IS×スーパーロボット大戦 アンソロジー戦線 (再開のたけじんマン)
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千冬がゆく! ~アフロとの接触~

前に誰かさんにいつの間にか消された話だけど、何度でもよみがえるさ!

ちなみに今回は、かつてスパロボアンソロジーで名を馳せた『三橋貴志』先生の作風を意識しております。
そんなせいか今回のメインの千冬さんがリアクション多目になっております♪


その1:接触編

 

 その日、織斑千冬は今、少々戸惑っていた…。

 

 一夏達のお目付け役も兼ねて、このモビルスーツやらリアルロボットやら、スーパーロボット軍団が集うロンド・ベル隊にいる訳なのだが…

 

 

千冬

「(まさか宇宙人やそのハーフ、更に喋るロボットや

 恐竜が進化したハチュウ人類やハニワ幻人までいるとはな…うむぅ)」

 

 三橋貴志の画風で難しく考え込む千冬…だが。

 

千冬

「…ん?」

 

 そこでふとある人物が、目に留まった。

 それは『伝説巨神イデオン』のユウキ・コスモだった。

 

 

千冬

「(あっ…アフロォ!?)」

 

コスモ

「ん…?」

 

 

 これまで見た事もないような、大きくてもっさりした赤いアフロヘアーだったせいか、千冬はかなり驚いてしまいコスモはその視線に気付く。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:発動編

 

 先程の件もあり、コスモと話す千冬だったが…

 

千冬

「えーと確か…イデオンのパイロットの、ユウキ・コスモだったか?」

 

コスモ

「ああ、千冬さんだっけ? それで合ってるよ。

 ちなみにコスモが名前でユウキがファミリーネームね」

 

千冬

「うむ…それにしても、その…

 失礼かもしれんが、何というか凄いアフロヘアーだなぁ…」

 

 千冬はコスモの赤いアフロヘアーをまじまじと見ながら言う。

 

コスモ

「よく言われるよ…一夏達にも言われたぜ?」

 

千冬

「む、そうなのか…」

 

 少し呆気に取られた千冬だったが、その途端に敵襲を知らせる警報が鳴り響く。

 それもホワイトベースのと同じ警報である。

 

コスモ

「おっと出撃だ、また後でな!」 

 

千冬

「あっ、オイ!?」

 

 しかしその後、モニターでイデオンのコックピットが映し出されると…

 

カーシャ

『コスモ、いけるわ! 全方位ミサイルOKよ!』

 

コスモ

『よおし、グレンキャノンもだ! いけぇーーっ!』

 

 それをモニターで見た千冬は…

 

千冬

「(…おい待て! あの全方位ミサイルもそうだが、

 今度はあのデカいアフロヘアーを一体、どうやってヘルメットに収めたんだ!?)」

 

 驚愕と共に、疑問が生まれるのだった。

 

ハタリ

「あの人驚いてるな?」

 

ベス

「まあ何にとは訊かんが…これもイデの仕業だろうか。

 今に始まった事じゃないしな」

 

 コスモのアフロヘアーは本当に謎だからね、しょうがないよね!

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

その3:もう一人との接触編

 

 コスモとの件から数日後…千冬は艦内である男と会った。

 

「よお、あんたかい? 一夏の姉貴でとんでもない剣士だってのは」

 

千冬

 

「ああ、確かにそうだ…がっ!?」

 

 千冬はその相手の顔や格好を見た途端、驚きと共に絶句した。なぜなら… 

 

千冬

「(ま…またアフロ!?)」

 

 そう。この男、夕月京四郎は緑色のコートに赤いサングラス、極めつけは薄茶色のアフロヘアーという出で立ちの男だったのだ!

 

 尤も、そのアフロのサイズはコスモ程ではないが。

 

京四郎

「俺は剣士の夕月京四郎ってんだ、よろしくな。

 ダイモスの一矢のダチで、ガルバーFXⅡのメインパイロットもしているぜ」

 

千冬

「あ、ああ…こちらこそよろしく頼む。

 (これで剣士だと!? …そう言えば、背中に剣があるな。

 …というか、アフロの剣士ってどうなんだ!?)」

 

 少々奇抜な格好をしている剣士で、やはり驚いてしまう千冬であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:相談編

 

 その夜、千冬はバンプレストオリジナルキャラの男、ゼンガー・ゾンボルトと会って店のカウンター席で酒を飲み、語り合っていた。

 

ゼンガー

「聞いたぞ。京四郎と会ったんだとな…それでどうだった?」

 

千冬

「ああ、なんというか…多少なりともインパクトがあったな…あのいでたちは」

 

ゼンガー

「…そう言えばアムロ・レイ大尉が一年戦争の時、サイド6でシャア・アズナブルと対面して、

 シャアに『ご覧の通り軍人だ』とか言われたらしい…」

 

千冬

「は? 資料で見たが、あの仮面とマントと赤い軍服でか?

 束みたいな奴も見た私だが、さすがにご覧の通りと言われても少し混乱しかねんぞ?」

 

ゼンガー

 

「うむ。その時のアムロ大尉も何度もやりあったあのシャアと

 遭遇した事への戸惑いもあったらしいが、

 あの格好で『ご覧の通り軍人だ』とか言われた事への戸惑いの両方もあったらしい。

 先の京四郎のも、それと似たようなものなんだろうなと、俺は思うな」

 

 ちなみに実際に、あるガンダム漫画でアムロは「ご覧の通り? 軍人??」と思い、困惑していたそうな。

 

千冬

「そのアムロ大尉と、か…なるほど確かにな」

 

ゼンガー

「まあ、俺はお前とは恋人にはなれないが、以前剣を交え、その後も腐れ縁のような仲だ。

 俺の階級だろうが年の差だろうが関係無く、友として相談にも乗るさ」

 

千冬

「ゼンガー…フフッ、感謝する」

 

 クールかつ嬉しそうに、笑みを浮かべる千冬であった。

 

千冬

「ところでゼンガーよ…未だに酒は飲めんのか?」

 

ゼンガー

「…すまんな、何せ下戸なものでな」

 

 日本酒を飲む千冬のその隣で、ゼンガー申し訳なさそうには冷たい緑茶を飲んでいたのだった。

 

真耶

「(この2人相性がいいんだか悪いんだか…)」

 

 それを千冬の隣の席で見聞きしていた山田真耶は、一人呆れていた…致し方なし。 

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その5:斬る、いや斬っちまった!編

 

 あれから2日後、千冬と京四郎は真剣での勝負をしていた。

 

千冬

「フッ…ぜぇいっ!」

 

京四郎

「ぐうおおっ!?」

 

 千冬が刀を袈裟切りに降り下ろし、京四郎の刀を手から放れさせる。

 

ゼンガー

「それまで! 勝負ありだな」

 

 ちなみにここで試合終了宣言をするゼンガーは、審判役である。

 

ボス

「ひょえ~っ、すっげえぜ…俺様には早くてすごいって感想しか出ないぜ」

 

さやか

「ボス…一般人並みの感想ね。まあそれが普通なんだろうけど」

 

 弓さやかのツッコミが来るが、なにげに辛辣である。

 

一夏

「すげえ…久しぶりに見るけど、さすがは千冬姉だな!」

 

リョウ

「そうだな、俺も武道の心得があるから尚更わかる…彼女は達人だ」

 

一矢

「ああ、俺も空手をやっているからわかるよ。彼女は武の心得を持つ実力者だ」

 

ハヤト

「…少なくともその道に通じているこいつらなら、ボスよりはわかってそうだな」

 

ベンケイ

「というかリョウがやってるのって、剣道だっけ? 空手だっけ…?」

 

 ゲッターチームリーダーのリョウこと『流竜馬』に、謎な疑問を抱くチームメイトのベンケイこと、『車弁慶』であった。

 

京四郎

 

「へっ…参ったぜ、これがあんたの実力とはな…この身で思い知ったよ」

 

千冬

「いや、こちらも他の流派の使い手でなかなかの剣士とこうしてやりあえたのだ。

 貴重な経験になっ……たァ!?」

 

 声をかけている途中で、千冬は京四郎の何かが『ズルリ…』と落ちるのを見て驚いた。

 なぜならそれは…

 

京四郎

「うん? どうしたんだい、いきなりよぉ」

 

 なぜならそれは、京四郎の薄茶色いアフロヘアーの約4割りだったからである!

 それで京四郎は現在、部分的にハゲてしまっているのだ。

 

ボス

「あっ、ありゃっ!?」

 

一矢

「きょっ…京四郎!?」

 

一夏

「え、ちょ、京四郎さんの頭が、毛が!?」

 

シャルロット

「い、一夏! しぃぃ~~っ!」

 

 これには観ていたギャラリーのみんなも驚き、言いかけた『織斑一夏』を『シャルロット・デュノア』はなんとか抑える。

 

京四郎

「おいおい、そんな反応してどうしたってんだい? 変なゴキブリでもいたのか?」

 

千冬

「い、いや、そのぉ…

 (しまった! アフロで目測を誤ったか!? というかどうすればいいんだこれは!?)」アセアセ

 

ゼンガー

「千冬よ、それは俺も通った道だぞ」

 

 これには斬ってしまった千冬は焦り、フォローになってないような声をかけるゼンガーであった。




いかがでしたか? それと…サウザン党の皆さん、気に障るようでしたらごめんなさい。


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『自爆』を覚えた!

今回はあの懐かしの精神コマンドネタ…今時のスパロボじゃ、なくなったらしいけどね!


 真っ昼間の市街地の中、今日も今日とて正義のスーパーロボット部隊『ロンド・ベル隊』は、悪しき勢力を相手に戦っている。

 ちなみに市街地とは言っても、既に市民の避難は完了している。

 

 その一角で、『無敵超人ザンボット3』のザンボット3が戦っているが…

 

勝平

「どうりゃあ! ザンボット・バスターだっ!」

 

 ザンボット3の左右の腰にある、手裏剣と円盤が合わさった武器のザンボットバスター。

 それを2つとも両手に取り、メカブースト・ドミラに投げ付け、やがて決め手のダメージとなり爆散する。

 

勝平

「へっ、どんなもんだい!」

 

 メインパイロットの神勝平(じん かっぺい)は上機嫌。

 しかもそれだけでなく…

 

宇宙太

「お? 勝平、今のでレベルアップしたみたいだぞ」

 

勝平

「ホントか? やったぁ!」

 

 いとこにしてザンボット3のサブパイロットの『神江宇宙太』からレベルが上がったと聞いて、勝平は更に喜ぶ。

 

恵子

「あら、私もレベル上がって新しい精神コマンドを覚えたみたいね」

 

宇宙太

「ホントか恵子。何を覚えたんだ?」

 

勝平

「祝福はこの前からもうあるしなあ…」

 

 もう一人のサブパイロットの『神北恵子』の話を聞き、今度は恵子の話題に話が移る。

 

恵子

「ちょっと待って、今確かめ…えっ」

 

 しかしその覚えたての精神コマンドを確認して、恵子は驚きのあまり固まった。どうしたというのだろうか?

 

勝平

「おい恵子、どうしたんだよ?」

 

宇宙太

「変なもんでも覚えたのか?」

 

 固まって黙り込んだ恵子が気になって機内通信で声を掛ける2人。

 

 しかもそれだけでなく…

 

甲児

「お~い、急にどうしたんだよザンボットチームよお。

 敵やっつけたと思ったら動かなくなってよぉ?」

 

一夏

「何か、あったのか? 勝平達さあ」

 

ラウラ

「どうした、機体のトラブルでも発生したのか?」

 

 様子がおかしい事に気付いたのか、他の味方の機体も近寄ってきた。

 これにはさすがに事が大きくなってくる。

 

ボス

「昼飯の食い過ぎで、腹でも痛くなったのか?」

 

ヌケ

「そんなボスじゃないんだからさあ…」

 

 …ここら辺は置いておこう。

 

宇宙太

「お、おい恵子。みんなも心配してるぜ?」

 

勝平

「こりゃ答えねえ訳にはいかねえよなあ…

 なあ、みんなも心配で訊いて来てる事だしよお、そろそろ教えてくれよ恵子?」

 

 ここまでなると言いづらそうに引きつった顔にもなりつつも、恵子は意を決して口を開いた。

 

恵子

「あ、あの~…自爆、覚えました…」

 

 その途端、一瞬場の空気が凍り付き、やがて反応が爆発した。

 

勝平

「へっ? 自爆!?」

 

宇宙太

「いっ、いいぃっ!?」

 

甲児

「じっ、自爆だってぇ!?」

 

一夏

「自爆って、あの!?」

 

ラウラ

「精神コマンドの、あの自爆か!?

 …これはまた、随分な物を覚えたな…最終手段か?」

 

 彼らの驚きの反応も、当然である。

 

 精神コマンド・自爆…使用すると3カウントの直後にそのユニットが爆発し、残りHP分のダメージを隣接するユニットに敵だろうが味方だろうが関係無く与え、自爆したユニット(機体)は撃墜扱いになるのだ。

 尚、そのパイロットは自爆の際には『死ぬ程痛い』かどうかは、本人のみぞ知る事である。

 

勝平

「自爆って恵子お前、なんてもん覚えちまってんだよぉ!?」

 

恵子

「知らないわよ!?

 私だってこんなの覚えるなんて思ってなかったわよ!」

 

宇宙太

「よりによって、最後に恵子が覚えるのが自爆って…おいおい。

 …ザンボットの修理費っていくらだっけな~」

 

 もめ始めた勝平と恵子と、気が重くなる宇宙太は使った時の事も考え出す始末…チーム内での反応もこの有り様である。

 

 と、そこへ『ヒイロ・ユイ』が乗る『ウイングガンダムゼロカスタム』が、スッ…と飛んで近付いて来る。

 

ヒイロ

「お前達、自爆を修得したのだったな…」

 

恵子

「ヒイロさん?」

 

勝平

「んな、何だってんだよヒイロの兄ちゃんまで…」

 

ヒイロ

「俺から一つ、言っておく…」

 

恵子

「えっ…?」

 

宇宙太

「ゴクリ…」

 

 ザンボットチームがまじめな顔と雰囲気のヒイロを通信越しに前にし、やや緊張する。

 

ヒイロ

「…死ななくても、死ぬ程痛いぞ」

 

勝平

「ズコーッ!」

 

恵子

「結局それ!?」

 

宇宙太

「睡眠学習で怖さを感じない俺達だけどよぉ…シャレになんねえって」汗タラー

 

 ちなみにコックピットの外では冷静なウイングゼロと驚いたような反応をするザンボットという絵面である。

 

 すると今度はボスボロットが通信を繋いでくる。

 

ボス

「でも安心しな、おめえら!」

 

恵子

「あれ、今度はボスさん…?」

 

宇宙太

「…なんかやな予感」

 

ボス

「俺の場合はしょっちゅう自爆してるけど、何とか大丈夫だわさ」

 

ヌケ

「ボロットは修理費用がすっごい安いから、しょっちゅう自爆役だもんね」

 

 などと供述しており。

 

恵子

「いや、ギャグ補正の申し子みたいな人に言われても…」

 

宇宙太

「はあ…予感的中」

 

勝平

「大体笑えねえよもう…」

 

 

 その一方で、敵のガイゾックの方では…

 

ブッチャー

「おのれえ、ロンド・ベルめえ…

 …うん? あいつら今度はどうしたのだ?」

 

ギッザー

「さあ? 私にもわかりませんねえ」

 

 などと、司令官のキラー・ザ・ブッチャーとその副官のギッザーは、わけがわからずにいた。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 更にそれからしばらくした日の戦闘にて。

 

リョウ

「それにしても、まさかザンボットチームの恵子ちゃんが

 自爆を覚えるとはな…まだあんな子供なのにな」

 

ムサシ

「だよなあ、リョウ…それもあんなミチルさんとどっこいなくらいの

 おしとやかでかわいい女の子が、自爆をだなんてなあ…

 精神コマンドの仕様で死なないとは言え、何だかかわいそうだぜ」

 

 ゲッターチームのリョウこと『流竜馬』とムサシこと『巴武蔵』は、先日の戦闘で自爆を覚えた神北恵子についてそれぞれ複雑な心境を述べる。

 

ハヤト

「まあそれだけあいつらは、戦士としてザンボットで戦う宿命を重く背負わされているんだろうぜ。

 …いざって時には、最終手段として自爆するってくらいにな」

 

 ちなみにこのハヤトこと『神隼人』の指摘に関してだが、実際にザンボット3の原作アニメの最終回で、宇宙太と恵子が敵の要塞艦のバンドックに特効をかけたのが影響しているのだろうからまさにそれである。

 

鉄也

「戦士としての宿命か…まさに俺みたいだな」

 

ムサシ

「ん、鉄也?」

 

 そこにグレートマジンガーのパイロットの剣鉄也も加わる。

 

鉄也

「俺は戦闘のプロだ…ミケーネと戦う戦士として育てられ、今その戦いの真っ最中だ…

 もっとも、敵はミケーネだけではないがな。

 だからこそ、ガイゾックとの戦いを宿命をづけられたザンボットチームを

 俺は似ていると感じたり、尚更気にかかったりするのさ」

 

ハヤト

「なーるほど、それでか」

 

鉄也

「それに俺は戦闘のプロとして、いざとなれば自爆も辞さない覚悟だ。

 睡眠学習で徹底した戦士として育てられたあいつらも、

 ひょっとしたらその位の覚悟はあるか、これから決めるか…なのではないのか?」

 

リョウ

「鉄也君…しかし、それで遺された者は、やるせないだろう…」

 

ムサシ

「だろうな…おいらだったら、凄く悲しむだろうと思うぜ…」

 

鉄也

「(…遺された者の、悲しみとやるせなさ、か…)」

 

 やがてゲッターチームと鉄也の間に、静寂が訪れる。

 

ハヤト

「…おい、どうやら敵さんはそんな風な感傷に浸らせてくれないらしいぜ」

 

 ハヤトの言葉に全員がハッとなり周囲を見ると、右前方と左前方からメカザウルス・ズーと、鳥類型戦闘獣のオベリウスと同じく超人型戦闘獣のグラトニオスが向かってくる。

 

鉄也

「こりゃあ話の続きは後だな…もしくはお仕舞いか」

 

ハヤト

「みたいだな。それも丁度おあつらえ向きに、メカザウルスに戦闘獣とそれぞれの敵がいるしな」

 

ムサシ

「へっ、ご丁寧なこった!」

 

リョウ

「それならここはそれぞれの敵に対処と行くか」

 

ムサシ

「けど鉄也は1対2になっちまうぜ。いいのかよ?」

 

 ムサシは心配そうな顔で指摘する。

 

鉄也

「ムサシ君、仲間として心配なのはありがたいが、その心配は無用だ。

 俺とグレートはこの程度の状況で負けはせんし、それに…」

 

 鉄也には気付いていたようで、遠くからマジンガーZが飛んで来てグレートの隣に着地する。

 

甲児

「鉄也さん、遅くなってすまない。俺も加勢するぜ!」

 

鉄也

「…ご覧の通り今の俺は、一人じゃないぞ?」

 

ムサシ

「へへっ、そうみてえだな」

 

リョウ

「ようし、では俺達はメカザウルスの相手だ! 行くぞぉぉっ!」

 

ハヤト&ムサシ

「「おおっ!」」

 

 叫びと共にゲッター1はゲッタートマホークを出しては右手に構え、その一方でダブルマジンガーもそれぞれ戦闘獣と向き合う。

 

鉄也

「甲児君、俺はあの鳥類型を、オベリウスの方を狙う」

 

甲児

「ならこっちはグラトニオスか。あの時の雪辱戦になるな!」

 

 ちなみにその雪辱とは、マジンガーZのアニメ版や漫画版の最終回でやられた事である。

 

鉄也

「よおし、では行くぞっ!」

 

甲児

「おうよっ!」

 

 やがてマジンガーZとグレートマジンガーは、それぞれ戦闘体勢に入った。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 それから数分後。

 ゲッターロボの方では、決着が付きそうになっていた。

 

ムサシ

「どうりゃあっ! 大・雪・山・おろぉぉーーしぃぃっ!!」

 

 ブワワーッ!

 

メカザウルス

「ギャエエェェーーッ!?」

 

 巴武蔵がメインパイロットとして操るゲッター3が、必殺技の大雪山おろしでメカザウルス・ズーを振り回しながら、上空にぶん投げる。

 この大雪山おろし、振り回しながら投げる事による回転の為、敵は空中で体勢を建て直す事も受け身も取る事も難しくなり、それで追撃を食らうかそのまま地面に叩きつけられる…これぞ大雪山おろしなり!

 

メカザウルス

「ギャガァッ!」

 

 そして案の定ズーは、切りもみ回転しながら落下し、盛大に地面に叩きつけられる。

 

リョウ

「ようし、今だムサシ! 奴は動けないぞ、一気にトドメだ!」

 

ムサシ

「おうよ! ゲッターミサイルッ!」

 

 叫びと共にゲッター3の両肩の2発のミサイルが真上を向いていたのが稼働し、まっすぐ前を向いてはズーに向けて放たれては命中しては爆発した!

 

メカザウルス

「ギアアァァァッ!」

 

 その叫びを最後にズーは、今の攻撃がトドメとなって爆発四散し、粉々になった。

 

ムサシ

「よっしゃあ、やったぜえ!」

 

 しかもそれだけではなかったらしく…

 

リョウ

「むっ? どうやら今ので俺達、レベルアップしたらしいぞ」

 

ムサシ

「なんだって? そいつはやったぜぇ!」

 

ハヤト

「さて、何か新しいのは…ん?」

 

ムサシ

「どうしたハヤト…って、ん?」

 

 『ムサシは精神コマンド『自爆』を覚えた!』

 

ムサシ

「んんっ! じっ、自爆ぅ!? 今度はおいらがかあっ!??」

 

リョウ

「なにぃっ!?」

 

 この報せにゲッターチーム一同は驚愕した!

 

 しかもこのタイミングで、味方機が近づいてきた。

 

ジュドー

「おーい、どうしちゃったのさゲッターチーム」

 

ラウラ

「先程の鮮やか且つ豪快な技での撃墜、見事だが…何かあったのか?」

 

「機体のトラブルとかでは?」

 

 ジュドー・アーシタのダブルゼータガンダム、ラウラ・ボーデヴィッヒのシュヴァルツェア・レーゲン、篠ノ之箒の紅椿がホバリングで接近し、それぞれが心配そうにする。

 

ムサシ

「実は、かくかくのしかじかでなぁ…」

 

「ええっ! ムサシさんが自爆を!?」

 

ジュドー

「それ本当かよお!?」

 

ラウラ

「なんと…! この前の恵子続いて、こちらもか!」

 

 当の本人のムサシから話を聞いて、3人もそれぞれ驚いた反応を見せる。

 

リョウ

「しかしムサシ、まさかお前までもが自爆を覚えるとは…」

 

ハヤト

「ああ…さっきあんな事を話していた、その矢先になあ…」

 

ムサシ

「んな事言われてもよお!

 おいらだっていきなりこうなるとは思わなかったんだしよぉ!」

 

 冷や汗をかきながらムサシに話を振るリョウとハヤトに対し、弁明するムサシ…確かにこれはしょうがないだろう。

 

ムサシ

「それにメタな話をすれば漫画版のゲッターロボ・サーガで、

 おいらゲッターで自爆したじゃねえか。多分あれが元ネタじゃねえか?

 それにそれもあってかPS1の『ゲッターロボ大決戦!』の時も、特殊能力が自爆だったしよお」

 

「なっ、そんな事もあったんですか!?」

 

リョウ

「おお…そう言えばそんな事もあったな…」

 

ハヤト

「こりゃまた偉く懐かしいな。そう言や、スパロボαの時は『捨て身』を覚えたな…

 あっちは東映アニメ版の最終回からか?」

 

ムサシ

「まあそうだろうなあ」ウンウン

 

ラウラ

「いや待て。そこを冷静にうなずいてていいのか…?」

 

ジュドー

「っていうかあんたら、こんな会話してていいのかよ…」

 

 そんなメタい会話をする一同…ラウラやジュドーの言い分はもっともである。

 

 しかもそれだけではなく…

 

 『ハヤトは精神コマンド『捨て身』を覚えた!』

 

ハヤト

「んっ、捨て身!?」

 

ムサシ

「ちょっ、ハヤト! 今度はお前が捨て身をかよ!?」

 

 説明しよう! 精神コマンド『捨て身』とは、使うと一度だけ次に与えるダメージが3倍になり、しかも尚且つ1ターンの間は命中率とクリティカル率が100%になので、実質4.5倍のダメージという凄い計算になるのだ!

 ただし、その代わりに効果時間の1ターンの間は回避率が0になり、敵の攻撃を受け続ける事になってしまうという、まさに捨て身の攻撃なのだ!

 

ラウラ

「今度はあの神隼人が捨て身を修得だと! どういう事なんだ!?」

 

ジュドー

「この人特攻とかしたっけか?」

 

ハヤト

「…これは多分、あれだろうな」

 

「あれとは?」

 

ハヤト

「桜多吾作版のゲッターロボGの終盤でな…

 研究所のゲッター線増幅装置をゲッターライガーで抱えて、

 百鬼帝国の科学要塞島に向けて突撃して…捨て身の特攻を仕掛けたのが響いてるんだろうな」

 

「ほ…本当に特攻をかましたァ!?」

 

ジュドー

「それ知る人にしか知らないようなネタだけど、ヤバイじゃん!

 しかも暗めの展開や終わり方が多い桜多吾作版とか、もう冗談抜きでシャレにならないって!」

 

 詳しくは大都社の『決戦!ゲッターロボG』にて。

 桜多吾作版の『決戦!大海獣』や石川先生の学年誌版ゲッターロボGも収録されているぞ。

 

リョウ

「しかしハヤト…これじゃあお前も、ムサシや恵子ちゃん達の事をとやかく言えないぞ」

 

ハヤト

「へっ、違いねえ」ヘヘッ

 

ジュドー

「いや、クールに笑ってる場合じゃないって!?」

 

ラウラ

「そう言えば日本では昔から神風特効が好まれていたが、これもあるのか…?」

 

「ラウラも冷静に考察してる場合じゃないだろうに!?」

 

 そんな騒がしくも危なげなゲッター組なのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その少し前、ダブルマジンガー組にて。

 

甲児

「この野郎! 光子力ビィーム!」

 

 ズビィー!

 

戦闘獣

「ぐおわっ!?」

 

 マジンガーZの両目から発せられた光子力の破壊光線が、グラトニオスの頭の左右の角に命中して破壊する。

 

甲児

「へっ! これでお得意の振動波攻撃も出来なくなったなあ!」

 

 部位破壊による攻撃封じ…甲児はこれを狙っていたのだ。

 それに以前甲児はその振動波攻撃によってマジンガーZをズタボロにされ、煮え湯を飲まされているのだ。

 だからこそ、もう同じ手は食わない。

 

 ちなみにそうじゃなくても、その影響圏外から遠距離武器で攻撃して対処してもいるのだ。

 

甲児

「トドメはこいつだ! ブレストファイヤー!」

 

 ズオオオッ!

 

戦闘獣

「ぐおわあああぁぁぁっ!!」

 

 マジンガーZの胸の赤い高熱版から何万度もの熱線が放たれ、グラトニオスはそのあまりの高熱でドロドロに溶かされてしまった!

 

甲児

「へっ、ざまあみろってんだい。あの時とは別個体だけど、雪辱は晴らしたぜ」

 

 かつて敗北したのとは別個体だが因縁の戦闘獣に勝利し、兜甲児は上機嫌になる。

 

甲児

「そうだ、鉄也さんは…おっ?」

 

 甲児のマジンガーZがグレートマジンガーの方を向くと、今決着が付きそうになっていた。

 

鉄也

「おっと危ない! そんな物をくらうか!」

 

 甲児が見ると、ダメージが蓄積されたオベリウスの腹部からミサイルが発射されるが、グレートマジンガーはそれをジャンプしてかわした所だ。

 

鉄也

「それ、こいつはお返しだ! サンダーブレェーク!」

 

 宣言通りにお返しに右人差し指から超高圧電流のサンダーブレークを発射し、オベリウスに直撃!

 

戦闘獣

「ギャガアアァァァッ!」

 

 この威力に耐えきれずにオベリウスはやがて力尽きたのかぐったりしながら落下し、爆散した。

 

甲児

「やったな、鉄也さん」

 

鉄也

「ああ。そっちも終わったみたいだな」

 

 互いに労いの言葉を掛け合う2人。

 

 するとレベルアップのBGMと共に、甲児と鉄也のレベルが上がった事が知らされる。

 

甲児

「おっ? 鉄也さん、どうやら今のでレベルアップしたらしいぜ」

 

鉄也

「俺もだ…こいつはラッキーだったな」

 

甲児

「さ~て、新しい精神コマンドを覚えたみたいだし、その内容は…ん?」

 

鉄也

「どうした甲児く…んっ?」

 

 2人は内容を見て固まった。なぜなら…

 

 『兜甲児は精神コマンド『自爆』を覚えた!』

 『剣鉄也は精神コマンド『自爆』を覚えた!』

 

 2人揃って自爆を覚えたからだ!

 

甲児

「じっ…自爆ぅぅっ!? 俺が自爆だってえ!?」

 

鉄也

「俺もか…いざという時は、その最終手段に使えという事か…!」

 

 目に見えて驚く甲児と、一見冷静なようだが実は少なからず動揺している鉄也…しかも覚悟を決めている。

 

甲児

「鉄也さんもか!? …マジか。まさかこのタイミングで俺達までもが自爆を覚えるとは…」

 

鉄也

「ああ、甲児君もか…そして俺もな。しかしこうなった原因は、多分…」

 

甲児&鉄也

「「ああ、あれだろうなあ…」」汗タラー

 

 甲児と鉄也は自爆を覚えた原因に思い当たる節があり、それで冷や汗を垂らし、端から見ればダブルマジンガーが汗を垂らしているというギャグ描写にもなっている。

 

 その原因だが…甲児はマジンガーZの永井豪の漫画版で2回程(機械獣あしゅら男爵やゴードンヘルとの決戦で)マジンガーZの自爆攻撃をし、マジンガーZは大破しながらも撃破しており、甲児のはそれが原因だろう。

 

 更に鉄也の場合は、これまた桜多吾作版グレートマジンガーの終盤で地獄大元帥やヤヌス侯爵らが勝利に酔いしれている間にグレートで突撃し、自爆装置のその爆発で殲滅して犠牲になったのから来ているのだろう。

 それにスパロボVでもグレートで自爆したが鉄也は無事だったのもあろう。

 

 しかもそこへ味方機が現れ…

 

勝平

「おーい、どうしたんだよ兄ちゃん達」

 

一夏

「どうしたんだよ甲児、鉄也さんも」

 

ボス

「何かあったのか?」

 

 言いづらい中、遂に甲児が話を切り出す。

 

甲児

「あ、あの…俺達、自爆覚えた…」

 

一夏

「はあっ!? じっ、自爆ぅ!?」

 

勝平

「何だってえ? この前の恵子に続いて、甲児兄ちゃんもかよ!?」

 

鉄也

「…右に同じだ」

 

宇宙太

「てっ…鉄也さんまでぇ!?」

 

恵子

「私やボスさんやヒイロさん達だけじゃ、なくなっちゃったわねえ…」

 

 何やら気まずい空気になる…だが。

 

ボス

「よっ、兜に鉄也! おめえらも自爆を覚えるなんて、俺とお揃いじゃねえか!」

 

甲児

「ボス、お前…」

 

鉄也

「あんまり嬉しくないお揃いなんだが…」

 

 上機嫌なボスに対し、呆れた様子の甲児と鉄也。

 

甲児

「けど、あ~…マジンガーの修理費って幾らだっけな~」

 

鉄也

「…グレートもだな」

 

一夏

「それって結局使う時の事も考えてんのかよ!?」

 

恵子

「…何て言うか、私やボスさんやバーニィさん達の事を言えないわねえ」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 更に戦闘終了後、格納庫にて。

 

甲児

「えっ! ゲッターチームの方も自爆を覚えたのか!?」

 

リョウ

「甲児君達もか!?」

 

鉄也

「…ゲッターチームもか」

 

ムサシ

「ああ、おいらがな…」

 

アストナージ

「お前らなあ…整備班チーフとして言わせてもらうが、

 そうホイホイ自爆して俺達の仕事増やすんじゃねえぞ」

 

 そんなやり取りがあったそうな。

 

 こんなものを使ったら使ったで、味方を…特に弓さやかや炎ジュンや兜シローや、早乙女ミチル達を心配させるであろう精神コマンド。

 幸先が良いとは言えないような、マジンガーチームとゲッターチームであった。




そして精神コマンドの自爆がなければ、攻撃コマンドとしての自爆がある…ってか。
少なくとも、マジンガーZだと出来そうではある…あの驚異の生還率だし、パイルダーで脱出の手もあるし。


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叫べ!ブラン・ブルターク

今回は機動戦士Ζガンダムの、ブラン・ブルターク大尉がメイン。
とある女神様もゲストに来ているっぽいぞ!?


 その1:彼の名はブラン

 

 ガルダ級空母・スードリの格納庫にて。

 

ブラン

「俺の名はブラン・ブルターク…機動戦士Ζガンダムの敵キャラとして登場したが、

 これでもティターンズではなく連邦の正規軍人だ!」

 

整備兵

「誰に言ってんですか誰に…」汗タラー

 

ブラン

「そりゃもちろん、読者の連中だ。

 最近のガンダムファンの中には近年の作品しかロクに知らなくて、

 ファーストやゼータとかそういう昔の作品は知らんという奴が多いようだし、

 この小説の読者にもいるだろうからな」

 

整備兵

「あ~、そういう人結構いますよねえ。

 実際ガンダムW G-UNITがボンボンで連載してた頃に、ときた先生の所に

 『友人がゼクスを見てシャアに似てる言ってましたが、シャアって誰ですか?』

 ってハガキが実際に来たらしいですし」

 

ブラン

「うむ。だからこその、こういう自己アピールも含めた自己紹介だ」

 

整備兵

「まあ、自己アピールは大事なのはわかりますよ。

 …ただでさえキャラが多いですし、面接とかでよくやるパターンありますし」

 

ブラン

「うむ、そうだろうて。…しかし、だからってブランはブランでも、

 どこぞのゲイ○ギョウ界やゲ○ムシジョウ界の、北国のちんちくりんな守護女神ではないぞ!」

 

 その時、彼の後ろから一人の小柄な影が…!

 

???

「誰がちんちくりんだってぇ…!」

 

 ゆらり…

 

整備兵

「はっ…!?」

 

 その後、ブラン少佐はおしおき(一応手加減付き)をされたとかなんとか。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:愛機の名はアッシマー

 

 ある日の出撃と戦闘にて。

 

ブラン

「行くぞ、アッシマー発進!」

 

 愛機である可変モビルアーマー、アッシマーの飛行形態で彼は出撃して飛び、ロンド・ベル隊のグレンダイザーと接敵。

 やがてアッシマーを人型のモビルスーツ形態に変形させる。

 

ブラン

「ほう…あれが円盤ロボか」

 

 そしてグレンダイザーのパイロットの宇門大介ことデューク・フリードも、彼のアッシマーを見つけるのだが…

 

デューク

「むっ! あれか…出たな円盤獣め!」

 

 ガクッ

 

 それを聞いて周囲の敵も味方もそしてブラン少佐も、ズッコケるかアラ○ちゃん登場回のサイヤ人の王子のように、肩透かしをくらってしまった。

 

ブラン

「だ、誰が円盤獣だ! 誰が!」

 

甲児

「大介さん、確かにそれっぽいけど

 あれは可変機のやモビルスーツやモビルアーマーだよ!」

 

デューク

「えっ、そうなのか?」

 

 などと、キョトンとした顔をするデュークであった。

 

 余談だが、スパロボIMPACTのとある4コマ本の蜂文太先生の漫画では、デュークに『円盤獣・アシアシ』呼ばわりされていたそうな。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:髪型は金髪のリーゼントに近い

 

 あれからしばらく経ち…

 

ブラン

「しかしジェリド中尉…なんと言うか、その髪型…他人な気がせんなぁ?」

 

ジェリド

「ん、そうでありますか?

 確かに多少のボリュームの差はあれど、少し似ているような…」

 

 互いに頭のヘアースタイルを見つめ合う2人。

 

 それを見てドラグナートリオも…

 

ケーン

「…そう言えば黒髪だけど、俺もその髪型のカテゴリーに入るかも…」

 

タップ

「それに原作アニメ序盤は結構なリーゼントだったもんな」

 

ライト

「まっ、軍曹に切られちまったけどな」

 

ブラン

「ほう…ドラグナー隊のケーン・ワカバもか」

 

タップ

「けど、ヤザンのおっさんはどうだろうなあ~?」

 

ジェリド

「あのヤザン大尉か…それは微妙だな」

 

 そのまま「う~ん」と唸ってしまう、一同であった。

 

 スパロボVではジェリドやヤザンが仲間になる為、これはありえる光景なのだ。




いかがでしたか? アンソロジーや4コマのノリ的にはギャグ多め、機動戦士SDガンダムシリーズも入ってるかもしれません。

こっちはすぐに思い付くのに『兜甲児のIS学園日記』に行き詰まる…


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パンドーラの、彼らの日常? その1

かなり間を開けて申し訳ない。
今回は今年の春から秋まで約半年かけて放送されてスパクロにも出た作品、『重神機パンドーラ』に関するお話です。

メインのはまだだけど、クイニーさんも結構でます。


 その1:天才科学者だけど、もっさりレオン

 

 レオン・ラウ…重神機パンドーラの主人公であり、24歳の物理学者にして、天才科学者である。

 重神機パンドーラの物語開始の7年前に起こったある事件に死亡した友人共々関わっており、後々まで執拗に絡むある男にもその時に遭遇していた。

 

 

 光子力研究所・食堂にて。

 

 レオンは今、兜甲児とテーブルを挟んで向かい合っていた。

 

甲児

「なるほど…量子リアクターやハイパードライブは、多重次元からエネルギーを取り出す、か…

 何だかゼオライマーの次元連結システムみたいだなあ」

 

レオン

「こちらとしても、僅かでも似たようなシステムがあるのには驚きですよ。

 しかもここの設備や光子力だって、充分に興味深いです」

 

甲児

「そいつは光栄だな。ここの一員として、誇らしく思うぜ」

 

レオン

「それに聞けば甲児さんだって、別の次元の甲児さんやマジンガーと干渉し合う事もあるとか。

 そういう意味でも、僕らと似たような力があるのでは…?」

 

甲児

「ああ…ZERO関係の話だな。それにそっちで言う多重次元は、マジンガー的には

 差異次元や隣接次元て呼んでるのみたいなもんだし、呼び方は違えど似たようなものさ」

 

レオン

「あっ、なるほど! 呼び方は違っていても、ここもよく似ていると…

 何だか親近感が沸きますねえ」

 

甲児

「だな、俺もだ」

 

 その笑い合う2人の様子を離れた所から見守るのがいた…レオンの家族契約の義妹の『クロエ・ラウ』の他、数人だ。

 

クロエ

「レオンったら科学談義であんなに楽しそうに話してる…」

 

さやか

「甲児もよ。科学者の兜家の血のなせる技か、

 あるいは本格的にその道を進み出したせいなのかしらねえ」

 

クイニー

「まっ、これもいわゆる『類は友を呼ぶ』という奴なのかもな」

 

一夏

「あはは…そうかもな。でも…」

 

シャルロット

「ん? どうしたの、一夏?」

 

 浮かない顔の織斑一夏に尋ねるシャルロット・デュノア。

 

一夏

「少し前まで一緒にバカやったり戦ったりしてた

 同性で同年代だけどちょっと年上の友達の甲児がさ、

 ちょっと見ない内に段々遠くに行ってしまったみたいでさあ…」

 

「あの甲児が、遠くにって?」

 

一夏

「マジンガーに搭載されてる強大過ぎる六つの魔神パワーを制御したり、

 あのDr.ヘルをや色んな奴らを倒しただけじゃなく、世界的に有名な

 英雄になっちまったその後は、あんな風に本格的に科学者の道を進み出し始めてるからさ…

 何て言うかこう、甲児がどんどん凄い人になって俺が置いてかれたみたいな感じがして…」

 

シャルロット

「一夏…」

 

クロエ

「一夏は、それが寂しいんだね?」

 

さやか

「まあ、確かにね…甲児は変わり始めてもいる。

 でもね…友達としても、一人の人間としても、変わらない所もあるわ」

 

一夏

「変わらない所…?」

 

さやか

「そうそう、今でもボス達とだってつるんでバカやってるぐらいだし」

 

クロエ

「そうだよ! うちのレオンだって、

 パンドーラに入って変わった所もあれば、変わらない所だってあるんだから!

 例えばこう…家事を忘れてたり方向音痴なのとか、もっさりしてる所とか!」

 

さやか

「ああ…彼は家事が苦手だっけねぇ…」

 

一夏

「プッ、何だよそれ…方向音痴はともかく、うちの千冬姉みたいじゃねえか」

 

シャルロット

「あっ、ちょっと笑った…良かったね、一夏」

 

一夏

「そう言えば…へへっ、サンキューな。クロエ」

 

クロエ

「えっへん! どういたしまして~」

 

 腰に手を当てて東山○央ボイスで自信満々で返すクロエ。

 それにレオンは、家族契約での形での義理のものだが、クロエという妹を、家族を大切にしている。

 

レオン

「あれっ、クロエどうしたの? 随分楽しそうだけど」

 

クロエ

「ああ、レオン…フフッ、ちょっとね♪」

 

レオン

「うん…?」

 

 楽しそうに内緒にするクロエに、首をかしげるレオンであった。

 

 

 ……………

 

 

 しかしそんなレオンも後日に…

 

レオン

「あれっ…ここ、違ったっけ? …って、あいたっ!」

 

 通路の壁に頭をぶつけてしまうレオン。

 

 しかも何やら遠くから声が聞こえて来る。

 

マサキ

「ありゃ、ここ違うぞ! 食堂ってどっちだっけ!?」

 

クロ

「も~、マサキったらまた迷子になってるニャア~」

 

 その様子を見かけたレオンは、マサキ達の方へ向き…

 

レオン

「あの…ひょっとして、

 マサキさんも食堂に行こうとして迷ってるので?」

 

マサキ

「ん? ああ、レオンか。

 いや、俺は迷ってなんか…」

 

シロ

「いや絶対迷ってるニャ! 一向に食堂に着く気配すらしないニャア」

 

マサキ

「ちょっ、シロおい!?」

 

レオン

「あはは…こういうやり取り見るの何度目だろ」

 

 ご覧の通り、マサキとどっこいな極度の方向音痴なのだ。

 

 なので、その近しい間柄の者は…

 

クロエ

「レオ~ン! …どこ行っちゃったのかなあ?」

 

リューネ

「マサキ~、どこに…ここでもないか」

 

 このように、探しまわるはめになるのだ。

 

 天才科学者であるが極度の方向音痴の為、マサキ・アンドーのような方向音痴とは意外な組み合わせな仲間となり、一緒になると迷子が増えかねない…そんなレオンなのだ。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:彼女の名はクロエ

 

 クロエ・ラウ…7年前、実兄のロン・ウーを喪って孤児になってしまった所を、ロンの友人ののレオンと家族契約を結んで義理の家族(兄妹)となった少女。

 現在の年齢は15歳で、レオンのただでさえ生活能力に乏しいのに研究で更におろそかになりがちなのを見て「もっさりレオン」と呆れつつも世話を焼いている、明るく元気なムードメーカーな少女。

 

クロエ

「どうも~! 重神機パンドーラのヒロイン兼、

 防衛部隊パンドーラのマスコット的ポジションの、クロエ・ラウで~す!」

 

 カメラ目線で元気よく手を振りながら挨拶する、薄いピンク色の髪を上げた少女、クロエ・ラウ。

 

レオン

「クロエ、誰に向かって言ってるの?」

 

クロエ

「いや~、重神機パンドーラって最近終わったアニメだからよく知らない人も多そうだし。

 それにようやくスパロボ参戦したって言っても、スパクロこと

 スーパーロボット大戦X-Ωで期間限定参戦だし…しかも本編が放送中に!」

 

レオン

「ああ、なるほど。そう言えばあの時は、

 アニメ本編の番外編みたいな感じのストーリーだったしなあ…説明も少なかったし」

 

クロエ

「でっしょー? だからこの際にってね!

 今もそうだけど、次に参戦した時に向けてもっとアピールしとかないと!」フンス!

 

 気合いの表れか、高まるテンションも段々高くなり少し鼻息も出るクロエ…さながら、け○おん!のごとく。

 

レオン

「あはは…気合い入ってるなあ。

 (変な所でちゃっかりして…もう死んでるけど、実の兄のロンが見たら何て言うか。

 やっぱり苦笑いするとかかな?)」

 

 そんなクロエを見て、レオンは今は亡き友にしてクロエの実兄の『ロン・ウー』に思いを馳せる。

 

クロエ

「それに他にもクロエって人がいて、被ったらやだし!」

 

レオン

「ああ、なるほど。それはご尤もで」

 

 苦笑いで返さざるを得ない、レオンであった。

 

 

 ちなみに、その別のクロエさんは…

 

クロエ・クロニクル

「ヘックシュン…!」

 

 思いっきりくしゃみをしていた。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:元気なクロエはかわいい

 

クロエ

「それでね、この前もレオンったらまた迷子になっちゃててね~。

 おかげで探すのに苦労したよ」

 

一夏

「はははっ、そりゃ災難だったな」

 

ガロード

「こりゃ迷子の達人が増えたって感じだな~」

 

シャルロット

「一人目はマサキさんだね」

 

ジュドー

「そうそう、それで思い出したんだけど、俺この前さあ…」

 

 クロエ・ラウは現在、一夏やガロード達と談笑している最中。

 そしてそれを離れたテーブルから、レオンラウ・とクイニー・ヨウが見守っていた。

 

レオン

「いつもそうだけど、クロエは元気だなあ…でもちょっと前とも違うような」

 

クイニー

「ここに来て、何人もの友人ができたのもあるんじゃないか?

 それも彼らのような、歳の近い同年代のな」

 

レオン

「同年代の友人、ですか…そう言えばパンドーラでは、

 クロエはほとんど年上の人に囲まれてましたからねえ。

 それでこっちに来て立て込んでても、ジュドーさん達のような

 同年代の友人が出来たのもあって、気が楽になったのでしょうねえ。

 ほら、あんなにいきいきと…」

 

 レオンが指摘する通り、クロエは確かにいきいきとしていて、彼らと笑っている。

 しかもそれだけではなく…

 

クロエ

「ランカって、シェリルさんに憧れて歌手になろうとしてるの?」

 

ランカ

「うん。アルト君やみんなの後押しもあって、地道に活動もしてて、

 それでもう少しでデビューできそうなんだけど、

 私の歌を沢山の人の心に届けられるかとか…まだちょっと不安なの」

 

クロエ

「あ~、なるほどね…でも、私は大丈夫だと思う」

 

ランカ

「えっ?」

 

 大丈夫と言うクロエに対し、『マクロスF(フロンティア)』の『ランカ・リー』は不思議そうな顔をする。

 

クロエ

「だってさあ、レオンやクイニーさんにダグさん…

 それにシモンやドモンさんやみんなも、ランカの歌を聴いて感動したとか、

 不思議と心に響くって言ってたし…それに私もランカの歌好きだし!」

 

ランカ

「クロエちゃん…」

 

クロエ

「だからさあ、胸張っていいよ!」

 

ランカ

「うん! 私、頑張る! ありがとうね、クロエちゃん!」

 

クロエ

「えへへっ。こちらこそ、どういたしまして」

 

 笑顔で礼を言う、クロエであった。

 

クイニー

「不安を抱えるランカにエールを送り、背中を押すか…なかなかいいじゃないか」

 

レオン

「あの子のああいう所、滅多に見れませんけど…クロエらしいなあと思います」

 

クイニー

「フフッ、そうだな…」

 

 微笑を浮かべて同意するクイニー。しかし、直後に何かを思い出してハッとした顔になる。

 

クイニー

「そう言えば…この前クロエが、ラウラ達や一夏を何やらたしなめていたのを見かけたなあ。

 確か…みんなの迷惑を考えなさいとか、一夏はもうちょっとシャキッととか…」

 

レオン

「ははは、クロエらしいですねえ…」

 

 これにはレオンも苦笑い。

 

クイニー

「あと、その時にケーンや十三からは、『オカンだ』とか言われてたな。

 まあ確かに、母親みたいではあるな」ニガワライ

 

レオン

「わあ…確かにそれも世話焼きのクロエらしいですね」ニガワライ

 

 さすがにお互いに苦笑いの、レオンとクイニーである。

 ちなみに先のケーンと十三とは、『機甲戦記ドラグナー』の『ケーン・ワカバ』と、『超電磁ロボ コン・バトラーV』の『浪花十三』の事である。

 

 そうこうしている内に、そのクロエは別の話題を話していた。

 

一夏

「へ~、なるほどな。麻花(マーホア)ってそうやって作るんだなあ。

 今度俺もやってみようかなあ?」

 

クロエ

「うん。一夏もやってみるといいよ!」

 

 一夏に対し、笑顔で答えるクロエ。その言葉と笑顔には、純粋に背中を押す意思が込められている。

 

クイニー

「ん…今度は一夏か」

 

レオン

「彼は料理が得意でしたねえ、その話題で盛り上がってるようですが」

 

クイニー

「…そう言えば一夏で思い出したが、あいつはラウラやシャルロットを含む

 何人もの女性を惚れさせて来たとか…全く、ハレンチな!

 しかもそれでいて無自覚に、それも鈍感でその好意自体に気付いていないとかな。

 …全くけしからん奴だ!」

 

レオン

「ちょっ、クイニーさん落ち着いて! 落ち着いて下さいよ!」

 

 途中から羞恥心と怒りで憤慨するクイニーを、なだめようとするレオン。

 

クイニー

「コホン…そ、その一夏だが…

 も、もしクロエまで惚れさせてしまったら…!」

 

レオン

「そ…そんな姿のクロエは想像出来ませんが、

 それはさすがにちょっと心配になって来たような…!」

 

 段々と顔を真っ赤にするクイニーと、心配でか少しずつ顔を青ざめるレオン。

 

クイニー

「それに恋愛でこんなのも聞いたが!

 前にラウラが一夏を助けたと思ったら、いきなり一夏に…きき、キスをするとか!

 一夏は男なのに嫁にするとか宣言するとか、全く…はは、ハレンチな!!」

 

レオン

「だからクイニーさん落ち着いて下さいってば…

 しかも『ハレンチな』がクセみたいになってますって」

 

 興奮で話もヒートアップしてきたクイニーに、頭を抱えてしまうレオンであった。

 

クロエ

「うん?」

 

 しかも、離れた所からその声が聞こえて疑問に思う、クロエだったとさ。

 

 

 後に、それもあって思いきってクロエ本人から訊いてみたら…

 

クロエ

「えっ、一夏の事? ないない、それはないって~」

 

 笑顔でやんわりと否定され、クイニーを筆頭にホッとしたのであった…一夏ラバーズも含めて。




あれだ…レオンの方向音痴とか絶対マサキと絡みそうだ。
天才科学者(物理学者)とかだと、ヤマトの真田さんや沖田艦長やマジンガーの甲児とかと絡みそうだし。
束さんもやて? 確かにありそう。

クロエはあれだ、元気な東山○央ボイスかわいいし、オカン系だね…スマプリのなおちゃんと気が合う?
兄を持つ妹だから、彼女に関して色んなキャラがレオンと絡んだりしそう…クワトロ(シャア)とか、シン・アスカとか、甲児とか、マイヨさんとか。

クイニーさんの、アニメでの少女漫画を読んで顔真っ赤にして「は、ハレンチな!」はかわいかったw


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パンドーラの、彼らの日常? その2

明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!

さて新年一発目は、去年から書いてきたこの話、パンドーラの第2段です。


 その1:甘党拳法家クイニー

 

 クイニー・ヨウ…『空神拳(くうしんけん)』という武術の流派を修めている、22歳の女拳法家にして大の甘党。

 普段はクールに見えるがアツい心を持っており、クロエとは女子同士なせいか仲がよいお姉さん的ポジション。

 そんな彼女は今回は…?

 

 

 ある広場にて…今日もクロエはクイニーから太極拳の手ほどきを受けていた。

 

クイニー

「うむ、だいぶ様になってきたぞクロエ」

 

クロエ

「えっ、本当ですか? でもまだちょっとしんどいかな…」

 

クイニー

「それでもだ。最初に比べてだいぶ良くなった、少しずつだが確実によくなっている」

 

ヤンロン

「クイニーの言う通りだ。まだ粗削りではあるが、

 段々と良くなっていってるのが僕の目から見てもわかる」

 

クロエ

「ありがとうございます~! ちょっとは自信付いたかな…」

 

ヤンロン

「とはいえ、決して驕らずにいる事だ。わかったな?」

 

クロエ

「はい! ちょっと自信がついても

 それで嫌味ったらしいのには、なりたくないですからね」

 

 釘を刺すホワン・ヤンロンに返答するクロエ…元気でまっすぐな彼女らしい返し方である。

 

クイニー

「フフッ…クロエらしいな。

 それにしても、ヤンロンもなかなかにいい動きをしているな?」

 

ヤンロン

「それは光栄だな。伊達に体育教師は、やってないんでね」

 

ロム

「ふむ、さすがは『炎の中華体育教師』ですね」

 

クロエ

「(前から思ってたけど、ロムとヤンロンさんて、声とか似てるような…?)」

 

 ここで『マシンロボ クロノスの大逆襲』のロム・ストールが話に加わっては、尤もな事を考えるクロエ…それは多くの人が共感するであろう。

 

 

 その直後…

 

???

「よんじゅう、はち…よんじゅう、きゅう…ごぉ、じゅうっ!」

 

 一人の金髪の少女がへろへろに疲れながらも、左右の手で交互に正拳突きをしていた。

 

???2

「よーし、お疲れ様~!」

 

 そしてその

 

クイニー

「お? あれは…」

 

 ふとクイニーが何かの会話が聞こえたのでその方向を見ると、そこにもトレーニングをしているメンバーがいた。

 

シャルロット

「はあっ、はあっ…正拳突き50本、終わりぃっ…!

 あ~、疲れた…」

 

ラン

「シャルロットは初めてこれやったみたいだけど、どうだった?」

 

 正拳突きの素振り50本…それをやり終えてお疲れのシャルロット・デュノアに、『ダンボール戦機W』の花咲ランが訊く。それも道着姿でだ。

 

シャルロット

「ぜえ、はあ…走り込みの後に、少しの休憩があったとはいえ…

 いきなり正拳突きの素振り、50本はきついかな…こういうのあんまり、やんないしさあ」

 

ラン

「でも、結構鍛えられるトレーニングにはなるでしょ?」

 

シャルロット

「アハハ…ランが格闘戦で強い理由が、ちょっとわかった気がするよ…」

 

 ランの問いに苦笑いで返すシャルロット。

 実際にランはダンボール戦機Wの作中で、シブヤ武闘大会で優勝し、アニメ最終回では分厚い金属製の扉を一撃で殴り倒してしまう程である。

 

シャルロット

「それにしても、まだちょっとしかやってないけど、空手って奥が深いんだね。

 技とか型とか、流派とか色々…それに心も、だっけ?」

 

ラン

「そうそう。ちなみにうちは、花咲流真拳空手ね。

 武道全般にも言える事だけど、心身ともに鍛えられるよ!」

 

 その一言と共に拳を突き出すラン。

 

シャルロット

「う、うん…確かにそうだね…」ニガワライ

 

 

 これらを見聞きして、クイニーは少々考える仕草をする。

 

クイニー

「う~~む…」

 

クロエ

「どうしたんですか? クイニーさん」

 

クイニー

「あの2人…何というかこう、結構似た声だから

 声だけだと誰だかわかりにくいな?」

 

クロエ

「いや、それクイニーさんもひとの事言えませんって…」汗タラー

 

 クロエの尤もなツッコミである。

 3人ともCV.花澤〇菜だからね、仕方ないね。

 

ヤンロン

「ああ、全くだな…」ウンウン

 

ロム

「それに関しては同意見かと」

 

クロエ

「いや、それってヤンロンさん達も同じですって!」

 

 更にツッコミを入れるクロエ。

 ロムとヤンロンはCV.井上○彦であるから、これもしょうがないのだ。

 

 と、そのタイミングで…

 

郁絵

「みなさーん! おやつはいかがですか~!」

 

クロエ

「えっ、おやつ?」

 

クイニー

「何、もうそんな時間か!?」

 

 『無敵ロボ トライダーG7』の砂原郁絵が、お手製のおやつが出来たと知らせに来た。

 しかもその知らせを聞いて食いつくクイニー達。

 

 

 その後、テーブルでのおやつタイムにて。

 

クロエ

「うん! 郁絵さんのこのプリン、美味しいです!」

 

クイニー

「舌の上でとろけ、柔らかでクリーミーな味わい…

 それにカラメルソースの苦味がちょうどいいアクセントになっていて…!

 く~っ! これはたまらないな!」

 

ワッ太

「でしょ? ホント美味いんだからこれ」

 

 郁絵お手製のプリンにご満悦のクイニー達に、郁絵の上司で『竹尾ゼネラルカンパニー』社長の『竹尾ワッ太』も上機嫌になってプリンを頬張る。

 

ラン

「ん~、トレーニングの後に食べると本当に美味しい!

 あっ、そうだ。クイニーさん、後で私と手合わせしてもらえませんか?」

 

クイニー

「私とか? そうだな…よし、いいだろう。承った」

 

ラン

「押忍! ありがとうございます!

 空神拳の使い手のクイニーさんとは、前から一度手合わせしたかったんだよね~」

 

クイニー

「では私も、花咲流真拳空手の真髄、見させてもらうぞ」

 

 互いに上機嫌になりながらも、静かに闘志を燃やすランとクイニー。

 しかも何やら燃ゆる炎まで見えるようだ。

 

クロエ

「うわぁ…なんか2人とも燃えてるみたい…」

 

シャルロット

「そうだね…やっぱりどっちもファイターっていうか、

 ドモンさん達みたいな拳で語り合うっていう格闘家…だからかなあ?」

 

 シャルロットなりの理解と説明…の途端に、

 

アレンビー

「うんうん、わかるわかる! や~、そう言ってくれてありがとね~。

 あ、ランの次は私がクイニーとファイトね~!」

 

シャルロット

「って、今度はアレンビー!?」

 

クロエ

「そう言えばこの人もファイターだっけ…」

 

 ネオ・スウェーデン代表のガンダムファイター、アレンビー・ビアズリーが話に加わった!

 

クイニー

「ん、アレンビーか。もちろんいいぞ。

 ただし、今はこのプリンを堪能してから…んふ~♪」

 

 そう言ってプリンをまた一口食べ、ご満悦のクイニーであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:もふもふスナイパー・ダグ

 

 ダグ・ホーバット…年齢は26歳。

 元はクイニー同様バウンティハンターだったがネオ翔龍(シャンロン)防衛部隊・パンドーラの一員になる。

 普段は飄々としており、軽くも落ち着いた性格の男。

 凄腕のスナイパーでかつては『虎の目』と呼ばれる程であり、ある組織の出身であった。

 尚、昔の恋人の名前にちなんだエミリアというぶさかわ猫を飼っている。

 

 

 森林地帯の近くの平原にて、ダァーン!と銃声が響く。

 その直後に、的として置いた…水入りのペットボトルが、枝の上から倒れて落下し、横に穴を開けてはそこから水が漏れて地面に倒れていた。

 

ヨーコ

「へ~、やるじゃないダグ。この狙撃、いい腕前ね」

 

ダグ

「お褒めに預かり光栄だねえ、大グレン団の美人スナイパーさん。

 あんただっていい腕してるだろ」

 

ヨーコ

「あら、それはどうも」

 

 ダグに誉め言葉で返されて、微笑で返すヨーコ・リットナーである。

 

セシリア

「それにしてもやりますわね…ただ遠距離から狙撃するというよりも、

 密集する障害物のわずかな隙間から当てるとは…素晴らしい技術ですわ」

 

マオ

「ホントにね。こりゃプロのあたしらでも驚きだわ」

 

ダグ

「そりゃどうも。お嬢さん方も嬉しい事言ってくれるじゃないの」

 

 今度は、セシリア・オルコット、メリッサ・マオらの称賛を、クールに返す。

 

セシリア

「まあ尤も、女癖や軽さはいい趣味とは言えませんが」

 

マオ

「そうだね、クルツやミシェルみたいな」

 

ダグ

「おいおい、上げて落とすのかよ…」

 

クルツ

「っていうか、今俺達の事ディスったか!?」

 

ミシェル

「しかもまさかの便乗とは…!」

 

 そして評価を上げたかと思えば落とされ、便乗されてけなされてはショックを受ける、『フルメタル・パニック!』のクルツ・ウェーバーと、『マクロスF』のミシェルことミハエル・ブランであった。

 

リュウセイ

「すげえ…すっげえよダグ!

 俺も狙撃はR-1で前にやったけど、こんな精密な狙撃なんてやった事ねえよ!」

 

ライ

「ふむ…これは一線級を張れるどころではないなぁ…」

 

クルツ

「しかしまあ確かに、こりゃ俺もさすがに、うかうかしてらんねえかな~」

 

シロー・アマダ

「これは確かに凄いな…それに彼らの機体はハイパードライブ使用時には、

 本人の得意な技能が更に生かされたりもするのだったな…」ウーム

 

ダグ

「おいおい、男に言い寄られる趣味はないんだがなぁ…」

 

 そう言って少し困惑した様子を見せるダグであった。

 

 

 それからの事…

 

ダグ

「なあマサキ…お前んとこのシロとクロ、

 この後の戦闘後にでもモフらせてくれねえか?」

 

マサキ

「えっ、ちょっ、モフるって…シロとクロをか!?

 まさか、例の副作用のでかぁ!?」

 

シロ

「おっ、オイラ達をニャア!?」

 

 怪しげな笑みのダグに対し、驚きのマサキ・アンドーと白猫(型ファミリア)のシロ。

 

 ちなみにマサキは、レオン、ダグ、クイニーの乗機であるMOVE(モーヴ)P1(パンドーラワン)P2(パンドーラツー)P3(パンドーラスリー)は、ハイパードライブを発動して人型になるとその副作用が現れるのを知っている。

 その副作用は個人で異なり、レオンは凄まじく空腹になり、ダグは猫(一応犬のぬいぐるみでも代用できなくもないらしいがダグは猫派)をハイテンションで抱いてもふもふと触りたくなり、クイニーは猛烈に甘い食べ物を食べたくなるのだ。

 

マサキ

「そ、そりゃあ貸してやらなくもねえが、

 エミリアはどうしたんだエミリアは!?」

 

クロ

「ちょっとマサキィ!?」

 

 クロも驚きの顔と声だが、マサキとダグは尚も話を進める。

 

ダグ

「そのエミリアなんだが…今ちょっと、妹ちゃんや女子メンバーにかわいがられててなあ。

 そりゃあもう猫じゃらしやらネズミのおもちゃやらで、色々とな?

 それでエミリアでもふれない時に備えて、前以って話をつけておこうとな」

 

マサキ

「な、なるほど。そりゃご愁傷様だけど…」

 

シロ

「マサキ、お願いニャ。ここは断ってほしいのニャア!」

 

クロ

「あのダグの事だから、前にエミリアにやってたみたいにやりそうだニャ~!」

 

マサキ

「シロ、クロ…」

 

 ダグの頼みもあるが必死に懇願するシロとクロに、困り顔のマサキ。

 

 尚、ダグのモフり方に関しては、パンドーラのアニメ本編の第9話を見ればわかるが…それはもう、その光景を見たグレン・ディンがドン引きする程である。

 

 そしてそのタイミングで、無情にも敵の接近を報せる警報が鳴る!

 

トーレス

『敵機接近! ネオ・ジオンのモビルスーツが多数接近!』

 

ダグ

「おおっと、敵さんだ。それじゃ、まだ後でな!」タタタッ…

 

マサキ

「あっ、おいダグ!?」

 

 言うだけ言って出撃の為に走り去ってゆくダグの背中に、虚しく叫ぶマサキ。

 

マサキ

「しょうがねえ、俺もサイバスターで出るぜぇ!」

 

シロ

「でもマサキ…!」

 

クロ

「この後ダグの事でどうなるんニャ…」

 

 少し不安そうなシロと、呆れ顔のクロ…本当にどうなるか? それはのち程わかる。

 

 

 ……………

 

 

 そしてその戦闘にて、ダグのP2はハイパードライブを起動させ、人型のテラロイドモードに変形し、大活躍だったそうな。

 

 そして…

 

ダグ

「もふ! もっふもふぅ~~!」

 

シロ

「ギ~ニャア~~ッ!!」

 

クロ

「あわわわわわわ…」

 

 シロの悲鳴と、クロの怯えた声が、聞こえてきたという…

 

マサキ

「許せシロ、クロ…これも仲間の為だ…しかしあれはちょっと引くなぁ」




グレンやケインさんも出したかったけど、まだ参戦してないのもあるし、今回はやめとく。
それにしても、ケインさんみたいな頼れるおっさんキャラはいいですなあ。

昨日見たというか、ようやく発表されたスパロボTのPV2…レイアースの光ちゃんが『赤い稲妻』と叫んだり兜甲児と会っていたり、マジンガーZのアニメ第34話のサブタイトル『赤い稲妻 マジンガーZ』や『マジンガー親衛隊』の3番の歌詞を思い出しますねえ。
それと、『真紅の稲妻』と呼ばれたジオン軍のエースパイロット、ジョニー・ライデンも…長谷川先生の漫画で読みました。ブックオフのコミックス買った。


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さすらいの宇宙海賊、キャプテンハーロックがゆく!

今回は『宇宙海賊キャプテンハーロック』が主題です。
宇宙海賊というアウトローでも独自の正義と信念を、己の旗と共に掲げるクールなカリスマ男・ハーロックがゆく!
なお、チャンピオンREDで連載中の『キャプテンハーロック 次元航海』もコミックスで読んでます。

去年の11月に、宇宙戦艦ヤマト2202の第6章を観に行ったが…何度目だ、古代さんのこんな悲しみと絶望は(主に雪さん関係)。

ちなみに今回のトビアとキンケドゥはスカルハート以降のを意識してます。


 その1:ハーロックとアルカディア号

 

 

 とある宙域にて、航行する宇宙戦艦…その名はアルカディア号。

 このアルカディア号は、さすらいの宇宙海賊キャプテンハーロックと、40人+αの仲間達を乗せる海賊戦艦なのだ!

 

 そのアルカディア号の、艦内にて。

 

オペレーター

「マゾーンの戦闘艦及び機動部隊、撃沈しました。

 残存部隊及び艦艇はありません」

 

キャプテンハーロック

「よし、こちらの機動部隊を帰還させろ。

 それとダメージチェックも怠るな」

 

オペレーター

「了解!」

 

 メインブリッジで乗組員に指示を出すその男…黒と赤のマントをたなびかせ、髪は茶色い髪で右目の眼帯と左頬には縫い傷のある、威厳のある男。

 このアルカディア号の艦長にして、宇宙をさすらう無法者…彼こそが、宇宙海賊キャプテンハーロックその人である!

 

 

 それから数分後、機動部隊として出撃した数人の男女がメインブリッジに上がってきた。

 

台羽

「戻りました、キャプテン」

 

「こちらの被害は大した事はありません。

 被弾している機体でも少しの修理で元に戻ります」

 

キャプテンハーロック

「そうか、それは何よりだ」

 

 薄い茶髪の14歳の少年『台羽 正(だいば ただし)』と、その上司に当たる16歳の少女『有紀 螢(ゆうき けい)』が、ハーロックに報告する。

 

 するとハーロックは、今度は今の2人の後ろにいる少年少女達を見やる。

 

キャプテンハーロック

「それはそうとお前達、そろそろ慣れたか? このアルカディア号は」

 

一夏

「あっ、はい…お陰さまで、だいぶ慣れてきました」

 

「まさか別世界に飛ばされて、宇宙戦艦に…それも海賊船に拾われた時は、

 それはさすがに驚きましたし戸惑いもありましたが…

 しかしまあ、この通りすっかり慣れてきました」

 

ラウラ

「まあ最初にこの船の中を見て、通路で布団敷いて寝てたり

 碁を打ってたりする乗組員がいるのを見た時は、『何だこの船は?』と思いましたが…」

 

真マ甲児

「まあ確かにそうだよな。俺なんかパンツの取り合いしてるのや、

 2人で呑気に酒飲んでるのも見たしなあ」

 

トビア

「俺なんか前にマザーバンガードやリトルグレイにいたけど、

 宇宙海賊の戦艦でもかなり違って見えたし、俺だって面食らったからなぁ…」

 

セシリア

「ですが、いざ戦闘などの非常態勢に入れば、

 皆さんの顔付きも変わって慌ただしくなり、緊張感に包まれたかと思えば

 迅速な対応で敵を補足し、攻撃しては撃墜していましたわ…!」

 

「何て言うか、あれね。普段は何だかのんびりしてる人が多いけど、

 いざって時にはみんなやる時はやるっていうか…」

 

シャルロット

「そうそう、凄い切り替えようの速さっていうか、

 その手際もいいエキスパート揃いの、凄い艦ですよ!」

 

キャプテンハーロック

「うむ、わかったようだな。いいかお前達、このアルカディア号は

 海賊船であると同時に、乗組員達の言わばもう一つの家なのだ」

 

シャルロット

「家…ですか?」

 

キャプテンハーロック

「そうだ。例えばだが自分の家の中、それも自分の部屋でまでかしこまる必要はないだろう?

 それにずっとそんな事をしていたり気を張ってばかりいても、却って疲れてしまう。

 少し前まで学生寮にいたというお前達ならば、

 自分の趣味やのんびりする時間もあったんじゃないか?」

 

一夏

「言われてみれば確かに…家に帰って来た時の千冬姉がいい例か」

 

 ちなみにその時、一夏の姉である織斑千冬がくしゃみをしていたとか。

 

キャプテンハーロック

「そういう訳で、このアルカディア号では

 必要な事を必要な時にやっていれば、最低限自由に過ごしていい事になっている。

 それが俺の方針であり、この広い宇宙をこの艦の中で長く過ごすには、

 この方法が一番いいと思っているのさ」

 

ラウラ

「なるほど…確かに、ずっと戦闘艦の中という閉鎖的な環境で、

 それも外は星々の輝きがあるとはいえ漆黒の宇宙空間という環境の中で生活するには、

 ストレスが溜まりがちにもなるしな…その答えの一つという訳か」

 

一夏

「宇宙をさすらう男の生き方の一つ、か…

 そう言えばON○PIECEにもそれっぽいシーンがあったっけ。

 何だか豪快で凄いですね、キャプテン」

 

キャプテンハーロック

「ああ、そういう事だ。だが、聞けばお前達の中には

 事情があって自分の家でもあまり気が休まらなかったというのが何人かいるそうだからな…

 そういう奴には俺の今話した内容は、少し新鮮に感じられただろうがな」コツコツ…

 

トリさん

「クエーッ!」

 

 そう言ってハーロックは歩いて移動し、その愛鳥が飛んで追いかける。

 

シャルロット

「そ、そこまで配慮してくれるなんて…」

 

「さすがキャプテン…さすがカリスマ宇宙海賊、キャプテンハーロック!

 まさに、男の中の男…!」

 

セシリア

「(家の中でまで、かしこまる必要はない、ですか…

 だとしたら、わたくしのお父様は、どれ程肩身の狭い思いをして…

 どれ程疲れきっていたのでしょうか…?)」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:先輩にして師匠な人と、後輩の人

 

 

 アルカディア号・通路にて。

 

 ブリッジから下りた台羽や一夏達は、食堂に向かいながら談笑していた。

 

台羽

「それにしても、君らの機体も凄いなぁ…

 パワードスーツの一種に、巨大ロボットとかなぁ」

 

真マ甲児

「へへっ、そりゃありがとな。マジンガーは俺のおじいちゃんの形見で、大切な相棒だからな。

 けど乗ったばかりの頃はな~、詳しい説明もなかったから動かし方がわからずに苦労したぜ」

 

トビア

「まあ俺も、最初の頃は一応MSの免許は持ってて少しは動かせたけど、

 木星の近くでの飛行訓練の時はなぁ…」

 

キンケドゥ

「木星の重力を気にしすぎて、なかなか上手く飛べなかったよなあ。

 しかもガンダムに乗った際にも、その性能を出し切れなかったな」

 

トビア

「いいっ!? それ言わないで下さいよ、キンケドゥさ~ん」

 

シャルロット

「あはは…トビアにもそんな頃があったんだね」

 

台羽

「要するに、その頃はまだ今ほど高い腕前じゃなかったって事ですね?」

 

一夏

「なるほどなぁ、何だかそれわかるな~。すっごいよくわかりますよ」

 

トビア

「悪気がなくてもいじられるのと、共感されるのを交互にされるのって…

 なんか、変な気分…」

 

 こんな話題にされるせいか、呆れつつも少しテンションが下がってしまうトビア。

 

キンケドゥ

「でもまあ、そんなトビアも…今じゃクロスボーンバンガードの立派な主力だもんなあ。

 あの木星帝国の総統を追い詰めたぐらいだし…人ってのはどう成長するか、わからんもんだよ」

 

トビア

「えへへ…まあ俺も、始めはクロスボーン・ガンダムの操縦も

 上手くいかなかったものですけど、訓練と経験の賜物なのか

 今じゃキンケドゥさんから譲り受けたX1も、使いこなせるようになりましたし…

 あの頃に比べたら、だいぶ自信も付きましたよ! キンケドゥさん」

 

キンケドゥ

「ああ。その顔付きを見ただけで、何となくでもわかるよ」

 

 キリッとした顔で言うトビアに対し、微笑んで答える『キンケドゥ・ナウ』こと『シーブック・アノー』。

 

台羽

「それにしても、見ただけでって…

 それはやっぱり、お2人がニュータイプなのが関係しているのですか?」

 

「あっ、それちょっと気になるかな」

 

キンケドゥ

「ん~、それはちょっと違うかな」

 

「と言うと?」

 

キンケドゥ

「ニュータイプのは2、3割り。

 後はまあ、雰囲気というか見た感じかな」

 

台羽

「見た感じ…ですか? それでわかるんですか?

 確かに、彼は優しさや凛々しさも感じる顔付きにも見えますけど…」

 

ラウラ

「そう言えば何となくだが、確かに経験を積んで自信が付いてきた顔という感じだな。

 そのくらいはニュータイプやXラウンダーでもない私にだってわかる程だ」

 

トビア

「お、俺そんな感じの顔に見えますかぁ?」

 

キンケドゥ

「ああ、見えるさ。俺がいない間にも、凄く成長したのがわかる程にな。

 だから堂々と胸張ってればいいさ、トビア」

 

トビア

「あっ…はいっ! ありがとうございます、キンケドゥさん!」

 

 キンケドゥに対し、笑顔で返すトビアであった。

 

ラウラ

「ほう…よかったじゃないか、トビア。前から尊敬しているという先輩の

 キンケドゥに太鼓判を押してもらえてな。そういう奴の気持ち、私にもわかるぞ」

 

トビア

「へへっ、そりゃありがとな、ラウラ!」

 

 しかしこのやり取りの隣で、台羽正は考え込む。

 

台羽

「(…トビアさんにとっては、付き合いの長い先輩で兄貴分みたいな人だって言う

 キンケドゥさんが、尊敬する人で師匠みたいな人か…)」

 

「ん? 台羽君、どうかしたの?」

 

真マ甲児

「腹でも減り過ぎて、ぼ~っとしちまったか?」

 

真マさやか

「そんな甲児君じゃないんだから…あ、でもボスもあり得るかな」

 

台羽

「ん? ああ、何でもないです! 何でも…」

 

「ならいいんだけど…」

 

真マ甲児

「何はともあれ、早く行って食おうぜ。マスおばさんのメシをよぉ」

 

一夏

「それもそうだな。もう腹ペコだよ…」

 

 そう言って彼らはぞろぞろと再び歩を進める…だが、台羽は先程の考えを再開していた。

 

台羽

「(しかし技術や生き方をも示してくれる、尊敬する人…か。

 じゃあ俺の場合は、キャプテンなのか?

 それに、アルカディア号のみんなも…なのか?)」

 

 その答えは、その思いは。彼の胸の内にのみ、渦巻いていた――




なんというか、ある意味台羽君とトビアってポジション的にも似てると思う。
もう一人の主人公だし、先輩凄い漢や仲間達や出会った様々な人よ戦いを通して成長するし。
ひょっとしてトビアは台羽君を意識してキャラ付されたか?

ちなみに真マジンガー版甲児とわかりやすいように『真マ甲児』と付けましたが、『甲児(真マジンガー)』とかの方がよかったでしょうか?


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声ネタ集

今回はわかる人にはわかるかもな、声優ネタです。
さ~あ、みなさんにはわかるかな~?

ちなみにこの前、SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)の最終回まで見ました…ありがとう、グリッドマン。
素晴らしいヒーローアニメでしたよ…特撮のは見てないけど。


 その1:新旧ドロ○ボー?

 

 

 大空魔竜・艦内にて――

 

「ねえ、あれやって…!」

 

ノリコ

「お願い!」

 

 『インフィニット・ストラトス』シリーズの更識簪、『トップをねらえ!』のタカヤノリコは、ある3人に頼み事をしていた。

 

日吉

「いいけどさ~」

 

ベンケイ

「まあ俺もそこまで頼まれちゃなぁ…」

 

大作

「まあ、これもコミュニケーションて奴たい。ちょっと面白そうでもあるたいね。

 ちょっとドキドキするけど、おいは喜んでやらしてもらうとね」

 

 それは『超電磁マシーン ボルテスⅤ』の剛 日吉(ごう ひよし)と、『ゲッターロボG』のベンケイこと車 弁慶(くるま べんけい)と、『超電磁ロボ コン・バトラーV』の西川 大作(にしかわ だいさく)の3人であった。

 この頼みに渋々了承する日吉と、苦笑い気味の顔のベンケイ、ちょっと乗り気の大作と三者三様の反応の3人である。

 

日吉

「それじゃあ行くよ、せーの…」

 

 息を整える日吉、そして…

 

日吉

「お前達、や~っておしまい!」

 

ベンケイ&大作

「「あらほらさっさ~!」」

 

 いつもの自分達の声で、どっかで聞いたようなセリフを叫ぶ3人!

 

 それに対し…

 

「凄い…! まさにあの3人に、そっくり!」

 

ノリコ

「うん! もう、完璧ね!

 もう二度と揃って聞けないと思ってたわ~」

 

日吉

「そ、そう?」

 

大作

「まあ、おいもやってみて楽しかったし。

 喜んでもらえたならそれで良かったばい」

 

ベンケイ

「あ…何でしょうこれ、何かクセになりそうっていうか、いいかもこれ。

 僕ちゃんいっその事、ボタン押す時に『ポチッとな』って言ってみようかしら…

 あっ、でもそれだといきなりやったら、リョウとハヤトがビックリしちゃうかも」

 

ノリコ

「ちょっ、ベンケイさぁん!? キャラになりきるどころか、

 だんだん口調や性格が移っちゃってるんですけど~!?」

 

ベンケイ

「あらま…本当だ。つい役になりきりすぎちまったぜ…」

 

「でもこの力の入り様といい、

 なり切り様といい…あのキャラそのものみたい」

 

ベンケイ

「ありゃ~、そこまでだったかぁ?」

 

 右手で頭の後ろを掻くベンケイ。

 

 一方、この一連のやり取りを陰から見ていたのが一人。

 それは『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の、サリアである。

 

サリア

「ぐぬぬぬぬ…こうなったら、

 あたしもあと2人のメンバーを集めて、対抗してやるんだからぁ!」

 

 その両手には、どこかで見たようなボンテージ風の黒い衣装と、金髪のカツラと黒を基調としたヘルメット風のマスクが握られていた。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:更に2人ずつ追加

 

 

???

「ふっふっふ…話は聞かせてもらったぁ!」

 

「ん…えっ!?」

 

ノリコ

「うわ、まぶしぃっ!」

 

 突如、ノリコ達のもとへ眼鏡っ子が一人、逆光に照らされて現れる。

 

ノリコ

「って…あなたは、ナデシコのアマノ・ヒカルさん!?」

 

「…前のナデシコでもエステバリス隊の一人で、今じゃ売れっ子漫画家だけど

 招集されて一応の現役復帰した…あのヒカルさん?」

 

ヒカル

「ふっふっふぅ…簪ちゃん解説ありがとう」ニヤリ

 

 礼を言ってニヤリとしながら、眼鏡をキュピーン!と光らせるアマノ・ヒカル。

 ちなみに彼女は、『劇場版機動戦艦ナデシコ』からである。

 

ヒカル

「コホン…この私だって、アニメオタクの端くれ。

 なので、こんな面白そうな事を見逃す手はないわ!」

 

???

「そしてこの俺もぉ!」ギラーン!

 

 更にもう一人乱入!

 

ノリコ

「今度は誰…!?」

 

「なんか、聞いた事ある…! っていうか、聞き慣れてる…!?」

 

ガイ

「ふっふっふ…お前達の同志が一人! このダイゴウジ・ガイ様よぉ!!」ガカァッ!

 

「今度はヤマ…ガイさん! ナデシコの方の…!」

 

ノリコ

「しかも原作じゃテレビシリーズで既に死んでるから、

 スパロボお得意の捏造設定のだ! 捏造設定の劇場版仕様のガイさんだよ!」

 

 それはスパロボWの時に出たガイの話である。

 

ガイ

「おい捏造設定とか言うなよぉ!? 身も蓋もねえなぁ…」

 

ヒカル

「まあ実際その通りだから、否定の仕様もないんだけどね」

 

ガイ

「うぐぅっ! …まあ、それはそれとしてだなぁ…ゴホン。

 実は俺達もな、ある2人に声かけといたんだよ」

 

ノリコ

「それってどんな2人?」

 

ガイ

「それはな…この2人だ!」

 

ヒカル

「イッツ・ショータ~イム!」

 

 ガイとヒカルに言われ、ある男女の2人組みが逆行でライトアップされ…

 

アレルヤ

「や、ヤッ○ーマンがいる限り!」

 

ダリー

「この世に悪は栄えない!」

 

 それは、一人は白を基調とした服を着込んで黒い帽子と目元を隠す赤いマスクを着用した、『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』のアレルヤ・ハプティズム。

 もう一人は、薄いピンクの衣装と赤い帽子に目元を隠す紫色のマスクを着用した、『天元突破グレンラガン(第3部以降)』のダリー・アダイが、決めゼリフとして叫んだのである。

 しかもアレルヤは照れがあり、それに対してダリーは笑顔でノリノリである。

 

ノリコ

「ちょっ、まさかそっちで来る!? ヒーロー側も出しちゃうなんて!」

 

「しかも声だけじゃなくてコスプレまで…これは完全に予想外…!

 でもアレルヤさんは、まだちょっと照れがある…?」

 

ガイ

「うお~っ! これだよこれ! まさにあの2人だよ!」

 

ヒカル

「うん! もう、これもまさにあの2人だよ!

 …片方はまだちょっと照れがあるけど」

 

 驚きのノリコ達に対し、熱血のごとくハイテンションなガイといい笑顔のヒカルである。

 

アレルヤ

「僕に照れがあるって…しょうがないでしょ、

 いきなりこんなの着て今のセリフを言うようにって、頼まれたんだからさあ。

 コスプレなんて初心者なんだから、そこは勘弁してよ」

 

ダリー

「でも、本当は私もちょっとそうだったけど、新鮮な感じがして楽しかったかな!

 それに何だか違う自分になれたみたいだし、新しい体験かな~♪」

 

ヒカル

「おおっ! コスプレの楽しさを知ってもらえて、何よりだよ~!」

 

ダリー

「ふふっ、今度はギミーにも教えてあげようかなっ♪」ニコッ

 

 ちなみにギミーとは、彼女の双子の兄のギミー・アダイの事である。

 

ノリコ

「コスプレかあ…なら、今度は私達も何かやる?」

 

「それなら、ノリコさんにはこれが似合うかと…ちなみに私はこっち」

 

 そう言って簪は持っていた端末の、あるスクールアイドルアニメの薄い灰色のスーツを着た女性理事長と、青いロングヘアーでまじめそうな少女のステージ衣装の画像を指差す。

 

ノリコ

「おおっ、それいいじゃない! それにこのアニメなら、私も観てるわ!」

 

「実は…ヒーローものじゃないけど、好きなアニメシリーズと同じ会社のだし人気みたいだし。

 それで試しに見たら面白くて…それで…」

 

ノリコ

「わかるわ…私にだってたまにあるのよ、そういうの」

 

ヒカル

「あ~、それわかるわー。それで当たり外れあったりするのよね~」

 

ガイ

「まあ確かになあ。ゲキ・ガンガーはよかったけどシリーズものだと特にな、

 これまでのと雰囲気とかが違うってのに戸惑ったり、

 単に好みの問題ってのもあるかもしれねえが…って、俺達のナデシコも人の事言えねえか?」

 

 腕を組んで『う~ん』と唸るようなガイだったが、途中からギャグのごとく汗をたらす。

 

アレルヤ

「…あの、途中からみんな何を言い出してるの…?」

 

ダリー

「さ、さあ…?」

 

 そして、素人には付いて行けてない状態の、アレルヤとダリーであった。

 

 

 そして、それを物陰から見ているのが一人…

 

サリア

「ぐぬぅ、まさかヤッター○ンまでやるとは…! あ~もう、越された~!」

 

 現在悔しがっている、サリアである。

 吉野さん達は夜ノヤッ○ーマンもやってたからね、しょうがないね!

 

 更に、その近くから簪やノリコ達を見ているのがもう一人…

 

楯無

「簪ちゃん、あんなにも楽しそうにして、仲間に囲まれて…」

 

サリア

「って、うえあぁっ!? あんたいつの間にぃ!?」

 

 簪のシスコンの姉の更識楯無が、感涙しながら妹を見ており、それに気付いて驚くサリアであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:神谷でリョウ

 

リョウ

「俺の名は流竜馬…みんなからはリョウと呼ばれている。

 ちなみにキャラクターボイスは神谷○さんだ」

 

 するとリョウは右拳を握って力説するようなポーズをする。

 

リョウ

「だがいいか! CV.神○明でリョウだからってなあ!

 どこぞのスイーパーのもっこりリョウちゃんじゃ、ないぞっ!」

 

 ドゴンッ!

 

 リョウが変な力説をしだすと、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のレズン・シュナイダーが『100t』と書かれたハンマーで殴り付けた!

 

レズン

「いきなり番宣みたいなアピールしてんじゃないよ!

 あれの映画の前だからってさあ!」

 

リョウ

「おおぉ…すんませんでした…」

 

 シ○ィーハ○ターネタだからしょうがないのである。

 

 *ちなみに作者はしばらく前に原作漫画を少し、アニメは『91』の再放送の1話を観たり、非公式のながらある世界的大泥棒三世とのクロスSSも読みましたが、面白かったとです。




声つながりな話だけど、『リヴィジョンズ』の主人公の堂嶋大介はなんというか…
声といい、仲間を守る事にこだわるのといい、似たような色とかの機体といい、インフィニット・ストラトスの織斑一夏に似てますねえ。
尤も、あの調子こきっぷりというか舞い上がりっぷりというか、増長っぷりは…増長して暴走しだした一夏というかねえ。顔は碇シンジ似だけど。
なんというか、一夏とテイルズシリーズの初期の頃のルークが合わさったような感じですなあ。
スタッフは一夏を意識してというか、その増長した感じを意識してこんなキャラにしたのかな?


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似た声キャラたちの、哲学的な語り合い

今回はCV.森久保キャラ、CV.櫻井キャラのとある4人プラスαの男達が、ちょっと大人な雰囲気に語り合います。
ちなみに今回の兜甲児は、『劇場版マジンガーZ / INFINITY』でのバージョンです。だから酒も飲めるしリサもいますよ。


 とあるバーにて。

 

002

「なあ甲児、お前最新映画じゃあ28なんだって?」

 

甲児

「ああ、そうだぜ」

 

002

「マジか! 俺より歳上じゃねえか…10個もよお」

 

甲児

「おいおい、平成アニメ版じゃ18歳プラス40の、あんたが言うかよぉ」

 

 バーのカウンターにて、『サイボーグ009』の002ことジェット・リンクと、マジンガーシリーズの兜甲児がグラスの酒を前に語らっていた。

 ちなみにこの甲児は、『劇場版マジンガーZ / INFINITY』でのバージョンである。

 

002

「18歳プラス40かあ…合わせて、実年齢は58になるなぁ。

 けど実感湧かね~! そりゃ目覚めて最初の頃は、世の中が変わって少し驚いたけどよお」

 

甲児

「日本で言う、浦島太郎状態って奴だな」

 

002

「…でもな、当たり前に時間を過ごしてその時代になるまで生きた訳でもねえから、

 いまいちそれで60近くになったって実感湧かないっつーか…」

 

甲児

「まあ、俺も普通に時間を過ごしてていつの間にかアラサーになっても、

 『えっ、もう?』って感じがするし、実感湧かないのは俺も同じだが…

 でもそっちのはな~、冷凍睡眠なんていうある意味インチキみたいなのしてるしなあ」

 

002

「そうなんだよなあ、これが…」

 

 そう言って腕を組むジェットと、グラスの酒…ウイスキーを煽る甲児。

 

エックス

「あのさあ…ちょっといいかな?」

 

002

「あん? …エックスじゃねえか」

 

 今度は『ロックマンX』シリーズのエックスが、話に加わる。

 

エックス

「その冷凍睡眠だけど、封印というか似たようなのなら、

 実は俺も前にあったみたいなんだ」

 

甲児

「へえ?」

 

002

「ん? あった…みたい?」

 

エックス

「まあ、それより前の記憶は、ほとんど覚えてないんだけどね…」

 

002

「ああ、それでか…」

 

甲児

「封印を施された後に何らかの要因や経年劣化で、メモリープログラムに損傷か封印が?

 あるいは、製作者のライト博士がなにか意図的に…?」

 

 ジェットを尻目に、隣で甲児は何やらブツブツと呟きながら、エックスが遥か昔の記憶がないその原因を考えだすのだった。

 

エックス

「というかレプリロイドに年齢の概念って、あるんだろうか?」

 

甲児

「そう言えばそうだよなあ…エックスみたいに元から青年型なのや、

 アクセルみたいな少年型もいるしなあ」

 

エックス

「それ言うと兄さんもそうなるなあ…」

 

甲児

「ああ、あのロックマンか」

 

 ちなみにロックマンゼロでは、ある理由で途中から若い男性の姿から老人型に改造してもらったレプリロイドもいる。

 

002

「つーか、それって俺達サイボーグもだぜ?」

 

エックス

「それってもしかして…」

 

 ここで、彼らの後ろからもう一人の男がやって来て声を掛ける…

 

009

「そう…ギルモア博士の話によれば、半分生身の体は残されてはいるが

 改造された時点で老化はしなくなったって、聞いたぐらいだしね…」

 

 そう、『サイボーグ009』の主人公の009(ゼロゼロナイン)こと、島村ジョーである。

 

002

「009…?」

 

009

「話の途中からで、失礼するよ。君達が興味深い話をしていたものでね」

 

甲児

「レプリロイドやサイボーグの、年齢とかの概念の話か?」

 

009

「そう、それ」

 

甲児

「なんつーか、年食っても老けないとか、

 その手の事で悩んでるというか気にしてる人からしたら、結構羨ましがられそうだな」

 

002

「なんかそれ、特に女性で多そうだなあ…

 ああほら、小じわがどうとかで気にしてるのとか、結構いるだろ?」

 

009

「そう言えばそんな声をちらほらと聞くなあ…フランソワーズからは聞かないけど」

 

 しかしここでエックスは内心で考える。

 

エックス

「(でもこの場合…これもさっきみたいにレプリロイドやロボットには、どうなのだろうか?

 やはり人間と違って手を加えない限り老けないから、関係のない話なのか?)」

 

 更にエックスは、マジメな顔をしながら考え続ける。

 

エックス

「(考えてみたら、もしマーティやエイリアが…

 それにロール姉さんやスプラッシュ姉さん達が聞いていたらどんな反応をするのか?

 やはり、『ロボットでよかった』と…安堵するのだろうか?)」

 

 と、そこからは「うーん」と唸りつつ目を閉じて考える。

 

エックス

「(ああでも、ロボットやレプリロイドやサイボーグは良くても、

 身近な人間はどんどん年を取っていくからその果てに死んでしまって取り残されるだろうし。

 それでライト博士は老いには勝てなかったしなあ…カプセルに意識を移したみたいだけど。

 それにロール姉さんは、友人のカリンカって人とはどう感じてるんだろうなあ。

 それに、今の俺の仲間達…甲児やアムロ大尉ら、ロンド・ベルの仲間達…彼らもいずれは…)」

 

 そう深く考えていた所で、ふとエックスは声をかけられるのに気付く。

 

甲児

「おいエックス、エックスってばよ!」

 

エックス

「うん…甲、児?」

 

甲児

「おめー、ま~た深く考えてたな? 」

 

009

「君は物事をよく深く考え、よく悩むクセがあるからね…ちょっと僕みたいに」

 

エックス

「たはは…バレちゃったか」

 

002

「まっ、短絡的思考ですぐ飛び出したり

 すぐ実行したりするのよか、いいんじゃないのか? …俺が言えた事じゃねえけど」

 

 言い換えれば、『即断即決すぎるのも考えもの』でもある。

 

009

「確かに、ジェットもブラック・ゴーストと戦い始めたばかりの頃は、

 切り込み隊長というかすぐ飛び出してたからねえ」

 

 苦笑しながら語る009。

 

甲児

「短絡的思考に、すぐ飛び出したりか…俺もそうだったな~。

 そんで機械獣や戦闘獣に円盤獣の、思わぬ攻撃や防御策で面食らってひでえ目に遭ったり、

 我慢出来ずに飛び出して…そのせいで、もりもり博士が死んじまった事もある」

 

一同

「「「(一番シャレにならない(ならねえ)…!)」」」

 

 そこで酒を煽る甲児をよそに、顔を青くしながら戦慄する一同。

 そして彼らは、「やっぱり短絡的思考で行動するのはやめよう…」と内心で考えるのだった。

 

 物事は、自分で簡単に考えたようには、そう上手くいかないものなのだ。

 

 

 ちなみに、その頃に人知れずある場所で、機械のうさ耳をヘアバンドのように着けた女性科学者が、

 

「へっくしゅん!」

 

 と、大きなくしゃみをしていたとか何とか。

 

 

 閑話休題。

 

エックス

「話は戻すけどさあ、サイボーグやレプリロイドが老けないって話題にだけどね?」

 

甲児

「やっぱ悩んでるというか、気にしてる人からすると、ちょい羨ましがられるかなあ?

 ほら、鉄也とかブライトさんみたいに、

 10代や20代で老け顔なのを気にしてる人だって、いるぐらいだしな」

 

002

「そう言えばそうだよな。鉄也はミケーネと戦ってた頃から老け顔だのなんだの言われてたが、

 最近じゃこの間聞いたが、白髪を見付けてショック受けてたんだってな」

 

甲児

「そう言やあ、何年か前なんか新光子力研究所でな、軍に入る前に鉄也が

 『こんだけ広くて喫煙所一つしかないっておかしいだろ…』って、ぼやいてたぜ?」

 

002

「マジか! アッハッハ!」

 

 甲児の話を聞いて爆笑する002。

 

009

「でも、君やみんなと違って…僕らは年月を経ても年老いない…か」

 

002

「まっ、確かにそうだわな。特に、001から004までの第一世代サイボーグは、

 改造後の拒否反応を克服する為の技術を確立するまでに、コールドスリープしていたしな…

 しかもそれが40年。俺もその内の一人だし、さっきも言ったが世の中もすっかり変わった」

 

エックス

「俺も似たようなものか…覚えていないけど」

 

 神妙な顔をするエックス。

 

009

「そう言えば、出会ったばかりの頃にフランソワーズがその話をして、

 『とんだおばあちゃんで、ごめんね』って、笑いながら言ってたっけ」

 

甲児

「おばあちゃんねえ…大学生ぐらいの見た目だけどな」

 

002

「そりゃたぶん、皮肉も込めて言ってたんだろうぜ。

 笑いながらってのも、自虐的な笑みって奴かもな」

 

009

「ジェット、よくわかるねえ?」

 

002

「そりゃまあな、当事者の一人でもあるし…

 やっぱ女心ってのにも、ちったぁ気ぃ遣うべきだろ」

 

甲児

「なるほど…さすが当事者は言う事が違うな、説得力がある。

 まあそれを言うと、004…アルベルトさんもそうなるよな」

 

002

「あのおっさんなんか、元々30歳だもんな。

 そこに40年もプラスしたら、もう70歳だぜえ? 立派なじいさんだっての」

 

009

「プッ、違いないや」

 

 思わず笑ってしまう009…アルベルトには悪いと思いつつも。

 

 ちなみに004ことアルベルトとは00ナンバーサイボーグの一人であり、本名は『アルベルト・ハインリヒ』という短い銀髪のドイツ人男性。

 彼は元々事故で重傷を負った所を回収されて改造され、体の大部分が機械部品でしかも全身に武器を仕込まれた戦闘用サイボーグなのだ。

 

エックス

「それにしても、老化の止まった半機械化ボディかあ…

 僕らレプリロイドは、元々全身が機械や人工皮膚などの

 人工的に作られたパーツだけど、ジョー達の場合はなあ…」

 

009

「そう…元々は普通のというか、境遇は違えど何か特別な能力がある訳でもない人間だった。

 それがある日、経緯はそれぞれ違えどブラック・ゴーストに拉致や回収されて改造され…

 気が付いた時には、体の半分かそれ以上が人工的に作られた臓器や器官にされ、

 それで図らずも人間離れした体と人間以上の能力を得た…

 これもフランソワーズが言っていたけど、人間離れして化け物じみたとも言えるな」

 

甲児

「なるほどな…人間離れした、そして人間以上の能力か。

 それも見方や使い方によっちゃあ、まさに神にも悪魔にもなれるな

 …俺のマジンガーZのようにな」

 

002

「そうだな、ミュートスサイボーグのアポロン達がそうだった」

 

009

「あの時アポロンは言っていた…『人間を超えてしまったら、人は神か悪魔になるしかない』と。

 僕は神になる、この姿にふさわし神にね』…って」

 

エックス

「そうして彼は、その神話から与えられた名前と姿通りの、神になろうとしてた訳か…」

 

 尚、この件について詳しく知りたい方は原作漫画版を読むか、平成アニメ版の『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』、OVA作品『サイボーグ009VSデビルマン』を視聴されたし。

 

甲児

「モチーフになった太陽神のようなサイボーグにされて、元の記憶も消されて…

 それで強大な力を得たら人間を管理して平和へと導く、神になるってか。

 体だけじゃなく心まですっかりその気になっちまって、

 ありゃもう神やサイボーグっていうより…まるでメガノイドみたいだったな」

 

002

「メガノイドか…確かに、その例えは前に万丈が言ってたな」

 

009

「そうだね。確かにあれは、自分を神と言い続ける思想とかも、メガノイドに近いかもしれない。

 …とは言え、ガイア博士の手のひらに踊らされていたのや、

 それを知ってアルテミスの復讐をしても尚、自分が神だと言いはばからずに…

 マグマ島からの脱出の、僕らの言葉も拒否して…神として、島のマグマに飲まれた」

 

甲児

「神として、か…」

 

 009の話を聞いて、感慨に耽る甲児。神にも悪魔にもなれる力を託された者として、やはり思う所があるのだろう。

 

002

「あの分じゃ、他の連中共々もう助かってねえだろうなあ…随分経つし」

 

009

「僕は何だか、彼らが悲しく思う…死んだ事もそうだけど、神としての道しか選べなかった…

 神だと言い張って、他の道を、人間として道を選ぼうとしなかった彼らが…悲しく哀れに思う」

 

エックス

「悲しく哀れに思う、か…

 (俺も何度も色んなイレギュラーと戦って、人間相手にも戦って…そう思った事だろうか)」

 

 そう考えながら、エックスは天井を仰ぎ見る。

 

甲児

「神だと言い張って、そして神としてか…

 俺ももしマジンガーで神を気取ってなんかいやがったら、そうなってたろうな」

 

エックス

「そうだな…そんなIFも、もしかしたらあったかもしれない」

 

002

「だがあんたは、現にその道を選ばなかった。

 それにその代わり、神やこの世の支配者を気取る連中を相手に、立派に戦ってきたじゃないか」

 

009

「そして君は…僕達の仲間だよ、誇りある平和の戦士だ」

 

甲児

「お前ら…へっ、ありがとうな」

 

 にこやかに笑みを浮かべる甲児…仲間の、作品や種族などを越えた友情の賜物である。

 

甲児

「しかし…やっぱり、人は強力な力を手にしたり体そのものが変わったりなんかすると。

 俺らみたいなのはともかく、精神が弱いというか未熟というか…

 そんな人の場合、やっぱり悲観するか狂ったり暴走したりするのかねえ?

 例えばさっき言ったミュートスサイボーグやIS主義者やら、Dr.ヘルにゲイトとかよお…」

 

エックス

「確かにね…力への誘惑に負けるケースも多い」

 

002

「それに…永遠の命を、っていうケースもあるぜ?」

 

甲児

「あ~、ちょい前に言ってた、老けない体のか。確かに、パーツ交換をキチッとしてて

 大した負傷もなく普通に過ごしてる分には、そりゃある意味不老不死かもしれないが…」

 

 ここで甲児はある事を思い出した。

 

甲児

「あっ…なんか永遠の命って言うと、前にレオンやクイニーがな?

 『映画の中で、自我を持ったコンピューターが永遠の命を欲していたのを見た事がある』

 って、言ってたのを思い出したわ…」

 

002

「自我を持ったコンピューターか…そう言やぁ前にコンピュートピアで

 ひと騒動起こしたスフィンクスなんかは、

 開発者の一人のカールって奴の人格をコピーしたような自我を持ってたな…」

 

009

「確かにあったね。あの時はフランソワーズを拐われたり

 僕らが命を狙われたり、大変だったけど…」

 

エックス

「とは言え、あの場合は特に永遠の命というか、量子リアクターのみたいな

 膨大な量のエネルギーとかは特に欲してはいなかったね」

 

002

「何事も例外はあるって事かねえ?

 自我を持ったコンピューターって言うなら、ナデシコのオモイカネやら他にもあるし」

 

 そのタイミングで甲児はグラスの酒を飲む。

 

甲児

「は~ん。そんで結局永遠の命なんてのは…そんな変なコンピューターや、

 今まで倒した連中や漫画みてぇな悪党共が、欲しがる程のもんなんかねえ?

 俺はそんなもんいらねーし、神でも悪魔でもないただの人間でじゅ~ぶんだっての」

 

002

「ハハッ、さすがは甲児だな。言う事がブレないぜ」

 

エックス

「まあ長く生きすぎると、だんだん身近な人が死んで

 取り残されるって話もよく聞くしね」

 

009

「(長く生き過ぎると周りは死に、取り残される…か。

 ひょっとしたら僕らもそうなるんだろうか…?)」

 

甲児

「まあやっぱあれだな。長生きしたいって話はよく聞くけど、

 長生きしすぎるのも考えものだなって話だな、こりゃ」

 

 少し酔いも回っているがしっかりと意見を述べる甲児に、賛同するか考え込む仲間達である。

 しかも、締めもまた甲児であるのだ。

 

 更にそのタイミングで、甲児達の後ろからまた足音がしてくる。

 

BGM:決戦(劇場版銀河鉄道999)

 

キャプテンハーロック

「永遠の命か…面白そうな話をしているな。

 それにその手の話は鉄郎も興味を示しそうだな?」

 

002

「って、うお!? 今度はキャプテンハーロックのご登場かよぉ!?」

 

甲児

「まさかあんたも来るとは…!」

 

 そう、アルカディア号の艦長であり、己の旗と信念のもとに生きる、クールにアツいナイスガイな宇宙海賊。

 『宇宙海賊キャプテンハーロック』の主人公の一人の男、キャプテンハーロックである。

 

 そしてハーロックは、甲児の隣のカウンター席に座った。

 

キャプテンハーロック

「おやじ、レッドバーボンをくれ」

 

バーのマスター

「あいよ」

 

 このバーのマスターは注文を受けてすぐに、グラスに氷と注文通りの酒・レッドバーボンを注ぐ。

 

バーのマスター

「ご注文のレッドバーボンだよ」

 

キャプテンハーロック

「ああ…」

 

 そしてマスターはそのレッドバーボンをハーロックの目の前のカウンターに置き、その中身のレッドバーボンを少し飲むハーロック。

 

002

「ヒュ~ッ。飲む姿も渋いっつーか、やっぱクールで様になってるなぁ、あんた」

 

エックス

「(そう言えば、VAVAもよくバーボンを…)」

 

 ハーロックを見て茶化すように言う002と、元同僚でありかつて戦った敵を思い出すエックス…反応は様々である。

 

009

「それでハーロック、今しがたの僕らの話ですけど…」

 

甲児

「それに鉄郎って…前に言ってた、あんたが気にかけてる少年だよな?」

 

キャプテンハーロック

「そうだ。鉄郎には、我が偉大な友トチローの、病に伏したあいつを看取った恩もあり、

 そして今を生きて戦うあいつを…俺が見守り背中を押す、若者の一人だ」

 

 ちなみにその鉄郎とは、『銀河鉄道999』の主人公の星野鉄郎の事である。

 そのトチローとの一件については『劇場版銀河鉄道999』を参照の事。

 

キャプテンハーロック

「それにな、さっきの永遠の命の話の事だが…俺は答えを出したさ」

 

エックス

「その答えというのは…?」

 

キャプテンハーロック

「命というのは…親から子へ、そのまた子へ…そうやって続いていき、受け継がれていくものだ。

 それこそが、永遠の命だと俺は思っている…

 何となくだが、鉄郎もその答えに辿り着いたかもしれん」

 

009

「それが…あなたなりの、永遠の命か…」

 

 穏やかな顔で、自分なりの答えを語るハーロック…そしてそれを聞いて心に響く009達である。

 

甲児

「世代を重ねる事で繋ぐ、命のバトンのリレーって奴か。

 確かにな。そういうのもまた、永遠の命って奴と言えるだろうし。

 それに…この世の生物はそうやって繁栄してきたし、生物の本懐を遂げる事とも言えるな」

 

キャプテンハーロック

「フッ、繁栄と本懐か…なかなか言い得て妙じゃないか、兜博士?」

 

002

「確かに、そんな言い回しだな」ヘヘッ

 

甲児

「そりゃ伊達に、科学者やってないからな」

 

 科学者らしい所を彼らなりに表され、ほんの少し得意気な甲児。

 

甲児

「(けど、親から子へか…)」

 

 しかし直後に内心では、思う所がある模様。

 祖父の兜十蔵から兜剣造へ、兜剣造と母から自分…兜甲児へ。

 

甲児

「(そして…俺は?)」

 

 自分はどうするのか。

 そう考えた途端、後ろから一人の少女が声を掛けて来る。

 

リサ

「あっ、やっと見付けましたよご主人様ぁ!」

 

甲児

「り、リサ…?」

 

002

「んあ? 確かそいつが…例の遺跡のか」

 

 短い銀髪で青い瞳の、アンドロイドであるが体の91%が生体パーツの少女、リサ。

 彼女は『劇場版マジンガーZ / INFINITY』のヒロインの一人である。

 そして、甲児とさやかの将来にもかなり関わる存在でもあるのだ。

 

リサ

「もう遅くなる時間なんですから、そろそろ帰った方がいいですよ!」

 

甲児

「時間って…ゲッ! もう11時過ぎかよぉ!?」

 

 リサに言われて甲児が店の時計を見て確認した直後、驚きの顔になる。

 なぜなら時刻がもう『11時22分』になっていたからだ。

 

甲児

「いっけねえ、こりゃ早く戻んねえと明日に響くぞ!

 語り合ったのはいいが、夢中になりすぎて長居しすぎたぜ~!」

 

リサ

「もう~、『昔からの仲間と飲みながら語り合って来る』

 なんて言って遅いから、来てみたらこれですよ~!」

 

 慌てて帰る支度を始める甲児と、迎えに来ての文句を言うリサ…これは映画本編では見られなかった、2人の笑ってしまうような一幕である。

 というか、作者は『インターバルピース』のノリで書いている。

 

002

「ハハハッ、そそっかしいのも相変わらずだな」

 

甲児

「そうだけどよ、ここまで話が弾んじまったのもあるだろうが。仕方ねえだろう?」

 

 002に茶化され、上着の袖を通しながら言い返す甲児…2人共やはりというか森久保ボイスで、である。

 

009

「ようやくティターンズ残党の海賊と決着付けて、

 休みのひとときって時にこれだもんなあ…まあ、付き合ってた僕らもか」ニガワライ

 

甲児

「まあそんな訳でな、俺はそろそろ戻るわ!

 研究もあるけど、一応ロンド・ベルのそこそこの重役なのもあるからな。

 それじゃあな、みんな! あとマスター、これお勘定な」

 

リサ

「どうも失礼しました!」ペコリー

 

バーのマスター

「まいどあり~」

 

 そして代金を置いた甲児とリサは、足早に店を出ていった。

 

エックス

「そこそこの重役か…やはり世界を救った英雄の

 一人なのもあるからだね…って、俺もか」

 

009

「君も何度もイレギュラー戦争で、シグマやその配下を倒しているからね」

 

002

「しっかし甲児の奴、結局さやかとはどうなるんだろうなあ?」

 

キャプテンハーロック

「さあな…それを俺達は見守り、時には支え、後押しするべきだろう」

 

エックス

「見守り、支え、後押しするか…

 そっちもそうだけど、未だ暗躍する勢力といい、どうなるやらねえ」

 

 天井を仰ぎながら、そう語るエックス…まるで『前途は多難だ』と言いたげに。

 

 

 この時、甲児達は知らなかった…

 後に復活したDr.ヘルが再び世界制服に乗り出す事を、ゴラーゴンを起こそうとする事を。

 

 この時、サイボーグ戦士達は知らなかった…

 数日後にスクミールと呼ばれる岩のような巨人が世界各地に出現し、オーディンやロキを名乗る神々が暗躍し、やがては復活・新生した黒き幽霊達といった者達と戦う事になるとは。

 

 そしてこの時、キャプテンハーロックも知らなかった…

 オーディン達やそのバックにいる悪しき勢力を、独自に調査する事を。

 

 新たな戦いが始まる事を、彼らはまだ…知らなかった。予感すらしていなかった。

 

 そして兜甲児は…後に自分自身も世代を重ねる決断をする事を、この時まだ知らなかった。




思ったより長くなった! でも何とか9千字以内に書ききれた~。

ちなみにハーロックの語る永遠の命の答えは、『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』で語っていた事です。
鉄郎もその答えに辿り着いたのに関しては、原作漫画での『銀河鉄道999』のアンドロメダ編での鉄郎のセリフからです。
尚、それに対する生物の本懐などの甲児のコメントは、作者の主観や持論も入っております。

そして最後の何かを予感させるナレーション?ですが、要するに『この後マジンガーZ / INFINITYや新ゼロの本編シナリオが始まりますよ~』という事です。

それにしても今回は一夏くん達出てないや。
今回は彼らには、特に一夏には難しかったかな?


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強いし便利!マジンガーZ

近頃は旧東映アニメ版や漫画版のマジンガーやゲッターがほとんどスパロボに出てないせいか、最近のZシリーズやBXとかに出た真マジンガーやチェンゲしか知らない人が多い!
おかげで妖機械獣やミケーネ七大将軍、グレンダイザーにデュークとマリア兄妹にベガ星連合軍を知らない人が最近多い…ライディーンやコンVにボルテス、ダイモスやイデオンにゴーショーグンもだ!
最近のスパロボユーザーはこういう人が増えてるのだろうか…時代の弊害か。

それはさておき、今回はマジンガーZの意外な一面というか、活用方です。
マジンガーは戦い以外でも活躍出来るんだ!
雰囲気のイメージ的にはスパロボαシリーズでイメージしてください。


 *今回のマジンガーZ及び兜甲児は、旧東映アニメ版準拠であり石丸甲児でイメージしてください。

 

 

 その1:救出!マジンガーZ

 

 

 それは、ある日の広野と草原の混じった地帯での、地上戦での事。

 

あしゅら男爵

「撃て撃てー! 攻撃せよー!」

 

機械獣

「ギシャアアア!」

 

 Dr.ヘルの配下のあしゅら男爵率いる機械獣軍団が、ロンド・ベル隊と攻防を繰り広げていた。

 

甲児

「こんにゃろう! 光子力ビィーム!」

 

リョウ

「トマホゥゥク、ブーメランッ!」

 

鉄也

「アトミックパンチ!」

 

 兜甲児のマジンガーZの両目から光子力ビームが放たれ、リョウこと流竜馬のゲッター1はゲッタートマホークを投げるトマホークブーメランを、そして剣鉄也のグレートマジンガーは腕を弾丸のように回転させながら発射するアトミックパンチを、それぞれ機械獣に放っては命中・撃破してゆく。

 

 一方、飛行要塞グールから機械獣軍団を指揮しつつも、その様子を見ていたあしゅら男爵はというと…

 

鉄仮面A

「あしゅら様。機械獣ガラダK7、ダブラスM2、バルカンP5、撃破されました」

 

あしゅら男爵

「ええ~い、言われんでもわかっておるわ!」

 

鉄仮面B

「(さすがに荒れてるなあ…)」

 

 部下の鉄仮面の一人の報告に対し、あしゅら男爵は怒鳴るように言っている始末…しかももう一人の鉄仮面は冷や汗をかいている。

 

あしゅら男爵(男)

「くそう、マジンガーにゲッターめ…忌々しい!」

 

あしゅら男爵(女)

「だが、どこかに穴があるはずだ。

 そこを突けば…ん?」

 

 そんな時、あしゅらが戦場のある一角を見やると…

 

ボス

「どっせりゃ~いっ!」

 

 ボスが操縦するボスボロットは、巨大な岩石を持ち上げては地上の機械獣に向けてぶん投げ、ヒットした!

 

ヌケ

「敵は今ので怯んだぞ」

 

ボス

「よ~し、今がチャンスだわ…さ!?」

 

ジェノサイダーF9

「ギゲェーーッ!」

 

 しかしそこに、別の機械獣のミサイル攻撃が援護に割って入る。

 それも、重爆撃型飛行機械獣のジェノサイダーF9のだ!

 

ボス

「どっしぇ~っ!」

 

ヌケ&ムチャ

「「うぎゃあぁ~っ!」」

 

 この攻撃でボスボロットは頭が外れながら吹き飛ばされ、涙目のギャグ顔をになってしまう。

 せっかくのチャンスをこのような形でフイにしてしまうとは、目も当てられない。

 

「ちょっ、ボスゥ!?」

 

 ボスボロットに気を取られた凰鈴音、しかしそこへ…

 

あしゅら男爵(男)

「今だ! やれい、ジェノサイダーF9!

 続けてその小娘にも、お見舞いしてやれ!」

 

ジェノサイダーF9

「ギゲェアァーーッ!」

 

 バードスの杖を持ったあしゅら男爵の命令を受けて、機械獣ジェノサイダーF9は今度は鈴の甲龍に向けてミサイルを連続で放つ!

 

「って、ええぇっ!?」

 

 直後に鈴は多数のミサイルが迫っているのに気付き、驚きの顔で声も上げるも、直後に慌てながらも迎撃に移りだす。

 

「ああもう、こなくそぉぉぉっ!」

 

 迫り来るミサイル群に向けて彼女は、衝撃砲である龍咆の連射で迎撃する、のだが…

 

「くっ、遠くても爆発の威力ありすぎでしょ…!」

 

 彼女が思ったよりミサイルの爆発の威力が凄まじく、撃ち落としていてもその衝撃は届いてしまう。

 しかも爆発の煙もある為、その黒い煙は煙幕の役割も果たしてしまうので向こうが見えない。

 

あしゅら男爵(女)

「よし、いいぞジェノサイダーF9!」

 

あしゅら男爵(男)

「フフフ、上手く迎撃しているようだが今度はこいつはどうかな?」

 

 その直後、煙の中から何かが飛び出し…

 

「(えっ、何これ? 今度は腕…?)」

 

 それは機械獣の腕だった。

 今しがたまで鈴と対峙していた機械獣・ジェノサイダーF9の右腕だった。

 あまりに意外な物が飛び出して来たので呆気に取られていた鈴だったが、すぐにハッとなって衝撃砲を撃つが…既に近くにまで来てしまっていた。

 

「って、キャアアァァ!?

 (何よこれ…こいつ腕とかも爆弾なの!?)」

 

 その凄まじい爆発が、爆炎が彼女を襲い、バランスを崩して後方に向けて落下してしまった!

 

あしゅら男爵

「フハハハハッ! やったぞ、まず一機だ。

 そのまま落ちてしまえ!」

 

 

 ……………

 

 

 その少し離れた所にて。

 

クスハ

「ああっ! 鈴ちゃんが!?」

 

一夏

「えっ、鈴が!?」

 

 そこから目撃し、グルンガスト弐式に乗るクスハ・ミズハと白式を駆る織斑一夏は驚きの声を上げる。

 

クスハ

「大変、助けなきゃ!」

 

甲児

「俺に任せな!」

 

 そう言って甲児はマジンガーZの右腕を鈴の甲龍に向けて飛ばす。

 

クスハ

「って、甲児君?」

 

一夏

「ロケットパンチ? 腕なんか飛ばしてどうすんだ!?」

 

 そこで彼ら彼女らの疑問は止まり、直後に理解した。

 

 

 ……………

 

 

「(しくじった…!)」

 

 爆風に吹っ飛ばされながら、鈴は内心で悔やんでいた。

 甲龍の状態はシールドエネルギーはかなり減り、ダメージは蓄積しつつある状態で、しかも飛行してバランスを取るのも少し難が出てきたという、危機的状況である。

 

 彼女は、自然と目を閉じて「自分はこのまま地面に落下してしまうのか」という考えがよぎっていた。

 しかし…そんな時に、『ドスン』という音と共に何か硬い物の上に背中と尻や足を着けているのがわかって来た。

 

「(あれ? おかしいなあ…地面ってこんなに近かったっけ?)」

 

 そう疑問に思いながら目を開けると…

 

「何これ、黒いおっきな手…?」

 

 黒くて巨大な手が、自分をキャッチしてその上に今自分がいるのが見て取れた。

 やがてその手…前腕部は、指先からのバーニア噴射でバックし、発射元のヒジの部分に戻って『ガチン』と連結される。

 その戻る直前から、鈴は自分を助けた黒い腕が飛ぶ方向の、その黒と銀色の巨体の――発射した主が誰なのか何なのかが理解できた。

 

「ま、マジンガーZ…?」

 

クスハ

「鈴ちゃん大丈夫?」

 

甲児

「間一髪だったな、間に合ってよかったぜ」

 

「あ、ありがとう甲児…」ボーゼン

 

 呆然とした顔ながらも、鈴は甲児とマジンガーZに助けられた事に礼を言う。

 

一夏

「すまねえ、鈴! 出遅れちまって…」

 

「うぅうん、大丈夫よ一夏!

 甲児のおかげで助かったから!」

 

 今度は慌てながら鈴は、一夏に対して「気にしないで」と言いたげに弁明する。

 

 

あしゅら男爵

「うぬ~、おのれマジンガーZ! 兜甲児めぇぇっ!」

 

 この様子を見て、目論見が失敗したあしゅら男爵は憤慨する…詰めの甘さが出てしまったのが原因だろう。

 

 その後、先程のジェノサイダーF9や他の機械獣も破壊され、あしゅら軍団も撤退した。

 

 ちなみにその後…

 

クスハ

「あ、そっかー! マジンガーがロケットパンチで出来たなら、

 私のグルンガスト弐式でも出来るかも!」

 

甲児

「おう! グルンガストだって、ブーストナックルがあるしな」

 

鉄也

「なるほどなあ、グレートの腕じゃ回転しちまうからなあ」

 

 左手の平手の上に拳をポンと叩いて気付くクスハと、快活そうに答える甲児と感心する鉄也という、一幕があったそうな。

 

 

 

 *   *   *

 

 

 

 その2:消火活動!マジンガーZ

 

帝王ゴール

「ウハハハハ! 苦しめ苦しめ、人間どもよ!」

 

メカザウルス

「ギャエェェーーッ!」

 

男性市民

「うわぁーっ! め、メカザウルスだぁぁーーっ!」

 

女性市民

「た、助けてぇぇーーっ!」

 

 とある火山島で、恐竜帝国の作戦によって火山が噴火し、更にはメカザウルス軍団が出現して暴れ、山から森林火災も発生していた!

 このままではふもとの町も森林からの火に飲まれ、メカザウルスの攻撃に晒され、やがて火山から吹き出ては流れ出ている溶岩に晒され、壊滅してしまう!

 

リョウ

「恐竜帝国め、なんという事を!」

 

ムサシ

「ひでえや…ここら一帯、自然破壊じゃねえか!」

 

ハヤト

「憤るのもいいが、手も動かしな。ゲッターァ・ドリル!」

 

「こっちは被害を抑えるのも兼ねて、これを使う! 消火隊は任せたぞ!

 ディバイディングドライバァァーーッ!!」

 

 無論、これらに対処すべく、ロンド・ベル隊も戦っていた!

 

 ゲッターロボやガオガイガーやゼータガンダムなどの多数の機体が、ガオガイガーが専用のハイパーツールの一つである『ディバイディングドライバー』を使用して形成した、ディバイディングフィールドと呼ばれる戦闘フィールド内にて、メカザウルスの部隊と戦闘を繰り広げていた。

 

 その一方で、消火隊は…

 

ボス

「ジャンジャジャ~ン! ボスボロット消火用装備型、参上だわよ~!

 さーあ、消火開始~!」

 

 ボスボロットは消防士のような恰好をして消火用の液の入ったタンクを背負い、手に持ったホースから発射する。

 

氷竜

「炎竜、凱機動隊長…そっちは任せましたよ。

 さて、わたくしも消火活動を開始しなくては…チェストスリラー!」

 

 GGG(スリージー)の勇者ロボの一体である氷竜は、胸のハッチを開けて冷風を出すチェストスリラーで火を消してゆく。

 

シャルロット

「まさかISで消火活動をする事になるとは、思わなかったなぁ」

 

セシリア

「全くですわね。でもこの大火事を見過ごす事も出来ませんから」

 

「その内、大量の水使って消火も楽にできそうなロボットかISでも出たりしてね。

 はいはい、水ばらまくわよ~」

 

 ISチームの何人かも、上空から大量の水をばらまいたりホースから放水したりの消火活動を開始する。

 ちなみに今回の時系列では、まだ更識姉妹とは出会う前である…ゲッターだってまだ初代だしな。

 

甲児

「よおし、俺はこっちだな!」

 

氷竜

「しかし甲児隊員、マジンガーZで一体どうやって消火活動を?

 ルストハリケーンか冷凍光線でも?」

 

 氷竜はチェストスリラーで消火活動をしつつ、左隣に立ったマジンガーZに乗る甲児に訊ねる。

 実は今回のマジンガーZは、消火隊の方に参加しているのだ。

 

甲児

「へへっ、まあ見てなって。

 俺とマジンガーが戦いばかりが取り柄だと思ったら大間違いだぜ。

 そぉれ、こいつで消火だ!」

 

 そう叫んだ直後、マジンガーの口部スリット部分から消火液が垂れ流され、炎にかかってはみるみる内に消えてゆく。

 

氷竜

「おお…! なんと、これは驚きました。

 よもやマジンガーZにこのような装備が施されているとは!」

 

甲児

「だろ? 最初は俺も驚いたさ。

 これもあるから戦い以外でも色々と役に立てるってもんだぜ」

 

 やがてその付近の消火は完了し、甲児のマジンガーZは今度は町へと流れようとしている溶岩流へと視線を移す。

 

甲児

「さあて、今度はこいつでストップだ。

 冷凍光線発射ァ!」

 

 すると今度はマジンガーZの左右両側のレーダーアンテナから青白い光線が発射され、命中した溶岩が瞬く間に凍ってしまった。

 

氷竜

「あっ、そちらはやはりというかその武装なんですね…」

 

甲児

「まあこいつが効果的だろうと思った訳だしな」

 

009

「ちなみに冷凍光線なら、僕らのスーパーガンでも撃てるさ!」

 

 そう言いながら、右手のスーパーガンから冷凍光線を発射して溶岩を凍らせる009。

 

 やがてメカザウルス部隊を全て破壊し、火災も全て消化し、流れ出した溶岩もふもとの町に到達する前に氷漬けにしたりゲッター2のドリルストームやグレートマジンガーのグレートタイフーンなどで冷やして固められ、無害化された。

 こうして、今回の騒動は事後処理はあるが一旦の落ち着きを見せたのだった。

 

 

 ……………

 

 

 機動部隊帰還後、アーガマ格納庫にて。

 

「マジかー…ありゃ驚くわ。

 だって、今度はマジンガーの口っぽいのから消火液よ?

 そんなの出して火を消すのよ? 意外なのもあるし、そりゃ驚くわ~」

 

甲児

「あっ、やっぱそういう反応になっちまう?」

 

「そりゃこうもなるわよ。この前ロケットパンチの要領で

 助けてもらったと思ったら、今度はこれだもん。

 もう何でもありね、マジンガーって」

 

 甲児は、鈴とそんな会話をしていた。

 

 しかしそんな矢先に…

 

ヒカル

「でもさあ、あれって第三者の視点での

 ビジュアル的には…」

 

イズミ

「口からよだれかゲロ吐いてるみたいで…

 シュールか下品ってか」

 

リョーコ

「おいやめろ。なんかそんな風に見えてきて

 気分悪くなるだろが…」

 

 ナデシコ3人娘がの辛辣なツッコミが入る!

 

さやか

「言われてみると、何だかそんな気がしてきたわ…」

 

甲児

「あれぇ!?」

 

さやか

「そう言えば前に、火を消す為にアフロダイAにもあの消火液かけられたっけ…

 ちょっと気分悪くなってきたような」

 

甲児

「そんな、今更ァ!?」

 

 気力が低下し始める弓さやかに対し、慌て出す甲児であった。

 

 まあ言い換えれば、むき出しで気密性0のダイアナンAではなく、ちゃんとした風防ガラスがあるアフロダイでよかったという話でもある。

 

 

 余談だが…

 

鉄也

「冷凍光線の話かあ…グレートだって

 ブレストバーンの回路を切り替えれば、それくらい出来る!」グッ!

 

ジュン

「鉄也? 何対抗意識燃やしてんの?」

 

 負けじとのごとくそんな事を口に出しては左手の拳を握る剣鉄也と、気にかける炎ジュンであったとさ。




腕を飛ばして救出キャッチというのは、前に見た東映アニメ版ので何話なのかは覚えてませんが、落下した弓教授を助ける際にやってたのを覚えてます。

消火液のは、これまた東映アニメ版の序盤で火事を消すシーンでやってたのを思い出しました…ちょうどネタに詰まってたから助かった。

それにしても、やはりあしゅら男爵は書いてて楽しい(笑)

あと、最近はBS11で『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』が土曜の7時台にやっているので録画して観てます。
アルは危なっかしい、そしてあさっての最終回の放送でバーニィが…バーニィが!


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ダイナミック小ネタ集 ~鋼鉄ジーグとバーナード・ワイズマンを添えて~

シャルロット
「えっ、僕が別の作品じゃあ、『いちか』だってぇ?」

…ってな訳で、『五等分の花嫁』のアニメ、観てます。
あのボーイッシュ長女かわいいわ~。

尚、今回のお話は一個目のは『柊誠亜』の画風で、二個目のは『谷和也』先生の画風でイメージして下さい。三個目のは特に決めておりません。


 その1:このままじゃ手も足も出ないぜ!

 

 BGM:鋼鉄ジーグのうた(第2次スーパーロボット大戦α)

 

イキマ将軍

「ぐわははははは! いいザマだな、鋼鉄ジーグどもよ」

 

ジーグヘッド

「くっ! イキマめ!」

 

 少人数で偵察任務に出た『鋼鉄ジーグ』の司馬 宙(しば ひろし)達は、敵の挑発にホイホイと付いて行き、窮地に陥っていた。

 

 現在は、空中に浮かんでいる自分達の前に、邪魔大王国の『幻魔要塞ヤマタノオロチ』が少し高い位置に浮かんでおり、その中から邪魔大王国の幹部・イキマ将軍が彼らをあざ笑っているという現状である。

 しかもジーグは、肝心のビッグシューターから引き離されている為、現在は頭だけのジーグヘッドなのだ!

 

一夏

「くっそ~、まんまと乗せられちまったぜ!」

 

「やってくれたわね、イキマ将軍…!」

 

甲児(カイザー版)

「まずいぜ…俺も今カイザーパイルダーだし、このメンツだし…」

 

 焦りと憤りが一同に浮かぶ…そんな中、宙こと鋼鉄ジーグが…ジーグヘッドがある発言をする。

 

ジーグヘッド

「このままじゃ手も足も出ないぜ!」

 

「いや、頭だけだから!? あんた今、手足どころか胴体すらないから!?」

 

 と、頭だけで飛ぶシュールな光景のジーグヘッドに鈴の見事なツッコミが入る!

 

イキマ将軍

「……プッ」プークスクス

 

ハニワ兵士

「あっ…

 (イキマ様、今笑いこらえてる…)」

 

 結局その後、何とかみんなで頭使ってしのぎつつ、駆け付けた本隊に救われましたとさ。

 

 やはり、鈴ちゃんさんのツッコミは冴えわたるのでした。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ジーグブリーカー!死ねぇ!

 

鋼鉄ジーグ

「この野郎!

 ジーグブリーカー! 死ねぇ!」

 

 邪魔大王国の戦力であるハニワ幻人に対し、鋼鉄ジーグはマグネットパワーで引き寄せてからのジーグブリーカー(鯖折り技)の、必殺のコンボでトドメを刺した!

 

真吾

「相変わらず荒々しい決め方だねえ」

 

レミー

「ホントねえ」

 

キリー

「いっそ清々しいな」

 

 と、『戦国魔神ゴーショーグン』のゴーショーグンチームの北条真吾、レミー島田、キリー・ギャグレーの3人はそれぞれ評す。

 

 

 更に、このジーグの活躍を見ていた勢力が…

 

コーウェン

「ふむ、磁石のロボットの鋼鉄ジーグか…」

 

スティンガー

「相変わらずあの磁力による技の威力は凄まじいし、敵に回すと厄介だね」

 

 そう、『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』の、コーウェンとスティンガーである。

 

コーウェン

「それになんとも荒々しい…我々の世界の流竜馬に通じる物がある。

 そうだろう? スティンガーくぅん」

 

スティンガー

「う、うん…そうだね、コーウェン君」汗タラー

 

 などと、同意を求められて汗を垂らしながら同意するスティンガーである。

 

スティンガー

「でもコーウェン君…」

 

コーウェン

「何だい? スティンガー君」

 

スティンガー

「あのロケットパンチな技やダイナマイトキック、それにジーグブリーカーと言い…

 何だかいっそ、男前だよねえ?」

 

 そこからは、なぜか光がさし始め…

 

コーウェン

「確かに…声や口調も合わさるといっそ、清々しいよね///」

 

スティンガー

「だよね~。CV.古谷○だし、慣れると妙にクセになるし///」

 

 …などと、妙な会話をするインベーダーコンビの2人であった。

 

 

 その一方で…

 

宙&チェンゲ竜馬

「「へっくしょーーっい!」」

 

リョウ

「おい、大丈夫か2人とも?」

 

 チェンゲこと『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』の流竜馬とジーグの宙が、テレビ版のリョウこともう一人の流竜馬に…並行世界の自分と仲間に心配の声をかける。

 

チェンゲ竜馬

「あ~、大丈夫だ…誰か俺達の噂でもしてやがんのかなあ?」

 

「かもなあ…っていうか、俺サイボーグなのにくしゃみって出るんだなあ」

 

ベンケイ

「おいおい、注目するとこそこかよ」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:こたつスペイザー?

 

クリス

「今日はみんなでいい買い物出来たし、クレープも美味しかったわね、バーニィ」

 

バーニィ

「そうだね、クリス…///」

 

 この時、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のクリスことクリスティーナ・マッケンジーと、バーニィことバーナード・ワイズマンは、白い息を吐きながら会話し、バーニィの方は何やら照れている。

 

 ちなみにクリスの名前表記は、今回はOVAの作中での名乗り方に準拠しているので『クリスチーナ』ではなく『クリスティーナ』である。

 

「うわぁ…いい雰囲気。冬のラブロマンスかぁ…」

 

楯無

「バーニィさんとクリスさん…羨ましいくらいにアツアツねえ」

 

 それを更識姉妹こと更識楯無と更識簪は、照れと羨ましげに眺めていた。

 眺めていた、のだが…

 

バーニィ

「それにしても…やっぱり寒い!

 全く冬の日本は、それも北海道ってのは寒くてしょうがないや。

 2月でこの寒さだしなあ…マイナス2度とかだし」

 

 そう言って震えて寒がるバーニィに対し、「え?」とギャグ顔で汗を垂らすクリスと、るー○っくワールドキャラのように親指と小指と人差し指を立てながら吹っ飛ぶ楯無と、ズッコケそうになる簪!

 

「しょ、しょうがないよ…スペースコロニーの方はよく知らないけど、

 日本は本州の関東から南とかじゃ滅多に雪なんか降らないけど

 北海道は毎年2月に札幌で雪まつりやるくらいだし…」

 

楯無

「そうそう。日本は北国だし、北海道や東北地方は凄く冷え込むし雪も積もってるわよ。

 南の沖縄とかは結構マシだけど、それでも南半球とははっきり違いが出てるわ。

 オーストラリアなんかこっちとは逆に夏よ」

 

バーニィ

「夏かあ…うへえ、道理であの時ウソだってバレる訳だ。

 北と南で季節が違うなんて、ちゃんと勉強すりゃあよかったなあ…」

 

 なんとか体勢を立て直す更識姉妹の言葉に、げんなりするバーニィであった。

 

 BGM:架空の空(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)

 

クリス

「ねえバーニィ…今のって、もしかしてあの時の…」

 

バーニィ

「うん…でも、もう昔の事だから。今気にしても、しょうがないよ。

 それに、隊長達の墓参りなら、この前サイド6で久々に

 アルに会いに行った時に済ませて来たからさ…もちろん、アルも一緒にね」

 

クリス

「バーニィ…。

 (そう言えばあの時、アルと一緒に行く所があるって…)」

 

「サイド6って…そう言えばあの時のかな?」

 

楯無

「(そうだったわね…この人元ジオンの特務隊だったから、その時の…)」

 

 少し曇る表情のバーニィに対し、心配そうな顔のクリスと更識姉妹。

 

 その日、更識姉妹とクリスとバーニィは、北海道の寒空の下に街に外出をしていた。

 そしてその帰りに、ガンドールに戻ろうと歩いて来ていたのだ。

 

 ちなみにバーニィのげんなりした一言の真相は、実は機動戦士ガンダム0080の本編第4話で、ジオン公国軍の潜入部隊のサイクロプス隊であるバーニィ達が、地球連邦軍の制服を着て基地に潜入した際に連邦兵から話しかけられて、

 

『(オーストラリアの)シドニー生まれのシドニー育ちさ』

 

 と、咄嗟にウソで答えての会話をした際に、

 

『最高だね。今頃街は雪で真っ白だろうなあ』

 

 と、地球の北半球と南半球の季節の違いや、そもそもシドニーは一年戦争開戦当初のコロニー落としで消滅してシドニー湾と化しているのにも気付かずに答えてしまった。

 そこから疑いをかけられ、所持していた銃もジオンの物だと気付かれ、彼らはやむなく戦闘になり…

 その結果、サイクロプス隊はモビルスーツ・ケンプファーに乗ってMS戦を繰り広げたミーシャことミハイル・カミンスキーも含めて、バーニィ以外全滅してしまった。

 言うなれば、バーニィの下手なウソが原因とも言えるだろう。

 

 

 と、ここで閑話休題。

 

 艦に戻ってきた3人は談笑しながら廊下を歩く。

 

バーニィ

「それにしても寒かったな~。もう少し暖房の利いてる所で、暖まりたいよ」

 

「そう言えば、マリアが大介さんとコタツを出してるって言ってたよ。

 それであっためてもらうのはどう?」

 

楯無

「あら、それいいわねえ!」

 

バーニィ

「コタツって…あのあったかくなるテーブルみたいな奴の?」

 

クリス

「それいいわねえ! 私も前から興味あったし」

 

 そんな会話をしながら『UFOロボ グレンダイザー』の宇門大介ことデューク・フリードと、その妹のマリアことグレース・マリア・フリードの待つ部屋に着き、ノックをする。

 

大介

「どうぞ、開いてるよ」

 

 すると部屋の中から宇門大介の声が返ってきたので、中へと入るバーニィ達。

 

バーニィ

「大介さん、マリア。いきなりだけど、コタツであっためさせてもらっ…んッ!?」

 

 その時、バーニィやクリス達はある光景を見て絶句した。

 

 BGM:とべ!グレンダイザー(スーパーロボット大戦IMPACT)

 

大介

「おっ? やあ、君達」

 

 なぜなら、大介がコタツの中から顔だけ出している状態という、そんな光景だったからである!

 

楯無

「え、ちょっ、何これ…宇宙の王者もコタツムリ?」

 

「というより…寧ろコタツスペイザー? グレンダイザーだけに」

 

クリス

「ちょっと何その例えは…プフッ」

 

バーニィ

「あ…ハハハ」ニガワライ

 

 驚きながらも例える更識姉妹に対し、クスクスと笑うクリスと、苦笑いするバーニィであった。

 

 ちなみにそのコタツには大介の妹のマリアも体を突っ込んではいないがうたた寝状態で暖まっており、同様にシャルロット・デュノアもうたた寝しながら暖まっているのである。

 

 尚、その後はバーニィ達もコタツで暖まってみかんを食べたり、冷たいアイスクリームを堪能して楽しんでいたそうな。




BS11の『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』、最後まで観ました…あのラストは悲しい。嘘だと言ってよ、バーニィ。
それを見た後なのもあってバーニィメインになり、スパロボIMPACTの時のように生還してクリス達と共にいる…というシチュエーションです。
あのバーニィが生きててこんな楽しそうに…よかったねバーニィ!

ちなみにバーニィは簪やシャルロットや天海護達からも、『気のいいお兄さん』と慕われているという具合です。

それにしてもダイナミックネタの三連発の筈なのに、三個目のはダイナミック要素が薄いかな?


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鋼鉄ジーグのギャグ集

みんな、ジーグ先輩だぞ!
鋼鉄ジーグでギャグネタなんて、探せば結構出てくるもんなんですぞ。

ちなみにこの前の3月2日、シネマフロンティアに行って『宇宙戦艦ヤマト2202』の最終第七章を見てきました。
おまけでもらえる奴、デスラー総統のが当たった!やったぁ!


 その1:イキマいきまーす!

 

イキマ将軍

「よーし、行くぞ! 出撃だ!」

 

ハニワ兵士A

「はっ!」

 

 鋼鉄ジーグの敵勢力である『邪魔大王国』のイキマ将軍は、部下のハニワ兵士達とハニワ幻人を引き連れ、今出撃しようとしていた。

 

ハニワ兵士A

「進路クリアー、搭乗員及びハニワ幻人の搭載完了!」

 

ハニワ兵士B

「幻魔要塞ヤマタノオロチ、行けます!」

 

イキマ将軍

「うむ! では幻魔要塞ヤマタノオロチ、発進だ!

 イキマ行きま~す!」

 

 その瞬間、場の空気が凍り付いた。

 

ハニワ兵士A&B

「「は…? ダジャレ?」」汗タラー

 

イキマ将軍

「……前から一回言ってみたかったのだ///」

 

 唖然とするハニワ兵士達と、赤面するイキマ将軍。

 

 一方それを見ていた女王ヒミカは…

 

女王ヒミカ

「あいつめぇ…えぇ~い、何をしておるかあ!

 その内『逝きまーす』になるぞぉ!」

 

 ご覧の通り、ご立腹だった。

 

 そしてしばらくしたのちに、イキマ将軍は戦死して本当に『逝きまーす』になってしまったそうな。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ギララのバナナブーメラン?

 

ハニワ幻人

「シギャアアァァ!」

 

 邪魔大王国の主戦力である『ハニワ幻人』のギララは、両手に持った黄色いブーメランを投げつけてきた!

 

ゴエモンインパクト

「うわっと!?」

 

ゴエモン

「あぶねーぜ、今のブーメラン!」

 

ヤエ

「タイミングもギリギリだったわね…」

 

 しかし、『がんばれゴエモン』シリーズのゴエモンインパクトは、その攻撃を寸での所で後ろにジャンプしてかわす。

 その頭部のコックピットにいるゴエモン達も、さすがに冷や汗をかいている。

 

鋼鉄ジーグ

「大丈夫か、ゴエモンインパクト!」

 

ゴエモンインパクト

「はい、大丈夫です!」

 

 心配して声をかける鋼鉄ジーグ(司馬宙)に対し、ケロッとした顔で答えるインパクト。

 

サスケ

「しかし…あのハニワ幻人、突撃しての竜巻もそうでござるが、

 あの飛び道具のブーメランもなかなか厄介でござるなあ…」

 

ゴエモン

「ああ。あのブーメランにも要注意だぜ…」

 

一夏

「こりゃ気を引き締めなきゃなぁ…」

 

 からくり忍者・サスケの意見に、ゴエモンや一夏も同意する…そして緊張感に包まれる。

 

 しかしそんな中、ある男がそれを破った!

 

エビス丸

「ほに~。それにしてもあれ、黄色くて何やバナナみたいにも見えまんな~」

 

ゴエモン

「はぁ?」

 

豹馬

「ば、バナナ!?」

 

 そう、ゴエモンチームの一員で、太っちょでエビス顔でダンゴっ鼻で大食らいでいつもほっかむりでギャグ要員の男、エビス丸である!

 

エビス丸

「ありゃあさしずめ、バナナブーメランってとこやろか?」

 

鋼鉄ジーグ

「おいおい、こんな時に何言って…まあ確かにそう見えなくもないか?」

 

 その時、エビス丸の腹が『グ~』と鳴る。

 

エビス丸

「あっ…何や、こんな事言うてたら、お腹減ってきてもうたわ。

 あっはっはー!」

 

 その途端、ゴエモン達は帯ひろ志のギャグ的画風でズッコケる!

 それもゴエモンインパクトのコックピット内にも関わらずに!

 そして当のインパクトは、汗タラ状態で苦笑いであった。

 

ゴエモン

「ちょっ、エビお前なぁ…」

 

 呆れるゴエモンはエビス丸を見る…だが、

 

「ちょっ、バナナブーメランって、しかもそれでお腹減るってww」

 

「鈴…お前…」

 

 ツボにハマって笑いながら腹を抱えているのがいた!

 そしてそのチームメイトの一人は、呆れる視線を送る。

 

 尚、この間ギララは困惑してギャグ的表現の汗を垂らしながらも、しっかり待ってくれていました。

 

 *ちなみに作者はギララの戦闘アニメを見てて、マジで

「あのブーメラン、何だかバナナみたいだな」「バナナブーメラン」

「ペンギンみたいな顔が2つも付いててかわいいな」

 とか、思ってました。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:サイボーグ宙、その見た目

 

銀河

「なあ宙さん、前から思ってたんだけどさあ…」

 

「何だ? 銀河」

 

 『GEAR戦士 電童(ギアファイター・デンドー)』の主人公の一人の出雲銀河は、ある日司馬宙に質問するが…

 

銀河

「何でサイボーグ形態の宙さんて、ザコ戦闘員みたいなデザインなんだ?」

 

「ッ!!?」ガーン!

 

 その時、ショックを受けた宙の脳裏に稲妻が走った!

 

「(ちょっ…それ私も思ってても言わなかった事をー!?)」

 

ワッ太

「あっ、それ俺も思ってたんだよな~」

 

 更にその話を聞いて内心驚いて顔に出ている更識簪と、声に出して同意する竹尾ワッ太!

 

「ち…」

 

銀河&ワッ太

「「ち??」」

 

 その時、宙は震えながら何やら呟きだし…

 

「ちっきしょ~! 俺だって気にしてんだぞー!

 親父のバッキャロオオォォォォ!!」

 

 叫んで泣きながら走り去ってしまった!

 

銀河&ワッ太

「「ひ…宙さーーん!?」」

 

「(っていうか、やっぱり自分でも気にしてたんだ…)」

 

 そんな宙を、突然の事に驚きの叫び声をあげる銀河&ワッ太と、内心で納得する簪であった。

 

 

 更に後日、宙は強化されて新サイボーグになってようやくザコ戦闘員っぽい見た目から解放された、のだが…

 

デューク

「なんだか僕みたいだなあ。その見た目」

 

「えっ!?」ガーン

 

 『UFOロボ グレンダイザー』のデューク・フリードのパイロットスーツ姿に似ているという、これはこれで驚く宙であった。




ゴエモンチーム出して感じた事…
やっぱりゴエモン達はギャグなシーンに絡めやすいね~、『お笑い大江戸活劇』って釘打たれてるぐらいだからかな?

ヤマト2202、少しのネタバレ含むちょこっと感想。





古代進と森雪は、地球を救ったぞぉぉぉぉ!!
よかった!本当に良かった! 結局特攻して旧シリーズみたく死んじゃうのかと思った!!


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宇宙戦艦ヤマトなネタ集

今回は宇宙戦艦ヤマトからのネタ集であり、3本立てです。短いけど。
ちなみに宇宙戦艦ヤマトではありますが、旧シリーズ及びPSシリーズ版をメインとしておりますが、一部は2199シリーズのもあります。
その内松本零士の漫画版やひおあきら版の要素もやるかも?

ちなみに松本零士版ので、ベーター星に接近した際のアナライザーの
「雪サンガ脱ギマスド!!」には笑ったなあ。


 地球から遥か14万8千光年の彼方…大マゼラン星雲の太陽系サンザーの、イスカンダル星。

 

 そのイスカンダルへ向けて、宇宙戦艦ヤマトは旅立ち、地球人類が滅亡する一年以内に放射能除去装置・コスモクリーナーDを受け取り、海は干上がり火星のように赤茶けた地球へ帰って来なければならないのだ。

 

 ただし、その長き旅路には地球を侵略しているガミラスこと、星間国家『大ガミラス帝国』の幾つもの艦隊や基地が立ちはだかり、ヤマトを撃滅せんと襲い掛かってくる!

 

 それでもゆかねばならぬヤマト――。

 異世界のスーパーロボットやリアルロボット、戦艦やパワードスーツなどによる部隊を味方に付け、ヤマトはゆく。

 漆黒の宇宙を進み、闇を裂いて、鋼の巨体で前へと進みゆく。

 

 それと同時に、乗組員の彼ら彼女らは、地球の人びとの希望を背負い明日への希望を抱いて、また同時に現実と先の見えない不安が襲い掛かり、葛藤する。

 

 そんな状況ながらも、彼らは戦い、生活し、地球を救う為に宇宙をゆく。

 

 これは、そんな彼らの一幕である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その1:コスモ朴念仁

 

 ヤマト艦内にて、時刻は12時3分。

 

「ねえ、古代君。お昼一緒にどう?」

 

古代

「ん? そうだなあ。

 俺も一人で食うのはさみしいし、お言葉に甘えるとするかな」

 

「じゃあ決まりね! ちなみに今日は金曜日、カレーの日よ」

 

古代

「お、カレーかあ! 丁度その気分だったんだよな~。

 でも何でわざわざ俺なんだい? 」

 

「んもう、鈍いわね~」

 

古代

「うん?」

 

 ヤマト戦闘班長の『古代進』は、生活班長兼レーダー手の『森雪』に食事に誘われ、2人揃って食堂に向かっていた。

 

 そのさなか、古代はわざわざ自分を誘った理由がわからず、呆れた雪に鈍いと言われても首をかしげるばかりだった。

 

 更に、その様子を見ていたのが2人いる。

 古代達と同じく第一艦橋要員ので航海班サブチーフの『太田健二郎』と、通信班長にして生活班所属の『相原義一』である。

 

太田

「あの2人、なかなか進展しないなあ…

 ほんっとニブチンだよな古代さんて」

 

相原

「まさにコスモ朴念仁だなあ」

 

 やはりというか、若干呆れた様子で評し合う2人である。

 

 ちなみに『宇宙戦艦ヤマト2199』の場合、ここで南部こと『南部康雄』の古代に対する嫉妬が加わるであろう。

 

 更にもう一組?が目に留まり…

 

「い~ちかっ! 一緒にお昼食べに行きましょうよ」

 

セシリア

「ちょっ、鈴さん! 抜け駆けはずるいですわよ!」

 

「そうだぞ! 第一、一夏は私が先に約束したのだからなぁ!」

 

一夏

「おい、お前らよせって! どうしたんだよオイ!?

 一緒に食べるんなら喧嘩せずにみんなで食べる方がいいだろう?」

 

 それは、『インフィニット・ストラトス』のISチームだった。

 

太田

「ここにもいたよ」

 

相原

「いたいた…」

 

 今度は遠い目をしながらの、太田と相原。

 

 更に今度は『真マジンガー 衝撃!Z編』の兜甲児と弓さやかがやって来て…

 

真マ甲児

「なあさやか、今日はカレーだってよ! ヤマトのカレーって旨いんだよな~♪」

 

真マさやか

「んもう、待ってよ甲児君たら~! それにカレーなら、私も作ってあげるから///」

 

 などと、頬を赤らめるさやかである。

 

太田

「そう言えば真マジンガー版じゃあ彼もだっけ…」

 

相原

「流行ってるんだろうか?」

 

 そう会話しつつ、顔を見合わせる太田と相原であった。

 

 ちなみに古代進は、旧シリーズの時点でもうすでに朴念仁であり、森雪とのイスカンダルを目前にした記念のツーショット写真のシーンの最後に、

 

『パパとママ? …誰の事だ??』

 

 などと、のたまう始末である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:そいつは加藤三郎

 

 宇宙戦艦ヤマトの戦闘班に所属し、ブラックタイガーという空間戦闘機の部隊を率いる男、『加藤三郎』。

 爽やかさと快活さを持つ併せ男であり、神○明ボイスキャラの一人であり、卓越した操縦技術でヤマトを狙う敵の小型機と戦う…縁の下の力持ちである。

 

 尚、『加藤四郎』という兄によく似た弟もおり、のちのシリーズの『ヤマトよ永遠(とわ)に』で登場し、華々しいデビューを飾っている。

(ちなみにヤマトよ永遠には、当作者のお気に入り映画の一つである)

 

 

 その加藤に関してであるが、何やら『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』のコーウェンとスティンガーの、インベーダーコンビが話し合っており…?

 

スティンガー

「ねえコーウェン君」

 

コーウェン

「何だい? スティンガー君」

 

スティンガー

「ガイヤーもそうだけどさあ、ヤマトの加藤もこう…角刈りだよねえ?」

 

 その途端、2人に何やら光が差し込める。

 

コーウェン

「お…男前だね、あの熱血&爽やかな性格も相まって///」

 

スティンガー

「だねえ…///」

 

 などと、お気に召したような反応の2人であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:そいつも加藤三郎

 

 宇宙戦艦ヤマトのリメイク作品であり、21世紀版とも言える『宇宙戦艦ヤマト2199』にも加藤三郎はヤマト航空隊の隊長として登場している。

 ただし、その見た目や性格は多少変更されている。

 

 そしてまたも、コーウェンとスティンガーが向かい合っていた。

 

スティンガー

「ねえコーウェン君」

 

コーウェン

「何だい? スティンガー君」

 

スティンガー

「2199の方の加藤って、まじめな性格で坊主頭だよねえ?」

 

 その途端、また2人に光が差し込める。

 

コーウェン

「こ…これもまた男前だねえ。まじめで坊主頭って///」

 

スティンガー

「実家が寺だしねえ/// 家出して出来ちゃった婚したらしいけど…」

 

 それと同時刻頃、2つの世界のヤマトにて、それぞれの加藤三郎がくしゃみをしていたとか。




いかがでしたでしょうか?
尚、他にもネタは考えてあります…佐渡先生とかミーくんとか、アナライザーとか南部とか。



2202のラスト…あの人も生きてて良かった!緋眼のエース!


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宇宙戦艦ヤマトなネタ集2

今回も引き続き、宇宙戦艦ヤマトのメイン回です。

久しぶりにPS版ヤマトをニコニコ動画で見たけど、やっぱり面白いですよねえ。
BGMもいいし、絵も綺麗でいいし、設定もしっかりしてて南部の御曹司キャラの設定をうまく掘り下げてるのもある…そのシナリオとかコルサック艦隊とか、いい。
前にプレイしてクリアした事ありますけど、やはりいい。
ただし、イスカンダル人がスターシャ以外死んでいなくなった明確な理由や経緯が描かれていない!
イスカンダル星が滅びの道をって、それで運命なのですわって…それだけじゃ理由がわかりにくいでしょうに! 自然災害なのか、はたまた病気なのかとか…もうなんなのやら。


 その1:ヤマトと戦闘班長と、宇宙の王者の戦い

 

 その日、宇宙戦艦ヤマトとスーパーロボット部隊はガミラスの艦隊を相手に戦闘をし、決着が付こうとしていた。

 

「敵、残存艦艇2隻、前方10時と1時の方向に展開!

 左右からそれぞれまっすぐにこちらに向かって来ます!」

 

沖田

「左右から? 奴ら挟み撃ちにでもするつもりか?」

 

 ヤマトの前方から、2隻のデストロイヤー艦が高速で接近し、それぞれがヤマトを照準に定めようとしていた。

 デストロイヤー艦と言っても左の方は通常タイプ、右のはミサイル艦タイプである。

 

 そんな時、古代進のコスモゼロと宇門大介ことデューク・フリードのグレンダイザーから、通信が入る。

 

古代

『こちらコスモゼロ! 左の敵は任せてくれ、グレンダイザーとの連携で叩く!』

 

デューク

『そういう事だ! ヤマトは右前方の敵に集中してくれ!』

 

相原

「了解しました。コスモゼロとグレンダイザーより伝令!

 左はこちらに任せ、ヤマトは右舷前方の敵をとの事です!」

 

 通信士の相原義一は、聞いた通信の内容を他の乗組員に伝え、場面は宇宙のコスモゼロとグレンダイザーに切り替わる。

 

古代

「ようし、先程言った通りに行くぞ! 同時攻撃だ!」

 

デューク

「了解!」

 

 そう会話しながら左右に少し離れつつ、デストロイヤー艦に接近する。

 

ガミラス艦長

「何だ!? 戦闘機と、円盤…?」

 

 ガミラスのデストロイヤー艦の艦長は接近するコスモゼロと…特にスペイザー形態で飛んで来るグレンダイザーに驚き、対応が遅れてしまう。

 そしてその隙が、命取りとなる。

 

古代

「今だ!」

 

デューク

「ハンドビーム! スペースサンダー!」

 

 古代の合図と共に、特殊技能『統率』による同時攻撃のが放たれた!

 コスモゼロからはパルスレーザーによる機銃とミサイルのコンビネーション、スペイザーからはハンドビームからのスペースサンダーがそれぞれ放たれ、命中する。

 

ガミラス艦長

「な…バカなああっ!」

 

 やがてそれらの攻撃が致命打となり、デストロイヤー艦は爆発を起こし、宇宙のチリとなった。

 

 その一方、ヤマトは…

 

南部

「やったあ! 機動部隊がやってくれましたよ」

 

「残りの一隻、今ので少し動きが乱れたぞ…味方がやられて動揺が出たな?」

 

沖田

「うむ。だが、まだ一隻残っている。気を引き締めろ、ここで一気に勝負を決めるぞ!

 第一、第二主砲! 第一副砲! 艦首宇宙魚雷、用意!」

 

南部&島

「「りょ、了解!」」

 

 敵艦の撃沈を確認して喜ぶ南部康雄と島大介であったが、艦長の沖田十三の渇と戦闘指示で気を引き締め直し、南部は攻撃準備に取り掛かる。

 

 しかしそんな時、敵艦の動きに変化が見られた。

 

「敵艦、速度を上げ初めました! こちらに向かって来ます!」

 

太田

「まさか、突撃? それともゼロ距離射撃か、特効!?」

 

 レーダー手の森雪の報告とモニターの映像に驚きながら、推測を述べる太田健次郎。

 

沖田

「いずれにせよ捨て身の覚悟か、体当たりする気なのは間違いなかろう。

 島! 右回頭20度。艦首を向けろ、仕留めるぞ! その後左急速回頭、離脱せよ!」

 

「了解! 頼むぜ、南部…」

 

南部

「わかってますよ…」

 

 そして艦首を接近しつつあるもう一隻のデストロイヤー艦に向け、ヤマト前部の主砲や副砲の砲台が正面の敵に角度を合わせる。

 

 しかしそのタイミングで、敵のミサイル艦は艦首から8発のミサイル撃ち出してくる。

 

太田

「敵艦より、ミサイル多数接近!」

 

「やっこさんの方が早かったか!?」

 

 勝負に出ようとして敵の先制攻撃が仕掛けられ、驚きと焦りが第一艦橋に走る、が…

 

沖田

「うろたえるな! 回避か、ミサイルごと撃ち抜くまでだ!

 南部、攻撃準備は!?」

 

南部

「第一、第二主砲及び第一副砲、艦首宇宙魚雷、発射準備完了!」

 

沖田

「よぉし…撃てぇ!」

 

南部

「一斉掃射、開始!」

 

 バッシュル・ルルルルル!

 

 沖田の激を受け、やがて号令と共に独特のあの発射音をともなって、主砲や副砲のショックカノンのビームが一気に発射されミサイルに命中し爆散させた!

 そのままミサイル艦の艦首に、更に副砲は艦橋に命中しては貫通したのである!

 更にそれらに続き、艦首波動砲発射口の下にある発射管から、艦首宇宙魚雷が左右から3連ずつ、合計6発放たれては敵艦の艦首の下部に命中する。

 

ガミラス艦長

「なっ…ここまでか!?」

 

 その直後にガミラス艦は爆発し、轟沈した。

 

南部

「よし。敵艦、撃沈!」

 

「敵部隊の全滅を確認しました!」

 

沖田

「これで全部か…この付近に他に敵の反応はあるか?」

 

「付近に敵の反応はありません」

 

沖田

「そうか…今回もしのいだな。

 相原、機動部隊を帰投させるぞ。それと他の艦との連絡もだ」

 

相原

「了解です!」

 

 そうして相原は大空魔竜などの味方艦に連絡を取り始める。

 

 

 ……………

 

 

 時間は少し戻り、ヤマトが敵・ミサイル艦を撃沈させた直後に。

 

甲児

「ありゃ? 俺が大車輪ロケットパンチで

 援護しようと思ったんだけど…いらなかったか」

 

 ヤマトが一斉攻撃でミサイル艦を落としたのを見て、マジンガーZのコックピットにいる兜甲児は拍子抜けする。

 

加藤

「おいおい、宇宙の戦闘艦を相手に大車輪ロケットパンチって…」

 

山本

「なんかちょっとシュールだなあ。

 想像してみたらそんな感じしますよ」

 

甲児

「うへえ、マジかよ」

 

 そんな甲児に対し、ヤマトのブラックタイガー隊の加藤三郎と山本明は笑いながら軽い口調で指摘といった具合に、談笑するのだった。

 ちなみに言っておくが、山本と言っても『宇宙戦艦ヤマト2199』の緋眼のエースこと『山本玲』でもなければ、明生兄さんでもない。

 

セシリア

「しかし、相変わらずの凄まじい火力ですわね…ヤマトは」

 

「まあ、あのヤマトだからな…」

 

「それにしても、艦首魚雷と副砲もとか、ちょっとオーバーキルなような気が…」

 

 ISチームで背筋がゾクッとしながらヤマトを評価するセシリア・オルコットと納得の篠ノ之箒と、呆れ気味の凰鈴音であった。

 

 

 ……………

 

 

 その後、ヤマトの後部着艦口付近の格納庫にて。

 

古代

「ありがとうデューク。さっきの連携はなかなか良かったな」

 

デューク

「いやあなんの、礼を言うのはこちらもさ古代チーフ」

 

 互いにヘルメットを外して向かい合い、笑顔で語り合うデューク・フリードと古代進であった。

 

 そんな時…

 

デューク

「しかし…前から思ってたんだが…」

 

古代

「ん? どうしたんだ?」

 

デューク

「何だか僕達…妙に他人とは思えない何かを感じるというか…」

 

古代

「君もか? 実は、俺もなんだ!」

 

 それはどっちも『CV.富山○さんで代役は山○宏一さん』であり、境遇的にも似ているのがあるから。

 だからしょうがない!

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:同じ名前問題

 

 その日ヤマト艦内で、島大介と宇門大介(デューク・フリード)は、テーブルを挟んで向かい合っていた。

 

大介

「何だか僕達って…」

 

「どっちも下の名前が大介だから、時々ややこしくなるよなぁ」

 

 と、苦笑気味の島大介航海長である。

 

デューク

「でもまあ、僕にはデューク・フリードっていう本来の名前と姿があるんだけどね」ヘンソウ!

 

「あっ! そっちで来たか!?」

 

 とまあ、今度は驚きの島である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:下のきょうだい

 

 再びテーブルを挟む、島大介とデューク・フリード。

 

デューク

「それはそれとして、聞けば君にも下の兄弟がいるそうじゃないか。

 確か地球にいるんだって?」

 

「あ、ああ…そうだぜ。

 そっちのは、マリアだっけか? あの元気な娘」

 

デューク

「ああ。僕のかわいい妹さ」ニコッ

 

 そう言ってデューク・フリードは微笑を浮かべる。

 

「妹かあ…うちのは、次郎っていう弟なんだよなあ」

 

デューク

「へ~え、弟かあ。それにしても次郎君かあ…フルネームは島次郎となるかな」

 

「ああ、そうなるな」

 

デューク

「島次郎…しまじろう…うん?」

 

 ここで何かに気付いたデューク。

 

「あっ…やっぱそうなるかな? あのチャレ○ジ1年生の…」

 

デューク

「ああ、まさにね…そして声は、ナデシコのあの子に近いというか…」

 

 同じ頃、ナデシコにて。

 

ルリ

「ふえっくしゅん!」

 

ユリカ

「どうしたの? ルリちゃんひょっとして風邪?」

 

ルリ

「何でもありません。体調だって至って良好です」

 

ミナト

「なら案外、誰かがルリルリの噂でもしてるんじゃないの~?」

 

ルリ

「なら、ウリバタケさん辺りでしょうか」

 

 といったメインブリッジでの、ホシノ・ルリ、ミスマル・ユリカ、そしてハルカ・ミナトの、ちょっとした一幕があったそうな。




何? 機動部隊が撃墜したのに嬉々として報告する南部に違和感だって?
確かに2199だとアレだけど、PS版じゃブラックタイガー隊が敵を落としたらいい笑顔で戦果報告してくるんだから、仕方ないでしょう!

それとヤマトの戦闘シーンですが、ひおあきら版もイメージして書きました。

ちなみに、ぼかぁPS版ヤマトではタイタンでの白兵戦や、コルサック艦隊との白兵戦と艦隊戦の同時進行シナリオ、バラン星の人工太陽から2分間逃げ続けるシナリオ、ドメル艦隊との決戦のドリルミサイル内部での真田さんとアナライザーでの白兵戦とかで…ゲームオーバーになりまくりでした。


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宇宙戦艦ヤマトなネタ集3

前回コメントが少なかったのはなぜだ!
そんなにハーメルンじゃ、旧シリーズやPSシリーズのヤマトは人気や需要がないのかぁ!?

ちなみに、今回も宇宙戦艦ヤマト…しかもかなりPSシリーズのを意識してます。
旧シリーズのアニメで南部メインの話がなかったのはなぜだぁ!


 その1:南部康雄、実は御曹司

 

 皆さんごきげんよう、セシリア・オルコットです。

 今回は宇宙戦艦ヤマト砲術長にして戦闘班サブチーフの『南部康雄』さんとの一幕をお送りします。

 

 ちなみにその南部さんですが、まあ見た目的には眼鏡がトレードマークで白と赤の制服の方です。

 更にメタな事を言えば『ひおあきら版』ではサングラスだったり、リメイク版の2199では髪のボリュームが減って役職が砲雷長になり…まあ、いささかアレな言動もありますが。え、他人の事言えないでしょうって? まあ、いわゆる若気の至りと言いますか。

 

 ともかく、その南部さんに関して起こった事をお送りいたしましょうか。

 

 

 その日、わたくしは南部さん達と何気ないような会話をしていたのですが…

 

セシリア

「えっ? 南部さんって、南部重化学工業の御曹司なんですの?」

 

南部

「まあね。おかげで親からは実家を継げとうるさく言われたり、

 実家のやり方に疑問を持ったり、他にも色々と窮屈な思いもしてるもんでねえ…

 まあ、成り行きとは言え家業を継いでるっていう君にはわかりにくいだろうけどね」

 

セシリア

「それは確かに、そうかも知れませんけど…」

 

ライト

「でもまあ、俺にはわかりますよ~。砲術長殿のその気持ち」

 

セシリア

「ライトさんも…?」

 

 すると今度は『機甲戦記ドラグナー』のライト・ニューマンさんが話に加わって来ました。

 

ライト

「俺だってみんなの前じゃあんまり話しませんけどねえ、

 イギリスの名家バーモント卿の家系なんて窮屈な実家が嫌で宇宙に飛び出して来たんですよ」

 

南部

「ほう、すると君も?」

 

セシリア

「(そう言えば前にも少し触れたような…)」

 

ライト

「そこでアストロノーツ・アカデミーに入り、ケーン達と出会って…

 まあ言うなれば、自由への道を踏み出したって奴ですよ」

 

 そう言えば前にも彼はそんな事を言っていたような。

 

南部

「自由への道かあ…ライト、君は大したもんだよ」

 

ライト

「そりゃどうも。自由への道を踏み出すってのは、言うなれば

 俺達みたいなくすぶってるのなんか特に、いつかは憧れて踏み出すってなもんですよ!

 いつかの海賊やどこぞの宇宙海賊も、言ってたそうですからね」

 

南部

「自由への憧れと道かあ…なんかわかるなそれ。

 確かにどっかの海賊が言ってたかもな…例えば麦わら帽子を被ったのとか、

 理想郷の名を持つ宇宙戦艦のとかね」

 

 そう言って南部さんは、微笑んでおりました。

 

セシリア

「自由への憧れ、ですか…考えた事もありませんわね」

 

 こういう話で共感しあって語り合い、笑い合える方々は…そういう所は少し羨ましくも感じるような。

 

 また、余談ではありますが、その同時刻頃にアルカディア号にて…

 

キャプテンハーロック

「進路そのまま…はっ、ハックショイ!」

 

ヤッタラン

「うおっ!? 何やねんキャプテン…!

 ビックリして手元が狂いそうになりましたでえ、この複雑な箇所組んどる時にぃ…」

 

キャプテンハーロック

「そりゃすまない、ヤッタラン副長」

 

ミーメ

「ハーロック、風邪?」

 

キャプテンハーロック

「いいや、そんなもんじゃないさ。大方誰かが俺の噂でもしてるんだろう」

 

 …という、一幕があったとか。

 

 

 更に、その後にガミラスの工場要塞を発見し、砲撃がバリアで効かないので艦載機発進用の穴から潜入し、内部から中枢部を叩いて無力化し、バリアを解いてから砲撃…という作戦の為の、白兵戦をしようという時になりました。

 その時に、南部さんが「班長! いや、艦長代理! 僕に行かせて下さい!」と、並々ならない様子で立候補しましたら…

 

南部

「昔から、1度でいいから兵器工場をぶっ飛ばしてみたかったんですよ」

 

 などと、わたくしを含める周囲はもちろんの事、戦闘班長兼艦長代理の古代さんも困惑するような事を言ってのける有り様。

 余程実家にストレスやフラストレーションが溜まっていたのでしょうか?

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:南部康雄、その想い

 

 

 よぉみんな、俺は『サイボーグ009』の002ことジェット・リンクだ。

 ついさっき、この艦の…ヤマトの砲術長の南部康雄って奴が、攻撃隊参加に立候補しただけじゃなく、実家の南部重工に対して喧嘩を売るようなすげえ事を言い出してな。

 それでヤマトの戦闘班長兼艦長代理の古代進が、困惑しながらも質問し出した…まあ俺やほかの連中、特にこいつの実家の事を知ってるメンツも、驚いたりしてるけどな。

 

古代

「ぶっ飛ばしてみたかった?

 …って、おい、お前は南部重化学工業の御曹司だろ?

 そんな事言ってていいのか?」

 

 そしたら砲術長殿は、今度は自嘲するような笑顔で答えた。

 

南部

「家がそんなのだから、ですよ。

 このヤマトの主砲や波動砲だって、南部重工で組み上げたものです。

 このガミラスやベガ星連合軍やなんかの色んな連中との戦いで、

 軍需産業ってものが、実際に役立ってる事もわかってる…

 でも、結局は人殺しの武器を作ってるだけなんですよ。

 文明の進歩は武器と共にあったんだって、オヤジにはよく説教されましたが、ね」

 

 人殺しの、武器ね……

 

 その言葉が俺の胸に深く刻み付けられ、他の連中も思う所があるのかかなりまじめそうな顔になってる奴もいる。

 

 実際、このガミラスやらベガ星連合軍やら色んな連中との戦いに、スーパーロボットや俺達00ナンバーサイボーグやドルフィン号のみならず、モビルスーツやメタルアーマーに宇宙戦闘用艦艇とか、そう言った本格的な軍事技術や軍隊の扱う代物が投入されては役に立ってるのは、俺でも理解できるし出さなきゃこの世界の地球がとっくに滅んでる。

 それに文明の進歩の話も嫌って程、昔から言われてるくらいだしな。

 

 けど俺や他の00ナンバーのみんなやギルモア博士、それに他にも何人かの連中にとっちゃ、軍需産業やそれに転用されちまったもんなんかには大なり小なり因縁があったりする。

 実際俺達00ナンバーサイボーグみたいな、黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)に拉致されて勝手に体を改造されて人殺しの戦争の兵器の実験体にされたのだっているし、これまたヘドが出る様な欲望を持つ権力者どもの思惑によって作られたり改造されて生まれてきた…そんな命だっている。俺達にちょっと近いかな。

 それもあって、軍需産業やら過剰に人の手を加えられて生まれた生物やらに結構反応するのもいれば、そうでもないのもいる…人それぞれって奴だろうな。

 俺みたいに、自分の身体の事も含めてだが…普段はあんまり気にしてない様にしているのもいれば、結構気にしてる奴もいる。身体に関しては特に、身体のほとんどが機械ボディになっちまった004や、とんでもないレベルのコーディネイターって奴のキラや似たようなもんのラウラなんかも時々考えてるらしい。

 

 それには聞けば、あの真田技師長も両手両足が義手義足らしい…程度が違えど、要はあの人もサイボーグだ。

 だから俺やジョー達は、あの人に少し親近感が湧いたし、こんな思いも聞いた――

 

『俺は科学が憎い! 俺にとって科学は屈服すべき敵なんだ!』

 

 ってな…幼い頃に自身の姉貴と両手両足を事故で亡くしたその時から、心に刻まれていたそうだからな…無理もないな。

 確かこの話、しばらく前にマグネトロンウェーブ要塞に潜入した時に、俺や古代やセシリアとも一緒に行った際に、技師長が話してたが…まあ知らないって奴は旧シリーズのテレビアニメ版を見るか、プレイステーション版の宇宙戦艦ヤマトをプレイするか動画で観てくれや。

 

 まあとにかく…俺はこの話を聞いて、思う所があるって訳だ。

 

 そしてここで話は戻るが、南部砲術長は更に続ける…今度は悲痛な面持ちでな。

 

南部

「…でも、この航海でガミラスみたいな連中と何度も戦って、よくわかりましたよ。

 やっぱり僕は正しかったんだって。

 ガミラスやベガ星連合軍みたいな連中の科学はとても発達してます。

 でもそれは、戦艦や光線砲、円盤獣など様々な武器や兵器だけに突出してる…

 武器や戦争を重視する考えが、ガミラスやベガ星連合軍のような、

 歪んだ文明を生むんだ…幾ら文明が進歩したって、

 我々地球人は、彼らと同じ道を歩んではいけないと思うんです…」

 

古代

「南部…お前…」

 

 武器や戦争を重視する、歪んだ文明か…

 

009

「ジェット…武器や、戦争を重視する考えって、

 それで歪んだ文明って、まるで…」

 

002

「ああ…まるで、ブラック・ゴーストみたいだって言いてえんだろ?」

 

 右隣にいた009が、ジョーが話を振って来る。

 やっぱり反応するよなあ、こいつは優しすぎるくらいだし、それに争い事は好きじゃないって性格だし…003やエックスとかもだけど。

 それにミュータント戦士との戦いの時に特に図らずも未来に跳ばされて、その時代の…文明が崩壊しかけてるなんて、そんな世界のブラック・ゴーストと戦ったってぐらいだしなあ。

 そんなジョーだからこそ、戦争を重視するなんていうのは許せないのがあるのだろう…俺もその為の実験体にされたぐらいだしな。

 

 そしてその歪んだ思想の連中の、その結果が今回みたいな宇宙の支配者気取りの侵略戦争…被害者からしたら、堪ったもんじゃねえな。

 そりゃ俺だって、真田技師長やデュークが言ってた…

 

『ガミラスの人達は地球に移住しようとしているのかもしれない』

 

 とか、

 

『ベガ星のベガトロン鉱山で爆発が起こり、ベガトロン放射能でもう後がないらしい』

 

 とか、そんな話は聞いたけどよお…まあちょっとは同情はするが、それで侵略戦争なんて仕掛けて来て星を奪い取ろうってのはひでえ話にも程があるし、された方は堪ったもんじゃない。

 いわゆる、『それとこれとは話は別だ』って奴だ。

 

 まあとにかく、他にも思う所がある奴はいたみたいだし、今戦ってる相手のガミラスやベガ星連合軍みたいな勢力や、因縁のブラック・ゴーストもあるから、身に覚えや思う所がありすぎる。

 

エックス

「戦争を重視する考え、か…確かにろくなもんじゃない。

 実際に戦っている俺が言うと変かもしれないけど、寧ろそんな考えは間違っている」

 

009

「ああ。確かにそうだ…エックス、彼や君の言う通りだよ」

 

 と、ここでエックスやジョーが南部に共感した…争い事が好きじゃない2人ならば、まあそう言うだろうな。

 

南部

「まあ別の世界の幾つかでは、ブラック・ゴーストを初めとする死の商人どもがいるようですが…

 彼らの様なのを、僕らの世界の地球にも出してのさばらせては、いけないと思うんですよ」

 

 うわ、こいつ今度は苦笑いでブラック・ゴーストとかの組織を話に出しやがった。

 まあ実際そうだしいい例だから、わかりやすいし否定もしないんだけどな。

 

 その後も、この眼鏡の砲術長は言っていた…作戦参加の為の決意をな。

 

南部

「地球に帰れたとしても、僕はもう南部重工にはもどらない。

 戻ったとしても、会社のあり方を変えてみせる。この航海の中で、そう誓ったんです。

 …これは僕の信念の問題です。この信念を曲げない為にも、この侵入作戦には参加したいんですよ!」

 

 そう言っていたが…へっ、結構な事じゃねえか。

 

 しかもそれに対して、分析ロボットのアナライザーの奴も共感して工作兵に名乗り出たらしく…

 

アナライザー

「私ガ行キマショウ!

 南部ノヤローノ心意気ニ感動シマシタ! 付キ合イマス!」

 

 とか言い出しやがった…

 こいつ、元ヤンの俺が言うのはなんだが、口はいいのか悪いのか微妙だが妙に男気がある時がありやがるからなあ。性能の良さと言い、本当に侮れねえわ。

 

 そしたら今度はISチームのセシリアやシャルロットやラウラも、作戦の参加に立候補してきた。

 しかも話を聞けば、こいつらも南部の奴の語る想いに、そして信念とやらから色々と思う所があったらしく、同行するとの事だ…セシリアの奴、信念とか持ってる男には妙に肩入れする所あるからな。まあ、わかるけどな。

 シャルロットの場合は実家がISの製造会社だから、どうも他人事とも思えないのもあるらしい…実家に対するコンプレックスとかの繋がりもありそうだけどな。

 そしてラウラは、004が肩入れしてる縁もあって俺らともそこそこ繋がりがあるし、こいつはこいつで兵器や戦争関連で思う所があったらしい…複雑そうな顔してやがったけどな。

 

 

 ……………

 

 

 そんで実際に侵入して作戦開始前に砲術長と真っ赤な分析ロボットの軽いコントで若干緊張もほぐれ、工場要塞内で敵の兵士と戦いつつ中枢部を目指しては破壊…

 俺だって00ナンバーサイボーグとしての力を出しきって戦ったさ、加速装置も使ってな。

 なにも加速装置を使えるのはジョーだけじゃない、初期型だが俺もなのさ…速く飛べるだけと思ったら大間違いだぜ?

 

 まあとにかく、ようやく要塞中枢部のデカいコンピューターの爆破に成功した訳だ。

 その事を今回一番乗り気だったあいつ、南部康雄が本隊に報告を…って、その報告もテンションたけーなこいつ。

 だってよお、その際のが…

 

南部

「よおし!! こちら南部!

 要塞中枢部の爆破に成功!! 今から帰還します!!」

 

 …なんだぜえ?

 報告をしっかりハッキリ、ハキハキとやるのはいいが、声でけーよオイ。

 

 その直後に、やはり今回一番乗り気だった2人がこんなやり取りをしていたが…

 

アナライザー

「スットシマシタカ?」

 

南部

「ああ。軍需産業も、兵器も、そしてガミラスも!

 全部くそくらえって感じだな!」

 

 南部の奴は晴れ晴れとした笑顔で答えた。

 もうすげぇ清々しい笑顔でな、いかにもすっきりしたって感じだ。

 

アナライザー

「…」

 

 所が今度はアナライザーが、黙りこくっちまった。

 南部やラウラがどうしたのか訊くと、答え始めたが…

 

アナライザー

「…南部重工ハ、私ノ生ミノ親ノヒトツデス。

 私ノ部品ノ1部ハ、南部重工デ作ラレタト聞イテイマス…」

 

 マジか、そうだったのかよ。ちょっとビックリしたぜ。

 この話を聞いて、さすがに南部も「…そうだったのか」と、バツが悪そうな様子だ…そりゃしょうがないよなぁ。

 

 それに思う所があったらしく今度はアナライザーが質問してきた。

 

アナライザー

「私モ兵器デショウカ?

 私モ不要ナモノナノデショウカ?」

 

 なんか俺の胸に深く突き刺さってくるなあ…

 ジョーや004といった他の00ナンバーもそうだが、ラウラや他の何人かの連中も渋い顔してやがるし。

 

 だがその質問に対してあの眼鏡の砲術長は、笑顔でこう答えた。

 

南部

「いや、お前は違うよ、アナライザー。

 お前がいなければこの旅はどうなっていたか…

 僕だって、こんな人間臭い…いや、親しみの持てるロボットに出会ったのは初めてだよ

 もちろん、その点に関してはエックス達にも言える事だけどね」

 

 へえ…そりゃ確かにな。

 この自称天才の寸胴体型のロボットといい、エックスやロックマンみたいなレプリロイドやロボットといい、人間くさいロボットなんて結構いるしな。

 それに原作漫画版のサイボーグ009でも、そんなロボットがいるしな…知りたい人は原作の放浪偏とかを読んでくんな。

 

 そしたら俺もこのタイミングで、一言入れてやった。

 

002

「へええ…その兵器とは違うってのは、俺達もかい?」

 

南部

「えっ、そりゃあもちろんだよ!」

 

007

「へっ、嬉しい事言ってくれるねえ」

 

 そしたら肯定してくれた直後に007が続いて一言言ってくれた。

 いつものパターンながら、こちらの言いてえ事を言ってくれるじゃないの。

 

アナライザー

「マア、エックスサン達ハトモカク、私ハ天才ロボットデスカラネ。

 デモ、コンナ天才ヲ生ミ出ス南部重工モ、捨テタモノデハナイト思ウノデスガ…」

 

 そしたらあの御曹司、今度は「…」と、黙りこくっちまった…何か思う所でもあんのか?

 

アナライザー

「…地球ニ帰ッタラ、南部重工ノアリカタヲ変エテイクト言イマシタヨネ?

 …ソノ重サ、…ソノ重要サ…。

 ソノ気持チヲ忘レナイヨウニスレバ、

 キット我々ニハガミラストハ違ウ未来ガ待ッテイルハズデスヨ!」

 

南部

「…」

 

 まーたうなだれるような顔して黙りやがった…おい、大丈夫かおい?

 

アナライザー

「ドウカ、シマシタカ?

 私ハ、何カ悪イコトデモ言イマシタカ…?」

 

 すると、今まで黙っていた南部砲術長は、顔を上げて答える。

 

南部

「いや、お前が一緒にいてくれて、ありがたいよ…アナライザー。

 すぐ調子に乗るのが悪いクセだけどな」

 

アナライザー

「アララ」

 

 すると周りもそれに釣られて笑いが込み上げる。

 そりゃ確かにな、こいつ結構お調子者だからなあ…ちげえねぇわこれ。

 

 

   ……………

 

 

 その後、アナライザーに関してこの手の話題になったのを聞いた。

 ちなみに俺は、壁にもたれて頭の後ろに両腕を回してるって状態だ…そうして耳をすまして聞いてる。

 

シャルロット

「アハハハッ。確かにねえ、アナライザーって結構調子に乗るとこあるし、

 ロボットなのにエッチなとこもあるからね~」

 

さやか

「確かにそうよね~。

 まあ、それでもブロッケン伯爵よりは、マシだろうけどね。

 私なんか捕まって甲児君の見ている前で、下着姿にひん剥かれたし…」

 

セシリア

「ええ、ホントですわ! あの、ドスケベ伯爵!

 …とは言え、このヤマトのアナライザーに関しては、

 油断した頃にスカートめくりだのするエロボットなのには変わりありませんがねえ…!」

 

マリア

「アハハ…それはまあ、確かにねえ」

 

 少々ご立腹気味なセシリアに、今度はダイザーチームのグレース・マリア・フリードが苦笑いだ。

 

 確かにあいつは、今回の件みたく自称天才っぷりを発揮する様な高性能で凄いロボットなのはいいんだが…いかんせん妙に人間臭いというか、妙に女好きどころじゃない様な一面もあるしなあ。

 生活班長の森雪が、艦長に「何とかして欲しい」とか頼みに行ったって程だ。

 まあその話を知らないって読者は、ヤマトの最初のアニメシリーズを観てくれや。

 

セシリア

「とは言え、まあアレも一応仲間として信頼はしてはいますし…

 これまで冥王星基地や機雷原やら、それにドリルミサイルの撤去や今回の作戦の事もあります。

 分析や工作など、多様に活躍出来る高性能ロボットなのは認めてますわ」

 

ラウラ

「確かにな…あの高性能さや

 ガミラス戦車を持ち上げる程の怪力は、目を見張るものがある」

 

さやか

「確かにねえ…それに最近ボス達ともよく一緒にいるし、

 それにある意味ボスボロットっぽいか」

 

 ちなみにボス達とは女絡みの話題で盛り上がってるらしい…本人達が話してるのを聞いたしな。

 

セシリア

「それに彼は…姿形こそ違うタイプですけれど、エックスさん達の様な…

 人間に近い思考を持ったロボットというか…まあ、そこが面白いとも感じるのですけどね」

 

 微笑を浮かべながら、アナライザーに関して語るセシリアだが…何か満更でもない様な感じだな?

 

「人間に近い思考のロボット、か…あんな体型のボディだがなあ」

 

ちずる

「まあそれ言ったらロペットもそうなるけどねえ、面白い所あるし」

 

 今度は『超電磁ロボ コン・バトラーV』の南原ちずるが言ってきた。

 あのコン・バトラーVのロペットか…確かにな。恋をしたりカエルが怖がるぐらい苦手ってぐらいだし。

 

セシリア

「それに…今回は、南部さんが自らの心境を

 語って下さったおかげで、少し考える事が出来ました…」

 

シャルロット

「考える事がって…何を?」

 

セシリア

「それは…わたくし達の世界は、

 高性能なISを作っては競い、また操縦者も同様になっております。

 各国がこの事に躍起になっておますが、果たして本当にそれで…よいのでしょうか?

 ガミラスやベガ星の様になってしまう様な、その可能性も…あり得るのでは、ないでしょうか」

 

「あっ…」

 

シャルロット

「国の力とも言えるISの開発競争の果てに、か…

 途方もないかもしれない話だけど、あり得なくはない…かなぁ」

 

 その途端、空気が重くなる…この気まずいかもな空気の中、連中の反応はおろおろしてたり考え込んでたりと、様々だ。

 

 しっかしまああれだな…場の空気はアレだが、南部の奴はあのお嬢さん達に考える機会を与えた訳だ。本人の知らぬ間にな。

 国の代表候補生って連中が真剣に考えて…その先はどうなるか。

 ちったぁ良くなるかそうでないかは、俺にもわからねえ。神のみぞ知るってか?

 

 なんにせよ、あいつの実家や兵器に対する否定的な考えが影響を与えた訳だ。

 …そう言えやぁあいつ、木星で最初に波動砲撃った時も、真田技士長と否定的な意見を言ってたな。

 

 

 あの嬢ちゃん達がどんな道を選ぶのか、実家に反発した御曹司が…そして俺も含めた全員がこの先どうなるか、この航海の果てにどうなるか…

 その先の答えは、これから先もこの目で、この足で確かめるしかねえ。

 

 そういう事も含めて…楽しみにさせてもらうぜ。

 ええ? 大砲屋のヤスさんよお。




最後の『ヤス』に関してですが、だって名前が康雄なんだもん…ヤスってアダ名されてもおかしくはないでしょう。

宇宙戦艦ヤマト2202の劇場上映終わった…北海道での放送はまだか。
それまで何だかどこか空っぽな気分がしちゃうよ。


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キャプテンハーロック、古代進へのそのエール

ここんとこ、感想が来ても少ないのはなぜ?
ヤマトだから? それともみんなの都合があるからとか??

ちなみに今回の話は、『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙海賊キャプテンハーロック』のクロスオーバーがメインです。
尚、ヤマトの方は松本零士版やひおあきら版のコミックスのネタも入っておりますし、キャプテンハーロックの次元航海のネタも入っております。


 とある小惑星帯にて、宇宙戦艦ヤマト率いる艦隊はキャプテンハーロックのアルカディア号と合流し、停泊していた。

 

 ヤマト左舷展望室にて…そこでは今、ヤマト航海長の島大介達がアルカディア号を眺めていた。

 

「しっかしまさかトビア達に続いて、

 また宇宙海賊が味方になるとはなあ…しかも今度は戦艦ごとだ」

 

太田

「それもこことは違う、異世界の宇宙海賊ですからねえ。

 しかも、聞けばその艦長のハーロックって人は、そっちの世界でのヤマトや

 我々を助けた一族の末裔で、そっちの世界で

 また装いも新たに生まれ変わったヤマトと共に戦った事があるんだとか」

 

「マジか!? それじゃ異世界というより、

 並行世界やパラレルワールドって奴じゃないか?」

 

トビア

「まあ、細かい事を言えばそうなりますねえ」

 

南部

「というか、そっちの世界にもヤマトがあるだけじゃなく、

 俺達もいるってのが驚きなんだが…」

 

太田

「たはは。それは俺も同じ」ニガワライ

 

 ヤマト航海長で操舵手の島大介、航海科サブチーフの太田健二郎、砲雷長の南部康雄、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のトビア・アロナクスは、アキャプテンハーロック率いるアルカディア号クルーを目の前にしながら、談笑しては太田が苦笑いしていた。

 

トビア

「それにしても、別の世界のヤマトかあ…一体どんなヤマトやクルーの皆さんなんだろう?

 やっぱり、同じ人はいるんでしょうかねえ? それでも少し違うとか…」

 

「まあ、そりゃ確かにありそうだなあ」

 

 と、このように会話していると会話に割り込む者がおり…

 

真マ甲児

「別世界のヤマトクルーかあ…そうだなあ。

 例えばだけど、やたらと波動砲撃ちたがったりしない南部砲雷長とか…」

 

南部

「ちょっ、まず俺かよぉ!?」

 

甲児

「なんかそれ、妙に説得力あるなあ…

 まあ俺もさあ、前に弓教授が言ってたみたいにこうな、

 新型機や武器の開発ばっかしてるのを憂いてそうな…そんな気もしてたんだわ」

 

南部

「もう一人の方もかよ!?」

 

さやか

「…というかそれ以前に、ここに物凄い説得力ある人達が

 いるんだけど…甲児君が2人いるとかさあ」

 

マリア

「同感よ…凄くわかりやすいわ」

 

 『真マジンガー 衝撃!Z編』の兜甲児の意見に、例に挙げられた南部康雄からツッコミが入る…まあ、この2人は同じ声キャラなので。

 しかもその直後に、グレンダイザーの方の兜甲児も加わるが…まあ、これに関してはさやかやマリアの言う通りに、わかりやすい例だろう。

 

太田

「じゃあ他には…航空隊の加藤隊長とかどうだろう?」

 

リョウ

「そうですねえ…案外こう、さわやか熱血系とかじゃないですかねえ?

 髪型ももしかしたらこう、例えばですが角刈り気味…とか」

 

「あっ、わかる! なんかそんな気がしたんですよ俺も!」

 

サンシロー

「それに多分だけど…よく似た弟もいたりしてな」

 

太田

「なるほど…しかしなぜかはわからないが、

 どれも当たってそうな気がするなあ」

 

「っていうか、お前ら大空魔竜はどうした? 暇なのか?」

 

「まあなんというか、大体そんなとこでしてね」

 

サンシロー

「ちなみに発案は俺だ」

 

リョウ

「俺もまあ…興味はあったので」

 

「妙に意見合うなお前ら…

 それに声に過ぎてて、気を抜くと誰がしゃべってるのかわからなくなりそうだし」汗タラー

 

トビア

「あはは…それは確かに」ニガワライ

 

 などと、神谷明ボイスなメンバーとのやり取りをしているその頃、ヤマトの食堂にて…

 

加藤

「ハックショイ!」

 

沢村

「うおわぁっ!? い、今隊長が

 手ぶらでなんも食ってなくてよかったぁ…」

 

加藤

「おいそりゃどういう意味だ…」

 

 そんな一幕があったそうな。

 

 

 更に場面は再び、展望室にて。

 

「ところで、向こうの艦長の…キャプテンハーロックだっけ?

 その人は今、どうしてるんだ?」

 

トビア

「確か、沖田艦長や古代さんや真田副長と話した後、今は古代さんに話があるとか…」

 

「古代にか? 一体なんの話があるっていうんだ…?」

 

 疑問を顔と声に出しては首をかしげる、島大介であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 一方、ヤマト応接室にて。

 

 そこでは今、ヤマト戦術長の古代進と、アルカディア号の艦長であるキャプテンハーロックが腕を組みながらテーブルを挟んで向かい合っていた。

 

 ちなみにこの古代も、『宇宙戦艦ヤマト2199』での古代進である。

 

キャプテンハーロック

「先程も話したが、我が一族の先祖が遺した記述…『わが青春のアルカディア』によると、

 俺のいた世界での数百年前、かつての宇宙戦艦ヤマトの窮地に

 キャプテンハーロックを名乗り、そのヤマトに助太刀したという、そんな記述がある」

 

古代

「(…別世界で、しかも先祖とは言え…キャプテンハーロックがヤマトに接触、か。

 そしてその子孫の彼もまた、ヤマトの窮地に現れては、こうして接触してくるとは。

 何なんだろうかこれは…本当に偶然か、はたまた必然か?)」

 

キャプテンハーロック

「また、それとは別に、こことは違う次元での古代守がキャプテンハーロックを名乗り、

 度々ヤマトの前に現れては助太刀したという…そんな記述もある」

 

古代

「兄さんが?」

 

 こことは違うが自分の兄がキャプテンハーロックを名乗っていたという話を聞き、古代は驚きを隠せない。

 

キャプテンハーロック

「まあ尤も、その時の古代守が、サイボーグ化したという全身をローブを纏って隠し

 艦の他の乗組員が全員アンドロイドだったり…」

 

古代

「えっ…サイボーグ!?」

 

キャプテンハーロック

「あるいは…ローブで隠してなどいないし乗組員もみんな人間だが、

 放射能に蝕まれて余命いくばくもなかったともある。

 …まあ結局これらのどれが正しい歴史、正しい出来事なのかに関しては、

 どうも曖昧なのだがな」

 

古代

「結局の所、やはりわからないのですか…」

 

キャプテンハーロック

「そうだな。タイムスリップでもして実際にその場でその出来事を、

 その目で最初から最後まで見て確かめない限り、真実はわからないだろうさ」

 

古代

「(実際に最初から最後まで見ない限り、真実はわからない…か)」

 

 まさしく至言である。そしてこれは、古代進の胸にも響いている。

 

キャプテンハーロック

「だがしかし…案外どれも本当にあった事なのかもしれんぞ?」

 

古代

「えっ…どういう意味ですか?」

 

 しかしここでハーロックから意外すぎる様な一言を聞いて、古代は目を丸くする。

 

キャプテンハーロック

「世界や宇宙というのは一つに限った物ではない…

 現に我々が接触し存在しているのが、そのいい証拠だ。

 それと同じ様に、先程の幾つものヤマトとキャプテンハーロックの接触の出来事が、

 それぞれ違う宇宙、違う次元の世界で、本当に起こっていたのかもしれんぞ…」

 

古代

「なるほど…あなたが言うと、妙に説得力があるような…」

 

キャプテンハーロック

「しかしまあ…どうだ?

 今の話、お前さんには(えん)が深かったろう?」フッ

 

古代

「…ええ。確かに、これは深い縁があると言わざるを得ませんね」ニコッ

 

 そう語りながらハーロックはニヤリ顔で両手のひらを上に向けるポーズをし、笑顔で返す古代である。

 

キャプテンハーロック

「そして…これも先程沖田艦長達にも言ったが、

 かつてはイルミダスもそうだが現在はマゾーンや機械化帝国などとも戦い、

 俺のいた世界での新生したヤマト…G(グレート)・ヤマトと共に、味方として戦った事すらもある」

 

古代

「新生した…グレート…ヤマト…」

 

キャプテンハーロック

「そして、今回の…この次元で接触した、

 この世界のヤマト率いる艦隊及び様々なマシンによる部隊との接触。

 何かと俺は、そして俺の一族は、ヤマトとは縁が深いものさ…」

 

古代

「ええ。ついさっきまでのあの話も踏まえると、

 尚の事そう思えてきます…!」

 

 それは確信だった…まさしく、古代進の確信だった。

 ハーロックとヤマトとは奇妙な縁、奇妙な因縁、奇妙な運命…

 もはや古代は、このハーロックの一族とヤマトや我々ヤマト乗組員とは、奇妙な運命めいた、運命付けられた何かを感じざるを得なかった。

 

キャプテンハーロック

「そんな俺だからこそわかる…

 何となくだが、感じるというか、わかるのだ」

 

古代

「えっ?」

 

 今度は少し違うまじめさな雰囲気になる、ハーロック。

 その事に古代は、少し疑問に感じるが…

 

キャプテンハーロック

「いいか、古代よ…これから先、このヤマトにも、それに他の艦もだろうが…

 これから先幾つもの困難が待ち受けているだろう。

 そして、それはお前自身にも…そう予感がしている」

 

古代

「なっ…俺もですか!?」

 

キャプテンハーロック

「だがな…決してくじけたり、あきらめてはならない。

 ヤマトには、お前達に使命があるのなら、

 そして…守ると決めた物や、何かを成し遂げようというその意思があるのならばな」

 

古代

「キャプテンハーロック…」

 

 ハーロックからの応援や鼓舞とも取れるその言葉に対し、古代は少々呆気に取られた顔をする。

 

キャプテンハーロック

「それに、俺の世界の沖田艦長も言っていたがな、

 生きる事というはな…それもまた、戦う事なのさ」フッ

 

古代

「フフッ…何となく、わかる気がします。

 それに、世界は違えどあの沖田艦長も言っていたのなら…」

 

 微笑を浮かべて語るハーロックに対し、こちらもとばかりに笑みを浮かべて返す古代であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その後、アルカディア号に戻ったハーロックは、そのメインブリッジから腕組みをしながらヤマトを見ていた。

 そこへいつもの黒いトリさんが右肩に留まり、「グエーッ!」と一声鳴く。

 

キャプテンハーロック

「(古代よ…今のお前やヤマトなら、恐らく大丈夫だろう。俺はそう信じている。

 お前には仲間や、気付いていないかもしれんが愛する者も、いるだろうさ…

 それに指揮官が、世界は違えどあの沖田艦長なら大丈夫だろう。

 俺が見込んだ通りの、あの漢なら…あの沖田十三ならば、な)」

 

 そう内心で思い、ヤマトやその乗組員達を…そしてその仲間達たるスパロボ乗り達に、信頼を向けるハーロック。

 その佇まいは、静かなれど優しく勇ましいものであった。

 

ヤッタラン

「うーん、やっと完成したわこれ。

 それにしてもこの新しいヤマトのプラモ、これもまたええもんやな~」

 

 …後ろで2199版ヤマトのプラモデルを堪能している、ヤッタラン副長にニコやかな笑みを浮かべながら。




けものフレンズ2も観てますが、すっごい面白いですね!
最初は主人公交代と前作での冒険から何年も経っているだろう状態からのスタートで戸惑いましたが、すぐに慣れて楽しんで観てます!
しょっぱなから石原夏織さんとか、水橋かおりさんとか、豪華声優陣だし色々と純粋に楽しんで観られますな~。
中盤からは成長して学者になったかばんちゃんさんも出てサポートしてくれて、わくわくもんだぁ!
さて、いよいよ最終回の12話が放送されます(BS組)…キュルルちゃんの正体や居場所は、どうなるのか!?

それはそうと…宇宙戦艦ヤマト2202の再放送とか、北海道や東北や九州とかでの放送はまだなのかしら?
そもそもなんで東京や大阪とかでしか放送しなかったのやら…なぜなのだ。


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ロックマンな兄弟ネタ集

ロックマン11、クリアしたが…エキスパートモードやミニゲームのはクリア出来る自信ないわ~。

ちなみに今回のは、4コマ漫画みたいな手軽なノリでどうぞお読み下さい。


 その1:小さい兄と、大きい弟

 

 ヤマト・左舷展望室にて。

 

 そこでは今、戦術長の『古代進』が、機動部隊の隊員である『ロックマン』シリーズのロックマンと、『ロックマンX』シリーズのエックスと向かい合っていた。

 その近くには、インフィニット・ストラトスシリーズの凰鈴音もいる。

 

古代

「えっと確か君達は…兄弟だったっけか?」

 

エックス

「はい、そうです」

 

古代

「では、君が兄の…」

 

 身長の高い方のエックスを兄だと思った古代。

 しかし、そこへ待ったをかけるのがいた。

 

ロックマン

「いえ、そうじゃないんです。

 兄の方が僕で、エックスは僕の末の弟なんです」

 

古代

「えっ! この身長でか!?

 俺にも兄さんいるけど、ビックリだよ!」

 

エックス

「あはは…やっぱりそうなるか」

 

 ロックマンの訂正に驚く古代と苦笑いのエックス…それはそうだろう。

 

「っていうか、ホンットあんたら兄弟ってどうなってんのよ…」汗タラー

 

 そして若干呆れ気味の、鈴であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:光兄弟

 

 それは、GEAR本部のある朝の事。

 

熱斗

「やっべ~、寝過ごしたぜ!

 早くしないと人気のモーニングフレンチセット食いっぱぐれる~!」

 

ロックマン.EXE

「もう~、熱斗君たらせっかく起こしても二度寝するんだから~」

 

熱斗

「しょうがないだろう!? 昨日は宿題に

 時間かかってて、遅くなっちまったんだからよ~!」

 

 朝から大慌てで駆け出す少年と、それをたしなめるのは携帯端末PETにインストールされた一体の『ネットナビ』という、疑似人格プログラムの一体。

 彼らは『ロックマンエグゼ』シリーズの主人公の一人である『光熱斗(ひかり ねっと)』と、その相棒にしてもう一人の主人公の『ロックマン.EXE』である。

 

 そのロックマンは現在、PETから出た小さなホログラムの状態で熱斗を見ているのである。

 

ロックマン.EXE

「それにしても人気メニューかあ…この分だと、用意されてる量にもよるけど…

 って、熱斗君バンダナ忘れてるよ!?」

 

熱斗

「いっけね!? 忘れてたぜ!」

 

 そう言っていつも頭に着けているバンダナを着用する熱斗。

 

 そうして食堂へと急ぐ熱斗だが、その道中…

 

一夏

「今日の朝食は何にするかなあ…」

 

シャルロット

「だったらさあ、今人気のモーニングフレンチセットはどう?

 この前一度試しに食べたけど、すっごく美味しかったよ!」

 

「ほう…そんなにか?」

 

シャルロット

「うん。本場のフランスの味が再現されてるし、

 今日も頑張ろうって気になるよ!」

 

一夏

「確かフレンチってフランス料理ので、

 本場のフランス人のシャルが太鼓判押すぐらいだし…って、あれ熱斗か?」

 

シャルロット

「えっ? あっ、ホントだ」

 

 一夏に促され、チームメイトのシャルロット達は慌てて食堂に向かう熱斗の方を振り向く。

 

熱斗

「はぁ、はぁ…もうすぐ食堂だ、ちゃんとあるかな~?

 …っとぉ!? うわっとっとぉ!」

 

 その食堂への移動中、注意が上の空になりかけた途端、つまずいてしまう熱斗だったが何とか転ばずに持ち直す。

 

ロックマン.EXE

「熱斗君、大丈夫!? もう、こういう時こそ

 しっかりして、ちゃんと前を見ていかないと!」

 

熱斗

「わ、わかったって! ほら、ようやく着いたぜ!」

 

 そのまま熱斗は、例のモーニングフレンチセットにありつこう食堂に入るのだった。

 

「何だ熱斗の奴、また寝坊か? だらしないな」

 

一夏

「でもまあ、気持ちはわかるというか、これももう見慣れた光景というか…」

 

シャルロット

「あはは、そうだね。熱斗がロックマンに

 ああやってたしなめられるのも、いつもの光景っていうかね。

 何だかロックマンって、熱斗のお兄ちゃんみたい♪」

 

一夏

「ははっ、そうだな…」

 

 談笑する彼ら…だが、

 

熱斗&ロックマン.EXE

「「ッ!?」」

 

 光熱斗とロックマン.EXEは、実は聞こえていてこの言葉に衝撃を受けた!

 

熱斗

「さっ…彩斗兄さん…。

 シャルロットさんて、実は俺達の関係の事…気付いてる?」

 

ロックマン.EXE

「いや、どうだろう…そんな素振りは見えないし。

 もしかして…素で言ったとか?」

 

 と、ひそひそ話を始める2人であった。

 

 尚、こちらのロックマンの彩斗兄さんについてわからない方は、原作ゲームの『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』のシリーズをプレイするとわかるかと。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:こんな兄貴

 

ゼロ

「ふむ、兄弟か…」

 

 照明の取り替えを手伝うエックスとロックや、仲良くキャッチボールをする兜甲児と兜シローを見て、そんな事を呟くのは『ロックマンX』シリーズのゼロ。

 

ゼロ

「俺にも兄弟はいるが…ん?」

 

フォルテ

「あん?」

 

 すると歩いているとロックマンシリーズのロックマンのライバルであり、スペシャルワイリーナンバーズのロボットの『フォルテ』に出くわす。

 

ゼロ

「むう…」

 

フォルテ

「な、何だぁ?」

 

 するとゼロはフォルテを見付けるなり、唸り考えながらまじまじと見詰める。

 

ゼロ

「…すまない、邪魔したな」

 

フォルテ

「はあっ!?」

 

 しかしゼロはフォルテを見るなり少し考えた後、きびすを返してその場を去ろうとし、フォルテは肩透かしをくらってしまう。

 

フォルテ

「おいこら、ゼロ! 何なんだよ、今のはよおっ!?」

 

ゼロ

「いやぁ…何でもないさ。

 (というか、こんなイレギュラー寄りな兄はどうもなぁ…)」

 

 やがてフォルテに左肩を掴まれて問い詰められゼロだったが、目を逸らしてはあまりフォルテを良く思っていない…そんなゼロであった。

 

 あのゼロからしたら、仕方のない事である。




宇宙戦艦ヤマト2202…先行上映ので観たが、素晴らしかった。
ていうか最終決戦仕様のヤマト、対空機銃多すぎィ!


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バディ・コンプレックス小話集

今回は『バディ・コンプレックス』がメインの話。
ちなみにバディ・コンプレックスは原作アニメは完結編も含めて全話観ました。

後半からPSVITAで書いての投稿だけど、大丈夫だろうか?


 その1:青葉 ~その声の運命(さだめ)~

 

 機動打撃航空艦・シグナス艦内にて――

 

ヒカル

「ねえ青葉君、なんか面白い話とかなーい? 気の利いたジョークとかさあ」

 

ヤール

「おっ、それ面白そうだな。それかなんか持ちネタとかよお」

 

青葉

「いきなり何ですか!? そんな芸人じゃないんだから…」

 

 『バディ・コンプレックス』の主人公の少年・渡瀬青葉は、同じく機動打撃航空艦・シグナスのヴァリアンサーパイロットのヤール・ドゥランや、『機動戦艦ナデシコ』のナデシコ所属パイロットのアマノ・ヒカルらからの要求に、驚きと共に困惑してしまう。

 

青葉

「でもまあ、やれと言われればやれない事もないのが、

 得意なのがセリフでありますけど…」

 

一夏

「へえ、ホントかよ?」

 

リー

「過去から来たっつーお前のジョーク、どんなのか聞かせてもらおうじゃねえか」ニヤニヤ

 

ヒナ

「えっ…でも青葉のジョークって、どんなのだろう?」

 

まゆか

「私もちょっと気になります!」ワクワク

 

青葉

「(なんかプレッシャーかかってきたな…)」

 

 しかもあると言い出した途端に、『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏、ヴァリアンサーパイロットでよき兄貴分のリー・コンラッド、ゾギリア軍から亡命したヴァリアンサーパイロットのヒナ・リャザン、シグナスのオペレーターの奈須まゆか達が乗り気になってきた為に、プレッシャーがかかると共に引くに引けない状況になってしまう。

 

青葉

「えーと…実はこれはな、ディオがなんかやって

 俺が『すげえ』って思った時に、つい考えちまう事でもあるんだ」

 

リー

「あのディオが?」

 

「具体的にどんな事をやってそう思ったのかが気になるけど…」

 

青葉

「…いいか? やるぞ…」

 

 リーやインフィニット・ストラトスの『更識簪』の疑問をスルーしつつ、青葉は『スゥ…』っと息を吸い込む。

 

 吸い込む、のだが…

 

ディオ

「おい、ここでみんな集まって何を…」

 

 このタイミングでその本人の『隼鷹・ディオ・ウェインバーグ』がやって来た!

 

 しかしそうとも知らず、青葉はセリフを言い始め…

 

青葉

「さすがディオ! 俺達に出来ない事を平然とやってのけるッ!

 そこにシビれる! 憧れるゥ!」

 

 青葉は、拳を握りながら意気揚々とそれを言い放った。

 

 そして訪れる、一瞬の静寂。

 その静寂に対して青葉は、「あっ、あれっ? やっぱウケなかったか?」と戸惑うも、ある2人の眼鏡の女性によってすぐにその戸惑いと他の一同の無反応は…破られた。

 

ヒカル

「あっ、青葉君…君ィ…」

 

「青葉、それ…」

 

青葉

「ヒカルさん? それに簪…?」

 

 アマノ・ヒカルと更識簪は、静かに告げ、困惑して息を呑む青葉。

 

 そして…

 

 BGM:決戦~重なり合う運命~(ジョジョの奇妙な冒険)

 

ヒカル

「その声とテンションでそのネタを、そのセリフを言うとは…やるね!」グッ!

 

「うん、まさかそのセリフを言うなんてね…!」

 

青葉

「あ、ありがとうございますっ!」

 

 その眼鏡の女性ことアマノ・ヒカルと更識簪は、眼鏡を『キュピーン!』と光らせながら、右手の親指を上に上げてのサムズアップをしながら青葉を褒め称え、青葉は笑顔で礼を言った。

 青葉の渾身のネタが、彼女達には届いたのであるッ!

 

まゆか

「えっと、あの…」

 

一夏

「か、簪? それにヒカルさん…?」

 

ヒカル

「いや~~、実は私も最初に『ディオ』って名前を聞いた時から、

 あの漫画のキャラを思い出したのよね~」

 

「そしてそのキャラを語る上で欠かせないネタを、その取り巻きキャラのセリフを、

 青葉は見事に言ってのけた…それも、アニメ版のキャラと同じ声で、ね。

 何て言うか、凄いしかなり…『やる』と、思うッ!」

 

青葉

「おおっ! 2人とも知ってたなんて、感激です!

 同じ作品のファンが他にもいるなんてッ!」

 

 本来生きる時代や世界は違えど、同じ漫画やアニメの作品を知るファン同士でもある…それが青葉の喜ばせ、ヒカルや簪をも上機嫌にさせた。

 

イズミ

「まさかここまでモノマネ芸人並みに…いや、寧ろ本人と言ってもいいくらいにやるなんてね。

 これは芸人ライバル出現かしら…?」ニタァ

 

青葉

「えっ、ちょっ、ライバルって…」

 

 その一方で、ヒカルと同じくナデシコのエステバリス隊のマキ・イズミは、芸人魂に火が点いたのかライバル認定した様なセリフと共に不敵に笑う。

 

 ちなみに3人のポーズはというと…

 ヒカルは、顔の下半分を開いた左手で覆う様なポーズ(ジョジ○の奇妙な冒険のコミックス第4巻の表紙のジョナサンのアレ)。

 簪は右手を頭部の右側面部に当てながら「またまたやらせていただきましたァン!」と言いそうなニヤリ顔の笑顔でのポーズ。

 そしてイズミは、両手を斜め上に伸ばして拳から人差し指だけを立たせて「ワムウッ!」と叫びそうなポーズ。

 そんなジョ○ョ立ちなポーズを、3人はしながらそれぞれ青葉を称えていた。

 

ヤール

「えっと…お前ら何やってんだ? そのポーズ…」

 

ヒナ

「私も…それに今の青葉のセリフって…?」

 

まゆか

「ええ…どういうの、でしょう?」

 

一夏

「どっかで聞いた事あるような、ないような…」

 

「何だったっけ…確か、ジ○ジョの奇○な冒険だっけ??」

 

 しかし他のメンバーには、知らない者が多いのか困惑状態な様子だ。

 それでも何とか、答えに辿り着く凰鈴音がいる。

 

ディオ

「というか、今度は一体俺が何をしたって言うんだ…?」

 

リー

「ああ、まあ確かにそうなるんだけど実はな…」

 

 そして首をかしげるディオ本人と、フォローしようとするリーであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:彼の名はディオ

 

 彼の名は、隼鷹・ディオ・ウェインバーグ。

 自由条約連合軍所属艦のシグナスに所属し、機動兵器・ヴァリアンサーのブラディオンのパイロットである。

 なし崩し的にであるが、2014年からタイムスリップしてルクシオンのコックピットに出た渡瀬青葉の、相棒的存在となる、短い金髪の少年。

 

 性格はクールでまじめであり、堅物や頑固者と言っても過言ではない側面もある。

 

 今回はそんなディオに関する、一幕。

 

 

一夏

「なあバナージ。俺前から思ってたんだけど、お前やディオって、

 な~んか他人とは思えないっていうかさあ…まあ仲間だけどさあ」

 

バナージ

「なんかわかるなそれ…僕も一夏やディオにそんな感覚を覚えるっていうか。

 あっ、感覚って言ってもニュータイプ的なのじゃないからね?」

 

一夏

「お、おう…ってか、そこでニュータイプと来るのかよ」ニガワライ

 

 『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』のバナージ・リンクスと、妙な感覚について話す一夏であった。

 

 ちなみに別の場所で…

 

ディオ

「ハックション!」

 

青葉

「うおっ!? 大丈夫かディオ?」

 

ディオ

「問題ない、これしきのくしゃみ…」

 

 と、くしゃみをしてもすぐにケロリとするディオであった。

 

青葉

「ところでディオ、俺前から思ってたんだけどさあ…」

 

ディオ

「何をだ?」

 

 真顔で尋ねるディオに対し青葉は…

 

青葉

「お前、『俺は人間をやめるぞ!』とか言いながら、

 石で出来た仮面を懐から出すなんて事、しないよなあ?」

 

ディオ

「…またジョジ○ネタって奴か? いい加減にしろ!」

 

 そんなディープな事を言い出してはツッコまれるのだった。

 

青葉

「ごめんごめん…ってか、これ知ってたのか?」

 

ディオ

「前にお前の記憶が流れ込んだ時に、少しな…」

 

青葉

「ああ、あの時かぁ」

 

 ちなみに青葉の記憶が流れ込んだという件は、原作のテレビシリーズの終盤にて。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:ヒナは彼女に似ている

 

 ヒナ・リャザン…長い黒髪が特徴的な美少女であり、元ゾギリア軍のヴァリアンサーパイロット。

 しかし実は彼女は渡瀬青葉が元々いた74年前も過去の時代の『弓原雛』や、のちにかあるいはその遥か以前にか大学時代に出会う弓原雛とも同一人物である。

 これがどういう事なのかは複雑であるが、ヒナはバディ・コンプレックスという物語の大きな核心であるヒロイン、という事は断言出来よう。

 

 今回は、そんなヒナと、ある一人の老人にまつわる話。

 

 

 それは、ある日の訓練後の、シグナス艦内にて。

 

 青葉達は、自分の機体を用いた訓練(今回はハード)の直後であり、少々疲れていた。

 

青葉

「ハァ、ハァ…ふい~、今日の訓練もまたキツかったな~」

 

ヒナ

「バニング大尉、凄く張り切ってたもんねえ」

 

ディオ

「しかし今回のカップリング抜きでの連携訓練は…少しは成果はあったな」

 

青葉

「そうだな…確かにあれはゲームとかの特殊モードや無敵状態みたいに凄い効果を発揮するけど、

 頼りっきりじゃあその内ボロが出ちまうしなあ…」

 

ディオ

「だから今回、連携やチームプレーに、フォーメーションや

 合体技とかのベテランに教わったんだろ?」

 

ヒナ

「それにゲッターみたいな合体マシンのもね…

 特にゲッターロボは、もう何なのあれ? あの高速スピードでのマニュアル合体とか!

 下手したら大事故なのにあの人達、余裕でやってのけるし!

 前から思ってたけど、あれって信じられないぐらいとんでもないわよ!?」

 

青葉

「ああ、まさにその通りだよ…ホンットそれな!」

 

ディオ

「…気持ちはわかるが、もうそれ言い出すとキリがないからその辺にしとけ。

 大体ゲッターロボやゲッターチームが、色々と難しそうどころか危険なのを苦もなくやったり、

 物理法則を無視した動きや合体なんかをやりだすのは、今に始まった事じゃないしな」

 

 愚痴…というより、ゲッターに関するツッコミを言い合う青葉やヒナに、クールにここで切ろうとしているディオ。

 ただし、ディオもディオで思う所はある様だ。

 

青葉

「ディオ、お前…」

 

ヒナ

「もしかして、もう諦めてる? 匙を投げたっていうか…」

 

ディオ

「…言っただろう、言い出すとキリがないとな」

 

青葉

「はっ、ははは…そりゃまあ、ツッコミ出すとキリがないよなぁ」ニガワライ

 

ヒナ

「そっ、そうね…この話はもうやめた方が…」

 

 ヒナが青葉に続いて苦笑いして言いかけた、その時…一人の長身の、60歳過ぎの男性が近付いて来る。

 それは、『機動戦士ガンダムAGE』の第4部での、フリット・アスノだった。

 

フリット

「ん? 君達、ここにいたか」

 

青葉

「あっ…フリットさん!?」

 

ヒナ

「えっ、フリット・アスノ総司令!?」

 

 驚いた3人は、ディオ・ヒナ・青葉の順に立ち上がって敬礼する。

 

フリット

「そう畏まらんでいい。君達の先程の実機訓練だが、私も見させてもらった」

 

ディオ

「我々の訓練を、見ていらしたのですか?」

 

フリット

「うむ。最初はぎこちなさや噛み合わなさがあったが、

 まだ荒削りながらも、少しずつよくなって来ていた…私も若い者に負けてられないな」

 

青葉

「あ、ありがとうございます!」

 

ヒナ

「(よかった…他の人から見ても、ちょっとずつでもちゃんとやれてたんだ)」

 

 フリットから誉められて、笑顔で礼を言う青葉と、内心で喜ぶヒナである。

 

フリット

「ところで…ヒナ君、こっちにはもう慣れたかね?」

 

ヒナ

「あっ、はい! お陰様で、すっかり慣れてきました。

 これも、青葉や倉光艦長やアスノ総司令が取り計らっていただいたのと、

 ロンド・ベルの皆さんの優しさのおかげです!」

 

 やや慌てて話すヒナ。

 

フリット

「そうか、それはよかった…」

 

 安心した様な穏やかな声色と表情で応えるフリットに、無言ながらも同じく安心した様な笑顔になる青葉。

 

ヒナ

「そう言えば、総司令は私の救出や受け入れで、

 一際尽力して下さったと聞きましたが…」

 

ディオ

「何か、あったのですか? 青葉の様な…」

 

青葉

「そう言えば、言われてみれば確かに!」

 

 合点がいって、驚く顔の青葉。

 するとフリットは少し昔を懐かしむ様な、それでいて悲しむ様な表情と雰囲気で語り始め…

 

フリット

「ふむ…何かあったのか、か。公私混同と言われるかもしれんが、実はな…

 昔、君によく似た少女を…私は救う事が、出来なかったんだ」

 

青葉

「えっ…!?」

 

ヒナ

「私に、ですか?」

 

 驚きと少しの戸惑いを隠せない、青葉とヒナ。

 

フリット

「だから、その事もあって尚更放って置けなくなってな…」

 

ディオ

「そう、でしたか…」

 

フリット

「すまんな、辛気臭くしてしまって。では私はこれで失礼するよ」

 

 そう言ってフリットは、青葉達に背を向けてスタスタとその場を去って行った。

 

ヒナ

「アスノ総司令…そんな事があったんだ…」

 

青葉

「なんか、重たい過去を背負っちまってんだな…」

 

ディオ

「(総司令…そのお気持ち、わかります。

 俺にも以前、敵の攻撃で母さんを失い妹のフィオナの足も動かせなくなった…

 そんな経験がありますから)」

 

 

 その同じ頃、フリットもまた考えていた…

 

フリット

「(ユリン…私は、また救世主たり得ただろうか?

 君の様な子をまた出すまいと、あの悲劇を繰り返すまいと、彼らに助力したが…

 また、救世主になれただろうか…?)」

 

 しんみりと考えに耽り、かつて目の前でその命を落とした、初恋の相手の少女…ユリン・ルシェルに想いを馳せる。

 

 直後に窓から空を見上げると、どこまでも広がる青空が広がり…青みがかった、長く黒い髪の少女が、どこかで微笑んだ気がした。




いかがでしたか?
今回のジョジョネタのは、ディオに関して前からやってみたかったネタでして(笑)
そしてフリットはヴェイガンとの決戦終結後を意識してます。

ヒナのは、フリットがヒナを見ているのや女子会から入る予定でしたが、途中からこうなってもうた…
実際に共演するのはいつになるやら。


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バディ・コンプレックス小話集2

長くお待たせしてすみませんでしたあっ!
何せブックオフやゲオや古本市場のゴールデンウィークセールが…
ちなみにようやく『真マジンガーZERO』を全巻揃えました。続編はまだだけど。

今回も引き続き、バディ・コンプレックスがメインです。声優ネタもあるよ!


 その1:名前が似ていたもんでつい…

 

 奈須まゆか…機動打撃航空艦・シグナスのブリッジオペレーターであり、特務士官のエルヴィラ・ヒルの補佐役もしており、軍人としての階級は伍長の、16歳の少女。

 容姿は、茶色に近い淡いオレンジ色の短い髪で、薄いピンクを基調とした制服に身を包んでいる。

 そして人当たりの良い優しく大人しい性格でCV.花澤○菜の、そんな少女である。

 

 今回は、そんなまゆかと彼女が気になる一人の少年や、バスケがしたいです…な話。

 

 

 シグナス・食堂にて。

 

 まゆかは今、渡瀬青葉や『ケロロ軍曹』のドロロ兵長と一緒のテーブルにいた。

 

まゆか

「えっ、ドロロさんもバスケットボールやった事あるんですか?」

 

ドロロ

「左様。サッカーも経験はあるでござるが、

 拙者はバスケットボールプレイヤーとしての心得もござるよ」

 

青葉

「マジか! じゃあ、俺と今度1on1でやろうぜ!」

 

ドロロ

「うむ、心得たでござる」

 

まゆか

「ふふっ。よかったですね、青葉さん」ニコパー

 

 喜ぶ青葉に対し、まゆかもニッコリと笑顔を向ける。

 

まゆか

「あっ、そう言えば…実は私も、バスケやるんですけど…

 シュートを、特にジャンプシュートを上手く入れられるコツって、何かありますか?」

 

青葉

「ジャンプシュートのコツ? そうだなあ…」

 

 首を傾げる青葉だが、その直後…

 

ドロロ

「まゆか殿、参考になるかはわからぬでござるが、一応拙者から…」

 

まゆか

「ドロロさんから…ですか?」

 

青葉

「どんなアドバイスだ?」

 

 それを機に、まゆかと青葉はドロロに注目し出す。

 

ドロロ

「ジャンプシュートには、左手は添えるだけ…」

 

まゆか

「えっ、左手は添えるだけ…?」

 

青葉

「なんかどっかで聞いた事ある様な…」

 

ドロロ

「まあ、拙者からは以上でござるよ」

 

 そう言って湯飲みの緑茶をすするドロロであった。

 

アネッサ

「あっ、まゆかいたー! お~い!」

 

まゆか

「おっ、アネッサだ。こっちこっち~!」

 

 すると今度は薄いピンク色のツインテールの少女、アネッサ・ロセッティがまゆか達を見付けて呼び、気付いたまゆかも誘導する。

 ちなみにアネッサもまゆかや青葉達と同じく、歳は16歳である。

 

アネッサ

「楽しそうに何話してたの?」

 

まゆか

「えへへ、実は青葉さんとドロロさんとね…」

 

 そうして今度はガールズトークに花を咲かせる2人。

 

 一方、その様子を少し遠くから見つめる少年が一人…

 

シン

「……」

 

 それは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の、シン・アスカである。

 

ルナマリア

「シン、どうしたのよ? さっきからボーっとしちゃって…」

 

シン

「あ、ああ…」

 

 そこでシンは、ルナマリア・ホークに指摘されてハッとなる。

 

 ちなみに今回のガンダムSEED DESTINYは、本編終了後設定であり、その為、シン達は恋人関係である。

 

ルナマリア

「なんかさっきからずっと、まゆか達の方を見てたけど…気になるの?」

 

シン

「気になるのって、おいルナ…」

 

 何やらジト目でシンを見てくるルナマリア、嫉妬によるものだろうか。

 これにはシンも困惑してしまう。

 

シン

「確かに、気になるっていうか、その…」

 

ルナマリア

「やっぱ気になるんじゃん。む~…」

 

 言い淀みながらも肯定するシンに対し、膨れっ面になるルナマリアである。

 

シン

「実はその…昔死んだ妹に似た名前だから、つい…な」

 

ルナマリア

「って、シャレにならない奴だった!?」

 

 そしてシンが理由を話した途端、驚いてしまった!

 

 実際に、シンの死んでしまった妹は『マユ・アスカ』という名前の為、確かにまゆかとは似た名前であるので、『しょうがない』や『仕方がない』と言えるだろう。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:皮肉屋ヤールは彼に似てる?

 

 ヤール・ドゥラン…『バディ・コンプレックス』のサブキャラの一人であり、27歳の男性である。

 自由条約連合軍及びシグナスに所属し、彼もまたヴァリアンサー隊のパイロットなのだ。

 見た目的には、金髪の逆立った前髪とソバカスやタレ目が特徴であり、少々皮肉屋ながらも面倒見のいい性格である。

 

 そんな彼は、誰かさんに似ている様で…?

 

 

 それはある日の出撃時の事――

 

青葉

「今日はギガノスとゾギリアの連合部隊が相手かよぉ!」

 

ケーン

「あいつら、この前手を組んだって聞いてたけど、

 こうして相手して一緒に来られると、やっぱり厄介だぜ!」

 

一夏

「確かにそりゃな…って、いたぞ! 正面からだ!」

 

 海辺をそれぞれのマシンで飛ぶ青葉達は、通信越しで文句を言ったり会話しながら、やがて件のゾギリア軍のヴァリアンサー部隊とギガノス帝国軍のメタルアーマー部隊を目視で確認した。

 

ヤール

「いるいる…うわ、40機は超えてるぜ。

 へっ、ご苦労なこったぜ」

 

「うわ…気が滅入りそうなんですけど」

 

アムロ

「だがそれでも、やるしかない。降りかかる火の粉は払わねばならない。

 全員気を引きしめて掛かるぞ!」

 

リー

「おっと号令役、取られちまったか。

 けどまあ、やる事は変わらねえか!」

 

 そう言ってやる気も充分に、敵機向かって行くアムロ・レイやリー・コンラッドや、彼らに続くロンド・ベル隊の機動部隊であった。

 

ブライト

「(さすがはアムロだな…リー・コンラッド大尉もそうだが、

 上手く若手達の手本やまとめ役になっている…)」

 

 その様子を、旗艦であるラー・カイラムから伺い、考えるブライト・ノア艦長であった。

 

 

 ……………

 

 

 その数日後、自販機前の休憩所にて。

 

ヤール

「しっかしあれだなあ、一夏よお」

 

一夏

「何です? ヤールさん」

 

ヤール

「ISなんつー、歴史の教科書や博物館でしか見た事ねえもんに乗ってきたお前らを

 初めて見たときゃあ、他の連中もそうだけど俺は結構驚いたぜえ?」

 

一夏

「えっ、そうなんですか?」

 

ヤール

「おうよ。青葉の時とは別の意味でな」

 

青葉

「ははは…まあ俺としては、俺の時代の少し後にそのパワードスーツが発明されて、

 白騎士事件ってのが起こって、10年くらい流行っては

 過度な女尊男卑の時代になってたってのが、正直驚きだけどな…」

 

 ヤールの正直な感想を聞いて青葉は、苦笑いしつつも自分のISことインフィニット・ストラトスに関する感想を述べる。

 

ヤール

「まあそれでもな、幾つも起こったっていう事件やら暴動やらがあってな。

 そこにネクトオリビウムの発見と採掘、それを応用した航空艦やヴァリアンサーの開発…

 それらもあって、今じゃISは廃れて過去の遺物になっちまってるのさ」

 

一夏

「へ~…そうだったんですか」

 

シャルロット

「どんなものでも時間が経って、ましてや新しくてもっといいものに

 取って代わられたりすれば、自然と廃れてしまう…

 それも70年以上も経って忘れられたり知らなければ、それも当然かあ」

 

 ヤールの話を聞いてシャルロット・デュノアは、沈痛な面もちで語る。

 

ヤール

「それに今じゃ、メタルアーマーやモビルスーツに

 色んなスーパーロボットなんかも出てるくらいだぜぇ?

 例えば、ギガノス帝国の連中がな…」

 

 しかしその様子を、少し離れた位置から腕を組んで眺める人物がいた。

 

 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアムロ・レイと、ブライト・ノアである。

 

アムロ

「艦長、妙な気分だな…」

 

ブライト

「ああ、そうだな…」

 

アムロ

「ここは俺達のいた世界とは違う異世界であり、しかも一夏達はこの世界の過去の人間…

 更に、青葉に至ってはそれよりももっと過去の時代からと来た。

 改めてこんな話を聞けば、やはり妙な気分になるな…」

 

ブライト

「そうだな。それもあるが…」

 

 ここで一泊置いたブライトはアムロに顔を向けて…

 

ブライト

「ヤール中尉を見ていて、カイの奴を思い出さないか?

 ホワイトベースで一緒だったカイ・シデンを」

 

アムロ

「そこかっ!? そりゃ確かに似てるが…」汗タラー

 

 ブライトに指摘されて、一年戦争時代の仲間だった男、カイ・シデンの顔が脳裏をよぎるアムロであった。




いかがでしたか? 今回のブライト艦長のこのノリには、「昔のスパロボアンソロジーみたいだな(笑)」とクスリと笑って頂けたなら幸いです。

それにしても花澤香菜さん出演のバスケアニメは、やはり『ロ○きゅーぶ!』だろうか? 今度観てみなくちゃなぁ。


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さすらいの宇宙海賊、キャプテンハーロックがゆく!2

今回のお話もキャプテンハーロックのですが、機動戦士ガンダムAGEとも大々的にクロスオーバーしています。
キャプテン・アッシュとは海賊仲間であり、トチローに次ぐくらいの友人という設定です…無理あったかしら?


 謎の敵の襲撃とその撤退時に深追いして時空転移に巻き込まれた、織斑一夏とその仲間達。

 

 右も左もわからない異世界で途方に暮れる彼らは、マゾーンやボアザン星などの異星人勢力の襲撃を受けるのだったが、そんな彼らは『宇宙海賊キャプテンハーロック』率いる海賊宇宙戦艦・アルカディア号に拾われるのだった。

 

 そんな彼らは、今は…?

 

 

   *   *   *

 

 

 その1:再会と、別の宇宙海賊との対話

 

 

 その日、アルカディア号は…とある宙域で第2根拠地こと、機械化自動変形小惑星『デスシャドウ島』に寄港していた。

 それも、同盟を結んだ別の宇宙海賊である、『機動戦士ガンダムAGE』の宇宙海賊ビシディアンの旗艦・バロノークも、入港しての事だった。

 

 その通路にて――更識姉妹が再会を果たし、一夏らと共に語り合っていた。

 

「まさかお姉ちゃんもあの転移に巻き込まれて、

 別の海賊船に拾われていたなんてね…」

 

楯無

「ホント、私もびっくりよ。でも最初は海賊だって聞いてびっくりして警戒もしたけど、

 みんな結構いい人達だし、首領にして艦長のキャプテン・アッシュも、よくしてくれたわ」

 

「そっか…よかった」

 

一夏

「しっかし楯無さんが無事で本当によかった…

 簪もそうだったけど、俺だって離ればなれの行方知れずになってて心配したんですよ?

 そんな矢先に、向こうの海賊船から降りてきたのを見た時は、本当に驚いたのなんの!」

 

楯無

「それは心配かけてごめんなさいね…って、そりゃお互い様だけどね。

 私だって簪ちゃんや一夏君達の事、全く気にかけてなかったと言えばウソになるしね」

 

「そ、それは確かに…お互い様かも…」

 

一夏

「は、ははっ…こりゃ一本取られたか」

 

 乾いた苦笑いの、更識簪と織斑一夏であった。

 

楯無

「それにしてもまさか、暗部の家の長の私が、海賊に厄介になるとはね…

 まあ裏社会とかに通じる点は共通してるおかげで、色々とその手の情報とか手に入ったり

 今の地球圏の色んな事情なんかを聞けたわ…」

 

「そ、そうなんだ…。

 (相変わらずというか何というか…)」

 

一夏

「ところで、そっちの艦に居た…キャプテン・アッシュって人は、どんな人なんです?

 さっきアルカディア号で聞いた話じゃ、こっちのキャプテンとは

 志を同じくするっていう、海賊仲間で古い友人で…あと、元軍人だとも」

 

「あっ、それ私も聞きたい…」

 

 一夏はキャプテン・アッシュについて、気になっていた事を質問する。

 

 彼はキャンプテン・アッシュについては、このデスシャドウ島に2隻揃って寄港する前に、通信でその顔を見た後にミーメや螢や副長のヤッタランからどんな人かについて訊ねており、その時には同じくアッシュがそんな人物かについて気になっていた台羽正も一緒にいた。

 更にビシディアンの活動自体も、連邦とヴェイガンの双方だけでなくネオ・ジオン残党からも物資の強奪や大規模戦闘の防止、ヴェイガンと内通する連邦高官の粛清、木星軍やネオ・ジオンなどの残党へ目を光らせ、ヴェイガンや星間連合の侵攻にあえぐコロニーへの救援など、多岐にわたる活動をしている事も聞いていたのだ。

 

楯無

「そうねえ…大体だけど、今一夏君が言った様な人よ。

 他は…普段は冷静で少し尊大だけど、それでいて優しさがあって

 チームワークを大事にする…そんな人よ」

 

一夏

「な、なるほど…。

 (千冬姉とうちのキャプテンを掛け合わせた感じの人か?)」

 

楯無

「それにね、彼は凄腕のモビルスーツパイロットよ?

 それもニュータイプやXラウンダーを複数人相手にしても全く引けを取らない程の、

 いわゆるオールドタイプでのスーパーエースよ」

 

「えっ…オールドタイプで!?

 まさかそれで能力持ちパイロットに並ぶ程だなんて…!」

 

楯無

「ええ…初めて見た時は私も驚いたわ。

 それも、黒いガンダムに乗ってね…」

 

一夏

「が、ガンダム!? ビシディアンの首領って人は、ガンダムにも乗ってるんですか!?

 トビア達クロスボーン・バンガードもガンダムに乗ってたりするけど、

 まさか別の宇宙海賊もガンダム乗ってて、しかも首領がだなんて…!」

 

 楯無からの話を聞き、一夏と簪は驚きの連続である。

 

楯無

「それとね…あの人は、たぶん簪ちゃんのよき師匠とか、

 理解者になってくれるかもしれない人よ」

 

「えっ? わ、私の…?」

 

一夏

「それって、どういう…」

 

楯無

「まあ、これは私に訊くより、本人に直接訊いた方がいいと思うわ…」

 

 そう言って楯無は、呆然とする2人を尻目にその場を去って行った。

 

楯無

「(簪ちゃん…ちょっと悔しいけど、あのキャプテンならきっとあなたに親身になって、

 今より成長する素晴らしいキッカケをくれるだろうと思うわ…

 かつて悩んで苦労した末にスーパーパイロットになったという、

 アセム・アスノ…あの人なら!)」

 

 その後、簪は先程言われた事が気になってキャプテン・アッシュに会って話し合ってみると、

 

『お前は昔の俺に似ているな』

 

 と言われ、キャプテン・アッシュ自身もかつては父親とライバルとの間の板挟みになって悩み苦しんでいた事を、そしてその当時の隊長にして恩師から『お前はスーパーパイロットになれ』と言われた事を、細かい所は伏せつつも語ったそうな。

 更にその光景を、友人であるハーロックは遠目に見ており、「昔は教わる側だったお前も、若者に道を示すようになったか」と、自分と似た立場や役割になったアッシュを…本名『アセム・アスノ』を、そう評してはクールな笑みで返されたとか。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 その2:海賊の同志にして友との語らい

 

 

 時間は少し戻り、更識姉妹や一夏が話し合っているのと同じ頃、ハーロックはある一室でビシディアン首領のキャプテン・アッシュと、テーブルを挟んでイスに座って語り合っていた。

 

キャプテンハーロック

「さて…改めて、久しぶりだなアセム。

 いや、今はキャプテン・アッシュと呼んだ方がいいか?」

 

キャプテン・アッシュ

「いや…アセムでいいさ、お前といる今この時は」

 

 そう言ってニコやかに微笑むキャプテン・アッシュ。

 

キャプテンハーロック

「近頃はお互い、新しいクルーを…

 それも多少なりとも訳ありの若手を、迎え入れたようだな」

 

キャプテン・アッシュ

「そうなるな…しかもそっちの艦にいる連中の何人かの、知り合いを拾ったよ」

 

キャプテンハーロック

「ああ、さっき通信で聞いたな。それにバロノークから降りてきた際に

 うちの一夏達と、それに妹の簪とも再会を喜んでいたな」

 

キャプテン・アッシュ

「だな…生き別れた友や姉妹の再会とは、よかったというものだな。

 …だがまあ、俺の方はもう少し先になりそうだがな」

 

 そう言って微笑み、グラスの酒を少し飲むアッシュ。

 

キャプテンハーロック

「生き別れた、か…ふむ」

 

 アッシュの発言を聞いて少し訝しげにするハーロック。

 それはキャプテン・アッシュことアセム・アスノのかつて地球圏に置いてきた家族や昔の仲間達…その事を考えているのだろうか。

 

キャプテン・アッシュ

「で、こっちにはその姉妹の姉の方を拾っているんだが、なかなかくせのある奴でな…

 人当たりが良さそうで、それでいて猫のような奔放さや食えなさがある」

 

キャプテンハーロック

「ほお…それはまた随分とくせのありそうな新乗組員だな」

 

キャプテン・アッシュ

「しかも大概の事は器用にこなすが、妹関係では

 どうも結構不器用でシスコン気味みたいでな…」

 

キャプテンハーロック

「何だそれは…もはや器用なのか不器用なのか、よくわからん奴だな?」

 

キャプテン・アッシュ

「フッ…あいつはな、ちょいと極端なんだよ」

 

 そう言いながら微笑むアッシュ。

 

キャプテン・アッシュ

「それにそっちのアルカディア号も、また随分とにぎやかになったみたいじゃないか。

 さっきチラッと確認したが、若手の連中が多く入ったものだな」

 

キャプテンハーロック

「まあな。どいつも揃いも揃って一癖も二癖もある連中だ、

 頼りにもなるが若さ故の失敗や先走りも幾つかある」

 

キャプテン・アッシュ

「だろうなあ…俺も昔はそうだった。だからこそわかる」

 

 そう言ってまたグラスの酒を少し飲むアッシュ。

 

キャプテンハーロック

「だがな…その未熟なあいつらだからこそ、教え甲斐があるというものだ」

 

キャプテン・アッシュ

「ははっ、よく言うぜ」

 

 語り終えて自分のグラスの酒を少し飲むハーロックと、楽しそうに笑うアッシュの2人。

 

 この時2人の間には、穏やかな雰囲気があった。

 

 …だが、それは途端に切り替わる。

 

キャプテン・アッシュ

「ところで…今の連邦政府の、その腐敗具合についてはどう見る?」

 

 それを聞いた途端に、ハーロックの顔付きも変わる。

 

キャプテンハーロック

「ああ…全くひどいものだな、随分。

 しばらく大規模な戦乱も少なかったのでその平和ボケもあるだろうが、

 軍や他の直轄組織も少々たるんでいる所が幾つかあるし、マシな部隊があっても

 実力不足や関係各所とも連携が取れずに後手に回りがちだ」

 

キャプテン・アッシュ

「やはりか…。

 (ヴェイガンとの大規模な戦闘が勇気の日の武装蜂起までほぼなかったのは、

 俺達ビシディアンがそう仕向けたのもあるが…

 しかし練度の低さはそれのせいもあるのか、どうなんだ?)」

 

 内心で自分らがこれまでやって来た活動も原因になっているのではと懸念するアッシュだが、ハーロックに悟られないようにする。

 

キャプテンハーロック

「…なんせうちの新乗組員の台羽もな、以前に事故で母親を亡くした際には

 救助隊の職務怠慢も原因にあったらしい。

 それがなければ間に合っていたとも言っていた」

 

キャプテン・アッシュ

「そいつもまた、連邦とその下の組織の腐敗の犠牲者か…」

 

 アルカディア号の新乗組員にしてハーロックの新たな仲間である、台羽正の悲しき過去。

 その一因である連邦政府やその下部組織の闇を聞いて、アッシュの表情は曇ってしまう。

 

キャプテンハーロック

「連邦政府も昔は少しはマシな時期があったが、

 そのトップが今の代になってからは、ひどくなっちまったものだな…」

 

キャプテン・アッシュ

「今の代って…ああ、あのチビでチョビヒゲのかぁ」

 

キャプテンハーロック

「チビでチョビヒゲ…フッ、そうだな、まさにその通りだな…」

 

 アッシュからの言い方が笑いのツボにハマったのか、ハーロックは少々愉快そうなニヤけ顔になる。

 

キャプテン・アッシュ

「おいおい、そこまで来る程かよ…」

 

キャプテンハーロック

「すまんすまん。なにせ余りにもストレートに表していたものでな」

 

 そう言いながらハーロックは笑いを堪えるような素振りになり、落ち着いた所でグラスの酒を飲んだ。

 

 しかし、これを見てアッシュは怪訝そうな顔と気分になりながらも、「昔はもっとほがらかに笑っていたのになぁ…」と、少々さびしい気持ちになっていた。

 

 余談だがその同時刻頃、あるゴルフ場にいる低身長どころか低等身な黒髪でチョビヒゲの中年の男が、くしゃみをしていたとか。

 

 




ちなみに最後の方で触れた、チョビヒゲのおっさんとは、『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『キャプテンハーロック ~次元航海~』の作中に出る、地球連邦の首相です…そう、あのゴルフやくだらない自己顕示欲的意見ばかりの、あの首相ですよ。
まあこんな連邦軍なら、キリタ長官(キャプテンハーロックのライバル的なキャラであり、後に味方に)の鬱憤も溜まるでしょうて…って、ブライト艦長やフリットもか。


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それゆけ鉄仮面軍団

前回感想が3つしか来なかった…なぜだ。
そんなにディープというか、チープなネタでしたかねえ??

ちなみに今回はマジンガーZでお馴染みのDr.ヘル陣営の一般兵の、鉄仮面たちがメインのギャグ回です。
とりあえず鉄仮面の皆さんのキャラやテンション的には、永井豪の漫画版での冷酷冷徹なのではなく、OVA版や真マジンガー版やマジンガーZIP!、スパロボアンソロジーのギャグ作品などのを意識してますし、それらをベースにイメージしてください。

尚、今回のお話ではマジンガーZやコン・バトラーVや、インフィニット・ストラトスなどの世界が元々一つの世界、という設定ですので。


 その1:巨人製造銃作戦のその後的な

 

 かつて、あしゅら男爵がDr.ヘルから新発明の『巨人製造銃』を受け取り、そのテストで甲児達と同じ学校に通う純一という少年の作ったバイコングという、ラジコンのようなロボットを強奪して巨人製造銃を用いて巨大化・強化させ、『機械獣・バイコング09(ゼロナイン)』として街で暴れさせた…そんな作戦が、激闘が繰り広げられた。

 

 その直後の、バードス島の地下基地内にて。

 

 そのある一角では、Dr.ヘル一派の一般兵とも言える、鉄仮面達がいた。

 

鉄仮面A

「今回の作戦も結局失敗だったな」

 

鉄仮面B

「機械獣を一から用意する手間が省ける点では、よかったがな」

 

鉄仮面C

「まあ他にも色々出来そうでもあったけどな」

 

 実際、今回のテレビアニメ第12話で登場した巨人製造銃は、他にも色々応用できたんじゃないかと思われるような発明品である。

 しかも漫画版『ロボットガールズZ』でも地下帝国一派が使用し、その際には『ダブラスM2が巨大化したはいいが、パワーはそのままだったのでZちゃん達には敗北』してしまったが、その後の最終回でも暗黒大将軍子戦で再び使用された際にはZちゃんに照射し、ダブラスに使った時とは違って超合繊維Zや光子力の恩恵があるので有効活用され、大車輪ロケットパンチで勝利しているのだ。

 

 それはさておき、閑話休題。

 

鉄仮面A

「けど俺今回、車の運転したり

 あしゅら様にどれを巨大化させたらどうかって提案したのに、殴られたりだったなあ」

 

鉄仮面B

「ちなみにどんな提案をしたんだ?」

 

鉄仮面A

「ああ…車の運転しながら目に付いたのを、

 『あれなんかどうです?』って言ったんだけどな?

 その内容は…トカゲに犬に、それから豚だったな」

 

 それを聞いて、他の鉄仮面の反応は…

 

鉄仮面B

「それ…巨大化させるとは言え、戦力としてどうだよ」

 

鉄仮面C

「マジンガーどころか、ISやケロットとかに勝てるかも怪しいぞ。

 絵面的にもよくないだろうし」

 

鉄仮面A

「えっ、そこまでダメ?」

 

 などと、ダメ出しで返されてしまうのであった。

 

 

 ちなみに一方のあしゅら男爵は、今回の作戦の報告をしてDr.ヘルから、

 

「今回の作戦、バイコングはマジンガーZに負けはしたが、面白いデータが取れたぞ」

 

 と、ニヤリ顔で言われ、巨人製造銃を改良して次の作戦に備えようと言う流れになるのだった…

 

 ちなみにその作戦とは、キャンベル星人などの戦力を参考にして猛獣などを次々と巨大化させては興奮状態にして暴れさせるものである。

 更にはその発展として、女尊男卑や格差社会などの様々な世の中の不満や恨みなどを持っている人間を見付けてはスカウトあるいは忠実になるよう改造し、巨大化させ、彼らも含めて各地で大混乱をもたらしてはその隙を機械獣で突こうという、恐ろしい作戦であった!

 

鉄仮面A

「やはり以前あしゅら様に言っていた通りだ…」

 

鉄仮面B

「このお方、悪知恵は無限か!」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ダブラスのパワー的な

 

 再びバードス島の基地内にて。

 

鉄仮面A

「あの、あしゅら様」

 

あしゅら男爵

「ん? 何だ…」

 

鉄仮面A

「以前言っておられましたが『ダブラスM2の絞める力は東京タワーをもへし折る』そうですか、

 本当に東京タワーをへし折ったのか、その確かめた結果から言っているのか、との声が…」

 

あしゅら男爵(女)

「何? ダブラスの?」

 

鉄仮面B

「原作の読者やアニメの視聴者のそんな疑問の声が、

 この小説の作者も含めて来ております」

 

鉄仮面C

「それで実際の所、どうなのでしょうか?」

 

あしゅら男爵

「う~~む…」

 

 質問されてあしゅら男爵は左右の半身の男女の両方の声でうなり、考え込むような様子。

 そして口を開き…

 

あしゅら男爵(男)

「ま、まあ…あれだ」

 

あしゅら男爵(女)

「じ、実際にそれ程までのすさまじいパワーがあったし、

 もう過去の事なのだから、良いではないか…ハハハ」

 

 と、ダラダラと汗を垂らしながら述べた。

 

鉄仮面A

「(なんかはぐらかしたような…)」

 

鉄仮面B

「(結局ハッキリしなかったなあ。

 本当は東京タワーでやってないんじゃないのか?)」

 

鉄仮面C

「(そう言えば東京タワーが壊れたなんてニュースとかでやってないし、

 そんなの作戦でやった事もないし…

 それにあんな名所的なの壊れたら、確実に騒がれるだろうからなあ)」

 

 そしてこのように、鉄仮面達は疑惑を抱かざるを得ないのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:基本的だけど素朴な疑問

 

鉄仮面A

「読者の皆さんこんにちは、あるいはこんばんは」

 

鉄仮面B&鉄仮面C

「「Dr.ヘル及びあしゅら男爵配下の鉄仮面です!」」

 

鉄仮面A

「今回は我々が普段、どこで生活しどこで寝泊まりしているのか、

 そんな素朴な疑問があるようなのでお答えしていきましょう」

 

 と、鉄仮面達が司会のような感じで進めていき…

 

鉄仮面A

「今回のお題である疑問についてですが…」

 

鉄仮面B

「実は地下の基地内に、寮があるのです。そこで寝食などをしている訳ですよ。

 漫画版読んだ事があって、我々鉄仮面が死体を改造した兵士だと知っている方も、

 実は意外だと感じたでしょう?」

 

鉄仮面C

「ちなみに桜多吾作版マジンガーZの終盤とかで、図解されていますよ~」

 

 て、親切丁寧に答えるのであった。

 

あしゅら男爵

「わはははは! どうだ、ちょっと得しただろう!

 わははははっ!」

 

鉄仮面A

「あしゅら様、無理に最後に美味しいとこ持っていこうとしなくても…」汗タラー

 

 …そして最後にあしゅらが美味しい所を持っていこうとする始末であった。




ちなみにその1のは、マジンガーZのテレビアニメ版第12話『裏切り者!巨大化ロボット・バイコング』をベースにした後日談的な話です。
それにしても巨人製造銃は凄いなあ、片手がないラジコンのようなロボットを巨大化させるだけでなく、狂暴化させて機械獣にして、しかもないはずの手の部分にはトゲ付き鉄球があるんだもん…まあ、ヘルや鉄仮面とかに改造された線かもしれませんが。


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その名はプラモ狂四郎!

前回コメントが一つしか来なかったのはなぜだ…
そんなに鉄仮面やあしゅら男爵での需要って薄いですかねえ?

今回は知る人ぞ知る、昭和のガンプラ界の名キャラクターにして伝説の男、プラモ狂四郎こと京田四郎が初登場!
中学生の頃にブックマーケットで中古のコミックス買ってハマり、コンビニコミックスとかでも買い集めて本編を読みまくってたのが懐かしいです。
それにマスターグレードのパーフェクトガンダムの説明書の書き下ろし漫画も、読むと泣けますわ~。


 ある暗い空間の中、真上からスポットライトの光が照らされ、サンバイザーを被った一人の少年の姿が現れる。

 

四郎

「やあ、みんな! 俺の名前は京田四郎。

 プラモデルが大好きで、特にガンダムのプラモデル…通称・ガンプラが好きなんだ。

 まあ昔はガンダムプラモって呼んでたけど、今じゃガンプラって呼び方だからなあ」

 

 そう言って四郎は両手を左右に広げて、時代のギャップを感じたのか苦笑する。

 

四郎

「まあとにかく、近所でも有名な熱狂的小学生モデラーの俺は、

 いつしか『プラモ狂四郎』の名で呼ばれるようになったんだ。

 そこからはプラモシミュレーションバトルでの連戦、連勝、時々敗北…そして辛勝。

 ホント、全国や海外にも名が広まったり大会で優勝したりもあったけど、

 その他にも模型秘伝帳を巡って関ケ原ウォーズで決着付けたり、

 更にはトンデモコンピューターの野望を阻止したりと、色々あったもんだよ…」

 

 と、昔を懐かしむように語る四郎。

 

四郎

「そんな俺が、今回はこの小説で活躍するお話さ!

 昔からの狂四郎ファンの人も、そうじゃないっていう新規の人や

 ビルドファイターズにゲーム作品とかで知ったっていう人も、楽しんでってくれよな!」

 

 そこで四郎は、一度小休止するように息を吸い込み、そして…

 

四郎

「それじゃあ行くぜ! プラモシミュレーション・ゴーッ!!」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その1:登場!プラモ狂四郎!

 

ヤッタラン

「するとあれかいな? お前のそのパーフェクトガンダムっちゅう偉いフル装備なガンダムは、

 元々はプラモだったのがでっかくなって兵器になったっちゅう、そういう事かいな?」

 

四郎

「ええ、実はそうなんですよこれが…俺もまだちょっと戸惑ってるけど」

 

 アルカディア号の副長であり、『宇宙海賊キャプテンハーロック』のヤッタランは、プラモ狂四郎こと京田四郎に質問しては正直な事実と感想で答える四郎。

 

ヤッタラン

「しっかし、ケロロの奴もガンプラが好きやけど、こいつはまた…

 あいつが見せるのや、この部隊の連中のとも違うような、ゴテゴテしたガンダムやなあ。

 ベースはファーストガンダムかいな? 昔アムロが乗ってたっちゅうあの…」

 

四郎

「えへへ…実はこれ、初めはプラ板やパテやバルサ材や、

 使い古しの腕時計のジャンクパーツとかを使って作ってたんですけどね?

 そこから一度はプラモシミュレーションでサッキー竹田に勝っても

 ジオン少年隊に敗北したり、ストリームベースの小田さんに弱点を指摘されたりもあって、

 そこから改良を重ねて今の形になったんですよ…」

 

ヤッタラン

「は~~ん…何や色々あったんやなあ」

 

 昔を懐かしむように語る四郎に、関心するような反応のヤッタラン。

 

四郎

「ええ…何せこいつは、俺の今までの経験を…

 勝利はもちろん、失敗や敗北や、新しい発見や応用なんかの経験も踏まえた、

 その今まで培った技術を注いで作り上げた集大成の…言わば魂を込められたガンダムなんですよ!」

 

ヤッタラン

「プラモに魂をかぁ…わかるでえ。

 お前京田四郎っちゅーたな、そのアツいモデラー魂…大したもんやで~!

 ジャンルは違えど、モデラー仲間として大いに認めたるわ!」

 

四郎

「へへっ、俺のプラモスピリットをわかってもらえたようで、何よりさ」

 

 パーフェクトガンダムに込められた思いを、その情熱や血と汗と涙の結晶ぶりを語る四郎に対し、ヤッタラン副長は上機嫌で太鼓判を押し、四郎は嬉しそうな笑顔だ。

 

 

 ちなみにどういった経緯でこうなったかと言うと――

 

 

 四郎いわく、パーフェクトガンダムのプラモを持って歩いていると、いつの間にか妙な霧の中を歩いており、そこから見慣れない市街地に出たと思ったら妙なロボットの軍団が現れては町を攻撃し(しかも直前までケロロ軍曹が日向冬樹と一緒に出掛けている最中だった)、その混乱の中で訳がわからない四郎はやまと紅一のギャグ絵の顔で大慌てだったが、何とかしたくても出来ないこの自分の状況に歯がゆい思いをしていたその時に…

 

「かくなる上は、我輩がこのナノラで兵器化したフルアーマーガンダムで…!」

 

 と、手持ちのプラモに『万能兵器化飲料ナノラ』をかけようと、そのボトルを構えていた所で爆風に煽られ、そのナノラのボトルが吹っ飛ばされた先に四郎がおり、偶然にもパーフェクトガンダムのプラモにナノラの中身がかかり…

 本物のモビルスーツサイズになってビームや実弾まで出せるようになったのだ。

 

 そして驚きと戸惑いながらも、実際にパーフェクトガンダムに乗ってそのロボット軍団(実際は機械獣やメガノイド)と戦い、遅れてケロロロボMk-Ⅱで駆け付けたケロロ軍曹やそれぞれのロボに乗ったギロロ伍長達、更には他のスーパーロボットも駆け付け、四郎は彼らと合流した…という事である。

 

 ちなみに四郎がパーフェクトガンダムのコックピットから降りて来る時のケロロの反応は…

 

「それにしても一体誰でありますか? いきなりパーフェクトガンダムが現れたと思ったら

 そのまま応戦して、しかも妙な動きまでするのは…ゲロォ?」

 

 ここまでは歩きながらの(しかも戦闘中にパーフェクトガンダムを見た際の主観も含めた)感想だが、そこで四郎の姿が目に入って誰なのか確信した途端…

 

「うっひょおお! 本物のプラモ狂四郎さんだああっ!! すっげ~っ!

 我輩、まさかあの伝説のモデラーのプラモ狂四郎さんに会えるだなんて、

 思ってもみなかったであります! 感動であります!」

 

 と、大喜びで瞳をキラキラさせながら、涙も流していたそうな。

 

 

 それらの経緯を経て、やがて四郎はロンド・ベル隊にしばらく身を置く事となったのだ。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ビルドファイターズとの、時を越えた出会い!

 

 更に、別のガンプラ関連キャラのあのコンビも彼を見て…

 

セイ

「凄い、凄いよレイジ! あの伝説のプラモ狂四郎さんだよぉっ!!」目ェキラキラ

 

レイジ

「そりゃお前の反応がすげーのがわかるが…あいつそんなにすげーのか?

 その、狂四郎とかいう奴がよお」

 

セイ

「もちろん!何せ狂四郎さんは、かつて流行ったプラモシミュレーションで活躍しては

 色んなオリジナルのガンプラを作った事のある、

 伝説のガンプラモデラーにして強豪のガンプラバトラーなんだよ!」

 

レイジ

「へーっ、そうなのか…じゃあ要するに、セイやユウキやフェリーニ達みてえに

 すげえガンプラ作ってて、それにガンプラバトルでもつええって訳かぁ?」

 

セイ

「まあ、そういう事さ! でも、技術もバトルの腕前や経験も、

 やっぱり半端な物じゃないはずだよ…なにせ伝説になる程だからね」

 

レイジ

「へええ、伝説ねえ…そりゃますます面白そうじゃねえか」ニヤリ

 

 と、『ガンダムビルドファイターズ』のイオリ・セイは、相棒のレイジことアリーア・フォン・レイジ・アスナに、目がしいたけのような模様でキラキラ光らせて大興奮で説明しては、一応納得するレイジに更に補足説明。

 そしてそれを聞いて闘志を燃え上がらせては不敵な笑みを浮かべる、レイジなのである。

 

 すると今度は四郎の近くへ行き…

 

レイジ

「なあ、四郎だったか狂四郎だっけか?

 セイから聞いたけど、お前すげーんだな!」

 

四郎

「いや~、照れるな~!

 (っていうか、セイ達の時代じゃあ、俺ってそんな伝説的な存在になってるのね…)」

 

 と、表では照れていても内心では驚いている四郎であった。

 

レイジ

「それでよお、実はバトルの腕も立つって聞いたもんで、うずうずしちまってな…

 あんた、俺とバトルしねえか? ガンプラバトルをよお!」ニヤリ

 

セイ

「ちょっ、レイジ!?」

 

 いきなりのレイジの四郎への挑戦的発言に、相棒のセイも驚きである。

 

四郎

「それってつまり…俺への挑戦状って事だよな?」

 

レイジ

「ああ、そうさ!」ニッ

 

四郎

「へへっ、いいぜ…俺もこの世界でのガンプラバトルも、

 この前初めてやって楽しんで、操作にも慣れた所だ。

 丁度こっちでの腕の立つファイターってのと、勝負したかった所だぜ!」

 

レイジ

「いいねえ、そうこなくっちゃな!」

 

セイ

「ちょっとレイジに狂四郎さんもぉ!?

 は~…まあ仕方ないか、レイジのあの性格だもんなあ」

 

 レイジの挑戦に受けて立つ四郎に慌てるセイだったが、溜め息と共にレイジの性格上仕方ないと割り切る。

 

セイ

「でも、これって結構凄い事で、チャンスなのかも…!

 あのプラモ狂四郎さんに、ガンプラバトルで挑めるんだもん…

 うん、そう考えるとなんか…燃えてきた!」

 

 そう考えたセイもやがて気分を高揚させていく。

 

 

 この(のち)に、話を聞きつけて多くの観客も集まり、四郎対セイ&レイジコンビのガンプラバトルによる試合が行われた。

 

 そのバトルは白熱した試合になり、その中で彼らはガンダムやガンプラや、ガンプラバトルにかける思いを感じあい、互いに全力を出し合っては楽しんで戦っていたという――




今回は意図的に本編的なガンダムシリーズのキャラを出しませんでした。
それにネタはこれだけではありません、まだ考えてありますとも。

それにしても、今回の『ビルドファイターズの世界はプラモ狂四郎の未来の世界』って設定は、いかがでしょうかねえ?
まあ、狂四郎の原作でも四郎が未来での世界でプラモシミュレーションで戦う話がありましたが…結局夢オチだったけど。


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更識姉妹のとってもスーパーでジーグなお話

今回は珍しく更識楯無と簪の、更識姉妹がメインのお話…そして鋼鉄ジーグをお題に。

なぜジーグをネタにしたのかと言うと、ジーグがネタの宝庫だから。
そう…もはや『ジーグというだけの理由で充分』な程なのだ!

尚、今回のお話は漫画家の『柊誠亜』先生の画風でイメージして下さい。
それと、約一名のキャラ崩壊注意かも?


 その1:ジーグヘッドについて

 

 

 ある日の事、『インフィニット・ストラトス』シリーズの更識楯無は、『鋼鉄ジーグ』の司馬宙(しば ひろし)の後ろから話しかけていたが…

 

楯無

「ねえ宙さん、ちょっといいかしら…」

 

「ん? 何だ?」

 

 そこから楯無は真剣な顔付きになり…

 

楯無

「あのサイボーグ形態の宙さんになってからの、

 ジーグヘッドに変身っていうか、変形するプロセスなんですけど…」

 

「ああ、あれか…」

 

 そこから楯無の表情は、『くわっ!』と勢い?のあるような顔になる!

 

楯無

「あれどう見ても、ムチャクチャっていうか、さすがに無理あると思うんですけど!?

 もう、ゲッター並みに無理ある変形ですって!!」

 

 しかも彼女の手に持つ扇子には『原理不明』と書かれている。

 

「やっぱそこツッコむのかよ…

 もう細かい原理とかはスルーするもんだとしか言えねえよ」汗タラー

 

 これに対し、他の人にも何度も言われたのか冷静な宙である。

 

 このように、幾らなんでもムチャクチャすぎなジーグヘッドにさすがに冷静ではいられなくなった、珍しく取り乱した生徒会長である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:パワーアップしたサイボーグ宙について

 

 

 激化する戦いに対応するべく、方法はアレだがパワーアップを果たしたサイボーグ宙。

 しかもデザインもより洗練され、とてもかっこよくなっている…それはもう別キャラかという程に。

 

「凄い…宙さんパワーアップして、見た目もかっこよくなってる…!」

 

サボーグ宙

「おう、そいつはありがとよ!」

 

 更識簪は新・サイボーグとなった宙に対し絶賛しては、それに喜ぶ宙である。

 

「これでもう、『何で仮にも正義のヒーローなのに、悪の組織のザコ戦闘員みたいな

 見た目なんだろう?』って疑問や問題からも、脱却できましたね」

 

サイボーグ宙

「ああ、そうだな…ホンット~~に、長かったな!」ウルウル

 

「(あっ…泣いてる…よっぽど嬉しいんだ。

 それに今まで、よっぽど気にしてたんだ…まあ今まで散々アンソロジーとかで

 ネタにされたりツッコまれたり、する程だからね…しょうがない、かな?)」

 

 そしてその喜びと感動に浸らせてあげるべく、「ここはそっとしておこう」と思う簪であった。

 これはコンプレックス持ち故に、そのつらさや苦労が分かる彼女ならではである。

 

 …が、その直後にある事に気付いた。

 

「(…あれ? でもこの姿…この新しいはずのデザイン、

 どこかですっごい見た事あるような…あっ!)」

 

 そして思案して気付いた――『UFOロボ グレンダイザー』の宇門大介こと、デューク・フリードのパイロットスーツ姿に似ているのだと。

 

 しかもメタな事だが実際、鋼鉄ジーグとUFOロボ グレンダイザーは、テレビアニメ版の放送開始が同じ時期でしかも同じ日であり、グレンダイザーのデュークは当初からあのパイロットスーツであり、それに対して鋼鉄ジーグの宙の新・サイボーグの登場はストーリーが進んでからの第26話から。

 なので、どうしても後発になってしまいこの事から『真似か意識した疑惑』がしてしまうのは、仕方のない事なのであろう。

 

「(ど、どうしよう…泣く程喜んでるところだけど、

 言うべきか言わざるべきか…本当にどうしよう!)」

 

「ん?」

 

 そして簪は、この事を宙に言って教えるべきか、気遣って言わずにいるべきか迷い悩みだし、その様子を見た宙は妙に思うのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:もうムチャクチャについて

 

 

 ある森の前で、更識姉妹はいたが…

 

楯無

「ねえ簪ちゃん、私宙さんに会ったんだけど…」

 

「えっ、お姉ちゃんが鋼鉄ジーグの宙さんに?」

 

 何やら神妙な面もちの楯無である。

 

楯無

「ええ。それでね、改めてあのサイボーグ形態について思ったんだけど…」

 

 そこで彼女の様子は、『くわっ!』と変わった。

 

楯無

「やっぱりあれよォ! 前からそうだったけど、ジーグヘッドへの変身というか、

 あの変形の仕方はどう見たって、どう考えたってムチャクチャよォっ!!

 幾らスーパー系だからって、ゲッターロボの変形張りにか、それ以上にムチャクチャよあれはァ!?」

 

「お姉ちゃん…そんなのもう今更だよ。

 他のもそうだけど特にスーパーロボットは、野暮なツッコミは言わない方がいいよ…

 ロマンもあるけど、言えばキリがないし」

 

 と、取り乱しながら右手に『やっぱりムチャクチャ』と書かれた扇子を拡げる楯無に、呆れながら冷静にツッコむ簪であった。




たっちゃん先輩キャラ崩壊?についてですが、まあ、あのジーグだから…うん。

ちなみにサイボーグ宙からジーグヘッドに変形するフィギュアが出てるそうで。
…さすがにあのうにょうにょ変形は無理だけど。


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その名はプラモ狂四郎!2

一ヶ月も遅くなって申し訳ないとです。
なにせ仕事で忙しかったり、祖父が亡くなった後の母の実家に行っていたり、それでも知恵と時間を絞って書いたりしていたのでして。

それにしても前期は、野球アニメが3つもスタートしていましたねえ…MIXとかダイヤのA act2とか、八月のシンデレラナインとか。ハチナイは応援団長な先輩と野崎夕姫ちゃんが好き。


 その1:あのキャラに会える!

 

 それは、プラモ狂四郎こと京田四郎が、仲間入りして間もなくの事。

 

四郎

「す…すっげ~~! あのカミーユ・ビダンにジュドー・アーシタに、

 ブライト・ノア艦長もいる! しかもみんな本物だなんて…驚いたぜ!」

 

 今までアニメなどでのフィクションでしか見た事がなかった面々が実際にいるのを目の当たりにし、四郎は信じられないような驚きと興奮を隠せない。

 

セイ

「わかる! わかるなぁ…僕もそうでしたよ」

 

ケロロ

「それは我輩もそうでありましたなぁ…

 あの時の興奮と感動は、今でも覚えているであります!」

 

四郎

「えっ、セイやケロロもか!? マジか~」

 

 自分と同じくガンダムやガンプラが好きなセイ達から、「自分もそうだった」と経験済みな事をしみじみとした様子で語られ、四郎はまたも驚き顔。

 

 すると今度は、一人の男が四郎に挨拶に来る。

 しかもその男は、茶髪に特徴的なややチリ毛の、天然パーマ気味なヘアースタイルをしており、目はややタレ目で優しそうな笑みを浮かべており…四郎やセイやケロロもとてもよく知る、あの男だった。

 

 BGM:MAIN TITLE(第4次スーパーロボット大戦S)

 

アムロ

「はじめまして、君が京田四郎君だね?」

 

四郎

「あ、あなたは…まさか!」

 

 声をかけられて振り向いた四郎は、その声を聞き、その人物の顔を見て、驚かずにはいられなかった。

 

アムロ

「その言い方から知ってるとは思うが、俺はアムロ・レイ。

 地球連邦軍及び、このロンド・ベル隊に所属するモビルスーツパイロットで、階級は大尉だ」

 

四郎

「うわ~! 本物のアムロ・レイだ~!

 すっげーや、俺生で会えて感激です!!」

 

 あの伝説のガンダムのパイロットであり、テレビでその活躍を見ては彼のガンダムのプラモデルを作ってはシミュレーションで戦ってきた。

 グリプス戦役の時にカツ・コバヤシにも言われたが、四郎にとってもアムロはヒーローのような存在なのだ(ただし、敵や連邦軍上層部からは恐怖や怒りなどの対象でもあるが)。

 

アムロ

「ははは…君もセイ君やケロロ軍曹達のように、異世界出身で俺のファンなんだね」

 

四郎

「あっ、ハイ。テレビで見てましたし、ガンダムのプラモも持ってますんで!」

 

アムロ

「そうか…そんな意気揚々で改めて言われると、何だか照れ臭いな」

 

四郎

「(大人になったアムロに、それもゼータより後のアムロに会えたんだ。

 こ~りゃ、ラッキ~♪)」

 

 照れる顔をしながら、四郎はアムロに答えていき、アムロもまた笑顔で照れている。

 これまで自分の活躍を知って尊敬などの眼差しや言葉を送ってくる人は、アムロには何人かおり、クェス・パラヤもその内に入る…が、四郎のような純粋で無邪気な眼差しや気持ちで、それもこうも元気にファンアピール?をしてくる男の子は、さすがにめったにいなかったので、アムロには新鮮なのだ。

 

アムロ

「君の事情の事だが…急に異世界に来て戦わなければならなくなって、

 それでも我々と共に戦ってくれるという君の意思は、報告から聞いたよ…

 俺にも昔、君と似たような事があるから、

 覚えがあるしやむを得ないのもわかるから…本当にすまないとも思う」

 

四郎

「似たような事って…例の、一年戦争での事ですね?」

 

アムロ

「その通りだ。察しがよくて助かるよ」

 

四郎

「でもまあ、そんなに気にやまなくていいですよ、アムロさん。

 俺が戦おうとしてるのは、望んでやってるし。

 それに、街があんな風にめちゃくちゃにされたり、変な奴に支配されたりするのは、

 俺としても見過ごせませんから!」

 

 そう気合いの入った意気込みを語る四郎。

 その脳裏に過るのは、かつてサッキー竹田やホビートピアのメインコンピューターと言った、強敵達のその野望を食い止めた、その激闘の数々。

 

アムロ

「(そうか…この子もまた、彼らのような心を、持っているんだな)

 ありがとう、四郎君。俺からも君を歓迎するよ」

 

四郎

「はい! ありがとうございます!」

 

 そう礼を言う四郎は、元気な笑顔だった。

 

 アムロは四郎の言葉を、決意を聞いて思い出していた。

 かつてサイド7にジオン軍のザクが侵入し、暴れ、それに対して初めてガンダムに乗って撃破した時の事を。

 更に、ホワイトベースで共に戦った乗組員達だけでなく、兜甲児や流竜馬などの正義感溢れる仲間達や、カミーユ・ビダンやジュドー・アーシタやガロード・ランなどの時代を担い頼りにもなる後輩達をも。

 

 そんなアムロが、これからどう四郎を見ていき、何を感じ、何を教え導いてゆくのか…それは我々にもわからない。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 その2:そいつもデビルガンダム

 

 ロンド・ベル隊は今、イギリスのウェールズのある山にて、ある強敵と戦っていた。

 その強敵とは…デビルガンダム!

 

 そして現在、彼らはデビルガンダム(第一形態)の拡散ビーム攻撃を回避もしくは防御していた。

 

ドモン

「くっ…デビルガンダムめ! おいみんな、大丈夫か!?」

 

ライト

「何とか、大丈夫。

 しかし厄介な拡散ビームだな、こりゃドラグナーでもちょっとやばかったぜ」

 

四郎

「どっしぇ~! 何なんだよぉ、この化け物みたいなガンダムはよぉ!?

 こりゃまるで化け物どころか、ゲテモノガンダムじゃねえかよ~っ!!」

 

ロアビィ

「おっ、上手い事言うねえ」

 

 『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュの確認の声を聞いて、回避出来て安堵している『機甲戦記ドラグナー』のライト・ニューマンに続いて四郎がデビルガンダムに驚き、ライトのその比喩の仕方に賛同する『機動新世紀ガンダムX』のロアビィ・ロイといった面々。

 特に四郎は、これまで様々な化け物染みた相手とも戦ってきたが、このデビルガンダムはそれらとはひと味違うベクトルの化け物さであり、おぞましさなのだ。

 

セシリア

「しかし、これは四郎さんのの言う通りですわね…

 本当に何なんですの、このおぞましいガンダムは!?」

 

一夏

「ドモンさん、俺達はよく知らないけど…こいつは一体?」

 

ドモン

「そうか、お前達は初めてだったな。あいつは、デビルガンダム…」

 

四郎

「デビルガンダム、だって…?」

 

 四郎や一夏達の疑問に対し、それに答えていくドモン。

 

ドモン

「元々は地球環境再生用に作られたアルティメットガンダムなのだが、

 実はネオ・ジャパンコロニーで、ある陰謀に利用されそうになってな…」

 

一夏

「ある陰謀…?」

 

ドモン

「その辺は今は省くが、そこから逃げのびた後は地球に落ちたショックで暴走…

 その結果、奴は地球を汚染する人類を抹殺する為に

 人も機械も襲いかかっては侵食して配下にさえもする、悪魔のガンダムになってしまったのだ!」

 

四郎

「何だって!? 人も機械も??」

 

 ドモンの説明を聞いて四郎は驚きを隠せない、それは一夏達も同様である。

 

「って、うわわっとぉ!

 説明受けるのはいいんだけど、向こうはお構い無しよこれ!」

 

四郎

「あんにゃろめ、空気を読んで待ってくれさえもしないってのかよ…」

 

甲児

「その点だと、あしゅら男爵やギャンドラーの連中の方が、

 まだマシってとこかな?」

 

ラウラ

「まあ戦場だからな…こういう事もあるものだろう、さ!」

 

 鈴こと凰鈴音がビーム攻撃を回避し、続いて四郎が愚痴をこぼしては『マジンカイザー』の兜甲児がわかりやすい敵で例えては、彼らに続いてラウラ・ボーデヴィッヒが彼女なりの意見を述べながら…乗機のシュヴァルツェア・レーゲンの右肩レールキャノンを発射してデビルガンダムに攻撃を仕掛けるのであった。

 

ジョルジュ

「それと皆さん、気を付けて下さい。あのデビルガンダムを構成するDG細胞は、

 自己進化・自己再生・自己増殖の三大理論を持つナノマシンの一種なのです」

 

四郎

「DG細胞? それに、ナノマシンだって??」

 

 ちなみに四郎にはナノマシンと言われても、いまいちどころか全くピンと来ない。

 なぜなら彼の時代や世界ではまだそのような単語自体、出ていないからだ。

 

レイン

「そのDG細胞は、さっきも言ったようにモビルスーツやモビルファイターなどの

 マシンのような無機物のみならず、人間の体にさえも侵食するの。

 それで以前のミケロ達みたいに身体強化されて自我を保てても…」

 

一夏

「た、保てても…?」

 

レイン

「…余程強い精神力の持ち主でない限りは、

 のちにその心さえも蝕まれて…意思なきゾンビ兵にされてしまうわ」

 

四郎

「いぃぃーーっ!? 冗談じゃないぜ!

 そんなホラー系な洋モノ映画みたいな展開、御免だぜ!」

 

「先程言っていた、人やマシンでさえも侵食して配下にするというのは、そう言う事か!」

 

シャルロット

「しかも、自己再生もあるって事は、傷の再生も出来るんだろうね…厄介だなぁ」

 

 ドモンと同じく『機動武闘伝Gガンダム』のジョルジュ・ド・サンドやレイン・ミカムラの説明を聞き、その内容に四郎や篠ノ之箒はびっくり仰天であり、シャルロット・デュノアは自己再生能力に『これはまずい』と言いたげな顔で評する。

 

サイ・サイシー

「前の戦いでデビルコロニー内の本体を叩いて、今度こそ倒したんだけどな?

 その破片も大気圏で燃え尽きても、しぶとく残った燃えカスから何体か復活したんだよなぁ。

 それを知ったオイラ達は、まだ復活したばかりで本当にやばいのじゃない内に

 5体は倒してきたけど、多分こいつもそれと同じのだと思うぜ…!」

 

チボデー

「幸いこいつもまだ、普通のマシンとパイロットよりは強くても対処出来ない訳じゃない。

 それに俺達もあの頃に比べれば、ずっと強くなっているからな! …もう怖かねえぞぉ!」

 

アルゴ

「うむ。更なる力をつけきっていない今の内に、叩くぞ!」

 

 同じく『機動武闘伝Gガンダム』のサイ・サイシーはこれまでのいきさつと推測を語り、やがて彼やドモンやジョルジュと同じ新生シャッフル同盟の仲間であるチボデー・クロケット、アルゴ・ガルスキーらも、その闘志を燃やす。

 

アムロ

「しかしデビルガンダムか…俺やブライトも、ここ最近プリベンターを通じて

 デビルガンダムが復活し始めたという情報は、聞いていたからな。

 それに、俺だって前のデビルガンダムとの戦いでは

 ガンダム連合の一人として闘っていたんだ、因縁がない訳じゃないさ!」

 

タップ

「とは言え、アムロ大尉。

 こいつと初めてやり合うのもいるんだってのも、お忘れなく頼みますよ~」

 

「そうそう。あたし達みたいなね」

 

アムロ

「そうだな…その事も含めて、各機! 充分以上に注意してくれ!」

 

一同

「「「りょ、了解!」」」

 

 ドラグナーチームのタップ・オセアノや鈴に釘を刺されたアムロの号令のもと、機動部隊の各機体パイロットは気を引き締め、攻撃態勢に入る。

 

セシリア

「さて…ここが異世界とは言え、イギリスはわたくしの祖国…

 その祖国をこれ以上荒らさせるなど、させませんわ! 気合い入れて、いきますわよ!」

 

007

「おうよ! それを言うなら俺だって英国紳士…って、よく忘れられるけどさぁ」

 

ライト

「まあその…どんまい!

 (本当は俺だって他人(ひと)の事言えないだろうけど…)」

 

 と、今度はセシリア・オルコット、『サイボーグ009』の007ことグレート・ブリテン、ライト・ニューマンの英国出身者たちも気合を入れたりコント染みたやり取りをしては、改めて戦闘態勢に入り直す。

 

四郎

「け、けど、なんてこった…まさかサッキー竹田のブラッディー・マリーの他にも、

 デビルガンダムの名を持つ機体があったなんて…。

 しかもやばさはサッキーのより断然上だなんて、尚更とんでもないぜ…!」

 

 かつて対戦したライバルの繰り出してきたキットの異名と同じ名を持ち、皿にその上を行く性能や危険性を持った強敵の出現に、危機感を募らせる狂四郎であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:彼らも『しろう』の名を持つ者たち

 

 それは、京田四郎がロンド・ベル隊に来たばかりの、ある日の大空魔竜での事。

 

 四郎の前に『闘将ダイモス』の夕月京四郎が訪ねてくるが…?

 

京四郎

「よう、お前さんかい? 重武装のガンダムの新入りの、京田四郎ってのは」

 

四郎

「そうだけど…あなたは?」

 

京四郎

「俺は夕月京四郎…ガルバーFXⅡのパイロットだ。

 同じ『きょうしろう』の名を持つ者なのもあってか、お前さんの事はどうも気になってな」

 

四郎

「そうだったんですか…俺のはあだ名や異名だけど、

 よろしくお願いします! 京四郎さん」ニカッ

 

京四郎

「ああ、よろしくな」ニコッ

 

 そう会話しながら、四郎の笑顔での挨拶にニコやかな笑顔をしながら応える京四郎であった。

 

 

 更にその後、別の人からも…

 

シロー

「君が新人で地球防衛組と同い年という、京田四郎君だね?

 はじめまして。俺は機動部隊・第8部隊の隊長で、

 ガンダムEz8(イージーエイト)のパイロットを務めるシロー・アマダだ」

 

四郎

「あ、はい! よろしくお願いします、シロー隊長さん。

 (今度は知らないガンダムの人からだ…何だか爽やかでいい人そうだな~)」

 

 と、今度は『機動戦士ガンダム 第08MS(モビルスーツ)小隊』のシロー・アマダとの挨拶になる。

 

シロー

「京四郎から聞いたが、実は俺も甲児の弟の方もそうだけど

 君とはちょっと親近感があってな」

 

四郎

「あ~…やっぱり、名前ですかねえ」

 

シロー

「その通り。そういう奴は、他にもいるみたいだぞ?」

 

四郎

「えっ? 他にもですか?」

 

 その言葉が見事に的中し、今度は…

 

兜シロー

「よっ! 俺も兜シローってんだ!

 歳も同い年くらいだし、仲良くしようぜ!」

 

四郎

「ああ、よろしく…って、また同じような名前の人!?

 しかも今度は歳も同じくらいだし…」

 

甲児

「ちなみにこっちのシローは、俺の弟なんだぜ!」

 

 と、今度は『マジンカイザー』の兜シロー(小学5年生くらい)との挨拶になり、その実兄の甲児も捕捉して付け足す。

 

 ちなみに『劇場版マジンガーZ / INFINITY』仕様での場合、兜シローもすっかり大人になって統合軍三番隊の小隊を務め、専用のイチナナ式に乗って戦場で活躍している。

 その為、『名前がシローの軍人で小隊長なのが2人もいる』という、ちょっとややこしいであろう展開が予想される。

 

四郎

「うっひゃ~、ここってこんなにいるのかよぉ…

 『しろう』の名前を持つ人ってよ~!」

 

真田

「あ~…ちなみにだが、私の名前も『真田志郎』だ」

 

四郎

「って、今度は宇宙戦艦ヤマトの真田さん!?」

 

 いきなりの真田技師長の割り込みに驚く四郎。

 

真田

「実はこんな事もあろうかと、スタンバっておいたんだ。

 私の出番があるだろうと思ってな」

 

四郎

「うわぁ…そんなわざわざ…」

 

 今度は呆れながらツッコむ四郎である。

 

サンシロー

「ちなみに俺は、やっと出番だがツワブキ・サンシローだ!

 …って、ちょっと違うか?」

 

四郎

「う~ん…微妙に惜しい、かな?」汗タラ―

 

 更に割り込んだ『大空魔竜ガイキング』のツワブキ・サンシローにも、冷や汗をかきながら指摘する四郎であった。




今回は野望を持った強敵達に、タイガー戦車部隊や歩兵部隊、ジオン少年隊やゴッドタイガーらで戦ってきた蔵井明市郎も…入れるべきだっただろうか?

ではこれにて!


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さすらいの宇宙海賊、キャプテンハーロックがゆく!3

今回もキャプテンハーロックがメインのお話です。
更に、今回ので初登場となるあの作品も、クロスアンジュもほぼメイン格です!
ちなみに今回、ハーロックとクロアンは同一世界観を意識しております。


 果てしなき、星の海…宇宙という名の、星の海。

 あるいは、そこから距離を取った、地球の海か…あるいは、青い空。

 

 今日も海賊宇宙戦艦・アルカディア号は、40人+αの乗組員を乗せ、漆黒の宇宙や青い空を飛び、旅をする。

 

 今回は、彼らとある気高き女戦士にして元・皇女が合流するようだが…?

 

 

   *   *   *

 

 

 その1:アンジュとハーロック

 

 地球のある海域の諸島の島にて、アルカディア号は停泊していた。

 

 そこで、偶然にも居合わせて共闘し、ガイゾックを撃退したアルゼナル第一中隊のメンバーと、アルカディア号の彼らは対面していたのだった。

 

アンジュ

「まさかこうして直に会って、共に戦うなんて事に

 なるとはね…キャプテンハーロック」

 

キャプテンハーロック

「それはこちらとて同じ事さ。

 ミスルギ皇国の元皇女と、こうして会うのなんてな」

 

 第一中隊のメンバーの一人であり、パラメイル(本当はラグナメイル)の一機・ヴィルキスのパイロットであり、『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の主人公のアンジュこと、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギとキャプテンハーロックは言葉を交わすも、2人の間の空気は少々ピリピリしてしまう。

 

ヒルダ

「まあ、それにしてもよぉ…あたしとしちゃあ、

 あの噂のキャプテンハーロックに会えて、それもあたしらの味方して戦ってくれたんだ。

 こりゃ随分と頼もしい事じゃねぇかよ」

 

ロザリー

「そうそう! それに前から話に聞いちゃあいたが、

 宇宙を股にかけるクールな宇宙海賊のキャプテンハーロックとアルカディア号…

 聞いた以上にイケメンでかっこいいじゃんかよ!」

 

クリス(クロスアンジュ)

「うん! 何ていうか、かっこよくて、優しそうでもあって、頼りになりそう…!」

 

キャプテンハーロック

「ほう…そいつは光栄だな」ニコッ

 

 一方、同じく第一中隊のヒルダとロザリーとクリスは、ハーロックには好意的な様子。

 

 ちなみにクリスは、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のクリスティーナ・マッケンジー(書籍などではクリスチーナと書かれているが)と被りかねない為、このような表記になります。

 

台羽

「えっと…アンジュさん。

 うちのキャプテンの名前や噂って、ミスルギとかにも届いてるのですか?」

 

アンジュ

「届いているも何も、その周辺諸国も含めて轟いているわよ。

 悪名や武勇伝なんかも含めてね」

 

一夏

「そこまで広まってるんだ…!」

 

 『宇宙海賊キャプテンハーロック』のもう一人の主人公的立ち位置の台羽正の質問へのアンジュの答えに対し、『インフィニット・ストラトス』の主人公の織斑一夏は驚きの様子。

 

ヒルダ

「それだけじゃないぜ。ハーロックに対して、尊敬や憧れを抱いてる奴だっている。

 貧しい奴や、国の政府とかを快く思わない奴なんかには、結構いるんだよ。

 だから、あたしらのアルゼナルにも自然と集まるんだよ」

 

ヤッタラン

「は~、さっすがキャプテン! エラいカリスマぶりやわ~」

 

 ヒルダの話を聞いて感心する『宇宙海賊キャプテンハーロック』のヤッタラン副長。

 

サリア

「まあ実際、自由を愛する宇宙海賊って評判のハーロックのファンは

 よく見かけるし…って、あなた誰だっけ?」

 

 ところが中隊長のサリアはヤッタラン副長には疑問な様子で首をかしげてしまう。

 

ヤッタラン

「おいおい、キャプテンの事は有名で知っとっても、ワイの事は知らんのかいな…

 ええか? ワイはアルカディア号の副長のヤッタランちゅうもんやねん」

 

ヴィヴィアン

「副長のヤッタラン…うーん、そんなの聞いた事あるような、ないような?」

 

「また随分とあやふやね」

 

ヤッタラン

「ありゃー、ガックシ…」

 

 しかし第一中隊のメンバーのヴィヴィアンからの答えにヤッタラン副長は肩を落としてしまう。

 

ロザリー

「待てよ? ヤッタラン…それにその顔…

 ああ、思い出した! 確か前に、流れ着いた手配書で見た事あるぜ!」

 

ヤッタラン

「おお! ホンマか!?」

 

 しかし今度はロザリーから「見た事がある」と聞いて、喜びだすヤッタランである。

 

クリス(クロスアンジュ)

「うん、私も覚えてる。

 その眼鏡といい、豚みたいに丸々太った体型といい…そっくり」

 

ヤッタラン

「そうやろそうやろ…って、誰が豚みたいやねん! ムキー!」プンスカ!

 

ヴィヴィアン

「ありゃりゃ、怒っちゃった…」

 

 ところが今度は「豚みたい」と言われて怒ってヘソを曲げてしまうヤッタランである。

 

「副長はね、豚って言われるとヘソを曲げちゃうのよ」

 

ロザリー

「ま、マジかよ…」

 

クリス(クロスアンジュ)

「な、なんか、ごめん…」

 

 アルカディア号の乗組員の有紀螢にヤッタランのコンプレックスを教えられ、驚くロザリーと謝るクリスである。

 

エルシャ

「まあまあ。私としてはこの副長さんは、ひょうきんで面白い人だと思うわよ」

 

ヤッタラン

「えっ…それホンマかいな?」

 

エルシャ

「ええ」

 

ヤッタラン

「ん…まあ、そんならちょっとはええけどなぁ…」

 

一夏

「おお…あの副長をそんな風に言って持ち直すとは…」

 

ヴィヴィアン

「エルシャ姉もなかなか言うね~」

 

 今度は率直でポジティブな意見でヤッタランの機嫌を持ち直させたエルシャと、感心する一夏とヴィヴィアンである。

 

サリア

「…今回の件は、中隊長として礼を言わせてもらいます。キャプテンハーロック」

 

キャプテンハーロック

「そいつはどういたしまして、だな…」ニッ

 

 礼を述べるサリアに対し、クールな笑みを浮かべて返すハーロック。誠意には誠意、であるのだ。

 

サリア

「ところで…エメラルダスは? ここにはいないみたいだけど…」

 

キャプテンハーロック

「エメラルダスか…あいつなら、3日前に火星近くで会ったな。

 元気にしていたな…今頃はどこを飛んでいるやら」

 

サリア

「そう…わざわざ、ありがとうございます」

 

キャプテンハーロック

「もしやエメラルダスの事も、そっちでは話題にあがるのか?」

 

サリア

「ええ。噂はよく聞くので」

 

 そののちに、アルゼナルから発進した潜水空母・アウローラで、彼女達は再び合流する。

 しかし…サリア、クリス、エルシャの3人は、ある理由から一時は敵になってしまうが紆余曲折の末に戻り、アルカディア号などの艦船を伴ってラストリベルタスを戦い抜くのは、まだ先の話。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:どっちにもやらなきゃいけない時がある

 

 ある日のアルカディア号にて。

 

キャプテンハーロック

「男なら、危険を顧みず…死ぬとわかっていても行動しなければならない時がある。

 負けるとわかっていても、戦わなければならない時がある…」

 

台羽

「キャプテン…?」

 

一夏

「で、出た…! 度々口に出す、キャプテンの生き様ゼリフ、その一つか!

 俺、今のはなんか、わかるような気がします…」

 

「まあ確かに、一夏ってそういうの好きそうよね」

 

キャプテンハーロック

「まあ今のは、俺の生き様や信念のようなものであり、

 男の生き様のようなものだな…」

 

台羽

「なるほど…何となく、俺もわかる気がします」

 

 と、ハーロックの言葉に感銘を受ける織斑一夏と台羽正と、一夏の様子に納得の鈴である。

 

セシリア

「男としての、誇り高き精神と、その生き様を象徴するセリフ…でしょうか。

 以前から思っていましたが、キャプテン…やはりあなたもまた、

 一夏さんとは違う意味で素晴らしい男性ですわね」

 

 更に、『インフィニット・ストラトス』シリーズのセシリア・オルコットもまた、ハーロックに感銘を受けていた。

 更に彼女は、「なぜもっと早く、彼らのような男性に巡り会えなかったのか。なぜ故郷のイギリスの貴族社会にいた頃は、彼らのような男性が周りにいなかったのか…」と、内心で後悔するようにも考えていた。

 

キャプテンハーロック

「そして、鉄郎もまた…それを知っていた」

 

台羽

「鉄郎…?」

 

 鉄郎という名前に疑問に感じる台羽正であったが、当のハーロックは穏やかな笑みを浮かべていた。

 その鉄郎という少年…星野鉄郎もまた、ハーロックやその親友であるトチロー、更には戦友であるエメラルダスからも温かく見守られ、時には手助けする、そんな若者の一人なのだ。

 

 と、その時…

 

アンジュ

「あのさあ…ちょっといい?」

 

台羽

「アンジュさん?」

 

アンジュ

「ハーロックの生きざまや誇りとかをどうこう言う気はないけどね…

 でも女にだってね、やると決めたらやらなきゃいけない時ってのはあるのよ…!」

 

エルシャ

「そうそう。ここで決めなきゃ女がすたる! …ってね」

 

キャプテンハーロック

「おっと…フッ、こいつは一本取られちまったな」フッ

 

 アンジュとエルシャの反論に対して、クールな笑みを浮かべて受け入れるハーロックである。

 

 ちなみにエルシャのは、声優ネタも入っている。

 

台羽

「お、おお…そうなん、ですか?」

 

「確かに、そうね…アンジュ達の言う通りだわ」

 

女性メンバー一同

「「「それは同感(ですわね)」」」

 

一夏

「みんなして一致!?」

 

 台羽の質問に答える螢…と思ったら、その後にミーメも含む多くの女性メンバーの意見が一致するの如く、一つに纏まるのだった。

 

 一夏には多少身に染みているのもあるが、台羽は改めて女性の底力などを認識せざるを得ないのである。

 

キャプテンハーロック

「…とは言え、勇気と無謀は違うとも言うからな…」

 

台羽

「そこら辺、違いというか見極めが難しそうですね」

 

ヤッタラン

「まっ、お前も危なっかしいから肝に銘じておくんやな」

 

一夏

「お、俺もですか?」

 

 一夏に顔を向けて釘を刺す発言をするヤッタラン副長に対し、一夏は少々不意を突かれたような気分だ。

 

キャプテンハーロック

「そう言えば、かつてエメラルダスも、海野広とか言う若者に言っていたそうだ。

 そんな風な事を、な…」

 

アンジュ

「へえ…あの噂のエメラルダスも、ねえ…」

 

 皆に言いながらハーロックは、宇宙のどこにいるかも知れぬ戦友に、思いを馳せる。

 ――そのエメラルダスの恋人であり、アルカディア号の心となっている…親友も、共に。

 

???

『…エメラルダス…』




今回、松本ワールド全開の状態だったなぁと思いますねえ。
エメラルダスと広の名前が出ましたが、読者の皆さん的には『クイーン・エメラルダス』の参戦フラグと取られるのでしょうかねえ、これは。


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似てる奴ら

すっごい今更だけど声優の三森すずこさん、プロレスラーのオカダ・カズチカさん。
ご結婚おめでとうございます!
同じく声優の竹達彩奈さんに梶裕貴さん、ご結婚おめでとうございます!


 その1:アウトロー気味の正義な奴ら

 

 ある日のアルカディア号にて、『がんばれゴエモン』のゴエモンと『宇宙海賊キャプテンハーロック』のキャプテンハーロックは、何やら話しているようだが…?

 

ゴエモン

「なあハーロック、おいら思うんだけどよぉ」

 

キャプテンハーロック

「何をだ?」

 

ゴエモン

「おいら達って結構、似てる所あるんじゃねえか?」

 

キャプテンハーロック

「ふむ…確かにな」

 

 考える仕草をしながら、答えるハーロック。

 

 ちなみにこの2人のどこが似ているかというと…

 

 *お江戸の義賊と時には人助けもする宇宙海賊という、アウトロー気味な正義漢。

 *悪人は許さず、困っている人や弱い立場の人は放って置けない人情派。

 *敵も多いが多くの人から慕われてもいる。

 

 …など。

 

エビス丸

「でもあちらさんの方がよく、イケメン扱いされとりまっせ」

 

ゴエモン

「あがっ!? おいエビス丸ぅ…」

 

 しかしいきなり出てきて顔の事を言い出すエビス丸にゴエモンは驚いて呆れ、ハーロックも少し困惑の汗を垂らす。

 

エビス丸

「まあ、それでも充分ゴエモンはんは男前やけどな~!」

 

ゴエモン

「ふっ…確かにな。

 けどよぉ…これならどうだい?」ボン!

 

 するとゴエモンの顔が途中からキリリと整った、イケメン顔になった!

 それはもう、帯ひろ志のコミカライズ版の如くである。

 

キャプテンハーロック

「お前そういう術なんかも使えるんだな…」

 

ゴエモン

「たまげたろ?」キラーン

 

エビス丸

「わっ、出た。漫画版の頃のこのノリ…」

 

 そしてゴエモンがイケメン状態のまま、締めくくられるのであった。

 

 尚、ゴエモンはシリーズによっては大江戸上の殿様も公認となったりもする義賊である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:強気で突撃!な奴ら

 

 ある日、『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』のアンジュと、『超獣機神ダンクーガ』の藤原忍と、『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダンの3人が、それぞれの機体について話していた。

 

アンジュ

「ねえ、思うんだけどさぁ」

 

カミーユ

「何をだ?」

 

アンジュ

「私達のそれぞれの機体ってさ、何気に突撃技とかあるのが共通してない?」

 

「あ~、そう言やぁそうだな。俺のイーグルファイターの

 アグレッシブビーストモードでのオーラ纏っての突撃とか…」

 

カミーユ

「俺のゼータも、ウェイブライダーに変形しての突撃とかあるしなあ…」

 

アンジュ

「それに私のヴィルキスのミカエルモードでの、突撃ね!」ニヤリ

 

 忍やカミーユに続き、自信ありげな笑みで締めようとするアンジュである。

 

カミーユ

「ああ…あの機体カラーが真っ赤に染まって

 なんか赤いオーラを纏ったフライトモードでの、あの突撃かあ」

 

「色こそ違うけどよお、俺のアグレッシブビーストでの突撃のといい勝負だぜ」

 

 ちなみにアグレッシブビーストモードでのイーグルファイターが纏うオーラ?は水色系の色であり、ヴィルキス(ミカエルモード)が纏う方は、赤である。

 

アンジュ

「あのあのオーラみたいなのだけど、正確には光学障壁っていうのだそうよ。

 …よくわからないけど」

 

「なんだそりゃあ…」

 

カミーユ

「そう言えば…俺のゼータもハイパービームサーベルの時、

 ピンク色のなんか凄そうなオーラみたいなのを纏ってるって、よく言われるしなぁ…」

 

 ちなみにヴィルキスのミカエルモードでの突撃だが、原作アニメで水上艦隊を蹴散らした際のものである。

 スパロボでしかクロアンを知らない人は、これは知らないという人も多いであろう。

 

「あっ! 俺、他にもこのメンツの共通点見付けたぜ!」

 

カミーユ

「他の共通点?」

 

アンジュ

「何よ忍、言ってみなさいよ」

 

「それはだな、俺も含めてみんな強気で我の強い性格…っていうか、

 そんな性格してるところさ」

 

アンジュ

「へえ…まあ大体合ってるわね」

 

カミーユ

「(確かにそうだろうけど、悪く言えばこう…短気で喧嘩っ早いとも言えるような…

 実際、俺もファやブライト艦長達からもよく言われてたし、それで俺も含めてなぁ)」

 

 と、一人達観したように、冷静に考え出すカミーユであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:飛んでくる岩塊な兵器

 

 その日、『機動戦士ガンダム』シリーズのブライト・ノアは、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにてガミラス軍が使用していた兵器・遊星爆弾の資料映像を見ていたが…

 

 BGM:無限に広がる大宇宙(宇宙戦艦ヤマト)

 

ブライト

「う~む…」

 

アムロ

「どうしたんだ? 艦長」

 

ブライト

「改めて見て思うが、この遊星爆弾…ガミラスはとんでもない大量破壊兵器を投入したものだ。

 しかしなんというかこう…既視感があるというか、何かに似てないか? アムロ」

 

アムロ

「何かに? アクシズとは大きさで違うだろうし、フィフス・ルナか…」

 

ブライト

「そうじゃない。確か一年戦争辺りの頃に、これと似たような

 幾つもの岩塊などのデブリを飛ばして目標に当てたりする簡易兵器があったはずだ」

 

アムロ

「あ~…そう言えば、昔ジオン軍がそんなの使ってたような覚えが…」

 

 ブライトの意見に、昔を思い出しながら答えるアムロである。

 

ブライト

「そいつの呼び名は、えーと確か…」

 

 次にブライトは、右手の人差し指を上に指しながら答える。

 

ブライト

「…ほら、衛星ミサイル!」

 

アムロ

「あ~、懐かしいなぁそれ」

 

 納得のアムロである。

 

エビス丸

「ちなみに名前が似ていて使い方や規模が大胆すぎる、『衛星爆弾』なんてのもありまっせ~」

 

ゴエモン

「みんなは惑星インパクトを救えたかな!?」

 

 そしてラストにはゴエモンとエビス丸で、締め括られた。




忍といいカミーユといい、どっちもスパロボの古参で喧嘩っ早いですよねえ…アンジュもそんな気がしたので。

それにしてもゴエモン…新作は一向に気配がない?


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ロックマン・8大ボスでGO! 1-1

去年から思ってましたが、『ソラとウミのアイダ』の櫻舞湖って、更識簪に似てませんかねえ?

それはともかく、今回は前から書きたかったシリーズです…ネタが出るかはともかく。


 その1:カットマンでGO!

 

 DRN.003 カットマン。

 トーマス・ライト博士によって作られた、工業用ロボットの一体。

 森林伐採用ロボットであり、全天候型に設計されている。

 また、ボディの構造は頭部以外はロックマンとほぼ同じである。

 

 

 ある日の事…

 

ロックマン

「カットマンのローリングカッターって、使いやすいしよく切れるよね~」

 

カットマン

「へへっ」

 

 右手の人差し指で鼻の下をなぞるような仕草のカットマン。

 

カットマン

「オイラの頭も、よく切れるからな!」ジャーン!

 

 と、今度は自慢げに頭のハサミ(ローリングカッター)を指さすカットマン。

 

ラウラ

「なるほど…頭のカッターだけにか」

 

カットマン

「そ~だぜ! なーっはっはっは!」

 

 『インフィニット・ストラトス』シリーズのラウラ・ボーデヴィッヒの「上手い事言った」と言わんばかりの指摘に、上機嫌のカットマンである。

 

雅人

「頭もよく切れるって言うけど…

 それってうちの亮やゲッターチームのハヤトさんみたいな切れ者ならいいけど、

 キレやすいって方の性格もあるのかなあ?」

 

「そう言やぁ確かにな…」

 

 『超獣機神ダンクーガ』の式部雅人の意見に対し、同調した獣戦機隊の仲間である司馬亮は、チームリーダーの藤原忍を見る。

 

「なっ…何だよ亮、その眼はよお!

 俺がキレやすいって言いてえのかよぉ!?」

 

沙羅

「ああもう、よしなってば。っていうか、自覚はしてたの?」

 

 忍が怒り出しはしたが、同じく獣戦機隊の結城沙羅になだめられて一旦収まる。

 

カットマン

「な、なんか、この人達も結構キレてるっスね…」

 

ロックマン

「あははは…まあ、いつもね」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ガッツマンでGO!

 

 DRN.004 ガッツマン。

 ライト博士によって作られた、土木作業用ロボットである。

 その巨体に見合う怪力と特殊合金製のボディによる頑丈さが特徴であり、能力となっている。

 また、短気だが情に厚い性格であり、工事現場の親方のようでもある。

 

 

 ある日の工事現場にて。

 

 そこではこの日、本来学生であるロンド・ベルの一部のメンバーとその関係者の教師達が、社会科見学の一環でガッツマンの工事現場に来ていた。

 ちなみに全員、安全用のヘルメットを被っている。

 

「すっげえ…漫画やアニメでも見たけど、本格的な工事現場だぜ!」

 

一夏

「へえ…ロックから話には聞いてたけど、ホントにガッツマンて

 こういうとこで働いてるんだな」

 

ガッツマン

「おうよ! 他にも山やら崖の方でボンバーマンと一緒に、

 土地の開拓とかで働いてたりもするんだけどな?

 まあどっちにしろ力仕事でワシはバリバリ働けるがな! ガハハ!」

 

「うわぁ…やっぱ、豪快なおっさんみたいなタイプねえ」

 

ガッツマン

「ハハハ…おっさんやのぅて、親方やっちゅうねん」

 

 感嘆の声を上げるのは『絶対無敵ライジンオー』の主人公にして地球防衛組の日向仁、同じく実際の工事現場に見入る『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏だ。

 そしてガッツマンの豪快さに対し、同じく『インフィニット・ストラトス』シリーズの鈴こと凰鈴音は少し引き気味であり、訂正を入れるガッツマンである。

 

ガッツマン

「今は10階建てのデカいマンションの建設中や。他ん所でもそうやけど、

 こういう工事現場や建設の現場で働いて汗水垂らしてる男達は、ぎょーさんおるんや!

 そのおかげでみんなの暮らしに、繋がっとるんや」

 

セシリア

「あらまあ、そうなんですの?」

 

甲児

「おいおい、そう来ちまうのかよ…」

 

兜シロー

「けどさあ、俺にはためになったと思うぜ!」

 

 『インフィニット・ストラトス』シリーズのセシリア・オルコットの反応に対し、呆れ気味の『マジンガーZ』の兜甲児だがその弟の兜シローはちゃんとフォローを入れる。

 

ガッツマン

「まあ今は、女も現場で活躍しとるっちゅーとこも増えとるが、

 それでも昔も今も色んなとこで働いてる男達の事、ないがしろにせぇへんようにな!

 特に、IS組はな!」

 

一同

「「「は~い!」」」

 

セシリア

「そう言えば、ロボットの他にも男性が働いてるのが多いですわね?」

 

一夏

「まあ、ガッツマンも言ってたけど、男の現場って言われるくらいだからな。

 力仕事が多いのもあるし、昔っからのイメージもあるからなあ」

 

 ちなみにガッツマンのその発言は、『ロックマンロックマン』にて。

 

ボス

「まっ、力仕事や現場仕事ってんならわかるぜ。

 それに光子力研究所の修繕もしてるしよお」

 

ヌケ

「ボスもよく駆り出されるもんね」

 

ムチャ

「ボロットも含めて色々とね~」

 

ボス

「そうそう、俺様達大活躍よ!」

 

ルリ

「…いつも通りのテンションですね、この人達」

 

 マジンガーシリーズのボス達に対し、『機動戦艦ナデシコ』のホシノ・ルリは呆れ気味である。

 ちなみにナデシコと言っても、テレビシリーズでの11歳のルリである。

 

005

「ちなみに俺もいるぞ」

 

一同

「「「ジェロニモさん!?」」」

 

 『サイボーグ009』シリーズの005ことジェロニモ・ジュニアがいた事に、一同は驚きを隠せない。

 

北斗

「ここ、ジェロニモさんも働いてたんですか!?」

 

ガッツマン

「おう。実はワシがこいつのパワーを見込んで、声かけたったんやねん。

 そしたらやっぱり即戦力になってくれたんやわ」ニカッ

 

「へぇー」

 

 『GEAR戦士(ギアファイター) 電童』の草薙北斗の質問に対し、ニカッとした笑顔で答えるガッツマン…相当上機嫌なようであり、それに感嘆の声を上げる仁である。

 

白鳥マリア

「やれやれ、ちょっとしたサプライズのある社会科見学になっちゃった…」汗タラー

 

 そして少々呆れ気味の『絶対無敵ライジンオー』の白鳥マリアによって、締め括られる。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:アイスマンでGO!

 

 DRN.005 アイスマン。

 彼もライトナンバーズの一体であり、元々南極大陸探査用に作られた寒冷地作業用ロボットである。

 探査終了後は冷凍倉庫内の荷物運搬などの仕事をしている。その為…

 

アイスマン

「…という訳でわたくしは現在、

 この冷凍庫内で冷凍マグロの運び出しをしているのでありますよ。

 わっせ、わっせ…」

 

「適材適所って奴? 寒い所用に作られてて氷技出せるあんたならではね…へっくし!」

 

 防寒着を着つつツッコんではくしゃみが出る、凰鈴音であった。

 

 

 そんなアイスマンは、やはり特筆すべきはそのかわいさにあり…

 

さやか

「アイスマンってかわいいわね~」

 

チトセ

「わかる! ホンットかわいいわ~!」

 

アイスマン

「そ、そんな照れるでありますぅ~///」

 

 この通り現在、『マジンガーZ』の弓さやかや『バンプレストオリジナル』キャラのチトセこと如月千歳らに、かわいがられていた!

 

 と、その様子を見て、織斑一夏が兜甲児やロックマンに問う。

 

一夏

「あれ? なあ、甲児…ロック」

 

ロックマン

「なに?」

 

一夏

「俺、思う事があるんだけどさあ…」

 

甲児

「何をだ?」

 

一夏

「チトセさんとアイスマンの声ってさあ、なんか似てねえ?」

 

ロックマン

「そう言えば…」

 

甲児

「言われてみれば、確かになあ」

 

 このように、声の共通点に気付くのであった。

 

 ちなみにアイスマンの方は現在、『機動戦士ガンダムAGE』のナトーラ・エイナスや、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのアスラン・ザラ、ムウ・ラ・フラガも加わっていた。

 

ナトーラ

「わあぁ…本当にかわいいです! ほら、アスラン君も!」

 

アスラン

「え、ええ…確かに、これは多くの人がかわいらしいと言うのも、うなずけますね」

 

ムウ

「おっ? 何だぁ、お前もか?」

 

アイスマン

「いや~、こうまで言われると…えへへへ///」

 

 やはり照れっぱなしの、アイスマンであった。




ちなみにアイスマンのネタの終盤の組み合わせは、某魔法先生を意識してます。

それとおとといの日曜に、ミュウツーの逆襲エボリューション…古い付き合いの友達と観てきました。
3DCGでのキャラの表情や動きもいいし、何人かのキャラが現在活躍中の人気声優の方々がやっておられました…例えば佐倉綾音さんや神谷浩史さん、吉野裕行さんとか。
それに「こんなシーンあったなー」とか、「ここはこんな風になってんだなー」とか、昔のを思い返して懐かしんだり違いを楽しんだりしてましたよ。
そして終盤の戦闘シーンは…ロケット団の3バカトリオの言い分に、凄く共感できました。
あんな不毛な争いをして、なんになるっていうんだ…


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ロックマン・8大ボスでGO!1-2

長らくお待たせしてすいません。
なにせ今月はブックオフのセールやら父の入院やら、『スター☆トゥインクルプリキュア』を今頃見始めては21話まで観て、ローソンのプリキュアスタンプラリーをやったりと、色々あったものでして。

それと前回のでお気付きの方もいると思いますが、前回と今回のライトナンバーズの性格や口調は公式のと『ロックマンロックマン』のを使っています。


 その1:ボンバーマンでGO!

 

 DRN.006 ボンバーマン

 トーマス・ライト博士が開発した工業用ロボットの一体であり、岩盤破壊用ロボット。

 持ち味であるハイパーボムでガッツマンと同じく土地開拓で岩盤破壊を行うが、不要建築物の破壊などにも使用される。

 また、その特殊武器ゆえかボウリングを好み、ライターとマッチは嫌いという、暴発を恐れての火気厳禁だろう所もある、江戸っ子気質ロボである。

 

 

 ある日の事…ボンバーマンは『がんばれゴエモン』シリーズのゴエモンと向かい合っていた。

 

ゴエモン

「おっ、あんたもその形の爆弾使うのか? 奇遇だなぁ!」

 

ボンバーマン

「するってぇと、そっちもかい? 奇遇だね~!

 それに噂で聞いてるぜ? いきでイナセなゴエモンさんよぉ!」

 

ゴエモン

「いや~、照れるな~。なっはっはぁ!」

 

 すると何やら楽しそうに談笑し始める2人。

 

エビス丸

「まあ、どっちもチャキチャキの江戸っ子やから」

 

「ゴエモンさんはわかるとして、

 ロボットのボンバーマンも江戸っ子ってどうなってんのよもう…」

 

 エビス丸の指摘に呆れる鈴…であるが、その間にもゴエモンとボンバーマンの談笑は続く。

 

ゴエモン

「そう言やぁ今度、花火大会をやるって報せがあったぜ。

 さっき見たポスターにデカデカと書かれてたな」

 

ボンバーマン

「ホントかよ!? そいつはゴキゲンじゃねえか!

 おらっちも花火は、大好きだぜい!」

 

 テンションが上がるボンバーマン…と、その時、遥か向こうから彼らの間へ向けて、一体のロボットが『ドドドドド…』と走って足音をたてながらやって来る。

 そしてそれは…

 

バーストマン

「江戸っ子気質で花火が好き!? 俺も俺も~!!」

 

ゴエモン&ボンバーマン

「「どうわあぁーっ!?」」

 

 『ロックマン7 ~宿命の対決!!~』のバーストマンである!

 しかもバーストマンは、「俺も混ぜてーっ!!」と言いたげな勢いと笑顔である。

 

甲児

「言っとくけど、俺だって、江戸っ子気質な方だぜ!」

 

ロックマン

「ちなみにボンバーマンはボンバーマンでも、

 別の会社の有名なゲームシリーズのとは、違うからね」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ファイヤーマンでGO!

 

 DRN.007 ファイヤーマン。

 彼もまたライト博士のライトナンバーズの一体であり、廃棄物処理場で働くロボットである。

 7000から8000度の炎を操るファイヤーストームを両腕から発してゴミを燃やし尽くす。

 

ファイヤーマン

「…と、言う訳で! 俺の名はファイヤーマン!

 燃える熱血、炎の男!炎のロボットだぜえ!!」

 

セシリア

「うーん…名前と能力の通り、情熱的な性格のロボットのようですわねえ。

 一夏さんもいいですが、こういう殿方もなかなか…」

 

「ていうか寧ろ、暑苦しいわよ…」汗タラー

 

 そんなツッコミをしている凰鈴音はファイヤーマンの炎の熱気のせいか、汗を垂らしている。

 

ファイヤーマン

「そして! そんな正義の炎にも燃えている俺は悪を燃やすが、キャンプが好きだ!

 やって来たぞキャンプ場! ちょっと早いがキャンプファイヤーだっ!!」

 

「キャンプ場て、いきなりよね!? しかも、ちょっとどころじゃないわよ!?」

 

 猛烈な勢いでボケるファイヤーマンと、同じく猛烈な勢いでツッコむ鈴である。

 

トーチマン

「ちなみに俺もいるぞ!」

 

セシリア

「今度は別の炎ロボが!?」

 

 現れたのは、『ロックマン11 運命の歯車!!』の8大ボスの一体のトーチマンである。

 

トーチマン

「みんなも、たき火やキャンプファイヤーをするのはいいが、

 火の扱いには気を付けるんだぞ」

 

ファイヤーマン

「でなければ、大惨事だからな! 気を付けなければな」

 

「誰に言ってんのさ…」

 

 などと、冷や汗を掻きながらツッコむ鈴である。

 

006

「ちなみにワテも炎の能力持ちで、炎の料理人ですヨ」

 

ファイヤーマン

「おおっ! あんたもか!」

 

 と、『サイボーグ009』の006こと張々湖も出てきて更に盛り上がる。

 …と、思いきや…何やらポツポツと雨粒が降りだして…

 

セシリア

「あら? 何だか雨が…」

 

「にわか雨かしらねえ?」

 

ファイヤーマン

「ぬおっ!? い、いかん…」

 

 すると何やらファイヤーマンがわなわなと震えだした。

 

ファイヤーマン

「お、俺は…俺は…キャンプは好きだが、雨降りは嫌なんだああぁぁぁ!!」

 

 叫び出したファイヤーマン! しかもこの雨の影響か、頭の炎もだんだんと小さくなっていっている!

 

「ああ、なるほど…」

 

006

「アツい炎のロボットも水には弱い、特に突然の雨にはって事アルか。

 これで少しは冷えて騒がしさも収まるとええけどね」

 

 しかし、その直後に…

 

トーチマン

「ちなみに…俺も火の勢いが弱まってるぞ」

 

一同

「「「あっ!? 忘れてた!!(忘れてましたわ!!)」」」

 

 驚く一同、そして。

 

ファイヤーマン

「み、みんなも…火の扱いには気を付けような。

 あんまり燃えすぎても、危ないからな…」

 

 低いテンションと弱気な感じで、注意を促すファイヤーマンだった。

 

 *ちなみにファイヤーマンは、鈴達や『サイボーグ009』の003ことフワンソワーズ・アルヌールらを見て、案の定「萌える萌える! お前に萌えるぅ!!」とか言っていて、引かれたそうな。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:エレキマンでGO!

 

 DRN.008 エレキマン。

 彼もまたライトナンバーズの一体であり、原子力発電所の電圧制御用ロボットである。

 このような重要かつデリケートな仕事を受け持っている為、鋭い判断力と冷静さを併せ持ち、使命感が強い性格をしている。

 特殊武器のサンダービームは絶大な威力を誇り、ショートさせたロボットは数知れない。

 

エレキマン

「ふむ、翼の騎士(ナイト)ゼロか…君もなかなか美しいな」

 

翼の騎士ゼロ

「そうか? そのようにお褒めにあずかり、光栄だな」

 

 このように、その持ち前の美的センスで『SDガンダムフォース』の翼の騎士(ナイト)ゼロを褒め称えるエレキマンである。

 

鉄也

「それにしても、俺はあんたのサンダービームからは、なんだか他人な気がしないぜ」

 

エレキマン

「私もさ剣鉄也。君のグレートマジンガーのサンダーブレークを見ていると、

 似たような気分になるからね」

 

 今度は『グレートマジンガー』の剣鉄也とのサンダー談義になるが、これは『どちらも指先から電撃技を撃っているのが多い印象』が要因だろう。

 …尤も、エレキマンはロックマン(第一作目)では両手でサンダービームを出しているような動きをし、グレートのは指先から以外でもサンダーブレークやエレクトロサンダースパーク(漫画版の技)を出している為、指先に限った事ではない。

 

「そう言えば、ロックマン&フォルテでのデータベースだと、

 ゴム製品が嫌いだそうだが…電気を通さない絶縁体だからか?」

 

エレキマン

「その通り。あれはどうもなぁ…」

 

 と、篠ノ之箒が訊いた直後に…

 

ラバーマン

「それってぇ、僕みたいなのの事ぉ?」

 

エレキマン

「ぬおっ!?」

 

「ぬおわぁっ!? お前は確か、ラバーマン!?」

 

 ここで『ロックマン11 運命の歯車!!』のラバーマンがニュッと現れ、2人は驚いて引いてしまう。

 

 ちなみに箒は、ラバーマンの声を聞いて「何だか姉さんに似た声のロボットだな」と思った事がある。

 

 また、エレキマンのサンダービームを見て、彼女は…

 

「ISでこれをくらっても、シールドバリアで防ぎきれるだろうか?

 それとも、やはり感電するのだろうか?」

 

 と、疑問に思ったそうな。




ファイヤーマンやエレキマンの好きなものや嫌いなものは、本文書かれてるようにロックマン&フォルテのデータベースのを採用しています。

それにしても、この夏の時期になると、『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』が観たくなりますよねえ…だからこそ、土曜にその原作コミックスを読んだんですけどね。


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ロックマン・8大ボスでGO! 1-3

最近、ドラえもん×ソードアート・オンラインのある小説にハマっております。
のび太とキリトの親友具合とか、リーファに成績の悪さを認知されて慌てるのび太とか…
ユウキやシノンとあまずっぺー仲になるのび太とか、他にも見所たっぷりですよ…もうちょいで最新話に追い付きそう。


 その1:タイムマンでGO!

 

 タイムマン…ライト博士が時間旅行実現させる為に作ったロボットであり、言わば実験機。

 しかし未だ研究途中なせいか未完成や不完全でもある為、そんな自分にコンプレックスを持つ。

 そんな経緯なせいか完全・完璧にこだわっており、尊大(要するに偉そう)な態度を取る他、時間にうるさいまじめな面も持っている。

 

 そんなタイムマンは、ある一体のレプリロイドと対面していた。

 

タイムマン

「何というか…不思議だなあ。

 お前とは他人のようには思えない」

 

マイマイン

「それ奇遇だね、実は僕もだよ…」

 

 そのレプリロイドとは、『ロックマンX2』のクリスター・マイマインだった。

 それはどちらも時間?をゆっくりにさせる能力を持ち、尚且つコンプレックス持ちだからこそなのだろうか。

 とは言え、マイマインのコンプレックスのは漫画版の方であるが。

 

 その後の2人は、更にウマが合っていったとか。

 

 更に、亡国機業(ファントム・タスク)と呼ばれる組織のとある少女は、タイムマンに関して「あいつは何だか他人な気がしない」とコメントしているそうな。

 ちなみにこの小説の作者は、その少女に関しては主に二次小説や記事でしかほぼ知らない。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:オイルマンでGO!

 

 オイルマン…ライト博士が開発した、最新型高性能メンテナンス用ロボット。

 どんな機械にも対応できるオイルを体内で作り出し、腕のバスターのような発射口から撃ち出す事が出来る。

 語尾に「ヨォ」や「ヨゥ」を付けてしゃべり、陽気な性格や冗談交じりのマシンガントークなどの面もあってか、楽天家やチャラ男のような印象を受けられがちだが、意外と鋭い一面もあるロボットである。

 

 

 ある日の格納庫にて――。

 

オイルマン

「ヘイ! これでこいつのオイルメンテナンスは完了したヨォ!」

 

一夏

「サンキューな、オイルマン」

 

 織斑一夏は、愛機の白式をオイルマンにオイルメンテナンスしてもらっていた。

 

オイルマン

「いいかい、よく聞くんだヨゥ? どんなロボットやマシンや道具でも、

 適度に油差しとかねえと、具合が悪くなっちまうんだヨォ!」

 

一夏

「な、なるほど…

 最近動きがぎこちない感じだったのは、そのせいだったのかも…」

 

オイルマン

「まあ要するに、ちゃんとメンテナンスはしとけって事だヨゥ。

 さっきも言ったがロボットもそうだけど、ニッパーやペンチなんかの工具でもヨゥ、

 さびついて使いにくくなっても、油差してやりゃあ使えるってもんだヨォ!」

 

一夏

「油差してやれば、か。なるほどなぁ…」

 

 オイルマンの押しに、一夏は感慨深そうにうなずく。

 

アストナージ

「おっ、いい事言ってくれんじゃねえか。

 整備する側、される側でもある両方のロボットのお前さんだからこそ、

 そういう事言えるんだろうし、気持ちもわかるってかぁ?」

 

オイルマン

「そういう事だヨーゥ!」

 

一夏

「お、おお…なんか、整備に関わるもん同士、

 アストナージさんと意気投合してんなぁ…」

 

 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアストナージ・メドッソの考察に元気よく肯定するオイルマンを見て、一夏は見入ってしまうのだった。

 

 そんな時…

 

リョウ

「ふむ、そういう事なら…おーい、オイルマン!

 俺のサイドカーにも油差してくれないか?」

 

ハヤト

「俺のバイクにも頼むぜ」

 

 今度は『ゲッターロボ』のリョウこと流竜馬と、ハヤトこと神隼人が、自前のサイドカーやバイクを押して頼んできた。

 

オイルマン

「OK! 頼まれたヨォ」

 

 快諾するオイルマンだが、更に…

 

甲児

「じゃあさ、俺のバイクのも手伝ってくんねえか?

 それとマジンガーの方もさぁ」

 

 『マジンガーZ』の兜甲児に…

 

「俺のスパーカーも出来れば…」

 

 『勇者ライディーン』のひびき洸。

 

豹馬

「なあ、俺のバイクも頼むよぉ」

 

 そして今度は『超電磁ロボ コン・バトラーV』の葵豹馬が、バイクを押してやって来たのである。

 

オイルマン

「おいおい、さすがに多すぎだヨォ!?」

 

 これにはオイルマンも、驚きの大慌てである。

 

「これは…さすがに司馬モータースの社長兼整備士としては、手伝う方がいいか」

 

 そしてその様子を見ていた『鋼鉄ジーグ』の司馬宙は、オイルマンを手伝おうと歩み寄るのだった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

ロックマン

「みんなどうだった? ロックマン1や

 ロックマンロックマンのみんなの事、知ってもらえたかな?

 …えっ? 誰か忘れてないかって?」

 

ボンドマン

「んっ? 俺の事かな?」

 

ロックマン

「うわぁっ!?」

 

 その時、ページのコマ?の右からひょこっと現れた、幻のボスキャラの『ボンドマン』に、ロックマンは驚いてしまう。

 

 ちなみにこのボンドマン、ロックマン1の開発当初は、まだ名前すら決まっていなかったもう一体のボスキャラと共に登場する予定だったのだが、ROMカセットの容量の都合で削らざるを得ず、それで日の目を見る事のなかった…そんな幻のボスキャラなのである。

 

 その3:幻のボスキャラでGO!? 完




ボンドマンに関しては、有賀ヒトシ先生が描いた『ロックマンを作った男たち ロックマン誕生伝説』を基にしました。
それにしてもタイムマン、ネタが出しにくかったァ…タイムスローはチャージクリスタルハンターやスピードギアと似ている感じがするが。え、スピードギアは微妙に違う?

それにしても、この前のドラえもん誕生日スペシャルは面白かった…
ゲストキャラのミスター・マキャロンだけじゃなくあのジャイアンまでラップで歌うとは…まあ結局いつもの、というかいつも以上にひどい歌が披露されたが。
それにのび太とドラえもんの友情にジーンと来ましたし、同じくゲストキャラの猫型ロボットのキャンディがかわいらしすぎました…声を担当した雨宮天さん、ありがとうございました。


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ロックマン・8大ボスでGO! 2-1

現在放送中の『スター☆トゥインクルプリキュア』だけど、『サイボーグ009』とのクロスオーバーはどうだろうか。
ジョーとジェットがいい兄貴分だったり、孤児として生きてきたジョーを気にかけるえれなとか…イマジネーションが刺激される!

ちなみに今回の話は、ロックマン2です。


 その1:メタルマンでGO!

 

 BGM:メタルマンステージ(ロックマン2 Dr.ワイリーの謎)

 

 DWN.009 メタルマン

 悪の天才科学者・Dr.ワイリーが自ら作り上げた戦闘用ロボットであり、最初のワイリーナンバーズ。

 前回の世界征服計画時に戦力としたカットマンから得られたデータを基にしている。

 セラミカルチタン製の回転ノコギリのメタルブレードが主武装で、そのせいかフリスビーが好きだが犬は嫌い。

 

 

 ナデシコにて――。

 

ウリバタケ

「へえぇ…こいつがメタルマンかい」

 

 大画面を前にして、ナデシコクルーで整備半チーフのウリバタケ・セイヤやロックマン達は、エアディスプレイに映し出されたメタルマンを見る。

 

ガイ

「こいつも世界征服を狙う悪党の手先ってか…しかしなかなかイカス格好じゃねえか!」

 

アキト

「確かに…聞いた通りキレものっぽい雰囲気だよなあ」

 

 『機動戦艦ナデシコ』の主人公のテンカワ・アキトやダイゴウジ・ガイは、メタルマンの見た目からそれぞれ評する。

 

ユリカ

「このメタルブレードっていう回転ノコギリ、おでこにも付いてるんですね~」

 

アキト

「え? …あ、ホントだ」

 

リョーコ

「言われてみれば確かになぁ」

 

 ナデシコ艦長のミスマル・ユリカに指摘され、次々とメタルマンの額のメタルブレードへと注目が集まる。

 

ロックマン

「その事だけど、実は前にライト博士がメタルマンのこの姿を見て、

 『あれじゃ未来の歯医者さんだよ』って、笑った事があるんだ」

 

 *参考資料『ロックマンメモリーズ』にて。

 

ヒカル

「未来の歯医者さん…プッ、確かに!」

 

リョーコ

「ぷふっ、アッハッハ! 確かにそりゃあ言えてるな!

 言われてみりゃあ、歯医者のあれみたいに見えてきたわ!」

 

イズミ

「メタルマン本人といい、そのライト博士といい…

 ジョークセンスあるわね。フフッ」

 

 ロックマンが話した笑い話により、その場は笑いに包まれるのであった。

 

 

 一方その頃、ワイリー基地にて――。

 

メタルマン

「…ッ!」

 

フラッシュマン

「どうした? メタル」

 

メタルマン

「今…誰かに笑われた気がした!」

 

フラッシュマン

「はあ?」

 

 と、怒りの形相を浮かべるメタルマンであった。

 

 

 

   *    *   *

 

 

 

 その2:メタルマンでGO!2

 

 メタルマンステージにて――。

 そこのボスの部屋にて、『サイボーグ009』の009こと島村ジョーは、ステージボスであるメタルマンと向かい合っていた。

 

009

「少し前から思っていたけど、僕はどうも君とは似てる所があるように思えるよ」

 

メタルマン

「似てる所? 何だ、ナンバーが009な所とかか?」

 

009

「それもあるけれど、例えばほら、ナンバーズのリーダー格とかさあ」

 

メタルマン

「あぁ~、確かになあ。それに俺長男だしなあ」ウンウン

 

 009の意見にうなずいて賛同するメタルマンである。

 

009

「まあ、僕は君と違って、結構後の方のゼロゼロナンバーだけどね」

 

メタルマン

「あ、そうか。そういう違いもあるか」

 

 このように、妙にウマが合うジョーとメタルマンであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:エアーマンでGO!

 

 DWN.010 エアーマン

 Dr.ワイリーが制作した空中戦闘用ロボットで、顔と胴体が一体化した独特の体型をしており、後のエアーマンシリーズと呼ばれる体型の基となった。

 部下達と協力して巨大な竜巻を生み出し、自身の腹部のプロペラで台風並みの強風を出す事も可能。

 ワイリー曰く「腹にプロペラを入れたらこうなった」との事であり、そのプロペラには敵に恐怖感を与える効果があるとの事。

 

 

 大空魔竜・あるモニター前にて――。

 

甲児

「しっかし、胴体に顔付けて口みたいな位置にこんなプロペラ入れるなんてなぁ…

 ヘルの奴も相当なもんだったけど、ワイリーのもなかなか奇抜なもんだぜ」

 

「全くよねえ。一体どういうセンスしてんのかしら」

 

鉄也

「しかし…まるでズゴックな奴みたいだなあ」

 

甲児

「ちょっ、鉄也さん、ズゴックみたいって…まあ確かにそれっぽい体型してるけどさぁ」

 

セシリア

「あらまあ…言われてみれば、その意見もうなずけますわねえ」

 

 と、『インフィニット・ストラトス』シリーズの鈴こと凰鈴音とセシリア・オルコットと、旧マジンガーシリーズ三部作の剣鉄也と兜甲児が、そんな類似話をしていると…

 

ロックマン

「何でもワイリーは、このエアーマンの起こす風を使って凧上げをしようとして、

 失敗した事があるんだって」

 

「えっ、凧上げ? こいつの風でか??」

 

豹馬

「そりゃまた、随分とおちゃめと言うか、遊び心のあるじいさんだこと。

 まあ悪人だけど…」

 

 少し驚き顔の『インフィニット・ストラトス』シリーズの篠ノ之箒に続き、呆れ顔の『超電磁ロボ コン・バトラーV』の葵豹馬である。

 

シャルロット

「凧上げって…確か、日本に古くからあるっていう、伝統的な遊びの一つだったよねえ?」

 

一夏

「ああ、それで合ってるぞ」

 

ラウラ

「それに失敗したとは、どういう事だ? 風力の調節を誤ったとかか?」

 

 と、ここで疑問に感じた『インフィニット・ストラトス』シリーズのシャルロット・デュノアに答えた織斑一夏であったが、今度はラウラ・ボーデヴィッヒが疑問を投げ掛けてくる。

 

一夏

「それは…まあ、風を操るロボットだから、充分あり得そうだなあ…」

 

ロックマン

「アハハ…まあ、僕もそれは充分あり得そうかなって思うよ」ニガワライ

 

 苦笑いで答える、ロックマンである。

 

 一方その頃、ワイリー基地近くの草原では…

 

Dr.ワイリー

「よ~しよし、いいぞエアーマン! 今度は成功じゃ!

 あっ、もうちょいこの出力の具合のを維持しろよー?」

 

エアーマン

「は~い、了解だどー! しかし…何だかトホホな感じだど…」

 

ヒートマン

「あれっ? あの博士またやってるよ」

 

クイックマン

「今度は成功したみたいだからいいけど、やっぱあの人も大概懲りないよなあ…」

 

 と、他のセカンドナンバーズに呆れられてしまうのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:エアーマンでGO!2

 

一夏

「それにしてもこう…このエアーマンて、

 なんかあれを思い出すっていうか、あれに似てないか?」

 

「何だぁ、一夏よ? その、あれというのは…」

 

 不明瞭な一夏に対し、箒が問い掛けたその答えは…

 

一夏

「こう…扇風機みたいっていうかさあ」

 

「ブフッ!」

 

「せ、扇風機ィ!?」

 

「ちょっ…何よそれぇ! 扇風機って、おかしすぎるわっ!」ケラケラケラ

 

ボス

「うひひひっ…確かにそりゃ傑作だわさ!」

 

 驚く箒のその一方、吹き出した鈴は腹を抱えてケラケラと笑っている。

 更には『マジンガーシリーズ』のボスもまた、鈴と同じくツボにハマったのか、同様に笑っている。

 

 しかも離れた位置からこの話を聞いていた、一夏の姉の織斑千冬もまた…

 

千冬

「扇風機か…プフッ。確かにな」プークスクス

 

 と、密かに笑っていた…どうやら笑いのツボに来てしまったようである。

 

 

 更に、ワイリー基地でもまた…

 

ワイリー

「ふー、暑かったわい…いい風じゃ♪」

 

エアーマン

「そりゃいいけれど、いい加減早いとこエアコンを直すべきだと思うんだどぉ…」

 

 暑さにまいっていたワイリーは、エアーマンの出す弱めの風に、それも扇風機レベルの風に当たって涼しんでいた。

 

ヒートマン

「これぞナンバーズの意外な活用法ってか~」




エアーマンの口調などは、ロックマン&フォルテのを基にしました。

近頃は『ドラえもん のび太と仮想世界』という、ドラえもん×ソードアート・オンラインの小説にハマっておりますが…すごく、面白いです。


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ロックマン・8大ボスでGO! 2-2

PS4でダウンロード購入した『ぎゃるガンヴォルト』、3人の主人公それぞれでクリアした…そしてトロフィー全てゲットしてもうたわ。

そして今回も引き続き、ロックマン2のボスキャラに関してです。
水中のあいつと例のスピード狂のですよー!


 その1:バブルマンでGO!

 

 DWN.011 バブルマン

 ワイリー初の、それも世界初の水中専用人型ロボット(人型なので前作のCWU-01Pは含まれない模様)。

 しかし設計ミスで歩く事が出来ず、移動はジャンプでしか行えないという欠陥持ち。だが後発の『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』では普通に泳いで移動できており、更に『ロックマンズサッカー』では陸上を走る姿が確認され…ひょっとしたら改善でもされたのかもしれない。

 そんな彼は(海のようになのか)心が広く、金遣いが荒い。更には温泉が好きで(ことわざにもあるくらいなせいか)油が嫌いらしい。

 

 

 バブルマンステージにて――。

 

 BGM:バブルマンステージ(ロックマン2 Dr.ワイリーの謎)

 

バブルマン

「そんな俺こそが、バブルマン!

 見ての通り、水中戦に特化したワイリーナンバーズだブク!」

 

008

「もう知ってるよ。っていうか、水中なら僕もだけど」

 

 バブルマンの自己主張ありありな自己紹介に対し、『サイボーグ009』の008ことピュンマは、このように冷静に返す。

 

バブルマン

「あと言っとくが! 決して一昔前の炭酸飲料やそのキャラじゃないぞ!

 くれぐれも間違えないようにブク!」

 

008

「いや、今どきの人わかんないだろそれ!?」

 

 などと、懐かしのネタについツッコむ008である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:バブルマンでGO!2

 

バブルマン

「あ~あ~。最近疲れたから、温泉にでも入りに行くでブクかなあ」

 

 一人でいるバブルマンは、「ロボットなのに何言ってるんだこいつは」、と言われるような事を愚痴るように言っている。

 そんな彼は、やがて歩き出し…

 

 

 そして1時間後、所変わって熱海の温泉旅館『くろがね屋』にて――。

 

 BGM:感じてKnight(スーパーロボット大戦BX)

 

暗黒寺警部

「ふ~い、やっぱりここの温泉はいいなあ!

 久々に入ってすっきりさっぱりだぜ」

 

 くろがね屋の温泉(露天風呂)に浸かっていい気分な暗黒寺警部こと、『真マジンガー 衝撃!Z編』の暗黒寺闇太郎。

 

暗黒寺警部

「…んお?」

 

 しかし、そんな彼はある人物がいる事に気付く。それは…

 

バブルマン

「ふは~っ! やっぱ久々の温泉は最高だブク」

 

 少し離れた位置で湯に漬かっている、バブルマンであった!

 

暗黒寺警部

「(あっ…あいつは確か、ワイリーって奴んとこのロボット!?

 何でここにィ…!?)」汗タラー

 

 そして内心でかなり驚く、暗黒寺警部であった。

 

 ちなみにこの時バブルマンは、普通に客として来ており、ちゃんとお金も払っている。

 

「まいどあり~♪」

 

つばさ

「まっ、おイタをしないってんなら、普通に客としてもてなしてやるさ」ニヤ

 

 そしてご満悦な様子の『真マジンガー 衝撃!Z編』のイタチの安と、不敵な笑みを浮かべる女将の錦織つばさである。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:クイックマンでGO!

 

 DWN.012 クイックマン

 ワイリーによってエレキマンをベースに作られた、高速戦闘用ロボット。外見では赤いボディとV字の角が特徴。

 『自らが光速に近づく』というテーマの基に製作され、自身の主観時間(体感時間)を増大させての高速移動を可能にしている(要は『ロックマンX ザ・ノベル』でのエックスのヘッドパーツやダブルギアシステムのスピードギア、009達の加速装置と似たような感覚)。それにより、本人からすれば自分が速いというより周囲や相手が遅く感じ、遅く見えていると思われる。

 その高い素早さもあってか、スピードと高いジャンプ力が自慢でスピード狂な性格であり、自信家でナルシスト的な所もある。

 しかしその一方で、正々堂々とした戦いを好むという気質もある。

 

 

 クイックマンステージにて――。

 

 BGM:クイックマンステージ(ロックマン2 Dr.ワイリーの謎)

 

クイックマン

「俺の名はクイックマン…このステージのボスであり、スピード自慢さ!」

 

 カメラ目線で語りだすクイックマン。

 

クイックマン

「スピードではそうそう俺の右に出る者はいない…

 それを維持する為にも、俺はこのレーザートラップだらけのステージで

 今日も鍛えているのさ! そんな俺に付いて来れる奴など…」

 

 走りながら自慢気に語るクイックマン。だが…

 

009

「それはどうかな?」シュタッ!

 

クイックマン

「むむっ! 貴様は009!」

 

 そこへ割り込むかのように、『サイボーグ009』の009こと島村ジョーが、微笑みながら駆け込んで来る!

 

009

「スピードなら僕だって…!」

 

クイックマン

「なんの、負けるか!」

 

 そうして2人の、クイックマンステージのボスの部屋までの競走で締め括られる。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:クイックマンでGO!2

 

 クイックマンステージにて――。

 

クイックマン

「俺はクイックマン…世の中広いって事を思い知らされたが、

 この俺の素早さは驚異的で脅威だって事はゆるがない!」

 

 またもクイックマン自身の語りから始まっている。

 

クイックマン

「そしてそんな俺は現在…」

 

 クイックマンは相対している相手の一人の――『インフィニット・ストラトス』シリーズの、篠ノ之箒を…紅椿をまとった彼女に対し、ニヤリとした笑みを浮かべながら目線を向ける。

 

「こうして私が、その相手の一人として戦っている訳だが…

 本当に素早いな! 聞いていたとおり、どころではないぞ…!」ハア、ハア…

 

 息切れしながらも、箒はポニーテールを揺らしながら叫ぶ。

 

009

「僕は加速装置で互角以上のスピードで行けるけど、やはり箒にはきついか…」

 

 この状況で冷静に戦況を分析する009。

 しかも、彼女のISの持ち味の一つである高速飛行も、この高さはあれど広さやデコボコした地形などもあって活かしにくいのだ。

 

クイックマン

「まっ、それでもそこのお嬢さんは、この俺に何度か剣やレーザーでのダメージを与えたんだ。

 009との連携も込みのも幾つかあるが、それでもこの俺の自慢のスピードと

 クイックブーメランに対応してきてるんだ。大したもんだぜ」

 

「ふん…そいつは光栄、だな…」ハァ、フゥ…

 

 箒は未だに少し息が上がっている。

 

009

「(なんとか奴の動きを止められればいいが…足回りを凍らせるか?)」

 

 そう思案した009は、スーパーガンのモードを変えて脳波通信を紅椿のチャンネルに合わせ、箒に「自分が仕掛けて動きを止める」と伝えるが…

 

クイックマン

「まっ、このワイリーナンバーズのトップクラスの速さを誇るこの俺を相手に付いて来られたんた。

 こんな骨のある奴らは俺も嬉しいぜ…!」ニヤァ

 

 嬉しそうな不敵な笑みを浮かべるクイックマンに、箒や009は更に警戒する。のだが…

 

フラッシュマン

『よく言うよ! 前にターボに負けたくせによぉ!』ニヒヒッ

 

クイックマン

「うえっ!?」ズデデッ!

 

 いきなり通信で割り込んで来てからかうフラッシュマンに、クイックマンはギャグ漫画的表現のごとく、ずっこけてしまう!

 ちなみにこの話は、クイックマンがターボマンと競走して負けた、というのエピソードの事である。

 

 そしてこれにはやはりギャグ漫画的表現のごとくな汗を垂らす、箒と009であった。

 

 その後、チャンスはのがさんとばかりに009を先手に仕掛けられたのであった。

 

クイックマン

「フラッシュてめえ! こんにゃろ~っ! 後で覚えてやがれよなぁ!!」




炭酸飲料のバブルマンとか…覚えてる人や知ってる人って、ハーメルンにいますかねえ?
一昔前のテレビCMでやってました、あれですよ。

ちなみにクイックマンは、今回触れられてませんがフラッシュマンから得られるタイムストッパーが弱点です。
クラッシュマンのクラッシュボムもよく効きます。


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ロックマン・8大ボスでGO! 2-3

すいません、まるまる一か月も間を開けてて。
今月の初めにダウンロード購入した『不思議の国の冒険酒場』にハマってたり、家の旅行に付き合わされたりとか、色々あったもんでして。

ちなみに今回もロックマン2です。


 その1:クラッシュマンでGO!

 

 DWN.013 クラッシュマン

 ワイリーが前回の世界征服計画の際に改造して利用した、ガッツマンの頑丈さとボンバーマンの爆弾系能力のデータを基に作り上げた、『歩く弾薬庫』あるいは『壊し屋』の異名を持つ戦闘用ロボット。

 普段はおとなしくさっぱりした性格だが、怒ると手が付けられなくなる程にキレる。

 また、ビルを壊すのが好きだがリサイクルが嫌いという、ボンバーマンの『物を大事にしない』短所まで受け継いでしまっている。

 

 

 ある日のナデシコ、大型モニター前にて――

 

アキト

「これがクラッシュマンか…」

 

ウリバタケ

「こいつ、リーゼントヘアーみたいな頭してんなあ。

 ここにも爆弾かセンサーでも、仕込んでんのか?」

 

ガイ

「そりゃあり得そうだな。なんせ歩く弾薬庫ってくらいだから、

 王道でお決まりのパターンだろうぜ」

 

 『機動戦艦ナデシコ』のナデシコの主要なクルー達は、クラッシュマンを見て考察していた…特に頭のリーゼントに。

 

ユリカ

「うーん、ロック君から聞いた話だと、普段おとなしくてさっぱりした性格だけど、

 怒らせるとキレて手が付けられないってぐらいだし…それにこの頭…」

 

 そして艦長のミスマル・ユリカは…

 

ユリカ

「それじゃあこのクラッシュマンてロボットは…

 きっと『クールだけど怒らせると怖い』感じの性格の、

 そんなどっかの不良番長みたいなんだと思いま~す!」ニコパー

 

 笑顔でボケをかました!

 

 そしてそのボケに対し、周りのクルー一同も「うああ」や「ええぇ~っ」など、変な声を出しながらズッコケたりギャグ的表現の汗を垂らしたりしている。

 

 

 更にその頃、同時刻のワイリー基地にて――。

 

Dr.ワイリー

「お前自分で作っといて何じゃが、

 やっぱりその頭のってリーゼントみたいじゃのう」ユビサシ

 

クラッシュマン

「そんな今頃ぉ!?」

 

 などと、製作者のワイリーがクラッシュマンの頭を指さしながら、そんなやり取りがあったそうな。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:クラッシュマンでGO!2

 

 更にナデシコでは、今度はクラッシュマンのその特徴的な両腕が話題になっていた。

 

甲児

「それにしても…こいつ、両腕が特殊武器のクラッシュボム用のになってんなあ。

 両方ともボム撃てそうだし、見るからに殺る気まんまんだぜ」

 

ヴィラル

「確かにな…いわゆる『武器腕』って奴か?」

 

 『UFOロボ グレンダイザー』の兜甲児と『天元突破グレンラガン』のヴィラル(第3部以降)は、クラッシュマンの腕を見て推察する。

 

 しかし、そんな時にヴィラルの隣で見ていた、『天元突破グレンラガン』の主人公のシモン(第3部以降)が…

 

シモン

「しかしなぁ…なんかこいつ、この腕…気に食わないなあ」

 

ヨーコ

「シモン?」

 

ヴィラル

「気に食わないとは、何がだ?」

 

ユリカ

「ヴィラルさんの言う通りです。具体的に言ってみてくださいよ」

 

シモン

「ああ、それはな…」

 

 同じく『天元突破グレンラガン』のヨーコ・リットナー(第3部以降)やヴィラルやユリカの疑問の声があり、シモンはそれに応えるべく口を開き…

 

シモン

「両腕がドリルになっているのに、そのドリルがただ単に

 目標に突き刺さるってだけの目的の物なのが、俺は気に食わないんだ!」

 

「え、そこぉ!?」

 

 シモンの憤りの理由に、呆れ顔でツッコむ鈴!

 

シモン

「だっておかしいだろ!? 穴を掘り、道を作り、どんな敵をも貫き、

 そして明日を作ってゆくのが、ドリルだろう!? なのにこいつのは…!!」

 

ロックマン

「おお…なんか、シモンが燃えている…」

 

一夏

「ホントだぜ…さしずめ、怒りに燃えているって言うのかな…」

 

「まあ、気持ちはわかるよ…

ドリルは色んなロボットにもあるし、ロマン武装だからね」

 

ハヤト

「わかるぜ。俺のゲッター2やゲッターライガーに真・ゲッター2も、ドリルがあるしな」

 

 憤りの理由を説明するシモンを見聞きして、それぞれに感想などを述べ合う、ロックマン、織斑一夏、更識簪、『ゲッターロボシリーズ』のハヤトこと神隼人である。

 

 

 その頃、ワイリー基地でもまた――

 

クラッシュマン

「くっそ~~…あんにゃろうめえ!」ボロボロ

 

フラッシュマン

「お前今度はどうしたんだよ…」

 

メタルマン

「なんでもコサックんとこのドリルマンに、『エセドリル』ってバカにされたんだと」

 

 耳打ちするかのように右手を立てて説明するメタルマン。

 

フラッシュマン

「んで腹を立ててやり合って、こうなって帰ってきたって訳か…」

 

メタルマン

「うむ。そういう事」コクリ

 

 目を閉じてうなずくメタルマンである。

 

クラッシュマン

「次こそは、ぜってー勝つッ!! 覚えてやがれぇぇっ!!」

 

メタルマン

「それをロックマンに向けんでどうすんだかねえ…」

 

フラッシュマン

「だな…アホらし」

 

 怒りのリベンジの叫びを上げるクラッシュマンに対し、呆れて半目で両手を平手でひらひらとさせるような仕草をするメタルマンと、やはり呆れ顔の半目なフラッシュマンである。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:フラッシュマンでGO!

 

 DWN.014 フラッシュマン

 『時間を制御する』という永遠のテーマにDr.ワイリーが挑んだ末に完成させた傑作機。

 その能力である、本人側から見れば少しの間だが時間を止められる特殊武器・タイムストッパーが特長であり、腕の連射性能の高いバスターとの組み合わせが凶悪。

 用途は違えどある意味ではタイムマン涙目なロボットであり、部下には優しいが愚痴がこぼすらしい…苦労しているのだろうか。

 

 

 GEAR本部にて――

 

甲児

「なあ、聞いたかケーン? あのフラッシュマンて奴の能力…」

 

ケーン

「ああ、聞いたぜ」

 

 何やら『UFOロボ グレンダイザー』の兜甲児と『機甲戦記ドラグナー』のケーン・ワカバが、こっそりと話していた。

 

甲児

「奴は時間を止められるらしい。しかも、その方法は

 『周囲の光の速度を操る事で自分以外の主観時間を無限に引き延ばす』

 …って理屈や原理らしいぜ」

 

ケーン

「おう。俺にはそんな『何だそりゃ』って言いたくなるような

 難しい超理論はよくわからねえが、とにかく凄いって事だけはわかったぜ」

 

甲児

「それでな、実はそのフラッシュマン…カメラが好きで、

 しかも自身の能力をたまに風呂で悪用してるらしいぜ!」

 

ケーン

「なぁにぃっ!? って事はよぉ、そいつはもしかして

 女子風呂をこっそりそのカメラで盗撮でもしてやがんのか!?

 その、タイムストッパーって能力を使ってよぉ!!」

 

甲児

「…ああ、俺もそう考えた…『考えすぎかもしれない』とも思ったが、

 そう思わざるを得なかった。

 もしこれが当てはまったら、本当になんて奴だフラッシュマンは!」

 

ケーン

「ああ、全くだぜ! なんてうらやまし…けしからん奴なんだ!

 このフラッシュマンは!」ウググググ

 

甲児

「だな! なんてうらやまけしからん奴なんだ、フラッシュマンめえっ!」ムギギギギ

 

 この時、2人は両手の拳を握り締め、実に悔しそうな顔をしていた。

 

アクア

「…ねえ、あなた達さっきから丸聞こえなんだけど…」汗タラー

 

甲児&ケーン

「「はうあっ!?」」

 

 そしてその様子を見聞きしていては、呆れた顔でツッコミを入れる彼女…

 『バンプレストオリジナルキャラ』にして、『スーパーロボット大戦MX』のもう一人の主人公のアクア・ケントルムと、指摘されて驚き顔の甲児とケーンであった。

 

 

 一方、これまたワイリー基地にて――

 

フラッシュマン

「博士~、またいい感じの値段で売れてきましたよ~。

 こんな風な、いい感じの写真が♪」

 

Dr.ワイリー

「おお~! こりゃぁええの~♪

 でかしたぞー、フラッシュマンよ!」

 

 などと、どこぞのエロい高校生男子やエロオヤジのような事をやっていた。

 ちなみにその写真、大事な所は湯煙や謎の光が仕事している箇所も幾つかある。

 

 その一方で、ベージュ色のトレンチコートを着て同じ色のつばの広い帽子を被った、そんな格好のリングマンが「くそう! また取り逃がしたか!」と悔しがっていたそうな。

 

 えっ、今回リングマン以外コミックボンボンデラックスの『ロックマン 4コマ大行進』シリーズや、『スーパーロボット大戦MX』みたいなネタだって?

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:フラッシュマンでGO!2

 

 

 ある日のナデシコにて――

 

ロックマン

「そう言えば前に気づいたんだけど、フラッシュマンは頭頂部の辺りが透明になってて、

 タイムストッパーを使う時はその部分が光るんだ」

 

アキト&甲児&リョウ

「「「へ~」」」

 

ボス

「んっ!? って事はよぉ!」

 

 ここで何かに気付いたボス(マジンガーシリーズ)。

 

ボス

「そいつの頭、いわゆるクリアパーツって奴だよな!? 今言ったみたいに。

 しかも見方や言い方によってはよぉ、つるっつるのハゲ頭みたいじゃねえのか!?」

 

甲児&ケーン&アキト

「「「ブッ!!」」」

 

 この指摘を聞いた途端、兜甲児、ケーン・ワカバ、テンカワ・アキトを筆頭に何人かが吹き出し、笑い始める者も出た。

 

さやか

「ちょっ、ボス! さすがにそれは言い過ぎっ、プッフフフフフフ…!」

 

鉄也

「クククッ…今のはさすがにツボに来たぞ、ボス」

 

 これにはさすがにチームメイトである、弓さやかや剣鉄也(どちらも時期的には『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣』)らも、笑いを堪えきれないようである。

 

ボス

「それだけじゃないぜ! そいつの頭が能力使う時に光るのと合わせれば、

 まさにツルピカフラッシュだぜ!? フラッシュマンだけに!!」

 

甲児

「ぶふぅっ!? ぶっはっはっはっはっは!! 何だよそれぇ、ボスゥ!」ヒーッ、ヒーッ

 

ケーン

「ホントだぜぇ~! うははははははっ!」

 

一夏

「ちょっ、ボス! 今の、ツボに…ウヒーッヒッヒ!!」

 

「い、一夏っ…今のあんた、変な笑い声で…ってもう無理!

 ツルピカフラッシュって、ヒーッ、ヒーッ!」

 

「お、おい鈴、一夏も、お前らさすがに…プックククク!」

 

 この通り、ボスの更なる一言の影響で更なる笑いを催させ、腹を抱えてキャラ崩壊手前な変な笑い方をしてしまっている者もおり、篠ノ之箒に至っては笑いをこらえるのに必死である。

 

 しかも彼らの脳裏には、頭が『ピカッ!』と光るフラッシュマンがイメージされているので、尚更であるのだ。

 

 

 更に同じ頃、市街地のとある一角にて――

 

ブライトマン

「やーいフラッシュマンのハゲー! ツルピカハゲーの、ツルピカフラーッシュ!」

 

フラッシュマン

「ぶ、ブライトマンてめえ…」ピキピキピキ

 

ブライトマン

「その点僕は電球だもんねー! 今じゃLEDの時代だけど…」

 

フラッシュマン

「バカにしやがったなてめえッ!!」ビキィッ!

 

 『ロックマン4 新たなる野望!!』のブライトマンにからかわれ、バカにされ、一触即発な状態だった。

 これではクラッシュマンの事をとやかく言えないものである。




ブライトマンのとこはヒートマンにしようかと思ってたのを変更した。
ロクフォルのデータベースだとフラッシュマンは『カツラのCMが嫌い』らしいが…そんなに自分の頭気にしてるのだろうか?


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ロックマン・8大ボスでGO! 2-4

不思議の国の冒険酒場、ダウンロード購入して1ヶ月半ちょっとでクリアして、
クリア後の要素もみんな攻略して、レベルも全員最大値の99にしてしまった…
しかもその世界にて、怪我でボロボロの織斑一夏が拾われてシーラ達のパーティーメンバーになったら的な話が、浮かんで来たし!

それと今月の始めに観に行った、スター☆トゥインクルプリキュアの劇場版…
テレビシリーズはまだ28話までしか観てませんが、とても素晴らしい感動作でした!
実質、ララが主役というか、主人公状態でした…もう一人の主人公だしねえ。


 その1:ヒートマンでGO!

 

 DWN.015 ヒートマン

 Dr.ワイリーによってファイヤーマンのノウハウを基に作られた、火炎系戦闘用ロボット。

 耐熱性に優れたボディを持ち、その特性を活かした全身火だるまになっての突撃や火炎投げ攻撃が得意。

 装備された圧縮型ブラスターは一万二千度に及ぶが、ジッポーライターに手足を生やして顔を付けたような外見が実にユニーク。

 

 

 ナデシコにて――ヒートマンが映されたモニター前。

 

「あのさ…あたし、思うんだけど」

 

セシリア

「ちなみにわたくしも…」

 

ロックマン

「なぁに? 2人して…」

 

 凰鈴音とセシリア・オルコットの声に、訊き返すロックマン。

 その直後に、2人はロックマンに迫り…

 

「このヒートマンのプロフィール見たけどさあ…

 炎系でいかにも燃えてる感じ出してるのに、

 半目で眠そうな顔でしかも属性に反した性格って、どういう事よこれ!?」

 

セシリア

「ええ、まったくですわ!

 それも長所がマイペースで短所が熱意が無いって、どういう事なんですのこれは!?

 ますます炎系にしてもおかしいでしょう!?」

 

ロックマン

「ちょっ、ちょっと落ち着いて…それに僕に言われても…」

 

「それでも百歩譲って、バーベキューが好きでアイスクリームが嫌いって辺りは、

 まだ炎系っぽさがあるとも言えるけどさあ…納得いかないわよこれは!」

 

セシリア

「ええ、同感ですとも!

 わたくしも先の好みに関しては鈴さんと同意見ではありますが…!」

 

ロックマン

「さすがにそれは、偏見じゃあないかと…」オロオロ

 

 このように、2人の鬼気迫る勢いにタジタジなロックマンであった。

 

 更に、その様子を見ている、とあるひと組(『ロックマンエグゼ』シリーズの光熱斗とロックマン.EXE)は…

 

熱斗

「炎系とか、炎属性らしくない、か…まあ確かにそうかもな~。

 それになんか、ヒノケンもそんな事言いそうだよなあ?」

 

ロックマン.EXE

『フフッ。確かに、そんな風に言って怒りそうだよね。

 イーグルトーナメント(ホークトーナメント)の時、ファイアマンと一緒に

 火村アツキさんとバーナーマンと喧嘩してた事もあるもんねぇ』

 

 

 一方、ワイリー基地近くの山林にて、ワイリーとヒートマン達は――

 

ヒートマン

「ちょっと待って、今火を点けるから…よっ!」シュボッ

 

Dr.ワイリー

「お~っ! やっぱ秋ともなると涼しいどころか冷えるからの~。

 こうやって焚き火もしたくなるわい…おい、サツマイモ持って来い!」

 

ネオ・メットール

「はいぃ!」

 

 大量の落ち葉にヒートマンが火を点けて、ぬくぬくとワイリーが温まっていた。

 

ウッドマン

「それはいいけど、くれぐれもこっちの方には飛び火させんでくれよ?

 そのせいで大炎上なんてなったら、シャレにならんたいよ」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:ヒートマンでGO!2

 

 BGM:ヒートマンステージ(ロックマン2 Dr.ワイリーの謎)

 

 

 ヒートマンステージの、その最奥のボスの部屋にて

 

ヒートマン

「そーれ、くらえーい!」ボッボッ

 

ロックマン

「うわぁっ!?」

 

 ヒートマンが投げるように飛ばす3つの火炎弾に、怯んでしまうロックマン。

 

002

「おい、大丈夫かよ、ロックマン!?」

 

ロックマン

「アチチチ…何とかね。

 弱点のバブルリードがあっても、この弾幕はよけにくいし、威力もあるな…」

 

002

「こっちのスーパーガンのフリーザーショットも効くが、やっこさんかなり粘るぜ」

 

ヒートマン

「こっちだって、タダではやられないからね!」

 

 強化されているのか、弱点であるはずの水や氷結系の武器を当てても意外と粘るヒートマンに、ロックマン達は困り気味だった。

 

002

「なら、てめえの隙を突いてやるぜ!」

 

 そう言って『サイボーグ009』の002ことジェット・リンクは、加速装置のスイッチをONにしてマッハのスピードで駆け出す。

 

 そうして後ろを取った…のだが、彼はヒートマンの背中にある、ある物の存在に気付く。

 

002

「(ん? 何だこりゃあ。ダイヤルと目盛りが付いてやがらぁ。

 …もしかして!)」

 

 何かに気付いた002はすかさずそのダイヤルをいじり、やがて離れた位置で加速装置を解除する。

 

ロックマン

「あっ、ジェット! 何か仕掛けたの?」

 

002

「まあ見てなって。

 …よお、ヒートマンだっけか? もっぺん俺の方に出して来いよ、ご自慢の炎をよお!」

 

ヒートマン

「へっへーん、それならお望み通りに、燃やしてやるよ…!」ボッ!

 

002

「かかった!」ニヤリ

 

 まんまと挑発に乗せられたヒートマンは、意気揚々と手のひらから火炎を出し、002はニヤリと不適に笑うが…

 

ヒートマン

「あっ…あれぇーっ!? 何だこのマッチの火みたいな、弱々しいのはーっ!?」

 

 なんと、放たれた炎は先程のような火炎どころか、とても小さく勢いのないような火だった。

 

ロックマン

「こ、これは…急に弱火になったぞ? もしかして…さっきの?」

 

002

「へっ、実はさっきな…あいつの背中に意味深なダイヤルと目盛りが合ったんで、

 いじくったら…ドンピシャの弱火よぉ!」

 

 実はあまり知られていない?が、ヒートマンの背中には火力調節為ダイヤルがあり、002はそれで弱火にしてやったのだ。

 

ヒートマン

「ああぁ~っ、しかも腕が、腕が届かない~っ!」

 

002

「やりぃ! さーて今の内に…」

 

ロックマン

「反撃開始だね!」ペロリ

 

 002はスーパーガンを構え、ロックマンは池原し○との画風で舌なめずりをし、武器をバブルリードにチェンジしてバスターを構える。

 

ヒートマン

「ヒッ…ヒィッ!」

 

 この状況に対し、ヒートマンは怯え、特に池原版のようになったロックマンには特に念入りに、フルボッコにされたそうな…

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:ウッドマンでGO!

 

 DWN.016 ウッドマン

 ワイリーが天然のヒノキをくり抜き、そこから内部メカまでヒノキで作り、特殊コーティングされている木造ロボット。

 その為、高級感溢れるボディが自慢のロボットでワイリーのお気に入りであり、この頃はまだ資金に余裕があった模様。

 優しい性格で怪力を活かしたパワーファイターという、木だけに『気は優しくて力持ち』を体現しており、自然破壊などの類いを嫌う。

 

 

 とある山の森林にて、現在ウッドマンは山歩きに来ていた。

 

ウッドマン

「ふうぅ…こうして大自然の中で、木々に囲まれて歩いていると、いい気分になるたいねえ~」

 

 そんな事を言いながらウッドマンは、とてもリラックスした表情で紅葉に彩られた森を歩いていた。

 

 と、そこへある男が…

 

東方不敗

「うむ。全くその通りじゃな!」

 

ウッドマン

「んんっ!?」

 

 いつの間にか左隣にいた『機動武闘伝Gガンダム』の東方不敗 マスター・アジアが、腕を組んで同意しており、いきなりで驚くウッドマンである!

 

005

「そうだな…この山の精霊達も、とても穏やかだ」

 

ウッドマン

「って、なんかもう一人いるっ!?」

 

 更には『サイボーグ009』シリーズの005ことジェロニモ・ジュニア加わり、やはり驚くウッドマンであった。

 

 その後、緑の大地を…自然を愛する心を持ち、更には005は精霊と心を通わせるシャーマンの力があると知り、なんやかんやで意気投合し、相撲や腕相撲までやったそうな。

 

ウッドマン

「あんた、なかなかやるたいねえ!」

 

005

「お互いにな。パワー自慢の自然派ロボットというのは、伊達ではないようだな」

 

東方不敗

「それにしても、木で出来たロボットがワイリーの所にはいると聞いたが、

 まさかこうしてじかに会って、それも内部メカまで木製とは…少々驚いたぞ」

 

ウッドマン

「おいどんだって、あんたの事は聞いてるたい。

 それがまさかこんな風に語り合うなんてなぁ…思ってもみんかったとよ」

 

東方不敗

「がっはっは! そうじゃな!」

 

 自然派な友情が、ここに芽生えた?

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:ウッドマンでGO!2

 

 その日、『機甲戦記ドラグナー』のケーン・ワカバ、タップ・オセアノ、ライト・ニューマンの3人は、何やらウッドマンについて話していた。

 

ケーン

「このウッドマンて奴だけどよお、特殊武器のリーフシールドを展開したり

 木の葉型ビットを連続で打ち上げる時によお、

 なんか胸か腹だったかを連続で叩いてる覚えがあるんだけど…あれどっちだっけ?」

 

タップ

「胸じゃないのか? ゴリラのドラミングみたいによお」

 

ライト

「なるほど、それなら戦闘中にやるのも何だか格好が付くねえ」

 

ケーン

「となると…腹って線は…さすがにないか?

 タヌキの腹つづみみたいでさぁ。あっほら、こんなの」

 

 そう言ってケーンはタヌキの腹つづみの様子を絵に描いて2人に見せる。

 

タップ

「何だこりゃあ?」

 

ライト

「戦闘中にそんな事されてもなあ…見てて面白いだけだろうし」

 

 そこへロックマンが通りがかり、ケーンが気付く。

 

ケーン

「なあロック! ウッドマンのこれってどっちなんだ?」

 

 訳を話したケーン達に対し、ロックマンは…

 

ロックマン

「うーん、僕も戦ってる最中は無我夢中だったからなあ…

 そんな細かい所まではね~」

 

タップ

「ありゃま…」

 

ケーン

「た、確かにそういう時も、あるわな…」

 

 この芳しくない返答を聞いて、少々肩を落とすタップとケーン。

 

ライト

「うーん…じゃ、録画の映像でも見て、確認するか」

 

ケーン

「って、録画したのなんてあんのかよ!?」

 

ロックマン

「さすが用意がいい…うちのライト博士みたいだね」ニガワライ

 

タップ

「ライトつながりだけにってか」

 

ケーン

「おっ、上手い事言うなオイ」

 

 などと、いつもの調子のドラグナーチームの3人と、苦笑い気味のロックマンである。

 

 そして実際に見てみると…

 

タップ

「あっほら、やっぱり胸だったぜ」

 

ケーン

「やっぱ腹じゃなくてそっちか~」

 

ライト

「まあ腹だったら、それはそれで面白いのではあるけれど」

 

ロックマン

「ウッドマンがお腹をかあ…プッ、確かにそれは面白いかも」クスクス

 

 ケーン達の話を聞き、想像してみたロックマンは、よほど面白かったのかつい笑ってしまう。

 

 

 そしてその頃、ワイリー基地でも…

 

ウッドマン

「えっ、胸を叩いてる時のおいどんが、ゴリラみたいって?」

 

ヒートマン

「うん。なんかそんな感じに見える~」

 

エアーマン

「おらもだど」

 

 仲間内からも、やはりそう見えてしまう、ウッドマンなのであった。




水や氷結系なら、ヒートマン戦の時に楯無さん呼ぶか最初からいればいいだろって?
あの灼熱のだろうヒートマンステージで、そう上手くいくだろうか…
それにクリアパッションくらわせても、奴にクラッシュボムを当てた時みたいに暴走&完全回復になる恐れもあるし…ねえ? それに強化されてる設定だし。
たっちゃんショックか!?

ちなみにヒートマンもウッドマンも、他にも幾つかネタは浮かんでいた。
ヒートマンは好きなバーベキューとか…あっ、みな○けみたいにそこで締めに焼き芋するのでもよかったか。
ウッドマンだってリーフシールドを褒め称えたりとか、『きがおおい』のに関するネタとか。


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ステラ・ルーシェとゲッターチーム

2013年に放送された、ドラえもんの『ヤキイモの気持ち』という回をご存じだろうか?
ひみつ道具の『たましいステッキ』でしゃべって動けるようになった焼き芋が、
あのしずかちゃんに恋するという焼き芋が、奮闘するお話ですが…
シュールというかカオスというか…名前の表記や呼ばれ方も「ヤキイモ」ですし。

ちなみに今回はゲッターチームやステラ・ルーシェ、そしてシン・アスカにまつわる話ですが、僕はスパロボZはまだやってません。


 その1:俺達が○○訳ねえだろ?1

 

 

 その日、宇宙での戦いにおいて、ロンド・ベル隊はインベーダーとの激戦を繰り広げていた。

 

 BGM:HEATS(スーパーロボット大戦D)

 

 ――ドガン!

 

チェンゲ竜馬

「ぐあっ!」

 

チェンゲ弁慶

「うおっ、竜馬ぁっ!?」

 

 

一夏

「ああっ!?」

 

シン

「竜馬さん!?」

 

ステラ

「ゲッターが!」

 

 『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』の真ゲッター1が被弾してダメージを受け、メインパイロットのチェンゲ竜馬こと流竜馬や、サブパイロットのチェンゲ弁慶こと車弁慶は思わず声を上げてしまう。

 更には『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏は白式をまとった状態にて、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカもデスティニーガンダムから、ステラ・ルーシェもガイアガンダムから驚きの声を上げる。

 しかも真ゲッターのHPはかなり少なく、もはやレッドゾーンに達している。

 

竜馬

「くそぉ…俺とした事が、後ろからとはいえ油断したぜ」

 

シン

「大丈夫ですか! 竜馬さん、隼人さん、弁慶さん!」

 

一夏

「派手にくらってましたよ!」

 

チェンゲ隼人

「大丈夫と言いたいが…さすがにちょっとこれは…」

 

 心配そうに尋ねるシンに対し、冷や汗を垂らして答えるのはチェンゲ隼人こと、神隼人である。

 

ステラ

「竜馬達危ないよ! このままじゃ、死んじゃう!」

 

チェンゲ竜馬

「へっ。心配するな、ステラ! うろたえんじゃねえよっ!」ニッ

 

ステラ

「っ!?」

 

 ゲッターチームの危機に慌てるステラに対し、竜馬は一声でなだめ、そして…

 

チェンゲ竜馬

「俺達が死ぬ訳ねえだろ…?」ニヤリ

 

 凄みのある笑顔で、この一言である。

 

チェンゲ隼人

「フッ…そういうこった」

 

チェンゲ弁慶

「まあ伊達に俺達も、修羅場はくぐっちゃいねえしな」

 

 そして同乗している2人もまた、余裕の様子で同意している。

 

シン

「す、凄い…何だ今の。妙に説得力あるように、感じる…」

 

ステラ

「竜馬達、なんか…凄い…」

 

一夏

「さ、さすが竜馬さん達…なんか、凄みと一緒に納得しちまう…」

 

 そしてその様子に、シン達もまた、呆気に取られてしまうのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:俺達が〇〇訳ねえだろ?2

 

 

 ステラとシンを落ち着かせたチェンゲ竜馬達は、尚も戦闘を継続しようとしていたが…

 

シン

「っていうか、こんなHPがやばい状況でどうやって…修理ユニットも母艦も遠いし…」

 

ステラ

「オープンゲットとか?」

 

一夏

「やっぱ、根性で行くのか…?」

 

シン

「いや、さすがにそれは幾ら何でも…」

 

チェンゲ竜馬

「まあ見てな、こうやるんだよ!

 おぅらぁ! ド根性!!」

 

 竜馬は精神コマンド『ド根性』を使った!

 真ゲッターのHPが最大値にまで回復した!

 

シン

「って、ええぇーーっ!? ま、まさかの精神コマンドで!?」オドロキ

 

一夏

「こ、根性どころか、ド根性でいくとは…しかも、精神コマンドかよ…!」ヒキギミ

 

ステラ

「竜馬凄い…ステラ、『根性』や『ド根性』なんてないから…」ボーゼン

 

 この竜馬の取った行動や方法に対し、シン達の反応は驚いたり引いたり呆然としたりと、もはや三者三様である。

 

チェンゲ竜馬

「ぃよっし! すっきりしたぜ」ニカッ

 

チェンゲ弁慶

「とは言え…やれやれ、『熱血』一回分使っちまったな」

 

チェンゲ隼人

「まっ、その分お前の『熱血』で補うほかあるまい。

 それに、真ゲッター2にチェンジしてよけまくるのを言い出さなかった俺も悪いしな」

 

 

 その後、真ゲッターはやはり無茶苦茶でダイナミックな大暴れだったそうな。

 

ステラ

「やっぱり凄い…ステラもやってみようかな?

 でも、『根性』も『ド根性』もないし…」

 

シン

「いや、いいから! ステラはやらなくていいから! ねっ?

 真似しなくていいからさぁ…」アセアセ

 

一夏

「なんか大変そうだなあ、シン…」

 

 更にシンは、感化されたステラの説得に勤しんだという。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:武蔵の○○

 

 

 今度はある日の地上戦の後の、ナデシコの格納庫にて…

 

 BGM:STORM(スーパーロボット大戦R)

 

一夏

「はー、今日も激戦だった~」

 

「さすがに恐竜帝国もしつこいわねぇ~」

 

ネオゲ號

「まっ、その度に返り討ちにしてやるけどな!」

 

ネオゲ剴

「ナハハッ、言えてる」

 

 戦闘後の疲れのある中で、『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏と鈴こと凰鈴音、『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』のネオゲ號こと一文字號と、ネオゲ剴こと大道剴らは、愚痴を交えながらも元気そうに談笑していた。

 

ネオゲ翔

「ん?」

 

ネオゲ號

「どうした? 翔」

 

シン

「何か、あったんですか?」

 

ネオゲ翔

「いや、あれを…」

 

 そんな時、ネオゲッターチームの紅一点、ネオゲ翔こと橘翔は、ある方向を見て何かに気付き、シン・アスカが訪ねるとその方向を指を指し、シンが見てみると…

 

シン

「ぶふぉおっ!?」

 

 シンはあるものを見て吹き出した! しかもそれは他のメンツもである!

 

 それは、工事現場で使うような黄色いヘルメットと、剣道で使う赤胴を装着して闊歩する――ステラ・ルーシェだった。

 

シン

「す…ステラ? 何やってんだ? そんな格好して…

 っていうか、それどうしたんだ?」オソルオソル

 

ステラ

「えっ、これ?」

 

 シンは動揺し、震えながらも恐る恐るステラに訊ねる。

 

ステラ

「えっとぉ…さっきメカザウルスやっつけて、そしたらコンテナが出てきてぇ…

 それで『中身は何だろう』って開けてみたら、これが入ってたの」

 

シン

「えぇっ…そうなんだ」汗タラー

 

 それを裏付けるかのように、コマンドには現在のステラの装備に『武蔵の遺品(武蔵の刀、武蔵の赤胴)』と表示されている…RPGかっ!

 

 しかし、その直後にすぐ近くで…

 

ネオゲ竜馬

「見てるか、武蔵…」ウルウル

 

ネオゲ隼人

「お前の後継者は、ここにももう一人いるぞ…!」ウルウル

 

シン

「って、竜馬さんに隼人さん!?」

 

ステラ

「!?」

 

 涙を流しながら今は亡き友に思いを馳せる…『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の方の流竜馬と、神隼人がいた!

 

 そしてシンは、そんな彼らに驚き、ステラは首をかしげるのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:○○が似てる?

 

 

 ある日のラー・カイラムの通路にて…

 

リョウ

「しっかし何と言うかな…今更だが…」

 

ハヤト

「シン、この前俺達が救出に手を貸して、お前さんが大事にしてる、

 ステラに関してなんだがな…」

 

シン

「ステラが、どうかしたのか?」

 

 東映アニメシリーズの『ゲッターロボG』のリョウこと流竜馬と、ハヤトこと神隼人は、シン・アスカに話を切り出す。

 

リョウ

「そのステラの事なんだが、実はうちのチーム内で

 『ムサシやベンケイに近い』という話になってな…」

 

シン

「ええっ、何だよそれぇ!?」

 

 リョウからの思いもよらない話に、シンはすっとんきょうな声を上げてしまう。

 

ハヤト

「まあ、ムサシやベンケイに近いって言っても、あれだぞ?

 性格というかちょっとしたキャラ的ポジションというか、そんな所がな?」

 

シン

「それって、つまり…」

 

ハヤト

「とは言え、ステラはいわゆる『不思議ちゃん』な所があるから、

 そこがムサシ達に似ている訳ではないがな。

 寧ろ、天然キャラが入ってる辺りかなと、リョウとそんな話になってな」

 

シン

「えっ…不思議ちゃんとかって、天然キャラって…」コンワク

 

 その話を聞いて、シンは困惑してしまう。

 ちなみにシンは実は内心では、「ステラの体調がまた悪化したのか、あるいは疑っていたのかと思った…」と、ヒヤヒヤしていたそうな。

 

ベンケイ

「…俺ってそんな風に思われてたんだ…天然キャラって…」

 

ムサシ

「まあ確かにな~。おいらとも、な~んか似てるようで違うからな~」

 

 そしてゲッターチームの3号機パイロット達の、ベンケイこと車弁慶、ムサシこと巴武蔵らもそれぞれにコメントをこぼすのである。

 

 と、そこへステラ本人がやって来て…

 

ステラ

「あっ、シン…何話してたの?」

 

シン

「あっ、ああ…ステラ。ちょっと、ゲッターチームとね…ステラの事についてね」

 

ステラ

「ステラの事を…?」

 

 ウソは言ってない。シンはウソは言ってないのである。

 

リョウ

「まあそれはともかく…シン、君は俺達もサポートさせてもらう」

 

シン

「えっ…?」

 

ハヤト

「お前はステラの事もそうだが、

 どうも危なっかしい所がある。特に精神面でな」

 

ムサシ

「だから俺達ゲッターチームも、改めて面倒見てやるって言ってんのさ!

 ステラの事も含めてな」

 

ベンケイ

「だから困った時なんかは、俺達も遠慮なく頼ってくれて構わねえってこった。

 レイやカミーユ以外だけでなく、俺達にも言ってくれよ」

 

シン

「リョウさん達…あの、何て言うか、その…ありがとうございます!

 その時は、よろしくお願いします!」

 

リョウ

「ああ! こちらこそ、どういたしましてだな!」

 

 ゲッターチームとの好感度が上がり信頼も深まった、シン・アスカ。

 それも影響してかこののち、彼はギルバート・デュランダルとの決戦に、ロンド・ベル隊の一員として戦い、ゲッターやマジンガーに続いて切り込んだそうな。




いかがでしたか? 何だかこれシン君がリアクション要員な気がする…


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ロックマンエグゼな小話集

年前になんとか投稿しようとしていたはずが、どういう訳か年明けに…なんてこったい!

まあ何はともあれ、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!

まあちょっとネタに詰まり気味になって、思い付いたのがロックマンエグゼネタですが…
それでも笑ってもらえる話はあるはず!


 その1:超高度先史文明

 

 

 ある日のナデシコにて、『ロックマンエグゼ』シリーズの光熱斗とその相棒のロックマン.EXE、そしてマジンガーシリーズの主要キャラにして『UFOロボ グレンダイザー』の副主人公の兜甲児は、ある話題の事で話していた。

 

熱斗

「それにしてもなー。ずうっと昔に洸さんのライディーンを作った古代ムー帝国とか、

 これも何千年も前に栄えてよみがえったミケーネ帝国とか…

 それどころか、恐竜の時代にもう出来てたっていう恐竜帝国とかさあ。

 そんな大昔からどんだけ凄い文明の国がさあ、幾つもあったんだろうなー。もう驚きだよ」

 

甲児

「まあ確かにな。それにミケーネなんかは、そんな大昔の時点で

 既に何体もの巨大なロボットを造り上げては、どういう訳か遺跡に遺してるくらいだしなあ」

 

ロックマン.EXE

『確かそれをDr.ヘルが利用して、機械獣に改造したんだっけ』

 

甲児

「その通り。その機械獣も、今思うと

 よくもまあネタが尽きずに色々出してきたもんだよ」

 

熱斗

「あははっ、そりゃ確かに」

 

ロックマン.EXE

『それって、僕らがこれまで戦ってきた相手にも、言えるかな』

 

甲児

「だな。そして他の連中にもな!」

 

 と、甲児の一言で更にどっと笑い合う3人。

 

熱斗

「しっかしなー。改めて考えてみると、何千年も何万年もの大昔から、

 こんなとんでもない技術なんかを持ってる文明が、

 こんなに幾つもあるなんてなぁ…凄いもんだぜ」

 

甲児

「そうだな…一部には現代から見ても更に上をいくレベルだったりもするのもある。

 いわゆる、オーパーツ(場違いな遺物)って程にな…」

 

ロックマン.EXE

『そんな大昔の時代に、現代と同等どころかそれ以上の文明かぁ…

 いわゆる、超高度先史文明って言われるものですよね…』

 

 と、ここで熱斗が…

 

熱斗

「えっ? 超高校生文明?」

 

 そしてそれを聞いた甲児とロックマンはずっこける!

 

ロックマン.EXE

『超! 高度! 先史! 文明だよっ!!』

 

熱斗

「か、顔近いよロックマン…

 っていうか、このやり取り前にもあったような…」

 

 ちなみにそれは鷹岬版ロックマンエグゼでの話である。

 

甲児

「まあ、スパロボだと、

 こういった超技術を持った先史文明なんてのは、よくあるからなあ」ニガワライ

 

 そして甲児もまた、苦笑いで付け加えるのであった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:声とアツいハートとクールな頭脳

 

 

 ある日のGEAR本部の食堂のテーブルにて、光熱斗とロックマン.EXEは携帯端末のPET越しに話していたが…

 

熱斗

「なあロックマン、俺思うんだけどさあ」

 

ロックマン.EXE

『なぁに? 熱斗君』

 

熱斗

「グレン団のカミナさんてさあ、なんかヒノケンに似てねえか?

 声とかあのアツい性格の感じとかさあ…歳やテンションとかの違いはあるだろうけど」

 

ロックマン.EXE

『あ~、言われてみれば確かにそうだね。

 あの声とかアツいハートを感じるあの性格とかね』

 

 ちなみにカミナとは、『天元突破グレンラガン』のもう一人の主人公のカミナの事である。

 そしてヒノケンとは、ロックマンエグゼシリーズのシリーズのキャラの一人である、火野ケンイチの事であるのだ。

 

ロックマン.EXE

『それにさあほら、それを言うならさあ…

 GGGのボルフォッグもそうなんじゃない?』

 

熱斗

「ああ、なるほど確かにな!

 ボルフォッグも声似てるし、それでも2人と違って落ち着いてる感じの性格してるけど、

 あいつも実は結構アツい性格な所あるよなあ」

 

ロックマン.EXE

『でしょ~?』

 

 そのボルフォッグとは、『勇者王ガオガイガー』シリーズのGGG(スリージー)に所属する勇者ロボの一体、ボルフォッグの事である。

 

熱斗

「えーっと、あと他には…

 スカル小隊の隊長の、オズマさんがいるかな?」

 

ロックマン.EXE

『そうだね。オズマさんも、声が似てる所はもちろんだけど、

 アツいハートを…情熱持ったパイロットで小隊長で、バサラさん達のファンで…

 そして、ランカさんのお兄さんだもんね!』

 

熱斗

「だな! ロックマンも結構わかってんじゃん。

 やっぱ、時々語り合ってるのもあるからか?」

 

ロックマン.EXE

『えへへ、それもあるからかな』

 

 ちなみにここで話に挙がったのは『マクロスF(フロンティア)』のオズマ・リーの事である。

 尚、ロックマン.EXEは時々オズマと共にある事について…それも熱斗やオズマの妹のランカ・リーについて語り合い、意気投合してもいるのだ。

 

 そしてそれは、ロックマンの…彼自身の出生の秘密が関わり、尚且つオズマに親近感を抱いた事が切っ掛けでもあるのである。

 

熱斗

「うーん、ここまで思い付く限りは話に出したけど…あと他にいたっけ?」

 

ロックマン.EXE

『えーっと、確か…』 

 

 と、ここである一体のロボットが、彼らの話に加わる。

 

ロック

「2人とも、あのロボットを忘れてるんじゃない?」

 

 そう、初代や本家とも言われる方の『ロックマン』シリーズの主人公、DRN.001 ロックマンである。

 現在彼は、普段(あるいは元々)の姿の家庭用お手伝いロボットのロックとしての姿でいるのだ。

 

熱斗

「えっ…ああ、もう一人の方のロックマン」

 

ロックマン.EXE

『あのロボットって…あっ! もしかして!』

 

ロック

「そう、ロックマン11のトーチマンだよ!」

 

熱斗

「あ~、なるほどなあ!

 そう言えばそっちの最新作でいたっけな~! そんな奴!」

 

ロックマン.EXE

『確かにトーチマンそうだよねえ。

 それに炎系でもあるし、ヒノケンさんも気に入りそうだよね』

 

熱斗

「へへっ、そうだなぁ」

 

 

 一方、その頃。とあるキャンプ場にて…

 

ヒノケン

「へえぇ…トーチ火炎拳ねえ。

 炎の拳法の使い手のロボットたぁ、あんたなかなか面白いじゃねえか。気に入ったぜ!」

 

トーチマン

「おおっ、そうか! そう言ってもらえるとは、光栄だな」

 

 案の定、トーチマンが気に入られていた。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:ユーモアセンス

 

 

 ナビカスプログラム、ユーモアセンス。

 ネットナビを好きなように強化カスタマイズ出来る『ナビカスタマイザー』でこれを組み込めば、どんな生真面目すぎるナビでも面白いジョークを言うようになる、まさにジョーク系でありネタに走るプログラムパーツである!

 

 ある日のGEAR本部の食堂にて…

 

ロックマン.EXE

『この前ナデシコのボイラー室の電脳で、ウイルスチェックしてたんだけどね?

 そしたら案の定、炎系のウイルスがいて、

 ダルストっていうストーブみたいなウイルスだったんだ。

 もちろんバトルしてデリートしたんだけど、

 気温が元々高いのと、ダルストの出す炎の熱気もあって、とても暑かったのなんのって…』

 

熱斗

「だろうなあ…実際にボイラー室にいた俺も、

 だんだんと暑くなってきて、汗だくだったたからなあ」

 

ロックマン.EXE

『もうホントね、うだるような暑さだったよ…』

 

熱斗

「わかるぜ…俺もさすがにちょっとやばかったぜ」

 

ロックマン.EXE

『もうね…うだるすとな暑さだったよ』

 

熱斗

「そうそう、うだるすとな…って、なんだそりゃ!

 どうも、お粗末でした~!」

 

 どうやら2人で漫才をしていたらしい…

 

一夏

「ぷっ…あっははははっ!

 何だよそれ、うだるすとって。面白すぎるだろう!」

 

 どうやら『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏は大ウケしたようだ。

 

「えっと…なんか他にネタないの?」

 

 すると今度は、同じく『インフィニット・ストラトス』シリーズの鈴こと凰鈴音に、催促されるか話を変えられるように、ネタを振られる。

 

ロックマン.EXE

『オッケー! 僕達ネットナビは、

 ちょっとプログラムを書き換えるだけで、こんな事も出来るからね』

 

「へ~。どんなの?」

 

熱斗

「(あれ? こういうの前にもあったような…まさか!?)」

 

 しかしその折り、熱斗は妙な胸騒ぎがする。そして…

 

ロックマン.EXE

『さあいくよ! せーの…鼻からロングソード!』

 

熱斗

「やっぱりか! やめてってば、彩斗兄さあぁぁん!!」ナミダメ

 

シャルロット

「(えっ? 今熱斗、ロックマンの事を、彩斗兄さんって…どういう事?

 そう言えば、前にもそんな事があったような…?)」

 

 牧野博○の画風で涙目で止めようとする熱斗を見聞きして、彼らの関係の核心に触れる疑問を抱く、シャルロット・デュノアであった。




スマホは持ってないからスパロボDDはプレイ出来ませんが…それでも幾つか動画で観たりはしています。
グレンダイザーが初出撃するシナリオがあっても、ダイザー版の兜甲児がいない…だとぉ!?


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ゆけ!Dr.ヘル一味

前回からかなり間が空いてしまい、申し訳ない。
ブックオフのセールに行ったり、ゲーム攻略してたり、仕事が忙しかったりと色々あったものでして…。

今月の始めにようやくPS3買ったし、スパロボコンプリートボックスを久々にやるかな?


 その1:あしゅら男爵の謎

 

 

 それはある日の事…ある日のボスの疑問。

 

ボス

「なあ兜よぉ、俺思うんだけどよお…」

 

甲児

「あん? 何だよ、どうしたんだよボス」

 

 『マジンガーシリーズ』のボス(本名は本人も原作者も知らない)は、マジンガーZ及びマジンカイザーのパイロットである兜甲児に対し、ある話を振って来る。

 

ボス

「敵のあしゅら男爵に関してなんだけどよお…

 なんつーか、あいつの首から下がどうなってるかって、一応出たよなあ?」

 

甲児

「ああ、そう言えば出たっけな。永〇豪の漫画版と、OVA版の5話目でなあ…」

 

ボス

「そらもう、見事なまでのシャワーシーンだったよな~…ちょっと気分悪くなったけど」

 

甲児

「ああそうだな。見事なまでに半々に分かれてくっついた、男女の体だったしなあ」

 

 いきなりメタい話である。

 しかも2人の脳裏には裸で胸を隠すポーズをするあしゅら男爵という、週刊少年ジャ○プの扉絵でのあしゅらがイメージされている。

 

ボス

「それでこっから本題なんだけどよお…」

 

甲児

「ゴクリ…

 (変な予感…)」

 

 つばと息を飲み、話の内容から変な予感がする甲児。そして…

 

ボス

「あいつの下半身って、それも股間ってよお…

 一体どうなってんだ? どんな風になってんだァ!?」

 

甲児

「ッ!! 言われてみれば、確かに…!

 やっぱ、あの部分も男女で半々になってんのかぁ!?」

 

ボス

「だろー!?」

 

甲児

「うお~! 気になるー! そう考えだしたら、気になってきたぜ~!

 前にアンソロジーでウッソが言ってたネタでもあるけど、気になるぜ~!」

 

 などと、少々パニックになり始めた甲児達である。

 しかも、そのあしゅら男爵がいつものローブ姿で「フハハハハハハ!」と、男女両方の声で高笑いしている様が浮かんでもいるのだ。

 

 更にそれを端から見ている者が…

 

クスハ

「あれ? 甲児君達だ。何を騒いでるんだろう?」

 

ブリット

「ホントだ。何を真剣な様子で気になるってんだろうなぁ?」

 

さやか

「まあ、どうせまた案外しょうもない事だったりしてね…」アキレガオ

 

 それは甲児達の様子を疑問に思う、『バンプレストオリジナル』のクスハ・ミズハとブリットことブルックリン・ラックフィールドと、マジンガーチームの一人の弓さやかであった。

 しかもさやかは、少々呆れ気味である。

 

 

 一方その頃、日本に向かう海底要塞ブード内にて――

 

あしゅら男爵(女)

「ふふふふふふ…この作戦と機械獣達があれば、勝てる!」

 

あしゅら男爵(男)

「そして今度こそ、あのにっくきロンド・ベルを…そして兜甲児を!」

 

あしゅら男爵

「「ふふふふふ…ははははは、あーっはっはっは!

 フフハハハ…は…はーっくしょんっ!」」

 

鉄仮面達

「「「!?」」」

 

 甲児達が噂話?をしていたせいなのか、高笑いの最中に盛大なくしゃみをしてしまい、部下の鉄仮面軍団さえも注目してしまった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:首を抱えろ!ブロッケン伯爵

 

 

 それは、ある日の市街戦にて――

 

リョウ

「こいつめ! ゲッタートマホオォゥク!」

 

ブラッガーS1

「ッ!」

 

 『ゲッターロボ』のゲッター1は、斧を構える機械獣ブラッガーS1に対し、右肩から出した手斧・ゲッタートマホークを前方に構えながら急降下し、そしてブラッガーS1の首を切り落とした。

 

甲児

「おお~っ! やるなあ、ゲッター!」

 

リョウ

「甲児君、今だ!」

 

甲児

「ようし、トドメだ! 光子力ビーム!」

 

 感嘆の声を出す甲児に対し、ゲッター1のメインパイロットのリョウこと流竜馬は甲児にトドメの攻撃を促して来た。

 それに応えるべく甲児はマジンガーZの両目から光子力ビームは放ち、それを諸に胸に受けた首なし状態のブラッガーS1は爆散…完全に破壊された。

 

ムサシ

「よっしゃ! やったな甲児」

 

ハヤト

「どうやら、機械獣はこれで最後みたいだな」

 

 ゲッターチームのムサシこと巴武蔵と、ハヤトこと神隼人も、ようやく機械獣を倒し切った事で気分が高揚したり安堵の様子。

 

リョウ

「とは言え、ここで増援でも来ないとも限らないが…」

 

一夏

「…って、おいちょっと待て! なんかでっかいのが接近してくるぞ!?」

 

甲児

「ゲッ! マジかよ!?」

 

 BGM:忌むべき訪問者(スーパーロボット大戦α)

 

 そしてやはりというか、リョウの先を危惧したセリフが増援フラグやテンプレとなってしまう。

 『インフィニット・ストラトス』シリーズの織斑一夏が見つけたのを皮切りに、敵の増援である巨大な艦艇…飛行要塞グールが彼らのいる街に飛行して来た。

 

リョウ

「あれは…飛行要塞グール!?」

 

「という事は、まさか…!」

 

甲児

「ほぼあいつだろうなぁ…!」

 

 驚き警戒するリョウと、『インフィニット・ストラトス』シリーズの鈴こと凰鈴音、そして兜甲児は、誰が出るのか察してしまった。

 

ブロッケン伯爵

「ぐわーっはっはっは! 機械獣軍団を蹴散らして一息つきたいだろうが、そうはいかん!

 お前達が疲労している所を狙い、波状攻撃をかけてやるのだ!」

 

 そしてスピーカー越しで叫んできたのは、Dr.ヘル一味の幹部にして鉄十字軍団の司令官…そして自分の首を脇に抱えるという異様な姿のサイボーグにして、元ドイツ軍将校の男。

 その名も、ブロッケン伯爵である!

 

ムサシ

「出やがったな、首なし伯爵!」

 

セシリア

「あれはいつぞやの…! 相変わらず、不気味な男ですわね…」

 

 ブロッケンが乗っているとはっきりし、ムサシや『インフィニット・ストラトス』シリーズのセシリア・オルコットらはそれぞれ気を引き締めなおす。

 

一夏

「あ、あいつは! ええと…」

 

 だがそんな時、一夏が慌てた様子で敵の司令官の名を言おうとして…

 

一夏

「デュラハン伯爵! …だっけか?」

 

 …その一言に、ブロッケンも味方も含めたその場の一同は、ギャグ漫画張りに「うああ」の一言と共に『ズルリ』とずっこけてしまった。

 

ブロッケン伯爵

「惜しいが違う! 我輩はブロッケン伯爵だっ!

 そりゃまあ確かにそれっぽくはあるが…」プンスカ

 

一夏

「ありゃ、間違えちまったか…」

 

 お返しとばかりに憤慨しながら反論するブロッケンと、苦笑いで若干すまなさそうに頭の後ろに左手を回す一夏である。

 

甲児

「一夏、お前…」

 

「あ、あんたねえ…こんな時に何ボケかましてくれちゃってんだか…」アキレガオ

 

 そこへ困惑気味の甲児と呆れ気味の鈴である。

 

ハヤト

「とは言え、ガチガチな緊張状態だったのがほぐれたぜ?

 ここはあいつのボケに感謝しないとな」

 

ムサシ

「おっ、それもそうだな! いつもはおいらがそのポジションなのにな」

 

一夏

「うわーぁい。喜べばいいのか、けなされてハートにグッサリ刺さってればいいのか…」

 

リョウ

「何はともあれ、ブロッケンのグールと機械獣を迎え撃つまでだ!」

 

甲児

「おうよぉ! 策にはめたつもりだろうが、返り討ちにしてやるぜ!」

 

ブロッケン伯爵

「何おぅ!? こしゃくな奴らめ! こちらも攻撃用意だっ!」

 

 その後、やっぱりブロッケンの作戦は失敗して、撤退を余儀なくされたそうな。

 

ブロッケン伯爵

「ちっくしょ~~っ! 覚えておれよ!」ナミダメ

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:すごいぞ!Dr.ヘル

 

 

Dr.ヘル

「ワシの夢…ワシの野望…それは! 世界征服じゃああぁぁぁっ!!」

 

 彼の名はDr.ヘル! 『マジンガーZ』やその派生作品や続編の数々に登場し、あしゅら男爵やブロッケン伯爵などの多くの部下達を率いては、世界征服の野望に燃える!

 そんな悪の天才科学者たるマッドサイエンティストであり、精神的にも肉体的にもたくましい、スーパーおじいちゃんである!

 

Dr.ヘル

「まあそんなワシだが、マジンガーZの漫画やアニメに出て以降、

 色んなシリーズにも出るようになったのぉ」

 

あしゅら男爵(女)

「そうですねえ…Zの続編のグレートでは、

 戦闘獣・地獄大元帥となっての再登場でしたし…」

 

Dr.ヘル

「うむ。まさかの復活という奴だ。

 そういった意味では、当時は衝撃的だった訳だな」

 

あしゅら男爵(男)

「衝撃的と言えば…その後も様々な衝撃的な事がありましたな」

 

Dr.ヘル

「うむ、まさにそれじゃ。OVA版ではワシが筋肉質に描かれたばかりか、

 真マジンガーZEROシリーズでは機械道空手を扱うマッシブさを得ていた。

 また戦力や設定的にも、『衝撃!Z編』も含めてこれまでを上回るスケールになっておったな」

 

あしゅら男爵(男)

「別の世界での事とは言え、Dr.ヘルやこの私の身体能力や設定があそこまで早大になろうとは…

 初めて知った時は驚く他ありませんでした」

 

あしゅら男爵(女)

「それに機械獣軍団の規模拡大のみならず、衝撃!Z編では

 漫画版の復刻版以降に出た地獄王ゴードンが再現されたばかりか、

 真マジンガーZEROではそれがとてつもないスケールになっていようとは…これも驚きでした」

 

Dr.ヘル

「で、あろうな…正直ワシも驚いたぞあれは。

 それにまさか、ZEROvs暗黒大将軍ではこのワシとミケーネ帝国の闇の帝王を、

 あのように結びつけるとは…このワシですら予想できなかったぞ!」

 

あしゅら男爵

「「わたくしめもでございます」」

 

Dr.ヘル

「して、あしゅらよ…OVAのマジンカイザーに引き続き真マジンガーZEROでも、

 間抜けな所はあれど見事な散り際と心意気じゃったぞ…」

 

あしゅら男爵

「「ははっ! 別の私の事ながら、ありがたきお言葉っ!」」

 

Dr.ヘル

「さて、次はシリーズ最新作の『劇場版マジンガーZ / INFINITY』じゃが…」

 

あしゅら男爵(男)

「…って、んんっ!? た、大変ですDr.ヘル!」

 

あしゅら男爵(女)

「もう残り時間の尺が、もうほとんどありません!」

 

Dr.ヘル

「なっ…何じゃとぉっ!?」

 

 と、そのような座談会のような振り返りと、メタ発言な終わり方で、締め括られる。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:忘れられたか?ピグマン子爵

 

Dr.ヘル

「さて、読者諸君…いかがだっただろうか?」

 

あしゅら男爵(男)

「これからもマジンガーシリーズやスパロボシリーズが続く限り…」

 

あしゅら男爵(女)

「そして! 我々が諸君らのようなファンに愛される続けるならば!」

 

ブロッケン伯爵

「我らの活動は、そして野望は! これからも続くであろう!」

 

Dr.ヘル

「東映アニメ版シリーズでのワシと兜甲児との戦いは、

 復活したワシらの敗北という形で幕を閉じたが、また復活せんとも限らん…

 更に、また別のシリーズが始まらんとも限らん!

 なので諸君! その時まで、待つのだ!」ユビサシ

 

 そしてここで、締め括られる…筈だったが。

 

ブロッケン伯爵

「…ん? 誰か忘れているような…」

 

 気付いたブロッケン。直後に視界が暗転したと思いきや、丸くライトアップされた褐色肌の大男が…

 

ピグマン子爵

「おお~い! 一人忘れているぞ~っ!」プンスカ!

 

 それは、なかなか日の目を見られなかったピグマン子爵でった。




ガンダムビルドダイバーズリライズ…続きが楽しみすぎる。


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がんばれセシリアさん

皆様、遅れて申し訳ない…2月からドラクエ5のDS版をやってたのもありまして。

ちなみに今回のは、インフィニット・ストラトスシリーズのセシリア・オルコットがメインです。


 皆さんごきげんよう、『インフィニット・ストラトス』シリーズのセシリア・オルコットですわ。

 今回はこのわたくしが主役のエピソードの幾つかをお送りいたします。

 さて…それでは、このわたくしの華麗なる活躍をとくとご覧あれ!

 …あ、言い忘れてましたが、途中からナレーション(地の文)が三人称視点になりますので、お気をつけて。

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その1:万丈さんと組んだら

 

 それは、ある日の出撃前の事――。

 

万丈

「やあ!」

 

セシリア

「あら、あなたは…」

 

 ここでセシリアは、『無敵鋼人ダイターン3』の破嵐万丈に声を掛けられたのに気付く。

 

万丈

「艦長から発表されたけど、今日は僕らで小隊を組むみたいだね。

 よろしく頼むよ!」

 

「ちなみに俺とミッチーもいるぜ」

 

美和

「よろしくね」

 

 尚、同じ小隊メンバーに抜擢された、『鋼鉄ジーグ』の司馬宙やミッチーこと卯月美和もいるのである。

 

セシリア

「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ」

 

 と、挨拶を交わすセシリアだが、やがて一考し始める。

 

セシリア

「(波嵐万丈…司馬宙…改めて思うと、

 どちらも男としてもチームメイトとしても悪くはない方達…。

 それにお二人とも…彼らもまた、波嵐財閥や司馬モータースを経営し、

 それでいて宙さんはカーレーサーとして活躍し『不死身の宙』の異名もあるとか…)」

 

 更に彼女は思考を続ける。

 

セシリア

「(それに万丈さんもまた、気さくというか爽やかで落ち着きもあり、情熱的な性格で…。

 更に二人の美人アシスタントや元気な弟分に、とても有能で戦える執事もおり、

 極めつけは宿敵のメガノイドなどの敵を相手に、射撃戦や格闘も出来て、

 更には鉄格子の檻を曲げるという…文句なしどころか驚きのその強さ。

 わたくしの目から見ても、彼はとても素晴らしい男性だと言えるでしょう…しかし…)」

 

 そしていざ出撃するが…

 

万丈

「くらえ! ダイターン・ハンマー!」

 

 万丈の駆るダイターン3は、巨大な鎖付き鉄球のダイターン・ハンマーを振り回す。

 

セシリア

「…!」

 

 それを近くにいたセシリアは、更に離れて避難する。

 

 そしてダイターン3は、ハンマーをメガノイドの戦闘機・アイアイに投げつけてペシャンコにしてしまう。

 

セシリア

「(……たまに一緒にいると感じる、この妙な圧迫感や身の危険をなどを感じるのは、

 本当に何なのでしょう…!)」

 

 変な汗を垂らしながら、そう思わざるを得ないセシリアである。

 

 のちに、大空魔竜のとあるテーブルにて。

 

セシリア

「万丈さんってこう…いい人なんですけど、

 近くにいると時折身の危険を感じるというか…」

 

「ああ、それな…俺もあるわぁ…。

 それにアキトやショウ達も言ってたしな」

 

 項垂れながら、同じ話題で共感し合えた二人である。

 

美和

「まあ、サイズSとSSとLL(120メートル)じゃねえ」

 

 そして離れた位置からもっともなツッコミを入れる、ミッチーこと卯月美和である。

 

「あと、コン・バトラーVやザンボット3とかに

 うっかり踏まれそうになったり、蹴られそうになったりとかな。足元不注意で」

 

セシリア

「そんな事まで!?」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:○○が足りん!

 

 

 ある日の戦闘にて…。

 

セシリア

「さあ、踊りなさい!

 わたくしとブルー・ティアーズの奏でるワルツで!」

 

 セシリアは、敵のギラ・ドーガに向けてブルー・ティアーズ(ビットの方)による攻撃をしかけた。

 

 しかし…

 

エリート兵

「踏み込みが足りん!」

 

 飛んで行ったビットは、DC(ディバイン・クルセイダーズ)のエリート兵の操るギラ・ドーガの、そのビームサーベルによって全て切り払われてしまった!

 

セシリア

「そんなぁっ!?」

 

 これにはセシリアも驚きを隠せない。

 

 その後、反撃のビームマシンガンをくらってピンチになったが、駆け付けたアムロ・レイのνガンダムに助けられ、窮地を脱せたのである。

 

セシリア

「あ~ん、もう! 悔っしい~~ですわ!」

 

アムロ

「うーん、さっきのあれは俺にも覚えがあるなぁ」

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:その名はあず○

 

 それはある日のGEAR本部での事…。

 

 BGM:READY!!(THE IDOLM@STER)

 

甲児

「だからな、このやよいちゃんて子だっていいだろう?

 元気だしいい子だし、家庭的そうだしな」

 

ハヤト

「俺としては、やっぱり三浦あずささんは外せないな」

 

「うーん、あたしとしては双海亜美と真美って双子が気になるわねえ…。

 何て言うか、他人とは思えないっていうかさぁ」

 

シャルロット

「僕としては、876(バンナム)プロのだけど…。

 水谷絵理さんが気になる…かな?」

 

ノリコ

「はーい! 私は同じ沖縄出身として、

 我那覇響ちゃんを推したいと思いまーす!」

 

 何やらどこぞのアイドルの事で盛り上がる一同。

 

 と、そこへセシリアが通りかかる。

 

セシリア

「あらみなさん、何のお話をしていますの?」

 

甲児

「今な、最近盛り上がってる765(ナムコ)プロのアイドルの話をしてたんだよ」

 

シャルロット

「876プロのもだけどね」

 

セシリア

「はあ…そうなんですのね

 (はて…そのような名前、聞いた事は…?)」

 

 どうやらその2社の事はよく知らないのか、チンプンカンプンそうな反応だ。

 

リョウ

「まあきっかけは、ハヤトが三浦あずささんの新作写真が載った雑誌を、

 ご機嫌そうに読んでいたことなんだがな」

 

ハヤト

「へへっ…やっぱりあずささんはいいだろう。

 それに、この小豆たっぷりのどら焼きを頬張るのなんかも、なかなかいいだろう?」

 

「まあ、確かにいい笑顔で頬張ってるけどさあ…。

 ってか、この人のデカい胸…やっぱり気になるわねえ…くっ!」グヌヌ

 

甲児

「おいおい、落ち着けよ」

 

 まるで如月千早のような反応をする鈴に対し、なだめる甲児。

 

セシリア

「あずさ、小豆…なぜだか不思議と懐かしい名前ですわねえ。

 こう、魂を揺さぶられると言いますか…」

 

ノリコ

「もしかして…N○Kの少女漫画アニメかな?」

 

甲児

「あず○ちゃん…かな?」

 

「えっ、何だっけそれ。昔のアニメか漫画?」

 

 などと、声ネタな懐かしいアニメの事を思い出すのであった。

 

 

 一方、その真上の遊園地にて…。

 

あずさ

「えーっと…ここはどこでしょう?

 …あら? この通路は…?」

 

 マサキ・アンドーといい勝負な迷子の達人アイドルが、彼らの基地に入りかけていた。

 

 

 

   *   *   *

 

 いかがでしたか? 皆さん。

 えっ? あんまり華麗なる活躍って程でもないって…そんなぁ!?




3つ目の話のは、唐突な思い付きでもありまして(笑)。

ちなみに、『ドラクエ短編集』というドラゴンクエストシリーズの短編集を書いてみました。
なので、興味を持ったと言う方はぜひ、そちらもどうぞ…そして感想を!

それにしても、『プリコネ』も『かぐや様2期』も『はめふら』も、面白いアニメですなあ。
近頃はやたらと唐突な再放送や放送休止が多いですが、面白いアニメも多いのが救いです。平日夕方のポケモンXY&Zの再放送もいい…この頃のサトシの方がカッコいいビジュアルでした。


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○○パンな話

皆さん…半年以上も間を開けてしまい、申し訳ないのでございます。フカブカー
次回か次々回辺りはこの半年以上間でドハマリしていた、あのウルトラ熱血な作品を出そうか否かと検討中…なのです。
えっ、あの作品がスパロボに出てほしいと、自分もそう願っている…ですと? そいつはウルトラ嬉しいゼェェーッ!


 その1:始まりと驚き

 

 それはある日の、『UFOロボ グレンダイザー』の宇門大介こと、デューク・フリードから始まる。

 彼が『大空魔竜ガイキング』の大空魔竜の通路にて、歩いていると…

 

甲児

「だからさぁ、この場合こうなるんだってば」

 

さやか

「まさにそれよねえ」

 

マリア

「じゃあ、他のは?」

 

 何やら『マジンガーシリーズ』の兜甲児達の、賑やかな話し声が聞こえてくる。

 

大介

「(おや? 甲児君達だ…何を話しているんだろう?)」

 

 気になった大介が近付いて行ってみると…

 

甲児

「つまりだなぁ、もっかい言うけどマジンガーZの場合、『ロケパン』になるんだよ。

 あと、今思い付いたけど『アイカタ』もかな」

 

さやか

「ぷふっ! 何よそれアイカタって、面白~い!」ゲラゲラ

 

マリア

「ホント、まるで漫才ねえ!」ケラケラ

 

大介

「…んっ!?」

 

 これには、ちょっと訳のわからなさに大介は驚きと同時に困惑した。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:話は広がる

 

 その後、大介はどういう話なのか甲児達に訊いてみたところ…

 

甲児

「ああ、ロケットパンチを略したら、

 どういう風になるのかって話になってたんだよ」

 

大介

「なるほど、それでロケパンかあ」

 

マリア

「ちなみに『アイカタ』っていうのは、アイアンカッターの略ね」

 

大介

「…確かに漫才とかの相方みたいだなあ」

 

 妙に納得した顔の大介である。

 

 元々はフリード星の出身でしかも王子であるが、何年も地球で暮らしているせいか、すっかり文化にも馴染んでいるのだ。

 

 しかも、同じくマジンガーシリーズの『グレートマジンガー』からの剣鉄也らも、これを聞き付けて…

 

鉄也

「ふむ…すると俺のグレートのは、『アトパン』と『ドリパン』になるのか?

 ちょうどロケットパンチ系だしな」

 

ジュン

「鉄也…ドリパンだとどこかで聞いたのをひっくり返したような…」

 

ヒカル

「どっかのガールズバンドものみたいだよねえ。

 あっちは『パ』じゃなくて『バ』だけど」

 

ひかる

「えっ、何の事ですか…?」

 

 ここで鉄也に指摘するのは、炎ジュンと『機動戦艦ナデシコ』のアマノ・ヒカルであり、疑問に感じたのは『UFOロボ グレンダイザー』のヒロインの一人の牧葉ひかるである。

 同じ名前なのでややこしくなってしまうが。

 

 ここで話は更なる広がりを見せ…

 

ハヤト

「しかしドリパンだと、ドリルパンチみたいでもあるな」

 

リョウ

「だなあ。作品によっては、

 ゲッター2の武装の一つの名前がそうだしなあ」

 

 ゲッターにも飛び火(?)したのである。

 

大介

「(今度はゲッターチームにもか…)」

 

 そしてそれを眺める大介である。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:もっと話は広がる

 

 そこからどうやって聞き付けたのか、ロンド・ベルの他のメンバーも話に加わって来た。

 

「じゃあ…鋼鉄ジーグの場合、ナックルボンバーが『ナクボン』で、

 ダイナマイトパンチが『ダイパン』…になるのか?」

 

ヒカル

「何だかナクボンだと、泣いてる人をお盆で叩いてるみたいだねえ」

 

イズミ

「更なる追い打ち。まさに、泣きっ面にハチ~…ならぬ、泣きっ面に盆~。

 それはもう、ボン! …とね」

 

リョーコ

「上手い事言ったつもりかよ!」

 

 いつものエステバリス隊3人娘である。

 

美和

「じゃあ、ダイパンだと…台を『パン!』と叩いているか、

 あるいは大きなパンみたいねえ」

 

シャルロット

「大きなパン…バゲットみたいな?」

 

ジョルジュ

「パン・ド・カンパーニュも充分該当しそうですよ」

 

 どちらもフランス産のパンである。

 

ネオゲ號

「しっかしそうなると、うちのネオゲッターの…チェーンナックルもか?」

 

ネオゲ剴

「それで略すと、チェンナクってか?

 何か、誰か泣いてるみたいな感じがするかなあ」

 

ネオゲ翔

「誰かって…どこぞのカンフー俳優みたいな

 名前か名字の人が、とでも言うのか?」

 

甲児

「あっ、それ何となくわかるな~」

 

ケンジ

「うむ、不思議とわかるな」

 

 ここで甲児と『六神合体ゴッドマーズ』の飛鳥ケンジが反応するのは、声優ネタもあるからである。

 

クスハ

「じゃあ、グルンガストシリーズの

 『ブーストナックル』や『ドリルブーストナックル』とかは、

 『ブーナク』や『ドリナク』…って風に、なる訳?」

 

ブリット

「そうなりそうだなあ。

 …それに、変なイメージも何だか付きにくいだろうし」

 

 バンプレストオリジナルからのカップルの『クスハ・ミズハ』と『ブルックリン・ラックフィールド』からは、なんとも無難な意見である。

 

サンシロー

「するとガイキングの『カウンターパンチ』は、

 さしずめ『カウパン』って所か?」

 

ヤマガタケ

「パンでも買うのかよ~」

 

 ここで『大空魔竜ガイキング』の主人公のツワブキ・サンシローにツッコミを入れるのは、同じく大空魔竜ガイキングのヤマガタケである。

 

 ちなみに『カウパン』の『ン』を、『ー』に換えるのはよした方がいい。性的なアレになってしまうぞ。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その4:そして中断となる。

 

 その後も、『機動戦艦ナデシコ』のエステバリスのワイヤードフィストはワイフィス(「なんか人の名前みたい」とコメントされた)と略された…ナデシコ艦長のミスマル・ユリカの手によって。

 

ユリカ

「これはこれで、面白いじゃないですか♪」

 

 更には『無敵超人ザンボット3』のザンボット3のアームパンチもアーパンとメインパイロットの神勝平に言われたり(サブパイロットの神江宇宙太と神北恵子からは「なんか頭悪そう」と言われたが)。

 

勝平

「アーパーっぽいからダメって…マジかよぉ」

 

 『マジンガーシリーズ』でお馴染みのボスボロットのボロットプレッシャーパンチは、パイロットのボスからの案でボロプレパンやボロパンと言われるようにもなった…わざわざ自分で考えたにしては、ちょっとあんまりな感じもするが。

 

ムチャ

「というかボロプレパンは…ボロいプレ○アム○ンダイ商品みたいだなぁ。

 『パ』じゃなくて『バ』だけど」

 

ヌケ

「じゃ、ボロパンだと、ボロいパンツっぽい響きかなぁ?」

 

ボス

「うーん、ちきしょーい!

 どっちもいいイメージに結び付かないってのかよ~う」

 

鉄也

「はははは…まあ、面白くはあるじゃないか、ボス」

 

 さすがにご立腹のボスと、笑ってなだめる鉄也である。

 

 と、そこで『ビャビャビャッ!ビャビャビャッ!ビャビャビャッ!ビャビャビャッ!』と、ホワイトベースでよく聞いた警報音が鳴り響き、敵の襲来がアナウンスされた。

 

サンシロー

「おっとこうしちゃいられない!」

 

万丈

「端から見てて楽しくはあったが、敵は待っちゃくれない。

 今は行こうか!」

 

大介

「そういう事…確かに段々と面白くは感じたが、今は迫る敵に!」

 

ボス

「あらま! 皆さん切り替えがお早い事で~!」

 

 そう慌てて言いつつもボスもまた、駆け出して行くのだった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その5:なんか影響が出ちゃった

 

 今回襲来して来た敵勢力は『GEAR戦士 電童』のガルファである。

 そのガルファ素体やら、そいつが地球のメカと融合したガルファ機獣やらが市街地に目がけてやって来た、という訳である。

 のだが……。

 

甲児

「行っくぜー、ロケパァァンンッ!

 …って、あらっ?」

 

 ドギャァァンッ!

 

鋼鉄ジーグ

「この野郎! ナックボォォンッ! …って、ありゃ?」

 

 ボギャンッ!

 

ガルファ素体

「ナ、何ダ!? イツモト少シ違ウゾ!」

 

 いつもの調子でマジンガーZの右腕のロケットパンチを発射し、ガルファ素体の一体の顔面にぶち当てた甲児であったが…つい先程の話の影響が、出てしまったようだ。しかもそれは鋼鉄ジーグも同様である。

 これには他のガルファ素体も、違和感で驚くのも無理もない。

 

鉄也

「ったく、甲児君もジーグも、何やってんだか。

 仕方ない、俺が手本を見せてやるか! ドリパ…ドリルプレッシャーパンチッ!」

 

 バギィッ!

 

鉄也

「マジンガーブレード!」

 

 チャキッ、ザカッ!

 

 剣鉄也が率先して叫びと共にグレートマジンガーの必殺を繰り出すも、間違えて略称で言いかけてしまう…が、さすがは戦闘のプロ。

 即座に言い直してかっこよく決め、更には追い撃ちにマジンガーブレードを取り出してはグレートの右手で掴み、ダメージを与えたガルファ素体の首をはねたのである。

 

ジュン

「鉄也…ある意味危なかったわね」

 

鉄也

「…ああ、そうだな」

 

 パートナーの炎ジュンの指摘にも、認めざるを得ない鉄也である。

 

甲児

「何だよー、やっぱり鉄也さんもつい言いかけてんじゃねえかよー」

 

ボス

「そうだわさ!」

 

鉄也

「だから、蒸し返すんじゃない…戦闘に集中するぞ」

 

サンシロー

「俺は…まだやらなくてよかったか」

 

「俺も、下手したら危うくブロマグとか言ってたかもなぁ」

 

 これら一連の珍騒動?を見聞きして、ホシノ・ルリはこう言った。

 

ルリ

「バカばっか?」

 

 

 更に、後にマジンカイザーが手に入った時、

 

甲児

「じゃあ、カイザーのターボスマッシャーパンチは、略したらタボパンだな」

 

ボス

「それじゃ、カボパンことカボチャパンツみたいだわさ」

 

 と、そんな「まだ引きずってんのかよ!」と言いたくなるようなやり取りがあったそうな。

 

大介

「…やはり僕も、あの話にもっと混ざるべきだったか?

 スクパンとか、スククラパンとか案を出して…」

 

 そしてオチは発端のこの人である。




一夏
「今回俺達、出番なかったな…」

ウッソ
「仕方ありませんよ、ロケットパンチ系の武装とか積んでませんし…」

ジュドー
「とは言えな~。ちょっとぐらいは出たかったな~」

イーノ
「まあ武装とかの関係上、絡ませにくかったのもあるんじゃない?」


「とは言え、『みんな何をやってるんだ?』ぐらいの
 出番はあってもよかったろうけどな」


みんなウルトラ申し訳ない。
ついでに言えば、年明け前には間に合わせたかったが、結局間に合わなかったのでございます。ウルトラショック!


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第4次、あるいはFな奴ら

長らくお待たせしました。
今回は、懐かしのあいつらですよ!


 その1:パット、パッド

 

 ある暗転した舞台の上で、その真ん中で一人の10代後半の女性がスポットライトで照らされる。

 

パット

「どうも~こんにちは~! 古参スパロボファンの皆さん、お久しぶりで~す!

 それと、そうでない新規か中堅の方々は、はじめまして~!

 この私『第4次スーパーロボット大戦』及び『スーパーロボット大戦F』の主人公の一人、

 『パット』こと『パトリシア・ハックマン』でーす!」

 

 と、パットは林○め○みボイスで、最後にウインクをして元気に挨拶をする。

 

パット

「いや~、スパロボが世に出てもう30年…長いですねえ、実に色々ありましたねえ。

 それに私達が出て20数年…OGシリーズにも出てないし、

 私どころか『イルムとリン以外知らない』って人も多いだろうなぁ~」ハア…

 

 今度はガックリと肩を落として溜め息をつくパットである。

 

パット

「えっ、こんなニックネームしてて、実はその胸はパッド入りなんじゃないかって?

 もう何セクハラな事訊いてんですかー! そんな訳ないじゃないですか~!」

 

 と、手をひらひらと振りながら笑みを見せながらノリツッコミをするパット。

 

パット

「あっ、でもぉ、格ゲーとかのゲームパッドは

 いつかは使ってみたいなー、な~んて…えへへ。

 ではどうも、ありがとうございました~!」

 

 そして尚もかわいさのあるであろう、照れ笑いで締めるパッドであった。

 

 そしてその舞台を観ていた者の数人の反応は…

 

「胸にパッド…その手があったか!」

 

桃華

「もういっその事、そっちで手を打つというのも…!」

 

 と、変な方向に真に受ける『凰鈴音』と『西澤桃華』。

 

セシリア

「およしなさいな、そんなの…。後で虚しいだけですわよ?」

 

 そして、そんな2人に対し、ティーセットを持ちながら冷静にツッコミを入れる『セシリア・オルコット』であった。

 

 更に別の方面の席にて…

 

イルム

「おい、あれってさあ…お前の影響受けてるんじゃないのか?」

 

ヘクトール

「…だな」

 

 第4次及びスパロボFの男性主人公達の、『イルムガルト・カザハラ』と『ヘクトールマディソン』が、パットの漫談のようなショートコントの様なものを観ては、評していた。

 子は親に似たり、下のきょうだいは上の子に似たり、はたまたペットは飼い主に似たりすると言うが、恋人同士も影響を受けてこうなるものなのだろうか…感受性が強いならば、あるかもしれないが。

 

 付け加えるならば、我らの『織斑一夏』は…

 

一夏

「(パットさんか…あんな人もいるなんて、知らなかったな…)」

 

 やはりというか、知らなかった模様。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その2:叫べ! 熱血! 必殺技!

 

 ある日の戦闘にて…

 

パット

「必殺! ゲシュペンストパァァーンチ!」

 

ジェス

「究極! ゲシュペンストキィィーック!」

 

 ドゴゴォォア!

 

DC兵A

「ぶぎゃあぁーっ!」

 

DC兵B

「な、何だそれぇぇーっ!?」

 

 ゴバァァアッ!

 

 男女それぞれの熱血系主人公であるパットと『ジェス』こと『レナンジェス・スターロード』は、それぞれの『ゲシュペンスト・タイプS』で必殺技をぶちかまし、DCこと『ディバイン・クルセイダーズ』の残党兵の機体を見事撃破した。

 

パット

「へええ…やっぱやるわね!」

 

ジェス

「おう! そっちもな!」

 

 と、互いに称賛し合って互いのゲシュペンストの拳を『コツン』と小突き合う、パットとジェス。

 

ヘクトール

「なんか似た者同士なせいか、妙に息ピッタリだなオイ…」

 

ミーナ

「ズバリ、私の推理によると…同族嫌悪の気配すらないでしょう!」

 

 今度はヘクトールと『ミーナ』こと『ミーナ・ライクリング』が、パットとジェスをそれぞれに評する。

 実はそれぞれに、パットとジェスの恋人的な意味でパートナーなのです。

 

 そして母艦のアーガマから見ていた『ブライト・ノア』達は…

 

千冬

「彼らもまた…必殺技の際に叫んでいるのですね。

 それも、かなりアツく…」

 

ブライト

「まあスーパー系のお約束や様式美みたいな物ですからね。

 …もう今更というか、私はもう慣れたんで」

 

豹馬

「そうそう。もうな、そういうこったぜ?」

 

 ちなみに今回の葵豹馬及びコン・バトラーVは、ベンチ入り状態である。

 

モーラ

「というか、整備班の私としては、

 余計な仕事増やさないかと冷や冷やものなんですがねえ…」ワナワナ

 

千冬

「(ああ…そういう心配をか…)」

 

 整備班の『モーラ・バシット』からの苦情気味な心配事を間近で聞いて、変な汗を垂らして納得してしまう『織斑千冬』であった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 その3:その名はグレース

 

 これまたとある舞台の上にて。

 

グレース

「皆さ~ん、こんにちは~。

 私、グレースことグレース・ウリジンで~す!

 知ってる人は知っている、知らない人はこれから覚えてくださいね~」

 

 独特な雰囲気と間延びした口調のグレースの、なんともポヤポヤした自己紹介である。

 

「なんというかこう…同じクラスにいたな、こんな風なのが」

 

一夏

「ああ…まさにそうだよな」

 

 そんなグレースの独特の雰囲気さと、間延びした口調から、IS学園の同じ1年1組所属のクラスメイトの、『のほほんさん』こと『布仏本音』を思い出す、織斑一夏と篠ノ之箒である。

 

グレース

「ああ、そうそう~。グレースと聞いて、

 しばらく前まで活躍していた戦うヒロインで、同じ名前の娘がいましたよね~。

 なので、そっちを思い出す方もいるかと思いますが、名前は同じでも違いますからね~」

 

キララ

「ちなみに、その娘は私と同じ声ですよー!

 キラランッ☆」

 

 しかも今度は『ガンダムビルドファイターズ』の、訳あってガンプラアイドルやってるキララことミホシまで加わった(無印終盤でウィングガンダムフェニーチェを自爆させようとしたフェリーニを、一喝どころじゃない物言いで思い留まらせたシーンは神クラス)。

 そのニチアサのバトルヒロインの名前ネタと声ネタに対し、反応は…

 

「その声、しばらく前まで活躍してた戦うヒロインって…

 ああ、なるほどね。もうわかった」

 

 そう言ってなぜかアー○ウィンディ○ープを両手で持つ、『更識簪』。

 

「そう言えば私は、9年くらい前の作品の

 劇場版に出演したっきりだなぁ…」

 

シャルロット

「僕も何作か前のでそんな感じだよ。

 しかも番外編の短編のだし…これからワンチャンでもあればいいけど」

 

「あたしなんかまだよ…。

 敵キャラどころか、サブキャラですら出れてないわよ」

 

楯無

「私も…右に同じだわ」

 

 と、未だに中の人的な意味で、かの有名なニチアサの戦う正義のヒロイン達のシリーズな話をする、ISヒロインズであった。次こそは本編に出れるといいのですがねえ。

 

一夏

「俺はまあ…○ピプリに出たかな」

 

セシリア

「わたくしは確か…初代のですわね。もう大分昔ですわ」

 

ラウラ

「私の場合は直球勝負な緑だったな!」

 

千冬

「私の場合は、敵幹部からの光堕ちだったなぁ」

 

 と、出演経験ありのIS組の方々。

 

パット

「しかも、エレキギター掻き鳴らす猫キャラでもありましたっけ…」

 

ヘクトール

「おい、大丈夫か? また猫アレルギーだよな!?」

 

千冬

「何っ、パットは猫アレルギー持ちなのか!?」

 

 そんなパットの驚きの事実に驚く千冬。

 

パット

「あっ、ちなみにその戦うヒロイン達のシリーズの

 9年くらい前の劇場版で、私も出演してましたよー!」

 

ヘクトール

「って、そこで自己アピールもするんかい!?」

 

 ちなみに作者は、その映画作品のアニメコミックスも持ってます。

 

グレース

「では、これにて失礼しま~す。ちゃんちゃん♪」

 

ウィン

「…ってちょっと待て、いつの間にか出番がないのだが!?」

 

 哀れ、アーウィン・ドースティン!




いかがでしたでしょうか。
皆さんもたまには彼らを思い出してください。

あと、最近IS×ウルトラマンな小説を書いて投稿しました。
メインのウルトラマンは、かの『ウルトラマンゼロ』ですが、その相方は定番の一夏ではありません…そのファースト幼馴染みヒロインな篠ノ之箒です!
ある意味では、箒のじゃじゃ馬っぷりを矯正するのには、ピッタリな人選のウルトラマンなのでは?
ちなみに最初はコスモス先輩にしようかと思ってましたが、その場合どんな風になっていたやら。


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こいつらこれでもガンダムだ ~アナハイム編~

かなりお久しぶりです。
愛用のNEW3DSLLの故障とかで色々と機会が減ってしまったんじゃ~(嘆き)。

今年の夏のアニメやドラマ、色々面白かった。
『量産型リコ』とか、『東京ミュウミュウ にゅ~♡』とか、『ルミナスウィッチーズ』に『アルドノア・ゼロ』とか…色々と。
それにしてもミュウミュウにゅ~の最終回で、初代アニメOPのバラードアレンジカバーが主人公歌唱ので挿入されるとは…粋な演出すぎる。昔のちょっとしか観てないけど。


 ある日、月面都市『フォン・ブラウン』にある、『アナハイム・エレクトロニクス社』に寄港したロンド・ベル隊のラー・カイラムにて。

 

アストナージ

「オーラーイ、オーラーイ。はい、そこでオッケ~」

 

 整備班チーフの『アストナージ・メドッソ』の誘導により、何機かのモビルスーツが格納庫に搬入される。

 

 そのモビルスーツ群を前にして、パイロット各員の少年少女達がその光景を眺めていた。

 

ジュドー

「へ~、これが今度うちで受領されたっていう、新しいモビルスーツかあ。

 それぞれ2機ずつのもあるなあ」

 

エル

「パッと見、ゼータやダブルゼータに似てるね。

 それでいて、数もそうだけどなんか量産型な感じがするデザインていうか…」

 

一夏

「えっ、マジか? こっちのダブルゼータ似の方のは、

 確かに色が違う以外それっぽい見た目してるからわかるけど、

 ゼータ似ってモビルスーツの方は、俺は言われなきゃ気付かなかったぞ。

 顔とか全然違うしさあ」

 

ルー

「んもう、相変わらず一夏ったら、察しがいいのか悪いのか、ね。

 これは量産型ゼータガンダムよ。それとこっちは量産型ダブルゼータガンダムね」

 

一夏

「えっ!? 量産型ゼータガンダムに、ダブルゼータ!? これがかぁ…?

 確かに、胴体とか脚周りとか、ゼータに似ているけど…」

 

ジュドー

「へ~、ゼータとダブルゼータの量産型かあ。

 どっちも馴染みのある身としちゃあ、感慨深いもんがあるな」

 

ケーン

「まあ、確かに量産型ゼータの方は、

 顔がガンダムって言うより寧ろドラグーンに似てるしなあ」

 

タップ

「それでいて、ジムに近いのでもないよな」

 

ライト

「わかるわかる。まさにそれな」

 

 と、『ジュドー・アーシタ』達ガンダムチーム(主にシャングリラチルドレン+『ルー・ルカ』)、『ケーン・ワカバ』達ドラグナー隊、IS組の『織斑一夏』らが、搬入されたモビルスーツに関して談笑していた。

 

 そこへ『機動戦士Ζガンダム』の『カミーユ・ビダン』らが加わり…

 

カミーユ

「量産型ゼータかあ…少数とは言え、こうして俺達の所にも届くのは

 何だか俺も感慨深い物があるな」

 

ルー

「ああ、そう言えば元々ゼータは、カミーユさんがパイロットを

 務めただけじゃなく、設計にも関わってたんでしたっけ」

 

一夏

「カミーユさんがゼータを!?

 そりゃ凄い…何だか楯無さんみたいだ」

 

カミーユ

「設計にって言っても、ほんの少しだけどね。

 それにこれはゼータガンダムであっても、

 ウェイブライダーへの可変機構はオミットされているそうだ。

 つまりモビルスーツ形態だけって事さ」

 

ビーチャ

「ええっ、マジかよぉ!? なんかもったいね~」

 

モンド

「でも見方や考え方を変えてみると、それだけモビルスーツ形態だけでも

 優秀な機体って事なんだろうね」

 

カミーユ

「まあ聞いた話じゃ、カラバもゼータの量産化を目指して

 ゼータプラスってモビルスーツを作ったそうだ。

 こっちは幾つか生産されて、可変機構もあるらしいし、

 それにアムロさんが乗ったのもあるそうだ」

 

ジュドー

「あのアムロさんもって、マジかよぉ!?

 それだけでもすげぇ…」

 

モンド

「そりゃまさに、有名人のネームドの力って奴かねえ」

 

一夏

「へえぇ…ゼータガンダムだけでも、

 結構派生して作られた機体とかがあるんだなあ…」シミジミ

 

ルー

「それを言うなら、リ・ガズィもゼータの派生機よ」

 

一夏

「えっ、そうなのか!?

 確かに見た目ちょっと似てるとこあるけど…」

 

カミーユ

「名前だって『リファイン・ガンダム・ゼータ』の略称だし、

 これもゼータの量産化を目指して作られたそうだ。

 前身となったのはZプラスR型だとか…

 まあ、結局はゼータと違ってバック・ウェポン・システムによる簡易式高機動形態、

 そして切り離してモビルスーツ形態になっても

 先の戦闘機な形態にはなかなか戻れないと、問題も抱えてる機体でもあるけどね」

 

一夏

「へ~、なるほど…そう言えば、

 普段リ・ガズィの戦闘を見てると確かにそれも頷けますねえ」

 

 と、そのタイミングで他のIS組のメンバーもやって来た。

 更には別のモビルスーツも運ばれて来ている。

 

ラウラ

「ほお、これが今度受領して搬入されてきたというモビルスーツか。

 おっ? 後ろには何やら青っぽいカラーリングのもあるようだな」

 

セシリア

「そうですわね。あの顔のデザインからして…

 あれもガンダムタイプでしょうか?」

 

「へえ…言われてみれば確かにそうね」

 

 彼女達は明らかにガンダム顔の、2機のモビルスーツを指して言っている。

 

 と、そこへ1人の男が、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の『アムロ・レイ』が解説に入り…

 

アムロ

「ああ、あれは量産型νガンダムとリ・ガズィ・カスタムさ」

 

一夏

「あ、アムロさん! って、これってνガンダムの量産型と

 リ・ガズィの改良型とか発展型なんですか?」

 

アムロ

「そういう事さ。量産型νガンダムの方は、フィン・ファンネルはもちろん

 量産機としてニュータイプ以外でも扱い易い様に、

 準サイコミュ兵器のインコムが使えもするんだ。

 だから、用途やパイロットに応じて換装も出来る」

 

セシリア

「インコム!? あのオールレンジ武装の一種の!?」

 

 自分の機体のアイデンティティが更に揺るがされかねない装備があると聞いて、セシリア・オルコットは動揺を隠せない。

 

アムロ

「で、リ・ガズィ・カスタムの方だけど、これはバック・ウェポン・システムを

 小型化して機体そのものも再設計して、基のゼータと同じ完全な可変機となったのさ」

 

ラウラ

「ほお…それはいい改良になったものだな」

 

アムロ

「そのおかげで、変形後の武装の一部も使えるようになったし、

 結果として色々と使い勝手が良くなったんだ」

 

シャルロット

「という事は、メガ・ビーム・キャノンとかもですか?

 だったら尚更凄いですよ!」

 

アムロ

「ははは…さすがにそのままは無理だけど、応用できなくはないかもね。ありがとう。

 それと、顔のデザインがよりガンダムらしい顔になった事だけど、

 デザインした人が僕のかなりのファンらしくて、それで僕が乗るのを意識して

 こういうデザインにしたらしいんだ」

 

シャルロット

「あ、アムロ大尉のファンでって…

 あはは、なんか凄く俗っぽい理由ですね」ニガワライ

 

 これにはシャルロット・デュノアも苦笑い。

 

 余談だが、アムロは『機動戦士Ζガンダム』以降は一人称が僕だったり俺だったりするので、安定しないし使い分けが難しい。

 

ラウラ

「アムロ大尉が乗る事を前提として、か…なるほどな。

 デザインした主はさぞ思い入れも強かろう。

 それにこのアンテナ部分…この辺りが特にガンダムらしい意匠があるな。

 元々の機体となったゼータ…よりも寧ろ、νガンダムのようでもあるし、

 頭部側面もやや太くなった様に感じるしな」

 

アムロ

「やっぱりわかるかい?

 つまりはそれだけ俺の影響力も、強いって事でもあるな…

 全く、人気者は辛いよ…色々とね。はははっ…」

 

 含みのある言い方と、乾いた笑いをするアムロ。

 

シャルロット

「(もしかしてアムロ大尉…ちょっと皮肉ってる、いや自嘲?)」

 

 その姿にシャルロットは、彼の真意に少し感づいた。

 

シャルロット

「(この人が一年戦争で大活躍して、凄いニュータイプなのもあって

 良くも悪くも色んな影響を及ぼしたり、

 連邦政府に危険視されて何年も軟禁を強いられてたっていうのは知ってるけど…

 やっぱり本人からすれば、そうだよね…ちょっとわかるよ)」

 

 似た様な境遇なのが少しあるせいか、彼女はアムロのその胸中が、やや理解できた。

 そしてそれは、彼女だけではなかった…

 

「(人気者は色々と辛い、か…色々と含みがありそうな言い方だな。

 まあ確かに、私も姉さんがやらかしてからは、色々とありすぎたからな…。

 いや、寧ろそれ以前から、学校のクラスなどで浮いた存在になっていたな…。

 良くも悪くも人気者は、知名度や目立つ存在は…そういう事だろうな)」

 

セシリア

「(今のアムロ大尉の言い方…これまで大戦果を挙げたニュータイプにして、

 あの噂に聞くガンダムのパイロットだったが故の経験の…ですわね。

 それで良くも悪くも注目される様になったと、聞きますが…

 ある意味それに関しては、わたくしもオルコット家の娘故に

 色々あったので、少しは察してしまいますわね)」

 

 更には、一夏も…

 

一夏

「(人気者は辛い、か…なんか様子がちょっと変かな?

 それにそう言えばこの人、聞いた話じゃ一年戦争って戦いの時、

 ニュータイプに覚醒してガンダムで物凄い戦いを繰り広げて、

 それで有名な英雄になったけどそれで危険に思われたりもしてたっけ…。

 それってなんか、皮肉っていうか、でも…)

 あの、アムロさん…」

 

アムロ

「ん…何だい?」

 

一夏

「実は俺も、有名人になったりそれで騒がれたりした事があるんです」

 

アムロ

「ああ、聞いたよ。君達の世界で、初の男性IS操縦者に…

 パイロットの適性があると騒がれたらしいからね」

 

一夏

「それに、実は俺…それよりも何年も前に、

 ISの世界大会で初代チャンピオンになった、千冬姉の弟って事で

 誘拐された事もあるんです…優勝妨害の為の人質として」

 

ISヒロインズ含む一同

「「「!?」」」

 

ジュドー

「それマジかよぉ!?」

 

「(そう言えば…中学の時、そんな事があったわね)」

 

カミーユ

「俺も前に…似たような事があったな。

 母さんを、ティターンズに人質にされて…」

 

 一夏の過去に関するカミングアウトを聞き、それぞれが反応する中、カミーユは過去を思い出してうつむいた顔になってしまう。

 

一夏

「だから、その…良くも悪くも名前や肩書きで影響されるっていう

 アムロさんの境遇とか、気持ちとか、その…少しはわかります。

 わかるつもりです…はい」

 

アムロ

「一夏…つまり今のは君なりの、今の僕への気遣いのつもりかい?

 ふふふっ…ありがとう。感謝するよ」

 

 と、にこやかな微笑みで返すアムロ。

 

一夏

「は…はいっ! こちらこそ、どういたしまして!」

 

 ちなみにこのやり取りに対し、ISヒロインズは…

 

ISヒロインズ

「「「い…一夏(さん)が、他の人の心境を察して、気遣いをぉ!?」」」

 

 と、揃いも揃って驚いていた。

 

「あ…あの一夏が、僕念仁で、他者の心境や心情には、

 直接口で言って教えなければわからなかった、あの一夏が…」

 

「今さっきのアムロ大尉の言い方と態度や乾いた笑い方だけで、

 色々察してフォローを入れるだなんてっ!?」

 

セシリア

「まさか、あの一夏さんがここまで察せて気遣えるだなんて…」

 

シャルロット

「まさか、ニュータイプやXラウンダーにでもなったんじゃあ…」

 

ラウラ

「いや、或いは我々の知らない内に、何かしらの方法で

 強化人間にでもなっているか…」

 

ジュドー

「そっ、そうか! そうだよ、大丈夫なのかよぉ!?

 なにか、変な物食ったり、変なシステム使ったりとかは

 してないのかよぉ!?」

 

 と、色々とヒロインズやジュドーからもあさってな方向な事を言われ、質問されたりもしたが…

 

一夏

「おいおい、みんな揃って失礼だなぁ!?

 俺だって、これまで色々経験して、色々教えられたりそれで色々考えたりとかして、

 それでこれぐらいは出来る様になったんだぜぇ!?

 …まあ、まだちょっとはってとこだろうけどさぁ」

 

「そ、そうなのか…」

 

カミーユ

「まあなんせよ、一夏が普通に成長して

 出来るようになった事だったっていう、正体はそんな事な訳だな。

 そういう訳だから、それでいいじゃないか」

 

「そ、そうね…そういう事にしておきましょう」

 

 そうしてこの『察しがよく気遣える一夏』の話題は、お開きとなった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 その後、ラー・カイラムの艦内の別の格納庫に受領・搬入されたMSをもっと見ていたが…

 

一夏

「これがこっちの機体…

 って、クワトロさんの百式改にそっくりじゃねえか!?

 しかも2機もあるなんて…」

 

 そこへ、当の『機動戦士Ζガンダム』のクワトロ・バジーナが、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のコウ・ウラキと談笑している直後に気が付いて、それぞれドリンクボトルを片手に歩いて来る。

 

クワトロ

「おや、一夏君」

 

一夏

「あの、クワトロさん…いや、大尉。

 この百式にそっくりなMSですけど…」

 

コウ

「このMSの事かい? これは量産型百式改っていってね。

 文字通り、百式改の量産型さ」

 

一夏

「えっ、量産型!?」

 

クワトロ

「うむ。私が使っているオリジナルより武装は減ったが、

 それでもさしてスペックは低くはなっていないし、パーツの互換性はあるそうだ」

 

一夏

「へ、へえぇ…でもやっぱり、金色なんですね」

 

クワトロ

「ハハハ…そこはアイデンティティみたいな物だからな。

 目をつぶってやってくれ」

 

 などと、談笑していると…

 

コウ

「そうだ。実は百式も、ガンダムタイプだって知ってたかい?」

 

一夏

「えっ、百式も!?」

 

 驚く一夏。

 

クワトロ

「う、うむ。実は当初は『デルタガンダム』という可変試作機として開発されていたのだが、

 シミュレーターによるテストでムーバブルフレーム…つまり骨格たるフレームが、

 強度不足で変形時に破損してしまい、更にバインダーや駆動系にも

 様々な問題が生じてしまうのが発覚してな…」

 

一夏

「そ、そんな大変な事になってたんですか…」

 

 驚きと困惑の入り交じった顔をする一夏。

 

コウ

「でもその後、ガンダムMK-Ⅱから得られたデータを基にして、

 それで可変機構を取り除いたりした末に、こうして百式として世に送り出せたのさ」

 

一夏

「へ~…そうだったんですか」

 

クワトロ

「さすがはウラキ少尉だな…。

 モビルスーツやモビルアーマーに関する知識が豊富で、

 高い観察眼もあるのは伊達ではない」

 

コウ

「えっ? なんか照れるなあ…ありがとうございます」

 

 謙遜してか自然と笑みがこぼれるコウ。

 

コウ

「あっ、そうだ。この他にも、実はガーベラ・テトラやリック・ディアスも、

 元々ガンダムを冠して作られていたって話…知ってるかい?」

 

一夏

「え、えぇっ!? その2機もですか!?」

 

クワトロ

「ああ…あの事か」

 

 驚く一夏とは対照的に冷静に過去の事を思い出し…アナハイムの汚職と言えるような出来事や、そのしばらく後に自分が関わった機体開発の出来事を思い出す、クワトロであった。

 

 そしてそんないわゆる『大人の事情』に振り回された、2機のモビルスーツ(リック・ディアスは量産されているので2機と言えるかは語弊がありそうだが)にまつわる話を一夏が聞かされつつ、今回は閉幕となる。

 

一夏

「えぇっ!? 元はGPシリーズの4号機に、ガンマガンダムゥ!?」

 

クワトロ

「…あまり大きな声では、言えない話だがな」

 

 

 

   *   *  *

 

 

 その後な一幕。

 

一夏

「ISもそうだけど、モビルスーツの開発にも、色々事情があるんだなあ…」

 

「そうだよね…結構他人事とは思えないのばっかりだしね」




こうして見てみるとアナハイム製MSって、大人の事情に振り回されたMSが多いですよねえ。
エゥーゴに来るはずだったのがティターンズに配備されたマラサイだってそうだ。

あと最近色んなとこのTSUTAYAが閉店ラッシュで困っちゃいますねえ。


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