人類&魔族を終焉に導く元救世主 (Kurokodai)
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救世主の一度目の最期

僕はある日、この世界に呼ばれた。

いつものように有り触れた生活を、パパとママ、そして生まれ手間もない弟と共に過ごしていた。

そんなある日、小学校の帰り道の時に、突如周りが光に包まれてしまい、目の前の光景が変わってしまった。

気がつくと、僕は見知らぬ場所にいた。

周りには、絵本の中に出てきた騎士が数人おり、目の前には魔法使いのような姿をした爺さんがいた。

 

その日から僕はこの世界を救う「救世主」……又は「勇者」と呼ばれるようになり、魔王の手からこの世界を救って欲しいと皇帝から言われた。

当初は、あと少しで中学生になろうとしている素人にそんなことができるかと思っていたが、皇帝は『そんなことどうでもいい』と言われ、そのまま魔王討伐の旅に出された。

最初は早く元の世界に帰りたいと思っていたが、旅の途中で出会った仲間が共に居た事で僕の孤独が和らいでいった。

そしてこの旅が終わったら、元の世界に帰る方法を見つけようと思った。

僕の家族に再開する為に。

 

そんな旅に出てから1年半後、僕はついに勇者となった原因を作った魔王を聖剣で打ち破った。

大事な人生の一部を奪われた恨みを晴らし、ようやく元の世界に帰る方法を探すことができる。

そんな希望を抱き、暫しの間この世界の生活を楽しもうと思った。

 

 

 

 

 

 

 

…………しかし、それから僕の人生は絶望と化した。

 

僕はあの魔法使いの爺さんに呼ばれ、城のある部屋に入った瞬間多くの騎士、そして仲間……いや元仲間達が僕を包囲した。

僕は訳も分からずに説明を求めたが、騎士達は殺しにかかってきて、このままではいけないと思い城から脱出し、そのまま帝国から離れた。

 

それから帝国は、『魔王を打ち破り誕生した新たな魔王』としてあらゆる王国に指名手配書を出した。

今まで救ってきたはずの国々は、恩を仇で返すように暗殺者やら騎士やらを僕に刃を向けた。

もちろん僕は殺したいと思った。

でも、本当に殺してしまったら僕は本当に魔王になってしまうと思い、殺しはせずに戦闘不能まで追い込んで、せめての償いとして回復薬を置いては逃げた。

他にも、怪我を負った人を見つけては回復させたりと。

こうすれば、いずれ皆んなはわかってくれると思った。

 

 

僕は魔王なんかじゃない……僕は皆んなが平和で居てくれればいいって。

 

 

 

 

 

 

 

しかしそんな願いは叶わなかった。

最悪なことに、帝国は全ての王国と手を組み『救世主討伐連合』を結束させた。

救世主を倒せば、莫大な富やら名誉やら等が貰えると言われ、多くの人間が僕に殺しにきた。

それでも僕は殺さずに戦った。

 

しかし、結局力も魔法も使い果たし、身体中は矢が刺さったり、深い傷が出来ていたり、僕の意識が遠のいていく。

そこに一人の人物が、元仲間達を連れて前に現れた。

 

その人物は、帝国の第一王子 アズエル・アルバニード王子であった。

 

「どう……し…てこん……なこ……とを………」

 

僕は、虫の息状態で聞こえる様に王子に質問した。

すると王子は、不気味な笑顔でこう答えた。

 

アズエル「もうお前は必要ないからだ」

 

その言葉を聞いた途端、何かが壊れていく様な感じがした。

 

アズエル「お前は魔王を倒す為に必要な道具(・・)に過ぎない。魔王がいなくなった世界ではもうお前は必要なくなった。」

 

後ろでは元仲間が、馬鹿にするかの様にクスクスと笑っていた。

今までの思い出が、黒く塗りつぶされていき、仲間の顔も黒く塗りつぶされていった。

 

僕に見せていたあの偽りの笑顔が……

 

すると、アズエルは僕の耳元に何かをつぶやいた。

その言葉を聞いた瞬間、顔の血が引く様な感覚に襲われた。

伝え終わると、アズエルは立ち上がり元仲間達を僕の前に来させた。

 

アズエル「さぁ、そろそろ終わりにしようか。お前の様な人間と同じ姿をした異世界人(バケモノ)がこの世界にいると反吐が出る」

 

元仲間達はそれぞれの武器を取り出し、僕に向けた。

その瞬間、僕に何かが生まれた。

体はとても寒いのに、とても熱い。

まるで全てを燃やし尽くしてしまおうとしている炎の様な。

 

そして、こう思った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺してやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()が勇者となる原因を作った魔族も、その()を道具として利用して殺そうとする人間も全て、何もかも滅ぼしてやるっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな恨みを心から持ったまま、()は元仲間の手によって殺された。




「小なろ」の影響を受けて、自分も少し似た要素を書きましたが、どうでしょうか?


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蘇りし旧世主

救世主がこの世界から去り、あれから2年の月日が流れた。

この世界に突如として現れた魔王は、この世界を支配すると宣言し、人類に宣戦布告した。

帝国は全ての王国に「魔王討伐連合」として結束し、魔王軍に戦いを挑んだが、相手はこの世界にいる魔法使いの持つ魔力とは違った強大な魔力で、戦いに挑んだ人類は蹴散らされてしまった。

人類はこのままでは不利と確信したのち、あらゆる手段を考えた。

 

そして、帝国の王子アズリルが一つの答えを見つけた。

 

アズエル「魔王軍(バケモノ)には異世界人(バケモノ)をぶつければいい」

 

その結果、皇帝は異世界から救世主(人外)を転生させることとなり、人間の中で高い魔力を持つ老人の魔術師……ジーゼルが高度魔法「転生召喚」を行い、無事救世主(人外)を呼び出すことに成功した。

 

しかし、そこにいたのは救世主(人外)であるが、まだ子供であった。

とりあえず皇帝は、救世主(人外)に説明し、そのまま追い出すかの様に旅に出させた。

 

 

 

その後、皇帝は貴族を集めてこう言った。

 

皇帝「今日我々は、魔王に対抗できる救世主(人外)の召喚に成功した」

 

その言葉を聞いた貴族は心から喜んだ。

しかし、次の言葉で再び不安を呼び寄せた。

 

皇帝「しかし、その救世主(人外)はまだ幼い子供であった。我々は魔王に対抗する兵器として救世主(人外)を召喚したが、異世界人でありながらまだ未来のある子供を易々と魔王討伐に出させて良いのだろうか?」

 

その言葉を聞くと、確かにという声が多く上がった。

いくら人外でも、まだ子供。そんな救世主を後に始末するような野蛮な行為ができるだろうか。

 

 

 

しかし

 

アズエル「何を仰っているのですか父上。たとえ子供でも相手は異世界人(バケモノ)。全てが終わって始末しても、私はなんとも思えませんよ」

皇帝「しっしかし、アズエル。全てが終わったら『救世主(人外)の元の世界に還す』っという案も悪くはないと思うが」

アズエル「はぁ〜、別にそんなことしなくてもいいではありませんか父上。そうすればいずれこの世界は救世主(人外)のいる世界から侵略してくる者が現れるかもしれません。そうならない為にも奴は殺しておくべきです。まぁ、適当に罪を着せておけばいいのです」

 

 

 

王子の説明により、救世主(人外)は役目を終えた後に始末することになった。

 

そして、魔王を倒し逃げ出した救世主(人外)を追い詰めて、ついに仕留めた。

まだ未来のある子供を……

 

まだ生きておられた時は皆笑顔であったが、いざ終わった後になると、世界を救った救世主に対してのこの仕打ち……そしてたった一人の子供を多くの人間で殺したという光景に罪悪感が芽生えた。

もちろん救世主の仲間であった者達も。

しかし、そんな中アズエル王子は。

 

アズエル「皆の者!我々はついに世界を滅ぼそうとした救世主(魔王)の息の根を止めた!これで世界は安泰となったのだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから2年が経ち、今の所平和な日々が過ぎていく。

 

 

 

しかし、噂によると救世主が倒した魔王が再び復活したとのこと。

その影響か、散らばっていた魔物が魔王城に集結しているとの報告があった。

 

その事態に皇帝は。

 

皇帝「再び異世界から救世主を召喚するのだ!」

 

その命令を受け、私ジーゼルは高度魔法「転生召喚」を行い、再び救世主の召喚を行なった。

もしまた、あの救世主のような子供が現れたなら、必ず元の世界に戻してやろう。

もう二度とあの忌まわしい光景を見ない為に。

 

 

そして再び、救世主(人外)を召喚に成功した。

 

 

そして、周りは血の海と化した。



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