はぐプリ妄想 (シャイニングピッグEX)
しおりを挟む

タダの女の子

リハビリがてら書いてみました。

時期的にはメモリアルキュアクロックを取るちょっと前くらいだと思って頂ければ


オシマイダーーー!」

 

 また今日もクライアス社から巨大な怪物、猛オシマイダーが発注され、街で暴れ回る。

 

  人々が逃げ惑う中、私達五人はオシマイダーの前に立ち、プリハートとミライクリスタルを構え、「皆、行くよ!」と言う声と共に変身する。

 

 「ミライクリスタル!ハート、キラっと!はーぎゅーっ!」

 

 ミライクリスタルをプリハートにセットする。

 すると、服、髪型、そして身体能力が変わっていき、人々を守る伝説の戦士、プリキュアへと変身が完了する。

 

 「輝く未来を〜!抱きしめて!皆を応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

 「皆を癒す、知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

 「皆輝け!力のプリキュア、キュアエトワール!」

 

 「「皆大好き!愛のプリキュア!」」

 

 「キュアマシェリ!」

 

 「キュアアンジュ!」

 

 『HUGっと!プリキュア!』

 

 五人で決めポーズを取り、猛オシマイダーの前へと立ちはだかる。

 

 「また来たか、プリキュア。いい加減諦めて欲しいんだけどなぁ」

 

 「絶対いやよ!」

 

 「ここから一歩も通しません!」

 

 「あっそう。まあ、君達を倒せば良いだけの事だしね。やれ、オシマイダー!」

 

 「オシマイダー!」

 

 オシマイダーが腕を振り上げ、武器を構える。

 

 いつもなら、私も避けれていた筈だった。

 

 しかし、日頃の疲れが取れていなかったのだろうか、オシマイダーの攻撃を喰らい、地面に倒れ伏した。

 

 アンジュやエトワールが私の名前を叫ぶ。しかし、私はそれに応えられないまま、やがて気を失ってしまった。

 

 「…ん」

 

 私はゆっくりと体を起こした。包帯でも巻かれているのだろうか、視界は真っ暗のままだ。

 

「…はな!皆!はなが目を覚ましたよ!」

 

 ほまれの声で皆が私に駆け寄って来る。

 

 「はな先輩、大丈夫ですか…?」

 

 「はな、私の事が分かりますか?」

 

 最初のはえみるで、次のはルールー。どうやら、頭を打ったりした訳ではなさそうだ。

 

 「ねえ、はな、どうしたの?応えてよ…」

 

 「…ほまれ、だよね。とりあえず誰でも良いからさ、目の包帯を解いてよ」

 

 

 

その言葉を聞いて一同は絶句した。はなの顔には包帯など巻かれていない。と言うことは…。

 

 「はな、失礼します」

 

 「え?な、何?」

 

 ルールーははなに自分の顔を近付け、はなの目を見た。

 

 「…すぐにハリーに連絡してください!」

 

 「う、うん!」

 

 ほまれはルールーに言われ、急いでハリーに連絡を取った。

 

 「ハリー、急いで来れる?」

 

 ほまれはハリーに簡潔に状況を説明した。

 

 「分かった、すぐ行くから待っとってくれ!」

 

 そして、十分程経ち、ハリーははな達がいる病院へ到着した。

 

 胸には眠ったはぐたんもいた。

 

 「はなぁ!大丈夫か!?どこを怪我した!?」

 

 ハリーははなに駆け寄った。

 

 「あ、ハリー、来てくれたんだ」

 

 「来てくれたんだちゃうやろ!…すまん、俺が来れんばっかりに…」

 

 「ううん、それよりも…」

 

 「ハリー、少しこちらへ。はな、すぐ戻るので待っててください」

 

 「?うん」

 

 ハリーはルールー達に連れられ、病室の扉を閉め、廊下の椅子に座っていたはなの両親と妹の元に来た。

 

 「あ、ハリーさん、すみません、わざわざ」

 

 「いえ、俺も何も知らんくて…はなの容態は何や?」

 

 「…はなは、目に大きな怪我を負いました。現段階では何も見えていません」

 

 「そんな…お姉ちゃんは助かるの…?」

 

ことりが泣きそうな顔でルールーに聞いた。

 

 「…現時代の医療技術では、高く見積もっても、完治する可能性は1%にも満たしません。仮に視力が回復しても、傷跡、もしくは後遺症が残る可能性が高いです」

 

 「そんな…私達に出来ることは無いのですか!?」

 

 「…はなを精一杯、支える事位しか…」

 

 ルールーは自分の手を握って告げる。その目には涙が浮かんでいた。

 

 「…はなの目の手術までの介護は私がやりますので、皆さんは前まで通り過ごしてください。お見舞いは無理なく来れる時間に来てください。お母様、お父様、ことりもはなを心配する気持ちは痛いほど分かりますが、それで通常業務に支障を来たしては本末転倒です」

 

 「…分かりました」

 

 「すみません、えみる、ありがとうございます」

 

 「…うん、分かった。」

 

 「そうだね…。その代わり、毎日お見舞いに来るよ」

 

 「…よし、俺もはぐたんと頑張らんとな…」

 

 「はなを心配させたら余計に負担をかけてしまうからな。頼んだよ、ルールー」

 

 「…そうね。はなはとても責任感が強いし、世話かけたくないと言うかもしれないけど…」

 

 「大丈夫です。はなの目が治るまでですから」

 

 「お姉ちゃん…」

 

 そして、ルールー達は病室へ戻り、医師からはなの目の怪我の詳細な説明を聞いた。

 

 「そっか…私、目が見えなくなっちゃったんだ…」

 

 「大丈夫です。手術をすれば絶対に治ります」

 

 「本当?」

 

「はい」

 

 「だから、それまではルールーにあまり世話かけちゃだめだよお姉ちゃん。そそっかしい上に目も見えないんじゃ危なっかしくて仕方ないよ」

 

 「めちょっく!」

 

 「では、私は一旦家に戻って私とはなの着替えを持ってきますので」

 

 「うん、ありがとう」

 

 そして、ルールー達は病室を後にした。

 

 

 

 目が見えない。そう聞いた途端言い様もない恐怖が身体中を駆け巡った。

 

 ルールーは手術をすれば治ると言っていたが、本当に治るのだろうか。

 

 とてもとても不安で仕方がなかった。

 

 けれど、明日から寝坊しても怒られないし、宿題もやらなくていい。そう思えば少しは良いのかもしれない。

 

 「…」

 

 目を閉じているのか開いているのかも分からないまま、私は眠りについてしまった。

 

 

 

 しばらくしてルールーは大きな荷物を持ち、はなの病室に入った。

 

 「…もう寝ていましたか」

 

 ルールーは荷物を起き、多少無理矢理だが3つの椅子を並べて自分も眠りについた。

 

 

 

 夢の中でことり、ママ、パパの顔が浮かぶ。さあや、ほまれ、えみる、ルールー、ハリー、そしてはぐたん…皆の顔を次に見れるのはいつだろうか?それとも、もう見れなくなるのだろうか?そんな不安が頭をよぎる。

 

 チャラリート、パップルさん、ダイガンさん、ジョージさん…誰でも良い、とにかく誰かの顔を見たい。さあやの天使の様な綺麗な顔も、ほまれの騎士の様なかっこいい顔も、えみるの様な元気でどこか抜けてる顔も、ルールーの様な愛に溢れた顔も、皆愛おしい。

 

 布団を強く掴む。枕に涙が滲んでいくのを肌で感じる。

 

 

 

 次の日の朝、はなは目を覚まし、身体を起こした。

 

 「おはようございます」

 

 「あ、ルールー、おはよう。今何時?」

 

 「今の時刻は午前七時五十分です」

 

 「めちょっく!遅刻しちゃう!」

 

 はなは慌てて立ち上がろうとし、ベッドの脚で躓いた。

 

 「!!危ない!」

 

 ルールーははなが転ぶよりも早くはなの身体を支えた。

 

 「ご、ごめん、ありがとうルールー…そう言えば入院してるんだったね…」

 

 「いえ、はなに何も無くて良かったです」

 

 ルールーははなを抱き抱えてベッドに戻した。

 

 「はなもかなり疲労が溜まっています。今は無理に動かず身体を休めていてください」

 

 「だからあの時…」

 

 「あの時?」

 

 ルールーははなの近くに座り、不安にさせないようはなの手を握った。

 

 「うん、昨日やられた時、私だけ動けなかったんだ。ボーッと立ってて、攻撃を喰らっちゃってさ」

 

 「あまり無理はいけませんよ、はな。一昨日何をしていたんですか?」

 

 「ちょっと作業をしててね、あまり寝れなかったの」

 

 「何を作っていたかは知りませんが…あまり遅くまで起きていてはいけませんよ」

 

 「そ、そうだね、ごめんね…」

 

 はなの表情が少し暗くなる。

 

 「で、でも、誰かへの贈り物なら、少しくらいなら大丈夫だと思いますよ。昨日は運が悪かっただけです」

 

 ルールーははっとし、慌ててフォローを入れた。

 

 「そう?ありがとね、ルールー」

 

 「はなが元気なら私も嬉しいです」

 

 はなは目を細めて笑い、ルールーも笑いかけた。

 

 「それじゃあ、どうする?」

 

 「どうする、とは?」

 

 「どこかにでも行く?それとも寝てる?」

 

 「確かに、少しでも動かないと、この生活に慣れませんからね。少し散歩でも行きましょうか」

 

 「うん!」

 

 ルールーははなの着替えを手伝い、病室から廊下に出て、エレベーターを使って一階に降り、病院の庭へと出た。

 

 「今は私がはなの目になりますから、何か気になったら言ってください」

 

 「うん」

 

 はなはルールーの右腕に掴まり、おぼつかない足取りで歩き出した。

 

 はなのルールーの腕を掴む力が強くなる。

 

「…そんなに心配しなくても、私は離れませんよ」

 

 「う、うん。分かってるけど、どうしても慣れないから…」

 

 「そうでしたね。では、こうしましょう」

 そう言うとルールーははなの背中に腕を乗せ、右肩を掴み、歩き始めた。

 

 「これなら少しは安心しますか」

 

 「うん!凄く安心するよ」

 「それなら良かったです」

 

 ルールーはそう言ってはなに笑いかけた。

 

 しかし、はながルールーの方を向くことは無い。目が見えないのだから仕方がないとは言え、ルールーは一抹の寂しさを感じた。

 

 「…はな」

 

 「どうしたの?ルールー」

 

 はなはルールーの方を向いた。

 

 「いえ…何でもありません」

 

 「?変なルールー」

 

 はなは首を傾げて言った。

 

 はなにはルールーの悲しい顔は見えていなかった。

 

 すると、はなのお腹が鳴り、はなは慌ててお腹を押さえた。

 

 「…ごめん、ルールー。お腹減ってきちゃった」

 

 「ふふっ、お昼にしましょうか」

 

 ルールーとはなは病院に戻り、病室で昼食を看護師から受け取った。

 

 ルールーは目が見えないはなにも分かるように時計をイメージさせ、どの数字の場所に何があるかを教え、自分も売店で買ったそばを食べ始めた。

 

 すると、はなが箸を落とし、ルールーはそばを近くの椅子に置いて箸を拾った。

 

 「新しい箸を持ってきますから待っててください」

 

 ルールーはそう言って箸を取りに病室を出た。

 

 「あっ、待ってルールー」

 

 「?何ですか?」

 

 ルールーは扉を開けた所で立ち止まった。

 

 「お茶も持ってきてくれると嬉しいんだけど…いい?」

 

 「分かりました。少し待っててください」

 

 そう言ってルールーは部屋を出た。

 

 

 

 やっぱりダメだなぁ、私。イケてるお姉さんなんて、やっぱり無理だったのかも。

 

 あの時、ルールーの顔はきっと笑っていなかった。きっと、今にも泣きそうな顔をしていたのだろう。

 

 それでも、私には負担を軽くする事なんて出来ない。この状況が変わらない以上、どうにかすることも出来ない。

 

 「こんなんじゃ、またことりに笑われるなあ…私はいつまで経ってもお子ちゃまだよ…」

 

 

 数分後、ルールーは見舞いに来たえみるとことりを連れて病室に戻ってきた。

 

 「ただいま戻りました。ついでにえみるとことりも連れてきました」

 

 「はな先輩、おはようなのです」

 

 「お姉ちゃん、お見舞いに来たよ」

 

 「ありがとう、二人とも。でも、何でこんなに早いの?」

 

 「今日は学校が早く終わったのです」

 

 「台風が来てるし、危ないだろうって先生が」

 

 「台風?」

 

 「…今日の夕方頃に来るそうですね。」

 

 ルールーはテレビの天気予報を見ながら言った。

 

 「あんまり大きいのじゃないといいのですが…心配なのです」

 

 「そっか、それなら急いで帰らないと雨に降られちゃうかもね。ルールー、二人を送ってあげて」

 

 「ですが、はな…」

 

 「大丈夫だよ、病院の中だし、外にも出ないしさ」

 

 「しかし…」

 

 「お昼ご飯も食べたし、もう何もする事ないしさ。少し寝てるよ」

 

 「…分かりました。えみる、ことり、行きましょう」

 

 「は、はいなのです…」

 

 「お姉ちゃん…」

 

 

 

 「最近、はな先輩元気が無いですね…」

 

 「やっぱり、目が見えないのが怖いのかな?」

 

 「それもあるでしょうが…」

 

 「じゃあ、一体…」

 

 ルールーはことりを家まで送り、えみると一緒に愛崎邸まで行くことにした。

 

 「…はなは、私達と一緒に居られなくなることが怖いのではないのでしょうか…」

 

 「何故なのですか?」

 

 「はなは今、目が見えなくて、プリキュアに変身しても目が見えるようになるかどうかは分かりません。その上、目が見えたようになったとしても前と同じオシマイダーが来れば、トラウマが蘇り戦えるかどうかも分かりません。何より…」

 

 「何より?」

 

 「私達が戦いに行ってしまったら、またはなは独りになってしまいます…そんな中ではなが平常心を保てるとも思いません。最悪…プリキュアを辞めてしまうかも…」

 

 ルールーの頬から一筋の涙が落ちていく。

 

 「…大丈夫なのです。ルールー」

 

 えみるはルールーに微笑んで言った。

 

 「まだ、私は希望を捨てていないのです。ルールーも、ことりちゃんもさあや先輩やほまれ先輩も、まだ誰も諦めていないのです。信じてみるのです、奇跡ってやつを。だから、流すのは悲しみの涙じゃなくて喜びの涙を流すのです」

 

 そう言ってえみるは手を伸ばしてルールーの涙を指で拭った。

 

 「えみる…そうですね、確かにまだ諦めてはいけませんね」

 

 「そうなのです。絶対に諦めない、それがプリキュアの約束なのです」

 

 「ありがとうございます、えみる。私も元気が出てきました」

 

  「それなら良かったのです。色々大変だとは思います。何かあればすぐ呼んで下さいね。いつでも飛んでいくのです」

 

 「ふふ、頼りにしています」

 

 そして、えみるも愛崎邸に送り届け、ルールーははながいる病院に戻った。

 

 病室ではさあやとほまれがはなをベッドに座らせているところだった。

 

 「あ、ルールーおかえり」

 

 「はなから話は聞いてるよ。えみるとことりを送ってたんでしょ?」

 

 「ええ。すみません、二人に手伝わせてしまって」

 

 「大丈夫だよ。困った時はお互い様だよ」

 

 「いつもルールーにも助けられてるからね。少しでもやれる事をやらないとって思ったんだ」

 

 「…ありがとう、二人とも」

 

 「はなにも感謝してるからね。こういう時には少しでも出来ることをしてあげたいしさ」

 

 「そうだよ。私達もはなに助けられてる所もあるんだよ」

 

 「…ありがとう、本当に…」

 

 はなは笑顔ながらも涙を流していた。それを見てさあやとほまれははなを優しく抱き締めた。

 

 「いつもありがとう、はな」

 

 「また目が治ったら、いや、治らなくても退院出来たら一緒に遊ぼう」

 

 「大丈夫、私達は絶対にはなから離れないよ」

 

 「ありがとう…ありがとう…」

 

 ほまれはルールーの方を向き、ルールーを手招きした。

 

 「ルールーもありがとう。少しの間だからさ、また辛いことがあったら何でも言ってね」

 

 「さあや…ほまれ…二人ともありがとうございます。これがお互いを信じ合う力…とても、暖かいものなのですね」

 

 ルールーは胸を両手で押さえた。

 

 「大丈夫だよ、ルールー。私は絶対、大丈夫」

 

 「…はい!」

 

 

 「フン…なら、そのトゲパワワはなんなんだろうねぇ…。発注!猛オシマイダー!」

 

 ビルの上から見ていたトラウムははなにオシマイダーを取り付かせた。

 

 「うっ…うああああああ!」

 

「はな!?」

 

 病院近くに以前出たオシマイダーとはなの姿をしたオシマイダーが合体した猛オシマイダーが病院の近くに降り立った。

 

 「そ、そんな…!」

 

 「オシマイダーーー!」

 

 はなの声も混ざったオシマイダーが雄叫びをあげ、街を壊し始めた。

 

 「やあ、プリキュア諸君。今回はオシマイダーを合体させてみたよ。遊んでいってくれたまえ」

 

 そう言ってトラウムは何処かに消えた。

 

 「二人いないけど…仕方ない、行くよ!」

 

 「うん!」

 さあやとほまれはその場で変身し、ルールーも独りで変身した。

 

 「キュアアンジュ!」

 

 「キュアエトワール!」

 

 「キュアアムール!」

 

 「Hugっと!プリキュア!」

 

 三人はオシマイダーの前に立ち、オシマイダーは腕についていた鉄球を三人に放った。

 

 「もうその技は効かないよ!はぁっ!」

 

エトワールはそれをパンチで打ち返し、鉄球をオシマイダーの顔面に跳ね返した。

 

 「オシマイダァッ!」

 

 すると、オシマイダーの動きが止まり、何かに怯えるように足を竦ませ、座り込んだ。

 

 「な、何?」

 

 「どうしたの?」

 

 「…まさか、鉄球に怯えているのでは?」

 

 「あ、そっか…はなのオシマイダーもあるから、それがトラウマになってるのか…」

 

 「これじゃ、倒してもはなは救えないよ…」

 

 「どうすれば…」

 

 「…コワイ…コワイノ…マタ、メヲケガシタラ…マタオオケガデタタカエナクナッタラ…」

 

 「……」

 

 アムールはオシマイダーに歩み寄り、そっと触れた。

 

 オシマイダーはそれに反応してビクッと肩を震わせた。

 

 「私には、貴方のケガを治す事も、不安を拭う事も出来ないのかもしれません…ですが」

 

 「…?」

 

 「ただ、貴女に寄り添う事は出来ます。何があっても、私達は貴女から離れません…だから…安心してください。立ち止まりそうなら背中を押します。前が見えなくなったら道を照らします。目が見えないなら、私があなたの目になって、光景を一生懸命伝えます」

 

 「るー…ルー…」

 

 オシマイダーの目から涙が溢れ出した。

 

 アンジュとエトワールもオシマイダーに歩み寄り、優しく触れた。

 

 「怖かったよね…辛かったよね…」

 

 「でも、大丈夫。誰も独りじゃない。独りなんかじゃないよ」

 

 三人はオシマイダーを優しく抱きしめた。

 

 「さあや…ほまれ…私…は…私は…」

 

 オシマイダーはアスパワワになって消えていき、優しく暖かい光に包まれてはながゆっくりと落ちてきた。

 

 それをアンジュ達は抱きかかえた。

 

 「…あ、皆…さあや…ほまれ…ルールー…助けてくれたんだね…」

 

 「はなが無事で良かった」

 

 「これで、もう大丈夫かな?」

 

 すると、はなの瞳に光が宿った。

 

 「…おや?これは…!」

 

 「どうしたの?ルールー」

 

 「私…見えるようになってる…!目が見えるようになってるよ!」

 

 「えっ!?ほ、本当!?」

 

 「こ、これは何本!?」

 

 エトワールは指を三本立ててはなに見せた。

 

 「三本!!!」

 

 はなは間髪入れずに答えた。

 

 「凄い!本当に治ってる!」

 

 「良かった…本当に…!」

 

 はなはアンジュとエトワールの手の中から降り、アムールに近付いて優しく抱きしめた。

 

 「ルールーの声、聞こえたよ。ありがとう。ルールーの応援、私の心にしっかり届いたよ。今までありがとう、お疲れ様、ルールー」

 

 はながそういった途端、アムールの目から涙が溢れた。

 

 「はなの目が治って…本当に良かった…!」

 

 「ルールーが私を信じてくれたからだよ」

 

 夕焼けの中、はな達は病院を後にした。

 

 これからも大変な事は起きるだろう。だけど、私達は絶対に負けない。私達に出来ない事なんてない。プリキュアじゃなくたって、お互いを信じ合えばなんでも出来る。なんだって出来る。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?

感想はどんどんお待ちしておりますので、少しでも送ってくれると嬉しいです。

病院とか色々雑ですがそこは御容赦願いたい。

伝えたいのはそこじゃないのでね。

以上、ぜのぎんでした。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。