転生したらラスボスの孫で特典はラスボスでした (アイギウス)
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東道惣夜くん幼少期
転生しました


面倒なテンプレはスキップします。


うん、目の前は真っ白な空。俺の足はなく浮いてる。そして幼女…………

 

「幼女って言うな!さて、あなた、死んだってわかりますか?」

 

「あ………一言いいすか?転生すか?」

 

幼女─神様は正解!とうなずく。うん、かわいい。

 

「転生先は決まってるんで。貴方も恐らく知ってる世界ですよ」

 

と、いつのまにか持ってた一冊のラノベを見せる。

 

「魔法科高校の劣等生…………あれか」

 

ストーリーと設定が恐ろしく作り込まれてるご都合主義完全否定のどっちかっていうと魔法戦より頭脳戦が凄い世界。

 

「よく知ってるようですね」

 

いえ、全然知りません。この本難しくて読むの止めたくらいなんで。

 

「さて、じゃあ。特典はどうしますか?」

 

「何個までですか?」

 

聞くと、神様はそうですね…と顎に指を当てて思案してる。可愛い。

 

「……2つです。よく考えて下さいね」

 

特典……普通ならニコポナデポとか僕の考えた最強の武器

 

「そうだな…………仮面ライダービルドに出るエボルトの能力とエボルドライバー2つ、その他変身に必要なアイテム、エボルトリガーとロストボトルと黒いパンドラパネルも忘れずに…………どうかしました神様?」

 

「エボルトって確か、ラスボスですよね?星狩りですよね?転生先滅ぼす気ですか?」

 

まっさかぁ

 

「保険ですよ。そこの世界だと、これくらいじゃないと死んじゃいますから」

 

そうそう、あっちには分解マンと人間爆裂マンがいるしな、星狩りぐらいで丁度良いんだ。

 

「そうですか……随分と慎重ですね」

 

「死にたくないんで‥‥ところで神様一ついいですか?」

 

「なんですか?」

 

「こういう転生モノで頭のいいキャラの頭脳を特典にして性格がキャラに塗りつぶされるっていう話を聞くんですが、その辺どうなんですか?」

 

「そうですね。そりゃ脳ですからね」

 

うーん……そうだ!

 

「」

 

「おい、どうしてそうなった?」

 

「まぁ、待ってください神様。2つ目は俺に転生先の世界での俺の生活の保証。衣食住をちゃんと困らないような所に、知識はあっちでいいですよ。エボルトの体は基本不老不死、そうでしょ?」

 

「まぁ…………わかりました!じゃあ目を閉じてください。では、よき来世を!」

 

目を閉じてすぐ神様に押されてすぐ目を開けると───

 

 

「おぎゃぁ!おぎゃあ!おぎゃあ!」

 

優しそうな女性にだっこされてる俺、うん。しっかり転生したな。

 

「元気な子ね…………よしよし惣夜、いいこいいこ」

 

惣夜……俺の新しい名前か、折角だしいっぱい甘えて育つか

 

 

と、この時の俺はまだそんな呑気なこと考えた。



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ラスボスと遭遇した!

どうも、転生者の東道惣夜です。

早速ですが、生後1ヶ月でピンチです。

 

「あらあら、元気な子ね。」

 

「本当よ。でもね、この子一度も夜泣きしないの。惣夜、ママの友達の真夜よ~」

 

自宅のベッドから書き上げられ、母さんは目の前の美人さんに興味深く見られていた。

 

四葉真夜

よく覚えてないけど、誘拐されて子供が産めなくなった四葉の当主しか覚えてねぇけどこの人はヤバい!

 

「真夜も抱いてみる?軽くてビックリするわよ?」

 

なんですとぉ!?

 

ほら!真夜さんも驚いてるよ!

 

「い、いいの?け、ケガとか」

 

「大丈夫よ、それにこの子の名前のお母さんなんだからもっと気軽でいいのよ?」

 

と、俺をパスされ、おっかなびっくりで俺を抱き上げる。

 

そして、真夜さんが自分の方に抱っこするもんだから必然的に母さんより素晴らしいスイカに引き寄せられる。うん、素晴らしい。それに甘い匂いもして、ヤバイ眠くなってきた。赤ん坊の体だと睡魔に弱すぎる。

 

「名前のお母さん、ね……この子には分かるかしら?」

 

「いつか分かるわ、二人のように優しい人にもなってほしくて二人の字をいれたんだもの、お父様も暇さえあればこの子に付きっきりよ。この子を抱いて初めてお父様、笑ったのよ?」

 

うん、家のおじいちゃんは俺からみても孫バカだけどスッゴく優しいおじいちゃんだ。

 

真夜さんは閣下が?って驚いてるけどアレ?閣下ってこの世界で九島烈以外にいたっけ?

 

ま、いいや…………眠いし

 

 

SideOut

 

「あら?寝ちゃったわ」

 

「よっぽど真夜の胸枕が気持ち良かったんじゃない?最初はこの子が真夜の胸で窒息しないかと」

 

「しないわよ……」

 

真夜は親友にジト目を送って改めて腕の中の惣夜を見る。

 

「天使みたい……」

 

そう思ってると惣夜が何かを探すように手を真夜の胸にペタペタ触る

 

「ん?母乳かしら?」

 

「違うわ、口が寂しいのよ。私もたまに寝ぼけてるこの子におっぱいを触らせてあげるの。真夜のしゃぶらせたら?私よりおっきいんだし」

 

「いや貴方母親でしょ?」

 

「真夜だってこの子の名前のお母さんよ。それとも嫌?」

 

「……嫌じゃないけど…………しょうがないわね」

 

親友の思惑に乗るんじゃなく、単純に惣夜が寂しそうにしてるから胸を貸すのだ。

決して目の前のバカが羨ましくてちょっと母親気分味わいたいなぁ……とかじゃない

 

そう自身に言い聞かせて、真夜がブラウスと下着を上げると惣夜の口を自分の誰にも触らせたことのないところに近づけると、惣夜は口が触れたそばからその突起を口にふくんでしゃぶり始めた。

 

眠りながらも自分の胸を母親のと思って吸い付いてる惣夜を見て、自然と笑みをこぼす真夜。

 

「ふふっ……可愛い、よしよし」

 

「ねぇ、真夜。もし私に何かあったらこの子のこと……お願いね」

 

唐突な親友の問に視線を移すと、今にも消えそうな表情で惣夜を見ていた。

 

「……本気?」

 

「もちろんなにか起こる前の対策もやるし、起こらないのが一番よ。でも……那由多の1…………この子のことお願い。この子ためならお父様も協力してくれるわ。真夜と深夜がいたら安心」

 

「…………そんなこと言うなら今ここでこの子拐っていくわよ?貴方の子供でしょ?」

 

「自分がどうなってもいいから子供を守りたいっていう親心よ。私の今の夢はね、いつかこの子が大きくなって好きなこを家に連れてきた子を昔の姑みたいに文句並べてやることなんですもの」

 

「なんて夢よ…………でも、平和ね。そうなったら私も混ぜてね?」

 

「もちろん!」

 

未来の息子の嫁の難易度ルナティックが決まった瞬間だった。

 

 



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魔法が使えるようになりました。

どうも東道惣夜です。あれから時が経ち、7才になりました。え?時が経つの早すぎ?メタいことを聞くんじゃない………で、そんな俺が何してるのかっていうと魔法の特訓を自宅の庭でやっています。庭っていっても普通の学校の校庭2つくらいあるよ、最初は俺も外にでてビックリしてポカンとしていたのを覚えてる。ちなみに他にも習い事をいくつも掛け持ちしてます。これは自分から言いました。

 

「ほら、惣夜さん。集中を切らさないの」

 

「はい、真夜先生」

 

と、俺の横では赤ん坊のころから見慣れてる俺にとってももう一人の母と言っていい四葉真夜さん昔、間違えて真夜お母さんなんて呼んでしまって困らせてしまったこともあった。

それから週に二度は家に来てこうやって直接魔法の実践を見てくれたり、俺が四葉邸に行って1日あっちに泊まることはザラであり、すっかり近所の親戚の家感覚だ……っと、いかんいかん集中集中………と。

 

俺は意識を集中させて想子(サイオン)を込め、魔法を発動。因みに俺の想子(サイオン)はブラッドスタークのパーソナルカラーの毒々しい赤である。

さすが神様ありがとう!

目の前のトラックを移動系魔法で50メートル先の白線のラインまで動かし、そして元の位置に戻して終了!

俺は芝生の上に倒れる。はぁー、魔法って疲れる!エボルトの能力なら手をぽいっと動かせばサッと終わるのに!

 

「できたぁ!」

 

「よく出来ました。そんな所にいないで縁側に行きましょう?」

 

と、真夜お母さんに言われたので背を起こして縁側まで行って腰をおろすと真夜お母さんに頭を抱き寄せられ慣性のまま、真夜お母さんの膝にINして膝枕を堪能しつつ抱きつきいつも真夜お母さんからする甘酸っぱい匂いを楽しむ。

中身がオッサン?変態?知るか!

 

「……ねぇ、惣夜………魔法の練習は嫌い?」

 

突然の問に俺は膝の上で体を転がして、真夜お母さんのマスクメロンに隠れた表情を見ると心配そうな、悲しそうな表情をしてる。

 

「ん?疲れるけど嫌じゃないよ」

 

「どうして?」

 

「ん~…………強くなれた気がするから?無敵になったらお母さん達もおじいちゃんも深夜お姉ちゃんも穂波ちゃんも幹比古くんもエリカちゃんも皆を護れるから?それに真夜お母さんが教えてくれるから疲れるけど嫌じゃないよ」

 

そう言うと、真夜お母さんは困ったように俺の頭を撫でてくるのでくすぐったい俺は真夜お母さんに抱きつき顔を隠す。

 

「…………惣夜、ありがとう」

 

チュッ

へ…………?い、いま今の頬への柔らかい感触は!!?

 

起き上がろうとすると真夜お母さんに片手で顔をやんわりと押さえられ、膝に戻る。

 

「練習を頑張ったご褒美、皆にはナイショよ?そしたらまたシテ上げる」

 

「………うん……」

 

言えるわけねぇだろ!なんて言えるわけもなく、俺はただ返事を返すことしか出来なかった。

 

Side Out

 

私、四葉真夜は今日は東道閣下のお孫さんであり"私達の"可愛い息子の惣夜の魔法の修練を見るために来ていた。

 

こうして惣夜が成長し、日々魔法を使う度に上達していくのが自分のことのように嬉しい。

 

惣夜が魔法と出会うきっかけはなんでもこの子の母親が当時6歳だった惣夜の勉強部屋で、赤い想子(サイオン)を放出しながら遊んでる姿を見たのが始まりらしい。

 

私はその場にいなかったのが残念で仕方ないが、驚いた家族が問いただしたところ、なんかいっぱい出たから遊んでた。

 

それを聞いた家族は脱力したそうだが、魔法のことを本人に説明して、惣夜の産みの親であり私達姉妹の親友の母親から教師役をやってくれと頼まれ、最初は親友の気を疑った。

 

私は"四葉"だ。この名を知らない者は魔法師界にいないだろう。それでも彼女はだからこそ貴女にやってほしいと言われ……そして当時、仕事の都合で惣夜に中々会いに行けなかった私は好機と見て、即行で仕事を片付けて惣夜に会いに行った。

 

数日ぶりに見た惣夜はまた少し成長していて惣夜とお話したいのを我慢して、早速惣夜の検査データを見て、私は絶句した。

惣夜の検査データを見て、私は絶句した。

 

想子(サイオン)の量が"異常"なのだ。並外れた量ならまだ解る、だが私は思い出す。惣夜は想子(サイオン)で遊んでたと言っていたが、それは一体"何時から"だ?そして、どれくらいの量だったか。それから私は改めて惣夜に聞くと、昼間から遊んでいて、部屋がキラキラするまで遊んでいた。と答え、私は呆然とした。

 

想子(サイオン)とは使えばある程度はその場に残留するが、それはあくまである程度ですぐに霧散する。

 

それなのに惣夜は部屋がキラキラするまでと言った。後にまたこの子の母親の立夏に聞くと部屋中想子(サイオン)で埋め尽くされ、あの子の黒がかった赤い想子(サイオン)も相まって宇宙空間にいるようだった、と。

 

つまり、この子の想子(サイオン)保有量は昼間から数時間、加減もせず出しっぱなしにして、あの広い室内を埋め尽くして尚ありあまる量だ、ということ。

 

底が見えない。あまりに多すぎて笑いが出たくらいだ。

 

そして、魔法力も桁違いだった。

干渉力、魔法強度、術式展開速度が6歳の時点で魔法科高校の学生平均を大きく越えていた。

 

この子の婚約者(本人達は知らない)である深雪を引き離していた。四葉の完全なる調整体の彼女をである。

 

彼自身、物覚えも良く、教えたことをすぐに吸収した。

 

そして極めつけがこの子だけが持つ先天的異能"超能力"とも言うべきもの。

それは力場のようなものをぶつけるもの。威力は調節可能だが調整をミスして、木を数本なぎ倒してしまったようだったがケガがなくてよかった。

 

これを応用して、空を飛んでいたのを聞いて私は即時使用禁止を言い渡した。

 

今の状況で惣夜の能力が周りに露見するのはリスクが大きすぎた。

6歳の時点で大人に匹敵しようかという魔法力に異能……どこの機関だって欲しがる。もしくはこの子の遺伝子でもいいわけだ。

 

まだ見ぬそいつ等を思うと、私の心に赤い憤怒が沸き上がってきた。

 

そして、ある時私は聞いてしまった。

 

「……ねぇ、惣夜…………魔法の練習は嫌い?」

 

私はこの子に自分勝手な期待を押し付けていないだろうか……と

 

惣夜は私の膝の上でコロンと転がって私の顔を見ると、優しく、私の親友そっくりの笑顔で言う。

 

「ん~疲れるけど嫌じゃないよ」

 

「どうして?」

 

「ん~………強くなれた気がするから?無敵になったらお母さん達もおじいちゃんも深夜お姉ちゃんも穂波ちゃんも幹比古くんもエリカちゃんも皆を護れるから?それに、真夜お母さんが教えてくれるから嫌じゃないよ」

 

無敵…………子供の絵空事だが、この子のことだ。どこかで魔法のことを感じているのだろう。それであえて無敵と言ったのだろう。その上で家族や友達も護ると言ったのだ。こういう所は本当に立夏にそっくりだ。

 

「…………惣夜、ありがとう」

 

惣夜…………可愛い私達の…………愛しい私の子供───私にもう子供は出来ないが、この子が私の子供だ。血の繋がりなんて知ったことか、関係ない。

 

と、ふと急に愛しさが込み上がってきた私は気づいたら彼の頬に口づけをしていた。

 

親子ならキスくらい普通よね?ふふふっ……

 

それから私は真っ赤になってる惣夜を片手でやんわり押さえつけてナイショにするように口止めをした。ナイショにしたらキスの約束も+して。



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惣夜ファミリー

どうも東道惣夜です。

あれからさらに五年経って俺は12歳に!………と言っても特に何か変わることもなく……あ、いやあった。10歳の誕生日に朝、起きたらエボルドライバー一式横に置いてあった。

そして書き置き付きで、

 

貴方が高校生になったらサービスとしてビルドのアイテムも送りますね♪因みにハザードレベルは10ですので心置きなく使って下さいciao♪

 

神様サービス良すぎワロタ(^〇^)

 

俺は即座にエボルトの能力を使って床の中に一式を隠した。変身して、どっかにワームホールで移動して……ってのも考えたけど目立ちすぎるし、なにより俺の力は強すぎる。

にわか知識だが、ブラックホールが発生すると重力係数?がどうたらこうたらして検知されるらしいからである。

 

なら──と、考えて目を付けたのはトランスチームガンとコブラロストボトル(ロストボトルは黒くない精製前の奴。スタークになる上では重要だ!)スタークのスペックと俺のハザードレベル、ボトルの数なら大体のこともチートでゴリ押せると思う……多分……きっと……メイビー……

 

そういう訳で俺一層、千葉道場での剣術の稽古と拳銃型とライフル型のCADを使った魔法を重点的にやる気をだした。

 

sideOut

 

私東道青葉には孫がいる。可愛い孫だ。そして惣夜は多くの才に恵まれた………母から受け継ぎ、あの真夜ですら戦慄させたほどの魔法の才能。もうひとつが武術、剣の才。千葉家の道場に惣夜にせがまれて通わせた所、あの麒麟児と言われた次男とまともに競り合ってるのを聞いて、嬉しくなった物だ。

そして、元からなのだろうか、惣夜は屋敷の者にさえ礼儀正しい。

砕けた口調は家族だけである。

そんな私がなにをしてるかと、言うと

 

「じいちゃん、ここ?」

 

「ん?………おお……もう少し下だな……うむ、そこだな」

 

和室で孫に肩を揉んでもらってる。惣夜は私になついてよく肩を揉んだり将棋を指したり、アチコチに連れていってる。

この子は新しい事を知ると瞳を純粋にキラキラと輝かせる。

その目が可愛いのだ。

惣夜に社交界を体験させる為という建前の孫自慢先の息女の誕生日パーティーで惣夜は見事息女とも繋がりを作った。

途中、惣夜に声をかけた女がいたが惣夜に見向きもされずに袖にされたのを見て

スカッとした。

後に惣夜に聞くと”薄かったから”と一刀両断に言い放った惣夜に、私は帰りの車で

大笑いした。この子には人を見る目もこの年であったようだ。

最初、この子が生まれた時は天使・・・いや光そのものだと思ったが、娘。立夏は親友の四葉家の双子の姉妹の名を入れたことに最初は気に入らなかった。

この子は争いと無縁の生活をさせるつもりだったのだから。その子に争い、魔法師の闇の代名詞の四葉の党首の名を入れたのだから。

あろうことか娘は四葉の双子を惣夜の母と定め、二人も息子同然に可愛がり、惣夜も二人を母と呼んだ。

それから少しして惣夜に魔法の才能が発覚し、真夜が教師役になると聞いて私も爆発した。娘に初めて怒鳴り付けてると話を聞き付けた真夜は私に頭を下げた。

 

「閣下のお怒りはごもっともです。私も惣夜に魔法なんて教えず普通の子供として育って欲しいですから。閣下は私達姉妹があの子の母親役として近くにいるのも気に入らないのも存じています。ですから私も惣夜の母親としてここに立って言わせて頂きます。」

 

よくもいけしゃあしゃあと・・・!

 

「あの子に四葉の業まで押し付けるつもりか!」

 

「違います。もし閣下が私が四葉の人間というのが気に入らないのでしたら私は四葉をでます。私は当主であるよりあの子の母であることを取ります。身分も名も捨てれば閣下は信じて頂けますか?」

 

「な・・・キサマ────」

 

 

「父さん、真夜と深夜はあえて四葉としてやることで惣夜を守ってるの。それが分からない父さんじゃないでしょう?」

 

「そんなこと分かっているっ!だがこのまま魔法を学び続ければあの子の力は強くなるばかりだ!」

 

力が増せば、他の奴らに目を付けられるリスクも増える。ましてやあの子は私の孫だ。

 

「だからこそよ父さん。惣夜は言ったのよ。自分が無敵になれば皆を守れる。戦おうとすら思わないって」

 

「───っ!」

 

無敵───敵がない。だがあの子に・・・あんな小さな子に全て押し付けるのか?

 

「押しつけじゃないわ父さん。これはあの子の選択。それに選び直すことだってあの子が大きくなってからでも十分よ。いざってなったら財産持ち逃げしてどこか田舎でのんびり暮らしましょう?」

 

その時は真夜も連れていくけど。と真夜の頭を上げさせるとその顔は立夏と同じ、子を思う母の顔だった。

 

「閣下、改めてお願い致します。私達をあの子の母親と認めてください。私は・・・今あの子がいなくなったら・・・私は・・・・・・」

 

「惣夜の将来を思うなら答えは決まってるはずよ、父さん」

 

むうぅぅぅ!

 

「・・・あの子の婚約者を深夜の娘にしたのは?」

 

「惣夜を守る為です。将来的には深雪を当主にして裏からあの子が、表からは私達が守るためです。深雪さんも本望でしょう。惣夜のことはとっくにそういう風に視てるようですし時間の問題です」

 

なにからなにまで手を回してるか・・・

 

認めたくないが・・・

 

「あの子を悲しませるな・・・」

 

私はそれだけ絞りだして部屋を出た。

 

 

はぁ、私の孫は奇縁にも恵まれているようだった。

 

 

 




ビルドのアイテムというのはこの場合

ビルドドライバー・スクラッシュドライバー・トランスチームガン・フルボトル一式・強化アイテムですね。


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追憶編
惣夜君の知らないところで色々進んでるようです


はい、追憶編です。すいません、九校戦のほうはお待ちください。

Q:何途中なのに他の章やってんの?

A:ごもっともです。全ては私の至らなさが原因です。すいません、我慢できませんでした

それでも宜しい方はどうぞお楽しみに頂ければ幸いです。


どうも、東堂惣夜です。

 

季節は夏真っ只中、今日は司波家の皆さんと家族旅行に来ています。場所は沖縄恩納村の別荘。

 

「穂波さん。中はどうかしら?」

 

「ええ奥様、東堂のメイド様方と協力して完璧に仕上げてあります!」

 

「そう‥‥東堂閣下(お祖父様)にもお礼を言っておかないとね。惣夜さん、今日は魔法の勉強もなし。我が家と思って羽を伸ばしてちょうだいね?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

そう返した俺を見て深夜義母さんは頬を膨らませる。

 

「酷いわ惣夜さんったら。最近はお義母さんって呼んでくれないし、なんか他人行儀だし‥‥‥」

 

「いえ、その‥‥‥‥昔と今は──「違いません。貴方も私の家族なんですから敬語も他人行儀なものもなしです。それでも嫌というなら仕方ないわ。立夏に「よーし行こうか!義母さん!海が待ってるよ!」

 

立夏(母さん)に知れてみろ。昔から二人を本当の母親みたいに思うように俺に教育してきたあの人の耳に入れば‥‥‥あの人の性格上徹底的に再教育して弄られる。

 

「ふふ‥‥そうね」

 

満足そうに笑み浮かべる深夜義母さんの横を通り俺は別荘に駆け込んだ。

 

 

 

深夜side

 

最近、真夜の様子がおかしい。具体的に言うとキレイになった。

 

何かある。まさか男?ないわ。ソレはない。普段から半ば男嫌い(身内は除く)で、接する男性も数えるほどしかいない。そう思ってると今度は惣夜さんの様子もおかしくなりはじめた。まさか──私は疑念を解消すべく妹にカマをかけた。

 

「真夜。夜中、あまり声をあげすぎないでね」

 

流石に直球過ぎたか?そう思いティーカップから視線をあげると─

 

「え‥‥‥?」

 

妹はティーカップとソーサーを持ちながら固まっていた。

 

「え?」

 

そして私の予想は当たった。妹は私たち姉妹が息子のように思ってる東堂惣夜君とカンケイをもったのだ。

それから真夜は全てを自白した。

最初は立夏に最初言われた通りに少し甘やかしていただけだったがそれが何時の日か行き過ぎたある日、惣夜君を甘やかすつもりでベッドで惣夜君を抱き締めていると、自分から胸を吸ってみないか?と誘ったのだと言う。そこからは階段を落ちるようにして、真夜も止まれなくなったという。

 

「‥‥‥嬉しかったの。惣夜が日に日に強く逞しくなっていくことが‥‥でもこういう関係になって解ってしまったのよ。私は彼に恋してる。親である前に女として愛してしまったのよ」

 

真夜は想いを吐き出し、それからも告白は続き、私は終わるまで聞き続けた。

 

それからは真夜は沈黙し、私の反応を待っていた。

あの子を甘やかす──いずれあの子に降りかかるであろう時代のうねり、その中心にいるであろうあの子には、母でもあり女でもあるほうが都合がいいのかも知れない。そう考える私の頭の中には真夜の行為を責める気持ちは少しもなかった。

 

「‥‥‥‥ねぇ真夜」

 

私は静かな声で話しかけると、下を向いていた真夜は顔をあげて視線を合わせる。

 

「私ね。貴女と惣夜君の関係を責める気はないわ」

 

真夜の目が見開かれる。

 

「それは、貴女の年下趣味とかに思うところがないわけじゃないけど‥‥本気?」

 

真夜は頷く。

 

「もう‥‥‥言うだけ野暮ね‥‥じゃあ真夜、私も今解ったことを言うわね」

 

「え、ええ」

 

「私も惣夜君に恋しちゃってるみたいだからいっそ惣夜君を囲っちゃいましょう?」

 

「‥‥え‥‥‥‥?‥‥‥‥え?」



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惣夜君、堕ちます

本編も書かずになにやってんだろ私‥‥

あ、因みにこれ前編です。


深夜Side

 

外は夜、深雪と達也は黒羽家のパーティーに赴くため家を出ており、沖縄の四葉家の別荘の一室。私─四葉深夜の部屋のベッドの上にて見に纏う物をベッドの下に散らかし、私はきっとはしたない表情を浮かべてるのでしょう。そして腰を振り。目の前の義息子へ奉仕を続けるのは二時間が経過し、その間に私は3回の絶頂と2回の潮を吹いた。そして深夜を抱く義息子─東堂惣夜も口に2回。精を解き放ち、そして現在は私がベッドに倒れた惣夜の上に跨がって、騎乗位というもので繋がっていた。

 

「くぅぅ‥‥かぁさん‥‥」

 

「はぁぁ‥‥あぁ‥‥んっ‥‥惣夜さん、また()てしまうのですか?」

 

「うんっ!‥‥()る!‥‥また()るから(なか)にいい?」

 

私以外の女─真夜を知る惣夜さんとはいえ、まだ性を知ったばかりの初な子供に我慢など出来なかった。惣夜の我慢してる表情が私に可愛さと切なさを与え胸の中と膣内がキュンキュンと締め付けてしまうのが分かる。たまらなくなった私は腰を振るのを止めて、自分の一番大事なところ─いずれ惣夜の子供を孕む場所に義息子の性器を迎え入れた瞬間、コツンと2人の性器が膣内で淫らにくちづけを交わした。

 

「あぁぁぁん‥‥ほら惣夜さん。分かる?ここよ?ここに射精するの」

 

自分の下腹部を片手で撫でながらもう片方の手で惣夜の手をとって自分の手と重ねさせる。

 

「ここぉ?」

 

私は動きたい衝動を抑えながら惣夜に優しく教えるように続ける。

 

「そう、ここよ。これから私のここ(・・)も身体も惣夜さんだけのモノ。これから惣夜さんが苦しくなったり、甘えたくなったりしたらいつでも私か真夜お義母さん達に言うのよ?我慢なんてしちゃダメ、いい?我慢はせずすぐに言って?お義母さん達、何でもシてあげるから」

 

「何でも‥‥」

 

快楽で蕩けた表情で惣夜は言葉を反芻し、惣夜は素直に性器を膨らませる。ふふ、どんな想像をしたのかしら?

 

「あ‥‥そうよ?こういうこと(・・・・・・・)だっていくらだってシましょう?」

 

「ま、毎日は?」

 

深夜は笑みを深める。

 

「惣夜さんが望むなら。さぁ、動いて‥‥それでいっぱい気持ちよくなりましょう?」

 

言われた惣夜は腰を振って深夜の膣内を突き上げ、私も惣夜の動きに合わせるように腰を振り、膣内で突かれる度にぐちゅん、ぐちゅんと私の膣から惣夜の精液が溢れて少しもったいなくあるけど、私も惣夜も目の前の快楽に夢中になった。

 

「あん‥‥んっ‥‥ああ、ああっ!」

 

お互いに途中で止めて我慢欲情の炎が燃え上がり、敏感になって感じてしまう。自分の膣が愛液をじゅくじゅくと分泌し、惣夜も亀頭が大きくなってカウパーがトロトロ出てるのが分かる。私はそれが嬉しくて腰を振っていくが、唐突に惣夜に両手で腰を掴まれる。

 

「ああんっ!あっ──えっ!?」

 

「お義母さん。俺もう我慢出来ない!」

 

私は呆然とする間に惣夜上体を起こして抱き締められた私は全てを察し、自分の脚を惣夜の腰に絡ませて押し倒されると惣夜はただただ快楽を求める獣のように腰を振り始めた。

 

「あっ、ふあぁっ、そ、惣夜っ、だ、大好き、ずっと、好きだったのぉ!」

 

わずかに残った理性の私が自分はなにを言ってるんだろうと、どこか俯瞰するように言ってる。今の自分でもそう思う。自然と口に出てきたのだから。恋してるとは言え自分と惣夜さんでは2回り以上も違うし、私はこんなことになってるが母親なのだと、これはあくまで慰めてるだけなのだと理性の私がまるで最後の抵抗とばかりに重く静かに言う。

 

「ぼ、ボクも‥‥ずっと‥‥ずっとこうなりたかった!だから大人になったらお義母さんのことお嫁さんにするから!だから全部ちょうだい!お義母さん大好き!大好きだから射精するよ!?お義母さんはボクだけのお嫁さんだって約束だよ!?」

 

射精しそうなのを切なそうに我慢しながら私の答えを待ってる。その最中もゆっくりと腰を振って私を見つめてる。

──私の最後の理性──ブレーキは壊れた。

その瞬間、私は両足と両腕で惣夜さんを抱き締める。二度と離れないように。

 

「あっ‥‥んっ‥‥約束よ!お義母さんの全部あげる!全部ゼンブ!だからお嫁さんにして赤ちゃんちょうだい!惣夜さんの赤ちゃんの素流し込んでぇ!」

 

そこから惣夜さんはホッとしたような、でも嬉しそうな表情をすると私の腰を掴んでラストスパートと言わんばかりのピストンの速度を上げた。

 

「気持ちいい!気持ちいいわ!お義母さんイっちゃう!イくぅ!惣夜さん、一緒に!一緒にイきましょう?ね?」

 

「うん!もう出ちゃうから!ずっと我慢してたの射しちゃうからぁ」

 

自分からしてしまった。これから私の総てはこの子()のモノ。今その事実が私の心と身体の全身を多幸感で包んでる。証拠にこの子()ので突かれる度に軽くイってる。潮をブシュブシュと吹きながら痙攣しながらも彼を全身で抱き締めるのだけは止めない。こうしてると彼に総てを捧げられてるような気分が高まる。

そして私の膣内のモノの先端が一層膨れ上がる。

 

()る!射るぅぅ!」

 

どちゅん!

 

「いいぃ!」

 

一層深くされたピストンが私の子宮の入口をこじ開けて入ってきて、精を解き放った。

 

「あ、熱い!イくぅぅぅぅぅぅ!」

 

子宮で射精を受け止めながら絶頂を迎えた私は身体をガクガクと震わせながら快楽に酔いしれる。子宮にはビュルル!ビュルル!とポンプのように射精を繰り返しその度にまた私は身体をビクンビクンと震えさせる。頭が真っ白になって何も考えられない。身体の感覚が膣内に集中し、射精を感じていた。

 

──それから幾ばくかして射精が終わり、2人して息を荒くしてると、お互いと目があってどちらからともなくクスリと笑みをこぼした。惣夜さんは射精で疲れたのかそのままの態勢で力を抜いた。ちょっと重さを感じるけど、今はそれすら愛しい。

 

「はぁ‥‥はぁ‥‥射ちゃった‥‥ねぇ、深夜」

 

呼ばれ慣れない呼称に私はえ?と面くらってしまうが、惣夜さんは続けた。

 

「これからこうしてる時だけでいいから今ので呼んでいい?将来はボクのお嫁さんだけど、今は恋人だから」

 

──ああもう!この子ったら!

 

「ええ、じゃあ私も惣夜って呼ぶわね──惣夜?まだ大きくて硬いのだけれど?」

 

惣夜は元気にうなずく。

 

「うん。でも深夜も疲れたでしょ?ちょっと休憩」

 

「そうね。”私は”少し休むわ。だから─」

 

視線少し顔を上げて前方のドアの向こうを見る─その先にいるイケナイ覗き魔さんを。

 

「穂波さん、入ってきて」

 

ドアの向こうの気配が揺れた気がした。

 

「貴女も1人で立ってないでいらっしゃい」

 

惣夜もドアの向こうに注目するなか、静かに、ゆっくりとドアが開いた。その目は欲情と驚愕、半々の感情を浮かべた私のガーディアンが入ってきた。

 

「お、奥様‥‥惣夜君‥‥」




エロシーンをこんながっつり書いたのなんか長ったらしくなったな‥‥うん。他のR-18作者様方スゲェな


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入学編
入学初日─原作開始


惣夜のお母さん呼称

立夏:母さん

真夜:真夜母さん

深夜:深夜義母さん

この主人公母親多いなぁ‥‥


それから四年・・・俺、東堂惣夜は16才、高校生となって初日。起きたら枕の横に小さな箱が置いてあり、その中にはなんとビルドドライバーとスクラッシュドライバー変身アイテム一式があった・・・ホントに来たよ。神様サービス良すぎだろ!

 

・・・でも正直助かる。ビルドドライバーがあればアレの制作にも生かせる。

 

早速アイテムをここ二年で慣れたワームホールの中にぶちこみ、高校入学に際してじいちゃんと真夜母さんと深夜義母さんにもらった三階立ての三階ベッドルームのベッドから出るとさっさと制服を着ると部屋を出て一階の洋室に入ると、そっくりな顔立ちをした美女と美少女がエプロン姿で朝食を作ってくれていた。

 

「おはよう惣夜くん。よく眠れた?」

 

そう話しかけてくれるのは三つ編みサイドがチャームポイントの美人さん。

桜井穂波さん。元・深夜義母さんの守護役だったが今は俺の守護役兼保護者のお姉さんで家や知ってる人にしか言ってないが俺の愛人でもある。

 

「はい。よく」

 

「あれだけ寝てれば寝すぎな位です。子供ですか」

 

と、軽く呆れ眼で言う穂波さんにそっくりな美少女は桜井水波。今年から中学三年のこれまた俺の愛人の一人で穂波さんの従姉妹で俺の守護役。

 

「いや・・・眠くて・・・」

 

「深雪さんの答辞中に寝たりしたら・・・分かるよね?」

 

「学園が氷河期ですね分かります」

 

そうなったら原作が始まる前に終わる。

 

 

それから朝食を済ませて家を出て第一高校に向かった。

 

 

───だが、そこで幼なじみ達とほとんど全員と会するとはこの時の俺は露とも思ってなかった。

 

 

 

 

魔法大学附属第一高校の門をくぐり深雪達も来てないようなのでさっさと講堂に入ると───

 

「ワァオ・・・」

 

講堂の上下が1科生と2科生で完全に別れているからだ。

因みに俺は1科生。入学時点の実技試験でトップは俺、深雪が2位である。深雪が悔しがってたから覚えてる。

 

さてどうしたもんか・・・深く考えず1科生側に行くか?変に目立たないしそっちの方が良いだろうが深雪に差別する人間に思われたくないしなぁ・・・

 

と、そんなことを考えてると後ろから懐かしい声がかけられる。

 

「もしかして惣夜?」

 

振り向くと小柄な美少女と見事な2つの果実を持つ美少女が1科生のエンブレムをつけていた。

 

「やっぱり惣夜だ!私のこと覚えてる!?」

 

この素晴らしい某駄女神ボイスは

 

「ほのか?雫?いや変わりすぎだろ!」

 

ビフォーアフターどころじゃないぞ。二人とも高校デビューか?

 

「そりゃ4年も会ってないしね。久し振り」

 

最後に会ったのは雫の誕生日パーティーからだからな

 

「久し振り・・・まさか二人ともここに入学するとはな」

 

「立ち話も疲れるし座ろ」

 

と、流されるままに1科生側の下の席にかける。

 

それから二人と世間話してる内に深雪の答辞の出番。壇上に上がった深雪とふと目が合うとお互い微笑みを向け合った。

 

「知り合い?」

 

「従妹でお前らとおんなじ幼なじみ」

 

嘘は言ってない。俺は真夜母さんの子供だし、真夜母さんも俺を自分の子供と言ってるし、深夜義母さんは俺の母親の姉。つまりその娘の深雪は従妹だ。

 

「世間は狭いねぇ・・・」

 

それな、いやホントに分からないもんだな~───と話してると壇上から俺に極寒の視線が送られる。視線の主は言わずとも分かる深雪さん。怖くないか?ってそりゃ怖いさ。でも慣れた。なので俺は開き直り、深雪に困ったように笑みを返すとちょっとジト目を返すと答辞に戻った。

 

 

それから俺達は自分たちのクラスで受講登録をやってると、目の前に深雪が立つ。

 

「惣夜さんはどれを受講しますか?」

 

「俺は・・・魔法理論とか座学だな・・・細かい制御は達也のCADじゃないとどうも落ち着かないし・・・実技で試験機を使ったら・・・お前なら分かるだろ?」

 

深雪は大変ですねと言わんばかりに苦笑する。俺もつられて苦笑してると

横から声をかけられる。

 

「惣夜、私達にも紹介してよ」

 

あ、忘れてた。

 

「そうだな、紹介するか。深雪、ツインテの方が光井ほのかでジト目の方が北山雫。二人とも幼なじみ」

 

「あ・・・!惣夜さんが言ってらっしゃった。ほのかとしずくは二人のことだったのね。初めまして。司波深雪よ。惣夜さんとは幼なじみなの」

 

「惣夜が私達のことをどう言っていたか凄く気になるから詳しく。私のことは雫でいい」

 

「わ、私もほのかでいいよ!」

 

「なら私も呼び捨てでいいわ。惣夜さんのことは今度じっくりと」

 

どうやら近いうちに俺の処刑があるらしい……

 

それから受講登録が終わった深雪を待ってると、今度は生徒会長とお付きの人が深雪を生徒会に連れってったけどすぐ帰って来た───会長達を連れて。うわめんどくさ!生徒会長って七草だろ?親父さんが母さんの元婚約者で謀が好きって言ってたなぁ───いかんいかん人を聞いた印象だけで決めてはいけないな。

 

それから深雪に呼ばれて一緒に達也のクラスに行くとクラスメイトであろう人達と話してる達也がいたけど・・・なんかあの赤毛の子見覚えが・・・

 

深雪が達也に吹雪(精神的)を浴びせてるのをスルーして赤毛の子に話しかける。

 

「あの、もしかして…エリカ?」

 

「……まぁ、久しぶり……1科生なんだ。あんたの実力なら当然か」

 

本当にエリカでした。うわー背伸びたなぁ。モデルみたいなんて言ったらボコボコにされるのは分かってるから俺は言わない。

 

「惣夜はエリカと知り合いか?」

 

「俺が剣術を習っている道場の娘さん。めちゃくちゃ強い」

 

「よく言うわ」

 

と、呆れた目を俺に向けるが何でだろう?

 

「アンタに言われても嫌みにしか聞こえないのよ。で、達也君達とも友達?」

 

「いや、従兄弟。世間って狭いなぁ……」

 

それからエリカとその友達柴田美月さんも紹介してもらってから、俺は先約もあって早々に家に帰ると、真夜母さんが優雅にティータイムを楽しんでいたが帰った俺を目にいれると優しく笑ってくれる。

 

「お帰りなさい惣夜」

 

「ただいま母さん。待たせちゃった?」

 

「そうでもないわ。私もさっき来たばかりですから──」

 

そう言って俺の制服を見て、満足そうに頷く。

 

「制服もよく似合っているわよ。惣夜、側に」

 

言われるがまま、俺は母さんの隣に座ると頭を寄せられて母さんの膝にinすると、俺も母さんの腰に手を回して、母さんの優しい匂いと柔らかさに溺れる。

 

「少し休憩したら、私とお出かけしましょう?入学祝いにお店をとってあるの」

 

「ありがとう母さん。でも俺着替えなくていいの?」

 

「ええ、ただ私はあとで着替えさせて?今日のために頑張って選んだのよ?」

 

「期待して待ってる」

 

そう言うと母さんは俺の耳元まで顔を寄せて言う。

 

「もちろん下着も」

 

「下着……」

 

それから母さんの体に抱きついて癒されてると、時間が来たのか車のエンジン音が聞こえるので黒塗りの一目で分かる高級車に入り、俺と母さんは隣同士になり今度は母さんの肩を抱き寄せて俺の膝に顔を置く。

 

「惣夜?珍しいわね」

 

「俺もその、高校生だし、ちょっと大人になったし、母さんも甘えていいよ」

 

言って、母さんの長い髪を手で撫でる。

 

母さんは驚いたような顔をしながらも俺に抱きつく。

 

「ありがとう、惣夜。じゃあそこのケース開けてくれる?」

 

いいよ。と向かいのケースを開けると、そこには女性のランジェリーが詰められていた。母さんの下着だ。

 

「下着、選んでくれる?」

 

それからホテルに着くまで母さんの下着をみて悩んで、ホテルに着いてからは一度母さんと別れて俺は案内のまま、一目で分かる一流レストランに入り中央に掛けてると──

 

「お待たせ惣夜」

 

「─────」

 

母さんのあまりの似合い加減に言葉が出なかった。

 

青と黒の丈の短いドレスでどちらかというと深雪の着るようなタイプだが母さんが着ると背徳感と色気も相まってヤバい。

 

「少し……子供っぽすぎたかしら?」

 

少し恥ずかしそうにしてる母さんの手をとるとすぐに抱き締めた。

 

「惣夜?!」

 

「すごく似合ってる。可愛いし綺麗だ」

 

「甘えん坊ね……ほら食事も冷めてしまうわ。早く食べましょう?」

 

あやすように俺の背を叩いて離れると母さんは席に着いた。

 

それから母さんと食事を楽しんでから予約した部屋に二人で入る。

 

「惣夜、今日は一緒にお風呂に入りましょうか」

 

「そうだね。たまには……」

 

俺と母さんは誰に言い訳するかのように言うと二人で洗面所へ入ると、服を脱いでからお互い何も身につけない状態になると母さんを抱き締める。

今日の母さんの色気は凄いし可愛い……

 

「あら……惣夜ったら……お風呂はあとにしてベッドに行きましょうか」

 

それから母さんに連れられてツインベッドに二人で座ると母さんは自分で倒れ、

手を迎えるように広げる。

 

「いらっしゃい惣夜。気の済むまでお母さんに甘えていいのよ」

 

その言葉で俺の理性が消し飛んだ。そこから先はただ欲望のまま、子供に戻った時のように、でも男と女の交わりも当然の如くしたが、これが俺と母さんの普通なのだ。

 

 

そうして翌朝6時前に母さんのキスで起こしてもらい。二人でシャワーを浴びてから迎えの車で家に戻るまでずっと体を寄せあっていた。



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あたしの幼なじみ

突然だが。あたし千葉エリカには幼なじみがいる。

 

東堂惣夜。人当たりがよく頭が回るかと思えばトボけたことをするよくわからない奴。でも剣術のあたしより上で次兄貴と互角。

 

そいつと昨日3年ぶりに入学した高校で会った。久し振りに会ったアイツは背も伸びて制服越しだが体つきもがっしりしてたし、なにより手のひらを見たとき。最近出来たであろう豆が潰れた後があった。

あの豆のできかたは剣を握っていたからだ。それが分かったあたしは幼なじみが剣術を続けてることがちょっと嬉しかった。

 

「そういえば、アイツに会ったのってあの時か・・・」

 

と、あたしは自室のベッドの上で過去を思い出す。

 

今にして思えば惣夜に対する第一印象は最悪だったろう。

何せ入ってすぐ、あたしが剣で負かしたからだ。それも完膚無きまでに。

初めて惣夜を見たのは10才の夏、母親に連れられ、純粋な目をして育ちの良さ全開のアイツが気に食わなかった。

 

どうせすぐ辞める───そう思っていたがアイツは泣き言も言わずに竹刀を握り道場で振り続け、それが3ヶ月続いたあと、あたしはアイツに負けた。

あとから聞いた話ではアイツは家でも竹刀を振り続け、家の人に止められるまで振っていたらしい。

それからアイツも変わらず話しかけてきて・・・あたしも、まぁ認めてやらなくもないかなって思い始めて。そこからあたしと惣夜はよく話したりするようになった。それからアイツに誘われて剣術以外にも手を出したりした。そしていつしかアイツとの時間が楽しくて仕方なくなった。

でも三年前からポツリと姿を見せなくなった。その時あたしは素直に思ってしまった───寂しい───ふとアイツとの日々がその時のあたしの頭をよぎった。

惣夜が側にいた時はあたしの周りはいつも楽しかった。いつも心地よくて、ちょっとキュッと苦しいあの感覚と時間が楽しかった。

だからあたしはその時、どうして惣夜が来なくなったのか考えた。

家の事情と言ったがあたしは惣夜の家の事情をまるで知らないことに気づいた。

でも、惣夜の立ち振舞いからしてかなり裕福な家庭。実業家?若しく軍人。それかどこかの研究所出身かと思った。惣夜の魔法の才能は正直異常だ。あの赤黒い禍々しくも綺麗な想子(サイオン)普通じゃないとすぐに分かった。

そこから研究所出身と思ってたが、今日久し振りに会って従兄という達也君達に会ってすぐに本当ではないと分かったが、アイツがそういう嘘をつく筈ない。

ただでさえ家族を大事に想う奴だ。ならそれに近しい関係・・・だとしたらアイツの家族とも関係ある筈・・・いや

 

「これ以上は止めよ」

 

恐らく惣夜にちゃんと聞けばキチンと教えてくれるだろう。それか本人が言いたくなるまで待てばいい。

なにせようやく会えたのだ。

 

「今度は逃がさないわよ惣夜?」

 

 



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Mの婚約者

入学式から2日経過した夜。わたくし司波深雪は婚約者(夫)と一緒のベッドで目覚めた。

 

部屋は未だに昨夜の自分達の行為の名残が辺りにあり、あまり見ないようにする。

そうしないとまた自分を押さえられなくなるので隣で寝てる惣夜様に視線を移すと実に幸せそうに寝ていた。

 

彼の名は東堂惣夜。日本の政財界の裏のボスとも言うべきお方のお孫さんで、お互いの母親同士が学生時代からの親友ということもあり、わたくしと惣夜様は幼なじみで、最近聞いた話ではわたくしと惣夜様が会う前より許嫁の話は進んでいたというのを知った。

 

彼と会ったのは8才の時。お母様と一緒に本家に呼び出されて行くと彼がいた。

 

雪より深い銀色の髪にどこか暗い赤い目の少年だったが、彼はすぐわたくしを外へ連れ出し、普段は見ない外の世界を見せてくれた。

彼──惣夜君(当時はそう呼んでいた)は物怖じせずわたくしに普通に同年代に接するように話てくれた。

 

それから一日中彼と町を回った。彼が新しい物を見せてくれる度にわたくしには彼が魔法使いに見えた。

 

 

それからわたくしと惣夜君は時々お互いの家に遊びに行くようになり、何故か叔母上が惣夜君を母親のように世話を焼いてるのをみて、惣夜君に聞いてみたところ、

 

「俺の名の半分は真夜母さんと深夜さんからもらったから」

 

とのことで、お互い周りにいる親子より仲良くてわたくしも少し羨ましく思ったほどだ。

 

 

わたくしの中で惣夜君への思いが変化し確定したのは12才の時の事件で、彼の本当の姿を知った時はわたくしだけでなく、お母様も驚いたものだ。

 

そのあまりにも規格外の力、そして彼の目と、そのあとに伝えられた彼の素直な思いとともに玩具の指輪を送られて、わたくしは二つ返事で惣夜様の想いに応え、中学三年の夏に惣夜様のお祖父様と叔母上のお願いでわたくしと惣夜様の結婚式を静かに挙げてくれたのは驚いたは嬉しかったが、指輪交換の際出てきたのが、あの時の玩具の指輪で私は涙が止まらなかった。

 

そしてその夜、私の純潔を惣夜様に捧げた。私は幸せすぎて今日死んでしまうんじゃないか?と彼に言うとそれは困る。これからもっと幸せにするんだからと言われてもう一度惣夜様と繋がった。

 

それから3日3晩は惣夜様の隣にずっと寄り添い、お互いに時間さえあれば求めあった。気分は完全に新婚夫婦だった。この3日で私は惣夜様の子供を宿すのも良いと思っていたが惣夜様にもっと二人でいようと困ったように言われて、私はちょっと残念に思いつつも、彼を独占できることに嬉しさを感じていた。

 

まさに幸せの絶頂。それから家、ではなく本家の叔母上に呼び出されて、叔母上の私室で二人になると、惣夜様に穂波さんとその”従妹”の水波が彼のガーディアンになること、そして、それは惣夜様への愛人にするためという話だった。

 

苛立ちを必死で押さえながら叔母上の話を聞いて私は耳を疑った。

 

1に惣夜様の護衛。惣夜様なら誰にも負けはしない。それどころかこの世界を消すことだって出来る方だ。そのお力を有象無象に利用されない為。

 

2──これが重要だ。いずれ、私が四葉家の当主となった際に惣夜様は四葉当主の夫になるが。叔母上曰くそれだけでは惣夜様の表へ見せる、四葉縁者の楔としては決め手に欠ける。それ故に二人を愛人として惣夜様の分かりやすい内外への権力誇示。

 

尚、これは四葉真夜の判断ではなく、あの子の母親としての判断だと言われた時は私は何も言えなかった。

 

次いで叔母上は続ける。

 

「貴女にこう言っては酷だけど。惣夜の力は四葉や誰かがどうこうしていいモノじゃない。ましてや貴女一人でそれが抑えるなんて無理。一人で無理なら二人でやれば良い」

 

言うとお義母様は惣夜様の写真を眺めて言う。

 

「これは私の勘だけどあの子はそう遠くない内に時代のうねりに巻き込まれる。そして中心にいるのはあの子。その為にも”絶対に味方になってくれる人”が必要なの。それは”友情”では足りないのよ」

 

そう言われて私には自信がなかった。世界を敵にする覚悟はある。でも私が世界に勝てるかは別。お義母様は作ろうとしてるんだ。惣夜様に絶対に従い、脅威を排除する謂わば親衛隊──いや軍隊を──

それからお義母様は勿論自分も含めてと付け足した。その意味は分からなかったが、その日の夜。お義母様の私室に呼び出されて行くと、どう見ても殿方を誘うような薄いネグリジェ姿のお義母様を見て意味を悟った。

 

「私は謂わばあの子の止まり木。全て忘れて夢を見たいとき、惣夜に応えるだけよ」

 

それからあとから来た惣夜様に二人揃って抱かれた・・・・いや、あれは私が二人に抱かれたのだ。お義母様の母性に溺れ、惣夜様からも何度も何度も愛を注がれ目が覚めたら、お義母様に抱かれて小さな子供のように私は眠っていて、惣夜様の逞しく愛しいモノが私の膣内で脈打っていたので私はお義母様を起こして二人で惣夜様に奉仕した。それからは夫の求めに応じるのも妻の勤めだと以前にもまして強く想うようになり、いつの間にかお義母様や愛人を受け入れるのも苦にならなくなり、惣夜様の求めるままに身体を捧げた。もちろん、私が寂しそうにしてると構ってくれるし、”特別は私だけ”そう言われて私はアッサリ信じた。我ながらチョロい女と思うが・・・それこそ惚れた弱みという奴だ。

 

「ん?どうした深雪」

 

起きた彼をそのまま膝に乗せ。昨夜私を狂わせた惣夜様のたくましいモノを扱きあげる。

 

「いえ・・・その昔を思い出していて・・・」

 

「昔ってほどでもないが・・・確かにまぁ、濃い時間だったもんな・・・ッ!」

 

瞬間。惣夜のモノが膨れ上がり、先端から惣夜様の愛が吐き出され、私の手と惣夜様のお腹にかかるので、私は惣夜様についた液を舐めとると、惣夜は私の頭を撫でてくれるのでもっと丹念に舐めとり、最後に手に付いた液を念入りに舐めとると

よくできたな、と、また撫でて貰えた。

 

 

 

それから下着とバスローブだけを着けて私だけ一階リビングに降りて朝食の準備を水波ちゃん、穂波さんとしてると同じくバスローブ姿の惣夜がジェラルミンケースを持って来られて、テーブルの上に置いた。

 

「さて、と……深雪、これを」

 

そう言って開けたケースには惣夜様の持つエボルドライバーに似たドライバーとコブラロストボトルがあった。

 

「惣夜様、それは?」

 

「ルインドライバー・・・・・・深雪の専用に調整したドライバーだ」

 

言って懐からエボルトリガーに似た白いガジェットをテーブルに置く。

 

「こっちがルイントリガー・・・」

 

「惣夜様?これらをわたくしに?」

 

「そりゃそうだろ?深雪の為に作ったんだ。性能はエボルドライバーに劣るがフェーズ2ぐらいの力は出せる。もしもの備えだ」

 

「わたくしのため・・・」

 

「ですが旦那さま。ボトルが1つしかないのにどうやって?」

 

水波ちゃんが冷静に惣夜様に当たり前のことを問うと、惣夜様はニヤリといたずらっ子のように笑みを浮かべ天井を指すと───

 

「「───ドラゴン?」」

 

「あれにボトルを挿して2本分として使う」

 

惣夜様の言うアレとは手のひら大サイズの機械の赤いドラゴン。

 

「グレートクローズドラゴン。結婚記念日の祝いだ───これからもよろしく」

 

───覚えていてくれた!それだけで私の身体は歓喜に震える。

 

「こちらこそ!ありがとうございます!惣夜様!」

 

「ああ・・・穂波達のはまたの機会に・・・・・・さぁ、朝飯にしよう。俺腹減った!」

 

はい!私の旦那様・・・私の王



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波乱の予感

入学から数日。俺、東堂惣夜はなんと風紀委員・推薦特別枠で入ったのです!

理由としては面白そうっていうのもあるが、深雪の護衛も兼ねてる。

達也がいるしお前要るのかよ?良いだろ!?俺、アイツの旦那だぞ!?ちょっとはカッコつけたいんだよぉ!

 

そういうわけで体育館で乱闘を達也と鎮圧して、十文字会頭達に報告してなぜか俺だけ呼び止められる。

 

「俺がやったのは七草先輩が光井にやったのと同じです。それの近接Ver」

 

言って手の先を伸ばしそこから想子の剣を伸ばす。うん、なんかカッコいいからって千葉道場の先輩方の盗み見したけど覚えてよかった!

 

「想子の剣……そうか──」

 

それから十文字先輩は俺をどこか定めるような目を向けるのでため息をつく。

 

「先輩、その目は止めてください。正直不快です」

 

「!?…………すまない。気を付ける」

 

達也はこの人のこと苦手そうだけど俺は嫌なことは嫌とはっきり言えってしつけられてるからな。

それにこの人はそんなこと言われた位で傷つく安いプライドなんてないだろう。

俺は礼だけして部屋を出てすぐ横で深雪達がいた。

 

「大変だったな・・・・・・」

 

白々しいぞ、薄情ものめ……俺を置いて逃げといて。

 

「あれは逃げたんじゃない。そもそも会長達からも出るよう言われたのは見ただろう」

 

「そういう問題じゃねぇよ!お前分かってて聞いてるだろ!?」

 

「まぁまぁ惣夜君も落ち着いて下さい。それで、先輩方はなんと?」

 

「それなんだけど、外で話そうか」

 

そういうわけで、学校の外の喫茶店に入って俺はマスター自慢のブレンドを一口飲んで一息つく。

 

「率直に言うと、近々爆発するんじゃないか?」

 

レオやほのかは「は?」っていう顔をしてるが達也達は意味が分かってるように眉をひそめる。

 

「理由は?」

 

「よくも悪くもあの学校は無駄に放任主義なくせして、無駄に格式張るから無駄に自分は特別、上から目線の奴がアホなことしでかすんだよ」

 

「1科生と2科生の差別か……」

 

「今回は実技トップと理論トップの達也もいたけど今回で達也の面が割れた」

 

「二人を気に入らない奴らがちょっかいかけてくるってこと?」

 

それもあるが問題の根本的解決はかなり厳しいぞ・・・あの道楽娘が、アイツは父親に似ず、理想主義なトコがあるな・・・箱入り娘ってやつか・・面倒な

面白いことは好きだけど面倒なことは嫌いなんだよ。

 

「惣夜なら逆にぶっ飛ばしそうだけど・・・」

 

「そうなったら手加減せず潰す。下手に舐められて付け上がられても困る」

 

レオとエリカが顔をひきつらせてるけど達也はともかく俺は本気だ。

仮にもしこれがじいちゃんや真夜母さんの耳に入ってみろ、その家族に絶対シャレにならん仕返しをするぞ?下手に事態を拗らせる位ならガツンとやっといた方がアッチの為にもなる。

 

「なんか・・・テレビの悪役がする顔だよ惣夜?」

 

星狩りだけどね~

 

それから皆にも気を付けるよう言っておき、帰り道の途中達也達と別れて、二人の姿が見えなくなると俺はため息をつき、家に帰り翌日。生徒指導室に小野先生を呼び出すと人のいい──生徒受けするような笑顔を浮かべる。

 

「どうしたの東堂君?」

 

俺は机の上に足を投げ出して腕を組む。

 

「昨日の帰り道‥‥‥俺達を尾行したのはあんただろ?嘘をつけば色々保証しない」

 

小野先生──小野は降参よ、と手をあげる。

 

「まず自己紹介したほうがいい?」

 

「公安の奴なんだろ?もう調べてる──で、なにか無いのか?俺はあの場であんたを消すことだって出来たけどその日の夕飯のために我慢したんだ。まずは助けてくれてありがとうございますだろ?」

 

ぶっちゃけて言うと俺はこういう人、生粋の嘘つきが嫌い。だから俺もそういう対応を取る。

小野は一瞬絶句するがすぐに表情を固くして俺を見て、頭をゆっくり下げる。

 

「‥‥‥助けてくれて、ありがとう、ございます‥‥‥」

 

俺は足を下ろして手を無造作に振って衝撃波を小野にぶつけ壁に叩きつける。

 

「次やったら殺す」

 

そう言って俺は部屋を出た。ハァ‥‥あれ以上いたらあの女を殺してたしな。今あの女を殺してもなにもメリットないしな。

達也には一応報告しとくか。なんか周りがどんどん騒がしくなってきたな‥‥ハァ

 

 

 



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ようやく戦闘、でもスタークさんは出番なし。

小野先生とOHANASIをしてから数日、俺がビルドドライバーやボトルの調整をしてる内に学校内で討論会が行われる当日になった。

 

「さて、どうすっかな‥‥」

 

原作の流れとはいえ、人の嫁に手を出されるのはすこぶる気に入らないし、学園のゴタゴタに巻き込まれるのも御免。かと言って原作みたく堂々とカチコミ行くのは後々を考えると目立つしなぁ‥‥仕方ない、こっそり殺るか!

 

あ、念のためじいちゃんと母さん達にも連絡を入れたところ”後片付けはやってやるから好きにやれ”ってお墨付きを貰ってから学校に向かった。

 

そして討論会で生徒会(主に深雪)を護衛の為周囲に目を配ってる(振り)を舞台袖から見ながらいつでも突っ込めるようにはしておくのに袖にCADを隠しておいてる。

 

そして討論会がようやく終わりかと、思った瞬間──外から爆音。

 

俺は即座に予め討論会前よりマークしてた先輩に目を向けるとトリコロールのリストバンドを見せるようにまくっていたので、達也お手製の俺用拳銃型CADブラッド

を向け、そこから放つのは単一移動系魔法。

案の定その先輩は会場入り口まで吹っ飛んでから壁に激突、気絶したので、他の目についた奴らを片っ端からぶっ飛ばしていき、その間にガス弾ははんぞー

先輩が処理、達也もリストバンドを付けた生徒を取り押さえる。

 

「深雪、惣夜」

 

達也の一言で俺と深雪は集まる。

 

「恐らくここは囮だろう」

 

「ああ、元を叩かないと永遠に湧いてくるパターンだな。本命を叩きにいく」

 

「そういうことだ」

 

 

そういうわけで俺達は図書館に向かう途中にレオとエリカを拾いながら道中の奴らをぶっ飛ばしていく。俺?移動系魔法でとにかく壁にぶっ飛ばしてます。

間合いに入る奴ら?エリカがボッコボコにしていきます。可哀想にホラ、レオもちょっと同情してる。

 

それから図書館に入り俺は目立たないためにエリカのフォローに回り、竹刀で叩きのめす。

 

それからあらかた片付けてちょっと一息つくとエリカにジト目を向けられる。

 

「アンタまさかへばったの?」

 

「違う。ただこういうのは苦手だから精神的に疲れただけだ」

 

帰って寝たい‥‥もしくは穂波の膝枕が欲しい‥‥

 

そう思ってると、壬生先輩が階段を降りてくるが俺達を見て足を止める。

 

「東堂君、貴方まで‥‥貴方もそうなの?司波君と同じように‥‥」

 

「アイツが上で何て言ったかは知りません。先輩、どうか投降してください。貴方の剣は、力は少なくともこんなことに使う為に鍛えたモノじゃない筈です」

 

「───っ!‥‥何もかもを持ってる君には解らないわ‥‥私の気持ちは‥‥」

 

その一言で隣のエリカの空気が変わった、というかキレた。

 

「惣夜、退いてなさい。このバカはあたしが相手するから」

 

 

 



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エピローグ

ブランシュの件が落ち着いて少し経ってからの休日。

 

東堂惣夜は実家に帰省し、妻と一緒のベッドで目覚め、隣でネグリジェ姿で眠ってる妻を見つめる。

 

「‥‥贅沢だなぁ、我ながら‥‥」

 

言って深雪の頭に手を置いて髪に指を通し、髪は抵抗なく指の間に入る。

 

「‥‥ずっと一緒にいような‥‥」

 

言いながら自分の中でも原作を無意識に思い出そうとしてると、そっとその手に柔らかく白い手が重ねられ、その手の持ち主──深雪の頬へと当てられる。

 

「はい、ずっと一緒です惣夜様」

 

「起きてたのか」

 

深雪ははいと頷くと惣夜の手にくちづけをしてその手を放すと、今度は惣夜もベッドに倒れ、深雪と顔を合わせると抱き締める。

 

「深雪。最近、悩みがあるんだが聞いてくれるか?」

 

「お悩みですか?私で良ければ」

 

「入学からずっとお前に色目を使う男が気にくわない。思わず消してやろうかと思うくらいに」

 

「妬いてくださるのですか?」

 

「当たり前だ。他人の妻に色目を使ってるんだ、気にくわなくもなる。器量の小さい奴と笑うか?」

 

深雪は嬉しそうに惣夜の背に手を回して体をさらに密着させる。

 

「いいえ‥‥私も、惣夜様の妻である自覚が足りなかったのかもしれません」

 

「そんなことはない!ただ‥‥これは、男としてどうしようもないものだから‥‥」

 

珍しく自身の前で子供のようにむくれる夫が可愛くて背をあやすようにさする。

 

「心配せずとも深雪は惣夜様のモノです。他の殿方に振り向いたりしません。それでもご不満なら今後一切。身内以外の殿方とは話しません」

 

いや、それはまずいだろ‥‥と惣夜は心の中でツッコミを入れ、前から話題を変える為に気になってることを聞いてみる。

 

「あー‥‥そこまではしなくていい‥‥深雪を信じる‥‥あと、これは俺達の将来だけど‥‥深雪は子供、いつ欲しい?」

 

「今すぐにでも。義祖父にも曾孫を見せてあげたいですし」

 

「いやいや、入学したばっかだぞ?」

 

「惣夜様はいつ頃ですか?」

 

期待に溢れた目を向けられつつも惣夜は言う。

 

「‥‥三年の秋くらいか?それなら深雪も卒業式にも出れるし、お腹も目立たないだろうと、思ったんだが‥‥」

 

「でしたらその時で‥‥今から楽しみです」

 

と、お腹を撫でる気の早い妻に苦笑してると、扉の奥からノックが響く。

 

「惣夜様、深雪様。朝食のご用意が出来ました」

 

「ありがとう水波ちゃん。着替えたらすぐにいくわ」

 

言うと深雪に手を引かれて惣夜はベッドを出た。

 

 

 

 

 

私、東堂深雪(将来形)は惣夜様の実母の立夏様とテレビ電話越しのお義母様と立夏様のお部屋で話をしてた。話題は惣夜様の周りのこと。

 

 

「そう‥‥話は聞いていたけど、千葉のお嬢さんと”光井”と北山か‥‥惣夜はモテモテねぇ‥‥」

 

「深雪さん的には彼女達はどう?」

 

「そうですね‥‥三人共惣夜様に好意を持ってるのは明白ですし惣夜様の御力を知って諦めることもなく、惣夜様さえ少し押してしまえば堕ちます」

 

「そこまで?順番は?」

 

「エリカ、ほのか、雫の順番が宜しいかと‥‥まぁ、惣夜様の御気持ちが一番ですが」

 

「大丈夫よ、あのこ押しに弱いし‥‥そうだ!千葉エリカさんを早速ウチに呼びましょうか?」

 

楽しそうな立夏に深雪もそうですね、と笑みを浮かべる。

 

「仕込みは早い方が良いですし」

 

そういうことで、翌日エリカと一校前で待ち合わせをして何故か一緒にいる深雪に心の中で嘆息しつつも惣夜達に手を振る。

 

「悪いなエリカ、ちょっと話があって」

 

「いいわよ別に。なんで深雪もいるの?」

 

「私もいた方が話がスムーズに進むだろうという惣夜さんのお誘いでね。近くに車を待たせてあるの、話はその先で」

 

それから本当に近くの黒塗りの車に乗り込み、運転席には深雪が乗り込んだ。

 

「深雪運転できるの!?」

 

「ATの簡単なモノだけど、中学卒業と同時に取ったのよ」

 

「因みにバイクも乗りこなせちゃうぞ?まぁ、俺と達也改造の魔改造品だが‥」

 

「慣れてみると楽しいモノよ?」

 

「‥‥ごめん、以外過ぎて言葉が出ない‥‥‥」

 

「分かるぞ。俺と達也も免許見せられた時は口が開きっぱだった」

 

そこまで言われて深雪は口を膨らませる。

 

「私だって運転くらいします」

 

それから数十分で着いたのは惣夜の自宅。

 

「そういやエリカがウチにくんのって初めてだよな?」

 

「ええ、アンタっていつも大体道場にしか来なかったじゃない」

 

「いや俺、門下生‥‥まぁいいや付いてきてくれ」

 

と、和風古い日本のお屋敷に上がり、二階のある部屋に入る。惣夜の部屋、そこには四葉真夜が惣夜の勉強机にかけながらアルバムを眺めていた。

 

思わぬ人物にエリカは面くらうが、惣夜は義母さんと呆れてる。

そして惣夜の声でようやくこっちに気づいたのか視線を膝の上のアルバムから目の前の惣夜達に移す。

 

「お帰りなさい惣夜、深雪さん。そちらのお嬢さんが惣夜のお友達?」

 

「紹介する。千葉エリカ、俺の通ってた剣術道場の娘さん」

 

「そう‥‥初めまして、名前は知ってると思うけど四葉真夜、四葉家の当主です」

 

微笑を浮かべながらの自己紹介にエリカは我に帰る。

 

「は、初めまして‥‥千葉エリカです。惣夜、さんとは昔からのあの、幼なじみで」

 

「知ってるわ。千葉エリカさん‥‥エリカさんと呼んでいいかしら?」

 

「は、はい!ど、どうぞ‥‥」

 

「ならエリカさんも席にどうぞ。ベッドしか無いけど」

 

真夜に勧められて三人共ベッドに腰かけると、まず惣夜が口を開く。

 

「悪いなエリカ、いきなりこんな風に囲うようなことして」

 

「別に怒ってないわよ。で、大事な話って?」

 

惣夜は深く一呼吸置いて言う。

 

「俺の本当の力と今の俺の周りとか大体全部」

 

 

 



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楔──

東堂家屋敷の天然温泉にエリカが入ると

 

「あら、エリカ」

 

今、ある意味深雪(一番会いたくない人)と浴室で鉢合わせした。

 

「ごめん、入ってたんだ」

 

「いいわよ別に、エリカも一緒にどう?私に聞きたいこともあるでしょう?」

 

どこか見透かしたような言い回しに少しムッとしつつも軽く湯を浴びてから浴槽に入る。

 

「‥‥深雪、四葉は‥‥‥惣夜をどうするの?」

 

「どうもしないわ。さっきも言ったけど、将来私が四葉の当主になるのはもう確定、それは惣夜様を守る為。惣夜様の御力は余りにも強力すぎる‥‥その気になれば世界だって滅ぼすことも造作もないほどにね‥‥これはお義母様の勘だけど‥‥惣夜様は近々起こる時代のうねりに巻き込まれ、その中心になると仰ってるわ」

 

「だから?まさかアンタ達惣夜の為に一族を私物‥‥惣夜の軍隊にでもする気?」

 

深雪はエリカに懐疑的な目に苦笑する。

 

「当たらずとも遠からずね。でも、四葉全体は只の小間遣い。惣夜様を守ろうとすれば従いはしないわ。軍隊は惣夜様の側の女性達、エリカだって惣夜様を護らなきゃって思った筈、嘘とは言わせないわ」

 

「‥‥‥いつの時代よ‥‥」

 

「でもそれが一番効果的。だからお願いエリカ「断るわ」

 

深雪が言わんとしてる続きをぶったぎってエリカはピシャリと言った。

 

「アタシは確かにアイツが好き。でもアイツを守る為にアイツの愛人になったり、ましてや体で縛ろうなんてのはアタシには無理」

 

「‥‥そう‥‥それは惣夜様を諦めるということ?」

 

「違うわ。アタシはもう人生でアイツ以外を好きになる気はないわ。だからってアイツと結ばれたりすりゃいいってもんじゃないでしょ?」

 

「将来惣夜様以外の殿方は「願い下げよ」

 

言うと深雪は安心したように心の中で安堵すると同時に勝手に結論づける

──エリカは我慢してるだけ、素直になればきっとわたくし達と同じになってくれる──

なら今はできるだけこちらを知ってもらってその上で改めて話をしよう。

 

「ならエリカ、もし惣夜様を害そうとする者どもがいたら力を貸してくれる?」

 

「それなら了解よ」

 

深雪の心中を計り損ねてるエリカは差し出された手を握った。

 

翌朝──

 

深雪とエリカが惣夜の部屋に入ると、椅子にかけながら片手に手のひらサイズのブラックホールを浮かべる蛇の意匠を持つ頭部装甲の額付近に星座早見盤のようなパーツと全体的に宇宙、惑星を思わせる装甲姿のナニかがいたが、深雪達をみるとおはようと、ブラックホールを握りつぶす。

 

「おはようございます惣夜様。鍛練中でしたか?」

 

「いや、大したことはしてないよ」

 

答えながら腰のベルトから赤と黒のボトルを抜くと、その姿が紫の粒子となって霧散し私服の惣夜が現れた。

 

「今のがEVOL?」

 

「まぁな、で、どうした?」

 

「はい、エリカがそろそろお帰りになられると‥‥もう少しいても良いと立夏お義母様も仰ってるのですが」

 

「着せ替え人形にされんのはも懲り懲りよ」

 

「‥‥そうか‥‥流石に幼なじみとはいえなぁ‥‥」

 

演技でもなく本気で残念そうな惣夜にエリカは苦笑する。

 

「また来るわよ。そんな顔しない!」

 

「お、オウ」

 

そんなに分かりやすい顔してたかなぁ‥‥と顎をさすると今度は深雪がクスリと笑みをこぼす。

 

「惣夜様は身内の前では分かりやすいですから」

 

ギョットして咳払いすると惣夜はこれ以上イジられないようにと足早に部屋を出た。




すいません。今さらながらにこの時の惣夜は設定的におかしかったので修正します。


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幕間──サブタイトルが思い付きません

まず遅れてすいません!正直エタってましたが他の作品やビルドの動画やらでモチベを復活させました。

その間にお気に入り300超えた‥‥ありがとうございます!

そして久しぶりなのに日常回でそんなに進まず中途半端です。

あと、これからもこの作品を宜しくお願いします。


どーも東堂惣夜です。ブランシュの一件から少し日が経ち学校も落ち着き始めたころの休日‥‥なのですが────

 

「俺なんで道場(ここ)にいんの?」

 

しかも朝っぱらから俺は千葉道場の床に背をつけていた。ひ、久しぶりのエリカのしごきは堪えるぜ‥‥ん?待てよ、エボルト()を生身のままここまでにするってコイツも化け物なのか?

 

「惣夜のお爺さんから聞いたわよ。練習相手がいなくて退屈だったんでしょ?あんたのお母さん達からも思い切りやっていいって言われてるし、今日はテッテー的にやるわよ!ホラ!さっさと立たなきゃ叩き潰すわよ!」

 

と、元気はつらつなエリカさんは身体がウズウズするのか素振りをしてるんだけど、俺の前に振り下ろすのは止めて下さい死んでしまいます。俺は息を整えて竹刀を取ってエリカの間合いから逃げてから立ち上がる。

 

「こうなりゃヤケだ!途中でへばるなよエリカ!」

 

 

エリカsid

 

今日は久しぶりに惣夜と剣術の鍛練をしてる。実際に剣を合わせてみたらやっぱり惣夜は変わってなかった。足の運び、呼吸、振り方、力加減、そして‥‥真剣な眼差し。アタシは惣夜との打ち合いの中、不意にそんなことを思って昔を懐かしみながら改めて惣夜の身体を観察する。色の抜け落ちたような白い髪、ルビーより赤い目、昔と違ってアタシやミキよりも伸びた背に普段の歩き方でも分かる。鍛えた跡と身体つき、大きな手‥‥最近は学校でも毎日会えるのに気がつくとこんな風に惣夜を考えてると知ったら普段のアタシは今のアタシを叱るだろう。でもしょうがない、好きなのだから‥‥‥‥と、こんな風に考えてるのを当人だけには知られるわけにもいかず、また気取られるわけにもいかないので惣夜の方にも集中して、苛烈に打ち込んで行き、やがて竹刀を弾きあげ、惣夜の首元に竹刀を突き付けていた。

 

「え‥‥ちょ!?‥‥‥‥おまっ!」

 

「まだまだね」

 

竹刀を下げ、再び惣夜と間合いをとる。

 

「お前はどこの青学の一年だ」

 

と、アタシには全くわからないことを言いながら竹刀を構え直し、アタシも構える。

昔からコイツはこうだ。言葉もそうだけど行動も単純で、家族思いの‥‥っと。流石に余計なことを考えすぎね。惣夜にバレそう。

 

「エリカ、どうした?」

 

あ、バレた。

 

「なんでもないわ。さ、続けましょう」

 

 

 

深雪side

 

こんにちは、東堂(未来)深雪です。今私は雫の家にお邪魔させてもらってほのかと3人で勉強会をしています。家庭教師は穂波さんやお兄様が教えて下さるけど、こういう風に教え合うのはどこか新鮮です。

そうして今はちょうどお昼すぎ、お昼ご飯が終わって少し休憩時間。雫の家の使用人が淹れてくれた紅茶を飲みながらテーブルを挟んでお話中。

 

「それで深雪、惣夜とはどう?」

 

「どう‥‥って‥‥皆といるときとそんなに変わんないわよ」

 

いきなりのフリに少し言い淀んだけど、すぐに私は返すけど雫は納得しない表情をしてた。

 

「惣夜は身内に甘くて甘えるから、深雪にはもっと甘えると思った」

 

流石幼なじみ、よく見てるわ。それとほのかもうんうん頷いてるし、隠すのは難しそうね。

 

「‥‥‥‥そうね‥‥確かに昔から少し甘えん坊だったかしら」

 

まぁ‥‥そこが惣夜様の良いところであり、可愛いところでもあるのだけれど──心の中で呟くと、2人は微か羨望と‥‥あと、可愛いくらいの嫉妬を目に込めてどこか虚空を見てる‥‥これは想像してるわね‥‥‥どうしましょうか?少し時期は早いけれど‥‥2人なら大丈夫かしら?

 

「惣夜様のこと、好き?私は別に構わないわ」

 

「‥‥え‥‥?‥‥ええっ!?」

 

虚を衝かれたほのかが目に見えて動揺し、雫は訝しげな視線を向ける。

 

「どういう意味?」

 

私は雫と目を合わせ、”女”として視線を返す。

 

「言葉通りの意味よ?2人が本気で好きで、惣夜様が2人のことも好きならそれで良いって意味なのだけれど」

 

「‥‥‥‥深雪、今なら冗談で済むから撤回して‥‥」

 

私の言葉に衝撃を受けたのか、雫の声には動揺が見えた。必死に自分の気持ちを抑えてるのね。

 

「撤回しないわ。あのね雫、私は別に惣夜様に愛人や妾、現地妻がいてもいいの。本当にお互いが想い合ってるならね」

 

「‥‥深雪は‥‥いいの‥‥?好きな人がとられても?」

 

取られる‥‥‥ね。懐かしいわね。惣夜様と式を挙げたばかりの頃を思い出すわ。あの時はお義母様にだって取られたくなかった‥‥でも今は‥‥

 

「そうね‥‥もう慣れちゃったわ。盗られたなら盗りかえせばいいじゃない。振り向いてもらえるように努力をすればいいだけよ。私は負けない(・・・・・・)‥‥そう思ってるのは2人だけじゃないわ。2人は惣夜様のことが好きならこれから惣夜様にアタックを仕掛けるのも想いを伝えて結ばれてもいいわ──」

 

でも─と私は言葉を切り、胸に手を当てて啖呵を切る。

 

「私は手加減しないわ。2人が本気なら私もそれに合わせて友達として‥‥恋敵(ライバル)として全力で相手になるわ。私を乗り越えられないようでは惣夜様と連れ添うなんて不可能ですもの」

 

我ながら私も自分の言ったことながら傲慢ね‥‥まるで惣夜様の1番の女性みたいに‥‥でも今この状況では必要不可欠。言われた2人も覚悟を決めたようにうなずく──これならもう大丈夫、あとは惣夜様に想いを告げるかそれか惣夜様が強く押す──ことはないと思うけれどそうすれば2人は落ちる。

 

「ところで深雪、惣夜の恋人って他にもいるの?」

 

「ええ、他にも何人かいるからあんまり遅いとどんどん出遅れることになるわ。だから2人に提案があるの」

 

「え‥‥で、でも深雪今、ライバルって‥‥」

 

「ライバルって言ったけど協力しないなんて言ってないわ。同じ人を好きになってくれるのは素直に嬉しいもの」

 

そう言うと2人は顔を見合わせてから私の方を向き直る。

 

「なんか深雪って‥‥」

 

「凄いね‥‥」

 

「?」

 

2人の言うことが初めて分からなかった私は首を傾げた。




中途半端な終わりかたですいません。

尚、このSSでの深雪さんは幼いころから真夜達から洗脳(教育)を受けてるせいやらで、他のライバル達にも寛容です。


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九校戦編
九校戦?え?体育祭じゃないの?


誤字報告ありがとうございます。

今回は導入編のようなものですので会話メインです。


そしてお気に入り500突破!

R―18週間ランキング(もう変わってるけど)18位!

マジかΣ(゚◇゚;)

これからもこの作品をよろしくお願いします!


どうも東堂惣夜です。今日は6月15日。生徒会や部活連では九校戦の準備で忙しい中俺はというと、家の地下の研究室(広さは戦兎達の地下の拠点くらいで、あれから私物やらを抜き取った感じ)で研究に集中してます。研究の内容は(エボルト)の力を取り戻す研究です。

劇中ではエボルトは己の遺伝子を分離して他の人に取り憑かせたり、遺伝子の分身達に戦わせたりというのがあったけど、俺の遺伝子は今、深雪、真夜母さん、深夜義母さん、水波、穂波姉さんにと、ばらまいてるので完全体であるブラックホールフォームにはなれない。

モチロン遺伝子を回収すればちゃんと変身出来るけど、それじゃあダメなのです。

まず、深夜義母さんと穂波姉さんに遺伝子を取り憑かせた理由は2人の今まで魔法行使の身体の衰弱を治療するために取り憑かせてます。治療は常にゆっくりと進んでいて来年には直りそうです。水波は魔法行使に負けない身体へと”治療”するため。

真夜母さんだけど、”お母さん、惣夜との赤ちゃんが欲しいわ”と言われちゃったので男として叶えたいという思いがあるじゃん?だからエボルト細胞で母さんの体内の生殖機能を治療中でこちらも今年の冬に終わる。

深雪は少し特殊で沖縄旅行に行った際にエボルト細胞と”融合”して謂わばBANJYOになったからどちらかと言うと人間よりエボルト()寄りであり、細胞が取り出せなくなってる。

ちなみに深雪達は俺が完全体になれないこともましてや原因が細胞を分けすぎたことなんてことも知らないし知らないほうがいいと俺は黙ってる。

 

さて、話を戻そう。じゃあ俺が力を取り戻すにはどうしたらいいか?

エボルトなら万丈や戦兎達を使う手もあったが俺は身内は使いたくないし、お膳立てなんて面倒すぎてやってられない。最悪戦争で俺や達也の手間が増えて家族の時間が削られたらやってられない。

だから手っ取り早くハザードレベルを上げる方法を探してるんですが──

 

「なかなか見つからないんだなぁ‥‥コレが‥‥」

 

そもそもハザードレベルを上げられる人材がおらん。ハザードレベルは感情の高ぶりであがる(一部ハザードトリガーを使ったりと例外はある)俺のハザードレベルは10.5深雪は6.5水波は5.5と、エボルト細胞の力でもあるのかハザードレベル5を他の3人も越えている。ここいらで普通にハザードレベルを上げられる実験体が欲しいんだけどなぁ‥‥達也は論外だし、四葉の縁者はもってのほか‥‥‥‥

 

「どっかにいい実験体いねぇかなぁ‥‥」

 

と、マッドな発言まで出てくるくらいに実験例がないのが現状なのが俺の研究。

この部屋もただドライバーやボトルの成分を調整するだけになりつつあるのが悲しいかな。

 

「そんなに実験体が欲しいの?」

 

「そりゃあなぁ‥‥四葉や家に関係しない丈夫な人間がいれば‥‥ん?」

 

声の方に椅子を回すと深夜義母さんがニコニコ顔のサマースーツ姿でいた。

うん。深夜義母さんの豊満な身体にフィットしてて健康的にエロいです!

 

「来ちゃった」

 

極めつけにテヘ☆と舌をだす深夜義母さんに十秒ちょっと意識を飛ばしてから復帰する。

 

「深夜義母さん!?なんで?」

 

「仕事が早く終わったから惣夜の顔を見たくてね。高校に入ってから全然会えないんですもの」

 

と、不機嫌ですオーラをだしながらむくれてみせる深夜義母さんはやっぱり深雪の母親で歳なんか関係なく、可愛い。

 

「ごめん。入学してから色々忙しくて、いつまでいられるの?」

 

「今日の仕事はあとはここでも出来るから泊まって行こうと思って‥‥‥どう?」

 

久しぶりに深夜義母さんが泊まる事に上機嫌になった俺は席に座ったまま椅子のキャスターを転がし深夜義母さんの前まで来ると身体を抱き寄せくるりと半回転させて俺の膝に座らせる。回転させる際に深夜義母さんが、あん!と驚きと嬉しさの混じった声を上げて俺の理性が崩れそうになったのは内緒。

 

「そっか‥‥じゃあ少し2人でゆっくり出来るね」

 

ええ‥と深夜義母さんの甘い匂い‥‥真夜母さんは甘くて優しい匂いだけど深夜義母さんちょっと甘酸っぱい。その匂いを首に鼻を寄せて吸い込む。

 

「コラッ惣夜さん!嬉しいけどちょっと待って!さっきの実験体の話」

 

くすぐったそうに身をよじりながら言う義母さんの話に首から顔を離し、義母さんの話耳を傾ける。

 

「実験体の話だけど、どうにかなるかもしれないわ。惣夜さん、近々魔法科高校同士で九校戦があるじゃない?簡単に言うとそこの会場近くで香港系マフィアがうろついてるのよ」

 

マフィアかぁ‥‥うん。確かに条件はクリア出来そうだな。そこで拐ってくればいいと。

そう思ってると義母さんは面倒そうにため息をつく。

 

「でも1つ問題があるのよ。惣夜さん自身にとって問題にならないでしょうけど、このことを知って国防軍、達也さんの”職場”の人達が動いちゃってるのよ」

 

達也の職場──独立魔装大隊101旅団か、達也は九校戦のエンジニアに選ばれたし、俺もピラーズ・ブレイクとクラウド・ボールで出るから知ってるが、達也とカチ合うことはまずない。それなら大丈夫!アイツとだけはゼッッッタイにイヤだ!!

 

「じゃあ達也と喧嘩にならない内に拐っちゃおう」

 

分解マンはゴメンだ!

 

「そうね‥‥ところで惣夜さん、学校は?」

 

「勉強は大丈夫だし、九校戦の競技も決まったから休んでる」

 

「そう‥‥惣夜さんがいいならいいわ。でも、深雪さんやエリカさんはいいの?」

 

「深雪には少し悪いけど、ちゃんと埋め合わせはするよ。でもどうしてエリカが出てくるの?」

 

そう聞くと義母さんはちょっと困ったように苦笑いして俺の頭を身体を半分こちらに向けて撫でてくれる。

 

「そうね‥‥真夜があの子を凄く気に入ってしまってね。なんとかあの子に会ってお話出来ないか?って私に聞いてくるものだからつい、ね」

 

エリカが(実家)に来た時か?来て早々真夜母さんと立夏母さん。深雪に連れられて着せ替え人形にされたらしいけど、そんなに気に入ったんだ。

 

「分かった。俺もエリカに聞いてみる」

 

でも、エリカと真夜母さんか‥‥全く予想がつかない組み合わせだけど意外と合うのか?

 

「お願いね。じゃあ惣夜さん、続きをどうぞ?今夜は私も甘えるからね?」

 

言われて俺は再び義母さんの身体を抱きしめ、首に顔を近づけて匂いを吸い込む。

 

「今夜じゃなくて今はダメ?久しぶりの義母さんだから‥‥繋がりたい」

 

言われて義母さんは薄く笑みを浮かべると俺の膝を立ち、スカートの下に手を入れてピンクの可愛いショーツを下ろして片足だけ脱ぐとこちらを向いて雄を誘う発情した雌のような笑みを浮かべる。

 

「さぁ‥‥いらっしゃい惣夜。寂しかったぶん、いっぱい暖めて」

 

その一言で俺の緩い理性は消え去り。昼過ぎに昼食の知らせをしに降りてくる穂波姉さんがくるまで一時間半以上、快楽を貪ってた。




このSSの真夜さん、深夜さんはヒロインですので可愛く描写出来たらなと思います。


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戦犯──これからどうなんの?

お久しぶりです。魔法科高校の劣等生アニメ二期を見て熱が再燃したので投稿再開です。

こんな勝手な作者でごめんなさい。そして文字数も少なく大して進んでいません。
それでも皆様の暇潰しに読んで頂ければ幸いです。


どうも東堂惣夜です。今は九校戦の近くで他の選手達とホテルに泊まってるんですが‥‥ただいま夜中の1時、自室にて事件が起きてます。

 

「どうでしょうか?」

 

目の前のコワモテのドラゴンフェイスの一見怪人っぽい全身装甲の人物──もとい深雪(仮面ライダーブラッド)が耳に気持ちいいボイスで聞いてくる。うん、ここだけ聞けばまぁ、何かの実験とかって思うけど待って欲しい、もう1つあるんだ。

 

俺と深雪の間に凍りつけの黒スーツのガタイのいい男がぶっ倒れてるんです。はい、ジェネレーターです。うーん‥‥‥‥手間は省けたのは嬉しいけどコレ、やっちゃって良かったの?俺アニメと原作のダブルセブンしか知らないけど、大丈夫なのか?

 

「あの‥‥‥惣夜様」

 

(深雪)の蚊の鳴くような小さい声に普段そんな声を聞いたことのない俺はすぐに頭の中で思考を止めて深雪(仮面ライダーブラッド)を見ると下を向き、両手をおろしたまま手をぎゅっと握っていてまるで親に叱られるのを怖がる子供のようだった。

 

「あ、ああ‥‥ごめん深雪、少し考え事をしていたんだ」

 

言いながら俺は深雪のドライバーからグレートクローズドラゴンを抜き変身を解除させる。だってあのまま普段の深雪の淑女の仕草されるとスッゲェシュールで雰囲気ぶち壊しなんだもん!

 

「惣夜様‥‥」

 

案の定、というかやっぱり涙目になっていた深雪の頭を優しくあやすように撫でる。

 

「ありがとう深雪。初の実戦だったと思うけど使い心地はどうだった?」

 

「問題ありません!変身してる間力がずっと溢れて‥‥とにかく素晴らしかったです!」

 

と、普段の淑やかな口調ではなく目に見えて分かるくらい興奮を表情に表しながら俺の方に一歩歩み寄り。ただでさえ近かった距離はゼロになり俺の胸に顔を押し付けてくる。でも深雪がここまで興奮するのは珍しいな‥‥(エボルト)の遺伝子でハザードレベルが上がってるからか?こんなことなら俺と実戦形式の実験でもしとけば良かったけど、今のところ深雪の身体に悪影響は出てないみたいだし今は保留でいいかな。

 

「そうか、でも初めてのドライバーを使っての実戦だったから帰ったらデータを取らせてもらえるかい?」

 

「それは私の身体のデータも、でしょうか?」

 

俺の胸から顔を上げ、頬をうっすらと紅くさせながら鈴を転がすような声音で男を誘うような瞳を向けてくる深雪に我慢なんて出来るワケがない。

 

「そうだね。詳細なデータが欲しいね」

 

下に転がってる男をブラックホールの中に消すと深雪は目の前で制服のインナーガウンを取りブラウスのチャックを下げていくが、俺は辛抱堪らずに深雪の身体を抱き寄せてからすぐ横のベッドへと押し倒す。深雪は表情は困ったように、でも瞳には隠しきれない欲情を宿しながら俺を見ている。

 

「ベッドは汚せませんね」

 

ベッドの汚れなんて魔法でどうこう出来るがまぁ、そこは雰囲気作りである。

 

「その分深雪が汚れるかもよ?」

 

「惣夜様の色に染めて頂けるなら喜んで」

 

そこで俺はとうとう理性が切れ、深雪に覆い被さった。その時の俺は実験のこととか完全に頭から吹っ飛びただ目の前の婚約者の身体を貪った。

 

 



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