ハイスクールD×D 究極の救世主・大星団の輝き (イマジナリ)
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序章 プロローグ
プロローグ 目覚めろ!究極の救世主!


はい、プロローグです。

ふと思いまして、ハイスクールD×Dでキュウレンジャーの合わせを考えたら色々とオリジナルで浮かんで来てしまい投稿をしました。

最初から長いですが読んで頂ければ幸いです。

では、プロローグをどうぞ。


プロローグ

 

目覚めろ!究極の救世主!

 

遥か昔、冥界にて悪魔・天使・堕天使による三つ巴の種族の存亡に関わる程の大戦争が起こった。

 

悪魔はその黒きコウモリの様な羽を広げ冥界の空を飛び、紅い魔法陣から赤く染まった魔力を放ち。

 

天使は純白の翼を翻し冥界の闇を眩い光を棚引かせ、金色の魔法陣から光力の槍を降らせ。

 

堕天使はかつて純白だった翼を常闇の漆黒に染めあげ、紫色の魔法陣から赤紫色の光力を武器の形にして振るう。

 

互いが互いを憎み・嫉み・蔑み戦いは激化、何時しか戦場は辺り一面多くの者たちの骸が横たわり三大勢力共に疲弊していた。

 

 

その永い戦争の中で突然、三陣営にとって予期せぬ事態が起きた!

 

 

(赤龍帝・ウェルシュ・ドラゴンまたの名をドライグ)と(白龍皇・バニシング・ドラゴンまたの名をアルビオン)二天龍と呼ばれたドラゴンが突如として現れ三大勢力の戦場の中で戦い始めてしまったのであった。

 

三大勢力はそれに巻き込まれ更に多くの者達が亡くなっていってしまった。

 

このままでは戦争の決着どころか三大勢力が揃って滅んでしまう。そう考えた各勢力のトップは停戦協定を結び二天龍を止める事になった。

 

二天龍が争う地ではその巨体から生えた両翼から巻き起こす風が土を巻き上げ砂塵を含む嵐となり、鋭利な牙を生やした口から出る咆哮は大気を切り裂き戦場を震わせ、手足にある鋭い爪は振るわれる度に大地をえぐられ深く傷付いていた。

その地獄の様な戦いを止める為に三大勢力が二天龍の間に割って入っり壮絶な戦いの幕が切って落とされた。

数日の時が経ち三大勢力も二天龍も共にボロボロになりながらも未だ終わりが見えない中、又しても予期せぬ事態が起きた。

しかし今回の招かぬざる者達は異様・・・否、恐ろしい者達であった。

 

突然現れた悪魔や堕天使達とは違う異形の集団、それを束ねているであろう全身を覆うローブを纏い赤き眼光を放つ存在。

彼は己の事を更には自分達がどの様な集団かを言い放った!

 

???

「我が名は・・・将軍、ドン・アルマゲ。そして我々はこの世の全て支配し宇宙すらも支配する存在・・・宇宙幕府ジャークマターだ!」

 

ドン・アルマゲと彼が指揮するジャークマターの軍勢、更には幹部達の力と圧倒的な物量に三大勢力ばかりか二天龍までも圧倒されてしまいあっという間に窮地に陥ってしまう。

その戦いの中で魔王とそれに対を成す存在の神はドン・アルマゲの底知れぬ強大な力によって倒され魔王と神は倒されてしまい三大勢力と二天龍は今まさに存亡の危機に立たれていたのであった。

 

 

サーゼクス

「ハァハァハァ・・・大丈夫かいセラフォルー、アジュカ?」

アジュカ

「何とか大丈夫です。」

セラフォルー

「私も何とか生きてるよ。サーゼクスちゃんは大丈夫?」

サーゼクス

「此方も傷は大した事はないが、そろそろ魔力が持ちそうに無い。」

 

彼サーゼクス・グレモリーは親友のアジュカ・アスタロトとセラフォルー・シトリーの2人と共に突然現れたジャークマターと戦いながら味方と合流する為に戦場の中を駆け抜けていた。しかし圧倒的な敵の数と長時間の戦いの中で3人とも魔力が尽きかけてきていた。

 

サーゼクス

「クッ。このままでは一方的にやられてしまう。それに下手をしたら三大勢力そのものがジャークマターに滅ぼされてしまう。」

 

サーゼクスが焦りながらも状況を整理していると・・・

 

グレイス

「サーゼクス様!お怪我は御座いませんか?」

グレイフィア

「アジュカ様!セラフォルー様もご無事で!」

 

そこに現れたのはグレモリー家にメイドとして仕えている双子の姉妹で姉のグレイス・ルキグフスと妹のグレイフィア・ルキグフスの2人であった。

 

グレイス

「サーゼクス様じっとしていて下さい。直ぐにフェニックスの涙をお出しします。グレイフィア!アジュカ様とセラフォルー様にも。」

サーゼクス

「すまないねグレイス。頼むよ。」

グレイフィア

「分かったは姉さん。さあ、アジュカ様も此方にセラフォルー様もしっかり。」

アジュカ

「助かった。正直傷の痛みが引かなくてね。」

セラフォルー

「心配かけてごめんねグレイフィアちゃん。あの数を相手するには流石の魔法少女でも難しかったみたい。」

グレイフィア

「今はご冗談は良いので早く此れを!」

 

グレイスとグレイフィアが3人の傷の回復の為にフェニックスの涙を出し始めようとした時に上空から漆黒の羽と純白の羽を広げた男女が4人降りてきた。

 

アザゼル

「悪いが、できる事なら俺達にも分けてもらえねえか?」

ミカエル

「私達でも回復をかけながらここまで来たのですが。」

ガブリエル

「ミカエル様の光力も底に達してしまっていて。」

シャムハザ

「すまないが手を貸してもらいたい。」

 

堕天使2人のうち1人はアザゼルそしてもう1人は友人のシャムハザ、

天使の男性はミカエルで女性の方がガブリエル。

 

4人もサーゼクス達と同じ様にジャークマターと戦いを切り抜け何とかこの場所にまで辿り着いたのである。

 

サーゼクス

「堕天使のアザゼルと天使のミカエル!よく無事だったね。それにシャムハザとガブリエルも大丈夫かい?」

アザゼル

「何とか命からがらな。しかし何なんだ奴らは!」

ミカエル

「分かりませんね。少なくともあの姿から我々三大勢力とは別物とは思いますが。」

サーゼクス

「とにかく今は傷の回復からだ!グレイス。グレイフィア。彼らにもフェニックスの涙を。」

グレイス

「はい!サーゼクス様。」

グレイフィア

「さあ、此方を。」

 

2人が持って来ていたフェニックスの涙のおかげでサーゼクス達の傷は何とか塞がったが、長時間の戦闘の影響で魔力や光力までは回復には至っていない。

 

アザゼル

「しかしどうする?戦うにしても俺達は殆ど魔力が無いし。」

シャムハザ

「他の味方の状態も分かりませんし。」

ミカエル

「私とガブリエルが合流した場所には多くの同胞の骸が横たわっていました。」

ガブリエル

「それに神が・・・神がお亡くなりになるなんて。」

 

ガブリエルは神の死のショックに涙を流していた。

 

アジュカ

「サーゼクス。一先ず我々は纏まって行動しましょう。」

セラフォルー

「そうだね。アジュカちゃんの言う通り、私達全員まともに戦える人がいないし消耗が激しすぎるよ。」

グレイス

「サーゼクス様。とりあえず三大勢力の陣営まで撤退しましょう。」

グレイフィア

「姉さんの言う通りです。此処での回復にも限界があります。」

サーゼクス

「分かった。よし!全員で一旦撤退しょう。全員大丈夫かい?」

 

サーゼクスが周りに確認すると全員が頷いた。それを確認したサーゼクスが出発しょうと一歩踏み出した瞬間!

 

巨大な物体が2つサーゼクス達の目の前に吹き飛んで来た!

 

その正体は・・・

 

傷だらけになり翼は変な方声に曲がり、身体中至る所から血を出し牙は折られてしまった。二天龍のドライグとアルビオンであった!

 

ドライグ

「クッ!我らがこうも簡単に地を這う事になるとは!」

アルビオン

「信じられ!二天龍と呼ばれた我々2匹を。一体何なのだ!」

サーゼクス

「二天龍のドライグとアルビオン!」

ドライグ

「悪魔か?お前達も手酷くやられた様だな。」

アルビオン

「我々が勝てないのだ。奴らの強さは異常すぎる。」

ミカエル

「二天龍の御二方。今は我々もそして御二方も争っている場合では無くなったと思います。」

アザゼル

「あのジャークマターの連中を如何にかし無いとヤバイと思うんだが俺は?」

ドライグ

「確かにな。我々も喧嘩などしている場合では無いな、アルビオン。」

アルビオン

「そうだなドライグ。今とにかくジャークマターを・・・!!!」

 

アルビオンはその先を喋ろうとし無い。否、喋れなくなってしまっていた。

 

目の前にいるのだ・・・自分達を此処で追い詰めた存在、ドン・アルマゲが居るのだから!

 

ドン・アルマゲ

「逃すと思ったか?二天龍のドライグとアルビオン。それと三大勢力の者共よ!」

サーゼクス

「ドン・・・アルマゲ!」

アザゼル

「クッソ!最悪だぜ。よりによって、こんな状態の時に来やがって!」

ミカエル

「此れが我々の運命だと言うのですか!此処で死ぬことが。」

ドン・アルマゲ

「その通りだ。貴様らの運命はこの私ドン・アルマゲの手の上だ!そして貴様ら待っているのは・・・死だ!」

 

そう言った刹那!ドン・アルマゲは一瞬でドライグの前に移動すると一撃でドライグとアルビオンを吹き飛ばし、側にいたサーゼクス・アザゼル・ミカエルの3人を2匹の所まで投げ飛ばし、更には他の全員を手から放った衝撃波で纏めてなぎ倒してしまった。

 

ドン・アルマゲ

「やはりこの程度か。脆弱で愚かな生き物達が、私の支配する世界に貴様らの様な下等生物は不要だ!何心配する必要は無い・・・他の奴らも直ぐに全員始末してやろう!」

アジュカ

「強すぎる。本当の化け物!」

シャムハザ

「このまま我々は滅びるのか。」

ドン・アルマゲ

「そうだ貴様らは滅びる運命なのだ!さて長々と話しすぎた様だ。先ずは二天龍と貴様ら4人に消えてもらう!」

 

ドン・アルマゲはドライグとアルビオン更にはサーゼクス・グレイス・アザゼル・ミカエルの4人に狙いを定めると、頭上にかざした手に漆黒の禍々しく渦を巻いた様な魔力の球体が現れ凄まじ音を上げてどんどんと巨大化していっていた。

 

ドン・アルマゲ

「消え去れ!下等生物と逢われな二天龍よ!!!」

 

手を振り下ろすと頭上にあった球体が全てを飲み込むブラックホールのように地面を激しく揺らしながら近づいてくる。

 

グレイフィア

「サーゼクス様と姉さんの幸せな未来を消させたりしない!」

ガブリエル

「ミカエル様!早く逃げて下さい!」

セラフォルー

「此処は魔法少女の私の出番だね!」

 

グレイフィアはグレイスをガブリエルはミカエルをセラフォルーはサーゼクスを守る様に両腕を広げ、迫り来る魔力の前に身を投げ出していた。

 

ミカエル

「ダメですガブリエル!我々にかわまず貴女が逃げて下さい!」

サーゼクス

「セラフォルーもだ!私達のこといいから早く!」

グレイス

「逃げなさいグレイフィア!貴女は私より先に死んでは駄目!」

 

3人は必死に2人に逃げるように説得するが・・・魔力の渦はもう目の前に迫っていた。

 

ガブリエル

「ミカエル。貴方しか神が居なくなった天界を纏められる人は居ません。だから貴方は生きないといけないんです!どうか多くの人々に加護を与え続けて下さい・・・よろしくお願いしますね。」

グレイフィア

「サーゼクス様と姉さんは死んではダメなんです!2人が亡くなったらグレモリー家の未来はどうなるんですか!それに結婚する2人の幸せを守れるなら私の命は惜しくありません!だから・・・私の分まで生きて下さい。」

セラフォルー

「そうだよサーゼクスちゃん!お嫁さんを幸せに出来ない人は旦那さん失格なんだからね♡心配しないで魔法少女は不滅なんだから。だから・・・後のことはお願いね。」

 

ガブリエルは笑顔でミカエルに未来を託し、グレイフィアは涙を流しながらサーゼクスとグレイスの幸せの為に笑いながら、セラフォルーも友人のサーゼクス達を悲しませない様に明るい笑顔とウィンクをしながら目を閉じた。

 

サーゼクス

「セラフォルー!駄目だーーーーー!」

グレイス

「イャーーーーー!グレイフィア!」

ミカエル

「ガブリエル!ガブリエルーーー!」

 

目の前でグレイフィア達、3人が死んでしまう。

 

それが起こってしまう現実がよぎりサーゼクス達、3人は声を上げて叫んだ。

 

誰でも良い!誰か助けてくれ!その思いがこもった叫びが木霊するが。

 

グレイフィアもガブリエルもセラフォルーも、更には後ろにいる3人以外のアジュカにアザゼルとシャムハザ。それとドライグとアルビオンも、ドン・アルマゲの一撃で死を覚悟した・・・

 

 

???

『ギャラクシー!』

 

 

突然、電信音の様に声が鳴り軽快なリズムが響き渡ったその瞬間!

 

グレイフィア達の前に近づいていた漆黒の魔力と3人の間に、星を散りばめた様なアンダースーツを纏い、インカム状のヘッドギアと流星を模した形をしたプロテクターに顔と胸には鳳凰の様なマークがあり。腰には銀色のバックル、更に片手に盾に剣が収納され天に羽ばたく鳳凰がデザインされた武器を持ち反対の手で剣を握りしめた存在が現れ叫んだ!

 

???

「フェニックス・エンドーーーーー!!!」

 

男が技名を叫びながら盾から剣を引き抜くと刃の根元から炎が燃え上がり刀身を包むと更に熱く激しく燃え上がる。そして引き抜いた勢いを乗せ剣を横薙ぎ中振るうと、炎は鳳凰の姿となりドン・アルマゲの放った魔力を一刀両断した。爆発で辺り一面を土煙が巻き上がり包んだ。

 

ドン・アルマゲ

「クッ!この私をドン・アルマゲと知って挑んでくるか!」

???

「ああ。俺はお前とジャークマターを倒す為に此処に来たんだからな!」

ドン・アルマゲ

「貴様はいったい何者だ!」

 

土煙を切るように剣を振るい中から現れた存在は・・・こう名乗った!

 

???

「俺は、俺の名は・・・スペースバスター!ホウオウソルジャー!」

 

ホウオウソルジャーと名乗った俺にグレイフィア・ガブリエル・セラフォルーの3人、もちろんサーゼクス達も目が離せずにいた。

 

グレイフィア

「スペース・・・バスター」

ガブリエル

「ホウオウ・・・ソルジャー」

セラフォルー

「・・・カ、カッコイイ♡」

ドン・アルマゲ

「ホウオウソルジャーだと!貴様よくも私の邪魔をしてくれたな!」

 

ドン・アルマゲは怒りを露わにし体から魔力を溢れさせていた。

 

それに対して戦いの火蓋を切る言葉をホウオウソルジャーが言い放った!

 

???

「刮目しろ!伝説を見せてやる!!!」

 

今此処に真の物語の口火が開いた習慣である。

 

 




はい、プロローグ如何でしたでしょうか?

タグにもありますがオリジナルキュウタマなど出していきますのでよろしくお願い致します。

余りにネタバレになるとアレですので、話が進むたびに色々と話して行きます。

では 次にまたお会いしましょう。


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プロローグ 決着!出会いと別れの先に。

はい、プロローグは今回で最後です。

今後の進展は原作に基本そっていきますが、かなりアレンジやコラボして行きます。

色々あるとは思いますが、宜しくお願いします。





 

プロローグ 決着!出会いと別れの先に。

 

 

???

「刮目しろ!伝説を見せてやる!」

ドン・アルマゲ

「私の邪魔をするなら貴様から消してやろう。覚悟しろホウオウソルジャー!」

???

「その言葉そっくり貴様に返してやる。覚悟するのお前だ!貴様は俺が倒す!!ドン・アルマゲ!!!」

 

剣を握り直しながら切っ先を向けるホウオウソルジャー。

 

全身から禍々しい魔力を溢れさせるドン・アルマゲ。

 

2人が互いに構えたその瞬間・・・戦いの幕は切って落とされた!

 

素早く距離を取る様に後ろに飛上ったドン・アルマゲは飛びながらロープの袖から両手を前に突き出すと大きい物から小さい物、更には球体状から鋭利な形状の物など様々な魔力を生み出し捉えられないほどの速さで大量に放って来た。その魔力の不規則かと思えば鋭い軌道をした攻撃など様々まるで、狙った獲物を食い殺す野獣の如く獰猛であった。

 

対するホウオウソルジャーは両手に握られた武器を巧みに使い己の間合いに持ち込む為に接近しながら弱い魔力はホウオウブレードを振るい斬りはらい、強力な魔力はホウオウシールドを使い受け流す様にしながら攻撃を逸らし回避して行く。川を流れる水のように流れる動きと洗練された技で避け、大気を切り裂く突風のような剣技から放たれる無数の斬撃はまるで、1種の剣舞・・・剣の舞と言っていい。

 

その魔力と剣戟の息つく暇の無い程の凄まじ戦いを目の当たりにしながらもサーゼクス達はグレイフィア・セラフォルー・ガブリエル、3人の無事を確認する為に急いで側に駆け寄った。

 

サーゼクス

「グレイフィア!セラフォルー!2人とも無事か?」

グレイフィア

「サーゼクス様、心配をお掛けして申し訳ありません。私なら大丈夫ですので。」

 

グレイフィアが“大丈夫”と返事をすると、グレイスが泣きながらグレイフィアに駆け寄り強く抱き締めてた。

 

グレイス

「グレイフィア!良かった本当に良かった。貴女が・・・貴女が死んでしまうと思うと私は・・・私は!」

グレイフィア

「姉さん御免なさい。でもさっきは無我夢中で、サーゼクス様と姉さんを守らないとって思ったらつい・・・」

サーゼクス

「だからと言って君が犠牲になるなんて事は絶対にしては駄目だ。そうなれば私達は君を死なせてしまった事を一生後悔する・・・だからお願いだ。あのような事は二度としないでくれ。」

グレイフィア

「サーゼクス様・・・」

グレイス

「そうよグレイフィア。私達の幸せを思ってくれたのは嬉しいけど、それで貴女が死んでは駄目よ。貴女は私の大切な姉妹なんだから。」

グレイフィア

「御免なさい姉さん、サーゼクス様。もう二度としないと約束します。」

サーゼクス

「分かってくれればいい良いんだ。セラフォルー、君も大丈夫かい?」

 

サーゼクスがセラフォルーの安否を確認する為に声を掛けたのだが・・・

 

セラフォルー

「ああ〜〜〜ホウオウソルジャー様♡素敵!カッコイイ!!私達を守ってくれたナイト・・・私のナイト♡」

 

其処には顔を赤らめ両手を頬に当てウットリした瞳の中にハートマークが浮かんでると言っても過言じゃ無い程の表情をしたセラフォルーがホウオウソルジャーをしっかりと見つめていた。

 

サーゼクス

「セラフォルー。大丈夫かい怪我は無いかい?」

セラフォルー

「私なら全然問題なし!だってホウオウソルジャー様が私を守ってくれたから。」

サーゼクス

「そうか、それを聞いて安心した。ミカエル殿、ガブリエル殿のご無事ですか?」

 

ミカエルはガブリエルを抱えながら答えた。

 

ミカエル

「ガブリエルも大した怪我はありません。しかし彼はいったい何者なのでしょうか?」

ガブリエル

「彼からとても神秘な力を感じますが、私達のような光力とは何処か違う物のような気がしますが。」

サーゼクス

「アジュカ。君は何か分かるかい?」

アジュカ

「すまないサーゼクス。私にも全く分からない。」

サーゼクス

「アジュカでも分からないか・・・アザゼル殿はどう思いますか?」

 

サーゼクスが話を振るとシャムハザに肩を借りながら歩くアザゼルは顎髭を撫でながら口を開いた。

 

アザゼル

「俺にもさっぱり分からねえ。一瞬神器かとも思ったんだが・・・シャムハザ。」

シャムハザ

「あの様な神器。見た事も聞いたこともありませんねアザゼル。」

 

誰もがホウオウソルジャーの事を考えていると、今まで口を開かずにいた二天龍が体を引きずりながら言葉を発した。

 

ドライグ

「恐らくだがアレは神器では無いだろう。」

アザゼル

「なんで神器じゃ無いと言い切れるんだ?」

アルビオン

「神器のような感覚が伝わって来ないからだ。だが確たる証拠も無いから分かるのは本人だけだが・・・」

 

アルビオンが言葉を切って話が途切れた時・・・戦いに変化が起きた!

 

戦いの中心の土煙を払いながらドン・アルマゲとホウオウソルジャーが後ろに跳躍しながら互いに距離を取った。

 

ドン・アルマゲ

「どうやら虫ケラと思い侮り過ぎたか!」

???

「言ったはずだろ・・・“刮目しろ”とな!」

ドン・アルマゲ

「いいだろう・・・なら冥土の土産に見せてやろう!私の本当の姿をな!!!」

 

そう言い放つとドン・アルマゲは纏っていたローブを脱ぎ捨てた!

 

ドン・アルマゲ

「よく目に焼き付けがいい!それが貴様らが見る最後の光景だ!」

 

ローブの下にあったのは・・・

骸骨のような頭部からまるで脳みそが剥き出しになったような物が頭と更には胸の辺りまでを覆い、背中には悪魔・天使・堕天使・どれにも当てはまらない尖った突起が4つ飛び出た翼を広げ、腰タレの部分には金のジャークマターの紋章が輝き、その手には死神が持っている様な黒き本体に紅いラインが走り銀色の禍々しい刃が光る鎌を持ったドン・アルマゲ・・・誰も見たことの無い姿を露わにした!

 

???

「それが今まで誰見た事が無いと言われたドン・アルマゲ・・・貴様の本当の姿か!」

ドン・アルマゲ

「その通りだ!此処で貴様を消しておかねば後々厄介なことになる。故に私の真の力を持って一撃で・・・死ね!」

???

「何!消え?!ぐぁーーー」

 

そう言った瞬間ドン・アルマゲは一瞬にしてホウオウソルジャーの前に現れると巨大な鎌ダークサイズを振り切り掛かってきた。あまりの威力にホウオウソルジャーはサーゼクス達の近くの岩肌にまで吹っ飛ばされてしまった。

 

ドン・アルマゲ

「ハッハッハッ。どうだ私の真の力は!貴様ら下等生物と私は違うのだ!私は全てを支配する存在・・・ドン・アルマゲだ!!!」

サーゼクス

「彼でもドン・アルマゲには勝てないのか!」

グレイフィア

「彼の方が一瞬で・・・そんな!」

ガブリエル

「私達を助けたばかりに彼は・・・」

セラフォルー

「そんな嘘だよね・・・ホウオウソルジャー様が負けるなんて。」

ドン・アルマゲ

「さあ、邪魔者は死んだ。次は正真正銘・・・貴様らが死ぬ番だ!

 

次はサーゼクス達を始末する為にダークサイズを構えながらにじり寄ってくるドン・アルマゲ・・・しかし!

 

???

「・・・全然効いてないぞドン・アルマゲ!」

ドン・アルマゲ

「な、何だと!」

 

其処には無傷で歩み寄ってくるホウオウソルジャーがいた。

 

ドン・アルマゲ

「馬、馬鹿な!この私の魔力の全てを込めた一撃を受けて何故生きている!」

???

「ドン・アルマゲ!さっき貴様は言ったな“冥土の土産に見せてやろう”って、なら俺は貴様に3ついい事を教えてやる!」

ドン・アルマゲ

「な、何!」

???

「1つ!俺は永遠に不滅だ。2つ!俺は貴様の様に命を踏みにじる奴を決して許さない。そして3つ!俺は・・・いや俺達は伝説の救世主・・・宇宙戦隊キュウレンジャーだ!!!」

ドン・アルマゲ

「キュウレンジャーだと・・・巫山戯るなーーーーーー!貴様ら如き下等生物が私の悲願を邪魔する事など許さると思うなーーーーーーーー!!!」

???

「その歪み切った欲望と野心を・・・今この場で俺が断ち切ってやる!」

 

再びホウオウブレードを握る手に力を込めるとホウオウソルジャーはドン・アルマゲに向けて走り出した。

次々に放たれる魔力を右に左にと躱し接近していく。焦りと先程の一撃に魔力を使い過ぎたのか、放たれる魔力は最初の時のような不規則な軌道や鋭さは無く無茶苦茶に飛び交い当たる気配がまるで無い。

 

ドン・アルマゲ

「何故だ。何故だ。何故だーーーーーー!私には全てを支配する権利があるのだぞ!!其れなのに何故あんな虫ケラ如きに此の私が押されている!!!」

???

「自惚れるな!そんな権利は誰にも無い。命の未来を決める権利があるのは・・・その命を持っている存在だけだ!」

ドン・アルマゲ

「黙れ!黙れ!黙れっ、な!」

 

ドン・アルマゲは絶叫を上げながら攻撃している時ハッとし気づいた瞬間!既にホウオウソルジャーは間合いに入りブレードをシールドに戻し剣を抜く構えを取っていた。

 

???

「ドン・アルマゲ!覚悟ーーーーーー!」

ドン・アルマゲ

「貴、貴様ーーーーーーーー!」

 

ホウオウブレードの中心にはめ込まれた銀色の地球儀を支えている台座に似た物に鳳凰が描かれた紅く丸い宝石ような物体が光を放ちながら回転し始めると、グレイフィア達を救った時と同じ様に刀身が燃え上がり再びあの技が放たれた!

 

???

「フェニックス・エンド!!!」

 

斬りあげる様に放たれた技が鳳凰の姿になってドン・アルマゲの体を少しずつ貫きられながら天に向かって飛翔した。ドン・アルマゲは肉体を貫かれながらも叫んだ。

 

ドン・アルマゲ

「私は・・・私はいつの日か必ず復活する!そして、その時は必ず此の世界を支配してやるぞ!」

???

「お前が復活すると言うのなら何度でも倒してやる。俺達キュウレンジャーがな!」

ドン・アルマゲ

「覚えていろキュウレンジャー!復活したら必ず貴様を抹殺してやるーーーーーーーー!」

 

次の瞬間・・・ドン・アルマゲは炎に飲まれて大爆発した!

 

???

「グッドラック!」

 

それを見届けたホウオウソルジャーは親指を突き上げて言い放った・・・勝利の言葉を。

 

 

ドン・アルマゲを倒した後、ホウオウソルジャーは助けたサーゼクス達に話がしたいと言われ軽い自己紹介を受け名前で呼んで欲しいと言われた。そして・・・

 

サーゼクス

「ありがとう。ホウオウソルジャー、貴方がいなかったら私達はきっと死んでいた本当に感謝するよ。」

???

「気にしなくていいサーゼクス。俺は救世主として使命を全うしただけだからな。」

アザゼル

「それでも恩人には違いないぜ!」

ミカエル

「貴方には感謝以外の言葉がありません。」

 

サーゼクス達3人がお礼を言っていると・・・

 

セラフォルー

「ホウオウソルジャー様♡♡♡」

???

「なっ!どうした一体!何故に俺に抱き付く?」

セラフォルー

「それはホウオウソルジャー様が私の運命のナイト様だから♡」

???

「ハッ?」

 

急に抱き付いて来た理由をセラフォルーに尋ねたが意味が分からずに首を傾げるホウオウソルジャー。

 

グレイフィア

「セラフォルー様!少しは自重して下さい。ホウオウソルジャー様が困っているではありませんか。」

セラフォルー

「え〜〜〜。あっ!分かった。グレイフィアちゃんは、こうやって私がホウオウソルジャー様に抱き付いているのが羨ましいんでしょう。」

グレイフィア

「な、何を仰っているのですかセラフォルー様!私はただそんなに密着されてはご迷惑だと思ったからで!」

セラフォルー

「もう〜〜〜グレイフィアちゃんは正直じゃ無いな。」

 

グレイフィアは真っ赤になった表情でセラフォルーを引き離しながら必死に誤魔化していた。

 

グレイス

「ホウオウソルジャー様。改めまして此の度はサーゼクス様と妹、更には此処にいらっしゃる人々を救って頂き感謝致します。」

???

「妹?もしかして!」

グレイス

「はい。私とグレイフィアは双子の姉妹なのです。以後お見知り置きを」

 

グレイスはメイドらしくスカートを少し持ち上げる様にしてお辞儀をした。

 

???

「なるほどグレイフィアと双子か、道理で瓜二つなわけだ。それとガブリエルは怪我は無いか?」

ガブリエル

「はい。あなた様のおかげで怪我1つ御座いません。」

???

「そうか、なら良かった。」

ガブリエル

「あ、あの出来ればあなた様の素顔を・・・」

 

ガブリエルが頬を赤く染めながらホウオウソルジャーの素顔を見せて欲しいとお願いしょうとした時、ドライグとアルビオンが急に倒れこんでしまった!

 

???

「アジュカ!シャムハザ!ドライグ達に何があった!」

アジュカ

「どうやらドン・アルマゲとの戦いの傷が酷く。」

シャムハザ

「もう・・・長くは持ちません。」

 

それを聞いたホウオウソルジャーは急いで2匹の側に駆け寄った。

 

???

「ドライグ。アルビオン。しっかりしろ!こんな所で死ぬな!」

ドライグ

「死ぬなか。すまない、もう目も見えなくなってしまっていてな。」

アルビオン

「命の恩人に何も返せない我々を許して欲しい。」

???

「そう思うなら死ぬな!頼むから俺の前から居なくなら無いでくれ!」

ドライグ

「もし死なないと約束すれば私達を・・・二天龍を受け入れてくれるか。」

アルビオン

「我々のつまらない我が溜まりの為に三大勢力の多くの命を奪った我々を」

???

「当たり前だ!例え全てがお前達を否定しても俺が必ず受け入れてやると約束するから・・・死ねな!」

ドライグ

「ありがとう・・・ホウオウソルジャー。」

アルビオン

「その約束・・・どうか忘れないでくれ。」

 

そう言うと二天龍は静かに目を閉じ赤と白の光となって消えてしまった。

 

ホウオウソルジャーは赤と白の光を握りしめながら顔をいつ時伏せたが。

 

サーゼクス

「ホウオウソルジャー・・・」

???

「お前達との約束・・・決して忘れないからな。」

 

空に登るように消えて行く光を見つめながら静かに仮面の下で涙した。

 

ホウオウソルジャーはサーゼクス達を三大勢力の生き残りの場所まで運び、そこで多くの者達からかドン・アルマゲを倒した”伝説の救世主“と称えら礼をしたいと言われたが、「此処での役目は終わった」と言って、その場を去った。

その後、伝説の救世主の存在は三大勢力の長きに渡って言い伝えられて行った。

 

 

そして永い年月が経ち・・・此処、駒王町にある一軒家の朝。

 

???

「ほらほら、もう朝だぞ。早く起きないとお姉ちゃんお手製の朝御飯が冷めちゃうぞ!」

???

「分かったか起きるから上に乗るな!」

???

「よしよし。なら早く降りてくるんだぞ。」

 

エプロンを付け銀色の髪を青いリボンでツーサイドアップにした女性が元気よくベッドから降りキッチンに向かった数分後。

 

???

「おはよう。ククル姉さん、シルヴァ姉さん。」

シルヴァ

「おはようツルギ、いい朝だぞ。」

ククル

「おはよう。さあ、早く朝御飯にしよ。」

ツルギ

「分かった。」

 

顔を洗った少年・・・炎ツルギの1日が始まる。




はい、プロローグ最後は如何でしたか。

軽く後書きで解説やキャラ設定を入れて行きたいと思います。

因みにドライグ達の消え方には少しアレンジを加えました。

後、ドン・アルマゲはシシレッドオリオンが最初に倒した時の状態です。

最初のコラボはグランブルーファンタジーのククル姉ちゃんとシルヴァ姉さんです。

今回は主役の炎(ホムラ)ツルギの軽い設定からです。

・炎ツルギ

駒王町に姉のククルとシルヴァの3人で暮らしている駒王学院に通う二年生。趣味は星座を眺める事で夜はよく庭に出て空を眺めている。姉の2人とは仲が良く一緒に出掛けることが多いが、最近はスキンシップの激しさに少し疲れている。

今回はコレぐらいにして次の話でククルとシルヴァの解説を入れたいと思います。

では、また次回にお会いしましょう。


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第1章 旧校舎のディアボロス
第1話 変わり映えし無い大切な日常と楽しい昼休み。


はい、原作の旧校舎のディアボロスに入りました。

今回で原作キャラが大勢出ますが一部タグにもありますが、変更したキャラも出ます。

詳しくは本編の後に書きます。

では、どうぞ!


 

 

第1話 変わり映えし無い大切な日常と楽しい昼休み。

 

 

まだ太陽が昇り出し僅かに朝日が照り初めた頃にツルギは姉2人を起こさないように起床しストレッチからのランニングをこなし日課の鍛錬を行って朝食の下準備を始める。

それらをこなしていると長女のシルヴァが起きて来て挨拶をしながらテーブルにツルギが置いておいた朝刊を読みながらポット中のコーヒーを飲むのがお決まり。

それから暫くして重い瞼を擦りながら次女のククルが起きてくる。徹夜グセの為か朝が少し苦手なククルは洗面所で顔を洗うまでは千鳥足でフラフラしているが、洗面所から出て来る時は確りと目覚めツルギと一緒に朝食を作る。

 

此れが炎家の朝の光景なのだが・・・その日は違った。

 

ツルギ

「あ〜〜〜寝過ごしたから今日の鍛錬が出来なかった!」

シルヴァ

「珍し事もあるものだな、ツルギがククルより目覚めが遅いのは?」

ククル

「ちょっとシルヴァ姉!それだと、まるで私が普段全く起きれ無いみたいになってる。ツルギ、お姉ちゃんそんなことないよね?偶にあるぐらいだよね?ね?」

ツルギ

「ちょっと懐かしい夢を見てたら起きれなかったんだシルヴァ姉さん。ククル姉さんも偶にぐらいだよ・・・起きれる事の方が。」

ククル

「むぅ〜〜〜可愛い弟のツルギまでシルヴァ姉と一緒に私をいじめる!」

 

弁解の言葉とは真逆の事を言われてしまいククルは拗ねてしまった。

 

ククル

「もう良いですよ〜〜〜どうせお姉ちゃんは頼りないですよ〜〜〜だ!」

ツルギ

「そんな事ないって確かにククル姉さんは朝に弱いけど、でもククル姉さんが居てくるからこそ助かってる事も多いから本当に頼りになってる。それに俺の事を大切にしてくれてる。優しくて大切な姉さんだから・・・俺はこの生活が幸せだと感じていられるんだ。」

ククル

「ツルギ♡流石は私の可愛いくて大好きな弟!私もツルギとシルヴァ姉との日常がとっても大切で幸せだよ。」

 

ツルギの言葉に機嫌をよくしたククルは感極まって頭を抱き抱える用に抱き付いてきた。

 

ツルギ

「ちょ!ククル姉さん。何も抱きつかなくても。」

ククル

「可愛い弟を抱き締められるのはお姉ちゃんの特権なんだから!」

 

と、ご満悦な表情を見て少しツルギが苦笑いをしてると・・・隣から肩を突かれたので横を見ると、シルヴァがモジモジしながら此方を見ていた。

 

シルヴァ

「ツルギ。あ、あのだな・・・そ、その。私もツルギにとって優しくて大切な姉か?」

ツルギ

「勿論!シルヴァ姉さんも優しくて大切な姉さんだよ。それに綺麗だ。」

シルヴァ

「私が綺麗!そうか・・・そうか♡ツルギには私は綺麗に見えるんだな嬉しいぞ。」

 

そう言うとシルヴァまでもツルギに抱き付いて来た。

 

ツルギ

「シ、シルヴァ姉さんまで・・・」

シルヴァ

「ツルギが愛おしいから抱き締めているんだ。ククルと同じで此れも姉の特権だ。」

ツルギ

「分かったけど・・・何で俺を睨んでるのククル姉さん?」

ククル

「シルヴァ姉には綺麗って言ってたのに、ククル姉ちゃんには綺麗って言ってくれ無いの?」

ツルギ

「ククル姉さんは何方かと言うと可愛いと思ってるんだが?」

ククル

「可、可愛い!・・・そうか〜〜〜可愛いか。えへへ♡」

ツルギ

「・・・あの〜〜〜そろそろ離れてくれ無いと朝食が食えないんだけど。」

 

ツルギの言葉にハッとした2人が離れようとした時に、玄関のチャイムが鳴り1人の人物が入って来た。

 

一星

「オッス!ツルギーーー!ククル姉とシルヴァ姉もおはよう!」

 

入って来た人物は兵藤一星。ボーイッシュな性格で趣味が格闘技。ツルギの家の近くに住んでいる同級生の女の子である・・・女の子である!

彼女は毎日ツルギを迎えに来るために家に来るのだが、偶に早めに来て朝食を一緒に食べる事がある。それが丁度この日であった。

 

一星

「って!朝からまた抱き合ってる!何してるんだよ!」

ツルギ

「抱き合ってるって言うか・・・抱き着かれてるって言った方が正しい気がする。」

一星

「と・に・か・く!ククル姉もシルヴァ姉も離れなよ!ツルギが苦しそうだろ!」

 

そう言うと一星は2人の間からツルギを引っ張り出し自分の方に抱き寄せた。

 

ククル

「あ〜〜〜!一星!それはお姉ちゃんにだけ許された特権なんだから早くツルギを返しなさい!」

一星

「い・や・だ!2人は朝から晩までツルギにべったりなんだから、偶には私に変わってくれても良いじゃんか!」

ククル

「ダ〜〜〜メ〜〜〜!ツルギが学園で授業を受けている間はお姉ちゃんが我慢してる代わりに一星がツルギを独り占めしてるんだから、それ以外では一星が我慢しなさい!」

一星

「何でそうなるのさ〜〜〜!私の方が時間短いんだよ!」

ククル

「お姉ちゃんはツルギを抱き締めて無いと寂しくて死んじゃうだよ〜〜〜!」

ツルギ

「痛い!痛い!ククル姉さんも一星も止めろ。腕が、腕が千切れる〜〜〜〜〜〜!」

 

両側から腕を引っ張り合いツルギを奪い合うククルと一星、あまりの痛さに顔をしかめながら止めるように言っていると。

 

シルヴァ

「ツルギ、一星。早く食べて行かないと遅刻してしまうぞ!」

ツルギ・一星

「「へ?」」

 

2人して時計を見ると家を出る時間の5分前になっていた。

 

ツルギ

「何てこった!急いで朝食と準備をしないと遅刻する!」

一星

「マズイ!遅刻したら生活指導の先生に怒られる!」

 

2人は急いで朝食を掻き込むと登校の準備を済ませて玄関に降りてきた。

 

ツルギ

「よし準備完了!じゃあククル姉さん、シルヴァ姉さん行ってきます。」

一星

「行ってきます〜〜〜。」

ククル

「行ってらっしゃい、今日の晩御飯はお姉ちゃんお手製だから早く帰って来るんだぞ!」

シルヴァ

「車に気おつけて行くんだぞ!」

 

姉2人に見送られながらツルギと一星は駒王学園への道を駆けていく、自宅を出て数分なんとか遅刻せずに教室まで辿り着いた。

 

一星

「ギリギリだったけど何とか間に合ったなツルギ。」

ツルギ

「朝から一星と姉さんが喧嘩するからだろうが!ほれ、一星の弁当。希望通り唐揚げ入りだぞ。」

一星

「やった!ありがとうツルギ。早く昼飯にならないかな。」

ツルギ

「まだ授業すら始まってないだろ!」

 

唐揚げで頭がいっぱいの一星にツルギがツッコみを入れていると。

 

片瀬

「おはよう一星、ツルギ。」

村山

「イイな一星は、またツルギ君にお弁当作って貰って。」

桐生

「あんた達相変わらず仲いいわね。最早、長年連れ添った夫婦見たいね。」

 

バンダナを付けたショートヘアーの女子は片瀬、左右を束ねたロングヘアの女子が村山、そしてニヤニヤしながら”2人を夫婦見たい”と言ったのは桐生 藍華。

ツルギ・一星とは学園に入った時からの腐れ縁で3人でよく遊びに言ったりもするが、桐生の卑猥な表現や入れ知恵の為にツルギはかなり参っているが大切な友人である。

 

一星

「おい桐生。夫婦見たいって、何て事言ってんだよ!」

桐生

「だってそうじゃない。愛する旦那からのお弁当が待ちきれないなんて夫婦以外になんて表現すればいいのかな?」

一星

「五月蝿いわね!私はただ普通に楽しみって言う意味で言っただけで!」

桐生

「はいはい。そう言う事にしておいてあげるから。」

ツルギ

「おい桐生あんまり一星を煽るな。朝から色々あって大変だったんだからな。」

片瀬

「ツルギも大変だよね。毎日2人の間に挟まれて。」

村山

「でも3人は本当に仲いいよね。流石は入学以来の友達だよね。」

ツルギ

「毎日騒がしいけど、此れが当たり前なんだよな俺達には。」

 

未だ言い合っている一星と桐生を見て少し笑っていると男子2人が声をかけて来た。

 

松田

「よう!ツルギ、って!また俺達を差し置いて何を女子と仲良くしているんだ!」

元浜

「怪しからんな。我々は同士のはず、其れなのにこの所業は如何かと思うのだがな。」

ツルギ

「誰が同士だ!俺をお前達、変態の中に引き込むな。俺まで誤解される!」

 

坊主頭の松田と眼鏡をかけた元浜、この2人ともツルギは腐れ縁である。

駒王学園で2人は”変態コンビ”と言われて女子達にとって要注意人物として警戒されている。何故なら女子更衣室を覗いたりなど様々な事を仕出かしているからである。

ツルギは何か起こする度に2人を捕まえてお仕置きをするのが当たり前になっている。問題ばかり起こす2人だが、相談事があれば聞いてくれたり意外と良い所もあるのをツルギは知っている・・・それが女子達に伝わるかは別であるが。

 

松田

「しっかしツルギは器用だよな。色々出来て本当に凄えよ。」

元浜

「俺は勉強、松田はスポーツが得意だが、ツルギは万能だよ。」

ツルギ

「俺にだって苦手な物ぐらいあるぜ。」

 

なんだかんだ言って友人として見てるの2人と話していたら村山と片瀬が声を上げてきた。

 

村山

「ちょっと変態コンビ!あまりツルギ君近づくんじゃ無いわよ。彼まで邪道に引き込むつもり!」

元浜

「変態コンビとは失礼な!我々は唯、同士としてツルギと話をしているだけであってだな!」

片瀬

「そんな事言って頭の中はいかがわし事だらけなクセに!」

松田

「何だど〜〜〜!ってこっち見てくるな女子供!」

ツルギ

「良い加減にしろ!アホ2人!」

 

教室が騒がしくなってきたのでいつも通りツルギは2人にキツめのチョップを食らわせて黙らせた。

 

ツルギ

「全く。何時も止める俺の身にもなれ!」

教師

「おい。授業を始めるぞ!席に付け。」

 

ちょうど教師が来ので全員が席につき授業が開始した・・・

 

 

時間は経ち昼休み、今日は珍しく一星は桐生達と昼食を取るらしくツルギは偶には外で食べようと思い屋上に1人で来ていた。

 

ツルギ

「珍しいな誰も居ないなんて?まあ、偶には良いか1人で昼休みを過ごすのも。」

 

誰も居ない屋上で弁当を広げ食べ始めたツルギだったが・・・

 

ツルギ

「何時も桐生達と食べていたし、最低でも一星は必ず居たからな・・・少し味気ないな。」

???

「なら私達が一緒して良いかしら?」

ツルギ

「え?」

 

ツルギが後ろを向くとそこにいたのは・・・

まるで鮮血のような紅く流れるしなやかなロングヘアをなびかせ、エメラルドグリーンに黒き瞳。きめ細やかな肌に薄いピンク色の唇の女性。

もう1人は、黒く艶やかな髪を後ろで黄色いリボンで纏めたポニーテールに、ルビー色と黒い瞳。まるで大和撫子の様な雰囲気を纏った女性。

この駒王学園で”二大お姉様”と呼ばれている2人の3年生のリアス・グレモリー先輩と姫島 朱乃先輩だった。

 

リアス

「隣り良いかしら?炎ツルギ君。」

ツルギ

「グレモリー先輩に姫島先輩!」

朱乃

「あらあら。グレモリー先輩に姫島先輩ですか・・・そう呼ばれると少し寂しいですわ。」

ツルギ

「咄嗟だったのですいません。」

リアス

「そんなに緊張しないで頂戴。私達も昼食を食べに来たのだけれど炎君が居たから御一緒して良いかと思って声を掛けさせてもらったの。」

ツルギ

「そうだったんですね。なら一緒に食べましょう。後、俺の事はツルギと呼んでくれて構いませんから。」

リアス

「ありがとう。ならお言葉に甘えて、そうさせて貰うわねツルギ君。」

朱乃

「お隣に失礼しますわねツルギ君。あっ!私達の事はリアスと朱乃と呼んで頂いても構いませんから。」

ツルギ

「流石に先輩方をイキナリ馴れ馴れしくは呼べませんよ。まだ俺達は今日話したばかりなんですから、徐々に親密になったら呼ばせて頂きますから一先ずリアスさんと朱乃さんと呼ばせて下さい。」

朱乃

「ならその日が来るのを楽しみにしていますわ。」

 

ひと通り自己紹介をしたリアスと朱乃を加えての昼食が始まった。

 

リアス

「ツルギ君のお弁当。中々手が込んでるわね美味しそうな物が一杯だわ。」

朱乃

「リアスの言う通りね。あら?ふふ、林檎が兎の形をしていて意外と可愛い所もあるのですね。」

ツルギ

「お二人のお弁当も美味しそうな物が一杯で凄いじゃないですか!」

 

ツルギの弁当の内容に素直に褒めるリアスと朱乃だが2人のお弁当も負けず劣らず色とりどりの内容にツルギも驚く。

 

リアス

「その唐揚げ美味しいそうね。」

ツルギ

「俺の近所の同級生とよく食卓を囲むんですが、そいつも此の唐揚げが”大好きだ”って言うんですよ。良かったらリアスさんと朱乃さんも召し上がりますか?少し作り過ぎたので。」

朱乃

「リアス。此処はツルギ君からのご厚意に甘えて頂きましょう。」

リアス

「そうね。せっかくの好意を無下にするのは失礼だものね。頂くはツルギ君。」

ツルギ

「はい、どうぞリアスさん。朱乃さんも。」

朱乃

「ありがとう。頂きますわ。」

 

ツルギが差し出したお弁当箱から唐揚げを箸で摘み頬張る2人、すると。

 

リアス

「美味しい!柔らかくて中まで味がしっかりと付いているのに全然しつこく無い味付け。ツルギ君とても美味しいわ。」

朱乃

「中々出来るものではありませんね。こんなに美味しい唐揚げは初めてですわ。ツルギ君は器用だと伺っていましたが料理も上手となれば、きっと良い旦那さんになりそうですね。」

ツルギ

「そんな事ないですよ朱乃さん。でも其処まで2人に喜んで貰えると作った方としても嬉しいです。」

朱乃

「ではお返しに私の玉子焼きも食べてみて下さい。リアスも美味しいと言ってくれてる自信作なんですよ。」

リアス

「なら私はミニハンバーグを出すわ。形は朱乃の玉子焼きに比べたら目劣りするけど味は保証するわ。」

ツルギ

「ありがとうございます。なら先ずはリアスさんのから・・・おお!塩胡椒がしっかりと効いていて柔らかくて凄いジューシーで美味しい。」

リアス

「口に合ったみたいで良かったわ。とっても嬉しそうに食べてくれて私も嬉しいわ。」

ツルギ

「じゃあ次は朱乃さんの玉子焼きを・・・出汁の風味がふんわりと香ってきて口に入れると優しく解れていく!こんな玉子焼き食べた事が無いですよ!」

朱乃

「そんなに褒めても何も出ませんよツルギ君。また機会があればご馳走しますわ。」

ツルギ

「ありがとうございます。その時はまたご馳走になります。」

 

こうして和気藹々と昼食を食べ終え暫く3人で話をしていると昼休みの終了前のチャイムが鳴った。

 

朱乃

「あら?もう時間が経ってしまっているなんて、楽しい時間はアッと言う間ねリアス。」

リアス

「そうね・・,さあ午後もしっかりと頑張りましょう!」

ツルギ

「昼食を食べた後だと眠くなってしまうんですよね。」

リアス

「居眠りは駄目よツルギ君。」

 

リアスに優しく注意されながら階段を降りると3年生と2年生の間の踊場にちょうど着いた。

 

ツルギ

「リアスさん。朱乃さん。今日はありがとうございました。楽しい昼休みになりました。」

リアス

「私達も楽しかったわ。また一緒に食べましょう。」

朱乃

「ツルギ君も午後の授業、しっかりと頑張って下さいね。」

ツルギ

「はい!では失礼します。」

 

ツルギが階段を降りるのを見送った2人は教室に向かいながら話し始めた。

 

朱乃

「しかしリアスが自分から男の子に話しかけなんて珍しいわね。」

リアス

「何故かしら?でも彼の・・・ツルギ君の事はもっと知りたいと思っているわ。」

 

何処かワクワクしたような笑顔で答えたリアスは朱乃と一緒に教室に入って行くのであった。




はい、如何でしたでしょうか。

リアス達も登場しましたが原作主役の一誠を女性キャラに変更しました。

今回は一誠もとい一星の紹介とククルとシルヴァの解説です。

・兵藤一星
ツルギとは近所付きあいのある兵藤家の娘。ボーイッシュな性格なので口調が若干男の子ぽい所があるが女の子である。ツルギ達の家族とは仲が良いが姉達とは特にククルとは余りツルギと一緒にいられる時間が少ないから抱き締めるのを巡って引っ張り合いになる事も暫し、格闘技や武道をやっているので部活の助っ人に呼ばれる事がある。言葉には出さ無いがツルギの事を異性として意識している。

・ククル
炎家の次女的なポジションの銀髪をツルギから貰った青いリボンでツーサイドアップにしている明るく元気な女の子。手先が器用で普段は自宅で色々な物を直す修理屋を営んでいる。家事・洗濯・料理となんでもござれのスーパーお姉ちゃんだが、ツルギの事が弟としても異性としても大好きな為によく抱き付いたり抱き締めたりとスキンシップが激しい。因みにククルとシルヴァは実の姉妹だがツルギとは実の家族では無い。

・シルヴァ
炎家の長女で元気なククルとは対照的にクールで落ち着いた性格だがそこはククルの姉妹!ククルのように好き好きオーラを出してるわけでは無いがツルギの事が異性として愛している。他の人にはクールビューティな女性に見られているが家ではむしろギャップが激しく甘えん坊で、ツルギを抱き締めたり逆に抱き締めて貰うのが1番落ち着く瞬間である。普段はズバ抜けた集中力を買われ、自宅近くの弓道場で師範として教えている。

ククルとシルヴァの元ネタをグランブルーファンタジーの銃工房の三姉妹のククルとシルヴァ2人を作品に合わせて設定して参加させました。

見た目はグランブルーファンタジーの姿そのままです。

今回は此処までに致します。

まだまだありますが、それはまた別の機会に書かせて頂きます。

ではまた次回にお会いしましょう。


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第2話 友人との触れ合いと新たな出会いに不吉な影

はい、第2話です。

中々キュウレンジャーに関するネタが出ませんが、もう少々お待ち下さい。

今回はオカルト研究部の残りとあのキャラも登場します。

では、第2話をどうぞ。


 

第2話 友人との触れ合いと新たな出会いに不吉な影

 

 

リアスと朱乃。2人との昼食を楽しんだツルギは午後の温かい日差しによる睡魔と言う名の悪魔の誘いに寄り、くっきそうになっている目蓋を閉じないように戦いながら授業を受けて何とか居眠りをせずに放課後を迎える事が出来た。

そして帰宅の準備をしているツルギであるが何時もなら一星が一緒に帰ると言ってくるのだが今日はいない。特定の部に入って無いツルギと一星だが近々大会があるらしく空手部の助っ人に一星が急遽呼ばれてしまったのだ。

他の学友達も部活やら帰宅するなりで教室に誰もいない、故にツルギは誰も一緒に帰る友人が今日に限って0人なのである。

 

ツルギ

「昼休みと言い放課後と言い、なんか今日は1人になる事が多いな・・・何か罰当たりな事でもしたか?」

 

首を傾げながらも鞄を持って教室を出るツルギ。

 

ツルギ

「昼休みはリアスさんと朱乃さんが居たから良かったけど・・・やっぱり普段から回りが賑やかだから1人だと少し寂しいな。」

???

「リアス部長達がどうしたんですか?ツルギ先輩。」

???

「やあ。ツルギ君はいま帰りかい?」

ツルギ

「あ、木場!それに小猫ちゃんか。」

 

ツルギに話しかけて来た2人は。

小柄な背丈に真っ白で純白のような髪をして此方を見上げているのは駒王学園の1年生で”学園のマスコット”と呼ばれている塔城 小猫。

少しブロンドがかった髪に女性の様な色白な肌、整った顔立ちと優しい性格とイケメンから駒王学園の女子に大人気の存在の木場 祐斗。

学園では知らない人の方がいないとも言える2人だが、よくツルギと会う2人は首を傾げていたのが気になり声をかけて来たのだ。

 

ツルギ

「2人は今から部活か?確かリアスさんが部長をしているオカルト研究部だったよな。」

木場

「そうだよ。ちょうど今から部室に向かう所なんだ。ツルギ君は今から帰るようだけど珍しいね1人なんて?何時もなら一星さんと一緒のはずじゃなかったかい?」

ツルギ

「それが空手部のキャプテンが一星を助っ人に連れてちまったんだよ。おかげで今日はボッチ帰宅部だよ。」

木場

「そうか、だから少し寂しそうだったんだねツルギ君は。」

ツルギ

「何時もは騒がしいと思うけど、いないとやっぱり寂しくてさ。」

小猫

「ツルギ先輩にも可愛い所がありますね・・・所で先輩、さっき昼休みにリアス部長と朱乃さん。2人と何をしていたんですか?」

 

小猫はツルギが昼休みに何があったか気になっていたので、小首を傾げて聞いて来た。

 

ツルギ

「偶々昼休みも今みたいに1人で昼食を屋上で取ろうとしたんだが、そこにリアスさんと朱乃さんが来て一緒に昼食を食べたんだ。」

小猫

「昼食をですか?」

ツルギ

「ああ。リアスさん達とは話した事が無かったから緊張したけど気さくに話し掛けてくれて、弁当のオカズを交換しあったりもして、色々話して名前で呼んで良いと言われてから昼休みは過ごしたんだ。」

小猫

「そうなんですか、羨ましいです・・・ツルギ先輩のお弁当。」

ツルギ

「俺の弁当なんて大した事ないけどな?」

木場

「ツルギ君は知らないんだね。”ツルギ君のお弁当は美味しい”って学園では噂になっているんだよ。」

ツルギ

「俺の弁当がか・・・何てこった!全く知らなかった。」

 

自分にそんな噂が立っているとは全く知らなかったツルギ。

 

小猫

「私もツルギ先輩のお弁当食べてみたいです!」

ツルギ

「本当に大した事ないんだが・・・そこまで食べたいなら明日は小猫ちゃんの弁当を作って来てやろうか?ついでに木場の分も?」

 

その瞬間!小猫は瞳を宝石の様に輝かせた。

 

小猫

「本当ですか!ツルギ先輩がお弁当作って来てくれるんですか!」

木場

「でも量が増えて大変じゃないかな?」

ツルギ

「2人分増えるぐらい大丈夫、何時も3人から4人分の料理をしてるんだ。大した事ないって!」

木場

「ありがとう。ならお願いしようか小猫ちゃん?」

小猫

「はい、祐斗先輩。ツルギ先輩ありがとうございます。明日のお弁当楽しみにしていますね!」

ツルギ

「あんまりハードルを上げないでくれよ2人共。じゃあ俺はそろそろ帰るから、また明日な木場に小猫ちゃん。」

木場

「お疲れ様ツルギ君、気おつけてね。」

小猫

「お疲れ様ですツルギ先輩、お弁当待ってます。」

ツルギ

「分かった分かった。じゃあな。」

 

2人と挨拶を交わしたツルギは下駄箱に向かい靴に履き替えると自宅に帰るべく足を進め始めたのだが・・・

 

ツルギ

「しまった!2人の弁当分の食材が足りないし!仕方ないちょっと買い出しに行って帰るか。」

 

そう言うと鞄に入っている財布の中身を確認したツルギは商店街に足を向けた。行きつけのお店を周りお店の人と話したり時にはサービスして貰いながら最後のスーパーでカートを押しながら色々と確認して行く。

 

ツルギ

「食べて貰うなら美味しい物を食べて貰いたいからな・・・確か2人共、昼休みは大抵がオカ研の部室にいるからな。オカ研に持って行くって事になるとリアスさんと朱乃さんもいるから・・・今日の昼休みのお礼にお菓子でも持って言った方が良いのか?」

 

アレやコレやと考えが巡って行くツルギだったが、最終的には弁当の食材だけでなくお菓子の材料まで買い込んでしまった。

 

ツルギ

「しまった・・・ちょっと買い過ぎた!もう少しセーブするべきだったかな?」

 

買い過ぎた事を独り言でボヤきながら歩いていた時。

 

???

「あの!駒王学園2年生の炎ツルギ君ですよね?」

 

ツルギに声をかけて来たのは。

朱乃とは違った黒髪に肩下にまで掛かるロングヘアを夕焼けの空が運ぶ少し冷えた風で揺らし、アメジストの様な色合いの瞳に駒王学園の制服とは違う物を纏った女の子が夕焼けの為かは分からないが顔を赤くして立っていた。

 

ツルギ

「確かに俺は炎ツルギだけど・・・君は一体誰な、って!おわ!」

???

「危ない!」

 

振り返りながら尋ねたツルギであったがバランスを崩し買って来た荷物を持ったまま転びそうになったのを彼女が支えて助けてくれた。

 

ツルギ

「あ、ありがとう。助かった!危うく明日のお弁当がなくなるところだった!本当にありがとう。」

???

「そんな気にしないで、ツルギ君に怪我が無くて良かった。」

ツルギ

「助けられたんだからお礼を言うのは当たり前の事だ。所で話は戻るけど、君は一体誰なんだ?」

夕麻

「わ、私は天野・・・天野 夕麻って言います!今日はツルギ君に大切なお話があって来ました。」

ツルギ

「天野 夕麻さんか、駒王の制服じゃ無いけど別の学園の生徒だよね。何で俺の事を知ってるの?」

夕麻

「私も良くこの商店街に買い物に来るんだけど、そこで何回かツルギ君を見かけていたし、お店の人と話している時に名前も聞こえてたから。」

ツルギ

「成る程そう言う事か・・・それについては納得した。それで天野さんの俺に大切な話って一体何?」

夕麻

「あ、あ、あの!ツルギ君は今、お付き合いしている女の子っていますか?」

ツルギ

「いないよ。彼女を持った事も告白された事もない。」

 

実際ツルギは告白された事も彼女がいた事もない。家に帰ればブラコンの弟LOVEな姉が2人がいるが、家族以外とは一切今までなかった。

 

夕麻

「本当に!良かった・・・ツ、ツルギ君!私と・・・私とお付き合いして下さい!」

ツルギ

「え!もしかして天野さん・・・今のはもしかして告白?」

夕麻

「は、はい!私・・・ツルギ君に一目惚れしちゃったんです。だから私とお付き合いして下さい。」

 

恥ずかしさから顔を下げて俯いてしまった夕麻に対して。自分に告白してくれた事は正直に嬉しいツルギだったが、冷静に考えてイキナリ付き合うのは良くないと考えた結果。

 

ツルギ

「ありがとう天野さん。俺みたいな男に告白してくれて正直嬉しかった。」

夕麻

「なら。私とお付き合いして!」

ツルギ

「その答えを出すのは待って欲しいんだ天野さん。俺はまだ天野さんの事をまだ何も知らないし、天野さんもまだ俺のことをあまり知らないだろ。」

夕麻

「それはそうだけど・・・」

ツルギ

「別にお付き合いしたくないわけじゃ無い。ただお付き合いするかは、もう少しお互いを知ってから始めよう。互いに何が好きで趣味は何かとか、何でも良いから知っていこうお互いの事を。」

夕麻

「分かったツルギ君がそう言うならそうする。正直に言うと私もツルギ君の事をもっと知りたいから・・・だから今は友達として仲良くして下さい。」

ツルギ

「ああ、俺で天野さん良いなら喜んで。」

夕麻

「はい!よろしくねツルギ君。」

 

友達としての握手を交わしたツルギと夕麻の2人。握られていた手を優しく握り込む夕麻はとても良い笑顔をしていた。

 

夕麻

「あの今日はもう帰るけど・・・ツルギ君に2つお願いがあるんだ。」

ツルギ

「俺にできる事なら言ってみてくれ天野さん。」

夕麻

「先ずはその”天野さん”じゃ無くて夕麻って呼んで欲しいの。」

ツルギ

「流石に呼び捨てはハードルが高いから、せめて夕麻ちゃんで駄目かな?」

夕麻

「分かった。今はそれで許してあげる。後は、その・・・一緒に写った写真が欲しいから一緒に写って欲しいな?」

 

そう言うと夕麻はスマホを取り出してお願いして来た。

 

ツルギ

「分かった一緒に写るよ。唯、写真映りは悪いと思えけど、夕麻ちゃん大丈夫?」

夕麻

「ありがとうツルギ君!私は気にしないから、大好きなツルギ君との思い出が欲しいんだ。早く撮ろう!」

 

返事をした瞬間に夕麻はツルギの腕に抱き付くとスマホのカメラを向けてシャッターボタンを押した!すると画面には幸せそうな笑顔をした夕麻と少し緊張からか笑顔がぎこちないツルギとのツーショットが現れた。

 

夕麻

「ワガママ言ってゴメンねツルギ君。此れ後でツルギ君にも送ってあげるし、私のスマホの待ち受けにするからね。」

ツルギ

「ありがとう夕麻ちゃん・・・此れからよろしくね。」

夕麻

「此方こそ、よろしくねツルギ君。」

 

その後2人は連絡先を交換してその日は別れた。

帰りが遅いツルギを心配してか自宅に帰ってくると一星とククル、更にはシルヴァにまで詰め寄られ何があったかを根掘り葉掘り話す羽目になった。

夕麻の事を話した後は3人とも驚愕の表情を浮かべていた。その為か就寝するまで3人とも離れてくれない上に、一星に至っては家に帰らず一緒に寝ると言い出す始末。

何とか説得して一星は家に帰したが・・・ククルとシルヴァとは一緒に同じベッドで密着して寝る羽目になってしまったツルギである。

 

 

次の日・・・

何時もより早めに起きたツルギは約束した弁当とお礼のクッキーを朝から作り日課をこなして家族3人で食事を済ませるといつも通りに一星と学園に向かい午前の授業を受けた。

因みに何処からかツルギが夕麻に告白された事がクラスに知れ渡っており松田と元浜が騒いだが、何時ものチョップで収まった。

 

そしてツルギは昼休みに自分と2人の弁当とクッキーを持ってオカ研の部室がある旧校舎に来ていた。

 

ツルギ

「確か此処のはずだが・・・すいません炎ツルギですが、誰かいらっしゃいますか?」

リアス

『あら!ツルギ君?一体どうしたの?」

ツルギ

「少しオカルト研究部に用事があって来ました。リアスさん入っても良いですか?」

リアス

『ええ、大丈夫よ。入って頂戴。』

 

リアスからの了承を得て木製のドアを開けて中に入るとオカルト研究部らしい装飾がされた部室。真ん中の大きな机の椅子にリアスが座りその前に置かれたテーブルを挟む用に置かれた2人がけのソファーに、木場が笑顔で腰掛け反対側の2つある1人がけの椅子に膝を抱えるようにしている小猫。そして部室の一角にあるキッチンでは朱乃がお茶を入れていた。

 

リアス

「いらっしゃいツルギ君。今日は一体どうしたのかしら?」

ツルギ

「実は昨日の放課後に木場と小猫ちゃんに会って話してたら俺の弁当の話になって、そしたら小猫ちゃんが食べて見たいってお願いされたんで小猫ちゃんと木場に弁当を作る約束をしたんで持って来たんです。」

リアス

「あら!そう言う事ね。道理で食いしん坊の小猫が、今日はオヤツを我慢している訳ね。」

小猫

「部長は食べたかも知れませんが、まだ私は食べた事が無かったので楽しみにしてたんです!それに昨日の部活でツルギ先輩の唐揚げの話をするものだから・・・ズルいですリアス部長も朱乃さんも。」

朱乃

「ゴメンない小猫ちゃん。私とリアスだけ先にツルギ君のお弁当を頂いてしまって。」

ツルギ

「小猫ちゃん。リアスさんと朱乃さんを責めないであげて、代わりに今日は小猫ちゃんの為に腕を振るって来たからさ!後、木場の分もな!」

小猫

「あ、ありがとうございます。ツルギ先輩。」

木場

「有り難く頂くよ。ツルギ君。」

 

お礼を言った2人はツルギから手渡された弁当を広げ食べ始めた。

 

木場

「美味しいよツルギ君!こんなお弁当は初めてだよ。」

ツルギ

「気に入ってくれて良かったよ。小猫ちゃん。どう、美味しい?」

小猫

「・・・とても美味しいです。ツルギ先輩。」

 

余り感情を出さない小猫だが、だし巻き卵を頰張る顔には笑顔が溢れていた。

 

ツルギ

「良かった小猫ちゃんの口にもあって。アッ!リアスさん、此れは昨日の楽しい昼休みのお礼です。俺が焼いたクッキーですが皆んなで食べ下さい。」

リアス

「そんな悪いわよ。昨日は私達も楽しかったんだからお互い様じゃない。態々お礼だなんて。」

朱乃

「リアス。ツルギ君はそう言う性格なんですから仕方ないわ。それに彼は悪いとは思っていないわ。」

ツルギ

「朱乃さんの言う通りです!此れは俺がしたくてやった事ですから、気にしないで下さいリアスさん。」

リアス

「分かったわ。皆んなで美味しく頂くとするわ、ありがとう。」

 

そう言ってリアスがクッキーを受け取るのを確認したツルギは弁当を食べる為に隣りに座るように促す小猫の横に座ると弁当を広げ朱乃が用意してくれたお茶を啜った。

 

朱乃

「そう言えばツルギ君・・・女の子に告白されたらしいですわね。」

ツルギ

「ブッーーーーーー!」

 

クラスメイトしか知らない爆弾をイキナリ投下されたツルギは飲んでいたお茶を全部噴いてしまった。

 

小猫

「大丈夫ですかツルギ先輩?」

ツルギ

「大丈夫だよ小猫ちゃん。てか何で朱乃さんがそれを知ってるんですか!」

木場

「最初はツルギ君のクラスメイトだけだったんだけど、松田君と元浜君が学園中に広めてしまったらしいよ。」

ツルギ

「彼奴ら!覚悟してろよ〜〜〜!!!」

リアス

「しかも彼女とのツーショットの写真があるのも知れ渡っているわよ。」

ツルギ

「絶対に許さんぞ!松田!元浜!」

リアス

「それで実際にはどんな彼女か見て見たいから、ちょっとだけ写真を見せて頂戴ツルギ君。」

ツルギ

「・・・分かりました。唯、まだ彼女じゃありませんから、あくまでも今は友達なだけですから。」

リアス

「分かったわ。それじゃあちょっと見せて・・・!」

ツルギ

「リアスさん?」

 

リアスはツルギのスマホに写る夕麻とのツーショット写真を驚愕な表情で見ていた!

 

その瞳の中に映る真実をツルギはまだ知らない。




はい、第2話如何でしたか?

今回ではレイナーレのもう1つの姿の天野 夕麻が登場しました。

少し日常の内容が多いですが、ご了承下さい。

今後の展開をどうなるのでしょうか。夕麻ちゃんことレイナーレはどうなるのか?ツルギがオカルト研究部とどんな感じになって行くのか・・・

では、第3話でお会いしましょう。


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第3話 デートの中に潜む悲しみと真実の姿!

はい、第3話です。

今回も新しい原作キャラが登場します。ツルギと同じく姉に振り回されるあの方です。

お気に入りが14人になりました。嬉しいです!

新しいお気に入りして頂いた方ありがとうございます。

では、第3話をどうぞ。


第3話 デートの中に潜む悲しみと真実の姿

 

 

ツルギ

「リアスさん。如何したんですか?もしかして・・・写真。」

リアス

「ツルギ君、貴方・・・」

ツルギ

「やっぱり・・・変な顔ですよね俺。分かってるんです俺自身。でも女の子とツーショットなんか初めてで緊張してしまって、どんな顔して良いのか咄嗟に思い付かなかったんです〜〜〜」

リアス

「へ?」

 

リアスはツルギの真剣な表情から自分の言わんとする事が的中してしまったのかと思ったが、予想外のツルギの回答に思わず拍子抜けした返事が出てしまった。

 

ツルギ

「俺の表情が変ってことですよね?やっぱりリアスさんも女の子とのツーショットにこんな表情しか出来ない俺って最低だと思いますか?」

リアス

「そ、そんな事ないわ!誰でも緊張で表情が硬くなる事ぐらいあるわ。それに私はツルギ君のこの表情、あどけなさが出て普段とは違う感じがして好きよ。」

ツルギ

「本当ですか!リアスさんにそう言って貰えると安心します。」

リアス

「それは良かったわ。アッ!ツルギ君、ごめんなさい。まだ昼食を食べてないのに申し訳無いのだけど、実は今から先生方との打ち合わせが部室である物だから。」

ツルギ

「部員じゃ無い俺がいたらご迷惑になりますね。分かりました昼食は別の所で食べますので気にしないで下さい。」

リアス

「本当にごめんなさいね。今度来た時には私達がお菓子を用意しておくから一緒にお茶でも飲みながら食べましょう。」

ツルギ

「分かりました。なら今日はこの辺で失礼します。アッ!木場、小猫ちゃん。弁当箱は夕方にでも取りに来るから。」

木場

「心配しなくても大丈夫だよツルギ君。洗って明日返すから。」

小猫

「美味しいお弁当のお礼がしたいので、これぐらいはやらせて下さい。」

ツルギ

「分かった2人がそう言うなら。ではリアスさんお邪魔しました。また来ます。」

 

笑顔で手を振っているリアスにツルギが頭を下げて部室から出て行った。

リアスはツルギが部室から離れたのを確認すると、真剣な表情に切り替えて朱乃・木場・小猫に話を始めた。

 

リアス

「3人に話しておく事があるわ。」

木場

「ツルギ君には聞かせたく無い内容なんですね部長。」

小猫

「だから”打ち合わせがある”って嘘を言ったんですね先輩に。」

リアス

「ええ。その通りよ小猫。ツルギ君には話すべきでは無いわ。」

朱乃

「それは先ほどツルギ君に見せて貰った写真・・・いえ正確には写真に映っている彼の友達の事ですね部長。」

 

朱乃は話の核心をつきながら友人としてでは無く、オカルト研究部の副部長としてリアスにお茶を差し出した。

 

リアス

「流石ね朱乃。そう問題はツルギ君と一緒に映っていた女子の方。彼女、天野 夕麻は・・・堕天使よ!」

朱乃

「まさか堕天使がこの街に潜伏しているなんて。一体何の目的で?」

木場

「それに何故ツルギ君に接触したのかが分かりませんね。」

小猫

「意味も無く先輩を狙うとは思えません・・・もしかしてツルギ先輩には!」

 

小猫が何かを思い出してリアスの方を見たら、彼女も小猫と同じ考えをしていたようであった。

 

リアス

「ツルギ君には昨日、初めてあった時から何か不思議な物を感じていたわ・・・もしかしたら彼は神器あるいは何か特別な力を持っているのかもしれないわ。」

朱乃

「堕天使は其れを狙ってツルギ君に接触して来たのかもしれませんね。」

リアス

「今、分かっている事では判断出来ないわ。でも彼に何かあってからでは手遅れだわ・・・祐斗、小猫。貴方達は何かあった時の為に彼を影から守って頂戴。」

木場

「分かりました部長。何かあった時は僕と小猫ちゃんで。」

小猫

「ツルギ先輩を守ります!」

 

リアスからの指示に力強く頷く2人。

 

リアス

「朱乃は私と一緒に街に潜伏している堕天使の目的や潜伏場所などを調べるのを手伝って頂戴。この街で潜伏出来る場所はそう多く無いはずよ。」

朱乃

「分かりましたわ部長。出来る限り急ぎます!」

リアス

「お願いね。3人とも。」

 

天野 夕麻、堕天使の目的を探る為。そしてツルギを守る為に朱乃の紅茶を一口飲んだリアスは、3人と共に行動を開始した。

 

 

一方・・・オカ研を後にしたツルギは改めて昼飯を食べる為に場所を探して中庭を歩いていたが。

 

ツルギ

「流石中庭!いいスポットは全部埋まってるよ〜〜〜。しっかし座れる場所が無いな。仕方ないから教室に戻るか?」

???

「炎ツルギ君。私の隣で良ければ空いていますが如何ですか?」

ツルギ

「こんにちは、支取 蒼那 生徒会長。良いんですかお隣に座って?」

 

ツルギに話しかけて来たのは駒王学園生徒会長にしてリアス・朱乃に次ぐ有名人の3年生の支取 蒼那であった。

 

蒼那

「構いませんよ。私もちょうど昼飯を食べる所でしたし、1人の食事は少し寂しい物ですから。」

ツルギ

「なら失礼します。支取 蒼那 生徒会長。」

蒼那

「あまり堅くならなくても大丈夫ですよ。支取でも蒼那でも気にせず呼んでください。」

ツルギ

「流石に生徒会長を呼び捨てにするのは失礼ですから・・・蒼那さんと呼んで良いですか?リアスさん達もそう呼んでいるので。」

蒼那

「ええ構いません、私の事もリアス達同様に接して下さい。炎ツルギ君。」

ツルギ

「蒼那さんも俺の事は気軽にツルギと呼んで肩肘を張らずに接して下さい。如何もフルネームで呼ばれるのには慣れてなくて。」

蒼那

「分かりました。ならそうさせて貰いますねツルギ君。」

 

一区切り話がまとまった所でツルギは蒼那の横に腰掛け弁当を広げた。

 

蒼那

「リアスから聞いてましたが、ツルギ君は料理が上手なようですね。」

ツルギ

「そんな事無いですよ。自宅で姉2人と家事をこなしている内に自然と身に付いていて、自分の弁当は自分で作る様にしてるだけですから。」

蒼那

「立派ですね・・・ツルギ君は何処か不思議ですね。リアスが気にかけのも納得しました。」

ツルギ

「如何いう事ですか蒼那さん?」

 

蒼那の言葉に疑問を持ったツルギは聞いてみることにした。

 

蒼那

「意外かも知れませんがリアスは小さい頃からですが、殆ど男性とは話をしないんですよ。」

ツルギ

「ええ!そんなんですか!意外です。俺には普通に話しかけて来てくれましたけど?」

蒼那

「話をしない訳ではありませんが、自分から話しかたのはツルギ君が初めてだと言っていました。理由はリアス本人にも分からないらしいですが、ツルギ君の事を”不思議な感覚がする子“と言っていました。」

ツルギ

「リアスさんがそんな事を・・・」

蒼那

「でもツルギ君の話をしている時のリアスはとても楽しそうな顔をしていました。まるで無邪気な子供見たいに・・・さて、私は生徒会の仕事があるのでゆっくりと昼飯を食べて下さいねツルギ君。」

ツルギ

「ありがとうございました蒼那さん。色々な話を聞かせて頂いて。」

蒼那

「此れからもリアスと仲良くして下さいね。出来れば私とも。」

ツルギ

「はい。分かりました蒼那さん。」

 

話が終わると蒼那は立ち上がって生徒会室に向かった。

 

蒼那

「炎ツルギ君・・・本当に不思議な子。」

 

その横顔は少し綻んでいた。

 

それから数日・・・

 

今日の午後の授業は睡魔にも襲われず済んだ。正確には言えば視線や気配を感じて眠れなかったのだが、とにかく授業は終わりあっという間に下校の時間になり。ツルギは一星に腕をガッチリとホールドされながら一緒に自宅に帰る道を歩いていた。

 

一星

「やっと長い1週間が終わったーーー!助っ人の試合も勝ったから、明日の日曜はツルギの家で過ごして遊びまくるぞ!」

ツルギ

「何で俺の家なんだよ一星。自分の家があるんだから自分の家で遊んで過ごせ!てか離れてくれると有難いんだが。」

一星

「イイじゃん。だってこの前は一緒に寝ようて言ったら、理由付けて帰したじゃんか!それに最近ツルギを抱き締めて無い!私がいるのに彼女なんか作ってさ。」

ツルギ

「だから!まだ彼女じゃ無いって言ってるだろ!全く何回言えば分かって・・・」

 

言葉を続け用としたツルギだがスマホの着信音が鳴ったので電話に出た。

 

夕麻

『あっ!ツルギ君。私、夕麻だけど今大丈夫。」

ツルギ

「夕麻ちゃん。一体如何したの何かあった?」

夕麻

『えっとね・・・明日って時間空いてるかな?』

ツルギ

「明日なら大丈夫だけど。」

夕麻

『良かった。な、なら明日・・・私とデートして欲しいの。前言ってくれたみたいにツルギ君の事を知りたいから。』

 

夕麻からのお願い・・・それはデートのお誘いだった。

 

ツルギ

「デ、デートか・・・わ、分かった。なら明日、駅前に集合で如何かな?」

夕麻

『ありがとうツルギ君!なら朝の10時に待ち合わせね。』

ツルギ

「分かった。なら明日ね夕麻ちゃん。」

夕麻

『うん、分かった。明日のデート楽しみにしてるからね。じゃあ切るねバイバイ。」

 

電話を切り明日のデートプランを考えていると、後ろから凄まじ殺気を放った一星が”デートって如何いう事だよ!“と叫びながらツルギに掴みかかって来た。

デートの事をククルとシルヴァにも話すと言って来た一星。姉2人まで参戦したら確実に面倒な事になるのでツルギは、一星のお願いを1つ聞くから2人には話さないでくれと頼んだのが・・・それが運の尽き。

その為にツルギは一星のお願いで、一星と添い寝する事になってしまいデートの話をする事と同じぐらい姉2人に詰め寄られた。

 

そしてデートの日・・・ツルギは待ち合わせ場所に30分前に到着し夕麻を待っていた。

 

ツルギ

「少し早く来すぎたかな?でもあの家の中には居たく無かったんだよな。はぁ〜〜〜帰りにお菓子でも買って行ってやるか。」

 

帰って姉2人と一星になんて言われるか考えていると・・・

 

夕麻

「ツルギ君お待たせ!ごめんない待たせちゃったかな?」

ツルギ

「気にしないで夕麻ちゃんを待たせたら駄目だと思って早く来過ぎただけだから。」

夕麻

「ありがとう気にかけてくれて。その持っている箱は何?」

ツルギ

「此れは後からのお楽しみだ。さあ、行こうか夕麻ちゃん。」

夕麻

「うん。今日はよろしくねツルギ君!」

 

ツルギが差し出した右手を左手を差し出し握る夕麻、2人で街のショッピングモールに向けて歩き出した跡をつける人影が1つ。

 

一星

「ツルギの奴!私が抱き付くより何か嬉しそうな顔してるし!」

 

2人のデートが気になってしまい一星がついて来てしまったのだ。

 

そんな事はつゆ知らずデートを楽しむ2人。

ショッピングモールの様々なブースを見て回る。夕麻が気になって入ったアクセサリーショップの中で羽の装飾が飾られたペアのシルバーブレスを見つけた夕麻だったが値段が少し高かったので諦めてしまった。その後ウインドーショッピングをしたり服屋で色々な服を見たり着たりしてるうちに昼になっていたので、休憩を兼ねてモール内の公園に来た2人。

 

夕麻

「ツルギ君。何で公園に来たの?食事ならフードコートに。」

ツルギ

「良いから座って夕麻ちゃん・・・今日は俺がランチを作って来たから騙されたと思って食べて見てくれ。」

 

公園内の休憩所の椅子に夕麻を座らせたツルギは徐に持って来ていた箱・・・ランチボックスを開いた。

中にはツルギの得意な唐揚げからウィンナーに玉子焼き、更には野菜たっぷりのコールスローに様々なフルーツに温かなスープまで用意していた。

 

夕麻

「これ全部ツルギ君が用意してくれたの!」

ツルギ

「何時も作る量からしたら大した事ないさ。それにせっかくのデートなんだ。夕麻ちゃんに俺の料理を食べて貰いたくて。」

夕麻

「ツルギ君。」

ツルギ

「心配しないでくれ味は保証済みだから、信頼してる姉2人と同級生のお墨付きだ!」

夕麻

「ありがとう、なら早く食べましょう。ツルギ君のお弁当を見てるとお腹が空いてくるの。」

 

互いに取り皿を持って食べ始める2人。暫くお互いの事を話しながら食べていると。

 

ツルギ

「それで姉の2人が・・・夕麻ちゃん。如何した?何で泣いてるんだ?」

夕麻

「え、泣いてる?私は泣いてなんていない・・・」

 

夕麻が頬に手をやると涙が流れていた。

悲しいわけでは無いのに涙が止まらない・・・悲しいわけがないわけでは無いが、涙を止めなくちゃいけ無いのに!涙を止めたいのに止まらない!涙を堪え用とすればするほど、それ以上に溢れてくる。

目の前が涙で見えなくなっていると、温かく優しい感触が頬に触れ目尻を撫でた。

 

夕麻

「ツ、ツルギ・・・君?」

ツルギ

「何で夕麻ちゃんが泣いているかは聞かない。言いたくない事や言えない事、その人が抱え込んでいる事、人には其々色々な事を抱えている。きっと夕麻ちゃんが泣いている原意をはそれだよ。人は其れが溢れて溢れ出て来て涙が出るだ。

俺はそれを全部受け止めてあげられないけど、夕麻ちゃんが少しでも前を向ける様に、俺が夕麻ちゃんの涙を拭うから。少しでも悲しみを消すために。」

夕麻

「ありがとう・・・ありがとうツルギ君。」

 

自分の頬に添えられた温かいツルギの手。それに重ねるように左手を重ねる夕麻。暫く夕麻は優しい感覚の中で泣いた。

 

昼飯の後はまだ回っていない店を見て回り気が付けば時間は既に夕方になっていた。駅前に戻る為に歩く2人の距離はデートを始めた時よりも縮まり腕を組む程近づいた。

 

夕麻

「ツルギ君。少し此処の公園に寄っていかない?」

ツルギ

「そうだね。ちょうど渡したい物があったし。」

 

2人が公園に入って行くのをデート開始から見ている一星は焦っていた。

 

一星

「デート後の静かな公園で2人っきり・・,ま、まさか告白!」

 

心配になり急いで後を追う一星はちょうど噴水の前にいる2人が見える茂みに隠れた。

 

ツルギ

「夕麻ちゃん。此れは今日のデートのお礼。」

夕麻

「こ、此れって。あのアクセサリーショップの!」

 

ツルギが差し出した袋の中に入っていた箱から出て来たのは!

アクセサリーショップで見つけたが値段が高かったので諦めたシルバーのペアブレスだった。夕麻にサプライズとプレゼントを渡したかったツルギはコッソリと購入してラッピングを店員して貰っていたのだ。

 

夕麻

「高かったのに良いの?私が貰って。」

ツルギ

「大丈夫。夕麻ちゃんに買った物なんだから貰って当然だ。」

夕麻

「ありがとう、ねえツルギ君・・・このペアブレスを私と2人で付けてくる。」

ツルギ

「ああ、良いよ。ならお互いに付け合うか。」

 

そう言ってツルギは右手を、夕麻は左手を出し互いにブレスを相手の手首に付けていく。片方ずつ分かれた翼がついたブレスが2人の腕で淡い光を放ち輝いていた。

 

夕麻

「嬉しいツルギ君・・・愛してる!」

 

夕麻は互いに向き合ったままの状態でツルギに腕を回し抱き付いて来た。

 

ツルギ

「夕、夕麻ちゃん!急に抱き付いて来たらびっくりするだろ。」

夕麻

「ごめんねツルギ君・・・ねぇ、ツルギ君。今日のデートの最後に1つお願いを聞いて欲しいの。」

ツルギ

「お願い?分かった。俺は何をすればいい?」

夕麻

「それはね・・・・・死んでくれないかな!」

ツルギ

「夕麻ちゃん。今何て・・・」

 

その瞬間!

 

ツルギの腕の中にいた夕麻を紫の光が包んだかと思えば今まで着ていた服が弾け飛び一糸まとわぬ姿になり、背中から漆黒の羽が現れ体を露出が激しいボンテージの様な服が包み込み妖艶なる姿に変わっていった!

光が収まると彼女・・・夕麻だった少女はツルギを見つめて名乗った。

 

レイナーレ

「私の名前はレイナーレ・・・至高の堕天使、レイナーレよ。」

 

レイナーレ。それが彼女の・・・天野 夕麻の本来の姿と名であった!

 




はい、第3話は如何でしたか?

今回は生徒会長のソーナと夕麻の正体レイナーレの登場でした。

まだツルギにソーナは悪魔として接触してないので人間界での名前で今は書いていますが悪魔と分かったら元の名前が判明するので、その時に蒼那からソーナに変更します。

次回はいよいよキュウレンジャー要素が出て来ますのでお待ち下さい。

では、第4話でまたお会いしましょう。


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第4話 堕天に渦巻く陰謀と一星の転生、迫られるツルギの秘密

はい、第4話です。

今回は堕天使レイナーレの仲間の一人が新たに登場、それと前回の後書きで書いたとうり戦闘では無いですがキュウレンジャー要素が少し出ます。

では、第4話をどうぞ。


 

第4話 堕天に渦巻く陰謀と一星の転生、迫られるツルギの秘密

 

ツルギ

「夕麻ちゃんが・・・堕天使。」

レイナーレ

「あら?以外ね。私の正体を知って堕天使としての姿を見ても動揺しないなんてね。」

ツルギ

「動揺してるさ。ただ動揺した態度を隠すのが癖になってるだけで・・・夕麻ちゃん、いやレイナーレ。俺を殺すことが何の目的に繋がる。」

レイナーレ

「人間の分際で至高の堕天使である私の名前を気安く呼ぶな!なぜ貴様に私の目的を話さなければならい。どうせお前は此処ですぐ死ぬのだから。」

ツルギ

「すぐ死ぬか・・・其れが君の、レイナーレの本心なのか?」

レイナーレ

「何を訳の分からない事を言っている!私は・・・」

ツルギ

「なら何故そんなに悲しい瞳で俺を見る!何故そんなに体を震わせて・・・そのブレスレットを掴んでるんだ!」

 

レイナーレはツルギの一言で改めて自分自身に目を向けてみた。

彼女は驚いた、自分の腕が!足が!震えて止まらない。ツルギはただの人間、それだけなのに・・・それだけの存在の筈なのに恐怖からか悲しみからなのか分からない感情から来る震えが体を揺らし、心を揺さぶって来る。彼から・・・ツルギから送られたブレスレットを掴む力が更に強くなるのが分かった。

 

レイナーレ

「五月蝿い!五月蝿い!早く・・・死になさい!」

 

レイナーレは血塗られた紅いクリスタルの様な光を放つ槍のような物を握りしめると、迷いを振り払う様に首を横に振り叫びながらツルギに向かって其れを投げて来た。それは辺りを照らすような光を放ちながらツルギを包み込むと、大爆笑した。

 

レイナーレ

「私は・・・私は。」

 

爆発地点を悔やむような表情をして見つめているレイナーレ。しかし・・・

 

ツルギ

「やはり何か理由があるんだろレイナーレ。」

 

聞こえて来たツルギの声にレイナーレは驚き爆発の炎を見た。すると炎の中から、左腕に赤を基調とした色合いの先に銃口と後ろには折り畳まれた形をしたトリガーグリップ、星を模った球体の中心に盾の模様が映し出されたグリーンの天体球技のような物がはめ込まれたブレス、セイザブラスター巻き。

左手には黒と銀で上下に分かれた刀身に青いクリスタル状の刃とブレスと同じ赤のカラーリングに刀身から繋がる様に金のラインが走ったブレード、キューソードを持ってツルギが現れた。

 

レイナーレ

「私の一撃を人間如きに防がれるなんて!まさか神器を宿しているなんて、どうすれば・・・」

ツルギ

「レイナーレ、何かあったんだろ。何があったか話してくれ俺が力になるから!」

レイナーレ

「黙れーーー!」

ツルギ

「くっ!」

 

再び槍の様な物を飛ばしながら近づいて来るレイナーレ。ツルギはセイザブラスターにセットされたタテキュウタマを手前に向けて倒した。

 

『セ・イ・ザ・アタック!」

 

セイザブラスターからタテキュータマに宿った力を発動させる音声が鳴ると、ツルギの前に盾のような物が現れたレイナーレが放った槍を弾き返した。そして突っ込んで来るレイナーレの槍とキューソードがぶつかり合い火花が散った。

 

ツルギ

「止めるんだレイナーレ!君は本当はこんな事したく無いんだろう?」

レイナーレ

「五月蝿い!私の目的は貴様を殺すことだけだ!」

ツルギ

「いや違う。レイナーレは嘘を言っている!その証拠に攻撃に迷いがある。1つ1つの動作にも切れや覇気が無い!」

レイナーレ

「五月蝿いと言っているでしょう!私に迷いなんて・・・それに貴様に私の何が分かる!」

ツルギ

「分かるさ!本当のレイナーレは・・・俺の事を気にかけてくれる優しい子で他人を思いやることの出来る心の持ち主で、本当は自分が1番苦しいのに相手の為に自分が傷つく事を選ぶ強い女性だ!だからこそ俺はレイナーレを救いたいんだ!」

レイナーレ

「私に貴様の幻想を押し付けるな!私は、私は・・・」

???

「何を手間取っているレイナーレ。」

 

突如2人を覆い隠す様に広がった影の先に月をバックにした男が1人浮遊していた。

 

ツルギ

「誰だ!」

ドーナシーク

「初めまして炎ツルギ、私はドーナシークと申す者だ。以後お見知り置き頂きたい。」

レイナーレ

「ドーナシーク!何故。」

 

黒いスーツ姿に深く帽子を被った男ドーナシークはツルギに帽子を取って挨拶する様に自己紹介した後、レイナーレを睨み付けて話し始めた。

 

ドーナシーク

「レイナーレ。炎ツルギを始末するのにどれだけ時間を掛けている。この役立たずが!」

レイナーレ

「グッハ!」

ツルギ

「止めろドーナシーク、これ以上レイナーレに手を出すな!」

 

一方的にレイナーレを痛ぶって行くドーナシークを止め為に駆け寄ろとするツルギだか、ドーナシークはレイナーレの背後から首を絞めながら青い光の槍を首に突きつけてきた。

 

ドーナシーク

「動くな炎ツルギ!此奴を今此処で消しても良いんだぞ。」

ツルギ

「クソ!レイナーレを人質にするなんて卑怯な奴が!」

ドーナシーク

「どうとでも言うが良い。さあ・・・そろそろ死んでもらおうか!」

 

ドーナシークが槍を持った腕を振るとツルギの体を光の輪っかの様な物が拘束し身動きを全く出来ないよう体をに縛り上げていく。

 

ツルギ

「しまった!(クソ両腕が全く動かせない!キュータマも使えない上に回避する事も攻撃を防ぐ事も出来ない・・・以前なら問題ないが、今の俺では・・・)」

ドーナシーク

「お別れの時間だ。炎ツルギーーー!」

 

ドーナシークから放たれた槍がツルギに迫って来る!

 

ツルギは覚悟を決め目を閉じたが痛みが来る事は無く、何が起こったのか確かめる為に目を開けたツルギに飛び込んできた光景は!

 

一星

「ツ、ツル、ギ。大丈夫?」

ツルギ

「一、一星?」

一星

「良かったツルギが無事で、よ・・・か、った。」

 

ドーナシークの槍で体を貫かれ血を吐きながらツルギを庇うようにして立っている一星だった!彼女はツルギが無事だと分かると掠れた声で”良かった“と言って、血溜まりの中に倒れた。

 

ツルギ

「一星ーーーーーー!」

ドーナシーク

「余計な事をする餓鬼が!だが次は・・・此れはグレモリーの紋章!チッ、レイナーレ撤収するぞ!」

レイナーレ

「分かったわ・・・(ツルギ君・・・)」

 

ツルギの後ろに現れたグレモリーの魔法陣を見たドーナシークは分が悪いと判断してレイナーレを連れて飛び立っていった。レイナーレはショッピングモールの時と同じ表情で涙を流しながらドーナシークの後を追った。

 

 

ドーナシーク達が飛び去ると拘束も解けたのでツルギは急いで一星の元に駆け寄った。

 

ツルギ

「一星しっかりしろ!頼むから死ぬな俺を見ろ!目を開けてくれ一星。また何時もみたいな口調で話しかけて俺に抱きついてくれよ。頼むから目を・・・目を開けてくれよ一星。」

 

一星の冷たくなった体を抱き締めて話しかけるツルギだか、一星から言葉は返ってこず伝わって来るのは熱い彼女の血の感覚だけ。

 

ツルギ

「一星は俺が死なせたような物だ!俺は・・・俺はまた大切な人を救えなかった。」

 

過去の光景と今の一星を重ね涙を流していると、ツルギの後ろの赤い魔法陣の中からリアス達オカルト研究部のメンバーが現れた。

 

リアス

「ツルギ君無事!貴方が堕天使に襲われたと小猫達から連絡を受け・・・ツルギ君?」

ツルギ

「リア、スさん。一星が・・・一星が俺を庇って。」

朱乃

「リアス彼女はおそらくもう・・・」

木場

「すまないツルギ君!僕達が部長に報告する時間があったら助けに入るべきだった。本当にすまない!

小猫

「祐斗先輩が悪いんじゃありません!ツルギ先輩、私が先に部長に報告しましょうって言ったんです!だから悪いのは私です。」

ツルギ

「いや2人は悪くない。悪いのは俺だ!力がありながら一瞬の油断から一星を死なせたんだ。」

 

一星の骸を抱き上げながら己を責めるツルギ・・・それを見ていたリアスは懐からチェスの駒を取り出しながらツルギにある提案を持ちかけた。

 

リアス

「ツルギ君・・・彼女を生き返らせる方法が1つあるわ。」

ツルギ

「本当ですかリアスさん!一星を・・・一星を生き返らせる方法が!」

リアス

「ええ、あるわ。ただし人間では無く、悪魔としてだけれど。如何?」

ツルギ

「俺が決めるべき事では無いと思います・・・だけど俺は一星に生き返って欲しい!リアスさんお願いします。一星を、一星を生き返らせ下さい!」

リアス

「分かったわ。私に任せて頂戴。」

 

彼女はツルギ安心させるように頭を撫でると朱乃達と一緒に下がらせ横たえた一星の胸に駒をかざした。すると驚いた表情の後に同じ駒を7個、合計8個を胸の上に置くと自身も下がる。そして両手を前に掲げると呪文のような言葉は唱え出した。

 

リアス

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、兵藤 一星よ!我の下僕となるため、いま再びこの地へ魂を帰還させ悪魔と成れ!汝、我が兵士として新たな生に歓喜せよ!」

 

その瞬間!リアス達が現れた時と同じ魔法陣が現れ強い光を放った。光が収まると魔法陣の中心には、先程まであった傷が無くなり真っ白だった顔も生気を宿した状態に戻った一星がいた。

 

一星

「あ、あれ?私いったいなにしてたんだっけ?あっ!ツルギ。ツルギは。」

ツルギ

「一星!良かった。本当に良かった!」

一星

「ちょっ!ツルギ一体如何したんだよ!何イキナリ抱き付いてんだよ!(嬉しいけどさ。)とにかく離れろ!」

ツルギ

「悪い一星。一星が生き返ったかと思うと嬉しくて。」

一星

「い、生き返った!なら私、やっぱり一度死んで・・・もう〜〜〜訳わかんないし!」

 

”生き返った"その言葉に自分にいったい何が起こったのか分からず一星が混乱しはじめ出した所で。

 

リアス

「大丈夫そうね兵藤 一星。私が分かるかしら?3年生のリアス・グレモリーよ。改めてよろしくね私の可愛い下僕。」

一星

「リアス・グレモリー先輩!嘘、なんで私の目の前に・・・ん?私がグレモリー先輩の下僕!」

朱乃

「部長。事情を説明しないと一星ちゃんが困ってしまっていますよ。」

一星

「朱乃先輩まで!もう何が何だか?」

木場

「一星さん。落ち着いて後で詳しく説明するから。」

小猫

「大丈夫ですから、一星先輩。」

一星

「分かった、ありがとう。木場くん。小猫ちゃん。」

 

一先ず一星が落ち着きを取り戻した所でリアスはツルギに話しかけた。

 

リアス

「ツルギ君。今日はもう時間も遅いから明日詳しくお互いの事を説明し合うために、オカルト研究部の部室まで来て頂戴。」

ツルギ

「分かりました。なら一星は俺が家まで送って行きます。」

リアス

「それは待って頂戴。彼女は生き返ったばかりで、ちゃんとした治療を受けてないから今日は私が彼女を預かるわ。」

ツルギ

「なら一星の事はよろしくお願いしますリアスさん。ならまた明日伺います。」

リアス

「ええ。ツルギ君も今日は色々あったでしょう。しっかり休んで頂戴。」

 

話が纏まるとリアスは朱乃達と一星を連れて魔法陣の中に消えた。一方ツルギは一星の両親に一星は自分の家に止まって行くと言って誤魔化し家帰った。家に着くとククルとシルヴァが玄関でツルギの帰りを待っていた。

 

シルヴァ

「ツルギ!良かった帰りが遅くて心配したぞ。大丈夫?」

ククル

「ツルギ何かあった?お姉ちゃんに話してごらん。あっ!お腹すいたでしょう。晩御飯温めるから少し待っ・・・」

ツルギ

「ククル姉さん。シルヴァ姉さん。・・・話しておきたい事と頼みがあるんだ。」

 

その日の炎家の灯りが消えたのは深夜を過ぎてからだったそうだ。

 

 

次の日・・・ツルギはいつも通りに登校して授業を受けていたが集中出来ずにいた。ここ最近お決まりになっていた夕麻の話題が一切無くなり誰も覚えていなかった。オマケに一星も学園に来ていないのが拍車になり授業中もボッとしてしまい先生に注意されてしまう始末。

学友の桐生や片瀬に村山、悪友の松田に元浜もツルギを心配して励ましたりしてくれた。そして放課後になり話をする為にオカルト研究部に向かうと。

 

一星

「オッス!ツ〜ル〜ギ!」

ツルギ

「一星!お前授業も受けずに何処に居たんだよ。心配したんだぞ。」

一星

「悪かったって!部長が”今日は休んでいなさい"って言ってたから。」

ツルギ

「良かった。心配して損した!」

一星

「何だよ!今の”損した“って!」

 

2人が言い合っているのを微笑ましく見つめるリアス達4人。

 

木場

「ほら、一星さん。落ち着いて。」

一星

「だって木場。ツルギの奴が酷い事言うから!」

小猫

「ツルギ先輩も落ち着いて下さい。」

ツルギ

「小猫ちゃん。だいたい一星が心配掛けさせるからな!」

リアス

「はいはい2人共そこまでよ。」

 

リアスの言葉と合図で言い合いを止めた2人が席に座ったのを確認したリアスは話を始めた。

 

リアス

「さて先ずはツルギ君に私達について説明するわ。単刀直入に話すわ私達は・・・悪魔よ。」

ツルギ

「リアスさん達が悪魔!」

 

リアスが全員に目配せすると全員の背中から悪魔の羽が現れた。その後ツルギはリアスから色々な事を聞かされた。今の悪魔の現状や社会仕組み、一星を転生した悪魔である転生悪魔に生まれ変わらせる事が出来た駒イーヴィル・ピース、そして夕麻の正体が改めて堕天使である事など様々な事を教わった。

 

ツルギ

「そうなんですね・・・あのリアスさん。あの公園の場所をどうやって特定して一瞬で現れることが出来たんですか?」

リアス

「簡単よ。此れを伝って転移して来たのよ。」

 

リアスが机の上にある”願いを叶えます”と書かれた魔法陣付きの紙を見せて来た。

 

リアス

「此れは持っている人の強い願望を叶える為に私達を召喚する為の物だけれど、それを一星が駅前で配っていたのを貰って持っていたのよ。」

ツルギ

「駅前で配っていた・・・一星、まさかお前最初からついて来てたな。」

一星

「別に良いだろ。それでツルギは助かったんだから感謝しろよ!」

リアス

「そして死の瞬間一星は願ったのよ。”生きたい"とね。このまま死んで大好きなツル・・・」

一星

「うわーーーーーーー!部長、やめて下さい!まだ心の準備が。」

リアス

「アッ!ごめんなさい一星。まだ早かったわね。」

ツルギ

「大好きな何?俺が知ったらまずい事か?」

一星

「うっさいアホツルギ!」

ツルギ

「イって!」

 

リアスが誤って言ってしまいそうになってしまった一星のツルギに隠して来た気持ち。それを分かっていないツルギに腹を立てた一星は一発デコピンを放った。

 

リアス

「とにかく一星の生きたい思いが私達をあの公園に召喚したから、あの場所に現れる事が出来たのよ。」

ツルギ

「成る程・・・そう言い事だったんですね。」

リアス

「理解が早くて助かるわ・・・じゃあ次はツルギ君が話す番よ。」

ツルギ

「・・・」

リアス

「教えて頂戴・・・貴方は一体何者なのかしら?」

 

いま語られるツルギの力・・・その正体が明らかになる。




はい、第4話如何でしたか?

一星に関してはまだツルギに自分の感情を伝えていない設定です。
話が進むごとはに進展していきますので、よろしくお願いします。

さて、レイナーレの本心はどうなのか?ドーナシークの立場との関係などありますが今後どうなるでしょう?

そして自身について迫られるツルギ。それはまた次回で。

では、第5話でお会いしましょう。


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第5話 力の秘密。か弱きシスターと獅子座の戦士の誕生!

はい、第5話です。

本日は少し早めに投稿しました。

今回はオカルト研究部の癒しの存在とサブで分かってしまっていますが、代表的な宇宙一ラッキーな戦士の登場です。

今日のルパレン・パトレンも面白かったですね。

サイレンストライカーは結局はノエルが所持するみたいになりましたね。

では、第5話をどうぞ。


 

 

第5話 力の秘密・か弱きシスターと獅子座の戦士の誕生!

 

 

ツルギ

「先ず何から話すべきか・・・」

 

今ツルギは何からリアス達に説明するべきか悩んでいた。彼女達のことや一星の事は信頼しているが、全てを話すべきとも思う一方で時期尚早な気もしていた。考えた末にツルギは自分の過去と力の根幹に関わる事、即ちククルとシルヴァしか知らない事は時期を見て話すことにして以外の事を話し始めた。

 

ツルギ

「先ず俺の力は星座に息づく生命の集合パワーのキューエナジーを内包した此のキュータマと呼ばれる物の力だ。」

リアス

「キュータマ?そんな神器は聞いた事がないわ。」

ツルギ

「此れは神器とは全く違いますよリアスさん。キュータマは其れを象徴する星座が誕生と同時に形作られた物・・・詰まりは星の力そのものなんです。」

リアス

「星の・・・力。」

 

リアスの言葉に頷きながらツルギは懐から複数のキュータマを机に並べた。

 

ツルギ

「キュータマには主に分けて2種がある。此処にあるのが全部では無いが、こっちのナンバー1から9までがチェンジキュータマで反対側にあるのが全てスキルキュータマと呼ばれている物だ。」

朱乃

「ツルギ君。2種のキュータマの違いは一体何ですの?」

ツルギ

「先ずスキルキュータマは各星座の力を発揮する物で様々な種類がある例えば此のフタゴキュータマを使えば。」

 

ツルギはフタゴキュータマを左腕に取り出し装着したセイザブラスターにセットして手前1回倒し後方のグリップを倒して床に向けてトリガーを引いた。

 

『フタゴキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

正面に双子座を模した光が現れてツルギを包んだ瞬間、ツルギが2人になった。

 

ツルギ

「「此れを使えば双子座の名の通り使った者の分身を出現させる事が出来る」」

朱乃

「あらあら、ツルギ君が2人になるなんて。成る程、簡単に言い換えれば星座の技を発動させる事が出来るキュータマという事ですね。」

ツルギ

「「そうです朱乃さん。」」

 

ブラスターからキュータマを外しながらツルギが答えると、分身は光となって消えてしまった。

 

ツルギ

「チェンジキュータマの前に此のセイザブラスターに付いて先に説明する。此れはキュータマの力を発揮させる事が出来る物でさっきやった見たいにキュータマをセットする事で力を使え、更にはキュータマ無しでも常時ブラスターとして使える。」

小猫

「まるで流れ星みたいですねツルギ先輩。」

ツルギ

「キュータマの力・・・星の力と輝きを放つ物だから、星に掛けて流れ星の形をしているんだ。」

 

小猫にブラスターの正面を向けて笑顔で答えるツルギ。

 

ツルギ

「そしてスキルキュータマより強力で宇宙でたった1つずつしか無いのが・・・此のチェンジキュータマだ。」

木場

「宇宙でたった1つ・・・此の9個のキュータマはそんなに特別な物なんだね。」

ツルギ

「そうだ。チェンジキュータマはその星座に選ばれた者だけが使える究極の救世主の証でもある。」

 

真剣な表情でキュータマを持ち木場に返事をする。

 

一星

「選ばれた者って事はツルギはキュータマに選ばれた救世主って事かよ!」

ツルギ

「一応そうなるな一星。」

一星

「ならツルギはどのキュータマに選ばれたんだ!教えてくれよ。」

 

一星のその一言にツルギは少し顔を伏せた・・・リアスはその一瞬の表情を見逃さなかった。

 

ツルギ

「俺は・・・俺は全てのキュータマに選ばれた男だぞ!」

一星

「9個全てに認められたって事かよ!ツルギ凄え!」

ツルギ

「当たり前だ!俺様を誰だと思っている!」

一星

「出った〜〜〜ツルギの時々出る。俺様っぷり!えらそうにしちゃってさ〜〜〜ツルギの癖に!」

ツルギ

「一星、今なんて言った!」

 

再び2人の言い合いが始まりそうなのを間に入って止める木場と小猫、更には2人を諭そうとする朱乃。騒がしい中、リアスはツルギの一瞬の中に見えた表情・・・哀しみを宿した表情が頭から離れなかった。

 

何とか2人が落ち着き席に戻った所でリアスが口を開いた。

 

リアス

「ツルギ君、一先ず貴方の力に付いては分かったわ。次は貴方自身のことに付いて話してくれるかしら・・・貴方がその力を手に入れた過去について。」

朱乃

「そう言えば一星ちゃんならツルギ君の過去に付いて知っているんじゃ無いですか?」

一星

「それが朱乃さん。ツルギの奴たら自分の過去に付いて一切話してくれないんですよ!私が何度聞いても”またいつの日かな“って言って誤魔化すんですよ!」

木場

「一星さんにも知られたく無い過去ぐらいあるでしょう?」

一星

「まあ、1つや2つあるけど・・・でも!」

小猫

「あまり追求しすぎるのは良くありませんよ一星先輩・・・部長、ツルギ先輩の過去に付いては今はまだ聞かない方がいいと思いますが?」

リアス

「・・・ツルギ君は如何する?辛い事なら無理に話す事はないわ。辛い事を話して欲しいと言った私の方が謝るわ。ごめんない。」

 

そう言うとリアスは深く頭を下げて謝罪した。

 

ツルギ

「気にしないで下さいリアスさん・・・今まだ話せません。ですがいずれ必ず話しますから・・・その時まで待ってくれますか?」

リアス

「勿論よ!貴方は可愛い後輩で、私の友人なのだからね。」

ツルギ

「ゆ、友人!あ、ありがとうございますリアスさん。う、嬉しいです。」

 

リアスからの”友人"の言葉の喜びから笑顔になるツルギ。

 

一星

「何部長を見てニヤニヤしてるんだよ馬鹿ツルギ!私が似たようなこと言ったら”大丈夫か?“って言ったくせに!」

ツルギ

「危ね!こら一星、神器を出して殴り掛かってくんな!俺を殺す気かコラ!」

一星

「あの時死ねなかった代わりに私が殺してやる〜〜〜!」

 

部室の中でリアス達から説明を受けて出せるようになった神器を構えてツルギを追います一星、この場の雰囲気の良さに笑いながら2人を見ている木場・小猫・朱乃。2人を優しい眼差しで見つめるリアス。

彼女は騒がしくなりながらも楽しくなった部室の中から外を見ながら呟いた。

 

リアス

「キュータマに究極の救世主・・・確か何処かで聞いた事が?」

 

リアスの疑問が敵明かされるのは、もう少し先の話し・・・

 

 

それから数日、ツルギは一星と共にビラ配りをし夜の部室に戻って来ていた。

あの日の内に一星はリアスに使える下僕と後輩として、ツルギは悪魔の事情を知っている協力者と一星と同じく後輩としてオカルト研究部の部員になった。

そんな中一星の悪魔としての最初の仕事がビラ配りだった。ダンボール4箱分のビラを配るのは大変だと思いツルギが手伝いを買って出たので、2人で数日掛けて配り終わって来たのである。

 

一星

「部長。只今戻りました!」

ツルギ

「全て配り終えました部長。」

リアス

「お疲れ様2人共。予定より早く終わったわね。」

 

自分の予定より早く終わらせた2人に感心するリアス。因みに正式に部員になってからツルギは部活中はリアスの事を部長と呼び、それ以外では今まで通りに呼んでいる。

 

リアス

「それじゃあ一星。そろそろ貴方の仕事もステップアップしましょうか・・・早速今から魔力ジャンプして契約を結んで来てみなさい。朱乃、お願い。」

朱乃

「はい、部長。」

 

リアスの指示でジャンプの為の魔法陣を展開する朱乃、一星が2人の指示に従ってジャンプの準備を始めていると木場と小猫が契約者の所からちょうど帰って来た。

 

木場

「お疲れ様ツルギ君。もしかして一星さんは始めての契約に行くのかい?」

ツルギ

「ああ。ちょうど2人が戻る前にビラ配りが終わって戻って来たんだが、一星の奴は大丈夫かな?」

小猫

「一星先輩なら大丈夫と思います。口調は少し荒い時がありますが、基本は優しいので問題無いと私は思います。」

ツルギ

「小猫ちゃんが言うなら大丈夫だろ・・・おっ。ちょうど準備が終わったみたいだな。

 

準備が完了したらしく魔法陣から光が溢れ始めた。

 

リアス

「一星分かっているわね。契約の段取りは。」

一星

「依頼者と契約を結び願いを叶えて、対価を頂く!です。」

リアス

「よろしい。なら気おつけて行ってらっしゃい。」

一星

「はい部長!ツルギ、バッチリ契約して来るからな!」

ツルギ

「おう。気おつけろよ。」

 

魔法陣がより強い光を放ち一星が一瞬にして消え・・・再びジャンプの魔法陣の中心にポーズを決めて現れた。

 

一星以外

「「「「「え?」」」」」

一星

「初めまして私は兵藤 一星!貴方の願いを叶えに来た悪魔の・・・あれ?何で魔力ジャンプして無いの?」

 

その場を何とも言えない気まずい空気が包み込んだ。

 

リアス

「一、一星。如何やら貴女の魔力ではジャンプが出来ないみたいね。お客様を待たせるのは失礼だから、前代未聞だけど自分の足で向かって頂戴。」

一星

「私悪魔なのに何で足で向かわなきゃいけないんだよ!」

ツルギ

「一星。ポーズ決めてドヤ顔してたのにジャンプ出来ないんなんて・・・哀れだったぞさっきの一星。」

一星

「う、う、五月蝿いーーー!余計なお世話だ。ツルギ!」

 

ツルギの腹にストレートパンチを叩き込んだ一星は泣きながら自転車に跨がりお客さんの所に向かって行った。後から聞いた話ではツルギは暫く動けなくなっていたらしい。

 

 

次の日ツルギは一星と2人で街を回っていた。

 

 

ツルギ

「しかし本当に災難だな一星。ジャンプは出来ず行った先では好きなアニメの話で盛り上がり契約を忘れて部長に叱られて、オマケにさっきのお客さんは魔法少女コスプレの凄まじ貫禄した女装男性だったしな。」

一星

「止めろよツルギ!実際に相手してないから言えるんであってアレを目の前にしてみなよ!恐怖して来る!」

 

中々契約が上手くいかず更には、先程まで相手していたミルたんと名のった客の恐怖から震え上がってしまっている一星。結局契約は取れず付いて来たツルギと共に部室に戻っていると・・・

 

???

「あうっ〜〜〜。何で転んでしまうんでしょうか?」

ツルギ

「君。大丈夫か?」

一星

「怪我してない?」

???

「はい。ありがとうございます。」

 

倒れいた少女を助け起こした2人。散らばってしまった彼女の荷物を集め終え渡すと、シスターの彼女は自己紹介を始めた。

 

アーシア

「助けて頂きましてありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと申します。」

ツルギ

「俺は炎ツルギ、ツルギと呼んでくれ。で・・・こっちは腐れ縁の兵藤 一星。」

一星

「一言余計だよツルギ!よろしくアルジェントさん。私の事も一星って呼んで」

アーシア

「アルジェントさんだなんて、どうかアーシアと呼んで下さい。ツルギさんと一星さんは、とても仲が良いようですがお友達ですか?」

 

それから3人で色々話しているとアーシアはこの街の教会の場所が分からず迷子になっていたと言う。そこで教会まで案内する傍ら2人の事を話しながら歩いていると、足を擦りむいて泣いている男の子がいた。

 

アーシア

「大丈夫だから泣かないで。男の子ならこれくらいの怪我で泣いては駄目ですよ。」

 

男の子に駆け寄ったアーシアが怪我をした部分に手をかざすと、淡い緑色の光が現れて怪我を治してしまった。男の子はアーシアにお礼を言ったが母親の方は逆で軽蔑するような眼差しを向けて離れて行った。

 

一星

「何なんだよあの母親!こっちは怪我を治しただけなのに!」

アーシア

「気にしないで下さい一星さん・・・私なら大丈夫ですから。」

一星

「アーシア・・・」

 

一星を気遣って気丈に振る舞っているアーシアだが、その表情は優れなかった。

 

ツルギ

「・・・!アーシア、ほら。」

アーシア

「えっ?ツルギさん。」

 

ツルギが指差した方をアーシアが向くと、男の子がアーシアに手を振って”ありがとうお姉ちゃん!"と、言っているのが見えた。

 

ツルギ

「少なくとも、あの子にはアーシアの優しさが伝わってるよ。」

アーシア

「そうですねツルギさん。」

 

笑顔に戻ったアーシアを連れて歩く事数分、目的の教会に到着したのだが・・・

 

一星

「・・・(ヤバイ!体の震えが止まらない。しかも何か悪寒がして来た気がする。)」

アーシア

「一星さん大丈夫ですか?顔色が悪いようですが。」

ツルギ

「大丈夫だよアーシア。最近忙しくて疲れが溜まってるんだよ一星は・・・なら、俺達はそろそろ帰るから。」

アーシア

「分かりました。少し寂しいですが・・・一星さん。ツルギさん。また、私とお会いしてくれますか?」

一星

「勿論だよアーシア。だって私達は、もう友達だよ。ねぇ〜〜〜ツルギ!」

ツルギ

「ああ、約束する。また会おうアーシア。」

アーシア

「はい。一星さん!ツルギさん!」

 

 

そう言って2人はアーシアと別れた。

 

 

リアス

「あれ程教会に近づいては駄目と言ったでしょう一星!それにツルギも何で一星が一緒に行くのを止めなかったの!悪魔が教会や神社に近づいては駄目と説明した筈よ。」

 

2人は現在、部室のど真ん中で正座をしながらリアスに怒られていた。

理由は以前に悪魔は教会に近づくと敵対行為と見なされて、いつ光の槍が飛んでくるか分からないから決して近づいては駄目と言われたのに。一星もツルギもアーシアを送るために教会に近いたからである。

特にツルギはリアスから念を押されたのにも関わらず、一星が同行するのを止められ無かったのでキツ目に叱られてしまった。

 

リアス

「とにかく一星は今後一切教会に近づかない事!それとツルギも悪魔である私達と行動する意味を理解しなさい!下手をすれば貴方も殺されてしまうのよ。」

一星

「すいませんでした部長。」

ツルギ

「以後気おつけて行動します。」

 

すっかりリアスのお説教にやられてしまった2人。

 

朱乃

「お説教は終わりましたか?」

リアス

「朱乃。一体どうしたの?」

朱乃

「大公からの討伐が出ています。」

 

 

暗い廃工場の中を進んで行くオカルト研究部のメンバー。

 

主人を裏切り単独行動する悪魔・・・はぐれ悪魔。

 

そのはぐれ悪魔が此の廃工場に潜伏しているので討伐する依頼が大公から出たので、リアス達は戦闘準備をして現地に来ていたのである。

 

一星

「しっかし暗いな。本当に居るのかよ?」

 

一星がボヤいた瞬間。小猫が何かを察知して立ち止まった。

 

小猫

「来おつけて下さい。近くに居ます!」

リアス

「来た見たいね・・・はぐれ悪魔バイサー出て来なさい!貴女を消し飛ばしに来たわ!」

 

リアスが闇の中にはぐれ悪魔の名を叫ぶと、四足獣の体に人間の女性の体が合体したような巨体の悪魔バイサーが片手に死体を持って影から現れた。

 

一星

「うっ!!血なまぐさい!」

朱乃

「はぐれ悪魔バイサー。此の廃工場を縄張りにして多くの人々を殺して来た存在ですわ。」

木場

「残虐で無慈悲。とても醜いと言われていたけど。」

リアス

「品性のかけらもない風貌ね。歪んだ貴女らしい姿よ!」

バイサー

「小賢し小娘が・・・その体を紅の髪の如く、鮮血で真っ赤に染めてやる!」

リアス

「その口を直ぐに閉じさせてあげる!皆んな行くわ・・・ちょっとツルギ1人では危ないわ!」

 

ツルギは1人、セイザブラスターを装着しながら前に出た。

 

ツルギ

「バイサー!お前はどれだけ多くの人を殺して来た!何の為に殺した。」

バイザー

「人間は美味しいからね。ただ最近の獲物はイマイチで・・・とっても不味かったよ!」

 

バイサーは歪んだ笑顔で高笑いをしていた。

 

ツルギ

「もう良い・・・喋るな!」

バイサー

「何?死にたいか人間の分際で!」

ツルギ

「3ついい事を教えてやる・・・1つ、俺は今のお前の言葉で機嫌が悪い!2つ、俺はお前のような奴が嫌いだ!3つ、お前は俺が・・・いや、俺達が倒す!」

リアス

「ツルギ・・・貴方は一体。」

バイサー

「黙れ!貴様に何が出来る!」

 

バイサーが叫ぶとツルギは懐からナンバーに1と書かれて、炎のようなにタテガミを揺らした模様のライオンが描かれているチェンジキュータマ・・・シシキュータマを取り出して天球儀部分をスライドさせながら叫んだ。

 

ツルギ

「マワスライド!」

 

キュータマから紅い光が放たれ、それをセイザブラスターにセットし銃口側に倒す。

 

『シシキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!」

 

待機音が鳴り響くなかツルギは以前と同じようにグリップを倒した後

、左手で円を描くようにしながらセイザブラスターを下に向けながら右手を腰の側に持って行き。救世主になる為の言葉を叫びながらトリガーを引いた!

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

トリガーが引かれた瞬間!

 

ツルギの足元に紅の星と周りを囲むように散りばめられた星屑達が回転しそれが止まると正面に獅子座が現れながらツルギの体を通り抜けると・・・ツルギは獅子座に選ばれた救世主、シシレッドとなった!

 

ツルギ

「スーパースター!シシレッド!」

リアス

「スーパースター・・・シシレッド。」

バイサー

「ふざけた真似を!」

ツルギ

「お前の運!試させて貰うぜ!」

 

遂にリアス達の前に、究極の救世主の姿が現れた!

 




はい、第5話如何でしたか?

少し長くなりましたがシシレッド登場まで行けました。

スターチェンジの動きを言葉で表すのが難しかったので、大分簡素になってしまい申し訳ありません。

後、セイザブラスターの形の所は私のオリジナルの考えです。

では次回、第6話でお会いしましょう。


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第6話 はぐれ討伐と一星の駒、予期せぬ再開

はい、第6話です。

スマホからの投稿ともう1つ作品を書いたり仕事などで予定した投稿より遅くなり申し訳ありません。

ペースとしては2日から3日ぐらいの間隔で投稿予定です。

次のルパトレンでルパンレッドがパワーアップしますが、パトレン1号も強化して欲しい今日この頃です。

今回はあのヤベィーーー神父さんが登場です。

では、第6話をどうぞ。


 

第6話 はぐれ討伐と一星の駒、予期せぬ再開

 

 

ツルギ

「バイサー覚悟しろ。お前は俺達が倒す!」

バイサー

「死ねーーーーー!」

 

怒りを爆発されたバイサーが巨体の前足の爪を伸ばしツルギ目掛けて振り下ろした。その凄まじい一撃は地面にヒビを入れ廃工場を揺らし粉塵を巻き上げるほどだった

 

リアス

「ツルギ!」

 

『ヘラクレスキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

ツルギ

「大丈夫です部長!こんな攻撃、大した事ありません。」

 

粉塵がはれた中心には、ヘラクレスキュータマの力で全身ムキムキになったシシレッドがバイザーの前足を片手で受け止めていた。

 

一星

「ツ、ツルギがムキムキ人間になってるーーー!」

ツルギ

「オリャーーーーー!・・・此れがヘラクレスキュータマの力だ。」

 

バイサーの足を掴み工場の壁に投げ飛ばすと、ツルギは驚く全員にヘラクレスキュータマを見せて説明した。

 

リアス

「ツルギ心配したのよ!あんな事はしないで頂戴・・・貴方に何かあったら。」

ツルギ

「すいません部長。バイサーの言葉に怒りが湧いてしまって、もうしませんから。」

リアス

「約束よ。友人を目の前で失いたく無いわ私は。」

朱乃

「部長。バイサーは我々にかなり怒っているようですわ。」

 

朱乃の言葉にバイサーが吹っ飛んで行った壁を向くと、壁に衝突した時に落ちて来た瓦礫を跳ね飛ばしながらバイサーがツルギ達を睨み付ながら出て来た。

 

バイサー

「よくも・・・よくも!よくも!よくも!虫ケラ風情の奴らがーーー!全員八つ裂きにしてやる!」

リアス

「まるで理性の無い獣ね。一星、ツルギ。ちょうど良いから2人にイーヴィル・ピースの駒の役割と特徴について教えるわ。祐斗!」

木場

「はい、部長!」

 

リアスの指示が飛んだ瞬間。木場の姿が消えたかと思いきや両手に剣を持ちバイサーの周囲をまるで瞬間移動していると錯覚する程の動きで翻弄し、一瞬でバイサーの前足を両方とも根元から両断した!

 

バイサー

「ギャーーーーー!よくも貴様!」

リアス

「祐斗の役割はナイト。特徴はスピード。そして最大の武器は、そのスピードから放たれる剣技よ!」

一星

「私には木場が消えたかと思いました。」

ツルギ

「あまりの早さに消えた様に見えたんですね部長。」

リアス

「その通りよ。そして次は・・・」

 

リアスにつられて視線を向けた2人の先で、小猫がバイサー向かって歩みだしていた。

 

バイサー

「死ねーーー!」

 

バイサーは先程まで妖艶で美しかった表情をまるで化け物の様な顔に変え叫びながら、獣の体の腹の部分から沢山の牙が生えた口を開け小猫を飲み込んでしまった。

 

一星

「小猫ちゃん!」

リアス

「大丈夫、ほら見てごらんなさい。」

小猫

「フン!・・・ふっ飛べ!」

 

バイサーの腹をリアスが指差した時、腹の牙をへし折りながら小猫が出て来た。小猫はそのままバイサーの腹に向けて強烈な右ストレートを放ちふっ飛ばした。

 

ツルギ

「凄まじい防御力に攻撃力・・・なるほど、小猫ちゃんの駒は戦車のルークですね。」

リアス

「当たりよツルギ。ルークの特徴はシンプル、馬鹿げた力と防御力。」

一星

「小猫ちゃんを怒らせたら怖そう〜〜〜。」

リアス

「最後は朱乃ね。」

朱乃

「はい、部長。あらあら〜〜〜どうしましょう。」

 

何時もの笑顔の筈だが、何処か違う雰囲気を出しながら歩いて行く朱乃。

 

すると!木場に切られたバイサーの前足が、リアスと一星の心臓を貫かんと襲い掛かって来た。

 

ツルギ

「部長!一星!」

リアス・一星

「「え?」」

 

2人の前に立ったツルギはセイザブラスターのシシキュータマを手前に2回倒して手をトリガーに添えて、迫り来る前足に向けて構えた。

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「オールスタークラッシュ!」

 

トリガーが引かれると同時に銃口からシシキュータマと同じ赤い光弾が発射され前足に当たり爆発。その爆風から2人を守るようにツルギは2人を抱き締めた。

 

ツルギ

「部長、大丈夫ですか!後、一星も。」

リアス

「え、ええ。大丈夫よツルギ、ありがとう助けてくれて。」

一星

「なんか私は部長のオマケで助けたみたいになってるんですけど〜〜〜。」

 

2人を支えて立ち上がらせると、リアスは顔を赤くしてお礼を言い。一星はオマケで助けた感じに少し不貞腐れしまった。

 

朱乃

「あらあら。部長と一星ちゃんを狙うなんて〜〜〜おイタが過ぎる人には・・・お仕置きですわね〜〜〜!」

 

そう言うと朱乃は両手に黄色に光る雷を生み出しながら、先程よりも少し影を落としたような表情をしながら笑い始めた。

 

ツルギ

「なんか朱乃さん・・・雰囲気、変わってないか一星!」

一星

「何時もの優しい感じの笑顔と全然違う!まるで楽しんでいるような何か、ヤバイ感じの笑い方してる!」

リアス

「彼女の駒は女王のクィーン。他の全ての駒の力を兼ね揃えた無敵の副部長よ。」

朱乃

「あらあら。まだ息があるみたいですね。なら、此れは如何でしょう!」

 

朱乃は既にまともに戦えないバイサーに対して、全く容赦せずに上に掲げた両手から雷撃を大量に笑いながら浴びせ始めた。

 

朱乃

「あら?まだ元気そうですね。なら今度はこんな感じで如何でしょうか!」

リアス

「魔力を使った攻撃が得意なの。何より彼女は・・・究極のSなのよ。」

朱乃

「あらあらまだ大丈夫そうですね。どこまで耐えらるでしょうか!」

 

小指を唇に添えなぞりながら笑顔で舌舐めずりをする朱乃。その光景にツルギと一星は愕然としていた。

 

ツルギ

「小猫ちゃんは怒らせたら怖そうだけど、朱乃さんは怖いよりヤバイ感じがするんだけど!」

一星

「しかも既に虫の息のバイサーに対して、躊躇せずに笑ってやってるから尚の事怖い!」

木場

「大丈夫。朱乃さんは味方にはとても優しいから。」

ツルギ

「其れは分かるんだが・・・普段との差が激し過ぎて。」

リアス

「朱乃、其れぐらいにしなさい。」

朱乃

「もう終わりなんて、少し残念ですわ。」

 

顔を赤らめ頬に手を当てながら振り返った朱乃は、何処か物足りないような表情をしていた。

 

リアス

「ツルギ。」

ツルギ

「はい、部長。」

 

リアスと共にバイサーに歩み寄るツルギ。

 

リアス

「何か言い残すことは。」

バイサー

「こ、殺せ。」

リアス

「そう・・・ツルギ。チェックメイトの時間よ。」

ツルギ

「分かりました・・・バイサー。此れはお前に殺せた人達の無念の一撃だ!」

 

リアスの言葉に頷いたツルギは再びオールスタークラッシュを放つ為にキュータマを倒しトリガーを握り、リアスは目の前に魔力陣から自分の力である滅びの魔力を放つ準備を始めた。

 

リアス

「消し飛びなさい。バイサー!」

ツルギ

「オールスタークラッシュ!」

 

2人から放たれた一撃で・・・はぐれ悪魔バイサーは完全に消滅した。ツルギは右手の親指を立てながら勝利の言葉を口ずさんだ。

 

ツルギ

「グッドラック!」

リアス

「ツルギ。如何言う意味で言ったの?」

ツルギ

「あ!気にしないで下さい部長。唯の癖ですから。」

リアス

「そう?ツルギがそう言うなら・・・さあ!終わった事だし、帰るわよ。」

ツルギ

「あっ!部長。ちょっと待って貰っても良いですか?」

リアス

「如何したのツルギ?」

ツルギ

「いや、その〜〜〜小猫ちゃんの服が。えっと〜〜〜流石にマズイんじゃ無いかと思って。」

 

確かに小猫の服はバイサーの胃液か何かで一部が溶けてしまっていた。

 

小猫

「ツルギ先輩、あまり見ないで下さい。」

 

恥ずかしさからツルギに背中を向ける小猫に対して、ツルギは腰のキューバックルから別のキュータマを取り出しブラスターにセットしトリガーを引いた。

 

『ドレスアップキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!」

 

するとドレスのように並んだ星が小猫の体を包み込むと、アッと言う間に制服が元に戻った。

 

小猫

「凄い!ツルギ先輩、それもキュータマですか?」

ツルギ

「そう、ドレスアップキュータマ。スキルキュータマの中には星座には無い物もあるんだ。その1つが此れだよ。」

小猫

「ありがとうございます。でも、ツルギ先輩に見られて恥ずかしかったです。」

ツルギ

「本当ゴメン小猫ちゃん。お詫びに何かするから。」

小猫

「!なら明日・・・先輩の玉子焼きが食べたいです。とても美味しかったですから。」

ツルギ

「ありがとう小猫ちゃん。明日のお弁当に入れて持ってくるから。」

 

そう言ってツルギは小猫の頭を撫でた。

 

リアス

「ふふ。さあ、そろそろ戻るとしましょう。」

一星以外

「「「「はい、部長。」」」」

 

一星以外が頷く中。

 

一星

「あの〜〜〜部長。私の駒は一体何なんですか?」

 

一星に駒の事を話してないのを思い出したリアスはこう言った。

 

リアス

「一星。貴女の駒は・・・兵士、ポーンよ。」

一星

「ポーン・・・ツルギ。ポーンってチェスの駒の中で沢山ある駒だよね?」

ツルギ

「そうだな。確か8個あった筈だポーンは。」

一星

「・・・・・嘘でしょうーーーーー!!!」

 

バイサーを倒した工場の中に一星の絶叫が反響したのであった。

 

 

一星

「ツルギ・・・私、下っ端じゃん!沢山あるポーンの中の1人!使い捨てじゃんか〜〜〜」

ツルギ

「ボヤくな!てか一星。お前はポーンが弱小の使い捨ての駒だと思ってるが、それは間違えだぞ。」

一星

「だって〜〜〜あんなに沢山いるんだぞ!だったらツルギ、ポーンの特徴を教えてよ。」

ツルギ

「一星に言っても理解出来ないさ。」

一星

「何だと!ツルギの馬鹿!さっさと終わらせてご飯にするぞ。あっ!今日は唐揚げだぞツルギ!」

ツルギ

「はいはい、分かった分かった。早く済ませて家に帰るぞ。」

 

 

数日前のバイサー討伐の最後に教えられた一星の駒、その日はそれ以外にも純潔悪魔が過去の大戦で多く亡くなった事も教えられた。自分は弱小のポーンなんだとボヤく一星を連れてツルギは今、一星の悪魔としての仕事を一緒になって回っていた。

 

ツルギ

「ほらしっかりしろ一星!今夜こそ契約を取るだろ。」

一星

「そうだ。今日こそは契約を取るぞーーー!」

 

意気込みを新たにして依頼者の家の玄関のドアに手を掛ける一星だか・・・ドアは既に開いていた。

 

一星

「鍵掛けないなんて物騒だな。まあ〜〜兎に角、お邪魔しま・・・」

ツルギ

「一星待て!・・・様子が変だ。人はいる見たいだが妙な気配がする。」

一星

「妙な気配って一体何?」

ツルギ

「分からん。兎に角、油断するなよ。」

 

ブラスターを装着したツルギを先頭に家の中を進んで行くと中には・・・体を無残に切り刻まれ、顔は判別出来ないほどに潰され、壁に逆さまにして手足を壁に杭で打ち付けられた血まみれの死体があった。

 

一星

「酷い!誰がこんな事をしたんだ。」

ツルギ

「・・・そこに座ってる男に聞けば分かる事だ。なあ、神父さん。」

フリード

「あららら〜〜〜分かっちゃった!そうでャンス!其処の奴をやったのはこの私!俺、フリード・セルゼン様だっぜ!」

 

下卑た笑みを浮かぶて自己紹介した神父は自らをフリードと名乗って、挑発的な口調で話し始めた。

 

フリード

「しっかしお兄さん。女悪魔を連れてこんなトコに何の用でござんすか?アッ!もしかして、其処のクソ雌悪魔に唆されてしまったのですな〜〜〜なら、この俺に掛かればアッと言う間に地獄に送って差し上げましょう!」

ツルギ

「一星は俺の大切な存在だ。お前には関係ない事だ!」

フリード

「あら?悪魔を大切・・・馬鹿かお前はーーー!悪魔ってのは醜いクソ野郎なんだよ! それに頼る人間も悪魔も皆殺しにする為に俺たち神父さんがいるんだよ〜〜〜。」

一星

「逝かれてやがる。お前!本当に神父かよ。」

フリード

「黙ってろ。クソ悪魔野郎が!」

ツルギ

「やらせるか!」

 

フリードは神父服の下から黒光りし十字架の様な装飾がされた銃を一星に向けて発砲したが、様々な形態になる武器キューザウェポンの形態の1つキュースピアを構えたツルギが弾丸を弾き返した。

 

フリード

「おや〜〜〜。俺様に逆らうつもりですかいお兄さん?なら、其処の悪魔と一緒に地獄に行って・・・」

???

「キャーーーーー!こ、此れは一体・・・ツルギさん。一星さん。」

一星

「そんな!なんでこんなトコにいるんだよ・・・。」

ツルギ

「アーシア・・・」

 

悲鳴に振り返った2人の目に飛び込んで来た人物は・・・2人が案内し仲良くなり友人になったアーシアだった。

 

フリード

「おや?助手のアーシアちゃんではありませんか。早く結界を張ってしまいなさい!俺様はこの悪魔2人を始末するのに忙しいのですよ。」

アーシア

「そんな!お二人が悪魔だな何て!」

一星

「違うんだアーシア。私は悪魔だけどツルギは違う!私が勝手にツルギと一緒にいるだけだからツルギの事は!」

ツルギ

「何言ってんだ一星!俺は自分で悪魔と関わってるんだ。だからそんな事を言うな!」

フリード

「五月蝿い悪魔ちゃんだね〜〜〜死ねよ。」

アーシア

「お待ち下さい、フリード神父!」

 

フリードが一星に光力の剣を振り下ろそうとするのをアーシアが庇った。

 

アーシア

「確かに一星さんは悪魔ですしツルギさんは悪魔と関わりを持っているかも知れませんが、でもお二人はとても優しい人です!だからおやめ下さい。こんな事は間違ってます!」

フリード

「・・・何行ってんだテメエ!」

 

フリードは怒りながらアーシアの両腕を掴み壁に押し当てると、剣を振り下ろしアーシアの服を切り裂いた。

 

フリード

「調子に乗りやがってこのクソアマ!旦那が拾ってやらなかったお前、どうなってたのか分かってんのか・・・旦那から殺すなって言われてるが、それ以外なら何をして良いんだぜ!」

 

下卑た舌舐めずりと表情をしながらアーシアの体に舌を這わせていくフリード。

 

その言動ににツルギは過去の最悪な人物と重なり怒りが爆発した。一瞬でフリードの手を捻り上げると壁に向かって蹴り飛ばした。

 

フリード

「痛ってえな〜〜〜何してくれてるんだよクソが!先にテメエから殺して・・・」

ツルギ

「似てるな、お前。」

フリード

「似てる?俺様が何処のどいつに?」

ツルギ

「自分の傲慢な考えのままに人を殺し、命を踏み躙る奴が俺の記憶の中にいる・・・その存在に似てると思ってな。」

フリード

「最高な奴がいるもんじゃありませんか。俺様と相性バッチリ!」

ツルギ

「だからこそ・・・お前は倒さなきゃいけない存在なんだよ!」

 

ツルギはバックルからシシキュータマとは別の、オレンジにサソリが描かれたキュータマを取り出した。

 

ツルギ

「マワスライド!」

 

キュータマにサソリの紋様が浮かび上がるとブラスターにセットする。

 

『サソリキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!」

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

シシレッドに変身した様にサソリ座がツルギの体を通り抜けると、オレンジカラーのスーツにサソリを模した尻尾を装備した新たなキュウレンジャーへと姿を変えた。

 

一星

「それが2人目の救世主の姿か!」

フリード

「何だその、コスプレ衣装見たいな格好!」

アーシア

「ツルギさん・・・とても綺麗。」

 

アーシアはまるで星を纏う様に変身したツルギに心奪われていた。

 

そして右手を横に振り胸元に持ってきながら、サソリ座の救世主の名を叫ぶツルギ。

 

ツルギ

「ポイズンスター!サソリオレンジ!」

 

キュースピアを構えなおしてフリードに向けるツルギ。

 

ツルギ

「サソリの針からは、逃げられんぞ!」

 

その言葉を皮切りにフリードとの初戦が始まった。

 

 




はい、第6話は如何でしたか?

今回はオリジナルキュータマのドレスアップキュータマを出して見ました。

元ネタは仮面ライダーウィザードのドレスアップリングで一瞬で別の服に着替えたり元の服に戻したりするキュータマです。

エグゼイドキュータマって言う星座ないキュータマもあったので出しました。

因みにキューバックルは小さくなったベルトになっており、必要な時に通常サイズに戻る設定になってます。

そして今回で2人目の救世主の登場です。此れからもバンバン出していきます。

では、次は第7話でお会いしましょう。


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第7話 静閑な夜の戦い、様々な陰謀に潜む影と3人目の救世主!

はい、第7話です。

コメントがあったので改めてまして。

作中のジャークマターは宇宙からでは無く人類や他種族を全て支配した後に宇宙の全てを支配するのが目的と設定していますので、宇宙からの侵略者ではありません。

しっかりと解説をせずに申し訳ありません。

此れからも疑問に思われた事がありコメントして頂ければコメントをお返しし改めて解説を致しますねで、よろしくお願い致します。

今回はあの2人の堕天使が登場と3人目のキュウレンジャーが出ます。

では・第7話をどうぞ。


 

 

第7話 静閑な夜の戦い、様々な陰謀に潜む影と3人目の救世主!

 

 

夜の閑静な住宅街の中にある一軒屋・・・その中では

 

白髪に悪魔祓い又はエクソシストと呼ばれる者の武器である光剣と舌で舐め上げる様にしながら光力を打ち出す光銃を持ち、一定の距離を保ちながら獲物を痛ぶるような視線で隙を伺うフリード。

オレンジのアンダースーツに腰の辺りから長いサソリの尻尾を鞭の様に揺らし、キューザウェポンの9つ形態の1つであるキュースピアを背後斜めに構えながら戦闘態勢を整えた。サソリオレンジことツルギ。

僅かな広さのリビングの中では2人の戦いの行く末を固唾を呑んで見守ることしか出来ない一星とアーシア。

 

ツルギの前に出した左のつま先が動いた・・・瞬間。

 

フリード

「それじゃ〜〜〜お兄さん!今から俺がこの剣を心臓に突き立てて、このイカす銃でテメエの脳天に必殺!必中フォーリン・ラブ♡しちゃいますから〜〜〜〜〜!!!」

ツルギ

「やれるものならな!」

 

フリードは歪みまくった顔から涎と舌を出しながらツルギ目掛けて光銃を撃って来た。その巫山戯た言動とは裏腹に放たれた弾丸は的確かつ対処しにくい所を狙ってツルギに迫り、フリード自身も人間離れした動きで光剣を振るおうと接近してくる。

 

フリード

「ほら、ほらほら!避けれるものなら避けてみな!バッキューン!」

 

だがツルギは全く動じず迫る弾丸の1つ1つをキュースピアを手首のスナップを効かせたコンパクトな動きや、腕と全身を使った回転や体に沿わせた巧みな槍捌きで叩き落とし、更には腰から伸びた尻尾も振るい背後にいるアーシアを護りながら戦って行く。

 

ツルギ

「如何した!俺の脳天を打ち抜くんじゃなかったのか?」

フリード

「スカしてんじゃねえよ!オラ!」

ツルギ

「怒りでさっきまでの精確な攻撃が雑になってるぞ!」

 

ツルギの言葉に癇癪を起こしたフリードの攻撃は段々と隙が目立つようになり、光剣の連撃も至近距離からの光銃もますます当たらなくなっていた。

 

フリード

「クソが!この俺様が押されるなんてあり得ねえっうの!いい加減にさっさと終わらせたいんですけど〜〜〜!」

ツルギ

「ああ。なら終わらてやる・・・この一撃でな!」

 

ツルギは滑空切りを受け止めながらフリードの腹に回し蹴りを放ち壁に飛ばすとブラスターからサソリキュータマを取り外すし、キュースピアの持ち手の上にある突起にセットした。

 

『ギャラクシー!』

 

するとキュースピアの刃がオレンジ色に発光しながら段々と輝きを増して行き、後ろに体を回すように左回転しながら勢いを乗せた横一文字の必殺技を放った。

 

ツルギ

「アンタレスインパクト!」

 

アンタレスインパクトを光剣で受け止め何とか防いだフリードだったが、剣はツルギの一撃で粉々になり更には致命傷は受けなかったが体は既にボロボロになり倒れてしまった。

 

一星

「やっぱ凄えよツルギ!あの逝かれ神父を圧倒してたぜ!」

ツルギ

「彼奴が怒りで冷静さを欠いてただけだ・・・アーシア。大丈夫だったか?」

アーシア

「はい、私なら大丈夫です。ツルギさんが私を護ってくれてましたから。」

 

アーシアの無事を確認した時に一星の背後にリアス達の魔法陣が出現した。

 

リアス

「一星!大丈夫!無事、怪我はしてない?」

一星

「部長!何で此処に?」

朱乃

「一星ちゃんの魔力を感知できなくなってしまって、心配していたのですが。」

木場

「少し前に急に場所を感知できる様になったんだ。だから、」

小猫

「ジャンプして一星先輩と一緒にいるツルギ先輩を助けに来たんです。」

一星

「そうだったのか・・・部長、すいません。契約どころから心配を掛けてしまって。」

 

リアスにまた迷惑を掛けてしまったと思い俯く一星にリアスはハッキリと言った。

 

リアス

「何言っているの一星!・・・貴女は私の大切な眷属よ。絶対に死なせはしないわ。」

一星

「部長・・・すいません後ろめたい事言ってしまって、此れから必ず挽回します!」

リアス

「それでこそ一星よ・・・所で、変身しているけどツルギよね?」

 

リアスの言葉に自然と全員の視線はツルギに集中する。

 

ツルギ

「はい、部長。其処に倒れて男を相手するのに変身しました。」

リアス

「今度は・・・顔を見る限り、サソリ座の救世主かしら?」

ツルギ

「そうです。名は、ポイズンスターのサソリオレンジです。」

朱乃

「毒を持つサソリ座の救世主ですからポイズンスターと言う事ですねツルギ君。」

ツルギ

「そんなトコです朱乃さん・・・それで部長。この男は一体者何なんですか?神父と呼べない言動に性格、普通の悪魔祓いとは思えません。」

 

フリードに感じていた違和感に付いて尋ねたツルギに木場が答えた。

 

木場

「ツルギ君。彼は、はずれ悪魔祓いに属する男だよ。」

ツルギ

「はぐれ悪魔祓い?」

フリード

「その通り〜〜〜〜〜!この俺さまも其処のアーシアちゃんも、異端と呼ばれて教会から追放されたんで〜〜〜す。そんな我々は堕天使様のご加護無しでは生きて行けましぇん〜〜〜。」

 

倒れていたフリードは異様なテンションで自分やアーシアがどんな存在かを話した。

 

ツルギ

「堕天使だと!まさかドーナシーク達の事か。」

木場

「恐らくそうだと思う。だがそれ以上に彼は悪魔殺しに快楽を覚えた危険な男だ!」

朱乃

「ツルギ君。悪魔祓いの中には行き過ぎたやり方や快楽を求める者がいて、その異常さから追放される者がいるんです・・・悪魔にだってルールはあると言うのに!」

フリード

「おお!お姉さん最高だよその殺気!そんな殺気飛ばされたら興奮して体が震えちゃう〜〜〜〜〜!!!」

ツルギ

「下卑た奴だとは思ったが、此処まで性根が腐った奴だとはな!」

リアス

「ツルギ、こう言い男に何を言っても無駄よ・・・可愛い下僕と友人を襲った罪、万死に値するわ!」

 

朱乃からの説明にフリードがどれだけ歪んだ奴だとツルギが思いリアスがフリードに魔力を放とうとした時、小猫が何かを察知した。

 

小猫

「部長。堕天使らしき存在が複数近づいてきます!かなりの数です!」

リアス

「仕方ないわ・・・朱乃!一星を回収して撤収するわよ。」

一星

「待って下さい部長!まだアーシアが!それにツルギはどうするんですか!」

 

一星は焦っていた。このままではアーシアを置き去りにする事になる上に、ツルギを堕天使の集団に見捨てる事になってしまうからだ。

 

一星

「私は此処にツルギと一緒に残ります!アーシアとツルギを置いて行けません!」

リアス

「私もそんな事はしたくないわ!でもこのままでは貴女が死ぬ事になってしまうわ。」

一星

「だけど・・・だけど部長!」

ツルギ

「一星!お前は先に行け!俺の事は心配するな。アーシアを連れて無事に帰ってくる。」

一星

「いくらツルギが救世主だからって、たった1人で・・・」

ツルギ

「俺を信じろ!!!いつだって約束守ってきただろ!だから早く行け・・・部長。一星を頼みます。」

リアス

「分かったわ・・・必ず無事に帰ってくるのよツルギ!」

 

そう言いながらもツルギを置いていかなればならない辛さから、リアスは顔を伏せて一星を支えながらジャンプに入った。

 

一星

「ツルギ約束したからな!絶対にアーシアと帰って来いよ!無事に帰って来なかったら・・・一生許してやらないからな!絶対にだからな!」

ツルギ

「分かったから早く行け一星・・・心配すんな!」

 

そう返すと一星はリアス達と一緒にジャンプした。

 

フリード

「おやおや〜〜〜可哀そうなお兄さん。所詮悪魔は自分の為ならあんたを見捨てるなんて平然とする奴らなんだよ!」

ツルギ

「勝手に言ってろ・・・お前には一生分からない事だ。部長の気持ちも覚悟もな。」

フリード

「アッそうでござんすか・・・でも、この数の堕天使の方々を1人で相手する気でやんすか?」

ツルギ

「・・・」

ドーナシーク

「フリード、首尾はどうだ。」

フリード

「此れは此れは!ドーナシークの旦那、よくお出でました。」

 

フリードの背後の庭に2人の堕天使を連れたドーナシークが降りてきた。

 

ドーナシーク

「あの夜以来だな炎ツルギ。フリードを追い詰めるとは流石は・・・キュウレンジャーだ。」

ツルギ

「!!!」

アーシア

「キュウレンジャー!その名は確か、遥か昔より教会に語り継がれている救世主の名前。まさかツルギさんが!」

ツルギ

「その事は後で話すアーシア。今は・・・この状況を切り抜けるのが先だ。」

アーシア

「はい、ツルギさん。」

 

差し出されたツルギの手をしっかりと握り頷くアーシア。

 

ドーナシーク

「逃げ切れるものなら逃げてみろ・・・だが、お前を逃すと後々厄介になるんでね。カラワーナ!ミッテルト!命令だ、此奴を始末しろ。」

 

ドーナシークは後ろにいる2人。

青い髪のロングヘアーで黒紫色のボディコンスーツとスカートに、少し目つきが鋭い女性堕天使のカラワーナ。

金髪を黒のリボンでツインテールにし青い瞳に、ゴシックロリータの衣装を纏い少し幼さが残った少女のミッテルト。

 

2人にツルギを殺すように命令するが・・・

 

カラワーナ

「何故その男を消さねばならないドーナシーク!」

ミッテルト

「そうっす!どうしちゃったんすか。そんな事したらレイナーレ姉様が!」

ドーナシーク

「私の命令が聴けないと言うか!なら、此れならどうだ!」

 

ドーナシークが指を鳴らすと、2人の首に付けられた首輪から全身に電撃が走った。その苦痛に顔を歪ませ苦しむカラワーナとミッテルト。

 

カラワーナ

「ガァーーーーーー!」

ミッテルト

「く、苦しいっす!!!」

ドーナシーク

「私に逆らうな!レイナーレがどうなっても良いのか?」

ツルギ

「・・・(2人の態度を見る限りレイナーレを人質にして従がわせているようだな・・・あの首輪は逆らわせない為の物。レイナーレもきっと2人を人質にされてしまったから俺のことを・・・)」

 

レイナーレもカラワーナとミッテルトも互いを人質にされドーナシークの命令に逆らえ無いのだと推察するツルギ。その脅しから2人は光力の槍を構えた。

 

カラワーナ

「貴様に恨みは無いが・・・死んでもらう。」

ミッテルト

「許して欲しいっす。でも私達が従わなかったらレイナーレ姉様が。」

ツルギ

「やっぱりそうか・・・なら、此方も!」

 

ツルギはブラスターからサソリキュータマを外し変身を解除した。

 

フリード

「あらら?元の姿に戻ったって事は・・・死ぬ準備が出来ちゃったて事〜〜〜!」

ツルギ

「悪いが死ぬつもりは無い!一星や部長達に約束したからな・・・生きて帰ってくるって、それに俺が死んだら誰がアーシアを守るんだよ!」

アーシア

「ツルギさん。」

ドーナシーク

「貴様1人で、この数の堕天使を相手にする気か?」

ツルギ

「見てれば分かる・・・マワスライド!」

 

ツルギはバックルから再び別の緑色に長い舌を伸ばしたカメレオンが描かれたカメレオンキュータマをブラスターにセットし3人目の救世主に変身した!

 

『カメレオンキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

カメレオンの星座が通り過ぎると・・・カメレオンの大きな目と顔をを模したフェイスに、自然の緑の葉に溶け込むような鮮明な緑のアンダースーツを纏いカメレオンの様な独特な動きでポーズを決める救世主・・・その名は!

 

ツルギ

「シノビスター!カメレオングリーン!」

ドーナシーク

「また新しいキュウレンジャーだと!」

ツルギ

「星座の輝きを捉えられるか。」

フリード

「仮装パーティーのピエロ見たいに姿ばっかり変えやがって!」

ツルギ

「無駄話はいい・・・行くぞ。カラワーナ!ミッテルト!俺を倒したいなら掛かってこい!」

 

右手にキューザウェポンのグリップ下から細長い刃が伸びたキューレイピアを構えて2人に斬りかかるツルギ。其れを受け止め踏ん張るカラワーナ

 

ツルギ

「・・・教えてくれカラワーナ。お前とミッテルトはレイナーレを人質にされているんだろ。逆らったらレイナーレの命は無いぞと脅されて。」

カラワーナ

「!・・・そうだ。だが我々が言う事を聞いていればレイナーレ様に危害は加えず命の保証をすると約束されたんだ。」

 

ドーナシークに聞こえない様に小声で話す2人。

 

ツルギ

「それは嘘だ!奴は俺の目の前で彼女を痛ぶった。それに彼女もお前達2人を人質に従わされている。その証拠にお前達の首輪を彼女もしていた!」

カラワーナ

「そんな馬鹿な!この首輪がレイナーレ様にも。」

 

レイナーレが正体を明かした時の夜にツルギは見ていた。彼女の首に巻かれていた首輪、其れは間違いなく2人が今付けているものと同じ物だった。

驚愕の真実にカラワーナが驚いてツルギに押され始めた時にミッテルトも加勢する為に斬り掛かってきた。

 

ミッテルト

「カラワーナしっかりするっす!此奴を始末しないと姉様が!」

カラワーナ

「待てミッテルト!・・・炎ツルギ、さっきの話しは本当なのか?」

ツルギ

「本当だ。このまま奴の命令を聞いていてもレイナーレは救い出せない。」

ミッテルト

「どう言う事っすか?姉様を助けられないって!」

カラワーナ

「炎ツルギ・・・今、レイナーレ様のことをどう思っている?」

ツルギ

「彼女のことは今でも大切な友人だ・・・だからこそ俺は彼女を救いた。其れに必死に彼女を守りたいと思っている2人の事も。」

カラワーナ

「・・・分かった。私達が合わせるから隙を作りこの場から逃げろ!そしてレイナーレ様を助けてくれ。ミッテルト、レイナーレ様の為だ私に合わせろ。」

ミッテルト

「分かったっす。姉様の事、お願いするっす!」

ツルギ

「分かった、彼女の事は任せろ!」

 

小声でツルギにレイナーレの事を託した2人はわざと大振りに押し負けた様に後ろに飛び退いた。その瞬間に地面に向けてキュータマをセットしたレイピアから技を放つツルギ。

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「ハミリオンインパクト!」

 

まるでカメレオンの舌のように伸びた刃から連続突きが地面に突き刺さり辺り一面を土煙がおおいツルギとアーシアの姿を隠して行く。

 

煙が晴れた場所には既に2人の姿は無かった。

 

ドーナシーク

「クソ!逃したか・・・この役立たずが!」

 

怒りを露わにしたドーナシークはカラワーナを兵に蹴り飛ばした。

 

ミッテルト

「カラワーナ!しっかりするっす。」

カラワーナ

「大丈夫だミッテルト。大した事は無い。」

フリード

「お〜〜〜怖っ!しっかし旦那。どうしやすかい?あの男を探し出してぶっ殺しますか。」

ドーナシーク

「いや、先ずはアーシアを捉える方が先だ。フリード!アーシアを探し出せ、町中をしらみつぶしにな。カラワーナ!ミッテルト!お前達も行け!2度目の失敗は許さんぞ!」

 

指示を受け町中に散って行く手下の堕天使やフリード。カラワーナとミッテルトも頷き夜空に向けて飛び立った。

 

ミッテルト

「カラワーナ。あの男大丈夫っすよね?姉様を助けてくれるっすよね?」

カラワーナ

「分からんが・・・少なくともレイナーレ様が信じた男だ。任せてみよう彼に。」

 

レイナーレを救ってくれると信じ2人は闇の中を飛び続けのであった。

 

 

その頃ツルギとアーシアは・・・

 

ツルギ

「姉さん。ただいま!」

シルヴァ

「ツルギ!良かった。一星が泣きながら帰ってきた時は何があったかと思って心配したんだぞ!」

ククル

「ツルギ!良かった!お姉ちゃん心配して・・・」

一星

「ツルギーーーーーーー!!!良かった!!無事だったんだな!」

ツルギ

「グキャーーーーーー!」

アーシア

「ツルギさん!大丈夫ですか?しっかりして下さい!」

 

自宅に2人で無事に辿り着いたツルギだったが、不安と無事に帰ってきた喜びから涙を流しながら向かって来た一星のヘッドスライディングを腹にまともに受けてしまい。

 

戦闘する以上の衝撃を受け悶絶しながら気絶した。

 

その状況にアーシアは1人冷静に神器を使いツルギを治療し始めた。

 

ドーナシークの口から出たキュウレンジャーの言葉・・・その理由が分かるのも後、僅かである。

 

 

 




はい、第7話は如何でしたか?

今回でカラワーナとミッテルトが登場しました。

2人も更生したキャラです。今後の作中にどう関係して行くかはお楽しみ。

そして、カメレオングリーンも登場!

アンダースーツはゴーカイジャーが女性戦隊に変身するのと同じで男性用のアンダースーツになっている設定です。

では、次回の第8話でお会いしましょう。


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第8話 温かい居場所、リアスの心の涙と再開の友人。

はい、第8話です。

投稿が少し遅れました。

疲れていつの間にか寝てしまっていました。

待っていてくださった方、申し訳ありません。

今回はキュウレンジャー関係は出ませんが第1章も後僅かです。

では、第8話をどうぞ。


 

 

第8話 温かい居場所、リアスの心の涙と再開の友人。

 

 

一星

「ツルギ本当にごめん!嬉しくてつい・・・」

ツルギ

「一星に心配掛けさせた俺が悪かったんだ。すまない、だから気にするな。」

一星

「あ、ありがとう・・・(ツルギの手・・・温かくて落ち着く。大好きなツルギとアーシアが無事で良かった。)」

 

ツルギが目をさまし、その後に何があったかを説明されてから気絶させてしまったことを謝った一星は、大好きなツルギに頭を撫でられながら心の中で2人の無事を喜んだ。

2人の姿を見つめる姉のククルとシルヴァ、それとお風呂に入り借りたパジャマに着替えたアーシア。

 

アーシア

「ツルギさんと一星さんは前にも思ったのですが、本当に仲が良いんですね。」

ククル

「2人は小学校からの同級生で家が近いから何時も一緒だったんだ・・・でも!お姉ちゃんの方がツルギとはずっ〜〜〜〜〜と一緒だけどね!」

一星

「何言ってるのククル姉さん!確かに姉さんよりは長く無いけど私だってツルギとは、ずっ〜〜〜〜〜〜と一緒に過ごして来たし!それにククル姉さんは家族だから無理だけど、私はツルギにとって歴とした大切な幼馴染の女の子です!」

ククル

「私だってツルギにとって大切なお姉ちゃんなんです!其れに一星は知ってるでしょうツルギとは家族だけど血は繋がってないんだから仮に血が繋がっていたとしても、お姉ちゃんの大好きなツルギへの愛にそんなものは関係ありません!」

ツルギ

「また始まったよ〜〜〜〜。」

 

ツルギをめぐる2人の戦いは大変な事があった日でも相変わらずである。

 

アーシア

「あの、ツルギさん。ククルさんとシルヴァさんのお二人は家族では無いとはどう言う事ですか?」

ツルギ

「すまないアーシアそれについては今は話せないんだ。だけど血が繋がって無くてもククル姉さんとシルヴァ姉さんが大切な家族なのは俺にとっては変わらない。2人がいたから俺は今此処に存在しているんだ。」

アーシア

「ツルギさん・・・分かりました。私、ツルギさんが話してくれるのを待ってますからいつか教えてくだい。」

ツルギ

「ありがとうアーシア・・・所でシルヴァ姉さん。そろそろ2人を喧嘩を止めないと夕食の時間がますます遅くなりそうなんだけど。」

シルヴァ

「そうだな・・・ツルギ、私が2人を止めてくるから夕食の支度を始めてくれ。」

アーシア

「ツルギさん。私も、お手伝いします。」

ツルギ

「大丈夫だアーシア。今日の君は我が家の客人だから座って待っていてくれ。それに俺の料理を振る舞いたいから楽しみにしていてくれ。」

アーシア

「分かりました。ツルギさんが言うならお言葉に甘えさせて貰いますね。」

 

その日の炎家の食卓は色々とあったが笑いが絶えなかった。

ツルギの隣の席を巡って再び勃発しそうになったククルと一星の一悶着、喧嘩をさせない為と言ってちゃっかり隣に座るシルヴァ、その行動に声を上げる2人を笑顔を見せ笑うアーシア、その笑顔を守る事とカラワーナとミッテルトとの約束を果しレイナーレを救う事を改めて誓うツルギ。

夕食後の話し合いで行く当てがないアーシアは暫く炎家に住むことになった。その間はククルとシルヴァの何方かと行動を共にすることをアーシアに約束して貰い、堕天使の問題が片付いてから今後の事を話し合うことにして全員が就寝した筈が・・・次の朝。

 

ツルギ

「何で・・・こんな状態になってるんだ!」

一星

「ツルギ・・・えへへへ。」

ククル

「大好きだよ・・・ツルギ。」

シルヴァ

「ふふふ・・・ツルギ、愛しているぞ。」

 

何故かアーシア以外全員がベッドの中で寝ている事に呆れていると起こしに来たアーシアの声で飛び起きたツルギ。何とか誤魔化したがアーシアがいる事を忘れているのでは無いのかと思うツルギであった。

 

 

学園に登校した2人は午前中の授業を終えてツルギの事を心配しているであろうリアス達に昨日の話をする為に部室に向かっていた。

 

一星

「う〜〜〜〜頭がまだ痛い。何も朝から叩かなくても良いじゃんかツルギ。」

ツルギ

「五月蝿いぞ一星!アーシアを誤魔化すの大変だったんだぞ。てか、何でベッドの中に居たんだよお前は昨日の夕食の後に帰ったろが!」

一星

「甘く見たら行けないぜ。勝手知ったる中だよ私とツルギは、家の合鍵がポストの下の植木鉢の裏にある。なんて事は既に知ってるんだから。」

ツルギ

「合鍵の場所は変更だな・・・一星は罰として弁当無しな!」

一星

「ハァ!何でだよツルギ!私はただ一緒に添い寝したかっただけなのに酷い!・・・まぁ。とか何とか言って、ちゃんと私のお弁当を持って来てくれているって知ってるだからね。」

 

朝に起きた事でツルギの拳骨を受けていた一星はまだ少し赤い頭を撫でながら家に侵入した方法を話した。合鍵の場所がバレているから変えると言い一星の弁当は無いと言い放つツルギ。

その言葉に大袈裟に驚きながらも自分のお弁当も持って来ているんだと思っている一星の言葉が終わった時に部室前に到着した。

 

ツルギ

「部長、入ります。すいませんご心配をお掛けし・・・」

リアス

「ツルギ!」

ツルギ

「部、部長?」

 

ツルギが扉を開けて中に入りながら心配を掛けてしまった事を謝ろうとした時、リアスが涙を流しながらツルギに胸に飛び込み抱き付いてきた。

 

一星

「なぁーーーーーー!部長!」

朱乃

「あらあら部長ったら大胆ですね。」

木場

「それだけツルギ君が心配だったんだね。」

小猫

「良かったです。ツルギ先輩が無事で安心しました。」

 

一星以外はツルギの無事とリアスの喜びから抱き付いた事を納得したが、大好きなツルギにリアスから抱き付いた事に一星は焦りと驚きで愕然としていた。

 

リアス

「ごめんないツルギ私は、大切な友人を見捨てる最低な女だわ!」

ツルギ

「自分を責めないでください部長、俺も部長と同じ立場で昨日のような状況になれば同じ判断をしました。下手をすれば全員が命を落としていた可能性もある。」

リアス

「それでも!・・・それでも私が貴方とアーシアさんを置き去りにしたのは事実よ。貴方は私にとって始めて出来た男の子の友人で気兼ね無く話せて笑い合える特別な存在、貴方を失いたく無いのにあの時の私は”大丈夫“って貴方の言葉に頷くことしか出来なかった!」

 

顔を上げたリアスは涙から目尻が赤くなっていた。

 

リアス

「バイサー討伐も昨日の事も私は貴方に護られてばかりだった・・・貴方はとても頼り甲斐があって優しくて素敵な存在、そんな貴方に私は色々な物を見せて貰ったり体験させて貰ったわ。なのに私は貴方に何も返せて無い、助けるどころか助けられてばかり!頭では分かっていても心が苦しくて・・・自分が嫌になるわ。」

 

ツルギとアーシアを連れてジャンプすることが出来ない以上、今の自分には2人が無事にあの状況を切り抜ける事を信じることしか出来い・・・昨日のことを頭では理解しツルギを信じ最善の行動をしたと理解しても、”一緒に2人も連れて行きたい“、”大切なツルギを見捨てることなんて出来ない“そう思う心を押し込み2人をあの場に置き去りにしてしまった事がリアスの心に深い傷を残し悲しみとなって燻ってしまっていた。

 

それを理解しているツルギは・・・

 

ツルギ

「分かっていますからリアスさんの辛い気持ちも部長としてやらなければならない覚悟も全部、だから・・・今は辛い気持ちを吐き出して下さい。俺の胸を貸しますから。」

リアス

「ツルギ・・・ウウッ、ウヮァーーーーーーごめんなさいツルギ!本当にごめんない。私は友人失格だわ!」

ツルギ

「俺もリアスさんに心配を掛けたから、お互い様ですよ。」

リアス

「違うわ!私の方が貴方にばっかり頼ってしまっていたの、ごめんない護られてばかりで!」

ツルギ

「俺にとってもリアスさんは大切な人です。だから・・・俺は此れからも貴女を護りますから。」

リアス

「ウヮーーーーーーーーーー!」

 

リアスは泣き崩れように暫くツルギの胸の中で涙を流しながら声を上げて泣いた・・・暫くして泣き止んだリアスはツルギに渡されたハンカチで涙を拭き、彼の手を取り立ち上がった。

 

リアス

「ありがとうツルギ、こんなに制服を濡らしてしまってごめんなさい。」

ツルギ

「気にしないで下さい部長。それと改めて心配を掛けて申し訳ありませんでした。」

リアス

「本当に良かったわ貴方が無事で・・・一星からの連絡が来るまで最悪の事が、ツルギが死んでしまったかもしれない予感が頭から離れなかったわ。」

ツルギ

「一星に言いましたが俺は約束は必ず守ります。なんてったって俺は伝説の救世主なんですから部長。」

リアス

「ふふ、そうねツルギは伝説の救世主だものね・・・此れからも私のそばにいてくれるツルギ。」

ツルギ

「勿論ですよ部長。さっきも言ったじゃないですか”貴女を護ります“って。」

リアス

「ありがとうツルギ。」

 

2人の話が終わりツルギがリアスに昨日の事を話そうとした時、一星が2人の間に滑り込みツルギの肩を掴み凄い剣幕で話し始めた。

 

一星

「ツ、ツ、ツルギ!さっき部長に言ってた”大切な人”や”此れからも貴女を護ります"って、どういう意味なんだよ!!!」

ツルギ

「いや、それは友人として・・・」

一星

「部長も!”特別な存在“ってどういう事なんですか・・・まさか!部長もツルギの事が!」

 

一星の言葉の意味を理解したリアスは一星の耳元で囁いた。

 

リアス

「今はまだ分からないわ、でも・・・もしかしたらそうなるかもしれないわね一星。」

 

そのリアスの言葉に信じられないと言った表情をする一星。

 

一星

「ま、まさか!部長までもがもしかしたらツルギを!」

ツルギ

「一星、如何した?」

一星

「な、何でもないから大丈夫!ツルギは気にすんな!」

ツルギ

「???」

 

そう言いと一星は小猫の隣に座りブツブツ独り言を言いだした。

 

ツルギ

「何だ一星の奴?部長、さっき何を言ったんですか?」

リアス

「乙女同士の秘密よツルギ。さあ、昼食にしながら何があったが聞かせて頂戴。」

ツルギ

「部長も一星も如何したんだ?」

 

2人の話が気になりながらもツルギは昼食と報告の為に席に着き弁当を広げた。

一星は一ツルギが冗談で言った”一星の弁当ほ本当に無し!“の言葉を受けて泣き出しそうになったが、ちゃんと用意してあると分かると花を咲かせたような笑顔で食べ始めた。

そして昼食をとりながら昨日の別れた後に何があったか、その後は如何やって無事に帰り着いたかまでの話をし終えた。

 

リアス

「なるほど彼女、レイナーレは仲間を人質にされてツルギを襲った。そしてその仲間もレイナーレの為にドーナシークに従うしかない状況なのね。」

朱乃

「そしてドーナシークはその為に3人に逆らえなくする為の首輪をつけられている。不愉快ですわ!」

小猫

「大切な仲間を守る為だったんですね。」

木場

「所でツルギ君。アーシアさんは今は如何しているんだい?」

ツルギ

「アーシアさんなら家で2人の姉さんと一緒にいる。常に2人の内のどちらかと行動してくれと言ってあるし、余り家から出ないように言ってある。」

 

今朝、家から出る時もククルとシルヴァにアーシアの事を頼んでいたツルギ。

 

リアス

「でも大丈夫なの。何かあったら大変よ。」

ツルギ

「大丈夫です。2人共とても頼り甲斐のある姉でしはから、それに俺が救世主だとも知って協力してくれてもいます。現にセイザブラスターのメンテナンスは姉の1人がしてくれてますから。」

一星

「嘘!ククル姉とシルヴァ姉は知ってたのツルギが救世主だって!」

ツルギ

「ああ、すまない一星。俺が2人に一星には話さないでくれと言ったんだ。何かあってお前を巻き込みたく無かったし話すなら俺が話すべきだと思っていたから。」

一星

「気にしてないから大丈夫だぜツルギ。ただし!此れからは隠し事は無しだからね。」

ツルギ

「分かった約束する一星。」

 

一通りの話が纏まった所でリアスが口を開いた。

 

リアス

「ドーナシークはアーシアさんの回復の力、恐らく神器を狙っている可能性があるわ。ツルギ、一星。2人はアーシアさんの側にいることが多いから十分注意して頂戴いつ何処から狙って来るか分からないわ。」

一星

「分かりました部長。アーシアは私達で守ります!」

ツルギ

「俺もカラワーナとミッテルトと約束したからなレイナーレを救うって、必ずドーナシークを倒す。」

リアス

「今はまだ此方かは動けないから慎重にね。朱乃はドーナシークがツルギを狙った理由を調べて、幾らツルギが救世主だからと言って態々狙って来るのが分からないわ。」

朱乃

「分かりました部長。可愛い後輩の為に頑張りますわ。」

リアス

「お願いね。祐斗と小猫は堕天使が拠点にしている場所の調査をお願い、くれぐれも無理はせずに行動して何かあったら直ぐに報告して。」

木場

「分かりました。慎重に行動します部長。」

小猫

「分かりました・・・ツルギ先輩、頑張りましょう。」

ツルギ

「ああ、小猫ちゃん。」

 

行動方針が決まり昼休みが終了のチャイムがなったので、一先ずツルギは暫く放課後は直ぐに自宅に戻りアーシアの側にいることリアスに指示されて昼休みは解散した。

 

指示通りに放課後直ぐに自宅に戻ったツルギは自宅にいたククルとシルヴァに気分転換を兼ねてアーシアと買い物に出かけると言って出かけた。

商店街のお店の店員さん達に直ぐに人気者になったアーシアは笑顔を見せて楽しい時間を過ごし、今はちょうど帰路についていた。

 

ツルギ

「アーシア大丈夫か?荷物は重くないか?」

アーシア

「大丈夫ですツルギさん。お世話になっていますから、これぐらいの手伝いはさせて下さい。」

ツルギ

「ありがとう。少し其処の公園で休んで行こうか。」

アーシア

「はいツルギさん。」

 

2人で公園の中心にある噴水のベンチに向かっていると、其処には既に先客がいた。

 

アーシア

「あ!レイナーレ様!」

レイナーレ

「アーシア!それに炎ツルギ!」

ツルギ

「レイナーレ・・・何故此処に?」

 

夕焼けの光に伸びる3人の影・・・予期せぬ再開が新たしい未来の可能性を開く。




はい、第8話は如何でしたか?

今回はリアスメインでお送りしました。

まだ、恋愛感情には発展してませんが行く行くは何・・・今はまだ友人止まりです。

最後にはレイナーレも登場しましたね。彼女やカラワーナとミッテルトがどうなるのかは後少しで分かります。

では、第9話でお会いしましょう。


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第9話 陰謀に仕組まれた巧妙な罠、舞い上がる鷲座の救世主

はい、第9話です。

今回で4人目の救世主の登場です。

レイナーレやカラワーナにミッテルト、更にはアーシアがどうなるか第1章も後僅かです。

スーパールパンレッドの先読みの力にはビックリしたと同時にそんなのアリかと一緒思いましたが、カッコイイなら良いかと最終的に納得しました。

では、第9話をどうぞ。


第9話 陰謀に仕組まれた巧妙な罠、舞い上がる鷲座の救世主

 

 

公園で天野 夕麻としてベンチに座っていたレイナーレは予期せぬ再開に動揺していた。

 

レイナーレ

「炎ツルギ!この前は仕留め損なったが今日は逃さないわ・・・貴様は此処で殺す!」

アーシア

「やめて下さいレイナーレ様!レイナーレ様は行き場を無くした私の側にいて何時も励まして下さったお優しい方です。ですが・・・ですが、もう嘘を付いて自分の心を偽るのはやめて下さい!」

レイナーレ

「何を言っているのかしらアーシア・・・私は炎ツルギを始末する事が望みで・・・」

アーシア

「嘘です!ツルギさんに正体を明かした日の夜・・・レイナーレ様がツルギさんの名前を言いながら泣いていたのを私は見ました。」

レイナーレ

「そ、それは・・・」

 

正体を明かした日の夜・・・何時も夜に話をして励ましてくれるレイナーレがその日は部屋に来ない事に疑問に思ったアーシアが彼女の部屋の様子を見に行った時、彼女はヘッドの上に座り左手首のお揃いのブレスレットを握り締めながらツルギの名前を呼びながら泣いていたのをアーシアは見ていた。

 

ツルギ

「もう無理はしなくて良いレイナーレ。事情はカラワーナとミッテルトの2人から聞いてた。2人を人質にされて俺を狙ったのも、逆らえない様にその首輪を付けさせられているのも分かってる。」

レイナーレ

「カラワーナとミッテルトが!ツルギ君!2人は、2人は無事なの!」

ツルギ

「大丈夫、2人とも君の事を心配していたよ。2人もその首輪を付けさせられた上に、君を人質にしてドーナシークは逆らえなようさせられているんだ。その証拠にアーシアを助けた時に2人を首輪で痛め付けて俺を殺す様に命令していた!」

アーシア

「私もその場にツルギさんと一緒だったので見ていました。」

レイナーレ

「そんな!ドーナシークは私が命令を聞けば2人には一切手は出さないと約束したのに、私の知らない所でそんな・・・」

ツルギ

「話してくれレイナーレ。何があって何故こうなったのか。」

レイナーレ

「・・・分かったわツルギ君。」

 

レイナーレの話を聞くと・・・以前のドーナシークは紳士的で彼女や仲間の事を大切にしている男だったのだか、それが数ヶ月前に突然人が変わった様に変貌しレイナーレ達にツルギを始末するように命令した。

理由を聞いても答えず逆らうなら痛め付けなどの行動を取るようになり更には、目的は不明だがアーシアをこの街に呼び寄せて何かを行おうとしているらしい。

その目的とツルギの始末の為に手段を選ばなくなったドーナシークは命令を聞かないレイナーレをカラワーナとミッテルトをから引き離し全く接触出来ないようにし、2人の命と安全を約束に自分の命令通りに動けと彼女に命令して来たのだった。

 

ツルギ

「そうだったのか・・・奴の目的は一体何だ?」

レイナーレ

「分からないわ、でも私はツルギ君を殺す事なんて出来ない。確かに最初は命令で近づいたけど私は・・・私はいつの間にかツルギ君の事が本当に大好きになってた!」

アーシア

「レイナーレ様。」

レイナーレ

「私を気遣ってくれる優しさも、何も聞かずに励ましてくれる所も、正体や目的を明かした時も私の痛みや苦しみに正面から向き合ってくれる強い所も・・・全部好き愛してる!出来るなら、またあの時みたいにツルギ君とデートしたい。普通の1人の女として貴方と一緒にいた!」

ツルギ

「レイナーレ・・・」

 

涙を流し感情のまま胸の内を明かすレイナーレ・・・大切にしたい日常を失いたくない悲しみから震える彼女をツルギは抱きしめた。

 

レイナーレ

「ツ、ツルギ君!」

ツルギ

「全部話してくれてありがとうレイナーレ約束する。必ず俺がカラワーナとミッテルトを助けて君の笑顔を取り戻す!だから・・・その時はまたデートしょう。このブレスレットを付けてね。」

レイナーレ

「ツルギ君!そのブレスレットまだ付けててくれたんだ。嬉しい・・・私もあの時からずっと身につけてた・・・このブレスレット。」

 

彼女の夕麻としての服のめくられた袖の下にはあの日ツルギから渡されたペアブレスレットが今でも身につけられていた。

 

ツルギ

「レイナーレ!君もそのブレスレット、まだ付けててくれてたんだ。」

レイナーレ

「貴方を忘れる為に捨てようとも思った・・・でも捨てられなかった。大切な貴方からプレゼントだから此れだけはどうしても。」

ツルギ

「ありがとうレイナーレ・・・さあ!事情は把握したんだ。カラワーナとミッテルトを助ける為に協力してくれレイナーレ。」

レイナーレ

「分かったわツルギ君、それとアーシアごめんなさい。貴方にも心配を掛けてしまって。」

アーシア

「気にしないで下さいレイナーレ様。私も微力ですが協力します。」

レイナーレ

「ありがとうアーシア・・・ツルギ君も本当にありがとう。私の仲間も助ける為に貴方の力を貸して!」

ツルギ

「聞くまでもないさ!必ず2人を助けよう。ところでドーナシークはどこを拠点にして・・・」

ドーナシーク

「どこに消えたかと思えば、こんな所にいたかレイナーレ。」

ツルギ

「ドーナシーク!」

 

ドーナシークの拠点にしている場所を聞こうとした時、黒き羽を広げながらドーナシークが現れた。

 

ドーナシーク

「貴様を探して来てみればアーシアまでいるとは好都合だ。レイナーレ、アーシアを連れて此方に来い!」

レイナーレ

「お断りよドーナシーク!貴方の命令には2度と従わないわ!」

ドーナシーク

「貴様!カラワーナとミッテルトの安全は保証していると言ったはずだが?」

ツルギ

「無駄だドーナシーク!お前が約束を破り彼女を利用している事は既に分かっているぞ!」

アーシア

「そうです!貴方がレイナーレ様がしている首輪をカラワーナ様とミッテルト様が付けているのを私もあの日に見ています!」

レイナーレ

「教えなさい!2人は今どこにいるの!」

ドーナシーク

「そんなに会いたいのなら合わせてやる。」

 

ドーナシークが指を鳴らすと後ろにカラワーナとミッテルトが現れた。

 

レイナーレ

「カラワーナ!ミッテルト!」

カラワーナ

「レイナーレ様!」

ミッテルト

「レイナーレ姉様!」

レイナーレ

「良かった2人とも無事で!」

ミッテルト

「来たら駄目っす!姉様!」

 

ミッテルトが叫んだ時、ミッテルトの意思とは関係なく左手から光力の槍をレイナーレの足元に投げて来た!

 

レイナーレ

「ミッテルト!」

ツルギ

「ドーナシーク貴様!カラワーナとミッテルトに一体何をした!」

ドーナシーク

「大した事ではない。此奴等があの時に貴様を逃したので、体を私の意思で動かせる様にしただけだ。」

ツルギ

「何だと!2人とも大丈夫か?」

カラワーナ

「すまない炎ツルギ。我々の力でどうにも出来ない。」

ミッテルト

「体が言うこと聞かないっす!」

 

2人は体を動かそうとするが全く微動だにしない。

 

アーシア

「酷い!なんて事を。」

レイナーレ

「2人を今すぐ解放しなさいドーナシーク!」

ドーナシーク

「ならアーシアを連れて此方に来い。そうすれば2人を解放してやろう。」

ツルギ

「そんな嘘が信じられると思っているのか!此処で今、俺がお前を倒す!」

ドーナシーク

「今は貴様に構っていられんのだよ炎ツルギ・・・それに切り札は最後まで取って置くものなのだよ。」

 

再び指を鳴らすドーナシークすると・・・

 

レイナーレ

「ツ、ツルギ君。」

ツルギ

「どうしたんだレイナーレ・・・!」

 

振り返ったツルギの目に飛び込んで来たのは・・・アーシアに槍を突き付けているレイナーレの姿だった。

 

ツルギ

「レイナーレ・・・何をしてるんだ!」

レイナーレ

「ち、違うのツルギ君!体が勝手に!」

ツルギ

「まさか!3人の体を操っている物は!」

ドーナシーク

「気がついた様だな・・・そうだ!此奴の付けた首輪で体を操っているのだよ。」

 

3人の体を操っていた物の正体は、彼女達に付けられた首輪はだったのだ。

 

ドーナシーク

「今回は貴様に用は無い・・・そこから1歩も動くな炎ツルギ!動けば私の意思1つでレイナーレにアーシアを殺させる。レイナーレ、アーシアを連れて来い!」

 

命令するとレイナーレはアーシアを抱えるとドーナシークの側に飛び上がった。

 

レイナーレ

「ツルギ君!」

アーシア

「ツルギさん!」

ツルギ

「レイナーレ!アーシア!何処まで卑怯なんだドーナシーク!」

ドーナシーク

「どう言われようが構いわしない、カラワーナ、ミッテルト、やれ!」

 

命令すると2人は抵抗するが槍をツルギの足元に投げた。

 

爆発の煙が晴れた先にはレイナーレとアーシアもドーナシークの姿すら無かった。

 

ククル

「ツルギ!大丈夫?」

シルヴァ

「帰りが遅いから嫌な予感がして来てみたが・・・アーシアは!」

ツルギ

「ドーナシークーーーーーーー!!!」

 

目の前にしながら4人を助けられなかった不甲斐なさにツルギは、怒りを爆発させる叫びが静まり返った公園に木霊した。

 

 

あの後ツルギは起こった事を報告する為に部室に立ち寄っていた。

 

ツルギ

「爆煙が晴れた先には誰も居ませんでした。」

リアス

「分かったわツルギ。アレだけ貴方を狙っていたのに・・・それ以上の目的って一体何企んでいるの。」

ツルギ

「分かりません・・・一星すまない!アーシアを守れないどころか攫われてしまって。」

一星

「ツルギが悪いんじゃ無い!悪いのはドーナシークの方だし、体を操ったりアーシアを人質にしたりして!」

 

部室内が重苦しい雰囲気になり始めた時、朱乃が入って来た。

 

朱乃

「部長!堕天使の潜伏している場所が分かりました。以前に2人がアーシアさんを送った街外れの教会です。」

 

それを聞いた一星とツルギが部室から出て行こうとするのをリアスが止めた。

 

リアス

「2人とも待ちなさい!一体何処に行くつもり。」

一星

「決まってます!教会にアーシアを助けに行きます!」

リアス

「駄目よ!悪魔である一星の行動が天使や堕天使との関係に多大な影響を及ぼすのよ!それにツルギも、ドーナシークは貴方が来る事を読んで待ち構えている筈よ。そんな中に飛び込むつもりなの!」

ツルギ

「・・・」

一星

「でもアーシアは友達なんです!行かせて下さい部長!」

リアス

「絶対に駄目よ!一星は裕斗と小猫と待機よ!分かったわね!」

一星

「クッ・・・分かりました。部長。」

ツルギ

「・・・俺は4人を救う為に行きます!」

リアス

「駄目ーーーーーー!!!」

 

部室から出て行こうとするツルギの前に回り込むとリアスは彼を押し倒した。

 

リアス

「何で私の気持ちを分かってくれないの!私は大切な貴方に死んでほしく無い、私には貴方が必要なのだから行かないで頂戴お願いよ!」

ツルギ

「すいません部長・・・部長のお願いでもそれは聞けません!」

リアス

「何故!命を落とすかもしれないのに行こうとするの!」

ツルギ

「約束したからです・・・アーシアには必ず守ると、レイナーレには笑顔を取り戻すと、カラワーナとミッテルトにはレイナーレを助けて2人も救うと、その約束を守ると俺が約束したんです!だから行かないといけないんです!」

リアス

「約束・・・」

ツルギ

「それだけじゃありません・・・俺はキュータマに選ばれた救世主なんです。その使命は心無き者から命の未来と希望を護ること!ドーナシークは4人からそれを奪おうとしている。だから、俺が救世主としてドーナシークを倒さないといけないんです!・・・二度と大切な存在を死なせるものか。」

リアス

「ツルギ今なんて言って、待ちなさい!ツルギ!ツルギーーー!」

 

最後に消え入りそうな言葉を言ったツルギはリアスの制止も聞かずに飛び出していった

 

その後リアスは一星にポーンの駒の説明とプロモーションの説明をして急な用が出来たと言って裕斗に後を任せると部室から朱乃と一緒に出て行った。

 

木場

「行くのかい一星さん?」

一星

「何と言われても私は行くから木場!絶対にアーシアを助けるだから・・・」

木場

「僕も一緒に行くよ。」

小猫

「私も行きます。一星先輩。」

一星

「え?どう言うこと。何で2人も一緒に。」

 

部長には何か考えがある事を察していた裕斗はその意図を一星に説明した。一星がそれを納得した所で出発する事になったのだが。

 

小猫

「さっきのツルギ先輩の表情・・・とても悲しそうでした。」

木場

「そうだね。彼のあんな顔は始めてだ。」

一星

「私も長い付き合いだけど・・・ツルギ、どうしたんだよ。」

 

一瞬見せたツルギの表情が3人の頭から離れなかった。

 

 

部室を出たツルギはドーナシークの拠点の教会の裏の林の中を歩いていた。

 

ツルギ

「もう少しで教会だな・・・部長には悪い事をしたな。謝って済む問題じゃ無いな、下手したら友人じゃ無くなるかな。」

リアス

「そう思うのなら私の言う事を聞いて欲しいのだけど。」

ツルギ

「すいません部長。でも俺は・・・ん?」

朱乃

「そうですわ。ツルギ君はリアスの友人であると同時に私の友人でもあるのですから、あまり心配をかけるのは感心しませんわ。」

ツルギ

「ウヮーーー!部長!それに朱乃さんまで!」

 

教会に踏み込もうとしたツルギは聞こえるはずない声に違和感を感じて振り返ると、其処には少し不貞腐れしまっているリアスと何時もの優しい笑顔を向けた朱乃がいた。

 

ツルギ

「何で2人が此処に居るんですか?」

リアス

「貴方が心配だからに決まっているでしょう!友人を心配させるなんて・・・本当に馬鹿なんだから、今度私のお願いを聞いてくれないと本当に友人を辞めてしまうわよ!」

ツルギ

「リアスさん・・・ありがとうございます!何でも言ってください俺に出来ることなら何でもしますから。」

朱乃

「あらあら、なら私のお願いも聞いてくれると言う事ですねツルギ君。」

ツルギ

「え!朱乃さんのお願いもですか?いや〜〜〜部長には無理を言って飛び出したんで分かるんですけど・・・」

朱乃

「酷いですわツルギ君・・・私は友人と思っていたのにツルギ君は違うのですね。だから私のお願いは聞いてもらえないんですね。」

ツルギ

「分かりました!分かりましたから。意地の悪い事を言わないで下さい朱乃さん!」

 

3人の会話が少し賑やかになり始めた時に2つの影が3人を覆った。

 

ツルギ

「カラワーナ!ミッテルト!」

カラワーナ

「逃げろ炎ツルギ!まだ私達の体はドーナシークに操られている!」

ミッテルト

「私達の事は遠慮せずに倒すっす!そしてレイナーレ姉様を!」

ツルギ

「約束しただろ2人とも!レイナーレだけじゃ無く2人の事も必ず救うと、だからそんな事は言わずに俺を信じろ!」

 

そう言ってツルギはキューバックルからピンク色に鷲が描かれたキュータマを取り出し、装着していたセイザブラスターにセットした。

 

『ワシキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

何時ものようにトリガーを引き鷲の星座が通り過ぎると、ピンクのアンダースーツに背中にある翼と右手にキューザウェポンのグリップ部分の武器キューショットを持った救世主。

 

ツルギ

「スピードスター!ワシピンク!」

 

鷲座の力を持つ救世主、ワシピンクにチェンジした。

 

リアス

「鷲座の救世主!」

朱乃

「スピードスターですか、中々言い当てていますね。」

カラワーナ

「ワシピンク?」

ミッテルト

「カ、カッコいいっす!凄いっす!」

 

キューショットを構えたツルギは・・・

 

ツルギ

「鷲座の如く飛翔する!」

 

背中の翼を広げて飛び上がった!

 

2人の・・・未来と希望を護る為に。

 

 

 

 

 




はい、第9話は如何でしたか。

今回はワシピンクを出しました。

第1章も後僅かですがオリジナルキュウレンジャーも後少ししたら出します。

変身するのは分かってしまうかもしれませんね。ツルギの家族の出番が少ないですから。

では、第10話でお会いしまう。


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第10話 2人の心と戒めからの救い、ハプニング?と5人目の救世主

はい、第10話です。

第1章も最後の佳境に突入です。

今回は新しいキュータマ4種とオリジナルキュータマ1種の登場です。

分かる人には、3つのスキルキュータマがあの場面で使っていたなと思いだすと思います。

では、第10話をどうぞ。


第10話 2人の心と戒めからの救い、ハプニング?と5人目の救世主

 

 

ワシピンクにスターチェンジしたツルギはカラワーナとミッテルトをドーナシークの呪縛から解放する為、翼を広げて2人の場所まで飛び上がった。

 

ツルギ

「2人とも待ってろ!必ず助けるからな!」

カラワーナ

「私達に構うなと言ってるだろ炎ツルギ!早くレイナーレ様を!」

ミッテルト

「そっすツルギ!私達はレイナーレ姉様が無事ならそれで!」

ツルギ

「何を言っているんだ!2人がレイナーレに無事でいて欲しいのと同じ様に、レイナーレも2人に無事でいて欲しいんだ。レイナーレもそうだが2人も嘘を付いて自分の気持ちを誤魔化すな!2人はレイナーレと共に生きたくないのか!」

カラワーナ

「それは・・・グッ!」

 

ツルギの言葉にカラワーナが顔を俯かせた時、操られている2人の体が光力の槍を構えてツルギに突っ込んできた。それを空中で受け止めるツルギ、その瞳に映るミッテルトの表情は涙が溢れてクシャクシャになっていた。

 

ミッテルト

「うちは生きたい・・・うちは生きたいっす!此れからも大好きな姉様と一緒に居たいっす!だから・・・だから、ツルギ。お願い・・・助けて!!!」

カラワーナ

「・・・私もだ。私は此れからもあの方と共にありたい、我々を大切に思って下さっているレイナーレ様と!だから頼む炎ツルギ。」

ツルギ

「やっと本音を話したな2人とも・・・心配するな!必ず救いだしてやるからな。もう少しだけ我慢してくれよ!」

 

力強く頷いたツルギは2人から距離を取る為に更に上空に飛び上がった。

 

リアス

「ツルギ!」

朱乃

「大丈夫よリアス、ツルギ君は約束を必ず守る男の子。この前も”無事に帰ってくる“と言って帰って来たじゃない。部長であり友人でもある貴女が信じないで如何するの。」

リアス

「そうよね朱乃、ツルギなら大丈夫よね・・・信じてるわよツルギ。」

 

ツルギが消えていった空をリアスと朱乃はずっと見上げていた。

 

 

星々の光が散りばめられた夜空を背景に飛び交う3人、ツルギは2人に追われながらも助ける方法を思案していた。

 

ツルギ

「2人に付けられた首輪を外せばきっと助けられる筈だ。その為には先ず2人の動きを止めないといけないが・・・カラワーナもミッテルト飛ぶの早すぎないか?」

カラワーナ

「我々にとっては此れが普通だ!」

ミッテルト

「ツルギ!早く何とかして欲しいっす!」

ツルギ

「なら・・・先ずは此れから行くか!」

 

ツルギはスピードを上げながら距離を取ると、バックルからアンドロメダキュータマを取り出してブラスターにセットした。

 

『アンドロメダキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!」

 

ツルギ

「此れで動きを止める!ハァ!」

 

トリガーが引かれブラスターの銃口からアンドロメダの星座が現れると、キューエナジーで出来た鎖が現れて2人の体に巻き付いた。

 

カラワーナ

「此の鎖で私達の動きを止めるという事だな!」

ミッテルト

「やった動きが止まったっす!ツルギ今の内っす!」

ツルギ

「よし!行くぞミッテルト!」

 

一気に反転してミッテルトに近づくとツルギは首輪に手を掛けて外そうとするが掴んだ瞬間、ツルギとミッテルトの体に電撃が走った。

 

ツルギ

「グッ!無理矢理外そうとすると電撃が走るのか!ミッテルト、ここは別の手で。」

ミッテルト

「こんな痛みレイナーレ姉様の痛みに比べたら全然平気っす!だからツルギ、このまま首輪を外して欲しいっす!」

ツルギ

「ガッ!分かったミッテルト。少し我慢してくれ!グゥ〜〜〜〜〜〜ダァーーーーー!」

 

電撃の痛みに2人で耐えながらツルギは首輪を握る手に更に力を入れた。すると合わせ目から少しずつ亀裂が入り気合いと共に左右に引っ張ると首輪は2つに割れ音を立てて崩れ去った。

 

ツルギ

「ミッテルト!よく頑張ったな。大丈夫か?」

ミッテルト

「ツルギありがとう!ちょっとまだ痺れてるけど此れぐらい大した事ないっす。うちはやれば出来る子っすよ!」

 

痛みから解放され倒れ込みそうになるミッテルトを抱きかかえ無事なことに安堵し頭を撫でるツルギ、体を支えて貰いながらニッコリとした笑顔で答え頭を撫でられているミッテルト。

 

ツルギ

「よし!次はカラワーナの首輪を。」

ミッテルト

「ツ、ツルギ!カラワーナの鎖が!」

カラワーナ

「済まない!もう鎖が持ちそうにない!」

 

カラワーナの方を見ると、彼女に巻き付いていた鎖は操られている体が引き千切ろうとして至る所に亀裂が入り今にも弾け飛びそうになっていた。

 

ツルギ

「ならもう1度アンドロメダキュータマの力で。」

ミッテルト

「ツルギ。カラワーナは元々身体能力が高いっす!多分また鎖で動きを止めてもさっき見たいに時間を掛ける間にまた鎖を切られちゃうっす!」

ツルギ

「クソ!なら如何すれば・・・そうだ!ミッテルト、まだ体にダメージがあるのは分かってる。だけど頼む俺に協力してくれ、カラワーナを助けるにはミッテルトの力が必要なんだ!」

ミッテルト

「うちの力が必要・・・分かった!何をすればいいっすかツルギ。」

ツルギ

「少しの間で良いからカラワーナの動きを牽制してくれ。一瞬でもスキが出来れば俺が首輪を破壊できる。」

ミッテルト

「動きを牽制する・・・分かったやってみるっす!」

 

ツルギが指示を出し終えたと同時に鎖が弾け飛んび、カラワーナが槍を投げてきた。

 

カラワーナ

「2人とも避けろ!」

ツルギ

「ミッテルト頼むぞ!」

ミッテルト

「分かったっす!カラワーナちょっと間、私が相手っす!」

 

そう言うとミッテルトは槍を握りしめ突っ込んでくるカラワーナの槍をトリッキーな動きで躱していき、暫くして2人の槍がぶつかり合った。

 

カラワーナ

「ミッテルト遠慮せずには攻撃しろ!多少の怪我など大した事ない。」

ミッテルト

「なら、そうさせて貰・・・って!ツルギは何処に行ったっすか!」

カラワーナ

「何!炎ツルギは一体何処に?」

ツルギ

「此処だよ!」

 

ツルギの声がミッテルトの頭上後方からしたので2人が視線を其方に向けると・・・何も居ないはずの空に突然ツルギが現れたのだ。

ツルギは2人が斬り結んだ瞬間にコギツネキュータマを使って姿を消し、カラワーナの首輪だけを狙い撃てるポイントに待機しチャンスを伺って居たのだ。

 

ツルギ

「カラワーナ!今、助けるぞ!」

 

ツルギはセットしていたコギツネキュータマを外し新たに持っていたボウエンキョウキュータマはブラスターにセットした。

 

『ボウエンキョウキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

現れたボウエンキョウ座の星が纏まりツルギの前にスコープの様な物が現れた。それに映し出されたマーカーがカラワーナの首輪を捉えた時、キューショットにワシキュータマをセットするツルギ。

 

『ギャラクシー!』

 

キューショットにピンク色の光が集まり輝きが最高潮に達した時、ツルギはトリガーを引き技を放った。

 

ツルギ

「アルタイルインパクト!」

 

真っ直ぐ正確に放たれたアルタイルインパクトはカラワーナの首輪のベルト部分のみに擦り通り過ぎた。すると、カラワーナの首から今まで彼女を苦しめていた首輪のみが真下の森の中に落ちて行った。

 

カラワーナ

「は、外れた・・・外れたのか首輪が?」

ツルギ

「ああ、もう大丈夫だカラワーナ。此れでドーナシークに従う必要は無い!」

 

漸く戒めの首輪から解放されたと分かった2人は喜びから互いに抱き締め合った。

 

ミッテルト

「やったっす!やったっすよカラワーナ!ウチら此れでレイナーレ姉様を助けに行けるっす!」

カラワーナ

「ああ、そうだなミッテルト・・・炎ツルギ、改めてありがとう。お前が居なければ私達はずっとレイナーレ様に心配を掛けて、お助けすることも出来なかった。本当に感謝する!」

ツルギ

「約束したからなレイナーレに・・・必ず2人を助けるってな。」

ミッテルト

「ツルギ!本当にありがとうっす!」

カラワーナ

「こらミッテルト!恩人の炎ツルギに何を抱き付いている!」

ツルギ

「まあまあカラワーナ。大丈夫だから、一旦下に降りよう。」

カラワーナ

「分かった。」

 

頷いたカラワーナと首に抱き付いたままのミッテルトを連れてツルギはリアスと朱乃の所に一旦戻る事にした。

 

 

朱乃

「お疲れ様でしたツルギ君。如何やら2人とも無事に助けられた見たいですね。」

ツルギ

「はい、朱乃さん。ご心配をお掛けしました・・・あの、所で何で部長はそんなに不機嫌そうな顔をしているんですか?」

朱乃

「ふふ、それはですね。」

 

朱乃が説明する前にリアスはツルギに近づき・・・抱き付いているミッテルトに視線を向けた。

 

リアス

「確かミッテルトって言ったわね・・・何故貴女がツルギに抱き付いているのかしら!」

ツルギ

「うちツルギの事が好きになったっす!だから抱き付いているっす。」

リアス

「駄目よ!ツルギは私の大切な部員よ。だから抱き締めていいのは部長の私だけなの!」

ミッテルト

「嫌っす!絶対離れないっす!ほらカラワーナもツルギに抱き付くっす!そうすれば1対2になるっす!」

カラワーナ

「いや、私は・・・」

リアス

「それにそんな事を言って良いのかしら?貴女たちのレイナーレは一応ツルギに告白して好意を持っているのを忘れたの。」

ミッテルト

「まだ友人って関係っす!それに、そうなったらレイナーレ姉様とカラワーナと一緒にツルギを愛するっす!」

リアス

「なぁ!」

 

ミッテルトからの衝撃発言に思わず後ずさるリアス

 

カラワーナ

「こらミッテルト!何故そこで私まで混ざっているんだ!私は別に炎ツルギの事は・・・」

ミッテルト

「ツルギの事、嫌いっすかカラワーナ?」

カラワーナ

「いや、その〜〜〜嫌いでは無いが。むしろ私も炎ツルギの事が・・・あ〜〜〜〜〜〜!何を言っているのだ私は!」

リアス

「むぅ〜〜〜〜〜〜〜〜!ツルギ!」

ツルギ

「何でそこで矛先が俺に向くんですか部長!」

 

リアスに詰め寄られてたじろぐツルギ。

 

リアス

「貴方にとって大切な存在は私よねツルギ!前に私にそう言ってくれたわよね!」

ミッテルト

「そんな事ないっすよねツルギ!このプリティーなミッテルトちゃんと大人な魅力のカラワーナ、そして優しくて綺麗なレイナーレ姉様の方がいいっすよね!」

ツルギ

「ミッテルトも部長も落ち着いてくれ!今はレイナーレとアーシアを助ける事が優先だ!」

リアス

「ハッ!そうね。今は先ず2人を救う事が優先ね。」

ミッテルト

「そうっす!早く姉様を助けに行かないと!」

 

状況を思い出したリアスは冷静になり、ミッテルトはツルギから離れた。

 

朱乃

「ツルギ君、急ぎましょう。今頃、一星ちゃん達も教会の中に入っている筈ですわ。」

ツルギ

「一星達が!なら急がないといけないが、その前に。」

 

変身を解除したツルギはまた別のキュータマを取り出しセットした。

 

『アクエリアスキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

放たれたアクエリアスの星座がカラワーナとミッテルトの頭上で弾けると、青い光のシャワーとなって降り注ぎ2人の傷を一瞬で治した。

 

カラワーナ

「此れは凄い!傷が一瞬で治った上に。」

ミッテルト

「疲れも一気に吹き飛んだっす!」

ツルギ

「アクエリアスキュータマ。怪我や傷を治したり出来る、水瓶座の癒しの力だ。カラワーナ、教会まで案内してくれ!」

カラワーナ

「分かった。コッチだ!」

 

カラワーナに先導されて教会に急ぐツルギ達、暫くして林を抜けた先に教会の入り口を発見し勢いそのままに中に入ると。

 

一星

「ツルギ!それに部長!朱乃さん!」

木場

「お待ちしてました部長!それにツルギ君もね。」

小猫

「タイミングバッチリです。ツルギ先輩。」

フリード

「あらら?誰かと思ったら。カラワーナの姉さんにミッテルトのお嬢ちゃん。それに此奴等の主人のグレモリーの当主様と素敵な殺気のお姉さん!そして・・・この前、随分と世話になったクソ餓鬼じゃねぇかーーーーーーー!!!」

 

其処には臨戦態勢を整えた一星・木場・小猫に、逝かれた神父ことフリードがいた。

 

ツルギ

「待たせたな一星・・・遅れて悪かった。」

一星

「そんな事ないって・・・彼女の仲間、助けられたんだ。」

ツルギ

「ああ、バッチリな!」

 

カラワーナとミッテルトを見て笑顔を向ける一星。

 

フリード

「カラワーナ姉さんとミッテルトのお嬢ちゃん。此奴等をこんな所に連れてきて〜〜〜〜あの2人がどうなっても良いのかな?」

カラワーナ

「黙れフリード!私達は必ずレイナーレ様を助ける!」

ミッテルト

「そうっす!だから早く道をあけるっす!」

フリード

「ならしょうがないっすね〜〜〜〜〜〜!あっホイっと。」

 

フリードは掲げた右手の指を鳴らすが・・・

 

フリード

「あら?・・・なんで首輪が反応しないんだよ!」

ツルギ

「2人の首をよく見ろフリード!」

フリード

「ん〜〜〜〜〜〜あっ!首輪がねぇじゃんか!どういう事だよ!」

ツルギ

「ここに来る前に俺が外した。もう2人を操る事も痛めつける事も出来ないぞ!」

 

首輪が無いことに頭に来たフリードは地団駄を踏みながら怒りを露わにした。

 

フリード

「この間と言い今回と言い、本当に邪魔なんだよお前!今日こそキッパリと俺様が地獄に送ってやるよ!」

 

ローブの下から以前と同じ光剣と光銃を取り出し構えるフリード。

 

一星

「なら私達が相手になってやる。木場!小猫ちゃん!行くぜ!」

木場

「ああ、行こうか一星さん!小猫ちゃんも準備は良いかい!」

小猫

「はい大丈夫です。裕斗先輩、一星先輩!」

 

木場は剣を、小猫はグローブを、一星は神器を、それぞれ構えた。

 

ツルギ

「部長。カラワーナとミッテルトをお願いします。俺も一星達と一緒に戦います。」

リアス

「分かったわ。貴方の・・・いえ、貴方達の力を見せてあげなさい!」

ツルギ

「はい!」

 

そう言って一星の隣に歩いて行くツルギ。

 

カラワーナ

「炎ツルギの強さは理解しているが、全員で掛かった方が早く突破出来ると思うが?」

リアス

「この戦いには彼女、一星が成長する上で大切な物がきっとある。だからこそ私達は其れを見守らなければいけないのよ。」

ミッテルト

「成長っすか?そう言えばドーナシークもあの子に少し警戒していた気が?」

朱乃

「其れはきっとこの戦いの後に分かりますわ。」

 

ツルギの後ろ姿を4人は見つめて送り出した。

 

ツルギ

「一星。俺を忘れるな・・・レイナーレは必ず助ける!アーシアの事も必ず、だから俺も一緒に戦うぞ。一星!木場!小猫ちゃん!」

一星

「ああ!行こうぜツルギ!アーシアを助けに!」

木場

「勿論さツルギ君!」

小猫

「一緒に行きましょう!ツルギ先輩!」

ツルギ

「行くぞ!マワスライド!」

 

ツルギは新たな黄色のチェンジキュータマを取り出してブラスターにセットした!

 

『カジキキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!」

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

何時もの変身ポーズから放たれたカジキ座の星々がツルギを通り過ぎると、カジキを模したような角が飛び出たフェイスに黄色のアンダースーツ。キューショットの上に2つに分割する刃のパーツの先端部が合体した武器キュースラッシャーを持った救世主の姿となった!

 

ツルギ

「フードマイスター!カジキイエロー!」

 

まるでコックが味見した後に唇をなぞるようにポーズをとった5人目の救世主、カジキイエローの誕生である!

 

リアス

「5人目の救世主!カジキイエロー!」

朱乃

「・・・あら?何とかスターでは無いのですね?」

カラワーナ

「やはり凄い男だ。炎ツルギ。」

ミッテルト

「今度の姿もカッコイイっすよツルギ!」

フリード

「この前はオレンジかと思ったらグリーンになるし!今度はイエローかよ!一体幾つあるんだよ!」

 

フリードが叫ぶ中。

 

ツルギは右手のキュースラッシャーを回しながら腰の後ろに持って行き、左手を前にかざす様にして言った。

 

ツルギ

「さあ〜味わってもらおうか。俺達のコンビネーションの味わい深さを!」

 

この戦いも残すはアーシアとレイナーレを救うメインデッシュへと突入した。




はい、第10話は如何でしたか?

今回で登場したオリジナルキュータマのアクエリアスキュータマのモチーフは仮面ライダーフォーゼのアクエリアスゾディアーツです。

アクエリアスゾディアーツは劇中で怪我などを治癒していたのと、星座が関係している共通点があったので出してみました。

キュウレンジャーにミズガメキュータマが実際にありますが彼方は水流を発射する物なので、アクエリアスキュータマとは別のキュータマとして設定しています。

この作品の中では同じ星座でも名前と効果を変えたキュータマを今回見たいに出す予定ですので、どうかそこらへんは宜しくお願い致します。

さて次回ではオリジナルのキュウレンジャーを2人出します!

誰がスターチェンジするのかは次回で分かりますが、勘の鋭い方な分かるかもしれませんね。

では次回、第11話でお会いしまう。


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第11話 フリードとの前哨戦、救え!新たな救世主達よ!

はい、第11話です。

年末の仕事の増加の為に暫く投稿が少し遅れるかもしれません。なるべく予定したペースで投稿しますが、そこの所はご了承下さい。

今回は遂にドーナシークに付いて判明します。更に前回の後書きに書きましたが、オリジナルキュウレンジャーを出します。

お楽しみに。

では、第11話をどうぞ。




第11話 フリードとの前哨戦、救え!新たな救世主達よ!

 

 

フリード

「何が”味わってもらおうか“だ〜〜〜!さっさと此の俺しゃまの手に掛かって死んじゃって〜〜下さいな〜〜哀れな救世主様よ!」

ツルギ

「俺たちはアーシアとレイナーレを救いに行く!だから、そこを通して貰うぞフリード!」

 

キュースラッシャーを握る手に力を込めたツルギは一気に駆け出し其れに対抗してフリードも切り掛かろうと光剣の刃を出して走り出す。2人の距離がどんどんと縮まって行き先に間合いに入ってたフリードの光剣が先に振るわれた。

其れをスラッシャーで受け止めて刃の部分を這わせる様にして反らしながらガラ空きとなっている脇を狙おうとスラッシャーを横に振り抜こうとするが、即座に反応したフリードは反対に持っていた光銃でツルギの一撃を受け止めながら後ろに飛びながら直ぐに切り返してくる。

ツルギも首を目掛けて振り下ろされ光剣を体を後ろ反らしながら首を下げ反らした勢いを乗せたサマーソルトキックを振り下ろした直後に空中で動きが制限されたボディ目掛けて放ったが、そのキックを蹴り返しながら距離を取るに空中回転しながら着地するフリード。

フリード

「クソが!一体どんな反応速度してんだよ!俺に掛かればどんな奴でも”ハイ、此れよ”だったのによ〜〜〜!」

リアス

「やはりツルギは凄いわ!」

 

唾を吐きながら左手で首を横に撫でる様にしながら、”首が飛んでいた”と表すフリード。

 

フリード

「お陰で俺様の皆殺し連勝記録がストップしちまったじゃねぇかーーー!」

ツルギ

「悪いが俺は簡単に殺されてやる程甘い男じゃ無いんでな・・・それより、お前の相手は俺以外にもいるのを忘れてるぞ!」

フリード

「ハァ?」

木場

「ツルギ君ばかりに目を向けていられるかな?」

フリード

「此奴いつの間にこの距離に来やがった!」

 

言われた事にハッとしたフリードは木場からの剣の一撃を光剣で受け止めた。

 

フリード

「洒落せ!洒落せぇーーーんだよ!」

木場

「今度は僕がお相手するよ!」

 

其処から繰り広げられる木場の剣からの剣技とフリードの光剣と光銃の連続攻撃、バイサーに捉えられないほどの木場の動きについて行くフリードの人間離れした反射速度には驚かせれる面々。

やがて凄まじい2人の戦いは互いの剣が鍔迫り合いになりぶつかり合った衝撃で火花が散って膠着した。

 

木場

「僕の動きに反応するなんてやるね。」

フリード

「アンタも最高〜〜〜本気でぶっ殺したくなるね〜〜〜!」

 

それと同時に目の前に突き付けられた銃口から放たれた祓魔弾を交わしながら一旦距離を取り剣を構え直す木場。

 

木場

「なら僕も少し本気を出そうかな・・・喰らえ!」

フリード

「剣を黒くして一体何するき・・・って、ハァ!なっ・・・何だよこりゃ?」

 

木場の剣が漆黒に染まり改めて振るわれた剣をフリードは光剣で受け止めたが、漆黒の刀身から現れた闇が光力を飲み込み徐々に光を失って行く光剣。

 

木場

「ホーリーイレイザー。光を喰らう魔剣さ!」

フリード

「てめぇも神器持ちかよ。巫山戯やがって!」

朱乃

「うふふ。裕斗君の本領発揮ですね。」

 

光力を失い機能しなくなった光剣を叩きながら感情を露わにするフリード。

 

一星

「今度は私だ!動けセイクリッド・ギア!」

フリード

「ハッ。遅えんだよノロマが此れでも喰らいな!」

小猫

「危ない!一星先輩!」

 

光銃から放たれた無数の祓魔弾から一星を守る為に前に立った小猫。戦車の特徴の高い防御力で殆どダメージを受けて無かったが、最後に眉間に当たった一撃は少し効いたらしく・・・

 

小猫

「・・・少し、痛かったです。」

フリード

「あっははは〜〜〜!おチビちゃんは頑丈だね〜〜〜。」

小猫

「・・・チビ!」

 

気にしている事を言われて怒った小猫は近くの長椅子を持ち上げるとフリード目掛けて放り投げた。

 

小猫

「・・・潰れて!」

フリード

「オッわ!危ねえな〜〜〜。チビにチビって言って何が悪いんだよ!」

ミッテルト

「ありゃ〜〜〜。アレは言ってはいけない事を言ったせいで怒ってるっすよ。」

 

次々と投げられて行く大量の椅子を新たに出した光剣で切り捨てて行くフリード。

 

小猫

「一星先輩。今です!」

一星

「ありがとう小猫ちゃん。行くぜ!」

 

小猫が作ってくれた隙に一星は投げられて宙を舞っている長椅子に身を隠しながら一気にフリードの眼前まで接近した。

 

一星

「プロモーション!戦車!」

フリード

「此奴まさか兵士!クソッタレが!」

一星

「オリャーーーーーーーー!」

カラワーナ

「うん。いい一撃だ。」

 

一星に光銃を乱射するが戦車に昇格・・・プロモーションした一星は小猫と同じ防御力と攻撃力を持っている。小猫に効かなかった光銃は当然一星にも効かず、打ち上げる様にして放たれたアッパーを真面に喰らい上に吹っ飛ばされるフリード。

 

一星

「どうだ!やったか?」

フリード

「チックショウが、許さねえーーーー!絶対にぶっ殺し・・・」

ツルギ

「ナイスだ一星!フィニッシュは此れだ!受け取れフリード!」

 

セイザブラスターからカジキキュータマを取り外しキュースラッシャーにセットし直し、刃の後ろに手を添えて構えるツルギ。

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「ドラドインパクト!」

 

そのままスラッシャーを横にずらすと無数の黄色に輝く刃が空間に現れ技名を叫びながらスラッシャーを刃に向けて振り抜くと、その刃が空中のフリードに向かって飛んで行き光剣を破壊し神父服を切り裂きながら壁に吹っ飛ばした。

 

一星

「どうだ!私達のコンビネーション!」

ツルギ

「アレはコンビネーションとは言わないだろ一星?」

一星

「良いじゃんかツルギ、木場からもなんとか言ってよ!」

木場

「落ち着いて一星さん。まだ終わってないよ。」

小猫

「そうですよ一星先輩。あの人なら・・・彼処です。」

 

煙が上がっている場所かと思ったら上のステンドグラスを指差す小猫、その先に服はボロボロになってはいるが対してダメージを負っていないフリードがいた。

 

フリード

「・・・っけんなよ・・・ふざっけんなよクソがぁぁぁぁぁ!!なに悪魔のくせにチョーシこいてんだコラ!お前らは必ず俺がぶっ殺す!特に殴ってくれた其処の女悪魔とスカした救世主野郎はな。ケッ!今日はこの辺で退散いたしゃす。」

ツルギは

「待て!アーシアとレイナーレは何処にいる。」

フリード

「あ〜〜〜〜!悪魔に魅入られたクソシスターと救世主に惚れた哀れな雌堕天使なら、其処の階段を下った祭儀場におりますので・・・そんじゃあ〜〜〜ハイちゃらば!」

 

机の下にあった隠し階段を指差すた後で閃光弾みたいな物で目を眩ませたフリードは、もう其処には居なかった。

 

一星

「あっ、逃げた!如何するツルギ?」

ツルギ

「今はアーシアとレイナーレを助ける事が優先だ。ですよね部長。」

リアス

「ツルギの言う通りよ一星。今は一刻も早く2人を助けないと行けないわ。」

朱乃

「それに祭儀場と言って居た以上、何か儀式を行っている筈、急がないと!」

 

フリードが言った”祭儀場“の言葉に嫌な予感がし胸騒ぎが止まらないツルギ。

 

木場

「とにかく先に進みましょう。」

カラワーナ

「そうだな。一刻も早くレイナーレ様を!」

ミッテルト

「それにアーシアの事も助けないと!」

小猫

「入り口がありました。部長。」

 

小猫が祭壇の前の机を壊しながら指差した場所には、地下へと続いているであろう階段があった。

 

リアス

「よし、皆んな行くわよ・・・ツルギ!一星!貴方達が先頭よ。」

一星

「はい、部長!行こうツルギ!」

ツルギ

「ああ。一星!」

 

一星と頷き合ったツルギを先頭に暗く狭い階段を降りて行く面々、地下に降りて行くにつれてジメジメとした空気が立ち込める中・・・1番下まで降った所にある大きな扉の前に到着した時。

 

アーシア

「いやぁぁぁーーーーーーーー!!」

一星

「アーシアの声だ!」

レイナーレ

「アーシア!しっかりして、アーシアーーーーーー!」

カラワーナ

「この声はレイナーレ様!」

ミッテルト

「レイナーレ姉様がこの中に!」

 

中から響いてきたアーシアの悲鳴とレイナーレの悲痛は叫びにツルギは思わず走り出し扉を蹴破りながら中に飛び込んだ。其処には祭壇の上に設置された十字架に鎖で縛られたアーシアと、その目の前にいるドーナシーク。更にはその横で体を鎖でに縛られフードを被った神父服を着た2人に体を抑えられているレイナーレがいた。

 

ツルギ

「アーシア!レイナーレ!」

レイナーレ

「ツルギ君!お願い早く、早くアーシアを助けて!ドーナシークが彼女の中から神器を抜き取ろうとしているわ。このままじゃあアーシアが死んでしまうわ!」

ドーナシーク

「よく此処まで辿り着いたな。悪魔の御一行様と・・・炎ツルギ。」

ツルギ

「ドーナシーク!何故アーシアの神器を抜き取ろうとしている!」

ドーナシーク

「アーシアの神器の力は素晴らしい!あらゆる傷を治癒する力・・・この力があれば私もあのお方に認められ出世出来る・・・カロー。否!フクショーグン。としてね。」

リアス

「カローにフクショーグン?一体何を言っているの。」

 

ドーナシークが呟いたカローにフクショーグンと聞き慣れない言葉に疑問を持つリアスすると、アーシアの胸の辺りにある小さな魔法陣が光りだすと小さく淡い緑の光りの放つ球体が彼女の体から少しずつ出てきた。

 

アーシア

「くぁっ!!あっ!あーーーーーーー!?!?」

一星

「アーシア!待ってろ今助けに行くからな!」

ドーナシーク

「動くなグレモリーの兵士!貴様等が1歩でも動けばアーシアとレイナーレを動いた瞬間に殺す!」

 

ドーナシークの言葉を受けてレイナーレを取り押えていた2人と、アーシアの十字架にの下にいる2人が光剣や光槍をそれぞれの首に突き付けてきた。

 

リアス

「不味いは。このまま完全に神器を体から抜き取られてしまったら彼女は本当に死んでしまうわ!」

一星

「そんな!なら、なおさら早アーシアを助けないと!」

朱乃

「落ち着きない一星ちゃん!下手に私達が動けばアーシアさんだけじゃ無く堕天使の彼女まで!」

一星

「一体どうすればいいだよ!」

ツルギ

「ドーナシーク!貴様はどれだけ歪んでいるんだ!この外道が!!!」

ドーナシーク

「前にも言ったが、どう言われようが構いわしない。私の目的を果たす為なら何を犠牲にした所で痛くも・・・!おお遂に。遂に来たぞ!私の求めた力が遂に!」

アーシア

「あーーーーーーーーーー!ツ・・・ツルギ、さん。一星・・・さ、ん。」

 

アーシアから出ようとしていた光りが一艘の輝きを放った瞬間・・・その光りはアーシアから離れドーナシークの中に入っていった。アーシアはツルギと一星の名前を掠れるような声で呼びながらグッタリとしてしまった。

 

一星

「ア、アーシアーーー!」

ドーナシーク

「素晴らしい!素晴らしいぞ!受け入れたからこそ分かる。この力の素晴らしさがな!」

 

ドーナシークは歓喜を上げて新たな力に絶賛していた。

 

カラワーナ

「何故こんな事を平然と出来るドーナシーク!お前はこんな事をする奴では無かったはずだ!」

ミッテルト

「前のドーナシークは優しくて、レイナーレ姉様をとても大切にしてこんな酷い事は絶対にしなかったのに・・・なのに、何でこんな事をするっす!」

ドーナシーク

「・・・フゥーーー。そろそろ此の姿でいるのも疲れたな。」

レイナーレ

「何を言っているのドーナシーク?」

ドーナシーク

「こう言う事さ、レイナーレ様!」

 

正面に向き直したドーナシークが両手を広げると体が膨れ上がり弾ける様にしてドーナシークの姿を形作っていた物が吹き飛んだ。

その中からは強靭な肉体に浮かび上がる筋肉にまるで鬼の金棒とバズーカが合体した様な武器を持った正体は。嘗て三大勢力を追い詰めた存在が率いていた軍隊の中にいた存在・・・ツヨインダベーだった。

 

ツヨインダベー

「此れが俺様の真の姿!宇宙幕府ジャークマターのツヨインダベー様だ!」

リアス

「ジャークマターですって!嘗て三大勢力を追い詰め二天龍を倒した存在・・・ドン・アルマゲが率いていた組織!」

レイナーレ

「どう言う事なの・・・何でドーナシークの姿を・・・!本物ドーナシークは一体どうしたの!」

ツヨインダベー

「あの男ならとっくの昔に始末した。姿を変えて行動するのには丁度いい男だったぞ。あっははは!」

レイナーレ

「そんな!ドーナシークがもう死んでいるだなんて・・・」

 

高笑いをしながらドーナシークを始末した事を語るツヨインダベー。 大切な仲間だった存在の死を突き付けられてショックで崩れ落ちるレイナーレ。

 

カラワーナ

「貴様!よくも我々の仲間だったドーナシークを!」

ミッテルト

「許さない・・・絶対に許さないっすツヨインダベー!」

ツヨインダベー

「許さないか・・・なら特別に貴様らの目の前でレイナーレを送ってやろう〜〜〜地獄にな!」

 

巫山戯た口調からツヨインダベーは崩れ落ちているレイナーレを殺す為に棍棒型武器のバズコーンの銃口を彼女に向けた。

 

カラワーナ

「止めろーーーーーー!」

ミッテルト

「レイナーレ姉様ーーーーーー!」

 

2人の悲痛な叫びが木霊し地下の祭儀場の中に響き渡った・・・が、それを掻き消すほどに響き渡る聞き慣れたボイスが鳴り響く。

 

『ギャラクシー!』

 

次の瞬間・・・全員が入って来た入り口の闇の中から青いコバルトブルーの光を纏った銃弾が銃声を鳴らしながらツヨインダベーのズバコーンを撃ち抜いた。

 

ツヨインダベー

「誰だ!一体誰がこの距離から当てた!」

リアス

「私達以外に一体誰が?それにさっきのボイスはツルギの。」

 

疑問に思ったリアスがツルギの方を向くが、ツルギは入り口を見つめて笑っていた。

 

ツルギ

「ナイスタイミングだよ・・・シルヴァ姉さん!」

一星

「え!シルヴァ姉?!」

 

思わぬ人物の名前に驚き入り口を凝視する一星・・・すると入り口から、何処かツルギの使うキューザウェポンに似た色合いとデザインをしたライフルと2丁拳銃を持ったシルヴァとククルが現れた。

 

ククル

「お姉ちゃん参上!お待たせツルギ。」

シルヴァ

「準備に時間が掛かって遅れた。済まないツルギ。」

ツルギ

「いや助かったよシルヴァ姉さん。後少しでレイナーレを失ってしまう所だった。」

一星

「何でシルヴァ姉とククル姉が此処に来るんだよ!しかも、そのライフルや銃は一体何?」

ククル

「それは後で説明してあげるから一星。先ずは!」

シルヴァ

「そうだな・・・こいつらの相手が先だな!」

 

ツルギの隣に立ち武器を構える2人。

 

リアス

「ツルギ。この2人とは一体どういう関係なのかしら?」

ツルギ

「それも後で説明しますから部長。今は此の隙にアーシアとレイナーレを!」

リアス

「そうね・・・分かったわ。全員で此処を突破するわよ!」

 

リアスからの指示に朱乃・木場・小猫・一星。更にはカラワーナとミッテルトも光槍を持って戦う構えをとる。

 

ツヨインダベー

「おのれ〜〜〜よくも。ならば、現れろインダベー達!此奴等を1人として生かして返すな!」

インダベー達

「「「「「ダベ〜〜〜!」」」」

 

ツヨインダベーが指示を出すと、さっきまで神父服やシスターの格好をしていた大勢が服を剥ぎてると・・・中かは、マスクをしてギョイサーベルを持ったツヨインダベーと同じジャークマターの兵士のインダベーが現れた。

 

一星

「ちょ!同じ様な奴が沢山いるんだけど!」

ツルギ

「心配するな一星。こんな数・・・俺達の敵じゃない!ククル姉さん!シルヴァ姉さん!行くぞ!」

ククル

「OKツルギ!お姉ちゃんの本気見せちゃうぞーーー!」

シルヴァ

「勿論だツルギ!皆の道は私が切り開こう!」

ツルギ・ククル・シルヴァ

「「「マワスライド!」」」

 

3人が1歩前に出るとツルギはシシキュータマをセイザブラスターに、ククルは銃を胸の前にクロスさせた構えをした戦士の模様が刻まれたガンナーキュータマを両手に持った2丁拳銃セイザデュアルブラスターの片方のキュータマ形状のシリンダー部分に、シルヴァは大きく翼を広げた鋭い眼光の様な鷹の模様が刻まれたホークキュータマを狙撃用ライフルのセイザライフルブラスターのスコープ部分に、それぞれセットした。

 

『シシキュータマ!』

 

『ガンナーキュータマ!』

 

『ホークキュータマ!』

 

ツルギは銃口側に倒しククルとシルヴァは銃の撃鉄を引いた。

 

『『『セ・イ・ザ・チェンジ!』』』

 

ツルギ・ククル・シルヴァ

「「「スターチェンジ!」」」

 

ツルギは腕を回し腰に構え、ククルは2丁拳銃を手の中で回しながらその場でダンスを踊る様に自身も回りながらキュータマが装填された銃を正面に構え、シルヴァはまるで銃剣術の動きの様にライフルを回しながら鋭くしなやかな動きをしながらライフルの銃口を上に構え、3人がほぼ同時に構え終わった所でトリガーが引かれた。

 

ククルの体を銃士の模様が通り過ぎるとツルギと同じデザインの白を基本に青ラインが入ったアンダースーツに、同じ白のミニスカートに肩から袖を通す様なロングコートを纏った救世主に、シルヴァも鷹の模様が通り過ぎると此方はコバルトブルーのアンダースーツにロングスカート、更にはロングコートは同じだが襟元がしっかりと立ったバージョンを纏った救世主に、それぞれスターチェンジした。

 

一星

「ククル姉とシルヴァ姉も・・・救世主だったの!」

リアス

「ツルギ以外にも救世主がいたなんてビックリだわ!」

 

リアス達が驚く中、救世主の3人の並び立つ!

 

ツルギ

「スーパースター!シシレッド!」

ククル

「シューティングスター!ガンナーホワイト!」

シルヴァ

「スナイピングマスター!ホークコバルトブルー!」

ツヨインダベー

「炎ツルギだけでも厄介なのに更に2人も救世主が増えただと!」

 

予想だにしない救世主の登場に焦るツヨインダベー。

 

ツルギ

「お前の運!試させて貰うぜ!」

ククル

「私の銃捌き!とくとご覧あれ!」

シルヴァ

「此の瞳に!見通せぬもの無し!」

 

果たしてツルギ達はアーシアとレイナーレを救い事が出来るのか!

 

 

 




はい、第11話は如何でしたか?

最初の本格的な敵参戦なので最初のツヨインダベーにして見ました。

後、ククルとシルヴァの武器やキュータマの解説は次回にしますが、元のネタはグランブルーファンタジーのククルとシルヴァの服装と武器にキュウレンジャー要素を混ぜた物になっています。

名乗りに関してもグランブルーファンタジーで、ククルは様々な銃火器を扱う銃工房の娘なので色々な銃を使いこなせると言う意味でシューティングスターに、シルヴァは狙撃を得意として百発百中の腕前があるのでスナイピングマスターにしました。

では次回、第12話でお会いしましょう。


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第12話 仲間と家族の奮闘・新たに煌めく宇宙の力!

長らくお待たせしました。

やはり年末に近付くにつれて残業ばかりになってきました。なるべく何時ものペースで投稿したいと思いますが、都合によっては今回みたいになってしまいますのでご了承下さい。

今回はオカ研とククルとシルヴァを分けたside別の話が入り内容の部分ごとがツルギ達sideに関係してきます。

最後には新しい存在が現れますのでお楽しみに、かなり悩みました。

では、第12話をどうぞ。


第12話 仲間と家族の奮闘・新たに煌めく宇宙の力!

 

 

ツルギ

「ツヨインダベー!お前に3ついい事を教えてやる。」

ツヨインダベー

「いい事だと?」

ツルギ

「1つ!お前は俺達の事を侮っている。2つ!お前のつまらない野望は俺達が打ち砕く。そして3つ!お前を倒してアーシアとレイナーレを必ず取り戻す!」

ツヨインダベー

「ハッ!笑わせるな。アーシアは既に虫の息、レイナーレは俺様の手の中!そして・・・此れだけの数のインダベーをたかが悪魔数人と堕天使2人に3人の救世主だけで倒せると思っているのか!」

 

ツヨインダベーがいる祭壇の頂上とツルギ達との間にはアリ一匹抜け出せない程の数の大量のインダベー達。

 

ツルギ

「倒せるかじゃ無い・・・倒すんだ!覚悟しろツヨインダベー!一星。カラワーナ。ミッテルト。一緒にアーシアとレイナーレを助けに行くぞ!」

一星

「分かった!待っててアーシア!」

カラワーナ

「ああ、勿論だ!ミッテルト行くぞ!」

ミッテルト

「了解!レイナーレ姉様、今うちらが助けるっす!」

 

ツルギの横に並び槍と神器を構える3人。

 

リアス

「ツルギ!一星!後ろは気にせず貴方達は祭壇の頂上に向かいなさい!」

朱乃

「此方の方々は私達が引き受けますわ。ツルギ君と一星ちゃんは早く2人の元に!」

木場

「誰1人として2人の後を追わせわしないよ!この剣にかけてね。」

小猫

「ツルギ先輩、一星先輩。それに堕天使の2人も気おつけて下さい!」

 

それぞれが励ましと檄を込めた言葉を送ってくれる仲間達。

 

ククル

「大丈夫!ツルギ、一星。私とシルヴァ姉もいるんだから、ドーンと大船に乗ったつもりで安心してね!」

シルヴァ

「こらククル!何時も言っているだろ”どんな時でも油断するな“と、足下をすくわれるぞ!」

ククル

「おっとと、そうだったねシルヴァ姉・・・それじゃ〜大好きなツルギと可愛い一星の為に頑張りますか!」

シルヴァ

「そうだな・・・2人共、仲間は私達が守る。だから正面だけを見て突き進め!」

 

姉のような存在の2人の後押しも受けた2人とカラワーナとミッテルトは・・・前を向いた!

 

ツルギ

「ありがとう皆んな・・・行くぞ!!!」

ツヨインダベー

「かかれインダベー達!誰1人生かして返すな!」

 

此処に戦いの幕は切って落とされたのだ。

 

 

リアス・朱乃・ククル side

 

ツルギ達がインダベーの中を突き進んで行く中・・・リアス・朱乃・ククルの3人は攻撃を躱しながら戦っていた。その中でもククルはアクロバティックかつ側転やバク転などを混ぜた変則的な動きに、ガンスピンさせての曲弾や2丁拳銃の利点を生かした早撃ちに肉弾戦などを組み込んだ一体多数の戦いを繰り広げており。いつの間にか囲んでいたインダベー達はかなりの数を倒されていた。その強さにたじろぐインダベー達。

 

ククル

「ツルギが言っていたけど2人とも綺麗なのに中々やるね。」

朱乃

「あらあら。ガンナーホワイトさんも、可愛らしいのにお強いですわ。」

リアス

「ツルギが言っていた2人の姉はきっと貴方達の事だったのね。まさか貴方も救世主だとは思わ無かったわ。」

ククル

「ガンナーホワイトさんだなんて止めて!普通にククルって呼んでよ。まだ私18歳だから2人と同じ歳だし、あまり堅苦しいのは好きじゃ無いんだ。」

リアス

「ならククルと呼ばせて貰うわ。私の事もリアスと呼んでくれて良いから。改めてよろしくね。」

朱乃

「私も朱乃で構いませんわククル。此れから仲良くしましょう。」

ククル

「うんうん!よろしくねリアス。朱乃。」

 

3人にで和気藹々と話していると・・・

 

インダベー

「ダベ〜〜〜〜〜!!!」

 

また大量のインダベーが向かって来ていた。

 

リアス

「本当にしつこいわね。朱乃!ククル!一気に片付けてしまいましょう!」

朱乃

「分かりましたわ部長。なら・・・此処は激しくいきましょうか!」

 

リアスは両手からグレモリーの魔法陣を、ドSのスイッチが入った朱乃は笑顔のまま雷を迸らせ始めた。

 

ククル

「なら私も・・・本気出して行ってみようか!」

 

ククルも頷くとチェンジキュータマがセットされているのとは別のセイザデュアルブラスターのシリンダー部分に、バックルから取り出した爆弾が爆発した模様が刻まれたボムキュータマをセットした。

 

『ボムキュータマ!』

 

2丁のブラスターの撃鉄を引きガンスピンさせながら2つのキュータマを擦りあわせるようにして回転させる。

 

『ギャラクシー!』

 

リアス

「2人共、行くわよ!」

朱乃

「はい。部長!」

ククル

「此れが、お姉ちゃんの全力だ!サリューブリッツインパクト!」

 

リアスの滅びの魔力。朱乃の眩い雷。そしてブラスターから発射されたキューエナジー弾の乱れ撃ちからの、インダベーに放たれた星々が頭上で巨大なキューエナジーの樽型爆弾に変わり乱れ撃ちされ続けている弾丸を受け爆発し向かって来ていたインダベー達はアッと言う間に倒されてしまった。

 

ククル

「見たかお姉ちゃんの底力!」

朱乃

「凄い爆発!今のでかなりの数のインダベーを倒せたみたいですね。」

リアス

「そうね。と言いたいところだけど、また来たわよ!」

 

再び3人に向かって来るインダベー達。

 

朱乃

「あらあら!まだ、こんなにいるなんて。」

リアス

「ククル!まだイケるわよね!」

ククル

「勿論!大好きなツルギの為ならククルお姉ちゃんは百人力だよ!」

 

そう言うと3人は再び戦いを再開した。

 

 

木場・小猫・シルヴァ side

 

一方、木場・小猫・シルヴァの3人は遠距離からシルヴァが援護し木場と小猫が接近戦をしながら戦っていた。

 

シルヴァ

「2人とも。私が援護するから後ろは気にするな!」

木場

「僕達や敵の動きに注意を払いながら戦っているのに、あれだけ正確な銃撃が出来るなんて。凄いなホークコバルトブルーさんは。」

小猫

「本当に凄いです。一発も外してない上に私達の死角を常にカバーしてくれて・・・危ない!」

インダベー

「ダベ。ダベーーー!」

 

柱に隠れていたインダベーがシルヴァの背後から切り掛かってくるのが見えた小猫は思わず声を上げるが・・・

 

シルヴァ

「甘い。見え見えだ!」

 

シルヴァはバックルから取り出した剣の模様が刻まれたブレードキュータマをチェンジキュータマがセットしてあるスコープ下のキュータマ形状の空薬莢が排出される部分にあたる場所にセットして、撃鉄を下げトリガーを引いた。

 

『ブレードキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

するとライフルのバレルの下部分にキューザウェポンと同じクリスタルの刃が現れてブレードライフルになった。その刃でインダベーの剣を背後を向かずに受け止めたシルヴァは、ライフルを跳ね上げる様にして剣を弾くとそのままライフルを背面発射しインダベーを倒した。

 

小猫

「背後からの攻撃を受け止めそのまま流れ様にして反撃するなんて、本当に凄いです。ホークコバルトブルーさん!」

シルヴァ

「大したことはないさ。唯、体に染み付いているから反応出来ただけだ。それと名前が長いから私の事はシルヴァで構わないぞ木場君に小猫さん。2人の事はツルギから色々と聞いているよ大切な友人だとね。」

木場

「ありがとうございます。では、シルヴァさんと呼ばせて貰います。」

小猫

「よろしくお願いしますシルヴァさん。」

 

シルヴァにお辞儀をして名前を呼ぶ2人。

 

シルヴァ

「さて!かなりの数を減らしたが未だいるな。ツルギは・・・。」

小猫

「彼処ですシルヴァさん。祭壇の階段のちょうど真ん中辺りです。」

木場

「この間は抜け出せたみたいだね。なら僕達はこのまま・・・シルヴァさん!2人の奥の柱の上に!」

 

木場が走るツルギの奥にある柱の上を指差したので其処を確認すると、バズコーンを二体掛かりで構えたインダベーがいた。

 

小猫

「祐斗先輩!あの位置から狙われた2人が!」

木場

「どうすれば!」

シルヴァ

「私がインダベーを狙撃する。2人とも暫く周りのインダベーを食い止めてくれ。」

木場

「でもかなりの距離ですよ。此処から狙撃するのは難しいのでは?」

小猫

「大丈夫です祐斗先輩。だってシルヴァさんは・・・ツルギ先輩と同じ救世主なんですから。」

木場

「小猫ちゃん・・・そうだね。シルヴァさんお願いします。その間は僕達に任せて下さい!」

シルヴァ

「頼む2人共。」

 

2人が周りのインダベーを相手してる内にシルヴァはブレードキュータマを外しセイザライフルブラスターのホークキュータマを上から見て180度回転させて撃鉄を引いた。

 

『ギャラクシー!』

 

銃口にコバルトブルー色の光が収束し大中小のマーカーが射線上に現れキュータマを覗き込むシルヴァの鋭い視線とマーカーが全て重なり合った時、引き金が引かれた。

 

シルヴァ

「撃ち抜く!ヒューネラルブリットインパクト!」

 

真っ直ぐに放たれたコバルトブルーの弾丸はツルギ達を狙うインダベーに向かって飛んで行った。

 

 

ツルギ・一星・カラワーナ・ミッテルト side

 

ツルギ

「3人とも一気に行くぞ!」

 

ツルギはシシキュータマをキューソードにセットして目の前のインダベー達を蹴散らすために技を放った。

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「レグルスインパクト!」

 

飛び上がり前にバク転する様にキューソードを振るうと赤いキューエナジーの刃が次々とインダベーをなぎ倒して行く。それに続く様走り抜けるツルギと一星に更に続くカラワーナとミッテルト。

 

ミッテルト

「流石うちが好きになったツルギ!カッコイイっす!」

一星

「ハァ!ツルギを好きになったって、いったい何言ってるの!」

ミッテルト

「うちはただ本当の事を言っただけです〜〜〜。」

カラワーナ

「2人とも今は先を急ぐのが先決だ。言い争う前に急ぐぞ!」

 

インダベー達の群れを蹴散らしながら突破し祭壇の下に到着すると、上を目指すために一気に階段を駆け上がり始めた。

 

一星

「部長達は大丈夫かな?流石にあれだけの数のインダベー達を相手するのはキツイじゃないかな?」

カラワーナ

「確かにな。いくら私達を進ませる為とは言え・・・」

ツルギ

「大丈夫だ一星。部長達が強くて頼りになるのは俺達が1番分かってるだろう・・・其れにカラワーナ、下には俺の一味違う自慢の姉さん達がいるから大丈夫さ。ほら下を見てみな2人とも。」

 

ツルギが後ろを指差すので走りながら2人が振り返ると、ちょうどククル達の攻撃で爆発が起きた時だった。

 

ミッテルト

「う〜わ〜凄い爆破してるし!ツルギのお姉ちゃん達って、どんだけ強いんっすか!」

カラワーナ

「其れにリアス・グレモリーとその眷属達も凄いな。」

ツルギ

「だから言っただろ。部長達は頼りになるし、俺の姉さん達も自慢の姉さん達だって。」

一星

「やっぱり部長達は凄い!其れにククル姉もシルヴァ姉の2人も強!此れなら大丈夫・・・ツルギ前!前の柱の上!」

 

一星が前の柱の上にズバコーンを2体掛りで担いだインダベーを見つけて指差した。

 

ツルギ

「成る程な。彼処から狙えば回避する為に避ければスピードが落ち、そのまま進もうとすればあの武器の餌食にする算段か。」

ミッテルト

「マズイっすよツルギ!うちとカラワーナが飛んで彼処に着く前に撃たれるし、でも此処から攻撃しても届かないっす!」

ツルギ

「心配するなミッテルト。其れに言っただろ・・・俺の姉さん達は一味違うって!」

 

その瞬間。ツルギ達の間をすり抜けるようにコバルトブルーの弾丸が通過しインダベー2体を撃ち抜いた。

 

カラワーナ

「今の攻撃は一体どこから・・・な!射線上にいる私達の僅かな隙間を通して、あの位置から狙撃したのか!」

 

コバルトブルーが狙撃した地点はツルギ達がいる場所からかなり離れた祭壇の下の位置であり、更には此処は明かりが少ない地下の暗がりの中。その状況で自分達より更に奥の暗闇の中にいるインダベー2体を一撃で撃ち抜いたシルヴァことコバルトブルーの腕前に驚くカラワーナ。

 

ミッテルト

「ウェーーーーー!あの場所から当てたんすっすか!ツルギのお姉ちゃん達って、どんだけなんっすか!」

ツルギ

「だから言っただろ一味違うって。伊達に修羅場を潜り抜けてないからな俺達家族は・・・それより、もう直ぐ祭壇の頂上だ。一気に行くぞ!」

 

頷き返す3人と共に走り出し頂上に到着したが一星が声を掛けるがアーシアはグッタリしたまま、カラワーナとミッテルトもレイナーレに駆け寄るが、彼女は未だドーナシークの死の真実で瞳から生気を失っていた。

 

ミッテルト

「姉様!レイナーレ姉様!しっかりするっす!」

カラワーナ

「レイナーレ様しっかりして下さい!貴女がその様ではドーナシークも浮かばれません!」

レイナーレ

「ドーナシーク・・・私は、私は。」

一星

「アーシア!助けに来たよだからしっかりして、お願いだよアーシア!」

アーシア

「一星、さん・・・ツルギ・・・さん。」

ツルギ

「アーシア!」

ツヨインダベー

「言ったはずだ。既に神器を抜かれたアーシアは後数分で死ぬ。其れにレイナーレも、仲間の死を知り今ではまるで抜け殻状態。何をやっても此奴らは既に終わっている。アッハハハ〜〜〜!」

 

6人を見下した様な口調で嘲笑うツヨインダベー。ツルギはアーシアから鎖を外し抱き抱えた。

 

ツルギ

「すまないアーシア。俺は君を守ると約束したのに・・・守る事も出来ず何1つしてあげられなかった不甲斐ない男だ!」

アーシア

「そんな、事ありま・・・せん。ツルギ、さんは・・・私に家族の温かさや、大切な人と過ごす幸せを、くれました。私、は・・・ツルギさんや一星さん達と出会えて・・・幸せ、でした。

ツルギ

「アーシア・・・」

 

精一杯腕を伸ばし頬に手を当て笑うアーシア。その冷たくなりつつある手に自分の手を重ねる獅子のフェイスの下で涙するツルギ。

 

ツヨインダベー

「アッハハハ〜〜〜!何だ炎ツルギ。悔しいだろう惨めだろう!貴様にはアーシアもレイナーレ救う事など出来なかったのだからな!」

ツルギ

「・・・一星。アーシアを連れて先に行け。」

一星

「ツルギ・・・分かった。アーシアは私に任せて!」

ツルギ

「頼む。」

 

ツルギの事を理解している一星は何も言わずにアーシアを抱き抱えると、登って来た階段を降りて行った。

 

ツヨインダベー

「もう直ぐ死ぬ女の事など放っておけばいい物を。やはり貴様は甘い奴・・・」

ツルギ

「黙れ!」

 

アーシアを預けて無言で近づくツルギを煽るツヨインダベーだったが、一言発したツルギに殴り飛ばされ祭壇の柱に叩きつけられ崩れた柱の下敷きになった。

 

ミッテルト

「ツ、ツルギ!大丈夫っすか?」

ツルギ

「大丈夫だ。今は俺よりも・・・」

 

ツルギは再び変身を解除して2人の側で崩れ落ちているレイナーレの前にしゃがみ込むと以前のように彼女を抱き寄せた。抱き締めているのがツルギと分かった途端、彼女の瞳には生気が戻り悲しみの感情から涙が溢れツルギの腕を回し強く抱き付いた。

 

レイナーレ

「ツルギ君。ドーナシークが!ドーナシークが!」

ツルギ

「分かってる。大切な存在を失う事の辛さは俺にも経験がある・・・でも、そこで立ち止まっては駄目だ。君が立ち上がり生きなければドーナシークの死を、今までレイナーレの為に命を懸けて支えて来た彼の思いは全て消えてしまう。」

レイナーレ

「ドーナシークの・・・思い。」

ツルギ

「そうだ。彼の為にも君は生きなけないんだ・・・其れに君は、自分を救ってくれた存在として尊敬しているカラワーナや、本当の姉のように慕い此れからも一緒に生きて欲しいと望んでいるミッテルト達がいるんだ。」

レイナーレ

「カラワーナ・・・ミッテルト。」

 

顔を上げ2人を見上げると、2人は笑顔でレイナーレに頷いた。

 

ツルギ

「其れに俺もレイナーレと一緒にいた。こんな不甲斐ない俺を”愛してる"と言ってくれた君と大切な仲間である一星や部長達、家族であるククル姉さんとシルヴァ姉さん達に幸せに生きて欲しいんだ!」

レイナーレ

「ツルギ君!ドーナシーク・・・私に関わらなければ貴方が死ぬ事は無かったかもしれなかった。本当のごめんなさい。貴方の事は決して忘れないわ・・・だからお願い私は未だ此処で死ぬ訳にはいかないわ!貴方の為にもカラワーナとミッテルトの為にも・・・それにこんな私を大切に思ってくれているツルギ君の為にも、私は生きるわ!」

カラワーナ

「そうですレイナーレ様!孤独だった私をレイナーレ様だけが気にかけ救って下さいました。私は此れからも貴女と共に在ります!」

ミッテルト

「うちも!優しいレイナーレ姉様と少し厳しいけど頼りになるカラワーナと・・・3人が一緒に大好きになったツルギと一緒にいるっす!」

レイナーレ

「ちょっと待ってミッテルト?今”3人が一緒に大好きになった“って言ったわね。まさか・・・貴方達もツルギ君の事が好きになったの!」

 

ミッテルトの言葉の意味を理解したレイナーレは思わず立ち上がり2人を交互に指差した。

 

カラワーナ

「いいえレイナーレ様!私は炎ツルギの事は何とも!」

ミッテルト

「嘘は良くないっすよカラワーナ。其れに言ったじゃ無いっすか・・・レイナーレ姉様がツルギを友人としてじゃ無く愛する人って改めて見てるなら、うちらも混ぜて貰って3人でツルギとラブラブになって幸せになろうって。」

レイナーレ

「ツルギ君!2人と一体何があったの!ミッテルトはツルギ君の事を話したら”興味がある“と言っていたから分かるにしても、男性に全く興味が無かったカラワーナまでが貴方の事を言われてあんなに真っ赤になるなんて!」

ツルギ

「落ち着いてくれレイナーレ!何があったかは後で説明するから今は・・・」

ツヨインダベー

「炎ツルギ!貴様ーーー!良くもやってくれたな!」

 

レイナーレがカラワーナとミッテルトと何があったをツルギに詰め寄り問い正そうとした時、崩れ落ちた柱の下からツヨインダベーが這い出てきてツルギを睨みつけた。

 

ツヨインダベー

「許さん・・・許さんぞ貴様ら!必ず此処でお前達を始末する!」

ツルギ

「3人とも下がるだ!此処は俺が!」

レイナーレ

「嫌よ!私は愛する貴方の側を決して離れないわ。もう二度大切な存在を失わない為に!」

カラワーナ

「私もだ!其れに此奴にはドーナシークの無念と借りをキッチリと返さねば気が済まん!」

ミッテルト

「そうっす!優しかったドーナシークの仇と大好きな姉様をこんな目に合わせた事を、うちらでしっかりとお仕置きするっす!」

 

3人が新たな決意と共にツルギの横に並び立った瞬間。ツルギのバックルから3個のブランクキュータマが飛び出し淡い光を出しながら3人の前で、まるで”自分達を掴め”と言わんばかりに上下に揺れ動いていた。

 

レイナーレ

「此れは一体?」

ツルギ

「3人とも!そのキュータマを掴むんだ!宇宙の星々が3人の事を認めたんだ!」

カラワーナ

「私達が宇宙に認められた?」

ツルギ

「そうだ!宇宙が3人に力を与えてくれる。掴み取るんだ!新たに生まれるチェンジキュータマを・・・救世主の証を!」

ミッテルト

「え!つまり・・・うちらはツルギと同じ救世主になるって事っすか!」

ツヨインダベー

「何だと!たかだか下級、中級堕天使風情が救世主になるだと!」

レイナーレ

「カラワーナ!ミッテルト!」

カラワーナ

「はい!」

ミッテルト

「了解っす!」

 

レイナーレの言葉に頷き一斉にキュータマを掴む3人。すると3人の手の中から眩い光が溢れたかと思うと、其々が別の色に変わり新たなチェンジキュータマへと姿を変えた。

 

レイナーレ

「此れが!」

カラワーナ

「私達の!」

ミッテルト

「救世主の!」

ツルギ

「そう。証だ!」

 

レイナーレの手にはパープル色に漆黒の翼を広げ赤い眼光を光らせた凶鳥の意味を持つヒュッケバインキュータマが、カラワーナの手にはネイビー色に大きな翼にライオンの体を持つ生物のグリフォンキュータマが、ミッテルトの手にはグレー色の翼を広げた大鷲のフレズベルクキュータマが、其々握られていた。

 

ツルギ

「3人とも此れを!」

 

ツルギから投げ渡されたのは、ツルギも使っているセイザブラスターだった。

 

ツルギ

「俺達4人で彼奴を倒すぞ!」

レイナーレ

「ええ!行きましょうツルギ君!」

カラワーナ

「ああ!私も存分に戦わせて貰おう!」

ミッテルト

「うちら4人の力、見せてやるっす!」

 

セイザブラスターを装着した4人がキュータマを構える。

 

ツルギ・レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト

「「「「マワスライド!」」」」

 

『シシキュータマ!』

 

『ヒュッケバインキュータマ!』

 

『グリフォンキュータマ!』

 

『フレズベルクキュータマ!』

 

『『『『セ・イ・ザ・チェンジ!』』』』

 

ツルギ・レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト

「「「「スターチェンジ!」」」」

 

ツルギと同じ様にセイザブラスターを構えた3人がトリガーを引くと其処には、ホワイト・コバルトブルーに続く新たな救世主が立っていた。

 

ツルギ

「スーパースター!シシレッド!」

レイナーレ

「Theミスフォーチュン!ヒュッケバインヴァイオレット!」」

カラワーナ

「ビーストビィーク!グリフォンネイビー!」

ミッテルト

「ハリケーンガール!フレズベルクグレー!」

 

レイナーレのヒュッケバインヴァイオレットはパープルのアンダースーツにミニスカート肩を覆う様なアーマーに、背中には左右3枚ずつで遂になって重なり合った翼。

カラワーナはネイビーのアンダースーツにロングスカート、肘などに装着されたプロテクターに背中には中心から折り曲がる様り広がる2枚の翼。

ミッテルトはグレーのアンダースーツがもともと着ていたゴスロリ服に似たミニスカートやフリフリが融合した様な姿に、頭から小悪魔の様な可愛らしい角とカラワーナと同じ形状の色が違う翼。

 

其々が違った力・個性を持った救世主へとチェンジした。

 

レイナーレ

「凶鳥の力・・・見せてあげわ!」

カラワーナ

「獣の口ばしの鋭さ。見せてやろう!」

ミッテルト

「プリティ&パワフル!うちの力は凄いっすよ!」

ツルギ

「俺達4人の力を・・・見せてやる!」




はい。第12話は如何でしたか?

今回はククル関係の解説を書かせて頂きます。

・ガンナーホワイト

(元ネタはキュータマが仮面ライダーゴーストのビリー・ザ・キットアイコンで、デュアルブラスターはグラブルのSRククルの銃にキョウリュウジャーのガブリボルバーの回転シリンダーの要素を合わせてキューザウェポンのデザインを組み込みシリンダー部分にキュータマがセット出来る様になった物です。スーツに関してはグラブルのSRのククルの服装が元ネタです。)

・ククルがツルギのセイザブラスターを元に自身が得意とする2丁拳銃のテクニックと要素を活かすために自作したセイザデュアルブラスターと、銃士の力を宿していたガンナースキルキュータマから覚醒したチェンジキュータマの力でスターチェンジした姿。
ククルの類稀な2丁拳銃のスキルとキュータマの力によりデュアルブラスターを使った銃捌きは同じく銃を使うシルヴァとは全く違う戦闘スタイルで、曲弾や様々な弾種を瞬時に使い分け更には肉弾戦も組み込んだ変幻自在の戦い方をする。
セイザデュアルブラスターは右用がチェンジキュータマで左用がスキルキュータマが基本だが右用にもスキルキュータマをセットして使用する事も可能。技発動は撃鉄を下げてトリガー、必殺技は撃鉄を下げてキュータマを回転させてからのトリガー、ボイジャーはキュータマ回転でトリガーで発動する。

・ガンナーキュータマ
(ビリー・ザ・キットアイコンの2丁拳銃がクロスしたデザインに人の全体像までが映っているキュータマ。)

以前は銃士の力が宿ったスキルキュータマだったがククルに反応しチェンジキュータマに変化した。ククル以外、更にはツルギにも反応しないのでククル専用キュータマである。

・ボムキュータマ
(元ネタは仮面ライダーWのシュラウドが使っていたボムメモリー。キュータマデザインはモンハンの樽爆弾が爆発しているデザイン。)

キューエナジーの爆弾や爆発エネルギーで弾丸の威力を強化するスキルキュータマ。ククルがよく多用し此れとガンナーキュータマの力を合わせた必殺技サリューブリッツインパクトを放つ。

今回のククル説明はこんな感じです。次回の後書きでシルヴァの解説をします。

今回の話で新しくオリジナルキュウレンジャーとキュータマを出しました。それの解説も随時して行きますので、よろしくお願い致します。

では次回、第13話でお会いしましょう。


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第13話 堕天の救世主の力・立ち上がる一星と究極のスペースロボ!

はい、第13話です。

第1章も後僅かでクライマックスです。今回は一星の覚醒と待ち望んでいたアレが登場します。

お気に入りが30人になりました!本当にありがとうございます。

寒くなって来ましたので読んで下さっている方々は風邪などにおきおつけ下さい。

では第13話をどうぞ。


第13話 堕天の救世主の力・立ち上がる一星と究極のスペースロボ!

 

 

新たな3つのチェンジキュータマの力によって誕生した救世主。ヒュッケバインヴァイオレット、グリフォンネイビー、フレズベルクグレー。それにツルギことシシレッドを加えた4人は祭壇の頂上でツヨインダベーと睨み合っていた。

 

レイナーレ

「覚悟しなさいツヨインダベー!二度とドーナシークの様に命を奪わせない為に・・・貴方を倒す!」

カラワーナ

「辛い気持ちを抱く者は我々だけで十分だ!」

ミッテルト

「今までの分・・・しっかりとお返しするっす!」

ツヨインダベー

「調子付くな堕天使風情が救世主に・・・しかし!星座にすら成っていない力しか無い貴様らに何が出来る!」

ツルギ

「それは違う!」

 

キューザウェポンをキューソードに組みながらツヨインダベーの言葉を真っ向から否定するツルギ。

 

ツルギ

「確かにヒュッケバインもグリフォンもフレズベルクも星座には無い・・・だが!このキュータマは3人の強い思いと宇宙の星の力が1つになったからこそ起きた奇跡!たとえ星座でなくても、このキュータマには3人の中には・・・宇宙の、星の命の力がやどっているだ!」

ツヨインダベー

「何が宇宙の力だ!何が奇跡だ!天使から落とされた堕天使如きが巫山戯るな!」

ツルギ

「ツヨインダベーお前には決して分からない!自分の為に命を奪い殺し大切な人を失う悲しみや痛みすら理解しないお前には決してな!」

ツヨインダベー

「な!何だと貴様ーーー!」

ツルギ

「覚悟しろ!俺の・・・いや俺達の力を見せてやる!」

ツヨインダベー

「やれるものなら・・・やってみろ!」

 

シルヴァに撃ち抜かれたズバコーンの代わりの砲口が向けられた瞬間に火を吹き真っ赤な弾丸がツルギ目掛けて迫ってきた。

 

レイナーレ

「ツルギ君!私の後ろに!」

 

ツルギの前に飛び出したレイナーレは左右3枚ずつ対になっている翼のキュースライダー全てを背中から切り離した基部から回転・展開させ自分の正面に壁になる様にして並べ攻撃を防いだ。

 

ツヨインダベー

「何!そんな板切れなどで俺様の攻撃を防いだだと!」

レイナーレ

「此れが貴方に不凶を届ける凶鳥の力!この6枚に分離し舞うキュースライダーは私の意思で自由に動かす事が出来る武器。キューエナジーを纏わせ敵を切り裂く斬撃武器であり、エナジーを様々な角度から撃ち出せる射撃武器、更に貴方の攻撃を防いだ様に展開して複数組み合わせれば味方を守る盾にもなるわ。」

ツヨインダベー

「厄介な武器だ。クッ!やれインダベー達!」

 

キュースライダーを自身の周囲に飛ばしながら語るレイナーレに対して、インダベー達に攻撃を指示するツヨインダベー。

 

ミッテルト

「次はうちの番っす!全員纏めて掛かってくるっす!」

インダベー達

「ダベーーーーーー!」

 

此方にギョイサーベルを持って突っ込んでくるインダベー達、其れに対して両手にキューダガーを握り締めたミッテルトも臆する事なく翼を広げ自身も先頭のインダベーに突っ込んで行った。

 

インダベー

「ダッ!べ〜〜〜〜〜〜!」

ミッテルト

「ハァ!テリャーーー!トォーーーーーー!そんな動きじゃうちは・・・捕まえられないっすよ!」

インダベー

「ダベーーーーーー!」

 

逆手に握られたキューダガーを振るいインダベー達を切り裂いて行くミッテルト。敵の動きと間合いからダガーを振るい時には投擲して意表を突いた攻撃を仕掛け、更に腕や足の裏に隠されたキューアンカーを使って攻撃の牽制や敵の妨害に投擲したダガーを先に巻き付け刃が付いた鞭のようにした攻撃まで繰り出して行く。ミッテルトのトリッキー且つ予測できない動きに翻弄され何も出来ないインダベー達。

 

インダベー

「ダ・・・ベ〜〜〜。」

ツヨインダベー

「この役立たずどもが!そんな小娘1人に何を手こずっている!さっさと始末・・・」

カラワーナ

「私の事を忘れて貰っては困るな!」

 

カラワーナの声にツヨインダベーが上を見上げると其処には、盾と身の丈程の大きさで大砲とランスを合体させた様な武器キューガンランスの砲口を向けたカラワーナがホバリングしていた。砲口には既にキューエナジーが充填され発射準備が整っていた。

 

カラワーナ

「この一撃で・・・撃ち砕く!!喰らえーーーーーー!」

ツヨインダベー

「クッ・・・貴様!俺様の盾になれ!」

インダベー

「ダ?ダベーーーーーー!」

 

キューガンランスから放たれた膨大なキューエナジーの砲撃をツヨインダベーは近くにいたインダベーを身代わりにして防いだ。

 

カラワーナ

「貴様!味方を盾にするとは何を考えている!」

ツヨインダベー

「所詮此奴らは使い捨ての駒だ代わりならいくらでもいる。其れを使い捨てて何が悪い?」

カラワーナ

「何処まで歪みきっているんだ此奴は!」

ツルギ

「カラワーナ。此奴らは・・・ジャークマターはこう言う存在なんだ。」

 

降りてきたカラワーナを落ち着かせる為に肩に手を置くツルギ。

 

ツルギ

「だからこそ俺達キュータマに選ばれた救世主が・・・邪悪な者が世界を覆い人々が涙し希望を失うのを救う為に俺達がいるだ!」

 

一気に接近したツルギからのキューソードの一撃をズバコーンで受け止め踏ん張るツヨインダベー。

 

ツヨインダベー

「何が”救う“だ!我々ジャークマターに逆らう愚か者は全て皆殺しだ!」

ツルギ

「そんな事・・・させるか!」

 

キューソードを握る手に更に力を込めるとツルギは決着を付け為に一気に畳み掛け始めた。

 

ツルギ

「一気に片をつける!カラワーナ!行くぞ!」

 

そう言ってキューソードを振るいカラワーナの所にツヨインダベーを投げ飛ばすツルギ。

 

カラワーナ

「任せろ!ツルギ!」

 

自分目掛けて投げ飛ばされたツヨインダベーをキューガンランスを振り下ろし地面に叩き付け更に浮き上がった瞬間に上に突き上げるカラワーナ。

 

『ギャラクシー!』

 

そのままの流れでキュータマをブラスターからガンランスの付け根に付け替え、ガンランスがネイビー色のキューエナジーに包みこまれ同じ高さに飛び上がり必殺の一撃を放つ。

 

カラワーナ

「ビィクティムインパクト!」

 

グリフォンのクチバシを模した鋭い突きを受け再び地面に叩き落されるツヨインダベー。その真下ではミッテルトがキューダガーにキュータマをセットし必殺技を放つべく構えていた。

 

『ギャラクシー!』

 

ミッテルト

「カラワーナ!タイミング、バッチリっす!」

 

その場で自身とダガーを回転させるとミッテルトとダガーにグレー色の風が集まり渦を巻いて行く、其れはやがて大気を切り裂く烈風の如く荒れ狂う嵐の刃へと姿を変えた。

 

ミッテルト

「必殺!ディザスターインパクト!」

 

風の収束が頂点に達した時ミッテルトは風を纏い錐揉み回転しながら落ちてくるツヨインダベーに向かって飛翔して行く。到達するとツヨインダベーの周囲を捉えられない程のスピードの高速回転からのダガーと錐揉み回転から発生したキューエナジーの刃がツヨインダベーを切り裂いて行く。

 

ツヨインダベー

「おのれ!この小娘がーーーーーー!」

 

ミッテルトの一撃で更にダメージを受け祭壇の下に落ちて行くツヨインダベー。

 

ツルギ

「ここだ!行くぞレイナーレ!」

レイナーレ

「分かったわ!ツルギ!」

 

後を追うように祭壇から飛び降りるツルギとレイナーレの2人。

 

ツヨインダベー

「来るな!来るなーーーーーー!」

 

2人に向かって空中で闇雲にズバコーンを乱射するツヨインダベー。

 

ツルギはキューソードとレイナーレが操作してくれているキュースライダーの援護で攻撃を躱し、レイナーレもスライダーの他に手持ちの盾に収納されていた剣キューセイバーを抜き其れらを使って攻撃を躱して行く。

 

ツルギ

「此れで!」

レイナーレ

「終わりよ!」

 

其々ブラスターのキュータマをキューソードとキューセイバーにセットして構えなおし、レイナーレが足元に移動させたスライダーを蹴り空中の距離を縮める。2人の刃がレッドとパープルに発光しキューエナジーが集まって行く。

 

ツルギ

「レグルスインパクトーーーーーー!」

レイナーレ

「デトネーターインパクトーーーーーー!」

 

X切りの様に重なり合う様に放たれた2人のキューエナジーの一撃を受け、ツヨインダベーは最初にツルギ達がいた場所の中心にその勢いのまま叩き付けられた。

 

 

叩き付けられた地面からは粉塵が上がりツヨインダベーがどうなったかは下に着地した2人と上から降りてきたカラワーナとミッテルト、更には下のインダベーを相手していた一星以外のメンバーにも確認出来ない状態だった。

 

ツルギ

「やったか?」

リアス

「ツルギ無事!何処も怪我してないわね?」

ツルギ

「大丈夫です。部長も・・・リアスさんも無事で良かった。」

リアス

「心配してくれてありがとうツルギ。やっぱり貴方の大切な存在は私・・・」

 

ツルギの側で言葉に顔を赤くし恥じらうリアスの間にミッテルトが割り込み文句を言う。

 

ミッテルト

「ちょっと待った〜〜〜!何で!そうなるっすか!」

カラワーナ

「落ち着けミッテルト。何もツルギがその様な意味で言ったと決まった訳では。」

レイナーレ

「ちょっとカラワーナ!貴女いつの間にツルギの事を名前で!」

カラワーナ

「其れを仰るならレイナーレ様もいつの間にか”ツルギ"と!」

 

カラワーナとレイナーレもいつの間にか互いに名前呼びになっている事に驚き合っている。

 

ククル

「ぐぬぬぬ!唯でさえ私にシルヴァ姉に一星にアーシアちゃんまでいるのに、其処に本格的に夕麻ちゃんだけでなく仲間の2人まで参戦するなんて!」

朱乃

「もしかしたら更に増えるかも知れないわよククル。」

木場

「大変だねツルギ君も。」

小猫

「・・・ズルいです。」

シルヴァ

「皆んな気を緩めるな!未だ倒したか如何か分からないんだぞ!」

 

ククルが新たなライバル出現に歯軋りし朱乃はさらなるライバル増加の可能性を告げ、木場はツルギの苦労を考えながら頬をかき小猫の本音が小声で漏れる中、シルヴァはツヨインダベーの落下地点を睨み警戒していた・・・すると。

 

ツヨインダベー

「おのれーーー!やってくれたな炎ツルギ!」

ツルギ

「まだ倒れないか!どれだれタフなんだよ!」

 

粉塵の中からボロボロになりながらもツヨインダベーが出てきた。

 

レイナーレ

「あれだけの攻撃を受けて未だ立てるなんて!」

ツヨインダベー

「この力・・・アーシアから奪ったこの神器の力だ!」

 

ツヨインダベーの片手が光を放ちその光を当てた場所の傷が見る見る回復していった。

 

リアス

「その神器はトワイライト・ヒーリング!あらゆる傷を治癒する神器。」

ツヨインダベー

「その通りだ!此処で厄介な貴様らを始末しておきたかったが仕方ない・・・目的は達した!」

ツルギ

「逃すか!」

 

逃走を図ろうとしている事を察したツルギがキューソードを投げるが、当たった瞬間に放たれたズバコーンの砲弾が入り口の天井を破壊し塞いでしまった。

 

シルヴァ

「しまった!入り口が塞さがれた!」

ツルギ

「クソ・・・部長!一星とアーシアは!」

リアス

「マズイわ!一星にはアーシアさんを連れて教会の入り口に戻る様に言ったから、このままでは一星とアーシアさんが危ないわ!」

ツルギ

「とにかく早く瓦礫を破壊して急がないと!」

 

全員で瓦礫を攻撃し破壊するが大きい物がある上に先ほどのツヨインダベーの攻撃で下手をすれば地下が崩落する可能性がある為一気に破壊することが出来なくなっていた。

 

ツルギ

「一星・・・俺が行くまで死ぬんじゃ無いぞ!」

 

 

一星 side

 

一星はツルギからアーシアを託されてから階段を一気に下るとリアスから指示があり、其れに従ってアーシアと地下の入り口がある教会の中にいた。

 

一星

「一先ずアーシアを横にしないと。」

アーシア

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

近くの長椅子にアーシアを横たえると彼女に声をかけた。

 

一星

「アーシア大丈夫だから!必ずツルギが神器を取り戻してくれるから、だから後少しだけ!」

アーシア

「一星さん・・・私、少しの間だけでも・・・一星さんとお友達になれて良かったです。」

一星

「何言ってるの・・・アーシア。」

 

力無く上がった彼女の手を握る一星。

 

アーシア

「其れに初めてでした・・・ツルギさんの事を、誰かを好きになったのは。ツルギさんの事が愛おしくて・・・ずっと側に居たいと思いました。」

一星

「アーシア・・・」

 

徐々に冷たくなっていく彼女の感覚。

 

アーシア

「ごめんなさい一星さん・・・一星さんもツルギさんの事が好きなのに・・・その気持ちを知っているのに・・・其れでもツルギさんを好きなったバチが当たったんですかね?」

一星

「そんな事ない!誰を好きになるかはその人の自由なんだから、誰を好きになっても良いんだ・・・其れにアーシアとならツルギを一緒になって愛しても良いと思ったんだ!シスターから見たらダメだろうけど。」

アーシア

「一星さんと一緒に・・・主に罰せられてしまうかもしれませんが、素敵ですね。生まれ変わってもまた・・・一星さんとお友達になって・・・ツルギさんを好きになりたいです。」

一星

「駄目だ・・・駄目だよアーシア。そんな弱気な発言したら本当に・・・駄目だ!」

 

アーシアの言葉を否定する様に泣きながら声を上げて叫ぶ一星。

 

アーシア

「ありがとう一星さん・・・私の為に泣いてくれて・・・最後にツルギさんと・・・もう1度と・・・お話がしたかっ・・・た、です。」

 

最後の掠れるような声が聞こえた瞬間・・・一星の手からアーシアの手がすり抜けた。

 

一星

「・・・アーシア・・・ねえ、目を開けてよ。冗談が過ぎるよ・・・行っちゃ駄目・・・行かないでよ!アーシアーーーーーー!」

 

冷たく息を引き取ったアーシアの隣で泣きじゃくる一星。

 

一星

「何で・・・何でアーシアが死なないといけなんだ!ただ普通の生活をして、恋をして、生きたかっただけなのに・・・何で!」

ツヨインダベー

「やはり死んだか!だから言ったんだ。助けるだけ無駄だとな!」

一星

「ツヨインダベー!」

 

地下の入り口付近からのツヨインダベーの声に怒りを爆発させて振り向く一星。

 

ツヨインダベー

「アーシアには感謝しないとな。見ろ!さっき炎ツルギに付けられた傷だが・・・この神器の力があれば!このような傷など一瞬で治癒する。この力があれば俺様は必ず出世出来る!」

一星

「・・・五月蝿い。」

ツヨインダベー

「何か言ったか?」

一星

「五月蝿いって言ったんだ!お前だけは・・・お前だけは許さない!」

ツヨインダベー

「ハッ!救世主でも無い。兵士と言う捨て駒の分際の貴様に何が出来る!」

一星

「確かに私にはツルギ見たいな救世主の力も無いし、部長達みたいに魔力も無い、だけど!アーシアの事を守れなかった自分自身もお前の事も絶対に許さないんだよ!」

 

一星の思いに反応する様に神器の宝玉が輝きを増していく。

 

一星

「アーシアを・・・アーシアを返せーーーーーー!!!」

 

『ドラゴンブースター!!』

 

ツヨインダベー

「五月蝿い!此処でアーシアと一緒に死ね!」

 

横薙ぎに振られたズバコーンを躱して神器の拳を叩き込む一星。

 

『ブースト!』

 

ツヨインダベー

「何!俺様の攻撃を躱しただと!」

一星

「伊達に格闘技をやってる訳じゃないんだよ!其れに悪魔になってからはツルギに散々シゴかれたからね!」

 

そう言って今度は蹴りを放つ一星。

 

『ブースト!!』

 

ツヨインダベー

「調子付くなよ!悪魔風情が!」

一星

「グヮーーーーーー!」

 

至近距離からのズバコーンの砲撃を受けて吹き飛ばされてしまう一星、トドメを刺すべくズバコーンを構えなおし近づいてくるツヨインダベー。

 

ツヨインダベー

「手こずらせやがって!さっさとくたばれ!」

一星

「ツルギ・・・お願い!私に力を貸して!」

 

『ブースト!!!』

 

強い意志を宿した瞳を見開き立ち上がる一星に後ずさるツヨインダベー。

 

ツヨインダベー

「馬鹿な!ボロボロのくせに何処にこんな力が!」

一星

「アーシア直ぐに終わらせるから、少しだけ・・・我慢してくれ!」

 

『エクスプロージョン!!』

 

その瞬間に宝玉の輝きが更に増し辺り一帯を照らし出す程輝き、龍の腕を模した籠手に形状を変化・・・否、進化したのだ。

 

ツヨインダベー

「なら望み通りに終わらせてやる!」

 

ズバコーンからの砲弾を一星目掛けて発射したが、其れを片手で弾き飛ばす一星。

 

ツヨインダベー

「そんな馬鹿なあり得ん!この砲弾をたかが悪魔如きが弾き飛ばせる訳が・・・!」

一星

「言いたい事は・・・其れだけか!」

ツヨインダベー

「貴様いつの間に!」

一星

「吹っ飛べ!!この野郎!」

ツヨインダベー

「グッハ!」

 

気を取られてる隙に懐に入り込んだ一星の神器からの強力なストレートナックルを顔面に受けたツヨインダベーは、教会入り口のドアを突き破って外に吹っ飛んで行った。

 

一星

「ハァ、ハァ、ハァ・・・グッドラック!何ちゃって。」

 

ツルギの真似をして親指を立てる一星。ツヨインダベーが戻って来ないのを確認し再びアーシアの側に寄り添うのであった。

 

一星 side end

 

 

ツルギ

「一星!アーシア!無事か?」

一星

「ツルギ・・・ゴメン!アーシアを・・・アーシアを守れなかった!」

ツルギ

「一星・・・一星が悪いんじゃ無い!悪いのは、あの時アーシアを守れなかった俺の責任だ。だから・・・自分を責めるな一星。」

一星

「ツ、ツルギ・・・ツルギ!ウヮーーーーーー!」

 

泣きじゃくる一星の抱き締めて励ますツルギ。だが、ツルギの表示も暗く沈み切っていた。

 

暫くして泣き止んだ一星だったが表示は晴れず、ツルギは一星以上の悔やみからか強く握った手からは血が出ていた。

 

リアス

「ツルギ・・・大丈夫?」

 

優しく声を掛け傷口に自分のハンカチを巻いてくれるリアス。

 

ツルギ

「・・・また俺は守れなかった」

リアス

「ツルギ。今なんて?」

ツルギ

「気にしないで下さい部長・・・俺は大丈夫です。」

リアス

「ツルギ・・・」

 

リアスは聞き逃していなかった。ツルギの”また守れなかった"の言葉を、だが敢えて何も言わなかった。

 

ツルギ

「ところで一星。ツヨインダベーは一体どうした?」

一星

「ツヨインダベーなら私が入り口の外にぶっ飛ばしたけど?」

ツルギ

「本当に逃げたのか・・・其れとも何かあるのか?」

 

ツルギが何も起こらない事に疑問を感じていると・・・

 

ツヨインダベー

「炎ツルギ!其れに兵藤一星!よくもやってくれたな!」

ツルギ

「ツヨインダベー!やはりまだ何か企んでいるのか!」

一星

「ツルギ!今度こそ彼奴を倒すぞ!」

ツヨインダベー

「其れは不可能だ!貴様らはこの力によって俺様に潰されるんだからな!」

 

そう言うとツヨインダベーは懐から印籠みたい物を取り出した。

 

ミッテルト

「何っすか?アレ?」

カラワーナ

「確か印籠と言う物ではなかったか?」

ククル

「まさかアレは!」

シルヴァ

「間違いない!アレは・・・キョダインロウ!」

 

其れを知っているツルギ、ククル、シルヴァは驚愕した。

 

朱乃

「キョダインロウ?」

小猫

「変な名前ですね?」

木場

「ツルギ君。アレは一体何なんだい?」

ツヨインダベー

「とくと見るがいい!ジャークマターの真の力を!」

 

掲げられたキョダインロウから黒い闇が発生しツヨインダベーを呑み込み1.5倍ぐらいの高さに巨大化していく。

 

ツルギ

「アレはジャークマター怪人の切り札だ!怪人の細胞を活性化させて更に力を増大させる物だ!」

リアス

「何ですって!」

 

『ヒカエオロー!!』

 

キョダインロウか禍々しい声が響き闇が晴れた其処には元より表情が禍々しくなりに体が少し巨大化したツヨインダベーがいた。

 

ツヨインダベー

「貴様らは必ず消してやる!」

ツルギ

「させるか!」

 

『セ・イ・ザ・ゴー!』

 

ツルギはブラスターのシシキュータマを奥に倒してトリガーを引いた。すると空中にチェンジする時に現れる獅子の紋様が現れ、其処から獅子型のマシン・・・キューボイジャーが現れた。

 

『シシボイジャー!』

 

一星

「何あのライオンのマシン!」

ツルギ

「アレはシシボイジャー。救世主が呼び出し動かす事が出来るマシンだ!」

 

全員が改めてシシボイジャーを見ると、前足部分からキューミサイルを発射してツヨインダベーを攻撃していた。

 

ツルギ

「よし今の内だ!ククル姉さん。シルヴァ姉さん。此れを!」

シルヴァ

「無理はするなよツルギ!」

ククル

「まだ完全じゃ無いことを忘れちゃ駄目だよ!」

 

ツルギからオオカミとオウシのチェンジキュータマを受け取り自分のブラスターにセットする2人。

 

ツルギ

「レイナーレ!カラワーナ!2人もこのキュータマをセットして奥に倒してトリガーを引いてくれ!」

レイナーレ

「分かったわツルギ!」

カラワーナ

「此れをセットして奥に倒すんだな!」

 

レイナーレとカラワーナもカメレオンとカジキのキュータマを渡されてツルギの言う通りにし、4人が同時にトリガーを引いた。

 

『オオカミボイジャー!』

 

『カメレオンボイジャー!』

 

『オウシボイジャー!』

 

『カジキボイジャー!』

 

シシボイジャーより小型の4つのボイジャーと更に同じサイズのキュータマが現れ合体しツヨインダベーに向かっていった。

 

リアス

「ツルギ!一体何をするの!」

ツルギ

「彼奴を倒します!部長達は下がっていて下さい。」

リアス

「止めても聞いてくれないわよねツルギは・・・くれぐれも無理はしないで。」

ツルギ

「分かりました部長・・・一星。さっきはお前がアーシアを守る為に戦った。今度は俺がアーシアと一星を守る!」

一星

「分かった・・・頼むぜツルギ!」

ツルギ

「サンキュー!」

 

一星に返事を返すとツルギがボイジャーサイズのシシキュータマに包まれシシボイジャーとドッキングした。ボイジャーの中でブラスターのキュータマを手前に倒しトリガーを引くと。

 

『セ・イ・ザ・ドッキング!』

 

其処からシシボイジャーの前足部分が回転し其処に両腕形態に変形した左にカメレオンと右にカジキ、更に両足形態に変形したオオカミが左足にオウシが右足に合体した後にシシボイジャーの頭部が反転し口が開くと顔が現れ各キュータマが発光しツヨインダベーと同じサイズのロボになった。

 

『キュウレンオー!』

 

ミッテルト

「凄い!キュータマってこんな力もあるんっすか!」

リアス

「キュウレンオー・・・こんな力まであるなんて。」

 

キュータマの力のスケールの大きさにリアスも言葉が出なかった。

 

ククル

「ツルギ!余り時間は無いよ!」

シルヴァ

「早くケリをつけるんだ!」

 

ブラスターの通信機能でツルギに話しかける2人。

 

ツルギ

『分かった。一気に決める!キュウレンオーの力を見せてやる!』

ツヨインダベー

「何がキュウレンオーだ!お前ごとスクラップにしてやる!」

 

ツヨインダベーの巨大化したズバコーンとキュウレンオーのカジキスラッシャーが激突し衝撃波が発生し大気を揺らした。

 

この戦いの決着まで・・・後僅か。




はい、第13話は如何でしたか?

今回はキュウレンオーを出しました。以前の感想返信でも書いたのですが今作のキュウレンオーはツルギ達の1.5倍ぐらいの大きさで、イメージ的にはインフィニット・ストラトスのISサイズぐらいとお考え下さい。ボイジャーのサイズはツルギ達と同じくらいです。詳しくはキュウレンオーの解説で致します。

今回はシルヴァことホークコバルトブルーの解説です。

・ホークコバルトブルー
(元ネタはキュータマが仮面ライダーオーズのタカコアメダルです。セイザライフルブラスターはグラブルの水属性のシルヴァが使っているライフルにキューザウェポンのデザインを合わせたものです。スーツは同じくグラブルの水属性シルヴァの服にキュウレンジャー要素を足しアレンジした物です。)

ククルとは反対に必殺必中の戦い方と冷静沈着な性格でライフルを使った遠距離射撃や狙撃を得意としている。だがライフルでの銃剣術やキュータマの力を使ったブレイドライフルでの接近戦も得意。更に視野を広く持ち戦局や状態を判断して的確な牽制から援護もこなし指揮や味方をサポートするのにも長けている。
セイザライフルブラスターもククルがシルヴァの癖や戦い方からデュアルブラスターで培ったノウハウを活かして開発した物、身の丈以上のライフルのバレルは圧縮したキューエナジーを一点に収束さする為の設計である。スコープと重なり合う様にチェンジキュータマをセットする場所と空薬莢を排出する部分にスキルキュータマをセットする場所がありキュータマ越しにスコープを覗く様になっている。各モードを使うにはライフルを上から見て天球儀の支え部分が右にある時がチェンジと基本状態で、必殺技の発動180度・ボイジャーは90度に合わせて撃鉄からのトリガーで発動する。技の発動はククルと同じで撃鉄からのトリガーである。

・ホークキュータマ
此れもガンナーキュータマと同じスキルキュータマだったがシルヴァに反応してチェンジキュータマに変化した。此れもシルヴァ専用である為他の人には使えない。このキュータマの力とシルヴァの腕前から放たれるヒューネラルブリットインパクトが必殺技。

・ブレイドキュータマ
(元ネタは仮面ライダーブレイドのスラッシュのラウズカード)
剣がカーブを描きながら振るわれている模様が描かれたスキルキュータマ。刀剣武器の切れ味を増したりするキュータマだがキューエナジーの刃を出現させる事もでき、シルヴァは此れを使って小型のナイフ形状の刃を装着した銃剣術やライフルの下部全体を覆うほどの刃のブレイドライフルを使った接近戦も熟す。

はい、ホークコバルトブルーの解説はこんな感じです。

次回で第1章の戦いもクライマックスです。

では、次回第14話でお会いしまう。




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第14話 決着の時・ツルギの覚悟とアーシアの新たな一歩

はい、第14話です。

今日のルパトレンは熱かったですね!ルパンレッドとパトレン1号のコンビネーションに痺れましたし、デストラのドグラニオへの忠誠心にも格好良さがありましたね。

後、仮面ライダージオウにはディケイド登場でしたね。

新しいネオディケイドライバーがプレバンで予約を早速開始してましたので速攻購入しちゃいました。

今回はツヨインダベーとの決着です。

では、どうぞ。


第14話 決着の時・ツルギの覚悟とアーシアの新たな一歩

 

 

教会の外に広がる沢山の木々達が揺れ枝に止まっていた鳥達が本能的に危険を察知して飛び去る。

その震源となっている教会内部では一星とツルギの友人のアーシアとレイナーレ達の仲間のドーナシークの命を出世の為に奪い巨大化したツヨインダベーと、それを倒す為に仲間達の思いと宇宙の星々の力を1つにし5つの星座の輝きを束ねた究極のスペースロボ、キュウレンオーを操り戦うツルギが互いの武器をぶつけ合いながら火花を散らしていた。

 

ツヨインダベー

「派手に登場した割には大した事ないな!」

ツルギ

「キュウレンオーの力を見くびるな!」

 

鍔迫り合い状態でカジキスラッシューに力を込め踏み込みツヨインダベーを押し込んで行くツルギ。

 

ツヨインダベー

「巨大化した俺様のパワーを圧倒しているだと!」

ツルギ

「だから言っただろ”見くびるな“とな!」

リアス

「あの巨体のパワーを押し返すなんて・・・凄いわツルギ!」

一星

「いいぞツルギ!そこだ!行けーーー!」

ミッテルト

「カッコイイっす!今だ!其処でキックっすツルギ!」

 

キュウレンオーの力に驚きを隠せないリアスに、格好良さと強さにテンションが上がりパンチやキックのアクションをする一星とミッテルト。

 

ツヨインダベー

「ならズバコーンの砲撃を喰らわせてやる!」

ツルギ

「だったら・・・全て弾き返す!」

 

キュウレンオーの蹴りを受け後ずさったツヨインダベーはズバコーンの砲口を向け無茶苦茶に砲撃して来たが、ツルギはキュウレンオーの左腕のカメレオンボイジャーの舌を伸ばし華麗な鞭捌きのように動かし砲撃を全て弾き返した。

 

ツヨインダベー

「小癪な真似を!」

朱乃

「あらあら!見事な鞭捌きですねツルギ君。」

カラワーナ

「大丈夫なのか?其方のクィーンは?」

小猫

「大丈夫です。朱乃さんは時々あんな感じになるので。」

 

キュウレンオーの鞭捌きにドSのスイッチが入り表情が高揚して行く朱乃を心配して確認をするカラワーナだが、ハッキリと言わずにそれとなく言って誤魔化す小猫。

 

ツルギ

「今度は此方の番だ。行くぞ!」

 

砲撃が止んだタイミングに一気に懐に飛び込みカジキスラッシューの刃で横薙ぎや連続切りでツヨインダベーを切り裂いて行く。

 

ツヨインダベー

「グァ!おのれ〜〜〜舐めるなーーーーーー!!」

ツルギ

「そんな大振りの攻撃など見え見えだ!」

 

連続攻撃を無理矢理に押し返した勢いのまま振り上げたズバコーンを振り下ろすが冷静にそれを受け止めるツルギ。

 

木場

「流石ツルギ君だ!状況に瞬時に対応してくる!」

レイナーレ

「やっぱりツルギは・・・凄い!」

 

木場とレイナーレはツルギの強さに改めて感心させられていたが・・・突然!

 

ツルギ

「よし!このまま一気に・・・グァ!か、体が!」

ツヨインダベー

「どうやら貴様のその力は・・・完璧では無いようだな!」

ツルギ

「グッハ・・・グァーーーーーー!」

リアス

「ツルギ!」

 

息を荒げ膝から崩れ落ち苦しみだすツルギさっきまで余裕を持って受け止めていたが、徐々に押し負け更に崩れ落ちた瞬時に力任せの攻撃を受け吹っ飛ばされてしまった。

 

シルヴァ

「ツルギ!」

ツルギ

「クソ!体が・・・重、い!やっぱり・・・まだ完全じゃ、無いか。」

リアス

「ツルギ大丈夫?しっかりして!どうなっているのククルさっきまで何とも無かった筈なのに?」

ククル

「今のキュウレンオーは本来の力を発揮出来ない・・・言わばリミッターが掛かっている状態だから戦える時間が極端に短いの、でもこんなに早いなんて!」

 

ツルギに駆け寄るリアスに既に満足に戦える時間を過ぎてしまったので動きが鈍くなった事を説明するククルだが、自身が予想していた時間より更に早い事に焦りが露わになる。

 

ツルギ

「あのキュータマの力さえ・・・あれば!」

ツヨインダベー

「アッハハハ!そんな真面に戦う事すら出来ない力しか無いとは・・・本当に哀れだな炎ツルギ!所詮は名ばかりの救世主と言う事だ貴様は!」

ツルギ

「・・・」

ツヨインダベー

「宇宙の力に選ばれた究極の救世主と言われていても、兵藤一星に守られアーシアを死なせた貴様には力を持つ資格などある筈が無いのだ!」

ツルギ

「確かにそうだ。一星にアーシア・・・其れだけじゃない・・・俺は力を持ちながら目の前で大切な存在を救う事が出来なかった惨めな男だ・・・だが!」

 

震える足に力を込め膝に手を突き少しずつ立ち上がるツルギ。

 

ツルギ

「俺には!力に選ばれた責任!救う事が出来なかった命への責任!そして・・・失った命以上に・・・命を救わなければいけない責任があるんだ!!」

ツヨインダベー

「な、何だ!既に満足に戦えない筈・・・何処に・・・何処にそんな力がある!」

 

ツルギの凄まじい気迫に畏怖するツヨインダベー。

 

推奨BGM LUCKYSTAR

 

ツルギ

「だから!だからこんな所で・・・負ける訳にいかないんだ!!!」

 

魂を燃え上がらせる程の叫びをあげ立ち上がったキュウレンオーがツルギに呼応する様に輝きを増して行く。

 

ツヨインダベー

「な、何だと!」

ツルギ

「刮目しろツヨインダベー!お前に・・・伝説の救世主の力を見せてやる!!」

 

ツルギの覚悟を乗せて更に力と輝きを増して行くキュウレンオー。

 

リアス

「行きなさいツルギ!貴方の覚悟を・・・見せてあげなさい!」

ツルギ

「はい部長!ウォォーーーーーー!」

一星

「行っけーーーーーー!ツルギ!!」

ツルギ

「勝負だ!ツヨインダベー!!」

ツヨインダベー

「馬鹿な!今の貴様の何処に此れほどの力が!」

 

背中のブースターを吹かして一気に間合いを詰めカジキスラッシューを力の限り突き出し向かって行くツルギ。それを辛うじて受け止めて踏ん張るツヨインダベー。

 

ツヨインダベー

「此処まで来て・・・貴様ら虫けら如きに邪魔されてたまるものか!」

朱乃

「そこですわ!ツルギ君!」

木場

「今だ!一気に押し込むんだツルギ君!」

小猫

「頑張れ!ツルギ先輩!!」

ツルギ

「押せーーーーーー!キュウレンオー!!」

 

後ろに引いたオウシボイジャーのキャタピラが仲間の声援に応える様に回転しパワーを増して行く!気迫と共にパワーを乗せたカジキスラッシューでツヨインダベーを押し込んで行くツルギ!

 

ツヨインダベー

「グッハ!調子に・・・乗るなーーーーーー!」

ツルギ

「そうはさせん!」

ツヨインダベー

「ズバコーンが!よくもやってくれたな!」

 

再びズバコーンを発射するのを阻止する為にカメレオンボイジャーの舌でズバコーンを搦め捕り手元から弾き飛ばす。

 

ツルギ

「今度は此方の技を受けてみろ!!」

ツヨインダベー

「グァ!ブッハ!馬鹿な!俺様は力を手に入れた筈・・・其れなのに!何故こんな男の力に押されている!」

レイナーレ

「貴方の力は誰かを傷つけ奪うだけの力・・・でもツルギの力は違うわ!」

カラワーナ

「ツルギの力は誰かの命を・・未来を救う為の力!貴様とは全く違う!」

ミッテルト

「そんな優しくて本当に強いツルギが・・・お前なんかに負ける筈ないっす!」

 

誰かを傷つけ命を踏み躙る力などより命の未来を守る力の方が強い事をハッキリとレイナーレ達に告げられながら、カジキスラッシューの高速連続突きを受け更に吹っ飛ぶツヨインダベー。

 

ツルギ

「もう一撃!持っていけーーーーーー!」

ツヨインダベー

「グッハーーーーーー!」

ククル

「凄い・・・凄いよツルギ!限界を既に超えているのに・・・皆んなの思いがツルギに力を与えているんだねシルヴァ姉!」

シルヴァ

「ああ!此れがツルギが紡ぎ出した絆の力!」

 

オオカミボイジャーの左足から繰り出された強烈なローリングソバットを受け教会の入り口まで飛ばされるツヨインダベーだが、既に満身創痍状態で戦え無い様である。

 

ツヨインダベー

「こんな所で・・・俺様が!俺様の野望が潰えるものかーーーーーー!?!?」

 

最後まで己の野心を諦めずボロボロになりながらも立つツヨインダベー。

 

ツルギ

「此れで最後だツヨインダベー!お前の野心を此処で撃ち砕く!!」

 

キュータマ内部でシシキュータマを銃口の反対に2回倒しトリガーを下げ、ブラスターを肩と水平にし腕を回し胸の前で構え直すツルギ。

 

ツルギ

「キュウレンオー!スターブレイク!」

 

『スーパーギャラクシー!』

 

正面にブラスターを向けトリガーが引かれた瞬間。

 

キュウレンオーから溢れた光がカジキスラッシューに集まり鋭利に伸び輝く刃が一気に振り下ろされツヨインダベーの体を左右に一刀両断した。その刃はツヨインダベーだけでなく教会の天井や床まで切り裂き、切り裂かれた天井から淡い月の光が射し込んできた。

 

ツヨインダベー

「ジャ、ジャークマターに・・・栄光あれーーーーーー!」

 

最後の断末魔を叫びながらツヨインダベーは野心と共に爆発した。

 

ツルギ

「命の未来は・・・俺達が取り戻す!」

 

此処に神器、トワイライト・ヒーリングを巡る悲しい戦いは終わった。

 

 

ツルギ

「ハァ!ハァ〜〜〜。体が思うように動かない。」

ククル

「ツルギ大丈夫だよ!お姉ちゃんがしっかりと治してあげるから!」

一星

「何を治療にかこつけてツルギに抱き付いてんだよククル姉!私がするから離れなよ!」

ツルギ

「痛い痛い!ちょっと待ってくれ!まだ体の彼方此方が痛みで・・・痛った!」

シルヴァ

「止めないかククル!一星!唯でさえ無理が祟っているツルギに追い打ちをかけるな!」

 

ツヨインダベーを倒してキュウレンオーと変身を解除したツルギだったが、無理をし過ぎた為に身体中ボロボロになり痛みがある中で何時もの問答を起こすククルと一星を諭すシルヴァ。

 

レイナーレ

「なら私がツルギを介抱してあげるわ。」

カラワーナ

「いえ!レイナーレ様。此処は私が!」

ミッテルト

「なら3人でやるっす!」

ククル

「こら!其処の3人!私の許可無くツルギとベタベタするな!」

ツルギ

「何でこんな時まで・・・」

 

ある意味何時もの通りだが”何も今この場でしなくてもいいだろ”と思い少し呆れるツルギ。

 

ツルギ

「彼方はシルヴァ姉さんに任せるとして・・・一星。肩を貸してくれないか?」

一星

「私が!仕方ないなツルギは!ほら、私に捕まって。」

ツルギ

「すまない。」

 

一星の力を借りて立ち上がりリアスの元に向かうツルギ。

 

ツルギ

「部長。此れを・・・ツヨインダベーを倒して取り返したアーシアの神器です。」

リアス

「ツルギ・・・」

 

リアスに神器を渡したツルギは一星の肩から手を退け横たわるアーシアの手を握り自分の額に当てしゃがみ込んだ。

 

ツルギ

「アーシア・・・すまない!俺はアーシアとの約束を守れなかった!必ず守ると約束しておきながら守れないどころか、最後の瞬間にも側にいてやれなかった最低な男だ!」

一星

「ツルギ・・・」

ツルギ

「本当にすまない・・・アーシア。」

 

何時もは余程の事がなければ涙を流さない事を知っている一星やククル達だけで無く、その場にいる殆どの者がツルギにかける言葉が出せずに教会の中はツルギの押し殺した泣き声だけが響く中・・・。

 

リアス

「ツルギ・・・此れが何か分かる?」

ツルギ

「其れは・・・もしかして!イーヴィル・ピースですか?」

リアス

「その通り此れは僧侶つまりビショップの駒よ。説明していかなったけど爵位を持つ悪魔が最初に持てる駒には数が決まっているの。」

 

其れからリアスはツルギに持てる駒の数や自分が今現在残っている駒の数などを説明した。

 

リアス

「私の手元にあるビショップの駒は後1つ。この子の回復の力はビショップの、眷属をフォローする能力と相性が良いわ。だから・・・前代未聞だけどシスターだったアーシアさんを私の眷属悪魔として転生させてみるわ。」

ツルギ

「あの時の一星の様にって事ですか?」

リアス

「その通りよ。だから手伝って頂戴。」

ツルギ

「分かりました!」

 

直ぐにアーシアを転生させる為にかつて一星の時にも見た魔法陣を床に描き準備を終わらせるリアス達。

 

リアス

「此れで良いわね。ツルギ彼女を魔法陣の中心に。」

ツルギ

「はい部長。」

 

リアスの指示で魔法陣の中心にアーシアを横たえる。

 

リアス

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ!我の下僕となるため、今再びこの地へ魂を帰還させ悪魔と成れ!汝、我が僧侶として新たな生に歓喜せよ!」

 

以前の一星の様にアーシアの体にビショップの駒が入っていき、魔法陣が光を放ち辺りを光が包み収まった中心には。

 

アーシア

「・・・あ、あれ?私は・・・一体・・・あっ!ツルギさん!」

リアス

「成功したみたいよツルギ。」

ツルギ

「アーシア!」

アーシア

「ツルギさん!?」

 

急に抱き締められて慌てふためくアーシア。

 

ツルギ

「すまないアーシア。俺は1度アーシアを死なせてしまった!守ると言っておきながら救う事が出来なかった!謝って済む事じゃ無いのは分かってる。でも・・・本当にすまない!」

アーシア

「気にしないで下さいツルギさん。私はツルギさんや一星さん、お二人と出会って最初の友達が出来ました。其れにツルギさんとククルさんやシルヴァさんとの生活は私に家族の温かさを感じさせてくれる大切な場所になりました・・・其れに私はもっとツルギさんから大切な感情を貰いましたから。」

ツルギ

「大切な感情?」

アーシア

「あっ!気にしないで下さい!其れにツルギさんはちゃんと約束を通りに私を守る為に助けに来てくれた・・・私は其れだけで嬉しかったです。だからツルギさん。此れからも私に何かあったら今日みたいに助けに来てくれますか?」

ツルギ

「勿論だ!何があっても必ずアーシアの元に必ず駆け付ける。約束だ!」

アーシア

「はい!ツルギさん。」

 

再び抱き締められたツルギの肩に少し顔を赤らめながらも頭を預けるアーシア。

 

一星

「アーシア〜〜〜良かった!本当に良かったよ!」

アーシア

「一星さん。ご心配をお掛けしてすいませんでした。所で私は死んだはずなのに如何して?」

リアス

「私が悪魔として貴女を転生させたのよアーシア・アルジェントさん。」

アーシア

「貴女は?」

 

その後アーシアはリアスから自分が転生悪魔になった事やツヨインダベーがどうなったかなど大まかな内容を聴かされた。

 

アーシア

「そうだったんですね。」

ツルギ

「アーシア。悪魔になった事を後悔してるか?」

アーシア

「いえ。主に祈りを捧げることは出来なくなってしまいましたが、代わり温かい居場所を得られたんです。後悔なんてしていません。」

ツルギ

「アーシア。」

ククル

「なら此れからアーシアは私の可愛い妹って事だね。アーシア!此れからはククルお姉ちゃんって呼んでね。」

シルヴァ

「気が早すぎるぞククル。だが此れからも一緒に暮らすんだ改めてよろしくアーシア。」

アーシア

「よろしいんですかツルギさん?」

ツルギ

「当然だろ!俺達の家がアーシアの帰る場所なんだ!」

アーシア

「ツルギさん・・・はい!」

 

大切な居場所に受け入れて貰い今までの中で1番の笑顔で答えるアーシア。

 

リアス

「ツルギ。ちょっといいかしら?」

ツルギ

「はい部長。アーシアは此処で姉さん達といてくれ。」

アーシア

「分かりました。」

 

アーシアをククル達に任せてリアス達の元に戻るツルギ。

 

リアス

「此れからの事について改めて整理をしておきたいの。アーシアは私の眷属として駒王学園に通うことになるけど貴女達3人はどうするの?

主犯はツヨインダベーと発覚したから私達は貴女達に危害を加えるつもりはないのだけれど?」

レイナーレ

「私達は・・・」

ツルギ

「行く当てがないならアーシアと一緒に俺の家で暮らすのは如何だ?」

ミッテルト

「ツルギの家に!行くっす!ツルギとの愛の巣に・・・」

カラワーナ

「落ち着けミッテルト。幾ら我々が脅されていたとは言えこの街で問題を起こしたのは事実だ。」

レイナーレ

「そうね・・・ツルギ!私達は1度堕天使領に戻って総督に今回の事を報告するわ。もしかしたら罰せられてしまうかもしれないけど・・・もし、もし私達が貴方の側に居たいと言った時は・・・受け入れてくれる?」

ツルギ

「当たり前だろ。」

 

そう言うとツルギはレイナーレを抱き締めた。

 

ツルギ

「レイナーレが言ったんだろ”二度と俺の側から離れない“って、レイナーレが俺の側に居たいと思ってくれている限り俺の側が君の居場所だ!仮に戻ってこれないのならどんな障害があっても俺が迎えに行くレイナーレもカラワーナもミッテルトの事も!」

カラワーナ

「ツルギ・・・感謝する、ありがとう。」

ミッテルト

「ツルギ!うちはの事も迎えに来てくれるんっすか!嬉しいっす!」

レイナーレ

「ありがとうツルギ・・・貴方を好きになって本当に良かった。」

 

レイナーレは手を添えていた反対側のツルギの頬にキスをした。

 

朱乃

「あらあら。また一星ちゃんが怒ってしまいますね。」

一星

「ちょっとレイナーレ!何ちゃっかりツルギにキスしてるの!」

レイナーレ

「私はツルギの恋人よ!デートもしたし!2人でお揃いのペアリングまであるんだから!」

一星

「まだ唯の、と・も・だ・ち!でしょうーーーー!」

木場

「一星さん。一先ず落ち着いて!」

小猫

「レイナーレさんも落ち着いて下さい!」

ツルギ

「落ち着け2人共!てか、またこの展開かよ〜〜〜!」

 

友達の部分を強調してレイナーレに詰め寄る一星を抑える木場にレイナーレの前に立ち宥める小猫、ククルだけで無くレイナーレともこんな感じになった事に振り回されるツルギ。

 

カラワーナ

「とにかく落ち着いて下さいレイナーレ様。」

ミッテルト

「そうっすよレイナーレ姉様!其れにコッチは私達も含めて3人あっちは1人だから、こっち側が有利っす!」

一星

「ミッテルト!頭数は関係ないでしょう!」

リアス

「落ち着きない!一星も!レイナーレ達もよ!」

 

リアスの一括で何とか収まった問答。

 

リアス

「とにかく貴女達は堕天使領に戻って報告!其れが片付いて問題なければ・・・その時はツルギよろしくね。」

ツルギ

「はい部長。所で気になっていたんですが・・・一星の神器、なんか変化してませんか?」

一星

「そう言えば?ツヨインダベーをぶっ飛ばした時にイキナリ形が変わったから?」

リアス

「一星!そう言う事だったのね!」

ツルギ

「部長。一星の神器について何か知ってるんですか?」

リアス

「そうよツルギ。一星の神器は赤龍帝の籠手と呼ばれる10秒ごとに持ち主の力を倍化してき、極めれば神も屠る13種のロンギヌスの1つ、ブーステッド・ギアよ!」

一星

「えーーーーーー!そんな凄い物だったの私の神器!」

 

自身の力の正体に驚愕し声を上げる一星。

 

レイナーレ

「でも倍化するのにも時間が掛かるから無敵では無いと聞いた事があるわ。」

ツルギ

「つまり一星がツヨインダベーを相手に出来たのは油断していたからって事になるな・・・よし!此れからは特訓内容のレベルアップだな。」

一星

「何でそうなるんだよ!ツルギ〜〜〜〜〜〜!」

 

一星の叫びが木霊した後・・・ツルギ達はリアスが通称紅髪のルイン・プリンセスと呼ばれている事を知った。其れから撤収の準備を済ませてレイナーレ達を見送る為に教会の外に出た。

 

ツルギ

「3人共、待ってるから。」

レイナーレ

「行ってくるわ。ツルギ。」

カラワーナ

「戻ってきた時は世話になる。」

ミッテルト

「直ぐに帰ってくるから待っててツルギ!」

ツルギ

「ああ、行ってらっしゃい。レイナーレ。カラワーナ。ミッテルト。」

 

頷くと翼を広げて腕のセイザブラスターを確認すると上空に飛び上がり3人は夜の闇の中に消えて行った。

 

ツルギ

「必ず帰って来いよ。」

アーシア

「大丈夫でしょうか?レイナーレ様達は。」

一星

「大丈夫だよアーシア。あの3人ならきっと・・・家に受け入れるかは別だけど!」

ツルギ

「お前の家じゃ無いぞ一星。」

一星

「いいの!とにかく私がいる限り簡単には入れさせないから!」

 

1人対抗心を燃やす一星。

 

リアス

「其れじゃツルギ。明日はアーシアも一緒に学園に来て頂戴ね。」

ツルギ

「分かりました部長。それと、今日はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした!」

リアス

「もういいわツルギ。無事に解決したのだから気にすること無いわ。唯・・・」

 

リアスは近づくとツルギの耳元に顔を寄せツルギにしか聞こえない声で呟いた。

 

リアス

「教会に入る前に言った通り、私の言う事を1つ聴いてもらうからそのつもりでね。」

ツルギ

「へ?それ本気ですか!冗談とかじゃ・・・」

リアス

「さあ〜朱乃、祐斗、小猫。私達はジャンプして戻るわよ。あっ!一星とアーシアも気おつけて戻りなさい。」

朱乃

「ツルギ君は4人をちゃんとエスコートしないといけませんよ。」

木場

「ツルギ君また明日。一星さんとアーシアもお疲れ様。」

小猫

「お疲れ様でした。お気おつけて。」

 

そう言うと4人はジャンプして帰って言ったが・・・

 

一星

「ツルギ。さっき部長と何を話したのかな!」

ククル

「お姉ちゃんも気になるなツルギ!」

ツルギ

「何で殺気混じりでにじり寄ってくるんだよ!」

シルヴァ

「早く帰るぞ2人共。早くしないと夕食の時間が更に遅くなるぞ。」

ククル

「ハッそうだった!まだ夕食の準備の途中だった!」

一星

「えーーーーーー!帰っても直ぐに夕食じゃ無いの!」

 

2人して崩れ落ちる。それを立たせて急いで戻るように促すシルヴァ、その光景を笑顔で見て微笑むアーシアの前に手を差し出すツルギ。

 

ツルギ

「帰ろうアーシア・・・俺達の家に。」

アーシア

「はい!ツルギさん。」

 

硬く手を握り合い3人の後を追うツルギとアーシアであった。

 

 

 




はい、第14話は如何でしたか?

ヒュッケバインヴァイオレット達の解説は次回からにして今回はキュウレンオーの解説からさせて頂きます。

・キュウレンオー

キュータマによって現れるキューボイジャーが合体して誕生する究極のスペースロボ。
シシボイジャーを核となる胴体を構成し手足を他のボイジャーが切り替わり合体する事で様々な状況対応出来、その組み合せのパターンは何と3024通りもある。

ツルギ達が操る場合は本来は体をキューエナジーによってキュータマ内部で縮小しボイジャーのキュータマサイズに搭乗出来る大きさになって乗り込み操縦するが、現在はあるキュータマの力が使え無い状態の為に肉体にかなりの負荷が掛かるためにククルによってリミッターが設けられ短い間しかフルパワーで戦えず時間をオーバーすると真面に戦えずダメージを受ける。

ボイジャーは単体としても戦えるが、まだキュウレンオー以外にも秘められた力が眠っているが・・・其れの出番はもう少し先になるだろう。

はい、今回の解説は以上です。

話の中で解明される度に解説を入れていきますので、現在の状態のキュウレンオーはこんな感じです。

次回は日常回と解説でヴァイオレットの解説を致します。

では次回、第15話でお会いしましょう。


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第15話 総督の夢・噛み締める温かな平穏

はい、第15話です!

仕事の都合により予定した投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

年内一杯までは以前書いた様に投稿ペースが遅れてしまいますがご了承下さい。

今回で第1章も完結ですがお気に入りして頂いた方が35人になりました。本当にありがとうございます。

では第15話をどうぞ!


第15話 総督の夢・噛み締める温かな平穏

 

 

レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト・side

 

レイナーレ

「アザゼル様。シャムハザ様。レイナーレと他2名入ります。」

アザゼル

「おう!入りな。」

レイナーレ

「失礼致します。」

 

ツルギと別れてから3人は今回の事を堕天使組織の神の子を見張る者、通称グリゴリの総督を務めているアザゼルと副総督のシャムハザに報告の為に堕天使領に戻り総督室で謁見をするところであった。

 

ミッテルト

「ほぇーーーーーー!凄いっす!」

カラワーナ

「ミッテルト静かにしないか!アザゼル様。シャムハザ様。申し訳ありません。」

アザゼル

「そう硬くなんな。俺は別に気にしてねえからよ・・・で、シャムハザ〜この3人は何の報告で来たんだっけか?」

シャムハザ

「忘れたのですかアザゼル!全く貴方は・・・駒王町で起こった事に関してですよ。しっかりして下さい!大体貴方はですね・・・」

 

3人が座るのを確認し自身も立派な椅子に座りながらアザゼルが内容を確認するが、忘れている事に怒り小言が出るシャムハザに対して少し嫌そうな顔をするアザゼル。

 

アザゼル

「相変わらず小言が多いな。後で聞いてやるから今はこっちの報告が先だろ?」

シャムハザ

「分かりました・・・では、レイナーレ。何が起こったかの報告を。」

レイナーレ

「はい。」

 

其れからレイナーレは今回の事を話し始めた。ツヨインダベーによってドーナシークが殺され目的も正体も知らないま脅され自分達も協力してしまった事。其れによって一星とアーシアの命が奪われ転生させたリアス達、悪魔と接触・共闘した事。そして・・・今回の事にジャークマターが絡んでいる事を。

 

アザゼル

「ジャークマターの残党に悪魔と共闘か・・・まあ、起きた事や過ぎた事を言っても仕方ねえからな。ドーナシークの事は残念だったな・・・仲間だったんだろ。」

レイナーレ

「はい・・・でも、何時迄も立ち止まっていたらドーナシークに顔向け出来ません!だから大丈夫です。」

カラワーナ

「ドーナシークは今でも私達の中にいます。」

ミッテルト

「ドーナシークの分までうちら、頑張るっす!」

アザゼル

「そうか・・・強いなお前達は。」

 

3人を見つめるアザゼルの瞳は強面な雰囲気とは違いとても優しかった。

 

シャムハザ

「しかしジャークマターはあの戦いで既に崩壊している筈、其れにツヨインダベーが言っていた”あの方“と呼ばれる存在も気掛かりですが・・・まさかとは思いますが、どう思いますかアザゼル?」

アザゼル

「情報が少な過ぎるから今は何とも言えねえな。警戒はしておく事に越した事は無いが・・・しかし、よくお前達3人とグレモリーとこの悪魔だけで倒せたな?」

レイナーレ

「私達だけではきっと倒せていません。彼、炎ツルギ・・・ツルギが私達に与えてくれた力があったからです。」

アザゼル

「与えてくれた力?其奴は一体なんだ?」

ミッテルト

「アザゼル様。此れっす!」

 

ミッテルトは腕に装着しているセイザブラスターとポケットからフレズベルクキュータマを取り出して見せたが・・・2つの内。キュータマを目にした瞬間にアザゼルだけで無く隣に座っていたシャムハザまでもが、驚愕した表情をして3人に詰め寄って来た。

 

アザゼル

「お前達!此れはさっき言ってた炎ツルギに渡されたのか!」

レイナーレ

「は、はい!正確には此のブラスターをツルギから渡されました。キュータマに付いては渡されたと言うよりは現れたと言った方が正しいです。」

シャムハザ

「現れた?どう言う事ですか?」

レイナーレ

「ツルギが言っていました。このキュータマは私達が宇宙の星々に認めら与えられた力、救世主の証だと。」

アザゼル

「救世主の証・・・」

 

取り敢えず落ち着きを取り戻した2人は改めて座り直してからアザゼルは再び質問を再開した。

 

アザゼル

「そのツルギって奴の事を詳しく聞かせてくれないか?」

レイナーレ

「ツルギは・・・私達3人を助けてドーナシークを失って心が折れてしまった私に立ち上がる支えになってくれました。そして獅子座の救世主シシレッドとして一緒に戦いツヨインダベーを倒してドーナシークの無念を晴らしてくれました。」

カラワーナ

「其れにツルギは個人としての実力も確かで操られていた私とミッテルトを無傷で救い更に状況に合った様々な武器を使い分け瞬時に対応する順応性もあります。そして何よりツルギには人を惹きつける魅力があると私は思いました。」

ミッテルト

「其れに獅子座以外にもサソリ座、カメレオン座、ワシ座、カジキ座の救世主にも変身するっす!何れも強くてカッコイイっす!」

シャムハザ

「其れほどの実力と力を持った人間がいるとは・・・アザゼル?どうしましたか?」

 

アザゼルは顎髭を撫でながら意を決したように話し始めた。

 

アザゼル

「其奴は・・・ツルギって男は・・・ホウオウのキュータマやホウオウを象った武器を持っていたか?」

レイナーレ

「ツルギが?ホウオウに関係した物を使っているのは見た事がありません。2人はどう?」

カラワーナ

「私も存じ上げません。もしかしたら私達が見ていないだけで持っているかも知れませんが。」

ミッテルト

「うちも分かんないっす?」

アザゼル

「そうか・・・悪かったなイキナリ変な事を聞いちまって。」

 

笑って話を切ったアザゼルだが表情には少し落胆した様にも見えた。

 

シャムハザ

「・・・兎に角これが今回の駒王町で起きた事のあらましでが、アザゼル如何しますか?幾ら脅されたとは言え彼女達が悪魔のテリトリーで起きた問題に関わってしまっているのは事実です。」

アザゼル

「そうだな〜〜〜如何したもんかね?お前達は如何したい?」

レイナーレ

「私達は・・・今回した事に対して責任を取らないといけません。ですからアザゼル様の指示に従い罪を償います・・・ツルギに会えなくなるのは残念ですが。」

アザゼル

「ったく。正直に言っちまえよ!お前達3人・・・そのツルギの事が好きで側にいたんだろ!」

 

ニヤケながら自分達のツルギへの恋心をアザゼル突かれて動揺するレイナーレとカラワーナに頬に手を当てイヤイヤポーズをして恥ずかしがるミッテルト。

 

レイナーレ

「アザゼル様!何時私達の気持ちに気付いたのですか!」

カラワーナ

「私達はツルギへの恋心やどう思っているかなど一言も口にしていないのに!」

ミッテルト

「そうっす!うちはツルギの事が大・大・大好きっす♡」

アザゼル

「あれだけ恋する乙女の表情をしてれば誰だって気づくぜ。隠すな隠すな!誰を好きになるんて其奴の自由なんだからな・・・さて、お前達の処分だが。」

 

ひとしきり笑って真面目な表情に戻ったアザゼル。

 

アザゼル

「まあ。お前達は巻き込まれだけなんだからな・・・無罪だ!もう気にする事はねえから安心しな。」

レイナーレ

「本当ですかアザゼル様!」

ミッテルト

「やったっす!此れでうちらツルギの所に行けるっす!」

カラワーナ

「しかし、何もお咎め無しにしてしまって宜しいのですか?下手をすれば悪魔側との問題に・・・」

アザゼル

「そんな事気にすんな!そう言う事は俺達、お偉いさんがする事だ。だが、少しでも何かしたいと思うなら・・・恐らくジャークマターは此れからも何か仕掛けて来るに違いない。その時はお前達が惚れたツルギの支えになってやれ・・・お前達も宇宙に選ばれた救世主なんだからな。」

レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト

「「「はい!」」」

アザゼル

「よし。そうと決まれば!ほら、さっさと準備して愛しのツルギの元に行ってやりな。其れだけの男ならお前達の帰りをきっと待ってる筈だが・・・下手したら他の女が今頃アプローチしてるかも知れねぇぞ。」

 

アザゼルは3人をからかう様に冗談を口にするが、当の言われた3人はハッとした表情をして椅子から立ち上がった。

 

レイナーレ

「アザゼル様!今回の件はありがとうございました!ご好意に甘えて直ぐにツルギの元に戻らせて頂きますので失礼します!」

ミッテルト

「レイナーレ姉様急ぐっす!今頃一星がうちらのツルギにベタベタしてるに決まってるっす!早く戻るっす!」

カラワーナ

「レイナーレ様!ミッテルト!アザゼル様。シャムハザ様。慌ただしく申し訳ありません。何かあれば直ぐに報告いたします。」

アザゼル

「おう!遠慮せずに直ぐに報告するんだぞ。ほらカラワーナも急がないと置いて行かれちまうぞ!」

カラワーナ

「あ、はい!失礼致します!お待ち下さいレイナーレ様!ミッテルト!」

 

慌ただしく総督室から出て行く3人を見届けながらアザゼルは再び椅子に座り溜息を漏らした。

 

アザゼル

「キュータマを見た時に彼奴の武器に輝いていた物と同じだったから期待しちまったんだがな・・・ツルギって奴がもしかしたら俺達の恩人であり友人の・・・ホウオウソルジャーなんじゃねえのかと」

シャムハザ

「私も頭に過ぎりましたが冷静に考えればキュータマを持っているとは言え彼は人間、私達がジャークマターと戦ったのは何百年も前です。」

アザゼル

「そうだな。仮に人間のツルギがホウオウソルジャーだったとしても・・・今の時代より前に寿命を迎えちまう。」

シャムハザ

「その通りですね・・・出来ることなら彼にもう一度会いたいですが・・・ところでアザゼル、先程の話の続きですが。」

アザゼル

「クソ!覚えてやがったか・・・しかしさっきの話は無しにしても興味があるな・・・炎ツルギか。」

 

ツルギの事が頭から離れないアザゼルは、遠い過去の友人の事を思い出しながら再び始まった小言に頭を悩ませていた。

 

 

レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト side end

 

 

レイナーレ達が堕天使領から飛び出した頃・・・駒王学園は土日休みだがオカルト研究部のメンバーは活動の為に旧校舎の部室に集まっていた。

 

一星

「おはようございます部長!」

アーシア

「お、お邪魔します。」

ツルギ

「そんな緊張しなくても大丈夫だアーシア。部長、おはようございます。」

リアス

「おはよう一星にツルギ。アーシア、昨日はよく休めたかしら?」

アーシア

「はい。やっぱりツルギさんの自宅が1番落ち着きます。」

ツルギ

「何を言ってるんだアーシア・・・俺の家だけど昨日からはアーシアの家でもあるんだぞ。」

アーシア

「そうでしたね。私達の自宅ですね。」

 

ツルギの言葉に笑顔で返すアーシア。すると入り口から朱乃が入って来たが。

 

朱乃

「アーシアちゃん良かったわ。ちょっと一緒に来て下さい。」

アーシア

「はい。分かりました。」

リアス

「朱乃よろしくね。」

 

アーシアを連れて直ぐに出て行ってしまう。部室に残された3人だが一星は気になっていた事がありリアスに質問する為に椅子に座った。

 

一星

「あの〜部長。気になっていたんですけどイーヴィル・ピースの駒って全部で15個あってポーンは8個ですよね。他のポーン達は一体どこにいるんですが?」

リアス

「あら?言ってなかったかしら。私のポーンは一星だけよ。」

一星

「え!私だけ?じゃあまだ他の駒は使ってないんですか?」

ツルギ

「いや一星。部長がお前を転生させる時に俺の記憶が確かなら、かなりの数の駒を使ってたぞ。」

一星

「嘘!私に一体何個使ったんですか部長!」

 

神器の正体を知った時と同じくらい驚いている一星に対してリアスは説明する為に口を付けていたティーカップを置いた。

 

リアス

「実はね。人間を悪魔に転生させる時に用いるイーヴィル・ピースは転生者の能力次第で消費する駒の数が増えるのよ。」

一星

「消費・・・?」

ツルギ

「チェスには、クィーンに対して9個、ルークに対して5個、ナイトとビショップに対して3個と、其々の駒に対してさっき言ったポーンの数と同じ価値があると言われる格言があるんだ。」

リアス

「ツルギの言う通りよ。一星を転生させる時にポーンの駒を使ってしまったのよ。」

一星

「・・・どう言う事ツルギ?」

 

リアスの説明が理解出来ずに難しい顔をしながらツルギを見る一星。

 

ツルギ

「簡単に言えば一星。お前にはポーンの駒8個分の価値があるって事だ。」

一星

「えーーーーー部長!私にポーンの駒全部使っちゃったんですか!」

リアス

「そうしないと貴女を転生させる事が出来なかったの。でも理由が分からなかったけど、昨日貴女の神器を見て確信したわ。」

ツルギ

「駒8個分の価値。其れは赤龍帝の籠手、ブーステッド・ギアですね部長。」

リアス

「ええ。あの時持っていた駒の中で他の駒では無くポーン8個出なければ貴女を転生させる事が出来なかったの、ポーンには未知数の力がある。私はその可能性に賭けたわ・・・結果貴女は最高だった。」

一星

「私に・・・其れだけの力が。」

ツルギ

「紅髪のルイン・プリンセスとブーステッド・ギア・・・赤と赤で相性バッチリかも知れませんね。」

リアス

「ふふ、そうかも知れないわね。一星、取り敢えず貴女は最強のポーンを目指しなさい。貴女ならきっと出来るわ!だって私の可愛い下僕だもの・・・強くなりなさい!」

一星

「はい部長!よっし!最強目指して頑張るぞ!」

 

立ち上がりガッポーズをして腕を突き上げる一星に近づきツルギに聞こえない様に囁くリアス。

 

リアス

「そうすれば大好きなツルギに気持ちを伝えられるようになるかもしれないわよ?」

一星

「ちょ!部長!其れとこれは関係なくて!」

リアス

「頑張りなさい・・・でも、私が一星とアーシアに出会えたのもツヨインダベーを倒す事が出来たのもツルギ。全部貴方のおかげよ。」

ツルギ

「そんな大袈裟ですよ。むしろ俺の方が部長が居てくれたおかげで一星とアーシアを失わずに済んだし、ツヨインダベーとの戦いやレイナーレ達を救い出すの集中出来たんです。お礼を言うのは俺の方です。」

リアス

「其れでも・・・」

 

ゆっくりツルギに近づくと、リアスは以前の様に背中に手を回しツルギを抱き締めた。

 

リアス

「その全ての中心には貴方がいる・・・貴方がいたから私にはもっと大切な物が増え可愛い眷属にも出会えた。何より、無茶ばかりして心配ばかりかけさせるけど失いたくない大切な存在が出来たわ。」

ツルギ

「部長。」

リアス

「だから改めて言わせてちょうだい・・・ありがとうツルギ。貴方に出会えた本当に良かった・・・此れはそのお礼よ。」

 

そう言ってツルギの額にキスするリアス。

 

一星・レイナーレ・カラワーナ・ミッテルト

「「「「あーーーーーーーーー!!!」」」」

アーシア

「ツ、ツルギさん!」

朱乃

「あら!大胆ですね部長。」

リアス

「あら?早かったわね朱乃、アーシア。」

ツルギ

「五月蝿いな一星。てか!何でレイナーレ達が此処にいるだよ!」

 

入り口に立つアーシアの隣で一星と同じ様な感じの叫びを上げるレイナーレ達に流石のツルギも驚いた。

 

レイナーレ

「総督に許しを貰ったから急いでブラスターの位置を頼りに此処まで来て!」

カラワーナ

「中に入ったらグレモリーのクィーンが此処の場所を教えてくれたので来て見たら!」

ミッテルト

「まさかの展開になっていて驚いたっす!まさかのグレモリーのお嬢様がそうしてるとは思わなかったっす!」

アーシア

「ツルギさんも部長さんの様な綺麗な方が良いですよね・・・でも私だって。」

ツルギ

「落ち着け4人とも!部長は唯、友人として俺にお礼を言っていただけで!」

一星

「ツ〜ル〜ギ!何また私の目の前で部長とベタベタしてるんだよ!」

 

部室が騒がしくなり始めた時にリアスが手を叩いた。

 

リアス

「はいはい!落ち着きなさい。さっきのキスは友人として今回の事へのお礼よ。貴方達が心配している事は無いわ。」

レイナーレ

「其れなら安心したわ・・・アッ!ツルギ、ただいま。」

カラワーナ

「ただいまツルギ。約束どおり此れから宜しく頼むぞ。」

ミッテルト

「ただいまっす!此れからはうちら3人とのラブラブ生活の始まりっすよツルギ♡」

一星

「ちょっと待ちなさいよミッテルト!私が認めないって言ったでしょう!」

ミッテルト

「一星には関係ないっす!」

カラワーナ

「私達とツルギとの約束に一星は関係無いはずだが!」

レイナーレ

「私達とツルギの間を邪魔しないで頂戴!」

一星

「関係あります〜〜〜!私はツルギの幼馴染なんです!」

 

まるで犬猿の仲の如く喧嘩をする一星とレイナーレ達。

 

ツルギ

「俺の周りは結局こんな感じなのか・・・ハァ〜〜〜。」

リアス

「ふふ。でも賑やかになって楽しくなって来たじゃない。其れに此の雰囲気が嫌いでは無いんでしょうツルギ?」

ツルギ

「そうですね・・・何気ない日常が1番落ち着きます。それにしてもアーシア。制服似合っていて可愛いぞ。」

アーシア

「本当ですかツルギさん。可愛いって言ってもらえて嬉しいです。」

 

ツルギからの”可愛い”に機嫌が戻ったアーシア。その場でターンしながらスカートを揺らし笑った。

 

アーシア

「ツルギさん。私今とっても幸せです。主よ私に幸福を齎して下さり感謝・・・ピャッ!!あ、頭が痛いです。」

リアス

「当たり前よ。悪魔が神に祈ればダメージぐらい受けるわ・・・でも、本当にいたい居場所を見つけられて良かったわねアーシア。」

アーシア

「はい部長さん。此れから改めてよろしくお願い致します。」

リアス

「期待しているわアーシア。何かあれば一星やツルギに私達がサポートするから頑張りなさい。」

アーシア

「はい!」

 

リアスからの期待に応えられるように返事をするアーシアと、其れを見て笑顔を見せるツルギ。

 

リアス

「ツルギ。アーシアは貴方と一星のクラスに入る事になるから、何かあればよろしくね。」

ツルギ

「はい部長・・・てか、良い加減しろ!一星もだがレイナーレ達も!」

一星

「だってツルギ!レイナーレ達が!」

ツルギ

「昨日も言ったがレイナーレ達が一緒に住むのを俺が約束したんだから決定事項だ!」

一星

「え〜〜〜〜〜〜!ズルイ!私も一緒に住みたい!」

ミッテルト

「流石ツルギ優しいっす!一星はうちらのラブラブ生活には、お邪魔なんっす!」

一星

「ミッテルト〜〜〜!アンタね!」

ツルギ

「良い加減にしろーーーーーー!!!」

 

全く治らない事態にツルギが絶叫していると、入り口から木場と小猫の姿が見えた。

 

木場

「おはようございます。随分賑やかと思ったら。」

小猫

「成る程、納得しました。」

ツルギ

「木場!小猫ちゃん!何とかしてくれ〜〜〜。」

リアス

「こう言う雰囲気はやっぱりいいわ・・・さあ!ツルギの予想通り3人増えて全員揃った事だから新しい仲間や後輩への、ささやかな歓迎パーティーを始めましょうか!」

 

リアスが指を鳴らすとテーブルにケーキと人数分の取り皿とティーカップ更に紅茶が入ったティーポットなどが所狭しと並んだ。

 

ツルギ

「このケーキは部長が作ったんですか?凄いです!」

リアス

「こ、小麦粉が余っていたから偶々・・・偶々作っただけよ!」

朱乃

「あらあら〜今朝早く来て”美味しいと言ってくれるかしらツルギは“と、言って作っていたのは誰だったかしら?」

リアス

「ちょっと!朱乃!」

ツルギ

「ありがとうございます部長。部長からのご厚意、美味しい頂きます。」

リアス

「そ、そう。喜んでくれたならいいわ。さあ!早く切り分けて皆んなで食べましょう。」

 

少し照れて誤魔化す様にケーキを切り分け始めるリアス。

 

一星

「美味しそ〜〜〜あ!でもどうせならツルギのケーキも食べたかったな。」

ツルギ

「俺もケーキじゃ無いけどカップケーキなら作って来たぞ。アーシアと一緒に朝から作ったからな。」

アーシア

「初めて作りましたけど、ツルギさんから教えて貰って上手に作れました。」

 

そう言って鞄からカップケーキを取り出す2人。

 

小猫

「ツルギ先輩のケーキ!先輩早く食べたいです!」

ミッテルト

「ちょっと待った!先ず恋人のうちが先っす!」

小猫

「私が先です!」

木場

「まあまあ2人とも。ツルギ君が全員分作ってるから焦らなくても大丈夫だよ。」

アーシア

「そうですよ。私が作った分もありますから、小猫ちゃん。ミッテルトちゃん。」

 

カップケーキを巡り小猫とミッテルトが喧嘩したり。

 

レイナーレ

「ツルギ。はい、あ〜〜〜〜ん♡」

一星

「何ツルギにあ〜ん。して食べさせようとしてるの!其れは私の特権でしょう!」

カラワーナ

「其れは如何なものかと思うぞ一星!そんな特権など無効だ!」

朱乃

「なら〜私が代わりにツルギ君に食べさせて上げますわ。ツルギ君、あ〜〜〜ん♡」

ツルギ

「恥ずかしいですよ朱乃さん・・・でも、美味しいです。」

一星・レイナーレ・カラワーナ

「「「先越された!」」」

 

ツルギに食べさせようと言い合っている隙に朱乃に権利を奪われる3人。

 

皆んなで和気藹々と楽しんでいる中でリアスだけは少し表情が暗く鬱向いていた。

 

 

一方・・・ある屋敷の中で。

 

 

???

「お兄様。式の準備は順調ですの?」

???

「ああ。問題など・・・無い!」

 

 

リアスの写る写真を持った若い男が1人、顔を綻ばせ笑っていた。

 

 

次の戦いの幕開けはすぐである・・・




はい、第15話は如何でしたか?

今回は堕天使3人の内、レイナーレことヒュッケバインヴァイオレットの解説をしたいと思います。

・ヒュッケバインヴァイオレット
(元ネタはスーパーロボット大戦OGのエグゼクスバインにキュウレンジャー要素を足した物です。)

・凶鳥の眷属と呼ばれるヒュッケバインの力を宿したヒュッケバインキュータマでレイナーレがスターチェンジした姿。
その名に違わぬ力を持ち凄まじい強度と機動性を持つキュースライダーは体から分離させて意思で遠隔操作できる武器で、射撃・接近・防御と言った様々な使い方ができる万能装備。
手持ち盾に収納された武器のキューセイバーはキューザウェポンの様に組み替えることが出来ないがパワー型の大剣のとは違い、キューソード以上の切れ味を持ちバランス型に仕上がっており更に持ち手の上部にキュータマをセットし必殺技のデトネーターインパクトを放つ。

・ヒュッケバインキュータマ
(元ネタは遊戯王のブラックフェザードラゴン。キュータマデザインはブラックフェザーのカードデザインに近いイメージです。)
・凶鳥の眷属と呼ばれドイツ語で直訳した醜い脚の意味もある死をもたらす力を持ったキュータマ。元々堕天使であるレイナーレの力に共鳴して誕生したので今までのキュータマとは全く違う物になっているが、その力は強い意志によって仲間を守護し敵に対して畏怖の対象になるだろう。

・キュースライダー
(元ネタは同じくエグゼクスバインのTーLINKスライダー。)
・ヒュッケバインヴァイオレット専用装備で遠隔操作によって、本体接続部からキューエナジーを発射する射撃形態のショットモード・突起部分にキューエナジーを纏わせ突撃させる接近形態のスライダーモード・接続部から180度回転させてキューエナジーのシールドを展開する防御形態のガードモード、これら3形態を基本状態で運用する武器。他にもガードモードの状態にキューエナジーを纏わせ回転ブレードに敵を切り裂くリッパーモードなどもある。

・キューセイバー、キューストライカー
(元ネタはエグゼクスバインのストライクシールドとTーLINKセイバー。)
・これもヒュッケバインヴァイオレット専用装備で通常は左手に装備されたキューストライカーにキューセイバーが収納されチェンジしなくても使用出来るが必殺技を放っにはやはりチェンジしないといけない。
大剣でパワー型のキューソードに対して普通の剣サイズでバランス型なので扱い易くキューストライカーを組み合わせた一進一退の戦いが出来る。
キューストライカーは盾だけでなく打突武器としても使用出来る。

今回の解説は以上です。

次回から第2章に突入します。まだ出ていないキュウレンジャーやツルギの語られていない過去にも迫りますので、お楽しみに。

では次回、第16話でお会いしましょう。


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第2章 戦闘校舎のフェニックス
第16話 変化した日常と幼馴染。明かされていくリアスの陰り


はい、第16話です。

今回で蒼那が悪魔だと分かるのでこれからは名前の表記をソーナに変更しますので、よろしくお願い致します。

今回からライザー編に突入です。出てきていないキュウレンジャーやキュータマ、更にツルギの過去と正体に迫ります。

もしかしたら分かっている人もいらっしゃるかも知れませんが、お楽しみ。

寝不足気味と疲れで誤字脱字があるかも知れませんが、気づかれた方はコメントなどでお知らせくださると有難いです。


第16話 変化した日常と幼馴染。明かされていくリアスの陰り

 

 

アーシアとレイナーレ達の歓迎会から数日の間にツルギの周りには様々な変化があった。

 

先ずアーシアに付いては正式に炎家の一員となった。暫く生活していた時と余り変わり無いがククルとシルヴァの事を本当の姉のように接し”ククルお姉ちゃん“と”シルヴァお姉ちゃん“と呼ぶようになった為に2人に可愛がわられており、日中は駒王学園の2年生としてツルギ達と共に学業に励み新しく出来た友人の桐生達と楽しい日常を過ごしながら悪魔稼業も順調にこなしビラ配りを頑張っている。

 

レイナーレ達もツルギとの約束で現在は炎家で生活している。自宅ではククルと時々一星を加えた面々対レイナーレ達とでツルギの隣を巡ってバトルに成り掛ける事が暫し起こるがシルヴァとアーシアの活躍で何とか収まっている。

 

最初は文句を言っていた一星も今の生活はなんだかんだ言って満更でも無い様子で過ごしている。

 

そして日中は3人とも駒王学園でレイナーレはアーシアと同じくツルギのクラスにミッテルトは1年の小猫のクラスに転入した転校生として通い、カラワーナは学園の講師としてツルギ達の副担任として教鞭を振るう事になった。因みに学園の中では3人は、カラワーナが長女、レイナーレが次女、ミッテルトが末っ子の姉妹と言う事になっている。

 

レイナーレとミッテルトは転入したその日の内に多くの男子生徒がファンになり前々からあったリアスと朱乃、更には蒼那と密かにある小猫のファンクラブに並ぶ程のファンクラブまで出来る始末。カラワーナも美人であると同時に丁寧な指導もあって駒王学園の美人教師として人気になって来ている。

 

 

しかしツルギと彼女達以外にも変化し始めた人物がもう1人・・・

 

 

一星 side

 

私は正に今人生の中で最高の瞬間を迎えている・・・何故なら!

 

ツルギ

「一星・・・綺麗だ。俺は間違い無く今が最高に幸せだ。」

一星

「ツ、ツルギ♡」

 

今現在。ある教会の中でツルギは白のタキシードに袖を通し私も純白のドレスとベールを身に纏い花束を片手に腕を組みながらバージンロードの上を歩いている。つまり本日は・・・私とツルギの結婚式なのだ!

バージンロードの両脇に並んだ参列者の左側の席には部長達にククル姉とシルヴァ姉達が反対の席にはレイナーレ達や私の両親がハンカチを持ち涙を流しながら拍手で私達を迎い入れてくれている。

 

リアス

「一星。ツルギ。本当におめでとう。」

朱乃

「ツルギ君。一星ちゃんを幸せにしないといけませんよ。」

木場

「2人とも幸せそうだね小猫ちゃん。」

小猫

「ええ。でも明日にはアーシア先輩もツルギ先輩と結婚式を上げるんですよね?」

アーシア

「はい。一星さんとの約束通り私もツルギさんのお嫁さんになれて嬉しいです。」

ククル

「仕方ない・・・お姉ちゃんも祝福してあげるか!」

シルヴァ

「まんざらでは無いんだろうククル。一星が妹になるのは」

 

今日は私との結婚式だけど、私の提案を受けてくれたアーシアも明日には結婚式を上げて私と同じくツルギと夫婦になる予定なんだ。

部長達やククル姉達は祝福してくれているけど・・・

 

レイナーレ

「何で私じゃ無くて一星がツルギの隣にいるの!」

カラワーナ

「ツルギの意見を尊重したいが・・・何故私達を選んでくれなかったのだ!」

ミッテルト

「悔しいっす!納得出来ないっす!」

五郎

「一星!初孫は男の子を頼むぞ!」

礼子

「何言ってるのお父さん!一星!初孫は勿論女の子よ!」

 

ははは!残念だったねレイナーレ達!

やっぱり幼馴染でずっ〜〜〜と一緒だった私の方をツルギは選んでくれたって事だよ。

てか父さんも母さんも初孫は早すぎるんじゃ・・・でも最初は男の子が良いかな私は♡

アッ!色々考えていたら牧師さんの前にいつの間にか来てた。

 

牧師

「それでは新郎炎ツルギ。新婦兵藤一星に愛の口付けを。」

ツルギ

「一星・・・愛してる。」

一星

「私も愛してる。ツルギ♡」

 

遂に!あ〜〜〜遂に!ツルギと愛のキスをして夫婦になるこの瞬間が・・・・・あれ?ツルギの唇の感覚が全く来ないんだけど?

 

???

「随分と幸せそうだな。」

一星

「あれ?私さっきまで教会でツルギとキスをし・・・て!ド、ド、ドラゴン!」

 

声がしたから目を開けてみたら教会もツルギも何も無い真っ暗な空間だし。おまけにハッキリとは見えずに朧げだけど突然ドラゴンが目の前にいるし!一体如何なっているの!

 

???

「一先ずはその認識で大丈夫だ。中々目の前に出る機会が無かったのでな・・・しかし、腕は悪くは無いが未だ実力も経験も足りないようだな。今のままでは我の・・・我々の悲願も。」

一星

「悲願?何?何の事を言って・・・ハッ!まさか私を食べる気!?」

???

「食べる・・・ははははは!!そんな事はしない。我はただ挨拶をしに来ただけだ。我と其方は一蓮托生、戦う時もそれ以外でも。其れに我々の悲願成就の為にも。」

一星

「本当に何を言ってるの!一蓮托生?悲願成就?意味が分からないよ!」

???

「いずれ分かる・・・その時にまた話をする。」

一星

「待って!一体何者な・・・!!」

 

嘘!腕が!私の腕が・・・ドラゴンの腕になってる!!

 

一星

「ウワッ!!ハァ、ハァ、ハァ・・・何だったんだあの夢?」

 

何だろう。夢にしてはリアル過ぎるし腕にも違和感が残っている気がする・・・変な汗掻いちゃったからシャワーでも浴びて・・・って!

 

一星

「やばっ!もう4時過ぎてるし!」

ツルギ

「一星!早く降りてこい!部長も既に来て待ちくたびれてるぞ!」

一星

「分かった!すぐ行くから待ってて!」

 

朝から最悪だよ〜〜〜!でも何だったんだろ、あのドラゴン?

 

 

一星 side end

 

 

ツルギ

「おはよう。大丈夫か一星?」

リアス

「おはよう一星。ツルギから聞いたけど何時もなら既に起きて準備しているそうね。体調が悪いなら無理は駄目よ。」

一星

「おはようツルギ。おはようございます部長。ちょっと変な夢を見て起きれなかっただけですから。」

ツルギ

「そうか。ならいつも通りに準備運動を入念にしてジョギングからの軽いアップをして筋トレな。体に違和感が出たら無理はせずに直ぐ言うんだぞ一星。」

一星

「OKツルギ!部長も宜しくお願い致します。」

リアス

「本当に無理は駄目よ一星。」

 

準備運動を済ませてリアスが自転車に跨ってからツルギと一星は朝の駒王町の中を駆けていく。

もう時期夏になるが朝はまだ少し冷え3人の吐く息は白く肌寒いが、走り出して暫くしたら体も温まりペースを徐々に上げると同時に汗を掻いてくるツルギと一星。

そして筋トレをする公園近くに差し掛かったところでジョギングのフィニッシュに全力ダッシュをして公園の中に駆け込む2人。

 

一星

「ハァ、ハァ、ハァ。やっぱり、ツルギのペースに・・・ついて、行くのが、やっとだよ。」

ツルギ

「だが始めた頃と比べたら大分ましになって来てるぞ。最初は途中から付いて来れなくなってたしな。」

一星

「ツルギがおかしいだけでしょ!私だって陸上部に比べたら全然だけど色んな格闘技をやって体力には自信があったのに〜。」

リアス

「仕方ないわ一星、やっぱり継続してトレーニングしているツルギと一星とでは差が出てしまうもの。でも此れからはブーステッド・ギアを使いこなす為に体力が必要になるから、しっかりと毎日トレーニングをこなしなさい。はい、タオルよ。」

一星

「ツルギもだけど・・・部長もスパルタだ。」

アーシア

「一星さ〜ん。部長さ〜ん。ツルギさ〜ん。」

 

ツルギの尋常じゃ無いスタミナのトレーニングとリアスからの激励を込めた叱咤に渡されたタオルで汗を拭いクールダウンしながら肩を落とす一星。

其処に片手に水筒を持ち手を振りながら此方にアーシアが向かって来てくるのが見えたが・・・

 

アーシア

「遅れ・・・ハウッ!!」

一星

「アーシア!」

 

足を段差に引っ掛けてしまい盛大に転んでしまった・・・酷い怪我はしなかったが額を擦りむいてしまいツルギに絆創膏を貼って貰うアーシア。

 

ツルギ

「これで良し!大丈夫かアーシア?」

アーシア

「少し痛かったですけど大丈夫です。アッ!ツルギさん。一星さん。これ温かいお茶です。体が冷えたままでは風邪を引きますから、これを飲んで温まって下さい。」

一星

「ありがとうアーシア。アッ〜〜〜生き返る!」

ツルギ

「アーシアはよく気を回してくれるから、将来はいいお嫁さんになるだろうな。」

アーシア

「ふぇぇっ!?そんな事は無いですよツルギさん!も〜恥ずかしいですよ!!」

一星

「やったね〜アーシア!此れで私達の夢に一歩近付いたよ!」

アーシア

「はい一星さん!」

ツルギ

「何2人で話してるんだ?」

 

自分の預かり知らぬ所で一星とアーシアが互いに協力している事を知らないツルギは2人が話している内容に見当がついていなかった。

首を傾げアーシアからの温かいお茶を啜っていると顔をうつむかせているリアスに気付き彼女の分のお茶をコップに入れ差し出すツルギ。

 

リアス

「ツルギ・・・ありがとう。」

ツルギ

「どうしたんですか部長?表情が優れない感じですけど。」

リアス

「アーシアが少し羨ましくってね。彼女は貴方に出会って本当の笑顔と大切な家族との居場所を得る事が出来た。それにツルギと言う素敵な存在にも出来た・・・其れが羨ましくって。」

ツルギ

「部長・・・いや、リアスさん。俺の過去の話の時に”話せる時まで待っててくれますか“と、言ってくれた時。貴女は何も聞かずに”勿論よ。貴女は可愛い後輩で、私の友人なのだから"と、言ってくれました。」

リアス

「よく其処までハッキリと覚えていたわね。私ですら少し曖昧なのに。」

ツルギ

「あの時の言葉すごく嬉しかったです。今のリアスさんもあの時の俺と同じで言い出しにくい事や悩みがあるから表情が優れないのだと思います。あの時リアスさんと同じで俺も敢えて何にがあったかは聞きません。でも・・・もし何かあったら俺が必ずリアスさんの力になります。」

 

コップに添えられた少し冷たくなっているリアスの手に自分の手を重ね目を見据えてるツルギに、リアスの心臓は鼓動を早め心音がハッキリと自身にも伝わるほど高鳴っていた。

 

リアス

「ツ、ツルギ!」

ツルギ

「だから何かあったら俺を呼んでください。必ず、必ずリアスさんのもとに駆けつけますから。」

リアス

「ありがとう。ありがとう・・・ツルギ。(駄目よ!ツルギには一星やアーシア達、其れにレイナーレ達だって。だけど・・・だけど!そんな事言われたら私は!私は本当の貴方に事が・・・)」

 

 

重ねられたのとは反対の手を置かれたツルギの手に重ね顔を伏せて涙を隠し心の中で葛藤するリアス。其れを見ていた一星とアーシアは。

 

アーシア

「一星さん。もしかして部長さんもツルギさんの事が?」

一星

「分かんない。前に聞いた時は”今はまだ分からない“って、いってたけど・・・もしかして本当に!」

 

リアスの変化に反応してか一星は以前の言葉が頭の中に鮮明に現れ焦っていた。その後の筋トレではツルギが片手腕立てを平然とし更に片手逆立ち腕立てと、人間離れした身体能力に愕然させられた面々であった。

 

 

其れから更に数日が過ぎる間に一星はリアスに付き添われて依頼に出掛けたのだが相変わらずまた変な依頼人に当たり、日本甲冑を着込んだ戦国グッズオタクのスーザンの騎士鎧で身を固めた堀井の恋の仲介人をして欲しい依頼を受けることになった。

ラブレターを矢文にして放ったり、公園にまるで戦の陣触れをするが如く待ち合わせ、挙げ句の果てに堀井の頭には放たれた矢文が突き刺さっている有様だったが、2人は互いの想いを伝え晴れて恋人として付き合う事になった。

スーザンと堀井は一星のお得意さんとなり無事に初の依頼達成を果たしたのだが、一星には途中でリアスが呟いた言葉が頭から離れなかった。あの”形じゃ無いのよ"の言葉が・・・一星にも其れをその日の夜に聞かせれたツルギにも言葉の意味を知るのは、もう少し先である。

 

 

次の日の夕方、部室に集められたオカ研のメンバー達。

 

一星

「部長。そろそろビラ配りに行かないといけないんじゃ無いんですか?」

リアス

「ビラ配りは本来は使い魔の仕事、貴方達2人には先ず修行の一環としてやって貰ったけど其れも終わり。今日は貴方達の使い魔を探しに行くわよ。」

アーシア

「使い魔ですか?」

ツルギ

「因みに部長達の使い魔はどんな感じ何ですか?使い魔らしいのを見た事が無いんですけど?」

リアス

「一星だけね。3人の中で見た事があるのは。」

一星

「へ?見た事がある。一体いつ・・・アッ!この子!」

 

リアスが指を鳴らすと床に魔法陣が現れて其処からミッテルトも着ているゴスロリ衣装に蝙蝠の羽を付けた服を身に纏け、茶髪が左右跳ねた髪型をした女の子が現れた。

 

一星

「この子!私がツルギとレイナーレを付けていた時に駅前でチラシを配ってた子だ!」

ツルギ

「そうなのか。てか!その事についてまだ詳しく聞いてなかったな〜〜〜一星!」

一星

「ちょ!ちょっとタンマ待ってよツルギ!!指を鳴らしながらこっちに来ないでよ〜〜〜!」

リアス

「其れぐらいにしなさいツルギ。今は人前に出る姿をしているけど、この子の正体は。」

 

リアスの言葉が終わった時に女の子から煙が出ると、其処には少しピンク色の丸い体をした小さい蝙蝠が飛んでいた。

 

アーシア

「この子があの女の子何ですか!ビックリです!」

朱乃

「使い魔の中には人間の姿になれるものがいるんですよアーシアちゃん。因みに私のはこの子です。」

 

朱乃が指差した床の魔法陣から一本ツノの小さいに小鬼が両手を上げて現れた。

 

一星

「小、小鬼?」

ツルギ

「へぇ〜〜〜色々な使い魔がいるんですね。小猫ちゃんの使い魔は何?」

小猫

「この子。名前はシロですツルギ先輩。」

 

小猫に抱かれる様に腕に収まっている白い毛並みにパッチリと開いた瞳。可愛らしい子猫が使い魔とは小猫らしいと思ったツルギ。

 

ツルギ

「可愛いなこの子。オッ?俺の膝の上に乗ってきた!本当の可愛いな。」

小猫

「シロはツルギ先輩の事が好きになったみたいです。」

ツルギ

「そうなのかな?まあ〜でも、よろしくなシロ。」

 

ツルギの膝で顎をゴロゴロされリラックスしながら”ニャ〜〜ン“と、可愛らしい鳴き声で返事するシロ。

 

木場

「僕の使い魔はこの子だよ。」

一星

「小鳥なんだ。木場にバッチリ合ってるね!」

木場

「ありがとう一星さん。」

 

肩に乗せた小鳥の頭を撫でながら笑顔を見せる木場。撫でられた小鳥も嬉しさから木場に擦り寄っていた。

 

リアス

「という訳でツルギは別だけど貴女達以外は全員使い魔がいるのと、時期的にもちょうどいいと思ったの。だから今日は2人に使い魔を見つけて貰うわね。」

一星

「はい部長!可愛い子がいいねアーシア。」

アーシア

「はい。私もそう思います一星さん。」

蒼那

「リアス。失礼します。」

ツルギ

「この声・・・お疲れ様です蒼那生徒会長。」

 

ノックと蒼那の声でオカ研の入り口に目をやると、ドアを役員の2人が開きながら蒼那を先頭に駒王学園生徒会のメンバーが入って来た。

 

蒼那

「ありがとうツルギ君。申し訳無いですがリアスと大切な話があるので席を少し外してくれますか?」

リアス

「心配ないわよ蒼那。ツルギは既に私達悪魔や他種族の事などを知っているわ。」

ツルギ

「心配ないって・・・もしかして、蒼那生徒会長は!」

朱乃

「彼女は真の名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主ですわツルギ君。」

一星

「嘘!ソーナ会長が悪魔だったなんて全然気付かなかった!」

 

ソーナの正体がリアスと同じ上級悪魔の次期当主だと言う突然のカミングアウトに一星は驚き、アーシアは言葉が出ず呆然とし、ツルギも驚いていた。

 

ツルギ

「まさかソーナ会長が悪魔だったなんて知りませんでしたし、部長達も会長の名前を出さなかったので幼馴染の友人かと。」

ソーナ

「確かに私とリアスは以前話した通り幼馴染ですが、学園内では互いに悪魔関係で干渉を極力しないと決めていたんですよツルギ君。それにしてもツルギ君が此方の事情を理解しているとは知りませんでした。」

リアス

「中々機会が無くてごめんなさいソーナ。所で今日は如何してオカ研にまで来たの?」

ソーナ

「お互いに下僕が増えたので顔合わせと挨拶をと思いまして本日は伺ったのリアス。椿姫。」

椿姫

「はい。貴方達並んでちょうだい。」

 

そう言って副会長の真羅椿姫。性格はソーナに似てクールかつ厳格で常にソーナの隣で彼女を補佐する黒髪のロングヘアーのすごい人物。その彼女が指示すると後ろにいた眷属達に顔を見えやすい様に移動し並び直すが、その中に知った存在がいるのに更に驚くツルギ。

 

ツルギ

「ん?あっーーー!お前・・・匙じゃ無いか!お前いつ悪魔になったんだよ?」

「よっ!ツルギ。いや〜〜〜お前が此方の事情を知らないから話さないでいたんだけどオカ研に入ったって言ってたからまさかと思ったんだが。まあ〜兎に角、今の俺はソーナ会長の眷属悪魔になったんだよ。」

 

彼は生徒会書記かつツルギの学園内の友人の1人の匙元士郎。

彼とは駒王学園入学以来の友人でクラスこそ違うが一星達と昼食を食べられない時とかは彼と一緒に食事をし、放課後に学園内の花壇の手入れをしている時に手伝ったりと、松田・元浜を除いた男子の中でツルギと1番仲がいい友人である。

 

「なあ〜ツルギ。あの変態2人組は如何にかならないのかよ!此処に来るついさっきも女子更衣室を覗いてたから捕まえるつもりが逃げられちまったんだよ!また協力してくれよツルギ。」

ツルギ

「松田と元浜の奴!分かった今度捕まえたら生徒会室に引っ張って行くから任せてくれ!少しキツイお仕置きが必要みたいだからな!」

「サンキュー!流石ツルギ!頼りにしてるぜ!」

ソーナ

「ごめんなさいツルギ君。私達生徒会がしっかりしていないばかりに貴方に迷惑を掛けてしまって。」

ツルギ

「気にしないで下さいソーナ会長。俺はただ友人の匙を助けになればと思って勝手にしてるだけです。それにソーナ会長にも前に昼休みにお世話になったんですから、これぐらいさせて下さい。」

ソーナ

「そ、その・・・ありがとうツルギ君。」

 

肩に手を置かれながら匙の愚痴を聞き今度松田と元浜がやらかしたら生徒会長に突き出すことを言うツルギに匙は肩を組みながら笑顔でお礼を言いソーナがツルギに迷惑を掛けた事を謝罪する。

しかしツルギは全く気にしないどころか匙には友人としてソーナには前に昼食の相手をしてくれた事へのお礼として、行動したいだけだと言った。

そのツルギの純粋な言葉にソーナは少し顔を赤くし小声でお礼を言った。

 

一星

「ツ〜ル〜ギ!私の気も知らないで今度はソーナ会長に!!!」

ツルギ

「ちょ、ちょっと待て一星!落ち着、危な!だから前にも言ったけど神器で殴りかかって来るな!」

一星

「待てーーーーーー!ツルギ〜〜〜〜〜〜!!」

 

何時ぞやの如く再び勃発したツルギと一星の追いかけっこを慣れた様子で受け流しソーナ達と話し始めるリアス。

 

椿姫

「止めなくていいのですかリアスさん?」

リアス

「一星がもう少し正直になれば済む話なんだけどね。あっ!此方も紹介するは、今ツルギを追いかけているのがポーンの兵藤一星。こっちがビショップのアーシア・アルジェントよ。」

アーシア

「よろしくお願いします。ソーナ・シトリー会長に真羅 椿姫副会長、それに匙 元士郎さん。私のことはアーシアと呼んで下さい。」

ソーナ

「初めましてアーシアさん。あまり硬くならずシトリーは付けないで構いませんよ。」

アーシア

「はい。ソーナ生徒会長。」

椿姫

「私も椿姫副会長で構いませんよ。アーシアさん。」

「俺は同じ年齢で学友なんだから匙で大丈夫だよアーシアさん。そう言えばリアスさん。ツルギもポーンで悪魔になったんですか?」

ソーナ

「匙。ツルギ君は悪魔になっていませんよ。リアスのポーンの駒は全て一星さんに使ってしまっていますから。」

「駒全部って!俺も駒4個でも多いのに8個全部って!そんなに凄いのかあの子!」

 

今だ凄まじい形相でツルギを追い回している一星を見て驚きを隠せない匙であった。

 

リアス

「ソーナ。実は私達は今から一星とアーシアの使い魔を探しに行く予定で。」

ソーナ

「え!貴方達もですか?困りましたの彼は月に1度しか引き受けてくれませんから・・・如何したものかしら?」

リアス

「なら此処は公平に実力勝負といきましょう。」

 

 

此処にある意味戦い?と呼ばれる物が勃発しょうとしていた。




はい、第16話は如何でしたか?

一星の母親の名前が分からなかったのでインスピレーションで思い付いた名前にしました。

今回はカラワーナのグリフォンネイビーの解説を致します。

・グリフォンネイビー
(元ネタはスーパーロボット大戦Lのオリジナル機体のストレイバードにキュウレンジャー要素を足しカラーをネイビーにした物)

・カラワーナが宇宙に認めら自らの力に共鳴し誕生したグリフォンキュータマを使ってスターチェンジした姿。
背中にはヒュッケバインヴァイオレットとは違い左右対象に1枚ずつ真ん中から2つに折畳まれる大きな翼を持ち、飛行するときの姿勢制御や加速だけでなく巨大な盾としても機能する。
専用武器のキューガンランスを扱うサポートの為に腕や足などにキューエナジーが流れるキューシリンダーがあり、重たいキューガンランスも軽々と扱う事が出来る。
全身にあるアーマーはいざとなればパージする事が出来スピードを上げる事が出来るが、シリンダーもパージしてしまうのでガンランスを扱うのが難しくなるのが欠点。

・グリフォンキュータマ
(元ネタやキュータマデザインは仮面ライダーウィザードのビーストのグリフォンリング)

・此れもヒュッケバインキュータマと同じでカラワーナにしか使えない。スピードと巨体を支える為のパワーを宿したグリフォンの力を最大限に発揮出来るキュータマ。

・キューガンランス+キューガーディアン
(元ネタはモンスターハンターのモルデノペイランスI)

・槍とキューエナジーを充填して発射する大砲の機能を持たせた武器、カラワーナの身長以上のサイズで扱うにはパワーとテクニックが必要。
グリフォンのクチバシを模した切っ先はとても鋭く槍全体に伸びた刃も斬れ味は凄まじく、キューエナジーを充填して発射すれば直撃しても着弾した後の爆発に巻き込まれても大ダメージ。
だが反動も凄まじいので空中で打つか地上では盾のキューガーディアンを支えに踏ん張る必要がある。
必殺技はガンランス内部にキュータマをセットし、グリフォン状のキューエナジーを纏った突進突きのグリフォンインパクトと、同じくグリフォン状のキューエナジーの砲撃を放つヴァルチャーグリフォンの2つが必殺技。

グリフォンネイビーの解説は以上です。

次回ではミッテルトの解説をします。

では次回、第17話でお会いしましょう。




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第17話 繰り広げられる死闘?ツルギの予期せぬ敗北

はい、第17話です。

少し時間が出来たのと本日に遅れてる分を挽回したかったので時間があるうちに書き、投稿しました。

前回の木場の使い魔については色々調べたら小鳥との事だったのでアニメでは出ませんでしたが今作の中には登場して貰いました。

後、生徒会長メンバーも細かく調べて出してますが間違いが有りましたら、教えて頂けると有難いです。

では、第17話をどうぞ。


第17話 繰り広げられる死闘?ツルギの予期せぬ敗北

 

 

ソーナ

「勝負?もしかしてレーティングゲームを。」

リアス

「まさか。先ず許可を出してくれるわけないわ。」

ソーナ

「そうですね・・・其れに今の貴女は大切な体ですから。」

 

ソーナの言葉にリアスの表情が強張りに目付きが鋭くなる。

 

リアス

「関係ないわ!その事は・・・ソーナ。此処は高校生らしくスポーツで決着をつけましょう。」

ツルギ

「と言う訳で、明日の昼休みに2対2のテニス対決をして勝った方が依頼する事になったんだ。」

レイナーレ

「私達がいない間にそんな事になってたなんて。」

ミッテルト

「知らなかったからっす。」

 

人数が増え8人で炎家の食卓を囲みながらオカ研の部員と仮顧問として入っているレイナーレ達3人が用事で放課後いなかったので夕食のハンバーグを食べながら放課後に決まった事を話すツルギ、其れを聞きながら口元を拭くレイナーレと頬をハムスターの様にハンバーグでパンパンに膨らませたミッテルトが最後の一口を頬張りながら聞いていた。

 

シルヴァ

「カラワーナ。ツルギ。食後のコーヒーだ。」

カラワーナ

「ありがとうシルヴァ・・・それでテニス対決には其々誰が出るんだ?」

アーシア

「確か生徒会からは会長のソーナさんと、副会長の椿姫さんが出ると言っていましたよねツルギさん?」

ツルギ

「ああ。オカ研からは部長と朱乃さんが出るらしい・・・苦っ!ククル姉さん。ミルクと砂糖。」

シルヴァ

「相変わらずミルクと砂糖無しでコーヒーが飲めないとは、ツルギは未だ子供だな。」

 

シルヴァが注いだコーヒーを飲みながら質問するカラワーナに食後のツルギお手製ケーキを食べながら答えるアーシア。其れに続く様にツルギもオカ研代表を話しながらコーヒーを啜るが、ブラックを飲めないツルギはテーブルに常備してある砂糖とミルクをククルに取って欲しいとお願いする。

 

ククル

「はい砂糖とミルクだよツルギ。私達から言ったらブラックを普通に飲めるシルヴァ姉やカラワーナは凄いよ。私もブラックは無理!はいツルギ。あ〜〜〜ん♡」

一星

「私も微糖ぐらいなら飲めるけどブラックはちょっと無理。ツルギ!ツルギ!私も。あ〜〜〜ん♡」

レイナーレ

「ちょっと待ちなさい!!ククル!一星!何ツルギに普通にあ〜〜〜んしてるの!」

 

普通の流れでケーキを食べさせ様とするククルと一星の行動にいち早く反応したレイナーレが即座にツルギの後ろに回り自分の方に抱き寄せて引き離す。

 

ククル

「あ〜〜〜!ちょっとレイナーレ!今お姉ちゃんは大好きなツルギとのラブラブタイムの真っ最中だったのに、早くツルギを解放しなさい!」

レイナーレ

「姉なら姉らしく。ツルギの為に余り過保護過ぎるのは良くないと私は思うわね。ツルギには私と言う告白しデートもした者が付いているからご心配無く!」

一星

「デートしたって言っても恋人になった訳じゃないでしょ!其れに、お・さ・な・な・じ・み!の私がいる限り!そんな事は認める訳ないでしょう!」

ミッテルト

「それを決めるのはツルギであって一星じゃ無いっす!大体!一星は自分の家があるのに何でウチらが来てから毎日毎日ツルギの家でご飯を食べてるっす!此処はウチらとツルギとの愛の巣なんす!」

ツルギ

「痛い痛い!捥げる捥げる!腕も足も捥げるーーー!本当に止め!!!ギャーーーーーーーー!?!?」

 

何時もの様にツルギの取り合いが始まった。

普段なら其処其処で収まっているのだが今日に限っては4人共ヒートアップし歯止めが効かなくなり四肢を其々が引っ張る引っ張る。

引っ張っている方は大した事ないだろうが引っ張られている方は、たまった者ではない。

四肢に走る痛みに耐えながら4人に止める様に言っていたツルギだったが・・・トドメと言わんばかりに4人が同時に引っ張りあった為に

絶叫を上げながらグッたりしてしまった。

 

カラワーナ

「ツルギ大丈夫か!しっかりしろ!」

アーシア

「ツルギさん!直ぐにトワイライト・ヒーリングで治癒しますから、しっかりして下さい!」

ツルギ

「な、な、何とか・・・大丈夫、だ。」

シルヴァ

「いい加減にしないか4人とも!!!幾ら何でもやり過ぎた!罰として今夜は4人ともツルギとのスキンシップを禁止する!」

一星・ククル・レイナーレ・ミッテルト

「「「「そ、そんな〜〜〜〜〜〜!」」」」

シルヴァ

「しっかりと反省しろ!・・・さあ〜ツルギ。今日は私とカラワーナにアーシアとスキンシップしような。」

一星・ククル・レイナーレ・ミッテルト

「「「「ご、ごめんなさい〜〜〜〜〜〜!」」」」

 

その後アーシアの治癒で回復したツルギだったが・・・ツルギ本人は気にしてないから許すと言っているが、シルヴァが許さず就寝までの4人のスキンシップは有言実行通りに許されなかった。その間は普段レイナーレ達に譲り我慢しているカラワーナとアーシアも一緒になり3人でツルギに密着するスキンシップを満喫した。意外とシルヴァとカラワーナが最近よく結託する事が増えて来たと間に挟まれながらツルギは思った。

 

そして時間はアッと言う間に経ち・・・次の日の昼休み。

 

 

テニスコートではウェアーに着替えたリアスに朱乃、更に対戦相手のソーナと椿姫が準備運動を終えラケットを持ち日差しが照りつけるコートの上に立っていた。

周りにはギャラリーの生徒が溢れ声援と人集りでごったがいしている中、コート横のベンチには其々のメンバーとオカ研側にはレイナーレ達も入っていた。

 

一星

「部長ーーー!朱乃さんーーー!頑張って下さいーーーー!!」

「会長ーーーーーー!!勝って下さいーーーーーー!!」

レイナーレ

「凄い数ね!まさかこんなに集まるなんて。」

ツルギ

「学園では有名人だし、しかも4人が勢揃いする事が中々無いからな。」

ミッテルト

「軽いお祭騒ぎっすね。しかし・・・どんだけ集まってるすか!」

ツルギ

「ミッテルトの言いたい事も分かる・・・確かに多い!」

 

テニスコートの周りを囲むフェンス全てに、人!人!人!ばかりで隙間がないほどである。

 

リアス

「朱乃!この試合、勝ちに行くわよ!」

朱乃

「はい。部長!」

リアス

「行くわよソーナ!」

ソーナ

「ええ。良くってよリアス。」

カラワーナ

「其れでは試合・・・開始!」

 

審判のカラワーナの試合開始のホイッスルが鳴りリアスのサーブからの初球で試合は始まった。1球目から両チームとも一歩も譲らずラリーの応酬が繰り広げられている。

 

ツルギ

「凄いな〜部長に朱乃さん。其れにソーナ会長と椿姫副会長も。」

松田

「我が学園トップクラスの美女4人が純白アンダースコートで対戦!」

元浜

「アッと言う間に学園に広がる訳だ!いつまでも眺めていたい素晴らしい絶景でわないか!」

ツルギ

「やっぱり来てたから此奴らも。」

 

ツルギが寄りかかったフェンスの後ろから聞き慣れた声が聞こえたので振り返ると、其処にはフェンスに顔を押し当て4人を食い入る様に口元を緩ませたながら観ている松田と元浜がいた。

この2人なら聞き付け此処に来ると分かっていたツルギは、だらし無い表情に”相変わらずだな此奴らは“と思いつつ試合を観戦するのを再開した。

 

ソーナ

「フッ!」

女子生徒達

「「「「キャーーーー!ソーナ会長!!」」」」

朱乃

「ハァ!」

男子生徒達

「「「「ウォーーーー!朱乃お姉様!!」」」」

木場

「凄い数が集まって来たね。」

小猫

「此れでは魔力は使えませんね。」

ツルギ

「使ったら使ったらでヤバいだろ。」

 

これだけの数の生徒がいる前で流石にそんな事はしないだろうと思い、木場と小猫の所に戻ったツルギであったが・・・

 

ソーナ

「お食らいなさい!シトリー流スピンサーブ!!」

リアス

「甘いわ!グレモリー流カウンターを喰らいなさい・・・!」

ツルギ

「完全に魔力使ってるぞ!大丈夫か?」

 

ソーナが放ったサーブが青い光を纏いながら飛んで来たのでリアスがレシーブする為に踏み込んだ瞬間に急に軌道を変えカーブし地面にボールが落ちた。咄嗟の事でリアスは対応出来ず生徒会側にポイントが入ったが、完全に魔力を使っている事が周りにはバレて正体を勘付かれるのではと焦るツルギだか。

 

男子生徒

「曲がった・・・魔球だ!曲がる魔球が出たぞ〜〜〜!」

木場

「魔球だと思われてる見たいだね。」

小猫

「此れなら大丈夫そうですねツルギ先輩。」

ツルギ

「平和と言うか。なんて言うか。」

 

周りのギャラリーの反応に安心するべきか呆れるべきかわからなくなって来るツルギ。

 

リアス

「やるわね!其れでこそ私のライバル・・・でも、私の魔導球は108あるのよ!」

ソーナ

「受けて立つはリアス。其れが私の・・・貴女への愛!」

ツルギ

「・・・もう。もうツッコミは無しだ。諦めた。」

 

互いにラケットを構え合うリアスとソーナのやり取りの見ながら試合と呼べるのかと、さしものツルギもツッコミを入れるのを諦めた。

その後も試合は続いたが先にラケットが魔力を込めたラリーに耐えきれずに壊れる事態になり、決着は夜に体育館でのドッチボールで決める事になった。

 

そして時間は夜になり体育館には全員が集まっていた。

 

 

リアス

「其れじゃ。レイナーレ達は審判役をお願いね。」

レイナーレ

「分かったわ。一星!さっきの約束を忘れないでよ!」

一星

「そっちこそ!約束守ってよね!」

ツルギ

「何を約束し合ってるんだ2人は?」

一星・レイナーレ

「「秘密!」」

ツルギ

「あ、はい。」

 

また自分の知らない所で良からぬ約束をしているんだと思ったツルギは敢えて追求せずに黙って頷いた。

 

準備が完了したコートの中にはオカ研側には、リアス・朱乃・小猫・一星・ツルギ達が内野で外野には木場とアーシア。

対する生徒会長側はソーナ・椿姫・匙に、青髪で2年生ルークの由良 翼紗とピンク色に近い髪をした同じく2年生ナイトの巡 巴柄。外野が、白い髪の2年生ビショップの花戒 桃とブラウンカラーの髪が特徴の2年生ビショップの草加 憐耶。

審判にレイナーレ達3人と生徒会から1年生ポーンでツインテールの仁村 留流子を加えた4人で行う事になった。

 

最初は互いに様子見のゆったりとした立ち回りから始まったが徐々に勝負も白熱して来た時に試合が動いた。

 

翼紗

「ハァーーーーーー!」

カラワーナ

「小猫。残念だがアウトだ。」

 

翼紗の放ったボールが当たり小猫はアウトになり服まで破れてしまった。

 

一星

「小猫ちゃん!大丈夫?」

小猫

「問題ないですが・・・服が。」

ツルギ

「小猫ちゃん。ミッテルトにドレスアップキュータマを渡してあるから大丈夫だよ。」

小猫

「ありがとうございますツルギ先輩・・・ミッテルト。お願いします。」

ミッテルト

「OKっす!はいはい小猫、コッチに来るっす。」

 

小猫は手招きするミッテルトの側に行き服を元どおりにして貰うと外野の方に回って行ったが、ミッテルトが使ったキュータマやブラスターを見てるソーナ達生徒会。

 

ソーナ

「リアス。ミッテルトさんが使ったアレは一体?」

リアス

「アレは元々ツルギが持っていた力だったのだけど、ミッテルトやレイナーレにカラワーナは力の根源に認められてツルギと同じ力を手に入れたのよ。」

ソーナ

「力の根源?どう言う意味ですかツルギ君。」

ツルギ

「簡単に言えば・・・宇宙の星々の力です。」

「宇宙!おいツルギ。一体どう言う事なんだよ。普通の人間だろお前。」

ツルギ

「其れは此の試合の中で分かる・・・匙。先ずは此の試合の決着が先だろ。」

「よっし分かった。後で説明しろよ。」

 

一時中断したが試合は直ぐに再開し、生徒会からの攻撃が再び始まった。

 

椿姫

「なら此方も本気を出しましょう。追憶の鏡!」

リアス

「これぐらい!ハアッ!!」

ソーナ

「流石ですね。椿姫の球を正面から。」

リアス

「私を誰だと思っているのかしら!」

巴柄

「ふぇ?キャッ!イヤ〜〜〜〜〜〜ン!」

レイナーレ

「アウト!」

 

椿姫の神器である追憶の鏡の力を受けたボールが変則的な軌道でリアスに向かって来たが正面からキャッチしたリアスはボールに自身の魔力を込めて投げ返した。滅びの魔力と同じ光を纏ったボールは一直線に巴柄を捉え命中すると、その威力の為か服が燃えて下着姿になってしまった。

 

ツルギ

「あの〜ソーナ会長。目のやり場に困るのと風邪を引きますから、ミッテルトに言えば元どおりになりますので巴柄を彼女の所に。」

ソーナ

「ふふ。ツルギ君はウブで優しいですね。巴柄、ミッテルトさんに元どおりにして貰いなさい。」

巴柄

「はい会長。ツルギ先輩、ありがとうございます。」

 

顔を赤くし視線を逸らしているツルギにお礼を言ってミッテルトの元に向かう巴柄。

其れを後ろで見ていた一星は”優し過ぎるけどツルギらしいな"と考え事をしてる間に背後にいた憐耶に狙われているのに全く気付かなかったが。

 

憐耶

「隙あり!」

朱乃

「一星ちゃん!油断したら駄目ですよ。」

一星

「アッ!すいません朱乃さん。」

 

間一髪。気が付いた朱乃が背後にジャンプする様にして回り込みボールをキャッチした事で助かった一星。

 

朱乃

「其れでは次は此方の番ですね・・・ツルギ君。」

ツルギ

「分かりました朱乃さん!なら此処は此れで行くか!」

 

『ヘラクレスキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

ツルギは以前にも使ったヘラクレスキュータマを使って体をムキムキにすると朱乃から渡されたボールを握り力を込めた。

 

「ちょっ!ヤバイですよ会長!シャレになんないですよ!」

ソーナ

「此れがツルギ君の力ですか。」

ツルギ

「まあ〜その一端ですけどね。さて加減はするが・・・最初は翼紗からだ!セィャァァァーーーーーー!!」

翼紗

「なら受け止めて!!グァァーーーーーー!」

カラワーナ

「翼紗もアウトだ。ミッテルト頼む。」

ミッテルト

「了解っす!」

 

ツルギの投げたボールは凄まじい勢いとともに風を切る程の音を立てながら受け止めた翼紗を体ごとアウトラインまで押し込み、勢いを受け止めきれずに負けた翼紗はボールに当たりアウトになった。

其処にミッテルトが歩み寄りキュータマの力で服を戻した。

 

アーシア

「流石ですツルギさん!」

木場

「ナイスだったよツルギ君!」

ソーナ

「如何やら彼に手加減は要らない様ですね・・・全員!此処から遠慮は要りませんよ!」

生徒会長メンバー

「「「「「「「はい。会長!」」」」」」」

 

其れからは最早スポーツと言う言葉では表せない程の酷い有様だった。

両チームとも魔力や神器など何でもありの状態になり至る所で魔法陣が浮かび、その度にドッチボールとは思えない爆音や爆煙のオンパレード。床には穴が空き、壁は崩れ、窓ガラスは吹き飛ぶ始末。

オマケに戦場とも取れる体育館での試合にアーシアはドッチボールが今の状態の様な怖い物だと勘違いし、一星やツルギに至っては余りの無茶苦茶ぷりに言葉が出て来なくなっていた。

 

「会長!先ずは戦力の中核になってツルギから仕留めましょう!」

ソーナ

「そうね!シトリー流!バックスピンシュート!!」

 

まるで新体操の体の動きからソーナの魔力を纏ったボールが放たれツルギに向かって来る。

 

リアス

「ツルギ!」

ツルギ

「任せて下さい部長!ヌォォーーーダリャーーーーーー!!」

 

ソーナのボールを両手に力を込めて受け止めるツルギ。

予想外のパワーに徐々に押し込まれていくが、更に力を込めボールが変形する程に握り込むツルギだったが・・・パァン!

 

ツルギ

「え?」

 

魔力を纏っているとは言え普通のドッチボール・・・当然ボールが耐え切れないほどに力を込めれば当たり前だが壊れる。

ツルギの両手の中にあったボールは軽快な破裂音を体育館内に響かせて跡形も無く破裂してしまった。

 

ツルギ

「あの〜〜〜カラワーナ。この場合は一体どんな判定になるのかな?」

カラワーナ

「正式なルールは無いが・・・諸説によればキャッチしていたボールが破裂したら、その・・・キャッチしていた人がアウトになるらしい。」

ツルギ

「・・・つまり・・・俺がアウトって事か?」

 

場を何とも言えない空気が包む中で、一星は愕然としレイナーレにミッテルトは握りこぶしを作り体を震わせていた。

 

一星

「・・・嘘。」

レイナーレ

「やっ・・・」

ミッテルト

「やっ・・・」

レイナーレ・ミッテルト

「「やったーーーーーー!!」」

ツルギ

「ちょっと待て!何で2人は喜んでるんだ?」

 

2人が何故喜んでいるのか分からず困惑していると・・・背後から凄まじ殺気がしたので振り返ると!

 

一星

「ツ!ル!ギ!!!何やってるの!彼処で普通ボール割る!てか、アレだけ握り潰したら割れるに決まってるじゃん!ツルギのバカ!絶対にツルギなら最後まで残るだろうから、残る方に賭けたのに〜〜〜〜〜〜!!」

ツルギ

「賭けた?何の話だ一星其れは!」

レイナーレ

「残念だったわね一星!此れで今日のツルギとのスキンシップは私とミッテルトって事ね!」

ミッテルト

「やったす!やったす!だから言ったじゃ無いっすか一星。ツルギでも、何か予期せぬ事が起きたら残れないって。」

 

実はドッチボールに決まった時に3人はある賭けをしていたのだ。

其れは単純にツルギが試合の最後まで残っていられるか、勝った方が今晩ツルギとの就寝までの密着出来るスキンシップの権利を得る。負けた方はお預けと言う物だった。

一星は”ツルギなら最後まで絶対に残る“と迷わずに宣言。レイナーレとミッテルトは予期せぬ事態が起こったらと考え反対の方に賭けたのだが、結果はまさかのボール破裂によりツルギのアウトになった為に一星は大惨敗してしまったのだ。

 

一星

「アァ〜〜〜〜〜〜!折角のツルギとのスキンシップが!」

ツルギ

「俺から言わせれば、あのスキンシップは止めて欲しいだが。」

レイナーレ

「嫌よ!大好きなツルギに触れられなくなるのは!」

ミッテルト

「そうっす!其れともツルギはウチらの事が嫌いっすか?」

ツルギ

「嫌いじゃ無いから!だから捨てられた子犬見たいな目はやめてくれミッテルト!」

 

更に場が混沌になって行くがソーナの一言が場の空気を変えた。

 

ソーナ

「どう言う事ですかツルギ君!貴方はとても誠実な男子だと思っていたのに彼女達とスキンシップとはどう言う意味ですか!」

ツルギ

「あの会長!一先ず説明しますから落ち着いて!」

ソーナ

「問答無用です!そこに正座しなさい!」

ツルギ

「はい!!」

 

其れから30分ぐらいソーナによる説教と学生の手ほどきを受ける事になってしまったツルギ。何とか事情を説明して誤解は解けたが試合は止まったままな上にツルギはソーナの説明にだいぶ参っていた。

 

ソーナ

「分かりましたかツルギ君!」

ツルギ

「はい。ソーナ会長。」

ソーナ

「なら良いです。(何故あんなにもムキになってしまったのかしら?)」

リアス

「さあ。ツルギへのお説教も終わった事だし、再開しましょうかソーナ!」

ソーナ

「ええ、リアス!」

 

再び予備のボールで試合が再開されたが直後に小猫からの強烈な一撃を男の急所に喰らってしまい匙かアウト。その後は一進一退の攻防が続きタイムアップ。

最終的にリアス、朱乃、一星の3人を残したオカ研がソーナと椿姫が残った生徒会に勝利。使い魔の依頼は先にオカ研が行う事が決定した。

その後はツルギの力について生徒会に説明をした。皆んな色々気になる事には大体答えだが過去については、全員がリアスと同じで話せる時まで待ってくれると言ってくれた。そして、片付けも終わり。

 

リアス

「使い魔の件は私達が優先させて貰うけど・・・まさか彼処でツルギに正座させてお説教するとは思わなかったわ。」

ソーナ

「忘れて下さいリアス。何故彼処であの様な行動を取ったのかは私にもわからないのですから。」

リアス

「きっと貴女がツルギの事を・・・」

ソーナ

「何か言いましたリアス?」

リアス

「何でも無いはソーナ。」

 

笑って誤魔化すリアスだったが、表情を引き締め口を開いた

 

リアス

「次はドッチボールじゃ無くレーティング・ゲームで勝負しましょう!」

ソーナ

「今日は負けましたがレーティング・ゲームは遅れは取りませんよリアス。」

リアス

「其れはこちらも同じよ!幼馴染の貴女に負ける訳には行かないわ!でも・・・其れはまだ先の話でしょうけど。」

ソーナ

「そうですね。では皆さん今日はお疲れ様でした。」

 

そう言って体育館から動けない匙を担いで出て行った生徒会メンバーを追うソーナだが、ツルギの前に止まり言葉を掛けた。

 

ソーナ

「少しキツく言い過ぎましたツルギ君。ごめんない。」

ツルギ

「気にしないで下さい!ソーナ会長は俺の事を考えて言ってくれたんですから。ありがとうございました。」

ソーナ

「そうですか・・・ありがとうツルギ君。また明日会いましょう。」

ツルギ

「はい。ソーナ会長。」

 

話し終えると軽く会釈してソーナは出て行った。

 

色々とあったが無事に使い魔依頼の優先権利を手にしたオカ研なのであった。




はい、第17話は如何でしたか?

今回はオカ研対生徒会の使い魔の件での試合内容でしたが、テニスもドッチボールもかなり無茶苦茶でしたね。魔球で納得してましたね。

今回はミッテルトのフレズベルクグレーの解説です。

・フレズベルクグレー
(元ネタはグリフォンネイビーと同じストレイバード。キューエナジーロードは同機体のイマジナリーロード)
・ミッテルトがフレズベルクキュータマの力でスターチェンジした姿。グリフォンネイビーと翼やアンダースーツは似てるがアーマーが無く全体的にシャープになっている。
防御力はあまり無いが其れを補って余りあるほどの機動力とスピードを持っており、キューエナジーを使って質量を持った分身を生み出すキューエナジーロードを駆使した変幻自在かつトリッキーな戦い方をする。
必殺技は空中に足止めした敵にダガーを用いた高速回転と錐揉み回転を合わせた連続切りのディザスターインパクト。

・フレズベルクキュータマ。
(元ネタはバトルスピリッツのXレアのダークネスグリフォン)
・死者を引き裂き飲み込むフレースヴェルグに近い力を宿したキュータマ。これもミッテルト専用キュータマで、ヒュッケバインと同じく死を司っている。

・キューダガー
(元ネタはストレイバードのフェザントカッター)
・フレズベルクグレーの基本武器の小型ダガーで左右2本ずつある。
羽を模した刃はキューザウェポンの刃と同じで敵に飛ばす事も可能な投擲武器にもなる。見た目の割には切れ味は抜群である。

・キューアンカー
(元ネタは同じくストレイバードのスワローガンとガンダムのストライクノワールのアンカーワイヤー)
・手首と手の平、更には腰と足裏にあるアンカーワイヤー。
先にはキューダガーと同じ刃がありそのまま武器にもなるが、相手を拘束したり投擲したダガーの回収や組み合わせてアンカーダガーにして鞭の様に扱う事も出来る。

はい、フレズベルクグレーの解説は以上です。

次回は使い魔探しとツルギの新しい家族の登場予定です。

では次回の第18話でお会いしましょう。


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第18話 使い魔の森での蒼龍と小獅子。告げられる悲報。

はい、第18話です。

今回は使い魔の話のラストです。あの可愛らしいドラゴンにツルギの家族、更には使い魔に関してはお任せあれの人も登場します。

ルパパトはサイレンストライカーをやっとパトレン側が使いサイレンパトカイザーが登場し、今週はノエルのフランス2往復に鮭の押し付けと笑いが多かったですね。

圭一郎はルパレンの正体に確信を持った感じでしたね。

お気に入りが40になりました。皆様ありがとうございます。

では第18話をどうぞ。


第18話

 

生徒会との勝負で使い魔依頼の権利をゲットしたオカ研メンバーは、部室に集まりお菓子やジュースなどで細やかな祝勝会を起こなっていた。

 

リアス

「皆んなお疲れ様。皆んなが頑張ってくれたお陰で無事に使い魔を探しに行けるわ。でも・・・まさかツルギがボールを割ってアウトになるなんて思わなかったわ。」

ツルギ

「笑わないで下さい部長!俺だってボールを受け止めるのに必死だったんですから。後、一星・・・俺を睨むな!何も言わずに賭けをして負けたからって何で俺を責めるんだよ!」

一星

「五月蝿い五月蝿い!兎に角!絶〜〜〜〜〜〜対にツルギが悪い!」

ツルギ

「物凄く理不尽だ!」

 

笑いながらリアスに痛い所を蒸し返されるツルギ、必死に説得している時に視線を感じて其方を向くと其処には・・・

テーブルに並べられた皿にある沢山のクッキーをやけ食いの様に食べながら怒っていますオーラ全開の一星。其れに対してジュースを飲みながら一星から理不尽な怒りの矛先を向けられている事に反論するツルギ。

 

一星

「(ツルギの馬鹿!私の気持ちも知らないで・・・鈍感!)・・・」

ツルギ

「何だよ一星?」

一星

「・・・馬鹿。」

レイナーレ

「仕方ないわね一星。でも負けたからと言ってツルギに怒るのはお門違いよ。ね〜〜〜ミッテルト。」

ミッテルト

「そうっすねレイナーレ姉様。ウチらと同じ方を選んでいたら一星もスキンシップ出来たのに残念だったっすね!」

一星

「さっきから言ってくれるわね・・・てか!何に既にツルギにくっ付いてるのよ!!しかも家どころか部室の中だし、オマケにお預け食らってる私の前で!」

アーシア

「落ち着いて下さい一星さん。はい、クッキーですよ。」

一星

「ありがとうアーシア・・・おいちい。」

 

アーシアが口元に差し出したクッキーを食べる一星。

口の中に広がるほんのりとした甘さと美味しさに少しばかり機嫌が良くなったのか、まだ僅かに不貞腐れながらもクッキーの感想を言いながら座り直しジュースを飲む一星。

暫くするとリアスの言葉で祝勝会は終わり、いよいよ使い魔を探しに向かう事になった。

 

リアス

「そろそろ使い魔の森に向かうとしましょうか!」

ツルギ

「気おつけて行ってきて下さい部長。俺とレイナーレ達は部室に待機してますから。」

リアス

「心配ないわ。何故なら・・・ツルギ。貴方達も一緒に行くからよ。」

カラワーナ

「私達もだと?しかし私達やツルギはリアスの眷属では無いから一緒にジャンプする事は出来ないだろ?」

朱乃

「心配いりませんわカラワーナ。はいツルギ君。」

ツルギ

「此れって・・・一星とアーシアが配っていたビラ・・・あれ?魔法陣だけしか書いてない。」

 

朱乃からツルギ達に手渡された物は以前一星を転生させる時にリアス達が現れた時や、一星やアーシア勿論手伝いで一緒に回っていたツルギも何度も見た事がる町で配っているビラだった。

唯一違う所は”願いを叶えます”と書かれていた文字が無くシンプルに真ん中に魔法陣だけが描かれている。

 

リアス

「ジャンプするにはジャンプする為の魔法陣に私の眷属である証、言わば刻印を読み込ませる必要があるの。それには簡易的ではあるけど刻印が刻まれていて所持している人物を眷属として認識させる事が出来る様にしたのよ。」

ツルギ

「つまり此れを持っていれば俺達も部長達と一緒にジャンプ出来るんですか!」

リアス

「ええ。以前貴方やアーシアを置き去りにして以来、一緒にジャンプする方法を考えていて色々と考えて此の方法を見つけたの・・・あの時の様な事を2度としない為に。」

アーシア

「部長さん。」

ツルギ

「ありがとうございます部長。俺達の事を其処まで思ってくれて・・・感謝します。」

リアス

「頭を上げてちょうだいツルギ!私は私の思った事をしただけよ。(もう2度とあんな思いはしたく無い・・・ツルギを失う悲しみなんて・・・)」

ツルギ

「部長?」

リアス

「何でもないわ・・・さあ。改めてツルギ達も連れて森に向かうわよ!」

ツルギ

「はい部長!」

 

頭の中を切り替えるように首を横に振るリアス。

そして改めて使い魔の森に向かう為に片手を翳すと床にジャンプ魔法陣が現れ全員が魔法陣の上に乗ると眩い光を放ち、たちまち全員を包み込んだのであった。

 

 

光が収まり全員が目を開けると・・・其処には鬱蒼と生い茂る枯れ果てた様な高い木々が並び、空はまるで血を地面垂らした様な少し赤黒い色をした森の中の拓けた場所にジャンプしていた。

 

一星

「此処がもしかして!」

ツルギ

「使い魔の森の中。」

アーシア

「あぅ〜〜〜少し怖いです。」

ツルギ

「大丈夫かアーシア?」

アーシア

「はい。大丈夫ですツルギさん。」

 

森の異様な雰囲気に驚く一星と対照的に落ち着いているツルギ。

アーシアは少し怖いのか震えながらツルギの袖を掴んでいたが、其れに気付き手を握ってくれた事が分かると笑顔に戻った。

 

ツルギ

「想像していた場所とは全然違うな・・・ところで部長。何で急いで此処に来たんですか?何か急がないといけなかったんですか?」

リアス

「其れは彼が満月の日にしか依頼を受けてくれないからよ。」

ツルギ

「彼?」

???

「ゲットだぜ!!」

 

ツルギがリアスの言葉の中にあった”彼”がどの様な人物か気になっていると、大きな声が聞こえて来たので上を見上げると・・・其処にはタンクトップに短パンに大きなリュックを背負い、帽子のツバを後ろにかぶった男が木の枝に立ち此方を見ていた。

 

ザトゥージ

「今宵もいい満月だっぜ!俺の名はザトゥージ!使い魔マスターを目指している悪魔だっぜ!!」

 

颯爽と名乗りツルギ達の元に飛び降りてくるザトゥージ。

 

一星

「ザ、ザトゥージ・・・ツルギ。何処かで聞いた気が。もしかして!」

ツルギ

「駄目だ一星!その先を言ったら駄目だ・・・駄目だ。」

一星

「・・・分かった。」

 

某作品の電気ネズミを相棒にしている主役と被っていると一星が言いかけるのを止めるツルギ。表情から口にするべきでは無い事を察し言いかけた言葉を仕舞う一星だった。

 

リアス

「今夜はよろしくお願いしますザトゥージさん。例の子達を連れて来たわ。」

ザトゥージ

「活発的でボーイッシュなスポーツ少女と金髪美女だなOK任せな!俺にかかればどんな使い魔も速攻ゲットだぜ!!」

ツルギ

「朱乃さん大丈夫ですか?俺は今物凄く不安です。」

朱乃

「彼は使い魔に関するプロフェッショナルですから大丈夫ですよ。」

ザトゥージ

「心配すんな嬢ちゃんの連れの兄ちゃん。俺に任せて大船に乗ったつもりでいな!」

ツルギ

「(大船と言うか泥舟の様な気がするが)・・・胡散臭いですが朱乃さんが言うなら。」

 

ハイテンションで両手でゲットの頭文字のGを作り笑っているザトゥージに朱乃の言葉でプロだと納得したが、何か起こりそうな気がして少し不安を感じるツルギ。

 

ツルギ

「因みにザトゥージさん。使い魔はやっぱり強いだけじゃ無く、個人にあった使い魔を吟味して探すんですか?」

ザトゥージ

「その通り!意外と話せるじゃねえか兄ちゃん。使い魔ってえのは強いのから早いの更には毒持ちまで色々、だからこそ有用性や個体の特徴を把握しかつ自分の特性を補う事などを考えた上で選ばなきゃいけ無いんだっぜ!」

ツルギ

「成る程。闇雲に強いからとか単純な考えで選ぶ物じゃ無いんですね。(ザトゥージさん。本当に使い魔の事をよく理解してる・・・凄いな。)」

アーシア

「あの〜出来れば私は可愛い使い魔が欲しいです。」

一星

「そうだねアーシア。どうせなら可愛い子が良いよね。」

ザトゥージ

「おう〜〜分かったよ〜〜!」

ツルギ

「・・・さっき一瞬でも凄いと感心した俺が馬鹿だった!」

 

ザトゥージの使い魔への知識などに感心したツルギだったが其れをアッサリと覆す程の手の平返しに、呆れと一瞬でも見直した自分自身の考えに呆れが出てしまった。

 

其れから一通りの話を終えた一行はザトゥージの先導で森の中を奥に向けて進んで行く。

高い木々と赤黒い空の為に薄暗く視界があまり良く無い中を突き進む事数分・・・先頭を行くザトゥージから歩みを止めて静かにする様にジェスチャーしながらある所を指差した。

其処を静かに全員が見ると、其処には周りの森の景観とは全く違った

青く透き通った綺麗な水が溢れた小さな泉が光を放ちながら存在していた。

 

ザトゥージ

「此の泉から気配がする。おそらくはウンディーネだ。」

ツルギ

「ウンディーネって確か・・・水の精霊で美しい姿をした女性の精霊とかゲームで聞くけど。」

ザトゥージ

「そうだぜ。きっともう直ぐ・・・おっ!ウンディーネが出てくるぞ。」

 

指差す先には泉の水面が揺れ青白い光が空に向かって伸び始めていた。

暫くすると揺れが更に激しくなった瞬間に水柱が上がり中に女性の様なシルエットが浮かび上がって来た。やがて水柱が少しずつ収まって行くと中心だった場所には、綺麗で流れる様な金髪に鍛え上げられた筋肉と厚い胸板を晒した漢と書いて男とも呼べる様な見た目をした精霊が現れた。

 

一星

「え〜〜〜〜〜〜!アレがウンディーネ!唯の鍛え抜かれた女子プロレスラーにしか見えないし!!」

ザトゥージ

「アレがウンディーネだ。縄張り争いが激しいから女性と言っても腕っ節が強く無いと生き残れねぇんだよ!今の時代、精霊も実力主義なんだよ。」

一星

「あれじゃ世間一般のウンディーネのイメージが覆るよ。」

ツルギ

「諦めろ一星。よく言うだろ・・・現実は小説より奇なりってな。」

ザトゥージ

「あれなら強さは保証済みだぜ嬢ちゃん!」

一星

「アレだけは絶対に嫌だ!部長。他の使い魔を探しましょう。」

リアス

「仕方ないわね。また暫く移動しましょうか。」

 

ウンディーネは諦め再びザトゥージの先頭で暫く森を進む中、一同が少し拓けた場所に出た時にザトゥージがまた足を止めて上を見上げていた。

 

ザトゥージ

「ん?おわっ!!彼奴はスプライトドラゴンじゃねぇか!」

ツルギ

「スプライトドラゴン?どんな使い魔何ですかザトゥージさん。」

ザトゥージ

「蒼雷龍とも呼ばれ青い雷撃を放つドラゴン、その子供みたいだな。上位クラスのドラゴンで成熟したらゲット出来ない貴重なドラゴンだぜ!」

スプライトドラゴン

「クピッ?」

 

全員がザトゥージの視線の先を見ると小さいが確かに青い体と其れに合ったサイズの翼、凛々しい顔と尻尾に愛らしい瞳をしたドラゴンが1匹枝の上に座りながら此方を見ながら首を傾げ可愛い声を出していた。

 

木場

「此れは珍しいですね。」

小猫

「小さくて可愛らしいです。」

リアス

「私も見るのは初めてだわ。」

朱乃

「一星ちゃんは赤龍帝の力を持っていますから相性バッチリかも知れませんよ。」

一星

「可愛い上に強いドラゴン・・・よし決めた!私の使い魔は君に決め・・・」

アーシア

「キャッ!今何か冷たい物が!」

 

アーシアの悲鳴で後ろをツルギが振り返ると・・・其処には、大量のスライムがおり更に上からもどんどんスライムが降って来ていた。

 

木場

「スライムか!しまった!」

ツルギ

「ザトゥージさん!何なんですかこの大量のスライムは!」

ザトゥージ

「此奴等は言わば森の厄介も何だよ。害は無いんだが布地を主食にするスライムで特に女性の服をよく好んで狙ってくるんだよ。」

 

顔にスライムを付け鼻血を出しながら説明するザトゥージだったが、ハッキリ言ってのんびりしている場合では無い。

何故なら今この瞬間にもリアス達の服はスライムに溶かされあられもない姿になりつつあるからだ。

 

朱乃

「あらあら!あら〜〜〜はしたないですわ!」

リアス

「ちょっ!はぁんっ・・・ひうっ!だ、だめ〜〜〜〜〜〜!」

アーシア

「あ〜〜〜〜ん!ふ、服が〜〜〜〜!溶けちゃいます!」

小猫

「止めっ・・・あっ!た、助けて下さ・・・ひぁっ!ツルギ先、先輩!」

一星

「だ、駄目。見ないでよ〜〜〜〜ツルギ!」

木場

「すまないツルギ君!僕も前が見え・・・うわっ!」

ツルギ

「皆んな待ってろ今助ける!レイナーレ達は無事・・・ファッ!」

 

リアス達がスライムによって動けず服が溶かされて行く。

スライム達は御構い無しに服の下の部分にも入り込み更に服を溶かし始め、その感触に艶めかしい声を上げ助けを求めりリアス達。

直ぐさま助けに入ろうとするがレイナーレ達が気になり後ろを振り向いたツルギだったが・・・手遅れだった。

 

レイナーレ

「其処は・・・其処は駄目〜〜〜!あっ、あぁぁあん!!」

カラワーナ

「止めろ!それ以上は止め・・・ちょっ!ちょっとっ!」

ミッテルト

「こういう事は!ツ、ツルギにして貰っ・・・いゃあぁぁっ!」

ツルギ

「こんな時に何に言ってるだミッテルト!兎に角早く皆んなを!これだけの数を相手なら・・・力を貸してくれ!」

 

ツルギは懐から普段の銀枠とは違う金枠に真っ赤なカラーに少し小顔の獅子が描かれたキュータマをブラスターにセットしてレザーをボイジャー発進側に倒してトリガーを引いた。

 

『コジシキュータマ!セ・イ・ザ・ゴー!』

 

シーザー

「ガゥ!」

一星

「え?シーザー・・・ひゃぁぁん!」

ツルギ

「シーザー!レイナーレ達をスライムから助けてやってくれ。俺は部長達を助ける!」

シーザー

「ガゥガゥ!」

 

地面の光から現れたのはツルギの家でペットの様に可愛いがわれている小型ライオン型メカのシーザー。

ツルギからの指示に頷き返事をしたシーザーはレイナーレ達に纏わり付いているスライム達に噛み付いて引き離したり口からの火球を駆使して、どんどんスライムを倒して行く。

ツルギもブラスターを使ってスライムだけを撃ち落とし倒して行きリアスの側に着いた。

 

ツルギ

「部長!大丈夫ですか?」

リアス

「ありがとうツルギ。此れでやっと動けるわ!ああもうっ!よくも散々やってくれたわね!」

朱乃

「此れは・・・お仕置きが必要みたいですね!」

小猫

「いい加減離れて下さい!」

木場

「やっと取れた!跳ねたスライムで僕の服も溶けてしまったよ。」

一星

「うわ〜〜〜〜まだ付いてる!気持ち悪いなもう〜〜〜〜!」

レイナーレ

「この!制服がボロボロになっちゃたじゃない!」

カラワーナ

「また新しい服を買わねばならないな。」

ミッテルト

「拭がされるならツルギにされたかったっす!」

 

ツルギとシーザーの助けで各々動けようになっていく。

スライムはあっという間に倒されて行く中でのミッテルトの言葉は本人には聞こえてないが、ツルギもアーシアに付いた最後のスライムをちょうど倒し終えたようだ。

 

ツルギ

「アーシア大丈夫か?何処か怪我とかはしてないか?」

アーシア

「ありがとうございますツルギさん。特に怪我も無いので大丈夫です。」

一星

「全く!酷い目に・・・アーシア!ツルギ!上にまだいる!」

ツルギ

「またかよ!しつこいぞ!」

スプライトドラゴン

「クッピー!!」

 

上からまた降ってくるスライムからアーシアを守ろうと彼女を自分の背に隠してブラスターをツルギが構えようとした時。横からスプライトドラゴンが青い雷撃が放ちスライムを倒しながらアーシアの前に降りてきた。

 

スプライトドラゴン

「クッピ!クッピピピ?」

アーシア

「もしかしてこの子。私を助けてくれたんですか?」

ザトゥージ

「スプライトドラゴンは心の清い者に心を開くと言われている上に外敵と決めた奴のみを攻撃するんだぜ!恐らく嬢ちゃん達を襲ったスライム達を敵と思い守ろうとしたんじゃ無いか?」

アーシア

「ありがとう。私を助けてくれて。」

一星

「本当ありがとうね。スプライトドラゴン。」

スプライトドラゴン

「クゥ。クゥ〜〜〜〜ン!」

 

アーシアの肩に乗り一星に頭を撫でられながらスプライトドラゴンは、嬉しさからか元気な声を上げながらアーシアに擦り寄っていた。

 

リアス

「もうすっかりアーシアに懐いてるわね。此れは彼女の使い魔はあの子で決まりね。」

アーシア

「私で良いんですか部長さん?」

ザトゥージ

「何言ってるんだよ嬢ちゃん。スプライトドラゴン自身が嬢ちゃんを選んだんだよ。やったな!使い魔ゲットだっぜ!」

アーシア

「ありがとうございます。此れから宜しくね。」

スプライトドラゴン

「クピッ!クピッピ〜〜〜♡」

朱乃

「嬉しそうですね。さあアーシアちゃん。使い魔との契約を始めましょう。」

 

スプライトドラゴンを地面に下ろしたアーシアは朱乃の指示に従いながら使い魔との契約を始めた。その間にドレスアップキュータマで全員の霰も無い服を元に戻していくツルギ。そしてアーシアが契約の言葉を言い終わると緑色の魔法陣か消えてスプライトドラゴンとの契約が無事に結ばれた。

 

朱乃

「はい。此れで契約は完了ですよアーシアちゃん。」

スプライトドラゴン

「クピッ!」

アーシア

「くすぐったいですよ〜〜〜ラッセー君。」

ツルギ

「もう名前を決めてたんだなアーシア。」

一星

「使い魔の話が出た時に私と2人で決めたんだ。」

アーシア

「一星さんのお名前の一部を頂いたんです。」

ザトゥージ

「おめでとう嬢ちゃん。アッ!其れと兄ちゃん。ドラゴンの雄は他の雄が嫌いだから近づくなよ。雷撃を浴びせられるぞ。」

ツルギ

「分かりました。気おつけます。」

 

ザトゥージとツルギのやり取りをジッと見ていたラッセーはアーシアに離して欲しいような仕草をし始めた。アーシアが離してあげるとラッセーは真っ直ぐツルギの方に飛んで行くと肩に乗り頭を出してきた。

 

ツルギ

「え?ザトゥージさん。ラッセーはドラゴンだから他の雄は嫌いなんじゃ?」

ザトゥージ

「長い事使い魔を見てきたが初めてだぜ?ましてや自分から雄に近づて行くなんて!」

リアス

「ふふ。ラッセーには分かるのよ。ツルギが良い人だって、だから自分から側に寄って来たのよ。」

ラッセー

「クッピ!クッピ!」

アーシア

「きっとそうですよ。ツルギさんラッセー君は今、頭を撫でて欲しいんですよ。早く撫でて上げてください。」

ツルギ

「部長、アーシア・・・ラッセー撫でるぞ。」

ラッセー

「クッピ〜〜〜〜〜〜♡」

 

優しく頭を撫でてあげるとラッセーは目を細めてもっとして欲しいのか、更に頭を突き出して撫で撫でをおねだりして来る。

 

ツルギ

「可愛いな・・・俺も宜しくな。ラッセー。」

ラッセー

「クッ〜〜〜ピ!」

リアス

「本当に不思議ねツルギは何時も私達を驚かせるわね。」

ツルギ

「そんな事ないですよ部長。俺は唯・・・」

シーザー

「ガゥガゥ!」

ツルギ

「おわっ!シーザー!」

 

ラッセーを撫でながら話していると反対の肩にシーザーが飛び乗って来た。

 

シーザー

「ガゥ。クゥ〜〜〜〜ン。」

ツルギ

「何だ焼きもちかシーザー。大丈夫だ俺の1番の親友はシーザーだからな。」

シーザー

「ガゥ〜〜〜〜ン!」

リアス

「忘れていたけどツルギ。その子は一体何?」

一星

「ああ部長。この子はシーザー、ツルギの家に住んでる家族なんです。」

ツルギ

「シーザーは俺が獅子座の救世主になった時に父から送られた大切な親友で家族なんです。ほらシーザー。部長達に挨拶。」

 

シーザーは頷くとリアスの肩に飛び乗ると頭を下げながら吠えた。

 

シーザー

「ガゥ。クゥークゥー。ガゥ!」

リアス

「シーザーも可愛いわね。よろしくね。」

朱乃

「私とも仲良くして下さいねシーザー。」

木場

「僕もよろしく頼むよ。」

小猫

「今度はシロの事も紹介しますね。」

 

どうやらシーザーも無事に受け入れてもらえたようだ。

 

ザトゥージ

「さってと!そろそろ時間だな。今回の使い魔探しは此処までだ。」

一星

「ええ〜〜〜!私まだ使い魔見つけてないよ!」

ザトゥージ

「悪いな嬢ちゃん。この時間帯になると使い魔を見つけるのが難しくなるんだ。悪いがまた次の機会にな!」

一星

「なら仕方ないな・・・ガックし。」

リアス

「また次の機会があるわ一星。焦る必要は無いわよ。」

一星

「今度は来た時はラッセーぐらいの可愛い使い魔をゲットするぞ!」

 

こうして使い魔の森でアーシアはラッセーと言う可愛い使い魔をゲットし一星は次回に持ち越しとなった。

ザトゥージにお礼を言い別れた後に森に来た時と同じジャンプを使い部室に戻って来た一同、既に日は傾きだして夕日の明かりが沈みかけていた。

 

リアス

「皆んなお疲れ様。ゆっくり休んでちょうだい。」

一星

「はい。お疲れ様です部長。なあ〜ツルギ。今日の夕食なに?」

レイナーレ

「お疲れ様。一星!貴女今日も私達の家で食べるの?」

ミッテルト

「ウチらの家に来るのは偶にで結構っす!何だったらずっと来なくても良いっすけど。アッ!お疲れ様っす!」

アーシア

「お疲れ様でした部長さん朱乃さん。まあまあミッテルトちゃん。食事は大勢の方が楽しいですよ。」

ツルギ

「お疲れ様でした。しかし今日の夕食はどうしょうか?明日の弁当の内容も考えないといけないし。」

カラワーナ

「先に失礼するぞ。ならツルギ帰りがけに買い出しに一緒に行くか。」

木場

「お疲れ様でした部長、朱乃さん。小猫ちゃん、ツルギ君にお弁当を頼まなくて良いの?」

小猫

「忘れてました!ツルギ先輩。私のお弁当もお願いします。部長、朱乃さん。お疲れ様です。」

 

全員が帰り支度をして部室を後にする中、視線を感じたツルギが振り返るとリアスがこちらを見つめていた。

 

ツルギ

「どうしましたか部長?」

リアス

「何でも無いわ・・・そうだ!ツルギ。明日私にもお弁当作ってきて貰えないかしら?」

ツルギ

「分かりました期待していて下さい。リアスさん。朱乃さん。お疲れ様でした。また明日。」

リアス

「ええ。」

朱乃

「気おつけて帰って下さいねツルギ君。」

 

軽く会釈すると一星達の後を追いかけて行くツルギ。

旧校舎の外を駆けて行く姿を見えなくなるまで追いかけるリアスに朱乃は声を掛けた。

 

朱乃

「本当に不思議ねツルギ君は。」

リアス

「そうね。でもツルギに出会ってから私は毎日がとても楽しいわ。何気ない事も代わり映えしない日常も全部が違って見えるわ。私は今とても充実しているわ。」

朱乃

「良かったわねリアス。あの日にツルギ君に出会って。」

リアス

「此処では部長よ朱・・・此の魔法陣は!」

 

背後に魔力を感じたリアスが振り返ると床にはグレモリーの魔法陣が浮かんでおり、その魔法陣から銀髪にロングスカートのメイド服を着た女性・・・グレイフィアが出てきた。

 

グレイフィア

「お久しぶりですリアスお嬢様。」

リアス

「グレイフィア!どうしたの一体?」

グレイフィア

「至急お伝えしないといけない要件が出来ましたので・・・縁談の日時が早まりましたのでお知らせに。」

リアス

「そ、そんな・・・」

 

今まで誰にも見せた事がない暗い表情を浮かべ力なく椅子に座り込んでしまったリアス。

 

新たな戦いの舞台がツルギ達を待ち受けている。




はい、第18話は如何でしたか?

次回からはライザーが本格的に登場します。リアスの今後やツルギの正体や過去に少しずつ近づいて行きますので宜しくお願い致します。

では次回、第19話でお会いしましょう。


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第19話 追い詰められしリアスの行動・合間見えるフェニックスと狼の救世主

はい。第19話です。

今回はライザーの登場と未登場のキュウレンジャーが出ます。

今年おそらく最後の投稿になりますが来年も頑張って投稿致しますので、皆さんよろしくお願い致します。

では第19話をどうぞ。


第19話 追い詰められしリアスの行動・合間見えるフェニックスと狼の救世主

 

 

ツルギ

「今日は良い天気だな。アーシア。」

アーシア

「そうですねツルギさん。朝干した洗濯物もよく乾きそうとシルヴァお姉ちゃんも言っていました。」

ミッテルト

「でも流石に8人分の洗濯物を朝から干すのは大変だったっす!」

一星

「仕方ないでしょう!ミッテルト達は一緒に住んでるんだから家事は分担しないと。」

レイナーレ

「分かってるわよ一星。ツルギと将来家庭を持った時の為に今のうちに花嫁修業は怠らないようにしないとね!」

一星

「言っておくけどツルギの隣は・・・譲らないわよ!」

レイナーレ

「望むところよ!」

カラワーナ

「まあまあ2人とも、通学中に喧嘩は止めるんだぞ。」

 

使い魔の森に行った次の日、温かい風が吹く晴天の中で駒王学園への道を制服とスーツを其々着たツルギ達が歩いていく。

周りには同じく学園へ向かう為に生徒や同級生達が自転車や歩きなど様々な方法で通学し、時々気心知れた友人やクラスメイト達が挨拶をしながら通過して行く。

 

男子生徒

「おはよう炎!この間の委員会の仕事、手伝ってくれてありがとな!」

ツルギ

「気にすんな。何かあったらまた呼べよ。」

男子生徒

「おう!本当にサンキュー!」

 

そう言ってツルギの肩を叩きながら自転車のスピードを上げ先に行く男子生徒。

 

女子生徒

「おはようツルギ君。ケーキ作りのアドバイスありがとう。」

ツルギ

「試してみてどうだった?」

女子生徒

「とっても美味しかったよ!今度作って持って行くから感想聞かせてね。」

ツルギ

「ああ。楽しみにしてる。」

 

今度ケーキを持って来ると約束して顔を赤くしながら走って行く女子生徒。

 

アーシア

「一星さん。改めて思ったのですが・・・ツルギさんって本当に顔が広いですね。」

一星

「ツルギはあの気さくな性格と浸し見やすに、年上や初見の人には敬意を払って丁寧な対応をするから、色んな人に覚えられて殆どの生徒が知ってるんだよね。」

カラワーナ

「教師の間でも暫し話題に上がって来るな。よく積極的に手伝いをして学業も真面目、他の活動などにも率先して参加して感心と言って褒めていたな。」

小猫

「私のクラスでもツルギ先輩は人気です。優しくて面倒見がいい素敵な先輩だと言う子もいました。」

ミッテルト

「あっ、小猫。おはようっす!」

小猫

「ミッテルトもおはようございます。」

 

皆んなで話していると最近ミッテルトとある共通の悩みで仲が良くなった小猫が合流して自分のクラスでの話をした。その後では制服を纏った木場もいた。

 

木場

「ツルギ君は学園で自分の事が其処まで有名になっているとは知らないだろうけどね。」

一星

「おはよう木場。はぁ〜〜〜其処がツルギの良いとこなんだけど私達からしたらライバルが増えるだけなんだけどな〜〜〜。」

 

一星が溜息をつきながら愚痴をこぼすのに頷くレイナーレ達。すると先を行くツルギに走ってきた松田と元浜が立ち塞がった。

 

松田

「ツルギ!何故俺達同士を裏切ったーーー!!」

ツルギ

「・・・何の事だ?」

元浜

「ここ数日の間ツルギの行動を確認させて貰ったが・・・ほぼ毎日アーシアちゃんやレイナーレちゃん達と通学しているじゃないか。オマケに噂で聞いたが・・・お前がアーシアちゃん達と同棲していると言うのは本当か!!」

ツルギ

「同棲?まあ〜一緒に住んでるって意味で合っているが。」

松田

「NO〜〜〜〜〜〜!!やっぱり噂どおりだったか!」

元浜

「同じ同士である我々は女子には見向きもされないのに何故!ツルギはこうも女子が集まるのだ〜〜〜〜〜〜!!」

ツルギ

「誰が同士だ!お前らは確かに友人だと思うが・・・お前らは良い所より悪い所が多すぎるんだ!其処が治ればマシになるのに性懲りも無く更衣室を覗く何て事をしてるから女子が離れるんだ!」

桐生

「そうそう!ツルギの言う通り。あんた達変態2人組も少しはツルギを見習って真面になりなさいよ〜。まあ〜其れでも私は遠慮するけど。」

片瀬

「ツルギが間に入っているからしないけど、本当だったら覗いたその場で取っちめてやる所よ!」

村山

「ツルギ君に感謝しなさい!変態2人組!」

ツルギ

「おはよう。桐生、片瀬、村山。」

 

松田と元浜に説教をしている所に桐生達も合流して一緒に2人に文句を言う何時もの光景が広がっていた。

 

松田

「俺達は己に正直に生きているだけだ!!」

元浜

「男なら誰でも探求せずにはいられないのだよ!!」

ツルギ

「よし!なら今から匙に生徒会に引っ張って行くからと連絡するか。」

松田・元浜

「「何卒ご勘弁下さい!ツルギ様!!」」

ツルギ

「ったく。調子の良い奴らだな。」

 

瞬時に土下座をする松田とに呆れながら少し笑うツルギであった。

その後全員で纏って学園に登校しクラスメイト達と朝の語らいをし朝礼からの1日が始まった。

勉強にスポーツなど様々な授業をこなし昼休み、オカ研で昼食を取る為に部室に向かったツルギ達。

 

ツルギ

「失礼します。部長、朱乃さん。」

リアス

「・・・」

朱乃

「部長。ツルギ君達が来ましたよ。」

リアス

「ハッ!ごめんない。少し考え事をしてたわ。」

ツルギ

「大丈夫ですか部長?リクエスト通り部長の分のお弁当を作って来ましたけど・・・食べられますか?体調を崩しているとか。」

リアス

「大丈夫よ!有り難く頂くわツルギのお弁当。」

 

そう言って立ち上がり皆んなと昼食を食べ始めた。

しかしどこか上の空状態のリアスの箸は全く進まず途中でツルギに声を掛けられて食べ切ってはいたが、ツルギの眼には今のリアスが自分に起きた事を気取らせない為に空元気を出している様にしか見えなかった。その証拠にリアス自身は気付いてないがかなりの回数溜息をしていた。

その後の昼休みもリアスは窓を見つめボーッとしていたかと思えば、大きな溜息をして俯く始末。だがツルギが聞いても”大丈夫よ”と、うわごとの様な返事ばかりだった。

 

 

ツルギ

「部長、一体如何したんだ。あんな部長の・・・リアスさんの表情は初めてだ。」

 

授業と悪魔稼業の手伝いを終えてベッドに横になっているツルギ。

現在自宅にはツルギ以外いない。ククルは修理の依頼の品の納品と夕食の買い出し・シルヴァは弓道場での指導・一星とアーシアは其々のお得意さんの依頼で呼び出し・レイナーレ達3人はキュウレンジャーとして腕を上げる為に特訓に出かけて外出中。

ククルが今日の夕食担当なので其れまで時間があるツルギは学園からの課題をこなし終えて、暇を持て余していた。

 

ツルギ

「昨日使い魔の森に行った後までは普段通りだった。最近は元気が無かったけど・・・何があっ?ま、眩しい!」

リアス

「ツルギ・・・」

ツルギ

「部長!」

 

突然の眩い光に目が眩み周りが見えなくなってしまった。眩みが収まり最初にツルギの眼に飛び込んで来たのは、俯き表情は見えないが微かに震えているリアスだった。

 

ツルギ

「如何したんですか部長?・・・話を聞きますから一先ず座って。」

リアス

「ツルギ!」

ツルギ

「ウワッ!(ボフッ)本当に如何したんですか部長!何で抱き付いて突然押し倒したんですか!」

リアス

「ツルギ・・・今すぐ私を抱いて!私を・・・貴方の女にして。」

 

服を脱ぎ下着姿になっているリアスから発せられた思わぬ言葉に驚きを隠せないツルギ。

 

ツルギ

「な、何を行っているんですか!部長!」

リアス

「もう此の方法しか思いつかないの!貴方となら・・・ツルギとなら男女の関係にもなって良いと思うわ。既成事実さえ出来れば誰も文句は言わないはずよ。」

ツルギ

「既成事実?と、兎に角!一旦落ち着いてください!」

リアス

「私に迫られ求められのは嫌?ツルギの眼に私の体は魅力的に見えないの?」

ツルギ

「・・・勿論、魅力的です部長。透き通って引き込まれる瞳に流れる様な艶やかな髪、ハッキリと際立った唇に細くしなやかな首筋、其れだけじゃ無い。こんな・・・自分が何者かも話さない俺の様な存在を心から気にかけ見守ってくれている優しさも、キングとして皆んなを纏め厳しい中での思い遣りや時に勇気を持った覚悟を見せる立派なところも、そして・・・部長としてでは無く1人の女性、リアスさんとして見せる屈託の無い可愛らしい笑顔。口では言い表せない程に部長は魅力的です。」

リアス

「ありがとうツルギ。なら問題は無い・・・」

ツルギ

「でも・・・今の、今の部長には・・・全く魅力を感じません!」

リアス

「ツ、ツルギ。な、何故・・・貴方は私に言ってくれたわ!何かあれば必ず力なると!なのに何で!!」

 

予想を裏切るツルギの突き放す様な答えに声を荒げるリアス。

ツルギなら自分の辛さを受け入れてくれる。ツルギなら私を拒まず力になってくれる。そう思っていた自分の気持ちを真っ向から否定され、今まで気取らせない様に押し殺してきた感情が爆発してしまいツルギにあたり散らす様に声を上げるリアス。

 

ツルギ

「確かに言いました。必ず力になると・・・でも!今の部長は俺に頼ろうとしているんじゃ無い・・・俺に逃げようとしているだけだ!!」

リアス

「に、逃げる!」

ツルギ

「俺と言う存在に逃げ辛い事から目を背けているだけです!だから俺は今の・・・自暴自棄になって何もかも投げ捨て、辛い現実を変えようと立ち向かわない部長には魅力を感じ無いと言ったんです。」

リアス

「アッ・・・アッ!私は!私は!!」

ツルギ

「・・・部長。」

リアス

「アッ!ツ・・・ツルギ?」

 

自分のやろうとした行動を理解し悔やみと、とんでも無い事をしょうとしたショックから膝から崩れ床に座り込み体を震わせ頭を抱え込むリアス。其れを見て不安を和らげる様に正面から優しく抱き締めるツルギに驚くリアス。

 

ツルギ

「すいません。部長の事情も知らずに酷いことを言ってしまって、でも・・・その場の激情に任せて自分自身を傷付ける様な事は止めて下さい。俺は大切なリアスさんに傷付いて欲しく無い、だから自分の中だけに溜め込まず全て話して下さい。何があったのか、どんな状況なのか、部長の望みを・・・其れを話してくれれば約束通りに必ず力になりますから部長。」

リアス

「ツルギ・・・本当にごめんなさい。貴方の気持ちしっかり伝わったわ・・・実は。」

グレイフィア

「こんな事をして破談に持ち込もうと言うわけですか?その様な下賤な輩に操を捧げたと知れば旦那様とサーゼクス様が悲しまれます。」

リアス

「グレイフィア!」

 

床に再びグレモリーの魔法陣か浮かび上がると、其処からリアスに家からの知らせを伝えに来たグレイフィアが現れた。

床に脱ぎ捨てられ落ちている服を拾いながらツルギにまるで見下した視線を向け蔑む様な言葉を発するグレイフィアに、今度は体をツルギから離し立ち上がったリアスが睨みながら口を開く。

 

リアス

「グレイフィア!今ツルギに言った言葉を取り消しなさい!ツルギは間違った事をした私を正してくれた。それだけじゃ無いわ・・・彼は沢山の物を与えてくれて、私の大切な眷属や他の命の危機を救ってくれた。そして私の掛け替えのない存在・・・そのツルギに対してまるで見下した様な言葉、いくらグレイフィアでも許さないわよ!」

グレイフィア

「も、申し訳ありませんリアス様。(リアス様がこんなに感情を露わにして怒るとは・・・このツルギと呼ばれる男性を其処まで気に掛けていらっしゃるとは・・・しかし何処かでこの方とはお会いした様な気がするのは何故?)・・・確かツルギ様と仰いましたね。私はグレモリー家に仕えておりますグレイフィアと申します。」

ツルギ

「は、初めましてグレイフィアさん。自分は炎ツルギと申します。」

グレイフィア

「失礼な態度を取ってしまったのに丁寧な対応をありがとうございます。そして先程申し訳ありませんでした非礼お詫び致します。」

ツルギ

「気にしないで下さい!グレモリー家に仕えているという事なら部長を心配して来たんですよね。先程の状況を見たらそうなるのも仕方ありませんから。」

グレイフィア

「お心遣い感謝致します。」

 

そう言って深々と頭を下げるグレイフィアだが、顔を上げると素早くリアスの方に向き直った。

 

グレイフィア

「リアス様。ツルギ様が誠実な方である事は分かりましたが、この様な事はお止め下さい。貴女はグレモリー家の次期当主であり年端も行かぬ1人の女性、無闇に殿方に肌を晒すべきではありません。唯でさえ事の前なのですから。」

リアス

「グレイフィア。貴女が此処に来たのは貴女の意思?其れとも家の総意?もしくは・・・お兄様の意思かしら?」

グレイフィア

「全てでございます。」

リアス

「そう・・・貴女が直々に人間界に出向いた理由は分かったわ。グレイフィア私の根城で話しましょう。朱乃も同伴させるわ。」

グレイフィア

「分かりました。キングの傍らにクィーンを置くのは常ですので。」

 

話をしながらグレイフィアから渡された服を身に纏っていくリアスは全て着替えるとツルギの方を向いた。

 

リアス

「ツルギ本当に今日はごめんなさい。貴方が止めてくれなかったら私はきっと間違った方に進んでしまっていたわ。」

ツルギ

「気にしないで下さい部長。友人の間違った事を間違ってると言えるのは友人だけですから。」

リアス

「ツルギらしいわね。明日改めて話すは。だから・・・今日はありがとう。」

 

ツルギに駆け寄ると軽く頬に2回目のキスをしてリアスはグレイフィアと共にジャンプして帰って行った。

その後、帰宅した一星達から様子が変なのを指摘されて起こったことを全て話した。

色々と聞かれたがリアスの悲しい表情や切羽詰まった行動が頭から離れないのか無言になるツルギを気遣って、その日はこれ以上何も聞かずに1人にしてあげる事にした一星達。

 

 

次の日・・・何時もなら和気藹々と話をして楽しいはずの昼休みだが今日は無言で黙々と昼食を食べていたツルギに影響されて静かで、クラスメイト全員も様子がおかしいツルギを心配していた。

 

一星

「大丈夫かな?明るくて元気なツルギが無言だと調子狂っちゃうよ。」

アーシア

「食事もあまり進まないようでしたし。昼食も残していましたツルギさん。」

レイナーレ

「リアスに何があったのかしら?ツルギも其れが気になっているから無意思に無言になってるんだわ。」

 

特に一緒に住んでいて同じクラスのアーシアとレイナーレ。其れに1番付き合いが長い一星達の心配は尚のことである。

その後の午後の授業でもリアスの事でいっぱいのツルギ。

回答を指名されても何も言わないツルギに教師も心配して声を掛けるなど、普段のツルギからした全く違う様子は瞬く間に学園に広がっていた。

 

そして放課後になり部室に向かうツルギの後ろを合流した木場と小猫ちゃんと追う一星達。

 

木場

「噂どおりツルギ君の様子が変だね小猫ちゃん。」

小猫

「あんな元気が無いツルギ先輩は初めてです。早く元気になって欲しいです。」

 

2人も心配しながら部室に向かっていると突然立ち止まるツルギ。

 

一星

「ツ、ツルギ?如何したの?」

ツルギ

「部室に部長と朱乃さん以外の人がいるのを感じる。」

木場

「えっ?・・・本当だ!此処に来てようやく気付いた!部長達以外の誰かがいる事に。」

 

部室の中に入ると何時もの場所に深妙な表情をして座るリアスの横に朱乃が立っており更に気配の正体であるグレイフィアも中にいた。

 

リアス

「全員集まったわね。」

グレイフィア

「私からお話しましょうかリアス様?」

リアス

「大丈夫よ・・・ツルギ。其れに他の皆んなにも話して置くわ。実は私は・・・」

木場

「此れは!フェニックスの魔法陣!」

 

リアスが言葉を続けようとした時・・・突然床に普段リアス達が使っている魔法陣とは違う物が現れ凄まじ熱を発しながら火柱を上げた。

暫くすると中に人影が現れ其処から、見るからに上等な服を身に纏い金髪の派手な髪型をした男が姿を現した。

 

???

「会いに来たぜ。愛しのリアス!さあてリアス早速だが式の会場を見に行こう。日取りは既に決定しているんだから早めに行くとしょう。」

リアス

「・・・離してちょうだいライザー!」

一星

「部長!誰なんですかこの人は!」

ライザー

「おお〜〜!中々良い女だな!リアス。此れからはこの子も俺達の眷属になるのだから俺の事もしっかりと教えておいてくれないと困るな。」

リアス

「そんな必要は無いわ!そんな事にはならないからよ!」

ライザー

「相変わらずつれないなリアスは!で、君の名前は何なの・・・おい!何の真似だ!下等な人間が!」

ツルギ

「これ以上一星に舐め回すような下卑た視線を向けながら触れるようとするな!」

ライザー

「何だと貴様!」

 

ライザーの如何わしい態度と行動にすかさず一星の前に立ちライザーの伸ばした手を払い除けるツルギ。其れが癇に障ったのか怒りを露わにするライザー。

 

グレイフィア

「お止めくださいライザー様。貴方もフェニックス家の名を背負っている者、人間界で揉め事を起こすば家の名に泥を塗ります。」

ライザー

「チッ!」

グレイフィア

「ツルギ様。此方は古い家柄を持つ純潔の上級悪魔フェニックス家の三男のライザー・フェニックス様。グレモリー次期当主の婿殿であらせられます。」

ツルギ

「なっ!部長の婚約者!」

 

こんな下卑た男が由緒ある家の出身であると同時にリアスの婚約者だという事に驚きで驚愕するツルギ。

 

ライザー

「ん〜〜〜リアスのクィーンの紅茶は美味しいな。」

朱乃

「痛み入りますわ。」

一星

「ツルギ。私、あの男・・・嫌い!」

ツルギ

「ああ。俺もだ一星。あの女性を見る如何わしい目を見るとイライラしてくる。」

 

先程からリアスの肩を抱き髪に指を絡めて弄りながらスカートから露出した太もも撫でている。その行動にツルギはおろか一星もイライラし始めている。

 

ライザー

「しかし新しい眷属2人も良いが、後ろにいる堕天使3人も中々じゃないか。どうだ俺の元に来ないか?3人とも可愛がってやるぞ!」

レイナーレ

「冗談じゃ無いわ!あんたの様な女たらし何てお断りよ!」

カラワーナ

「誠実さの欠片も無い者が気安く話しかけるな!」

ミッテルト

「ハッキリ言って気持ち悪いっす!其れにウチらにはツルギって言う素敵な存在がいるんっす!」

ライザー

「そんな下等な人間風情の何処に魅力がある?そんな奴より俺の側にいたほうが良い思いが出来るものを。」

リアス

「良い加減してちょうだいライザー!さっきから聞いていれば一星やレイナーレ達に対してそんな話ばかり!其れに私の後輩で大切なツルギに対する態度は何!だから貴方とは結婚し無いと言っているのよ!」

 

肩に回された手を払い除けて立ち上がったリアスはハッキリと告げた。其れに対してライザーも立ち上がりリアスの片腕を掴み反対の手で顎を持ち上げ顔を近づける。

 

ライザー

「あまり我儘が過ぎるんじゃ無いかリアス。君の家の事情はそんな悠長な時間を持てるわけ無いだろ!」

リアス

「家を潰させはしないわ!私が次期当主である限り相手は自分できめるわ!その為に婿養子だって向かい入れるけど・・・貴方はお断りよ!」

ライザー

「俺だってフェニックス家の名を背負っているだ。どんな手段を使ってでも君を冥界に連れて帰り妻にする!」

リアス

「私は私が本当に添い遂げたいと思った人と一緒になると決めたの!其れが私の願いよ!」

ライザー

「何が願いだくだらん!良い加減そんな夢うつつなどなど言っていないで俺と・・・ん?グッハァァァ!」

 

腕を捻じ上げリアスの願いを嘲笑うライザーが更に言葉を続ける事はなかった。何故なら・・・力強く拳を握り込んだツルギに殴り飛ばされたからだ。

 

リアス

「ツルギ・・・」

ライザー

「な、何をする貴様!人間風情が調子に・・・」

ツルギ

「今・・・何って言った。」

ライザー

「ハァ?」

ツルギ

「部長の願いを聞いた後・・・何って言ったかと聞いてるんだ!」

ライザー

「何だそんな事か。くだらんと言ったんだ!何が願いだ。そんな物が一体何になると言うだ。たかが願い程度ぐらい・・・ブッハァァァ!」

ツルギ

「巫山戯るな!たかが願い・・・お前にとってはくだらないかも知れないが部長にとっては掛け替えのない願い何だ!!1つお前に良いことを教えてやるライザー!」

 

2度も殴り飛ばされフラフラになりながら立ち上がるライザーに対してハッキリと告げるツルギ。

 

ツルギ

「人や命あるものの願いは未来の現実!其れを嘲笑い踏みにじる奴は決して許されない!お前に部長の・・・リアスさんの願いを笑う権利は無い!」

リアス

「ありがとう・・・ツルギ。」

グレイフィア

「・・・」

ライザー

「よくも・・・よくも俺を殴ってくれたな人間!絶対に許さん。現れろ俺の眷属達よ!この人間を叩きのめせ!」

 

ライザーが背後に手をかざすと部室に現れた時と同じ魔法陣が現れ其処から15人の大人の女性やら猫耳を生やした女の子に、双子なのか瓜二つの女の子まで沢山のライザーの眷属達が現れた。

 

ツルギ

「なら俺も少し本気を出させてもらおうか!マワスライド!」

 

『オオカミキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

青いカラーに狼が描かれたキュータマを使いスターチェンジしたツルギ。光が収まった中心には何時もとは違って全身に体毛の様な物に覆われたアンダースーツを纏った救世主の姿があった。

 

ツルギ

「ビーストスター!オオカミブルー!」

ライザー

「な、何だその姿は!」

グレイフィア

「!!」

ツルギ

「獣の牙の鋭さ・・・見くびるなよ!」

 

正に部室内は一触即発状態になっていた。果たして此の縁談の話はどうなるのか!




はい、第19話は如何でしたか?

この作品を読んでいる知人にが聞いていたので書こうと思いましたが、最初のキュウレンオー戦闘シーンはキュウレンジャー第1話の戦いを元ネタにさせて頂きました。

後、其々のキュウレンジャーに初変身した後に言っている言葉は元のキュウレンジャーのを参考にしたり、其れらしい物が無かったり女性キュウレンジャーに関しては星座からイメージに合わせて、ウルトラマンオーブのクレナイ・ガイの「闇を照らして!悪を討つ!」などをイメージして書いています。

寒さが益々厳しくなりますが読んで下さっている方々は体調管理に気をつけて年末をお過ごし下さい!

では、第20話でお会いしましょう。

良いお年をお迎え下さい!


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第20話 縁談での一触即発!己を見つめさせる牡牛座の救世主

皆様、新年明けましておめでとう御座います!

今年も色々あるかと思いますが頑張りますので、此の作品を見て頂ければ励みになり幸いです。

明日のルパパトやジオウが楽しみです。特にウォズの登場が。

では、第20話をどうぞ!


第20話 縁談での一触即発!己を見つめさせる牡牛座の救世主

 

 

ツルギ

「さあ!俺が相手だ・・・かかって来い!」

一星

「私もツルギと一緒に相手をして貰おうかな!」

 

キューザウェポンをキュークローに組み替え腰を落とし、前に突き出した左手の指を挑発する様に動かし構えるツルギ。

ブーステッド・ギアを反対の手を添え、指をボキッボキッ鳴らしながらツルギとは反対に構えリアスを守る様に並び立つ一星。

 

ライザー

「イザベラ!俺に手を出した其処の人間を片付けろ!ミラは其方のポーンの相手をしてやれ。何れは俺の眷属になる女だ・・・だから決して傷付けるな!」

イザベラ

「ライザー様・・・分かりました。行くぞミラ!」

ミラ

「わ、分かった。イザベラ。」

 

ライザーからの指示で茶髪に所々に赤いメッシュの入った髪に顔半分を仮面で覆った長身の大人な女性の魅力があるイザベラと、青髪を2つに分けた様なツインテールし少し道着の様な服を着た幼さが残るミラが、棍を回しナックルグローブを確認しながら前に出て来た。

 

イザベラ

「ライザー様のご命令だ!悪いが容赦はしな・・・!」

ツルギ

「悪いが俺の相手はライザーだ。だから・・・此れで眠っていてくれ。」

 

『オヒツジキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

イザベラ

「しまった!いつの間に懐に・・・ウッ!スゥ〜〜スゥ〜〜。」

ツルギ

「おっと!良かった。」

ユーベルーナ

「イザベラ!」

ツルギ

「ダメージは無い、眠っているだけだ。」

 

話してる隙に懐に入られオヒツジキュータマをセットしたブラスターの銃口を顔面に突き付けられたイザベラは、全く反応出来ずその力からの強烈な睡魔によって意識を失い倒れてしまう。

其れを床とイザベラの間に体を滑り込ませ優しく受け止める様に抱き止めるツルギ。

其処にパープルカラーの髪を腰まで伸ばしたロングヘアーに胸元が開き白いマントを付けドレスに似た服を着たユーベルーナが、心配しイザベラの側に駆け寄ってきたがツルギから無事を聞かされて安堵の表情を浮かべた。

 

ライザー

「何!イザベラを嗚呼も簡単に・・・ミラ!」

ミラ

「はっ!ライザー様の為に!」

一星

「遅い!遅い!そんな単調な攻撃は見え見えだよ!」

ミラ

「なら!此れでどうだ!!」

一星

「踏み込みが甘い!其れにツルギの攻撃に比べたら全然軽い!ハァァァァ!!」

ミラ

「キャァァァーーーーーー!?」

 

ミラの棍を用いた連続攻撃を躱していく一星。

長物で扱いが難しい棍を自分の手足のように扱い素早い攻撃を繰り出すミラの腕は確かで攻撃も正確無比だが、其れ故に狙い所や動きが読み易く特訓で少しずつ実力を付けている一星には容易く見切る。

一旦距離を取り力を込めた突きを放ったが怯むことなく正面から棍を掴み攻撃を受け止めてみせる一星。特訓の中にはブーステッド・ギアを使った実践形式の内容もあり、その中でキュウレンジャーとして相手をするツルギの受け止めきれ無い重い一撃を毎回受けているのでミラの攻撃を受け止めて反撃する事など今の一星には問題無い。

 

リアス

「凄いわ一星!」

一星

「伊達に毎日ツルギに虐められていませんから部長!」

ツルギ

「おい一星!何人聞きの悪い事言ってるんだ!」

ミラ

「も、申し訳ありません。ライザー様。」

ライザー

「・・・この役立たずが!」

ミラ

「ヒッ!・・・あ、あれ?」

ツルギ

「今・・・この子に何をする気だった・・・ライザー!」

 

片膝をつき頭を下げた謝罪に対して腕を振り上げ殴ろうとするライザーの行動に恐怖から目を瞑り咄嗟を上げた腕を前に持って来るミラ。

しかしライザー腕は先程のイザベラの様に腕の中にミラ抱き抱えるようにしたツルギによって止められていた。

 

ライザー

「何をする気だったって・・・あけっ無く負けた此奴に罰を与えようとしただけだ!其れの何が悪い?」

ツルギ

「確かにこの子は一星に負けた・・・だが!この子はお前の眷属だろ!お前の為に戦かってお前の為に全力を出したこの子を対して何故そんな事が出来る!」

ライザー

「眷属だからだ!此奴ら全員が言わば俺の奴隷・・・所有物なんだよ!所有物をどうしょうが所持者である俺の自由。此奴は眷属達の中でも最弱!普通なら遠に捨てているところだが、強さ以外は俺の好みだから側に置いてやっているんだ!寧ろ感謝されるべきだがな。」

ツルギ

「何処まで身勝手な考えなんだライザー!主人と眷属はそんな関係じゃない。少なくとも俺が知ってる関係はそんなものじゃ無い!・・・部長と一星達にソーナ会長と匙達がそうだった見たいに、だからこそ・・・俺はお前の考えを否定する!!」

ミラ

「・・・」

ライザー

「己れ言わせていれば人間の分際で付け上がりやがって!余程死にたいらしいな貴様!!」

グレイフィア

「おやめ下さいライザー様!これ以上の行動はサーゼクス様に使える者として見過ごせません。其れとも今この瞬間にフェニックス家の評判を更に地に落とされるつもりですか!」

ライザー

「クッ・・・分かりました。貴女にそう言われては大人しくしましょう。運が良かったな人間!」

 

悪態をつきながらグレイフィアの言葉に渋々従い距離を取るライザー。ツルギも変身を解除してリアスの所に戻ろうとした時、袖を引っ張っぱられたので振り返ると・・・

 

ミラ

「あ、あの!・・・さっきは、ありがとうございました。」

ツルギ

「怪我がなくて良かった。大丈夫か?」

ミラ

「はい!大丈夫です。あの・・・何で助けてくれたんですか?」

ツルギ

「俺は目の前で誰かが傷付くのを見たく・・・其れだけだ。」

ライザー

「何をしているミラ!早く戻れ!」

ミラ

「は、はい。ライザー様!本当にありがとうございました。」

 

深々と頭を下げて眷属達の中に戻って行くミラを確認しライザーと対する様に座るリアスの横に戻るツルギ。其れを確認するとグレイフィアが2人に提案を出した。

 

グレイフィア

「ライザー様。リアス様。サーゼクス様がもし話し合いで解決しなければレーティングゲームを行い決める事を提案する様に仰せつかっております。」

アーシア

「レーティングゲームは確か眷属同士を戦わせる物ですよね?」

木場

「そうだよアーシアさん。でも・・・」

小猫

「成人していない悪魔には正式なゲームへの参加資格が無い筈ですけど?」

ツルギ

「恐らく話し振りからして非公式のゲームを行うんだろう。」

朱乃

「レーティングゲームは身内同士や御家同士にいがみ合いを解決する時などでも行われるんですよ。」

 

レーティングゲームの提案に驚くアーシア達と冷静に事態を把握しているツルギと朱乃。

 

レイナーレ

「つまりリアスの意思を押し通す為にはレーティングゲームに勝てって言う事ね。如何にも予想してた見たいに提案していたけど?」

カラワーナ

「恐らく魔王サーゼクス・ルシファーや御家族はリアスが拒否するのを分かっていていたんでしょう。」

ミッテルト

「でも納得出来ないっす!ゲームで結婚を決めるなんて、ウチは好きな人と添い遂げたいって気持ち分かるっす。」

 

リアスの人生や願いをゲームの勝敗で決定する事に納得がいかないレイナーレ達。

 

グレイフィア

「如何なさいますかリアス様。レーティングゲームを拒否なさいますか?」

リアス

「まさか!良い機会だわ。ライザー!貴方を消し飛ばして私は自分の意思を貫いて見せるわ!」

ライザー

「へぇ〜受けちゃうんだ。俺は既に公式のレーティングゲームで何度も勝利しているがそう言うなら仕方ないな。但し負ければ即俺と結婚して貰うからなリアス。」

リアス

「良いわ!覚悟しなさいライザー。」

ライザー

「だが・・・見た所君の眷属は其処の人間と堕天使3人を除いた5人。其れに対して此方はフルメンバー。どう考えても勝ち目があるとは思えないが?」

リアス

「其れでも私は、私の眷属達ならやってくれると信じて戦うだけよ!絶対に諦めたり何てしな・・・ツ、ツルギ?」

ツルギ

「部長の覚悟・・・見せて貰いました。俺も一緒に戦います!部長の願いを守る為に!」

 

リアスの肩に手を置き力強い眼差しを向け共に戦うと宣言するツルギ。

 

ライザー

「人間である貴様には関係無い!」

ツルギ

「関係ある!俺は此のオカルト研究部の部員で後輩だ!其れに部長の願いを笑ったお前を俺は友人として絶対に許さん!」

ライザー

「良いだろう!其処まで言うなら貴様も一緒に叩き潰すだけだ!覚悟しておけ!行くぞ眷属達よ。」

 

お決まりの様な捨て台詞を吐きながらライザーは現れた時と同じ魔法陣を展開し眷属達を引き連れてジャンプした。その中で小さくツルギの方を見て会釈するミラに軽く手を振り、見送ったツルギが振り返ると其処には心配そうな表情をしたリアスが。

 

リアス

「ツルギ!何故あんな事を言ったの!此れは私の問題、関係の無い貴方を巻き込みたく無いわ!」

ツルギ

「違いますよ部長。此れは俺の意思・・・部長の願いを護りたいと思う俺の我が儘ですから。だから俺も一緒に戦います・・・部長の望み、未来を護る為に!」

リアス

「でも・・・」

朱乃

「部長。ツルギ君が一度言い出したら聞かない子なのは私達が1番理解しているじゃありませんか。いくら言ってもツルギ君が意思を曲げる事はありませんわ。」

リアス

「そうね・・・ツルギはそう言う男の子よね。ツルギ・・・ありがとう。」

ツルギ

「何を言っているんですか部長。そんなの当然ですよ!」

 

決意を新たに共に戦ってくれるツルギと握手をするリアス。

其処に少し表情に笑顔を交えたグレイフィアが近寄りツルギとリアスに話を始めた。

 

グレイフィア

「ツルギ様。貴方様の参加は私がサーゼクス様にお伝えします。リアス様も其れで宜しいですか?」

リアス

「ええ。宜しくねグレイフィア。」

グレイフィア

「はい承りましたリアス様・・・処でツルギ様。此処から私はグレモリー家に使える使用人としてでは無く、1人のグレイフィア・ルキグフスとして話をさせて頂けますか?」

ツルギ

「え?・・・はい、構いませんが。」

 

改めてツルギの方を向き直したグレイフィアは深々と頭を下げた。

 

グレイフィア

「今回の事・・・リアスの事をよろしくお願い致します。」

ツルギ

「グレイフィアさん?」

グレイフィア

「使用人としては旦那様やサーゼクス様の仰る通りにしなければなりませんが私個人としては今回の縁談には反対しています。ライザー様の評価はあまり良くありません。女性癖が悪く眷属をまるで使い捨ての奴隷の様に扱う、其の噂が流れフェニックス家の名に泥を塗っているのに改心しないなど様々あります。」

ツルギ

「そうなんですか・・・何処か可笑しな男とは思っていましたが、まさか其処まで酷いとは。」

グレイフィア

「リアスは私にとって妹の様な存在、だから本当に愛する人と一緒になって幸せになって欲しいのです。私の様に・・・思いを伝えることが出来ずに二度と愛する方と添い遂げる事も姿も見る事も出来ない辛い思いをして欲しくはありません。」

ツルギ

「・・・」

グレイフィア

「・・・ですからツルギ様。リアスの事をよろしくお願い致します。」

ツルギ

「グレイフィアさんの思いしっかりと受け取りました・・・部長の事は任せて下さい。」

 

グレイフィアの思いを胸に刻みリアスの明日を奪おうとするライザーの闇を払拭する為に、そして1人の男として又リアスの友人として救世主の力を振る事を決めたツルギ。

 

グレイフィア

「よろしくお願い致します・・・では、リアス様。私はこの事を報告する為に戻ります。詳しい日程などが決まりましたら此方からお伝え致します。」

リアス

「グレイフィア、貴女の思い嬉しかったわ。諦めないわ!最後の最後まで!」

グレイフィア

「変わられましたね・・・ツルギ様のお陰でしょうか?」

リアス

「な、何を言っているのグレイフィア!」

グレイフィア

「相変わらず初心ねリアスは・・・御武運を祈っておりますリアス様。」

リアス

「ええ、ありがとう。」

 

リアスに励ましの言葉を残してグレイフィアは魔法陣でジャンプし帰って行った。

その後日時が10日後と聞かされ猶予はないと考えたリアスの提案で翌日から特訓に入る事になり人間界のグレモリー家所有の別荘に向かう事になり、事情を説明され納得したソーナが全員を公欠あつかいにしてくれた。

次の日、準備を終えたオカルト研究部のメンバーと仮顧問のカラワーナに食事や特訓相手などをしてくれると言ってククルとシルヴァ更には自宅に1匹では可哀想なのでシーザーも連れて来たツルギ達は、現在険しい山道を別荘を目指して登っていた。

 

ククル

「一星!ほら〜ファイト!頑張れ〜!頑張れ〜!」

シーザー

「ガゥ!ガゥ〜〜〜〜ン!」

リアス

「しっかりしなさい一星!体力をつける事が貴女の課題なんのだから・・・ほら!シャキッとしなさい!」

一星

「唯でさえ最近のツルギの特訓がスパルタなのに!其れに部長とオマケにククル姉まで加わるなんて地獄だ!!」

レイナーレ

「ほら!文句言ってないで腰に力を入れてしっかりと歩きなさい一星!」

 

肩にシーザーを乗せたククルの可愛らしい応援とリアスとレイナーレからの叱咤激励に最近のシゴキとも呼べる早朝のツルギとの特訓に参っている一星は巨大な荷物を背負いながら既にグロッキー状態。

 

アーシア

「一星さん大丈夫でしょうか?特訓とは言えあれ程の荷物を運ぶのは大変では無いでしょうか?」

ミッテルト

「気にする事無いっすよアーシア。部長が特訓の一環って言ってたんだから問題無いっす!」

シルヴァ

「そう思うのならアーシア。恐らく一星の特訓が1番大変だろうから、食事や様々な事でしっかりと英気を養い疲れが取れる様に協力すれば良いんだ。」

アーシア

「はい。シルヴァお姉ちゃん。」

 

リアス達の隣で心配そうに一星を見つめるアーシアに優しくアドバイスするシルヴァと、バッサリと一星を切り捨てる言葉を言うミッテルト。

 

ツルギ

「おっ!タラの芽だ。はかまの部分を切って天ぷらにすると美味しいだよな!」

木場

「こっちにはゼンマイがあるよ。此れも美味しいんだよね。」

朱乃

「セリもこんなに沢山!此れは今日の夕食の汁物にピッタリですね。」

カラワーナ

「ワラビもあったぞ。アク抜きをすれば美味しかった筈だ。」

小猫

「野イチゴもありました。ツルギ先輩。今日のデザートはお願いします!」

ツルギ

「任せてくれ小猫ちゃん。野イチゴのパイを作るから。」

 

一星達の後ろでは、更に巨大な荷物を背負った木場・小猫・ツルギの3人にカラワーナと朱乃が春の山々の恵みをピックニック中の散策をしている感じで集めていた。

 

一星

「ツルギ〜〜〜皆んな〜〜〜助けてよ〜〜〜!」

ツルギ

「助けたら特訓にならないだろう。レイナーレも言ってたが、ほら!しっかりと腰を踏ん張って歩け!」

木場

「ごめんね一星さん。部長から”手伝っては駄目”と、言われているから頑張って。」

朱乃

「着実に力を付けるために為の特訓ですから、頑張って下さい一星ちゃん。」

カラワーナ

「諦めるんだな一星。此処にいる面子に甘い輩は1人も居ないのだから。」

小猫

「あと少しで到着ですから一星先輩。もう少し頑張りましょう。」

一星

「ありがとう小猫ちゃん。」

 

一星は半分涙目になりながらも皆んなからの励ましの甲斐があって無事に別荘に到着した面々だったが一星は特訓前から既にグッタリしていた。

全員で持って来た食材や大量の荷物を出して手分けして片付ける事になった。粗方の荷物が片付き自分達の荷物を取りに再び別荘前に集まるツルギ達。

 

リアス

「其れじゃあ皆んな。割り当てられた部屋で着替えたら又此処に集合よ。」

 

その言葉で各部屋に向かう女性陣に対して残されたツルギと木場の2人。

 

木場

「僕達も部屋に向かおうかツルギ君。」

ツルギ

「そうだな。てか中々男子2人になる事が無かったな?」

木場

「そうだね。ツルギ君は一星さんやアーシアさんのサポートやビラ配りが殆どだったからね。僕と一緒に活動するの初めてだね。」

ツルギ

「そうだな・・・あっ!この部屋だな。」

 

自分達の部屋に到着し荷物から着替えを取り出し着替え始めようとするツルギだが、背後から視線を感じ振り向くと木場が此方を見ていた。

 

ツルギ

「どうした木場?俺の方を見て?」

木場

「振り向いて覗かないでねツルギ君。」

ツルギ

「木場がそう言うなら分かった。男同士でも恥ずかしくて見られたく無いって言うのはあるからな。安心しろ絶対に振り向かないから。」

木場

「ありがとうツルギ君。」

 

木場から要望に気を使い振り向かずに了承したツルギはバックからジャージを取り出して着替え始め下を履き終えた所で。

 

木場

「もう大丈夫だよツルギ君。」

ツルギ

「てか早いな着替えるの!どうやったら其れだけ早く出来るんだ?・・・分かった!既に中に着てたな木場!」

木場

「違うよ。ちょっと着替えるのが早いだけさ。其れよきっと全員集まっている筈だよ。」

ツルギ

「そうだな。よし!行くか。」

 

ジャージの上着を羽織り部屋を出て玄関前に戻る。

別荘前には夕食の準備をしているククルとシルヴァにレイナーレ達3人以外の全員が集まっていた。

 

リアス

「祐斗、大丈夫だった?」

木場

「はい。ツルギ君が気を使ってくれたので問題ありません。」

ツルギ

「まさか木場が着替えを見られるのが恥ずかしいとは思わなかったがな。」

リアス

「誰にだってそう言う物はあるわよツルギ。例えば・・・一星の学生手帳の中に・・・」

一星

「ワァ〜〜〜〜〜〜!?ストップ!ストップーーー!!止めて下さいよ部長!特にツルギに知られたく無いんですから!」

ツルギ

「何か隠してるな一星!正直に話せ!俺には見せられない物か!」

一星

「なんで木場には追求しなかったのに私にはするんだよ!!馬鹿ツルギ!!」

 

言える訳がない。何故なら・・・入学の時にツルギとのツーショット写真を入れているなんて言える訳が無いのだ。以前に部室でニヤニヤしながら写真を見ていた一星を見ていたから知っているのだが、リアスは見られていたと知った時の一星の表示が今でも鮮明に覚えている。

 

リアス

「ほらほら2人とも。そろそろ特訓に入るから喧嘩やめなさい。」

一星

「分かりました部長。この話は終わり!分かったツルギ!」

ツルギ

「分かった分かった!だから睨むな一星。悪かった。」

リアス

「よろしい・・・さあ!特訓を始めるわよ。先ずは」

ツルギ

「部長。先ず最初に自分や仲間たちの実力を知る事から始めるべきだと俺は思います。其れを把握して無いと戦い方や戦局に合わせた連携が出来ませんから。」

リアス

「確かにそうね・・・ツルギはその為に何をすべきだと考えているのかしら?」

ツルギ

「その為に1度戦わせて下さい。魔力型の部長に朱乃さんとアーシアは別としても、前衛型の木場に小猫ちゃん。あと一星。」

 

ツルギが特訓の一環として己の現状を理解して貰う為に提案したのは一種の模擬戦だった。

 

一星

「ツルギ。私は何時も組手をして貰っているからしなくても。」

ツルギ

「何言ってるんだ一星・・・一切手加減無しの本気の勝負だ!」

一星

「本気のツルギとの・・・勝負!」

 

何時ものツルギから全く出ないような凄まじ威圧感と闘志に、思わず身震いしてしまう一星。背後にいたリアスや朱乃達にもツルギの本気が伝わった様で微かに震え汗をかいていた。

 

リアス

「此れがツルギの・・・救世主としての本気!」

朱乃

「とてつもない威圧感!救世主の名は伊達ではありませんね。」

木場

「この状態のツルギ君との手合わせ・・・思わず武者震いが出てしまうよ!」

小猫

「きっとツルギ先輩は此の特訓中に私達の腕を上げりつもりなんですね。」

アーシア

「凄いですツルギさん!私も改めて頑張ります!」

 

ツルギの今回の特訓に掛ける思いを痛烈に感じ気を引き締め直すリアス達。

 

ツルギ

「怪我を負わせる事は決してしませんから部長・・・お願いします!」

リアス

「・・・分かったわツルギ。貴方の胸をしっかりと借りさせて貰うわ!最初は貴女からよ一星!」

一星

「はい部長!今の・・・私の全てを・・・ツルギに見せる!!」

ツルギ

「そうだ!遠慮は要らない一星!お前の全てを俺にぶつけて来い!!」

一星

「行くぞ!ブーステッドーーー!!ギアーーー!!!」

 

『ブースト!!』

 

一星の危機氏に勝る叫びを受けてブーステッド・ギアが光を放ち輝きを増しながら力を倍化させていく。其れから数回、系10回倍化した所で此れ以上の無理な倍化は止めて問題無く戦える状態にして模擬戦の準備を終えた。

 

一星

「此れが今の私とブーステッド・ギアの全力だ!!」

 

『エクスプロージョン!!』

 

ツルギ

「10回の倍化・・・最初に比べたら此れぐらい倍化は問題なくなったな。凄いぞ一星!」

一星

「感謝してるよ!毎日ツルギが特訓してくれたお陰で此処までなら問題無くなったから!」

ツルギ

「そうか・・・なら俺も行くぞ!マワスライド!」

 

『オウシキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ

「スターチェンジ!」

 

スターチェンジしたツルギの姿は目のバイザーに当たる部分がツノの様に伸び身体つきががっしりとしたマッシブ体型。

真っ黒なアンダースーツと肩にアーマーを装着した牡牛座の救世主のオウシブラックの姿になり、握り込んだ両手を激しく打ち付け合わせクロスさせながらプロレスラーの様な構えを取った。

 

ツルギ

「リングスター!オウシブラック!」

一星

「牡牛座の・・・救世主!」

ツルギ

「猛牛の荒ぶるパワーを阻める者無し!」




はい!第20話は如何でしたでしょうか?

今回は前回に引き続きオオカミブルーと新しくオウシブラックを登場させました。

オオカミブルーの戦闘が少なかったですが、レーティングゲームの中でしっかりと出しますのでお待ち下さい。

勿論、オウシブラックもゲームに登場しますので。

ライザーに関しては後々は更生して出しますが今はかなり酷いキャラとして出してます。ご了承下さい。

では、次回の第21話でお会いしましょう!


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第21話 凄まじい特訓の日々。ツルギの本気の一旦と叱咤!

はい!第21話です!

今回は特訓メインの内容です。かなりツルギの特訓はスパルタですのでご了承下さい。

ジオウには遂に仮面ライダーウォズが登場でしたがシノビもカッコよかったですね!
でもまさかの白ウォズが分岐した別の未来から来た存在で、しかも未来の事象をコントロールするチート振りにビックリです。

ルパパトはいよいよ佳境に入って来ましたね。明日の話が楽しみです。

では、第21話をどうぞ!


第21話 凄まじい特訓の日々。ツルギの本気の一旦と叱咤!

 

 

一星

「何時ものツルギと全然違う!威圧感が・・・半端ない!」

ツルギ

「何をボーッとしてる一星!其方が仕掛けないなら・・・俺から行くぞ!!」

一星

「何処?・・・上!うわぁぁぁーーー!!・・・何とか反応出来たけど何、今の一撃!?」

リアス

「何て威力!あれがツルギの・・・力!」

 

特訓の一環としてブーステッド・ギアを構え10回倍化した一星とオウシブラックとなったツルギの模擬戦が始まったが・・・普段の温厚で優しい雰囲気が微塵も感じられない程の殺気とも取れる凄まじい威圧感に、一星は圧倒されてしまい一歩も動けずにいた。

しかし気負い過ぎて攻めて来ない一星に対して先に先制攻撃を仕掛けたのはツルギの方だった。

マッシブな見た目とは裏腹に一瞬で視界から消えるように一星の頭上にジャンプし直上から落下の勢いを乗せた剛腕のパンチを叩き込もうと腕を振り下ろすツルギ。

何とか回避した一星だったが・・・先程まで立っていた場所は。地面の土が抉れ、中心に立っているツルギを起点に陥没し、無事な地面にもひびを入れる程の威力を発揮していた。

 

ツルギ

「行った筈だぞ・・・一星。一切手加減無しだと!生半可な覚悟で本当に強くなれると思ったか!!」

一星

「ツ、ツルギ。」

ツルギ

「本当に強くなりたければ・・・俺を敵だと思ってかかって来い!!この程度で委縮しているようでは、ライザーには勝てないぞ!」

一星

「本当に・・・強く!」

ツルギ

「さあ!如何した一星!反撃して来い!!」

一星

「でぇりゃぁぁぁーーーーーー!!」

 

ツルギの叱咤に感化され歯を食いしばり力の限りと持ち得るスピードを駆使して反撃に出る一星。

牽制を兼ねた左ジャブからの右ストレートや連続パンチ。其れにハイキックや回し蹴りを混ぜた攻撃を何度も繰り出しているのだが、その全ては当たるどころか掠りもしない。

側から見たらツルギの方が防戦一方で一星が有利に見えるが・・・

 

木場

「圧倒的だ!全ての攻撃を紙一重で躱して動きに無駄が無い。」

朱乃

「一星ちゃんの攻撃も凄いのに・・・一撃も当たらない。」

小猫

「其れだけじゃありません!アレだけ連続攻撃をしていたら、無酸素状態になって体力を消耗してしまいます。」

 

小猫の言う通り一星は最初に比べると息が荒く動きも鈍くなり、無酸素状態での連続攻撃がスタミナを一気に消耗させてしまい手足がおぼつかない状態になってしまっていた。

 

一星

「クソ!私の攻撃が全然当たらない!!」

ツルギ

「拳がおお振り過ぎて攻撃の後に隙がある!まるで攻撃してくれと言わんばかりだ!!無駄に振り抜かずにインパクトを1番叩き込み所で止めろ!」

一星

「だぁりゃぁぁぁーーーーーー!!」

ツルギ

「蹴りは脚だけで放つ物じゃない!体全体を使って鞭をしならせる様に足先一点に力を集中させて、その部分を振り抜くイメージで放て!!そんな蹴りではいつまで経っても当たらないぞ!」

 

ツルギの厳しい言葉を受けながら数分のあいだ模擬戦を行なっていた一星だったが、その間にも攻撃を1度も当たらず今は立っているのがやっとな状態になる程、疲労困ぱいになってしまっている。

 

一星

「ハァ、ハァ、ハァ・・・つ、強過ぎる。一撃も当てられないなんて。」

ツルギ

「・・・一星。何故一星の攻撃が当たらないか分かる?」

一星

「そ、其れは?ツルギとの実力に差があるから?」

ツルギ

「違う!其れを教えてやる・・・俺はこの場を動かない。だから、正面から今打ち込める全力の拳を俺に放って来い!!」

一星

「えっ!正面からって・・・ぶ、部長?」

リアス

「ツルギを信じてやりなさい一星!彼は今、正面から貴女に向き合っている・・・なら貴女も正面からツルギにぶつかりなさい!」

一星

「・・・はい、部長!行くっぞ!!」

 

右腕を引き拳を握り込みながらツルギに向かって走り出す一星。

残り僅かの体力と力を振り絞って神器で倍化した最後の一撃を、ツルギの真正面で力強く足を踏み込みながら顔面に向け放った一星。

疲労しているとは言え中々のスピードからの右ストレートはツルギを捉え当たったとリアス達全員が思った・・・が。

 

一星

「う・・・嘘。此れでも・・・届かないなんて・・・」

 

振り抜いた拳は空気を切る音を立てて僅かに左に逸らしたツルギの顔の左をすり抜けていた。拳の先にあった木々はその力から生み出された衝撃波によって数本が倒れる程の一撃だったが・・・躱され愕然とする一星。

 

ツルギ

「良い一撃だ・・・だが一星。お前は攻撃する瞬間に時々歯を食いしばる時がある。其れを見極めれば何時仕掛けてくるか大体の予想が出来る。何より・・・一撃一撃を放つ時、無意識に右足から必ず踏み込んでいる!其れが1番の致命的なところだ。」

一星

「右足から・・・本当だ!今、私・・・右足が前に出てる。」

 

攻撃後の状態で固まっていた一星がツルギの言葉で自身の足元に目を向けると、其処には拳を打ち込む為に力を込めて地面を踏み込んだ跡を残した状態の右足がしっかりとあった。

ツルギは一星の僅かな挙動と先程の癖から攻撃の流れや技のニ手三手も先を読み、その予想と今までの戦いの中で培ってきた経験と直感を駆使して全ての攻撃を回避していたのだ。

 

ツルギ

「俺から見れば一星・・・お前は未だ未熟だ。一朝一夕って言葉通り直ぐには強くなれない。だが・・・一星の本気はしっかりと伝わった。」

一星

「ツ、ツルギ?」

ツルギ

「ゲーム迄に俺が出来る事は全てやってやる!時間があまり無いからかなり厳しくなるが・・・其れでも折れる事なく最後までやり遂げられるか!」

一星

「当たり前じゃん!!伊達に毎日ツルギに鬼の様にシゴかれて無いんだから!地獄の特訓だろうと何だろうと・・・やってやるよ!!」

ツルギ

「なら先ずは踏み込みの癖の解消からだな。ビシビシ行くから覚悟しておけ!!さて、其れは其れとして・・・誰が鬼だって一星!!」

一星

「イヤ!其れは本心じゃ無くて!?あの〜〜〜なんて言うか〜〜〜その・・・ついウッカリ。口が滑ったって言うか!?なんて言うか〜〜〜?!テヘッ♡」

ツルギ

「そうか〜〜口が滑ったか〜〜なる程・・・今日の夕食は一星だけ抜きな!」

一星

「そんな!!ゴメンなさいツルギ〜〜〜!謝るから〜〜其れだけは勘弁してよ〜〜〜!!今日は大好物の唐揚げなんだよ〜本当に謝るから〜ご飯抜きだけは止めて!!」

 

改めて強くなる事とゲームへの覚悟を確認し特訓への意欲を燃やすツルギと、その向き合ってくれる厳しくも真っ直ぐな思いに答うようと決心した一星・・・だったが。

思わず漏れしまったツルギの毎日の特訓時の厳しいシゴキへの本音を突かれ、其れを何とか誤魔化そうとする一星。しかし無情にも告げられたツルギからの罰に、まるで悪戯の罰を回避する子供の様に必死に謝り夕食抜きを免れようと一星。

その光景に先程までの張り詰めていた雰囲気は全て吹き飛び、いつしかリアス達からも緊張感が抜け皆んな何時もの表情をして笑っていた。

 

リアス

「ツルギ、余り一星を虐めるのは可哀想よ。でも・・・うふふ。本当に必死ね一星は。」

朱乃

「笑っては駄目ですよ部長。可愛らしいじゃないですか、うふふ。」

木場

「一星さんらしいね。でもツルギ君の唐揚げは確かに美味しいよね。」

小猫

「私には一星先輩の気持ちが分かります!」

アーシア

「一星さんは食いしん坊ですからね。」

一星

「誰か〜〜〜!一緒に謝ってよ〜〜〜〜!」

 

一星の悲痛な声がする中、巫山戯るのを止めて話を戻すツルギ。

 

ツルギ

「確かに一星はよく食べるからな。まあ〜冗談はこれぐらいにして・・・部長。こんな感じにはなりますが、初日は全員の現状把握で大丈夫ですか?」

リアス

「ええ。よろしくお願いねツルギ。」

ツルギ

「分かりました。なら次は木場と小猫ちゃんと模擬戦を行いますが・・・その後はどうしますか?接近戦などは大丈夫なんですが、魔力に関しは全く知識など無いので。」

朱乃

「其れでしたら今日は先程のツルギ君の提案通り。祐斗君と小猫ちゃんとの模擬戦が終わりましたら一星ちゃんとアーシアちゃんの魔力の潜在能力を確認し、その後アーシアちゃんは私とリアスと一緒に魔力と神器の特訓。一星ちゃんと祐斗君に小猫ちゃんは、ツルギ君を相手に特訓で良いのではないですかリアス?」

リアス

「そうね。ブーステッド・ギアさん持つ一星には体力を付けて貰はないとあれ以上の倍化が出来ないし、アーシアも魔力の使い方や神器を使いこなせる様にならないといけないわね・・・ツルギは良いかしら其れで?」

ツルギ

「俺は問題ありません。アーシアの事は部長と朱乃さんにお願いします。その代わり残り3人は俺に任せて下さい!」

リアス

「決まりね・・・皆んな!大変だとは思うけど此の特訓で力を付けて必ずライザーに勝ちましょう!」

リアス以外

「「「「「はい!部長!」」」」」

 

こうしてオカルト研究部の特訓が本格的に始まったのであった。

 

 

予定通り最初は既に終わった一星とリアスに朱乃、アーシアが見守る中での木場と小猫との模擬戦から行われた。

 

木場には一星と同じくオウシブラックで相手をし、ナイトの特性を活かした高速の剣技に対して圧倒的な力で真正面から迎え撃つ戦いをしたツルギ。

木場の剣技は確かに鋭く正確だが決定打が無く真正面切ってからのパワー対決になった場合は分が悪い上に、スピードを使った以外の対応策がない事を教えた。

 

小猫にはサソリオレンジで相手をし、木場とは反対にテクニックを用いた相手のパワーを利用した去なしや反撃を中心に相手をした。

ルークである小猫のパワーから放たれる一撃は何れも凄まじい威力を持っているが、打撃の中心線を逸らせば強いパワーが仇となって当たらないどころか必ず攻撃の後に大きな隙が出来る。

逆にパワーを利用した手痛い反撃の足掛かりになる事もあると、実際に逸らしたパワーを使った一撃を見せて教えたツルギ。

 

一通りの模擬戦が終わり一星とアーシアの魔力の潜在能力を確認する為の朱乃のレッスンがその後行われたのだが・・・アーシアはその潜在能力を直ぐに開花させて朱乃のレッスンを次々とクリアする中、一星はハッキリ言って魔力の才能は僅かであった。

魔力を使って水を沸騰させる事もペットボトルの水を魔力で凍らせる事も出来ず、魔力の塊もピンポン球ぐらいのサイズを作り出すのがやっとであった。

 

結果時に当初の予定通りに分かれて特訓を行う事になり、リアスと朱乃にアーシアを別荘の中に残して再び模擬戦を行う為に外に向かったツルギ達4人。

 

其れから数時間後の日が傾きだした夕方過ぎ・・・夕食の準備が出来たのでツルギ達を呼びにリアス達が林の中を進む中。

 

アーシア

「一星さん達の特訓は如何でしょうか?」

朱乃

「ツルギ君は本気でしたからね。一切妥協無しにやっているとは思いますが、其れにしてもアーシアちゃんは飲み込みが早いですね。あの数のレッスン内容をスムーズに熟せるなんて凄い事ですよ。」

アーシア

「そんな事ありません!朱乃さんや部長さんのご指導のお陰です。」

リアス

「謙遜する事は無いわアーシア。貴女には其れだけ才能があるという事よ。誇って良いわ。」

アーシア

「ありがとうございます!」

リアス

「頑張りなさい。えっと〜確かツルギ達が特訓している場所はここら辺の筈だっ・・・た!!」

 

リアス達がその場所に到着すると・・・其処には息を荒げて肩で息をした疲労困ぱい状態で膝をついている一星達と、其れを仁王立ちして全く息が上がっていない様子で見つめているツルギがいた。

 

一星

「ハァ!ハァ!ハァ!し、死ぬ!全身が・・・い、痛い!」

木場

「な、何度やっても・・・ハァ、ハァ!と、届かない!」

小猫

「此れが・・・ツ、ツルギ・・・せ、先輩の。じ、実力!」

 

もはや立っているのが限界の状態である3人に敢えて厳しい激を飛ばすツルギ。

 

ツルギ

「何だ!何だ!そのザマはぁぁぁ!!此れぐらいで倒れてどうする!!」

リアス

「落ち着きなさいツルギ!まだ初日よ。余り根詰め過ぎは逆効果になりかねないは、ちょうど日も沈むから今日は此れぐらいにしましょう。」

ツルギ

「ハッ!す、すいませんでした部長。少し力み過ぎました・・・一星、木場、小猫ちゃん。本当にすまなかった!」

一星

「大丈夫!此れぐらい大した事ないから!痛ったたた!」

アーシア

「一星さん。祐斗さん。小猫ちゃん。私が直ぐに治癒しましから。」

木場

「ありがとうアーシアさん。しかし、ツルギ君との手合わせで自分の未熟さを痛感した・・・でも!」

小猫

「はい、祐斗先輩。確かにとてもキツイですが、同時にツルギ先輩のお陰で弱点を克服出来そうです。明日からもよろしくお願いします!」

ツルギ

「木場・・・小猫ちゃん・・・ありがとう。明日からも厳しいとは思うが、よろしく頼む3人共!」

 

木場の言いたい事を理解して頷きツルギの特訓で着実に力を付けている事を実感していると言う小猫の言葉に、深々と頭を下げ例を述べるツルギ。

 

朱乃

「さあ〜ククル達が夕食の準備を済ませて待っています。早く行かない折角の温かな夕食が冷めてしまいますわ。」

一星

「やったぁぁぁ!!ご飯ご飯!今日〜のオカズは唐揚げだ〜〜〜!!」

小猫

「お腹空きました。」

アーシア

「沢山作ってありましたよ。お姉ちゃん達の料理はツルギさんと同じくらい美味しいですよ。」

木場

「其れは楽しみだね。今日は普段以上に食べられそうだよ。」

 

アーシア達が持ってきたタオルで汗を拭きながら別荘に向かう一星達の背中を見つめるツルギに声をかけるリアス。

 

ツルギ

「・・・」

リアス

「どうしたのツルギ?」

ツルギ

「俺は良い仲間に出会えたなと思って・・・その仲間やリアスさんの力になりたいと思って、少し厳しくし過ぎました。」

リアス

「大丈夫よ。貴方の気持ちも、私達を思って特訓の熱が入ってしまっている事も私達は分かってるわ。」

ツルギ

「部長・・・」

リアス

「明日からの特訓も頼りにしてるわ。ツルギ!」

ツルギ

「はい。部長!」

 

リアスの優しい心遣いに感謝しながら仲間の為、そして・・・リアスとの約束の為に明日からも頑張ろう言う気持ちを込めて返事をするツルギ。

 

一星

「ツルギ〜〜〜!部長〜〜〜!早く行きましょうよ!!」

リアス

「うふふ。やっぱり一星は食いしん坊ね。」

ツルギ

「まあ〜其れが一星ですからね・・・あっははは!」

一星

「何笑ってるんだよツルギ!!早くしないとツルギの分まで食べちゃうぞ〜!!」

ツルギ

「あの野郎〜〜〜!何時も俺の家で夕食を食べてるくせに!」

リアス

「さあ!一星が食べてしまう前に行きましょうよかツルギ。」

ツルギ

「はい。リアスさん。」

 

急かす一星の後を追い別荘に向けて歩き出すツルギとリアスであった。

 

 

其れから数日・・・毎日厳しい特訓が続いた。

 

次の日からアーシアは朱乃とリアスの2人に神器のトワイライト・ヒーリングの治癒力の向上や魔力の扱いの特訓を開始し毎日クタクタになる程に打ち込んでいた。

その甲斐あってかトワイライト・ヒーリングの治癒力は着実に向上し以前と比べれば回復量も増え時間も僅かながら早くなっていた。

 

勿論、朱乃とリアスもしっかりと特訓をしている。

 

朱乃はククルと一緒に魔力を貯める時間の短縮させる特訓をしていた。

朱乃の魔力を用いた雷は強力になればなる程な魔力を貯めるまでに時間が掛かってしまっている。其れを短縮する為に、ガンナーホワイトとして戦っているククルがアドバイスする事になった。

膨大なキューエナジーを貯めて必殺技を放つククルにとってもエナジーを貯める時間を短縮させる事を常に行なっているので、其れを基にした特訓を行なっている。

 

対してリアスはシルヴァからの特訓を受けている。

 

リアスに求められているのは単純な戦闘力では無く、キングとしての技量である。

盤面を把握し味方に指示を出し相手の裏を読み其れを突くその戦略眼を養うことが今回の特訓内容、その為に選ばれたのがシルヴァだ。

常に冷静沈着で周りの状況を直ぐに判断し味方をサポートする事に長けているシルヴァに様々な状況をシミュレーションして貰い、その状況からどのようにして勝つ方法をリアスに出して貰い其にシルヴァの考えを元した戦略を照らし合わせて議論し合う特訓を行なっている。

 

 

一方、前衛3人とツルギとの特訓は・・・

 

一星

「はぁぁぁぁ!!喰らえぇぇぇーーー!ツルギ!!」

ツルギ

「甘いぞ一星!!もっと視野を広く持て!自分だけじゃ無く仲間の位置も見ろ!」

一星

「でも動きは止まったね。今だ!!木場!小猫ちゃん!」

木場

「脇がガラ空きだよ。ツルギ君!!」

小猫

「私と祐斗先輩との挟み撃ちです!!」

ツルギ

「少しは連携出来るようになった3人共!だけど・・・相手は俺以外にもいる事を忘れてないか!!」

 

毎日模擬戦を行なっているツルギ達。

 

今現在・・・シシレッドになったツルギの動きを止める為に正面から攻撃する一星に合わせて左右から挟み込むように攻撃を仕掛ける木場と小猫だったが・・・

 

木場

「グァッ!」

小猫

「キャッ!」

レイナーレ

「私達がツルギと共にあるのを忘れて貰ったら困るわね!」

ミッテルト

「ウチらがいる限る!ツルギには指一本触れさせないっす!」

 

次の日からより実戦に近付ける為と全員の練度を上げる為に模擬戦にキュウレンジャーとなったレイナーレ達3人も加わる事になった。

 

木場はツルギとミッテルトの2人との特訓によってスピードと技に更に磨きがかかって来ていた。

フレズベルクグレーことミッテルトの変則的でトリッキーな戦い方とカメレオングリーンとなったツルギの透明化してからの変幻自在な攻撃を相手にした特訓で、決め手には未だ欠けるが更に己の強みを伸ばす事が出来ていた。

 

小猫の方も単調なパワーだった攻撃に体術の動きが加わり見違える程柔軟性が増している。

グリフォンネイビーのカラワーナとオウシブラックのツルギ、圧倒的な防御力を持っている2人には単調はパワーは全く通じない。

其れをすり抜け攻撃を通す為に体術の体捌きを覚え攻撃に反映させる事が出来るようになったので、以前より滑らかな動きから放たれる強力な一撃は凄まじい。

 

残りの一星も先ず実戦の経験を積ませる為に特に厳しい特訓を受けていた。

シシレッドのツルギとヒュッケバインヴァイオレットのレイナーレのタッグとのひたすら模擬戦である。

万能型のヴァイオレットのサポートを受けたシシレッドの激しい攻撃を凌ぎ反撃する至極単純なも、しかし今の一星には1番効率的な特訓である。

今まで全く戦いの経験がない一星には兎に角、体に実戦にの空気や戦いを教え込む事が大切だとリアスに相談し判断したツルギ。来る日も来る日ひたすら戦う事の繰り返し、そのお陰か体力は確実について来ており倍化も13回まで問題なくなった・・・魔力に関しては相変わらずである。

 

一星

「木場!小猫ちゃん!もう1回3人で攻・・・!」

カラワーナ

「悪いがチェックメイトだ。薙ぎ払え!ヴァルチャーグリフォン!!」

一星

「う、嘘っそぉぉぉーーーん!!ぐはぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!」

 

この模擬戦に関してはカラワーナのヴァルチャーグリフォンを受けて3人共・・・戦闘不能扱いになってしまい敗北した。

 

 

その後、数回の模擬戦を行い昼食を取り再び午後からの特訓に明け暮れるオカ研一同。

 

そして日が傾いた頃・・・

 

ツルギ

「よし!今日は此れぐらいにしておこう。明日は特訓最終日だか最終確認をするから皆んなしっかり休んでくれ。」

木場

「今日もありがとうツルギ君。お陰で少しだけで今までになかった物を掴む事が出来たよ。」

ツルギ

「そうか。そう言ってくれると助かる・・・小猫ちゃんは如何?」

小猫

「私も今までより体力の消耗が減ったのか余り疲れなくなりました。ありがとうございますツルギ先輩。」

ツルギ

「違うさ。其れは小猫ちゃんの頑張りの成果だよ・・・あっ!処で一星は?」

 

ツルギが辺りを見渡すが一星の姿が見当たらない。

 

レイナーレ

「一星なら少しクールダウンして戻るらしいは。」

ミッテルト

「ならウチらは先に戻ってる事にするっす!」

カラワーナ

「そうだな。今頃はククル達が夕食を作っているから手伝いに行かねばな。」

 

全員が別荘に戻る準備をして向かう中。

 

ツルギ

「皆んな先に戻っていてくれ。俺も少しクールダウンしてから戻るから。」

レイナーレ

「分かったわ。なら私達は先に戻っていましょう。」

 

ツルギ以外が別荘に向かったのを確認したツルギは林の中に入り暫く獣道を歩く事数分、林を抜けた先にある夕日が山の木々を照らすのを一望出来る拓けた岩肌の場所に体育座りをして顔を伏せている一星を見つけ隣に座る。

 

一星

「ツルギ・・・」

ツルギ

「相変わらずだな・・・悩みや上手く行かない事があったら、夕日が見える誰も居ない静かな場所に座り込むのは。」

一星

「やっぱ分かっちゃうか。流石ツルギだね。」

ツルギ

「如何したんだ一星?」

一星

「うん・・・実はね・・・」

 

夕日が一星とツルギ・・・2人の幼馴染を優しく照らす中で重い口を開き話を始める一星を見ているのは、ツルギと少し暗くなった夜空に浮かぶ星だけである。




はい!第21話は如何でしたか?

ツルギのスパルタの元ネタは大好きなレスキューファイアー隊長の大河リクさんです。

あの熱い性格と部下に対する厳しくも優しい思い遣りの心に尊敬を抱いていました。

仮面ライダービルドの超全集が漸く到着しプライムローグフルボトルがやっと手元に・・・残すはマッスルギャラクシーだけになりました。

少し寂しいです。

では次回、第22話でお会いしましょう!


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第22話 2人の乙女の不安と愛・一星の覚醒の前触れ

はい!第22話です!

少し投稿が遅れましたが特訓は今回で終わり、次回はライザーとのレーティングゲームの開始です。

新しいCSMはクウガが来たからアギトかと思ったら、まさかのブレイドが来ました。

アブゾーバーやブレイラウザーまであるので凄く高そうです。

ジオウにはクイズが登場し次回にはウォズの新フォームが登場、引っ切り無しです。

では、第22話をどうぞ。


第22話 2人の乙女の不安と愛・一星の覚醒の前触れ

 

 

一星

「今回の特訓で改めて分ったんだ・・・私が皆んなの中で1番弱いんだって。」

 

一星の口から出た言葉は普段の明るく元気な笑顔と活発的で少し男勝りな性格から想像出来ない程に暗く。何時も明るさが無い表情には不安等が入り混ざり影を落としていた。

 

一星

「私は体力に少し自信があったのと格闘技の経験が僅かにあっただけ・・・木場見たいな類稀な剣の才能は無いし、小猫ちゃん見たいに本格的な格闘技をやってた訳じゃない。魔力に関しては朱乃さん見たいな凄い魔術は使えないどころか、アーシアに出来た基礎の部分すらまともに出来ずピンポン球ぐらいの塊を作るのがやっと。」

ツルギ

「・・・」

一星

「況してやレイナーレ達3人やククル姉やシルヴァ姉達の様に・・・宇宙に認められて唯一無二の救世主に選ばれるだけの存在でも無い。唯の普通の女の子で極々当たり前に生きて来ただけ。」

ツルギ

「一星。あまり自分を卑下にするな。」

一星

「違うんだツルギ。卑下にしてるんじゃ無いの・・・私このまま何て嫌だ!!」

ツルギ

「一、一星?」

一星

「部長の本当に好きな人と一緒になりたい気持ち・・・私にも凄く分かる!部長は私の命を繋ぎ止めてくれた恩人だし主人だから・・・その夢を守る為に力になりたい!其れに・・・部長の為そして私達の為に必死に協力してくれてるツルギに応えたいのに・・・だけど!!」

 

声を張り上げ叫ぶ一星の表情には悲痛さが浮かんでおり握り込んだ指先には血が溜まり赤くなり、クシャクシャになった顔に目尻から流れた涙が頬を伝い地面に落ち跡を残した。

 

一星

「今の私の力は1番弱い!!もっと木場や小猫ちゃん見たいに強くなりたい!もっと朱乃さんやアーシア見たいに皆んなの力になりたい!其れなのに・・・今のままじゃ部長の夢を守れない!ツルギの私達への思いに応えられない!そんなの嫌だ!!」

ツルギ

「一星・・・」

一星

「だからもっと強くなりたい!!木場見たいに早く!小猫ちゃん見たいに力強く!朱乃さんやアーシアそれだけじゃ無い!レイナーレ達やククル姉やシルヴァ姉見たいにも!!その為には・・・どうしたら良いのツルギ!」

ツルギ

「・・・」

一星

「ツルギ?」

ツルギ

「・・・本当に馬鹿だな!一星は。」

一星

「・・・ハァ!!」

 

ツルギの口から出た”馬鹿だな”の発言に暫し固まり呆然とする一星だったが、正気に戻った時の表情には不安や悲痛より私怒っていますよと言った表情になっていた。

 

一星

「人が真剣に悩んでるのに掛ける言葉が馬鹿って如何言う事だよツルギ!!人の気持ちも知らないでよくそんな事が言えるよね!てか、馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ馬鹿ツルギ!!あ〜あぁぁぁ!ツルギに相談した私も馬鹿だったよ!もぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!」

 

何時ものツルギと喧嘩する感じで怒り不貞腐れてそっぽを向いてしまった一星を見て笑うツルギ。

 

一星

「な、何笑ってるんだよツルギ!!」

ツルギ

「あっははは〜〜〜♪悪かった一星。でも・・・何時もの俺が知ってる一星の顔に戻った。」

一星

「えっ?もしかしてツルギ・・・私を励ます為に、わざと”馬鹿だな“何て嘘まで言って励ましてくれたの♪」

ツルギ

「いや?馬鹿なのは事実だ。」

一星

「ガクッ?!何だよ〜!励ましてるの?貶してるの?どっちかハッキリしてよ!!」

ツルギ

「木場や小猫ちゃん見たいになっても・・・お前は強くなったわけじゃ無いぞ一星。」

一星

「えっ?どういう事?意味分かんないよ〜〜〜〜??」

 

馬鹿と言う言葉が冗談じゃ無く本当に言われていた事に肩を落としずっこ蹴る一星は、ツルギに本当に強くなったわけじゃ無いと言われ意味が分からずにチンプンカンプンになり頭を捻り唸り始める。

 

ツルギ

「木場や小猫ちゃんの力や強さは今までの経験や生きてきた道筋が積み重なって生まれた力。つまり・・・その者だけが体得しその者だけの唯一無二の強さ、だからその力や強さを一星が手に入れても本当の一星自身の強さじゃ無いからだ。」

一星

「私自身の強さじゃ無い?」

ツルギ

「例えて言えば。今の一星が木場と同じ様に剣を振ったとして寸分違わずに同じ動きや剣技が出来るか?小猫ちゃんと同じ拳を放てるか?」

一星

「きっと出来ない・・・2人の真似なんて出来ないよ。」

ツルギ

「そう・・・其れは唯の真似だ。同じ様な事は出来たとしても其れは単なる付け焼き刃に過ぎない・・・本当の木場のスピードや小猫ちゃんのパワーと比べれば雲泥の差。そんな物を身に付けても其れは強さじゃ無い!」

一星

「・・・」

 

”付け焼き刃"言って仕舞えば唯の猿真似。そんな真似事は本当に強さにはなり得な事を言われ、再び俯き黙り込んでしまった一星の頭に手を置き優しく撫でるツルギ。

 

ツルギ

「焦る必要は無いんだ一星・・・焦りは視界を歪ませ進むべき道、進みたい道を踏み外させる。そうなっては歩みは止まり未来の可能性さえも閉ざしてしまう。だから・・・先ずは落ち着け。そしてゆっくりで良い。誰かの強さじゃ無い自分だけの強さ・・・自分にしか無い本当の強さの答えを見い出すんだ!」

一星

「本当の強さ・・・見い出せるかな?今の私に・・・」

ツルギ

「今の一星は漸くスタートラインに立ったばかりだから直ぐには見つからないかもしれない・・・けど、心配するな!一星は大切な幼馴染だ!お前が進む先を見失なった時は俺様がお前の手を掴んで一緒に歩んでやる!不安に押しつぶされそうな時は俺様が側に居てやる!だから俺と一緒に見つけよう・・・一星のなりの答えを!!」

一星

「プッ!!出た〜久々のツルギの俺様っぷり!あっははは!やっぱり可笑しい!」

ツルギ

「一星〜〜〜お前な!人が励ましたってのに笑うか普通!!」

一星

「あっははは〜ゴメンゴメン♪でも・・・何時も変わらず励ましてくれてありがとう。ツ〜ル〜ギ!!」

ツルギ

「ちょっ?!おわっ!!イキナリ飛び付つくな危ないだろ!」

一星

「えっへへへ♪最近こうして無いから良いでしょう♪」

 

励ましたのを笑われ今度は逆にツルギが怒る中・・・自分を心配してくれた事・大切な幼馴染と言ってくれた事・初めて会った時から変わらず何時も側に居てくれた事、そして一緒に答えを見つけようと言ってくれた事。

何時も変わらず側に居てくれる大好きなツルギが愛おしくなり思わず飛び付いてきた一星。其れをバランスを崩しながらも受け止め笑顔の一星の顔を覗き込むツルギ。

 

一星

「ねぇ〜ツルギ?前に励ましてくれた時のアレやって!」

ツルギ

「えっ!アレをやれって言ってるのか!あの時は勢いでやったと言うか・・・本当にやるのか?」

一星

「うん!やって!!其れともさっき言ってた事は嘘だったの?」

ツルギ

「分かった・・・一回、一回だけだからな!絶対に笑うなよ!」

 

そう言って普段はあまり真っ赤にしない顔を近付けると、前髪を少しずらし一星の額に軽いキスをするツルギ。

以前励ましてくれた時に一回だけしてくれとお願いした額へのキス・・・一星だけがやって貰ったキス。一星だけが知っているツルギの恥ずかしがる表情。

自分だけが特別な事に思わず笑みが溢れる一星だが、等のツルギは恥ずかしさが限界に達してしまったのか。

 

ツルギ

「も、もう良いだろ?!ほら!早く戻ら無いと一星の夕食だけ無しだからな!!」

一星

「え〜〜〜!!幾ら恥ずかしいからって其の誤魔化し方は無いよツルギ!!」

ツルギ

「う、五月蝿い?!良いから早く戻るぞ!!」

一星

「相変わらずだねツルギは・・・でも、そんな所が大好きなんだけどね・・・待ってよ〜〜〜ツルギ!!」

 

先をズンズン歩くツルギの背中を追って走り出す一星。

幼馴染同士の大切で特別な時間を過ごした一星の表情には何時もの明るさと元気が戻っていた。

 

 

その後ツルギと一星が別荘に戻って来るとちょうど夕食の準備を終えた全員が2人が戻って来るのを待っていてくれた。

ククル特製の夕食に舌鼓を打ち。特訓の汗を流すのと疲れた体に英気を養うために湯船を浸かり全員が明日の最終日の為に部屋に戻り睡眠を取る中。

ふと目が覚めてしまったツルギが窓から少し外に目を向けると、別荘横にある小さな噴水を囲んだ場所にリアスが居るのが目に止まった。

 

リアス

「如何したのツルギこんな時間に?もしかして眠れないのかしら?」

ツルギ

「一度は寝たんですが目が覚めてしまって外を見たらリアスさんが居たので気になって来ました。夜は未だ冷えますから温かいコーヒーを持って来たので、後俺のですがブランケットも使って下さい。」

リアス

「態々ありがとう・・・あっ、此のブラック美味しい♪料理だけじゃなくコーヒーも淹れて上手いなんて流石ねツルギ。」

ツルギ

「毎日シルヴァ姉さんも飲んでいるコーヒーなんです。まあ〜自分は砂糖とミルクが無いと飲めませんが。」

リアス

「うふふ♪以外ね。ツルギなら普通にブラックを飲むと思ったんだけど、未だ子供ぽい所もあるのね。」

 

ブランケットを掛けて貰いながらカップに注がれた温かいコーヒーを飲むリアス。

口に広がるほろ苦くも深い味わいと鼻に抜ける芳醇な豆の甘い香りに全身に行き渡る熱、今まで飲んだこと無い美味しさに体だけでなく心も温かくなっていく。

ツルギとのしがらみの無い1人の友人としての他愛も無い会話の最中にカップを置き会話を止めるリアス。

 

リアス

「ツルギ・・・ありがとう。」

ツルギ

「何の話ですか?俺は唯・・・自分の心のままに勝手に行動しただけですよ。」

リアス

「其れでも貴方にお礼を言いたかった。あの時・・・間違った私を止めてくれ時も私の願いをライザーが笑って怒ってくれた時も、本当に嬉しかった。」

ツルギ

「リアスさん。」

 

今回の縁談問題が始まってから色々と慌ただしく日々が過ぎていた為中々お礼を言え無かったリアス。

 

リアス

「貴方が・・・ツルギが居たから私は今ここに居て自分の選んだ道を進む事が出来ているわ。貴方の純粋で真っ直ぐな気持ちが私に戦う勇気を与えてくれたのよ。」

ツルギ

「大袈裟ですよ俺は唯、人や命が抱いた夢はとても尊い物であると同時に掛替えの無い大切な物なんです。其れは幻なんかじゃ無い・・・何れ未来での現実になるんです。その為なら特訓相手でも何でも協力しますよ。」

リアス

「今、何でも協力するって言ったわね。ツルギ?」

ツルギ

「ええ。確かに言いましたけど?」

リアス

「なら・・・私を抱き締めてちょうだい!」

ツルギ

「ええーっ!?抱き締めてって!俺がですか!!」

リアス

「そうよ!其れに前にアーシア達を助けに行った教会で約束したじゃない”私の言う事を1つ聞く“とね。」

 

以前に教会に突入した時と解決した後に言われた約束を此処で出されるとは思っていなかったツルギは、どうしたものかと頭を捻っていたが両手を広げ潤んだ瞳で此方を見上げてくるリアスにドキドしてしまった。

 

ツルギ

「リアスさん。」

リアス

「貴方の温もりと存在を感じていたいの、だからツルギ・・・お願い。私を・・・抱き締めて♡」

ツルギ

「わ、分かりました。あの〜抱き付かれる事は頻繁にあるんですが、自分から抱き締めるのは慣れてないので其処は許して下さい。」

リアス

「ええ、分かったわ。来て・・・ツルギ♡」

 

リアスから抱き締めたりした事はあった・・・だがツルギから抱き締められた事は今日が初めである。

腰に回されたがっしりとした両腕と大きな胸板に顔のすぐ横にあるツルギの整った顔、耳の辺りで聞こえる彼のゆったりとした息遣いに全身に伝わる温かな温もりにリアスの鼓動は早くなっていた。

其れと同時に抱き締められた事で、今まで誤魔化して来た自分自身の心の迷いにも答えを見つける事が出来た。

 

リアス

「(ごめんなさい一星。あの時は貴女には分からないと言ったけど・・・私は自分の気持ちから目を逸らしていただけだったわ。でも・・・もう此の想いに嘘は付けない!だからあの時に真っ先にツルギが頭に浮かんだ・・・私がツルギの事を1人の女として好きになったから♡愛おしくて愛おしくてずっと側に居て欲しい大切な存在。だから・・・その為にも!)・・・ありがとうツルギ。貴方の鼓動しっかり伝わって来た・・・とても高鳴っていたわよ♡」

ツルギ

「当たり前じゃないですか?!綺麗で可憐な女性であると同時に可愛いくて素敵なリアスさんを抱き締めていたら、心臓がバクバクしてはち切れそうでしたよ!!」

リアス

「またツルギの可愛い所が見れて私はラッキーね♪うふふ。明日の最終日も宜しくねツルギ!」

ツルギ

「はい。リアスさん!・・・あっ!もう大分時間が経ってしまってますね。自分はそろそろ休みますがリアスさんは如何しますか?」

リアス

「私も後もう少ししたら休むわ。ゆっくり休んでちょうだい。」

ツルギ

「分かりました。ブランケットとコーヒーは置いておきますから、お休みなさいリアスさん。」

リアス

「ええ。お休みなさいツルギ♪」

 

頭を下げて挨拶をしたツルギが別荘の中に入って行くのを確認したリアスは肩から掛けたブランケットに顔を埋めながら空を見上げた。

 

リアス

「ツルギの匂い・・・とても落ち着く♡其れにこうやって肩から掛けているとツルギに背後から抱き締められている見たいに感じて幸せ♡しかしライバルは多いわね。でも・・・一星達には負けないわ!」

 

ククルとシルヴァがツルギに恋愛感情を持っているのは分かっている。即ち・・・既に7人ものライバルがリアスにはいる。

だが其れでも諦めないと誓った。1人のリアスとして愛するツルギと添い遂げる為にも必ずゲーム勝つと覚悟を決めたのだから。

 

リアス

「私の進むと決めた未来と願いの為に・・・そして協力してくれたツルギの思いに応える為にも必ず勝って見せる!」

 

愛するツルギとの未来の為に決意を宿したリアスの表情には、もう一遍の迷いも無くなっていた。

 

 

翌日の最終日。

 

朝食を済ませて最後の特訓を開始する一同。

先ずはリアスや朱乃其れとアーシアに関しては特に問題無くアーシアの治癒の力は向上し、リアスと朱乃はコーチ役のククルとシルヴァからも問題無しと言われた。

そして残りの3人の内、木場と小猫に関してはツルギとの特訓を踏まえた上での模擬戦を先ほで終わらせた。

 

ツルギ

「初日の特訓から僅か数日で大分腕を上げたな2人とも。」

木場

「ツルギ君のお陰さ。以前よりスピードも上がり技に磨きが掛かって更に洗練されたよ。」

小猫

「私もパワーが向上し威力が上がりましたが、体力の消耗は逆に少なくなりました。ありがとうございましたツルギ先輩。」

ツルギ

「其れは2人が自分自身で身に付けた事だ。俺は唯相手をしただけだよ。」

リアス

「ツルギの言う通りよ。此れは貴方達が努力した結果なのだから自信を持ちなさい2人とも♪」

朱乃

「ツルギ君の特訓の賜物ですね。うふふ・・・では最後は一星ちゃんの番ですね。」

 

朱乃の言葉で目を閉じて集中していた一星がブーステッド・ギアを出現させながら立ち上がる。

 

アーシア

「一星さん!頑張って下さい!」

一星

「ありがとうアーシア♪ツルギが言ってくれた事、自分だけの強さへの答えは未だ全然見出せて無いけど・・・その為の第一歩を此処から踏み出す!」

ククル

「そうだよ一星。悩むぐらいなら考えず前に出る!其れでこそ私達の知ってる一星だよ♪」

シルヴァ

「全力で拳を振るってくるんだ一星!其れが必ず一星の未来への足跡になる筈だ。」

一星

「ククル姉。シルヴァ姉・・・分かった!行ってきます!!」

 

3人からの後押しを受けてツルギの正面に立ちブーステッド・ギアを構える一星と、審判役のリアスの横には既にシシレッドにスターチェンジしキューソードを持ったツルギ。

 

リアス

「最後は一星ね・・・一星!先ずは貴方が出来る限界まで倍化を続けなさい。」

一星

「倍化をですか?でも今まで最高で10回が限界の筈ですけど部長?」

ツルギ

「やってみれば部長の言っている事の意味が分かるさ一星。」

一星

「分かった。ブーステッド・ギア!」

 

『ブースト!!』

 

リアスからの指示通りに倍化を始める一星。

何度もブーストの掛け声を発し力をどんどん倍化させてい10回倍化を完了したが、体に余裕があるのを感じ未だ行けると思った一星は更に力を倍化させて行く。

やがてこれ以上の倍化は無理だと感じ取った一星だが、既に倍化した数は以前の最高10回を超え20回に達していた。

 

一星

「嘘・・・私いつの間に此れだけ倍化出来るようになったの?」

リアス

「此れが今の貴方の実力・・・此の特訓の中で悩み毎日ボロボロになりながらも、新しい決意を抱き其れに向けて必死に前に進もうと決め。ツルギに何度倒されても立ち上がって来た一星の努力の結晶よ!」

ツルギ

「凄いぞ一星!まさか此処まで倍化出来るようになっていたなんて、本当に凄いぞ!!その決意を忘れない限り・・・必ず見いだせる。一星だけの強さを。」

一星

「私だけの強さを・・・なら・・・また胸を借りるよツルギ!!」

ツルギ

「ああ!全力で向かって来い一星!!

一星

「行くっぞぉぉぉ!ブーステッドーーー!!ギアーーー!!!」

 

『エクスプロージョン!!』

 

一星の新たな決意に応えるように特訓初日の時とは比べ物になら光を放ったブーステッド・ギアによって全身に覆い揺らめくオーラを纏った一星が凄まじい猛スピードで此方に突っ込んで来るのをキューソードで受け止めるツルギだったが。

 

一星

「喰らえツルギ!デリャアァァァーーー!!」

ツルギ

「グッ?!何てパワーだ!受け止め切れ無・・・グッワァァァーーーー!!」

レイナーレ

「シシレッドになっているツルギを嗚呼も簡単に吹き飛ばすなんて、何てパワー!」

カラワーナ

「私でもツルギの防御突破にかなりの時間を要したというのに、一星は此の短期間の間に其れを成し遂げたのか!」

ミッテルト

「一星ってまさか天才なんじゃ・・・って!ツルギは大丈夫っすか?」

 

数日前と明らかにインパクトも威力も格段に上がった一撃によって一星の拳を受け止め切れなかったツルギは、鋭いパンチを諸に受け木々を薙ぎ倒しながら林の中に吹っ飛んで行った。

その予想外のパワーアップと今日までツルギに一撃を当てる事がどれ程難しいかを身を持って体験しているレイナーレ達3人は、一星の成長速度と潜在能力の高さに驚いていると。

 

ツルギ

「受け止め切れなかったとはな・・・痛ったたた!」

一星

「ツルギ!ごめん大丈夫?つい全力で殴りに行っちゃったけど?」

ツルギ

「大丈夫・・・でも。この感覚・・・久しぶりだ・・・戦士としての魂が燃え上がる!!一星、真っ向勝負だ!魔力の塊を俺に向かって打て!!」

一星

「えっ?でも私の魔力の塊はピンポン球ぐらいのしか出せないし?」

ツルギ

「今の一星ならピンポン球ぐらいの魔力でも必殺の一撃になる!俺を信じろ!其れに俺の胸を借りるって言ったの一星だろ!もっと見せてくれお前の強さを!覚悟!」

リアス

「ツルギは貴方の成長を心から喜んでいる・・・だから貴方の全てを見たいのよ。仲間として、友人として、そして・・・大切な幼馴染として。だから・・・貴女自身の力を信じなさい!」

一星

「部長・・・分かりました!行くよツルギ!私の必殺技・・・ドラゴン!インパクトォォォーーーーーー!!」

 

ツルギとリアスの言葉を信じ前に掲げた右手に魔力を溜めて行く一星。

やがてピンポン球サイズの塊が出現し赤い光を放つ中。ツルギを真似て必殺技名を叫びながら後ろに引いた右手を前に突き出すと、ブーステッド・ギアによってピンポン球サイズから全く想像出来ないぐらいの膨れ上がった魔力が凄まじい濁流となってツルギに向かって放たれた。

 

ツルギ

「こっちも本気で行くぜ・・・一星!!」

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「レグルスゥゥゥーーー!インパクトォォォーーー!!」

 

ツルギのレグルスインパクトと一星のドラゴンインパクトがぶつかり合った瞬間、辺り一面を包むほどの眩い光が視界を塞ぐと同時に爆音を響かせて大爆発を起こした。

爆発の為に土煙や埃が舞い上がり何も見えずにいたが・・・徐々に煙が晴れて行くと、其処には力を使い果たし膝から崩れ落ちている一星とキューソードを振り抜いた状態で立っているツルギがいた。

 

ツルギ

「さっき喰らった一撃と此れで・・・引き分けだな一星。」

一星

「どう言うこと?私の必殺技はどうなったの?」

ツルギ

「俺の後ろの山を見てみろ♪」

一星

「後ろの山って一体なん・・・で・・・えぇぇぇーーーーーー?!?!山、、、山が〜〜〜!!」

リアス

「一星も凄かったけど・・・貴方も本当に凄いわ・・・ツルギ♡」

 

ツルギが指差した山を見ると一点からV字型に伸びた跡があった。

その正体は一星が放ったドラゴンインパクトの魔力をツルギがレグルスインパクトで真っ二つにした事で、切られた後に其れが当たった山の中腹から木々を抉りながら左右に分かれて山肌を伝って行った跡であった。

 

一星

「イヤイヤ?!私の魔力の威力にも驚いたけど!其れを真っ二つにするツルギって一体どんだけ!!」

ツルギ

「未だ魔力の集束に無駄があるから対処出来たが、恐らく普通ならさっきのを喰らったら大半の相手は消し飛ぶ筈だ。ですよね部長?」

リアス

「ええ!今の一撃は間違い無く上級悪魔クラスの一撃。あれを受けたら大抵の相手はツルギの言う通り跡形も無くなるわ。」

一星

「・・・マジ!」

 

あまりの事態に面食らい呆然となる一星。

 

ツルギ

「僅か数日しか無かったから粗削りにはなったが・・・如何ですか部長?此れだけ全員が力を付けたなら上出来と言って良いんじゃないですか?」

リアス

「そうね・・・貴方とククル達の協力のお陰で私達は確実にレベルアップ出来た上に、全員が改めて自分を見つめ直す事が出来たわ。ツルギ・・・本当にありが・・・」

ツルギ

「その先はライザーとのゲームに勝ってから聞かせて下さい。」

リアス

「分かったわ・・・皆んな!やれるだけの事は全てやったわ。朱乃!祐斗!小猫!アーシア!一星!そしてツルギ!ライザーとのレーティングゲーム・・・必ず勝つわよ!!」

ツルギ達6人

「「「「「「はい!部長!!」」」」」」

 

準備は全て整った・・・ライザーとのレーティングゲームの開始である。




はい!第22話は如何でしたか?

今回は一星メインとリアスの心境の変化を中心にしました。

次回のレーティングゲームから以前から言っていましたが残りのキュウレンジャーの登場と戦闘シーンがありますので、お楽しみに。

ルパパトは遂に正体がバレてしまい気不味い雰囲気になっていましたね。

咲也が無言だったのが更に雰囲気を重たくしてましたね。

では次回、第23話でお会いしましょう!


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第23話 ゲーム開始!体育館での戦いと天秤座の救世主の出現!


長らくお待たせしました!第23話です!

ルパパトの最終回には思わず涙しました。ルパレン全員無事で良かったです。まさかジャックポットストライカーが彼処で出てくるとは・・・そして待ちに待ったスーパーパトレン1号!最終回で漸く登場でしたね!そして最後の最後までルパレンとパトレンの関係は変わらずでしたね。

そしてジオウはソウゴがオーマジオウとしての力に少し覚醒した感じになりましたが、ジオウIIもカッコイイですね。次回はキカイも登場で待ち遠しいです。

では第23話をどうぞ!




第23話 ゲーム開始!体育館での戦い、天秤座の救世主の出現!

 

 

ユーベルーナ

「お、おやめ下さいライザー様!此れからレーティングゲームが行われるのですよ。これ以上のお戯れは!」

ライザー

「この俺が負けるわけ無いだろ〜何せ不死身のフェニックスなのだからな♪分かったらもっと側に来て俺を楽しませろユーベルーナ。」

レイヴェル

「いい加減して下さいお兄様!後数時間でリアス様達とのゲームだと言うのに・・・ユーベルーナ。此処は私が相手をしますから貴女は他の眷属達と準備に入りなさい。」

ユーベルーナ

「分かりましたレイヴェル様。」

ライザー

「・・・」

 

後数時間でレーティングゲームが開始されようとしている中でフェニックス家の屋敷で嫌がるユーベルーナを抱き寄せ唇を奪おうとするライザーだが、其処に現れたレイヴェルの言葉にユーベルーナを離すとソファに踏ん反り返るようにして座り直した。

フォローによってライザーから離れたユーベルーナが指示を受けて別室に待機している眷属達の元に向かうために部屋を出たのを確認したレイヴェルは兄に向き直った。

 

レイヴェル

「お兄様!あまり慢心が過ぎるのでは無いですか!そんな事では勝てる戦いにも勝てないどころか、勝負なさるリアス様に失礼では無いのですか!」

ライザー

「俺が負けるとでも言うのかレイヴェル!そんな事は万に1つもありはし無い!現に今まで俺は全てゲームに無傷で勝利し相手を倒して来ただろ!」

レイヴェル

「それはフェニックスとしての力があったからです!いつまで才能に胡座をかけば気がすむのですか!あの時のリアス様の・・・ゲームをお受けになるといった時のリアス様の瞳は覚悟をお決めになった本物です!今のままでは確実に足元を掬われるてしまいますわよ!」

ライザー

「何だと!未だ実際のゲームすら行なったことも無いリアスとその眷属達。そして生意気なあの人間のガキ1人如きに俺が遅れを取るとでも言いたいのかレイヴェル!」

レイヴェル

「そう言っているのです!リアス様の覚悟に眷属達全員が一丸となっていました。必ず僅かな時間でも力をつけて来ます。何より・・・ツルギと呼ばれていた男性。彼の方の力も正体も未知数・・・その為の対策を考慮すべきでは無いのですか?」

ライザー

「心配無いと言っているだろ!俺の勝利が揺らぐことは無い!俺には・・・あの力があるのだからな。」

レイヴェル

「あの力?」

 

宵闇が写り込む窓ガラスの向こうで雨音に混じって轟く雷鳴が鳴り響く中でライザーが懐から取り出した小さな箱状の物体。

それがゲームに波乱を生むことを其れを見ていたレイヴェルや準備をしているツルギ達も知らなかった。

 

 

一方でゲーム開始の深夜を前にオカ研の部室に集合し準備に取り掛かっているツルギ達。

 

アーシア

「き、緊張して来ました。一星さんは大丈夫ですか?」

一星

「だ、だ、大丈夫!全然、も、問題なしだよ?!ちょっと体が揺れてる気がするけど大したことじゃ無いよ!きっと武者震いだよねツルギ!」

ツルギ

「完全に緊張で震えてるだけだぞ一星。大丈夫だからアーシアも一星も深呼吸して落ち着け。」

 

緊張で震えてる2人の肩に手を置き交互に背中をさすりながら深呼吸を促すツルギに合わせる息を整える一星と横で同じ様に深呼吸するアーシア。

其れが終わると同時に入り口からソーナが入って来た。

 

ソーナ

「準備は万全のようですねリアス。其れにツルギ君も。」

リアス

「今回のゲームの中継係を引き受けてくれてありがとうソーナ。」

ソーナ

「気にしないで頂戴リアス。私は貴女の友人として今回のゲームを見届けなければいけないから・・・頑張って下さいリアス。ツルギ君もレイナーレさんやご家族の事は心配せずにゲームに集中して下さい。」

ツルギ

「ありがとうございますソーナ会長。ククル姉さん達の事はよろしくお願いします。」

ソーナ

「ええ。貴女達の勝利を信じています。」

 

今回のゲームをグレモリーとフェニックス両家や関係者への中継係を引き受けてくれているソーナに感謝の言葉を言うリアスに友人として気遣う言葉を掛ける。

ツルギからも中継室からゲームを見る事が出来るようになっている

ククルとシルヴァの2人とレイナーレ達3人の事をお願いしている事への感謝の言葉を聞き届けると健闘を祈る言葉と共に部室を後にするソーナ。

 

グレイフィア

「皆様。間も無くゲーム開始です。準備は宜しいですか?」

リアス

「準備は万全かしら皆んな?」

朱乃

「私は問題ありませんわ部長!」

木場

「此方も準備完了です!小猫ちゃんはどうだい?」

小猫

「バッチリです!いつでも行けます!」

アーシア

「私も!せ、精一杯頑張ります!」

一星

「全力全開!大丈夫です部長!」

リアス

「ツルギ・・・準備はいいかしら!」

 

全員の準備が完了した事を確認し力強く自分を呼ぶリアスの声にセイザブラスターを左腕に装着し、制服とは違う紅いカラーのロングコートを翻しながら立ち上がるツルギ。

 

ツルギ

「行きましょう部長!部長の未来を切り開く為に!」

リアス

「ええ!行きましょう!」

グレイフィア

「ではこの魔法陣の上にお乗り下さい。戦闘スペースへと転送致します。」

 

全員が魔法陣の上に立ちグレイフィアが両手をかざすと、魔法陣から光が溢れ転移の準備に入った。

 

グレイフィア

「リアス様。このゲームは魔王ルシファー様もご覧になっておりますが大丈夫ですか?」

リアス

「大丈夫よグレイフィア。私は逃げないわ!自分の心にも・・・そして、私自身の未来からも!」

グレイフィア

「・・・分かりました。ご武運をお祈りいたします!其れでは転送致します。」

 

光の輝きが頂点に達した瞬間。リアス達は光に包み込まれ部室から姿を消しゲームが行われる空間に転移した。

 

一星

「・・・あれ?失敗ですか?此処って部室ですよね部長?」

ツルギ

「いや違う。空を見てみろ一星。」

一星

「空?うわっ!!空が緑色だ!」

朱乃

「此処は異空間に作られた学園のレプリカですわ一星ちゃん。」

一星

「えぇ〜〜〜!!学園丸々コピーしたって事ですか!凄すぎませんか!」

 

一星が余りのスケールの大きさに驚いているとゲーム空間にグレイフィアの声が響き渡った。

 

グレイフィア

『皆様。このたび審判役を担う事になりましたグレモリー家の使用人のグレイフィアでございます。両陣営は転移された先が本陣となりリアス様は旧校舎のオカルト研究部の部室、ライザー様は新校舎の生徒会室となっております。ポーンの方はプロモーションする際は相手本陣周辺まで赴いて下さい。最後にサーゼクス・ルシファー様の名のもとに両家の奮戦を期待致します。』

ツルギ

「始まりましたね部長!」

リアス

「ええ・・・皆んなで必ず勝つわよ!先ずは勝つための戦略の練り上げからよ!」

全員

「「「「「「はい!部長!」」」」」」

 

こうしてライザーVSリアスの戦いの幕は切って落とされたのであった。

 

 

打ち合わせを終えたオカ研メンバーは最初に本陣周辺の森に罠を張り本陣に残ったリアスとアーシア以外のメンバーで此方に向かって来ているであろうライザーの眷属達を迎え撃つチームと、戦略の要となる盤面の中央に位置する体育館を確保する為のチームの2つに分かれ行動する事となった。

そして現在、体育館に向けて側の林の中を進みながら裏に回り込み体育館内に侵入を試みている一星と小猫とツルギの3人。

 

ツルギ

「此処までは見つからずに来れたが・・・どうやら既に何人かいるな。」

小猫

「はい。恐らく3人・・・いや、4人はいますね。」

一星

「私達が体育館に入った事は分かってるのかな?」

 

裏の用具室の中を進みながら壇上傍まで到着したツルギ達が中にいるライザーの眷属の大凡の数と侵入に勘付いたかを話していると。

 

??

「そこに居るのは分かってのよ!出て来なさいグレモリーの眷属さん達!」

ツルギ

「どうやら既に俺達に気づいている見たいだな!」

一星

「なら!下手に隠れるより此処は!

小猫

「はい!正面から堂々と行きましょう!」

 

壇上からツルギ達が姿を現わすとそこに居たのは以前ライザーがオカ研に来た時にツルギが助けたミラと、エメラルドグリーンの髪をした少し幼さが残るTシャツとスパッツ姿にチェーンソー持った双子と、チャイナドレスの様な服を着た中華風の出で立ちをした少女の合計4人のライザー眷属達がいた。

 

雪蘭

「私はルークの雪蘭!此方に来たのはルークにポーンとやっぱり・・・ライザー様を殴り飛ばした人間の男の3人見たいね。」

ネル

「私はポーンで姉のネルで〜す♪」

イル

「同じくポーンで妹のイルで〜す♪」

ネル・イル

「「双子の姉妹で〜す♪♪」」

ミラ

「・・・」

 

其々が自己紹介をする中・・・ツルギを無言で見つめるミラ。

 

一星

「あの子って確かツルギが部室で助けた女の子だよね。なんか迷いがある様な感じがするんだけど?」

小猫

「理由は分かりませんが・・・ツルギ先輩。彼女をお願いします。他の3人は私と一星先輩とで相手をしますから。」

ツルギ

「分かった。ルークと双子のポーン達は任せた!一星。油断せずに常に周りに神経を張り巡らせておくんだぞ!」

 

『オオカミキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

一星

「分かった!任せてよツルギ!私がポーンの双子ちゃん達を相手するからルークはお願いね小猫ちゃん。ブーステッドギア!」

 

『ブースト!!』

 

小猫

「分かりました。一星先輩も気をつけて下さいね。」

ツルギ

「それじゃあ・・・行くぞ2人とも!スターチェンジ!!」

 

ツルギの掛け声で一斉に分かれ其々の相手に向かって行く3人。

それに合わせて雪蘭達も武器を構えたりファイティングポーズをとって3人に向かって走り出した。

体育館中央で根を握り締め構えているミラの前にオオカミブルーに変身し着地するツルギ。

 

ツルギ

「確かミラって名前だったな・・・何を躊躇っている?何を迷っている?」

ミラ

「・・・お願いです。リタイアして下さい!」

ツルギ

「リタイアか・・・悪いが其れは出来ない!このゲームには部長の・・・リアスさんの夢が掛かっているんだ。其れに仲間が必死に戦っているのに俺が逃げ出すわけにはいかないからな!」

ミラ

「其れでも・・・其れでもお願いです!このゲームからリタイアして下さいお願いします!」

ツルギ

「何でそこまでして俺にリタイアして欲しいだ?」

 

構えていた根を握る腕を下ろし涙を流し泣きながらも理由を語るミラ。

 

ミラ

「私達はライザー様に拾われて今まで生きてこれました。ライザー様に捨てられたら私達は生きていけません!捨てられない為にはゲームで相手を倒して結果を残さないといけない!でも・・・でも私は貴方と戦いたくない!!こんなに弱くて!役立たずで!ライザー様にも体だけで側に置いて貰っている私を・・・貴方は身を呈して守ってくれた。あの時も会ったばかりなのに!赤の他人なのに!こんな私を守ってくれた。そんな優しい貴方と戦うことなんて私には出来ない!そんな事したく無い!!」

 

心の中に溜まった今までの苦しみを吐き出すように思うがままに叫ぶ悲痛な表情のミラを見る雪蘭達と一星達。

 

雪蘭

「ミラ・・・」

小猫

「其れが彼女がツルギ先輩と戦うのを躊躇う理由。」

雪蘭

「私達だってこの間の行動を見てあの人とは戦いたく無いけど・・・戦わなければ私達に居場所なんて無いのよ!」

ネル

「其れに勝たなかったら!」

イル

「ライザー様にお仕置きされる!」

ネル・イル

「「其れだけは絶対にイヤ!!」」

一星

「ライザーって本当にキング?この子達の話を聞く限りだとキングの器では無いと思うけど。」

 

ミラだけでなく雪蘭達も同じ様に苦しんでいた。

ミラの理由を聞き納得する小猫とライザーに呆れている一星、そしてミラに近付きながら言葉をかけるツルギ。

 

ツルギ

「君は自分が弱いと言っているけど・・・そんな事はないさ。誰かを思い遣り頭を下げる事が出来るのも立派な強さだ。君が今している事は簡単に出来る事じゃ無い。」

ミラ

「私が・・・強い?」

ツルギ

「そうだ。強さと言うものは単純に力や相手を屈服させる事じゃ無い・・・心無き力は破壊を生む暴力に他ならない。本当の強さと言うものには必ず優しさや大切な人を守りたいと言う強い心や想いが宿っている。だから俺の事を思って・・・俺を傷付けたくないからリタイアして欲しいと勇気を持って言ったミラの優しさが込もった言葉も強さの1つの形だ。」

ミラ

「私の・・・強さ。」

ツルギ

「だが此処は真剣勝負の場!俺には一緒に戦う仲間の為に!そして部長の夢を守る為にも戦う覚悟を持って此処にいる!ライザーは兎も角・・・ミラにも辛い時を一緒に支え合って来た仲間がいる筈だ!その仲間達が戦っているのに・・・戦うべき相手を前に自ら戦う意思を捨てるなど愚の骨頂!周りを見てみろ!」

ミラ

「え?」

 

ツルギの言葉にミラが顔を上げると・・・其処には其々が戦いながらも励ましの言葉を投げかけてくれている雪蘭達の姿だった。

 

雪蘭

「ミラ!この3人を相手にするには貴女の力が必要なのよ!」

ネル

「一緒に戦ってよミラ!」

イル

「それで負けたとしても!」

ネル・イル

「「誰もミラを責めたりなんてしないよ!」」

ミラ

「皆んな・・・ありがとう。ご迷惑をお掛けしました!未だ未だ未熟者の私ですけど全力で行きます!」

ツルギ

「そう来ないとな!行くぞミラ!!」

 

ミラの根とツルギのキュークローがぶつかり合い赤い火花が飛び散った。

 

 

雪蘭

「あのツルギって男・・・優しい上に真っ直ぐで良い男♪思っていた以上の奴みたいね!」

小猫

「ツルギ先輩が優しいのは納得しますが・・・良い男とはどう言い意味ですか!」

雪蘭

「私は唯思った事を正直に言っただけよ。さて・・・無駄話は終わり!此処からは本気で行くわよ!ハアァァァ!!」

小猫

「なら私も先輩との特訓の成果を披露します!!」

 

ルーク同士の重い一撃の拳と拳がぶつかり合い。

雪蘭の中国武術の独特の体捌きとルークの特徴が合わさった力によりしなる様に放たれる蹴りと、ツルギとの特訓で雪蘭のパワーを逆に利用し的確に重く鋭いカウンターを仕掛けて行く小猫。

 

ネル

「ねぇ〜イル?あのお兄さん凄くカッコ良かったよね♪」

イル

「うん!私お兄ちゃんの事・・・ふふふ♪」

一星

「何今の笑い!ツルギは私の幼馴染なんだから!変な事したら許さないよ!」

ネル

「ベェ〜〜〜!貴女には関係ないも〜ん♪」

イル

「そんな事言う貴女は!このチェーンソーで!」

ネル・イル

「「バラバラ♪バラバラ♪」」

一星

「てか!女の子がそんな物騒な物振り回して危ないでしょう!」

 

ツルギの事でネルとイルの姉妹のチェーンソーで追っかけ回されている一星。

 

各々が戦いをする中でツルギとミラの戦いは激しさを増していく。

 

ミラ

「てい!はっ!そこぉぉぉ!!」

ツルギ

「長物の武器の根を此処まで巧みに操って・・・クッ!しかも一定の距離を保ち反撃させにくくする上に技の威力も高い。戦ってみて分かった・・・やっぱり君は強いなミラ!」

ミラ

「不思議なんです!今まではこんな風に戦えなかったのに今ならもっといける気がする!!はあっ!せい!!」

 

ミラの根捌きはサソリオレンジになった時のツルギの槍捌きに引けを取らないほどに卓越していた。

現に放たれる突きや打撃の1つ1つの威力も強く長物の特有の長過ぎるが故の扱いにくさを感じさせない程の連続攻撃。

更には根の長と言うアドバンテージを活かしツルギを自分の懐に入らせない様に戦っていた。

 

ツルギ

「だが!俺も負けられないんだ!部長の為にも!!」

ミラ

「(隙が出来た!今なら!)たぁぁぁ!!」

ツルギ

「今だ!はぁぁぁっ!・・・でりあぁぁぁっ!!」

ミラ

「私の根を一撃で!」

 

距離を取り構えなおしたツルギの隙を見て全力の突きを放ったミラだったが、正面から根を掴まれ振り上げられたキュークローの一撃で真っ二つに叩き折られてしまった。

 

ツルギ

「ミラは無意識に狙う場所を目で追っている。其れを見極めれば対処出来る。はあぁぁぁ!!」

ミラ

「きゃあぁぁぁ!」

 

根を折られた事に驚いているミラの隙を見逃すツルギでは無い。

折った根を投げ捨てると一気に懐に入り中国武術にある発勁を放った。其れをもろに受け後ろに飛ばされるミラ。

 

ミラ

「未だ!あれ?足に力が・・・入らない!」

ツルギ

「悪いがミラの負けだ。ペース配分を考えずに攻撃し過ぎて体力が限界に達していたんだ。でも・・・いい勝負だった!」

ミラ

「ありがとうございます。さあ!此れは真剣勝負なんですから手加減なんてしたら駄目ですからね!」

ツルギ

「ああ。死力を尽くして戦うと決めた相手に手心を加えるのは侮辱になるからな。」

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「行くぞ!ルプスインパクト!」

 

全身全霊をかけて戦ったミラがキュークローからの一撃を受けて宙を舞う。だがミラの表情には全てを出し切って戦った為か・・・何処か晴れ晴れとしていた。

そして地面に叩きつけられる衝撃が来ると目を閉じるが、伝わって来た感覚は冷たく硬い地面では無く温かいツルギの腕の中でお姫様抱っこされている感覚だった。

 

ツルギ

「大丈夫かミラ?」

ミラ

「え?えええ〜?!あ、あの!だ、大丈夫ですから?!恥ずかしいので降ろ、降ろして下さい?!」

ツルギ

「立とおにも体力が無いんだから無理するな。他の3人も戦い終わったみたいだから其処まで連れて行くから捕まってるんだぞ。」

ミラ

「あ、ありがとうございます。」

 

ミラを抱き抱えたまま一星と小猫の元に戻ると其処には無事に勝利した2人と負けてしまった様だがミラを笑顔で迎える仲間の3人がいた。

 

雪蘭

「お疲れ様ミラ。負けちゃったわね私達。」

ネル

「ああ〜!お仕置きされるの嫌だな〜!」

イル

「仕方ないよお姉ちゃん。でも今までの中で1番のゲームだったと思うよ私♪」

ミラ

「皆んなごめんね。私・・・」

雪蘭

「何言ってるのよ!今日のミラは凄かったわよ!ネルとイルもそう思うでしょう!」

ネル・イル

「「うん!ミラ凄かった!」」

ミラ

「ありがとう皆んな♪」

 

仲間同士で互いの健闘を称え合うミラ達。

 

一星

「やったねツルギ!私も双子ちゃん達を相手に頑張ったよ!」

ツルギ

「未だゲームは始まったばかりなんだから一気意中してたらやられるぞ一星。」

小猫

「ツルギ先輩の言う通りです。未だ数では彼方が有利です。」

 

勝っても油断せずに気を引き締め直すツルギ達。

 

雪蘭

「ねぇ。確かツルギだったわよね?」

ツルギ

「ああ。如何した俺に何か用か?」

雪蘭

「ツルギのお陰で胸の中にあったしがらみが無くなってスッキリしたわ!ありがとう・・・唯、ライザー様には気おつけなさい!」

ツルギ

「如何いう事だ?」

 

雪蘭に言葉の意味を尋ねるツルギ。

 

雪蘭

「ライザー様のゲームのセンスはとても高いわ。今頃は私達とは別の眷属達を既に動かしているわ。其れに最近ライザー様はフェニックス家に招待した変な客人から何か奇妙な物を手に入れたって聞いたわ。」

一星

「変な客人に?」

小猫

「奇妙な物?」

雪蘭

「私にも分からないわ。唯・・・その客人を一度見た事があったけど不気味だわ。きっと何かあるわ今回のゲーム。」

ツルギ

「分かったが何故そんな事を対戦相手の俺に教える?何のメリットも無い上に下手をしてライザーに知られたら。」

 

ツルギが情報を提供してくれている事に疑問をいだき真意を聞こうとした時、グレイフィアのアナウンスが響いた。

 

グレイフィア

『ライザー様のポーン3名。ルーク1名。此処でリタイアです。』

雪蘭

「此処まで見たいね。さっきの答えだけど・・・私、あんたの事が気に入っちゃったのよ♪其れが答え♪」

ツルギ

「え?気に入った?」

ネル

「うん♪お兄さん優しくて凄くカッコ良かった!」

イル

「お兄ちゃんみたいな人が主人だったら良かったのにな〜♪」

ミラ

「こんな事言ったら変ですけど・・・頑張って下さい♪」

 

そう言うと4人は緑の光に包まれて3人の前から消えてしまった。

 

一星

「えっ?!あの子達はどこに行ったの!大丈夫?」

小猫

「大丈夫です一星先輩。リタイアした人達は救護室に強制転移させられるんです。」

ツルギ

「なら問題は無いな。」

リアス

『3人とも聞こえる?無事に勝つ事が出来たみたいで安心したわ。』

ツルギ

「部長。木場の方は如何ですか?」

リアス

『祐斗なら問題無いわ。きっと今頃・・・』

 

リアスが木場の近況を報告しようとした時にまたもグレイフィアのアナウンスが入った。

 

グレイフィア

『ライザー様のポーン3名。リタイアです。』

小猫

「祐斗先輩も大丈夫みたいですね。」

一星

「ツルギの作戦。上手くいったね!」

ツルギ

「如何やらそうみたいだな!」

 

ツルギが立案した作戦。それは・・・ツルギ達が雪蘭達に発見されたほんの少し前に遡る。

 

 

此処はリアス達の本陣裏の鬱蒼とした林の中・・・その中を進む3人の人影があった。

 

シュリヤー

「雪蘭の報告ではあの男は体育館の方に来たみたい。ならこっちは手薄の筈よ!」

マリオン

「こんなトラップで守れるなんて・・・本当に思っているのかしら?」

ビュレント

「見えたわ!あれが敵本陣ね!」

 

雪蘭からの報告を仲間に伝えてサンバの踊り手の様な服装をしているのはポーンのシュリヤー。

仕掛けられたトラップを破壊し作戦の拙さを指摘しているメイド服を着た女性はマリオン。

同じく少し胸元が開いたメイド服を着て林の中の旧校舎を発見したのはビュレント。

3人はリアス達の本陣に奇襲を仕掛け為に背後の林の中を進み漸く目的地を発見し走り出すが・・・

 

マリオン

「如何ゆう事?何故敵本陣が消えて?」

木場

「残念だったね・・・もう此処からは逃げられないよ。君達はうちのクイーンが張った結界の中にいるからね。」

ビュレント

「しまった!トラップに気を取られ過ぎて!」

木場

「人手不足は知恵で補わないとね。」

シュリヤー

「あのツルギって男も君も割とタイプだから余り言いたく無いけど・・・もしかして3体1で勝てると思ってる?」

木場

「3体1か・・・違うよ。正確に言えば・・・」

???

「3体2だ!」

 

背後から聞こえて来た声に3人が振り向くて・・・其処に居たのは。

 

マリオン

「嘘!な、何故!」

ビュレント

「そんな!何で此処にいるの?!」

シュリヤー

「貴方は確か雪蘭達の方にいる筈!」

ツルギ

「その通りだ!俺はキュータマの力で出現した言わば分身だからな。」

 

此処にいる筈のないツルギの正体はフタゴキュータマの力で出現したキューエナジーの分身体だったのだ。

ゲーム開始から林にトラップを仕掛け終えて2チーム別れる時に既にキュータマの力で分身体を作り木場と2人で奇襲してくるライザーの眷属達を待ち伏せていたのだ。

 

ツルギ

「木場!援護は俺に任せて正面の相手だけに集中しろ!」

木場

「なら背後は任せたよツルギ君!」

ツルギ

「ああ!任せろ!マワスライド!」

 

『テンビンキュータマ!セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ

「スターチェンジ!!」

 

新たに天秤が描かれた金色のキュータマをセットしスターチェンジするツルギ。

光が収まった中心にいたのはヘルメットが他より少し角張った形をして金色のアンダースーツに銀色のラインが入った救世主。

 

ツルギ

「トリックスター!テンビンゴールド!」

マリオン

「この間とは姿が違う!」

ビュレント

「その姿と言い分身体を生み出したり!」

シュリヤー

「貴方は本当に何者なのよ!」

 

ツルギはキューザウェポンをキュークロスボウにしながら、その銃口を向けて言い放った。

 

ツルギ

「天秤の支点が傾くのは・・・どちらかな?」





はい!第23話は如何でしたか?

ネルとイルに関して調べたのですがネルの方が姉と言うのを聞いたので書きましたが、間違っていたら教えて頂けると有り難いです。

そして最後にテンビンゴールドの登場です。活躍は次回に。

更に唐突ではありますが・・・カズミン!Vシネ化おめでとう!

Vシネ仮面ライダーグリス!とても楽しみです!

では次回の第24話でお会いしましょう!


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第24話 林の中での戦いと叱咤。新たに現る2人の救世主!

はい。長らくお待たせしました第24話です!

本当なら5月中に投稿する予定でしたが仕事の都合により遅れてしまい申し訳ありませんでした。

ルパパトが終わりリュウソウジャーがバリバリに大活躍しておりますね。私は個人的にバンバが好きですが皆さんは誰が好きですか?

ジオウはジオウトリニティが登場したり懐かしのアギト本人や元G3チームのオムロンも登場し、更には轟鬼に弟子だった京介が響鬼になったりと目白押しでしたね。

個人的には剣崎と始の戦いの運命に決着が付いたことが1番喜ばしかったです。

今回はキュータマの分身達が出るのでツルギと分身達が被るところには番号を振りましたので宜しくお願い致します。

では第24話をどうぞ!


第24話 林の中での戦いと叱咤。新たに現る2人の救世主!

 

 

ツルギ

「勝利の天秤・・・その支点が傾くのは・・・どちらかな?」

マリオン

「私達が勝つに決まっているわ!」

木場

「其れは如何かな?あまり僕達を見くびって貰っては困るな!」

シュリヤー

「其処の救世主さんが強いと言っても其方は2人に対しては此方は3人。其れに雪蘭達なら直ぐに貴方達の仲間を倒して此方に向かって来る筈よ。」

ツルギ

「戦いは数だけが勝敗を左右する訳じゃない。其れに一星達は・・・必ず勝つ!」

 

『キュークロスボウ』

 

両手を天秤の皿の様に揺らしていたツルギは剣を構える木場の隣に並び立ち、キューザウェポンのパーツを頭上に放り投げながらキューショットを取り出し銃口を上に向けた。

そしてビュレントの言葉で3人が構えツルギが一星達の勝利を断言すると、落ちて来たパーツがキューショットに合体しキュークロスボウとなった。

 

ビュレント

「時間は掛けたらこっちが不利になるわ・・・3人がかりで一気に倒すわよ!」

マリオン

「分かったわ。」

シュリヤー

「OK!」

ツルギ

「行くぜ木場!俺たち2人の力・・・見せてやろうぜ!」

木場

「ああ!コンビネーションで行くよツルギ君!」

 

木場の背後に続く様に駆け出すツルギ。

3人が放つ別々の軌道をする無数の魔力弾が2人を仕留めるために迫り来るが激しい攻撃の中を全く止まる事なく突き進んで行く2人。

正面からの魔力弾は木場の卓越した剣技によって全て両断され、背後や側面からの攻撃はツルギの広い視野と瞬時な判断力でキュークロスボウとセイザブラスターによって全て撃ち落とされていた。

 

シュリヤー

「此れだけの数の魔力攻撃を掻い潜って来るなてあり得ない!」

ビュレント

「相手はたったの2人なのに!何で・・・何で当たらないのよ!!」

 

互いが互いの死角をフォローし合い攻撃を全く寄せ付けない動きと実力を目の当たりにし、シュリヤーとビュレントは畏怖してしまい動きが止まってしまった。

 

ツルギ

「戦いの最中での恐れや迷いは隙を生む!其れでは足元をすくわれるだけだ!!」

 

『イテキュータマ!ギャラクシー!』

 

ツルギ

「降り注げ!射手の星屑達よ!」

 

ツルギはマリオン達が動揺した隙にバックルから取り出したイテキュータマをセイザブラスターにセットし上空に向け引鉄を引いた。

銃口から放たれた光が上空に射手座を映し出し其処から無数のキューエナジーの矢が呆然とする2人目掛け地面に打ち付ける豪雨の様に激しく降りそそいだ。

 

マリオン

「シュリヤー!ビュレント!」

シュリヤー・ビュレント

「「ハッ!!」」

 

直撃する寸前の所でマリオンの言葉で何とか回避しダメージを負わなかった2人だが、先程まで開いていたツルギ達との距離は完全に詰められてしまっていた。

 

シュリヤー

「強い!近付かれると厄介だから距離を置いて戦いたかったのに其れを一瞬で。」

ツルギ

「さっきの一瞬の隙がこの結果だ。戦いの最中は思考を止めるな!そして己を見失うな!」

ビュレント

「大きなお世話よ!敵のあんたに言われたく無いわ!」

マリオン

「冷静になってビュレント。焦りは禁物よ。」

 

マリオンの言葉で冷静さを取り戻したビュレントが頷くと3人はツルギ達から一定の距離と間隔を開けて円形になる様に取り囲み始めた。

ツルギと木場も3人から目を離さない様に背中合わせになり互いに構え合う。

 

木場

「ツルギ君。」

ツルギ

「油断するな木場。何を仕掛けて来るか分からないぞ。」

マリオン

「(これ以上時間を掛けてはライザー様に・・・)ビュレント!シュリヤー!時間が無い仕掛けるわ!」

ツルギ

「!!」

ビュレント

「マリオン!」

シュリヤー

「無茶よ!」

 

焦るマリオンは2人の制止も聞かずツルギに向かって策もなく闇雲に突っ込んで来た。

 

ツルギ

「この!!」

木場

「ツルギ君?」

ツルギ

「この・・・馬鹿野郎!!」

 

マリオンの無謀な行動に握り締めていた手を動かしセイザブラスターからテンビンキュータマを取り外すと、キュークロスボウにセットし向かって来ているマリオンに向けて銃口を向けるツルギ・・・そして。

 

『ギャラクシー!』

 

ツルギ

「リブラインパクト!!」

マリオン

「ハッ?!キャアァァァ!!」

 

技名と共に引鉄が引かれキューエナジーの矢のような一撃が一直線にマリオンに迫る。

その迫り来る力の奔流に飲み込まれる死への恐怖で目を瞑り体を貫かれ痛みが来る事に身構えていた。

 

マリオン

「・・・えっ?」

 

だが、ツルギの放った一撃はマリオンの横を通過し後ろの林に当たる直前に光となって消えた。

変身を解除したツルギは腰が抜け地面にへたり込んでしまっているマリオンに近づくと・・・

 

『パシンッ!!』

 

彼女の頬を平手で叩いた。

 

マリオン

「な、何をするんですかイキナリ!」

ツルギ

「何故あんな無謀な事をした!仲間の制止も聞かずに!此れがリタイアが通じるゲームで無い戦い・・・実戦で尚且つ俺が当てていたら確実に命を落としていたぞ!」

マリオン

「貴方には関係ありません!私達は結果を出さなければいけないんです!結果こそが私達の全て!役に立つポーンであると言う事を証明出来なければ私達は生きている意味なんてない!存在証明の為なら・・・私の命なんて!!」

ツルギ

「結果なんて関係ない!ライザーのポーンである以前に君は君はだ!此の世に生を受けた1人の・・・他の誰でも無い掛け替えのない存在だ!だから自分の・・・自分の命を軽んじるな!!」

 

ツルギの思いの丈を込めた少し悲痛さを感じさせる叫びにマリオンだけでなく木場も剣を下ろしツルギの言葉を聞いていた。

 

マリオン

「私は・・・私!」

ツルギ

「命は力だ!この世界を・・・そして宇宙すらも支えている奇跡であり希望だ!その命は簡単に失なわれてはいけ無い・・・君の代わりになる存在は此の世には決していない!周りをよく見ろ・・・心配している仲間が側にいるだろ。」

マリオン

「な、仲間・・・」

シュリヤー

「マリオン!良かった!」

マリオン

「シュ、シュリヤー!何も抱き付かなくても!」

ビュレント

「私に”焦りは禁物“って言ったくせに無茶し過ぎよ・・・心配したんだから。」

マリオン

「ビュレント・・・ごめんなさい心配をかけて。」

 

ツルギが言葉を一区切りした時。走り寄り強く抱き締めている事を止めるように言われても仲間が無事だった事の喜びから離れようとしないシュリヤーと、少しぶっきら棒ながらも無事な事に安堵した言葉を投げかけるビュレントに謝るマリオン。

3人が話す中でツルギは側に来ていた木場に向けて謝罪の為に頭を下げる。

 

ツルギ

「すまない木場。ゲームに勝って部長の夢を守ると約束したのに・・・俺にはどうしても彼女を撃つ事が出来なかった。自分で・・・自分自身の存在を否定する悲痛な彼女のことを。」

木場

「その優しさこそがツルギ君の良いところであり強さだと僕は思う・・・だから気にしなくて良いよ。きっと部長や他の皆んなも同じことを言う筈だよ。」

ツルギ

「ありがとうな木場・・・さっきは叩いて済まなかったマリオン。でも此れだけは言っておく。自分自身を見失うな!少なくとも君の周りは・・・君の事をライザーのポーンとしてでは無く1人のマリオンとして・・・大切な仲間として君を向き合ってくれている。仲間を・・・そして自分自身を信じろ!」

マリオン

「自分を・・・信じる。」

ツルギ

「そうすれば必ず見える。本当の自分が・・・己の望む未来が!」

シュリヤー

「本当の・・・自分・・・」

ビュレント

「望む・・・未来。」

 

ツルギの投げかけられる言葉を口にする3人。

 

ツルギ

「戦いの最中に本当に済まなかった。此処からは仕切り直して・・・本気で行く!」

 

キュークロスボウを構え直し改めてマリオン達との勝負を再開しょうとするツルギ、3人も互いに確認し頷き合い攻撃して来る・・・と、思ったが。

 

マリオン

「私は此処でリタイアします。」

 

マリオンからの返ってきた返事はまさかのリタイア宣言だった。

 

木場

「どう言う事だい?リタイアする程のダメージは受けてない筈だけど?」

ビュレント

「元々このゲームに反対だったのよ私達は、でもライザー様の眷属である私達は逆らえ無いから参加してたけど・・・兎に角、私もリタイアするわ。」

シュリヤー

「私もリタイア!あんなに変わってしまったライザー様にはこれ以上付いていけ無いわ。其れに貴方達2人・・・と・く・に♪ツルギの事はさっきの事でますます気に入っちゃったしね♡」

 

ライザーの眷属の扱いに嫌気がさしているビュレントも、ライザーの現状に愛想が尽きてしまっているシュリヤーもツルギにウィンクしながらリタイアを宣言。すると・・・

 

グレイフィア

『ライザー様のポーン3名。ルーク1名。此処でリタイアです。』

マリオン

「雪蘭達も負けてしまった見たいですね。」

ツルギ

「俺の方にも本体から情報が伝わって来た・・・良いのか本当にリタイアして?ミラ達は戦ってリタイアしたが、戦わずにリタイアしたらライザーから何をされるかは分からないぞ?」

 

グレイフィアのアナウンスを聞きながら分身体のツルギは本体から伝わって来ていたライザーの情報で、マリオン達がこのままリタイアしたら酷い羞恥を受けるのではと心配していた。

 

マリオン

「そうかも知れません。でも・・・後悔はしていません。このリタイアは他の誰でも無い・・・私自身の意思です。」

ツルギ

「・・・そうか・・・其れがマリオンの意思なら。あっ!そう言えば仲間じゃ無いのに気安く名前を呼ぶのは失礼だな。すまない。」

マリオン

「あ、あの!私は気にしてませんから・・・マリオンと名前で呼んで下さい。」

ビュレント

「わ、私の事もビュレントって名前で呼んで良いわよ!」

シュリヤー

「素直じゃ無いわよね〜ビュレントは。私の事はシュリヤーと呼んでちょうだいツルギ♪」

ツルギ

「分かった。ならそう呼ばせてもらう・・・マリオン。ビュレント。シュリヤー。もし俺の存在が必要な時は・・・」

 

発しようとしている言葉を聞き逃さないように、しっかりとその瞳を見据える3人にツルギが言葉を紡ぐ。

 

ツルギ

「俺を呼べ。必ず・・・必ず駆け付ける!約束だ。」

マリオン

「(迷いの無い・・・真っ直ぐで何処までも優しくて・・・力強い瞳!)」

シュリヤー

「(相手を屈服させるだけの力とは違う。誰かの為の本当の・・・強さを持っていて。)」

ビュレント

「(今まで出会ったどの男にも当てはまらない男・・・炎・・・ツルギ。)」

ツルギ

「3人共?ぼうっとしてるが・・・大丈夫か?」

マリオン

「ハッ!アッ?!大、大丈夫。大丈夫です!!」

ツルギ

「そうか?なら大丈夫か。」

 

ツルギの言葉にハッとして見とれていたことを誤魔化す様に返事をするマリオン。

 

ビュレント

「良く其処までハッキリ言えるわね。でも・・・あ、ありがとう。あんたの言葉・・・お、覚えておくわ!」

シュリヤー

「本当に良い男ねツルギは、今の言葉で思わず胸がキュンとしちゃった♪その時は頼りにさせて貰うはツ・ル・ギ♡」

マリオン

「貴方のお陰で少し見えた気がします。自分なりの在り方を・・・本当にありがとうございました。頑張って下さい・・・ツルギさん♪」

ツルギ

「ありがとうマリオン。シュリヤーもビュレントもな。」

グレイフィア

『ライザー様のポーン3名。リタイアです。』

 

其々が自分なりの感謝を伝え。その思いを確りと受け止める事が出来たツルギが感謝の言葉を返すと、ちょうどグレイフィアのアナウンスが入り3人はゲームからリタイアし会場からジャンプさせられた。

 

ツルギ

「少しは3人の助けになる事が出来た・・・かな?」

木場

「僕の目には彼女達の瞳から迷いは消えた様に見えたよツルギ君。」

ツルギ

「木場・・・ありがとうな。良し!残りは半分。一星達との合流場所に向かうぞ木場!」

木場

「相手も直ぐに動き出す筈だ。急ごうツルギ君!」

 

木場からの励ましで気持ちを切り替えたツルギは、ゲーム開始前の作戦通りに体育館に別れた一星達との合流の為に林の中を駆け出して行くのであった。

 

 

場所と時間は変わり・・・マリオン達がリタイアした事のアナウンスを聞いていた一星達は。

 

ツルギ

「ちょうど分身体の俺から合流場所に移動を始めたと連絡が来た。俺達も移動するぞ2人共。」

一星

「OKツルギ!この調子でどんどん行っちゃおう!!」

小猫

「油断は禁物ですよ一星先輩。まだゲームは始まったばかりですから気を抜かず慎重に行・「小猫ちゃん!避けろ!!」えっ?!(ドッカン!!)」

一星

「小猫ちゃん!!」

 

移動を開始し少し油断している一星を小猫がたしなめている時にツルギの叫けびが耳に入った瞬間!突然彼女の足元に現れた魔法陣が大爆発した。

爆発によって怪我をし吹き飛んでしまった小猫の元に駆け寄り彼女を抱き抱えるツルギ。

 

ツルギ

「小猫ちゃん!小猫ちゃん!大丈夫か?!しっかりしろ!!」

ユーベルーナ

「先ずは1人・・・撃破!」

一星

「ライザーのクィーン!!其処から降りて来い!私があんたを倒してやる!」

小猫

「うっ・・・ツルギ先、先輩。」

ツルギ

「小猫ちゃん!直ぐにアーシアを呼ぶから後少し我慢してくれ!」

小猫

「す、すいません。折角ツルギ先輩に・・・鍛えて貰ったのに・・・其れを発揮・・・出来ないまま・・・最後まで戦えずにすいません・・・後は、お願い・・・します。」

グレイフィア

『リアス様のルーク1名。リタイアです。』

ツルギ

「小猫ちゃん!!」

 

ユーベルーナの攻撃で意識が薄れていく中で小猫は涙ながらにツルギに対して謝罪の言葉を紡いでいた。

仲間を残してリタイアしてしまう悔しさや自分達の為に特訓をしてくれたツルギに対して何も出来なかった事への申し訳ない気持ちで一杯になって涙が止まらなくなってしまっていた。

そして最後の言葉を残しながらグレイフィアのアナウンスが終わった瞬間に光に包まれ目の前から消える小猫の名を叫ぶツルギ。

 

ユーベルーナ

「残りはポーンと救世主さんが1人ずつ・・・此れも勝つ為・・・貴方達は此処で私が倒します!」

一星

「上等!!私とツルギとで返り討ちにしてやる!ツルギ行くよ!」

朱乃

「落ち着きなさい一星ちゃん!此処で切り札である貴女とツルギ君を失う訳には行きません。だから・・・彼女の相手は私が引き受けますわ!」

 

其処に上空から悪魔の翼を広げ巫女服姿の朱乃が降りてきた。

 

一星

「朱乃さん!でも!!」

朱乃

「私なら心配いりませんわ。必ず小猫ちゃんの仇を取って直ぐに合流しますから・・・ツルギ君。一星ちゃんを連れて早く行きなさい!」

ツルギ

「分かりました朱乃さん・・・此処は朱乃さんに任せて木場と合流する・・・行くぞ一星!!」

一星

「ツ、ツルギ・・・すいません朱乃さん。此処はお願いします!!」

 

此処で感情に任せて戦ってしまっては当初の作戦が崩れてしまい下手をすればゲームの勝敗が大きく傾いてしまい更には、合流場所に向かっている木場や無念に倒れてしまった小猫の頑張りまでもが無駄になってしまう。

其れが分かっているツルギは自分自身がユーベルーナを倒したい気持ちを抑え朱乃が存分に戦えるように敢えてキツくハッキリとした言葉を一星に飛ばし走り出した。

ツルギの辛さも朱乃の本音も理解した一星も朱乃に後を託しツルギの後を追いこの場から姿を消した。

 

朱乃

「貴女の相手は私が務めます。クィーン・・・いえ。爆弾王妃さんとお呼びすべきですか?」

ユーベルーナ

「その呼び方はやめて頂けますか。雷の巫女さん!」

 

両手から雷をほとばしらせる朱乃と杖を構え臨戦態勢のユーベルーナ・・・2人の戦いは始まる前から既に苛烈を極めていた。

 

 

一星

「ツルギ。朱乃さんは大丈夫だよね?」

ツルギ

「当たり前だろ!朱乃さんは俺達オカ研の無敵の副部長だぞ。だから必ず勝つ!俺達は朱乃さんを信じて自分達の戦いに集中するだ!」

一星

「そうだよね・・・うん!私も信じる!朱乃さんなら絶対に負けな・・・(ポン)うわっ!!」

木場

「僕だよ一星さん。早く中に入って。」

一星

「ビックリした〜ビックリし過ぎて心臓が飛び出るかと思ったよ!」

ツルギ分身

「ビックリし過ぎだろ。まあ〜イキナリ無言で肩を叩いた俺達も悪いが。」

木場

「兎に角。無事に合流出来て安心したよ。」

 

朱乃の事を話していた一星とツルギは無事に合流場所の校庭の近くの倉庫に先に到着していた木場と分身体のツルギと合流し一先ず状況確認の為に分身体を消して倉庫の中に身を潜めた。

 

木場

「小猫ちゃんは残念だったね。」

ツルギ

「ああ、悔しいって言ってたよ。特訓の時に必死に食らいついて来た一星と同じぐらい一生懸命だったから・・・すまなかった木場、一星。俺がもっと早く気付いてたら。」

一星

「ツルギが悪いんじゃない!そんな風にウジウジしてたら私達に後を託した小猫ちゃんが怒るよ!まだゲームは終わってない・・・絶対に勝つんだよ!!私達全員で!」

リアス

『よく言ったわ一星!』

ツルギ

「部長!」

 

一星が自分の思いをツルギにぶつけた時にリアスからの通信が入ってきた。

 

リアス

『一星の言う通りよツルギ。全員で必ず勝つ!私達の思いは皆んな同じ・・・其れは小猫だってそう。何も出来ずに見ている事は確かに辛いし悔しく。でも小猫は私達の勝利を信じているからこそ貴方に”後はお願いします“と言ったのよ。』

ツルギ

「部長・・・」

リアス

『なら私達の目指すものはたった1つ・・・勝利する事だけよ!小猫の分も。そして特訓に付き合ってくれたククル達やレイナーレ達の分もね。そうでしょう・・・ツルギ?』

ツルギ

「そうですね・・・小猫ちゃんの思いも一緒に・・・勝つ!唯それだけ!ですよぬ部長!」

リアス

『そう!それでこそツルギだわ!悩んでる姿なんて貴方には似合わないわ・・・改めて作戦を立て直すわ。少し危険かも知れないけど私に考えがあるわ。貴方達は・・・』

 

リアスから告げられた作戦は正に大胆不敵と言っても差支えない物だった。

 

ツルギ

「出て来いライザーの眷族達!!お前達が戦うべき相手は此処にいるぞ!!」

木場

「ライザー眷族のナイト達!同じナイトとして剣を交える切り結ぶ事を僕は所望する!」

一星

「私達3人が相手だ!全員まとめてかかって来い!」

 

リアスの考えた作戦・・・アーシアを連れたリアスがライザー本陣に奇襲をかけると言う大胆かつ豪快な戦術の為に出来るだけ多くの眷族の注意を引く為に目立つ行動と言葉を放つツルギ達3人。すると・・・

 

カーラマイン

「正面から堂々と出てくるとはお前達のような戦士がいてくれて本当に嬉しいぞ!私はお前達のような馬鹿が大好きだ!」

シーリス

「それに釣られて出て行くお前も馬鹿だとは思うが、私もそろそろ剣を振るいたいと思っていた所だ!」

レイヴェル

「カーラマインたら相変わらず頭の中は剣の事で一杯なんだから。」

イザベラ

「丁度良い。全員まとめて相手をするには好都合だ。ニィ!リィ!其れに美南風!あの男は非常に厄介な男だ・・・油断はしないようにな。」

美南風

「分かりました。援護はお任せ下さい!」

ニィ・リィ

「「了解〜にゃ!」」

 

どうやら作戦通りに残り眷族のほぼ全員が校庭に集まったよだ。

 

ツルギ

「どうやら作戦は上手く行ったみたいだな。木場!一星!此処が正念場だぞ・・・遅れるなよ!!」

木場

「勿論さ!準備は良いかい一星さん!」

一星

「バッチリだよ木場!行くぞ!ブーステッドーーー!!ギアーーーーーー!!!」

 

『ブースト!!』

 

レイヴェル

「申し訳ありませんが、私は戦いませんのでよろしくお願い致します。」

一星

「えっ?貴女もライザーの眷族でしょう?何で戦わないんだよ?!」

イザベラ

「私が説明する。此方の方はライザー様の妹君であられるレイヴェル・フェニックス様だ。」

一星

「えぇ?!ライザーの妹!嘘!マシで!!」

イザベラ

「今回のゲームには数合わせである参加せれていらっしゃるだけだ。」

レイヴェル

「ですから私の事は気にしないで頂いて結構ですわ。」

 

レイヴェルはそう言うと背中から炎の翼を広げ上空に舞い上がった。

 

イザベラ

「そう言うわけだ。お前達3人の相手は我々6人が相手をする!」

一星

「ツルギ如何する?相手はこっちの倍の数だぜ?」

木場

「ナイト2人も中々の手練れだと思うよ。」

ツルギ

「なら・・・俺も・・・本気を見せるか!!」

 

『フタゴキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!』

 

そう言うとツルギはフタゴキュータマを取り出し再び分身体を出現させた。

 

カーラマイン

「分身しただと!一体何をする気だ?」

シーリス

「迂闊に飛び込むのは危険だ。あの男がやる事は予測が出来ないからな。」

美南風

「イザベラを一瞬で眠らせた動きから只者でない事は十分に分かっていますからね。」

 

ツルギの事を警戒して様子を伺うライザー眷族達。

 

ツルギ

「もう一回だ!」

 

『フタゴキュータマ!セ・イ・ザ・アタック!」』

 

イザベラ

「更に分身体を出して来た?次々に分身体を生み出して数の差を埋める気か?」

ニィ

「いくら分身したって!」

リィ

「私達のコンビネーションで!」

ニィ・リィ

「「チョチョイのチョイ〜にぁ!」」

レイヴェル

「頭数を揃えた程度で勝てると思っている・・・いえ。リアス様が認めになっている彼が何の策もなく力を使うとは思えないけど・・・本当に何をする気なの彼は?」

 

ゲーム開始前からリアスだけでなく一星達の事も視野に入れていたレイヴェル。況してやツルギの存在を1番警戒してはいたが・・・其れでも彼が何を仕掛けてくるのか分からないでいるレイヴェルだったが、次に取ったツルギの行動に驚きを隠せずにいた。

 

レイヴェル

「アレは?以前に変身した時に使っていた物と同じ輝きを放つ物・・・違う!あの時とは色彩も模様も違う!!まさか・・・!」

ツルギ

「行くぞ!」

ツルギ2

「星々の輝き!」

ツルギ3

「その目に刻め!」

ツルギ全員

「「「マワスライド!!」」」

 

『オウシキュータマ!』

 

『ヘビツカイキュータマ!』

 

『コグマキュータマ!』

 

『セ・イ・ザ・チェンジ!』

 

ツルギ全員

「「「スターチェンジ!!」」」

 

3人のツルギが一斉にチェンジキュータマがセットされたブラスターをいつもの様に回しスターチェンジの掛け声と共にトリガーが引かれ眩い光が当たり一面包み込んだ。

そして光が収まった中央には以前の特訓時に変身した姿とは違う新たな救世主2人が姿を現していた。

 

ツルギ

「リングスター!オウシブラック!」

ツルギ2

「サイレントスター!ヘビツカイシルバー!」

ツルギ3

「ビッグスター!コグマスカイブルー!」

 

1人は言わずもがな牡牛座の救世主のオウシブラック。

 

2人目は銀色のアンダースーツを身に纏い顔にはトグロを巻いた様な蛇のフェイスをした長身の蛇使い座の救世主。ヘビツカイシルバー。

 

3人目は他の2人と比べたら小柄だが青空の様なスカイブルーのアンダースーツにマフラーを棚引かせ顔には口を開けた様なフェイスをした小熊座の救世主。コグマスカイブルー。

 

3人の救世主が今この場に並び立った。

 

ツルギ

「猛牛のパワー!阻む物なし!」

ツルギ分身1

「蛇の邪眼!その睨みが敵を貫く!」

ツルギ分身2

「小熊なれど!大きな志をこの胸に!」

 

ゲームはいよいよ佳境に差し掛かり出した。

 

果たして勝利の女神は何方に微笑むのか!

 

 




はい。第24話は如何でしたか?

今回で未だ登場していないキュウレンジャーは後2人になりました。
残りのキュウレンジャーも後少したら登場しますので暫しお待ち下さい。

近々また新しい戦隊×ハイスクールd×d の作品を投稿しようと考えております。次は複数の戦隊コラボでズバリ恐竜がテーマです。

では次回の第25話でお会いしましょう!


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