人である。

『HAHAHA!チャオ♪』

「マスター!?しかも白黒!?」

驚く自衛隊御一行。因みに降りる時は、EVOベクターローブで体重を5gにしていた。故に何の音もしなかったのだ。星間航行用装備のこの上無き無駄使いである。

『おう。この姿は、ブラックホールフォームだ。今の所、最強形態だな』

そう言って右手の指でシュッと複眼を撫でるエボル。

「え~っと・・・取り敢えず、これから帰るから」

もう受け流す事に徹すると決めた伊丹。懸命な判断だろう。

『了解♪』

そう言ってエボルはEVOベクターローブの機能で空中に浮かぶ。当然、その他のメンバーは目が真ん丸になる程に驚いた。

「惣司ぃ!飛べるなんてぇ、私聞いてないわよぉ!」

『そりゃ言ってねぇからな』

「か、風の精霊の加護でも無い!?」

「一体、どんな理を使って・・・」

反応するのは特地女子。当然だろう。魔法でも精霊の加護でも無い、謎としか言いようの無い未知の力で浮かんでいるのだから。

『あ~スマン、俺は一足先に戻ってるぜ。伊丹!レレイには、重力操作浮遊について教えてやってくれ!それと、これ持っててくれよ!チャオ!』

そう言ってエボルは『答えは聞いてない』と言わんばかりに背後にワームホールを作り上げ、伊丹にお守り袋を投げ渡すと同時にその中に飛び込んだ。そして、丸投げされたこの男は・・・

「か・・・勘弁してくれ」

この後、車内ピニャとボーゼスも含めた5人から質問責めにされた。伊丹は一言、「のど飴下しゃい・・・」と呟いたと言う。

 

(惣司サイド)

 

『ふぅ・・・ちっとばかし、疲れるな。ハァァア、っと・・・』

部屋の中に転移した俺は、ボフッとベッドに飛び込む。やっぱ負荷は掛かるよなぁ・・・

『よっ、と・・・』

気だるさを何とか振り払って、ドライバーからエボルトリガーを引き抜く。すると、重い荷物を一気に降ろした時にも似た解放感を感じた。

『フゥゥ、だいぶマシ・・・』

そしてパパッとコーヒーを入れ、口に流し込む。

『・・・っあ~うめぇな・・・ちょっと待てよ?今俺どうやって飲んだ?』

何となく飲んじまったが、まだ俺は変身解除していない。つまりコブラフォームのまま、コーヒーを作って口に流し込んだって事になる・・・うわっシュール。

『まぁ良い。それより、ハザードレベルの測定だ』

俺はもうわかんねぇ事を放置し、胸に手を当ててハザードレベルを測定する。何か、どことなく懺悔してるみたいだ。これまたシュールな絵面だなぁ・・・

『・・・ふぁっ!?ハザードレベル10,0!?限界値じゃねぇか!!』

いや、大して苦戦して無いよね?変身しただけでコレ?・・・はぁ~無いわ~・・・

『・・・ま、良いか。上がっちゃったもんは仕方無いな』

どっかの帝国の糞大臣みたいな事を言いながら、俺はパンドラボックスとハザードトリガーを取り出す。

『何気にビルドドライバーも入ってたし・・・本当、どうなってんだ?この中・・・』

そう言ってハザードトリガーをパンドラボックスに放り込んだ。すると、今度は白いエネルギーがマテリアライズしてパネルを創る。真っ白なパンドラパネル───ホワイトパンドラパネルだ。これで、新世界に関わる2つのパネルが出来た。

『後は、この白と黒のパネルを・・・』

俺は右手にブラックパネル、左手にホワイトパネルをそれぞれ持ち、内包エネルギーを操作してオーバーフローを起こさせる。

『ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ・・・むんっ!』

そして反発し合うエネルギーを無理矢理統合して混ぜ合わせて結合させた。そうすれば・・・白と黒が螺旋状に混ざり合ったパネル───カオスパンドラパネルの完成だ!

『さぁて、これで準備は整った!』

xyz軸の移動を司るブラックパネルと、平行世界に干渉するホワイトパネル・・・この2つが融合した混沌(カオス)の力ならば・・・

『平行世界に、旅行に行けるな♪』

さて、書き置きをして・・・っと。

『じゃ・・・行って来ます』

俺はカオスパネルのエネルギーを解放して特殊なワームホール・・・ギャレオリアロードを精製し、その中に勢い良く飛び込んだ。

『どこに行き着くか、楽しみだぜ♪』

 

(伊丹サイド)

 

「マスター、只今~」

俺はのど飴を舐めながら、マスターが居るであろう部屋の扉を開く。だが・・・

「・・・あれ、マスター何処?」

居ない。部屋をグルッと見渡し、ベッドも見てみたが、見付からない。

「ん?何だこのメモ・・・ンンッ!?」

・・・おいおいマスター・・・あんた・・・

「ふざけんなァァァァァァ!!」

俺が握り潰して投げ捨てた紙には、〈ちょっと異世界行ってくる。明日には戻るつもりだから〉と書いてあった。




「ひっさびさにガオガイガー」
『勇気ある誓いと共に!』
「お前にあるのはひねくれた根性ぐらいだろ?」
『良く分かってんじゃねぇか』
「いや、お前が言わせてるんだろ?」
『メメタァ』
「ハァァァ・・・で?どこに行くの?つかご都合主義だなぁ・・・よし、前書きにタイムスリップして注意して来よう!」
『あれお前か!「行って来まーす!」・・・次回もゆっくりしていってね』


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コラボ・戦姫絶唱エボリューション!
戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) ①


『やっとこの時が来たぜ・・・我が弟子、ロギア・クロニクルの作品とのコラボだ!!』
「ねぇ、俺ちゃん出る?」
『そいつぁ、俺の気分次第だな~』
「まぁ良いか。取り敢えず、お前なんかを師匠と慕ってくれる作者さんの作品とコラボするんだ。良いのを書けよ?」
『分かってるって。そんなこんなで・・・』
「『さてさてどうなるコラボ回!!』」


ここは、『僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~』の世界。時間軸は、出久がスパイディ化した日の放課後。

 

「かっちゃんの身体能力、ホントにスゲェよな~」

「当たり前だろ?俺だぜ?」

「いやいや、見ただけであれを盗むとか・・・」

「才能だよね~勝己!」

「いや~格好良かったよ~ばくごー君!」

だべりながら校門から出て来る出久達。メンバーは出久、爆豪、三奈、フラン、麗日だ。

「・・・へっ、当然・・・///」

麗日の言葉に返すも、照れ臭くなって顔を逸らす爆豪。何故くっ付かないのだろうか。因みに出久・三奈・フランは、その様を一歩退きながら見てニヤニヤしている。

「・・・ッ!?何か来る!」

『!?』

出久の言葉で、全員が一気に戦闘体制に入った。三奈は、出久との特訓で培われた直感が、フランは、持って生まれた個性により持ち合わせる闘争本能がそうさせる。爆豪と麗日も、バトルヒーロー『ガンヘッド』の元で積んだ経験により、素早く最適なファイティングポーズを取った。

 

(これは、重力異常・・・それだけじゃない!空間湾曲・・・恐らくテレポートゲート・・・黒霧?いや、アイツの個性では此処まで大きな空間異常は起こらなかった。黒霧の時の湾曲具合からして、この規模の空間湾曲は・・・)

 

出久が注意深く湾曲した空間を睨み付けると、その真ん中に黒と白が入り混じった穴が出来た。それは拳ほどのサイズから見る見る内に直径2m程にまで広がり、開通が完了する。

 

(まさか・・・ESウィンドウみたいなモノなのか?)

 

出久が思い浮かべたのは、大昔のアニメに登場した、超長距離移動を可能とする別次元への窓。それならば、此処まで大きな重力・空間の異常も納得できる。

「気を付けろよ。こんなにデカい空間湾曲・・・ただ者じゃ無い筈だ」

出久は警告すると同時にロストドライバーを装着し、メモリを構える。三奈とフランもそれに習って、ドライバーを装着しながらメモリを取り出した。

「さぁ・・・何が来る・・・?」

警戒心MAXの出久達の前に、遂にそれは現れた。

 

─べちっ─

『あだっ』

 

・・・とても格好悪く、背中から落下して・・・

 

(惣司サイド)

 

『・・・オゥマイバック・・・アァッ、オゥマイバァック・・・』

いって~腰打った・・・フンッ!

─パキペキッ─

『っあ~・・・ふぅ、治った』

あ~痛かった・・・

「「「「「・・・え?」」」」」

『え?』

・・・おぉっと、早速見つかっちまった!どうしよう・・・

『あ~・・・チャオ?』

俺が腰をさすりながら挨拶すると、真ん中の男以外は脱力した・・・ってロストドライバーとエターナルメモリ!?それにあの金髪、あれヒロアカの爆豪!そんでもってピンクの子は芦戸三奈!

「・・・何故、貴様がここにいる・・・星を喰らい滅ぼす悪魔・・・()()()()ッ!!」

・・・なぁんで知られてるの(エコー&ハ◯ケ感)?と言うか、それはオリジナルのエボルトであって俺じゃねぇから!

【エターナル!】

いやいやヤバいヤバいヤバい!流石にエターナルは苦戦しかねん!

『ま、待ってくれ!別に危害を加え(に危害を加え)たりはしねぇよ!ほら!」

俺はドライバーからボトルを引き抜き、変身解除する。そして、そのままボトルをエターナルの男に投げ渡し、手を頭の後ろで組んだ。これで無敵意だと判ってくれれば良いが・・・

「・・・貴様、どういうつもりだ?何故、下等生物だと思っている人間()にコレを渡す?」

「いや、俺が下等生物だと思うのは人殺しの覚悟も無く他の選択肢を蹴って犯罪者に墜ちるような屑だけだぞ?」

「・・・ねぇ出久、エボルトって?それに星を喰らうってどういう事?」

・・・出久!?え、デク君なの君!?髪色とソバカス以外に面影無いじゃん!背も伸びてるし・・・何より、殺しを経験した目をしてるっつぅか・・・

「・・・簡単に言うと、ブラックホールを操ることで星を呑み込んで進化し続ける怪物みたいな仮面ライダーだ」

「え!?え~っと、ブラックホールって事はつまり・・・」

「・・・宇宙空間で活動可能になって、個性出力も跳ね上がった13号先生」

「あ~!」

え~っと麗日さんだったか。麗日さんは納得したように頷いた。

「つーか、仮面ライダーって沢山いるモンなのか?俺は出久以外知らねぇんだが・・・」

あれ?デク呼びじゃ無い・・・改心したのか?

「そう言えば、アタシもデップーと出久以外知らないな~」

待って、デップーってデッドプールの事?え、何?ここマーベルとも混ざってんの?

「私は出久に教えて貰った!クウガからエグゼイドまで!」

平成ライダーフルコンプだどん!って・・・フランドール・スカーレットォ!?東方かよ!

「はろ~♪」

「え、今度は何?」

もういっぱいいっぱいになった俺は、電信柱の上から聞こえてきた声に反応して見上げる。するとそこから飛び降りて来たのは・・・

─ズドンッ─

「・・・(あ~クソクソクソん~んっ)(実践向きじゃないっと)

恐らく今のスーパーヒーロー着地で膝を痛めたであろう、デッドプール(糞無責任なメタ野郎)だった。つうか俺もやったな~あれ。そして同じく膝を痛めた。

「オイオイ糞作者、まだ本編入ってねぇのにもう2200文字越えってどういう事だ?もっとちゃっちゃと行かないと、画面の前のお友達も前置きなげ~よとか思っちゃうからだめだよね~という事で!」

 

───キング・クリムゾン!5人に説明をして互いに自己紹介を終え、同行するかと質問するという時間は消し飛び、『着いて来る事になった』とい(以下略)───

 

「で、良いのか?まぁ帰ってくるのはこっちじゃ1時間後程度だが・・・」

俺の質問に対して、真っ先に返答したのは出久だった。

「まぁ、平行世界なら新しいメモリも創れるだろうからな。最近どうも焦臭いし、戦力は多いに越した事は無い」

うん、成る程。まぁ握手の時に測ったらハザードレベルが5,5だったし、大丈夫だろ。因みに三奈が4,6、フランは4,5、爆豪は4,2で、麗日は3,5だった。お前等のハザードレベル高くね?

「アタシ海外旅行とか行った事無いし、楽しそうだからね!何より、出久が行くんだから!」

「私も~♪」

そうそう。驚いたのが、出久の腕に抱き付いているフランと三奈が2人共出久の彼女という事だ。何でも、最近構ってあげられて無いと言うのも出久の参加理由なんだとか。因みに異形型の三奈は、ダミーメモリの力で1日だけガワを普通の人間にするそうだ。

「まぁ、何事も経験っつうしな(麗日行くし・・・)」

「異世界とか面白そうやん!」

意外と抵抗無いのな。

「じゃあ、始めてくれ」

「子安さんのイケヴォだから無性に腹立つな。何でお前が仕切ってんだよ・・・」

【コォブラァ・・・コォブラァ!エボル・コォブラァ~!!】

ブツクサ言いながら俺は変身し、混沌(カオス)パネルを両手で構えて呪文を詠唱する。

『ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ・・・』

「やっぱガオガイガー好きなのか」

「作者がガガガ信者だしね、仕方無いね」

『ウィータッ!!』

だべっている出久とデッドプールを余所に、俺はギャレオリアロードを開いた。さてと、準備完了。

「行クゾ!俺ニ続ケ!」

「彼ニ続ケ!行クゾ!」

「「わぁ~!」」

万能ボイスを叫びながら飛び込むデップーと、それに乗っかる出久。そして更に、ノリの良い彼女2人も続いた。

「元気やね~」

「だるそうより良いだろ。っと・・・ホラ///」

「・・・!///」

スッと手を出す爆豪。一瞬キョトンとするが、意味を察して麗日は少し顔を赤らめる。だが・・・

「・・・はい!お願いね、ばくごー君!///」

「っ!お、おう!///(指やらけぇ!)」

出された手をしっかりと握った。その手を握り返し、爆豪と麗日は一緒に飛び込む。え、何で見えてるかって?俺がまだ入ってなかったからですが?

──(大変お待たせ致しました!)(ここからが本編です!)──

デップーが何か言ってる・・・

 

(NOサイド)

 

ここは、カフェ《nascita》の地下エリア、その一角に設けられた特殊訓練室。そこには4人の少女と1人の青年が居た。4人は赤い結晶のような首飾りを掴み、青年は赤、青、金で装飾されたベルト───惣司と同じ、エボルドライバーを装着して、それぞれが構える。そして、モニタールームでは赤毛のマッチョマン(風鳴弦十郎)と白衣を着た金髪のようj・・・少女──エルフナインが、その成り行きを見守っている。

「行くよ、仁君!」

「来い!響、翼、奏、クリス!」

名前を呼ばれた少女達は、それぞれが歌を紡ぐ。

──Balwisyall Nescell gungnir tron~♪──

──Imyuteus amenohabakiri tron~♪──

──Croitzal ronzell Gungnir zizzl~♪──

──Killter Ichaival tron~♪──

すると、その手の中に握られたクリスタルが眩い光を放った。その光は彼女達を包み、その身に鎧を、手には武器を与える。

──北欧の主神オーディンが使ったとされる、必中必殺の槍、ガングニール──

──須佐之男命が八岐大蛇を討ち取る際に用いた(ツルギ)、天羽々斬──

──北欧の狩猟神ウルによってイチイの木から造られた、イチイの弓(イチイバル)──

その鎧は、聖遺物の欠片から創られた《シンフォギアシステム》。太古の昔より、人間を襲い続けてきた超古代殺戮兵器《ノイズ》に唯一立ち向かう事が出来る、隠された人類の希望。

【コブラ!ライダーシステム!エヴォリューションッ!!】

─テ~レテテテレ~レ♪ヴゥンヴゥン!ヴィチュン!─

【ARE YOU READY?】

『変身!』

【エボル・コォブラァ~!!フッハッハッハッハッハッハ!】

対して、青年───石動仁が纏うは、星を滅ぼして喰らい進化し続ける、絶望の象徴・・・仮面ライダーEVOL(エボル)。最も、本人にその気は無いため地球は滅ぼされる事はない。

「今回こそ、フェーズ1(コブラフォーム)には勝って見せる!」

『それは楽しみだな!』

拳を構える少女、響の言葉に、エボルはワクワクするという様子で答えた。

『では、訓練開s・・・!?え!?空間湾曲反応!?』

『何だと!?』

訓練開始直前にトラブルが発生した。空間湾曲は、ノイズが異空間から現れるときに発生する現象だ。故に、奏者達も敵襲かと身構える。だが、エボルだけは依然として脱力したままだ。

『この感じ・・・平行世界から誰か来るな』

それは、何度も平行世界旅行を行っている彼だからこそ分かったものだ。ノイズとは明らかに出力が違う上に、ノイズには無い()()()()もある。

──ヴオォォォォン──

そして遂に、異次元からの窓が開いた。その時空異変により空間が軋み、周りのコンクリートが粉塵レベルまで分解される。

(こういう所は、俺のと違うんだな)

舞い上がる塵を見ながらそんな事を考える仁。仁の場合、此処まで周りに影響は与えないからだ。

──ズドンッ──

そして、窓の中から7つの人影が出て来た。というかその内3つは勢い良く飛び出し、スーパーヒーロー着地を決めた。

─デデンッデンデデンッ♪デデンッデンデデンッ♪デデンッデンデデンッ♪─

『(BGMターミネーターかよ・・・つーかネタで返した方が良いか?取り敢えず此処は・・・)誰だお前はッ!?』

 

「地獄からの使者!デッドプールッ!」

 

「蒼く燃えるは狂気の焔・・・仮面ライダー!エターナル!B-X!!」

 

『逆さまの(LOVE)と、破滅への進化!仮面ライダーエボル!』

 

3人はそれぞれが名乗り、デッドプールは東映スパイダーマンのポーズ、エターナルは右手のエターナルエッジを右下に振り抜き、左手をベルトに当てるポーズ、そしてエボルは、左足を引いて右手を前に突き出すポーズをとった。コイツ等、ノリノリである。

「「「・・・・・・」」」

奏者達はこの急展開に脳の処理が追い付かず、古いパソコンのようにフリーズ。ある意味、当然の反応と言えよう。

「わぁ~凄い!カッコイイ!」

「オイオイオイオイ、この馬鹿マジか」

一方、名乗り方がウケたのか響は3人に拍手を送る。コレにはクリスもビックリ。

『おう、ありがとな!』

「って、またエボルが居るよ・・・」

響の拍手に惣司エボルは手を振り、エターナルはエターナルエッジからミュージックメモリを引き抜いた。ターミネーターのBGMの正体はこれだ。

 

「ウッヒョー!!何だそのスク水ニーソみたいなけしからん格好は!興奮しちゃうj「黙れ。一応彼女持ちだろうがお前は」─シュパァンッ!─アァァァァッイッタイ背中ァァァァッ!!」

 

そして、セクハラ発言から流れるようにお仕置きされるデップー。コイツもう分かんねぇな。

「さっき何かコソコソ話してたのこれかよ出久」

「カッコイイと思う!」

「でも、狂気はもう大丈夫でしょ?」

後ろにいた爆豪、フラン、三奈も会話に入って来た。因みに三奈はダミーメモリの能力で角と目の色、肌色を誤魔化している。

「そうだな。だが、蒼炎超越態(ブルーフレアエクストリーム)の起爆剤になる感情だから入れた」

そう言って、出久は変身を解除。その髪の蒼いメッシュも地毛の緑に戻った。

(え、緑谷出久!?それにあの金髪は爆豪!え、何?そっちはヒロアカの世界なのか?)

出久達を見て混乱する仁。まぁ平行世界では自分が憑依した原作主人公だからね。仕方無いね。

『あ~スマン、今説明する』

 

───DP「小説って便利だよね、こんな風にカット出来るから。じゃあOTONAとエルフナインたんも説明聞いたって事で、はいリスタート」───

 

(惣司サイド)

「成る程。概ね理解した!」

『ありがとよ』

赤毛の親父っさん、風鳴弦十郎の言葉に、俺はそう返した。いやはや、まさかヒロアカの次がシンフォギアとはねぇ。しかも、どちらもライダーが存在するifワールド・・・面白い。

『ようこそ、平行世界のエボルト。俺はこの世界のエボルト、石動仁だ』

『こりゃご丁寧にどうも。俺は石動惣司だ』

俺達は握手する。何気に凄い光景だな。エボルコブラ同士が握手って・・・

「ふむ、平行世界の仮面ライダー、か・・・」

「・・・世界滅ぼせるんじゃねぇか?」

まぁそう思うわなぁクリスちゃん。

「まぁやる気があるか否かはともかく、実際世界を滅ぼすなんて容易いだろうからな。特に、俺の世界なら・・・」

そう言えば、エターナルレクイエムは敵の能力を永久凍結させるんだっけか・・・ん?ヒロアカ世界・・・あ(察し)

「所でアタシの姿、もう戻しても良くない?」

「ん、そうだな」

三奈ちゃんの言葉に答え、メモリとエッジを取り出す。

【ダミー!マキシマムドライブ!】

そしてそのエッジのマキシマムスロットにダミーメモリを装填し、刃の腹の部分で三奈ちゃんをそっと撫でた。するとダミーによって施された擬態が解かれ、彼女は本来の姿に戻る。

「「「「!?」」」」

「えへへ、ビックリした?アタシ異形型だからさ、こうしないと皆驚いちゃうなって事で」

「成る程。それ「あ、あの!」ん、どうした?エルフナイン君」

「えっと、失礼とは思いますが・・・皆さんのDNAを解析させていただけないでしょうか!?」

あぁ、一応錬金術としては気になるわな。

「どうする?」

「私は別にええよ」

「悪用しないなら良いぜ」

「アタシも良いよ」

「私も!」

『・・・良かったなエルフナインちゃん。良いってよ』

「ありがとうございます!」

はっはっは、元気で宜しい!さてと・・・本題だ。

『所でお前ら・・・突然だが、俺達と戦ってみないか?』

 

 

「俺ちゃんマジ空気(´・ω・`)ショボーン・・・②に続く!」




『やっちゃったぜ』
「なげ~な今回。それに、俺ちゃんの出番少なくね?」
『わりぃな~デップー。次回は恐らくきっと戦闘シーンあるから』
「それと、出久達拾うまででもう2200越えとか・・・」
『本当に申し訳無い』
「ったく・・・」
『ロギア・クロニクル、済まんなぁこんな師匠で(´・ω・`)』
「ハイハイ、そろそろ締めようぜ?せーの!」
『「次回もゆっくりしていってね!!」』


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戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) ②

『よし、コラボ回2話目!』
「よすよす!行くぜ!」
『「さてさてどうなるコラボ回!」』


(惣司サイド)

 

『突然だが、俺達と戦ってみないか?』

「「「「・・・ハァッ!?」」」」

俺の言葉に、装者達は驚く。まぁ当然だわな。取り敢えず変身解除しとくか。

「オイ惣司、端折りすぎだ。あぁ・・・取り敢えず説明する。俺達が平行世界旅行をすると決めた理由は、元々戦力の増量だ。だから、平行世界の戦士と戦ってその力を解析する必要がある。だから戦おうと言ったんだコイツは」

「おう出久!説明どぉも!」

まぁ俺の場合は9割方、ただの興味だがな。

「と言う事だ。誰か戦ってくれないか?戦闘経験も積めるだろうし、特に出久は戦場経験者だから動きが違うぞ」

「・・・戦場・・・」

おっと、クリスちゃんにはアウトだったかな?

「まだ高校生の子供が・・・」

「子供扱いは止していただきたい。まぁ確かに、この中じゃ年下だが」

少々ムッとする出久。まぁアイツだけじゃ無いだろうが、今の自分にプライドがあるだろうからな。

 

──DP「え~っと、こっからちょっとばかし雑談が始まるからさ。こ↑こ↓、カットね。読みたい人はロギアさん所にGO!」──

 

さてと、話してみて分かった。ここのエボルヤバ過ぎィ!何でハザードレベルが10超えてるんだよ!

えぇっと、皆の方は・・・

「えっと、複数人でのチーム戦って感じで良いか?」

「良いとも奏さん。じゃあ・・・上限は③!人にしようか」

「おいダデャーナザン」

やっぱネタに反応してくれるよな~出久は。

「じゃあ、チーム決めようぜ!あ、人材の使い回しアリな」

 

──3分後──

 

「どうも~!俺ちゃんデッドプールで~す!今回はこのモニタールームにて、解説役もさせて頂きます!では司会の惣司さん!バトンパス!」

「はい、アナタのそばに這い寄る破滅!エボルトホテプです!」

「はい尺が惜しいんで早速いこう!」

メタいなぁやっぱり。

「シンフォギアコーナー!姉妹の間に挟まれる鏡!ガングニール姉妹&神獣鏡チーム!」

「燃えてきた!」

「あたしらが姉妹か。言い得て妙だね♪」

「そして私は挟まれるんだ・・・」

 

済まんなぁ393。これはデップーが勝手にやってる事なんだ。

 

「続いてパラレルコーナー!狂火を燃やして、光となる!緑谷出久!」

「グリスとオーブか?まぁ間違っちゃいねぇな」

出久ウルトラマンも知ってんのか。

「そして、身体能力と酸液の溶解度共に凄く、高いです。芦戸三奈!」

「ねぇ、その紹介文何とかならなかったの?」

くそみそネタを使うなよデップー・・・

「さぁらに!我らがアイドルヴァンパイア!ですがまだ吸血経験は御座いません!フランドール・スカーレットォ!!」

「何で知ってるのさ!?」

 

おい・・・もう疲れた。

「ここからは出久に視点変更します!画面の前の皆、やったね!戦闘シーンだよ!あ、因みに他のメンバーは全員見学室的な所にいます。あとゴメンね、解説は出来そうにない」

最後までメタたっぷりなデップーだった。

 

(出久サイド)

 

「まぁたデップーは第4の壁の向こう側の住人に・・・」

まぁいいか取り敢えず、さっきの時間でストレッチも終わらせた。フランがペターンと股割りしたのには驚いたなぁ。因みにドライバーは装着済みだ。

「出久、ね。改めまして、あたしは天羽奏。今回は宜しくな!」

「此方こそ、楽しませて貰う」

あぁ、こんなにワクワクするのは何時ぶりだ?きっと今、俺は口角が釣り上がってるんだろうなぁ。

『では双方、武装!』

 

──Balwisyall Nescell gungnir tron~♪──

──Croitzal ronzell Gungnir zizzl~♪──

【エターナル!】【タブー!】【ジョーカー!】

〔AWAKENING!NEO CLOSS-Z DORAGON!Are You Ready?〕

 

「「「「変身ッ!!」」」」

 

【エターナル!~♪~♪】

【ジョーカー!♪!♪!♪!】

【タブー!♪~~!】

〔WAKE UP INFESLNO!GET NEO CLOSS-ZDORAGON!イェェェェェェェェイ!〕

 

「さて、踊るぞ。死神のパーティータイムだ」

「コンティニューは、させないよ?」

「私の切り札(ジョーカー)、引き出せるかな?」

それぞれ決め台詞を言い、変身完了。因みに全員がアドリブだ。

「今の私達は・・・負ける気がしない!!」

「ココロがたぎる・・・魂が叫ぶ!・・・あたしの槍がッ!風を斬る!!」

「えっと・・・皆が居てくれるから・・・私は戦う!」

あ、響はアドリブ苦手なのか?そして、少し調べてみたが・・・胸糞悪いな。俺の過去と良い勝負だ。そのせいで、人格が五代さんと映司さんのハーフみたいな事になってやがる・・・

『では第1試合!開始ィ!!』

「先手必勝!行くぞ響!」

「はいっ!」

と、ガングニール姉妹か。しかも、後ろに居るのは火力特化の仮面ライダークローズの発展型・・・ならば!

「2人共!姉妹は任せた!ゴセパ サギザザ ゾ ダダブ!」

「「Yes!」」

グロンギ語教えて正解だった!

【ゾーン!マキシマムドライブ!】

俺はネオクローズの上にテレポートする。

「「消えた!?」」

そこから、脚に蒼炎を纏って踵落とし!

「ッ!そこォ!」

─ガチンッ─

「成る程、ドラゴン系は感覚が鋭いらしいな」

「て、テレポート─ドスッ─グハッ!?」

「奏さん!─ガッ─ぎっ!?」

と、油断した姉妹を2人が襲う!奏は腹に三奈のパンチ、響はフランのハイキックがモロに入ったようだ。

「響!奏さん!くっ、ウオォォォォォッ!!」

─ヴアン!─

ほう?万丈は使わなかったブレイズアップモードか。面白い!

「フゥゥ、ハッ!」

気合いを入れたネオクローズは、取り出した大剣と銀色のビートクローザーの二刀流で斬り掛かって来た。取り敢えず・・・

【クイーン!マキシマムドライブ!】

「どの程度か、見せて頂こう!」

これ調べにクイーンで受け止め─バキッ─は!?

「クイーンを、斬り裂いた!?」

「チェェェイ!」

くっ、マズい。一応避けられるが、この炎熱・・・スリップダメージが地味に痛いな。ここは、一旦引くか!

「ほっと」

2~3回バックステップを繰り返して距離を稼ぎ、相手を観察する。よく見るとブレイズアップモードは解除されているな。消耗が激しいようだ。厄介なのは、クイーンを破ったあの力だ。防御破壊ならまだ良いが・・・試すか。

【エンチャント!マキシマムドライブ!】

【トリガー!マキシマムドライブ!】

「喰らえ!『多弾・トリガーマルチバースト』!!」

俺は腰のスロットにエンチャント、エッジにトリガーを装填し、4色の光弾を放った。それぞれが違う属性のエネルギーが圧縮された属性炸裂弾だ。これの対応で、相手の能力が分かる筈。

「フッハッタッハァッ!」

()()()、か・・・読めたぜ。ならば!」

俺は勝負を決める為のメモリを2つ取り出す。対してネオクローズは、使わせまいと突っ込んできた。まぁ、想定済みだ。

「ハッ!」

俺は思考加速を発動して、取り出したメモリを上に投げた。そしてネオクローズの斬撃をスウェーバックで躱し、その懐に潜り込んで掌底でぶっ飛ばす。そしてエターナルエッジを逆手持ちにして前に突き出し・・・

『アイスエイジ!マキシマムドライブ!』

落ちてきたメモリを落下のままに装填、マキシマムドライブを発動する。それにより周りの気温が一気に低下し、コンクリートに霜が降り始めた。

「くっ・・・でも、これぐらいなら!」

「いいや、お前は終わりだ」

──ヒート!マキシマムドライブ!──

俺の言葉と同時に、ネオクローズの後ろで何かが光る。

「ッ!響!伏せろォ!!」

奏は気付いたようだな。俺は地面にエッジを突き立て、衝撃に備える。そして・・・

「『禁忌・終焉極大刃炎剣(レーヴァテイン)』!!」

──光、衝撃波、爆音、暴風──

それら全てがほぼ同時に俺達を襲った。周りの瓦礫やビルの窓ガラスが吹き飛ぶ。だが俺はエターナルローブのお陰でほぼダメージ無しだ。

「キャァァァァァァッ!?」

一方、ネオクローズは対応出来ずに吹っ飛んだ。そしてビルの壁を2枚ブチ破り、3枚目で止まって変身解除。戦闘不能だ。

『おぉっと!大爆発によって未来選手ダウン!見学室に送られます!』

『便利なシステムだなぁオイ』

ホントにな。バーチャル空間だから死んでも大丈夫って、雄英にも欲しいわこの訓練室。と、そうだ。

「よく理解してくれたな!」

「当たり前でしょっ?」

フランと三奈が1ジャンプで合流した。フランの手には、ヒートメモリが握られている。

「けっ、やるなぁアンタ。まさか、投げ渡すとは」

「いったたたぁ・・・」

どうやら、ガングニール姉妹は耐えられたらしい。まぁ、正面だったからな。

「ハァ、ハァ・・・響は、今ので大分キツそうだな・・・ッチィ!どぉりゃっ!!」

──STARDUST∞FOTON!──

おっと、奏が槍を上に投げた・・・しかも分裂してるって事は、恐らくマイクロミサイルだ。どうやらあの槍、ゲイボルグみたいにも使えるらしい。こういうのには・・・これだ!

「三奈!竜巻だ!」

【サイクロン!】

「イエッサー!」

【サイクロン!マキシマムドライブ!】

久々に使う技だが、大丈夫だ!三奈にサイクロンを投げ渡すと、それを受け取った三奈は腰のマキシマムスロットに装填した。それにより俺達を中心に風のエネルギーが集まって来る。

「「竜巻!天国の旋風(ヘブンズトルネード)!!」」

そして、2人で息を合わせてヘブンズトルネードを発動。巨大な竜巻が巻き起こり、降ってくる大量の刃を全て逸らした。それらは周りの地面に突き刺さるが、俺達には全く当たらない。

「嘘・・・だろ?」

奏が引きつった顔をしてるが、残念ながらこれが現実だ。さてと・・・

「フィニッシュは必殺技で決まりだ!」

【ユニコーン!サイクロン!マキシマムドライブ!】

【ジョーカー!マキシマムドライブ!】

【タブー!マキシマムドライブ!】

「「ライダー・ツインマキシマム!!」」

三奈とフランが2人でライダーキックを放つ。それは2人が背中を向け合い、エターナルレクイエムに似た特殊なライダーキックを放つという変わった形だ。

「行けるか響!」

「ハイッ!」

と、響は奏の後ろに回った。そして奏は槍の穂先を回転させ、それによって発生した竜巻を前に突き出す。

「オリャァァァァァッ!!」

「何!?」

何と、響がタイミングを合わせて槍の尻を殴った!槍が加速し、エネルギーも増幅・・・これは!

「「ウワァァァァァッ!?」」

タイミングがズレ、尚且つ出力も上がった竜巻に、2人は吹っ飛ばされてしまった。そして射線上の俺にも、竜巻は襲いかかる。

「ッチィ、流石だなァガングニール姉妹!だが───」

 

「───計画通り!」

 

「えっ!?」

「何だと!?」

俺は腰を落として力を溜め、右拳を構える。すると、ユニコーンによって右手がドリル状のエネルギーに覆われる。更に、緑色をした風のエフェクトも巻き付いた。

「この暴風、貰ったぜぇ!!」

俺の声に呼応するように風はエターナルの純白の装甲に溶け込んで行き、右手の風エネルギーが更に跳ね上がる。

「ま、まさか!」

「これを狙ってッ!?」

「さぁな!行くぜェェェェッ!!」

右手のエネルギーは尚も膨張を続け、遂には俺の身長と同程度の直径になった。そしてそのエネルギーを噴出し、敵を貫く必殺の一撃!

「超!疾風千刃ンンンッ!!ギィガァァァ・・・ドリルゥゥゥ・・・ブレイィィィクゥゥゥッ!!」

「「ウアァァァァァァァッ!!」」

そのドリルは2人を飲み込み、ビルを3つ貫通した。エネルギーが切れてドリルが消滅すると、ガングニール姉妹は揃ってギアが解除されていた。

『けっちゃぁぁぁくッ!勝者!パラレルコーナー第1チィィィムッ!!』

デッドプールの審判と同時に、俺達は休憩室に転送。先ずは、勝利をもぎ取る事が出来た・・・

 

 

 

「つ、疲れたぁぁ~・・・」

「強かったねぇ~。保須のゴキ共とは大違いだった・・・」

「いやはや、久し振りに良い戦いが出来たな!」

俺達は見学室に戻り、パートナー達と話す。流石は命懸けの戦いを生き抜いた人達だな。強い強い。

「あんなの勝てる気しねぇよ・・・」

「3人共、強過ぎない?」

「凄いよ3人共!」

相手さんは、三者三様なリアクション。まぁ当然かな。

「なぁ、あの大爆発は何だったんだ?」

と口を開いたのはクリス。確かに気になるよな。

「そこはボクが説明します!」

お、観測係だったエルフナインが手を上げたな。ここは任せるとしよう。

「頼んだ」

「はい!まず出久さんは、アイスエイジメモリと同時にヒートメモリを投げ、フランドールさんに渡しました。その直後に、アイスエイジメモリのマキシマムドライブを発動。これにより、周りの温度は急激に低下しました」

「あぁ、急に尋常じゃない程寒くなったよな~」

椅子に座った奏が応答する。疲れからか、かなりグデッとしていた。

「実はあの時、地面の氷から超高密度の二酸化炭素が検出されていたんです」

「・・・えぇっと、どういう事?」

頭にクエスチョンマークを浮かべる響。化学は苦手かな?

「つまり訓練室のあの一帯は、一瞬でドライアイスが出来る程に冷却された・・・って事だろ?」

この世界のエボルト、石動仁が分かり易く要約してくれた。いやはや助かる。

「ハァ!?」

「ドライアイスだと!?」

コレには奏と親父っさんもビックリだ、当然だな。

「そういう事です。そしてその直後にフランドールさんが使った、ヒートメモリのマキシマムドライブと終焉極大刃炎剣(レーヴァテイン)。その莫大な熱量によって、冷えて収縮していた空気が爆発的に膨張。その結果、あのような大爆発を起こしました。衝撃波が発生していたので、恐らく空気の膨張スピードは音速を超えていたと思われます」

「・・・良く無事だったな・・・」

翼が顔を青くして言った。確かに普通の人間なら、まず間違いなくミンチになるだろう。シンフォギアは防御力も優秀らしいな。

「オイ出久、街ではぜってー使うんじゃねぇぞ」

「分かってるよ、かっちゃん」

かっちゃんに釘刺された。まぁ仕方無いわな。

「にしても、えげつない力だよな~それって・・・」

「・・・なぁ出久、少し良いか?」

「ん?どうかしたかな?」

仁が話し掛けてきた。何か質問かな?

 

「お前・・・  ()()()()()()  、あるんじゃないか?」

 

・・・やっぱり、修羅場潜った仮面ライダー・・・それもエボルなら、判って当然か・・・

「・・・別に、言いたく無いのなら言わなくてもいいんだが・・・」

「え?仁君、どういう・・・」

「あぁ、殺したよ。もう、数えるのが億劫になる程度には、な・・・」

「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」

その瞬間、三奈、フラン、デップー、惣司、仁以外の目が見開かれた。

「出久・・・」

「良いの・・・?」

三奈とフランが不安そうに俺の袖を掴んだ。その目は暗く、俺を心配してくれているのが見て取れる。

「大丈夫だ。コレは、俺の犯した罪・・・」

そう言って、俺は《あの日》の出来事を話した。助けた少女に初めてお礼を言われて、嬉しかった事。その少女から花を貰い、今も持っている事。そして・・・あの屑共の事・・・

「それから俺は、一時期ヴィジランテとして敵を殺したりしていた。フランの家にお世話になった事もあったな・・・そんな時に三奈と巡り会って、今の俺が居る」

全員が黙り込んだ。響と未来は声を殺して涙を流し、クリスは拳を握り締め、奏と翼は目を伏せる。かっちゃんは掌から爆発が漏れ、麗日はスカートの裾を握り締めていた。そして親父っさんは唇を噛み締める。デッドプール、惣司、仁は大きなリアクションこそ無いものの、その目には確かな怒りが燃えていた。

「・・・こんなのって・・・無いよ・・・こんなの、あんまりだよ・・・」

「ひ、非道い・・・です・・・」

・・・響とエルフナインは、遂に泣き出してしまった。その頭を、未来が泣きながら撫でる。優し過ぎると言える程に優しい響達には、少々キツかったらしい。

「い、出久・・・」

かっちゃんも震える声で俺を呼ぶ。

「でも、今は大丈夫だ」

俺の言葉に、全員が顔を上げた。皆目に涙を溜めており、俺の事を想ってくれているのが判る。

「今の俺には、三奈やフラン・・・他にも、支えてくれる仲間が沢山居るから。それにあの時、三奈は俺をダークサイドから引っ張り上げてくれた。そのお陰で、今は幸せだ」

全員が、息を吐くのが聞こえる。俺は、響に歩み寄った。

「だから、俺みたいな奴が居たら、引っ張り上げてやって欲しい。頼むぜ?」

「・・・うんっ!」

そう言いながら、俺は響に手を差し出した。響はその手をとり、俺達は握手する。

「そんで、こっからこう、こうして、こう!」

「「「!」」」

そして、弦太郎さんの《ダチの印》を交わした。三奈とかっちゃん、フランは、それを見て少し反応する。

「よし!しみったれた話は終わりだ!こんな空気にした俺が言うのもなんだが、下がった気分は試合で上げようぜ!」

そう言って、俺は親指を立ててサムズアップ。

「そう、だな・・・」

「そうだ」

それに吊られ、皆に笑顔が戻った。

「なぁ、そのダチの印、俺にもしてくれねぇか?」

「俺も頼む」

と、惣司と仁が出てきた。

「喜んで」

俺は2人ともダチの印を交わし、互いに笑顔を見せ合う。

「さぁて!第2試合の時間が迫って参りましたァ!チームの方々は、控え室にてお待ちください!」

デップーが元気よく宣言した。

「・・・フハハッ!やっぱりシリアスブレイクは、お前の専売特許だな!」

俺は笑い、皆も笑顔になった。さて、次の試合が楽しみだな!




『良くやったデップー』
「へへっ、意外と優秀な俺ちゃんなのでした!」
『次回も引き続き試合だぜ!』
「じゃあせ~のッ!」
『「お楽しみに!」』


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戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) ③

『え~、今回はかっちゃん達とデップーですね』
「Yesッ!!漸く俺ちゃんの出番だぜぃ!」
『あ、前回と今回の間に、ロギア・クロニクルの方で2つ進んでます』
「ではでは・・・」
『「さてさてどうなるコラボ回!」』


(出久サイド)

 

「お互い、散々だったなァ・・・」

「全くだよ~」

俺の言葉にぐでっとした体勢で返す惣司。今し方、この世界のエボルと試合した所だ。だが、結果は惨敗。現在休憩室で反省中だ。俺達の持ち味である〔馬鹿みたいに多い手数〕を使う前にやられちまったよ。畜生・・・

「ロケットで波状攻撃仕掛けたら変わってたかも・・・」

「あぁ、確かにな。俺のメモリにもあるぜ、ロケット。フォーゼ先輩のロケットモジュールみたいに使って大空を舞うも良し、相手さんに暖けぇマイクロミサイルのシャワーをプレゼントするも良しの優れモノだ」

「ヒュッ、そりゃ暖かそうだ」

にしても、まさか終わり無き地獄(NEVER・ENDING・HELL)を真っ向から撃ち破られるとは思わなかったな。初めてで手加減出来なかったのに、その上でだ。あれが、過剰進化したエボルの力・・・

「だが、思わぬ収穫もあったぜ」

「ん?収穫?」

俺が振り向くと、惣司は自分の腹に手を突っ込んでいた。俺は資料で見た事があるから驚かない。そして間もなく、惣司は手を引っこ抜いた。その手には、一本のボトルが握られている。

「新しいボトルか?」

「あぁ。これは、アイツが使った【ワード】のエネルギーを吸収して創ったボトルだ。言霊を受けた時、ブラックホールフォームに変身してて良かったぜ。ま、出来てクリエィション止まりだがな」

ははっ、転んでもタダじゃ起きねぇな~コイツ・・・

「さてと、次の試合だな」

「じゃ、戻るか」

 

(惣司サイド)

 

「え、そっちにもブラッドスターク居んの?マジで?」

「マジマジ。顔も今のお前ソックリだ。カフェ《nascita》のマスターもやってる」

異世界の奴に先越されてたか・・・よし!

「出久、これそのマスターに渡してくれる?」

俺は出久に小箱を渡す。真っ黒な地に、牙を剥くブラッドレッドのコブラがプリントされた箱だ。出久も一目見て、中身を察したらしい。

「良いのか?貴重品なんじゃ・・・」

「複製出来るようになったから大丈夫さ」

「・・・じゃ、コレは渡しとくよ」

【ボーダー!マキシマムドライブ!】

出久はスキマを開き、その中に小箱を投げ込んだ。

「俺のパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)に似てるな」

「あぁ、確かに・・・そう言えば、ビルドドライバーやスクルァァァッシュドォライバァ!はあるのか?」

「何でそんなに声真似上手いんだよ」

マジで完璧な若本ボイスだったぞ。

「あ~、それなんだがな。どういう訳か、スクラッシュだけが無いんだ。ビルドドライバーもエボルドライバーも、ハザードトリガーもエボルトリガーもある。フルボトルも、レジェンドベストマッチもあるんだ。なのに何でだろうな?」

「そりゃわかんねぇな」

ウ~ン、と2人で考えてみるが・・・

「「や~めた。わっかんね」」

全く同時に諦めて、俺達は見学室に戻った。

「出久~!」

「フンヌィ!」

と、同時にフランちゃんのロケットタックル。慣れているのか、出久は腹筋で受け止めた。流石は彼氏だねぇ。

「大丈夫だった!?」

「今大丈夫じゃ無くなる所だった」

訂正、ダメージはあったらしい。まぁ吸血鬼だからね。仕方無いね。

「あ、ごめんなさい・・・」

「良いんだ。もう慣れちまった」

やっぱ慣れてるんだ。

「よう!良い試合だったな!」

と、仁が歩いて来た。わぁ嬉しそうな足取り。

「よく言うぜ。俺らの本領発揮する前にさっさと倒しやがって・・・まぁ、戦闘じゃ正しい判断か・・・」

「出久が負けるの初めて見たよ、アタシ・・・」

「あぁ。今までは、あって精々相打ち寄りの撃破だったからな。あんな風に一方的に負けたのは、兄さん達以来だ」

流石に、星の記憶では星狩りに勝てんか。

「そう言えば仁、お前スクラッシュドライバー持ってる?」

「ん?持ってるけど・・・」

やっぱり持ってるよな。

「いやなに、俺のパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)には、何故かスクラッシュだけ入ってないからな。気になっただけだ」

「使ったブラッド族が居なかったからじゃねぇの?」

「・・・それや」

なぁるほどね~・・・確かに、ビルドドライバーとハザードトリガーは仮面ライダーブラッドが使うわ。

「・・・なぁ仁、スクラッシュドライバーを2つ、今すぐ用意出来るか?」

「ん、出せるぞ?ホレ」

そう言って仁はスクラッシュドライバーを2つ取り出し、出久に渡す。

「どうした?出久」

爆豪の質問に、出久はドライバーに向けていた視線を上げた。

「・・・この先、もしかしたらライダーシステムを使う(ヴィラン)が現れるかも知れない」

「ッ!」

・・・まぁ確かに、俺みたいな平行世界移動能力を持った奴なんていくらでも居るからな。

「ライダーシステムに勝てるのはライダーシステムだけ・・・なら、抑止力は多い方が良いと思ってな」

「・・・出久、まさか・・・」

三奈ちゃんは気付いたらしいな。

「・・・かっちゃん、麗日・・・ライダーシステムの保有者になってくれないか?」

「「ッ!」」

やっぱりな。2人共ハザードレベルはそこそこ高いから、ライダーシステムも使えるだろう。

「待ってくれ、緑谷君。流石に危険だ」

「分かってる。だから、やるかどうかは2人に任せるさ。それに狂暴化の副作用も、システムをグレードダウンすれば問題無い」

見れば、仁は出久の持っているスクラッシュドライバーをブラッド族の能力で弄っていた。

「・・・やる」

「・・・うん、私も!」

「なっ!良いのか!?」

まぁ、親父っさんからしたら子供が戦い方・・・それも対人戦のやり方を学ぶって時点で、言いたい所があるだろう。

「何時までも出久達3人じゃ、その内手が足りなくなんだろ」

「それに、身を守れる力もあった方が良いし!」

「・・・」

「親父っさん、諦めてくれ。こっちじゃ、こんな風に歪んでもいなきゃ生きられないんだ。俺だって、ヒーローも(ヴィラン)も無くなれば万々歳なんだけどな・・・そんな時代は、当分訪れそうも無い。と言うか、それで無くとも人口飽和で奪い合いになってるんだ。人口削減でもしない限り、平和には成らない」

そう言い、出久は肩を竦めた。

「・・・分かった。そもそも、平行世界の常識に口を挟むべきでも無かったな」

折れてくれたようだ。さて、今戦ってないメンバーは爆豪、麗日、デッドプール、翼、弦十郎、クリスちゃんだな。じゃ、決まったも同然だ。

「じゃ、次の試合で馴らしをしとこうか。丁度、人数も合ってるしな」

「ヒャッホウ!よ~うやく俺ちゃんの出番だぜぃベイビー!」

デップーのテンションが跳ね上がった。まぁ今まで空気だったからな。

「かっちゃん。ソイツは怪我しても5秒あれば復活するから、盾にしても問題ねぇぞ」

「了解」

「いや出久!俺ちゃんの扱いヒドくない!?」

「お前にゃコレが丁度良い」

ははは、愉快だねぇコイツ等は・・・

 

(勝己サイド)

 

「画面の前のお友達諸君!待たせたな!今回の主役、デッドプールだッ!」

「いや喧しいなプール」

ったく、何言ってっかわかんねぇわ。

「あ、因みに今は更衣室ね。ほら、出久達って今まで雄英の制服のままだったからさ。弦ちゃんがジャージ貸してくれたってワケ。因みに糞作者は書いてないけど、出久達もしっかり着替えて戦ってたよ」

「もう無視に限るなコレ」

マトモに取り合ってるとコッチが頭可笑しくなりそうだ。今だってタダの壁にノリノリでポーズ決めてやがる・・・

「さて・・・」

─ガチャッ─

俺は、出久に渡されたバックルを眺める。水色のボディカラーに、黄色いレンチとプレスが付いたバックル。持っていると、何だか言いようの無い重みが伝わってくるような感じがする。

「コレが、力の重み・・・か」

・・・思い返せば、俺の力は簡単に人間を殺せるモンだ。そんなに強く意識した事は無かったが・・・出久は、こんな重いモンを背負って、振るってたんだな。

「・・・ッシ、行くか!」

俺は立ち上がり、訓練室に向かった。

 

 

「・・・いよいよ私達だね、バクゴー君」

「あァ・・・」

訓練室に入り、麗日と並び立つ。あぁ、流石に緊張するな・・・

「俺ちゃんが居るから大丈夫さ!」

「・・・」

まぁ、実際強いからな。

「準備は良いかね?」

弦十郎のおっさんが聞いてくる。翼の姉さんとクリスの姉さんも、準備万端らしい。

「行くぞ・・・お茶子」

「ッ!・・・うん!」

【スクルァァァッシュ・ドォライバーッ!!】

・・・中々癖の強い音声だな。

「フゥゥゥ・・・」

「グルルルルッ・・・」

─ピキピキピキッ─

【デンジャー・・・】

─デンデンデン♪デンデンデン♪─

俺はゼリーパックの、お茶子は紫色のボトルのキャップを正面に合わせた。お茶子のボトルからはクラック音が鳴り、おどろおどろしい音声が鳴り響く。そして俺達は、それぞれが手に持ったアイテムをベルトのスロットに装填。

【ロボット・ゼァリー!】

【クゥロコッダイルッ!!】

ガコンガカコンップシュー!(ギュアァーンッ!!)ガコンガカコンップシュー(ギュアァーンッ!!)

待機音が鳴り響く中、俺はレンチレバーに右手をかけて左手で相手を指差し・・・叫ぶ。

「「変身ッ!!」」

ガコンッ!プシューッ!(バリィンッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!)

そして、さしていた指を上に向け、クイクイッと招いた。

【【潰レルッ!(割レルッ!)】】

すると俺達の周りに大きなビーカーが現れ、それぞれクリアブラックと紫のゼリーがその容器を満たした。

【【ナァガレェルッ!(喰ワレルッ!)】】

更にお茶子の容器の横には大きなワニの顎が現れ、俺の容器は捻れて身体に密着してスーツに変わる。

【【溢レッ出ルッ!(砕ケッ散ルゥッ!)】】

─バキィンッ!!─

最後に俺のスーツの頭から噴出したゼリーがアーマーを形成、お茶子のビーカーは出現した顎に砕かれてスーツに変化。更にスーツの顎に付いていたワニの顔がお茶子の顔を覆うブラックのクリアバイザーを噛み砕いて罅を入れ、模様を造った。その衝撃で、胸を覆う黒いアーマーにも稲妻のような白いビキビキ模様が入る。

【ロボット・イィン・グゥリッスゥ!!】

【クロコダイル・イン・ローグ・・・】

【【ブルルルラァァァッ!!(オォォルァアアアッ!!)】】

─キャァァァァァァッ!─

女の悲鳴が響き、俺達はライダーシステムの鎧を纏った。

「仮面ライダー・・・《グリス・ライト》・・・」

「仮面ライダー、《ローグ・ライト》・・・」

「ワオッ!2人共カッケー!」

デッド、雰囲気ブッ壊しやがったな・・・まぁ良い。

「心火を燃やして、ぶっ潰す!」

『訓練開始!』

出久のアナウンスを聞き、俺達は走り出した。

 

(NOサイド)

 

「オラァッ!」

─BBBBOOOM!!─

爆豪・・・否、グリスは開幕と同時に弦十郎に飛び込んだ。爆速ターボはライダーシステムによって出力が底上げされ、10m以上あった距離を一瞬で詰め切る。

「うおっ!?」

流石のOTONAも反応しきれなかったらしく、ほんの少しだがバランスを崩した。

「おぉらよッ!!」

─BOM!!─

その隙を見逃さず、爆豪は弦十郎の腹を思いっ切り爆破して大きく吹っ飛ばす。

「なっダンナ!?」

「司令!?」

この事態に、2人の装者は弦十郎の吹っ飛ばされた方向を振り向いた。そう──

「こんな状況で余所見・・・」

「何で赤色か気になるでしょ!」

──振り向いて、しまった。

「何!?」

「しまった!」

2人は正面に向き直るが、その時には2人は攻撃の射程範囲にまで近付いている。

「フッ!」

「血が出てもバレないからだよ~ん!」

麗日はクリスの胸部を狙ったパンチを、デッドプールは翼の顔面を狙ったドロップキックを繰り出した。装者はそれぞれバックステップとハンドスプリングで何とか避け、距離を稼ぐ。

 

一方グリスは・・・

「オラオラ!爆速ジェットォ!!」

「くっ!何という反射神経・・・」

空中でヒット&アウェイ戦法を使い、飛行能力を持たない弦十郎に対して有利な戦い方を展開していた。度々弦十郎が蹴飛ばしたり投げてくる瓦礫も、見てから避けるか爆破で粉砕している。

 

見学室は・・・

「「師匠(ダンナ)を押してる!?」」

「あの人間かどうか疑わしいレベルの強さを持つ弦十郎さんを!」

「「「ヒデェ言われ様だ・・・」」」←出&三&惣

当然と言うべきか、こうなっていた。

 

「クッソ!コレでも喰らいやがれ!!」

クリスは目の前の2人に向けて、6門ガトリング2丁を乱れ撃つ。

「フッフ~ン、来いよ」

だが、デッドプールは慌てずに背負っていた日本刀を両方抜き放ち・・・

─キィンッ─

弾丸を斬り落とした。

「フンフンフンフンッ!貧弱貧弱ゥ!WREEEEY!!」

─カンキャンキンキッカキンッチィンッ─

デッドプールの勢いは止まらず、弾丸の雨霰を中の人ネタを叫びながら弾く。そして・・・

「ウリャァァアッ!!」

─パキィンッ!─

最後の一発を、斬り落とした。

「フゥゥゥ・・・」

「ば、馬鹿なッ・・・」

「嘘、だろ?」

翼は目を見開き、クリスは口元を引き痙らせる。当然だろう。あの銃弾を全て防いだ()()()()()のだから。しかし・・・

「あ~・・・早いな、めっちゃ撃たれた

「「・・・は?」」

その雰囲気をブチ殺してくれるのがデッドプールだ。よく見れば、彼のコスチュームには穴が開いており、出血もしているのが見える。

「ね?血ぃ出てもバレ難いっしょ?それと作者さぁ。俺ちゃんに映画と同じ弾斬り(コレ)やらせたかっただけだろ?」

メタ発言も欠かさないデッドプール。そんな事言ってる間があれば変身したらどうなのだろうか。

「あぁハイハイ」ガッチョーン

─キュピーンッ─

【デンジャラス・ゾンビィ!】

「変しぃん!」

【ガッシャットゥ!】

【ピロンッバ・グ・ル・アァップ!デンジャラァスゾンビィ!ウォォォォォォ!】

 

「うっそだろオイ!?」

「え、仁君?どうしてそんなに驚いてるの?」

驚く仁に響が訊ねる。知らない人からしたら分からないだろうが、知ってる人が見れば分かる。アレがどれだけヤバいのか。

「・・・不死身なんだよ、アイツ」

「・・・え?」

「しかもデッドプールが変身者だから・・・うん、お前ら全員の必殺技を一斉に喰らって、何事も無く起き上がるぞ多分」

「・・・えぇ?」

「アレ作ったの俺な」

「何てモン作ってんだよ出久・・・」

混乱する装者。そして出久のカミングアウトに、惣司が突っ込みを入れるのだった・・・

 

「さて、行くぜェ~!」

レベルXに変身したデッドプールは、重心が安定しないグニャグニャした足取りで走った。上半身はグワングワン揺れるし足取りも覚束無い上にステップもランダムだしで、クリスも中々照準が合わないようだ。

「ハッ!」

─ギャリンッ!─

ゾンビゲーマーのバイザー部分を斬りつける翼。だが・・・

「利~か~ん~ぞぉ~?」

「ぴぃっ!?」

一旦海老反りになってから、有り得ない動きでゲンムが復帰した。その逆再生のような不気味な動きと光るオッドアイに睨まれ、クリスが涙目になる。

「何だコイツは!?」

「ヴェエハハハハハハハッ!だァれが教えるかァッ!」

変身して言動が神寄りになってしまっているデッドプール。こうなると最早手が着けられない。

「くっ!ハァァァァッ!」

─千ノ落涙─

本来この技は広範囲に剣の雨を降らせるモノだが、今回はその剣を一点に収束させ、ゲンムに降り注がせた。

─ズガガガガガガガガガガガッ!─

「・・・流石に、少しは利いてくれたか?」

少々の期待を込めて、土埃の舞う空間を凝視する翼。だが・・・

─ピュルルアァァァン!ピュルルアァァァン!─

「「!?」」

その期待を裏切るように土埃の中から響く、無慈悲で危険なアラート音。そして2人が慌ててアームドギアを向けた時・・・

【クゥリティカァルッデァッドゥ!!】

「ピギャァァァァァァァァッ!?!?!?」

ゾンビゲーマーの大群が現れた。纏まらない動きの癖して恐ろしい程の猛スピードで距離を詰めて来るゾンビ達に、堪らずクリスは大乱射。

『ヴオアァァァァァ』

「ッ~~~~~~~~!!」

だ が 無 意 味 だ 。

弾丸など全く意に介さず、ゾンビゲーマーの群れはにじり寄ってくる。その恐怖から、仕舞には声にならない声を上げて号泣し始めてしまったクリス。

「くっ!雪音!しっかりしろ!」

ゾンビゲーマーを斬り伏せながら叱咤する翼。しかし、右から来たゾンビを蹴飛ばした時に気付いた。このゾンビ達が・・・

─ピ・・・・ピ・・・ピ・・ピ・ピピピピピ─

赤く明滅している事に。

「ッ!!拙い逃げるぞ雪n──」

─ドカァァァァンッ!!─

「グアァァァァッ!」

「もうやだぁぁぁぁ!!」

結局逃げられずに2人共戦闘不能。仲良く見学室に送られた。

『・・・えぐっ』

『それ、作ったお前が言うことか?』

 

「あれ?そう言や麗日ちゃんは?」

千ノ落涙辺りからもうグリスの方に向かってたぞ。

「ウゾダドンドコドォーン!」

『デップー、急に冷やし土下座しないの』

 

 

 

 

「ぬぅ・・・ハッ!」

─ドゴンッ─

弦十郎は足元を踏み抜き、その隆起でライダー達を攻撃するが・・・

「オラァッ!」─BOM!─

「タァッ!!」─バゴンッ─

グリスには爆破で、ローグにはパンチで砕かれる。流石の弦十郎も息が切れてきた。

「喰ゥらえや!!」

「ハァッ!」

(くっ・・・この2人、それぞれの攻撃の裏側から追撃して来るッ!)

そう。ローグとグリスは、片方が左に行けばもう片方は右に、上を攻めれば下からと、息のあった嫌らしい戦い方をしていたのだ。しかもローグは、いくら殴ろうと装甲の白い罅を増やして防御力を上げてしまうだけ。弦十郎の疲労の原因はコレらが大きいだろう。

「決めるぞお茶子ォ!!」

「了解ッ!!」

(来るかッ!)

─ガコンップシューッグチュチュ~!─

【スクラップ・フィニッシュウッ!!】

レンチレバーを叩き下ろしてスクラッシュゼリーを潰し、グリスは両肩のマシンパックショルダーと背中からヴァリアブルゼリーを噴射して飛翔。

「オリャァァァァァァァァァッ!!」

そして弦十郎に右足を突き出して、ライダーキックを放った。

「その程度ならば・・・ムンッ!!」

─ガチッ─

弦十郎は腕をクロスする事でそのキックを受け止める。だが同時に、弦十郎は大きな違和感に襲われた。

(!?か、軽いッ!?)

「判ってンだよォンな事は!!」

─BOM!─

グリスはもう一度、今度は爆破によって上空に舞い上がった。そしてそのまま弦十郎に向かって回転しながら落下し、掌を向けて・・・

「強化・榴弾砲(ハウザー)着弾(インパクト)ッ!!」

─DGOOOOOOOOM!!─

大爆発を噴射した。しかも真上からなので、弦十郎が明後日の方向に吹っ飛ばされる事も無い。しかし・・・

「ハァァァァッ!!」

コレで倒れないのがこのOTONA。何と爆破の衝撃を発勁で5割程掻き消したのだ。

「あ、危な───」

─バリィン!ビシッビシッビシッ!─

「ッ!?」

背後からの音に振り返った弦十郎が見たのは・・・

【クラック・アップ・フィニッシュッ!!】

「ダァァァァァッ!!」

巨大な紫色の鰐の顎門(アギト)を象ったエネルギーで覆った足を、弦十郎を噛み砕かんと大きく開くローグだった。

「ぐあぁぁッ!!」

ローグはその顎門で弦十郎を挟み込み、ガチンガチンと何度も噛み付く。そして最後に腰を捻り、鰐がデスロールで肉を喰い千切るが如く弾き飛ばした。

「ガハッ・・・」

流石の弦十郎も気絶し、見学室に送られる。

『パラレルチーム!ウィィィィン!!』

「ッシャア!!」

「ヤッター!!」

出久のアナウンスで2人は喜んでジャンプ。その後「イエェイ!」とばかりにハイタッチした。

「ねぇ俺ちゃん置いてかr」

 

(出久サイド)

 

「凄いコンビネーションだった」

「師匠が・・・」

「負けた・・・」

「だとっ!?」

俺は2人に賞賛の言葉を贈り、腕を組んだ。響、未来、奏はポカーンとしている。

「ひっぐ、えっぐ・・・」

「デップー、土下座」

「大変!申し訳御座いませんでしたッ!!」

泣いているクリスと土下座するデップー、そして土下座を命令しつつクリスを宥める三奈。うん、安定のカオスだ。

「っと・・・」

「ふ~・・・」

麗日とかっちゃんは変身解除し、大きく息を吐いた。

「流石に、疲れたな」

「そうやね~」

やっぱりある程度負荷が掛かるらしい。だが、拒絶反応とかは無さそうだな。良かった良かった。

 

この日、新たな同士が誕生した。その名は仮面ライダーグリス・ライトと仮面ライダーローグ・ライト・・・祝おう。新たなライダーシステム保有者の誕生を・・・

「HAPPY BIRTHDAY♪グリス&ローグ・・・」

 

 

 

 

 

「あ、画面の前の皆。次回からお遊びのゲーム回だぜ☆乞うご期待!」

「分かる?この罪の重さ・・・謝ろうよ」

「スンマセンシタ」




『おいデップー、解説するぞ解説』
「久し振りだな~解説も」
『取り敢えず時間無いから、パパッと行くぞ。今回はこちら!』

《仮面ライダーグリス・ライト&仮面ライダーローグ・ライト!》

「で、見た目カモン!」
『おう。それぞれ書いとくわ』

・グリス・ライト:かっちゃんの顔にグリスのヴァリアリブルゼリーのマスクが付いてる感じ。髪の毛は出てる。掌は爆発を補助し、出力を上げたり腕のダメージを減らしたりする。

・ローグ・ライト:麗日のヒーロースーツのヘルメットがパープルカラーになり、クリアバイザーが黒くなった感じ。その顎には原点と同じく鰐の顎が付いており、ヘルメットの右顎には青いセンサーアイがある。手は指貫グローブで、個性の使用可能。

「フ~ン・・・イラスト描ける?」
『頑張るようにするが、あまり期待はするなよ』
「だってさ、残念。ではではこのあたりで、せ~の」
『「次回もゆっくりしていってね!」』


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戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) ④

『遂に来た・・・この時が・・・』
「待ちに待ったぜ。この時を・・・」
『さぁ!レッツパーリィナイッ!!』
「楽しいゲームの幕開けだッ!!」
『「さてさてどうなる第13話!!」』


「・・・」

──ドン!──

「・・・」

──ドン!──

「「「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」」」

──ドドンッ!──

ここはカフェ『nascita』の店内。扉には『貸切』の看板が下がっており、ブラインドも閉まっている。

店内の中心には4つの四角いテーブルがくっつけられて置いてあり、チョコケーキ、ショートケーキ、チーズケーキが皿に盛られて乗っていた。そしてそのテーブルを挟み、デッドプールと出久が無言で睨み合っている。その重々しい雰囲気に、装者達やヒロアカ組は勿論の事、あの惣司と仁さえもが黙り込んでしまっていた(因みにエルフナインは実験室でDNA解析中、親父っさんは仕事に戻った)。そんな中、遂にデッドプールが口を開く。

・・・・・・王様ゲームしたいと思いますッ!!」

「死んで下さいやがれッ!!」

そして、出久に0,1秒で暴言を投げ返された。

 

(出久サイド)

 

「え~?何で~?」

グネグネと身体をくねらせながらゴネるデップー。見れば右手に割り箸12本、左手に赤ペンと黒ボールペンが入った小振りな壺を持っており、もう準備万端。おっそろしい手際だ事・・・

「お前に王様ゲームなんぞさせたら碌でもない事にならない筈が無いからだよ!」

質の悪い事に、デップーが持ってる運命を味方に付けるナニカ(ご都合主義)のせいで、大体コイツの都合の良い方向に進んじまう。そしてコイツは初対面の人間の武装状態で興奮するような、見事なまでの見境無し糞野郎・・・やらかす。確実に、ナニカやらかす!やらかしやがるッ!

「え~?それってヒドくね?」

「イ~ヤ!ヒドくないね!」

「王様ゲームやりたい人!手~上げた!!」

「オィデップゥゥゥ!!」

コイツ多数決に・・・まぁ、こんな事に手ぇ上げる奴なんて・・・

「ハーイ!」(^^)/(響・奏・エボルト×2・彼女2人・麗日の計7人)

・・・えぇ?

「だって面白そうだし!」by響

「翼もこういうゲーム経験した方が絶対良いぜ!」by奏

「「面白い事になりそうなので」」byエボルト×2

「やった事無いけど・・・」by三奈

「楽しくなりそうだしね!」byフラン

・・・嘘だ・・・

「ヴゾダドンドゴドォォォァッ!!」

 

 

 

「「「「「「「「「「「「王様だ~れだ!」」」」」」」」」」」」

結局、やることになった。フランはルール知らなかったから俺が教えたよ・・・よし、こうなりゃ自棄だ!トコトン楽しんでやる!

「あ、俺ちゃん王様!!」

「ナニイッテンダ!フジャケルナッ!!」

「ふざけてなんかいませ~んw」

クッソ!寄りによってコイツが最初かよ!!せめてソフトなヤツに・・・

「じゃあ、全員コスプレして!あ、衣装は惣司君にお任せね!」

「・・・惣司、露出過多のヤツとか出したら・・・死ぬ寸前まで痛めつけるからな?」

「わ、判ってるって・・・(おぉ恐っ。ロゥリィよりも恐ぇ)」

俺の圧を受けながら、惣司はブラッド・モーフィング(適当に命名)で俺達のジャージをコスチュームに変えた。内容は・・・

 

俺・茶色いコンバーターラングが付いた暗緑色のアサルトベスト(どう見ても4号)

 

かっちゃん・カズミンのモッズコート

 

麗日・ローグカラーのライダースーツ

 

三奈・ライダー少女クウガ

 

フラン・ライダー少女キバ

 

惣司・コート、マフラー、マゼンタのトイカメラ(おのれディケイド)

 

仁・鷹山さんコス(つか、こっちのジンとだだ被りだな)

 

響・ライダー少女カイザ

 

未来・ライダー少女クロノス

 

奏・ライダー少女響鬼

 

翼・ライダー少女剣

 

クリス・ライダー少女ギャレン

 

という感じになった。露出も少ないし、まぁ問題ないだろう。

「良くやってくれた惣司。グッジョブ」

「感謝の極み」

確かヘルシングだっけか?そのネタ・・・

「ウンウン、良きかな良きかな」

デップーは腕を組んで頷いている。腹立つな・・・

「ほら、次行こ!せ~の!」

「「「「「「「「「「「王様だ~れだ!」」」」」」」」」」」

俺は・・・③!さっきダディのネタ使ったからか!?

「あ、俺だ」

今度は惣司か。まだまともそうだが・・・

「1番から7番までの全員、俺の作ったコーヒーを飲め

・・・ウェイッ!?

「ウェイッ!?」

おっと声に出ちまった・・・ってそんな事ぁどうでも良い!

「おいッ!俺達にまさかア、アレを飲ませようとしてるのかッ!?」

「・・・ハハッ・・・」

おっとォ?仁から諦めたような声が!コレは引いてしまったのか?1~7のどれかを!

「まって、俺ちゃん4番なんだけど・・・」

あ、デップーは早々にツケが回って来たな。ア~アご愁傷様(建て前)地獄を楽しみなァ!(本音)

「えっと、私は9番だったけど、響は?」

「私11!助かった!クリスちゃんは・・・」

「・・・(チーン)」

「クリィィスッ!安心しろ!寂しい思いはさせねえからな!!」

「あ奏さんも当たったっぽいねコレ」

わぁお。この見事な阿鼻叫喚よ。

「・・・なぁ出久。今から飲まされるのって、コーヒー・・・だよな?」

「劇物とかや無い・・・よね?よね?」

「あ~ぁあ、かっちゃんと麗日も当たっちまったか・・・」

「「出久(君)ッ!?」」

さてと・・・当たったのは俺、仁、デップー、クリス、奏、かっちゃん、麗日の7人だな・・・シンフォギア組はともかく、ウチの2人はヤバくねぇか?もしかっちゃんの個性が暴発したり、麗日の狂気が復活したりしたら・・・

「あ~、当たっちまった皆。何かまるでこの世の終わりみたいな顔してるけど、俺は普通にコーヒー煎れられるからな?」

「「「「「は?」」」」」

・・・何・・・だと・・・!?

「エボルトが・・・普通のコーヒー・・・(ッヘーイ)?う・・・嘘だ・・・フッ・・・俺を騙そうとしてる・・・ウワァァァァァァァァァアアァァァァァァ!!」

「で、宝生エムゥ!は満足したか?」

「うん、満足」

「「「「いや、今の何だよ!!(なのさ!!)」」」」

やってみたかったんだよ、宝生エムゥ。

「まぁ、完全ノーリスクなんて面白くも何とも無いので・・・7杯中2杯は、俺の弟子・・・と言うか生徒から『人が死ぬ』認定を貰った、このおっそろしいエボルトコーヒーにしようと思います」

「・・・」

・・・デスヨネー(泣)

「ホラホラ、グイッと一気に」

もう煎れてあるし・・・

「ハァッ・・・ハァッ・・・うっく・・・」

「ォオイ、だ、だいじょじょうぶかぁクリスぅうぅううぅ」

「奏、声が震えてるぜ」

きっと奏も、エボルトコーヒーの餌食になった事があるんだろうな・・・

「よし!皆、せーので逝くぞ!答えは聞いてないっ!」

「ちょっ字が違っ」

「せーの!」

─ゴクッ─

・・・ん!

「お!美味い!俺のは当たりだ!」

良かった~・・・ん?皆まだ飲んでなかったのか?

「・・・もう1人ずつ飲むかい?」

「・・・ッシャ!女は度胸だ!」

「奏先輩逝く気か!?な、ならアタシもだ!」

「なら、俺も飲ませて貰おうか」

っと、遂にシンフォギア組の2人が自棄を起こしやがった。

「逝くぞ・・・」

「「「せーのっ!」」」

─ゴック─

「・・・ぷはぁ・・・ヨシ!当たりだ!」

「はぁぁぁ・・・良かった・・・」

「こんなにハラハラしながら他人のコーヒー飲んだのは初めてだ」

どうやら、3人も当たりだったらしい。クリスは顔面蒼白だが、これは緊張からだろう。

「・・・ッシ、逝くか」

─ゴクッ─

「お、かっちゃん逝ったか」

果たして結果は・・・?

「・・・美味ぇ」

「・・・と、」

「言うことは・・・?」

ギ、ギ、ギ、と錆び付いたロボットのように顔を見合わせるデップーと麗日・・・おっと・・・コレは・・・

「・・・ピリッタイム!」

ホイッスルを鳴らすデップ待てそれ今どっから出した?見間違いじゃなければズボンの中・・・それも前から出したよな?

「却下。王様も命令は?」

「クッ・・・絶対!」

「・・・バクゴー君。お願いがあるんやけど・・・」

「ど、どうした?お茶子・・・」

何か光の無い目になってるぞ麗日・・・

「コレ、飲めたらさ・・・名前呼び、させてくれるかな?」

「・・・ハッ!?」

おぉっと想像の斜め上を行くお願いだな。コレは・・・上手く行けば、くっ付くかもしれん。

「ダメ、かな・・・?」

「・・・カツキって呼べ」

「!・・・よしっ!頑張るぞぉ!」

「糞手抜き脚本作者乙」

「第4の壁の向こう側の人達にしか分からんような事を口走る暇があれば早よ飲まんかい!」

ったく、デップーの一言でいい雰囲気台無しだよ。

「じゃあデップーさん!一気に逝くよ!」

「・・・よしっ!ここでやらなきゃ男が廃るな!」

そう言ってマスクを勢い良く外すデップー。目は珍しくド真剣だ。

「せーのっ!」

「Let's ガンギマリッ!!」

─グビッ─

おぅ、音が違ったぞオイ・・・

「かjふぇbふbdyfhfgsんしdbd!?」

「ッ・・・・・・ほぇ?美味しい?」

「は?」

コレは・・・一体どういう?デップーは

「あれっ?おっかしいな~・・・」

どうやら惣司も分からないようだ。

「・・・お茶子、チョイ貸せ」

「え?うん。はい」

受け取ったかっちゃんはマグカップを傾け、口に一滴分程含んd

「ゴベバッ!?」

「か、カツキ君!?」

・・・分かった。分かっちまったぞオイ・・・

「大丈夫か?かっちゃん」

「エェッフェフッ・・・あぁ、何とか・・・」

 

・・・絶対あのメモリ(クトゥルフメモリ)のせいだぁぁぁ!!

あれの狂気は『異常食』・・・一応回復はしたが、そうか・・・味覚に異常が出たか・・・

 

「お茶子・・・ホントに大丈夫なのか?」

「うん。普通に美味しいよ?まぁブラックやからチョット苦いけど」

そう言ってまたくぴっと飲む麗日。それを見てかっちゃんは見事に戦慄している。見渡せば、シンフォギア組とエボルト2人も漏れなく引きつった顔をしていた。うん、まぁ、そりゃな・・・

「まぁ、良かったんじゃないか?麗日に()()は成って欲しく無いだろ?」

そう言って俺が視線を向けて顎でしゃくったのは、あの殺人兵器(エボルトコーヒー)をカップ一杯一気飲みして、見事にガンギマっちまったデップー。白目を向いて泡を吹いており、手足はビクンビクンッ!と痙攣している。

「・・・確かに」

「じゃあデップーの分抜いて、次行こうか」

「切り替え早いのな仁」

「今回出番少ないからな」

コイツまでデップーみたいな事言い始めやがったぞオイ・・・

「じゃあ次行くぞ~。せーの!」

「「「「「「「「「「王様だ~れだ!」」」」」」」」」」

「あ、私だ」

未来か。さてさて、命令は?

「え~っと・・・(そう言えばこのショートケーキ、桜桃が乗ってる・・・あ、そうだ!)じゃあ、7番と4番と2番の人は、桜桃のヘタを口の中で方結びして下さい!」

「あ、俺4番だわ」

「私7番だったよ」

「あ!出久と三奈ちゃんもなんだ!」

ワオ!まさかの俺のハーレムか・・・よし。

「まずは、ケーキ食わないとな」

「何気に全く触ってなかったからなお前ら。折角作ったのに・・・」

「何か、ゴメン。今から食うからさ」

仁に謝りつつ、俺達3人はショートケーキを口に運ぶ。お、これは・・・

「ん~っ!これ美味しい!」

「本当!スゴい美味しいよ!」

「流石は喫茶店のマスターだな」

ホントに美味い。特にこのクリーム・・・

「柚子の皮だな、この香りは」

「あ、分かった?隠し味にちびっと入れたんだけど」

うんうん、いい仕事してるね。

「さて、桜桃も食ったし、やりますか」

俺達はヘタをパクッと口に放り込んだ。さて、まずは堅い繊維を軽く噛んで少し柔らかくしよう。前歯で全体的に万遍なく、肉叩きみたいなイメージだ。

「ん~?」

「むく・・・んむ」

2人は苦戦してるらしいな。だが進もう。今度はリングを作る。歯茎なんかに押し当てて・・・よし出来た。後は、そのリングの端を舌で円に押し込めば・・・

「・・・んぺ」

よしでけた。

「早っ!」

「出久スゴいっ!」

「俺、人外レベルで器用だからさ」

メモリーメモリ様々だな。

「ウ~~ン・・・」

「モニュモニュモニュモニュ・・・」

おっと、思ったよりも苦戦するな。やっぱり俺が異常なんだな。

「・・・!出来た!」

「私も!」

2人揃ってぺっと舌を出す。その上には、方結び出来た桜桃のヘタが乗っていた。

「よし、3人共クリア!」

「「「イェ~イ!」」」

3人で飛び上がってハイタッチ。

「これ良いね。口ん中鍛えられそう」

三奈の言う通りだな。口の中のスペースの使い方が分かるというか・・・

「因みにそれ出来る奴はディープキスが上手いって言われてるな」

─ピシッ─

惣司の言葉に、2人は凍り付いた。

「・・・え?マジで?」

「まぁ都市伝説みたいなもんだが・・・」

「「・・・~ッ」」

あらら、顔真っ赤にしちゃって。

「出久は動じないんだな」

「別段恥ずかしがるべき事とも思えないからな」

そう答え、肩を竦めてウィンクしながらペロッと舌を出してみせる。ハニートラップとかも経験済みだからな。本気で愛してくれる三奈やフランに比べりゃ、億分の1程の魅力も感じなかったし心も動かなかったが・・・

「よし、じゃあ次行ってみよう!」

「「「「「「「「「「「「王様だ~れだ!」」」」」」」」」」」」

「ってデップー復帰したんか」

「えーりん先生の人体実験(新薬のバイト)で磨き上げられた薬物耐性が無いと危なかった。あと感染力皆無に改良された新型のTウィルス」

「お前Tの保有者かよ・・・で?王様は?」

さて、今度は誰かn

 

「俺 ち ゃ ん だ わ !」

 

「く た ば り や が れ 糞 ウ ェ イ ド !」

 

「言っちゃう!?ここで本名言っちゃう!?マジで!?」

いつ以来だろうか。こんなに心から本気で「くたばりやがれ」なんて言ったのは・・・

「ハァァァ・・・何でお前2回目なんだよ・・・」

「ご 都 合 主 義 ♥」

「ド突きたい、このニヤケ顔」

こぉれはまたドギツいのが来るのを覚悟した方が良いかな。

「では5番!1番を、自分が持ってる力を使ってマッサージ!」

「あ、良かった。まだまとm」

「そして1番!喘げ!」

・・・コイツ今、何っつった?

「「え゛?」」

・・・まさかの麗爆かいな・・・

「オイこら糞プール!どういう意味だよアァン!?」

「あ、喘げって・・・喘げって・・・///」

あ、コレは麗日が1番だな。

「いやだって、君らさっき素直になったのにイチャイチャしねぇんだもん。きっと画面の前の皆もさぁ、もっと吐糖しそうな程甘々なイチャイチャが見たいと思うんだよね。喜べ画面の前の麗爆♥信者共!俺ちゃんが素ン晴らしィ~シチュエーションを用意してやったぞ!野郎共!鼻血でティッシュ箱を空にする準備は良いか!?」

「誰に向けて話してんだカス!!」

「画面の向こうのお友達です~!」

「ふざけんなァ!!」

「ふざけてなんかいませ~んw」

お~お~煽るねデップー。知らないぞ~?後でデカいツケが廻って来ても・・・

「ホラホラホラホラホラホラ、王様の命令は~?」

「クッ・・・絶・・・対・・・」

苦虫を噛み潰したような声音と、爆発しそうな程に真っ赤になった顔で、かっちゃんは渋々承諾した。

「あ~、その・・・お茶子・・・痛かったら言ってくれ////」

「う、うん////」

そう言って麗日の後ろに回るかっちゃん。覚悟でも決めたんだろう。目がキリッとしてるね。相変わらず真っ赤っかだけど。

「ではこっから3人称視点です!彼等の脳内まで、じ~っくりとお楽しみ下さ~い!描写下手だったら許してね☆覚悟は決めてもコカインはキメるなよ!」

デップーがまた第4の壁の向こう側の住人(お友達とやら)に話掛けているが、無視を決め込むと決意した俺だった。

 

──NOサイド──

 

爆豪はモッズコートを脱いで椅子を持ち、麗日の背後に回る。お互いに顔は真っ赤。

「じゃあ、行くぞ・・・(爆発抑えねぇと・・・)////」

「う、うん。お願いね・・・(ひゃーっ!緊張するぅ!)////」

そして爆豪は麗日の肩にゆっくりと手を当てた。

「ひゃっ!」

すると、驚いたのか麗日の身体が小さく跳ねた。それに対し、爆豪の脈も跳ね上がる。

「い、痛かったか?」

「う、ううん、大丈夫!チョットびっくりしただけやから!」

「・・・なら良かった」

爆豪は大きく息を吐き、肩に当てた指を慎重に動かして、モニュモニュとマッサージを開始した。

(結構、凝ってんだな・・・そう言やコイツ胸大きいから、その重量が肩に・・・ヤベェ、自然に邪念が入って来やがった・・・)

「(そ、そうや、喘がな・・・えっと~えっと~・・・)んっ//・・・んぁっ//」

「ッッッッッ~!?!?!?」

麗日のやけにリアルな色っぽい喘ぎ声に、爆豪は石像の如く硬直する。元々、麗日は演技の才能があった。その才能が、この環境下で無意識の内に働いてしまったのだ。しかも今の麗日はパッツパツのライダースーツ。ボディラインがそのまま出るので、それがエロさに一層拍車を掛けている。

「・・・あの、えっと・・・ば・・・カツキ、君?///」

「っ!す、スマンっ!?///」

目を逸らして何とか落ち着いて向き直った爆豪の視界に、肩越しの潤みかけた麗日の瞳が飛び込んできた。益々頭部に血が集まり、早くも命の危険を感じ始める爆豪。

「・・・スマン、続ける///(そう言えば、『力』使うって・・・この場合、個性で良いよな?だったら・・・)」

─ポポポポポッ─

爆豪は限界まで威力を絞った爆破で掌の温度を上げ、血行促進と同時に振動マッサージを試みる。

「あ・・・暖かい・・・♥ハァ、気持ち良ぃ♥」

「そりゃ、良かった・・・///」

どうやら上手く行ったらしいと一息吐く爆豪。そしてまた肩の上に指を這わせ、強張った筋肉を揉み解し始めた。温熱マッサージのお陰で、さっきまで緊張していた麗日もリラックス出来たらしい。

「ハァ、ハァ//・・・んっ!そこっ、イイ!//」

「・・・ここ、だな。分かった(ック!エロい!)」

歯を食いしばって平常心を保つ爆豪。他のメンバーも一言も発さず、固唾を飲んで見守っている。だが、この2人にはそんな事を気にする余裕は無かった。

「ひっ//・・・あっ、ああっ//・・・ぁんっ♥」

「・・・・・・」

最早爆豪は思考を停止し、半ばゾーンのような状態になってマッサージを続行している。指先の感触と視覚情報にリソースを全て割いているせいで、その顔は一周廻って能面のような無表情に成って居舞っていた。

(・・・ん?何だコレ?)

その時、爆豪は微かな、しかしハッキリとした違和感を覚える。

(コレは・・・赤い、ライン?)

そう。彼の視界に突如、赤みを帯びたラインのようなものが現れたのだ。それは麗日の背中に走っており、幅は指の直径2つ分だろうか。

(肩から項に掛けて・・・それと、背骨に沿うような形で肩甲骨の間から腰まである。それに、肩甲骨の縁の真ん中辺りがやけに濃い?・・・まさか・・・)

試しに爆豪は、そのラインの上を親指の腹で圧迫しながら撫で下ろした。

「ひっ!?あっあんぁっ///はぁんっ!?///」

すると麗日は大きく反応し、その背筋を仰け反らせる。その反応に、爆豪は『やっぱりか・・・』と納得した。

()()()()

「へ?・・・か、カツキ君?何?」

「スマン、ちっと勝手に動くぞ」

「え?ひゃぁっ!?」

そう言って爆豪は麗日の背中を押し、机にうつ伏せになるように倒し込んだ。更に腰に手を回して上半身を完全にテーブルに乗せ、麗日の膝は椅子に乗せる。

「・・・ふっ」

「ッ~!?あ、あぁっ///!?あっあっ、はぅん!?///」

すると、さっきまでの恐る恐るといった手付きとは打って変わって、強く揉み始めた。特に背筋は、右手の中指を左手の親指に巻き付け、第2関節をピンポイントで押し込んでいる。

「何っ、急にっひゃんっ♥!?上手く♥なって、んおぉっ♥!?」

「何か、見えるようになった」

爆豪は一旦手を離し、先程色が濃く見えたポイントに両肘を当てた。そして・・・

─BBBBOOOM!!─

「っ♥!?あぁぁぁあぁぁあぁああぁぁあっ♥!?」

掌を細かく連続で爆破する。その衝撃は肘からダイレクトに伝わり、削岩機のように筋肉を刺激した。余りの刺激に絶叫する麗日。その目は既に焦点が合っておらず、口の端からは涎が垂れている。

「・・・もっと・・・もっとだ・・・」

「はい!かっちゃんが変なスイッチ入りかけてるんで終了ッ!!」

─パンッ!─

出久が手を強く叩いてストップコールを掛ける。この時、爆豪も完全にイっちゃった目をしていたのだ。

「・・・ッ////!?」ボンッ

─バタッ─

そして出久の手の音で正気に戻った爆豪は、一気に顔を真っ赤に染め上げてぶっ倒れた。自分のやった事を鮮明に覚えていたのだから仕方が無いだろう。

「・・・え~、色々と収拾が付かなくなりそうなので・・・今回の王様ゲームは、これにてお開きにしたいと思います」

「「「「「「「「「「賛成」」」」」」」」」」

惣司の言葉に麗日と爆豪以外の全員が従い、このゲームは無事(?)お開きとなった。

 

 

──感想──

 

三奈「・・・めっちゃエロかった」

 

フラン「永遠亭でマッサージうけた三奈ちゃんみたいだった」

 

デップー「あれ絶対感z」─(首の骨が折れる音)─

 

奏「は、激しかったな・・・」

 

翼「・・・(ノーコメント)」

 

クリス「あたしもやられたら・・・あ、あんな風になっちまうのかな///?」

 

響「・・・怖さ半分、興味半分、かな///」

 

未来「・・・・・・ッ///」ボンッ←ああなる自分を想像した

 

エボルト「「・・・ノーコメントで」」

 

爆豪「・・・スマンお茶子・・・」

 

麗日「・・・気持ちよかったから・・・ええよ?///」

 

出久「あれ、途中から催眠状態だったよな麗日・・・」

 

──余談──

偶然nascitaの前を通りかかったマリアが麗日の嬌声を聴いてしまい、弦十郎に報告。仁が誤解を解くために1時間ぶっ通しで説明し続けたんだとか。




「いや~・・・たまらねぇぜ」
『まぁでも、しでかした事は返ってくるって事で・・・』王様棒を持つ
「え、何それは」
『命令。《エボルトコーヒーで消化管を満たせ》』
「ナァニィ↑!?ヤダヤダ俺ちゃんまだ死にたくガボガボガボガボ!?」ピチューンッ(チーン)
『あ、感想と評価、お気に入り登録お願いします。あとロギア、仁君が苦労して説明した描写、頼んだぜ。それと、nascitaで一泊する予定だから。ではでは次回も、お楽しみに~』

『あ、それと、今回かっちゃんが習得した能力。あれは俺が小学生のころに目覚めた能力です。凝ってるところが見えます。あと、桜桃のヘタ結び。あれも出来ましたよ』


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戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) ⑤

「なぁ作者」
『どうした?デップー』
「お前、コレやった事あんのか?」
『(やった事)無いです。ルールは知ってるけどね』
「オイオイ、そんな知識で大丈夫か?」
大丈夫だ。問題無い(駄目みたいですね)
「小説でしか出来ない器用な発言止めィ」
『では、変な所があれば指摘して下さい』
「定番のコメ稼ぎだな」
『最近ロギアクロニクル(コラボしてる弟子)からしかコメント来なくて寂しい』
「良くないなぁ、そういうのは」
『突然の草カイザ止めい首折るぞ』
「だ が こ と わ r(首 の 骨 が 折 れ る 音)」

『さてさてどうなるコラボ回!』


(出久サイド)

「人狼ゲーム?」

響の提案に聞き返す俺。ルール自体は知っているが、王様ゲーム同様にやった事は無かったな。

「カード一式持ってるからな。12枚あるぜ」

そう言って仁がカードを取り出す。絵柄は『人狼』『人間』『占い師』『狩人』『狂人』『霊媒師』で、人狼が3枚、村人が5枚、あとはそれぞれ1枚ずつだ。

「あれ?そう言えば人数はポッキリだけど、ゲゲルラグダダはどうするんだ?」

「あ・・・」

考えてなかったのか・・・こういう所が原点エボルトと違うというか、何というか。

ザダダサ(だったら)ゴセ()グゲゲルラグダダゾギジョグ(がゲームマスターをしよう)リント(人間)ンババドゾ(のカードを)パパン()ラギ()ブベ(抜け)

流暢なグロンギ語で立候補したのは、もう1人のエボルトである惣司だ。

ギギロバ(良いのか)ゴラゲ(お前)パボグギグゲゲルググギザド(はこういうゲームが好きだと)ゴロダダンザガ(思ったんだが)

このノリに乗っかって、俺もグロンギ語で返してみた。三奈とフランが困った顔をしてるな。まだすんなりとは耳に入らないんだろう。

ギギンザジョ(良いんだよ)ダラビパ(たまには)ゴグギグボロ(こういうのも)ゴロギソギ(面白い)ザソ(だろ)

声変えると凄みがあるなぁオイ。

バサダロンザ(なら頼んだ)。さて皆、人狼ゲームをしよう」

 

──10分後──

 

(NOサイド)

 

『じゃあ全員、カードを引け』

 

ルール説明も終わり、全員が惣司の指示に従ってカードを引く。因みに惣司は雰囲気を出すため、スライム状態で天井にへばり付いていた。ショゴス気取りか。

 

『よし、引いたな。じゃ、アイマスク着けろ』

 

指示通り、全員が支給されたアイマスクを着けた。

 

『人狼はマスクを外して、お仲間さんとご対面だ』

 

マスクを外したのはフラン、未来、出久だった。何故か納得できてしまうメンバーなのは気のせいだろうか。

(あ、出久も人狼なんだ)

(人狼で良かったぜ。パッシブスキルに虚偽無効があるからな。人間側だと、すぐに人狼が分かって面白く無い)

(へぇ、このメンバーなんだ・・・)

 

『ハハハッ!ピッタリだな!じゃあそれぞれ、喰いたい奴を指差してマスクを着けろ』

 

フランは三奈、未来は奏、出久は麗日を指す。

『成る程。じゃ、次は狩人と占い師。それぞれ、カードを俺に見えるように持って、占いたい奴と護りたい奴を指せ』

狩人は爆豪で麗日を、占い師は翼で奏をそれぞれ指差す。すると惣司はシンビオートのように天井から伸び、翼のアイマスクを外して奏の役職を見せた。そのカードは人間だ。

「(コクリ)」

 

『よし、1日目の朝、スタート!全員、アイマスクを外せ!』

 

指示通り、全員がアイマスクを外した。出久は大きな欠伸をし、周りの顔色を窺う。皆、少々落ち着かない様子だ。

 

『まず喰われたのは、三奈ちゃんと奏だ。あっちの退場者テーブルに移れ』

 

「ありゃりゃ、早速私か」

「奏・・・」

「いやはや、食べられちゃったい」

奏と三奈が頭を掻き、苦笑いしながら退場者テーブルに移る。翼が少しシュンとし、爆豪はフゥッと軽く息を吐いた・・・吐いてしまった。

(へぇ、成る程・・・俺は麗日を喰えなかった。そして、かっちゃんは安堵の溜め息。かっちゃんが狩人って事か)

この観察眼お化けの前で、ヒントを作ってしまったのだ。

 

『じゃ、処刑会議の時間だ。話し合ってくれ』

 

メンバーは少しざわつくが、誰も手を上げようとはしない。切り込み隊長気質の奏と三奈が初っ端から居なくなったからか、もしくは警戒してか。あのデップーでさえ、口を開こうとしない。

「なぁ」

その時、仁が手を上げた。その声に、全員の視線が集まる。

「俺、実は占い師なんだ。で、占ったんだが・・・人狼だったぜ、

(!へぇ・・・)

(成る程、ね・・・)

(仁の奴、狂人か。面白い奴だぜ)

「な、何!?」

仁の言葉で、完全に察した人狼チーム。対して、自分が呼ばれると思っていなかったであろう翼は、大きく狼狽えてしまった。このゲームにおいて、こういったリアクションは致命的である。

「お?図星か」

「い、いや違う。私が占い師だ。私は奏を占っていたが、奏は人間だった」

何とか冷静になった翼。しかしここに、新たな爆弾を投下する者がいた。

「待って。占い師は私だよ」

未来だ。人狼である未来自らが、混乱を更に掻き回す。

「占いによると、人狼は・・・仁君だったよ?」

「なっ!ち、違うぞ!」

ふむ。どうやら、自分を捨て駒にする作戦に気付いてくれたらしいな。

 

『じゃあ投票だ。さぁ、誰を処刑する?』

 

仁←翼、出久、フラン、デップー

翼←仁、爆豪

未来←響、麗日、クリス

という結果になった。

 

『では、仁を処刑。退場者テーブルに行こうか』

 

「あ~畜生!最っ悪だ・・・」

仁は頭の毛をワシャワシャ掻き回す。

(名演技ありがとよ。さて・・・次だな、問題は・・・)

 

『さて、これより夜時間だ。アイマスク装着しろ~』

 

妙に間延びした惣司の声が響いた。全員がアイマスクを着け、指示を待つ。

 

『まず、占い師。占う対象を決めろ』

 

翼が指差したのは、未来。惣司はそれに従い、人狼のカードを見せる。

「!(コクリ)」

翼は驚きながらも、頷いた。

 

『じゃ、次だ。霊媒師には、仁の役職を教える』

 

と言いつつ、降りる事はしない惣司。つまり、霊媒師はもう喰われたのだ。

 

『よし、それじゃあ狩人な。護りたい奴を選べ』

 

爆豪は出久を指差した。

 

『成る程。じゃ、人狼のターンだぜ。マスク外しな』

 

人狼チームはマスクを外し、目配せする。そして、出久が手を挙げて口を動かした。

「(人狼は任意で、食わないでいる事は出来るのか?)」

読唇術で意を察した惣司は、身体の色を変化させ、電光掲示板のように返事をする。

『(可能だ。1日ならな)』

出久は頷き、今度は仲間にジェスチャーを送った。

「(2人は、今回は喰うな。俺がかっちゃんを喰う)」

「(OK。分かったよ)」

「(考えが有るんでしょ?従うよ)」

他の2人も、快くそれに従って目を隠す。最後に出久がアイマスクを着け、腕を組んだ。

 

『よし、2日目の朝だぜ』

 

言われるまでも無く、全員がアイマスクを外す。

 

『今回の犠牲者だが、誰だと思う?・・・爆豪だ』

 

「俺か・・・」

爆豪は素直にテーブルを移動した。しかし、その眉間には皺が寄っている。

(人狼は3匹の筈・・・俺が出久1人を護ったとして、他の2匹はどうした?何で2人喰われてねェ?・・・処刑した仁が人狼?・・・クッソ、判んねェ・・・)

 

『じゃ、処刑会議だな』

 

2回目の処刑会議が始まった。喰われた事で爆豪が人狼では無い事が分かり、麗日が若干ションボリしている。

「もうカップルで良いんじゃないかな?この2人」

「デップー、こういうのは急かすモンじゃ無いんだよ?」

「三奈の言う通りだぞ。じっくり進んで行きゃ良いんだ。さてと、誰か報告は?」

「じゃあ私から」

出久の質問に対し、手を上げたのはフランだ。

「私、霊媒師なんだよね。調べた所・・・人狼だったよ、仁君」

フランのカミングアウトは勿論ハッタリだ。しかし、本物の霊媒師は口出ししない。否、出来ない。何故なら、もう既に喰われてしまったからだ。故に、これが嘘と判るのは残りの人狼2人だけだった。

「さて、1人はかっちゃんが命を賭して護ったんだろう。そして、犠牲者は1人だ。つまり、仁が人狼だったってのは間違いないだろうな。そしてそれは、未来が占い師である証拠だ。と、言うことは・・・」

全員の目線が、翼に集まる。これで、翼が人狼であるという状況証拠が揃ってしまったからだ。

「ま、待て!本当に私は違『さてさてさーて!お待ちかねのォ~・・・投票タァ~イム!』そ、そんな・・・」

無慈悲過ぎて、最早涙目になりかけている翼。そして、投票が始まった。結果は・・・

翼←出久、未来、フラン、麗日、響、クリス

出久←翼、デップー

となった。

 

『じゃ、翼は処刑だな。退場者テーブルに移動だ』

 

「くっ・・・」

苦い顔で移動する翼。当然だろう。翼は本当に占い師で、人狼の罠に見事に嵌められてしまったのだから。そして、残った人間は麗日、デップー、響、クリスだ。最早摘みゲーである。

 

『さて、夜だな。狩人、護りたい奴を選べ』

 

勿論、誰も動かない。しかし、人間陣営にその事を知る術は無かった。

 

『じゃあ、次は占い師な。対象を選べ・・・よし、見たな。じゃ、次は霊媒師だ。翼の役職を教えよう』

 

動かすのは口だけな惣司。その役職が居ないからだ。

 

『よし、最後に人狼チーム。喰いたい奴を選びな』

 

出久はデップーを、未来は響を、フランはクリスを指差した。ゲームセットの瞬間だ。

 

『よし、朝だぜ』

 

アイマスクを外し、それぞれが顔を見合わせる。

 

『じゃあ、喰われた奴を発表する・・・デップー、響、クリス。喰われたぜ、お前ら』

 

「「「「えぇっ!?」」」」

目を真ん丸にする人間陣営。まぁ、人狼は後1匹だと思っていたタイミングで一気に3人喰われたのだから仕方無いだろう。

 

『残りが麗日だけになったから・・・このゲーム、人狼チームの勝ちだな』

 

「あ、私生き残ったんや」

「まぁ、ゲームとしては負けたけどね」

キョトンとする麗日に三奈が突っ込みを入れた。

「成る程なァ、お前らが人狼か・・・あ~ぁあ」

そう言い納得する爆豪。その表情は険しく、かなり悔しそうだ。

「え!?じゃあ仁君は!?」

「狂人だろ。周りを引っ掻き回して、処刑されるように仕向けたんだろォな」

混乱する響に解説を入れる爆豪。それを聞き、他のメンバーも『あぁ~』と納得した。

「フッフ~ン、乗せられちゃった?」

「ありがとよ、仁」

こうして、楽しい人狼ゲームは幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

「・・・あれ?ねぇ作者、俺ちゃんの出番は?」

仁に迷惑を掛けたペナルティだ。諦めろ。

 

(出久サイド)

 

「で、どうだった?俺のGM、しっかり出来てた?」

「バッチリだったぜ」

天井から降りて来た惣司の質問に俺は答える。にしても画期的な伝え方だったな。まさか体色を変えて電光掲示板みたいに答えてくるとは・・・

「なぁ、もう4時なんだけど、今夜どうすんの?どっか泊まるアテあんの?」

「「「「「「「あ・・・」」」」」」」

「考え無しね。そんなこったろうと思ったよ全く」

しまった、もうそんな時間か・・・さてどうしよう。俺と三奈、あとデップーは恐らく野宿でも良いけど、それ以外がなぁ・・・

「オイお前ら。ここ、泊まっていけ」

・・・え?

「良いの!?」

「ホントに!?」

「良いの良いの、今回楽しかったし」

おぉ、仁の太っ腹に感謝だな。

「そんでさ、ウチ、風呂あるんだけど・・・入る?」

「「「「「「入る!」」」」」」

「うおっ凄い食い付き」

訓練の疲れもあるからな。風呂は有り難い。

「もう沸いてるよ。ちょっとした銭湯・・・よりは小さいと思うけど、男女それぞれ全員が入ってくつろげると思うぜ」

「何から何まですげぇな、この世界のnascitaは・・・」

「惣司に同感」

 

 

 

「フゥ~極楽極楽~・・・」

「出久、ジジクセェぞ」

湯船に浸かった俺の言葉に、かっちゃんが反応する。良いじゃねぇかよ、爺臭くても・・・

「にしても、出久の筋肉って凄いよな。密度が」

─ゴグリッ─

「痛ってぇ!?」

「フッw」

突っついてくる惣司の指を脇腹の筋肉で完全にガード。それなりに力を込めていたらしく、突き指して悶絶し始めた。愉快愉快w

「ねぇ、今回さぁ、俺ちゃんの台詞少なすぎない?」

「メメタァ!」

やっぱり第4の壁を認識出来るんだな~仁は。まぁ今回のは分からなくもない。デップー、今回は2言喋ったかなって位だったし。

「所でかっちゃん」

「ん?」

「どうだった?ライダーシステムは」

感想は大事だからな。それに、勧めた責任もあるし。

「・・・強ぇ。ただただ、強ぇ。それしか言えねぇな。あの力を(ヴィラン)が振るう様なんぞ、正直想像したくもねェ」

・・・成る程ね。

「だが、受け取ったモンだ。いざって時にゃ使わせてもらうぜ。中々良い着心地だったしな。快感」

「おう、それが良い」

これで、一応は安心かな?と言うか、その台詞はオトーヤン・・・え、待って?かっちゃん死なないよね?麗日に膝枕されて死なないよね?・・・多分、恐らく、きっと、大丈夫だ。そう思うことにしよう。あ、そうだ。

「そう言えばデップー」

「ホイホイ何じゃらゴキブリホイホイ?」

「文やんとの調子はどうよ?」

─ピキッ─

瞬間、デップーは凍り付いた。それは最早色付きの彫刻と言われても信じてしまえる程に、完璧な硬直だった。

「え、何?何があったの?」

惣司も戸惑いを隠せないご様子。まぁお調子者のデップーが硬直すれば、そりゃな。

「・・・いや、問題は無いんだよ。問題は・・・強いて言うなら・・・セッ◯ス中に身体が保たなくなって、決まって気絶しちゃうぐらいかな!HAHAHA!!」

回復因子(ヒーリングファクター)持ちの身体にガタが来るって、妖怪系個性の性欲ってヤバいな」

「・・・出久・・・金髪とは、気を付けろよ」

・・・そう言えば、フランも妖怪・怪物系の吸血鬼(ヴァンパイア)だ。コレは搾り取られるかな。俺の血諸共・・・

「まぁ、俺は人外みたいな身体だから大丈夫だろう。そうじゃなかったら、そん時ゃそん時だ」

「何でこんな躊躇無く下ネタの話が出来るのかねぇ」

「「女子組が居ないからかな(だろ)」」

「えぇ・・・」

もう理解することを諦めた惣司。コイツの場合、体型と精神構造が男寄りだから体格もそうしてるだけで、実は性別が無いのだ。だから仕方無いだろうな。

「まぁ、この問題だって童貞捨てた時よりゃマシだけどさ」

「どんだけ酷い状況だったんだよ」

身体にガタが来て気絶するってのより酷いって・・・正直、想像付かないな。

「あん時ゃホントにキツかった。15の頃にヘマって女傭兵団に捕まってな」

「あ・・・(察し)」

「それまた異形型が多いから性欲も凄いし、仕事柄何時死んでもおかしく無ぇって事が更にその性欲に拍車掛けてんのよ。もう嫌だった。全裸に猿轡と手錠でベッドに固定されて、24時間強制◯ックスだったぜ。それに比べりゃ、気絶したらちゃんと止めて、後から謝ってくれる文の方が億倍マシよ」

「「「・・・」」」

言葉を失う俺達。まぁ、何だ、ウン・・・凄まじいな。

「と言うか、尺取っちゃったね。作者~!ちょっとカット入れて~!」

 

─10分後─

 

「良い湯だったな。凄いぜここ」

俺達は仁が用意してくれた浴衣を着て、カフェスペースの椅子に座っている。因みに装者組は帰った。

「おし、じゃあそれぞれの鍵渡すからな」

そう言って仁は俺達にキーを渡す。と言うか・・・

「何で男だけ?」

「デップー以外は女の子と同室で頼む。部屋がそれだけしかなかったんだ(棒読)。なので、出久は三奈&フランと、爆豪は麗日と寝てくれ。あ、手は出すなよ?」

・・・大体分かった。全く、お節介な奴だよ。

「なっ!?」

動揺するかっちゃん。まぁ、そんなに強く割り切れて無いからな。でも、新しい力を得た者同士、いいタイミングかも知れない。

「じゃ、それぞれ解散」

「あ~、かっちゃん。存分に、(気持ちを伝えると良い)

「ッ!!」

さてと、俺は卓球でもしますかな。

 

(勝己サイド)

 

「イヤ~、かっちゃん強いな」

そう言って卓球ラケットを手の中でクルクルと回す出久。思考加速を縛らせて、漸く26─24でギリギリ勝てた。

「さてと、もうそろそろ良い時間だ。部屋に行こうぜ」

ニヤつきながら提案する出久。何か腹立つな・・・

「行こっか、出久」

「私、旅行ではホテルでしか泊まったこと無かったから、なんか楽しみ!」

「おぉ、そうなのか。じゃあ行こう」

2人の要望通り、出久は部屋を探しに行った。両腕に2人をくっつかせながら。

「じゃ、俺ちゃんも行くわ。GOOD RACK」

俺の肩をポンッと叩き、デッドプールも部屋に向かった。何気にイケボ・決め顔・サムズアップのイケメンコンボが成立してたのがムカつく。マスクしてんのに・・・

「・・・俺らも、行くか・・・お茶子」

「う、うん・・・」

そっと麗日の手を取り、ほんの少し力を込めて握る。心臓が踊るな・・・落ち着けや俺の心臓!

「・・・ん」

「!!」

ちょっと握り返してきた!くっ、スゲェな出久達は・・・

「・・・よし」

そして、俺は鍵に書かれた番号の掛かった部屋を探して歩き出した。手の中の温もりを感じながら、ゆっくりと。

 

 

 

「よいしょ、っと・・・」

そう言ってポスッとベッドに座るお茶子。ベッドが2つあってマジで安心した事は、墓まで持って行こうと思う。

「・・・」

「・・・」

・・・何て話しゃ良いんだ!?

「あ、あのさ!」

「お、おう!」

向こうから振ってくれた。やっぱり、気まずいのは嫌だよな・・・

「今日の訓練、上手く行ったね!」

「あ、あぁ。お前が、上手く合わせてくれたからな」

「ううん、合わせてくれとったんはカツキ君やん」

「いや、あれはお前のフォローが良かったから勝てたんだよ。オッサンのパンチ受け止めてくれたり・・・」

「そ、それ言うたらカツキ君も、攻撃がキレッキレでスゴかったし!」

「イヤイヤお茶子が!」

「イヤイヤカツキ君が!」

 

 

「「・・・・・・プッ・・・ハハハハハハハハッ!」」

・・・なんだこのやり取り・・・でも何か、ホッとするな・・・

「ガキかよ俺ら」

「んふふっ、ホンマやね~」

ハァ、漸くお互いの緊張が解れたな。

「・・・ねぇ、カツキ君」

「どうした?お茶子」

お茶子の少し沈んだ声に、俺はそっちを見る。目に入ったお茶子の顔は、今さっきとは打って変わって少し不安気だ。

「・・・今日、さ。私達も、仮面ライダーの端くれ・・・に、なったやん?」

「・・・おう」

「・・・変身して、カツキ君と一緒に戦った時・・・と言うか、目の前に出て来た岩を、反射的に殴った時・・・砕けたんよね、簡単に・・・」

「まぁ、ライダーのスペックは基本的にt単位って出久も言ってたからな・・・」

本当にスゲェよな、ライダーシステムって。

「でさ、そん時・・・殴ったのが、もし・・・もしも、人やったら、って思って・・・」

「!!」

「正直、怖い。もし、この力で誰かを傷つけてしもたら、とか、もし、それが皆やったら、とか・・・」

「・・・そうか・・・」

そう、だよな。お茶子の個性は、対象を無重力化させるだけだ。俺の爆破とは違って、直接的な攻撃力はほぼ無ェ。そんな奴が、急に人を簡単に殺せる力を手に入れたら・・・怖いに決まってる。

「・・・あはは、やっぱり私には無理なんかな、仮面ライダーって・・・こんな臆病じゃ──」

違う

「・・・え?」

思わず、口が動いた。本当に反射的に、俺の意識と関係無く・・・いや、違う。関係無くなんか無ェ!

「力を持つなら、お前くらい臆病な方が良いんだよ!」

「え?か、カツキ君?」

もうこの際、勢いで言っちまおう。

「昔、馬鹿なガキがいた。派手な個性を振り回して、ちやほやされたから、いい気になって威張り散らして・・・挙げ句、自分を『カッコイイ』なんて言って慕ってくれた幼馴染みを、無個性だって理由で・・・虐めた」

「っ!」

・・・察したか。

「ソイツは、殴ったり、蹴ったり、仕舞いにゃ、個性を使って痛めつけたりもした。そんで、偽物の()()に酔っていたかったんだ・・・なぁお茶子・・・お前は、その馬鹿とは違う。ちゃんと、力が他人に与える痛みを考えられるんだ。だからソイツと・・・()と同じ間違いは、しねぇよ」

「カツキ君・・・」

「万が一、お前が誰かを傷つけそうになったり、落ち込んだりしたら・・・そん時ゃ、俺が・・・助けてやる!」

「!!」

言い切った俺は、お茶子の頭を撫でた。そしてその手を頬に下ろし、親指で軽く擦る。

「俺だけじゃねぇ。出久も、芦戸も、スカーレットも・・・デッドプールもだ。俺らの先輩として、助けてくれる。だから・・・心配いらねぇよ」

「・・・ぷっ、アハハハハハハ!」

「オイコラ!ここ笑う所じゃねぇだろ!」

「いや、慰めてくれたのがさ?何か意外で・・・ふふっ」

「・・・ったく・・・」

(・・・まぁ、さっきみたく悄げた面してねぇから、良しとすっか)

そう思って頬から手を離そうとした。が・・・

「ねぇ、まって?」

その手にお茶子の手を重ねられ、止まる。

「っ!?」

一瞬ギョッとしたけど、次の行動にも驚かされた。お茶子は、俺の掌に頬擦りしたんだ。

「カツキ君・・・好きです

「・・・・・・ッッッ!?」

い、今、何て・・・!?

「・・・あはは、言っちゃった///・・・ちょっと乱暴で、口悪い時もあって、でも、根っこは今みたいに優しくて・・・そんなカツキ君が、私は好きなんです///♥」

「・・・」

・・・ヤベェ、頭が回らねぇ・・・

「・・・(れも)・・・」

「え?」

「俺もだよ!」

あぁ、クソッ・・・お茶子に先越されちまったな・・・

「喧しいぐらい元気で、いっつも美味そうに飯食って・・・たまに芯が強ぇ所もあって、泣くほど悔しい事があってもすぐ立ち直って・・・そんなお前に・・・ほ、惚れたんだよ俺も!!///」

「ッ!!」

言った・・・言っちまった・・・でも、自分の気持ち隠してウジウジしてるなんざ、俺じゃねぇ!

「・・・やっぱり、両想いやったんやね///」

「・・・そうみてぇだな///」

だったら、言う事は一つだ。

「お茶子・・・」

「カツキ君・・・」

「「()の、恋人になってくれ(ください)!」」

・・・これが・・・あぁ、そうか。

「「喜んで!」」

これが、か・・・

 

「・・・何か、嬉し過ぎて実感湧かねぇな」

「あはは、そうやね・・・だったら、さ」

「ん?」

照れ臭くて外した視線を、お茶子の目に向け直す。するとお茶子は視線を合わせた後、ゆっくりと目を閉じた。

「ッ!」

この仕草は、流石に俺でも知ってる。俺に向かって少し顎を上げているから、求めているモノは、きっと()()で間違い無いだろう。

「・・・カツキ君、お願い・・・」

「ッ!!あ、あぁ!」

俺は覚悟を決め、お茶子の顎を指で支えた。そして、お茶子の顔に自分の顔を近付ける。少しずつ、ゆっくりと・・・

「・・・」

「・・・」

互いの吐息の音が聞こえる程に近付いた。そしてそのまま、その距離は・・・

 

「ん・・・」

 

0になった。




「ウッヒョォォォォ!!キマシッ!キマシッ!!」
『恋愛経験皆無の俺には、コレが精一杯だった。え~読者の皆さん、コレばっかりはご勘弁下さい』
「俺ちゃんは一向に構わんッッッ!!」
『ありがとよデップー。さて、今回の人狼ゲームだが、流れは

三奈と奏が喰われる

仁が処刑

爆豪が喰われる

翼が処刑

デップーと響とクリスが喰われる

って感じだな』
「まぁ、頑張ったんじゃないか?文字数も最多だし」
『頑張ったよ。お陰で2週間位かな?かかったし』
「じゃ、次も頑張れよ」
『応よ、分かってるさ』
「じゃあそろそろ・・・」
『締めましょうか。せ~の!』
「『次回もお楽しみに!!』」


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戦姫絶唱エボリューション!/3人のE(+5人) 終

『え~前回と今回の間に、ロギアクロニクルの方で1つ進んでおります。まずそちらをご覧ください』
「ここにキマシタワーを建てよう」
『もうコメ欄で建っとる。さて、長かったコラボ回も今回で終わり!最後まで楽しく行こう!』
「『さてさてどうなるコラボ最終回!!』」


仁から爆豪と麗日に渡された2本のクラックボトル。それを使い、2人はメガロドンのローグダークとフェニックスのグリスセイヴァーにそれぞれ変身。そして、仁からの警告と説明を受け、変身を解除しようとドライバーに手を伸ばした時だった。

─バヂヂヂヂッヂヂヂッヂッ!!─

「「ぐあぁぁぁぁぁっかかかかかっ!?」」

何の前触れも無くボトルからスパークが走り、変身が強制解除してしまったのだ。

「お、おいっ!大丈夫か!?」

「爆豪!麗日!」

「勝己君ッ!お茶子ちゃんッ!」

慌ててデップー、三奈、フランが駆け寄り、助け起こす。

「仁君?コレは、どういう事かな?」

「説明・・・出来るよな?」

「は・・・ひゃい・・・」

一方仁は、闇そのものを押し固めたような目をした出久と未来に詰め寄られて顔面蒼白で正座・・・否、土下座した。因みに2人共ライダーベルトを装着しており、出久はエターナルメモリを、未来はNEOクローズドラゴンとシェンショウジンボトルを構え、何時でも変身して仁に一撃を叩き込む準備が出来ている。片や戦場を駆け、一時期裏の世界で『蒼炎の死神』と呼ばれた化け物。片や友達の為ならば何でも出来る、怒らせたらヤベーイ!393。その2人のほぼ本気の殺気に挟まれたのだ。気絶していないだけ奇跡である。

「え、え~っとその~ですね・・・こ、古代生物のボトルを扱うのは何分初めてなもので・・・」

「なぁお前、エボルダイナソーって知らないのか?」

「え、何それは?」

「あコレ本当に知らない奴だ(まぁ、確かに玩具化はされてない劇中未使用のボトルだけどさぁ・・・)」

2人を抱え起こしながら惣司は溜め息を吐いた。頭の中はメタメタである。

「おッ!?」

「ん?どうした惣司」

奇声を上げた惣司に出久が訊ねた。

「2人共、ハザードレベルが6,0になってやがる・・・麗日なんて、昨日までたった3,5だったのに!」

「「何!?」」

思いも寄らない返答に叫んでしまう出久と仁。

「ぁあッ・・・おいお茶子、大丈夫か?」

「ん~、何とか・・・あれ?何か身体が軽い気が・・・?」

「・・・言われてみりゃ、確かに・・・」

「あぁ、ハザードレベルの上昇は、それに比例して身体能力も上がるらしいからな。多分それだろ」

「「あぁ~」」

出久の説明に納得した麗日と爆豪。

「・・・良かったな仁、無駄な失敗じゃ無かった分、許してやるよ。未来も、勘弁してやってくれ」

「・・・ハァ、了解」

「あ、ありがてぇ・・・」

こうして、何とか出久達の折檻から逃れる事が出来た仁なのであった。

 

(出久サイド)

 

─バンッ!─

「皆さんッ!!」

「ゴフッ!?」

「ウェイッ!?」

「ひゃっ!?」

扉を叩き開ける音に、思わず変な声が出てしまった。見れば、かっちゃんも水が変な所に入ったらしく激しく咽せている。今さっき響が起きてきて、折角美味い朝食だったのに・・・

「あ~、エルフナイン?取り敢えず落ち着けよ。こちとら朝飯中だ」

「あ・・・ごめんなさい・・・」

仁に咎められ、素直に詫びるエルフナイン。良い子だな。

「別に良いさ。それより、俺達のDNA調べてたんだろ?何か見つかったかい?」

かっちゃんの背中をさすりながら問い掛ける。かっちゃんの方も、何とか持ち直してきたようだ。

「そ、そうなんですっ!実は皆さんのDNAを観察した結果、凄い事が分かって・・・」

「で、興奮しちまってnascita(ココ)まで走って来たと・・・テレポートジェム使えば良かったんじゃねぇのか?」

「・・・ぁ」

仁の言葉に固まるエルフナイン。しかし、テレポートジェムか・・・ジェムは宝石って意味だから・・・大方、転移術式を封入した人工水晶体って所だろうな。興味深い・・・

「取り敢えず、先に飯食わせろ。それが終わってからだ」

「ハイ・・・」

復帰したかっちゃんの言葉に従うエルフナイン。確かに、今は飯優先だな。

「所で、エルフナイン・・・お前徹夜したろ?」

「え?あっはい。でも、どうして?」

やっぱりな。そんなこったろうと思った。

「まず、足元がふらついてる。平衡感覚の異常は、寝不足に有りがちな症状の一つだ。更に、さっきから瞬きの度に眉間に必要以上に力が入ってるし、何より白眼を剥きかけてる。閉じたままでいようとする身体の反応を、無理矢理無視して目を開けてる証拠だ。と言うか、その濃い隈を見れば分かる」

「凄い観察眼ですね・・・実は、もうそろそろ限界で・・・ふぁ~っ・・・」

そう言ってエルフナインは大きな欠伸をした。疲れ、溜め込み過ぎだろ。

「何か、何時かの出久を見てるみたい」

「そうか?」

「そうだよ。会ってすぐの頃、ネットで調べてみたんだけどさ。アップされてた動画のエターナル(出久)、見るからに疲れた様子だったよ?」

・・・三奈の指摘も頷けるな。特にあの頃は・・・

「確かにな。当時、悪夢を避けるためにほぼ眠らなかった。平均睡眠時間は10分かそこらだったな」

「え゛?・・・大丈夫だったの?」

「フィジカル的には大丈夫だったが、メンタル的にはキツかった」

ホント、三奈と会わなかったら発狂してたな。

「あ、今は寝てるぞ?」

「無茶しないでね出久。それと仁君、エルフナインちゃんに私達の借りてた部屋のベッド、使わせてあげても良い?」

「良いぞ。エルフナイン、確か廊下の突き当たりだ」

「ふぁい~・・・」

仁の言葉に呂律の回らない言葉で返し、エルフナインは廊下の奥に歩いて行った。

「・・・ん?そう言やデップー、お前今日ヤケに静かだな」

「あぁ、今の今まで糞作者が俺ちゃんの事忘れてやがったからね、仕方無いね。ハ~あの作者ホンマつっかえ。止めたら?この仕事」

「メタ発言と淫夢語録が混ざってエラい事になってるぞ」

もうコイツ更に頭可笑しくなってるよ。ぶっ飛んできてやがる。

「って、何時の間にか食い終わったな。エルフナインは当分起きてこないだろうし、それまで何して時間潰す?」

俺の言葉に、デップーと三奈とフランがnascitaの店内を見回す。すると、お客柄かカラオケマシンが置いてあった。丁度良いな。

「良いの見つけた。仁、あのカラオケマシンって使えるか?」

「おう響達も使うからな。歌好きか?」

「好きだし、それ所かツベにうpもしてる。最近出来てないけどな」

最近歌えてないよな~。

「よし、じゃあ歌うか!ここ防音カンペキだし」

仁も乗り気だな。さぁ、ショータイムだ♪

 

──ダイジェスト──

 

 

「「スーパ~ノ~ヴァ♪」」

「うわぁ~!三奈ちゃんもフランちゃんもカッコイイ!」

まず始めに、俺の恋人2人がスーパーノヴァをデュエットする。響テンションがかなり上がった。

 

 

「かぁぜ~を~切れ~♪声を~枯~ら~して~♪」

「デップー上手いなオイ」

「そしてチョイスがarmour zoneと言うね」

仁がデップーの歌声に舌を巻く。そうなんだよ、コイツ歌上手いんだよ。意外だろ?

「・・・なぁ出久。俺、何を歌えば良いんだ?」

「あぁ、かっちゃん経験無しか・・・(ニヤリ)じゃあ、(ゴニョゴニョ)・・・」

「ッ!?・・・わかった・・・」

 

 

「衝~撃度♪さ~い大の~♪出~来事が~奇~跡~呼ぶ~♪君を愛する自分を~止め~られ~ない♥」

「「「マジか」」」

「やっぱ、おとーやんだよな」

「///」

「愛を叫んでるね~♪叫びまくってるね~♪」

デップーと三奈とフランは唖然とし、惣司はニヨニヨしてる。新しい恋人達を祝福するには、コレが最適だろうな。

「よ~し!俺ちゃんの超弩級のテポドンで祝砲あげてやr─(首の骨が折れる音)─チーン」

「こんな時に何やってんだ貴様は」

デップーがエグい事しようとしたんで、草カイザの如くへし折った。まぁ秒で復活されたが・・・

 

 

「WHITE LINEを追いかけ~ろォ~♪」

惣司はまさかのデルタだった。しかも『声の仕事が得意』という自称が許されるレベルの歌いっぷり。いやはや、恐ろしいな。

 

 

さて、最後は俺だな。じゃあ、この曲で行くか。

「君が~抱~き締めて♪いるのは~♪あの日の~約束~♪ひとつ~♪」

『cod-E~Eの暗号~』だ。兄さんが教えてくれた曲だからな。

「やっぱり、出久の歌唱力って凄いよね」

「身体鍛えてるからかな?」

ははっ、俺の恋人達は嬉しいことを言ってくれるねぇ。

 

 

──ダイジェスト終了──

 

「ふぅ~、ひっさびさに歌った歌った♪」

うん、満足。スッキリしたぜ。

「ふあぁ~・・・」

「お?起きたかエルフナイン」

と、仮眠をとっていたエルフナインが起きてきたな。疲れも結構とれたらしい。

「はい!かなり楽になりました!」

「よし!じゃあ早速だが、君は何を伝えにあんなに慌てて飛び込んできたんだ?」

「そ、そうでした!聞いてください!」

またエルフナインのテンションが上がったな。そんなに凄い事なのか。

「惣司さん以外の皆さんのDNAを調べた結果・・・その構造が、三重螺旋だったんです!」

「・・・?」

「それがどうかしたか?」

「え?え?」

「・・・あぁ~、成る程」

うん、大体分かったわ。

「悪いけどエルフナイン、俺らの世界じゃ、DNAが三重螺旋じゃない人の方が珍しいんだよ」

「・・・え?えぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 

───────────────────────────────

 

 

「つまり、従来の二重螺旋の他にもう1本、()()()()()()()()があるという事ですか?」

「そういう事。だから無個性の奴は、大きく分けて2つ。

 

①・個性因子が不完全(穴あきなど)な為、個性が上手く発現しなかった

 

②・DNAが二重螺旋の旧人類。コレは足の小指に関節があるか否かで見分けられる

 

という2パターンだ。①の場合、このタイプの無個性同士の間に出来た子供は、それぞれの穴を補完し合って、新しい個性を持った子供が産まれる可能性がある。一方②の場合は、それ同士が交配しても受け継がれる個性因子その物が無いから、子供に個性が発現する事はほぼ有り得ない。ま、中には突然変異(ミューテーション)で個性のある子供が産まれる事もあるだろうが・・・」

ざっと説明すると、こんな感じだな。

「注意:コレはあくまでオリジナル設定です。だって原作借りてるだけだもん」

デップーのメタ発言は無視するとして・・・さて、気になるのは・・・オールフォーワン。奴はこの遺伝子を奪っているんだろう。ならば、奴の体内には複数の遺伝子が混在しているはず・・・つまり、奴は拒絶反応を起こさない体質、と言う事か?いや、《拒絶反応無効(もしくは抑制)》なんて個性もあるだろうからな。それを奪ったと考えるのが妥当か・・・もう良いや。これ以上続けても、こんがらがるだけだ。

「成る程・・・では、出久さんの個性は何なんですか?」

「ん、俺は無個性だぞ?あ、②の方な」

「「「「え゛?」」」」

「え?」

・・・何?この空気・・・デップー以外固まっちまったんだけど・・・

「イヤイヤイヤイヤ!」

「無い無い無い無い!」

「「有り得ないよ!!」」

わぉ、真っ正面から大否定されたな。

「言っとくが、この人間離れした能力もメモリの力だからな?」

「えぇ?・・・どんなメモリなの?」

()()()()メモリ。《記憶》という概念の記憶を封入したメモリでな。俺の身体と融合してるんだ。言わば今の俺は、《メモリードーパント》と言える状態なんだよ」

「・・・なぁ、ガイアメモリの毒素はどうなるんだ?メモリーなんて、かなり強力なメモリだろう。ならその分、毒素もつよくなるはずだ。なのに、何でお前は平気なんだ?」

仁が気になるのもご尤もだな。説明しよう。

「簡単だ。メモリーメモリが()()()()()である俺を気に入って、毒素をカットしてくれてるからだよ」

「・・・マジ?」

その答えを聞き、あんぐりと口を開ける仁。まぁ信じられんわな。というか響は理解を放棄して人狼ゲームのカード使ってカードタワー造り始めたぞ・・・

「生まれ付きなんだが、分析・記憶が大の得意でね。そこが噛み合ったんだろ」

「・・・お前が規格外の権化だって事が分かった」

「お前よりゃマシだ。俺は精々地球規模の規格外だが、お前は宇宙規模・・・下手すりゃ時空規模の規格外じゃねぇかよ」

かっちゃんや麗日、三奈とかフランに言われるなら良いが、コイツの場合は完全にブーメランだ。アレだぞ?鋭角的に曲がって頭に刺さったからな?

「「・・・もうギブアップ」」

おっと、優秀なマイラバーズもキャパが限界か。彼女等までトランプタワー造り始めたわ。

「でも、出久さんのDNAも三重構造でしたよ?」

「それも簡単。もう6年間融合しっぱなしだからな。メモリーメモリのガイアエナジーが、俺の身体に遺伝子レベルで定着してるんだよ」

「あぁ、成る程」

エルフナインも納得してくれたらしい。さてと・・・

「惣司!もう帰るんだよな、今日」

「その予定だぜ?長居するのも悪いからな」

「そうか・・・じゃ、その前に・・・仁!奏と翼とクリスを呼んでくれるか?」

ちゃっちゃと完成させないとな・・・

 

 

「で?用って何だ?アタシ達、今から買い物行きたかったんだが・・・」

「まぁまぁ、そうカッカするな雪音。仁に寄れば、直ぐに済む用事らしい」

「いや~済まん。出久が呼んでくれって言ったもんだからよ。悪かった」

「まぁ、あたしゃ別に構わないよ」

おっとコレは早急に仕上げなければ・・・

「悪いな。ちょっとそこで立っててくれ」

俺はデンデンセンサーに無色透明のボディが特徴的なメモリ・・・ブランクメモリを装填し、まずは奏に向ける。

「え?な、なに?」

『サーチ・・・アナライズ・・・コンプリート・ガングニール!』

「よし、出来たな」

デンデンセンサーからメモリを引き抜く。オレンジにゴールドのラインが走った、特別な模様のメモリ・・・ガングニール・シンフォニックメモリが完成していた。

「コレで、俺もシンフォギアを使える」

「・・・何でもありだなオイ」

さて、ボソッと呟いた奏の言葉は無視して、お次は翼だ。

『サーチ・・・アナライズ・・・コンプリート・アメノハバキリ!』

出来上がったのは、クリアブルーにパールホワイトのラインが走ったシンフォニックメモリ、アメノハバキリメモリだ。須佐之男命が八岐大蛇を討ち取る際に用いた剣とされているからな、切れ味が楽しみだ♪

「現代科学の全力をもってしてでも解析出来なかったシンフォギアを、こんなにアッサリとコピーするなんて・・・」

「実際、メモリシステムは結構なオーバーテクノロジーだからな」

最後はクリス。個人的にはかなり使い易そうだな。

『サーチ・・・アナライズ・・・コンプリート・イチイバル!』

イチイバルのシンフォニックメモリも完成っと。コレはクリアレッドに内側が銀、

「よし、ありがとな。元々コレが欲しくてココに来たんだ」

これで、目標は達成だな。そして、かっちゃんと麗日もライダーシステムを得られた&くっ付いた。かなりの収穫だ。

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

「さて、そろそろ帰るわ」

バッサリと切り出す惣司。時刻は午後2時だ。

「そっか・・・元気でね!」

「うん!」

「そっちもね!」

響の言葉に、三奈とフランが返す。

「また、会えたら会おうぜ」

「あぁ、会えると良いな」

エボルト同士がっちりと握手しているな。本当に凄い光景だ。

「じゃ、開くぜ!ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ・・・」

惣司がヘルアンドヘブンの呪文を唱えると、目の前の空間が歪んで大きなゲートが出来た。

「世話になったな。アデュー!」

最初に飛び込んだのはデップー。最後にカッコつけやがったな。

「じゃあ、向こうでも仮面ライダーとして気張るわ」

「頑張ります!ありがとうございました!」

続いて勝茶カップル。彼等はこれから大きな戦力になるだろう。

「さてと、俺達だな」

「そうだね」

「楽しかったよ~!」

そして、俺達も飛び込んだ。さて、楽しい異世界旅行は、これにて閉幕だ。




「よし!何とか終われたな!」
『いや~、まじでロギアクロニクルには感謝だな。このコラボのお陰で、戦力も上がったし勝茶もくっついたし・・・』
「あ、今回のDNAの話、あれ真に受けないでね」
『そうそう、オリジナル設定なので』
「ではではこれにて」
『「閲覧ありがとうございました!」』
『今後とも宜しくね!』


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