いつも通りの日常に夕焼けを (キズカナ(キズナカナタ))
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本編 これが俺の“いつも通り”


皆さんはじめまして。キズナカナタです。

色んな人の作品を読み続けた結果私もやってみたいと思いこの作品を書きはじめました。
駄文かもしれませんが最後まで読んでくださると嬉しいです。

それではどうぞごゆっくりとお楽しみください。
  


 

10年前

 

 

俺はこの街に引っ越してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそこで1人の少女と出会った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい。君1人でどうしたの~?」

 

1人で川の側で石を投げていると何気なく話しかけて来た。

 

「別に…何でもない…。ちょっと嫌な事があっただけだよ。」

 

「そーなんだ~。」

 

少女はそう言うと袋からパンを取り出して食べ始めた。

 

「・・・・・・・何それ」

 

「チョココロネだよ~。君も食べる~?」

 

「でも僕何も返せるもの持ってないけど…」

 

「別にいいよ~。それにほら~、モカちゃんは嫌なことあったならさ~パン食べてるんだ~。そしたら嫌な事なんて忘れちゃってるし~?」

 

「君も何か嫌なことあったの?」

 

「いやないよ~?」

 

「ないんだ。」

 

「まあ~それより今なら半分あげるけど食べないの~。食べないならモカちゃんが食べちゃうよ~?」

 

「・・・・ありがと」

 

そう言うと少年は少女からパンを貰い食べ始めた。

 

「・・・・おいしい」

 

「でしょ~?モカちゃん一押しのパンなんだ~。」

 

「そうなの?」

 

「もし良ければそのお店を今度教えてあげましょ~。」

 

「いいの?」

 

「もち~。」

 

「なんか…ありがとう。」

 

少年はそれだけ言うとチョココロネにひたすらがっつき、気付いた時にはもう食べ終わっていた。

 

「おお~。いい食べっぷりだね~。モカちゃん気に入ったかな~。」

 

「うん…。おいしかったから…。」

 

「あ、そーそー。君の名前聞いてなかったね~。聞いていい~?」

 

「僕は常乃遼。君の名前は?」

 

「モカちゃんは~青葉モカっていうんだ~。」

 

「あのさモカちゃん…何で僕に話かけたの?」

 

「何でだろうね~。なんか石をひたすら投げてたから気になっちゃって~。」

 

「それだけ?」

 

「うん。それだけ~。」

 

「・・・・なんか・・変わってるね。」

 

「そーかな~?」

 

「…………後さ…もし良かったら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕と友達になってくれないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・遅い」

 

 

ただいま俺はとある行きつけのパン屋の前で人を待っている。その人とはここに良くパンを買いに来ているのだが……。

 

 

「あー。もう約束時間15分過ぎてんじゃん…。」

 

そう、その相手がこないのだ。本来なら開店の7時30分に合流してパンを買う予定なんだが時刻は既に7時45分を迎えていた。まあ、あいつのことだし大方寝坊ってところだろうな…と思いスマホで連絡を入れた。

 

 

『しもしも~?』

 

「じゃないでしょうが。約束の時間とっくに過ぎてるんですけど?」

 

『ごめんね~。夢の中でパンに包まれてたからその続きを見たくてつい二度寝に~。』

 

「はあ~。夢の中までパンまみれかい…。とにかく、早くしないと焼きたてのチョココロネは俺が貰っちゃうけど?」

 

『大丈夫~。今家出たから5分でそっちにつくよ~。』

 

「わかった。無いとは思うが来なかったらチョココロネは俺のものだ。」

 

『あいあいさ~。』

 

ピッ…

 

「やれやれ…」

 

予想通りだった。というかパンに包まれる夢って逆に少し気になったのは伏せておこう。さて、あいつが来るまで5分はかかるらしいからしばらくスマホゲーでもしてようかな…。

 

「おまたせ~。」

 

「……早くね?」

 

なんと、その人は3分もかからないうちに到着したのだ。

いや、あいつの家からここまで5分はあるはずだし、普段のあいつからはこんなに早くこれるとは………いや、あいつはパンの為なら高速移動出来るんじゃないか?と思うほどのパン魔神だから逆に考えれてしまう自分がいた。

 

「いや~。ごめんね~。まだチョココロネはある~?」

 

「いや、1つ聞いていい?」

 

「何~?」

 

「どうやってここまで来た?」

 

「走ってきた~。」

 

「その割には余裕そうだな?」

 

「そりゃ~モカちゃんパワーですよ~。」

 

「それはそうとしてとりあえずもう店行くぞ?まだ大丈夫だと思うけどチョココロネが…」

 

「レッツゴ~」

 

というとあっという間に少女こと〈青葉モカ〉はパン屋に入って行った………って…

 

「俺を置いていくなよ…」

 

モカの後を追い俺もパン屋に入って行った。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「…さて、こんなものか。」

 

俺は色々と見て回った結果お盆に焼きそばパンとカレーパン、チョココロネを置き会計に向かう。

 

「お会計お願いしまーす。あ、支払いはポイントカード(これ)で。」

 

まあ先客(モカ)がいたわけだが…ここ最近思うんだけどあいつは一体どうやってあんなにポイントカードを集めてるのだろうか。今度少し聞いておこうか。というか店員さんも一瞬ビックリしてるし。とかなんとか考えているとモカが会計を終わらせて俺の番になった。

 

「お待たせしました。焼きそばパンとチョココロネで360円になります。」

 

「了解。じゃあこれで。」

 

「はい。400円お預かりして…40円のお返しになります。こちらポイントが貯まったので次回出してくださるとお好きなパンと引き換えが可能だよ。」

 

「あ、はい。」

 

「ハハッ…そんなにかしこまらなくても良いんじゃない?あたし達年近いんだし。」

 

「いやまあ…元からこういう性格だから店員さん敬語相手だとなんか…」

 

「まああたしはお店の手伝いだからね。でもそういう真面目な所良いと思うよ?」

 

「そんなもんかね…」

 

今俺と話しているのは山吹紗綾さん。このパン屋の看板娘という所だろう。そんなことを話している間にもパンを袋詰め終わっていた。流石手際がいい。

 

「はい、お待たせしました。」

 

「ありがとう」

 

「それじゃ、またのご来店をお待ちしております。」

 

パンを受けとると俺は店を出てモカが待っている所に向かった。というかモカは店の出入口付近でさっき買ったパンを食べていた。

 

「お待たせ。」

 

「遅かったね~。」

 

「そこは勘弁してくれ。」

 

「何かさーやと話してたみたいだったけど何話してたの~?」

 

「あれか?まあただの社交辞令みたいなものだけど?」

 

「ふーん…まあいいや~。それよりはやくつぐの所行くよ~。そろそろ開店準備もしてる頃だろうし~。」

 

「おいモカ、お前少しは遠慮しなさいよ。」

 

「ほらほら、レッツゴー」

 

「レッツゴーじゃなくて……だから俺をおいて先に行くなって!」

 

 

 

そうして俺はモカの後を追い、幼なじみ達の元へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
もし評価が多ければ続くかもしれません。その時はこんな感じでのんびりとやっていこうと思いますので長い目で見守って頂けると幸いです。

それではまた次回お会いしましょう。 


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ようこそ羽沢珈琲店へ


続きを書いてみました。

今回のイベでモカの新規☆4来ますね。もちろん狙いますよ。なんせ私はモカ&彩推しですからね。


 

 

午前8時45分

 

 

 

カランカラン…

 

 

「やっほー。つぐいるー?」

 

「おはようございまーす。」

 

「あ、モカちゃんに遼くん!二人とも早いね。」

 

「ふっふ~。そうでしょ~?」

 

「何でお前がそんなに誇らしげなんだよ。一応営業時間前だからな?」

 

「いいよいいよ。とりあえず今はコーヒーしか出せないけど大丈夫かな?」

 

「おお~流石つぐ太っ腹~。」

 

「ありがとう。お願いするよ。」

 

「うん。じゃあどこか座って待ってて。」

 

少し早いけど俺たちは羽沢珈琲店に来ていた。俺たちが入って来たのを見るとつぐみはそういうと厨房の方に向かいコーヒーの準備に取り掛かった。いや、なに本当。あの子いい子過ぎるでしょ。

 

「さて~。じゃあ戦利品のパンにありつきますかね~。」

 

「……というか良く買ったよなそんなに…。」

 

「そりゃ、モカちゃんはパン大好きですからね~。」

 

そう言いながら買ってきたチョココロネにありつきはじめたので俺も袋からカレーパンを取り出し食べることにした。

毎度の事ながらここのパンは旨いと思う。例えばこのカレーパンなんか外はカリッと仕上がっており、中には時間がたってるであろうにも関わらず冷たくないカレー、そしてパン自体は脂っこくなくカレーは辛すぎずスパイスと甘さの調和がとれている。さらに、このパンには一口目にカレーが味わえないという悲劇もない。まさに神の荒業とも言えよう。

 

「ふう…。」

 

まずは1つ完食し次のパンに手を伸ばす。そのまま焼きそばパンを手に取ったとき…

 

「ふぉうひぃれははー」

 

モカが何かを言ってきた。しかもパンをハムスターの如く口に詰め込んだ状態で。

 

「うん、とりあえずパン飲み込もうか。なに言ってるかさっぱりわからん。」

 

「お待たせしました。こちらコーヒーになります。」

 

「つぐみ、ナイスタイミング。」

 

「ひゅぐあひぃふぁほ~」

 

「だから飲み込んでから言え。」

 

モカはそのままコーヒーを受けとるとそのまますすり口の中の物を飲み込んだ。それを見届けた俺も同じようにコーヒーを啜った。

 

「あちっ」

 

そう言えば俺猫舌だったんだ。とりあえず何事も無かったかのようにコーヒーを静かに置いて覚めるまで待ちますか。

 

「で、何言おうとしてたんだ?」

 

「いや~実はさ~…………あれ?あたし何言おうとしてたんだっけ~?」

 

「………またか。」

 

「いや~ごめんごめん~。」

 

「あはは…。相変わらずだねモカちゃん…。」

 

「でも忘れる位なら大したこと無かったのかな~?」

 

「なんだろうな。そう言われると逆に気になるんだけど。」

 

「言われてみれば確かに。」

 

「じゃあ~二人で当ててみる~?」

 

と言われたので俺とつぐみでモカの考えていたことを当てようと思う。というかモカの考えることと言えばパンか?いや、さすがにそれは単調すぎるか。だとすると…。

 

「もしかして新作パンのこととか?」

 

「うーん…違うかな~。」

 

「そっかー。」

 

「つぐざんねーん。」

 

「うーん…。遼くん何かわかる?」

 

「多分…『この間バイトしてたらひまりが来てからかった時の反応が面白かった』とか?」

 

するとモカは考えるような素振りを見せた後、思い出したかのような顔をした。

 

「おお~。それだよ~。」

 

「まあパンじゃなかったらそんなところかな~と思ってな。」

 

「おお~流石遼~。モカちゃんのことを良くわかってるね~。」

 

「そりゃ何年幼なじみやってると思ってんだ。で、どんな反応だったんだ?」

 

「ああ~…実はさ~」

 

とモカが当時のことについて話始めたところで店のドアが開いた。

 

「つぐやっほー!」

 

噂をすればなんとやら。これから話題にあがろうとしていた人が来たではないか。

 

「あれ?遼くんとモカ?」

 

「おお~ひまりおはよう。」

 

「やほ~。」

 

「二人とも早いね。もう来てたんだ。」

 

「パン買いにいってからそのまま直行したからな。」

 

「そうなんだ。」

 

「そ~そ~。」

 

「まあ俺ら開店前から来てるけどな。ていうかつぐみ、今何時?」

 

「えっと…今9時だけど…。あ、じゃあ私お店の看板変えてくるね。」

 

つぐみはそのまま表に出て店の看板を〈OPEN〉に変更した。今は開店早々でお客さんが少ない時間帯なのでそのままこちらに戻ってきた。

 

「それでね~。あの時は~。」

 

「えっと…本人目の前にいるのにその話進めるんだ?」

 

「良いんじゃない~?だってひーちゃんだし~?」

 

「そう言えば確かに。」

 

「えっ?何?なんの話?私の事?」

 

「あれは一昨日のコンビニのバイト中のことで…」

 

 

 

 

~回想~

 

「しゃーせー」

 

「いらっしゃいませー!」

 

「リサ先輩、こんにちは。」

 

「ひまりじゃーん!今日はスイーツ買いに来たの?」

 

「はい!話題の新作スイーツが出たと聞いたので!」

 

「おー!流石スイーツ女子だね。」

 

「それじゃ会計しまーす。」

 

ピッ…

 

「こちら210カロリーが1点」

 

ピッ…

 

「300カロリーが1点」

 

ピッ…

 

「195カロリーが1点」

 

ピッ…

 

「254カロリーが1点で~合計で959カロリーになりま~す。」

 

「もー!モカー!」

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

 

「ということがありました~。」

 

「ホントあれは流石に酷くない!?」

 

「というかそれで値段の計算大丈夫だったのかよ。」

 

「気になるところそこ!?」

 

「大丈夫~ちゃんとやってたよ~。リサさんが~。」

 

「結局リサ先輩便りかよ。というかまあひまりは

……御愁傷様でした。」

 

「でもレジ通す度にカロリー計算するのはおかしくない!?リサさんも隣で必死に笑い堪えてたからね!?」

 

「あー…成る程ねー…。」

 

「って遼も納得しないでよ!女の子はそういうことに敏感なんだから!」

 

「おお…ごめん。というか逆にモカって女の子なのに気にしてないよなそういうの。」

 

「そりゃ~ひーちゃんにカロリーを送ってますからね~。」

 

「だからモカーッ!!」

 

「まあまあひまりちゃん…良かったらコーヒー飲む?」

 

「つぐ~……。もう飲む!それとフルーツタルトもお願い!」

 

「おいひまり…カロリーがどうのこうのってのは…。」

 

「今日は忘れる!甘いもの食べて忘れるもん!」

 

「あ、うん。じゃあちょっと待っててね。」

 

そしてつぐみはひまりに出すコーヒーとフルーツタルトをつくるために奥に入って行った。

俺の目の前ではモカが相変わらず何食わぬ顔してパンを頬張ってるし。ひまりは机にひれ伏している。

長年幼なじみやって一緒にいるものの時々女の子という存在がわからなくなってくる。そんなことを考えながらコーヒーを一口啜るのだった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?相変わらず内容薄くてすみません。書いてると思うんですが、想像を文章にするのって難しいですね。でもやり始めたからにはちゃんとやっていこうと思います。

それではまた次回お会いしましょう。


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ブシドー・オン・ステージ

お久しぶりです。

今回はサブタイトルからわかると思いますが。あのキャラ登場です。

そういや今までの石全部溶かして見事☆4モカお迎え出来ました!




「突然だけどつぐみ、柿は好きか?」

 

「どうしたの突然?」

 

現時刻は昼1時。俺の来店早々の発言によりつぐみは若干困惑している。

 

「実はさ、うちの庭に何故か昔から柿が出来る木があるわけよ。それで今年も大量に柿が出来て父さんが採ってきた訳なんだよ。」

 

「うん。」

 

「で、大量に採れ過ぎたから相談に来たってことなんだけど大丈夫?」

 

「大丈夫だよ。というか良いの?うちが貰っちゃっても…。」

 

「いや、むしろ貰ってくれた方がありがたい位。」

 

「じゃあ…お願いしようかな。」

 

「じゃあこれ渡しとくわ。」

 

そういって俺はつぐみに柿の入った袋を渡した。袋の中には10個程の柿が入っている。

 

「こんなにたくさん…遼君本当にありがとう!」

 

「まあ、どうせまた採れるし必要なら持ってくるよ。」

 

「うん、ありがとう。じゃあ注文の品来るから待っててね。」

 

そう言うとつぐみは袋を持って厨房に向かった。今日は1人で来ている為その間はやることもなく暇なので適当にスマホゲーでもやって次回でも潰そうかと思っていた時勢いよくドアが空き1人の銀髪美少女が入って来るのだが…。

 

 

 

「たのもー!」

 

いや、なんでその掛け声?それ道場破りの時に使う掛け声じゃ無かったか?よく知らんけども。

 

「あ、リョウさんご無沙汰してます!」

 

「久しぶり。今日は芸能界の方はお休み?」

 

「はい!しばらくの間はパスパレもモデルの方もスケジュールが入ってないのでこれからはもっとアルバイトの方を頑張っていこうとおもいます!」

 

「うん、まあ無理すんなよ。」

 

「はい!お気遣いありがとうございます!立派なブシになるべくがんばります!」

 

 

紹介が遅れたがこの子は若宮イヴといって日本人とフィンランドのハーフでここのアルバイトだ。でも実際は『pastel*palettes』というアイドルバンドをやる傍らでモデルとしても活動している。因みに彼女は武士に憧れていて事あるごとに『ブシドー』と言っている。これを初めて聞いたときはなんの事かわからなかったがいまでは俺も大体わかっている。一言で言うなら『考えるな感じろ』。

 

 

「お待たせしました。ご注文のいちごタルトとカフェオレです。」

 

つぐみが料理を運んできてくれたのでとりあえずカフェオレを一口飲んで落ち着こうと思いカップを口に近づけるのだが、俺は猫舌であり熱い珈琲を飲むためには少し冷まさなければならないのだが啜った感じ今回のは熱すぎずすんなりと飲むことが出来た。

 

「あれ?熱くない…。」

 

「遼くん猫舌だからすぐに飲めるようにいつもよりお湯の温度を少し下げて淹れてみたんだけどどうかな?」

 

「飲みやすいし上手い。流石つぐみだ。」

 

「お客さんの為にほんのわずかな心遣いが出来るとは…ツグミさん、ブシドーです!」

 

「そ、そんなことないよ!?」

 

おお、つぐみが照れてる。

 

「あ、そうだ!お父さんがさっき遼くんがくれた柿を使って新しいメニュー作ってみたんだけど二人とも良かったら味見してくれないかな?」

 

「はい!是非やらせてください!」

 

「じゃあお願いするわ。」

 

「じゃあ持ってくるね。」

 

つぐみが厨房に入るとイヴも「私も準備をしてきます!」と言って従業員の控え室に入っていった。二人が出てくるまでいちごタルトでも堪能してましょうか。

 

「……上手い。」

 

相変わらずこの店は珈琲だけでなくスイーツにも気合いが入っているよな…。ほぼ毎日来て色々食べてるけど飽きないわ…。つぐみやおじさんの腕前っていうのもあるけど良くひまりが食べて感想を言ったりしてるからそれでここまでの味が出せるってものなのかね?……まあ、その本人は食べた後で密かにカロリー気にしているみたいだけど追加でスイーツ食べてるからじゃないのかな?

 

 

 

────────────────────────

 

 

一方

 

「はっくしゅん!」

 

「どうしたひまり?風邪か?」

 

「うーん…風邪というか……もしかしたら誰か私の噂でもしてるのかな?」

 

「まあ、そうだとしたら大方モカと遼くらいだな。」

 

「あ、そういえば巴聞いてよこの間さ~」

 

当の本人は現在幼なじみの1人の『宇田川巴』とショッピングモールに来ていた。

 

 

───────────────────────

 

 

 

「リョウさん!お待たせしました!」

 

「うん、わかったけど俺じゃなくてつぐみやおじさんに言った方がいいんじゃないか?」

 

「二人ともお待たせ。これが今回作ってみた柿のパイだよ。」

 

 

俺たちの前に出されたのは程よく焼けたパイだった。うん……なんということでしょう。あれだけあってうちの家族が食べ飽きはじめてた柿が匠の手によって食欲をそそるような美味しそうなスイーツに早変わりしたではありませんか。

 

「とても美味しそうですね!早速いただきます!」

 

イヴは早速フォークを手に取り綺麗にパイを切ってから口に運んだ。今まで特に意識してなかったけどこうしてみると食事の時も仕草の1つ1つが上品でまさにモデルって感じがするよな…。

 

「リョウさん?どうしましたか?私の顔に何かついてますか?」

 

「あー…いや、イヴも芸能人なんだなーと思っただけ。」

 

そういうとイヴはなんの事かわからなさそうな顔をしていたのでその間に俺はパイを食べた。

 

「……上手いな。パイ生地とジャム状の柿にメープルシロップがいい感じに絡まってる。」

 

「そうですね!それにこの柿もしっかりと味が引き立っていておいしいです!」

 

「そう?最初パイだけじゃ何か足りないかなと思ってシロップもかけてみたんだ!」

 

「俺的に付け加えるとするならレモンエキスをパイにかければ爽やかな風味が出ていいアクセントになるんじゃないか?」

 

「なるほど、じゃあお父さんに後で伝えておくね。」

 

「この短時間で凄いアイデアが出るとは…リョウさん凄いです!」

 

「えっと…そんなに凄い事かこれ?」

 

「うん、十分凄いことだよ!私もお父さんもひまりちゃんや遼くんの意見には凄く助けてもらってるんだ!」

 

「誰かの為にアドバイスをあげることが出来るなんて凄いですよ!リョウさんはやっぱりブシのような方ですね!」

 

「いや、流石に大げさでは!?」

 

「いえ!リョウさんにはやはり確かなブシドーを感じます!」

 

「ブシドーねぇ…。」

 

正直イヴの言うブシドーというのは大体理解しているけど基準がいまいちわかってないんだよな…。

 

「というかイヴってモデルとかやってるのにこういうところでバイトしてて大丈夫なのか?」

 

「大丈夫です!事務所もプライベートに関しては基本的に触れない感じなので!」

 

マジか。芸能事務所ってもっと規制だらけの世界なのかとばかり思ってたわ。

 

 

…と話していたら新しいお客さんが来た。

 

 

「それではワタシもブシとしての勤めをはたしてきます!」

 

そう言うとイヴは仕事モードに切り替わりテキパキと仕事をこなし始めた。流石、プロは一味違うな…。

 

と考えながらいちごタルトに舌鼓を打っていた。そしてタルトを食べ終わり最後にカフェオレを堪能したところでお会計を済まし店を後にする。イヴの「ありがとうございました!」というつぐみの時とはまた異なった愛嬌のあるというか元気な声が耳に残った。

 

 

さて、これからどうする「遼~。偶然だね~。」この声は大体想像がつくけどあいつか…。

 

「やほ~。」

 

振り向くとそこには銀髪の美少女(本人談)ことモカと隣に反骨の赤メッシュこと美竹蘭がいた。

 

「モカと蘭か。」

 

「そーそー。モカちゃんさっきまでバイトしててね~。今帰ってたんだ~。そしたら蘭と途中で鉢合わせしちゃって。」

 

「そのまま一緒にここまで来たってとこか。」

 

「そうだね~。」

 

「ねえ、遼。後で今度の曲ついて相談したい事があるんだけどいいかな?」

 

「ああ…あれか。大丈夫だけどどこでやる?」

 

「遼の家。」

 

「迷いがないな。」

 

「遼の部屋ってなんか静かだし…落ち着くから。」

 

「わかった。ちょうど今親いないから行くか。」

 

「もちろんモカちゃんもご一緒しまーす。」

 

「まあ、そうだろうと思ってたよ。」

 

 

 

 

ブシドーの基準ってのは良くわからないけども俺にとっては大切な幼なじみ達の役にたてるように出来ることを全力でやっていく。これもそのブシドーのうちに入るのかな?

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。今回はオリキャラである常之遼のプロフィールもかきましたのでのせときますね!


常乃遼〈ときのりょう〉

誕生日
2月21日

趣味
料理の研究、街探索、ゲーム

好きな食べ物
パン、山吹ベーカリーのチョココロネ、甘いもの

嫌いな食べ物
煮豆

得意科目
生物、家庭科

苦手科目
物理、数学全般

人物像
羽丘学園に通う高校一年生。Afterglowの五人とは幼なじみであり、五人がバンドを初めてからはマネージャー役をかって出ている。性格は不器用かつクソ真面目であり、その性格故か無理をして自分のことを後回しにしてしまうこともしばしば。
また、ポピパの有沙、ハロパピの美咲に並ぶ苦労人でありまりなからは『苦労人三銃士』と言われたこともある。特にモカとは接点が多く苦労することが多いのだが本人曰く『疲れはするが嫌だとは思わない』とのこと。
昔から母方の祖父から譲ってもらったアコースティックギターを大切にしておりギターの腕前もかなりのものらしい。
ついでに言うと猫舌である。


以上です!次回はなるべくアフターグロウのメンバーを絡ませていこうと思います。というか作品のタグに恋愛っていれてるけど今のところまだ恋愛要素やってなかった気が…。課題が多いな…。

まあ、ぼちぼち頑張りますので長い目で見守ってください。



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からかい上手の青葉さん

明けましておめでとうございます!

新年早々平成ジェネレーションFOREVER観て2日くらい興奮の余韻に浸ってたキズナカナタです。

やっぱり仮面ライダーって最高だね!





 

 

ジリリリリ…。

 

 

時刻は午前7時20分。頭元でなる目覚まし時計を止め半開きの目をこすり体を叩き起こす。今日はなんか腰と肩が筋肉痛で痛い。昨日調子のってライブの機材のなんやかんやを1人で運んだからかもしれない。

 

「とりあえずご飯でも食べるかな…。」

 

俺はキッチンに向かうと母親からの置き手紙と机の上にはおにぎりが三個程置いてあった。どうやら今日は早出の日で何時もより10分早く出るようだ。とりあえず俺は母親が作ってくれたおにぎりを1つラップからはがし食べ始める。

 

「あ、中身昆布か。」

 

そんなことを思いながら食べてると1つ完食した。そのまま2つ目のおにぎりに手を伸ばそうとすると…

 

ピンポーン…

 

玄関から呼び鈴の音がした。誰だよこんな朝から…。N○Kだったら追い返してやろうか…。

 

「やほ~。遼~?」

 

「お前だったのか。」

 

俺がドアを開けるとそこにはモカがいた。いや、何できてんの?

 

「どうした?お前から出向いて来るなんて。」

 

「う~ん…なんか~遼の顔が見たくなったから~?」

 

「いつも見てるだろ…。とりあえずあがるか?」

 

「そうする~。」

 

俺はモカを家の中に入れると扉を閉めた。因みになんだがモカが朝から俺の家に来るのは珍しいことではない。時たまに突然フラッと現れるのだ。だがモカは朝に弱いのでそうそう来ることも無いのだが…。

 

「何か頻度上がってんだよな…。」

 

「何か言った~?」

 

「いや、何も。」

 

やっべ、また心の声が漏れた。

 

「というか何でまた突然」

 

「う~んと~何か遼に会いたくなったんだよね~。」

 

「おう、さっき聞いた。」

 

「それとあわよくば遼の寝顔が見れるかな~と思って~。」

 

モカがニヤニヤしながら語りかける。うん、こういう状況は大体俺のペースが持ってかれる前触れだ。今さら振り回される訳が…

 

「それに~。昨日買ってきた美味しいパンを一緒に食べたいと思ってね~。」

 

「え?………マジで?」

 

「そうそう~この間さ~山吹ベーカリーでチョココロネが沢山残ってたからさ~買ってきたから二人で分けようと思ってたんだよ~。」

 

マジか…。あのパンのことになると無意識にすべてを食らいつくしそうなモカが…。ヤベエ…以外といい子かもこの子。いや、元々根はいい子なんだけど。

 

「でも残念ながらチョココロネが美味し過ぎて~モカちゃんのお腹に入って行っちゃいました~。」

 

「………え?」

 

「美味しかったよ~。」

 

「…………うそーん…。」

 

いや、マジでなんだったの。さっきまで感動仕掛けてた俺の心なんだったの?返せ!俺のさっきまでの感動返せ!

 

「というかまたこの流れかよ…。」

 

いや、あの状態になるとからかおうとしそうな気はするんだよ。なんだけどさ…どれだけ警戒しても最終的にはモカのペースに持ってかれるんだよなこれが。

 

「とりあえず服着替えて来るからそこでゆっくりしてて。」

 

「りょ~かい~。あ、おにぎり1つ貰っていい~?」

 

「どうぞご自由に。」

 

俺は服を着替えて鞄の中を確認すると部屋を出た。そしてリビングに戻るとモカは椅子に座りテレビを見ながらくつろいでいた。

 

「モカ、そろそろ出るか?」

 

「待ってました~。モカちゃんは準備万端で~す。」

 

俺の声を聞くとモカはテレビを消してカバンを持ち玄関へと向かう。その後を追うように俺も家を出て玄関の鍵をかける。

 

「さて、行きますか。」

 

「あ、その前に~。ちょっと向こう向いてて~。」

 

「え?向こうってあっち?」

 

俺が反対側を向いてるとモカは鞄を探って何かをとっていた。

 

「よーし…じゃあこっち向いて良いよ~。」

 

「いや、何こr」

 

俺が言葉を言い終わる前にモカは俺の口に何かを入れてきた。それを手に取り口から噛み離すとチョココロネが手元にあった。

 

「ふっふっふ~。どう~?モカちゃんからのサプライズ~?」

 

「いや、チョココロネってお前買ったやつは全部食べたんじゃ無かったけ?」

 

「ところがどっこい、モカちゃんは遼の為に1つだけ残してあげてたのだ~。」

 

「あ…はあ…。」

 

「昨日スタッフの人たちと一緒に遼ライブハウスに残って片付けの手伝いしてたからさ~。せっかく出来立てのチョココロネがあったのにモカちゃん1人で買っちゃったんだよね~。」

 

「あ…まあそのことに関してはね…。」

 

「それに~昨日のうちに渡したかったんだけど遼全然連絡くれないからさ~。RINE入れたのに。」

 

「あ~。確認して無かった。後そのことに関しては…すみませんでした。」

 

実はあの後疲れて布団に転んで本読んでたら寝ちゃったんだった。

 

「だから~こうして渡しに来たんだよ~?」

 

「そうだったのか…。」

 

今のモカの表情はボーッとしているようないつもの感じで話している為、これが本気なのかからかいが混ざっているのかはわからない。それでもこのことは純粋に嬉しい。だから俺は

 

「ありがとう。」

 

そのままの思いを素直に言う。その時のモカの顔に少し赤みがかかってたような気がするのは気のせいかもしれない。

 

「よ~し。それじゃあ蘭達が待ってる所まで競争だ~。」

 

「いや、ちょっと待って!チョココロネくらいゆっくり食べさせて!?」

 

このときのチョココロネは何故か何時もより甘く感じた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回はモカとのイチャイチャ?回でした。

うん、やっぱりこれ考えるのは楽しいけど文章にするの難しいね。←作文とか苦手な作者

とりあえず次回はもっと早めに投稿出来るように努力します。

コメントや指摘、評価等をくださるとありがたいです。



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乙女心は複雑です

キズナカナタです…。

結局…彩の新規☆4を手に入れることが出来なかったです…。

今度は石を10000個は貯めてからやろうと思います。


それはそうとバンドリアニメ二期、凄く楽しんでます。個人的には開幕そうそう彩ちゃんアップ&しゅわりん☆どり~みんで『スゴイ!ジダイ!ミライ!』状態のテンションです!←伝わって欲しい




「やほ~。遼おはよ~。」

 

「・・・・・また来たのか。」

 

俺が朝起きるとそこにはモカがいた。しかもちょうど布団越しに股がっているため凄く重…

 

「ね~今失礼なこと考え無かった~?」

 

「何でもございません」

 

危ねえ…。そういえば女の子にとって「重い」とか「太った」って言うのはNGワードだってひまりが言ってたな…。

 

「とりあえずさ…そこどけてくれ。」

 

「え~何で~?」

 

「起きれねえんだよ。」

 

「なんなら一緒に寝ちゃう~?」

 

「あ、そういうのいいから。」

 

「ちぇ~。つれないな~。」

 

「というか何でお前が俺の部屋にいるんだよ。」

 

「おばさんに頼まれたから~。朝ご飯出来てるってさ~。」

 

そう言うとそこから動き部屋から出たモカを見て俺も布団から出てそのまま布団を畳み、服を着替えた。

 

「おはよう。」

 

「おはよう。とりあえずご飯食べときなさい。」

 

母さんと何気ない一言を交わし食卓に向かうとそこにはあたりまえのように座って玉子焼きを頬張っているモカがいた。

 

「ああ…ってお前も食うのか。」

 

「だって~おばさんの玉子焼き美味しいから~。」

 

「本当マイペースだな…。いただきますっと。」

 

俺はモカの隣の席に座り食パンをかじる。今日の朝ご飯はマーガリンが塗られた食パン、玉子焼きにソーセージ、そして簡易的なサラダだ。そしてテーブルに置いてあるグラスに牛乳を注ぎ、口に含む。

 

「それにしてもモカちゃんありがとうね。この子月曜日の朝って基本的に目覚めが悪いから。」

 

「いえいえ~。遼の寝顔もみれたし役得ですよ~。」

 

「ふふふ。いっそこのままモカちゃんが遼とくっついてくれれば面白いのにね~。」

 

突然の母親の爆弾発言により俺は口に含んでいた牛乳を軽く吹いてしまった。

 

「いやいやいやいや待て待て待て待て。」

 

「あら?何か問題あった?」

 

「問題も何もそういう話を本人の目の前でします?」

 

「でも実際モカちゃん通い妻みたいになってるしね~。」

 

「いや、通い妻って…。モカ、お前も何か言ってくれ。」

 

「構いませんよ~?あたしで良ければ~。」

 

「お前に助けを求めた俺が悪かった。」

 

「じゃあ遼は~あたしが付き合うって言ったらどうするの~?」

 

「えっ?」

 

俺とモカが?いや、全く想像できないんだけど…。あ、でも以外と…って何を考えてんだ俺は。

 

「…………とりあえずテーブル拭くわ。」

 

「あれ~今の間はなんだったのかな~?」

 

「あーもうその話はいいからさっさと食べなさいよ!」

 

「は~い。」

 

こうして何時ものようにモカにからかわれた俺は朝ご飯を食べ終わると歯を磨き、そのままモカと家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってやまぶきベーカリー。俺達は昼用のパンを買いにやって来た。

 

「いらっしゃいませー!」

 

お店に入るとここの看板娘である紗綾が出迎えてくれた。

 

「おお紗綾。今日もお疲れ様でーす。」

 

「あはは…お疲れ様ってまだ朝だけどね。」

 

「モカちゃんもいるよ~。」

 

「おお~。二人揃ってるね。チョココロネ、焼きたてあるよ?」

 

「「ください!」」

 

おっと誰かと声が被ってしまった。

 

「あ、すみません。」

 

「いえ…こちらこそ…。」

 

その少女はオドオドしながら話しかけた。

 

「あははっ。そんなに急がなくても二人分はあるからね。」

 

「モカちゃんの分は~?」

 

「もちろんあるよ。」

 

そう言うと紗綾は焼きたてのチョココロネをチョココロネコーナーに置き再びレジに戻った。

 

その後さっきの少女に先を譲り、その後で俺とモカはチョココロネをお盆にのせ他のパンから欲しいものを取り会計に向かった。

 

「紗綾、これお願いします。」

 

「オッケー。………あれ?遼、今日はチョココロネ3つなんだ。」

 

「あ~うん。実は朝からモカにからかわれるわ、母さんも悪ノリして『モカとくっついたら面白そう』って言われるし…。」

 

「あはは…。それは…災難だったね…。」

 

「ふっふっふ~。遼のことならモカちゃんにおまかせあれ~。」

 

「いや、何でお前がでかくでるのさ。」

 

「まあでも二人って何かと相性いいんじゃないかな?」

 

「いや、紗綾もからかわないでくれ…。というかそういう点とかだと紗綾って結構はまり役なんじゃないの?」

 

「えっ?」

 

「いやだってさ、紗綾って何気ないところで気が利くし家事とかきっちり出来そうだしそれに何て言うか…母親感出てるって感じで」

 

「そ…そうなのかな?」

 

「うんまあ…何かこう…理想の女性って感じかな?」

 

「うん。まあ褒めてくれるのは嬉しいんだけど…下手に褒めてると後が怖いこともあるかも…?」

 

紗綾が苦笑いで俺の後ろを見ているのでその目線の先に何があるのかと思い振り向くとそこにはジト目でムスッとした顔でこっちを見ているモカがいた。

 

「えっと…モカ?どうした?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

俺が話しかけてもモカは何か不機嫌な状態のままだった。

 

「え~っと…なあ、俺モカに何かしたか?」

 

「いや~それを私の口から言うのはちょっとね~。」

 

この雰囲気に流石の紗綾も苦笑いで対応している。

 

「・・・・・さーや~、お願い~。」

 

「あ、うん。」

 

モカは俺をスルーしてお会計を済ませてそのまま出口に向かっていたので、その後で俺も会計を済ませモカの後を追おうとした時紗綾に声をかけられた。

 

「あ、遼くん。1ついいかな?」

 

「ああ…うん。」

 

「女の子って以外と繊細だから…気を付けてね。」

 

「えっ?………ええー…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

(やっぱり俺何かモカの気に触ることしたのか?)

 

 

この後、無事モカに追い付き幼なじみの元に到着した俺たちだったがやっぱりモカの機嫌は治らず「俺何かしたのか?」と蘭たちに聞いたところ4人は「またか…」という雰囲気でため息をついたり苦笑いをされただけだった。

 

 

 

 

因みにモカの機嫌が治ったのはお昼休みの時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・俺のチョココロネという尊い犠牲と引き換えに。

 

 

 

 

 

まあ、そのときのモカのチョココロネを食べてる顔は幸せを噛み締めてる顔そのものだったので良しとするか…。

 

 

 

 

 




この作品に☆10評価をくださったキャンディーさん、☆7評価をくださったボルンガさん、ありがとうございました!


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何気ない今


新キャラ登場するよ。



 

 

突然だが皆さんは学校に来たとき憂鬱なことはありますか?

 

月曜日の朝であること?

 

 

部活動がきついこと?

 

 

学校に来てそうそう朝礼があること?

 

 

まあ、人は必ずしもそういう不満や愚痴というものを溢すだろう。因みに俺はというと……

 

 

「最悪だ…。」

 

「遼~?目が死んでるよ~?」

 

「そりゃ一時間目から数学とかただの地獄だろうに…。」

 

一時間目から数学という地獄を見たのだ。いや、はっきり言うけどさ…単純なところはまあいい。覚えれば良いだけだから。でも応用問題とか記述的な奴になると脳みそフル回転しても一発で理解できないんだよ。本当なによ二次関数とか平方完成とか。これ覚えるだけでもキツいわ。正直もうテストで『よくわからない式』とか『複雑な数式』としか脳内で流れて来ないんですけど?

 

「しかもあの先生…早口で喋るから一部なにいってるのかわからんときあるんだが…。」

 

「うーん…そればかりはどうしようもないんじゃないかな~?」

 

「というかモカ、次の数学の授業っていつだっけ?」

 

「明日だね~。」

 

はい、死んだ。しかもあの先生出席番号順に当てて行くから次当たるの俺だよ。これ明日までに解かなきゃいけないよ。

 

「そして今日放課後はCircleでしっかり練習するって蘭言ってたよ~。」

 

「おいおいおい、死ぬわオレ。」

 

「あそこでひーちゃんもつぐとトモちんに必死で教えて貰ってるし~。」

 

そういやあいつ今日当てられて見事に答えミスったんだよな…。

 

「…………モカ、お前数学できるか?」

 

「出来るけど~どうしようかな~。」

 

「………やまぶきベーカリーのメロンパンで手を打とう。」

 

「オッケー。」

 

よし、これで明日の分はなんとかなりそうだ。

 

とりあえず今の疲れをとるために俺がやるべきことは1つ。

 

「おやすみなさい。」

 

寝る!以上!

 

「あ、次体育だけど遼移動しなくても良いの~。」

 

「……うそーん。」

 

 

 

 

 

 

 

ここで一句

 

少しくらい

休みをくれよ

ホトトギス

 

りょうを

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで俺は更衣室で服を着替えた後で体育をすることになった。今回の体育は2クラス合同でグラウンドでスポーツをすることになっている。ただし男女別のスポーツをするらしく男子は陸上競技、女子はテニスをやる。

 

「常乃、お前は50メートル7.0だ。」

 

まあ平均と言う所か。別に俺は陸上部という訳じゃないし拘る必要もないんだが。

 

「遼、タイム何秒だった?」

 

「7.0らしい。」

 

「やるね。俺は…確か7.3だったよ。」

 

「というか俺はタイムよりも疲労のせいで寝たいと思う気持ちの方が強いんだがな…。」

 

「そっか~。だとしたら今体育なのはかなりきついでしょ。」

 

そうやって俺はこの体育の待ち時間を『今井匡』という男と共に過ごしている。今井という名字に聞き覚えのある人は山ほどいるだろうがそれについてはまた別の話にしよう。

 

「そういえば遼って幼なじみとバンドやってるんだっけ?」

 

「やってるというか…ステージに立つのはあいつらだけだ。俺はあくまでマネージャー、裏方専門だ。」

 

「要するに影の立役者ってこと?」

 

「そうだな。」

 

「でも何で遼はステージに立たないの?ギターテク結構凄いって聞いたけど。」

 

「待て。俺お前にギター聴かせたことあったか?」

 

「姉さんから聞いた。」

 

「そのルートがあったか…。というか俺が入ったらガールズバンドじゃ無くなるだろ。」

 

「俺たちで組む?」

 

「確かに悪い誘いではないが今回は遠慮しとく。こう見えてもうちのグループで手一杯なんだ。」

 

そんなことを話していると教師からの集合の掛け声がかかり、俺たちは会話を止め集合場所に向かった。

 

そしてその後の授業は…まあ特にこれと言って話にあげるような面白い事が起きる訳でもなく。時間は流れ放課後が来た。…面白いことって強いて言うなら古文の時間に窓を見たときに見えたんだが教頭の奥家の頭がズラでその下がツルツルだったってところかな。

 

 

 

そんなことはさておき俺たちは今ライブハウス『circle』に来ている。理由は勿論バンドの練習の為。みんなはここでそれぞれの楽器のチューニングをしたり音をあわせてより完成度の高い音楽に仕上げている。

 

そんな中お前は一体何をしてるんだよ!と思う方もいるだろう。安心してください、サボってはいません。俺は彼女達の音を聞き良かったところや悪かったところを記録しそれを伝えている。まあ、俺はギターのことしか知らないからそこまで言えることもないのだが。

 

「うん、とりあえず今日は時間も時間だしこの辺りにしておこうか。」

 

蘭の一声により五人はそれぞれ片付けに入る。

 

「お疲れ~。水買ってきてるけど飲む?」

 

「お~待ってました~。」

 

「サンキュー、遼。」

 

レジ袋に入ってた天然水を一本ずつ全員に配り皆はそれぞれその水を飲み始めた。その間に俺はノートを見直し間違い等が無いかを確認していた。

 

「ぷはあー!生き返るー!」

 

「確かにな。もうすぐ次のライブも近いし練習もなんかやりきったって感じだよな。」

 

基本的に片付けの時はそれぞれ楽器をしまいスタジオを次の人が使用するためにある程度綺麗にしておく。それが終われば後は撤退するだけなのでよほど時間が詰まってない限りそう焦ることはない。現にひまりと巴は何気ない会話をし、モカは蘭に引っ付きつぐみはそれを見て母親のように笑ってる。そんな中俺は5人を眺めながらノートをパラパラとめくっていた。その時にノートから一枚の紙が零れた。

 

「ん?なんだこれ?」

 

それを拾って裏返して見るとそこには幼い頃の自分と彼女達の姿があった。昔母親が取ったものだろう。

それを見ながら今の彼女達を見ると面影を残しながらも皆変わっていった。まさかこの5人が高校生になってバンドをやるなんて誰が思っただろうか。世の中は本当にわからないものである。

 

「な~に見てるの~?」

 

モカの声が聞こえて俺はとっさに写真をポケットに突っ込んだ。

 

「いや、なんでもない。」

 

「え~。モカちゃんも見たい~。」

 

「そんな見せるようなものでも無いんどけどな…。」

 

「遼、片付け終わったから行くよ。」

 

「了解。」

 

蘭に呼ばれた俺は5人と共にライブハウスを後にした。このバンドがいつまで続くのかはわからない。ずっとこのままかも知れないし、皆がそれぞれ違う道に進むかも知れない。それでも心はいつも繋がっている。俺はそう信じている。

 

だからこそこの何気ない今が俺は好きだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回だいぶ迷走した…。


新しく評価☆4をくれたぼるてるさん、
感想をくださったアインシュタインさん、
それとこれまでにお気に入り登録してくれた38名の皆さん、ありがとうございます!

皆さんの評価やコメントって思ってた以上に励みになりました。


今後ともよろしくお願いします!


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苦労人三銃士を連れてきたよ

 

 

「あ~…きつい…。」

「私もです…。」

「本当あの人達は限度というものを知らないのかな…?」

 

上から有咲、美咲、俺の順番で喋っている。しかも三人とも机に伏せたままの状態で。

 

何故こうなっているのか軽く説明しよう。まず俺たちAfterglowはいつものようにライブハウス『circle』で練習しようとしてた。そこに弦巻こころ率いる異色バンド『ハロー、ハッピーワールド!』と戸山香澄率いる『poppin party』が現れ練習場所の問題が発生し、遂にこころが「ならみんなで練習すれば良いじゃない!」と言い出しそれに乗っかる香澄とひまりにより3バンドによる合同練習が始まったのだが…俺は忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

弦巻こころの思考力は俺の予想以上にぶっ飛んだものであるということを…。

 

 

 

 

 

 

とりあえず話をしよう。あれは約40分前のこと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあさっそく作戦会議にいくわよ!」

「「「イエーイ!」」」

 

弦巻さんの掛け声により部屋に入った俺たちは人口密度が凄い状態で作戦会議をやることになる。そしてそれについていくのが瀬田先輩、北沢さん、戸山さん、ひまりといったはっちゃけメンバー達。まあ、練習するのは彼女らだけで俺は記録しその改善の発見だからあまり出番は無いだろう。そう思っていたのだが…。

 

「あら?遼は何か楽器をやらないの?」

 

ここでその考えをぶち壊すトリガーを引いたのがこの弦巻さんだ。

 

「ああ、俺が入るとガールズバンドじゃ無くなるからな。」

 

「そうなの?でもせっかくいるんだし一緒に演奏しましょう!」

 

「いや、そもそも俺の楽器ないし」

 

「そう言えばそうね。あなたはなんの楽器が出来るのかしら?」

 

「あ~その~………っておいちょっと待て。今扉の開いてた隙間から逃○中のハンターみたいな奴覗いてなかったか?」

 

俺は話を中断し扉の辺りを見たがその辺りに人はいなかった。いや、確かにいたんだよ。サングラスかけた黒いスーツの逃○中のハンターみたいな人が。因みにその時の美咲と松原さんは凄く「御愁傷様です」と言いたそうな顔してたな。うん。

 

「こころ?とりあえず今度のライブの話でしょ?」

 

「あらそうだったわね!じゃあ遼のことはその後にしましょうか!」

 

あ、逃がしてはくれないんですね。でも時間に猶予が出来ただけよしとしよう。美咲ナイス。

 

「とりあえず練習しない?まりなさんの親切で時間延長してもらってるし、せっかく複数のバンドの共同練習ならお互いの音を聞きあってもいいんじゃないかな?」

 

「おお…。紗綾、天才?」

 

「じゃあ…最初は何処から始めようか?」

 

山吹さんの提案に花園さんが反応しその横でつぐみが進めようとする。

この後俺が適当に作ったくじの結果で1番にポピパ、2番にアフグロ、3番目にハロハピがやることになったんだが…。

 

 

 

 

 

 

この選択ははっきり言って最後に爆弾を持ってきたような感じだった。貶してる意味ではなく、何が起こったかと言うと弦巻さんがライブ最中に考えてた新しいパフォーマンスをぶっつけでやろうとした結果ギリギリ危ない所でどうにか美咲ことミッシェルがフォローしたりまたしてもハンターみたいな人が出てきたり、俺も巻き込まれそうになり…まあ、噂通りの暴走っぷりでした。いや、特に俺や美咲は精神的にダメージ受けまくったという。

えっ?じゃあ有咲はなんなのか?彼女曰く「香澄の相手してた。」とのこと。

 

 

 

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほー。お邪魔しま………ナニコレ?」

 

そこにやって来た人物、今井匡は今の俺たちの状況を見て困惑していた。

 

「匡…お前おせーぞ…。」

 

有咲が遅れてきた匡に対して不満を口にした。

 

「ごめん。朝ベースの弦が一本切れそうだったから楽器店に行って修理して貰ってたんだ。でもこれは一体何が…」

 

「弦巻のやべーやつによる被害者の会。」

 

「ごめん、ちょっと何言ってるか分かんない。」

 

「あ、3人ともちょっと来てもらっても良い?」

 

俺たちは紗綾に呼ばれて匡と共にスタジオへと戻る。………いや、なんか嫌な予感がするんだけど。

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

~つぐみ視点~

 

 

「ねえ。ここでオッちゃんをバーンと登場とか出来ない?」

 

「それは面白そうね!ならマジックみたいにしましょう!」

 

「おお~。いいねこころん!」

 

「はぐみもそう思う!」

 

遼君たちが席を外して程たった。その間、こころちゃんや香澄ちゃん、たえちゃん達がライブをより面白くするために色々と案を出しあってるみたいだけど…。

 

「それで~うさぎと一緒にミッシェルもドーンッ!って出すのはどうかしら?」

 

「熊とうさぎが共に空を舞う姿…儚い…。」

 

「薫先輩、私もそう思います!」

 

正直もう私たちだけでは彼女達をどうにか出来そうになさそうです…。

 

「えっと…これどうすんの?」

 

「ふええ…。美咲ちゃん早く戻って来てぇ~。」

 

蘭ちゃんも花音先輩も困惑してるみたい。多分そろそろ紗綾ちゃんが呼んできてくれてるとは思うけど…。

 

「お待たせ~。」

 

「さ~や~?どこ行ってたの~?」

 

「とりあえず連れてきたよ。」

 

「えっ?連れてきたよって…誰を?」

 

「もしかして…」

 

蘭ちゃんと私が呟いてると紗綾ちゃんの後ろから遼君、有咲ちゃん、美咲さんが来た。

 

「苦労人三銃士を連れてきたよ。」

 

「「苦労人三銃士?」」

 

私と花音先輩の声が重なった。

 

「甘辛パーソナリティー 市ヶ谷有咲」

 

「おい、なんだこれ?」

 

「熊の中の常識人 奥沢美咲」

 

「えっと…。」

 

「完全無欠なポンコツくん 常乃遼」

 

「いや、俺の2つ名酷くね?」

 

こんなやり取りをしながら紗綾ちゃんは3人に事情を話した。するとたえちゃんが有咲ちゃんに近づいて行った。

 

「ねえ有咲、私がオッちゃん抱いて空を飛ぶのっていいと思わない?」

 

「いや、何でその発送に至るんだよ!?」

 

「私のうさぎと一緒にステージに出たいっていうのと香澄の空を飛びたいっていう意見を混ぜたんだ。」

 

「飛ばねーしうさぎをステージに出すな!」

 

「えー!良いじゃん有咲ー!」

 

「良くねーし引っ付くな!匡!香澄とおたえダブルで相手出来ねえからとりあえず香澄ひっぺがしてくれ!」

 

「香澄~。姉さんから貰ったクッキー食べる?」

 

「食べるー!たすくんありがとー!」

 

「ねえ美咲!ミッシェルを大砲に入れて空に飛ばすのはどうかしら?」

 

「いや、駄目だから。普通にミッシェル死ぬから。」

 

「大丈夫よ!ちゃんとクッションも用意しておくわ!」

 

「いや、そういう問題じゃないんだけど…。」

 

「もちろんはぐみも飛ぶよ!」

 

「それは後々収集つかなくなるから駄目。」

 

「ところでこの子猫ちゃんと話し合ったんだが私が空からみんなにチョココロネを配るというのは良いとは思わないかい?子猫ちゃん達に私の言葉と共に笑顔のお裾分けを…。」

 

「良案のように言ってるとこすみませんが食べ物で遊ぶの止めて貰えます?」

 

「かのシェイクスピアは言った。『行動とは雄弁である』と。」

 

「は?」

 

「つまり…そういうことさ。」

 

「いや、瀬田先輩言葉の意味理解せずに言ってないか?」

 

「もちろん理解してるとも。かのシェイクスピアは…」

 

「もういいわ」

 

 

こんな感じで三人のおかげで事態は上手く纏まっていった。その代わりに三人は皆のことを上手く纏めていた為なんだか凄く疲れているように見えた。

 

「有咲ー!私が星になってステージの空を飛ぶのはどうかな?」

 

「じゃあ私はうさぎ達と歯ギターやろうかな?」

 

「美咲!ここで花火と一緒にミッシェルを打ち上げるのはどうかしら?」

 

「ああ…なんて儚い…。」

 

「遼~。チョココロネ無い~?」

 

「だから一気にしゃべるな!後飛ばねーし歯ギターもやるな!」

 

「いやいや、死ぬから!あたし死ぬから!」

 

「ここには暴走特急しかいねえのかぁぁぁ!」

 

 

 

ふと隣を見ると蘭ちゃんはため息をついていて巴ちゃんとひまりちゃんは二人で会話して、花音先輩とりみちゃんはわたわたしていた。なんか…この三人って凄いなと思った1日だった。今度うちに来たら新作のスイーツご馳走してあげようかな?

 

 

 

 

 

 

 





☆10評価、コメントを新しくくださったアインシュタインさんいつもありがとうございます!

そして新しくお気に入り登録してくれた8名の方々、ありがとうございます!



さて次回なんですが方向性は決まってて後は文章にするだけなんですが諸事情によりしばらく間が空きそうです。まあ、こんな駄文でも良ければ気長に待ってくださると嬉しいです。



次回『ハッピーニューつぐ!?』

祝え!新たなるつぐみの誕生を!




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ハッピーニューつぐ!?


お久しぶりです、キズナカナタです。

先に言っておくと今回はガルパピコ4話のリメイク的なものとなります。
後、つぐみのキャラ崩壊が本家よりヤバいかもしれません。ご注意ください。

そういえば仮面ライダービルドのVシネ「仮面ライダークローズ」みた人います?作者はまだです。どうでもいい話するとキルバスのモチーフは初見で蟹だと思ってました(笑)後、クローズエボルのカラーリング結構好みです。





 

「今日のライブ良かったねー!」

 

「だなー!」

 

俺たち『Afterglow』は今羽沢珈琲店にいる。今日はライブがあり、五人はステージで輝き、俺はそれを引き立てるべく東奔西走していた。まあ、そこまで走り回るかって言われたらそうでもないけどまりなさんのお手伝いをとある先輩とやっていた。

 

「あ、今日のライブの感想もう出てるよ!」

 

「本当か!?」

 

「見せて見せて!」

 

つぐみがスマホのSNSで感想の書き込みを見つけたらしく巴、ひまりを筆頭に皆それに食いついていた。

 

「巴ちゃんのドラム、凄くカッコよかったって!」

 

「やりぃ!」

 

「ベースの子可愛かったって、ひまりちゃん!」

 

「やったあ!」

 

「ギターのソロパート鳥肌立ったって!」

 

「ま~モカちゃんは天才ですから~。」

 

「歌声に痺れたって!良かったね、蘭ちゃん!」

 

「ま…まあ、いつも通りだし…。」

 

ファンの感想にそれぞれが喜んだり照れたりしていた。だが…

 

「つぐは?なんて書いてあるの?」 

 

「えっ?私は…。」

 

「「「「・・・・・・・」」」」

 

つぐみは自分のコメントを探すが何故か黙りこんだまま…。あれ?これってまさか…。

 

「ま…まあ、つぐは全然問題無かったからな!」

 

「一回もミスしなかったもんね!」 

 

「うん、いつも通りだった。」

 

「良かったよつぐ~。」

 

他のメンバーがそれぞれフォローしている。つぐみは「あはは…。」と笑っているが恐らく心の中では結構ダメージ入っているだろうな。

 

「まあ、つぐみ。ネットの評価が全てじゃないんだしお前が満足いくライブが出来たらそれでいいんじゃないのか?」

 

「遼くん…そうだね。」

 

このときの俺は知らなかった。まさかつぐみがあんなことになろうとは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「どうしたんだろうねつぐ。練習休むだなんて。」

 

「具合でも悪いのかな?」

 

「わからん。先生に頼み事されて断りきれなかった可能性もある。」

 

俺たちは学校が終わっていつものように次のライブに向けてと前回の反省点等も踏まえてcircleで練習をしていた。だが今日はつぐみが練習を休んだのだ。まさかあの真面目で健気なつぐみがサボるとは思えないが。

 

「まあ~真面目さだけで言ったら遼も人のこと言えないけどね~。」

 

「だからさらっと人の心読むな。」

 

「………ねえ、あれつぐみじゃない?」

 

蘭の目線の先にはなにやら気合い満タンで足を進めるつぐみがいた。

 

俺たちがつぐみの後を追うと彼女はロック風のファッションショップに入っていった。5人は店の商品の陰に隠れて様子を伺っていると試着室からつぐみが出てきた。

 

 

「「「「「・・・・・・・・・・!?」」」」」

 

そのつぐみの姿に俺たちは一瞬言葉を失った。

つぐみはいかにもザ・ロックガールといった服装をしていたのだが…。

 

「似合ってない~…。」

 

「あんなの…つぐみじゃない…。」

 

「蘭や巴ならともかく、つぐみだとなんかイメージぶち壊してるよなあれ…。」

 

いや、でもあの服をあの二人が来ても無理あるかも知れんが…。

 

「いや、つぐは変わろうとしているのかも知れない。」

 

「まさかとは思うが…あのライブの感想の件まだ悩んでいたのか…?」

 

「つぐ…。」

 

とりあえずこれ以上無闇にのめり込んでまたつぐみを悩ませるのもあれだし、俺たちは一時撤収することに。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、俺は知るよしもなかった。まさかこれはほんの序章でしかなかったと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後のライブの当日

 

俺はライブの準備を終え、ひとまず関係者席につきライブ開始を待つ。ここに来るまでは特に問題はない…いや、1つだけあった。いつも早く来て準備を手伝おうとするつぐみが来なかったのだ。

 

「事故とかナンパとかにあってなかったらいいんだが…。」

 

色々考えているうちにライブが始まりAfterglowの番になった。そして蘭、モカ、ひまり、巴が出てくる。

 

 

 

 

 

そしてつぐみはというと…

 

 

 

 

 

「嘘だろおい…。」

 

なんということでしょう。なんとまさかのパンクロック風になって帰ってきたではありませんか。

 

いや、なんということでしょうじゃねえよ!劇的ビフ○○ア○ターやってる場合じゃねえよ!前見たときはまだ可愛さが残っててギリギリだったのになんかその可愛さすら捨てちゃったよあの子!一体何をどう迷走したらああなるんだ…!匠もびっくりだわ!ほら、他のメンバーもなんか言葉に困ってるし!とにかくもう多くは言葉出ないから一言だけ言わせて…。

 

「なんじゃそりゃぁぁああああ!!」

 

周りの盛大な歓声によりかき消されたが思わず俺の盛大なツッコミが炸裂してしまったのだった…。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

ライブが終わって俺たちは羽沢珈琲店に集まってる…。いや、もう前に集まった時とビフォーアフターが激しい。1人変わっただけで凄くギクシャクしてる。あの後俺は控え室にダッシュで直行したのだがつぐみは依然として変わらずの状態。どういうことが問い詰めたら「私に質問するな」と言われた。えっ?あのつぐみがこんなこと言ったのって?うん。言った。正直問い詰めた俺が一番びっくりしてる。

 

 

「ラ…ライブ…良かったね…。」

 

「イェア…」

 

「そうだな~。つぐ気合い入ってたもんな~。」

 

「イェア…」

 

いや、もうなんだろうなこれ。下手に口出したらまたつぐみが悩みはじめて暴走しての無限ループになりそうだし、かといってこのままにしておくわけにもいかないし…。

 

「……………違う」

 

その時蘭がなにかを呟いた。そして…

 

「こんなのつぐみじゃない!!」

 

そのまま勢い良く店を飛び出して行った。

 

「すぐ飛び出す~…。」

 

「あ……。」

 

「つぐ…やっぱこれないよ。」

 

「とりあえず俺、蘭を追いかけてくる。」

 

その後、俺は蘭の元に缶コーヒーを持っていってそのまま家まで送り届けた。

つぐみのことも心配だが今はそっとしておいた方がいいのかも知れん。後はモカたちに任せておくか。

 

 

 

 

 

 

 

その翌日…

 

「おはようございます。」

 

休日ではあったがやはりつぐみのことが心配で開店と同時に羽沢珈琲店に入店した。

 

「あ、遼くん!おはよう!」

 

するとつぐみが真っ先に出迎えてくれた。今の状態はいつもと変わらない。俺の思い違いならいいんだがな…。

 

「ねえ遼くん、次のライブなんだけどさ…。」

 

「随分と気が早いな。昨日の今日でもうライブの計画始めてるのか。」

 

「ライブはまだなんだけど…。」

 

つぐみは俺に一枚の紙を渡し、受け取った俺はそれを見た。そこにはパスパレのようなフリフリのアイドル衣装のデザインが書き記されてあった。いや、これはもしかしなくても…

 

「パスパレっぽく可愛さをアピールすることも考えているんだけどどうかな?」

 

「……つぐみ、お前どこに向かってるんだ…?」

 

どうやらまだまだつぐみの自分探し?の問題は続きそうだ。

 

 

 





新しくコメントをくださったユニバースファントムさん、ぴぽさん、アインシュタインさん、ありがとうございます!

そして評価に
☆10 ユニバースファントムさん
☆9 黒っぽい猫さん、ぴぽさん
評価ありがとうございます!

そして気付けばお気に入りが非公開もあわせて63になってました。皆さんありがとうございます!


次回は遼がとある大物と出会う見たいですがそれは一体誰なのか。

次回『未知との遭遇しやがれ』

あ、この予告っぽいやつは「次は絶対これやる!」っていうのが決まってる場合のみやります。それと気分次第でやったりやらなかったりします。ご了承ください。



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未知との遭遇しやがれ

 

「待てコラアアアアア!!」

 

「ひいいいい!何なんだコイツはああああ!!」

 

 

 

ここで問題だ。俺は今一体何をしているだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは『盗んだ(俺の)自転車で走りだした奴がいるためそいつを追っている』です。

 

なぜこんなことになっているのか。それは5分ほど遡る。

 

 

 

 

 

 

 

俺は自転車で隣町のCDショップまで来ていた。いつもなら皆とよく行くショッピングモールの中の店に行くのだが今回に限り目的のCDが無かったのでわざわざ自転車を使い隣町に行くことにした。

そこで目的物を見つけて無事購入したのはいいのだが事件はここから起きた。

 

「お客さん!お釣忘れてますよ!」

 

中から出てきた店員さんに呼び止められて俺は自転車から降り店員さんからお金を受け取った。

…だがその一瞬の隙に…。

 

「はあ…はあ…。これで…」

 

俺が振り向くと何者かが俺の自転車を使い突然走り去って行った…。このままでは俺は早めに帰る為の手段が無くなってしまうため、奴を追いかけて自転車を取り戻すことに…。

 

 

 

 

 

まあ、ここまでか事件の回想で今は絶賛…

 

 

 

 

 

「俺の自転車返せえええええ!!」

 

全力疾走で犯人を追跡中である。こうして追いかけてるのは良いのだがやはり自転車と走りでは速度に差が出てしまう。本当に自分がこの状況になると銭形のとっつあんの気分がわかってくる(謎)。

 

なので俺は別の道を使い逃走犯を回り込んで捕まえることにした。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

~三人称視点~

 

 

 

「何なんだあいつは…。とにかくもう見えないし後はあっちから逃げ切れば…。」

 

犯人は遼の自転車を奪い逃走していたが意外としつこく追いかけてくる遼に驚きなんとか撒いていた。そして今後ろを見ると誰もいなかったので振り切ったと思いこんでいた。しかし…

 

「動くなああああ!!」

 

「おわああああああ!?」

 

突如道路脇から飛び出して来た遼にびっくりした自転車泥棒は急ブレーキをかけるが間に合わずにそのまま激突。右の膝にタイヤがクリーンヒットしもちろん遼は痛い思いをした。だがそのお陰で泥棒は自転車から倒れたのでなんとか取り戻すことに成功した。

 

「良かった…。自転車は無事だ。」

 

「おい!怪我人より自転車の心配してんじゃねえ!」

 

「加害者の心配をする被害者がどこにいる。それに怪我人である前にお前は犯罪者だということを自覚しろ。後この自転車、意外と高かったんだぞ。」

 

「知るかよ!ちょっと自転車使っただけだろ!」

 

「世間ではそれを犯罪というんだ。」

 

「大体お前が飛び出したせいで俺のズボン擦れただろ!これ高かったんだぞ!どうしてくれる!」

 

「お前の場合は自業自得だろ。」

 

「なんだとてめえ!」

 

泥棒は遼に殴りかかるがそれを難なく交わし、再び飛んできた泥棒の拳を今度は腕ごとつかんだ。そしてそのまま勢いを利用して一本背負いという柔道で使われる技で地面に叩きつけた。

 

「こちとら小中と柔道やってたんだ。そう簡単に負けるわけねえよ。まあとりあえず…お仕置きの時間だ。」

 

遼はかなり低い声で泥棒に迫っていった。その時の泥棒はどこか怯えていたようなそうで無かったような。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

それからかれこれ3分、一人の少女は息を切らしなから走っていた。じつはこの少女、つい先ほど何者かに鞄を引ったくられたのだ。その後犯人は走って逃走し途中で誰かの自転車を盗み逃走を続けてるとのこと。少女は走りにくいヒールの靴であり、犯人に逃げられてしまったが鞄の中には財布やスケジュール票等の貴重品が入っていた為このままにしておくわけにもいかなかった。

 

だがそもそも男性と女性では体力などに差があるためここまで来ては完全に見失った可能性もある。後は警察に連絡して任せるしかないかと思っていたその時、何かの声が聞こえそれが気になった。声の聞こえた方に向かうとそこには。

 

「いてててててて!おい離せ!離せって!」

 

「うるせえ黙ってろ!とりあえずどうにかして警察に連絡しないと…。」

 

そこには間接技をきめている一人の青年と必死でその間接技から逃れようとしている黒い服の男がいた。しかもその痛がってる男は自分から鞄をひったくっていった男だった。

一体何が…と考えていたらその二人の近くに少女の鞄が転がっていた。そして中身を確認して何もとられていないと判断したようだ。

 

「あ、すみませんそこの人!こいつ自転車泥棒なんです!とりあえず警察に連絡してくれませんか!?」

 

「おいふざけんな離せ!」

 

「お前はとにかく黙ってろ!」

 

(一体何が起こってたのかしら?)

 

 

その後、少女の連絡により駆けつけた警察によって男は窃盗の容疑で現行犯逮捕された。遼はその後警察の事情聴取を受け、数分後に解放された。少女も場所は違うがそのような感じだったらしい。

 

その後、遼は疲れきった為真っ先に家に帰ったので少女と出会うことはなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

◆ ◆ ◆

 

次の日

 

遼は羽沢珈琲店に来て偶然居合わせたモカと巴と会話していた。

 

「と、言うことが昨日あったんだけど。」

 

「本当お前怒らせると何しだすかわからないよな…。」 

 

「ま~遼の趣味が役にたったんだしいいんじゃない~?」

 

そう。彼の趣味の1つに「街探索」と言うものがありこれは言葉の通りなんの目的もなく徒歩や自転車で色々な道を行き来するというものだ。昔から好奇心が強かった遼ならではの趣味と言えるだろう。

 

「でもまさか自転車泥棒がひったくりもやってたなんてな-。」

 

「とりあえず俺の活躍に免じて明後日の物理の宿題無しにしてくれないかな。」

 

「いや、それは無理だろ。」

 

「だろうな。まあ、一応やってるけど。」

 

「じゃあいいじゃ~ん。」

 

「ただし正解してるという保証は無いけどな。」

 

 

 

カランカラン…

 

 

 

「いらっしゃいませ!」

 

新しいお客さんをつぐみが出迎える。そして入っていたのは水色の髪をサイドテールにした小動物のような少女とクリーム色の髪のモデルのような大人びた少女だった。

 

「………ん?」

 

「遼~?どうしたの~?」

 

「いや、なんでもない…。」

 

遼はそのクリーム色の少女に見覚えがあるような気がしたのだ。

 

「千聖ちゃんありがとう。ショッピングモールってやっぱり広いから…。」

 

「いいのよ。でも花音…ショッピングモールにつく前にいなくなられるのはちょっと大変だったわ。」

 

「ふえええ…。」

 

「とりあえず座らな…」

 

その時、そのクリーム色の少女と遼の目が会いその子がこちらに来た。

 

「すみません、あなたはもしかして昨日の…」

 

「えっと…何処かでお会いしましたっけ?」

 

「昨日警察に連絡を入れた人…と言えばわかるかしら?」

 

「……あ、昨日の!」

 

「遼~?千聖さんと知り合い~?」

 

「ああ、さっき警察に通報してくれた通りすがりの人がいたって言っただろ?それがこの人。」

 

「通りすがりというよりも私もあの逃走犯を追いかけてあそこまで来たのよ。私も鞄を盗まれちゃったから。」

 

「えっと…じゃあもしかして警察の人が言ってたひったくりの被害者って…。」

 

「なるほど~。千聖さんの目的と遼の目的は共通してたって訳か~。」

 

「ってちょっと待て。モカこそ知り合いなのか?」

 

「知り合いも何も千聖さん、パスパレのメンバーだよ~?」

 

「パスパレって……あ、イヴのいるところか。」

 

「あら?イヴちゃんを知ってるの?」

 

「いや、知ってるも何もここで良く会いますし。」

 

「そうだったの?」

 

「それで…どうかされたんですか?」

 

「いえ、昨日のことについてお礼を言っておきたくて。」

 

「お礼?」

 

「ええ。私の鞄が戻ってきたのはあなたのお陰でもあるからね。」

 

「といってもこっちも自転車盗まれて追いかけたから結果論みたいなものなんですけどね…。」

 

「それでもあなたがいなかったら戻って来なかった可能性もあるわ。本当にありがとう。」

 

「あ、いえ。」

 

「ところで突然なんだけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、明日私と付き合って貰っていいかしら?」

 

「はい?」

 

 

 



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想いとカフェと追跡中



この話を読む前に一言注意です。

今回、千聖さんが主に出ますがキャラがぶれていて「千聖さんこんなんじゃ無いだろ!」ってところがあるかもしれませんのでご了承ください。





「ねえモカ…」

 

「ん~?」

 

「何なのこれ?」

 

「何って尾行だよ~。ほら~スパイ映画にもあるじゃん~?」

 

「いや、尾行って…何であたしまで…。」

 

 

あの自転車泥棒騒動の次の日、青葉モカと美竹蘭はとある行動に出ていた。それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

「そもそも何で遼と千聖さんがどこか行くのに後をつけなきゃいけないの…?」

 

 

尾行である。

 

 

「だって気になるじゃ~ん」

 

「あたしはそう思わないんだけど…。というか何であたしまで…。」

 

「あ、そろそろ動きそうだね~。ばれないように行くよ~。」

 

「………どうなっても知らないからね。」

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「すみません白鷺さん。」

 

「千聖でいいわよ?」

 

「じゃあ千聖さん、これは一体どういうことなんですかね?」

 

「この間のお礼よ?」

 

「いや、別に気にしなくてもいいんですけど…。」

 

「それじゃ私の気が収まらないのよ。」

 

「自分としては気にしてないんですが…。」

 

「とりあえず人の好意は素直に受け取っておくものよ?」

 

「…………ハイ。」

 

この時、遼は察した。『この人に恨みを売ると後々何かとんでもないことになるだろう』と。

 

「それで…どこか行きたいところとかあるかしら?」

 

「いや、決まってなかったのかよ。まあ、特に行きたいところは無いですけど。」

 

「なら私が決めても良いかしら?」

 

「じゃあ…おまかせします。」

 

「なら移動しましょうか。」

 

こうして遼と千聖さんの謎のお出かけが始まったのだった。

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

歩くこと数分。俺たちはとあるカフェに来ていた。

 

「えっと…このカフェは?」

 

「私の親友のおすすめなの。」

 

「親友…?もしかして松原先輩ですか?」

 

「そうよ?花音のことを知ってるの?」

 

「まあ、会ったことはありますけど。」

 

「あの子カフェ巡りが好きだから私も一緒に出かけることがあるのよ。とりあえず入らない?」

 

「そうですね。」

 

俺たちはそのままカフェに入る。

俺が行く喫茶店といったら羽沢珈琲店だがこのカフェはそことは違い、いかにもおしゃれなお店というかカジュアルな感じだった。そのまま席に案内されてその場に座った。

 

「おお…。」

 

「あなたはあまりこういったところは来ないタイプだった?」

 

「そうですね…。カフェといったらつぐみのところ位しか行きませんし。あ、でもここも素敵だと思いますよ。なんかこう…若者っぽいというか…。」

 

「若者っぽいって…あなたも若者でしょう?」

 

「あ、そうですね…。」

 

「とりあえず何か頼みましょう。」

 

千聖さんはそういうとメニューの一つを手渡してきた。俺はカフェオレと苺のケーキを千聖さんはハーブティーとレモンケーキを頼んだ。そしてしばらくすると注文した品が出てきて千聖さんはハーブティーを一口啜る。…やっぱり見てて思うんだけどなんでイヴといいこの人といい紅茶啜るだけで一枚の絵が出来そうなくらい様になるのかな…なんてボーっと考えながらカフェオレを啜ったのだが…。

 

「熱っ…」

 

こういう場合自分が猫舌であることを忘れるといういつものパターンである。羽沢珈琲店で飲んでた感覚でいってたから油断してた。

 

「・・・・・・・フフッ。」

 

なんか笑われたんですが。何事もなくカップを元に戻したつもりなのに普通にバレてる件。

 

「あなた猫舌なのかしら?」

 

「そうですね。いつもはつぐみのお店に行くのでその時は俺にあわせて彼女が出してくれるのでついいつものノリで…。」

 

「つぐみちゃん良く見てるのね。」

 

「ええ、でもつぐみはいつも頑張り過ぎてますし自分もしっかり支えてあげないとと…」

 

「そういえばあなたはAfterglowのサポーターをやっているのよね?」

 

「はい。そもそも自分は彼女たちみたいに人前に立つよりも裏で支えている方が性にあってる気がしますし。それに…」

 

「それに…?」

 

「俺はあいつらが笑顔で要られる場所を守ってあげたいんです。ステージにたっている彼女たちを見てるとわかるんですけど本当にいい顔しているんですよ。」

 

「・・・・・・」

 

「蘭もつぐみも巴もひまりもモカも俺にとっては誰一人かけてはいけない大切な人なんです。俺が折れそうになったときもあいつらがいたから前に進めた気がするんです。だから俺はあいつらの影としてみんなを輝かせてあげたいんです。」

 

「・・・・・」

 

「あ…すみません。勝手に口走っちゃって。本当何言ってるんですかね自分。」

 

「凄く大切なのね。彼女達が。」

 

「それはもちろん。」

 

「さっきの話してた時の貴方の顔、凄くいい表情してたわよ?」

 

「えっ?」

 

「でも彼女達も同じくらい貴方のことが大切だと思うわよ?だから貴方もあまり無茶だけはしないでね?」

 

「えっと…どうしたんですか?」

 

「私の知り合いにも凄く頑張り屋な子がいるの。その子とあなたは似てるところがあるからね。……それよりそろそろ珈琲冷めるわよ?」

 

「あっ…」

 

その後俺たちは注文していたケーキと珈琲を胆嚢しながら他愛もない話をしていた。

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「蘭~?」

 

「…何?」

 

「来て良かったね~。」

 

「別に…。」

 

「その割にはなんか嬉しそうだよ~?」

 

「うるさい…。」

 

あたしたちは遼と千聖さんの後を追ってここまで来た。二人でどこかに行くことは知ってたんだけど蘭とお出かけしてて遼を見かけたからやっぱり気になってついて来ちゃった。蘭には止められたけどね。ちなみに今はあたしも蘭も二人から見えないような席でなお話が聞き取れるところにいるんだけど遼の思いがけない発言にビックリしたね~。でもなんか嬉しかったけどね。それに蘭も口では言わないけど本当は凄く嬉しかったって思ってるし。

 

「それはそうとさ~何か注文する~?せっかく来たんだしあたしたちも食べていこーよ~。」

 

「じゃああたしブレンド珈琲で。」

 

「モカちゃんは~このチョコレートパフェと珈琲にしようかな~。」

 

「モカ…さっきやまぶきベーカリーで買ったパン食べたばかりだよね…?」

 

「そうだよ~?」

 

「良く食べるね…。」

 

「パンとスイーツは別腹だよ~?」

 

「ごめん、あんまり違いがわからないんだけど…。」

 

「え~?」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

それから俺と千聖さんはケーキを食べ、しばらくしてお店を出た。お会計の時に俺も自分の分を払おうとしたが「この間のお礼に」ということにより押しきられてしまった。

 

「千聖さん、今日はありがとうございました。」

 

「いえ、こちらこそありがとうね。それじゃ、私はこの辺で…。」

 

「良ければ送りましょうか?もう夕方ですし…。」

 

「いえ、大丈夫よ。それにこのあと事務所に寄らないといけないの。」

 

「そうですか。じゃあ自分もこの辺で失礼します。」

 

「ふふっ。それじゃまた会える時があったらよろしくね?」

 

千聖さんはそういうとその場から去っていった。さて…。

 

「俺も帰ろうかな。」

 

俺も家に帰ることにした。帰り道の途中でモカと蘭に出会ったが二人はどこか嬉しそうだった。

 

 

 

 

それとこれは後から聞いた話なんだかあの日、こっそりついてきていたらしい。

 

 

 

 

 

 





ほんと迷走してんな~。誰だよこんなの書いたやつ。……私か。

……千聖ファンから殺されないよな私…←不安


新しくコメントしてくれたメロンパン型染色体さん、クミンシードさんありがとうございました。


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看病から出た本音

 

 

 

 

「モカ早退したの?」

 

昼休みに集まったモカを除くAfterglowのメンバーは屋上で緊急ミーティングを開いていた。何しろ今日の3限目の途中でモカが頭痛で早退したのだから。

 

「それでさ、今日なんだけど…放課後みんなでお見舞いに行かない?」

 

「そうだな。モカの様子も気になるし。」

 

「うん。モカちゃんなんだかつらそうな顔してたし…。」

 

ひまりの提案に巴とつぐみが乗った。

 

「でもさ、やっぱりみんな一斉に行くと迷惑じゃないかな?」

 

そんな中で蘭が口を開いた。だが蘭の言葉は的を得ている。いくら幼なじみのグループとはいえ突然五人も来たら親御さんも大変だろう。

 

それに以前、蘭の家にお見舞いに行った際に俺は途中で皆と別れスーパーに行き、お見舞いの品としてゼリーとスポーツドリンクを買って後から向かうと何が起きていたのかわからないが葱やらニンニクやらを首に巻いたりした上に、ババンボだかモモンガだか知らないがよくわからない儀式が始まっていたのだ。皆には悪いが看病に関しては集まり過ぎると不安要素が強くなってしまう。

 

「それでも心配だよね…。」

 

「なら誰か一人がモカの家に行って様子をみてくるってのはどうだ?それならそこまで迷惑にもならないと思うが。」

 

「あたしもそれがいいと思う。」

 

「でも誰が行くの?」

 

つぐみの発言で皆が黙りこむ。別に行きたくないというわけではない。どちらかというと皆行ってあげたいと思ってるくらいだからな。

 

「私は遼が良いと思う!」

 

ここでひまりが提案する………って俺?

 

「いや、なんで俺?」

 

「だってこの間の蘭のお見舞いの時も遼結構手際良かったし、この中でこういうの得意なの遼だから。」

 

「なるほど。」

 

確かにそうだな。まあいくら看病慣れしてないとはいえどどっかの文化の神様?に関する儀式的なものをするとは思わなかったが。ホント誰だよババンボ。

 

「じゃあ遼くん、モカちゃんのことお願いするね?」

 

「了解した。」

 

「あ、モカと何か進展あった場合教えてね!」

 

「ひまり、お前は何を言ってるんだ?」

 

こうして俺は皆の代わりにモカの家に放課後向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は流れ、モカの家に行くことに。俺はモカ用に今日の欠席した分のノートをルーズリーフにまとめたものと途中でモカが好きそうなゼリーとスポーツドリンクを買ってから向かうのだった。

 

それから歩くこと数分。

モカ宅のインターホンを押すと出てきたのはモカの母親だった。

 

「はーい…あ、遼くんいらっしゃ~い。どうしたの突然?」

 

「ご無沙汰しております。今日モカが早退したので学校からのプリントを持ってきたのと少しお見舞いにと思いまして。」

 

「そーなんだ。とりあえず上がっていって。」

 

「すみません。失礼します。」

 

 俺はモカの家に上がらせて貰う。そのままモカ母は俺をモカの部屋へと案内した。

 

「モカ?遼くんがお見舞いに来たよ?」

 

モカの母さんがドアをノックして呼び掛けるが返事がない。寝ているのだろうか。

 

「すみません、モカ大丈夫なんですか?」

 

「うーん?まあ、入っても大丈夫だと思うし遼くんはモカの側にいてあげてくれる?」

 

「はい。わかりました。」

 

「じゃあ飲み物持ってくるから待っててね。何がいい?」

 

「あ、いえ。大丈夫です。お気遣いなく。」

 

そのまま俺はモカの部屋に残ることになった。モカは今ベッドの中で寝ていた。だが少し顔が赤かったり頭痛のせいか苦しそうな表情をしていた。

 

「大丈夫かモカ?……って寝てる人に聞いても答えないか…。」

 

俺はベットの側の空いてる場所に座る。あまり人の部屋をジロジロ見るのもあれだが改めて見ると私生活がだらだらしてそうなモカも部屋は綺麗にしてるんだなと感じた。

そんな中で俺は写真立てに入った写真に目がいった。それは昔六人で撮ったものだった。夕焼けをバックに皆が笑っている。この頃から皆あまり変わってないとふと思う。強いていうなら蘭がちょっと癖のある奴になったかなと言うくらいだ。

 

「ん…。」

 

声が聞こえて振り替えるとモカが唸っていた。起きたのか、それとも寝ぼけているのかはわからないが、写真を元の場所に戻し再びベットの側に座り様子を伺う。

 

「……あれ?遼?」

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

ふと目が覚めた。でもまだ眠気と頭痛が酷い。

 

「起きたのか?」

 

声がする。ママが入ってきてるのかな?でも男の人の声だから違う気がする。

 

「調子はどうだ?」

 

あたしの目の前に遼がいた。風邪のせいで頭がボーッとしてこれが現実なのか夢なのかよくわからない。でもこれが夢なら…。

 

「うーん…。まだ眠い…でもなんかお腹すいた…。」

 

もうちょっと夢の中に浸っていよう。そう思い少しずつ意識を身に任せることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「お腹すいたって…ゼリー買ってきといて正解だったな。ほら。」

 

俺は買ってきたフルーツゼリーの蓋を開け、お店で貰ってきた紙スプーンを出してモカに渡す。だがそれを受け取らずモカが言いはなった一言は…。

 

「食べさせて…。」

 

「はい?」

 

──寝ぼけているのかな?

まあ病人だしとやかく言うのはやめておこう。とりあえずスプーンでゼリーを掬い、口の中に入れてやる。そのままモカはそれを飲み込みまた口を開ける。そして俺はまた口の中にゼリーを入れてやるの繰り返しが何回か行われた。こうしてみるとまるで雛鳥に餌をやる親鳥の気分だ。そして食べ終わると再び布団にくるまった。

 

「ホントどこまでもマイペースだよな。」

 

「ふふふ~。ねえ遼~。」

 

「なんだ?山吹ベーカリーのパンは風邪直るまで我慢しろよ?」

 

「手握って~。」

 

───うん?

オーケーオーケー、ひとまず落ち着こう。これはおそらく完全に風邪にやられて思考回路止まってるな。

それにこいつが頼んだのは手を握ることだ。何もおかしなことではない。よし、とりあえずここで俺がやることは…。

 

「・・・・・・・・」

 

モカの望む通りそっと手を握ってやることだと思う。するとモカも俺の手を握り返して来た。

 

「えへへ~。あったかい~。」

 

何がそんなに幸せそうになるのか知らないがまあ良いだろう。

 

「遼~?」

 

「なんだ?」

 

「ありがとね~。」

 

「ありがとうって…俺そんなにお礼言われるようなことしたか?」

 

「なんでもいいからありがと~。」

 

 

この時のモカは風邪にしては凄く自然な笑顔だった。

いつも一緒にいた中でもこんなにいい笑顔の時はあっただろうか?

こう考えてみると俺はモカや皆のことをよく見てるようであまり見てないところが多いと思った。

 

「後もう1つ言っていい~?」

 

「いいけどなんだ?」

 

「遼~…アタシ遼がいてくれて良かったと思ってるよ~。」

 

「なに言ってるんだお前は…。」

 

「アタシ達と一緒にいてくれてありがと~。」

 

いくら風邪で頭が回ってないからとはいえ、突然こんなことを言われたらさすがに豆鉄砲どころかマグナムを食らったような感じだ。でも、どこかで凄く嬉しく思ってる自分もいた。

 

お前がいたから俺は皆に出会えた。お前がいたから俺は挫けずに前に進めた。もしモカと出会ってなかったら俺はどうなってただろうか。ちゃんと前を向けてただろうか。そんなことはわからない。

 

でも俺が今言いたい気持ちは1つだ。当たり前過ぎてなかなか言えない言葉。いざ言おうとするとなかなか口から出ない言葉。少しズルをするかも知れないがこういう時にこそ言おうと思う。

 

「こっちこそ、俺と一緒にいてくれてありがと。」

 

それを聞くとモカは微笑んでそのまま眠りについた。部屋には彼女の規則正しい呼吸だけが聞こえる。

 

「って…多分明日になったらこいつ忘れてるけどな。」

 

でもそれでいい。

モカが覚えてなくても俺が覚えているから。例えモカが話しているのが俺とは違う夢の中の俺だとしてもさっきの想いは嘘じゃない気がしている。

心の奥でそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが実はこの風景をモカの母親がこっそり見ていたらしく「青春してたね~♪」とからかわれた。まさかモカだけでなくその母にもからかわれることになろうとは…。

というかまじで見られてたことに気が付かなかった…。

 

 

 

 

ウソダソンナコトォォォォォ!!

 

 

 

 

 

 

 





コメントや高評価ください(直球)

辛口コメでも歓迎しますが作者のメンタルは豆腐よりも脆いのでお手柔らかにお願いいたします。

追記
twitterのフォローもよろしくお願いします。
@kanata_kizuna



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あいつがいるだけで

 

○月×日□曜日

 

 

今日は学校が休みということもあり昼からバイトをする予定だった。

 

だが今の時刻は午前11時。因みに俺が出勤したのは1時間前で本来俺が入るのは12時からだった。

 

こうなったのには理由があり、本来くる筈だったバイトの葛城さんがこれなくなりその代わりに俺に早めに出勤するように頼まれたのだ。しかもバイト上がり時間は変わらず。

別にどうでもいいが店長俺の扱い少々雑じゃないか?というのは胸の奥に閉まっておこう。

 

 

「静かだなー。」

 

 

因みに今レジにいるのは俺1人。もう1時間もすればモカが来る。

 

 

「そういや俺の昼ご飯どうなるんだ?ちょっと店長に聞いて来ようかな…。」

 

 

と、呑気なことを言ってるうちにお客さんがレジにやってくる。

 

「いらっしゃいませー。」

「あれ?遼?」

 

レジにかごを持ってきたのはひまりだった。しかもかごの中身は相変わらず山のようなスイーツを入れて。

 

「今日って確かバイトは昼からって言ってなかったっけ?」

「いつもこの時間に来る葛城さんが急遽休んだから俺が早めに来ることになったんだよ。」

「なるほど。」

「というか相変わらずの中身だなこれ。」

「いや~。新作のスイーツがネットでかなり評判でさ…。どうしても食べたくなっちゃって…。」

「まあ、気持ちはわからんでもない。」

「ところで今日モカは来てないの?」

「いや、あいつはいつも通りの出勤だからな。何か用事でもあったか?」

「そうじゃないんだけど…前のスイーツ買いに来たときのことでね…。」

 

ひまりが苦笑いしながら呟く。そういやこいつ前に同じようにスイーツ買いに来た時にモカに会計でカロリー計算されたんだっけ。

 

 

「成る程。大体察した。」

「じゃあ遼…会計お願い。」

「かしこまりました。今ならお値段と共にカロリーの合計をお伝え出来ますがいかがいたしましょうか。」

「いや待って!?私の話聞いてたよね!?」

 

慌てて止めようとするひまりを見ながらなんとなくモカが弄る気持ちがわかった気がする。

 

「申し訳ございませんお客様。ちょっとしたコンビニジョークでございます。」

「ちょっと待って?遼そんなキャラだったっけ?」

「いや、他にお客さんいないから少しはめはずしてみようかなって。」

「本当に突然やられるとびっくりするからやめて?」

 

そこからは真面目に会計をしてひまりが帰っていくのを見届けながら業務に戻る。

 

「………ふう…。」

「おお常乃。元気にやってるな。」

「あ、店長。いたんですか。」

 

奥からこのコンビニの店長が出てきて俺に缶コーヒーを投げ渡す。それをキャッチした俺は「ありがとうございます。」とお礼を言った。

 

「ちゃんと真面目にやってんのか?ん?」

「やってますよ。まあ、いつもより早く出勤した上に突然の連絡だったので疲れてますけど。」

「まあ、そう言うな。昼飯にサンドイッチ置いといたから後で食っとけ。」

「ありがとうございます。」

「ただし、賞味期限切れのやつだけどいいか?」

「やっぱりか。」

 

まあそうそう腹を下すことはないし大丈夫だろうけど。

 

「それにしてもお前、以外と冗談通じるやつだったんだな。」

「いきなり何ですか…。」

「さっきのやりとりだよ。」

「見てたんですか。」

「おう、もうバッチリと。」

 

見られてたのかい。まあ、うちの店長そこまで気難しい人じゃないから特別ヤバいことしなけりゃ………あれ?そう考えると幼なじみのノリと周りにお客さんいないからあれやっちゃったけど大丈夫なのかさっきの。

 

「安心しろ。青葉のケースもあるしあれじゃクビにはしねえよ。」

「あ~すみませんでした。」

「謝らなくてもいいっての。それより意外だったからな。」

「と言いますと?」

「ぶっちゃけるとさ、お前って俺の中でさなんか堅物というか…冗談が通じないタイプだと思ってたからな。」

 

言われてみればそうだな。バイト始めた(ここに来た)時にはリサ先輩にも「もうちょっと肩の力抜きなよ。」って言われてた位だし。俺って結構堅いイメージあるのかな。

 

「確か…お前が来たすぐ後で青葉が来たっけな。」

「そうでしたっけ?」

「そんときのお前、それまで凄く堅苦しかったのにあいつ絡みになると結構喋るようになるからな~。正直、見てて面白かったよ。」

 

 

確かに。あいつは無自覚でいつものようにやってるけど以外とそのお陰で俺も上手くやってこれたと思う。

多分モカもバイトをやってなかったらさっきのひまりに対する接客もただくそ真面目に行っていただろう。

 

俺は知らず知らずの間にモカの影響を受けてると思う。モカと出会う前の俺は一部の人からは『面白くないやつ』と言われて中々輪に入れなかった。

その後もちゃんとした友達が誰一人出来ないままそのまま引っ越しをすることになった。

 

新しい土地に来ても周りの環境に馴染めず、意見の食い違いで1人になってしまいモヤモヤした状態で歩いてると川原に出た。

そこにいたのがモカだった。そこから成り行きで友達になったような感じだがそこから俺は変われたのかもしれない。

 

「まあ、堅苦しいのはしょうがないですよ。これが自分なんで。」

「でも青葉相手には凄く砕けてるけどな。」

「正直あいつにはくそ真面目に対応してたらついていけなくなるので。」

「とか言いながら本当はあいつといるのが楽しいんじゃないのか?お前自分では気づいて無いだろうけどあいつといるとき良い顔してるぞ。」

「そーですか──」

「こんにちは~。」

 

後ろから聞きなれた声が聞こえて振り向くと凄く眠たそうなモカがいた。髪の毛が若干ボサボサで起きてから間もない間にきたのだろうと推測できた。

 

「あれ?モカのシフトって30分後じゃなかったっけ?」

「俺が呼んだんだよ。これからオーナーと会わなきゃいけなくて出なきゃいけないから。」

「店長からの電話で起きました~。」

 

気持ちはわかる。この店長何気とギリギリで予定組んでくるし。

 

「そんじゃ俺は出てくるから後は二人で頑張ってくれよ。」

 

「チャオ」と言い残しお偉いさんのもとへ向かう店長。……というか今気づいたけどうちの店長って雇われ店長だったんだな。

 

「遼~。背中貸してもらっていい~?」

「なにする気だ?」

「おやすみなさ──」

「いするなよ?ここコンビニのレジだから。」

「は~い。」

 

 

そのまま自分の持ち場につくモカを見ながらなんとなく思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モカが、Afterglowがいるだけで俺は救われているのだろうと。

 

 

 

「ん~?どうしたの~?」

「いや何も。」

「もしかして~モカちゃんに改めて惚れちゃった~?」

「さて、昼でも食べてくるかな。」

「スルーしないでよ~。モカちゃん泣いちゃうよ~?」

 

 

 

こうしていつものように俺とモカのコンビニバイトは始まっていくのだった。

 

 

 

 

 

 





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二人はお出かけ中

 

 

 

ジリリリリ…

 

 

「………しまった。つい平日の感覚でアラーム切るのを忘れてた。」

 

 

今日は日曜日。当然学校はないし予定もない。そして親も仕事でいない。そしてバイトも入ってない。

 

 

「…………よし。もう一度寝るか。」

 

やることがないときの殿下の宝刀『二度寝』である。

こうして俺はもう一度夢の世界に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 行けませんでした。

 

 

 とりあえず布団から出て服を着替えるとキッチンに行き、食パンにハムとスライスチーズを乗せてレンジで焼く、その間にインスタントコーヒーを入れてテレビのニュース番組を見ながらゆっくりする。せっかく早起きしたし天気予報も1日晴れだと言っているから布団でも干してその間ゲームでもしてようと思っていた。

 

ピピピピ…

 

そこに間髪入れずに携帯電話が鳴り響く。こんな早くに誰だよと思い手に取ると『青葉モカ』と表記されておりそのまま電話に出る。

 

『あたしモカちゃん~。今遼の家の前にいるよ~。』

「唐突なメリーさんやめろ。」

 

いつものように突然やってくるモカに突っ込み玄関のドアを開けると言葉の通り家の前にいた。

 

「おはようございま~す。」

「おう、おはよう。とりあえず中入れ。」

 

 家の中にモカを入れて再びリビングに戻る。

 

「どうしたこんな早くから。」

「今日日曜日でしょ~?」

「そうだな。」

「遼予定ないでしょ?」

「人を暇人みたいに言うな。無いけども。」

「じゃああたしとお出かけしない?」

「どうした?どこか行きたい所でもあったのか?」

 

 話をしながら慣れた手つきでモカのコーヒーを淹れていく。というかいつの間にかモカのマグカップがうちにあるのはどういうことだ。

 

「うーん…。遼と行きたいところならあるけどな~。」

「やまぶきベーカリーか?」

「それもいいけど~。せっかくのお休みなんだから違うところにも行ってみない?」

「違うところってどこ…」

 

 モカのコーヒーが淹れ終わったところで持っていくと既にモカはコーヒーを飲んでいた。

 因みにモカのコーヒーは俺が持っている。じゃあモカが飲んでいるコーヒーは…。

 

「それ俺のコーヒーだろ!?」

「そうだったの~?ごめんね~。」

 

 本人もわかってなかったのかちょっとびっくりしていた。

 

「遼飲んでたの~?」

「ああ、既に少し飲んだ後だ。一応お前のこっちな。」

「おお~。ありがと~。」

 

 因みに俺のはミルクを少し多めにしている。それでもモカは飲んでしまうんだよな…。

 俺のカップを置き自分のカップを受け取ったモカはゆっくりと飲む。不本意ではあるがその仕草が可愛いと思ってしまったのは内緒だ。

 

「そう言えばさ~あたしそのカップで飲んだじゃん?」

「そうだな。」

「それで遼もそれで飲んだじゃん?」

「ああ。」

 

 突然ニヤニヤしながら喋り出す。……嫌な予感しかしない。

 

「これっていわゆる間接キスだよね~?」

 

 ………ナンテコッタパンナコッタ

 

「ふっふっふ~!どうかなモカちゃんとの間接キスは~?」

「………わかった。今日1日付き合ってやる。」

「おお~。まだモカちゃん何も言ってないのに…。もしかして本当は一緒にお出かけしたかったの~?」

「用意してくるから大人しく待ってろ。」

 

 コーヒーを飲み干した俺は部屋に戻りショルダーバッグに財布やらハンカチやらを用意してリビングに戻る。

 

「………複雑だな。」

 

 そんなことを呟きながらモカの待つリビングに戻り声をかけると部屋の戸締まりを確認して2人で家を出た。

 

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

「それで?どこに行くんだ?」

「ふっふっふ~。モカちゃんにおまかせあれ~。」

 

 いつものように余裕の表情で語るモカを片目に少し不安になりながらも恐らくカフェとかだろうなと考えていた。

 

「ついたよ~。」

 

 たどり着いた場所はやはりカフェ…と言ってもいつものように羽沢珈琲店ではなく、全国チェーンのカフェだった。

 

「意外だな。自分から率先してこういうところに来ないとは考えていたが。」

「実はここの美味しいって言われてるスイーツが今日なら割引がきくんだよね~。」

「抜け目がないな。」

 

 「ほら行くよ~。」と手を引かれて俺たちは店内に入る。こういったカフェは羽沢珈琲店を除くと千聖さんと来た時以来だ。

 店に入り席に座ってしばらくすると俺たちのもとに店員さんが来て注文を聞いていた。俺はカフェオレを、モカはコーヒーを注文した後で再びモカが口を開いた。本来の目的の割引のスイーツを注文するのだろうか。

 

「このスペシャルハッピーパフェをお願いしま~す。」

 

 なんか凄く甘そうな名前だな。

 

「かしこまりました。こちらは現在カップルのお客様に割引のサービスをしておりますがよろしいでしょうか?」

「お願いしま~す。」

「それでは品物を用意しますのでお待ちください。」

 

 ………うん?

 

「おい、ちょっと待て。」

「どうしたの~?」

「どうしたのじゃねえよ。俺たちカップルじゃねえだろ。」

「え~?でも店員さんがカップルって行ってきたんだしいいんじゃないかな~?意外とそう見えてるってことだし?」

「そうじゃなくて…。いくら割引が効くからって嘘ついちゃ駄目だろ。」

「………遼は真面目だねー。」

 

 突然ジト目で語り出すモカ。しかも声のトーンも低くなり若干棒読みなのが少し怖い。

 

「遼はあたしとそう見えるのが嫌なのー?」

「いや、嫌とかそんなんじゃなくて嘘は良くないだろ…。」

「………あたしはそう見えてもいいよ。」

「えっ?」

 

 モカが呟いた言葉を聞き直そうと思ったら頼んでいた品物が運ばれてきた。

 元々カップルで食べることを想定して作られていたのか思ってたより大きいパフェだった。

 

「なんじゃこりゃ…。」

「ほら~。食べるよ~?」

「……しゃーないか。」

 

 それぞれパフェスプーンを取り食べ始めた。

 ……味としては結構いい。チョコソースがかかったバニラアイス、コーンフレーク、そして奥にはフルーツとコーヒーゼリーという甘さとほろ苦さをいい感じに調節した一品だ。チョコとアイスで甘さに慣れた舌をコーヒーゼリーの苦さでうまく調和している。

 

「すごいなこれ…。」

「遼~。」

 

 声をかけられてモカの方を見ると口にパフェスプーンを突っ込まれた。突然のことで少しの間思考が回らなくなった。

 

「美味しいでしょ~?」

 

 彼女の顔を見るとさっきまでの不機嫌はどこへやら。ニカッと笑いこちらを見ていた。

 

「今度は遼の番だよ~?」

「は?」

 

 それ以上は何も言わずにただ目を閉じて口を開けているだけだった。もしかして食べさせくれということなのか?

 

「…………………」

 

 少しの間悩んだがこうなったモカは止まってくれない。長年の経験が物語っている。ならばどうすべきか。

 

「ほら。」

 

 パフェからアイスの部分を掬うとモカの口に入れる。そのままアイスは口の中に入り飲み込まれた。

 

「美味しいね~。」

 

 凄く明るい笑顔だ。こんな笑顔あっただろうか。……多分俺が忘れてるだけであっただろうけど。

 

「ほらほら~。どんどん食べるよ~。」

 

 さっきのモカの笑顔でまだ食べてないのに何故か口の中が甘味で満たされている。正直色々と腑に落ちない点はあるがこれは口にするべきではないのかも知れない。

 それに…

 

「おいし~。」

 

 モカ(こいつ)が幸せそうだしそれでいいか。

 

 

 

 






2人のお出かけはまだまだ続きます。

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ホリデーパニック

前回までのあらすじ

やっぱりからかわれる遼くん

遼「あらすじ雑だろ!」



 

 

「美味しかった~♪」

 

 先程のパフェでお腹を満たし俺の隣を歩くモカは満足そうな顔をしていた。

 

 店員さんには申し訳ないがあのままカップル割を使いパフェは完食した。とはいっても3分の2はモカが食べ尽くしたから俺はあまり食べてないけどな。

 

「ねー次どこ行くー?」

「どこ行くって…というか今何時だ?」

 

 腕時計を見ると時刻は12時を回っていてちょうどお昼時なのだが…先ほどパフェを食べたからあまりお腹は空いてない。というかさっきのパフェが昼飯みたいなものになってしまった。いや、パフェが昼飯ってどういうことだよ。

 

「おお~ちょうどお昼時か~。よし、お昼ご飯食べよ~!」

「…正気か?」

 

 いやさっきのパフェ食べときながらまだ食べたり無いのかお前は。

 

「え~?まだまだモカちゃんはいけるよ~?」

「正気の沙汰でない…」

「なんなら今からやまぶきベーカリー行く~?」

「…もうそれでいいわ。」

 

 今度からこいつのことはブラックホール青葉と呼ぼうか…?

 

 

 

 

 

 それから数分歩いて俺はモカとやまぶきベーカリーに来た。まあ昼飯がパフェというのもなんだしここで1つか2つパン買っておけば軽く食べることも出来るし良いだろう。

 

「これお願いしま~す。」

 

 ………相変わらず尋常じゃ無いほどのパンを持っていくなあいつは。

 

「はい。合計1200円です。」

「はいは~い。」

 

 財布から1200円を払い自分の分を買うモカ。紗綾は苦笑いしながら採算を済ませた。………彼女は苦笑いしてるがこれより前にでかパフェ食べたことは知らない。

 

「じゃあ俺はこれで。」

「あれ?今日は1つなんだ。」

 

 俺のお盆の上に塩パンが1つあるだけだ。それを不思議に思ったのか紗綾は聞いてきた。

 

「実は数分前にパフェ食べたからな。あまりお腹空いてないんだ。」

「そうだったんだ。」

「因みにモカは俺より食べたけどな。」

「…………流石だね…。」

 

 そりゃ驚くわな。パフェ食べた後でパンを5個以上買うとか相当だぞ。

 

 この後俺たちは買ったパンを持って近くの公園に行き2人でベンチに座りながら食べた。………なんか犬を散歩している人がこっち見て微笑ましいものを見るような目で見てたけどそんなんじゃ無いからな?

 

 

 

 

 10分で完食した俺たちは公園を離れてショッピングモールの中にあるファッションストアに来ていた。

 

「遼~?これどう~?」

 

 モカは俺にパーカー等を持ってくる。そして俺がそれを試着室で着る。この繰り返しなんだけど…。

 

「いやなんで俺ばっかり?」

「だって~遼この間リサさんに言われたじゃん?『もうちょっとファッションには興味を持った方が良い』って。」

「別にそんなに色々着ること無いけどな…。」

「でもさ~遼の普段着って大体似たようなものの着まわしだよね~。」

「それを言うな。」

 

 それ言ったらお前も似たようなものだろ。と言いたいところだがここは一先ず堪えよう。

 

「というか俺よりもお前は自分の選んだら良いんじゃないのか?」

「え~?遼の服選んでた方が楽しいんだけどな~。」

「そんな楽しみなんか捨ててしまえ。」

「じゃあさ~遼があたしの服選んでよ~。」

 

 ニヤニヤしながら提案してきた。うん、嫌な予感しかしない(何回目)。

 

「というか俺女物の服全くわからないんだが…。」

「いやいや~意外と男の子が選んだ方がいい線いくかもよ~?」

 

 というわけでモカの服を選んでみることに。……そういや今思ったけどこの光景ってモカいなかったら周りの人から変な人と思われそうだな。

 

「これは?」

 

 とりあえず無難な無地の黒いパーカーを選んでみる。

 

「うーん…これはモカちゃんポイント低いですな~。」

「駄目なのか。じゃあこれは?」

 

 次に目をつけたのはチェック柄のカーディガン。

 

「え~。」

「そんな露骨に嫌そうな顔しなくても…。」

「だってさ~遼のセンスってなんかちょっとずれてるんだよね~。なんかこう地味というか…おっさんっぽい?」

「誰がおっさんだ。まだ16だぞ?」

 

 なんとなく気にしてることを言うんじゃない。

 

「じゃあ……これはどうだ?」

 

 次に目をつけたのはスカートだ。

 

「おお~遼にしては良いところついてきたね~。」

「いや、よく考えたらお前私服でスカート履いてるところ見たこと無いなと思ってな。好きじゃないのか?」

「好きじゃない訳じゃないけど~ズボン系の方が動きやすいからね~。」

「なるほどな。」

 

 まあスカート履いたこと無いからあまり理解できそうに無いが。履く気も無いし。

 

「お望みならば履いてあげようか~?」

「どちらでも。」

「そうかそうか~ならばお望み通り履いてきてあげよう~。」

「お前話聞いてなかったな。」

 

 こんな感じで俺たちは更衣室の前まで移動した。

 

「もうすぐモカちゃんがスカートを履く。」

 

 突然どうしたし。

 

「それを履いたらどうなる?」

「知らないの~?」

 

 クルっと後ろを向きキメ顔でモカは言った。

 

「遼が尊死する。」

「くだらんことしてないではよしろ。」

「乗ってきた癖に~。」

 

 そのままカーテンの向こうに消えた。

 

 そして1分後…。

 

「お待たせ~。」

 

 スカートを履いたモカが出てきた。…うん、若干違和感はあったけどこれはこれでありかも。

 

「どう~?キュンとした~?」

「まあ…悪くは無いんじゃないか?」

「以外と遼はこういうのか好みなのかな~?じゃあ今後も履いちゃおうかな~?」

「だから勝手に話進めるなよ。」

「言わなくてもあたしにはわかるよ~?モカちゃんパワーに魅了されちゃったんだよね~?」

「今度余計なことを言うと口を縫い合わすぞ。」

「おお~怖い怖い。」

 

 笑いながら言われた為完全に透かされてるな…。と後ろを振り向いた時あるものが目に入った。

 

「モカ、お前ああいうのどう思う?」

 

 俺が指差した先にはひとつのマネキンがあり、パーカーとデニムスカートが飾られていた。

 

「なるほど~遼の好みはあれ「その流れはもう良い」え~?まあ…せっかくだし試してみようかな~。」

 

 モカの話をぶったぎりパーカーとデニムスカートを持ってきた。そしてしばらくするとモカがカーテンから現れた…。

 

「・・・・・・・・」

 

 何ということだろう。思い付きで言ってみた一品が見事にモカとベストマッチしてしまった。さっきまで履いていたスカートよりもデニムスカートはジーンズ感あるからかモカが履いてもあまり違和感がない。素材1つで同じものでも雰囲気が変わるということを再確認させられた。

 

「おお~これはモカちゃんポイント高いですな~。似合ってる~?」

「まあさっきのよりは似合ってると思うぞ。」

「も~素直に可愛いって言えばいいのに~。」

「うるさい。」

 

 その後、モカが俺に似合うだろうと推してきたパーカーとTシャツが結構気に入ったのでそれを購入。モカも後からなにかを買いファッションストアを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後俺たちはゲームセンターに行った。まあ特にこれと言って目的は無いわけだがとりあえずゲーセン行くかという流れである。

 

「よし!パーフェクト!」

「おお~遼やるね~。」

 

 今俺たちは洗濯機型の音ゲー『maumau』をやっていた。

 

「とーぜん。俺を誰だと思ってる。」

「常乃さんだぞ?」

「それ言うべきなのは俺じゃないか?」

「あたしは青葉さんだぞ?」

「というかお前もパーフェクトかよ。意外と音ゲー得意なのか?」

「いや~モカちゃんの才能ですかね~?」

「才能って…これmasterだぞ?」

 

 こんな感じでダラダラと遊びゲーセンを満喫していた。その後、少し喉が乾いたので俺は自動販売機でドリンクを購入し、ついでにモカの分も買って行った。

 俺が戻るとモカはあるクレーンゲームをプレイしていた。

 

「何やってんだ?」

「あ、遼~。なんかこれ取れないんだけど~。」

 

 モカが指差した先にはフランスパン、コッペパン、ホットドックなどのパン型抱き枕があった。それは焼き色や切れ込みもリアルに再現されていて以下にもモカが気に入りそうなものだった。そしてこのクレーンゲームは輪っかを引っ掻けて穴に落とすタイプ。

 

「取れないのか?」

「うん~。」

「仕方ないな…。俺がやる。」

 

 プレイヤー変わりまして、6番常乃。

 

 とりあえず100円を入れてチャレンジする。先ずは小手調べだ。こういうのはアームの強さや揺れ具合等を見極める必要がある。全神経を集中して商品を掴む。が…

 

 

ストン…

 

 

 たった数ミリ動いたか動いてないかぐらいだった。

 いや、流石にアーム緩すぎでは?

 

「…モカ、残念だけどこれは諦めた方が得策かもしれな…」

 

 とりあえずモカには申し訳ないが現実をしっかり話そうと思った矢先、おれの言葉は途中で止まった。なぜなら隣でモカがパン抱き枕をじっと見つめていたからだった。

 

「やっぱり無理かな~?」

 

 「ちょっと待ってろ。」といってそのまま両替機のところまで行く。とりあえず1000円を崩し再びクレーンゲームと向き合う。

 

「よし…。やるか。」

 

 こうなったからには意地のぶつかり合いだ。俺が奴を仕留めるか。奴が俺を折らせるか。

 

「攻略してやるよ。」

 

 さあ、ゴングは鳴った(300円は投入した)。男と男の戦いが今始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからどれだけだっただろうか。とりあえずお金としてはもうすぐ2000円が来そうだ。これだけやっただけはあり結構動き、上手く行けば後1・2回で落とせそうだった。

 

「遼~?大丈夫~?」

 

 心配したモカが俺に訪ねてきた。だがこれはチャンスだ。後1回で終わらせる。

 

「安心しろ…。必ず手に入れてやる。」

「遼…。」

「おれに取れないものは無い!」

 

 運命のアームが動く。さあ、景品がモカの元に行くか、俺の財布が更に軽くなるか。このゲームが創る未来はどっちだ!

 場所を慎重に調節してアーム降下ボタンを押す。そのままアームは輪っかに引っ掛かり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン

 

「よし…。」

 

 見事景品獲得。俺の使命は果たした…。

 

「ねえ遼~。景品…穴に引っ掛かってる…。」

「マジかよ。」

 

 はい。取れてはいるんですが出口の穴に引っ掛かり取り出し口のところまで届いていなかったら。

 

「……係員の人呼んでくるわ。」

 

 係員さんのお陰で無事景品を獲得し、それをモカに渡したら満面の笑みで「ありがと~」と言われた。こんな笑顔でお礼を言われたら2000円近くかけて取った甲斐があるというものだ。

 

 ……まあ、最後なんかしまらない終わり方だったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 あれから色々と回り、夕暮れ時となった為二人はそれぞれ帰宅することにした。そしてその夜、モカは自分の部屋で遼が取ったフランスパン型抱き枕を抱えながらベットの上で転がっていた。

 

 

「えへへ~。……なんか遼の匂いしてるな~。不思議~。」

 

 

 彼女は抱き枕を抱いたまま夢の中へと入っていった。その寝顔はとても幸せそうだった。まるで大切な人が近くにいるかのように。

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 後日、遼はAfterglowの面々と羽沢珈琲店にいた。

 

「あれ?モカ遅いね?」

「ああ、ちょっと遅れるってさ。」

「これはまた二度寝してたタイプかもね。」

 

 今度のライブに向けての簡単な話し合いをするはずだがモカが遅れていていた。

 

「そういえば遼。この間モカとショッピングモールいたでしょ?」

「え?」

「実は巴とお買い物してたら二人の姿見たんだよね~。」

 

 どうやらファッションストアから出るところをひまりと巴に見られていたらしい。

 

「まあな。モカに誘われて。」

「おっ?もしかしてデートか?」

「そんなわけ無いだろ。」

 

 そんな話をしていると「遅れました~」とモカが入ってきた。だが面々が驚いたのはモカの服装だった。

 

「モカが…」

「スカート履いてる!?」

「え~なんか変~?」

「いや、変じゃないけどさ…何というか…。」

「モカちゃんってスカート履くイメージ無かったから…。」

 

 各々が驚いている中でモカは遼の隣に座った。

 

「遼のイチオシみたいだったからね~。これは乗ってあげるしか無いなと思って~。遼からプレゼントも貰ったし~?」

 

 モカの発言により一同の視線は遼へと移った。

 

「まさか…遼がコーディネートしたの!?」

「というか本当にその時何してたの?」

「プレゼントって何あげたの!?」

「てかお前ああいうのが好きだったのか?」

 

 面々から質問攻めを食らう遼。

 

 

 彼が答えた回答、それは…

 

 

 

「俺に…質問するなぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 今日もAfterglowは元気です。

 

 

 

 

 

 

 




個人的な考えですけどモカってデニムスカートとか似合いそうな気がするんですよね~。

それはそうとバンドリアニメ3期&映画化決定でスマホに通知来た瞬間1人でびっくりしてました!絶対見に行きたい!

そして新しくコメントをくださったリュウティス王子さん、ありがとうございます!


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このコンビニバイトは退屈しない(色んな意味で)

 

 

「年齢確認お願いします。」

「あ?何でそんなことしなきゃいけねえんだよ。めんどくせえな!」

「ルールですので。」

「知るか!テメエは俺が大人に見えねえのか!?」

「少なくともルールを守れないような人は大人とは言えませんけど?」

「お客様は神様だろうが!黙って見過ごせよ!」

「神様なら常識をわきまえてくれませんかね?」

「もういい!店長出せ!テメエのこと言いつけてやる!」

「神の癖に店長に頼りやがって。」

 

 

 いきなり見苦しいものを見せて申し訳ない。見てわかる通り俺はコンビニでバイトをしているのだが俺が入ったタイミングで見事にめんどくさい客が来てしまった。というのも目の前のこいつが缶ビールを持ってきたのだが、お酒を販売する場合は年齢確認が絶対なのでそれをお願いしたところ見事に逆ギレされている。

 

 

 

「おい責任者出てこい!」

「店長、達の悪いクレーマーが来ました。」

 

 

 これ以上相手にするのはめんどくさいので後は店長に変わってもらおう。

 

 

「おいおい、今度はなんだよ。」

「酒買いたいって出してきたから年齢確認頼んだら怒られました。」

 

 

 事情を話すと店長はクレーマーと話にレジへ行き一応俺も近くで確認する。説得しようとするものの一向に言うことを聞く気配はなく挙げ句の果てにわめき散らして帰っていった。

 

 

「………店長、これ缶若干へこんでますけどどうします?」

「処分しといてくれるか?」

 

 

 マジで勘弁していただきたいものだ。そう思いながら俺はビール缶を処理した。

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませー。」

「さんしゃいん~。」

 

 

 隣で気の抜けそうな挨拶を横でする幼なじみ(モカ)の横のレジで当番をしながらお客さんを出迎える。最初の頃はこれに突っ込んでいたのだが馬の耳にも念仏…というのだろうが全くどうにもならないので放置状態である。

 そして来たのはエメラルドグリーンのような色の女性だった。……なんだろう、オーラでわかるが彼女とは何か近いものを感じる。

 

「モカちゃん水分補給いってきま~す。」

「お前さっき入ったばかりだよな?」

「でも飲み物飲むの忘れちゃって~。」

「わかったよ。早めに戻ってこい。」

「それで遼に1つ伝言~。」

 

 

 それから2分ほどしてモカは戻ってこない…って一体何してるんだあいつは。というかなんだよ「次来る人にポテト増量中のお知らせしておいてね~」って。うちはファーストフード店じゃないんだけど。

 

「いらっしゃいませー。」

 

 とりあえずさっきまでの人がレジに来たので会計をする。そして最後の商品をレジに通したところで彼女の視線が横のショーケースに泳いでるのが見えた。そしてその先にあるのは……Lポテト増量中の文字。うん、大体わかった。

 

「お客様、現在ポテトが増量中キャンペーンを行っておりますがいかがですか?」

 

 自分で言ってて思う。マジでファーストフード店じゃないんだぞ。というかこれでお客さんが買うとは…

 

「それなら…お願いします。」

 

 あ、買うんだ。そのままお客さんがLポテトを2つ注文して帰ったら入れ替わるようにモカが奥から出てきた。

 

「遼~あたしもLポテト食べた~い。」

「自分で買え。」

 

 相変わらずである。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「ふえええ…。」

 

 

 迷子の迷子の松原さん あなたのお家はどこですか♪

 

 

「遼くん…駅ってどっちだっけ…?」

「ちょっと待ってください。美咲に連絡しますんで。」

 

 とりあえずその場をモカに任せて俺は奥に入り美咲に連絡を入れた。

 

『もしもし?』

「美咲、すぐ俺がバイトしてるところのコンビニに来てくれ。松原さんが迷子だから。」

『あーうん。というかそこまで行ってたんだ花音さん…。』

「そこまで?」

『うん。というかあたし達…これから3つ先の駅前に行こうと思ってて電車の時間までショッピングモールにいようってことだったんだけど…。』

「じゃあ松原さんが駅探してたのは?」

『最初の待ち合わせ場所が駅だったからかな?』

「わかった。とりあえずこっちで保護しとくからなるべく早く頼む。」

 

 ピッ…

 

「遼~どうだった~?」

「すぐ来るって。とりあえず松原さんは休憩スペースにいて。後それまでこのコンビニから出ないように。」

「うん。」

 

 

 

 

 それから待つこと数分。

 

 

 

 

「お待たせ。」

「お待ちしておりました。」

 

 美咲が到着し無事松原さんを引き取ってコンビニを出ていった。

 

「……あいつも苦労するなぁ。」

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

「かのシェイクスピアは言っていた『輝くもの、必ずしも金ならず』と。」

「……なんて?」

 

 今度のお客さんは瀬田先輩なんだが…この人さっきからいつものシェイクスピアがどうのっていってて一向に会計進まないんどけど。まあ他のお客さんが今いないのが救いだな。

 

「つまり…そういうことさ。」

「すみません。さっぱりわかりませんが。」

「つまり…必ずしもお金が輝くものではない…ということさ。」

「さっきと言ってること何も変わってませんけど?」

 

 と、このやり取りが3分ほど続いている。というか商品のお雑煮だけ置いてお金出してくれないんだけど。というか何でこのコンビニはコンビニラーメン方式でお雑煮売ってるんだよ。もう春だぞ?

 

「とにかく、お金払ってくれないと会計出来ないんですけど?」

「ああ、人生と言うのはどうしてこうも試練が待ち受けるのか…。だがこれも儚い。」

「本当あなたの儚いの基準どうなってるんですか…?というか何でもかんでも儚い言ってれば良いってもんじゃないですよ?」

「かのシェイクスピアは言っていた『過ぎ去った不幸を嘆くのは、すぐにまた新しい不幸を招くもとだ』と。」

「その不幸が今俺に回ってきてるんですが?」

 

 なんかポケット探った後で少し黙ってからこんな感じになった。本当財布出してくれれば…。

 

 

 

 

 

 ん?財布…不幸…。

 もしかして…。

 

 

 

 

 

 

 

「瀬田先輩…財布忘れたんですか?」

 

 俺がそう聞くと一瞬動揺していた。どうやらビンゴらしい。

 

「いや、それが唐突に無くなっていてね。私は罪を犯してしまったみたいだ…。」

「それもしかして落としたってことですか!?」

「つまり…そういうことさ。」

「『そういうことさ』じゃないだろ!大事じゃないですか!とりあえずこれは後からでも大丈夫ですので今すぐ交番行ってください!優しい人が拾ってたら戻ってくる可能性があるので!」

「そうか。手間をかけたね子犬くん。」

「早く行ってください!それと誰が子犬だ!」

 

 そう言うと瀬田先輩はコンビニから出て交番に向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「かのシェイクスピアは言った『道に迷ったら心の中に答「何で戻って来たんだよ!はよ交番行け!」でも限定のお雑煮が「まだ売り切れはしないから!夜来ても多分まだ残ってるから!とりあえず交番行ってこい!俺が落ち着けないから!」

 

 

 

 このあと、何故か俺が交番に瀬田先輩を連行して財布は無事戻って来たが俺は当然の如く店長に「一言断って行け」と注意されました。因みにその間のレジはシフトに入ってたリサ先輩がやってくれた。マジですみませんでした。

 

 

「遼~。お雑煮の賞味期限切れたの1つずつ持って帰って良いって行ってたけどど~する~?」

「うん…それお前にやるよ。」

 

 

 なんか…ボクもう疲れたよパト○ッシュ

 

 

 

 

 





コンビニのバイトやったこと無いんですがこんな感じですかね?(多分違う)

ここ最近こっちの作品なかなか投稿出来ずにすみません。とりあえずなんですが最近こっちのネタが切れ始めた…というのもあり執筆が進まないんです…。
とりあえず皆さんの方で「これやってほしい!」っていうネタがあれば是非送ってくださると嬉しいです!送り先はコメント欄でも私のtwitterでも構いませんので!

新しくコメントをくださった夜龍丸さん、ユニバースファントムさん、ありがとうございます!

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二人きりの夜 前編

 

 

「それじゃ今日はここまでにして帰ろっか!」

 

 ひまりの一声によっては各々片付けを開始する。俺はノートを閉じて鞄にしまったら重みのある機材を元の位置に移動させる手伝いをした。

 

「さて、これで終了か?」

 

 俺がそう言うと皆はそれぞれの荷物を持ちCiRCLEを後にした。

 

「ん~!今日も疲れた~!」

「あたしもだ。今すごく腹へってる!」

「じゃあ今からつぐのところ行く?」

「いや、さすがにもう遅いし今から行っても迷惑だろ。」

「そっかー…。」

 

 ひまりと巴の提案に返答するとひまりは「残念…」といった感じに肩を落としていた。まあさすがに今から行くとつぐみのところのおじさんも大変なことになるだろうし。

 

「あ、そう言えば遼~。」

 

 俺の後ろを歩くモカが俺にもたれながら喋り始めた…というかマジで乗っかるな。歩くのしんどいから。

 

「今日遼のところに泊まってもいい~?」

 

 ……………ゑ?

 

「おい、今何て言った?」

「今日遼のお家に泊まってもいい~?」

「……何で?」

 

 唐突に重大なことを話始めたモカに対して理由を聞いてみた。モカの話によると今日はモカの両親は結婚記念日で休みが奇跡的に一致した為夫婦旅行に行ってて今日は家にいないらしい。それでうちに泊まりに来る…ということだとか。

 

「というかお前1人で留守番しとけばいいんじゃないか?」

「え~?遼はか弱き乙女を夜1人にするつもり~?」

「戸締まり念入りにしとけばいいんじゃないか?」

「モカちゃん不安だな~。夜に危険な人が入って来たら太刀打ち出来ないからな~。」

「そんな大袈裟な。」

「遼!」

 

 そんな会話をしてるとひまりが「ちょっとこっちに…」と引っ張ってきた。

 

「なんだよ…。」

「ここは泊めてあげた方が良いよ!」

「は?」

「ほら、旅は道連れ世は情けっていうしここはモカのためを思って!」

「お前何か企んでるか?」

 

 「別に~」と目をそらすひまり…本当分かりやすいよなこいつは。

 

「とりあえず親に連絡してみる。夕飯のこともあるし。」

 

 そう言って俺はスマホを取り出しメッセージアプリを開くとすでに親から連絡が入っていた。

 

『ごめんね~。今日夜急に会議入っちゃったから帰るの遅くなりそうなの。夕食作ってる時間なかったから冷蔵庫にあるもので好きなもの食べてね~。』

 

「・・・・・・・」

 

『一応モカ泊まりに来るって言ってるんだけど冷蔵庫にあるもの適当に使って作っていいか?』

 

 と打ってみた。すると1分後に返信が来た。

 

『いいよ~。後お父さんは夜勤だから考えなくても大丈夫だからね~。』

 

 それを見ると俺はモカに許可が降りたことを伝えた後で皆と別れてそのままスーパーに2人で行くことに。

 

「とりあえずお前何が食べたい?」

「モカちゃんは~パンが食べたいかな~?」

「それ以外でな。今からパン作ってたら時間かかるから。」

「じゃあ~遼におまかせしま~す。」

 

 とりあえずスーパーの前のチラシを確認した。なるほど。今日は生鮭の切り身と小松菜が安いらしい。確か人参と大根は家にあるし、後はごぼうでも買えばどうにかなるだろ。

 

「さっさと買って帰るか…。」

 

 とカゴを持ってスーパーに足を踏み入れた。すると…

 

『ただいまより、魚の切り身が半額となるタイムセールが始まります。大変お買い得ですので安全に気をつけてお買い物してください。』

 

とアナウンスが流れた。魚の切り身が半額だと…?

 

「モカ。」

「ん~?」

「ちょっと小松菜持ってきてくれ。俺は魚を手に入れる。」

「…………?」

 

 頭にハテナマークを浮かべながら俺を見るモカをよそに俺は魚売り場に向かう。周りのおばさん達も同じ目的と見た。

 

 

 

 

 よろしい、ならば戦争だ。

 

 

 

 

『それではタイムセールスタートです。』

 

 

「行くぞゴルァアアアア!!」

 

 

 戦わなければ生き残れない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

 

「遼~生きてる~?」

「なんとか…というかあの中で一瞬三途の川見えたんだが…。」

「一体何したの…?」

 

 タイムセール(戦争)を潜り抜けて来た俺はスーパーの外のベンチにもたれ掛かっていた。マジでヤバい世界だわタイムセール。因みに他のものはほとんどをモカが回収してくれたらしい。でかしたぞモカ。

 

「おばさんの人混みに飲まれて突き飛ばされたり足踏まれたりした…。」

「そんなに酷いものなの?タイムセールって…。」

「いや、ここのスーパーが異常なだけだと思う。」

 

 なんせ只でさえ他のスーパーより商品価格が安いのにそれがさらに安くなるんだぞ?戦争にもなるわ本当。

 

「とりあえず買うもの買ったし帰って夕食にするか。」

「やった~。」

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「さて、始めるか。」

 

 家につき手洗いうがいをして材料を揃えたことを確認するとキッチンで料理を開始する。今日の献立は白飯、味噌汁、鮭のホイル焼き、小松菜のごま和え、きりふき大根、きんぴらごぼうだ。今日は1人だけど客人が来てるからな。腕を奮ってやろう。

 とりあえずお米を研ぎ炊飯器のスイッチを入れる。そのまま大根の皮を剥き輪切りにしてお湯の中に入れてしばらく待つ。余った皮は綺麗に洗って味噌汁の具にする。せっかくの食材だし綺麗に食べないとな。

 

「遼~。何か手伝おうか~?」

「え?モカって料理出来るのか?」

「もち~!」

「それじゃこのごぼうを細切りにしてくれるか?」

「了解~。」

 

 別のまな板と包丁でごぼうを切ってる間に俺は大根の味噌とごま和えの出汁をつくる。というかモカって結構手際いいんだな。

 

「なんかさ~。」

「ん?」

「こうしてるとさ~恋人みたいだよね~。」

「そんなもんか?」

「さあね~。あ、ごぼう出来たよ~。」

 

 モカからごぼうを受け取りさっそく人参といっしょに炒めて味をつける。それにしても恋人か。将来俺も誰かと家族になるとかそういうことがあるのかな…。まあ今のところその相手がいないんだけど。

 

「おお~美味しそ~。」

 

 俺が作ってるきんぴらを横から見てるモカが呟いた。今回はモカが辛いもの苦手なことを考えて辛さ控えめの味付けにしたからこいつでも食べれるぞ。

 

「味見するか?」

「いただきま~す」

 

 俺がごぼうを1つまみ箸で掴むとモカはそのままごぼうを口に入れる。

 

「おいし~。」

「そうか。今回は甘味を強めにしたからお前でも食べやすいだろ?」

「うんうん!それじゃもう一口…「駄目だぞ?」え~。」

 

 ぶーぶー言いながらへばりついてくるモカを剥がしながら完成した料理を皿に盛り、ホイル焼きが出来上がったことを確認して皿にのせることで完成だ。

 

「さて、出来たぞ。」

「おお~。豪華~。」

 

 目を輝かせながらよだれを垂らすモカ…っておい。よだれはやめろ。

 

「ほら。冷めないうちに食べるぞ。」

「待ってました~!」

 

 それぞれ席について手を合わせる。これは食事前の大切な儀式みたいなものだからちゃんとやっとくのが俺の中の暗黙の了解だ。

 

「「いただきます!」」

 

 そのまま味噌汁を二人で啜る。うん、我ながらいい味だ。

 

「遼~この味噌汁って出汁変えたの~?」

「よく気づいたな。いつもは鰹だしでつくるんだが今回はこっそり煮干しとスルメで出汁をとってたんだ。」

「なるほど~。」

 

 小松菜のごま和えを食べながらモカを見ると鮭のホイル焼きに舌鼓をうっていた。今回のホイル焼きはえのきと人参、玉ねぎを一緒にコンソメで味をつけた。

 

「おいし~。」

 

 そう言うモカの顔はとても幸せそうだった。本当モカって食べ物を食べるとき美味しそうに食べるよな。作った身としてはとても嬉しい限りだ。

 

「遼ってホントお嫁さんに行けるスキル持ってるよね~。」

「お嫁さんって…俺男だぞ?」

「でも~あたし達の中じゃオカンみたいなものだからね遼は~。」

「俺オカンかよ。」

「リサさんにも遼の料理スキルの話したら『流石Afterglowのオカンだね~』って言ってたし~。」

「リサさんもかよ…。」

「でもさ~あたしは遼の料理毎日食べたいと思うよ~。」

「そうか。そう言ってくれると嬉しいよ。」

 

 嬉しいこと言ってくれるじゃないか。なんだかんだ言っても一緒に食事が出来て良かった。そう思いながら俺は更に味噌汁を啜った。

 

 

 なんかモカが若干ムスッとしてたのは気のせいか?でもご飯食べてたら機嫌なおってたし多分大丈夫だろ。

 因みにこのあとモカはご飯を1人で3杯食べてた。お粗末様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 






まだまだ2人の夜は続きます。次回をお楽しみに!


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二人きりの夜 後編

やらかしちまったZE←どういうことかわかる人はわかる



 

 

 

「おーい、風呂沸いてるから入るか?」 

 

 夕食の片付けが終わり、俺はお風呂を沸かしていた。因みに俺の家は全体的に和風の造りになってるから風呂も火を起こして沸かすタイプだ。その為緊急事態以外は電気代の節約の為に薪をくべて沸かさなきゃいけない。……手間がかかりすぎて泣けるで(謎)。

 

「一緒に~?」

「そんな訳あるか。1人ずつに決まってるだろ。」

「つれないな~。」

「嫌なら俺入るぞ?」

 

 相変わずモカはからかってきたのでいつものやり取りが始まった。するとモカはしぶしぶソファーから降りて自分の着替えを持って風呂場に向かう。とりあえず俺はパソコンを開いてNFOの今の状況でも見ようかな…。

 

「あ、そうそういい忘れてたけど~。」

 

 部屋の扉を開き何かをいってくるモカ。

 

「覗いちゃ駄目だよ~?」

「馬鹿なこと言ってないでさっさと入れ。」

 

 モカのおふざけを受け流し風呂場に返す。そもそも覗きって小学生や中学生じゃあるまいし…。

 

 とりあえずパソコンが起動したのでNFOにログインしてチャットを確認する。するとすぐにある人物からコメントが来た。送り主は『sayo』という人物だ。本命っぽいけど意外と違うこと多いんだよなこういうニックネームって。

 

『こんばんはJOKERさん。』

『こんばんは。』

『早速なんですがこれからミッションに向かいませんか?実は極熱龍ミッションに苦戦してまして…。』

 

『わかりました。装備を整えますので少し待っててください。』

 

 因みにJOKERというのは俺のプレイヤーネームだ。そしてsayoさんとは都合が合うときによくミッションに行くほど仲がいい……と俺は思っている。

 

『準備ができました。行きましょう。』

『はい、よろしくお願いします。』

 

 このあと俺たちは極熱龍ことマグマドラゴンを討伐しにミッションに向かった。ついでに言うとマグマドラゴンはかなり難易度の高いミッションで2人で討伐するというのはかなり骨が折れるものだった。たまたまマグマエリアに対応策出来る氷点下装備を持っていたから良かったものの来れなかったら2人ともアウトだったな。実は俺のプレイヤー仲間が後2人いるんだが今度からこの人たちも呼ぶことにしよう。

 

「ねーねー。遼~?」

 

 クエストがおわると風呂から上がっていたモカが話しかけてきた。

 

「出てたのか?じゃあ俺も入るか。」

「いいお湯だったよ~」

 

 モカにコーヒー牛乳を作ってやり俺はそのまま風呂に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

 

 

「ふう~。遼の作るコーヒー牛乳は美味しいな~。」

 

 あたしは椅子に座りながらコーヒー牛乳を飲んでいた。やっぱりお風呂上がりはコーヒー牛乳だよね~。

 

「………うん~?これって…。」

 

 遼のパソコンの近くにある写真立てをみた。そこには昔のあたしと遼が写っている写真があった。

 

「おお~。懐かし~。」

 

 それはどこかの遊園地で撮った写真だった。あたしの家族と遼の家族で遊びに行った時に撮って貰ったんだよね~。

 

 

 

「このときの遼、お化け屋敷に入ったら凄く泣いて出てきちゃったもんね~。」

 

 

 

 そう、昔の遼は怖がりで泣き虫で…あたしたちの中でも弟みたいな感じだった。お化けとかそういうもの大の苦手だったしね~。それが今ではあんなに成長しちゃうんだから~。人がどうなるかってわからないよね~。

 

 

 

「蘭も今ではツンデレになっちゃうしトモちんも男勝りだし~。みんな変わって行っちゃうんだな~。」

 

 

 

 それでもあたしはそんなみんなが大切だし好き。例えどれだけ変わっても6人で一緒にいたい。でもきっと…みんな結婚とかしてバラバラになっちゃうかも知れない。だとしても…

 

 

 

「あーいい湯だったー…。ってモカ?どうした?」

 

 

 

 あたしが思いに更けていると遼がお風呂から上がってきた為、慌てて写真立てを元の位置に戻した。

 

 

 

「ううん~。何でもないよ~?」

「?…ならいいんだが…何か悩みがあるなら言ってくれよ?」

「じゃあその時は相談するね~。」

 

 そういうと遼はドライヤーで髪の毛を乾かしていた。やっぱり私は大好きなんだなあ…。Afterglowのみんなも……遼も…。

 

「モカ、お前も髪乾かせよ。風邪ひくぞ?」

「うん~。じゃあ遼乾かして~。」

「お前女の子なんだから髪くらい自分で乾かせよ…。」

「でも遼乾かすの上手いじゃん?」

「後で髪の毛ボサボサになったとか文句言っても責任とらんぞ?」

 

 そういいながらもあたしの髪を丁寧に扱って乾かしてくれた。ホント口ではめんどくさそうに言うけど何だかんだで面倒見がいいんだよね遼は。

 

 

 

 

 

 あたしは多分…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな遼だから…

 

 

「ほら終わったぞ?」

「あっ…。……おお~。ありがと~。」

「まあ慣れたからな~。」

「…………あのさ遼…。」

 

 あたしが呼び止めると遼はこっちを向いた。

 

「………いつもありがとうね~。」

「?、俺何かしたか?」

「あ~その~…なんか言いたくなっただけ~。」

「……変なやつだな。」

 

 ………言えなかったね。でも今はこれで良かったと思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今はまだ……このままでいたいと思っているあたしがいたから…。

 

 

「で、モカ?これからどうするよ?」

「ん~…。じゃあゲームする~?」

 

 とりあえず今は…このお泊まり会を精一杯楽しみますか~。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

 

「っと…もうこんな時間か。」

 

 

 

 その後俺たちはゲームで遊んでいたのだが楽しい時間はあっという間に過ぎ時間は23時になった。

 

 

 

「ちょっと待ってろ。居間に布団敷いておくからその間に歯磨きとかして寝る準備しとけ。」

「遼はどこで寝るの~?」

「俺は自分の部屋の布団で寝るから。」

「じゃあさ~あたしも遼と一緒に寝たいな~。」

「は?」

 

 いや待って?

 

「モカ?お前何言ってるんだ?」

「うーん…遼と一緒の布団で寝たいって言ったんだよ~?」

 

 …………こいつは一体何を考えてるんだ?

 

「いや、狭いだろ?」

「でもさ~新しい布団出すよりはさ~遼の部屋の布団1つ出した方がいいんじゃない~?」

「あのな…。」

 

 とりあえずその後数分間話した結果、居間に布団を2つ並べることで話が成立した。……まあ1つの布団に2人が入るのは無理があるからな。

 

「さて、布団も敷いたしそろそろ寝るか。」

「わかった~。」

 

 そう言ってモカは布団に入り、俺は電気を消してから布団に入った。

 

「すー…すー…。」

 

 隣からモカの寝息が聞こえてきた。寝るの早いな。とりあえず俺もさっさと寝ないと。明日も学校だし朝夕ご飯も作らなきゃいけないし。

 

「遼~。」

 

 恐らく寝言だろうがモカが俺の名前を呟いた。

 

「これからも一緒にいよ~。ずっと一緒に…。」

 

 そう言うとまた寝息に戻った。

 

「ずっと一緒にか…。」

 

 そして次の瞬間、背中に何かあたったような感覚に襲われて後ろを振り向いた。するとさっきまで隣の布団にいたモカがこっちに来て抱きついているのだ。その為意識はしてないが見事に女の子特有のあれが背中に当たっている。…………マジやばくね?

 

「モカ…お前起きてるだろ。」

「すーすー…遼ー…。」

「いや、寝てるのかよ。」

 

 だとするとどんだけ寝相悪いんだこいつは。

 

「遼~…。」

「………もう知らん。」

 

 そのまま俺も夢の中に落ちていった。とりあえず明日も早いからな。ここは余計なことは考えないことにしよう。しっかり寝ないと今日の疲れがとれないからな。

 

「大好き…。ずっと一緒にいようね~。」

 

 眠りに落ちる前に何か聞こえた気がしたがよく聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 因みになんだがその夜、夢にモカが出てきてなんかよくわからん夢見てしまったのはここだけの話。一応断っておくが決してやましい夢ではなかったからな!………多分。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、これにてお泊まり編終了です!
雑とか言わないで!これでも結構シチュエーション悩んだんだから!
それはそうとGW…バイトだらけで全く休んでる暇が無い…。

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弦巻さんちのアブナイ社会科見学


初の連日投稿。そして圧倒的ギャグ回です!
因みに今回はガルパピココミック読んでる人ならより楽しめると思います(読んでない方でも楽しめるようになってます)。

卵をレンジでチンするやつなんておらんやろ←爆発します。

あ、この間キズカナ宅のレンジが壊れました。




 

 

 皆さんは社会科見学と言うものをご存知だろうか?

 

 社会科見学とは

 知識や経験を広げるために、個人や団体で工場施設・旧跡等を見学(体験)する行為、または行事のことである。(W○k○調べ)

 

 

 何でこんなこと聞くのかって?結論から言うとどういう訳かハロハピのメンバーがうちのコンビニでバイト(というより社会科見学)を今やっているのだが…。

 

 

「ねえ遼!ポテトはこのくらいでいいかしら?」

「いやどう見てもおかしいだろ!器の大きさに入らないポテトを入れるな!」

「だって量が多い方が幸せでしょ!」

「お前このコンビニ赤字にする気か!?」

「ねーねー良かったらさ、ここではぐみの家のコロッケ一緒に売ってみたら?」

「おいこら。しれっと自分の店の売り物持ってくるな。」

「レーソンと北沢精肉店のコラボレーションならいいかな?」

「ダメに決まってんだろうが!」

「よく来てくれたね子猫ちゃん…ここでの出会いはまさに必然的…」

「おいそこレジでナンパするな!」

 

 

 

 何故こうなったのか…。

 

 

 

 それを知るために時間を少し遡ろう。

 

 

 

 

 

 

「今日バイトだね~。」

「今日リサさんいないからお前しっかり働けよ?」

「あいあいさ~。」

 

 学校が終わり俺とモカはいつも通りコンビニにバイトに向かい、到着すると各自着替えを終えてレジに向かう。

 

 

 

 

 

 ここまでは良かった。

 しかし…

 

 

「あら?遼とモカじゃない!」

 

 何故かハロパピの皆さん(こいつら)がいた。

 

「あ、遼…。やっと来た…。」

 

 奥から既に窶れてる美咲が出てきた。…………うん何があった。

 

「と…とりあえず落ち着いて聞いてね…?」

 

 今度は松原さんが出てきて俺たちに一連の流れを説明してくれた。

 事の発端ははぐみ家のお店の手伝いをしたことから始まったらしい。それでそのまま今度は松原さんのバイト先であるファーストフード店で働き、その次のお手伝い場所(ターゲット)として狙われたのがここだとかなんだとか。

 

「いやおかしいだろ!」

 

 話を聞いた俺はとりあえず店長を探す。店長も店長で何考えてんだ!

 

「あーそれなんだけど…店長さんも被害者みたいなものなんだよ。」

「え?」

 

 美咲の話によると店長も最初は「それは困りますお客様。」と拒否していたみたいだが、黒服の連中が何かをしでかした為、承諾せざるを得ないことになったとか。いや、それ多分権力の暴力だろ!?と思いながら外を見ると黒服のやつらがグッと親指を立てていた。いやグッじゃないよ。流石権力者、思考が汚い。

 

「申し訳無いんだけどさ今回だけなんとかあの3人が何かしでかさないように手伝ってもらっていいかな?」

「………こうなったら仕方ないのか…?」

 

 ここから今日の何時もと違うアルバイト(地獄)が始まった。

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

 

 

 それからというものの……

 

「そうだ!このコンビニにゲームコーナーをつけたらどうかしら?そうしたらお客さんももっとくるんじゃないかしら?」

「バカを言うな。そもそもコンビニを魔改造しようと……っておいそこの黒服(不審者)どもも行動しようとするな!」

 

 

 とか…

 

 

「よく来たね子猫ちゃん、君たちの為なら私はどんな苦労も惜しまない。だから遠慮なく君たちが求めるものを言ってくれたまえ。」

「客引きしてくれるのはありがたいんだがその後の仕事をしてくれ。」

「かのシェイクスピアは言っていた『出会いとは必然、ならば今はそれを楽しむべき』と」

「楽しむならその前にこの苦労をどうにかしてください!」

 

 

 

 とか…

 

 

 

「ねえねえ!この肉まんにコロッケを入れてみたらどうかな?」

「おお~コロッケまんか~美味しそ~。」

「そうかもしれんが勝手にメニューを追加するな。」

「あら?どうしたの?」

「こころん!はぐみ、コロッケと肉まんを合わせたメニューを思い付いたんだけど美味しそうじゃない?」

「あらいいじゃない!さっそく作りましょう!」

「いやだから勝手にメニュー増やす「こころ様、はぐみ様、こちらがコロッケまんになります。」おいこら黒服!勝手なことすんじゃねえ!」

 

 こんなことが山ほどありマジでいつもの5倍は疲れたのだ。しかも後処理を俺と美咲の二人でやるはめに。

 

 

「美咲ちゃん、遼くん、飲み物持ってきたよ。」

「ありがとう花音さん。」

「恩にきります。」

 

 松原さんが持ってきてくれたジュースを二人で飲みやっと落ち着くことが出来た。因みにレジの方は今はモカに入ってもらっている。

 

「ごめんね遼。巻き込んじゃって。」

「まあな…。でも気にすんな。旅は道連れ世は情けって言うからな。」

「ホントこころの行動力って恐ろしいよね…。」

「というか黒服の連中が何でも叶えちゃうのが達が悪いと言うかなんと言うか。」

 

 というか黒服の連中っていつもこころの発言を先回りして叶えちゃうけどなんなのあいつら。お願い叶える速さだけなら某ネコ型ロボットもビックリするレベルだろ。

 

「それにしてもあいつらをいつも纏めてるってお前なかなか凄いよな…。」

「まあ最初はあたしも巻き込まれてしぶしぶ…って感じだったんだけどね。なんか長く付き合ってると慣れちゃって。」

「わかるなその気持ち。俺も小さい頃は女の子相手に付き合いが難しいとか思ってたことあるがあいつらとは長く付き合ってるとそんなことも感じなくなっちゃうからな。」

「そうなんだ。」

「まあ、今となっては大切な幼なじみ達だからな。ずっと一緒いることは無理かも知れないがどれだけ離れてもきっと俺たちの繋がりは無くならないと思ってる。美咲もそうだろ?」

「まあそうだね。なんだかんだ言ってもハロハピはあたしにとって大切な存在だし。」

「それは良いことだ。」

「遼~。」

 

 美咲と話しているとモカが入ってきて背中に乗っかかってきた。

 

「あのな、毎回毎回乗るなって……お前レジは?」

「花音さんに任せて来た~。あたしは少し水分補給に~。」

「安心して良いのか心配した方が良いのか…。」

「そういえば、遼と青葉さんって距離近いと言うか……かなり仲良いよね。」

「そりゃあね~この間二人で一夜を明かした仲ですから~。」

「……え?」

 

 モカの言葉を聞いて美咲は固まってしまった。うん、そりゃ固まるわ。だってこいつ(モカ)が誤解招くようなこと言うから。

 

「美咲、お前が何を想像してるのかは知らないけど普通にこいつが俺の家に泊まりに来ただけの話だからな?」

「あ…そうだよね。」

「も~遼ったら男女が屋根の下で一緒にいたのにね~。」

「お前は歳を考えろ。後、そう言うことは恋人に言ってろ。」

「……………遼のバカ

「え?なんて?」

「もういいも~ん」

 

 そう言ってモカはレジに戻って行った。……結局あいつ飲み物飲んでないけど何しに来たんだ?

 

「遼ってさ結構自分関連だと鈍感だよね。」

「そうなのか?」

「そうだと思うよ?意外なところから思われてるのにそれにも気づいて無いし。」

「え?」

「後さ…聞きたいんだけどさ、遼は青葉さんのことどう思ってるの?」

「どう思ってるって…そりゃ大切な幼なじみだと思ってるよ。」

「………それだけ?」

 

 美咲は俺の目を覗きこむように聞いてくる。

 

「ああ…。そうだが…。」

「…そっか。ごめんね?変なこと聞いて。」

「いや、大丈夫だ。」

 

 そう言うと二人とも飲み物をその場で飲んだ。

 

 

 

 そして…

 

「美咲ちゃん、遼くん、ちょっといいかな…?」

 

 松原さんが呼びに来た。一体何が…。

 

「あら?卵が砕けちゃったわね?」

「おい、何があった。」

「あ、聞いてよりーくん!お客さんのためにね、ゆで卵暖めてたんだけど何でか砕けちゃったんだ。」

「きっと卵は恥ずかしさのあまりに思いを留めきれなかったんだろうね。」

「遼~一応あたしは止めたよ~?」

 

 レンジを見ると見事に中で卵が爆発していた。

 

「お前らな…卵をレンジで暖めるやつがあるか!」

「でもゆで卵食べるなら暖かい方がいいじゃない!」

「いや見ろよこれ!そこの方に書いてるだろ!『卵熱するな』って!」

「なるほど。芸術は爆発とはこのことだったのか…儚い。」

「儚くないからな!?お前ら揃いに揃って何してるんだよ!後モカ、止めてくれたのはいいんだけどちゃんと理由説明したのか?」

「それがね~しようとしたらもう暖めてたんだ~。」

「とりあえずそこの3バカはこっちにこい!コンビニの基礎の基礎から叩き込んでやる!」

 

 とりあえず俺は残りの時間でこの3バカにコンビニで働くためのいろはを教えまくった。……とりあえずマジで卵をレンジでチンして爆発させるのは止めろ。後片付けが面倒だから。その間レジの方はモカと美咲と松原さんがどうにかしてくれたお陰で助かった。

 

 

 

 

 

 

 こうしてハロハピによる嵐どころが津波と地震を纏めて呼んだかのようなトンデモ社会科見学は幕を閉じた。帰り際に美咲と松原さんが全力で謝罪してた。

 

 

 それと余談なのだが黒服により(勝手に)新商品になったコロッケまんが何故か人気ですぐに完売になった。俺も気になったから買って食べたが意外と旨いので地味になんとも言えない気分になったのはここだけの話だ。

 

 

 





えー…ギャグ回に今後の伏線となるかも知れないシーンを置いていくのって僕くらいだよね。

なんとこの作品が日間ランキングで1日だけ98位に乗ることが出来ました!皆さんありがとうございます!そして今後ともよろしくお願いします!

新しく☆9評価をくださったシュークリームは至高の存在さんありがとうございました!

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日常編 夕焼けバレンタイン


いい感じの甘さを目指しました。




 

2月14日

 

 

この日に何があるか皆さんはご存知だろうか?

 

 

 

 

 

そう、バレンタインデーだ。

 

 

リア充やイケメン君はチョコを貰えるという1日で非リアや普通の人はそうでもない1日であるだろう。

 

 

最近は恋人チョコよりも女子同士で送り合う友チョコの方が流通してるので年々男子とは縁のないイベントとなっている。

まあ元々チョコレート会社の陰謀により出来た習慣みたいらしいし、外国では男性が日頃の感謝の印として贈り物をする人もいるのだからどうのこうの言うつもりはないのだが。

 

ぶっちゃけ友チョコくらいならあいつら知らないうちに用意するし。とりあえず断っておくが友人への贈り物感覚なので特に深い意味はないのであしからず。

 

 

とにかく今日も俺はバレンタインとか関係無しにいつも通りの日々を送る、以上。

 

 

 

 

 

なんだが…

 

 

「〇〇く-ん!私のチョコ受け取って-!」

「ちょっと!私が先にいたのに抜けがけしないでよ!」

「私のも私のも!」

「そんなことよりおうどん食べたい。」

 

この教室の入り口を塞ぐような人混みはどうにかならんのか。

 

「遼、おはよう。」

 

「おお。匡おはよう。」

 

「なんか凄いことになってるね教室…。」

 

「どうやって入るよこれ。」

 

うちのクラスにいるイケメン坊っちゃん目当てに教室前に群がる女子たち。俺たちは入口の隙間から入りなんとか席につく。

 

「そういえば今日香澄と朝あってさ、チョコ貰ったんだけど。」

 

「良かったじゃん。」 

 

「後、紗綾もチョコパンくれたし。有咲もチョコくれたし。りみとたえは夕方蔵来た時に渡すって言ってたし。」

 

「愛されてるなお前。」

 

「多分義理かもしれないけど。そういえば遼、今日は皆と一緒じゃないの?」

 

「ああ。なんか『後から行くから先行ってて』って。」

 

「もしかしてバレンタインかな?」

 

「知らん。」

 

「それにしてもあそこの…田中君だっけ?凄い人気だよね。」

 

「そりゃイケメン御曹司なんて狙わない奴はいないだろ。」

 

教室の入り口前の席にいる田中はかなりのイケメンで家も『田中財閥』といった有名グループでその御曹司だとか。まあ、財閥といっても弦巻こころの家にはかなわないだろうが。

 

「そういえばたくさん貰って『困ったな~』といっておいて全然そんなこと思ってない人って漫画とかでよく見るよね。」

 

「いるな。」

 

「ああいう人って基本的に言ってることと思ってること逆なのかな?」

 

「わからんぞ。本気でどうしようか悩んでる奴もいるかもしれん。」

 

「やあ、君たち来てたのか?」

 

そこに話の元になってた田中がやって来た。まあ、俺たちと田中は仲が悪い訳でもないし、田中も気さくな奴の為誰とでも分け隔てなく近くの人に声をかけるタイプだからな。

 

「そういや田中、お前さっきから『困ったな~』って言ってるけどどうした?チョコのことか?」

 

「いや~。本当に困ってるんだよ。どうせなら君たちにもこのチョコを分けてあげたいと思ってるくらいだよ。」

 

「それは皮肉か?」

 

「えっ?何で?欲しかったのかい?」

 

「今俺たちの中でお前の好感度は死んだぞ。」

 

「えっ?何故だい?僕は何か悪いことでも?」

 

「とりあえずお前がバカだということは言える。まあ俺たち相手だからまだ良いけど俺たち以外に言ってるとそのうち後ろから刺されるぞ。」

 

そういうと田中はなんのことかわからない顔をしながらどっか行ったがもう知らん。俺は忠告はしといたからな。

 

「あ、すまん。ああいう例外もあったわ。」

 

「凄い満面の笑みだったね。」

 

「あいつそのうち誰かから恨み買うぞ。」

 

「だよね…。」

 

「あいつ見てるとまだ瀬田先輩の方がぶっ飛んでるぶん相手しやすいんだけどな。」

 

「何で?」

 

「中途半端にボケられるよりもぶっ飛んどいてくれた方がはっきりとものが言えるから。」

 

「というか遼って慣れた相手になると以外とズバズバ言うよね。」

 

「仕方ないだろ俺はそういう性格なんだし。」

 

「遼~。やっほ~。」

 

突如後ろからもたれ掛かってくるモカ。いや、だから全体重かけてくるのやめてくれないかな?ちょっとキt「ん~?」だから地の文を平気で読むなよ。

 

「青葉さん…相変わらずだね。」

 

「そりゃ遼とモカちゃんの仲ですから~。」

 

「というかお前鞄持ったままのっかかってるだろ!?とりあえず鞄おろせ!原因それだ多分!」

 

「モカちゃんが重いって言うの~?」

 

「鞄の方だって言ってるんですが!?」

 

「おーい。モカ、その辺にしといてやれよ。」

 

巴の制止によりモカは俺から降りる。そして俺の元に蘭、つぐみ、ひまりもやって来た。

 

「ありがとな巴。……あれ?匡は?」

 

「匡くんなら『ちょっとお手洗いに』って言って席はずしたよ?」

 

「あいつ教室入ってくる前にトイレ行ってたよな?」

 

「とりあえず…ほら。これはアタシからだ。」

 

巴から赤いラッピングが施された箱を渡された。

 

「今日バレンタインだろ?あこと一緒に作ったんだけど…ちょっと焦げちゃってな…。」

 

「いや、十分嬉しいぞ。ありがとう。」

 

「トモち~ん。アタシのは~?」

 

「モカの分もあるよ。ほら。」

 

「おお~。ありがたや~。」

 

「私からもあるよ~。ほら!」

 

ひまりはピンクの可愛らしい袋に入っているものを渡して来た。

 

「お手製の生チョコだよ!遼甘いもの好きだから今年はミルクチョコにしてみたんだ。」

 

「おお、そりゃ楽しみだ。ありがとう。」

 

「じゃあ私からも、はい!」

 

つぐみが渡して来たのはひまわりの柄が入った透明な袋だった。そしてその中にはかなり出来のいいクッキーが何枚か入っていた。

 

「凄いな。まるで店で売ってるような完成度だな。」

 

「そうかな?」

 

「ああ、大切に食べさせてもらうよ。ありがとう。」

 

「・・・・・・」

 

「どうした蘭。」

 

「ほら…これ。」

 

蘭が渡して来たのは赤い包装紙に巻かれた。箱だった。でもそこに貼ってあるシールや巻き方からして市販のものではないらしい。

 

「……あんまり美味しくないかもだけど。」

 

蘭が顔を赤くしながら呟いた。そして俺はそれを受け取った。

 

「ありがとうな蘭。その気持ちだけでも凄く嬉しいよ。」

 

「~っ!私自分の教室帰ってるから…。」

 

そう言って蘭は俺たちの教室を後にした。…顔をタコのように真っ赤にしながら。

 

「どうしたんだ蘭?」

 

「遼~?」

 

「ん…………どうしたよモカ。」

 

振り向くとジト目でこっちを見ているモカがいた。

 

「遼の女たらし…。」

 

「ヴェ!?」

 

いや、女たらしってなんのこっちゃ。

 

「もうモカちゃんのあげないからね~。」

 

ど う し て そ う な っ た ! ?

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

それから授業を普通に受けて放課後に。今日は皆から貰ったチョコがあるため真っ先に帰ろうと思ったその時、鞄の中に1通の手紙が入っていた。そこには『放課後に屋上来てね~。』とだけかかれていてその言葉の通りに屋上に向かうことに。大体こういうのってチンピラが勝手な因縁つけて金を巻き上げようとする展開があるが今回はそうではないと確信できる。なぜなら…

 

「やほ~。」

 

送り主がこいつ(青葉モカ)だからだ。

 

「なんのようだ?というか蘭たちはどうしたよ?」

 

「蘭たちは先に帰って貰ったよ~。それに~まだモカちゃんは用事が終わってないし~。」

 

「用って何なんだ?」

 

そう言うとモカは1つの袋を渡してきた。

 

「ありがとう…。」

 

「それで~その袋あけてみて~。」

 

俺は言われた通りに袋をあけた。そこには1つのチョココロネが入っていた。だがいつものやまぶきベーカリーのものとは違う。ところどころ形がいびつな為モカの手作りであると思われる。だがそんなことはどうでもいい。正直俺はかなり感動している。

 

「食べてもいいか?」

 

「モチのロン~。」

 

本人の許可がおり、俺はチョココロネにありつく。正直甘い。チョコをパンにも混ぜてる為だろう。だが不思議と嫌ではなかった。すんなりと口に入り一口、また一口と味わってると気づいたら完食していた。

 

「モカらしい味だな…。」

 

「ん~?どうしたの~?というかいい食べっぷりだったね~。」

 

「ああ。結構悪くなかったな。」

 

「そりゃそうでしょ~。さーやにも協力して貰ったんだから~。」

 

「まさかやまぶきベーカリーに自らパンを作りに行ったのか?」

 

「そりゃあ作るなら美味しいもの作りたいからね~。」

 

「本当、パンに対する情熱凄いよな。」

 

そのままモカは「遼が美味しそうに食べてるの見たらアタシもお腹すいちゃった~。」といい何処から取り出したかチョココロネを食べ始めた。

のだが…

 

「ん~。」

 

チョココロネの一部分をちぎり俺に渡してきた。食べろと言うことなのか?と思い素直にそれを受けとる。

 

「遼~?」

 

「なんだ?」

 

「夕焼けが綺麗だね~。」

 

「…そうだな。」

 

 

その言葉の意味は偶然かどこかで聞いたような言葉のようだった。

 

 

 

だが、今の俺はその言葉の本当の意味に気付くことはなかった。

 

 

 

 

 

 





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