LGBT(正式名称:Lucent Girls Basebell Tournament) (kwhr2069)
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絵里side

皆様お久しぶり(?)です。HBP第五弾がやって参りました。

野球モノ...。
人を選びそうな感じになってしまいましたが、ちゃんとHBPしてるとは思います。
ので、シリーズを読んでくださっている方々には出来れば読んでほしいと思っております(笑顔で威圧)

ではでは早速。

絵里ちゃん、Happy Birthday!!


明るい太陽が降り注ぐ。

球場の観客が、その瞬間を今か今かと待ちわびているのを感じる。

 

グラウンドの中で一部分だけ小高い部分――ピッチャーマウンドに、私は立っていた。

 

「絵里!最後はビシッと決めちゃいなさい!」

「絵里ちゃん、ラスト一球ファイト~!」

「絵里、最後こそ気を引き締めて!」

「エリー、ここで決めるわよ!」

「絵里先輩...頑張ってください!」

「絵里ちゃん!…ファイトだよっ!!」

 

皆の声を背中に受ける。

この声が、私を助けてくれる。私の背中を、押してくれる。

 

「あと一球!全力でいっくにゃ~!」

 

右後ろから、ひときわ大きな声。

もはや声援とも言えるそのセリフに、思わず笑みがこぼれる。

 

「(さあ絵里ち、三振で決めたろうやん!)」

 

目の前でミットを構える女房役からも、そう言われた気がした。

 

 

「(…皆、ありがとう)」

 

万感の思いを込め、振りかぶる。

全ての思いを乗せ、投じたその一球は――。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

「それで?」

 

「どうしたにゃ?」

 

「『どうしたにゃ?』じゃないでしょ!?

 

 

 なんで私たちが...急に野球なんてやらないといけないのよ!」

私の同級生でもある少女――矢澤にこが、何度目かも分からない疑問を投げる。

 

「にこちゃん、理事長さんが説明してたじゃない、聞いてなかったの?」

その問いに対し、まるで煽るように返すのは二つ下の1年生――西木野真姫。

 

「聞いてたわよ!でも、そんな簡単に受け入れられるワケないでしょ!?」

 

「んー私はそんなによく分かんなかったけど、野球やればいいんでしょ?楽しそうだしいいじゃん!」

そんな能天気な返答をするのは、2年生の少女――高坂穂乃果。

 

「…ワタシは、そんなアンタみたいに開き直れないわよ、全く...」

 

「ん?私褒められてる...?」

 

「褒められてません、馬鹿にされているのですよ...」

「あはは...」

穂乃果の問いに答えたのは彼女の同級生である二人の少女――園田海未と南ことり。

 

「それにしても、野球ですか...あまり経験はないのですが...」

 

「野球経験と言えば、やっぱり凛ちゃんだよね!」

「ちょっとかよちん...それ、別に今言わなくても」

”凛ちゃん”、”かよちん”とお互いに呼び合うのは、二人の1年生――星空凛と小泉花陽。

海未の呟きに花陽が反応し、凛がそれを止める様な構図に。

 

しかし、一度口から出た言葉はもう戻らない。

 

「なに、凛?アンタ、野球経験あるの?」

 

「えー...っとまあ、ちょっとだけ、ね?」

 

「………」

 

「あはは...やっぱり女の子が野球なんて、おかしい、よn...」

 

「良かったぁぁぁ!!!」

 

「へ!?」

突然手を掴まれそう叫ばれ、困惑する凛。

その場にいる私たちも、意味が分からず頭に?マークを浮かべる。

 

「いや~...経験者もロクにいないこのチームでやれ、なんて無茶だと思ってたのよ。

 凛が経験者なら話は別ね、一緒に力を合わせて、他の7人の分まで働きましょう!」

 

「いやぁ...えぇ!?」

困惑が止まらない凛。一生分の困惑を今日で使い切ってしまいそうだ。

 

「ふ~ん...”経験者もロクにいない”ね...言うやん、にこっち。…なあ、絵里ち?」

そこで声を上げるのは、これまで沈黙を保ってきた私のもう一人の同級生――東條希。

 

「そうね...だいぶ失礼なこと言ってくれるじゃないの、にこ」

希の言ったことに乗っかる私――絢瀬絵里は、にこの方に歩み寄りながら続けて言う。

 

「…そう、アンタたちも経験者なのね。

 まあ、理事長が話を持ってきた時点で経験者がいるんだと、考えておいても良かったみたいね」

余裕綽々といった感じで、髪を右手でかきあげる。

 

「全くにこは...騒いだ分は、しっかり働いてもらうわよ?」

 

「ふん...野球が出来るとなって、少し血が騒いでしまったの、ごめんなさいね絵里」

 

「ほらほら皆、もう間もなく球場に着くんやって。降りる準備せな」

希が、アツくなり始めた私とにこを止める。

 

「そんなこと言う希も、すっかり本気ね。

 

 

 …まさか既に、グラブをはめてバットを担いでるなんて」

 

「そんなん言わんといてや、うち恥ずかしいやん」

少したしなめるようにそう言うと、希は感情の昂ぶりを抑えるように口角を上げてそう言った。

 

 

このやり取りをしている中で、会話に置いてけぼりな6人がいるとはつゆも思わずに。

 

 *  *  *

 

私たち9人は、私立音ノ木坂学院高校に通っている。

学年も違う私たちが、どうして一緒にいるのか。

 

それはひとえに『私たちがスクールアイドルμ’sを結成しているから』だ。

 

スクールアイドルを結成したのは、今から約2か月前。

そのきっかけは、学校の廃校を阻止するため。

私たちはその目標を達成するため、日々部活動に励んできた。

 

そんなある日のこと。

私たちμ’sの面々は理事長に呼ばれ、とある話を聞かされた。

 

「Lucent Girls Baseball Tournament!?!?」

 

「ルーセン...何?」

 

「ルーセント・ガールズ・ベースボール・トーナメントです。

 直訳すると、”きらめく少女たちの野球大会”...といったところでしょうか」

「ええ、そうね。ちなみに略して、”LGBT”よ」

英語を聞き取れず置いてけぼりになる数人の為に説明したのは、海未。

続けて補足説明する南理事長。なんだかノリノリなのは気のせいだろうか。

 

「”LGBT”ってそれ、なんか聞いたことあるような...?」

 

「(…なんか、色々と物議をかもしそうな略称ね)」

この場にいるほとんどの人間はそう思ったに違いない。

 

「それで、どうして私たちがその大会に?」

 

「9人だから」

 

「はい?」

あまりにもテキトーに聞こえた返答に耳を疑う。

 

「…貴方達が9人のチームを組んで約2か月。

 確かに依然と比べて距離は近くなっているわ。でもね、まだまだ足りないの」

 

「はあ、なるほど...」

 

「そこで重要なのが、スポーツよ!」

まるで決め台詞でも言っているかのような顔をする南理事長に困惑する、9人の女子高生。

 

「スポーツはいいものよ...ともに流す汗や涙は、人を成長させてくれる。

 そして、周りの人達の大切さに気付いた時、貴方達は更に素晴らしい”チーム”になる筈よ」

アツく語る南理事長に困惑する、9人の女子高生。うち一人は、髪を弄り始めている。

 

「えと、理由は分かりました...でも野球なんて...」

 

「そんな甘っちょろい考えは捨てなさい!!」

突然語気を荒める南理事長。9人が全員ビクッとして肩を震わせる。

 

「いい?無理難題に挑戦してこそ、スポーツに取り組むということなの。

 野球なんて?甘いわ!甘い!外国で私が食べたチーズケーキよりも圧倒的に、あ・ま・い・わ!」

 

「(何言っているんだろうこの人は...

 

 あとその例えだと私たちには、どのくらいの甘さなのか分からないのだけど...)」

脳内でツッコミ、話は真面目に聴こうとした私であったが。

 

 

「…と、いうことで。じゃあ、いってらっしゃい」

 

「はひ?」「ふっ!?」「へ?」「ほひょ?」

まさかのハ行制覇。奇跡が起きた。

これはもはや、チームとして完全形体に近いのではないだろうかと、私はその時思った。

 

「黴菌マンじゃあるまいし、そんな変なこと言ってないで。ほら、早く」

平然と(?)受け流し、私たちを急かす南理事長。当たり前ながら脳内処理は追いつかない。

そのまま言われるがままに、南理事長が呼んだという小ぶりのバスに9人が乗せられる。

 

「あの、授業は...?」

 

「大丈夫よ。明日からは休校にして、全校生徒で応援に行くから」

全然大丈夫じゃないと思う。

 

「詳しい試合日程はその大会参加チーム名簿に載ってるから。

 あと、私も少し遅れると思うけどそちらで合流するわ。それじゃあ、頑張って頂戴ね」

 

「いや、ちょ、あの」

何も言い返す隙を与えず。

南理事長は去り、バスも発車した。

 

「………」

先程まで騒がしかった私たちに沈黙が訪れる。

 

当たり前だ。

誰一人として、今のこの状況に理解、納得できている者はいないだろうと思う。

 

ただ、一つ気付いた。

南理事長が言っていた『周りの人達の大切さ』という言葉。

今ほど、胸に沁みることはないだろう。

 

「ちょっとぉ!?いったいどうなってるワケよ、これ!?」

「私は知らないわよ!」

「こらこら、喧嘩腰はアカンで」

 

「うん...おやすみ...」

「穂乃果!?この状況で寝るんですか...」

「あは...さすがにそれは、凄いというか...」

 

「…野球、か」

「凛ちゃん...?」

 

南理事長、なんだかありがとうございます。

周りに友達がいる、思いを共有できる仲間がいる。

それが、こんなに心強いとは。

 

今回の一件で、本当にチームワークは深まるかもしれません。

 

ですが...

 

 

「説明、もっとちゃんとしてぇぇぇ!!!」

「ああ、絵里ちが壊れた...」

 

「ちょっと~?さすがに騒がしいんですが...」

 

「すみませんでした!!!!!!!!!」

 

 

 

 

それから、現在。

勢いを取り戻した三年生3人と、未だ置いてけぼり気分の一、二年性6人。

 

試合は明日からで、今日はこれからグラウンドで練習という事なので、南理事長を待つことに。

 

すると見計らったかのように、駐車場に現れる車が一台。

少し豪快さを残しつつも丁寧な駐車に見惚れていると、運転席から降りてくるのは南理事長。

 

「よし、日程も確認しているみたいね。

 それで、これから練習なわけだけど...

 

 ここで、私が連れてきた助っ人3人組を紹介するわね」

その言葉に、9人は震えた。

3人組、と言えば。

 

考えを巡らせる私たちの前に、後部座席から降りてきたその3人の顔を見て、私たちは我が目を疑った。

そこには、なんと――。

 




なんと――。
…誰なんでしょうか、すっごく気になりますね!(無理やり)

さて。
今日から凛ちゃんの日までどう進んでいくか、ですが。
私の予定では、間に二、三話ほど挟むつもりでいます、が、本当にそうなるかどうかは保証しかねます。
とにかく今は、11/1にこの短編を完結するという心持ちです。
その辺りをご了承いただいて、これからも読んでいただければ大変嬉しいです。

では、長々と失礼しました。後書きもこのあたりで締めさせてもらいます。

ここまで目を通していただき、ありがとうございました!


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野球大会も。μ’s...

『11月1日には、この物語を完結させるいう目標で~』
…いやおま、何言っとるん?

とりあえず、待っていた方々には本当にごめんなさいという気持ちしかありませんm(_ _)m

一週間以上もあったのに投稿しないし、ついでに凛ちゃん誕すら乗り遅れるとかマ!?
…って感じですが優しく見守っていただけると。


遅れてしまったけど。
凛ちゃん、Happy Birthday!!


試合開始(プレイボール)!!

 

「なあ、凛ちゃん」

 

「いきなりどうしたにゃ?希ちゃん」

 

「ずっと、ウチが疑問に思っとったことがあるんよ」

 

「…?」

 

「なんでなんやろう...って、ずっと気になっとったんよ」

少し要領を得ない希の言葉に、凛はもどかしさを感じながら首をかしげる。

 

すると横から、にこも会話に加わる。

 

「どうしたのよ希、いつになく真剣な表情して」

 

「あ、にこっち...」

 

「…何?」

 

「ウチの長年の疑問、にこっちが解決してくれん?」

 

「急ね...まあでも、ワタシに分かることなら教えてあげられるけど?

 でも、アンタの方がずっと色んな知識あるでしょうよ」

 

「いや、これはホンマにウチだけじゃ解決できひん疑問なんよ...」

 

「そう。…それで?その疑問っていうのは?」

にこは、希を急かすようにそう言った。

希がここまで発言に渋っている様子、悩んでいる様子を見せるのは珍しかった。

 

そして。

決意を固めたような、何かしてやったりという表情を見せた希の口から流れ出るセリフは。

少なくとも、真面目に彼女の疑問に答えようと思っていたにこと凛の期待を裏切るには十分だった。

 

 

「アニメの二次創作でスポーツを書く時の話なんやけどな。

なんでおっ〇いのおっきいキャラがパワー系みたいな扱いになるんかな?」

 

神妙な面持ちの彼女が言ったことを、二人は容易には聞き入れられなかった。

まさに、想像の斜め上と言えるような彼女のそんな疑問に、二人が耳を疑うのは当然と言えた。

 

 

「…にこっち?凛ちゃん?」

疑問を受け入れるのに時間を要する二人に、希は名前を呼びかける。

 

 

「…アンタねぇ...」

ようやく現状を理解して受け止めたにこが、口を開く。

 

 

「そういうイヤミったらしいことを、ワタシたちに言うんじゃないわよ!」

バシン、と。

結構強めのビンタが、見事希の頬にヒットし、ベンチ内に快音が響いた。

 

 

 

 

「にこっちヒドい...試合前にチームメイトのことビンタとか...ウチ、もう...」

「アンタも大概でしょ?何よ、急に真面目な話かなと思ったら...思ったのに...」

 

「はいはい、落ち着いて落ち着いて。どっちも悪いんだからね全く」

 

「いやいや、ワタシのは不可抗力だから」

 

「だからって強くいきすぎよ」

 

「…はい」

 

「希は笑わないの。はたかれたのは自業自得なんだからね、変なこと言うのはもうやめて」

 

「…はい」

 

仲良く二人で絵里になだめられる所を少し離れて見る6人の少女たち。

 

事の顛末を凛から聞かされた時。

一人の少女は、自身の胸部と腕の力こぶを見比べて何やら叫び。

一人の少女は、馬鹿馬鹿しいと髪の毛を弄りつつチラチラと周囲に目をやり。

一人の少女は、首をかしげながら叫んだ少女に(少し憐憫の情を含んだ)声をかけ。

一人の少女は、顔を真っ赤にした後で凛の方をバツの悪そうな目で見て。

一人の少女は、何の話か分からないと言いながら素振りを続けていた。

 

そしてその凛はと言うと。

 

 

「野球、か...」

一人、物思いにふけっていた。

何やら事情がありそうなその表情は、他の誰にも気付かれることはなかったのだが。

 

 

 *  *  *

「ほら、やっぱりやん」

 

相手のスターティングメンバー表を見た希は、開口一番そう言った。

何が、と問いたげな表情を向けられていると感じたのか、希は続けて言う。

 

「相手の4番の子、エマ・ヴェルデって書いてあるやろ?

 ベンチを見る限り相手の中にそんな感じの雰囲気を出してるのってあの()しかおらんやん?」

 

希が指差した先には、一人の大柄な少女の姿があり、その胸囲は、希をも凌ぐほどのものだった。

 

「なんや知らんけど、パワー系は巨〇の人の役回りって決まっとるんかな?」

 

「…ねえ、希?」

ずっと黙って話を聞いていた8人の中、唯一口を開いたのは彼女の一番の親友である絵里。

 

「どしたん絵里ち」

 

「どうして今日はそんなに、周りを煽るようなことを言うのかが知りたいわ」

 

「へ?」

少し怒ったような口調を聴き、思わず周囲を見渡す。

彼女の目に飛び込んできたのは、6人ほどの少女が自分の胸に、恨みのこもった視線を向けている現状。

 

「…野球できるってなって、つい饒舌になっとったみたいやね」

 

「はあ...」

これからこの9人のいく先が不安になり、思わず絵里は溜息をこぼすのだった。

 

「ついでに言っておくと、希も4番キャッチャーで全く同じ形なのよ...?」

 

「あ、もしかしてウチ、盛大なブーメラン飛ばしてた感じなん?」

 

「…それを今更自覚してる時点で、今日の希はおかしいわね」

 

 

 

「あらあら貴方達、変な雰囲気だけど...何かあったのかしら?」

少し重くなった雰囲気を割るように聞こえてきた、その声の主は。

 

「南理事長...」

言うまでもなく、この9人をこの場へと多少強引に引っ張り出してきたその人であった。

 

 

「初戦の相手...虹ヶ咲学園には、勝てそうなのかしら?」

 

「そうですね...。

 様子を見た限りであれば、エースで5番の上原と4番キャッチャーのエマが怖そうですが...」

 

「ですが?」

 

「…勝てると、思います」

 

力強く言い切った絵里を見て、満足そうに頷く南理事長。

 

 

「そういえば今更なのだけど、三年生の3人と一年の星空さんは野球経験者なんですってね」

唐突に尋ねる南理事長。

若干一名の肩が、少し跳ねた。

 

「はい、そうですね。

 他の5人も、日々の部活のおかげか、運動神経が鍛えられていたみたいで。

 …なんだか不本意ですけど、せっかく来たからには優勝目指して、頑張ろうと思ってます」

 

「そうね、その意気よ!

 そしてそのまま”チーム”として力を高めて、ゆくゆくは...」

 

「はい、ラブライブ!で優勝します」

 

「いや...そこは『甲子園に行きます!』じゃないかしら」

 

何言ってんだろうこの人、と絵里は思ったが、それは心に留めてなんとか笑顔を返すのだった。

 

 

 *  *  *

結論から言えば、試合は5-1で音ノ木坂学院の勝利に終わった。

 

二回の表、虹ヶ咲の先頭打者エマのバットが火を吹き、スタンドインの先制ホームラン。

これにはマウンドの絵里も動揺したが、リードするキャッチャーの希がその包容力で上手くリードする。

 

流れに乗ってきた四回の裏。

先頭の2番センターにこがバント安打で出塁すると、そこから3番ライト海未、4番キャッチャー希、5番サード穂乃果、6番ピッチャー絵里の驚きの四連長短打が出て、この回一挙四得点。

 

その後は相手エース上原も粘りを見せたが、八回裏だった。

1番ショート凛が、ライト線へ打球を飛ばすと、その快足を飛ばし、相手の守備も味方してランニングホームラン。

これで完全に勝負は決した。

 

最後は、抑えとしてマウンドに上がった希。受けるキャッチャーは、そのまま代わって絵里。

息の合った投球術で相手を翻弄。

反撃の糸口すら与えず、勝利を収めた音ノ木坂学院なのであった。

 

 

「余裕ね」

「そうやね」

「とりあえず、勝てて良かったわ...」

「打てた!」

「あそこではもう少しああするべきでしたね...反省です」

「何もしてないチュン」

「…同じくです」

「そうね、退屈よ」

 

感想は人それぞれ。

満足。後悔。物足りなさ。自棄。

 

「凛ちゃんはどうやったん?久しぶりの野球」

 

「…凛?凛は...」

尋ねられ、返答に困る様子を見せる。

 

「勝てたし楽しかったから、良かったんじゃない...かにゃ?」

煮え切らない返事は、彼女本来の姿らしくは無いもので。

試合の間にもそのような所を感じていた他の8人にとって、何か彼女は悩みを抱えているのだと察するには十分だった。

 

 

 

 

 

「それにしても、あれやね」

 

「…どうしたのよ」

 

「凛ちゃんの俊足についてはもちろん言うまでもないやん?」

 

「まあ、そうね?」

 

「そんでもって...にこっちは相変わらずのバント職人やし」

 

「………」

 

「穂乃果ちゃんはパワーバッティングしてそうな雰囲気あるし」

 海未ちゃんはどこでもミートバッティングやし」

 

「「………」」

 

「ことりちゃん花陽ちゃん真姫ちゃんトリオの運動音痴扱いも見慣れたものやし」

 

「「「………」」」

 

「なんや、ただのテンプレート追ってるだけやんな」

 

「やめておきなさい、それ以上は。絶対に」

 

 




野球描写がちょい雑目なのはご容赦願いたいです。

あと、今回書いたのはアニメ漫画のスポーツ二次創作あるあるだと思うんです、マジで。
野球関連で書こうと思った時に一番初めに浮かんだのがこういう内容でした(ひねくれすぎな自分)

思わせぶりすぎる凛ちゃんがメインの回は、次回となります。
上手くまとめてきれいに完結させられるように、頑張っていこうと思います!

では。ここまで読んでくださって、誠にありがとうございました。


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凛side

大変長らくお待たせ致しました。
LGBT第三話、なんと20日ぶりになります。
一気に書いたため粗があり、展開も早めておりますがご了承頂ければ幸いに思います。

それでは…試合開始(プレイボール)!!

(↑ここまでウグイス嬢ボイス)


カキン、と。

球場に、快音が響きわたる。

 

そこにいる誰しもが、()()を確信する。

 

そして、その場の誰よりもその確信が大きい一人の女性は、自らが注目の的だと言わんばかりに、高々且つ堂々と、右手を突き上げる。

 

打球は、左中間スタンドに一直線。

球の飛来を待っていたファンが、自身がそれを掴まんとし、懸命に手を伸ばす。

人が乱れ合い、ボールは思わぬ方向に撥ねる。

 

「あっ」

 

ぽすっ、と。

撥ねたボールが、近くにいた少女のその左手にはめていたグラブに収まる。

…まるで、ボールがグラブへと吸い込まれるかのように。

 

ぱあっと、光が差したような表情を見せる少女。

 

それは本当に、奇跡とも言えるような巡り合わせだったのだろう。

 

そこからその少女は、近くの少年野球クラブで数年間野球に親しんだ。

様々な要因が絡み合い、中学生になる時には野球は止めていた彼女ではあったのだが。

それでも野球というスポーツを、自身の幼き心に大きな幸せをもたらしてくれたその球技を、彼女はずっと愛している。

 

 

そして今。

高校1年生となった彼女は再び、野球のグラウンドに立っていた。

 

オレンジ色の特徴的な髪が目立つその少女の名前は――星空凛という。

 

 *  *  *

野球。

 

私は、その球技を。

私から、”女らしさ”というものを何よりも奪ったそれを、嫌っていた

 

 

 

 

 

 ――はずだった。

 

 

好きじゃないはずなのに。

辞めて、清々した気持ちになっていたはずなのに。

二度と関わりたくないとまで、思っていたはずなのに。

 

 

 

…どうしてこんなに、楽しいのだろうか。もっとやりたいと思うのだろうか。

 

相反する二つの気持ちが、私の身体を巡る、巡る、巡る。

 

 

ふと、目を横にやる。

かよちんと真姫ちゃんが眠っていて、そういう時間なのだと思い出す。

 

寝て、明日起きたら、LGBTの決勝戦。

相手は、私たちと同じくスクールアイドルでチーム出場しているという、浦の星女学院。

 

三年生の熟練されたバッテリーや、二年生二遊間の元気コンビの相性も優れている。

また、4番を打つ三年生の小原さんは、今大会既に3本のHRを放っている恐ろしい大砲だ。

もちろんココが、今大会の優勝候補と言われているチーム。

 

 

「…ここまで来たら、思いっきりやるしかないのかにゃ...?」

そう呟く。

 

当然の如く、私の疑問に答えてくれる人はいない。

 

「…寝るかにゃ」

沈黙の中で呟く。

 

布団を被り、眠りに落ちる。

 

その時。

何かが動く気配と、何か声がした気がしたが、私はそれを拾うでもなく、そのまま眠るのだった。

 

 *  *  *

初戦の虹ヶ咲学園との試合以降、色々なドラマがあった。

 

二回戦ではアンダースローの投手に苦しめられ6回まで完全試合。

絵里ちゃんが先制点を許す苦しい展開から、7回での私の出塁をきっかけに3-2で逆転勝利。

 

三回戦は逆に、打ち合い、点の取り合いになった。

絵里ちゃんに加えて希ちゃん、海未ちゃんにことりちゃんまでもがマウンドに上がった。

荒れた試合展開の中で、なんとか9-7での勝利をもぎ取る。

 

そして、四回戦…準決勝。

シークレットチームとして登場してきた、A-RISEの三人や北海道から来たというSaintSnow。

それに加えて私たちの仲間であるはずのヒフミ先輩たち、浦の星所属というよいつむトリオ。

息の詰まる接戦。綺羅さんと絵里ちゃんの投げ合い。

 

勝利の決め手となったのは...”チームワーク”だった。

相手のミスに付け込んで点を挙げ、結果は3-1での勝利。

試合後の南理事長さんのドヤ顔が少し気になったけど、それは気にしないことにした。

 

 

来たるべき今日は、とうとう決勝戦の日。

ここまで来たら優勝したいと、そう考えるのが当たり前というもの。

 

ただ、私は違う。

まだ、悩んでいた。

 

それでも、そんな私の気持ちに応えてくれる訳も無く、試合は始まる。

私たち音ノ木坂学院の先攻で、試合は幕を開ける。

 

一回の表、早速私がヒットで出塁すると、2番のにこちゃんが送りバントで一死二塁。

3番の海未ちゃんはセカンドフライに倒れたけど、4番希ちゃんが左中間を破る二塁打。

その後5番穂乃果ちゃんが三振を喫したが、幸先よく一点を先制した私たち。

 

一回のウラ、先発の絵里ちゃんは相手の1番渡辺さん、2番津島さん、3番高海さんを相手に。

レフトフライ、セカンドライナー、センターフライ。

三人で、きっちりと抑えてみせた。

初回から絵里ちゃんのボールを外野まで飛ばすのは、流石強いチームだ。

 

二回表、私たちの攻撃は6番絵里ちゃんから。

インローのボールを上手く三遊間へ打つも、ショートの高海さんに抑えられて凡退。

続く7番ことりちゃん、8番真姫ちゃんはどちらも内野フライで、三者凡退。

 

代わって二回ウラ。

絵里ちゃんの初球のストレートを見事にライトスタンドまで運んだのは、4番の小原さん。

続く5番松浦さんもなんとレフトスタンドへのホームラン。

二者連続の一発によって、私たちは逆転されてしまった。

 

 

 *  *  *

「「ボールが...軽い!?」」

 

二者連続HRの後、6番黒澤(姉)さんにヒットを打たれたものの、7番黒澤(妹)さんを見逃し三振。

続く8番国木田さんをセカンドゴロゲッツーに抑え、スリーアウトチェンジ。

 

その後ベンチに戻ると絵里ちゃんから話があるとのことで。

その話というのが、”私は投手としては重大な欠点があり、それが軽い球”と言うものだった。

 

確かに言われてみれば、これまでの試合でもHRでの失点が多かった気がする。

 

それはそうと、この回は9番かよちんからの打順で、私にも回ってくる。

私は、打席に向かうかよちんを見守りながら、ネクストバッターズサークルに立つのだった。

 

 

** ** **

マウンド上の黒澤ダイヤは、困惑していた。

 

いったいこの目の前の打者に、これまで何球のボールを投げてきただろうか、と。

永遠に続く三回の表一人目の打者に、色々な感情が入り混じる。

 

「(あっ...)」

「ボール!フォアボール」

 

痛恨のミス。

重ねたボール球が、とうとう四つに達してしまい、一人目のランナーを歩かせるという結果に。

 

そして、その後。

送りバントとセーフティバントで一死一、三塁としてしまい、3番園田さんにレフトへの犠牲フライ。

4番東條さんを敬遠の後、5番高坂さんは空振り三振に抑えたが、同点に追いつかれてしまった。

 

「申し訳ないですわ、せっかく鞠莉さん果南さんが追いついてくださったというのに...」

ベンチに戻る途中、後悔と反省をにじませながら果南さんにそう言う。

 

「いいっていいって。また逆転すればいいだけじゃん!」

「そうデース!ダイヤは十分ナイスピッチ、してるのデース!」

 

「ありがとうございます、恩に着ますわ」

励ましてくれるクラスメイト二人の存在が、どれだけ私を助けている事か。

 

「ダイヤちゃん、富士の天然水あるよ~飲む?」

「ねえねえ、やっぱり相手のユニフォームもカッコイイよね、ダイヤちゃん」

「それは今言う事なの?曜ちゃん...」

守備でこれまでも支えてくれている、二年生二遊間組の存在も。

 

「リリー、この回はアナタからでしょう?早くいかないと...」

「分かってるから。それと、リリーはやめて」

「ルビィちゃん、お姉さんのピッチング凄いね~マルもなんだか勝てる気がしてきたズラ!」

「うん!私たちも、頑張って貢献していきたいね!」

他、この四人は試合では活躍にかけていると思われるかもしれない。

だけどやはり、私たちのチームには絶対に欠かせない存在だ。

 

「勝ちましょう、絶対に!」

力強く言い放った私の顔を皆が見てくる。

 

そして、再度誓いを立てるようにオー!と声を上げるのだった。

 

 

 *  *  *

その後、試合はテンポよく、ゼロを並べて進んでいく。

再び試合が動き始めたのは、六回表。この回先頭打者は、4番東條からだった。

カウント2-2からの外角球を、逆らわずに弾き返す。

ぐんぐんと伸びていくその打球は...ライトについていた小原の好プレーでアウトに。

 

しかし、であった。

続く5番の高坂が、これまでの二つの三振が嘘であるかのようなめざましい当たりをセンターバックスクリーンへ放ち、試合を3-2とした。

 

対する浦の星女学院だったが、こちらは音ノ木坂学院エースの絢瀬が完璧に立ちはだかっていた。

なんと、四回ツーアウトからこの回ウラの4番小原の打順まで、七者連続三振を奪ってみせる。

 

音ノ木坂学院勝利のムードが漂う中、七回からは小原がマウンドに上がる。

一人ランナーは出したものの、しっかりと抑えて反撃につなげる。

 

するとそのウラ。

先頭の松浦がヒットで出ると、続く黒澤(姉)はデットボールで無死一、二塁のチャンス。

 

しかしこの場面で、7番黒澤(妹)は空振り三振。

ここから下位打線ということもあり反撃は望めないように思えた。

 

続いて打席に入ったのは、サードの国木田。

彼女の心の中には、この大会...というかこの試合を通して、一つの思いが芽生えていた。

それは、相手チームの1番に座る星空凛、彼女に対しての憧憬であった。

 

元々国木田本人は、野球というものをよく知っていた。

野球好きな父の影響で、本人も一時期はクラブに所属していたほど。

だが彼女は、すぐに野球をやめた。

理由は、彼女の理想と現実が、あまりにかけ離れていたからだった。

だからこそ、今。

国木田は、野球の申し子とも見える星空に憧れ、少しでも彼女に近づきたいと思っていた。

 

 

野球の神様というのは、ドラマチックな展開が好きだ。

そしてそれは、少しの前触れと予想外の方向からやってくるもの。

 

この試合、絢瀬の113球目。国木田に対しての2球目のボール。

 

投げた瞬間、打った瞬間、と言った感じだった。

甘く入ってしまったその球を、懸命に振りぬいた国木田のバットが捉える。

元々あったパワー、それに神様が味方した。

 

試合に逆転し5-3とする、素晴らしいスリーランホームランだった。

 

 

 *  *  *

「「「……………」」」

ベンチの中は、静寂に包まれていた。

 

予想もしていなかった相手伏兵の一発で、試合をひっくり返されてしまった私たち。

しかし誰一人として、諦めの類いを発言することはしなかった。

 

その証拠に八回表の攻撃。

ワンナウトから希ちゃん、穂乃果ちゃんの連打で一死二、三塁のチャンス。

打席には絵里ちゃん。逆転の望みはまだまだ全然ある。

 

しかし、ここで相手がとったのは...敬遠策だった。

一死満塁となり、ことりちゃんは空振り三振。真姫ちゃんはショートゴロ。

反撃ならず。

 

そのウラ、私たちはバッテリーを逆にする形で投手交代。

代わってマウンドに上がった希ちゃん。

ピッチャーライナー、センターフライ、レフト前ヒット、ショートゴロ。

相手4番小原さんにヒットは打たれたが、何とかきっちりと抑えた。

 

そして、迎えた最終回。

先頭打者は、9番のかよちん。

 

「凛ちゃん」

声をかけられ見ると、そこにはこれまでに見たこともない強い意志に満ちた彼女の顔があった。

 

「私、必ず凛ちゃんに繋げてみせる」

 

「……」

言われたものの、どう返すべきか分からない。

 

「…凛ちゃん、やっぱり昔のこと気にして...」

 

「…ッ!?」

核心を突くような彼女の問いかけに、身体が反応する。

 

「花陽は、野球が上手な凛ちゃんが大好きだったの。

 だから今回も、大会って形で野球をする凛ちゃんの姿がまた見られるんだ、って。

 …ごめんなさい、勝手なことかもしれないけど、言うね。

 

 

 …凛ちゃんは、野球のこと、大好きなんだと思う」

 

「かよちん...」

 

「凛ちゃんがこの大会でまた、勝利を知ったら、その喜びを改めて感じれば。

 きっと、今持ってる苦しみも解放してあげられる。花陽はそう思ってる」

 

だから、と続けて最後に、かよちんはこう言った。

 

「今日は私が、凛ちゃんを助けるよ」

 

 

果たして。

逆転した後の最終回のマウンドは、再びエースの黒澤(姉)さんに託した浦の星女学院。

勢いを取り戻した投球を見せているけど、かよちんも必死に粘って食らいつく。

 

「(かよちん...どうしてそんなに...)」

 

投じられた9球目。アウトローへのストレート。

流し打った打球は、きれいに二遊間を抜ける。

 

「(…かよちん!!)」

 

 

 

しかし、だった。

 

ライトの守備に就いていた小原が前進、猛ダッシュ。

ボールを拾うと、一塁へストライク送球。

 

「…アウッ!!」

ライトゴロ。先頭打者を出すことはできなかった。

 

一塁ヘッドスライディングまでして、汚れてしまったかよちん。

ふと目をやると、私の方に頭を下げて。

一瞬見えたその顔には、涙が浮かんでいた気がして。

 

 

そこから、私は何も覚えていない。

 

** ** **

怒涛の展開だった。

 

初回に先制したのは音ノ木坂。

二回ウラに浦の星が二者連続弾で逆転するも、三回表に2-2の同点。

試合はこれで振り出しに。

その後の均衡状態を破ったのは六回表、音ノ木坂5番打者の一発。

しかし、諦めない浦の星。八回ウラ、8番打者にスリーランが飛び出す。

だが、これだけで終わらないのが野球。

九回表、ワンナウトから1番の三塁打を皮切りに、レフト前ヒットで一点を返す。

更にそこから、ライト前ヒットとフォアボールで満塁とし、打席にはHR以降ノリノリの5番。

ここを、なんと空振り三振で凌いだ浦の星エースの黒澤(姉)。

二死満塁となり打席には、音ノ木坂エースの絢瀬。

四球目のストレートを弾き返し、左中間への二点タイムリー。

 

そして、現在。

前の回からマウンドに上がっていた東條がツーアウトを取ると、バッテリーが交代。

最後のマウンドにはエースが上がる。

打席には、逆転スリーランを放っている8番、国木田。

 

「絵里!最後はビシッと決めちゃいなさい!」

センターを守る少女から、命じるように。

「絵里ちゃん、ラスト一球ファイト~!」

レフトを守る少女から、ふわふわと。

「絵里、最後こそ気を引き締めて!」

ライトを守る少女から、力強く。

「エリー、ここで決めるわよ!」

ファーストを守る少女から、カッコよく。

「絵里先輩...頑張ってください!」

セカンドを守る少女から、任されて。

「絵里ちゃん!…ファイトだよっ!!」

サードを守る少女から、背中を押すように。

「あと一球!全力でいっくにゃ~!」

ショートを守る少女から、元気ハツラツに。

「(さあ絵里ち、三振で決めたろうやん!)」

キャッチャーを守る少女から、心を通わせているように。

 

味方からの声援がマウンド上の彼女に送られ。

投じた一球は――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カキィィンと快音が鳴り響き、打球は、左中間を破るツーベースヒット。

 

あっ気にとられる両チームの面々と、焦りを顔いっぱいに浮かべる絢瀬。

そのままの流れで次打者への初球、ストレートが甘く入る。

 

続けて響く快音。

 

 

 

 

 

…が。

 

「にゃ!」

飛翔、好捕。

 

最後はショートライナーとなり、試合は決した。

 

 

「凛...ありがt」

「…絵里ちゃん、締まり悪すぎにゃ」

 

身も蓋もない今日のMVPからの一言で、LGBTは幕を閉じるのであった。

 




あまりにも雑なHBPになった(自業自得でしかない)ため、明日とかに後日談的な話を投稿しようかなと思っていたりしていますが、いかんせんここまで体たらくを見せた作者ですので、その期待は薄いです。(おいふざけんなちゃんとやれ)

わざわざこんな変な話を読んでくださり、目を通して頂き感謝の一言に尽きます。
…というか感謝だけでは言い表せないレベルの何かがあると思います。
心の底からお礼を。誠にありがとうございました!!

それでは。HBP第六弾でまたお会いできると良いなあ、と思います...(遠い目)


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反省会

圧倒的今更感。


 

星空凛(以下、星)「いきなり何が始まったにゃ?」

 

絢瀬絵里(以下、絢)「さあ...?」

 

『どうも、天の声です。

 今回はお二人のHBPを書かせて頂きましたが、色々あったのでお二人にトークしてもらおうかなと』

 

星・絢「トーク??」

 

『はい』

 

絢「要するに、これまで以上になんか雑なHBPになっちゃったからその償い...とかそういう?」

 

『………』

 

星「図星だったみたいにゃ」

 

絢「それはそれでなんだか悲しいわね...」

 

* * *

星「それで?どこから話すにゃ?」

 

絢「ん~、まずは全体的な総評(?)からでいいんじゃないかしら」

 

星「今回は、投稿があまりにも遅すぎたにゃ」

 

絢「まあそれは...そうね?」

 

『なんで上を見るんです、そこで?』

 

絢「いや、だって...ねぇ?」

 

星「そうにゃそうにゃ!少しくらい何とか言ったらどうにゃ?」

 

『そうは言われましてもですね...』

 

絢「あ、そうだ。一つ気になっていたのだけど。

 …ギャグ要素、結局少なかったわよね?」

 

『あっ...』

 

星「『あっ...』じゃないにゃ!

 自分で増やすとか言っておいて、結局真面目シリアス寄りだったにゃ!特に最終話!」

 

絢「凛は被害者よね、特に...」

 

『いや、被害者は酷くね...?』

 

星「とりあえず黙っといてにゃ、今から私のストレスが爆発するにゃ」

 

絢「…少し怖いけど...聞いてあげましょうか」

 

 

* * *

星「ちょ!なんで飛ばしたにゃ!?」

 

『だって...あることないこと言いそうだし』

 

凛「ないことはともかく、あることは凛にも言う権利があるはずにゃ!」

 

『ごめんって。でもさ?そろそろ違う話題行っとかないと色々...ね?』

 

凛「結局、お前が書くのを面倒がってるだけじゃないかにゃ」

 

絢「今日の凛、やけに辛辣ね...」

 

『絵里さん、ちょっと助けてくれません?』

 

絢「悪いけれど、それは出来ないわ」

 

『そんなあ...』

 

絢「ただ、話題は変えましょ。この際だから、話したいこと全部話すためにも」

 

『絵里さん!!』

 

絢「…ということでまずは、一話目の最後の下りを、結局拾わずに本編が完結した点に関して一言」

 

凛「それ、凛も気になってたにゃ!

 あんな意味ありげに、しかも後書きでも言及してたのに、結局その後は触れず仕舞いだったにゃ」

 

『あっ...』

 

凛「また出たにゃ」

 

絢「また出たわね」

 

『それ、絶対話さないとダメ?』

 

絢「嫌ならいいのよ。その代わりに凛の文句垂れ流しコーナーをやるから」

 

『…それはなんかヤなので、正直に話しますね』

 

凛「おい」

 

『そもそも最初は、普通にヒフミトリオを使う予定でした。

 ただ、実際書いてるときになって

「あ、三人組と言えばアライズさんもいるやんけ、どうしよ」ってなっちゃって』

 

絢「それで?」

 

凛「逃げたのかにゃ?」

 

『……』

 

凛「図星かにゃ...」

 

絢「(あれ?なんかデジャビュ...)」

 

* * *

絢「さて。それじゃあ次の話題にいきましょうか」

 

『ねえ...これ続けなきゃダメ?』

 

凛「書くネタが無くなるまで続けろにゃ。それが”禊”ってモノにゃ」

 

『ホントに辛辣すぎないか!?』

 

絢「…ツッコミ面倒だからスルーしとくわよ。

 次はそうね...三話目について聞こうかしら」

 

『絵里さんも、もうそんな感じなんですね!?』

 

凛「凛は一番、寝ようとしたときに誰が何を言ってたのか気になってるにゃ!」

 

絢「あぁ、あれね...確かにあそこのシーンも不要と言えば不要よね」

 

『ちょっと待ち。

 あれは、その後の試合で花陽ちゃんが覚醒するためのフラグ建てなんだから不要ではないだろ』

 

凛・絢「………」

 

『なんだよ』

 

絢「…そういう、裏設定明かすのって割と冷めるわよね」

 

凛「にゃ」

 

『それ、今言う?そもそも話せって言ってきたのそっちじゃん!』

 

絢「まあいいわ。フラグ建てね...把握しておくわ」

 

『ちょ、なんか悲しくなるからやめて...』

 

 

* * *

絢「じゃあ次は...」

 

『結局、俺は抉られる側なのね、知ってましたよ知ってました』

 

凛「おい」

 

『ん?』

 

凛「そもそも!こんな形の話を投稿することになったのはだれの責任なのかにゃ?

 それをちゃーんと考えたら、そんな不満なんて普通は出てこないと思うにゃ」

 

絢「(すごいまともなこと言ってる...)」

 

『…すみません』

 

凛「よし、とりあえず今のところはその謝罪で勘弁しておいてあげるにゃ。

 それじゃ絵里ちゃん、続いての仕切りもよろしくにゃ」

 

絢「ええ、そうね...それなら、そもそも今回、なんで野球でHBPを書いたのか、聞こうかしら」

 

『了解です。まずはえっと、これの前までで4つ、HBPあげてたと思うんですけど』

 

絢「ダイぱな、ようまき、のぞまり、ヨハにこ、の4つね」

 

凛「今回のHBPとは180度くらいテイストの違う、割と真面目な話たちにゃ」

 

『それって、無印とサンシャインそれぞれ一人ずつ誕生日近い人と絡ませて...って感じじゃないですか。

 でも今回は違ったんですよね』

 

絢「まあそうね、10、11月生まれはおろか、12月生まれの子すらサンシャインの方にはいないわ」

 

凛「凛たちはしょせん不遇な奴らだ、って言いたいのかにゃ?」

 

『まあ最後まで聞いてくれ。

 それで考えたんですよ。HBPの形にはしつつ、なんとかして二人を書きたいなあ、と。

 

 そこでまず始めに思い付いたのが、”ワールドトリガーの世界に二人をぶち込む”でした』

 

絢「ワールド?」

凛「トリガー、ってなんにゃ?」

 

『天の声が一番愛してたジャンプ連載漫画です、最近SQに移籍したんですけどね』

 

凛「ああ、作者さんが長らく休養してたあれ、にゃ?」

 

『そうそれ。でも...』

 

絢「諦めた、のね」

 

『ですね。

”そもそもワートリだけだと、ピンポイントすぎて知ってる人少ないんじゃ”と思ったんです』

 

凛「それは...否めないにゃ」

 

『だからまあ、野球になりましたね。

 ラブライブ!関連でスポーツ絡みと言えば、やっぱり9人てこともあって野球モノは多くて。

 一般的に、ある程度の馴染みはあるかな、と。

 あとは、自分が野球モノを割と書いてるから、ってのもあるんですけど』

 

絢「わざわざスポーツと絡ませる必要はあったのかしら?」

 

『どうでしょうね、それはおれにもちょっと分かんないですけど...。

 ただまあ、”野球でいく”って決めた時に、どうせ色んなのの二番煎じになるよなあ、って思って。

 そこから今回の”ギャグ要素多めでいこうかなチャレンジ宣言”があったという経緯もありますね。

 

 …あ、そういえば、とあるソシャゲとのクロスオーバーも候補でしたね。

 ”グリモア”って言うんですけど、ただそれも、知ってる人多そうではないのでやめましたが』

 

絢「そ」

 

『興味なさげですね!?』

 

凛「次の話題移っていいかにゃ?」

 

『あ、そういうことね...』

 

 

* * *

絢「それで?」

 

『えっ?』

 

絢「いや...他に何か話せてないことあったかしら?と思って」

 

『……』

 

凛「凛は知らないにゃ!」

 

『よね...』

 

絢「それなら、さっき少し触れたけれど、三話目についてもう少し掘り下げていきましょうか」

 

『何について話そうか』

 

凛「(凛が怒ってから、すっかり素直にゃ...ちょっとウケるにゃ)」

 

絢「じゃあ、少しシリアス寄りになってしまったことに対して何かどうぞ」

 

『何かどうぞ、か...。

 強いて言うなら、もうあれは、おれがそういうテイストに寄せてでしか書けない、ってことの表れなのかもしれないなと思ってる』

 

絢「…と、いうと?」

 

『少し格好つけた言い方になるけど、まとめて言えば”色んな物事に整合性をつけたがる”ってこと』

 

凛「難しい言い方にゃ~」

 

『そう言うと思ったから流れも説明しとく。

 まず、野球モノを書くって決めた時、俺はたいてい、試合の展開をまず一気に決めるのね。

 各選手の打順を決めて、どのイニングに誰がどういう成績残して、どう進んでいくのか、とか』

 

絢「でも大抵の人は、それやるんじゃないかしら?」

 

『いやまあ、それは知らんけど...それならそれでいいや。

 …んで、それを書いた時、実際の試合の流れ的に、Aqours側の下位打線がHRを打つ流れになったんよ』

 

絢「試合では確か...国木田さんだったかしら。

 …打たれた立場としては、思い出すのは少し嫌なのだけれど」

 

凛「国木田...花丸ちゃんだったかにゃ?なんか、私に憧れてたみたいな描写があった気がするにゃ」

 

『ん。それで本題はそこからよ。

 ”Aqoursの方で下位打線にいて、かつHRを打つのも別にあり得そうなキャラクターって誰か”

 …っていうとこから考えた時に、思いついたのが花丸だったのよ。

 それに花丸だと、凛に憧れてるっていう原作設定も絡めていい感じに書けるかな、と思いまして』

 

凛「ふーん」

 

『すげえテキトーな返事だな、真面目に返答したのに』

 

絢「だって…ねぇ?」

 

『なんだよ』

 

凛「にゃ...」

 

『言いたいことがあるならはっきり言ってくれ』

 

絢「という事だし、凛...」

 

凛「更新遅すぎにゃ」

 

『………』

 

絢「何とか言いなさいよ!?」

凛「何とか言ったらどうにゃ!?」

 

『…大変申し訳ございませんでしたm(__)m』

 

 




ご一読、誠にありがとうございます。

自分でも、まさかこんなに投稿が遅くなってしまうとは思いもよりませんでした…。
ちなみに今回のこの台本形式(って言うんですっけうろ覚えで分かんないですけど)は初でした。
地味に楽しかったです。

明日から新しいHBPが始まるにあたってこちらの方をしっかり〆ておかないとダメかなと思ったので今日投稿することになりました。
実は1月くらいには殆ど書き上げてはいたんですよ、なんや投稿しようっていう気持ちにならなかったもので...(←おい)

…と、いうことで、こんな駄作にお付き合いいただき本当に感謝に尽きません。
ありがとうございました。

それでは、また明日。
しっかり投稿する心持ちですので、楽しんで下されば、と思います。


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