Pとアイドルたちの日常 (特撮大好きマン)
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五十嵐響子との日常1
とある日の朝・・・・・・
少女「あっ、おはようございますっ!」
少女は俺に挨拶をしてきた。
P「おはようございます......」
俺も挨拶を返した。
まさか女子高生に挨拶をされるとは思いにもよらなかった。
しかもよく見るととてもかわいい。
少女「お仕事ですか?いってらっしゃい!」
P「行ってきます......なんだか、夫婦みたいだな」
とある日
少女「おはようございます!あ、今日は夜から雨らしいですから、折りたたみ傘持っていった方がいいですよっ!」
P「これはどうもご親切に」
少女に言われ折りたたみ傘を持ってくことにした、その夜、少女が言った通り雨が降った。
P「いや~降られちゃったな......でも、あの子のおかげで濡れることなく帰れそうだ今度会ったら、お礼を言わないとな」
とある日
少女「よいしょ......よいしょっ!」
少女がゴミ袋を運んでいた。あの時のお礼に手伝うことにした。
P「ゴミ出し手伝うよ」
少女「あっ、すみません!ゴミ出し手伝ってもらっちゃって!昨日、弟たちの部屋を掃除したら、袋がたくさんになっちゃって......!」
P「そうなのか......」
少女「これ、あと10袋はあるんですけど......。手伝ってもらっちゃってもいいですか?」
P「あぁ!もちろんいいよ!」
少女のゴミ出しを手伝った。いくら分担して運んでいるとはいえ、さすがに10袋はきつかった。
数分後
少女「ふぅ......ありがとうございました!助かっちゃいましたっ♪」
P「それならよかったよ!それでは......」
少女「あっ、ちょっと待ってくださいっ!」
そう言うと少女は俺の曲がっているネクタイを直した。本当の夫婦みたいなやりとりに22歳独身の俺は緊張してしまった。
少女「......よしっと♪すみません、おせっかいで!うちの父もそうなんです!いっつもネクタイ曲がってて......あっ、こんなお話ししてたら、遅刻しちゃいますよねっ!それではっ!」
少女は立ち去ろうとする。しかし俺は「ここで彼女をスカウトしとかないときっと後悔する」というプロデューサーの勘が働いた。
P「ちょっと待って、君アイドルにならないかい?」
少女「......えぇっ?アイドルですか?ど、どういうことですか?」
P「そういえば、自己紹介していなかったね私は美城プロダクションという事務所でプロデューサーをしているものです。ここには長期の撮影ロケに来てるんです」
少女「引っ越してきたご近所さんだと思ったら、芸能プロダクションのプロデューサー、だったんですか......長期の撮影ロケに来てたから、この間からお会いするようになったんですね!でも私、アイドルなんて、よく知らないんですけど......だって、私の得意なことといえば、掃除に洗濯、お料理も、家事ならなんでも、ですけど......でも、それくらいですよ?」
それを聞いた俺はアイドルとしてのスカウトではなく、自分の嫁としてスカウトしたくなった。でも、我慢して......
P「君ならできる」(よく我慢した俺......)
少女「そ、そうですか?で、できるかわかんないですけど......じゃあ、頑張ります!でも、もう少し詳しくお話聞かせてもらっても、いいですか?」
P「あぁ!もちろんさ!」
これがご家庭アイドル「五十嵐響子」との出会いだ。
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五十嵐響子との日常2
五十嵐響子をスカウトしてから数日がたった、そして今日はアイドル・五十嵐響子の初レッスンだ。
初レッスンを終えた響子が俺のもとへ来た。
響子「ふぅ......あっ、プロデューサーさん、お疲れさまです!お待たせしました!」
響子P「初レッスンはどうだった?」
俺が初レッスンの感想をたずねると響子は
響子「うーん......全然うまくいかなくって、驚いちゃいました!ダンスレッスン、お尻から転んじゃって。私、初めてすることは大体うまくいかないんですよ。」
響子にもそんな一面があるんだなと一人で勝手に納得していると響子が続けて
響子「それにすごくきつくて、びっくりしました!走り込みとか腹筋とか、トレーニングって感じでっ!もう、くたくたになっちゃいました......」
響子P「まぁ......あの聖さんのトレーニングだからな......」
響子「アイドルって可愛い衣装を着て、ステージで歌ったり踊ったりして、キラキラして。そんなイメージだったんですけど......アイドルがこんな大変な思いをしてるなんて、思ってなくて!」
響子P「がっかりした?」
俺が響子に聞くと響子は首を横にふりながら
響子「ううんっ、そんなことありません!......むしろ逆かも」
響子P「むしろ逆?どういうことだ?」
響子「私、アイドルになって、ステージで歌う姿なんて、想像できなかったんです。でも、レッスンをしてみて......。最初はあんまりうまくできなかったけど、終わりには、ちょっとだけステップを踏めたんです。このまま続けたら、だんだんできるようになるのかなって。ほら、お料理をするときだって、最初からお魚を三枚にさばけたりしないですよね」
響子P「むしろできたらすごいけどな......」
響子「まずはジャガイモとか、ニンジンの皮むきから慣れていこうかなって、そんなことを考えてました!」
響子P「楽しみだ」
響子「プロデューサーさんもそう思ってくれてるんですね!嬉しいですっ♪」
嬉しそうな顔をしている響子を見ていてやっぱりアイドルにして良かったなと思ったしそしてかわいいなと思った。
そんなことを考えていると響子は
響子「たくさんレッスンして、いつかは、美味しい響子になってみせますから、楽しみに待っててくださいねっ♪プロデューサーさんっ♪」」
響子P「お、おう......楽しみに待つことにするよ」
響子「はいっ♪」
一瞬、危ない発言に聞こえた俺は耳鼻科に行くべきなのだろうか......
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優しいプロデューサーとムーンナイトキャット
みく「ふー......Pチャン、お疲れさまー......」
P「うん、お疲れさま」
みく「今日のお仕事はちょっとハードだった~。監督さんにも、スタッフさんにも迷惑かけちゃったし。」
みくは仕事で失敗して落ち込んでいる。
みく「終了時間も押しちゃって......みんなお疲れモードだったかな。みくがもっと頑張れたらよかったのに......ごめんね、Pチャン。」
P「ううん、みくが謝ることじゃないさ」
みく「Pチャンはこれから残業?」
P「うん、そうだよ」
みく「そっか......それ、みくのせい、かな......みくがリテイクいっぱい出しちゃったから......その後始末だよね」
P「いや、違うよただの残業さ」
本当はみくの言うとおりリテイクがいっぱい出たのでその後始末、しかし前川Pは担当アイドルを傷つけたくなかったので、優しい嘘をついたのだ。
みく「違う?......Pチャンは、優しいね♪うん、そうだよね、落ち込んでばっかじゃダメ!みく、絶対に次のお仕事で挽回するモンっ!」
P「うん!その意気だよ!」
みく「そうと決まれば、うかうかしてられないにゃ!Pチャン、みくは今夜大忙しだから、早めに失礼するね!今度ゆっくり、反省会しよ!」
P「うん、わかった」
みく「......夜ご飯を食べたら、寮の近所の公園で、秘密の猛特訓にゃ......」
みくがなにかぶつぶつとつぶやいている。
P「どうしたんだみく?なにをぶつぶつと......」
みく「あ、Pチャン!ううん、何でもないのっ!こっちの話!」
P「お、おぉぅそうか」
みく「じゃあ、Pチャンも体に気をつけてっ!みくのせいで病気になったりしたら、化け猫になって出てくるからにゃー!ばいばい!」
P「おう......ばいばい......寮の近所の公園か......」
そして、その夜公園では
みく「「孤独さを隠した笑顔で」......うーん、このト書き......どんな表情で演じれば......ネコチャン、アナタならわかる?」
P「うーん、僕にもわからないにゃ」
みく「......って、Pチャン!?」
P「よっ!」
みく「ど、どうしてここに......」
P「みくこそ、どうしてここにいるんだ?」
みく「いや、その、みくは......夜のお散歩にゃ!ホラ、みくって夜行性だから!公園で夕涼みでもしようかと!」
P「わざわざ台本持ってか?秘密の特訓をしてたんだろ」
みく「バレちゃったね。やっぱPチャンは何でもお見通しなんだね......。そうなの......実は秘密の特訓中だったの」
P「やっぱり、そうだったのか」
みく「でも、Pちゃんとここで逢えたのも、なんだか運命を感じる、みたいな......まるで、月明かりが導いてくれたみたいな......」
P「み、みく?どうした!?」
みく「にゃにゃにゃ!なんかキャラにもなくロマンチックなことを言っちゃったにゃ!今の言葉、聞かなかったことにして!今すぐ忘れてっ!」
P「それは難しいな~今すぐ忘れるのは当分無理だ」
みく「きっと役になりきったせいで、感傷的になっちゃったの!だから、もうおしまい!明日からはいつものみくに戻るにゃ!」
P「はいはい、わかったよ」
みく「そう、明日からは、いつものみくに戻るから......Pチャン、お願いしてイイ?」
P「お?なんだい?」
みく「今日は、もうちょっとだけ一緒にいてほしい......にゃ」
P「もちろん......いいとも」
この後、二人はしばらく公園のブランコに腰を掛けた後、みくを寮まで送りプロデューサーは帰宅した。
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ビール好きプロデューサーと幸福のひととき
ある日、俺の担当アイドル・高垣楓が深刻そうな顔をしてやって来た。
楓「......あの、プロデューサー。折り入って相談があるんです」
楓P「それは、大事なことですか......?」
楓「はい、とても大事な......私の人生がかかったことで...。」
楓P「楓さんの人生がかかったこと?」
高垣楓の人生がかかってるということはよほど深刻な悩みなのだろう。
楓「実は......少しだけ、アイドルをお休みさせてもらいたいんです」
楓P「な...なにか仕事に不満でも!?」
楓「いえ、お仕事に不満なんてありませんよ。毎日充実しています」
楓P「それではなぜ?」
突然アイドルをお休みさせてもらいたいと聞いたときは仕事に不満でもあるのかと思ったがそうではないみたいだった。
楓「けれど、どうしても外せない......ううん、外したくない重要なことがあるんです。ごめんなさい......私、わがままな女ですよね」
楓P「いえ...そんなことはないですが、でも、その外せない重要なこととはなんですか?」
楓「知ってますか?もうすぐ開かれる、七日間連続のビールフェスティバル......。私、高垣楓は、どうしてもそれに毎日参加したいんです」
楓P「は?」
俺は一瞬、頭が真っ白になった。なにか深刻な悩みとばかり思っていたのでビールフェスティバルに参加したいと言われたときは拍子抜けしてしまった。
楓「ふふっ。アイドルをお休みというのは、そういうことですよ。一週間連続のオフだなんて、スケジュール調整が大変ですものね」
楓P「まぁ......そうですね」
楓「だからここ最近、お酒をなるべく我慢して、どんどん仕事をこなすようにしていたんですよ。......それで......いかがでしょうか?」
どうりで最近、楓さんからの誘いがなかったのはそのためだったのか。大好きなお酒を我慢して仕事をこなしていた楓さんにご褒美としてOKしておくか。
楓P「わかりました...OKですよ」
楓「OKですか?ありがとうございます、プロデューサー。私...幸せです。このオフでビールを飲んで、羽根がのびーる気分を味わってきます」
楓P「はい...しっかり味わってきてくださいね♪」
そしてビールフェスティバル当日、俺は楓さんと一緒に会場へ到着し、席についていた。
楓「乾杯っ。ふふっ、ドイツビールのお祭りですし、あちらの流儀でしましょうか。オアンス、ツヴォア、ドライ、ズッファ!プロースト!ふふっ」
ドイツの流儀で乾杯した後、楓さんは喉を鳴らしながらおいしそうにビールを飲んだ。
楓「......はぁ、美味しい。やっぱり来てよかった......。たくさんのひとが、笑顔でビールを楽しんでいる空間......幸せそのものですね」
楓P「はい...そうですね......」
楓「でも、いいんですか、プロデューサー。お忙しいのに、つきあっていただいて......」
楓P「えぇ、構いませんよ...ちゃんとそこらへんは調整していますし、それに私も、ビールは好きですし...」
実はこのことで楓プロデューサーはちひろさんと常務にみっちり叱られたのである。なので楓は気付いていないが楓プロデューサーは若干テンションが低いのである。
楓「私、今日は容赦なく、とことん飲む覚悟ですよ」
楓P「あはは、いつだってとことん楽しんでいるじゃないですか」
楓「うふふっ、確かにいつだってとことん楽しんでいますけど。いまさら、断りを入れる仲でもないですね。それじゃあ、遠慮なく♪」
楓P「えぇ、どうぞどうぞ♪」
楓「金色、茶色、琥珀色。淡い白に、深い黒。ビールって、色とりどりで、それぞれに個性的。そして、アイドルのように人の心を慰めて......」
楓「プロデューサーが仕込む理想のビールは、どんな味がするんでしょうね。私も、少しでもその理想に近づけたら......けど、今は未来の味よりも、目の前にあるビールとおつまみを味わうときですね」
楓P「はい♪そうですね♪」
楓「ふたりで最高のひとときを過ごしましょう」
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頑張り屋プロデューサーとフォスメーティス
俺は先輩プロデューサーと外まわりの仕事を終えて事務所に戻ると自分の担当アイドルがいた。
美波「お疲れさまです、プロデューサーさんっ。今日もお忙しそうですね。無理してませんか?頑張りすぎは禁物ですよ」
美波P「あぁ、わかってはいるんだけどな~」
美波「私のために頑張ってくださっているのは、知っていますけど、適度な息抜きも必要ですからね。メリハリが肝心です♪」
美波「オフはゆっくりと、忙しい日々を忘れられるような......たとえば、海外へ旅行したり......なんて。さすがに急すぎました?」
美波の提案を聞いて俺はここぞとばかりに次のお仕事説明をした。
美波P「そういえば、次の仕事は旅行雑誌の撮影があるんだ」
美波「へっ?次のお仕事、旅行雑誌の撮影なんですか?」
美波P「あぁ、ここが撮影場所だ」
美波「撮影場所は......ギリシャのサントリー二島?わぁ、海外ロケなんですね!」
美波「うん...海外でのロケなんだよ♪」
美波「海外でのロケかぁ。うふふ、楽しみ♪でもその前に、現地のことをしっかり予習しなくっちゃ!歴史や文化、簡単な挨拶とか」
それを聞いて俺は美波らしいなと思っていると美波が
美波「あ、もちろんプロデューサーさんも予習されますよね?でも、お忙しそうですし......そうだ!私にお手伝いさせてくださいっ」
美波P「な...何を?」
美波「短いおさらいで済むように、次のオフまでに特訓ノートを作っておきますから!それを使って一緒に、勉強会をしましょう♪」
美波P「お...おう」
そして数日後、俺と美波は事務所の近くにあるカフェで勉強会をしていた。しかし今まで女性と勉強会をしたことのない俺はずっと緊張しっぱなしだった。
美波「次はこっち......あ、よそ見はダメですよ?見づらいようなら、もっと近づいてください。せっかくまとめたんですからっ」
美波「い...いやしかし......」
美波「忙しいプロデューサーさんでも短時間で覚えられるように、頑張っちゃいました。我ながら上手にまとめられたと思います♪」
たしかにノートをよく見るとものすごく上手にまとめられていた。
美波「今回お仕事で行くサントリー二島は、エーゲ海で最も美しい島といわれていて......美しい街並みが、楽園のよう、ですって......」
俺にとっては今のこの状況が楽園のようです。
美波「ああっ、楽しみ......つい思いを馳せちゃいますね。でも、素敵な場所に行けるとはいえ、お仕事だから気を引き締めないと!」
美波P「まぁ、たしかにそうだな」
美波「でも......やっぱり、ソワソワしちゃいます。美しい風景での撮影も楽しみですけど、オフの時間もとれたら嬉しいですね♪」
美波P「うん、とれたらいいな~」
美波「プロデューサーさん、もし早めにお仕事が終わったら、一緒に島を巡りませんか?忙しい日々を忘れて、ゆっくりしましょうよ♪」
美波P「あぁ!もちろんさ!」
それってつまりデートの約束ってことでいいのかとプロデューサーながらそんなことを期待してしまった。
美波「ふふっ、そうと決まったら、早速、勉強を再開しましょう。美波先生が、ビシッと指導してあげますからっ!」
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