よまわりさんって戦えるっけ。 (銀ちゃんというもの)
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戦う方法考えます!編
主人公、転生する


眠い・・・


 ここは神が人を選別するところ。

 閻魔が決めた後に最終チェックを行う場所。

 今、転生のために神の前に送られてきた少女がいるのだが……。

 

「……目覚めよ」

 

 テンプレ通りに少女を起こす神様……だが。

 

「うっうーん、何あれ、わああお菓子がいっぱいだあむにゃむにゃ」

「めざめよ……」

「スー」

「めざめよ!」

「はっ」

「うむ、起きたか閻魔から聞かされてると思うg……」

「はっは! スーむにゃむにゃ」

 

 気絶したまま起きてくれないのだ。

 一応神様にも非がある、あるのだ。気絶させずに普通につれてくればいいものを「……目覚めよ」とかいうかっこいい演出をやりたいがために気絶した状態で連れてきてもらったのだ。そのためこの少女を怒ることができない

 だがいい加減疲れてきて……。

 

「おーきーろー!」

 

 怒った。

 神の怒りという名称にも恥じない天地を揺るがす大声で。

 

「うっんんあれ、お菓子の国じゃなくて……閻魔様が転生が何とか言って

 担当の神様のとこに送るとか言ってたからここは神様の部屋?」

 

 そこまでしてやっと起きる少女。

 

「そうじゃ」

「え? おかしいなー神様とか言ったらロリっ娘なイメージがあったんだけど典型的な髭の神様がいるような……

 うんきっとあれは使い的な奴だよねそうだ! きっとそうだそうと決まったら

 話しかけてみようかな! あ、でも人と話すの怖いなぁというか考えるだけで震えがぁ」

 

 普通先ほどの大声で震えが止まらなくなるものなのだが対人恐怖症なこの少女は会話することにおびえている様子。

 

「おーい」

「あわわわ、話しかけられちゃったよどうしようどう答えよう……。

 うん、大丈夫! うん、あれは使いの人だからきっと優しいよ、私! 

 頑張れいけるよし話しかけてみよう。

 ハイ、ナンデスカ」

「儂は使いではない! 君らの言うところの神じゃ間違えるでないぞ。

 あと緊張しすぎじゃ」

「あわわわ、話し方が変になっちゃったぁ

 うん? 今あの人が神って……

 ええええええええええええ???!?!?!」

 

 ………………。

 っと吹き出しが出そうな顔をする神様。

 これ以上話していてもこの少女が驚いたり震えたりで話が進みそうにないと判断した神様は一気に用事を話して転生先に「ぽいっ」っとぶん投げることにした。

 

「驚きすぎじゃぁ聞け、落ち着け、な? このままじゃ時間が過ぎていくだけじゃ。

 まず聞いておると思うがお主は記憶を持ちながら転生できることとなった。理解できとるな? 

 そして、儂がお主の記憶から面白そうと思ったキャラにお主を変える。

 転生先の世界は支配しとる神がおるが「面白そうなのでいいです」とのことなので安心しておくれ。

 わかったな? 何か質問とかはあるか?」

 

 会話することに震える少女に質問を求めるなんて意味があるのかはわからないが一応質問する神様。

 

「えと、無いです。ご説明ありがとうございましちゃっ!」

 

 それに対して無い、と答えるだけで盛大に噛む少女はもう無視することにしてもう転生先にぶん投げちまおうと思った神様。

 

「緊張しすぎじゃぞ、それでは頑張ってくるのじゃ。

 そちらに行けばなんとなくできることがわかると思うからな」

 

 適当になんとなくでできることがわかると言葉を一方的に投げ何らかの術を発動する。

 

 少女の地面で青く光る四角が丸が三角が現れ、魔法陣のような何かに組み込まれていく、そうしてコミュ障の少女が天へと浮き上がっていった。

 

 少女は思いました。確かにわかりやすいけど自分がコミュ障なのを考慮して質問せずに、少しくらい向こうの世界のこと教えてくれたらよかったのに、と。




間違えがなければいいと思います。
あと転生神様はもう出てこないと思われます。
次回からは少女視点となります。
次回があればですが。


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よまわりさん、スキルを乱獲する

主人公のチート度が無からどんどん増えてきます。


 ………………。

 

 うう、ふわぁ着いたみたい……ひどい目にあった。

 

 そう、ひどい目にあったのだ

 具体的に言うと魔法陣で飛び上がった末に唐突に落下したり浮き上がったり平行移動したりして酔いながらここにきたのだ。

 

 あの神様も冷静になってみればそんな説明もなしに飛ばしやがった。

 何が質問はある? だ、おおありだよ! あの神様、神様なんだからどうせ私がコミュ障なの知ってるんだろうしそのうえでなぜ質問したし! そこら辺考えてくれてもいいじゃんか。

 ……まあ、考えていても埒が明かないしこの体不思議な感じだし不安だからとりあえず一言話してみようかな。

 

「———」

 

 っえ声が出ない! どういうこっちゃ声が出ないキャラってことなのかな? 

 体見てみよっと。

 はっ、黒い……でもこれだけじゃよくわからないなでも決定したのは人外だということだなぁ。

 近くに水ないかな……ってここ洞窟じゃんなんで今まで気づかなかったんだろ? 

 妙に視界が明るかったからかなあ、なんでだろ? まあそれも水を覗き込めば一発でわかるよね。

 なんか腕が増えてる感覚も気のせいだよね……。

 うん、とりあえず歩いてみよう。

 

 そうして歩くとずりずり、ずず、ごりっと奇妙な音が聞こえてくる。

 

 は? いっ今起こったことを説明するぜ! 私は普通に歩こうとした、それだけだそれだけなのによくわからない音が、わっ私も何言ってるかわかんないけどそのようなんだ。

 声が出ない、黒い、動いた時の音、腕が何本かあるようなというか触手のような感覚一つしか思いつかないぞオカシイな私の知ってるキャラだけども! 確かに知ってるけども! いやまだチャンスはあるあそこに水が滴ってるところがあるんだ覗きにいかねばぁ! 

 

 ………………あっ危ない驚きすぎて今私一瞬気絶したぞ。

 いやそんなことはどうでもいい一番大事なのは今水に映った私の顔だ。

 白く丸く横線が入った仮面だった。

 なんだろう、一回あの神殴りたくなってきた。

 

 マジかよ、よりによって転生して憑依したのがよまわりさん、とか聞いてないぞ。

 あの時勇気を振り絞ってきいときゃ良かった「転生先の体はなんですか?」って。

 はぁ……。

 

 うん? いやまてよ、よまわりさんってことは夜遊びしてる子供を攫うのが仕事? だったよな……。

 つまり、合法的に、幼女を攫えるというわけ……。

 って踏みとどまれ私、それ犯罪だから、危ない危ない危うく罪を犯しかけた。あぶなかった。

 でもまあそういうことだよな、そういうことだ。

 

 どういうことだよ、と聞こえた気がした。

 

 まあとにかく元気になったし異世界物と言ったらチートだよな! 

 私、わくわくすっぞ! 

 っとその前によまわりさんの袋を確認してみよう。

 なにが入ってるのか前々から不思議で仕方がなかったからね。

 

 ~よまわりさん確認中~

 

 ………………もう中見たくない。

 結論から言うと闇だった。

 まるでブラックホールのようで触手? を突っ込む気にもなれなかったよ。

 

 気を取り直して次、鑑定さんだ! チートと言ったらこれだよね! ゲットできないかな? 

 

《スキルポイントが不足しています》

 

 おっ今ので二つわかったことがある、この世界にスキルがあるのとスキルポイントとやらがあるということだ。確かに鑑定がゲットできないのは悔しいけどそれなりに収穫はあった。

 って何私頭よさげなこと言っちゃってるんだ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『暗視LV1』が『暗視LV2』になりました》

 

 なっナイスタイミング! これでこの世界について分かったことは、スキルがある、スキルポイントがある、熟練度がある、自分は少なくとも暗視というスキルを持っていた。ということだね、おそらくだけどこの熟練度というのは、スキルを手に入れるためにもあると思うんだ。

 例えば演算処理みたいなのとか……ありそう。

 

《スキルポイントが不足しています》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV1』を獲得しました》

 

 おっスキルゲットだぜ! というか進展多くない? まだここにきて1時間もたってないよ……! 

 でも熟練度が上がったら色々ゲットできることが分かったから演算処理とかあるのも分かったし演算だから計算しまくればいいのかな? 

 久しぶりに九九やーろおっと。

 いんいちがいち、いんにがに、いんさんがさん、いんよんがよん……。

 

 ~よまわりさん九九中~

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV1』を獲得しました》

 

 おっきたきたやっと来た、だいぶ疲れた、九九通り越して62563かける1583とかいう次元にたどりついてしまった。

 しかも途中わからなくなってこれかも! とかやってたら『予測LV6』とかまであがっちゃったよどんだけ上がりやすいのかなこのスキル。

 今ので時間くった気がするけどまあこっちに来たばかりだしいいや。

 しっかし『暗視LV2』なはずなのに暗く見えるぞ、結構な闇だよなぁ

 でもよまわりさんの袋のほうが暗いけど……

 

「────っ!」

 

 目の前に大きな影が……。

 蛙だ、目の前によまわりさんサイズの巨大な蛙がいる。いやな予感がする。

 まだ、戦う手段も見つけてないのに……。

 逃げるか! いや、一回戦闘してみるのもいいかも。やろう、あとお腹すいてきたし

 まずは何をしてくるかわからない最初の1、2発は避けることにしよう、ってうわ! あいつなんか口から飛ばしてきた! うわ、ベトベトだヒリヒリする……酸かなぁ? 

 おっとと、2発目はさすがに避けさせてもらうよ。

 意外と酸のくるタイミングがわかりやすくて戦いやすいかな。

 相手の攻撃は今のところこのベトベト液ぐらいだ今のうちに何か……そうだ触手でそこらへんに転がってる小石投げてみよう! 

 とりゃあ!! 

 

 ………………。

 

 ……いま驚いております。

 何にかというと投げた石が豪速球となって飛んで行って蛙の口を貫通したことにです。

 はい。

 いま驚いておりますって日本語としておかしい気がするけれど、とにかく何が起こったのかわからない。

 

《条件を満たしました。称号『闇ノ王』を獲得しました》

《称号『闇ノ王』の効果により、スキル『闇ノ王LV1』『闇ノ仮面LV1』を獲得しました》

 

 は? ……え? 今、蛙倒しただけだけど……つーかなにさ闇ノ王って……中二病感がすごい。

 

『闇ノ王:夜を廻るものが持つ称号』

 

 ……突如目に映ったのは闇ノ王の解説文。

 え? いままでこんなの聞いても答えてくれなかったよね? どうしてだろ闇ノ仮面の効果かな? ほら、視覚的な意味で。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV6』が『予測LV7』になりました》

 

 ほんとこの予測ってスキル上がりやすいな、ってそれよりせっかくスキルとかわかるようになったっぽいしステータスとか見れないかな

 

『よまわりさん 名前 なし』

 

 ステータス情報すくな! つーか名前 なし ってあるだろ! もしかして、この世界に来てからのことなのかな? まあいいや気をとりなおして次いこ! 

 あれ、私名前あるよね、うんあった……はず。

 ……うん。

 とりあえずこれ見てる間に敵が現れたらあれだから前に敵がいないかぐるっとない目を凝らしてみないとね! 

 いない……かな。

 洞窟っぽいし狭い通路だからよくわかんないや。

 もっかいじーっと目を凝らして……。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV1』を獲得しました》

 

 まじかこのタイミングで? 

 視覚強化か……耳とか鼻とかどうかな? 

 何かスキルゲットできないかな。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『聴覚強化LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『嗅覚強化LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『触覚強化LV1』を獲得しました》

 

 おおすごいことになったよ。

 よまわりさんの耳とか鼻とかどこにあるのかは知らないけど色々とスキルは手に入った。

 

 こんな時あれが上がりそうな気がする。

 

《熟練度が一定に達しました。『予測LV7』が『予測LV8』になりました》

 

 うわぁ、冗談のつもりだったのにほんとにレベル上がっちゃったよ。

 そういや探知とかそういうスキルないかなぁ。

 

《現在所持スキルポイントは200です。

 スキル『探知LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

 え? ……あるのか。

 これはYESにするしかないよね! 

 

《『探知LV1』を取得しました。残りスキルポイント100です》

 

 よし使ってみよう! 探知! 

 うっいろんな情報が入ってくるちょっと頭ずきずきするな。

 

《熟練度が一定に達しました。『探知LV1』が『探知LV2』になりました》

 

 あっレベル上がった。頭痛いしくらくらする今日はこのくらいにしとこうかなぁ。

 

《熟練度が一定に達しました。『探知LV2』が『探知LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。『並列思考lv1』を獲得しました》

 

 ……いくら何でもスキルとかゲットできすぎじゃない? もしかしたら持ってるスキルに何らかの効果があるのかもなぁ。

 ──────────────

 

 予測:予測をするさい、思考能力にプラス補正が掛かる

 演算処理:頭の回転が速くなる

 視覚強化:視覚を強化する

 聴覚強化:聴覚を強化する

 嗅覚強化:嗅覚を強化する

 触覚強化:触覚を強化する

 探知:感知系全てを複合したスキル。概要:魔力感知、術式感知、物質感知、気配感知、危険感知、動体感知、熱感知、反応感知、空間感知

 並列思考:複数の事柄を同時に思考可能になる

 闇ノ王:夜を廻るものが得られる

 [LV1]闇(影、夜、洞窟など暗い場所)にいると熟練度が上がりやすくなる

 闇にいるとステータス補正LV×10がかかる

 闇ノ仮面:夜を廻るものが得られる。スキル『鑑定』のような効果がある

 

 ──────────────

 

 なに、これ……すごすぎでしょぉ……。

 すごいよ。

 まだここに来たばかりなのにこんなに手に入った! 

 次は……何しようかなぁ。



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よまわりさん、迷宮を見て廻る

 あー。

 びっくりしたよ。

 だっておかしいじゃん魔物一体だよ? 

 それなのにあの闇ノ王とかさ、よく転生ものでレベル2から強いとかあるけどさ。

 魔物1体倒しただけだよ? 何あれこの世界にレベルがあるかはどうとしてもだよ? 

 しかも解説にレベル1とかあったからね? あのスキル、レベル上げたらなんかの効果がつくかもってことだよ? 何度も言うけどそれを魔物1体倒しただけで……。

 

 ~よまわりさん、語り中~

 

 はぁはぁ、一人で、しかも脳内で何やってんだろ私。

 とりあえず迷宮探索始めようかな? まず探知使って……。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『探知LV3』が『探知LV4』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道耐性LV7』が『外道耐性LV8』になりました》

 

 みました。

 聞こえちゃいけないの聞こえた気がする。

 外道耐性、って何? そんな物騒なもんだったの? 

 この頭の探知を使ったときのずきずき? くらくら? は。

 でも、いまのレベルアップで頭が楽になったかも? 

 探知、オンにしたままにしてみよう。

 

 ~よまわりさん、迷宮探索中~

 

 探索の結果自分……というかよまわりさんの体の大きさは予想通りのサイズだったよ。

 ゲームで見るよまわりさんと同じくらいな感じ。

 まあよまわりさんのサイズが変だったらそれはそれでおかしいもんね、ん? 変だからおかしいのか? おかしいから変なのか? まあいいや変じゃなかったんだし。

 

 次、これめちゃくちゃ大事なんだけどさ。

 

 おなかすいたあぁぁ!! 

 

 ちゅーじょーきょーなわけよ! え? 言葉が変? 知らんがな、とにかくお腹すいたんだよ。

 好き嫌いせずさっきの蛙食べればよかったぁ! 

 よし! 蛙探そう、幸い私には探知がある! もう探知によって蛙の気配がある場所がわかっているのだ。

 こうとなったら、石を持って、走るストレッチ……ストレッチできない……まあいいか、んじゃあ蛙に向けてダーシュ! 

 

 ~よまわりさん、蛙討伐中~

 

 うっしゃー食料ゲットだー、ってどうやって食べよう。

 よまわりさん口ないじゃん。

 詰んだ? 

 もしかしてこれ餓死ルート? 

 いや、まだ何か手段があるはずだ。

 考えろ……考えろ……。

 あっよまわりさんといば裏返れないかな、ほらぐるんって。

 そうすれば食べれるかなぁ……。

 

 体がぐるりと裏返る感覚がした。

 正直すこし気持ち悪かった。

 でもまあこれで食える。

 じゃあいただきまーす。

 うげ、まずい 酸っぱい

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV1』を獲得しました》

 

 ………………。

 

 二つ疑問がある。

 一つ目、外道耐性なんて物騒なもんのレベル7を最初から持っときながらなぜ毒なんて初歩の初歩っぽいの持ってなかったんだ私。

 

 二つ目、この蛙毒入ってたんかーい! 嘘だろ、この世界にきて初めの食事が蛙で、しかも毒入りとかびっくりだわ……。

 もしかしてここら一体の洞窟? 迷宮? ダンジョン? 毒持ちばっかなんじゃないの? 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV8』が『予測LV9』になりました》

 

 予測さんが言うとあってるようで怖い。

 とりあえず決めたぞ! 私、このダンジョンを出ておいしいものを食べるんだ! 

 再び体が裏返る感触。

 

 あっ元の姿に戻った。

 私はそのままでもよかったんだけどなー、よまわりさんが裏返った姿って狙われにくそうだし。

 もう一度ぐるんってなれー。

 

 ……できない、だ、と。

 マジか今はまだ食事の時しか裏返れない感じなのかな? 

 それはそれでショックだな……。

 十字路の道とかで通路を石とかでふさぐかな。

 

 っ! なんだこの気配? 

 

 ん? 蛇みたいな魔物? 

 あきらかに強そう……。

 どうしよう逃げるか……?



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よまわりさん、支配者になる

注意:レベル上がりまくります


 まずい。

 まずいよ。

 まずいです。

 どのくらいまずいかというと二国の戦争中に自分の国が崇めてる神の使いの神獣が戦場に現れて、敵を虐殺しまくってるところで自分の国の兵士が血迷って神獣に攻撃を与えて神獣の標的が敵のみだったのがうちの軍にも増えた瞬間ぐらいまずい。

 

《熟練度が一定に達しました。『予測LV9』が『予測LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『予測LV10』がスキル『予見LV1』に進化しました》

 

 

 なぜ今ので予測上がったし。と、そんなことよりあの蛙より硬そうで強そうな蛇ににらまれております。

 蛇ににらまれた蛙じゃなくて蛇ににらまれたよまわりさんです! 怖いです、幸いさっき蛙狩りに使った石を余分に持ってます。まずはこれを投げつけてみようと思います。

 石を手(触手)にもってぇ、構えて、見事などストレートをはなったぁ! 

 

 ぴゅーんと綺麗な軌跡を描いた石は蛇の装甲に当たって転がっていきましたとさ。

 

 うっそだろ。

 あの石が蛇の装甲をちょっと砕いただけだと……。

 うわー突進してきたぁー、よけなきゃ! 

 ぐはっ! 

 いてて、よまわりさんの体でも痛いのかぁ。さてどうしよう相手は石攻撃がほとんど効かない蛇! それ以外の攻撃の方法を編み出してない自分! 

 どうしよう……? 

 

 ん? なんでさっき突進してくるってわかったんだ? 確か蛇が二重に一瞬見えてって今も見える! もしかして予見の力? なんこれ強い! 少し先の未来が見えるとか何マジつおいじゃないですかぁ、ごへっ……考え事してたら蛇の突進ダメージ食らっちった。そういや闇ノ仮面使ってみよう。蛇のステータスを見れるやもしれん。

 

『蛇 名前 なし』

 

 うん、知ってた私だってそう表示されるんだからそうなるよね。もういっそ仮面の効果オンにしたままにしとこうかな? 

 うぉぉっいろんな情報が入ってくる。そっちに気がよっちゃいそうだからやっぱオフに……っは、蛇が来る! よっと、危ない危ない二度あることは三度あるとかになんなくてよかったぁ、とにかく解決策だけど石を投げ続けようかと思う、あとはよけてあててを繰り返す作業だね! 

 

 ~よまわりさん、作業(討伐)中~

 

 勝った。やったね。作業ゲーってやつだよ。

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV1からLV2になりました》

 

 え? 

 

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV1』が『闇ノ王LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV1』が『闇ノ仮面LV2』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV2からLV3になりました》

 

 は? 

 

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『並列思考LV1』が『並列思考LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道耐性LV8』が『外道耐性LV9』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV3からLV4になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予見LV1』が『予見LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV1』が『神性領域拡張LV2』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《条件を満たしました。称号『常夜の支配者』を獲得しました》

《称号『常夜の支配者』の効果により、スキル『隠レル者』『禁忌LV1』を獲得しました》

 

《条件を満たしました。称号『悪食』を獲得しました》

《称号『悪食』の効果により、スキル『毒耐性LV1』『腐蝕耐性LV1』を獲得しました》

《『毒耐性LV1』が『毒耐性LV1』に統合されました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV1』が『毒耐性LV2』になりました》

 

 あの蛇倒しただけでLVが3個も上がったよびっくりだよ……。

 あと、人聞きの悪い称号とスキルも……って禁忌ってなんだよ禁忌って! 

 

『禁忌:けしてあげることなかれ』

 

 アッはいそうですか。

 

『隠レル者:止まっているときに75%透明になる』

 

 微妙? 

 

『常夜の支配者:取得スキル「隠レル者」「禁忌LV1」:取得条件:「闇ノ王LV2」への到達:効果:闇にいるかぎり速度が大幅上昇。隠蔽系スキルの熟練度に+補正。支配者階級特権を獲得:説明:常夜を支配せしものに贈られる称号』

 

『闇ノ王LV2:神へと至らんとするn%の力。使用すると下位の管理者でも認知できなくなる。使用すると禁忌のレベルが上がる。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』

 

 チートや! チーターや! 

 って自分に言うという時がまさか来るとは、思ってもなかったわ……というかn%はわかる、神へ至らんとするなんとかってわけわかめだけどわかる、それはいいんだけど管理者って何? そしてWとは? ワールドなの? 何なの? この世界に広がるシステム的なのがあるの? 

 あ、スキルのことかも

 MAって何? どういうこった神性領域拡張と関係あったりする? しちゃう? いやさすがにないかぁ

 

 このことは置いといて、やっぱり禁忌って何ぞや? 上げちゃいけないのはわかるし管理者とかいうのが少なくともさっきの蛇を超えまくってる存在なのはわかる。そんなのにたとえ下位のやつでも認知できなくなるのはありがたい、でもさーそんな存在レベルのやつってそうそういないでしょ、というわけで禁忌が上がるので闇ノ王LV2は放置で! 

 

 

 

 ……? 自分がいる通路の先のT字路らへんににクモの魔物がいるんだけどすごいスピードであの角まで走ってきたのか目でとらえることができなかったよ。あんなのと戦うのめんどくさそーだなー、あっこっち振り向いた。

 っゑ? こっち見た瞬間すごいスピードで違う通路に逃げてったんだけど、あっあのクモを追ってたらしい人が駆け抜けてった。

 それで蜘蛛は逃げてたのかーそりゃいかにもヤバそうな触手うねうねさせる黒いやつがいたら逃げるよねぇ

 じゃあ今までの蛙は何で逃げなかったんだろ? もしかしてあの蜘蛛、知能が高いのかもそれで逃げたのかな? それとも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のかな? 転生者が私一人ってきまったわけじゃないからあり得るかもなぁ。

 考えすぎかぁあ。……あれま、人がこっちに来た。

 うおっあぶねえいきなり切ってきやがった。何すんだよって抗議したいけどそりゃしょうがないよねこんなえたいもしれないナニカに攻撃できるぶんすごいわ、っとか考えてる暇ないな殺すのは前世が人間だからためらうけども。

 正直めんどいしよし! 殺るか! 石攻撃じゃおらぁ

 

 ぐちゃっといやーな音が空間に響く。

 

 うわー頭吹っ飛んだよしかも全員。

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV4からLV5になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道耐性LV9』が『外道耐性LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『外道耐性LV10』がスキル『外道大耐性LV1』に進化しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV2』が『神性領域拡張LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV5からLV6になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道大耐性LV1』が『外道大耐性LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『並列思考LV2』が『並列思考LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV6からLV7になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予見LV3』が『予見LV4』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV3』が『神性領域拡張LV4』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV7からLV8になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予見LV4』が『予見LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV2』が『闇ノ王LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV8からLV9になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV1』が『視覚強化LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『聴覚強化LV1』が『聴覚強化LV2』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV9からLV10になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV2』が『視覚強化LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『聴覚強化LV2』が『聴覚強化LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

《条件を満たしました。個体、よまわりさんが進化可能です》

 

 は? 

 なぜこんなにレベルが上がったし。




時間系列。

白ちゃん(蜘蛛)転生
↓ 数日後
よまわりさん転生
↓ 数時間後
白ちゃんが人に追われてる時に見た蛇がよまわりさんになっていた 今ここ

白「(は!?蛇がボス枠だと思ってたけど日本のゲームの敵?キャラ!?なぜ?っんなんどうでもいいから逃げなきゃ!)」


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下(下層)に落ちちゃいました、編
よまわりさん、落ちる


キャラがブレかけてる?
ここ数話で一日も進んでない?
ナンノコトダロ?


 は? 

 

 レベルアップしすぎだろ! どーゆーこっちゃですか? 進化って何ですか? よまわりさんの進化って何ですか? ここ数分でいろいろありすぎて頭が絶賛混乱中でございます。

 は、私転生してから驚きすぎ? わーお。

 

 ん? あ、さっき全員倒したと思ったら壁に隠れてたんだね、きづかなかったよ。あ、逃げた。

 ちょっと待てよそれ以前になんかあるんじゃないか、自分さ人殺しちゃってね、むしろ良く冷静保ってるな。いや、冷静じゃなくて情緒不安定だわ今一気に落ち着けたこと自体おかしいし。

 待てよ、これ転生してからなのか? 頭が情緒不安定なのは死ぬ前からじゃね? 

 

 ……一回落ち着こう。

 

 ほら、ひっひっふーってそれちゃう! あ、まただ。治んないのかなこの情緒不安定さ。一回違うこと考えよう。今、次にできることを考えてみようかなぁ。

 

 ひとつめ、進化! 

 ふたつめ、蜘蛛さん追っかける! 

 みっつめ、ここにある死体処理……。

 

 …………。

 

 ってぎゃああああああ忘れてたああああ、ここにR18指定が入りそうな首なし死体&肉片があるんだったああああああっ! 私まだ18未満、それどころか生後数時間なのよ!? 見るだけでSAN値削ってくるよこれ! どーしよこれ。

 目を背けよう、そーしよう! 

 

 サー残ル選択肢ハナニカアッタカナー。

 

 進化! 蜘蛛さん! 死体しょ……。

 

 あー聞こえない思い出せないキオクニナイナー死体処理? 何それおいしいの? 

 いかん、このままじゃ先に進まん。この二つの中じゃ進化より蜘蛛さん追っかけたほうがよさそうだよなー探知オンにしっぱなしとはいえというかオンにしてるからこそ探知でも届かないとこだらけなんだよなぁ。

 蜘蛛さんがいたときまるで小説だったら文字の上に点付けたかのような考え方しちゃったなー誰かが聞いてるわけでもないのにはずかしいなぁ。じゃなくて、広すぎて見つからなくなるから話しかけるのは今のうちってことだよ。

 でもよくよく考えなくとも私人と話すのが苦手だからなぁ。

 克服、できるかな。念話とかそういうスキルあるかな? 

 

《現在所持スキルポイントは1000です。

 スキル『念話』をスキルポイント100使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

 おーけ! こいつはらっきーってやつだ。

 

《『念話』を取得しました。残りスキルポイント900です》

 

 はー、蜘蛛さんに挨拶するときどう話しかけよう「こんにちわ」って言って「転生者の方ですか?」って聞こう。よし! そうしよう蜘蛛さんが行ったほうに行ってー進んでー崖があってー覗いてー軽く辺りを見回してーそこ以外行き先がなくてー。

 え? 崖? 

 

 ガラッと嫌な音が足元で聞こえる。

 

 ぎいゃああああああああああああ。

 あああっ足場崩れたぁ! 

 え? 私崖から落ちてる? え、え、え、え?? どーしよ♪ どーしよ♪ オ パキャマラド♪ ぱっきゃま、じゃなくて、お父さん壊れたのはクラリネットじゃなくて足場だよ! ってネタ言ってる暇はねーよ触手で崖のとがってるとこつかまなくちゃ! 

 ほっよしつかめ……

 

 今度は触手から妙な音が聞こえる。具体的には引きちぎれるかのような。

 

 うにゅ? は? ぎゃああああああ! うでが、触手が、まいあーむがちぎれたああああああああっ!! 

 あ? 痛くない? そこまで痛くないだけで痛いっちゃ痛いけど、って地面が、見ちゃいけないもん見えた。龍がいる、もはや背筋が凍る暇もなくとんでもないのいる。寒気すら吹き飛ばしてきそうなブレスを吐きそうな龍がいるファンタジーだよドラゴンだよ! 

 仮面で鑑定あんど、闇ノ王で姿消しあんど触手を着地のクッションに! 

 あ、蜘蛛さんいる、姿消しかけてあげれるかな? 

 

《存在一時隠蔽に成功しました》

 

 やったぜ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV1』が『禁忌LV3』になりました》

 

 やっちゃったぜ。

 

『地龍アラバ LV31 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 禁忌上がったけどやっちゃったぜな気分が薄れたぜ。

 さぁ、そろそろ着地だぁ触手を構えてぇ……。

 

 いい加減慣れてきた肉の潰れる音が聞こえる。

 

 足首をくじきましたぁ、じゃなくていったあああああああああああさすがにこれは痛い、そしてよくこれで死ななかったよまわりさん、よまわりさんの体サイコーだぜ。

 

 うん? 蜘蛛さんが見えない? そうか、私が隠したからかだから禁忌が2つも上がったんだ。お、地龍が突然蜘蛛さんがいなくなってびっくりしてる。こーみると地龍おっきいなー、そしてマジ怖いです。はい。

 見つからないとわかってても怖いなー、あそこの岩かげに隠れとこっと。

 

 そーいや仮面のレベル上がったよね? 自分を鑑定してみようかな

 

『よまわりさん LV10(進化可能) 名前 なし

 HP:27/150(緑)

 MP:2000/2000(青)

 SP:100/100(黄)

 :97/100(赤)

 スキル

「暗視LV2」「予見LV5」「演算処理LV1」「闇ノ王LV3」「闇ノ仮面LV2」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV4」「並列思考LV3」「外道大耐性LV2」「毒耐性LV2」「神性領域拡張LV4」「腐食耐性LV1」「禁忌LV3」「隠レル者」「念話」「縁ノ結(えにしのむすび)」「n%I=W」 』

 

 わ、わーお、ナニコレ珍百景もびっくりなスキルたちだらけだよ。そしてさらっとHP追加の上私結構ピンチだね。あと、悪そうなスキル四個以上あるね、実際そのうち2個は隠蔽系だけどね。

 あと初めて見るスキルが二つ縁ノ結とn%I=Wだね! 地龍がいなくなるまでかかりそうだし調べてみようかなぁ

 

『縁ノ結:自分の得意な方面のスキルを得られやすくなる。ps怖い悪い縁結びの神様はいつもあなたを見てるぜ』

 

 怖いわ! 縁結びってあれ? 深夜廻のやつ? ボスなの? 山の神に監視されちゃってるの? 私? 

 

『n%I=W:鑑定不能』

 

 鑑定不能? 一番わかんないやつが一番出てほしくない返答で帰ってきたよ名前からの推測もあるけど考えたら終わらなそうだしいいか、ちょうど地龍も帰ってくみたいだし。

 そういやこれってどうやったら解けるのかな。解呪って叫んでみたりとか。

 

《常夜の支配者が隠蔽終了を宣言しました。終了します》

 

 すーと蜘蛛さんの姿が見えてきたよ。向こうも私の姿が見えてきてることだね。あ、びくっとして逃げようとしてる

 にげないで! 

 

『逃げないで!』

『え?』

 

 よし! 呼び止められた! やったぜ。あとは話してみないとなぁ。

 

 できるかな?



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よまわりさん、進化する

誤字とかあったらじゃんじゃん注意してください。誤字怖い。


 結論から言おう。

 とてつもなく時間かかった。

 正確に言うと話しかけたはいいけど自分がコミュ障なのを思い出してあたふたしてたのと、向こうがコミュ障だったのが原因で私が『共闘関係を結びませんか?』って言うのと『いいよ』って向こうが言うので1時間ぐらいかかってしまった。

 

 人と話すの練習しよう。

 

 そのかわりめちゃっくちゃ仲良くなって一応普通に話せる。そのくらいになったんだよ! だから許して、人と話したくないよ……って自分なにやってんだ。というわけで今は蜘蛛さんがマイホームを作るのを手伝ってます! 自分は蜘蛛の糸に乗れないので糸を張った下の地面が私のマイルーム! 

 

 そういや、私のHPがピンチって言ったけど蜘蛛さんはもっとピンチだった! びっくりしたよ、だって背中に穴空いてるんだもん。治るんですか? って聞いたら、レベルアップで治るそうで今崖からの落下中で腕がぶちっていったやつをレベルアップでなおそうと思う。でもさ、蜘蛛さんのHPが6しかないそうなんだよこれは向こう優先だね! しばらく腕1本使えないね。

 

 まあ、何が言いたいかと言うと私さ石投げて上に飛んでる蜂にあたっても落とすことしか出来ずに蜘蛛さんにとってもらうことしか出来ないんだよ。蜘蛛さんが倒さないと蜘蛛さんに経験値入らないし、闇ノ王って捕まえてくるにも禁忌上がるしぃ……。

 

 しかもさ、私が進化できるって言った時に『進化後はマジでお腹が空くからね。蛇仕留めてあと数体自分の周りに置いておいても、腹八分目も、お腹膨れないからね』っていうんだよ。今食料ないじゃん。あっ腕、進化で治らないかな? 

 

 結論、暇。

 

 ◇

 

 数日飛びまして、ついに、ついについに蜘蛛さんがレベルアップを果たしましたああ! 蜘蛛さんのHPが最後3ぐらいまで減ってたからヒヤヒヤだったよこれで進化用の食料集められる。

 

 蜘蛛さんに手伝ってもらって進化の準備完了しました。『おめでとう!』ありがとう。

 

 それじゃ進化しようか

 

《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。

 よまわりさん

 よまわりさん

 よまわりさん》

 

 はへ? 私にはよまわりさんが3つあるように見えるのだけれど、どうしよう。私の頭おかしくなったかぁ? 

 おかしいのは元からか。

 

 困るのは3つのよまわりさんのうち一つが食事以外も裏返れるようになるとかで外しちゃうことだよな、一か八かやるかじゃあしたのよまわりさんで進化しよう! 

 

《個体よまわりさんがよまわりさんに進化します》

 

 唐突にはじ……まるん、だね……。

 

 ◇

 

《進化が完了しました》

 

《種族よまわりさんになりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度進化ボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV2』が『禁忌LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道大耐性LV2』が『外道大耐性LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『腐蝕耐性LV1』が『腐蝕耐性LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『探知LV4』が『探知LV5』になりました》

《進化によりスキル『理ノ鋏』を獲得しました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 

 寝てた、うん寝てた。蜘蛛さん気絶するんならするで言っておいてくださいよぉ。怒るほどじゃないけどさぁ。あと腕治ってないや、やっぱレベルアップかな? そんなことよりご飯食べながら新スキルみようかな。

 

 お、ご飯食べようとしたら勝手に裏返った。

 

『理ノ鋏:コトワリの神の鋏のミニ版を3分間顕現させる。3回使用ごとに禁忌が上がる』

 

 むしゃむしゃ、わお理様の鋏使えるんだ。むしゃむしゃミニだけどハルちゃんのやつかな? むしゃむしゃ、あー懐かしいな、転生前はユイハルの百合とかの画像見てたな、ぐへへ、むしゃむしゃ

 

 あっハルちゃんが理様からもらったやつかもしれないし今度におい嗅いでみよう。ぐへへ、むしゃむしゃ

 禁忌? 知らんがなロリが先だぁ! 今度って言ったけど今糸が切れないところでむしゃむしゃ、顕現! 

 

 ごとっと落ちる音と共に赤いハサミが現れた。

 

 きたあああっ! 鋏来た! 深紅のちょっとひびはいった鋏きたああ蜘蛛さん見てみて! むしゃむしゃ、これ! え? 『禁忌上がるまであと2回だけどいいの?』っていいのです! はぁはぁさっそく嗅ごうかな? 

 

 

 

 ……。

 冷静になりました。むしゃむしゃ、ミニだけど私にあったサイズの鋏なのでミニはミニでもハルちゃんはこの大きさじゃ持てないわ。何のにおいかって? 

 

 血。

 

 うん。むしゃむしゃ寝よう。お休みなさい。

 

『穴を上る計画があるんだからねちゃだ』

 

 あーきこえないなー。

 そういえば腕治らなかったなぁ。

 

 すやぁ……。




やっと白さんと会えたよ、白さんの言葉は『』で大体は囲ってあるので、念話だからね!


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よまわりさん、ついていくと決める。

原作(ウェブ版)とにらめっこしながら作るのきつい。


 ゆさゆさ、人ではない体を人ではない手足で揺らされている感覚に目が覚める。

 

 ん、まだ寝足りないよー。

 

『起きて。ロリコン』

 

 なんでよ! 私ロリコンじゃないよ! ぐへうっ、私なんで叩かれたの!? 

 

『いいから起きて、穴を登らないといけないから』

 

 蜘蛛さんの珍しい長文ありがとうございます。じゃなくてそういえばそうだ、穴登るんだった。

 

 …………。

 なんか忘れてると思った。今更だけど私、蜘蛛さんに名乗ってねえ。蜘蛛さんも名乗ってないから忘れてた。

 

 っと先程まで考えてたんですよ。うん。ズキズキする。何がって、頭が。自分の名前を思い出そうとすると頭痛くなるんだよ。小説みたく「名前は……私の! 名前は……?」ってなったよ。これってあれじゃない? 名前を思い出せない主人公はなんかの陰謀的なのに巻き込まれていく感じのやつ。やだよ? そんな陰謀的なやつあったら避けさせてもらうよ? ……よし! こんな事考えてたらほんとに巻き込まれそうだから考えないでおこう。

 

 それは置いておいて、ってナニヲオイテオクンダロウナーワカンナイナー。……うん。

 えと、実は蜘蛛さんのHP回復が終わったあとこの穴を脱出する作戦を考えていたんだよ。それと、今のこの蜘蛛の巣は目標地点の4分の1ぐらいまで伸びてるんだよ、蜂とるためにね。

 難しい説明は省くけど、蜂さんはまだ襲撃に来ない。いつ来るかわからない。今の巣の強度を保ちながら上に伸ばさなければいけない。上に伸ばしてくと作るの難しい。っていう感じなんだよ。私、糸は専門外だしね。することないね! 

 

 ……ひま、することない。考えることもそこまでない。目標って言ったって今は蜘蛛さんについていくしかない。うーん……。

 

 そうだ! なんかあるまで寝てよう! そのことを蜘蛛さんに伝えなきゃ! 

 

『蜘蛛さん! 暇だから寝てますね!』

『……』

 

 今の無言は、あきれてるんじゃないよね! お休み! Zzzzz。

 

 ◇

 

 どごおおおんと突如響いた轟音の所為で飛び起きた。

 何の音!? 今の轟音は何!? 探知で気配をさが……! 

 

 ぢ、り゛ゅ……う゛? 

 

 よく見たら、周りの岩とかが吹っ飛んでるじゃないですかーやーだー。

 崩れた岩が私にかぶさってHPが10になってる。その代わり岩がかぶさったおかげで地龍から隠れてる。けど、ふっつーに怖い。だってLV1の探知でもこの距離だったらどこに何がいるかわかるんだもん。がたがた震えるしかないね。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV1』を獲得しました》

 

 震えが収まった。

 よく考えたらよまわりさんの体でも震えるのかぁ。前に地龍見たときどうやって隠れたんだっけ? 自分。

 ……どうせいっちゅーんじゃああああ! 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV1』が『恐怖耐性LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV2』が『恐怖耐性LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV1』を獲得しました》

 

 そこまで感じてないけど、自分こんなに怖がってるのか……。意外な自分の一面に驚き。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『隠密LV1』を獲得しました》

 

 やったぜ。

 ……とか思ってるけど実際はマジ怖えぜやっと怖がっている感覚が追いついてきた。

 ……ガタガタぶるぶるなのです。

 なのですっ! 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV1』が『HP自動回復LV2』になりました》

 

 ………………。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV3』が『恐怖耐性LV4』になりました》

 

 …………………………。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『隠密LV1』が『隠密LV2』になりました》

 

 ……。

 ………………。

 はっ、怖くて意識が遠のいてた? ……私が? 

 そうだ! 地龍と蜘蛛さんは!? 

 

 気配は……蜘蛛さんは、いる。地龍は……。いな、い? 

 

 

 岩をどけてみようかな。あ、蜘蛛さんもちょうど重なってた岩から出てきた。なんだろ、蜘蛛さんからこわーいオーラ的な奴が……。

 

『……闇ノ王』

 

 あ、ごめんなさい! 忘れてました。てへ。

 

 ◇

 

 あー蜘蛛さんの殺気みたいなやつこわかった……。

 

 今は、元もとブレスで壊されるまで巣があったところを見ている。

 巣が張ってあった巨大な壁にはクレーターができてる。壁に。

 

 おかしいよね、これ。異世界転生ものにはでたらめキャラがいるけどさ。

 大岩を貫通した挙句。これ、だよ。

 

 こんなに無防備に突っ立ってるのに蜂は襲い掛かってこないよ。

 …………そりゃそうだよね。怖いもん、恐いもん。

 

『……これからどうする?』

 

 蜘蛛さんが珍しく私に意見を求めてくるけど私は答えが見つからないよ。

 私は蜘蛛さんほど判断能力があるわけじゃないし……。決めた。

 

『蜘蛛さん。私は蜘蛛さんについていきます』

 

 これが私の答え。

 どうする? って聞かれたところで私はそこまで頭がよくない。なら、唯一といってもいい気軽に話せる存在。その人に、私はついていこう。

 こんなこと考えるの、私のキャラじゃないかなぁ。もうちょっと能天気にいこうかな? 

 

 

 私達は地龍が行った通路と反対の通路を歩いてく。当たり前だね! 

 ……なんか蜘蛛さんが『隠密最強兵器のダンボールがほしい』とか言ってきた。すごく同意見。蜘蛛さんは、マップがほしいとかも言ってるけど。ごめんなさい。頭悪すぎて探知つかってるときいろんな情報がはいってくるけどわかるのはせいぜいどこら辺にどいつがいるか程度。それ以上は私の頭の処理速度が追いつきましぇーん。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV1』が『演算処理LV2』になりました》

 

 タイミングよすぎでしょ! 大して変わらないけどさ。……はぁ。

 

 ◇

 

 私達が進む道はかなり広い。

 まあ、体長2メートル半もある蜂が自由に飛び回り、体長5メートルくらいはありそうな巨大蟷螂が縦横無尽に動き回れるくらいには広い。

 

『エルローグレシガード LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 巨大蟷螂は群がる蜂をその両手の鎌で迎撃する。

 普通の蟷螂と違って、腕が6本もある。

 まるで阿修羅みたいだ。

 蜂は空中から攻撃しようとしているけど、その鎌の攻撃範囲になかなか踏み込めなくて、戦況は膠着してる。

 

 私達はその様子を岩陰に隠れながら観察する。

 両方とも私達の存在に気づいた様子はない。

 隠密の力は思ったよりちゃんと効果を発揮してくれているみたい。

 よかった。

 蜘蛛さんが蟷螂とかをさらに鑑定している。

 

 うっわ。蜂が一刀両断されてる。すごい切れ味だね! 

 地龍に会うとかいう恐ろしいことよりよっぽど現実味があって怖いんだけど。あの蟷螂の刃。

 蜘蛛さんが素通りするみたいだから私もそうさせていただこう。

 

 ん? 蜘蛛さんから念話で情報が伝えられてきた。

 ……ははっ。ここって下層なんだって。

 さらに下もあるんだって。

 知りたくなかった。

 

 あれだ、蜘蛛さんと私がもともといたエリアは上層だったんだ。そりゃ安全なわけだ。

 

 

 は!? えぇ? 眼前でおこった光景に目を疑う。

 三匹目の蜂が蟷螂に両断されたところで今度は突然現れた蜘蛛の牙に蟷螂が噛み千切られた! 

 

『グレータータラテクト LV18 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 わー。蜘蛛さんの進化系だ。

 

 今まで見た中で一番おっきいかもしれん、10メートルぐらいあるよあれ。

 蜘蛛さんと一緒にこそこそっとたいさーん。

 

 はは。

 下層こっわ。

 っとそこで蜘蛛さんがなんか言ってきてる。

 なになに? 『いけそうな魔物がいたら食料にして、それ以外は基本隠密で行こう』って? 

 大賛成です。

 

 ~蜘蛛さん&よまわりさんコソコソ移動中~

 

 一つの結論に至ったぜ。

 下層マジヤバいです。

 こんちきしょう。

 ははっ。

 

 私達は怖い連中に見つからないように隠れながら移動してるよ! 今のところ見つかってないよ! 見つかってたら死んでるし! 

 

 蜘蛛さんが寝ようとしてるよ! こんなところでよく寝ようって思えるね! 

 あっ寝た。

 ……某学校で暮らす感じのゾンビアニメのオープニングじゃ夢はまだあるけどここじゃそれすらほとんどないよ? なんで寝れてるの? 

 

 疲れた。できるだけ何も考えず蜘蛛さんが起きるまで周り見張ってよう。

 

 ◇

 

 蜘蛛さんが起きた。

 よく寝れなかったって。そりゃそうだ。

 あと、蜘蛛さんが寝てる最中に睡眠耐性がついた。

 今はLV7だよ。

 一気に上がったね。早くLV10にならないかな? 

 自分どんだけ眠いんだろ? よまわりさんの体だからわかんないや。

 

 蜘蛛さんがなんか考えてる。

 どうやら弱い魔物が何を食べてるか考えてるみたいだ。

 蜘蛛さんが動き出したしついていこっと。

 

 食料についてわかったことがある。蜘蛛さんが気づいたことだけどね。

 弱い魔物が何を食べてるのかというと、二つのものを主食にしてることがわかったみたいなんだ。

 一つは他の弱い魔物。

 それは、あたりまえだね。自分より強いのとは対峙したくないもん。

 それとは別にもう一つ、これこそが弱い魔物が最終的にどうしてもやむを得ず食べるものがあるみたい。

 それがこいつ。

 

『エルローゲーレイシュー LV3 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 黒いタニシだ。

 蜘蛛さんがあいつらは迷宮の壁に張り付いて、ゆっくり這うように移動している。

 その姿がすごくタニシっぽい。とのことでタニシ虫って呼ぶことになった。

 そのタニシ虫は、この下層にいっぱいいる。

 蜘蛛さんは、こんなにいっぱいいてなんで魔物の皆さんは食わないんだろう、と、そんな事を思ってるみたい。

 

 なので食べてみようってことになった。

 

 食べるために大きな岩かげに隠れて私は裏返った。

 むしゃむしゃ

 おえっ!! 

 

 マジで吐いた。もう食べたくない。地龍とは違う意味で怖くなったよ! 

 マズすぎて戦慄を憶えるくらいだよ。

 おぇ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『腐蝕耐性LV2』が『腐蝕耐性LV3』になりました》

 

 まじかよ。HPへったぞ。腐食耐性上がったぞ。おい! 

 日本人だからかなのか蜘蛛さんと私にはお残しはいけないという信念があって、頑張って食べたよ。食べてる最中にも腐食耐性が1個あがったよ……。

 

 本当にどうしようもなくなったらまたタニシ虫を食べることになるのかな。

 やだなぁ。



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よまわりさん、移動しまくる。

小説紹介の時のよまわりさんのテンションが人がいないし迷宮内出しで出せない・・・。


 蜘蛛さんと絶賛迷宮下層を移動中の私だよ! 一本道で、もしかしたら最下層につながってるんじゃないかとか考えてる私だよ! 頭の中を誰かが聞いてるわけでもないのに何やってんだ私? 

 あ、スタミナの赤ゲージが減ってきたよ。

 

『カップラーメン……』

 

 蜘蛛さんがカップラーメン食べたいとか言ってる。

 てかなんか自分で自覚してる系情緒不安定な私もお腹がすいてるせいかなんか変だぞ? もしかして睡眠耐性8のくせにねてないからかなぁ。ここら辺安全そうだよなぁ。

 

『蜘蛛さん……寝ていいですか?』

『……ダメ』

 

 うそん。

 ん? 

 なんだ……あれ魔物かな? 

 

『エルローランダネル LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』

『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 わー、仲良しこよしの三人組だー。おいしそう、じゅるり。

 おっ蜘蛛さんが走ってってあいつらの後ろに回ってった。あれは投網? 

 うお、すご。投網が三体を包んでる。そこで仕上げに蜘蛛さんの毒牙でガブっと。

 万能だなぁ蜘蛛さん。私なんて禁忌のレベルが上がる危険を冒して理様に頼るか石投げるかしかないんだよ。糸と毒強いよなぁ。闇系魔法ないかなぁ……。

 

 おぉ! 蜘蛛さん新しい称号ゲットしたんだーすげー。しかもまた毒かよー。ずりー。いいなー。

 ……えぇ!? 今度は毒牙がレベルアップ? 蜘蛛さん、一回殴っていいですか? 

 

『ダメ』

 

 えー

 

 とか思ってたら蜘蛛さんが突然水たまり作ったよナニコレ? 

 

『弱毒の水たまり』

 

 お、おう……。まぁ、これをノーコストで生み出せるなら便利なんじゃない? 

 え? MP減ってる? 弱毒、ダメな子やん。

 

 ◇

 

 分かれ道だよ蜘蛛さんや! どっち行くのさ蜘蛛さんや! 蜘蛛さんや! 私は蜘蛛さんについてくって言ったんだからついてくよ蜘蛛さん! やだなぁ、思考放棄したいだけとかナニソレ蜘蛛さんや! よく見ろって何のことだい蜘蛛さんや! だだっ広い道が広がっているだけだから現実見ろって何のことだい蜘蛛さんや! 

 ははっ。

 

 ……どうするよ、蜘蛛さんほんとに。

 お! 頭いい! 壁沿いに進んでくのだねっ!! そんなこと思いつかなかったよ。

 

 ……。

 ひっ! 蜘蛛さんなんかこわいこと考えてますよね! 蜘蛛さんのもとのマイホームを焼いた人間を『今度会ったら糸でグルグル巻きにした挙句、ダンジョンの中引きずり回して、最後は毒牙でポックリイカせてやる』みたいなこと考えてますよねっ! 

 

『エスパー?』

 

 ちゃうわ! 

 

 ~よまわりさんら、移動中~

 

『バグラグラッチ LV14 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 うおぉ。なんかのっそり現れたよこの巨大な魔物。ナマケモノ? ……ないない、あんなギザギザの牙が無数に飛び出した、鰐みたいな巨大な口したやつがナマケモノなわけないね! 

 めっちゃアンバランス。

 

『そうね。ここダンジョン。大自然違う。ここ危険。オーケー? イエス把握』

 

 久々に聞く蜘蛛さんの長文がまさかそんなんだとは思わなかったよ。

 

『もしくは逆に中層に昇ってきたとか。

 あ、それ採用で。

 そう、ここはきっと中層なんだよ。

 なーんだ、やっと下層って危険領域から脱出できたんだー』

 

 蜘蛛さんの連続の長文だよ。

 蜘蛛さん、戻ってきてぇ。その思考に至らないで。げんじつみてよ。

 

『バグラグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』

『バグラグラッチ LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』

『バグラグラッチ LV11 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

『こんなのがいるのが中層なわけなくね?』

 

 そうですよ蜘蛛さん。戻ってきましたか。よかったです。

 

 え? 蜘蛛さんが冷静になったとおもったら二重鑑定始めた? 何々? 

 あいつら、あんな強そうなうえにさらに群れるって? 

 かちめねーやんですかー。

 ……なんか言葉おかしくなったよ。

 

 ~よまわりさんら、またもや移動中~

 

 現在、壁際をコソコソ移動中……。お腹すいてきた。あの時3匹の魔物を食べたとき配分私1個、蜘蛛さん2個だったなー。そういや私は1個でお腹いっぱいだったけど蜘蛛さん2個も食べてたよなー。ふとんないのかな? 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV2』が『闇ノ仮面LV3』になりました》

 

 久々の仮面君だ。最初はよかったけどこの厨二病ネームどうにかなんないかなぁ? ちょっと聞いてて恥ずかしい。

 

 蜘蛛さんもレベル上がったの? すげー。たいみんぐすげー。さっそく自分を見てみようかな! 

 

『よまわりさん LV1 名前 なし

 HP:27/150(緑)

 MP:2000/2000(青)

 SP:100/100(黄)

 :97/100(赤)

 平均攻撃能力:20(+30)

 平均防御能力:20(+30)

 平均魔法能力:190(+30)

 平均抵抗能力:19(+30)

 平均速度能力:30(+30)

 スキル

「暗視LV2」「予見LV5」「演算処理LV1」「闇ノ王LV3」「闇ノ仮面LV3」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV5」「並列思考LV3」「外道大耐性LV3」「毒耐性LV2」「神性領域拡張LV4」「腐食耐性LV4」「禁忌LV3」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「恐怖耐性LV4」「HP自動回復LV2」「隠密LV2」「睡眠耐性LV8」「n%I=W」 』

 

 問いただしたいのは、平均魔法能力だけなぜに高いんやってことだね。私魔法覚えてもないのに……。

 え? 能力高くないかって? 闇ノ王さんがやってくれたんだよ。

 それ以外は問題大有りだけど蜘蛛さんのステータス見た後じゃまだチートじゃないって言えるレベルだったよ、よかったのかなぁ? どうなのかなぁ? って感じだけど。

 

『スモールタラテクト LV3 名前 なし 

 ステータス

 HP:38/38(緑)

 MP:38/38(青)

 SP:38/38(黄)

 :38/38(赤)

 平均攻撃能力:21

 平均防御能力:21

 平均魔法能力:19

 平均抵抗能力:19

 平均速度能力:369

 スキル

「HP自動回復LV2」「毒牙LV8」「毒合成LV1」「蜘蛛糸LV8」「操糸LV5」「投擲LV1」「集中LV1」「命中LV1」「鑑定LV7」「探知LV3」「隠密LV5」「外道魔法LV2」「影魔法LV1」「毒魔法LV1」「過食LV3」「暗視LV10」「視覚領域拡張LV1」「毒耐性LV7」「麻痺耐性LV3」「石化耐性LV2」「酸耐性LV3」「腐蝕耐性LV3」「恐怖耐性LV5」「苦痛無効」「痛覚軽減LV5」「強力LV2」「堅固LV2」「韋駄天LV2」「禁忌LV2」「n%I=W」』

 

 蜘蛛さんがどんどん強くなってきてるよね。というか今更だけど蜘蛛さんが持ってる鑑定と私の仮面の違いって自分が持ってるってわかってるスキルは見れなくても二重鑑定できるってとこだよね。そこから何かにつながるわけでもないけどさぁ。

 

 

 蜘蛛さんがなんであの時魔物を二体食べれてたかが分かったみたい。

 

『過食:食事を限界を超えて摂取可能になる。また、その分のスタミナを余剰分としてストックすることができる。ただし、その分太る。レベルの上昇によってストックできる量が増える』

 

 だそうで、私がこのスキル獲得したらよまわりさんの体は謎だらけだから際限なく膨張しそうだなーなんて思っちゃうよ。

 んー、なんで蜘蛛さん太ってないんだろ? 

 

 さらに蜘蛛さんが自分のスキルの中にチートスキルを見つけたご様子。

 

『韋駄天:スキルレベル×100分平均速度能力にプラス補正が掛かる。また、レベルアップ時にスキルレベル×10分の成長補正が掛かる』

 

 闇ノ王以上じゃないですかー。自信なくすよー。ここまで来たら驚かないよー。

 

『……n%I=W?』

 

 蜘蛛さんがあの謎スキルを見つけたみたい。ごめんね蜘蛛さん、私も鑑定不能なんですー。

 

 

 ふぁ!? なんだって! 何気なく思ってた腐食耐性の腐食が

『腐蝕属性:死の崩壊を司る属性』

 

 だって!? タニシ虫そこまでだったの!? 非常食としても食べたくなくなってきたわ! 

 

 ~よまわりさん、蜘蛛さんとスキルについていろいろ話し中~

 

 ふへー勉強になったー私外道耐性が異様に高いから変な感覚がするだけで探知が使えるだけで耐性がないと頭がかち割れるように痛いんだーへー。

 

『猫に小判、豚に真珠、蜘蛛に探知』

 

 それ多分、外道耐性持ってないみんなそうだと思いますよ! 

 

 ◇

 

 ……岩陰に潜んでじっとする。

 

『エルローダズナッチ LV23 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 私達のいる岩からちょっと離れたところを、そいつはゆっくりと進んでいく。

 あれは、なにかな? 

 でっかい魚に手足が生えたようなぁ、なんか違うなぁ。

 そうだ、謎生物! これで解決だね。

 

 そんなことよりとんでもない事実がまたもや発覚した! なんと蜘蛛さん曰く! 

 私達が普段狩ってるような雑魚ですら、私達より断然数値が高いらしい! びっくり(゚д゚)! 

 

 ~よまわりさん、この話何度かわからない移動中~

 

 コソコソ。

 

『エルローコホコロ LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

『エルローコホコロ LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 あのでっかいダンゴムシ狩るぞー

 

 石を、おらららららっらららおら──ー。

 お前はもう死んでいる。キリッ! 

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV1からLV2になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV2』が『HP自動回復LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 お? おぉ? おー! ひゃほー! 超久々のレベルアップだー! しゃぁ────。やったぜー☆

 何々? 蜘蛛さんまた新しく称号ゲットしたの? むしゃむしゃ、糸使い? いーなー。むしゃむしゃ。ん? 蜘蛛さん何やってるのダンゴムシを切り付けて? 

 ってすげー! それレベ上げしたら

 ば、馬鹿な! 

 見えない斬撃だと!? 

 なんだ!? 

 何に切られているんだ!? 

 く、こ、これは、糸だと!? 

 みたいな展開できそうじゃないですかー。ずりー。

 

 あっ、蜘蛛さんがレベ上げのために作業始めた。じゃあ私はその間ほんとに久々の睡眠しようかなぁ。

 

 すやぁ。

 

 ~よまわりさん、睡眠中~

 

 おはようございます。目の前に糸で切られたダンゴムシらしき何かがあって起きて早々SAN値削れたよ! 驚きだね! 

 

 

 じゃねえよナニコレ! ガタガタ。SAN値削れる、人、したいしょ。

 あ──────ーきこえない────ー私にトラウマなんてない────ー! 何もおぼえてないぃ────死体しょあ゛────なんのこと────。

 

 

 

 はぁはぁ疲れた。ん? 探知に反応が……。

 

『アノグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』

『アノグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 初めて見る魔物だー。がっつり見つかってるから奇襲できないなーどーしよ。

 石をおらー(以下略

 

 勝てた。片方のやつを蜘蛛さんに任せてもう片方のやつを相手してたら向こうがめっちゃ早くていつぞやの蛇戦みたいになったよ! 

 マジ怖かった。蜘蛛さんも戦闘おわったっぽい。

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんLV2からLV3になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV4』が『神性領域拡張LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV2』が『毒耐性LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV3』が『HP自動回復LV4』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 やったぜ、ステータス確認しーよおっと。

 

『よまわりさん LV3 名前 なし

 HP:/190(緑)

 MP:/3100(青)

 SP:/210(黄)

 :/210(赤)

 平均攻撃能力:22(+30)

 平均防御能力:22(+30)

 平均魔法能力:320(+30)

 平均抵抗能力:21(+30)

 平均速度能力:32(+30)

 スキル

「暗視LV2」「予見LV5」「演算処理LV2」「闇ノ王LV3」「闇ノ仮面LV3」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV5」「並列思考LV3」「外道大耐性LV3」「毒耐性LV3」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「禁忌LV3」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「恐怖耐性LV4」「HP自動回復LV4」「隠密LV2」「睡眠耐性LV8」「n%I=W」』

 

 

 魔法系の上がりようがおかしいよぉ。もはや、魔法が使えない私への当てつけかってぐらいにぃ。

 

 そーだ、今倒した猿たーべよっと。

 ん! こいつ毒持ってない! でもなんか臭みがあってそこまでうまくない。

 もうそろそろお腹いっぱいだけどまだ残ってるなー

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『過食LV1』を獲得しました》

 

 やったぜ。

 おぉーこれが食べてるのにお腹いっぱいにならない感じか! すげー! 

 

 猿を食べ終わったしここには用がないから別の場所へレッツゴー!




おわったっぽいっていうところを間違っておわったっぴって打ってた。
昔見てたキッズステーションのハッピークラッピーとかいう感じの番組にそんな語尾のやつがいるの思い出した。


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よまわりさん、猿達と戦う。

蜘蛛ですがのスキルの表示順がわからん。
ステータス表示間違ってなかったらいいなー


ねむい・・・。

さっき寝たばっかだけど、眠い。

久しぶりに寝たせいで眠ることの心地よさを思い出してしまった。

そんなこんなでテンション低めな私です。

もっと寝たい。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『睡眠耐性LV8』がLV『睡眠耐性LV9』になりました》

 

『眠い。』

 

蜘蛛さんも同意見ですか、蜘蛛さんって私より寝てますよね?

 

『(ホーム無しが)きつい。』

 

・・・どうしよう。

ついに蜘蛛さんのセリフに隠れてる部分が分かってきたよ。

もしかしたらいつか蜘蛛さんが一言話した瞬間その言葉に隠れてる長文が分かるかもしれな・・・

Zzzz・・・

っは!移動したまま寝るとか器用なことしそうになった!危ない危ない。

なんか案考えないと・・・。こんな深く考えない能天気しかも絶賛お眠野郎の頭脳でなんか考えないと・・・。

 

考えるだけ無駄だろ・・・。

 

なんかあきれられたような声聞こえたけど眠くて幻聴聞こえてるのかな?

はぁ。蜘蛛さんになんか思いついてないか聞いてみよう・・・。

 

『蜘蛛さんなんか案ありませんか?』

『思いついた!』

 

珍しく蜘蛛さんが元気な返事返してくれた!で、どこにホーム作るんですか!?

 

『・・・上。』

 

上?見上げる限りたかーい壁と高いところにある天井ぐらいしかないけどまさか・・・。

 

『そのまさか。』

 

おうふ、マジかよ。

 

 

計画はこうだ!

蜘蛛さんが先に壁上っていって軽くホーム作っておいてそこのすぐ横の壁を私の袋の中に入れてある石でガンガン削って私が入れる大きさの横穴をあけてその穴の入り口前まで巣を張る感じで穴を隠す感じさ!

・・・・・・誰に説明してるのかわかんないし説明へたくそだな、私。

 

そんなことより今よまわりさんの体で必死に崖登り中です。

・・・つれえ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『立体機動LV1』を獲得しました》

 

お?ナニコレ?立体機動ってどっかの進撃しちゃう巨人漫画のあれしか思いつかんぞ?

あれできるの?マジで?楽チンしちゃうよ?

 

『立体機動:壁走りや天井着地などの三次元的な動きを可能にする』

 

思ってたんとちゃう。

十分便利だしこの状況を解決できるけどなんかちゃう。

確かに立体機動だけど期待してたんとちゃう。

まあいいか、楽になったし壁走れるし。

 

うぉ!蜘蛛さんが地上に降りてった!何してんだろ?

ヒエ!下見ちゃったぁ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV4』が『恐怖耐性LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV5』が『恐怖耐性LV6』になりました》

 

自分よ、そこまで怖かったか。ごめんよ、そして我慢よ。

 

・・・ってすげえ!蜘蛛さん岩抱えて壁上ってるよ!すげえ。

あ、そんなこと気にしてる暇じゃねえ!自分よ!私の安眠爆睡のためにも急ぐぞ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『瞬発LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『持久LV1』を獲得しました》

 

なんかゲットしたけどあとでだあああ

 

~よまわりさん、壁登り&横穴明け中~

 

うぅ。やっとおわったよぉ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV3』が『闇ノ王LV4』になりました》

 

なぜこのタイミング?とりあえず見てから寝ようかな?

 

『闇ノ王LV4:自己のステータスのMPと魔法能力に×100される。他のスキルで増加された部分にも有効、適応される。システムの上限を超えても有効。表記される。

なお、膨大な量となるのですべての表記は簡略され合計の量だけ表示される。

また、この解説を読み終えると同時に禁忌が一つ上昇する。』

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV3』が『禁忌LV4』になりました。》

 

『瞬発:スキルレベル分SP(瞬発)にプラス補正が掛かる』

『持久:スキルレベル分SP(持久)にプラス補正が掛かる』

 

・・・は?これなんてチート?

ついでに魔法がまだ一つも使えないどころかMPを使うスキルでさえ持ってない私は現状、何の効果もなくただただ禁忌が上がっただけなんですけどそれは?どうしろってんの?

 

魔法め、よくも。って今の自分のステータスどうなってんだろ?

 

『よまわりさん LV3 名前 なし

HP:190/190(緑)

MP:350000/350000(青)

SP:211/211(黄)

  :211/211(赤)

平均攻撃能力:62

平均防御能力:62

平均魔法能力:36000

平均抵抗能力:51

平均速度能力:52

スキル

「暗視LV4」「予見LV5」「演算処理LV3」「闇ノ王LV4」「闇ノ仮面LV3」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV6」「並列思考LV3」「外道大耐性LV4」「毒耐性LV3」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「恐怖耐性LV6」「HP自動回復LV4」「隠密LV3」「睡眠耐性LV9」「過食LV1」「立体機動LV1」「瞬発LV1」「持久LV1」「禁忌LV4」「n%I=W」』

 

 

はぁ、MPが数十万も。ステータスの限界ってどこなんだろ。もしかしたらMPはもう越してるかもなぁ。使えないけど。

 

『お休み。』

 

あ、蜘蛛さん。おやすみです。

 

ぐーすーぴー。

 

 

おはようございます。がやがや騒がしいので起きてしまいました。

なんか探知に引っ掛かりますですこんちきしょう。誰だ私の安眠を邪魔する輩は成敗してくれ・・・る?

 

おかしいぞ?計算能力が足りなくてそのせいか実は壁上ってる最中に外道大耐性と演算処理と共にレベルが上がった探知君の反応がおかしいぞバグったか?

前に倒した猿と全く同じ反応がたーくさんホームの下にあるんだが?

 

『おきて!』

 

起きてます蜘蛛さん!ついでに事態は把握してますよ!

っそうだ!蜘蛛さん!私は袋に入れてある石を猿どもに投げつけまくります!

 

『っそうだ!っていうほどの物?それ。』

 

こんな緊急事態に蜘蛛さんの長文聞けたぜ☆

?蜘蛛さんなんかダメージ食らってません?

え?やつら石投げてきた?さいですか。私の得意技を使うとかやつらなめ腐ってやがりますぜ。やっちゃいましょう蜘蛛さん。へっへっへ。

 

『悪役感。』

 

うお!登ってきてる!巣の隙間から石をおらー!

もっとじゃおらーおらおらおらー

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『命中LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV1』を獲得しました》

 

なんかゲットしたぜおらー!あとでかくにんだ、おらあああ!

 

 

 

はぁはぁはぁ、ああ。

だいぶ倒したよぉ。

だいぶピンチになったけどその代わりLV上がったよぉ!しかも複数!らっきー!

はぁはぁ。

 

あいつら増えてってる気がするよ。まじつれえ。

 

まだ石投げないと。そろそろなくなる。また後ろの穴で石回収かなぁ?なかなか持ち場を離れられないけど。

 

 

うわぁ!猿が上ってきて私の腕ちぎりやがったぁ!またかよ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『生命LV1』を獲得しました》

 

おらッ!石で殴るぞおらァ!

 

は!?なにあれ!

あ、あいつらぁ!あの時の鰐口猿ぅ!

 

『バグラグラッチ LV3 ステータスの鑑定に失敗しました』

『バグラグラッチ LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』

『バグラグラッチ LV6 ステータスの鑑定に失敗しました』

『バグラグラッチ LV2 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

なんで私はきづかなかったの!気づけよ!私!名前の一部が同じだったんだから猿どもの進化系な可能性があるって!

あの牙たくさんな鰐口巨猿どもが猿の進化系って!

 

あぁ!自分の頭が悪いのがこういう時に響くなんて!

っつ!?

 

『蜘蛛さん!あいつ岩投げてきます!壁に避難を!』

 

私の予見で一瞬予備動作をする姿が見えたよ!急いで壁に行かなきゃ!

 

がごおおん

 

あ、岩が私の掘った穴に巣を壊しながら入っていっちゃった!立体機動あってよかった!じゃないと今頃落ちて猿に囲まれてるよ!

何ちゅーパワーと命中度や

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『立体機動LV1』が『立体機動LV2』になりました》

 

ここでのレベルアップはありがたい!おっ蜘蛛さんは即興足場作りだした!私は掘ってる暇ないからどうしよぉ?マジどうしよう。

 

あの猿どもまた突っ込んできやがった!ってか何あれ!?糸に体を広げてくっついて後から来るやつの足場になってるじゃん!

自己犠牲?すげー。

 

並列思考頑張って使ってみて鰐口猿に意識を向けてるけど、うーん?蜘蛛さんも同じ事やってるっぽい?ん!集中上がった。

 

あっ鰐口猿動き出した!

お!レべ3とレべ2のやつが下がってってる!うんうん!いーねー!そのまま皆さんごーあうぇいしてください!くるっとこちらを向きなおさないでください!お願いだから今走ってるのやめてかえってくださいいいい!そして跳ぶなあ!!

避けなきゃ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『瞬発LV1』が『瞬発LV2』になりました》

 

っつあぶねえ真横にきやがった!だけど今だ!今持ってる限りの石をおらァああッ!

 

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV6からLV7になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『並列思考LV5』が『並列思考LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV5』が『集中LV6』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

ちぎられた腕が回復してくーって、蜘蛛さん危ない!鰐口猿来てます!

ってすげえ蜘蛛さん鰐口猿糸で張り付けた!っつもう一匹きた!蜘蛛さんこんどこそ危ない!

 

うらぁ石攻撃ぃぃいいいいい!

 

っちしまった蜘蛛さんの足が!

 

うらあ!鰐口猿!くらえええ!

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV7からLV8になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV2』が『HP自動回復LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『生命LV1』が『生命LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予見LV5』が『予見LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV5』が『HP自動回復LV6』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

良かった。蜘蛛さんの巣に鰐口猿が絡まってくれたおかげで倒せた!

 

 

はぁー最後の猿が蜘蛛さんの糸に捕まってるー終わったーぁ。

んー周りがすっごい猿どもで死屍累々としてるよー生きてるけど。

 

『終わった?』

 

終わりましたよー蜘蛛さん!私の探知の範囲内にはあいつらいませんもん。

 

猿を迎撃しつつ、巨猿の拘束を続行するの予想以上にハードだったぁ。

 

『とどめさすよ。』

 

オッケーです。

 

~よまわりさん&蜘蛛さん、猿にとどめさす作業中~

 

おわったぁ

 

《条件を満たしました。称号『無慈悲』を獲得しました》

《称号『無慈悲』の効果により、スキル『外道魔法LV1』『外道耐性LV1』を獲得しました》

《『外道耐性LV1』が『外道大耐性LV5』に統合されました》

 

《条件を満たしました。称号『魔物の殺戮者』を獲得しました》

《称号『魔物の殺戮者』の効果により、スキル『剛力LV1』『堅牢LV1』を獲得しました》

 

終わったと同時になんかゲットしたぁ。むー。いやなのゲットしたよ。

あとLVが上限に行ったから進化できるようになったよぉ疲れたぁ。

進化先食べてる最中に見たけどぉ

 

《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。

よまわりさん

よまわりさん

よまわりさん》

 

だそうでまたかよと思いましたよこんにゃろーしかも二重鑑定できないかなって思ってやったら

 

『よまわりさん:鑑定不能』

『よまわりさん:鑑定不能』

『よまわりさん:鑑定不能』

 

って出るんだよ。ほとんど選ばせる気ないよね前回と同じとこでいいかな?

え?蜘蛛さんも進化なの?じゃあ一緒にしようかおやすみー

 

『おやすみ。』

 

 

《進化が完了しました》

《種族よまわりさんになりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度進化ボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV3』が『演算処理LV4』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV3』が『闇ノ仮面LV4』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV5』が『視覚強化LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV5』が『集中LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道魔法LV1』が『外道魔法LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『腐食耐性LV4』が『腐食耐性LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV5』が『毒耐性LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道大耐性LV5』が『外道大耐性LV6』になりました》

《進化によりスキル『影魔法LV6』を獲得しました》

《進化によりスキル『酸耐性LV9』を獲得しました》

《進化によりスキル『状態異常耐性LV1』を獲得しました》

《『睡眠耐性LV9』が『状態異常耐性LV1』に統合されました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『状態異常耐性LV1』が『状態異常耐性LV5』になりました》

《『毒耐性LV6』が『状態異常耐性LV5』に統合されました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『状態異常耐性LV5』が『状態異常耐性LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『状態異常耐性LV10』がスキル『状態異常大耐性LV1』に進化しました》

《『酸耐性LV9』が『状態異常大耐性LV1』に統合されました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『状態異常大耐性LV1』が『状態異常耐性LV4』になりました》

《スキルポイントを入手しました》




ステータスの禁忌の位置を移動させてみました。

あと、よまわりさんが壁登ってる姿を想像して思わず吹いちゃいましした。


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よまわりさん、スキルレベル上げする

年明けたぞーーー!
あけましておめでとうございます。
ことしもよろしくおねがいします!

新年初投稿!
よまわりさんからなにか一言どうぞ!
よまわりさん『お年玉の代わりにロリくださーい』
蜘蛛さん『ロリコン』
よ『ロリコンじゃないです蜘蛛さん!フェミニストです!ほら!そこの作者!笑うな!』


おっはよー!

ぐっすり眠れたぜー!

ひゃっほーテンションマックスですぜぇ☆

と、いうわけでご飯食べよーと。

いただきます。

 

むしゃむしゃ。

ステータス確認しようかなぁ。

 

『よまわりさん LV1 名前 なし

HP:281/281(緑)

 MP:490000/490000(青)

 SP:292/292(黄)

   :20/291(赤)

平均攻撃能力:90

平均防御能力:90

平均魔法能力:55000

平均抵抗能力:80

平均速度能力:90

スキル

「暗視LV4」「予見LV7」「演算処理LV4」「闇ノ王LV4」「闇ノ仮面LV4」「視覚強化LV6」「聴覚強化LV3」「嗅覚強化LV2」「触覚強化LV2」「探知LV7」「並列思考LV6」「外道大耐性LV6」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理ノ鋏」「恐怖耐性LV8」「HP自動回復LV6」「隠密LV3」「過食LV4」「立体機動LV2」「瞬発LV2」「持久LV1」「集中LV6」「命中LV4」「生命LV2」「外道魔法LV2」「影魔法LV1」「剛力LV1」「堅牢LV1」「状態異常大耐性LV4」「禁忌LV4」「n%I=W」

称号

「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」

 

もう、MP類には突っ込まない方針で。

・・・うん。

あとスキルはどうなんだろ

 

『生命:スキルレベル分HPにプラス補正が掛かる』

『剛力:スキルレベル×10分平均攻撃能力にプラス補正が掛かる。また、レベルアップ時にスキルレベル分の成長補正が掛かる』

『堅牢:スキルレベル×10分平均防御能力にプラス補正が掛かる。また、レベルアップ時にスキルレベル分の成長補正が掛かる』

 

予想通りかな?

 

あ、あー魔法ゲットしてる!

きづかなかった!

よしよしなんじゃこの外道魔法って?

あきらかにあかんやつなんだが・・・。

 

『外道魔法:魂を直接犯す魔法。使用可能な魔法はレベルによって異なる。LV1:不快LV2:幻痛』

 

使えるかな?

 

外道魔法!不快!

 

・・・。

・・・・・・。

く、蜘蛛さーん!使えないよぉおおおおおお!

 

『私も。』

 

だからですかあああ蜘蛛さんがあきらめてたのはああああ!

もういい!

GMでてこいやああああ!

あれだろ!私のスキルに管理者とか書いてあったぞぉ!

スキルという名のシステムのGMいるんだろぉGMぅでてこいやあああああ。

 

はぁ。

・・・あきらめよう。

そういえば今回前回ほどお腹すいてないけどあれかな?

過食のおかげかな?

まあいいけど、とっとと過食レベル上げてストック数増やしたいなぁ。

 

そういや今のスキルポイントってどれぐらいたまってんだろ?

2000ぐらいたまってそうだな。

スキルポイントについて検証してみようかな?

 

まずはぁなんかスキルないかな?

 

うーん。

 

~よまわりさん、猿食べながら考え中~

 

あ!

ほら、七つの大罪系でさ。嫉妬とかないかな?

 

《現在所持スキルポイントは2100です。

 スキル『嫉妬』をスキルポイント800使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

ねえ、これって高いの?そこで色々スキル試してる蜘蛛さん?

え?鑑定が今のスキルポイントで入手可能なスキルを表示してくれるようになったって?

え?鑑定様を呼び捨てするなって?

あ、はい。

 

あ・・・ちょっま、蜘蛛さーん。

ダメだ。

蜘蛛さんスキルリストに夢中だ。

じゃあちょっと嫉妬については置いといて嫉妬は800だから1300は使えるってわけだ!

なんかほかに思いつくスキルないかなー?

不死とかぁ

 

《現在所持スキルポイントは2100です。

 スキル『不死』をスキルポイント3000使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

おい!

それでいいのか?不死!

あと900でとれちゃうよ!

よまわりさんなことが関係してるのかな?

ほら、不死じゃなくても超長寿じゃん。

あとはぁ、投擲とか

 

《現在所持スキルポイントは2100です。

 スキル『投擲』をスキルポイント0使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

いや、それスキルポイントいるいらない以前に入手できるやんしとけよ!

 

《『投擲』を取得しました。残りスキルポイント2100です。0だったのは私のミスです。すいません》

 

なんか謝られたんだけどぉ!

誰だよ!

あれかやっぱり管理者なの?何なの?

あとはぁないかなぁ。

スキルポイントでスキルのレベルを上げられるかやってみようかな?

じゃあ過食にスキルポイントを送るイメージで

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『過食LV6』が『過食LV7』になりました》

 

あ、猿食べてたら過食上がってたの忘れてた。

まあいいや、スキルポイント使えることわかったし。

 

ん?蜘蛛さんそんなドヤって雰囲気でどうしたんっですか?

 

『傲慢ゲットした。』

『え?』

『100で』

 

ええ!?傲慢ていう七つの大罪系スキルを100でゲット!?びっくらだわー。

 

『蜘蛛さん、私も嫉妬800で覚えられそうなんですよ!』

『マジ?』

『マジですマジです。』

『ゲットしな』

『いえっさー』

 

《『嫉妬』を取得しました。残りスキルポイント1300です。》

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV5』が『禁忌LV6』になりました》

 

え!?マジかよ禁忌かよぉ!

 

それは置いといてー

じゃあさっそく嫉妬の効果調べてみよう!

 

『嫉妬:神へと至らんとするn%の力。自身の持つ神性領域を拡張する。相手のスキルを強制的に使用不能にする。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』

 

《条件を満たしました。称号『嫉妬の支配者』を獲得しました》

《称号『嫉妬の支配者』の効果により、スキル『天鱗LV10』『禍根』を獲得しました》

 

なんか強そうなスキルゲットしたぁ。

 

『嫉妬の支配者:習得スキル『天鱗LV10』『禍根』:習得条件:「嫉妬」の獲得:効果:物理、魔法、斬撃耐性の上昇。支配者階級特権を獲得:説明:嫉妬を支配せしものに贈られる称号』

『天鱗:龍種限定のスキル。物理魔法両方の防御力を飛躍させる。』

 

わっわーねえこれ龍種限定ってついてるけど私使えるの?これ。

 

まあいいや強くなったし。

 

残りのスキルポイントどうしようかなー残しとくでいいかなー蜘蛛さん色々終わるまで暇ダナー

演算処理のレベルあげしようかなー

9の段をやって9×9越してもつづけてみようかな?

 

~よまわりさん、

 

《条件を満たしました。スキル『演算処理LV10』がスキル『高速演算LV1』に進化しました》

 

おっ!

やったぜ☆

 

『行くよー』

 

え、あ、もう出発するんすか?

んじゃまあ行きますかぁ!

 

『蜘蛛さん、どっちに行くんでしたっけ?』

『あっち』

 

はーい

 

 

ふー歩き続けて疲れたー。

あの後ずーと歩きながらスキルのレベル上げをしてたから余計疲れたー。

あとなんか暑い。

ん?暑い?

快適な温度だったはずの下層で暑い?

しかも私の探知には危険そうな気配は無い。

ん?もしかしてこれ

 

『蜘蛛さん、これ気づいてます?』

『暑い、そして上り坂?』

 

え?上り坂?あ、ほんとだ気づかなかった。

でもどちらにせよやったぜ

 

『中層が近いぜ』

『そうですね蜘蛛さん!』

『走ろうぜ』

『いいですね!』

 

あー待ってくださいよー蜘蛛さーん

じゃねえ!蜘蛛さんはええよ!

 

『待ってー』

 

あ、よかった気づいてくれたみたい。

 

ん?もうそろ上りきる感じかな?

ここまで長かったぁ。

らすとすぱーとだうおおおお

 

はぁ、そんなもんだと思ってたよ。

この迷宮鬼畜だもんそりゃ中層がマグマ地帯とかありえるよね。

はあ。

ってかそれより熱い!熱いよぉ!

 

え、HP1減ってる!熱さで減ったの?

マグマだけならよかったけど地形ダメージはひでえよぉ!

 

『道はあるみたい。』

『マジすか蜘蛛さんでもこれどうします?』

 

あ、マグマん中に魔物発見!

どんな耐性持ってんの?あいつ。

 

 

『エルローゲネラッシュ LV7

ステータス

HP:167/167(緑)

MP:145/158(青)

SP:155/155(黄)

  :156/165(赤)

ステータスの鑑定に失敗しました』

 

そういや、仮面よ、まだお主相手のスキル見れなかったよな。

でもあいつのHPとかわかるのはありがてー。

え?蜘蛛さんは平均能力まで見えてるって?頑張らねば。

 

と、これは置いといて。

なんであいつマグマ泳げてるのさぁ!

ずるい。

 

え?蜘蛛さんなになに?二重鑑定して見ろだって?

 

『エルローゲネラッシュ:エルロー大迷宮中層に生息する下位竜に属する魔物。炎を操り、炎に守られる』

 

おおほんとだ!中層だぁやっほぃ!

てかあれ竜なんだー

 

『エルロー大迷宮中層:エルロー大迷宮の上層と下層の間に位置するエリア。エリア全体がマグマの流れる灼熱の地形となり、炎に耐性を持つ魔物が多数生息している』

 

中層なのには喜ぶけどこれには喜べんなぁ。炎の耐性かーマグマに触れたらゲットできないかなぁ?

 

『いったん避難』

 

あ、おkです蜘蛛さん。

 

なんか蜘蛛さん考えこんでる。ちょっと待ってようかな?

 

~よまわりさん、待機中~

 

しばらく下層と中層の間に巣を張ることになったぁ!

しばらく休めるぅ! イエイ!

まあ、蜘蛛さんに言われてるからぐーたらはできないけどね

火耐性の獲得とHP自動回復のスキルレベルアップを目指すとのことで頑張らなきゃ!

 

日に何度か中層に行って、HPが減ったら戻ってくるっていうのを繰り返すことを蜘蛛さんがやるとのことで私も同じことをやろうかなーと思うです。

 

あとは、蜘蛛さんがその有り余るMPを無駄にしないようになにか覚えといてーとのことです。

私が持てる今使い方がわからない魔法以外のスキルでMP使うやつを探さないかんのです。

どーしよ。

 

 

・・・どうしよう、蜘蛛さんが蜘蛛さんがああああ!

自分の体に糸に斬糸付けて操糸で操ってばしばし叩き始めたぁ。

くっ蜘蛛さーん戻ってきてー最近おなじこといったきがするけど戻ってきてー

 

『耐性あげるためにやってる』

 

ふぇ?

よかったああああああああぁぁぁ!

蜘蛛さーん!

蜘蛛さんがMになっちゃったらどうしようと思いましたよおお!

よかったああああ!

 

『うるさい』

 

あっすいません。

 

 

いろんなスキルゲットしたりレベル上げたよー

色々上がったよー

まず、ゲットしたスキルを発表しよう

デデデデデデッデデ

ででん

SP消費緩和と回復速度

・・・うん。

えと、蜘蛛さんはこれのMPバージョンをゲットしたんだけどねぇ

私、MP使えないからねぇ

 

次!

気闘法!

これ1番燃えたよーゲットした時()

そう、ゲットした時()

気だよ!気力だよ!憧れるじゃん!

だってさーこれ赤のSP使うんだよー

私、過食のレベル今回のレベル上げで上がったの7までだよー?

異常な上がり方だけどさーうん。ストック分少ないんだよねー。

これの魔力版あったらいいのになー。

 

もひとつ

火耐性!

目標にしてたやつだね。

マグマに触手突っ込んで手にいれたよ

 

結果そこまで強くなれなかったんだよねー

蜘蛛さんは結構強くなったんだよなー

いいなーパルパル

 

んまあなんで唐突に結果なんてまとめたかと言うとー

蜘蛛さんが突然

 

『そうだ、中層行こう』

 

とか言い出すんだよぉ。

びっくりした。

 

『思い立ったが吉日』

 

とかいって出発するよーとか言ってる今

 

『早く』

『あっはーい!今行きまーす!』

 

しばらくゆっくりしたホームにもおわかれだぁ

ホームよさらば

また会うかどうかは知らん!

 

どおおおおおおん

 

ぎゃああああ

地龍だああああ

ホーム破壊しやがったあああ

平和ボケしてたせいで探知に気を配るの忘れてたあああ

地龍じゃないでしゅかあああ

あわわわわわ

 

『行くよ!』

『はいです!』




嫉妬の入手スキル出てませんからね!
吸血鬼っ子のステータス探してそれっぽいの見つけてきました。
その名も禍根!
異論は認める。

新年そうそう2箇所まちがった


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あちーです中層。編
よまわりさん、(ナマズ)もぐもぐ


今まで予測のスキルの進化先を予見じゃなく予知にしてたあああ。
直すの疲れたー。
まだ予知が生き残ってたら言ってください


熱い、あちーですよ

不思議だと思うんだ、よまわりさんの体で熱を感じるのさぁ

あちーよ、地龍現れてあの後めちゃくちゃ走ったせいで余計体力があれだよぉ。

何この中層、サウナじゃん。

じゃん。

じゃじゃん。

 

『蜘蛛さーん熱いです。へるぷみーです。』

『疲れるからできるだけ喋らないで』

『はーい。』

 

『・・・鑑定したステータス見れたところまで全部4桁だった。』

『マジすか。』

『マジ』

 

地龍勝てる気しないわー

 

『あっち行くよ』

『はいです。』

 

お、魔物だー

 

『エルローゲネラッシュ LV5

 ステータス

 HP:159/159(緑)

 MP:145/148(青)

 SP:145/145(黄)

   :116/145(赤)

 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

竜の落とし子だーあいつマグマの中泳いでやがるよなーうらやましいわぁ

ん、なんですか蜘蛛さん?え?あいつが進行方向にいるから戦うって?だからそこで待っててって?

あ、わかりましたぁ。

 

おー蜘蛛さんが斬糸使ってるよーあれいいよなぁ。

あ、糸燃えたぁ!マグマに触れてもないのにー。

あーこれで蜘蛛さんのメイン武器の一つが封じられちゃったってことかー

ちなみにもう一つは毒だよぉ。

 

あれー?あれなんだ?

竜の落とし子が火を発射()いてるー

あ、蜘蛛さんが火の玉よけたー

あれー火の玉が自分のほうに飛んでくるぞー

・・・・・・。

あれ、飛んでくる?

ぎゃあああ!

逃げねばあああああああ!

はーあぶねー観賞してる暇ねぇ

第二射撃きたぁあああ!

よっと!

避けれた、よかった。

 

あ゛ぁ‶あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

あ゛っぶねー

また飛んできたよ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『回避LV1』を獲得しました》

 

なんかゲットした!こんなスキルあるんだったら蛇戦の時にゲットしてそうだったけどなんで今までゲットしてなかったのか気になるな、私ぃ。

 

それにしても蜘蛛さん次の一手が打てなくて大変そうだなー蜘蛛さんが戦うとか言ってたから手はかさないけどぉ。

 

 

『エルローゲネラッシュ LV5

ステータス

HP:159/159(緑)

MP:20/148(青)

SP:145/145(黄)

  :116/145(赤)

ステータスの鑑定に失敗しました』

 

うん?あいつそろそろMP尽きるなぁ。

じゃあ勝てるかも!

頑張れー蜘蛛さんー!

 

は?竜の落とし子意外とバカだった。

私でさえ竜の落とし子と同じ事やってたとしたらMP尽きた瞬間に潜って逃げるのにぃ。

あいつ、蜘蛛さんに突撃したよ。

馬鹿だよ。

阿呆だよ。

おー蜘蛛さんが突っ込んでった竜の落とし子に毒牙を刺したよ!

あれ?蜘蛛さんHP減ってね?

お、竜の落とし子が死んだ。

 

『熱かった』

 

あ、え?

ああ、竜の落とし子熱かったんですかぁ?

あーなるほど。

だからHP減ってたんですか。

んじゃあ、竜の落とし子食べますかぁ!

ん、下層のやつよりおいしい?微妙?

 

~よまわりさん、いどう中~

 

ただいませんとーちゅー

 

ほっ!

火の玉!

よけなきゃ!

 

おっし、竜の落とし子のMPが尽きた!

向かってきたー!

おらー!

一回試してみたかった理ノ鋏でしゃきーん、と!

おおお!

竜の落とし子が真っ二つだーすげー!

 

あとはぁ鋏で竜の落とし子の鱗をしゃきーんとぉ!

む、意外とムズイ。

あとは冷めるのまーとおっと!

お!蜘蛛さんも仕留め終わったんですかぁ!

蜘蛛さんのやつの鱗も切っちゃいますねー

 

あれ、石をもって何してるんですか蜘蛛さん?

ん?あそこにいる竜の落とし子に石投げてみるんですか?

 

おおー?

HPはあまりへってませんねー

 

 

お、結局毒牙で仕留めたみたい。

石投げても少しマシ程度みたいだけどあんまり変わってないみたいだよねぇ。

 

 

 

『エルローゲネセブン LV7

ステータス

HP:461/461(緑)

MP:223/223(青)

SP:218/218(黄)

  :451/466(赤)

 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

『エルローゲネセブン:エルロー大迷宮中層に生息する下位竜に属する魔物。雑食性でその大口により何でも飲み込む』

 

わっわー

ナニアレ、ナマズ?

逃げたい。

だってぇ!

あのナマズの大口さぁ、ちょーど私と蜘蛛さんがすっぽり入るサイズなんだもんさぁ。

 

『そろーり行くよ』

 

おけです。

 

ブクブク ばしゃあ

 

ふぁ!

ナマズまた出てきた!

 

ん?

ナマズが私たちを見つめてる?

 

がば

 

ぎゃああ!

あぶねえええええ!

ナマズが突っ込んできやがったぁ!

おお、さっきまで私たちがいたところにナマズがかぶりついてるよぉ。

はーナマズがのっそりと陸に上がってきたー手足ついてるー鱗あるー防御堅そうー

うん、にげようー

 

あ!さっきいたもう片方のナマズもマグマから出てきてる!

かっ囲まれた!

 

 

 

あっ・・・うん。

えーとぉ。

大変申し上げにくいのですがぁ。

蜘蛛さんが私が戦う前に瞬時に片方相手しちゃったんですよ。

ああぁ、ナマズが毒食らってのたうち回ってるぅ。

ああ、もう片方のナマズは引いちゃってるよ。

え?私の反応?

 

『あんな強そうなナマズを一瞬で行動不能にするなんて!そこにしびれる!あこがれるう!』

 

だよ?

え?

なんかおかしなこと私言った?

あ、元気な方のナマズが逃げてった。

 

『蜘蛛さんお帰りです!集中がカンストしたんですか?どういうのになったんですか?』

『読み上げると『思考加速:思考を加速させ、知覚できる時間を引き伸ばす』だって。』

『ナニソレ強そうです。』

 

えっと、私の集中のレベルは今は9だったっけな?うん、頑張ってレベル上げよう。

 

『しかもなんと消費なし!』

 

うん、早急にレベル上げよう。

そうしよう。

 

へ?

マジすか蜘蛛さん、予測が予見までいったんすか。

すごいですよこのスキル、とりあえず効果を見てみてください。

 

ふぁ?

え、鑑定がレベルアップした?

色々レベル上がりすぎじゃないですか蜘蛛さん、すごいっすよ。

 

ねえねえ、蜘蛛さーん!

ナマズ冷めましたよー

あー、中層の魔物って熱くて倒したばかりじゃ食べれないのがあれだよなー

 

お、ナマズうまい!

しまった!蜘蛛さんが一匹仕留めてる間にもう一匹私が殺っとくんだった!

はーナマズうめぇ!

もっと味わって味覚に集中して食べよおっと!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『味覚強化LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『嗅覚強化LV5』が『嗅覚強化LV6』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV9』が『集中LV10』になりました》

 

《条件を満たしました。スキル『集中LV10』からスキル『思考加速LV1』が派生しました》

 

ふえ?

まじで!?

やったぜ!

思考加速(゚∀゚)キタコレ!!!

これが思考加速による遅い世界かー

すげー

っとそれより味わって食べないと!

 

『ナマズ狩ろう』

『いえっさー』

 

 

ナマズーでてこいー

お前は完全に包囲されている!

抵抗をやめて出てきなさい!

 

いねえ。

ナマズはよこい!

そして蜘蛛さんと私にくわれろ!

そして(よまわりさん)の血となり肉となるのだぁ!

 

そういう時に限ってほかのやつが出てくるんだよなー

 

 

『エルローゲネラッシュ LV8

 ステータス

 HP:170/170(緑)

 MP:161/161(青)

 SP:158/158(黄)

   :156/167(赤)

ステータスの鑑定に失敗しました』

 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV4』が『闇ノ仮面LV5』になりました》

 

名前厨二病スキル第二弾がレベルアップしたよぉ!

もっかいあいつ視てみよう!

 

『エルローゲネラッシュ LV8

ステータス

HP:170/170(緑)

MP:161/161(青)

SP:158/158(黄)

  :156/167(赤)

平均攻撃能力:87

平均防御能力:84

平均魔法能力:84

平均抵抗能力:81

平均速度能力:91

ステータスの鑑定に失敗しました』

 

おおお!ここまで見えるようになったぁ!

やったぜ☆

 

え?何してんの蜘蛛さん?

火の玉よけるのはわかるし私もやってますけどなぜ石持ってるの?

あ、すげーその発想はなかったぁ!

あってもできなかったけどぉ!

石に毒合成で毒ぶっかけて投げるなんて!

 

命中しましたね!

でも、そこまで効果ないっぽい?

肌がそのまま出てる魔物なら効果あったかもですね。

 

ん、竜の落とし子のMP切れた。

あーあ、やっぱり思うけどそこで向かってこなきゃいいのになぁ。

そんな簡単に仕留められずに済むのにぃ。

 

~よまわりさん、引き続きナマズ捜索中(中層探索中)

 

ナーマーズここで会ったが100年目!

さぁ!

私の胃の中に入ってもらおうか!

 

ちなみに蜘蛛さん曰くナマズのスキルは「火竜LV2」「龍鱗LV1」「命中LV7」「遊泳LV6」「過食LV2」「炎熱無効」とのことだったよ。

龍鱗って私の天鱗の下位互換だよね?

 

今回はナマズとの戦闘は私の番だよー

まず鋏召喚!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV4』が『禁忌LV5』になりました》

 

わすれてた。

ナマズ!覚悟!

よいしょーって火をよけてー

ちょきっとな!

そして即座に離れてぇ。

石をおうらああ!

おっ片目に当たったぁ!

やったぜ

また火の玉よけてー

 

あ、火攻撃やめた。

うおお、火を纏って大口開けて突っ込んできやがった!

あ!そうだ!

おら!って感じで口ん中に開いた状態の鋏を投げ込んでグサッと!

 

かったぜ

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV4からLV5になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『火耐性LV4』が『火耐性LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『状態異常大耐性LV4』が『状態異常大耐性LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『剛力LV1』が『剛力LV2』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

そんなのどうでもいいからごっはんごっはんおいしいごっはん

 

うめーナマズ

まじうえめー

これ人の体だったら涙出てるかもぉ

うっうぅ!

うめー

 

う・ま・かっ・た・ぜ

 

つーわけでまたナマズ探そう

 

『『ナーマーズー』』

 

 

 

うーあーナマズの代わりに変なもん出てきたぁ!

 

『エルローゲネレイブ LV2

ステータス

HP:1001/1001(緑)

MP:511/511(青)

SP:899/899(黄)

  :971/971(赤)+57

平均攻撃能力:893

平均防御能力:821

平均魔法能力:454

平均抵抗能力:433

平均速度能力:582

ステータスの鑑定に失敗しました。』

 

わっはーなにあれー鰻かなー?

りょっと話が外れるけど

多分みんなが気になってるだろう私の探知でナマズ探せないのかってとこだけどさー

知っての通り、私頭悪いんだよぉ。

マグマん中って魔物の反応がうじゃうじゃなんだよぉ。

探知使えても、性能の良すぎを克服できても認識する頭が足りないから無理なんだよー。

それが原因でこの状況なんだよ。

こんなのいるって気づければ対応できたのになぁ。

 

はなしをもどすとさぁ。

この鰻、めっちゃつよいのさぁ。

うん、やっぱりこんなのいるって気づければよかったのになぁ。

 

『エルローゲネレイブ:エルロー大迷宮中層に生息する中位竜に属する魔物。雑食性だが他の魔物を好んで食べる習性がある』

 

これで中級なのかよぉ。

うー。

 

はー戦うしかないのかなー

(やっこさん)もう私たちをロックオンしちゃってるし。

 

ッ!火の玉飛んでくる!

速い!

つってー

ダメージ食らったー

んー今回の戦闘なんかまずいかも。

どーしよ




蜘蛛ですが二巻買ったぞー
なお、この小説はweb版で行く模様


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よまわりさん、鰻戦?

続けざまに蜘蛛ですが3,4巻かったどー!


『避けながらあいつの目に向かって石を投げて』

 

とかいって蜘蛛さんが鰻に突っ込んでっちゃった。

 

え!?

いやいや何蜘蛛さん無茶振りしてどっかいっちゃってんですかぁ!

うおぉ!

火の玉よけんので精一杯な感じあるんだけどぉ

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『思考加速LV2』が『思考加速LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『回避LV6』が『回避LV7』になりました》

 

やったぜ

うおっとぉあっぶねえ、レベルアップに気を取られてたぁ!

 

うーん、袋の中に石のストックまだあったっけなぁ?

てかさっきからたまにしかこっちに玉飛んでこないと思ったら蜘蛛さんがすっごい戦い繰り広げてるよ!

 

ぶぼぉお

 

ぎゃああ!

ブレス食らったああ!

避けようと思ったけど広範囲すぎて避けれなかったぁ

いってぇ!

あちい!

HP半分減ったぁ!

ん?半分?少なくない?むしろなんで私生きてるの?

あっ火の玉飛んできた!避けれない!

ぐへ!

いってえ!

ん?ナニコレ?火の玉当たった場所に白い鱗みたいなのついてるぞ?

・・・もしかして天鱗!?

すげえ!さすがは鱗系の上位スキル!

って言っても次あれ食らったら死ねるけどねぇ。

また来た!

これ全部流れ弾なのがすごいよなぁ。

あ、そういや石を目に当てないと!?目かぁ集中集中・・・当てるぞー!

ってしてる暇ねえ!

ええい!蜘蛛さんが頑張ってくれてるんだ!援護するぞ!

迷ってられっかぁ!

うおらあ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『確率補正LV1』を獲得しました》

 

しゃあぁ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV9』が『HP自動回復LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『HP自動回復LV10』からスキル『HP高速回復LV1』に進化しました》

 

やったぜ!

おらァ!鋏顕現!石投げまくってこっちに気をそらせてこっちをウナギが向いた瞬間にこの鋏投げてやる!

 

おらぁ!

 

さすが理様の鋏!切れ味がすごい!龍鱗なんて全力で投げればいっぱつで貫通だぜ!

というか全力で投げなくてもサックって切れると思うけど。まぁ、飛距離が、ね?

って全く関係ないこと考えないの!

集中しろ私!

あれ?

あ、やった!今の一撃で蜘蛛さんがHPを半分まで減らしてたのをさらに4分の1まで減らせたぜぇ!

痛いのかちょっと暴れてるなぁ鰻。

 

なっ危ない蜘蛛さん!ブレスが蜘蛛さんに飛んでいきます!

 

ふう危ない、蜘蛛さんは天井に張り付いてブレスをのがれたかぁ。

てかどうしよう!本当にどうしよう!

蜘蛛さんがあそこにいるせいで手を出しにくい感じになっちゃったぁ!

なんか蜘蛛さんを助ける方法ぅ、うぅ!思いつかないぃ!

なんかないのかなぁ?こうしてる間にも蜘蛛さんは追い詰められてってるのに!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『思考加速LV3』が『思考加速LV4』になりました》

 

何もない?なんかない?

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『並列思考LV8』が『並列思考LV9』になりました》

 

あ、!蜘蛛さんに火の玉が当たったぁ!

ッ!またブレスを打とうとしている!させない!

そうだ!鋏を私の腕に呼び寄せてぇ!

おっ本当に戻ってきた!

それを投げる!

 

ちっ!遅かった!もうちょっと早く投げれてれば!ブレスは発射されなかったかもなのに!

探知に蜘蛛さんの反応は?ある!よかった!

 

あれ?のっそりとあの鰻が陸に上がってきたぞ?

なんでだろぉ?

ってあいつ見た目龍じゃん!ドラゴンじゃなくて細長い方の龍じゃん!

鰻っぽかったのは頭だけかぁ。

あ、そういえば向こうに行かなきゃじゃん!

あっ蜘蛛さんに鰻が尻尾を叩きつけてる!

うお!鰻め!蜘蛛さんに尻尾をたたきつけるとは何事だ!罰してくれる!

みたいな。

 

あ、すっごい火を纏って蜘蛛さんに鰻が突っ込んでった。

でも突っ込んでったらあれだよね。

蜘蛛さんの蜘蛛毒でさ、口にガバッとやられるよねぇ。

あの鰻、悪手をうったねー。

お、毒がうなぎの体に入ってるぅ。

おうおう、あばれてるねー鰻。

そういえばさ、私のというか理様のなんだけど、めんどくさいから私のでいいよねぇ?

私の鋏、鰻に刺さってるんだよなぁ。

暴れるたびに鰻に食い込んでるんだよなぁ。

まぁいいか。

むしろこっちにとっちゃいいことだし。

 

んえ?なんか鰻のHP回復してるぞぉ?

なんでうなぎのHP回復しちゃってんの?

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV5』が『闇ノ仮面LV6』になりました》

 

なぜこのタイミング?てか今回レベルアップ速いなぁ。

お!鰻のスキル見れるようになってる。

火竜スキルになんかあるのかなぁ?

 

『生命変遷:SPを消費してHPを回復する』

 

あれかぁ。

火竜LV3生命変遷かぁ、へー。

というか、蜘蛛さんの手助けに行くの忘れてた。

まぁ、急がなくていいよね。だって蜘蛛さんがもう仕留める寸前だもん。

 

お、鰻倒れた!

やたああ!かったああ!

何気に緊張感がこんなにある戦い初めてかもしれんなぁ。

え?地龍?

あれは戦いじゃないよ。

奴は恐怖の具現化だよ。

選択肢は隠れる一手だよ。

逃げれる気がしないもん。

 

ん?蜘蛛さんがこっち向かってきてる。

 

『進化できるようになった。あと、手助けありがとう』

『蜘蛛さんが戦ってたからこそできた手助けですよ。あれ私だけじゃ倒せませんでしたからねぇ』

 

私だけじゃ倒せなかっただけで、蜘蛛さんは1人で倒せた可能性はあるけど・・・。

ん?

返事は返したけど、なんか蜘蛛さんが重要なこと言ってなかったっけ

なんだっけ・・・えっとぉ。

確か進化できるようにな、った?

ぇぇええええええ!?

早くないすか蜘蛛さん!

 

『そんなことより勝ったどー!ひゃっはーい』

『あ、蜘蛛さんっもどってきてください!・・・だめだこりゃ。』

 

~よまわりさん、しばし待つ。~

 

はぁ、蜘蛛さん息切れしてるよ。

どんだけ喜んでたんですか。

ん?あれ?

 

『蜘蛛さん、何悩んでるんですか?』

『この環境で進化するか否か。』

 

あー確かにぃ。

でも。

 

『私が見張ってますよ。』

『ありがと。』

『そういえば進化先って何があるんですか?というか何にするんですか?』

『進化してからのお楽しみ。』

『えぇー。』

 

でもあれだよね蜘蛛さんの今の種族はスモールポイズンタラテクトなんだから一つの候補はスモールがとれたポイズンタラテクトだとおもうんだよねぇ。

 

『進化のために隠れるからてつだって。』

 

はいはいぃー。

え?鰻の死体巻くんですか?

あーそうやって真ん中で進化するんですねぇなるほどぉ頭いい!

 

 

ん、やりましたね蜘蛛さん。

鰻シェルター出来ましたね!

 

『進化してくる。』

『わかりましたー。』

 

~よまわりさん、またもや待機中。~

 

お、蜘蛛さん起きた。

 

『おはようです。』

『おはよう。気づいたら天国とかなくてよかった。』

『普通に起きた先は地獄ですけどね。』

『清廉潔白を地で行くような私が地獄に落ちるわけないじゃないですかー。』

『え、あ・・・はい。』

『周りに魔物いる?』

『みはっときましたから今は大丈夫ですよー。』

『じゃあ鰻食べてくね。・・・鱗取らなきゃ。』

『蜘蛛さんを鑑定していいですか?』

『いいよ。』

 

『ゾア・エレ LV1 名前 なし 

ステータス

HP:195/195(緑)

MP:1/291(青)

SP:195/195(黄)

  :195/195(赤)+43

平均攻撃能力:251

平均防御能力:251

平均魔法能力:245

平均抵抗能力:280

平均速度能力:1272

スキル

「HP自動回復LV6」「MP回復速度LV4」「MP消費緩和LV3」「SP回復速度LV3」「SP消費緩和LV3」「破壊強化LV2」「斬撃強化LV2」「毒強化LV4」「気闘法LV2」「気力付与LV2」「猛毒攻撃LV3」「腐蝕攻撃LV1」「毒合成LV8」「糸の才能LV3」「万能糸LV1」「操糸LV8」「投擲LV7」「立体機動LV5」「集中LV10」「思考加速LV3」「予見LV3」「並列思考LV5」「演算処理LV7」「命中LV8」「回避LV7」「鑑定LV9」「探知LV6」「隠密LV7」「無音LV1」「奈落」「外道魔法LV3」「影魔法LV3」「毒魔法LV3」「深淵魔法LV10」「傲慢」「過食LV8」「暗視LV10」「視覚領域拡張LV2」「破壊耐性LV2」「打撃耐性LV2」「斬撃耐性LV3」「火耐性LV2」「猛毒耐性LV2」「麻痺耐性LV4」「石化耐性LV3」「酸耐性LV4」「腐蝕耐性LV3」「気絶耐性LV3」「恐怖耐性LV7」「外道耐性LV3」「苦痛無効」「痛覚軽減LV7」「視覚強化LV9」「聴覚強化LV8」「嗅覚強化LV7」「味覚強化LV7」「触覚強化LV7」「生命LV9」「魔量LV8」「瞬発LV9」「持久LV9」「剛力LV4」「堅牢LV4」「護法LV4」「韋駄天LV3」「禁忌LV5」「n%I=W」』

 

あ、蜘蛛さん鑑定LV9だ。

頑張って追いつかないと!

ん?いや、スキルじゃなくてさ。もっと突っ込むところあるよね、私。

うん、いや、最初視たとき目をそらしてたわぁ。

問題点いちぃ!

種族!

よし二重鑑定だ。

 

『ゾア・エレ:進化条件:一定以上のステータスを持つ小型蜘蛛型モンスター、「暗殺者」の称号:説明:不吉の象徴とも言われ恐れられる、小型の蜘蛛型の魔物。高い戦闘能力と隠密性を持つ』

 

わー蜘蛛さんがどんどん希少種になってくぅ。

わーもはやタラテクト種とか付いてないよぉ。

 

問題にぃ!

ステータス!

特にスピード!

いや、使わない魔法関連がとてつもなく高い私が言えた義理じゃないんだけどさ。

四桁ってぇ。ねえ。

 

禁忌に関しては私のほうが一個高いなぁ。

確実に鋏が原因だぁ!

 

問題点さん!

腐食攻撃ぃ

うん、言うまでもないね。

 

あと、蜘蛛さんの糸が強化されてるぽいなぁ。

 

『美味い。』

『え!あ、蜘蛛さーん!私も鰻食べていいですよね!』

『いいよ。』

『やったあ!あざっす。蜘蛛さん。』

 

では、いただきます。

うめぇ。

なにこれ、うめぇ。

 

 

仮面を常時発動にしてみたら結構早くレベル上がったよぉ!

というかなんで今まで常時発動にしてなかったんだろ?

でもまぁ、ラッキー!まだ上がるかもだけど!

今のステータスはこんな感じ。

 

『よまわりさん LV6

HP:367/367(緑)

MP:610000/610000(青)

SP:554/554(黄)

  :599/554(赤)

平均攻撃能力:300

平均防御能力:300

平均魔法能力:205000

平均抵抗能力:450

平均速度能力:100

 

スキル

「暗視LV8」「予見LV7」「高速演算LV7」「闇ノ王LV4」「闇の仮面LV8」「視覚強化LV9」「聴覚強化LV6」「嗅覚強化LV7」「触覚強化LV7」「味覚強化LV4」「探知LV9」「並列思考LV9」「外道大耐性LV9」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理の鋏」「恐怖耐性LV8」「HP高速回復LV1」「隠密LV6」「過食LV9」「立体機動LV5」「瞬発LV4」「耐久LV4」「集中LV10」「生命LV7」「外道魔法LV2」「剛力LV2」「堅牢LV2」「影魔法LV6」「状態異常耐性LV6」「投擲LV2」「嫉妬」「天鱗LV10」「禍根」「火耐性LV5」「回避LV7」「思考加速LV4」「確率補正LV1」「禁忌LV6」「n%I=W」

 

称号

「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」

 

ポイント

1300』

 

はぁ。

使えないのに魔力関連が上がってく。

もはや、一種のいじめとしか思えないよぉ。

速度が1番遅いし。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『探知LV9』が『探知LV10』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『外道大耐性LV9』が『外道無効』になりました》

 

おおおお!ダブルでカンストだぁ!

やったぜぇ!

 

とまあそれは置いておくことのできないような事案だけれども今はひとまず置いておいて。

蜘蛛さんが先に外道を無効化しおったよ!

うん。それを話題に出そうとした矢先にだよ。

ちなみに蜘蛛さんは忍耐っていうスキルにセットでついてきた称号で外道無効をゲットしたみたい。ずるーい。で本題はその忍耐の支配者にある。

 

『忍耐の支配者:取得スキル「外道無効」「断罪」:取得条件:「忍耐」の獲得:効果:防御、抵抗の各能力上昇。邪眼系スキル解禁。耐性系スキルの熟練度に+補正。支配者階級特権を獲得:説明:忍耐を支配せしものに贈られる称号』

 

邪眼だって。

ずるーいぃ。

いーなぁ。

ということだよぉ。

マジうらやましい。

え?忍耐のスキルそのものの効果?

 

『忍耐:神へと至らんとするn%の力。自身の持つ神性領域を拡張する。MPの続く限りどんなダメージを受けてもHP1で生き残る。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』

 

いつものやつだよ。

え?結構強いじゃん?

習得したの、蜘蛛さんだよ?

私ほど、MP無いよ?

てか思うけどこれ私が取ってたら不死身の完成だからね?

610000のMP全てがHPの代わりと化すんだよ?

おそらく世界最高のHPになるからね?

 

『外道耐性が外道無効になったってことは、探知で頭痛くならなくなったんじゃない?』

 

最近長文多いっすね蜘蛛さん。

 

『たぶんそうですよー』

 

あくまで多分だもんね。

 

『ねえ、魔力操s、なんでもない。』

『なんか蜘蛛さん隠してません?』

『かくしてない。』

 

あやしい。

でも探ったところで魔法が今すぐ使えるようになるとかじゃないからいいかぁ




魔力操作のことをよまわりさんに隠す蜘蛛さんである。
あと、鰻戦に緊張感があったかどうかは不明。


ステータスを修正しました。


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よまわりさん、ネーミングセンスにツッコミを入れる

誤字脱字が怖いよぉガタガタ


巨大な穴をはっけんしたぜぇ☆

この穴、探知によると上層と下層に行けるぜぇ!

でも、私の探知がガンガンに危険信号をはっしているぜぇ!

というわけで蜘蛛さんと一緒に穴付近を迂回したぜ!

 

ん、穴からなんかでてき・・・っ!

・・・は?

ないない。

巨大な蜘蛛だぁ。

なにあれ。

マジ怖い。

ないない、あんな生物存在してちゃダメでしょぉ。

生態系のバランスが今までなぜ壊れなかったか気になるレベルだわぁ・・・。

鑑定してみたい。

けど本能が体を動かさない、というより私の本能と体両方に止められてる感じなのだよ。

この前地龍を恐怖の具現化とか言ったけどあいつは完全にさらに上、災厄。

 

ん?あの巨大蜘蛛、どこかをじーとみてるよなぁ。

なんで牙を底に向けてるんだろ?

 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV8』が『闇ノ仮面LV9』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV8』が『恐怖耐性LV9』になりました》

 

は?

言い表せない音そのものが爆発したような音が聞こえたと思ったらくれーたーができてたよぉ。

なにあれ。

なにかわかんない。

故にマジ怖いよ。

・・・気配消そう。

・・・闇ノ王発動。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV6』が『禁忌LV8』になりました》

 

発動した。

それでも怖い。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『無音LV1』を獲得しました》

 

・・・・・・。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『隠密LV6』が『隠密LV7』になりました》

 

・・・・・・・・・。

 

よかった。

帰ってった。

 

 

んにゃ。

・・・言ってみたかっただけですはい。

 

こほん。

えとぉ。

レベルが上がったスキル類を言いたいと思いますぅ。

何唐突に始めてるんだ私ぃ。

 

仮面のレベルが上がりました。

・・・結構前に。

あの巨大蜘蛛が破壊行動起こした瞬間に。

うん。

爆音で気づかなかったんや。

そして次。

蜘蛛さんとほぼ同時に並列思考がカンストして進化したよぉ。

その名も並列意思!

これがすごくてなんと今までの並列思考がひとつの意思の中で複数の思考ができるってやつだったのが今度は意思そのものが増えるってやつなのだぁ!

私の頭の良さ×複数になるのだぁ!

 

大して変わんない。

 

今すっごい馬鹿にされたような声が聞こえたぞぉ?

何もんじゃ?

もう1人の私よなんか言ったぁ?

〈言ってないよー。〉

マジですかーなんだったんだろう?

 

と、今さらっと登場したけど紹介しよう!体担当くんだぁ!

〈私が体担当だ!〉

とまあこんなことが出来るスキルなのです。

これまた私がこれを手に入れる数秒前に先に蜘蛛さんが手に入れちゃったんだけどねぇ。

あと、体担当とかの呼び方、役割分担は蜘蛛さんがやってたのを参考にしたんだよぉ。

私はなんの担当かと言うと情報担当です!

ちなみに念話の方は私と蜘蛛さんの情報担当がすることになったよぉ!

でもまあ基本的に相手に言葉を伝えるのが情報担当ってだけで体担当達もたまに会話に参加して4人?で話すこともあるよぉ!

 

次ぃ

視覚強化ぁ!

派生して望遠をゲットしたよぉ。

これまたすごいスキルで

 

『望遠:遠くの景色を拡大して見ることができるようになる』

 

とか言うから使ってみたら視界が元の映像と望遠した映像とで2つに分かれたんだよ!

つまり、片方の目のみにも望遠の効果をつけられるってことだよねぇ!

・・・よまわりさんの仮面の下ってどうなってるんだろぉ?

 

とまあ二つの視界で見れるわけでして・・・なんかすごい。

〈説明能力皆無じゃん〉

いうな、体担当よぉ。

ていうかお前も私なんだから同じだよねぇ?

〈・・・だねぇ。〉

 

『私も望遠、今手に入れた。』

 

やった!今回は私のほうが早かったぁ!

 

『何このスキルすごい。』

『ですよねー!』

『情報担当が望遠で魔物発見、狩るよ。』

『はいですぅ。』

 

二体いた魔物の蜘蛛さんが狙ってない方に接近して石を持ったままゴンっと殴って

たおせた。

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV6からLV7になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇の仮面LV9』が『闇の仮面LV10』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV4』が『闇ノ王LV5』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

 

おお、おおお?

ダブル厨二病スキルがレベルが上がった!やった!仮面を蜘蛛さんの鑑定より早くカンストできたぁ。

でもあれか派生とかしないのかちょっとショック・・・。

 

《・・・ザザ・・・ザー・・・》

 

ん?何今の誰かなんかいいました?

〈いってないよー〉

 

『いってない。』

『[いってないよ。]』

 

まじかー蜘蛛さんの体担当まで何も言ってないって・・・。

なんだったんだろ?

でも、魔法とかと同じで今すぐできることじゃないからほっとくかぁ。

で、闇ノ王のやつ何なんだろ?

 

『闇ノ王LV5:ステータスの速度の値に×10』

 

今までの効果考えるとちょっとしょぼいなぁ

でも、速度四桁いったぞぉ!

やったぜ☆

 

『邪眼ゲッツした。試しに行くよ。』

 

マジすか蜘蛛さんいいすね

 

『わかりましたぁ!』

 

 

『おおお?鑑定カンストキター』

『マジすか蜘蛛さん。おめでとうです!』

『進化とかはなしかー。』

『仮面もなかったですからねぇ』

 

《ザ、・・・・・・ザー、・・・ザ、ザー、ザー、・・・・・・》

 

え?またぁ?

 

《ザー、要請、ザー、・・・上位管理者権限かく、ザー、・・・・・・》

 

は?()()()()()ぁ?

つまり闇ノ王が効かない存在?

 

《ザー、ピン!》

 

ッ!

 

《要請を上位管理者Dが受諾しました》

《スキル『叡智』を構築中です》

《構築が完了しました》

 

《条件を満たしました。称号『叡智・裏の支配者』を獲得しました》

《称号『叡智・裏の支配者』の効果により、スキル『魔導の極み』『叡智・裏』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV6』が『禁忌LV7』になりました》

《『念話』が『叡智・裏』に統合されました》

《『闇の仮面LV10』が『叡智・裏』に統合されました》

《『探知LV10』が『叡智・裏』に統合されました》

 

え?

 

落ち着こう私。

考えろ、あの音は何て言ってた?

 

《要請を上位管理者Dが受諾しました》

《スキル『叡智』を構築中です》

《構築が完了しました》

 

だよね、気になるのは四つ

さっきのやつによれば叡智は今構築されたってとこ。

そしてスキル『叡智』を構築中ですとか言いながらなぜ私が習得したのが『叡智・裏』なのかということ。

三つめは上位管理者D、上位ってこと。管理者っていう名前はこの世界に来てから何度か考えたし、闇ノ王の説明に下位の管理者って出てたから上もいるんだろうなと思ってたけど干渉してくるなんて思ってもなかったということ。

最後はDとやらの叡智ってネーミングはわかるけど叡智・裏はどうなの?何なの?小さい子がもともとあるものに何か付け足してさらにかっこよくしようとして失敗しました見たいなネーミングセンスどうなの?ネーミングセンス無いの?

 

ぐへ!

いてぇなんで今ダメージ食らったし

HPちょっと減ったぞ?

なんでじゃ?

 

とにかく考えてても仕方ないし確認しますかぁ。

 

『叡智・裏の支配者:習得スキル「魔導の極み」「叡智・裏」:習得条件:スキル「闇の仮面」「探知」ともにLV10まで達し、なおかつ今自分が信頼してる者が叡智を獲得する:効果:自身の素の魔力のステータスに+100の補正:説明:叡智を裏から支配するものに贈られる称号』

『叡智・裏:神へと至らんとするn%の力。自身の知覚範囲内に存在するものすべての閲覧レベル1までの情報を取得可能にする。スキル「叡智」を持つ者との情報共有可能。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』

 

ん?習得条件、スキル「闇の仮面」「探知」ともにLV10まで達し、なおかつ今自分が信頼してる者が叡智を獲得する?

私が信頼してる者って蜘蛛さんぐらいしかいないよ?ていうか仲間も蜘蛛さんしかいないよ?知り合いも蜘蛛さんしかいないよ?

もしかして蜘蛛さんは叡智を獲得したのかなぁ?

後で聞こう。

 

『よまわりさん LV7

HP:377/377(緑)(詳細)

MP:650000/650000(青)(詳細)

SP:574/574(黄)(詳細)

  :598/574(赤)(詳細)

平均攻撃能力:310(詳細)

平均防御能力:310(詳細)

平均魔法能力:255000(詳細)

平均抵抗能力:470(詳細)

平均速度能力:1200(詳細)

スキル

「暗視LV8」「予見LV8」「高速演算LV8」「闇ノ王LV5」「視覚強化LV10」「望遠LV1」「聴覚強化LV6」「嗅覚強化LV7」「触覚強化LV7」「味覚強化LV4」「並列思考LV10」「並列意思LV1」「外道無効」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理の鋏」「恐怖耐性LV9」「HP高速回復LV1」「隠密LV7」「過食LV9」「立体機動LV5」「瞬発LV4」「耐久LV4」「集中LV10」「命中LV7」「生命LV7」「外道魔法LV2」「剛力LV2」「堅牢LV2」「影魔法LV6」「状態異常耐性LV6」「投擲LV5」「嫉妬」「天鱗LV10」「禍根」「火耐性LV5」「回避LV7」「思考加速LV5」「確率補正LV2」「無音LV2」「禁忌LV7」「叡智・裏」「魔導の極み」「n%I=W」

スキルポイント:1400

称号

「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」「叡智・裏の支配者」』

 

ん?まてよ。

聞き逃してたけど魔導の極み?

 

『魔導の極み:システム内における魔力制御補助、及び術式展開各種能力値が最大となる。また、MPの回復速度が最速となり、消費が最低となる』

 

まほ-、使える?

これ、無駄になってた無駄に高い魔法類が役に立つ?

 

『ぎゃああ』

 

ん?

何今の?

あ!

蜘蛛さん燃えとる!

でもいつも通り弱毒で消せばいいからほっとけばいいよn

 

バシャ

 

『しびれるー!あ、HPゼロになった!忍耐発動!』

 

・・・弱毒の設定ミスったのかな?

 

バシャ

 

『あーあぶない。』

『・・・蜘蛛さん、私は何も見てないですからね。』

『・・・。』

『そ、そういえば蜘蛛さん叡智ゲットしました?』

『うん。なんで?』

『いやこっちもいろいろゲットしまして・・・。』

『もう、どういう目的でスキルなんて作って配ってんのかわからないけど、もらえるもんはもらって有効活用しちゃう?』

『そうしましょう』

『[うん。そうしよう]』

『〈そうしましょう〉』




〈〉
このかっこはよまわりさんの体担当で
[]
これは蜘蛛さんの体担当のものとなっております。

そしてよまわりさんのキャラが個人的に安定してないように感じる・・・。


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よまわりさん、火竜と戦う

どうも
先週にはもう出来上がっていたけど
いざ投稿しようとすると固まって誤字チェックを繰り返し続ける作者です


あの後、叡智(・裏)についていろいろ調べたのだよ!

で!

わかったのは!

テンションが高いのに関係していて!

魔法が使えるのが分かったのだよ!

やったぜ☆

 

え?

ステータスに詳細って書いてある項目?

魔法のしか見てないよ?

え?結果?

蜘蛛さんが言うには蜘蛛さんのステータスは魔法攻撃力とか術式展開速度だとか、術式安定度、術式強度などなど、いろいろな項目があるんだけど、攻撃力以外の数値は99999だって!

私は闇ノ王LV4の上限突破で魔法系の数値は99999以上だったよ!

というわけでぇ!

 

『蜘蛛さん!魔法を試しましょう』

『わかったぞい!』

『いつも以上にテンションが高いですね蜘蛛さん!』

『いえす』

 

あっそういえば上位管理者さん!

今、私の心を読んでいるのならこの願いを聞いてください!

先ほど蜘蛛さんがあほなことやって自滅しかけたのがちょっと笑えるんで過去視できるのなら映像を保存しといてください!

最悪ログだけでも満足です!

 

よし。

 

まぁ、そういうことでぇ!

魔法使いたい放題なのですよぉ!

 

で、どうやって魔法使うのかなぁ?

 

『叡智で検索してみ。』

『わかりましたー』

 

~よまわりさん、ググr、・・・検索中~

 

よーし魔力の操作を練習するよぉ!

んーとー私の中の魔力のイメージはぁ、毛糸みたいな感じでいつもは毛糸玉みたいにまとまってる感じかなぁ?

ちょっと動かしてみようかなぁ。

お、うごいたぁ。

 

次は術式の構築なんだけど、本来は該当する術を選択すると自動で構築されるらしいんだよぉ。

でも私さぁ、持ってる魔法考えると効果が現れてるかわかりにくい奴と使っちゃいけない感じのやつだから蜘蛛さんに先に毒魔法を打ってもらって術式を見て自分で組み立ててみようと思うんだ!

たぶんできるはず!

 

『毒弾発射!』

 

おおーさっそく蜘蛛さんが試してるぅ。

今の術式まねしてできないかな?

確かこんな感じな形しててぇ

んーここら辺どんな形だっけ?

 

『蜘蛛さんもっかいお願いします。』

『わかった。』

 

おお、ここ間違ってたかぁ。

じゃあこんな感じかなぁ

この術式に魔力を通してぇ

発射!

 

っしゃぁ!

出来たぁ

毒魔法もってないのにできたぁ!

あと何回か練習として撃とうかなぁ。

 

 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒魔法LV1』を獲得しました》

 

やったぁしばらく使ってたら習得できたぁ!

でもなんだっけぇ?

毒魔法レベル1は蜘蛛さん曰く自爆技とのことだから今まで通り毒弾使ってレベル上げようかなぁ?

あ、でも耐性上げになるかもぉ。

 

・・・やっぱいいや。

 

 

あの後、影魔法も試したよぉ。

結論は地味としか言いようがなかったよぉ。

あと、蜘蛛さんが深淵魔法を試したり、失敗したり、並列意思がさらに増えたりしたよー蜘蛛さんも増えたみたいだから同じようなネーミングで魔法担当になってもらったよー

〔魔法担当です。〕

んでさ、魔法担当

〔なにさ。〕

蜘蛛さんも多分考えてると思うんだけどこれどうするよぉ?

〔これじゃわかんないよ〕

いや同じ体使ってんだから見えてるでしょこのマグマの湖!

〔うん〕

じゃあ聞かんでよ。

〔島をポンポンって飛んでけばいいんじゃないの?ほらちょうどよくあるし〕

体担当、できる?

〈ギリギリだよ。〉

今立体機動って何だっけ?

〈8〉

うーん難しいねぇ

〈〔で、一番の問題は?〕〉

この湖ん中に魔物がわんさかいることだよ!

 

『うだうだ言わずにいってみよう。』

『あ、わかりましたぁ』

 

結局行くことになったよ。

 

まず一番近いとこにジャーンプ!

スタッとな。

 

ざばあああん

 

あああ、ですよねー!

鰻出てきたぁ!

 

『どうしよう』

『と、とととりあえず落ち着いて逃げる一択です蜘蛛さーん!』

 

あれ?

なんか鰻ども止まってるぞ?

あ、蜘蛛さんの麻痺かぁ!

・・・今のうちかな?

と、思ったら蜘蛛さんが鰻を倒そうとしてる

あ、蜘蛛さんが鰻倒した、すげえー

蜘蛛さんもう中層じゃ敵なしじゃん。

〈あかんフラグやそれ!〉

あっ今すっごい強そうなの探知した。

 

『迎撃準備!』

『い、いえっさぁ』

 

あー鰻より強そうな反応だなぁ

ざっぱーんってマグマん中から出てきちゃったなぁ

火竜だなぁ

・・・(やっこ)さんこっちをめちゃくちゃ敵視してるよなぁ

 

 

『エルローゲネソーカ LV17

ステータス

HP:2331/2331(緑)(詳細)

MP:1894/1894(青)(詳細)

SP:2119/2119(黄)(詳細)

  :2315/2315(赤)+264(詳細)

平均攻撃能力:1999(詳細)

平均防御能力:1876(詳細)

平均魔法能力:1551(詳細)

平均抵抗能力:1528(詳細)

平均速度能力:1657(詳細)

スキル

「火竜LV9」「逆鱗LV2」「HP自動回復LV2」「MP回復速度LV1」「MP消費緩和LV1」「SP回復速度LV3」「SP消費緩和LV3」「火炎攻撃LV5」「火炎強化LV3」「破壊強化LV2」「打撃強化LV4」「連携LV5」「統率LV7」「命中LV10」「回避LV10」「確率補正LV8」「気配感知LV4」「危険感知LV7」「高速遊泳LV7」「過食LV8」「打撃耐性LV6」「炎熱無効」「身命LV1」「瞬発LV8」「持久LV9」「剛力LV1」「堅牢LV1」「術師LV4」「護法LV4」「疾走LV5」

スキルポイント:11250

称号

「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「率いるもの」』

 

ステータスはこんなんなんかぁ

・・・うわぁ

あんなんとやりあうの?

魔法以外全部負けてんだよなぁ。

んーこいつの逆鱗ぐらいなら蜘蛛さんはわからんけど私は強行突破できるなぁ

魔法は無いみたいだから私の天鱗は効果薄いけどぉ。

 

あぁ、マグマん中からいっぱい魔物が出てくるよぉ。

体担当、多分蜘蛛さんも回避優先にしてる気がするからこっちも回避をお願いねぇ

〈りょーかい!〉

魔法担当!一応外道魔法、幻痛の準備しといてぇ。

〔わかった。〕

っ火竜が吼えた!

 

 

なんか直感的にジャンプしちゃったよぉ

けどあってたのかぁ

うんびっくりだよ、私たちに向かってあそこにいたヤツらがいっせいに火の玉撃ったんだもん

さっきまでいた島、火の海だよぉ。

てっどこに着地しよう?

あっ鋏顕現!

体担当!着地する地面を思いっきりでも足場が残るぐらいの強さで殴って!

壊して火を消すよ!

〈無茶振りがすごい!はぁ、おらあぁ!〉

とか言いながらちゃんと実行して成功させる体担当すげぇ。

〈この手はもう使えないよ!〉

わかっとるよ!

なので次から来るやつは全部鋏で打ち払って欲しいのです。

〈・・・今なんて言った?〉

だからぁ

来る弾全部鋏でかき消して♡︎

〈無茶振りすんなぁ!やけくそじゃあぁああ!〉

とか言いながら本当に実行してくれる体担当すげぇ

〔すげぇ〕

あ、蜘蛛さんが次の島行っちゃった!

追いつこう!

〈・・・並列意思使いが荒い〉

ねぇ、体担当!確か袋の中にまだ石のストックあったよね?

〈どんだけのこといっぺんにやらせるつもりじゃ!〉

〔がんばれぇ〕

頑張れぇ、あっ魔法担当は毒撃ちまくってね

〔え。〕

 

 

スタッとぉ

 

うん、私も次の島これたぁ

 

ってまた直感的にジャンプしたらまた玉飛んできたぁ

あぶねぇ

石投げて数体仕留めといて

〈・・・あーい。おらぁ!〉

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV8からLV9になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《スキルポイントを入手しました》

 

おーレベル上がったぁ。

〈そんなことしてる暇あったら探知見て!〉

わかったぁ。

あ、体担当。

〈またとんでもない案ださんでよ〉

ダイジョウブダヨォ

〈怖いよ!〉

うん、怖いのはわかったから天井に張り付こうねぇ!

〈今までよりかはましかぁ〉

 

うん。

意外と何でもできちゃう体担当すごい。

 

あ、蜘蛛さん外道魔法の催眠使った!

んー今一瞬見えた式、まねしてみようよぉ!魔法担当!

〔おっけぇやろやろぉ!こんな感じかなぁ?

おらァ催眠!くらえ鰻!〕

おおすげえほんとに発動したしちゃんと効果効いてる!

天才かお主!

〔はっはっは!私達は皆で一つなのだからやろうと思えばお主もできるのだよ!〕

すげぇ!私達!

あーでも火竜には一瞬効く程度かぁコンマ数秒動きを止めるのが限界かぁ

魔法担当、この魔法後で練習しといて

〔わかったよ!〕

うんうん、あと少しの間は私の支配下な鰻たちには火竜にブレスを発射してもらおうかどうしようかなぁ

うん、発射してもらおう!

いけ!鰻!竜ブレスだぁ

 

おーすげーあんな強いブレスをよく自分耐えたなぁあの時。

天鱗様すげえぇ。

 

あ、ちょうどいいタイミングで蜘蛛さんがまいてた毒霧の効果で魔物がばたんばたん倒れてくぅ。

 

うん、あとはHPが減った鰻と竜だけだねぇ。

あとは完全なる蜘蛛さんのお料理の時間だぁ!

バカだよねぇこうなることわかってるだろうにぃ。

無駄な意地で逃げなかった結果がこれだよぉ。

せっかく準備しといた幻痛がむだになっちゃったなぁ。

あ、無駄になるのはあれだし魔法担当!あの竜に魔法撃っちゃってぇ!

〔わかったぁ!〕

 

おーおーわめき苦しんでるよ火竜。

もう一回幻痛やっとく?

〈やめてあげて。〉

 

あー蜘蛛さんも蜘蛛さんですごいことやってるなぁ

邪眼で麻痺らせて陸まで糸で引っ張るとかぁ

鰻かわいそうだなぁすっごい顔してるよぉ

でも大丈夫だ鰻ら!

お前らはおいしく食べてやるからな☆

 

 

あーやっと戦闘終わったぁ

今の私のレベルってどうなってるんだろー戦闘に集中してて一回しか分かんなかったからねぇ

ステータス見てみよっとLV9だぁ

10で進化来るかなぁ?

そういえば叡智でも私の進化ツリーは見れなかったからなぁ。

なんでだろぉ?

 

『竜の力ゲットした』

『ふぇ?マジすか蜘蛛さん成長スピードやっぱとんでもないっすよね』

 

唐突すぎて一瞬理解できなかったけど竜の力かぁ

 

『あと空間魔法も』

 

えぇぇえええ!

ずりい私もほしい!

 

『空間魔法(6000):空間を操る魔法』

 

私のポイントは!?

 

『スキルポイント:1800』

 

たりねぇ仕方ないためるかぁ

さすがに空間魔法なんて高度なもんまねできる気がしないもんなぁ

あ、探知に魔物の反応蜘蛛さんを見る前に狩らなきゃ

石をえい!

久しぶりだなぁこんな緊張感無く石を投げるのぉ

 

《条件を満たしました。称号『竜殺し』を獲得しました》

《称号『竜殺し』の効果により、スキル『生命LV1』『竜力LV1』を獲得しました》

《『生命LV1』が『生命LV9』に統合されました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『生命LV9』が『生命LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『生命LV10』がスキル『身命LV1』に進化しました》

 

おお、なんてナイスタイミング。

ご都合が良すぎる気もするけど結果オーライで。

まぁ、身命は蜘蛛さんが持ってるから効果知ってるけどぉ

身命以外確認しよお

 

『竜殺し:取得スキル「生命LV1」「竜力LV1」:取得条件:竜種を一定数撃破:効果:竜、龍種相手に与ダメージが微増:説明:数多くの竜種を倒したものに贈られる称号』

『竜力:竜の力を一時的に得る』

 

・・・すごそう。

使ってみようかな?

発動!

んーちょっとステータス増えたぁ?

ん?SPがちょっとずつ減ってく。

あれか、SP消費技なのかな?

もしかしたら少なすぎるだけでMPも使ってるのかもねぇ。

 

 

〈[ふふふ。貴様らは強敵だった。ああ認めよう。この私をここまで苦しめたのだ。まさに死闘。そう呼ぶにふさわしい戦いだった。だが、私の前では貴様らの奮戦も虚しいものだったな。ふははは! ついに勝ったぞ! 今日、この日を以って、貴様らは私の前に絶対なる敗北をその身に刻んだのだ!]〉

 

『蜘蛛さん、蜘蛛さん!蜘蛛さんと私の体担当がおかしくなりましたよ』

{みんな、コイツいつからこんなに壊れてたっけ?}

『シッ!良い子は見ちゃいけません!』

{そうかー。体担当ついに行ってはいけない領域に突っ込んでしまったかー}

『大丈夫なんですか?蜘蛛さん、あいつらもう戻らないんじゃ』

『そう、イってしまったのだよ。だから、残された私たちは強く生きないとね。』

〔{体担当。お前のことは3分間くらいなら忘れない!}〕

『カップ麺か!』

{カップ麺・・・。お腹空いた・・・}

『体担当達のこと完全に忘れてますよね!』

{そんなことはないこともなきにしもあらず}

〔あらずー〕

[ねえ、さっきから酷くない?]

〈うんうん。〉

『バカだ、正気に戻ったのか!?』

『うそでしょう!?』

[いや、そこ、バカな! でしょ? それじゃ正気に戻ってもバカみたいじゃん]

〔{え?}〕

『『違ったの?』』

[ちょーっと君たちOHANASIしようか?]

〈そーそーOHANASIしましょうねぇ。〉

 

 

 

あー怖かったぁ。

まさか自分自身に恐怖するとは。

まぁ、体担当達が盛り上がるのもしょうがないよねぇ

火竜達の鱗剥ぎが終わったんだからねぇ。

 

〈[ふっ。しかし私達は完遂したぞ!]〉

『『おめでとう!』』

〈[ありがとう!]〉

『じゃあさっそくたべようぜ。』

[ おう、待ってました!]

『さてさて』

{ナマズ、鰻ときてこの火竜}

『きっと味のほうも進化してるに違いない!』

〈[私達、これ食ったら、うーまーいーぞー!って言うんだ]〉

『『あかん、それ不味いフラグや』』

 

いざ、まいるぅ!

 

ん?

んー?

うー?

 

[微妙]

{なんか、不味いとも言い難いけど、美味いとも言い難い、絶妙なさじ加減…}

『あれだ、味のついてない白身魚みたいな。』

〔確かに〕

[ああ、わかる]

{確かにこれは、醤油とかあれば化けそうなポテンシャルは持ってる}

『醤油、この世界にあるの?』

『あー最悪空間魔法を極めて地球に買いに行くとかどうです?』

{進化したとしても私、アラクネだよ?地球じゃ人が私を見る度SAN値チェックものじゃん

あとあれだよね、日本人に醤油なしの生活しろって言ってもムリだよね}

 

蜘蛛さんがある意味冒涜的存在に・・・。

 

『サブカルチャーと醤油は日本の誇りだと思うのですよ。』

『ですねー』

[人間だったころはそんなに食に興味なかったんだけどなぁ]

『あー納豆食べたいです蜘蛛さん。』

『まずこの世界に大豆ってあるの?』

〔あー〕

{ないかもね。日本の料理って、メッチャ美味しかったんだねー}

『諦めるな!』

『く、蜘蛛さん?』

『醤油はこの世界にはないかもしれん!しかし、それに匹敵する調味料はあるかもしれん!』

{調味料じゃなくても、美味しい料理さえあれば・・・}

『そうですね!よく考えたらこの世界に来てから魔物しか食べてませんもんね!』

『そもそも魔物って時点で食べ物って言えなくね?』

〈[ハッ!?]〉

{そこに気づくとは、貴様天才だな!?}

『蜘蛛さんマジ天才!』

『そうそう。私ってば天才だったのだよ。』

{マジかー。私ってば天才だったのかー。天才なら何しても許されるよな!}

『その通り!今日この日この時、私は一つの決意を表明する!マトモな料理を食べるために、このエルロー大迷宮から脱出すると!』

『おお!蜘蛛さん!一生ついていきます!』

『もう美味しくない魔物を食べるのには飽きた!』

[臭い肉には飽きた!]

{毒物にはもう飽き飽きだ!}

〈虫ももう食べ飽きた!てか食べたくねえです!〉

『健全な生活は健全な食事から始まるのだ!』

[ もっと美味しいものを!]

{たまには甘いものを!}

『チョコ食べたいです!』

〔だなだな!〕

{チョコはないかもだけど、フルーツくらいなら…}

『あああ、今まで考えないようにしてたけど、もうダメ。』

『糖分ほしいいいいい』

〈[体が砂糖を欲している!]〉

{体担当達が言うとマジに聞こえるから困る}

『よし。本格的にちょっとアラクネ目指そうぜ。』

『私は人型に変わります!ただ化けるだけじゃ満足できません!人化じゃなく人型に変わるのです!』

[あー。まあそうなるよねー]

{人間とコミュニケーション取ろうと思ったらねー}

〔思い出して私と蜘蛛さん。〕

〈そう、思い出して情報担当!コミュ障のことを〉

『だって、このまま死ぬまで魔物ばっか食って生きてくの?』

『時には虫まで食べないとですよ?人とは極力話したくないけど。』

[それは嫌だー!]

{美味しいもの食べたいです!}

〈食べたいですぅ!〉

〔うおおおお!〕

『でしょ?人間の作った料理なら魔物なんかよりずっと美味しいはず!私は蜘蛛をやめるぞー!』

[アラクネも蜘蛛やん]

『私はよまわりさんをやめるぞ!じょj・・・よまわりさん!』

{けど、実際問題話せるようにになったとして、人間とコミュニケーションとれると思う?}

『『そこは気合で。』』

{私のコミュ力の低さを思い出せ}

〈私もだぞ情報担当〉

[ねえ、私ってば人間だった頃に最後にした会話が思い出せないんだけど・・・]

〔あ、わたしもですぅ・・・。〕

『そもそも最後に誰かと会話したのっていつよ?』

『わ、私はたぶん死ぬ前にコンビニに行ったからそこで・・・。』

〔あの時私、終始無言だったよね?〕

{私は思い出せないくらい遥か昔・・・}

[大丈夫か、私達?]

『『き、気合で。』』

〔{ていうか、日本語通じんの(るんですか)?}〕

『あ。』

『え。』

[あーうー]

{前途多難そうだな}




会話文書くの苦手なのに加え並列意思(2個体以上の念話を合わせた)の会話が難しい
そして何気に会話がカオス

一応、並列意思の分類

蜘蛛さん
[体担当]
{魔法担当}
『情報担当』

よまわりさん
〈体担当〉
〔魔法担当〕
『情報担当』

情報担当は通常通りの『』です。


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よまわりさん、火龍?火竜?戦

戦闘描写が辛い
なのでちょっと書き方変えてみました。


今私は初めてよまわりさんらしいことをやっております。

考えてみると私って、この世に現れたら迷宮でぇそこでかろうじて人とあったけど頭パーンしてぇ下層に落ちてぇって考えたらしようにもよまわりさんらしいことって出来ないんだよねぇ

じゃあどうやってやってるかって?

死体を攫ってます。

火車じゃないよ?

 

蜘蛛さんが恐怖をなんとかかんとかする者とかそんな感じのめんどくさい効果の称号ゲットしちゃったんだよぉ

確か見たものに外道属性 恐怖 だっけかを与えるとかそんなの・・・。

だから獲物が来ないわけよ、あとは言いたいことわかるよねぇ

頭の悪い私でもすぐわかったよぉ

答えはぁ、そんなものを持ってない私が狩ってこないとなんだよぉ

そのおかげで経験値溜まってくけどぉ

疲れたぁ

しかも弱いから結構作業化して暇ぁ

なんかないかなー

〈叡智でこの世界の人族の言葉を調べて覚えるとか〉

体担当知ってるよね、私の頭脳を。

というか自分自身の頭脳を。

覚えられると思う?

〈はー、だねーというか今気づいたんだけどこの作業してるの私じゃん!〉

ちっ!

〈舌打ちしてんじゃないよ!というかつまり情報担当は今暇なんだから言語を覚えてよ!〉

すっごい無茶言うね

〈この前火竜戦で無茶振りした奴は誰だっけ?〉

・・・わかったよぉ

この世の言語を覚える努力をすればいいんでしょ!

まず叡智で言葉が出てくるかが問題だけど。

〔情報たんとー〕

なになに?魔法担当?

〔なんか私達、魔王と勇者のスキル10000でとれるよ!〕

マジですか、確か蜘蛛さんは勇者15000、魔王5000だったよね

〔うん、たしか〕

それはいいとして、そのスキルいるの?いや、確か効果はすごかったおぼえあるけどさぁ高くね?ポイントが。

〔あっだね、いらないね〕

でもいつか蜘蛛さん魔王と勇者どっちも獲ったりしそうだなぁ

ふたつ取ったらどうなるんだろ?

まあ、後の話だし今考えても仕方がないかぁ。

 

 

は、はは。

これはひどい。

蜘蛛さんと話をしてたらなんか出てきたよ。

 

『火龍レンド LV20

 ステータス

 HP:3701/3701(緑)+1200(詳細)

 MP:3122/3122(青)+1200(詳細)

 SP:3698/3698(黄)(詳細)

   :3665/3665(赤)+912(詳細)

 平均攻撃能力:3281(詳細)

 平均防御能力:3009(詳細)

 平均魔法能力:2645(詳細)

 平均抵抗能力:2601(詳細)

 平均速度能力:3175(詳細)

 スキル

 「火龍LV1」「逆鱗LV8」「HP高速回復LV3」「MP回復速度LV6」「MP消費緩和LV6」「魔力感知LV5」「魔力操作LV4」「魔力撃LV4」「SP高速回復LV1」「SP消費大緩和LV1」「火炎攻撃LV9」「火炎強化LV7」「破壊強化LV6」「斬撃強化LV2」「貫通強化LV2」「打撃大強化LV2」「連携LV10」「指揮LV2」「立体機動LV4」「命中LV10」「回避LV10」「確率大補正LV5」「気配感知LV10」「危険感知LV10」「熱感知LV3」「飛翔LV7」「高速遊泳LV10」「飽食LV2」「火魔法LV4」「斬撃耐性LV1」「貫通耐性LV1」「打撃大耐性LV1」「炎熱無効」「状態異常耐性LV1」「身命LV5」「魔蔵LV4」「瞬身LV5」「耐久LV5」「剛力LV5」「堅牢LV5」「道士LV4」「護符LV3」「縮地LV5」

 スキルポイント:30050

 称号

 「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「率いるもの」「龍」「覇者」』

 

どうしよう。

 

『逃げる』

『ですよね』

 

というわけで竜力やら魔闘法やらを使って全力ダッシュ!

あっ追いつかれそう。

 

[やばいね。向こうのほうが速度が上だ!]

 

あ、体担当蜘蛛さんありがとうございます。

 

〔例の魔法使うよ!〕

お願い!

〔発動、影魔法、影沈〕

魔法で作った入れる影の中にどぼーん

 

あ、隠れられたと思ったけどだめだわこれぇ。

 

はぁ、火龍がこっちじっと見てる。

まあ、正確には蜘蛛さんと私の影だけどぉ。

あれだね、火龍が持ってるスキルの中に気配感知LV10あったもんね。

あーなんか隠れる手段あったはずなんだけどなぁ。

なんだっけ?

 

まー見つかったものはしょうがないから蜘蛛さんが言ってた並列意思の意識同調とやらを最大にする。

予想だけどさぁ、これ絶対このステータス?システム?を作った人も考えてなかったような使い方だよねぇ。

 

というわけでひょっこっと影から顔を出して私が適当に影魔法LV5とLV6の固影、操影をいじくってたらできたこの二つの毒バージョンのオリジナル魔法を使って毒弾と合わせて蜘蛛さんのまねして毒槍!もちろん目に向かって撃ってるよぉ?

あー火龍が蜘蛛さんと私の槍を躱したぁ。

 

その瞬間にに蜘蛛さんと私は影から逃げ出す。

 

えー現状確認、蜘蛛さん毒得意、向こう状態異常耐性持ってる。

私の攻撃手段通じるかわからない。

どうしよう、二人?合わせても勝てる気がしない。

はーでも、戦うしかないのかー?

逃げられないもんなぁ

 

やるか。

 

私は蜘蛛さんが邪眼を開放したと同時に毒弾を多重発動させて最終的に一か所に当たる弾幕を生成して龍を囲う。

それを見て火龍が火を纏う。

それと同時に火龍が火の玉を打ち出す。

それを全力で回避する。

火の玉に毒の玉を大量にぶつけてそらしながら。

 

だって強すぎるんだよぉ火の玉がぁ

 

とか思っていたら火龍が尾を横薙ぎに振って蜘蛛さんと私を同時に攻撃してくる。

それを思いっきり跳んで躱す。

今まで攻撃のために起動していた魔法を今度は相手の攻撃をそらすために全力で使用する。

そんな時、さらにいやなことが起こった。

火竜が二体。

火龍のもとに出てきた。

 

即座に蜘蛛さんに念話をとばす。

 

『蜘蛛さん、』

『わかってる、私は火龍の相手をする!』

『・・・はい!』

 

蜘蛛さんにどっちの相手します?って聞こうとしたら先読みされて答えられたよぉ。

蜘蛛さんすげえ。

というわけで私は火竜達の相手をすることになったよぉ!

蜘蛛さんより幾分かはましだけど危機的状況ということに変わりねぇ!

 

そんなことを考えながら防御に回していた魔法を攻撃にしていく。

二体が全力で火の玉を撃ってくる。

少しかすってHPが減る。

仕返しに私から竜力を使ったブレスを発射!

一体に直撃して火竜のHPが1割削れる。

火竜から私に火の玉が飛んでくる。

避ける。

私が毒を撃ったりブレスを放つ。

避けられる。

撃たれる。

避ける。

撃つ。

当たる。

撃たれる。

かする。

もう一つが当たる。

尾を振ってくる。

全力でかわす。

そしてまた毒弾を撃つ。

そんなことが繰り返されるさなか、異変(ソレ)はおこった。

異変は私が相手をしている二体からじゃない。

蜘蛛さんが相手をしている火龍から。

獄炎ブレス。

広範囲殲滅のあたりを吹き飛ばしあたりを新たなマグマに変えるブレス。

私が一回天鱗のおかげで耐えたことがあるブレス。

けど私が耐えたのは火()のであって、竜と龍の差はとてつもなく大きい。

私のHPを一気に減らした火竜ブレス、なら火龍が撃ったら?

そこまで考えるまでもなく私は跳躍した。

火龍ブレスが大地を埋め尽くす。

天鱗が発動して私の身を守る。

私は天鱗で体を守ることを必死でイメージした。

それでも足りない。

やっとさっきの跳躍で天井にたどりついた。

 

蜘蛛さんも天井まで上がってきてるぅ。

 

そんなことを考えながら火竜を見る。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『竜力LV1』が『竜力LV2』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『立体機動LV9』が『立体機動LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『立体機動LV10』がスキル『空間機動LV1』に進化しました》

 

なにかゲットしたけど確認する暇はない。

ブレスが終わり、一時マグマの中に避難していたと思われる火竜達が出てきたと同時に火の玉を連射してくる。

天井にある凹凸をつかみながら避ける。

火竜が火の玉を撃ったことにより火竜の口が開いたことを思い出したので片方の火竜の口に向かって毒槍を連射。

それでその火竜のHPは残り二割になる。

もちろん今の槍の効果だけじゃない。

ブレスが来るまでの間、ずっと撃ち続けた毒弾の効果もあってだ。

HPが減った火竜に追い打ちとばかりに毒槍をさらに連射、連射弾を避けながら連射。

そしてついに片方が倒れる。

 

《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV9からLV10になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『竜力LV2』が『竜力LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『魔闘法LV4』が『魔闘法LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『並列意思LV2』が『並列意思LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

《条件を満たしました。個体、よまわりさんが進化可能です》

 

レベルが上がってHPが回復したところで私はとあることに気づく。

 

あっれーなんか私の雰囲気いつもと違うよぉ。

いやまあ私のことだから何があってもおかしくないんだけどさぁ。

何真面目に戦闘してるんだろ?

今更感あるけどあいつらに嫉妬使っちゃえばいいじゃん。

そしたら奴さんかってにマグマで焼け死んでくれるよ。

もうこれ並列意思戻ってきていいかなぁ

戻っておいで並列意思。

〈ただいまー〉

〔うーす〕

【はじめましてー】

ああ、並列意思のレベルアップで増えたんだったねぇ

よし、何やるかは後でみんなで決めようぜ

よし、んじゃ嫉妬発動!

おお、火竜のスキルが無効化されてというか炎熱無効が無効化されてマグマで苦しんでるぅ

すっごい困惑した表情浮かべると思ったけど苦しくてそれどころじゃないかぁ

じゃぁご愁傷さまぁ

 

よし、ちゃんと火竜死んだねぇ。

あー引っ張り上げないとだなー

 

っ!

すっごい魔法を感知したよ!

〈あれは蜘蛛さん?〉

〔あれ深淵魔法じゃん〕

え?マジで?

あ、これ完全に私のこと忘れてるやつじゃないですかやーだー。

あーこのままじゃ私にも被害が来るよぉ

どうしようかなぁ

うん、全員で毒やらなんやら使って防御しよう。

えっとぉ。

体担当は天鱗の出力を上げられるかわかんないけど努力して!

〈適当じゃん〉

魔法と新しいのの二人は魔力を外に放出して身を守るとかなんとかできないかやって!

〔わかったよー〕

そして私は探知で近くの少しでも深淵魔法の出力が弱そうな場所に移動する!

・・・何この不安しかないアイデア達はぁ。

あ、あたりが暗くなったぁ?

うわすっごい闇。

HPがゴリゴリ削れてくぅ。

他にもなんかしないと!

これはあれだ魔法担当達に協力した方がいいかなぁ!

なんか魔力で幕張るのに成功してるっぽいしぃ。

 

 

 

終わったかなぁ・・・。

あーHPが残り3だよぉ。

これは後で蜘蛛に文句を言う権利が私にあると思うんだ!

てか無くても文句言う!

決めたからぁ!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV5』が『闇ノ王LV6』になりました》

 

いやこの子は毎回なんでこのタイミング?って時にレベル上がるよなぁ。

なんでだろぉ?

そういえば蜘蛛さんもそろそろ戦闘終わるのかなぁ。

よし、先にこの火竜をどうやって岸にもっていくか考えよう。

うーん

 

・・・攫えばいいじゃん。

よし、袋の中にこの二匹を入れるぞー

え?

はいんなくない?って?

そこはほら、よまわりさんの袋だよぉ?

きっと入るさ!

現になぜか入ったしぃ。

あ、蜘蛛さんがちょうど龍倒したぁ。

てか深淵魔法に耐えたのかぁ、あの龍。

 

《条件を満たしました。称号『龍殺し』を獲得しました》

《称号『龍殺し』の効果により、スキル『天命LV1』『龍力LV1』を獲得しました》

《『身命LV1』が『天命LV1』に統合されました》

《『竜力LV3』が『龍力LV1』に統合されました》

 

っしゃ!なんかゲットした!

とおもったら、さっきの深淵魔法でなんか地形がへこんじゃったからそのせいで私のいるところにマグマがどわーってきてる!

というわけで蜘蛛さんが火龍をもちながら逃げてる方へたいさーん!

蜘蛛さんは手伝わないよ?

深淵魔法撃った恨みで。

 

 

 

『見てないで手伝ってほしかった』

『私のことを忘れて深淵魔法をぶっぱした人?が何言ってるんですか』

『火龍多めにあげるから許して』

『・・・食べ物にはつられませんよ。火龍は食べますけど』

『じゃあ体担当達、鱗はぎヨロ。』

『頑張ってくださいね、火竜二体と火龍の合計三体分。』

[〈深淵魔法よりブラックな仕事だ。〉]

 

じゃああとは体担当に任せといてぇ

よーしスキル確認だぁ

 

『龍殺し:取得スキル「天命LV1」「龍力LV1」:取得条件:龍種を撃破:効果:竜、龍種相手に与ダメージが増加:説明:龍種を倒したものに贈られる称号』

『天命:スキルレベル×100分HPにプラス補正が掛かる。また、レベルアップ時にスキルレベル×10分の成長補正が掛かる』

『龍力:龍の力を一時的に得る』

『闇ノ王LV6:自分の持つ魔力を好きなステータスに変換することで一時的に送った魔力量だけそのステータスが上昇する』

 

毎回のように闇ノ王さんはすごいのしかけてくるけどここまですごいのはLV2以来だよ!

これ龍力とかと併用したら私の魔力的にすごいことになるんじゃあ。

あと何かあったよなあ

あ、これだぁ。

 

『空間機動:あらゆる空間において自在に動くことが可能』

 

ふぁ、すっごい望んでたのが来たんだけど!これで蜘蛛さんの機動にも追いつける!かも。

やったぁ!




夜廻pc版買ったどー


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よまわりさん、管理者に会う

短いです。


あのあとスキルの使い道を考えたり蜘蛛さんに重の邪眼かけられたりそういえば進化できるようになったってことを蜘蛛さんに伝えたりしたよぉ!

そしてねぇ体担当達による鱗はぎが終わったから進化しようと思ったらねぇ。

うん。

というか今のことなんだけどすっごい自然な感じの空間の歪みを感知したんだよぉ。

だから今身構えてるのだよぉ!

何が来るかわからないからねぇ。

お、空間が割れたよ!

 

空間が割れ、一人の黒い男が姿を現す。

 

って小説だと表現されそうな感じの真っ黒な鎧を着ている人が出てきたよ!

すっごい勝てない感じがするよ。

まぁ、とりあえず鑑定!

 

『鑑定不能』

 

え?

マジすかぁ。

 

「****************?」

 

え?

なんか黒い人が話しかけてきてる。

ちょっと何言ってるかよくわかんないなぁ。

なにあおってるんだろ、私。

しかも心の中で

 

「++++++++++++++++?」

 

うーんどうしよ、叡智じゃわかんなかったからなぁ言葉。

叡智使って変換できないかなぁ

あ、無理ですかそうですか。

 

ポトッ

 

ん?

何か落ちてきた?

スマホ?

え?

なんで?

この世界に?

ここ異世界だよね?

 

『もしもし。こちら管理者Dです』

 

え、何このスマホ?

言葉が二重になって聞こえるんだけど?

 

「*******!?」

 

あ、なんか黒い人がこの声にビビってる。

これあれか二重に聞こえたものの片方はこの世界の言語だったのかなぁ。

 

『はい。Dです。蜘蛛さんとよまわりさんはちょっと待ってください』

 

てかD!?

あれ?

あの叡智の時の上位管理者!

で、結局Dさんは何しに来たんだろう?

うーん

うーん

だめだ、なんでかかわってきてるのかなんてこの足りない頭じゃ思いつかない。

 

『お待たせしました。彼には話をしておきましたので、今後あなたに自ら関わることはないでしょう』

 

あ、黒い人がどっか行ってDさんが戻ってきたぁ。

 

『Dです』

 

ん?

何突然話してるんだろぉ?

Dさん。

 

『ええ。読みました』

 

あ、え?ん?

 

『ああ、いま蜘蛛さんの心を読んで答えているのでよまわりさんにも蜘蛛さんの声が聞こえるようにしましょうか?』

 

あ、お願いしますぅ。

 

『ええと、いま確か蜘蛛さんのほうが『プライバシーの侵害だ!』って言ったところでしたよね?あなたがたは喋れないので、一時的な措置です。普段心までは読みません』

『あ、現状説明ありがとうございます。』

『心までは、って、それ、私の行動は監視してるって事?』

『監視という言い方は好ましくありません。観戦の方がしっくりきますね』

『どっちでもいい。要はストーカーじゃん。』

『そーですそーです』

『そうですね。あなたがたは見ていて飽きませんから』

『D、思い出した。叡智を獲得した時に聞いた名前だ。』

『なんかよくわかんないけどやりました!蜘蛛さんより早くその考えに至りました!何か勝った!』

『よくわからないけどおめでとうございます。あと、ええ。あれは頑張っているあなたがたへのご褒美です。有効活用しているようで何よりです』

『あんた、何が目的?』

『たしかに何が目的ですか?』

『ただの娯楽です』

『ふぇ?』

『は?』

『ただの娯楽ですよ。それ以上の意味や目的なんてありません』

『本気?』

『本気ですか?というか正気ですか?』

『ええ。なにせ、私は世界最悪の邪神ですから』

『…ダメだこいつ。本気でやばい。さっきから話を聞いているだけで、体が震えるのは気のせいじゃなかった。こいつは正真正銘の、邪神。私の命なんて、娯楽で使い潰す程度にしか感じていない。』

『酷い言われ様ですが、間違ってはいませんね』

『なんかニャル様が頭に浮かぶのは気のせい、ですよねぇ。』

『さぁ。どうでしょう』

『はっきりしてくれないと頭の中でもやもやするんですけど!』

『それを見るのも含めて娯楽ですから。』

『・・・この世界は、あんたの娯楽のために作られたの?』

『それは違いますね。私はその世界から見れば部外者です』

『どういう意味?』

『ここから先は教えられません。教えてしまったら、つまらなくなってしまいますから』

『人のことを玩具にして。』

『ええ。ですからこれからも精々あがいて、私を楽しませてください。その先に、あなたが求める答えがあるかもしれませんよ?』

『この、好き勝手言って。』

『では、()()

 

あ、スマホどっかいったぁ。

Dさん、か。

なんでコミュ障の私と蜘蛛さんがこんな自然に話せたんだろ?



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よまわりさん、上層へ

今回も短いです。


・・・Dさんに会って?から蜘蛛さんの機嫌が悪い、何してよう。

進化するか・・・。

 

《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。

よまわりさん

よまわりさん

よまわりさん》

 

いつものパターン・・・。

真ん中でいいやぁ

おやすみー

 

『おはようございます』

『おはよう』

『火龍残してくれてますか』

『あるよ』

『ありがとうございますむしゃむしゃ』

『ステータス共有お願い』

『え?ああ、叡智のですね。ほい!』

 

『よまわりさん LV1

HP:/5100(緑)(詳細)

MP:/6500000(青)(詳細)

SP:/1009(黄)(詳細)

  :/1009(赤)(詳細)

平均攻撃能力:380(詳細)

平均防御能力:410(詳細)

平均魔法能力:567060(詳細)

平均抵抗能力:940(詳細)

平均速度能力:2000(詳細)

スキル

「暗視LV9」「未来視LV1」「高速演算LV9」「闇ノ王LV7」「視覚強化LV10」「望遠LV9」「聴覚強化LV9」「嗅覚強化LV7」「触覚強化LV7」「味覚強化LV4」「並列思考LV10」「並列意思LV4」「外道無効」「神性領域拡張LV6」「腐食耐性LV4」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理の鋏」「恐怖無効」「HP高速回復LV6」「隠密LV9」「飽食LV4」「空間機動LV2」「瞬発LV9」「耐久LV9」「集中LV10」「命中LV9」「天命LV3」「外道魔法LV4」「剛力LV3」「堅牢LV3」「影魔法LV9」「状態異常耐性LV6」「投擲LV6」「嫉妬」「天鱗LV10」「禍根」「火炎耐性LV1」「回避LV9」「思考加速LV9」「確率補正LV4」「無音LV6」「叡智・裏」「魔導の極み」「毒魔法LV8」「魔闘法LV7」「龍力LV3」「禁忌LV8」「n%I=W」

ポイント:2100

 

称号

「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」「叡智・裏の支配者」「竜殺し」「龍殺し」

 

今更魔法には突っ込みたくないけど魔法が二桁分限界突破してるよぉ。

あ、と闇ノ王か

 

『闇ノ王LV7:闇系統の攻撃力上昇』

 

おお、おお?

どのくらい上昇なのかな?

あ、禁忌上がってる。

マジか、あと一個じゃん。

まぁ、これくらいかなぁ。

〈絶対どこか感覚麻痺してると思うんだ〉

うん、だね。

 

『ねえ』

『何ですか?蜘蛛さん?』

『見てて?』

『はいはい。』

 

その直後、蜘蛛さんが二段ジャンプした。

うん、二段ジャンプした。

うん!?

 

『空間機動。』

『あーあーあ。そういうことでしたか空間機動って。』

『そう、空中に見えない足場が一時的に出現するような感じ』

『わたしもやってみますわぁ』

『SP回復した?』

『あ、そうだ、まだ食事中だった』

『これ、SP消費だからね』

『マジすか』

『がんば』

『そういえば蜘蛛さん』

『ん?』

『私、というかよまわりさんが走って跳んで天井に引っ付く絵面ってどんなのですか?』

『・・・一回爆笑しそうになった』

『それほどですか!?』

『うん』

 

~人外中身少女?達雑談中~

 

あの後食べ終わって跳びまわったり色々あったよぉ

例えば蜘蛛さんが威圧を切って龍力使って狩りをしたりとかかなぁ

 

 

また時間が飛ぶけどまた色々あったよ

私と蜘蛛さんの影魔法がカンストして闇魔法に派生したり蜘蛛さんの毒合成が派生したり蜘蛛さんと私の毒魔法が派生したり、千里眼だったり、一番『あ、これまずい』って思ったのは外道魔法をカンストしたら禁忌に派生することかなぁ?

私、外道魔法LV10まで持ってけないじゃん。

 

ふー、まぁそんなこと今まとめてないでこの今喜びをかみしめようかなぁ?

・・・そう、今私と蜘蛛さんの目の前には長い坂がある、上へ登る長い坂が。

中層の終わり。

上層への道。

この崖から落ちたところから始まったさんざんな毎日はたぶんここで終わるのだ。

とりあえず一言。

 

『『ただいま、上層』』



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やりました上層だぜ編
よまわりさん、上層に着く。


みじかいです☆


帰ってこれたぁ!

じょ・う・そ・う・だ!

といっても落ちる前に上層にいたってだけで一日以上ここにいたわけじゃないはずだけどねぇ

おー涼しい!

かいてきだー

わーい

ひゃっほー

うええええええい

やったぜぇ☆

 

 

 

上層に戻ってきてから数日。

私たちは中層入り口付近に巣を張ってるんだぁ。

のんびりだぁー。

何気にこの世に来てからここまでゆっくりしたの初めてかもしれないなぁ。

ふひー。

あー。

何しようかなー。

空間魔法覚えようかなー。

何ポイントだっけー

 

『空間魔法(6000):空間を操る魔法』

 

四千ぐらい足りないぃー。

周りの魔物も弱いしなぁ。

だからここで暮らしてるんだけどー

ふにゅー

治癒のレベル上げるかー

ついでに斬撃耐性も・・・。

 

『くもさーん、最近切れ落ちた鎌とかありませんかぁ?』

『ない』

『まじすかー』

『火耐性上げてくる』

 

お!

これは火炎耐性を上げると同時に治癒魔法を上げるチャンス!

 

『お供しまーす!』

『うん』

 

~よまわりさん&蜘蛛さん、移動中~

 

熱ぃ

相変わらず熱ぃ

よし、気合入れて触手をマグマにドボン!

熱ぃ

・・・

あちい!

もう無理じゃ!

 

あっつかったぁ!

とりあえず治癒魔法・・・ついでに蜘蛛さんにもかけとこう。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『治癒魔法LV1』が『治癒魔法LV2』になりました》

 

お、上がったぁ。

でも耐性は上がらなかったかぁ。

しょうがないか、火耐性の上位互換なんだし。

あ、魔法自分に撃てば魔法のレベル上がるし耐性上がるし治癒魔法使ってレベル上げられるしでいいことずくめじゃん!

魔法担当!お願いね!

〔いえっさー〕

 

 

現在。

飽食のストックが減ってきた。

魔物取りに行こう。

いねえ。

っていう状況でございます。

うみゅーどうしよう蜘蛛さんが長距離転移覚えたからまねして覚えてどうにかなんないかぁ

 

『マップ広げに行こう』

『え?蜘蛛さん突然どうしたんですか?』

『転移とごはんのためにマップ広げに行こう』

『いいっすよ』

 

 

 

とかそのご色々あって今、地竜を見つけますた。

このまえ蜘蛛さんが地竜食べて(呪怨で吸って)SP的においしかったらしいから狩りに来たんだよ。

ではさっそく肉弾戦の訓練がてら魔闘法を全力で使って思いっきり顔を

 

どおおおん

 

と殴ってみたら、うわぁ吹っ飛んだよ。

ぶっ倒れてるし。

生きてるのかな?

あ、けっこうHP残ってる

気絶してるだけか

まぁ生きたままでいいや、食おう。

いただきまーす。

うーん土っぽいなー

 

もぐもぐ

ご馳走様でしたぁ。

あと食べてる最中に地竜が死んだ瞬間レベルが上がったよぉ。

飽食はいっぱいになったからいい感じかなぁ。




最近買ったこの作品に関係ある物
蜘蛛ですが10巻まで
pc版夜廻


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とあるおっちゃんのエルロー大迷宮異変

本日二話目
エルロー大迷宮異変調査隊っていう原作126話の次の回のやつ


今回、最近迷宮内のある地域で魔物の量が増えていることを調査するため派遣された騎士を案内することとなった。

そいつらはこの迷宮のこともロクに知らず食料も持ってきてないぐらいのやつらだ、いっそ仕事を降りてしまおうともしたが口達者な息子が言い結局案内することになった。

どうなることやら。

 

大迷宮に入ってから8日。

異変が起こるエリアに近づいてきた。

なぜかここらへんの魔物の数が普通より多い、クイーンタラテクトでも出てきているのか、中層から何かかもしれない。

 

 

迷宮に入って13日目。

予定していたエリアに到着した。

が、

 

「魔物がいねえな」

「うむ。報告では魔物が異様に多くなっているということだったが、そんな気配はないな」

「ああ。これじゃ、道中の方がよっぽど多かったくらいだ」

「まあ、まだ調査1日目だ。焦るこたない。それに、魔物がいなくなってるんだったらむしろ好都合ってもんだ。異変も落ち着いて一件落着ってな」

「だといいのだがな」

 

いやな予感がしやがる。

 

 

 

15日目。

なんの成果も上がっていなかった。

そこで俺たちは魔物が多くいる大通路に行くこととなった。

だが、魔物がいない。

いやな予感がするが進む。

そこでとあるものが目に入る。

蜘蛛の巣だ。

 

「これは、蜘蛛の巣?」

「タラテクト系の魔物か」

「この巣の主が、今回の異変の原因、か?」

「そうだろうよ。見てみな」

 

俺が指をさす先、半ば以上食われた地竜の死骸が巣に捕われていた。

 

「地竜すらこの有様。こりゃ、グレータークラスまで進化してるかもしれん」

「Aランクの魔物とやりあえるかい?」

「無理だな。全滅覚悟で挑めばあるいは討伐はできるかもしれんが、そんなことできん相談だ」

「だな。こりゃ、戻ったほうが良さそうだ。俺たちの手には余る」

「賛成だ。一刻も早く脱出したほうがいいな」

 

 

俺と隊長の意見は一致する。

二人で頷き合い、その場を離れようとして、

 

極大の悪寒が俺を襲った。

 

息を呑む。

何かが現れていた。

隣の隊長と目を見合わせる。

頷き、ゆっくりと振り返る。

 

それらと、目があった。

 

片方は蜘蛛だ。

見慣れたタラテクト種に似ているが、若干違う。

手が鎌のような黒い姿の小さめの蜘蛛の魔物。

 

片方は見たことがない魔物だ。

ソレは黒く大きな芋虫か、あるいは象の鼻がそのまま動き出したような不格好なナニカで、体からはえた無数のイカかタコに似た足が複雑に絡まり大きな袋を握りしめながら動いていた。

胴体の先端には仮面のようなものが一つ埋まっている。白い仮面の中央を横切るようにまっすぐ切込みが入っているだけで目や口のようなものはない。

いくら仮面を見ようとどこを見ているかわからない。

 

一瞬で悟る、

コイツらはやばい。

ぞわり、と肌が粟立つ。

グレータータラテクト?

そんなレベルじゃない。

 

「撤退!」

 

隊長の叫び声で我に返る。

一目散に逃げる。

もはや隊列もくそもない。

ただひたすらあれから逃れるために、笑いそうになる足を必死で動かす。

とにかく走った。

俺たちはいつの間にか大通路から抜け出していた。

追ってきてはないようだ。

 

「すぐに迷宮から出よう」

「ああ。本国に連絡しなければ。あんな化物、我らではどうしようもない」

 

下手をすればSランクに行ってるような魔物二体。

しかも片方は今までの魔物とは違う、別の次元のナニカ。

異世界の化け物と言われても納得するほどだ。

 

「ゾア・エレ」

 

誰かが呟いた。

 

「何だ、それは?」

「あの蜘蛛の魔物です。不吉を表す蜘蛛の魔物。けど、あんな化物じゃなかったはずです」

 

そんな魔物が大迷宮で発生したなどと聞いたことはない。

タラテクト種から突如変異したか。

通常のゾア・エレとは明らかに違うらしいし、突然変異であることは間違いなさそうだ。

 

俺たちは、それからすぐに迷宮から脱出した。




よまわりさんの描写は小説夜廻を参考にしました。


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よまわりさん、果実に焦がれる

短いです。


びっくりしたー!

蜘蛛さんと転移したらいっぱい人がいたんだもん。

恐かったー。

恐怖無効を持ってるはずなんだけどな、おかしいな。

あ、いつものようにぶつぶつ考えてることがもれなくなってるから恐怖無効の効果あったのか?

とりあえず、なにしにきたんだろ?

叫んで逃げてったし。

ま、いっか。

さー空間魔法の習得のための魔法構築練習続けようっと。

 

 

 

さー今日も上層を蜘蛛さんについてのんびり探索!

お、探知に蛇発見!

蜘蛛さんも見つけたっぽいね。

じゃぁさっそく転移、って思ったけど近くに人がいる。

どうしよう。

蜘蛛さんが行くならいこうかな。

 

『行くよ』

『りょうかいです!』

 

一瞬でその場所に移動。

空間機動を使って蜘蛛さんが蛇の頭の上に移動する。

そのまま鎌を振り下ろして一瞬で蛇のHPがゼロになる。

蜘蛛さんが蛇から鎌を引き抜いて血を払う。

絶対これ『またつまらぬものを切ってしまった』とか思ってるな、蜘蛛さん。

冒険者(仮)はなにやってるかな?

あ、呆然と動きを止めてる。

じゃあ、このまま蛇を担いで転移でおさらばしよう。

ん?蜘蛛さん治癒しようとしてる?

なんでかな?

ま、蜘蛛さんだけで足りると思うし私はいいかな?

人恐いし。

と、してる間に蜘蛛さんが治癒魔法を発動させる。

きっちり二人分。

傷が治っていく。

そして治癒が終って蛇のとこに戻ろうとした蜘蛛さんの横にある物があった。

果物だった。

ん?

果物?

そんなことを考えていたら蜘蛛さんが私を連れて転移した。

 

ホームに帰宅。

蜘蛛さんが貰った果物いいなー

いいなー

欲しいなー

なんだろう、この糖分が欲しすぎて胸がドキドキするのは!?

まさか、果物に恋!?

 

ただの果物欲しすぎての禁断症状だろ。

 

なんか聞こえた気がするけどどうでもいいからくだもの欲しい。

うー

果物欲しいとは思うけど蜘蛛さんの功績でもらったようなものなのであきらめる。

がまんする。

わたし、えらい。

えっへん!

 

でも、果物を鑑定するくらいはいいよね。

 

『乾燥クリクタの実』

『クリクタ:カサナガラ大陸に広く自生している植物。定期的に花を咲かせ、実をつける。実は甘く、若干ながらMPを回復させる効果がある』

 

へーMPかいふくするんだ。

私には一生縁がなさそうな効果だなぁ。

あれを食べてる暇があったら私のMPはあれで回復すると思われる量を大幅に上回った量を自動回復するからねぇ。

んなのどうでもいいからおいしそう。

嗅覚強化の出力最大ぐらいは許されるよね。

 

うぅ、おいしそう。

 

『あまかった』

 

でしょうね、甘い香りがすっごいしましたもん。

 

『進化する』

 

もう蜘蛛さん進化できるのかぁ

蜘蛛さんいいことずくめじゃん、まぁいいか、とにかく外出たいなー

外出て果物いっぱい食べたいなぁ

そういや全く関係ないけど禁忌がカンストしたらどうなるんだろ。

あと何回鋏使ったらレベル上がるんだっけな?

レベル9まで上げてみようかな

〈いや、上げなくていいじゃん!〉

なんとなく大丈夫な気がしたから

〈嫌な予感〉

あ、闇ノ王使えばいいんだ。

〈え、ちょ、まって!〉

 

闇ノ王、オン

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV7』が『禁忌LV8』になりました》

オフ

オン

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV8』が『禁忌LV9』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV7』が『闇ノ王LV8』になりました》

 

え、マジで!?

やったぁ。

ラッキー

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV9』が『禁忌LV10』になりました》

 

ふぁ!?

なぜカンストしたの!?

ほん、と、なん、・・・で・・・

・・・・・・。

 

そこで私の意識はプツンッと途切れた。




禁忌をカンストさせる為とはいえ無理矢理感がすごい。


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よまわわりさん、禁忌を知る

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・。

・・・。

 

おっもい。

なんか理不尽な感じで禁忌をカンストさせてしまった私の感想はこれだった。

なにが重いかってこの世界の事が。

私が負うには重すぎる。

あーどうしよう

あー過去にやらかした阿呆を呪いたくなってきたなぁ

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『呪LV1』を獲得しました》

 

人魔、滅ぼすか。

でも力いるよねぇ。

蜘蛛さんと私だけじゃ足りないし。

システム外の力が必要だぁ。

 

・・・ってなに重いこと考えてんだ、私。

でもさ、いつもの思考であろうがなんであろうがやることって変わらないよね。

蜘蛛さんについてく。

じゃぁ、ついてくためにはどうすればいいか考えようかな?

蜘蛛さんは何を求めてるか。

力。

どのくらいの?

少なくとも管理者クラスの。

どうやって蜘蛛さんは管理者に昇格すると思う?

誰も考えないような抜け道を使って。

例えば?

・・・例えば、膨大な力を一気に飲み込むような方法で。

追いつくためには、少なくとも今のたとえのようなレベルのことをなさなきゃいけない。

するためには?

思いつかない。

どうやっても蜘蛛さんに追いつける光景が思いつかない。

・・・たとえで上げたような方法を使うなら?

蜘蛛さんはどうかわからないけど私は魂が崩壊しそう。

しなくてもだいぶダメージを食らうと思う。

力を私に適正した力に変換、吸収する魔法でも創り上げないと。

 

そういえばさっきから蜘蛛さんの体にエネルギー体みたいなのが見えるけどこれなんだろう。

・・・こんな状況になったおそらくの原因、闇ノ王がレベル上がったんだっけ。

いや、阿呆して闇ノ王の熟練度をためちゃった私が悪いけど・・・確認しようかなぁ。

 

『闇ノ王LV8:魂の可視化』

 

あーこれ魂なの?

え、じゃあ私の魂も見れるのかな

自分を見れば見れるかな

 

そこには、二つの魂があった。

まるで片方の魂が曲がっている魂と、その魂を支えて治すかのように存在するもう片方の魂であった。

・・・であった。

・・・?

え、どういうことこれ。

なんで私の体に2つ魂があんの!?

てか片方が私のだとしてもう片方は誰の?

よまわりさんの、かも?

どっちが私の魂?

多分支えてる方、かな?

仮に曲がってるのがよまわりさんの物だとしても違ったとしてもなんで私の魂はそれを支えてるの?

えーどういうことぉー

これこそ考えても仕方ないかぁ

ぶっちゃけ私になんの影響も今のところはないしねぇ。

結論、わけがわかんないから放置。

そんなことより蜘蛛さんに追いつく方法を考えようかなぁ。

全然そんなことってレベルじゃないけどぉ。

兎にも角にもほんとどうしよう。




考えれば考えるほど蜘蛛さんが規格外すぎる。


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よまわりさん、レベル上げしたりスキルゲットしたりする

暑い、なんで今日地味に暑いの?


禁忌がカンストして色々考えてたら蜘蛛さんがいつの間にかいなくなってたよ!

蜘蛛さんどこぉ

出てきてくださーい

帰ってきてくださーい

さもないと泣きますよー

よまわりさんの体って泣くのかわからないけど泣きますよー!

〔叡智のマップみりゃいいじゃん〕

あ、確かに。

ん?

え、ちょっと待って

これ蜘蛛さん何やってんの!?

〈下層で魔物狩りみたいだね〉

つまり蜘蛛さんの選択はそういうこと?

もう作戦会議もなしに動くのかなぁ?

〔行動を始めてるんだからそういうことじゃない?〕

私は何しようか?

〔魔法担当二人は例の考えてたシステム外魔法を作れないかやってみるね〕

え、零からのスタートだよ、できる?

〔やってみるよ〕

おっけーわかった。

じゃ、進化できるようにレベル上げますか。

今蜘蛛さんいないから転移できないしここの層か中層かなぁ。

とりあえず大きな空間のところで地竜狩ろうかなぁ

じゃ、行きますか。

 

~よまわりさん、魔物狩り中。~

 

地竜そこまでいなくてレベルが二つしか上がらなかったよぉ

ま、魔闘法が進化して魔神法とかいうのになったから収穫はあったけどねぇ

そういえばいつの間にかゲットしてた呪とか言うスキルは蜘蛛さんの呪怨の魔眼の相手に触らないと使えないバージョンみたいなやつだったよぉ。

とりあえずそれはいいから早く蜘蛛さん帰ってこないかなぁ

 

『ただいま』

 

うお!びっくりしたー蜘蛛さんが噂をしたらとばかりに帰ってきた!

 

『おかえりです、どうでした?』

『・・・私がこれからすること、わかってるよね?』

『わかりますし、蜘蛛さんが間違ったことをするなら止めてますし、もちろん協力しますけど、それより下層どうでした?』

『・・・地龍に負けた、おかげで冷静になったから地龍に勝つ』

『蜘蛛さんは今、並列意思をありえない使い方してやってるんですから気をつけてくださいね。』

『わかった・・・なんでこんな使い方してるってわかったの?』

『闇ノ王の進化で魂が見えるようになったからです』

『なるほど』

『で、私は何をするべきですか?』

『少しは自分で考えるべき』

『えー』

『考えるべき』

『わかりましたぁー』

『管理者、目指すよ』

『了解です!』

 

さて、なにしようか。

〔呪を上げたら?あと蜘蛛さんがゲットしてた怒をゲットするとか〕

うーん、やってみようかぁ。

〔あとはスキルをゲットしたりとか〕

・・・魔力撃みたいなスキルないかな?

 

《現在所持スキルポイントは2700です。

 スキル『魔力撃LV1』をスキルポイント200使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

え、まじであった。

いや、まぁスキルリストみて何があるか調べてから手に入れるか決めるけどさ。

気になるスキルないかなぁ

うーんこの今見つけた物理耐性っての上げたら無効になんないかな?

あとなんか魔法習得しときたいなーあとは強化系。

あー縮地とかもいいなぁ

とりあえず物理耐性っと

 

《現在所持スキルポイントは2700です。

 スキル『物理耐性LV1』をスキルポイント500使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

YES!

 

《『物理耐性LV1』を取得しました。残りスキルポイント2200です。》

 

あとは破壊耐性

 

《現在所持スキルポイントは2200です。

 スキル『破壊耐性LV1』をスキルポイント300使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

《『破壊耐性LV1』を取得しました。残りスキルポイント1900です。》

 

うんうんあとはあとは・・・・・・。

 

 

 

色々ゲットしたよ、あとは日課のマグマに浸かってくるぐらいかなぁ。

禁忌の件でつかれてるし一回寝ようかなぁ

 

――――っ!!

マップ見たら蜘蛛さんが何かに襲われてる!?

行かなきゃ!

って、どんだけ遠くに蜘蛛さんいるの!?

あのトラウマの竪穴じゃん!?

こっからだいぶ遠くだよ!

 

『こっちは多分大丈夫、予想してた事態だから』

 

蜘蛛さんが叡智を介して連絡を入れてきた。

 

『ほんとに大丈夫ですか!?』

『多分大丈夫だから、危なくなったら転移するし!でも話してる暇はないかも!じゃ、通話切る!』

 

あ、どうしよう

〈本人が大丈夫って言ってるんだし大丈夫じゃない?〉

かも、だけど、うーん

〈あの蜘蛛さんだよ?大丈夫だって〉

大丈夫、かぁ。

[寝よう]

うん。

寝よう。

お休み。




寝ちゃったよ。


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よまわりさん、進化可能になる。

おはよう、ございます。

なんか起きたら寝てる間に転がってたからか中層に行く坂で起きた。

蜘蛛さん帰ってきてるかな?

上あがって元の場所もーどろっと!

 

ん、何この気配、あ、人?と蜘蛛さん?

蜘蛛さんが襲われてる感じかなぁ。

まだ攻撃されてないから遭遇した感じなのかな?

弱いから助太刀いらないだろうけど経験値ほしいから加わろーっと。

そして人間達から私が見える位置に行ったときなぜか不快感が体を駆ける。

 

ゾクッとした、ナニコレ?

ん?

ステータスに受鑑定中って書いてある。

 

支配者権限発動。

鑑定拒否。

 

《支配者権限の行使を確認致しました。スキル『鑑定』の効果を妨害します》

 

お、使えた使えた。

これでいいかな?

鑑定してたのってあの召喚士らしき人と魔法使いでいいのかな?

多分あいつらは蜘蛛さんが殺るだろうからほかの相手をしようかなぁ?

 

とか思っている間にも蜘蛛さんが邪眼で人を攻撃している。

即死だった。

弱い。

おどろくほど弱い。

これであんなに経験値が入るとかスキルが多いからかな?

さらに蜘蛛さんが大地魔法を発動。

蜘蛛さんには土魔法でさえなかったから多分誰かの魔法をまねしたのかな?

え、でもここに大地魔法の使い手いないよね?

どういうことかな?

ま、いいかぁ。

あ、今召喚士がなんか召喚してる。

あいつら魔法覚えてないかなぁ

まねするのにぃ。

大地魔法は見たからできるけど見てないものはまねできないからね。

えっと召喚されたのは鳥と亀と虎と竜?

え?

しかもなんか見た目から何からなんか違う感がある。

お、鳥が風魔法持ってる、早く使ってくれないかなぁ!

 

鳥が答えるように魔法を使ってくる。

風魔法ゲットしとく前に耐性ゲットのために攻撃受けとくかぁ

 

うーん、全然痛くない。

ま、いいか風魔法発動。

蜘蛛さんの補助をするように鳥を魔力をつぎ込みまくった魔法で吹き飛ばす。

虎がこっちに突っ込んできた。

一回突進受けとくか、物理耐性上げたいし。

ぐへ、

ちょっと痛かったぁ。

さ、仕留めるか。

毒魔法の毒を虎の口の中に放って倒す。

そんなことをしてる時に蜘蛛さんは引斥の魔眼で復活してきた鳥を落とす。

そして竜?にコピーしたと思われる風魔法を使って倒す。

最後に残るはロックタートル、亀だけだね。

そいつもたった今、蜘蛛さんが呪怨で吸ったし。

けどそんなことをしている間に騎士は逃げようとしてる。

逃がさないよ、経験値たち。

 

蜘蛛さんの大地魔法のまねのまねの魔法と風魔法のまねの魔法で殺していく。

ん?

あの魔法使い逃げようとしてるのかな?

あれ大規模転移じゃん。

ずりー難しくてまだ空間魔法のまねで来てない私を差し置いて使うとか鬼ぃ!

あ、蜘蛛さんが迎撃した。

召喚士がいっぱい魔物を召喚して魔法を防いでるねぇ。

なんか召喚士が飲んでる。

あ、召喚士のMP回復した。

魔力がほぼ無尽蔵な私には関係ないことだけどね。

 

あ、このままいくとあの召喚士と魔法使いの二人には逃げられちゃうかも。

なにか行動に移そうと思ったときにはもう蜘蛛さんが動いていた。

蜘蛛さんがダッシュして召喚士と魔法使いの目の前まで移動。

蜘蛛さんの使える深淵魔法を除いた最高レベルの魔法、暗黒槍で魔法使いを穿とうとする。

それを召喚士が身を呈して魔法使いを守る。

その瞬間魔法使いの転移が発動。

 

逃げられた。

やられたぁ。

マーキングしたから追えるし。

そんなことより進化できるようになった。

 

『進化可能:よまわりさん

      よまわりさん

      よまわりさん』

 

いつものノリだけど。



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よまわりさん、Dと話す

後半の会話長いです。


『ウハウハだね』

『ですね!』

 

人の経験値がこんなに高いとは思わなかったなぁ。

蜘蛛さんも今回でまた進化できるようになったみたいだけど確か蜘蛛さんは一応進化は最終なんだっけかな?

あとは進化ツリーから外れてるアラクネぐらいだから。

 

『たかが28人倒したくらいでこんだけの量の経験値がもらえたんだし、1000人くらい虐殺すればあっという間にレベル上がりそう』

『なんかもう言ってることがとんでもないですけど同意です』

『問題はギュリギュリだよね』

『ですねー』

 

管理者ギュリエストぎゅ、なんだっけ・・・ギュリーでいいか、とにかくあの黒い人が止めにきそうだしねぇ。

 

『いっそ私からは打って出ないで、討伐隊でも編成されるのを待とうか?』

『それは名案ですね!』

『私正当防衛、悪くない』

『天才ですか』

『うん!』

『あ、そういえば何か蜘蛛の魔物に襲われた後何があって大地魔法なんて使ってるんですか?』

『地龍たおした』

『あーなるほど、もう驚きませんよ。慣れました』

『とりあえず進化する準備しよう』

『はーい!』

 

私は散乱した死体を回収。

蜘蛛さんはアークを持ってきて一緒に置く。

で、アークを取り囲むように糸を張り巡らせていく。

簡易の域は出ないけど、進化するだけならこれで十分。

よし、進化しよう。

今回は上のよまわりさん選んでみようかな?

 

《個体よまわりさんがよまわりさんに進化します》

 

はーい

 

あれ、蜘蛛さんも私も眠くならない。

そういえば状態異常耐性が無効になったんだ、忘れてた。

これが進化かぁ。

んーよまわりさんだからかつくりかえられてる感じもしないし何だろうでもなんかこうぐおーって感じする。

 

《進化が完了しました》

《種族よまわりさんになりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度進化ボーナスを取得しました》

 

色々レベルアップしていく。

 

《進化によりスキル『百足』を獲得しました》

《スキルポイントを入手しました》

 

ん?

なんかゲットした。

百足・・・ムカデ?

あの商店街の神社の?

 

『百足:土属性の特性が跳ね上がる。土を自在に操れるようになる』

 

え、どういうこと?

ムカデだよ?

何だっけ、ムカデって何の象徴だっけ?

 

ポトリと音がした。

そこに、スマホが落ちていた。

 

あ、みてない。

私ナニモミテナイ

 

『もしもし。Dです』

『あーあー。聞こえない聞こえない。』

『なーにーもーきーこーえーなーい』

『ああ、なんということでしょう。私の手にはなぜか蜘蛛とよまわり自爆ボタンが』

『ごめんなさい許して!ていうか、何そのボタン!?いつの間に作ったのさ!?』

『やめてください、許してDさん!』

『冗談ですよ。そんなものありません。なくても蜘蛛を汚い花火に変えることくらいできますから』

『『安心できない』』

『ご安心を。あなたがたのように面白可笑しい人材を無駄に散らすようなことはしません』

『あ、そうっすか。光栄っす。じゃ、そういうことで。』

『お帰りならあちらですよ』

『自爆』

『ごめんなさい!』

『マジすいません!』

『冗談ですよ。冗談』

『『冗談に聞こえない』』

『よく言われます』

『で、ホントは何の用なのさ?』

『単なるお祝いですよ。不死に至った』

『え、?不死?』

『そこの蜘蛛が不死になったのですよ』

『え、マジデスカ』

『マジです』

『ねえ、この不死ってなんでこんなスキル作ったの?』

『人は満たされると最終的に何を目指すと思います?』

『富、名声、武力、権力、そして不老不死。どこの世界でも人の目指すものなんて、その程度です。そして、それが本当に手に入ると知ったら、どうすると思います?』

『何が何でも手に入れようとするだろうね。ああ、そういうこと。』

『なるほど』

『そういうことです。たとえ手が届かないとわかっていても、人は縋りたくなるものです。何を犠牲にしてでも。そうして頑張って頑張って、結局は手に入れられずに力尽きる。その頑張った結晶は管理者が美味しく頂く。実に効率的だと思いません?』

『ちょっと待ってください、Dさんの性格が悪いのはわかりましたから私、不死のポイント空間魔法より低かったというか今のポイントが3200だから200残してとれちゃうんですけど』

『よまわりさんですからね、少なくともあなたの今の体でも不老ですよ』

『やっぱりこれ、本物のよまわりさんの体なんですね』

『そうです』

『じゃあ、私はポンと手に入れちゃったんだけど、どういうこと?』

『ザナ・ホロワはもともと不死の魔物という設定ですから。まさか本当に進化してしまう個体が出るとは予想していませんでしたけれどね』

『進化しちゃいけない魔物だったんかーい。』

『いけないということはありませんよ。ただ、最初のゾア・エレも非常に発生が希な種ですし、発生したとしても進化前に死ぬように設計してありましたから』

『『え?』』

『ゾア・エレには腐蝕攻撃がありましたね?けれど、腐蝕耐性はありませんでした』

『そうなの?』

『はい。ですから、普通のゾア・エレは腐蝕攻撃を使った瞬間、自分も死ぬことになります。良かったですね。耐性を持っていて』

『よかったですね蜘蛛さん、腐蝕耐性もってて。』

『うん』

『耐性を持っていたおかげで鎌が使えなくなる程度で済んでいましたからね。普通なら即死です。相手を殺して自分も死ぬ。そんな様から不吉を象徴する魔物と言われるようになったくらいですからね』

『確かに不吉だ』

『ですね』

『エデ・サイネも本質は変わりませんし、より強力な死滅の邪眼を得ていますから。進化する前に死んでしまいますね』

『今までザナ・ホロワに進化した個体っているの?』

『いません。おめでとうございます。あなたは世界で唯一のユニークモンスターになりました。パチパチ』

『おめでとうございます蜘蛛さん』

『嬉しいんだけど、Dに言われるとなんかあんま嬉しくならない。』

『ちょっとわかります』

『せっかく祝福してあげたというのに』

『いや、今までのあれとかねみてると、ね』

『邪神ですから』

『禁忌といい不死といい、ホント性格悪いわ。』

『もう少し品のある言い方にしてくれると嬉しいですね。例えば、純然たる悪意とか』

『自分で言っちゃってるじゃないですか、というか頭が逝っちゃってる?』

『自爆』

『ごめんなさい許してください何でもしますから』

『ん?いまなんでもするって』

『いってないです』

『いやいいましたよね』

『いってないです』

『まぁ、いいでしょう言ってないということで』

『ありがとうございます!』

『そんなことより、禁忌はよくできたシステムだと思いません?』

『思わないね。私みたいな半分部外者だから不快な思いする程度で済んだけど、元からのこっちの世界の住人は禁忌カンストした時点で発狂するんじゃない?』

『過去に禁忌をカンストさせた人間は、碌な最期を迎えていませんね』

『ですよねー』

『それを含めての、禁忌ですよ』

『自業自得ですけどね』

『それで、あなたがたは禁忌の内容を知り、今に至ると』

『ですね』

『だね。我ながらどうかしてると思うよ。ちょっと前までの私だったらそんなん知るかって言ってふて寝してただろうね。』

『それもこれも、あなたが並列意思を使って活動している影響でしょうね』

『はぁ、蜘蛛さん、変わらないでくださいよ?間違ったら私が正してあげますから』

『うん、ありがとう』

『あまり自覚がないようなので言っておきますが、あれはシステム外攻撃ですよ?』

『そらそうですよね』

『あ、そうなの?』

『少なくとも私はあなたが行っているようなことができるスキルを実装した覚えはありません』

『へえ。てことは、私は神の領域の片鱗を使ってるって事?』

『そうなります』

『ふふふ。これは私が神になる日も近いようだな。』

『期待していますよ』

『厨二病なこと言ってますがそれがほんとなのが怖いです』

『いや、そこ華麗にスルーしないで突っ込んで欲しかったなー。』

『本心ですよ。私はあなたが私たちの領域にたどり着くことを期待しています』

『本気?』

『ええ』

『何が目的なんですかDさん』

『言ったはずですよ。娯楽だと』

『そうでしたね』

『そうだったわ』

『今日は気分がいいので、少しサービスして色々とレクチャーして差し上げますよ?』

『『マジで!?』』

『ええ。私の教えられる範囲でしたら、その世界のこと、色々教えて差し上げます』

『やったぁ!何聞きましょうか、蜘蛛さん!』

『まずさあ、なんで私この世界に転生してるわけ?』

『ああ。それは一から詳しく説明しましょう。まず、あなたは地球の日本で死にました。ここまではいいですか?』

『あ、これ死んだタイミングが違う私は違う理由な感じですか?』

『そうです。あとあなたは今教えてしまうと面白くないことだらけなのでこの世界に来た理由は教えませんよ』

『あっはい』

『では蜘蛛さん、死因なのですが、先代の勇者と魔王が関係しています』

『え?』

『どうやったんですか?』

『先代の勇者と魔王は両者ともに次元魔法の使い手で、かなりの天才でした。彼らは次元魔法を改変し、世界の壁を越える魔法を編み出してしまったんです』

『あーなるほど』

『どういうこと?』

『えっとですね蜘蛛さん、前に私が影魔法改変して毒を操ったじゃないですかそれと同じです』

『要するによまわりさんの言う通りです』

『改変した程度でそんなことできるの?』

『できますよ。できない道理がありません。ただ、システム外の技術に対して、システムの補助は働かないですがね。システムの補助に慣れてしまったこの世界の住人では、そんな高度な術式は制御できませんでした。結果、術式は暴発。次元を越える際にMA領域を一部破壊し、世界の壁を越えた先、地球の日本のとある高校の教室で爆発してしまったというわけです』

『というか蜘蛛さん自身並列意思をおかしな使い方してるじゃないですか』

『空間魔法のほうがすごいと思うんだけど』

『うーん、魂が見えるようになったからのただの直感ですが自己の魂の操作、送信の方が難しいと思いますよ』

『そうなの?』

『多分ですけどね。というかそんなことより魔王とかに突っ込みを入れましょうよ』

『そうだった、魔王たちがやったことでMA領域破壊とか馬鹿なの?』

『まったくです。おかげで私は作ってから放置していたその世界のシステムを点検しなおす羽目になりましたよ』

『放置って』

『言ったでしょう?その世界では私は部外者だと。その世界を管理するのはあくまでその世界の管理者です。私はシステムの提供はしましたが、それ以上のことはしませんよ』

『最近頻繁に干渉してますよね』

『仕方ありませんね。その世界の勇者と魔王が暴走した結果とはいえ、何の罪もない高校生たちが死んだ上にシステムに巻き込まれてしまいましたから。私も原因の一部ですし、システムの構築者として最低限のフォローはしておくべきだと思いまして』

『Dさん、それは当たり前のことですしDさんに良心ってあったんだと思いかけましたが絶対面白そうだからとかいうのが入っていますよね?』

『それより、高校生たち?』

『さっきからなんか私のほうが色々理解できてるのはなぜか気になりますが、では蜘蛛さん。制御できなかった魔法がDさんに向かいました、制御できなかった魔法です。そんなもんが人一人のところだけで収まると思いますか?教室全体にバーンってなってもおかしくないしむしろ良くその教室だけで収まりましたね?ってなりません?』

『確かに』

『そうです、この世界には25人の元地球人が転生しています。授業中の教室は見るも無残に破壊され、生存者はいませんでした。そして、その時の衝撃で、その時に死んだ人の魂はその世界のシステムに逆流してしまい、その世界で転生することになってしまったのです。私はそのままでは分解されてしまう魂を保護し、記憶や元の魂の力をそのままにこの世界で生きていけるように、n%I=Wのスキルを付与しました。あとは、適正を見て適当なスキルを1つずつプレゼントして、なるべく魂の波長が近い種族に転生できるように斡旋しました。これで、最低限のフォローはしてあげたと思っています』

『なるほど、でもうちのクラスって先生入れて26人だよね、一人足りない』

『それがDさんなのですよね?』

『はいそうです』

『思いっきりDさんから外れて教室内だけで爆発とかどんだけそのクラスが運がなかったんだ?って話ですもん』

『D、名前は?』

『それは秘密です』

『えー誰だー?』

『まあ、私の話は置いておいて。システムの最高管理者である私があの教室にいたから、あの事故は起きてしまった。なので、原因の一端は私にもあるのです。その責任取りをするために、こうしてその世界に干渉しているわけです』

『生まれながらに韋駄天持ってたのはそういうことだったのね。けど、叡智は?聞く感じだともう責任取りは終わったんじゃないの?』

『あれはあの時も言ったように、頑張っているご褒美ですよ』

『ああ、そう。一応お礼言っとくわ。ありがとう。』

『ありがとうございます!』

『どういたしまして』

『そういえばDさん』

『叡智なんてもん授けて、禁忌をカンストさせて、私達にこの世界救えと?』

『見事に息があってますね。そんなことは言いませんよ。その世界であなたが何をしようと自由です。私はそれを止めませんし、指示もしません。傍観者ですよ』

『ほんとですか?りありー?』

『信用がないですね』

『だって邪神だし』

『ですね』

『勇者と魔王って結局何がしたくてそんなバカなことしたの?』

『多分ですが、私を倒そうとでもしたんじゃないですかね』

『なんでそんな阿呆なことをしたんですか?』

『どうにも管理者を敵と見做している勢力がいるようですね。先代の勇者と魔王は彼らに唆されたのではないかと』

『なるほど、阿呆ですか』

『救えないほどのってことか』

『まあ、フォローはしましたので、異世界で転生して何をするのかはあなた方次第ですよ』

『邪神のくせにそこらへんマメに仕事してくれてありがとう。マジな話、助かったわ。』

『どういたしまして』

『で、魔王と勇者を唆した奴らって誰ですか?前世の蜘蛛さんを殺した元凶なんですからきっちりと覚えとかないと』

『それを教えてしまうと面白くなさそうなので、自分の目で確認してみてください』

『わかりました、意地で探しますので』

『ところでさー、さっき魂の波長が近い種族に転生するって話してたけど、私蜘蛛だよね?』

『蜘蛛ですね』

『蜘蛛さんは蜘蛛に似た波長だったんですか?』

『よほど波長があったんでしょうね。他の方は大半が人族に転生してますよ』

『なんでやねん!?』

『ですが、蜘蛛に生まれたからこうしてフライング気味に活動できているわけですし、あながちハズレとも言い難いですよ?他の方々はまだ赤ん坊ですからね』

『そんなに蜘蛛さんが生まれてから時間たってないんですか?』

『それもありますが、生まれるのも人族より早めでしたからね。地球の年月計算から言うと、大体半年ほど早めに生まれています』

『得したのか損したのか微妙なところですね』

『私は楽しめましたけどね。他に質問はありますか?』

『なんでシステムなんて作ったんですか?ま、どうせする意味がない、面白いからとか答えるんですよね?』

『その通りです』

『ま、そうですよね』

『あなたがたの行動はこれからも面白く見させていただきます』

『いや見るなし』

『見ないでくださいよ』

『見ますとも。ポテチ片手にゲームでもしながら眺めています』

『・・・納豆食べたいです。ください』

『だめです、管理者になってここに来てください』

『あんたまだ日本にいんの?』

『はい』

『羨ましい!』

『ポテチ美味しいです。ああ、新発売のアイスがありましたね。後で食べましょうか』

『死んでしまえー!アイスー!』

『絶対管理者になってアイスの呪いをかけてやります!効果は数年アイスに近づけなくなる感じのやつです!食べ物の恨みをなめないでくださいね!』

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『呪LV3』が『呪LV4』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『怒LV1』が『怒LV2』になりました》

 

『怒と呪あがった』

『ふふふーカップラーメンおいしいです。それでは、また』

 

スマホが消える。

管理者になる理由が増えた。

絶対地球に行って納豆とアイスとおはぎ食べるぅ!




ムカデは土、これが自分が調べた時に出てきたことを自分が理解したものの限界です。


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外です☆編
よまわりさん、お外に行く


今回なんと1003文字!
短い!


人はおいしかった。

元人間としてどうかと思うけど。

で、その後も数日いろいろあって外に出ることになったよ。

脱出方法はマーキングした4人組を追うこと!

正確には蜘蛛さんの転移だけどねぇ。

 

4人組が外に出た瞬間蜘蛛さんの転移が発動する。

 

おおお!

まぶしい!

明るい!

そ、と、だああああ!

 

あ、人がいる。

めっちゃ見てくる。

こんにちは。

恐いので見ないでください。

そう思いながら私はあたりを見渡す。

検問所っぽい施設みたいだなぁ。

迷宮から魔物が出てこないようにしてるのかな?

 

お、人間がこっちに向けて武器を構えてる。

武器を向けてくるってことはこの人間は経験値でいいのかなぁ?

てかこいつらよわいなぁ。

この前の騎士って強い方だったの?

 

うお、兵士が槍で刺してきた。

なにすんのさぁ。

これは正当防衛だからねぇ

 

蜘蛛さんの同じことを考えてたみたいで同時に動き出す。

私が使うは闇魔法、闇界。

深淵魔法ほどじゃないけど広範囲で攻撃できる魔法だ、弱くても人間相手だとオーバーキルだけどね。

蜘蛛さんはちゃんとよけて発動しないとね。

 

 

レベルが3も上がったよ。

闇界使う一瞬の間に蜘蛛さんが数人倒さなかったらどのくらい経験値ゲットで来てたんだろ?

まあいいや、蜘蛛さんとお散歩行こうぅ!

 

『レッツゴーですくもさん!』

 

 

紺青の空

生い茂る翡翠色の草木

陽にあてられ輝く緋色の血

 

―――――。

声も出ないほど綺麗。

感動する。

 

血?

それすらもう綺麗に見えるじゃん。

そういうことじゃない?

なんで血があるのって?

気のせいだ、血が流れる源を見てももうSAN値は削れないから。

エルロー大迷宮でもっとおぞましいもん見てきたしねぇ。

いやー外出た瞬間思いっきり体を動かせるとか思ってなかったよぉ。

 

はい。

検問所突破(外でたら)囲まれてただけだから大丈夫。

砦があっただけだからね。

ある、じゃなくてあったね。

ぶっ壊したから。

ギュリーさん来ないでね?

攻撃されたからやっただけで正当防衛だからね?

私も蜘蛛さんも無罪だよ?

 

しっかしもろいなぁ。

ちょっと強化して殴りに行っただけで壊れるって何さぁ。

 

『では、初の外の世界を見て回りますか』

『いきましょー』

『どっち行く?』

『どうします?』

『空間機動で見てくる』

 

そう残して蜘蛛さんは空に上がっていってすぐ戻ってきた。

 

『あっちが街であっちが山と海だから山の方行くよ!』

『おー!』

『目指すは』

『山の食べ物と海の物ですね!』

『せいかい!』

 

しゃー行きますかー!

〈あ、情報担当、空間転移できるかもなくらい精度上がったよ〉

ん、今度試そうか。

〈おー!〉



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よまわりさん、黒との会話

珍しいもんがありすぎて鑑定してたら日が暮れちゃったよぉ。

しょうがないと思うんだ

 

『ですよね蜘蛛さん!』

『うんしょうがない』

 

そういえば蜘蛛さんの雰囲気がのんびりしながらも急がなきゃ見たいなよくわかんない感じなんだよぉ。

なんか悪い影響あったら助けてあげなきゃなぁ。

やっぱ魂を無理な使い方してるからかな?

 

そんなことより初めての迷宮外の夜だぁ

わくわくするぅ

星空綺麗なのかなぁ

と、いうわけで蜘蛛さんがテント作成中。

 

と、いうところで空間感知。

なにか来る。

蜘蛛さんより空間の歪みが自然だし、というかこれ絶対あの神じゃん。

 

空間を渡って現れた男は体と一体化したような黒い鎧。

全身を染める黒。

管理者ギュリエディストディエス。

 

もう出てくるの?

異世界語わかんないし。

まずわかっても話せないし。

どう蜘蛛さんと逃げよう。

 

そう思いながら蜘蛛さんとギュリエディストディエスさんが見つめあって数秒。

ギュリエディストディエスが溜息を吐いた。

 

『これで意思が通じるか?』

 

ちゃんとした日本語で念話のような頭に直接響く声が聞こえてきた。

蜘蛛さんと私は頷く。

 

『Dが作ったスキルの翻訳機能に干渉した。これで、私の念話は君にはそちらの言語に聞こえるし、君の言葉も私にはこちらの言語に聞こえるはずだ』

 

へー

 

『ちなみに、この機能は私が無理矢理実行している。本来のスキルの機能ではないので、君が実行することは難しいだろう』

 

ちぇ。

 

『さて、今日私が訪れた要件を伝えよう。君、いや君達が今行っている活動を今すぐ停止し、今後人族に迷惑をかけないで欲しい』

 

問答無用で殺されるわけじゃないならいいやぁ

でもやっぱ止めようとしてくるのかぁ

 

 

『君のおおよその経緯はDから聞いている。こちらの世界の都合で巻き込んだことは素直に詫びよう。すまなかった。その上で、君にはこの世界のことにこれ以上関わらないで欲しい。不躾な願いだというのは十分承知している。君がどうしてこんな行動を起こしているのか、それも理解している。それを踏まえて、こうしてお願いに来た』

 

うーんいい人なのかなー

 

『返答を聞かせては貰えないだろうか?』

 

 

どうしようかぁ

うーしゃべりたくないー

 

『お断りします』

 

蜘蛛さんが返答する。

 

『そっちの君はどうだ?』

 

えー蜘蛛さんの返答だけでいいじゃんー!

やーだー答えたくない!

はーどう答えよう。

蜘蛛さんと同じです、でいいかなぁ。

あー緊張するぅうう!

 

『く、蜘蛛さんと同じです!』

 

しゃっ!

噛まなかった!

自分えらい!

 

『どうしてもか?』

 

頷く。

 

『そうか』

 

ギュリエディストディエスは天を仰ぐ。

 

『異世界のものから見て、私のしていることは滑稽に見えるか?』

 

ギュリエディストディエスは眉間に皺を寄せ聞いてくる。

その顔は、泣きそうであり、疲れきっており、苦悩しており、それでもなお歩き続ける覚悟を決めた男の顔だった。

 

私は答えられない、他人事なうえに蜘蛛さんに付いて行ってる存在だから。

 

『汝の為したいように為すがいい』

 

蜘蛛さんが言う。

 

『そうか。そうだな』

 

ギュリエディストディエスは、少し驚いたような顔をしてから、そう呟いた。

 

『ならば、私は私の為すべきことを為そう。とはいえ、君のことはDにも釘を刺されている。今しばらくは私が君を害することはない。しかし、覚えておいてくれ。君の為す事の先に、私と相容れない結末があるのであれば、私は君の前に立ちふさがるだろう』

 

そうならなければいいなぁ

 

『今日はこのくらいでお暇しよう。さらばだ』

 

そう言い残しギュリエディストディエスは転移で去った。




『よまわりさん LV9
HP:/8500(緑)(詳細)
MP:/3210000(青)(詳細)
SP:/5240(黄)(詳細)
  :/5240(赤)(詳細)
平均攻撃能力:4100(詳細)
平均防御能力:3500(詳細)
平均魔法能力:917060(詳細)
平均抵抗能力:4010(詳細)
平均速度能力:7240(詳細)

スキル
「暗視LV10」「未来視LV10」「高速演算LV10」「闇ノ王LV8」「視覚強化LV10」「万里眼LV5」「聴覚強化LV10」「嗅覚強化LV10」「触覚強化LV10」「味覚強化LV7」「並列思考LV10」「並列意思LV9」「外道無効」「神性領域拡張LV8」「腐食耐性LV7」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理の鋏」「恐怖無効」「HP高速回復LV9」「隠密LV10」「迷彩LV4」「飽食LV9」「空間起動LV8」「瞬身LV4」「耐久LV4」「集中LV10」「命中LV10」「天命LV9」「外道魔法LV10」「剛毅LV3」「城壁LV2」「影魔法LV10」「闇魔法LV10」「暗黒魔法LV9」「状態異常無効」「投擲LV10」「嫉妬」「天鱗LV10」「禍根」「火炎耐性LV5」「回避LV10」「思考超加速LV3」「確率大補正LV3」「無音LV10」「叡智・裏」「魔導の極み」「毒魔法LV10」「治癒魔法LV10」「魔神法LV5」「気闘法LV5」「龍力LV8」「気絶耐性LV6」「苦痛無効」「痛覚軽減LV1」「重耐性LV9」「物理耐性LV5」「破壊耐性LV3」「斬撃攻撃LV8」「斬撃耐性LV5」「魔力付与LV3」「呪lv6」「怒LV4」「SP消費緩和LV6」「土魔法LV6」「風魔法LV5」「禁忌LV10」「百足」「n%I=W」
ポイント:4100

称号
「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」「叡智・裏の支配者」「竜殺し」「龍殺し」


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よまわりさん、楽しむ

おきた。

お早うございます。

昨日の星空はきれいでした。

蜘蛛さんは緊張してたみたいだけど私は緊張しすぎてすぐ寝ちゃった。

 

とりあえず山に向かうぞぉ!

 

 

 

平原を抜けて森の中にソレはあった。

紅い木の実だ。

 

『ボンクゥラ:カサナガラ大陸に広く自生している植物。定期的に花を咲かせ、実をつける。実は甘いが、麻痺の成分が若干含まれている』

 

酷い名前だし、しびれるけど私は状態異常が無効だから効かない。

というわけで蜘蛛さんと一緒にいただきまーす。

うめぇええええ!

甘い!

おいしい!

 

いつの間にか食べ終わっていた。

 

 

 

ちょっと大きな生物の反応だ!

せっかくだし蜘蛛さんと見に行ってみよう!

うわ、何コイツ。

顔は豚、体はゴリラ、背中から触手な化け物がいる。

キメラ?

でもステータスが低い。

しかも蜘蛛さんの威圧で硬直してる。

そういやそろそろ私も恐怖を齎す者の称号ゲットしそうだな、なんて考えてたら蜘蛛さんがキメラをサクッとやっちゃった。

さっそく食おう。

 

理鋏でちょん切って蜘蛛さんと私用に分けて。

いただきまーす!

 

お、い、し、い!

外の食べ物ってうめー!

山すげー!

 

 

 

いやー山の物は皆おいしかった!

うーん日が暮れちゃったしどうするのかな蜘蛛さん?

 

『夜のうちに山頂行ってご来光見よう?』

『おっけーです!見に行きましょう!』

 

山頂目指してシュッパーツ!

 

 

 

突然HPが減った。

自然物じゃ傷つけられないしなにかに攻撃されたのかな?

もう治ったけど。

山頂に何かいるのかな?

 

お、いたいた

 

『ペイレンス LV7

 ステータス

 HP:972/972(緑)

 MP:810/877(青)

 SP:899/899(黄)

   :720/871(赤)

 平均攻撃能力:918

 平均防御能力:888

 平均魔法能力:867

 平均抵抗能力:856

 平均速度能力:901

 スキル

 「風竜LV5」「龍鱗LV6」「魔力感知LV3」「魔力操作LV3」「風魔法LV2」「影魔法LV1」「風強化LV2」「風攻撃LV6」「命中LV5」「回避LV6」「隠密LV7」「高速飛翔LV5」「立体機動LV5」「気配感知LV6」「暴風無効」「暗視LV4」「視覚強化LV3」「生命LV2」「魔量LV1」「瞬発LV1」「持久LV1」「強力LV1」「堅固LV1」「術師LV1」「護法LV1」「疾走LV1」

 スキルポイント:7750

 称号

 「暗殺者」「魔物殺し」』

 

風竜かぁ

どちらかっつーとワイバーン?

あー慢心してたのかなぁ

これ相手にダメージ食らうとか本来はありえないし。

 

『蜘蛛さん、コイツ私がやっていいですか?』

『いいよ?』

 

ちゃんと慢心せず相手しないとね!

 

やりすぎた。

具体的に言うなら私の殺気が相当こわかったのか恐怖を齎す者をゲットしちゃうくらい本気出した。

 

本気の出しすぎはだめだねぇ。

 

 

 

山頂からご来光を眺める。

普通に綺麗。

うーんもっと感動とかあると思ったけどねぇ。

私達、楽に登っちゃったからかな。

私たちが今苦労する山ってなんだろ?

頑張れば狂気山脈でさえ上っておりれる自信あるもんなぁ。

よし

 

『海』

『ですね!』

『行くよ』

『ごー!』

 

ふ、砂浜を独り占めじゃぁ!

違うか、蜘蛛さんと2人だけじゃ!

前世ならリア充爆発しろとか動きたくないとか思ってたけど今は違うんじゃ!

うみなのじゃああああ!

 

『全力で山を下りましょう!』

『いいよ』

 

とか話しながら高速で山を駆け降りる。

走る、走る。

 

 

 

ちょっと時間かかったけど海ついたぁ!

波際に2人で行く。

冷たい!

でも泳ぐ!

バシャバシャと!

お、ちょっと泳ぎにくいけど泳げた!

沈めるかな?

うんうんできる!

やったぁ!

蜘蛛さんはどうだろ?

 

『なんか浮く、沈まない、泳げない』

『遊泳のスキル取ったらどうですか?』

『千必要だからやめとく』

『そうですかー』

『砂浜に戻る』

『私も戻っておきます』

 

 

『万能糸で釣りする』

『あそこに枝あるから私分の釣り竿作ってください!お願いします!』

『わかった』

 

というわけで釣り中。

お、蜘蛛さんがヒットしたみたい。

 

鮫が釣れた。

水竜LV7だから上位竜だけど。

 

蜘蛛さんが鮫にサクッととどめを刺す。

半分分けてくれたので食べる。

 

硬った!

皮はいで食べないとぉ。

 

剥いだから食べた。

感想、醤油がほしくなった。

 

 

水竜しかつれない。

蜘蛛さんと私で水竜釣りまくっちゃった。

たまにリリースしてるよ。

 

『漁村さがそう』

『いいですけどどうしたんです?』

『海の男たちを視姦する』

『じゃ、私は幼女を視姦します』

『わかった』

 

お、蜘蛛さんの糸になんかかかった!

何が釣れるんだろ?

 

水龍が釣れた。

即蜘蛛さんはリリースした。

あーびっくりした。

 

蜘蛛さんから情報が叡智で送られてきた。

この海、水龍、竜だらけだった。




よまわりさんが泳ぐという不思議な光景。


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よまわりさん、崇められる

今回8000文字以上書いた。


蜘蛛さんと浜辺を移動中。

釣り?

あんな龍だらけの海で釣りなんてしたくないよ!

 

と、いうわけで漁村を探して移動中なわけだけど何も見つからずに日が暮れましたですはい。

んでここで野宿かっていうと磯臭いし、水龍いるしで迷宮に戻ることになったよ。

ちなみに戻る方法は私が頑張って長距離転移を自力で使って帰ってみるよ。

一応言っとくけど私まだ空間魔法習得してないからね。

空間魔法、長距離転移!

 

帰ってきました迷宮。

てなわけで寝るよ。

お休み。

 

 

お早うございます多分朝です。

蜘蛛さんが起きるのを待って蜘蛛さんが起きてから例の砂浜に転移!

 

このまま歩いて探しても村は見つからなさそうなので蜘蛛さんと一緒に空間機動で上空に登ってあたりを見渡す。

ちょっと遠くに村が見えた。

漁村じゃなくて農村ぽいけど。

 

『とりあえずあの村を目標にしよう』

『了解です!』

 

 

 

村近くに到着!

そのまま突っ込むわけにはいかないから山側に回って観察!

そして感想、人弱い!

強い人でもステータス100未満とか、しかもスキルもろくに育ってないし。

ん?

村人たちがなんかソワソワしだした、おかしいな?

たしか感知系が優れた村人なんていなかったはずだけどぉ。

 

 

夜です。

今、村にいます。

果実盗みに来てます。

 

犯罪?

蜘蛛さんは蜘蛛だし。

私はよまわりさんだよ?

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『奪取LV1』を取得しました》

 

あ。

やっちゃったぜ。

一応スキル確認、ものを奪いやすくなる?

微妙。

 

 

 

村から続く街道の横をコソコソ移動中。

途中で馬車の跡らしきものがありました。

 

お、遠くに馬車発見!

ん?

襲われてるのかな?

ま、蜘蛛さんが助けに行くなら私も助けに行く感じでいいよね。

どうせなんか理由つけて助けに行くだろうけど。

あ、護衛一人やられた。

 

『行くよ』

『はーい』

 

ほらね。

 

ササっと移動。

一番私の近くにいた人間を鋏でチョキン。

真っ二つになったし確認するまでもなく絶命してるね。

そして近くの2人を土魔法で串刺しにして。

あとは蜘蛛さんが仕留めてくれてるからおっしまいと。

 

んーこの後どうしよう。

あれ?

蜘蛛さん最初にやられた護衛に近づいて何してるのかな?

あ、まだ微妙に息がある!

助けようとしてるのかー。

蜘蛛さんが治癒魔法発動。

治ったかな?

 

馬車から人がおりてくる。

でもそれはどうでもよかった。

問題はこれ

 

『人族 吸血鬼 LV1 名前 ソフィア・ケレン(根岸 彰子)

 ステータス

 HP:11/11(緑)(詳細)

 MP:35/35(青)(詳細)

 SP:12/12(黄)(詳細)

   :12/12(赤)(詳細)

 平均攻撃能力:9(詳細)

 平均防御能力:8(詳細)

 平均魔法能力:32(詳細)

 平均抵抗能力:33(詳細)

 平均速度能力:8(詳細)

 スキル

 「吸血鬼LV1」「不死体LV1」「HP自動回復LV1」「魔力感知LV3」「魔力操作LV3」「暗視LV1」「五感強化LV1」「n%I=W」

 スキルポイント:75000

 称号

「吸血鬼」「真祖」』

 

色々突っ込みたいことがあるけどとりあえず言おう。

なんで名前が二重なの?

蜘蛛さんのクラスメイトかな?

転生特典で一体何を貰ったらこうなるの?

ちなみに蜘蛛さんはこのクラスメイトを憶えて

 

『知らない』

 

ですよねー。

とりあえずいろいろと鑑定!

 

『吸血鬼:他者の血を吸い生きる夜の支配者。高い能力を持つ反面、弱点も多い種族。元は他の種族であることが多く、素体となった種族の特性を引き継ぐ。また、生まれながらに吸血鬼である純血種は真祖と呼ばれる』

『吸血鬼:吸血鬼が有する特殊なスキル。血を摂取することで能力値が上昇する。また、レベルにより特殊な効果を発揮する。LV1:枯血』

『枯血:血を摂取しないと弱体化する』

『吸血鬼:取得スキル「HP自動回復LV1」「暗視LV1」:取得条件:スキル「吸血鬼」の獲得:効果:種族に吸血鬼が追加される:説明:吸血鬼に成り果てたものに贈られる称号』

『真祖:取得スキル「不死体LV1」「五感強化LV1」:取得条件:生まれながらの吸血鬼であること:効果:吸血鬼のマイナス効果を無効化する:説明:吸血鬼の祖たるものに贈られる称号』

『不死体:火、光、腐蝕以外の全属性の耐性が上昇する。また、1日に1度だけどんな攻撃を受けてもHP1で生き残る』

 

はぁ。

チートですねそうですね!

はーちくしょー

 

『行きましょう、蜘蛛さん!』

『うん』

 

 

 

吸血っ子を助けてから少し。

大きな街にたどりついた。

このまま街には入れないから近くから万里眼で様子見。

人は多い感じかな?

 

『冒険者ギルドあった』

『どうです?私達を討伐みたいな依頼ありますか?』

『知っての通りこの世界の言葉読めないから』

『ですよね』

『うまい具合に向こうが挑んできたら正当防衛なのにね』

『ですねー』

 

『ここに拠点構えない?』

『いいですね』

 

 

ホーム完成!

直径100メーターぐらいの林を全部囲って覆ってホームにしました!

蜘蛛さんが!

だってホームに関しては私なにもできないんだもん、ちょっと土を操って手伝うぐらいだよ。

土で壁を作るったって蜘蛛さんの糸があるからそこまで役に立たないしねぇ。

 

というわけで街を観察!

んーそこまで動きないな。

気づいてないのかな?

 

『街の様子見つつのんびりしてますかねー』

『ですねー』

 

 

誰も来ない。

なんでだろー。

 

 

三日たちました。

 

『誰も来ない』

『ですねぇ、暇だし今日はどこの盗賊を襲撃します?』

『あっちのやつとかどう?』

『いいですね!』

 

蜘蛛さんが盗賊を倒してレベルが上がって魔王を取った。

私も取ってみようかな?

取った。

ステータス強化系でした。

 

 

なんか崇められてます。

土地神様的な。

 

『何がいけなかったんでしょうか』

『多分まず盗賊狩りがいけなかったんじゃない?』

『かもですね』

 

そう、私たちが冒険者が来ないから暇で盗賊狩りをしていたらそれを冒険者に見られた。

おかげで冒険者の間であそこに居る魔物は盗賊を倒すっていう噂が広まっちゃったんだと思う。

蜘蛛さんは街に密かに糸を忍ばせてる。

そこから聞こえる単語の中で私たちに向けられてると思われる言葉があった。

その言葉から信仰みたいな感情が感じ取れた。

 

さらに追い討ちをかける形で、とある冒険者一行が街を訪れた。

蜘蛛さんが前に助けた冒険者だった。

んで蜘蛛さんを見た瞬間見た目が変わってるはずなのに蜘蛛さんって認識したっぽい。

感謝の言葉っぽいのをひとしきり言ったあと、あの時蜘蛛さんが掻払っていったクリクタの実をまたくれた。

蜘蛛さんめっちゃ喜んでた。

 

度胸試しなのか冒険者が私達に甘いものを食べさせに時々来るようになった。

喜んでもらいました。

 

んで冒険者の話で私達が治療魔法を使えることは広まってたらしく、病気の子供を抱えた母親が私達のもとに来た。

泣いてすがる母親。

無視する蜘蛛さん。

私は蜘蛛さんの指示を待ってたんだけどついに蜘蛛さんが折れて助けに行った。

 

子供の病は肝臓ガンだった。

蜘蛛さんは眠らせて臓器をくりぬいて治癒魔法をで再生させるっていう強引なやり方で治した。

ちなみに母親もボロボロだったから私が治癒かけといた。

 

次の日から治療目的で私達の所に来る怪我人病人がいっぱいになった。

もうなんかここまで来ちゃうとどうにでもなれーって感じになって、蜘蛛さんが治療するから私もてつだった。

結果、めっちゃ崇められてる。

お供え物は果実パラダイスだしこれでいいかななんて思うよ。

で、蜘蛛さんを手伝って治癒してたらある称号たちをゲットした。

 

『救う者:取得スキル「治療魔法LV1」「光魔法LV1」:取得条件:一定数の浄罪ポイントを取得する:効果:治療の効果が上昇する:説明:救いを齎すものに贈られる称号』

『聖者:取得スキル「奇跡魔法LV1」「聖光魔法LV1」:取得条件:一定数の浄罪ポイントを取得する:効果:治療の効果が大幅に上昇する:説明:多くの救いを齎すものに贈られる称号』

『守護者:取得スキル「鉄壁LV1」「盾の才能LV1」:取得条件:多くの人を守る:効果:防御、抵抗の各能力上昇:説明:守護者たるものに贈られる称号』

 

この三つ。

ちなみに蜘蛛さんはあと2つ薬剤師と救世主をゲットしてたよ。

救世主の方は多分だけど取得スキルに救恤があったから私はゲットできなかったんだと思う。

ちなみに救恤の効果は、自身を中心に味方と認識するものすべてにHP超速回復LV1相当の効果を及ぼす。だそうで私にHP超速回復が常に付与されるようになったよ!

 

 

唐突だけど。

絶賛めちゃくちゃ困ってます

なんか連日上から目線で語りかけてくるおっさんがいるんだけど。

うっさい。

なんかの権力者っぽいんだよねぇ。

権力ったってねぇ。

蜘蛛さんは魔物。

私に至っては化け物だよ?

金?

使えないんだから意味ないじゃん。

暴力?

私達相手に勝つためにはまず深淵魔法数発撃ちこまれても死なないような奴じゃないと耐えることもできないよ?

 

今日もなんか喚き散らしてるから無視無視。

あーうるさいなー。

 

 

夜。

音もなく忍び寄る複数の人。

相当訓練されているのか、音も臭いもしない。

まあ、それでも私達の探知を掻い潜ることはできてないけどね。

 

馬鹿だねぇ。

そんなことしたら、せっかくここまで隠密作業をしてきても、糸に触れればその主には異変が伝わるっていうのに。

うーんこいつらおっさんの刺客かなぁ。

私達のこと痛めつけて、言うこと聞かせようって魂胆?

馬鹿としか言いようがないねぇ。

 

本来私達は聖者でも救世主でもない。

襲ってくる人は、人間は経験値ってことでいいんだよね?

 

正当防衛にするために堂々と出ていく。

すっごいビビってる。

リーダーらしき男がなんか話しかけてきた。

首を傾げる。

相手にどう伝わったかわかんないけど戦闘になった。

4人がこっちに向かってきて奥の4人が魔法を構築してる。

4人で1つの魔法を構築してるみたい。

そんなことできるんだね。

蜘蛛さんの土魔法で奥の4人が貫かれる。

近づいてきている4人は見えないように目の前に張り巡らせておいた斬糸に突っ込む前に私がやったよ。

 

 

倒したしこの人間もぐもぐ、むしゃむしゃ

人によって味って違うみたい。

おいしい人間いないかな?

そんなことを考えてると蜘蛛さんが突然話しかけてきた。

 

『おっさんを毒で暗殺した』

『おお!ナイスです蜘蛛さん!』

『これでさわやかな気持ちでぐっすり寝れるね』

『ですね!』

 

というわけで寝た。

 

 

お早うございます。

 

『ねぇ』

『どうしたんですか?』

 

朝一番に蜘蛛さんが話しかけてきた。

 

『マザー吸収完了した!』

『マジすか蜘蛛さん!』

『レベルが27になった』

『やりましたね!』

『うん』

『蜘蛛さんのステータス見てみていいですか?』

『いいよ』

 

『ザナ・ホロワ LV27 名前 なし 

 ステータス

 HP:31622/31622(緑)+1900(詳細)(25611up)

 MP:36618/36618(青)+1900(詳細)(20065up)

 SP:26097/26097(黄)(詳細)(22332up)

   :5665/26097(赤)+0(詳細)(22332up)

 平均攻撃能力:29153(詳細)(25012up)

 平均防御能力:29104(詳細)(24898up)

 平均魔法能力:35280(詳細)(19541up)

 平均抵抗能力:35107(詳細)(19432up)

 平均速度能力:34021(詳細)(23188up)

 スキル

「HP超速回復LV6(5up)」「魔導の極み」「魔神法LV7(3up)」「魔力付与LV10(1up)」「魔法付与LV2(new)」「大魔力撃LV2(new)」「SP高速回復LV10(7up)」「SP消費大緩和LV10(7up)」「破壊大強化LV6(new)」「打撃大強化LV7(new)」「斬撃大強化LV4(new)」「貫通大強化LV6(new)」「衝撃大強化LV6(new)」「状態異常大強化LV10(7up)」「闘神法LV10(8up)」「気力付与LV10(3up)」「技能付与LV7(new)」「大気力撃LV4(new)」「神龍力LV7(new)」「龍結界LV2(new)」「猛毒攻撃LV10(2up)」「強麻痺攻撃LV10(new)」「腐蝕攻撃LV6(1up)」「外道攻撃LV8(1up)」「毒合成LV10」「薬合成LV10(1up)」「盾の才能LV2(new)」「糸の天才LV10(8up)」「鉄壁LV2(new)」「神織糸(new)」「操糸LV10」「念力LV7(new)」「投擲LV10」「射出LV10(5up)」「空間機動LV10」「眷属支配LV10(new)」「産卵LV10(new)」「集中LV10」「思考超加速LV3(1up)」「未来視LV3(1up)」「並列意思LV9(1up)」「高速演算LV10(2up)」「命中LV10」「回避LV10」「確率大補正LV10(9up)」「隠密LV10」「隠蔽LV2(new)」「無音LV10(1up)」「無臭LV1(new)」「帝王(new)」「献上(new)」「断罪」「奈落」「退廃」「不死」「外道魔法LV10」「風魔法LV10(3up)」「暴風魔法LV1(new)」「土魔法LV10(3up)」「大地魔法LV3(new)」「光魔法LV2(new)」「聖光魔法LV1(new)」「影魔法LV10」「闇魔法LV10」「暗黒魔法LV7(1up)」「毒魔法LV10」「治療魔法LV10」「奇跡魔法LV10(new)」「空間魔法LV10」「次元魔法LV7(1up)」「深淵魔法LV10」「勇者LV1(new)」「魔王LV8(new)」「救恤(new)」「忍耐」「傲慢」「激怒LV2(new)」「奪取LV3(new)」「飽食LV10(2up)」「怠惰」「叡智」「破壊大耐性LV5(new)」「打撃無効(new)」「斬撃大耐性LV5(new)」「貫通大耐性LV5(new)」「衝撃大耐性LV5(new)」「火炎耐性LV8(4up)」「水流耐性LV1(new)」「暴風耐性LV4(new)」「大地耐性LV5(4up)」「雷光耐性LV1(new)」「聖光耐性LV2(new)」「暗黒耐性LV5(new)」「重大耐性LV4(1up)」「状態異常無効」「酸大耐性LV7(new)」「腐蝕大耐性LV5(new)」「気絶耐性LV8(1up)」「恐怖大耐性LV2(1up)」「外道無効」「苦痛無効」「痛覚無効(new)」「暗視LV10」「万里眼LV1(new)」「呪怨の邪眼LV8(1up)」「静止の邪眼LV7(1up)」「引斥の邪眼LV5(1up)」「死滅の邪眼LV5(1up)」「五感大強化LV10(7up)」「知覚領域拡張LV8(1up)」「神性領域拡張LV9(2up)」「星魔」「天命LV10(6up)」「天動LV10(new)」「富天LV10(new)」「剛毅LV10(7up)」「城塞LV10(7up)」「韋駄天LV10(2up)」「禁忌LV10」「n%I=W」

 スキルポイント:164500

 称号

「悪食」「血縁喰ライ」「暗殺者」「魔物殺し」「毒術師」「糸使い」「無慈悲」「魔物の殺戮者」「傲慢の支配者」「忍耐の支配者」「叡智の支配者」「竜殺し」「恐怖を齎す者」「龍殺し」「怠惰の支配者」「魔物の天災」「覇者」「人族殺し」「救う者(new)」「薬術師(new)」「聖者(new)」「救世主(new)」「救恤の支配者(new)」「守護者(new)」「王(new)」「人族の殺戮者(new)」「竜の殺戮者(new)」「人族の天災(new)」』

 

はは、待って。

え?

は?

待って。

私のステータスって今なんだっけ?

 

『よまわりさん LV13

HP:10900/10900(緑)(詳細)

MP:3710000/3710000(青)(詳細)

SP:6350/6350(黄)(詳細)

  :6450/6350(赤)(詳細)

平均攻撃能力:5000(詳細)

平均防御能力:4400(詳細)

平均魔法能力:1007160(詳細)

平均抵抗能力:6110(詳細)

平均速度能力:8640(詳細)

 

スキル

「暗視LV10」「未来視LV10」「高速演算LV10」「闇ノ王LV8」「視覚強化LV10」「万里眼LV6」「聴覚強化LV10」「嗅覚強化LV10」「触覚強化LV10」「味覚強化LV8」「並列思考LV10」「並列意思LV9」「外道無効」「神性領域拡張LV9」「腐食耐性LV7」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「理の鋏」「恐怖無効」「HP超速回復LV1」「隠密LV10」「迷彩LV9」「飽食LV9」「空間起動LV9」「瞬身LV6」「耐久LV6」「集中LV10」「命中LV10」「天命LV10」「外道魔法LV10」「剛毅LV3」「城壁LV2」「影魔法LV10」「闇魔法LV10」「暗黒魔法LV10」「深淵魔法LV1」「状態異常無効」「投擲LV10」「嫉妬」「天鱗LV10」「禍根」「火炎耐性LV6」「回避LV10」「思考超加速LV5」「確率大補正LV4」「無音LV10」「無臭LV2」「叡智・裏」「魔導の極み」「毒魔法LV10」「治癒魔法LV10」「魔神法LV7」「気闘法LV6」「龍力LV9」「気絶耐性LV6」「苦痛無効」「痛覚軽減LV2」「重大耐性LV1」「物理耐性LV6」「破壊耐性LV4」「斬撃攻撃LV9」「斬撃耐性LV7」「魔力付与LV4」「呪LV9」「怒LV5」「SP消費緩和LV8」「土魔法LV9」「風魔法LV6」「百足」「威圧LV6」「外道攻撃LV1」「空間魔法LV3」「魔王」「光魔法LV3」「聖光魔法LV2」「奇跡魔法LV5」「鉄壁LV1」「盾の才能LV1」「禁忌LV10」「n%I=W」

ポイント:4800

 

称号

「闇ノ王」「常夜の支配者」「悪食」「魔物殺し」「無慈悲」「魔物の殺戮者」「叡智・裏の支配者」「竜殺し」「龍殺し」「恐怖を齎す者」「救う者」「聖者」「守護者」』

 

はーなんだっけ?

蜘蛛さんに追いつくだっけ。

これ、できるの?

ははは。

 

 

蜘蛛さんの魂には影響を与えるものが二つあった。

 

一つは支配者スキル。

一つは上位者による強制支配。

 

蜘蛛さんの魂につながる糸のようなもの。

魂を視覚に入れられる私でさえよく見ないと見えない細い線。

それが蜘蛛さんに指令を送る伝達の線。

指令内容は強くなれ。

 

蜘蛛さんは火龍を倒した後にその線を通して並列意思を送り込み攻撃を開始していた。

蜘蛛さんには魂が見えるようになったからとは言ったけど叡智を使って私は気づいていた。

その攻撃こそDさんの言うシステム外攻撃。

要するに蜘蛛さんは自分を支配してるやつに並列意思を送り込んで支配してる奴の魂を喰っていた。

蜘蛛さんを介して私も蜘蛛さんを支配してる奴を調べた。

蜘蛛さんがマザーと呼んでいたあの蜘蛛だった。

そしてマザーさえ何者かに支配されていた。

よく自分でもここまで誰にもばれずに調べきれたと思っているくらい。

マザーを支配していたのは現魔王、オリジンタラテクトのアリエルさん。

そんな化け物だった。

魔王さんはしかもあと4体のマザーと同格の魔物を使役していた。

蜘蛛さんは魔王さんに気づかれないようマザー合わせた5体の魂を喰らっていた。

だけど禁忌をカンストさせたとき蜘蛛さんはばれてでもいいからと大胆に喰い始めた。

もちろんばれた。

外道無効を持つ並列意思相手では勝てないから相手は蜘蛛さん本体を狙った。

それが前蜘蛛さんが襲われた時のあれ。

そして蜘蛛さんは勝った。

それでもマザー本体と、真の支配者が来たら蜘蛛さんに、私達に勝ち目はない。

だから注視してマザーがこれそうな場所にもいかなかったし蜘蛛さんを通してマザーと魔王さんをマーキングした。

だからあとは逃げるだけ。

蜘蛛さんが魔王さん達を喰い尽くすのが先か、魔王さん達が蜘蛛さんを見つけ出すのが先か。

結果、蜘蛛さんはマザーを喰い尽くすことに成功した。

他4体もじきに喰い尽くせる。

そうすれば蜘蛛さんは魔王さんにも対抗できるようになる。

もしかしたら魔王さんすらも喰い尽くせるかもしれない。

そのために私は協力する。

協力できるようになるために追いつく。

追いつくために努力する。

なんでここまで蜘蛛さんに協力してるのか?そう思う時がたまにある。

多分だけど蜘蛛さんが好きだから。

変な意味じゃない。

家族愛に近い感じで。

ほら、姉みたいな。



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よまわりさん、魔王から逃走する

蜘蛛さんがマザーを喰ってマザーの記憶を吸収したからこの世の言語がわかるようになった。

なので私は少しずつ言葉を教えてもらうことにした。

ちなみにあのうるさいおっさんは他国のお偉いさんだったみたい。

そして蜘蛛さんは神獣、私はその従者として扱われていた。

ま、そこまで間違っちゃないけどね。

んで色々あって私達が戦争のダシに使われてるみたい。

うん。

むかつくね。

 

 

 

盗賊村を壊滅させてきました。

経験値うまうま。

その時闇ノ王がレベル上がったんだぁ。

内容はねぇ。

 

『闇ノ王LV9:魂に接触可能』

 

んま、要するに触ることができるようになったんだよね。

それだけ。

うん、ほんとそれだけ。

 

そんなことをのんびり考えていたらホームが吹っ飛んだ。

 

「やっ□、見つ□た」

 

蜘蛛さんに教わった言葉で理解できた言葉から言葉の内容を予測すると「やっと、見つけた」って言ったのかな?

はぁ、すっかり忘れてた。

マザーの総合の時までは覚えてたんだけどなぁ。

来ちゃったよ、魔王さん

 

『オリジンタラテクト LV139 名前 アリエル 

 ステータス

 HP:90098/90098(緑)+99999(詳細)

 MP:87655/87655(青)+99999(詳細)

 SP:89862/89862(黄)(詳細)

   :89856/89856(赤)+99567(詳細)

 平均攻撃能力:90021(詳細)

 平均防御能力:89997(詳細)

 平均魔法能力:87504(詳細)

 平均抵抗能力:87489(詳細)

 平均速度能力:89518(詳細)

 スキル

「HP超速回復LV10」「MP高速回復LV10」「MP消費大緩和LV10」「魔力精密操作LV10」「魔神法LV10」「魔力付与LV10」「魔法付与LV10」「大魔力撃LV10」「SP高速回復LV10」「SP消費大緩和LV10」「破壊大強化LV10」「打撃大強化LV10」「斬撃大強化LV8」「貫通大強化LV9」「衝撃大強化LV10」「状態異常大強化LV10」「闘神法LV10」「気力付与LV10」「技能付与LV10」「大気力撃LV10」「神龍力LV10」「神龍結界LV10」「猛毒攻撃LV10」「強麻痺攻撃LV10」「毒合成LV10」「薬合成LV10」「糸の天才LV10」「神織糸」「操糸LV10」「念力LV10」「投擲LV10」「射出LV10」「空間機動LV10」「連携LV10」「軍師LV10」「眷属支配LV10」「産卵LV10」「召喚LV10」「集中LV10」「思考超加速LV6」「未来視LV6」「並列意思LV4」「高速演算LV10」「命中LV10」「回避LV10」「確率大補正LV10」「隠密LV10」「隠蔽LV10」「無音LV10」「無臭LV10」「帝王」「鑑定LV10」「探知LV10」「昇華」「外道魔法LV10」「火魔法LV8」「水魔法LV10」「水流魔法LV5」「風魔法LV10」「暴風魔法LV10」「嵐天魔法LV10」「土魔法LV10」「大地魔法LV10」「地裂魔法LV10」「雷魔法LV10」「雷光魔法LV8」「光魔法LV10」「聖光魔法LV2」「影魔法LV10」「闇魔法LV10」「暗黒魔法LV10」「毒魔法LV10」「治療魔法LV10」「空間魔法LV2」「重魔法LV10」「深淵魔法LV10」「大魔王LV10」「矜持LV5」「激怒LV9」「暴食」「簒奪LV8」「休LV9」「堕淫LV4」「物理無効」「火炎耐性LV5」「水流無効」「暴風無効」「大地無効」「雷光無効」「聖光耐性LV8」「暗黒無効」「重無効」「状態異常無効」「酸無効」「腐蝕大耐性LV7」「気絶無効」「恐怖無効」「外道大耐性LV6」「苦痛無効」「痛覚無効」「暗視LV10」「万里眼LV10」「五感大強化LV10」「知覚領域拡張LV10」「神性領域拡張LV3」「天命LV10」「天魔LV10」「天動LV10」「富天LV10」「剛毅LV10」「城塞LV10」「天道LV10」「天守LV10」「韋駄天LV10」「禁忌LV10」

 スキルポイント:0

 称号

「人族殺し」「人族の殺戮者」「人族の天災」「魔族殺し」「魔族の殺戮者」「魔族の天災」「妖精殺し」「妖精の殺戮者」「妖精の天災」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「魔物の天災」「竜殺し」「竜の殺戮者」「竜の天災」「龍殺し」「龍の殺戮者」「無慈悲」「悪食」「血縁喰ライ」「暗殺者」「毒術師」「糸使い」「人形使い」「率いるもの」「覇者」「王」「古の神獣」「暴食の支配者」「魔王」』

 

強すぎでしょう?

蜘蛛さんでさえかなわないってやっぱどうかしてると思うわ。

蜘蛛さんと転移。

あれ?発動しない。

龍神結界ごときはごり押し突破できるはずなんだけどな?

 

「ふふ。驚い〇□るよう□。逃げられないわよ。私***キル大魔王には相〇の逃亡を□げる効果があるの」

 

うそでしょぉ。

どうしよ。

 

「ちっ。やはり〇〇者〇級か。〇〇を妨害したわね?」

 

あれ?

鑑定されたの?

 

「まあ**わ。ここ〇で来たらあ□はあん〇を殺すだけ」

 

私は逃げる手段があるけど蜘蛛さんはない。

どうしよう。

 

「こ〇まで〇〇詰めら〇たのはシ〇テム構〇以来□□てよ。そこは□っ□い□わ」

 

魔王さんが召喚を発動。

現れたのは10個の箱。

その中から人形がはい出てくる。

鑑定がその正体を看破する。

人形の中に小さな蜘蛛の魔物が入っている。

ステータスが蜘蛛さんと昔戦ったアークを超えてるんだけど。

 

「ク〇ーン〇あん〇に掌〇されか〇〇るから使〇ない。まったく、とん〇〇〇〇化け物よ〇、あんた」

 

魔王さんにだけは言われたくないわ!

 

「じゃあ、し〇」

 

襲い掛かってくる人形。

蜘蛛さんに7体。

私に3体。

連携がうますぎる。

あ、HPがなくなった。

MP的に削られきられることはないだろうけど蜘蛛さんがピンチ!

 

「これで、止め」

 

魔王さんが魔法を発動させる。

深淵魔法レベル10、反逆地獄。

 

黒い逆さの十字が無数に降り注ぐ。

 

『私は逃げれるかもしれない、だから私は気にしないで!』

 

蜘蛛さんから念話が来る。

答えてる暇はなかったけど蜘蛛さんは私が『わかりました』って言ったことを理解したみたい。

 

深淵魔法。

魂さえも分解する魔法だから蜘蛛さんの不死も意味をなさない。

蜘蛛さんの魂が蜘蛛さんの体から抜ける。

つまりそれは深淵魔法で分解されたわけではない。

蜘蛛さんはおそらく迷宮に配置している卵に魂を飛ばしてるんだと思う。

相変わらずとんでもないことをするなぁ。

そんなことを思いながら私はとある魔法を発動する。

システム外魔法。

この魔法は魔法担当数人にできたら開発しておいてと言っておいた魔法。

たまたまできちゃった魔法。

内容は自己以外の魔力を自己に合った魔力に変換そして自己に吸収、いやよまわりさんらしく言うと相手の魔力をかっさらう。

今のところ変換効率は7%。

それで十分。

私はそれを起動し十字に込められた魔力を変換、強奪する。

来る十字架一つ一つを吸収していく。

 

「な!」

 

魔王さんが驚いた様子の声をあげる。

それに気を取られている暇ではない。

まず闇ノ王発動。

 

「き**!」

 

あとはよくよく考えてみたら大魔王のスキルからどうやって逃れよう。

とりあえず怒、発動。

なにこれ!

蜘蛛さんが使うなって言ってた意味がわかったわ!

あとは強化系を片っ端から使ってシステム外魔法を使いながら逃走。

なにかに当たる感覚がある。

スキル大魔王の逃走妨害はあくまで妨害。

でも突破できないわけじゃない。

私は妨害をあらゆる手を使いごり押しでぶち破り逃走する。

 

 

闇ノ王を使っているとはいえ怖いからだいぶ遠くまで逃げてきた。

しばらくは闇ノ王を切らない方がいいかな。

そう考えながら休めそうな場所を探す。

マップで魔王さんの様子を探る。

魔王さんは蜘蛛さんがいると思われるエルロー大迷宮に向かっているようだ。

とりあえず逃げ切れた。



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よまわりさん、戦争で暴れる

さて、これからどうしよう

あの後、さらにあの場所からだいぶ離れた後、百足で操作した土で地下に隠れた。

うーん、うまく魔王さんに接触しないように蜘蛛さんに会うしかないかぁ。

ちなみに転移をするっていう選択肢はない。

遠すぎて成功するか不安だし。

私を認知できないだけで転移は感知できるかもだからね。

接触せず蜘蛛さんに会えるかな?

わからないけど多分大丈夫。

ではでは行きますかぁ!

 

 

次の日。

ふふふ、今さっき魔王さんが重魔法なるものを持ってるのを思い出したから取ってみたのだ!

これで蜘蛛さんがいなくても重耐性上げられる!

 

さらに数日後。

やっとついたぁ。

え?

迷宮に戻るまでの冒険?

んなんなかったよ。

たまに近くにあった盗賊を壊滅させたりしただけ。

さー闇ノ王を切って懐かしのホームへ!

 

 

 

『蜘蛛さん、これどう言う状況ですか?』

『私もよくわかってない』

 

私が中層入り口近くのホームに帰ってきてみたら蜘蛛さんと蜘蛛さんの体担当とあの昔来た魔法使いがいた。

 

『よくわからなさ過ぎて無視してる。だから放置でいいよ』

『アッはい』

 

 

その後は蜘蛛さんの産卵スキルで産んだ蜘蛛達と戯れたり、魔法の練習をしたり、例のシステム外魔法を強化し続けたり、龍力が神龍力になったり、蜘蛛さんのスキルの龍結界をまねしてゲットできないか試したりした。

 

 

蜘蛛さんが完全復活をした。

私は進化した。

何言ってるかわかんないと思うけど進化した。

うん。

実は迷宮に帰ってきた時点でレベルが19まで行っててその後地竜一体倒したらレベル上がって20になって進化できるようになった。

進化した。

そしてスキルを得た。

名は『裏返り』

そのまま。

ついに、ついに!

食事以外で裏返ることができるようになったのです!

やったね!

魔法使いのおっさん、略してまっさんは驚いてたよ!

 

蜘蛛さんが完全復活したから行動することになった。

 

エルロー大迷宮から転移する。

とりあえず街の遠くに転移して万里眼で様子を見る。

なんか兵士の数が多い?

次、吸血っ子は?

うんうん、元気だね!

 

『これどっかで戦争起こってるかも』

 

え、

 

『マジすか蜘蛛さん』

『とりあえず街に行ってみよう』

 

と、言うわけで私は闇ノ王で蜘蛛さんは隠密と隠蔽で誰にも気づかれることなく侵入成功。

そして住人の話を盗み聞く。

 

はい!戦争勃発確定だぁ!

 

うんうん、宗教戦争みたいだねぇ。

むかつくねぇ。

私達、戦争のダシに使われてるねぇ。

 

『私をダシに使うんじゃねーよ。』

『やりますか』

『やっちゃおう』

『とりあえず現場行きません?』

『いいね』

 

私達は街から延びる街道のうち一つ明らかに大人数が使ったぽい道をそのまま進んでいった。

蜘蛛さんに付いていくために怒の上位スキル憤怒まで使って。

いや、まぁこのね、スキルの狂いっぷりに慣れたというかもとより情緒不安定だったのでスキルで理性ぽーいしたところですぐ戻ってくるからね。要するに憤怒はノーコストハイリターンの強化スキルに成りあがったのだ!

あとは持ってるありとあらゆる強化系を全部速度にまわしてあと風魔法で自分を押して蜘蛛さんに頑張って追いついてる。

うん、まあ要するに。

ありえない速度ですっごい距離進んだ、もうこんな無理やり超速を出したくないよぉ。

 

戦争はまだ始まってないのかなぁ。

42000対53000みたい。

大規模過ぎないかな?

これ私達がダシに使われて起こった戦争?

なんかお腹が痛くなってきたぁ。

 

「我こそ〇オウツ国の国王、グシイスク・エメラ・オ〇ツである!」

 

お、なんかはじまったよ!

声でか!

 

「我が国に災禍を齎したる魔物を神獣〇〇い、あまつさえ我が国の同胞を件の魔物に生贄として捧げる悪魔の所業! 邪教徒よ、汝らの罪は万死に値する!」

 

うん?

なんかいろいろおかしいよねぇ。

人って怖。

 

「我はサリエー〇国の国王、ジギス・エ〇・サリエーラである!」

 

若い!

 

「神言の下僕どもよ! 貴様らの狭窄した視野で我らを邪教と罵るその傲慢さ! 我ら民を癒し、悪逆たる罪人に裁きを下す聖なる神獣〇〇〇した罪! 慈悲深き女神様が許しても、代わって我らが裁きの鉄槌を下す!」

 

うわー

 

「笑止! 魔物を崇める〇の精神は邪そのもの! 神言の神の御霊のもとに赴き、来世からやり直すがいい!」

 

うへー

そんなこと言うんか、ヘー。

 

「女神様の慈悲の心も知らず、神言な〇〇いうまやかしにうつつを抜かす! 貴様ら〇〇邪教ではないのか!?」

 

阿呆か。

 

「戯けが! 世界に神は神言の神のみ! 女神な〇空想の産物! 貴様は女神の声を聞いたことがあるか!?」

「ない! だが女神様の御〇は常に我らを見守ってくださっている! その御心に応えることこそ我ら女神教の使命!」

「それが魔物と肩を並べることか!?」

「彼らは良き隣人である! 〇〇を信用することのどこが悪いのか!?」

「魔物であるからだ!」

「では貴殿が〇〇〇身を預けているのはなんだ!?」

「これは道具よ!」

「それこそ戯言! 人は魔物と手を取り合い、いつの日か降臨される女神様とともに魔族を撃滅するのだ! それこそが約束された聖戦! 女神様の救いなのだ!」

 

は?

これどっちも滅ぼしちゃっていいかな?

 

「魔物も魔族も魔に属するもの! 決して分かり合うことはできぬ!」

「魔族と魔物は違う!」

「同じよ! 我ら人に害をなす! これ以上の問答は不要! 皆のもの、哀れな邪教徒に裁きを!」

「迎え撃て! 偽りの神に踊らされた者共に、女神様の御慈悲を!」

 

両軍が前進し始める。

 

はー救えないなぁ。

女神がそんなの望むわけないでしょぉ。

女神は魔族も人も救おうと思ったんだよ?

 

神言教、ゴミだねぇ。

救えないレベルだわぁ。

 

神言教、つぶすか、まだ女神教のほうが筋が通ってるしね。

 

『ごー』

『レッツゴーです』

 

蜘蛛さんが合図と共に空間機動で飛び上がりながら暗黒魔法、暗黒界を発動する。

簡単に言うと深淵魔法を除けば攻撃力、範囲が最高の魔法。

撃たれた場所には何も残らない。

そんな威力をしときながら蜘蛛さんも私も簡単に発動できる。

とんだチートになったもんだよね。

次は私が土を操って土の杭を作って一方方向にぶっ飛ばす。

うお、すっごいレベルアップ通知来たよ。

今度はまた蜘蛛さんから闇魔法が発動する。

 

そして再び静まり返った大地に蜘蛛さんが降り立つ。

私も追いつく。

それと同時に錯乱した兵士が斬りかかってくる。

蜘蛛さんが適当な魔法で迎撃する。

サリエーラ国の兵士の頭が飛ぶ。

 

あーこの展開聞いたことがあるようなぁ。

あ、たしか昔蛇戦の時に例えとして使ったんだ。

あーあの頃は弱かったなぁ。

今やこれかぁ。

とりあえず今ので両方敵になったってことでいいのかな?

 

あーサリエーラ国の兵士が魔法撃ってくるよー

蜘蛛さんが神龍結界とかでかき消してるけど。

次に蜘蛛さんから左右に雷の閃光が瞬く。

 

おそろしいわー私が蜘蛛さんに勝とうとしても蜘蛛さんの素のステータスが高すぎて蜘蛛さんがスキルを使わなくても負けるだろうなぁ。

頑張って追いつかないとぉ。

とりあえず暴風魔法を改変して風を操って広範囲の空気を圧縮。

それを一方方向に解き放つ。

数秒おいて轟音が鳴る。

 

また1人、無謀にも私達に斬りかかってこようとする奴がいる。

え、子供?

この子速度早めだねぇ?

 

「化物、僕が相手だ!」

 

え、っと鑑定鑑定。

は?

勇者?

え、いやいや弱いけどさ、この辺の人間よりよっぽど強いよ。

でもね、子供だよ?

 

あ、ちょっと震えてる。

可哀想に。

勇者さんが剣を横に薙ぐ。

蜘蛛さんと同時に躱す。

 

なんか蜘蛛さんが将来育ってからつぶしたほうが経験値高そうとか思ってそう。

 

ん、なんかでっかい魔法を感知。

勇者くん巻き込んじゃうじゃん。

 

『転移で逃がそう』

『了解です』

 

蜘蛛さんが転移の魔法を構築する。

不味い蜘蛛さんの構築より向こうのほうが早く終わっちゃう。

もう撃ってきたぁ。

 

広範囲を焼き尽くす炎が着弾する。

 

一瞬間に合わなかった中蜘蛛さんは転移する。

 

 

エルロー大迷宮に戻ってきました!

急いで勇者さんを治療する。

 

ついでとばかりに蜘蛛さんが勇者さんのマフラーを直してる。

面白そうだから私がマフラーに龍結界の劣化模倣版と大量の魔力を付与する。

うん!これで剣だけでなく魔法にも耐性が上がったねぇ!

何やってんだ私。

 

「む!? この少年、勇者!?」

 

まっさんが私達に気づいた。

勇者さんを鑑定したのかな?

 

ん?

なんか蜘蛛さんが悪だくみしてそうな気配がする。

何考えてるんだろ。

 

『進化する』

『{あいよー}』

『はーい』

 

 

 

蜘蛛さんからミシミシ音が鳴ってにょきっと体が生えてくる。

 

『おわった』

 

蜘蛛さんが進化完了したのを教えてくる。

 

『すっごい絵面でしたね』

『へんな感じだった』

 

なんかまっさんが蜘蛛さんを祈ってる。

何やってんのかな?

 

『私の状態を小説風に描写するとどんなん?』

『片や真っ白な蜘蛛、片や蜘蛛から生えるかのように真っ白い美しい全身が白く眼だけが赤い女性が合体した魔物、でしょうか?』

『なんか変な感じの表現』

『それは同意です』

 

そんなことを会話してる間に蜘蛛さんは神織糸で服を軽く作っていく。

 

「う、美しい」

 

おっさんが呟く。

それ超同意ぃ。

 

「あ、あー」

 

蜘蛛さんが発声練習をする。

 

『どうやって話そう』

『それを私に聞きますか!?』

 

私がわかるわけないよぉ。

まっさんが蜘蛛さんをガン見してる。

 

「コ、コ」

「こ?」

 

蜘蛛さんが話し始める。

 

「コンニチハ」

 

人のこと言えないけどこれはひどい。

なんか蜘蛛さんが悶えてる。

 

「コレ」

「カエス」

 

わーカタコトだー

ありえないほどカタコトだぞー

え?

私?

まず会話することも難しいと思うよ?

 

「お尋ねしてもよろしいでしょうか? この少年は勇者とお見受けしますが、なぜあなた様と一緒に?」

 

あーこれ蜘蛛さんが困るやつだぁ。

助け船?

出せるわけないよ。

 

「ヒロッタ」

 

おお、よく考えたな蜘蛛さん

 

「は、はあ?」

 

あ、訳わからんよね。

 

「イッショ、カエル」

 

蜘蛛さんが勇者さんとまっさんを交互に指さしながら言う。

 

「つまり、儂にこの勇者を国に送り届けろと、そう仰られるのですな?」

 

お、伝わった。

 

「では、無事この勇者を送り届けることができた暁には、私めを弟子にしていただけるのですか?」

 

あ、なんか逆に笑えてくる。

 

「シショウ」

「デシ」

「オシエル」

 

あー蜘蛛さんはまっさんに勇者さんの師匠になれって言ってるのかな?

 

「儂に、勇者を育てろと?」

 

蜘蛛さんがまっさんの言葉に頷く。

あ、すげえ、伝わった。

 

「あい。分かり申した。あなた様の深遠なる考えは儂如きには見通せませぬが、きっと深い意味がおありなのでしょう。あなた様より拝命しましたこの使命、見事全うしてみせることを誓いまする」

「それでは、名残惜しいですが、どのような理由であれ勇者をこのままにしておくこともできますまい。すぐに発ちます。願わくは、今一度お目にかかれることを期待しております」

 

勇者くんを抱えて転移でまっさんが去る。

 

『お疲れ様です、イテっ!なんで殴ったんですか蜘蛛さん??』

 

いやほんとなんで?



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よまわりさん、魔物狩りする

『{で、詳しい説明がそろそろ欲しいんだけど?}』

 

クイーン(元蜘蛛さん魔法担当)が話しかけてきた。

蜘蛛さんが迷宮出てから戦争に突っ込んでいった経緯を軽く話す。

 

『{オウ、ジーザス}』

 

クイーンが頭を抱えてるような感じで嘆いていた。

なんで?

 

『{なあ、本体とよまわりさん}』

『なんですか?』

『なんだね?』

『{自分の状況分かってるかい?}』

『いえす、です』

『おう』

『{わかってるならなぜに魔王以外にも厄介事増やしてんのさ!?}』

『イラっとしたからしょうがないです』

『お、おう。しゃーないねん。イラッとしたねん。カッとなってやっちゃったねん』

『{ねんねんうるさいわボケ!}』

『ごめんなさい』

『{ハア。とりあえずやっちゃったもんはしょうがない。で、実際戦争を引っ掻き回して問題はありそうなの?}』

『人、弱すぎです』

『ないね。ぶっちゃけ今の私の強さなら、人間がいくら束になって掛かってきても、余裕で撃退できる』

『{まあ、話を聞く限りではそうだろうねー}』

『うん。だから、人間の国をいくら引っ掻き回そうが暴力でどうとでもできる。力こそ全て、いい時代になったものだ』

『{いや、どこぞの世紀末じゃないんだけど。一応ちゃんと秩序保たれてんですけど。どっかの害獣共が暴れなければ}』

『どこの害獣の事ですか?』

『{ということは、目下のところ問題は魔王だけ?}』

『だねー。ギュリギュリもこんだけの騒動起こしても接触してこないし』

『{その魔王なんだけど、あんた気づいてる?}』

『ああ、うん。あれ、だいぶ混ざってきてるね』

 

 

『{どうなると思う?}』

 

話についていけないぃ。

しばらく聞いてよう

 

『{どうなると思う?}』

『わからん。正直予想がつかない』

『{大丈夫なの、それ?}』

『大丈夫じゃない。大問題だ』

『{おい}』

『イヤ。真面目な話、このままだと魔王担当が勝つにしろ負けるにしろ、だいぶ混じって変質しちゃってるし、元のままにはならないと思うんだよね。で、混じった状態の魔王担当がどういう行動に出るのか想像できない。魔王の人となりもよくわかんないしね。最悪敵対される』

 

ああ、そういうことかぁ。

 

『{だよねー}』

『そうなったら私に残された道は1つしかないわけよ。直接対決を避けつつどっかしらで経験値稼いで少しでも強くなる。そして、管理者のクラスにまで上り詰める』

『{できるの?}』

『うん。というか、そこまでもうあと1歩ってところだと思う』

『{勝手かと思ったけど、他のクイーン担当には侵食進めてくれってゴーサイン出しといたから}』

『ナイス。クイーンを統合できれば一気にゴールが見えてくる。』

『{私は今後どうすればいい?}』

『とりあえずは回復待ちかな。魔王が動き出したら転移を駆使して逃げる方向で』

『{了解}』

 

あ、話し終わったぽい。

 

『狩り行くよ』

『あ、はい!』

 

蜘蛛さんが転移を発動する。

 

目の前に地龍が3体いた。

カグナ、ゲエレ、フイトの3体。

まぁそれはいいんだけどさぁ。

蜘蛛さん一人でもこれは余裕で勝てるよね?

 

『肉弾戦で地龍3体を倒してみる、その間に下層でいろいろ狩って食料集めといて』

『はーい』

 

 

というわけでやってきましたトラウマの地。

どのトラウマかというと猿だねぇ。

さー狩りますかぁ。

何を?

蟷螂とかをだよ。

猿なんて勝てるけどめんどくさいし、ね?

絶対狩らないからね?

フラグじゃないよ?

 

~よまわりさん、狩り中~

 

あ、間違って猿やっちまった。

あーもう猿が集まってきてるよぉ。

ちくしょおおお!

深淵まh、あ、ダメだこれ経験値はいんないし、肉体も残らない。

暗黒魔法、暗黒k、これもだめだ、これも肉体残んない。

闇魔法、闇界。

うん、よく考えれば範囲以外これで十分だったね。

あとは土で串刺しにしてぇ。

うんうん、まだまだ湧いてくるんだけどぉ。

あ、鰐口巨猿がきた。

おおおおい!

突っ込んでくんなぁ!

暗黒魔法、暗黒弾!

ちくしょお!

きりがねぇ!

うわああああん、私蜘蛛さんに追いつかないけど強いはずだよね!?

こいつら全然勢いが削がれないぃ!

あ、重魔法!

おらぁ!

何でもいいから全猿重力で這いつくばれぇええええ!

ふう、見える範囲の魔物全部這いつくばった。

あとは狩っとかないと。

土で串刺しにぃっと。

おわったぁ。

そんな長時間戦ってたわけじゃないのに疲れたぁ。

空間収納に収納して拠点にもどろうかなぁ。

転移!

 

あ、もう蜘蛛さん帰ってきてる。

そりゃそうか、短時間とはいえ私は魔物を最初探し回ってたけどその間に蜘蛛さんは戦ってたんだから。

 

『おそかったね』

『猿を間違えてやっちゃいまして』

『なるほど、おつかれ』

『空間収納のやつ少しづつでいいですよね出してくの』

『いや、全部出しちゃっていいよ』

『はーい』

『んじゃ、食べようか』

『『いただきます』』

 

うーやっぱ猿は味微妙だなぁ。

 

『そういえば人の口で食べる地龍はどうでした?』

『土っぽい』

『へーそうなんですか』

『これ終ったら私の復活用の卵設置に行こう』

『わかりましたぁ』



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よまわりさん、お酒を飲む

土を操って穴を掘ってます。

私達は今、深夜の街に忍び込んで人目を忍んで適当な空き地に穴を掘っています。

百足があるから土魔法以上に楽に掘れるよ!

余分な土は蜘蛛さんが収納してるよ。

んである程度掘ったら、地下室みたいな空間作ってぇ。

あとは入り口を土でふさいで蜘蛛さんの糸が通れるくらいの穴をあけてぇ。

今度は穴を横に掘ってぇ。

街からだいぶ離れたところで地上につなげてぇ。

じゃじゃん、情報収集用兼魔王さんからの避難所兼吸血っ子の様子見兼蜘蛛さんの避難用卵置き場!

 

『長い』

『でもその通りじゃないですか。はい、とっとと卵設置してください、次早く行きましょう』

『早い』

 

 

海です。

水龍釣りました。

今、ぴくぴくしてます。

どうやら水龍ってえら呼吸だったようです。

そっと目をそらしました。

蜘蛛さんがなんか釣りあげました。

昔みた召喚士が召喚した水竜でした。

蜘蛛さんがこいつフグ型なうえに毒持ってるってことは毒袋とれるんじゃねとか言い出しました。

賛成です。

超同意です。

成功したらちょっと私にもください。

 

「はい」

『ありがとうございます、うまいです!』

「は。しまった。美味しいからつい全部食べちゃった」

『早すぎです蜘蛛さん!』

「この毒袋どうしよう、食べよう」

『え、せめて鼻つまんで・・・』

「まずい」

 

そんなやり取りをしていると声が聞こえた。

 

「自ら毒を食らうのは趣味なのか?」

 

そんな趣味蜘蛛さんにはないと思います。

え?

誰?

 

「久しいな」

 

あ、ギュリーさんだ。

振り返った先には管理者ギュリエディストディエスがいた。

 

 

ギュリーさんは死にかけてる水龍を無造作に海に放り投げる。

うわ、扱い雑。

あ、水龍泳いで逃げてった。

ギュリーさんが蜘蛛さんの隣に腰を下ろす。

 

「随分暴れまわってくれているようだな」

 

ぎ、ぎく。

あ、これ怒ってるのかなぁ。

いくら蜘蛛さんでも管理者、神相手だと逃げれないもんなぁ。

蜘蛛さんのたとえをまねすると「魔王を戦車だとたとえれば、ギュリエディストディエスは核兵器」

うん、オワタ。

 

「おかげで私は頭が痛いよ」

 

ギュリーさんが大きな溜め息を吐く。

怒ってるというよりなんか違う感じ?

すっごい疲れてる。

 

ギュリーさんが空間を歪めて、何かを取り出す。

瓶、酒?

 

「飲むか?」

 

キュポンと蓋を外すと、芳醇な香りが漂ってくる。

やっぱりお酒だ。

ギュリーさんがこれまた異空間からグラスを3つ取り出し、お酒を注ぐ。

有無を言わさず1個渡されちゃった。

 

「付き合え。それぐらいの強権を振るうくらいは許されるだろう」

 

あ、はい。

未成年なんですけど、ま、いいか。

 

ギュリーさんがグイッとお酒を飲み干す。

私もグイッと飲み干す。

美味しい。

ギュリーさんがおかわりを注いでくれた。

蜘蛛さんは一口飲む。

 

「追加はたんまりある。遠慮せずに飲むといい」

 

今度は蜘蛛さんがグラスのお酒を飲み干す。

 

 

 

「まったく、ポティマスのクズは引きこもったままだし、最低限の釘さしはしたがどうせまた碌でもないことを考えているに違いない。あれはもうどうしようもないクズだというのにサリエルは殺すなという。その言葉がなければ八つ裂きにして地獄に叩き落としてくれるものを。アリエルもダスティンも人の言うことを聞きやしない。特にアリエルだ。さんざん手出し無用だと言っているのに渦中に飛び込むとはどういう了見なんだ。ああ、事情はわかるがそれなら私に相談するなりすれば間を取り持つくらいしてやったものを。私は奴のことを少なくとも同士だと思っていたが、私の独りよがりだったというわけだ。まあ、はぐれ龍たる私にはお似合いだな。ボッチだボッチ」

「うへへ。世界が輝いているー」

『ほんとですね蜘蛛さん、ふへー』

「輝いているわけがなかろうが。こんな世界サリエルがいなければとうの昔に見捨てていたものを。他の龍どもがしでかしたことは許せないが、この世界の人間も馬鹿でクズばかり。浄罪システムで解放された人間が一人もいないことがいい証拠だ。どいつもこいつも罪科ポイントだけ貯めるだけ貯めて、ちっとも減りやしない。どれだけ悪行を積めば気が済むのだ。そのくせ悪龍討伐だなどとほざいて地域管理を任せている部下に戦いを挑む。悪はどっちだという話だ全く」

「あー、幸せー」

『ふへー。あっおかわりくださいー』

 

ギュリーさんがおかわりを注いでくれる。

 

「私は不幸だよ。お先真っ暗だ。だが、仕方ないのだろうな。これも惚れた弱みだ。私は彼女の望みを叶えてやりたい。それで彼女が死ぬことになろうとも、最期に彼女が笑ってくれるならばどんなことでも耐えてみせる。ただ、彼女が死んだ後のことなど知ったことではないがな」

「うぃ」

『わーめっちゃ惚れてますねぇ』

「君達も君達だ。アリエルに喧嘩吹っかけるだけでは飽きたらず、人間の戦争に介入するとはどういうつもりなんだ? ああ、いや。理由はわかるし気持ちもわかるがな。私も連中のことは何度八つ裂きにしてやろうかと思ったことか。正直に言えば少しスカッとしたのも事実だ。神言教は腐敗が酷いものだし、女神教も本来の教えとはかけ離れてしまっている。そもそも奴らにサリエルを信仰する権利などないというのに厚かましいことこの上ない。恥を知れ恥を」

「みんな殺してしまえー」

『ひゃっはー汚物は消毒ですー』

「まったくもってそれが一番手っ取り早いのだがな。残念ながら当のサリエルがそれを最も嫌うから始末に負えない。そしてそのサリエルの気持ちを私も裏切れないから始末に負えない。ままならないものだ。酒でも飲んでいなければやっていられん」

「お酒美味しい」

『お酒おいしいですねー』

「いい飲みっぷりだ。もっと飲め」

「わーい」

『ありがとうございますー』

 

 

 

おはようございます。

昨日はだいぶ飲んじゃったなぁ。

でもちゃんと記憶あるぅ。

まだ蜘蛛さんねてるなぁ。

お酒飲んだはずなのにそこまで酷くなってなかったし、逆にちゃんとコミュ障が発症せずちゃんと話せてたからメリットだらけ!?

 

「おはよう」

『おはようございます』

 

あ、蜘蛛さん起きた。

 

「記憶がないんだけど、私いつ寝た?」

『飲みすぎて途中で寝てました』

「結局ギュリギュリは何しに来たの?」

『ほとんど愚痴ってましたね』

「愚痴を聞いてもらいたかっただけか?何あの神様?」

『んま、おいしかったからいいじゃないですか?』

「うん、お酒は美味しい」



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よまわりさん、戦う。

今日も今日とて穴を掘る。

 

今私が穴を掘ってる場所は地下に空間ができてるのを探知で発見した場所。

だいぶ深いし長いから探知じゃよくわかんなくて蜘蛛さんが興味に駆られて穴をほってるよ。

 

掘っていた穴が貫通して空間とつながる。

トンネルみたいな空間と私達に突き刺さる無数の視線。

 

わー蟻だー

 

蟻の巣だね。

エフェジゴアットっていう魔物みたい。

エルロー大迷宮の蟻を思い出すなまえだねぇ。

スキルも似てるし。

 

まぁいいや。

サクッと殲滅&制圧。

ついでに拠点の一つとして使いました。

 

 

蟻の巣を乗っ取ってからというもの、蜘蛛さんは移動する際に地下の探知を強化することにしていた。

蜘蛛さんが味をしめた。

 

『地下に空洞発見、人工物みたい嫌な予感がする』

 

え、ちょっ待ってそれって!

おちけ、蜘蛛さんに聞いてみよう。

 

『ねぇ、蜘蛛さんそれって』

『かもしれない、もし思った通りなら止めないと』

 

そういいながら私達は穴掘りを始めた。

突如、明らかに今までとは違う質感の層が現れる。

どう見ても自然ではありえない、人工物だった。

叡智で鑑定をする。

 

『鑑定不能』

 

あーちょっと探知で確認してみる。

あ、ダメだこれなんか阻害されてる。

 

これかなーりまずいんじゃない?

蜘蛛さんに相談。

 

『どうします?』

『ギュリギュリに知らせる手段無いから無理、乗り込むしかない』

 

私達は探知で発見した入口らしきものに向かって穴を掘り進める。

そして入り口の前までやってきた。

 

引き戸みたいな感じの金属の扉。

それを蜘蛛さんがステータス任せにこじ開ける。

 

こじ開けた先には、淡い緑色の光を放つ非常灯。

両側の壁にズラッと並べられた身長2メートル程度の、金属の人形。

けたたましいサイレンとともに、ロボットどもが起動し始める。

 

うっわぁ。

このロボット共まだ生きてやがる。

 

侵入者、それすなわち私達。

迎撃されます。

畜生。

 

ロボットが立ち上がる。

4本の足と4本の腕があるロボットが。

ちなみにロボットの腕のうち2本は人の腕。もう2本は銃剣?だっけみたいになったものが先にくっついてる。

人の腕も銃を持ってる。

頭は小型の銃。

わー明らかに戦闘用ですね、ありがとうございますこん畜生が。

しかもぱっとみ100体近くですねぇ。

わーしかも何かに邪魔されて魔法構築できねえぇ。

もちろんシステムという名の大規模魔術が届くわっきゃねえ!

待って、体内で作用する系のスキルで今何を使える!?

魔法系、全滅ですね!

神龍力とか魔闘法、闘神法は!?

使える!

鋏は?

無理やこれ、顕現できん。

あ、外出たら使えるんじゃね?

そうと決まったらすぐ後ろに下がって顕現!

そして戻ってくる。

 

『私は大丈夫だけど無理と思ったらすぐ離脱して』

『わかりました』

 

その声を合図とばかりに私と蜘蛛さんはロボットに突っ込んでいく。

速度を重点的に強化して即座に触手に強化先を切り替えて鋏でぶっ飛ばす。

蜘蛛さんは速度任せにロボットをぶん殴る。

ロボットが銃を発射してくる。

蜘蛛さんと私はかろうじて躱す。

蜘蛛さんは倒れたロボットを盾にして隠れる。

隠しきれてなかった蜘蛛さんの体の一部が吹き飛ぶ。

私は強引に魔力を体にまとわせて弾く。

ただこれめっちゃ大変だから注意しないとすぐ霧散しちゃうから注意しないと。

そろそろ私は蜘蛛さんを気にしている余裕がなくなってきたので気にするのをやめて裏返る。

そして数体同時に喰らう。

そして吐き出す。

こいつらすっごい硬い。

鋏で切れるかな?

おら!

受けてみろロボット!

縁さえ断つ鋏を!

チョッキーんと。

あ、切れた。

すげぇさすが理様の鋏。

ふふふ、これで勝つ、れないですねすいません。

わーぎゃー油断してたら触手一本吹っ飛んだぁ!

ちくしょおおお!

こうなりゃやけじゃ!

 

 

そしてその時は来た。

え?

戦いの終わりかって?

それもあるけど。

 

バキ

 

最後の一体をぶっ飛ばした私にそんな音が届いた。

音を立てて鋏が割れる。

え?

うそでしょ。

なんで?

 

『おわったね』

『おわりましたね、鋏、壊れちゃいました』

『うん、とりあえずここの魔術妨害を解除してお目当ての物を探してからかんがえよう』

『ですね』

 

そういいながらこの施設の魔術妨害の機械を破壊する。

その瞬間、吹っ飛んだ触手が治り始める。

そしてすぐ生えてきた。

 

そして壊れた鋏の残骸を空間収納で回収する。

 

施設をくまなく探す。

施設の最奥、巨大な機械。

そこに込められたエネルギーは途方もない大きさだった。

MAエネルギー発生装置。

禁忌を生み出した元凶。

こんなもんがまだ残ってたんだねぇ。

 

蜘蛛さんが装置を破壊してコアと呼ばれるエネルギーを貯蓄しておく掌に乗る程度の大きさの珠を回収する。

蜘蛛さんは一回コアを空間収納に入れる。

 

『行くよ』

『はい』

 

そうして来た道を引き返すお目当てはロボットに内蔵されたコア。

それを私達は1個1個集めていく。

 

集めたコアを床に広げる。

このコア達に込められたエネルギーの総量は天変地異を引き起こすほど。

 

この世界の古代人が己の欲を満たすために生み出したエネルギー。

この星の生命力そのものとも言えるエネルギー。

 

私達が求めていたもの。

ま、要するに

 

『これだけのエネルギーを私達に統合すれば、相当なレベルアップが見込める』

『ですね』

 

ってこと。

私はなんか昔蜘蛛さんが管理者になる方法としてこんなのがあり得るなぁ。

なんて考えてたことを思い出しながら4分の1のコアを貰う。

そして例の術、エネルギー変換の術を起動する。

今や変換効率は72%。

相当な量を吸収した。

けど何も起こらない。

蜘蛛さんもクエスチョンマークを浮かべてる。

どういうこと?

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ王LV9』が『闇ノ王LV10』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV9』が『神性領域拡張LV10』になりました》

《条件を満たしました。神化を開始します》

 

突如耐えることができないような衝撃が私達の内部から溢れ出る。

そして私と蜘蛛さんはあっさりと意識を手放した。



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かみさまですー編
よまわりさんとよまわりさん


矛盾とか誤字脱字を見つけたらじゃんじゃん言ってください。


おはようございます。

なんか今私の現状を誰か教えてくれません?

突然気絶したと思ったらコンテナにいるんですけど。

私の体無いんですけど。

 

「ここが精神世界?のようなもんだからだよ」

 

ふいに声が聞こえた。

声が聞こえた方、コンテナの入り口を見ると私の体・・・違う、よまわりさんがいた。

 

「とりあえず俺はナニかわかるよな」

 

よまわりさんですよね。

 

「そうだ、今からお前が俺の体に転生、憑依したわけを教える」

 

あっその前によまわりさん。

 

「なに?」

 

 

よまわりさん私に話しかけてくるというかたまに突っ込みいれてませんでしたか?

 

「いれてたな」

 

ですよね、突っ込みいれてましたよね。

 

「それより色々説明するから黙っとけ」

 

はーい。

 

「まずな俺自身よくわかってないんだが信仰というかなそれともなんていうのか、そういうものが俺が子を攫う奴とかその他いろいろとありすぎて俺でも気づかないうちに俺の魂が歪んでたっぽくてな、んでお前が自分の魂を見た通りお前の魂と俺の魂を融合させて治してたのさ。そこらへん詳しくないからうまく説明できないけど」

 

そうだったんですか。

説明てきとうっすね。

んで、ちなみに完全に融合したらどうなるんです?

 

「ちょっと待て。えっとな、確か俺の魂がお前の魂に完全に飲み込まれる」

 

マジすか。

 

「マジだ」

 

ちなみに私に精神的影響とかは・・・。

 

「ちょっとあるらしいけどほとんど問題ないな」

 

そうですか。

 

「あ!」

 

どうしたんですか!

 

「いや、な。完全融合したら俺の声が聞こえることがなくなるからな」

 

そうですか。

 

「悲しんでくれてもいいと思うんだけど」

 

そういわれましても、ねぇ。

 

「それだけだ。ほれ、じゃあな」

 

それでは、また会いましょう。

 

「会えないと思うんだけど、んまいいや。てかお前、質問そんなに少なくていいのか」

 

いいですよ、ほんとに困ったらDさんに聞きますし。

というか飲み込まれるだけで小さくても少しはのこりますよね。

なのでなんかの魔術開発したら会話くらいはできるかと思います。

開発するかは気分次第ですが。

 

「そうか」

 

その声と共に私の視界が白く染まっていく。

 

「伝え忘れてたけどお前の壊した鋏あれコトワリからの贈り物だぞ。本物だぞ?溶かして武器にするなりしてやりな」

 

はーい!

 

視界が完全に白で染まった。

 

 

《スキルを還元します》

《ステータスを還元します》

《称号を還元します》

《スキルポイントを還元します》

《経験値を還元します》

《D謹製『神の基本講座』をインストールします》

《神化を終了します。これ以降システムサポートを一切受けられません。ご利用ありがとうございました》

 

目が覚める。

 

『おや、よまわりさんが起きましたね。おはようございます』

 

Dさんの声が聞こえてくる。

あたりを見回してみる。

相変わらずのよまわりさんの体。

あとは体が完全に人になった蜘蛛さんとギュリーさんと魔王さんとスマホがいる。

え、魔王さん!

ちょっと待ってここに来るの、早くないかなぁ!

私達の神化が始まった時まだエルロー大迷宮にいたはずだよねぇ。

 

『あ、あなたがたが寝てから47日たってます』

 

あ、ありがとうございます。

あれ?

心、読まれてません?

 

『読めませんけど予想くらいできます』

 

あ、そうなんですか。

 

『というかいい加減しゃべったらどうです?』

『いや、蜘蛛さんと違って体がよまわりさんのままなんで声が出ないんですよ』

「お、しゃべった」

「どういうことだ」

『そこのよまわりさんは話すのが怖いから蜘蛛と魔王と私にしか念話を送っていないのですよ』

「私なんかよりDのほうが怖いだろうに」

「この子の今の場合の怖いの基準は普通に話せるかどうかということなんだよ。要するにこの子はコミュ障なんだ」

 

うわぁ。

思ったより魔王さんの残念オーラが・・・。

 

「この子今すっごい失礼なこと言った気がするんだけど」

『気のせいです、というか今どんな状況なんですか』

『いま蜘蛛が失礼なことを考えたので私が天誅を下したところです』

『蜘蛛さんは何をしたんですか?』

『『え、Dってマジもんでかなり偉い神様なの?てっきり頭イカレタパッパラパー狂神かと思ってた』とか考えてる気がしたので』

『そうじゃないんですか?』

『天誅』

 

いってえ!

うがああああ。

なにしたの?

ねえ?

超痛いいいいい。

 

「なんでこの子まで突然のたうちまわってるの?」

『よまわりさんも頭が残念なパッパラパーだから仕方がないのです』

 

なんで納得した顔してるの魔王さん!

 

「話が全く進まんな」

「そうだね。そろそろ真面目な話がしたいんだけど、蜘蛛ちゃん的には私と仲直りしてくれない?」

 

蜘蛛さんが首を縦に振って肯定する。

 

「イエスってことね」

『あ、私には聞かないんですね』

「だって蜘蛛さんに付いていくーとかどうせ言うんでしょ?」

『そうですね、納得です』

「じゃあ、話を戻してもう1歩踏み込んで、私と共闘する気はない?」

 

今度は蜘蛛さんが首を横に振る。

 

「え?な、なんで?」

 

あ、これ蜘蛛さんこの星から逃げるつもりだねぇ。

 

『蜘蛛の思考その4、神になったし星から出て自由に生きるぜ』

 

やっぱり

 

「それは、やめたほうがいい」

 

唐突にギュリーさんが蜘蛛さんに忠告をする。

なんで?

 

「星というものは神々によって管理されていることがほとんどだ。この星も元は龍によって管理されていた。それを奴らは放棄したがな。今この星の管理は便宜上Dが行っていることになっている。最上位の神であるDの管轄ということで他の神は手出ししてこないが、この星を離れればその効果はなくなる。無所属の神が知的生物が暮らせるような星に移住しようとすれば、現地の神に撃退されるのがオチだ」

 

え、そうなの?

 

『ちなみに地球は私の管轄です。そうですね。別に地球に戻ってくるのは構いませんが、2つほど条件が』

 

いやな予感・・・。

 

『1つは私の眷属にそこのよまわりさんと共になること』

 

げ。

 

『言っておきますが、これでも私の眷属になるというのは相当破格な条件なんですよ?』

 

え?

そうなの?

同じことを思ったのか蜘蛛さんも私と同時にギュリーさんに視線を向ける。

 

「Dの眷属、それだけでまず身の安全は保証されるな。眷属に何かをするということは、Dに敵対することと同義。よほどの命知らずでもない限り、Dの眷属に手を出す愚か者はいないだろう。それだけDの影響力は神の世界では強いということだ」

 

まじでー。

 

『加えて、ある程度のルールさえ守ってくれれば基本は好き勝手にして構いませんよ。ただ時折出す命令には従っていただきますが』

 

意外と悪くなさそうな条件。

 

『2つ目はそこの魔王に協力すること』

 

あ、これは予想できてた。

Dさんはこの星の物語を最後まで見たいだろうしねぇ。

 

『私はこの物語を最後まで見たいのですよ。だから、これはお願いというよりも最初の命令ですね』

 

ほらねぇ。

んで蜘蛛さんはどうするのかな?

 

「蜘蛛ちゃん、私に協力してくれるなら美味しいものたらふく食べさせてあげるよ?」

 

え、まじで!?

 

『蜘蛛さん!これおkしましょう!』

 

蜘蛛さんがめっちゃ頷きながらうへへへへとか言い出しそうな顔してる。

実際私も似た状態かもしれない。

 

「大丈夫なのか、これらは?」

『大丈夫じゃない。大問題だ』




主人公の体によまわりさんの魂と主人公の魂があった理由に深い意味はなかった、いいね?


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よまわりさん、名をもらう。

平成最後の投稿!


よし、魔王さんに仕えると決めたら善は急げ。

蜘蛛さんと人魔滅ぼしに行こう!

 

「待て。貴様ら何をしようとしている?」

 

とめないでギュリーさん!

パラダイスが待ってるんです!

 

『ああ、これは手っ取り早く人族も魔族も根絶やしにしようとしてますね』

「それを私が許すとでも思っているのか?」

 

あ、すいません。

そのマジな神様オーラを出さないでくれません?

 

「まったく。アリエル、貴様これの手綱は握れるのか?」

「あははー。ちょっと自信ない」

 

笑ったあと急に真顔になる魔王。

 

「ぶっちゃけ二人とも良くも悪くも自分に正直だからね。やりたいことはやる。やりたくないことはやらない。自分の命がかからない状況だったら、やりたいことは何が何でもやり通すよ」

「それが極端な方向に向いても、か。なんとも厄介な」

「あ、その子は蜘蛛ちゃんの命がかかったら必死で動くかも」

『言葉は通じるけれど意思の疎通が不可能な怪奇生物ですね』

 

ちょっと待って、どんどん私達の評価が落ちていってる!

 

「仕方がない。私もそばにいよう」

「いいの?」

「致し方あるまい。この星でもはやそやつを止められるのは私だけだ。私の見ていないところで勝手に暴れられでもしたら惨事だ。いつ爆発するかもわからないのだから、常に見張っておくしかあるまい」

「よっしゃ!神3柱部下にゲット!」

「部下ではない。監視役だ」

「いいよいいよ。ただ、便宜上ギュリエも蜘蛛ちゃんもよまわりさんも私の部下ってことにしていいかい?」

「構わん」

 

蜘蛛さんと私も頷く。

 

「おっし。じゃあ、これからの予定を簡単に説明するけど、まずは魔族のとこ行って魔族をまとめます」

「当てはあるのか?」

「もちろん。先代から魔王の称号受け継いでからちょくちょく接触はしてたのよ。とりあえずアーグナーっていう古株と、バルトっていう今魔族をまとめてる小僧には軽く話を通してあるよん。まあ、いざ魔王として表舞台に出ようとした瞬間に、どっかの誰かがありえん攻撃してきたから進行は滞ってるけど」

 

誰だろうなぁ。

シラナイナぁ。

 

「うわ、目がいっぱい泳いでる。気持ち悪」

 

うわぉ、蜘蛛さんの目の中にある目がめっちゃ動いてる!

 

蜘蛛さんが目を閉じる。

 

「話を戻すけど、とりあえず出てくるときに魔族の軍備を整えておくようには言っておいたから、準備ができたら人族相手に戦争かなー」

「戦争をするほどのことか? この間こやつが盛大にやってくれたおかげで死者の数はそれなりに確保できているはずだが?」

 

あー知らないんだギュリーさん。

 

「ギュリエ、今のMA領域エネルギー充填率、3%しかないのよ」

 

いつになく真剣な顔の魔王の言葉に、ギュリーさんが目を見開く。

 

「馬鹿な!?」

「これまでコツコツ貯めて71%まで回復してたのに、それがごっそり減った。原因は、おそらく先代の勇者と魔王」

「タイミングを見ればそうなるか。だが、ありうるのか? そんな大量のエネルギーが消費されればいくら干渉権を失った私でも気づくはずだ」

『そのエネルギーがこの星で使われれば、の話ですね』

「まさか。そういうことか」

『そう、あなたにお話しした転生者の話と繋がるわけです。先代の勇者と魔王は次元魔法を改造し、システムの最終責任者である私を割り出し、攻撃を仕掛けた。MA領域を破壊し、そのエネルギーを使って十中八九私を狙って故意にエネルギーを消費していますね。システムは私が死んでもそのまま存続することを知っていたのでしょう。あわよくば私の権限を奪うことも視野に入れていたのかもしれませんね。もっとも、最大の誤算はシステム管理者がこの私だったということですが。あの程度の攻撃で私を殺せると本気で思っていたのか、私のことを知らなかったのか。おそらく後者でしょうね』

 

わー星のエネルギーの半分をあの程度とか言ってるよぉ。

 

「こんなことをしでかすのは、1人しかおらんな」

「でしょうね」

 

あ、魔王さんとギュリーさんは犯人がわかっているのかな?

 

「ポティマス!!!!」

 

 ギュリーさんの体からものすごいオーラが立ち上る。

 

「どこまで腐れば気が済むのだ!?」

「しかも、あいつは支配者。それも権限を確立した。今の状態であいつを始末すれば、空いた穴が世界の崩壊を加速させちゃう。そこまで計算して行動を起こしてるのだとすれば、悪知恵だけは働くと認めざるを得ないね」

「クソッ!」

 

怖い。

 

「まあ、そういうわけで、早急な立て直しが必要なんだよ。幸いさっき言ってた件で多少補充はできてるはずだから、少しだけ猶予はあるけどね。私はその猶予を使って魔族を鍛え上げる。そんでもって人族とど派手に決戦と行こうじゃないか。生贄は、多いに越したことはないからね」

 

魔王の底冷えするような笑みに、ギュリーさんは難しい顔をして黙り込んだ。

そして渋々と言わんばかりの顔で頷く。

 

「それじゃあ、行動開始するけど、とりあえずは魔族領に戻ろうか」

「ああ、悪いが、私は少しだけ外す」

「ん? どして?」

「ここのような生き残りの施設がないかどうか、改めて星を隅々まで点検してくる」

「あー」

「じゃあ、ギュリエはそれを頼もうかな」

「うむ。ここも去る時に完全に破壊したほうがよかろう」

「だね」

「じゃあ、行こうか。よまわりさんと若葉ちゃん、それとも姫色ちゃんって呼んだほうがいい?」

「どっちも嫌」

 

お、蜘蛛さんが喋った。

 

「じゃあ、なんて呼べばいいの?」

『白織なんてどうです?一応私の眷属候補ということで、神としての名前を命名してみましたが、いかがです?』

「じゃあ、白ちゃんって呼んでいい?」

 

蜘蛛さん・・・白さんが頷く。

そして気づいた!

私の名前は!

 

 

「あ、それならギュリエは黒ちゃんにしよう」

「なぜそうなる」

「ちっちっち。ギュリエは一応伝説にもなってる龍神様でしょ? 本名はあんま伝承でも残ってないけど、どこで身バレするかわからないし、名前くらい偽っておかないと」

「まあ、それなら構わん」

『すいません!私の名前は無いんですか!?』

 

ギュリーさんを除いた全員の視線がスマホに向く。

スマホから聞こえるDさんの声が一言。

 

『考えていませんでした』

 

がーん。

泣いていい?

泣いていいよね?

と、そこで。

 

現世(うつしよ)

 

白さんが呟いた。

 

「それがよまわりさんの名前?」

 

白さんが頷いた。

 

「長くない?あと由来は何かある?」

 

確かに長いけど!

それがいい!

白さんがつけてくれた名前だもん!

 

「現世は現世側の生き物だから」

『それがいいです!』

「私達も現世側だと思うんだけど・・・。じゃ、現世ちゃんでいいかな?」

 

頷く。

 

「おっけー」

「では、この施設を破壊する。そのあとは別行動ということで構わないな?」

「オッケー。でも、合流する時はどうするの?」

「魔族領にいるのだろう? ならばこちらから出向く。受け入れの用意はそちらに任せる」

「あいよー。黒ちゃんが来た時には体裁だけでも整えとくよ」

 

そこでスマホから声が聞こえる。

 

『では、私もお暇させていただきます。これからも高みの見物をさせていただきますので、せいぜい私を楽しませてくださいね?』

 

スマホがふっと消える。

神になって思ったけどDさんの転移がハンパなさすぎる。

 

「よし。じゃあ、白ちゃん、現世ちゃん行こっか」

 

魔王さんの言葉に頷き、白さんと施設を後にする。

私達が施設から脱出したあと、地響きが起き、私達が開けた施設へとつながる穴が塞がっていった。

黒さんが破壊を始めたみたい。

 

「のんびり歩いて帰る? それとも急いで走って帰る? のんびりなら多少観光とかもできるけど。お金はあるし。どうせ黒ちゃんが世界の点検を終わらせるまでにそこそこの時間はかかるだろうし」

 

うむむ。

これはお菓子を食べる一択では。

 

「あ、現世ちゃんは街に入っちゃだめね」

『買ってきてくれるんですか?』

「うん、だってよまわりさんが街中入ったら大変なことになるでしょ」

『なるほどです』

 

「え? 何?」

『何してるんですか蜘蛛さん』

 

突然蜘蛛さんに捕まれて転移させられた。

転移した先は街の中。

魔王さんに町中に行くなとか言われたのにいきなり町中来ちゃったよ。

魔術で隠蔽かけとこうかなぁ。

こんな感じでヨット。

よし、これで白さんと魔王さん以外には認知不能になった!

 

「あれ? ここはどこ? 私は誰?」

 

魔王さんが混乱しまくってる。

人々で道がごった返しになっているので、屋根の上をジャンプしながら移動する。

 

「あのさー。そろそろ事情を説明してほしいんだけど?」

 

魔王さんが呆れたように言う、私も超同意。

 

「この街に転生者がいるんだけど、たまたまピンチのところを見ちゃったから救出する」

「白ちゃんが喋った!? しかも長文!?」

『珍しい長文ですね』

「へー。しかし転生者ねー。意外だなー。白ちゃんそういうのはメンドくさいって言って関わんないかと思ってた」

「進んで関わろうとは思わないよ。ただ今回はタイミングよく見つけちゃっただけ」

「ツンデレ乙」

 

現場に到着。

同時に女の人が刺されて死んだ。

 

「ありゃー。なんか修羅ばってる」

『のようですね』

 

なんか吸血っ子がいるからこの街はあの街なのかな?

その吸血っ子は吸血っ子を巡って2つの勢力がぶつかってるっぽいところにいるけど。

あ、あの吸血っ子抱えてるの、前に白さんが治療した護衛じゃん。

 

「エルフ? なんで奴らが」

 

魔王さんが呟いた。

エルフ?

耳が長い?

いるんだ?

 

魔王が飛び出そうとする。

それを白さんが制止する。

 

「もうちょっと待って」

「なんで?」

「極限のピンチに現れたほうが印象いいでしょ」

 

思った以上にとんでもない理由だった。

 

「白ちゃんって割とゲスいよね」

 

私もちょっとそう思う。

そうこういってる間に、護衛の人が倒れる。

こんどは吸血っ子が護衛の人の血を吸い始めた。

血を吸った吸血っ子も、血を吸われた護衛の人も、雰囲気が変わる。

ゆっくりと起き上がった護衛の人がエルフらしき男の1人に殴りかかった。

 

「あー、進化直後で理性ぶっ飛んでるね、あれ」

「吸血鬼になるのも進化なの?」

「そうだよー。特殊進化だね」

 

へー。

あー護衛の人がやられた。

女の人の魔法に呆気なく吹っ飛ばされてる。

 

「あん? あれは、まさか、ポティマス?」

 

魔王さんがすっごい雰囲気を醸し出して喋る。

ポティマス?

なんか聞いた覚えあるなぁ。

 

「ポティマスって、エルフ?」

「そうだよー。最低のクズ野郎の名前だよ。けど、あそこにいるのは本体じゃないね。あれはエルフの名も無き女の体を乗っ取って使ってるの。他人の体を使って自分は安全なところから高みの見物。自分以外はみんな道具としか思ってない最低のクズ。それがポティマスってやつだよ」

 

他人の体を乗っ取る?

あれー白さんって前マザーの体を乗っ取って。

あれー?

 

「ハッ!? そう考えると白ちゃんも最低のク、ブヘラッ!?」

 

白さんが魔王さんを殴る。

 

「見た目あんま力の入ってないただの右ストレートなのに、避けられないうえに物理無効貫通するとか。これがゴッドパワーか」

 

鼻血を出しながら魔王さんがキリッと解説する。

 

「まあ、あれだ。この世界のエルフって、白ちゃんが想像するような感じじゃないのよ。はっきり言って世界からしてみると害悪でしかないような連中なんよ」

 

へー。

 

「仮の体とは言えポティマスが出てくるなんて。どういう風の吹き回しだろ? まあ、いいか」

 

私達が止める間もなく魔王さんが飛び出していく。

 

「やあやあ。魔王少女アリエルちゃん、美幼女とその従者のピンチに華麗に参上!」

 

は、何始めてるの魔王さん。

まぁいいや。

私は影に隠れてよう。

街のほうどうなってるんだろう。

うわぁ。

混乱を極めてるねぇ。

あー今神化したばっかだけど自分の状態まだ確かめられてなかったなぁ。

そういえば気になってたけど私のエネルギーに魔力以外に別の力、というか答え合わせをすると神力があるんだけどこれ白さん達にはないんだよねぇ。

使えないかな?

とりあえず神力を全身に回して身体強化。

うん出来た。

次は神力での弾幕形成。

某弾幕ゲームにありそうな弾幕ができた。

次、神力と魔力を組み合わせて魔術の強化。

む、これはちょっと難しいなぁ。

うーん。

あ、待って。

空間収納に鋏入れっぱなしだから空間収納放置できない。

空間収納維持に神力使ってみよう。

うん出来た。

 

と、そんなところで白さんに強制転移させられた。




現世(うつしよ)です、異論は認めん!
ネーミングセンスが無いのは知っている


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よまわりさん、畏れられる

何この機能面白い



白さんに強制転移させられた先は森の中だった。

辺りには白さん、魔王さん、寝てる吸血っ子と護衛がいた。

 

『白さん、突然転移してどうしたんですか?』

「あそこで会話するのはあれだから吸血っ子と護衛を攫ってきた」

『ああ、なるほど』

 

そう話してる間に白さんがパクってきたと思われるものを空間収納にポイポイ入れていく。

次に同じくパクってきたと思われるテントを張ってパクってきたと思われる食材で料理を作り始めた。

魔王さんと私は目を輝かせてお座りする。

 

完成した料理を食べてると護衛の人が目を覚ました。

一瞬私を見て怖がってたけどしょうがないね、通常でさえ怖い見た目してるのに今なんて食べるために裏返ってるからね。

そういえば魔王さんが護衛を鑑定した結果名前はメラゾフィスとか言うみたい。

火の玉っぽい。

メラさんでいいや。

 

「ここは?」

「適当な森の中。ゆっくり話もしたかったから勝手に眠らせて連れてきちゃった」

「そう、ですか」

 

うわすっごい警戒してる、そりゃそうか。

 

「助けていただき、ありがとうございます」

「どういたしましてー。まあ、君はついでなんだけどねー。本命はそっちの子」

 

魔王さんが吸血っ子を指差す。

 

「いくつか、お聞きしてもよろしいでしょうか?」

「いいよー。答えられるものは答えてあげる」

「街は、いえ、領主様と奥様は、どうなったのでしょうか?」

 

魔王さんが白さんを見る。

白さんは首を横に振る。

 

メラさんが白さんの反応で察して声を押し殺して泣く。

 

「お見苦しいところをお見せしました」

「イヤ。誰かのために流す涙が見苦しいわけないさ」

「もう1つ、私の他にもう1人お嬢様お付の女の従者があの場にいたはずですが、ご存知ありませんか?」

「それは君も見たでしょ?彼女は死んだよ」

「そうですよね」

「では、改めてお聞きします。あなた方は、いったい何者ですか?」

「じゃあ、こっちも真面目に答えようか」

 

魔王さんから感じる威圧が増す。

メラさんの全身から汗が飛び出る。

森の生物が一斉に遠ざかっていく。

 

「私は正真正銘本物の魔王。魔王アリエルです。以後よろしくお願いします」

「魔王。魔王が、なぜ?」

「うーん。白ちゃん、どうしよっか?」

 

白さんが頷く。

魔王さんが威圧を解いて話し始める。

 

「では説明致しましょう」

「とあるこの世界のドアホがバカをやらかしてね、別の世界に迷惑をかけちゃったんよ」

「は?」

「まあ、聞いて。その別の世界の若者たちがこっちの都合で何人も死んじゃったわけ。んで、それに責任を感じた神様がその時に死んだ彼らの魂を拾って、この世界に新しく生まれ変わらせたの。曰く、転生者」

「はぁ」

「彼ら転生者は前世の記憶を持ったまま生まれてくる。おまけに神様からボーナスももらってね。それでかどうかはわからないけど、君らを襲った連中は転生者を狙っているようなんだよねー」

「あの、そのお話とどう関係が?」

「おや? 察しが悪いねー。つまりね、そこのお嬢ちゃんこそ、その転生者の1人なんだなー」

「っ!?」

 

メラさんの顔が驚きに染まる。

 

「むうー。信じてないね?」

「さすがに、このような根も葉もない話は信じられません」

「そうかな? 心当たりはないかな? このお嬢ちゃんは他の赤ん坊に比べて妙に物分りが良かったりしない? 赤ん坊にしては奇妙な行動をしたりは?」

「それは」

「ありますって顔だねー」

「あと、気付いてると思うけど、お嬢ちゃんは人間じゃない。吸血鬼だよ」

「やはり、そうなのですか?」

「うん。ちなみに君もね」

「あの時、夢現にお嬢様に噛まれたのは、現実のことだったのですね」

「そう。お嬢ちゃんは神様から吸血鬼のスキルを貰ってたようだね。だから生まれつき吸血鬼だった。どうもステータスを見るにそれを分かったうえでいろいろ試行錯誤してたっぽいねー」

「それは?」

「記憶だの演算処理だののスキルがあるから、なんとか自分が吸血鬼であることを隠す方法でも探してたのかな?」

「あなたは、鑑定のスキルを持っているのですか?」

「鑑定レベル10。すごいでしょ?」

 

魔王さんがどや顔してる。

 

「まあ、詳しくはお嬢ちゃんが起きた時に一緒に確認すればいいよ。ちなみに、今回お嬢ちゃんを助けたのは一応縁があったからね。そっちの白ちゃん、転生者なんだ。あと一応そこの化け物、よまわりさんも理由が違うけど一応転生者だからね」

 

メラさんが白さんとわたしをみつめてくる。

さすがに裏返った私は怖いだろうから黒い元の私に戻っておく。

いや、どっちも本当の姿なんだけどさ。

メラさんは私が裏返った瞬間一瞬恐怖を顔に浮かべる。

私一応妖怪じゃないから畏れられても元気にならんのかな?

ようわかんないな?

こんど検証してみようかなぁ。




果たして現世がこの会話にいる意味があったのか・・・なかった!


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よまわりさん、酔う

吸血っ子が目を覚ました。

 

『では、お嬢ちゃんに質問。あなたは転生者ですか? マルかバツで答えなさい』

 

魔王さんが吸血っ子に念話を飛ばす・・・。

 

 

 

わーいいはなしだなー

え、魔王さん泣いてる。

これで感動できるんだ。

えー私と白さんの感性がおかしいのかなぁ?

え?

何があったかって?

ただ魔王さんが悪趣味したりいい話だったりしただけだよぉ。

よくわからない流れになってるけど・・・。

 

「話は聞かせてもらった!君たち、私のもとに来い!私が責任もって保護してやる!」

 

わー。

何だこの展開。

 

「悪い話じゃないと思うよ。なんせ私ってば魔王だし。言っとくけど、この世界で私に勝てるやつなんかほぼいないからね。そんな最強の私の保護を得られるっていうのはお得だと思うよ。君らを襲ってたあの連中は私が目を光らせてる限り手を出してこれないだろうし。おまけに、君らもうまともに人族社会では生きていけないだろうし。ならいっそ、私と一緒に魔族領に行かないかい?」

「私はお嬢様の決定に従います」

『わかった。けど、少し考えさせてください』

「いいよいいよー。大いに悩んでくれたまえ」

『あと、いろいろ話も聞かせてくれますか?』

「こっちが答えられることならなんでも」

『じゃあ、あの、あれ、何を食べてるんですか?』

「ん? 白ちゃんの手料理。メニューはエルフ肉野菜炒め」

 

吸血っ子の顔が物凄い引き攣った。

 

『ねえ、あなた、若葉姫色(ワカバヒイロ)よね?』

 

吸血っ子が白さんに聞く。

白さんは無視して黙々とエルフ炒めを食べる。

 

「白ちゃーん?聞かれてるよ?」

 

魔王さんが白さんの肩をゆする。

無視する。

大きくゆすり始める。

ブンブンと揺すり、イラついたのか白さんのこぶしが魔王さんの顔面にめり込んだ。

 

「世界を狙える右ストレートだ。ガクッ」

 

魔王さんが阿保なことをやってる。

そういえばお酒飲んだら吸血っ子とかとも私も話せるかも。

 

『白さん、さっきパクった中にお酒ありませんでした?』

 

白さんにのみ念話を送る。

 

「あったけど」

 

白さんがひとりでに話し始めたように見えたのか私たち以外が頭にクエスチョンマークを浮かべる。

無視して私が話を続ける。

 

『ください』

「なんで」

『飲んだら私も会話に参加できるかもだからです』

「わかった」

 

白さんがお酒を空間収納から出す。

私が飲む。

美味しい。

要するに。

 

『ふへーこれでコミュ障があれして会話できますー』

 

私は全員に念話を飛ばす。

吸血っ子とメラさんが一瞬驚く。

 

「いやちょっと、現世ちゃん今酔われちゃったら会話が進まないんだけど」

『酔ってなかったら会話できないから同じじゃないですかー』

「イヤ、まあ冗談はこれくらいにして。真面目に喋ってくれないと話進まないんだけど?」

「メンドイ」

「えー」

『ふへー』

「ハア。じゃあ、白ちゃんと現世ちゃんの白ちゃん視点、語るも涙、聞くも涙の冒険譚。この私が聞かせてあげようじゃーないか」

『私も私もー』

 

私と魔王さんは立ち上がり魔王さんは拳と触手を天に突き出してポーズを決める。

 

「1度死んで生まれ変わるは蜘蛛の魔物」

『落ちたる場所は世界最大最悪の迷宮、エルロー大迷宮』

「共食い兄弟から逃げ」

『蛙に殺されかけ』

「蛇と死闘を繰り広げ」

『果てに穴に落つ』

「そこに待ち受けるは深き地底に眠る恐るべき地龍!」

『同じ穴から降ってきた化け物の私!』

「命からがら現世ちゃんと逃げおお」

「『グヘッ!』」

「長い」

 

拳を振り乱しながら熱く語る魔王さんと私を引っつかんで投げ捨てる白さん。

 

「要約すると、あなた達は転生者で、蜘蛛の魔物と化け物に生まれ変わり、エルロー大迷宮から脱出してきたと?」

 

メラさんが的確に答えを出す。

 

「イエス!ザッツライト!」

『あの、アリエルさんは英語が話せるんですか?』

「ん?話せるよ。ああ、それには深いわけがあるんだけど、今は気にしなくていいよ」

「エルロー大迷宮の蜘蛛の魔物、正体不明の化け物。まさか、神獣様と従者様?」

「ああ、それ白ちゃん達だね」

「言っておくけど、戦争は私達のせいじゃないから」

『そうですよー』

『けど、あんたがいなければ!』

「私がいてもいなくても、遅かれ早かれ戦争になってたよ。神言教は女神教を潰したがってたんだから。むしろ私は戦争のダシに使われただけ」

「補足しとくと神言教としては女神教の力を大幅に削ぐことが目的だったから、最悪国ごと叩き潰すことも視野に入れてただろうね。街1つで済んだんだからむしろ被害としては安い方だね」

『でも、でも!』

「運が悪かったと思うしかないよ。世の中理不尽なことばっかさ」

「ところで、神獣様は人の姿を取られていますが、それは幻術かなにかですか?」

「イヤ、白ちゃんは特殊な進化して人型になったの。本質は蜘蛛の魔物だけど、見た目を変えてるわけじゃないよ。ちなみに、前世の姿と似てるのは仕様なのかな?そこらへん私もよくわかんない」

『そうですよー白さんと私達は神化し、ぐへっ』

 

白さんに投げ飛ばされたー。

いててー。

なんでやー。

 

「白織」

『え?』

「今の名前。だから若葉姫色とは呼ばないで」

 

白さんが吸血っ子に言う。

それから吸血っ子は白さんのことを白織と呼ぶようになった。

 

 

 

少し時間がたった。

寝てしまった吸血っ子をメラさんがテントに寝かせる。

 

「メラゾフィス君、君も休みな。吸血鬼になり立てでかなり消耗してるしね。今後どうするかはお嬢ちゃんと話し合って決めればいいさ」

「そうですね。お言葉に甘えさせていただきます」

 

メラさんがテントに消えていく。

 

「さてと。あの子らがどういう選択をするにせよ、私らのやることは変わんない。魔族領目指して行くだけ。白ちゃん的にはのんびり行きたい?それとも急いで行きたい?」

「のんびりだとどのくらい時間かかるの?」

「3年くらいかな。急いで半年くらい。ああ、こっちの基準でね」

「のんびり行こう」

「白ちゃんはそう言うと思った」

 

3年コースなのかー

 

「ところで、鑑定した?」

「したよー」

 

うおー、今の白さんの一言で魔王さんに通じるんだー。

すげぇ、私でも一瞬何のことか悩んだのに・・・。

白さんに魔王さんが鑑定結果を書いた紙を渡す。

 

「弱!」

 

そういった後何かを考えて白さんは簡易ホームを作って就寝し始めた。

私も寝た。




展開が飛びすぎてて我ながらわかりにくい文となっている・・・。


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よまわりさん、Dと会う

おはようございます。

起きまして。

朝食食べまして。

移動開始であります。

 

魔物も魔王さんの威圧のおかげで寄ってこないし、森の中を歩くだけの簡単なお仕事です。

 

歩いてる途中白さんが魔王さんと私に「毒が入った料理出せば悪食とか毒耐性ゲットできる」みたいなことを相談してきたから実行することになったり、吸血っ子とメラさんに魔闘法を教えたりしたよぉ。

 

 

はい、街に着きました。

私は街の外の森で一人です。

寂しいです。

泣いていいですか?

 

というわけで鋏の修理を数日かけてすることにしたよぉ。

あ、鋏じゃなくて刀にするけどね。

とりあえずまずこの鋏の残骸を高火力の火で溶かして、溶かして、全然溶けねぇ。

神力を魔術に加えてさらに出力を上げたら溶けたので、どうしよう。

打ち刀にしようと思ってるけどまず全く作り方がわからねぇ。

ちくしょう。

とりあえず一塊にしとくかなぁ。

 

よし、魔術開発しよう。

まずはおそらく私が一番得意な隠蔽系かな?

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

 

 

 

とりあえず!

思考加速、高速演算、エネルギー変換魔術を再現して。

時間加速、減速、存在隠蔽まではできるようになったよ。

課題は自分に時間加速をかけた後の自分の速度の時間減速が問題だね。

 

と、考えてた時に白さんが目の前に転移してきた。

 

「地球への転移航路完成した」

『マジすか』

「うん」

『えっと』

「うん、地球行こ、自分に隠蔽かけて」

 

言われたとおりに隠蔽かけた瞬間転移させられた。

 

 

聞こえてくるは車の排気音。

見えるはそこには都会とも言えないけれど、田舎とも言えない、そんな微妙なラインのそこそこな規模の駅前の街並み。

日本に帰ってきた。

多分ここは白さんの住んでた街かな?

白さんが「待ってて」と言ってコンビニに入っていく。

 

しばらくたって出てきた。

んで報告してきたことは「こっちじゃ半年しかたってない」とのこと。

 

次にDさんのところに向かってる。

 

あ、牛丼屋。

食いてえ。

お金ないよぉ。

 

「D、お小遣いくれないかな?」

『あれですね、くれたら暫定ご主人様と認定するレベルですね』

「うん」

 

 

駅前から住宅街に移動してとある一軒家の前に立つ。

白さんが待っててと言って鍵を鉢植えの木の根の隙間から鍵を取って。ってそんな場所に入れといてよく土に埋まらないなぁ!

その鍵をもって玄関の戸を開ける。

家の中は静まり返っている。

白さんが迷わず二階へ上がるから私も慌ててついていく。

白さんが二階に上がってすぐ横の扉を開ける。

部屋からは少しだけパソコンの音が聞こえてくる。

私は部屋を覗く。

 

「いらっしゃい、現世。いらっしゃい白織、それとも、お帰りなさいと言ったほうがいいでしょうか?」

 

コントローラーを握る()()()()()()姿()()()()()()が画面を見ながら言う。

 

「私はここに来るのは生まれて初めて。だから、いらっしゃいが正解じゃないかな」

 

白さんが話す。

すらすら話せた理由は私も知っている。

 

「初めまして、でいいのかな? 若葉姫色さん。それとも、Dって呼んだほうがいい?」

 

少女が振り返る。

髪が黒いこと以外白さんと瓜二つの少女が。

 

「初めまして。私の身代わりさんとよまわりさん」

 

白さんのオリジナル。

Dさんが無表情に言った。



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よまわりさん、ゲームをする

Dさんと白さんと一緒にス〇ブラ中。

久しぶりにやるけど前世通りの動きをすることはなんとかできる。

というか人の手でやるものを触手を使ってやってる私をほめてほしい。

 

「現世、さっきからブラッ〇ピットで突っ込んできてしかしないじゃないですか」

『たまに弓撃ってます』

「というかさっきからDに攻撃を全然あてらんない」

『あ、ちょ、待ってください!』

「現世、あと2機ですね」

「D、覚悟!」

「あたりませんよ」

『私復帰です!Dさん覚悟!』

 

 

『負けました』

「まーけーたー」

「私といい勝負ができただけ上出来です」

 

悔しい、てかス〇ブラの一試合を三人で一時間近くって何があったのか自分でもよくわかんないレベルだよぉ。

次は何使おう。

プ〇ン使うか。

 

 

そんなこんなでゲームをしていたら外は暗くなっていた。

負けまくって悔しいけど今日は帰らなきゃ。

 

「じゃ、また来る」

『また来まーす』

「いつでもどうぞ」

 

白さんが私と白さんを転移させて帰る。

あ、お菓子と刀の作り方調べるの忘れてた。

まあいいや、次回で。

 

 

転移で帰ってきた。

白さんに私が居た町の外に送ってってもらう。

そして白さんが転移で街に行く。

 

そして寝る準備をする。

魔術で土を作って豆腐ハウスを作って自分を囲うだけだけど。

 

はー

誰もこれで見てないよね。

 

ああああああああ!

怖かったぁ!!

Dさん怖えええ!

ナニアレ!!

わけわかんないよ!

あんなのそりゃ邪神扱いされるわけだよ!

もうわけわかんねよぉ。

あんなのに逆らったら終わる未来しか見えないって!!

はーこっわ。

 

ちなみに私がDさんと普通に話せる理由はね。

白さんのオリジナルだからなのさぁ!

んまぁ、Dさんが言う通り白さんはDさんの身代わりだったのさ!

気づいてたし、知ってたけど!

んで、家族愛すら湧いてる白さんのオリジナルはどんなお方なのかと思ってみたけどあれ、ナニ?

 

 

だーいぶ経ちまして。

 

「ついにラウンド取ったどー!」

「まさかこの短期間に私に土をつけるとは。やりますね」

 

Dさんと白さんが二人用のゲームをやってるので観戦中だよぉ。

 

「甘い」

 

あ、Dさんが白さんを瞬殺した。

 

「1つ言っておきましょう。次のラウンドで、あなたは私との格の違いを思い知るでしょう」

 

え、ちょ、Dさんが神としての力を使おうとしてるんだけどぉ。

 

「私が本気を出し・・・「出さないでください」」

 

Dさんの声を遮って女の人の声が聞こえたと思ったらテレビの電源が切れてた。

コンセントを見てみれば電源を引っこ抜いた女の人、メイドさんがいた。

というより気づいてはいた。

すっごい気配薄かったから隠蔽に特化した私だからこそ気づけたのかも。

少なくとも白さんは気づけていなかった。

 

「探しましたよ」

 

メイドさんがDさんを見ながらにっこり微笑む。

あ、これ逆らっちゃいけない感じだ。

 

「迂闊でした。せっかく私の居場所を誤魔化すためにいろいろ工作してきたというのに、つい力を解放してしまいました」

「あなたは最上位神としての自覚が足りません。今回の家出はここまでです。さあ、帰りますよ」

 

Dさんって家出してたんだ。

 

「それに、なんですかそれは?」

 

メイドさんが私達のほうを見て言う。

それって。

もうちょっと呼び方あったでしょぉ。

 

「これは私の新しいおもちゃです」

 

おもちゃ呼ばわりかい!

 

「ただの分身体、ではありませんね。なんですか、これ?」

 

メイドさんが白さんを見ながら言う。

 

「あなたの目を誤魔化すために辻褄合わせで生み出したら、予想外に神になった突然変異の蜘蛛です」

「意味がわかりません」

 

え、Dさんの言葉通りなら白さんが生み出された理由ってDさんの家出がバレないように生み出されたのぉ?

 

「とにかく、帰りますよ。仕事が溜まりに溜まっていますから」

「帰りたくないです。仕事したくないです。このまま一生遊んでいたいです」

 

あ、Dさんやっぱり白さんのオリジナルだわー

 

「ワガママ言わないでください。あなたが仕事をしないと誰が代わりに冥界の管理をするんですか?」

「ん」

 

メイドさんをDさんが指差す。

というか冥界とやらが気になるんだけど、今度教えてもらえないかなぁ?

出来ればDさんが。

だってメイドさんと一度も話したことないし、怖いし、話すのが。

 

「私は地獄の管理で忙しいのですが?」

「できないことはないでしょう?」

「できるできないの話ではありません。労働は義務です。さあ、帰りますよ」

 

あーDさんが引きずられていくぅ。

 

「すいませんが、こういうことですのでしばらくこっちに戻って来れそうにありません。前にも話しましたがあなたの好きなようにして構いませんので。では、また」

 

Dさんが別れの言葉を投げかけてくる。

そして部屋から白さんと私だけが取り残された。

 

うん。

ご愁傷様。

 

ではでは。

 

『「物色物色」』

 

で、色々探したら、呪われたトランプとかいろいろ発見した。

ありがたく使わさせてもらおう。



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よまわりさん、トランプで負ける

「第一回トランプ大会!」

『なんでこの世界にトランプがあるんですか』

『ふへー、Dさんのとこからぁ』

「もってきた」

 

私達がDさんの所で見つけてきた「呪いのトランプ」でトランプをすることになったよぉ!

参加者はなんとぉ!

魔王さん!

白さん!

吸血っ子!

メラさん!

私!

だよ!

え、なんで私が居るかって?

宿に白さんが転移させてくれたからだよ!

せまいけどね!

え、コミュ障が話せんのかって?

ふふん、お酒を飲んでいるから大丈夫だぁ!

 

「トランプとは何ですか?」

 

あ、メラさん知らないのかー!

 

「んーとねー」

 

お、魔王さんが説明するみたいー

まってよー!

 

~よまわりさん、待機中~

 

ではでは、スタート!

 

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

 

 

1回戦。

1位は魔王さん。

ビリはメラさん。

 

なんと!

この大会!

1位抜けした人がビリに命令できるのです!

魔王さんの命令はああ!!

 

「次の1戦、空気椅子で頑張れえ!」

 

その言葉が終わった直後、トランプから禍々しい波動が飛び出て、メラさんに命中した。

そしてメラさんは強制的に空気椅子状態になったのだぁ!

 

「白ちゃん達、これなに?」

『「呪いのトランプ」』

「どうしてそんな呪いがあるのかな?」

「さあ?」

「え、これどうやって呪い解くの?」

「解けない」

「うん?」

『ふへー、とけませんよー』

「ううん?」

「解けない」

「オイィィィィ!? どうすんのこれ!?メラゾフィスずっとこのまま!?」

「次の1戦が終われば元に戻る」

「ハッ!?そうか!」

 

というわけで二回戦!!

1位は白さん!!

ビリはメラさん!

 

さーさー白さんの命令は何だろなぁ!

 

「メラ、次の1戦が終わるまで脱げ」

 

再びトランプから禍々しい波動が飛びだし、メラさんの服が脱げる。

 

「おおお!」

「キャアア!」

 

放心状態で口をパクパクさせるメラさんと嬉しそうな声を出す魔王さんと普通に悲鳴を上げる吸血っ子とどや顔の白さん。

私?

私は別に趣味でも何でもないからね。

どうでもいーのだよ!

 

次に三回戦!

一位白さん!

びりは吸血っ子!

 

「今後私のことはご主人様と呼ぶように」

 

うん!

頑張れ吸血っ子!

 

最後に四回戦!

一位白さん!

びり!

私。

え?

私?

 

「今後私のことは白ねぇさんと呼ぶように」

 

ん!?

ちょっと待って?

この呪いのトランプって私達でも解く方法がわからなかったほどの呪いがかかってるんじゃなかったっけ?

んで私は白ねぇさんに今後白ねぇさんと呼べと言われた。

吸血っ子と同じ「今後」だからDさんに頼む以外解けることはないと。

マジすか。

まぁ、いいか。

うん、今後白ねぇさんのことは白ねぇさんって呼ぼう。



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よまわりさん、人型になる

本日二話目。
自分の描写能力やら説明力やらが酷いことを再度実感させられました。


あれから二年がたったよぉ。

跳びすぎじゃないかって?

だって順調すぎて特に何もなかったんだもん。

まぁ、なんで今ここでこう考えているかというとですんね!

なんと!

なんとなんと!

人型に成る目途が立ったのです!

うん、あの手この手いままで探し続けてたんだけどねぇ!

気づいちゃったのさ!

あれ、私の魂って元、人じゃんって!

うん、人に成る要素でさえ全くないと思ってたらあったんだよねぇ。

何で気づかなかったかは謎だけど。

と、いうわけで人に成る術!

作ります!

 

 

作りました!

数分でできました!

というわけで白ねぇさんの前で披露します!

 

転移で白ねぇさん呼びに行ってぇ!

なぜか魔王さんも見たいとのことなので私が待ってる街の外のところへ私合わせて三人で行って!

 

『じゃぁ、人型をお披露目します!どんな姿になるかは正直わかりません!よまわりさんが混ざってますからね!』

「どうなるのかなー」

「楽しみ」

『白ねぇさんが楽しみにしてくれてるので頑張ってやります!』

「・・・私は?」

 

魔王さんの声が聞こえた気がするけど気のせい気のせい!

人型に成る魔術(仮)発動!

魔術によって体の構造が変わっていく。

というより私の「人」という部分が濃くなっていく。

 

人型化が終った。

体を見てみる。

色白で明らかに幼い。

ロリだね。

裸だね。

髪の毛は夜のような黒。

地まで伸びる長髪。

うん。

寒い。

服を作ろう。

魔術で闇を細く操って糸のように縫っていく。

とりあえず膝に届くくらい大きめのパーカーを作って着る。

うん、裸の上にパーカーを着るというとんでもないロリの完成。

犯罪臭がするね。

一応あれだからパンツ作ってと。

これでいいかな?

 

よし、これで文字通り闇を具現化して細くして編んだパーカーを着たロリの完成。

ま、これでいいや。

つーかこれパーカーというかフードがなかったら黒いわんぴーすだなぁ。

まあいいや。

 

「あーあー」

 

うん。

声出る。

 

「白ねぇさん、魔王さん!どうですか!」

「うんいいと思うよー」

「いいと思う」

「これで宿屋で寝れますね!」

「よかったねぇ」

「はい!」

 

 

一年経った。

何がこの一年の間にあったかというとねぇ。

なんと!

前に保留にした鋏の残骸を使った打ち刀が完成したのです!

見た目としてはね!

一個一個まとめるとね!

打ち刀。

薄い紅で淡く染まった刀身。

刃文の形は湾れ。

柄と鞘は木でできていて塗装は無し。

鍔は無い。

って感じだよぉ!

私の描写能力が無いのがすっごいわかるね!

どすって考えた方がわかりやすいかな?

 

あとね!

寝巻どうするか迷ってたから白さんに相談したら真っ白い薄い着物とさらしを渡されたよ。

いや・・・うん、胸的にさらしいらなくない?なんて思ったりするけどまあいいや。

 

それくらいだね!

 

 

人族領から魔族領に行くためには山越えがいるそうで。

越える山は雪山だそうで。

というか山脈だそうで。

雪、極寒、山脈・・・狂気山脈。

うん。

さすがに自分でもこのイメージはおかしいと思う。

と、いうわけで出発。

 

寒い。

マジ寒い。

今更ながら自分の服ってあれやん。

超薄着やん。

闇でスカートぐらい作っとこ。

てか今まで例のパーカーとパンツとさらしのみで暮らしてきた自分にビックリ。

 

出来た。

履いた。

でも寒い。

よし、空気調節の魔術作る。

 

 

次の日。

途中にあった廃村で泊まることになってそこで寝ずに空気調節作ってたら出来た。

意外と簡単だった。

とりあえずマジであったかい。

私はこの集団の中で一番凍えてない人となった。

 

 

空から龍が降りてきた。

ショゴスではなかった。

残念。

ぱっと感じられる限りの魂のエネルギー量からだいぶ強そう。

 

[タラテクトの始祖、何用か?]

[特に用はないよ。ただ通るだけ。ギュリエから何も聞いてない?]

[ふむ。聞いておらぬな]

[あ、そ。別に何もしないから穏便に通して欲しいんだけど]

[何もせぬのならばこちらとしても願ったりだ。タラテクトの始祖と事を構える気はない]

 

あっさり通れた。

 

 

猿がいた。

逃げた。

だってめんどいもん。

魔王さんも同じことを言ってた。

 

結局ショゴスは出てこなかった。

残念・・・。

 

 

魔族領に到着。

魔族の見た目は人族と変わりはないからそこまで旅の風景も変わらない。

 

 

そんなこんなで魔王城がある城下町に到着!

これでしばらくゆっくりできると思うから魔術の開発とかできる。

やったぜ。




溢れ出るダイジェスト感。


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よまわりさん、いろいろ考える

ひゃっはー!
眠いぜええええ!!
毎度毎度自分の文章力の低さに驚くぜえええ!!
もっと上手くなりたいぜえええ!!
神物書き様の腕を食べたら上手くなるとかなんとか……(ジュルリ)


魔王城まで来たはいいけど魔王さんらしく。

 

「私が魔王だっていうのを知ってるのはごく一部だからねー。このまま城に行っても門前払いされちゃう」

 

だそうで魔王さんのことを知ってる人の屋敷にきましたです。

それでいいのか魔王さん?

屋敷に通された私達はそれぞれ客室が宛がわれた。

今は屋敷の主人を魔王城に呼びに行ってるそうです。

 

とりあえず待ってる間暇なので魔王さんと白ねぇさんと話し合った。

吸血っ子は魔族の学園に通わせることになった。

メラさんを軍に入れることになった。

魔王さんはこれから本格的に魔王としての活動を開始するとのこと。

んで白ねぇさんと私は世界を壊す下準備を色々することになったよ。

唐突なるぶっ飛び発想・・・じゃないのが怖い。

世界壊すっていつか理由説明すると思うけど前からやってたことと変わりないんだよなぁ。

 

 

 

屋敷の主が帰ってきたよ!

正直もう眠い!

 

「お久しぶりです。魔王様」

「ご苦労さま。仕事忙しかったんじゃないの?」

「はい。ですが、魔王様が帰還なされたのならば、それを優先すべきと馳せ参じました」

「じゃあ、知らない子達もいるから自己紹介してくれる?」

「お初にお目にかかります。私はこの魔族領首都の管理を任されております、バルト・フィサロと申します。以後、お見知りおきを」

「バルトは実質魔族のまとめ役をしてる大公爵だから、何かあったらこいつに頼るといいよー」

 

うん、バルトさんか。

おぼえておこう。

 

そんで私達からも自己紹介をする。

私も白ねぇさんも名前だけ伝えた。

あとはバルトさんが白ねぇさんを鑑定することがないように。

 

「見てるから、見ないでね?」

 

って脅してた。

通じたみたい、すごいね脅しは何にも通用する!

とりあえず屋敷の主帰ってきたし寝ようかな・・・。

そのあとは私に宛がわれた部屋で寝た。

 

 

うーん。

現在白ねぇさんの部屋にて魔術について考え中。

エネルギー変換の魔術の効率を上げたいなぁ。

なんて悩み中の現世です。

何に役立つかわからないしとてつもない魔術を使う時に役立つかもしれないしねぇ。

うーん。

自分の魔力に合わせたものに変換するんじゃなくて自分の魔力から反発とか不適合とかそんな概念を取り消せないかなぁ。

出来れば永久的に。

あーどうしよう。

 

あ!

そうだ!

隠すか、隠蔽するか!

概念を世界から隠蔽するか!

そうだよ!

世界そのものから隠蔽すれば無かったことになるじゃん!

それを永久付与すればいいんだよ!

そうと決まれば作成せねば。

の、前に並列思考代わりの物作るかなぁ。

これは魂が自動再生してくれる範囲で魂をちょびっと切り取って人形にでも入れればいいかなぁ。

やるか。

作るからには人形は凝って作らないと。

神力使うか。

使おう。

というわけで神力を具現化、ナニコレムズイ。

丸い弾幕のための玉なら作れるけどナニコレムズイ。

仕方ないから白ねぇさんに糸を貰って作るか。

などと正座して考え中の私の耳にバンッという扉を乱暴に開ける音が入ってきた。

扉を見てみるとバルトさんに似てる男の人がいた。

兄弟かな?

 

「こいつらか?タダ飯くらいの女っていうのは?」



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よまわりさん、とりあえず攫う

作者「誰か文章力を分けてください」
現世「自力でがんばってください」



チンピラが現れました。

白ねぇさんが転移して逃げました。

おいて行かれました。

私は強力な隠蔽を自分に施しました。

 

「なっ!? 消えた!? 空間魔法か!?」

 

チンピラさんが軽く物色し始めました。

私はチンピラさんに見つからないようにそっと避けていきます。

チンピラさんはベッドの下覗きこんだり、クローゼットの中開けたりしてます。

あ、チンピラさんが白ねぇさんの下着入れを開けました。

顔を真っ赤にして即閉じました。

そして出ていきました。

戻ってくるのが怖いのでしばらく隠蔽はそのままです。

 

あ、白ねぇさん行っちゃったから人形どうしよう。

先に地球への転移できるように魔術開発するか。

実際いままで地球に行けてたのって白ねぇさんの転移のおかげだからね。

よーし頑張って白ねぇさんが帰ってくるまでに作ろーっと。

 

 

夕飯の時間です。

白ねぇさんの食事が制限されたので分体が維持できなくなっちゃうそうです。

んで白ねぇさんは分体に探らせていた魔族領の情報をどかっとチンピラさんに渡して制限を消してもらったようです。

私はそんなに食べてたわけじゃないしどちらかというと小食だから制限も何もなかった。

あと白ねぇさんに地球への転移の魔術を教えて貰った。

考えたらこれが一番早かった。

あと白ねぇさんに頼んで糸でよまわりさん人形を三個作ってもらって分体作ったよ。

あとは人形にほんの少し切り分けた魂を入れたよ。

生活に必要なエネルギーは人からの認識。

だから食事の量が増えるわけじゃないから安心だね。

三体は私の周りを浮かしといてるよ。

命令としては例の世界からの概念隠蔽の魔術の開発をしといてって感じ。

白ねぇさんに頼りすぎてる感じがあるからできるだけ自分でできるように頑張らねば。

 

 

日本に一人で来ております。

日本は現在夜です。

目的地はDさん宅、ではなく夜廻のあの町です。

あるのかって?

あるよ?

この体がなんとなく廃工場はこっちだって言ってるもん。

 

というわけでやってきました廃工場。

これから!

何気に初のよまわりさんとしての活動をしていきたいと思います!

まずはよまわりさん型に戻ってぇ!

ひゃっはー攫うぜー攫っちゃうぜー!

 

ででんと町に移動!

夜遊びする子を探さなきゃねぇ!

 

あー電灯の光の下に黒い影がー。

あ、逃げた。

やっぱよまわりさんから距離を取るのかー。

 

お、夜遊びしてる子供がいた。

うん?

なんか独り言言ってる。

 

「最近よまわりさん見ないなー」

 

あ、あの子夜廻の少女(こともちゃん)ですね、わかります。

せっかくなんで攫っちゃいます。

ササッと攫います!

気取られず攫います!

攫いました!

 

コンテナまで行こうとおもったけどこの子に関してはこの子の家でいいや。

 

やってきましたこともちゃん家まず扉をこんこん。

 

しばらく待ってたら扉ががらがらーっと開きまして、出てきたのはこともちゃんの姉。

この人は小説版でさえ名前出てなかったなーなんて思ってたら向こうが固まってる。

 

「よまわり、さん?」

 

とりあえず頷いとく

そしてささーっと家に上がり込む。

 

「あ、ちょっと!」

 

無視してこともちゃんの部屋までやってきてこともちゃんをベットに寝かせる。

すやすや寝てる。

荷物はわきに置いておこう。

 

「コンテナにつれてかないの?」

 

こともちゃんの姉が質問をする。

んー返事しなくていいよね?

そっちの方がよまわりさんっぽいし。

こっち側に関わらせちゃうし。

そういうわけで無視して家を出る。

定期的に攫いに来ないと人攫いのナニカじゃなくなっちゃうからね。

よく夜遊びしてることもちゃんを攫わせてもらおうかな?

 

ででんとやってきましたのはムカデの神様の神社跡地。

いるかなー。

気配は感じるんだよねぇ。

うーん、できればムカデの神様、めんどくさいから百足様が完全に消える前にどっかに移したいんだけど私は宮大工じゃないしなぁ。

取り合えずお参り代わりに人型に成ってお金投げて二礼二拍手

んでもって色々感謝の言葉を言って

一礼。

次は山の神様のとこだね。

ササッと移動。

先ほどと同じ感じで感謝の言葉を言って。

一礼。

ではでは次はコトワリ様だね。

またまたササッと移動。

一応人形(木製)をもっていって。

鈴を鳴らして。

お金をちゃりん。

二礼二拍手。

きちんと鋏とかの感謝をして。

一礼。

よし、おっけーかなぁ。

 

少し、後ろから音がした。

私は振り返ってみると真後ろにコトワリ様が・・・いやうんまあ気づいておりましたけれども。

うん、とりあえずお礼を本人にも言っておこう。

 

「見守ってくれてありがとうございました、鋏を壊してしまいすいません。コトワリ様がくれた少し小さい大きさの壊れてしまった鋏は今このようになっています」

 

私は鞘に納めた刀を見せながら言う。

自然とすらすら声が出た。

その言葉に答えてかコトワリ様はふわっと消えた・・・ちゃきんっという鋏の音を残して。

・・・帰ろうかな。

そう思った私が神社から出るために鳥居をくぐろうと鳥居に向けて進むと右手に違和感を覚えた。

見ると私の右手の小指にナニカ不吉なものを思わせる黒い糸が結び付けられていたのだ。

その糸は長く小指から垂れ下がっていたが途中でナニカに切られた様に途絶えていた。

私がそれを認識した瞬間、糸の先からパラパラと糸が崩れ始めて終いには小指にある糸の結び目まで崩れ落ちて風に流され消えていった。

コトワリ様が何か悪いものを切ってくれたのかな?

さて、()()()のもとに帰ろう・・・え?

私今白ねぇさんのことを白さんっていった?

マジで?

コトワリ様すげえ、Dさんの呪のトランプの呪いも断てちゃうんだ。

あってもなくても別にどっちでもよかった呪いだけど素直に感動する。

流石だわー。

Dさんの呪いが縛りついてるとかいう状態に私も少しは精神的にあれだったのかな?

だからコトワリ様が呪いを断ってくれたのかも。

これはお礼しとかなきゃ。

 

「ありがとうございますコトワリ様、今度白ねぇさんと一緒に大福持ってきますね」

 

私は境内に向かって礼を言った。

そして鳥居をくぐりもう一度礼をしてから虚空に消えた。




現世を夜廻の街に連れてった理由?
よまわりさんなのに夜廻の世界で人攫いをしないとかそれもうよまわりさんじゃない気がするからだよ。
蜘蛛ですがの方で攫わせればいいって?
気分です、すんません。

コトワリ様に会わせた理由?
いや、現世なら感謝の言葉を言いに行きそうだなと。


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よまわりさん、鬼さんと会話する

一年以上過ぎた。

私の概念の世界からの隠蔽とか言う頭のおかしい魔術はまだできてない。

作り始めてから気づいた。

これめちゃんこムズイ。

それでも少しは形になってきた私を褒めてほしい。

・・・こんど白ねぇさんに褒めてもらおう。

 

それはさておき。

転生者に笹島さんという人がいるそうな。

ゴブリンに転生したみたい。

色々あって憤怒にまみれて絶賛種族が鬼人らしい。

んでもって現在その笹島さんこと鬼さんと吸血っ子が戦っているのであります。

それを私と白ねぇさんはお菓子を食べながらこっそり観察してます。

 

んで黒さんをめちゃめちゃ時間の流れを遅くした亜空間に白ねえさんがぶち込んだらしいんだけどタイミングよく出てきちゃった。

そして黒さんがとった行動は吸血っこと鬼さんの所に移動。

そしてなんかよくわからないけど鬼さんをぼこぼこにして白ねえさんの分体に

 

 

「これで満足か?わかっている。この鬼を殺せば、私は貴様とDを敵に回すことになるのだろう?」

 

とかなんとか話した。

白ねえさんはうまい具合に勘違いしてくれたとばかりに喜んでた。

そんで白ねぇさんは吸血っ子と鬼さんを亜空間に回収した。

ついでとばかりに白ねぇさんは私を肩車みたいに肩にのっけて魔王さんの所に転移。

私はめんどくさそうなんで白ねぇさんに肩車されながら寝た。

 

 

おはようございます。

白ねぇさんに起こされました。

白ねぇさんに肩車されている状態で前を見るとまだ目を覚ましていない鬼さんがいる。

白ねぇさんが鬼さんに回復を施しだした。

いまいち状況よくわからんけど鬼さんと会話する流れなのかな?

がんばれー白ねぇさんー!

私?

いや、神化してから全然治癒系ができなくなっちゃってさ。

それはもう三センチぐらいの切り傷を治すのに一分ちょっとかかるレベルだよ。

知った時びっくりしたよ。

自己再生能力のほうが高いんだもん。

 

白ねぇさんが治療をしてからしばらく様子を見ていると鬼さんがうめきながら目を覚ました。

 

「う、若葉さん?」

「こっちでは白と呼ばれている」

「そう。僕はラース。呼ぶのならそうしてくれないかな?」

 

勝手に話が進んでいく、やっぱこれ私が起こされた意味・・・。

というか鬼さんの名前はラースなのかー。

憤怒だっけ?

 

「それで、白さん。ここはどこ?」

「私が作った異空間」

「異空間。やっぱりか」

 

うん、そういえばここ白ねぇさんが作った異空間なんだよねぇ。

どちらかというと神の中じゃ空間系魔術が苦手な部類に入ると思う私にはまねできないわー。

 

「僕も空間魔法を持ってるから。ここが普通の空間じゃないってことはわかったよ」

 

いやまあ、神であっても神になったばかりでこの異空間の精度はおかしいと思うけどね。

白ねぇさんはDの魂が少し付着してることを除いても天才って呼べる部類だからなぁ。

私なんてよまわりさんのおかげで闇と魂とかが少し得意なのと隠蔽くらいだよ?

白ねぇさん(天才)に果たして努力で追いつけるのか・・・。

頑張らなきゃなぁ。

 

「いろいろ聞きたいんだけど、もしかして、この世界には僕ら以外にもクラスのみんなが生まれ変わってたりする?」

「全員いる」

「全員。それは流石に予想してなかったなー」

 

と言いながらあまり驚いていない様子の鬼さん。

 

「それじゃあ、山田俊輔と大島叶多の二人は、元気にしてるか知ってる?」

 

・・・あ。

たしかその大島叶多って唯一TS転生した人じゃなかったっけ・・・。

朧気だけど白ねぇさんが言ってたような・・・。

 

「両方元気」

 

あっ白ねぇさんごまかした。

 

「そっか。それは良かった」

 

ん、鬼さん喜んでる。

唐突だけど。

多分ね、白ねぇさんと思考がかぶってると思うんだけど鬼さんめっさ私達を警戒してる。

うーん。

これ絶対説明長くなるよねぇ。

寝よう。

幸い今私は白ねぇさんに肩車されてるから白ねぇさんにおいてかれることはない。

お休み・・・。

 

 

声が、聞こえる。

わりとどうでもいい会話っぽいけど。

 

 ・・・――――がないのなら、しばらくうちにいる?」

「そう、だね。正直、これからどうすべきなのか、僕自身もわからないんだ。」

 

どうやら、鬼さんはこっちにとどまることになるっぽい。

 

「そいえばその白さんに肩車されてる子はどうしたの?」

「・・・現世、起きて」

 

気配的に鬼さんが私を指差しながら言っているようだ。

そして白ねぇさんが起こしてきた。

前言撤回、この会話は私の生死をかける会話だ!

これ喋れってか。

白ねぇさん以上にコミュ障かもしれない私に!

・・・秘儀「狸寝入り」!

てなわけで狸寝入りを決め込もう。

 

ゆさゆさ。

「起きて」

ゆさゆさ。

「起きて」

ガンっ!

「起きて」

 

痛ったー!

 

「わざわざ殴らないでくださいよ!白ねぇさ・・・あ、人、怖い」

 

ああああああ!

もういい、お酒飲む!

そう思いながら私は服に隠してある日本酒の瓶をそのまま飲む。

鬼さんが「どっからその瓶でてきたの!?」みたいな表情をしているけど無視!

酔いが回りやすくなる魔術を私にかけて・・・。

ごくごく。

 

「ぷはー!!それで、どうしたんですかー」

「自己紹介して」

「あっはい、ですよね!この展開は!初めまして鬼さん!私の名前は現世です。名前を付けたのは白ねぇさんだからけっしてこのネーミングセンスは私のじゃないですよ!ぐへっ!なんで殴るんですか、白ねぇさん!」

「う、うん。ちなみに白さんを白ねぇさんって呼んでるってことは白さんの妹ってことでいいのかな?」

 

鬼さんが若干引き気味に質問をしてくる。

 

「違いますよー。最凶最悪の邪神が作った呪いのトランプで白ねぇさんを白ねぇさんとしか呼べない呪いにかかっちゃったんですよー」

 

まあ、その呪いは解けたんだけどね。

私としては白ねぇさん呼びが気に入ってるからそう呼んでいる。

 

「そ、そうなんだ・・・」

「そうなのだーです!」

 

さてさて、酔いが回りやすくなる魔術を使いながらおさけを一気にのんだからか眠、くなって・・・きた、zzzzzzz




前回白ねぇさん呼びの強制を解除した意味は特になく、呪いに対するストレスをコトワリ様が原因から絶ってくれたっというだけなので白ねぇさん呼び続行です。


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よまわりさん、意識が飛ぶ

文章力を銀ちゃんに。
コミュニケーション能力を現世に分けてください。


なんかよくわからないけど白ねぇさんに吸血っ子と鬼さんがいる部屋に放り込まれました。

ついでにお酒を没収されました。

しかもなんかきまずい雰囲気の部屋に。

 

「現世、なんであんたまでこの部屋にいるのよ」

「しりません」

「なんでいつもより口数が少ないの、・・・ってあんたコミュ障だったわね」

 

頷く。

 

「それで、白さんはなんで僕らを引き合わせたの?」

 

鬼さんが聞いてくる。

 

「しりません」

「知らないわ」

「え?」

「知らないわ。何も言われてなかったもの」

「えーと」

 

あれーやっぱり思うけど私いらないんじゃないって場面最近多いような気がするんだよなぁ。

んなことよりどうしよう。

マジどうしよう。

今、全身全霊で演算処理魔術を行使してるから冷静を保ってるけど。

どうしよう。

 

「じゃあ、本当にただ会わせるだけ?」

「ではないと思うわよ。この本に多分何か書いてあるんじゃない?」

 

私抜きで会話が進んでいく。

やったぜ。

部屋で影になってよう。

 

「あ、そういえばこの本三冊あったわね。現世、あんたも読みなさい」

 

そういって吸血っ子は本を渡してくる。

無言で受け取って表紙を見る。

 

『白ちゃんの簡単スキル講座』

 

・・・。

これ、私に渡す必要あった?

一応私も神だからそれくらい把握してる。

復習しろってことかね。

 

『スキルとは、生物が持つ魂の力を簡単に引き出すために、魂の一部を改変したもの。それゆえ、スキルイコールで魂の一部となり、スキルが多ければ多いほど魂の容積を使用していることになる。本来魂には許容限界があり、保持できるスキルの数にも限度があるが、その限界を超えて無理矢理魂を成長させ、スキルを増やしていくのがこの世界のシステムである』

 

んでもって死んだ魂に付着したやつを取って星のエネルギーにするんだっけ?

そんなんだったよね。

 

『ただ、これら通常のスキルは魂の表層領域の改変に留めるのに対し、魂の深層領域を改変する特殊なスキルが存在する。それが七大罪系スキルと七美徳スキル。俗に支配者スキルと呼ばれるもの。支配者スキルは魂の深層領域を改変するため、所有者に与える影響が他のスキルとは一線を画する。第一にスキルの効果自体が強力であること。第二にそのスキルごとに人格にも影響を与えてくること。第三に、使用すればするほど魂を侵食していくこと。それゆえ、支配者スキルの使用は控えないと、じきにスキルに人格を乗っ取られてしまう。対策は四つ。

一つ、そもそも支配者スキルを取得しない。一つ、スキルの使用を控える。一つ、根性で耐える。一つ、スキルの外道耐性を伸ばしていき、外道無効を取得する』

 

よく考えたら私吸血っ子と同じ支配者スキル持ってたんだっけな。

まともに使ったのって火竜の火炎無効を無効化した時だけだけど。

 

『外道耐性は魂に直接干渉する不利な効果を打ち消す。外道無効であれば、システム内の威力の攻撃であればほぼ無効化できる。それ・・・』

 

「いいかしら?」

「何?」

 

そこまで読んだところで吸血っ子が唐突に話し始めた。

 

 

「あなた、外道魔法持ってる?」

「持ってる」

「そう。なら、一番弱い魔法を私にかけなさい」

「はあ?」

「あら? この本を読んでも理解できないかしら?」

 

わお、吸血っ子見事などや顔。

 

「つまり、支配者スキルの影響を抑えるには外道無効を取得しなければならないの。それを取得するために私に外道魔法をぶつけなさいって言ってるのよ」

「本、最後まで読んだ?」

「え?」

「ここ。ほら」

 

『外道無効を取得するのに最も手っ取り早い方法は、忍耐のスキルを獲得すること。忍耐も七美徳系スキルであるものの、例外的に魂への悪影響はない。どころか、ある程度の耐性を得られる上、称号により外道無効を取得することができる』

 

「ね?」

 

あ、この展開完全に途中までしか読まずにやっちゃったやつだ。

吸血っ子、おつかれ!

 

吸血っ子がどや顔のまま固まる。

そして顔を赤く染めていく。

 

「もちろん読んだわよ! けど、忍耐のスキルって支配者スキルなんでしょ? 支配者スキルは世界で一人だけしか取得できないんだから、あなたに譲ってやろうって私の優しさに気づかないのかしら? 忍耐は譲ってあげるから私の耐性上げに協力しなさいって、そう言ってるのよ!」

「そうか。ごめん、気が利かなくて。それならソフィアさんの厚意に甘えさせてもらうよ」

 

鬼さんは完全に吸血っ子のごまかしに気づいたうえで乗ってる。

ちょっとかわいそうな人を見る目で吸血っ子を見てるもん。

 

「ええ。私の海よりも深い優しさに感謝しながら忍耐を取得なさい」

 

わー絶対ごまかせてないことに気づいてないよ吸血っ子ぉ

 

「なにか失礼なこと考えてない?」

「まさか。長年苦しまされてきた憤怒から解放されるのかと思うと、ちょっと感慨深くてね」

 

少し鬼さんは考えた後に言う。

 

「譲ってくれるのは嬉しいんだけど、僕、スキルポイント0なんだ」

「あ」

「ぷふっ」

 

おもわず笑っちゃった。

 

「現世、あんた何笑ってるのよ!」

「なんでもないですよ」

「まぁまぁ、そんなことより。一応、忍耐を取る以外にも方法は書かれているけど、おすすめはしないらしいね」

 

鬼さんが私を助けてくれる。

鬼さん、あざっす。

 

と、そこで吸血っ子が本を開いて読み始めた。

そして見せてくる。

 

『探知というスキルを取得し、これを発動させることでも外道耐性の熟練度を大きく稼ぐことが出来る。ただし、その場合、外道無効まで外道耐性を上げなければ魔法が使えなくなるので注意。最悪死ぬかもしれないので正直おすすめしない』

 

「これはダメ、よね現世?あんた笑ったんだから少しは協力しなさい!」

 

しばらくの沈黙。

その間に私は答える言葉を考えまくる。

すーっと息を吸って、はーっといきをはく。

 

「私はそれで外道耐性をあげましゅた」

 

・・・噛んだ。

うにゃああああああ!

かんだあああああ!

 

「は?うそでしょ!?」

 

吸血っ子が何かを聞いてくるけど私は噛んだ恥により何も聞こえない。

ただただ顔を湯気が出るほど真っ赤にしながら固まる。

 

「・・・今自爆したとんでもない発言をした現世はおいておい――――。

―――――――――。

――――――。

―――。

 

はっ。

気づいた時には鬼さんが真っ青な顔で気絶して吸血っ子はどうするか戸惑っているという不思議な雰囲気になった部屋だった。

白ねぇさん、助けて。

 




正直今回の話が物語の進行に必要か否かと言われたら否と答えます。
あと、最近文章力落ちてきている気がするのは気のせいだと思いたい。


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よまわりさん、瓢箪げっちゅ

語彙力、文章力。
ほちい。


突然だけど、私はお酒を空間収納に入れている。

白ねぇさんに買ってもらった日本酒だ。

だが、私の空間系魔術の腕は恐らく昔白ねぇさんに弟子入りを志願したあの魔法使いのおっさん略してまっさんに阻害されただけで使えなくなるくらい私は神として空間系が苦手なのだ。

つまり大事なものを空間収納に入れておけない。

いざって時に阻害されたら開けなくなる。

隠したい大事なものを空間収納に入れたりするはずなのに大事なものを入れられない、大問題だ。

だからと言って空間系魔術を伸ばすつもりはないけど。

というかなんで私は身体の時間加速魔術を普通に作れたのに空間系魔術が苦手なんだろ?

なんでだろ?

時間と空間は密接に関わりあってるとか言うのに・・・。

一応言うと日本への転移は白ねぇさんに私でも使えるようにと簡略化した式を習ってまねしただけで理解した訳ではないからね!

 

閑話休題(それはさておき)

 

言いたいことはお酒をどう持ち歩こうということなのだ。

瓶のままもあれだし、どうするか・・・。

 

あっ!

瓢箪に入れればいいんじゃない!?

とりあえずDさん家に行こう。

 

 

着きました。

Dさんが居ました。

前、メイドさんに連れ去られたんじゃなかったっけ?

 

「どうしたのですか?」

 

驚くことに目の前には無表情で何をしたいのか聞いてくるDさんがいらっしゃいます。

 

「瓢箪ください・・・ふつうの」

 

普通のって言っとかないとどうなるかわからんからね。

 

「条件があります」

「デスヨネー」

 

いや、Dさんなら面白がってなんか条件叩きつけてくると思ったよ。

 

「カップラーメンが切れそうなので数個買ってきてください、おつりは上げます」

 

と、言いながらDさんは五千円を渡してくる。

え?

簡単な条件じゃないかって?

何を言っているんだい、読者諸君は最初の神様に対する私のおびえっぷりを忘れたわけではないだろうね。

やはりDさんは鬼だった。

 

私は涙目になりながらコンビニに向かって走り始めた。

 

 

 

ついた。

私は今スキルとしての高速演算の倍の出力の演算加速魔術を起動している。

いや、訂正しよう。

高速演算の倍の出力の演算加速魔術を七重起動している。

この演算能力でやっと冷静は保ててる。

我ながら終わってるね、対人スキル。

 

ささっとカップラーメンを籠に数個もってレジへGO

 

「――――円になります」

 

私は無言で五千円を出す。

おつりを渡される。

レジ袋に入れられたカップラーメンを店員さんが渡してくる。

 

「ありがとうございましたー」

 

そういわれながらも私は無言でコンビニから出ていく。

コンビニから少し歩いたところで全力の隠蔽を私に施してDさん家まで走って帰る。

 

「買ってきました」

「おかえりなさい」

「ただいまです」

「はい、あとはお酒を入れるだけの状態の瓢箪です、めんどくさいことはやっておきました」

「妙な機能、ついてないですよね?」

「妙な機能はついてないです」

()を強調して言わないでください、怖いですから。あと、ありがとうございます。また来ます」

「いつでもどうぞ」

「お邪魔しました・・・あっ」

 

Dさんの後ろにはメイドさんが立っていた。

 

「もう見つかってしまいましたか」

「ほら、とっとと帰りますよ」

「今やってるこのゲームが終わったら・・・」

 

こっそりと私はDさん家を後にした。

 

 

 

ただいま、私の部屋に帰ってきた。

そしてお酒を入れてたらすごいこれ、空間が歪んでるのか明らかに瓢箪の容量を超えて入る。

私はお酒を入れながら考える問題はこの機能だけなのかということを。

とりあえず持っていたお酒を全部入れ終わった。

今更ながら日本酒って混ぜていいんだっけ?

一応全部同じ種類だけど・・・。

まあいいや、飲んでみよう。

 

「ごくごく・・・」

 

なにこれおさけの度数がめっちゃあがってるよ。

うっそだろぉ。

鬼殺しとか命名した方がいいんじゃないのこれぇ、ってレベルぅ。

・・・これは度数があがっただけなのかなぁ・・・たかいわりにはけっこう甘い・・・。

お酒にくわしくないからよくわかんないやぁ。

いや、会話するときにしょうりょうでよくなったってかんがえるといいんだけどさぁ。

へたに飲みすぎるとなにかやらかしかねないぃ。

きをつけねばぁ。

とりあえず眠いから寝るぅ。

 

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

・・・。



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よまわりさん、重い話を聞く

文章力、語彙力、カリスマを誰かこの哀れな作者めに恵んでください・・・。


そうだ、コトワリ様のところに百足様(ムカデの神様)の分社置かしてもらおう!

コトワリ様に許可貰いに行かねば!

 

最近日本に来ることが多いなと思いながらコトワリ様の神社にどーん。

現在もちろん夜でございます。

鈴を鳴らして呼んで、お賽銭入れて百足様についての旨をお伝えする。

そしたら後ろにナニカがふわっと現れた気配がした。

後ろを振り向いたらコトワリ様がいた。

 

コトワリ様の隣を見ると恐らく分社建築用と思われる木材がごとごとと置かれてそれに私が気づいたのを確認するとふわっとコトワリ様は姿を消した。

・・・。

コトワリ様にお礼を言いった後鳥居をきちんとくぐって外に出る。

鳥居に一礼を忘れない。

 

百足様の神社跡地に飛んで、気配は消えてないからまだ残ってるみたい。

分社の創り方なんて知らないから百足様の気配そのものにお願いをしてついてきてもらう。

 

再びやってきました、コトワリ様の神社。

そしたら『ここに立てるといいよー』とばかりにナニカが強い?場所があるからソコまで行ってもらってもらった木材で分社をとんてんかんとそれっぽく立てていく。

正直宮大工でも何でもないからわかりゃせん!

わたしゃ神道どころか宗教そのものに詳しくないの!

許してね?

 

よし、とりあえずこれでおっけーかな?

あとはコトワリ様にお礼を言って、商店街跡地に飛んで盛ってある塩を一個一個崩れてないか確認して・・・あとは・・・おっけーかなー?

とりあえず思いつかないからオッケーってことで。

次はこともちゃん攫いに行こうか。

予想通り夜遊びしてらっしゃるのでササッと攫います。

 

「げっよまわりさん」

 

そうですよーよまわりさんですよーうへへー。

すっ、と音もなく攫って前回同様こともちゃん家の扉こんこん。

がらがらーと開いた扉の向こうにこともちゃんの姉が居まして。

 

「えっと、また?」

 

頷いて家にお邪魔してこともちゃんをベットに寝かせてふわっと消える。

なんか話しかけられた気がするけど無視で。

 

 

部屋に戻ってきて、寝巻に着替えて。

例のお酒を飲んで。

おやしゅみなさいぃー。

 

 

おはようございます。

今いいこと思いつきました、鬼さんに刀の稽古をつけてもらおうと思います。

つーか昨日ご飯食べそびれたのでお腹ペコペコです。

 

お酒を飲みながら食堂に行くと。

 

「ごめんなさい」

 

吸血っ子にあやまる白ねぇさんとそれを見る鬼さんというとんでもない図を見てしまった。

衝撃的な光景すぎて酔いが醒めた。

なんか嫌な予感がするから瓢箪に隠蔽をかける。

そして物陰からこっそり三人の様子を眺める。

 

「ご主人様。本当に本物のご主人様?熱でもある? 変なものでも食べた? 頭がおかしくなった?」

 

白ねぇさんが吸血っ子にチョップする。

よかった、いつもの白ねぇさんだ・・・。

 

「いったー!? ちょっと酷くない!? 心配してあげてんのに酷くない!?」

「いや、今のは、酷いのはソフィアさんの方だと思うな」

「だってご主人様よ? 悪逆非道の権化のようなご主人様よ? 虐殺大好き人肉大好きどこの地獄の出身ですかって言いたくなるようなあのご主人様よ?」

 

大丈夫だよね、私、同じレベルに分類されてないよね?

白ねぇさんと同じレベルに捉えられてないよね?

それに関しては同じって思われたくないよ?

 

「いや、言い過ぎじゃないかい?」

「全部事実なんだもん」

「え?」

「現世もセットでね」

「えっ」

 

私から思わず声がでる。

それと同時にここにいたことがばれた。

しばし沈黙。

破ったのは白ねぇさん。

 

「これからも私は虐殺をします」

 

しってた。

 

「それをどう思うのかは二人の勝手です。が、邪魔をするならば容赦しません。邪魔をしないのであれば、好きに生きればいいでしょう」

 

私は白ねぇさんに協力する気満々だけどね!

 

「すぐに結論を出せとは言いませんが、身の振り方を考えておいてください」

 

そういった後白ねぇさんは缶コーヒーを飲み始める。

 

「え? ちょっとそれ!? 缶コーヒー!?」

 

ん?

白ねぇさんがふらふらし始めたぞ?

 

「え!? なに? どうしたの!?ちょっと!? ご主人様!? 大丈夫!?」

 

私も飛び出して駆け寄っていく。

そして気づく。

これ・・・

 

「酔ってる」

「え?」

「缶コーヒーで酔ってます」

 

そういった瞬間白ねぇさんが空間転移する。

 

 

「あれ? 消えちゃった」

「ですね」

「空間魔法かなにかかな?」

「なんだったの、あれ?」

「コーヒーを飲んでからおかしくなったみたいに見えたけど」

「コーヒー。なんか、どっかの雑学で、蜘蛛はコーヒー飲むと酔っ払うって聞いたことがあるけど、まさかそれじゃないでしょうね?」

「まさか。そんなことであんなフラフラにはならないでしょ」

「いきなり倒れるからビックリしたけど、自力で空間魔法使ったってことは大丈夫なのかしら?」

「さあ?」

 

これは一回グーグル先生に聞いてみないといけないことが増えた。

 

あっそういえば・・・

 

「鬼さん」

「どうしたの?」

 

並列思考魔術を起動&数体しかいない分体にもお願いして総動員で言葉を探す。

「刀」

「?」

「稽古つけてくれませんか?」

 

数秒おいて。

 

「いいよ」

「ありがとうございます」

 

よし、ここに来た目的達成したのでまずは朝食をとる。

 

 

そういえば唐突だけど白ねぇさんが魔王軍第十軍を管理することになった、らしい。

私は強制的に入れられた。

あとはフェルミナさんという人が副団長らしい。

私は一体どういう役割になるのやら。

 

っとそこで白ねぇさんに強制転移させられた。

なんかよくわからないけど会議室?

ん?

そんなことより周りにいる人が魔王さんと白ねぇさんと吸血っ子と鬼さんと前に白ねぇさんが拾ったとか言ってたフェルミナさんとわけがわかんない人たちがいっぱいいる。

訳がわからない人たち・・・?

いこーる知らない人?

私はナニ?

私はコミュ障。

・・・ここはどこ?

 

「やあ」

 

魔王さんが知らない人にナニカ言ってるけど聞こえないー。

 

「お久しぶりです。それとも、初めましてと言うべきでしょうか」

 

マジでここどこ!

 

『神言教』

 

白ねぇさんから念話が飛んできた。

そうかー神言教かー。

 

『エルフを倒すために共闘できないかの交渉』

 

そうかーなぜ白ねぇさんは私をこんなところにつれてきてくれちゃったんでしょうねー。

 

『かえっていいですか?』

『だめ』

 

ちっ!

 

「どっちでもいいんじゃない? とりあえず、ちゃっちゃと始めちゃおうよ」

 

どんどん会談進んでるっぽいし黙っとけばいいかな?

いいよね。

さー何してようー。

自分の意識をあの精神世界とやらに飛ばす魔術でも考えようかなぁ。

面白そうだし・・・。

 

 

ハハッ無理ゲー。

まず大前提になる精神世界が何かも分からんかった。

無理無理、こんな短時間でこんな下位の神ができることじゃないしできるとしたらよっぽど意識無意識に関する天才ぐらい。

諦めよう、ちょうど皆で帰るところみたいだし。

てか毎回思うけどほんと私いらなかったよね。

最近思うのだけど白ねぇさん同じコミュ障を道ずれにしたいだけなんじゃないのかな。

そうとしか思えないよ。

・・・後で一回なぐっとこ。

 

「現世」

 

と、そこで白ねぇさんから声がかかった。

 

「なんですか」

「帰るよ」

「はーい」

 

瞬きをする暇なく視界が切り替わる。

ここは魔王城かな?

 

「白さん、ちょっとだけ時間あるかな?」

 

なんか鬼さんが白ねぇさんに話しかけてるけど何だろ。

今回も私白ねぇさんに連れまわされたりしないよね?

白ねぇさんがフェルミナ副団長さんに仕事を押し付けてフェルミナ副団長を帰す。

そして鬼さんと白ねぇさんに魔王さんと吸血っ子が当然のようにくっついてどこかに行こうとする。

私はまた白ねぇさんに連れられないように逃げようとしたが白ねぇさんに捕まってまた白ねぇさんの上に乗っけられた。要するに肩車状態だ。

もうこれ白ねぇさんに肩車されてる状態だから動かなくていいし寝てようかな。

最近面倒臭いことがあると魔術について考えるのか寝るのかしてない気がするけど気のせい気のせい。

 

「現世、寝ちゃダメ」

 

なんでや、解せぬぅ。

 

 

そうしてやってきたのは魔王さんの部屋。

そして鬼さんが話を始めた。

 

「まずはこれ。神言教が把握してる転生者の情報。草間が僕に見せてくれた」

 

そういいながら鬼さんはメモを白ねぇさんに渡す。

!?

いやいや、そんな重要情報何教えちゃってるのその草間さんとか言う転生者!

まあいいや、こっちにとってはメリットだらけだし。

 

「これ、白さんが掴んでる情報と照らし合わせてどう?」

 

そう聞かれた白ねぇさんはメモに神言教の知らない死んだ転生者三人の事を書き込んで鬼さんに返す。

 

「白さんが知ってることはこれで全部?」

 

白ねぇさんが頷く。

 

「まあ白ねぇさんが知ってる転生者の日常のあれやこれやを書き込んだらきりないですもんね」

 

私がボソッと呟く。

 

「この、大島叶多が女性になってるっていう情報は、本当のこと?」

「美少女になってる」

「そっか。そっかぁ」

 

これあれだね、その大島さんとか言う転生者がもう片方の山田さんとか言う転生者を意識しだしてるとか伝えたら鬼さん頭抱えそうだね。

ちょっと面白そう。

吸血っ子が鬼さんの手からメモを奪って軽く見て鬼さんにメモを返す。

すっごい興味なさそう。

鬼さんのもとに帰ってきたメモはまたすぐ鬼さんの手から離れて今度は魔王さんのもとへ。

 

「白ちゃんから見て、魔族の脅威になりそうなのはいる?」

「山田俊輔、大島叶多、夏目健吾、長谷川結花、田川邦彦、櫛谷麻香、草間忍、先生」

 

白ねぇさんが実力を持った人名を上げていく。

 

「手出しは無用」

「それは彼ら次第だね」

 

白ねぇさんが薄目を開けて目に力を込める。

空気がピリピリしだす。

 

「わかったよ。私が直接転生者をどうこうすることはしない。けど、軍としては敵対してきたら対処しないわけにもいかない。それでOK?」

 

少したって折れたのは魔王さんの方だった。

そして白ねぇさんは目を閉じる。

 

「もしそうなったら私が対応する」

 

その後は鬼さんに八軍を任せるとかなんとかまるで何かを待っているかのような会話が続いた。

 

「白さん。確認したいことがある」

 

白ねぇさんが待っていたこと、鬼さんの本来話したかった話題を鬼さんが話し始めた。

 

「白さんが隠してることを、明かしてほしい」

 

だそうで、白ねぇさんは返答どうするんだろ。

しばらくの沈黙の末、白ねぇさんの亜空間にこの場の全員が飲み込まれた。

そして白ねぇさんが口を開く。

 

「世界はシステムによって生かされています。が、それも死ぬ寸前まで来ています」

 

それと同時にこの星の俯瞰風景を白ねぇさんが映し出す。

宇宙から見たこの星の風景。

この星の裏側、今私達がいる土地とは違い地にひびが走り海が枯れた大地が映し出された。

 

「システムが集めたエネルギーにより、星の再生を行う。それが本来のシステムのあり方。けれど、現状ではシステムを稼働させるエネルギーを回収するだけで、再生にまでは手が回らない」

 

要するにこの星はシステムっていう大魔術によって生かされてるんだけどエルフにそそのかされた先代魔王とその時の勇者が阿呆してこの星のエネルギーをごっそり減らして色々ぶち壊してDさんに攻撃を加えたからシステムで少しずつさせてた星の再生ができないくらいにシステムのエネルギー量が減っちゃってたから星が全然治らなくてついでにシステムによって地味に無理な転生を繰り返してたこの世界の人間の魂に負荷がかかりすぎて崩壊寸前で全滅の可能性あり、的な感じの状況。

細かく言えば魂の休養装置とかあるんだけど長くなるから割愛。

んまあそんな感じだから白ねぇさんと私はシステムをぶち壊してそのぶち壊したシステムのエネルギーを使ってこの星を再生させようとしてる感じかな。結構な超訳だけど。

 

今私が考えてたことよりもっと詳しいことを白ねぇさんがみんなに説明する。

 

「本当に、それ以外どうしようもないんですか?」

「ない」

「ねえ、スキルを多く持っているってことは、私たちも死ぬってこと?」

「システムの魂保護機能を拡張して、転生者だけは助かるように改良中」

「だったら、それを全世界の人間に適用すれば!」

「不可能。それをするには余剰エネルギーが大量に必要」

 

これ結構深刻な話だよねぇ。

たしかこれをする為には神を一人くらい犠牲にしないといけないくらいのエネルギーがいるんだっけ、だからできないとかなんとか白ねぇさんが言ってた覚えが。

 

「システムが崩壊したあと、この世界はどうなるの?」

「さあ?」

「こっちは真面目に聞いてるんだけど?」

「真面目に答えてる」

「白さん、システムがなくなった後の死者は、どうなるんですか?」

「通常の輪廻の輪に戻る」

 

そういえば輪廻転生ってどこの宗教の考えなんだろ。

まあ今はどうでもいいか。

 

「じゃあ、システム崩壊前に死んで、生まれなおす前にシステムが崩壊した場合は?」

「その場合も輪廻の輪に戻る」

 

うん、びっくりだよね。

生きてるより死んでる方が救われるんだぜ?

 

「そうか。死んでたほうがいいのか。わかった。白さん、僕は白さんに協力するよ」

 

そういって鬼さんが白ねぇさんに手を差し伸べる。

白ねぇさんが恐る恐る鬼さんの手を握って握手をする。

コミュ障にゃきついよね。

そこで突然白ねぇさんと鬼さんの手を吸血っ子が引きはがして引きはがした白ねぇさんの手を掴んでぶんぶん振る。

握手をしたかったのかな?

そして満足したのか白ねぇさんの手を離して鼻息荒く鬼さんをにらむ。

なんか微笑ましい。

因みに白ねぇさんは呆気にとられてるうちにいつの間にか今度は魔王さんに手を取られてた。

 

「白ちゃん」

 

消えそうな声で魔王さんが呟く。

 

「白ちゃん」

 

もう一度白ねぇさんの名を呼び、今度は白ねぇさんの手に水の雫が落ちる、何滴も、何滴も。

 

「ごめんね」

 

消えそうな声で魔王さんが謝る。

 

「ありがとう」

 

消えそうな声で魔王さんが感謝する。

 

少女のように魔王さんは泣いた。

部外者の私からは語れることは何もない。

ただただ眺めることしかできない。

魔王さんの願い・・・女神を救うこと、それを叶えるのは白ねぇさんの役目。

私に叶える資格はない、私みたいな奴ではなく白ねぇさんが叶えるべき物。

なんていうのかわからない表現が見つからない、だが私では叶えられない、叶えることはできるが叶えられない。

私などが叶えてはいけない、そんな気がする。

それ故に()()()には叶えない、・・・うん。

いや、白ねぇさんの役目が魔王さんの願いを叶えることというなら私の役目は白ねぇさんになんであろうと従うことだよね。

つまり私が私の心が私が魔王さんの願いを叶えることを許さないのなら白ねぇさんに動かされてるならいいよね?

うん、なんかどんどん謎理論になった上に雰囲気を私の心の中だけでぶち壊してるけどいいよね?

とりあえず今後も白ねぇさんに従うということで。

なんかもう私の脳内ごちゃまぜ謎理論ですヒャッハーみたいなことになってるけどまあ、とりあえず・・・

 

「白ねぇさん、私をうまく使ってくださいね」

「うん?」




脳内謎理論でヒャッハーしてるのは現世というより作者な気がするのは気のせい・・・。


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よまわりさん、動く

 白ねぇさんが魔王さんから押し付けられた第十軍の運用が本格的に始まったせいで私も結構忙しくなった。

 基本白ねぇさんがやってたけど一応私も十軍にいることになってるから動かなきゃならない。

 心から引きこもりたい、人前に出ずにずっと魔術の研究をしておきたい。

 私、この世界の事が片付いたら魔術以外の陰陽術とかその他もろもろに手を出すんだ!みたいな死亡フラグらしきものを立てたけど私が死亡フラグだと認識しちゃったからきっと働いてくれない、つまり死亡フラグ回避という名の遊びもできない。

 あーれれーおっかしーぞー私こんな遊びをおもいつくようなおかしな性格じゃなかったと思うんだけどなー。

 まさかよまわりさんが混ざってる影響?

 ない、よね?

 あとは十軍の防具は全部白ねぇさんが手作りしてるから真っ白い服を着た怪しい集団になってるんだけどせっかくだからとかなんとか言って真っ白い着物を白ねぇさんが渡してきた。いやまあ別に着てもいいし普段着としてもいいんだけどね、やはりというかなんというか私の元から来てた服より防御性能ハンパないんだよ。

 とりあえず着た、ついでに渡してきた役に立たないさらしと共に着た。意外と動きやすいよ。

 そんなことを考えていたら白ねぇさんが目の前に転移してきて拉致られた。

 

 

 

 白ねぇさんに十軍が集まってるところに連れてこられました。

 唐突すぎて状況がつかめません。

 

「ねえ、ご主人様?これ、何?」

 

 そう眼前にいる吸血っ子が白さんに聞く。

 

「私の見間違いかしら? 全員ステータスが千を超えてるように見えるんだけれど?」

 

 十軍のステータスのことを話てるのかな・・・十軍よわくね?

 白ねぇさんがこっち見て視線でどう?とばかりに聞いてくる。

 意見を言えと?

 

「白ねぇさん、これじゃ上位竜にも負けますよ?」

「うん、やっぱり弱い」

「おかしいからね? ご主人様達の基準はおかしいからね?」

「無駄よ。この人達に常識とか言っても」

 

 そこで私と白ねぇさんと吸血っ子以外の声が入る。副団長フェルミナさんの声だ。

 

 あとワイドとかなんとかそんな感じの名前だったはずの吸血鬼を混じえて話しているがよく聞こえない。

 

 そんな三人を見て私と白ねぇさんは話す。

 

「これ一回エルロー大迷宮下層に突っ込んだ方がいい気がしません?」

「そんな気もする」

「だって私の最後のステータスなんて体力25510、魔力6440000、スタミナ9500、攻撃9000、防御9000魔法4107160、抵抗力9910、速度24140ですよ?魔力はともかくそれ以外は私の半分くらいつよくしないと・・・」

「現世、よく覚えてたね」

 

 そういいながら白ねぇさんが撫でてくれる。

 えへへー。

 吸血っ子とフェルミナさんが魔力のステータスを聞いた後わけわかんないやつを見るような目で見てるけど魔力が例外なだけで白ねぇさんのほうがすごいからね?

 神になる前も今も追いつける気がしないもん・・・。

 まあいいか、白ねぇさんに撫でられてやる気出た!

 今だ未完な概念の永久隠蔽つくるぞぉ!

 

「ちょっと手伝って」

 

 面倒臭い目に遭う気がするから逃げよう、そう思った矢先白ねぇさんが私の着てる着物を引っ張った。

 おかしい、着物が脱げるの覚悟で前に進んでるのに脱げるどころか緩まる気配もない。

 さすが白ねぇさん製、はんぱねーぜ!

 白ねぇさんに阻害されてもともと下手な転移もできねーぜ!

 はあ、この状態じゃ逃げられないかぁ。

 

「わかりました。手伝いますよ」

「よろしい」

「で、何をしろと言うのですか?」

「今日私は用事があるからソフィアと頑張って鍛えて」

「要するに用事があるから十軍鍛えろと」

「うん」

 

 ・・・なん、だと。

 コミュ障の私ができることなんてエルロー大迷宮に突っ込むか乱闘させるくらいしかできないぞ・・・。

 

「じゃあまたあとで」

 

 白ねぇさんが転移でどこかに行ってしまった・・・。

 どうするのとばかりに吸血っ子と副団長フェルミナさんが視線を向けてくる。

 やれと、私になにかやれと?

 十軍の皆さんも私に指示を待つように視線を向けてくる。

 

 ・・・・・・・・・。

 あーもうやってやるよ、やりゃいんでしょ!!

 

「吸血っ子、私が言うことを十軍の皆さんに伝えてください。まずは私に全員で斬りかかってきてもらいます!!」

 

 

 

 そうして十軍の戦闘経験がまた増えたのでした、十軍にとっちゃ強くなれるからめでたしめでたし・・・。

 全然私にとってはめでたくない。

 また仕事が増えた。




ねむいので誤字ってないことを願います


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よまわりさん、イラつく

作者「べっべつにモンハンワールドやってたわけじゃないんだからね!!受験勉強やってるんだから!
勘違いしないでよね・・・!」

・・・はい。
投稿久しぶりなので少し変わっちゃってるかもしれませんがお許しください。



メラさんについて行ってと白ねぇさんに命令された。

どうやらメラさんとこの戦争に参加させられるらしい。

つーか現在進行形で参加中。

私が今いるところは戦場の真っただ中。

人魔入り乱れて争い血みどろの戦いを繰り広げている。

中でも一番とてつもない争いが起こる場所はやはりメラさんの所。

メラさんは二人を相手に戦っている。

多分だけど記憶が間違ってなかったらメラさんの相手をしているのは転生者だったはず・・・名前はしらないけど。

とてつもない速度で戦いが繰り広げられてる、多分周りの魔族にも人間にもきっちり見えないんじゃないかな?

・・・?

私?

私は何をしているのかって?

人型のまま美味しそうな人間を攫ってる。

この戦い魔族にも人間にも被害が出ないといけないから私が出ちゃったら人間側が壊滅しちゃって魔族が死なないからね。

偶に美味しそうな人間を攫って食べてるよ。

いやあ、たまには多く食べとかないとあれだからねぇ。

美味いっちゃ美味しいけどなんか足りないなぁ・・・。

懐かしいもんを食べたい感じ。

今度エルロー大迷宮で蛙食いに行くか!

いやーそれにしてもあれやよね。

よまわりさんって神なのか妖怪なのか私は詳しくは知らんけど日本と違ってこの世界の宗教は八百万の神だなんだとかないから唯一神崇めてる宗教ばっかなんだよ、だからこの世界で誰かを攫ったとしても人を攫う魔物か悪魔的なナニカにしかとらわないのだよ。

一応下位とは言え神なんだから神様と認識されたいじゃん?

神様のままでいたいじゃん?

だから向こうの世界で攫わないと認識が・・・ね?

とか言ってはいるけど手遅れに近いんだなあ。

神力がなんか変質してきてるし。

このまま放置しとけば混ざって「神妖力!!!」とか厨二あふれるかっこいい感じになるんじゃないの?とか思ったそこの貴方!!!

現実はそう甘くなかった・・・そう、一時は私厨二パワーゲッツしちゃうんじゃないの!?とかおもってたんだけどさぁ、このまま行っちゃうと最悪私消えちゃうのよ。

両立できないのよ。

だからこの世界で攫うのは最後!!私は神様!!って感じでこの世界で人を攫うのは今日で最後ってことにしたのよ。

だからわざわざ殺さずに攫ってから殺して喰らってるわけ。

やっぱり美味しいわぁ・・・。

 

「撤収!」

 

先ほどまで戦っていたはずのメラさんが突如撤収と命令する。

突然すぎてびっくりした。

どうやら転生者は生き残ってるみたい。

ちょっと索敵すると離れた砦に少し強めの魔法使いがいるからあの人が支援か何かしたのかな?

食べるのに夢中で気づけなかった。

さあ、とっとと帰って寝よう。

っとそう思い撤収しようとしたとき先ほど言った少し強めの魔法使いが背中を狙撃してきた。

白ねぇさんが作った白い着物も私の肌も無論無傷だ。

ただ撃たれたせいで周囲の視線が集まった。

耳を澄ませるとあの魔法使いは後ろにいるやつになにかを命令されてこちらを撃ってきたらしい。

・・・命令した奴は無能なのかな?

なんかお前弱く打っただろ的なことを私が倒れてないのを見て魔法使いに怒鳴ってるし、魔法使いはそれなりに強めに撃ったのか私が無傷なことに呆然としてるし。

転生者の視線はこっち向いてるし。

片方は私の服みて「・・・着物?」とか言ってるし。

あいつか、あの魔法使いの上司的な奴の所為で私に注目が集まってるのか!!!

イラっと来たので手を上に掲げ周囲の空気を圧縮するそしてその上司っぽいやつにポイッっと投げつけた。

魔法使いは危険を感じたのかその場からすごい勢いで離れて風に耐える準備をしていた。

刹那、鳴り響く轟音。

圧縮された空気が膨張し周囲にいた人と砦を崩壊させる。

千里眼を使わないと人からは見えない距離だが風はここまで伝わってくる。

魔法使いはけがを負いながらも生き延びたようだがその上司っぽいやつは滅びた。悪は滅びた。やったぜ。

イラついてやっちゃったけどどうしようか、視線がいっぱいだあ。もちろん魔族からも。メラさんは何やってるのとばかりにこちらをジト目で見てくる。

・・・はあ。

男にジト目で見られてもうれしくないので幼女にジト目で見られたいなんて現実逃避してる場合じゃないなぁ。

あっそうだ。

即座に念話の術を起動してメラさんに一方的に言葉を送り付ける。

 

『メラさん、先帰ってます!!』

 

さあ帰ろう!

そう思いながら私は私の部屋へ転移をした。



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とあるおっちゃんと勇者のエルロー大迷宮

今回遅れた分7000字越えだってよ。
すんません切るところ見つからなかったのです。
今回は155話の次の話「S23 エルロー大迷宮突入」のシュン視点のお話でございます。


それはエルロー大迷宮を超えて向こうの大陸に移るためバスガスさんに正規ではない入り口に案内してもらっている時のことだ。

 

 

水着を着てエルロー大迷宮へ入るための海底洞窟に向かう途中近くの草むらでガサガサという音がした。

何かが潜んでいると察した俺たちは警戒し俺は魔法を撃つ準備を始めた。

 

「誰かいるのか?」

 

バスガスさんが草むらに向かって声をかける。

 

「ひゅいっ」

 

「女の子の声?」

 

思わず声に出して言ってしまった。女の子の声のようだ。隠れているのは魔物ではなく人らしい。

 

俺は草むらに近寄りのぞき込む。

そこにいたのは声の通り幼い女の子だった。女の子の目は夜のように黒く長い髪の毛の隙間からでもわかるほど真っ黒でうっすらと水のような雫がうかんでいる。黒髪黒目、日本ではよく見る容姿にどこか懐かしさを覚える。

・・・って、

 

「泣いてる!?」

 

徐々に皆が集まってきて先生が。

 

「シュン君ー。女の子をなかしちゃいけませんよー?」

「いや先生誤解です!」

 

するとカティアまで攻めるような目で見てくる。

 

「シュン・・・あなた・・・」

「カティアまで・・・」

 

「とまあ冗談はさておきー。大丈夫ですか?」

 

冗談だったらしい。先生は女の子に事情を聴き始める。

 

「え・・・あっえと・・・はい」

「どうしてこんなところにいるんですかー?あぶないですよー?」

「先生、一回この子を村に連れて行ってあげた方がいいんじゃないですか?」

「そうですねー」

 

村までこの子を連れて引き返すような流れになったところでバスガスさんが口を開く。

 

「いや、コイツを連れて行った方が一人も欠けずに向こうに渡れる確率が上がるぞ」

 

不敵な笑みを浮かべながら言う。

 

「どうしてですか!この子が危険な目に・・・」

「いや、コイツにとっちゃあの迷宮は家も同然だ、そうだろ?」

 

俺の言葉をさえぎってバスガスさんが続け、女の子に質問する。

 

「え!?あっえあ、まあ・・・はい」

 

バスガスさんを見てなぜか驚いた様子の女の子が頷く。

どういうことだ?こんな小さな女の子にとってエルロー大迷宮が家のようなものって。

 

「なあ俺らは今からあの迷宮をこえて向こうの大陸まで移動するんだ。ついてくるか?」

「えっああ、はい・・・わかりました」

「一応俺はあくまで案内人だ、みんないいか?」

「え?ああ、まあ」

 

バスガスさんがそうした方がいいというのならそうした方がいいのかもしれない。

バスガスさんにエルロー大迷宮が女の子にとって家のようなものとはどういうことなのかを質問する暇もなく女の子がついてくることが決定したのだった。

 

 

 

海に着いた。

ここから潜って入るというのに女の子は水着を持っていないのでバスガスさんが家にまで戻って取りに行こうという雰囲気も女の子が水着を取りに行こうとすることもないため女の子は黒いパーカーのような服とスカートという服装のままだった。

 

「いいか。水龍が現れても絶対に戦おうとはするな。殺されるだけだ。基本は逃げる。洞窟の入口は潜ってすぐのところだし、洞窟の中にまでは狭くて水龍も入ってこれない。潜ったらすぐさま洞窟の中に逃げ込む。わかったな?」

 

バスガスさんの一言に俺たちは頷く。

なんの持ち物も持っていなかった女の子以外は全員バスガスさんの空間収納に荷物を預けてある。

 

「それでは、風玉を配ります。間違っても噛み砕かないでくださいね」

 

先生が皆に一個ずつ小さな球を配る。

これは風玉と言い風の魔法で空気を圧縮してそれを封じ込めた玉だ。

口に含んでいれば水の中でも空気の心配はいらなくなる、だがかみ砕いたりすると圧縮した空気が破裂し大変なことになる。非常に危険な代物だ。

 

「じゃあ、俺が先導するから、みんなついてこいよ」

 

バスガスさんが風玉を口に含み海に潜っていく。

あの女の子もバスガスさんに続いて風玉を含んで潜っていく、服はあのままで大丈夫なのか皆心配そうな様子だがあの女の子を連れていくことを提案したバスガスさんも女の子も何も言わないので皆黙っている。

俺以外が潜ったのを確認した俺は皆に続いて海に潜った。

 

 

海の中で視界の端に大きな影が迫ってくるのを見えた。

 

水龍クラグ。

 

レベルは8、ネッシーのような見た目をした水龍だ。

ステータスはとてつもなく高い。スキルも豊富だ。

まだ俺たちはバスガスさんが海底洞窟の入り口にたどりついたばかりだというのに女の子と俺以外水龍には気づいていないようだ。

 

水龍がブレスの予備動作をする。

咄嗟に皆の前に出た俺は水龍のブレスに聖光魔法を放つ。

ブレスと魔法がぶつかり合うことにより水流が発生する。

それに流されるままに洞窟の入り口へと吸い込まれていくなか女の子がなにかしらの魔法を扱っているのを見た。

体を壁にぶつけながら流され浮遊感の末、地面に叩きつけられる。

 

「みんな、大丈夫か?」

 

俺は風玉を口から出しながら周囲の安否の確認をする。

誰一人命に別状はないようで安心する。

 

ただ女性陣の水着が破れて目に毒だ、いや女の子だけ体も服も傷一つついていない。

ステータスがだいぶ高いのだろうか。

だとしたら女の子が水の中で使っていた魔法は水の魔法で水流を操り皆が海に取り残されないようにしてくれたのかもしれない。あの水流の中で魔法を使うとはだいぶ魔法の腕もすごいのか。確かにこんな子がいたら迷宮をこえやすくなるかもしれない。

 

「水魔法で水流を操ってみんながバラバラにならないようにしてくれたの?ありがとう」

 

お礼を女の子につげると。

 

「げっまじですか、気づいてたのですかぁ」

 

と俺でも聞き取るのが困難なほど小さな声で呟いていた。

海まで歩いているときにわかったのだがどうやらこの女の子は極度のコミュ障らしい。向こうから話しかけてくることはまずなかったしこちら側から話しかけると答えてくれはするが小さな声でだいぶ緊張したようだった。

 

「かー!しょっぱなからこれじゃ、先が思いやられるな!ま、無事に中に入ることはできたな。ようこそ。この世の地獄、エルロー大迷宮へ」

 

バスガスさんのおおざけな言葉にげんなりしながら治療を始めた。

 

 

 

飛び起きて慌てて周りを確認する。

ほのかなランプの明かりと岩の壁。

迷宮にもぐって二日目、見張りを交代しながら睡眠をとっているところだった。

 

見た不思議な夢にだいぶ汗をかいてしまった。

 

「大丈夫ですか?」

 

先生が顔をのぞき込んでくる、見張りは二人一組の交代制だが女の子・・・いや、昨日名前を聞いたら「なんでもいいです」って言ってたから夜ちゃんと呼んでいたんだ。由来は髪の色だ。夜ちゃんがいるから一組だけ三人で一組になっている。

今の見張りは先生とバスガスさんと夜ちゃん。

 

「大丈夫です。ちょっと夢見が悪かっただけですから」

 

心配して近づいてきたらしい先生に笑みを浮かべてごまかす。

 

「そいつは縁起が悪いな」

 

バスガスさんが俺の言葉に食いつく。

どうやら縁起が悪いというのは十年以上前に現れた迷宮の悪夢と悪夢の従者と言われる神話級の魔物のことをさすらしい。

 

「けど、たしかその魔物は討伐されていませんでしたか?」

 

先生は知っていたようで質問をすると

 

「世間ではそう言われてるな」

「世間では?」

「ああ。一般的には軍団相手に大虐殺を起こし、最後は大魔法の直撃を受けて跡形も残らず死んだって話だが、俺にはどうもそれが信じられん。あの化物がそう簡単にくたばるのかってな。きっと今もどこかで生きていて、虎視眈々と獲物が来るのを狙っているんじゃねえかと、俺は思ってる。なあ夜ちゃん?」

 

実物を見たかのような言い方でバスガスさんは返す。なんで夜ちゃんの名前を出したのかはわからない。

 

「まるで実物を見たかのような言い草ですね」

「おう。何を隠そう、悪夢の第一発見者とは俺のことだからな」

 

そして俺は自分の強さに自信を持ちすぎていたことをバスガスさんに自覚させられたりそして話は変わりバスガスさんが純粋な興味で水龍に勝てるかと聞かれ水中では無理、地上では五分と返した後バスガスさんが俺のステータスを鑑定し、お返しに俺もバスガスさんのステータスを見たすぐのことだ。

 

バスガスさんが言った。

 

「なぁ夜ちゃん。お前さんあいつと戦ったとして勝率はどんくらいだ?」

 

この中には誰一人として夜ちゃんのステータスを知る者はいない。

気になる。

だが勝手にみるのはマナー違反だから本人に許可を貰わないと。

そう思いながら期待の目を寄せる。

先生もどうやら気になってるようで夜ちゃんを見つめている。

しばらく沈黙の後。

 

 

「・・・・・・10割です・・・」

 

 

折れたのか声を出した夜ちゃんの声はいつもより小さかった。

諦めたかのように出した夜ちゃんは十割と・・・は?じゅうわり?

十割・・・。

 

「先生確認です。十割ってどれほどでしたっけ」

「100%です」

 

・・・。

 

「ですよね。ここは夢ですか?」

「現実です・・・おそらく」

 

・・・・・・。

 

「十割!?」

 

見ると10%って勘違いしてくればいいものをという顔をした夜ちゃんに大して驚いていないバスガスさんが話しかけていた。

 

「なぁお前さんやっぱり」

「・・・いわないでください」

 

何のことはよくわからないがやっぱりバスガスさんは夜ちゃんのことを何か知っているようだ。

気になることを夜ちゃんに質問してみることにした。

 

「夜ちゃんステータスはどうなっているの・・・鑑定してみていい?」

「だめです」

 

口数は少ないし長文は話さないが最初のころより話してくれるようになったなと思いながら夜ちゃんの回答に少し・・・いや結構がっかりする。

まあ本人がだめというならしょうがないだろう。

 

 

 

迷宮にもぐり五日目。

これからのルートを決めることになった。

危険な最短コース、の大通路。

比較的安全な遠回りコース、は文字通り遠回りコース。

危険はあるかどうかわからないが曰くのあるコースとやらは例の悪夢と従者が昔テリトリーにしていた所らしい、そこには今は悪夢の残滓と呼ばれる悪夢に似た魔物が大量にいるらしい。

そして強くて悪夢と同じ習性を持ってるとか。

そのルートは外すこととなった。

 

そして多数決で決めた結果最短コースに行くことになった。

夜ちゃんはなんか謝るような表情をしていた。

 

 

大通路に入って少し。

バスガスさんが魔物がいないと異常事態を報告してくる。

すぐに近くの通路からコース変更することにしたがもう手遅れだった。

 

地龍。

 

レベルが低く進化したてのようだ。

 

振り降ろされた爪を盾で受けたハイリンスさんが吹き飛ばされた。

隙を見逃さずに俺とバスガスさんが足を切る、カティアと先生の魔法が炸裂するだがそれでもダメージはあまり入らない。

 

「夜ちゃんは!?」

 

夜ちゃんは水龍に十割勝てるとは言っていたがまだ子供だ。

心配してみると俺のすぐ横を真っ黒い球が飛び地龍の右腕に直撃し腕が吹き飛ぶ。

苦痛に喘ぐ地龍がやけと言わんばかりに空中機動のスキルでアナを狙い駆けだした。

アナが放った電撃の魔法が地龍にダメージを与えることは能わない。

咄嗟にアナとハイリンスさんの間にハイリンスさんが入った時、地龍の側面に再び黒い球が当たる。体制が崩れた地龍。そこに先生の暴風魔法、縛風。相手を拘束する魔法だ。しかしそれも逆鱗の所為でもちそうにない。

カティアが炎を先生が風を、炎が混ざった熱風が吹き荒れる。

アナが風、バスガスさんが闇の魔法を放つ。

俺が放つ聖光魔法、聖光線。隣で夜ちゃんが放つ正体不明な土魔法の杭。

その二つが同時に地龍を穿つ。

地龍のHPは0になった

 

「龍殺しですか。これで私たちも伝説の仲間入りですわね」

 

とカティアが言う。

 

龍を倒し俺と共に最後のを決めた夜ちゃんを見ると謝るような目でハイリンスさんを見ていた。

何故だろうか。

 

「ふう。一時はどうなるかと思ったが、まさか龍殺しを達成するとはな。こいつの死骸は俺が預かるが、問題ないか?」

「お願いします」

 

バスガスさんが油断なく地龍の死骸に近づいていく。

 

「・・・?」

 

夜ちゃんが不思議そうな顔で地龍の死体を回収するバスガスさんを不思議そうに見つめていた。

 

「どうしたの夜ちゃん?」

「・・・地龍の肉は土臭いですよ?」

「えっ?道具とかに加工するんだよ?」

「えっ?」

 

・・・どうやらだいぶ感覚にずれがあったようだ。

 

「ふつうはこんな魔物いねーよ。こいつがここで一番強いとか思ってる奴は勘違いすんなよ。大通路で一番強いのは地竜だ」

 

だからレベルが低かったのか。

 

「龍殺しか。ユリウスたちと戦ったことがあるのは竜までだった。あの世の土産にいいものができたな」

 

ハイリンスさんが地龍の攻撃を止めてくれたおかげと礼を言うととどめを刺したのはお前と夜だと俺を褒め乱暴に頭を撫でる。やめてくださいよと笑いながら腕から逃れる。そんな弛緩した空気が流れていた。

 

が、突如背を氷柱で刺されるような悪寒が走る。

振り向くと岩の上から見下ろす八つの瞳。

悪魔の残滓と呼ばれる魔物。

 

動けなくなるほどの威圧。

皆も動けない・・・いやバスガスさんはかろうじて動けるようで夜ちゃんだけは無視して飲み物を飲んでいる。まるで危険ではないと知っているように。

 

[勇者?]

 

念話を傍受し聞こえた声は何者かに向けられた声だ。

 

[勇者]

 

何者かはそこらじゅうにいた。

 

声が、聞こえる。

支配者、鑑定不能、転生者、と。

ノイズがはしるような程の量の残滓。

 

白の体に赤い目は、まるで白い絵画に赤い絵の具の飛沫をばらまいたように広がる。

無限に続く白い絵画に赤い点、それらは言語を理解し、俺達、転生者というものを知っていた。

 

「転生者を知っているのか!?」

 

バスガスさんが目を見開くが気にしない。

 

[知ってる]

[知ってる]

[知らないわけがない]

 

「なぜそれを知っているんだ?」

 

[マスター]

[マスター]

[従者]

[従者]

[マザー]

[マザー]

[従者とマザー]

[マザー]

[マスター]

 

「そのマスターと従者は、転生者なのか?」

 

[そのうちわかる]

[そのうち知る]

[すぐに知る]

[すぐにわかる]

[宣言]

[宣告]

[終わりの始まり]

[禁忌]

[世界が始まる]

[壊れる世界]

[世界が終わる]

 

白い絵画に黒い絵の具が塗られていく・・・。

 

[知りたいなら]

[聞けばいい]

[お前たちは]

[近くにいる]

[知る意味はない]

[どうせ死ぬ]

[みんな死ぬ]

[生き足掻けばいい]

 

白いそれらは闇に染め上げられその場から姿を消した・・・・・・。

 

 

「バカ野郎が!」

 

バスガスさんの拳が俺の顔面へと向かう、怒られる。俺は受け入れる。

俺の行動で皆が死ぬかもしれなかったのだ。

ハイリンスさんがバスガスさんを抑え、先生がなだめる。

 

「すいません。どうしても、聞かなければならなかったんです」

「それは、死んでもか?ほら、お前も何か言え」

 

なぜか夜ちゃんに振るバスガスさん。

 

「・・・・・・あの子たちは襲ってきませんよ・・・多分」

 

あの子たち?夜ちゃんは残滓のことを何か知っているのか?

 

「・・・はぁ・・・坊主が勝手に死ぬのならいい。だが他人様を巻き込むな。自殺がしたいんなら1人でやれ」

「バスガスさん、言い過ぎですよ」

 

バスガスさんがハイリンスさんを押しのけ岩に座り込む。過去のトラウマを刺激されたからか、顔色が少し悪い。

夜ちゃんはいつまでもいつも通り。

いつもは元気がなさそうで人におびえているように見えるのだが今は相対的に一番元気に見える。

カティアもハイリンスさんも若干顔が青いなか一人元気に立っていると少し不気味に・・・いや、先生も平気な顔をしていた。

 

大丈夫か?とカティアとアナに話しかけると腰が抜けてたてない、面目ないと言葉が返ってくる。

 

先生はゲテモノ好きだったから内面は気味悪かったと一言で済んでいた。

 

「ところで、あの子達が言っていたこと、どう思います?」

「わかりませんね。情報が少なすぎる。知りたければ聞けばいいって言われましてもね」

「終わりの始まり。みんな死ぬ、か」

 

悪夢のような言葉の残滓がそこらに浮いているような感覚を覚えた。

 

 

 

その後は戦闘回数も少なく夜ちゃんが戦闘をサボっていたこと以外は特に何もなく進んでいった。

バスガスさんは少し口数が減った。

余計なことを言いはするがすこし覇気がない。

笑いはするし少しトラウマを刺激されてしまったのだろう。

 

「さて、ここまでくれば出口はすぐそこだ」

 

抜け道として使う通路は縦穴と言われる場所だそうだ。

 

そこの危険は一つ目が足がワサワサと生えた虫型の魔物の巣。

 

「ひぃぃやぁ! ムリムリムリィィィ!」

 

カティアが火の魔法を連発しまくっている。

狭い空間で使って酸素とかは大丈夫なのかという無駄口をたたいていたら魔物は皆燃え尽きていた。

 

二つ目がめちゃくちゃでかい蜂。

作戦は夜ちゃんと俺とハイリンスさんが蜂を相手してそのすきにほかのメンバーが壁を上るというもの。

 

飛んでくるリーダーらしい蜂を俺が斬り、夜ちゃんがほかを如何なる手段を使ってか真っ二つにする。

 

次の群れはあと少しで到達してくる。

夜ちゃんは空中を文字通り歩いていどうしている。

のーんびりと。

たまに俺たちが対応しきれなくなったところを援護し蜂を切り捨てる。

 

だんだんつらくなってきたころ出口にたどりついた。

 

何日かぶりの日の光。

茜色の空がとてもきれいに見えた。

 

「こっち側にも俺のアジトがある。今日はそこに行こう」

 

今日はそう提案してきたバスガスさんのアジトで一泊止めてもらうことになった。

 

 

 

「お世話になりました」

「ああ」

 

「バスガスさん。もし――」

「坊主、俺はしがない案内人だ。案内人は案内することが仕事だ。ましてや俺はもうすでに引退した身。これ以上老人が出しゃばる幕じゃねえだろ」

 

バスガスさんと少し話して握手を交わす。

 

「夜ちゃんはどうするの?」

 

そこでカティアが声を出す。

・・・そういえばどうするのだろうか。

 

「・・・はぁ。よくこんな得体のしれない私を旅に連れて行こうとしますね」

 

夜ちゃんの口から初めて聞いた長文だった。

 

「やめておきます。次会うことはあるかもしれませんけど敵かもしれませんしね」

 

そういう夜ちゃんの言葉になぜか納得できてしまう。

つぎあったら敵かもしれない、その後別れた後も心から離れない言葉だった。

 




案内人さんは人型の現世の正体を一発で見抜きます。
だけどまあ人型だったのでそこまでトラウマは刺激されずに済みました。
そんで現世がトラウマの緩衝材になることにより残滓が現れても原作通りに必要なことしか話さないというふうにはなりませんでした。よかったね!
次回は現世目線です。
因みによまわりさんに現世と命名したはいいけどいまだに慣れてない作者さんでした。


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よまわりさん、迷宮を歩く

本日二話目です。
またもや長いけど前の話程長くないし現世目線だからね。


あぁ・・・なんでさ、なんでなのさぁ・・・。

白ねぇさんに勇者に会ってこいなるわけのわからぬ命令を下された。

この前先代の勇者を倒して勇者という機能をシステムから消そうとした白ねぇさんはシステムの中核、女神が転生者を勇者にして白ねぇさんご立腹。転生者は白ねぇさんにとって保護対象。勇者を殺せない。まあそんなこんなで会って来いと。

絶対会う意味ないよねこれ。絶対白ねぇさん私に嫌がらせしたいだけだよねこれ。

決めた、帰ったら絶対白ねぇさんを着せ替え人形にする。

そんで添い寝してもらう。

よし。

 

そんな命令を下された私は勇者に接触するにあたって着物から真っ黒いパーカーとスカートという前までの服に着替えている。勇者は転生者だから着物だとまずいのよ。パーカーのほうがまだましなだけで普通の服買った方がいいかもだけどね。耐久力が違うんだよ普通の服とは。普通の服とは違うのだよ普通の服とは。ザク・・・こほん。

 

とにかく、今私は勇者一行が通るであろう道で待ち伏せ中。

正直まともに会話できる気がしない。

絶対帰ったら着せ替え人形にしてやる。

 

・・・来た。

どうしよう体が動かん。

もうサボっていいかな。

いいよね?

いいとおもう。

じゃあサボろう。

そう思い一歩下がると草がガサガサっとなってしまった。

まずい。

即座に転移魔術を構築し始めるが焦って構築できない。

魔術工程のうち構築のタイミングですべてくずれる。

 

「誰かいるのか?」

 

「ひゅいっ」

 

「女の子の声?」

 

おもわず声を出してしまい私が居ることがばれてしまう。

転生者が私が隠れている草むらをのぞき込んできた。

 

「泣いてる!?」

 

徐々に人が集まってくる。

 

「シュン君ー。女の子をなかしちゃいけませんよー?」

「いや先生誤解です!」

「シュン・・・あなた・・・」

「カティアまで・・・」

 

あーあーてめーら元気そうだね私は泣きたいよちくしょお!

 

「とまあ冗談はさておきー。大丈夫ですか?」

 

白ねぇさんが言っていた先生だったかなこのエルフ、が話しかけてくる。

 

「え・・・あっえと・・・はい」

 

頑張って返した。

頑張った。

私えらい。

帰りたい。

 

「どうしてこんなところにいるんですかー?あぶないですよー?」

「先生、一回この子を村に連れて行ってあげた方がいいんじゃないですか?」

「そうですねー」

 

って後ろの方に少し顔色悪い見おぼえある人が・・・って前会ったなあの人に。

案内人か。

昔私達のとこに来た奴らの案内人か?

たしかそうだったはず。

そん時に私達を見てトラウマになったのかな?

よく気づけたなあの人・・・っと思っていたらすぐ顔色は治っていいことを思いついたといわんばかりの顔になっていく。そして不敵な笑みを浮かべ。

 

「いや、コイツを連れて行った方が一人も欠けずに向こうに渡れる確率が上がるぞ」

 

・・・は?

いやいやなにいってんの?

私あとらうまんあんんじゃんあいんお・・・まずい、混乱して思考までおかしくなってる。

こんな時はお酒をってそういや白ねぇさんが持ってっちゃダメっていって没収したんだっけ?

おぼえてろ・・・。

 

────・・・そうだろ?」

 

「え!?あっえあ、まあ・・・はい」

 

突如言葉を振られ思わずはいと言ってしまう。

 

「なあ俺らは今からあの迷宮をこえて向こうの大陸まで移動するんだ。ついてくるか?」

「えっああ、はい・・・わかりました」

 

わかりましたじゃないよ私!

適当に答えちゃったよ!

阿呆か、馬鹿なのか。

この案内人さんは私に対してトラウマを抱えてるようだけど私はウマシカをかかえてるのか!!

 

 

 

結局ついてこさせられました。

道中きた質問は頑張って返答いたしました。

ちくしょう。

一応白ねぇさんには傍聴されないようにした念話でついてこさせられてること言っといた。

・・・というか海底洞窟からあの迷宮に入るなんてそんな方法あったんだなあ。

 

「いいか。水龍が現れても絶対に戦おうとはするな。殺されるだけだ。基本は逃げる。洞窟の入口は潜ってすぐのところだし、洞窟の中にまでは狭くて水龍も入ってこれない。潜ったらすぐさま洞窟の中に逃げ込む。わかったな?」

 

あーあーあいつら釣れば勝手に息絶えるのになあ。

いっそ水龍ほろぼして、ってやったらギュリーさんが怒るか。

 

「それでは、風玉を配ります。間違っても噛み砕かないでくださいね」

 

風玉かあ、魔王さんからどういう物かは教えてもらったけどべつに私最悪魔術で息できるからなあ。

そう思いながらもう使うことはないであろう風玉を口に含む。

 

そして潜っていく案内人・・・バスガスさんと言うらしいについていく。

 

 

あー軽く探知するとわかるけどやっぱ水龍うじゃうじゃいるなあ。

一匹こっちに来てるし。

あーブレス撃ってくるじゃん。

どーしよーかなー。

 

・・・あっ勇者さんが魔法をブレスに撃ってるー。

わははーあれ絶対とんでもない水流が発生し・・・まってこのままじゃ転生者が最悪死ぬ!

 

えーと、水流を魔術で制御、そのままどうせだから入っていく予定らしい海底洞窟に水流の向きを変える。

全員が水流でぶっ飛ばされる。

私だけ水着じゃないからスカートを抑える。

流されながら私だけ壁に当たらないように魔術で調整して海底洞窟の出口であり迷宮の入り口まで流される。

 

「みんな、大丈夫か?」

 

風玉を口から出した勇者さんが周りを見回しながら言う。

 

「水魔法で水流を操ってみんながバラバラにならないようにしてくれたの?ありがとう」

 

そしてそんなことを言ってくる。

 

「げっまじですか、気づいてたのですかぁ」

 

正直気づかれてると思ってなかったからこれにはびっくり。

そこでバスガスさんが声をあげる。

 

「かー!しょっぱなからこれじゃ、先が思いやられるな!ま、無事に中に入ることはできたな。ようこそ。この世の地獄、エルロー大迷宮へ」

 

私にとっては家みたいなものだけどね。

 

 

 

迷宮に入って二日目。

流石になれた。

少しは普通に返せるようになった、はず。

今は見張り中、ねたい。

 

どうせ私はここのやつらごときじゃ殺せないんだし寝ちゃっていいですか?

だめだろうなぁ・・・。

はあ、作成途中の魔術式を完成までもってくかぁ。

あくまで使うことができないから頭の中で構築しないと。

 

考えているとたびたび夜ちゃんという単語が私の耳に入ってくる。

どうやらこれは名前を何と呼んでもいいですよといった私に仮で向こうがつけた名前なのだ。

まあ今は私に向かってこの言葉をかけているようでもないし無視でいいや。

 

そんなことを考えているとバスガスさんが私に言葉をかけてくる。

なぁ夜ちゃん。お前さんあいつと戦ったとして勝率はどんくらいだ?っと。

水龍の事だろうか。

まあこれは別に嘘つかなくていいか。

 

「・・・・・・10割です・・・」

 

と、私はだいぶ小さい声で言い放った。

驚く声が聞こえてくるが無視。

10%って勘違いしてりゃいいのになぁ。

 

そこでバスガスさんが一応とばかりに確認してくる。

 

「なぁお前さんやっぱり」

「・・・いわないでください」

 

いうなよ?

別に言ってもいいけどてめーら危なっかしいから迷宮抜けてる最中に死なれちゃこっちはまずいのよ。

それ言ったら、私が迷宮の悪夢の従者ということ言っちゃ私はここにいられんからね?

白ねぇさん転生者は守ろうとしてるんだから私も守らないけないのよ。

バスガスさんは諦めたのか私がいわないでくださいと言っただけでもう聞いてこなかった。

 

「夜ちゃんステータスはどうなっているの・・・鑑定してみていい?」

「だめです」

 

そしたら今度は勇者さんが聞いてくるもんだから即答でダメと答える。

私を鑑定したら鑑定不能って出るからね。

私ったらシステム外の存在だから。

しかも神様、アイアムゴット!

 

 

 

迷宮生活五日目。

布団で寝たい。

そういや大通路とか言うあのでっかい道行くか安全遠回りルート行くか私達の元寝床ルート行くか聞かれた。

元寝床は曰く付きルートとなっていて悪夢の残滓と呼ばれる魔物がいっぱいいるらしい。

もしかしなくても白ねぇさんのスキルで生み出された子供たちだね。

ごめんね?

あの子たち迷惑かけてた?

 

 

大通路を通っていくってことになったけどなんでこの人たち危険な方選ぶかな。

あそこちょっと強いのいるからこの人たちじゃ最悪全滅しかねないってのに。

 

というわけで大通路をてこてこと歩いております。

 

そして異常事態発生だぜ!

何この人たちめんどくさいことに巻き込まれないといけない法律でもあったの?

なんなの?

しかもこの人たちまだ地龍に気づいてないし。

 

・・・今気づいたか。

あー鑑定できないの不便だなあ。

倒せるのは確実だけどこの人たちがやられちゃうほどの強さかがわかんないし。

 

「地龍。チッ!上層にいるってことは、進化したてか!?」

 

そういや地龍って進化した後どうやって下に降りてるんだろ。

って襲い掛かってきたな。

盾の人・・・というかあの人中身ギュリーさんじゃなかったっけ?が地龍の一撃を受け止める。

勇者さんとバスガスさんが地龍の足を切る。

カティアと呼ばれていたTS転生した人と先生さんが魔法を撃つが大したダメージが入らない。

勇者さんが夜ちゃんは!?とか叫びながら振り向いてくるけど援護を期待してるのかなぁ。

はぁ・・・適当に闇系統の魔術を放つ。

地龍の腕が吹き飛ぶ。

ちょーっと強すぎたか。

まあいいや。

あっ地龍が一番弱そうなハーフエルフさんに突っ込んでってる。

あーあーハーフエルフさんそんな弱い電撃じゃ効かないよ。

あのままじゃあの人死んじゃうなぁ。

再び地龍に闇系統の魔術を放つ。

ん、今度は調整うまくいった。ちょうど地龍が体制崩すぐらいで撃てた。

やったぜ。

あとはもう休んでいいかなぁ・・・。

いやちょっと手伝うか。

勇者さんが放つ魔法に合わせて土系統の魔術で作った杭を放つ。

おっぶっ倒れたか。

 

んー誰も欠けてないね。

よかった。

あっ龍を倒したことギュリーさん怒ってないかな・・・ごめんね?

 

ん?

バスガスさんが地龍回収するのか。

あれ味が土臭いんだよなぁ。なんで回収するんだろ?

 

「どうしたの夜ちゃん?」

 

私が不思議そうな顔をしていると勇者さんが質問してきた。

せっかくだから教えてあげるか。

 

「・・・地龍の肉は土臭いですよ?」

「えっ?道具とかに加工するんだよ?」

 

えっ?

 

「えっ?」

 

・・・あああああああ!!!

そうかそうだったあいつ結構固いんだ!

はずかしい・・・。

ちくしょうがああああ!

今すぐ東京湾に沈みたい・・・って水圧でつぶれちゃう。

死にはしないかもだけどつぶれちゃう。

はあ。

おちつけわたし。

おちつくんだよ。

目を閉じて。

深呼吸だ。

すーはー。

おーけー。

おちついた。

 

眼を開くとあの子たち、白ねぇさんがスキルで生み出した子供たちがいっぱいいた。

・・・うん。

喉渇いた飲み物飲もう。

ごくごく・・・ぷはー生き返るぜぇ・・・じゃないやこの子たちが出てきたことについて考えなきゃ。

なんかこの子たち中二病臭いこと言ってる。

もうそんな頃なのかなぁ。

反抗期来ちゃうの?

吸血っ子みたいに反抗期来ちゃう?

そんときゃ私が来てやるか。

ほんと久しぶりに会ったなあ。

あの子たち私がここにいる理由察してるみたいだし説明はいらないか。

そんなことを考えているとあの子たちが言った。

 

[知りたいなら]

[聞けばいい]

[お前たちは]

[近くにいる]

[知る意味はない]

[どうせ死ぬ]

[みんな死ぬ]

[生き足掻けばいい]

 

ふぁ?

お前たち何言っちゃってるの?

やっぱり反抗期なの?

私がコミュ障なのご存じでございますよね?

察して勇者たちが聞いてきちゃったらどうするのさ。

あれ、もうあの子たちいなくなってる。

あちゃー勇者さん達だいぶ疲れちゃってるっぽいね。

まあいっか。

 

 

 

私達が下層に落ちた時のやつから地上に上がるってよ。

私は登ってる最中にあの虫どもをあいてするんだって。

私は空間機動使えないから足元に結界を張って足場にして風系統の魔術で援護していく。

基本は勇者さんとギュリー・・・ハイリンスさんが倒してるからまあガンバ。

私としては軽々抜けれた。

他の人たちは結構つらかったみたい、バスガスさんのアジトで泊まることになったからそこで休んで明日白ねぇさん達に合流しようかな。

 

 

 

翌日。

バスガスさんとの別れを済ませた勇者さん達が私にどうするのかと聞いてきた。

 

「・・・はぁ。よくこんな得体のしれない私を旅に連れて行こうとしますね」

 

せっかくだから頑張って長文話してみることにした。

うん。

よくこんなの連れてこうとするよね。

 

「やめておきます。次会うことはあるかもしれませんけど敵かもしれませんしね」

 

やめとくけど。

 

そこから別れた後のことだ。

バスガスさんは私の正体に気づいてるからこのまま転移しちゃおうとしたら呼び止められた。

 

だいぶ、慎重にあることをきいてきた。

 

「なあ、今、悪夢はどこで何をしている」

 

・・・言ってしまおうか。どうしようか。

正直無視しても何の問題もない。

だがなんとなく声が出てきた。

 

「魔王軍で十軍隊長をやってますよ。もうあなたは会わないと思います」

「魔王軍・・・!」

 

すらすらと声が出てくる。

 

「知ってます?魔族って人類が進化した者たちなんですよ?彼らの中には人間と共存を願う者もいます。しかしそれはこの世界が許さないんです」

「は?どういうことだ」

 

すらすら、すらすらと、私が少し伝えてやろうかなと思った言葉が。

いきなりわけのわからないことを言う私に少し戸惑うバスガスさん。

 

「知りたければ禁忌をレベル10にするといいですよ?それほどの時間があるかどうか知りませんけど。この世界の事が少しわかります」

「・・・そうか」

 

何を納得したのだろうか、わからないがこの迷宮をともに歩いて少しは情が湧いた。

 

「禁忌をレベル10まであげた者たちはロクな死に方してませんけどね。それではもう会わないと思いますがさようなら。生き残りたかったら死ぬのも手ですよ?」

「・・・」

 

わけがわからないという顔をしているバスガスさんにそう言い残して私は去った。




ねむい。


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よまわりさん、突撃までのひと時

短いです。
ゆるして。
最近現世の性格を忘れかけるとかと、色々あれなんで少し変でもご了承ください。


・・・私の才能ってなんだろうね。

よまわりさんとしての物としては人攫いと神という種族としての物だろうけど。

ほら、私ってば神様だから。Dさんはどういう生物なのかよくわかんないけど、一般的には神の定義をエネルギーを大量に保有する生物ってことにしてるんだっけか。でも私は神っていう生命体だから。種族だから。力が衰えても神だから・・・うん。

まあ私というかよまわりさんが神なのはいいとして、私自身の才能ってなんだろうねって考えたのだよ。

隠蔽は確実なんだけどさ、もしかして魂についても私なんじゃないかな。

白ねぇさんは無理って言ってるけど私的には霊魂を大爆発させたりなんなり蘇生したりって簡単に思いつく魔術だもん。

たぶん。

過去の私が何を思ってたかなんて覚えちゃないけど今の私にとっちゃ簡単なのよね。

でも禁忌のレベルが一個上がるだけで蘇生できる慈悲とか言うぶっ壊れスキルは意味わかんないけど。

あっシステム内だから蘇生できるとかじゃないよ?もちろんシステム内でもできるし。

私が死んだとしても死んだ後から私を蘇生できるからね。

ある程度力を得たら魂を司るとかしてみたら楽しそうかなぁ・・・。

あっでも、今度もしも死んだあと思考が混乱した時ように予備の思考の基幹を別の場所に一個くらいつくっとこ。

あとは魂以外が消失しきった時の肉体修復システムを付与ってむりか。私治癒苦手なんだった。肉体じゃなくてエネルギー体でもしばらく生きられるようにして自然治癒待ちにするか・・・いや、治癒が苦手ったってできないことないし。でもやるより素の再生能力のほうが早いんだよなあ。私というものがあったという証拠さえあれば再生できる気がする。記憶も肉体も魂もエネルギーも何もかも、私を構成する要素全て。

気がするだけだから肉体が消滅した時ように細胞一個でも作り出す術つくっとこ。そっちの方が安心。

 

・・・とまあ現実逃避終了。

この前バスガスさんと別れた後白ねぇさん達と合流してエルフの里をともに目指して到着。

白ねぇさんを着せ替え人形にして遊んでやろうかと思ったけどエルフの里での虐殺劇とかいろいろあるからしばらく出来なさそう。ショック。

 

今現在私が居る場所はエルフの里を包囲してる状態になってる帝国軍、魔王軍、クイーンタラテクト率いるタラテクト軍、の中の魔王軍側の鬼さんの軍隊。

私一応白ねぇさんの軍の所属ってことになってるのになんで白ねぇさんと共にいられないの・・・知り合いが鬼さんしかいなくてつらい。かといって鬼さんにばっか近寄りまくるのもあれだし・・・。

 

で、なんだっけか白ねぇさんがエルフの里を囲ってる結界ぶっ壊したら魔王軍進軍だっけか。

結界ってなんだっけ界を結び、境界を引くものだっけ?よくわからん。

 

白ねぇさん達はポティマスさんを殺すのと転生者の身柄確保の為に動くらしいから私は盛大に色々やってエルフをひきつけとけばいいんだっけ。

よっしゃ暴れるぞ。

 

 

 

白ねぇさんが結界を割るまで3・・・2・・・1、あっあっさり割れた。

じゃあとりあえず鬼さんについていくとしますか。

れっつごー!




短い。


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よまわりさん、勇者とまた会う

アンケートの結界、そのままweb版のまま行きますね、今更書籍に変えるの無理ありますし。


鬼さんが白ねぇさんが痛みつけて殺すとまで言ってたやつをさらっと殺しちゃいました。

どーしよ。

今魂を保護しといてあとで白ねぇさんに渡してあげた方がいいかな。

いいか、面倒臭いし。

ワタシミテナーイ・・・それより問題なのは目の前に勇者さん達がいることなんだよなあ。

エルロー大迷宮一緒に越えた時にすこーし情が湧いたというか、だから次会ったときに説得が楽なように「次会うことはあるかもしれませんけど敵かもしれませんしね」とか言ったわけではあるけど。

まあ・・・しょうがないか。

でるか。

 

「!! 待て! 誰だ!?」

 

気づかれた?

いや違うか、出ていこうとした吸血っ子に気づいただけか。

ふっふっふ、実は私の隠蔽術はすでに魔術の枠を超えただの普通にできる技術でしかないのだ。

いまだに概念を世界から隠蔽するのはできないけど。

一定地域に結界を結べばその結界内ではできはするけど。

 

・・・そろそろ出て行った方がいいかな。

私は隠れていた木からひょこっと顔をのぞかせる。

 

「夜ちゃん!?」

 

最初に私に気づいた勇者さんから驚きの声が発せられる。

そして振り返った鬼さんからやっと来たのかという呆れた表情とそのたからもいろいろな感情を向けられる。

この中じゃやっぱ鬼さんのあの落ち着いた感情が一番落ち着くなぁ・・・。

 

勇者さんがどうしてここに?と私に言おうとしたのだろうか。

その声の途中で背後にいたエルフ達から魔法が私たちに向けて飛ぶ。

 

「邪魔よ」

 

吸血っ子が腕を振るい攻撃を投げ払い液体で攻撃する。

あんなスキルあったんだ・・・ずるい。

 

「やめろ!」

 

勇者さんが吸血っ子に向かって剣を振う。

 

「軽いね。こんなスカスカな剣で、誰かを切れると本気で思ってるの?」

「ソフィア。あの後ろで倒れてるのって、先生じゃない?」

「あら? そうなの?」

「多分だけどね」

「じゃあ仕方ないわね。やめてあげるわ」

 

吸血っ子が指を鳴らすと液体が引いていく。

なーんか面倒くさいことになってきた。

 

鬼さんと吸血っ子がハーフエルフさんを殺すとか会話し始めて勇者さん怒っちゃったし。

うへえ・・・めんどくさい。

 

怒りを現わしていた勇者さんの表情が突如呆けた顔へと変わる。

そして一言。

 

「鑑定不能!?」

 

・・・あーこれ私に対して言ってるわ。

私を鑑定したんだろうね、私ってばシステム外の存在だから鑑定不能なのよ、しゃーない。

 

「あ」

 

鑑定されちゃったかー別にいいかーなどと気楽なことを考えていたら吸血っ子がしまったといわんばかりの声をあげた、と思ったらゾンビがいた。ごめんね訳がわからないよ。

吸血っ子あれだな、スキル発動させっぱにしてたな、だから死体がゾンビ化しちゃったのかな。

・・・はぁ、しょうがないか。

 

私は魔術を発動させてすべてのゾンビを焼き殺しながら吸血っ子の方を向く。

 

「吸血っ子?」

 

そしてわざと笑みを作って吸血っ子をにらむ。

 

その一秒後、私も吸血っ子と同じ言葉を発することになった。

 

「あ」

 

焼き忘れてたゾンビが放った矢がハーフエルフさんの心臓に刺さったのだ。

言い訳していいですか、普通に適当に焼き払えば全ゾンビが焼けると思ってた、以上!

 

駆け寄り、倒れたハーフエルフに向けて何らかのスキルを発動させる勇者さん。

 

「グアアアアアァァァァッ!?」

 

それと同時に勇者さんが頭を抱えて叫びだした。

 

「あーこれ何かしました?」

 

一応鬼さんと吸血っ子に聞くと、鬼さんも私と同じように吸血っ子に質問した。

 

「ソフィアさんなにかした?」

「いやなにもしてないわよ」

「でしょうね」

 

「・・・現世ちゃんなにがあったかわかる?」

 

一瞬何かを考えた後今度は鬼さんが私に質問してくる。

鬼さんは話すことが多い相手トップ3だ、さすがに会話は白ねぇさん相手ほどじゃなくてもできる。

 

「いやー多分白ねぇさんは詳しくわかるでしょうけど私は大体の予想でしか・・・噂をすれば」

 

この場で私しか気づくこともできないほど緩やかな転移の前兆。

目の前に現れるのは白ねぇさん。

 

「若葉さん」

 

そうつぶやくと同時に意識を何かに刈り取られた勇者さんはかくりと眠る。

 

「若葉さん、だよな? これはどういうことなんだ!? シュンに何をした!?」

 

突如現れた白ねぇさんに動揺したカティアさんが白ねぇさんに質問するけどそれを無視で明らかに原因にしか見えない吸血っ子を締めようとする白ねぇさん。

 

「白さん、僕らは本当に何もしてないよ。俊がそこに転がっているハーフエルフに何かして、いきなり苦しみだしたんだ。状況からして俊が何らかのスキルを使って、その副作用でも出たんじゃないかな?」

 

鬼さんが弁護するがその後ろで吸血っ子がうんうんと頷いているせいで余計怪しく見える。

しかも若干目が泳いでる。

 

「まあ、シュンにスキルを使わせる原因を作ったのはソフィアさんだけどね」

 

白ねぇさんがこっちに本当か聞くように見てくる。

 

「あー・・・吸血っ子がスキル発動させっぱなしにしててエルフの死体がゾンビになってって感じでした悪いのは吸血っ子か慈悲を使ってあれをカンストさせた勇者さんです」

 

その言葉に鬼さんがつけたす。私が焼き殺し忘れてたこと?しらないですね。

 

「ソフィアさんの操るゾンビがそこのハーフエルフに致命傷を与えた。その治療を俊がしたけど、次の瞬間俊が苦しみだした。僕の目から見るとこんなところかな。ちなみに、僕の目に間違いがなければ、そこのハーフエルフの治療は間に合わなかったはずだ。どう見ても致命傷だったからね。いくら俊の魔法能力が優れていようと、あのタイミングで救えるわけがない。俊がやったことは、死者蘇生か? そりゃ、そんな能力、代償もなしに発動できるはずがないじゃないか。どんな代償なのかは知らないけれど、俊がそれだけ苦しんでるのも納得だよ。叶多、それを僕らのせいにしないでほしいね」

 

すごーい白ねぇさんから「やっちまった」みたいな感情が伝わってくる。

 

「ねえ現世ちゃん俊がカンストさせたスキルってなあに?」

 

私の先ほどの発言を逃さず鬼さんが質問してくるけどごめんね、それ答えちゃうとさらに場が面倒臭くなっちゃうの。

 

「すいませんそれ話すともっと状況が面倒臭くなります」

 

とだけ答えておく、後で教えろよと言わんばかりの視線を私に向ける鬼さんを無視して私は「それでは」と一言残して逃げた。

 

 

 

全速力で走って去ったら、暫くして今度は空に巨大なウニをみた。

ウニだ。

空に浮かぶ機械ウニ、それを見てしまった私はSANc1/1d10です。

じゃないよ!ウニだよ。

 

・・・いや、落ち着け落ち着いて私。

もう一度しっかり見るんだ。

 

私の視界には空に浮かぶ無数のウニが映っていた。




クトゥルフしたい。


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よまわりさん、うにがうにうにする

うにー


ウニだー。

ウニがうねうね(うにうに)してるー。

わっほーいなんと冒涜的な機械なんだー全然宇宙は見えないけど冒涜的だぞー。

うっわあ・・・奥の方で蜘蛛軍団が戦ってるの見えるけどそこまでよく見えないけど苦戦してるのはわかる・・・。

 

さて・・・私は何をしようかな。

 

あー・・・一体ウニがこっちに気づいた。

気づかないでほしかったなぁ。

うっわ、めっちゃ撃ってくる、・・・あっ私の右腕吹っ飛んだ。

うーん一回、魔術打ち込んでみるか・・・発射!・・・・・・あー当たる瞬間に掻き消えたぁ。

あれか、神化した時のところにあった魔術妨害結界がウニに張られてるのか。

 

あー電磁レール引いてどっかの某ラノベみたいに超電磁砲するか?いや、加速しまくった小石ぶん投げるほうが楽かな。

久しぶりに小石投げるなぁ・・・、魔術で身体強化しまくって・・・加速魔術行使して・・・力を腕に凝縮して圧縮して増幅して・・・。

 

「そいやっ」

 

軽い声と共に投げられた小石は爆音響くと同時に発射された。その弾は空気を高熱にしながら進む、私が一回考えた超電磁砲とそう大差ない現象が巻き起こっているわけだがその実態は私が色々強化して放っただけである。本家超電磁砲以上の速度で進んでいくものをぶん投げた私は反動で地面に沈んでいた。

そう、沈んでいた、忘れていた、足元に結界貼っとくの忘れてた!!!

あーここまでしてウニが砕けなかったらショックだなー。とフラグを構築したせいですっごい嫌な予感。

 

嫌な予感は見事に的中、小石は見事ウニに当たって爆散した。

ウニ、何と、無傷。

そしてその時私は悟った、最近使ってなかった刀でぶった切った方が早いと。

そうと決まれば結界で足場を作って抜刀術を使うように手を刀に添えながら速度に任せて接近していく。先ほど吹き飛んだ右腕ももう生えた。ウニに撃たれた弾が当たるもすべて片っ端から自然治癒(さいせい)していく。

私の抜刀の射程圏内についたところで射撃でこれ以上ダメージを喰らわないうちにと神力で即座に刀の強度を強化させて抜刀からウニに向けて一閃。

真っ二つになって落ちるウニ。

その中にエネルギーを入れてるような核を見つけたのでウニと共に落下しながら回収してエネルギー変換魔術で吸収する。

 

ふはは、魔力増えたぞー!

 

そう考えた瞬間突如ウニが自爆用のエネルギーが別にあったのか自爆。

見事に巻き込まれた私は死にかけたけど自前の治癒能力というなの再生能力が輝いて・・・いや、むりそんな早く再生しないしもとからほぼ防御張ってなかった、あっこれ死ぬ。



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よまわりさん、カップラーメン美味しい

そういえば前来ていたけど返信返す前に消えちゃった感想に返信。

戦争終ったのでやっと白ねぇさんと現世二人ののんびりほんわかかけると思います。


そして復活!

いやー痛かったー。

再生能力さまさまだなあ。

刀でスパッてやっちゃったけどこのウニってだいぶ厄介だよね。

 

『総員、全力退避』

 

うーん、白ねぇさんが片付けてくれないかな、なんて思っていると白ねぇさんからの退避命令。

総員、なんて言っちゃってるしタイミング的にもウニだよね。

 

じゃあおとなしく退避しておきましょうか。

 

 

 

うっわぁ・・・。

傍観してたら森がどんどん燃え上がって、大量のウニが落下してきて、巨大UFOが宙に浮いてた。

何言ってんのか私もよくわからないよ。

 

しかもUFOは白ねぇさんの蜘蛛の糸で固定されちゃってるし。

まあ、あとは白ねぇさんと魔王さんがどうにかしてくれることでしょう。

普通のエルフは先生さん以外皆滅びちゃったしやることが・・・エルフの炒め物つくるか。

 

 

おはようございます。

朝です。

昨日のエルフの炒め物は失敗しちゃって三人くらい無駄にしてしまいました。

 

私は無事だったエルフの家に白ねぇさんと泊まった。

別にお楽しみだったわけでもなく一緒にぐっすり寝たよ。

 

白ねぇさんは悪夢を見たとかなんとか言ってたけど私は普通に寝れたからいいや。

 

そういえば魔王さんの寿命はあと一年ほどらしい、それを聞くと悲しくなってくるんだけど一応昨日魔王さんに「魂の崩壊ぐらい抑えられますよ」って言ったら断られちゃった。

長生きしてるとああなるのかな。

私は意地でも生にしがみつきたいなぁ。

 

朝起きたら白ねぇさんはすぐにどこかに行っちゃったから一人でエルフの家でゴロゴロしてるよ。

でもさすがに暇になってきたし外に出ようかなぁ。

 

 

外に出てしばらく歩いていると白ねぇさんの蜘蛛の糸で土下座のまま拘束された人が・・・ってこの人昔白ねぇさんに弟子にしてくれって言ってた人じゃん。

とてもコミュ障には相手できないから離れとこ。

 

あー朝ごはんどうしようかな。

確か地球のDさん宅にカップラーメンあったよね・・・。

 

 

というわけでカップラーメン持ってきました。

あとは魔術でお湯を入れて待つだけ。

二分がおいしい?知らない言葉ですね。

きちんと三分待っていただきます。

と言ってもここ外なのでどこか崩れてないエルフの家は・・・ないから寝た家に戻ってそこで食べよう。

 

 

・・・迷った。

あきらかに三分経つどころか十分くらいたっちゃったしこれ麺がぶよぶよなんじゃないの?

どうしようか。

 

あっあそこに広そうなエルフの家がある。

しょうがないあそこで食べるとするか。

 

そうしてその家の扉を開けた先には・・・大量の転生者がいた。

ついでに二人の男の転生者が抱き合うような形で縛られていた。

 

ああ、うん。

そんな趣味があってもいいと思うよ?

私は理解できないけど。

 

なんでそれを女性陣はうっとりとした表情で眺めてるの?

怖いよ。

コミュ障っていうのが吹き飛ぶぐらい怖いよ。

あっ縛られてる方の一人がこっちに気づいた。

そして言った。

 

「あっ前の神言教での会議の時に一言も話さなかった子!助けて」

 

と。

ああ、趣味でそんな格好になってたわけじゃないんだ、よかった。

てか、前に白ねぇさんに無理やり連れてかれた会議に居た人なのか。

 

・・・で、えーっとどうしようか。

今の一言で私に視線が集中しちゃったし、つーか転生者の前でカップラーメン持ったままなんですけど。

 

・・・逃げるか。

 

「えっと・・・それでは?また会うことはないでしょう?」

 

そう捨て台詞を残してぱたんと扉を閉めた。



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よまわりさん、番外編する

はい、おかゆ裁判とかを見てたらクリスマスだと言うのになんの番外編も用意してないことに気づいて40分強で書いた番外編という名の雑談です。


「白ねぇさん」

 

「なに?」

 

 真剣な表情をした私に白ねぇさんはそう答える。

 

「もう地球の暦では12月25日です」

 

「うん」

 

 白ねぇさんが頷く。

 

「クリスマスですよ」

 

「……うん」

 

 少しイラっとした感じに頷く。

 

「冬コミも近いんですよ」

 

「うん」

 

 普通に頷く。

 

「で、それで?」

 

「クリスマスです」

 

「うん、リア充撲滅でもするの?」

 

 いまいちよくわからない様子の白ねぇさん。

 

「プレゼントください」

 

「やだ」

 

「なんでですか白ねぇさん、いや、お姉ちゃん」

 

「お姉ちゃんったって血族でもないし、数日違いじゃん」

 

「細かいことは気にしないでください」

 

「気にする、というか細かいことを気にしたら私の前世考えたら現世の方が姉じゃんか」

 

 魔王さんや私にしか話さない軽い口調で話す白ねぇさん。

 

「そうでしたね蜘蛛さん」

 

「懐かしい呼び名」

 

「ですね……じゃなくて、プレゼント下さい」

 

「ちっ、逸らせなかったか」

 

「そんな簡単な手段には引っかかりませんよ!」

 

「一応聞くけど何が欲しいの?」

 

 ……何が欲しい……そう言われると思いつかないなぁ。

 

「そうですね、蓬莱の薬とか奴隷幼女とか白ねぇさんとか?」

 

「1つ目は不可能、2つ目はロリコン、3つ目は……これで満足?」

 

 そう言って私を膝の上に乗っけて頭を撫でる白ねぇさん。

 うん、満足。

 

「満足かーそうかー」

 

 そこまで言った後に一拍置いて。

 

「じゃあ私にもプレゼント頂戴」

 

「えぇ!?」

 

 どどどど、どうする!? 待ってどうする!? 

 

「私にプレゼントを要求してきたんだしプレゼント交換ね。さあ、何か頂戴」

 

 いや何をあげればいいのかなぁ。

 これどうしましょ、この展開は予想してなかったんだよ!! 

 

「えーっと……あーじゃあ私の処」

 

「要らない」

 

 何も思いつかなさすぎて言った言葉の途中で被せるように返却された私は一体全体どうすればいいかなぁこれ。

 

「そう突然言われてもおもいつきませんよ!」

 

「だからと言ってもあれはないと思うし、しかもさっき私も同じ気持ちだった」

 

「それは……ほら白ねぇさんお姉ちゃんですから」

 

「じゃあ我が妹」

 

「ハイなんですか姉様(あねさま)

 

「精一杯の防寒魔術を己が身体にかけよ」

 

「えっああ、了解です姉様」

 

 敬礼をしながら暖房魔術発動。暖かい温度が決められた空気が私を取り囲む。

 

「かけました姉様」

 

「準備はいいか我が妹よ」

 

「はい、何の準備かは知りませんけど」

 

「じゃあ空間魔術で飛ぶぞ、我が妹……めんどくさい、現世、空間魔術で飛ぶからね」

 

 いきなり空間転移で飛ぶってどこに飛ぶんだろうかな。

 

「じゃあ、行くよ」

 

 一瞬で視界が切り替わり視界一面に白が浮び上がる。

 私の視界で白くない物は白ねぇさんの瞳のみ。

 それはまるで雪原を走る雪うさぎの瞳にも、雪に染みる鮮血にも見えて……。

 

「ってなんですかここ」

 

「前越えた山脈」

 

「何をするんですか?」

 

「うん? 現世が遊びたそうだったから、今日はサービス? メリークリスマス」




以上。

白ねぇさんの口調ムズい。
暫く書かな買ったせいで現世の口調忘れた。


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よまわりさん、2回目の番外編する

この小説を1話から読み返しつつ修正してたけど処女作って作者のこころをえぐる魔導書の類だったんですね。私理解した。


 Dの家にぽつんと座って水槽を眺める黒い少女がいた。

 真っ黒いパーカーにスカートは、電気を消してカーテンも閉めた空間にとても溶け込んでいる。

 

 少女……現世はずっと水槽を眺める。

 その中を泳いでいたのはとてもとても小さな生物。

 プラナリア。半分に切られてもしばらく時間が経つと再生して二匹になるチート生物。しかもふたつにした際、脳を持たない方も記憶を引き継ぐとかなんとか。

 

 じーっと眺める。

 カチコチと時計の音だけが時間が止まっていないことを証明する。

 

「うっわ……まじですか」

 

 そんな中、現世は独り言を零した。

 そう、何もただプラナリアを眺めていただけという訳では流石に無かった。

 プラナリアの切断、二匹に別れる際の魂の状態の観察。それを検証するためにじっと見ていたのだ。

 結論は最も簡単な事。2つに別れる際、魂までもふたつに分裂。この時に魂の記憶を司る部分は記憶をコピーしてもう片方に送る。あとは肉体の再生に合わせて魂までもが再生。

 なんとも簡単で、それでいて一番異常な答えだ。

 

「生命力強すぎやしませんか……こいつ」

 

 そんな異常現象の発生原因を解析すれば不死どころか分体ですらない、本体の量産などという暴挙にすら出られる光景を目撃してしまったのだ。

 

 そっと心に蓋をして見なかったことにした現世はすくっと立ち上がり、別の目的へと移る。

 

 元々、この日にしようとしていたことではないが、忘れてしまいたい現象を上書きするためにその本を手に取った。

 

 ここでひとつ別の話をしよう。

 現世の姉、白は『地球は何故か魔術が発展しなかった』と思っている。

 だがそこに妹、現世は苦言を呈したい。

 そのために今、その本を手に取っているのだ。

 

 The Clavicle or Key of Solomon……日本語で言ったところの『ソロモンの鍵』。

 列記とした魔導書であり、これはファンタジーの物などではない。アレイスター・クロウリーの法の書(The Book of the Law)のように実際に存在する魔導書だ。

 

 現世がこれを読む理由は二つ、地球の魔術の存在の証明。そして、魔術理論の勉強。

 

「……」

 

 前世で聞いた事があっても詳しくは調べられなかった用語達、楽しい楽しい沢山の情報をるんるん気分で学んでいくのだ。

 

「……ふむ……降霊術……何かに組み込めそうですね……」

 

 ぱたんっと本を閉じた。

 

 後に、なかなかに素敵なことを学べたと吸血っ子の前で語った現世の瞳はキラキラ輝いていたという。

 そして一体どうしてそんなものをどうやって呼んだのか。元の術とはかけ離れた改造を施され、形も残っていない魔術から召喚された触手に吊るされる羽目になった吸血っ子はしばらく現世と口を聞かなかったという。




ソロモンの鍵欲しいのですけど資金が足りないのですよね……だからこういうネタも詳しく書けない。


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